★阿修羅♪ > WUN2WklXQ0Fya0k= > 100003
 
g検索 WUN2WklXQ0Fya0k=  
 前へ
WUN2WklXQ0Fya0k= コメント履歴 No: 100003
http://www.asyura2.com/acat/w/wu/wun/WUN2WklXQ0Fya0k=/100003.html
[原発・フッ素47] 政府は人口統計を改ざん、人口急減を隠している  魑魅魍魎男
84. 2023年9月15日 15:05:17 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-28]
<■73行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
正論
国守る異次元の人的基盤強化を 麗澤大学特別教授、元空将 織田邦男
2023/9/14 8:00
https://www.sankei.com/article/20230914-3XX63EKAXZITJHCJNOU3YYF4TM/
2023年8月29日に厚生労働省が公表した人口動態統計速報によると、2023年上半期の出生数は37万1052人(前年同期比3.6%減)で、2年連続40万人を割った。
通年でも2022年同様80万人を割ることが確実である。
我が国を取り巻く厳しい安全保障環境下にあって、少子化の進行は深刻な問題であり、まさに「静かなる有事」である。
■人材は防衛力支える中核
人材は装備品と共に防衛力を支える中核である。
今後、無人化、省人化、AI活用などが更に進むであろう。
だが限界がある。
頭数が必要な作戦は依然残る。
災害派遣などはその典型だ。
2022年度、任期制隊員の自衛官候補生(18〜32歳対象)の採用について約9000人の採用計画に対し、入隊者は半数にも満たなかった。
任期制隊員は現場を支え、戦闘力の基盤をなす。
2〜3年の期間限定で自衛隊に入隊し、任期が満了すると継続任用を希望しなければ退職して市民に戻る。
少子化は今後益々加速し、自衛官募集は悪化の一途を辿る。
自衛隊の戦力基盤が今、崩壊しつつある。
2022年暮れ、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書が閣議決定された。
この中でも、少子化の危機感が共有されており、
「人的基盤強化」
が謳われた。
防衛省は大臣の諮問機関として
「防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会」
を設け、2023年7月、報告書が提出された。
今後検討すべき人材確保策として、待遇改善、勤務環境の向上、採用方法の見直し、民間の高度人材の登用などが挙げられた。
全て重要であり、完全施策化が期待される。
だが、これらは弥縫策に過ぎず、今後の少子化の猛威には対応できていない。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2020年に約7500万人だった生産年齢人口(15〜64歳)は、2043年には約6000万人を下回り、2062年には約5000万人を割るという。
凄まじい少子化の到来であり、深刻な人手不足を迎えるのは確実だ。
官庁や民間の間で熾烈な人材獲得競争が過熱するだろう。
パイが縮小していく中、パイを奪い合っても所詮、全体で最適にはならない。
従来の発想では、やがて国の防衛は立ちいかなくなる。
防衛、警察、消防、海保
そこで提案である。
命を懸けて国家、国民に奉仕する者、あるいは業務の性質上、一定の危難に身を晒さなければならない法的義務がある者(以下「特別義務者」)、つまり防衛、警察、消防、海保などの人材については一括管理し、有効活用してはどうか。
国家公務員と地方公務員の制度上の問題は、ここでは措く。
防衛、治安、火災・救急といったサービスは国民に不可欠なものである。
それぞれ求められる専門知識や職務内容は異なるが、職務遂行に当たって厳格な規律や高い使命感、倫理観が求められるところは共通している。
ならば特別義務者を目指す若者は最初に自衛隊に入隊し、任期制隊員として教育、訓練を受け、2年後にそれぞれ、警察、消防に移ることを制度化してはどうか。
自衛官は若年定年制が採用されているように、特に若さが求められる。
警察や消防は、自衛隊で2年間鍛えられた即戦力の人材を受け入れることになる。
身体を鍛え、規律を学ぶといった基礎的教育を施す手間が省け、専門的知見を教育するだけで立派な警察官や消防官が確保できる。
海上保安官要員もまず海上自衛隊で訓練を受ければ、同じ効果が期待できる。
■セクショナリズム排し
自衛隊としては、戦力基盤たる若年隊員の充足率が向上し、精強化が図られる。
また自衛官を経験した警察官、消防官、海上保安官はいざという時の予備戦力になり、総合戦力強化が図られる。
加えて自衛官から警察官、消防官、海上保安官への転職が制度化されれば、任期制隊員の再就職の選択肢が広がり、自衛官の処遇改善に繋がる。
人事管理上も、適切な人的ピラミッドの構築に資する。
特別義務者という国家の「宝」の人材有効活用策であり、検討に値すると考える。
ただ、セクショナリズムに凝り固まった組織からは、猛反対が出ることが予想される。
軍事アレルギーに染まった朝野からは反発が出るだろう。
できない理屈を考えるのは、官僚の得意技である。
だが、最早そんな悠長なことが許される状況ではない。
異次元とも言える人的基盤強化策が求められている。
国家の死生存亡がかかっているのだ。
政治の強いリーダーシップの出番である。
少子化の深刻さは、ほとんどの日本人が自覚している。
だが、どこか他人事だ。
比較的はっきりしている将来を分かっていながらズルズルと状況に流され、遂には手遅れになって破綻を来すというお馴染みのパターン、つまり大東亜戦争に引きずり込まれていったパターンを再び繰り返すのか。
それとも縦割りを排する異次元の改革を断行して、厳しい安全保障環境に立ち向かうのか。
残された時間は多くない。

http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/799.html#c84
[政治・選挙・NHK291] 内閣改造最大のミステリーは林芳正氏の外相退任「岸田派の後継者として育成へ」角谷浩一氏が分析(日刊スポーツ) 赤かぶ
38. 2023年9月16日 07:40:58 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-27]
<■193行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
玉城氏が人権理へ 国益を害する言動やめよ
2023/9/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20230916-BD3XJLT52FIWJHCDZM2SSZE6WQ/
沖縄県の玉城デニー知事が記者会見で、国連の人権理事会に出席して、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対表明することを明らかにした。
スイス・ジュネーブで2023年9月18日から開かれる人権理の会議で、国の方針を完全に否定するスピーチを行うことを意味する。
辺野古移設は日米両国が交わした重い約束事だ。
米軍基地を国内のどこに置くかは、国の専権事項である安全保障政策に属する。
憲法は地方自治体や首長に安保政策や外交上の合意を覆す権限を与えていない。
米軍基地は日米同盟の抑止力を形成する重要要素だ。
知事がその配置に、国際機関の場で異論を唱えるのは、県民を含む日本国民の安全という国益を損なう。
中国など外国勢力の不当な介入を招く恐れもある。
玉城氏は人権理を利用する反対表明をやめるべきだ。
最高裁は2023年9月4日、国が申請した辺野古移設工事の設計変更を県が不承認とした処分を巡る訴訟で、県の主張を退ける判決を下した。
県の敗訴が確定して玉城氏は国の申請を承認する義務を負ったが、未だに承認していない。
義務を果たさず人権理の会議に出席し、最高裁判決を蔑ろにする内容の意見表明をするのは司法軽視も甚だしい。
言語道断である。
翁長雄志前知事も2015(平成27)年に人権理で辺野古移設反対を訴え、
「沖縄の人々は自己決定権や人権を蔑ろにされている」
などと、日本を貶める演説をした。
だが、辺野古移設ができなければ、市街地中心部にある普天間飛行場の危険性を除けない。
中国に尖閣諸島(沖縄県)が脅かされ、台湾有事の危険も高まっているのに、日米同盟の抑止力を確たるものにできない。
玉城氏は翁長氏の轍を踏んではならない。
玉城氏の言動は、現実の脅威である中国政府の思う壺である点も忘れてはなるまい。
玉城氏が2023年7月に訪中した際、中国政府は序列2位の李強首相が面談するなど異例の厚遇を示した。
中国政府に沖縄への影響力を強めたり、国と県を分断したりする思惑があってもおかしくない。
それを防ぎ、県民を含む日本国民に安心を与えるのが自衛隊と在沖米軍の存在だ。
玉城氏は肝に銘じるべきである。

玉城デニー沖縄知事、国連人権理出席へ 辺野古など政府方針に反対訴え
2023/9/8 12:10
https://www.sankei.com/article/20230908-2YQQT3Y2OROTZJ2XCK4HV6RPSY/
沖縄県の玉城デニー知事は2023年9月8日の記者会見で、2023年9月後半にスイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会に出席すると発表した。
米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画の反対を訴えるなど、政府方針と異なるスピーチを行う。
移設計画をめぐっては2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定したばかりで、玉城氏の言動は物議をかもしそうだ。
玉城氏は会見で、国連出席の目的について
「辺野古新基地建設に反対する理由や基地から派生する諸問題の解決の必要性などを幅広く発信する」
と述べた。
2023年9月17日に出国し、2023年9月18〜21日に人権理事会本会議場で開かれる複数の会議に参加、発言する方向で調整している。
また、現地で米軍基地の人権問題などをテーマにした講演会を行い、2023年9月23日に帰国するとしている。
辺野古移設計画では、埋め立て工事の設計変更申請を承認するよう国が県に是正指示を出したことに対する訴訟で、最高裁が2023年9月4日に県側の上告を棄却し、県の敗訴が確定している。
2023年9月8日の会見で記者から
「最高裁判決と矛盾するのではないか」
との質問が出たが、玉城氏は
「県の正当性は引き続き主張できると考えている」
と述べた。
一方、最高裁判決を受けて設計変更を承認するかどうかは、
「今後の対応を検討している」
と述べるにとどめた。
人権理事会には各国の人権機関やNGOが意見表明する会議があり、玉城氏は今回、日本のNGOの発言枠を使ってスピーチする。
2015年にも翁長雄志前知事が人権理事会でスピーチし、基地問題を巡る日本政府の対応を厳しく批判して物議をかもした。
今回の玉城氏の国連出席については賛否両論があり、自民党沖縄県連は2023年9月6日、玉城氏に
「国内法秩序を蔑ろにしかねない言動は厳に慎んでほしい」
と申し入れていた。

主張
沖縄県の敗訴確定 知事は辺野古移設協力を
2023/9/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20230905-PDULABU5XFIK5MZBQGUKJJ4UVE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、工事に反対する県が国の是正指示を違法と訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁が県側の上告を棄却した。
県の敗訴が確定したことになる。
玉城デニー知事は判決後、
「極めて残念」

「深く憂慮せざるを得ません」
とし、判決内容を踏まえて今後の対応を検討するとコメントした。
国に対しては
「県民の意思に沿うよう判断してもらいたい」
と語った。
辺野古移設の断念を求めていることになる。
これはおかしい。
法治国家の首長として玉城氏が取るべきは、司法の最終判断を受け入れ、国の工事設計変更への承認を表明することである。
辺野古沿岸部の埋め立て工事海域に軟弱地盤が見つかり、防衛省が地盤改良に伴う設計変更を県に申請した。
だが、県は承認せず、国の是正指示にも従わずに提訴した。
今回の最高裁の判決で、玉城氏は設計変更の申請を承認する
「法的義務」
を負った。
その義務を速やかに果たすべきだ。
玉城氏を支持する革新系団体からは、県が別の理由を付け再び
「不承認」
とするよう求める声が出ているが言語道断だ。
法治国家の基本ルールを逸脱してはならない。
設計変更を承認せず、3年以上も工事を遅らせた責任は県にある。
1996(平成8)年に移設を条件とする普天間飛行場の全面返還で日米が合意してから27年が経つ。
近年は県と国の泥沼の裁判闘争が続き、判決に至ったケースではいずれも県が敗訴した。
いい加減にしてほしい。
普天間飛行場は市街地に囲まれている。
辺野古への移設は、普天間飛行場周辺に暮らす県民の安全を図るための事業だ。
更に、中国などの増大する脅威から沖縄を含む日本を守りぬくためでもある。
返還後は、跡地の利用で県経済の活性化に繋げることも出来よう。
玉城氏は知事として何が県と県民にとって大切かを虚心坦懐「心に何の蟠りもなく,平静な態度で事に臨む・事(様)」に考え、法的義務を履行し、移設協力へ転じるべきだ。
国は移設工事を着実に進め、普天間返還を実現しなければならない。
米軍基地の多い沖縄の負担は大きい。
引き続き整理・縮小に尽力すると共に、基地と辺野古移設の重要性について丁寧な説明が必要である。

国、早期工事着手目指す 承認代執行も視野
2023/9/5 1:30
https://www.sankei.com/article/20230905-DXVCXH55JNOQ5KLESYR5SDUONM/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡る訴訟で2023年9月4日、沖縄県の敗訴が確定したことを受け、政府は未だ着手できずにいる予定地東側の埋め立て工事の早期開始を目指す。
ただ、玉城デニー知事が司法判断に従い、国が申請した工事の設計変更を承認するとは限らず、国による承認の代執行も視野に入れている。
「沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものと考えている」。
松野博一官房長官は2023年9月4日の記者会見で県側に釘を刺した。
東側の埋め立て工事は、軟弱地盤が見つかったため県が設計変更を承認する必要がある。
国は勝訴を見越し、承認後に速やかに土砂投入を始められるよう、係争中も工事の準備を進めてきた。
防衛省幹部は
「法治国家で司法の判断に従わないことはあり得ない」
と話す。
ただ、不承認処分は移設工事反対の
「切り札」
で、玉城氏が承認に転じるかは見通せない。
2018(平成30)年12月から埋め立て工事が始まった予定地南側約41ヘクタールの進捗率は2023年7月末時点で98%に達している一方、東側約111ヘクタールには未だ土砂は投入されていない。
このため、全体の進捗率は16%にとどまる。
防衛省は2019(令和元)年末の時点で埋め立て工事と飛行場建設には着手から9年3カ月かかるとの試算を示しているが、県の対応次第で移設時期は更に遅れかねない。
県は、2020(令和2)年4月に国が設計変更を申請した際も審査を1年7カ月も引き延ばし、不承認とした。
約9300億円と見積もる総工費が膨らむ可能性もある。
今後、県が引き続き承認しない場合、国は地方自治法に基づき、県の代わりに国土交通省が設計変更の申請を承認する代執行に向けた手続きに入ることが予想される。
防衛省関係者は県の対応について
「非生産的だ。沖縄自身の足を引っ張っている」
と漏らす。

辺野古移設工事巡り敗訴確定 沖縄県知事、かつてない苦境に
2023/9/4 21:34
https://www.sankei.com/article/20230904-5WTSXYC32FO7RCFQXGWOCBDHMI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡る2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定した。
移設阻止を掲げる玉城デニー知事は
「極めて残念」
とのコメントを発表したが、今後の対応については明言を避けた。
判決に従うか、反対を貫くか−。
いずれの選択も批判を免れず、玉城氏は、かつてない苦境に立たされている。
■辺野古地盤改良、県側敗訴が確定
「判決内容を踏まえ、対応を検討したい」
最高裁判決を受けて行われた2023年9月4日の知事会見。
今後の対応を問う記者の質問に、玉城氏は苦渋の表情で何度もこう繰り返した。
県はこれまで、辺野古沖の地盤改良工事に伴う国の設計変更申請を承認しなかった。
だが、最高裁判決により
「承認義務」
を負うことになる。
辺野古移設に反対する
「オール沖縄」
勢力の支持を受けて2018(平成30)年に知事となった玉城氏は、2022年の知事選でも辺野古反対を最重要事公約に掲げて再選した。
行政のトップとして最高裁判決に従わなければならないが、国の申請を承認すればオール沖縄などの反発を受けるのは必至だ。
県や県議会関係者らによれば、考えられる選択肢は3つだ。
1つは、設計変更は承認するものの、サンゴの移植などを巡る別の訴訟で反対を続ける案。
ただし、工事は阻止できず、訴訟でも県の勝訴は望み薄だ。
2つ目は、承認を拒否するか、結論を先延ばしにする案。
この場合、国が承認を代執行する手続きを取ることになるが、確定判決に従わない県への批判が噴出しそうだ。
3つ目は、今回の訴訟に関わる不承認理由とは別の理由で、再び
「不承認」
とする案。
これも単なる時間稼ぎに過ぎず、批判は免れない。
この他、承認せずに辞職し、知事選で改めて
「民意」
を問うという案も一部で囁かれている。
反対を貫くなら最も筋の通った戦術だが、県政が混乱する上、玉城氏が落選するリスクもあり、
「辞職の可能性は低いだろう」
と県議会関係者は話す。
■危険性除去は一致
「現時点で有効策は見出せない」
と県幹部。
だが、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性の除去が目的であることは国も県も同じだ。
防衛省幹部は
「判決を機に国と県が協力し合えるようになれば良いのだが」
と語る。
移設工事は2017(平成29年)4月に本格的に始まり、当初は8年で完了するとされたが、東側の海域で軟弱地盤が見つかったため工期が12年に延びた。
更に県の不承認で3年以上も遅れている。
自民党沖縄県連は2023年9月4日、
「普天間飛行場の早急な危険性除去という県民の総意を蔑ろにしてはならない」
とし、速やかな承認を求める談話を発表した。
■対話チャンネル再開を
元沖縄県副知事 上原良幸
米軍はの1日も早い全面返還を実現するには、国と県とが問題解決に向けて対話し、協力する姿勢が欠かせない。
しかし革新の太田昌秀知事時代にも保守の仲井真弘多知事時代にもあった国と県との対話チャンネルが、移設反対を掲げた翁長雄志知事の時代に裁判闘争に突入してからは途絶えてしまった。
裁判闘争では、何も解決しないということだ。
市街地に囲まれた普天間飛行場が返還されれば危険性が除去されるだけでなく、跡地利用で沖縄が大きく発展するだろう。
だが、かつては国際都市形成構想など魅力的な利用策が議論されていたのに、今は話題にすら上らなくなった。
最高裁判決をきっかけに、国と県が原点に戻ることを期待したい。
勝った負けたではなく、お互いが裁判闘争の不毛さを知り、対話のチャンネルを再開させることが大切だ。
■最高裁判決と今後のポイント
・工事を不承認とした沖縄県に対する国土交通相の是正指示は適法
・知事の工事不承認に対して国土交通相が取り消す裁決をした場合、知事が同一理由で再び承認しないのは地方自治法違反
・移設を巡り県と国が争った一連の訴訟の論点が出揃い、係属中の2件も県側勝訴は厳しい見通しに
・防衛省沖縄防衛局が申請した設計変更の内容の妥当性は判断せず

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/744.html#c38

[原発・フッ素54] 中国に禁輸された水産物、学校給食・自衛隊に提供案 「国民運動」で(なぜ子供を巻き込むか!?) 戦争とはこういう物
2. 2023年9月16日 13:31:02 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-26]
<■600行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<独自>米、日本産ホタテに中国以外の加工施設仲介
2023/9/15 18:16
https://www.sankei.com/article/20230915-5H37YXKIXJIPFPLQ26Y7Y3FNZY/
中国が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受けて日本産海産物の輸入を全面停止したことを巡り、在日米国大使館が日本の漁業者の独自支援に乗り出したことが分かった。
輸出額が多い日本産ホタテの大半が中国で加工処理後に米国へ再輸出されることを踏まえ、米食品医薬品局(FDA)の登録を受けた台湾、タイ、ベトナムの加工施設への輸出を仲介し、ここから米に再輸出するルートを構築する。
元々、日本産のホタテは中国の施設で殻剥きなどの加工をした後、米に再び輸出されるケースが多かった。
米国が2022年1年間で、中国経由で輸入した日本産ホタテは1億ドル(約147億円)超に上る。
今回、中国の全面禁輸措置に伴ってこのルートが使えなくなり、日本の漁業者の収入減が懸念されていた。
今回、米が斡旋する施設では、中国と同様にホタテの加工ができるという。
更に、対米輸出向けの食品加工を行う際に必要となるFDAの登録を受けていることから、一連の輸出手続きもスムーズとなる。
米大使館では、担当者が東北や北海道などを訪れ、漁協関係者らに3カ国・地域の施設を紹介している。
米側には、不当な禁輸措置に対抗する日米の結束を示すと共に、中国経由で輸入する日本産海産物への影響を最小限に抑える狙いがある。
「日本産海産物の全面禁輸という中国の行き過ぎた政治決断とは対照的に、米国は日本と共に立ち向かう」。
エマニュエル駐日米大使は2023年8月末に福島県相馬市を訪れ、日本を支持する声明も発表した。
日米で重要物資のサプライチェーン(供給網)の強靱化を含む経済安全保障への対策が進む中、今回の禁輸措置は、供給網の脆弱性を炙り出す機会となった。
米政府はホタテを含む日本産海産物の大部分に関税を掛けておらず、今後も日米間で海産物の流通の安定化を図りたい考えだ。

青森県産ホタテ学校給食に 台湾への販売拡大も後押し
2023/9/13 19:34
https://www.sankei.com/article/20230913-BQFX4FP2FNPRNBX34KN2CLCLZE/
青森県は2023年9月13日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、県産ホタテを買い上げて学校給食として提供するなど支援策を発表した。
中国による水産物輸入停止措置を踏まえ、台湾やタイへの販路拡大も後押しする。
宮下宗一郎知事は記者団に
「在庫をしっかり流通させ、利益が出る流れを作る」
と述べた。
青森県によると、給食は政府が風評被害対策のため設けた基金を活用し、小中学生8万人程度への提供を見込む。
販路拡大では海外に加え、県内外のスーパーや量販店に取扱量を増やすよう求める。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の青森事務所によると、令和4年の県産ホタテの輸出額は約44億4000万円で、このうち中国向けが66%を占めている。

東電、復興支援の社員向け販売会 中国禁輸のホタテ加工品も並ぶ
2023/9/13 14:29
https://www.sankei.com/article/20230913-4MCFT2W5BFJTXLMKZYPSTGOL3E/
東京電力ホールディングスは2023年9月13日、東京電力福島第1原発事故からの復興を支援するため、東京都千代田区の本社で福島、宮城両県産品などを扱う社員向け販売会を開いた。
販売会は平成25年3月に始まり、今回が87回目。
福島第1原発の処理水放出に伴い、中国が日本産水産物の全面禁輸に踏み切り、影響が出ている国産ホタテ加工品が初めて売り場に並んだ。
会場には、缶詰などの水産加工品や桃や梨といった農産物、菓子や日本酒など約210品目が並び、同日午前11時の開始直後から多くの社員が次々と目当ての商品を購入していった。
約20品目を扱う国産ホタテ加工品の販売ブースでは、同社の小早川智明社長が売り場に立ち、自ら社員に購入を呼び掛けた。
小早川氏は
「風評に打ち勝つために、しっかりとグループ挙げて対策に取り組みたい」
と強調。
こうした販売会や社員食堂での国産水産物の取り扱いも増やしたいとも話した。

官民の食堂、ワタミが国内水産物応援=@消費拡大へ、自衛隊基地でも
2023/9/12 18:35
https://www.sa1kei.com/article/20230912-3FIEK7AUI5O7FMXTQOWPS2WTTA/
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出で、中国による日本産水産物の全面禁輸で影響を受ける水産事業者を支援しようと、国内消費拡大を促す動きが広がっている。
省庁や民間企業の食堂、大手外食の店舗で北海道や東北地方の水産物を使った特別メニューの提供が始まり、政府は学校給食でも同様の取り組みができるか検討に入った。
最大輸出先の中国に代わる需要確保が困難なため、内需拡大で輸出消失分を補いたい考えだ。
農林水産省の一部食堂では2023年9月11日から北海道産ホタテのフライ定食の提供が限定5食で始まった。
価格は1270円と他のメニューに比べて割高だが、完売するなど好評を得ている。
1週間限りの特別メニューだが
「状況を見ながら、継続提供も検討する」(水産庁加工流通課)
という。
同様の動きは民間企業でも見られ、三井住友海上火災保険も2023年9月11日から本社の社員食堂で三陸産イワシなど東北地方の水産物を使った特別料理を1週間限定で提供を始めた。
外食大手ワタミでも、「ミライザカ」や「鳥メロ」などの居酒屋業態で国産ホタテなどを使った特別料理を販売するキャンペーンを2023年9月20日までの期間限定で実施している。
政府が2023年9月4日に示した水産支援策では、国内消費拡大に向けた
「国民運動の展開」
を掲げた。
この方針に従い、今後は学校給食や農水省以外の各省庁の食堂に日本産水産物を活用したメニューを提供できるよう検討を進める。
既に防衛省は、全国の自衛隊基地や駐屯地の食堂などで、日本産水産物を積極的に使用するよう準備を始めた。
輸出停止の影響が大きい福島県や北海道の自治体では、ふるさと納税で返礼品に水産物を選ぶことによる漁業者支援も活発だ。
処理水放出の開始日を決めた2023年8月22日以降、福島県いわき市では、ふるさと納税による1日当たりの寄付件数が通常の10倍近く急増するなど支援は広がっている。
ただ、日本人が1年間に消費する魚介類の量は、平成13年度をピークに減少が続き「魚離れ」は加速している。
内需拡大を図るにはこうした恒常的な課題に向き合う必要がありそうだ。

ラグビーW杯で日本食品PR 青森ホタテや静岡メロン
2023/9/9 9:42
https://www.sankei.com/article/20230909-7Q7DVDBK3RIMXFSESPZPXSY2L4/?outputType=theme_rugby_wc2023
ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会の日本代表のベースキャンプ地、フランス南西部トゥールーズで2023年9月8日、青森県のホタテや静岡県のメロンなど日本の食品をPRする試食会が開かれた。
W杯出場によりフランスで日本への関心が高まる中、食品をより多くの人に知ってもらい、販路拡大に繋げたい考え。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催。
赤と白のジャージーを着用した関係者らは訪れた市民たちに、ホタテのソテーやクラウンメロンの他、群馬県の上州和牛を使った牛丼などを振る舞った。
会場は多くの訪問者でごった返した。
青森市でホタテの養殖や加工を手掛ける「山神」の穐元美幸専務取締役本部長は
「W杯は良い機会だと思い参加した」
「日本産のホタテはサイズが大きいので、ぜひソテーで食べてもらいたい」
とアピールした。(共同)

道産水産物の消費拡大へ 北海道が13日から緊急対策実施
2023/9/8 18:23
https://www.sankei.com/article/20230908-37PMZE35MZNZ3GN34PTMGWZ3IE/
北海道の鈴木直道知事は2023年9月8日、東京電力福島第1原発のALPS処理水の海洋放出を巡り、中国が日本産の水産物輸入を停止している問題で、道産水産物の消費拡大に向けた緊急対策
「食べて応援!北海道」
キャンペーンを2023年9月13日から実施すると定例会見で発表した。
道内外の量販店や海外を含む北海道アンテナショップで消費拡大に向けた販促PRなどを行う。
2023年9月12日に開会する第3回定例道議会で補正予算を提案する。
道によると、中国が道産水産物の輸入を停止したことで
「主力のホタテを中心に在庫が積み増し、保冷庫のスペースが早期に埋まってしまう懸念があるとの声が業界団体から出ている」(経済部)
ため、国内を中心に消費拡大の緊急対策を進める。
第1弾では、道内の大手量販店やコンビニエンスストアなどにキャンペーン参加を呼び掛け、北海道産ホタテを中心とした道産水産物の消費促進運動を展開。
道産品を扱う国内外18店舗のアンテナショップ「どさんこプラザ」に特設コーナーを設けるなど、積極的な販促を行う。
第2弾ではふるさと納税を活用したPRを進める方針で、鈴木知事は
「ふるさと納税は市町村の貴重な財源」
「市町村の意見を聞きながら出来るだけ早く出来るようにしたい」
「国内へトップセールスもしていかなければいけないと思っている」
などと述べ、とスピード感を持って取り組む考えを示した。

野村農水相、各省庁食堂に日本産ホタテ料理追加を呼びかけ、中国禁輸受け、消費拡大を支援
2023/9/8 10:21
https://www.sankei.com/article/20230908-MAYIS5LVCJJXLE76GTGXRLRWPQ/
野村哲郎農林水産省は2023年9月8日の閣議後記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国による日本産水産物の全面禁輸で影響を受ける水産事業者の支援として、全省庁の食堂に日本産ホタテなどを利用したメニューを追加するよう協力を呼び掛けたと明かした。
野村氏は
「政府全体として日本産水産物の国内消費拡大に取り組んでいきたいと思っており、我が国の水産物の消費拡大にご協力をお願いしたい」
と呼び掛けた。
農水省内の一部食堂では来週中にも日本産ホタテを使った料理の提供を予定している。
日本産水産物の国内消費拡大に向けては、外食チェーン大手のワタミが2023年9月11日からグループの居酒屋で北海道産ホタテを使ったメニューの提供など応援キャンペーンを予定。
輸出停止の影響が大きい福島県や北海道の自治体では、ふるさと納税で返礼品に水産物を選んで漁業関係者を支援する動きが活発化するなど支援の輪が広がっている。

主張
処理水と中国 孤立を自覚し難癖やめよ
2023/9/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20230913-2AR5LERICZJGPAPEBO26QLR7AU/
東京電力福島第1原発処理水の最初の海洋放出が終了した。
周辺環境に異常は確認されなかった。
科学的な安全性を確保して実施されたということだ。
中国政府は海洋放出への難癖ともいえる批判をやめ、日本産水産物の輸入禁止措置を撤回すべきだ。
それなしに日中関係の改善はあり得ない。
インドネシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が、インドで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれた。
多数の首脳が集まったが、処理水をめぐる中国の主張は賛同を得られなかった。
中国の李強首相は2023年9月6日のASEANプラス3(日中韓)首脳会議で処理水を
「核汚染水」
と決めつけ、海洋放出を批判した。
岸田文雄首相は科学的に問題はないと説明し、水産物禁輸について
「(放出は)国際社会で広く理解されているが、中国は突出した行動を取っている」
と批判した。
同じ日の立ち話で岸田首相は放出について説明したが、李首相は同意せず、水産物禁輸撤回に応じなかった。
科学と国際ルールを軽んじ、不当な輸入禁止という経済的威圧の手段を行使する。
このような中国政府の振る舞いは自国の国際的地位を下げるだけだ。
李首相はその後の東アジアサミット(EAS)やG20サミットでは、処理水に直接言及しなかった。
各国から中国への支持が集まっていない事実を反映しているのではないか。
一方、岸田首相はインドネシア、インド訪問を締めくくる記者会見で、米豪両国やインドネシア、マレーシア、太平洋諸島フォーラム議長国のクック諸島、オランダ、トルコなどから海洋放出への理解や支持が得られたと語った。
放出開始前からの取り組みを含め政府、東電が安全性について説明してきた結果と言える。
今後も丁寧に情報提供や説明を続けてほしい。
残念なのは、岸田政権が水産物禁輸について世界貿易機関(WTO)への提訴を躊躇っていることと、EASでは岸田首相が中国の名指しをやめ
「一部の国」
という表現にトーンダウンしたことだ。
この会議では李首相が処理水に言及しなかったからというが不当な禁輸は解除されていない。
名指しを避けてはならなかった。
岸田首相は与しやすし―とみなされては国益を損なう。

福島第1原発処理水、初回の放出完了 周辺トリチウム濃度に異常なし
2023/9/11 13:38
https://www.sankei.com/article/20230911-RC4FQTWJTNOA3IHGSWFVXSASIY/
東京電力は2023年9月11日、福島第1原発処理水の1回目の放出作業が完了したと発表した。
海への放出は2023年8月24日に始まり、1回目の放出量は7788トン。
漏洩など設備上のトラブルはなかったという。
今後、3週間程度かけて放水設備や作業工程などを点検し、2023年10月中にも2回目の放出を始める。
東電によると、2023年9月10日午後に1回目の放出予定量をタンクから送り出し、2023年9月11日午後0時15分に配管に残った約16トンの処理水を濾過水で押し流す作業が終了した。
2回目の放出準備に向けた点検の結果は2023年9月末に公表する。
2023年度は計4回の放出を計画しており、処理水の放出総量はタンク保管容量の2.3%に当たる3万1200トン。
2023年10月中にも始まる2回目でも約7800トンの放出を予定している。
一方、原発周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウム濃度について、1回目の放出開始から1カ月程度は毎日測定する。
これまでの放出では、計画の排水基準(1リットル当たり1500ベクレル)を超えるような数値は出ていない。
また、国際原子力機関(IAEA)も2023年9月8日の声明で、原発3km以内の複数の場所で採取した海水のトリチウム濃度を独自に分析した結果、いずれも検出限界値を下回ったことを明らかにした。
IAEAは
「日本側が示す評価と矛盾はない」
としている。

処理水、初回の放出完了へ 福島第1原発、7800トン
2023/9/11 9:53
https://www.sankei.com/article/20230911-LSHICGOC7RPPNLYS7XODTV5LAI/
東京電力は2023年9月11日、福島第1原発の処理水海洋放出で、初回分として計画していた約7800トンの放出を完了する。
2023年8月24日から開始した放出では設備や運用に大きなトラブルはなく、海水や魚に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常は確認されなかった。
タンク内の処理水の放出は2023年9月10日に終えており、2023年9月11日は配管内に残っている処理水を真水で押し流す作業を実施。
2回目も約7800トンを放出する予定で、処理水の放射性物質濃度の確認や設備点検の後、早ければ2023年9月下旬にも開始する。
東電の計画では処理水を大量の海水で薄め、国の基準の40分の1となる1リットル当たり1500ベクレル未満にして原発の沖約1kmの海底から放出する。
東電、環境省、水産庁、福島県は原発周辺で採取した海水や魚のトリチウム濃度の分析を続けている。
東電が2023年8月31日に放出口付近で採取した海水から1リットル当たり10ベクレル検出された他、数カ所でも検出されたが、東電は
「安全上の問題はない」
としている。

処理水放出「理解深まっている」
2023/9/10 18:30
https://www.sankei.com/article/20230910-ZEQKIRMAVNM3XA2RFTMZHAEFPA/
岸田文雄首相は2023年9月10日(日本時間同日夕)、訪問先のインドでの記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、
「ASEAN(東南アジア諸国連合)やG20(20カ国・地域)諸国に日本の対応をしっかり説明した」
「多くの国から処理水放出のプロセスは安全で透明性が高いとの評価を頂いてきたが、理解が一層広まったと感じている」
と述べた。
また、日本産水産物の全面禁輸措置を取る中国の対応に関しては、
「2国間、多国間の機会やWTO(世界貿易機関)など通商の枠組みの場を活用し、引き続き即時撤回を求めていく」
と強調した。
首相は2023年9月6日にインドネシアの首都・ジャカルタで、中国ナンバー2の李強首相と短時間の立ち話を行い、処理水放出を巡る中国の科学的根拠に基づかない批判に反対した。
これを踏まえ、
「李氏に私の考えを伝えられたことは重要なことだった」
とも振り返った。
日中関係については
「日本としては主張すべきは主張し、中国に責任ある行動を強く求めつつ、対話をしっかりと重ね、『建設的かつ安定的な関係』の構築を進める」
と語った。

海水は検出下限値未満 原発処理水トリチウム分析
2023/9/10 17:24
https://www.sankei.com/article/20230910-ZJMBZQZFGRKT7I56EJ5F6QHTSE/
東京電力は2023年9月10日、福島第1原発周辺で2023年9月9日に採取した海水に含まれる放射性物質トリチウム濃度を分析した結果、いずれも機器で検出できる下限値未満だったと発表した。
第1原発では2023年8月24日に処理水の海洋放出を始めた。
東電は原発から半径3km以内の10カ所で採取した海水を分析した。
水産庁による水産物の分析はなかった。

主張
処理水と国会審議 「風評」を流す野党がある 
2023/9/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20230910-D66VTJW4CRPNBOPMHNBFBVFQ2A/
国会が2023年9月8日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関する閉会中審査を開いた。
処理水放出の安全は科学的に確かめられている。
だが中国政府は
「核汚染水」
というレッテルを貼り、世界に対して日本の非を鳴らしている。
安全な日本産水産物の輸入は禁止した。
いずれも不当で風評被害を拡大している。
容認できない。
日本の政党と国会議員に最も求められる役割は、誤った風評を撒き散らす国や勢力をはっきりと批判し、彼らの反日的なプロパガンダを撤回させるべく言論で対抗することだ。
だが、その負託に応えない政党、議員が存在している。
極めて残念だ。
閉会中審査で、各党議員が水産業者への支援を訴えたのは妥当だ。
問題はその先である。
自民党は
「中国の暴挙に政府は強い姿勢で臨むべきだ」
と訴え、中国の不当な禁輸について世界貿易機関(WTO)への提訴を求めた。
日本維新の会も同様の立場を示した。
公明党も
「科学的根拠に基づかない、自らの正当性のみを主張している」
と中国を批判した。
憂慮すべきは立憲民主党や共産党の態度だ。
閉会中審査で立民の長妻昭政調会長は、中国の禁輸を撤回させるよう日本政府に求めた。
それは良いとしても、立民は誤った風評を拡散させている党所属議員の言動に厳しく対処していないという深刻な問題を抱えたままである。
同党の石垣のり子参院議員は処理水を
「汚染水」
と呼び放出中止を求めた。
2023年7月には阿部知子衆院議員ら複数の立民議員が、韓国の野党と共に放出反対の共同声明を出した。
れいわ新選組や社民党の議員も名を連ねた。
福島を傷付ける風評を広げる所属議員を厳しく処分、指導しない政党は無責任だ。
立民は党を挙げて海洋放出の安全性を内外で説いたらどうか。
共産は論外だ。
同党の志位和夫委員長は2023年8月に
「汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を強行すれば、福島の復興に重大な障害となる」
とする談話を発表し、閉会中審査でも放出中止を重ねて要求した。
中国政府の不当な主張とそっくりだ。
政党と国会議員には国民と国益を守る責務があることを忘れてもらっては困る。

原発処理水1回目放出、11日にも完了 7800トン、国の基準下回る
2023/9/9 20:45
https://www.sankei.com/article/20230909-4TBF2BIGUVM2DHLFW4Y4UNVWVM/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出は、設備などのトラブルはなく、計画通り2023年9月10日に放出予定量の約7800トンに達し、2023年9月11日に配管を洗い流して1回目の作業が完了する見通しだ。
放出後には中国が日本産水産物を全面禁輸し、嫌がらせ電話が相次ぐなど波紋も広がっており、国内外で生じる風評にどう対処するか。
科学に基づく正確な情報発信は懸念を解消する最大の論拠となる。
原発構内の入り口近くにある化学分析棟。
ここでは処理水に含まれる放射性物質の測定が行われている。
運用が始まったのは事故から2年後の2013(平成25)年7月。
当時は地上の放射線量が高く、分析結果への影響を考慮し、地下1階に建設された。
測定に当たる分析員は約40人。
処理水に含まれる69核種の放射性物質濃度を調べ、1日平均約100件の試料を測定している。
2022(令和4)年度は約9万件の分析を実施し、このうち多核種除去設備(ALPS=アルプス)で浄化処理できないトリチウム関連の測定は約1万件に上った。
実際の測定作業では、眼鏡型端末スマートグラスを装着した分析員が、処理水の入った試料を持ち上げ、容器に貼ったQRコードをカメラで読み取る。
「グッド」
と発声すると、グラスには次の作業手順が表示され、採取した日時や場所などを音声入力し、システムに自動登録される。
「ミスを防ぐために先端技術を導入し、データはQRコードで一元管理している」。
東電の担当者はこう説明した。
システムは3年前に導入され、測定データを紙に手書きしていた時よりも転記ミスが大幅に減少。
データ処理の時間も大幅に短縮されたという。
放出後には海水の調査ポイントが10カ所増え、分析件数が増加。
2023年度内の施設拡張も検討されている。
担当者は
「分析結果の信頼性を高めるために、正確で迅速なデータ公表に努めたい」
と話す。
海洋放出に当たっては国や東電、福島県が周辺海域の監視態勢を強化し、海水や魚、海藻に含まれるトリチウム濃度を100カ所以上で測定。
このうち放出口付近は東電が重点的に調べ、2023年8月24日に始まった放出後は1カ月程度、原発から3km圏内の10地点を毎日測定している。
これまでの測定では、放出口付近で2023年8月24日に採取した海水を精密分析した結果、1リットル当たり10ベクレルのトリチウムが検出されたが、残りの9カ所ではいずれも検出限度を下回った。
世界保健機関((WHO)の飲料水水質ガイドラインは同1万ベクレル以下を安全基準と定め、福島原発では同1500ベクレルを上限濃度に設定。
仮にこの濃度の水を毎日約2リットル飲んでも、1年間で被曝する線量は限度量の10分の1にも満たない。
水産庁が実施しているヒラメやトラフグなどの分析でも検出されていない。
東電の拡散予測によると、放出前の海水に含まれるトリチウム濃度(同0.1〜1ベクレル)よりも高くなると評価されたエリアは、原発周辺の2〜3kmの範囲で同1〜2ベクレル、放出口付近でも最大30ベクレルと予測。
いずれも国の基準値以下で、周囲の海水と混ざれば、更に濃度が低下し周辺環境と区別ができなくなるという。
ただ、放出に反対する中国は、開始後に日本の水産物輸入を全面停止した。
中国からの嫌がらせ電話も後を絶たず、訪日団体旅行客のキャンセルや日本製品の不買運動など反日感情が広がる。
岸田文雄首相は中国に対し
「科学的根拠に基づいて議論するよう働き掛ける」
と述べ、冷静な議論に応じるよう求めた。
禁輸撤廃に向けて、国内外で燻る風評の火種を抑えるためには、正確で透明性の高いデータを広く公開し、丁寧に説明を尽くす必要がある。

福島第1原発処理水
1〜3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やすために注入した水と、地下水や雨水から発生した汚染水を浄化処理した水。
敷地内のタンクに約134万トンを保管し、トリチウム濃度が国の排水基準の40分の1未満になるよう海水で薄めてから海に流す。
1回目の放出は約7800トン。
2023年9月10日には予定量に達し、2023年9月11日に移送配管に残った約16トンを流して完了する。
2023年度は残り3回の放出を計画、計約3万1200トンに上る見通し。

正論
「刺激しない」が対中外交なのか 明星大学教授・細川昌彦
2023/9/6 8:00
https://www.sankei.com/article/20230906-KVOLPK3WNVJXLO37AVZZFKFQ2I/?870782
中国による日本産水産物の禁輸に対して日本外交の動きが鈍い。
「科学的根拠を説明して、撤回を求める」
のは当然だが、そうした対応だけで果たして事態は打開できるのだろうか。
それは中国の狙い、意図を見極めることが大前提だ。
■「経済的威圧」に対する行動を
中国が水産物の禁輸をしても日本が処理水の海洋放出を止めることはないのは明らかだ。
それにもかかわらず中国は敢えて強硬措置に出た。
それは政治的意図による
「経済的威圧」
であるからだ。
中国は日本に対して米中対立の中で半導体の規制など中国への圧力に加担していると反発を強めていた。
そうした中で本件を外交カードとして利用する思惑も透けて見える。
中国人による迷惑電話などの過剰反応はいずれ沈静化するであろう。
しかし中国政府による禁輸措置自体はそうではない。
一時的≠ニの中国側の説明を額面通りには受け取れない。
また日本の対応次第では
「日本は与しやすい相手」
と見て、今後も他の分野で
「経済的威圧」
が繰り返されるだろう。
それを抑止するためにも行動≠ェ必要なのだ。
それが経済安全保障の本質だ。
日本政府からは
「中国を刺激しないのが得策」
との声も聞こえてくる。
むろん不必要に刺激すべきではない。
しかしだからと言って戦略的な行動まで躊躇してはならない。
■WTO提訴を躊躇するな
まず世界貿易機関(WTI)に提訴すべきだ。
提訴は
「対立を煽る」
ものではなく、むしろ日本外交のよって立つ基軸である
「ルール重視の外交」
として重要だ。
WTO提訴といっても、
「協議要請」

「パネル設置」
の2段階ある。
まず第1段階の協議要請を早急にすべきだ。
中国が話し合いにも応じていないので、協議の場に引き出す意味は大きい。
中国は2023年8月31日、WTOに今回の禁輸措置を通知して、即時撤廃に応じない姿勢を明確に示した。
日本も反論だけでなく早急に動くべきだ。
日本政府は提訴に慎重であるが、その理由は2つあるという。
第1は結果を得るまでに時間が掛かることだ。
しかし結論も大事だが、それだけが目的ではない。
WTOを活用する姿勢を明確にすることで、今後も繰り返されかねない経済的威圧への抑止力にも繋がる。
豪州は中国による経済的威圧に対してWTOに提訴したが、結論が出る前に中国は措置を見直す動きを見せている。
第2はWTOで敗訴するリスクだ。
2015年に韓国による日本産水産物の輸入規制を巡ってWTO提訴したが、2019年に上級審に当たる
「上級委員会」
で逆転敗訴≠オた苦い経験から消極的だという。
しかしこれはこの訴訟の中身を理解しないものだ。
通商法の専門家の大方の見解はこうだ。
「上級委員会で韓国の措置を妥当と最終判断したわけではない」
「韓国の措置を妥当でないとしたパネル(小委員会)の判断について判断材料の不備を指摘して取り消しただけで、韓国の措置が妥当かどうかの判断を回避したものだ」
「従って特殊な事案であって今回の措置の先例にならない」
これは敗訴≠ニいうよりは
「判断回避」
なのだ。
訴訟戦術上の問題もあったが、これを敗訴≠ニいう言葉を使って政治家も含め誤解させてWTO提訴にブレーキをかけているとすれば問題だ。
また今回の措置は科学的根拠をもって国際機関によるお墨付きもあり、韓国のケースとは決定的な違いがある。
松野博一官房長官は会見で
「WTOの枠組みの下で対応する」
とした。
しかしこれは単にWTOの会合の場で中国の措置の不当性を発言することを念頭においたものに過ぎない。
こうした自己満足でお茶を濁していてはいけない。
■G7連携や脱中国で牽制を
WTO以外にも多面的な行動が必要だ。
例えば国際連携だ。
先進7カ国首脳会議(G77サミット)で
「経済的威圧に対する共同対処」
が合意されたが、その協議の場を早急に立ち上げて本件を取り上げるべきだ(2023年8月4日付本欄)。
こうした国際連携も
「見える化」
して対外的にアピールすることが抑止力の上でも重要だ。
また脱中国依存を前面に出し中国を牽制することも必要だ。
例えばホタテは人件費の安い中国で加工作業をして米国に輸出されるものも多い。
中国での加工施設を中国外に移し、中国に依存しないサプライチェーンを早急に構築することが必要だ。
その結果、中国の雇用にも影響するだろう。
国内では漁業関係者への支援策として発表されているが、むしろ中国に対する牽制として打ち出すべきだ。

正論
中国の水産物規制に対抗せよ 明星大学教授・細川昌彦
2023/8/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20230804-FD6VNA6N3RJMFOFJH2KBH4ZC5Q/
東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出に関して、中国は日本からの輸入水産物への放射性物質の検査を強化した。
これまでの任意でのサンプル検査から全量検査に切り替えたのだ。
その結果、鮮魚などが通関できずに事実上輸入がストップする事態が発生している。
更に香港は海洋放出されれば輸入を禁止する方針も打ち出している。
■狙いは「対日外交カード」か
中国と香港は合わせると日本の水産物輸出の約4割を占め、最大の輸出先だ。
事態が長引けば、日本の漁業関係者への深刻な影響は避けられない。
中国は
「人民の健康と海洋環境に責任を負うため」
と正当性を主張するが、明らかに科学的根拠に基づかないものだ。
しかもそもそも処理水の海洋放出はまだ始まっていないにもかかわらず、検査を厳しくしており、
「外交カード」
とする意図を露呈している。
国際原子力機関(IAEA)は人、環境に与える影響は無視できるものと報告書で結論付けている。
日本がこのIAEAの報告を踏まえ、
「高い透明性をもって丁寧に説明していく」
としているのは当然だ。
しかし意図的に政治的な措置を行う中国に対して、いくら科学的説明を粘り強くしても、抗議と撤回要求をしても残念ながら効果は期待できないだろう。
また日本は何ら対抗してこない国だと思われるのは、今後、様々な威圧的な措置を誘発しかねない。
こうした不当な圧力に対して揺らぐことなく、処理水の海洋放出を予定通り実施すべきであるのは当然だが、それだけではなく、当面の対応と根本的な対応の両方が必要だ。
■当面の措置とG7の活用
当面は中国の措置が検査手続きの恣意的運用であり、科学的な説明を受け付けないならば少なくとも同様の運用レベルで対抗すべきだろう。
即ち中国から輸入する水産物について日本も全量検査すべきだ。
中国の複数の原発が放出するトリチウムが福島の処理水の最大で6.5倍であることが判明しているだけにやむを得ない措置と言える。
更に日本の漁業関係者の被害への対応も併せて必要だ。
既に一部ではアワビの取引価格も下がっており、放出前であっても国が被害への補償を行う方針を示したことは妥当だ。
また中国に輸出しているホタテなどの水産物の代替の売り先として米国、韓国、台湾などの協力を得てダメージを最小限にする努力も早急にすべきだ。
国際的な世論戦でのアピールも重要だ。
中国は南太平洋の国々や東南アジア諸国連合(ASEAN)に
「懸念の共有」
を呼び掛けたが、今のところ不発に終わっている。
これに安心せず、太平洋諸国など海洋国家の途上国への理解を得る外交努力を一層強化すべきだが、国際的な対応はそれだけではない。
2023年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)ではこうした
「経済的威圧」
に対してG7が共同で行動すべく
「調整プラットフォーム」
という枠組みを立ち上げることに合意した。
まずは2023年のG7議長国である日本が主導して早急にこれを立ち上げて動かすべきだ。
本件を、G7各国と情報交換して理解と協力を得るケースとしたい。
■早急に根本的な対抗制度を
その上で経済的威圧に対する根本的な備えは早急に必要だ。
近年、中国は巨大市場や供給力を武器に相手国を威嚇して政策変更を迫る
「経済の武器化」
を常態化させている。
最近でも新型コロナの発生源に関する独立調査を求めた豪州に対する大麦、ワインへの報復関税、台湾代表事務所を開設したリトアニアに対する通関拒否など枚挙に暇がない。
習近平政権の外交方針からこうした威圧は今後とも続くと見るべきだ。
こうした経済的威圧に対しては行政の運用面での対応だけでは限界があり、今後の抑止力としては法的な制度を用意しておくことが必要だ。
今回の措置に間に合わなくても、ヒト、モノ、カネ、サービスの規制など多様な手段の中から状況に応じて対抗措置として選択できる制度の整備をすべきだ。
しかし日本はG7の中で唯一、そうした経済的威圧に対する対抗手段を持ち合わせていない。
欧州連合(EU)、米国には独自に対抗できる措置があり、更に対抗措置法案も準備している。
これに対して日本は中国を刺激することを懸念して、制度を整備する
「構え」
を示すことさえ及び腰だ。
日本は標的となる可能性が高いにもかかわらず危機感がなく、吞気に無防備のままだ。
そうした中で今回、経済的威圧の標的となってしまった。
さすがにこの苦い経験で覚醒すべきだろう。
早急に各省庁バラバラではなく内閣全体で対応する制度を整備する必要がある。
具体的には2022年成立した経済安全保障推進法の改正が考えられる。
この法律で4つの制度を創設したが、これに
「経済的威圧への対抗措置」
を第5の柱として加えることも検討すべきだ。
日本が直面する状況は待ったなしだ。

社説検証
処理水と中国反応 各紙とも理不尽と糾弾 「WTO提訴せよ」産経
2023/9/6 9:00
https://www.sankei.com/article/20230906-5OZESNPGO5KVLLNAYDMF4NOBKY/
政府と東京電力が、福島第1原発の処理水の海洋放出を始めて2週間が経過しようとしている。
海洋から検出される放射性物質トリチウムの濃度は、計画の基準を大きく下回っている。
こうした海洋放出は世界の原発などで広く行われており、国際原子力機関(IAEA)も安全性にお墨付きを与えている。
だが、中国政府は日本産水産物の輸入を全面停止し、中国から日本に嫌がらせ電話が相次いでいる。
在中国日本大使館や日本人学校への投石も発生した。
主要各紙は、科学的根拠を欠く日本産水産物の輸入停止や嫌がらせ電話などを一斉に非難した。
2023年8月29日付の産経は
「処理水は科学的根拠に基づき安全な方法で放出されている」
「抗議される謂れは少しもない」
と強調し、
「中国発の卑劣な嫌がらせは直ちに中止されるべきだ」
と断じた。
2023年8月29日付の朝日は
「正当な抗議も認められるべきだ」
としながらも、
「現に起きているのは無関係の市民や施設を標的とした嫌がらせだ」
と指摘し、
「中国政府には事態の沈静化を図る責任がある」
と論じた。
読売も2023年8月29日付で
「中国からの、科学的根拠を無視した一方的な嫌がらせを中国が放置していたら、日本の対中友好感情を著しく傷つけ、両国関係を悪化させる恐れが強い」
と懸念を示した。
そして中国政府に
「沈静化に動くべきだ」
と注文を付けた。
「度を越した迷惑行為は看過できない」
と表明した2023年8月30日付の毎日は、
「日本国民の対中感情が更に悪化するだけでなく、自らの国際的なイメージの低下を招くことを中国政府は認識すべきだ」
と論難した。
さらに日経も2023年8月30日付で
「中国政府には、自国民による理不尽な嫌がらせ、危険な行為をやめさせる強い措置を取る義務がある」
「放置は許されない」
と糾弾した。
こうした中国の暴挙を巡り、各紙はその隠れた意図についての分析でも足並みを揃えた。
産経は2023年8月29日付で
「中国経済の変調から生じた自国民の不満を日本に向けたり、歴史問題と同様の反日カードにしたい思惑が中国政府にはあるのだろう」
と論考した。
朝日も2023年8月29日付で
「中国経済の停滞で、若年失業率は20%を超える深刻な状況にある」
「日本が不満のはけ口になりかねないリスクは十分にある」
と警鐘を鳴らした。
毎日は2023年8月30日付で
「不動産不況や若者の失業率悪化で国民の不満が高まっている」
と分析した上で、
「日本に対する嫌がらせ行為を黙認することで、『ガス抜き』を図る狙いがあると見られても仕方ないだろう」
と批判した。
中国による日本産水産物の全面輸入禁止についても、各紙とも厳しく批判した。
産経は2023年8月26日付で
「不当な禁輸で日本の水産業に多大な経済的打撃を与える暴挙に他ならない」
「岸田文雄首相が即時撤廃を申し入れたのは当然だ」
と主張した。
更に産経は、2023年9月2日付で
「岸田政権は中国政府の不当さを一層明確に批判し、世界貿易機関(WTO)への提訴に踏み切るべきだ」
と訴えた。
朝日も2023年8月26日付で
「巨大市場を武器に、貿易で他国に圧力をかける『経済的威圧』にも等しい振る舞いだ」
「合理性を著しく欠いた措置に、強く抗議する」
と難じた。
交流サイト(SNS)への投稿を厳しく統制しながら、反日的投稿を放置する中国政府の態度は、大国とは思えぬ無責任な振る舞いである。
中国が対日禁輸を即時撤廃するのは当然だが、水産物禁輸の打撃を少しでも緩和するため、日本政府は中国への過剰な依存をやめ、官民一体で新たな販路の開拓などに努めるべきだ。
それは経済安全保障を強めることにも繋がるはずだ。

■処理水放出と中国を巡る主な社説
【産経】
・科学無視の暴挙をやめよ(8月26日付)
・中国政府に「責任」がある(8月29日付)
・WTO提訴をためらうな(9月2日付)
【朝日】
・筋が通らぬ威圧やめよ(8月26日付)
・冷静な対話こそ必要だ(8月29日付)
【毎日】
・即時撤回へ外交の強化を(8月26日付)
・沈静化へ責任ある対応を(8月30日付)
【読売】
・中国は不当な措置を撤回せよ(8月26日付)
・中国は嫌がらせを放置するな(8月29日付)
【日経】
・中国の日本産水産物の禁輸は理不尽だ(8月25日付)
・中国は理不尽な迷惑行為をやめさせよ(8月30日付)
【東京】
・日中は理性的な対話を(8月30日付)

主張
水産業者への支援 「脱中国依存」に繫げたい
2023/9/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20230906-CWEZXP25PFLVXII4UBINV3BXHE/
東京電力福島第1原子力発電所からの処理水海洋放出に対し、中国が日本産水産物を全面輸入禁止とする暴挙に及んだことを受け、政府は水産事業者のための新たな支援事業を創設した。
岸田文雄首相の指示による対策だ。
国内消費拡大・生産持続対策や風評影響への内外での対応、輸出先の転換対策―などの5本柱で構成されている。
中国の一方的な振る舞いに対抗する迅速な措置である。
効果的に活用したい。
中国は日本の水産物の主要取引先である。
香港と合わせた2022年の輸入総額は1626億円に達し、日本の水産物輸出の42%を占めていた。
これが突如、停止になったのだから痛手は小さくないが、科学を無視した中国の不当な経済的威圧に屈してはならない。
政府が支援策の1つに掲げた国内消費の拡大は防御策、また対抗策として有効だ。
国民が、1年間に1600円分多く魚介類を消費すれば、中国と香港への輸出額に等しくなる計算だ。
十分、可能な数字である。
防衛省も全国の自衛隊の部隊などに国産水産物の積極的な消費を呼び掛ける事務次官通達を出した。
各基地や駐屯地で支給する食事に地元の魚介類を多用すれば沿岸・沖合漁業の活性化にも繫がる。
学校給食でも地場の水産物を活用すべきだ。
日本では魚食離れが進んでおり、平成23(2011)年度に国民1人当たりの肉類消費量が魚介類の消費量を上回り、以来その差の拡大が続いている。
食料の安定供給の面からも水産業の停滞は問題だが、政府は実効的な打開策を見い出せないまま苦慮していた。
処理水の海洋放出で、政府は基金を創設している。
風評被害対策に300億円、漁業継続支援に500億円だ。
そこに今回の新たな支援事業のための207億円が追加された。
国内漁業者の長期的な減少傾向や中国市場への過度の依存といった課題を抱える我が国の水産業を成長産業に転じる活力源としなくてはならない。
中国に大量輸出してきたホタテ貝については、日本国内で剝き身加工を行う機械設備の導入や海外販路の開拓などが必要だが、新支援事業はこの点もカバーする。
ハードルは低くないが、国を挙げて克服し、
「水産日本」
の復活に繫げたい。
http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/306.html#c2

[原発・フッ素54] 政治板リンク:立民議員の「汚染水」発言は偽情報 西村経産相が閉会中審査で問われ「まったくその通り」(維新と自民の自演コ… 戦争とはこういう物
10. 2023年9月16日 13:54:32 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-25]
<■80行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
高浜原発2号機が再稼働 福島事故後、関電初の7基体制
2023/9/15 16:58
https://www.sankei.com/article/20230915-YVFXDCP74FI67B35DYRSXACTPA/
関西電力は2023年9月15日、高浜原発2号機(福井県高浜町、82.6万キロワット)の原子炉を起動し、平成23年11月に定期検査入りして以来、約12年ぶりに稼働させた。
東京電力福島第1原発事故後、国内で再稼働した原発は12基目。
事故の教訓を踏まえた原子力規制委員会の新規制基準の下、関電の全原発7基が再稼働したことになる。
高浜2号機は昭和50年の営業運転開始から47年が経過。
国内では、2023年7月に再稼働し、営業運転開始から48年となる高浜1号機に次いで古い。
新規制基準下での40年超原発の稼働は関電美浜3号機(同県美浜町)、高浜1号機に続いて3例目になった。
岸田政権は2022年、原発の最大限活用を打ち出した。
2023年5月には60年を超える運転を可能とする法律が成立し、運転期間が長くなった原発への安全性確保が課題になっている。
関電によると、2023年9月16日に核分裂が安定して続く「臨界」に到達、2023年9月20日に発送電を始める。
2023年9月16日に営業運転に入る見通し。

高浜2号機再稼働 原発「西高東低」顕著に 料金格差拡大も
2023/9/15 18:43
https://www.sankei.com/article/20230915-BFNRQBRUNZJGPLUG35PMSAM5WA/
関西電力の高浜原発2号機(福井県高浜町)が2023年9月15日、再稼働し、関電は廃炉を決めたものを除く全7基が東日本大震災後の新規制基準をクリアして、念願の
「7基体制」
が実現した。
ただ、西日本では既に九州電力、四国電力でも再稼働する一方、東京電力ホールディングス(HD)など東日本では1基も再稼働しておらず、原発稼働の
「西高東低」
が一段と顕著になっている。
関電は原発の再稼働で火力燃料費を減らせるため、収支改善効果は大きい。
注目されるのは電気料金(規制料金)を値下げするかどうか。
森望(のぞむ)社長は2023年9月15日、料金見直しについて
「経営状況を総合的に見極めていかなければいけない」
と述べた。
関西、九州、中部を除く大手電力7社は家庭向けの規制料金を2023年6月1日から値上げした。
関電がもし値下げすれば地域間の料金格差は一段と広がる。
一方、東日本の原発再稼働は進んでいない。
岸田文雄首相は2022年8月、再稼働済みの原発10基に加え
「(令和5年夏以降)7基の再稼働を目指す」
方針を示した。
しかし7基のうち、再稼働したのは全国でも高浜1、2号機だけで、再稼働済みは計12基にとどまる。
東電HDの柏崎刈羽原発(新潟県)はテロ対策の不備などが発覚し、原子力規制委員会が令和3年4月に事実上の運転禁止命令を出したが、解除されていない。
今後は東北電力が女川2号機(宮城県)を2024年2月に、中国電力が島根2号機(松江市)を2024年8月に、再稼働する。
稼働が順調な関電も安心できない。
規制委は2023年8月23日、高浜3号機で機器の不具合などが相次いだことから追加検査を決めた。
高浜4号機でも2023年1月、中性子量が急減する異常を検知して自動停止するトラブルがあった。
運転開始から40年超の1、2号機も古くなった部品を交換しながら稼働を続けるが、慎重で油断のない安全性の確保が求められる。

高浜原発2号機再稼働 中間貯蔵施設確保、核燃料サイクル具体化が課題に
2023/9/15 22:12
https://www.sankei.com/article/20230915-GFO5WENJCFL4FH2WCTKNAUVD7E/
関西電力は2023年9月15日、高浜原発2号機(福井県高浜町、82.6万キロワット)の原子炉を起動し、平成23年11月に定期検査入りして以来、約12年ぶりに稼働させた。
平成23年の東京電力福島第1原発事故後、再稼働した原発は12基となった。
2024年2月に東日本初となる東北電力女川原発2号機、2024年8月には中国電力島根原発2号機の再稼働も控えている。
原発再稼働が進めば、使用済み核燃料の発生が増える。
中間貯蔵施設の確保や使用済み核燃料を再利用する
「核燃料サイクル」
の早期具体化が今後の課題となっている。
「(核燃料サイクルの)選択肢が広がることは非常に重要だ」。
電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は2023年9月15日の記者会見で、山口県上関町の中間貯蔵施設建設の検討に向けた調査受け入れの意義を強調した。
経済産業省などによると、2023年3月末時点で国内の原発の貯蔵プールなどで一時保管されている使用済み核燃料は1万9478トン。
管理可能な容量は2万4350トンで8割程度が使用されている。
状況に差があるが、数年で満杯になるとされる原発もある。
使用済み核燃料の一時保管が困難となれば、原発は運転停止に追い込まれ、電力の安定供給にも影響が及ぶ。
岸田文雄政権が掲げる原発の最大限の活用には、使用済み核燃料を一時的に保管する中間貯蔵施設の確保に加え、青森県六ケ所村の日本原燃再処理工場の完成と早期稼働が不可欠だ。
特に再処理工場はフル稼働すれば、年800トンの使用済み核燃料を処理できる。
ただ、平成9年の完成予定は26回に渡り延期。
日本原燃は
「令和6年度上期の早い時期」
の完成を目指すとするが、不透明感は拭いきれない。
原発再稼働が進む中、原子力政策の基本となる
「核燃料サイクル」
の早期具体化にも関係者が連携し、総力を挙げる必要がある。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/305.html#c10

[政治・選挙・NHK291] 笑うに笑えない首相の陳腐 これほどコケにされた内閣改造がかつてあったか(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
43. 2023年9月17日 05:48:18 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-24]
<■362行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「移民」と日本人
「アバレルヨー」絶叫、放尿、脱糞も 不法滞在者、強制送還の実態 チャーター機代2億円超
2023/9/16 14:03
https://www.sankei.com/article/20230916-PR4AF3L73RJ5JNWQ52KCTW5QLQ/
不法滞在の外国人を集団で強制送還するチャーター機代が8年間で2億円以上かかっていることが2023年9月16日、出入国在留管理庁への取材で分かった。
本来は自己負担が原則だが、送還を拒否している場合は国が負担せざるを得ず、暴れるなどした場合にはチャーター機を用意するという。
不法滞在者は素早く祖国に帰すべきという意見は多いが、諸外国と海を隔てた島国日本では容易ではない。
入管庁によると、不法滞在や犯罪などで法務省が
「退去強制令書」
を発付した外国人は過去10年間で約6万9000人。
9割ほどは自ら帰国するが、拒否した場合は
「送還忌避者」
として強制的に帰国させるケースがある。
ただ、島国である日本は移動手段として高額な航空機代が発生する。
本人が拒否している場合は国費を使わざるを得ず、付き添いの入国警備官らの旅費も必要になる。
また、一般客も乗る民間機の場合、送還忌避者が敢えて暴れたり、暴言を吐くなどして機長判断で搭乗を拒否されるケースも多発。
法務省は平成25年度から同じ国同士の送還忌避者をチャーター機に乗せる集団送還を8年間で計8回実施した。
これまでにフィリピン、タイ、ベトナムなど6カ国の計339人が対象となったが、埼玉県川口市などで住民との軋轢が表面化したクルド人が多く住むトルコやイランは含まれていない。
費用は8年間の累計で2億2500万円に上り、個別に送還したケースも含めると10億円を超える。
令和3年以降はコロナ禍などもあり集団送還は行われていないが、同年は送還された約4100人のうち約1300人が国費でその割合は高くなっている。
送還忌避者を巡っては、深刻な事例が後を絶たない。
入管庁関係者によると、トルコ国籍の男の場合、搭乗時に突然、「アー、アー」と叫んで暴れ、放尿して抵抗、機長が搭乗を拒否した。
1週間後に再度試みたが、男は「アバレルヨー」と大声で宣言して再び暴れ、警備官らが両手足を押さえてようやく帰国便に乗せたという。
モロッコ国籍の男は搭乗前に警備官を殴り、別の警備官らが頭を押さえるなどして送還した。
こうした様子は全てビデオに収められている。
搭乗後に放尿や脱糞したり騒ぎ続けるケースでも、警備官は隣の座席で帰国先まで付き添うという。
入管庁幹部は
「一般機では暴れてもチャーター機では諦める場合が多い」
「個別送還よりコストが抑えられる面もある」
と話す。
令和4年末に送還忌避者として国内に残っている人は前年より約1000人増え、累計で4233人。
最多はトルコ国籍の約600人で、多くはクルド人とみられる。
全体の9割以上は入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免」
の立場で、半数程度は難民認定申請中という。
2023年6月成立の改正入管難民法では、難民申請中に送還が停止される回数を2回に制限、機内で暴れるなどした場合、1年以下の懲役などの罰則を設けた。
ただ、仮放免者の中には、行方が分からなくなっている者も約1400人おり、強制送還そのものが困難な状態が続いている。

「移民」と日本人
英は「ストップ・ザ・ボート」、日本は「難民かわいそう」 岐路に立つ2つの島国
2023/9/16 16:00
https://www.sankei.com/article/20230916-QSAAOMV6ZRIR7H7WB7KUMBEEXE/
日本国内で不法滞在の外国人が増える中、不法移民の流入が続く欧米では、どのような手段で彼らを祖国へ送還しているのか。
とりわけ同じ島国である英国では近年、英仏海峡をボートで渡ってくる難民が激増。
「ストップ・ザ・ボート」
をスローガンに2023年7月には彼らの難民申請を認めないとする法律が成立した。
一方の日本では
「労働開国」
が急速に進みつつあり、不法滞在者を巡っても一部マスコミなどから
「日本は難民に冷たい」
などの批判が上がる。
2つの島国は今、大きな岐路にある。
■2年で500%増「英国の現実知るべき」
英仏海峡の玄関口ドーバーの北約30kmにあるマンストン村。
トウモロコシ畑が広がる田園地帯に鉄条網と監視カメラに囲まれた施設がある。
水際で阻止された不法入国者が一時的に移送され、身元調査などを受ける。
入り口に施設の名称などはなく、周囲もカバーに覆われて中の様子は窺えない。
警備犬の吠える声だけが頻繁に聞こえる。
近くに住む白人男性によると、一部住民が施設に反対しており、施設の目的はあまり公にされていないのだという。
英内務省の統計によると、英仏海峡をボートで渡る不法移民は2022年、4万5000人以上と過去2年間で500%増加。
沈没事故もしばしば発生し、2023年8月にはアフガニスタン人約60人を乗せた船が転覆して6人が死亡した。
数十隻の移民船が一度に集中したための事故だという。
施設は2022年2月に出来たが、ベッドが不足しジフテリアの感染症が蔓延した。
不法入国者はこの施設を経て、処分が決まるまで民間ホテルなどに滞在させるが、その費用は年間約30億ポンド(約5500億円)という。
近くに住む30代の白人女性は赤ん坊をあやしながら
「より良い生活を求めてこの国へ来る人は、不法入国でも助けるのが当然と思う」。
一方で、ロンドンから移住した60代の白人男性は
「移民は決して同化しようとしない」
「イスラム教徒とヒンズー教徒が乱闘を起こすなど好き放題だ」
「日本も移民を積極的に受け入れようとしているというが、英国の現実を知るべきだ」
と話す。
■米国は12機の専用機保有
英国は1997年のブレア労働党政権発足を機に移民政策を転換、労働力不足を補うため欧州連合(EU)域内の外国人を積極的に受け入れた。
2020年のEU離脱後は、代わってEU外からの外国人が急増した。
その結果、総人口に占める外国人の割合は、日本の約2%に対し約14%。
ロンドンでは約37%に及ぶ。
労働移民が増えるにつれて不法移民も増加し、2022年度に送還された人は水際での摘発も含め、日本の約10倍の約4万人に上るという。
島国である英国は、我が国同様、送還に航空機の定期便やチャーター機を使う。
大陸側のEU加盟国では、共同の専門機関が送還業務を担っており、海路のフェリーや陸路のバスも使われる。
米国の場合、中米だけでなく海を渡っての不法移民も多く、政府機関が専用機を12機保有し、毎年150カ国以上へ送還しているという。
■中傷対応にビデオ録画は不可欠
2022年10月に発足した英スナク政権では
「ストップ・ザ・ボート」
のスローガンを掲げ、不法移民の取り締まりを強化。
EU離脱後の深刻な労働力不足に見舞われる中でも、ボートによる密航者の難民申請を認めない法律を成立させた他、不法移民の雇用者に科す罰金を最高6万ポンド(約1100万円)に、不法移民に部屋を貸した家主に対する罰金を最高5000ポンド(約90万円)に、それぞれ引き上げる方針だ。
一方、日本では、
「労働開国」
が急速に進んでいる。
2023年6月には熟練外国人労働者の永住や家族帯同が認められる
「特定技能2号」
の受け入れ対象拡大が閣議決定された。
永住外国人が増え続ければ事実上の
「移民政策」
になりかねないとの懸念は与党内にも強い。
英国のように不法移民の増加も懸念される。
強制送還や収容を巡っては実際に職務に当たる出入国在留管理庁に対し、
「非人道的」
「人権無視」
などの中傷が一部マスコミや人権団体などから相次ぎ、裁判で訴えられることもある。
こうした事態に対応するため、同庁では常時監視が必要な不法滞在者と接する様子は必ずビデオに録画しているという。
元入国警備官は言う。
「最近は以前にも増して『可哀相な難民を虐めるな』という目で見られる」
「現場は相当疲弊している」

「移民」と日本人
埼玉・川口のクルド人問題、トルコ大使に衆院外務委員長が懸念伝達 ビザ見直しにも言及
2023/9/16 19:33
https://www.sankei.com/article/20230916-6PXIWDNBONPBNDJ7S4UHPKFL7Y/
埼玉県川口市で一部のクルド人と住民のトラブルが相次いでいる問題を巡り、衆院外務委員会の黄川田仁志委員長(自民党)がギュンゲン駐日トルコ大使と面会し、懸念を伝えたことが2023年9月16日、分かった。
産経新聞の取材に黄川田氏が明かした。
状況が深刻化すればトルコに対する査証(ビザ)免除措置の見直しを求める国内世論が高まりかねないと説明した。
黄川田氏は2023年9月14日にギュンゲン氏と面会。
観光目的で入国した一部のクルド人が難民申請をして滞在し続ける事例が発生していると指摘した。
不法就労を斡旋するトルコ国内のブローカーの取り締まりや、トルコ国籍の日本滞在者に対する法令順守呼び掛けなどを求めた。
黄川田氏はイラン国籍の不法滞在者増加などを理由に、政府が平成4年にイランへのビザ免除措置を停止した過去に触れ、
「そのような事態は日トルコ関係にとって好ましくない」
と訴えた。
ギュンゲン氏は
「重く受け止め、本国に報告する」
と答えたという。
不法滞在者の早期送還に協力するとも述べた。
川口市ではクルド人と地域住民との軋轢が表面化し、川口市議会は2023年6月、国や県に
「一部外国人」
の犯罪取り締まり強化を求める意見書を可決した。
しかし、その後の2023年7月初めには、殺人未遂事件を巡るクルド人グループ同士の争いで約100人が市立病院周辺に殺到し、救急の受け入れがストップした。
一方、トルコ政府はクルド人国家の独立を求める非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)の掃討作戦を続けており、一般のクルド系住民の権利が損なわれているとの指摘もある。

イタリア発 移民政策が招いた惨状
移民政策で崩壊する国家と社会ーイタリアからの最終警告に耳を傾けよ
WiLL2023年9月号 イタリア在住・ブロガー・コラムニスト・実業家 ヴィズマーラ恵子
■「対岸の火事」ではない
欧州が直面している
「移民政策の失敗」
を目の当たりにしても、日本は移民を受け入れ続けるのでしょうか。
2023年6月27日、フランスのパリ郊外で交通検問中の警察官が車の停止命令に応じなかった17歳のアルジェリア系青年を射殺、6000人を超えるイスラム移民たちが暴徒と化して大暴動を起こしたことが世界中で報道されました。
パリでは一夜にして1500件を超える火災が発生し、建物や商店は破壊と略奪の惨状となった。
3日後には沈静化したものの、車やバスは2000台以上も放火され、破損や炎上した建物は500棟を超えました。
フランスの”地獄絵図”は
「特定技能2号」(在留期間がなく家族の帯同が可能)
の対象を広げるなど、
「大移民政策」
に舵を切る日本でも近い将来、起こり得ることです。
2023年7月4日の夜、埼玉県川口市で100人近い外国人が集まって乱闘騒ぎが起き、複数の逮捕者が出ました。
クルド人グループが複数台の車で別のクルド人グループを追い回して1人を切りつけ、切られたクルド人が運ばれた市内の病院に大勢の外国人が集まって抗争に発展したのです。
2023年6月25日にも、トルコ大使館(渋谷区)近くに500人以上のトルコ人とクルド人が集まって対立し、警察も巻き込まれる乱闘で、機動隊が出動する事態になりました。
日本がいつまでも平和で安全な国だと思ったら大間違いです。
欧州では、労働者不足を解消するために大量の移民を受け入れた結果、財政負担の増加や治安の悪化など、移民が深刻な社会問題となっています。
スウェーデンでは移民が人口の20%を占めており、労働移住や家族の呼び寄せで移民が急増。
寛容な社会の限界に達し、国家の形が崩壊しているのです。
それは私が住んでいるイタリアも同じです。
現在、EU諸国には毎日大量の移民が流れ込んでいます。
その多くは密航により上陸した不法入国者で、北アフリカから中央地中海ルートを通り、イタリア最南端の島ランペドゥーザ島に到着してEU諸国に散らばっていく。
イタリア内務省のデータ(2023年7月12日現在)によれば、現在イタリアに向かう移民の出発地となった最大国はチュニジア(57%)で、密入国の斡旋業者が移民から高額な船代を巻き上げ、どんどん移民を送り込んでいます。
イタリアまでは113km、距離にして福岡県と韓国・釜山の半分の距離なので手漕ぎボートやゴムボート、セーリングでも簡単に辿り着ける。
少し前までは毎日400人ほどでしたが、最近は毎日700人から多い時は2000人近い移民がイタリアに押し寄せてきます。
既に2023年は7万2000人以上の移民がイタリアに上陸しており、もはや制御不能です。
不法入国者たちは難民申請をするつもりもないので、船を降りると拘束される前に逃げようと浜辺を駆け抜け、森の中へと逃げて速攻で散らばります。
逮捕されるとホットスポット(日本における入管施設)に収容されるので、中には逆に難民申請が通り易い未成年を装うため、身元がバレないようにパスポートを破る人もいる。
そのため密入国者の数は把握出来ていません。
テロリストやスパイが紛れ込んでいる可能性もありますし、最近イタリアで再び流行り始めているコレラ菌の感染者が含まれているかもしれないと、憂慮すべき事柄もあります。
彼ら自身が生物兵器となってイタリアの街へ繰り出し、細菌を撒き散らす。
もはや移民を受け入れるかどうか、難民申請以前の問題で、恐怖でしかありません。
■秩序が失われてイタリア
移民を受け入れた結果、イタリアは景観も治安も悪化の一途を辿っています。
私が住むミラノの中央駅前の広場も、アフリカ系の移民がテントや寝袋を所狭しと並べ住み着いており、街の景観を損ねています。
2015年のミラノ万博に合わせて
「街を明るく安全にしよう」
と再開発や整備が行われたので、10年前は何人か目に付く程度でした。
ところが万博が終わると徐々に増え、コロナ禍のロックダウンで再度減少したものの、コロナ禍が明けてその数が近年は急激に増え、ピークを迎えています。
移民はやりたい放題です。
ピサでは北アフリカ系の不法移民が深夜、レストランのガラス瓶や椅子、テーブルを投げ合い、外席の備品を破壊して暴れています。
フィレンツェでも路上駐車している車を不法移民が破壊している。
ミラノでは、2023年3月に街を歩く人を次々に刺す無差別殺傷事件がありました(被害者は9人)。
移民は仕事もなければ、住む所もなく、やることも失う物もありません。
しかし、お腹は空いているので市民を襲ったり、破壊行為や略奪に走る。
駅から出てきた人は突然刺されたため抵抗もできず、携帯電話や金品を盗まれ、女性はその場で暴力を振るわれました。
最も被害が大きいのは強盗事件です。
ミラノでは、ミラノ中央駅で、フランスに向かおうと早朝の始発電車を待っていた女性が、駅前の広場で屯している不法移民から、駅構内やエレベーター内や移民の暮らしているテントの中で何度も暴行を受け、1日中強姦されました。
2023年3月、立て続けに、観光地スフォルツゥェスコ城の前にある広場でも学生が強姦されており、イタリアでは
「こんなことがあってはならない」
と大騒ぎになっています。
ナポリ駅前でも、毎月のように未成年の女性がかなりの数、強姦されていますし、最近は夜勤終わりの女性警官でさえ、移民による強姦に遭う事件が発生しています。
性的暴行だけでなく、麻薬の製造、所持、売買、また強盗や窃盗も多発しています。
これがイタリアの現状です。
また殺人以外の罪では、ほとんど1年未満で釈放されてしまうことも大問題です。
それにイタリアでは極刑が無期懲役なので、刑務所がパンク状態になっています。
そのため自宅軟禁などで済む場合が多く、入所できない犯罪者が街には解き放たれて犯罪を繰り返し、どんどん被害が広がっています。
それに民族同士の闘争も危険です。
ミラノでは2023年6月19日、50人以上の東欧州出身のロマ民族同士が割れたガラス瓶と棒を武器にした大乱闘が起こりました。
アフリカ系の不法移民も小さな民族同士で大勢集まり決闘を始めるので、白昼堂々、公園で薙刀など伝統武器を振り回していることもある。
物騒極まりない状況です。
移民の受け入れに賛成している日本の方々は、こうした現実を知っているのでしょうか。
最近、日本でも外国人による犯罪や日本人との衝突が目に付くようになっています。
ツイッターではコンビニ前でたむろして
「日本人と結婚すれば永久に日本に住める」
と日本人女性に声を掛けたり、学習塾の前で夜遅くまで勉強する女子高生が出てくるのを待つ外国人がいるなどの情報もあります。
治安が悪化する日本を見て、イタリアにいる私が危機感を覚えている。
何か事が起こってからでは遅いのです。
■日本の難民制度は甘過ぎる
ただイタリアは移民の玄関口になっているはいるものの、難民の認定率はそれほど高くありません。
EU諸国で最も認定率が高い(移民を受け入れている)のはドイツで、イタリアはドイツ、フランス、スペインに次いで4番目です。
2022年は1万865人の外国人が難民申請を行っており、認定を受けたのはたったの12%。
イタリアでは左派的なコンテ前政権が移民
「寛容」
政策を進めた結果、総人口の8.7%が移民になりました。
フランスのように移民のための保護区を設けようとし、そこで暮らせることを夢見て、移民はイタリアを命懸けで目指してきた。
そうした左派政権の移民政策に対する不満から、2022年10月に右派的なメローニ政権が誕生。
移民の受け入れ反対を主張し続けた結果、世論が動き、イタリア国民の民意が歴史的な政権交代劇を生んだのです。
保護地区を撤廃、
「ここに来ても無駄だ」
と移民に知らせることになった。
また2018年にサルビーニ副首相が提唱した
「人道的理由」
による難民の滞在許可を廃止する通称
「サルビーニ法」
が施行され、戦争や政治的迫害以外の理由による難民に、居住許可や身分証明書の発行が不可能になりました。
イタリア国民は確実に移民反対へと動いています。
だからこそ、世界4位の移民大国と言われる日本の移民の現実を知り、あまりの深刻さに驚いています。
元警視庁刑事・坂東忠信さんの記事によれば、200万人以上もいる在留外国人のうち、6万6759人が不法在留者。
平均で年間に1万7000人近くに強制送還命令が出されているものの、うち3300人が送還忌避者だとか。
しかも日本の法律では申請回数や理由を問わず、重大犯罪をした場合でも退去させられず、難民に該当しない外国人や日本で罪を犯した外国人が難民申請をし、不法在留者の60%が強制送還を回避しているとか。
しかも送還忌避者のうち、994人が有罪判決を受けていると言います。
どれもイタリアでは考えられないことです。
イタリアの場合、EU圏内の難民の受け入れに関する規則として
「ダブリン規制」
があります。
EU圏内で難民としての国際保護を求める場合、最初に到着したEU加盟国で申請を行い、審査が実施される。
そのためランペドゥーザ島に到着した時点で、大半の不法移民がイタリアで難民申請をします。
ところが、申請は1つの国によってのみ審査されるので、1度却下されると他国で申請することはできません。
イタリアで難民申請が却下された場合、他のEU諸国で申請することは許されず、ドイツやフランスに逃げても、イタリアに連れ戻され、強制送還の対象になります。
また再度申請をすることは認められないので、日本のように強姦致傷や殺人を犯した不法在留者が出所後に難民申請を繰り返し、強制送還を忌避して暮らし続けることも起こりません。
犯罪者は難民として認められない以前に申請も許されず、強制送還です。
それも、僅か5日で強制送還が行われる。
また強制退去が行えない理由として、日本では自国民の受け取りを拒否する国の存在があると言い訳をしていますが、イタリアは送還費を負担してまで強制送還の対象者を全員送り返している(送還費は500万ユーロ=約7億3600万円)。
EU圏内で一旦強制送還になると、5年間はEU諸国に再入国が許されません。
たとえ騙そうとしても、EU内で国際保護の手続きを行った人は身元確認が行われ、生年月日、出身国を確認し、顔写真と指紋を取られます。
また、
「ユーロダック」
というEU共通のデータベースシステムに情報が登録されるので身元を誤魔化すことはできないし、不法移民や犯罪者に
「2回も3回も申請のチャンスを与える必要はない」
というのがEUをはじめとする世界の常識なのです。
■「難民=可哀相」ではない
2023年4月にイタリア政府は緊急事態宣言を出し、不法移民の本国への強制送還を迅速化しただけでなく、移民の身分証明書の認定速度を上げる法整備を次々に行いました。
現在、イタリアでの難民申請には無犯罪証明書が必要ですし、もし法的案件で係争中の場合、申請は取り消されます。
滞在許可証(在留許可)も更新できません。
それに更新には、正規の移民でもイタリア語の語学試験に合格し、その証明書が必須書類になります。
免除されるのは配偶者がイタリア国籍のイタリア人である場合ですが、それも法律が強化され、在住20年の私も語学試験を受けるように移民局警察署に言われたことがある。
最低年収を上回っていなければなりませんし、年収証明書も提出の上、家の広さを表す計測面図を提出させられる。
またイタリアも産業スパイが多いので、警察はスパイ対策やテロ対策として申請した住所まで抜き打ちで訪問し、家の中を見て回ります。
特に中国人は1部屋に何人も住んでいるケースや偽装結婚も多いので、人が住む場所が適切な広さか、偽装結婚ではないか、他に不法移民を滞在させ共同生活するなど隠蔽していないか、そして申請者本人の髪と目の色、身長まで確認しにきます。
滞在許可証を得るにも、日本以上に難しいものがあります。
イタリアは日本と異なり単一通貨を持たず、人口も6000万人と約半分。
低賃金で日本より経済レベルも低い、どれだけ頑張ってもEUがなければ存在できないような国です。
だからこそ、自分たちで国を守らなければ侵略されてしまうのです。
日本人のおもてなし精神や一期一会の文化は素晴らしいのですが、
「難民=可哀相な人=保護しろ」
と安直に憐れむのは間違いです。
どれだけ綺麗な言葉を並べても、礼儀や敬意、謙虚さが皆無の恩を仇で返すような”蛮族”とはどうやっても共存できない。
その事実を周知しなければなりません。
特に
「人権がー」
「外国人差別だー」
と声高に叫ぶ人たち、そして、不法滞在者に欺瞞的な悪知恵を付けて唆す偽善支援者たちには、侵略者たちに
「義理人情が通じない」
ことを、念頭に置く必要があると感じます。
だからこそ、不法滞在者は日本も即時強制送還するべきですし、難民に当たらない外国人には
「自費でお帰り下さい」
と言えばいい。
こうした発言は国際的には
「外国人差別」
にも
「人権侵害」
にも当たらない、当然の意見です。
入管施設で亡くなったウィシュマ・サンダマリ氏も同居人からの暴力は不幸でしたが、だからといって難民には該当しません。
「可哀相だから受けれ入れてやれ」
と主張し、権利だけを主張して義務を果たさない外国人に、三食寝床付きの施設を利用させる必要はどこにもない。
日本人と外国人、どちらが大切なのかをよく考えて、国際ルールに従うべきです。
2023年5月9日、送還忌避者の長期収容解消を目的に、入管難民法が改正され、難民申請を原則2回に制限し、3回目の申請以降は
「相当の理由」
を示さなければ強制送還できるようになりました。
少しは改善されたでしょうが、まだまだ日本は法整備が必要です。
■日本が崩壊する日
よく人間は
「健康第一」
と言いますが、国にとっての健康とは
「治安」
です。
安心、安全、秩序が保たれているからこそ、国家が健康であり続けられる。
日本の治安の良さは世界でダントツの定評があります。
女性が夜1人で歩くことができる。
落とした財布がそのまま返ってくる、お金の入った機械(自動販売機)が24時間路上に設置されている・・・イタリア人もビックリで、海外ではあり得ないことばかりです。
どれも日本人のモラルの高さ、誠実さ、良心、思いやり、協調性・・・国民の高い良識で治安が守られています。
安全や安心はどれだけお金を出しても買うことの出来ない何物にも代え難いものです。
遠い昔から日本人が積み上げてきたからこそ為せるものですから、それを経済のためや労働者不足の解消のためという刹那的(後先を考えず、今この瞬間だけを充実させて生きようとする様。特に、一時的な享楽に耽る様)な理由で外国人を招き入れ、崩壊を自ら招くのは愚かな行為です。
日本には
「郷に入っては郷に従え」
という言葉がありますが、不法在留者には何を言っても聞き入れてはくれません。
イタリアの不法滞在者・不法移民たちの多くはイタリアの文化や社会に適合しようともしないし、受け入れてもらっていることに対する感謝も配慮もない。
彼らに常識やモラルを説いても通用しません。
社会の治安が崩壊するのは一瞬なので、取り返しがつかなくなる前に、日本人は危機感を持って、欧州の失敗から学ぶべきではないかと外から見ていて強く感じます。
大事なものは何か。
もう1回見直さなければ、日本という国家が崩壊する日は遠くないかもしれません。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/750.html#c43

[戦争b24] 日米韓の軍事同盟に対抗して中朝露も軍事同盟(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
9. 2023年9月18日 08:18:22 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-23]
<■82行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
世界のかたち、日本のかたち
台湾有事 明快な麻生氏 大阪大名誉教授 坂元一哉
2023/9/17 8:00
https://www.sankei.com/article/20230917-5VCE73Z7PNKV3AFEWMXWXCZOYI/
2023年8月8日、自民党の麻生太郎副総裁は訪問先の台湾で講演し、台湾有事に関連して
「防衛力を持っているだけではダメだ」
「いざとなったら台湾防衛のために使うという明確な意思を相手に伝え、それが抑止力になる」
と語った。
また、
「最も重要なことは戦争を起こさせないことだ」
と訴えた。
極めて重要で有意義な発言だと思う。
中国が台湾に実際に軍事侵攻するかどうか、またそのタイミングについては様々な議論があるが、台湾有事は在日米軍のリアクションと共に、ほぼ確実に日本有事に発展するだろう。
日本の存立基盤を根底から揺るがすので、その発生は何としても抑止しなければならない。
むろん中国にとって軍事侵攻は国際世論の反発や経済制裁など政治的、経済的リスクを伴うものであり、それがそれなりの抑止力になるとも考えられる。
あるいは、それだけでも中国を思いとどまらせることが出来るという見方もあるかもしれない。
だがその見方は楽観的すぎるだろう。
ここは日本、米国、台湾がそれぞれ、万一有事となればきちんと対応するという意思をはっきり示し、三者がどのように連携して対応するか、そのための話し合いと具体的な準備を進めて、抑止力をできる限り高めたいところである。
その上で、台湾への軍事侵攻が中国のこれまでの世界史的な国家発展の偉業を台無しにしてしまう軽挙妄動であることを説得的に示し、思いとどまるよう自制を促す外交的努力を続けるしかない。
麻生副総裁の発言も、中国に自制を促す外交的努力だとみることも出来る。
日本は1972年の日中国交正常化以来、台湾は中国の一部であるという中国政府の立場(1つの中国)を
「理解し、尊重」(日中共同声明)
するという姿勢を守ってきた。
即ち、台湾問題は中国の内政問題であるという建前に捉われてきたとも言え、そのことが、台湾有事に関する日本側の発言を、麻生氏のような明快で分かりやすいものではなく、はっきりしないものにしてしまうところがあった。
中国をなるべく刺激したくないという考えからそうなるのだろうが、それによって、
「日本は弱いので何もできないし、何もしない」
という誤解を中国に与えては困る。
台湾有事は日本にとって対岸の火事として静観できるような中国の内政問題ではなく、日本の安全保障を脅かす重大な国際問題であり、対応せざるを得ないという明快なメッセージを増やす必要がある。
結局、日中両国にとって大事なのは、日本が
「1つの中国」
という中国の立場を
「理解し、尊重」
するだけでなく、中国にも台湾海峡問題の平和的解決を求める日本の立場を
「理解し、尊重」
してもらうことなのであろう。

新聞に喝!
切り込み足りず「中国の十段線」報道 京都府立大教授・岡本隆司
2023/9/17 10:00
https://www.sankei.com/article/20230917-5ZGAVA6LVFOCVDBNX5LTRTKW3Y/
去る2023年8月24日、東京電力は2日前の政府の関係閣僚会議による決定に従い、福島第1原子力発電所処理水の海洋放出を開始した。
その後の内・外の報道は「処理水」「汚染水」一色になったといってよい。
一衣帯水の隣国・中国の言動が、いよいよ事態をエスカレートさせた。
一貫して「処理水」を「汚染水」と呼び、「海洋放出」に反対の立場を取ってきた中国政府は、日本政府の説明・説得に全く耳を貸さなかっただけではない。
「海洋放出」が始まる、直ちに日本産水産物の全面輸入禁止措置を取って、内・外を驚かせさえした。
実際に小さからぬ影響を及ぼしている。
そんな騒ぎの最中、「海洋放出」の4日後、その南方で、新たな問題が持ち上がった。
中国自然資源省が2023年8月28日に発表した「2023年版標準地図」に記す南シナ海周辺の「十段線」である。
中国はそれまで周辺の領有権を主張するため、「九段線」という9本の境界線を一方的に設定してきた。
「十段線」とはその9本に加え、台湾を囲い込む線を1本増やしたもので、関係国の反応も、当然に否定的である。
2023年8月31日にはフィリピン・ベトナム・台湾が続々と反発の声明を出した。
排他的経済水域が関わるマレーシアも、陸上で国境問題を抱えるインドも、やはり非難している。
中国としては、従前から主張する「領土主権」の範囲を自国の「標準地図」に記載したに過ぎないのかもしれない。
外務省の汪文斌報道官が2023年8月31日の記者会見で、
「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」
と述べたのも、そうした論理なのであって、相手の立場を顧慮しないことばかりではある。
ところが日本の主要なメディア・新聞の報道は、いわゆる「汚染水」とは対蹠的(たいせきてき:2つ の 物事 が 正反対 の関係にあるさま)だ。
速報したのは、ほぼ2023年9月1日付産経・日経の電子版のみ、続いて報じた他紙も、ごく淡泊な論調に見受けられる。
疑問を禁じ得ないのは、「十段線」が尖閣問題・台湾有事に繋がるという理由にとどまらない。
嚙み合わない論理を弄し、相手を顧慮しない行動様式で、「十段線」は「汚染水」騒ぎと同じだからである。
そんな言動をもたらす中国の体質、内的な論理こそ本質的な問題であって、せっかく報じたのなら、そこまで切り込んでほしかった。
さもなくば、またぞろ従前の繰り返し、中国の言動に驚き慌てふためかざるを得なくなる。
一衣帯水を脅威の肉薄にしない報道を期待したい。
http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/822.html#c9

[国際33] 中露と米国の対立を長期化する/田中宇 仁王像
3. 2023年9月18日 15:41:34 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-22]
<■412行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
世界の論点
南シナ海新地図問題 中国メディア 十段線ふれず「責任は米に」
2023/9/18 10:00
https://www.sankei.com/article/20230918-6CZIBKREQVNQJBG5OCILOZBRCY/
中国が新地図を発表し、南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線
「九段線」
を拡大した
「十段線」
を記した。
沖縄県石垣市の尖閣諸島についても中国名の釣魚島と表記し、インド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載した。
アジア諸国が怒りを露わにする中、南シナ海で領有権を争い、中国からの圧力を強く受けるフィリピンは特に危機感を募らせているが、中国メディアはこうした反応をほぼ無視し、従来の主張を繰り返している。
■中国 十段線触れず「責任は米に」
新地図を発表した中国は、南シナ海を緊張させた責任は米国にあるとの主張を続ける。
新たな境界線は台湾東部に加えられており、
「台湾は中国の一部」
とする
「1つの中国」
原則や南シナ海の領有権を正当化している。
中国自然資源省による新地図発表翌日の2023年8月29日、国営中央テレビ(電子版)は同省幹部の話を掲載。
幹部は
「国土は主権や政治、外交姿勢を反映するもの」
とし、
「我が国の姿勢と矛盾する問題地図は祖国統一や国家主権を危険に晒す」
「監視を強め、見つけ次第削除する」
と、異論を認めない姿勢を見せた。
新地図には日本も反発しており、松野博一官房長官は2023年9月5日、尖閣諸島が中国側名称の
「釣魚島」
と表記されていることに抗議したと明かした。
これに中国外務省の毛寧報道官は2023年9月6日の記者会見で、
「釣魚島と付属島嶼は中国固有の領土」
「地図表示は当然だ」
とし、抗議を受け入れないとした。
中国メディアには新地図の論評がほとんどない。
各国の反発に敢えて関心を示さずにいるようにも見え、中国は南シナ海の平和と安定に向け東南アジア諸国連合(ASEAN)と前向きに協議し、米国こそが分断を煽っているとの独自主張を展開する。
中国政府系英字紙、チャイナ・デーリー(電子版)は2023年9月6日、米軍とフィリピン軍が2023年9月4日、中国が領有権を主張するスプラトリー(中国名・南沙)諸島に近いパラワン島沖で軍艦を共同航行させたことを
「挑発的行為。茶番だ」
と批判する社説を載せ、
「米国は南シナ海を平和、友好、協力の海にするとの呼び掛けに耳を傾けよ」
と訴えた。
同紙は各国が反発する新地図には一切言及せず、
「米国は覇権維持のため、海を大国競争の舞台に変え、平和や安定という周辺地域の願望を無視している」
と非難し、
「利己的計算に耽るべきではない」
と糾弾した。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は2023年9月5日の社説で、バイデン米大統領がASEAN関連首脳会議を欠席したことは
「残念なことではない」
と主張。
出席すれば、南シナ海の島嶼紛争など”古い”地政学の話題を持ち込み
「分断を生み出しかねない」
とし、むしろ好都合だとの趣旨を展開した。
米国がASEAN各国に巨大経済圏構想「一帯一路」への参加を拒むよう求めたとの米紙報道に触れ、
「米国は諸国の懸念を改善するどころか害を及ぼしている」
とし、ASEANとウィンウィンな関係の中国とは対照的だと批判した。
同紙も新地図に対する各国の不満を完全に無視している。
■東南アジア ASEANは張子の虎か
南シナ海を巡り領有権を争う東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国からは中国への不満の声が上がる。
中国が公開した南シナ海ほぼ全域の領有権を主張する新地図は不信感を決定的にした。
ただ、対中姿勢で加盟国には温度差がある。
2023年9月5〜7日のASEAN関連首脳会議の議論でも、踏み込んだ対中批判は出来なかった。
メディアは一枚岩になれないASEANの限界も指摘している。
「ASEANは張子の虎ではないことを、はっきりと証明しなければならない」。
フィリピン紙「マニラ・タイムズ」(電子版)は首脳会議の2023年9月4日付の論説記事で、ASEANが一丸となって南シナ海問題で中国に効果的な対応を取るべきだと主張した。
フィリピンは加盟国の中でも、南シナ海で特に強く中国の圧力に直面する。
排他的経済水域(EEZ)内で中国海警局の船舶が、比船の航行を妨害する事案が相次ぐ。
マルコス比大統領は首脳会議で
「南シナ海は平和、安定、繁栄の海ではない」
「現実はかけ離れている」
と述べ、中国への名指しを避けつつ
「沿岸警備隊の危険な使用」
に反対の姿勢を示した。
中国海警局の活動を明確に意識した発言だ。
議長国インドネシアのジョコ大統領も中国を念頭に
「国際法の尊重が地域への前向きな力となる」
と釘を刺した。
しかし、首脳会議成果は、対中融和姿勢を取る国が対中批判のトーンを和らげる動きに出ており、マニラ・タイムズは2023年9月7日付の別の記事で、
「カンボジアなどは融資に目が眩み、中国の主張を支持している」
と苦言を呈した。
議長声明では、ASEANと中国が南シナ海での偶発的な衝突を回避するため
「行動規範(COC)」
の早期策定を目指すとしたが、目処は立っていない。
シンガポール紙は
「ストレーツ・タイムズ」(電子版)
は2023年9月10日付の
「南シナ海問題での乏しい伸展」
との記事で、専門家の言葉を引用し、中国の新地図は
「明らかにCOCの交渉に資するものではない」
とし、策定作業は難航すると言及した。
その上で、同紙は
「更に悪いことは、ASEANとして南シナ海問題にどう対応するべきか、集団的な見解が見えていない所だ」
と懸念。
足並みが揃わないASEANの在り方を憂慮した。
■ポイント
・ASEANに対中温度差、批判に踏み込めず
・比紙は中国に効果的な対応を取るべきだと主張
・中国「祖国統一に危険な問題地図は排除」
・「南シナ海を緊張させた責任は米国にある」

新聞に喝!
切り込み足りず「中国の十段線」報道 京都府立大教授・岡本隆司
2023/9/17 10:00
https://www.sankei.com/article/20230917-5ZGAVA6LVFOCVDBNX5LTRTKW3Y/
去る2023年8月24日、東京電力は2日前の政府の関係閣僚会議による決定に従い、福島第1原子力発電所処理水の海洋放出を開始した。
その後の内・外の報道は「処理水」「汚染水」一色になったといってよい。
一衣帯水の隣国・中国の言動が、いよいよ事態をエスカレートさせた。
一貫して「処理水」を「汚染水」と呼び、「海洋放出」に反対の立場を取ってきた中国政府は、日本政府の説明・説得に全く耳を貸さなかっただけではない。
「海洋放出」が始まる、直ちに日本産水産物の全面輸入禁止措置を取って、内・外を驚かせさえした。
実際に小さからぬ影響を及ぼしている。
そんな騒ぎの最中、「海洋放出」の4日後、その南方で、新たな問題が持ち上がった。
中国自然資源省が2023年8月28日に発表した「2023年版標準地図」に記す南シナ海周辺の「十段線」である。
中国はそれまで周辺の領有権を主張するため、「九段線」という9本の境界線を一方的に設定してきた。
「十段線」とはその9本に加え、台湾を囲い込む線を1本増やしたもので、関係国の反応も、当然に否定的である。
2023年8月31日にはフィリピン・ベトナム・台湾が続々と反発の声明を出した。
排他的経済水域が関わるマレーシアも、陸上で国境問題を抱えるインドも、やはり非難している。
中国としては、従前から主張する「領土主権」の範囲を自国の「標準地図」に記載したに過ぎないのかもしれない。
外務省の汪文斌報道官が2023年8月31日の記者会見で、
「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」
と述べたのも、そうした論理なのであって、相手の立場を顧慮しないことばかりではある。
ところが日本の主要なメディア・新聞の報道は、いわゆる「汚染水」とは対蹠的(たいせきてき:2つ の 物事 が 正反対 の関係にあるさま)だ。
速報したのは、ほぼ2023年9月1日付産経・日経の電子版のみ、続いて報じた他紙も、ごく淡泊な論調に見受けられる。
疑問を禁じ得ないのは、「十段線」が尖閣問題・台湾有事に繋がるという理由にとどまらない。
嚙み合わない論理を弄し、相手を顧慮しない行動様式で、「十段線」は「汚染水」騒ぎと同じだからである。
そんな言動をもたらす中国の体質、内的な論理こそ本質的な問題であって、せっかく報じたのなら、そこまで切り込んでほしかった。
さもなくば、またぞろ従前の繰り返し、中国の言動に驚き慌てふためかざるを得なくなる。
一衣帯水を脅威の肉薄にしない報道を期待したい。

主張
中国の新地図 紙の上から侵略するのか
2023/9/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20230909-FRKHIHXIJRN4ZNTJXAOU6O3JIU/
中国政府が発表した新しい地図に国際社会の非難が広がっている。
沖縄県の尖閣諸島を中国名の釣魚島と表記した。南シナ海のほぼ全域を自国のものとしている他、インドとの係争地も自国領と表示した。
更には、中露国境に位置する大ウスリー島のロシア領部分も中国領とした。
中国のとどまるところを知らない領土・領海への野心が、地図という紙の上で如実に示された格好だ。
中国は新地図を撤回すべきである。
問題の地図は、中国の自然資源省が2023年8月末に公表した。
インドネシアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議や、インドでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を控えた時期だった。
公表直後、フィリピンとベトナムは
「何の根拠もない」
「主権、管轄権の侵害だ」
と非難した。
米高官は
「国境を再編し、他国がそれに従うことを期待してニューノーマル(新常態)を作り出そうとしている」
と警戒を示した。
日本政府は中国政府に厳重抗議した。
松野博一官房長官は
「歴史的にも国際法上も疑いのない、我が国固有の領土である尖閣諸島について中国側の独自の主張に基づく表記が確認された」
と批判した。
中国は南シナ海に一方的に
「九段線」
を引いて不当な支配を強めてきた。
今回は、九段線を台湾東方海域にまで拡大した
「十段線」
を記した。
ボルネオ島(カリマンタン島)沖のマレーシアの排他的経済水域(EEZ)と重なる海を中国の水域と表示した。
しかし、九段線自体が2016年のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の裁定で明確に否定されている。
「法の支配」
を踏みにじる地図の公表は、各国の反発を招くだけの失策と言える。
ASEANと日米中露などが参加した2023年9月7日の東アジアサミットでは、日米やフィリピンなどが南シナ海での中国の威圧的行動を改めて非難し、法に基づく国際秩序を守るよう迫った。
中国の李強首相は、対中国の
「小さな陣営を作ろうとする試みに断固反対する」
と反発したが、耳を傾ける国はほとんどあるまい。
日本や各国は結束し、中国による一方的な現状変更を止めねばならない。

中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大
2023/9/1 18:10
https://www.sankei.com/article/20230901-KKKY4I7NJVI3RKGFEFM7234BCQ/
中国が発表した新しい地図に対し、アジアで非難が一斉に広がっている。
地図には、中国が南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線
「九段線」
を拡大した
「十段線」
が記され、領有権を争うフィリピンやベトナムなどの他、台湾も反発。
一方的な領有権の主張は、2023年9月上旬にアジアで相次ぎ開かれる国際会議で火種となる可能性がある。
地図は中国自然資源省が2023年8月28日に公表した
「2023年版標準地図」。
南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されている。
また、ヒマラヤ地域では、中国が
「南チベット」
として領有権を主張するインド北東部の
「アルナチャルプラデシュ州」
も中国領として記載された。
地図を巡ってフィリピンは2023年8月31日の声明で
「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」
と反発。
南シナ海での中国の主権主張を退けた2016年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めた。
ベトナムも2023年8月31日に
「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」
との声明を発表し、
台湾の外交部(外務省に相当)報道官は
「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」
と批判した。
マレーシアも
「ボルネオ島(カリマンタン島)沖の自国の排他的経済水域(EEZ)と重なる水域を中国領にしている」
と非難し、
インドは
「国境問題の解決を複雑にするだけだ」
と中国の姿勢に反発した。
2023年9月上旬にはインドネシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が、インドで20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。
中国とASEANは南シナ海での紛争防止を目指す
「行動規範」
策定作業を進めているが、今回の領有権の主張は協議に影響を与えそうだ。
インドはG20議長国であり、会議直前の地図公開は円滑な議事進行の妨げとの受け止めが広がっている。
印紙ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)は
「インドを敵対国として扱い、圧力を掛ける狙いは明確だ」
と批判した。
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月31日の記者会見で、地図に関して
「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」
と述べ、領有権主張を正当化した。

台湾情勢、非常に危険な状況 米軍マレン元統合参謀本部議長インタビュー
2023/9/17 18:24
https://www.sankei.com/article/20230917-6G6WNYBSYFJ43BNT5BXKA4NBX4/
ブッシュ、オバマ両米政権で米軍制服組トップを務めたマイケル・マレン元統合参謀本部議長が2023年9月17日までに産経新聞の電話インタビューに応じ、非常時に米国内産業の統制権限を大統領に認める
「国防生産法」
を活用して、台湾への兵器供与を迅速化すべきだと訴えた。
2023年9月13日に行われた露朝首脳会談に関しては、双方は
「互いに補完する関係だ」
と指摘。
北朝鮮の旧式兵器であっても露軍のウクライナ攻撃に役立つとして、軍事協力への懸念を示した。
マレン氏は2022年3月、バイデン大統領が派遣した台湾訪問団を率いた。
中国の軍事力について
「過去20年間の投資によって向上した」
とする一方で、中国軍が米軍を上回る能力を確立する可能性は否定した。
中国が台湾に軍事圧力を高めている現状を踏まえ、台湾情勢を1962年のキューバ危機になぞらえ、
「非常に危険な状況にある」
と警鐘を鳴らした。
中国に台湾侵攻を決断させないため、マレン氏は米国と同盟国による
「強力な抑止力の構築」
を求めた。
米国に関しては、国防生産法を活用すれば規制緩和などで台湾向け兵器製造を迅速化できると指摘。
同法により、
「これまでよりも大量で高性能の兵器供給」
が可能になると述べた。
同盟国では日本との協力が必要になるとの考えを示し、岸田文雄政権が進める防衛費増額を
「非常に前向きな決断だ」
と評価した。
自衛隊の装備向上に期待を示した。
一方で
「中国を煽ることなどには注意を払う必要がある」
と述べ、米中間の緊張を不用意に高めることは避けるべきだとの立場を示した。
軍同士の対話が進んでいない状況を
「非常に懸念」
し、対話チャンネルの再構築を双方に求めた。
プーチン露大統領と金正恩朝鮮労働党総書記の関係は
「信頼し合えるほど互いのことをよく知っているとは思えない」
と指摘。
ロシアは兵器、北朝鮮は資金が必要という補完関係が、両者を接近させたとの見方を示した。
■国防生産法
米大統領が緊急時、産業界を直接統制できる枠組みを定めた法律。
1950年、朝鮮戦争への対抗策として設けられた。
トランプ前政権時代には新型コロナウイルス感染拡大を受け医療品増産のため発動された。

世界を解く−E・ルトワック
台湾に潜む「内なる敵」
2023/9/16 13:04
https://www.sankei.com/article/20230916-ZS57QJRCABKT3HXZVWJCV6Q2VE/
中国初の国産空母「山東」を含む中国艦隊は2023年9月中旬、中国軍の戦闘機と共に、台湾の東側に位置する西太平洋で合同軍事演習を実施した。
2023年9月13日には、演習に参加しているとみられる68機の中国軍機が台湾の防空識別圏に進入している。
中国は最近、台湾周辺で軍事演習を繰り返している。
そこには、中国軍部隊の能力強化という一義的な目的に加え、台湾を
「演習慣れ」
させる意図が込められている。
過去の戦史で、大規模軍事演習と称して軍部隊を集結させ、相手の油断を誘って軍事侵攻に踏み切った例は少なくない。
中国は侵攻の構えを示すことで台湾を緊張させ、実際には演習実施にとどめるという行動を重ねることで、台湾に
「また演習か」
との意識を植え付けて即応体制を弱体化させようとしている。
中国は同時に、度重なる演習で台湾の一般市民に
「侵攻は近い」
と思わせる狙いがある。
中国は演習を通じ、金銭に余裕のある台湾市民に海外への脱出をけしかける一方、台湾にとどまらざるを得ない人たちに中国統治を受け入れるよう、心理的に揺さぶりをかけているのだ。
中国の習近平国家主席が描く台湾侵攻計画は、陸海空軍による軍事行動を作戦の主眼と見做していない。
台湾を中国の工作員によって内部から切り崩していくことが計画の基本となる。
旧日本軍が中国大陸から撤退した後に起きた第2次国共内戦(1946〜49年)では、共産党が国民党軍の内通者の手引きで中国全土の各都市を難なく陥落させていった。
台湾に関しても、習近平体制は
「どうせ中国には敵わない」
との意識を台湾世論に蔓延させ、中国の統治を抵抗なく受け入れさせることを目指している。
香港情勢に関し、私たち米国人や日本人は、言論の自由が侵され、知識人らが投獄されている事態を当然ながら問題視する。
だが、台湾人の中には、香港で中国支配が強化されても日常生活には支障がないし、海外旅行にも行けるし、何も問題はないではないか、と見る向きも少なくない。
そうした人々は、中国の台湾侵攻に手を打たないだろう。
しかも民間人ではなく、台湾の軍人らが中国に占領された後も自らの地位を保全したいと考えるならば、台湾の中国親派、はっきり言えば中国大陸出身の国民党系の人々などとの関係の確保を図るはずだ。
■日本、中立ではいられない
台湾の蔡英文総統はバイデン米政権に対し、台湾有事の際に米国が介入すると確約するよう求めている。
だが当の台湾は未だに有事への備えが立ち遅れている。
台湾は2022年末、18歳以上の男子の兵役義務を4カ月から1年に延長したが、実施されるのは2024年1月以降だ。
目の前で熊が襲い掛かろうとしているのに2024年猟銃を買います、と言っているようなもので、切迫感や真剣さが感じられない。
中国の習近平体制が目指すのは限定戦争だ。
核兵器の使用は想定していない。
そして、敵対勢力の内部で工作活動を展開する
「第5列部隊」
を重視する。
第5列とは、スペイン内戦中の1936年、共和国政府が防衛するマドリードを4つの部隊で包囲した反共和国軍が、
「市内には我々に呼応する第5列がいる」
と主張したことにちなむ。
台湾有事は言わば
「第5列侵攻」
の様相を呈するのは確実だ。
中国は同時に、米国が軍事介入する余地を最小限にしようと、侵攻作戦を早朝から数時間で終わらせることを目指すはずだ。
台湾に中国と戦う決意があり、具体的な抵抗を図る限りは、米国は台湾を支え続ける。
日本も中立ではいられない。
米国は日本に対し、海上自衛隊が擁する潜水艦の活用を求めてくるだろう。
2023年9月中旬の演習と同様、台湾東部に展開して米軍などの接近阻止を図る中国艦隊を撃破するには、潜水艦が最も有効だ。
日本が公式に戦闘に参加するにはハードルはあるが、潜水艦戦であれば、中国も誰から攻撃されたのか、特定するのは容易ではないはずだ。
日本の首相も中国艦船の攻撃で重大な決断を迫られることになる。

世界のかたち、日本のかたち
台湾有事 明快な麻生氏 大阪大名誉教授 坂元一哉
2023/9/17 8:00
https://www.sankei.com/article/20230917-5VCE73Z7PNKV3AFEWMXWXCZOYI/
2023年8月8日、自民党の麻生太郎副総裁は訪問先の台湾で講演し、台湾有事に関連して
「防衛力を持っているだけではダメだ」
「いざとなったら台湾防衛のために使うという明確な意思を相手に伝え、それが抑止力になる」
と語った。
また、
「最も重要なことは戦争を起こさせないことだ」
と訴えた。
極めて重要で有意義な発言だと思う。
中国が台湾に実際に軍事侵攻するかどうか、またそのタイミングについては様々な議論があるが、台湾有事は在日米軍のリアクションと共に、ほぼ確実に日本有事に発展するだろう。
日本の存立基盤を根底から揺るがすので、その発生は何としても抑止しなければならない。
むろん中国にとって軍事侵攻は国際世論の反発や経済制裁など政治的、経済的リスクを伴うものであり、それがそれなりの抑止力になるとも考えられる。
あるいは、それだけでも中国を思いとどまらせることが出来るという見方もあるかもしれない。
だがその見方は楽観的すぎるだろう。
ここは日本、米国、台湾がそれぞれ、万一有事となればきちんと対応するという意思をはっきり示し、三者がどのように連携して対応するか、そのための話し合いと具体的な準備を進めて、抑止力をできる限り高めたいところである。
その上で、台湾への軍事侵攻が中国のこれまでの世界史的な国家発展の偉業を台無しにしてしまう軽挙妄動であることを説得的に示し、思いとどまるよう自制を促す外交的努力を続けるしかない。
麻生副総裁の発言も、中国に自制を促す外交的努力だとみることも出来る。
日本は1972年の日中国交正常化以来、台湾は中国の一部であるという中国政府の立場(1つの中国)を
「理解し、尊重」(日中共同声明)
するという姿勢を守ってきた。
即ち、台湾問題は中国の内政問題であるという建前に捉われてきたとも言え、そのことが、台湾有事に関する日本側の発言を、麻生氏のような明快で分かりやすいものではなく、はっきりしないものにしてしまうところがあった。
中国をなるべく刺激したくないという考えからそうなるのだろうが、それによって、
「日本は弱いので何もできないし、何もしない」
という誤解を中国に与えては困る。
台湾有事は日本にとって対岸の火事として静観できるような中国の内政問題ではなく、日本の安全保障を脅かす重大な国際問題であり、対応せざるを得ないという明快なメッセージを増やす必要がある。
結局、日中両国にとって大事なのは、日本が
「1つの中国」
という中国の立場を
「理解し、尊重」
するだけでなく、中国にも台湾海峡問題の平和的解決を求める日本の立場を
「理解し、尊重」
してもらうことなのであろう。

<独自>台湾軍が米本土の軍事演習に参加 米が支援強化
2023/9/2 21:06
https://www.sankei.com/article/20230902-FWKQI2NTFVN6DJR5YRMAP3QKOI/
米中西部ミシガン州で2023年8月に実施された米軍の演習に台湾軍が参加していたことが分かった。
複数の関係者が明らかにした。
バイデン政権は、中国の軍事圧力を受ける台湾の防衛を支援するため、台湾軍の能力を引き上げたい考えだ。
台湾軍が参加したのは、ミシガン州兵が主導して2023年8月5〜19日に行われた演習。
複数の外国軍などを含め7000人超が参加し、同州の訓練施設などで実施された。
台湾軍の参加規模は不明。
米側は予備役訓練の強化も支援していく考えだ。
米側は訓練支援を台湾などでも実施しているが、これまで台湾軍が米側と実施してきた訓練よりも部隊規模を引き上げたとみられる。
今回の参加は2022年夏に続くもので、交流を深めて相互運用性も高めていく。
今後は台湾軍の派遣規模の拡大も視野に入れる。
米側は連邦軍ではない州兵を活用することで中国への刺激を緩和したい考えとみられる。
州兵による訓練は2014年のロシアによるクリミア半島併合を受け、同盟国ではないウクライナの軍にも実施している。
バイデン米政権は2023年2月、中国の習近平国家主席が2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍部に指示していたとの情報を公にして中国を牽制。
台湾統一を掲げる習政権が侵攻に踏み切らないよう、台湾軍の防衛力強化に向けた支援拡充を進めている。
武器支援を巡っては2023年7月、通常の売却とは別に、議会承認を経ずに物資提供できる大統領権限を活用し、3億4500万ドル(約500億円)規模の軍事支援を発表。
同権限を使った台湾への武器支援は初めてで、防空や備蓄向け装備を供与。
また2023年8月には、米国務省の
「対外軍事融資(FMF)」の制度を活用し、8000万ドル(約120億円)を台湾に融資することを決め、議会に通知した。
同制度は同盟・友好国な
どへの軍事支援に使われてきたが、台湾への適用は初。
台湾軍の能力を訓練、武器、資金の各面でサポートする。

台湾・外交部長が寄稿 「今こそ台湾の国連参加を」
2023/9/1 16:03
https://www.sankei.com/article/20230901-WFP2J2AYIFPATLWNJBS2KP7ASQ/
台湾の呉サ燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)が国連総会の新会期が2023年9月5日に始まるのを前に産経新聞に寄稿し、地球規模の課題の解決や国際社会の平和と安定のため、国連と関連機関への台湾の参加を認めるよう訴えた。
詳細は以下の通り。

冷戦が終結して以来、国連憲章が掲げる国際紛争を平和的に解決する原則によって、ルールに基づく国際秩序と世界平和が維持されてきた。
だが、ロシアによるウクライナ侵略はその原則に反し、人権を著しく侵害している。
この戦争がもたらした人道危機と経済的な衝撃は、グローバル時代において危機が国内に止まらないことを人々に気付かせた。
地球規模の安全保障上の脅威は、自国周辺以外の地域でも発生を防がなければならない。
とりわけ、民主主義の台湾は中国からの巨大な挑戦に直面している。
台湾を1度も統治したことがない中華人民共和国は、台湾を力で奪い取ることを宣言し、武力行使の放棄を拒否している。
台湾は常に冷静沈着に台湾海峡の平和と安定の現状を維持してきたが、中国の経済力と軍事力が強くなるにつれ、北京は台湾に軍事力を見せ付けて脅迫するようになり、我々の民主的な生活様式を脅かしている。
台湾海峡の平和と安定を共に維持していくことは、各国の利益と一致する。
この地域でどんな衝突が発生しても、世界経済に災難をもたらすことになる。
近年、国際社会では数多くの共同声明で、台湾海峡の平和と安定が地球規模の安全保障に極めて重要であると強調されている。
戦争を回避するためには、包容性や対話が必要であり、そして最も重要なのは団結だ。
国連は今も対話の最良のプラットフォームであり、度々団結や包容性をもって問題解決に取り組むよう呼び掛けている。
台湾はその努力に参画する意欲も能力もある。
しかし、中国が国連総会第2758号決議(アルバニア決議)の解釈をミスリードし、台湾は国連から排除されたままだ。
同決議では、台湾が中華人民共和国の一部だとは言及しておらず、中華人民共和国に国連と関連機関における台湾の人々の代表権を与えたものでもない。
逆に、同決議は誰が
「中国」
という加盟国を代表するかを確定したに過ぎない。
これは1971年に同決議が可決された際、国際社会と中国がいずれも認めた事実である。
中国の誤った解釈と国連憲章が堅持する基本的原則は矛盾するもので、必ず正されなければならない。
我々は国連に対し、国連が掲げる
「誰も取り残さない」
という原則を堅持し、国連システムへの台湾の参加を認め、地球規模の協力が必要な議論から台湾を排除しないよう呼び掛ける。
もし国連が、台湾の市民や記者の関連会合への出席や取材を許可し、
「持続可能な開発目標」(SDGs)
に関するメカニズムへの台湾の意義ある参加を認めるなら、それは良い始まりとなるだろう。
国連システムへの台湾の意義ある参加を認めることは、世界が共に対処すべき地球規模の課題の解決に寄与すると共に、世界が脅威に遭遇した際、国連が一致団結して世界平和を守る決意を示す象徴となる。
団結は力なり。
今こそ台湾を国連に組み入れる時だ。
http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/478.html#c3

[戦争b24] ロシアの戦略とプリゴジンの死(田中宇有料版)露政府は予定通りワグネルを軍の傘下に組み込んだ てんさい(い)
11. 2023年9月18日 21:53:01 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-21]
<■64行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ポーランド ベラルーシからの違法越境が急増で警戒強化
2023年9月18日 17時05分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230918/k10014199221000.html
ポーランドでは、2023年に入って隣国のベラルーシから国境を違法に越えようとする人たちが急増していて、ポーランド政府は、ベラルーシが移民を意図的に越境させ国境地帯を不安定化させようとしていると警戒を強めています。
ポーランドはベラルーシとおよそ400kmに渡って国境を接していて、2年前、ベラルーシ側にヨーロッパを目指す中東やアフリカの人たちが大勢集まって越境しようとし混乱に陥りました。
その後、ポーランド政府は国境地帯の合わせて190kmにフェンスを設置しました。
国境警備隊によりますと、2023年1月から先月までの越境の件数は、未遂も含めて2万件を超え、2022年1年間を既に5000件近く上回っています。
国境地帯には川や沼などでフェンスがない場所も広範囲に渡り、国境警備隊は数十機のドローンを使って上空からのパトロールを強化しています。
国境警備隊の広報担当者は、NHKの取材に対し、監視カメラの映像などから、ベラルーシ軍が移民を車で運び越境しやすい場所を教えるなど越境を支援している証拠があると主張しています。
更にポーランド政府が懸念しているのは、ベラルーシが受け入れたとされるロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員の存在です。
ポーランド政府は戦闘員が越境しようとする人に紛れて何らかの工作活動を行うことを懸念していて、2023年8月、国境警備を増強するため、新たに1万人規模の兵士の派遣を決めました。
ポーランド政府の主張についてベラルーシのルカシェンコ大統領は否定しています。
■「ハイブリッド攻撃」の恐れも
2年前の2021年、ポーランドとベラルーシの国境にヨーロッパを目指す中東やアフリカの人達が大勢集まって越境しようとし、混乱に陥りました。
この事態を巡り、ポーランドを含むEU=ヨーロッパ連合は、ルカシェンコ政権が偽情報の拡散やサイバー攻撃など非軍事的手段も組み合わせて相手国の不安定化を狙う
「ハイブリッド攻撃」
に移民を利用したと非難しました。
欧米メディアでは
「移民の武器化」
などとも呼ばれました。
ポーランド政府は、2023年、違法な越境が急増していることを受け、ベラルーシが再び移民を利用しようとしていると警戒しています。
更に、モラウィエツキ首相は、2023年7月、ロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員がポーランドとの国境地帯に向けて移動しているとの情報があるとし、戦闘員が
「ハイブリッド攻撃」
に利用される恐れがあると懸念を示しました。
ポーランド政府は、ロシアが同盟関係にあるベラルーシの背後で国境地帯の不安定化を画策しているとみていて、2023年8月、ブワシュチャク国防相は
「軍事的に見ればベラルーシがロシアの一部であることは周知の事実だ」
「『ハイブリッド攻撃』がロシア側で調整されていることは間違いない」
と述べ、ロシアを牽制しました。
一方、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、移民の利用を否定していて、2023年8月末、ワグネルの戦闘員についての懸念に関しても
「根拠がなく馬鹿げたことだ」
と述べると共に、ポーランドが国境周辺へ軍を派遣して緊張を作り出していると批判しました。
■安全保障の専門家「ロシア 突きつける脅威と見るべき」
ポーランド政府が国境警備を強化していることについて、安全保障政策に詳しいポーランドのシンクタンクのヤロスワフ・コチシェフスキ氏は
「ポーランドは選挙モードに入っている」
「政府は国境の問題を利用しようとしているように見える」
と話し、2023年10月の議会選挙を前に国の安全に取り組む姿勢をアピールする狙いがあると指摘します。
その一方、
「『ハイブリッド攻撃』だけでは他国を侵略することは出来ないが、弱体化させることは出来る」
とも話し、ベラルーシ側の動きには対応する必要があると説明します。
そして、
「大局的に国境地帯で起きていることは、ロシアがヨーロッパの中部と東部に突き付ける脅威と見るべきだ」
「ロシアがウクライナにとどまらず活動を広げようとするならば、ベラルーシを利用する」
「ポーランドやバルト三国はそれを懸念している」
と話し、NATO=北大西洋条約機構に加盟するポーランドなどとロシアの同盟国ベラルーシが国境を接するこの地域の情勢に注視する必要があると強調します。

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/820.html#c11
[戦争b24] ブリンケン国務長官は露国が設定したレッドラインを越え、当事者になると宣言(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
31. 2023年9月18日 22:08:04 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-20]
<△29行くらい>
中国、独外相の「独裁者」発言に猛反発 「でたらめな言論」
2023/9/18 20:35
https://www.sankei.com/article/20230918-GHB4RCFNPBOIXJB7FF5YZHKI2M/
中国外務省の毛寧報道官は2023年9月18日の記者会見で、ドイツのベーアボック外相が習近平国家主席のことを
「独裁者」
と呼んだことに対し
「強烈な不満と断固とした反対」
を表明した。
外交ルートを通じてドイツ側に抗議したことを明らかにした。
毛氏は
「ドイツ側の言論は極めてデタラメで、中国の政治的な尊厳を重大に侵犯している」
と批判。
「公然の政治的な挑発だ」
と強く反発した。
ロイター通信によると、ベーアボック氏はこのほど、米フォックスニュースのインタビューで
「もしプーチン露大統領がこの戦争に勝利したら、習氏のような他の独裁者にとってどのようなサインになるだろうか」
と発言した。

中国、習主席巡るドイツ外相の「独裁者」発言で抗議
2023/09/18 18:49ロイター
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/reuters-20230918021.html
中国外務省は2023年9月18日、ドイツのベーアボック外相が習近平国家主席を
「独裁者」
と呼んだことに抗議したと明らかにした。
ベーアボック外相は先週、フォックスニュースのインタビューでロシアのウクライナ侵攻について尋ねられた際、
「もしプーチンがこの戦争に勝利したら、習近平のような、中国の国家主席のような他の独裁者にとってどのようなサインになるだろうか」
と述べた。
毛寧報道官は定例の記者会見で、発言は
「極めて馬鹿げて」
おり、中国の政治的尊厳を侵害していると非難。
政治的な挑発だとしてドイツに抗議したことを明らかにした。
ベーアボック氏は過去の発言から中国に批判的な姿勢が知られている。

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/821.html#c31

[戦争b24] バイデン政権は簡単に勝てるつもりでロシアとの戦争に突入したが、無惨な敗北(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
51. 2023年9月18日 22:33:15 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-19]
<■80行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「敗北なら世界大戦」 ゼレンスキー大統領が警告
2023/9/18 14:22
https://www.sankei.com/article/20230918-REY7HJMFA5MDHCSVHDDEOMAJMQ/
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2023年9月17日放送の米CBSテレビのインタビューで、ウクライナが敗北すればロシアはポーランドやバルト3国に迫り、第3次世界大戦に発展しかねないと警告した。
「プーチン(ロシア大統領)を食い止めるか、世界大戦を始めるか、全世界が選ばなければならない」
と述べた。
ゼレンスキー氏はこれまでの米国の支援に感謝を表明した。
その上で、追加の軍事支援に対する消極的な意見が米国内で広がっているのを念頭に、世界を守るため
「最も高い代償を払っているのは実際に戦い、死んでいくウクライナ人だ」
と訴えた。
インタビューは2023年9月14日に収録された。
ゼレンスキー氏はニューヨークを訪れ、2023年9月19日に国連総会一般討論の演説で各国に対ロシアでの結束を訴える見通し。
2023年9月21日にはワシントンでバイデン米大統領と会談する。
米政府は追加の軍事支援を発表する方針。(共同)

露軍へ反攻、光明と難題 ウクライナ、作戦3カ月
2023/9/18 18:53
https://www.sankei.com/article/20230918-SULCFE3SWBMT7CGFY26D53DZMM/
ウクライナが同国を侵略するロシアへの反攻作戦に本格的に乗り出し、3カ月以上が経過した。
ウクライナ軍は当初苦戦したが、露軍が築いた強固な防衛戦を複数の地点で突破。
作戦の主軸となる南部ザポロジエ州方面で着実な前進を見せ、要衝トクマクの奪還を目指す。
ただ、近く訪れる雨期や、兵力の損耗を抑えるための戦術変更などが前進を停滞させるとの懸念も浮上。
支援する米欧の軍事当局に、作戦の練り直しを促す声もある。
ウクライナのゼレンスキー大統領が反攻開始を認めたのは2023年6月10日。
同国は欧米からの支援拡大のためにも一段の成果を出したい構えだ。
現在の主な戦域は東部ドンバス地域(ドネツク・ルガンスク両州)方面と南部ザポロジエ州方面だ。
東部では露軍が2023年5月に制圧したバフムト近郊で攻防が続いている。
両国軍は東部以上に南部を重視している。
南部はロシアの実効支配下にあるウクライナ領クリミア半島に接し、ウクライナ軍がアゾフ海沿岸まで南下できれば、南部一帯やクリミアの奪還が現実味を帯びるためだ。
一方、クリミアの「防衛」を至上命令とする露軍は、砲撃陣地や地雷原を組み合わせた防衛線を幾重にも築いてきた。
南部でウクライナ軍は2023年8月下旬、第1防衛線の一部を突破し、集落ロボティネを奪還。
ロボティネの約25km南には小都市トクマクがある。
トクマクはアゾフ海沿岸の主要都市メリトポリやベルジャンスクに至る道路がある要衝で、ウクライナ軍がトクマクを奪還した場合、南部での前進が加速する可能性がある。
ウクライナ軍がトクマクに達するには、ロボティネ周辺に残る露軍に加え、第2、第3防衛線を突破する必要がある。
ウクライナ軍当局者は、両防衛線の堅固さは第1防衛線に比べて3分の1程度だとし、突破は不可能でないと見ている。
ただ、露軍の他にもウクライナ軍の前進を遅らせる要因がある。
1つは天候だ。
ウクライナは10〜11月頃雨期に入り、地面がぬかるんで戦車などの前進が困難になる。
ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は
「雨期も軍は歩兵や無人機を活用して戦闘を続ける」
としているものの、雨期に入れば、以前から遅れが指摘されてきた反攻速度の更なる低下は避けられない見通しだ。
もう1つの要因は戦術の変更だ。
ウクライナは反攻開始当初、露軍の防衛線の強行突破を試み、大きな損害を受けた。
その後は戦術を見直し、長距離攻撃などで露軍を弱体化させた上で前進する戦術に転じた。
ただ、その分、反攻速度は更に低下したとされる。
ウクライナと米欧軍事当局との間で、戦術に関する認識の違いも浮かび上がる。
米英の主要メディアによると、米軍関係者は反攻加速のため、南部に戦力を集中させるようウクライナに助言している。
同国側は東部防衛も重要だとして、南部への戦力集中に完全には踏み切っておらず、反攻速度を鈍化させる一因となっているとの見方がある。

米、秋にウクライナへ長射程地対地ミサイル「ATACMS」供与か 反転攻勢を後押し
2023/9/16 19:44
https://www.sankei.com/article/20230916-PGDX4FX46NORVJBCQWO3GMQFKQ/
米紙ウォールストリート・ジャーナルは2023年9月15日、バイデン米政権がウクライナへ長射程の地対地ミサイル「ATACMS」を2023年秋に供与する方向で検討していると報じた。
米政権はロシア領内も狙えるATACMSの供与に消極的だったが、新たな武器供与でウクライナの反転攻勢を後押しする。
同紙によると、露領内を攻撃しないとの保証をウクライナ側から取り付けたことで、検討が進んでいる。
供与するATACMSの量を限定する方向で調整中という。
ATACMSは米軍が既に提供している高機動ロケット砲システム「ハイマース」から発射可能で、射程約160〜300km。
バイデン大統領は2023年9月21日にホワイトハウスでゼレンスキー大統領と会談する予定で、議題に上る可能性が高い。
長射程ミサイルを巡っては、ドイツも供与の是非を検討中。
英国とフランスは既に巡航ミサイルを供与している。(共同)

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/819.html#c51

[国際33] 基地集中「平和脅かす」 沖縄知事、国連で演説(東京新聞・共同) 蒲田の富士山
3. 2023年9月20日 00:28:04 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-18]
<■358行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「政治パフォーマンスだ」 沖縄県知事の国連演説、県内で賛否両論
2023/9/19 20:03
https://www.sankei.com/article/20230919-2YGTDKZECJIVZE2RVYWFM4UTCE/
「沖縄の心を発信してくれた」「政治パフォーマンスだ」。
沖縄県の玉城デニー知事が国連人権理事会で、米軍基地問題を巡り政府方針と異なる演説をしたことに、県内では2023年9月19日、様々な声が聞かれた。
基地問題などに対する県民の意見は割れており、玉城氏が国際社会に向けて一方的な意見を表明したことには、批判も上がっている。
■「国際社会に誤解」
スイス・ジュネーブで2023年9月18日に開かれた国連人権理の会議。
玉城氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について、自国の政府方針をあからさまに批判した。
《日本政府は貴重な海域を埋め立てて、新基地建設を強行しています》
玉城氏を支える
「オール沖縄会議」
は、この演説を
「県民の願いが込められた内容」
と評価する。
共同代表の糸数慶子元参院議員は
「米軍基地の存在が県民の負担となり、人権をも侵害しているという現実に、国は真剣に向き合うべきだ」
と話した。
玉城氏は今回、政府の防衛政策にも反対した。
《軍事力の増強は日本の周辺地域の緊張を高めることが懸念されるため、沖縄県民の平和を希求する思いとは全く相容れません》
これに対し保守系の識者からは懸念や批判が上がった。
自民党県連政調会長の座波一(はじめ)県議は
「知事の発言は国際社会に誤解を生じさせかねず、極めて残念」
と強調。
沖縄在住のジャーナリスト、仲村覚氏も
「軍事力を増強し、緊張を高めているのは中国だ」
「知事の演説こそ県民の思いと相容れない」
と指摘する。
■「反対運動は無意味」
基地を含む安全保障問題について、県民の意見は一枚岩ではない。
明星大などの研究グループが2023年6月に発表した県民への意識調査では、沖縄に基地が集中する現状に約7割が
「不平等」
と感じる一方、中国の軍事力増強にも約8割が
「脅威」
を抱き、約4割が
「日米安保の強化」
に肯定的だった。
また、18〜34歳の若い世代の5割以上が
「国防政策は政府に決定権があるので基地反対運動は無意味」
と考え、国との対決姿勢を強める県に批判的な雰囲気が広がっている様子も窺えた。
今回の演説について那覇市内で聞いたところ、
30代女性事務員は
「沖縄の現状を国際社会に知ってもらうのはいいことだと思う」。
20代男性会社員は
「国連で訴えても何かが変わるとは思えない。政治パフォーマンスだ」
と話していた。
■2015年の国連人権理事会でスピーチし、前沖縄県知事の反基地演説を批判したジャーナリストの我那覇真子さんの話
玉城デニー知事は今回、沖縄県民を『先住民族』だと訴えるNGOの発言枠を使って演説をした。
公的立場でありながら、沖縄と本土の分断を図るプロパガンダに加担する行為と言える。
ただ、翁長雄志前知事は『先住民族』と親和性の高い『自己決定権(self-determination)』という言葉を演説に盛り込んだが、玉城氏は使わなかった。
『先住民族』論が県民に全く浸透せず、逆に抗議活動が勢いを得たからだろう。
沖縄を巡る問題で最も注目すべきは、実は基地反対か容認かではない。
『分断して統治せよ』という言葉があるが、本土との分断工作が進んでいることに警戒すべきだ。
その背後に中国がいることも、忘れてはならない。

辺野古、知事に承認勧告 国、代執行へ手続き着手
2023/9/19 19:23
https://www.sankei.com/article/20230919-ZVSWTRMMURLKPHSQLRZUTWPC74/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年9月19日、軟弱地盤改良工事の設計変更を承認するよう勧告する文書を玉城デニー県知事に送った。
勧告は知事の代わりに国が承認する
「代執行」
に向けた最初の段階。
2023年9月4日の最高裁判決で承認する義務を負った知事が対応しないため、手続きを取った。
工事の再開を目指し、福岡高裁那覇支部へ提訴する準備も進める。
政府関係者が明らかにした。
勧告に応じなければ指示に切り替え、それでも対応しない場合は高裁支部に提訴する。
国側が勝訴し、判決が定めた期間内に知事が承認しなければ、国交相が代わって承認し、工事を再開できる。
地方自治法は、国が自治体に委ねている
「法定受託事務」
を巡り、知事が事務の管理や執行を怠った場合などに、担当相が代わりに行うことができると規定している。

辺野古の設計変更、国交相「承認されると考える」と見解 沖縄知事は国連演説で「民意に反する」
2023/9/19 12:14
https://www.sankei.com/article/20230919-N42YULQKBRPNFKZNXBAXJMAF3M/
斉藤鉄夫国土交通相は2023年9月19日の閣議後記者会見で、沖縄県の玉城デニー知事が国連人権理事会の演説で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設が
「民意に反している」
という趣旨の発言をしたことについて
「コメントは差し控える」
としながらも、確定した県側敗訴の最高裁判決に沿って
「(移設に向けて)速やかに承認されるものと考えている」
と述べた。
スイスで2023年9月18日に開かれた国連人権理事会の演説でで、玉城氏は
「民主的に行われた県民投票で、沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」
「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」
などと反対姿勢を強調した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更を承認するよう是正指示を出したのは違法な国の関与に当たるとして、県が国に指示の取り消しを求めた訴訟で、最高裁が2023年9月4日に県側の上告を棄却。
県側の敗訴が確定し、玉城氏は設計変更を承認する義務を負った。
会見で斉藤氏は
「現時点で知事が変更承認したとは承知していない」
と指摘。
ただ、県の代わりに大臣が承認する
「代執行」
に向けた手続きをとるかどうかについては言及を避けた。

沖縄知事「日本政府、新基地建設を強行」と非難 中国などの不当介入招く恐れ
2023/9/19 9:44
https://www.sankei.com/article/20230919-WKJ6XFTGHVKKRMN5M6SAOCXPOU/
沖縄県の玉城デニー知事が2023年9月18日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説し、米軍基地が
「(沖縄に)集中し、平和が脅かされている」
と主張した。
「日本政府は私たちの貴重な海域を埋め立て、新基地建設を強行している」
と非難。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に対し反対を表明した。
米軍基地は日米同盟の抑止力を形成する重要要素である中、知事がその配置に国際機関の場で異論を唱えるのは、日本国民の安全という国益を損ない、中国など外国勢力の不当介入を招く恐れがある。
玉城氏は2023年9月18日、国連人権理の本会議場で開催された
「国際秩序」
の会議に出席した。
演説で
「沖縄は日本全体の国土面積の0.6%しかないが、日本にある米軍基地の70%がこの小さな島に集中している」
と指摘。
「米軍基地が集中し、平和や意思決定への平等な参加が脅かされている沖縄の状況を世界中から関心を持ってみてもらうために私はここにきた」
と訴えた。
玉城氏は普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関する平成31年(2019年)の県民投票に触れ
「民主的に行われた県民投票で沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」
と言及。
「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」
とし
「沖縄県民の平和を希求する思いとは相容れない」
との見方を示した。
「私たち沖縄県民は、2016年の国連総会で採択された『平和への権利』を私たちの地域において具体化するよう、関係政府による外交努力の強化を要請する」
とも述べた。
一方、日本政府代表は玉城氏の演説に対し
「沖縄における米軍の駐留は、地政学的な理由と日本の安全保障上の必要性に基づくもので差別的な意図に基づくものではない」
と指摘。
「辺野古への移設を着実に進めることが、普天間飛行場の完全返還を可能な限り速やかに実現し、地域住民の危険性の除去に繋がる唯一の解決策だ」
と反論した。
沖縄県知事が国連人権理に出席し、発言するのは2回目。
2015年には翁長雄志前知事が辺野古移設反対を訴え
「沖縄の人々は自己決定権や人権を蔑ろにされている」
とスピーチした。
国連の理事会に非政府組織(NGO)が意見表明する会議があり、関係者によると、玉城氏はNGOの発言枠を譲り受ける形で演説した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更に関する上告審で、2023年9月4日に県側が国に敗訴。
玉城氏は設計変更を承認する義務を負ったが、態度を明らかにしていない。

沖縄知事「平和脅かされている」 国連で辺野古「反対」演説
2023/9/19 1:25
https://www.sankei.com/article/20230919-UM24OHR7GNIDDMQIBNMG3CDZPQ/
沖縄県の玉城デニー知事が2023年9月18日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説し、米軍基地が
「(沖縄に)集中し、平和が脅かされている」
と主張した。
「日本政府は私たちの貴重な海域を埋め立て、新基地建設を強行している」
と強調。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設への反対を表明した。
玉城氏は2023年9月18日、国連人権理の本会議場で開催された
「国際秩序」
の会議に出席した。
演説で
「沖縄は日本の総面積の0.6%しかないが、日本にある米軍基地の70%がこの小さな島に集中している」
と指摘。
「米軍基地が集中し、平和や意思決定への平等な参加が脅かされる沖縄の状況を世界中から関心を持ってもらうために、私はここに来た」
と訴えた。
また、普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関する平成31年(2019年)の県民投票に触れ、
「民主的に行われた県民投票で沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」
と言及。
「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」
とした上で、
「沖縄県民の平和を希求する思いとは相容れない」
との見方を示した。
「私たち沖縄県民は、2016年の国連総会で採択された『平和への権利』を私たちの地域において具体化するよう、関係政府による外交努力の強化を要請する」
とも述べた。
沖縄県知事が国連人権理に出席し、発言するのは2回目。
2015年には翁長雄志前知事が辺野古移設反対を訴え、
「沖縄の人々は自己決定権や人権を蔑ろにされている」
「自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるだろうか」
とスピーチした。
国連の理事会にNGOが意見表明する会合があり、関係者によると玉城氏はNGOの発言枠を譲り受ける形で演説した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更に関する上告審で、2023年9月4日に県側が国に敗訴。
玉城氏は設計変更を承認する義務を負ったが、態度を明らかにしていない。

主張
玉城氏が人権理へ 国益を害する言動やめよ
2023/9/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20230916-BD3XJLT52FIWJHCDZM2SSZE6WQ/
沖縄県の玉城デニー知事が記者会見で、国連の人権理事会に出席して、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対表明することを明らかにした。
スイス・ジュネーブで2023年9月18日から開かれる人権理の会議で、国の方針を完全に否定するスピーチを行うことを意味する。
辺野古移設は日米両国が交わした重い約束事だ。
米軍基地を国内のどこに置くかは、国の専権事項である安全保障政策に属する。
憲法は地方自治体や首長に安保政策や外交上の合意を覆す権限を与えていない。
米軍基地は日米同盟の抑止力を形成する重要要素だ。
知事がその配置に、国際機関の場で異論を唱えるのは、県民を含む日本国民の安全という国益を損なう。
中国など外国勢力の不当な介入を招く恐れもある。
玉城氏は人権理を利用する反対表明をやめるべきだ。
最高裁は2023年9月4日、国が申請した辺野古移設工事の設計変更を県が不承認とした処分を巡る訴訟で、県の主張を退ける判決を下した。
県の敗訴が確定して玉城氏は国の申請を承認する義務を負ったが、未だに承認していない。
義務を果たさず人権理の会議に出席し、最高裁判決を蔑ろにする内容の意見表明をするのは司法軽視も甚だしい。
言語道断である。
翁長雄志前知事も2015(平成27)年に人権理で辺野古移設反対を訴え、
「沖縄の人々は自己決定権や人権を蔑ろにされている」
などと、日本を貶める演説をした。
だが、辺野古移設ができなければ、市街地中心部にある普天間飛行場の危険性を除けない。
中国に尖閣諸島(沖縄県)が脅かされ、台湾有事の危険も高まっているのに、日米同盟の抑止力を確たるものにできない。
玉城氏は翁長氏の轍を踏んではならない。
玉城氏の言動は、現実の脅威である中国政府の思う壺である点も忘れてはなるまい。
玉城氏が2023年7月に訪中した際、中国政府は序列2位の李強首相が面談するなど異例の厚遇を示した。
中国政府に沖縄への影響力を強めたり、国と県を分断したりする思惑があってもおかしくない。
それを防ぎ、県民を含む日本国民に安心を与えるのが自衛隊と在沖米軍の存在だ。
玉城氏は肝に銘じるべきである。

玉城デニー沖縄知事、国連人権理出席へ 辺野古など政府方針に反対訴え
2023/9/8 12:10
https://www.sankei.com/article/20230908-2YQQT3Y2OROTZJ2XCK4HV6RPSY/
沖縄県の玉城デニー知事は2023年9月8日の記者会見で、2023年9月後半にスイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会に出席すると発表した。
米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画の反対を訴えるなど、政府方針と異なるスピーチを行う。
移設計画をめぐっては2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定したばかりで、玉城氏の言動は物議をかもしそうだ。
玉城氏は会見で、国連出席の目的について
「辺野古新基地建設に反対する理由や基地から派生する諸問題の解決の必要性などを幅広く発信する」
と述べた。
2023年9月17日に出国し、2023年9月18〜21日に人権理事会本会議場で開かれる複数の会議に参加、発言する方向で調整している。
また、現地で米軍基地の人権問題などをテーマにした講演会を行い、2023年9月23日に帰国するとしている。
辺野古移設計画では、埋め立て工事の設計変更申請を承認するよう国が県に是正指示を出したことに対する訴訟で、最高裁が2023年9月4日に県側の上告を棄却し、県の敗訴が確定している。
2023年9月8日の会見で記者から
「最高裁判決と矛盾するのではないか」
との質問が出たが、玉城氏は
「県の正当性は引き続き主張できると考えている」
と述べた。
一方、最高裁判決を受けて設計変更を承認するかどうかは、
「今後の対応を検討している」
と述べるにとどめた。
人権理事会には各国の人権機関やNGOが意見表明する会議があり、玉城氏は今回、日本のNGOの発言枠を使ってスピーチする。
2015年にも翁長雄志前知事が人権理事会でスピーチし、基地問題を巡る日本政府の対応を厳しく批判して物議をかもした。
今回の玉城氏の国連出席については賛否両論があり、自民党沖縄県連は2023年9月6日、玉城氏に
「国内法秩序を蔑ろにしかねない言動は厳に慎んでほしい」
と申し入れていた。

主張
沖縄県の敗訴確定 知事は辺野古移設協力を
2023/9/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20230905-PDULABU5XFIK5MZBQGUKJJ4UVE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、工事に反対する県が国の是正指示を違法と訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁が県側の上告を棄却した。
県の敗訴が確定したことになる。
玉城デニー知事は判決後、
「極めて残念」

「深く憂慮せざるを得ません」
とし、判決内容を踏まえて今後の対応を検討するとコメントした。
国に対しては
「県民の意思に沿うよう判断してもらいたい」
と語った。
辺野古移設の断念を求めていることになる。
これはおかしい。
法治国家の首長として玉城氏が取るべきは、司法の最終判断を受け入れ、国の工事設計変更への承認を表明することである。
辺野古沿岸部の埋め立て工事海域に軟弱地盤が見つかり、防衛省が地盤改良に伴う設計変更を県に申請した。
だが、県は承認せず、国の是正指示にも従わずに提訴した。
今回の最高裁の判決で、玉城氏は設計変更の申請を承認する
「法的義務」
を負った。
その義務を速やかに果たすべきだ。
玉城氏を支持する革新系団体からは、県が別の理由を付け再び
「不承認」
とするよう求める声が出ているが言語道断だ。
法治国家の基本ルールを逸脱してはならない。
設計変更を承認せず、3年以上も工事を遅らせた責任は県にある。
1996(平成8)年に移設を条件とする普天間飛行場の全面返還で日米が合意してから27年が経つ。
近年は県と国の泥沼の裁判闘争が続き、判決に至ったケースではいずれも県が敗訴した。
いい加減にしてほしい。
普天間飛行場は市街地に囲まれている。
辺野古への移設は、普天間飛行場周辺に暮らす県民の安全を図るための事業だ。
更に、中国などの増大する脅威から沖縄を含む日本を守りぬくためでもある。
返還後は、跡地の利用で県経済の活性化に繋げることも出来よう。
玉城氏は知事として何が県と県民にとって大切かを虚心坦懐「心に何の蟠りもなく,平静な態度で事に臨む・事(様)」に考え、法的義務を履行し、移設協力へ転じるべきだ。
国は移設工事を着実に進め、普天間返還を実現しなければならない。
米軍基地の多い沖縄の負担は大きい。
引き続き整理・縮小に尽力すると共に、基地と辺野古移設の重要性について丁寧な説明が必要である。

国、早期工事着手目指す 承認代執行も視野
2023/9/5 1:30
https://www.sankei.com/article/20230905-DXVCXH55JNOQ5KLESYR5SDUONM/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡る訴訟で2023年9月4日、沖縄県の敗訴が確定したことを受け、政府は未だ着手できずにいる予定地東側の埋め立て工事の早期開始を目指す。
ただ、玉城デニー知事が司法判断に従い、国が申請した工事の設計変更を承認するとは限らず、国による承認の代執行も視野に入れている。
「沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものと考えている」。
松野博一官房長官は2023年9月4日の記者会見で県側に釘を刺した。
東側の埋め立て工事は、軟弱地盤が見つかったため県が設計変更を承認する必要がある。
国は勝訴を見越し、承認後に速やかに土砂投入を始められるよう、係争中も工事の準備を進めてきた。
防衛省幹部は
「法治国家で司法の判断に従わないことはあり得ない」
と話す。
ただ、不承認処分は移設工事反対の
「切り札」
で、玉城氏が承認に転じるかは見通せない。
2018(平成30)年12月から埋め立て工事が始まった予定地南側約41ヘクタールの進捗率は2023年7月末時点で98%に達している一方、東側約111ヘクタールには未だ土砂は投入されていない。
このため、全体の進捗率は16%にとどまる。
防衛省は2019(令和元)年末の時点で埋め立て工事と飛行場建設には着手から9年3カ月かかるとの試算を示しているが、県の対応次第で移設時期は更に遅れかねない。
県は、2020(令和2)年4月に国が設計変更を申請した際も審査を1年7カ月も引き延ばし、不承認とした。
約9300億円と見積もる総工費が膨らむ可能性もある。
今後、県が引き続き承認しない場合、国は地方自治法に基づき、県の代わりに国土交通省が設計変更の申請を承認する代執行に向けた手続きに入ることが予想される。
防衛省関係者は県の対応について
「非生産的だ。沖縄自身の足を引っ張っている」
と漏らす。

辺野古移設工事巡り敗訴確定 沖縄県知事、かつてない苦境に
2023/9/4 21:34
https://www.sankei.com/article/20230904-5WTSXYC32FO7RCFQXGWOCBDHMI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡る2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定した。
移設阻止を掲げる玉城デニー知事は
「極めて残念」
とのコメントを発表したが、今後の対応については明言を避けた。
判決に従うか、反対を貫くか−。
いずれの選択も批判を免れず、玉城氏は、かつてない苦境に立たされている。
■辺野古地盤改良、県側敗訴が確定
「判決内容を踏まえ、対応を検討したい」
最高裁判決を受けて行われた2023年9月4日の知事会見。
今後の対応を問う記者の質問に、玉城氏は苦渋の表情で何度もこう繰り返した。
県はこれまで、辺野古沖の地盤改良工事に伴う国の設計変更申請を承認しなかった。
だが、最高裁判決により
「承認義務」
を負うことになる。
辺野古移設に反対する
「オール沖縄」
勢力の支持を受けて2018(平成30)年に知事となった玉城氏は、2022年の知事選でも辺野古反対を最重要事公約に掲げて再選した。
行政のトップとして最高裁判決に従わなければならないが、国の申請を承認すればオール沖縄などの反発を受けるのは必至だ。
県や県議会関係者らによれば、考えられる選択肢は3つだ。
1つは、設計変更は承認するものの、サンゴの移植などを巡る別の訴訟で反対を続ける案。
ただし、工事は阻止できず、訴訟でも県の勝訴は望み薄だ。
2つ目は、承認を拒否するか、結論を先延ばしにする案。
この場合、国が承認を代執行する手続きを取ることになるが、確定判決に従わない県への批判が噴出しそうだ。
3つ目は、今回の訴訟に関わる不承認理由とは別の理由で、再び
「不承認」
とする案。
これも単なる時間稼ぎに過ぎず、批判は免れない。
この他、承認せずに辞職し、知事選で改めて
「民意」
を問うという案も一部で囁かれている。
反対を貫くなら最も筋の通った戦術だが、県政が混乱する上、玉城氏が落選するリスクもあり、
「辞職の可能性は低いだろう」
と県議会関係者は話す。
■危険性除去は一致
「現時点で有効策は見出せない」
と県幹部。
だが、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性の除去が目的であることは国も県も同じだ。
防衛省幹部は
「判決を機に国と県が協力し合えるようになれば良いのだが」
と語る。
移設工事は2017(平成29年)4月に本格的に始まり、当初は8年で完了するとされたが、東側の海域で軟弱地盤が見つかったため工期が12年に延びた。
更に県の不承認で3年以上も遅れている。
自民党沖縄県連は2023年9月4日、
「普天間飛行場の早急な危険性除去という県民の総意を蔑ろにしてはならない」
とし、速やかな承認を求める談話を発表した。
■対話チャンネル再開を
元沖縄県副知事 上原良幸
米軍はの1日も早い全面返還を実現するには、国と県とが問題解決に向けて対話し、協力する姿勢が欠かせない。
しかし革新の太田昌秀知事時代にも保守の仲井真弘多知事時代にもあった国と県との対話チャンネルが、移設反対を掲げた翁長雄志知事の時代に裁判闘争に突入してからは途絶えてしまった。
裁判闘争では、何も解決しないということだ。
市街地に囲まれた普天間飛行場が返還されれば危険性が除去されるだけでなく、跡地利用で沖縄が大きく発展するだろう。
だが、かつては国際都市形成構想など魅力的な利用策が議論されていたのに、今は話題にすら上らなくなった。
最高裁判決をきっかけに、国と県が原点に戻ることを期待したい。
勝った負けたではなく、お互いが裁判闘争の不毛さを知り、対話のチャンネルを再開させることが大切だ。
■最高裁判決と今後のポイント
・工事を不承認とした沖縄県に対する国土交通相の是正指示は適法
・知事の工事不承認に対して国土交通相が取り消す裁決をした場合、知事が同一理由で再び承認しないのは地方自治法違反
・移設を巡り県と国が争った一連の訴訟の論点が出揃い、係属中の2件も県側勝訴は厳しい見通しに
・防衛省沖縄防衛局が申請した設計変更の内容の妥当性は判断せず
http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/483.html#c3

[戦争b24] 「どんな戦争も正当化させてはいけない」 哲学者西谷修氏が語る戦争論とは(東京新聞) 蒲田の富士山
16. 2023年9月20日 22:18:42 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-17]
<■102行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ロシア寄りの南アフリカ、ブラジルに変化の兆し 国連総会演説
2023/9/20 20:34
https://www.sankei.com/article/20230920-MUUEHJNKIVI6ZPJXGUEETR3RWE/
国連総会の一般討論演説が2023年9月19日に始まり、初日はバイデン米大統領やウクライナのゼレンスキー大統領ら35カ国の首脳が登壇した。
ゼレンスキー氏は、領土回復や戦争犯罪の処罰など10項目の和平案
「平和のフォーミュラ(公式)」
への支持を取り付け、ロシア包囲網を固める思惑。
ロシア寄りの立場とされた南アフリカやブラジルがウクライナに理解を示す兆しも出てきた。
南アフリカのラマポーザ大統領は演説で
「領土の一体性に関する国連憲章の原則の堅持」
を訴えた。
かつて国連から
「人道に対する罪」
と宣告されたアパルトヘイト(人種隔離)制度を廃止した経緯を踏まえ、南アフリカは国際法の順守に
「真剣に取り組む」
と明言。
ロシアとウクライナの紛争も国連憲章に則した
「平和的解決」
を追求すると語った。
南アフリカは冷戦期の黒人解放闘争で旧ソ連の支援を受け、ロシア製の武器に依存してきた親露国。
国連総会が2022年3月、ウクライナでの民間人攻撃を即時停止するよう求める決議案を採決した際には、南アフリカが対案を出して
「議事進行を妨害した」(ウクライナ)
とも批判された。
ロシアが2023年7月、ウクライナ産穀物を黒海経由で輸出する
「穀物合意」
から離脱したことが転機となった可能性がある。
アフリカ最貧国に穀物を無償提供するとしたプーチン露大統領に対し、ラマポーザ氏は
「アフリカは物乞いではない」
と苦言を呈していた。
ブラジルのルラ大統領も2023年9月19日の演説で
「安全保障理事会が信頼を失っているのは、領土拡大や体制転換を目指して戦争を始め、正当化する常任理事国の行動の結果だ」
と述べ、名指しを避けながらもロシアを暗に批判した。
ルラ氏は南アフリカとロシア、中国、インドでつくる新興5カ国
「BRICS」
を重視する外交姿勢で知られる。
ゼレンスキー氏は
「平和のフォーミュラ」
が140以上の国や機関から全面的ないしは部分的に支持されていると主張した。
ただ、ルラ氏は
「平和を達成する難しさを過小評価すべきでない」
とも語っており、実際の和平に向けた動きに繋がるかは全く見通せない。

「テロリストに核兵器を持つ資格はない」 ゼレンスキー氏、国連で演説
2023/9/20 14:10
https://www.sankei.com/article/20230920-IIRPIYASAJJHLLGUG6AKW2F6QI/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2023年9月19日、2022年2月のロシアによる侵攻後初めて国連総会一般討論に対面で参加した。
ブーツを履き、カーキ色の服に身を包んだゼレンスキー氏と側近らの一団は、スーツ姿の首脳や外交官が集まる国連で異彩を放ち、
「戦時の大統領」
を強く印象づけた。
ゼレンスキー氏は午前9時前に到着し、周囲から握手を求められながら総会議場に入った。
各国首脳が演説でウクライナ情勢に触れると食い入るように演壇を見つめた。
「テロリストに核兵器を持つ資格はない」。
自身が壇上に立つと、核使用リスクや食料供給への影響など、ロシアが国際社会に突きつける脅威について、手ぶりを交えながら訴えた。
ゼレンスキー氏の演説が響く総会議場にはロシア代表団の姿も。
ポリャンスキー国連次席大使は笑みを浮かべて周囲と話したり、携帯電話を操作したり、ゼレンスキー氏の言葉に耳を傾ける様子はなかった。(共同)

ゼレンスキー氏、露軍撤退の実現へ「団結」呼びかけ 国連総会一般討論演説
2023/9/20 6:28
https://www.sankei.com/article/20230920-4XANYLWPCZIXRJRZASEODO7TC4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2023年9月19日、国連総会の一般討論で演説した。
ロシアは占領したウクライナ領を国際的にロシア領≠ニ認めさせるために食料や核エネルギーを
「武器化」
し、多くの国を
「脅している」
と訴え、露軍撤退の実現へ各国に
「団結」
を呼びかけた。
ゼレンスキー氏が対面で一般討論演説に参加したのは2022年2月のロシアの全面侵攻後初めて。
オリーブ色のシャツで登壇し、議場の各国代表から拍手で迎えられた。
ゼレンスキー氏は、ロシアは
「ウクライナ産穀物の輸送拠点への攻撃」
を繰り返し、食料価格の高騰を武器としてアフリカやアジアに
「脅威を与えた」
と指摘した。
ロシアが黒海を通じてウクライナ産穀物を輸出する
「穀物合意」
を離脱した後も、ウクライナは食料の安定供給の確保に努めていると訴えた。
2023年の国連総会はロシアの侵略に伴う物価高や新型コロナウイルス禍が直撃した途上国支援も論点。
ゼレンスキー氏はリビアの大洪水やモロッコの地震に言及し、気候変動や自然災害に脆弱で先進国がウクライナ支援に充てる資金を開発支援に回すよう求める途上国に配慮する姿勢を見せた。
ゼレンスキー氏はまた、ウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所を占領したロシアが
「放射能が漏れると脅しをかけている」
と訴え、平和利用が目的の核エネルギーを武器化していると主張した。
「テロリストに核兵器を持つ資格はない」
とも述べた。
ゼレンスキー氏は、ロシアがウクライナから連れ去った子供たちが
「ウクライナを憎むように教え込まれ、家族との絆は断ち切られている」
と語り、
「これはジェノサイド(集団殺害)だ」
と糾弾した。
ゼレンスキー氏はロシアによる2008年のジョージア侵攻も取り上げ、ウクライナは
「ロシアの侵略に続いて他国を攻撃する者が現れないよう力を尽くしている」
と強調。
「団結が平和を保障する」
とし、反攻継続への理解を求めた。

ウクライナ、ロシアに賠償要求 国際司法裁判所の弁論
2023/9/19 22:04
https://www.sankei.com/article/20230919-2A52XKVE5VIFVEMDS4V37QJYDM/
国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)で2023年9月19日、ロシアの侵攻を受けるウクライナが軍事行動停止などを求めた訴訟の口頭弁論があり、同国の代表がロシアに対して賠償金の支払いを命じるようICJに求めた。
ロシアは2023年9月18日の口頭弁論で、ICJに裁判権がないとして請求棄却を求めたが、ウクライナの代表は2023年9月19日
「全面的な裁判権を有する」
と強調。
ウクライナ東部の親ロ派地域でのウクライナによるジェノサイドから住民を保護することが侵攻理由だったとのロシアの主張に対しては
「酷い嘘だ」
と反論した。
ウクライナはロシアによる侵攻直後の2022年2月末、ICJに提訴。
ICJは翌2022年3月、侵攻に深い懸念を表明し、仮処分として請求通り侵攻を停止するよう命じたが、ロシアは従っていない。(共同)

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/823.html#c16

[戦争b24] ゼレンスキー大統領「誰が何と言おうと前進」ウクライナ軍の反転攻勢の遅れ指摘に反論(ANN) 赤かぶ
100. 2023年9月20日 22:51:20 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-16]
<■182行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ゼレンスキー大統領 国連総会で演説 国際社会に支援呼びかけ
2023年9月20日 18時21分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230920/k10014201441000.html
ウクライナのゼレンスキー大統領は国連総会で演説し、ロシアによる軍事侵攻を厳しく非難した上で
「侵略者を打ち負かすために団結して行動しなければならない」
と述べ、国際社会に改めて支援を呼びかけました。
この後安全保障理事会の首脳級会合にも出席し、ロシア軍の撤退などを盛り込んだ自らの和平案への支持を訴える方針です。
ニューヨークの国連本部では2023年9月19日、各国の首脳らによる国連総会の一般討論演説が始まり、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアによる軍事侵攻以降、初めて対面で出席して演説しました。
この中でゼレンスキー大統領はロシアは核による脅しを続け、世界の食料供給も脅かしているなどと非難した上で
「侵略者を打ち負かすために団結して行動しなければならない」
と述べて、国際社会に改めて支援を呼びかけました。
欧米を中心に各国からは、ウクライナを支持する発言が相次ぎ、アメリカのバイデン大統領は
「ロシアだけが戦争を直ちに終わらせる力を持っているが、平和の邪魔をしている」
とロシアを改めて非難した上で、ウクライナへの支援を継続することを強調しました。
一方で、ブラジルのルーラ大統領が、対話を通じた停戦の必要性を訴えてウクライナへの軍事支援を続ける欧米各国とは一線を画する姿勢を見せるなど、欧米とロシアとの対立から距離を置く国もあり、ウクライナ情勢をめぐる国際社会の分断も改めて浮き彫りになりました。
この後ゼレンスキー大統領は2023年9月20日、日本時間の2023年9月21日午前0時から始まる国連安保理の首脳級会合にも出席し、領土の回復やロシア軍の撤退などを盛り込んだ自身の和平案を説明し、支持を呼びかける方針です。
ロシアからはラブロフ外相が出席する予定で、激しい論戦も予想されます。
■ラブロフ外相 ニューヨークに到着
ロシア外務省は、国連総会に出席するためにラブロフ外相がニューヨークに到着したと2023年9月20日発表しました。
ラブロフ外相は、日本時間の2023年9月21日0時から予定されている安全保障理事会の首脳級会合に出席するとしていて、同じく出席する予定のウクライナのゼレンスキー大統領との激しい論戦も予想されます。
また、ラブロフ外相は2023年9月23日に国連総会の一般討論演説に出席する予定で、滞在中には国連のグテーレス事務総長と会談する他、各国の高官や国際機関の責任者らとおよそ20の会談を行うとしています。
これに先立ちロシア外務省は2023年9月2日
「ロシアは、グローバル・サウスなどの国々と共に、公正で多極的な世界秩序を構築し、新植民地主義に対抗するための努力を続ける」
などとする声明を発表し、国連外交を通じて欧米諸国に対抗していく考えを強調していました。
一方、ロシアのリャプコフ外務次官は国営のタス通信に対し
「アメリカ側との接触は想定されていない」
「アメリカの方針を考えると価値があるとは思えない」
としてアメリカ側との会談の可能性は否定しました。

ゼレンスキー大統領 国連総会で演説 “団結して行動を”
2023年9月20日 8時25分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230920/k10014200461000.html
ニューヨークの国連総会に出席しているウクライナのゼレンスキー大統領が演説し、ロシアによる軍事侵攻を厳しく非難した上で、
「全ての力を結集し、侵略者を打ち負かすために団結して行動しなければならない」
と述べ、国際社会に改めて支援を呼びかけました。
2023年9月19日に国連総会で始まった各国の首脳らによる一般討論演説では、冒頭、グテーレス事務総長がロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、
「国連憲章と国際法に違反する戦争は恐怖の連鎖を生み出し、人命を奪い、人権を踏みにじり、家族を離散させた」
「ウクライナにとどまらず、私たち全てに深刻な影響を及ぼしている」
と非難しました。
この後、日本時間の2023年9月20日午前3時頃からはウクライナのゼレンスキー大統領が演説し、ロシアが世界を核戦争の恐怖に陥れ、食料供給をも脅かしていると厳しく非難した上で、
「全ての力を結集し、侵略者を打ち負かすために団結して行動しなければならない」
と、国際社会に支援を呼びかけました。
そして、
「ロシアが世界を最終戦争へと駆り立てようとしているのに対して、ウクライナは如何なる国も他の国を攻撃することがなくなるよう力を尽くしている」
「戦争犯罪は処罰され、占領された土地は返還されなければならない」
と述べ、国際秩序を守らなければならないと訴えると、会場から大きな拍手が起こりました。
ゼレンスキー大統領はこの後、2023年9月20日に開かれる安全保障理事会の首脳級の会合にも出席する他、各国首脳とも個別に会談し、改めて支援を訴える考えです。
■アメリカ バイデン大統領 “ロシア 平和の邪魔をしている”
アメリカのバイデン大統領は2023年9月19日、国連総会で演説し、ウクライナへの軍事侵攻を巡り、ロシアを改めて非難すると共に、ウクライナに対する支援を継続することを強調し、国際社会に連帯を訴えました。
この中でバイデン大統領はウクライナへの軍事侵攻を巡り、
「ロシアだけがこの戦争の責任を負っている」
「ロシアだけが戦争を直ちに終わらせる力を持っているが、平和の邪魔をしている」
と述べ、ロシアを改めて非難しました。
そして、
「ロシアは世界が次第に疲れ、ウクライナへの残虐行為が見逃されるようになると信じている」
「ウクライナが切り刻まれることを許したら、どの国の独立が保障されるだろうか」
と指摘し、ウクライナの主権と領土の一体性を守るため、支援を継続することを強調しました。
また、覇権主義的な行動を強める中国も念頭に、
「我々はこの侵略に立ち向かい、明日の侵略者を抑止しなければならない」
と述べ、国際社会に連帯を訴えました。
その上で、米中関係について、
「両国の間の競争が対立に傾かないよう、責任を持って管理しようとしている」
と述べ、経済的な結び付きを切り離す
「デカップリング」
ではなく、経済関係を維持しながら中国との間で抱えるリスクを減らしていく
「デリスキング」
を目指す考えを強調し、気候変動問題など共通の課題については協力する姿勢を示しました。
その他、食料安全保障や感染症対策などへの支援についても言及し、途上国や新興国など、いわゆるグローバル・サウスの国々への配慮も示しました。

■トルコ エルドアン大統領 “停戦に向け仲介外交を継続”
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡り、両国の仲介役を務めるトルコのエルドアン大統領は2023年9月19日、ニューヨークで開かれている国連総会の一般討論演説に出席し、
「戦争が始まって以来、両国の友人たちを交渉のテーブルにとどまらせるよう努めてきた」
と述べ、両国の首脳と個別に直接会談をするなど、独自の外交を展開してきたと訴えました。
その上で、
「ウクライナの独立と領土の一体性を基本として、外交と対話による戦争終結に向けて努力を続ける」
と述べて、停戦に向けて仲介外交を継続していく考えを改めて強調しました。
また、2022年、トルコと国連の仲介で合意に至ったものの、2023年7月にロシアが合意の履行を停止したウクライナ産の農産物輸出を巡っては、
「飢餓の危機に瀕する地域に手を差し伸べるべく関係国と接触を続けている」
「まずはアフリカの国々に穀物を送る計画がある」
として、食料危機への懸念にも対処していく考えを示しました。
一方、エルドアン大統領はアメリカやロシアなど、国連安全保障理事会の常任理事国5か国が強大な決定権を握っているとして、
「国連が主導して世界の安全と平穏を担う組織を早急に再構築する必要がある」
「世界は5か国よりも大きい」
と述べて、国連の改革が必要だと訴えました。
■ブラジル ルーラ大統領 “対話による停戦を”
ブラジルのルーラ大統領は国連総会で演説し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、対話を通じた停戦の必要性を訴え、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米各国とは一線を画する姿勢を見せました。
ブラジルのルーラ大統領は2023年9月19日、国連総会の慣例に従って各国の首脳らによる一般討論演説の冒頭に演説を行いました。
この中で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、
「対話に基づかない解決策は長続きしない」
「私は交渉の努力が必要だと繰り返し主張してきた」
と述べ、かねてから主張してきた対話による停戦の必要性を改めて訴えました。
その上で、
「兵器に多額の投資が行われ、開発への投資はほとんどない」
「2022年の軍事支出は総額で2兆ドルを超え、核兵器への支出は830億ドルに達した」
「これは国連の通常予算の20倍だ」
と述べ、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米各国などの対応を暗に批判しました。
ルーラ大統領は2023年9月20日、同じく国連総会に出席しているウクライナのゼレンスキー大統領と初めて対面で会談する予定で、和平を巡る自らの考えを直接伝えるものとみられます。
■ウクライナ情勢めぐる「国連の分断」
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化する中、ウクライナ情勢を巡って国連で加盟国の間の分断が広がっています。
国連の安全保障理事会ではウクライナ情勢を協議する会合が度々開かれていますが、欧米とロシアによる非難の応酬が繰り返され、更には北朝鮮の核ミサイル開発問題やシリアの人道支援などを巡っても、双方の対立が際立つ場面が多く、機能不全に陥っていると指摘されています。
また、193全ての国連加盟国が参加できる国連総会では、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて1年となった2023年2月、
「武力による領土の獲得は認められない」
とした上でロシア軍の即時撤退などを求めた決議が、欧米各国や日本など141か国の賛成多数で採択されました。
一方で、中立的な立場を取ったり、ロシアへの配慮を示したりするおよそ50か国が反対や棄権などに回り、国際社会の分断が浮き彫りになりました。
途上国は軍事侵攻の長期化に伴う食料やエネルギーの価格高騰など大きな影響を受けていて、一部の国からはウクライナにもロシアにも即時停戦を求める声が上がっている他、欧米による武器の供与が和平を阻害していると批判する意見もあります。
先週には多くの途上国が参加する国連のグループ、G7と中国による首脳会合が開かれ、欧米などが主導してきた国際秩序は不公正で、途上国が直面する課題は深刻化していると、強い懸念を表明する政治宣言を採択しました。
加盟国の間で分断が深まる現状に国連のグテーレス事務総長も危機感を強めていて、2023年9月13日の記者会見では
「地政学的な分断によって我々の対応能力が弱体化している」、
「政治とは歩み寄りだ」
「外交とは歩み寄りだ」
「効果的なリーダーシップとは歩み寄りだ」
と訴え、ウクライナ情勢を含め世界の懸案の解決に向けた各国の協力を呼びかけました。

■イギリス外相「安保理の常任理事国に日本なども入るべき」
国連総会に出席しているイギリスのクレバリー外相がNHKの単独インタビューに応じ、ロシアによるウクライナ侵攻が世界中に危害を加えていると非難すると共に、ロシアの拒否権行使によって国連の安全保障理事会が機能不全に陥っているとして、日本などを常任理事国に加える改革の必要性を訴えました。
イギリスのクレバリー外相は2023年9月19日、ニューヨークの国連本部でインタビューに応じました。
この中で、ロシアの軍事侵攻に対するウクライナの反転攻勢について、
「進展は遅れているが、犠牲者を最小限に抑えるよう慎重に行動し成功を収めている」
と分析した上で、イギリスとしてウクライナが必要とする兵器を見極めながら支援を続けていくと述べました。
また、ロシアに対しては、
「ウクライナ南部の穀物施設を攻撃して黒海からの輸出を妨げ、世界中の貧しい人々に危害を加えている」
と非難した上で、食料不足に陥っている途上国を支援する重要性を強調しました。
更にクレバリー外相は、国連の安全保障理事会でイギリスが過去30年以上、拒否権を行使していないことを引き合いに、ロシアが拒否権を乱用し、安保理が機能不全に陥っていると指摘しました。
その上で、
「国連がより効果的な組織となり、現在の世界が抱える課題に向き合えるよう、我々は改革を支持する」
「安保理の常任理事国にブラジル、インド、日本、そしてアフリカの国も入るべきだと考えている」
と述べ、安保理改革の必要性を訴えました。

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/814.html#c100

[政治・選挙・NHK291] 8年前と変わらない悲痛さ…沖縄県の玉城知事が国連人権理事会で演説 翁長知事も訴えた「自己決定権」は(東京新聞 TOKYO Web) 達人が世直し
5. 2023年9月21日 11:58:14 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-15]
<■440行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
産経抄
辺野古、知事に承認勧告
2023/9/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20230921-JLFFKHQ62FKEBB6AAFKEY4J5CU/?140483
男の人が、飼っているラクダに瓶(かめ)の中の穀物を与えた。
食べ終えたラクダはしかし、瓶から頭が抜けない。
そこに1人の老翁が来ていわく、
「まず首を切りなさい。次に瓶を壊すといい」。
男の人は言われた通り頭を取り出した。
▼『ものの見方が変わる座右の寓話』(戸田智弘著)から引いた。
肌の粟(あわ)立ちを覚える小噺(こばなし)は、順序の誤りがもたらす罪を私たちに教えてくれる。
世の中は広いもので、臆面もなく手順前後をやってのける人もいる。
沖縄県の玉城デニー知事である。
▼米軍普天間飛行場の辺野古移設を難じて曰く、「政府が強行している」。
国の防衛政策に矛先を転じていわく、「軍事力の増強は周辺地域の緊張を高める」。
国連人権理事会でそう述べた。
ラクダの首ならぬ国家の安全を進んで切り落とすかのような、実に危うい発言である。
▼玉城氏といえば、2023年7月の訪中で尖閣に頰かむりした姿が忘れ難い。
今回の発言は中国などに付け込まれる恐れもある。
どの立場でものを言っているのか。
沖縄の人々、ひいては国民全体を危険に晒して何が楽しいのか。
無節操ぶりが目に余る。
▼こんな小噺もある。
「先に鼻をかむ。よく乾かしてからお尻をふくんだ」。
けちな男が無駄のない紙の使い方を自慢げに言う。
感心した与太郎は順序を間違えて…。
玉城氏は重い他山の石とすべきであろう。
辺野古の埋め立て工事を巡っては、最高裁で県の敗訴が確定している。
▼国が申請した移設工事の設計変更を、一刻も早く承認する。
危険性が指摘されて久しい普天間飛行場を、1日も早く辺野古に移す。
なすべきことは山ほどある。
玉城氏は腹を固めては如何か。
手順に従い粛々と。
溝を深めるだけの政府批判は、何も生まない。

阿比留瑠比の極言御免
玉城氏の危ない外患誘致
2023/9/21 1:00
https://www.sankei.com/article/20230921-KUDWLQKQYJIRLPNJP6KUIBL6XI/
沖縄県の玉城デニー知事が2023年9月18日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で行った演説が、中国など外国勢力の不当介入を招きかねないと物議を醸している。
玉城氏は演説でこう主張した。
「米軍基地が集中し、平和が脅かされ、意思決定への平等な参加が疎外されている沖縄の状況を世界中から関心を持って見てください」
「軍事力の増強は日本の周辺地域の緊張を高めることが懸念されるため、沖縄県民の平和を希求する思いとは全く相容れません」
■争乱の種撒く言動
そもそも外交や安全保障は
「国の専権事項」
であり、玉城氏の言う
「意思決定への平等な参加」
には根拠がない。
米軍基地と日本の防衛力増強によって地域の緊張が高まり、平和が脅かされているという論法は、中国の言い分そのものだろう。
早速、自民党の佐藤正久元外務副大臣がX(ツイッター)で2023年9月19日、
「第三国の不当な介入を招く恐れがある行動は県民の意思の代表とは言えない」
と反論していた。
その通りであり、玉城氏の言動は平和の希求にはならず、むしろ争乱の種となる危険性がある。
本紙の川瀬弘至論説委員は2023年7月30日付の紙面で、2023年7月に訪中した玉城氏が、北京郊外にある
「琉球国墓地」
跡地を訪れた際の中国メディアの報じ方を紹介している。
<中国のメディアは、清に助けを求めて自決した(久米氏族の)林世功らの墓地だと明確に伝えている。
北京で発行されている大衆紙「新京報」は玉城氏の墓参に合わせて長文の解説記事を掲載。
琉球はかつて中国の属国だった、それを日本が強引に併合して沖縄県とした、沖縄の帰属問題はまだ解決していないーなどと書き立てた。
人民日報系の雑誌「国家人文歴史」は沖縄の米軍基地問題を特集で取り上げ、
「日本政府の対応に琉球の民衆は大きな失望と反感を抱き、独立を求める声も強まっている」
と論じた>
■習近平氏の異論言及
この件については、ジャーナリスト、仲村覚氏も月刊誌「明日への選択」2023年9月号の記事でこう記した。
<琉球人墓地を訪れた玉城知事について、中国側は
「清国の軍事介入を要請した林世功の志を引き継ぎ、日本から解放を求めた人物」
のように描き・・・(中略)台湾有事の際、中国が沖縄に手出し(軍隊派遣)や口出し(恫喝)をする口実を与えてしまった>
中国共産党の機関紙、人民日報の2023年6月4日付の1面記事も意味深長だった。
習近平国家主席が福建省福州市での勤務時代を振り返って
「福州には琉球館、琉球墓があり、琉球との交流の根源が深いと知った」
と発言したことを、突然報じたのである。
習近平氏が日本の地方都市について言及すること自体が異例で、本土と沖縄との分断工作の一環だとも考えられる。
中国人民解放軍元副総参謀長の孫建国氏が2023年5月、自民党安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)との会合で、
「琉球は元々中華圏だが、もし独立すると言ったらどう思うか」
と語ったこととも符合する動きだと言えよう。
ちなみに日本の刑法には今まで1度も適用されていない重罪がある。
「外患誘致」(81条)
がそれで、極刑以外の刑罰を定めていない。
条文はこうである。

「刑法
第三章 外患に関する罪
(外患誘致)
第八十一条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。」

玉城氏が中国側の工作にうかうかと乗せられて、間違っても初めての適用例とならないことを祈る。

「政治パフォーマンスだ」 沖縄県知事の国連演説、県内で賛否両論
2023/9/19 20:03
https://www.sankei.com/article/20230919-2YGTDKZECJIVZE2RVYWFM4UTCE/
「沖縄の心を発信してくれた」「政治パフォーマンスだ」。
沖縄県の玉城デニー知事が国連人権理事会で、米軍基地問題を巡り政府方針と異なる演説をしたことに、県内では2023年9月19日、様々な声が聞かれた。
基地問題などに対する県民の意見は割れており、玉城氏が国際社会に向けて一方的な意見を表明したことには、批判も上がっている。
■「国際社会に誤解」
スイス・ジュネーブで2023年9月18日に開かれた国連人権理の会議。
玉城氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について、自国の政府方針をあからさまに批判した。
《日本政府は貴重な海域を埋め立てて、新基地建設を強行しています》
玉城氏を支える
「オール沖縄会議」
は、この演説を
「県民の願いが込められた内容」
と評価する。
共同代表の糸数慶子元参院議員は
「米軍基地の存在が県民の負担となり、人権をも侵害しているという現実に、国は真剣に向き合うべきだ」
と話した。
玉城氏は今回、政府の防衛政策にも反対した。
《軍事力の増強は日本の周辺地域の緊張を高めることが懸念されるため、沖縄県民の平和を希求する思いとは全く相容れません》
これに対し保守系の識者からは懸念や批判が上がった。
自民党県連政調会長の座波一(はじめ)県議は
「知事の発言は国際社会に誤解を生じさせかねず、極めて残念」
と強調。
沖縄在住のジャーナリスト、仲村覚氏も
「軍事力を増強し、緊張を高めているのは中国だ」
「知事の演説こそ県民の思いと相容れない」
と指摘する。
■「反対運動は無意味」
基地を含む安全保障問題について、県民の意見は一枚岩ではない。
明星大などの研究グループが2023年6月に発表した県民への意識調査では、沖縄に基地が集中する現状に約7割が
「不平等」
と感じる一方、中国の軍事力増強にも約8割が
「脅威」
を抱き、約4割が
「日米安保の強化」
に肯定的だった。
また、18〜34歳の若い世代の5割以上が
「国防政策は政府に決定権があるので基地反対運動は無意味」
と考え、国との対決姿勢を強める県に批判的な雰囲気が広がっている様子も窺えた。
今回の演説について那覇市内で聞いたところ、
30代女性事務員は
「沖縄の現状を国際社会に知ってもらうのはいいことだと思う」。
20代男性会社員は
「国連で訴えても何かが変わるとは思えない。政治パフォーマンスだ」
と話していた。
■2015年の国連人権理事会でスピーチし、前沖縄県知事の反基地演説を批判したジャーナリストの我那覇真子さんの話
玉城デニー知事は今回、沖縄県民を『先住民族』だと訴えるNGOの発言枠を使って演説をした。
公的立場でありながら、沖縄と本土の分断を図るプロパガンダに加担する行為と言える。
ただ、翁長雄志前知事は『先住民族』と親和性の高い『自己決定権(self-determination)』という言葉を演説に盛り込んだが、玉城氏は使わなかった。
『先住民族』論が県民に全く浸透せず、逆に抗議活動が勢いを得たからだろう。
沖縄を巡る問題で最も注目すべきは、実は基地反対か容認かではない。
『分断して統治せよ』という言葉があるが、本土との分断工作が進んでいることに警戒すべきだ。
その背後に中国がいることも、忘れてはならない。

辺野古、知事に承認勧告 国、代執行へ手続き着手
2023/9/19 19:23
https://www.sankei.com/article/20230919-ZVSWTRMMURLKPHSQLRZUTWPC74/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年9月19日、軟弱地盤改良工事の設計変更を承認するよう勧告する文書を玉城デニー県知事に送った。
勧告は知事の代わりに国が承認する
「代執行」
に向けた最初の段階。
2023年9月4日の最高裁判決で承認する義務を負った知事が対応しないため、手続きを取った。
工事の再開を目指し、福岡高裁那覇支部へ提訴する準備も進める。
政府関係者が明らかにした。
勧告に応じなければ指示に切り替え、それでも対応しない場合は高裁支部に提訴する。
国側が勝訴し、判決が定めた期間内に知事が承認しなければ、国交相が代わって承認し、工事を再開できる。
地方自治法は、国が自治体に委ねている
「法定受託事務」
を巡り、知事が事務の管理や執行を怠った場合などに、担当相が代わりに行うことができると規定している。

辺野古の設計変更、国交相「承認されると考える」と見解 沖縄知事は国連演説で「民意に反する」
2023/9/19 12:14
https://www.sankei.com/article/20230919-N42YULQKBRPNFKZNXBAXJMAF3M/
斉藤鉄夫国土交通相は2023年9月19日の閣議後記者会見で、沖縄県の玉城デニー知事が国連人権理事会の演説で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設が
「民意に反している」
という趣旨の発言をしたことについて
「コメントは差し控える」
としながらも、確定した県側敗訴の最高裁判決に沿って
「(移設に向けて)速やかに承認されるものと考えている」
と述べた。
スイスで2023年9月18日に開かれた国連人権理事会の演説でで、玉城氏は
「民主的に行われた県民投票で、沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」
「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」
などと反対姿勢を強調した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更を承認するよう是正指示を出したのは違法な国の関与に当たるとして、県が国に指示の取り消しを求めた訴訟で、最高裁が2023年9月4日に県側の上告を棄却。
県側の敗訴が確定し、玉城氏は設計変更を承認する義務を負った。
会見で斉藤氏は
「現時点で知事が変更承認したとは承知していない」
と指摘。
ただ、県の代わりに大臣が承認する
「代執行」
に向けた手続きをとるかどうかについては言及を避けた。

沖縄知事「日本政府、新基地建設を強行」と非難 中国などの不当介入招く恐れ
2023/9/19 9:44
https://www.sankei.com/article/20230919-WKJ6XFTGHVKKRMN5M6SAOCXPOU/
沖縄県の玉城デニー知事が2023年9月18日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説し、米軍基地が
「(沖縄に)集中し、平和が脅かされている」
と主張した。
「日本政府は私たちの貴重な海域を埋め立て、新基地建設を強行している」
と非難。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に対し反対を表明した。
米軍基地は日米同盟の抑止力を形成する重要要素である中、知事がその配置に国際機関の場で異論を唱えるのは、日本国民の安全という国益を損ない、中国など外国勢力の不当介入を招く恐れがある。
玉城氏は2023年9月18日、国連人権理の本会議場で開催された
「国際秩序」
の会議に出席した。
演説で
「沖縄は日本全体の国土面積の0.6%しかないが、日本にある米軍基地の70%がこの小さな島に集中している」
と指摘。
「米軍基地が集中し、平和や意思決定への平等な参加が脅かされている沖縄の状況を世界中から関心を持ってみてもらうために私はここにきた」
と訴えた。
玉城氏は普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関する平成31年(2019年)の県民投票に触れ
「民主的に行われた県民投票で沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」
と言及。
「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」
とし
「沖縄県民の平和を希求する思いとは相容れない」
との見方を示した。
「私たち沖縄県民は、2016年の国連総会で採択された『平和への権利』を私たちの地域において具体化するよう、関係政府による外交努力の強化を要請する」
とも述べた。
一方、日本政府代表は玉城氏の演説に対し
「沖縄における米軍の駐留は、地政学的な理由と日本の安全保障上の必要性に基づくもので差別的な意図に基づくものではない」
と指摘。
「辺野古への移設を着実に進めることが、普天間飛行場の完全返還を可能な限り速やかに実現し、地域住民の危険性の除去に繋がる唯一の解決策だ」
と反論した。
沖縄県知事が国連人権理に出席し、発言するのは2回目。
2015年には翁長雄志前知事が辺野古移設反対を訴え
「沖縄の人々は自己決定権や人権を蔑ろにされている」
とスピーチした。
国連の理事会に非政府組織(NGO)が意見表明する会議があり、関係者によると、玉城氏はNGOの発言枠を譲り受ける形で演説した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更に関する上告審で、2023年9月4日に県側が国に敗訴。
玉城氏は設計変更を承認する義務を負ったが、態度を明らかにしていない。

沖縄知事「平和脅かされている」 国連で辺野古「反対」演説
2023/9/19 1:25
https://www.sankei.com/article/20230919-UM24OHR7GNIDDMQIBNMG3CDZPQ/
沖縄県の玉城デニー知事が2023年9月18日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説し、米軍基地が
「(沖縄に)集中し、平和が脅かされている」
と主張した。
「日本政府は私たちの貴重な海域を埋め立て、新基地建設を強行している」
と強調。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設への反対を表明した。
玉城氏は2023年9月18日、国連人権理の本会議場で開催された
「国際秩序」
の会議に出席した。
演説で
「沖縄は日本の総面積の0.6%しかないが、日本にある米軍基地の70%がこの小さな島に集中している」
と指摘。
「米軍基地が集中し、平和や意思決定への平等な参加が脅かされる沖縄の状況を世界中から関心を持ってもらうために、私はここに来た」
と訴えた。
また、普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関する平成31年(2019年)の県民投票に触れ、
「民主的に行われた県民投票で沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」
と言及。
「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」
とした上で、
「沖縄県民の平和を希求する思いとは相容れない」
との見方を示した。
「私たち沖縄県民は、2016年の国連総会で採択された『平和への権利』を私たちの地域において具体化するよう、関係政府による外交努力の強化を要請する」
とも述べた。
沖縄県知事が国連人権理に出席し、発言するのは2回目。
2015年には翁長雄志前知事が辺野古移設反対を訴え、
「沖縄の人々は自己決定権や人権を蔑ろにされている」
「自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるだろうか」
とスピーチした。
国連の理事会にNGOが意見表明する会合があり、関係者によると玉城氏はNGOの発言枠を譲り受ける形で演説した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更に関する上告審で、2023年9月4日に県側が国に敗訴。
玉城氏は設計変更を承認する義務を負ったが、態度を明らかにしていない。

主張
玉城氏が人権理へ 国益を害する言動やめよ
2023/9/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20230916-BD3XJLT52FIWJHCDZM2SSZE6WQ/
沖縄県の玉城デニー知事が記者会見で、国連の人権理事会に出席して、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対表明することを明らかにした。
スイス・ジュネーブで2023年9月18日から開かれる人権理の会議で、国の方針を完全に否定するスピーチを行うことを意味する。
辺野古移設は日米両国が交わした重い約束事だ。
米軍基地を国内のどこに置くかは、国の専権事項である安全保障政策に属する。
憲法は地方自治体や首長に安保政策や外交上の合意を覆す権限を与えていない。
米軍基地は日米同盟の抑止力を形成する重要要素だ。
知事がその配置に、国際機関の場で異論を唱えるのは、県民を含む日本国民の安全という国益を損なう。
中国など外国勢力の不当な介入を招く恐れもある。
玉城氏は人権理を利用する反対表明をやめるべきだ。
最高裁は2023年9月4日、国が申請した辺野古移設工事の設計変更を県が不承認とした処分を巡る訴訟で、県の主張を退ける判決を下した。
県の敗訴が確定して玉城氏は国の申請を承認する義務を負ったが、未だに承認していない。
義務を果たさず人権理の会議に出席し、最高裁判決を蔑ろにする内容の意見表明をするのは司法軽視も甚だしい。
言語道断である。
翁長雄志前知事も2015(平成27)年に人権理で辺野古移設反対を訴え、
「沖縄の人々は自己決定権や人権を蔑ろにされている」
などと、日本を貶める演説をした。
だが、辺野古移設ができなければ、市街地中心部にある普天間飛行場の危険性を除けない。
中国に尖閣諸島(沖縄県)が脅かされ、台湾有事の危険も高まっているのに、日米同盟の抑止力を確たるものにできない。
玉城氏は翁長氏の轍を踏んではならない。
玉城氏の言動は、現実の脅威である中国政府の思う壺である点も忘れてはなるまい。
玉城氏が2023年7月に訪中した際、中国政府は序列2位の李強首相が面談するなど異例の厚遇を示した。
中国政府に沖縄への影響力を強めたり、国と県を分断したりする思惑があってもおかしくない。
それを防ぎ、県民を含む日本国民に安心を与えるのが自衛隊と在沖米軍の存在だ。
玉城氏は肝に銘じるべきである。

玉城デニー沖縄知事、国連人権理出席へ 辺野古など政府方針に反対訴え
2023/9/8 12:10
https://www.sankei.com/article/20230908-2YQQT3Y2OROTZJ2XCK4HV6RPSY/
沖縄県の玉城デニー知事は2023年9月8日の記者会見で、2023年9月後半にスイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会に出席すると発表した。
米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画の反対を訴えるなど、政府方針と異なるスピーチを行う。
移設計画をめぐっては2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定したばかりで、玉城氏の言動は物議をかもしそうだ。
玉城氏は会見で、国連出席の目的について
「辺野古新基地建設に反対する理由や基地から派生する諸問題の解決の必要性などを幅広く発信する」
と述べた。
2023年9月17日に出国し、2023年9月18〜21日に人権理事会本会議場で開かれる複数の会議に参加、発言する方向で調整している。
また、現地で米軍基地の人権問題などをテーマにした講演会を行い、2023年9月23日に帰国するとしている。
辺野古移設計画では、埋め立て工事の設計変更申請を承認するよう国が県に是正指示を出したことに対する訴訟で、最高裁が2023年9月4日に県側の上告を棄却し、県の敗訴が確定している。
2023年9月8日の会見で記者から
「最高裁判決と矛盾するのではないか」
との質問が出たが、玉城氏は
「県の正当性は引き続き主張できると考えている」
と述べた。
一方、最高裁判決を受けて設計変更を承認するかどうかは、
「今後の対応を検討している」
と述べるにとどめた。
人権理事会には各国の人権機関やNGOが意見表明する会議があり、玉城氏は今回、日本のNGOの発言枠を使ってスピーチする。
2015年にも翁長雄志前知事が人権理事会でスピーチし、基地問題を巡る日本政府の対応を厳しく批判して物議をかもした。
今回の玉城氏の国連出席については賛否両論があり、自民党沖縄県連は2023年9月6日、玉城氏に
「国内法秩序を蔑ろにしかねない言動は厳に慎んでほしい」
と申し入れていた。

主張
沖縄県の敗訴確定 知事は辺野古移設協力を
2023/9/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20230905-PDULABU5XFIK5MZBQGUKJJ4UVE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、工事に反対する県が国の是正指示を違法と訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁が県側の上告を棄却した。
県の敗訴が確定したことになる。
玉城デニー知事は判決後、
「極めて残念」

「深く憂慮せざるを得ません」
とし、判決内容を踏まえて今後の対応を検討するとコメントした。
国に対しては
「県民の意思に沿うよう判断してもらいたい」
と語った。
辺野古移設の断念を求めていることになる。
これはおかしい。
法治国家の首長として玉城氏が取るべきは、司法の最終判断を受け入れ、国の工事設計変更への承認を表明することである。
辺野古沿岸部の埋め立て工事海域に軟弱地盤が見つかり、防衛省が地盤改良に伴う設計変更を県に申請した。
だが、県は承認せず、国の是正指示にも従わずに提訴した。
今回の最高裁の判決で、玉城氏は設計変更の申請を承認する
「法的義務」
を負った。
その義務を速やかに果たすべきだ。
玉城氏を支持する革新系団体からは、県が別の理由を付け再び
「不承認」
とするよう求める声が出ているが言語道断だ。
法治国家の基本ルールを逸脱してはならない。
設計変更を承認せず、3年以上も工事を遅らせた責任は県にある。
1996(平成8)年に移設を条件とする普天間飛行場の全面返還で日米が合意してから27年が経つ。
近年は県と国の泥沼の裁判闘争が続き、判決に至ったケースではいずれも県が敗訴した。
いい加減にしてほしい。
普天間飛行場は市街地に囲まれている。
辺野古への移設は、普天間飛行場周辺に暮らす県民の安全を図るための事業だ。
更に、中国などの増大する脅威から沖縄を含む日本を守りぬくためでもある。
返還後は、跡地の利用で県経済の活性化に繋げることも出来よう。
玉城氏は知事として何が県と県民にとって大切かを虚心坦懐「心に何の蟠りもなく,平静な態度で事に臨む・事(様)」に考え、法的義務を履行し、移設協力へ転じるべきだ。
国は移設工事を着実に進め、普天間返還を実現しなければならない。
米軍基地の多い沖縄の負担は大きい。
引き続き整理・縮小に尽力すると共に、基地と辺野古移設の重要性について丁寧な説明が必要である。

国、早期工事着手目指す 承認代執行も視野
2023/9/5 1:30
https://www.sankei.com/article/20230905-DXVCXH55JNOQ5KLESYR5SDUONM/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡る訴訟で2023年9月4日、沖縄県の敗訴が確定したことを受け、政府は未だ着手できずにいる予定地東側の埋め立て工事の早期開始を目指す。
ただ、玉城デニー知事が司法判断に従い、国が申請した工事の設計変更を承認するとは限らず、国による承認の代執行も視野に入れている。
「沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものと考えている」。
松野博一官房長官は2023年9月4日の記者会見で県側に釘を刺した。
東側の埋め立て工事は、軟弱地盤が見つかったため県が設計変更を承認する必要がある。
国は勝訴を見越し、承認後に速やかに土砂投入を始められるよう、係争中も工事の準備を進めてきた。
防衛省幹部は
「法治国家で司法の判断に従わないことはあり得ない」
と話す。
ただ、不承認処分は移設工事反対の
「切り札」
で、玉城氏が承認に転じるかは見通せない。
2018(平成30)年12月から埋め立て工事が始まった予定地南側約41ヘクタールの進捗率は2023年7月末時点で98%に達している一方、東側約111ヘクタールには未だ土砂は投入されていない。
このため、全体の進捗率は16%にとどまる。
防衛省は2019(令和元)年末の時点で埋め立て工事と飛行場建設には着手から9年3カ月かかるとの試算を示しているが、県の対応次第で移設時期は更に遅れかねない。
県は、2020(令和2)年4月に国が設計変更を申請した際も審査を1年7カ月も引き延ばし、不承認とした。
約9300億円と見積もる総工費が膨らむ可能性もある。
今後、県が引き続き承認しない場合、国は地方自治法に基づき、県の代わりに国土交通省が設計変更の申請を承認する代執行に向けた手続きに入ることが予想される。
防衛省関係者は県の対応について
「非生産的だ。沖縄自身の足を引っ張っている」
と漏らす。

辺野古移設工事巡り敗訴確定 沖縄県知事、かつてない苦境に
2023/9/4 21:34
https://www.sankei.com/article/20230904-5WTSXYC32FO7RCFQXGWOCBDHMI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡る2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定した。
移設阻止を掲げる玉城デニー知事は
「極めて残念」
とのコメントを発表したが、今後の対応については明言を避けた。
判決に従うか、反対を貫くか−。
いずれの選択も批判を免れず、玉城氏は、かつてない苦境に立たされている。
■辺野古地盤改良、県側敗訴が確定
「判決内容を踏まえ、対応を検討したい」
最高裁判決を受けて行われた2023年9月4日の知事会見。
今後の対応を問う記者の質問に、玉城氏は苦渋の表情で何度もこう繰り返した。
県はこれまで、辺野古沖の地盤改良工事に伴う国の設計変更申請を承認しなかった。
だが、最高裁判決により
「承認義務」
を負うことになる。
辺野古移設に反対する
「オール沖縄」
勢力の支持を受けて2018(平成30)年に知事となった玉城氏は、2022年の知事選でも辺野古反対を最重要事公約に掲げて再選した。
行政のトップとして最高裁判決に従わなければならないが、国の申請を承認すればオール沖縄などの反発を受けるのは必至だ。
県や県議会関係者らによれば、考えられる選択肢は3つだ。
1つは、設計変更は承認するものの、サンゴの移植などを巡る別の訴訟で反対を続ける案。
ただし、工事は阻止できず、訴訟でも県の勝訴は望み薄だ。
2つ目は、承認を拒否するか、結論を先延ばしにする案。
この場合、国が承認を代執行する手続きを取ることになるが、確定判決に従わない県への批判が噴出しそうだ。
3つ目は、今回の訴訟に関わる不承認理由とは別の理由で、再び
「不承認」
とする案。
これも単なる時間稼ぎに過ぎず、批判は免れない。
この他、承認せずに辞職し、知事選で改めて
「民意」
を問うという案も一部で囁かれている。
反対を貫くなら最も筋の通った戦術だが、県政が混乱する上、玉城氏が落選するリスクもあり、
「辞職の可能性は低いだろう」
と県議会関係者は話す。
■危険性除去は一致
「現時点で有効策は見出せない」
と県幹部。
だが、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性の除去が目的であることは国も県も同じだ。
防衛省幹部は
「判決を機に国と県が協力し合えるようになれば良いのだが」
と語る。
移設工事は2017(平成29年)4月に本格的に始まり、当初は8年で完了するとされたが、東側の海域で軟弱地盤が見つかったため工期が12年に延びた。
更に県の不承認で3年以上も遅れている。
自民党沖縄県連は2023年9月4日、
「普天間飛行場の早急な危険性除去という県民の総意を蔑ろにしてはならない」
とし、速やかな承認を求める談話を発表した。
■対話チャンネル再開を
元沖縄県副知事 上原良幸
米軍はの1日も早い全面返還を実現するには、国と県とが問題解決に向けて対話し、協力する姿勢が欠かせない。
しかし革新の太田昌秀知事時代にも保守の仲井真弘多知事時代にもあった国と県との対話チャンネルが、移設反対を掲げた翁長雄志知事の時代に裁判闘争に突入してからは途絶えてしまった。
裁判闘争では、何も解決しないということだ。
市街地に囲まれた普天間飛行場が返還されれば危険性が除去されるだけでなく、跡地利用で沖縄が大きく発展するだろう。
だが、かつては国際都市形成構想など魅力的な利用策が議論されていたのに、今は話題にすら上らなくなった。
最高裁判決をきっかけに、国と県が原点に戻ることを期待したい。
勝った負けたではなく、お互いが裁判闘争の不毛さを知り、対話のチャンネルを再開させることが大切だ。
■最高裁判決と今後のポイント
・工事を不承認とした沖縄県に対する国土交通相の是正指示は適法
・知事の工事不承認に対して国土交通相が取り消す裁決をした場合、知事が同一理由で再び承認しないのは地方自治法違反
・移設を巡り県と国が争った一連の訴訟の論点が出揃い、係属中の2件も県側勝訴は厳しい見通しに
・防衛省沖縄防衛局が申請した設計変更の内容の妥当性は判断せず

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/780.html#c5

[政治・選挙・NHK291] 改造大失敗で露呈した正体 この低支持率は率直な国民の退陣要求(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
27. 2023年9月21日 22:29:54 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-14]
<■2487行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
組閣前夜スクープ撮 木原誠二”官邸の番人” ”財界4重鎮”とホテル謀議
週刊文春2023年9月28日号
岸田文雄首相が「5人の女」を新たに懐へ迎える準備を整えていたその前夜、2023年9月12日夕刻。
ホテルニューオータニの地下駐車場に黒塗りの高級車で乗り込んだのは、翌日から内閣を去ることになる木原誠二衆議院議員(53)。
彼を待ち受けていたのは財界の重鎮たちだった。
一体この日、この場所で何が話し合われたのかー。
今回の内閣改造で官房副長官を外れた木原氏が、自ら岸田首相に退任を申し出たのは2023年8月18日、日米韓首脳会談に向かう政府専用機内だったという。
政治部記者が解説する。
「当初、岸田首相は文春報道を重く受け止めておらず、木原氏を留任させるつもりでした」
「しかし、木原氏から
『これ以上迷惑はかけられない』
と申し出があり、渋々退任を認めたのです」
だが、それでも岸田首相の”木原愛”は変わらず、木原氏は幹事長代理と政調会長特別補佐という2つの要職を兼務することになる。
自民党関係者が言う。
「木原さんの処遇は一石三鳥」
「党の役職に転じることで、国会や記者会見で文春報道について追及される機会が減るし、それでいて政府と党のパイプ役にもなれる」
「その上、ポスト岸田を狙う茂木敏充幹事長と萩生田光一政調会長のお目付け役としても機能する絶妙なポジションなのです」
まさに”焼け太り”とも言える新人事を知ってか知らずか、組閣前夜に行われた財界人との”謀議”の場でも、木原氏は終始ご機嫌な様子だったというのだ。
ホテル関係者が声を潜めて言う。
「この日、ホテルニューオータニの高層ビル『ガーデンコート』に集まったのは木原さんを含めて6名」
「地下駐車場から人目を避けて直通で上がれるビルの最上2フロアには、東京タワーや東京スカイツリーを一望できる法人会員制クラブがあり、そこで酒席が開かれていたのです」
木原氏と杯を交わしたのは、JR東日本の深澤祐二社長(68)、東武鉄道の根津嘉澄会長(71)、西武HDの後藤高志会長(74)、東急不動産HDの金指潔会長(78)という”財界4重鎮”。
こうした錚々たるメンツに加え、その場には元警察庁長官で”官邸の番人”とも称される栗生俊一官房副長官(64)も席を並べていた。
「木原さんは大物たちの前でも物怖じすることなく、ウクライナを訪問した際の話を臨場感たっぷりに話したり、
『私は官邸を離れますが、栗生さんは残るので宜しくお願いします』
としきりに頭を下げたりもしていました」
(同前)
一方の栗生氏は、こう言って木原氏のことを繰り返し持ち上げていたという。
「木原さんは本当に凄いです」
「政策も作れるし、人脈も広い」
「公明党や創価学会とのパイプもありますから」
互いを尊重する木原氏と栗生氏には、官房副長官という役職の共通点だけでなく、小誌が報じ続けている
「木原事件」
でも”接点”がある。
警察庁関係者が言う。
「栗生氏は、木原氏の妻が2018年に警視庁から聴取を受け、その後、捜査にストップがかかった際の警察庁長官でした」
「当時の警察トップが議員案件だった木原事件を知らないはずがありません」
■次の選挙は大変厳しい
更に、前出の政治部記者が後を継ぐ。
「警察庁長官を退官した栗生さんを官房副長官として岸田首相に強く推薦したのが木原さんでした」
この密談の場でも
「木原事件」
が話題に上った。
出席者の1人が水を向けると、木原氏は苦笑いしながら、
「いやいや、ご心配おかけして申し訳ございません」
そう言って口を濁すばかりだったという。
むしろ木原氏の口を突いて出たのは、次の選挙のこと。
木原氏の選挙区(東京20区)である東村山市や清瀬市にはそれぞれ西武新宿線と西部池袋線が通っており、西武グループは大きな票田の1つ。
そのため、木原氏は西武HDの後藤会長に、こう頭を下げたというのだ。
「次の選挙は大変厳しい戦いになると思いますので、どうかお力添えの程、宜しくお願い致します」
時間にしておよそ2時間あまり。
財界の重鎮4人と木原、栗生の両官房副長官の”謀議”はこうしてお開きとなったのである。
さて、出席者たちはこの宴席についてどう答えるのか。
まずは東武鉄道の根津会長を訪ね、直撃した。
ーーどういう経緯で集まることに?
★根津
深澤さんや金指さんや後藤さんは、元々、木原さんをご存じだったようだけど、私は初対面。
木原さんは、武蔵高校の後輩だから1回お会いしたいと思っていたら、その3人が
『じゃあセットしましょう』
と。
3〜4週間も前から(日程が)決まっていて、たまたま木原さんが退任されるタイミングと重なったんです。
ーー木原氏の妻に関する話題は出た?
★根津
そんな話は全然出なかった。
私は聞きたかったくらいですけど、誰もその話を振りませんでしたから。

続いて東急不動産HDの金指会長にも話を聞くと、
★金指
ただの懇親会で何の隠された意図もない。
生臭い話なんて一切せず、大所高所的に木原さんの話を聞かせてもらって、大変勉強になる会だったと思うよ。
ーー妻の話は?
★金指
出るわけないだろ。
よしんば話していたとしても、俺が喋るわけないだろ(笑)。

他の列席者には会社を通して取材を申し込んだ。
JR東日本は
「政治家や経済界の方と意見交換することはありますが、個別の案件については回答を差し控えさせて頂きます」、
西武HDも
「回答を控えさせて頂きます」
とした。
栗生氏の携帯に電話すると
「電話での取材はお答えしないことにしています」
と言い、改めて質問状を送ると
「このようなお尋ねにはお答えしないことにしています」
と取材拒否。
木原氏からは期限までに回答がなかった。
酒席の終了後、満面の笑みで黒塗りのハイヤーに乗り込んだ木原氏。
官房副長官の重責から解放されても、説明責任がなくなるわけではない。

木原誠二氏が記者会見を開かずに説明責任を果たしていないのは卑怯だ。

次々と浮上する安田種雄さんの不審死への疑問。
上申書による安田種雄さんの遺族の悲痛な訴えを、警察・木原誠二官房副長官・木原氏の妻【X子】さん・【X子】さんの父親Z氏(元公安刑事)はどう受け止めるのか。

安田種雄さんの不審死は「自殺」ではなく、「他殺」、つまり「殺人事件」ではないか。
犯人は、元公安刑事にして、木原誠二官房副長官の妻の「実父」ではないか。
木原誠二官房副長官の妻が事件について語ろうとしないのは、彼女の「実父」を庇っているからではないか。

致死量の覚醒剤によって自殺したのなら、わざわざナイフを頭上から喉元に向かって刺す必要があるのか?
ナイフで刺殺された後に、第三者によって致死量の覚醒剤を打たれた可能性もあるのではないか?
疑問点は多々あり、とても「自殺」とは思えず、「他殺」としか思えない。
犯罪の可能性があれば捜査する、犯人を検挙する、法治国家なら当たり前の話だ。
相手が政治家の関係者でも親族でもそれは同じはずだ。
何でこんな当たり前のことが通らないんだ。
政治家が捜査機関上層部に圧力を掛けたり、たとえ相手が有力政治家であっても、捜査機関上層部がその圧力に屈するなどということは絶対にあってはならない。
圧力を掛ける政治家と圧力に屈する捜査機関上層部が存在するのは異常な世界だ。
警察上層部に圧力を掛ける政治家や、その政治家を擁護する弁護士・政治家は論外で信用できないが、圧力に屈する警察上層部も情けなく信用できない。
一般国民は、そんな世界に生きるのは嫌だと思っている。
一般国民から見て、政治家の立場とか、警察官僚の保身とか、そんなことより重要な事はいくらでもある。
子供の頃に「法の下の平等」について習っているはずだが一体全体どこへ行ったんだ?

岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

木原事件に新展開 「遺体の位置が・・・」 遺族が上申書を提出
週刊文春2023年7月27日号
17年前の2006年、木原誠二官房副長官の妻【X子】さんの当時の夫が”怪死”した事件。
木原氏は詳細な説明をしないまま、小誌に再三、刑事告訴をちらつかせている。
そんな最中、中断した捜査の再開を求めて、遂に遺族が立ち上がった。
▼被害者父母、姉が決起「再捜査してください」
▼「遺族の裏には・・・」警察内部で飛び交う妄言
▼記者懇ドタキャン 木原副長官「こんな状況なので」
▼岸田派幹部「刑事告訴なんて無理だろ」
<私たちは種雄の死の真相を知るため、捜査を続行していただきますことを、心から望んでいます>
警視庁大塚署長に宛てられた2023年7月17日付の上申書には、失われた17年前(2006年)の悲痛な思いが綴られていた。
小誌は過去2週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていた事実を報じた。
木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、司法記者クラブに対し2度に渡り文書を送付し、刑事告訴を行うことを宣言した。
上申書を提出したのは、安田種雄さんの両親と2人の姉である。
事情聴取や家宅捜索の事実関係すら
「事実無根」
とする木原氏は、遺族の積年の想いを踏みにじったのだ。
上申書は次のように続く。
<自分が死んだのなら諦めもつきます>
<でも、亡くなったのは大切な息子なのです>
<ひょんなことから『あいつが生きていたら45歳だなあ』と考えてしまう>
遺族が再捜査を強く求めるのには理由がある。
安田種雄さんの死を巡り、到底納得できない”謎”がいくつも残されているのだ。

1978年に生まれた安田種雄さんは地元の中学校を卒業後、高校を中退。
暴走族に入り、青春時代を過ごした。
雑誌モデルとして活躍していた安田種雄さんに惹かれ、1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下の【X子】さんだった。
2002年、長男が誕生することが契機となり、2人は入籍する。
夫妻を知る人物が明かす。
「【X子】は結婚前にCDデビューしたこともある」
「長男を出産後は育児情報誌のモデルをしたり、ママ友とハロウィンパーティーを企画し、司会をやったりしていた」
「種雄さんの当時のあだ名は、TOKIO、長瀬智也に似ていることから、そう呼ばれていました」
2004年4月には長女が誕生し、一家4人は【X子】さんの父が所有する文京区大塚の木造住宅で暮らした。
だが、団欒の風景は次第に修羅の色に染まっていく。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合った男性Y氏の存在だ。
間もなく【X子】さんはY氏と親密な関係になり、池袋の老舗キャバレーで働き始める。
安田種雄さんの次姉が振り返る。
■事件の夜、すれ違った男
「よくキャバレーの帰りに電話が来て
『種雄君がお金を入れてくれない』
『自分だけ遊びに行っている』
と愚痴をこぼしていた」
「それを聞き、種雄に
『ちゃんと生活費をあげなさい』
と言うと
『毎回あげている』
と話が食い違うのです」
2006年に入り、【X子】さんは幼い子供2人を連れ、”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上も【X子】は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも種雄は
『離婚しても子供は引き取りたい』
と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った東京・三軒茶屋の団地に舞い戻った。
出迎えた父は、息子の大好物だった牛肉をスーパーで調達し、振る舞った。
「その日、種雄は私が乗っていたハイエースを貸してほしいと家に立ち寄ったのです」
「理由を聞くと
『【X子】が(東京近郊に住む)Y氏の家に荷物を置いているから取り戻しに行くんだ』
と」
「その日は、数日前に種雄から
『買ってほしい』
と頼まれていた新しい携帯電話を手渡しました」
「ずっと電話に出ない【X子】に連絡するためでした」
(安田種雄さんの父)
だが、それが最後の晩餐になった。
その翌日(2006年4月8日)、安田種雄さんがハイエースでY氏の自宅を訪ねると、そこには【X子】さんと子供たちの姿があった。
家族を必死で連れ戻した安田種雄さん。
その彼が不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした直後、【X子】さんや子供たちが眠る隣の部屋でのことだったー。
ナイフを頭上から喉元に刺したとみられ、死因は失血死。
当時は自殺の可能性が高い不審死として処理された。
だが、12年後の2018年4月、大塚署の女性刑事が捜査資料を分析し、自殺とするには不自然な血の付き方に着目したことから再捜査がスタート。
警視庁の特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に、30人以上の精鋭が集められ、遺族の期待も高まった。
にもかかわらず、1年足らずで突如、捜査は縮小。
以降、遺族の元への警察からの連絡は途切れた。
だが今回、安田種雄さんの父が今でも鮮明に記憶している悪夢の1日を振り返ると、これまで語られなかった新たな疑問点が次々と浮かび上がったのだ。
「変わり果てた姿の種雄を発見した時、右太腿から20〜30cm離れた場所に細長いナイフが置かれていました」
「自らナイフを喉に突き刺すことも難しいのに、ましてや綺麗にナイフを置いてから死ぬ奴がいるのでしょうか」
変わり果てた姿の息子を発見した直後には、こんな出来事があった。
「110番通報をするにも住所が分からず、住居表示がある電信柱を探しに1度外に出たのです」
「通報して民家に戻る途中、すれ違ったのは明らかに変な歩き方をした男でした」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「一目散に追いかけたのですが、一瞬で消えてしまった」
(安田種雄さんの父)
■木原氏代理人の回答は
警察が到着し、安田種雄さん宅に再び上がろうとした父は、ふと足元を見た。
「玄関には、子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあった」
「その靴が、家を飛び出した時から減っているような気がしました」
(安田種雄さんの父)
再捜査に当たり、安田種雄さんの父は”すれ違った男”の存在を女性刑事に明かしている。
安田種雄さんの父が事情聴取を受けたのは2018年4月8日のこと。
小誌が入手した録音データには、次のようなやり取りが記録されている。
★女性刑事
「すれ違った人は長い物を持っていたということですけど、顔は見ていない?」
★父
「はい」
★女性刑事
「背格好で?」
★父
「後ろ姿だけね」
「ジーパンだったかな。帽子」
★女性刑事
「ニット帽。知っている人、という印象はなかった?」
★父
「そうですね」
更に安田種雄さんの父が不審に感じているのは、遺体の位置だ。
「私が部屋に入った時、種雄の頭は寝室に繋がるドアの辺りにありました」
「しかし、後に刑事さんが描いた現場の見取り図は、頭の位置が左右にズレて、倒れている位置すら変わっていたのです」
「私が去った後、何者かが遺体を動かしたのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
事件から数日後に行われた現場検証で、更に疑問は深まった。
「種雄は携帯を3台持っていたのですが、それが見つからなかった」
「どこにあるのかと思って電話をかけると、確かに部屋のどこかから着信音が聞こえる」
「探してみると、1台はソファの上に、衣類を沢山被せた状態で置いてありました」
「更に、ソファの下からも他の携帯が出てきた」
「自分で死んだ奴が、なぜ携帯を隠す必要があるのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
遺族が再捜査を求めるのは、安田種雄さんを喪った哀しみを徒に警察にぶつけているからでは決してない。
自殺で片付けるには不審な点がいくつも残されているからこそ、今回、上申書の提出を決意したのだ。
一方ー。
小誌が先々週号で初めて一連の疑惑を報じて以降、木原氏は”逃げの一手”を続けている。
政治部記者が明かす。
「文春が初めて不審死事件を報じた直後、木原氏の秘書官は番記者たちに
『家族の精神的なケアが必要になり、しばらく朝の囲み取材には応じられません』
と連絡してきた」
「その翌週である2023年7月中旬に議員会館で番記者を集めてオフレコ懇談会を開催するという話だったのですが、結局、後になって
『こういう状況なので中止でお願いしたい』
という連絡があった」
他方で、小誌には再三
「刑事告訴を行う」
と通告してきたが、
「刑事告訴を行えば、捜査当局を動かし、公権力を振りかざすことになる」
「政権中枢で絶大な権力を握る官房副長官の振る舞いとしては異例」
「木原氏の言動は身内からも冷ややかな目で見られています」
(政治部デスク)
ある岸田派幹部は、周囲にこう漏らした。
「刑事告訴なんて無理だろ」
「刑事告訴したら、それをきっかけに各社に報道されてしまう」
「もし木原が刑事告訴するのであれば、官房副長官の辞任がセット」
「それが岸田会長のためだ」
小誌は今回、木原氏に改めて、【X子】さんへの事情聴取や家宅捜索の有無、記者懇中止の経緯について質問状を送付。
代理人弁護士からこう回答があった。
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
「(記者懇中止は)家族が学校等で誹謗中傷を浴びたり、路上で危険に晒される事態が現実に発生し、対応せざるを得ないためです」
木原氏は先々週、一連の再捜査について事実関係を確認する小誌に対し
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
と回答。
2023年7月5日、12日の2度に渡るメディアに公表した<御通知>でも、小誌に対して
「捜査当局の公式の確認」
を取るよう求めたことを強調してきた。
そんな中、”指名”された捜査当局側からも、呼応するかのような動きがあった。
「2023年7月13日、警視庁の國府田(こうだ)捜査1課長の定例会見で、文春報道について質問が出た」
「これに対し國府田氏は
『事件性は認められなかった』
『死因は自殺と考えて矛盾はない』
と述べました」
(社会部記者)
同じ日(2023年7月13日)、霞が関の合同庁舎2号館18階の会議室。
その日(2023年7月13日)、記者クラブ加盟社の記者を集めて行われたのは、全国の警察組織のトップ、露木康浩警察庁長官の定例会見である。
終了間際、テレビ局の記者が木原氏を巡る疑惑について尋ねると、露木長官は淀みなくこう答えた。
★露木長官
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」
会見から2日後の2023年7月15日、露木長官にその真意を尋ねた。
ーー「事件性が認められない」と公表していますが、これは2018年の再捜査を受けて判断した?
★露木長官
「『警視庁が明らかにした』ということで理解していますけど、警視庁の判断ということになってくるので私は間接的な立場なんですね」
ーー木原氏は再捜査も含め「事実無根」として文藝春秋を刑事告訴するという。
再捜査があったかどうか。
長官の認識は?
★露木長官
「まあ、警視庁が明らかにしたということで、あのように会見で申し上げたということですね」
ーー露木長官は捜査資料を確認している?
★露木長官
「いや、そういう風な立場じゃないからですね」
ーー小誌の発売直後、木原氏から連絡はあった?
★露木長官
「いえ、私は木原官房副長官とは全然連絡を取る立場でもないし」
ーーご遺族が「やはり殺されたんじゃないか」という思いを強く持っている。
★露木長官
「ああ・・・」
「警視庁に問い合わせてもらうしかないかなあ」
遺族が複数の不振点を指摘しているにもかかわらず、
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
実はその内部では、不穏な動きが見て取れるのだ。
警察庁関係者が打ち明ける。
「報道後、警察内部では
『遺族の裏には社民党の福島瑞穂参院議員と、事実婚の夫である人権派弁護士の海渡雄一氏が控えている』
との説が飛び交っているのです」
実際、小誌取材班も警察内部から同様の話を聞いている。
だが、名指しされた福島氏はこう困惑する。
「(安田種雄さんの)お名前も初めて知りましたし、全く面識がありません」
警察内部から噴出する”妄言”は何を意味するのか。
「この事案は警察官僚の上司に当たる官房副長官に関するスキャンダルです」
「敢えて野党党首の福島氏の名を出し、記事には政治的な背景があったことを匂わせることで、事態を矮小化しようとしているのです」
(前出・警察庁関係者)
安田種雄さんの父は、露木長官が
「捜査は適正」
「事件性はない」
と語った会見内容を報じた記事に目を通すと、長く沈黙し、絞り出すように呟いた。
「事件を”無かったこと”にするつもりなんですね」
「いくら我々が頑張っても権力で握り潰して、自分たちが有利になるようにするんですね・・・」
こうした状況に、安田種雄さんの親友たちも動き始めた。
近々、捜査の続行を求める署名活動を始めるという。
次々と浮上する不審死への疑問。
上申書による遺族の悲痛な訴えを、警察はどう受け止めるのか。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

問題は「木原事件」より「警察の闇」
捜査を途中で打ち切るのは、警察当局が全容解明を望んでいないからではないかー
WiLL2023年10月号 ジャーナリスト 須田慎一郎
■『週刊文春』執念の取材
ーー「木原事件」をどう見ていますか。
★須田
実は、2019年頃、私は木原誠二官房副長官の妻【X子】さんの元夫、安田種雄氏の不審死に関して、警察が再捜査に向け動き出している情報を得ていました。
【X子】さんが勤めていた有名な銀座のクラブで聞き込みがあり、その一件が私の耳にも届いてたのです。
また同じ時期に、私以外の第3者が、雑誌か、ネットで
「木原事件」
について取り上げているのも目にしていました。
実際に、2018年頃から、警視庁は安田種雄氏不審死の再捜査に入っており、新聞・テレビ各社の大手メディアの一部でもそれらの動きには気付いていた。
現役国会議員で、将来を嘱望されている木原氏が絡む話ですから、俄然、興味を持った私は、独自取材を行ったのですが、安田種雄氏の親族や友人関係に行き着くことがどうしても出来ませんでした。
そうこうするうちに、翌年2020年2月からコロナショックが始まったため、取材どころではなくなり、頭の片隅に追いやられていったのです。
それから3年が経ち、『週刊文春』(2023年7月13日号)のスクープ
<岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」>
を読み、「あっ」と思い出したのですが、既に私の取材ノートは散逸し、メモも見つからない状況でした。
『週刊文春』が「木原事件」をスクープ出来たのは、安田種雄氏の父親を特定し、取材することが出来たからです。
その『週刊文春』の執念は「凄い」と言わざるを得ません。
特定した方法については深く詮索をしませんが。
今回の「木原事件」以前に、『週刊新潮』では、木原氏の愛人と隠し子疑惑についてスクープしています。
本人は否定していますが、『週刊文春』は後追いで隠し子について報じました。
『週刊新潮』が、なぜ安田種雄氏の不審死についてスクープ出来なかったのか。
情報を得ていたとは思いますが、私と同様に安田種雄氏の親族に『週刊新潮』も取材することが出来なかったからではないでしょうか。
■2つの疑問
ーー安田種雄氏の不審死事件において、2つの疑問があります。
1つ目は、自殺なのか、他殺なのか。他殺であれば真犯人は誰か。
2つ目は、なぜ、2018年に再捜査が始まったにもかかわらず、たった半年で立ち消えになってしまったのか。政治的圧力があったためではないか。
★須田
果たして『週刊文春』は、安田種雄氏の「不審死」の取材を通じて、どのように読み解いたのか。
まず、その”構図”を正確に理解しておく必要があります。
2023年7月27日号までを読むと、安田種雄氏の殺害に深く関与しているのは【X子】さんだなと判断出来ます。
ところが、2023年8月3日号に捜査を担当した、警視庁捜査1課の佐藤誠警部補(当時)のロングインタビューが掲載され、最後の最後に【X子】さんの父親で、元公安刑事、殊勲者であるZ氏が突発的に殺害したのではないか、と話している。
つまり、真犯人は【X子】さんではなく、Z氏ではないかと匂わせているのです。
今後、Z氏が真犯人であることを『週刊文春』はどのように報じるのでしょうか。
その点を注視したく思います。
先述したように『週刊文春』2023年8月3日号が、実行犯としてZ氏の存在を匂わせた記事を発売した翌日(2023年7発28日)、取り調べに当たった佐藤氏が記者会見を開きました。
私は一体どういう話が出るのか、会見の様子を固唾を呑んで見守りました。
【X子】さんが真犯人と裏付けるような話が出てくるのか、木原氏が捜査を打ち切るよう圧力を掛けた事実を語るのではないか、と。
結果から言えば、記者会見の内容は、完全に肩透かしでした。
佐藤氏は『週刊文春』で既に語っていたように
「Z氏が犯人だと思っている」
とし、その根拠を問われ、
「感触ですよね、勘」
とのこと。
ネット上で批判を浴びる結果となりました。
また、
「(あの殺し方は)どうやったって女では出来ない」
とも言っています。
「何だ、やっぱり真犯人は【X子】さんではないのか」
と落胆せざるを得なかった。
【X子】さんの実父は元公安刑事でした。
佐藤氏の勘が当たっているとして、Z氏が真犯人だとすれば、警察当局全体の汚点です。
その点も再捜査を打ち切る大きな要因となったのでしょう。
他にも考えられることはあります。
【X子】さんの元夫、安田種雄氏は覚醒剤依存症で、DV男だった。
そのため、家庭内が修羅場になり、娘を救うため、Z氏が仕方なく安田種雄氏に手を下した・・・。
以上はあくまでも私の想像ですが、仮にそうした状況があった場合に、果たして事件化すべきかどうか、当局も判断に迷ったことでしょう。
被害者は覚醒剤依存症だから、不問に付すと判断した可能性も十分考えられます。
もちろん絶対にあってはならないことですが。
ーー木原事件を総括すると、どのような観点が浮かび上がりますか。
★須田
やはり警察に問題があると見ています。
事件性の有無について捜査するべきなのに、自殺として処理してしまった。
そのことが再捜査によって明らかになったとしたら、それこそ警察の威信に関わります。
佐藤氏も指摘していましたが、大塚警察署の初動捜査で顕著な捜査ミスがあったのでしょう。
現場が血だらけだったのにもかかわらず、自殺に使ったと言われるナイフの刃の部分に少しだけ血が付着し、柄は綺麗な状態だったとのことです。
明らかに不自然です。
今の警察の捜査では、不審死の際、検視官が現場に立ち会うことが義務付けられていますが、事件が発生した当時(死亡推定時刻:2006年4月9日夜10時)は、そのような義務がなかったことも捜査ミスを誘発したと考えられます。
捜査を打ち切る事情を抱えていたのは、木原氏側ではなく警察側にあったのではないか。
また、再捜査が始まった頃、【X子】さんの相談相手で、重要参考人のY氏は、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監中だった。
そうなると、
【X子】さんも薬物と関りがなかったのかどうか。
だから、佐藤氏が、【X子】さんを取り調べる際、
「シンナーもやってたろ」
とカマを掛けたのでしょう。
【X子】さんは
「やっていません」
と否定しています。
それ故か、大塚警察署は【X子】さんの拒否もあり、採尿・採血検査を実施していません。
その点も不可解です。
安田種雄氏の親族は真相解明を望んでいるでしょうが、全容をつまびらかにすることで、警察当局の問題が明るみに出ることは、警察当局が望んでいないのではないか。
だから、「自殺」と断定し、事件性はないとして、揉み消そうとしている・・・。
「木原事件」を通じて痛切に感じるのは、警察組織の闇の深さです。
そして、もう1つの疑問、政治的圧力があったのかどうか。
2018年10月頃、【X子】さんが警視庁本部での取り調べを終えると、タクシーに乗り帰宅しました。
途中で木原氏が同乗し、タクシー内での2人が会話している映像と音声がドライブレコーダーに記録されていたのです。
捜査員はそのドライブレコーダーを回収、つぶさに分析しました。
20分以上に及ぶ動画だったそうですが、木原氏は【X子】さんの手を握り、
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃだめだぞ」
「国会が始まれば捜査なんて終わる」
「刑事の問いかけには黙っておけ」
「そんなもん、(佐藤刑事の)クビ取って飛ばしてやる!」
と言っている姿が映っていたのです。
つまり、木原氏が捜査当局に圧力を掛け、事件化させないよう、揉み消したのではないかという疑惑が浮上しました。
捜査を担当した佐藤氏は、2023年7月28日に開かれた記者会見で、
「(捜査の)終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
と言っています。
木原氏が政治的影響力を行使し、事件の再捜査を妨害したり、揉み消したのなら、それこそ岸田政権の存続を揺るがしかねない一大スキャンダルに発展します。
■マスコミのダンマリ
ーー「木原事件」について、新聞・テレビなどの大手メディアはなぜ報じないのか。『週刊文春』が提示した疑惑を目に見える形で検証し、問題点を追及しないのかは不可解です。
★須田
検証した結果、真犯人は【X子】さんではなく、安田種雄氏は自殺であり、事件性はなっかたという結論だったとしても、その事実を報じるなら、メディアとして責務を果たしたと言えます。
もちろん『週刊文春』と同じく、殺人事件という結論でも同じです。
確かに社会部報道においては、「事件」と「疑惑」は峻別しなければなりません。
「事件」は、強制捜査や家宅捜索、事情聴取など、警察側で具体的な動きがあること。
「疑惑」は、「このような疑惑がある」という不確定な容姿が孕んでいるもの。
「疑惑」報道は週刊誌などに多いですが、新聞・テレビでも、疑惑報道をすることはあります。
そこから警察当局が具体的に捜査に乗り出し、事件化するケースも過去に山ほどある。
ところが、新聞・メディアは疑惑報道すらしない。
『週刊文春』の後追い報道に対して負い目があるのかもしれませんが・・・。
一方で、警視庁・警察庁から以下のような公式発表がなされていることも報じない理由の1つかもしれません。
2023年7月13日、記者クラブ加盟社の記者を集めて、露木康浩警察庁長官の定例記者会見が行われました。
終了間際、テレビ局の記者が木原氏を巡る一連の疑惑について質問したところ、露木氏は
「過去に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしています」
と答えています。
また2023年7月28日、警視庁の國府田捜査1課長は報道各社に説明をし、
「事件性がない」
と、ハッキリとしたスタンスを示したため、大手メディアは動くに動けなかったのではないか。
更に言えば、マスコミは警察当局との関係が断たれることを恐れているのではないでしょうか。
現役の新聞記者たちに聞くと皆否定しますが、警察庁や警視庁を批判的に扱うと、記者クラブから締め出され、有力情報が得られないのではないか。
とは言っても「木原事件」を一般読者に伝えないのは、メディアとしての役割を果たしていないという謗りを受けても致し方ありません。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。

週刊文春は2023年6月から連続で、木原誠二官房副長官の妻【X子】さんの前夫の安田種雄氏(当時28歳)が自宅で不審死(死亡推定時刻:2006年4月9日午後10時)した事件の再捜査(2018年)を妨害した疑惑を調査報道してきた。
不審死した安田種雄氏の父親と姉2人は2023年7月20日に司法クラブで記者会見し、2023年7月17日に、警視庁に再捜査を求める上申書を出したと明かした。
遺族の代理人を務める今給黎(いまぎれ)泰弘弁護士(東京市谷法律事務所)は2023年7月21日付の「SmartFLASH」で、
「再捜査されない場合、今後の遺族の意向によっては民事での訴えを(【X子】さん)に起こす可能性もあります」
「少なくとも、途中で捜査が止まってしまった現状には、何らかの力が働いているのではないかという不信感を持ってます」
とコメントしている。
木原氏は2023年7月5日、代理人弁護士を通じ
「私と私の家族に関連した記事は事実無根」
と抗議するコメントを発表。
また、代理人弁護士は2023年7月5日、文藝春秋を告訴することを明らかにした。
弁護士の氏名・所属は公表されていない。
文春オンラインによると、代理人は東京の司法記者クラブに
「御通知(至急)」
と題したA4判で3枚に渡る文書を送付し、告訴を明らかにした。
通知書は
<文春の記事は事実無根のもの>
<マスコミ史上稀にみる深刻な人権侵害>
と批判し、即刻記事を削除するよう求めた。
【X子】さんの代理人も2023年7月21日と28日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。
木原氏は2023年7月28日には、松野博一官房長官に
「私が捜査に圧力を加えたとの指摘は事実無根だ」
と報告している。
ところがメディアは”木原事件”では木原氏に会見を求めようとせず、木原氏が文春を告訴したとか、【X子】さんが日弁連に申し立てをしたとか小さく報じているだけだ。
木原事件の本筋を全く報じていない朝日新聞だったが2023年8月2日付の「天声人語」で、木原事件を突然採り上げ、
<副長官が記者会見などで反論しないのも解せない>
<一体事実はどこにあるのか>
<疑念の声が燻るのも仕方あるまい>
と書いた。
それでも、社会部は木原事件を報じない。
共同通信も2023年8月18日、加盟紙向けの企画記事の
<政治コラム「政流考」(オピニオン欄用)で、
<看過できる疑惑ではない 問われる首相の危機感>
と題した記事(井出壮平編集委員)を配信した。
事件内容を詳述した上で、
<数多の政治家のスキャンダルとは次元が異なる看過できないものだ>
<一方、木原氏は代理人弁護士などを通じ「事実無根」と繰り返すだけで、報道以降、公の場にほとんど姿を見せていない>
<ある中央省庁トップは「記事を見る限り、信憑性は高いように見える」と指摘>
<記者会見で事件性を否定した露木康浩警察庁長官に対しても「部下から事案の詳細を知らされずに踏み込んでしまったのではないか」と同情する>
<これほどの事態に静観を続けるならば、首相に民主主義を語る資格はない>
などと書いている。
■元捜査官が実名で「殺人」と断定、捜査終結を糾弾
当初自殺とされたこの事件では、警視庁大塚署の女性刑事が2018年、現場に落ちていたナイフの柄が綺麗な状態だったことなどから、
「誰かが血糊を拭き取ったのだろう」
と疑問を抱いたことで、捜査1課特命捜査対策室捜査第1係に持ち込まれた。
その後、殺人捜査係も加わり、約40人で再捜査が始まった。
捜査員はかつて【X子】さんと親密な関係にあったY氏(覚せい剤事件で宮崎刑務所に収監=当時)に約30回面会。
2018年10月9日、【X子】さんの実家などを家宅捜索した。
また、【X子】さんの任意の聴取も10回行われた。
ところが、捜査が佳境に入った2018年10月下旬で、同課の佐和田立雄管理官が
「明日で終わりにする」
と通知した。
臨時国会(2018年10月24日開会)直前だった。
国会閉会後も捜査は再会されなかった。
捜査員は、【X子】さんが警視庁からタクシーで帰宅の際、同乗した木原氏と交わした会話が録画されたドライブレコーダーを回収した。
木原氏は
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話に乗るな」
「国会が始まれば捜査なんて終わる」
「刑事の問いかけには黙っておけ」
と指示。
【X子】さんが
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言っていたよ」
と話すと、
「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
と発言した。
週刊文春は”影の総理”とされる木原氏が
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘を付き、捜査員に対して凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を切ったと批判。
「権力濫用の木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」
と問いかけてきた。
遺族だけでなく、2018年10月に【X子】さんを聴取した捜査1課殺人捜査第1係の佐藤誠警部補(2022年退職)も2023年7月28日、文藝春秋本社で約1時間記者会見した。
佐藤氏は冒頭、警察庁の露木康浩長官が2023年7月13日の会見で
「事件性が認められない」
と発言したことに触れ、
「被害者が可哀想だ」
「頭にきた」
「自殺を示すような証拠は全くなかった」
「断言するが、明らかに殺人事件だ」
と語り、こう続けた。
「現場を見た警察官なら、皆、事件性があると思うはずだ」
「どんな事件でも、捜査終結時は、被害者遺族に理由などを説明するが、この事件では、被害者側に何の説明もなされていない」
質疑応答で、読売新聞の藤原記者は、
「こうやって発言することが地方公務員法違反に問われる可能性があることは分かっているのか」
と質問。
読売新聞が毎日、公務員である警察官への夜討ち朝駆け取材で、捜査情報を入手して報じるのは違法ではないのか。
佐藤氏は
「法的問題は分かっているが、やるしかない」
ときっぱり答えた。
朝日新聞の遠藤記者は
「自殺の証拠はないと言うが、殺人だという証拠もないのでは」
と聞いた。
殺人の疑い・可能性があるのだから、その殺人の証拠を探すために捜査が必要なのだ。
朝日新聞・共同通信などは佐藤氏を
「かつて捜査に関わった警視庁の元捜査員(64)」
と仮名で報じた。
犯罪報道で、遺族に寄り添うとして、
「実名原則」
を取る報道界の二重基準である。
岸田政権には官房副長官が3人おり、そのうちの1人は栗生俊一氏(内閣人事局長兼任)。
1981年に警察庁に入庁した栗生氏は2018年から2020年1月まで警察庁長官を務めた。
木原事件の異常な捜査終結に栗生氏ら警察トップが関与しているのではないか。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
■木原氏は週刊文春に対する告訴状を公表すべきだ
木原氏の代理人が2023年7月5日に明らかにした週刊文春に対する告訴がどこの捜査機関(警察・検察)に行われ、受理されたかなどは不明だ。
実際に告訴が行われたと分かったのは、立憲民主党が2023年8月1日に木原事件を巡って開いた、警察庁と内閣官房からのヒアリングの場だった。
立民の公開質問状に対し、木原氏から書面で
「事件性がないと判断された事柄について何かを語ることは人道上、また人権上重大な問題を惹起することから、警察当局にお尋ねいただきたい」
「報道については既に刑事告訴しており、これ以上の人権侵害が行われないよう理解をお願いする」
との回答があったと明らかにした。
立民側は木原氏の出席を求めていたが、本人は出席を拒んだ。
代わりに内閣官房の担当者が、木原氏から聞き取った内容を回答した。
告訴について週刊文春の取材当時、検察担当記者と警視庁刑事部の幹部が共に否定している。
ただし、告訴状は東京地検の係官が受け取って、正式に受理が決まるまでには時間が掛かるので、告訴がされたのは事実だと思う。
木原氏は告訴状を公表すべきだろう。
2023年8月21日、木原氏にメールとファクスで、報道機関から本件について取材があったか、木原夫妻の代理人弁護士の氏名と所属などを質問した。
また、週刊文春を告訴するという司法記者クラブへの通知文と、立民への文書回答のコピーの提供を求めた。
木原氏からは2023年8月27日までに回答がなかった。
週刊文春に続き木原事件を追う媒体が現れない。
週刊現代2023年8月26日・9月2日合併号は、木原氏が
「文春へ反撃」
と報じ、佐藤元警部補について、
「<地方公務員法違反(守秘義務違反)で立件せよ」
という動きが警視庁内で活発化>
<「事件性がないという見解を覆そうとする文春に怒る幹部は多く、同誌への協力者も許さない>
(社会部記者)
と報じた。
警視庁が佐藤氏を立件するはずがなく、警察幹部の脅しに怒らない社員記者は廃業した方がいい。
木原氏と週刊文春が手打ちしたというデマも流れた。
私が見た限り、テレビは木原事件を1秒も報じていない。
社員記者たちは、木原氏に囲み取材をすべきではないか。
現在の首相が頼る”影の総理”に、警視庁捜査への介入の嫌疑が掛かっているのだ。
大学生の大麻所持被疑事件の何万倍も重要だと思わないのか。
岸田・木原両氏は、世間が忘れるのを待つ作戦だろうが、安田種雄氏の遺族が記者会見まで開いて真実の究明を求め、【X子】さんを聴取した佐藤氏が実名で
「殺人事件だ」
と断じ、捜査終結の問題点を追及している。
無かったことには到底できないと思う。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/784.html#c27

[国際33] ウクライナ戦争は中長期で続く、米国とG7同盟国が見込む−米当局者/Bloomberg 仁王像
6. 2023年9月21日 23:00:59 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-13]
<■73行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
露の拒否権剝奪を主張 ゼレンスキー氏、国連安保理で
2023/9/21 17:01
https://www.sankei.com/article/20230921-7W2SIDRKQ5PS3JLAJ6AYQ3F22I/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2023年9月20日、国連安全保障理事会の会合に出席し、常任理事国のロシアが
「拒否権を悪用している」
として剝奪を訴えた。
ゼレンスキー氏がニューヨークの国連本部で安保理に直接出席したのは初めて。
ロシアの代表団も参加したが、ラブロフ外相はゼレンスキー氏の離席後、会場に入った。
ゼレンスキー氏は
「侵略者が拒否権を握っていることが、国連を行き詰まりに追い込んでいる」
と指摘。
国連加盟国の3分の2以上が賛成すれば拒否権を無効にできる仕組みの創設を提案し、常任理事国には日本やドイツ、インドが含まれるべきだと改革を主張した。
ラブロフ氏は
「拒否権は組織を分断させるような決定を阻止する正当な手段だ」
と反論した。(共同)

ゼレンスキー氏、撤退求めロシア批判 ラブロフ外相と論戦 安保理
2023/9/21 7:22
https://www.sankei.com/article/20230921-CD5XZHVBJVJD7BBOBLMRSKR5PM/
国連安全保障理事会は2023年9月20日の公開会合でロシアのウクライナ侵略を巡る国連憲章の原則を討議した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は
「領土保全の原則」
に沿った露軍撤退を求めてロシアを批判、独自の和平案も提示した。
ロシアはラブロフ外相が反論し、
「民族自決の原則」
を唱えて
「住民投票」
を通じた一方的な併合を正当化した。
ゼレンスキー氏の対面での安保理会合出席2022年2月のロシアの全面侵攻後初めて。
議場でロシアの代表団と対面する異例の会合となった。
ロシア側はゼレンスキー氏の出席に反発したが、議長国アルバニアのラマ首相は
「ロシアが戦争を止めれば、ゼレンスキー氏は安保理に来なくてすむのだ」
と異議を却下した。
ゼレンスキー氏は演説で
「ウクライナは自衛権を行使している」
と強調し、ウクライナへの軍事支援や対露制裁は
「国連憲章を守ることに資する」
と訴えた。
ゼレンスキー氏はまた、自らの和平案
「平和のフォーミュラ(公式)」
が掲げる
「領土保全」
の具体的な内容を説明し、ウクライナ領からの
「露軍と親露派勢力の撤退」
を要求した。
更に黒海とアゾフ海、クリミア半島とウクライナ本土の間に位置するケルチ海峡を含む全ての国境と排他的経済水域(EEZ)の
「完全な管理再開」
を求め、これら2点の実施だけが停戦に繋がると述べた。
これに対し、ラブロフ氏はウクライナ南部クリミア半島や東部ドネツク、ルガンスク両州で
「国連憲章が定める民族自決の原則に完全に則した住民投票が行われた」
と語り、ロシアへの併合は住民の意思によるものだとの立場を強調した。
ラブロフ氏は、ゼレンスキー氏が演説を終えて退席した後、安保理の議場に姿を見せた。
会合には62カ国・地域の代表が参加。
岸田文雄首相やエクアドルのラソ首相、ガーナのアクフォアド大統領ら多数がウクライナへの連帯を示した。
他方、中国代表は
「国連憲章は全ての国の正当な安全保障上の懸念を真摯に考慮している」
とし、ウクライナを
「脅威」
とするロシアの主張に理解を示した。
拒否権を持つ常任理事国ロシアの反対により安保理がウクライナ問題に対応できないことから、安保理改革を求める声も続出。
ゼレンスキー氏は
「拒否権」
の規定を変え、国連総会の3分の2の賛成で覆せるようにすべきだと主張した。

「ゼレンスキー氏の独り舞台」 ロシア大使いら立ち隠さず 安保理
2023/9/21 7:51
https://www.sankei.com/article/20230921-KVUQAWWW6NLLJLP3FMOJEU4UXI/
「なぜウクライナ大統領が優先されるのか」。
2023年9月20日の国連安全保障理事会の会合で、参加国として最初の発言をゼレンスキー大統領に認めた議長国アルバニアに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は苛立ちを隠さず、議長との間で10分以上も非難の応酬となった。
ゼレンスキー氏は表情を変えずに見守った。
会合冒頭、議長を務めたアルバニアのラマ首相がゼレンスキー氏に演説を許可。
ネベンジャ氏は、首脳級が出席している他の国が先に発言すべきだと主張し
「議長国が安保理をゼレンスキー氏の独り舞台にしようとしている」
と不満を口にした。
ラマ氏は事前に演説順を案内しており、規則や慣例からも逸脱していないと反論。
ネベンジャ氏から
「議長国の汚点になる」
と責められると、
「ロシアが戦争をやめればゼレンスキー氏が発言することもない」
と不快感を露わにした。
ネベンジャ氏が発言を求める際、目の前にあるロシアの国名が書かれたプレートを鉛筆で叩いた場面もあり、険悪な雰囲気が広がった。(共同)

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/487.html#c6

[政治・選挙・NHK291] 岸田首相 国連総会演説 ガラガラ 無能さは国際社会に気づかれてる…  赤かぶ
21. 2023年9月22日 07:45:28 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-12]
<■204行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
ウクライナと国連 世界は団結し支援強めよ
2023/9/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20230922-2GU7RD3KJRNHTCSYBDCFOYTUJY/
ウクライナのゼレンスキー大統領が、国連の総会と安全保障理事会でのウクライナ情勢に関する首脳級会合でそれぞれ演説した。
ゼレンスキー氏は総会で、ウクライナ侵略を続けるロシアを非難し、
「侵略者を倒すために団結しなければならない」
と呼びかけた。
ロシアについて、食料や占拠した原発を
「武器化」
して多くの国々を
「脅している」
と批判した。
ロシアが世界の脅威になっている点を指摘したということだ。
岸田文雄首相やブリンケン米国務長官らも出席した安保理首脳級会合でゼレンスキー氏はロシアの
「犯罪的な侵略」
を非難し、露軍撤退を要求した。
ゼレンスキー氏の対露非難と国際社会への団結の呼びかけはもっともだ。
国際法と人道に反するロシアの侵略は絶対に成功させてはならない。
加盟国はゼレンスキー氏の叫びを真摯に受け止め、効果的な支援を継続しなければならない。
ロシアのラブロフ外相は首脳級会合で
「モスクワはキーウ政権の犯罪行為を阻止するためにウクライナに介入せざるを得なかった」
などと侵略の正当化を図ったが、少しの説得力もなかった。
ロシア代表団はゼレンスキー氏が自国(ロシア)よりも先に発言することに不満を表明したが、安保理議長国のアルバニアのラマ首相は
「ロシアが戦争をやめればゼレンスキー氏が発言することもない」
と一蹴した。
侵略が始まってから1年半以上が経ったが、ウクライナの抗戦と各国の制裁にもかかわらずロシアは撤退を拒んでいる。
どの国も侵略の余波を受けているが、最も苦しいのは命を賭して祖国を守っているウクライナの人々だ。
国際社会は支援を躊躇ってはならない。
ゼレンスキー氏の国連総会での演説では、2022年のオンライン演説時よりも空席が増えたのは否めない。
それでも、加盟国の大半はロシアの侵略を難ずる立場を崩していない。
ロシアとともに新興5カ国(BRICS)を形成するブラジルと南アフリカの大統領もウクライナの立場に理解を示す演説を行った。
岸田首相は首脳級会合で
「日本はウクライナと共にある」
と述べた。
日本はウクライナ支援の中核となり、ロシアの横暴を許さない国際社会の団結を高める役割を果たすべきだ。

岸田首相、安保理改革の必要性強調 理事国拡大訴え
2023/9/21 19:34
https://www.sankei.com/article/20230921-YU3MLH67SBJO5DOHSGXWYF2YGU/
岸田文雄首相が2023年9月20日午前(日本時間21日未明)のウクライナ情勢に関する国連安全保障理事会の首脳級会合で強く訴えたのは、早期の安保理改革の必要性だ。
首相は安保理の常任理事国でありながら侵略を続け、国連憲章を踏みにじるロシアを非難し、常任・非常任理事国の拡大を含めた抜本的な改革を求めた。
「安保理の一常任理事国が、法の支配を蹂躙していることが原因で我々はこの場に集まっている」
首相は会合の冒頭、ロシアを真っ向から批判した。
ロシアが安保理で自国に対する非難決議案に繰り返し拒否権を行使して否決している現状も改めて問題提起した。
ロシアの一連の行動は、安保理の機能不全を白日のもとに晒した。
弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮にも有効な手立てを打ててはいない。
首相は対抗策の1つとして理事国の拡大を掲げた。
2023年9月19日夜(同20日午前)の一般討論演説では、ロシアの侵略に中立的な立場を取るグローバルサウス(新興国・途上国)を念頭に、
「世界は大きく変わっている」
「現在の世界を反映した安保理が必要だ」
「常任・非常任理事国双方の拡大が必要だ」
と訴えた。
首相が安保理改革の旗を振るのは、東アジアに有事が飛び火した場合、対応出来ないとの思いがあるからだ。
ロシアのプーチン大統領は2023年9月、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談した。
両国の軍事協力が進めば、東アジアの安保環境は一層不透明さを増す。
中国も台湾や南シナ海への領土的野心を隠していない。
首相は首脳級会合で
「ウクライナ侵略は世界中で『無法の支配』への懸念を深刻化させた。第2、第3のウクライナを生み出してはならない」
と警鐘を鳴らした。
来年は東アジアの危機に直面する日米韓3カ国が常任・非常任理事国として安保理に同時に在席する年となる。
首相はこの機を捉え、安保理改革を自ら主導する必要がある。

英国王、ウクライナ勝利へ団結訴え フランス上院で演説
2023/9/21 21:18
https://www.sankei.com/article/20230921-Y5DMP6NHTBLWZM5I2HNSRZMCQ4/
フランスを公式訪問中のチャールズ英国王は2023年9月21日、フランス上院で演説し、ロシアの侵攻を受けたウクライナの勝利に向け、英仏両国の団結を訴えた。
英国王がフランス上院で演説するのは初めてで、英国の欧州連合(EU)離脱で一時ぎくしゃくした両国関係の改善を印象付けた。
国王は、第二次大戦での英国と、フランスのドゴール将軍率いる反ナチスの自由フランス軍の団結を引き合いに出し
「あれから80年以上が経過した今我々は再び不当な侵略に直面している」
と指摘。
ロシア侵攻に
「共に立ち向かわなければならない」
と述べた。
国王は英語と流暢なフランス語を織り交ぜて演説。
「フランスは私の人生にとって欠かせない一部だ」
と同国への特別な愛着を強調し
「かけがえのない両国関係の強化のため出来る限りのことをする」
と訴えた。(共同)

露の拒否権剝奪を主張 ゼレンスキー氏、国連安保理で
2023/9/21 17:01
https://www.sankei.com/article/20230921-7W2SIDRKQ5PS3JLAJ6AYQ3F22I/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2023年9月20日、国連安全保障理事会の会合に出席し、常任理事国のロシアが
「拒否権を悪用している」
として剝奪を訴えた。
ゼレンスキー氏がニューヨークの国連本部で安保理に直接出席したのは初めて。
ロシアの代表団も参加したが、ラブロフ外相はゼレンスキー氏の離席後、会場に入った。
ゼレンスキー氏は
「侵略者が拒否権を握っていることが、国連を行き詰まりに追い込んでいる」
と指摘。
国連加盟国の3分の2以上が賛成すれば拒否権を無効にできる仕組みの創設を提案し、常任理事国には日本やドイツ、インドが含まれるべきだと改革を主張した。
ラブロフ氏は
「拒否権は組織を分断させるような決定を阻止する正当な手段だ」
と反論した。(共同)

ゼレンスキー氏、撤退求めロシア批判 ラブロフ外相と論戦 安保理
2023/9/21 7:22
https://www.sankei.com/article/20230921-CD5XZHVBJVJD7BBOBLMRSKR5PM/
国連安全保障理事会は2023年9月20日の公開会合でロシアのウクライナ侵略を巡る国連憲章の原則を討議した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は
「領土保全の原則」
に沿った露軍撤退を求めてロシアを批判、独自の和平案も提示した。
ロシアはラブロフ外相が反論し、
「民族自決の原則」
を唱えて
「住民投票」
を通じた一方的な併合を正当化した。
ゼレンスキー氏の対面での安保理会合出席2022年2月のロシアの全面侵攻後初めて。
議場でロシアの代表団と対面する異例の会合となった。
ロシア側はゼレンスキー氏の出席に反発したが、議長国アルバニアのラマ首相は
「ロシアが戦争を止めれば、ゼレンスキー氏は安保理に来なくてすむのだ」
と異議を却下した。
ゼレンスキー氏は演説で
「ウクライナは自衛権を行使している」
と強調し、ウクライナへの軍事支援や対露制裁は
「国連憲章を守ることに資する」
と訴えた。
ゼレンスキー氏はまた、自らの和平案
「平和のフォーミュラ(公式)」
が掲げる
「領土保全」
の具体的な内容を説明し、ウクライナ領からの
「露軍と親露派勢力の撤退」
を要求した。
更に黒海とアゾフ海、クリミア半島とウクライナ本土の間に位置するケルチ海峡を含む全ての国境と排他的経済水域(EEZ)の
「完全な管理再開」
を求め、これら2点の実施だけが停戦に繋がると述べた。
これに対し、ラブロフ氏はウクライナ南部クリミア半島や東部ドネツク、ルガンスク両州で
「国連憲章が定める民族自決の原則に完全に則した住民投票が行われた」
と語り、ロシアへの併合は住民の意思によるものだとの立場を強調した。
ラブロフ氏は、ゼレンスキー氏が演説を終えて退席した後、安保理の議場に姿を見せた。
会合には62カ国・地域の代表が参加。
岸田文雄首相やエクアドルのラソ首相、ガーナのアクフォアド大統領ら多数がウクライナへの連帯を示した。
他方、中国代表は
「国連憲章は全ての国の正当な安全保障上の懸念を真摯に考慮している」
とし、ウクライナを
「脅威」
とするロシアの主張に理解を示した。
拒否権を持つ常任理事国ロシアの反対により安保理がウクライナ問題に対応できないことから、安保理改革を求める声も続出。
ゼレンスキー氏は
「拒否権」
の規定を変え、国連総会の3分の2の賛成で覆せるようにすべきだと主張した。

「ゼレンスキー氏の独り舞台」 ロシア大使いら立ち隠さず 安保理
2023/9/21 7:51
https://www.sankei.com/article/20230921-KVUQAWWW6NLLJLP3FMOJEU4UXI/
「なぜウクライナ大統領が優先されるのか」。
2023年9月20日の国連安全保障理事会の会合で、参加国として最初の発言をゼレンスキー大統領に認めた議長国アルバニアに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は苛立ちを隠さず、議長との間で10分以上も非難の応酬となった。
ゼレンスキー氏は表情を変えずに見守った。
会合冒頭、議長を務めたアルバニアのラマ首相がゼレンスキー氏に演説を許可。
ネベンジャ氏は、首脳級が出席している他の国が先に発言すべきだと主張し
「議長国が安保理をゼレンスキー氏の独り舞台にしようとしている」
と不満を口にした。
ラマ氏は事前に演説順を案内しており、規則や慣例からも逸脱していないと反論。
ネベンジャ氏から
「議長国の汚点になる」
と責められると、
「ロシアが戦争をやめればゼレンスキー氏が発言することもない」
と不快感を露わにした。
ネベンジャ氏が発言を求める際、目の前にあるロシアの国名が書かれたプレートを鉛筆で叩いた場面もあり、険悪な雰囲気が広がった。(共同)

ゼレンスキー氏、米超党派の支持維持が課題 議会指導者らと会談へ
2023/9/21 17:35
https://www.sankei.com/article/20230921-JK6Z4KKPEZKQNJTEQI6GAHKIPA/
ロシアに侵略されるウクライナのゼレンスキー大統領が2023年9月21日、米ワシントンを訪問する。
バイデン米政権のウクライナ支援に消極的なムードが広がる中、支援継続に向けた米議会超党派の支持を維持することが最大の課題となる。
ロイター通信によると、バイデン政権はゼレンスキー氏訪問に合わせ3億2500万ドル(約480億円)の追加軍事支援を発表する。
ウクライナ軍が露軍の防衛線を突破するのに効果的なクラスター弾の追加供与が柱となる見込み。
ウクライナが要望する最大射程300kmの地対地ミサイル「ATACMS」の供与は今回見送られそうだ。
ゼレンスキー氏のワシントン訪問は2022年末に続いてロシアの侵略後2回目。
ゼレンスキー氏はバイデン大統領と会談する前に、野党・共和党のマッカーシー下院議長を含む上下両院の指導者と連邦議会で会談する。
バイデン政権はウクライナへの軍事・経済・人道支援のために総額240億ドル(約3兆5000億円)の追加予算を議会に申請しており、予算を握る立法府との直接対話を最重視したとみられる。
前回訪問時、ゼレンスキー氏は上下両院合同会議で演説し、少数の共和党議員を除く総立ちの拍手を受けたが、米メディアは
「前回とは異なる政治的空気」
と伝える。
2023年8月のCNNテレビの世論調査では、共和党支持層の71%が追加予算承認に反対した。
予算承認のカギを握る1人、マッカーシー氏は最近、
「ゼレンスキー氏は米国の大統領か? 支出した金の説明責任はどこにあるのか」
と述べ、汚職体質が尚指摘されるウクライナ側の使途に不信感を示している。
マッカーシー氏に強い発言力を持つ共和党強硬派は支援金を不法移民対策などに振り向けるべきだと主張。
来年の大統領選の指名争いで支持率首位のトランプ前大統領らも支援に消極姿勢を取っている。

ウクライナに武器供与せず ポーランド、ゼレンスキー氏の演説に反発
2023/9/21 10:58
https://www.sankei.com/article/20230921-3D6KOL2KKZK4TJVBQAMSRVGH3M/
ポーランドのモラウィエツキ首相は2023年9月20日、
「ウクライナへの武器供与をやめる」
と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領が2023年9月19日の国連総会一般討論演説で、ポーランドなどによるウクライナ産穀物の輸入規制を批判したことに反発した。
ウクライナ侵攻後、対ロシア強硬姿勢を鮮明にし、強力な支援国となった隣国との対立激化はウクライナの反攻に影響を与える可能性もある。
ゼレンスキー氏は演説で、ポーランドなどについて
「連帯を示しているように見えるが、実際はロシアを手助けしている」
と主張。
ポーランド外務省は2023年9月20日、ウクライナの駐ポーランド大使を呼んで抗議したと明らかにし
「当初から支援してきたポーランドに対し、不当だ」
と非難した。
ポーランドは武器供与や避難民の受け入れなどで最大の支援国の1つ。
一方で2023年10月15日に下院選を控え、政権は自国農家の保護や自国防衛を優先させる姿勢を明確にし、支持拡大を図っている。(共同)

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/788.html#c21

[政治・選挙・NHK291] 8年前と変わらない悲痛さ…沖縄県の玉城知事が国連人権理事会で演説 翁長知事も訴えた「自己決定権」は(東京新聞 TOKYO Web) 達人が世直し
13. 2023年9月23日 06:36:19 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-11]
<▽36行くらい>
主張
玉城氏の海外演説 日本の知事の資格を疑う
2023/9/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20230923-RXHJHL5XDVIQVFF4TR5SQ334UI/
沖縄県の玉城デニー知事がスイス・ジュネーブで開かれた2023年9月18日の国連人権理事会で演説し、米軍基地などを巡り日本政府の安全保障政策を批判した。
この中で玉城氏は、
「(沖縄に)米軍基地が集中し、平和が脅かされ、意思決定への平等な参加が阻害されている」
と述べた。
「軍事力の増強は日本の周辺地域の緊張を高めることが懸念される」
とも語った。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設については
「日本政府は貴重な海域を埋め立てて新基地建設を強行している」
と訴えた。
いずれも看過できない内容である。
自衛隊と在沖米軍は、沖縄県を含む日本の平和を守る重要な抑止力である。
万が一の際には命懸けで沖縄県民を含む国民を守る存在だ。
日本の知事の1人が海外へ足を運び、自衛隊や同盟国の軍の存在を悪し様に語るのは間違っている。
自衛隊・米軍と県民を分断するような演説を喜ぶのは、対日攻撃の可能性を考える外国の政府と軍ではないか。
安全保障政策は国の専管事項だ。
県民は国民として国政参政権が保障されている。
玉城氏の批判は誤りだ。
国が申請した辺野古移設工事の設計変更に対し、県は未だに承認していない。
工事を遅らせている責任の多くは玉城氏にある。
そもそも、力による現状変更を図り、地域の緊張を高めているのは中国だ。
中国は沖縄の島である尖閣諸島(石垣市)周辺で対日挑発を繰り返している。
その点に触れず、日本と米軍の批判に終始するとはどういう所存か。
玉城氏は2023年9月21日も人権理の会合で
「米軍基地の存在が県民の人権を侵害し、生活を圧迫し、平和を脅かしている」
と演説する予定だった。
会議時間の都合で実現しなかったのは幸いだったが、発言予定の原稿を明らかにした。
人権侵害と決め付けるのは常軌を逸している。
米軍基地で働く県民も大勢いる。
その家族や子供がどう思うか。
玉城氏には猛省を促したい。
辺野古移設工事を巡る国と県との訴訟で最高裁は県の主張を退ける判決を下した。
最高裁の判断に従って玉城氏は急ぎ工事の変更申請を承認すべきだ。
それが日本の法治、日本の平和、普天間飛行場周辺の県民の安全を守る道である。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/780.html#c13
[政治・選挙・NHK291] 8年前と変わらない悲痛さ…沖縄県の玉城知事が国連人権理事会で演説 翁長知事も訴えた「自己決定権」は(東京新聞 TOKYO Web) 達人が世直し
14. 2023年9月23日 11:03:57 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-10]
<■108行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
松野長官「米軍駐留は抑止力」 国連人権理事会での玉城知事演説巡り
2023/9/22 17:43
https://www.sankei.com/article/20230922-HAAFEHH7KVLCHKHFCVCEEYPIGA/
松野博一官房長官は2023年9月22日午後の記者会見で、沖縄県の玉城デニー知事が国連人権理事会で在日米軍基地問題に関し、政府方針と異なる演説をしたことを巡り、
「沖縄に米軍が駐留することは日米同盟の抑止力の重要な要素であり、平和と安全を確保する上で必要なものだ」
と述べた。
一方で、
「沖縄の基地負担軽減を政府の最重要課題の1つとして取り組んでいる」
とも語った。
松野氏は、県が名護市辺野古への移設工事に反対している米軍普天間飛行場(宜野湾市)について、
「普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない」
「これは政府と地元の共通認識だ」
と強調。
玉城氏が要望している岸田文雄首相との会談に関しては、
「現時点で具体的な予定はないものの、様々な機会を通じて地元への丁寧な説明を行う」
と述べるにとどめた。

沖縄・玉城デニー知事、国連一般討論 時間終了で発言できず 報道陣に「人権侵害」「差別反対」演説内容明かす
2023/9/22 09:53
https://www.sankei.com/article/20230922-UJ22NYMHQRKY5O6CWHBFGILI5Y/
国連人権理事会出席のためスイス・ジュネーブを訪問した沖縄県の玉城デニー知事が2023年9月21日、国連訪問の全日程を終了した。
玉城氏は同日、国連人権理の本会議場で開催された一般討論で演説予定だったが、会議時間が超過したため、発言できなかった。
玉城氏はこの日記者団の取材に応じ、一般討論で発表予定だった
「米国基地の存在が県民の人権を侵害し、生活を圧迫し、平和を脅かしている」
との演説内容を読み上げた。
玉城氏によると、予定していた演説では
「沖縄米軍基地は第二次世界大戦後、米軍に強制接収されてできた基地だ」
と指摘。
「戦後78年を経た今もなお日本全体の70%がこの小さな沖縄に集中している」
とし、米軍基地から派生する事件・事故や航空機騒音、有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」などによる環境汚染が
「(沖縄県民の)生活環境に深刻な影響を与えている」
と主張する予定だった。
また、演説では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に対して反対を表明する想定だった。
「日米両政府は貴重な海域を埋め立てて、県民に新たな負担を強いる新基地計画を立てているが、この計画は著しい環境破壊を伴う」
と非難した上で
「沖縄県民は人権、民主主義、差別反対など共通の課題についてその解決を粘り強く訴えていく」
との考えを示す方針だったという。
玉城氏は2023年9月18日に国連人権理の
「国際秩序」
の会議でも演説し、米軍基地が
「(沖縄に)集中し、平和が脅かされている」
と主張。
名護市辺野古への移設に対しても反対を表明した。
2023年9月19日の
「有害物質および廃棄物」
の会議でも演説予定だったが、会議時間を超過し発言できなかった。
玉城氏が米軍基地問題を巡り政府方針と異なる演説をしたことを受け、中国など外国勢力の不当介入を招きかねないと物議を醸している。
玉城氏は2023年9月21日、記者団に対し、今回の国連訪問を
「キックオフ」
と述べ、今後も国連での演説を行うことなどに意欲を示した。
また、
「ぜひ岸田(文雄)首相と直接、対話によって沖縄と日本政府との信頼関係の構築を図っていきたい」
と述べ、米軍基地問題などを巡り首相との会談を要望した。
玉城氏は2023年9月22日午前にジュネーブを出発し、帰国する予定。

玉城デニー知事、ピントがずれた国連人権理事会演説 辺野古移設反対より当事者として中国の尖閣諸島侵奪≠フ告発を
2023.9/20 06:30
仲新城誠
https://www.zakzak.co.jp/article/20230920-QUSVV6HEQVLZFBQ3BFWTAU72OE/
沖縄県の玉城デニー知事は2023年9月18日(日本時間19日未明)、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれている人権理事会で演説し、過重な基地負担で
「(沖縄の)平和が脅かされている」
と強調し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設反対を訴えた。
ただ、東アジアの平和と安定を最も脅かしているのは、沖縄県・尖閣諸島や台湾、南シナ海への軍事的圧力を強めている中国共産党政権ではないのか。
くしくも、中国軍の戦闘機など延べ103機は2023年9月18日午前6時(日本時間同7時)までの24時間に、台湾周辺で激しく活動した。
近年最多という。
沖縄の地方紙「八重山日報」の仲新城誠編集主幹は、ピントがずれている玉城知事の演説と、国連の限界に迫った。

沖縄県の玉城デニー知事は2023年9月18日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を訴えた。
だが、知事として国連に出席するのであれば、日本国内の問題である辺野古移設ではなく、中国が沖縄の一部である尖閣諸島を侵奪しようとしている事実を世界に告発すべきだ。
沖縄県知事が国連人権理事会で演説するのは2015年の翁長雄志前知事以来である。
翁長氏は当時、
「沖縄の人々の自己決定権が蔑ろにされている」
「自由、平等、人権、民主主義を守れない国が、どうして世界の国々と価値観を共有できるでしょうか」
と述べた。
国際社会で、公然と日本の民主主義を貶めたのだ。
国連人権理事会で、沖縄の基地反対派に反論する活動に携わったことがある農業の依田啓示さん(49)=沖縄県東村=は、
「中国が沖縄に介入する誘い水になりかねない」
「ロシアも『ウクライナのロシア系住民を守る』という口実でウクライナに侵略した」
と懸念する。
将来、中国が知事演説を奇貨として、
「米軍基地の被害に苦しむ琉球の人民を救う」
と称し、沖縄を日本から分離独立させる動きを本格化させるかもしれない。
世界がそれを本気で信じるかどうかは問題ではない。
中国にとって大義名分が立つことが重要なのだ。
尖閣問題の本質とは何か。
独裁国家(中国)が、民主主義国家(日本)に侵略を仕掛けているという由々しき事実だ。
本来、これこそ沖縄が国際社会に発信し、世界的視野で問題提起すべきテーマである。
当事者の沖縄県知事でありながら尖閣問題をスルーし、中国が喜ぶ米軍基地反対のみ発信する玉城氏の国連演説は、ピントがずれまくっている。
■日本は国連との関わり方を見直せ
翁長氏が国連で演説した当時、私は会場で直接取材した。
翁長氏の背後で基地反対派や、国連で活動する極左団体が暗躍している状況を目撃した。
沖縄県という行政組織が、特定のイデオロギー団体と結託することの妥当性に疑問を感じた。
今回の演説も、そうした団体が裏で糸を引いているのかもしれない。
国連そのものも、第2次大戦の戦勝国が幅を利かす旧態依然とした組織だった。
国連施設内では世界の諸問題を啓発する展示が行われていたが、案内人からは、中国の人権問題を批判するのはタブーだと説明を受けた。
ウクライナ侵略でも国連はまるで無力だが、慰安婦問題や、今回のような米軍基地問題で日本を誹謗中傷する場としては、効果的に「活用」されているようだ。
日本人には国連信仰が未だに根強いと言われる。
だが、玉城知事の演説を機に、日本は国連との関わり方を改めて見直すべきかもしれない。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/780.html#c14

[政治・選挙・NHK291] 日本に「がくぜん」 ソロモン首相、国連総会で処理水放出を非難(AFP BB NEWS) 達人が世直し
9. 2023年9月24日 06:57:14 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-9]
<■177行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
海水と魚、検出下限値未満 原発処理水トリチウム分析
2023/9/23 17:33
https://www.sankei.com/article/20230923-3E63EK2K4ZJWVNPH2N723YAZ3I/
東京電力と水産庁は2023年9月23日、福島第1原発周辺で2023年9月22日に採取した海水や魚に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を分析した結果、いずれも検出できる下限値未満だったと発表した。
第1原発では2023年8月24日に処理水の海洋放出を始め、初回分が2023年9月11日に完了した。
東電は原発から半径3km以内の10カ所で採取した海水を、水産庁は放出口から約4〜5kmで採取したヒラメとメイタガレイを調べた。

水産物に異変なし 処理水放出から24日で1カ月
2023/9/23 16:28
https://www.sankei.com/article/20230923-AB2X6IEQOBM6HBTXUK7LG5FKGI/
東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出が始まって2023年9月24日で1カ月。
これまでに周辺環境や水産物のモニタリング調査で異変は確認されていない。
「安全と安心は違う」
と訴える漁業者を支えようと、政府は総額1007億円の支援の枠組みを決定した。
一方、中国は2023年8月24日に始めた日本産水産物の禁輸を継続している。
処理水の放出以降、東電や政府は周辺環境のモニタリング結果の公表と安全性に関する情報発信を強化している。
東電は特設サイト
「処理水ポータルサイト」
の中に、関係各機関がそれぞれ実施している海水や魚のモニタリングのデータを地図上に集約し、一元的に見られるようにした。
このうち水産庁は連日、放出口周辺でヒラメやホウボウを捕獲し、筋肉組織に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を検査。
これまでのところ全て不検出となっている。
連日の検査は2023年9月25日公表分で終え、その後はペースを落として続ける方針だ。
太平洋沿岸地域で捕れた魚についての放射性物質セシウムの濃度調査も、放出開始以降は大半が不検出で、検出された場合も極めて低い値となっている。
松野博一官房長官は放出について
「計画通り、安全に進められている」
と評価した上で、
「国際的にも科学的知見に基づく冷静な対応が広がっている」
と話している。
東電は令和5年度は4回に分けて計3万1200トンを放出する計画だ。
トリチウム放出量は約5兆ベクレルになる。
初回の放出は2023年9月11日に終えた。
放水設備や作業工程を点検した上で、2023年10月中にも2回目の放出を始める方針だ。

海水と魚、検出下限値未満 原発処理水トリチウム分析
2023/9/22 17:54
https://www.sankei.com/article/20230922-ARIJ2IKORJLWTH7GJO4RKPRCOY/
東京電力と水産庁は2023年9月22日、福島第1原発周辺で2023年9月21日に採取した海水や魚に含まれる放射性物質トリチウム濃度を分析した結果、いずれも機器で検出できる下限値未満だったと発表した。
第1原発では2023年8月24日に処理水の海洋放出を始めた。
東電は原発から半径3km以内の10カ所で採取した海水を、水産庁は放出口から約5km以内で採取したヒラメとババガレイを分析した。

次回放出の処理水は基準未満 東電、月内にも着手
2023/9/21 19:30
https://www.sankei.com/article/20230921-NHND324TIVO3DAVM7YJ4NPH55U/
東京電力は2023年9月21日、福島第1原発から2回目に海洋放出する予定の処理水に含まれる放射性物質を分析した結果、国や東電が定めた基準値未満だったと発表した。
2回目は早ければ2023年9月月内に開始する。
分析対象としているセシウム137など29種類の濃度比率の合計は、基準値1未満に対し0.25だった。
多核種除去設備(ALPS)で除去できないトリチウムは1リットル当たり14万ベクレルで、東電が定めた基準値100万ベクレル未満だった。
放出前に大量の海水で薄め、国の基準値の40分の1となる1500ベクレル未満にする。
他に自主的に測定した39種類も問題がないことを確認した。
外部機関でも同様の結果だった。
東電は2023年8月24日から2023年9月11日に初回分の約7800トンの放出を終えた。
2回目も同量を放出する予定。

処理水放出 国内消費に影響なし 外食・百貨店は好調
2023/9/23 20:15
https://www.sankei.com/article/20230923-YJDMT4XS4BOHFPE5XUV52XLDAQ/
東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を巡り、中国が日本産水産物の輸入を停止するなど風評被害が懸念されたが、現状では国内の飲食店に目立った影響は出ていない。
インバウンド(訪日外国人客)消費も好調で、百貨店では免税売り上げが伸びている。
外食産業の約3万7000店が加盟する業界団体「日本フードサービス協会」の担当者は、処理水放出が始まった2023年8月に関し、
「加盟会員へのヒアリングで、売り上げが悪化したという話は聞こえてこない」
とする。
回転ずし大手のくら寿司の2023年8月の既存店売上高は、前年同月比で10.1%増、客数は5.4%増となった。
2023年9月も順調で、処理水放出の影響は見られないとしている。
同社は2023年9月22日から、中国による日本産水産物の輸入停止を受けた国内漁業の支援策として、北海道産などのホタテを使った握りずしのキャンペーンを始めている。
うどんやそば店を展開するグルメ杵屋は、2023年8月の既存店売上高が前年同月比24・1%増だった。
広報担当者は
「空港や京都、大阪、東京など観光地の店舗で欧米の訪日客が増えている」
と話す。
一方、関西主要9百貨店の2023年8月の売上高は、旺盛なインバウンド需要に支えられ、全店舗で前年同月を超えた。
前年同月比25.9%増だった阪急うめだ本店(大阪市北区)は、2023年8月単体で過去最高の売り上げを記録。
高島屋大阪店(同市中央区)は前年同月比25.6%増で、免税売上高が前年から5倍超と急増。
同店の訪日客は、国・地域別で中国本土からが約5割で最も多かったという。

中国、対日「懸念」広がらず 思惑外れ? 消費低迷も批判報道は下火 処理水放出1カ月
2023/9/23 17:14
https://www.sankei.com/article/20230923-QSRTTB3FGRMZHKPGBETPUTMAWE/
中国政府は東京電力福島第1原発の処理水を
「核汚染水」
と呼び、日本批判を続けている。
対日輸入規制により、中国では近年人気が高かった日本料理店などが打撃を受けている。
北京市中心部にある日本料理店の女性責任者は
「この1カ月で客足は大きく減った」
「昨年までの新型コロナウイルス禍に続く厳しい状況だ」
と嘆く。
日本の水産物を中国産や他国産に切り替えたが、海鮮料理を避ける客が少なくないという。
中国税関総署によると2023年8月、日本からの水産物輸入総額は前年同月比で67.6%減少した。
中国政府が
「食品の汚染リスク」
を強調したことで、海鮮料理自体を避ける消費者も増えている。
一方、これまでのところ反日デモは確認されず、中国メディアの対日批判報道も減りつつある。
韓正国家副主席は2023年9月21日に行った国連総会一般討論の演説で処理水には触れなかった。
背景には、処理水を巡る
「懸念」
が中国の思惑に反し、国際社会で広がらなかったことがあるとみられる。
習近平政権は処理水放出への反対を表明してきたが、同調する国はロシアや北朝鮮など一部にとどまる。
北京の外交関係者は
「習政権は世界的にも突出した対応を取ってしまったため、1度振り上げた拳の落とし所を見つけるのが難しくなっている」
との見方を示す。

広がる理解、深まる中国の孤立 処理水放出1か月
2023/9/23 16:12
https://www.sankei.com/article/20230923-AOI4CEWTC5PLFDN65WNLRVDZDA/
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を決断した日本政府に理解や支持などを示す国や国際機関が、2023年9月23日までに40を超えたことが分かった。
上川陽子外相は2023年9月21日(日本時間22日)、訪問先の米ニューヨークで、カナダのジョリー外相と会談し、ジョリー氏は日本の立場に理解を表明した。
同日会談したポルトガルのゴメスクラビニョ外相も
「日本の透明性促進に向けた取り組みと日本と国際原子力機関(IAEA)の緊密な協力を歓迎する」
と述べた。
岸田文雄首相や林芳正前外相も各国首脳や外相との会談などで、処理水放出にIAEAと連携して取り組む日本の立場を説明し、理解や支持を得てきた。
スペイン原子力安全委員会やチェコ国家原子力安全庁などの他、世界保健機関(WHO)といった国際機関も記者会見や声明で、処理水放出が国際的な安全基準に合致しているとの見解を示している。
一方、
「日本は核汚染水を一方的に太平洋に放出した」
などとする中国の主張には北朝鮮が同調。
ベネズエラもマドゥロ大統領が2023年9月13日に北京で行った習近平国家主席との首脳会談を受けて発表した共同声明で、海洋放出に
「反対する」
とした。
また、中国との関係を強める南太平洋の島国ソロモン諸島のソガバレ首相が2023年9月22日の国連総会一般討論で放出の停止を求めた。
ただ、科学的根拠に基づかない中国の主張への支持は依然、広がりを欠いている。
外務省は科学的な日本の取り組みへの理解や支持を求める外交を
「緩める選択はない」(幹部)
として、今後も維持していく方針だ。

中国、処理水放出巡りIAEAに「公正な態度を」
2023/9/21 18:08
https://www.sankei.com/article/20230921-L3SOY4RG4JISJLJIDN5LIQIKLE/
中国外務省は2023年9月21日、馬朝旭(ば・ちょうきょく)外務次官が国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と2023年9月20日に米ニューヨークで会談したと発表した。
馬氏は、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関し、IAEAに
「客観、公正、科学的な態度を堅持し、自らの責任に従って対処すべきだ」
と求めた。
馬氏は、日本政府が
「中国を含む隣国や日本の民衆の反対の声を無視」
して海洋放出を進めたと非難し、日本に対する
「断固とした反対」
を改めて表明。
IAEAに対し
「中国を含む国際社会の正当で合理的な懸念に実際の行動で応えるべきだ」
と要求した。
中国側の発表によると、グロッシ氏は
「IAEAは中国の関連する立場と懸念を高度に重視している」
と表明。
その上で、IAEAとして
「中立、客観的な立場」
から処理水の対応に関わり、
「中国側と密接な意思疎通と協力を維持する」
との考えを示したという。
中国は、処理水を
「核汚染水」
と呼んで海洋放出に反発し続けている。
IAEAが2023年7月に公表した処理水の海洋放出計画を
「国際基準に合致する」
とした包括報告書についても、中国外務省は報道官談話で
「遺憾」
を表明。
報告書は全ての専門家の意見が反映できていないと主張している。

モンゴル、処理水放出支持 岸田首相、大統領に安全性説明 「VIVANT」も話題に
2023/9/21 7:17
https://www.sankei.com/article/20230921-4V2TNNPB2RPIHE3JSNEQGJLHN4/
岸田文雄首相は2023年9月20日午後(日本時間21日未明)、モンゴルのフレルスフ大統領と米ニューヨークで会談した。
首相が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、安全性に万全を期していると説明し理解を求めたのに対し、フレルスフ氏は日本の立場を支持する考えを示した。
両氏は北朝鮮による日本人拉致問題や核・ミサイル問題、ロシアのウクライナ侵攻についても意見を交わし、国連改革の必要性で一致した。
モンゴルが砂漠化対策として進める植林への協力など両国関係を一層強化する方針を確認。
モンゴルがロケ地となったTBS系テレビドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」も話題に上り、相互理解や観光交流の増加への期待感を共有した。(共同)

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/804.html#c9

[政治・選挙・NHK291] 愚策の嵐。名ばかり経済対策で39兆円をムダにした岸田クソメガネ税金泥棒政権  きっこ(まぐまぐニュース) 赤かぶ
22. 2023年9月24日 17:54:13 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-8]
<■107行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国の「人間なき兵器」を止められるか 池上敦士
2023/9/21 7:00
https://www.sankei.com/article/20230921-MYV34LWO4ZPGHM5LT6R4FIC5MQ/
台湾を巡る米中の緊張が高まる中、中国の人民解放軍は攻撃機や偵察機の台湾防空識別圏への侵入頻度を増加させている。
防衛研究所によると、とりわけ2022年9月以降は無人機(ドローン)の侵入増加の傾向がみられるという。
日本のマスコミはあまり注目していないようだが、これは極めて恐ろしい事実だ。
中国は今、兵器について全領域的に人工知能(AI)を利用した無人化を進めようとしている。
人間が操作する現状の有人兵器に、AIが自律的に制御する無人兵器を加えた、新しい軍事力構築を目指している。
無人機の侵入増加はその成果の一端に過ぎない。
2019年、中国が示した国防白書では、
「智能化戦争」
という新たな概念が提示されていた。
これはAIを用いた兵器の自律化とネットワーク化を前提に、無人の自律型兵器の積極的活用を示す概念であり、人民解放軍の
「新時代の軍事戦略方針」
の中核と位置付けられている。
人民解放軍・軍事科学院発刊の論文誌
「国防科技」
には、
「智能化」
が順調に進めば、人民解放軍では2030年頃には陸・海・空・サイバー空間など全領域で自律型兵器が活用され、有人兵器と高度に融合した作戦が可能になるとみる論文が掲載されている。
現状でも自衛隊の10倍近い200万人規模の兵力を誇る中国は、生身の兵を必要としない自律型兵器を手にすることで、その豊富な人的資源の限界すら超えて、拡大していこうとしている。
これは深刻な脅威である。
対する日本は、2022年公表した国家防衛戦略においてAI活用や装備の無人化を推進する
「無人アセット防衛能力」
の考え方を盛り込み、2027年を目途に
「幅広い任務での実践的な能力を獲得する」
と明言したが、現状自衛隊では陸・海・空ともに偵察を中心とした無人機が少数運用されるにとどまっている。
本稿はあくまで筆者の個人的見解を示すものだが、日本の遅れは、誰も否定しようのない事実であろう。
■戦争の革命 遅れる日本・・・
中国に限らず、これからの戦争では、多種多様な自律型兵器が陸・海・空などのあらゆる領域で使用されるようになると予想されている。
科学の進歩で戦争が劇的に変容することを
「軍事における革命」(RMA=Revolution in Military Affairs)
という。
実際に第1次世界大戦の戦車や航空機、第2次世界大戦の核兵器の出現は、戦争や軍事戦略・戦術を大きく変えたが、人類は今、兵器の無人化・自律化という新たなRMAの時代に入ろうとしている。
例えば、ウクライナ戦争では既にロシアが半自律型の自爆ドローン(シャハド136)を使用していることが、米国の国防情報局によって確認されている。
しかし、これは今後の変化の初期段階に過ぎない。
現在の無人機は地上で人間が操縦するか、自律的といってもミサイルのように自爆攻撃する自爆ドローンが基本だが、これからは人間の関与なしに自律的に攻撃目標を設定し、人を殺傷するロボットのような自律型致死兵器システム(LAWS=Lethal Autonomous Weapons Systems)の登場があり得ると考えられている。
LAWSについて国際的に統一された定義は未だないが、米国防総省では、陸・海・空・サイバー空間を問わず
「1度起動すると人間の介入なしに敵を特定・攻撃することのできる兵器」
と定義されている。
米連邦議会調査局によると、現時点では、完成・使用されているものはないが、開発能力を有する国として、中国に加え米国、ロシア、フランス、更に韓国なども挙げられる。
そこに日本の名前はない。
LAWSは戦争をどう変えるか。
まずAIによって攻撃目標の敵を探して定めるLAWSは、索敵のスピードにおいて人間を遥かに凌駕するため、これを保有しない国は、保有国に対して圧倒的に劣勢に立たされることになる。
人間同士の戦闘が減りLAWS同士の戦いが主流となれば、人間が戦死しなくなるから、大局的にはプラスではないかと考えたとすれば、それは早計だ。
まず、日本のように開発の遅れた国は危機に晒されるし、LAWS保有国にとっても、一義的な戦死者が出にくくなることで、戦争開始の政治的ハードルが低下し、却って戦争が起きやすくなったり、戦争が長期化したりして、人的被害が拡大しやすくなるリスクが指摘される。
例えばベトナム戦争終結の背景には、米軍の戦死者増加による反戦運動の高まりがあったことはよく知られているが、LAWSの時代には、そういうことは考えにくくなる。
AIは人間よりも遥かに速く意思決定を行うため、偶発的な軍事的衝突発生時に、一気に紛争が拡大する危険性も指摘されている。
LAWSはAIによって制御されるから、民間人に対する誤射や、感情に誘発された虐殺などを引き起こさず、戦場における人道性が高まるとの指摘もあるにはあるが、サイバー攻撃やAIの不具合で逆に制御不能に陥ったり、誤射が増えたりするリスクも排除できない。
サイバー攻撃でプログラムが書き換えられ、友軍や民間人を攻撃する危険性もある。
■保有国は、開発をやめない
核兵器がLAWS化された場合、リスクは更に深刻になる。
米国は2018年、核戦略の指針
「核態勢の見直し」(NPR)
において、核ミサイルなどに対する早期警戒能力の向上などを打ち出した。
AIを人工衛星からの画像分析に活用することで、例えば北朝鮮の移動式発射台による核ミサイル発射の動きを素早く察知、対処できるようになると期待される。
一方、仮にAIの適用が拡大され、人間が介在しない核兵器版LAWSが生み出されれば、核ミサイル使用の判断まで自律的に行うことも可能だ。
その場合、偶発的エラーやサイバー攻撃が起きれば、取り返しがつかない。
米国務省は2023年に発表したAIの軍事利用に関するルール宣言で、
「核兵器使用に関する重要な意思決定プロセスには、必ず人間が管理・介在しなければならない」
と規定したが、こうした考えが全核保有国で未来永劫、維持される保証はない。
LAWSの管理に向けた国際議論は、主に特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)において2016年から行われてきた。
しかし、LAWSの開発・使用に関する規制は合意が形成されない状態が続いている。
米露など開発能力を有するとされる国々は開発・使用の全面禁止に反対しているし、中国も使用禁止は支持するものの、開発自体は容認しており、戦略的曖昧さを示している。
現実をシビアに考えると、もはや兵器の自律化の流れを止めることは困難だろう。
自国の軍事的優位性を保つため、各国は自律型兵器の開発を進めざるを得ない。
少なくとも、
「智能化戦争」
を掲げる中国が、開発を思い止まることは考えられない。
確実に近づくLAWSの時代に備え、中国に対し、日本は米国・有志国と共に抑止能力を向上させておく必要がある。
同時に、兵器の自律化で偶発的な衝突が一気に拡大するリスクを考慮し、日中間のホットラインなどの意思疎通を一層充実させなければならない。
また、LAWSの野放図な開発や使用を制限するルールの具体化と規範化も必要だ。
しかし、そうした試みは間に合うだろうか。
歴史を振り返ると、化学兵器や対人地雷などの国際規制は、深刻な被害が実際に出てから検討されてきた。
1920年に作家、カルレ・チャペックが、
「ロボット」
という言葉を生み出してから100年、今、我々はどのようにLAWSと向き合うのだろうか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/800.html#c22
[政治・選挙・NHK291] 殺人事件もみ消しは許されない(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
18. 2023年9月25日 06:06:55 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-7]
<■2222行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
船本賢二の経歴や学歴!元警視庁警部で法政大学ではボクシング部と超ハイスペックだった!
2023年9月3日
https://kyokutoromance.com/funamoto_kenji_keireki/

船本賢二の経歴!アマチュアボクサー全国3位の元警視庁の警察官!
2023年8月2日
https://ijyukangosi-ouennyanko.com/hunamotokenji/

木原郁子の経歴や学歴まとめ!元銀座No.1ホステス&VERY ...
ウェブ2023年7月13日 · 木原郁子の経歴や学歴まとめ!. 元銀座No.1ホステス&VERYモデルだった!. 事件. 2023年7月13日 2023年7月28日. 週刊文春の報道で、 木原誠二内閣官房 …
https://digitalyouth.jp/kiharaikuko-keireki/

木原郁子モデル・ホステス時代が超美人!木原誠二との ...
ウェブ2023年7月30日 2023年9月12日 木原誠二官房副長官の奥さん が何かと話題になっていますが、いったいどんな方なのでしょうか? 調べてみたところ木原誠二さんの奥さん …
https://www.yamadera-goto-museum.jp/kihara-ikuko-profile/

木原誠二氏が記者会見を開かずに説明責任を果たしていないのは卑怯だ。

次々と浮上する安田種雄さんの不審死への疑問。
上申書による安田種雄さんの遺族の悲痛な訴えを、警察・木原誠二官房副長官・木原氏の妻【X子】さん・【X子】さんの父親Z氏(元公安刑事)はどう受け止めるのか。

安田種雄さんの不審死は「自殺」ではなく、「他殺」、つまり「殺人事件」ではないか。
犯人は、元公安刑事にして、木原誠二官房副長官の妻の「実父」ではないか。
木原誠二官房副長官の妻が事件について語ろうとしないのは、彼女の「実父」を庇っているからではないか。

致死量の覚醒剤によって自殺したのなら、わざわざナイフを頭上から喉元に向かって刺す必要があるのか?
ナイフで刺殺された後に、第三者によって致死量の覚醒剤を打たれた可能性もあるのではないか?
疑問点は多々あり、とても「自殺」とは思えず、「他殺」としか思えない。
犯罪の可能性があれば捜査する、犯人を検挙する、法治国家なら当たり前の話だ。
相手が政治家の関係者でも親族でもそれは同じはずだ。
何でこんな当たり前のことが通らないんだ。
政治家が捜査機関上層部に圧力を掛けたり、たとえ相手が有力政治家であっても、捜査機関上層部がその圧力に屈するなどということは絶対にあってはならない。
圧力を掛ける政治家と圧力に屈する捜査機関上層部が存在するのは異常な世界だ。
警察上層部に圧力を掛ける政治家や、その政治家を擁護する弁護士・政治家は論外で信用できないが、圧力に屈する警察上層部も情けなく信用できない。
一般国民は、そんな世界に生きるのは嫌だと思っている。
一般国民から見て、政治家の立場とか、警察官僚の保身とか、そんなことより重要な事はいくらでもある。
子供の頃に「法の下の平等」について習っているはずだが一体全体どこへ行ったんだ?

岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

木原事件に新展開 「遺体の位置が・・・」 遺族が上申書を提出
週刊文春2023年7月27日号
17年前の2006年、木原誠二官房副長官の妻【X子】さんの当時の夫が”怪死”した事件。
木原氏は詳細な説明をしないまま、小誌に再三、刑事告訴をちらつかせている。
そんな最中、中断した捜査の再開を求めて、遂に遺族が立ち上がった。
▼被害者父母、姉が決起「再捜査してください」
▼「遺族の裏には・・・」警察内部で飛び交う妄言
▼記者懇ドタキャン 木原副長官「こんな状況なので」
▼岸田派幹部「刑事告訴なんて無理だろ」
<私たちは種雄の死の真相を知るため、捜査を続行していただきますことを、心から望んでいます>
警視庁大塚署長に宛てられた2023年7月17日付の上申書には、失われた17年前(2006年)の悲痛な思いが綴られていた。
小誌は過去2週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていた事実を報じた。
木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、司法記者クラブに対し2度に渡り文書を送付し、刑事告訴を行うことを宣言した。
上申書を提出したのは、安田種雄さんの両親と2人の姉である。
事情聴取や家宅捜索の事実関係すら
「事実無根」
とする木原氏は、遺族の積年の想いを踏みにじったのだ。
上申書は次のように続く。
<自分が死んだのなら諦めもつきます>
<でも、亡くなったのは大切な息子なのです>
<ひょんなことから『あいつが生きていたら45歳だなあ』と考えてしまう>
遺族が再捜査を強く求めるのには理由がある。
安田種雄さんの死を巡り、到底納得できない”謎”がいくつも残されているのだ。

1978年に生まれた安田種雄さんは地元の中学校を卒業後、高校を中退。
暴走族に入り、青春時代を過ごした。
雑誌モデルとして活躍していた安田種雄さんに惹かれ、1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下の【X子】さんだった。
2002年、長男が誕生することが契機となり、2人は入籍する。
夫妻を知る人物が明かす。
「【X子】は結婚前にCDデビューしたこともある」
「長男を出産後は育児情報誌のモデルをしたり、ママ友とハロウィンパーティーを企画し、司会をやったりしていた」
「種雄さんの当時のあだ名は、TOKIO、長瀬智也に似ていることから、そう呼ばれていました」
2004年4月には長女が誕生し、一家4人は【X子】さんの父が所有する文京区大塚の木造住宅で暮らした。
だが、団欒の風景は次第に修羅の色に染まっていく。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合った男性Y氏の存在だ。
間もなく【X子】さんはY氏と親密な関係になり、池袋の老舗キャバレーで働き始める。
安田種雄さんの次姉が振り返る。
■事件の夜、すれ違った男
「よくキャバレーの帰りに電話が来て
『種雄君がお金を入れてくれない』
『自分だけ遊びに行っている』
と愚痴をこぼしていた」
「それを聞き、種雄に
『ちゃんと生活費をあげなさい』
と言うと
『毎回あげている』
と話が食い違うのです」
2006年に入り、【X子】さんは幼い子供2人を連れ、”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上も【X子】は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも種雄は
『離婚しても子供は引き取りたい』
と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った東京・三軒茶屋の団地に舞い戻った。
出迎えた父は、息子の大好物だった牛肉をスーパーで調達し、振る舞った。
「その日、種雄は私が乗っていたハイエースを貸してほしいと家に立ち寄ったのです」
「理由を聞くと
『【X子】が(東京近郊に住む)Y氏の家に荷物を置いているから取り戻しに行くんだ』
と」
「その日は、数日前に種雄から
『買ってほしい』
と頼まれていた新しい携帯電話を手渡しました」
「ずっと電話に出ない【X子】に連絡するためでした」
(安田種雄さんの父)
だが、それが最後の晩餐になった。
その翌日(2006年4月8日)、安田種雄さんがハイエースでY氏の自宅を訪ねると、そこには【X子】さんと子供たちの姿があった。
家族を必死で連れ戻した安田種雄さん。
その彼が不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした直後、【X子】さんや子供たちが眠る隣の部屋でのことだったー。
ナイフを頭上から喉元に刺したとみられ、死因は失血死。
当時は自殺の可能性が高い不審死として処理された。
だが、12年後の2018年4月、大塚署の女性刑事が捜査資料を分析し、自殺とするには不自然な血の付き方に着目したことから再捜査がスタート。
警視庁の特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に、30人以上の精鋭が集められ、遺族の期待も高まった。
にもかかわらず、1年足らずで突如、捜査は縮小。
以降、遺族の元への警察からの連絡は途切れた。
だが今回、安田種雄さんの父が今でも鮮明に記憶している悪夢の1日を振り返ると、これまで語られなかった新たな疑問点が次々と浮かび上がったのだ。
「変わり果てた姿の種雄を発見した時、右太腿から20〜30cm離れた場所に細長いナイフが置かれていました」
「自らナイフを喉に突き刺すことも難しいのに、ましてや綺麗にナイフを置いてから死ぬ奴がいるのでしょうか」
変わり果てた姿の息子を発見した直後には、こんな出来事があった。
「110番通報をするにも住所が分からず、住居表示がある電信柱を探しに1度外に出たのです」
「通報して民家に戻る途中、すれ違ったのは明らかに変な歩き方をした男でした」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「一目散に追いかけたのですが、一瞬で消えてしまった」
(安田種雄さんの父)
■木原氏代理人の回答は
警察が到着し、安田種雄さん宅に再び上がろうとした父は、ふと足元を見た。
「玄関には、子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあった」
「その靴が、家を飛び出した時から減っているような気がしました」
(安田種雄さんの父)
再捜査に当たり、安田種雄さんの父は”すれ違った男”の存在を女性刑事に明かしている。
安田種雄さんの父が事情聴取を受けたのは2018年4月8日のこと。
小誌が入手した録音データには、次のようなやり取りが記録されている。
★女性刑事
「すれ違った人は長い物を持っていたということですけど、顔は見ていない?」
★父
「はい」
★女性刑事
「背格好で?」
★父
「後ろ姿だけね」
「ジーパンだったかな。帽子」
★女性刑事
「ニット帽。知っている人、という印象はなかった?」
★父
「そうですね」
更に安田種雄さんの父が不審に感じているのは、遺体の位置だ。
「私が部屋に入った時、種雄の頭は寝室に繋がるドアの辺りにありました」
「しかし、後に刑事さんが描いた現場の見取り図は、頭の位置が左右にズレて、倒れている位置すら変わっていたのです」
「私が去った後、何者かが遺体を動かしたのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
事件から数日後に行われた現場検証で、更に疑問は深まった。
「種雄は携帯を3台持っていたのですが、それが見つからなかった」
「どこにあるのかと思って電話をかけると、確かに部屋のどこかから着信音が聞こえる」
「探してみると、1台はソファの上に、衣類を沢山被せた状態で置いてありました」
「更に、ソファの下からも他の携帯が出てきた」
「自分で死んだ奴が、なぜ携帯を隠す必要があるのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
遺族が再捜査を求めるのは、安田種雄さんを喪った哀しみを徒に警察にぶつけているからでは決してない。
自殺で片付けるには不審な点がいくつも残されているからこそ、今回、上申書の提出を決意したのだ。
一方ー。
小誌が先々週号で初めて一連の疑惑を報じて以降、木原氏は”逃げの一手”を続けている。
政治部記者が明かす。
「文春が初めて不審死事件を報じた直後、木原氏の秘書官は番記者たちに
『家族の精神的なケアが必要になり、しばらく朝の囲み取材には応じられません』
と連絡してきた」
「その翌週である2023年7月中旬に議員会館で番記者を集めてオフレコ懇談会を開催するという話だったのですが、結局、後になって
『こういう状況なので中止でお願いしたい』
という連絡があった」
他方で、小誌には再三
「刑事告訴を行う」
と通告してきたが、
「刑事告訴を行えば、捜査当局を動かし、公権力を振りかざすことになる」
「政権中枢で絶大な権力を握る官房副長官の振る舞いとしては異例」
「木原氏の言動は身内からも冷ややかな目で見られています」
(政治部デスク)
ある岸田派幹部は、周囲にこう漏らした。
「刑事告訴なんて無理だろ」
「刑事告訴したら、それをきっかけに各社に報道されてしまう」
「もし木原が刑事告訴するのであれば、官房副長官の辞任がセット」
「それが岸田会長のためだ」
小誌は今回、木原氏に改めて、【X子】さんへの事情聴取や家宅捜索の有無、記者懇中止の経緯について質問状を送付。
代理人弁護士からこう回答があった。
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
「(記者懇中止は)家族が学校等で誹謗中傷を浴びたり、路上で危険に晒される事態が現実に発生し、対応せざるを得ないためです」
木原氏は先々週、一連の再捜査について事実関係を確認する小誌に対し
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
と回答。
2023年7月5日、12日の2度に渡るメディアに公表した<御通知>でも、小誌に対して
「捜査当局の公式の確認」
を取るよう求めたことを強調してきた。
そんな中、”指名”された捜査当局側からも、呼応するかのような動きがあった。
「2023年7月13日、警視庁の國府田(こうだ)捜査1課長の定例会見で、文春報道について質問が出た」
「これに対し國府田氏は
『事件性は認められなかった』
『死因は自殺と考えて矛盾はない』
と述べました」
(社会部記者)
同じ日(2023年7月13日)、霞が関の合同庁舎2号館18階の会議室。
その日(2023年7月13日)、記者クラブ加盟社の記者を集めて行われたのは、全国の警察組織のトップ、露木康浩警察庁長官の定例会見である。
終了間際、テレビ局の記者が木原氏を巡る疑惑について尋ねると、露木長官は淀みなくこう答えた。
★露木長官
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」
会見から2日後の2023年7月15日、露木長官にその真意を尋ねた。
ーー「事件性が認められない」と公表していますが、これは2018年の再捜査を受けて判断した?
★露木長官
「『警視庁が明らかにした』ということで理解していますけど、警視庁の判断ということになってくるので私は間接的な立場なんですね」
ーー木原氏は再捜査も含め「事実無根」として文藝春秋を刑事告訴するという。
再捜査があったかどうか。
長官の認識は?
★露木長官
「まあ、警視庁が明らかにしたということで、あのように会見で申し上げたということですね」
ーー露木長官は捜査資料を確認している?
★露木長官
「いや、そういう風な立場じゃないからですね」
ーー小誌の発売直後、木原氏から連絡はあった?
★露木長官
「いえ、私は木原官房副長官とは全然連絡を取る立場でもないし」
ーーご遺族が「やはり殺されたんじゃないか」という思いを強く持っている。
★露木長官
「ああ・・・」
「警視庁に問い合わせてもらうしかないかなあ」
遺族が複数の不振点を指摘しているにもかかわらず、
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
実はその内部では、不穏な動きが見て取れるのだ。
警察庁関係者が打ち明ける。
「報道後、警察内部では
『遺族の裏には社民党の福島瑞穂参院議員と、事実婚の夫である人権派弁護士の海渡雄一氏が控えている』
との説が飛び交っているのです」
実際、小誌取材班も警察内部から同様の話を聞いている。
だが、名指しされた福島氏はこう困惑する。
「(安田種雄さんの)お名前も初めて知りましたし、全く面識がありません」
警察内部から噴出する”妄言”は何を意味するのか。
「この事案は警察官僚の上司に当たる官房副長官に関するスキャンダルです」
「敢えて野党党首の福島氏の名を出し、記事には政治的な背景があったことを匂わせることで、事態を矮小化しようとしているのです」
(前出・警察庁関係者)
安田種雄さんの父は、露木長官が
「捜査は適正」
「事件性はない」
と語った会見内容を報じた記事に目を通すと、長く沈黙し、絞り出すように呟いた。
「事件を”無かったこと”にするつもりなんですね」
「いくら我々が頑張っても権力で握り潰して、自分たちが有利になるようにするんですね・・・」
こうした状況に、安田種雄さんの親友たちも動き始めた。
近々、捜査の続行を求める署名活動を始めるという。
次々と浮上する不審死への疑問。
上申書による遺族の悲痛な訴えを、警察はどう受け止めるのか。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。

組閣前夜スクープ撮 木原誠二”官邸の番人” ”財界4重鎮”とホテル謀議
週刊文春2023年9月28日号
岸田文雄首相が「5人の女」を新たに懐へ迎える準備を整えていたその前夜、2023年9月12日夕刻。
ホテルニューオータニの地下駐車場に黒塗りの高級車で乗り込んだのは、翌日から内閣を去ることになる木原誠二衆議院議員(53)。
彼を待ち受けていたのは財界の重鎮たちだった。
一体この日、この場所で何が話し合われたのかー。
今回の内閣改造で官房副長官を外れた木原氏が、自ら岸田首相に退任を申し出たのは2023年8月18日、日米韓首脳会談に向かう政府専用機内だったという。
政治部記者が解説する。
「当初、岸田首相は文春報道を重く受け止めておらず、木原氏を留任させるつもりでした」
「しかし、木原氏から
『これ以上迷惑はかけられない』
と申し出があり、渋々退任を認めたのです」
だが、それでも岸田首相の”木原愛”は変わらず、木原氏は幹事長代理と政調会長特別補佐という2つの要職を兼務することになる。
自民党関係者が言う。
「木原さんの処遇は一石三鳥」
「党の役職に転じることで、国会や記者会見で文春報道について追及される機会が減るし、それでいて政府と党のパイプ役にもなれる」
「その上、ポスト岸田を狙う茂木敏充幹事長と萩生田光一政調会長のお目付け役としても機能する絶妙なポジションなのです」
まさに”焼け太り”とも言える新人事を知ってか知らずか、組閣前夜に行われた財界人との”謀議”の場でも、木原氏は終始ご機嫌な様子だったというのだ。
ホテル関係者が声を潜めて言う。
「この日、ホテルニューオータニの高層ビル『ガーデンコート』に集まったのは木原さんを含めて6名」
「地下駐車場から人目を避けて直通で上がれるビルの最上2フロアには、東京タワーや東京スカイツリーを一望できる法人会員制クラブがあり、そこで酒席が開かれていたのです」
木原氏と杯を交わしたのは、JR東日本の深澤祐二社長(68)、東武鉄道の根津嘉澄会長(71)、西武HDの後藤高志会長(74)、東急不動産HDの金指潔会長(78)という”財界4重鎮”。
こうした錚々たるメンツに加え、その場には元警察庁長官で”官邸の番人”とも称される栗生俊一官房副長官(64)も席を並べていた。
「木原さんは大物たちの前でも物怖じすることなく、ウクライナを訪問した際の話を臨場感たっぷりに話したり、
『私は官邸を離れますが、栗生さんは残るので宜しくお願いします』
としきりに頭を下げたりもしていました」
(同前)
一方の栗生氏は、こう言って木原氏のことを繰り返し持ち上げていたという。
「木原さんは本当に凄いです」
「政策も作れるし、人脈も広い」
「公明党や創価学会とのパイプもありますから」
互いを尊重する木原氏と栗生氏には、官房副長官という役職の共通点だけでなく、小誌が報じ続けている
「木原事件」
でも”接点”がある。
警察庁関係者が言う。
「栗生氏は、木原氏の妻が2018年に警視庁から聴取を受け、その後、捜査にストップがかかった際の警察庁長官でした」
「当時の警察トップが議員案件だった木原事件を知らないはずがありません」
■次の選挙は大変厳しい
更に、前出の政治部記者が後を継ぐ。
「警察庁長官を退官した栗生さんを官房副長官として岸田首相に強く推薦したのが木原さんでした」
この密談の場でも
「木原事件」
が話題に上った。
出席者の1人が水を向けると、木原氏は苦笑いしながら、
「いやいや、ご心配おかけして申し訳ございません」
そう言って口を濁すばかりだったという。
むしろ木原氏の口を突いて出たのは、次の選挙のこと。
木原氏の選挙区(東京20区)である東村山市や清瀬市にはそれぞれ西武新宿線と西部池袋線が通っており、西武グループは大きな票田の1つ。
そのため、木原氏は西武HDの後藤会長に、こう頭を下げたというのだ。
「次の選挙は大変厳しい戦いになると思いますので、どうかお力添えの程、宜しくお願い致します」
時間にしておよそ2時間あまり。
財界の重鎮4人と木原、栗生の両官房副長官の”謀議”はこうしてお開きとなったのである。
さて、出席者たちはこの宴席についてどう答えるのか。
まずは東武鉄道の根津会長を訪ね、直撃した。
ーーどういう経緯で集まることに?
★根津
深澤さんや金指さんや後藤さんは、元々、木原さんをご存じだったようだけど、私は初対面。
木原さんは、武蔵高校の後輩だから1回お会いしたいと思っていたら、その3人が
『じゃあセットしましょう』
と。
3〜4週間も前から(日程が)決まっていて、たまたま木原さんが退任されるタイミングと重なったんです。
ーー木原氏の妻に関する話題は出た?
★根津
そんな話は全然出なかった。
私は聞きたかったくらいですけど、誰もその話を振りませんでしたから。

続いて東急不動産HDの金指会長にも話を聞くと、
★金指
ただの懇親会で何の隠された意図もない。
生臭い話なんて一切せず、大所高所的に木原さんの話を聞かせてもらって、大変勉強になる会だったと思うよ。
ーー妻の話は?
★金指
出るわけないだろ。
よしんば話していたとしても、俺が喋るわけないだろ(笑)。

他の列席者には会社を通して取材を申し込んだ。
JR東日本は
「政治家や経済界の方と意見交換することはありますが、個別の案件については回答を差し控えさせて頂きます」、
西武HDも
「回答を控えさせて頂きます」
とした。
栗生氏の携帯に電話すると
「電話での取材はお答えしないことにしています」
と言い、改めて質問状を送ると
「このようなお尋ねにはお答えしないことにしています」
と取材拒否。
木原氏からは期限までに回答がなかった。
酒席の終了後、満面の笑みで黒塗りのハイヤーに乗り込んだ木原氏。
官房副長官の重責から解放されても、説明責任がなくなるわけではない。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/807.html#c18

[戦争b24] ロシアから見たアルメニアとナゴルノ・カラバフ(BRICS公式等) 幽季 茶良
7. 2023年9月25日 06:25:03 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-6]
<■173行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
国連安保理 台湾有事でも機能困難だ
2023/9/25 5:00
https://www.sankei.com/article/20230925-QDQQNGMWT5NGJIFB7Y62ZQXX3Y/
国連の安全保障理事会でウクライナ情勢に関する首脳級会合が開かれた。
ウクライナのゼレンスキー大統領や岸田文雄首相、ブリンケン米国務長官らはロシアを非難し、ウクライナ侵略を直ちに停止するよう求めた。
だが、安保理での拒否権保有を背景に常任理事国ロシアは開き直った。国際社会の平和を守る役割を担っているはずの安保理は、常任理事国が国連憲章を踏みにじり侵略を続けても止める術を持たない。
この残念な現実を日本国民は認識する必要がある。
岸田首相は
「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」
と繰り返し語ってきた。
これを聞いて多くの人の頭に浮かぶのは、台湾有事や尖閣諸島を含む日本有事、朝鮮半島有事の恐れだろう。
常任理事国の中国が台湾に軍事侵攻したり、日本を侵略したりすればどうなるか。
北朝鮮が日本や韓国を攻撃すればどうなるか。
中国やロシアが安保理で拒否権を行使できる以上、安保理が侵略をやめさせる手立てを講じるのは困難だ。
朝鮮戦争では安保理決議により朝鮮国連軍が創設された。
北朝鮮を支援したソ連は、安保理を欠席するという
「失策」
を犯したため、拒否権を行使できなかった。
今も朝鮮国連軍は日韓両国に存在し、朝鮮半島有事の際には機能できる。
今後、台湾などで有事が起きてもソ連の安保理欠席のような僥倖は望めまい。
中国やロシアの拒否権で安保理は機能不全に陥ることになる。
安保理の機能不全は、日本政府や安保専門家にとっては自明の話だが、日本国民に理解が広がっているとは言い難い。
安保理に多くを期待できない日本は同盟国米国やオーストラリア、英国、韓国など有志国との安保協力が欠かせない。
台湾との連携も重要だ。政府はその必要性を国民に説くべきだ。
日本の常任理事国入りなど安保理改革は必要である。
ただし、既存の常任理事国の同意なしに拒否権廃止はできない。
中露両国が廃止に応ずることはあるまい。
日本は機能不全必至の安保理に頼らず、防衛力強化や同盟国、有志国との連携によって抑止力を高める必要がある。

主張
ウクライナと国連 世界は団結し支援強めよ
2023/9/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20230922-2GU7RD3KJRNHTCSYBDCFOYTUJY/
ウクライナのゼレンスキー大統領が、国連の総会と安全保障理事会でのウクライナ情勢に関する首脳級会合でそれぞれ演説した。
ゼレンスキー氏は総会で、ウクライナ侵略を続けるロシアを非難し、
「侵略者を倒すために団結しなければならない」
と呼びかけた。
ロシアについて、食料や占拠した原発を
「武器化」
して多くの国々を
「脅している」
と批判した。
ロシアが世界の脅威になっている点を指摘したということだ。
岸田文雄首相やブリンケン米国務長官らも出席した安保理首脳級会合でゼレンスキー氏はロシアの
「犯罪的な侵略」
を非難し、露軍撤退を要求した。
ゼレンスキー氏の対露非難と国際社会への団結の呼びかけはもっともだ。
国際法と人道に反するロシアの侵略は絶対に成功させてはならない。
加盟国はゼレンスキー氏の叫びを真摯に受け止め、効果的な支援を継続しなければならない。
ロシアのラブロフ外相は首脳級会合で
「モスクワはキーウ政権の犯罪行為を阻止するためにウクライナに介入せざるを得なかった」
などと侵略の正当化を図ったが、少しの説得力もなかった。
ロシア代表団はゼレンスキー氏が自国(ロシア)よりも先に発言することに不満を表明したが、安保理議長国のアルバニアのラマ首相は
「ロシアが戦争をやめればゼレンスキー氏が発言することもない」
と一蹴した。
侵略が始まってから1年半以上が経ったが、ウクライナの抗戦と各国の制裁にもかかわらずロシアは撤退を拒んでいる。
どの国も侵略の余波を受けているが、最も苦しいのは命を賭して祖国を守っているウクライナの人々だ。
国際社会は支援を躊躇ってはならない。
ゼレンスキー氏の国連総会での演説では、2022年のオンライン演説時よりも空席が増えたのは否めない。
それでも、加盟国の大半はロシアの侵略を難ずる立場を崩していない。
ロシアとともに新興5カ国(BRICS)を形成するブラジルと南アフリカの大統領もウクライナの立場に理解を示す演説を行った。
岸田首相は首脳級会合で
「日本はウクライナと共にある」
と述べた。
日本はウクライナ支援の中核となり、ロシアの横暴を許さない国際社会の団結を高める役割を果たすべきだ。

岸田首相、安保理改革の必要性強調 理事国拡大訴え
2023/9/21 19:34
https://www.sankei.com/article/20230921-YU3MLH67SBJO5DOHSGXWYF2YGU/
岸田文雄首相が2023年9月20日午前(日本時間21日未明)のウクライナ情勢に関する国連安全保障理事会の首脳級会合で強く訴えたのは、早期の安保理改革の必要性だ。
首相は安保理の常任理事国でありながら侵略を続け、国連憲章を踏みにじるロシアを非難し、常任・非常任理事国の拡大を含めた抜本的な改革を求めた。
「安保理の一常任理事国が、法の支配を蹂躙していることが原因で我々はこの場に集まっている」
首相は会合の冒頭、ロシアを真っ向から批判した。
ロシアが安保理で自国に対する非難決議案に繰り返し拒否権を行使して否決している現状も改めて問題提起した。
ロシアの一連の行動は、安保理の機能不全を白日のもとに晒した。
弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮にも有効な手立てを打ててはいない。
首相は対抗策の1つとして理事国の拡大を掲げた。
2023年9月19日夜(同20日午前)の一般討論演説では、ロシアの侵略に中立的な立場を取るグローバルサウス(新興国・途上国)を念頭に、
「世界は大きく変わっている」
「現在の世界を反映した安保理が必要だ」
「常任・非常任理事国双方の拡大が必要だ」
と訴えた。
首相が安保理改革の旗を振るのは、東アジアに有事が飛び火した場合、対応出来ないとの思いがあるからだ。
ロシアのプーチン大統領は2023年9月、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談した。
両国の軍事協力が進めば、東アジアの安保環境は一層不透明さを増す。
中国も台湾や南シナ海への領土的野心を隠していない。
首相は首脳級会合で
「ウクライナ侵略は世界中で『無法の支配』への懸念を深刻化させた。第2、第3のウクライナを生み出してはならない」
と警鐘を鳴らした。
来年は東アジアの危機に直面する日米韓3カ国が常任・非常任理事国として安保理に同時に在席する年となる。
首相はこの機を捉え、安保理改革を自ら主導する必要がある。

露の拒否権剝奪を主張 ゼレンスキー氏、国連安保理で
2023/9/21 17:01
https://www.sankei.com/article/20230921-7W2SIDRKQ5PS3JLAJ6AYQ3F22I/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2023年9月20日、国連安全保障理事会の会合に出席し、常任理事国のロシアが
「拒否権を悪用している」
として剝奪を訴えた。
ゼレンスキー氏がニューヨークの国連本部で安保理に直接出席したのは初めて。
ロシアの代表団も参加したが、ラブロフ外相はゼレンスキー氏の離席後、会場に入った。
ゼレンスキー氏は
「侵略者が拒否権を握っていることが、国連を行き詰まりに追い込んでいる」
と指摘。
国連加盟国の3分の2以上が賛成すれば拒否権を無効にできる仕組みの創設を提案し、常任理事国には日本やドイツ、インドが含まれるべきだと改革を主張した。
ラブロフ氏は
「拒否権は組織を分断させるような決定を阻止する正当な手段だ」
と反論した。(共同)

ゼレンスキー氏、撤退求めロシア批判 ラブロフ外相と論戦 安保理
2023/9/21 7:22
https://www.sankei.com/article/20230921-CD5XZHVBJVJD7BBOBLMRSKR5PM/
国連安全保障理事会は2023年9月20日の公開会合でロシアのウクライナ侵略を巡る国連憲章の原則を討議した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は
「領土保全の原則」
に沿った露軍撤退を求めてロシアを批判、独自の和平案も提示した。
ロシアはラブロフ外相が反論し、
「民族自決の原則」
を唱えて
「住民投票」
を通じた一方的な併合を正当化した。
ゼレンスキー氏の対面での安保理会合出席2022年2月のロシアの全面侵攻後初めて。
議場でロシアの代表団と対面する異例の会合となった。
ロシア側はゼレンスキー氏の出席に反発したが、議長国アルバニアのラマ首相は
「ロシアが戦争を止めれば、ゼレンスキー氏は安保理に来なくてすむのだ」
と異議を却下した。
ゼレンスキー氏は演説で
「ウクライナは自衛権を行使している」
と強調し、ウクライナへの軍事支援や対露制裁は
「国連憲章を守ることに資する」
と訴えた。
ゼレンスキー氏はまた、自らの和平案
「平和のフォーミュラ(公式)」
が掲げる
「領土保全」
の具体的な内容を説明し、ウクライナ領からの
「露軍と親露派勢力の撤退」
を要求した。
更に黒海とアゾフ海、クリミア半島とウクライナ本土の間に位置するケルチ海峡を含む全ての国境と排他的経済水域(EEZ)の
「完全な管理再開」
を求め、これら2点の実施だけが停戦に繋がると述べた。
これに対し、ラブロフ氏はウクライナ南部クリミア半島や東部ドネツク、ルガンスク両州で
「国連憲章が定める民族自決の原則に完全に則した住民投票が行われた」
と語り、ロシアへの併合は住民の意思によるものだとの立場を強調した。
ラブロフ氏は、ゼレンスキー氏が演説を終えて退席した後、安保理の議場に姿を見せた。
会合には62カ国・地域の代表が参加。
岸田文雄首相やエクアドルのラソ首相、ガーナのアクフォアド大統領ら多数がウクライナへの連帯を示した。
他方、中国代表は
「国連憲章は全ての国の正当な安全保障上の懸念を真摯に考慮している」
とし、ウクライナを
「脅威」
とするロシアの主張に理解を示した。
拒否権を持つ常任理事国ロシアの反対により安保理がウクライナ問題に対応できないことから、安保理改革を求める声も続出。
ゼレンスキー氏は
「拒否権」
の規定を変え、国連総会の3分の2の賛成で覆せるようにすべきだと主張した。

「ゼレンスキー氏の独り舞台」 ロシア大使いら立ち隠さず 安保理
2023/9/21 7:51
https://www.sankei.com/article/20230921-KVUQAWWW6NLLJLP3FMOJEU4UXI/
「なぜウクライナ大統領が優先されるのか」。
2023年9月20日の国連安全保障理事会の会合で、参加国として最初の発言をゼレンスキー大統領に認めた議長国アルバニアに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は苛立ちを隠さず、議長との間で10分以上も非難の応酬となった。
ゼレンスキー氏は表情を変えずに見守った。
会合冒頭、議長を務めたアルバニアのラマ首相がゼレンスキー氏に演説を許可。
ネベンジャ氏は、首脳級が出席している他の国が先に発言すべきだと主張し
「議長国が安保理をゼレンスキー氏の独り舞台にしようとしている」
と不満を口にした。
ラマ氏は事前に演説順を案内しており、規則や慣例からも逸脱していないと反論。
ネベンジャ氏から
「議長国の汚点になる」
と責められると、
「ロシアが戦争をやめればゼレンスキー氏が発言することもない」
と不快感を露わにした。
ネベンジャ氏が発言を求める際、目の前にあるロシアの国名が書かれたプレートを鉛筆で叩いた場面もあり、険悪な雰囲気が広がった。(共同)

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/824.html#c7

[政治・選挙・NHK291] <(権力者は庶民を)殺しにかかっている>正社員34歳、食料配布でしのぐ生活(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
65. 2023年9月26日 04:57:16 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-5]
<■118行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
民主主義の形
第4部 つなぐ(3)自由かパスタか 「優等生」試練 チュニジア「中間層」の没落
2023/9/25 8:00
https://www.sankei.com/article/20230925-XFI24KWVEBAURPZ3UM2OI6YZNY/
北アフリカ・中東地域で2011年に本格化した民主化運動
「アラブの春」

「優等生」
とされたチュニジアの民主主義が今、揺れている。
2023年8月の猛暑下、中部シディブジドを訪れると、ある建物に若者の顔があしらわれていた。
脇には
「自由と尊厳の革命」
と記されている。
2010年末、無職で失意の末に焼身自殺を図ったモハメド・ブアジジ=当時(26)=だ。
若者の失業率が約10%に上る中、事件を機に反政権デモが広がり、大統領ジン・アビディン・ベンアリ(2019年死去、83歳)の長期独裁体制が崩壊。
「ジャスミン革命」
はアラブ各地に飛び火した。
民主化は他国で挫折したが、唯一、チュニジアで進んだ。
だが、革命の聖地にかつての歓喜はない。
「ベンアリ時代は治安が安定し物価も安かった」
「仕事は今もない」
「デモは国を混乱させた」。
無職男性(26)が唇を噛む。
政党政治は安定せず改革が先送りされたまま、新型コロナウイルス流行もあり、若者の失業率は37%。
ウクライナ戦争などの影響で物価は高騰し、2022年のインフレ率は8%と革命時を大きく上回り国民生活を直撃する。
2019年に就任した大統領のカイス・サイード(65)は2022年、新憲法施行で自身に権限を集中させた。
民主化に逆行するが支持する市民は少なくない。
■崩壊
「国民が求めるのは食用油やパスタだ」
「『民主主義など要らない』と考えても不思議ではない」
チュニジア労働総同盟(UGTT)事務次長、サミ・タフリが表情を曇らせた。
総同盟は2015年、民主化への貢献から他の業界3団体とノーベル平和賞を受賞した。
民主主義は経済の安定なしに育たないのか。
問いを解く1つの手掛かりが
「中間層」。
富裕層と貧困層の間にあり、経済の発展度を映すこの層が厚ければ、社会や経済成長は安定する。
政治参加への意識が高く、民主化を促すとも言われる。
アラブ6か国・地域の中間層の状況を分析した世界銀行の調査報告書によると、チュニジアは2000年代末に中間層が人口の6割を超え、平均値を大きく上回った。
一方、地元経済専門家は、今では国民の平均所得がアラブの春の当時から約1割減り、昇給しても物価上昇に追いつかないと説明する。
中間層の人口比は半減したとも言われる。
中東に詳しい金沢大学名誉教授の鹿島正裕は、
「成功例」
とされるほどチュニジアで民主化が進んだ要因に中間層の存在を挙げた上で指摘する。
「中間層が没落すれば、民主主義も没落しかねないということだ」
■幻想
では、経済が安定しさえすれば統治体制は重要ではないのか。
タフリは明確に否定した。
「民主主義でなければチェックが機能せず、腐敗が広がる」
「権力者が法を支配し、やりたい放題だ」。
健全な経済発展には透明性と公正さが不可欠であり、
「独裁の方が発展するとの考えは幻想だ」
と力を込めた。
チュニジアでは民主化以降、主要政党が支持者を公務員に大量採用し、財政を圧迫してきたことが問題だった。
有権者が憲法学者で無所属のサイードを選んだのも、元は
「クリーンな人物」
と期待したためだった。
アフリカの世論調査機関、アフロバロメーターによると、チュニジアで
「好ましい統治体制」
を問うと、
「体制は重要ではない」
との回答が2022年は27.5%に上り、過去10年間で倍以上に増えた。
ただ、
「民主主義」
とする回答は20ポイント近く減ったが、5割以上を占める。
民主主義を望む声までが消えたわけではない。
■チュニジア国民の思いは・・・(@2013年A2022年)
・民主主義はどんな統治体制より好ましい
@71%→A52.8%
・非民主的政府が好ましい時もある
@11%→17.6%
・どんな統治体制かは重要ではない
@12%→27.5%
■主なアラブ諸国の中間層の人口比(@2000年代【半ば】A2000年代【末】)
2000年代【半ば】平均36%→2000年代【末】平均42%
・チュニジア
@50.7%→A63.8%
・ヨルダン
@49%→A50%
・エジプト
@15%→A9%
・イエメン
@18%→A8%
★格差がもたらす分断・政治不信
日本有数のオフィス街の東京・大手町。
真新しい高層ビルにあるオフィスの眼下には皇居の緑が広がっている。
「あの時一歩を踏み出せて良かった」。
監査法人PwCあらたの子会社で、会計士と共に会計監査のデジタル化業務に当たる本地知見(32)はそう語る。
都心の一等地で働く本地だが、元々は百貨店や銀行などで非正規の職を転々としてきた。
与えられた業務をこなす日々。
時給も東京都の最低賃金に程近い1200円程度。
何よりも非正規だからと周囲に気を使われている自分が
「情けなく、自分を変えたい」
と思うようになった。
そんな時に知ったのがPwCの採用基準だった。
契約社員の募集だが、正社員登用の可能性があることが決め手となった。
入社後は同社の制度を使い、簿記やデジタル分野のリスキリング(学び直し)を実行。
約4年前には目標だった正社員に登用された。
生活も安定し、徳島県の両親に仕送りも始めた。
自身の性格も積極的になったといい
「30歳を超えても人は成長できるんですね」
と笑う。
リスキリングにより、非正規から正規へー。
本地のような好事例を増やすことは、岸田文雄政権の看板政策
「新しいし資本主義」
の実現、ひいては健全な民主主義にとっても重要な取り組みだ。
■危機
市場のメカニズムに依存し過ぎた結果、世界的に広がった所得格差。
日本も例外ではない。
2019(令和元)年の所得分布(再分配後)を内閣府が25年前の1994(平成6)年と比較したところ、低所得世帯が大幅に増加し、中央値は505万円から374万円へと131万も減少していた。
最低賃金近辺で暮らす労働者の割合が2割近くまで迫っていることを示すデータもある。
”1億総中流”と言われ、日本の高度成長と民主主義を繋いだ分厚い中間層は最早見る影もなくなっているのだ。
こうした現状を厚生労働省の元官僚で兵庫県立大大学院の特任教授、香取照幸は
「民主主義の危機だ」
と話す。
安定的な消費を生み出す中間層の崩壊は経済を停滞させ、社会の分断や政治不信を招き、時にはヘイトスピーチなど過激な言論も誘発する。
不安定な社会では、政治も支持が得られやすいポピュリズムに陥りがちで、健全な民主主義は醸成されなくなるからだ。
■不安
日本が高度経済成長にあった時代には、充実した社会保障と終身雇用や年功序列などの日本型雇用慣行が、老後や病気などによる金銭的な不安を払拭し、中間層を生み出していった。
しかし、高齢者に偏った社会保障や、終身雇用が崩れたことで若年層を中心に将来への不安が増大した。
セーフティーネットが不十分な中、新たな挑戦への意欲も削がれ、貧困が拡大。
結婚や子供を持つことを諦める人が増え、少子化を更に加速させている。
失われた”安心”をどう取り戻すのか。
香取は
「社会保障改革も重要だが、財源に限りがある中、若者に毎月10万円を配るようなことはできない」
「まずは安定した雇用や賃金が得られるように、労働慣行を変える必要がある」
と指摘する。
非正規の待遇改善や正規化が進めば、社会保障を最後のセーフティネットとしての本来の役割に専念させられるからだ。
日本の格差拡大の最大の要因は正規に比べ所得が相対的に低く抑えられている非正規労働者の増加だ。
格差がもたらす社会の歪みを解消する上でも、企業には安い人材への依存から脱却し、人材を育てることで成長を手にするという、発想の転換が求められている。
(敬称略)
■中間層の崩壊は社会経済を不安定化させる 25年間で低所得の世帯が増加した
年収:1994(平成6)年(中央値505万円)→2019(令和元)年(中央値374万円)、131万円も減少
・格差拡大中間層が崩壊

・社会の不安定化、消費の縮小、政治不信

・ヘイトスピーチ、ポピュリズム政治、反知性主義

・不公平な分配政策、更なる格差拡大

・民主主義の危機!
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/811.html#c65
[政治・選挙・NHK291] (処理水放出1カ月)タンク解体どう対応? 満杯が迫る汚泥、保管も課題(福島民報) 達人が世直し
9. 2023年9月26日 06:38:00 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-4]
<■66行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日本と中国が処理水めぐり応酬 IAEA総会
2023年9月26日 4時51分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230925/k10014206051000.html
IAEA=国際原子力機関の年次総会で、中国が福島第1原発の処理水を
「核汚染水」
と呼んで日本を強く非難したのに対し、日本側が安全性を強調して反論しました。
総会に出席した高市科学技術担当大臣は、放出に反対したのは中国のみだったなどとして、国際社会での理解は広がっているとの認識を示しました。
IAEAの年次総会は2023年9月25日午前10時過ぎ、日本時間の2023年9月25日午後5時過ぎからオーストリアの首都ウィーンで始まりました。
冒頭、グロッシ事務局長は、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の放出を巡り
「IAEAは独立した立場から状況の評価や分析活動を行っている」
「そのために現地に事務所も設け、作業による影響が出ないように最後まで関与する」
と述べ、今後も監視や評価活動を続ける方針を示しました。
総会では各国の代表が演説を行い、福島第1原発の処理水の放出を巡り、どのような反応を示すかが注目されています。
■中国代表 処理水を“核汚染水”日本を強く非難
このうち中国国家原子力機構の劉敬副主任は、東京電力福島第1原子力発電所の処理水を
「核汚染水」
と呼んだ上で
「日本は関係国の人々の強い反対を顧みず、海への放出計画を始め、国際社会の幅広い懸念を引き起こした」
と日本を強く非難しました。
■高市科学技術相“中国は科学的に根拠のない情報拡散”
これに対して、日本の高市科学技術担当大臣は
「IAEAのレビューで日本の取り組みは科学的基準に照らして安全であるという結論が示されている」
「日本政府は科学的根拠に基づき高い透明性をもって国際社会に対して丁寧に説明していて、幅広い地域が日本の取り組みを理解し支持している」
と述べました。
その上で
「IAEAの継続的な関与の下、『最後の一滴』の海洋放出が終わるまで安全性を確保し続ける」
と述べ、改めて国際社会の理解と支持を求めました。
更に高市大臣は中国の演説に反論して
「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信や突出した輸入規制を取っているのは中国のみだ」
と述べ、中国に対し
「科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信」
を求めました。
更に中国の代表が発言の機会を求め、環境や人体への影響に関する日本の説明が不十分だなどと主張したのに対し、日本の引原大使は
「安全性は日々のモニタリングで証明されている」
「中国のいくつかの原発から年間に放出されるトリチウムは福島第1原発から放出される計画の量の5倍から10倍に上る」
などと反論しました。
高市大臣はアメリカなどの代表と個別に会談した後、記者団の取材に応じ、放出について
「幅広い支持が得られていると感じた」
「個別の会談でもそう感触を得たし、演説で日本を批判したのは中国だけであることから見ても理解は広がっていると思う」
と述べ、国際社会の理解と支持を広げる努力を続ける姿勢を示しました。
総会は2023年9月29日まで行われ、ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の安全の確保や、イランの核開発などについても各国から発言が相次ぐと見られます。

処理水放出“トリチウム濃度 5回目も検出下限を下回る”環境省
2023年9月25日 11時53分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230925/k10014205841000.html
東京電力福島第1原子力発電所にたまる処理水の放出開始後から環境省が1週間に1回の頻度で行っている海水のモニタリングについて、5回目も全ての地点でトリチウムの濃度は検出できる下限を下回ったとする結果が公表されました。
東京電力福島第1原発にたまる処理水の海への放出後から環境省は1週間に1度の頻度で、海水のモニタリングを行っています。
5回目のモニタリングは、放水口の付近や遠い所でおよそ50kmの地点など福島県沖の合わせて11地点で2023年9月19日に海水の採取を行い、研究所でトリチウムなどの濃度について分析しました。
環境省は結果について2023年9月25日、11地点全てでトリチウムの濃度は検出できる下限値としていた1リットル当たり10ベクレルを下回ったと発表しました。
2023年7月27日の1回目から2023年9月21日の4回目までと同様の結果となっています。
環境省は当面1週間に1回の頻度でモニタリングを続け、結果はホームページやSNSで公表していくことにしています。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/819.html#c9

[政治・選挙・NHK291] 麻生太郎副総裁が公明党を「がん」呼ばわりの大暴言! 自公関係は再び決裂か?(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
40. 2023年9月27日 00:18:49 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-3]
<■226行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国こそ合成麻薬(フェンタニル)で世界を汚染
米国で毎日約300人が薬物死ー21世紀のアヘン戦争はもう始まっている
WiLL2023年11月号
在米日本人ブロガー Blah(本名・生年月日非公開。米国東海岸在住の日本人ブロガー)
■ゾンビタウンと化した米国
まるでゾンビの群れだー。
サンフランシスコ、フィラデルフィア、シアトルなど大都市の一角。
饐(す)えた体臭が混じる澱(よど)んだ空気の中、大勢の人々が屈伸をするように膝を折り曲げ臀部(でんぶ)を突き出し、あるいは芋虫のように地面に転がって、刹那の陶酔に身を委ねている。
中にはそのまま糞尿を垂れ流す者もいる。
誰も呼び掛けに反応することなく、辛うじて浅い呼吸に身体が揺れるのみだ。
辺り一面にはゴミが散らばり、注射針が転がる。
路上生活で擦れた衣服の裾から、ワニのように爛(ただ)れた皮膚が覗(のぞ)いている。
彼らは
「トランク(tranq)」
をやっているのだ。
トランクとは、動物用の強力な鎮痛剤キシラジンに、フェンタニルやヘロインといった合成オピオイド(麻薬性鎮痛剤)を混ぜた違法薬物である。
使用すると皮膚が炎症を起こし、脳の働きを鈍らせ、血圧や心拍数を下げ、無反応になることから”ゾンビドラッグ”とも称される。
オピオイドの過剰摂取に有効なナロキソン(ナルカン)が効かないため、非常に危険な薬物だ。
キシラジンは、獣医学の範囲では主に馬(日本では牛)への精神安定剤としての使用が承認されているが、人体に多大なダメージを引き起こす可能性があるとして、ヒトへの使用は認められていない。
トランクの常習者に特徴的なのが、
「腐った皮膚」
と表現される重度の皮膚潰瘍や壊死で、最悪の場合は手足の切断に至ることもある。
近年、米国では薬物の蔓延がかつてないほど深刻化している。
保険調査団体KFFが2023年8月に行ったリサーチでは、調査対象であるランダムで選ばれた成人の約4人に1人が
「自分や家族の誰かが処方鎮痛剤、その他の違法なオピオイドの中毒になっている」
と答え、成人の約10人に1人が
「薬物の過剰摂取で家族を亡くしている」
と回答した。
オピオイドの中でも、特に問題となっているのがフェンタニルだ。
フェンタニルは危険な薬物であり、致死量は僅か食卓塩10〜15粒(およそ2ミリグラム)相当である。
触ったり吸ったりするだけで致命的になることもあるため、過剰摂取の現場に対応する救助隊員は、細心の注意を払わなければならない。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国ではフェンタニルを含む薬物の過剰摂取による死者が2016年から2021年にかけて3倍超に増加、2021年だけでも10万人以上、2022年にはおよそ11万人が死亡している。
単純計算すれば、全米で毎日約300人がフェンタニルに殺されているのだ。
恐るべき数字である。
■仕掛け人は中国
フェンタニルの強力な中毒性は重度の常用者を量産する。
ミュージシャンのトム・ペティやプリンスの死因もフェンタニルの過剰摂取なのは有名だ。
「ヘロインの効きが弱くなった」
と言って、フェンタニル入りのドラッグを少量嗜(たしな)む猛者もいる。
こうした要因から、フェンタニルは大規模な薬の過剰摂取を引き起こし、2022年の薬物過剰摂取による死亡数の3分の2以上に関与していた。
フェンタニルは史上最悪のドラッグであり、年間でおよそ11万人の米国民を死に至らしめている。
実はこのフェンタニルを米国にもたらしたのは中国だった。
2013年頃から、ネット上の闇サイト「ダークウェイブ」や仮想通貨市場で違法薬物が取引されるようになり、緩い郵便規制を利用してUSPS(アメリカ合衆国郵便公社)や、国際発送サービスのUPSやDHLを介して、中国から米国に運び込まれていたのだ。
「チャイナ・ホワイト」
と呼ばれるこのフェンタニルは、少量で効果があり、密輸しやすく、瞬く間に違法薬物市場を圧倒した。
危機感を覚えた当時のトランプ政権は2017年10月、米国の薬物危機について公衆衛生上の非常事態宣言を発令。
「米国は、政治、経済、宗教、心理、文化、思想など社会的要素の全てを兵器化した『超限戦』を中国共産党に仕掛けられている」
とハッキリ認識し、習近平国家主席を名指しで批判した上で、中国による米国へのフェンタニル輸出規制強化を要求し圧力を掛けた。
そして2017年以降、トランプ前政権の圧力により中国当局が取り締まりを強化したことで、中国から米国に直接流れ込む量は格段に減った。
しかし、バイデン政権の薬物問題に対する姿勢はだいぶ悠長なものに見える。
トランプ政権退陣と共に、そうした取り決めも有耶無耶になり、フェンタニルの猛威は拡大するばかりであった。
トランプ政権のおかげで中国からの直接流入は減ったものの、現在はフェンタニル流入の別ルートが出来上がっている。
中国がフェンタニルの前駆体となる化学物質をメキシコに輸出、それをメキシコの麻薬カルテルが精製し、米国内に密輸して売り捌くという
「中国(原材料)〜メキシコ(加工)〜米国(市場)」
のトライアングルが完成しているのだ。
フェンタニルは他のオピオイドに比べ、製造が遥かに容易でコストも安い。
例えば、ヘロインの製造には広大なケシ畑とそれに伴う労働力が必要で、当局の目にも付きやすいが、フェンタニルの製造は通称「ラボ」と呼ばれる掘っ立て小屋1つあれば作業をこなすことができる。
コストの低さも重要だ。
ヘロイン1kg当たりの栽培コストは約6000ドルだが、フェンタニルは1kg当たりの原料代は200ドルに満たない。
更に微量でも効き目が強大なフェンタニルは、運搬や利益率といった点からも他を圧倒したため、ドラッグカルテルたちは飛びついた。
これまではメキシコのカルテルが、米国におけるほぼ全てのドラッグ(ヘロイン、コカイン、マリファナなど)を供給してきた。
しかし、米国内で流通しているフェンタニルの99%は、その前駆体となる化学物質が中国の研究室で製造されたものだ。
これは中国が米国に仕掛けた”21世紀のアヘン戦争”なのである。
■まさに「大量破壊兵器」
トランプ前政権同様、数多くの専門家たちも中国由来の違法薬物の蔓延を
「米国に仕掛けられた戦争」
と認識し、フェンタニルが米国社会にもたらす打撃を見ると、確かに深く頷(うなず)ける。
2021年、18歳から45歳までの米国人の死亡原因1位はフェンタニルであった。
これは、国力維持に欠かせない資源採掘やインフラ整備といった過酷な肉体労働者層、更に国難の際に必要となる徴兵可能な層がごっそりと削がれていることを意味する。
貴重な労働人口が減るだけではない。
税収は減り、医療費は嵩(かさ)み、警察組織や裁判所といった司法制度も圧迫し、治安は乱れ、自治体や非営利団体も疲弊し、手が足りない。
実際にコロナ禍では、麻薬性鎮痛剤の乱用による死者が急増し、経済的損失は2020年だけで1兆4700億ドルに上っている。
だからこそ米国は、フェンタニルが中国から仕掛けられたハイブリッド戦だと認識するのである。
内側から国を破壊する、宣戦布告なしの”静かなる戦争”なのだ。
米麻薬取締局(DEA)によれば、2022年に押収されたフェンタニルの錠剤は5060万錠に上り、2021年と比べて2倍以上に増えた。
更に粉末状のフェンタニルも4.5トン以上が押収されており、これらは約4億人分の致死量に相当するという。
まさに
「大量破壊兵器」
である。
これらの惨状を踏まえ、2023年7月25日、米国下院は米国内でのフェンタニルの蔓延において中国当局者の責任を追及する法案、
「2023年中国フェンタニル阻止法案(Stop Chinese Fentanyl Act of 2023)」
を可決した。
同法案は2019年の制裁法における
「外国人フェンタニル密売人」
の定義を拡大する形で、合成オピオイドや前駆体の生産、販売、流通、資金調達に関与する中国企業の摘発を可能にするものだ。
また、オピオイド密売を防止するための
「信頼できる措置」
を取らなかった中国国内の企業や、オピオイド密売と戦うことを怠った中国高官に制裁を科すという。
これまでは中国犯罪組織がメキシコに出荷するのは汎用性の高い未規制の化学物質であり、これを麻薬の前駆体として使用するのはメキシコ側の製造施設であるため、出荷元の中国組織側が罪に問われることはなかった。
中国の化学・製薬産業に対する監視・規制の緩さも問題であるが、更に汚職や賄賂、マネーロンダリング、背景にちらつく中国共産党の影など取り締まりの壁になる懸念材料はいくつもあり、バイデン政権がより厳しい態度で臨まねば事態は一切進展しないことが予見される。
中国の組織は、何度か中国やラテンアメリカで利益をドルや人民元、現地通貨の交換や商品化を通じて合法的な資金へと変え、麻薬取引の痕跡を消す。
彼らの仕事は組織的かつ迅速で、大量のマネーロンダリングを最短で済ませることができる。
メキシコのカルテルにとって、中国のマネーロンダリング組織は非常に重要な存在なのである。
■世界中に中国アヘンの毒が
中国からの”アヘン戦争”に苦慮しているのは米国に限った話ではない。
カナダもここ数年、違法フェンタニル問題を抱え、2023年1月には、バイデン大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相、メキシコのロペス・オブラドール大統領の3者により、フェンタニルの脅威に対する戦略を策定するため
「米墨加フェンタニル委員会」
を設立している。
更に、東アジアも中国違法薬物に汚染されている。
中国からの前駆体化学物質は、ミャンマー、ラオス、タイが隣接し合う通称
「ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)」
は今や、世界最大の覚醒剤生産地なのである。
加工された覚醒剤は、中国の麻薬密売網を通じて、アジア、オーストラリア、ニュージーランドへと運ばれていく。
オーストラリアのダークマーケットに出回る覚醒剤は今も中国系犯罪組織が仕切っているが、これはミャンマーで製造されたものだ。
世界中に中国アヘンの毒が回りつつあるのだ。
幸い日本は北米や東南アジアのような規模の違法薬物問題は起きていないものの、それは国民性や法規制による所が大きい。
しかし近年、少しずつ中国の魔の手は日本にも伸びている。
2019年6月、静岡・伊豆の港で船舶内から覚醒剤約1トン、末端価格にして約600億円分が押収され、居合わせた中国籍の男7人が逮捕されたのだ。
男らは、洋上で船から船へ物資を積み替える
「瀬取り」
で覚醒剤を受け取り、日本国内に持ち込もうとしていたという。
2022年1月には、覚醒剤を機械の部品に隠して密輸したとして、指定暴力団の稲川会と住吉会の傘下組員ら男女7人が逮捕された事件も興味深い。
発送元はメキシコ最大級の麻薬カルテルCJNGと見られ、メキシコから香港・中国経由で日本に持ち込まれた。
押収量は約170kg、末端価格にして約100億円だったという。
最近でも、2023年6月、アラブ首長国連邦(UAE)から中国経由で覚醒剤を船で密輸したなどとして、関東に住む中国籍の男女4人が逮捕されている。
覚醒剤とみられる粉末は約700kg、末端価格は計434億円相当で、国際的な密輸組織が関与した疑いがある。
日本における違法薬物の密輸は依然として覚醒剤が多いが、若者の間で人気の大麻もそのシェアを伸ばしている。
密輸の検挙事例、特に大捕り物を見ていくと、やはり中国やメキシコの組織や個人、経由地や船舶倉庫などが目立つ。
とはいえ、元締めにメキシコのカルテルや中国の麻薬マフィアがいても、取引相手や末端の雇われは日本国内の暴力団から外国人留学生まで様々だ。
とりわけ、日本に不法滞在している者は定職に就きにくかったり、犯罪組織の言いなりにならざるを得なかったりといった理由で、運び屋や売人などになるケースも多いという。
しかし、どうだろう。
中国が世界各地で仕掛ける超限戦を、その
「静かなる侵略(サイレント・イノベージョン)」
に、日本は米国と同じレベルの危機意識を持って対峙しているだろうか。
疑問は残る。
■アヘン戦争は始まっている
中国の近代史はアヘンなしには語れない。
イギリスとの間に起きた1840〜42年のアヘン戦争に敗れると、
「眠れる獅子」
と恐れられた清は傾き、日清戦争以降は欧米諸国の半植民地となった。
その後、イギリスに代わったのが実は日本だ。
中国で展開された列強による利権獲得競争に後れを取るも、イギリスの後を追うように、関東軍をはじめ中国大陸に派遣された日本軍が、アヘンや麻薬の密貿易で莫大な資金を作った。
その報復を、中国が虎視眈々と狙っていないと、誰が言い切れようか。
かつて毛沢東は、軍を増強し、必要な兵器や資金を調達するために、アヘンを育てて販売していた。
そのビジネスモデルは、欧米列強や日本が彼らに仕掛けたやり口と変わらない。
現代の中国も同じ戦略を受け継いでいる。
ロイター通信によると、元CIA副局長ジョセフ・ドグラス氏は著書『赤いコカイン』(1990年)の中で、中国共産党が如何にヘロインとアヘンを貿易で推し進めてきたかを次のように記しているという。
「世界の麻薬物流の裏に共産主義国がいる」
「この政権は薬物を武器に西側諸国を攻撃している」
2014年、米軍特殊作戦司令部は戦略白書
「非慣習的戦争への対応」
を発表したが、そこには
「薬物戦」
も一種の戦闘形態であると記されているそうだ。
新たなアヘン戦争はとっくに始まっている。
しかしバイデン政権は中国に対して及び腰の上、メキシコとの国境をガラ空きにしたまま、凶悪犯罪者や大量の違法薬物を米国内に入れている有り様だ。
2023年7月、国境問題に対応するテキサス州のマイケル・マッコール米下院外交委員会委員長(共和党)は、
「中共とロシアがメキシコでスパイ網を拡大している」
と懸念を示した。
米麻薬取締局(DEA)の元特別捜査官デレク・モルツ氏も、こうしたスパイたちは米国あるいは米国付近での諜報活動が目的だとしている。
カルテルとのより密な違法薬物オペレーションのため、メキシコに中国人軍隊を設立している可能性もあるというのだ。
まるで前線基地への足場固めのように聞こえる。
バイデン政権は、中国と馴れ合いの交渉に明け暮れるのではなく、米国民の命を救うため迅速に行動しなければならない。
さもなければ、全米に荒廃したゾンビドラッグが溢れ、弱体化した所を中国に取って喰われるだけだ。

WiLL2023年11月号
ジャーナリスト 高山正之
評論家 石平
■大国の風格などない
★高山
世界第2位の経済大国であり、国際的にも米国に次ぐ立場になった中国だけど、果たして大国と言えるのか。
米国の国務長官、ブリンケンが2023年6月に訪中し、王毅と会談した。
会談の中心テーマの1つが
「フェンタニル」
の問題だった。
フェンタニルは医薬用合成麻薬のことで、中国が中心になって製造し、メキシコ経由で米国に流れ込んでいる。
モルヒネの50倍も強い鎮痛剤であるフェンタニルは、末期の癌患者の苦痛を緩和するために開発されたけど、米国では毎年、物凄い数の人が過剰摂取で死んでいるとか。
★石平
米国では2021年、薬物の過剰摂取で死亡した約10万7000人のうち、3分の2がフェンタニルによるものだそうです。
★高山
米国側は中国にフェンタニル輸出をやめろとトランプの時代から文句を言っている。
バイデン政権もつい先日、中国国内の4つの製薬会社と、そこの役員8人に逮捕状を出したと発表した。
そう言われる国が
「中国は大国だ」
とか、
「中華民族の復興」
とか、よく言う。
先述したように、ブリンケンと王毅との会談の主要テーマがフェンタニル。
2大超大国がトップ会談で語る内容かと呆れ返る。
中国はフェンタニルとヘロイン以外で世界を脅かす産業を興したのか。

公開 2018年6月3日
コカイン中毒死が急増:原因は合成オピオイド「フェンタニル」の混入
https://www.buzzfeed.com/jp/scottpham/cocaine-fentanyl-opioid-overdoses-1

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/815.html#c40

[政治・選挙・NHK291] 麻生太郎副総裁が公明党を「がん」呼ばわりの大暴言! 自公関係は再び決裂か?(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
41. 2023年9月27日 00:37:56 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-2]
<▽31行くらい>
麻生さん、よく言った。
麻生さんの発言に同感だ。
保守層では麻生さんに共感する人は多いんじゃないかな。

公明幹部を「がん」と批判の麻生氏、「山口氏らが問題だったという意図だ」
2023/9/26 17:44
https://www.sankei.com/article/20230926-543Q22BXVJLX3FLB4OKRK6MOYE/
自民党の麻生太郎副総裁は2023年9月26日、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を含む安全保障関連3文書への対応を巡り、公明党の山口那津男代表ら幹部を
「がんだった」
と批判した自身の発言について
「山口氏らが問題だったという意図だ」
と説明した。
共同通信の取材に答えた。
麻生氏は2023年9月24日の福岡市での講演で、反撃能力保有を巡り公明は専守防衛に反すると主張していたとして、山口氏、石井啓一幹事長、北側一雄副代表を名指しで
「がんだった」
と批判した。

麻生氏、公明の山口代表らを名指しで「がん」と批判 安保3文書巡り
2023/9/26 16:25
https://www.sankei.com/article/20230926-4MOU37T64BPC3OMARB5AWX3VGI/
自民党の麻生太郎副総裁が福岡市内での講演で、岸田文雄政権が2022年末に閣議決定した反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を含む安全保障関連3文書への対応を巡り、公明党の山口那津男代表ら幹部を名指しで
「一番動かなかった、がんだった」
と批判した。
山口氏は2023年9月26日の記者会見で
「麻生氏がどういう意図で話したか分からず、評価は控えたい」
と論評を避けた。
講演は2023年9月24日。
麻生氏は
「北朝鮮からどんどんミサイルが飛んでくる」
「だが公明党は専守防衛に反するという理由で反対」
「現実をよく見てみろ」
と指摘した。
山口氏、石井啓一幹事長、北側一雄副代表や創価学会が
「がんだった」
とした上で
「今は時代が違う」
「ウクライナみたいに日本が戦場になると言い続け、納得するという形になった」
と語った。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/815.html#c41

[原発・フッ素54] 「元議員が聞いて呆れる」田嶋陽子氏、処理水放出で「魚の形変わる、気持ち悪い」発言に非難殺到…放送した局の姿勢に疑問も(… 蒲田の富士山
12. 2023年9月27日 15:36:50 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-1]
<■281行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
それでも「中国と対話せよ」ってか!? サントリー新浪社長の妄言
経済同友会も経団連も”国賊団体”と言っても過言じゃない!
WiLL2023年11月号
大王製紙元会長 井川意高
元山口組系組長 猫組長
■まさに”国賊団体”
★猫組長
中国が福島第1原発の処理水を巡って、
「核汚染水だ」
と騒がしいですね。
一方で、気になるのは日本側の反応です。
★井川
サントリーの新浪剛史(にいなみたけし)社長は、中国市場は重要だとし、
「汚染水」
騒動があっても
「しっかりとコミットしていきたいと思っている」
と強調、
「そのコミットメントを揺るがすようなことが起こるというのは大変遺憾」
と語りました。
佐治信忠さんが社長、新浪さんが副社長の頃から個人的にもお世話になっていたのですが、そこは置いておいて(笑)、残念な発言ですね。
もう脱中国してもいいのに。
★猫組長
一方で、経済同友会の代表幹事も務める新浪さんは、定例記者会見で
「日本政府の行った(処理水放出の)プロセスは科学的根拠に基づいたものだ」
「プロセスそのものは正しいと考えている」
と、真っ当な見解を示しています。
ただ、
「中国との関係作りをやっていかなければならない」
「中国は地理的に近い隣国であり、常にコミュニケーションを取れる関係を築いていただきたい」
「中国政府とのコミュニケーションを通じ、邦人に対する被害が起こらないようにしてもらいたい」
「この対話が非常に重要だと思う」
と言っていますが、対話が通じる相手ではないでしょう。
新浪さんも苦しい立場ですよ。
サントリーの売り上げの50%以上が海外事業で、実に70%の利益率を占め、特に中国に依存している。
★猫組長
特に水が主力商品のようですから、
「汚染水」
と言われることに対して強く反論ができない。
★井川
現地ではウーロン茶も販売好調のようです(笑)。
ともかく経済同友会のみならず、住友化学会長の十倉雅和氏が会長を務める経団連も私は評価できません。
最早、経済同友会や経団連は高齢者の老人養護施設のような団体と化し、日本経済がイノベーション(変革)を起こせない要因になっている。
十倉さんは、政府の見解を踏襲しつつ、
「自由で開かれた経済を中国も一緒に世界で作っていこうと訴えたい」
と言っていますが、そんなのは幻想です。
いつまで中国依存を続けるのか。
伊藤忠の元会長で、中国特命全権大使を務めた丹羽宇一郎氏は媚中派の典型です。
大王製紙とは古い付き合いで、1年に2回、役員同士で会食したり、人事異動があればお互いに挨拶に行く仲でした。
でも、丹羽さんは名古屋大学在学中に学生運動をしていたし、共産主義体制の中国には、シンパシーを覚えていたのではないでしょうか。
丹羽さんのような媚中派が多いのは団塊世代です。
学生運動が盛んな時代で、丹羽さんも大学時代、学生運動にのめり込んでいた。
★猫組長
そんな人がよく伊藤忠に就職できましたね。
★井川
最後は体制側に付いたのでしょう。
「『いちご白書』をもう一度」(1975年、バンバンの楽曲)
の歌詞、
「就職が決まって髪を切った」
と同じ世界ですよ。
★猫組長
他の日本企業人にも、丹羽さんと似たような経歴を持った人がいるでしょうね。
★井川
財界団体でもう1つ問題なのが、陰に陽に外国人労働者の雇用を積極的に推進していることです。
安価な労働力目当てですけど。
★猫組長
そんなことをしたら、いつまでたってもデフレから脱却できません。
★井川
若い世代の給料も一向に上がりません。
しかも、川口市のクルド人問題を見ても分かるように、安易な移民受け入れは日本の治安悪化に繋がりかねない。
ところが、経済同友会や経団連は、負の部分には目を瞑って移民を奨励しています。
日本を破壊する行為に等しい。
”国賊団体”と言っても過言ではありません。
★猫組長
大王製紙さんは、財界とどのような距離を取っていたのですか。
★井川
父や私は財界活動を軽蔑していました。
そもそも製紙業界は競合企業との争いが熾烈です。
ですから、上部団体に頼る、という発想よりも、自分自身の努力で強くなることを模索しなければならない。
業界団体の
「日本製紙連合会」
には、流石に入らざるを得ませんでしたけど。
ところが、入ってみて分かったのですが、日本製紙連合会に上部の経済団体から”奉加帳”が回って来ることがありました。
★猫組長
あるプロジェクトへの出資や、献金などを要求された。
★井川
「経団連は〇億円出します」
「製紙連合会からは〇千万円、そのうち副会長職を務める大王製紙は2000万円出資してください」
と要求してくる。
そういう構図を知るにつけ、財界団体は実に唾棄すべきものだと思ったものです。
■進むも地獄、退くも地獄
★猫組長
日本の財界は中国と距離を置くことができない。
14億人という巨大マーケットを簡単に手放すことはできません。
実際に、日系企業などで構成される中国日本商会が発表した
「中国経済と日本企業2023年白書」
によると、2022年8〜9月、日系企業にアンケートした結果、中国での事業を
「維持・拡大」
とした日系企業が計93.7%。
★井川
パナソニック副社長で、中国日本商会会長の本間哲朗氏は
「大変、心強い」
と評価したとのことですが、信じられないですね。
★猫組長
1年前のアンケートですが、今回の
「汚染水騒動」
を受け、その数字がどう変化しているのか。
★井川
その中で、キャノンは中国・広東省の
「デジカメ工場」
を閉鎖しました。
御手洗富士夫会長を見直しましたよ(笑)。
★猫組長
キャノンのように長期的なリスクを見て、撤退したのは勇断です。
まだ中国に深く足を突っ込んでいなかったんでしょう。
大王製紙さんはどうだったんですか。
★井川
ユニ・チャームや花王が我々に先駆けて中国に進出したので、大王製紙もそれに乗り遅れまいと一生懸命、中国のことを勉強しました。
でも、よくよく調べてみると、リスクの方が大きいと判断せざるを得ませんでした。
というのも、現地で稼いだ人民元を決算上では合算できても、キャッシュとして持って帰ることはできないと分かったからです。
まるで子供銀行と同じですよ。
そんな紙切れを稼いでどうするのか。
★猫組長
実に厳しいですね。
★井川
それでも、中国には橋頭保を築くべきだと、大王製紙が20%出資する形で、現地の製紙会社と合弁で生理用ナプキンの工場を建設しました。
向こうは
「ベビー用紙オムツをやりたい」
と言ってきたのですが、我々はわざと難しい分野を選びました。
というのも、紙オムツの方が単価は高いのですが、万が一、失敗した時のことを考えて、撤退しやすいナプキン事業にしたのです。
私の時代は、中国とはそれ以上関わっていません。
私がいなくなった後は知りませんが。
★猫組長
井川さんのような距離感なら撤退も容易でしょう。
台湾有事の可能性も高まっています。
実際に起こったら、多大な損失が発生してしまう。
★井川
破局的な形でデカップリング(切り離し)が起こります。
それでお手上げになる日本企業はたくさん出てくる。
中国に進出している企業の経営者は、夜も寝られないでしょう。
進むも地獄、退くも地獄です。
いざ徹底となっても中国政府から嫌がらせを受ける。
★猫組長
その緊張状態のまま続けなければならない。
日本企業は中国に投資をし、従業員も多数抱える中、目先の利益だけしか考えていませんから、いきなり脱中国は難しい。
個人企業であれば別ですけど。
★井川
米国企業は既に中国とのデカップリングを始めています。
★猫組長
米国企業による中国に対する新規投資はどんどんなくなっている。
日本も米国に倣って段階的にデカップリングを進めればいいのですが。
★井川
だからこそ、今回の汚染水騒動は、中国に感謝したいくらいです。
実際に今回の騒動以前から、中国国内で日本車のシェアが低下しています。
EV(電気自動車)の影響でしょうが、日本の自動車メーカーにとっては良いことですよ。
あからさまに撤退すると中国政府から妨害を受けますが、シェアが落ちていると数字で示せば徹底もしやすい。
■中国が嫌いな日本人
★猫組長
日本産の水産物を全面禁輸しましたが、中国側の購入額はそれほど大したことはありません。
むしろ、日本国内での水産物の価格が落ち着くので結構なことです。
日本は内需の国ですから、外に目を向ける必要はありません。
それに中国の富裕層は、国内でいくら
「汚染水だ」
と言っても、日本の魚は美味いから食べますよ。
日本に旅行に来た中国人は、日本の高級寿司店で平気で食べています。
★井川
京都の老舗日本料理店の料理長と話す機会がありました。
「中国の問題で、高級和食や寿司の仕入れに何か影響はありますか」
と聞いたら、
「業者さんには申し訳ないけれども助かっています」
「半値になりましたから」
とのこと。
ナマコなどの高級食材を香港の業者が仕入れたりしていたので、値段が高騰したのです。
香港にいる弟から聞いた話によると、豊洲から朝一番に出荷された魚が、午後4時に香港に届くとのことです。
★猫組長
流通経路がしっかりしているんですね。
★井川
でも、その流れが断たれたので、日本の料理店からすると、有り難い状況です。
★猫組長
サントリーのウイスキー「山崎」にしても値段が高騰していますが、それも中国人のせい。
「山崎 55年」が約8500万円という値段で落札されましたが、中国人バイヤーが買い占めている。
日本にとってい迷惑です。
★井川
中国からのツアー客だって、別に来てもらわなくても構わない。
★猫組長
いらぬウイルスを撒き散らされても困りますから。
中国人観光客が来なくなって困る業者もいますが、それが商売です。
鳥インフルエンザが流行ったら焼き鳥屋は困る。
狂牛病が出たら焼き肉屋は潰れてしまう。
でも、それが商売ですから、リスクを想定するのは当然です。
★井川
そもそも一本足打法で、中国だけに依存する商売のやり方が間違っています。
中国に対して一定の距離を置くよう、日本企業は努力すべきです。
★猫組長
実際に日本人の多くは中国を嫌っているでしょう。
★井川
米国のシンクタンク「ビュー研究所」が2021年2月〜5月、174カ国を対象とした世論調査によると、中国を
「好ましくない」
と回答したのが多かった国は、日本(88%)、スウェーデン(80%)、オーストラリア(78%)などでした。
国民感情からすると、嫌中感情は高まっている。
日本企業の中国進出はやはり疑問に思わざるを得ませんね。
■一種のサイコパス
★猫組長
タレントからも今回の処理水騒動で中国側に立つ発言をする人物がいます。
★井川
ミュージシャンのGACKT氏が処理水を放出した2023年8月24日、X(ツイッター)で
「ニュースを見てたらこれも気になっちまった」
「日本の水産物、中国全面輸入禁止」
「やっぱり、安全基準内でも外から見たら異常だ」
「風評被害に対応するらしいが、輸入禁止の被害者を全てカバーできるのか?」
「中国への水産物の金額は1カ月で70億円」
「他にやりようがあったんじゃないのかなあ・・・」
(原文ママ)
と投稿しました。
★猫組長
失礼ですが、GACKT氏は一言で言えば、”ビジュアル系詐欺師”と言ってもいいのではないでしょうか。
彼の発信をいちいち気にする必要はありません。
2017年に生まれた仮想通貨「スピンドル」(ガクトコイン)の広告塔を務め、ファンを集めたイベントでは
「1000万円が2億円になった」
と、ファンからの投資を煽った。
その結果、上場前に総額220億円のカネが集まりましたが、いざ2018年5月に上場されると、その価値は大暴落。
一方、GACKT氏は広告塔としての報酬や、上場前に売り抜けたおかげで約17億円のカネを手に入れたとされている。
★井川
銭ゲバですよね。
★猫組長
本当にどうしようもない。
政治家からもおかしな発言が目立っていますよね。
共産党の小池晃書記長は
「(政府は)近隣諸国の理解を得る外交努力を怠ってきたと言わざるを得ない」
「海洋放出を中止して中国政府と事態の打開に向けた協議を行うべきだ」
と発言。
★井川
立民の石垣のりこ氏は
「汚染水」
を連呼し、海洋放出を批判しました。
他にも福島みずほ氏は福島・いわき市で抗議集会に参加した。
★猫組長
いつも通りですね(笑)。
彼らの”本家”は中国共産党ですから、本家の顔を立てるのは当然です。
ただ、彼らが悪質なのは、科学的に問題がない
「処理水」
であることを十分認識した上で
「汚染水」
と騒ぐこと。
そうすると、彼らの言い分を実際に鵜呑みにする連中がいる。
実に厄介です。
★井川
事実を理解していながら、
「汚染水だ」
と言い張る精神性が恐ろしい。
私にはそんな真似はできません。
自分のポジションのために平気な顔で嘘をつくわけですから、一種のサイコパスです。
★猫組長
”まともな精神”を持っていたら、共産党なんかに入党できませんよ(笑)。
立憲民主党もおなじですけどね。
★井川
英国のウィンストン・チャーチルは
「20歳の時にリベラルでないのなら情熱が足りない」
「40歳の時に保守主義者でないのなら、思慮が足りない」
という言葉を残しています(笑)。
★猫組長
まさしく至言です。
立民の泉健太代表は、
「党の見解は『処理水』」
として、魚を食べるパフォーマンスをしています。
★井川
泉さんは本質的に嘘をつけない(笑)。
★猫組長
良心を捨てていません。
ところが、同じ党でも石垣のりこや、阿部知子衆院議員が「X」で
「汚染水」
という表現を使って投稿する。
益々、泉さんの立場は悪くなるばかり。
「処理水」
が科学的に証明できないものだったら、
「幽霊怖い」
で仕方がない。
でも、トリチウムはそもそも水の中に含まれています。
濃度がどれほどかが問題なだけで、騒ぐ必要は何もありません。
科学が証明していますと一言で終わりです。
★井川
ところが、日本人の中にも、本当に怖がっている人がいます。
信じられません。
★猫組長
社会学者で、都立大教授の宮台真司氏は
「生体内でトリチウム水のままなら短時間(4日以内)で代謝されて生体濃縮の機会がないが、それを構成するトリチウム原子が有機物(蛋白や脂肪や核酸)と結合すると生体内に長く留まる間に(大部分は生物半減期40日で一部は1年)捕食されて生体濃縮され得る」
(2023年9月2日)
とSNSに投稿しましたが、中学生レベルの科学的知識があれば、トリチウムが生体濃縮しないことは明々白々です。
井川さんの血液検査をしたら、大好きなスピリタス(ウォッカ)だらけですか。
違うでしょう(笑)。
アルコールだって分解されるし、魚だってトリチウムを取り込んだら排出します。
排出できないと言うなら、トリチウムだらけの魚しかいなくなる。
でも、そんな状態になっていません。
★井川
宮台さんも痛々しいですね。
高橋洋一さんは
「ド文の社会学者だからなあ」
の一言で終わり(笑)。
更に驚いたのは、大椿ゆうこ社民党副党首(参議院議員)が、SNSに
「薄めても総量は変わらない」
と投稿したこと。
どういう発想なのか(笑)。
海の水を全て飲むつもりなのか。
それに日本よりも遥かに総量を上回っているのは、中国の処理水の方ですよ。
その点については何も言わないのは解せない。
ところが、どれだけ我々が科学的根拠を示しても、
「汚染水だ」
と叫んでいる人たちには何も響きません。
★猫組長
最早宗教ですから。
科学を否定する態度を示している時点で放っておくしかありません。
★井川
天動説か地動説かの議論と同じようなものです。
■自民党はもはや「第2立憲」
★猫組長
野党もだけど、自民党も実にだらしがない。
野村哲郎前農林水産大臣は
「汚染水」
と言い出す始末でした。
敵に塩を送ってどうするのか。
★井川
安倍さん亡き後の岸田政権は漂流しています。
安倍さんのレガシーを壊すことばかりしている。
LGBT法しかり、財務省主導の政策や、対中弱腰政策・・・など数え上げればきりがありません。
利権体質も酷い限りです。
自民党は最早
「第2立憲」
と言っても過言ではない。
★猫組長
最近の自民党の体質は、今に始まったことではありません。
歴史的な話をすると、日本は明治維新以降、これまで西洋に追いつき追い越せで国造りを進めてきました。
西洋思想を第1に邁進したのです。
ところが、先の大戦で敗戦国になり、一気に支配されるようになった。
LGBT法やSDGs、移民を押し付けられても、全て吞み込んでしまう。
米国の言いなりにならざるを得なくなっています。
中国もそんな日本を見ていますから、強気に出ることができる。
★井川
中国は戦勝国側であったことも大きいですね。
まあ、本当の戦勝国は中共ではなく、国民党政府でしたけど。
★猫組長
LGBT法やSDGsのおかしさに気付き、押し戻す力が日本から失われています。
かつて豊臣秀吉や徳川家康は、キリスト教の布教活動を禁止しました。
それは、布教活動と同時に、世界支配を進めようとした西欧の思惑に気付いたためです。
秀吉や家康が禁止できたのも天下の覇者であり、独裁的に推し進めることができたからですが、今の日本民主主義社会ですから、容易ではありません。
★井川
欧米諸国はLGBTや移民問題については失敗したと反省しています。
ところが、日本は周回遅れで始めようとしている。
おかしな話ではありませんか。
★猫組長
異次元の少子化対策と言いながら、同性婚を認める動きが出ています。
子供が減る政策を実行してどうするのか!
★井川
岸田政権の問題は国家観がないことです。
★猫組長
覚悟も見られません。
LGBT法の成立の際、今まで反対を表明していた議員も党議拘束がかかり、軒並み賛成に回ってしまった。
覚悟を持った政治家なら、自民党を離党する人が出てもおかしくありません。
しかし、そんな政治家は見られませんでした。
★井川
議員立法なのに党議拘束がかかるなんて、そんなバカな話はありません。
★猫組長
その点、共産党はぶれませんよね。
「汚染水だ」
と言ったらおかしな目で見られるのに、それでも貫き通すのですから。
覚悟があることは確かです(笑)。
★井川
自民党議員で1つだけぶれない点があります。
常に利権の匂いがする所に集まること。
保守の仮面を被ったシロアリ集団と化しています。
★猫組長
期待できる議員がなかなか見当たりません。
ヤクザの世界も同じです。
本物のヤクザだったら生きていけない。
長期間の懲役刑を受けているか、殺されているか、引退しているか。
今は暴力団ばかりで、任侠道なんてあり得ない。
任侠道は、あくまでも”企業理念”として存在していますが、有名無実と化しています。
★井川
”本物の政治家”だった安倍さんは暗殺されてしまいました。
尖っていたり、信念を持って活動していると、今の時代は実際に攻撃される。
言論には言論で返してほしいのですけど。
★猫組長
まさに、その通りですね。
本物の政治家の登場を望みたい。
気になる動きも出ています。
2023年10月17日、百田尚樹さんの
「日本保守党」
が結党宣言するとのことです。
★井川
私も日本保守党には微力ながらお手伝いをしたいと考えています。
★猫組長
そうですか、それは期待大ですね。
また次の対談、楽しみにしています!
http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/309.html#c12
[政治・選挙・NHK291] 汚染水放出計画に対する勧告4項目 「二つは日本が受け入れ済み」=韓国政府(聯合ニュース) 達人が世直し
10. 2023年9月28日 08:34:34 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[0]
<■294行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
朝日が中国に告げ口してるんだろ!
中国の主張を聞くと、「あれ、朝日で書いていたぞ」と思うことが・・・
WiLL2023年11月号
ジャーナリスト 高山正之
評論家 石平
■ハッキリと言ってやれ
★高山
福島第1原発の処理水の放出に中国が激高した。
「核汚染水」
などと騒ぎ立て、一般の人たちにも波及、連日、福島や東京の飲食店に、中国人からの迷惑電話が鳴り止まない。
★石平
「『汚染水』を飲みましたか?おいしかったですか?」
と言ってくるから、始末に負えません。
★高山
X(旧ツイッター)に気になる投稿があった。
「油头四六分(ゆとうしろくぶん)」
というハンドルネームを持つ中国人の男(本名不明)が動画をアップしたが、その中に、真珠御苑前の居酒屋「花ちゃん」の店の看板が
「国籍差別」
「人種差別」
だと怒るシーンがあった。
★石平
看板には
「中国人へ 当店の食材は全て福島県産です」
と書かれてあった。
★高山
中国人は怒りを露わにした後、日本語で警察に
「事件です」
と110番。
警察側は「花ちゃん」の店主に事情聴取までした。
中国人からすると
「中国人」
という文言が気に食わなかったらしい。
★石平
「中国人として、これは国籍差別に繋がると思います」
「なぜ中国人と書いてあるのか」
「消してほしい」
と抗議した。
店主は
「福島県産の物を使っているから、福島県産の食材が嫌だったら、うちに入らないでねって」
という意図なんだと説明しました。
★高山
動画を投稿した中国人は、過去に
「広島の特産品は原子爆弾だ」
と嘲笑していたことも分かっている。
とにかくとんでもないヤツだ。
「花ちゃん」の店主は侮蔑語も使っていない。
綺麗な言葉を並べて、それが皮肉になっている。
何の文句があるのか。
もう2昔前になるけれど、警視庁がピッキング犯罪急増に困って
「中国人かな、と思ったら110番」
というチラシを配った。
その時は実行犯の中国人から文句も出なかったけれど、あっちの手先みたいな朝日新聞がぐずぐず言って、チラシは回収された。
むしろ、日本人の思いをハッキリと言ってやった方が中国人のためになる。
★石平
ところが、日本政府はダンマリを決め込んでいます。
松野博一官房長官は原稿を棒読みするだけで、何の迫力もない。
★高山
”棒読み松野”と言われている。
外交官の答弁と同じだ。
「科学的に証明されている」
と紋切型に言うだけで反論になっていない。
★石平
だから、中国側は益々つけ上がってしまう。
★高山
中国による日本産水産物の輸入停止について、日本政府内では、WTO(世界貿易機関)への提訴も検討するとのことだが。
★石平
1つの方法ですが、日本が今やるべきことは、首相名義で習近平に公開質問状を出すことです。
「何を根拠に『汚染水』と言うのか」
「根拠を提示できなければ、中国は嘘を付いていることになるのではないか」
そんな内容を突き付ければいい。
しかも、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、韓国語・・・と、あらゆる言語に翻訳し、満天下に知らしめる。
習近平が窮地に立たされることは間違いありません。
■チンピラの因縁と同じ
★高山
そもそも中国人は日本の水産物の味なんか分からなかったのに、トロや蒲焼き、サンマまで食べるようになった。
★石平
処理水を放出した2023年8月24日以降、私は2〜3日置きに魚を食べています。
元々私は刺身料理好きということもありますけど(笑)。
中国の漁船が太平洋の漁場にまで乗り込み、サンマなどを乱獲したため、日本ではサンマが高騰している。
★高山
太平洋の漁場を荒らし放題に荒らした。
ところが、
「日本の水産物も太平洋も汚染された」
と言わせておけば、中国人は日本の水産物に手出ししなくなる。
実際、日本産の全ての水産物の輸入を停止する措置を中国政府が取ったことで、水産物の売り上げが落ちた。
業者からすると心配かもしれないが、日本では秋に大ぶりのサンマが食べられる状況が再び訪れるかもしれない。
★石平
それは結構なことです。
★高山
サンマを勝手に漁獲するなと言っても、言うことを聞く相手ではない。
マグロにしても、中国では消費量が急増していた。
豊洲市場のセリには中国人バイヤーが跋扈し、買い占めたりもしていた。
日本の素晴らしい食材が中国に奪われていたんだ。
でも、中国政府の
「汚染水」
宣言のおかげで、そんな日本の味覚荒らしが沈静化するなら皮肉な話だ。
そもそもコウモリを食って、コロナウイルスを世界に伝搬させた不浄国家が、
「『汚染水』が怖い」
なんてかわい子ぶって絵になると思っているのか。
★石平
むしろ、今回の騒動をきっかけに、中国が如何に酷い国であるかを世界中にアピールするチャンスです。
今まで中国は歴史問題で日本を叩いてきました。
でも、歴史問題ですから、真実の証明に難しい面があった。
しかし、今回のイチャモン騒動は、IAEA(国際原子力機関)をはじめ、米国や関係諸国が
「処理水として問題ない」
と認定しているのにもかかわらず、中国だけが
「『汚染水』だ」
と決め付け、騒ぐ。
★高山
そう!
中華人民共和国政府が事実に反し、公然と嘘を付き、それに基づいて、日本の水産物を禁輸する措置を取った。
チンピラの因縁と同じですよ。
そこまで文句を言うのなら、中国側で科学班を組織し、科学的・客観的に検証すればいい。
日本側に協力を要請してもいいでしょう。
でも、中国は絶対にそんなことをしません。
中国側も
「単なる処理水である」
ことは十分理解しているからです。
でも、外交カードとして使えるなら事実は二の次。
■中国に入れ知恵する朝日
★高山
中国側のもっともらしい反論を聞いていると、入れ知恵している日本人がいるんじゃないか。
実は
「処理水という表現でいいのか」
と盛んに疑問を呈したのが朝日新聞だった。
朝日新聞によれば、通常運転している原子炉の2次冷却水とか、高い濃度のトリチウム水はそれ自体が有害ではないとして各国とも排水している。
しかし福島では、世界が経験したことのないメルトダウンを起こした原子炉に溜まった核汚染水を濾過・浄化し、最後に真水にした中に高濃度トリチウムが入っていた。
それを同じ処理水と言うのは、どうなのかと。
つまり見かけは同じでも、”出自”が悪い。
朝日新聞の夕刊「素粒子」を担当して、今でもねちねち安倍さんの悪口を書いている
<坪井ゆづる>
が、その”出自”を言い立てている。
同じH2Oでも
「生まれがねえ」
と、まるで在日差別みたいな書き方をする。
「えっ、無害なの? なら海に流さず飲んだらどうなの?」
とも言う。
★石平
中国の言い分と同じです。
★高山
「汚染水」
の根拠にしても、どうも朝日新聞の入れ知恵を感じる。
中国の泰山原発群から放出されているトリチウムは、福島の
「処理水」
の最大6.5倍の濃度がある。
韓国の原発も平気でトリチウムを放出している。
それと福島の処理水は何が違うのかというと、メルトダウンという大事故を起こした福島第1原発由来だからというわけだ。
朝日新聞はその1点だけを追求する。
★石平
朝日新聞のロジックを中国政府がうまく生かしているわけですね。
★高山
中国の主張を聞くと、
「あれ、朝日新聞で前に書いていたぞ」
と思うことが多々ある(笑)。
先日の「素粒子」には
「IAEAの報告書は踏むべき手順の1つ」
「錦の御旗ではないはず」
とある。
そっくり同じことを中国の報道官、汪文斌が言っていた。
★石平
南京事件でも同じ構図です。
1980年代まで中国政府は南京事件について一言も言及していません。
私が高校生の時、歴史の教科書には、南京事件について一切掲載されていなかった。
ところが、朝日新聞の本多勝一記者が中国に行き、南京事件があったと焚き付ける記事を掲載した。
まさに朝日新聞の利敵行為で、中国が日本を攻撃するためのネタを提供した格好です。
それ以降、中国政府は南京事件を利用し、日本をあの手この手で攻撃してくる。
★高山
朝日新聞は南京大虐殺について、
「先陣を切った都城第23連隊がやった」
と報じた。
23連隊は怒り、抗議したが朝日新聞は逃げ回る。
中国は日本の一流紙が書いた。
やっぱりホントだったんだと、その報道を追い風に、江沢民時代には南京大虐殺の犠牲者数を10万人から30万人にまで跳ね上げてしまった。
1990年代、南京に行った時、本多勝一を案内した中国人に出会った。
「お前が嘘の元か」
と厳しく問い質した(笑)。
元獨協大学名誉教授の中村粲とも一緒だったから、わいわい反論した。
■安全保障に関わる問題
★石平
今回の
「汚染水」
騒動や南京事件を、日本がなおざりにするのは危険です。
というのも、日本の安全保障に関わる問題を孕んでいるからです。
中国は日本が
「汚染水」
を太平洋に放出したと息巻いている。
すると、ネット上で過激な書き込みが増加しました。
例えば、日本に核を何発撃ち込めば、全滅させることができるか、などという文言が躍った。
★高山
そこまでエスカレートしているとは。
★石平
もちろん、中国政府は日本に核攻撃するとは公言していませんが、中国人の間では、そこまで先鋭化している連中もいます。
「汚染水」
だけではありません。
南京事件でも、
「日本軍は南京市民30万人を虐殺したのだから、我々も東京大虐殺をすべきだ」
「直接できないなら、東京に1発、核を撃ち込むべきだ」
と主張する。
つまり、核恫喝の口実になっています。
★高山
防衛上、核を撃ち込ませないために、中国の言い分は間違っていると世界中に知らしめる必要があるわけだ。
★石平
その通りです。
「汚染水」
騒動と南京事件は、日本人を民族虐殺する際の格好の理由となるという点で、同質の問題です。
中国が嘘を付いていることは世界中に知れ渡っていますが、中国国内は違う。
実に危険な状況が沸騰しています。
だからこそ、日本政府はもっと積極的に反論すべきです。
インドでのG20で岸田首相は各国政府に理解と支持を求め、
「一部の国が日本産水産物の輸入を全面的に一時停止するなど突出した行動を取っている」
と述べ、暗に中国の対応を批判しましたが、もっとハッキリ言っていい。
★高山
言論戦略を考える時だ。
また朝日新聞のことを思い出したけど、新潟中越地震が2007年7月16日に発生した。
柏崎刈羽原子力発電所(東電)も揺れて、変電所から煙が出た。
ボヤなのに朝日新聞は原発で火事とか大々的に騒いだ。
何で風評を好んで立てるのか。
その後、東電が軽水炉の隣の核燃料貯蔵プールが地震の揺れで大きくうねって、貯蔵水が少しプールから溢れ出た映像を公表した。
そうしたら朝日新聞は、その発表を基に
「核燃料プールの水が溢れ、排水溝を伝わって流れ出た」
と騒いだ。
プール内には放射線の減速材兼遮蔽材として普通の水が入っている。
ただ水自体は遮蔽材だから、トリチウムを除けば
「汚染水」
とは呼べない。
それがバケツ何杯分か日本海に流出した。
それを朝日新聞は
「核燃料プールの放射能に汚れた水がドバーッと海に流れ出した」
風に報じた。
それが海水浴シーズンの直前だった。
朝日新聞の悪質な風評記事で、その年の日本海側の海開きが全て中止になった。
海の家や宿泊施設も含め30億円くらいの損害が出て、嘘を書いた朝日新聞でなく被害者の方の東電がそれを支払った。
風評をどうやって立てるのかの手本のような展開だった。
今度はそれを太平洋側に持っていき、中国が朝日新聞を手本に国家ぐるみで風評を作っている。
朝日新聞がシナリオを書いて、折々に攻め所がどこかを素粒子に書き、汪文斌が騒ぐ。
以心伝心なのか、それとも朝日新聞は応分の謝礼を北京から貰っているのかも(笑)。
★石平
朝日新聞だけではありません。
日本人の間でも
「『汚染水』だ」
と騒ぐ連中がいる。
中国政府は中国国民を信じさせるために2つのネタを用意しました。
1つが韓国の野党、共に民主党代表、李在明が国会議事堂前で無期限のハンガーストライキを始めたこと。
★高山
李は日本が福島だ1原発の処理水を海洋放出していること、そしてそんな日本との関係性維持に努める与党を批判するためだと言うが、韓国国民は冷静に見ているようだ。
ただの政治パフォーマンスに過ぎないと。
★石平
そして、もう1つが、福島みずほ参議院議員です。
福島・いわき市の抗議集会に参加しました。
500人近くが集まりましたが、集会のプラカードには
「汚染水」
とデカデカと書かれており、しかもその映像が中国で大々的に報じられた。
「日本人が自ら『汚染水』と言っているではないか」
と、多くの中国人は騙されたのです。
福島氏をはじめ、抗議集会に参加した日本人は万死に値します。
中国が日本に核攻撃をしたら、抗議に参加した日本人はどう弁明するのか。
中国国内には、日本側の主張を擁護する中国人は1人もいません。
ところが、日本国内では、中国政府の主張を擁護する日本人がたくさんいます。
メディアや野党議員、芸能人からもそんな声が上がっている。
★高山
立憲民主党にも、党の見解を無視して
「汚染水」
と騒ぐ議員がいる。
中国に寄り添う不思議な日本人たちだ。
★石平
日本人が中国に嘘のネタを与えてどうするのか。
嘘か、事実か、検証すればすぐに分かる。
イデオロギーなど、全く関係ありません。
■大国の風格などない
★高山
世界第2位の経済大国であり、国際的にも米国に次ぐ立場になった中国だけど、果たして大国と言えるのか。
米国の国務長官、ブリンケンが2023年6月に訪中し、王毅と会談した。
会談の中心テーマの1つが
「フェンタニル」
の問題だった。
フェンタニルは医薬用合成麻薬のことで、中国が中心になって製造し、メキシコ経由で米国に流れ込んでいる。
モルヒネの50倍も強い鎮痛剤であるフェンタニルは、末期の癌患者の苦痛を緩和するために開発されたけど、米国では毎年、物凄い数の人が過剰摂取で死んでいるとか。
★石平
米国では2021年、薬物の過剰摂取で死亡した約10万7000人のうち、3分の2がフェンタニルによるものだそうです。
★高山
米国側は中国にフェンタニル輸出をやめろとトランプの時代から文句を言っている。
バイデン政権もつい先日、中国国内の4つの製薬会社と、そこの役員8人に逮捕状を出したと発表した。
そう言われる国(中国)が
「中国は大国だ」
とか、
「中華民族の復興」
とか、よく言う。
先述したように、ブリンケンと王毅との会談の主要テーマがフェンタニル。
2大超大国がトップ会談で語る内容かと呆れ返る。
そう言えばフィリピンでも問題が起きている。
中国がインターネット詐欺をやるために働く労働者の人身売買をフィリピンでやっていて、フィリピン政府は頭に来ている。
日本なら
「国外犯規程」
で、海外での悪さを司直が止められるが、中国ではそんな常識はない。
WTOに加入させてやっても、国際ルールを一切無視し、他国の知財を盗みまくる。
大国の風格など何もない。
報道官の毛寧が涼しい顔をして日本の処理水放出を詰(なじ)るけど、己を律する所はない。
世界中を見渡しても、皆中国よりましだ。
★石平
米国を始め諸外国は、中国への対応を反省しています。
1972年のニクソン訪中以来、出来るだけ中国を西側の価値観に取り込もうとしてきました。
経済的にも援助することで、中国が豊かになれば、いずれ変わると期待していた。
★高山
ところが、中国は何1つ変わらなかった。
★石平
結局、中国は悪党、マフィア国家に過ぎません。
★高山
そこまで言いますか(笑)。
石平さんは『中国をつくった12人の悪党たち』(PHP新書)という本も出している。
★石平
国際ルールを無視し、コロナウイルスを世界中にばら撒く。
中国が
「2023年標準国土地図」
を発表しましたが、台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどの領海、排他的経済水域(EEZ)を侵食しています。
更にインドやロシアの領土まで自国内に取り込んでいる。
そんな中国が、西側諸国と同じ価値観を共有できるとは到底考えられません。
海外に留学している中国人を見てください。
英国に留学している中国人女性が、ロンドンで
「日本は『汚染水』を放出している」
と抗議運動をしていました。
英国にいるわけですから、いくらでも自分で情報を入手することができます。
にもかかわらず、中国政府の主張していることを鵜呑みにしている。
せっかく英国に留学し、西洋的価値観を勉強する機会を得ているわけですから、事実を尊重する姿勢を最低限でも身に付けるべきなのに、そうはならない。
★高山
どうして?
★石平
答えは1つ、
「中国人だから」。
★高山
それはどうしもない(笑)。
■日本人の”癖”
★石平
国際社会は既に習近平政権以降の10年間で、”中国幻想”から目覚めています。
中国は永遠に変わらないという事実認識です。
★高山
中国を囲い込む方向に進むのではないか。
★石平
一番早く対中強硬姿勢に転じたのが米国です。
超党派で半導体規制などを含め、対中政策の法律が絶対多数で成立しています。
欧州は各国の思惑が錯綜しています。
フランスはまだ幻想を抱いており、ドイツは中途半端な態度を示している。
一番どうしようもないのが、我が日本。
★高山
そうだね(笑)。
日本人は中国に対して幻想を未だに抱き続けている。
明治・大正の社会運動家、宮崎滔天(みやざきとうてん)は孫文と共に中国での革命を夢見たが、その顛末を宮崎滔天の半世記『三十三年の夢』で書いた。
宮崎滔天は黄浦江を遡って、初めて上海を見た時、
「涙が止まらなかった」
と記す。
悪臭で涙が出ただけではないか。
日本人は中国に対して、素直に感動してしまう癖がある。
元産経新聞の福島香織にしても、真顔で
「中国人の中には、日本人よりも素晴らしい人がいる」
なんて言うんだから。
同じ話は中国に行った人たちからいくらでも聞く。
でも、そう言う人たちに問いたい。
そんな立派な中国人がたくさんいるなら、自分たちでまともな国を造れと。
基礎学問が一切ない。
中国はフェンタニルとヘロイン以外で世界を脅かす産業を興したのか。
知財は他国から盗むものと思っている。
そんなことをやって恥とも思わない中国人のどこが優秀なのか。
しかし毎回、苦渋ばかり吞まされる日本人が何故、次も騙されるのか。
中国人はそんなに口がうまいのか。
★石平
中国は白髪三千丈(心配事や悲嘆のために白髪が非常に長く伸びることを誇張していった言葉)の世界ですから、口が達者なのは昔からです。
★高山
そろそろ相手の正体に気付いてもいいのに。
★石平
ところが、日本には未だに中国とは話し合いをすれば解決できるとする論調が蔓延している。
サントリーの社長で、経済同友会の新浪剛史(にいなみたけし)代表幹事は
「中国と日本は(経済的に)切っても切れない仲で、対話を続けることが必要だ」
と言いますが、話し合いが成立するには、最低限の前提が必要です。
事実を尊重すること、嘘を付かないこと・・・。
ところが、今回の
「汚染水」
騒動で、中国にはそんな前提が通用しないことが明確化しました。
事実を一切、認めませんからね。
それでは対話は成立しない。
我々の価値観とは全く異質の国であることを今一度理解するべきです。
★高山
政府内の親中派も単にあしらわれているだけで屁のツッパリにもならない。
★石平
中国とパイプを持ち、いざとなったら、中国と話し合いで問題解決できると自負していた。
ところが、親中派の大御所、二階俊博元幹事長ですら訪中を拒否されました。
★高山
本当に情けない。
日本の親中派の政治家は、いない方がいい。
★石平
文明の衝突どころの話ではありません。
相手は野蛮国家ですから”文明と野蛮の衝突”です。
そこには絶望的な断絶があります。
今回の1件を通じて痛感しました。
中国が民主化したところで、中国人のマインドは決して変わらないことを。
考えてみると、明治の日本人は実に賢明でした。
福沢諭吉は
「脱亜入欧」
を提唱し、どうしようもない隣国は謝絶すべきだと言った。
まさにその通りです。
★高山
中国・朝鮮に挨拶はいらないと言った福沢諭吉の精神を今一度、日本人は思い出して、国家として正しい道を歩む時が来ましたね。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/834.html#c10
[原発・フッ素54] 「元議員が聞いて呆れる」田嶋陽子氏、処理水放出で「魚の形変わる、気持ち悪い」発言に非難殺到…放送した局の姿勢に疑問も(… 蒲田の富士山
26. 2023年9月28日 22:43:38 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[1]
<■208行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
とんだブーメラン!
「ロシアと北の魚なら安全なのか」と質問されて沈黙した戦狼報道官
国民の怒りを日本に向けるが、却って中国のヤバさが露呈した!
WiLL2023年11月号 漫画家 孫向文
■処理水のデマ・デタラメ
中国の
「核汚染水」
騒動は留まる所を知りません。
岸田首相が福島県産の魚(刺身)を食べた途端、核汚染水中毒になり救急車で運ばれる動画が、中国国内で拡散されました。
字幕には
「岸田首相が福島県産の海産物を食べたことにより、核物質中毒となり緊急入院」
「手術が必要で危篤状態」
と。
中国では、こうしたフェイク動画が中国製の、WeCatやTikTok、その他の動画サイトで拡散されたのです。
お世辞にもクオリティーの高い動画とは言えません。
岸田首相が核汚染水中毒で倒れたという動画も、岸田首相が刺身を食べている映像が突如切り替わり、誰とも知れない人物がストレッチャーに乗せられ、救急車で運ばれていく。
救急車も中国で使用されているもので、救急隊員は私服だったり、白衣もどきの服を着ていたり、日本国内の映像でないことは明らかで、杜撰に作られたフェイク動画です。
現地の中国人でさえ、動画はデマであると気付いています。
もし、こんなことが本当に起こっていたら、安倍元首相暗殺以上のビッグニュースになっていたでしょう。
また、在日中国人が千葉県の海岸で撮影した動画も話題になりました。
その内容は、汚染水でカメが苦しみ、逆さまになって死んでいたと決め付けているもの。
他にも
「汚染水が放出された後、海水が2色になった」
「福島原発事故の影響で、日本の癌患者が年々増加」
などのタイトルが付いた記事へのアクセス数も急上昇しました。
このように日本の処理水放出を巡って、中国国内では多くのデマやデタラメの動画、情報が拡散されたのです。
SNSで影響力のあるインフルエンサーが、中国共産党から資金を貰って動画を作成した可能性も考えられます。
こうした日本叩きの動画は、中国国内で人気が高く、再生回数が伸びるため、収益狙いでもあります。
SNS上での日本叩きで終わればいいのですが、それだけでは済まなかったようです。
処理水放出が始まった2023年8月24日には、山東省・青島にある日本人学校の敷地内に石が投げ込まれました。
翌日には、複数の卵が江蘇省・蘇州にある日本人学校に投げ付けられた。
両事案とも、子供たちに被害はなかったようですが、あってはならないことです。
中国の日本大使館は、中国在住の日本人に向けて、公の場にいる時は日本語を大声で話さないよう警告を発しました。
更に自らの言動にも注意を払うよう呼び掛けました。
国際原子力機関(IAEA)は、福島原発の処理水は
「国際安全基準に合致している」
と結論付けた報告書を発表していますが、中国外務省は日本の処理水を
「核汚染水」
と表現し
「日本政府は国内外の声を無視し、世界の海洋環境と人類の健康を損なうリスクを無視して海洋放出を頑なに進めている」
と猛烈に批判しました。
中国科学技術大学出身の、放射線専門家・李剣芒(リー・ジェンマン)氏は、8年間、中国原子能科学研究院に勤務した後、オランダのエネルギー研究センターで5年間勤務。
現在オランダに在住しています。
李剣芒氏は、中国のSNS「微博(ウェイボー)」で
「日本が海洋放出した水は、汚染水ではなく、処理水だ」
「これは極めて安全な水準だ」
と長文を投稿しましたが、間もなくアカウントが凍結されました。
「微博」には中国政府の日本批判に呼応する形で
「核を持たない国が、核攻撃を発動した」
「日本製品の輸入を完全に禁止しろ。痛い目に遭わないと、あいつらは分からない」
「汚染水は日本人が全部自分たちで飲み干して、体内浄化させるのが一番良い」
といったコメントが数多く投稿されました。
■経済崩壊に為す術なし
ただ、このような動画が拡散されても、日本への中国人観光客は減っていません。
豊洲市場は、以前にも増して中国人だらけです。
魚市場や寿司屋の前には中国人の行列ができていて、中国語がどこからでも聞こえてきます。
彼らは、日本人から
「どこから来ましたか?」
と聞かれると、何故か
「台湾から来ました」
と言うそうです。
自らを中国人であると紹介することが恥ずかしいのです。
無理もありません。
処理水を巡る中国共産党による露骨な反日プロパガンダには、辟易しているまともな中国人も多い。
中国政府は主要メディアを通じて、殊更に日本の処理水放出の不安を煽り、更にはSNSのインフルエンサーを積極的に活用しました。
こうした狂乱的な日本叩きの背景には、中国国内で起こっている中国政府への不満に蓋をし、怒りの矛先を政府ではなく、日本に向けさせようという意図があるのです。
100万人が暮らす町や農村を飲み込んだ中国・河北省涿州(たくしゅう)を襲った大洪水は、首都・北京と習近平国家主席が主導した、スマート・エコシティー(IoTやビッグデータなどの先端テクノロジーを活用して各インフラサービスを効率的に運営・管理する都市)である河北省「雄安新区」を守るため、意図的に遊水地の水門が開かれたことによる人災です。
スマート・エコシティー建設の失敗は最早明らかで、国民の習近平への不満が募りました。
他にも、習近平政権に対する中国国民の不満が高まっています。
習近平指導部が、2020年〜2022年に実施した
「ゼロコロナ」
政策によって、企業の操業停止や物流の混乱、消費の冷え込みが起こり、経済が打撃を受けることで、雇用の悪化に繋がりました。
若者たちの就職活動にも影響が広がっています。
実際に、国家統計局によると、2023年6月の時点で、中国都市部の若年層(16〜24歳)の失業率が21.3%。
史上最悪の就職難のため、過酷な学業と就職活動で苦しめられた大学生が、卒業式で
「ゾンビ風(ゾンビや遺体のような様子)卒業写真」
を撮影し、SNSに投稿することが、中国国内で流行りました。
そのような状況を受け、習近平指導部に
「ゼロコロナ」
政策の責任を問う声が広がっています。
そこに中国不動産バブルの崩壊が加わり、
「中国経済崩壊論」
が現実のものとなりつつあるのです。
習近平氏は
「中国共産党滅亡の総加速師」
という不名誉なニックネームまで付いています。
こうした国内の惨状を解決できないままの習近平指導部にとって、日本の処理水放出を利用しない手はありません。
しかし、ここにきて「微博」のトレンド(短時間で急上昇した話題性の高いワード)で急激な変化が生じました。
処理水関連ワードが急上昇していたのに、突如として処理水に関連するコメントが削除されたのです。
恐らくですが、中国共産党が、処理水に関するコメントの一斉削除を命じたのでしょう。
中国共産党は、何故、日本に対する汚染水発言を止めたのか。
日本の処理水に対する不安を過剰に煽ったため、中国近海の水産業にまで影響が出始めたからです。
「中国沿海の港の海は、全て核汚染水を飲んでいる!」
というデマがSNS上で拡散されました。
つまり、日本の処理水が、中国の海までやってきたというわけです。
そのような噂が蔓延したことで、浙江省、福建省、広東省の漁業関係者の多くが、悲鳴を上げ始めた。
日本叩きが、とんだブーメランとなったのです。
■自爆する中国政府
中国政府は事態を沈静させるため、
「中国近海で獲れた水産物は安全である」
と発表しました。
日本の海と中国の海が繋がっているとは思いもしなかったのでしょうか。
余りにもお粗末な話であり、滑稽です。
辻褄の合わない発言はまだあります。
中国政府は日本からの水産物の輸入を止めた分だけ、ロシアからの水産物の輸入を増加するとしました。
SNSでは
「日本の汚染された魚より、ロシア産の魚の方が絶対に美味しい」
といったコメントも散見されました。
ところが、中国外務省による記者会見で、とある外国人記者が
「ロシア産も北朝鮮産も日本の処理水の影響を受けるわけだが、この2国からの水産物の輸入はストップしないのか」
という筋の通った質問に対して、汪文斌報道官は返答に窮する他ありませんでした。
中国政府による報道だけでは、飽き足らなかったのでしょうか。
中国人は一般的に
「自分の健康は自衛するしかない」
と思う傾向が強く、処理水放出をきっかけに中国人も個人的に放射能測定器を買い始め、1日に最高で1万台も売れたそうです。
杭州湾周辺に住む中国人が杭州湾で獲れた水産物を測定した結果をSNSに投稿したのですが、杭州湾では、0.203マイクロシーベルトという数値が検出されました。
一方、福島で測定された放射線量は0.10マイクロシーベルトと、中国の水産物の方が遥かに高い放射性物質が含まれていると判明したのです(既に配信者のアカウントは削除済み)。
しかも、福島のデータは日本政府が発表したものではなく、CCTV(中国の国営放送テレビ局)の記者が実際に福島周辺の海域を測定した数値です。
日本の放射能汚染が問題であると危機意識を抱いた中国人の多くが、却って自国の放射能汚染の深刻さに気付かされたのです。
またしてもブーメラン!
そんな中、中国人の多くが食塩の買いだめに走っています。
1996年から中国は、ヨウ素欠乏症を防止する国家政策により、ほとんどの食塩にヨウ素が添加されています。
その影響で、汚染水による被曝を防ぐにはヨウ素が有効との噂が広がり、中国各地の小売店で塩の爆買いが発生したのです。
塩の価格を6倍に釣り上げた店もあるという。
南部・広州のスーパーでも、塩の需要が急増したため、1人当たり2袋までの購入制限を設けました。
ヨウ素添加塩を摂取することで、少しでも放射能被害を食い止めようと必死なのです。
しかし、中国国営ラジオによると、食塩に含まれるヨウ素は1kg当たり20〜30マイクログラム程度で、放射能汚染予防には何の効果もありません。
これまた滑稽な行為です。
一部では、こういった噂も流れています。
中国には原発が多く、本当の”汚染水”を放出しているため、中国の食塩は放射性物質が含まれている可能性があり、食塩にヨウ素を入れている・・・。
2000年以降、インターネットの普及で、とある中国の原発関係者が
「国が食塩にヨウ素を入れ、海水に含まれる放射能被害を防いでいる」
と暴露しました。
嘘だと信じたいのですが、100%デマだと断言できません。
ちなみに、中国では、食塩は国による専売です。
利権もあるでしょうが、極秘でヨウ素を入れることなんて容易にできます。
更に、原発の核廃棄物の処理方法が、SNSを通じて暴露されました。
中国政府の作成した核廃棄物処理方法は、放射能被害の少ない核廃棄物であれば、そのまま海に捨てる。
放射能の高い核廃棄物であったとしても、金属製の容器に入れ、蓋をし、そのまま深海に捨てるといった処理方法です。
最早、処理ではなく投棄でしょう。
これなら、中国沿岸の放射能汚染が酷いのも納得できます。
中国政府は、”核汚染水”デマを喧伝し過ぎたため、結果的に、自らの首を絞めることになったのです。
IAEAの調査報告を冷静かつ客観的に判断し、国内で適切な対策をすれば良かったのに、自国の方が深刻な核汚染に晒されていることを、多くの中国国民に知らしめてしまったのです。
■まだまだ続く反日政策
汚染水騒動を通じて、中国の反日政策が先鋭化しているように感じます。
中国共産党は新しい
「治安管理条例34条」
の修正案を発表した。
全人代常務委は2023年8月下旬、
「治安管理処罰法」
改正案の審議を開始。
公表された改正案では、
「公衆の場で中華民族の精神を損ない、中華民族の感情に傷を付けるような服装、ロゴ、装飾品の着用禁止」
「中華民族の精神を損ない、中華民族の感情に傷を付けるようなグッズの所持、コンテンツ商品の製作、宣伝、流布といった行為の禁止」
などが新たな違法行為として盛り込まれました。
これらの行為には、10日以上15日以下の拘留、5000元(約10万円)以下の罰金を科すという。
中華民族のプライドを傷付けるような言論、装飾品の着用を公的な場所で禁じる・・・。
ズバリ親日的発言と日本のアニメを中心としたサブカルチャー全般を禁止するということです。
中国人の若者の間でも人気の高い日本のアニメキャラクターのコスプレをすることも違法になるかもしれません。
私の身近な所でも、信じられない事態が発生しています。
従兄弟が警察に逮捕されたのです。
彼は日本の漫画やアニメが大好きで、リュックサックに日本のアニメのキャラクターのキーホルダーをぶら下げていたのですが、そのキャラクターの一部に
「日の丸」
が付いているという理由で、通勤中に警察に拘束され、逮捕に至りました。
この日は会社にも出勤できず、従兄弟は7時間も留置所に拘束され、その後は4人の警察官がパトカーで従兄弟の自宅まで送り届けました。
親切心ではありません。
警察官は家宅捜索と称して、従兄弟の部屋に乱入したのです。
本棚にある本を1冊1冊チェックし、
「日本に中国の機密情報を送っていないか?」
と尋問を受け、スパイ疑惑をかけられました。
幸いにも従兄弟は無事に釈放され、
「2度と親日行為をしない」
という誓約書に署名をし、指紋採取までさせられました。
ただのアニメグッズに日の丸が描かれているだけで、犯罪者扱いされたのです。
もう狂気の沙汰です。
習近平政権は末期症状を呈しているのではないでしょうか。

「岸田首相が緊急入院」ウソ投稿 カメ死骸に「核汚染水で...」 処理水めぐり“フェイク動画”拡散
2023年9月4日 月曜 午後6:19
https://www.fnn.jp/articles/-/581075

中国で「汚染水で海水が2色に」のデマがトレンドに…処理水問題で中国人が大荒れする内情
2023.8.31 8:00
https://diamond.jp/articles/-/328447

2023/8/29
「福島原発の処理水に関する懸念は不要である」という見解を中国のSNS上に投稿した。しかし、その記事は中国当局によって削除され、李氏のSNSアカウントもブロックされている。
https://yoshi-osada.hatenablog.com/entry/2023/08/29/093116

洪水被災地トップ「北京を守る堀に」 人災疑念で怒り高まる
2023/8/16 6:00
https://www.sankei.com/article/20230816-DTCJZP7IUJNHRM52EXHDU4OMOY/
http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/309.html#c26

[政治・選挙・NHK291] 恐るべきトンチンカンと能天気 亡国の経済対策を嘲笑う株価の続落(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
42. 2023年9月29日 07:27:59 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[2]
<■169行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
フォロワー数、とっくに自民越え 快進撃!「日本保守党」
自民党も戦々恐々? 腐り切った既存政党に一太刀浴びせる!
WiLL2023年11月号 作家 百田尚樹
■真の保守党を立ち上げる
保守というのは、必ずしも旧態依然に甘んじることを意味しません。
時代に合わせて、変えるべきものは変えていく。
守るべきものは守っていく。
それが保守の在り方です。
今や自民党は保守ではありません。
いや、67年前の結党当時は保守だったのかもしれませんが、いつの間にか保守からリベラルへの気持ち悪い変態を続けていたのです。
1990年代以降の歴代政権は外交・内政問わず、自国民よりも外国の利益を優先しているとしか思えない政策を実行し続けてきました。
そんな中、安倍晋三という保守政治家が、たった1人で自民党のリベラル化を阻止してきました。
安倍元総理の死後、支えを失った自民党は音を立てて崩れています。
崩壊する自民党の内側から現れたのは、腐り切ったリベラルの本性でした。
極め付きが、日本文化の伝統を破壊し、多くの女性の安全を脅かしかねない
「LGBT理解増進法」
です。
『WiLL』読者の皆さんに今更説明する必要はないでしょうが、LGBT法は社会秩序や価値観を破壊する天下の愚策に他なりません。
LGBT法の成立を以て、私は自民党を”国民の敵”と見做しました。
そして、真の保守政党を立ち上げることを宣言したのです。
政治素人の私が新党を作ったところで、蟷螂(とうろう)の斧(「弱者が力量を顧みず挑戦すること」また「無謀ではかない抵抗」)かもしれません。
自民党を脅かす存在になるまで、相当の時間がかかるでしょう。
しかし、リベラルに乗っ取られた自民党が政権を握ったままでは、日本の歴史や伝統、文化は破壊し尽くされる。
日本が日本でなくなってしまいます。
■日本を愛しているか
怒りに任せて打ち上げた”百田新党”計画に、いの一番に賛同してくれたのはジャーナリストの有本香さんです。
それ以降、私と有本さんは新党立ち上げに向け、準備を進めてきました。
とはいえ、私は実務が苦手。
面倒臭い事務手続きは有本さんに丸投げです(笑)。
薄々は理解していましたが、政党を立ち上げるのが如何に難しいかを、この2カ月余り痛感しました。
事務所を借りようと思っても、政治団体に部屋を貸してくれるビルは少ない。
実績がゼロなので、銀行もそう簡単には口座開設をさせてくれません。
ホームページを開設するのにも、強固なセキュリティ対策の必要があります。
一般企業よりも、サイバー攻撃に晒されるリスクが大きいからです。
私1人だったら、いくつもの高いハードルを前に諦めていたかもしれません。
しかし、有本さんは次々と難題をクリアしていきました。
有本香、恐ろしや!
今更ながら、この女性を敵に回さないでおいて良かったです。
こうして”百田新党”は2023年9月1日、遂に始動しました。
X(旧ツイッター)に
「百田新党(仮)」
というアカウントが開設され、結党日(2023年10月17日)を発表。
2023年10月17日には記者会見と大規模な集会を開くことも決まりました。
アカウント名に(仮)が付いていたのは、
「百田新党」
があくまで俗称に過ぎなかったからです。
正式な党名は、アカウントのフォロワー数が20万を超えたら発表すると宣言しました。
そして2023年9月13日未明、予想を上回るスピードで20万フォロワーを達成。
党名が
「日本保守党」
であることを明かしたのです。
2023年9月末には党員の募集も始めます。
党員になるためには、1つの資格条件をクリアしなければなりません。
それは
「日本という国を愛していること」
です。
日本が嫌いな人、日本に誇りを持てない人はお断りです。
どんなに優秀な人であっても、絶世の美女でもお断りです。
そういう方は自民党など既存政党に入ることで自虐心を満たしてください。
行き先が見えないまま船出を迎えた日本保守党は、途中で座礁するかもしれないし、沈没するかもしれない。
何せ私と有本さんが手作業でこしらえたオンボロ木造船です。
既存政党のような豪華客船とは違い、船室には冷暖房すら完備されていません。
「それでも乗ってみたい!」
と乗員になってくれる人がいるなら、これほど嬉しいことはありません。
面白い航海になることは、船長の私が保証します。
■”快挙”を報じないマスコミ
前述のように、日本保守党のXアカウントは凄まじい勢いでフォロワー数を伸ばしています。
アカウント開設から僅か半日でフォロワーは5万人を超えると、翌日には10万人。
1週間後には15万人、2週間足らずで20万人ものフォロワーを獲得しました。
中には”冷やかし”や”アンチ”もいるでしょうが、注目を集めていることは間違いない。
そして、2023年9月15日、遂に自民党のフォロワー数を抜き去り、1位に躍り出たのです。
ちなみに、各政党のフォロワー数は以下の通りです(2023年9月15日現在)。
・日本保守党:約25万5000
・自民党:約25万2000
・立憲民主党:約18万8000
・れいわ新選組:約13万9000
・共産党:約13万8000
・公明党:約11万2000
・参政党:約10万9000
・日本維新の会:約7万4000
・国民民主党:約6万1000
・社民党:約4万6000
新聞・テレビなどオールドメディアの影響力が落ちる中、各政党はネットの発信力強化に力を注いでいます。
特にSNS戦略を重視しているのが立憲民主党です。
立憲民主党がフォロワー数を伸ばしている時、各紙には以下のような見出しの記事が掲載されました。
「立憲民主のフォロワーが自民党抜き首位独走」(ブルームバーグ)
「立憲民主、フォロワー11万人ツイッター4日目で自民を追い越す」(東京新聞)
「衆院選、ネット戦も熱 立憲民主、フォロワー15万」(日経新聞)
立憲民主党の”快挙”を絶賛していた新聞ですが、私たちの日本保守党が僅か13日で立憲民主党を抜いた”快挙”については全く報じてくれません。
彼らの中では、我々が存在しないことになっているのでしょうか。
この記事は、日本保守党が自民党のフォロワー数を抜き去った2023年9月15日に書いていますが、恐らく翌日のどの新聞にも記事は載らないでしょう。
しかし、自分で言うのは何ですが、これは凄いことだと思います。
まだ正式に立ち上がってもいない
「政党」
が、並み居る既存政党をたったの半月で全て抜き去ったのですから。
Xは特殊な人たちが集まったSNSではありません。
老若男女、様々な人々が参加しています。
その中で最も多くのフォロワーを獲得したことは、大きな意味があると思っています。
■座して死を待つのか
この数週間、我々は新党結成に向けた作業を急ピッチで進めてきました。
その背景には自民党の動きがあります。
岸田総理は当初、G7広島サミット後に解散に踏み切ろうとしていました。
ところが、LGBT法が成立すると支持率が急落します。
自民党が2023年6月に実施した情勢調査によれば、総選挙で40議席を失うという結果が出たそうです。
それ以降、岸田政権の支持率は下落の一途を辿りました。
マイナンバーカードを巡る混乱、”異次元の移民政策”とも言われる「特定技能外国人」の範囲拡大、日韓通貨スワップ再開、韓国の「ホワイト国(グループA)復帰。
これらは政策における大失態ですが、身内や所属議員のスキャンダルも岸田政権に打撃を与えました。
岸田翔太郎氏の公邸忘年会、木原誠二官房副長官を巡る疑惑、自民党女性局の”エッフェル松川”騒動。
極め付きは、秋元真利氏の収賄逮捕。
いずれも当事者は未だに説明責任を果たしていません。
岸田総理は解散を先延ばしにしたまま、今に至っています。
解散するとして2024年、あるいは2025年に衆参同日選挙を仕掛けるのではないかと思われてきました。
そんな中、2023年年内の解散の噂が流れて来たのです。
自民党幹部は情勢調査などを基に、岸田政権の支持率は既に底を打ったと判断しているとか。
国民もナメられたものです。
14年前の2009年に民主党が政権交代を果たした時、
「反自民票」
が民主党に集中しました。
民主党の支持者に加えて、自民党にお灸を据えようとした保守層の支持も取り付けたのです。
当時と違い、今は強い野党がいません。
野党の獲得票数を合算すれば自民党を上回るので、野党が共闘すれば自民党が負ける可能性は高い。
しかし、野党がバラバラのまま選挙に突入すれば、
「反自民票」
は分散。
残念ながら、このままでは自民党が勝利するでしょう。
日本国民の不幸は
「保守政党の不在」
です。
自民党が嫌いでも、他の選択肢がありません。
維新はタカ派のイメージもありますが、自民党以上に親中の側面がある。
創設者の橋下徹氏を見れば明らかです。
国民民主党の玉城雄一郎代表も言動がブレブレで信用できない。
言っていることが朝と夜で180度違うこともしょっちゅう。
立憲民主、れいわ、共産党は論外です。
日本には
「保守の仮面を被った」
リベラル政党と左翼政党しかありません。
だからこそ、”真の保守政党”の出番なのです。
正直なところ、衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
それでも、座して死を待つわけにもいかない。
不戦敗は癪に障ります。
投票先を失った有権者のためにも、私たちは選挙に向けた準備を急いでいるのです。
■”保守政党”の正体
政党を作る以上、選挙は重要です。
しかし、日本保守党は徒に党勢を拡大するつもりはありません。
議員の数を増やせば影響力は強まりますが、いくらクズを集めても日本は良くなりません。
衆参合わせて400人近くの国会議員を抱える大自民党ですが、国民のために何もしていくれない。
国益を無視して党勢拡大に邁進した自民党は、中国ベッタリの媚中派やLGBT法を推進するリベラル派すら取り込みました。
その結果、保守とは正反対の連中に牛耳られ、ただのクズ集団と化してしまった。
彼らが巨大な組織を作り上げるのは、自分たちの議席や利権を確保するためなのです。
保守政党ならぬ”保身政党”。
自分の身が危なくなれば、一夜にして主義主張を変えてしまいます。
「希望の党」
騒動が思い出されます。
小池百合子都知事が希望の党を結成した時、民進党(旧民主党)は合流を求めました。
民進党の議員たちは、沈みゆく泥船から脱出するために必死だったのでしょう。
そこで飛び出したのが、小池氏の
「排除」
発言。
安全保障政策や憲法観に基づき、合流する議員たちの”選別”を図ったのです。
”選別”を行ったのは細野豪志氏でした。
彼は一足先に民進党に見切りを付け、いち早く小池氏に擦り寄っていました。
忘れてはならないのが、細野氏は安倍政権が推進した平和安全法制(2015年)に反対していたこと。
国会の外で「シールズ」なるバカ学生たちと一緒に、マイクを掴んで
「戦争法反対!」
などと叫んでいたのです。
信念を捻じ曲げ、更には自分の過去を棚に上げ、昔の仲間たちを上から目線で品定めする。
醜悪極まりない、稀に見るクズです。
そんな細野氏は今、一体何をしているのでしょうか。
希望の党が雲散霧消して行き場がなくなり、二階俊博元幹事長を頼って自民党入りしています。
そもそも、彼には最初から信念などなかったのかもしれない。
恐らく国会議員でいられたら、どこの政党に属そうがどうでもよかったでしょう。
細野氏に限らず、ほとんどの国会議員というのは所詮、保身しか考えていないのです。
LGBT推進派の中心人物の中には、保守派と目されていた議員もいました。
彼らは安倍元総理にさんざんお世話になっていた人たちです。
にもかかわらず、安倍元総理が絶対に阻止しようとしたLGBT法案を強引に推し進めました。
主義主張や信念以前に、恩も義理もない人間です。
こんな議員たちに政治を任せてはなりません。
国民を裏切ってきた自民党に一太刀浴びせてやりましょう。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/835.html#c42
[政治・選挙・NHK291] 解散・総選挙のきっかけもつかめない岸田首相に起死回生策はあるのか 永田町の裏を読む(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
23. 2023年9月30日 01:16:38 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[3]
<■311行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日本保守党が日本を取り戻す
Hanada2023年11月号
作家 百田尚樹
ジャーナリスト 有本香
■座視するわけにはいかない
★百田
ここに来て、衆議院の解散総選挙が早ければ2023年の10月解散あるいは11月上旬解散、11月投開票という見方が強まっています。
岸田政権は当初、2023年6月に解散総選挙に打って出ようとしたのですが、岸田翔太郎秘書官(当時)が首相公邸で大はしゃぎしている写真が流出したり、日本を破壊するLGBT法案の可決成立など様々な問題が噴出して支持率が急落、とても解散を打てる状況ではなくなりました。
その後も支持率は下落を続け、2023年8月にはとうとうNHKの世論調査で33%という発足以来最低水準を記録した。
2023年年内解散はもうできない。
恐らく選挙は2024年だろうと、私もそう思っていました。
ところが、直近、自民党の情勢調査によると、どうも支持率が微増、不支持率も微減。
自民党の幹部クラスの中には
「いま選挙をやれば自民党は大勝する」
という声も上がっているようです。
その見立てはどうかと思うのですが、いずれにしても選挙が2023年年内に行われる公算が高まっている。
となれば、我々の日本保守党は選挙の準備時間が足りない。
しかし、座視するわけにもいかないと思っています。
選挙は水物ですから、勝敗は分かりません。
ただ、
「負けるから戦わない」
という姿勢は好ましくないですね。
基本姿勢として、たとえ敗北しても、戦った上での負けは良いと思っています。
とはいえ、いざとなれば、退却する勇気も指揮官には必要です。
意地やメンツだけで戦うものではありませんから。
その辺りは、情勢を見て慎重かつ適切に判断します。
★有本
やるとなれば、何らかの形で、今の驕り切った自民党に一太刀を浴びせたいですね。
★百田
なぜ今回、我々は新党
「日本保守党」
を立ち上げたのか。
安倍晋三さんが亡くなられてから、自民党はその正体を曝け出しました。
実は、彼らは保守でも何でもなかったのです。
決定的だったのは、日本を破壊するLGBT法案の強引な可決成立でした。
部会で反対派が多かったにもかかわらず、執行部一任で強硬に通してしまった。
民主主義もへったくれもない余りの酷さに、腸が煮えくり返る思いでした。
これまでさんざん申し上げてきたことですが、LGBT法案は天下の悪法です。
日本の文化や伝統を破壊してしまいかねない法律です。
こんなことは、ちょっと考えればすぐに分かること。
だからこそ、部会で多くの議員が反対したのです。
にもかかわらず、自民党の幹部クラスは、アメリカのエマニュエル駐日大使に言われるがまま、強引にこれを通したのです。
私はこれを見て、
「もしこの法案が本当に通るのであれば新党を作るしかない」
と思いました。
たまたまその日、嫁さんと中華料理のチェーン店の王将で食事をしている時、餃子を食べながら
「あんまり腹立つから、もしもLGBT法案が成立したら新党立ち上げるわ。ええか」
と嫁さんに訊いたんです。
すると、天津飯を食べていた嫁さんは
「ええよ」
と一言。
驚いて、
「いや、ええよって言うけど、金もようけかかるで」
と言うと、
「ええよ」
とそこでも一言。
嫁さんといい、有本さんといい、女性は強い!!
★有本
百田さんの奥様と並べられると恐れ多いですが、私もLGBT法案の余りにもふざけた内容とその顛末に怒り心頭でした。
この怒りを同じボルテージで共有できるのは百田さんしかいないと思ったんです。
ですが、まさか
「新党を立ち上げる」
とまでは思いも寄りませんでした。
私も還暦を過ぎてこれからは仕事をセーブして、ゆったりとした生活を送ろうと考えていましたから、家族からも反対されました。
でもここで立ち上がらなければ、今日までこの国を守ってきた先人たちに顔向けが出来ませんよね。
これからこの国を背負っていく若い人たちにも申し訳ない、その思いで立ち上がる決意しました。
それほど自民党に対する怒りは凄まじかった。
正直に言いますと、私は怒りの余り眠れない日もありました。
先程、岸田政権の支持率が底を打ったのではないかというお話がありましたが、良い悪いは別にして、日本人には怒りを忘れやすく、水に流しやすい性格というか、特徴があります。
ですから、徐々に岸田政権への怒りも水に流すだろうなと、LGBT法案が成立した時から分かっていました。
あの時、保守派の多くも怒っていましたが、結局、あっさり自民党を許しているんですね。
「まあ、他に良いこともやっているし」
とか、
「意外とやることやっている」
とか、
「LGBT法も使いようで左翼封じに役に立つ」
とか。
岸田政権についても
「他の自民党議員よりましだから」
と擁護あるいは支持する側に回っている人もいる。
呆れるけど、日本人の忘れやすい特質を考えると、想定の範囲内でもありました。
■「改革」と称した欧米化
★百田
私は、
「あいつは許さん!」
と思ったら一生許しません(笑)。
昔、仕事で
「こいつどうしても嫌いやな」
という人がいて、彼が亡くなったんです。
付き合いもあったので仕方なしに葬式に行ってその帰り道、偶然同じ方向だった女性と電車で1時間ほど話したんですが、後からその女性に
「百田さん、凄いです」
「お葬式が終わって、その帰り道、延々と1時間故人の悪口を言い続けた人、初めて見ましたわ」
と言われました。
★有本
百田さん、言っときますけど、それ褒められてないですよ。
★百田
あ、ずっと誉め言葉だと思ってました(笑)。
こんなんで政党の代表って大丈夫かな。
冗談はさておき、読者の皆さんに訴えたいことは、日本保守党という党名からもお分かり頂けるように、私たちは
「保守」
ということを掲げています。
では、保守とは何か。
これを定義することは非常に難しく、人によって様々な解釈があると思いますが、1つ言えることは、よく保守の対義語としてリベラルという言葉がありますね。
先程も少し触れましたが、私は今の自民党は保守政党ではなく完全なリベラル政党だと思っています。
それはLGBT法案に見られるように、日本の伝統や文化、国体というものを破壊しつつあるからです。
★有本
世界で初めてLGBTに特化した法律を強引に成立させた自民党は、世界で最もリベラルな政党だということを
「売り」
にしたらいい。
前のめりな移民政策、福祉に名を借りたバラマキなど、自民党の左傾化は今後も止まらないでしょう。
★百田
益々加速していくと思いますね。
私はクラシック音楽が大好きで、特にフルトヴェングラーというドイツ人指揮者が好きなのですが、彼は音楽家であると同時に多くの著書を著しています。
『音楽ノート』など名著もある。
そして、警句のような素晴らしい文章を書いています。
例えば、有名な次の1文。
「革命はナイン(Nein)ということ、芸術はヤー(Ja)ということ」
ナインとは英語で「NO」を意味し、ヤーとは「YES」を意味します。
即ち、革命は既存のものを否定して破壊するのに対し、芸術はあるべきものを肯定する、と。
この言葉は政治の世界にも通じるのではないかと思うのです。
リベラルは伝統の否定や文化の否定、国体の否定など基本的に否定から始まる。
対して、保守は伝統や文化や国体をしっかり残していこうと肯定する。
もちろん、時代の変遷によって人々の生活様式や思考も変わっていきますから、その時代に合わせて変えていくべき伝統もあります。
他方、この日本という国には2000年に渡り連綿と受け継がれ、発展してきた日本独自の伝統や文化があります。
私たち日本人には、その中で培われてきた考え方やモラルがある。
そうした日本の持つ伝統や文化、考え方やモラルを岸田政権は次々に破壊しようとしているのです。
彼らの行っていることは総じて
「改革」
と称したグローバル化、欧米化一辺倒なんです。
日本の伝統や文化を保守する姿勢は微塵も感じられません。
★有本
LGBT法でお怒りの時に、百田さんが動画でこ仰った。
「日本は世界で一番素晴らしい、世界がお手本にしてもいい国です」
「それを何で欧米のように変えなければいけないのか」
「岸田総理はグレートリセットと言っているが、何でそんなことせなアカンの?」
「米国のエマニュエル大使は、LGBT法が通ろうという時に、
『日本は進化途上にある』
と言った」
「どっからの上から目線でぬかしとんじゃい」
「このボケ!」
百田さんのこの最後の一言を
「下品な暴言」
としか捉えられないお利口さんしか、永田町にいないことが問題なんですよ。
自国の国体が壊されかけていることに、怒りの表明も出来ない。
大声で抗議もしない。
石原慎太郎さんあたりがご健在なら、同じようなことを仰ったでしょうね。
他方、永田町の人たちは
「日本1国では生きられないから」
と言い、時には筋違いの
「国際協調」
という言葉なども持ち出して国民を騙しにかかる。
しかし、やっていることは、日本を弱体化させることばかりです。
「国際化」
と言いながら、日本の大事な価値観などまで売り渡し、国を壊しているのが今の政治です。
■短絡的で安易な移民政策
★百田
その1例が移民問題です。
移民問題は日本を根底から変えてしまいかねない極めて重大な問題で、もし日本の伝統や文化やモラルを大切にするということが前提としてあれば、今とは全く違ったアプローチを取るはずなんです。
ところが、自民党だけでなくほぼ全ての国会議員が
「日本は人口が減るから移民を入れなあかん」
「労働者が足りないから移民を入れたらええやん」
と、極めて短絡的で安易な考えしか持っていない。
彼らは、移民を入れることによって日本という国がどれほど変質してしまうかということに一切思いが至っていない。
移民を推進した国がどうなっているか、ヨーロッパを見れば一目瞭然です。
フランスやベルギーの惨状を我が事として捉えている国会議員は皆無です。
国会でもそうした議論がなされたとは聞いたことがありません。
★有本
2022年、久しぶりにヨーロッパ、パリとベルギーの首都ブリュッセルを訪れました。
いずれも街の中心部でも中東・アフリカ系の方々を多く見かけました。
暴動頻発の要因となる軋轢が日常化しているのは誰の目にも明らかです。
ちなみに、ブリュッセルと並ぶベルギーの都市アントワープでは10年も前に、男の子の新生児で最も多い名前はムハンマドになっています。
★百田
ブリュッセルは住民の75%が外国人だと言いますね。
イスラム教徒の人口も増えており、首都圏の平均で23%、サンホセ地区という市の中心部に近い地区では住民の47%がイスラム教徒だと。
アントワープはアニメ『フランダースの犬』の舞台となるなど中世の港町の趣を今に残した伝統と文化の街だという印象だったのですが・・・驚きました。
★有本
「移民問題」
と言うと、日本では人手が足りない、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)労働の文脈で議論されるのですが、ベルギーでは移民2世の世代の中にホワイトカラーに従事する人たちも多くいます。
ブリュッセルで、東京で言えば銀座のようなブランドショップが立ち並ぶ最大の繁華街を歩いたんですが、ヒジャーブを身に付け、裕福そうな若い女性たちが洒落たカフェでお茶を飲んでいるその近くで物乞いをしている白人男性を見かけました。
こうした現実がある。
そして、これはひょっとすると明日の日本の姿かもしれないのです。
★百田
このままではそうなる可能性が高いですね。
そうした危機感が今の国会議員には全くない。
★有本
既に日本でも、いま埼玉県の川口市などでクルド人の一部が暴徒化するなど地域住民とのトラブルが深刻化しています。
そうした下層の問題が顕在化する一方、移民の数が増えれば日本社会の支配層に躍り出ていく人も今後増えていくでしょう。
するとどのようなことが起こるかというと、
「日本の国体など関係ない、大切にする必要はない」
という考えが主流となる虞れがある。
■政治家も財界人も己が第一
★百田
ここで非常に大事なことは、いま有本さんが言及された
「数の問題」
です。
今から20年以上前の話ですが、
「朝まで生テレビ!」
で移民問題がテーマになりました。
そこで司会の田原総一朗氏が、まず
「移民に賛成か反対か、それぞれ札を上げてください」
と言って、パネリストが賛成、反対と書かれた札を上げた。
余りにも乱暴な議論に呆れました。
こういうゼロか100かという議論のやり方くらい無茶苦茶で間違ったものはないからです。
正解はその間にあるのです。
大事なことは、どれくらいの「数」で、どういう「質」の移民かということなのです。
それを抜きに、移民問題は語れません。
あれから20年以上経ちましたが、今も同じような議論が続いている印象を受けます。
即ち、移民に賛成、反対というだけで具体的な数の議論が抜け落ち、移民に反対と言うと、1人も入れてはならないという考えなのかと思われたりする。
逆も然りで、賛成なら5000万人入れてもいいのかという極端な議論になってしまう。
★有本
移民に対して否定的な意見を言うと、
「排外主義者」
「差別主義者」
「多様性を否定」
といったレッテルを貼られてしまうことを政治家は酷く恐れています。
そうした不当なレッテル貼りに負けることなく、
「外国人を受け入れることに反対ではない。ただし〜」
と、この
「ただし〜」
という所を語れる政治家が、今の永田町にはほとんどいない。
★百田
ほんま情けないですね。
★有本
それと、百田さんが仰ったように
「数の問題」
は大変重要で、例えば、クラスの中でイスラム教徒が1人、2人であれば、給食で豚肉が出てもその日だけはお弁当を持参するなどの対応を取れば済む。
ところが、クラスの半数以上がイスラム教徒になったら給食をハラールにしなければならない事態も考えられる。
現にドイツでそうしたことが起きていて、ドイツの伝統的料理「アイスバイン」や「シュバイネハクセ」は豚肉を使っていますが、食堂ではそうした料理を出せない学校が増えているんです。
イギリスでも同じようなことが起きているそうです。
強調しておきたいのですが、私にはイスラム教徒の親しい友人が何人かいますし、ウイグル問題に長年取り組んできましたので、イスラム教徒個人への嫌悪感情や差別する気持ちはありません。
ただ、今の日本を見ていると、欧州の後追いをして自壊の道を進んでいるとしか見えないのです。
★百田
日本は、政治家も経済界も長期的な視点を全く持っていません。
例えば、労働人口を補うために移民を入れてもらいたい企業が政治家に働き掛ける。
1企業にとっては、移民を入れれば一時期的にせよ従業員を確保できるのでプラスかもしれませんが、その従業員が日本で果たして何年働けるか。
仮に40歳で日本に来たとして、60歳の定年まで働ける保証はどこにもない。
もし定年まで勤めあげたとして、その後の年金や社会保障費などのコストを考えると、1企業にはプラスになったとしても、日本全体で考えた時、果たして本当にプラスになっているのか。
まして途中で働くのが嫌になり、生活保護を受給するケースが出てくるかもしれない。
企業は
「次の移民を入れたらええわ、辞めた後のことなど関係ないで」
と自分たちの短期的な利益しか考えず、政治家も財界人からの要望に応えれば票を貰えるということしか考えない。
その政策が将来、日本にどのような悲劇をもたらすかなど眼中にない。
そんな連中ばかりなんです。
■国を売り渡す政策ばかり
★有本
対中国の問題でも、政治家、財界はダメですね。
与野党問わず、日本の政治家に中国の暴挙に実効的な対抗策を講じる意思は見られません。
アメリカが前政権下において、中国におけるウイグル人らへの強制労働加担を止める法律の制定へと動き、政権が代わった後も方針を変えずに制裁に乗り出したにもかかわらず、同盟国たる日本国内には、その制裁対象の企業の製品が溢れかえっています。
★百田
中国の若者の中には、中国にいても未来がないから、日本に留学して猛勉強して優秀な成績で日本企業に入社しようとする人たちも今後増えてくるでしょう。
彼らがやがて出世していき、数十年後、気付いた時には役員が全員中国人だったというケースも十分あり得ます。
中国では会社法と中国共産党規約によって、中国共産党の党員が3人以上いる企業では党支部を設置しなければならないと規定されています。
更に国家情報法によって
「如何なる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助及び協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない」(第7条)
と定められている。
つまり、中国の国民や組織は、中国政府の情報活動に協力する義務があるのです。
なので、
「こんな情報を取って来い」
と中国政府の指示があれば、スパイ活動を実行しなければならない。
★有本
本国に家族や親戚がいる人たちは言わば”人質”を取られているわけですから、逆らえない。
★百田
如何に中国人学生の中に優秀な人材がいても、会社自体を乗っ取られてしまう危険性を孕んでいることが現実問題としてあるんです。
こうしたチャイナリスクをストレートに訴える日本の国会議員は、残念ながらほとんどいません。
日本の国会議員は圧倒的に親中派、媚中派ですから、皆中国に忖度してモノが言えない。
この辺りも、既成政党には期待できない所以です。
■世界最高の国を護りたい
★有本
岸田政権下では、家族を帯同できる在留資格
「特定技能2号」
を現在の2分野から11分野へ拡大しました。
2号を取得すれば無期限就労が可能となります。
余りにも拙速、考えなし、こんなことを許していたら、日本は確実になくなりますよ。
EV補助金も然りで、自公政権が推し進めている政策は、日本を弱体化させるものばかりです。
本来、日本は豊かで強い国なんです。
そうした日本を取り戻さなければならないのに、日本を売り渡すことばかりやっている。
そんな政治には、はっきりと
「NO」
と言わなければならない。
★百田
日本は世界最高の国なんです。
歴史に
「if」
は禁物と言われますが、『日本国紀』の
「後書きにかえて」
で、私は、
「もし、地球上に日本列島がなかったならば」
ということを書きました。
書いていて、20世紀の世界における日本という存在の大きさ、私たちの祖先の偉大さを改めて痛感しました。
もし日本がなかったら、私たちが知る世界とは全く違った恐ろしい世界になっていたでしょう。
日本があったからこそ、今世界は何とかモラルを保てていると言っても過言ではない。
アジア・アフリカ諸国の植民地支配からの解放は100年、200年遅れたはずです。
日露戦争で日本が勝利していなければ、中国は欧米諸国に植民地支配され、今頃は国として存在していないでしょう。
第一次世界大戦後のパリ講和会議において、日本の発言が世界を驚愕させました。
「肌の色の違いによる差別をなくすべきだ」
世界で初めて日本が人種的差別撤廃を国際会議で提言したのです。
今では当たり前の概念ですが、当時はとんでもないことでした。
現に、アメリカ、イギリスが大反対し、この提言は潰されました。
両国は
「人種差別撤廃を宣言する日本は危険だ」
と、むしろ日本を敵視した。
先程も話に出ましたが、そのアメリカのエマニュエルとかいう駐日大使が、日本に対して
「日本はジェンダーに関して何年も遅れている」
などと批判しましたが、何をぬかしとんねん!という話です。
あの発言を聞いて、なぜ日本の国会議員はもっと怒らないのか。
情けない!
★有本
古来、同性愛について日本が如何に寛容な国であったか、史実を示し、教え諭す政治家が1人ぐらいいてもいいはずなのに、私の知る限り、1人もいませんでした。
小間使いのように、笑顔で写真に収まっている政治家は大勢いましたが。
★百田
日本の素晴らしい歴史を国会議員が知らな過ぎます。
欧米の学者は、日本に古来、奴隷がいなかったことに驚愕するといいます。
日本では、飛鳥時代の奴婢を奴隷と教える教師もいるようですが、欧米的な奴隷の概念とは全く違います。
*日本における奴婢は、飛鳥時代の大宝律令(701年)に始まり、隋・唐の律令制を日本式に改良して導入したものであった。
その証拠に、奈良時代の墾田永年私財法(743年発布)には奴婢にも土地を与えた記録が記されています。
つまり土地の所有も認められていたということで、奴隷ではなかったことが分かります。
あるいは、『万葉集』(奈良時代末期)ひとつ見てもその凄さが分かります。
農民、防人、遊女、乞食まで、あらゆる国民の歌が載っている。
素晴らしい歌の前では身分など関係なかった。
同時に、末端の暮らしを送っていた人たちも歌が詠めた。
何という文化的な教養の高さでしょうか。
日本の歴史を繙くと、日本が如何に世界最高の国であるかが分かります。
それを今の政治家が全く知らない。
日本という国に誇りを持っていれば、今、岸田政権が行っている愚かな政策など出来るはずがないんです。
世界最高の国である日本を護りたい、その一念で日本保守党を立ち上げました。
★有本
日本保守党が旗揚げしたからといって、すぐに何かを劇的に変えることは難しい。
ですが、党員の方々と力を合わせて、5年、10年、20年と活動していく中で、良い方向への転換を目指していく。
★百田
我々はもうええ歳ですから、時間は限られています。
何年か後には引退しているでしょう。
だからこそ、その後、この日本を託せる人材を育てていきたい。
そして、願わくば与党となって、日本が最高の国であることを世界に示し、再び世界を驚かせてほしい。
皆さん、是非、日本保守党に力をお貸しください。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/837.html#c23
[政治・選挙・NHK291] 虚偽情報心証刷り込む朝日印象操作(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
43. 2023年9月30日 17:16:39 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[4]
<■547行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
暗雲に差し込む一筋の光
Hanada2023年11月号 元海上自衛官 一色正春
2023年8月末日、花田編集長から入電。
随分とご無沙汰していたにもかかわらず、開口一番
「百田新党(仮)を応援する原稿を書いてくれないか」
とのお言葉。
驚いたのは不偏不党、政治家個人は応援しても特定の政党を応援せず、公平な立場から日本政治を論評してきた花田さんが特集を組んでまで特定政党を推すということ、私が当然に新党を応援すると決め付けていたことです。
私は、百田・有本両氏の人柄や考え方、有本氏との人間関係からも応援しないという選択肢はないとしても、あの花田さんが、いや花田さんだけでなく、多くの親日派言論人が設立してもいない政党をこうも熱心に応援するというのは今までにない政治の動きというものを大いに期待を抱かせてくれます。
しかし、昨今の政治状況に鑑みれば、そうなるのも頷けます。
今に始まったことではありませんが、日本国民の不幸は真面(まとも)な野党がないことで、安倍さんがお亡くなりになってからは野党だけでなく、個々人の政治家はともかく自国の国益を第一に考える政党がなくなってしまいました。
それどころか、処理水騒ぎで鮮明になったように、一部野党の中には他国の利益を優先する政党もある始末です。
その一方で、我が国を取り巻く国際情勢は悪化するばかりなのですが、頼みの綱の米国は、あの体たらく、台湾危機は刻一刻と迫り来る。
そんな中でも、LGBTなどの国内問題や政権維持のための権謀術数に感(かま)ける現政権。
「選挙があっても投票先がない」
と絶望感に苛まれていた我々日本国民にとって、この新党は日本政界を覆う暗雲の中に差し込む一筋の光のようなものです。
言い方を変えると、2023年の夏は例年になく暑かったですが、そんな時に温いビールや、不味いビールなどを売る店はあれど、皆が欲するギンギンに冷えた美味いビールを売る店が1軒もないところに、それを売る店がオープンするとなれば開店前から行列ができるのは必定です。
しかし、そんな一般国民の期待とは裏腹に、恐らく大手メディアからは無視に近い扱いを受けるでしょう。
だが、それは逆にチャンスでもあります。
その逆境の中で党勢を拡大してこそ、戦前から続くメディアの印象操作による誤った方向への世論誘導を無力化し、我が国の政治を正常化させる第一歩となります。
とはいえ、お2人だけにその重責を背負わせるわけにはいきません。
我々国民も是々非々で、新党のためにではなく日本のために応援していきたいものです。

歴史に残る救国政党に
Hanada2023年11月号 麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男
作家の百田尚樹氏と、ジャーナリストの有本香氏が新党を立ち上げるという。
大いに賛成であり、期待したい。
安倍晋三元首相が凶弾に斃れてから、日本は羅針盤を失ったタンカーのように漂流し始めた。
自民党は今や見る影もない。
派閥内の権力闘争に明け暮れ、価値観の違う公明党から選挙協力を得るために汲々としている。
岸田政権は、一体何をやりたいのかさっぱり見えない。
何より、国家観そのものがない。
岩盤支持層が愛想を尽かすはずだ。
支持率は下がり、今後も回復は難しい。
元々差別などない日本において必要のない
「LGBT理解増進法」
を、碌な審議もせずに成立させた。
そればかりか、
「理念なき移民政策」
「増税路線」
「対中戦略欠如」
など、国家崩壊路線を突っ走っている。
喫緊の課題である
「憲法改正」
については
「ヤッテル感」
を装うだけで、真剣みが感じられない。
かつて
「日本列島は日本人だけのものではない」
と言った愚昧な宰相がいた。
自民党の中からも、
「人口減少の地域を支えるのは日本人である必要はない」
と公言する議員が出てきた。
次期首相候補ナンバー2というから驚きだ。
議員から
「祖国」
が消えた。
自民党も天下国家を語れなくなった。
日本の伝統、文化が蔑ろにされ、社会の根幹をなす家庭や皇室制度が破壊されようとしている。
さりとて立憲民主党を筆頭とする左派野党は論外だ。
日本は今、崩壊しつつある。
こんな時、
「祖国」
を取り戻し、天下国家を語れる百田、有本両氏が新党を立ち上げるのは時宜を得ている。
両氏とも知名度があり、突破力がある。
「ノイジー・マイノリティ」
という左翼のお株を奪い、真正保守として大いに吠え、政界に
「喝っ!」
を入れてもらいたい。
かつて石原慎太郎元都知事が結成した
「次世代の党」
のように、長続きしないかもしれない。
それでもいい。
政界に新旋風を巻き起こし、真っ当な保守とは如何なるものか、国民が覚醒するようになれば、それは歴史に残る救国政党となる。

フォロワー数、とっくに自民越え 快進撃!「日本保守党」
自民党も戦々恐々? 腐り切った既存政党に一太刀浴びせる!
WiLL2023年11月号 作家 百田尚樹
■真の保守党を立ち上げる
保守というのは、必ずしも旧態依然に甘んじることを意味しません。
時代に合わせて、変えるべきものは変えていく。
守るべきものは守っていく。
それが保守の在り方です。
今や自民党は保守ではありません。
いや、67年前の結党当時は保守だったのかもしれませんが、いつの間にか保守からリベラルへの気持ち悪い変態を続けていたのです。
1990年代以降の歴代政権は外交・内政問わず、自国民よりも外国の利益を優先しているとしか思えない政策を実行し続けてきました。
そんな中、安倍晋三という保守政治家が、たった1人で自民党のリベラル化を阻止してきました。
安倍元総理の死後、支えを失った自民党は音を立てて崩れています。
崩壊する自民党の内側から現れたのは、腐り切ったリベラルの本性でした。
極め付きが、日本文化の伝統を破壊し、多くの女性の安全を脅かしかねない
「LGBT理解増進法」
です。
『WiLL』読者の皆さんに今更説明する必要はないでしょうが、LGBT法は社会秩序や価値観を破壊する天下の愚策に他なりません。
LGBT法の成立を以て、私は自民党を”国民の敵”と見做しました。
そして、真の保守政党を立ち上げることを宣言したのです。
政治素人の私が新党を作ったところで、蟷螂(とうろう)の斧(「弱者が力量を顧みず挑戦すること」また「無謀ではかない抵抗」)かもしれません。
自民党を脅かす存在になるまで、相当の時間がかかるでしょう。
しかし、リベラルに乗っ取られた自民党が政権を握ったままでは、日本の歴史や伝統、文化は破壊し尽くされる。
日本が日本でなくなってしまいます。
■日本を愛しているか
怒りに任せて打ち上げた”百田新党”計画に、いの一番に賛同してくれたのはジャーナリストの有本香さんです。
それ以降、私と有本さんは新党立ち上げに向け、準備を進めてきました。
とはいえ、私は実務が苦手。
面倒臭い事務手続きは有本さんに丸投げです(笑)。
薄々は理解していましたが、政党を立ち上げるのが如何に難しいかを、この2カ月余り痛感しました。
事務所を借りようと思っても、政治団体に部屋を貸してくれるビルは少ない。
実績がゼロなので、銀行もそう簡単には口座開設をさせてくれません。
ホームページを開設するのにも、強固なセキュリティ対策の必要があります。
一般企業よりも、サイバー攻撃に晒されるリスクが大きいからです。
私1人だったら、いくつもの高いハードルを前に諦めていたかもしれません。
しかし、有本さんは次々と難題をクリアしていきました。
有本香、恐ろしや!
今更ながら、この女性を敵に回さないでおいて良かったです。
こうして”百田新党”は2023年9月1日、遂に始動しました。
X(旧ツイッター)に
「百田新党(仮)」
というアカウントが開設され、結党日(2023年10月17日)を発表。
2023年10月17日には記者会見と大規模な集会を開くことも決まりました。
アカウント名に(仮)が付いていたのは、
「百田新党」
があくまで俗称に過ぎなかったからです。
正式な党名は、アカウントのフォロワー数が20万を超えたら発表すると宣言しました。
そして2023年9月13日未明、予想を上回るスピードで20万フォロワーを達成。
党名が
「日本保守党」
であることを明かしたのです。
2023年9月末には党員の募集も始めます。
党員になるためには、1つの資格条件をクリアしなければなりません。
それは
「日本という国を愛していること」
です。
日本が嫌いな人、日本に誇りを持てない人はお断りです。
どんなに優秀な人であっても、絶世の美女でもお断りです。
そういう方は自民党など既存政党に入ることで自虐心を満たしてください。
行き先が見えないまま船出を迎えた日本保守党は、途中で座礁するかもしれないし、沈没するかもしれない。
何せ私と有本さんが手作業でこしらえたオンボロ木造船です。
既存政党のような豪華客船とは違い、船室には冷暖房すら完備されていません。
「それでも乗ってみたい!」
と乗員になってくれる人がいるなら、これほど嬉しいことはありません。
面白い航海になることは、船長の私が保証します。
■”快挙”を報じないマスコミ
前述のように、日本保守党のXアカウントは凄まじい勢いでフォロワー数を伸ばしています。
アカウント開設から僅か半日でフォロワーは5万人を超えると、翌日には10万人。
1週間後には15万人、2週間足らずで20万人ものフォロワーを獲得しました。
中には”冷やかし”や”アンチ”もいるでしょうが、注目を集めていることは間違いない。
そして、2023年9月15日、遂に自民党のフォロワー数を抜き去り、1位に躍り出たのです。
ちなみに、各政党のフォロワー数は以下の通りです(2023年9月15日現在)。
・日本保守党:約25万5000
・自民党:約25万2000
・立憲民主党:約18万8000
・れいわ新選組:約13万9000
・共産党:約13万8000
・公明党:約11万2000
・参政党:約10万9000
・日本維新の会:約7万4000
・国民民主党:約6万1000
・社民党:約4万6000
新聞・テレビなどオールドメディアの影響力が落ちる中、各政党はネットの発信力強化に力を注いでいます。
特にSNS戦略を重視しているのが立憲民主党です。
立憲民主党がフォロワー数を伸ばしている時、各紙には以下のような見出しの記事が掲載されました。
「立憲民主のフォロワーが自民党抜き首位独走」(ブルームバーグ)
「立憲民主、フォロワー11万人ツイッター4日目で自民を追い越す」(東京新聞)
「衆院選、ネット戦も熱 立憲民主、フォロワー15万」(日経新聞)
立憲民主党の”快挙”を絶賛していた新聞ですが、私たちの日本保守党が僅か13日で立憲民主党を抜いた”快挙”については全く報じてくれません。
彼らの中では、我々が存在しないことになっているのでしょうか。
この記事は、日本保守党が自民党のフォロワー数を抜き去った2023年9月15日に書いていますが、恐らく翌日のどの新聞にも記事は載らないでしょう。
しかし、自分で言うのは何ですが、これは凄いことだと思います。
まだ正式に立ち上がってもいない
「政党」
が、並み居る既存政党をたったの半月で全て抜き去ったのですから。
Xは特殊な人たちが集まったSNSではありません。
老若男女、様々な人々が参加しています。
その中で最も多くのフォロワーを獲得したことは、大きな意味があると思っています。
■座して死を待つのか
この数週間、我々は新党結成に向けた作業を急ピッチで進めてきました。
その背景には自民党の動きがあります。
岸田総理は当初、G7広島サミット後に解散に踏み切ろうとしていました。
ところが、LGBT法が成立すると支持率が急落します。
自民党が2023年6月に実施した情勢調査によれば、総選挙で40議席を失うという結果が出たそうです。
それ以降、岸田政権の支持率は下落の一途を辿りました。
マイナンバーカードを巡る混乱、”異次元の移民政策”とも言われる「特定技能外国人」の範囲拡大、日韓通貨スワップ再開、韓国の「ホワイト国(グループA)復帰。
これらは政策における大失態ですが、身内や所属議員のスキャンダルも岸田政権に打撃を与えました。
岸田翔太郎氏の公邸忘年会、木原誠二官房副長官を巡る疑惑、自民党女性局の”エッフェル松川”騒動。
極め付きは、秋元真利氏の収賄逮捕。
いずれも当事者は未だに説明責任を果たしていません。
岸田総理は解散を先延ばしにしたまま、今に至っています。
解散するとして2024年、あるいは2025年に衆参同日選挙を仕掛けるのではないかと思われてきました。
そんな中、2023年年内の解散の噂が流れて来たのです。
自民党幹部は情勢調査などを基に、岸田政権の支持率は既に底を打ったと判断しているとか。
国民もナメられたものです。
14年前の2009年に民主党が政権交代を果たした時、
「反自民票」
が民主党に集中しました。
民主党の支持者に加えて、自民党にお灸を据えようとした保守層の支持も取り付けたのです。
当時と違い、今は強い野党がいません。
野党の獲得票数を合算すれば自民党を上回るので、野党が共闘すれば自民党が負ける可能性は高い。
しかし、野党がバラバラのまま選挙に突入すれば、
「反自民票」
は分散。
残念ながら、このままでは自民党が勝利するでしょう。
日本国民の不幸は
「保守政党の不在」
です。
自民党が嫌いでも、他の選択肢がありません。
維新はタカ派のイメージもありますが、自民党以上に親中の側面がある。
創設者の橋下徹氏を見れば明らかです。
国民民主党の玉城雄一郎代表も言動がブレブレで信用できない。
言っていることが朝と夜で180度違うこともしょっちゅう。
立憲民主、れいわ、共産党は論外です。
日本には
「保守の仮面を被った」
リベラル政党と左翼政党しかありません。
だからこそ、”真の保守政党”の出番なのです。
正直なところ、衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
それでも、座して死を待つわけにもいかない。
不戦敗は癪に障ります。
投票先を失った有権者のためにも、私たちは選挙に向けた準備を急いでいるのです。
■”保守政党”の正体
政党を作る以上、選挙は重要です。
しかし、日本保守党は徒に党勢を拡大するつもりはありません。
議員の数を増やせば影響力は強まりますが、いくらクズを集めても日本は良くなりません。
衆参合わせて400人近くの国会議員を抱える大自民党ですが、国民のために何もしていくれない。
国益を無視して党勢拡大に邁進した自民党は、中国ベッタリの媚中派やLGBT法を推進するリベラル派すら取り込みました。
その結果、保守とは正反対の連中に牛耳られ、ただのクズ集団と化してしまった。
彼らが巨大な組織を作り上げるのは、自分たちの議席や利権を確保するためなのです。
保守政党ならぬ”保身政党”。
自分の身が危なくなれば、一夜にして主義主張を変えてしまいます。
「希望の党」
騒動が思い出されます。
小池百合子都知事が希望の党を結成した時、民進党(旧民主党)は合流を求めました。
民進党の議員たちは、沈みゆく泥船から脱出するために必死だったのでしょう。
そこで飛び出したのが、小池氏の
「排除」
発言。
安全保障政策や憲法観に基づき、合流する議員たちの”選別”を図ったのです。
”選別”を行ったのは細野豪志氏でした。
彼は一足先に民進党に見切りを付け、いち早く小池氏に擦り寄っていました。
忘れてはならないのが、細野氏は安倍政権が推進した平和安全法制(2015年)に反対していたこと。
国会の外で「シールズ」なるバカ学生たちと一緒に、マイクを掴んで
「戦争法反対!」
などと叫んでいたのです。
信念を捻じ曲げ、更には自分の過去を棚に上げ、昔の仲間たちを上から目線で品定めする。
醜悪極まりない、稀に見るクズです。
そんな細野氏は今、一体何をしているのでしょうか。
希望の党が雲散霧消して行き場がなくなり、二階俊博元幹事長を頼って自民党入りしています。
そもそも、彼には最初から信念などなかったのかもしれない。
恐らく国会議員でいられたら、どこの政党に属そうがどうでもよかったでしょう。
細野氏に限らず、ほとんどの国会議員というのは所詮、保身しか考えていないのです。
LGBT推進派の中心人物の中には、保守派と目されていた議員もいました。
彼らは安倍元総理にさんざんお世話になっていた人たちです。
にもかかわらず、安倍元総理が絶対に阻止しようとしたLGBT法案を強引に推し進めました。
主義主張や信念以前に、恩も義理もない人間です。
こんな議員たちに政治を任せてはなりません。
国民を裏切ってきた自民党に一太刀浴びせてやりましょう。

日本保守党が日本を取り戻す
Hanada2023年11月号
作家 百田尚樹
ジャーナリスト 有本香
■座視するわけにはいかない
★百田
ここに来て、衆議院の解散総選挙が早ければ2023年の10月解散あるいは11月上旬解散、11月投開票という見方が強まっています。
岸田政権は当初、2023年6月に解散総選挙に打って出ようとしたのですが、岸田翔太郎秘書官(当時)が首相公邸で大はしゃぎしている写真が流出したり、日本を破壊するLGBT法案の可決成立など様々な問題が噴出して支持率が急落、とても解散を打てる状況ではなくなりました。
その後も支持率は下落を続け、2023年8月にはとうとうNHKの世論調査で33%という発足以来最低水準を記録した。
2023年年内解散はもうできない。
恐らく選挙は2024年だろうと、私もそう思っていました。
ところが、直近、自民党の情勢調査によると、どうも支持率が微増、不支持率も微減。
自民党の幹部クラスの中には
「いま選挙をやれば自民党は大勝する」
という声も上がっているようです。
その見立てはどうかと思うのですが、いずれにしても選挙が2023年年内に行われる公算が高まっている。
となれば、我々の日本保守党は選挙の準備時間が足りない。
しかし、座視するわけにもいかないと思っています。
選挙は水物ですから、勝敗は分かりません。
ただ、
「負けるから戦わない」
という姿勢は好ましくないですね。
基本姿勢として、たとえ敗北しても、戦った上での負けは良いと思っています。
とはいえ、いざとなれば、退却する勇気も指揮官には必要です。
意地やメンツだけで戦うものではありませんから。
その辺りは、情勢を見て慎重かつ適切に判断します。
★有本
やるとなれば、何らかの形で、今の驕り切った自民党に一太刀を浴びせたいですね。
★百田
なぜ今回、我々は新党
「日本保守党」
を立ち上げたのか。
安倍晋三さんが亡くなられてから、自民党はその正体を曝け出しました。
実は、彼らは保守でも何でもなかったのです。
決定的だったのは、日本を破壊するLGBT法案の強引な可決成立でした。
部会で反対派が多かったにもかかわらず、執行部一任で強硬に通してしまった。
民主主義もへったくれもない余りの酷さに、腸が煮えくり返る思いでした。
これまでさんざん申し上げてきたことですが、LGBT法案は天下の悪法です。
日本の文化や伝統を破壊してしまいかねない法律です。
こんなことは、ちょっと考えればすぐに分かること。
だからこそ、部会で多くの議員が反対したのです。
にもかかわらず、自民党の幹部クラスは、アメリカのエマニュエル駐日大使に言われるがまま、強引にこれを通したのです。
私はこれを見て、
「もしこの法案が本当に通るのであれば新党を作るしかない」
と思いました。
たまたまその日、嫁さんと中華料理のチェーン店の王将で食事をしている時、餃子を食べながら
「あんまり腹立つから、もしもLGBT法案が成立したら新党立ち上げるわ。ええか」
と嫁さんに訊いたんです。
すると、天津飯を食べていた嫁さんは
「ええよ」
と一言。
驚いて、
「いや、ええよって言うけど、金もようけかかるで」
と言うと、
「ええよ」
とそこでも一言。
嫁さんといい、有本さんといい、女性は強い!!
★有本
百田さんの奥様と並べられると恐れ多いですが、私もLGBT法案の余りにもふざけた内容とその顛末に怒り心頭でした。
この怒りを同じボルテージで共有できるのは百田さんしかいないと思ったんです。
ですが、まさか
「新党を立ち上げる」
とまでは思いも寄りませんでした。
私も還暦を過ぎてこれからは仕事をセーブして、ゆったりとした生活を送ろうと考えていましたから、家族からも反対されました。
でもここで立ち上がらなければ、今日までこの国を守ってきた先人たちに顔向けが出来ませんよね。
これからこの国を背負っていく若い人たちにも申し訳ない、その思いで立ち上がる決意しました。
それほど自民党に対する怒りは凄まじかった。
正直に言いますと、私は怒りの余り眠れない日もありました。
先程、岸田政権の支持率が底を打ったのではないかというお話がありましたが、良い悪いは別にして、日本人には怒りを忘れやすく、水に流しやすい性格というか、特徴があります。
ですから、徐々に岸田政権への怒りも水に流すだろうなと、LGBT法案が成立した時から分かっていました。
あの時、保守派の多くも怒っていましたが、結局、あっさり自民党を許しているんですね。
「まあ、他に良いこともやっているし」
とか、
「意外とやることやっている」
とか、
「LGBT法も使いようで左翼封じに役に立つ」
とか。
岸田政権についても
「他の自民党議員よりましだから」
と擁護あるいは支持する側に回っている人もいる。
呆れるけど、日本人の忘れやすい特質を考えると、想定の範囲内でもありました。
■「改革」と称した欧米化
★百田
私は、
「あいつは許さん!」
と思ったら一生許しません(笑)。
昔、仕事で
「こいつどうしても嫌いやな」
という人がいて、彼が亡くなったんです。
付き合いもあったので仕方なしに葬式に行ってその帰り道、偶然同じ方向だった女性と電車で1時間ほど話したんですが、後からその女性に
「百田さん、凄いです」
「お葬式が終わって、その帰り道、延々と1時間故人の悪口を言い続けた人、初めて見ましたわ」
と言われました。
★有本
百田さん、言っときますけど、それ褒められてないですよ。
★百田
あ、ずっと誉め言葉だと思ってました(笑)。
こんなんで政党の代表って大丈夫かな。
冗談はさておき、読者の皆さんに訴えたいことは、日本保守党という党名からもお分かり頂けるように、私たちは
「保守」
ということを掲げています。
では、保守とは何か。
これを定義することは非常に難しく、人によって様々な解釈があると思いますが、1つ言えることは、よく保守の対義語としてリベラルという言葉がありますね。
先程も少し触れましたが、私は今の自民党は保守政党ではなく完全なリベラル政党だと思っています。
それはLGBT法案に見られるように、日本の伝統や文化、国体というものを破壊しつつあるからです。
★有本
世界で初めてLGBTに特化した法律を強引に成立させた自民党は、世界で最もリベラルな政党だということを
「売り」
にしたらいい。
前のめりな移民政策、福祉に名を借りたバラマキなど、自民党の左傾化は今後も止まらないでしょう。
★百田
益々加速していくと思いますね。
私はクラシック音楽が大好きで、特にフルトヴェングラーというドイツ人指揮者が好きなのですが、彼は音楽家であると同時に多くの著書を著しています。
『音楽ノート』など名著もある。
そして、警句のような素晴らしい文章を書いています。
例えば、有名な次の1文。
「革命はナイン(Nein)ということ、芸術はヤー(Ja)ということ」
ナインとは英語で「NO」を意味し、ヤーとは「YES」を意味します。
即ち、革命は既存のものを否定して破壊するのに対し、芸術はあるべきものを肯定する、と。
この言葉は政治の世界にも通じるのではないかと思うのです。
リベラルは伝統の否定や文化の否定、国体の否定など基本的に否定から始まる。
対して、保守は伝統や文化や国体をしっかり残していこうと肯定する。
もちろん、時代の変遷によって人々の生活様式や思考も変わっていきますから、その時代に合わせて変えていくべき伝統もあります。
他方、この日本という国には2000年に渡り連綿と受け継がれ、発展してきた日本独自の伝統や文化があります。
私たち日本人には、その中で培われてきた考え方やモラルがある。
そうした日本の持つ伝統や文化、考え方やモラルを岸田政権は次々に破壊しようとしているのです。
彼らの行っていることは総じて
「改革」
と称したグローバル化、欧米化一辺倒なんです。
日本の伝統や文化を保守する姿勢は微塵も感じられません。
★有本
LGBT法でお怒りの時に、百田さんが動画でこ仰った。
「日本は世界で一番素晴らしい、世界がお手本にしてもいい国です」
「それを何で欧米のように変えなければいけないのか」
「岸田総理はグレートリセットと言っているが、何でそんなことせなアカンの?」
「米国のエマニュエル大使は、LGBT法が通ろうという時に、
『日本は進化途上にある』
と言った」
「どっからの上から目線でぬかしとんじゃい」
「このボケ!」
百田さんのこの最後の一言を
「下品な暴言」
としか捉えられないお利口さんしか、永田町にいないことが問題なんですよ。
自国の国体が壊されかけていることに、怒りの表明も出来ない。
大声で抗議もしない。
石原慎太郎さんあたりがご健在なら、同じようなことを仰ったでしょうね。
他方、永田町の人たちは
「日本1国では生きられないから」
と言い、時には筋違いの
「国際協調」
という言葉なども持ち出して国民を騙しにかかる。
しかし、やっていることは、日本を弱体化させることばかりです。
「国際化」
と言いながら、日本の大事な価値観などまで売り渡し、国を壊しているのが今の政治です。
■短絡的で安易な移民政策
★百田
その1例が移民問題です。
移民問題は日本を根底から変えてしまいかねない極めて重大な問題で、もし日本の伝統や文化やモラルを大切にするということが前提としてあれば、今とは全く違ったアプローチを取るはずなんです。
ところが、自民党だけでなくほぼ全ての国会議員が
「日本は人口が減るから移民を入れなあかん」
「労働者が足りないから移民を入れたらええやん」
と、極めて短絡的で安易な考えしか持っていない。
彼らは、移民を入れることによって日本という国がどれほど変質してしまうかということに一切思いが至っていない。
移民を推進した国がどうなっているか、ヨーロッパを見れば一目瞭然です。
フランスやベルギーの惨状を我が事として捉えている国会議員は皆無です。
国会でもそうした議論がなされたとは聞いたことがありません。
★有本
2022年、久しぶりにヨーロッパ、パリとベルギーの首都ブリュッセルを訪れました。
いずれも街の中心部でも中東・アフリカ系の方々を多く見かけました。
暴動頻発の要因となる軋轢が日常化しているのは誰の目にも明らかです。
ちなみに、ブリュッセルと並ぶベルギーの都市アントワープでは10年も前に、男の子の新生児で最も多い名前はムハンマドになっています。
★百田
ブリュッセルは住民の75%が外国人だと言いますね。
イスラム教徒の人口も増えており、首都圏の平均で23%、サンホセ地区という市の中心部に近い地区では住民の47%がイスラム教徒だと。
アントワープはアニメ『フランダースの犬』の舞台となるなど中世の港町の趣を今に残した伝統と文化の街だという印象だったのですが・・・驚きました。
★有本
「移民問題」
と言うと、日本では人手が足りない、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)労働の文脈で議論されるのですが、ベルギーでは移民2世の世代の中にホワイトカラーに従事する人たちも多くいます。
ブリュッセルで、東京で言えば銀座のようなブランドショップが立ち並ぶ最大の繁華街を歩いたんですが、ヒジャーブを身に付け、裕福そうな若い女性たちが洒落たカフェでお茶を飲んでいるその近くで物乞いをしている白人男性を見かけました。
こうした現実がある。
そして、これはひょっとすると明日の日本の姿かもしれないのです。
★百田
このままではそうなる可能性が高いですね。
そうした危機感が今の国会議員には全くない。
★有本
既に日本でも、いま埼玉県の川口市などでクルド人の一部が暴徒化するなど地域住民とのトラブルが深刻化しています。
そうした下層の問題が顕在化する一方、移民の数が増えれば日本社会の支配層に躍り出ていく人も今後増えていくでしょう。
するとどのようなことが起こるかというと、
「日本の国体など関係ない、大切にする必要はない」
という考えが主流となる虞れがある。
■政治家も財界人も己が第一
★百田
ここで非常に大事なことは、いま有本さんが言及された
「数の問題」
です。
今から20年以上前の話ですが、
「朝まで生テレビ!」
で移民問題がテーマになりました。
そこで司会の田原総一朗氏が、まず
「移民に賛成か反対か、それぞれ札を上げてください」
と言って、パネリストが賛成、反対と書かれた札を上げた。
余りにも乱暴な議論に呆れました。
こういうゼロか100かという議論のやり方くらい無茶苦茶で間違ったものはないからです。
正解はその間にあるのです。
大事なことは、どれくらいの「数」で、どういう「質」の移民かということなのです。
それを抜きに、移民問題は語れません。
あれから20年以上経ちましたが、今も同じような議論が続いている印象を受けます。
即ち、移民に賛成、反対というだけで具体的な数の議論が抜け落ち、移民に反対と言うと、1人も入れてはならないという考えなのかと思われたりする。
逆も然りで、賛成なら5000万人入れてもいいのかという極端な議論になってしまう。
★有本
移民に対して否定的な意見を言うと、
「排外主義者」
「差別主義者」
「多様性を否定」
といったレッテルを貼られてしまうことを政治家は酷く恐れています。
そうした不当なレッテル貼りに負けることなく、
「外国人を受け入れることに反対ではない。ただし〜」
と、この
「ただし〜」
という所を語れる政治家が、今の永田町にはほとんどいない。
★百田
ほんま情けないですね。
★有本
それと、百田さんが仰ったように
「数の問題」
は大変重要で、例えば、クラスの中でイスラム教徒が1人、2人であれば、給食で豚肉が出てもその日だけはお弁当を持参するなどの対応を取れば済む。
ところが、クラスの半数以上がイスラム教徒になったら給食をハラールにしなければならない事態も考えられる。
現にドイツでそうしたことが起きていて、ドイツの伝統的料理「アイスバイン」や「シュバイネハクセ」は豚肉を使っていますが、食堂ではそうした料理を出せない学校が増えているんです。
イギリスでも同じようなことが起きているそうです。
強調しておきたいのですが、私にはイスラム教徒の親しい友人が何人かいますし、ウイグル問題に長年取り組んできましたので、イスラム教徒個人への嫌悪感情や差別する気持ちはありません。
ただ、今の日本を見ていると、欧州の後追いをして自壊の道を進んでいるとしか見えないのです。
★百田
日本は、政治家も経済界も長期的な視点を全く持っていません。
例えば、労働人口を補うために移民を入れてもらいたい企業が政治家に働き掛ける。
1企業にとっては、移民を入れれば一時期的にせよ従業員を確保できるのでプラスかもしれませんが、その従業員が日本で果たして何年働けるか。
仮に40歳で日本に来たとして、60歳の定年まで働ける保証はどこにもない。
もし定年まで勤めあげたとして、その後の年金や社会保障費などのコストを考えると、1企業にはプラスになったとしても、日本全体で考えた時、果たして本当にプラスになっているのか。
まして途中で働くのが嫌になり、生活保護を受給するケースが出てくるかもしれない。
企業は
「次の移民を入れたらええわ、辞めた後のことなど関係ないで」
と自分たちの短期的な利益しか考えず、政治家も財界人からの要望に応えれば票を貰えるということしか考えない。
その政策が将来、日本にどのような悲劇をもたらすかなど眼中にない。
そんな連中ばかりなんです。
■国を売り渡す政策ばかり
★有本
対中国の問題でも、政治家、財界はダメですね。
与野党問わず、日本の政治家に中国の暴挙に実効的な対抗策を講じる意思は見られません。
アメリカが前政権下において、中国におけるウイグル人らへの強制労働加担を止める法律の制定へと動き、政権が代わった後も方針を変えずに制裁に乗り出したにもかかわらず、同盟国たる日本国内には、その制裁対象の企業の製品が溢れかえっています。
★百田
中国の若者の中には、中国にいても未来がないから、日本に留学して猛勉強して優秀な成績で日本企業に入社しようとする人たちも今後増えてくるでしょう。
彼らがやがて出世していき、数十年後、気付いた時には役員が全員中国人だったというケースも十分あり得ます。
中国では会社法と中国共産党規約によって、中国共産党の党員が3人以上いる企業では党支部を設置しなければならないと規定されています。
更に国家情報法によって
「如何なる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助及び協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない」(第7条)
と定められている。
つまり、中国の国民や組織は、中国政府の情報活動に協力する義務があるのです。
なので、
「こんな情報を取って来い」
と中国政府の指示があれば、スパイ活動を実行しなければならない。
★有本
本国に家族や親戚がいる人たちは言わば”人質”を取られているわけですから、逆らえない。
★百田
如何に中国人学生の中に優秀な人材がいても、会社自体を乗っ取られてしまう危険性を孕んでいることが現実問題としてあるんです。
こうしたチャイナリスクをストレートに訴える日本の国会議員は、残念ながらほとんどいません。
日本の国会議員は圧倒的に親中派、媚中派ですから、皆中国に忖度してモノが言えない。
この辺りも、既成政党には期待できない所以です。
■世界最高の国を護りたい
★有本
岸田政権下では、家族を帯同できる在留資格
「特定技能2号」
を現在の2分野から11分野へ拡大しました。
2号を取得すれば無期限就労が可能となります。
余りにも拙速、考えなし、こんなことを許していたら、日本は確実になくなりますよ。
EV補助金も然りで、自公政権が推し進めている政策は、日本を弱体化させるものばかりです。
本来、日本は豊かで強い国なんです。
そうした日本を取り戻さなければならないのに、日本を売り渡すことばかりやっている。
そんな政治には、はっきりと
「NO」
と言わなければならない。
★百田
日本は世界最高の国なんです。
歴史に
「if」
は禁物と言われますが、『日本国紀』の
「後書きにかえて」
で、私は、
「もし、地球上に日本列島がなかったならば」
ということを書きました。
書いていて、20世紀の世界における日本という存在の大きさ、私たちの祖先の偉大さを改めて痛感しました。
もし日本がなかったら、私たちが知る世界とは全く違った恐ろしい世界になっていたでしょう。
日本があったからこそ、今世界は何とかモラルを保てていると言っても過言ではない。
アジア・アフリカ諸国の植民地支配からの解放は100年、200年遅れたはずです。
日露戦争で日本が勝利していなければ、中国は欧米諸国に植民地支配され、今頃は国として存在していないでしょう。
第一次世界大戦後のパリ講和会議において、日本の発言が世界を驚愕させました。
「肌の色の違いによる差別をなくすべきだ」
世界で初めて日本が人種的差別撤廃を国際会議で提言したのです。
今では当たり前の概念ですが、当時はとんでもないことでした。
現に、アメリカ、イギリスが大反対し、この提言は潰されました。
両国は
「人種差別撤廃を宣言する日本は危険だ」
と、むしろ日本を敵視した。
先程も話に出ましたが、そのアメリカのエマニュエルとかいう駐日大使が、日本に対して
「日本はジェンダーに関して何年も遅れている」
などと批判しましたが、何をぬかしとんねん!という話です。
あの発言を聞いて、なぜ日本の国会議員はもっと怒らないのか。
情けない!
★有本
古来、同性愛について日本が如何に寛容な国であったか、史実を示し、教え諭す政治家が1人ぐらいいてもいいはずなのに、私の知る限り、1人もいませんでした。
小間使いのように、笑顔で写真に収まっている政治家は大勢いましたが。
★百田
日本の素晴らしい歴史を国会議員が知らな過ぎます。
欧米の学者は、日本に古来、奴隷がいなかったことに驚愕するといいます。
日本では、飛鳥時代の奴婢を奴隷と教える教師もいるようですが、欧米的な奴隷の概念とは全く違います。
*日本における奴婢は、飛鳥時代の大宝律令(701年)に始まり、隋・唐の律令制を日本式に改良して導入したものであった。
その証拠に、奈良時代の墾田永年私財法(743年発布)には奴婢にも土地を与えた記録が記されています。
つまり土地の所有も認められていたということで、奴隷ではなかったことが分かります。
あるいは、『万葉集』(奈良時代末期)ひとつ見てもその凄さが分かります。
農民、防人、遊女、乞食まで、あらゆる国民の歌が載っている。
素晴らしい歌の前では身分など関係なかった。
同時に、末端の暮らしを送っていた人たちも歌が詠めた。
何という文化的な教養の高さでしょうか。
日本の歴史を繙くと、日本が如何に世界最高の国であるかが分かります。
それを今の政治家が全く知らない。
日本という国に誇りを持っていれば、今、岸田政権が行っている愚かな政策など出来るはずがないんです。
世界最高の国である日本を護りたい、その一念で日本保守党を立ち上げました。
★有本
日本保守党が旗揚げしたからといって、すぐに何かを劇的に変えることは難しい。
ですが、党員の方々と力を合わせて、5年、10年、20年と活動していく中で、良い方向への転換を目指していく。
★百田
我々はもうええ歳ですから、時間は限られています。
何年か後には引退しているでしょう。
だからこそ、その後、この日本を託せる人材を育てていきたい。
そして、願わくば与党となって、日本が最高の国であることを世界に示し、再び世界を驚かせてほしい。
皆さん、是非、日本保守党に力をお貸しください。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/846.html#c43

[政治・選挙・NHK291] 自民党の異常性を体現 「杉田水脈」は日本を崩壊させる 適菜収「それでもバカとは戦え」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
40. 2023年10月01日 04:15:30 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[5]
<■234行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
再エネ疑獄の本質「政府の失敗」回避を
正論2023年11月号 キャノングローバル戦略研究所研究主幹 杉山大志
秋本真利衆議院議員が2023年9月7日、東京地検特捜部に逮捕された。
洋上風力発電の入札制度を巡って風力発電会社「日本風力発電」の塚脇正幸社長(当時)から収賄し、その見返りに便宜を図ったという容疑である。
「再生可能エネルギーの切り札」
として鳴り物入りで推進されてきた洋上風力発電の第1回目の入札が2021年12月に行われた時、圧倒的に安い価格(3つの対象海域についてキロワット当たり11.99円、13.26円、16.49円)を提示した三菱商事が全てを落札した。
この
「総取り」
の事態を受けて、第2回目の入札は既に公示されていたにも関わらず1年間延期され、また入札方式が変更されて、単一の事業者が総取り出来ないようになった他、価格以外の事業開始までの迅速性などの要件が強化された。
この制度変更は、日本風力開発などの三菱商事以外の事業者が落札出来るようにするためだったと見られている。
1度公示された入札が延期されたというのも異常であるし、1度定められた入札制度がすぐに変更されるのも異常である。
この入札制度の変更に当たっては、秋本議員が塚脇社長から収賄し、その見返りとして国会で質問するなどして、日本風力開発に有利な制度になるよう活動したのではないか、というのが容疑の概要である。
もちろん、まだ逮捕されただけなので、白黒がはっきりするにはこれからの捜査や裁判を待たねばならない、
その一方で、秋本議員は自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(通称「再エネ議連」)の事務局長を務めているが、この議連には100名を超える議員が名を連ねている。
この事件が秋本議員だけに留まるのか、他の国会議員にも波及して一大疑獄になるのか、今は分からない。
いずれにせよ、今回の事件の本質を見誤ってはいけない。
これは、単なるモラルの問題に留まるものではない。
贈収賄という犯罪があったなら、それは勿論重大である。
だがもう1つ、国民の財産が侵害されたという側面も等閑視(物事を軽くみて、いい加減に扱う)してはならない。
即ち、一部の事業者の利益のために、国の制度が歪められ、そのためにエネルギー政策が歪み、国民の負担が増える、ということが起きた疑いがある。
第1回目の入札では、入札制度の導入前ではほとんどの関係者が考えていなかったぐらい、三菱商事は圧倒的に安い価格を提示して落札した。
それにも関わらずこの制度が変更されたことで、国民はもっと高価な風力発電を押し付けられることになった。
このように、政府の介入の結果、一部の利益が推進され、そのために国民全般の利益が損なわれることは、
「政府の失敗」
と呼ばれる。
政治学ないし経済学の用語である。
政府の介入とは、本来、公共の利益のために行われるべきものであり、それが却って公共の利益を損なってはいけない。
■太陽光導入で電気代は高騰
「政府の失敗」
は、政府が特定の技術を推進する政策を採用した場合に起きやすいことは古くから知られている。
理由は2つある。
まず第1に、一部の事業者は大いに儲かるが、その損害は国民全般で広く薄く負担されるために、その負担が意識されにくいことである。
第2に、行政官、政治家、そして一般国民は、当該技術についての知識をそれほど持っていないので、事業者に騙され易くなる。
そこで、事業者が政治家と結託すると、自分に都合の良い制度を設計させて、その利益を分け合うという構図が生じ易くなる。
今回の秋本議員の件は犯罪として捜査されているが、法に触れてはいなくても、似たような構図はしばしば発生している。
2012年に太陽光発電などを推進する再生可能エネルギー全量買取制度が導入された時、一部の事業者は政治家を巻き込んで太陽光発電推進のキャンペーンを張った。
その結果、発電された電気の買取価格は極めて高く設定され、メガソーラー事業者は大いに潤った。
その反面、高い買取価格を維持するために一般の国民の電気料金には
「再生可能エネルギー賦課金」
が課せられることになった。
これは今でも年間2兆7000億円の負担となっている。
1人当たりなら年間2万円、3人世帯なら年間6万円に上る。
一部の事業者の利益のために、国民全体が不利益を被るという構図になっている。
「太陽光発電を導入すれば電気料金は安くなる」
ないしは
「太陽光発電は今や最も安くなった」
などという喧伝はあったが、実際には太陽光発電を導入するほど日本の電気料金は高くなった。
そして、近年になって太陽光発電には問題が噴出するようになった。
世界におけるソーラーパネルの8割以上は中国製となっており、その半分は製造工程において新疆ウイグル自治区での強制労働に関わっていると見られている。
またソーラーパネルは全国で立地の問題を起こしている。
メガソーラーは施工が悪い場合には土砂災害を招いている。
また景観も破壊し、生態系を破壊しているという問題もある。
中国など海外の事業者が日本の土地を購入する名目にもなっており、そこを起点に諜報活動やテロ活動といった安全保障上の懸念も生んでいる。
これら一連の問題点は、当初から一部の学識者は提示していたものの、問題が大きくなるに至るまで、政府の太陽光発電推進の姿勢は変わらなかった。
ソーラーパネルに多くの問題点が指摘されて手詰まり気味になったこともあって、ここ数年では洋上風力発電が
「再エネの切り札」
などと呼ばれるようになり、政治主導で強力に推進されてきた。
だが、
「政府の失敗」
が起きやすい構図は、ソーラーパネルで起きたことの繰り返しである。
政府は、北海道・東北地方の日本海側を中心に、大規模な洋上風力の開発を計画している。
そして
「再生可能エネルギー最優先」
という政策の下、将来の大量導入の数値目標が定められている。
洋上風力についてもソーラーパネル同様の問題点はいくつもある。
まずは地域の環境問題だ。
風車というと牧歌的な印象を受けるかもしれないが、現代の風力は最大級のものだと東京タワー並みの高さがあり、風車の先端が回る速さは新幹線並みである。
コンクリート、鉄、プラスチックからなる巨大な人工物がぐるぐると回る姿が日常親しんでいる景観に並ぶことを望まない人々も多い。
また風車に当たって鳥類が死ぬといった生態系への影響も懸念されている。
レーダーを攪乱して敵のミサイルや航空機の攻撃を防御出来ない、海底地形のデータが海外に流出するといった安全保障上の懸念も上がっている。
コストについて言えば、日本では、最も風況が良い所でも、洋上風力の設備利用率は35%程度に留まる。
つまり100万キロワットの風力発電所があるといっても、実際には平均して35万キロワットしか発電しない、という意味だ。
イギリスやドイツなどでは設備利用率は55%に達するというから、これだけで日本のコストは6割増ということになる。
尚海外では洋上風力は安くなったと喧伝されてきたが、実際にはコストは下がっておらず、ここにきて、採算が合わなくなった事業者が撤退したり、入札が成立しないといった事態が英国、米国などで相次いでいる。
■経済効率の悪い風力発電
風力発電も、太陽光発電と同様に出力が安定しない。
だが風が止んだ時でも電力需要はあるので、火力発電所などによるバックアップが必要になる。
つまりいくら建設しても火力発電所などを減らすわけにはいかないので、本質的に風力発電の設備投資は二重投資になる。
また発電し過ぎた時には出力を抑制しなければならないので、この分は無駄になる。
無駄になるのを避けるためだとして、蓄電池を設置して余った電気を貯めてから使うとか、送電線を建設して他の地域に電気を送るなどという政府の計画になっているが、これも全て本来は要らない投資であり、三重投資、四重投資となる。
風が強く吹き、風力発電が地域で余った時にしか使わないなどという送電線は、大半の時間使わない送電線ということだから、極めて経済効率が悪い。
洋上風力発電が立地する北海道や東北から、電力需要の大きい関東地方などまで送電する費用も大きくかかる。
政府が送電線整備についてまとめた広域系統長期方針(通称「マスタープラン」)では、北海道から太平洋側を通って福島まで海底送電線を引く費用が2兆円、同じく北海道から日本海側を通って新潟まで海底送電線を引く費用が2兆円で合わせて4兆円とされている。
こういった計画が、国民にその負担を殆ど知らしめることなく策定されてきた。
ここ数年での再生可能エネルギー政策における
「政治主導」
の顛末だ。
菅義偉首相、河野太郎大臣、小泉進次郎大臣の在任時に策定された第6次エネルギー基本計画において、
「2050年CO2ゼロ」
が国の目標となり、
「再エネ最優先」
という方針が定められ、2030年に向けた再生可能エネルギーの導入目標も高い数字が定められた。
以降、日本政府の施策はこれらの数字を
「前提」
として組み立てられた。
政府はその費用負担を国民に詳らかにすることなく、何重投資になろうとも洋上風力を推進するという愚かしい政策を進めている。
洋上風力を推進するために何兆円の投資が必要だ、という数字はある。
だが、もしもその洋上風力を推進する代わりに他の方法で発電した場合に、一体いくら節約できるのか、という数字を出していない。
同様に、もし再エネの導入目標を変更して原子力や火力で置き換えたら、一体いくら節約できるのか、という数字も出していない。
つまり再エネ導入目標や洋上風力導入目標は
「ありき」
の議論しかなされていない。
かつてはここまで酷くなかった。
再エネの導入については当然多様な問題点があるから、政府内でも複数の導入量を想定して国民の費用負担を試算し、審議会など公開の場で議論をしていた。
だが菅義偉政権以降、
「政治主導」
が強まり、政治家が強引に設定した数字については、それを疑う議論をすることを役人はしなくなった。
「CO2ゼロ」
がその最たるものだが、たとえ実現不可能であろうが筋が悪かろうが、与えられた数字を見直すことが無くなった。
役人は政治家が定めた数字を
「前提」
とした上で、いくつかの代替案を検討することしか出来なくなった。
コストがどれだけ嵩むことになろうとも、どんな弊害を引き起こそうとも、強引に推進する体制が出来上がってしまっている。
このようなことを続けているために、問題の本質を考えようとしなくなり、役人の知的頽廃(たいはい)も起きている。
洋上風力は氷山の一角に過ぎない。
今、日本政府は、2050年のCO2排出ゼロを目指すためとして、グリーントランスフォーメーション(GX)政策を推進している。
これは2023年の5月に国会で法律が成立したところであり、今、政府内では政策の具体化の作業が進んでいる。
この法律には原子力発電の運転期間の60年超への延長の規定があったことから、その点ばかりがメディアでも国会でも注目されたが、これは同法の1側面に過ぎない。
■国民にツケ回しするな
実はこの法律は、巨額な国民負担とエネルギー政策の歪みをもたらす懸念のあるものだ。
同法の核心は以下の点だーグリーン経済移行債として国債を20兆円発行してグリーンな投資に充てる。
これを呼び水として、
「規制と支援を一体として」
官民合わせて150兆円の投資を今後10年程度で実現する。
そして試算の内訳を見ると、再生可能エネルギー31兆円を筆頭に、電気自動車など次世代自動車の導入、水素エネルギーの開発、アンモニア発電、合成燃料の開発、建築物の省エネルギーなどの項目が並んでいる。
「規制と支援を一体として」
とあるのは、これまで太陽光発電を全量買取制度や補助金で普及させたのと同じことをまた繰り返すということに見える。
これで150兆円の
「投資」
を実現するというが、投資には必ず費用負担がある。
それは国民にツケを回されるのではないか。
技術開発において、政府が介入することが全ていけない、というのではない。
民間だけでは出来ないこともあるので、政府には間違いなく役割がある。
第1に、科学者、技術者を育てる教育には官の役割がある。
第2に、基礎研究については、個々の民間企業が実施するにはなかなか収益に結び付かず、しかも1度それが実現すると、その受益者は多くて社会全体のために役立つから、やはり官の役割がある。
具体的な政策としては、政府機関や大学による研究費を拠出するとか、企業の研究開発補助をする、といった方法がある。
第3の官の役割としては、技術開発が進んだものの未だ実用化されていない技術に対して、市場への導入を補助する、というものがある。
これには、政府が費用を負担する実証事業などがある。
そして第4に、技術が広く普及する段階において、もしもその技術に環境上の利点等の価格に反映されていない価値がある場合、その分を補助する、というものがある。
技術開発に政府が介入して成功した事例も多くある。
米国政府は、原子力発電の開発に巨額を投じた。
そして今日では原子力発電は実用化され、世界中で、政府の補助金なしに活用されている。
同じく米国のシェールガス開発は、当初は民間の創意で始まったが、やがて政府も支援し、今ではその技術は確立して米国のエネルギー供給の主力になっている。
これも政府の支援は今や一切要らなくなった。
日本でも、かつてムーンライト計画の下で実施された火力発電用ガスタービン技術開発プログラムでは、政府支援を受けた複数の日本の重電メーカーが、当時最先端であった米国の水準に追いつくという目標を達成し、国内はもとより世界でも自力で事業が出来るようになった。
いずれも、政府による投資は、十分に国民に還元されることになった。
■政治主導を疑え
政府の介入について4つの段階を示したが、このうち初めの2つである教育と基礎研究、それから3つ目の導入補助までは、政府しか出来ないことでもあり、成功した事例もあった。
また仮に失敗に終わってもそれほど大きな国民負担にはならない。
しかし4つ目の普及段階での補助については要注意だ。
その費用が巨額に上り、大失敗になることがある。
太陽光発電についての全量買取制度では、まさにその失敗が起きた。
洋上風力発電を筆頭に、GX政策において、この失敗が拡大し繰り返される懸念がある。
洋上風力発電は、日本でこそまだ導入が進んでいないが、世界を見れば、欧州や中国で既にかなり大規模に普及している。
三菱商事が比較的安い価格で落札出来たのも、欧州での経験を積んでいたからだと言われている。
洋上風力は導入段階というより、明白に普及段階にあるのだから、他の電源に比べてその便益は何かを検討し、政策による補助金はその範囲に止めなければならない。
風力発電の便益はせいぜい風が吹いている時に限り火力発電所の化石燃料の消費を減らすことでCO2排出が削減される、という点だけである。
それを超えるような過剰な政策的補助は正当化できない。
水素、アンモニア、合成燃料などについては、いずれも基礎研究段階である。
現在知られている技術だけで強引にインフラを作ることは原理的に出来なくはないが、費用が法外に高くなるのでそれは正当化できない。
従って政策としては基礎研究への補助に止めるべきであり、金額としてはそれほど膨らむようなものではない。
だがもちろん逆に、金額の嵩む案件の方が事業者にとっても政治家にとっても魅力的である。
行政官も予算が多い方が手柄にある。
3者が結託して、国民にとって高価につき、役に立たないインフラに大規模な投資がなされないよう、監視する必要がある。
今後、強力な政治主導のままGX政策の具体化が進んでゆくとなると、第2、第3のソーラーパネルが生まれる危惧がある。
その過程では半ば必然的に、今回の秋本議員のような汚職事件も生じかねない。
そのようなことを避けるためにはどうするか。
今回の汚職疑惑をきっかけとして、政策決定のシステムを是正することだ。
技術の導入量目標を政治家の圧力任せにせず、複数の目標を専門的に検討し、どのような実現方法があるのか、国民の負担はいくらかかるのか、弊害には何があるのか、それはその目標を変えた時にどのようになるのか、国民の前に数字などの情報を出して議論し、その上で政治・行政が意思決定をすることを法令により制度化すべきだ。
そうすることで、政治家と事業者が結託して、国民を欺く形で特定の技術を推進するという構図への歯止めになるのではないか。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/850.html#c40
[原発・フッ素54] 「元議員が聞いて呆れる」田嶋陽子氏、処理水放出で「魚の形変わる、気持ち悪い」発言に非難殺到…放送した局の姿勢に疑問も(… 蒲田の富士山
30. 2023年10月01日 08:19:03 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[6]
<■137行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
処理水とIAEA 中国への共感は広がらぬ
2023/10/1 5:00
https://www.sankei.com/article/20231001-A4DSJJODOFOKXP7JV7NL73TOTY/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反対する中国政府の姿勢は道理に合わず悪質である。
到底容認できない。
国際原子力機関(IAEA)の年次総会がウィーンで開かれた。
中国代表は処理水を
「核汚染水」
と呼び、海洋放出を強く非難した。
初回の放出は2023年9月11日に終わった。
放出開始からは1カ月が過ぎた。
周辺海域や水産物のモニタリング調査で異常は確認されていない。
安全を確保しながら実施されたということだ。
にもかかわらず中国政府は根拠もなく不当な非難を続けている。
非科学的かつ反日的な姿勢には呆れてしまう。
年次総会では、欧州などの国々から放出への理解の声が上がった。
中国に同調する国は見られなかった。
中国政府は放出批判を直ちにやめるべきだ。
日本産水産物の輸入禁止も撤回しなければならない。
総会で高市早苗科学技術相ら日本側が中国政府からの攻撃に対し、直ちに反駁したのは評価できる。
高市氏は、日本はIAEAの関与の下で処理水を放出し、国際社会へ丁寧に情報提供してきたと説明した。
「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信をし、突出した輸入規制をしているのは中国だけだ」
とも述べ、中国政府のおかしさを際立たせた。
複数の中国の原発から放出されるトリチウムは、福島第1の処理水で放出されるトリチウムの5倍から10倍に上る点も指摘した。
中国政府は日本産の水産物を禁輸した。
だが、一方で、中国漁船が日本漁船も操業する太平洋、日本海、東シナ海で漁を続けることを容認している。
中国から日本を訪れる観光客の相当数が、日本の水産物に舌鼓を打っている。
中国政府自身も、中国からの少なからぬ訪日観光客も、本音では処理水放出が危険だと考えていないのではないか。
真実や科学に則って主張を展開しなければ、ただでさえ高くない自国への国際社会の信頼が更に損なわれる点に中国政府は気付いたほうがいい。
岸田文雄政権は処理水放出について内外への丁寧な説明を続けると共に、中国による不当な水産物禁輸を世界貿易機関WTO)へ提訴すべきだ。

原発処理水、2回目放出は10月5日から 設備点検でもトラブルなし
2023/9/28 18:04
https://www.sankei.com/article/20230928-MIX6XFG7CRL2HOEXCXY57VERRM/
東京電力は2023年9月28日、福島第1原発処理水の2回目放出について、2023年10月5日から開始すると発表した。
2023年9月11日に1回目の放出が完了した後、放水設備や運用状況などを点検した結果、大きな問題はなく、計画通り2回目の放出が行えると判断した。
放出量は1回目と同じ約7800トン。
17日間程度かけて海に流す。
東電が2回目に放出する処理水に含まれる放射性物質を分析したところ、セシウム137など29種類の放射性物質濃度は、いずれも原子力規制委員会が定めた法令基準を下回った。
委託先の分析機関が独自に測定した結果も同様に基準未満だった。
多核種除去設備(ALPS=アルプス)で除去できないトリチウム濃度は、海水で薄める前の基準を大きく下回る1リットル当たり14万ベクレル。
放出の際には大量の海水で希釈し、国の排水基準(1リットル当たり1500ベクレル未満)まで濃度を薄めてから放出する。
東電によると、2023年度は計4回の放出を計画しており、処理水の放出総量はタンク保管容量の2.3%に当たる約3万1200トン。
一方、原発周辺の海水や魚類などに含まれるトリチウム濃度について、東電や国などの検査で異常値は出ていない。

高市氏「最後まで安全を」 処理水放出、IAEA総会
2023/9/26 7:29
https://www.sankei.com/article/20230926-GKH35MPQDNKRDMPFTSTTBKJFJE/
国際原子力機関(IAEA)の総会が2023年9月25日、オーストリアの首都ウィーンで始まった。
高市早苗科学技術担当相は、東京電力福島第1原発の処理水について、2023年8月に
「安全性に万全を期した上で」
放出を開始したと説明。
「IAEAの継続的な関与の下、最後の一滴の海洋放出が終わるまで安全性を確保し続ける」
と訴えた。
高市氏に先立ち、中国は演説で
「福島の核汚染水の海洋放出は原子力の安全性を巡る大きな問題だ」
と主張した。
高市氏は演説で、中国の主張は科学的証拠に基づいていないと反論。
「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信をし、突出した輸入規制をとっているのは中国だけだ」
と述べ、正確な情報発信を中国に求めていく考えを強調した。
IAEAのグロッシ事務局長は、海洋放出に関してIAEAが
「独立した監視」
を実施していると説明した。(共同)

日本と中国が処理水めぐり応酬 IAEA総会
2023年9月26日 4時51分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230925/k10014206051000.html
IAEA=国際原子力機関の年次総会で、中国が福島第1原発の処理水を
「核汚染水」
と呼んで日本を強く非難したのに対し、日本側が安全性を強調して反論しました。
総会に出席した高市科学技術担当大臣は、放出に反対したのは中国のみだったなどとして、国際社会での理解は広がっているとの認識を示しました。
IAEAの年次総会は2023年9月25日午前10時過ぎ、日本時間の2023年9月25日午後5時過ぎからオーストリアの首都ウィーンで始まりました。
冒頭、グロッシ事務局長は、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の放出を巡り
「IAEAは独立した立場から状況の評価や分析活動を行っている」
「そのために現地に事務所も設け、作業による影響が出ないように最後まで関与する」
と述べ、今後も監視や評価活動を続ける方針を示しました。
総会では各国の代表が演説を行い、福島第1原発の処理水の放出を巡り、どのような反応を示すかが注目されています。
■中国代表 処理水を“核汚染水”日本を強く非難
このうち中国国家原子力機構の劉敬副主任は、東京電力福島第1原子力発電所の処理水を
「核汚染水」
と呼んだ上で
「日本は関係国の人々の強い反対を顧みず、海への放出計画を始め、国際社会の幅広い懸念を引き起こした」
と日本を強く非難しました。
■高市科学技術相“中国は科学的に根拠のない情報拡散”
これに対して、日本の高市科学技術担当大臣は
「IAEAのレビューで日本の取り組みは科学的基準に照らして安全であるという結論が示されている」
「日本政府は科学的根拠に基づき高い透明性をもって国際社会に対して丁寧に説明していて、幅広い地域が日本の取り組みを理解し支持している」
と述べました。
その上で
「IAEAの継続的な関与の下、『最後の一滴』の海洋放出が終わるまで安全性を確保し続ける」
と述べ、改めて国際社会の理解と支持を求めました。
更に高市大臣は中国の演説に反論して
「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信や突出した輸入規制を取っているのは中国のみだ」
と述べ、中国に対し
「科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信」
を求めました。
更に中国の代表が発言の機会を求め、環境や人体への影響に関する日本の説明が不十分だなどと主張したのに対し、日本の引原大使は
「安全性は日々のモニタリングで証明されている」
「中国のいくつかの原発から年間に放出されるトリチウムは福島第1原発から放出される計画の量の5倍から10倍に上る」
などと反論しました。
高市大臣はアメリカなどの代表と個別に会談した後、記者団の取材に応じ、放出について
「幅広い支持が得られていると感じた」
「個別の会談でもそう感触を得たし、演説で日本を批判したのは中国だけであることから見ても理解は広がっていると思う」
と述べ、国際社会の理解と支持を広げる努力を続ける姿勢を示しました。
総会は2023年9月29日まで行われ、ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の安全の確保や、イランの核開発などについても各国から発言が相次ぐと見られます。

処理水放出“トリチウム濃度 5回目も検出下限を下回る”環境省
2023年9月25日 11時53分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230925/k10014205841000.html
東京電力福島第1原子力発電所にたまる処理水の放出開始後から環境省が1週間に1回の頻度で行っている海水のモニタリングについて、5回目も全ての地点でトリチウムの濃度は検出できる下限を下回ったとする結果が公表されました。
東京電力福島第1原発にたまる処理水の海への放出後から環境省は1週間に1度の頻度で、海水のモニタリングを行っています。
5回目のモニタリングは、放水口の付近や遠い所でおよそ50kmの地点など福島県沖の合わせて11地点で2023年9月19日に海水の採取を行い、研究所でトリチウムなどの濃度について分析しました。
環境省は結果について2023年9月25日、11地点全てでトリチウムの濃度は検出できる下限値としていた1リットル当たり10ベクレルを下回ったと発表しました。
2023年7月27日の1回目から2023年9月21日の4回目までと同様の結果となっています。
環境省は当面1週間に1回の頻度でモニタリングを続け、結果はホームページやSNSで公表していくことにしています。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/309.html#c30

[政治・選挙・NHK291] 円の価値は国の価値 ここまで日本を貧しくさせたのは歴代自民党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
72. 2023年10月02日 09:24:29 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[7]
<■214行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
美しき勁き国へ
櫻井よしこ 性別訴訟 最高裁を危惧  
2023/10/2 8:00
櫻井 よしこ
https://www.sankei.com/article/20231002-XRBBA2EEWFJD3J2IWP52FF4BBE/
自分は男性として生まれたが本当は女性だと考える性同一性障害の人が戸籍上の性別変更をするのに、生殖能力をなくす手術を要件とした現行法は憲法違反か否かが争われた家事審判の弁論が2023年9月27日、最高裁大法廷で開かれた。
最高裁が性別変更の申し立てで弁論を開いたのも、弁論前日に家事審判で申立人の意見を直接聞く審問を非公開で開いたのも初めてだ。
大法廷は2023年年内にも憲法判断を示すとみられる。
2004(平成16)年施行の性同一性障害特例法(以下特例法)は、戸籍上の性別を変更する前提として、元の性別での生殖機能を永続的に欠く状態であることを含む5つの条件を定めた。
一般的には卵巣や精巣などの摘出手術が必要だとされている。
今回、最高裁が特例法の規定を憲法違反と判断したら、手術なしで本人の性自認で法的性別の変更が可能になる。
男性の生殖機能を持ったままの
「法的女性」
や、
女性の生殖機能を持ったままの
「法的男性」
が出現する。
社会への影響は計り知れず、女性の安心安全は危機に瀕する。
男女の定義変更で親子関係も混乱しかねず、戸籍法も含め国会には法改正の義務が生じてくる。
極めて大きな問題を扱っているにもかかわらず、大法廷の裁判には2つの重大な欠陥がある。
弁護士の滝本太郎氏の指摘だ。
「第1にこの裁判には相手方、被告がいません」
「様々な問題点を示す訴訟当事者がいない状況で果たして裁判所は全体像を把握し適正に判断できるのか」
「第2にこの件で先行した国々は多くの問題や犯罪に直面し、今、揺り戻しが来ています」
「最高裁は海外の失敗事例を十分に把握しているのか、懸念されます」
第1の点について、自民党の
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」
の片山さつき共同代表らが2023年9月8日、斎藤健法相(当時)と面会し、
「手術要件が違憲となれば、元の生殖能力を維持したままの性別変更が可能になり、大混乱が生ずる」
として、法務省が審理に参加して意見を述べるよう求めた。
斎藤氏の反応は慎重で、法務省は同裁判に関わろうとしない。
この姿勢は大いなる間違いだ。
国として申立人であるトランス女性の権利や自由を守るべきなのは当然だが、社会の圧倒的多数を占めるトランスではない男女の権利や自由も同様に守ることも重要だ。
これら圧倒的多数の国民の立場や権利を代表して意見を言うのが法務省の責任である。
今からでも遅くはない。
最高裁の審理参加を申し入れるべきだ。
性同一性障害の人々の中に、今回の申立人とは異なる意見を持つ人は少なくない。
最高裁はこれら異なる意見にも耳を傾けるべきだ。
例えば2023年7月10日、最高裁による判断の帰趨に懸念を抱き、
「性同一性障害特例法を守る会」
を設立し、代表となった美山みどり氏らの主張だ。
美山氏は性同一性障害で性転換手術を受け、戸籍上も男性から女性になった。
美山氏らは
「性同一性障害」
という自らのアイデンティティーと、手術というエビデンスによって社会との協調を図っていく立場から、特例法の廃止にも手術要件の廃止にも強く反対する。
性別適合手術と特例法の手術要件は自分たちが望んで戦い取った権利であり、決して人権侵害や過酷な断種手術ではないと断言する。
また、約20年間で1万人以上が特例法を使って戸籍の性別変更をした現実を指摘し、制度として既に定着していると主張する。
「社会の様々な場面に性別による区別」
が存在するからこそ、社会的に見て
「性別を安定させ、社会に適合しようとする人」
に法的な保護を与えているのが特例法の趣旨であり、これは差別ではないとの見解も示している。
美山氏らは7団体、数千人とその他有志と協力して
「手術要件が違憲となれば、男性器のある女性が女性スペースに入ることが可能になったり、出産する男性が出てきたりして社会が混乱する」
として、違憲判断をしないよう求める約1万5000人の署名を最高裁に提出した。
このように申立人と反対の立場に立つ性同一性障害の人々は少なくない。
しかし、美山氏らの反対意見を報じた全国紙は私の見た限り、産経新聞と読売新聞だけだった。
他の全国紙はおよそ全て手術要件は違憲だとの見方しか伝えていない。
偏った報道は最高裁の全体像把握を妨げかねず、メディアの責任は重大である。
先に滝本氏が指摘した第2の点、海外では行き過ぎた対応の結果、多くの犯罪が起きたことなどで揺り戻しが起きていることもメディアは十分に報じていない。
そのため最高裁がそうした事情を十分把握しているのかも疑問だ。
欧米諸国では生殖機能を維持した
「法的女性」
による性犯罪の事例に事欠かない。
性自認の概念に基づいて性別で区分されたスペースを変えてきた英国は、その結果としての混乱に堪えかねて2022年春から明確に方針を切り替えた。
まず女子トイレを復活させ、法的女性は女子刑務所には入れないと決定した。
「手術要件があるからこそ、自分たちは一定の信頼を勝ち得ている」
との美山氏らの指摘を軽視してはならないということだ。
司法、とりわけ最高裁についても疑問を抱く。
司法は公正中立の立場で日本社会の良き価値観を守らなければならない。
幾世紀にも渡って育み受け継いできた文化、価値観を大事にするということだ。
滝本氏は、欧州諸国は同性愛に罰を科したソドミー法への反省から同性愛のみならず性自認に傾きがちだと指摘する。
こうした考えが日本に伝わり、メディア、司法関係者、学者らの間で共感を得ているのではないか。
しかし我が国の文化や価値観にソドミー法的な影はおよそない。
欧米の潮流に過度に影響される必要はなく、日本の文化や価値観にもっと自信を持って良いのである。
最高裁判事15人の考え方で日本社会の根幹や価値観を根底から変えようとするのは許されない。
最高裁に暴走させないために、法務省は国民を代表して最高裁の審理に参加し、堂々と意見表明すべきである。

自民女性守る議連、性別変更に手術要件維持を 法相に声明提出
2023/9/8 14:13
https://www.sankei.com/article/20230908-MXZYO3Q7UZLVFA7ILC7PY7EQJ4/
自民党の有志議員で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)
のメンバーは2023年9月8日、法務省内で斎藤健法相と面会した。
戸籍上の性別を変える上で性別適合手術を求める現行法の規定の合憲性が争われている家事審判について
「手術要件が違憲になれば、(戸籍上)男性になった後に生物学的な母であり得たりと、大きな混乱が生じる」
と指摘する声明を提出した。
斎藤氏は
「重く受け止める」
と応じたという。
会談後、議連共同代表の山谷えり子元拉致問題担当相は記者団に
「欧米では自分が思えば男性でも女性でもなれるということで、社会の混乱、分断、対立が起きている」
「先行する国々の実態調査をしてもらいたい」
と述べた。
また、医師である松本尚衆院議員は
「解剖学的に、外形的に性別を決めていくことは国民全体で認識しないと、社会秩序に大きな影響を及ぼす」
と語った。
家事審判は2023年9月27日に最高裁大法廷で弁論が行われる。

自民議連 性別変更の手術要件「違憲は混乱」声明へ
2023/9/7 19:12
https://www.sankei.com/article/20230907-SOW3MC73CNIW5KNNTISARGPEXA/
自民党の有志議員で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)
が、性別変更する場合は性別適合手術を要件とする現行法の規定の合憲性が争われている家事審判を巡り、
「手術要件が違憲になれば、(戸籍上)男性になった後に生物学的な母であり得たり、大きな混乱が生じる」
と懸念する声明をまとめたことが2023年9月7日、分かった。
2023年9月8日に斎藤健法相に声明を提出する。
現行の性同一性障害特例法は、性別変更の審判を申し立てる要件に生殖能力がないことなどを挙げており、規定を満たす場合は性別適合手術を受ける必要がある。
家事審判は男性から女性への性別変更が申し立てられ、2023年9月27日に最高裁の弁論が予定されている。
議連の声明は、性別適合手術を受けていないトランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)に更衣室などの女性用スペースの利用を認めた欧米諸国で生じた問題や事件について、法務省に調査・公表を求めた。
また、議連によると、家事審判に国は参加しておらず、違憲になれば各種法制度に大きな影響を与えかねない。
そのため、利害関係人として戸籍制度を所管する法務省などの参加も要請した。
議連はLGBTなど性的少数者への理解増進法の成立に伴い、2023年6月下旬に設立された。
国会議員102人、地方議員98人で構成する。

自民議連、性別変更で適合手術要件維持訴え 安易な変更防ぐ
2023/8/30 19:20
https://www.sankei.com/article/20230830-BWA5UJSYRJNF7NXEWI4ODIOKKU/
自民党有志議員で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」
は2023年8月30日、党本部で会合を開き、性別を変更する場合は性別適合手術を要件とする現行制度を維持する必要性を確認した。
安易な性別変更が横行することで社会の混乱を防ぐ狙いがある。
性別変更を巡っては性別適合手術を求める現行法の規定の合憲性が裁判で争われており、議連は近く声明をまとめる。
「自分さえ思えば性別変更ができかねない」
「大きな社会の混乱になる」
議連の共同代表を務める山谷えり子元拉致問題担当相は会合でこう語り、現行制度の維持を訴えた。
性同一性障害特例法は性変更の審判を申し立てる要件に、
▽18歳以上
▽結婚していない
▽未成年の子供がいない
▽生殖の機能がない
▽身体的特徴が似ている
の5項目を挙げており、規定を満たすには、性別適合手術を受ける必要がある。
ただ、一部のLGBT団体や日本学術会議は手術要件の撤廃を求めている。
性的少数者に関する法整備を提言する
「LGBT法連合会」
は同法の要件について、
「人権侵害の懸念が極めて強い手術要件を中心に撤廃すべきだ」
と主張する。
手術を必要とする法律の規定が合憲かどうかは家事審判でも争われており、2023年9月27日には最高裁大法廷で弁論が行われる。
自民議連の会合ではLGBTの当事者らにヒアリングを行い、手術要件撤廃に否定的な意見が相次いだ。
性別適合手術を経て、戸籍上の女性となった
「性同一性障害特例法を守る会」
の美山みどり代表は、
「自身の性的機能に嫌悪感を持ち、医学的な救いとして手術した」
「手術要件は(女性として)社会に信頼されるためだ」
「要件の撤廃は認められない」
と主張した。
バイセクシャルを公言する作家の森奈津子氏は
「LGBT活動家は性別適合手術を断種(強制不妊手術)で人権侵害と主張するが、LGBT当事者は賛同していない」
「活動家は当事者の代表ではない」
と強調。
過剰な性教育に否定的な立場を取る
「子どもたちの未来を繋ぐお母さん連合会」
の山崎恵共同代表は
「手術することなく戸籍を変更すると、体が男性のままの母親が生まれてしまう」
として、授乳室などを共有することを懸念した。
議連共同代表の片山さつき元地方創生担当相は記者団に、手術要件に関し、
「身体的特徴が分からなくなれば(女性更衣室などの)女性スペースの立ち入りについても判断ができなくなる」
と語った。
会合では、自身の性に違和感を覚える子供に対し、性転換を図るホルモン治療や外科手術を受けさせてしまうことを問題視する意見も出た。

戸籍上の性別変更には「適合手術」要件維持を 性犯罪被害の支援者らが記者会見
2023/8/11 0:28
https://www.sankei.com/article/20230811-VQH7D5M6WVPETGQEM2HM4SGJ4U/
性犯罪被害の支援者や性的少数者の団体などで作る
「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」
が2023年8月10日、東京都内で記者会見を開き、戸籍上の性別を変更する場合は性別適合手術を受ける必要性を訴えた。
自民党や立憲民主党など与野党に理解を求めていく。
性別変更を巡っては、性別適合手術を必要とする法律の規定が合憲かどうかが裁判で争われており、2023年9月27日に最高裁大法廷で弁論が開かれる。
■「性犯罪へのハードル下げてしまう」
性同一性障害特例法は、性別変更の審判を申し立てる要件として、
▽18歳以上
▽結婚していない
▽未成年の子供がいない
▽生殖能力がない
▽身体的特徴が似ている
の5項目を挙げており、規定を満たそうとすれば、性別適合手術を受ける必要がある。
「性同一性障害特例法を守る会」
の美山みどり氏は会見で、手術要件が撤廃された場合は、
「(心と体の性が一致しない)トランスジェンダーを装った性犯罪者と、トランスジェンダーの区別ができなくなる」
「性犯罪へのハードルを下げてしまう」
と訴え、
「緩い基準で性別変更を認めた諸外国では社会が混乱している」
と指摘した。
■「心は女性」の男がわいせつ行為
トランス女性を自称する男が女性に性暴力を働いた事例は国内外で確認されている。
大阪府高石市では
「心は女性だ」
と説明していた男が2021(令和3)年に複数の女性にわいせつ行為をしたとして、準強制わいせつ罪で起訴されている。
「女性の人権と安全を求める会」
の石上卯乃共同代表は、
「悪用の道があれば必ず悪用される」
「外から確認できない本人の自認が性別の根拠とされれば、被告のような人物が女性たちに入り込み、警戒することも問題視される」
と懸念を口にした。
■議論が封じられる傾向
複数の会見出席者によれば、トランス女性の権利と女性の権利の衝突を懸念すると
「トランスジェンダー差別」
と非難され、議論が封じられる傾向にあるという。
「性暴力被害者の会」
の郡司真子氏は、
「性暴力の被害者がX(旧ツイッター)に『(トランスジェンダーの)身体男性が怖い』と書けば、『トランス差別だ』と詰め寄られ、言論の機会を失っている状況だ」
と説明した。
性同一性障害特例法の規定を巡っては2019(平成31)年1月に最高裁が
「社会の変化に伴い継続的な検討が必要だが、現時点では合憲」
とする判断を示している。
一方、性的少数者に対する法整備を提言する
「LGBT法連合会」
などは性別変更の手術要件の撤廃を求めている。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/855.html#c72

[政治・選挙・NHK291] 複雑怪奇な消費税が全ての元凶 黒幕は木原なのか 何から何までデタラメ政策(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
35. 2023年10月02日 20:55:18 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[8]
<■287行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ウイグル核実験の調査を提起せよ
正論2023年11月号 日本ウイグル協会 アフメット・レテプ
2023年8月24日、東京電力福島第1原子力発電所から排出されたALPS処理水の海洋放出が始まった。
国際原子力機関(IAEA)や多くの科学者たちによる科学的分析で問題はないと判断され、国際社会の理解と日本政府の決断を経て実施されたものだ。
原発の廃炉を実現する上で海洋放出は避けて通れないプロセスである。
原発を廃炉するには、莫大な歳月を要する。
達成するまで原子炉の冷却を絶え間なく続けなければならない。
そのプロセスで生まれる冷却後の排水を無害化し安全性を確保した上で海に放つ。
ここまでの取り組みだけでも膨大かつ気の遠くなるような作業の積み上げである。
それを12年もの間、粘り強く続けてきたことに私はまず感心し見守っている。
しかし、この処理水放出に中国から官民挙げての反発が繰り返された。
その態様は非常識極まりないもので、中国外務省の報道官が一切の科学的根拠を無視した主張と乱暴な非難を連日発信し、反日感情を煽っていた。
中国政府は、日本の水産物の全面禁輸などの経済制裁を科し、香港政府やマカオ政府も追従した。
イギリスを拠点に偽情報に対抗しているデータ分析会社、ロジカリーのデータによると、中国の国営メディアは2023年1月以降、フェイスブックやインスタグラムにより、様々な言語で、様々な国に向け、処理水の危険性を訴える広告を流した。
それだけではない。
中国人による反日行為も多発した。
中国の日本人学校には石や卵が投げ付けられ、放尿までされた。
北京の日本大使館にはレンガが投げ付けられた。
飲食店には
「日本人の入店お断り」
の張り紙が掲示された。
日本製品の不買や訪日旅行のキャンセルも相次いだ。
大勢の中国人が海沿いに並び、日本が汚した海を綺麗にするためと言ってミネラルウォーターを海に向かって流していた。
ナチスの独裁者、ヒトラーの髭を岸田首相の顔に描き加えた大型写真を抱えながら抗議デモが行われた。
日本全国で大量の迷惑電話が相次いだ。
東京の寿司店では放射線を測定しながらの動画が撮影され、ネット上に流された・・・。
これはやり過ぎ、とか民度が低いといった表現で片付けられる話では決して無い。
むしろ中国人の様式が正しく反映されたと言っていいだろう。
2012年、尖閣諸島の国有化を巡って中国全土に激しい反日運動が広がったことがあったが、あれから11年を経て、再び中国人の反日ぶりを正しく理解できる出来事が繰り返されたということだ。
■魚を食べないで
2023年8月末、ほとんどのウイグル人が家族との連絡が途絶えている中にあって、辛うじてたまに連絡が出来ていた在日ウイグル人が、電話口の親から
「魚を食べないで、危ないから」
と言われたといって、ショックを受けていた。
日本に住む子供が
「核で汚染された魚を食べて健康被害に遭ったらどうしよう」
と心配し、パニックに陥ったらしい。
ウイグル人社会における中国の官製メディアは、民主主義国のポジティブな側面をほとんど報道しない。
その一方で、ネガティブな側面は熱心に報道する。
日本に関する話題だと、この傾向は益々酷くなる。
官製メディアが反日感情と不安を煽ってくるからだ。
一方的な報道しか無いのだから、日本に居る家族の消息について不安を覚え、心揺れることも無理からぬことだ。
「魚を食べないで」
と言われたという話を聞かされた時、私は12年前の2011年を思い出した。
2011年3月11日、東日本大震災の直後にウイグルの家族と電話で話した時のことだ。
当時は、現在のように通信が遮断されていなかった。
好きな時に家族と電話やSNSで連絡取るのが当たり前の時代だった。
日本で起きた大地震に関して中国ではネガティブな報道が嵐のように流れている。
ウイグルの家族は不安に襲われ、日本に居る私たちを心配していた。
会話の中で
「日本はもう終わったと言われているが本当なのか?」
と聞かれた。
私は愕然とした。
情報統制による”洗脳”の怖さを改めて痛感した瞬間だった。
ウイグル人の多くは親日的だ。
「アジアの希望の星」
という日本への特別な思いと期待を抱いている。
その日本が衰退して沈んでいくと宣言することは、ウイグル人を失望させ、日本や欧米が助けてくれるとの夢を諦め、独自文化を放棄し、中国人になりきって生きるしか道はないと追い詰めたいという思惑が中国にはある。
福島から300kmほど離れた東京のオフィスで勤務していた私でさえ、震災当日は同じ都内にある自宅に帰れず、帰宅難民となって家族と1日会えなかった。
未曽有の大災害であることは明白だった。
しかし、その未曾有の大災害と冷静に向き合う日本国民の姿は感心するに値するものだった。
当時、日本には、各大学・大学院の留学生やその家族を中心とした、2000人ほどのウイグル人が暮らしていた。
彼らは第2の故郷である日本を襲った大災害と向き合う日本国民に少しでも力になりたいとの思いから、募金を集めて日本赤十字社を通して東日本大震災の被災地に寄付した。
岩手県盛岡市、宮城県石巻市などで複数回災害ボランティア活動も実施した。
被災者やボランティアの方々にウイグル料理を振る舞いながら、ボランティア活動を続ける中で、ウイグル人たちが目にしたのは、
「自然には勝てないが、ここで挫折することなく被災地を必ず再建して見せる」
という不屈不撓(ふくつふとう、どんな困難があっても決してくじけないこと)の精神に満ちた日本国民の冷静な姿だった。
あれから12年が経つ。
今度は
「魚を食べないで」
との忠告だ。
それだけではない。
今回の処理水海洋放出で中国から大量の迷惑電話が日本全国にかかってきたと報道された。
在日ウイグル人の中にも被害に遭った者がいた。
電話を受けたその在日ウイグル人は、
「お前らはウイグルで核実験を繰り返し、ウイグルの人々に甚大な核災害をもたらした、その責任を取るのが先だろう」
と中国語で言い返した。
すると、電話は黙って切れたという。
今回、中国の官民が共に、科学的根拠を全く無視して日本に仕掛けてきた経済制裁、迷惑行為について、
「足元を見ろ」
という反論がちらほら見られるようになってきたと思う。
例えば、中国政府が日本産水産物の輸入を全面停止した措置を世界貿易機関(WTO)に通知したことを受け、日本政府は2023年9月4日、即時撤廃を求める反論書をWTOに提出した。
反論書では、福島第1原発から放出される年間のトリチウム量が、中国の泰山原発から放出されるトリチウム量の約10分の1に過ぎないことを示した。
中国沿岸部の複数の原発が福島第1原子力発電所の処理水より何倍も多いトリチウムを放出しているとのメディア報道も複数あった。
中国に配慮し過ぎていたこれまでの対応に比べれば遥かに前進したものと言える。
だが、中国のやっていることはその程度では済まない話だ。
東トルキスタンでは30年に渡って、
「最悪」
と言われる地表での核爆発を伴う核実験が繰り返されたからだ。
ウイグル人らに甚大な核災害をもたらし、それは今も続いている。
今回そのことを指摘したメディアはない。
忘れているのか、知らないのか。
それとも中国への忖度なのか。
定かではないが核実験という蛮行が封印されていることは残念だ。
■秘密裏の実験
ソ連の技術支援を得て、1964年10月16日、中国は東トルキスタンのロプノールに建設した実験場で初の核実験を行った。
東京オリンピックの開催中の出来事だった。
その後、アジア初の核保有国となった中国は、1996年7月29日までの32年間に
「地表」
「空中」
「地下」
での核実験を繰り返した。
その数は公式発表で46回、実際は、小規模の実験も含め、ロプノールにおける核実験は50回以上に及ぶと推定されている。
そのうち、約半数が大気圏内での核実験で、最悪の被害をもたらす地表での核爆発も約3分の1を占める。
1963年8月、米国、イギリス、ソ連の3カ国によって大気圏内での核実験を禁止する部分的核実験禁止条約が調印されたが、後から核保有国となった中国は条約に加わらず、ロプノールの核実験場において地上での核実験を繰り返した。
専門家の分析によると、ロプノールでの核実験は、総爆発出力20メガトン、広島の原爆の約1250発分に相当する。
被害の凄まじさは想像を絶するが、中国政府は健康被害が無いと主張するのみで、一切の調査や情報開示を拒んでいる。
2023年は、日中平和友好条約締結45年らしい。
これを祝う親中派の人々は、中国が1978年8月に日本と平和条を結ぶ一方で、2カ月後の1978年10月に24回目となる核実験を秘密裏に行っていたことを忘れないで欲しい。
■デモ後の報復
当時、ウイグルでは一般庶民は核実験の存在すら知らなかったが、知識人らは情報を得ていた。
都合の悪い情報を徹底して隠し、都合の悪い人をレッテル貼りで一掃していく。
それが中国の政治統治だ。
ウイグル人への核災害と、それに抗議する人々も政治統治の運命から逃れることは無かった。
1949年の占領から約半世紀、1964年の最初の核実験から20年以上が経過した1985年12月12日、ウルムチの
「新疆大学」
など7大学から1万人を超える大学生らが参加した平和的な抗議デモがあった。
一般的によく知られている天安門事件の学生デモよりも5年も前に起きた大規模デモだった。
デモ隊は民族差別政策や弾圧に抗議し、ウイグルにおける核実験の中止等を求めた。
デモを未然に始末する動きもあったが、大学生らの熱意には勝てなかった。
デモの2日前の1985年12月10日、今回のデモ計画を主導した新疆大学学生連盟の会長、中国全国大学生連盟の副会長、ミジット・クルバン氏が急死した。
死因は未だに謎のままだ。
彼の急死を受け、大学生らの間で動揺が広がったが最終的にデモは敢行された。
ウイグルの自治区政府の役人らと大学生代表5人が面会し話し合う運びになった。
政府側は学生側の要求を受け入れると約束し、デモは鎮静化したのだが、間もなくデモ関係者への報復が始まる。
当時学生代表として政府役人らと話し合いをし、その後、報復対象になって外国へ脱出せざるを得なかった数名は、今欧米でウイグル民族運動の最先端で活躍している。
2023年2月1日、カナダ下院は、中国の迫害から第三国に逃れたウイグル人ら1万人をカナダで受け入れるよう政府に求める動議を全会一致で可決した。
これを取り付けるロビー活動を主導したカナダ在住のウイグル人活動家、メメット・トフティ氏は、1985年のデモ当時、政府役人らとの話し合いに参加した学生代表5人のうちの1人だ。
一方、外国へ脱出出来なかった多くのデモ関係者は拘束や長期に渡る監視等様々な迫害に苦しむこととなった。
デモから34年が経過した2019年12月、デモの指導者の1人だったワリス・アバベキリ氏が、強制収容所から出た直後に死亡したと報道された。
在外ウイグル人は大きな衝撃を受け、悲しみに包まれた。
デモ指導者の1人だったワリス氏は、その後の報復キャンペーンの対象にされ、新疆大学から退学処分を受けた。
その後も何度も拘束され、常に監視下に置かれながらもジャーナリストとしての道を歩み、ウイグルでは名の知られたジャーナリストとして活躍していた。
しかし、2017年以降の大規模強制収容の一環で一斉に姿を消した大勢の著名な知識人と同じ運命を迎えることとなった。
2019年1月、強制収容所へ送られ、2019年11月中旬に家に戻ったが、1週間後の2019年11月24日に突然死亡した。
死因は明らかにされていない。
彼が死亡した直後から自宅が警察の監視下に置かれ、家族が彼の死について
「余計な事を喋らないように」
と警察から警告されたと伝えられている。
この抗議デモの後も、東トルキスタンにおける核実験や民族差別政策は続いた。
1989年6月15日にも、ウルムチで大学生ら5000人以上が参加するデモが再び起きたが、同様の結末を迎えた。
1989年以降、ウイグルにおける核実験に関する言動は一層タブー視されるようになった。
核実験の中止を求める抗議活動も出来なかった。
一方で、ソ連崩壊に伴って独立を果たした中央アジアの国々に暮らすウイグル人コミュニティの抗議活動が活発になるようになった。
中でも、ロプノール核実験の中止を求めて熱心に活動したのが、1992年にカザフスタンのアルトマイ(当時のカザフスタンの首都。東トルキスタンとの国境にも近い)でロプノール核実験の中止を求める大規模な国際シンポジウムが開催された。
その際、活躍したのがジャーナリストのユスプベグ・ムヒリス氏や、ヌズグム基金会長でウイグル人女性活動家、デリビリム・サムサコワ氏だった。
デリビリム・サムサコワ氏は、2001年5月、突然行方不明となり、2週間後に遺体で発見された。
犯人は未だに見つかっておらず、彼女の活発な活動への報復による暗殺と見られている。
■残る核災害
国際的批判を受け、中国の核実験は1996年に中止された。
しかし核災害について語ることも許されない。
健康被害の調査、補償なども何もしていない。
中国による核実験の悲惨さを、初めて国際社会に伝えたのは英国の
「チャンネル4」
によるドキュメンタリー
「死のシルクロード」
DEATH ON THE SILK ROAD 死のシルクロード
https://www.nicovideo.jp/watch/sm19916132
だ。
ウイグル人医師、アニワル・トフティ氏の協力を得て、潜入取材で制作された番組で、1998年8月の制作後、世界83カ国で放送され、優れたドキュメンタリーに贈られるローリー・ペック賞を受賞した。
核災害を告発したアニワル医師も結局は外国へ脱出せざるを得なかった。
10年後の2008年、核防護学者で札幌医科大学の高田純教授が独自の調査結果をまとめた著書
「中国の核実験」
を発表した。
中国の核実験─シルクロードで発生した地表核爆発災害─〔高田 純の放射線防護学入門〕
https://www.amazon.co.jp/-/en/%E9%AB%98%E7%94%B0-%E7%B4%94/dp/4860033906
調査では、中国がロプノールで実施した核実験によって、ウイグル人ら19万人が急死し、急性放射線障害など健康被害者は129万人に上り、そのうち、死産病や奇形などの胎児への影響、白血病、甲状腺癌等が約5万人に上ると推定されている。
ロプノールでの核実験は1996年まで行われたが、現地のウイグル人らへの健康被害と核ハザードは21世紀の現在も続いている。
現に、私の兄は、2012年、36歳の若さで白血病で亡くなった。
核実験の影響を疑ったが、専門的な調査依頼も、責任追及を訴えることも出来なかった。
更に懸念されるのは、2022年8月1日、日本経済新聞が専門家の衛星画像分析結果として、ロプノールの核実験場施設で核実験再開の兆候が見られると報じたことだ。
中国、新疆ウイグル自治区で核実験再開の兆候=日経新聞
2022年8月1日, 17:16 (更新: 2022年8月1日, 17:17)
https://sputniknews.jp/20220801/12271538.html
1996年7月29日に中国政府が発表した声明は
「中国は、1996年7月30日より核実験を暫時停止する」
だから、いつでも再開する可能性があるということなのだ。
■過ちを繰り返すな
日本政府と東電は、2051年までに廃炉を完了させ、処理水放出の終了を目標に掲げている。
つまり、今回のような処理水放出は、今後30年間に渡って断続的に続くことになる。
今回の処理水放出問題で、中国は自らの非常に大事なメッセージを送っている。
それは、この先30年間、中国は従来の
「歴史カード」
に加えて
「核汚染水カード」
を乱用し、周期的に日本に揺さぶりをかけ続ける、ということだ。
それを避けたければ中国への依存度を本気で下げる以外に方法はない。
34年前の1989年、中国の国家財政は破綻寸前で国家崩壊寸前にまで達していた。
それを救ったのは外国資本だった。
そのきっかけを作ったのは1989年の天安門事件に対する対中経済政策を解除した日本だった。
つまり、日本の経済支援や技術支援が中国を経済成長させた一因で、その経済成長が独裁を加速させ、国際秩序を脅かす制御不能な巨大モンスターを作り上げてしまった。
そのことを忘れると、日本は同じ過ちを繰り返すことになる。
忘れないで欲しい。
最後に、読者に提言したいことがある。
中国は、自らも加盟し多額の資金を拠出しているIAEAの報告書を何の根拠や説得力もない言い掛かりで公然と否定している。
科学的知見や理性に欠けるその態度は、ウイグルジェノサイドに関する国連や人権団体、国際法の専門家等が独自の調査でまとめた多数の報告書を全て否定する態度と重なる。
ウイグル人と何の利害関係もない世界中の人権団体や専門家たちや国連がウイグル人のために一斉に嘘を付く必要も理由もない。
原子力分野において最も権威ある国際機関の報告書を否定する中国の姿は、人権分野において最も権威ある国際機関・国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が2022年8月に発表したウイグル人ジェノサイドに関する報告書を否定する姿そのものだ。
自分たちの都合のためなら、科学も、理性も、道徳も、ルールも、法律も、何もかも無視して良いとの理不尽な考え方、それが中華思想なのだ。
処理水放出について、IAEAや受け入れ側の日本政府を激しく非難する中国だが、それなら中国の原発やロプノール核実験場の視察や核汚染調査をIAEAに許可してみたらどうですかと、日本が中国に提案したら良いと思う。

政府、WTOに反論書面提出 中国による日本産水産物禁輸措置
2023/9/5 0:42
https://www.sankei.com/article/20230905-IFEJHOCUTBOJ5NGM6DQVKFB2RM/
政府は2023年9月4日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、中国が日本産水産物の全面輸入停止の決定を世界貿易機関(WTO)に通知したことを受け、WTOに即時撤廃を求める反論書面を提出した。
外務省によると、中国側のWTOへの通知は2023年8月31日付。
WTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)では、他国との貿易に著しい影響を及ぼす措置を取る場合、通知するよう求めている。
日本政府は輸入停止措置の即時撤廃を求めているが、中国政府は現時点で応じていない。
また、政府は2023年9月4日、地域的な包括的経済連携(RCEP)の規定に基づく討議を中国政府に要請した。

処理水放出で政府が反論書「トリチウム量は中国原発の10分の1」
2023/9/5 21:06
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230905-OYT1T50135/
岸田首相は、東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出を巡り、2023年9月6日に始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議などの場で積極的に安全性を訴える方針だ。
首相は2023年9月5日、会議が開かれるインドネシアへの出発前、
「透明性を持ち、国際原子力機関(IAEA)と協力しながら取り組んでいる我が国の取り組みについて、理解や協力が得られるよう説明を尽くす」
と首相官邸で記者団に強調した。
ASEAN関連首脳会議と、インドでの主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)には、中国の 李強首相が出席する見通しだ。
岸田首相は一連の会議で李氏から科学的根拠に基づかない主張があれば、反論する。
個別の会談なども呼び掛け、李氏に直接、日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を働き掛ける考えだ。
日本政府は2023年9月4日には、世界貿易機関(WTO)に対し、輸入停止措置の撤廃を求める反論書を提出した。
反論書では、IAEAの継続的な関与の下で、
「モニタリング(監視)を重層的に実施している」
と説明。
海水の放射性物質トリチウム(三重水素)濃度は、計画の放出基準(1リットル当たり1500ベクレル未満)より大幅に低く、
「現在までに問題が発生していない」
と明記した。
処理水に含まれる年間のトリチウム量は、中国の秦山原発の約10分の1だとも例示し、中国の措置は
「科学的原則に基づくものとは見做せない」
と厳しく批判した。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/863.html#c35

[医療崩壊11] 異例の早さでノーベル賞 mRNAワクチン、カギは「人類への貢献」 (朝日新聞)  魑魅魍魎男
18. 2023年10月03日 13:45:38 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[9]
<■487行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
mRNAのことを始めて知った時、これは絶対にノーベル賞を獲ると思った。
これだけ多くの人々の役に立って、人類を救っていることが明白なのに、これでノーベル賞が獲れないなんてあり得ない、と思った。
もしノーベル賞が獲れなければ、選考する人が余程のボンクラとしか考えれない、と思った。

開発まで半世紀、「最後の壁」突破 日本人も貢献 ノーベル生理学・医学賞のmRNA開発の2氏
2023/10/2 19:56
https://www.sankei.com/article/20231002-UP2RRGT3EZLVVKL3EG4RQJW4T4/
新型コロナウイルスの感染抑止に大きな力を発揮したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン。
半世紀前から研究されてきた技術だが、開発には多くの困難があった。
ノーベル生理学・医学賞に輝いた米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)が
「最後の壁」
を突破し、新型コロナの流行開始から僅か約1年で実用化に導いた。
mRNAは細胞内の遺伝情報を写し取って伝える物質で、4種類の塩基という化合物が鎖状に連なっており、その配列によって様々なタンパク質が作られる。
ウイルスのタンパク質を合成するよう人工的に作ったmRNAをワクチンとして使う研究は、1970年代に始まったが、免疫の働きによって異物として認識され、破壊されてしまうことが最大の課題だった。
カリコ氏らはこの難題に挑み、異物だと認識する物質をまず特定。
4種類の塩基のうちウリジンの構造を僅かに変えると、この物質に破壊されず、免疫をすり抜けることを発見し2005年に発表した。
これによって世界中で研究が活発化し、実用化に大きく前進した。
研究の進展には、日本人研究者も貢献した。
大阪大の審良(あきら)静男特任教授(70)が2008年、カリコ氏らと共同で、ウリジンの構造変更によりmRNAが破壊されなくなることを実証したことも、大きな後押しとなった。
mRNAワクチンは、ウイルスを弱毒化して使う既存のワクチンとは異なり安全性が高い。
また、ウイルスを培養する時間や手間がかからない上、遺伝情報を簡単に書き換えるだけで新たなウイルスの登場に素早く対応できることも強みだ。
新型コロナ用を驚異的なスピードで開発できたのはこのためだ。
実用化に向けた他の課題には、タンパク質の合成効率が低いことがあったが、米ロシュ分子生物学研究所に所属していた古市泰宏氏(故人)が1975年、mRNAの端に
「キャップ」
と呼ばれる微細な構造を付けると、タンパク質の合成効率が向上することを発見し解決した。
当初は細胞の中にうまく入っていかないことも課題だったが、2000年代初頭にmRNAを脂質の膜で包む手法で解決。
その後、カリコ氏らが残った最大の壁を打ち破り、実用化への道を開いた。

新型コロナのmRNAワクチン開発のカリコ、ワイスマン両氏 ノーベル生理学・医学賞
2023/10/2 18:52
https://www.sankei.com/article/20231002-UNB5NCTN6NPADJWJDA3ETUOXE4/
スウェーデンのカロリンスカ研究所は2023年10月2日、2023年のノーベル生理学・医学賞を、新型コロナウイルスで実用化した
「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」
の技術を開発した米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)に授与すると発表した。
短期間でのワクチン開発に貢献し、感染拡大や重症化を抑止した功績が評価された。
授賞理由は
「新型コロナ用の効果的なワクチンの開発を可能にした、mRNAの構造改変に関する発見に対して」。
mRNAは遺伝情報を伝える物質で、タンパク質を合成する役割を担う。
これをワクチンに使う発想は古くからあったが、細胞内で異物と見做され破壊されるため実現しなかった。
カリコ、ワイスマン両氏は共同で2005年、構造を一部改変することで、細胞内で破壊されないmRNAを人工合成することに成功した。
これに基づき米ファイザーと米モデルナが新型コロナ用のワクチンを開発。
流行開始から僅か約1年後に米国で緊急使用許可を受け、世界中で接種が広がった。
ウイルスのタンパク質を体内で作り出し、免疫を担う抗体を作って感染を防ぐ仕組み。
ウイルス自体は使わないので安全性が高く、従来のワクチンと比べ迅速に開発できる利点がある。
授賞式は2023年12月10日にストックホルムで行われ、賞金計1100万スウェーデンクローナ(約1億5000万円)が贈られる。

パンデミック対応に「科学の力」 ノーベル生理学・医学賞が評価
2023/10/2 19:23
https://www.sankei.com/article/20231002-VYR5VB3JTFKEHA25FZVLKDNS5Q/
2023年のノーベル生理学・医学賞に選ばれたカタリン・カリコ氏、ドリュー・ワイスマン氏らが実用化への道を開いた
「mRNAワクチン」
の最大の功績は、世界規模の感染症の爆発的な拡大(パンデミック)も、科学の力によって迅速に対応し、打ち勝てると証明したことだ。
インフルエンザなどに使われる従来のワクチンは、ウイルスに特殊処理を施し、感染力をなくして投与し免疫反応を起こさせるため、製造に時間がかかる。
開発も少なくとも数年以上かかり、新型ウイルスによるパンデミックに即応できない。
一方、カリコ氏らのワクチンは、ウイルスのタンパク質を作る情報を持ったmRNAを作って投与し、体内で免疫反応を起こさせる。
ウイルスの遺伝情報を解析すれば素早く合成できる上、ウイルスそのものを使わないため安全性が高い。
2019年12月に初めて感染者が確認された新型コロナに対しても、僅か1年後、米製薬会社のmRNAワクチンが各国で緊急使用許可を獲得。
他方式のワクチンが実用化に手間取る中、世界中で幅広く接種され、数多くの命を救った。
mRNAワクチンは、次々と出現した新型コロナの変異株にも迅速に対応した。
変異株の遺伝情報の素早い分析で、新ワクチンをすぐ開発できたからだ。
これらは、古くから人類が戦ってきたパンデミックに対する科学の勝利に他ならない。
現在は、ウイルスの遺伝子に変異が起きても基本的な部分が同じなら効果を維持するという、汎用の
「ユニバーサルワクチン」
の開発も進行中。
実用化されれば、変異株によるパンデミックに対する対応が、更に迅速化する可能性がある。
新型コロナ以外でも、がんやエイズ、結核、マラリア、C型肝炎、食物アレルギーなどに対するmRNAワクチンの開発が進んでいる。
mRNAワクチンは今後も、多様な疾病に対する勝利を人類にもたらす可能性を秘めている。

「謙虚な姿勢に尊敬」「多くの人を救った」 カリコ氏受賞で京大の山中教授
2023/10/2 20:05
https://www.sankei.com/article/20231002-VCMZMXHCUBNSZFPAXHKBZXQTNY/
新型コロナウイルスで実用化した
「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」
の技術を開発した米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)と、ドリュー・ワイスマン教授(64)のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まったことを受け、京都大学iPS細胞研究所の名誉所長で2012年に同賞を受賞した山中伸弥教授は2023年10月2日、同研究所のX(旧ツイッター)でコメントを発表した。
山中氏は
「(カリコ氏と)対談の機会を頂きました際に、非常に謙虚な姿勢で粘り強く研究を進めてこられたことをお聞きし心から尊敬の念を抱きました」
と祝意を示した。
その上で
「コロナ禍という世の中が危機感に覆われた中、mRNAワクチン技術という画期的な発明により多くの人が救われました」
とその業績を讃えた。

コピー機の前で偶然の出会い コロナワクチンのスピード開発に貢献
2023/10/2 20:08
https://www.sankei.com/article/20231002-45PO2GVDKZKDFME7CPWL6E6CRM/
ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)は学内での偶然の出会いをきっかけにメッセンジャーRNA(mRNA)の共同研究を始めた。
二人三脚の地道な努力が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の最中で、ワクチンのスピード開発を可能にした。
カリコ氏はハンガリー中部ソルノク生まれで、地元のセゲド大学で生物学を専攻し、博士号を取得した。
mRNAの研究を始めたのは1980年頃だった。
当時は東西冷戦中でハンガリーは共産主義体制にあった。
カリコ氏は科学者として勤務していたが、研究資金が得られなくなり、1985年、30歳の時に夫と2歳の娘と米国に渡った。
闇市で中古車を売って得た資金が生活の頼みだった。
「大金を持って逃げたと思われないよう、紙幣を娘のクマのぬいぐるみに隠した」
と後に回想した。
米国でも家計は苦しく、洗濯機が買えずに家族の衣服は全て手洗いしたという。
一方、ワイスマン氏は米東部マサチューセッツ州レキシントン出身。
米紙によれば、幼少期から優秀で規律正しく、大人びた性格だった。
ボストン大大学院で免疫学と微生物学を専攻し、医師免許と博士号を取得。
米国立衛生研究所などで経験を積み、ペンシルベニア大に移った。
2人が出会ったのは同大学内だった。
ワイスマン氏が学術論文を複写しようとコピー機に頻繁に通ううちにカリコ氏と出会い、2人は雑談するようになった。
癌治療薬開発を目指すDNAの遺伝子研究が全盛だった中で、カリコ氏が敢えて貫いていたmRNA研究にワイスマン氏が興味を持ち、共同研究を申し出たという。
ワイスマン氏は研究の様子を
「発見やアイデアを伝えるのを待ちきれず、明け方にメールをやり取りするのもしばしばだった」
と振り返る。
カリコ氏は
「互いに相手に学ぶという形で努力した」
と語っている。
ただ、2人は2005年にワクチン開発に繋がる画期的な研究成果を発表したものの、長らく注目されず、医学的成果が乏しいとして大学は特許を売り払った。
2013年にカリコ氏はドイツのバイオ企業ビオンテックに移った。
それから約7年後の2020年、新型コロナ対策の切り札として、2人の研究成果は米ファイザーとビオンテックが共同開発したワクチン、米モデルナが開発したワクチンに活用され、日本でも広く普及した。

「信念と粘り強い姿勢が勇気与えた」ノーベル賞のカリコ氏と論文共著の審良静男・大阪大特任教授
2023/10/2 21:12
https://www.sankei.com/article/20231002-DHHMFZ5VF5PBBPQMVKIKV6YDVA/
メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの技術開発でノーベル生理学・医学賞の受賞が決定した米ペンシルべニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)らについて、2008年に論文を共著した大阪大の審良(あきら)静男特任教授(70)は2023年10月2日、
「信念と粘り強い姿勢は多くの基礎生命科学者に勇気を与えた」
と偉業を讃えた。
審良さんはウイルスや細菌といった異物を身体から排除する身体の働き
「自然免疫」
の世界的権威。
体内に注入したmRNAは免疫によって異物として排除されてしまうため、ワクチンとしての使用は不可能とされてきた。
カリコさんらはこの難題を克服する技術を開発。
審良さんと2008年、mRNAが体内で引き起こす過剰な免疫反応を抑制する方法を共同で論文にまとめた。
当時、既に世界的に知られていた審良さんとの共同研究は注目を集め、世界中で研究が活発化した。
審良さんはカリコさんらの受賞が決まった2023年10月2日に大学を通じてコメントを発表。
「(共同研究以前に)カリコ氏らの論文を査読したときは、mRNAのもたらす画期的な効果に驚いた」
と振り返り、
「多くの研究者が挫折する中で、地道に基礎データを積み上げた」
「共に喜びたい」
と祝福した。

新型コロナ禍に「希望の光」だったワクチン 医療、介護現場から感謝と受賞たたえる声
2023/10/2 21:29
https://www.sankei.com/article/20231002-W5FCIA76ABJERFNRKFAMQF7APE/
ノーベル生理学・医学賞に選ばれた米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)の研究は日常生活を激変させた新型コロナウイルスのワクチン開発に繋がり、感染拡大を食い止めた。
「ワクチンは希望の光だった」。
医療や介護の現場からはワクチンに感謝し、カリコ氏らの受賞を讃える声が上がった。
「ワクチンを打っていれば、重症化しにくい」
「効果を実感している」。
令和2年5月から5年5月まで、コロナ専門病院として患者を受け入れた大阪市立十三市民病院(同市淀川区)の後藤哲志・感染症内科部長(58)はこう語る。
「健康で若い人でも肺炎になり、肺炎で亡くなる人も多かった」
とコロナ禍を振り返る後藤部長。
病床逼迫で神経をすり減らす日々を送った。
そんな中で切り札として期待されたのが、ワクチンだった。
カリコ氏らの研究を基に、米製薬会社がワクチンを開発。
日本では3年に接種が始まった。
「ワクチンがなければ、もっと多くの死者が出ていたのではないか」。
後藤部長は実感を込めた。
高齢者施設もコロナ禍の影響を大きく受けた。
大阪市の介護老人保健施設「さくらがわ」副施設長の北谷善寛さん(48)は感染拡大初期について、感染者が出た施設への誹謗中傷もあったため、
「感染に過敏になった」
と話す。
施設内でのイベントや外出は減らし、入所者と家族との面会もストップした。
認知症の入所者の症状は顕著に進行、スタッフらは心を痛めた。
感染すれば命を失いかねない高齢者が集団生活を送る上で、ワクチンは
「希望の光だった」(北谷さん)
という。
ワクチン接種が大きな後押しとなり、徐々に日常生活が戻ってきた。
さくらがわでは2022年末ごろから、パーティションや時間制限などで感染対策を講じつつ面会を再開。
入所者や家族からは安堵の声が聞かれたという。
北谷さんはカリコ氏らの受賞について
「ワクチンの開発にご尽力いただき、精神面で大きな安心感に繋がり、有り難かった」
「おめでとうございます」
と讃えた。
その上で
「まだコロナがなくなったわけではなく、変異株も出てきて予断を許さない状況」
「ワクチンも、更に発展したものが出てくれば」
と期待を込めた。

評価まで20年以上、ノーベル賞の知らせに「いたずらかも」 新型コロナのワクチン開発に貢献の米2教授
2023/10/3 7:38
https://www.sankei.com/article/20231003-RLXWHNPCSNIGBPCV2XAI5SPAHM/
2023年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった米東部ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授とドリュー・ワイスマン教授は2023年10月2日、大学構内で記者会見した。
新型コロナウイルスのワクチン開発に繋がった2人の研究は当初、学界で注目されず、評価を受けるまでに20年以上かかった。
2人は受賞を知らせる電話を
「いたずらかも」
と思ったという。
米メディアによると、最初に受賞連絡を受けたのはカリコ氏。
カリコ氏が直後にワイスマン氏に知らせると、ワイスマン氏はまだ連絡を受けていなかった。
2人は公式発表があるまで受賞は本当なのかと信じられずにいたという。
ワイスマン氏は会見で
「私たちの研究は面白いと人々に気付いてもらえなかった」
と振り返った。
2人が受賞に繋がる共同研究を始めたのは1998年。
当時の米科学界はDNAと遺伝子治療の研究が最盛期で、メッセンジャーRNA(mRNA)を用いた2人のワクチン開発研究は注目されなかった。
特にmRNAが専門だったカリコ氏は研究資金の獲得に何度も失敗。
それが原因でペンシルベニア大で常勤教授職を得ることが出来なかったという。
それでも探求心が萎むことはなかった理由について、カリコ氏は
「褒賞のために働いていたのではなく、役に立つ製品を作ることが重要だった」
と会見で話した。
免疫学が専門のワイスマン氏との共同研究は面白く、
「学び合っていた」
とも述べた。
ワイスマン氏も
「いつも午前3時や5時に新しいアイデアをメールで送り合っていた」
と振り返った。
2人は2005年、ノーベル賞の受賞理由となるmRNAの構造改変に関する技術を発見。
2020年に感染拡大した新型コロナのワクチンで実用化され、世界中で多くの人々の命を救うことに繋がった。
受賞決定について、カリコ氏は会見で
「とても嬉しい」、
ワイスマン氏は
「生涯の夢が叶った」
と喜びを語った。

ノーベル生理学・医学賞にカリコ氏ら コロナワクチン開発貢献
2023年10月3日 0時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231002/k10014211101000.html
ことしのノーベル生理学・医学賞の受賞者に新型コロナウイルスのmRNAワクチンの開発で大きな貢献をしたハンガリー出身で、アメリカの大学の研究者カタリン・カリコ氏ら2人が選ばれました。
スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は日本時間の午後7時前に記者会見し、2023年のノーベル生理学・医学賞に、新型コロナウイルスの
「mRNAワクチン」
の開発で大きな貢献をした
▽ハンガリー出身で、アメリカのペンシルベニア大学の研究者、カタリン・カリコ氏と
▽同じくペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン氏の2人を選んだと発表しました。
カリコ氏らは人工的に合成した遺伝物質のメッセンジャーRNA=mRNAをワクチンとして使うための基礎となる方法を開発しました。
mRNAにはたんぱく質を作るための設計図にあたる情報が含まれています。
これを人工的に設計し、狙ったたんぱく質が作られるようにして体内で機能するようにすればワクチンとして使うことができると期待されていましたが、mRNAは、ヒトに投与すると体内で炎症が引き起こされるため、医薬品に使うのは難しいのが課題でした。
カリコ氏らはmRNAを構成する物質を別の物質に置き換えることで炎症反応が抑えられることを発見し、2005年に発表しました。
更に、置き換えられたmRNAを使うと目的とするたんぱく質が劇的に効率よく作られることを発見し、医薬品として扱う上での大きな壁を取り除きました。
この技術を基に製薬会社がワクチンの開発に乗り出し、新型コロナのパンデミックでは記録的な速さでワクチンの開発に成功しました。
この技術の柔軟性は他の感染症のワクチンの開発にも道を開き、今後、癌の治療などへの応用が期待されています。
■カリコ氏「家庭を持つことと科学者でいること 選ぶ必要はない」
受賞が決まったカタリン・カリコ氏は、ノーベル財団との電話インタビューで
「私は電話がかかってきたときに寝ていて、受賞が決まったという連絡は夫が受けました」
「誰かが冗談を言っているのかと思いました」
と話していました。
また、これまでの研究の道のりを振り返り、
「10年ほど前、ペンシルベニア大学から追い出されましたが、夫が私を支えてくれました」
「私の母は2018年に亡くなりましたが、『あなたが取るかもしれない』とノーベル賞の発表をいつも確認していました」
「母は『あなたは一生懸命頑張っている』と言ってくれていました」
「家族は私を信じてくれていて、娘たちも私が懸命に働く姿を見てくれていました」
と述べ、周りの支えがあったことを話していました。
その上で
「私は女性として、母として、同僚の女性の科学者たちに対し『家庭を持つことと科学者でいることのどちらかを選ぶ必要はない』と伝えています」
「子供はあなたを見て、見習います」
「あなたが子供の模範になることが重要なのです」
と女性の科学者たちを激励しました。
また
「多くの若い人たちは、友人や同僚がどんどん昇進していくのを見て、諦めてしまいます」
「しかし、自分を哀れに思っている時間はありません」
「次に自分に何が出来るかを探すのにエネルギーや時間を費やすべきなのです」
と、科学者たちを鼓舞する言葉を述べました。
■選考委員会「新型コロナワクチン開発に不可欠だった」
ノーベル賞の選考委員会は授賞理由について
「2人の発見は、2020年初頭に始まったパンデミックで新型コロナウイルスに対して効果的なmRNAワクチンの開発に不可欠だった」
としています。
その上で
「mRNAが免疫システムにどう相互に作用するかについて私たちの理解を根本から変えた画期的な発見を通じて、2人は、現代における人類の健康に対する最大の脅威の1つだったパンデミックで前例のないスピードのワクチン開発に貢献した」
と評価しています。
また、授賞が決まったことを伝えた際のカリコ氏とワイスマン氏の様子について「2人はとても喜んでいた」と明らかにしました。
このうちカリコ氏は
「とても感激した」
と話したということです。
ワイスマン氏には選考委員会が公式発表する数分前に連絡が取れたということで
「彼は感激していて、非常に感謝していた」
と述べました。
■安全性についての質問も
記者会見では、新型コロナウイルスのmRNAワクチンの安全性についての質問も出されました。
これに対してノーベル賞の選考委員会は
「mRNAワクチンの接種は始まってまだ間もないが、既にのべ130億人が接種を受けている」
「副反応も限定的で大きな懸念とは考えていない」
「有害事象として特に若い男性で心筋炎が出ることがあるが、ほとんどの場合は軽度で、特に長期的な影響なく解消するということだ」
「コロナに感染する方が長期的な健康への影響がある」
と述べました。
また、ワクチンに反対する動きがある中で、科学界や医療界はどう対応し、どう説明すべきか問われたのに対しては
「このワクチンがどのように機能するのか、引き続き仕組みを説明していく必要がある」
「新型コロナの場合、mRNAワクチンの開発が大きなニーズを受けて、加速したのは事実だが、臨床試験が短い期間で行われたからといって安全性の確認が省略されたわけではない」
「臨床試験がどのように行われたのかや、数十年に及ぶ基礎研究が行われてきたことについて伝えていくべきだと思う」
「ノーベル賞の受賞によってこうした事実に光が当たることを願う」
と説明しました。
■所属するペンシルベニア大「画期的な発見」
カリコ氏とワイスマン氏が所属するペンシルベニア大学は、授賞発表の直後にSNSにコメントを投稿し
「2人を誇りに思う」
「画期的な発見は世界的なパンデミックという難題を克服しただけでなく、今後、数十年に渡り他の多くの病気の治療と予防に大きな影響を与えるだろう」
と祝福しました。
SNSには事前に撮影されたとみられる2人のインタビュー動画も投稿されていて、カリコ氏は
「母が、
『毎年10月にはあなたがノーベル賞を取るのではないかと思ってラジオを聞いているの。ずっと努力しているから』
と言うので、私は『たくさんの科学者が大変な努力を続けているのよ』と説明したものです」
と笑顔で語っています。
ワイスマン氏は
「ノーベル賞は科学者にとって最も重要な賞で、大変な名誉です」
「私たち2人が力を合わせなければ、この研究は達成しえなかったと思います」
「これがとても重要なことだと思います」
と話しています。
■ワイスマン氏とは
ドリュー・ワイスマン氏はアメリカ東部マサチューセッツ州生まれです。
1987年にボストン大学で免疫学と微生物学の博士号を取得した後、アメリカのNIH=国立衛生研究所に所属し、感染症研究の第一人者、アンソニー・ファウチ博士の下でHIV=ヒト免疫不全ウイルスの研究を行いました。
その後、1997年からペンシルベニア大学に移り、ワクチンや免疫関連の研究を続けていたころにカリコ氏と出会い、2005年、ワクチン開発に道を開く研究成果を共同で発表しました。
所属するペンシルベニア大学によりますとワイスマン氏は現在、次のコロナウイルスの流行に備えたワクチンの開発の他、同僚と共にmRNAの技術を使った癌の治療薬の開発にも取り組んでいるということです。
■ワイスマン氏「mRNAワクチンを気にしている人もいなかった」
受賞が決まったドリュー・ワイスマン氏は、ノーベル財団との電話インタビューで、受賞が決まったという連絡はカリコ氏から受けたことを明らかにし、「本当かどうか分かりませんでした」
「誰かが僕らをからかっているんじゃないかと思ったんです」
と当初の心境を説明しました。
その上で、受賞が決まったことについては
「生涯の夢であり、ノーベル賞は仕事に対する究極の評価で、素晴らしい経験です」
ノーベル賞の受賞はいつも夢でしたが、実現するとは想像していませんでした」と喜びを露わにしました。
また
「私たちが一緒に研究していた20年間は、mRNAワクチンが何であるかを知っている人も気にしている人もいませんでしたが、私たち2人は机を並べて一緒に研究し、新しいデータについて話したり議論したりしていました」
「2人とも睡眠障害があるので、午前3時から5時くらいになると、新しいアイデアをメールで送り合っていました」
と述べて、当時のエピソードを紹介し、カリコ氏と取り組んできた研究生活を振り返っていました。
■WHOがSNS投稿「彼らの科学への貢献が人命を救った」
WHO=世界保健機関のテドロス事務局長はカリコ氏とワイスマン氏の受賞が発表されると自身のSNSに
「本当におめでとう」と投稿して祝福しました。
その上で
「彼らの発見が新型コロナウイルスのmRNAワクチンの開発を可能にした」
「彼らの科学への貢献が人命を救った」
として、2人の功績を讃えました。
■《研究者から喜びの声》
■審良特任教授「地道に追究する姿勢が印象的」
カリコ氏らが2008年に発表した論文に共著者の1人として名を連ねていた大阪大学の審良静男特任教授は、
「受賞は当然だと思う」
「新型コロナのワクチンが開発できたことは人類にとっての大きな貢献だ」
と述べました。
審良特任教授は、当時の論文について
「基礎研究としては画期的な成果だと思ったが、その後も長い期間研究を続けワクチンの実用化に繋がったことは素晴らしい」
「ワクチンの開発は難しく、研究費がかかることなどから途中で頓挫するケースも多い」
「mRNAワクチンが開発されたというニュースの中で彼女の名前が出て驚いたが、必死になって医療への応用を目指した結果だと思う」
と評価しました。
カリコ氏の研究への姿勢については
「彼女は派手な所がなく、自分の知りたいことを地道に追究していく姿勢が印象的だった」
「今回の発表を機に他の病気の治療にもmRNAが応用されるなど、研究が更に進むことを期待している」
と話していました。
■位高教授「非常に勇気のある人」
カリコ氏が選ばれたことについて、mRNAを使った薬の開発の研究者で、15年に渡って交流を深めてきた東京医科歯科大学の位高啓史教授は
「mRNAが薬になると本気で考える人が世界中でほとんどいなかった時から、その可能性を信じて研究を手探りで進めてこられたので、非常に勇気のある方だと思っています」
と話し、喜びを露わにしていました。
また、カリコ氏の人柄については
「どなたとも先入観なく接することができる気さくな方です」
「学会の会場でお会いした時に、実験のノウハウなどを快くオープンに教えて頂いたことをよく覚えています」
「そうした姿勢が最終的にはカリコ先生の仕事の成果に繋がったのだと思います」
と話していました。
そして、今後、与える影響については、
「mRNAは感染症のワクチンとして非常に広く知られる存在になりましたが、今後は他の治療薬としても応用が大きく広がると思います」
「更に多くの研究者や企業がこの分野に入ってくることを期待したい」
と話していました。
■山中伸弥さん「多くの人が救われた」
京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥名誉所長はSNSで
「カタリン・カリコ先生、ご受賞おめでとうございます」
「対談の機会を頂きました際に、非常に謙虚な姿勢で粘り強く研究を進めてこられたことをお聞きし、心から尊敬の念を抱きました」
「コロナ禍という世の中が危機感に覆われた中、mRNAワクチン技術という画期的な発明により多くの人が救われました」
「そのご業績に心から敬意を表します」
とコメントしています。
■《研究内容は》
mRNA 医薬品として使う基礎開発
カタリン・カリコ氏とドリュー・ワイスマン氏は、人工的に合成した遺伝物質のメッセンジャーRNA=mRNAを医薬品として使うための基礎となる方法を開発しました。
mRNAにはタンパク質を作るための設計図にあたる情報が含まれています。
これを人工的に設計し、狙ったタンパク質が作られるようにして体内で機能するようにすれば医薬品として使うことができると期待されていましたが、mRNAは、ヒトに投与すると体内で炎症が引き起こされるため、医薬品に使うのは難しいのが課題でした。
この課題に対応するため、カリコ氏らは2005年の論文で、mRNAをヒトに投与したときの炎症反応を抑える方法を発表しました。
それが、mRNAを構成する物質の1つ、
「ウリジン」

「シュードウリジン」
という似た物質に置き換える方法で、医薬品として使うための基礎の確立に繋がりました。
■mRNAワクチンとは
mRNAワクチンは、ウイルスの遺伝情報を伝達する物質で、体内でタンパク質を作るための設計図に当たる情報を含むmRNAを使ったワクチンです。
新型コロナの感染拡大以降、広く接種されているファイザーやモデルナの新型コロナワクチンはmRNAワクチンで、スパイクタンパク質と呼ばれる、ウイルスの表面にある突起を合成するmRNAが含まれています。
mRNAの情報を基に体内で新型コロナと同じスパイクタンパク質が作られ、このタンパク質に対して免疫が働き、抗体が作られます。
mRNAワクチンはウイルスの遺伝情報があれば製造できるため素早い対応が可能で、新型コロナのパンデミックでは1年足らずで開発に成功し、変異ウイルスに対応したワクチンも開発され、パンデミック対策の最も重要な要素の1つとなりました。
既に他の感染症に対応したmRNAワクチンの開発も進んでいる他、癌ワクチンなど新たな医薬品としての活用も進むと期待されています。
■独バイオ企業「2人の情熱 粘り強さ 献身はとても貴重」
新型コロナの感染拡大を受けてmRNAワクチンを実用化した、ドイツのバイオ企業、ビオンテックは、
「ビオンテック一同、カリコ氏とワイスマン氏を褒め讃えたい」
「2人の情熱、粘り強さ、献身はとても貴重なものだ」
「今回の受賞は、新薬の可能性を最大限引き出し、開発を続けていくことを、世界中の科学者に思い起こさせてくれるものだ」
とするコメントを発表し、2人の受賞を讃えました。
■源流の研究に日本人も
mRNAワクチンは、基礎的な研究が積み重なって開発されていて、源流となる研究には日本人も名前を連ねています。
■古市泰宏さん
2022年亡くなった古市泰宏さんは1970年代にmRNAに特徴的に見られる
「キャップ」
という構造を発見しました。
古市さんは蚕に感染するウイルスの研究を行う中で、mRNAの端に特殊な構造があることに気付き、帽子を被っているような形をしているように見えることから1975年に発表した論文で
「キャップ構造」
と名付けました。
キャップ構造はmRNAに含まれる遺伝情報を基に、タンパク質が作られるのに欠かせないもので、mRNAワクチンに繋がる源流の研究として位置付けられています。
生前、古市さんは
「目先の利益や応用を考えずに、物事の理(ことわり)を知りたいと研究していたことが、ワクチンに応用された」
「新型コロナのワクチンを接種した時には
『この中にキャップが入っているんだ。皆キャップの付いたmRNAを打つんだ』
と不思議な縁を感じました」
「効果が高いワクチンだということなので誇らしい気がしました」
と話していました。

ノーベル生理学・医学賞 カリコ氏とワイスマン氏 大学で会見
2023年10月3日 6時45分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231003/k10014213691000.html
ことしのノーベル生理学・医学賞の受賞者に選ばれた、アメリカの大学の研究者、カタリン・カリコ氏ら2人が記者会見し、
「選ばれるとは思っていなかった」
などと心境を語りました。
スウェーデンにあるノーベル賞の選考委員会は2023年10月2日、2023年のノーベル生理学・医学賞に、新型コロナウイルスの
「mRNAワクチン」
の開発で大きな貢献をした、
▽ハンガリー出身で、アメリカのペンシルベニア大学の研究者、カタリン・カリコ氏と、
▽同じくペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン氏の、
2人を選びました。
これを受け、ペンシルベニア大学では2023年10月2日、2人が出席して記者会見が行われました。
この中でカリコ氏は、
「1997年、私たちはコピー機の前で出会いました」
「建物も部署も違いましたが、私たちは共に協力し、戦ってきました」
と振り返りました。
ワイスマン氏は
「研究資金も得られず、興味を持ってくれる人もいない中、いつも一緒に研究をしてきました」
「新型コロナウイルスワクチンの有効性が認められたのは大きな転換点でした」
「決して諦めずに取り組み続け、今があると思います」
と話していました。
2人は、mRNAをワクチンとして使うための基礎となる方法を開発し、新型コロナのパンデミックでは、記録的な速さでワクチンの開発が行われました。
ワクチンの開発から短い期間で受賞が決まったことについて、カリコ氏は
「私たちは賞のために仕事をしているわけではありません」
「大切なのは人に役立つものを作り出すことです」
「だから選ばれるとは思っていませんでした」
と述べました。
また、若い世代が科学を学ぶことの意味について問われると、ワイスマン氏は
「社会が前に進むためには科学が必要です」
「私たちは子供や孫、全ての人たちに、科学こそが世界を進展させるものだと伝える必要がある」
と強調していました。

http://www.asyura2.com/23/iryo11/msg/776.html#c18

[政治・選挙・NHK291] 「増税やめろ、今すぐ減税!」れいわ新選組がデモ・街宣で全国行脚 30年不況にコロナ、物価高、インボイス 街頭から政治動か… 赤かぶ
39. 2023年10月03日 17:09:28 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[10]
<■347行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
クソの役にも立たない日本学術会議
日本の大学に軍事研究を禁じながら中国の兵器開発には協力する
WiLL2023年11月号
筑波大学システム情報系准教授 掛谷英紀
経済安全保障アナリスト 平井宏治
■役立たずの学術会議
★掛谷
福島原発の処理水放出がついに開始されました。
案の定、難癖を付けているのが中国です。
処理水を
「汚染水」
呼ばわりして、日本の水産物禁輸に踏み切った。
★平井
中国は流言飛語
(根拠のない情報や噂話を指す言葉。 一般的には、具体的な問題を中心にして広まる特殊な情報であり、内容の断片や矛盾があり、首尾一貫した報道として認められないもの 。 流言飛語は口伝えで伝えられ、非制度的かつ連鎖的なコミュニケーションの結果として生じるため、次第に歪曲の度合いを増す場合が多い)
の国です。
むしろ、脱中国のチャンスです。
中国が非科学的な風説を流布すればするほど、世界は中国から離れていく。
★掛谷
外務省をはじめとする政府は、処理水の安全性について積極的に発信している。
気になったのが、日本学術会議。
何故ダンマリを決め込んでいるのか。
本来であれば、科学的知見に基づいて風評を跳ね除ける役割を担っているはずなのに。
★平井
学術会議法には、
「科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献する」
と記されている。
全く機能していない。
★掛谷
無知を晒したのは、社会学者の宮台真司氏。
宮台氏は処理水放出をこう批判していた。
「水素置換が双方向だから濃縮はないとするモデルの前提は、置換の定常性constance」
「年輪に特異的な濃縮や臓器に特異的な濃縮のデータから推測出来るのは、置換過程の否定常性だ」
「HとTの交換置換が途中停止ないし減速、50%確率でHならぬTが固定・半固定される可能性だ」
★平井
ハハハ(笑)。
何を言っているのか、自分でも理解していないみたいですね。
★掛谷
「アラン・ソーカル事件」
(1995年にニューヨーク大学物理学教授のアラン・ソーカルが、現代思想系の学術誌に、ジャック・デリダやドゥルーズ=ガタリのようなポストモダン思想家の文体を真似、科学用語と数式を無意味に散りばめた「デタラメ(疑似)論文」を投稿し、それが高い評価を得て掲載されたことを暴露した事件で、人文科学界隈では大きなスキャンダルになった)
を思い出します。
1990年代、物理学者のアラン・ソーカルが現代思想の学術誌に論文を寄稿しました。
ソーカルは敢えてポストモダン系の左翼を真似して、それっぽい数式と専門用語を論文に散りばめた。
これといった内容があるわけでもない。
ところが、その論文は査読が通り、雑誌に掲載されてしまった。
左翼学者が難解な言葉を使うのは、自らを知的に装うため、それが暴露されてしまったわけです(笑)。
■日本に厳しく、中国に甘く
★平井
1980年代、日本でも
「ニューアカデミミズム」(1980年代の初頭に日本で起こった、人文科学、社会科学の領域における流行、潮流)
なるものが流行しました。
浅田彰氏や中沢新一氏をはじめとする左翼学者、それに影響された学生たちがキャンパスに溢れ返った。
彼らが上から目線で垂れる講釈など役立ったことはない(笑)。
★掛谷
当時は左翼がカッコイイという風潮があった。
湾岸戦争が起こった時、柄谷行人氏や島田雅彦氏らが反対声明に署名していました。
彼らの行動は当時、一部の層からはそれなりの支持を得た。
でも、もう流行りませんね。
★平井
インターネットと情報端末の普及で、国民を騙すことが出来なくなりました。
国民は、左翼がいくら平和を叫んだところで、平和が訪れないことを知っています。
でも、そんなことすら理解出来ない時代錯誤の組織がある。
軍事研究を頑なに拒絶する学術会議です。
学術会議のせいで、大学における研究が制限されています。
★掛谷
日本の学術界では、軍事研究がタブー視されている。
その一方で、中国の軍拡を批判することはない。
二重基準が目に余りますね。
★平井
中国では軍事拡張と経済成長が密接不可分の関係となっています。
西側諸国から移転したり窃取したりした軍事技術を研究・開発して、それを民生技術に転化=商品化することで経済成長を図る。
経済成長によってもたらされた利益を、再び軍事費に充てる。
これが、中国の”軍民融合政策”の実態です。
人民解放軍による武器の近代化において、重要な役割を担っているのが
「国防7校」。
国務院に属する工業・情報科学部の国防科学工業局が直接管理する大学群です。
国防7校と大学間交流協定を結んでいる日本の大学は、45校もある。
また、旧兵器産業省系の7つの大学(北京理工大学、南京理工大学、中北大学、長春理工大学、瀋陽理工大学、西安工業大学、重慶理工大学)があり、
「兵工7校」
と呼ばれています。
兵工7校と大学間交流協定を結んでいる日本の大学は、27校もある。
★掛谷
国防7校と提携しているのは名門大学が多い。
★平井
4校と協定を結ぶ東京工業大学を筆頭に、東北大学(3校)、九州大学(3校)、東京大学(2校)、京都大学(2校)、名古屋大学(2校)などが続きます。
東北大学と北海道大学、大阪大学は兵工7校とも協定を結んでいる。
★掛谷
西側諸国は中国の大学を警戒しています。
特に国防7校への目は厳しくなっている。
★平井
トランプ政権時代、アメリカでは中国の学生・研究者のビザが制限され、1000人以上が国外退去させられた。
バイデン政権もその方針を継承しています。
イギリスも2022年、1000人以上の中国人を入国拒否しました。
米英に入れてもらえない中国人研究者が、大挙して日本に押し寄せてくるでしょう。
日本の大学は国防7校や兵工7校からの留学生に対してもフリーパスなので、それを懸念しているんです。
★掛谷
私が所属する筑波大学でも、中国からの応募が増えているという話は聞きますね。
■自衛官だから入学拒否
★平井
日本の大学はかつて、
「自衛官だから」
という理由で入学を拒絶していた”黒歴史”があります。
入試で合格点を得たにもかかわらず、です。
私が確認しただけでも、1960年代から1970年代にかけて、京都大学や名古屋大学、九州大学などがそのような基本的人権の侵害に手を染めていました。
人権侵害をしておきながら、総括や反省が全くありません。
★掛谷
筑波大学には、自衛官の大学院学生がたくさんいます。
防衛大学校から転籍してきた教員も多い。
もちろん、国防7校とは提携していません。
★平井
素晴らしい。
筑波大学は何故マトモなんでしょうか。
★掛谷
新しい大学だから、左翼に牛耳られていないんです。
リベラルな教授もいますが、他の国立大学に比べると数が少ない。
★平井
筑波大学は、防衛装備庁が募集する支援プログラムにも参加している。
★掛谷
「軍学共同反対連絡会」
なる団体が、筑波大学に抗議しに来ました。
共同代表の1人が、名古屋大学の池内了名誉教授。
もう1人が岡山大学の野田隆三名誉教授。
野田氏は
「大学としての社会的責任を放棄して軍事研究に手を染めている」
などと批判していた。
でも、筑波大学は彼らを追い返しまたよ(笑)。
★平井
いつもの顔ぶれですね。
天文学、宇宙物理学者の池内氏は、全国学者・研究者日本共産党後援会が主催した
「大学人と日本共産党のつどい」
に参加。
スピーチまでしています。
野田隆三氏やノーベル物理学賞の益川敏英氏も『しんぶん赤旗』に登場していた。
日本学術会議会長の梶田隆章氏もノーベル物理学賞を受賞していますね。
★掛谷
基礎物理を専門とする学者は左翼が多い。
正確に言うと、左翼的な発言をしておくと都合が良い。
というのは、軍事研究の予算が抑えられれば、その分
「カミオカンデ」
のような巨大な実験施設を造り易くなるからです。
それで成果を上げてノーベル賞が獲れる。
★平井
文系学者たちは思想、イデオロギーに基づいて軍事研究に反対している。
物理系の学者はそれを利用して、自分たちの研究にカネを引っ張ってこようとしているわけですね。
■プロレタリアート製造工場
★平井
生物学系の学者はどうですか。
★掛谷
残念ながら、共産主義にシンパシーを寄せる人たちが多い。
バイオ系の研究室は寝ても覚めても実験、実験、実験です。
絶対的な権力を握る教授の下、研究者たちは寝る間も惜しんで実験をしている。
土日も関係ありません。
”プロレタリアート(資本主義社会における賃金労働者階級)製造工場”なんです(笑)。
唯物論も科学者と共産主義を結び付ける。
共産主義国家の独裁者は何百万人、何千万人単位の虐殺を繰り返してきました。
自分以外の人間を
「物」
だと思っているからこそ、躊躇なく大量殺人に手を染めてしまう。
理系の研究者、特に生物学者や生命科学者にも似た所がある。
私の知人は
「生命科学者は生物を細胞の塊だとしか思っていない」
と言い放ったことがあります。
だから、残虐な動物実験も躊躇わない。
★平井
道徳や倫理が完全に欠落したマッドサイエンティストですね。
常識を欠いている。
★掛谷
彼らには一般教養が欠けています。
日本の教育システムでは、数カ月前まで高校生だった若者が、いきなり専門的な知識を詰め込まれる。
そんなことをしていては、社会常識を欠いた研究者が生まれてしまう。
学部でも専門的な勉強をする日本とは異なり、アメリカでは大学院から専門的な授業が始まります。
学部時代に身に付けるのは一般教養、いわゆるリベラルアーツ(「実用的な目的から離れた純粋な教養」や「一般教養」)。
日本は部分的にでもアメリカを真似してもいいんじゃないか。
★平井
多くの国民は、政治家のことを”私利私欲にまみれた人たち”だと思っている。
それに比べて、科学者には”世界の真理を追い求める人格者”というイメージがある。
でも、実際はそうではないんですね。
★掛谷
よく考えて頂きたいのは、政治家も官僚も科学者も、皆、偏差値が高い進学校に通い、揃いも揃って有名大学を卒業しているということ。
同じような教育を受けて育っているのに、何故科学者だけがマトモな人格を持ち得るのか。
■生物兵器に手を染める
★平井
掛谷さんはウイルス学者の河岡義裕氏を糾弾していますね。
★掛谷
河岡氏は2012年、世界に先駆けて鳥インフルエンザウイルスの
「機能獲得研究」
を行いました。
( 19日 5月 2021
【分子生物学】機能獲得研究(Gain of function research)
機能獲得研究/Gain of function research
変異を起こすよう進化的圧力を加える研究)
https://www.subculture.at/gain-of-function-research/
病原体のヒトへの感染性や毒性を増強する機能獲得研究は、ヒトへの感染リスクも懸念される危険な研究です。
河岡氏は東京大学医科学研究室とウィンスコンシン大学マディソン校の両方に属していますが、危険な機能獲得研究は後者で行っている。
2013年、河岡氏の下で働く研究者が、実験の際に誤って人工ウイルスの入った注射の針を自分に刺すという事故を起こしました。
研究者が感染する可能性がある事故事象が発生した場合、その研究者は一定期間、誰とも接触しないように施設で検疫隔離する必要がある。
ところが、河岡氏はその対応を取らずに自宅待機させただけでした。
米国立衛生研究所(NIH)から研究費を獲った際、河岡氏は検疫隔離施設を準備することを約束していた。
ところが、実際にはその施設を用意していなかった。
研究者としての資格が問われるべき不祥事です。
★平井
驚くべきは、河岡氏が学術会議の会員であること。
機能獲得研究は、生物兵器と密接不可分です。
にもかかわらず、学術会議からは何のお咎めもナシ。
学術会議の軍事研究反対という方針が、ご都合主義であることは明らかです。
★掛谷
国民が研究者を監視する仕組みを作らなければならない。
■数少ない功績
★平井
文系学者もダメ。
絶望的ですね。
★掛谷
一縷の望みがあるとすれば、土木系の学者でしょうか。
学術会議にも数少ない功績がある。
それが八ッ場ダム(群馬県)についての報告書です。
民主党は2009年、八ッ場ダムと川辺川ダム(熊本県)の建設を中止するとのマニュフェストを掲げて政権交代を果たしました。
結果的に前者は建設され、後者は建設中止となった。
八ッ場ダムに反対する人たちは、ダム建設の根拠となる国土交通省の流量計算に誤りがあると指摘した。
ところが、学術会議の分科会はその計算が正しいとする報告書を出したんです。
これが決定打となり、八ッ場ダム建設は再開された。
★平井
八ッ場ダムは4年前の2019年、台風による洪水被害を防ぎ、関東圏における多くの人たちの命を救った。
八ッ場ダムがなければ、東京の東部は水没したかもしれない。
川辺川ダムが建設されなかった熊本では、大水害が起きていしまいました。
★掛谷
民主党としては、学術会議が八ッ場ダム建設中止のお墨付きを与えてくれると思っていたでしょうね。
でも、左翼思想に染まっていない土木工学の学者たちは期待を見事に裏切ってくれた。
工学系の学術会議会員には、軍事研究を批判する文系学者を苦々しく思っている人たちもいます。
ある研究者は、
「文系の連中に好き放題されている」
と憤っていました。
★平井
そもそも、技術を理解できないド文系学者が軍事研究のことをとやかく言うのは身の程知らず、工学系学者の発言力を高めるために、何ができるんでしょうか。
もちろん、学術会議そのものを解体、あるいは民営化するのがベストですが。
★掛谷
学術会議を”分割”すればいいなじゃないか。
学術会議には3つの部会に分かれています。
第1部が人文・社会科学。
第2部が生命科学。
第3部が理学・工学。
それぞれが独立して活動すれば、文系の左翼学者が何を言ってこようと、工学系の学者は無視できます。
■文明を否定するのか
★平井
技術進歩により、軍事技術と民生技術の境目は曖昧になりました。
両者を明確に分けることはできません。
例えばインターネットも、地理的に離れた軍事拠点の情報を共有するために開発されました。
カーナビに使われるGPSも、戦艦や戦闘機などの位置情報が必要だったために開発されたものです。
冷戦時代、アメリカとソ連は熾烈な宇宙開発競争を演じていました。
人類を月まで飛ばすロケットは、大陸間弾道ミサイルと並行して開発されています。
民生用途のロケット技術の大部分は、軍事用途のミサイル技術と重なる。
数えればキリがありませんが、要は技術も使い方次第。
軍事とは無関係の純粋な民生技術など、ほぼ存在しません。
軍民融合政策こそが、国の技術力全体を進歩させます。
この事実を否定すれば、人類が長い時間をかけて手に入れた便利で豊かな生活、つまり文明そのものを否定することになってしまう。
★掛谷
軍事研究の重要性を思い知らされたのが、福島原発事故です。
当時は、日本がロボット先進国だと信じている人が少なくなかった。
ところが、事故現場の内部を調べるのに、日本のロボットは全く役に立たなかった。
現場に投入されたのは、米国アイロボット社の
「バックボット」
でした。
★平井
掃除ロボット
「ルンバ」
のメーカーですね。
「バックボット」
はニューヨークの同時多発テロに際しても、世界貿易センタービルの捜索を行いました。
そもそも、掃除ロボットは地雷探知技術が基になっている。
過酷な戦場を想定して作られたロボットだから、原発事故の現場でも活躍できます。
★掛谷
日本のロボット研究者が”おもちゃのロボット”で遊んでいた時、アメリカの研究者は軍事目的でロボットを作っていた。
技術レベルに差が出るのは当然です。
■国家が企業を守らない
★掛谷
自動運転技術でもライバルに差を付けられています。
日本ではトヨタや日産などの民間企業が研究を進めていますが、アメリカは元々軍事用に自動運転技術を開発している。
国を挙げての一大プロジェクトなので、投入される資金も桁違いです。
そこに一流大学も協力している。
★平井
トヨタと言えど、中国のような国家資本主義には太刀打ちできません。
軍民融合政策の下、国家の支援を受ける企業を相手に、日本企業は国の支援なしで自力で戦わなければならない。
日本企業は技術競争のみならず、価格競争でも厳しい戦いを強いられています。
国家資本主義の下、中国は自国企業に産業補助金を注ぎ込み、ダンピング輸出している。
世界貿易機関(WTO)協定に違反しています。
1例を挙げると、ファーウェイへの産業補助金は8兆2400億円と報道されている。
産業補助金漬けの中国製品が世界市場を席巻するのも無理はありません。
対して、日本政府は自国企業を守る気がない。
中国企業と丸腰で戦わせています。
良質な製品を作っても、それだけで売れる時代ではない。
★掛谷
トランプ政権はアンチダンピング関税を掛け、中国に対抗していました。
アンチダンピング関税、本来であれば増税好きの財務省が喜びそうなものです(笑)。
でも、財務省から積極的な声は聞こえてこない。
高橋洋一さんによると、中国に”やられている”財務官僚も多いとか。
中国は日本の動きを見越して、事前に手を打っているのかしれない。
★平井
軍事研究に話を戻しましょう。
アメリカ国防総省の
「国防高等計画局(DARPA)」
という組織がある。
インターネットやGPSの”生みの親”としても有名です。
莫大な予算を与えられたDARPAは、大学や民間企業の研究に先行投資をします。
最大の特徴は、ハイリスク・ハイリターンの研究を積極的に支援すること。
99の研究が失敗に終わっても、1つの画期的研究が生まれればいいという考え方です。
「日本版DARPA」
を作って研究できる環境を用意しなければならない。
★掛谷
文科省というのは、前川喜平氏が事務次官になるような極左集団です。
日本の大学、特に国立大学は文科省に頭が上がらない。
そこで、文科省から独立した大学校を作ればいい。
防衛省が管轄する防衛大学校のように、経産省の下に工学系の大学校を設置するんです。
農水省の下に生命科学系の大学校を作るのもアリ。
そうすれば、文科省の顔色を窺うことなく、自由に研究できるようになります。
■まずは宮台真司と話せ
★掛谷
米中をはじめとして、各国はそれぞれの思惑で動いている。
ところが、日本だけがそれに気付いていません。
平井さんと話していて思ったのが、日本の弱点は”性善説”だということです。
★平井
身近な所では、ビジネスの現場が挙げられますね。
日本人同士の商談と、外国人との交渉では頭を切り替えることが求められる。
日本では
「騙す方が悪い」
ですが、
外国では
「騙される方が悪い」
のです。
日本人同士の商談のように、相手の言葉を信じてしまうと痛い目を見る。
★掛谷
中国が処理水放出を巡って難癖を付けた時、経済同友会の新浪剛史代表幹事は
「対話が必要」
と発言した。
政治家や経営者にありがちな甘い考えです。
★平井
中国による水産物禁輸は、明らかな”エコノミック・ステートクラフト”です。
政治的な目的を達成するために、経済的な手段を用いて圧力を掛ける。
武器を使わない戦争(超限戦)では、経済力は強力な武器になります。
中国は当然、処理水が安全だと知っている。
その上で、政治的な意図を持って圧力を掛けているのです。
西側諸国は現在、半導体の対中輸出規制を強化している。
日本に圧力を掛けて、それらを緩めさせようとしているのかもしれない。
★掛谷
新浪氏はまず、宮台真司氏と話してみてはどうか。
”話し合い”が如何に難しいかが身に染みて分かるはずです(笑)。
■カネになびいたCIA
★平井
中国は法治国家ではないので、西側諸国の常識が通用しません。
その最たるものが、当局による邦人の拘束。
改正反スパイ法が施行された以上、中国在住の日本人が拘束されるケースは増えるでしょう。
中国と関係の深い研究者は不当拘束されるリスクが高い、
★掛谷
アステラス製薬の社員は何故、拘束されたのか。
★平井
アステラス製薬は、臓器移植の際に拒絶反応を抑制する薬を製造していました。
不当拘束された社員は、ウイグル人などを対象にした”臓器狩り”の実態を、中国国内における薬の動きを通じて知ってしまったんだと思います。
帰国後、アステラス製薬社員がその内容を暴露したら都合が悪いから、発言させないために拘束されたのかもしれません。
★掛谷
中国は”情報のブラックホール”です。
他国の情報は全て吸い込み、徹底的に分析する。
ところが、自分たちの情報は表に出しません。
新型コロナウイルスの起源を巡る問題についても、武漢ウイルス研究所には海外の人間を立ち入らせない。
ウイルスのデータベースも、2019年から非公開になっていました。
★平井
中国では、法律の上に共産党があります。
その頂点に立つ習近平の胸三寸で全てが決まる。
例えば恒大集団問題は、西側社会の常識に照らし合わせれば経営破綻処理をします。
しかし、中国共産党が中国独自のルールで延命処置を施しているから、存続できている。
生かすも殺すも習近平次第なんです。
★掛谷
コロナ禍の初期、恒大集団からハーバード大学医学部に多額の寄付がありました。
それ以降、米国のウイルス学者たちは新型コロナウイルスの研究所起源の可能性を言わなくなった。
カネで買収されたものと思われます。
破綻寸前にもかかわらず、何故バラ撒くカネがあるのか。
どこからカネが出ていたかは想像がつきます(笑)。
★平井
天下のハーバード大学も、札束で頬を叩かれたらダンマリ・・・。
世の中、所詮はカネなんですね。
★掛谷
つい最近も、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
新型コロナウイルスの起源を調査していたCIA分析官7人のうち6人が、武漢ウイルス研究所起源であると考えていたのに、カネを受け取って天然起源に見解を変えたという内部告発があったんです。
アメリカ議会の特別小委員会は、CIAに関連文書の提出を要求している。
今後、カネが絡んだ闇がどんどん暴かれるでしょう。
■やられたらやり返す!
★掛谷
アメリカでは『ウォールストリートジャーナル』、イギリスでは『タイムズ』。
欧米では大手紙が、新型コロナウイルスの起源が武漢ウイルス研究所であると報じています。
その影響もあり、対中感情が著しく悪化している。
特にアメリカ国民は、中国への”復讐”に燃えている。
トランプ前大統領は中国に損害賠償を求めていましたが、同じように考える国民も少なくない。
★平井
2023年7月のビュー・リサーチセンターの世論調査によると、8割以上のアメリカ国民が中国について
「好ましくない」
と答えている。
同じく、8割のアメリカ国民が
「中国は世界の平和と安定に貢献していない」
と回答しました。
★掛谷
コロナ禍や人権問題の他に、フェンタニルの影響もありそうですね。
アメリカ国内では、中国産のフェンタニルという麻薬が蔓延している。
多くの若者が麻薬中毒になり、死者も出ています。
その背景に、アヘン戦争という歴史的な復讐として、フェンタニルを送り込んでいるんです。
★平井
日本人には理解できない感覚ですね。
★掛谷
大陸の国々は、絶えず戦争の歴史を歩んで来た。
殺るか殺られるかの世界です。
日本は島国なので、最大の脅威は自然。
地震や台風に襲われても、復讐しようがない。
風土が国民性の違いを生んだのかもしれませんが・・・。
★平井
優しさだけでは生きていけないのが現実です。
我々は、日本人の美徳が国際社会では命取りになることを自覚する必要があります。
★掛谷
「臥薪嘗胆」
という言葉はまさに、復讐を誓って辛苦すること。
アメリカも戦時中、
「リメンバー・パールハーバー」
が合言になった。
世界を動かすのは復讐心に他ならない。
恨みっこなしで”水に流す”日本だけが特殊なんです。
日本人が学ぶべきは「半沢直樹」の精神。
やられたらやり返す。
倍返しだ!

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/871.html#c39
[政治・選挙・NHK291] 社名を募集し「新会社」だとさ ジャニーズとテレビ局は「二度死ぬ」予感(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
46. 2023年10月04日 08:47:16 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[11]
<■240行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ウイグル族学者に無期懲役 中国、国家安全で判決
2023/9/22 23:11
https://www.sankei.com/article/20230922-DJULJ4ZHBZNXVFOC6Z6TW5V4MI/
米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)は2023年9月22日までに、中国の裁判所がウイグル族学者ラヒラ・ダウトさんに国家安全を脅かした罪で無期懲役の判決を言い渡したと報じた。
米国の人権団体によると、ダウトさんは中国新疆ウイグル自治区の大学で教授としてウイグル族の民間伝承などを研究していた。
中国外務省の毛寧副報道局長は2023年9月22日の記者会見で
「中国は法治国家で、法律に基づいて事件は処理される」
と述べた。(共同)

ウイグル族学者判決を非難 米「中国は文化を根絶」
2023/9/30 8:25
https://www.sankei.com/article/20230930-NX4HBWYQVFLE3FMB2QESWF35ME/
米国務省は2023年9月29日、中国の裁判所が国家安全を脅かした罪でウイグル族学者ラヒラ・ダウト氏に無期懲役判決を言い渡したことを
「非難」
し、
「ウイグル族のアイデンティティーや文化を根絶しようとする中国政府の取り組みの一環だ」
と批判した。
ダウト氏はウイグル族の民間伝承などを研究していた。
声明は、国家分裂罪に問われ服役中のウイグル族学者イリハム・トフティ氏にも言及し、不当に拘束されているあらゆる人の即時釈放を中国へ求めた。(共同)

新疆人権行事に「行くな」 中国、国連で各国に
2023/9/20 19:58
https://www.sankei.com/article/20230920-VKQ5HOBHQFLSVMPBY6JZTYZDME/
中国国連代表部が、国連総会に合わせて米シンクタンクがニューヨークで開いた新疆ウイグル自治区の人権問題に関するイベントに参加しないよう各国代表部に要求していたことが分かった。
米メディアが2023年9月20日までに伝えた。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は2022年夏、自治区に関する報告書を発表し、少数民族ウイグル族に対する中国政府の政策は
「人道に対する罪に相当する可能性がある」
と指摘した。
報告書発表の際も中国は、公表をやめさせようと国連での外交工作に動いたと報じられていた。
米メディアによると、米シンクタンク、大西洋評議会や国際人権団体が2023年9月19日、自治区の人権状況を議論するイベントを開催。
中国代表部は2023年9月14日付の書簡で他国代表部に対し、この
「反中イベント」
に参加すべきでないと警告したという。(共同)

国連弁務官の新疆視察報告、中国が非公表を働きかけ ロイター報道
2022/7/21 19:24
https://www.sankei.com/article/20220721-WZDAPMCZB5OU3L4Z5K77TL37OU/
中国政府が、バチェレ国連人権高等弁務官の中国新疆ウイグル自治区視察に関する報告書を公表しないよう各国に働きかけていると、ロイター通信が2022年7月21日までに報じた。
中国側は、米欧が批判する新疆の人権問題を否定しており、報告書を公にしないことで幕引きを図ろうとしている可能性がある。
ロイターによると、中国はスイス・ジュネーブにある各国の代表部に2022年6月終わり頃から書簡を送付した。
2022年5月に現地視察したバチェレ氏による新疆の人権状況に関する報告書が公表されることについて
「重大な懸念」
を表明。
報告書が公表されれば、
「人権分野において(問題の)政治化と陣営間の対立を激しくさせ、国連人権高等弁務官事務所の信頼を傷付ける」
と主張し、視察結果を公表しないよう強く求めた。
中国外務省の汪文斌報道官は2022年7月20日の記者会見で、ロイターの報道について
「一部の国は新疆問題にかこつけて政治的な策略を行おうとしている」
と反発する一方、働き掛けについて否定することはなかった。
汪氏は、バチェレ氏の新疆訪問について
「中国の人権の発展や成果を自分自身の目で確認した」
と述べ、米欧の人権批判を否定する材料として使った。
習近平国家主席は2022年7月中旬に新疆を約8年ぶりに訪問し、
「我々の民族政策は良く、効果的だ」
と強調した。
習氏の長期政権化を目指す2022年秋の共産党大会を控える中、報告書公表で新疆問題に関する海外からの批判が盛り上がることを警戒しているとみられる。

「深刻な人権侵害」指摘 国連人権高等弁務官事務所ウイグル報告書で
2022/9/1 7:41
https://www.sankei.com/article/20220901-I3ZZY44A7ZPYLL5GLTIVMMV4VQ/
国連人権高等弁務官事務所(スイス・ジュネーブ)は2022年8月31日、中国新疆ウイグル自治区を視察した結果を基に新疆の人権状況をまとめた報告書を発表した。
報告書は同自治区で
「深刻な人権侵害」
が発生していると指摘した。
バチェレ国連人権高等弁務官は同日、任期満了に伴い退任。
新疆の人権問題を否定する中国政府の圧力を受け、報告書の公表が遅れているとみられていたが、退任直前に発表した。
バチェレ氏は2018年9月に国連人権高等弁務官に就任。
2022年5月23〜28日に訪中し、滞在中に新疆の刑務所や多数のウイグル族らを収容した
「職業技能教育訓練センター」
だった施設を視察した。
国連の人権高等弁務官が中国を訪問するのは2005年以来だった。
バチェレ氏は2022年6月13日、1期目の任期が終了する2022年8月末で退任する意向を表明し、報告書を退任までに公表する方針を示していた。
欧州メディアによると、バチェレ氏の報道官は2022年8月31日、
「報告書は同日中に発表される」
と述べた。
ロイター通信によると、中国政府がスイス・ジュネーブにある各国の代表部に2022年6月終わり頃から書簡を送付し、報告書の公表について
「重大な懸念」
を表明。
公表すれば
「人権分野において(問題の)政治化と陣営間の対立を激しくさせ、国連人権高等弁務官事務所の信頼を傷付ける」
と主張した。
バチェレ氏は2022年8月25日、約40カ国から公表に反対する書簡を受け取ったと発言。
中国などから送付されたとみられる。

国連人権理で調査開始を 新疆報告受け、団体訴え
2022/9/1 11:50
https://www.sankei.com/article/20220901-CXZ4U7LKG5OFBH3VDJ75WA4ALI/
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは2022年8月31日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中国の新疆ウイグル自治区を巡る報告書を公表したことを受け
「ウイグル族らを標的にした中国政府の人道に対する罪について、国連人権理事会は包括的な調査を開始すべきだ」
と訴える声明を出した。
報告書は、同自治区での中国政府のイスラム教徒少数民族に対する政策が
「人道に対する罪に相当する可能性がある」
と指摘。
このため、団体は声明で
「なぜ中国が必死になって報告書の公表を阻止しようとしていたかが分かった」
と中国政府の対応を批判。人権理が報告書も利用して調査し、人権侵害を行った者たちに責任を負わせるよう求めた。(共同)

EU、国連ウイグル報告の発表を歓迎 「中国の人権監視を」
2022/9/2 8:24
https://www.sankei.com/article/20220902-QGY7FITH7NNFXLMB3JVJ55AJHU/
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は2022年9月1日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中国新疆ウイグル自治区の人権侵害について報告書を発表したことを歓迎した。
その上で、中国の人権状況を注意深く監視し、報告すべきだという立場を示した。
ボレル氏は声明で、報告書が
「人道に対する罪」
が行われている可能性に触れたことを強調。
自治区の人権状況について
「中国政府の他、特に人権に関する国連機関、国際社会が緊急に注意を払う必要がある」
と指摘した。
フランス外務省も2022年9月1日に声明を出し、中国が報告書の勧告に沿って、自治区の人権状況を改善するよう求めた。

米報道官「残虐行為の即時停止」要求 国連ウイグル報告書を歓迎
2022/9/2 8:39
https://www.sankei.com/article/20220902-22QFV3HVRBPJFDDTHDVATR2M4U/
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が2022年8月31日に発表した新疆ウイグル自治区の人権状況に関する報告書について、ジャンピエール米大統領報道官は2022年9月1日、
「中国が関わる継続的なジェノサイド(集団殺害)と人道に対する罪への我々の重大な懸念を深めた」
とし、中国政府に対し
「残虐行為の即時停止を要求する」
と訴えた。
米国は同自治区における人権侵害を
「ジェノサイド」
と認定。
強制労働や人権侵害への関与が疑われる企業への輸出規制や同自治区の産品の輸入禁止などの制裁を講じている。
同報道官は、バイデン政権として同盟諸国や国際社会と連携し
「強制労働とは無関係な世界規模の供給網の確立に引き続き取り組む」
と強調した。
ブリンケン国務長官も2022年9月1日、
「ウイグル人や他の少数民族・宗教グループに対する人権侵害や酷い扱いを記述したこの重要な報告書を米国は歓迎する」
とした声明を発表、
「不当に拘束された人々の解放や行方不明者に関する説明責任を要求する」
と訴えた。

主張
国連人権報告書 ウイグル弾圧は許されぬ
2022/9/4 5:00
https://www.sankei.com/article/20220904-P4ZWNCREF5L3LGPK6BPZ2HPSVQ/
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中国新疆ウイグル自治区の人権状況に関する報告書を発表した。
報告書は、少数民族ウイグル人に対し、テロ対策名目で
「深刻な人権侵害が行われている」
とした。
差別的で恣意的な身柄拘束などは、
「人道に対する罪に相当する可能性がある」
と指摘し、恣意的な拘束を速やかに解くことを中国政府に勧告した。
ウイグル人弾圧の実態を国連が公式に認めた意味は重い。
中国は報告を真摯に受け入れ、一連の弾圧を直ちにやめるべきだ。
同時に日本を含む国際社会は、状況が改善されるよう、連携して中国に圧力をかけていく必要がある。
報告書は、ウイグル人らを職業訓練の名目で収容した施設について、
「自由に退所できたり、一時帰宅を許されたりした人は1人もいなかった」
とした。
施設が事実上の強制収容所となっていることを示すものだ。
ウイグル人らが同自治区で拷問や性的暴行などを受けたと訴えていることについても
「信憑性がある」
と認めた。
中国政府には、拷問などの人権侵害の疑惑を速やかに調査することや、行方不明者の所在を確認すること、ウイグル人らに対する差別的な政策や法律の撤廃などを求めた。
ただ、欧米諸国が非難するジェノサイド(集団殺害)の認定には踏み込まなかった。
中国側は会見で、報告書について
「海外の反中勢力によるでっち上げだ」
と猛反発した。
だが、報告書は、弾圧されたウイグル人の証言や流出した内部文書などの証拠を基に作成された。
中国の虚言は国際社会に通用しない。
報告書は、中国の圧力で再三延期された。
発表されたのは、バチェレ人権高等弁務官の任期が終了する約10分前の2022年8月31日深夜というタイミングだった。
残念なのは日本政府の歯がゆい反応である。
松野博一官房長官は会見で、報告書を
「評価する」
としつつ、
「自由、基本的人権の尊重、法の支配が中国においても保障されることが重要だ」
と述べるにとどめた。
2022年が日中国交正常化50年であることを意識して抑制したのだとしたら、中国に足元を見られるだけである。
岸田文雄政権は、中国の人権状況について独自の調査を進め、ウイグル人への弾圧を即刻やめさせなければならない。

加速する中国の「同化政策」 ウイグル人女性が実態を告白
2022/9/30 8:00
https://www.sankei.com/article/20220930-KIBGLSSFDJPWTHFFLKM2HEFNLI/
中国の新疆ウイグル自治区でウイグル人に対する人権侵害が行われているとして、日本在住のムカイダイスさんが愛媛県西条市で講演し、植民地となった国に訪れる悲惨な実情を具体例を挙げて述べ、
「民主主義の日本がアジアを守る力を持ってほしい」
と訴えた。
■深刻な人権侵害
この問題では、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が2022年8月、
「深刻な人権侵害が行われている」
とする報告書を発表。
報告書は、
▽差別的で恣意的な身柄拘束は人道に対する罪に相当する可能性がある
▽職業訓練施設は自由に退所できず、収容は自由の剝奪
とし、中国に対し、恣意的な拘束を受けている全ての人の解放を勧告し、ウイグル族らに対する差別的な政策、法律の撤廃を要求する内容となっている。
講演会は
「美しいふるさと西条実行委員会」
の主催で、新型コロナウイルス対策として参加数を制限して2022年9月11日に開かれた。
ムカイダイスさんは
「ウイグル人女性が語る『祖国』への想い」
のテーマで壇上に立ち、
「私の故郷で何があったのかを話したい」
と語りかけた。
■冬季五輪外交ボイコット
ジェノサイド(集団殺害)を巡っては、1948年に国連総会でジェノサイド条約が採択され、1951年に発効した。
▽集団の構成員を殺す
▽重大な肉体的、精神的危害を加える
など5項目の定義があり、いずれかに該当するとジェノサイドとされる。
ムカイダイスさんは
「ウイグルは定義に全部当てはまる」
と指摘し、中国の人権問題が国際社会に認知された背景に、中国国外の亡命ウイグル人らの活動があったと説明した。
米国は2021年、ジェノサイド及び人権に対する罪を認定。
批判の声の盛り上がり、各国の2022年2月の北京冬季五輪の外交ボイコットにも繋がった。
中国は人権侵害を全面的に否定しているが、日本でも2022年2月1日、衆院で
「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議」
がなされた。
「不十分な内容だった」
との指摘もあったが、ムカイダイスさんは
「民主主義の力が発揮された」
「対中非難決議はアジアでは日本が初めて」
「私は日本に感謝したい」
と評価した。
■誰が助けてくれるのか
ムカイダイスさんは、講演で故郷について紹介。
東トルキスタンはトルコの東という意味で、日本では西域、シルクロードの国として知られる。
広さは日本の約4.6倍で、中国の約5分の1を占め、美しい自然と豊かな文化を持つ、と語った。
「植民地となって以降、トルコ民族のウイグル人は出ていけと言われた」
「今は中国の植民地で、中国共産党により様々な人権侵害に苦しめられている」
「支配者は魂が怖い、文化が怖いのです」
「言語を失わせ、思想を改造しようとする」
「私たちを中華民族にしようとしている」
と人権侵害が続く実情を、強制される不妊手術、漢民族の男性兵士との結婚など事例を示しながら説明した。
「私たちは国を守れなかった」
「世界がジェノサイドを認定しても、誰が誰を助けてくれるのか」
「自分の国を渡したら悲惨なことになる」
「ホームステイといって漢民族が一緒に住みます」
「『親戚』となって家に入ってくるわけです」
「娘を持つ親は抵抗することはできない」
「これは合法化されたレイプ政策です」
「収容所では女性は髪を切られ、中国製のかつら、つけまつげとして日本でも売られています」
時折、涙ぐみ、言葉に詰まりながらもムカイダイスさんは語り続けた。
■日本はアジアを救う力を
「収容所は人間の尊厳を踏みにじる」
「ダメです」
「犯罪です」
とムカイダイスさんは強調する。
「でも、そこで殴られた人は知っていても、証拠を示すのは難しい」
「助けてくれたのは、心ある漢民族の方々でした」
「14億人の漢民族の中に心ある人はたくさんいる」
「そのような人々は、真の意味で日本と仲良くなりたいと思っています」
「それを日本の皆さんも知るべきです」
と述べた。
ムカイダイスさんは東京の多磨霊園にウイグル人の墓があることも紹介し、
「大事にしてくれた日本に感謝しています」
と話した。
そして
「日本はダメなものはダメと言える民主国家」
「アジアを救う力を持つことが必要です」
「中国の暴挙から守ってほしい」
「日本は世界の平和をリードする国となってほしい」
と訴えた。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/872.html#c46

[医療崩壊11] 「ノーベル賞を取っても被害をなかったことにするわけにはいかない」 コロナワクチンの問題指摘する専門家に聞いた (CBCニュ… 魑魅魍魎男
5. 2023年10月04日 08:50:13 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[12]
<▽34行くらい>
主張
mRNAワクチン ノーベル賞こそ相応しい
2023/10/4 5:00
https://www.sankei.com/article/20231004-K2BQSQT5LRIUJLBIOAZDLTVLBY/
世界の多くの人々がこれほど身近に感じ、感謝と賛辞を惜しまない研究はない。
新型コロナのパンデミック下で、ワクチンの早期実用化につながった
「メッセンジャーRNA(mRNA)」
の技術を開発した米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授とドリュー・ワイスマン教授にノーベル生理学・医学賞が贈られる。
細胞内の遺伝情報を伝えるmRNAの構造を改変し、体内で異物だと見做されないようにしたカリコ氏らの研究成果は
「数年はかかる」
と言われたワクチン開発の期間を大幅に縮め、2019年末の中国・武漢での新型コロナ感染症(新型肺炎)確認から1年後には、mRNAワクチンが登場した。
発症と重症化を抑える効果も極めて高く、
「人類への貢献」
は計り知れない。
ノーベル賞の受賞こそが相応しい。
mRNA研究の進展では、2022年亡くなった新潟薬科大客員教授の古市泰宏氏の研究成果(1975年)や大阪大の審良(あきら)静男特任教授とカリコ氏らの共同研究(2008年)も寄与した。
ノーベル賞の栄誉を称えると同時に日本人研究者の貢献も誇っていい。
だが、日本は新型コロナのワクチン開発で世界の先頭グループから大きく遅れ、国際社会に貢献できなかった。
2010年代に始まった日本のmRNAワクチン研究は、資金が続かず、コロナ禍の下で再開されたものの、実用化の見通しが点いたのは2023年になってからだ。
カリコ氏らの研究成果を実用化に向けて引き継いだのは、バイオベンチャーの独ビオンテック社や米モデルナ社などである。
行政も支援した。
一方、古市氏や審良氏の成果を引き継ぎ、発展させる研究開発の土壌が日本にはなかった。
岸田文雄政権はこの現実を重く受け止めなければならない。
2000年以降、日本のノーベル賞受賞者は20人(米国籍3人を含む)を数えるが、産業・経済は長期的な停滞状況から抜け出せていない。
新型コロナワクチンの開発で世界に後れを取ったのと同じ問題点が他分野にもあると考えるべきだろう。
幅広い研究への支援拡充と共に、その成果を実用化に繋ぐ土壌を耕し育てる決意を新たにしなければならない。

http://www.asyura2.com/23/iryo11/msg/780.html#c5
[政治・選挙・NHK291] <生活が苦しい… 死んだほうがマシだ>殺気張りつめる れいわ増税反対デモ(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
108. 2023年10月05日 17:19:22 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[13]
<■319行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
メディアこそが風評加害者だ
正論2023年11月号
元毎日新聞編集委員、ジャーナリスト 小島正美
ジャーナリスト 林智裕
★小島
私は2018(平成30)年まで毎日新聞で記者をしていました。
記者時代に牛海綿状脳症(BSE)や子宮頸癌を予防するワクチン(HPVワクチン)、食品中の残留農薬、遺伝子組み換え作物など、
「風評」

「科学」
が絡んだ、様々な問題を取材しました。
東京電力福島第1原子力発電所の処理水を巡る問題も取材し、海洋放出に伴って起きるであろうとされた風評問題にも高い関心を払って見守ってきました。
林さんの著書『「正しさ」の商人』(徳間書店)も興味深く読みました。
処理水の海洋放出が無事に始まったわけですが、特に私が今、強く感じていることは、私が記者時代に取材してきたテーマと、処理水を巡る風評問題とは構造的によく似ているということです。
どれも不安や恐怖が醸成されて騒ぎとなるのですが、では
「誰が不安や恐怖を醸成しているのか」
と考えると、これは紛れもなくメディアなんです。
遺伝子組み換え作物についても、遺伝子を外部の生物から挿入する遺伝子操作の是非が騒がれたことがかつてありました。
私もはじめは反対の立場で論陣を張って警鐘を鳴らしましたが、では
「不安を撒き散らしているのは誰なのか」
と言えばこれまたメディアです。
そうした構図は今回の処理水にも当てはまります。
★林
小島さんが業界紙「原子力産業新聞」の2022年3月12日付に
「『風評』を助長しているのは、実は『報道そのもの』だった!」
と題したコラムを書かれています。
https://jaif.or.jp/journal/column/kojima/12149.html
正に今の話です。
メディアは
「風評が問題」
と他人事のように警鐘を鳴らすが、その風評を作り出しているのは報道であり、メディアではないか。
そうした問題意識の下、私は月刊「正論」で震災報道を検証しました。
小島さんのコラムを初めて見た時、メディア報道に携わる側からも同じ認識で問題提起する方がいることが衝撃で嬉しかったことを覚えています。
★小島
そうでしたか。
あれは正に自分が感じていた思いをそのまま記したコラムでした。
処理水を巡る報道は、厳密に言うと他の事案と少し異なる点があって、例えば子宮頸癌を予防するワクチンの場合、副作用が大きく報じられ、濃淡はあれども、ほぼ全新聞がワクチン接種への不安を煽る報道で足並みを揃えていました。
日本では小学校6年から高校1年の女子を対象に定期接種が行われましたが、2013年6月、厚生労働省は接種の積極的勧奨を中止しました。
メディア報道では朝日新聞のキャンペーンが目立ったことは確かですが、読売新聞の一部記者を除き、ほぼ全紙が同じでしたし、接種を受けた少女が痙攣する様子を収めた映像も盛んに流れました。
これに対して処理水の報道では産経新聞と読売新聞が海洋放出を肯定的に捉えていました。
メディア報道の足並みは必ずしも揃っていませんでした。
良い意味で分断があったと言えましょう。
★林
私もHPVワクチンの問題を『「正しさ」の商人』で詳しく取り上げました。
「副反応」
とされた症状とワクチンの因果関係を示す証拠がないにもかかわらず、報道で不安が高まり、厚生労働省は抗い切れず、定期接種開始から僅か2カ月で積極的勧奨を中止しました。
リスクが指摘された薬剤について一時的に勧奨を中止する対応自体は合理的です。
問題はその後ワクチンが原因ではないと分かった後も合理的理由がないままに勧奨中止が継続したことですね。
★小島
そう。
警鐘を鳴らすこと自体はメディアの仕事、任務だと私は思っています。
だから、当初ワクチンの副作用を訴える女性たちの記者会見を大きく取り上げる。
これは今後もあり得る話だし、やるべき話だったと今も考えます。
私が問題だと思うのは、今の林さんの話に通じるのですが、その後の調査で
「問題ない」
と科学的データが次々出てきているのに、それが報道されなかったことです。
例えば、信州大学の1学者の研究結果で
「特定の遺伝子を持つ人がワクチンを接種すると脳障害を起こす可能性がある」
という話がメディアを通じて大々的に報じられました。
ですが、それが間違いだと分かっても、大きく取り上げられなかった。
間違った情報が正されるどころか、遂には報道自体が萎んでしまいました。
同じことは遺伝子組み換え作物にも言えます。
良いデータが後から出てきても、ちっとも報道されません。
問題提起、ネガティブな話は取り上げられる。
当然、不安は広がります。
ですが、正しい話は広がらない。
一過性で騒いでお終いです。
長い目で見て過去の報道を科学的に正す、検証するといったことがないのです。
★1度
「終わった話題」
と見做せば振り返らない。
誤りを積極的に修正する風土も制度も無いということですね。
★小島
はい。
そうです。
もう1つ感じたこと、それは、ワクチンの有効性を認めている多数派の学者たち、科学者の行動力が欠けていたことでした。
これは処理水を巡る動きにも全く同じものを感じました。
処理水の放出に賛成の学者は実際にはかなりの多数派を占めていると私は思っていますが、そうした科学者が放出賛成の声明を出す、とか
「他の方法に比べて海洋放出は妥当だ」
「海洋放出による環境や人へのリスクはないし、福島産魚介類は安全だ」
といった声は聞かなかった。
心の中で思っているだけで全然声を上げないのです。
★林
確かにそうですね。
処理水に関して韓国の科学者の行動を見ると日本の科学者とは雲泥の差でした。
韓国では原子力の専門家が
「我々が声を上げなければ、国民に犠牲が及ぶ」
と強い使命感を持ってダメージを食い止めるべく熱心に発信していました。
★小島
日本でも日本学術会議がもっとアクティブに
「問題ない」
とはっきり言ってくれると良いのですが、そうした行動はありませんでした。
アカデミーの見識を示す絶好の機会と思いますが、自分たちの役割ではないと沈黙していました。
■「汚染魚」はダメ、「汚染水」はOKなのか
★小島
処理水の海洋放出は実現したわけですが、私自身は以前からもっと早く実現するべきだと思っていました。
とにかく政治的な決断で実現したことは非常に良かったと思います。
同時に政府はリスクについて
「この程度なのだ」
という正確な情報をもっとはっきり強調して発信してほしかった、とも思いました。
これは菅義偉前首相が放出を決断し、自ら記者会見に臨んでその方針を表明した際にも同じことを感じていました。
例えば新型コロナウイルスを巡る記者会見では専門家が横に居て、細かい点は専門家が解説していたでしょう。
処理水もあのような形式があっていい、と思います。
政治的決断は評価します。
でもリスクの伝え方はもっと工夫があっていい。
そう思います。
★林
私も同感です。
まず何故、これほど時間を費やしたのか。
新型コロナウイルスへの対応では専門家も交え一丸となってあれだけの非常事態を短期間で克服したわけです。
それに比べると、福島の問題では先送りを厭わない。
優先順位が低い、としばしば感じました。
ただ、今回の海洋放出に対する政府の対応は全体的に毅然と対応したと評価しています。
特に外務省がデマ、フェイク、誤情報に反論を厭わずに臨んだことは良かったと思いますよ。
中国の言い掛かりに1つ1つ根拠を挙げて反論し、ホームページに掲載するだけでなく、国際会議でも
「日中異例の応酬」
という報道がありました。
日本や国際原子力機関(IAEA)を支持し、賛同する国のことも次々紹介し、どこの国がどういう立場でどんなことを言ったかといった話も分かり易く公開している。
X(旧ツイッター)の投稿では
「オーストラリア大使館ではこれからも福島県産の食材を使っていきます」
といったPRが
「福島の魚は安全です」
というメッセージと共に発信されていました。
総務省も
「最近、ALPS処理水に関する偽情報がインターネット上で発信されております」
「インターネット上の偽・誤情報にはご注意ください」
などと発信し始めている。
政府の対応に全く問題がないとまでは言いませんが、全体的によく頑張っていると思っています。
★小島
今回の処理水放出でびっくりしたのは中国の対応でした。
日本の水産物の全面輸入禁止でしょう。
加工もダメ、販売もダメ、という方針に
「そこまでやるか」
と感じた人は多かったはずです。
中国の対応に現実に今も困っている人もいるでしょうから、迂闊なことは言うべきではないですが、でも中国の対応が余りに理不尽極まるもので、国際的にも宙に浮き、そう広がらなかった。
そこは林さんが指摘されたように外務省の働き掛けもあったのでしょうが。
★林
ええ。
外務省は中国によるあのような号令に他の国が靡かないように地道に取り組んでいた、と聞いています。
中国はそこを甘く見ていて軌道修正せざるを得なかった。
★小島
結果的には
「怪我の功名」
のような話だと捉えています。
日本国内では
「汚染水」
という言葉を使っている人が依然としていますが、まるで中国の肩を持っているように映ってしまう。
「あなたは中国の側に立っているんですか」
と言われて窮した発信も多かっただろうと思います。
★林
それでも発信を続ける人はいますけど、中国が下手を打ったおかげで国内の団結がむしろ高まったことは間違いない。
「中国に負けないために国内の魚を食べて対抗しましょう」
とジャーナリスト、櫻井よしこさんが国家基本問題研究所の意見広告などで呼び掛けていたでしょう。
実際、地元紙、福島民友が県内59市町村に風評の影響を調査しましたが、57市町村で
「目立った被害はない」
でした。
件内の風評被害は今のところない。
唯一、中国からの嫌がらせ電話が非常に多かったわけですが、あれは
「風評」
とは全く別の問題です。
やればやるほど中国の見識を疑う人が増えていく。
中国の主張が広がらないのも頷けます。
科学や国際社会の理解に背を向けた中国の対応は
「情報攻撃」
の一種と言えますが、福島や日本への剥き出しの差別でもあります。
ところが、一部の知識人からは櫻井さんの発信に
「『食べて応援』が行き着く所はこんな地点であることが分かる」
「失敗がもたらした惨事を、一貫してナショナリズムの動員によって穴埋めしようとするこいつら、そもそも『中国に勝とう』って言うが、勝者はどこにもおらん」
(雑誌編集者、早川タダノリ氏)
「中国が買ってくれなくなった日本の魚を日本人が食べると中国に勝つことになるの? 中国にとって痛くも痒くもないのに?」
(米在住の映画評論家、町山智浩氏)
などと嘲笑する向きもありました。
中国の立場を代弁するかのような冷酷な物言いは、如何なる立場で何を目的としているのでしょうか。
また、次期衆院選に広島6区から立候補予定だった共産党の広島県福山市の元市議、村井明美氏は
「(櫻井氏の投稿に)どうぞ、もっとしっかり汚染魚を食べて、10年後の健康状態をお知らせください」
と書いて大炎上しました。
★小島
未だに汚染魚という言い方をする人がいるんですね。
★林
はい。
炎上に村井氏は一旦謝罪しました。
ところが弁明のブログでも
「科学的に安全性が担保されない魚」
と書いて再び炎上し、それを受けて次は
「今後どのような影響が出るか分からないのに、魚を食べようと言われ」
などと書き直しています。
「汚染魚」
という言葉を使わずとも、言っている本質は当初から全く変わっていません。
騒動は広く報道され、共産党は次期衆院選での村井氏の擁立を取り下げると発表しました。
★小島
全く不勉強としか言いようがありません。
★林
共産党は村井氏の発言を
「党の考えとは違う」
と強調する一方、依然として
「私たちの立場では放出されるのは汚染水」
「汚染水という表現には根拠があるので引き続き使う」
とも言っています。
★小島
共産党の考えに照らすと、
「汚染魚」
はダメだが、
「汚染水」
なら問題ない、ということですか。
★林
共産党って実に巧妙というか狡猾なんです。
「汚染」
「汚染水」
とは言うんです。
ですが、
「汚染によって魚に汚染が出る」
とか
「健康被害が出る」
といった言い方を自分からはしないのです。
「汚染」
「汚染水」
と言い続け、聞いていた人が勝手に誤認、勘違いして、健康被害が出るかのように騒ぎ立てた場合、共産党はそれを咎めたり異を唱えたりはしないでしょう。
ですが自分の口で
「健康被害が出る」
ともまず言わないのです。
後でデマと咎められるかもしれませんから、巧妙に避けるのです。
健康食品の販売トークなどでよく
「この商品を食べたお客様から沢山の賞賛が寄せられています!」
などと言って購買意欲を駆り立てることがあるでしょう。
でも
「これを飲めば癌が治ります」
とは自分からはまず言わないじゃないですか。
優良誤認を利用した典型的な印象操作ですが、共産党の汚染水呼ばわりに対する考えには、これに通じる所がたくさんあります。
ところが身内である党内の元市議が
「汚染魚」
と書いて一線を越えてしまった、というわけです。
★小島
共産党は
「自分たちの立場」
として
「汚染水」
と今後も言い続けるんですかね。
今回の海洋放出で
「汚染水」
は確たる言葉として定着したと思います。
野村哲郎農水相(当時)が2023年8月31日、
「汚染水」
と失言しました。
これに立憲民主党の泉健太代表が
「不適切、今、放出されているのは処理水だ」
「所管大臣として気が抜けた対応で資質が感じられない」
などと批判しました。
ところが、立憲民主党の一部でも
「汚染水」
と使っている議員は依然いますし、その資質は問わないのか、となった。
泉代表は
「党の見解は『処理水』」
と言いましたが、
「国会議員が様々な見解を持つことそのものは、即座に否定されるべきものではない」
と言ってお茶を濁しました。
野村農水相の
「汚染水」
発言を
「事実だ」
と言ってわざわざ”擁護”したのは中国政府でした。
でもさすがに日本の新聞、それも社説で海洋放出反対を書いた社ですら、汚染水という表現は正しいなどといった主張はしませんでした。
処理水という言葉がもう完全に定着した言葉と思う所以です。
■権力の監視イコール反権力なのか
★小島
今回の海洋放出、風評を巡る問題や表記を
「処理水」
にするのか
「汚染水」
にするか、といった問題を突き詰めると、新聞記者の仕事とは何かという問題にぶつかる気がしています。
他人事のようなことばかり書き立てて科学的な知見は無視する。
世の中の足を引っ張ることだけに血眼になっている。
メディアはそう害悪視されてしまっている。
私は世の中にもう少し役に立つことをやりたいし、書いていきたいと思っていますが、私自身もかつてはそれが当たり前だった感じだったんですよ。
★林
どういう感じだったんでしょうか。
★小島
汚染水ではなく、処理水と書くべきかどうか。
例えば、私自身が早い段階で科学的に処理水の方が正しい、と思ったとします。
それで原稿に
「汚染水」
と使うのをやめて
「処理水」
と表記して原稿を出したとする。
すると、
「何だ、お前は」
「政府と同じ立場で記事を書くのか」
「政府と同じレベルじゃないか」
と権力の走狗の如く扱われてしまうわけです。
前述した子宮頸癌ワクチンもそう。
問題なしと取材して記事を出稿しても
「何でお前は政府の言っているような見方をするんだ」
と言われて原稿は直されてしまう。
政府が科学的に正しいことを言っても、そのまま書くことはまず許されません。
何としても政府を常に批判しなければならない。
そんな意識が働くんです。
私に限って言えば、私は編集委員でしたから、割と自由に書かせてもらったとは思っています。
特に毎日新聞には
「記者の目」
という欄がありますから、社説で
「危ない」
と書いても
「絶対安全です」
と書けるし、書いてきた。
実際、それを許す自由な社風がありました。
★林
新聞に権力を監視する役割があることはその通りで、大切な役割と思っています。
権力に疑いの眼差しを向けることも重要ですが、それがいつの間にか物事を是々非々で判断することを忘れて、ただ反射的に反権力的なスタンスを取ることがジャーナリズムのあるべき姿なのだと理解してしまっている記者はいますね。
反権力こそ正義。
手段も目的も何も分からないまま政府を叩くことだけが存在意義と勘違いしている。
今の小島さんの話を聞くと、かつて
「汚染水」
と表記していたメディアが批判を受けても即座に
「処理水」
とはしなかったのも頷けます。
まず
「処理済み汚染水」
なんて言葉を編み出してしまうのです。
権力の言うことがたとえ正しくても素直に受け入れてはいけない、という心理が働くんでしょうね。
★小島
でも科学分野の原稿でその手の反権力的な意識を持ち込んで記事を書き始めると科学が歪められてしまう。
歪んだ情報を受け取るのは読者、国民ですから、国民が情報被害者になってしまうということです。
■「海洋放出反対」の主張が意味すること
★林
今回の処理水放出で、世論と合致して賛成の見解を出したのは、実は福島民友と日経、読売、産経の4紙しかありませんでした。
反対の社説を見ると、福島が危険であるかのような誤解を誘発させる記述も少なくありませんでした。
「福島では将来、遺伝など健康被害が起こるんじゃないか」
と思っている国民は全国で4割を超えている。
そんな調査結果も出ていますが、これは問題ある数字だと思っています。
福島への正しい理解が広がらず、差別を誘発する恐れすらありますから、福島の危険視を誘発する記述には注意しています。
合意が取れておらず海洋放出は許されない、という主張も散見されました。
ですが、その社説も含め合意形成の前提となる科学的見解を新聞は積極的に報道していない。
合意形成が大事と言いながら、実はそれを邪魔しているのはメディア自身じゃないかと言いたくなります。
★小島
反対の社説の論旨が
「対話不足」
「合意形成に至っていない」
「漁業者が風評被害を心配している」
などといった理由で反対とした論が目立つということですよね。
つまり、それは放出された処理水が危ないから反対しているわけではないのです。
危なくない。
そのことは、反対した当の新聞社も含めて皆知っているということです。
処理水が危ないとは書けない、では反対ならどんな理由があるか探して、探し出した理由で反対した。
ですから海洋放出反対の実質的なトーンとしてはかなり弱い気がします。
読者もそうした反対する者の台所事情を踏まえて
「これは危ないと言ってるわけじゃないんだな」
と読んでくれればいいんですけどね。
★林
海洋放出によって一番影響を受ける対象は漁業者だと多くの社説は捉えています。
確かに漁業者は被害者になり得る。
ですが、では漁業者を一番の当事者、一番の主役であるかのように取り扱っているけれど一番苦しんでいるのは誰か、と言えば双葉郡の双葉町、大熊町なんですね。
あの方々は初めからずっと地上継続保管に反対と言ってきたわけです。
それをしないと廃炉が進まないし、復興も進みません。
今、一番復興が遅れ、一番被害が大きい所はどこか、と言えば紛れもなく双葉町と大熊町でしょう。
両町を代表する町長の声なんてどれだけ注目されたでしょうか。
★小島
それは重要な指摘だと思いますね。
地元の町長たちは確かにずっとこのままタンクが増えていったら困ると訴えてきたわけですからね。
でもこうした声は確かにあまりニュースで見たことも聞いたこともないですね。
細かく見ればニュースにはなっているんでしょうが、決して注目されては来なかった。
★林
あの方々は立場上、積極的に海洋放出賛成とは言えませんが、継続保管に反対とは強く言い続けています。
それは
「早く放出してくれ」
という意味です。
メディアがその彼らの苦しみを掬ってちゃんとスポットを当てないのは、条理に反すると思います。
報じないから
「海洋放出反対」
の本当の意味がいつまでも国民に伝わりません。
「海洋放出反対」
とは地上継続保管を続けろ、という意味であって被災地の中で一番もがき苦しんで来た人たちを縛り付けたまま
「全てを押し付け続けろ」
と言っているに等しい主張です。
「海洋放出反対」
と社説に書いておけば、弱者の味方であるかのようなアピールは出来るかもしれませんが、もっと想像力を働かせてほしいと思います。
実際は事実上、被災地に全てを押し付けろ、と極めて暴力的なことを言っているのです。
せめてこうした一面があることを弁えた上で社説を書くべきではありませんか。
★小島
今の話はもっとメディアが報道すべき点ですね。
記者の責任意識という意味でもう1つ述べましょう。
今回、社説をあれこれ読んでみて
「風評を解消するのは政府と東京電力の責任だ」
と多くの新聞社が普通に書いているんです。
★林
書いていますね。
★小島
でも、ここが実は一番の問題じゃないかと、と思うのです。
「じゃあ自分はどうするのか」
という意識や視座に立った記述が全く欠如している。
自分たちも風評に加担しているんだという意識を持つことが欠かせない気がします。
★林
極めて重要な指摘です。
SNS上で風評加害をしている色んなアカウントが口々に
「文句を言うなら国と東京電力に言え」
と言うんです。
報じれば風評の問題が必然的に起きますし、それでも報じなければいけない場面はあるでしょう。
ですが、
「文句があるなら・・・」
という理屈は、
「火事を起こした人間が全て悪い」
と言って自分の火事場泥棒を正当化しているように聞こえてしまう。
この意識は本当に根深く簡単には変わらない。
対策も難しいですが、避けて通ることが許されない問題提起です。
この対談が第一歩となればいいな、と思っています。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/882.html#c108
[政治・選挙・NHK291] 八百長演出主演の井ノ原快彦氏(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
38. 2023年10月06日 07:10:05 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[14]
<■109行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2回目の処理水放出開始、トリチウム濃度は基準未満
2023/10/5 10:59
https://www.sankei.com/article/20231005-HFYUF2VBCNPOZGENTTNQKBEOTI/
東京電力は2023年10月5日、福島第1原発処理水の2回目の放出を開始した。
処理水に含まれる放射性物質トリチウム濃度は1リットル当たり63〜87ベクレルで、国が認可した計画の同1500ベクレルを大幅に下回った。
海水で希釈し、濃度を更に薄めた後、初回と同じ約7800トンを17日間程度かけて放出する。
2回目の放出後も原発周辺の海域で国や東電、福島県などが行っているモニタリング(監視)を継続し、放出の安全性や透明性を国内外に広く発信する。
東電によると、2023年10月5日午前10時18分に処理水を送り出すポンプを起動、運転員らが流量などを確認した後、遠隔操作で海への放出が始まった。
初回放出は2023年8月24日から2023年9月11日まで行われ、7788トンを海に流した。
設備や運用上のトラブルはなく、周辺の海水や魚類などからトリチウム濃度の異常値は確認されていない。
東電は2023年度、約3万1200トンを4回に分けて海に流す計画で、トリチウムの放出総量は年間の上限に設定した22兆ベクレルを下回る約5兆ベクレルを見込む。
同原発にたまる処理水は2023年9月28日現在、約134万トン。
敷地内のタンク容量全体の98%に達している。

中国、日本への禁輸・非難を継続 情報統制も、不満爆発警戒
2023/10/5 22:42
https://www.sankei.com/article/20231005-NDI777XPXNLC3OAZN2AP4NGVTM/
中国は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた日本産水産物の禁輸を続け、放出を非難する立場も維持している。
ただ当局は、対日批判が過熱し過ぎて大規模抗議行動を引き起こし、低迷する経済への国民の不満が爆発する事態に発展することを警戒、処理水問題に関する過剰な言動は国内で情報統制している。
国営中央テレビは2023年10月5日、2回目の放出を速報。
国営通信新華社は英語で
「地元漁業者や他国の懸念、反対が高まっているにもかかわらず」
2回目を始めたと批判した。
2023年10月5日昼時点で、2回目開始の話題は短文投稿サイト微博(ウェイボ)の検索上位に入っていない。
2023年8月24日の1回目の放出開始後は、中国から日本への迷惑電話が激増。
ただ日中外交筋によると、中国当局は2023年8月下旬から国内のインターネットで、反日を過剰に煽る言論への統制を始めたもようだ。(共同)

石破氏、中国禁輸「絶対許せない」 WTO提訴求める
2023/10/5 19:06
https://www.sankei.com/article/20231005-DAIC7RWAZVLLHKTNEGCQDFTZ24/
石破茂元農水相は2023年10月5日、東京電力福島第1原発処理水放出を受けた中国による日本の水産物禁輸を巡り
「絶対許せない話だ」
「学的根拠に基づかないのが駄目だ」
と批判した。
自民党本部で開いた会合で語った。
個人的な意見とした上で
「世界貿易機関(WTO)へ提訴した方がいい」
と述べた。
会合は水産総合調査会などで、石破氏が会長を務める。
提訴は党内で議論を進めたいとも語った。
WTOへの提訴を巡っては、高市早苗経済安全保障担当相も検討を表明している。

NTT、迷惑電話を国別に一括拒否サービス 処理水£国問題受け
2023/10/5 22:05
https://www.sankei.com/article/20231005-XQ3NVPOHXNL7HNL6GJPS2FR4WQ/
NTT東日本とトビラシステムズ(名古屋市)は2023年10月5日、東京電力福島第1原発処理水の2回目の海洋放出を受け、特定の国番号からの着信を一括拒否できる法人向け迷惑電話防止サービス
「トビラフォンBiz」
を、業務に著しい影響が出ている自治体などに無償で提供すると発表した。
2023年8月の1回目の放出後、中国からとみられる迷惑電話が各地で相次いだことを踏まえた。
無償は2025年3月末まで。
一括拒否した国からの電話でも個別の番号を設定すれば受けられる。

ロシア「露沿岸海域に変化なし」 原発処理水放出
2023/10/5 19:20
https://www.sankei.com/article/20231005-56I33D4KRFNCBJZ7R5ISG2CT7I/
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、ロシアの海洋調査機関は2023年10月5日、処理水の放出後も露沿岸海域でトリチウムなど放射性物質の濃度に変化は起きていないとする調査結果を明らかにした。
タス通信が伝えた。
ロシアはカムチャツカ半島沖の太平洋や沿海地方沖の日本海、オホーツク海などに調査船を派遣し、水質調査を実施。
調査責任者のロバノフ氏は
「現時点で海に何の変化もない」
と述べた。
2023年11月頃に次回調査を実施する予定だという。
処理水の海洋放出で露専門家は、処理水に含まれる放射性物質は微量で、人体や環境に影響はないとする見解を表明。
露政府も日本産水産物の禁輸措置を取っておらず、基準値を超えた露産水産物も確認されていないとしている。
ただ、露検疫当局は2023年9月下旬、将来的に禁輸を検討する可能性もあるとの声明を出した。

超党派議連の日華懇が訪台へ 双十節に参加、風評払拭へ「お土産にホタテ」
2023/10/5 15:32
https://www.sankei.com/article/20231005-E5LQHX4FWFPYRGG4JSYZX4EPWM/
超党派の議員連盟
「日華議員懇談会」(古屋圭司会長=自民党)
は2023年10月7〜10日の日程で台湾を訪問する。
2023年10月10日の双十節(建国記念日)に合わせて、議連の国会議員46人が現地を訪れる。
総統府前のパレードに参加する他、蔡英文総統や民進党総統候補の頼清徳副総統ら与野党の要人と面会する予定だ。
また、日本統治時代に台南市の烏山頭ダムを中心とする大規模な水利施設の建設を主導した日本人技師、八田與一の記念館などを視察する。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う風評被害の払拭もテーマとなる。
関係者は
「お土産に(中国による日本産水産物輸入の全面停止の煽りを受けている)ホタテの乾物などを用意している」
としている。

台湾・双十節、都内で祝賀行事 手土産にホタテ干物
2023/10/5 19:03
https://www.sankei.com/article/20231005-LJ34G5PY3FODTCC2476Z736UFQ/
台湾の台北駐日経済文化代表処が主催する
「双十節」
の祝賀レセプションが2023年10月5日、都内のホテルで開かれた。
謝長廷代表は挨拶で、
「台湾はインド太平洋の責任ある一員として台湾海峡の平和と安全を守り、世界の繁栄と発展に貢献していく」
と述べた。
双十節(10月10日)は1911年の辛亥革命に由来する台湾の記念日で、会場には与野党の国会議員や経済界の関係者らが訪れた。
式典では故・安倍晋三元首相の夫人、昭恵さんも祝辞に立ち、
「夫の思い描いた日本と台湾の未来に少しでも近づくよう、私なりに力を尽くしたい」
と述べた。
出席者には、福島第1原発処理水の放出を受けて中国が日本の水産物の輸入を禁じる中で
「(日台が助け合う)『善の循環』の具体的実践」(謝氏)
として、北海道産ホタテガイの干物が配られた。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/890.html#c38

[政治・選挙・NHK291] 車両襲撃 伸長する「れいわ」へのテロ(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
57. 2023年10月06日 14:23:22 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[15]
<■134行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
正論
政治主導の「再エネ」を見直せ キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志
2023/10/6 8:00
https://www.sankei.com/article/20231006-45YTJJCE3ZNXTPD4HAJLEBQ2BQ/?430024
国の洋上風力発電制度を巡り、秋本真利衆院議員=自民党を離党=が受託収賄の罪で起訴された。
100人を超える自民党の
「再生可能エネルギー普及拡大議連」(再エネ議連)
の事務局長だった。
「日本風力開発」
の社長(当時)=贈賄罪で在宅起訴=から資金提供を受け、洋上風力発電の入札制度を同社に有利なものになるように国会質問したとされる。
■国民に負担を押し付ける
この事件は氷山の一角に過ぎず背景にある利権の構造こそ問題だ。
平成24年の再エネ全量買い取り制度の発足以来、強い政治的影響の下、再エネ事業者にとって都合の良い制度が作られてきた。
しわ寄せを受けたのは国民だ。
今、再エネは景観、土砂災害、中国依存、ウイグルでの強制労働など数々の問題を抱えている。
経済的負担も深刻だ。
大量導入の結果、令和4年度の再エネ賦課金は企業からの間接徴収と家庭負担を含め2.7兆円に上る。
1人当たり2万円の計算だ。
更に政府はグリーントランスフォーメーション(GX)として10年間で31兆円の再エネ投資を実現するという。
投資というと聞こえは良いが、原資は国民が負担する。
政府が切り札とするのが洋上風力だ。
令和3年、秋田県能代市の石炭火力発電所の近くに建設される事業で入札があった。
売電価格は1キロワット時当たり13円で落札された。
風が吹いている時には、火力発電の出力を減らすことになるが、それによるコスト削減は燃料費である4円程度に過ぎない。
13円との差である9円は、国民にとって追加の負担となる。
風力発電は天気任せなので、風が止まった時には石炭火力が稼働しなければならない。
風力発電は本質的に二重投資である。
これでは電気代は益々上がる。
今回の汚職事件を契機に、現行の
「再エネ最優先」
政策についてあらゆる問題点を根本から精査し、2025年度策定される第7次エネルギー基本計画から外すべきだ。
■政府はコストを隠すな
リベラルに傾いた欧米諸国の政権は2050年脱炭素という実現不可能な目標を掲げ、日本も追随した。
だが問題点が明らかになるに連れ反発が起きている。
英国のスナク首相は2023年9月、脱炭素政策の方針を転換すると歴史的な演説をし、
「与野党問わず歴代の英国政府は脱炭素のコストについて国民に正直でなかった」
と断罪した。
今後はレトリックで誤魔化さず、正直に説明するとした。
そしてガソリン・ディーゼル自動車禁止やガスボイラー禁止の期限を延期する。
住宅の断熱改修義務付けの計画も変更する。
つまり期限が差し迫った規制を悉く延期することになった。
ただし今のところ、まだコストの精査は十分ではない。
洋上風力は推進すると述べている。
2050年脱炭素の公約も堅持するという。
スナク氏は
「脱炭素を達成するためにこそ、国民の同意が必要であり、そのためには、コストに正直になり、強制を避けねばならない」
としている。
一理あるが今後、コストに正直に向き合うならば、脱炭素目標を含め、更に多くの政策が見直されることは必定だ。
日本政府も、脱炭素をすれば経済が
「グリーン成長」
するという、経済学の初歩を無視したレトリックを展開して、コストについて国民を欺いてきた。
過ちを認め、コストを精査して国民に正直に語るべきだ。
■エネルギー優勢を確立
更に踏み込んで、米国共和党は脱炭素の撤回を求めている。
トランプ前大統領に次いで大統領候補として支持を集めるデサンティス・フロリダ州知事がエネルギー政策の公約を発表した。
民主党のバイデン大統領は
「気候変動は核戦争より脅威だ」
などと発言しているが、デサンティス氏は
「恐怖を煽る、急進左派のイデオロギー」
だとして批判する。
そしてEV(電気自動車)義務化などあらゆる気候変動対策を撤回すべきだとする。
気候変動に関するパリ協定からも脱退するという。
そして
「常識的なエネルギー政策」
を実施すべきだとし、米国は石油・天然ガスを増産して、安定・安価・豊富なエネルギー供給、即ちエネルギー・ドミナンス(優勢)を確立することで、外交・安全保障上の優位を確保し、またガロン2ドルという手頃な値段でのガソリン供給によって国民をインフレから守るとしている。
トランプ氏を含め米共和党の重鎮たちの意見もほぼ同様だ。
2025年の大統領選で共和党が勝てば米国は大きく様変わりする。
国連のグテレス事務総長の
「地球が沸騰」
などというレトリックとは裏腹に、人為的気候変動による災害激甚化など起きていないことは気象統計を見れば明らかだ。
世界の分断が深まり、地政学的緊張が高まる中にあって、自国の安全保障と経済を重視することは国益にかなう。
日本も安定、安価なエネルギー供給を実現すべきだ。
これには化石燃料と原子力が主役になる。
再エネ最優先では覚束ない。

主張
石油危機から50年 エネ安保は国家の基盤だ 首相は原発再稼働を主導せよ
2023/10/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20231006-7VDGI2DJJFOOFKJP5BUSJM2D6U/
1973(昭和48)年10月の第4次中東戦争を発端とした第1次石油危機の発生から50年が経過した。
この世界的なエネルギー危機は日本を直撃し、店頭からトイレットペーパーが消えるなど国民生活はパニックに陥った。
石油価格の急激な高騰で翌年度の消費者物価が年20%超も上がるインフレの嵐が吹き荒れ、経済成長率は戦後初めてマイナスを記録した。
これによって高度経済成長は終焉を迎えた。
■貴重な教訓を忘れるな
石油危機を受けて政府は脱石油に取り組み、原子力発電や液化天然ガス(LNG)へのシフトを進めた。
同時に省エネも推進し、世界に冠たる環境立国の基礎を築いた。
だが、危機から半世紀が経った今、日本は再び深刻なエネルギー危機に見舞われている。
ロシアのウクライナ侵略や世界で広がる脱炭素の中で、石油をはじめとした燃料価格が高騰し、電気・ガス代の値上がりが暮らしや産業に大きな打撃を与えている。
首都圏を中心とした東日本では、冷暖房需要が増える夏と冬の電力需給は逼迫を強いられている。
今こそ50年前の貴重な教訓を生かし、国家の基盤であるエネルギー安全保障を改めて強化する必要がある。
岸田文雄政権は2023年2月、
「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」
を閣議決定した。
再生可能エネルギーの推進と原発の活用を柱に位置付け、エネルギー安定供給と脱炭素の両立を目指すという政府の姿勢を打ち出したものだ。
この基本方針は冒頭で
「ロシアによるウクライナ侵略が発生し、世界のエネルギー情勢は一変した」
と指摘した。
その上で日本の現状について
「1973年の石油危機以来のエネルギー危機が危惧される極めて緊迫した事態に直面している」
との強い危機感を示した。
岸田政権が日本を取り巻くエネルギー情勢を巡り、そうした厳しい認識を持つことは重要である。
だが、残念ながら政府のエネルギー政策に危機感は見られない。
脱炭素に向けた再生エネばかりに注力し、エネルギーの安定調達や電力の安定供給に資する具体的な成果が得られていないからだ。
岸田首相は2022年、安全性を確認した原発の再稼働を進めると表明した。
だが、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故以降、再稼働を果たした原発は西日本に限られる。
東日本で再稼働した原発は未だに1基もない。
原発再稼働が進む関西電力や九州電力の電気料金は抑えられている半面、原発が再稼働していない東京電力や東北電力、北海道電力などは大幅な料金値上げに踏み切った。
これによって東西の料金格差は更に拡大し、今後の工場誘致などの産業立地にも影響を及ぼす恐れがある。
■LNG備蓄制度検討を
石油危機の教訓は、エネルギーの調達先だけでなく、電源構成も多様化することで安定調達・安定供給を実現し、エネルギー安全保障の強化に繋げることである。
そのためには洋上風力などの新たな再生エネを拡大しつつ、ベースロード(基幹)電源として原発の活用を進めなければならない。
石油はここに来て中東依存度が再び高まっており、現在は石油危機当時を上回る高い水準で推移している。
石油など海外における資源権益の獲得は政府の責務でもある。
首相の資源外交が問われている。
さらにロシア極東サハリン(樺太)からの輸入に全体の約9%を依存するLNGについても、その調達先の拡大は急務である。
ロシアは欧州向けの天然ガス供給を意図的に絞り、ドイツを中心とした欧州に強い揺さぶりをかけている。
日本はその轍を踏んではならない。
第1次石油危機後、日本ではエネルギー安全保障の一環として石油備蓄制度を導入し、現在では官民で約230日分の備蓄を確保している。
しかし、電源構成の主力の座を占めるLNG火力発電向けのLNGには備蓄制度がない。
政府が脱炭素を進める中で、電力・ガス会社はLNGの新規調達先の開拓や備蓄には消極的だ。
特に備蓄には技術的に解決しなければならない課題も多い。
岸田政権はLNG調達や備蓄を全面的に支援することも検討してもらいたい。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/894.html#c57

[政治・選挙・NHK291] 国賊安倍晋三を礼賛した百田尚樹の新党名は「日本エセ保守党」に変更してはどうか? 適菜収 だから何度も言ったのに(BEST T… 赤かぶ
19. 2023年10月06日 14:41:36 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[16]
<■554行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自民党は今や見る影もない。
派閥内の権力闘争に明け暮れ、価値観の違う公明党から選挙協力を得るために汲々としている。
岸田政権は、一体何をやりたいのかさっぱり見えない。
何より、国家観そのものがない。
岩盤支持層が愛想を尽かすはずだ。
支持率は下がり、今後も回復は難しい。
「選挙があっても投票先がない」
と絶望感に苛まれていた我々日本国民にとって、この日本保守党は日本政界を覆う暗雲の中に差し込む一筋の光のようなものです。

フォロワー数、とっくに自民越え 快進撃!「日本保守党」
自民党も戦々恐々? 腐り切った既存政党に一太刀浴びせる!
WiLL2023年11月号 作家 百田尚樹
■真の保守党を立ち上げる
保守というのは、必ずしも旧態依然に甘んじることを意味しません。
時代に合わせて、変えるべきものは変えていく。
守るべきものは守っていく。
それが保守の在り方です。
今や自民党は保守ではありません。
いや、67年前の結党当時は保守だったのかもしれませんが、いつの間にか保守からリベラルへの気持ち悪い変態を続けていたのです。
1990年代以降の歴代政権は外交・内政問わず、自国民よりも外国の利益を優先しているとしか思えない政策を実行し続けてきました。
そんな中、安倍晋三という保守政治家が、たった1人で自民党のリベラル化を阻止してきました。
安倍元総理の死後、支えを失った自民党は音を立てて崩れています。
崩壊する自民党の内側から現れたのは、腐り切ったリベラルの本性でした。
極め付きが、日本文化の伝統を破壊し、多くの女性の安全を脅かしかねない
「LGBT理解増進法」
です。
『WiLL』読者の皆さんに今更説明する必要はないでしょうが、LGBT法は社会秩序や価値観を破壊する天下の愚策に他なりません。
LGBT法の成立を以て、私は自民党を”国民の敵”と見做しました。
そして、真の保守政党を立ち上げることを宣言したのです。
政治素人の私が新党を作ったところで、蟷螂(とうろう)の斧(「弱者が力量を顧みず挑戦すること」また「無謀ではかない抵抗」)かもしれません。
自民党を脅かす存在になるまで、相当の時間がかかるでしょう。
しかし、リベラルに乗っ取られた自民党が政権を握ったままでは、日本の歴史や伝統、文化は破壊し尽くされる。
日本が日本でなくなってしまいます。
■日本を愛しているか
怒りに任せて打ち上げた”百田新党”計画に、いの一番に賛同してくれたのはジャーナリストの有本香さんです。
それ以降、私と有本さんは新党立ち上げに向け、準備を進めてきました。
とはいえ、私は実務が苦手。
面倒臭い事務手続きは有本さんに丸投げです(笑)。
薄々は理解していましたが、政党を立ち上げるのが如何に難しいかを、この2カ月余り痛感しました。
事務所を借りようと思っても、政治団体に部屋を貸してくれるビルは少ない。
実績がゼロなので、銀行もそう簡単には口座開設をさせてくれません。
ホームページを開設するのにも、強固なセキュリティ対策の必要があります。
一般企業よりも、サイバー攻撃に晒されるリスクが大きいからです。
私1人だったら、いくつもの高いハードルを前に諦めていたかもしれません。
しかし、有本さんは次々と難題をクリアしていきました。
有本香、恐ろしや!
今更ながら、この女性を敵に回さないでおいて良かったです。
こうして”百田新党”は2023年9月1日、遂に始動しました。
X(旧ツイッター)に
「百田新党(仮)」
というアカウントが開設され、結党日(2023年10月17日)を発表。
2023年10月17日には記者会見と大規模な集会を開くことも決まりました。
アカウント名に(仮)が付いていたのは、
「百田新党」
があくまで俗称に過ぎなかったからです。
正式な党名は、アカウントのフォロワー数が20万を超えたら発表すると宣言しました。
そして2023年9月13日未明、予想を上回るスピードで20万フォロワーを達成。
党名が
「日本保守党」
であることを明かしたのです。
2023年9月末には党員の募集も始めます。
党員になるためには、1つの資格条件をクリアしなければなりません。
それは
「日本という国を愛していること」
です。
日本が嫌いな人、日本に誇りを持てない人はお断りです。
どんなに優秀な人であっても、絶世の美女でもお断りです。
そういう方は自民党など既存政党に入ることで自虐心を満たしてください。
行き先が見えないまま船出を迎えた日本保守党は、途中で座礁するかもしれないし、沈没するかもしれない。
何せ私と有本さんが手作業でこしらえたオンボロ木造船です。
既存政党のような豪華客船とは違い、船室には冷暖房すら完備されていません。
「それでも乗ってみたい!」
と乗員になってくれる人がいるなら、これほど嬉しいことはありません。
面白い航海になることは、船長の私が保証します。
■”快挙”を報じないマスコミ
前述のように、日本保守党のXアカウントは凄まじい勢いでフォロワー数を伸ばしています。
アカウント開設から僅か半日でフォロワーは5万人を超えると、翌日には10万人。
1週間後には15万人、2週間足らずで20万人ものフォロワーを獲得しました。
中には”冷やかし”や”アンチ”もいるでしょうが、注目を集めていることは間違いない。
そして、2023年9月15日、遂に自民党のフォロワー数を抜き去り、1位に躍り出たのです。
ちなみに、各政党のフォロワー数は以下の通りです(2023年9月15日現在)。
・日本保守党:約25万5000
・自民党:約25万2000
・立憲民主党:約18万8000
・れいわ新選組:約13万9000
・共産党:約13万8000
・公明党:約11万2000
・参政党:約10万9000
・日本維新の会:約7万4000
・国民民主党:約6万1000
・社民党:約4万6000
新聞・テレビなどオールドメディアの影響力が落ちる中、各政党はネットの発信力強化に力を注いでいます。
特にSNS戦略を重視しているのが立憲民主党です。
立憲民主党がフォロワー数を伸ばしている時、各紙には以下のような見出しの記事が掲載されました。
「立憲民主のフォロワーが自民党抜き首位独走」(ブルームバーグ)
「立憲民主、フォロワー11万人ツイッター4日目で自民を追い越す」(東京新聞)
「衆院選、ネット戦も熱 立憲民主、フォロワー15万」(日経新聞)
立憲民主党の”快挙”を絶賛していた新聞ですが、私たちの日本保守党が僅か13日で立憲民主党を抜いた”快挙”については全く報じてくれません。
彼らの中では、我々が存在しないことになっているのでしょうか。
この記事は、日本保守党が自民党のフォロワー数を抜き去った2023年9月15日に書いていますが、恐らく翌日のどの新聞にも記事は載らないでしょう。
しかし、自分で言うのは何ですが、これは凄いことだと思います。
まだ正式に立ち上がってもいない
「政党」
が、並み居る既存政党をたったの半月で全て抜き去ったのですから。
Xは特殊な人たちが集まったSNSではありません。
老若男女、様々な人々が参加しています。
その中で最も多くのフォロワーを獲得したことは、大きな意味があると思っています。
■座して死を待つのか
この数週間、我々は新党結成に向けた作業を急ピッチで進めてきました。
その背景には自民党の動きがあります。
岸田総理は当初、G7広島サミット後に解散に踏み切ろうとしていました。
ところが、LGBT法が成立すると支持率が急落します。
自民党が2023年6月に実施した情勢調査によれば、総選挙で40議席を失うという結果が出たそうです。
それ以降、岸田政権の支持率は下落の一途を辿りました。
マイナンバーカードを巡る混乱、”異次元の移民政策”とも言われる「特定技能外国人」の範囲拡大、日韓通貨スワップ再開、韓国の「ホワイト国(グループA)復帰。
これらは政策における大失態ですが、身内や所属議員のスキャンダルも岸田政権に打撃を与えました。
岸田翔太郎氏の公邸忘年会、木原誠二官房副長官を巡る疑惑、自民党女性局の”エッフェル松川”騒動。
極め付きは、秋元真利氏の収賄逮捕。
いずれも当事者は未だに説明責任を果たしていません。
岸田総理は解散を先延ばしにしたまま、今に至っています。
解散するとして2024年、あるいは2025年に衆参同日選挙を仕掛けるのではないかと思われてきました。
そんな中、2023年年内の解散の噂が流れて来たのです。
自民党幹部は情勢調査などを基に、岸田政権の支持率は既に底を打ったと判断しているとか。
国民もナメられたものです。
14年前の2009年に民主党が政権交代を果たした時、
「反自民票」
が民主党に集中しました。
民主党の支持者に加えて、自民党にお灸を据えようとした保守層の支持も取り付けたのです。
当時と違い、今は強い野党がいません。
野党の獲得票数を合算すれば自民党を上回るので、野党が共闘すれば自民党が負ける可能性は高い。
しかし、野党がバラバラのまま選挙に突入すれば、
「反自民票」
は分散。
残念ながら、このままでは自民党が勝利するでしょう。
日本国民の不幸は
「保守政党の不在」
です。
自民党が嫌いでも、他の選択肢がありません。
維新はタカ派のイメージもありますが、自民党以上に親中の側面がある。
創設者の橋下徹氏を見れば明らかです。
国民民主党の玉城雄一郎代表も言動がブレブレで信用できない。
言っていることが朝と夜で180度違うこともしょっちゅう。
立憲民主、れいわ、共産党は論外です。
日本には
「保守の仮面を被った」
リベラル政党と左翼政党しかありません。
だからこそ、”真の保守政党”の出番なのです。
正直なところ、衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
それでも、座して死を待つわけにもいかない。
不戦敗は癪に障ります。
投票先を失った有権者のためにも、私たちは選挙に向けた準備を急いでいるのです。
■”保守政党”の正体
政党を作る以上、選挙は重要です。
しかし、日本保守党は徒に党勢を拡大するつもりはありません。
議員の数を増やせば影響力は強まりますが、いくらクズを集めても日本は良くなりません。
衆参合わせて400人近くの国会議員を抱える大自民党ですが、国民のために何もしていくれない。
国益を無視して党勢拡大に邁進した自民党は、中国ベッタリの媚中派やLGBT法を推進するリベラル派すら取り込みました。
その結果、保守とは正反対の連中に牛耳られ、ただのクズ集団と化してしまった。
彼らが巨大な組織を作り上げるのは、自分たちの議席や利権を確保するためなのです。
保守政党ならぬ”保身政党”。
自分の身が危なくなれば、一夜にして主義主張を変えてしまいます。
「希望の党」
騒動が思い出されます。
小池百合子都知事が希望の党を結成した時、民進党(旧民主党)は合流を求めました。
民進党の議員たちは、沈みゆく泥船から脱出するために必死だったのでしょう。
そこで飛び出したのが、小池氏の
「排除」
発言。
安全保障政策や憲法観に基づき、合流する議員たちの”選別”を図ったのです。
”選別”を行ったのは細野豪志氏でした。
彼は一足先に民進党に見切りを付け、いち早く小池氏に擦り寄っていました。
忘れてはならないのが、細野氏は安倍政権が推進した平和安全法制(2015年)に反対していたこと。
国会の外で「シールズ」なるバカ学生たちと一緒に、マイクを掴んで
「戦争法反対!」
などと叫んでいたのです。
信念を捻じ曲げ、更には自分の過去を棚に上げ、昔の仲間たちを上から目線で品定めする。
醜悪極まりない、稀に見るクズです。
そんな細野氏は今、一体何をしているのでしょうか。
希望の党が雲散霧消して行き場がなくなり、二階俊博元幹事長を頼って自民党入りしています。
そもそも、彼には最初から信念などなかったのかもしれない。
恐らく国会議員でいられたら、どこの政党に属そうがどうでもよかったでしょう。
細野氏に限らず、ほとんどの国会議員というのは所詮、保身しか考えていないのです。
LGBT推進派の中心人物の中には、保守派と目されていた議員もいました。
彼らは安倍元総理にさんざんお世話になっていた人たちです。
にもかかわらず、安倍元総理が絶対に阻止しようとしたLGBT法案を強引に推し進めました。
主義主張や信念以前に、恩も義理もない人間です。
こんな議員たちに政治を任せてはなりません。
国民を裏切ってきた自民党に一太刀浴びせてやりましょう。

日本保守党が日本を取り戻す
Hanada2023年11月号
作家 百田尚樹
ジャーナリスト 有本香
■座視するわけにはいかない
★百田
ここに来て、衆議院の解散総選挙が早ければ2023年の10月解散あるいは11月上旬解散、11月投開票という見方が強まっています。
岸田政権は当初、2023年6月に解散総選挙に打って出ようとしたのですが、岸田翔太郎秘書官(当時)が首相公邸で大はしゃぎしている写真が流出したり、日本を破壊するLGBT法案の可決成立など様々な問題が噴出して支持率が急落、とても解散を打てる状況ではなくなりました。
その後も支持率は下落を続け、2023年8月にはとうとうNHKの世論調査で33%という発足以来最低水準を記録した。
2023年年内解散はもうできない。
恐らく選挙は2024年だろうと、私もそう思っていました。
ところが、直近、自民党の情勢調査によると、どうも支持率が微増、不支持率も微減。
自民党の幹部クラスの中には
「いま選挙をやれば自民党は大勝する」
という声も上がっているようです。
その見立てはどうかと思うのですが、いずれにしても選挙が2023年年内に行われる公算が高まっている。
となれば、我々の日本保守党は選挙の準備時間が足りない。
しかし、座視するわけにもいかないと思っています。
選挙は水物ですから、勝敗は分かりません。
ただ、
「負けるから戦わない」
という姿勢は好ましくないですね。
基本姿勢として、たとえ敗北しても、戦った上での負けは良いと思っています。
とはいえ、いざとなれば、退却する勇気も指揮官には必要です。
意地やメンツだけで戦うものではありませんから。
その辺りは、情勢を見て慎重かつ適切に判断します。
★有本
やるとなれば、何らかの形で、今の驕り切った自民党に一太刀を浴びせたいですね。
★百田
なぜ今回、我々は新党
「日本保守党」
を立ち上げたのか。
安倍晋三さんが亡くなられてから、自民党はその正体を曝け出しました。
実は、彼らは保守でも何でもなかったのです。
決定的だったのは、日本を破壊するLGBT法案の強引な可決成立でした。
部会で反対派が多かったにもかかわらず、執行部一任で強硬に通してしまった。
民主主義もへったくれもない余りの酷さに、腸が煮えくり返る思いでした。
これまでさんざん申し上げてきたことですが、LGBT法案は天下の悪法です。
日本の文化や伝統を破壊してしまいかねない法律です。
こんなことは、ちょっと考えればすぐに分かること。
だからこそ、部会で多くの議員が反対したのです。
にもかかわらず、自民党の幹部クラスは、アメリカのエマニュエル駐日大使に言われるがまま、強引にこれを通したのです。
私はこれを見て、
「もしこの法案が本当に通るのであれば新党を作るしかない」
と思いました。
たまたまその日、嫁さんと中華料理のチェーン店の王将で食事をしている時、餃子を食べながら
「あんまり腹立つから、もしもLGBT法案が成立したら新党立ち上げるわ。ええか」
と嫁さんに訊いたんです。
すると、天津飯を食べていた嫁さんは
「ええよ」
と一言。
驚いて、
「いや、ええよって言うけど、金もようけかかるで」
と言うと、
「ええよ」
とそこでも一言。
嫁さんといい、有本さんといい、女性は強い!!
★有本
百田さんの奥様と並べられると恐れ多いですが、私もLGBT法案の余りにもふざけた内容とその顛末に怒り心頭でした。
この怒りを同じボルテージで共有できるのは百田さんしかいないと思ったんです。
ですが、まさか
「新党を立ち上げる」
とまでは思いも寄りませんでした。
私も還暦を過ぎてこれからは仕事をセーブして、ゆったりとした生活を送ろうと考えていましたから、家族からも反対されました。
でもここで立ち上がらなければ、今日までこの国を守ってきた先人たちに顔向けが出来ませんよね。
これからこの国を背負っていく若い人たちにも申し訳ない、その思いで立ち上がる決意しました。
それほど自民党に対する怒りは凄まじかった。
正直に言いますと、私は怒りの余り眠れない日もありました。
先程、岸田政権の支持率が底を打ったのではないかというお話がありましたが、良い悪いは別にして、日本人には怒りを忘れやすく、水に流しやすい性格というか、特徴があります。
ですから、徐々に岸田政権への怒りも水に流すだろうなと、LGBT法案が成立した時から分かっていました。
あの時、保守派の多くも怒っていましたが、結局、あっさり自民党を許しているんですね。
「まあ、他に良いこともやっているし」
とか、
「意外とやることやっている」
とか、
「LGBT法も使いようで左翼封じに役に立つ」
とか。
岸田政権についても
「他の自民党議員よりましだから」
と擁護あるいは支持する側に回っている人もいる。
呆れるけど、日本人の忘れやすい特質を考えると、想定の範囲内でもありました。
■「改革」と称した欧米化
★百田
私は、
「あいつは許さん!」
と思ったら一生許しません(笑)。
昔、仕事で
「こいつどうしても嫌いやな」
という人がいて、彼が亡くなったんです。
付き合いもあったので仕方なしに葬式に行ってその帰り道、偶然同じ方向だった女性と電車で1時間ほど話したんですが、後からその女性に
「百田さん、凄いです」
「お葬式が終わって、その帰り道、延々と1時間故人の悪口を言い続けた人、初めて見ましたわ」
と言われました。
★有本
百田さん、言っときますけど、それ褒められてないですよ。
★百田
あ、ずっと誉め言葉だと思ってました(笑)。
こんなんで政党の代表って大丈夫かな。
冗談はさておき、読者の皆さんに訴えたいことは、日本保守党という党名からもお分かり頂けるように、私たちは
「保守」
ということを掲げています。
では、保守とは何か。
これを定義することは非常に難しく、人によって様々な解釈があると思いますが、1つ言えることは、よく保守の対義語としてリベラルという言葉がありますね。
先程も少し触れましたが、私は今の自民党は保守政党ではなく完全なリベラル政党だと思っています。
それはLGBT法案に見られるように、日本の伝統や文化、国体というものを破壊しつつあるからです。
★有本
世界で初めてLGBTに特化した法律を強引に成立させた自民党は、世界で最もリベラルな政党だということを
「売り」
にしたらいい。
前のめりな移民政策、福祉に名を借りたバラマキなど、自民党の左傾化は今後も止まらないでしょう。
★百田
益々加速していくと思いますね。
私はクラシック音楽が大好きで、特にフルトヴェングラーというドイツ人指揮者が好きなのですが、彼は音楽家であると同時に多くの著書を著しています。
『音楽ノート』など名著もある。
そして、警句のような素晴らしい文章を書いています。
例えば、有名な次の1文。
「革命はナイン(Nein)ということ、芸術はヤー(Ja)ということ」
ナインとは英語で「NO」を意味し、ヤーとは「YES」を意味します。
即ち、革命は既存のものを否定して破壊するのに対し、芸術はあるべきものを肯定する、と。
この言葉は政治の世界にも通じるのではないかと思うのです。
リベラルは伝統の否定や文化の否定、国体の否定など基本的に否定から始まる。
対して、保守は伝統や文化や国体をしっかり残していこうと肯定する。
もちろん、時代の変遷によって人々の生活様式や思考も変わっていきますから、その時代に合わせて変えていくべき伝統もあります。
他方、この日本という国には2000年に渡り連綿と受け継がれ、発展してきた日本独自の伝統や文化があります。
私たち日本人には、その中で培われてきた考え方やモラルがある。
そうした日本の持つ伝統や文化、考え方やモラルを岸田政権は次々に破壊しようとしているのです。
彼らの行っていることは総じて
「改革」
と称したグローバル化、欧米化一辺倒なんです。
日本の伝統や文化を保守する姿勢は微塵も感じられません。
★有本
LGBT法でお怒りの時に、百田さんが動画でこ仰った。
「日本は世界で一番素晴らしい、世界がお手本にしてもいい国です」
「それを何で欧米のように変えなければいけないのか」
「岸田総理はグレートリセットと言っているが、何でそんなことせなアカンの?」
「米国のエマニュエル大使は、LGBT法が通ろうという時に、
『日本は進化途上にある』
と言った」
「どっからの上から目線でぬかしとんじゃい」
「このボケ!」
百田さんのこの最後の一言を
「下品な暴言」
としか捉えられないお利口さんしか、永田町にいないことが問題なんですよ。
自国の国体が壊されかけていることに、怒りの表明も出来ない。
大声で抗議もしない。
石原慎太郎さんあたりがご健在なら、同じようなことを仰ったでしょうね。
他方、永田町の人たちは
「日本1国では生きられないから」
と言い、時には筋違いの
「国際協調」
という言葉なども持ち出して国民を騙しにかかる。
しかし、やっていることは、日本を弱体化させることばかりです。
「国際化」
と言いながら、日本の大事な価値観などまで売り渡し、国を壊しているのが今の政治です。
■短絡的で安易な移民政策
★百田
その1例が移民問題です。
移民問題は日本を根底から変えてしまいかねない極めて重大な問題で、もし日本の伝統や文化やモラルを大切にするということが前提としてあれば、今とは全く違ったアプローチを取るはずなんです。
ところが、自民党だけでなくほぼ全ての国会議員が
「日本は人口が減るから移民を入れなあかん」
「労働者が足りないから移民を入れたらええやん」
と、極めて短絡的で安易な考えしか持っていない。
彼らは、移民を入れることによって日本という国がどれほど変質してしまうかということに一切思いが至っていない。
移民を推進した国がどうなっているか、ヨーロッパを見れば一目瞭然です。
フランスやベルギーの惨状を我が事として捉えている国会議員は皆無です。
国会でもそうした議論がなされたとは聞いたことがありません。
★有本
2022年、久しぶりにヨーロッパ、パリとベルギーの首都ブリュッセルを訪れました。
いずれも街の中心部でも中東・アフリカ系の方々を多く見かけました。
暴動頻発の要因となる軋轢が日常化しているのは誰の目にも明らかです。
ちなみに、ブリュッセルと並ぶベルギーの都市アントワープでは10年も前に、男の子の新生児で最も多い名前はムハンマドになっています。
★百田
ブリュッセルは住民の75%が外国人だと言いますね。
イスラム教徒の人口も増えており、首都圏の平均で23%、サンホセ地区という市の中心部に近い地区では住民の47%がイスラム教徒だと。
アントワープはアニメ『フランダースの犬』の舞台となるなど中世の港町の趣を今に残した伝統と文化の街だという印象だったのですが・・・驚きました。
★有本
「移民問題」
と言うと、日本では人手が足りない、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)労働の文脈で議論されるのですが、ベルギーでは移民2世の世代の中にホワイトカラーに従事する人たちも多くいます。
ブリュッセルで、東京で言えば銀座のようなブランドショップが立ち並ぶ最大の繁華街を歩いたんですが、ヒジャーブを身に付け、裕福そうな若い女性たちが洒落たカフェでお茶を飲んでいるその近くで物乞いをしている白人男性を見かけました。
こうした現実がある。
そして、これはひょっとすると明日の日本の姿かもしれないのです。
★百田
このままではそうなる可能性が高いですね。
そうした危機感が今の国会議員には全くない。
★有本
既に日本でも、いま埼玉県の川口市などでクルド人の一部が暴徒化するなど地域住民とのトラブルが深刻化しています。
そうした下層の問題が顕在化する一方、移民の数が増えれば日本社会の支配層に躍り出ていく人も今後増えていくでしょう。
するとどのようなことが起こるかというと、
「日本の国体など関係ない、大切にする必要はない」
という考えが主流となる虞れがある。
■政治家も財界人も己が第一
★百田
ここで非常に大事なことは、いま有本さんが言及された
「数の問題」
です。
今から20年以上前の話ですが、
「朝まで生テレビ!」
で移民問題がテーマになりました。
そこで司会の田原総一朗氏が、まず
「移民に賛成か反対か、それぞれ札を上げてください」
と言って、パネリストが賛成、反対と書かれた札を上げた。
余りにも乱暴な議論に呆れました。
こういうゼロか100かという議論のやり方くらい無茶苦茶で間違ったものはないからです。
正解はその間にあるのです。
大事なことは、どれくらいの「数」で、どういう「質」の移民かということなのです。
それを抜きに、移民問題は語れません。
あれから20年以上経ちましたが、今も同じような議論が続いている印象を受けます。
即ち、移民に賛成、反対というだけで具体的な数の議論が抜け落ち、移民に反対と言うと、1人も入れてはならないという考えなのかと思われたりする。
逆も然りで、賛成なら5000万人入れてもいいのかという極端な議論になってしまう。
★有本
移民に対して否定的な意見を言うと、
「排外主義者」
「差別主義者」
「多様性を否定」
といったレッテルを貼られてしまうことを政治家は酷く恐れています。
そうした不当なレッテル貼りに負けることなく、
「外国人を受け入れることに反対ではない。ただし〜」
と、この
「ただし〜」
という所を語れる政治家が、今の永田町にはほとんどいない。
★百田
ほんま情けないですね。
★有本
それと、百田さんが仰ったように
「数の問題」
は大変重要で、例えば、クラスの中でイスラム教徒が1人、2人であれば、給食で豚肉が出てもその日だけはお弁当を持参するなどの対応を取れば済む。
ところが、クラスの半数以上がイスラム教徒になったら給食をハラールにしなければならない事態も考えられる。
現にドイツでそうしたことが起きていて、ドイツの伝統的料理「アイスバイン」や「シュバイネハクセ」は豚肉を使っていますが、食堂ではそうした料理を出せない学校が増えているんです。
イギリスでも同じようなことが起きているそうです。
強調しておきたいのですが、私にはイスラム教徒の親しい友人が何人かいますし、ウイグル問題に長年取り組んできましたので、イスラム教徒個人への嫌悪感情や差別する気持ちはありません。
ただ、今の日本を見ていると、欧州の後追いをして自壊の道を進んでいるとしか見えないのです。
★百田
日本は、政治家も経済界も長期的な視点を全く持っていません。
例えば、労働人口を補うために移民を入れてもらいたい企業が政治家に働き掛ける。
1企業にとっては、移民を入れれば一時期的にせよ従業員を確保できるのでプラスかもしれませんが、その従業員が日本で果たして何年働けるか。
仮に40歳で日本に来たとして、60歳の定年まで働ける保証はどこにもない。
もし定年まで勤めあげたとして、その後の年金や社会保障費などのコストを考えると、1企業にはプラスになったとしても、日本全体で考えた時、果たして本当にプラスになっているのか。
まして途中で働くのが嫌になり、生活保護を受給するケースが出てくるかもしれない。
企業は
「次の移民を入れたらええわ、辞めた後のことなど関係ないで」
と自分たちの短期的な利益しか考えず、政治家も財界人からの要望に応えれば票を貰えるということしか考えない。
その政策が将来、日本にどのような悲劇をもたらすかなど眼中にない。
そんな連中ばかりなんです。
■国を売り渡す政策ばかり
★有本
対中国の問題でも、政治家、財界はダメですね。
与野党問わず、日本の政治家に中国の暴挙に実効的な対抗策を講じる意思は見られません。
アメリカが前政権下において、中国におけるウイグル人らへの強制労働加担を止める法律の制定へと動き、政権が代わった後も方針を変えずに制裁に乗り出したにもかかわらず、同盟国たる日本国内には、その制裁対象の企業の製品が溢れかえっています。
★百田
中国の若者の中には、中国にいても未来がないから、日本に留学して猛勉強して優秀な成績で日本企業に入社しようとする人たちも今後増えてくるでしょう。
彼らがやがて出世していき、数十年後、気付いた時には役員が全員中国人だったというケースも十分あり得ます。
中国では会社法と中国共産党規約によって、中国共産党の党員が3人以上いる企業では党支部を設置しなければならないと規定されています。
更に国家情報法によって
「如何なる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助及び協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない」(第7条)
と定められている。
つまり、中国の国民や組織は、中国政府の情報活動に協力する義務があるのです。
なので、
「こんな情報を取って来い」
と中国政府の指示があれば、スパイ活動を実行しなければならない。
★有本
本国に家族や親戚がいる人たちは言わば”人質”を取られているわけですから、逆らえない。
★百田
如何に中国人学生の中に優秀な人材がいても、会社自体を乗っ取られてしまう危険性を孕んでいることが現実問題としてあるんです。
こうしたチャイナリスクをストレートに訴える日本の国会議員は、残念ながらほとんどいません。
日本の国会議員は圧倒的に親中派、媚中派ですから、皆中国に忖度してモノが言えない。
この辺りも、既成政党には期待できない所以です。
■世界最高の国を護りたい
★有本
岸田政権下では、家族を帯同できる在留資格
「特定技能2号」
を現在の2分野から11分野へ拡大しました。
2号を取得すれば無期限就労が可能となります。
余りにも拙速、考えなし、こんなことを許していたら、日本は確実になくなりますよ。
EV補助金も然りで、自公政権が推し進めている政策は、日本を弱体化させるものばかりです。
本来、日本は豊かで強い国なんです。
そうした日本を取り戻さなければならないのに、日本を売り渡すことばかりやっている。
そんな政治には、はっきりと
「NO」
と言わなければならない。
★百田
日本は世界最高の国なんです。
歴史に
「if」
は禁物と言われますが、『日本国紀』の
「後書きにかえて」
で、私は、
「もし、地球上に日本列島がなかったならば」
ということを書きました。
書いていて、20世紀の世界における日本という存在の大きさ、私たちの祖先の偉大さを改めて痛感しました。
もし日本がなかったら、私たちが知る世界とは全く違った恐ろしい世界になっていたでしょう。
日本があったからこそ、今世界は何とかモラルを保てていると言っても過言ではない。
アジア・アフリカ諸国の植民地支配からの解放は100年、200年遅れたはずです。
日露戦争で日本が勝利していなければ、中国は欧米諸国に植民地支配され、今頃は国として存在していないでしょう。
第一次世界大戦後のパリ講和会議において、日本の発言が世界を驚愕させました。
「肌の色の違いによる差別をなくすべきだ」
世界で初めて日本が人種的差別撤廃を国際会議で提言したのです。
今では当たり前の概念ですが、当時はとんでもないことでした。
現に、アメリカ、イギリスが大反対し、この提言は潰されました。
両国は
「人種差別撤廃を宣言する日本は危険だ」
と、むしろ日本を敵視した。
先程も話に出ましたが、そのアメリカのエマニュエルとかいう駐日大使が、日本に対して
「日本はジェンダーに関して何年も遅れている」
などと批判しましたが、何をぬかしとんねん!という話です。
あの発言を聞いて、なぜ日本の国会議員はもっと怒らないのか。
情けない!
★有本
古来、同性愛について日本が如何に寛容な国であったか、史実を示し、教え諭す政治家が1人ぐらいいてもいいはずなのに、私の知る限り、1人もいませんでした。
小間使いのように、笑顔で写真に収まっている政治家は大勢いましたが。
★百田
日本の素晴らしい歴史を国会議員が知らな過ぎます。
欧米の学者は、日本に古来、奴隷がいなかったことに驚愕するといいます。
日本では、飛鳥時代の奴婢を奴隷と教える教師もいるようですが、欧米的な奴隷の概念とは全く違います。
*日本における奴婢は、飛鳥時代の大宝律令(701年)に始まり、隋・唐の律令制を日本式に改良して導入したものであった。
その証拠に、奈良時代の墾田永年私財法(743年発布)には奴婢にも土地を与えた記録が記されています。
つまり土地の所有も認められていたということで、奴隷ではなかったことが分かります。
あるいは、『万葉集』(奈良時代末期)ひとつ見てもその凄さが分かります。
農民、防人、遊女、乞食まで、あらゆる国民の歌が載っている。
素晴らしい歌の前では身分など関係なかった。
同時に、末端の暮らしを送っていた人たちも歌が詠めた。
何という文化的な教養の高さでしょうか。
日本の歴史を繙くと、日本が如何に世界最高の国であるかが分かります。
それを今の政治家が全く知らない。
日本という国に誇りを持っていれば、今、岸田政権が行っている愚かな政策など出来るはずがないんです。
世界最高の国である日本を護りたい、その一念で日本保守党を立ち上げました。
★有本
日本保守党が旗揚げしたからといって、すぐに何かを劇的に変えることは難しい。
ですが、党員の方々と力を合わせて、5年、10年、20年と活動していく中で、良い方向への転換を目指していく。
★百田
我々はもうええ歳ですから、時間は限られています。
何年か後には引退しているでしょう。
だからこそ、その後、この日本を託せる人材を育てていきたい。
そして、願わくば与党となって、日本が最高の国であることを世界に示し、再び世界を驚かせてほしい。
皆さん、是非、日本保守党に力をお貸しください。

暗雲に差し込む一筋の光
Hanada2023年11月号 元海上自衛官 一色正春
2023年8月末日、花田編集長から入電。
随分とご無沙汰していたにもかかわらず、開口一番
「百田新党(仮)を応援する原稿を書いてくれないか」
とのお言葉。
驚いたのは不偏不党、政治家個人は応援しても特定の政党を応援せず、公平な立場から日本政治を論評してきた花田さんが特集を組んでまで特定政党を推すということ、私が当然に新党を応援すると決め付けていたことです。
私は、百田・有本両氏の人柄や考え方、有本氏との人間関係からも応援しないという選択肢はないとしても、あの花田さんが、いや花田さんだけでなく、多くの親日派言論人が設立してもいない政党をこうも熱心に応援するというのは今までにない政治の動きというものを大いに期待を抱かせてくれます。
しかし、昨今の政治状況に鑑みれば、そうなるのも頷けます。
今に始まったことではありませんが、日本国民の不幸は真面(まとも)な野党がないことで、安倍さんがお亡くなりになってからは野党だけでなく、個々人の政治家はともかく自国の国益を第一に考える政党がなくなってしまいました。
それどころか、処理水騒ぎで鮮明になったように、一部野党の中には他国の利益を優先する政党もある始末です。
その一方で、我が国を取り巻く国際情勢は悪化するばかりなのですが、頼みの綱の米国は、あの体たらく、台湾危機は刻一刻と迫り来る。
そんな中でも、LGBTなどの国内問題や政権維持のための権謀術数に感(かま)ける現政権。
「選挙があっても投票先がない」
と絶望感に苛まれていた我々日本国民にとって、この新党は日本政界を覆う暗雲の中に差し込む一筋の光のようなものです。
言い方を変えると、2023年の夏は例年になく暑かったですが、そんな時に温いビールや、不味いビールなどを売る店はあれど、皆が欲するギンギンに冷えた美味いビールを売る店が1軒もないところに、それを売る店がオープンするとなれば開店前から行列ができるのは必定です。
しかし、そんな一般国民の期待とは裏腹に、恐らく大手メディアからは無視に近い扱いを受けるでしょう。
だが、それは逆にチャンスでもあります。
その逆境の中で党勢を拡大してこそ、戦前から続くメディアの印象操作による誤った方向への世論誘導を無力化し、我が国の政治を正常化させる第一歩となります。
とはいえ、お2人だけにその重責を背負わせるわけにはいきません。
我々国民も是々非々で、新党のためにではなく日本のために応援していきたいものです。

歴史に残る救国政党に
Hanada2023年11月号 麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男
作家の百田尚樹氏と、ジャーナリストの有本香氏が新党を立ち上げるという。
大いに賛成であり、期待したい。
安倍晋三元首相が凶弾に斃れてから、日本は羅針盤を失ったタンカーのように漂流し始めた。
自民党は今や見る影もない。
派閥内の権力闘争に明け暮れ、価値観の違う公明党から選挙協力を得るために汲々としている。
岸田政権は、一体何をやりたいのかさっぱり見えない。
何より、国家観そのものがない。
岩盤支持層が愛想を尽かすはずだ。
支持率は下がり、今後も回復は難しい。
元々差別などない日本において必要のない
「LGBT理解増進法」
を、碌な審議もせずに成立させた。
そればかりか、
「理念なき移民政策」
「増税路線」
「対中戦略欠如」
など、国家崩壊路線を突っ走っている。
喫緊の課題である
「憲法改正」
については
「ヤッテル感」
を装うだけで、真剣みが感じられない。
かつて
「日本列島は日本人だけのものではない」
と言った愚昧な宰相がいた。
自民党の中からも、
「人口減少の地域を支えるのは日本人である必要はない」
と公言する議員が出てきた。
次期首相候補ナンバー2というから驚きだ。
議員から
「祖国」
が消えた。
自民党も天下国家を語れなくなった。
日本の伝統、文化が蔑ろにされ、社会の根幹をなす家庭や皇室制度が破壊されようとしている。
さりとて立憲民主党を筆頭とする左派野党は論外だ。
日本は今、崩壊しつつある。
こんな時、
「祖国」
を取り戻し、天下国家を語れる百田、有本両氏が新党を立ち上げるのは時宜を得ている。
両氏とも知名度があり、突破力がある。
「ノイジー・マイノリティ」
という左翼のお株を奪い、真正保守として大いに吠え、政界に
「喝っ!」
を入れてもらいたい。
かつて石原慎太郎元都知事が結成した
「次世代の党」
のように、長続きしないかもしれない。
それでもいい。
政界に新旋風を巻き起こし、真っ当な保守とは如何なるものか、国民が覚醒するようになれば、それは歴史に残る救国政党となる。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/896.html#c19

[経世済民136] 為替介入ならさらに下がる打つ手なし 年内4万円どころか3万円割れに現実味(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
25. 2023年10月07日 08:11:00 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[17]
<■349行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
不動産業壊滅続く中国の低迷
正論2023年11月号 産経新聞台北支局長
産経新聞の田村秀男特別記者をはじめ国内外の識者が指摘しているように、中国経済は今、旧失速しています。
それだけでなく国家の3本柱をなす外交、安全保障、経済のいずれも危機的な状況となっているのです。
まず経済ですが長年、中国経済を牽引してきた不動産業が最近、壊滅的な状態になっています。
恒大集団と碧柱園(へきけいえん)という2大巨頭が不渡りを出して破産する寸前まで追い詰められています。
それ以外の不動産大手企業も安泰ではありません。
中国の不動産業者は、土地の値段(厳密には土地使用権料)が上がり続けることを前提に、買った土地を担保にして借金をし、その金でまた別の土地を買う。
そして建物を建てるという名目で、土地を先に売ってしまい、その金でまた別の土地を入手する。
一方で、建設費用の支払いは後回し。
そして将来の入居者からは先に不動産購入費を得る。
こうして錬金術的に幾重にも借金を重ねて、どんどん事業を拡大してきました。
土地の値段が上がっているうちは、この歯車がうまく回り、皆がハッピーになれたのです。
しかし数年前から、どうも土地の値段が高止まりして天井が見えてきたのです。
そこで不動産業者は多角経営を始め、新規事業にも手を広げるようになります。
資金が足りなくなれば銀行から借金して自転車操業を続けていました。
それも最近、どうやら限界を迎えつつあるようなのです。
■日本の教訓生かせず
習近平政権は2017年頃から、不動産バブルの引き締めに乗り出しました。
「不動産は住むためのものであって、投資するためのものではない」
と発言して、2軒目・3軒目の住宅購入を制限したり、不動産業者の財務体制の検査を厳しくしたり、遂には2020年、銀行が不動産業者に貸し出す資金の量を制限する総量規制に踏み切りました。
これで不動産業界は音を立てて崩壊し始め、翌2021年には恒大集団の経営危機も表面化しました。
この
「総量規制」
は、日本のバブル崩壊の引き金ともなったものです。
それだけに、中国は日本の失敗に全く学んでいない、とも指摘されています。
ただ実際のところは、日本のバブル崩壊過程を研究してきた学者は、中国にかなりいるそうです。
しかしそうした学者が声を上げられる状況にない。
習近平の経済政策は素晴らしい、という建前になっていて、中国の経済が危機的状況にあるという本当の事を発言してはいけない雰囲気だというのです。
だから学者が発言できず、日本の轍を踏んでしまっている。
それで不動産業界は一気に低迷しているのです。
本来、大手不動産業者の倒産が相次ぐはずなのですが、騙し騙しで延命させて現在に至っています。
恒大集団に碧柱園、その他いくつもの不動産企業を破産させ清算すれば、一時的にショックは大きいのですが、国家として損切り(損失額の確定)が出来ます。
しかし中国政府はメンツを大事にするので、損切りをさせません。
これは言うなれば糖尿病(生活習慣病)患者の足先が壊死した時に、足先を切断すれば命が助かるのにそうせず、放置しておくようなものです。
するとどんどん症状が悪化し、やがては膝まで、足の付け根まで壊死することにもなる。
今の中国経済は、その方向に進みつつあるのです。
この不動産業者を立て直そうと思ってもどうにも無理です。
結局そのしわ寄せは、不動産を購入した人たちや建設業者に及んできます。
マンションを予約購入した人は、お金を払った1〜2年後に本来なら入居できるのですが、完成しないため入居できません。
建設業者はと言うと、完成後に建設費を受け取ることになっているのですが、建設している最中に
「どうやらこれは支払いが受けられないぞ」
と気が付く。
そうなると、建設業者は工事を中止し、マンションは未完成のまま放置される。
天井がないとか、酷い場合は30階建てのはずが15階までしか出来ていないという状況で工事が止まって廃墟化するわけです。
こうなるとマンションを予約購入した人は、借家の家賃も払いながらマンションのローンも払う必要があるわけで、たまったものではありません。
二重の負担に耐えられなくなった人の中には、借家を引き払って未完成のマンションに強引に引っ越す人が出てきます。
当然、水道も電気もありません。
そうした不自由な暮らしを強いられている人々の間には、政府への不安が高まっています。
また、建設業者は不動産業者から費用を払ってもらえないため、雇っている農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)にも給料を払えません。
中には腹いせに、途中まで建設した建物を壊しにかかる人まで出てくる始末です。
こうした混乱が中国各地で起き、国民に心理的ダメージを与えているのです。
もちろん報道規制のためニュースなどでそうした実態は伝えれらませんが、多くの人はそのような状況を実際に見聞きしていますし、親戚が酷い目に遭っているという人も多く、国民の間では口コミで不動産にまつわる惨状が広がっています。
それでも中国当局が不動産業者を倒産させず無理に延命させれば、庶民の苦境もいつまでも続くことになるわけです。
日本のバブル崩壊後も、銀行の不良債権処理にはかなりの時間を要しました。
ただ、日本の場合は当局も民間も一生懸命、問題を解決しようと努めました。
それに対して中国の場合は、問題を解決しようとしていません。
習近平政権は権力闘争その他のことに忙しくて、不動産の問題に本腰を入れていないのです。
そして不動産業者が潰れなければいい、とばかりに延命させています。
そのため、中国の場合は経済が一気に崩壊するのではなく、超低空飛行がだらだらと続くという状況が見込まれます。
もちろん様々な矛盾が噴出して、社会の混乱も長引くことでしょう。
日本のバブル崩壊後には、毎年のように首相が交代するようになりました。
国民の不満を受けてのことですが、あれは一種のガス抜きになっていたとも言えます。
これに対し、一党独裁の中国ではトップの交代というわけにはいきませんから、国民の不満は蓄積されたままということになります。
■外交も国防も大混乱
以上のように中国経済は壊滅的な状況になっていますが、外交や安全保障の分野もガタガタです。
外交に関しては、習近平氏は2023年8月に南アフリカで開かれた新興5カ国によるBRICS首脳会議には出席しましたが、2023年9月にインドで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は欠席しました。
欠席の理由は色々挙げられていますが、習近平氏は3期目に入って
「皇帝」
と化しており、国際会議でも自分が中心でなければ気が済まず、そうでないと外交の場にも乗り出さないのではないか、と言われています。
BRICS首脳会議の場合は、ロシアがウクライナ侵攻の苦戦でプーチン大統領も現地入りできず、中国が中心になることができました。
けれどもG20では、中国はどう考えても主役ではありません。
むしろ中国にとってはアウェー(敵地)であり、米国をはじめ中国の仲間ではない国が多い。
そして習近平氏が出席すれば、台湾問題や人権問題などで説教を食らう可能性が多分にありました。
G20の参加国には余り豊かではない国も多く、これまで中国はそれらの国にカネを配って優位に立つことが出来ました。
しかし今の中国は経済的に厳しく、カネを配る余裕もありません。
そうなるとG20に行く意味も余りないし、習近平氏としても行きたくもない。
それで欠席ということに至ったようです。
今、国際会議となると台湾とウクライナの問題に触れないわけにはいきません。
そのウクライナ問題を巡って、中国は表向き
「中立」
を装っていますが、実際のところはロシアを支持しています。
国際会議の場では、共同声明でロシアを非難する文言が盛り込まれることもあり得ます。
その場に習近平氏がいてロシア非難に加わる形になるのは、やはり避けたい。
更には国際会議で、台湾に関する決議が採択される可能性も否定できません。
そんな所に習近平氏がいれば、メンツ丸潰れです。
というわけで、中国の外交は今や
「皇帝式外交」
になっています。
北京で習近平氏が待っていて海外の首脳がやって来て”謁見”するような構図でない限り、習近平氏は外交をやりたくないのです。
こうした傾向は習近平政権が3期目に入って益々顕著になっていると言えます。
そして2023年7月末には、秦剛・前外相が失脚し、中国外務省内は大混乱に陥っています。
外交官は皆、秦剛氏の一味だと見られて粛清されることを警戒して、仕事どころではなくなっている模様です。
それで中国外交はかなり迷走しているような印象を受けます。
福島第1原発の処理水を巡って中国は日本に抗議しているものの、国際社会では完全に孤立しています。
安全保障分野では最近、ミサイル部隊であるロケット軍幹部の大規模な更迭が伝えられ、2023年8月末には李尚福国防相の行方まで分からなくなりました。
李尚福国防相の1件についてまだ詳細は分かりませんが、これだけ軍で粛清が続けば軍人たちが
「明日は我が身」
と浮足立つのは当然のことです。
米国の研究機関が2022年、発表したレポートの中に、中国ロケット軍の装備の配置や担当者の名前などが書かれており、ロケット軍の中に米側のスパイがいるのではないかと騒がれました。
これを機に中国人民解放軍幹部の粛清が始まり、遂に李尚福国防相に加えて魏鳳和・前国防相も行方不明となっています。
習近平氏は軍全体が信用ならない、と疑心暗鬼に陥っているようなのです。
■起死回生の台湾侵攻策
このように中国では国家の3本柱が全て揺らいでおり、習近平3期目政権は発足から1年足らずで末期症状を呈しているのです。
そうした中でも台湾が警戒しているのが、八方塞がりになった習近平氏が一か八かの賭けに出て台湾に侵攻してくることです。
もし台湾に侵攻すれば、中国は国際社会から各種の制裁を受けることは必至です。
その際、何はともあれ食料は自給しなければなりません。
ケ小平時代以降、中国では
「退耕環林」
と言って国土の緑化を進めてきたのですが、最近になって習近平氏は
「退林環耕」
と言って木を切り倒して農地化し、食料の増産に乗り出しているのです。
ちなみに食料増産は毛沢東が熱心に取り組んできたことで、習近平氏は尊敬する毛沢東の政策を踏襲している、とも言えるでしょう。
尚、台湾統一は中国共産党の、あるいは中華人民共和国の悲願です。
しかしそれは、今やらねばならない理由はありません。
毛沢東以来、
「総合的に判断して、台湾侵攻は時期尚早だ」
として先送りしてきた課題なのです。
ところが
「皇帝」
になった習近平国家主席としては、台湾統一は自分自身の悲願になっています。
習近平氏の中国トップとしての地位は当面安泰ですが、振り返ってみても習近平氏の実績は何もありません。
となると、台湾統一の賭けに出るしかない。
胡錦濤以前の指導者にとっては、共産党の問題なので台湾侵攻はいくらでも先延ばしが出来ましたが、習近平氏としては自身の手で台湾を統一したい。
しかし現在、70歳という年齢を考えればチャンスは今後数年しかありません。
だから少しでも隙があればいつでも台湾に侵攻したいと考えているはずです。
2023年8月末頃、台湾で中国発と見られる、
「かつて福島第1原発の処理水を飲んだ日本の政府高官が死んだ」
とするフェイクニュースが流れました。
これなども、日台分断を図り台湾を揺さぶる狙いだったのかもしれません。
それだけに台湾を米国も国際社会も、中国に隙を見せないことが重要になって来るのです。

中国、住宅価格の下落が拡大 8月は74%の都市で下落
2023/9/15 11:45
https://www.sankei.com/article/20230915-DNW63UN5RRKULCG7UKAB4EIYDE/
中国国家統計局が2023年9月15日発表した2023年8月の新築住宅価格指数によると、前月比で下落したのは主要70都市のうち52都市だった。
下落した都市数は前月から3都市増え、全体の74%に当たる。
習近平政権の統制強化に端を発した不動産市場の低迷が長期化しており、経営悪化が中国恒大集団や碧桂園(へきけいえん)など不動産大手に広がっている。
習政権は金融緩和や住宅購入支援策を相次いで打ち出し、市場を下支えしようとしているが、まだ期待するような成果が出ていない。
不動産は中国の国内総生産(GDP)の3割程度を占めるとされ、中国経済への影響が懸念されている。
前月比で価格が上昇したのは17都市で、前月から3都市減った。
横ばいは1都市だった。
首都の北京市が下落に転じ、直轄市の天津市も下落が続いている。
南部の経済都市である広東省広州市や同省深圳市なども下落傾向から脱することが出来ていない。

中国恒大の元幹部を当局が拘束か 人民元建て債は未払い、資金繰り悪化
2023/9/26 17:01
https://www.sankei.com/article/20230926-OF7NVMS3BNJ7FDO5DL3A3RU57M/
中国メディアの財新は2023年9月26日までに、経営再建中の不動産大手、中国恒大集団の夏海鈞(か・かいきん)・元最高経営責任者(CEO)と、潘大栄(はん・だいえい)・元最高財務責任者(CFO)が中国当局に拘束されたとみられると報じた。
同社の経営を巡る混乱が続いており、再建を巡る不透明感が強まっており、両氏は、恒大集団とグループ会社を巡る不適切な資金流用に関わったことが判明し、2022年7月に辞任していた。
創業者の許家印(きょ・かいん)氏は現在も執務を続けているとみられる。
中国メディアによると、恒大集団の中核子会社である恒大地産集団は2023年9月25日、同日が期限だった人民元債40億元(約810億円)の元利金の支払いが出来なかったと発表した。
同債券は2023年3月23日が期限だった利払いも出来ていなかった。
資金繰りの悪化が続いているもようだ。
恒大集団は2023年9月24日、恒大地産集団が当局の調査を受けているため、現在の状況では
「新たに債券を発行する資格を満たせない」
とする声明を発表した。
恒大集団が再建に向けて進める債務再編案に影響が出る可能性が出ている。

ムーディーズが中国の碧桂園格下げ 「デフォルト寸前」
2023/8/31 23:37
https://www.sankei.com/article/20230831-4CTHZ6O5XNNRJH7GKQ3WY7QEJU/
米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2023年8月31日、経営難に陥っている中国不動産最大手の碧桂園(へきけいえん)の格付けを
「Caa1」
から
「Ca」
に引き下げたと発表した。
Caは下から2番目で、デフォルト(債務不履行)に近い状態を示すとされている。
碧桂園は業績が落ち込んで財務状況も悪化している。
ムーディーズ幹部は格下げについて、碧桂園の流動性の逼迫やデフォルトリスクの高まり、債権が回収できる見込みが弱いことを反映したと説明している。
格付けの見通しは
「ネガティブ」
で、更なる格下げの可能性がある。
碧桂園は2023年8月30日、2023年1〜6月期決算の最終損益が489億元(約9800億円)の赤字だったと発表した。
前年同期の黒字から一転して赤字に転落した。
碧桂園の経営状況は経営再建中の中国恒大集団などと比べて比較的健全と見られていた。
碧桂園は2022年の不動産販売額が3569億元(約7兆2000億円)で中国の業界トップだった。
中国では習近平政権の統制強化を機にした不動産市場の低迷が長期化し、碧桂園や中国恒大集団など経営悪化が不動産業界全体に広がっている。
不動産は中国の国内総生産(GDP)の3割程度を占めるとされるため中国経済への影響が懸念されている。

中国の習政権に何が起きているのか 領土拡大志向で四面楚歌′ヌ立化恐れ国際会議欠席 注目されるAPECへの動向
2023.9/21 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230921-LO4EVZTTGZLLTAF677RTO5JDOM/
中国の習近平国家主席は2023年8月21日から24日にかけて、南アフリカ共和国を公式訪問し、シリル・ラマポーザ大統領と首脳会談を行った他、BRICSS首脳会議に出席した。
ところが、2023年9月6日にインドネシアにて開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議、2023年9月9、10日にインドで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議には欠席した。
南アには行っていることから、健康問題ではないだろう。
それではASEANプラス3とG20の欠席の理由は何か。
習氏にとって国際会議は、中国の世界に対する優位性を自国民にアピールする場だ。
BRICS首脳会議では、アルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国が2024年1月1日にBRICSに加わることが決まった。
ここでは習氏は主役であり、さぞかし気持ちが良かっただろう。
その習氏が、ASEANプラス3を欠席したのは格が下とみていることなどが理由だろう。
それに加えてASEANプラス3直前に中国が公表した地図に、ASEAN諸国など国際社会の非難が広がったこともある。
沖縄県の尖閣諸島を中国名の
「釣魚島」
と表記し、南シナ海のほぼ全域を自国のものとし、インドとの係争地も自国領、中露国境に位置する大ウスリー島のロシア領部分も中国領とした。
ここまで領土拡大志向をあからさまにすると、相手も黙っていられない。
日中韓でも韓国の尹錫悦大統領は前任の文在寅氏と異なり中国に手厳しい。
ここでも四面楚歌となる可能性があった。
議長国のインドネシアくらいは懐柔できるが、出席する気がなくなったのだろう。
そしてG20については、議長国がインドだったため、習氏の言う通りにならず、ロシアのプーチン大統領も欠席、それに引き換え先進7カ国(G7)は勢揃いなので、習氏が孤立化を恐れたためと思われる。
中国の国内経済が悪いのも、成果のない外遊を許さない背景だ。
中国恒大の問題でも分かるように、不良債権は深刻で、新たな経済指標も芳しくない。
中国国家統計局が2023年9月15日発表した2023年8月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が下落したのは全体の74%に当たる52都市だった。
こうした状況があることから、2023年11月に米カリフォルニア州サンフランシスコ市で開催予定のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議も習氏は欠席との観測が浮上していた。
APECは米国、カナダ、中国、日本、オーストラリア、ロシア、台湾などインド太平洋を取り囲む21カ国・地域の枠組みだ。
だが、サリバン米大統領補佐官と中国外交トップの王毅政治局員が地中海のマルタで2日間に渡り会談した。
米中首脳会談を模索しているとみられ、習氏がAPECに出席する可能性も残されている。

米「中国のロケット軍の詳細」公開 習氏の軍事配備が丸裸に?
2022年10月28日
https://www.visiontimesjp.com/?p=37919
米空軍大学の中国航空宇宙研究所(CASI)は2022年10月24日、人民解放軍ロケット部隊の組織構造に関する報告書を発表し、内部の人事構成や全国への配置状況などを詳細に説明した。
中国航空宇宙研究所のこの255ページに及ぶ報告書は、中国軍のロケット部隊の組織構造について、上層部の指揮システムから後方支援製品基地まで、基地の住所、部隊の主要機能、責任者の中国語と英語の名前、部隊番号などの詳細情報を掲載している。
報告書には、ロケット軍の各部門の主要責任者の写真、名前、お互いの関係がツリー図で示されている。
また、全国のロケット部隊の配置を中国の地図上に示した。
この報告書の著者である中国航空宇宙研究所のブレンダン・S・マルバニー(Brendan S. Mulvaney)所長は、これは確かに、これまでに発表されたロケット軍の組織構造に関する最も包括的な報告書であると述べた。
「習近平中央軍事委員会主席の指導の下、人民解放軍ロケット部隊の拡大について、極めて具体的なメッセージを伝えている」
報告書は、ロケット軍が1960年代から長距離ミサイルを研究し始め、1980年代に中距離弾道ミサイル「DF(東風)-21」を先駆的に開発し、近年はより高性能な中距離弾道ミサイル「DF-26」や極超音速滑空機「DF-17」を保有していることに言及している。
ロケット軍の部隊も年々拡充され、2017年から2019年末にかけて、僅か3年間で29旅団から39旅団に増加した。
この中国ロケット軍に関する報告書は、第20回党大会の直後に公表され、その実用化の可能性に疑問が呈された。
台湾の国防安全保障研究院軍事戦略産業研究所の蘇子雲所長は、この報告書は米国の情報能力を示しており、必要ならばこれらのミサイルを根絶することさえ可能であると述べた。

中国、国防相を調査・解任か 米政府判断 英紙報道
2023/9/15 10:35
https://www.sankei.com/article/20230915-TO65VBXTHRMI3HZNLV7HMFRLIY/
英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は2023年9月14日、動静が2週間以上途絶えている中国の李尚福国務委員兼国防相が中国当局の取り調べを受け、国防相としての任務を解かれたとの判断を米政府が下していると報じた。
複数の米政府当局者の話としている。
中国の習近平政権では外交・国防の要職が次々と交代する事態が続いている。
2023年7月に秦剛国務委員兼外相(当時)が約1カ月動静不明となった末に外相を解任された他、核ミサイル部隊を管轄するロケット軍で司令官ら幹部2人が同時に交代し、汚職で調査を受けているとも報じられた。
李氏への調査目的や米政府の判断理由は不明だが、汚職疑惑が関係しているとの見方がある。
また、ロイター通信は2023年9月14日、李氏が先週、中越国境付近でベトナム国防当局者との会談を予定していたが、
「健康上」
の理由で直前に延期されたと報じている。
李氏をめぐってはトランプ前米政権が2018年、ロシアとの武器取引を巡り制裁対象に指定。
バイデン政権は軍事衝突など不測の事態を回避するためオースティン国防長官との国防相会談を求めてきたが、中国側は拒否してきた。

中国前外相、国家安全で調査か WSJ
2023/9/20 8:00
https://www.sankei.com/article/20230920-5CIPVZGYHVJRZBBKGCJWN25T7Q/
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は2023年9月19日、中国で動静不明となり2023年7月に解任された秦剛前外相が、国家安全を脅かした可能性について共産党の調査を受けていると伝えた。
駐米大使時代に不倫関係になった女性との間に、米国生まれの子供がいることが問題になったという。
消息筋によると、中国当局は2022年12月まで駐米大使を務めた秦氏と米国との関わりを注視しているとの見方がある。
「WSJスクープ 中国 中国前外相、不倫で解任=関係筋」
同紙日本語版のタイトルはこうなっていた。
秦氏は昨年末、初代外相の周恩来元首相に次ぐ56歳の若さで外相に就任した。
「戦狼外交官」
として習近平国家主席に注目され、2023年3月からは国務委員(副首相級)を兼任するスピード出世を果たした。(共同)

中国前外相、国家安全で調査か 米との関係注視
2023/9/19 22:13
https://www.sankei.com/article/20230919-SAAASXG27ZPJ7OWOIAODADXMXQ/
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は2023年9月19日、中国で動静不明となり2023年7月に解任された秦剛前外相が、国家安全を脅かした可能性について共産党の調査を受けていると伝えた。
複数の中国高官の話としている。
消息筋によると、中国当局は2022年12月まで駐米大使を務めた秦前外相と米国との関わりを注視しているとの見方がある。
中国では李尚福国防相も動静不明となり、不正で調査を受けているとの観測が浮上。
2023年3月に本格始動した3期目の習近平指導部は外交・安全保障の閣僚がいずれも表舞台から姿を消し、スキャンダルが噂される異常事態となっている。
同紙によると中国の閣僚級高官らは2023年8月、秦前外相の解任理由は
「生活上の問題」
だと説明を受けた。
米国で婚外子が生まれたことが問題視されたという。
解任後も調査を受けており、米国に子供がいることが大使としての対米交渉に影響したのではないかと疑われているとされる。(共同)

http://www.asyura2.com/23/hasan136/msg/237.html#c25

[政治・選挙・NHK291] 辺野古設計変更承認「代執行訴訟」 国の主張は(FNNが最高裁判決批判?!) 戦争とはこういう物
1. 2023年10月07日 12:32:29 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[18]
<■77行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自衛隊と米軍の抑止力を維持したまま普天間返還を実現するには辺野古移設が唯一の解決策である。
そんなことは玉城デニー知事もよく分かっている。
分かっていて、工事に必要な設計変更の承認に応じない玉城デニー知事は悪質で、売国奴だ。
住宅密集地に隣接する普天間飛行場の危険性を地域住民に押し続けろ、と玉城デニー知事は言っているのだ。

主張
県の「辺野古」拒否 国の代執行提訴は当然だ
2023/10/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20231007-HDLJD7TUABOBFD3PMPYY5VETVU/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、国が県に代わって工事に必要な設計変更を承認する
「代執行」
のための訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。
地方自治法第245条は、都道府県知事が法令に反する事務処理をしたり、事務処理を怠ったりした時、国が高裁に代執行訴訟を提起できると規定している。
玉城デニー知事はこれまで、設計変更の承認を求める国の勧告にも指示にも従わなかった。
住宅密集地に隣接する普天間飛行場の危険性を除去するため、辺野古への移設工事をこれ以上遅らせるわけにはいかない。
斉藤国交相が提訴したのは当然だ。
移設が完了すれば普天間は返還される。
国は着実に、工事を進めてほしい。
理解し難いのは玉城氏の対応である。
この問題で最高裁は2023年9月4日、県側の上告を棄却した。
県敗訴の判決が確定し、玉城氏は設計変更を承認する法的義務を負った。
しかしその義務を果たさず、斉藤国交相が2023年9月27日までに承認するよう勧告すると
「判決内容を精査する必要がある」
といって拒否した。
斉藤国交相は勧告を
「指示」
に引き上げ、2023年10月4日までに承認するよう改めて求めたが、玉城氏は同じ理由で従わなかった。
玉城氏の対応は、法治主義の原則を踏み外すものであり、到底認められない。
すでに最高裁判決から1カ月が経つ。
この間、県幹部の間では
「承認やむなし」
の声が広がっていた。
法令に基づき行政を遂行する立場にある県が、司法判断に従わないとなれば、行政上様々な支障が出るのは必至だからだ。
一方、玉城氏を支持する共産党など
「オール沖縄」
系の県議は連名で、承認しないよう求める要望書を提出した。
もし玉城氏が、自身の政治生命延命のために共産党などの要望に従ったとしたら言語道断である。
代執行訴訟で県が勝訴する見込みは極めて薄い。
玉城氏は裁判が始まる前に工事を承認し、政府と協力すべきだろう。
政府も、自衛隊と米軍の抑止力を維持したまま普天間返還を実現するには辺野古移設が唯一の解決策であることを、丁寧に説明していく必要がある。

辺野古訴訟で国が「代執行」に向け即日結審を要請、訴状を公表 20日までに口頭弁論
2023/10/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20231006-LUIYJRHKOZPAHCGW7MRN4JGOUI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城デニー県知事に代わって承認する
「代執行」
に向けた訴訟を起こした国は2023年10月6日、即日結審を求める訴状を公表した。
口頭弁論は法律の規定に基づき2023年10月20日までに開かれる。
斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、知事に承認を命令するよう福岡高裁那覇支部に提訴した。
訴状によると、知事が承認しないことは法令違反に当たるとし
「知事の違法かつ異常な事務遂行が許容される余地がないことは明白だ」
と指摘。
地方自治法に基づく代執行の要件を満たすとした。
その上で、即日結審した後、速やかに承認を命令する判決を出すべきだと主張。
承認までの期間は知事が判決文の送達を受けた翌日から3日以内とすることを求めた。

辺野古設計変更「代執行」へ国交相が提訴 15日以内に高裁那覇支部で弁論
2023/10/5 12:16
https://www.sankei.com/article/20231005-4RF6PC3BHVOFBOBQ7YLADSZLEY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、同県の玉城デニー知事に代わって工事の設計変更を承認する
「代執行」
に向け、福岡高裁那覇支部に提訴した。
第1回口頭弁護は訴訟提起から15日以内に開かれる。
県の敗訴は濃厚で、早ければ2023年年内にも国が承認を代執行する。
玉城氏は2023年10月4日、記者団の取材に応じ、
「最高裁の判決内容を精査する必要がある」
と話していた。
また、移設工事に反対する姿勢を改めて示し、
「国に対し県との対話に応じるよう引き続き求めていく」
と訴えた。
移設工事を巡っては、辺野古沖の海域に軟弱地盤が見つかったため防衛省が地盤改良に伴う設計変更を申請したものの、県は承認しなかった。
2023年9月の最高裁判決後、斉藤国交相が2023年9月27日までに承認するよう勧告したが、玉城氏は
「期限までに承認するのは困難」
と回答。
斉藤国交相は
「勧告」

「指示」
に切り替え、2023年10月4日までに承認するよう求めていた。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/904.html#c1

[政治・選挙・NHK291] 首相会見「NG記者リスト」を官房長官が否定も…日刊ゲンダイ「指名ゼロ」をどう説明する(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
34. 2023年10月07日 12:51:57 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[19]
<■65行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
質問NGリスト 会見開催の目的を損なう
2023/10/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20231007-YZM2C3WXPNNYZDJQ25SUH7ZY44/
企業や団体は、不祥事の会見をなぜ行うのか。
謝罪や反省の意を明示し、信頼回復の道筋を示して負の要因を減じ、前を向く契機とするためである。
そのためには、不祥事の本質を見極めることが不可欠だ。
これを見誤っては最悪の結果を招くことになる。
ジャニーズ事務所が創業者、ジャニー喜多川氏の性加害問題を巡って2023年10月2日に開いた記者会見で、特定の記者やフリージャーナリストを指名しないようにするための
「NGリスト」
が存在したことが明らかになった。
事務所は関与を否定し、会見を運営したPR会社は
「限られた会場使用時間の中で会見の円滑な運営準備のために作成した」
「事務所は作成や運営スタッフへの共有を含めて一切関与していない」
などと述べた。
事務所側は、会見前々日の打ち合わせで
「NG」
と書かれた媒体リストを見たことを認め、
「絶対当てないとダメですよ」
と意見し、PR会社が
「では前半ではなく後半で当てるようにします」
と答えたやり取りを明かしていたが、2023年10月5日になって
「では当てるようにします」
と変更、修正した。
会見時間を2時間と区切り、好ましからぬ質問者を後半に回したのは、時間切れを狙ったと解釈されるからだろう。
事務所が会見で訴えるべきだったことは何か。
それは性加害被害者に対する謝罪と補償の在り方であり、メディアへの圧力などで隠蔽を続けたことへの反省と改善策だったはずだ。
その会見で、またもメディアをコントロールしようとした疑いが明るみに出た。
会見開催の目的や意味を損なう、最悪の事態と言える。
実際にリストにあった者の質問が避けられたか、後半に回されたか、事務所自らが検証し、詳細な経緯を明確にすべきである。
産経新聞を含むメディアも、一連の性加害問題の隠蔽を放置してきた反省の上に立ち、こうした作為には毅然と対峙し、排除しなければならない。
ただ
「NGリスト」
の問題とは別に、昨今の各種の会見においては質問者がとうとうと自説を述べ、不規則発言を繰り返す場面が散見される。
まして怒声や罵声は一種の暴力である。
会見場の質問者にも記者として、人としての節度が求められることは当然であろう。

産経抄
特定記者「NGリスト」批判の偽善
2023/10/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20231007-MEM5MWBAJRIODKDD7NRWOSZXXQ/
ジャニーズ事務所が性加害問題を巡って開いた記者会見で、特定の記者らを指名しないようにする
「NGリスト」
が作成されていたことが発覚し、騒がれている。
確かに褒められた話ではないが、記者会見の実態と限界を知るはずのマスコミが殊更建前論を振りかざすのには違和感を禁じえない。
▼「私や岸田文雄首相の記者会見について、予め特定の記者を指名しないようにするリストは存在しない」。
松野博一官房長官は、2023年10月5日の記者会見でこう明言した。
ただし、歴代政権の対応も同じかと言えば、決してそんなことはない。
▼例えば菅直人内閣時の首相記者会見では、小紙の官邸キャップは会場の一番前列で手を挙げ続けたが、幹事社の当番月と内閣広報官交代時の計2回しか指名されなかった。
記者を指名する広報官に抗議すると、
「会場にいたのが見えなかった」
とくだらない冗談で誤魔化す始末である。
▼菅直人氏にとり都合の悪い質問は避けたかったのだろうが、その場にいた大勢の記者たちは、誰も菅直人政権の姿勢を問題視しなかった。
それどころか、
「当てられないのにまた手を挙げている」
との嘲笑すら聞こえた。
そんな彼らが
「NGリスト」
を大袈裟に批判するのは偽善ではないか。
▼大阪府知事と大阪市長を務めた橋下徹氏は2023年10月5日の日本テレビ系列の番組で、
「NGリストではない」
と断りつつ
「演説をずっとする記者」
「誹謗中傷、人格を攻撃する人」
は要注意リストに入れていたと明かした。
小紙官邸キャップはこのどちらにも該当しないから念のため。
▼そもそも記者会見で語られることは主に公式見解である。
相手の本音や、独自情報を引き出す場はあくまで個別取材だというのが記者のイロハだろう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/899.html#c34

[戦争b24] 最優先課題はウクライナ停戦実現(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
26. 2023年10月08日 06:48:41 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[20]
<■101行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
鈴木宗男氏の訪露 侵略国擁護は容認できぬ
2023/10/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20231008-NA4WPY7WDVI2XMDQWSPCE5LJJQ/
日本維新の会の鈴木宗男参院議員が5日間に渡りロシアを訪問した。
プーチン露大統領がウクライナ侵略を始めてから国会議員の訪露は初めてだ。
問題の大きい行動である。
維新の会では、鈴木氏が露メディアにロシアの勝利を確信するとの発言をしたことを問題視する声がある。
党への事前の届け出なしに訪露したことなどもあり処分が検討されている。
そもそも、政府はロシア全土に渡航中止勧告以上の危険情報を発している。
そうした中で鈴木氏は訪露を強行した。
とりわけ現地での鈴木氏の言動は看過することができない。
鈴木氏と会談したコサチョフ上院副議長は
「日本が対露制裁に参加した結果、日露関係は第二次大戦後、最悪の状況になった」
と日本政府を批判した。
鈴木氏は
「私も副議長と同じ考えだ」
と同調し、
「安倍晋三元首相がプーチン氏と極めて良好な関係を築いたのを、僅か1年で岸田文雄首相がマイナスの方にしてしまった」
と述べた。
耳を疑う言葉である。
元凶はプーチン氏の妄執による大義なき侵略だ。
鈴木氏の認識は国際法違反の侵略を擁護しかねないもので、容認できない。
露外務省によると、鈴木氏はルデンコ外務次官には
「一にも二にも停戦が一番だ」
「ロシアが主導的立場でそうすべきだ」
と語った。
鈴木氏はロシアの侵略開始以来、
「紛争や戦争には双方に言い分がある」

「喧嘩両成敗」
を説いてきた。
しかし、ロシアが想定する停戦は、ウクライナで奪った領土の固定化を意味する。
ウクライナのゼレンスキー政権が
「露軍の全占領地からの撤退なくして停戦はない」
と強調するのはこのためである。
鈴木氏はロシアの言い分に迎合するのか。
プーチン政権は侵略を
「祖国防衛戦争」
とすり替えて国民の愛国心を煽っている。
鈴木氏は侵略を否定するロシアの宣伝工作に加担するような行動は厳に慎まねばならない。
北方領土問題に関わってきた鈴木氏はルデンコ氏に北方四島への元島民の墓参の再開も求めた。
そこには領土交渉を前進させたい思いもあろうが、プーチン政権は
「領土交渉などしていない」
とし、領土問題には目もくれない。
鈴木氏は日本が一貫してロシアに愚弄されてきた現実を直視すべきだ。

維新、鈴木宗男氏「除名」を検討 露「勝利」期待発言が問題に
2023/10/6 20:21
https://www.sankei.com/article/20231006-2JMVMCPG7VKUVKQA474YWC7N6I/
日本維新の会が、党に無断でウクライナを侵略中のロシアを訪問した国会議員団副代表の鈴木宗男参院議員の処分を巡り、
「除名」
も検討していることが2023年10月6日、分かった。
同日の国会議員団の党紀委員会で出た意見や鈴木氏の主張などを踏まえ、持ち回りの党常任役員会を開いた上で2023年10月10日に最終判断する方針だ。
党内では無断の訪露にとどまらず、露メディアの動画でロシアの勝利を期待するとの趣旨の発言をしていたことが問題視されているという。
鈴木氏は国会内で、記者団に対して動画は切り取られたものだと主張した。
一方、
「私はロシアが勝つと思っている」
「皆さん、ウクライナが勝つと思うか?」
「政治経験のない人たちはどうしても印象論や感情論で判断する」
と持論を展開。
「政治家としての信念を持って、ぶれずに発言・行動していけば分かってくれる」
とも訴えた。
藤田文武幹事長は2023年10月6日の記者会見で、動画に関して
「映像を取り寄せて精査する」
と説明した。
その上で
「非常に厳しい対応をせざるを得なくなるかなと思う」
「だからこそしっかりとした手続き論と論理的正当性を担保する方針だ」
と語った。
鈴木氏は党が海外渡航のルールとして定めていた申請書を事前に出さないまま、日本を2023年10月1日に出発してロシアに向かった。
届け出は2023年10月2日だった。
鈴木氏はロシア滞在中、ルデンコ外務次官らと会談し、2023年10月5日に帰国していた。
当初は無断訪露以外の責任を問うことは難しいと目されていた。
しかし、インターネット上で動画が拡散されたこともあり、
「党員資格停止や除名なども検討すべきだ」(関係者)
との声が高まった。
吉村洋文共同代表(大阪府知事)も2023年10月6日、鈴木氏への
「厳しい処分」
を求めた。

主張
米つなぎ予算成立 ウクライナ支援の継続を
2023/10/4 5:00
https://www.sankei.com/article/20231004-FHGDZY7RXNLFFGDNJEN2HT5H6M/
侵略者ロシアに抗戦するウクライナへの支援は、
「法の支配」
に基づく国際秩序の擁護につながる。
支援は侵略者が敗北するまで続けられるべきだ。
米国は国際社会のウクライナ支援を牽引してきた。
その米国の姿勢が不透明になれば喜ぶのはロシアである。
米国には支援継続の強い決意を改めて示してもらいたい。
米議会で2023年9月30日夜、2023年11月中旬までの政府支出を賄う
「つなぎ予算」
が民主、共和両党の賛成で可決・成立した。
米国は2023年10月から新会計年度を迎えたが民主、共和両党の対立で本予算ができていない。
つなぎ予算によって、一部の政府機関が閉鎖に追い込まれる恐れは当面回避された。
問題は、つなぎ予算からウクライナ支援の費目が除外されたことだ。
バイデン米大統領は
「どんな状況でも支援を途切れさせるわけにはいかない」
と訴え、本予算では、支援の費目を盛り込むよう議会に呼び掛けた。
下院では野党共和党が過半数を握るが、同党の一部は歳出削減の対象にウクライナ支援を含めるよう要求している。
この背景には、ウクライナにおける戦いの長期化に伴う米国民の
「支援疲れ」
がある。
米主要メディアの2023年9月の世論調査では、米国のウクライナ支援は
「過剰」
と回答した人は41%で2022年4月の14%から3倍近くに増えた。
だが、戦争を長引かせているのは、国際社会の撤退要求を無視して、あの手この手で侵略を続けるロシアである。
ウクライナは国際社会の支援がなければ侵略者を退けることが難しい。
祖国のため抗戦するウクライナの人々を見捨てることがあってはならない。
米国がウクライナ支援を続けなければ、ウクライナ軍が反攻作戦で必要とする兵器の供与などに影響するのは必至だ。
バイデン氏は議会や世論に、米国や世界にとってウクライナ支援が重要である点を説き、賛同を得ねばならない。
こうした中、欧州連合(EU)はウクライナの首都キーウ(キエフ)で初めて外相会合を開き、ウクライナへの支援継続に揺るぎないことを伝えた。
米国や日本、EUが結束して支援を続け、プーチン露大統領を敗北に追い込むべきである。

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/851.html#c26

[戦争b24] 最優先課題はウクライナ停戦実現(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
32. 2023年10月08日 10:06:23 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[21]
<■233行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
戦争を長引かせる「早期停戦論」の罪
正論2023年11月号 国際政治学者 グレンコ・アンドリー
ロシアによるウクライナ全面侵略が始まってから、1年7カ月経った。
ハイブリッド戦争、局地戦の期間を含めれば、あと5カ月でロシアによるウクライナ侵略開始から10年経つ。
ロシアによる侵略が10年も続いている理由はいくつかあるが、その中で際立つのは国際社会の不十分な対応だ。
2014年に、ロシアがウクライナに侵略し、南部のクリミア半島と東部2州の一部を占領したが、この蛮行に対する国際社会の反応は非常に弱かった。
国際社会は対露批判や形式的な制裁に止まり、ロシアの経済や軍事産業に打撃を与えるような行動を取らなかった。
また、ウクライナには、自分で自国を守れる武器を提供しなかった。
その代わりに、国際社会がお経のように繰り返しいた言葉は
「問題の平和的な解決」

「停戦」
だった。
しかし、平和的な解決も停戦もないまま、戦争は8年間も続いてしまった。
そして、局地戦が全面戦争に発展してしまった。
もしロシアへの実態のある制裁やウクライナへの武器提供が2014年から始まっていれば、2022年の全面戦争は起きなかった可能性が非常に高い。
2014年から2022年までの姿勢は完全に間違っていたことに気付いた自由民主主義諸国は、実態のある対露制裁とウクライナへの武器提供に踏み切った。
それでも、対露制裁や対ウクライナ支援はやはり段階的に行われている。
ウクライナへの戦車提供は、全面戦争が始まって1年が経った頃にやっと行われた。
戦闘機の提供は未だに実施されず、2025年の春、全面戦争開始から2年が過ぎる頃にようやく行われる予定である。
しかし、武器提供の必要性に対する理解が進むには時間がかかるとはいえ、理解が進んでいるのは事実である。
自由民主主義諸国の首脳では、提供される武器の種類については温度差があるものの、武器提供の必要性自体を否定する人はいない。
そして、ウクライナに対して、
「平和的な解決を目指せ」

「停戦しろ」
などのような要求もない。
口では認めないが、2014年の対応が失敗だったことを各国の首脳は理解しつつある。
同時に、驚くことに、各国で未だに早期停戦と武器提供停止・縮小を求める著名人やメディアもある。
例えば、アメリカのトランプ前大統領は、自身が大統領になればウクライナへの支援を停止し、停戦を実現すると公言している。
似たような論調を、欧州各国のポピュリスト系政治家や言論人が繰り返している。
つまり、対露宥和が失敗していることはこの10年で実証されたにもかかわらず未だに現実を無視してもう1度、間違いなく失敗する政策を繰り返そうとする勢力がある。
まことに残念ながら、日本も例外ではない。
日本は昔のしがらみが残っており、現時点でまだ武器提供には踏み切っていないが、日本政界における理解は着実に進んでおり、いずれ武器提供を認める制度が作られる可能性もある。
また武器以外、日本では既に多くの対ウクライナ支援を行っている。
同時に、日本にもウクライナ支援に反対し、
「停戦論」
を提唱する勢力は存在する。
日本のポピュリスト系政治家や陰謀論系の発信者、または反戦平和を掲げる左派系メディアなどが武器提供に反対し、早期停戦を呼び掛けている。
8年間、自由民主主義諸国は武器提供せずに停戦を呼び掛けていたにもかかわらず、戦争を止めることが出来なかった。
では何故、今の停戦論者は戦争を終わらせることが出来ると思っているのだろうか。
各国の首脳は自身の失敗から学んでいるが、停戦論者は現実を見ようとしない。
■ロシア人の信念
それでは、何故停戦が不可能なのか。
それを理解するには、ロシアがこの戦争を起こした目的を知る必要がある。
もし、ロシアがこの戦争を、利益を得るために起こしたのなら、理論的に停戦があり得る。
損得勘定で動く国なら、戦争継続より停戦の方が利益に繋がると思わせることが出来れば、停戦交渉は可能だ。
しかし、ロシアはこの戦争を利益のためではなく、信念のために起こしたのだ。
ロシアの歪んだ世界観では、ウクライナの国土はロシアの領土であり、ウクライナに住んでいる人たちはロシア人だということになっている。
ウクライナ国家とウクライナ民族の存在をロシアは認めていない。
これはロシア人の世界観だ。
ロシア人にとって今の戦争は
「祖国を取り戻す戦い」
だ。
間違っているとはいえ、これはロシアの強い信念だ。
ロシア人は、ウクライナを必ずロシアの領土にしなければならないという使命感を持っている。
信念を実現するための戦争だからロシア人は利益を求めていないし、損得勘定で考えない。
どんなに犠牲を払ってでも、ウクライナを必ずロシアの一部にしなければならないという強い信念は、揺るがない。
だから、ロシア人は停戦に応じない。
ロシア人にとって停戦に応じるというのは、崇高な理念、祖国を取り戻す戦いを諦めることを意味するからだ。
国際社会、諸外国はどんなにロシアに対して
「停戦せよ」
と呼び掛けたとしても、ロシア人にとってそれは自身のアイデンティティを諦めることを意味するので、ロシアはこのような呼び掛けを拒否する。
唯一にあり得るのは、停戦ではなく一時休戦だ。
つまり、ロシアにとって戦況が悪くなれば、追加動員や兵器製造、戦略の練り直しなどのためにロシアが一時休戦に応じる可能性は、理論的にある。
しかし、ロシアに戦争継続の準備が出来た時、このような一時休戦はすぐ破られ、ロシアは以前より大きな勢いでウクライナへの攻撃を続ける。
言うまでもないが、ロシアの攻撃がより強くなるためだけの一時休戦は絶対に認めてはいけない。
実際にロシアが停戦に応じる唯一の条件とは、戦争を継続する能力を失うことだ。
つまり、ロシア軍が戦場において壊滅し、戦えない状態になることだ。
その場合は、ロシアが停戦に応じる可能性はある。
ちなみに、この場合でさえ、あくまで可能性であって、確定ではない。
ロシア軍が再起不能まで陥り、戦えない状態になっても、ロシアは停戦に応じない可能性さえある。
地上兵力を失ったとしても、ロシアは国内からウクライナをミサイルや無人機で攻撃し続けるという展開もあり得る。
だから、ロシア軍が壊滅しても停戦にならない可能性さえあるので、ロシア軍が壊滅しない間は、停戦は100%あり得ない。
いずれにしても、停戦や戦争規模の縮小を実現するには、ウクライナにより多くの武器を提供し、早くロシア軍を壊滅させなければならない。
しかし、早期停戦論者がそれを妨害している。
意図的かどうかは別にして、早期停戦を呼び掛けている人たちは、戦争を長引かせ、間接的に多くの人の命を奪っているのだ。
もし停戦論者が
「ロシアが停戦に応じるまでウクライナ支援を続ける」
という姿勢を取るのであれば、問題はない。
しかし、そういう論者の多くは、ウクライナへの武器支援をやめて、その状態で停戦させるべきだという姿勢だ。
この姿勢が人を殺している。
武器提供が止まっても、停戦にはならない。
ウクライナが武器不足に陥ったら、ロシアはすぐ攻勢に出て、占領地を拡大していく。
ロシアはウクライナ全土を制圧するまで止まらないので、ウクライナへの武器支援の妨害は、ロシアの侵略戦争に加担することだ。
早期停戦論者にはそれを理解する人も理解しない人もいる。
しかし、理解せずに、武器提供を止めれば停戦が実現すると思い込んでいる人でも、客観的に見れば、無意識にロシアの侵略戦争に加担しているのが事実である。
停戦論者は何故か、ウクライナが停戦に応じれば停戦が出来ると思い込んでいる。
しかし、実際にはウクライナが停戦を望んでも、ロシアは絶対に停戦に応じない。
だからウクライナの意思では停戦を実現出来ない。
ロシアの意思が必要だが、ロシアにその意思は全くない。
もし停戦論者の主張通り、ウクライナへの武器提供が止まれば停戦が実現するのではなく、ロシアがウクライナに更なる攻撃を加え、占領地を拡大し、全土制圧を目指す。
つまり、破壊と殺戮、そしていつまでも終わらない戦争が続くのだ。
もしロシアがウクライナ全土を制圧出来れば、今度はウクライナ人の民族浄化が始まる。
ロシアの目的はウクライナ民族をなくすことだから、それを実現するまで殺戮は止まらない。
以上のように、停戦が不可能であり、早期停戦論は間接的に人命を奪っているだけだ。
それでは、今度はあり得ない設定をしてみよう。
現実では起きないが仮にロシアが停戦に応じた場合、どうなるのか。
もし、何らかの理由でロシアが停戦に応じれば、現在ロシアが占領しているウクライナの領土において、ロシアの支配が固定化する。
1度停戦してしまうと、ウクライナは事実上、その領土を武力で奪還する機会を失ってしまう。
国際社会では、非常に理不尽で間違っている決まりが存在する。
自国の領土であっても、1度停戦協定を結べば、自国の領土を占領者から武力で奪還してはいけないというルールだ。
筆者の意見では、このルールは完全に間違っているし、完全に理不尽だ。
このルールは侵略国家を利するだけで、善良な国の手を縛っている。
しかし、残念ながら、今の国際社会においては、このような考え方が主流だ。
だから、例えば、もし1度停戦した後、ウクライナが武力で占領地を奪還するために戦いを再開すれば、国際社会はウクライナを支持しない。
もちろん、その場合、ウクライナの行動は自国内なので侵略に当たらず、非難され、制裁を受けることはないだろう。
しかし、今のような積極的な支援は行われない。
資源が限られているウクライナは外国の支援なしでロシア軍に打ち勝って、領土を奪還出来ない。
だから、国際支援を望めない状態でウクライナは奪還作戦を行わない。
このような事情によって、1度停戦すれば、ロシア自身が戦争を再開しない限り、ウクライナは事実上、占領地を半永久的に失うことになる。
ロシアが交渉で占領した領土を返すことは絶対にあり得ない。
仮にプーチン体制が崩壊したとしても、占領地を返さない。
ロシア人の領土への執着は想像を絶するものだから、ロシア国内の世論は占領地返還を許さない。
■占領地で始まる民族浄化
それでは、ロシアの支配が固定化された占領地で何が起きるのか。
端的に言うとその土地の
「ロシア化」
が進む。
ロシアが新たに獲得した領土のロシア化のためにありとあらゆる非道を行う。
ロシアから見ると、ウクライナ人というアイデンティティは脅威だ。
これが存在する限り、ウクライナ人はまたロシアに刃向かうから、このアイデンティティをなくさなければならない。
だから支配地域において、自分のことを
「ウクライナ人」
と認識する人が1人もいなくなるような政策を取る。
つまり、民族浄化が起きるのだ。
民族浄化の手段は、多岐に渡る。
まずは、単純な殺害だ。
ロシアの支配に反発する姿勢を隠していない人が殺害されるケースが多い。
ロシア軍に占領された後、解放された土地の状況は全てを物語っている。
比較的占領期間の短いウクライナの北部において、証拠隠滅がされないままロシア軍が去った。
今は世界的に有名になったブチャの虐殺は、ロシア軍によって無差別に行われた民間人の大量殺害だ。
また、占領期間が約半年間だったハルキウ州の東部においても似たような大量虐殺の痕跡がある。
他の地域は、占領の期間が長かったので大量殺害を確認するのは難しいが、全ての占領地においてロシア軍が似たような大量殺害を起こしていると思われる。
次は、拷問だ。
占領地域において、住民を捕まえて拷問するのは一般的で、解放された地域では拷問室が各地で発見されている。
拷問の目的は、ロシアの支配に反発しているかどうかを確認することが多い。
本人もしくは親戚や知り合いに反露思想を持っている人がいるかどうかを知るために、住民は大量に拷問を受ける。
歯や爪を抜き、殴り、電気をかけ、性的拷問をするのはロシアの当局の一般的なやり方だ。
また、ロシアは占領地に住んでいるウクライナ人をロシア軍に動員し、戦争に捨て駒として使うケースも多い。
占領地の住民を軍に動員するのは国際法違反だが、ロシアはそれを無視して、ウクライナ人を動員する。
支配している民族を大量に動員し、戦争に使うのはロシアの昔からのやり方だ。
ロシアがウクライナを支配していた時代、ロシア帝国やソ連の軍隊にウクライナ人が大量に徴兵・動員され、数え切れない数の戦争に行かされた。
現在でも、ロシア連邦が支配している諸民族、例えばブリャート人は大量にロシア軍に動員され、ウクライナとの戦争に行かされている。
もし占領地におけるロシアの支配が確定すれば、その住民の強制的な徴兵や動員はより効率よく、組織的に行われ、ロシアが起こしている戦争に捨て駒として行かざるを得なくなる。
また、占領地では、誘拐や強制移住が大量に起きている。
占領地でウクライナ人のアイデンティティを持つ人がいなくなるように、ロシア当局は住民を強制的にロシアに移住させる。
当然、同じ場所に集中するのではなく、巨大なロシアの各地に散らばるようにするのだ。
強制移住させられた人がロシアの社会に溶け込み、いずれ意識はロシア人になることを狙う。
その代わりに、占領地にロシアからのロシア人を移住させる。
■永続化される被害
その中で特に注意すべき問題は、子供の拉致だ。
つまり、占領地にいた子供をロシアに連れ去り、ロシアで児童施設に入れるかロシア人の家庭に養子として入れる。
その子供にロシアの教育を受けさせ、ロシア人として育てるのが目的だ。
ウクライナ当局が把握している範囲だけでも、約2万人のウクライナ人の子供がロシアに連れ去られて。
ロシア自身は
「70万人の子供を戦地から救い出した」
と言っているので連れ去りを認めている。
70万人という数字は恐らく誇張だが、占領地から子供が大量にロシアに連れ去られているのは紛れもない事実だ。
ちなみに、プーチンが国際司法裁判所から指名手配を受けたのは、連れ去りを指示したからだ。
そして、ロシアは占領地で必ず洗脳教育を行う。
学校教育やメディアを通して、占領地の住民を洗脳する。
住民は自分たちがウクライナ人であることを忘れ、ロシア人のアイデンティティを持つようにする。
占領地には既にロシアのメディアしかなく、学校教育もロシアと同じになっている。
多くの教員はロシアから占領地に派遣されている。
最近は、ロシアの新しい歴史の教科書が話題になっている。
学校10年生、11年生(高校1、2年生に相当)向けの
「ロシア史」

「世界史」
の教科書では、ソ連の帝国主義は全て正当化され、反米、反自由主義の陰謀論が事実として書かれている。
また、現在続いている対ウクライナ侵略も絶賛されている。
これは全国統一の教科書として指定されているので、当然、占領地でも導入される。
つまり、占領地に残るウクライナ人はロシアの狂信的な帝国主義者が書いた教科書で学ぶことになる。
以上のように、ロシアに占領されている地域では、既に民族浄化が行われている。
もし仮に
「停戦」
になれば、ロシアによる占領地の支配が恒久化するので、民族浄化が完成される。
殺害、拷問、脅迫、強制移住、洗脳教育などの手段で地域のロシア化が行われる。
抵抗する意思のあるウクライナ人が殺され、抵抗する意思のないウクライナ人はロシアに移住させられるか、洗脳教育によって意識はロシア人になる。
つまり、占領地からウクライナ人がいなくなり、地域は完全にロシア化する。
だから、
「停戦」
すれば、ウクライナの正当な国土を事実上ロシアに渡し、侵略による領土強奪を認めることになるだけではなく、占領地に住んでいる住民を見捨て見殺しにすることにもなる。
これは国際法の観点、そして基本的人権尊重の観点から絶対にあってはならないことだ。
もしウクライナが国際法や人権を気にしない非民主的な国家なら、この領土放棄の選択肢もあったかもしれないが、ウクライナは自由民主主義国家だ。
自由民主主義国家として、国際法と基本的人権が踏みにじられるような状況を容認することは出来ない。
だから、国際法が回復し、占領地の住民が再び安全で自由な暮らしが出来るようにする義務がある。
各国にいる、いわゆる
「早期停戦論者」
には、少しでも人権意識を持って頂きたいものだ。

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/851.html#c32
[政治・選挙・NHK292] <軍拡するなら生活に回せ!>自民党本部前で「戦争反対」と叫ぶ(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
21. 2023年10月09日 05:43:01 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[22]
<■545行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日米防衛相会談 トマホーク調達を1年前倒しで一致
2023/10/5 6:22
https://www.sankei.com/article/20231005-AKT5DNJW2ZNIFDRBDWGZTEV7JA/
米国を訪問中の木原稔防衛相は2023年10月4日、ワシントン近郊の国防総省でオースティン国防長官と会談し、反撃能力(敵基地攻撃能力)にも活用する米国製巡航ミサイル
「トマホーク」
の調達に関し、当初計画を1年前倒しして2025年度から取得することで一致した。
今後、米議会の承認を得て正式決定となる。
木原氏は会談後の記者会見で、取得の前倒しに関し
「安全保障環境が厳しい中、早期の防衛力の抜本的強化に資する」
と述べた。
両防衛相は日本が2026、2027年度にトマホーク最大400発を調達する当初計画に関し、200発の型式を変更し2025年度からの取得にすることを確認した。
具体的には、射程1600kmで最新型の
「ブロック5」
の400発のうち、200発を一世代前の
「ブロック4」
に切り替え2025〜2027年にかけて調達する。
ブロック4は、最新型のブロック5と射程や誘導方式で同等の機能を有している一方、通信方式はブロック5で改良されている。
調達費用はブロック4が安価になる見込み。
防衛省は反撃能力として配備する
「スタンドオフミサイル」
に関しトマホークと共に国産装備の早期取得も進める。
また両防衛相は会談で、陸海空自衛隊の一体的運用を図る
「統合司令部」
の設置に向け日米間の連携体制を議論していくことや、日米韓によるミサイル情報の即時共有など3カ国の協力推進を確認した。
木原氏は会談で、
「力による一方的な現状変更への試みはインド太平洋含めどの地域でも許容してはならず、同盟力の抑止力、対処力を強化していく必要がある」
と呼びかけ、日米の連携強化で合意した。
オースティン氏は、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に適用されることを改めて明言。
「中国の威圧的な行動、北朝鮮の危険な挑発」
などを批判し、
「緊密な同盟国同士のチームワークこそがより安全なインド太平洋を実現できる」
として日豪の連携強化を歓迎した。

主張
学術会議の新体制 改革姿勢が見えてこない
2023/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20231009-3NVHYDEF75MFJBYTNF2PVL2Z3M/
日本学術会議はいつまで、令和2年に菅義偉首相(当時)が任命しなかった元会員候補6人の起用を求め続けるつもりなのか。
梶田隆章前会長らが任期満了で退任し、新体制が発足した。
任期は、令和8年9月末までの3年間だ。
梶田氏は総会で
「一連の手続きは終了したとする政府の見解は、受け入れるわけにはいかない」
「問題は次に引き継がざるを得ない」
と述べた。
これを受けて、新会長に選出された光石衛氏は
「基本的な姿勢は変わらない」
と記者団に語った。
今後も6人の任命を求めるというから、呆れる他ない。
これ以上固執するのは、やめたらどうか。
学術会議は税金で運営されている。
任命権者は、衆院選や首相指名選挙など民主的な手続きによって選ばれた首相だ。
その首相の人事判断を受け入れず、先に政府が提示した会員選考に第三者を関与させる改革案をも拒む以上、
「国の特別機関」
という現在の形態で存続するのは、もはや限界に来ていると言わざるを得ない。
政府は有識者懇談会を設置し、学術会議の改革について議論している。
民間法人化がいよいよ現実味を帯びてきたと見るべきだろう。
早期に結論を出してもらいたい。
学術会議は、東西冷戦期に
「軍事目的のための科学研究を行わない声明」
などを出し、平成29年に継承を宣言した。
これらが、防衛力の強化に資する研究を阻んできた。
軍事忌避の体質が、学術会議の最大の問題である。
光石氏は、学術会議が掲げる
「学術的に国を代表する機関としての地位」
「国家財政支出による安定した財政基盤」
「会員選考における自主性・独立性」
などの
「ナショナルアカデミーの5要件」
を挙げて、
「最低限満たすようにしてほしい」
と要求した。
自ら改革もせずに現在の地位と税金の投入を求めるのはおかしい。
5要件を望むのなら、一連の声明を撤回し、反省するのが先だ。
光石氏は
「日本の学術がじり貧になっている所もある」
と述べ、研究力の強化が必要だとした。
「じり貧」
となっているのは、軍事排斥に起因している部分もある、と自覚すべきである。

クソの役にも立たない日本学術会議
日本の大学に軍事研究を禁じながら中国の兵器開発には協力する
WiLL2023年11月号
筑波大学システム情報系准教授 掛谷英紀
経済安全保障アナリスト 平井宏治
■役立たずの学術会議
★掛谷
福島原発の処理水放出がついに開始されました。
案の定、難癖を付けているのが中国です。
処理水を
「汚染水」
呼ばわりして、日本の水産物禁輸に踏み切った。
★平井
中国は流言飛語
(根拠のない情報や噂話を指す言葉。 一般的には、具体的な問題を中心にして広まる特殊な情報であり、内容の断片や矛盾があり、首尾一貫した報道として認められないもの 。 流言飛語は口伝えで伝えられ、非制度的かつ連鎖的なコミュニケーションの結果として生じるため、次第に歪曲の度合いを増す場合が多い)
の国です。
むしろ、脱中国のチャンスです。
中国が非科学的な風説を流布すればするほど、世界は中国から離れていく。
★掛谷
外務省をはじめとする政府は、処理水の安全性について積極的に発信している。
気になったのが、日本学術会議。
何故ダンマリを決め込んでいるのか。
本来であれば、科学的知見に基づいて風評を跳ね除ける役割を担っているはずなのに。
★平井
学術会議法には、
「科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献する」
と記されている。
全く機能していない。
★掛谷
無知を晒したのは、社会学者の宮台真司氏。
宮台氏は処理水放出をこう批判していた。
「水素置換が双方向だから濃縮はないとするモデルの前提は、置換の定常性constance」
「年輪に特異的な濃縮や臓器に特異的な濃縮のデータから推測出来るのは、置換過程の否定常性だ」
「HとTの交換置換が途中停止ないし減速、50%確率でHならぬTが固定・半固定される可能性だ」
★平井
ハハハ(笑)。
何を言っているのか、自分でも理解していないみたいですね。
★掛谷
「アラン・ソーカル事件」
(1995年にニューヨーク大学物理学教授のアラン・ソーカルが、現代思想系の学術誌に、ジャック・デリダやドゥルーズ=ガタリのようなポストモダン思想家の文体を真似、科学用語と数式を無意味に散りばめた「デタラメ(疑似)論文」を投稿し、それが高い評価を得て掲載されたことを暴露した事件で、人文科学界隈では大きなスキャンダルになった)
を思い出します。
1990年代、物理学者のアラン・ソーカルが現代思想の学術誌に論文を寄稿しました。
ソーカルは敢えてポストモダン系の左翼を真似して、それっぽい数式と専門用語を論文に散りばめた。
これといった内容があるわけでもない。
ところが、その論文は査読が通り、雑誌に掲載されてしまった。
左翼学者が難解な言葉を使うのは、自らを知的に装うため、それが暴露されてしまったわけです(笑)。
■日本に厳しく、中国に甘く
★平井
1980年代、日本でも
「ニューアカデミミズム」(1980年代の初頭に日本で起こった、人文科学、社会科学の領域における流行、潮流)
なるものが流行しました。
浅田彰氏や中沢新一氏をはじめとする左翼学者、それに影響された学生たちがキャンパスに溢れ返った。
彼らが上から目線で垂れる講釈など役立ったことはない(笑)。
★掛谷
当時は左翼がカッコイイという風潮があった。
湾岸戦争が起こった時、柄谷行人氏や島田雅彦氏らが反対声明に署名していました。
彼らの行動は当時、一部の層からはそれなりの支持を得た。
でも、もう流行りませんね。
★平井
インターネットと情報端末の普及で、国民を騙すことが出来なくなりました。
国民は、左翼がいくら平和を叫んだところで、平和が訪れないことを知っています。
でも、そんなことすら理解出来ない時代錯誤の組織がある。
軍事研究を頑なに拒絶する学術会議です。
学術会議のせいで、大学における研究が制限されています。
★掛谷
日本の学術界では、軍事研究がタブー視されている。
その一方で、中国の軍拡を批判することはない。
二重基準が目に余りますね。
★平井
中国では軍事拡張と経済成長が密接不可分の関係となっています。
西側諸国から移転したり窃取したりした軍事技術を研究・開発して、それを民生技術に転化=商品化することで経済成長を図る。
経済成長によってもたらされた利益を、再び軍事費に充てる。
これが、中国の”軍民融合政策”の実態です。
人民解放軍による武器の近代化において、重要な役割を担っているのが
「国防7校」。
国務院に属する工業・情報科学部の国防科学工業局が直接管理する大学群です。
国防7校と大学間交流協定を結んでいる日本の大学は、45校もある。
また、旧兵器産業省系の7つの大学(北京理工大学、南京理工大学、中北大学、長春理工大学、瀋陽理工大学、西安工業大学、重慶理工大学)があり、
「兵工7校」
と呼ばれています。
兵工7校と大学間交流協定を結んでいる日本の大学は、27校もある。
★掛谷
国防7校と提携しているのは名門大学が多い。
★平井
4校と協定を結ぶ東京工業大学を筆頭に、東北大学(3校)、九州大学(3校)、東京大学(2校)、京都大学(2校)、名古屋大学(2校)などが続きます。
東北大学と北海道大学、大阪大学は兵工7校とも協定を結んでいる。
★掛谷
西側諸国は中国の大学を警戒しています。
特に国防7校への目は厳しくなっている。
★平井
トランプ政権時代、アメリカでは中国の学生・研究者のビザが制限され、1000人以上が国外退去させられた。
バイデン政権もその方針を継承しています。
イギリスも2022年、1000人以上の中国人を入国拒否しました。
米英に入れてもらえない中国人研究者が、大挙して日本に押し寄せてくるでしょう。
日本の大学は国防7校や兵工7校からの留学生に対してもフリーパスなので、それを懸念しているんです。
★掛谷
私が所属する筑波大学でも、中国からの応募が増えているという話は聞きますね。
■自衛官だから入学拒否
★平井
日本の大学はかつて、
「自衛官だから」
という理由で入学を拒絶していた”黒歴史”があります。
入試で合格点を得たにもかかわらず、です。
私が確認しただけでも、1960年代から1970年代にかけて、京都大学や名古屋大学、九州大学などがそのような基本的人権の侵害に手を染めていました。
人権侵害をしておきながら、総括や反省が全くありません。
★掛谷
筑波大学には、自衛官の大学院学生がたくさんいます。
防衛大学校から転籍してきた教員も多い。
もちろん、国防7校とは提携していません。
★平井
素晴らしい。
筑波大学は何故マトモなんでしょうか。
★掛谷
新しい大学だから、左翼に牛耳られていないんです。
リベラルな教授もいますが、他の国立大学に比べると数が少ない。
★平井
筑波大学は、防衛装備庁が募集する支援プログラムにも参加している。
★掛谷
「軍学共同反対連絡会」
なる団体が、筑波大学に抗議しに来ました。
共同代表の1人が、名古屋大学の池内了名誉教授。
もう1人が岡山大学の野田隆三名誉教授。
野田氏は
「大学としての社会的責任を放棄して軍事研究に手を染めている」
などと批判していた。
でも、筑波大学は彼らを追い返しまたよ(笑)。
★平井
いつもの顔ぶれですね。
天文学、宇宙物理学者の池内氏は、全国学者・研究者日本共産党後援会が主催した
「大学人と日本共産党のつどい」
に参加。
スピーチまでしています。
野田隆三氏やノーベル物理学賞の益川敏英氏も『しんぶん赤旗』に登場していた。
日本学術会議会長の梶田隆章氏もノーベル物理学賞を受賞していますね。
★掛谷
基礎物理を専門とする学者は左翼が多い。
正確に言うと、左翼的な発言をしておくと都合が良い。
というのは、軍事研究の予算が抑えられれば、その分
「カミオカンデ」
のような巨大な実験施設を造り易くなるからです。
それで成果を上げてノーベル賞が獲れる。
★平井
文系学者たちは思想、イデオロギーに基づいて軍事研究に反対している。
物理系の学者はそれを利用して、自分たちの研究にカネを引っ張ってこようとしているわけですね。
■プロレタリアート製造工場
★平井
生物学系の学者はどうですか。
★掛谷
残念ながら、共産主義にシンパシーを寄せる人たちが多い。
バイオ系の研究室は寝ても覚めても実験、実験、実験です。
絶対的な権力を握る教授の下、研究者たちは寝る間も惜しんで実験をしている。
土日も関係ありません。
”プロレタリアート(資本主義社会における賃金労働者階級)製造工場”なんです(笑)。
唯物論も科学者と共産主義を結び付ける。
共産主義国家の独裁者は何百万人、何千万人単位の虐殺を繰り返してきました。
自分以外の人間を
「物」
だと思っているからこそ、躊躇なく大量殺人に手を染めてしまう。
理系の研究者、特に生物学者や生命科学者にも似た所がある。
私の知人は
「生命科学者は生物を細胞の塊だとしか思っていない」
と言い放ったことがあります。
だから、残虐な動物実験も躊躇わない。
★平井
道徳や倫理が完全に欠落したマッドサイエンティストですね。
常識を欠いている。
★掛谷
彼らには一般教養が欠けています。
日本の教育システムでは、数カ月前まで高校生だった若者が、いきなり専門的な知識を詰め込まれる。
そんなことをしていては、社会常識を欠いた研究者が生まれてしまう。
学部でも専門的な勉強をする日本とは異なり、アメリカでは大学院から専門的な授業が始まります。
学部時代に身に付けるのは一般教養、いわゆるリベラルアーツ(「実用的な目的から離れた純粋な教養」や「一般教養」)。
日本は部分的にでもアメリカを真似してもいいんじゃないか。
★平井
多くの国民は、政治家のことを”私利私欲にまみれた人たち”だと思っている。
それに比べて、科学者には”世界の真理を追い求める人格者”というイメージがある。
でも、実際はそうではないんですね。
★掛谷
よく考えて頂きたいのは、政治家も官僚も科学者も、皆、偏差値が高い進学校に通い、揃いも揃って有名大学を卒業しているということ。
同じような教育を受けて育っているのに、何故科学者だけがマトモな人格を持ち得るのか。
■生物兵器に手を染める
★平井
掛谷さんはウイルス学者の河岡義裕氏を糾弾していますね。
★掛谷
河岡氏は2012年、世界に先駆けて鳥インフルエンザウイルスの
「機能獲得研究」
を行いました。
( 19日 5月 2021
【分子生物学】機能獲得研究(Gain of function research)
機能獲得研究/Gain of function research
変異を起こすよう進化的圧力を加える研究)
https://www.subculture.at/gain-of-function-research/
病原体のヒトへの感染性や毒性を増強する機能獲得研究は、ヒトへの感染リスクも懸念される危険な研究です。
河岡氏は東京大学医科学研究室とウィンスコンシン大学マディソン校の両方に属していますが、危険な機能獲得研究は後者で行っている。
2013年、河岡氏の下で働く研究者が、実験の際に誤って人工ウイルスの入った注射の針を自分に刺すという事故を起こしました。
研究者が感染する可能性がある事故事象が発生した場合、その研究者は一定期間、誰とも接触しないように施設で検疫隔離する必要がある。
ところが、河岡氏はその対応を取らずに自宅待機させただけでした。
米国立衛生研究所(NIH)から研究費を獲った際、河岡氏は検疫隔離施設を準備することを約束していた。
ところが、実際にはその施設を用意していなかった。
研究者としての資格が問われるべき不祥事です。
★平井
驚くべきは、河岡氏が学術会議の会員であること。
機能獲得研究は、生物兵器と密接不可分です。
にもかかわらず、学術会議からは何のお咎めもナシ。
学術会議の軍事研究反対という方針が、ご都合主義であることは明らかです。
★掛谷
国民が研究者を監視する仕組みを作らなければならない。
■数少ない功績
★平井
文系学者もダメ。
絶望的ですね。
★掛谷
一縷の望みがあるとすれば、土木系の学者でしょうか。
学術会議にも数少ない功績がある。
それが八ッ場ダム(群馬県)についての報告書です。
民主党は2009年、八ッ場ダムと川辺川ダム(熊本県)の建設を中止するとのマニュフェストを掲げて政権交代を果たしました。
結果的に前者は建設され、後者は建設中止となった。
八ッ場ダムに反対する人たちは、ダム建設の根拠となる国土交通省の流量計算に誤りがあると指摘した。
ところが、学術会議の分科会はその計算が正しいとする報告書を出したんです。
これが決定打となり、八ッ場ダム建設は再開された。
★平井
八ッ場ダムは4年前の2019年、台風による洪水被害を防ぎ、関東圏における多くの人たちの命を救った。
八ッ場ダムがなければ、東京の東部は水没したかもしれない。
川辺川ダムが建設されなかった熊本では、大水害が起きていしまいました。
★掛谷
民主党としては、学術会議が八ッ場ダム建設中止のお墨付きを与えてくれると思っていたでしょうね。
でも、左翼思想に染まっていない土木工学の学者たちは期待を見事に裏切ってくれた。
工学系の学術会議会員には、軍事研究を批判する文系学者を苦々しく思っている人たちもいます。
ある研究者は、
「文系の連中に好き放題されている」
と憤っていました。
★平井
そもそも、技術を理解できないド文系学者が軍事研究のことをとやかく言うのは身の程知らず、工学系学者の発言力を高めるために、何ができるんでしょうか。
もちろん、学術会議そのものを解体、あるいは民営化するのがベストですが。
★掛谷
学術会議を”分割”すればいいなじゃないか。
学術会議には3つの部会に分かれています。
第1部が人文・社会科学。
第2部が生命科学。
第3部が理学・工学。
それぞれが独立して活動すれば、文系の左翼学者が何を言ってこようと、工学系の学者は無視できます。
■文明を否定するのか
★平井
技術進歩により、軍事技術と民生技術の境目は曖昧になりました。
両者を明確に分けることはできません。
例えばインターネットも、地理的に離れた軍事拠点の情報を共有するために開発されました。
カーナビに使われるGPSも、戦艦や戦闘機などの位置情報が必要だったために開発されたものです。
冷戦時代、アメリカとソ連は熾烈な宇宙開発競争を演じていました。
人類を月まで飛ばすロケットは、大陸間弾道ミサイルと並行して開発されています。
民生用途のロケット技術の大部分は、軍事用途のミサイル技術と重なる。
数えればキリがありませんが、要は技術も使い方次第。
軍事とは無関係の純粋な民生技術など、ほぼ存在しません。
軍民融合政策こそが、国の技術力全体を進歩させます。
この事実を否定すれば、人類が長い時間をかけて手に入れた便利で豊かな生活、つまり文明そのものを否定することになってしまう。
★掛谷
軍事研究の重要性を思い知らされたのが、福島原発事故です。
当時は、日本がロボット先進国だと信じている人が少なくなかった。
ところが、事故現場の内部を調べるのに、日本のロボットは全く役に立たなかった。
現場に投入されたのは、米国アイロボット社の
「バックボット」
でした。
★平井
掃除ロボット
「ルンバ」
のメーカーですね。
「バックボット」
はニューヨークの同時多発テロに際しても、世界貿易センタービルの捜索を行いました。
そもそも、掃除ロボットは地雷探知技術が基になっている。
過酷な戦場を想定して作られたロボットだから、原発事故の現場でも活躍できます。
★掛谷
日本のロボット研究者が”おもちゃのロボット”で遊んでいた時、アメリカの研究者は軍事目的でロボットを作っていた。
技術レベルに差が出るのは当然です。
■国家が企業を守らない
★掛谷
自動運転技術でもライバルに差を付けられています。
日本ではトヨタや日産などの民間企業が研究を進めていますが、アメリカは元々軍事用に自動運転技術を開発している。
国を挙げての一大プロジェクトなので、投入される資金も桁違いです。
そこに一流大学も協力している。
★平井
トヨタと言えど、中国のような国家資本主義には太刀打ちできません。
軍民融合政策の下、国家の支援を受ける企業を相手に、日本企業は国の支援なしで自力で戦わなければならない。
日本企業は技術競争のみならず、価格競争でも厳しい戦いを強いられています。
国家資本主義の下、中国は自国企業に産業補助金を注ぎ込み、ダンピング輸出している。
世界貿易機関(WTO)協定に違反しています。
1例を挙げると、ファーウェイへの産業補助金は8兆2400億円と報道されている。
産業補助金漬けの中国製品が世界市場を席巻するのも無理はありません。
対して、日本政府は自国企業を守る気がない。
中国企業と丸腰で戦わせています。
良質な製品を作っても、それだけで売れる時代ではない。
★掛谷
トランプ政権はアンチダンピング関税を掛け、中国に対抗していました。
アンチダンピング関税、本来であれば増税好きの財務省が喜びそうなものです(笑)。
でも、財務省から積極的な声は聞こえてこない。
高橋洋一さんによると、中国に”やられている”財務官僚も多いとか。
中国は日本の動きを見越して、事前に手を打っているのかしれない。
★平井
軍事研究に話を戻しましょう。
アメリカ国防総省の
「国防高等計画局(DARPA)」
という組織がある。
インターネットやGPSの”生みの親”としても有名です。
莫大な予算を与えられたDARPAは、大学や民間企業の研究に先行投資をします。
最大の特徴は、ハイリスク・ハイリターンの研究を積極的に支援すること。
99の研究が失敗に終わっても、1つの画期的研究が生まれればいいという考え方です。
「日本版DARPA」
を作って研究できる環境を用意しなければならない。
★掛谷
文科省というのは、前川喜平氏が事務次官になるような極左集団です。
日本の大学、特に国立大学は文科省に頭が上がらない。
そこで、文科省から独立した大学校を作ればいい。
防衛省が管轄する防衛大学校のように、経産省の下に工学系の大学校を設置するんです。
農水省の下に生命科学系の大学校を作るのもアリ。
そうすれば、文科省の顔色を窺うことなく、自由に研究できるようになります。
■まずは宮台真司と話せ
★掛谷
米中をはじめとして、各国はそれぞれの思惑で動いている。
ところが、日本だけがそれに気付いていません。
平井さんと話していて思ったのが、日本の弱点は”性善説”だということです。
★平井
身近な所では、ビジネスの現場が挙げられますね。
日本人同士の商談と、外国人との交渉では頭を切り替えることが求められる。
日本では
「騙す方が悪い」
ですが、
外国では
「騙される方が悪い」
のです。
日本人同士の商談のように、相手の言葉を信じてしまうと痛い目を見る。
★掛谷
中国が処理水放出を巡って難癖を付けた時、経済同友会の新浪剛史代表幹事は
「対話が必要」
と発言した。
政治家や経営者にありがちな甘い考えです。
★平井
中国による水産物禁輸は、明らかな”エコノミック・ステートクラフト”です。
政治的な目的を達成するために、経済的な手段を用いて圧力を掛ける。
武器を使わない戦争(超限戦)では、経済力は強力な武器になります。
中国は当然、処理水が安全だと知っている。
その上で、政治的な意図を持って圧力を掛けているのです。
西側諸国は現在、半導体の対中輸出規制を強化している。
日本に圧力を掛けて、それらを緩めさせようとしているのかもしれない。
★掛谷
新浪氏はまず、宮台真司氏と話してみてはどうか。
”話し合い”が如何に難しいかが身に染みて分かるはずです(笑)。
■カネになびいたCIA
★平井
中国は法治国家ではないので、西側諸国の常識が通用しません。
その最たるものが、当局による邦人の拘束。
改正反スパイ法が施行された以上、中国在住の日本人が拘束されるケースは増えるでしょう。
中国と関係の深い研究者は不当拘束されるリスクが高い、
★掛谷
アステラス製薬の社員は何故、拘束されたのか。
★平井
アステラス製薬は、臓器移植の際に拒絶反応を抑制する薬を製造していました。
不当拘束された社員は、ウイグル人などを対象にした”臓器狩り”の実態を、中国国内における薬の動きを通じて知ってしまったんだと思います。
帰国後、アステラス製薬社員がその内容を暴露したら都合が悪いから、発言させないために拘束されたのかもしれません。
★掛谷
中国は”情報のブラックホール”です。
他国の情報は全て吸い込み、徹底的に分析する。
ところが、自分たちの情報は表に出しません。
新型コロナウイルスの起源を巡る問題についても、武漢ウイルス研究所には海外の人間を立ち入らせない。
ウイルスのデータベースも、2019年から非公開になっていました。
★平井
中国では、法律の上に共産党があります。
その頂点に立つ習近平の胸三寸で全てが決まる。
例えば恒大集団問題は、西側社会の常識に照らし合わせれば経営破綻処理をします。
しかし、中国共産党が中国独自のルールで延命処置を施しているから、存続できている。
生かすも殺すも習近平次第なんです。
★掛谷
コロナ禍の初期、恒大集団からハーバード大学医学部に多額の寄付がありました。
それ以降、米国のウイルス学者たちは新型コロナウイルスの研究所起源の可能性を言わなくなった。
カネで買収されたものと思われます。
破綻寸前にもかかわらず、何故バラ撒くカネがあるのか。
どこからカネが出ていたかは想像がつきます(笑)。
★平井
天下のハーバード大学も、札束で頬を叩かれたらダンマリ・・・。
世の中、所詮はカネなんですね。
★掛谷
つい最近も、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
新型コロナウイルスの起源を調査していたCIA分析官7人のうち6人が、武漢ウイルス研究所起源であると考えていたのに、カネを受け取って天然起源に見解を変えたという内部告発があったんです。
アメリカ議会の特別小委員会は、CIAに関連文書の提出を要求している。
今後、カネが絡んだ闇がどんどん暴かれるでしょう。
■やられたらやり返す!
★掛谷
アメリカでは『ウォールストリートジャーナル』、イギリスでは『タイムズ』。
欧米では大手紙が、新型コロナウイルスの起源が武漢ウイルス研究所であると報じています。
その影響もあり、対中感情が著しく悪化している。
特にアメリカ国民は、中国への”復讐”に燃えている。
トランプ前大統領は中国に損害賠償を求めていましたが、同じように考える国民も少なくない。
★平井
2023年7月のビュー・リサーチセンターの世論調査によると、8割以上のアメリカ国民が中国について
「好ましくない」
と答えている。
同じく、8割のアメリカ国民が
「中国は世界の平和と安定に貢献していない」
と回答しました。
★掛谷
コロナ禍や人権問題の他に、フェンタニルの影響もありそうですね。
アメリカ国内では、中国産のフェンタニルという麻薬が蔓延している。
多くの若者が麻薬中毒になり、死者も出ています。
その背景に、アヘン戦争という歴史的な復讐として、フェンタニルを送り込んでいるんです。
★平井
日本人には理解できない感覚ですね。
★掛谷
大陸の国々は、絶えず戦争の歴史を歩んで来た。
殺るか殺られるかの世界です。
日本は島国なので、最大の脅威は自然。
地震や台風に襲われても、復讐しようがない。
風土が国民性の違いを生んだのかもしれませんが・・・。
★平井
優しさだけでは生きていけないのが現実です。
我々は、日本人の美徳が国際社会では命取りになることを自覚する必要があります。
★掛谷
「臥薪嘗胆」
という言葉はまさに、復讐を誓って辛苦すること。
アメリカも戦時中、
「リメンバー・パールハーバー」
が合言になった。
世界を動かすのは復讐心に他ならない。
恨みっこなしで”水に流す”日本だけが特殊なんです。
日本人が学ぶべきは「半沢直樹」の精神。
やられたらやり返す。
倍返しだ!

主張
玉城氏の訪中 尖閣無視で沖縄の知事か
2023/7/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20230709-DKWTB2LISVOXBI2A5CW65VJPBA/
自国領土の保全について一歩も引かぬ姿勢を示し続けるのが公人の義務である、と改めて強調したい。
日本国際貿易促進協会(河野洋平会長)の訪中団に参加した沖縄県の玉城デニー知事が帰国した。
だが、中国滞在中、玉城氏は沖縄の島である尖閣諸島(石垣市)の問題を取り上げなかった。
極めて残念である。
それで沖縄の知事と言えるのか。
本紙は先に
「主張」
で玉城氏に対し、訪中時は中国政府要人らに尖閣が日本の領土であると説き、領海侵入などの挑発行為をやめるよう抗議すべきだと訴えた。
中国海警局船による領海侵入に大多数の県民が危機感を抱いていることは世論調査から明らかだ。
こうした県民の声を直接伝える機会をなぜ生かさなかったのか。
尖閣を巡り、日本の、沖縄の立場を伝えなかった責任は重い。
玉城氏は2023年7月5日、河野氏らと共に中国共産党序列2位の李強首相と会談した。
関係者によれば、玉城氏は事前に用意した紙を読み上げる形で、新型コロナウイルス禍で停止した沖縄と中国間の空路の直行便回復などを求めた。
李氏は関係当局に検討を指示する考えを示した。
会談後、玉城氏は尖閣に触れなかった点について
「特に話は出なかったので、私からも敢えて言及しなかった」
などと述べたが、まるで他人事である。
尖閣を行政区域とする自治体のトップが直接抗議することは大きな意味を持つ。
李氏は習近平国家主席の腹心だ。
抗議していれば、尖閣周辺での挑発行為を一切許さないという沖縄の強い意思が最高指導者の習氏に伝わったはずだ。
取り上げなかったことで、中国の海警局船による領海侵入に玉城氏や沖縄県は甘い、と見なされかねない状況を作ってしまったと言える。
中国側は玉城氏を含む訪中団を厚遇し、友好ムードを演出した。
沖縄の米軍基地問題で、県は日本政府と対立し続けているだけに、台湾有事への対応などで、日本の世論を分断したい思惑があるのではないか。
玉城氏は沖縄を含む日本の平和と、日本固有の領土である尖閣を守るため、中国政府に対し、不当な行為をやめよと声をあげなければならない。

産経抄
2023/7/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20230706-ATGGBKJR3BK5ZDXW6R65NV66KY/
日本最西端の沖縄県・与那国島は、東京都世田谷区の半分ほどの面積に約1700人が暮らす。
台湾との距離は最短111kmしかなく、晴れていれば島影が見える日もある。
もっとも観光客が行き来するには、約500km離れた沖縄本島の那覇を経由するしかない
▼「日台関係を促進し、台湾と与那国島を船で結ぶ観光ルートを作る」。
2023年7月4日に高速船で訪れた台湾の游錫堃(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長に相当)は、双方住民の悲願の実現に意欲を示した。
島では自民党の有志議員らが歓迎し、游氏の船に同乗して台湾に向かった
▼一方で与那国島では、台湾有事への危機感が高まっている。
2016年には陸上自衛隊の駐屯地が開設された。
ただ万一の際の島民の退避計画など万全とは言えない。
中国軍は2022年8月、米国下院議長の訪台への対抗措置として台湾周辺にミサイルを撃ち込み、島から約80kmの地点にも着弾した
▼東京電力福島第1原発の処理水放出に国際原子力機関(IAEA)がお墨付きを与える報告書を出すと、中国政府はやはり対抗措置に言及した。
自国(中国)の原発が遥かに放射性物質の濃度の高い排水を流している事実にはもちろん触れない。
中国在住の日本人が詳細不明のスパイ容疑で相次いで拘束されているという異常な事態も続いている
▼そんな折も折、沖縄県の玉城デニー知事が中国を訪問中だ。
抗議の声の1つも上げるのかと思いきや、全くその気はないようだ。
尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海侵入を繰り返している問題について中国政府要人との会談で取り上げる考えはないと、出発前に語っていた
▼中国国内では、尖閣諸島どころか沖縄全体が中華圏の一部との声さえ上がっている。
一体何のための訪中か。

沖縄知事が中国福建省訪問 幹部と会談、交流後押し
2023/7/6 18:44
https://www.sankei.com/article/20230706-W5GH75AA3BPCFBZLIIZFXKRKMA/
沖縄県の玉城デニー知事は2023年7月6日、中国福建省福州市を訪問した。
同省幹部と会談する見通し。沖縄県と福建省は2022年、友好関係を結んでから25年を迎えたが、新型コロナウイルス流行の影響で交流事業を実施できなかったため、知事訪問をきっかけに交流の本格再開を後押しする。
同行筋が明らかにした。
玉城氏は福州市で、明朝時代から清朝時代にかけて福州で亡くなった琉球人の船員や留学生らを埋葬した琉球墓園や、中国へ貢ぎ物を献上するため派遣された琉球人らが拠点としていた琉球館を視察した。(共同)

沖縄県知事の厚遇に強まる警戒 台湾問題で牽制の狙い
2023/7/5 22:57
https://www.sankei.com/article/20230705-DQIV2KKQLBIFXEAZXF4NCBZ53A/
中国を訪問中の玉城デニー沖縄県知事が2023年7月5日、中国共産党で序列2位の李強首相と会談したことについて、中国問題の専門家は
「沖縄に対する中国政府の関心の高さが窺える」
と話す。
沖縄を厚遇することで日本政府を揺さぶる狙いも見て取れるといい、会談内容について更なる検証が必要と言えそうだ。
玉城氏が日本国際貿易促進協会の訪中団に参加するのは2回目。
平成31(2019)年の前回訪中時には胡春華副首相(当時)が会談した。
今回、上位の李首相が対応したことについて、キヤノングローバル戦略研究所主任研究員の峯村健司氏は
「李氏は習近平国家主席の懐刀と言える人物」
「台湾有事への懸念などで4年前より日中関係が悪化している現状を考えれば相当な厚遇と言える」
と分析する。
なぜ厚遇したのか。
峯村氏によれば、沖縄を特別扱いすることで、日本が台湾問題に関わるのを牽制する狙いも窺えるという。
中国はこれまで、台湾有事をめぐる日米などの懸念を
「内政干渉」
として批判してきた。
米軍基地問題などの課題がある沖縄への影響力を強めて揺さぶれば、日本政府は台湾問題に口出ししにくくなる上、有事の際にも基地を使いづらくすることができるという計算だ。
「中国側が今後、会談でのやり取りを自らに都合よく解釈し、沖縄と日本政府との分断工作に利用する恐れもある」
と峯村氏は懸念する。
玉城氏は李氏に対し、新型コロナウイルス禍で停止した沖縄と中国間の空路の直行便の回復を求め、李氏も関係当局に検討を指示する考えを示した。
玉城氏の「友好」姿勢と中国側の「厚遇」姿勢が、浮き彫りになった格好だ。
その一方、最大の懸案でもある尖閣諸島(沖縄県石垣市)には双方とも一切触れようとしなかった。
石垣市区選出の大浜一郎県議(自民)は
「知事は尖閣について取り上げるべきだった」
「会談でどんなやり取りがあったのか、県議会で質し、詳しく検証する必要がある」
と話した。

沖縄県知事、尖閣に触れず 訪中団が李氏と会談
2023/7/5 22:06
https://www.sankei.com/article/20230705-HMDW4JKVGZLR5BJEWMPLBZALOY/
中国訪問中の日本国際貿易促進協会(国貿促、会長・河野洋平元衆院議長)の代表団は2023年7月5日、北京の人民大会堂で李強首相と会談した。
李氏は代表団訪中を
「高度に重視している」
と評価し、日中関係の強化を呼び掛けた。
日本の財界人らで構成する同代表団の訪中は2019年以来で、沖縄県の玉城デニー知事も参加した。
李氏は中国共産党序列2位で、習近平国家主席の長年の腹心。
習政権として日本の経済界や沖縄県を重視する姿勢を見せた形だ。
同行筋によると、玉城氏は会談で
「日本と中国の友好強化、アジアの繁栄と安定に貢献したい」
と発言。
双方とも中国が挑発行為を続ける尖閣諸島(沖縄県石垣市)に言及しなかった。
李氏は、日本政府が2023年7月23日に施行する先端半導体分野の輸出規制について、
「世界経済を妨害するものだ」
と懸念を表明。
日本側に対し
「今の世界情勢は安定したものではない」
「中日両国で一致団結し、共に困難を乗り越えるべきだ」
と訴えた。
米中対立の深刻化を念頭に、日本に中国への歩み寄りを求めたとみられる。
中国では反スパイ法容疑による邦人拘束が相次ぎ、日本の経済界でも懸念が増している。
河野氏は会談でこれらを念頭に
「(日本企業の)投資意欲を低下させないでほしい」
と中国側に対応を求めた。
玉城氏は会談後、尖閣について
「話に出なかったので、私から敢えて言及することもなかった」
と記者団に説明。
「県としては政府の立場を踏襲する」
と語った。
国貿促は中国との友好促進や経済関係の強化を目的に活動する日中友好7団体の1つ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/114.html#c21

[政治・選挙・NHK292] <軍拡するなら生活に回せ!>自民党本部前で「戦争反対」と叫ぶ(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
24. 2023年10月09日 11:25:15 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[23]
<■150行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<独自>岸田首相 中国と領有権で対立のフィリピン、マレーシア歴訪へ
2023/10/7 18:28
https://www.sankei.com/article/20231007-OGGXYJ36R5MCHDWBYRNF47RRH4/
岸田文雄首相は2023年11月3〜5日の3連休に東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国のフィリピンとマレーシアを歴訪する方向で最終調整に入った。
2023年10月7日、複数の政府関係者が明らかにした。
南シナ海の領有権への野心を隠さない中国に対し、ASEANの一部加盟国に不信感が広がる中、フィリピン、マレーシア両国との結び付きを強固にしたい考えだ。
フィリピンとは安全保障分野での成果文書も取りまとめる方向だ。
日本の首相による両国の訪問は、いずれも安倍晋三元首相以来で、岸田首相の就任後は初となる。
日本政府はASEANとの友好協力50周年を記念して2023年12月16〜18日の日程で、日ASEAN特別首脳会議を東京都で開催する。
首相は、フィリピンのマルコス大統領やマレーシアのアンワル首相との会談で特別首脳会議への協力を求める。
2023年10月8日からベトナムなどASEAN4カ国を歴訪する上川陽子外相と共に特別首脳会議への準備を整える意向だ。
加えて、首相が念頭に置くのは、強引に南シナ海の実効支配を進める中国の抑止だ。
特に、フィリピン近海では中国海警局の船舶がフィリピン船の航行を妨害する事案が続発している。
また、中国が2023年8月に公表した
「2023年版標準地図」
では、南シナ海のほぼ全域の領有を主張した。
フィリピンが声明で
「中国の主権主張を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」
と反発した他、中国との経済的な結び付きが強い
マレーシアもボルネオ島(カリマンタン島)沖の自国の排他的経済水域(EEZ)と重なる水域を中国領にしていると非難した。
フィリピンと米国の海軍は2023年10月2日にフィリピン周辺海域で合同演習を行い、日本が海上自衛隊を派遣。
カナダ、英国の艦船も参加した。
首相としては、フィリピンとの安保分野での連携を加速する他、マレーシアの中国傾斜へも楔を打ちたい考えだ。
日本が2023年4月に創設し、フィリピンとマレーシアを2023年度の対象国としている防衛装備品を提供する無償資金協力の新制度
「政府安全保障能力強化支援(OSA)」
の進捗についても意見を交わすとみられる。

フォト
あわや衝突、中国海警局船が比巡視船妨害 1mまで接近
2023/10/7 16:06
https://www.sankei.com/article/20231007-NSFVH7TGCBLTVMRTUHSOR7VURU/
フィリピン沿岸警備隊は2023年10月6日、南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)のフィリピン軍拠点に2023年10月4日、補給物資を届ける任務を支援する際、中国の海警局と海上民兵の船9隻に妨害されたと発表した。
海警局の船がフィリピンの巡視船に対し僅か1メートルの至近距離まで接近するなど、8件の危険行為に直面したと非難した。
沿岸警備隊が公開した映像によると、中国海警局の船はフィリピン巡視船の進路の直前を横断。地元メディアによると、巡視船は衝突を避けるため、動力を逆回転させて急停止を強いられた。
沿岸警備隊は、中国海軍の軍艦1隻もフィリピンの巡視船から1km以内の距離に近づいた他、中国軍機が監視飛行を行ったと指摘した。
フィリピンの巡視船には、マルコス大統領が
「特別な懸念」
に対応するため中国担当特使に任命したロクシン前外相が乗り込んでおり、妨害状況を目撃した。(共同)

中国艦船が比巡視船妨害 1メートルの距離まで接近
2023/10/7 13:00
https://www.sankei.com/article/20231007-CENLHCID75M3TOFY6ZWLKTCRKE/
フィリピン沿岸警備隊は2023年10月6日、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島のアユンギン(同・仁愛)礁で、比巡視船の航行が、中国海警局の船に妨害されたと発表した。
中国船は巡視船から約1mという至近距離まで接近したといい、沿岸警備隊は国際法に違反する危険な行為だと非難した。
妨害行為があったのは2023年10月4日。
沿岸警備隊によると、補給船の警護に当たっていた比巡視船が、中国海警局の4隻の船と、中国の海上民兵が搭乗していたとみられる5隻の船に航行を遮られたという。
中国海警局の船は巡視船の正面を横切っており、巡視船は衝突を回避するため、動力を逆回転させて急停止した。
アユンギン礁は、フィリピンが1999年、領有権主張のために軍艦を意図的に座礁させて軍事拠点化した。
南シナ海のほぼ全域の領有権を主張する中国は軍艦の撤去を求めているが、比側は拒否。
中国は2023年8月にも同礁付近で比補給船に放水するなど、妨害行為を繰り返している。

中国艦船、比補給船に放水 比軍「重大な懸念」表明
2023/8/8 20:16
https://www.sankei.com/article/20230808-4Z5IP2JEQNNXVH7BC325Q2732U/
中国が実効支配を強化する南シナ海で、中国海警局の艦艇がフィリピン軍の補給船に放水する事案が発生し、両国による批判の応酬が続いている。
マルコス比政権は中国と経済面の連携は重く見つつ、領有権問題では譲歩しない姿勢を堅持。南シナ海を巡る中比の摩擦は激化しそうだ。
放水があったのは2023年8月5日。
比軍によると、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島のアユンギン(同・仁愛)礁付近で、比軍が物資補給などのためにチャーターした船に対して、中国海警局の艦船が放水砲を使い妨害したという。
比軍は声明で放水に
「重大な懸念」
を表明。
中国に
「人命を危険に晒す事故を防ぐための責任ある行動」
を要求した。
2023年8月7日には比政府が中国の黄渓連(こう・けいれん)駐比大使を呼んで抗議した。
アユンギン礁付近では2023年2月にも、中国海警局の艦船が比巡視船にレーザー照射する事案が発生している。
一方、中国海警局は2023年8月7日の談話で、放水銃を発射した海域は中国の海域だと主張。
「警告を発したが効果がなく、衝突を避けるために放水砲で警告した」
と反論している。
南シナ海で中国の圧力が継続する中、マルコス政権は親中的だったドゥテルテ前政権の方針を転換し、安全保障面で米国との連携強化を目指している。
放水を巡って米国務省のミラー報道官は2023年8月5日、
「放水は国際法に反し、地域の平和と安定を直接脅かすものだ」
と中国を批判した。

中国艦、放水砲で補給妨害 比軍が非難 南シナ海で
2023/8/6 20:33
https://www.sankei.com/article/20230806-FBCCM7TM4RIWPKNBKBFGVQBB64/
フィリピン軍は2023年8月6日、南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)で2023年8月5日、同軍拠点に兵員交代と物資補給のため近づいたチャーター船のうち1隻を中国海警局の艦船が放水砲を使って妨害したとし、強く非難するとの声明を発表した。
日米はフィリピンへの支持を表明した。
一方、中国は法に基づき排除したと主張した。
声明は、中国側が船の乗組員の安全を無視し、国際法に違反していると批判。
「人命を危険に晒す事故や誤算を防ぐため、責任ある行動」
を求めた。
日本の越川和彦駐フィリピン大使は
「合法的な海洋活動の侵害」
だとし
「全く容認できない」
と批判。
米国務省もフィリピンを支持し、航行の自由を守るよう中国に要求する声明を発表した。
南シナ海でフィリピンの公船が武力攻撃されれば、米比相互防衛条約の適用対象になるとも警告した。(共同)

比大統領、中国に懸念伝達 巡視船レーザー照射で
2023/2/15 21:29
https://www.sankei.com/article/20230215-Z5C6544G2FIMRDZD3B2WVMZDDQ/
フィリピンのマルコス大統領は2023年2月14日、中国の黄渓連・駐フィリピン大使を呼び出し、フィリピン沿岸警備隊の巡視船が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のアユンギン礁付近で中国海警局の艦船から軍事用レーザーの照射を受けたことについて
「深刻な懸念」
を伝えた。
大統領府などが発表した。
大統領が外交ルートではなく、自ら大使に懸念を伝達するのは極めて異例。
中国外務省の報道官は2023年2月15日の記者会見で、レーザー照射はフィリピン船との距離を測り、安全を確保する目的だったと主張。
「フィリピン側の乗組員に対し、レーザーを照射していない」
と述べた。
マルコス氏は、フィリピンの沿岸警備隊や漁船に対する中国側からの行動が頻度や激しさを増していると批判した。
2023年1月に訪中した際、習近平国家主席との首脳会談で南シナ海問題に
「友好的な協議を通じて対処する」
ことで合意していた。
黄氏とマルコス氏は、この合意をどのように実施し、対話を強化するか意見交換したという。(共同)

中国艦船がレーザー、異例の照射 比巡視船に
2023/2/13 21:34
https://www.sankei.com/article/20230213-HTOMVBAEUFJWXD6OQ3YUIVFAAU/
緑色のレーザーを照射する中国艦船=2023年2月6日、南シナ海のアユンギン礁付近(フィリピン沿岸警備隊提供・共同)
中国艦船が照射した緑色のレーザー=2023年2月6日、南シナ海のアユンギン礁付近(フィリピン沿岸警備隊提供・共同)
フィリピン沿岸警備隊は2023年2月13日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のアユンギン礁付近で、海軍への補給任務中だった巡視船が2023年2月6日、中国海警局の艦船からレーザー照射を受けたと明らかにした。
乗組員の目が一時的に見えなくなった他、危険な操船があったとして、警備隊は
「主権の明らかな侵害」
と非難している。
中国外務省の汪文斌副報道局長は2023年2月13日の記者会見で
「抑制的」
な行動により自国の主権を守ったと主張した。
警備隊によると、艦船は緑色のレーザーを2度照射。
巡視船の後方約140mに接近した。
レーザー照射は異例で、警備隊は
「中国の艦船が海上で攻撃的な行動を取っても、領土を守るため、プレゼンスを維持し主権を主張する」
と声明を出した。
アユンギン礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内。(共同)

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/114.html#c24

   前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > WUN2WklXQ0Fya0k= > 100003  g検索 WUN2WklXQ0Fya0k=

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。