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[原発・フッ素54] どうする?使用済み核燃料の保管場所 満杯になれば原発は動かせない…それなのに対策は後手に(東京新聞) 蒲田の富士山
13. 2023年8月18日 20:37:30 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-113]
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中間貯蔵の調査容認 対立構図続く町、なお波乱含み
2023/8/18 19:47
https://www.sankei.com/article/20230818-EVT6HCW5TVKUHGBSEDBXQYJLPA/
中国電力と関西電力が山口県上関(かみのせき)町で共同開発を目指す原子力発電所の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、西哲夫町長が2023年8月18日、調査を容認する意向を表明した。
中国電は同日、文献調査を開始。
現地調査の準備も進める。
ただ、同町は原発誘致を反対派が阻止してきた経緯があり、中間貯蔵施設の調査が順調に進むか波乱含みだ。
西町長は、中国電側に
「戸別訪問や住民説明会などにより丁寧に情報提供すること」
「町民から要望があれば先進地の視察研修を検討すること」
などの条件を付けた。
現地調査は町最大の島、長島にある中国電の所有地で地質調査やボーリング調査などを約半年かけ行う。
調査開始までには
「町に森林伐採の手続きを取るなど準備に1カ月はかかる」(同社)。
順調なら調査は計算上、今年度内に終わる。
人口約2300人の同町は漁業と農業が中心で少子高齢化が進む。
町財政が厳しい中、調査が始まれば県と町に年間1.4億円、知事の同意後は9.8億円が2年に渡り国から交付される。
調査予定地近くで民宿を営む女性(75)は
「中間貯蔵ができて(工事や維持管理の)宿泊客が増えれば、少しは営業が楽になる」
と話した。
町は昭和63年9月、中国電に原発の誘致を申し入れた。
ところが建設の賛否を巡り町が二分。
東京電力福島第1原発事故の直後に中国電は準備工事を中断した。
令和4年10月の町長選では原発建設の是非を争点に一騎打ちになり、推進派の西氏が約70%の得票率で初当選。
しかし、
「原発の建設予定地が見える位置にある祝島(いわいしま)の住民は9割が反対」
とも言われる。
中間貯蔵施設にも対立構図は引き継がれ、調査が無事に進むか不透明だ。

「生活守る」「悔しい」 山口・上関、原発政策で揺れる町
2023/8/18 19:25
https://www.sankei.com/article/20230818-ZEIETO7N4NLVVIMQIXC3CRYTOI/
使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、建設に向けた調査容認を表明した山口県上関町。
40年以上前に原発の誘致を表明したものの、計画は停滞している。
国策に翻弄され続け、今は人口減少に喘ぐ町。
現状に危機感を募らせる西哲夫町長は2023年8月18日、記者会見で
「町民の生活を守っていかないといけない」
と述べ、苦渋の決断だったと強調した。
反対派は手法が強引だと批判を重ねた。
昭和57年に約6900人だった人口は、2023年7月末時点で2310人まで減少。
原発関連の交付金も、東京電力福島第1原発事故後の工事中断で減額され、町の財政は逼迫する。
西氏は臨時議会後の会見で
「現実を直視する必要がある」
「感情論でこの町は耐えられない」
と訴えた。
反対派の清水康博町議は臨時議会で異論を唱えたが、容認の流れは変わらなかった。
庁舎外で待ち受けた住民に
「言葉が届かず本当に悔しい」
と語った。

町長囲まれ30分役場に入れず 反対派住民から怒号 中間貯蔵調査 山口・上関
2023/8/18 12:10
https://www.sankei.com/article/20230818-JCYMYNYPWZL3DLYPEFAMK5OEAU/
使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設に向けた調査を受け入れるか―。
山口県上関町議会は2023年8月18日、各町議が意見を陳述する臨時議会を開いた。
町長が役場に到着すると、反対派の住民らが約30分間車を囲み、怒号が飛ぶなど騒然となった。
西哲夫町長は午前8時半頃、車で役場に到着。
反対派の住民らが
「核のごみを持ち込まないでください」
と書かれたプラカードを抱え、車を囲んだ。
地面に倒れる住民や警察に排除される住民もいた。
西町長は午前9時から始まった臨時議会の冒頭で調査を受け入れる考えを示した。
1階の中継モニターから臨時議会の様子を見守った住民らは反対派の3人の町議が意見を述べると拍手で応えた。
一方、賛成派議員は、中国電から町議への説明会が反対派住民の阻止によって中止となったことに
「賛成、反対は個人の自由だが、他者の権利を阻害することがあってはならない」
と述べた。

上関町長、「中間貯蔵施設」建設調査を容認 中国電に方針伝達
2023/8/18 10:28
https://www.sankei.com/article/20230818-6K6IKYIJKRIQVGBYZ5XEMLW6XA/
中国電力と関西電力が共同開発を目指す原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐり、山口県上関町議会は2023年8月18日、臨時議会を開き、西哲夫町長が建設に向けた調査を容認する意向を表明した。
「町は急速に疲弊が進み、就任以来強い危機感を抱いている」
と述べた。
終了後、中国電に容認方針を伝えた。
中間貯蔵施設は使用済み核燃料を再処理するまでの間、一時保管する施設。
上関町にできれば青森県むつ市に続いて2例目となる。
西町長は
「建設と調査は別」
との見解も示した。
採決はされなかったが、町議10人のうち明確に反対意見を述べたのは3人だった。
終了後に記者会見し、中間貯蔵施設について
「最終処分場になるとの考えは持っていない」
と述べた。
東京電力福島第1原発事故の影響などで中国電の上関原発計画は停滞。
代替の地域振興策を町が2023年2月、中国電に要望していた。
中国電が2023年8月2日、中間貯蔵施設を関電と共同開発したいと町に申し入れた。

山口 上関町 使用済み核燃料 中間貯蔵施設建設 調査受け入れ
2023年8月18日 19時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230818/k10014166331000.html
中国電力が山口県上関町に提案した使用済み核燃料を一時保管する
「中間貯蔵施設」
の建設をめぐり2023年8月18日臨時の町議会が開かれ、西哲夫町長は建設に向けた地質などの調査を受け入れる考えを表明しました。
調査は関西電力と共同で実施され、実際に建設されれば全国で2か所目になります。
中国電力は2023年8月2日、原子力発電所で使い終わった核燃料を一時保管する
「中間貯蔵施設」
の建設に向けた調査を関西電力と共同で上関町にある中国電力の敷地内で行う意向を明らかにしました。
これを受けて2023年8月18日午前9時から上関町で臨時議会が開かれ、はじめに西町長が
「町の人口は年間で100人減少し、高齢化率も中国5県で一番高い状態だ」
「このままでは住民支援策も近い将来できなくなる」
「持続可能なふるさと上関町を次世代に繋げることが私の使命で、中間貯蔵施設の調査を私としては受け入れる考えだが議員の意見をうかがい、総合的に判断したい」
と述べました。
続いて10人の議員全員が意見を述べ、採決は行われませんでしたが、10人のうち明確に反対を表明したのは3人にとどまりました。
これを受けて西町長は町として中間貯蔵施設の建設に向けた調査を受け入れる考えを表明しました。
町は午前11時前に中国電力にファックスで調査受け入れを回答したということです。
原発から出る使用済み核燃料について、政府は再処理してプルトニウムなどを取り出し、再び燃料として利用する
「核燃料サイクル」
と呼ばれる政策を掲げていますが、青森県六ヶ所村にある再処理工場は、トラブルなどで完成が大幅に遅れていて、全国の原発では、使用済み核燃料の保管場所の確保が課題になっています。
特に関西電力は、既にプールの8割以上が埋まっていて、地元・福井県から使用済み核燃料を県外に搬出するよう求められ、2023年中に
「中間貯蔵施設」
の候補地を確定させると約束していました。
政府も
「中間貯蔵施設」
の建設を進めるため、交付金を設けるなどして支援しています。
実際に上関町に建設されれば全国で2か所目になります。
■西哲夫町長「調査に4つの条件」
山口県上関町の西哲夫町長は議会のあと報道陣の取材に応じ、中間貯蔵施設の建設に向けた調査にあたって4つの条件を守るよう中国電力に申し入れたことを明らかにしました。
具体的には
▽安全や環境に配慮し、一般の交通に支障ないよう注意することと、
▽町民に対して引き続き情報提供を行い、町民から要望があれば先進地の視察研修の実施を検討すること、
▽具体的な計画が策定できたら町民に対し説明会などを開いて丁寧に説明すること、それに
▽周辺自治体にも情報提供を行うことを求めています。
その上で、
「議会で町民への説明が足りないという意見があったが、今回はあくまで調査の受け入れであって、施設の建設を容認したわけではない」
「調査が行われている間に不安な人は説明を受けてほしい」
と述べました。
■西村経産相「地元に寄り添いしっかりと支援」
西村経済産業大臣は談話を発表しました。
この中で西村大臣は
「上関町で中間貯蔵施設の立地可能性調査が開始されることは、 国のエネルギー政策にとって重要だと考えている」
「政府としても、地元に寄り添いしっかりと支援していく」
「今後、中国電力には、安全の確保に万全を期しつつ、 周辺市町も含め、丁寧な説明を行って頂きたい」
「その上で、国も中国電力と共に前面に立ち、地元の意向も踏まえながら、原子力政策に関する理解の促進に主体的に取り組んでいく」
としています。
■中国電力「丁寧に対応」
中国電力は
「環境保全に十分に留意しながら安全第一で施設設置に係る調査・検討を進めていく」
「また、町民の皆さまなどへの情報提供などについても、要望などを踏まえながら丁寧に対応していく」
とコメントを出しました。
■関西電力「必要な対応をする」
調査を中国電力と共同で行う関西電力は、
「中間貯蔵施設の設置にかかる調査や検討について、中国電力の求めに応じ、必要な対応をして参ります」
とコメントしています。
関西電力では今後、現地でボーリングの調査などを半年程度かけて行うとしています。
■全原協会長 米澤光治 敦賀市長「今後の動向を見守りたい」
全原協=全国原子力発電所所在市町村協議会の会長を務める福井県敦賀市の米澤光治市長は
「原子力施設に関わる事項は何よりもその自治体の判断が尊重されるべきと考えており、今後の動向を見守りたい」
というコメントを発表しました。
■山口 村岡知事「安心安全が確保されるのか最大の関心」
山口県上関町の調査受け入れについて、山口県の村岡知事は2023年8月18日夕方、記者団の取材に応じ
「町の判断について私が評価を申し上げるのは控えるべきだと思っている」
「私の立場からすれば安心安全がきちんと確保されるのかが最大の関心事だ」
「そうした観点でしっかり見ていきたい」
と述べました。
その上で、現時点では賛成も反対もないとして、県としては中国電力などによる調査が終わり詳細な計画が示された段階で判断する考えを示しました。
また、中間貯蔵施設が建設された場合に関西電力の使用済み核燃料が県内に運び込まれることについて
「色んな不安や懸念が生じるのは当然のことだ」
「当然、事業者の方がしっかりと汗をかいて進めるのであれば理解を得る努力をしなければいけないことだ」
と述べました。
■福井 杉本知事「推移を見守っていかなければ」
山口県上関町が
「中間貯蔵施設」
の建設に向けた中国電力と関西電力の調査を受け入れたことについて、関西電力の原発が立地する福井県の杉本知事は
「地域毎に色々な課題があるので、冷静に進めて頂ければと思っている」
「これから調査などが進むということなので推移を見守っていかなければいけない」
と話していました。
■臨時議会での議員の発言は
無所属の柏田真一議員は
「実現すれば工事の発注や物品購入、作業員の宿泊などの仕事が期待でき、町の経済効果が見込まれると期待している」
「町財政の現状を考えれば、調査・検討は早急に了承すべきだ」
と賛成する考えを示しました。
一方、無所属の清水康博議員は
「核燃料サイクルが確立されていないにもかかわらず、よそから使用済み核燃料を持ってくることにかなりのリスクを感じる」
「なぜここまで住民の気持ちに寄り添わず、急ぎ足でことを進めようとしているのか全く理解できない」
として反対の考えを強調しました。
■反対派 町長囲むなど 役場周辺は一時騒然も
臨時議会開会前の2023年8月18日朝、上関町役場の前では
「中間貯蔵施設」
の建設に向けた調査に反対する住民などが、
「上関に核のゴミは不要」
などとする横断幕を掲げて抗議活動を行いました。
そして午前8時半頃、西町長が役場の駐車場に到着すると、反対住民たちが
「一部の人間で全てを決めるな」
などと声を上げて車を取り囲み町長が車から出られない状態となりました。
警察が出動して離れるように呼び掛けましたが、反対する人たちと揉み合いになるなど役場周辺は一時、騒然となりました。
しばらくの間、揉み合いが続き、町長は到着からおよそ30分後の午前9時前に役場に入りました。
■臨時町議会の傍聴席抽せんの倍率は4.5倍
上関町の臨時議会では開会1時間前の午前8時に傍聴券の抽せんの受け付けが行われ、希望する人たちが詰めかけました。
町によりますと、用意された20席の傍聴席に対して90人が傍聴を希望し、抽せんの倍率は4.5倍になったということです。
■今後の流れ
今回、町が受け入れを表明したのはあくまで中間貯蔵施設の建設に向けた
「調査」
で、建設そのものではありません。
今後、中国電力と関西電力は、少なくとも1か月の準備期間を経て調査を始め、敷地が中間貯蔵施設を建設するのに適しているのか、半年程度をかけて文献調査やボーリング調査を行うことにしています。
調査の結果、敷地が建設に適していると判断した場合、電力会社が具体的な計画を策定し町などに示すということです。
町としては調査の結果を待ち、結果を基に改めて町議会で議論したい考えです。
実際に建設されれば青森県むつ市に続いて全国で2か所目になります。
■中間貯蔵施設めぐる課題は
原発を持つ電力会社が
「中間貯蔵施設」
の建設を進めようとする背景には、日本の原子力政策の柱となっている
「核燃料サイクル」
の行き詰まりがあります。
「核燃料サイクル」
では、使用済み核燃料は
「資源」
とされていて、再処理してプルトニウムなどを取り出して再び燃料として使うことが前提となっています。
しかし、再処理を行うことになっている青森県六ヶ所村の再処理工場は、トラブルや不祥事などで完成時期が大幅に遅れ、運転開始の見通しは不透明なままで、各地の原発で発生している使用済み燃料は行き場を失っているのです。
各地の原発にあるプールの容量もひっ迫しつつあり、このうち、国内最多の7基の原発を有する関西電力は、地元・福井県から使用済み核燃料を県外に搬出するよう求められています。
きっかけは、今から26年前の1997年に当時の福井県知事が
「原発の恩恵を受けている消費地と痛みを分け合ってほしい」
として関西電力に県外での中間貯蔵施設の建設を要望したことでした。
その後、歴代の福井県知事もこの方針を引き継ぎ、関西電力は、電気の販売エリアである関西地方などの自治体を中心に建設候補地を探してきましたが、決められずにいました。
そして現在の杉本知事が、全国で初めて運転期間が40年を超える原発の再稼働に同意する2か月前の2021年2月に、関西電力は
「2023年末までに県外での候補地を提示できない場合は、40年を超えて運転する3基を停止させる」
と約束しました。
3基とは、国内で現在最も古い高浜原発1号機と、2023年9月、再稼働を計画している高浜原発2号機、それに、40年を超える原発で初めて再稼働した美浜原発3号機です。
関西電力は、2023年6月には、使用済み燃料のうち5%程度をフランスに搬出する計画を伝え、県との約束を果たしたという認識を示しましたが、福井県は
「県民には分かりにくく、具体性に乏しい」
などとして、計画への賛否などを明らかにしていませんでした。
一方で、中国電力と共同で中間貯蔵施設の建設に向けた調査を行う方針を表明した後は
「関西電力の取り組みが進んでいる印象を持った」
「プロセスを見守っていきたい」
と一定の評価を示しています。
ただ、上関町での建設に向けた調査にはボーリング調査などにおよそ半年かかるほか、実際の建設には山口県の同意も必要になることから、福井県に期限として示していた2023年中に、建設候補地として提示することはできない見通しです。
■専門家「核燃料サイクル政策 見直しを含めた議論を」
原子力委員会の元委員長代理で原子力政策に詳しい長崎大学の鈴木達治郎教授は、上関町が中間貯蔵施設の建設に向けた調査を受け入れたことについて、
「突然出てきた話で透明性がない」
「上関原発がうまくいっていないことで地域振興のために地元の方は中間貯蔵を引き受けようという話になっている可能性が高いが、実現すればそれなりのメリットはあるかもしれないものの、不透明な立地の進め方だと現地での対立構造が消えず、地元の方々にとっても非常に不幸なことだ」
「なぜ中間貯蔵が必要かということについての基本的な理解がまずないと、なかなか理解が得られないのではないか」
と話していました。
また、関西電力が共同で調査する方針を示していることについては、
「中国電力と関西電力の思惑が一致したということだと思うがなぜ上関町に使用済み核燃料を持って行くことになったのかの説明が十分でなく透明性がない」
「どこでもいいから引き受けてくれる場所があれば持って行きますというやり方をしている限りは、今回の計画がうまくいったとしても不信感が残ってしまい、信頼を裏切るようなやり方だ」
と指摘しました。
その上で、
「再処理工場が動かない限り、使用済み燃料の行き先がはっきりしないので、本来の中間貯蔵の役割を果たせなくなる恐れもあるというのが立地を難しくしている原因だ」
「ずっと長く置かれることに対する不安ではないが、使用済み燃料が現地にとどまってしまう、下手すると半永久的に置いていかれるのではないかというのは嫌だと思う」
「核燃料サイクル政策そのものについて、見直しを含めた議論を行う必要があるのではないか」
と話していました。

遅れる核燃料サイクル 原発運転へ中間貯蔵建設が急務
2023/8/16 19:11
https://www.sankei.com/article/20230816-BLJQCDKRCJLIDN5KXFNS655JTQ/
国は原子力発電所の使用済み核燃料を再利用する
「核燃料サイクル」
を原子力政策の基本に置く。
中間貯蔵施設は使用済み燃料を再び使えるよう
「再処理」
する前に一時的に保管する施設。
日本原燃が青森県六ケ所村で建設を進める使用済み核燃料再処理工場の完成が遅れている現状では、原発の運転を続けるため中間貯蔵施設の建設が急務となっている。
原発でウランを燃料にして発電することで出る使用済み燃料は、プルトニウムを分離してウランと混ぜた
「MOX燃料」
に加工(再処理)することで再び発電に使える。
「プルサーマル発電」
といい、関西電力、四国電力、九州電力が計4基の原子炉で行っている。
ただ、1993(平成5)年に着工した六ケ所村の再処理工場は、当初1997(平成9)年に完成予定だったが、規制基準への対応などを理由に26回延期。
日本原燃は
「2024(令和6)年度上期の早い時期」
の完成を目指しているが危ぶまれている。
一方、原発は使用済み燃料を敷地内の貯蔵プールに冷却保管し満杯になれば運転できなくなる。
中間貯蔵施設はプールから取り出した燃料を金属容器
「乾式キャスク」
に入れ自然冷却するのが一般的で、プールより安全性が高いとされる。
関電は福井県が求める使用済み燃料の
「県外搬出」
に応じる姿勢を継続。
中国電力も
「(島根県外の)再処理事業者に搬出」
する方針だ。
今回は原発敷地外での施設確保を共通課題とする両社が手を組んだ。
更に使用済み燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物を地下に埋設する最終処分場も、2020(令和2)年から北海道の寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)で文献調査が行われるなどしている。

核燃料サイクル 国は電力会社任せにするな 根井寿規氏
2023/8/16 18:29
https://www.sankei.com/article/20230816-HJBHH7W4WNP5FJE7IWFCILVNNI/
山口県上関町で中間貯蔵施設が実現すれば、青森県むつ市の施設に次いで全国2例目となる。
むつ市のケースでは建設時に資源エネルギー庁が地域への説明を丁寧にしていた。
国は電力会社だけに任せず、核燃料サイクルと中間貯蔵の必要性について、国民に粘り強く理解を求める姿勢が大切だ。
中国電力は近く島根原発2号機の再稼働が予定されている。
加えて実質的に新設炉となる3号機の運転が開始された場合、プールの容量が逼迫する懸念があるという判断があったのではないか。
このほか西日本では、関西電力や九州電力などで比較的順調に原発の再稼働が進んでいる。
(中間貯蔵の)具体的な取り組みは電力会社の事情に応じて進められる。
ただ、国のエネルギー基本計画は使用済み燃料対策に
「前面に立って主体的に対応」
するとしており、国の役割が問われている。

中間貯蔵調査 上関町長18日にも判断 原発安定稼働に貢献
2023/8/16 17:43
https://www.sankei.com/article/20230816-PVMTLPIZPBO3HA5D43PNTN5DC4/
中国電力と関西電力が山口県上関(かみのせき)町で建設を計画している原子力発電所の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、西哲夫町長が2023年8月18日にも、調査の受け入れを容認する公算が大きい。
整備されれば、中間貯蔵施設は東京電力ホールディングスと日本原子力発電が出資する青森県むつ市の施設に続き全国2例目となる。
各原発で使用済み燃料が蓄積する中、西日本の複数の電力会社が利用し得る中間貯蔵施設の設置は、原発の安定稼働に貢献する。
中国電などは瀬戸内海の長島にある同社所有地で約半年間、ボーリング調査などを進める。
中国電が山口県上関(かみのせき)町の西哲夫町長に調査の意向を申し入れたのは2023年8月2日。
2023年8月18日に臨時町議会が開かれ西哲夫町長は議会の意見を踏まえ判断する。
調査に向けた動きは町と中国電、関電の利害が一致して始まった。
町が求めてきたのは中国電による原発建設と、それに伴う国からの交付金だ。
しかし建設の賛否を巡り町が二分され、東京電力福島第1原発事故後、工事は中断。
2023年2月、西哲夫町長が
「新たな地域振興策」
を要請し、中国電から中間貯蔵施設を提案した。
調査が始まれば山口県と上関(かみのせき)町に年間1.4億円、知事の同意後は9.8億円が2年間に渡り国から交付され、着工されれば別の交付金も入る。
一方、中国電は島根原発のプールに使用済み燃料を貯蔵し、2号機が再稼働すれば10年程度で満杯になるという問題を抱える。
ただ、中間貯蔵施設の工事やインフラ整備は単独では困難と判断。
電力販売を巡るカルテル問題を主導した関電にしこりはあるものの、共同開発を持ちかけた。
福井県内で原発6基が稼働している関電も、プールの使用済み燃料は5〜7年で満杯になる。
福井県に
「令和5年末までに県外で中間貯蔵の候補地を確定できなければ、運転開始40年超の原発を停止する」
と約束。
フランスへの燃料搬出計画を示し
「約束はひとまず果たされた」
と説明したが県の了解は得られていない。
政府は安全を確保しながらの原発の長期活用をエネルギー政策の基本に掲げ、2030(令和12)年度の電源構成でも原発を重要なベースロード(基幹)電源と位置づける。
2024年5月には実質60年超の運転を可能とした。
成否の鍵は使用済み燃料を再処理して効率的に使い続ける
「核燃料サイクル」。
ただ、青森県六ケ所村の再処理工場の稼働は遅れ中間貯蔵の能力拡大が喫緊の課題だ。
東日本では青森県むつ市の中間貯蔵施設で2013(平成25)年8月に建屋が完成し原子力規制委員会が審査中。
西日本の原発は関電の6基、四国電力の1基、九州電力の4基が稼働するが中間貯蔵施設はない。
国は
「山口県上関町の中間貯蔵問題は正に国の原子力政策であり、経済産業省が主導でやっていく」(政府関係者)
と支援に前向きだ。
山口県上関町での建設が実現すれば、ひとまず核燃料サイクルを
「繋ぐ」
ことが前進する。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/284.html#c13

[政治・選挙・NHK291] この首相の正体がよくわかる 内政はほったらかし 訪米で高揚(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
44. 2023年8月18日 21:43:52 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-112]
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日米韓で中国対処へ バイデン米政権が構築する多層ネットワークの一環
2023/8/18 20:50
https://www.sankei.com/article/20230818-KVYBBZUIOVMJZDBLHQPPNTI3WQ/
バイデン米大統領は2023年8月18日にキャンプデービッドで開く日米韓首脳会談で、防衛や経済安全保障における3カ国の協力強化を目指す。
米国は
「唯一の競争相手」
と位置付ける中国への対処のため、インド太平洋地域で様々な多国間枠組みを構築している。
日米韓も対北朝鮮にとどまらず、中国を睨んだ多層なネットワークの一環としたい考えだ。
■フィリピンも取り込み
ブリンケン国務長官は2023年8月15日の記者会見で、日米韓首脳会談に関して
「我々の地域と世界が地政学的競争により試されている瞬間に開かれる」
と述べた。
念頭にあるのは中国やロシア、北朝鮮の脅威であり、その対処のためにも日米韓連携の重要性が増しているとの認識を滲ませた。
インド太平洋での中国への対抗のため、バイデン政権は既に英国、オーストラリアとの安全保障枠組み
「AUKUS(オーカス)」
を立ち上げ、日豪の他、インドも加わる協力枠組み
「クアッド」
を通じた取り組みを重視してきた。
最近では更に南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの取り込みも急ぐ。
同国で2022年、マルコス大統領が誕生して前政権の対中融和から対米重視に転換したのを好機として、日米比の安保担当高官による新たな協議の枠組みを2023年6月に設置。
豪州も交えた4カ国防衛相の初の会談も開いた。
■台湾有事への対処能力引き上げ
中国が経済力を背景に浸透を図る南太平洋地域では、日英豪やニュージーランドなどと、太平洋島嶼国を支援する枠組み
「ブルーパシフィックにおけるパートナー」
も構築している。
米国が首脳会談の定例化など
「制度化」
を目指す日本と韓国は中国の隣国であり、中国対応の最前線に位置する。
両国には米軍基地があり、3カ国が緊密な連携を取れれば、台湾有事への対処能力を引き上げることになり、対中抑止力を高めることにもなる。
バイデン政権は多彩な枠組みを通じて、軍事分野のみならず、中国との競争に打ち勝つため、新興技術の開発やサプライチェーン(供給網)の強靱化など非軍事分野での対処も重視する。
半導体産業に強い韓国との協力強化は経済安全保障にとっても重要となる。

国際政治の歴史刻む米大統領山荘「キャンプデービッド」 日米韓首脳会談へ熱意の表れ
2023/8/18 18:02
https://www.sankei.com/article/20230818-B4QDM52LNFIIVCM47TUFDTRC3M/
日米韓首脳会談が2023年8月18日に開催される米大統領山荘キャンプデービッドは過去80年、歴代大統領が休日を過ごす別荘としてだけではなく、外国首脳を招いた外交の舞台として国際政治の数々の歴史が刻まれてきた。
首都ワシントンの喧騒を離れ自然に囲まれた環境での会談は、バイデン米大統領の熱意の表れだ。
「ここで会談が開かれる重要性は皆が理解している」
「それ自体が重大な節目であることを象徴している」。
米国家安全保障会議)NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官は今回の日米韓首脳会談の意義をこう強調する。
東部メリーランド州の山中にあるキャンプデービッドはもとは連邦政府職員用の施設だったが、第二次大戦中の1942年、ルーズベルト大統領が別荘にし、1943年には初の外国首脳としてチャーチル英首相が招かれ、対独戦線を協議した。
東西冷戦中の1959年、アイゼンハワー大統領はソ連のフルシチョフ首相と会談し雪解けムードを演出した。
また、山荘の名称はアイゼンハワー氏が孫の名前デービッドから名付けた。
1978年にはカーター大統領の調停で緊張関係にあったエジプトのサダト大統領、イスラエルのベギン首相との会談が行われ、
「キャンプデービッド合意」
を発表。
対立を乗り越え、翌年の両国の平和条約締結に結び付く舞台になった。
日本の歴代首相は、レーガン大統領と「ロン・ヤス」の親密関係を築いた中曽根康弘氏から安倍晋三氏まで過去5人が招かれた。
強い印象を残したのは2001年6月に招かれた小泉純一郎首相。
息子ブッシュ大統領と野外でキャッチボールして打ち解けた。
両者の友情は、2001年9月の米中枢同時テロ後の世界で強固な同盟関係を支えた。

日米韓3カ国連携を「制度化」 政権交代に左右されにくい強固な枠組みへ
2023/8/18 17:51
https://www.sankei.com/article/20230818-NS4WGV3XZJNS3PG743EOT2F45Q/
米ワシントン郊外のキャンプデービッドで2023年8月18日午前(日本時間19日未明)に行われる日米韓首脳会談を、3カ国は
「歴史的な機会」
と位置付ける。
今後、ハイレベル会合や共同訓練の定期開催など一連の協力を通じて関係を強化し、各国の政権交代や情勢変化に左右されにくい強固な枠組みとして
「制度化」
することを目指す。
日米韓首脳会談は1994年11月に初めて開催され、今回が13回目。
当初から北朝鮮の核・ミサイル開発への対応が主な議題だったが、協力の幅を広げる機運は乏しい状態が続いていた。
特にネックになっていたのが歴史問題を抱える日韓関係で、米国にとっては
「共に重要な同盟国だが、取り組むべき課題に3カ国で連携できない」(元高官)のが悩みの種だった。
しかし、最近になって、状況は変化している。
2021年に就任したバイデン米大統領は、同盟国軽視とも言われたトランプ前政権と異なり、韓国や日本との関係強化を志向する。
更に2022年5月、韓国の尹錫悦大統領が就任し、文在寅前政権の反日・親北・親中路線を転換したことで、構図は一変した。
2023年に入ってからは、
▽1月の岸田文雄首相の訪米
▽3月の尹氏来日・4月の訪米
▽5月の岸田首相訪韓
などと各首脳がハイペースで往来した。
日米韓の枠組みでも2022年11月の首脳会合で、経済安全保障など対北にとどまらない協力で合意した。
今回のキャンプデービッド会談は、3首脳として早くも4度目の顔合わせとなる。
今回、日米韓は首脳や外相らハイレベルでの定期的な会談の開催に加え、3カ国共同演習の定例化などにも合意し、部隊の実動を含む幅広い分野で安保協力のレベルを引き上げる。
ブリンケン米国務長官は2023年8月15日の記者会見で、会談の意義について
「日米韓の協力が様々な形で『制度化』される」
と表現した。
特に韓国や米国では今後も首脳の交代を機に、外交政策の方向性が変化する可能性は否定できない。
日本にとっては
「揺り戻しがあるとしても、その幅を今のうちに小さくしておくことが重要」(政府関係者)
で、3カ国連携の
「制度化」
のメリットは大きい。

日米韓、北の核ミサイル開発「国民の生活犠牲」 国連安保理
2023/8/18 7:35
https://www.sankei.com/article/20230818-PB73B4LLFRNIXJWX3FXKGLP4B4/
国連安全保障理事会は2023年8月17日、北朝鮮の人権状況を議論する公開会合を開催した。
日米や利害関係国として参加した韓国は北朝鮮が国民の生活を犠牲にして核ミサイル開発を進めていると批判、日本人や韓国人などの拉致問題の早期解決を求めた。
中露は北朝鮮政府を擁護する姿勢を見せた。
ターク国連人権高等弁務官は会合で、北朝鮮では多くの人が食料や医薬品の不足に直面していると指摘した上で
「強制労働が軍部とその兵器製造能力を支えている」
と報告した。
中露が主張する
「人道危機の原因は対北制裁」
との見方を退け、日米韓と国連の見解が揃う形となった。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は
「金正恩体制は社会を抑圧的に統制することで、国民から反対されずに核ミサイル開発に浪費できている」
と批判した。
韓国の黄浚局(ファンジュングク)国連大使も
「北朝鮮は食料危機に対処せず、乏しい資源を大量破壊兵器の発展に費やしている」
と強調した。
会合では北朝鮮による日本人拉致を批判する声も相次いだ。
石兼公博国連大使は
「再会を果たせないまま高齢化し、亡くなる被害者家族も多い」
と述べ、韓国やフランスなどにも拉致被害者がいるとして早期帰国の実現へ協力を訴えた。
会合後、日米韓仏など52カ国と欧州連合(EU)は北朝鮮の人権侵害を非難する共同声明を発表した。

首相が米首都近郊に到着 日米韓、戦略的連携強化
2023/8/18 7:03
https://www.sankei.com/article/20230818-Y2E3JCGDCJLOBGWM5MRDX675VI/
岸田文雄首相は2023年8月17日午後(日本時間18日午前)、米ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に政府専用機で到着した。
2023年8月18日午前(同19日未明)にワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドでバイデン米大統領、韓国の尹錫悦大統領との日米韓首脳会談に臨む。
各国が
「3カ国の戦略的連携を強化する歴史的な機会」
と位置付ける会談で、北朝鮮への対応やインド太平洋地域での協力について幅広く議論し、具体的な合意を目指す。
会談では首脳、外相、防衛相、安保担当高官が定期的に会談する方針を確認。北朝鮮対応のための共同演習の実施や、ミサイル発射情報の即時共有についても話し合う。
日米韓の首脳が国際会議の機会を利用するのではなく、独立した会合として集まるのは初めて。
バイデン氏が2021年の就任後、キャンプデービッドに外国首脳を招くのも初の機会となる。
3首脳は会談後、揃って記者会見し、連携の方向性を示す
「キャンプデービッド原則」
と共同声明を発表する見通しだ。

日米韓ホットライン、首脳間以外も利用 共同声明も採択へ
2023/8/17 21:14
https://www.sankei.com/article/20230817-W3SHQ6KPCNILXIGMWNDV33JURU/
米国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官は2023年8月16日、ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで2023年8月18日に開く日米韓首脳会談で、緊急時に3カ国の首脳や政府高官が直接連絡を取り合うホットライン(専用回線)の設置で合意すると明らかにした。
米シンクタンクの会合で述べた。
キャンベル氏は、2023年8月18日のバイデン大統領と岸田文雄首相、韓国の尹錫悦大統領による会談で、3カ国首脳会談の毎年開催も発表する予定だと明かした。
ホットライン設置や首脳会談の定例化などを通した連携強化で
「危機的状況における(日米韓の)対話と関与」
を確認する。
また今回の首脳会談で打ち出す成果は
「現在と将来に渡り3カ国の関与を固定化する非常に野心的な構想だ」
と強調。
歴史問題で日韓関係が悪化し3カ国連携が進まない時期があったことを踏まえ、
「21世紀の3カ国関係」
を示すものになるとした。
韓国大統領府の金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長は2023年8月17日の会見で、
「キャンプデービッド精神」
と題した共同声明など文書2件の採択が3カ国間で確定したと発表。
北朝鮮に対する抑止力強化に向けた新協議体の創設や経済協力の推進などが明記される。
金泰孝氏は
「韓米日協力の新たな地平を開くことができるようになったのは、長らく膠着してきた韓日関係が画期的に改善されたためだ」
と強調。
更に1件の文書採択に向けた議論も進められているという。
会談では防衛や教育、技術など幅広い分野で、日米韓の協力促進で一致する見通しだ。
ロシアの侵略を受けるウクライナへの支援や、中国が緊張を高める台湾海峡の平和と安定などについても協議する。
バイデン氏は日米韓首脳会談に備えて2023年8月17日午後にキャンプデービッドに入る。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/482.html#c44

[国際33] 形成されていく非米世界システム/田中宇 仁王像
5. 2023年8月18日 22:21:44 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-111]
<■174行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国「恒大グループ」米裁判所に破産法適用を申請 巨額の債務
2023年8月18日 20時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230818/k10014166271000.html
巨額の債務を抱えてデフォルト=債務不履行に陥っていた、中国の不動産大手、
「恒大グループ」
は2023年8月17日、アメリカの裁判所に連邦破産法の適用を申請しました。
アメリカで保有する資産を保全しながら、経営の再建に繋げる狙いがあると見られます。
目次
負債総額 約48兆円
開発中の現場は…
■負債総額 約48兆円
中国の不動産大手、
「恒大グループ」
は、中国国内をはじめアメリカなどからも大規模な資金調達を行い不動産開発を進めてきましたが、中国政府による規制強化などの影響で経営危機となり、デフォルトに陥りました。
2023年7月に発表した決算では、2022年が日本円でおよそ2兆円の最終赤字、2021年が9兆円余りの最終赤字と、2年連続で巨額の赤字に陥り、2022年12月時点の負債総額は、48兆円余りに上ることを明らかにしています。
こうした中、
「恒大グループ」
は2023年8月17日、アメリカの裁判所に、連邦破産法15条の適用を申請しました。
適用されれば、アメリカ国内では、訴訟や資産の差し押さえなどを回避することが出来るようになるため、会社としては、アメリカで保有する資産を保全しながら、債権者との間で債務再編を巡る交渉を進め、経営の再建に繋げる狙いがあると見られます。
ただ、債権者との交渉は難航していると見られていて、再建に向けた道筋は不透明な状況です。
中国では、不動産市場の低迷が長期化する中、不動産会社や関連する企業の経営に対する不安が強まっていて、中国経済全体への影響も懸念されます。
■開発中の現場は…
「恒大グループ」
の多くのプロジェクトは、経営難に陥った結果、おととし2021年から各地で中断しています。
プロジェクトのうち、上海中心部から車で1時間余りの場所にある江蘇省太倉では2017年からテーマパークや商業施設と共に合わせて3万戸の高層マンション群の開発が進められてきました。
こちらのプロジェクトも2年前の2021年、工事が止まりました。
開発を手掛ける企業によりますと、その後、工事は再開され、一部の購入者への引き渡しも行われたということです。
しかし、2023年8月18日、現場を訪れると、一部のマンションでは住人の姿が見られましたが、空き地のままの場所が目立ち、建物の建設が完了していない様子もあちこちで確認できました。
また、テーマパークの予定地では放置されたままの洋風の建物が見られ、人が訪れる様子はなく、辺りにはは雑草が生い茂っていました。
1年近く遅れて2023年5月からマンションに住み始めたという60代の男性は、
「以前は上海にいましたが、上海のマンションは高くて買えないので、上海から近いこの場所にマンションを買いました」
「しかし、商業施設の中には何もありませんし、たばこも水さえも近くで買えません。不便なことばかりです」
と話していました。
「恒大グループ」
はサッカー競技場の土地の使用権の返還などを行い資金を集め、工事の再開や住宅の引き渡しを進めるとしています。
こちらは首都・北京の郊外にある大型の商業施設。
この工事も、2年ほど前から中断されたままだということです。
この大型商業施設は恒大グループが既に建設したマンションに併設する予定でした。
現場は誰でも入れる状態になっていて、エスカレーターや手すりなどが未完成のまま放置されている他、電気の配線が剥き出しの所もあり、危険な状態です。
工事現場の近くで廃品回収をしているという女性は、
「恒大グループのお金がなくなってここの工事も止まった」
「内装はけっこう進んでいたので関連業者の損失は大きかったようだ」
と話していました。
■SNSで批判相次ぐ
「恒大グループ」
のアメリカでの破産申請が中国のネットメディアで伝えられた後、中国のSNSでは一時、関連ニュースが検索ランキングでトップになりました。
目立ったのは
「恒大グループ」
への不満を露わにした投稿です。
このうちSNSのウェイボーには、
「中国国内の多くの庶民は購入した家の工事は止まったままだ」
「しかし、ローンの返済をしなければならない」
とか
「恒大グループの家を買った人は苦しんでいる」
「誰が庶民の権利を守るのか」
といった書き込みが相次いでいます。
この他、
「バブルが吹き飛んだ」
などと経済全体への影響を懸念する書き込みも見られます。
■なぜアメリカで破産法申請?
今回、恒大グループは、アメリカで連邦破産法15条の適用を申請しました。
適用されれば、アメリカ国内で債権者からの訴訟や強制的な差し押さえなどを回避することが出来るようになります。
恒大は2023年7月、負債の総額が2022年末で2兆4374億人民元、日本円で48兆円余りに上ることを明らかにしています。
会社では、不動産関連の事業の大半は中国国内で行っているとしていてアメリカ国内で保有する資産は限定的だと見られます。
一方、アメリカドルや香港ドル建ての債務も抱えていて債務の一部の返済などを巡り債権者との、交渉が難航しているとされています。
このため、アメリカで連邦破産法15条を申請して、資産を保全し、債権者による差し押さえなどを回避することで、今後、債権者との債務再編についての交渉を進める狙いがあると見られます。
2023年8月下旬には、債務再編の計画について、債権者との協議や投票が行われることになっていて、どこまで賛同を得られるかが当面の焦点となります。
■恒大グループ “破産の申し立てではない”
アメリカで連邦破産法の適用を申請したことについて、恒大グループは2023年8月18日夕方、コメントを発表しました。
この中で、恒大グループは、グループのアメリカドル建ての債券はニューヨーク州の法律に準拠しているとした上で、今回の申請について、
「香港やバージン諸島といったオフショアの債務再編に関する通常の手続きであり、破産の申し立てではない」
とし、経営破綻ではないと強調しました。
■低迷続く中国不動産市場
中国の不動産市場は低迷が続いています。
2023年7月15日に発表された2023年1月から7月までの不動産開発投資額は、前の年の同じ時期と比べて8.5%減少し、下落幅は、前の月(2023年6月)までの7.9%から拡大しました。
また、2023年8月16日に発表された2023年7月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち49都市で前の月から下落。
下落した都市の数は前の月から11都市増え、全体の7割を占めました。
不動産関連企業の経営悪化で、住宅の建設が止まり、住宅の購入者への引き渡しが行われない事態も相次ぎ、消費者の間では購入を控えようという動きが広がっています。
中国の不動産は、関連産業も含めるとGDP=国内総生産全体の4分の1程度を占めると試算されていて、市場の低迷が中国経済全体に影響を及ぼしています。
2023年7月17日に発表された2023年4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、2022年の同じ時期と比べてプラス6.3%でしたが、前の3か月と比べた伸び率は、0.8%にとどまり、回復の勢いは大きく減速しました。
住宅販売の低迷に伴って、関連する家具や家電といった耐久財の消費も低調だったことが要因となりました。
中国では、企業の景況感や、若年層などの雇用環境が改善せず消費者の節約志向が広がっていて、不動産の関連企業の業績悪化が顕著になる中、市場の低迷は更に長引くとの見方が強まっています。
中国政府は、不動産関連企業に対する金融支援の延長などの対策を打ち出しているものの、効果は限定的なものにとどまっていて、今後、追加の対策が打ち出されるかが注目されます。
■専門家 “日本の景気回復へのマイナスも”
中国経済に詳しい丸紅中国の鈴木貴元 経済調査チーム長は、
「恒大グループ」
のアメリカでの連邦破産法の適用申請が中国経済に与える影響について、
「中国の不動産不況が何らかの形で底を打ち、回復局面に行くと期待されていた中で今回の問題が起きたことでこれまで売り上げが落ちてこなかった企業についても破綻したり、資金問題が起きたりするケースが増えることは十分考えられる」
と分析しました。
また、多くの投資家はリスクを一定程度織り込んで
「恒大グループ」
に投資しているとして、世界経済に大きな影響を及ぼすことはないとした一方、
「中国の内需が冷え込むことによって世界の景気に悪影響を及ぼし、景気の下振れリスクが出てくる可能性はある」
「不動産の低迷から投資の下押しが起き、設備機械の輸出などが低迷することによって、日本の景気回復にマイナスになることが大きく懸念される」
と指摘しました。
その上で、今後の見通しについて、
「一時的に資産を保全し、債権者と話し合いをしながら業務整理を進めていくことになるが、非常に巨大な企業なので、どこまで債権者が納得するかなかなか難しいだろう」
「進め方によっては今後、中国の他のデベロッパーの債権処理にも影響するので、納得のいく整理をどう進めるのか、大きなケースとして注目される」
という見方を示しました。

中国経済終わりの始まり≠懸念 「恒大」破産申請で日本も影響避けられず
2023/8/18 19:45
https://www.sankei.com/article/20230818-F7CHI275MJPMHFEOO54AJFXCWA/
経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団が2023年8月17日、米国で破産申請したことで、中国経済の減速が改めて印象付けられた。
市場では中国経済の急激な悪化を危惧する声も出始めており、そうなれば経済的な結び付きが強い日本への影響も避けられない。
事態の収束へ、中国政府の舵取りに一層の注目が集まる。
■投資マネーの行方
「まさか破産するとは思わなかった」
「(中国経済の)終わりの始まりになるかもしれない」。
ある市場関係者はそう懸念を露わにした。
恒大集団の破産で直接的な影響が日本経済に及ぶリスクは高くないと見られるが、間接的な影響は多方面に及ぶ可能性がある。
まず注目されるのが中国の不動産市場の悪化を受けた投資マネーの行方だ。
ニッセイ基礎研究所の佐久間誠主任研究員によると、日本の不動産価格の高騰にも、こうした中国マネー流入の影響が既に生じているという。
佐久間氏は
「破産申請を受けて、日本の不動産が更に高騰するとは考えにくい」
とした上で、
「今の高値が続く可能性は高い」
と話す。
足元の円安も中国マネーが米国に流れ、ドル高が進んだことが背景にあるとされる。
また、中国で不動産の建設が減れば、新築に伴って需要が増える家電などの対中輸出の減少や、鉄の需要低迷による素材メーカーの業績悪化の可能性もある。
■既に支払い遅延も
最も懸念されるのが金融市場への波及だ。
日本のバブル崩壊では、不動産価格の下落などで多額の不良債権を抱えた金融機関がいわゆる
「貸し渋り」
を行い、多くの中小企業が倒産に追い込まれるなどして長期の経済低迷に繋がった。
既に中国の信託大手では信託商品の支払いが遅延する問題が生じており、金融危機が拡大すれば中国経済を直撃しかねない。
中国は日本にとって最大の貿易相手国で、企業の海外拠点も中国に4割近くが集中するなど経済的な結び付きは強い。
新型コロナウイルス感染症が発生する前は、インバウンド(外国人訪日客)も中国人が3割を占めていた。
みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストも
「中国に生産拠点があるだけならいいが、中国を市場にしている企業にとっては影響は深刻だ」
と指摘する。
■市場は「織り込み済み」
一方、市場は比較的冷静に受け止めた。
恒大集団の問題は以前から指摘されており
「市場では既に織り込み済みだった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の李智雄チーフエコノミスト)
ためだ。
それでも中国経済への先行き不透明感から、2023年8月18日の東京株式市場では、中国人観光客の増加で業績改善が期待された陸運や小売りなどの関連銘柄で値下がりが目立ち、日経平均株価の終値は約2カ月半ぶりの安値をつけた。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/358.html#c5

[政治・選挙・NHK291] 森喜朗元首相「ロシアが負けることは考えられない」発言の正当性 日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
65. 2023年8月19日 06:47:13 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-110]
<▽30行くらい>
産経抄
8月19日 北海道はとられていたかもしれない
2023/8/19 5:00
https://www.sankei.com/article/20230819-27J6BJBKHJJVPKLQ3JV4XYG6UM/
「断固反撃に転じ、上陸軍を粉砕せよ」。
日本のポツダム宣言受諾後の昭和20年8月18日、ソ連軍が千島列島最北の占守(シュムシュ)島への上陸を開始すると、第5方面軍司令官の樋口季一郎中将は直ちに命じた。
占守島での激戦が、ソ連に北海道占領を断念させた一因だとされる。
▼当時の北方派遣軍(占守島、幌筵(パラムシル)島)は約4万6000人で、装備はこの時期の日本軍としてはずばぬけた規模だった。
日本の戦意と兵力を甘く見積もっていたソ連軍は、占守島で日本軍の5倍に当たる約3000人もの戦死傷者を出すことになった。
▼結局、ソ連軍の上陸は択捉島が1945(昭和20)年8月28日、国後島と色丹島は1945(昭和20)年9月1日と月を跨いだ。
歯舞群島の占領は、日本が米戦艦ミズーリ号上で降伏文書に調印した1945(昭和20)年9月2日以降だった。
北海道の領有を狙っていたソ連にはこれ以上、火事場泥棒を働く余裕も猶予もなかった。
▼2023年8月18日の小紙は、占守島で命を落とした将兵の慰霊碑が2023年5月に、愛知県豊橋市から陸上自衛隊の東千歳駐屯地(北海道千歳市)に移設され、見学申込者に一般公開されていると報じていた。
表面には
「将兵眠る」、
裏面には
「祖国の弥栄(いやさか)を祈る」
と刻まれている。
▼2022年10月には樋口中将の功績を伝える銅像が、出身地の兵庫県淡路市の伊弉諾(いざなぎ)神宮に建立された。
除幕式の挨拶で、樋口中将の孫の隆一さんは述べた。
「終戦時に樋口がソ連の北海道侵略を止めていなければ、日本は今のウクライナと同じ運命を辿ったに違いない」。
▼戦う覚悟と装備を持ち、更にそれを相手に伝えなければ侵略を招く。
軍事力という背景を持たない外交は脆弱である。
ソ連に日ソ中立条約を一方的に破棄され国土を奪われた日本は、本来それを知っているはずである。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/483.html#c65
[原発・フッ素54] 山口 上関町に中間貯蔵施設計画 行き詰まる核燃料サイクル/水野倫之・nhk 仁王像
6. 2023年8月19日 07:29:16 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-109]
<■59行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
最終処分場も選定作業進む 長崎・対馬と北海道で議論・調査
2023/8/18 20:25
https://www.sankei.com/article/20230818-D6WZGG4KV5NCTAMFEBLVAQLM5Q/
国が原子力政策の柱に掲げ、原発の使用済み核燃料を再利用する
「核燃料サイクル」
では、再処理工場に移す前に一時的に保管する中間貯蔵施設と共に、使用済み燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物(HLW)を地下に埋設する
「最終処分場」
も、サイクルを回すために不可欠だ。
国内でも最終処分場の選定に向けた動きが進みつある。
長崎県対馬市議会は2023年8月16日の特別委員会で、地元の建設業団体が提出した調査受け入れを促進する請願を賛成多数で採択した。
2023年9月12日の本会議でも採択される見通し。
北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村では2020(令和2)年秋から、選定に向けた初期段階の文献調査が行われている。
原発で使った燃料の約95%は再利用可能。
再処理工場でプルトニウムを分離し、ウランと混ぜた
「MOX燃料」
にして再び使えるようになる。
残る5%の廃液をガラス原料と混ぜ合わせて
「ガラス固化体」
に加工したものがHLW(高レベル放射性廃棄物)。
30〜50年冷却した後、地下水に溶け出しにくいよう金属製の容器に入れて粘土で覆い、地下300メートル以上深い、安定した岩盤に埋設する。
数万年以上、放射性物質を生活環境から隔離することが出来るという。

原発の最大限活用に一歩前進、再処理工場の早期稼働が次の焦点に 「中間貯蔵施設」調査容認で
2023/8/18 14:29
https://www.sankei.com/article/20230818-VSZWFPNGHBJHNMGC7IHOQICJWU/
中国電力と関西電力が共同開発を目指す原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、山口県上関町議会は2023年8月18日、臨時議会を開き、西哲夫町長が建設に向けた調査を容認する意向を表明した。
国内2例目となる中間貯蔵施設建設に向けた動きは、岸田文雄政権が掲げる
「原発の最大限活用」
にも寄与する。
原発の再稼働が進めば使用済み核燃料も増えるため、一時保管する中間貯蔵施設の役割は大きい。
原子力政策の基本とする使用済み核燃料を再利用する
「核燃料サイクル」
の実現に向け、次は青森県六ケ所村の日本原燃の再処理工場の早期完成と稼働が焦点となる。
経済産業省などによると、2023年3月末時点で国内の原発の貯蔵プールなどで一時保管されている使用済み核燃料は1万9478トン。
管理可能な容量は2万4350トンで8割程度が使用されている。
再処理工場はフル稼働すれば年800トンの使用済み核燃料を化学的に処理できる。
まだ使えるウランとプルトニウムを取り出し、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を作り、最後に残る高レベル放射性廃棄物も再処理前の4分の1に減らせる。
ただ、再処理工場は当初、1997(平成9)年の完成を予定していたが、26回に渡り延期されている。
日本原燃は
「2024(令和6)年度上期の早い時期」
の完成を目指すとするが、不透明感は拭い切れていない。
MOX燃料の使い道も課題だ。
MOX燃料のみで動く世界初の原発を目指し、建設中の電源開発(Jパワー)大間原発(青森県大間町)は原子力規制委員会の新規制基準の審査が長期化。
稼働開始が見通せない。
西村康稔経産相は2023年8月18日、
「国のエネルギー政策にとって重要なもので、地元に寄り添い、しっかり支援する」
とコメント。
中間貯蔵施設だけでなく、核燃料サイクルを本格稼働させることに関係者が総力を上げて取り組む必要がある。
■中間貯蔵施設
原発で使い終わった核燃料を再び使用できるように再処理するまでの間、一時保管する施設。
青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場の稼働が遅れる中、原発内の使用済み燃料プールの貯蔵容量にも限界があり、電力各社は対応を迫られている。
東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵が運営する施設が青森県むつ市にある。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/287.html#c6

[政治・選挙・NHK291] 岸田首相の訪米よりも注目? 木原誠二官房副長官が久々に公の場に登場(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
28. 2023年8月20日 07:50:39 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-108]
<■326行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
日米韓首脳会談 安保協力の意義は大きい 中朝露の脅威に連携対処を
2023/8/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20230820-KQ53U7LYIVLTVL2EP6TR327BG4/
岸田文雄首相とバイデン米大統領、尹錫悦韓国大統領が米ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドで会談した。
共同声明は
「日米韓パートナーシップの新時代の幕を開く」
ため首脳が集ったとし、3カ国の安全保障協力を
「新たな高みへ引き上げる」
と宣言した。
日米韓の安保協力強化は共同の抑止力を高め、地域の平和と安定の確保に資する。
3カ国首脳の合意を評価したい。
■「時代の要請」意識した
首脳や外務、防衛担当の閣僚らが年1回は会談することや、緊急事態になれば速やかに協議することを決めた。
自衛隊と米韓両軍による陸海空など複数領域での共同演習の実施や、日韓による北朝鮮ミサイル発射情報の即時共有の早期開始を確認した。
ウクライナ支援や拉致問題への協力で一致した。
岸田首相は共同会見で
「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が危機に瀕している」
としてロシアのウクライナ侵略、(中国による)東・南シナ海での一方的な現状変更の試み、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を挙げた。
「日米韓3カ国の戦略的連携の潜在性を開花させることは我々にとっての必然であり、時代の要請だ」
と語った。
その危機感は妥当だ。
北朝鮮は、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や変則軌道の弾道ミサイル、戦術核兵器の戦力化を急いでいる。
国連安全保障理事会決議違反の弾道ミサイル発射を繰り返している。
日米韓が共同演習で抑止力を強め、情報共有で対処力を高めることは理に適っている。
対中国で連携を打ち出した点も注目したい。
共同声明は、中国の南シナ海での
「危険かつ攻撃的な行動」
を含め、インド太平洋地域の水域における一方的な現状変更の試みに
「強く反対」
した。
更に、
「国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素」
として
「台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認」
した。
韓国は文在寅前政権当時も米国との間で
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
で一致していたが、米韓間の安保上の信頼が揺らいでいたため大きな意味を持たなかった。
中国との関係よりも日米を重視する尹政権が登場し、日米韓の首脳が直接会談で台湾問題を取り上げた。
その意義は大きい。
日米韓の国内総生産(GDP)の合計は世界の約3分の1で、総人口は約5億人だ。
日韓間に共同防衛の約束はないものの、日米韓で安保協力を強めれば、中朝露という専制国家に対する抑止効果や外交力の向上が期待できる。
万一、台湾有事になれば北朝鮮の挑発や暴発を防ぐため韓国の協力が欠かせない。
一方、朝鮮半島有事では日本の協力が不可欠だ。
尹大統領は2023年8月15日の演説で、朝鮮国連軍の後方司令部と指定基地が日本にある点に触れ、
「北の南侵の最大の抑止要因になっている」
と説いた。
その通りである。
■レーダー照射解決せよ
キャンプデービッド合意に沿って日米韓は具体的な協力を進めていかなければならない。
ただし、懸念や残された課題もある。
韓国は反日感情を募らせやすく、政権交代で政策が大幅に変わってきた歴史がある。
リアルな安保認識を持つ尹政権に政治的勢いがある間は協力を進められるかもしれない。
だが、左派野党への政権交代などがあれば、文前政権時のような
「戦後最悪」
の関係に戻り、
「新たな高み」
など吹っ飛びかねない。
そのリスクを忘れずにいるべきだ。
2018年の韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題も解決していない。
目標をミサイルなどで攻撃する準備で、危険な敵対的行為だった。
韓国は今も事実を認めず、謝罪もしていない。
自浄作用の働かない韓国の政府と軍は信頼しきれない。
キャンプデービッド合意に沿って韓国が動けば、朝鮮半島にとどまらずインド太平洋地域や世界でも存在感が高まろう。
国際政治の主なアクターとして登場できるかもしれない。
それには、レーダー照射などの反日政策の清算が求められる。
核兵器をめぐる分野は不十分だった。
米国は共同声明で、日韓防衛に関し、核抑止力を含む米国の拡大抑止は強固だと強調した。
それは良いとしても、核抑止自体の信頼性向上の取り組みへの言及がなかったのは残念である。

産経抄
2人の握手が向かう先
2023/8/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20230820-MHUWM7TTNZLZFMUXPCSQQ6JKHY/
ブッシュ(息子)米政権(2001年1月から2期)に招かれた海外首脳は、どこで応接されたかで大統領との距離を測ったという。
テキサス州クロフォードの私邸、キャンプデービッド、ホワイトハウスの夕食会―の順である。
▼小泉純一郎元首相は全てに招かれている。
中でもワシントン郊外の大統領山荘、キャンプデービッドでの交歓をご記憶の方は多かろう。
ブッシュ氏から革のジャンパーと野球のボールを贈られ、上機嫌でキャッチボールしたのは2001年6月末だった。
▼「ペリー来航以来、最良の日米関係」
という首相周辺の言葉が小泉政権時の記事にある。
古くは対立するエジプトとイスラエルの首脳会談も同山荘で行われ、平和条約に繋がった。
険悪な両者の壁を溶かし、近い両者の距離を更に縮める。
友好の磁場がそこにはあるらしい。
▼岸田文雄首相と尹錫悦韓国大統領も、この山荘を舞台に改めて握手した。
防衛面や経済安全保障など、中長期の協力を推し進めることで一致を見た、日米韓首脳会談である。
中国と北朝鮮という脅威に対し、3カ国が結束の隙を見せてはならない。
▼北は核・ミサイル開発に前のめりで、中国は東・南シナ海での挑発をやめない。
日韓の歩み寄りをバイデン大統領は勇断と見た。
この握手はしかし、関係の永続を保証したものとは言い難く、
「尹政権下」
との条件付きか。
日本が大きく譲った上での対応であることも忘れまい。
▼日米韓の安保協力は
「新たな高み」
に引き上げられ、日韓も世界を視野に入れた新たな関係を築く責任を背負っている。
「友情は成長の遅い植物だ」
と言ったのは、初代米大統領のワシントンである。
気の遠くなるような時間がかかるだろう。
やむを得まい。

習政権は「包囲網」と警戒 頼氏訪米では軍事演習
2023/8/19 19:56
https://www.sankei.com/article/20230819-DFWP6SYIEFPFRN7ZBKCD3F22N4/
日米韓3カ国が安全保障面で協力強化に動いていることを、中国の習近平政権は
「中国包囲網」
の強化に繋がるとして警戒している。
習政権は、台湾の頼清徳副総統の立ち寄りを許したとして米国に反発し、2023年8月19日に台湾周辺で軍事演習を行った。
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月18日の記者会見で、日米韓首脳会談について
「陣営対立や軍事グループをアジア太平洋地域に引き入れる企ては人心を得ず、地域国の警戒と反対を引き起こす」
と非難した。
習政権は、米国が同盟国などとアジア太平洋地域で協力を進めていることを
「アジア太平洋版NATO(北大西洋条約機構)」
などと呼んで警戒を露わにしている。
硬軟両様の手法で3カ国の連携に楔を打つ構えを見せている。
一方、中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区の報道官は2023年8月19日、台湾周辺で軍事演習やパトロールを同日行ったと発表した。
報道官は談話で
「これは『台湾独立』分裂勢力と外部勢力が結託した挑発に対する重大な警告だ」
と強調。
頼氏が南米パラグアイ訪問に際して米国に立ち寄ったことへの対抗措置との事実上表明した。
演習は艦船と航空機の連携に重点を置いており、
「実戦能力」
の検証を行ったと説明した。
中国国営中央テレビによると、海軍の多数の駆逐艦や護衛艦、空軍の戦闘機、ロケット軍などの部隊が加わった。
中国軍は2023年4月、台湾の蔡英文総統が訪米してマッカーシー米下院議長と会談した後、台湾周辺で軍事演習を実施。
その際の演習期間は3日間で、国産空母「山東」も参加した。

首相、3カ国連携で成果 「断崖」の対中・対北外交へ
2023/8/19 19:54
https://www.sankei.com/article/20230819-DLNIWUQPIVK3VAWMTPOZWSH3JE/
岸田文雄首相は日米韓首脳会談で3カ国の安全保障協力を
「新たな高みに引き上げる」
ことで合意した。
2023年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に続き、関係を強化した。
この外交成果を基に2023年9月以降、中国や北朝鮮との対話に挑む。
首相は会談後の共同記者会見で
「今、日米韓3カ国の戦略的連携の潜在性を開花させることは必然であり、時代の要請だ」
と強調した。
成果の第1に安保協力を挙げた。
複数の領域での共同訓練を毎年実施することや、弾道ミサイル情報の即時共有の進展を確認した。
北朝鮮の資金源と言われるサイバー攻撃に関する作業部会の立ち上げでも一致した。
日米韓は既に弾道ミサイルや潜水艦対応の共同訓練の頻度を増やしている。
対北の共同対処力向上は対中抑止にも繋がる。
政府はこれを
「日米同盟と米韓同盟の戦略的連携」
と表現する。
今回、協力のフィールドも拡大した。
2024年、3カ国が国連安全保障理事会の常任・非常任理事国に揃う機会を捉え、安保理での連携で一致。
東南アジア諸国連合(ASEAN)や島嶼国への能力構築支援での協調を確認し、新興国・途上国への働き掛けでも足並みを揃えた。
政府高官は
@同志国と連携を強め
A新興・途上国を引き付ける
B中露などと向き合う
のが日本外交の基本方針だと説明する。
首相は2023年9月、ASEAN関連首脳会議などに臨む。
同会議で中国の李強首相との会談が調整され、2023年末に日中韓首脳会談の可能性がある。
日米韓の協力強化は対決ではなく、相手を対話に引き出すのが目的だ。
首相周辺は
「アジアのブロック化は加速するものではなく、日本を安全な方向に持っていけるかどうかどうかだ」
と指摘する。
ただ、日米韓の結束を警戒する中国はロシアとの軍事協力を強化し、北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返す。
首相周辺は
「2023年秋以降は左右どちらも断崖の尾根の上を歩く覚悟でやっていく」
と語る。

韓国、対中国牽制で日米と足並み 「名指し批判」応じる
2023/8/19 19:32
https://www.sankei.com/article/20230819-VIGCKH3EZRL7ZHA5OYH2NLBMXI/
韓国は2023年8月18日に発表した日米との共同声明で、中国が南シナ海で不法な海洋権益を主張し、危険な行動をしていると名指しで批判した。
過去の外交協議では最大貿易相手国である中国への配慮も目立ったが、尹錫悦政権は経済安全保障分野での協力強化にも積極的な姿勢を示し、中国を牽制する日米と足並みを揃えた。
米韓は尹氏が2023年4月、国賓としてワシントンを訪れた際にも、共同声明で中国を念頭にインド太平洋地域における
「一方的な現状変更の試みへの反対」
を明記したが、名指しの批判は避けた。
今回、一歩踏み込んだ表現に応じた形で、尹氏は首脳会談後の共同記者会見でも
「『力による現状変更』に反対し、国際秩序に基づく協力を一層強化する」
と強調した。
韓国はこれまで、自国経済を牽引する半導体の最大の輸出先でもある中国との関係に配慮する外交姿勢で日米との温度差が指摘されてきたが、2022年の尹政権発足後に対中姿勢を転換。
今回は中国による
「経済的威圧」
を念頭に、半導体や重要鉱物のサプライチェーン(供給網)で関連物資が不足した場合に情報を迅速に共有する
「早期警戒システム」
を導入することでも日米と合意した。
対中強硬姿勢を示す尹政権に対し、最大野党「共に民主党」は
「中国軽視の政策は国益を損ねる」
と反発を強める。
同党報道官は2023年8月19日、日米韓の合意内容について
「事実上の『準軍事同盟』で日本を含む3国の安保共同体を作る狙い」
だと批判。
「日本との準軍事同盟が国益にどんな役に立つのか、明確に説明せよ」
と主張した。

日米韓に先んじ露と「実戦」連携する北朝鮮、米に警告
2023/8/19 18:53
https://www.sankei.com/article/20230819-KWKCAXBA6JJKVNDIYDMRFDZUOM/
北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため、米キャンプデービッドでの首脳会談で安全保障協力の水準を引き上げた日米韓に対し、北朝鮮はウクライナ侵略を続けるロシアとの軍事協力を強めるなど、既に
「実戦」
での露朝連携を深めている。
会談直前には米国への対抗措置も警告した。
朝鮮人民軍総参謀部は2023年8月18日、米偵察機が2023年8月17日、日本海側の北朝鮮の
「経済水域」
上空を侵犯したとし、戦闘機を緊急出動させたと報道官声明で主張した。
北朝鮮は2023年7月にも同様の主張をし、直後に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。
米韓当局は北朝鮮がICBM発射などを準備する動きを捉えており、今回の会談や2023年8月21日からの米韓合同軍事演習に対抗した発射強行に警戒を強めている。
2023年8月27日の朝鮮戦争(1950〜53年)休戦協定締結70年の式典出席のため訪朝したショイグ露国防相を、金正恩朝鮮労働党総書記が兵器展示会に案内するなど歓待した。
韓国当局は、中露が北朝鮮の砲弾提供や合同訓練といった軍事協力案に合意したと見ている。
北朝鮮は見返りに技術支援をロシアに求めたとみられ、露朝協調の下、北朝鮮が軍備増強を一層加速させる可能性が高い。
北朝鮮の核・ミサイル開発を支えているとされるのが、2022年だけで被害額が7億ドル(約1000億円)相当に上るとされる違法なサイバー活動による暗号資産(仮想通貨)の窃取だ。
日米韓首脳はサイバー活動に対応する作業部会の立ち上げでも一致したが、中露の北朝鮮擁護で国連が対北追加制裁に出られない中、対応の限界も指摘される。

安保協力「新たな地平」 日米韓、対北から中露など脅威対処
2023/8/19 18:32
https://www.sankei.com/article/20230819-2T57MQWWMRPELLVUJDTMENOLKI/
日米韓首脳は2023年8月18日発表した共同声明で、3カ国の協力を
「新たな地平に引き上げる」
と宣言した。
従来、脅威と位置付けた北朝鮮に加え、中国やロシアが国際秩序を揺さぶる。
厳しさを増す安全保障環境を念頭に、バイデン米大統領は
「何十年という関係を築く」
と強調。
対北朝鮮を主眼としてきた日米韓の連携を、中露を含む広域課題に対処するため深化させる姿勢を示した。
「日本と韓国は不可欠な同盟国だ」。
バイデン氏は会談後の記者会見で、日韓と協力する重要性を改めて強調した。
弾道ミサイル技術を向上させる北朝鮮や、核兵器を含む軍備増強に突き進む中国、ウクライナ侵略を続けるロシアなどの脅威に、米国が単独で対処することは困難だ。
日米韓合同演習の定例化など、会談で合意した防衛協力を巡り、オースティン米国防長官は2023年8月18日の声明で
「共に直面する課題への取り組みを強化するものだ」
と指摘。
連携加速に期待を示した。
3首脳は
「インド太平洋対話」
の立ち上げでも合意した。
尹錫悦政権が韓国独自のインド太平洋戦略を初めて策定。
日米韓で中国の覇権に対抗する基盤が整った。
また、
「海洋安全保障に関する協力枠組み」
を設置し、中国が触手を伸ばす太平洋島嶼国や、東南アジア諸国連合(ASEAN)への能力構築支援でも連携する。
米国は日本、韓国と2国間で進めてきた安保施策を3カ国に広げ、効果的に中国や北朝鮮への抑止力を高める狙いだ。
ただ核の脅威に対抗する
「拡大抑止」
では温度差も浮かぶ。
米政権は2022年10月の外交・安全保障政策の指針
「国家安全保障戦略(NSS)」
を具体化した戦略3文書で、拡大抑止に関する日米韓の対話枠組みを掲げたが、今回の会談で進展はなかった。
日本政府関係者から
「拡大抑止の(3カ国)連携は、まず日米間での進展が必要だ」
との声が出る。
米政府高官は日米韓の首脳会談の定例化について、協力関係を
「固定化する」
狙いがあると指摘する。
だが、政権交代や世論の変化で、連携の土台が影響を受けかねない側面は残る。
各国が連携強化の勢いを削がないよう、合意を着実に実現できるかが試金石となる。

台湾周辺演習に中国軍機42機、艦船も多数 副総統の米国経由に反発
2023/8/19 17:45
https://www.sankei.com/article/20230819-Z3GSWADT25MQLBQTFX3I4W3SNE/
中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2023年8月19日、台湾周辺で同日行ったとする軍事演習やパトロールの映像を公開し、海軍の多数の駆逐艦や護衛艦、ミサイル艇、空軍の戦闘機や各種航空機の他、ロケット軍などの部隊が集結したと発表した。
台湾国防部(国防省)は2023年8月19日午前9時(日本時間同10時)以降、中国軍機延べ42機の活動を確認したと発表し、うち延べ26機が台湾海峡の中間線を越えたとした。
軍事演習は台湾の頼清徳副総統が南米訪問の際に米国に立ち寄ったことへの対抗措置。
頼氏が2023年8月18日に米国から台湾に戻ると直ちに演習を始め、強い反発を示した。
頼氏は2024年1月の台湾総統選の民主進歩党(民進党)候補で、民進党は頼氏訪米を口実にした
「選挙への介入」
だと批判した。(共同)

「台湾独立勢力」に警告か 中国軍、音楽ビデオ公開
2023/8/19 16:54
https://www.sankei.com/article/20230819-IFKSUUPVXRKPPISNYVNWTLBKF4/
中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2023年8月17日、戦闘訓練を撮影した動画を盛り込んだミュージックビデオを公開した。
中国メディアは、公開の狙いに関し
「台湾問題への高い関心を伝え、活動が活発化する台湾独立勢力への警告のためだ」
との見方を伝えた。
台湾海峡を念頭に
「海峡を読む」
と題された約1分30秒のビデオで、若い兵士らが
「困難を恐れずに進む」
との文言もあった。
動画には、海岸から装甲戦闘車両が上陸し、迷彩服の兵士らが銃を構えながら前進していく様子が映されていた。(共同)

フォト
日米韓、新協力原則で合意 対中、安保連携格上げ
2023/8/19 12:10
https://www.sankei.com/article/20230819-NMFWKTCUVNKVRFWHG6YUY5544U/
岸田文雄首相は2023年8月18日(日本時間19日)、米ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドでバイデン米大統領、韓国の尹錫悦大統領と会談した。
3カ国協力を巡る中長期の指針を示した新たな文書
「キャンプデービッド原則」
で合意。
安全保障協力を新たな高みに格上げし、首脳や閣僚が少なくとも年1回会談する方針で一致した。
3氏は
「日米韓パートナーシップの新時代」
を宣言、具体的な協力を記した共同声明も発表した。
日米韓は核・ミサイル開発を加速する北朝鮮だけでなく、覇権主義的行動を強める中国も念頭に戦略的連携を深化させる。
共同声明では、中国が南シナ海で不法な海洋権益の主張を貫く危険な行動をしていると名指しで非難した。
台湾海峡の平和と安定を維持する重要性も再確認した。
■「歴史的瞬間」に感慨
「歴史的な場所で、歴史的な瞬間を迎えるため、我々は会談した」。
バイデン米大統領は会談成果を発表した共同記者会見で、感慨深そうに目を細めた。
■日米韓「新時代の協力」
副大統領時代に東アジアの同盟国である日韓両国の外交に深く関与し
「強い思い入れ」(米政府高官)
があるバイデン氏。
当時は歴史問題を巡り日韓の対立が深まっていただけに、両国の関係好転への喜びはひとしおだ。
互いに歩み寄った岸田、尹両氏の
「勇気」

「指導力」
への感謝を繰り返し
「素晴らしい会談だった」
と強調した。
岸田氏が尹氏と共に日韓協力を一層前進させる考えを示すと、バイデン氏は満足そうに深く頷いた。(共同)

米韓首脳 対北朝鮮、拡大抑止強化を協議
2023/8/19 11:01
https://www.sankei.com/article/20230819-GD3VQHYUMFI7LCQSTAG355T4JM/
バイデン米大統領は2023年8月18日、大統領山荘キャンプデービッドに招いた韓国の尹錫悦大統領と個別に会談し、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮の対処に緊密に連携することを確認した。
ロシアによる侵略が続くウクライナへの支援の継続や、中国が軍事的な挑発を強める台湾海峡や南シナ海の平和と安定の促進についても協議した。
米政府の発表によると、両首脳は2023年4月の首脳会談で打ち出した
「ワシントン宣言」
に沿って、米国の
「核の傘」
を同盟国に広げる拡大抑止を着実に強化し、北朝鮮の核の脅威に対処していくことで一致した。
同宣言は、弾道ミサイルを搭載できる米戦略原子力潜水艦の韓国派遣などを明記。
2023年7月に米国の核戦略に関する情報を共有する米韓の核協議グループ(NCG)の初会合が開かれたことや、米原潜が韓国入港を果たすなど同宣言の取り組みを評価したとみられる。

中国、台湾周辺で軍事演習 頼清徳氏の米国立ち寄りへの対抗措置
2023/8/19 10:56
https://www.sankei.com/article/20230819-FCIZ4V5OKVICJJUFOOC2TA7SWQ/
中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区の報道官は2023年8月19日、台湾周辺で軍事演習とパトロールを同日行ったと発表した。
台湾の頼清徳副総統が南米パラグアイ訪問に際して米国に立ち寄ったことへの対抗措置とみられる。
東部戦区の報道官は談話で
「これは『台湾独立』分裂勢力と外部勢力が結託した挑発に対する重大な警告だ」
と表明した。
中国軍は2023年4月、台湾の蔡英文総統が訪米してマッカーシー米下院議長と会談した後、台湾周辺で軍事演習を行った。
その際には国産空母「山東」も参加した。
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月18日の記者会見で、頼氏が米国に立ち寄ったことに対し、
「中国は有力な措置を取って国家主権と領土保全を守り抜く」
と対抗措置を取ることを示唆していた。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/494.html#c28

[原発・フッ素54] 見えぬ汚染水「ゼロ」 見通しないまま迫る処理水海洋放出 福島第一原発(遮水壁はどこいった??) 戦争とはこういう物
19. 2023年8月20日 11:28:04 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-107]
<■103行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
岸田首相 きょう福島第一原発へ 処理水放出に向けて視察
2023年8月20日 5時22分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230820/k10014167981000.html
東京電力福島第1原発に溜まる処理水を薄めて海に放出する計画を巡り、岸田総理大臣は2023年8月20日、福島第1原発を視察し準備状況などを視察することにしています。
政府は週内に関係閣僚会議などを開き、出来るだけ早く放出を始める方向で調整を進めています。
福島第1原発に溜まる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画を巡って岸田総理大臣は2023年8月19日
「廃炉を着実に進め、福島の復興を進めていくため先送りできない課題だ」
「漁業への影響を可能な限り抑制する観点などを総合的に踏まえ、国として判断すべき最終的な段階に至っている」
と述べました。
これを受けて、岸田総理大臣は2023年8月20日現場を訪れて放出を行う設備などを視察することにしています。
岸田総理大臣は設備を視察するのは初めてです。
また
「東京電力の最高幹部が廃炉と復興に強い覚悟を持って取り組んでいるかについて、政府の責任者として確認を行い自らの思いも直接話したい」
とも述べ、東京電力の幹部と意見を交わすことにしています。
更に政府は、岸田総理大臣と全漁連の幹部らとの面会を2023年8月21日にも行いたい考えです。
そして、週内に関係閣僚会議を開き、出来るだけ早く処理水の放出を始める方向で調整を進めています。
ただ、漁業関係者は放出に反対する姿勢を示している他、
「汚染水」
という表現を使って反発する中国国内では日本産の水産物を対象に検査を強化する動きが見られることから、日本政府は今後も国内外への情報発信を続け理解を求めていく考えです。

処理水放出、22日にも決定へ 首相、20日に福島原発視察
2023/8/19 16:46
https://www.sankei.com/article/20230819-5TFHPWIBTBMIZHLRKVQQGFL7QE/
岸田文雄首相は2023年8月18日午後(日本時間19日午前)、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に向け、帰国翌日の2023年8月20日(日本時間)に福島第1原発を視察すると表明した。
訪問先の米ワシントンで記者団の質問に答えた。
政府関係者によれば、原発視察を踏まえて2023年8月22日(同)にも関係閣僚会議を開き、放出に向けた最終協議を行う。
この場で首相が放出開始日を決定するとみられる。
首相は記者団に
「漁業への影響を可能な限り抑制する観点などを総合的に踏まえ、国として判断すべき最終的な段階に至っている」
と語り、近く決定する意向を示した。
ただ、具体的な放出時期に関しては
「現時点で予断を持ってコメントすることは控えたい」
と述べるにとどめた。
政府は、福島県の沖合底引き網漁が解禁される2023年9月以降の放出に地元漁業者が反対していることを重視し、2023年8月中に放出を始める方向で調整している。
原発訪問では、放射性物質を含む水を浄化する多核種除去設備(ALPS)などの関連設備を視察する。
首相は記者団に
「万全の対策が取られているか、現場の人たちが重い責任感を持って進めているか、東電の最高幹部が廃炉と復興に強い覚悟を持っているかを確認し、自らの思いも直接話したい」
と強調した。
また、放出に反対している全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と近く面会したいとの意向も示した。
政府を挙げて風評被害対策に取り組む考えを伝達し、放出に向けた環境整備を図る。関係閣僚会議開催前の面会を調整しているとみられる。

首相、20日の福島訪問表明 処理水放出へ「最終段階」
2023/8/19 8:58
https://www.sankei.com/article/20230819-KO7T323MOFLPDNNT4SVJSL4CYI/
岸田文雄首相は2023年8月18日午後(日本時間19日午前)、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に向け、帰国翌日の日本時間2023年8月20日に福島第1原発を訪問すると表明した。
放出に関し
「漁業への影響を可能な限り抑制する観点などを総合的に踏まえ、国として判断すべき最終的な段階に至っている」
と語り、近く決定する意向を示した。
訪問中の米ワシントンで日米韓首脳会談後、記者団の質問に答えた。
政府関係者によれば、2023年8月20日の原発訪問を踏まえ、来週前半にも関係閣僚会議を開き、放出開始日を決めるとみられる。
2023年8月内に放出を始める方向で調整している。
首相は記者団に、放出に反対している全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と近く面会する意向も明らかにした。
政府を挙げて風評被害対策に取り組む考えを伝達し、放出に向けた環境整備を図る。
原発訪問では関連設備を視察し、現場の担当者や東電幹部らと面会する方向だ。
首相は
「万全の対策が取られているか、現場の人たちが重い責任感を持って進めているか、東電の最高幹部が廃炉と復興に強い覚悟を持っているかを確認し、自らの思いも直接話したい」
と強調した。

日韓首脳、処理水放出議題にならず 今年5回目の会談
2023/8/19 7:01
https://www.sankei.com/article/20230819-DFSZ3KARE5LZRHPSVZ6VZBATJI/
岸田文雄首相は2023年8月18日午後(日本時間19日未明)、米ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドで、韓国の尹錫悦大統領と個別に約20分間会談した。
韓国内で反発が根強い東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、尹氏は会談後の記者会見で
「今日は議題にならなかった」
と明らかにした。
尹氏は記者会見で、海洋放出計画は国際的な安全基準に合致すると評価した国際原子力機関(IAEA)の調査結果を
「信頼している」
と述べた。
今後も処理、放出に関する透明性のある点検が必要だとの認識も示した。
両首脳は会談で、外務次官級の
「日韓次官戦略対話」
を2023年秋に再開する方針を確認した。
2023年3月の日韓首脳会談で首脳同士の相互訪問
「シャトル外交」
再開で合意し、今回の首脳会談は2023年だけで5回目となった。

日本産水産物輸入3割減 中国、検査強化の影響
2023/8/19 10:22
https://www.sankei.com/article/20230819-2CDRXULBZNOZZJLIXZKA2CLBRE/
中国税関総署が2023年8月19日までに発表した貿易統計によると、中国が2023年7月に日本から輸入した水産物の総額は前年同月比28.5%減の2億3451万元(約46億円)だった。
前月比では33.7%減だった。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反対する中国が、日本から輸入した水産物に対して2023年7月上旬に全面的な放射性物質検査を始めたことが影響したとみられる。
同総署は2023年7月7日、処理水の海洋放出について
「事態の推移を見ながらあらゆる必要な措置を取る」
との談話を発表。
直後の2023年7月8〜9日頃に上海や広東省深圳などで検査が始まった。(共同)

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/285.html#c19

[原発・フッ素54] 見えぬ汚染水「ゼロ」 見通しないまま迫る処理水海洋放出 福島第一原発(遮水壁はどこいった??) 戦争とはこういう物
21. 2023年8月20日 23:41:32 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-106]
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首相、月内放出へ原発視察 21日に全漁連に理解要請へ
2023/8/20 16:45
https://www.sankei.com/article/20230820-R5Q3473GEROT7MAW3LMR3PIVYM/
岸田文雄首相は2023年8月20日、東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)を視察し、同原発の処理水の海洋放出に向け、安全性の確保と風評対策に万全を尽くすよう東電幹部に要請した。
首相は視察後、2023年8月21日に全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長ら漁業者と面会する意向を記者団に明らかにした。
月内に開始する方向で検討している処理水放出への理解を求める意向だ。
首相は放出開始日について、この日は記者団に
「今の時点で具体的に申し上げることは控えなければならない」
と述べるにとどめた。
坂本氏らとの面会は
「早ければ明日にもお目にかかりたい」
と語った。
放出に反対している坂本氏らに、政府を挙げて風評対策に取り組む考えを伝える。
2023年8月22日にも関係閣僚会議を開き、開始日を決定する方向だ。
決定に先立ち、2023年8月20日に福島第1原発を視察し、2023年8月21日に漁業者と面会することで、環境整備を図る狙いがある。
首相は原発視察で、放射性物質を含む水を浄化する多核種除去設備(ALPS)など関連設備を回り、東電の幹部や担当者から安全性確保の取り組み状況の説明を受けた。
また、東電の小早川智明社長らと面会し、
「最大限の緊張感を持ち、内外の信頼を裏切らないとの決意と覚悟で、政府と東電が全力を尽くしていかなければならない」
と伝えた。
小早川氏は、経営陣が情報を把握して速やかに指示を出せるよう、原発、風評対策、賠償などの関係部署を横断的に統括する社長直轄のプロジェクトチームを速やかに設置すると伝えた。
首相は視察後、記者団に
「安全性確保が緊張感を持って行われていることの報告を受けた」
と語り、準備状況に問題はないとの認識を示した。
その上で
「処理水の海洋放出は、廃炉と福島の復興を進めていくために決して先送りできない課題だ」
と強調した。

首相、21日にも全漁連会長と面会 処理水放出理解求める
2023/8/20 14:23
https://www.sankei.com/article/20230820-J6F3XZI42NOOFKU2Y2YNQQKZRA/
岸田文雄首相は2023年8月20日、東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)の処理水の海洋放出に向け、2023年8月21日にも全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長ら漁業者と面会する意向を明らかにした。
視察先の福島第1原発で記者団の質問に答えた。
首相は
「早ければ明日にもお目にかかりたい」
と述べた上で、西村康稔経済産業相が漁業者側と日程調整中だと説明した。
首相は放出に反対している坂本氏らとの面会で、月内の開始に向け調整している処理水放出に関し、政府を挙げて風評被害対策に取り組む考えを伝え、理解を得たい考えだ。

中露、大気放出の検討要求 海洋計画阻止へ共同歩調
2023/8/20 16:47
https://www.sankei.com/article/20230820-O554B5N5INPK3FHYVFKVOJBBM4/
中国、ロシア両政府が東京電力福島第1原発の処理水を巡り、大気への水蒸気放出を検討するよう2023年7月に日本政府に直接求めたことが2023年8月20日分かった。
複数の外交筋が明らかにした。
日本に海洋放出計画を先送りさせ断念に追い込むことを目指し、共同歩調を取ったとみられる。
日本政府は中露に反論していく方針だ。
中露が2023年7月下旬、日本政府に20項目の質問リストを共同で提出し、水蒸気放出は海洋放出より
「周辺諸国への影響が少ない」
と主張した。
国際原子力機関)IAEA)にも同様の文書を送った。
日本政府関係者は要求の
「受け入れは不可能」
と話した。
水蒸気放出は放射性物質トリチウムを含む処理水を蒸発させ大気中に排出する方法。
日本政府内で一時検討されたが、大気中の放射性物質のモニタリングが海洋よりも難しいなどとして見送られた。(共同)

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/285.html#c21

[国際33] 新しい世界体制の立ち上がり(田中宇)金資源本位制・日本は崩壊が少ない てんさい(い)
3. 2023年8月21日 00:33:32 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-105]
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不動産大手の恒大集団、米国で破産$\請 中国版リーマン・ショックに現実味 昨年末時点の負債総額は48兆円に
2023.8/18 11:46
https://www.zakzak.co.jp/article/20230818-2YGQYYUYVVOUZGOAHYVLPREHRQ/
経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は2023年8月17日、米ニューヨークの裁判所に外国企業の破産手続きを調整する連邦破産法15条の適用を申請した。
2023年7月に発表した2022年末時点の負債総額は2兆4374億元(約48兆円)に上り、債務超過となっていた。
中国では不動産バブルの崩壊で経営が悪化する企業が相次ぎ、
「中国版リーマン・ショック」
も懸念されている。
連邦破産法15条は、米国外の企業が米国内の資産を保護するための手続き。
債権者による資産の差し押さえを回避し、再建を進める狙い。
恒大集団は1996年創業で、中国の不動産バブルに乗って高層マンション開発で急成長した。
電気自動車(EV)や医療・福祉、飲料水事業にも進出、サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制したこともある広州FC(旧広州恒大)も保有するなど多角化したが、中国政府の不動産向け融資規制やコロナ禍により2021年頃から経営が悪化し、資金繰りが困難となっていた。
地元の中国広東省政府などの支援を受け、2023年3月に外貨建て債務の再編計画を発表したが、合意した債権者が一部に限られていた。
同社の2021年と2022年12月期の純損失は計約5819億元(約11兆円)。
香港取引所での恒大株の売買は2022年3月21日から停止している。
中国の不動産大手では、米経済誌フォーチュンによる2021年の世界企業500社売上高番付にランクインした碧桂園(カントリー・ガーデン)が2023年1〜6月期で最大550億元(約1兆1000億円)の赤字になると公表。
米ドル建て債券の利払いが履行できず、債務不履行(デフォルト)危機となっている。
広州富力地産が支払い遅れを発表した他、大連万達集団の幹部は公安当局に連行された。
不動産に資金を投じていた信託商品の運用会社も利払いを停止するなど金融危機にも波及しかねない状況だ。

ねずみ講&壊か!中国信託の支払い遅延、習政権直撃 金融爆発に黄信号 配当滞り…主婦が自殺を図ろうとする動画も
2023.8/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20230818-WPHPIKL4EFMDHO7ORVDPUXSP3I/
中国の金融業界が揺れている。
不動産バブル崩壊が加速する中、中国最大級の投資ファンドの傘下企業が売り出した
「信託商品」
に関連する支払いが滞っていると報じられているのだ。
米ブルームバーグによると、中国の金融監督当局は、投資ファンドのリスクを調査する作業部会を設置した。
この問題について取材を続けてきた産経新聞特別記者の田村秀男氏は今後、
「中国版リーマン・ショック」
のような巨大金融危機に発展する恐れもあるとして、岸田文雄政権に警鐘を鳴らす。
北京に本社を置く中国最大級の投資ファンド
「中植企業集団」
の傘下企業が
「理財商品」(信託)
の元利払いを突如停止したという情報が駆けめぐっている。
現地のSNSなどによると、中植直轄の投融資信託
「定融」
が元本2300億元(日本円換算約4兆6000億円)を、中植傘下の信託会社
「中融国際投信」
は5000億元(約10兆円)以上を投資家から集めてきたとされている。
売り物は高利回りで、銀行の1年定期が1.5%なのに、定融は9.1%、信託商品は8%にも上るという。
投資家は富裕層を中心に15万人に上るとみられ、習近平政権は情報を統制してきたが、投資家たちは通信アプリ「微信」(ウィーチャット)を通じて連絡を取り合ってきた。
投資家には日本円で数十億円単位を投じてきた富裕層や中小企業経営者が多いが、中には数百万円程度の小口投資家もいるとされている。
微信には2023年8月初め、中植に投資した農村部の主婦が泣きわめきながら、農薬で服毒自殺を図ろうとし、それを必死になって止めようとする姉妹の映像も流れた。
それを見た投資家は
「自殺事件でも起きれば、新聞やテレビも取り上げるだろうから習近平政権も無視できなくなる」
と、はしゃぐコメントを発信した。
地獄絵さながらだ。
金融ビジネスに精通する投資家のCさんは
「十数年前から投資を始めて以来、1度も配当が滞ったことはなかった」
と話す。
中植の幹部には元裁判官や大手銀行のトップのOBが居並ぶし、株式の3分の1は国有企業大手が保有しているので信用し切っていたという。
2023年8月上旬までにCさんが入手した情報では、中植の手元資金は70億元(約1400億円)にとどまり、すぐに換金できる流動資産は極僅かだ。
「私たちが回収できる元本はよくて3割程度、下手すると数%にとどまるかもしれない」
とCさんは不安に苛まれている。
高利回りの秘密は2つあるとされる。
1つは、集めた資金の投資先は不動産関連である。
不動産業界は住宅相場の値上がり、つまり不動産バブルで荒稼ぎできると見込んで、中植からの高利の借り入れに走ったという。
ところが住宅相場は2022年初め以来下落が続き、歯車が逆回転している。
不動産開発投資は前年比で2ケタ台のマイナスに落ち込んでいる。
中植の信用危機は不動産バブル崩壊が招いたといっていい。
投資家は、高利回りを可能にしたもう1つの側面について
「ねずみ講」
のようなスキームにあるとみている。
高利回りに惹かれた投資家が新規、または追加投資することで、中植の手元資金が膨らみ、投資家に対する約束通りの配当が可能になってきたという。
ところが、不動産市況低迷が長引くにつれて新たな投資家は少なくなり、配当資金が底を突いたとみられている。
グラフは、中国の信託資産の各月から6カ月合計の満期到来額の日本円換算額である。
2023年6月から急増し始め、中植の元利払い遅延が始まった。
不動産バブル崩壊、更にデフレ不況入りを考えると、金融爆雷(爆発)は始まったばかりだ。
住宅抵当証券の焦げ付きから始まった2008年9月の米リーマン・ショックを想起させるのに十分だ。
リーマン・ショック級の金融危機に発展すれば、日本にとっても対岸の火事ではない。
岸田政権は増税路線に走っているが、減税で内需拡大を図り、危機に備えねばならない。

「中国版リーマン・ショック」勃発も!? 信託大手が支払い遅延 隠しようがなくなった¥K政権、金融崩壊阻止に必死か
2023.8/15 11:22
https://www.zakzak.co.jp/article/20230815-SXBCDH6ALFO5ZCE32TJDUNX2TY/
中国の信託大手、中融国際信託で、期限を迎えた信託商品の支払いが滞っていることが明らかになった。
香港メディアや米ブルームバーグが報じ、2023年8月15日の産経新聞も報じた。
同信託の主要株主である中国最大級の投資ファンド、中植企業集団の流動性危機が関連しているとの情報もある。
習近平政権は問題の封じ込めに必死だが、不動産バブルが崩壊すれば
「中国版リーマン・ショック」
のような巨大金融危機に発展しかねない事態だ。
この問題をウオッチしてきた産経新聞の田村秀男特別記者に聞いた。
■田村秀男氏が分析
香港紙、明報電子版)によると、上海証券取引所に上場する少なくとも3社が、投資していた中融国際信託の信託商品が期日までに返済されなかったと開示した。
このうち湖南金博碳素については、中融の信託商品に投資した6000万元(約12億円)に関連するものだという。
湖南金博碳素は開示文書で
「財務状況は健全であり、正常な企業運営や日常的な資金需要には影響しない」
と説明した。
中融の主要株主である中植企業集団の流動性危機が支払い遅延と関連しているという憶測が広がっている。
中植が管理する資産規模は約1兆元(約2兆円)だという。
田村氏によると、中国の2023年6月末の総融資残高は銀行系が23兆元(約460兆円)、中植のようなノンバンク系が134兆元(2680兆円)で、ノンバンク系の比重が4割近くと先進国に比べて圧倒的に高い。
ノンバンクの問題は中国経済の危機に直結しかねない。
田村氏は、中植の問題について2023年7月中旬から取材してきた。
「中国国内のメディアはどこも報じず、投資家たちはSNS『微信(ウィーチャット)』を通じて各地に抗議グループを結成した」
「2023年8月16日には北京の中植本社に押しかける予定だったが、参加者の自宅を警察署の担当官が訪れ、『北京には行かないほうがよい』と勧告してきたという」
と経緯を説明する。
中融に投資する上場企業3社の情報開示を受けた習政権は隠しようがなくなったという。
SNSでは、約15万人の投資家に利払いが滞り、その元本総額は約2300億元(約4兆6000億円)に達しているという驚くべき情報もある。
■米国株暴落に発展も
田村氏はこんな見通しを示す。
「SNSでは債務危機は『爆雷』と呼ばれている」
「習政権は金融崩壊を防ぐため、信託側に元本の支払いを約束させるなどの措置を取るだろうが、投資家の資金引き揚げが止まらない可能性もある」
「『中国版リーマン・ショック』に発展すれば米国株も暴落する恐れがあるため、ジョー・バイデン米政権も警戒しているのではないか」

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/368.html#c3

[中国13] 麻生氏「戦う覚悟」発言に抗議 中国「身の程知らず」と批判(東京新聞・共同) 蒲田の富士山
14. 2023年8月21日 14:19:21 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-104]
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世界の論点
麻生氏「戦う覚悟」発言 中国 日本親台派の勢力増に警戒
2023/8/21 10:00
https://www.sankei.com/article/20230821-RGN2A6FD2FN2TMIIVPEFIWWRFU/
自民党の麻生太郎副総裁が訪問先の台湾で行った2023年8月8日の講演で、台湾有事を念頭に
「日本、台湾、米国をはじめとした有志国には戦う覚悟が求められている」
と発言したことが波紋を広げている。
台湾では、与党を中心に
「日台は協力し合うべきだ」
と評価する声が上がる一方、
「中国を押さえ込む目的で台湾を利用」
していると批判的な見方も出た。
これに対し中国は、麻生氏が今回の訪台で存在をアピールすることで、安倍晋三元首相に代わり日本の親台湾派のリーダーに躍り出たと警戒を強めている。

台湾、「歓迎」「戦争扇動」賛否両論
麻生太郎自民党副総裁の講演での発言について、台湾では与党の民主進歩党(民進党)から歓迎の声が上がるなど好意的に受け止められた一方、
「戦争を煽っている」
と批判するメディアもあり、賛否が分かれる形となった。
民進党に近い大手紙、自由時報(電子版)は2023年8月11日に社説を掲載し、麻生氏の発言を評価した上で
「台湾と日本は共通の脅威に対処するために協力すべきだ」
と訴えた。
日台断交後、自民党議員として最高位となる麻生氏の訪台に対し、次期総統選や台湾情勢への
「日本側の高い関心の表れだ」
と歓迎した。
近年、日本の与野党議員が相次いで訪台していることも例示し、
「日台間の緊密な交流と信頼関係は日中間を遥かに上回る」
と指摘。
日台は
「民主主義の砦」
であり、インド太平洋情勢の急速な変化を乗り切る
「パートナー」
同士だとし、
「次期総統候補者は日本との協力関係を明確にすべきだ」
と主張した。
麻生氏は講演後の蔡英文総統との会談冒頭、日台関係を人気漫画
「ワンピース」
になぞらえ、
「主人公ルフィは友達を裏切ることなくリーダーとして力を示した」
「困った時は助け合う日台関係であり続けたい」
と述べた。
蔡英文氏は
「多くのアドバイスと激励を受けた」
と持ち上げ、一連の発言を歓迎した。
訪台に同行した自民党の鈴木馨祐(けいすけ)政調副会長は2023年8月9日の日本のテレビ番組で、麻生氏の
「戦う覚悟」
発現は
「政府内部を含め、調整をした結果だ」
と述べている。
麻生氏の
「台湾有事」
を意識した踏み込んだ発言は、岸田文雄政権と打ち合わせていたと主張するもので、波紋を広げた。
他方、麻生氏の発言に釘を刺したのが別の大手紙、聯合報(電子版)だ。
2023年8月9日の論評記事で、麻生氏は台湾に中国との戦争準備を促す一方、台湾防衛に向けた自衛隊派遣の是非などの言及を避けたとして
「無責任だ」
と批判した。
台湾を
「指導」
するような麻生氏の態度から、
「台湾が今でも日本の植民地であるかのようだ」
と皮肉を込めた。
中国寄りとされる中国時報(電子版)は2023年8月16日、
「麻生太郎の戦争の罠」
と題する専門家の記事を掲載した。
麻生氏の発言は、中国を押さえ込む目的で台湾を利用する
「軍国主義的戦術だ」
とし、
「表面上は日台友好を強調しつつ、実質的に両岸(中台)戦争を扇動している」
と非難した。
2025年大阪・関西万博に台湾が企業名でしか参加できない点にも触れ、日台は麻生氏がワンピースで例えたような友好関係が築かれていないと指摘。
「戦争が起きても日本は自国民保護しか考えない」
と断じた。

中国、日本親台派の勢力増に警戒
麻生太郎自民党副総裁の発言に中国の習近平政権は猛反発している。
在日本中国大使館は2023年8月9日に発表した報道官談話で
「身の程知らずのデタラメな発言だ」
と批判。
中国外務省報道官も2023年8月9日の報道官談話で
「対立と対抗を扇動し、中国の内政に乱暴に干渉した」
と非難した。
中国側は、首相経験者である麻生氏の影響力により、日本の政界で親台湾派が勢いを増すことを警戒する。
上海市日本学会名誉会長の呉寄南氏は、中国のインターネットメディア
「澎湃(ほうはい)新聞」
が2023年8月10日に掲載した論評の中で、麻生氏について
「安倍晋三元首相の暗殺後に一躍して親台湾派の『総帥』となった」
と指摘した。
その上で
「親台湾派は(安倍氏という)リーダーを失って発言権と影響力が明らかに弱まったが、麻生氏は今回の台湾訪問で怪気炎を上げて存在を顕著にアピールした」
という見方を示した。
習近平政権は、台湾問題を
「核心的利益の中の核心」
と位置付けて
「統一」
への決意を繰り返し表明している。
そうした中、日本と台湾が親密な関係を築いていることに苛立ちを募らせ、分断を図ろうとしているとみられる。
上海国際問題研究院中日関係研究センター秘書長の蔡亮(さいりょう)氏は、澎湃(ほうはい)新聞が2023年8月14日に掲載した論評の中で、
「日本の『台湾支援』の本質は真に『台湾を支援する』ということではなく、積極的、効果的に『中国に対抗する』ことにある」
と主張。
台湾の民進党政権について
「日本にとって『中国への対抗の親友』になっている」
と警戒を促した。
中国外務省報道官の談話も
「日本に媚び、台湾を売り渡すことは台湾の民衆に害を与えるだけだ」
と批判した。
米国との関係と絡めて分析する傾向も目立つ。
北京大学国際関係学院の帰泳濤(きえいとう)副院長は、中国国営中央テレビ(電子版)が2023年8月10日に掲載した記事で、麻生氏の発言について
「米国の一部の議員たちが台湾問題で煽り立てていることに迎合しようとしている」
という一方的な見方を示した。
習近平政権は、台湾問題や東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関して対日圧力を強める一方、新型コロナウイルス禍で停止していた日本への団体旅行を約3年ぶりに解禁した。
日本への圧力を強め過ぎて、米国との更なる対中連携に走らせないよう硬軟両様の構えを見せている模様だ。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は2023年8月11日の社説で、団体旅行解禁や麻生氏の発言を取り上げて
「中国は一貫して中日関係で善意を堅持しており、日本も相応の誠意を見せるべきだ」
などとして中国への歩み寄りを求めた。
●ポイント●
・台湾与党側は「日台は民主主義の砦」と歓迎
・台湾に中国との戦争準備促す発言との批判も
・中国は麻生氏が「対立と対抗を扇動」と反発
・中国は日台が親密な関係築くことに苛立ち

http://www.asyura2.com/19/china13/msg/328.html#c14
[政治・選挙・NHK171] いい加減、目覚めなさい。日本という国は、特権階級の人たちが、楽しく、幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が、安い給料で gataro
45. 2023年8月21日 14:27:14 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-103]
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エッフェル塔写真バッシングは嫉妬?和田秀樹氏に聞く
2023/8/19 13:00
https://www.sankei.com/article/20230819-26M4PK47QBOAZKT3NVJQ3F3WHM/
フランス研修中にエッフェル塔前で撮った写真などをインターネット上に投稿した自民党女性局長の松川るい参院議員らに対する批判が続いている。
研修費用は自民党費と参加者自身の負担で、公費の不正使用などがあったとは言い難いが、それでもバッシングが絶えないのは何故か。
精神科医の和田秀樹氏は
「今の日本社会に、社会的地位のある人の足を引っ張ってやろうという嫉妬の心理が生まれやすくなっている」
と指摘する。
「嫉妬学」
の著書もある和田氏に、現代日本の嫉妬の心理について話を聞いた。

ーー批判の背景に「議員が羨ましい」という嫉妬の心理があるか
★和田氏
嫉妬の一種があることは否定できない。
海外研修でも、研修時間外には自由な時間はあって良いはずだが、
『国会議員だから、おいしい思いをしている』
と思われたのだろう。
今の日本社会では、他人の足を引っ張ってやろうという嫉妬が生まれやすくなっている。
もちろん自民党女性局の人にも反省すべき点がある。
海外研修に行ったなら、そのリポートを公開し、政策にどう生かすか成果を示すべきだ。
国民はこれを機会に、政党助成金を受ける政党の議員には海外視察のリポート作成や公開義務付けを議論すべきではないか。
議員に嫉妬するよりも、その方がよほど生産的だ。

ーー日本社会に嫉妬の心理が蔓延しているのか
★和田氏
ただ、悪い嫉妬だけではなく、良い嫉妬もある。
精神分析学で
『envy』(エンビー)
と呼ばれる嫉妬は、相手に自分より勝っている点を見つけた時、破壊したいという衝動を抱く心理だが、これは今の日本社会に広がる危険な嫉妬。
一方、
『jealousy』(ジェラシー)
と呼ばれる嫉妬もあり、これは自分より勝っている人間に追いつき追い抜こうという心理で、互いに競い合う向上心をもたらすプラスの面がある。
戦後から高度経済成長までの日本は米国に追いつき追い抜こうとしてきたが、この時期には自分も頑張って少しでも偉くなろう、豊かになろうというのが国民全体の心理だった。
戦前の特権階級が崩壊し、庶民が経済的に這い上がったり、家が貧乏でも東大を出て官僚や政治家になったり、多くの人が
『俺たちも頑張れば、そうなれる』
と思った。
その表れの1つが受験競争だった。

ーーjealousy(ジェラシー)型の嫉妬社会だった日本が、envy(エンビー)型に変わっていると
★和田氏
社会に健全な競争があったはずが、いつの間にか政治家や財界人でも2世や世襲が普通になり、特権階級とは言わないにしても、社会階層のようなものが出来た。
受験競争も、親が高学歴・高収入の子供が小さな時から良い塾、良い私立学校に入っているから圧倒的に有利になり、学歴まで階層化した。
そうなると、多くの人に
『上にいるヤツには絶対勝てない』
という感情が起き、不満と共に、素朴な向上心が失われ、成功者が憎らしくなっていく。
envy(エンビー)型の嫉妬は、自分が愛されていないとか満たされていないとか思う人が持ちやすい心理とされるが、募る不満が足の引っ張り合いを生み、更に健全な競争心を失わせる。
日本の子供の学力低下や1990年代のバブル崩壊から最近まで続く経済停滞『30年不況』の背景にも、この競争心の喪失があるだろう。

ーー日本社会のenvy(エンビー)は30年不況が生んだんだのか
★和田氏
envy(エンビー)で足の引っ張り合いになったから30年不況になったのか、30年不況で人の心が荒んできたからenvy(エンビー)型になっているのかは分からないが、悪循環は起きやすい。
一番の問題は日本社会が競争を否定し過ぎたこと。
例えば、かつて学校では成績の順位を張り出したり、運動会で勝者を表彰したりが当然のようにあったが、差別だと言って止めた。
しかし、世界を見れば、国の発展の原動力は国民の競争心だ。
米国はもちろん、韓国でも、中国でも競争がある。
このままでは日本は世界に取り残される。

http://www.asyura2.com/14/senkyo171/msg/658.html#c45

[政治・選挙・NHK291] <政界地獄耳>恥ずかしい日本の人権意識の遅れ 先進国というにはお粗末すぎる(日刊スポーツ) 赤かぶ
63. 2023年8月21日 14:30:06 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-102]
<△29行くらい>
産経抄
8月21日 あなたの色は何色?
2023/8/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20230821-J4ORR4DBGREURIGN3KOCMKYWRA/
もしや我が母校も共学化されるのか。
LGBTなど性的少数者の理解増進を図る条例が昨年制定された埼玉県は、浦和(男子校)、熊谷(同)、浦和第一女子(女子校)各高校など男女別学の県立伝統校があることで知られる。
▼小欄まわりにも卒業生がいるが、冒頭のような疑問を口にしていた。
幸い、条例に基づき先日策定された埼玉県の
「性の多様性を尊重した社会づくり基本計画」
に、共学化構想は盛り込まれていないが、条例に対する不安や疑問は、消えないままだ。
▼差別解消は必要としても、男性が女性を
「自認」
し、トイレなど女性専用スペースに入った場合の混乱など、逆に女性の権利が侵害されかねないとの懸念が拭えない。
2023年6月に制定された国のLGBT理解増進法を巡っても、指摘されたことだ。
▼子供たちの教育への影響も心配だ。
埼玉県が推進している
「性の多様性を尊重した教育」
の小学5・6年生用のリーフレットを見ると、虹のイラストが描かれ、
「性っていろいろあるの?」
「あなたと私の色を探していこう」
などと書かれている。
▼「男なのにピンクが好きなんて、女の子みたい」
などの言葉に
「×」
がつき、
「その人らしさ」
を大切にしようと促している。
「らしさ」
はお絵描きの虹の7色のように色分けできるはずもない。
定義が曖昧な
「性自認」
「性の多様性」
を尊べと言われても無理があろう。
多感な時期の子供たちを惑わすような変な教育はやめてほしい。
▼学校の名簿の男女別をやめる他、高校入試の願書の性別記入欄をなくすなど、性差否定の教育が行われているのは、埼玉県に限らない。
男女の体力差や特性を無視せず、互いに敬い、協力し合う大切さこそ説いてもらいたい。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/396.html#c63
[原発・フッ素54] 岸田首相 処理水放出開始“安全性確保など政府で確認し判断”(表に繋がらぬ声など無視!) 戦争とはこういう物
4. 2023年8月22日 05:14:40 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-101]
<■186行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
首相が22日午前に関係閣僚会議開催表明 処理水24日にも放出へ 漁業者一定の理解
2023/8/21 20:25
https://www.sankei.com/article/20230821-YC4CWQZLDFNY5H6G7ILKTEFDVI/
岸田文雄首相は2023年8月21日、官邸で記者団に、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に関し、2023年8月22日午前に関係閣僚会議を開催し、放出開始日を決定すると発表した。
首相は開始日を明言しなかったが、政府は2023年8月24日にも放出する方向で最終調整している。
これに先立ち、首相は全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と官邸で面会し、放出への理解を求めた。
同席した西村康稔経済産業相は終了後の記者会見で
「一定の理解を得たと判断した」
と語った。
首相は面会で、漁業者支援などの十分な予算措置を求めた坂本氏に対し、
「(農林水産省の)水産予算とは別に、今後数十年の長期に渡ろうとも政府全体で責任を持って対応する」
と明言。
政府が設けた風評被害対策300億円、漁業継続の支援500億円の基金を活用し、廃炉完了まで対策を続ける考えを伝えた。
これに対し、坂本氏は
「非常に重い発言だ」
と評価した。
処理水放出については
「反対であるということは些かも変わりない」
と述べた。
同時に、放出計画は国際的な安全基準に合致すると評価した国際原子力機関(IAEA)の包括報告書などに触れ、政府の支援策や科学的な安全性に関し
「我々の理解は進んできている」
との認識を示した。
十分な予算措置と安全性確保の継続を条件に、放出開始を事実上容認した。
政府は福島県漁連に対し
「関係者の理解なしに如何なる(処理水の)処分も行わない」
と約束している。
西村氏によれば、面会に同席した福島県漁連幹部は
「約束は果たされていないが、破られたとは考えていない」
と語った。
首相は記者団に、処理水を保管するタンクが原発敷地内に林立し、廃炉を進めるために必要なスペースを確保する余地がなくなっていると指摘し、
「廃炉の前提となる処理水の処分は避けて通れない」
と説明した。

処理水風評被害対策、計800億円の基金活用 必要なら積み増しも
2023/8/21 19:17
https://www.sankei.com/article/20230821-ZCVSSFA4PVNNRB7RZV34HQKWM4/
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡ってはは、科学的に安全性が証明されても、放出が数十年続くことへの漁業者の抵抗感は根強い。
政府は風評被害対策など支援に全責任を持つと強調。
予算確保済みの基金を最大限活用する構えだ。
ただ、処理水の放出は数十年に及ぶため、放出開始後も必要に応じた政策対応は欠かせない。
「国が全責任を持って、処理水の放出、廃炉を安全に完遂する」。
2023年8月21日の記者会見で西村康稔経済産業相は強調した。
ただ、2023年8月21日の岸田文雄首相と全国漁業協同組合連合会側の面談でも、全漁連の坂本雅信会長は処理水の海洋放出に反対の姿勢を崩さなかった。
加えて、今後は漁業者への具体的なフォローアップが必要としている。
政府は風評被害対策として企業の食堂への水産物の提供や広報活動に約300億円、漁業の継続支援などに約500億円の基金をそれぞれ活用。
漁業者の支援に全力挙げる構えだ。
ただ、処理水を核汚染水として批判する中国では、日本からの生鮮魚の輸入が全面的な放射性物質検査を導入した2023年7月以降、大幅に減少。
中国の輸入減が長期化すれば、漁業者に何らかの支援を行う必要もありそうだ。
西村氏は基金の現時点での積み増しは否定するが
「必要な対策を適切なタイミングで取り続ける」
と説明。
2023年末に向けた予算編成作業の過程で、基金の積み増しなど追加の支援策が検討課題となる可能性はある。

処理水放出「信頼構築が重要」 開始日決定控え福島県知事
2023/8/21 13:40
https://www.sankei.com/article/20230821-KZUAYW6OLBLNFA3XOXPN4DJEDI/
東電福島第1原発の処理水の海洋放出開始日が、2023年8月22日にも決定の方向で調整が進んでいることに関し、福島県の内堀雅雄知事は2023年8月21日、
「関係者である漁業者と真剣に向き合い、理解を深め信頼構築を行っていくことが極めて重要」
との認識を示した。
定例会見で記者の質問に答えた。
処理水の海洋放出に対する国内外の理解について内堀知事は
「(海洋放出決定から)2年数カ月の間に深まってきた」
との見方を示しながらも、
「漁業者をはじめ真剣に反対の思いを訴える方もいる」
と指摘。
県として海洋放出決定後、県民や漁業者の痛切な思いを、政府高官に会ったり、会議の場などで計47回に渡り伝えてきたと明かした。
その上で内堀知事は
「信頼関係を構築することが基本」
と繰り返し、国は基本方針や行動計画で示した取り組みを徹底し、最後まで責任を持って対応するよう求めた。

海洋放出以外の検討要求 中国、原発処理水巡り
2023/8/22 1:19
https://www.sankei.com/article/20230822-P37CKQBKLJIAHAYWZHJSTRLAIU/
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月21日の記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水を巡り
「海洋放出以外の選択肢を議論し、責任あるやり方で福島核汚染水を処置するべきだ」
と求めた。
大気への水蒸気放出を検討するようロシアと共同で日本に求めた対応を念頭に置いているとみられる。
日本政府は2023年8月21日までに、大気への放出について
「拡散の予測が困難であり、放射性物質のモニタリングに課題がある」
と中露に伝えた。
外交筋が明らかにした。
汪氏は海洋放出に関し
「経済的コストを考慮して選択した計画であり、隣国や世界に不必要なリスクをもたらす」
と改めて批判。
「日本は国際社会の正当で合理的な懸念を直視し、周辺国をはじめ利害関係者と十分に意思疎通を図るべきだ」
とも指摘した。(共同)

中国原発、処理水上限超え トリチウム、7割の地点で 公式資料で判明
2023/8/8 17:51
https://www.sankei.com/article/20230808-Y6UQ6FC3ZFLULOXUH37Q5D46IM/

中国原発 処理水上限超え 排水トリチウム量 7割の地点で 2021年 公式資料で判明
2023年8月9日 5:00 沖縄タイムス

中国の原発、処理水で上限超え トリチウム、7割の地点で
2023年8月8日 20時06分 (共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/268801?rct=main

中国の原発、処理水上限超え トリチウム、7割の地点で
2023年8月8日 18:16
https://www.chibanippo.co.jp/newspack/20230808/1092901

中国の原発から2021年に放出された排水に含まれる放射性物質トリチウムの量が計17カ所の観測地点のうち、7割を上回る13カ所で東京電力福島第1原発処理水の年間放出予定量の上限を超えていたことが2023年8月8日、中国の公式資料で分かった。
福島第1の処理水の最大10倍相当を排出した原発もあった。
福島第1の処理水は溶け落ちた炉心に触れており、中国は危険だと大々的に宣伝。
2023年7月頃から日本の水産物に対する全面的な放射性物質検査を始め、事実上の輸入規制を課す対抗措置を開始した。
日本は中国の原発から出る放射性物質の状況を把握しているが通関検査の強化などは行っておらず、中国の対応の不合理さが改めて鮮明になった。
中国の原発の運転状況や管理体制をまとめた原子力専門書
「中国核能年鑑」
によると、浙江省の秦山原発は2021年に218兆ベクレルと、処理水の海洋放出計画が設ける年間上限
「22兆ベクレル」
の約10倍に当たるトリチウムを放出していた。(共同)

処理水放出に理解相次ぐ 中国は反対、NPT準備委
2023/8/9 10:48
https://www.sankei.com/article/20230809-GHMK4TY66RLAHE357XBD76QH3Y/
ウィーンで開かれている2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会で2023年8月8日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画に理解を示す声が相次いだ。
中国は処理水を
「汚染水」
と呼び、引き続き反対する姿勢を示した。
放出計画については、国際原子力機関(IAEA)が
「国際的な安全基準に合致する」
との報告書をまとめている。
英国は、IAEAの評価を
「信用する」
と強調。
イタリアは
「科学的証拠に基づいた」
日本とIAEAの取り組みを
「歓迎する」
と指摘した。
米国やオーストラリアなども放出計画に理解を示す内容の発言をした。
日本は、IAEA報告書や日本の取り組みに理解を示す声に謝意を表明した。
中国は
「日本は他の国と人類全体にリスクを移転させている」
「無責任だ」
などと主張した。(共同)

日本産輸入停止食品を没収 中国、処理水放出前に 販売企業に罰金も
2023/8/9 7:19
https://www.sankei.com/article/20230809-R2YTTYYAYZNFDLBQ7K6WRBGSJI/
中国メディアは2023年8月8日、東京電力福島第1原発事故を受けて2011年から輸入停止となっている福島県産などの食品を販売したとして、浙江省嘉善県の当局が地元企業に改善を命じ、食品を没収したと報じた。
処罰は2023年7月7日付。
岸田文雄首相が原発処理水を巡り2023年8月下旬から2023年9月前半の間に海洋放出を開始する方向で検討する中、放出に反対する中国は日本産食品の管理を強化している。
嘉善県の行政処罰決定書によると、地元企業は福島、埼玉、長野の3県で生産されたグミやチョコレート、飲料を仕入れて販売した。
3県はいずれも、中国が食品輸入停止の対象としている10都県に含まれている。
中国メディアは2023年6月にも、輸入停止の日本産の菓子や飲料を販売したとして広東省仏山市の企業が1万元(約20万円)の罰金を科され、食品の一部を没収されたと伝えた。(共同)

トリチウム放出量、中国では福島第1の6.5倍の原発も 欧米は桁違い
2023/7/4 20:36
https://www.sankei.com/article/20230704-2ZETT7SKZBMMJEDZYJCV6PUFTU/
東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出を巡り、計画の安全性を検証してきた国際原子力機関(IAEA)は2023年7月4日、放出計画は
「国際的な安全基準に合致する」
との包括報告書を公表した。
ただ、中国や韓国など周辺諸国からは反発も予想される。
日本政府は科学的な根拠を基に、粘り強く理解を求めていく構えだ。
福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、諸外国から安全性への理解を得ようと、政府が情報発信を強化している。
近隣の中国や韓国が非科学的な批判を繰り返し、政治利用しているためだ。
だが、中韓には、放射性物質トリチウムの年間排出量が福島第1の6倍を超える原発もある。
政府はこうした客観的な事実も対外的に示しながら、諸外国に冷静な対応を求めている。
福島第1のトリチウムの年間排出量は事故前の管理目標と同じ22兆ベクレル未満を予定する。
濃度を国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈した上で流す計画だ。
放出後には海水と混じり、更に薄まっていく。
トリチウムの除去は技術的に難しく、海外でも基準値以下に薄めてから海洋や大気中に放出している。
中には、福島第1の排出量を大きく超過する事例も少なくない。
経済産業省によると、中国では秦山第3原発が約143兆ベクレルと福島第1が予定する6.5倍、陽江原発は5倍、紅沿河原発は4倍。
韓国でも月城原発が3.2倍、古里原発が2.2倍に上る。
欧米では、数字が更に跳ね上がる。
フランスのラ・アーグ再処理施設は454.5倍。
カナダのブルースA、B原発は54倍、英国のヘイシャム2原発は14.7倍と桁違いだ。
これらのデータは経産省が海外向けに開設したサイトにも盛り込まれている。
政府は諸外国から求めがあれば説明の機会も設けてきており、2023年5月には韓国政府が派遣した専門家が福島第1を視察した。
西村康稔経産相は2023年7月4日、IAEAのグロッシ事務局長に対し、
「海洋放出の安全性について、国際社会に対してもしっかりと透明性をもって情報発信していきたい」
と伝えた。
東京電力は2023年7月4日、IAEAの報告書について、
「安全確保に万全を期し、国内外に透明性高く発信し、国際社会に理解を深めていただけるよう努める」
とのコメントを出した。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/288.html#c4

[政治・選挙・NHK291] <政界地獄耳>岸田文雄の言葉と田中角栄の名言(日刊スポーツ) 赤かぶ
41. 2023年8月22日 05:55:24 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-100]
<▽43行くらい>
<独自>令和6年度防衛省概算要求概要判明、過去最大総額約7兆7380億円 弾薬確保に約9300億円計上
2023/8/21 19:54
https://www.sankei.com/article/20230821-ERNTMF353JNO7BSLLEUMNYGCGM/
防衛省が令和6年度予算の概算要求で、過去最大の総額約7兆7380億円を計上する方針を固めたことが2023年8月21日、分かった。
継戦能力向上のため弾薬の確保に約9300億円を要求する他、地上配備型迎撃システム
「イージス・アショア」
の配備断念を受けて新造する
「イージス・システム搭載艦」
2隻の建造費約3800億円を盛り込む。
政府・与党関係者が明らかにした。
政府は2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略など安保3文書で、防衛力の抜本強化に向けて令和9年度までの5年間で計43兆円程度の予算規模を確保する方針を示した。
これを踏まえ、令和6年度の概算要求の総額は、令和5年度当初予算の6兆8219億円を大きく上回ることになった。
イージス搭載艦を令和9年度に1隻、令和10年度に更に1隻を配備する計画で、令和6年度から建造に着手する。
1隻当たりの整備費は計約3950億円となる見込みだ。
英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の開発費は約640億円を計上。
艦艇や地上目標を攻撃する
「精密誘導弾」
を開発するため約320億円を要求する。
国産の12式地対艦誘導弾の射程を延ばす
「能力向上型」
を艦艇に搭載する費用や、射程3000kmの
「極超音速誘導弾」
の量産費も求める。
また、装備品の部品不足解消や可動率向上に2兆円超を盛り込む。
自衛隊施設の老朽化対策や火薬庫の整備には計約8000億円を計上する。
陸海空自衛隊の一体的運用を図る常設の
「統合司令部」
は、令和6年度末に240人規模で設置する。
南西諸島への装備や物資の輸送を迅速に行うため、3自衛隊共同の部隊として
「自衛隊海上輸送群」
も新設する。

台湾、防衛費過去最高へ 24年、GDP比2.5%
2023/8/22 1:11
https://www.sankei.com/article/20230822-HYFSW65SPBP7XETSDX4K3RCS2I/
台湾の蔡英文総統は2023年8月21日、行政院(内閣)から2024年の予算案の説明を受け、防衛費は6068億台湾元(約2兆7800億円)となり過去最高を更新すると述べた。
域内総生産(GDP)比で2.5%に達するという。
総統府が発表した。
蔡氏は中国の軍事圧力を念頭に
「自衛力を強化し、台湾防衛の決意を示さなければならない」
と表明。
台湾製の軍艦の生産などが順調に進んでいることも強調した。
少子化対策の予算も過去最高の1201億台湾元となるとした。
台湾国防部(国防省)は2023年8月15日、2024年予算に計上する軍の燃料費が前年比約55%増となる見通しを示していた。
台湾周辺で活発化する中国軍機や軍艦の活動に対応するためとみられる。(共同)

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/504.html#c41

[原発・フッ素54] 山口 上関町に中間貯蔵施設計画 行き詰まる核燃料サイクル/水野倫之・nhk 仁王像
9. 2023年8月22日 06:07:48 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-99]
<▽34行くらい>
主張
上関町の調査同意 原発の持続に貯蔵施設を
2023/8/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20230822-NQ4Z5GO7LJPIJLSQZOHK7H3H4Q/
原子力発電所の使用済み燃料を保管する中間貯蔵施設が、瀬戸内海に面した山口県上関(かみのせき)町に建設される見通しが開けてきた。
中国電力と関西電力が共同開発を目指す事業である。
2023年8月18日に上関町議会への報告を経た上で、西哲夫町長が建設のための地質調査への同意を表明した。
国の原子力利用の基本である核燃料サイクルが未確立の現状において、中間貯蔵施設の持つ意味は非常に大きい。
エネルギーの安定供給と脱炭素社会の実現に欠かせない原子力発電を持続可能にするためには不可欠の施設なのだ。
発電を終えたウラン燃料は、原子炉から取り出して原発建屋内の使用済み燃料プールに移される。
燃料の高い余熱を取り去るためだ。
核燃料サイクル計画では、冷却を終えた燃料は青森県六ケ所村の再処理工場に移送され、燃え残りのウランとプルトニウムを回収して新燃料として再利用することになっている。
しかし、再処理工場の完成が予定より大幅に遅れているために、各原発で生じた使用済み燃料は増え続け、貯蔵プールの収容能力の上限に近づきつつある状態だ。
プールが満杯になれば原発の運転はできなくなる。
中間貯蔵施設は、貯蔵プールと再処理工場の間を繋ぐ、大量保管能力を持つので、原発再稼働の促進に当たっても必要である。
中間貯蔵施設に保管される使用済み燃料は、プールで熱量を落としたもので、キャスクという頑丈な金属製の専用容器に収納され、空気の自然対流を利用した空冷方式で管理される。
放射線の遮蔽能力など安全性は極めて高い。
増え続ける使用済み燃料の問題について、当面の打開策を国は
「エネルギー基本計画」
の中で提示している。
電力事業者間の連携強化を促しているので、中国電力と関西電力による上関町での計画も、その流れに沿ったものと位置付けられよう。
基本計画には、立地自治体の意向も踏まえながら国も前面に立って主体的に対応する、と記されている。
是非、そうしてもらいたい。
中間貯蔵施設は必要だ。
しかし、再処理工場の完成は一層重要だ。
岸田文雄政権に、その再認識を求めたい。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/287.html#c9
[原発・フッ素54] ALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント(処理水と言い換えても消えない) 戦争とはこういう物
6. 2023年8月22日 12:25:08 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-98]
<■147行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
24日に処理水放出開始 岸田首相が表明
2023/8/22 10:43
https://www.sankei.com/article/20230822-UF5SMHVAQZPPLJMBJIEYBVRFMY/
岸田文雄首相は2023年8月22日午前、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に関する関係閣僚会議で、2023年8月24日に放出を開始すると表明した。
風評被害対策や漁業者支援に政府を挙げて取り組む姿勢も強調した。
2023年9月1日に福島県沿岸の沖合底引き網漁が解禁される前に放出を始め、放射性物質の濃度などモニタリングのデータを公表する方針だ。
首相は関係閣僚会議で
「現時点で準備できる万全の安全確保、風評対策、生業継続支援策を講じることを確認した」
とし、東電に処理水の放出を求めると表明。
時期については
「気象・海象条件に支障がなければ2023年8月24日を見込む」
とした。
更に
「風評影響や生業継続に対する不安に対処すべく、たとえ今後数十年の長期に渡ろうとも、処理水の処分が完了するまで政府として責任をもって取り組む」
と強調した。
2023年8月24日に放出を始めれば、2023年9月1日の漁解禁前にモニタリングデータを公表し、水産物の安全性を国内外に示すことができる。
また、万が一基準値を超える濃度を測定した場合、漁期に入る前に放出を中止できる余地を残したとみられる。
福島第1原発では、多核種除去設備(ALPS)で放射性物質を含む水を浄化している。
放射性物質のトリチウムは除去できず
「処理水」
として同原発の敷地内のタンクで保管している。
敷地内には1000基以上のタンクが林立し、使用済み核燃料や原子炉格納容器内部の溶融燃料(デブリ)の取り出し作業や保管に必要なスペースが確保できなくなっている。
このため、2021(令和3)年4月、当時の菅政権が、環境や人体への影響がないレベルにまで海水で薄めた上で、海に放出する方針を決定した。
2023年7月4日、国際原子力機関(IAEA)の科学的な調査に基づく包括報告書で、海洋放出計画は
「国際的な安全基準に合致する」
との評価を得た。
首相は2023年8月19日深夜に訪米から帰国すると2023年8月20日に福島第1原発を視察し、安全性確保と風評対策に万全を尽くすよう東電幹部に要請。
2023年8月21日には、放出に反対している漁業者らと面会し、
「関係者の一定の理解を得たと判断した」(西村康稔経済産業相)
として放出開始を決定した。

処理水 早ければ24日放出開始へ 関係閣僚会議で決定
2023年8月22日 11時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230822/k10014169921000.html
東京電力福島第1原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画を巡り、政府は関係閣僚会議で国内外で計画への一定の理解が進んでいるとして、気象条件などに支障がなければ2023年8月24日放出を始めることを決めました。
関係閣僚会議は、岸田総理大臣をはじめ西村経済産業大臣や渡辺復興大臣らが出席し、2023年8月22日午前10時過ぎから総理大臣官邸で開かれました。
この中で岸田総理大臣は、処理水の放出を巡り2023年7月、IAEA=国際原子力機関から安全基準に合致していると結論づける報告書が出されたことも踏まえ、各国への説明を続けてきたことに触れ
「幅広い地域の国々から支持の表明が行われ、国際社会の正確な理解が確実に広がりつつある」
と述べました。
また2023年8月21日の漁業者との面会について
「政府の姿勢と安全性を含めた対応に『理解は進んでいる』との声を頂いた」
と述べました。
そして
「引き続き漁業者との意思疎通を継続的に行っていくことが重要だ」
と述べ、安全性の確保や風評対策の進捗状況を確認する場を新たに設け、漁業者に寄り添った対応を徹底していくよう関係省庁に指示しました。
この他、中国が日本産の水産物の輸入を規制する動きを見せていることなどを念頭に、国内消費の拡大や国外の販路開拓などの支援を強化していく意向も明らかにしました。
その上で処理水の海洋放出の時期について
「気象や海象の条件に支障がなければ、2023年8月24日を見込む」
と述べ、気象条件などに支障がなければ明後日2023年8月24日放出を始めることを決めました。
更に
「廃炉及び処理水の放出を安全に終えることや、処理水の処分に伴う風評への影響や生業の継続に対する不安に対処すべく、たとえ今後数十年の長期に渡ろうとも、処分が完了するまで政府として責任を持って取り組んでいく」
と重ねて強調しました。
■NHK世論調査
NHKが2023年8月11日から3日間、行った世論調査では東京電力福島第1原子力発電所に溜まる処理水の海への放出について適切かどうか聞いたところ、
▽「適切だ」が53%、
▽「適切ではない」が30%、
▽「わからない、無回答」が17%
でした。
■処理水の放出時期 決定の経緯
福島第1原発では、2011年の事故で溶け落ちた核燃料デブリを冷却する水や、原子炉建屋へ流れ込む雨水などから、放射性物質の大半を取り除いた処理水が溜まり続けています。
処理水には除去するのが難しい
「トリチウム」
などの一部の放射性物質が残るものの、敷地内で保管できる量にも限界があるため、どう処分するかが課題となり、国の下に設けられた有識者らによる組織で、2013年から検討が始まりました。
2020年に有識者らは、処理水を基準を下回る濃度に薄めるなどし、
▼海に放出する方法と、
▼蒸発させて大気中に放出する方法
のいずれかが現実的で、海に放出するほうが確実に実施できるとした報告書をまとめました。
これを踏まえ翌2021年に政府は、処理水を薄めて海に放出する方針を決め、東京電力に対し、2年後を目途に放出を開始する準備を進めるよう求めると共に、IAEA=国際原子力機関による調査を受けることになりました。
そして2年後に当たる2023年1月、政府は処理水の放出開始時期を春から夏頃を見込むと確認。
2023年7月にはIAEAが処理水の放出計画は
「国際的な安全基準に合致している」
とする報告書を公表したのに加え、海に放出する設備も必要な検査に合格し準備が整いました。
ただ放出計画には、漁業関係者などから反対の声が出たため、政府は安全性の確保や風評対策を徹底する方針を繰り返し説明し、理解を求めてきました。
また周辺国にも反対や懸念の声があり、特に中国は
「処理水」

「汚染水」
と表現して強く反発し、日本産食品の輸入規制を強化する動きを見せていることから、日本政府は科学的根拠に基づいた対応を取るよう重ねて求めてきました。
政府は国内外への出来る限りの説明や情報発信は尽くしてきたとする一方、処理水を保管できるスペースはなくなりつつあり、これ以上は計画を先送りできないとして、放出開始を決めました。
■韓国の魚市場では不安の声も
韓国・ソウルにある市内最大の魚市場、ノリャンジン(鷺梁津)水産市場では、処理水が放出されることに不安の声も聞かれました。
魚を売る店の男性は
「以前より客足が半分以上減っている」
「店に来る人の10人のうち6、7人が放出について話すのでストレスを感じている」
と話していました。
また日本産の魚介類も扱う別の店の女性は
「お客さんが怖がっている」
「放出されたらもっと大変なことになるだろう」
「新型コロナによる影響が終わったのに、またこんなことがあるととても心配だ」
と話していました。
韓国の関税庁によりますと、日本産の魚介類の輸入量は
▽2023年7月は2415トンで前の年の同じ時期と比べておよそ5%減少した他、
▽2023年6月迄の3か月間では、いずれも前の年の同じ時期を30%前後下回りました。
韓国メディアは
「放出が近付く中で、国民の懸念が大きいことが影響しているようだ」
と伝えています。
韓国では最大野党などが処理水を
「核廃水」
と呼び、放出に反対する一方、与党は
「非科学的な主張で不安を煽っている」
と批判しています。
こうしたこともあり水産市場の入り口には
「不安を起こすデマはこれ以上容認できない」
とか
「水産物の安全に異常なし、安心して消費しよう」
などと書かれた横断幕も掲げられ、水産業者が処理水の放出に敏感になっていることが窺えます。

産経抄
8月22日 処理水問題をこじらせているのは誰か
2023/8/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20230822-YRJZERX7LFMG5IMLUM5BZPJOMU/
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出は、2023年8月内の実現を見据えて大詰めを迎えている。
水産物への風評被害を防ぐ名案はないものか。
岸田文雄首相が実際に飲んで安全をアピールすればいい、との意見を耳にする。
▼実は既に前例がある。
2011(平成23)年10月の記者会見での出来事だった。
当時東電は原発の建屋地下に溜まる水を処理して敷地内に散水していた。
「安全と言うなら飲んでみたらどうか」。
記者の挑発に内閣府の政務官だった園田康博氏がコップ半分ほどの処理水をあおった。
残念ながら
「政府の愚かさを代弁した」
などと批判を浴びただけで終わってしまった。
▼政府の風評被害対策について、75%が
「十分ではない」
と答えた。
2023年8月21日の朝日新聞が報じた世論調査の結果である。
もっとも問題を拗らせているのは、むしろ朝日を含めた一部のメディアではないか、と食・健康ジャーナリストの小島正美さんが指摘する。
▼処理水に残っている放射性物質のトリチウムは人体に蓄積されることはなく、世界中の原発が同様の処理水を海に流してきた。
この科学的事実を国民に伝える使命を果たしていないという。
▼「安全でも安心できない」
との論理を振りかざして国民の不安を煽るのは、当事者意識がないからだ、とも。
元毎日新聞記者の小島さんは手厳しい。
ただしメディアの
「改心」
を待っている猶予はない。
▼ペットボトル1本でいいから、全国各地で処理水の海洋放出を分かち合うセレモニーがあっていい。
小島さんが編集した『みんなで考えるトリチウム水問題』には、フリージャーナリストの井内千穂さんがこんな提言を寄せている。
確かに多くの国民が処理水問題を自分事とするきっかけとなるだろう。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/290.html#c6

[原発・フッ素54] ALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント(処理水と言い換えても消えない) 戦争とはこういう物
25. 2023年8月23日 07:36:10 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-97]
<■286行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
処理水の海洋放出 政府が責任もち完遂せよ
2023/8/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20230823-JPPJ4VAIP5LXLBYKKKHBIX3JJQ/
東京電力福島第1原発の処理水を巡り、岸田文雄政権は2023年8月22日に関係閣僚会議を開き、2023年8月24日にも海洋放出を始めることを決めた。
岸田首相は国内外に向けて安全性を丁寧に説明し、万全の風評被害対策を講じなければならない。
同時に科学的な根拠がない主張や虚偽の情報には、風評被害を防ぐ観点からも毅然と対処してほしい。
処理水の海洋放出は、今後数十年に渡って続く福島第1原発の廃炉工程の一環である。
30年程度かかると見込まれる海洋放出を含め、廃炉に向けた作業を適切に積み重ねていく取り組みが求められる。
そうした手順を欠けば、岸田政権が掲げる福島の復興や原発の活用も覚束ない。
政府は海洋放出を東電に丸投げすることなく、政府の責任で完遂してもらいたい。
放出する処理水は、原発事故による汚染水中の放射性物質を除去したものだ。
原理上取り除けないトリチウムは残るが、その放射線は弱く、自然界にも存在している。
それを排水基準の40分の1未満に海水で薄め、海底トンネルで約1km沖合に流すので安全上の問題はない。
処理水の貯蔵量は130万トンを超え、2024年前半にも敷地内に1000基以上あるタンクが満杯になる見込みだった。
海洋放出はタンクを段階的に減らし、本格的な廃炉作業に備えて用地を確保する狙いもある。
トリチウムを含む排水の海洋放出は世界で広く行われており、今回の放出も通常の措置と言える。
2023年7月には国際原子力機関(IAEA)も放出などについて、
「妥当」
とする報告書をまとめた。
今後もIAEAは放出を監視することにしており、国際社会の不安払拭に繋げていきたい。
岸田首相は放出決定に先立つ2023年8月21日に全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長らと会い、改めて理解を求めた。
首相は廃炉までの数十年に渡り
「国が全責任を持って必要な対策を講じる」
と表明した。
政府は誠実に約束を履行してもらいたい。
それでも漁業者は風評被害を懸念している。
政府は海産物などに風評被害が生じた場合に備え、合計800億円の基金を創設した。
事業者が使いやすい運営を心掛け、必要に応じて基金の追加拠出も検討すべきだ。
小売業者への説明も不可欠だ。

日本「科学に基づかない」と反論 処理水で中国側に
2023/8/23 0:22
https://www.sankei.com/article/20230823-X6UL3VLNI5PENIA7WDKTWAF3XE/
中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官は2023年8月22日、日本の垂秀夫(たるみ・ひでお)駐中国大使を呼び出して、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を2023年8月24日に開始する方針を日本政府が決めたことに抗議した。
中国外務省の発表によると、孫氏は
「重大な懸念と強い反対」
を表明し、日本に計画の撤回を求めた。
孫氏は
「中国を含む周辺国や国際社会に核汚染のリスクを転嫁する行為だ」
と主張。
日本の決定を
「私利私欲に走り、極めて無責任だ」
などと非難した。
在中国日本大使館の発表によると、垂氏は、日本が中国を含む国際社会に対し
「科学的観点から、高い透明性を以て、誠実かつ丁寧に説明を続けてきた」
と反論。
中国側の抗議に対し
「科学的根拠に基づかない主張を行っていることは残念だ」
と述べつつ
「海洋放出開始後も、中国側の関心を踏まえつつ引き続き意思疎通を続けていく用意はある」
と表明した。
習近平政権は処理水放出が始まる前から日本産水産物などに対する事実上の輸入規制を敷いて対日圧力を増している。
垂氏は
「科学的根拠に基づかない措置は受け入れられない」
と強調。
欧州連合(EU)諸国などが輸入規制を撤廃したことに触れ、中国のみが
「流れに逆行している」
と指摘した。
垂氏は、中国側が処理水を
「核汚染水」
と呼んでいることについても
「日本が海洋放出するのは
『汚染水』
ではなく
『ALPS処理水』
であり、中国側はこの用語を使うべきである」
と求めた。

処理水放出 政府、在京大使館に説明会 中国など参加
2023/8/22 22:06
https://www.sankei.com/article/20230822-JLEVUZIRVBOOREHXX63AWGFZAI/
政府は2023年8月22日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、在京大使館関係者向けの説明会をテレビ会議形式で実施した。
海洋放出を2023年8月24日に開始する政府方針を説明。
反対する中国を含む32の国・地域から48人が参加した。
外務省によると、参加者からは、国際原子力機関(IAEA)の今後の関与などについて質問があったという。

仏、IAEAの見解支持
2023/8/22 21:46
https://www.sankei.com/article/20230822-FTONOUPX5RLXLNXZCJPJ75ZUMI/
フランス外務省は2023年8月22日、日本政府が2023年8月24日開始を決めた東京電力福島第1原発の処理水放出について、国際基準に合致するとした2023年7月公表の国際原子力機関(IAEA)の包括報告書を歓迎しているとして、IAEAの見解を支持する立場を改めて示した。
その上で、今後もIAEAの監視活動を支援していくと強調した。(共同)

処理水放出決定 廃炉へ一歩前進、原発活用の推進占う
2023/8/22 21:03
https://www.sankei.com/article/20230822-6LXOTGQHVNPHNF7TZXSOSIOR5Y/
政府が2023年8月22日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を決断したことで、
「福島の復興に不可欠」
とされる廃炉に向けた作業は一歩前進する。
廃炉の着実な実施は、爆発事故からの回復と地域の安全・安心の確保に繋がる。
原発を最大限活用し、脱炭素社会の実現を目指す岸田文雄政権のエネルギー政策にとっても、大きなステップと言える。
「(放出・廃炉の)実施主体として厳粛に受け止め、速やかに準備に入るように現場に指示をした」。
東京電力ホールディングスの小早川智明社長は2023年8月22日の関係閣僚会議後、首相官邸で記者団の取材に応じ、放出の準備を始めたことを明らかにした。
処理水の放出は、国の規制基準の40分の1未満に希釈して実施する。
気象・海象条件が整えば第1弾として、2023年8月24日から延べ17日間かけて、1日当たり約460トン、計7800トンの処理水を海に流す。
機器の故障などの異常を検知した場合には自動停止する。
震度5弱以上の地震を検知したり、津波注意報が発令されたりした場合も現場の判断で緊急停止する。
2023(令和5)年度は2023年8月24日開始分を含め4回に分けて、全部で3万1200トンを放出する計画だ。
トリチウムの総放出量は約5兆ベクレルになる見通しという。
処理水の放出は、廃炉を進めていく上で欠かせないプロセスだ。
福島第1原発の敷地は現在、処理水を保管するタンクで占拠されている。
廃炉作業をスムーズに進めるには、1000基を超えるタンクの数を徐々に減らし、空きスペースを確保する必要があるからだ。
政府は2041(令和23)〜2051(令和)33年の廃炉の完了を目指している。
具体的には、汚染水対策として、7年内に汚染水の発生量を1日100トン程度に抑制する他、原子炉建屋に滞留する汚染水を2024(令和)6年度までに2020(令和2)年末の半分程度に低減させる。
2023(令和5)年度中にも1号機に大型カバーを設置するなど、使用済み燃料プールからの燃料の取り出しも進める。
2031(令和13)年中に1〜6号機の燃料取り出しを完了する。
原子炉内で燃料や構造物が溶けて固まった
「燃料デブリ」
の取り出しは2023(令和5)年度後半にも着手し、構内に新設予定の保管設備で保管する計画だ。
廃炉作業の過程で発生する瓦礫も適切に保管し、廃棄物対策にも取り組む。
政府は2030(令和12)年度に原発の電源構成を2割程度とする目標を掲げる。
2023(令和5)年2月には、原発の最大限活用を盛り込んだ脱炭素化に向けた基本方針を閣議決定し、原発事故以降、抑制してきた原発政策を転換した。
処理水の放出と廃炉への取り組みは、岸田政権のエネルギー政策の行方を占う試金石となる。

処理水放出 名古屋学芸大副学長・山本一良氏「風評抑えるには丁寧な情報発信」
2023/8/22 19:22
https://www.sankei.com/article/20230822-FRWLNVCQJJJK3FJDP2DLFZXVEE/
2023年8月24日に海洋放出が開始される東京電力福島第1原発の処理水の処分法を巡っては経済産業省の小委員会が2020(令和2)年2月、海洋と大気への放出を
「現実的な選択肢」
に挙げて、放射性物質監視などの面から
「海洋放出の方が確実に実施できる」
とする提言をまとめた。
当時、委員長を務めた山本一良・名古屋学芸大副学長(原子力学)に処理水の安全性について考えを聞いた。

──処理水に含まれる放射性物質は害を与えるか
健康被害を起こす毒になるかどうかは体内濃度による。
猛毒のサリンやVXガスも、桁違いに致死量を下回って体内濃度が低ければ、体に取り込まれても害はない。
逆にお酒やコーヒーも飲み過ぎれば致死力を持つ。
塩化ナトリウムも摂取が過ぎれば毒になり、しょうゆを1リットル飲めば死んでしまう。

──放射性物質を体内に取り込んでも大丈夫なのか
極めて毒性の強い放射性物質『ポロニウム210』も体内に含まれている。
暗殺にも使われると知られる毒物だ。
日本人が経口摂取で内部被曝する年平均0.99ミリシーベルトの放射線量のうち、0.8ミリシーベルトがポロニウムによるものだが、体内濃度が低いから毒にならない。

──処理水に含まれる放射性物質の濃度は国の規制基準以下に下げる
規制基準は国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を基に定められる。
ICRPではトリチウムなどの放射性物質が健康に影響を与える体内濃度を巡って、放射線の専門家があらゆるデータを集めて検証している。

──汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)で放射性物質のトリチウムは除去できない
トリチウムが出す放射線のエネルギーは極めて低く、他の放射性物質に比べ、遥かに扱いやすい。
放出するトリチウム濃度は国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1未満まで薄める。
安心を確保するためだ。
安全の確保という意味では余分な作業と言える。

──処理水の処分法について2013(成25)年12月以降、経産省のトリチウム水タスクフォースが議論し、小委員会の報告書をまとめるまで6年以上かかった
タスクフォースでは委員長として
『自分たちの専門知識を忘れてほしい』
と伝え、ゼロベースで検討してもらった。
処理水を固形化して地中深く埋めるなど、通常では考えにくい案も議論した。
小委員会では風評への影響を抑えるためには丁寧な情報発信が欠かせないという結論に至った。

──小委員会の報告書のポイントは
放射性物質や有害物質も自然界や人体に一定量存在する。
人体への影響の大小は、その濃度によるということに留意すべきだ。

──中国政府は、福島原発の処理水は原子炉の炉心と接触したため、60種類以上の放射性物質が含まれていると主張する
原子力規制委員会は全体として薄めれば大丈夫だという見解だ。
ただ、小委員会は報告書で、それぞれの放射性物質について規制値以下に除去することを求めた。
安全面を考えれば、規制委の見解通りだ。
ALPSの機器は増設・改良されることになったが、安心のために個人的に提案した。

──処理水の放出を巡る報道について
両論併記は相応しくないのではないか。
安全であることはサイエンスとして正論だ。
他方、サイエンスの世界ではないが、安全だと分かっていても怖いという感情は分かる。
ただ、マスコミ報道は恐怖を助長する方向で動いている感じがする。

──処理水が害を与えると主張する専門家もいる
色々な説を唱えるのは自由だ。
ただ、それは科学のコンセンサス(合意)を得られていない。

──科学的知見よりも風評が優先される状況だ
放射線の『ホ』の字でも怖いという状況だ。
放射線に関する日本人の理科教育が手薄だったのではないかと感じる時がある。

──2023年8月24日に放出される
やっとここまでたどり着いたか、という感じだ。
サイエンスの方面から
『早く決断すべきだ』
と言われ続けていた。

処理水海洋放出 風評対策 対中国が焦点に
2023/8/22 19:13
https://www.sankei.com/article/20230822-THQKKWYNVNJQHGVNPVCHN2EQNI/
政府は東京電力福島第1原発の処理水を2023年8月24日から放出すると決めた。
増え続ける貯水タンクが廃炉作業の妨げとなることが懸念されてきた処理水問題は、原発事故から12年超を経て1つの節目を迎える。
今後の課題は風評対策だ。
処理水を
「核汚染水」
と喧伝する中国への対応が焦点となる。
政府は放出の国内対策を念入りに進めてきた。
岸田文雄首相と全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長による2023年8月21日の会談が、最後の
「関門」
だった。
首相は風評被害対策などに最後まで政府が責任を持つ考えを強調し、坂本氏は
「我々の理解は進んできている」
と応答。
これで政府は
「一定の理解を得た」
と放出開始を最終決定した。
会談の様子はメディアに公開されたが、政府関係者によると、両者のやり取りは西村康稔経済産業相の下、事前に擦り合わせが行われていたという。
他の漁連幹部ら出席者全員と
「事前調整」
があったわけではないが、最後は首相が1人1人と握手して別れる和やかな光景となった。
首相周辺は
「こんな雰囲気で一件落着とは思っていなかった」
と胸を撫で下ろした。
国外対策でも、政府は国際原子力機関(IAEA)の報告書を基に、太平洋諸国など各国に放出計画を説明し、多くの国から理解を得た。
例外は中国で、処理水を
「核汚染水」
と決め付け、日本政府を批判するキャンペーンを国際社会で展開。
政府関係者は
「処理水問題の本質は対中国だ」
中国はロシアと共に、放出中止を求めて日本政府やIAEAに質問状を送付するなどの動きにも出ている。
今のところ他国に同調の動きは乏しく、外務省関係者は
「中国は孤立している」
と見る。
首相も2023年8月22日の関係閣僚会議で
「幅広い地域の国々から理解、支持の表明が行われ、国際社会の正確な理解が確実に広がりつつある」
と自信を示した。
今回の決定を受けて中国が更に反発を強め、輸入規制を通じた圧力や緊張を高めてくる懸念は拭えない。
首相周辺は
「中国との関係は腹を括るしかない」
と語り、不当な規制の撤廃を粘り強く働き掛けていく構えだ。

処理水放出へ準備開始 放射性物質濃度を確認 経産相、福島で理解求める
2023/8/22 16:45
https://www.sankei.com/article/20230822-UKRD2NCFFZNEFNITBW6UPPMGGE/
東京電力は2023年8月22日、福島第1原発の処理水の海洋放出に向けた準備作業を始めた。
最初に放出予定の処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度が、国の基準値を下回っているか確認する。
結果に問題がなく、天候や海の状況が穏やかなら、政府が決定した2023年8月24日に海への放出を始める。
風評被害を懸念する漁業者らは放出に反対しており、西村康稔経済産業相が2023年8月22日、福島県を訪れて内堀雅雄知事らに政府方針を説明、理解を求めた。
東電によると、2023年8月22日は、最初に放出する予定の処理水約7800トンのうち約1トンを海水約1200トンと混ぜ合わせ、放出直前の水を貯める大型水槽へ移送し、一部を採取。
放射性物質濃度の測定結果は、2023年8月24日までに判明する見通し。
記者会見した松本純一・処理水対策責任者は
「風評影響を最大限抑制するため、慎重に少量での放出から開始する」
と説明した。

「国際安全基準に合致」 台湾、放出に理解
2023/8/22 16:14
https://www.sankei.com/article/20230822-NZ56AYWYGNPYXAALOHWOZPBUNM/
日本政府が東京電力福島第1原発の処理水を2023年8月24日から海洋放出すると決めたことを受け、台湾の原子力委員会は2023年8月22日
「日本の放出作業は国際的な安全基準に合致していると考える」
と理解を示した。
ただ放出期間が長期に及ぶことから今後の放出作業を注視し続けると表明した。
原子力委員会はこれまでに3回、日本に専門家から成る視察団を派遣し、安全基準や異常があった際の対応などを確認してきたと強調。
処理水の一部が放出から1〜2年後に台湾の周辺海域に到達するなどと予測する一方、放射性物質トリチウムの想定濃度から判断し、台湾への影響は極めて低いと分析した。
最大野党の国民党は与党の民主進歩党(民進党)が脱原発方針を掲げる中、原発再稼働を訴えている。
2024年1月の総統選を見据え、日本との関係重視を強調しており
「放出への反対を前面に出しにくい状況」(日台関係筋)
になっている。

韓国政府「科学的に問題なし」 野党は猛非難
2023/8/22 17:38
https://www.sankei.com/article/20230822-4IDKOQHQLBOUZLOPDLQ43CTBOU/
韓国政府は2023年8月22日、日本が2023年8月24日の開始を決めた東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について
「科学的、技術的問題はないと判断した」
と表明した。
尹錫悦大統領は2023年8月18日の日米韓首脳会談後の共同記者会見でも、放出計画に対する国際原子力機関(IAEA)の検証結果を
「信頼している」
と述べるなど、事実上容認する姿勢を示してきた。
ただ、放出を巡る国内での拒否感は強く、政府高官は
「放出に賛成、支持するものではない」
と強調。
IAEAが福島に置く現地事務所を韓国の専門家が定期的に訪問する方式で放出開始後もモニタリングに関与していく対応策も説明した。
一方、最大野党「共に民主党」の李在明代表は2023年8月22日、
「日本が最悪の環境破壊を宣言した」
と激しく非難。
尹政権に対しても日本の放出に
「免罪符を与えた」
と批判し、反対派を結集させ、抗議の動きを一層拡大させる方針を示した。
処理水放出に関し、韓国のテレビ局が
「汚染水」
として連日伝えていることもあり、魚介類の消費を避ける動きも出ている。

中国メディアが放出開始決定を速報 対日圧力強める
2023/8/22 12:25
https://www.sankei.com/article/20230822-NUN5DR27SBPCPPD2VSOGU753VY/
中国メディアは2023年8月22日、日本政府が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を2023年8月24日に開始すると表明したと一斉に報じた。
中国の習近平政権は処理水の海洋放出が始まる前から日本産水産物などに対する事実上の輸入規制を敷いて対日圧力を増しており、放出開始後に中国当局が対日措置を更に強化するとみられる。
中国国営中央テレビ(電子版)は2023年8月22日、日本国内で処理水の海洋放出への不満を訴える集会が起きているなどと伝えた。
岸田文雄首相が日本国内の反対も押し切って海洋放出を強行しているという印象を強めている形だ。
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月21日の記者会見で、処理水の海洋放出について
「強行を停止し、海洋放出以外の処理を検討し、責任あるやり方で福島の核汚染水を処理すべきだ」
と述べた。
「日本は経済コストを考えて海洋放出案を選んだ」
とも主張した。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/290.html#c25

[原発・フッ素54] ALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント(処理水と言い換えても消えない) 戦争とはこういう物
26. 2023年8月23日 10:16:37 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-96]
<△29行くらい>
海洋放出へ処理水分析 東電、トリチウム濃度確認 ミス防止に先端技術
2023/8/23 10:02
https://www.sankei.com/article/20230823-JO5ITQ4EZNLGPOVMAVQEUQQOYY/
東京電力は2023年8月23日、福島第1原発から海洋放出するため海水と混ぜた処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度分析を進めた。
2023年8月24日の放出に向け、国の基準値の40分の1未満となっていることを確認する。
重要な作業でのミスを防ぐため、分析手順が表示される眼鏡型端末
「スマートグラス」

「QRコード」
によるデータ管理といった先端技術を導入して調査に臨む。
タンクで保管する処理水の他、第1原発港湾内や沖合で採取した海水などを約30人で分析。
細長いゴーグルのようなスマートグラスを装着した分析員が処理水が入った容器を目の前に持ち上げ、グラスに付いたカメラで容器に張られたQRコードを読み取る。
採取日時などを読み上げると、音声入力でシステムに登録される。
分析員が
「グッド」
と発声すると、グラスに
「過酸化ナトリウム添加(約0.1グラム)」
などと次の手順が表示される仕組みだ。
分析結果も自動で作成される。

「IAEAの判断に従う」 処理水放出で国連報道官
2023/8/23 08:39
https://www.sankei.com/article/20230823-HL4LBIQNWRINFE6QVMYNB5RHBA/
国連のドゥジャリク事務総長報道官は2023年8月22日の記者会見で、日本政府が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を決めたことについて、国際的な安全基準に合致するとの国際原子力機関(IAEA)による包括報告書の判断に従うと述べた。
「国連として関与するのは監督能力があるIAEAの技術的な評価だけだ」
とし
「日本政府の決定自体に関して特にコメントはない」
と語った。(共同)
http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/290.html#c26

[原発・フッ素54] ALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント(処理水と言い換えても消えない) 戦争とはこういう物
32. 2023年8月24日 09:09:12 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-95]
<■169行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
阿比留瑠比の極言御免
中国「汚染水」攻撃の嘘
2023/8/24 1:00
https://www.sankei.com/article/20230824-TLHDXG2FI5IHVFJBW6I7SN2GGI/
東京電力福島第1原発の処理水が原発事故から12年余の歳月を経て、ようやく2023年8月24日に海洋放出される。
国内の各種世論調査でも放出賛成が反対を上回るようになった他、世界の多くの国からも理解を得ており、まさに時は満ちたということだろう。
そんな中で中国や韓国の野党など一部は
「処理水」

「汚染水」
と呼び、頑強に反対を続けるものの、追随する動きは乏しく、外務省関係者も
「中国は孤立している」
と余裕を見せている。
中国の孫衛東外務次官は2023年8月22日、日本の垂秀夫駐中国大使を呼び出し、日本政府の海洋放出方針に抗議し、計画の撤回を求めたが、この時の孫氏と垂氏のやり取りが面白い。
在中国日本大使館のホームページによると、垂氏は理路整然と次のように反論している。
「日本が海洋放出するのは『汚染水』ではなく『ALPS処理水』であり、中国側はこの用語を使うべきである」
「貴国が科学的根拠に基づかない主張を行っていることは残念であるが、日本としては海洋放出開始後も、中国側の関心を踏まえつつ、引き続き意思疎通を続けていく用意はある」
「(日本産食品に対する中国の検疫措置の強化に関し)科学的根拠に基づかない措置は受け入れられない」
「EU(欧州連合)などが輸入規制の撤廃を進めている中で、中国のみが流れに逆行している」
まるで大人が子供に物事の道理を説くように、孤立する中国を諭しているかのようで、どこかユーモラスですらある。
孫氏は2023年5月21日にも、垂氏を呼び出し、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が台湾問題について触れたことに抗議したが、この時も垂氏は事もなげにこう反論していた。
「中国が行動を改めない限り、これまで同様にG7として共通の懸案事項に言及するのは当然の事であり、将来も変わらないだろう」
「まずは中国側が前向きな対応を行うべきだ」
中国が独善と孤立に陥らぬよう、何とか国際水準を理解させたいという思いも伝わる。
中国を訪問するとすぐに阿り、へりくだって相手の主張ばかり拝聴してくる一部の政治家に、爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいである。
外務省の中国語研修組(チャイナスクール)出身でありながら、一方で情報収集能力にも長けた垂氏については、2020(令和2)年夏に中国大使就任が内定した際も、中国側が警戒してこの人事に同意しないのではないかという観測もあった。
実際、当時の安倍晋三首相も
「中国が認めるかどうかだね」
と語っていた。
垂氏自身、中国課長時代から
「私は大使になるようなタイプじゃない」
と話していただけに、今更のように人事の妙を感じる。
中国も、
「処理水」
を外交カードにして日本を揺さぶれば各国も同調し、日本は折れてくると考えていたのが当てが外れ、今更軌道修正もできずに困っているのではないか。
観光庁によると、中国政府が2023年8月10日に解禁した日本への団体旅行は、2023年10月以降に本格化しそうだという。
そうなれば、大挙して押し寄せる中国人観光客らは福島県産も含め、日本の太平洋で取れた海産物にも舌鼓を打つだろう。
それとも、日本海側しか旅しないとでもいうのだろうか。
中国の日本旅行解禁政策自体が、
「汚染水」
キャンペーンがデタラメであることを証明している。

福島の漁師、国際見本市でPR 「多くの人から応援もらえた」
2023/8/23 21:31
https://www.sankei.com/article/20230823-IZCR7YRRXNNNLN4Z5742QWD5OI/
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を翌日に控えた2023年8月23日、福島県のいわき市漁協の漁師らが東京都江東区の東京ビッグサイトで始まった国際見本市に出展し、
「常磐もの」
として知られる地元海産物をPRした。
漁師らは、ホッキ貝の殻にウニを盛って蒸し焼きにした
「ウニの貝焼き」
を提供。
中国は処理水放出に対抗措置を打ち出しているが、ある中国人のバイヤーは試食して
「美味しい」
と評価していた。
2013年以降、毎年県外でPRをしてきた漁師の久保木克洋さん(54)は
「(原発事故直後のように)また『福島県産は食べられない』という言葉をかけられたりしないか不安を抱えていた中、多くの人から応援をもらえて力になった」
と笑顔だった。

処理水放出開始を評価 規制委員長「廃炉進む」
2023/8/23 17:43
https://www.sankei.com/article/20230823-ELNWSI3GNRN3ZEQ5KMMBQ3AZ2Y/
原子力規制委員会の山中伸介委員長は2023年8月23日の記者会見で、2023年8月24日にも始まる東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を
「廃炉に向けた重要なステップの1つが進んだ」
と評価した。
処理水を保管するタンクが減り、溶融核燃料(デブリ)取り出しなどに必要なスペースが確保できるとした。
規制委は放出開始時、処理水を溜める大型水槽や海水ポンプなどに検査官を立ち会わせる予定。
山中氏は
「計画通りに放出が進められているかどうかを確認し、精密なモニタリングを通じて国内外に正確な情報を発信していく」
とした。

中国反発でも「健康影響は取るに足らず」 処理水放出で欧州メディア
2023/8/23 17:33
https://www.sankei.com/article/20230823-ZTA2QG5YOJJK5GUJAWYN5WXV3A/
2023年8月24日にも始まる東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、欧州の主要メディアは放射性物質トリチウムを含む処理水の安全性について詳報した。
2023年8月23日付仏紙フィガロは1面で
「中国は放出に反対しているが、健康や環境への影響は取るに足りないレベルになる」
と伝えた。
欧州連合(EU)は2023年7月、福島第1原発事故後に日本産食品に対して発動した輸入規制を撤廃したばかり。
フィガロ紙はフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の専門家の話を引用し、放出されるトリチウムの量は年間22兆ベクレルで、韓国の古里原発のほぼ半分、中国の秦山原発の6分の1に相当すると紹介した。
フランスで使用済み核燃料を扱うラアーグ再処理施設では1京ベクレルを超えており、
「比較するのがバカバカしい」
レベルだと位置付けた。
問題は健康被害よりも、日本食品のイメージだとして、漁業者が処理水放出を強く懸念している現状を報じた。
仏紙ルモンドは、国際原子力機関(IAEA)が安全基準に合致すると位置付ける中、中国が処理水放出に強く反対し、韓国でも反発が広がっていると紹介した。
日本政府は英語、中国語、韓国語などで情報発信しながら、懸命に反論していることを伝えた。
日本では
「中韓の批判は偽善的という批判もある」
とした。
福島第1原発事故後、
「脱原発」
を決めたドイツでは、環境保護団体が処理水放出に失望を表明し、日本が原発再稼働に動くことに抗議したことを公共放送ARDが報じた。
一方で、フランクフルター・アルゲマイネ紙が、福島沖で獲れた魚を食べても
「トリチウムは体内で蓄積されることはない」
とする放射能学者の解説を掲載した。

処理水放出、24日午後1時にも開始 令和5年度3万トン計画
2023/8/23 15:43
https://www.sankei.com/article/20230823-KDGOTGWP6BJGFOOVVCCBP6O6N4/
政府と東京電力は2023年8月24日午後1時にも、福島第1原発の処理水の海洋放出を始める。
2023(令和5)年度は計約3万1200トンの放出を計画。
東電は2023年8月23日、最初に放出する処理水に含まれる放射性物質トリチウム濃度の確認を急いだ。
基準を下回っていることが確認できれば、2023年8月24日午前にも結果を公表し、午後、放出のためのポンプを起動する。
東電は最初に放出する処理水約1トンを海水約1200トンで希釈し、大型水槽に移送。
トリチウム濃度を測定するため一部を採取している。

フォト
ミス防止に先端技術 東電、トリチウム濃度など確認
2023/8/23 14:35
https://www.sankei.com/article/20230823-H3HWHBV4BNMRDLEJTLVCSSFPPM/
福島第1原発処理水の海洋放出で東京電力は、重要な作業でのミスを防ぐため、分析手順が表示される眼鏡型端末
「スマートグラス」

「QRコード」
によるデータ管理といった先端技術を導入して調査に臨む。
第1原発では廃炉に伴う放射性物質の分析が増えており、2022年度は事故前の18倍となる約9万件実施。
このうちトリチウム関連は約1万件に上る。
タンクで保管する処理水の他、第1原発港湾内や沖合で採取した海水などを約30人で分析。
細長いゴーグルのようなスマートグラスを装着した分析員が処理水が入った容器を目の前に持ち上げ、グラスに付いたカメラで容器に張られたQRコードを読み取る。
更に採取日時などを読み上げると、音声入力でシステムに登録される。
分析結果も自動で作成される。
2020年に現在のシステムを導入した後はミスが激減。
データ処理の時間は大幅に短縮できたという。

日本の責任を無期限追及 中国紙が処理水放出を批判「犯罪行為」
2023/8/23 12:22
https://www.sankei.com/article/20230823-BAT4OWZX3ZPPDO7UMQD232YKYY/
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は2023年8月22日夜、日本政府が決定した東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について
「国際社会はこの問題で無期限に日本の責任を追及する」
と題する社説を電子版に掲載し、海洋放出を
「犯罪行為」
と批判した。
社説は岸田文雄首相が米国で行われた日米韓首脳会談の直後に海洋放出を表明したと指摘し
「日米韓が核汚染水の放出問題で政治的な取引をした疑惑がある」
との見方を示した。
「(海洋放出が始まる)2023年8月24日は海洋環境の災難日として歴史に記録されるだろう」
とした。
また、人民日報は2023年8月23日付紙面に東京の首相官邸前で海洋放出に反対する人たちの写真を掲載し
「日本政府は核汚染水の海洋放出計画を推し進め、日本国内や国際社会の強烈な反対を引き起こした」
と報じた。(共同)

処理水放出、IAEAが韓国と情報共有枠組み 懸念払拭図る
2023/8/23 10:18
https://www.sankei.com/article/20230823-75I67XEOY5LZ7P7R6R6F6Q447Q/
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は2023年8月22日、東京電力福島第1原発の処理水放出計画に対する韓国内の懸念を踏まえ、韓国政府との間で放出に関する最新情報を共有する枠組みの設置で合意したと発表した。
日本の放出計画は
「人や環境を保護するためのIAEAの安全基準に合致している」
との声明も公表し、懸念払拭を図った。
IAEAは福島第1原発の敷地に事務所を開いており、常駐する職員が2023年8月24日の放出開始後も安全基準に適合しているかどうかの監視を続ける。
国際社会に対し、データをほぼ即時公開する。
情報共有の枠組みに加え、聯合ニュースによると、韓国政府とIAEAは定期的にオンライン会議を開く方針。
韓国の専門家が福島のIAEA事務所を定期的に訪問することでも合意した。
グロッシ氏は声明で
「懸念に対処する唯一の方法は、常に情報を提供し続けることだ」
とした。(共同)

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/290.html#c32

[政治・選挙・NHK291] 海外メディアは「汚染水」 日本の新聞テレビだけが「処理水」(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
42. 2023年8月24日 11:45:48 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-94]
<■252行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
処理水海洋放出開始へ トリチウム濃度、基準値を大幅に下回る
2023/8/24 11:04
https://www.sankei.com/article/20230824-WPQSFEVKO5OAHAWRKGE7M7FARU/
東京電力は2023年8月24日午後、福島第1原発の処理水の海洋放出を始める。
廃炉と福島の復興のために先送りできない課題として、海洋放出の方針を決めてから2年余り。
放出計画について、国際原子力機関(IAEA)は
「国際的な安全基準に合致する」
とした包括報告書を公表している。
岸田文雄首相は放出開始を決めた2023年8月22日の関係閣僚会議で、風評対策に関し
「数十年の長期に渡ろうとも、政府として責任を持って取り組む」
と強調した。
東電によると、放出は午後1時頃に開始。
東電は、最初に放出する処理水約1トンを海水約1200トンで希釈した上で大型水槽にため、トリチウム濃度の最終的な測定を実施。
放出基準の1リットル当たり1500ベクレルを大きく下回る最大63ベクレルだったと発表した。
ポンプを起動させて放出。
沖合約1km先まで海底トンネルを通る。

原発の処理水 午後1時ごろ海洋放出を開始 完了に30年程度 東電
2023年8月24日 11時04分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230824/k10014172381000.html
東京電力は福島第1原子力発電所に溜まる処理水について、海への放出に向けて大量の海水を加えてトリチウムの濃度を測定した結果、想定通り薄められていることや気象条件に問題がないことが確認できたとして、政府の方針に基づき、2023年8月24日午後1時頃に放出を始めると発表しました。
事故の発生から12年余りを経て、懸案となってきた処理水の処分が動き出しますが、放出の完了には30年程度という長期間が見込まれ、安全性の確保と風評被害への対策が課題となります。
福島第1原発では、事故の直後から発生している汚染水を処理したあとに残るトリチウムなどの放射性物質を含む処理水が1000基余りのタンクに保管され、容量の98%に当たる134万トンに上っています。
政府は2023年8月22日の関係閣僚会議で、基準を下回る濃度に薄めた上で、今日2023年8月24日にも海への放出を開始することを決めました。
これを受けて東京電力は放出に向けた準備作業を始め、大量の海水と混ぜ合わせた処理水を
「立て坑」
と呼ばれる設備にためた上で、トリチウムの濃度を確認していました。
東京電力は2023年8月24日午前記者会見し、分析の結果、トリチウムの濃度は1リットルあたり43から63ベクレルと、国の基準の6万ベクレルを大きく下回り、放出の基準として自主的に設けた1500ベクレルも下回っていて想定どおり薄められていることが確認できたと発表しました。
また、モニタリングを実施する船を出すための気象条件も問題ないことから、2023年8月24日午後1時頃に放出を始めると発表しました。
放出作業は、原発内の免震重要棟という施設にある集中監視室から遠隔で行われ、作業員が画面を操作してポンプを動かし、処理水を海水と混ぜた上で
「立て坑」
に流し込みます。
そして、
「立て坑」
から溢れ出ると、沖合1kmの放出口に繋がる海底トンネルに流れ込んで海に放出されます。
最初となる今回の放出は、7800トンの処理水を海水で薄めた上で17日間の予定で連続して行うとしていて、2023年度全体の放出量はタンクおよそ30基分の3万1200トンを予定しているということです。
ただ、処理水が増える原因である汚染水の発生を止められていないことや、大量の処理水を一度には放出できないことから、放出期間は30年程度に及ぶ見込みで、長期に渡って安全性を確保していくことが重要な課題になります。
■東電の処理水対策責任者 「一段と緊張感を持って対処」
処理水の放出開始について、東京電力・福島第一廃炉推進カンパニーの松本純一ALPS処理水対策責任者は、記者会見で、
「実際の放出が始まるので一段と緊張感を持って対処したい」
「直接操作に当たる運転員だけでなく、経営幹部や広報担当者も自治体や関係者に広く伝えるべく、情報の発信を速やかに遺漏なきよう実施したい」
と述べました。
その上で、放出後の風評対策については、
「政府と共に風評影響を最大限抑制すべく取り組んでいきたい」
「特に安全と品質を確保した上で海洋放出し、科学的根拠に基づき迅速で的確な情報発信を行っていきたい」
「そして、こうした対策を取っても風評被害が発生した場合は適切に賠償していきたい」
と述べました。
■漁港では風評被害を懸念「今までと変わらず安全だと証明して」
東京電力福島第1原発に溜まる処理水の海への放出が、2023年8月24日午後にも始まることについて、水揚げ量日本一の千葉県銚子市の漁港では、風評被害による価格の下落が起きないか懸念する声などが聞かれました。
2023年8月24日朝の銚子漁港はキンメダイやイセエビなどが水揚げされ、漁から戻ってきた漁業者や仲買人などで賑わいました。
イセエビやヒラメを水揚げした漁業者は
「処理水の放出が決まった影響なのか、私が水揚げしたものはきのうから卸価格が3割ほど安くなってしまいました」
「旬でもあり高く売れる時期だけに、なぜこの時期に決定したのかと思います」
と話していました。
キンメダイを専門に漁をする漁業者は
「安全性が確保されていると言っても、どうしても風評被害は出てしまうのではないでしょうか」
「せっかく釣ってきた魚が安くなってしまっては、やる気が起きなくなります」
と肩を落としていました。
魚の買い付けに訪れた仲買人は
「放出は仕方のないことだと思うが、しっかり検査をして、今までと変わらず安全なんだということを何らかの形で証明してほしい」
「そうすれば、胸を張って売ることができます」
と話していました。

阿比留瑠比の極言御免
中国「汚染水」攻撃の嘘
2023/8/24 1:00
https://www.sankei.com/article/20230824-TLHDXG2FI5IHVFJBW6I7SN2GGI/
東京電力福島第1原発の処理水が原発事故から12年余の歳月を経て、ようやく2023年8月24日に海洋放出される。
国内の各種世論調査でも放出賛成が反対を上回るようになった他、世界の多くの国からも理解を得ており、まさに時は満ちたということだろう。
そんな中で中国や韓国の野党など一部は
「処理水」

「汚染水」
と呼び、頑強に反対を続けるものの、追随する動きは乏しく、外務省関係者も
「中国は孤立している」
と余裕を見せている。
中国の孫衛東外務次官は2023年8月22日、日本の垂秀夫駐中国大使を呼び出し、日本政府の海洋放出方針に抗議し、計画の撤回を求めたが、この時の孫氏と垂氏のやり取りが面白い。
在中国日本大使館のホームページによると、垂氏は理路整然と次のように反論している。
「日本が海洋放出するのは『汚染水』ではなく『ALPS処理水』であり、中国側はこの用語を使うべきである」
「貴国が科学的根拠に基づかない主張を行っていることは残念であるが、日本としては海洋放出開始後も、中国側の関心を踏まえつつ、引き続き意思疎通を続けていく用意はある」
「(日本産食品に対する中国の検疫措置の強化に関し)科学的根拠に基づかない措置は受け入れられない」
「EU(欧州連合)などが輸入規制の撤廃を進めている中で、中国のみが流れに逆行している」
まるで大人が子供に物事の道理を説くように、孤立する中国を諭しているかのようで、どこかユーモラスですらある。
孫氏は2023年5月21日にも、垂氏を呼び出し、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が台湾問題について触れたことに抗議したが、この時も垂氏は事もなげにこう反論していた。
「中国が行動を改めない限り、これまで同様にG7として共通の懸案事項に言及するのは当然の事であり、将来も変わらないだろう」
「まずは中国側が前向きな対応を行うべきだ」
中国が独善と孤立に陥らぬよう、何とか国際水準を理解させたいという思いも伝わる。
中国を訪問するとすぐに阿り、へりくだって相手の主張ばかり拝聴してくる一部の政治家に、爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいである。
外務省の中国語研修組(チャイナスクール)出身でありながら、一方で情報収集能力にも長けた垂氏については、2020(令和2)年夏に中国大使就任が内定した際も、中国側が警戒してこの人事に同意しないのではないかという観測もあった。
実際、当時の安倍晋三首相も
「中国が認めるかどうかだね」
と語っていた。
垂氏自身、中国課長時代から
「私は大使になるようなタイプじゃない」
と話していただけに、今更のように人事の妙を感じる。
中国も、
「処理水」
を外交カードにして日本を揺さぶれば各国も同調し、日本は折れてくると考えていたのが当てが外れ、今更軌道修正もできずに困っているのではないか。
観光庁によると、中国政府が2023年8月10日に解禁した日本への団体旅行は、2023年10月以降に本格化しそうだという。
そうなれば、大挙して押し寄せる中国人観光客らは福島県産も含め、日本の太平洋で取れた海産物にも舌鼓を打つだろう。
それとも、日本海側しか旅しないとでもいうのだろうか。
中国の日本旅行解禁政策自体が、
「汚染水」
キャンペーンがデタラメであることを証明している。

福島の漁師、国際見本市でPR 「多くの人から応援もらえた」
2023/8/23 21:31
https://www.sankei.com/article/20230823-IZCR7YRRXNNNLN4Z5742QWD5OI/
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を翌日に控えた2023年8月23日、福島県のいわき市漁協の漁師らが東京都江東区の東京ビッグサイトで始まった国際見本市に出展し、
「常磐もの」
として知られる地元海産物をPRした。
漁師らは、ホッキ貝の殻にウニを盛って蒸し焼きにした
「ウニの貝焼き」
を提供。
中国は処理水放出に対抗措置を打ち出しているが、ある中国人のバイヤーは試食して
「美味しい」
と評価していた。
2013年以降、毎年県外でPRをしてきた漁師の久保木克洋さん(54)は
「(原発事故直後のように)また『福島県産は食べられない』という言葉をかけられたりしないか不安を抱えていた中、多くの人から応援をもらえて力になった」
と笑顔だった。

処理水放出開始を評価 規制委員長「廃炉進む」
2023/8/23 17:43
https://www.sankei.com/article/20230823-ELNWSI3GNRN3ZEQ5KMMBQ3AZ2Y/
原子力規制委員会の山中伸介委員長は2023年8月23日の記者会見で、2023年8月24日にも始まる東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を
「廃炉に向けた重要なステップの1つが進んだ」
と評価した。
処理水を保管するタンクが減り、溶融核燃料(デブリ)取り出しなどに必要なスペースが確保できるとした。
規制委は放出開始時、処理水を溜める大型水槽や海水ポンプなどに検査官を立ち会わせる予定。
山中氏は
「計画通りに放出が進められているかどうかを確認し、精密なモニタリングを通じて国内外に正確な情報を発信していく」
とした。

中国反発でも「健康影響は取るに足らず」 処理水放出で欧州メディア
2023/8/23 17:33
https://www.sankei.com/article/20230823-ZTA2QG5YOJJK5GUJAWYN5WXV3A/
2023年8月24日にも始まる東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、欧州の主要メディアは放射性物質トリチウムを含む処理水の安全性について詳報した。
2023年8月23日付仏紙フィガロは1面で
「中国は放出に反対しているが、健康や環境への影響は取るに足りないレベルになる」
と伝えた。
欧州連合(EU)は2023年7月、福島第1原発事故後に日本産食品に対して発動した輸入規制を撤廃したばかり。
フィガロ紙はフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の専門家の話を引用し、放出されるトリチウムの量は年間22兆ベクレルで、韓国の古里原発のほぼ半分、中国の秦山原発の6分の1に相当すると紹介した。
フランスで使用済み核燃料を扱うラアーグ再処理施設では1京ベクレルを超えており、
「比較するのがバカバカしい」
レベルだと位置付けた。
問題は健康被害よりも、日本食品のイメージだとして、漁業者が処理水放出を強く懸念している現状を報じた。
仏紙ルモンドは、国際原子力機関(IAEA)が安全基準に合致すると位置付ける中、中国が処理水放出に強く反対し、韓国でも反発が広がっていると紹介した。
日本政府は英語、中国語、韓国語などで情報発信しながら、懸命に反論していることを伝えた。
日本では
「中韓の批判は偽善的という批判もある」
とした。
福島第1原発事故後、
「脱原発」
を決めたドイツでは、環境保護団体が処理水放出に失望を表明し、日本が原発再稼働に動くことに抗議したことを公共放送ARDが報じた。
一方で、フランクフルター・アルゲマイネ紙が、福島沖で獲れた魚を食べても
「トリチウムは体内で蓄積されることはない」
とする放射能学者の解説を掲載した。

処理水放出、24日午後1時にも開始 令和5年度3万トン計画
2023/8/23 15:43
https://www.sankei.com/article/20230823-KDGOTGWP6BJGFOOVVCCBP6O6N4/
政府と東京電力は2023年8月24日午後1時にも、福島第1原発の処理水の海洋放出を始める。
2023(令和5)年度は計約3万1200トンの放出を計画。
東電は2023年8月23日、最初に放出する処理水に含まれる放射性物質トリチウム濃度の確認を急いだ。
基準を下回っていることが確認できれば、2023年8月24日午前にも結果を公表し、午後、放出のためのポンプを起動する。
東電は最初に放出する処理水約1トンを海水約1200トンで希釈し、大型水槽に移送。
トリチウム濃度を測定するため一部を採取している。

フォト
ミス防止に先端技術 東電、トリチウム濃度など確認
2023/8/23 14:35
https://www.sankei.com/article/20230823-H3HWHBV4BNMRDLEJTLVCSSFPPM/
福島第1原発処理水の海洋放出で東京電力は、重要な作業でのミスを防ぐため、分析手順が表示される眼鏡型端末
「スマートグラス」

「QRコード」
によるデータ管理といった先端技術を導入して調査に臨む。
第1原発では廃炉に伴う放射性物質の分析が増えており、2022年度は事故前の18倍となる約9万件実施。
このうちトリチウム関連は約1万件に上る。
タンクで保管する処理水の他、第1原発港湾内や沖合で採取した海水などを約30人で分析。
細長いゴーグルのようなスマートグラスを装着した分析員が処理水が入った容器を目の前に持ち上げ、グラスに付いたカメラで容器に張られたQRコードを読み取る。
更に採取日時などを読み上げると、音声入力でシステムに登録される。
分析結果も自動で作成される。
2020年に現在のシステムを導入した後はミスが激減。
データ処理の時間は大幅に短縮できたという。

日本の責任を無期限追及 中国紙が処理水放出を批判「犯罪行為」
2023/8/23 12:22
https://www.sankei.com/article/20230823-BAT4OWZX3ZPPDO7UMQD232YKYY/
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は2023年8月22日夜、日本政府が決定した東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について
「国際社会はこの問題で無期限に日本の責任を追及する」
と題する社説を電子版に掲載し、海洋放出を
「犯罪行為」
と批判した。
社説は岸田文雄首相が米国で行われた日米韓首脳会談の直後に海洋放出を表明したと指摘し
「日米韓が核汚染水の放出問題で政治的な取引をした疑惑がある」
との見方を示した。
「(海洋放出が始まる)2023年8月24日は海洋環境の災難日として歴史に記録されるだろう」
とした。
また、人民日報は2023年8月23日付紙面に東京の首相官邸前で海洋放出に反対する人たちの写真を掲載し
「日本政府は核汚染水の海洋放出計画を推し進め、日本国内や国際社会の強烈な反対を引き起こした」
と報じた。(共同)

処理水放出、IAEAが韓国と情報共有枠組み 懸念払拭図る
2023/8/23 10:18
https://www.sankei.com/article/20230823-75I67XEOY5LZ7P7R6R6F6Q447Q/
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は2023年8月22日、東京電力福島第1原発の処理水放出計画に対する韓国内の懸念を踏まえ、韓国政府との間で放出に関する最新情報を共有する枠組みの設置で合意したと発表した。
日本の放出計画は
「人や環境を保護するためのIAEAの安全基準に合致している」
との声明も公表し、懸念払拭を図った。
IAEAは福島第1原発の敷地に事務所を開いており、常駐する職員が2023年8月24日の放出開始後も安全基準に適合しているかどうかの監視を続ける。
国際社会に対し、データをほぼ即時公開する。
情報共有の枠組みに加え、聯合ニュースによると、韓国政府とIAEAは定期的にオンライン会議を開く方針。
韓国の専門家が福島のIAEA事務所を定期的に訪問することでも合意した。
グロッシ氏は声明で
「懸念に対処する唯一の方法は、常に情報を提供し続けることだ」
とした。(共同)

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/528.html#c42

[原発・フッ素54] (速報)処理水の海洋放出を開始 東京電力福島第1原発(東京新聞) 蒲田の富士山
2. 2023年8月24日 15:22:26 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-93]
<■324行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
福島第1原発の処理水、放出始まる
2023/8/24 13:10
https://www.sankei.com/article/20230824-UWCCP55LRNIDXCQC3R2PHNML2U/
政府と東京電力は2023年8月24日午後、福島第1原発処理水の海洋放出を始めた。
最初に放出する処理水に含まれる放射性物質トリチウム濃度を測定した結果、放出計画の基準を大きく下回ったことが確認され、施設周辺の天候や海象条件も問題がないと判断した。
原発事故から12年余りを経て、福島の復興に向けた廃炉工程は大きく前進する。
東電は2023年8月24日午前、最初に放出する処理水約1トンを海水約1200トンで希釈し、
「立て坑」
と呼ばれる貯水槽から採取したサンプリングのトリチウム濃度の測定結果を発表。
放出基準となる1リットル当たり1500ベクレル未満を大きく下回る最大63ベクレルだったことが確認され、放出に問題がないと判断した。

【随時更新】福島第一原発の処理水 海への放出を開始
2023年8月24日 14時13分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230824/k10014172541000.html
福島第1原子力発電所に溜まるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、東京電力は政府の方針に基づき、基準を下回る濃度に薄めた上で、2023年8月24日午後1時頃、海への放出を始めました。
事故の発生から12年余りを経て、懸案となってきた処理水の処分が動き出しますが、放出の完了には30年程度という長期間が見込まれ、安全性の確保と風評被害への対策が課題となります。
福島第1原発では、事故の直後から発生している汚染水を処理した後に残るトリチウムなどの放射性物質を含む処理水が1000基余りのタンクに保管され、容量の98%にあたる134万トンに上っています。
政府は2023年8月22日、関係閣僚会議で、基準を下回る濃度に薄めた上で、2023年8月24日にも海への放出を開始することを決めました。
これを受けて東京電力は放出に向けた準備作業を始め、大量の海水と混ぜ合わせた処理水を
「立て坑」
と呼ばれる設備にためた上で、トリチウムの濃度を確認していました。
分析の結果、トリチウムの濃度は1リットルあたり43から63ベクレルと、国の基準の6万ベクレルを大きく下回り、放出の基準として自主的に設けた1500ベクレルも下回っていて、想定通り薄められていることが確認できたということです。
モニタリングを行う船を出すための気象条件にも問題はないとして、東京電力は2023年8月24日午後1時3分に海への放出を始めました。
放出作業は、原発内の免震重要棟という施設にある集中監視室で、作業員が画面を操作してポンプを動かし、処理水を海水と混ぜた上で
「立て坑」
に流し込みます。
そして、
「立て坑」
から溢れ出ると、沖合1kmの放出口に繋がる海底トンネルに流れ込んで海に放出されます。
最初となる今回の放出は、7800トンの処理水を海水で薄めた上で17日間の予定で連続して行うとしていて、今年度全体の放出量はタンクおよそ30基分の3万1200トンを予定しているということです。
ただ、処理水が増える原因である汚染水の発生を止められていないことや、1度に大量の処理水を放出できないことから、放出期間は30年程度に及ぶ見込みで、長期に渡って安全性を確保していくことが重要な課題になります。
■今も輸入停止も 中国や香港政府などは強く反発
東京電力福島第1原発の事故をきっかけにした日本からの食品の輸入停止などの規制の動きは、一時、世界の55の国や地域に及びました。
これまでに48の国や地域で規制は撤廃された一方、7つの国や地域では規制が続き、このうち、中国や韓国、香港など5つの国と地域は今も輸入停止の措置を行っています。
▽中国は、福島、宮城、東京、千葉など1都8県で生産される全ての食品の輸入を停止するなどしている他、
▽韓国は福島、宮城、茨城など8県で、すべての水産物の輸入を停止するなどしています。
更に処理水の放出に対し、中国や香港政府などは反発を強めています。
▽中国は既に日本から輸入する食品に対する検査を厳しくしていて、日本から輸出された水産物などが中国各地の税関当局でこれまでより長く留め置かれていることが確認されています。
日本政府が2023年8月22日、放出を決定したことに対して中国外務省は強く反発し、何らかの対抗措置を取ることを示唆しました。
日本から中国への農林水産物や食品の輸出額は、2022年およそ2783億円に上り、日本にとって最大の輸出先だけに影響の広がりが懸念されます。
また、放出の決定を受けて、
▼香港政府は2023年8月24日から東京、福島、千葉、宮城など、10の都県からの水産物の輸入を禁止することを明らかにしました。
日本から香港への農林水産物や食品の輸出額は、去年(2022年)およそ2086億円で、中国に次ぐ2位の輸出先です。
▼マカオ政府も東京、福島、千葉など10都県からの水産物や、肉や野菜などの輸入を禁止すると発表しています。
既に漁業者や水産業者の間では、売り上げ減少などの影響が出始めています。
政府としては輸入規制など科学的根拠に欠く対応は取らないよう求めていくとしていますが、反発を強める中国などに粘り強く理解を求めると共に影響を受ける漁業者や水産業者を支援していくことが課題となります。
■中国外務省「断固たる反対と強烈な非難を表明」
東京電力福島第1原子力発電所に溜まる処理水の海への放出が始まったことを受け、中国外務省は、日本時間午後1時過ぎに報道官の談話を発表しました。
この中で
「断固たる反対と強烈な非難を表明する」
「日本に厳格に抗議し、間違った行為をやめるよう求める」
「中国政府はあらゆる必要な措置を取り、食品の安全と中国国民の健康を守る」
として何らかの措置を取ることを示唆しました。
■台湾外交部「国際的な基準に合致する放出を引き続き促す」
台湾外交部の劉永健報道官は
「科学的な問題では専門家を尊重する」
とした上で
「日本側に対し、国際的な基準に合致する形で放出を行うよう、引き続き促していく」
と述べました。
台湾の原子力委員会が福島第1原子力発電所の事故後10年間の海流のデータを基にシミュレーションしたところ、処理水は主にアメリカ西海岸の方に向かって流れ、一部が放出のおよそ1年から2年後に台湾付近の海域に到達する見通しだということです。
そして、放出の4年後にトリチウムの濃度が最大値に達するものの、台湾の海域に自然に存在するトリチウムの濃度の平均値よりも遥かに低く、安全面の影響は無視できる程度だとしています。
■フィリピン外務省「IAEAの技術的専門性を認識」一定の理解示す
フィリピン外務省は、東京電力による福島第1原子力発電所に溜まる処理水の放出について、
「フィリピンはこの問題については、科学的かつ事実に基づいた観点から、この地域の海洋への影響を引き続き注視していく」
「島嶼国家として、フィリピンは海洋環境の保護と保全に最大の優先順位を置いている」
とするコメントを発表しました。
その上で、放出計画の安全性を検証してきたIAEA=国際原子力機関が、海洋放出を国際的な安全基準に合致していると結論付けたことを踏まえて、
「この問題に関するIAEAの技術的専門性を認識している」
とコメントし、一定の理解を示しました。
■専門家「国際社会全体の信頼維持が重要」
日本政府が処理水の海への放出を開始したことを巡り、中国が反対する姿勢を示す狙いについて国際政治学や原子力政策に詳しい一橋大学の秋山信将教授は次のように話しています。
★秋山教授
中国が強行に反対する表向きの理由は環境汚染に対する懸念だが、中国は日本に対して海洋放出を認めないという姿勢を貫くことによって、外交的に優位な立場を取りたいという思惑があるのだろう。
特定の国や地域の反発に気を使うというよりは、国際社会全体に対しての信頼を維持していくことが重要だ。
科学的に安全性が証明されたからもうコミュニケーションは不要だと言うことではなく、科学的な安全性と社会的な安心の両方を獲得する必要がある。
日本政府は多くの国が反対しないという姿勢に満足せず、相手の立場に立って知りたい情報を根気強く提供することが重要だ。
■千葉 熊谷知事「風評被害への対応は他県と同様に」
東京電力福島第1原発に溜まる処理水の海への放出について、千葉県の熊谷知事は2023年8月24日の記者会見で
「政府は科学的根拠に基づく報告書を基に判断したと受け止めている」
「漁業者の懸念に寄り添い、モニタリングや情報発信、それに影響があった場合の支援を政府の責任で行ってほしい」
と述べました。
その上で
「千葉県は原発事故の補償期間が他の県に比べて短く、違う扱いを受けているので、風評被害への対応については他の県と同じように扱ってほしい」
と政府に求めました。
また、香港政府による千葉を含む10の都県からの水産物の輸入禁止については
「食は生活に直結する問題で、外交カードとして使うことなく科学的根拠に基づく説明が必要にある」
「現時点で輸入禁止が行われるような状況にはなく、政府の外交で解決してほしい」
と述べました。

処理水の海洋放出 方法は?影響は?【Q&Aで詳しく】8/24版
2023年8月24日 13時50分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230822/k10014169821000.html
東京電力は福島第1原子力発電所に溜まる処理水について、政府の方針に基づき、2023年8月24日午後1時頃に放出を始めると発表しました。
処理水とは?
どうやって海に放出するの?
人や環境への影響は大丈夫?
風評被害への対策は?
気になる点をまとめました。(2023/8/24更新版)
■処理水ってそもそもどんな水?
A.「汚染水」を文字通り“処理”した水のことです。
2011年の事故で
「メルトダウン」
を起こした福島第1原発1号機、2号機、3号機では、溶け落ちた核燃料を冷やすために今も水を入れ続けていて、これに加えて地下水や雨水が原子炉建屋内に流れ込んでいるため、1日およそ90トンのペースで
「汚染水」
が発生しています。
汚染水に含まれている放射性物質の大半はALPS(多核種除去設備)と呼ばれる専用の設備で除去されますが、取り除くことが難しい
「トリチウム」
など一部の放射性物質を含んでいる水を
「処理水」
と呼んできました。
処理水は2023年6月29日現在でおよそ134万トンあり、敷地内に設置されている約1000基のタンクで保管されています。
タンクの容量は約137万トンで、今は保管できる容量の98%まで使っていて、東京電力は今のペースで汚染水が発生し続けると来年(2024年)の2月から6月頃に満杯になるとしています。
東京電力は福島第1原発の敷地内には森林などを伐採すればスペースがあり、処理水を保管するタンクを増やすことは不可能ではないとしていますが、こうしたスペースについては、今後、取り出しを予定している核燃料デブリや廃炉作業で出る放射性廃棄物を保管することに使う方針を示していて、限られた敷地の中で廃炉作業を進めていくためにも、タンクを増やし続けるわけにはいかないとしています。
他にも処理水に含まれるトリチウムを水から分離できないかなどの選択肢も専門家会議で検討されましたが、技術的な実績があり監視もしやすいといった点から海への放出が現実的とされました。
※政府は放出方針決定後の2021年4月に、タンクの水を再び処理してトリチウム以外の放射性物質は全て基準以下にした状態の水を
「ALPS処理水」
と呼ぶとしました。
■トリチウムって何?
A. 処理水に含まれるトリチウムという放射性物質は、日本語では
「三重水素」
と呼ばれる水素の仲間です。
水の一部として存在しているため、濾過したり、吸着させたりして水から取り除くことが難しいのが特徴です。
トリチウムは通常の原子力施設でも発生し、日本を含む世界各地で現地の基準を満たすようにして、海や大気に放出されています。
自然界にも広く存在し、雨水や海水、それに水道水や私たちの体内にも微量のトリチウムが含まれています。
トリチウムはほとんどが水の状態になっていて、人や魚介類などの生物に取り込まれたとしても、水と一緒に比較的速やかに排出され、蓄積しないとされています。
ただ、生物の体内では一部のトリチウムがたんぱく質などの有機物と結合していて、この場合は、体の外への排出が遅くなることが知られています。
体への影響を考える上でのもう1つのポイントが、トリチウムが出す放射線のエネルギーの弱さです。
空気中ではおよそ5ミリ、水中では最大でも0.006ミリしか進むことができません。
世界の放射線の専門家で作る
「ICRP=国際放射線防護委員会」
が公表している放射性物質の種類ごとの影響度合いの比較では、原発事故で主な汚染源となったセシウム137と比べて、水の一部となっている場合はおよそ700分の1、蛋白質などと結合している場合はおよそ300分の1と低くなっています。※いずれも成人の場合
放射線による生物への影響に詳しい茨城大学の田内広教授は、低い濃度を適切に管理できていればリスクは低いと指摘しています。
「トリチウムが体内に取り込まれてDNAを傷つけるメカニズムは確かにあるが、DNAには修復する機能があり紫外線やストレスでも壊れては修復しているのが日常」
「一番大事なことは濃度を低く保つことで、今回のように1リットル当たり1500ベクレルという低い基準よりも更に薄まるのであれば、生物に対する影響は考えられず極めてリスクは低い」。
■処理水はどうやって海に放出する?
A. 放出は、処理する、測る、薄める、流すという手順で行われます。
現在、福島第1原発の敷地内のタンクに保管されている処理水のうち、およそ7割は、トリチウム以外の放射性物質を除去しきれておらず、放出するための基準を満たしていません。
このため、放出する前にはトリチウム以外の放射性物質の濃度が国の基準を下回る濃度になるまで処理を続けます(2次処理)。
2次処理した水はタンクに入れてかき混ぜ、均質にした上で、基準を満たしているか実際に測定して確認します。
この作業には1回当たり2か月程度かかることから、作業は3つのタンク群に分けて行われ、連続して放出できるようにするとしています。
基準を満たしていることが確認できた水は、残るトリチウムの濃度が放出の条件としている国の規制基準の40分の1を下回るように、処理水の100倍以上の量の海水と混ぜ合わせて薄めます。
この水は、福島第1原発の岸壁付近に作られた
「放水立て坑」
と呼ばれる設備に貯められ、一定の量を超えると海底トンネルに流れ出し、沖合1km先にある放出口から海に放出されます。
東京電力は、大量の海水で薄めることで、確実に放出の条件とする濃度を下回るとしていますが、念のためしばらくは、立て坑にためた水に含まれるトリチウムの濃度を改めて測定してから放出することにしています。
■放出されるトリチウムの総量は?
A. 処理水の海洋放出によって1年間に放出されるトリチウムの量について、東京電力は、事故の前、福島第1原発が通常の運転をしていた時の目安だった22兆ベクレルを下回る水準にする方針です。
この値について、経済産業省は、国内外の多くの原子力施設からの年間の放出量と比べても低い水準だとしています。
トリチウムの放出量は、原発のタイプや施設の種類によって違いがあり、経済産業省は2008年から2010年の国内の各原発の平均値を算出し、最小値と最大値を公表しています。
それによりますと、福島第1原発と同じ沸騰水型と呼ばれるタイプの原発では、およそ316億から1.9兆ベクレル、加圧水型と呼ばれるタイプの原発では、およそ18兆から83兆ベクレルとなっています。
一方、海外の原発ついても経済産業省がまとめていて、2021年に韓国の古里原子力発電所で49兆ベクレル、中国の陽江原子力発電所で112兆ベクレル、カナダのダーリントン原子力発電所で190兆ベクレルが、液体として放出されたということです。
また、使用済み核燃料の再処理施設では更に放出量が多く、フランスのラ・アーグ再処理施設で2021年に1京ベクレル、イギリスのセラフィールド再処理施設で2020年に186兆ベクレルが液体として放出されています。
■人や環境への影響は大丈夫?
A. 福島第1原発の処理水を政府の方針通りに海に放出した場合の、放射線による人や環境への影響について、東京電力は国際的なガイドラインに沿って評価してもいずれも極めて軽微だと説明し、原子力規制委員会やIAEA=国際原子力機関もこの評価を妥当だとしています。
東京電力は処理水を海に放出した場合にどのように拡散するか、2019年の気象データを使ってシミュレーションし、最も影響を受けるケースとして原発周辺で漁業に携わる人が船の上で作業をしたり、海産物を食べたりすることなどによってどの程度被曝するか評価しました。
その結果、一般の人の被ばく限度が年間1ミリシーベルトなのに対し、処理水の放出による影響は、海産物を食べる量などに応じて1ミリシーベルトのおよそ50万分の1から3万分の1になったということです。
加えて、魚や藻類といった動植物への影響も評価しました。
指標としたのは、
「ICRP=国際放射線防護委員会」
が示している、
「何らかの悪影響が生じる可能性がいくらかでもありそうと思われる値」
で、処理水の放出による影響は、この値のおよそ300万分の1から100万分の1になったとしています。
これらの評価はトリチウムの他、処理水に含まれる29種類の放射性物質による影響を足し合わせたものになっていて、結果として、トリチウム以外の影響が大きくなっているということです。
具体的には、放射性物質の単位である1ベクレル当たりの被曝影響が比較的大きいヨウ素129と、除去の対象となっていない炭素14でおよそ8割の寄与度を占めているということです。
また、海水中のトリチウムの濃度が現在よりも高い1リットル当たり1ベクレル以上になる範囲は、原発周辺の2kmから3kmの範囲にとどまるということです。
ただ、その範囲内でもWHO=世界保健機関が示す飲料水の基準である、1リットル当たり1万ベクレルを超えることはなく、大きく下回るとしています。
■安全性は確保できるの?
A. 安全性の確保は、東京電力が原子力規制委員会の認可を受けた計画通りに放出を実施することが前提となっています。
この中で東京電力は、放出設備などに異常が生じた場合、処理水の海への放出を即座に止める方針を示しています。
処理水が通る配管の2か所には
「緊急遮断弁」
と呼ばれる装置が設けられていて、海水の流量が少なくて十分に薄められない場合や異常な放射線が検出された場合には、自動的に水の流れが止まる仕組みになっています。
また、震度5弱以上の地震、津波注意報、高潮警報などが出された際には運転員が手動で放出を止めることにしていて、現在、緊急時を想定した訓練も行われています。
加えて、安全性の確認には処理水が放出された後に周辺の海で行うモニタリング、放射性物質の濃度の測定も重要です。
国や福島県、それに東京電力は放出前後で濃度の比較ができるよう、2022年度からモニタリングを強化していて、放出口から10km圏内を中心に合わせて130地点程度で海水中のトリチウムを測定しています。
更に放出開始直後は、国が行う測定の頻度を増やすなど集中的なモニタリングを行う方針です。
この中では通常の詳しい分析も行いますが、これには1回で2か月程度かかることから、検出できる濃度の下限の値を引き上げてより迅速に結果が出せる分析方法も新たに採用しています。
国や東京電力はこうしたモニタリングの結果をホームページで公開し、風評被害の抑制に繋げたい考えです。
■風評被害への対策は?
A. 政府は風評被害などの漁業者への影響を最小限に抑えようと、合わせて800億円に上る2つの基金を設けています。
このうち、2021年12月に設けられた300億円の基金は処理水の放出に伴う風評被害などへの対策が主な目的です。
放出の影響で卸売市場などでの水産物の取り引き価格が原則、7%以上下落した場合
▽漁業者の団体などが一時的に買い取って冷凍保管するための費用を上限なしで補助、
▽企業の社員食堂に水産物を提供する際にかかる費用などを最大1億円支援、
▽ネット販売など販路拡大の取り組みに対し、最大5000万円を補助するなどとしています。
一方、2022年11月に設けられた500億円の基金は漁業者の事業継続を支援するのが主な目的です。
放出の影響で売り上げが3%以上減少した場合などは
▽新たな漁場の開拓などを支援するため、人件費や漁具の購入費用などに最大3000万円を補助、
▽省エネ性能にすぐれた漁船のエンジンなどの導入費用に最大2000万円を補助するなどとしています。
基金の活用について、西村経済産業大臣は、
「宮城県などで既に水産物の価格が下落しているという話があり、具体的な調整を行っている」
と述べ、既に具体的な検討を始めていることを明らかにしています。
この他、政府は、福島県産の水産物などの需要拡大を後押ししたい考えで、西村大臣が、スーパーなどの業界団体の代表と面会し、働き掛けを行っています。
一方、東京電力も期間や地域、業種は限定せず、
▽風評被害による水産物や農産物の価格下落で売り上げが減少した場合や
▽外国からの禁輸措置を受けた場合などに賠償を行うとしています。
事業者ごとに影響を確認した上で、損害額を算定する方針で、2023年10月から、賠償請求の受け付けを始めることにしています。
また水産庁は風評被害を防ぐため、福島第1原発周辺の水産物の検査を強化することにしています。
現在、福島県沖では福島第1原発の10km圏内を除いて漁が行われています。
水揚げされた魚は毎週県が検査を行い、基準を超える放射性物質が検出された場合は同じ種類の魚について国が出荷制限を指示することになっています。
現在は2022年1月の検査で基準を超える放射性物質が検出された
「クロソイ」
という魚のみ出荷が制限されています。
この他、地元の漁協も水揚げのあった日は毎日、出荷する全ての種類の魚について放射性物質に関する検査を行い、自主的に定めた値を上回った場合は出荷を自粛します。
更に水産庁も2022年6月から、北海道から千葉県までの東日本の太平洋側で様々な種類の魚を対象にトリチウムの検査を実施しています。
これに加え処理水の放出開始後は当面、土日も含めて毎日、福島第1原発の10km圏内で捕れた魚について水産庁がトリチウムの検査を行い、翌日か翌々日には結果を公表することにしています。
水産庁は
「処理水を放出する場所のすぐ傍で実施した検査の結果を連日公表することで、消費者の不安を払拭し安心して福島の美味しい水産物を楽しんでもらえるようにしたい」
としています。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/292.html#c2

[戦争b24] アメリカ資本主義とウクライナへの過剰な「効果的兵器」が違いをもたらさない理由(マスコミに載らない海外記事) HIMAZIN
22. 2023年8月25日 06:07:57 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-92]
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クリミア奪還の決意強調 ゼレンスキー大統領
2023/8/24 10:41
https://www.sankei.com/article/20230824-SJ5B4CN6ZJM2ZH62LYXNNGN6ME/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2023年8月23日、2014年にロシアが併合した南部クリミア半島の奪還の決意を改めて強調した。
2023年8月23日開かれた国際枠組み
「クリミア・プラットフォーム」
の首脳会合で
「他の占領地と同様、クリミアは占領から脱する」
と演説した。
枠組みはクリミア返還に向けた国際世論を高める狙いで2021年に設立され、首脳会合は3回目。
今回は首都キーウ(キエフ)で対面とオンライン併用で開かれ、60以上の国と国際機関が出席した。
地元メディアによると、岸田文雄首相はオンラインで参加した。
ゼレンスキー氏は
「領土では交渉しない」
とも語った。
ウクライナ大統領府によると、フィンランド首相ら各国首脳と個別会談も行った。(共同)

主張
露の侵略1年半 西側は結束と支援強めよ
2023/8/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20230824-U36ZYS4YGJMWXBIHMZDGUJXSCM/
暴君の暴君による暴君のための残虐な侵略戦争と言う他ない。
ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略を始めて、2023年8月24日で1年半となった。
戦闘が長期化、膠着化する中で、ウクライナの無辜の国民の犠牲者は1万人を超え、子供も500人に上る。
国外避難者は800万人を数える。
国際刑事裁判所はプーチン氏には
「子供連れ去り」
の戦争犯罪容疑で逮捕状を出したが、非道は止まらない。
プーチン氏は全占領地から即刻、無条件で撤兵すべきである。
「ウクライナの非軍事化・非ナチス化」
などプーチン氏が公言してきた
「侵攻の大義」
は全て噓だ―。
民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は2023年6月末、政権に対する反乱を起こした際、こう暴露した。
反戦機運の広がりを恐れるプーチン氏は今や
「侵略」

「祖国防衛戦争」
にすり替えて国民に歪んだ愛国心を煽っている。
卑劣極まりない。
2023年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の首脳声明は
「侵略が続く限りウクライナを支援する」
と誓約した。
西側はこの結束と支援を強化すべきだ。
米バイデン政権が2023年8月、オランダとデンマークに米国製F16戦闘機のウクライナ供与を認めたのは英断である。
世界で安易な
「停戦」
案が出始めているが、無責任も甚だしい。
ロシアに領土を奪われたままの停戦は占領地の固定化を意味する。
近未来の再侵攻を許してウクライナを消滅の危機に晒すことになり、プーチン氏を喜ばすだけだ。
ゼレンスキー大統領は2023年7月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で
「ウクライナは領土を政治的地位や『紛争の凍結』と交換するつもりはない」
と語った。
当然のことだ。
2023年8月24日はウクライナの32回目の
「独立記念日」
でもある。
「帝政ロシア以来のロシア隷属の歴史は金輪際ご免だ」
とソ連と完全決別した。
その思いが現在の
「全領土奪還」
へ向けた反転攻勢の覚悟を後押しする。
プーチン氏の暴虐は世界の食糧・エネルギー事情も悪化させている。
しかし中国は西側の制裁下にあるロシアの石油・天然ガスの大量輸入を、北朝鮮は対露武器供与をそれぞれ続ける。
西側は中露朝の
「悪の絆」
を断ち切る方策を練るべきだ。

北朝鮮、中露を擁護し米を非難 国防相と大使名で声明
2023/8/24 23:13
https://www.sankei.com/article/20230824-DKM54VTRZZJYVID64WAYLU3BJQ/
北朝鮮は2023年8月24日、ウクライナ問題でロシアを、台湾問題で中国をそれぞれ擁護し、米国を非難した。
ロシア擁護は強純男国防相の談話の形で、台湾問題での米非難は李竜男駐中国大使の声明として、いずれも朝鮮中央通信が報じた。
強氏は、ウクライナ問題はロシアの安全を脅かした米国に責任があると主張し、2023年8月の日米韓首脳会談でウクライナ支援継続と対露制裁の必要性が謳われたことは
「国際平和と安全に対する愚弄、冒瀆だ」
と非難。
日本と韓国は米国のために最前線で戦う
「兵士」
だと表現した。
李氏は南シナ海で軍事圧力を強める中国を名指しで批判する首脳共同声明を日米韓が出したことを挙げ、台湾海峡の緊張は米国と追従勢力が作り出していると主張。
中国を支持すると改めて強調した。(共同)

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/804.html#c22

[アジア13] Re: 北朝鮮ミサイル発射と横田めぐみ(姜美淑) 野田隼人
254. 2023年8月25日 06:46:22 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-91]
<■113行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
北の衛星再失敗 「軍資金」の蛇口を閉めよ
2023/8/25 5:00
https://www.sankei.com/article/20230825-CRJZS6AYJJOQBIKP2BJ2HW4T4A/
北朝鮮が2023年8月24日未明、
「軍事偵察衛星」
の打ち上げを試みたが、地球周回軌道投入に至らなかった。
2023年5月末に続く失敗である。
北朝鮮は衛星を運搬する「ロケット」の3段目に異常が生じたためとし、対策を講じて2023年10月に3回目の打ち上げを行うと表明した。
「ロケット」
発射は、国連安全保障理事会決議が北朝鮮に禁じた弾道ミサイル技術の利用である。
到底容認できない。
北朝鮮は直ちに核・ミサイル戦力を放棄し、偵察衛星保有も断念すべきである。
今回の
「ロケット」
は複数に分離し、朝鮮半島西の黄海、同南西の東シナ海、フィリピンの東の太平洋に落下した。
いずれも北朝鮮が予告していた落下区域の外だった。
フィリピン東方に落下した部分は沖縄本島と宮古島の間の上空を通過した。
船舶や航空機への被害はなかったが、危険な挑発行為と言える。
岸田文雄首相が
「安保理決議に違反し国民の安全に関わる重大問題だ」
と捉え、北朝鮮を非難したのは当然だ。
日米韓は先の3カ国首脳会談を踏まえ、抑止力強化などで緊密に連携してもらいたい。
ミサイル発射時の情報共有や国連安保理での協力、自衛隊と米韓両軍による共同演習などが求められる。
日本が反撃能力の保有や地下シェルターの整備を急ぐことも重要だ。
韓国軍は、2023年5月末の打ち上げ失敗で海没した残骸を引き揚げた。
米韓両国の専門家の分析によれば、この時の
「偵察衛星」
は軍事利用できる性能が
「全くない」
代物だったという。
だが、北朝鮮は執念深い。
いずれは衛星の機能を向上させ、地球周回軌道に投入して日本などを監視し、攻撃目標の選定に利用しかねない。
平和を乱す行為を続ける北朝鮮を押しとどめるには、衛星やミサイル、ロケットを開発したり、立て続けに発射したりするための資金の獲得を出来るだけ抑えなければならない。
日米韓は国際社会に呼びかけて対北制裁強化を図るべきだ。
制裁破りとなる対北交易に従事する中露の企業などにはペナルティーを科したらどうか。
北朝鮮がサイバー攻撃で暗号資産などを窃取することも許してはいけない。
蛇口を閉めるため手立てを尽くす必要がある。

北衛星発射また失敗 性急日程で準備不足か
2023/8/24 21:35
https://www.sankei.com/article/20230824-AVZX7B4JCZIHNEJ7FVWJ4ZQMG4/
北朝鮮が
「最優先の国防力強化策」
と位置付ける
「軍事偵察衛星」
の打ち上げは2023年8月24日、2023年5月末に続き軌道投入に失敗する結果に終わった。
再発射準備は異例の短期間で行われており、早期開発を指示する金正恩朝鮮労働党総書記の意向を受けた性急な日程の下、準備不足のまま打ち上げを強行した可能性も指摘される。
■「非常爆発システム」異常作動
朝鮮中央通信によると、人工衛星「万里鏡(マンリギョン)1号」を搭載した3段式エンジンの新型運搬ロケット「千里馬(チョンリマ)1型」は2段目まで予定通り飛行したが、3段目の飛行中に
「非常爆発システム」
が異常作動した。
説明通りであれば、2段目のエンジン点火時に異常が発生し墜落した前回と異なり、今回は衛星が大気圏外に達した可能性があり、一定の進展が窺われる。
衛星開発を担う国家宇宙開発局は発射失敗を認めた後も、エンジンの信頼性には
「大きな問題はない」
と強調した。
ただ、日本の防衛省は衛星から切り離された部品が、北朝鮮が予告していた区域外に落下したと説明しており、エンジンに何らかの異常が生じたため、意図的に爆発させた可能性も残る。
韓国軍は前回同様、公海に落下した部品の回収作業を開始。
詳しい状況を調べる。
■僅か3カ月で再発射「日程ありき」
国家宇宙開発局は前回の発射直後、新型エンジンの信頼性、燃料の安定性に
「重大な欠陥」
があると認め、次回までに
「様々な部分試験」
を行うと表明した。
ロケット発射の失敗時には原因究明と対策に少なくとも半年〜1年かかるとされるが、僅か3カ月弱で再発射に踏み切った背景には、開発完了を急ぐ党上層部の意向も透ける。
党の重要政策を決める2023年6月中旬の党中央委員会総会では、衛星の発射失敗が議題に上り、開発担当部門の
「無責任さ」
を辛辣に批判。
早期に再発射を行う方針を決めたことが、住民が目にする国内向けメディアでも伝えられ、担当者らは
「日程ありき」
の準備を余儀なくされた。
■三度失敗すれば威信揺らぐ事態も
準備期間が大幅に短縮されたことに関し、峨山(アサン)政策研究院の梁旭(ヤン・ウク)研究委員は、2023年8月18日の日米韓首脳会談や2023年8月21日に開始された米韓合同演習などの政治日程に対応することが優先されたと分析。
「実際に偵察能力のある衛星を打ち上げるより、
『金正恩氏の指示で作られた偵察衛星が宇宙で作動している』
という実績を誇示する狙いが大きい」
との見方を示す。
韓国の情報機関、国家情報院によると、正恩氏は2023年下半期の
「最優先の注文課題」
として、軍事偵察衛星の準備を完了させるよう指示している。
万一、2023年10月の発射が三度失敗に終われば、政権の威信が揺らぐ異例の事態となりそうだ。

日米韓、北ミサイル発射を相次ぎ非難 安保協力強化へ試される連携
2023/8/24 20:10
https://www.sankei.com/article/20230824-4NWYANJKEFJC7DFVIZSJB6ECSU/
日米韓3カ国は2023年8月24日、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用した
「軍事偵察衛星」
の打ち上げを
「国連安全保障理事会決議に対する重大な違反だ」
として相次ぎ非難した。
3カ国首脳は2023年8月18日の日米韓首脳会談で安保協力の強化に合意したばかりで、今回の発射も受けて連携の具体化を急ぐ。
日米韓は2023年8月18日、米キャンプデービッドでの首脳会談で
「共通の利益及び安全保障に影響を及ぼす地域の挑戦、挑発、脅威に対する対応を連携させるため、3カ国の政府が相互に迅速な形で協議する」
と合意。
ミサイル発射データの即時共有を2023年内に始める方針や、北が資金源とするサイバー活動に対応する作業部会の設置も申し合わせた。
各国政府からは2023年8月24日、こうした合意を踏まえた発信が相次いだ。
岸田文雄首相は
「首脳会合を受け、日米韓でこれまで以上に緊密に連携していく」
と記者団に表明。
韓国の尹錫悦大統領は、打ち上げに関する分析結果を日米と共有するよう指示し、発射データの即時共有や日米韓の共同訓練の定例化を綿密に進めることも求めた。
バイデン米政権は
「緊張を高め、地域内外の安全保障情勢を不安定化させる危険性がある」
との声明を発表し、各国に北朝鮮を非難するよう求めた。
林芳正外相とブリンケン米国務長官、韓国の朴振(パクチン)外相は電話会談を行い、発射に関し
「地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威で、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦だ」
との認識を重ねて共有。
北朝鮮の完全な非核化に向けた協力でも一致した。
3カ国は外務省の鯰博行アジア大洋州局長ら、北朝鮮担当高官による電話協議も行った。
韓国大統領府は2023年8月24日、緊急の国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開催。
北朝鮮に
「相応の代償を払わせ」、
違法な資金源を遮断するため、日米との連携を強化する方針を確認した。
米韓合同軍事演習(2023年8月21〜31日)の期間中に打ち上げを強行した北朝鮮に対抗し、日米との連携を具体化させる好機とも捉えているようだ。

http://www.asyura2.com/09/asia13/msg/139.html#c254

[政治・選挙・NHK291] 処理水放出は永久に続く 「後は野となれ山となれ」の無責任(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
50. 2023年8月25日 12:06:52 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-90]
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産経抄
8月25日 事実をもって噓をたたけ
2023/8/25 5:00
https://www.sankei.com/article/20230825-FJZC3ITKJBI5BJYKTCRD3HLFBA/
漢字は不思議である。
例えば「静」や「浄」の字には、「争」が隠れている。
なぜか。
詩人の吉野弘さんが『争う』という詩で考察を加えている。
<青空を仰いでごらん。青が争っている。あのひしめきが静かさというもの>
▼<流れる水はいつも自分と争っている。それが浄化のダイナミックス>とも。
空の静けさも清らかな流れも、争いの中から生まれるのではないか、と。
詩人の問いかけが重く響く夏である。
東京電力福島第1原発で、処理水の海洋放出が始まった。
▼東日本大震災の発生から13年目、ようやくと言うべきだろう。
処理水は、設備による浄化で取り除けぬトリチウムを含んではいる。
その放射線は弱く、海水で薄めた上での放出は国際機関から安全性のお墨付きを得てもいる。
「核汚染水」
との中国の批判は悪質と言う他ない。
▼処理水の海洋放出は世界の原発でも行われている。
2年前の2021年に中国の秦山原発が海に流したトリチウムは218兆ベクレル、福島での放出計画が定める年間上限
「22兆ベクレル」
の10倍に上る。
「日本は生態環境の破壊者」
とする批判も、どの口が言うのだろう。
▼中国はしかし、日本の水産物の全面禁輸に訴えてきた。
岸田文雄首相は処理水放出に
「政府として責任を持って取り組む」
という。
あらぬ悪評を立てられた時、国際世論が動じぬよう安全性を示し続けること。
風評被害が出たなら、万全の手当てをすること。
それに尽きよう。
▼「争」を含む字には、目を大きく見開くという意味の「睜(せい)」もある。
中国発の噓は1つたりとも見逃すまい。
事実を以って噓を叩くことが風評を防ぐ手立てになる。
静かな海に荒波を立てる愚かな振る舞いとの長い争いになろう。
背中を見せるわけにはいかない。

福島第1原発周辺で海水採取 処理水放出後のトリチウム濃度分析 環境省
2023/8/25 11:08
https://www.sankei.com/article/20230825-JHUGCQ6XTNP6NMS3OFC5TG2HDQ/
環境省は2023年8月25日、東京電力福島第1原発の処理水を放出した周辺海域で放射性物質トリチウムの濃度を調べるための海水採取を始めた。
午前7時頃、福島県内の港から採取作業をする船4隻が出航した。
半径50km程度の海域内11カ所でそれぞれ2リットルの海水を採取。
分析結果は2023年8月27日にも発表する。
3カ月間を目途に毎週公表する方針。
東電は放出開始から1カ月程度、原発から半径3km圏内の10カ所で毎日採取し、翌日に結果を公表する。
原子力規制委員会は少なくとも過去10年間、原発周辺海域でトリチウムの濃度を計測。
データの数値は、3km以内の海域では概ね1リットル当たり0.5ベクレルを下回る範囲で変動しているが、それより離れると、ほとんど検出できないレベルという。
これを基に、濃度に変化がないかどうか確認する。

福島の魚「偏見ない」 処理水放出、消費者ら受け止め冷静 東京・築地
2023/8/25 9:33
https://www.sankei.com/article/20230825-NKKCVSCJBNIJHNXQPX2X5WL5LA/
東京電力福島第1原発からの処理水海洋放出の開始から一夜明けた2023年8月25日、飲食店や鮮魚店がひしめく東京都中央区の築地場外市場は、朝から多くの旅行客らで賑わっていた。
「検査で安全が確認されており偏見はない」
「美味しい魚なら買う」。
福島の海産物への風評被害も懸念される中、店舗関係者や消費者からは冷静な声が上がった。
店頭に並ぶ新鮮な魚介類を目当てに、多くの観光客が足を止める「斉藤水産」。
魚を捌いていた男性は
「福島の魚は(放射性物質の)検査を受けており安全」
「使わない理由はない」
と受け止める。
原発事故後は福島での水揚げ量が減少し、店での提供も減ったが
「今後、良いものが入れば扱いたい」
と話す。
新潟市から観光で訪れた40代の女性は
「処理水をいつまでもタンクに溜めておくわけにはいかない」
と放出に理解を示す。
「余り神経質になると風評被害が出てしまう」
「美味しければ、どこの魚でも買う」
とした。

福島第一原発 処理水放出 きょう(25日)の動き
2023年8月25日 6時30分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230825/k10014173401000.html
東京電力は2023年8月24日政府の方針に基づき、福島第1原子力発電所に溜まるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を、薄めた上で海への放出を始めました。
放出後に原発周辺の海域で海水を採取してトリチウム濃度の分析を進めていて、2023年8月25日午後に結果を公表するとしています。
福島第1原発では、汚染水を処理した後に残るトリチウムなどの放射性物質を含む処理水が1000基余りのタンクに保管され、容量の98%にあたる134万トンに上っています。
東京電力は、政府の方針に基づき2023年8月24日午後1時過ぎ、大量の海水で薄めた処理水の放出を開始しました。
これまでのところトラブルは報告されていないということです。
また、放出開始の2時間後から原発周辺の海域の10地点で海水を採取してトリチウム濃度の分析を進めていて、2023年8月25日午後に結果を公表するとしています。
放出の開始で、今後はタンクが減少し、廃炉作業に必要なスペースを確保できることが期待されていますが、2023年度計画される放出量がタンクおよそ30基分となっているのに対し、およそ20基分の処理水の増加が見込まれていて、実際に減るのはおよそ10基分の1万1200トンにとどまる見込みです。
処理水の元となる汚染水が1日およそ90トンのペースで増え続けているためで、東京電力は海への放出量を増やすと共に、汚染水の発生を更に抑制することを計画しています。
■中国の日本産水産物輸入停止 損害防ぐ対応にも力入れる 政府
中国は
「断固たる反対と強烈な非難を表明する」
などと反発し、税関当局が日本を原産地とする水産物の輸入を、2023年8月24日から全面的に停止すると発表し、日本の水産業に与える影響への懸念が強まっています。
中国の措置について岸田総理大臣は
「外交ルートで中国側に即時撤廃を求める申し入れを行った」
「科学的根拠に基づいて専門家どうしが、しっかり議論していくよう働きかけていく」
と述べました。
政府は、IAEA=国際原子力機関の報告書で、処理水の海洋放出は国際的な安全基準に合致し、人や環境への影響は無視できる程度だとされており、中国による輸入停止措置は不当なものだと抗議すると共に、重ねて撤廃を求めていく考えです。
また、風評対策などのために政府が設けている総額800億円の基金の活用の他、東京電力による賠償も含め、漁業者らの損害を防ぐ対応に力を入れる方針です。
■G20 貿易・投資相会合で中国側に抗議
インドで開かれているG20の貿易・投資相会合に出席している山田外務副大臣が記者団の取材に応じ、会合の中で中国側に抗議したことを明らかにしました。
この中で山田副大臣は
「我が国の処理水の海洋放出は、科学的根拠に基づき透明性を持って国際社会に説明を行っていて、多くの国から理解と支持を得ている」
と述べました。
その上で
「中国の科学的根拠に基づかない措置は全く受けられず、即時撤廃を求めた」
と述べ、中国側に輸入停止の措置を直ちにやめるよう求めたことを明らかにしました。
■米国務省声明「国際基準に則ったもの」
アメリカ国務省の報道担当者は2023年8月24日、声明で
「放出については今後も引き続き科学に基づいて判断されるべきだ」
「日本の計画は安全で、IAEA=国際原子力機関を含めた国際基準に則ったものであり、満足している」
としています。
その上で
「日本はIAEAと緊密に連携し科学的根拠に基づいた透明性の高いプロセスを踏んできた」
「日本が科学者や、インド太平洋地域の各国の意見を聞いてきたことも理解している」
とコメントしています。
■処理水の海洋放出 環境省が海水採取分析へ 27日に結果公表予定
環境省は、2023年8月25日午前に放水口から遠いところでおよそ40km離れた地点など福島県沖の合わせて11地点で海水の採取を行い、研究所でトリチウムなどの濃度について分析することにしています。
分析結果は2023年8月27日午前に公表予定で、環境省のホームページなどに掲載するとしています。
西村環境大臣は
「風評を生じさせないため、客観性・透明性・信頼性の高いモニタリングを徹底していく」
としています。
環境省はこれまでも年4回の海域モニタリングを行ってきましたが、当面、1週間に1回と頻度を増やして分析結果をホームページやSNSで公表するとしています。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/550.html#c50

[国際33] 日米韓豪の中国敵視は茶番から自滅に/田中宇 仁王像
2. 2023年8月25日 12:30:17 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-89]
<■75行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
正論
麻生氏「戦う覚悟」発言は正しい 麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
2023/8/25 8:00
https://www.sankei.com/article/20230825-CGDWR3O2ZFODXI5K4SBUADMDUU/
■対中抑止力の強化を強調
2023年8月7日、麻生太郎氏は現職の自民党副総裁として断交後初めて台湾を訪問した。
台北での講演で台湾有事を念頭に日本、米国、台湾などが
「戦う覚悟」
を持つことが抑止力になると述べた。
中国が軍事的な圧力を強める中、
「大事なことは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ」
と、対中抑止力の強化を強調した。
発言を巡って国内外から
「対中戦争を煽る発言」
「極めて挑発的」
「妄言」
「中国への内政干渉」
などの批判の声が上がった。
中国の習近平国家主席は、2022年10月の中国共産党大会で
「台湾問題を解決して祖国の完全統一を実現することは党の揺るぎない歴史的任務」
とし、
「武力行使の放棄を約束せず、あらゆる必要な措置を取る」
と述べた。
2023年3月の全国人民代表大会でも台湾統一に改めて強い決意を示した。
習氏が武力行使を決断するのは次の2つの場合だろう。
1つは台湾が独立を宣言した場合であり、もう1つは台湾武力侵攻が簡単に完遂できると判断した場合である。
前者の場合、習氏は中国の威信、メンツにかけ台湾独立を阻止しに掛かるだろう。
だが、台湾の世論調査では、台湾独立派は約5%に過ぎず、米国も独立には反対している。
蔡英文政権の次の政権も独立宣言をする可能性は低い。
問題は後者である。
独裁国家が戦争を起こすかどうかは独裁者の腹一つである。
独裁者が
「敵は与しやすい」
と判断すれば戦争は起きる。
ウクライナへの侵略戦争を見れば分かる。
既に1年半が経過した。
開戦前、ロシアのプーチン大統領は、簡単にウクライナを攻略できると誤算した。
2014年、僅か3週間で九州の約7割の面積、約300万人が住むクリミア半島をほぼ無血併合した。
「2匹目のどじょう」
よろしく、侵攻を始めた。
だがウクライナの頑強な抵抗に遭い、戦争は長期化し、甚大な損耗、西側の結束、制裁を招き、国際的孤立を余儀なくされた。
これが事前に予測できていたら、プーチン氏は戦争に踏み切らなかっただろう。
戦争は起こすのは簡単だが、終わらせるのは何倍も難しい。
■独裁者の誤算の背景
プーチン氏の誤算は、ウクライナにも責任がある。
ウクライナは2014年以降、欧米の軍事顧問団を受け入れ、精強な軍への大改革を図っていた。
だが、
「戦う覚悟」
は示さなかった。
ゼレンスキー大統領は、開戦半年前からロシアの不穏な情報を米国から提供されていた。
にもかかわらず、
「他の国々がロシアによる侵攻リスクを誇張している」
として受け入れず、開戦の10日前になっても
「我々は平和を目指し、全ての問題に交渉のみで対処することを望んでいる」
と語っていた。
予備役動員をかけ、
「戦う覚悟」
を示したのは開戦2日前だ。
プーチン氏が
「ウクライナ与しやすし」
と誤算しても不思議ではない。
ゼレンスキー氏は戦争指導者として今でこそ英雄だが、戦いを抑止できなかった責任は重い。
ウクライナ軍の精強性、戦う覚悟を事前にプーチン氏が認識していたら、侵略は抑止されていた可能性は高い。
さて台湾有事である。
独裁者である習近平氏に戦争を起こさせてはならない。
台湾への武力侵攻が
「容易にできる」
と判断させないことが肝要だ。
判断の中核は、米国の動向である。
米国が台湾防衛の覚悟を示せば、台湾有事は抑止される。
米国を相手に台湾軍事侵攻が成功するとは習氏も思っていない。
■日本にも覚悟求められる
バイデン米大統領はこれまで、2021年8月、2021年10月、2022年5月、2022年9月の4回、
「米国は台湾を守る」
と発言した。
だが4回とも直後に国務省が打ち消しにかかった。
米国は、台湾を守るかどうか明確にしない曖昧戦略を取っている。
これには台湾に独立宣言をさせない目的がある。
だが、もはや台湾が独立宣言をする可能性は低い。
何より
「習氏が2027年までに台湾侵攻準備を整えるよう軍に命じた」(バーンズCIA長官)
という今、米国は曖昧戦略から脱し、台湾防衛を明確にすべき時にきている。
日本は米国に対し曖昧戦略の変更を強く迫るべきだろう。
日本も覚悟が求められる。
台湾有事では、日米安保条約6条によって日本の基地が作戦に使用される。
当然、日本の基地は攻撃対象になるだろう。
事前協議はあるが、ノーというオプションはあり得ない。
その瞬間、日米同盟は消滅する。
日米同盟なくして日本の安全も繁栄もあり得ないのは、残念ながら現実である。
たとえ米軍が参戦しなくても、台湾有事が起きれば日本は無傷であり得ない。
だからこそ台湾有事を起こさせてはならない。
台湾有事を抑止するには、日米が
「戦う能力と覚悟」
を持ち、習氏にそれを理解させることだ。
「汝(なんじ)、平和を欲するなら戦争に備えよ」
という警句は真理である。
安全保障は概して逆説的であり、麻生発言は正しいのだ。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/383.html#c2
[国際33] プリゴジン氏死亡とワグネル関連SNS、ロシア墜落機に搭乗(ロイター) 赤かぶ
48. 2023年8月25日 12:48:49 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-88]
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フォト
「悲劇だ」露大統領、プリゴジン氏死亡と認める 爆発物で暗殺計画か、米紙
2023/8/25 12:00
https://www.sankei.com/article/20230825-A3IAGHJ52JMT5DSSEDNCNLYX64/
ロシアのプーチン大統領は2023年8月24日、モスクワ北西で2023年8月23日に墜落した小型機に乗っていたとみられる民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏について
「家族に哀悼の意を表したい」
と述べ、死亡したとの認識を示した。
国営テレビが報じた。
プーチン氏がプリゴジン氏に言及したのは墜落後初めて。
2023年8月23日にアフリカから戻ったばかりだったとし、墜落を
「悲劇だ」
と表現した。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は2023年8月24日、墜落は暗殺計画の結果との見方を報じた。
米政府は機内に仕掛けられた爆発物が作動した可能性があるとみているという。
現場検証や遺体の身元確認が続く中でのプーチン氏の発言には、墜落を悲劇と位置付けて政権側による粛清との見方を否定し、事態の幕引きを図る狙いがあるとみられる。
身元確認にはDNA鑑定が必要だとされ、ロシア当局はプリゴジン氏の死亡を公式に確認していない。(共同)

プリゴジン氏暗殺の可能性 搭乗機に爆発物か、米紙報道
2023/8/25 7:14
https://www.sankei.com/article/20230825-6OQOC752NJKCLP4WVVBG2RI5RA/
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は2023年8月24日、ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が乗っていたとされる小型機の墜落は、同氏に対する暗殺計画の結果だとの見方を報じた。
米政府は初期の分析として、機内に仕掛けられた爆発物が作動した可能性があるとみている。
複数の米政府当局者が同紙に語った。
国防総省のライダー報道官は2023年8月24日の記者会見で
「プリゴジン氏は殺された可能性が高い」
との見方を示した。
バイデン政権が同氏の死亡に言及したのは初めて。
米政府は墜落原因の断定には至っておらず、公式には暗殺だったとは主張していない。
ロイター通信は、ロシア国内から発射された地対空ミサイルが同機を撃墜した可能性を報道したが、ライダー氏は
「地対空ミサイルが発射されたことを示唆する情報はない」
と否定した。(共同)

プリゴジン氏のジェット機がロシアで墜落 10人死亡、本人も搭乗か 撃墜疑う声も
2023/8/24 3:02
https://www.sankei.com/article/20230824-B3SRAZGFFNMFTLJSJGK5M7GBJQ/
ロシア非常事態省は2023年8月23日、北西部トベリ州で小型ジェット機が墜落し、乗員3人と乗客7人の全員が死亡したと発表した。
タス通信によると、露航空当局は乗客名簿の中にロシアで2023年6月に武装反乱を起こした露民間軍事会社「ワグネル」トップ、プリゴジン氏の氏名があったと発表した。
プリゴジン氏がジェット機に実際に搭乗していたかは現時点で不明。
ワグネルに近いとされる露メディア「グレーゾーン」は2023年8月23日、
「墜落したのはプリゴジン氏所有のジェット機だった」
と通信アプリ「テレグラム」に投稿。
「墜落前に爆発音が2回聞こえた」
とする墜落現場付近の住民の証言などから、ジェット機が露軍の防空システムに撃墜された可能性があるとした。
他の複数のテレグラム上のニュースチャンネルも
「墜落原因は事故ではなくテロの可能性がある」
と指摘した。
露非常事態省の発表によると、墜落したジェット機はモスクワ近郊の空港から露第2の都市サンクトペテルブルクに向かっていた。
サンクトペテルブルクはワグネルの本拠地。
プーチン露政権は反乱収束後、プリゴジン氏とワグネル戦闘員がベラルーシに行くと説明。
実際にプリゴジン氏と一部戦闘員はベラルーシ入りしたとされる。
ただ、その後もプリゴジン氏が両国を行き来していることを示す写真が公開されるなど、同氏の動向には不明点が多かった。
プリゴジン氏は2023年8月21日にグレーゾーンなどが公開したビデオ声明で、自身が現在アフリカにいることや、今後のワグネルがアフリカで活動することを示唆していた。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/384.html#c48

[政治・選挙・NHK291] <政界地獄耳>非情人事見え隠れ…首相・岸田文雄やり放題時代へ(日刊スポーツ) 赤かぶ
21. 2023年8月26日 09:36:20 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-87]
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LGBT異常判決と「電通利権」
Hanada2023年10月号 元参議院議員 松浦大悟
■本当に「可哀相」か
男性器の付いている経済産業省トランスジェンダー職員(戸籍上は男性)が女子トイレを使用させてほしいと要求した。
ところが、勤務するフロアから2階以上離れた場所しか認められず、人事院に処遇の改善を求めたものの退けられたため国を訴えていた裁判で、最高裁はトイレの使用制限をした国の対応は違法だとの判決を出した。
今、多くのLGBT当事者から
「この裁判はおかしい」
との声が上がり始めている。
一体どこが問題なのか、ゲイを公表して政治活動を行っている筆者が考察してみたい。
マスコミは、原告の経産省職員のことを
「7年以上にも渡る法廷闘争の末、逆転勝訴した可哀相なトランス女性」
として伝えたが、実態は違う。
彼女のツイッターでのアカウント名は
『わきまえないトランスジェンダー 霞が関にゃんにゃんOL』
といい、市井のLGBTの間では有名な存在だった。
これは裏アカではなく、れっきとした本アカである。
「キンタマキラキラ金曜日」
「ちんちんフラフラFRIDAY」
が彼女の決め台詞だ。
<女性でヘテロで彼氏か旦那さんがいるのなら、夜はちんぽ咥えて、つっこまれて喜んでいるんでしょ?>
といった卑猥な投稿を繰り返し、閲覧した人は
「これがあの原告なのか?」
と誰もが眉を顰めていた。
批判してきた人には
<夜道に気をつけてね>
<駅のホームも端っこには気を付けてね>
と脅し、
<愚民どもは社会のシステムや法が分かっていないからな。やはり我々エリートの支配階級が正しい方向に指導してやらないといけない>
と、臆面もなく本音を漏らす。
その”エリート”である彼女は、上司から
「(男性器を除去する)手術をしないんだったら男に戻ったらどうか」
と助言されたことに傷付いたとして1年間休職したが、国家公務員の身分は手厚く保証されており、休んでいる間も出勤していた頃と遜色のない額の給料を貰っていたという。
そもそも、彼女は
「手術を受けるためにRLE(*)が必要なのだ」
として女子トイレの使用を要求していたのであり、手術を受けないのであれば話は変わってくる。
*日本精神神経学会の「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」では、身体的治療を希望する者は、治療を行う前に移行先の性別での生活を行ってみる(実生活経験=RLEを行う)ことが推奨されている。
■診断書の入手、実は簡単
生物学的女性たちが訝しく思っているのは、
「なぜ彼女は頑なに手術を拒むのか」
という点である。
「健康上の問題」
との説明がなされているが、どのような健康上の問題なのか、詳細は明らかにされていない。
また、判決文には
<血液中における男性ホルモンの量が同年代の男性の基準値を大きく下回っており、性衝動に基づく性暴力の可能性が低いと判断される旨の医師の診断を受けていた>
と書かれているのだが、ツイッターの投稿を見る限り、とてもそうは思えない。
本当にこの診断は正しかったのかどうか、最高裁は担当医師を呼んで確認すべきではなかったか。
実は、性同一性障害の診断書は簡単に入手できる。
本来なら時間をかけて診察しなければならないのだが、たった1日で診断書を書いてくれる医者が何人もいて、ネットではどのような受け答えをすればスムーズにいくのかマニュアルさえ出回っている。
身体的治療に移るためには2名以上の医者からの診断書が必要だが、セカンドオピニオンにおいても1回でOKを貰える場合が多い。
元SMAPの草場剛氏がトランス女性役を見事に演じ切った映画『ミッドナイトスワン』にも、商業主義に陥り、3分診療で診断書を出すジェンダークリニックの姿が描かれている。
「『性自認』は自己判断だからダメだが、『性同一性』は厳格な審査基準があるので女性の安全を脅かさない」
というのは、現場を知らない者の戯言に過ぎない。
精神科医によると、確かに
「性同一性」
の診断には、
その性別でどのくらいの期間を過ごしているかという
「時間軸」
と、
第三者から見てどのような性別に見えているかという
「社会軸」
が加味される。
しかしながら、24時間クライアントを監視カメラで見ているわけではないので、結局のところ、彼らの主観ベースの話を信じるしかないのだという。
自分史を書かせる医療機関もあるが、これさえも本当かどうか確かめる術はないのである。
経産省職員の彼女は自分のことをトランス女性だと自己規定しているが、そもそも性同一性者とトランス女性はイコールではない。
性同一性障害者、体の性別と性自認が一致しないため苦しくて仕方がない。
だから、自分の体にメスを入れてさえも性自認に体の性別を近付けていこうとする人たちのことだ。
しかし、トランス女性は違う。
身体的性別と性自認の乖離に違和感はあるものの、手術をするほどの苦しみはない。
そのトランス女性の彼女が性同一性障害の診断書を持っていたことで、最高裁は見誤ったのではないか。
■裁判への布石だった?
この訴訟は個別事案であり、直ちに公共施設全体に適用されるものではないという補足意見は付いたが、名古屋市、千葉県、茨城県などでは
「今回の判決を踏まえた対応をしていきたい」
と担当者が取材に答えている。
これは考えてみれば当然であり、同様の訴えを起こされれば最高裁まで戦っても負けることが証明されたわけで、行政職員として瞬時にコスト計算をしたのだとしても不思議ではない。
こうした動きについて、我が国では特段大きな反発の声は出ておらず、国民は概ね良好に受け取っている。
今後は中央政府や地方政府に倣う形で、小・中・高校や大学、民間施設に至るまで、横並びの対応が取られていくだろう。
今回の判決は、このような世間の反応を見るために最高裁が打ち上げたアドバルーン(観測気球)だったのではないか、というのが筆者の推測だ。
なぜなら最高裁大法廷では、今
「性同一性障害特例法」
が課している
「手術要件」
についての違憲審査が行われており、2023年9月27日には申立人側の意見を聞く弁論が開かれる。
こうした家事事件において、最高裁が国民に公開する形での弁論を開くのは初めてのことだという。
身体は男性で性自認が女性の申立人は、高額の手術費や後遺症への不安から精巣の摘出手術は受けていない。
最高裁は世論の涙をバックに、一気呵成に
「性別の定義変更」
を図ろうとしている可能性がある。
最高裁の戸倉三郎長官は2023年の憲法記念日における記者会見で、最高裁判事にLGBT研修を受けさせる旨を述べている。
経産省トイレ裁判の判決文には異例にも、5人の判事全員による意見が付されており、その内容が
「まるでLGBT活動家のようだ」
と、一般のLGBT当事者からも訝しがられている。
男性器の付いたトランス女性が女子トイレを使用することに不快感を持つなら、それはそう感じた女性の方がおかしいのだから、その人には研修を受けさせるべきという意見は常軌を逸している。
一体、裁判官は誰のLGBT研修を受けたのか、国民には知る権利がある。
裁判官の判断に影響を与えているわけだから、これは重要な情報だ。
国会議員は是非最高裁を呼んで、ヒアリングをしてほしい。
筆者が講師として招かれた
「性的マイノリティに関する特命委員会」
には最高裁の事務方が出席し、高階恵美子委員長から意見を求められていた。
三権分立とはいえ、最高裁を呼べない理由はない。
なぜ筆者がそこまで言うかというと、トランスジェンダー当事者の意見は真っ二つに割れているからである。
手術要件廃止派の一方的意見だけ聞いているとしたら、大問題だ。
キリスト教圏に影響を受けた日本のLGBT活動家は、生殖腺を取り除く性別適合手術を国家による
「断種」
だと言い募り、LGBT後進国の日本は非人道的な性同一性障害特例法を廃止しろと叫ぶ。
だが、この法律を欧米のような文脈で語るのは筋違いだ。
1964年に起きたブルーボーイ事件は、男性器を切除する手術を行った産婦人科医が優生保護法によって逮捕された事件である。
それ以降、我が国においては、性を移行したい者にとっての希望が断たれることとなった。
もちろん、これは拷問が目的だったわけではなく、当事者の苦悩に寄り添った結果としての手術だった。
そのことを当事者たちはよく分かっていた。
しかし、手術を受けた人たちが男娼だったため、センセーショナルに伝える週刊誌によって、性転換に負のイメージが付けられてしまった。
それから幾年、やっと手術が合法になったのが2003年。
性同一性障害特例法の成立を、多くの当事者は涙を流して歓迎したのだった。
ところが、そこから取りこぼされた人たちがいた。
手術をするほどの苦痛がないトランス女性/トランス男性たちである。
手術しなければ戸籍上の性別を変更できないこの法律では自分たちは救われないとの不満を抱えながら、それでも
「1人でも多くの仲間が助かるなら」
と利己を押し殺して法案の成立に合意したのだった。
だが、その思いは限界に達した。
当時は主流派ではなかった彼らが今、世界的な潮流に乗り、主客交代劇を繰り広げているのである。
「今度は俺たちが幸せになる番だ」
と。
しかし、手術要件がなくなってしまうと、今度は性同一性障害者たちが困ってしまう。
手術は
「医療」
ではなく
「趣味」
で行うものと見なされ、
「美容整形と何が違うの?」
と言われるからだ。
当然、安倍政権で導入した保険適用も廃止になる。
2021年現在、性別適合手術を受けた人は約1万1000人に達する。
社会の中で、男性/女性として真っ当に暮らしているこの人たちの人生を否定してはならない。
■確信犯で嘘を付く
性別適合手術を廃止し、自己申告だけで戸籍の性別を変更できるよう要求しているのは、性同一性障害者ではなくトランス女性/トランス男性の活動家である。
彼らにしても、伊達や酔狂でやっているわけではない。
自分が信じる正義のために必死なのだ。
社会をグレートリセットさせるためなら少々の嘘は許容範囲だ、と思っている節がある。
例えば
「LGBT法連合会」
という団体は、LGBTの代表でも何でもないただの民間組織だ。
だがマスコミは、それを当事者代表の声として報道する。
2023年3月には、トランス女性へのデマが広がっているとして
「法律ができても、トランス女性は女湯や女子トイレに入りません」
と記者会見したのだが、スピーチに立ったトランス男性である杉山文野自身が戸籍の性別とは違う浴場やトイレに侵入しており、そのことを知る筆者たち関係者は、テレビの前で一斉に椅子から転げ落ちた。
渋谷でのレインボーパレードを主催しているNPO法人
「東京レインボープライド」
共同代表でもある杉山文野氏は自らのツイッターで、男湯に入って歌舞伎町の市川海老蔵氏と遭遇したことを報告している。
同じ内容を海老蔵氏のブログでも確認できるので、是非読んでみてほしい。
タイトルは『男湯に女いた』。
胸を切除しているが子宮は摘出していない杉山氏は、戸籍上は女性だ。
LGBT理解増進法施行に伴い、厚生労働省は
「公衆浴場の男女別は身体的特徴で判断を」
と通知を出したものの、日本で一番有名なLGBT活動家である杉山氏を警察は逮捕できるはずがない。
そんなことをすれば、国際的スキャンダルになるだろう。
杉山氏は信念の下に男湯や男子トイレを使っているのであり、今後もやめることはない。
厚労省の通知は無意味なのだ。
また、身体が男性のトランス女性が女湯に入っていることも、筆者たち当事者の間では常識だ。
「股間タック」
という言葉で検索してみてほしい。
睾丸を指で体内に入れて恥骨に引っ掛け、余った皮で包んで接着剤で止めれば女性器そっくりになる。
そのまま女湯や女性トイレに入っても恍惚とした表情で自撮りをしている画像が、SNSでいくらでも発見できるだろう。
東大教授のクィア学者、清水晶子氏はこれを
「埋没した棘」
と表現し、
「今だって彼女たちは女性スペースに存在する」
「でも女たちは気付いていない」
「気付かないのだからいいじゃないか」
という趣旨の論文も書いている。
よく保守論壇は、戸籍とは違う性別の浴場やトイレを利用する是非について、
「自分たちはトランスジェンダーを差別しているのではない」
「犯罪者との見分けがつかないことを問題にしているのだ」
といった議論をする。
だが、それは本質からずれている。
真の問題は、トランスジェンダーの当人たちが、既にそうした場所に入っているという事実だ。
経産省のトランス女性職員も、省内のトイレは理解が得られず使えなかったが、デパートなどの民間施設では当然女子トイレを利用しているとツイートしている。
三省堂の国語辞典は、2022年版から「男」「女」の項目を変えた。
<生まれたときの身体的特徴と関係なく、自分はこの性別だと感じている人もふくむ>
としたのだ。
このように既成事実が積み上がっていき、最高裁は
「社会は変わった」
との最終判断を下すことになる。
■りゅうちぇる氏の死
タレントのりゅうちぇる氏が自殺した。
そのこと自体は大変残念で悲しい出来事であるが、それに乗じて多様性の素晴らしさを説く生前の彼の言葉を何の躊躇もなく放送することはWHOの自殺報道ガイドライン違反に当たるため、厳に慎まなくてはならない。
自殺者を称賛することは、自殺の連鎖に繋がるからだ。
そして、それによって性同一性障害者の本当の思いが覆い隠されようとしていることにも注意を喚起したい。
りゅうちぇる氏は、同じくタレントのぺこ氏と結婚し、子供をもうけていた。
ところがその後、男性が好きだという気持ちが大きくなり、離婚。
どんどん容姿の女性化が進み、胸も膨らんでいった。
そんな彼に、SNSなどを通して誹謗中傷が届くようになる。
「子どもが欲しいからといってぺこに産ませておいて。女の人生をなんだと思っているんだ」
「家事も育児もぺこに押し付けて自分だけ綺麗になって。男だからできるんだよ。同じことを女がやったらバッシングの嵐だ」
など。
こうした心無い批判が原因で死に至ったと多くのコメンテーターは分析したが、性同一性障害者からは、そうではなくホルモン療法が原因だったのではないか、との問題提起がなされている。
男性から女性になるためには女性ホルモンを投与しなければならないが、ホルモン注射は精神のバランスを崩し、うつ病となって自殺するケースも少なくない。
人によって合う合わないが激しく、長年に渡り偏頭痛に苦しむ人もいる。
りゅうちぇる氏に必要だったのは
「あなた、綺麗ね。素晴らしいわね」
と持ち上げる表面上の友ではなく、
「ちょっと変化が早過ぎるよ。1年かけて考えてみたら?一旦ストップしようよ」
と警鐘を鳴らす真の友だったのだ。
しかし、保守派の性同一性障害者、奥田幸雄氏は、それでも愚行権としてホルモン注射を認めてほしいという。
「真の同一性障害は死んだ性同一性障害だけ」
と言われるくらい性同一性障害の時点で希死念慮はあり、これはホルモン以前の問題だ、もとより死は覚悟している、と。
言われてみれば確かにそうで、自分の体が苦痛でたまらない当事者たちは、親指を噛み切ったり、ガソリンをかぶって焼身自殺したりする。
見るに見かねた医師たちが、
「それだったら」
とホルモン注射を打ち始めたのだった。
打たなくても地獄、打っても地獄は承知の上だった。
こうした当事者の激烈な思いと向き合うことなく、ここぞとばかりに
「多様性」

「ダイバーシティ」
の必要性を煽る左派メディアは、無責任と感じる。
NHKで放送されたドイツのドキュメント番組『レインボーファミリー』は、母親が女性を好きになり離婚したことを美談として伝える。
異性愛者の夫婦であれば不倫となり、LGBTであれば褒め称えるというのは、二重規範以外の何物でもない。
婚姻の途中にジェンダーアイデンティティが変わることはないとは言えないが、子の福祉のことを考えると、りゅうちぇる氏の死を利用した
「ショックドクトリン」
によって、拙速に最高裁で性別の定義変更が行われないように切に願う。
■LGBTにおける歴史戦
安倍晋三元総理は、拉致問題や慰安婦問題、佐渡金山世界遺産登録問題などで歴史戦を戦ってこられた。
月刊『Hanada』2022年6月号では、
「歴史戦で厄介なのは、日本の内部に敵がいること」
とおっしゃっていた。
筆者は、LGBTにおいても歴史戦が始まっていると感じている。
杉山文野氏は、複数のLGBT活動家と共に安倍元総理と会食をしている。
安倍元総理は筆者に、
「誰だか分からないが、昭恵が会ってくれと言ったから会ったんだよ」
とおっしゃっていた。
LGBT活動家は自らを保守と偽り、政権の中枢にまで入り込んでいるのである。
また、LGBT活動家には野党側の活動家だけではなく、自民党側の活動家もいることは案外知られていない。
LGBT理解増進法が成立後、自民党側の活動家のものと見られる音声がSNSで拡散され、大炎上したことがあった。
法律ができれば、学校や企業の講演会などで自分の所に大きな利権が回って来るという内容だ。
LGBT理解増進法の真の目的は、地方自治体でやりたい放題のLGBT活動家の動きを止めるためだと自民党は説明するが、野党側の活動家に代わって自民党側の活動家が元締めとなったところで、利権を貪る主体が変わるだけだ。
だいたい、LGBT理解増進法で左派の動きが止まるとも思えない。
その根拠は、野党側の活動家と自民党側の活動家の比率だ。
筆者の肌感覚で、99.5%対0.5%といったところだ。
これから学校や企業での研修を全国展開するには、左派LGBT活動家の力を借りるしかないのだ。
何故なら、彼らしか人材がいないからである。
そんな彼らが、これまでの主張を変えるはずがない。
石川県では、荒井秘書官の発言で岸田首相を謝罪に追い込んだLGBT活動家、松中権(ごん)氏が多様性条例有識者会議のメンバーになっており、
「LGBT理解増進法は地方の条例を縛るものではなく、運用上はこれまでの流れを受けて『性自認』という言葉を使っても良いということをきちんと明記すべきだ」
と発言している。
松中氏は前出の杉山氏と親友であり、杉山氏の女性パートナーに精子を提供し、子供を2人もうけている。
当初、杉山氏は女性パートナーと2人で生活を送るつもりだったが、途中で松中氏に父親心が芽生え、今では3人親として子育てをしている。
アメリカでは同性婚が認められた次に、こうした多重婚の婚姻形態を求める裁判が起こされている。
LGBT理解増進法は制御装置ではなく、LGBTイデオロギーを更に加速させる機能を果たす。
一旦導火線についた火を消すことはできないのである。
■時給2000円で活動家が
松中氏は
「電通」
出身であり、各広告代理店は今後10年を見据えて動いている、と筆者は想像している。
通常、電通は自民党側、博報堂は野党側の担当なのだが、LGBTにおいては捻じれ現象が生じている。
元電通マンの松中氏が野党側に付き、自民党側には博報堂から出向しているゲイ当事者が付いているからだ。
こうした状況からも、自民党側の活動家が野党側を排して覇権を握ることは困難だと分かる。
いずれは電通の力を背後に持つ松中氏がピラミッドの頂点に立ち、全てを統合する。
自民党側の活動家は、おこぼれを貰うことで精一杯だろう。
LGBT利権についてよく例に出されるのが、一般社団法人
「社会的包摂サポートセンター」
が行っている国の自殺対策委託授業
「よりそいホットライン」
だ。
これを作ったのは、当時民党政権だった福山哲郎議員。
自殺率の高い秋田県の筆者がPTの事務局長を担当した。
2013年の落選後、筆者にLGBT部門の電話相談員にならないかと誘いがあった。
しかし、面接と実地試験を受けたところ、筆者は見事に落とされたのである。
当時の時給は2000円。
朝から晩までLGBT活動家がシフトに入り、それだけで生活費を賄っていた。
公明党や共産党の市議も、お小遣い稼ぎをやっていた。
こうした事情を筆者に知られたくなかったのかもしれない。
問題は、情報がクローズドで行政事業レビューができないことだ。
筆者が出た電話には、妊娠出産したレズビアンから
「そろそろ浮気をしたいのだがどうすればいいか」
といった相談や、
「統合失調症ゆえに自分をゲイだと思い込んでいる男性が精神病院から電話をしてくる」
といった事案が目立った。
こうしたリピーターが多いので、本当に相談を必要としている人には繋がらないという欠点もあった。
利権と言えば利権に相違ないのだが、そんなレベルではない大きなお金が今後は動いていくだろう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/551.html#c21
[原発・フッ素54] 処理水放出、太平洋島しょ国が怒り 背景に核や戦争、大国の犠牲になってきた歴史(東京新聞)  蒲田の富士山
17. 2023年8月26日 14:03:57 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-86]
<■275行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国当局、処理水放出に関するSNS発信を厳格管理 「心配不要」の投稿削除
2023/8/26 13:38
https://www.sankei.com/article/20230826-PCINKU353FOYVL7MSUKLQ65S4I/
中国の習近平政権が、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受けて対日批判を展開する中、中国の交流サイト(SNS)で処理水放出に
「心配はいらない」
と表明した投稿が削除されている。
中国政府の主張に合わない情報発信を当局が厳しく管理しているもようだ。
香港紙、明報(電子版)などによると、中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)で欧州在住の中国人原子力専門家のものとみられるアカウントが2023年8月24日、日本の処理水放出について具体的なデータを使って解説。
中国当局が国内の原発で定めるトリチウムの放出上限は福島第1原発の8倍であり、今回の処理水放出は
「心配するに値しない」
との考えを示した。
その後、間もなく投稿は削除され、アカウントも封鎖されたという。
現在、そのアカウントは閲覧できない。
中国の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」でも、国連機関のレビューや科学者の意見などを引用した文章が削除されたと伝えられている。
中国政府は、処理水放出について
「データの真実性や正確性、海洋環境や人類の健康への安全性、無害性を証明していない」(外務省報道官)
などと主張。
こうした公式見解にそぐわないSNS投稿に神経を尖らせていると見られる。
中国のSNSでは、日本に対する蔑称である
「小日本」
という表現も使い
「小日本を打ち倒せ」
「我が国の小日本への一切の措置を支持する」
といった反日ムードが強い投稿が目立つ。
これまでに反日デモなどは確認されていないものの、北京の在中国日本大使館は在留邦人に対し
「外出する際には不必要に日本語を大きな声で話さないなど慎重な言動を心掛ける」
といった注意を呼び掛けている。

処理水巡り安保理で応酬 北朝鮮の非難きっかけに
2023/8/26 10:29
https://www.sankei.com/article/20230826-CZWPM3ANGRIVDEIAZ56XYOXUTI/
国連安全保障理事会が2023年8月25日に開催した北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げに関する公開会合で、北朝鮮が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を
「人道に反する凶悪な犯罪」
と非難した。
これをきっかけに中国も処理水放出の停止を要求し、日本が反論して応酬となった。
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は
「日本は大量の放射性物質を含む汚染水放出を決定し、人類の安全と海洋環境をとてつもない危険に晒している」
と批判。
中国の耿爽国連次席大使も
「日本は国際社会の反対を無視している」
と主張した。
日本の石兼公博国連大使は
「科学的根拠のない言い分は受け入れられない」
と語気を強め、処理水に含まれる放射性物質の濃度は基準値を下回っていると説明した。
石兼氏は会合後、記者団に
「国際基準を踏まえて実施する処理水放出と、安保理決議と国際法に違反するミサイル発射を同一に論じることは全く適当でない」
と語った。(共同)

処理水放出の透明性評価 米国務省、日本政府支持
2023/8/26 8:14
https://www.sankei.com/article/20230826-SZQTOECCUBLQFN4GMR4DZDNPWA/
米国務省のミラー報道官は2023年8月25日の声明で、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り
「安全で透明性があり、科学的根拠に基づいた日本政府の取り組みに米国は満足している」
と評価した。
日本が国際原子力機関(iIAEA)と積極的に連携してきた点も挙げた。
ミラー氏は処理水放出計画について、IAEAが国際的な安全基準に合致すると結論付けていると指摘した。
2011年の東日本大震災で甚大な人的被害があったと振り返り
「我々は今も日本の人々と共に悲嘆に暮れている」
と語った。(共同)

主張
中国の水産物禁輸 科学無視の暴挙をやめよ
2023/8/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20230826-45PCBFRQTRNIBCO5ODPF4UORUA/
東京電力福島第1原子力発電所で処理水の海洋放出が2023年8月24日午後から始まった。
政府の関係閣僚会議の決定を受けての放出である。
漁業関係者の間に反対意見があったが混乱は起きず、平穏裏の放出開始となった。
現在、第1原発の敷地には1000基以上のタンクが林立し、多核種除去設備(ALPS)を通した約134万トンの処理水などが貯蔵されている。
初放出の今回は、そのうちの約7800トンを海水で十分に薄め、17日間で流す予定だ。
国内だけでなく世界の関心も高く、確実な実施が望まれる。
かねてこの計画を
「核汚染水で海洋環境の安全と人類の生命、健康に関わる重大問題」
と批判してきた中国は、初日の放出後、日本産水産物の全面禁輸を宣言し、2023年8月25日には水産加工品の購入や使用も禁止した。
理由は
「中国の消費者の健康を守り、輸入食品の安全を確保するため」
と言うが、不当な禁輸で日本の水産業に多大な経済的打撃を与える暴挙に他ならない。
岸田文雄首相が即時撤廃を申し入れたのは当然だ。
処理水は大量の普通の水と極微量のトリチウム水が混ざったものだ。
両者は分別不能で処理水中に同居している。
トリチウムは放射性元素だが発する放射線は生物への影響を無視できるほど弱い。
しかも口から摂取した魚介類や人体からも速やかに排出される。
そもそもトリチウムは、宇宙線と大気の作用で自然発生し、日本に1年間に降る雨には約220兆ベクレルが含まれている。
それに対して今後、第1原発から計画的に放出されるトリチウムの量は年間22兆ベクレル未満に過ぎない。
それを海水で大幅に薄めて放出するので、生態系などへの影響は起きようがない。
しかも中国の原発も大量のトリチウムを放出しているではないか。
矛盾に満ちた中国の反応で懸念されるのが科学的根拠を欠いた風評の拡大だ。
2023年7月には立憲民主党の一部の国会議員が、放出に反対する韓国野党に同調する動きを見せている。
幸い日本国内では処理水放出を認める意見が反対意見を上回りつつあるが、風評の拡大防止には政府の一層の説明努力が求められよう。
廃炉の進捗と福島の復興に繋がる処理水の放出は今後、約30年間続く。
7800トンは、その第一歩だ。

産経抄
8月26日 おいしい魚をもっと食べよう
2023/8/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20230826-GR4ERHGKDFK5ZDIX7U7END3PXM/
「今日のデザートはパイナップル。とっても美味しそう」。
安倍晋三元首相がツイッター(現X)に、台湾産のパイナップルを手にした自身の画像を投稿したのは2021年4月のことである。
中国が台湾産パイナップルを禁輸したのがきっかけだった。
▼「五個で足りなければ、気軽にお知らせください。いつでもお送りします」。
台湾の蔡英文総統は、安倍氏にすぐに返信した。
日本では台湾産パイナップルの注目度と、台湾を応援しようという機運が一気に高まっていく。
台湾の苦境は、新たな市場を開拓するチャンスともなった。
▼日本へのレアアース輸出規制、ノルウェー産サケやフィリピン産バナナの禁輸…などと、中国は輸出入規制を外交カードとして使う。
今回の日本産の水産物輸入の全面禁止もその一例だが、こんな嫌がらせに屈するわけにはいかない。
▼2022年の水産物輸出額は中国、香港、マカオ向けが4割超の1647億円に上り、日本の水産業者への打撃回避は難しい。
ただ、それだけ中国側にもニーズがあるということで、中国のグルメたちの欲求不満は募るだろう。
東電福島第1原発の処理水を
「核汚染水」
と喧伝した結果、処理水放出を受けて塩の買い占めが起きるなど社会に混乱も広がっている。
▼中国はこれまで国内で何か問題が生じると、国民の反日感情を煽って目を逸らさせてきた。
とはいえ、過去の反日デモは容易に反政府デモへと様相を変えていった。
日本からの投資も更に冷え込むだろうが、自業自得である。
▼日本はどうすべきか。
日本産食品の輸入規制を撤廃した欧州連合(EU)などへの販路拡大も大事だが、まずは我々1人1人が日本の美味しい水産物をもっと食べよう。

処理水、IAEAも独自に分析 グロッシ事務局長「世界の人々の安心につながる」
2023/8/25 23:46
https://www.sankei.com/article/20230825-SU2K4JGT25NGHDG3MGJ7FVPFDI/
東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出開始を受け、西村康稔経済産業相は2023年8月25日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長とオンラインで会談した。
東電による周辺海域でのモニタリングで、海中に含まれるトリチウム濃度が検出可能な値を下回ったことを報告した他、透明性の高い運用に向け、長期にわたり連携していく重要性を再確認した。
2023年8月24日の放出の前後はIAEAの職員も立ち合ったという。
海水で希釈した処理水をIAEAも独自に分析した結果、放出の基準を大きく下回っていることを確認した。
グロッシ事務局長は
「IAEAが公表したデータは世界の人々の安心にも繋がっている」
と強調した。
これに先立ち、西村氏は東京電力ホールディングスの小林喜光会長、小早川智明社長とも面談した。
東電側から、風評影響による損害への賠償に備えた400人超の人員配置をはじめ、社内の体制強化などについて報告を受けた。
西村氏は
「形だけでなく、魂を込めて対応してほしい」
と要請した。
日本の水産品を巡っては、中国政府が全面的な禁輸措置を取ったことで、価格低下や取引停止など、風評被害の影響とみられる動きが一部確認されている。
西村氏は
「柔軟かつ機動的に対応し、適切なタイミングで賠償を行って頂きたい」
とも述べた。
面談後、小林氏らは記者団の取材に応じた。
小林氏はこれまでの放出について
「技術的には想定通り進んでいる」
と評価した上で、
「30年かかる長い道のりなので、どういう形でしっかり緊張感を持ち続けるかが次の課題になる」
との認識を示した。

政府、水産業界へ救済検討 処理水巡る中国措置に対応
2023/8/25 23:27
https://www.sankei.com/article/20230825-C44LCP3EGNLFTFTT55IL2UMGEQ/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始を受け、中国が日本からの水産物輸入を全面停止したのに対し、日本政府は2023年8月25日、日本の水産関係者へ救済措置を講じる検討に入った。
中国への2022年の水産物輸出額は香港向けを含めて約1600億円に上り、停止が長期化すれば水産関係者が深刻な影響を受けると判断した。
一方、中国当局は食品業界の経営者に対し、日本の水産物の加工や調理、販売を禁じると発表した。
中国で日本食品への風当たりが厳しくなりそうだ。
鈴木俊一財務相は2023年8月25日の閣議後記者会見で
「影響は、輸出していた水産関係者にとって大きいものがある」
「そういう方々にどのような救済措置を取れるのか真剣に考えるべきだ」
と述べた。
具体的な立案は農林水産省や経済産業省が担うとみられる。

中国禁輸、野党も批判 「冷静さ欠く」「極めて政治的」
2023/8/25 20:39
https://www.sankei.com/article/20230825-W5XUAMMGRZKFHNRR6S435O5MRA/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始に絡み、中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止すると発表したことを受け、主要野党幹部は一斉に中国の対応を批判した。
立憲民主党の泉健太代表は2023年8月25日の記者会見で
「本当によく分からない」
と中国への不信感を口にした上で
「科学的根拠、そして冷静さを欠く措置で、強く抗議する」
と述べた。
日本政府に対しては
「20カ国・地域(G20)首脳会議など国際的なレベルで、中国に冷静な対処を促すように申し入れをしてもらいたい」
と注文をつけた。
日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2023年8月24日、
「中国が買いたくないなら売らなければいい」
「国家として別の新たな輸出先確保に全力を注げばいい」
とX(旧ツイッター)に投稿した。
さらに
「最初は痛みを伴うが、長い目で見ればその方が安定する」
「望む方が弱くなる」
「生殺与奪の権を他者に握らせるな」
と持論を展開した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は2023年8月24日、
「科学的根拠を欠く極めて政治的な対応であり、国際社会の理解を得ることはないだろう」
とXで発信した。
「中国の国内経済が悪化する中、関心を外に向けさせようとする意図もあるのではないか」
とも指摘した。

フォト&動画
海水濃度、検出下限下回る 処理水放出後、初分析 トリチウム監視本格化
2023/8/25 20:16
https://www.sankei.com/article/20230825-YCMXUNGRDBKVZLZGEIQD5GO5XY/
東京電力は2023年8月25日、福島第1原発の処理水海洋放出を始めた後に周辺10カ所で採取した海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は全地点で機器が検出できる下限値を下回っていたと発表した。
分析結果の公表は初めて。
2023年8月25日は環境省も周辺の海水を採取した他、水産庁は魚の分析に着手し、処理水の監視が本格化した。
東電は2023年8月24日午後1時過ぎに海洋放出を開始。
今回分析した水は、開始から2〜3時間後に原発の半径3km圏内の場所で0.5リットルずつ採取した。
今後1カ月程度同じ場所で毎日採取し、翌日に結果を公表する。
速報するために検出できる下限値は1リットル当たり10ベクレル程度としているが、週1回は下限値を0.1〜0.4ベクレル程度としたより精密な分析を実施する。
計画では処理水を希釈し、国の基準の40分の1となる1500ベクレル未満にして放出する。

海水トリチウム濃度は検出限界値下回る 処理水放出後初の測定 東京電力
2023/8/25 17:24
ライフ
https://www.sankei.com/article/20230825-G7EPA47QIRLPVAREITQMNBNODE/
東京電力は2023年8月25日、福島第1原発処理水の海洋放出後に周辺海域10地点で採取した海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度が、分析機器で検出できる限界値を下回ったと発表した。
2023年8月24日の放出開始後、測定結果が公表されるのは初めて。
東電は、放水口近くの3km以内で1リットル当たり700ベクレル、10km四方以内で同30ベクレルを超えた場合、
「異常」
と判断し放水を緊急停止するとしており、最初の放水は全ての地点で指標を下回った。
東電によると、検出限界値は1リットル当たり10ベクレル未満に設定。
放出開始後に設備などにトラブルはなく、担当者は
「放出前のシミュレーション通りの結果であり、これまでのところ異常な値は出ていない」
としている。
東電は2023年8月24日午後1時過ぎに処理水の海洋放出を開始。
約2時間後、原発から3km以内の海域で海水を採取し、トリチウム濃度を測定した。
最初に放水した処理水約1トンについては、海水約1200トンで希釈し、トリチウム濃度は最大63ベクレルだった。
放水口付近の周辺海域10地点では、放出開始から1カ月程度は毎日測定する。
海水を持ち帰って分析結果が出るまでには1日程度かかるため、翌日の公表となる。
その後は週1回の通常測定となる。
原子力規制委員会が認可した東電の計画では、海に流す処理水のトリチウム濃度は、国の排水基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1に当たる同1500ベクレル未満としており、初回放水は基準を下回った。
福島第1原発では、敷地内に設置した1000基余りのタンクに容量全体の98%に当たる約134万トンの処理水を保管。
2023年8月24日の放出開始で今後はタンクの減少が期待されるが、処理水の元となる汚染水は毎日約90トン発生しており、年度内の削減量は約1万1200トン、タンク約10基分にとどまる見通し。

中国、水産物加工品を禁止 日本産、輸入停止に圧力
2023/8/25 15:58
https://www.sankei.com/article/20230825-3WFQ2VGG4NJGZI5XHHKUG3F6CI/
中国政府は2023年8月25日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始を受け、日本の水産物加工食品の購入や使用、販売を禁止すると食品業界の経営者に求めた。
処理水の放出を開始した2023年8月24日に日本産水産物の輸入を全面的に停止したのに続く対抗措置で、習近平政権が日本への圧力を一段と強めた。
国家市場監督管理総局が発表した。
処理水放出は
「極めて身勝手で無責任だ」
と日本側を非難した。
中国政府は
「食品の安全」
を掲げ、鮮魚だけでなく魚肉ソーセージといった加工品についても日本産を認めない姿勢を見せている。
また、輸入水産物に関する検査強化を表明した。違法行為が見つかれば、法に基づいて対処すると説明している。
中国のインターネットメディア「澎湃(ほうはい)新聞」は2023年8月25日、処理水の海洋放出開始を受け、中国各地の飲食業協会が日本産の海産物のボイコットや使用停止を呼び掛けていると伝えた。
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月25日の記者会見で、処理水の海洋放出について
「日本が独断専行し、全世界に核汚染のリスクを転嫁した」
と非難。
「福島の水を日本の恥としてはいけない」
と主張した。
北京の在中国日本大使館は2023年8月25日、在留邦人に対し
「外出する際には不必要に日本語を大きな声で話さないなど慎重な言動を心掛ける」
といった注意を呼び掛けるメールを送った。

日本人「慎重な言動を」 北京の大使館が注意喚起
2023/8/25 15:46
https://www.sankei.com/article/20230825-7DR652EB6JLRZKOYZGC477IV4Q/
北京の在中国日本大使館は2023年8月25日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始を受け、在留邦人に対し
「外出する際には不必要に日本語を大きな声で話さないなど慎重な言動を心掛ける」
といった注意を呼び掛けるメールを送った。
日本大使館は処理水放出が始まった2023年8月24日にも
「不測の事態が発生する可能性は排除できない」
とのメールを送っており、更なる注意喚起を行った形だ。
日中関係を巡っては、2012年には尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化を受けて大規模な反日デモが中国各地で起きた。
今回はこれまでのところそうした事態は確認されていない。
日本大使館は2023年8月25日のメールで
「大使館を訪問する必要がある場合は、大使館周囲の様子に細心の注意を払う」
ことも求めた。
2012年には北京の日本大使館前でも反日デモが繰り広げられた。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/293.html#c17

[戦争b24] ウクライナ軍の反転攻勢、地道な成果積み上げにロシア軍が悲鳴 航空優勢なき戦果は歴史的快挙、逃亡兵急増に悩むロシア軍(JB… 赤かぶ
102. 2023年8月26日 14:40:55 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-85]
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主張
プリゴジン氏死亡 露恐怖体制の本性なのか
2023/8/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20230826-NA3SLINI7FOA3HMKLCI4T4PEQQ/
ロシアのプーチン独裁体制に盾突いた反逆者には残酷な末路が待つ。
今回も
「血の粛清」
史の新たな一ページなのか。
2023年6月、プーチン政権に反旗を翻した民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が搭乗する自家用ジェット機がモスクワ北西のトベリ州で墜落し、乗員乗客10人全員が死亡した。
プーチン大統領は
「悲劇だ。プリゴジン氏は才能ある人物だった」
として
「哀悼の意」
を表明した。
プーチン氏は2カ月前、プリゴジン氏の反乱を受けた緊急のテレビ演説で
「我々が直面するのは裏切りと反逆だ」
と断じた。
一旦は赦免したが、本音ではやはり許せなかったのではないか。
プーチン氏には、ウクライナ侵略の
「雛形」
とされ、残忍な殺戮が行われた第2次チェチェン紛争の渦中に
「裏切り者は便所でも捕まえてぶち殺す」
と口走った過去がある。
通底するのは敵と見做した相手に対する歪んだ復讐心なのだろう。
バイデン米大統領は
「(墜落に)驚いてはいない」
「ロシア国内の出来事でプーチン氏が背後にいないことは余りない」
と語り、米国防総省のライダー報道官は
「プリゴジン氏は暗殺された可能性が高い」
と指摘した。
一部の米紙は
「機内に仕掛けられた爆発物によるテロの可能性」
を報じている。
墜落機にはワグネルの共同創設者のウトキン氏も同乗していた。
墜落前日には、反乱計画を事前に知っていたとされるウクライナ侵略のスロビキン副司令官が解任された。
これらが粛清の始まりなのだとすれば、プーチン氏や軍による恐怖体制の本性が牙を剝いた復讐劇と言える。
ウクライナの激戦地に投入されたワグネルは、ショイグ国防相ら軍幹部と敵対していた。
プリゴジン氏は反乱で部隊をモスクワに向けて進軍させ、プーチン氏の
「侵略の大義」
を頭から否定して体制の混乱と弱体化を世界に晒した。
プーチン氏の恨みは深かったはずだ。
プーチン政権の
「血の粛清」
にあった犠牲者は、
「チェチェンの闇」
を暴いて暗殺された女性記者、ポリトコフスカヤさんや元情報機関員、リトビネンコ氏ら枚挙に暇がない。
世界と敵対するこの恐怖体制は一刻も早く崩されねばならない。

ミサイル?爆弾? プリゴジン氏、墜落巡り臆測
2023/8/25 12:33
https://www.sankei.com/article/20230825-7KAJLVJFXJM5NJ7YO4MUR27VWI/
ロシア民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏が搭乗していたと見られるジェット機が墜落した原因に関し、欧米やロシアのメディアが様々な見方を伝えている。
主なものは、地対空ミサイルによる撃墜説と、機内に仕掛けられた爆弾の爆発説だ。
ジェット機墜落を巡っては、現場付近の住民が
「2回の爆発音を聞いた」
と証言。
尾翼が胴体から相当離れた場所に落下していた他、墜落時の様子を撮影した動画でも機体が地面激突前から損傷していた可能性が示唆された。
このため、ジェット機は内部もしくは外部で起きた爆発で墜落したとの見方が支配的だ。
ロイター通信は2023年8月24日、米当局者2人が
「ジェット機は露国内から発射された地対空ミサイルで撃墜された可能性が高い」
との見方を示したと伝えた。
ただ、当局者は
「これは暫定的な評価で、今後変わる可能性がある」
とも話したという。
ワグネルに近い露メディア「グレーゾーン」も2023年8月23日、露軍の地対空ミサイルで撃墜されたとの見方を示した。
ただ、機体は墜落前、ミサイル到達が限定される高度8000m以上の上空を飛んでいた他、ミサイルが命中すれば機体の損傷は更に大きかったはずだとして、撃墜説に否定的な声もある。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は2023年8月24日、米当局者の話として
「米政府は機内に仕掛けられた爆弾の爆発、あるいは別の形での破壊工作が墜落の原因になったと暫定的に評価している」
と伝えた。
米国防総省のライダー報道官は記者会見で、
「プリゴジン氏は暗殺された可能性が高い」
と語った。
通信アプリ「テレグラム」上で活動する露メディア「SHOT」も2023年8月24日、
「露当局は機体の脚部付近で爆発物が爆発した可能性を検討している」
と報告した。
露メディア「MASH」は墜落現場から銃器や弾薬、手投げ弾が見つかったとし、捜査では
「爆発物の不適切な取り扱いが」
が墜落に繋がった可能性も考慮に入れられていると伝えた。

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/799.html#c102

[政治・選挙・NHK291] 低支持率に居直ったか 処理水も武器輸出も「オレがやった」 勘違い首相の危険な高揚(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
38. 2023年8月26日 22:14:38 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-84]
<■183行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
LGBT法は公金チューチューに利用される
LGBT法は誰のための法律なのか 拙速な議論で成立した背景に迫る
WiLL2023年10月号 参議院議員 神谷宗幣
■異常な速さで法成立
LGBTなど性的少数者らへの理解を増進するための法(以下、LGBT法)は、野党3案が乱立する異例の状況にもかかわらず短時間で審議を終え、2023年6月にスピード成立しました。
本来、様々な立場からの指摘を取り上げて慎重に審議していくべき論点であるにもかかわらず、このような成立経過を見れば、何か
「ウラ」
があるのかと勘繰ってしまいたくなります。
一部の議員は
「日本は先進7カ国(G7)で唯一、LGBT差別禁止法が制定されていない」
「議長国として開催する2023年5月の広島サミットまでに成立させないと恥をかく」
などと主張していいましたが、そもそも、前提事実に誤りが含まれていますし、法律は、他国に恥をかかないために作るものでもありません。
このような主張は、欧米を中心とした国々が性的少数者の方々とどのように接してきたのか、日本との違いがどこにあるのか、その背景や歴史などを考慮しない無責任な主張だと思います。
そもそも、私は、歴史を振り返れば、日本は性的少数者の方々に対して比較的寛容な社会であったと考えます。
近代の日本では同性愛を法律で処罰したり、敢えて社会から排除したりすることはせず、多様な性の形が受容されてきたと理解しています。
これとは対照的に、外国では宗教的な倫理観から、同性愛者に対して極めて厳しい対応があったことは歴史の事実です。
そういった国々で性的少数者の方々を守ろうという法律の議論が出てくるのは、私も理解できます。
しかし、性的指向に関連する法を作った国や地域では法律によって別の弊害が生まれており、日本人が、日本よりも性的少数者への理解が進んでいると思っている欧米でも多くの地域で、これらの法律に対して反対の運動が起きています。
この現状を知らない国会議員が実に多いのは嘆かわしい限りです。
■2つの歪んだ思惑
大前提として、参政党は、性的少数者の方々の権利や理解の増進に反対しているわけではありませんし、性的指向を理由とした差別は、許されないと考えています。
ただ、性的少数者の方々の困難は、個別の問題に焦点を当てて解決していくべきであり、包括的な理念法を作る必要はないと考えています。
更に言えば、LGBT法は性的少数者の方々を利用した政治運動である側面が強いと考えています。
一見、性的少数者の方々を守っているようで、実は、当事者に全く配慮していない。
だからこそ当事者から不満や、疑問、怒りの声が上がっているのでしょう。
では、何故今回、LGBT法が成立してしまったのか。
そこには2つ要因があるのではないでしょうか。
1つは、性的少数者の方々の権利を、政治的・イデオロギー的な闘争に利用しようとする勢力の意向が働いたこと。
つまり、社会の対立や分断を煽る人たちが一定数存在しているということです。
LGBT法は1つの例であって、以前から、一部の活動家がジェンダーフリーや男女共同参画などを通じて、女性が社会的に差別を受け、虐げられてきたと声高に叫ぶことで、これに対処する法律が制定されてきました。
その結果、女性の社会進出は増えましたが、家庭を守って子育てをすることは社会への貢献度が少ないとされ、家族の在り方が変わってしまいました。
もう1つは、LGBT法を通じて、ビジネスに繋げたい勢力の存在です。
例えば、トランスジェンダーの人は、心と体の性が不一致という特殊な症状を抱えており、法律で守られるべき存在であるとされています。
このような考え方自体が差別であると言えなくもないと思いますが、この治療に税金が投入され、ホルモン剤の注射や性転換の手術などをビジネス化しようとしている動きがあることが懸念されています。
日本にはまだ大きな団体は存在しませんが、海外では既に医療分野に関与し始めています。
言わば、彼らのしていることは、自分たちで問題を作り、自分たちで救済するというシステムの構築です。
問題解決のために法律が制定され、法律を根拠とした税金投入がされるという流れです。
LGBT法も、このようなビジネスモデルができるきっかけとなってしまうのではないでしょうか。
繰り返しますが、私は、性的少数者の方々を差別する意図は全くありません。
LGBT法に反対している理由は、そういった勢力の手の平に乗ってしまうことを拒否したいからなのです。
■最終目的は国家破綻
1958年に、元FBI捜査官クレーオン・スカウセンの『裸の共産主義者(The Naked Communist)』(未邦訳)が出版されました。
冷戦下の米国で書かれた本ですが、米国内の共産主義者がどのような手段で国家破綻を狙っているのか、45の目標として挙げています。
その中の
24番は
「猥褻(わいせつ)を規制する全ての法律を検閲と呼び、言論の自由と報道の自由の侵害として排除する」
としている。
つまり、性的なことをオープンにして社会風紀を乱すことで、国のレベルを下げることを目標にしているのです。
更に、
25番には、
「本、雑誌、映画、ラジオ、テレビで、ポルノや猥褻なものを宣伝し、文化的な道徳基準を崩壊させる」、
26番には、
「同性愛、堕胎、乱交を正常、自然、健康的なものとして国民に認知させる」
とあり、これらが共産主義者の目標として掲げられています。
共産主義者は、伝統的な価値観を破壊することで、社会を崩壊させようと考えています。
つまり、グローバリズムや性の解放といった新しい言葉で、伝統的価値を否定すれば、社会が分断され、弱体化していくことで彼らの革命を目指しているのです。
LGBT法を端緒として、左派連中が家族制度や結婚の否定、戸籍の不要論などを求め、究極の個人主義的思想を謳う恐れがある。
一見、旧弊な社会制度を打破し、個人の解放を成し遂げるといった良いイメージを抱くかもしれませんが、行き着く先は個人と国家の対立となり、やがては国家の否定に繋がりかねないのです。
LGBT法の推進を促したと言われる岸田総理はこのような左派の意図を理解しているとはとても思えません。
むしろ、見えている範囲がとても狭いように感じます。
岸田総理は、グローバリズムが悪いものだとは思っていないのでしょう。
むしろ、日本の国益というよりも、国内の支持率をどう上げて政権を維持するのか、その点にしか興味がないように見受けられます。
■おかしな評価で狂う企業
日本人のほとんどが知らないことですが、米国ではHRC(Human Rights Campaign)という性的少数者の平等推進に取り組む米国最大の公民権団体が存在します。
これは、性的少数者のための政治ロビー団体です。
この団体がCEI(Corporate Equality Index)という企業平等指標を毎年発表しており、企業がどれだけ性的少数者に対して理解があるか、評価を付けています。
この評価が低い会社は銀行からの融資が受けにくくなり、マスコミから性的少数者への理解が足りない企業であると叩かれ、悪いイメージを植え付けられます。
評価が高ければ、優良企業として認められ、融資を受けやすくなったり、マスコミが宣伝してくれたり、優秀な人材が集まりやすくなる。
しかし、HRCの圧力で弊害も発生しています。
日本ではほとんど報道されていませんが、米国で最も売れていたビール「バドライト」の売り上げが急落しました。
理由は、トランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルベイニー氏と提携し「バドライト」の宣伝を展開したところ、保守派の猛反発を招き、SNSを中心に全米規模での不買運動に発展したためです。
問題が発覚して1カ月以上経っても事態は収束せず、株価は急落し、「バドライト」は、このままではナンバーワンブランドの座を失いかねない事態になりました。
バドライト側が宣伝にトランスジェンダーを起用したのは、HRCが圧力を掛けたためです。
これはあくまで米国国内での出来事ですが、日本も対岸の火事とは言えません。
日本でHRCから最も高い評価を受けている企業が存在します。
広告代理店最大手の電通です。
電通を通じて日本国内の企業にも海外からの圧力が掛かっている。
いずれ日本でも「バドライト」のような騒動が起こらないとも限りません。
米政府の政治的圧力だけでなく、間接的に日本の経済界も影響を受けていることを、我々日本人は認識すべきです。
■今の参政党にできること
共産主義者やグローバリストが何を狙っているのかを知ることが大切です。
最早そこに性的少数者の差別云々は関係ありません。
何故この短期間でLGBT法が成立したのか、その意図は何なのかを理解し、彼らの土俵に乗らないこと。
感情的におかしいと言い続けても、彼らにとっては痛くも痒くもない。
LGBT法を成立させたい人たちがどのような思惑を持っているのか。
それを分析・検証し、彼らの狙いとやり方を国民に積極的に伝えなければなりません。
とは言え、LGBT法は成立してしまいました。
廃止にするのか、カウンターになるような法律を作るのかを考えなければなりません。
残念なことに、参政党は、国会議員としては1人しかいないため、法案提出ができません。
しかもLGBT法に反対と大きく発信している政党は、参政党しか存在していませんから、味方も少ない状態です。
トイレや更衣室、共同浴場などの場を、女性が安心して利用することができなくなっています。
そうした女性の不安をきちんと取り除いていかなければなりません。
その他にも、社会文化、慣習を壊したいためにLGBT法を推進する人たちが、子供たちに過激な性教育を実施しようとしています。
この問題に不安を抱えているのは子供を持つ親です。
参政党は地方議員が全国に約130人おり、子供のいる親の声を聞きながら、どういった性教育を実施しようとしているのか、調査を行いたいと考えています。
もう1点、我々ができることとして、現在、性的少数者の方々は、法制度として婚姻を認められていませんが、信頼し合う関係であれば、婚姻関係がない場合でも法的な支え合いをサポートする制度を検討すべきであると考えています。
参政党としては、法制度としての同性婚には賛同しませんが、その手前で出来ることはやっていく。
現実に起きている問題は個別に解決していくべきであると考えています。
■真実を訴え続ける
既存のマスメディアは、参政党の主張を全く取り上げてくれません。
私が参議院議員になってから1年が経ちますが、キー局の地上波の番組に1度も呼ばれていません。
LGBT法の問題については、新聞からのインタビューもゼロ、今回のLGBT法でも、政党として積極的に反対の意見を示したのは参政党だけですが、メディアは何故LGBT法に反対したのか取材に来ません。
触れられないことへの悔しさは当然ありますが、参政党の党員の皆さんには、
「メディアに取り上げられない悔しさがあるから、メディアが取り上げざるを得ないくらい参政党を大きくしよう」
と伝えています。
参政党は
「子供の教育と大人の意識改革」
「食の安全の担保と西洋医療に依存し過ぎない健康の増進」
「情報戦、経済戦も含んだ国の守りの強化」
を3つの重点政策として掲げています。
参政党の政策や公約を
「陰謀論だ」
と言う人がいますが、陰謀論という言葉自体、海外の諜報機関が作った、人々の思考を停止させるための言葉と言われており、考えることを放棄してしまった人の台詞です。
今回のLGBT法も、我々が思い付きや思い込みで反対したのではありません。
過去の流れや海外の事例を提示しているだけなのです。
我々の主張のどこが陰謀論なのか、逆に教えてもらいたい。
参政党に陰謀論というレッテルを貼ることで、一般の人たちに、
「参政党は怪しい政党である」
という印象を植え付けたいだけではないかと感じます。
しかし我々は怯むことなく、国民に真実を訴え続ける覚悟です。
来たる衆議院選挙に向けて、既に100人以上の公認を出しており、最終的には120〜130人の候補者を擁立したいと考えています。
8人当選させるという大きな目標を掲げていますが、まずは重点ブロック(東京、北関東、南関東、東海、近畿、九州)での比例の当選を確実にしたい。
6人当選すれば、私と合わせて7人になるので、地上波の番組にも主演できます。
5人以上いなければ討論番組などに出演できないという暗黙のルールがあるそうですから。
我々の意見をテレビの場で主張すれば、国民にも少しずつ理解して頂けると確信しています。
そして、発信力を高めて国民の意識改革を促したい。
国民世論の喚起が何よりも重要です。
現在は、議論するための土台すらない状況ですから、我々の発言も全て陰謀論で片付けられ、メディアにも無視される。
こんな状況は一刻も早く変えなければなりません。
参政党が政治を変えるのではなく、参政党が伝える情報によって、国民の意識が変わり、国民の行動が変わっていくことを我々は目指しています。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/558.html#c38
[政治・選挙・NHK291] 低支持率に居直ったか 処理水も武器輸出も「オレがやった」 勘違い首相の危険な高揚(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
43. 2023年8月27日 03:04:52 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-83]
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「移民」と日本人
病院でクルド人「100人」騒ぎ、救急受け入れ5時間半停止 埼玉・川口
2023/7/30 13:30
https://www.sankei.com/article/20230730-HM3RDJDY3ZIL7JBAUVPHGX7YSY/

「移民」と日本人
れいわも賛成した川口市議会「クルド人」意見書 マスコミ報じず
2023/7/30 13:30
https://www.sankei.com/article/20230730-H6PIW4LZ25O7LBZKRX6LT7TY34/
川口市議会が可決した「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」
https://www.sankei.com/article/20230730-H6PIW4LZ25O7LBZKRX6LT7TY34/photo/Z4PK5ILWMFJSFPPY6TUF6YZFOY/

「移民」と日本人
「経営者」6割がトルコ国籍 資材置き場でトラブル、広がる規制 埼玉・川口
2023/8/12 14:00
https://www.sankei.com/article/20230812-6PFAX4UXPNOWVO2U55FTWQ57TU/

「移民」と日本人
クルド人経営者「日本人がやらない仕事」 フェラーリ投稿で炎上も
2023/8/12 14:00
https://www.sankei.com/article/20230812-GGUJSGQVYJJOVNRI6AUB4SMOUY/

クルド人騒動「遺憾」 トルコ大使、法令順守求める
2023/8/12 17:06
https://www.sankei.com/article/20230812-OCDDUA7CUFLFDGCSO2EPGBA2CY/

「裏口移民」クルド 埼玉で大暴れ
Hanada2023年10月号 ジャーナリスト 石井孝明
■異邦人の横暴で埼玉大混乱
埼玉県南部に集住するトルコ国籍のクルド人による住民への犯罪や迷惑行為が問題になっている。
苦しむ日本人の姿に憤りを感じ、私は2023年5月から取材・報道をしてきた。
現実は酷かった。
異邦人の横暴が放置され、治安が悪化している。
日本人を守るべき行政・警察の動きが鈍く、それを阻止できない。
メディアが人権配慮のために沈黙し、他地域の人はほとんど知らない。
埼玉県の蕨(わらび)市、川口市西部を2023年5月から何度も歩いた。
すれ違う中東系の人の割合が、日本の他地域に比べて異様に多い。
馴染みのない風景に、普通の日本人は戸惑うだろう。
2023年5月に、川口市内のクルド人経営の人気ケバブ店を訪ねた。
店員は不愛想で日本語は喋れないが、料理は美味しかった。
クルド人の溜まり場になっている。
アマルという20歳の解体工と話をした。
会話は弾んだが、
「どのような立場で日本に居るのか」
と訊くと、
「政治難民です」
と言って顔がこわばった。
「本当か」
と重ねて訊くと、
「トルコに帰ると迫害されます」
と下を向いた。
会話は終わった。
街を歩くクルド人に声を掛けた。
最初はにこやかに挨拶しても、記者の立場を明らかにして取材を申し込むと、
「日本語、分かりません」
と言って去っていった。
話せない事情がありそうだ。
実は、彼らの多くは
「政治難民」
という
「嘘」
で日本に滞在している。
会話だけなら、気の良さそうな男たちだ。
しかし、生活の中で向き合う川口市民からは、
「彼らは迷惑だ。共生?とんでもない」
という感想ばかり聞こえる。
具体的には、クルド人は夜のたむろ、住居での騒音、ゴミの放置、女性へのナンパなどの迷惑行為をしている。
彼らの車の運転が荒く、住民は交通事故による命の危険に直面している。
交通ルールを守らず、改造車で騒音を撒き散らし、スピード違反を行う。
猛スピードで狭い道を走る車を、私は何度も目撃した。
そもそも、クルド人が運転免許を持っているかも怪しく、無保険、そして他人名義の車で運転している例も多い。
事故を起こした場合に警察は積極的に動かず捜査が有耶無耶になり、被害者の日本人が泣き寝入りすることもあるという。
2021年10月には、川口市内で日本人の69歳男性のひき逃げ死亡事故が起きた。
クルド人の19歳の少年が逃走、出国しようとしたところを空港で逮捕された。
■埼玉県警ようやく動く
川口市西部にある公園を2023年7月に訪ねた。
静かな日本の住宅街の中にあるが、ゴミが散らかり、地域住民が掃除をしていた。
近くにはクルド人の集住するアパートがいくつもある。
その住民は、
「ゴミ捨てルールを守るように何度言っても聞かない」
と話していた。
近くの小売店店主に話を聞いた。
店の無料駐車スペースは、夜にクルド人の溜まり場になる。
異国の男たちが夜に集まっていたら怖い。
そのため、周辺地域で夜に日本人が出歩かなくなり、売り上げも落ちた。
「長時間停車しているので出て行ってくれと言っても、なかなか立ち去らない」
クルド人の集住するアパートは外から見ると、ゴミが散らかり、汚れている建物ばかりだ。
1Kほどの部屋に男が5〜6人とか複数世帯が住み、住環境はかなり悪い。
埼玉県では、クルド人が関係するらしい交通事故や窃盗が増えている。
ところが、警察発表は
「トルコ人」
で、メディアもそのように伝える。
「情報を正確に伝えない」
「事件が解決せず犯人が捕まらない」
と、住民は不安と不満を募らせていた。
2023年7月4日には女性を巡るトラブルで、クルド人同士のナイフによる乱闘事件が発生し、重傷者が2人出た。
殺人未遂などで、5人のクルド人が逮捕された。
その夜、被害者、加害者が搬送された川口市立医療センターに双方の親族が合計で100人程度押しかけて揉み合いになり、また病院内に押し入ろうとして騒ぎになった。
そのため埼玉県警の機動隊が出動し、地域の救急救命を担うこの病院の機能が約5時間半止まった。
住民の生活が脅かされている。
市民からの不安と怒りの声を受け、2023年6月、川口市議会は自民党の提案による
「一部外国人による犯罪取り締まりの強化を求める意見書」
を採択して、警察力の行使を埼玉県知事、埼玉県警、内閣総理大臣、国家公安委員長に正式に要請した。
このような意見書は日本で類例はない。
意見書では、
「住民の生活は恐怖のレベルに達している」
との深刻な認識が示されている。
2023年7月から現地を歩くと、埼玉県警のパトロールが増え、住民から
「警察の姿が見えて安心した」
との声を聞いた。
ようやく状況が少し改善した。
■懸念される子供たちの非行
「クルド人の子供が怖い」
川口市の住民からそんな感想を聞いた。
私は2023年6月の平日の昼間に、川口市西部を歩いた。
クルド人らしい子供が、学校に行かないのかうろうろしていた。
クルド人の大人が子供を見ている気配がなかった。
ある住民は、騒いでいる10歳ぐらいの子供を注意すると、仲間を呼ばれて取り囲まれ、唾を吐かれた。
商店での万引きもあるという。
別の人が、商業施設で騒いでいる5〜6歳の男の子とその弟らしい子供に注意した。
すると、
「僕たちは可哀相なクルド人です」
「弟は小さいので許して下さい」
と、準備をしていたように流暢な日本語で返事をされた。
誰かが教えているのではないか、と気味が悪くなったという。
2023年8月1日には、クルド人の14歳の男子が埼玉県警に逮捕された。
2023年7月に川口市内の商業施設で、複数でたむろして喫煙していたのを警備員が注意した。
すると、
「外国人を差別するのか」
「爆破してやる」
と脅し、その商業施設に煙幕花火を放り込んだ。
脅迫と威力業務妨害の容疑だ。
かなり異様な行動と発想だ。
在日クルド人の子供は、高い確率で不登校になる。
親が無学で教育熱心でないことに加えて、言葉の壁があるために学校の勉強に付いていけない。
男の子は親族の解体業で働き始める。
女の子が親族の子供の面倒や子守をするが、高校まで行く子は少ない。
2世には「半グレ」の非行グループが出来ているようだ。
クルド人社会は女性の地位が低く、家父長的な家庭が多い。
女の子は父親の権威に服従し、家に縛り付けられる。
在日クルド人を調査した人によると、ある少女は異文化の日本に連れてこられて、友人も出来ず、将来への不安から心を病んでしまい、太ももにナイフを突き立てる自傷行為をしていたという。
子供たちの将来が心配だ。
■「政治難民」という嘘
クルド人たちは、何故日本にいられるのか。
日本は外国人の単純労働者を受け入れていない。
外国人の就労は手続きが大変で、日本語も習得しなければならない。
実は、在日クルド人の大半は正規の手続きを経ず、制度の隙をついて日本に滞在している。
言わば
「裏口」
から勝手に入ってきているのだ。
彼らは、トルコのパスポートで来日する。
トルコと日本は相互に90日間の滞在に限り、ビザ免除で入国できる。
観光を想定したものだ。
クルド人は、その滞在期間中に親族の会社で働く。
滞在期間が切れると帰国して再来日、または違法滞在の形で残り続ける。
または、トルコ政府に迫害を受けるクルド人の政治難民だと申請する。
その難民申請中は、日本に居ることができる。
2023年6月に、難民の申請回数を原則2回にする入管法改正が行われ、2024年度に施行される。
これまでは何度も難民申請ができた。
1回の申請の判断に3年ほど掛かるために、認められなくても何度も申請して日本に居続けられる。
強制送還まで入管施設の外で暮らす
「仮放免」
という曖昧な法的立場で過ごしている人も多い。
仮放免者は原則働けないはずだが、彼らは親族の会社で稼いでいる。
彼らの
「政治難民」
という主張は、恐らく嘘だ。
トルコ政府は、クルド人の迫害政策を採っていない。
クルド人はトルコの2割弱、約1500万人もいて平和に暮らしている。
ただし、トルコ政府は分離独立運動を行うクルド労働者党(PKK)をテロ組織と認定し、その鎮圧のための軍事行動を行っている。
クルド人が暮らしにくい面はあるだろうが、迫害を受けている状況ではない。
そもそも、トルコはEU加盟を目指して司法制度をEU諸国式に作り直し、死刑制度もない。
クルド人は日本に1990年代から来ていたが、近年流入が増え、更に態度が悪くなっているという。
現在、在日クルド人の数は2000人と彼らは主張するが、実際はもっと多いだろう。
日本側には正確な統計さえない。
解体業、産廃業、中古車輸出業、飲食業などで、合法的に滞在するクルド人の経営する企業がある。
彼らは同族を頼って来日してそこで働き、仕事の目処が着くと家族を呼び寄せる。
日本に来るクルド人は、トルコ南東部の特定地域の出身が7割ほどを占める。
ここの主要産業は羊飼いなどの牧畜、農業で貧しい地域だ。
そして無学な人が多いという。
出稼ぎが目的であるために、日本のことを知らず、日本社会や日本人との交流に余り関心がない。
解体業で働くと、報酬は1日1〜2万円ほどだ。
日本では肉体労働で、家族でこの収入で生活するのはきつい。
しかし、彼らは日雇い扱いで税金が曖昧になり、無保険が多く、手取り額は高くなる。
また、彼らの多くは無学で、トルコでは高い報酬の仕事に就けず、農業や羊飼いで月5万円程度しか稼げない。
日本での報酬は魅力的で、嘘をついてまで来日する。
経営者層には、この安い労働力を使い、儲けている人もいるようだ。
■自己顕示欲の強い人たち
それでは、在日クルド人はどのような人たちなのか。
私は
「自分勝手で変わった人たち」
という印象を受けている。
何人かのクルド人に、日本人への迷惑行為について聞いた。
「小さなこと」
と平然と言う人ばかりで、謝罪の言葉はなかった。
暴走車を走らせている刺青だらけの若者は、
「日本人もやっているじゃないか」
と言い返してきた。
そして、自己顕示欲が異様に強い人が多い。
自慢をSNSに頻繁に投稿する。
あるクルド人はテレビに出演し、
「自分は難民」
と主張した。
しかし、妻名義で会社を経営し、会員制クラブの所有するフェラーリやクルーザーに乗っている姿をSNSに残していた。
それをトルコ人が探し出して日本語で紹介し、ネットで炎上してしまった。
迷惑行為を同胞にやめるように呼び掛けているクルド人はいる。
日本人に感謝を伝えたいと、公園の清掃活動をボランティアで行う人もいる。
ただし、そういう人は少数だ。
一方で、一族の絆は強い。
何かトラブルがあると集まり、抗議をする。
警察に対してさえもそうだ。
他の家族とは仲が悪い。
頻繁に乱闘騒ぎを起こす。
かなりギスギスした雰囲気のコミュニティだ。
在日クルド人社会を調査したトルコ人が、次のように語っていた。
「トルコでは、南東部の都市化の遅れた地域のクルド人の『頑迷さ』『自分勝手さ』『閉鎖性』が指摘されている」
「ゴミ捨てなどのルール違反や車の暴走行為も批判されている」
「その地域出身の在日クルド人も同じ特徴がある」
クルド人はトルコ、そしてドイツなどの西欧諸国で、一族で固めた犯罪組織を作っている。
彼らは派手な生活を誇示しており、日本のクルド人に似ているという。
在日クルド人社会に犯罪組織はまだないようだが、
「危険は考えなければならない」
と指摘する。
クルド人の祭り、団体などで、テロ組織PKKの旗がはためいており、トルコでは日本で稼いだ資金を持ち込もうとしたPKK関係者が逮捕されている。
PKKの日本での活動実態は不明だが、警戒すべきであろう。
あるクルド人の解体業経営者に話を聞いた。
「悪い人がいることは確かだし、迷惑行為はやめさせようとしている」
「しかし、全てのクルド人を悪いとは思わないでほしい」
この人は日本に感謝し、寄付やボランティアの社会貢献も行っている。
ただ、日本にいる姪が、日本人男性に
「クルド人め」
と投げ飛ばされる事件があった。
「日本人と協力しようとしている私の努力が虚しく感じる」
「そして、川口市には中国人、ベトナム人など様々なグループがいて悪いことをしているのに、クルド人だけが狙い撃ちされるのは悲しい」
一部のクルド人の異様な行為は、日本と協調しようというクルド人も苦しめている。
■「差別だ!」で誰もが委縮
ただし、クルド人問題を大きくしたのは日本側にも責任がある。
奥ノ木信夫・川口市長は2023年6月の市議会で、
「国が一貫しない政策の問題を地方自治体に押し付けている」
「今回の問題もその1つの表れ」
と不満を述べた。
私も、そう思う。
国は外国人労働者を増やす方針だ。
しかし、どこまで、どのような形で外国人を受け入れるのか、明確ではない。
国民的合意も議論もなく、なし崩し的で受け入れる方向に状況が動いている。
国は実際の措置を自治体に押し付ける一方、予算支援は限定的だ。
クルド人問題では、帰国が前提である仮放免者を放置し続け、埼玉県南部への集住に無策だった。
また、川口市選出の自民党の新藤義孝衆議院議員、川口市出身の大野元裕埼玉県知事は、クルド人問題に沈黙を続けている。
政治的に人権派から批判を受けかねないためだろう。
政治家は動かず、国と県は何も対策をしてこなかった。
更に、国は不法滞在を認めるかのような奇妙な方針を発表した。
斎藤健法相は2023年8月、日本で生まれ育ったものの、在留資格がなく強制送還の対象となる18歳未満の外国籍の子供に、親に国内での犯罪歴がないなど一定の条件を満たせば、法相の裁量で例外的に在留を認める
「在留特別許可」
を与え、家族と共に滞在を認める考えを示したのだ。
連立与党でリベラル色の強い公明党の申し入れを認めたようだが、国会で審議もされないまま重要な決定が行われてしまった。
斎藤法相は、人道的配慮から決定し
「今回限り」
と述べた。
ただし、私はこの特例が
「前例」
に変化し、
「不法滞在者が子供を理由に在留を主張する」
「日本での出産を増やす」
などの問題が起きることを懸念する。
在日クルド人たちは、今回の決定を
「子供を理由に日本に残れるかもしれない」
と喜び、期待している。
元々彼らは
「子供がいると強制送還されない」
と思い込んでおり、日本での子作り、子供の呼び寄せに熱心だ。
日本の行政は甘いので正式に公表していないが、実際に子供のいる家族はなかなか強制送還をされない。
更に出産を巡る日本の行政の支援金を、何故かクルド人が使える。
彼らはそれを最大限利用している。
ある川口市民は、
「斎藤法相と法務省・出入国在留管理庁の幹部は、川口での外国人トラブルの現実を見て欲しい」
と、今回の決定を不快そうに語った。
その上、クルド人の不法滞在を支える日本の人権活動家、メディア、左派政党がいる。
彼らは外国人の問題行為を批判する人を
「差別だ」
と攻撃し、発言する人々を委縮させてきた。
それなのに、クルド人の不法行為、迷惑行為については何もしない。
無責任な人たちだ。
彼らの中には、クルド人から利益を得る人々がいる。
支援する弁護士、司法書士、行政書士にとってクルド人は顧客で、彼らに問題があった方が儲かる。
日本人の建設業者や政治団体には、クルド人を利用して働かせる人たちがいる。
政治勢力、メディアもクルド人を助けて、利益を得てきた。
彼らはクルド人を
「日本政府の政策の犠牲者」
として、入管法改正や外国人政策への批判で登場させ、日本を批判させた。
それなのに、クルド人の違法・迷惑行為がここ数カ月、世の中に知られると、沈黙してしまった。
■向き合う川口市民の不満
それでは、クルド人と今後どのように向き合うべきか。
まず大前提として、現在の彼らの違法・迷惑行為には、厳正に法を適用する必要がある。
そして、
「埼玉県民の危険を減らし、地域に安全を取り戻すこと」
が本筋だ。
生活トラブルでの法的適用だけではなく、クルド人の企業活動でも違法行為を捜査するべきだ。
クルド人の解体業、産廃業は
「安さ」
でここ数年大きく成長した。
その安さが怪しい。
もちろん、全ての企業がそうであるとは言わないが、児童労働や難民の違法就労、税金の支払いで、違法の疑いがある、クルド人が産廃を不法投棄する事例が、関東各地で摘発されている。
政治難民として嘘の申告をして日本に滞在しているクルド人には、原則として帰国してもらうしかない。
また、日本とトルコのこれまでの友好関係からすると難しいであろうが、両国のビザなし渡航は取り止めるべきであろう。
クルド人がこれを使って入国し続けているからだ。
そして頼りないにしても、埼玉県警、埼玉県、川口市などの行政に対して、違法外国人・クルド人を取り締まることを要請し、その活動を支援することも必要だ。
法の執行では、法律の範囲内で問題を解決することを求めるべきだ。
過剰な公権力の行使は、人権侵害を誘発する。
また、一般の日本人によるクルド人や外国人への攻撃、人権侵害は許してはいけない。
問題を混乱させ、解決を遠ざけるだけだ。
人種差別や外国人排撃の感情は日本社会を腐らせる。
更に、クルド人の行動をおかしいと批判する人を
「差別だ」
と批判を向ける人権派の人たちがいる。
声を上げる川口市民、政治家を、こうした批判から日本社会全体で守ることが必要だ。
そうでなければ、問題解決のための議論や活動が委縮する。
日本人と共生する意欲があり、合法的に滞在するクルド人とは協力していく必要がある。
人権配慮を常に考える甘い日本政府は、違法滞在のクルド人をいきなりトルコに帰国させることはしないだろう。
長い時間をかけて、ゆっくり問題を解決するしかない。
しかし、共生を模索しようという私のこのような意見は楽観的かもしれない。
実際に、クルド人の迷惑行為に直面している川口市民からは、
「クルド人とは暮らせない」
との不満が多く、追い返す形での即座の解決を求める声が多い。
■外国人労働者、再考が必要
クルド人問題は、埼玉県だけの問題ではない。
日本に暮らす外国人は全国で約296万人(2022年6月末)いる。
日本人と共生する意思のない外国人とのトラブルは、全国各地で今後広がっていくだろう。
埼玉県南部、特に川口市、蕨市は移民国家日本の先駆けになってしまった。
岸田政権は、外国人労働者の受け入れと移民に積極的だ。
「外国人と共生する社会を作る」
と、岸田文雄首相は発言の度に繰り返す。
経済界を中心に、移民拡大の意見は強まっている。
なし崩し的に、外国人の流入は増え続けている。
私も、人口減や少子高齢化に対応するために移民は必要と考えていた。
しかしその考えを、クルド人を巡る取材で変えた。
日本の行政と社会は、外国人、特に日本人と共生する意思のない悪意の外国人に対応する準備が全く出来ていない。
外国人と住民のトラブルは今後、日本中に広がる。
問題が深刻になる前に、どの立場の人も埼玉県南部のクルド人問題の現状を知り、自分の問題、そして自分の住む地域の問題として対応を考えるべきだ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/558.html#c43

[政治・選挙・NHK291] 漁業補償だって税金 なぜ東電と政府の尻拭いを我々がしなければならないのか(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
75. 2023年8月27日 18:04:44 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-82]
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日本も自死するか…移民推進論が隠す真実 飯山陽
2023/8/22 6:00
https://www.sankei.com/article/20230822-766I536LZJNUNIMOPRMKIVSL3A/
「外国人と共生する社会を考えていかなければならない」
「アラブ首長国連邦は人口1000万ですが、自分の国の国民は100万しかいない。900万人の外国人と共生している国です」
満面の笑みを湛えてこう語ったのは岸田文雄総理だ。
2023年7月22日、政策提言組織
「令和臨調」
発足1周年で開催された対話集会でのことである。
日本は今、大移民時代を迎えようとしている。
政府は2023年6月、外国人労働者の永住に繋がる在留資格
「特定技能2号」
について、対象を2分野から11分野に広げると閣議決定した。
移民受け入れ加速へと舵を切ったのは間違いない。
政府は難民認定や避難民受け入れも進めている。
2023年7月にはアフガニスタン人114人を難民に認定、在留スーダン人にも就労可能な
「特定活動」
の在留資格を認めると決定、2023年8月には在留資格のない子供140人程度に在留特別許可を出すと発表した。
総務省が2023年7月26日に発表した人口動態調査によると、全都道府県で日本人の人口が減少する一方、外国人の人口は過去最多の299万人に達した。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では2067年には総人口の10.2%が外国人になる。
政府が移民・難民の受け入れを推進し規制緩和を続ける現状を鑑みれば、人口の1割を外国人が占める日はより早くやってくる可能性が高い。
経団連の十倉雅和会長が特定技能2号の対象分野拡大について、
「少子化の影響で生産人口が減る中で、非常に歓迎すべきことだ」
と述べたように、移民について経済界や政府、メディア、「専門家」らが唱えるのは専ら、高齢化で人手不足に悩む日本には、経済や福祉維持のために外国人労働者が必要不可欠だという
「移民こそ解決」
論である。
しかしそれは正しいのか。
そして我々は果たして、大量の移民を受け入れれば日本社会が抜本的に変化するという現実を受け入れる覚悟はできているのだろうか。
■労働力不足は解決しない 治安が悪化・・・欧州の失敗
懸念は多い。
第1に、大量の移民を受け入れたとしても高齢化や人手不足は解決しない。
2001年に国連が発表した移民に関する研究は、移民は人口減少の緩和には役立つが、人口の高齢化を相殺し、高齢になった移民も含めた扶養率を維持するにはあり得ないほど大量の移民が必要であり、非現実的だと結論付けている。
また米国のシンクタンク
「世界開発センター」(CGD)
は、毎年数百万人の移民を受け入れているEU(欧州連合)では2050年までに4000万人の労働力が不足すると推定している。
CGDは移民こそ解決だと提案するが、人手不足を理由とした移民受け入れに終わりはない。
第2に、移民受け入れは国家や国民の経済的負担を増やす可能性がある。
2022年5月にドイツ連邦雇用庁が公開したデータによると、2015年から2016年の難民危機の間にドイツ入りした難民認定希望者約180万人のおよそ半数が
「社会福祉給付金(ハルツW)」
で生活している。
180万人のうち67万人(37.2%)は無職であり、46万人(25.6%)は雇用されているものの、約半数は単純労働に従事し低賃金のため社会福祉給付金(ハルツW)の給付を受けているという。
外国人に対する社会福祉給付金(ハルツW)額は2007年以来倍増し、2020年には130億ユーロ(約2兆円)に達している。
2021年のデンマーク財務省の報告書によると、デンマークで非西洋系移民とその子孫のためにかかったコストは2018年に310億デンマーククローネ(約6500億円)に達し、うち約半数を占めるMENAPT諸国(中東、北アフリカ、パキスタン、トルコ)出身の移民にかかったコストがその約8割を占めている。
フランス対外治安総局(DGSE)元局長のピエール・ブロシャン氏はマクロ経済の視点から、第3諸国からやってくる労働スキルの低い移民を受け入れたとしても、利益を得るのは
「移民本人」
と低賃金労働者を確保できる
「雇用主」
だけであり、
「国家と国民」
は損をすると主張する。
移民は賃金、1人当たりの生産性、GDP(国内総生産)、投資や雇用率に下方圧力をかけ、その一方で失業率には上昇圧力がかかるからだ。
第3に、大量の移民を受け入れれば人口動態が大きく変化する。
フランス国立統計経済研究所(INSEE)が2023年3月に発表したデータによると、フランスの総人口6760万人のうち10.3%を移民1世、10.9%を移民2世、10.2%を移民3世が占める。
フランスでは移民系が既に3分の1を占めているのだ。
またINSEEによると、2019年にフランスで生まれた新生児の21.5%にアラブ・イスラム系の名前が付けられており、その割合は1969年の2.6%から急増している。
イスラム教徒の子はイスラム教の教義だ。
フランスは徐々に、そして確実に、キリスト教徒の国ではなくなりつつある。
第4に、移民系人口の増加は社会の変質、分断をもたらす可能性がある。
2020年にフランスで実施された世論調査では、25歳以下のフランス人イスラム教徒の74%がフランス法よりイスラム法を優先すると回答した。
この割合は25歳から34歳では42%、35歳以上では25%となっている。
イスラム法の規定は男女平等や自由、権利など多くの点においてフランスの法や価値観と矛盾する。
フランスで生まれたフランス人である若い世代ほどイスラム的価値観を絶対視する傾向があるという現実は、移民も世代を経れば同化するだろうという楽観を裏切る。
第5に、移民増加は治安悪化に繋がる可能性がある。
受け入れ国の法や文化、習慣を重んじる移民がいるのは言うまでもないが、受け入れ国の国民と異なる価値観や倫理観、法意識は犯罪に結び付くことがある。
既に多数の移民を受け入れた欧州には、外国人による犯罪が社会問題となっている国が多くある。
オーストリア司法当局によると、2023年3月時点で受刑者の51%を外国人が占めていた。
スイス連邦統計局によると2017年時点で受刑者の72%を外国人が占めており、外国人の収監率はスイス人の7倍以上だった。
イタリア刑務所管理局によると2021年時点で受刑者の32%を外国人が占めており、外国人の割合が78%に達する刑務所も存在した。
デンマークのフレデリクセン首相は2020年に、1997年生まれの非西洋的背景を持つ若者の5人に1人が21歳になるまでに犯罪歴があることについて
「明らかに多過ぎる」
と指摘し、
「過去の移民政策は間違いだった」
と認め、
「移民政策の厳格化」

「警察により多くの権限を与える」
旨を演説で誓った。
移民政策の失敗は10年以上前にドイツのメルケル首相(当時)も、イギリスのキャメロン首相(当時)も認めている。
2017年に出版された『西洋の自死』で著者、ダグラス・マレー氏は、移民を大量に受け入れた欧州では
「国の形」
が大きく変容した自死の過程にあると警告した。
日本も移民を大量に受け入れれば、今ある社会はすっかり姿を変え、我々は故郷と呼ぶべき居場所を失う可能性がある。
我々日本人はその覚悟を持って、大移民時代を迎える必要がある。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/565.html#c75
[原発・フッ素54] 清華大の研究チームが日本の放射能汚染水海洋放出の全過程をシミュレーション 240日で中国到達か(科学的な批判にどう応える?… 戦争とはこういう物
26. 2023年8月27日 22:15:38 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-81]
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中国で日本人学校への嫌がらせ 処理水放出で反日感情
2023/8/27 17:46
https://www.sankei.com/article/20230827-IRQY7SHAQRMKZIWIMBL5SHNTRY/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、中国にある日本人学校に石や卵を投げ込む嫌がらせが起きていることが2023年8月27日、分かった。
中国の交流サイト(SNS)では日本への抗議や、日本製品のボイコットを呼び掛ける投稿が目立つなど反日感情が高まっている。
日本政府関係者によると、山東省青島にある日本人学校の敷地内に2023年8月24日、中国人が石を投げ込んで公安当局に拘束された。
江蘇省蘇州の日本人学校では2023年8月25日、卵が投げ込まれていたのが見つかった。
いずれも、施設や子供に被害はなかった。
これまでに大規模な反日デモや日本人がトラブルに巻き込まれたといったケースは確認されていないものの、北京の在中国日本大使館は在留邦人に対し
「外出する際には不必要に日本語を大きな声で話さないなど慎重な言動を心掛ける」
といった注意を呼び掛けている。
日本大使館周辺では、中国側の制服や私服の警察関係者による警備が強化されている。
一方、放出とは無関係な日本国内の個人・団体に中国から迷惑電話が相次いでいることを受け、外務省の鯰博行アジア大洋州局長は2023年8月26日、在日中国大使館の楊宇次席公使に対し、
「極めて遺憾であり憂慮している」
と伝えた。
中国政府が国民に冷静な行動を呼び掛けるなど適切な対応を行うと共に、中国の在留日本人らの安全確保に万全を尽くすよう強く要求している。

中国迷惑電話、外務省局長が申し入れ「極めて遺憾」
2023/8/27 1:33
https://www.sankei.com/article/20230827-DLZZZ7435VOORMZ4ZSGMKY7TVE/
東京電力福島第1原発の処理水放出の後、福島県の飲食店や市役所などに中国からとみられる迷惑電話が相次いでいることを受け、外務省の鯰博行アジア大洋州局長は2023年8月26日、在日中国大使館の楊宇次席公使に対し、
「極めて遺憾であり憂慮している」
との申し入れを行った。
鯰氏は、中国政府が国民に冷静な行動を呼び掛けるなど適切な対応を行うと共に、中国の在留日本人らの安全確保に万全を期するよう強く要求。
事案の深刻化防止のため、処理水について正確な情報を発信するよう求めた。

福島市長「わが身わきまえぬ国…」 市役所にも中国語の迷惑電話
2023/8/26 22:15
https://www.sankei.com/article/20230826-KGORVHUDIJPULINWT7QBPHALII/
福島市の木幡浩市長は2023年8月26日、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出後、市役所などに中国語での迷惑電話が相次いでいると自身のフェイスブックに投稿した。
「我が身の所業を弁えぬ困った国だ」
「福島は原発事故の被害に加え、事後処理の負担も負わされている」
と記し、政府に対応を求める考えを示した。
木幡氏は迷惑電話の実態について
「市役所では2日間で約200件」
「小中学校にもかなり来ているようだ」
「飲食店やホテル・旅館も多く、多い所は1事業所だけで100件以上も」
「多くは+86(中国)発信で、中国語」
と説明した。

国番号「86」の迷惑電話、福島でも 処理水放水後に「ショリスイ」「バカ」…中国の発信か
2023/8/26 22:08
https://www.sankei.com/article/20230826-P7ZUIBW5AJKF5AIYUXUIHOEITE/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、放出とは無関係な日本国内の個人や団体に中国から迷惑電話が相次いでいる問題で、福島県でも飲食店や市役所などに中国の発信とみられる迷惑電話が相次いでいることが2023年8月26日、県警などへの取材で分かった。
被害者によると
「ショリスイ」
「バカ」
などの発言があった。
県警は県や市と連携して実態把握に努めているとした上で
「必要な調査・捜査を行う」
としている。
福島県内で複数の飲食店を経営する男性(42)によると、処理水放出のあった2023年8月24日の翌2023年8月25日に中国の国際電話の国番号
「86」
から迷惑電話が多発。
多い時には1分ごとにあった。
外国語中心だが
「ショリスイ」
「バカ」
「シネ」
などの単語も聞こえた。
福島市の木幡浩市長は2023年8月26日、自身のフェイスブックで、市役所に約200件の
「嫌がらせ電話」
がかかってきたと表明。
小中学校、ホテルや旅館にもあり
「多いところは1事業所だけで100件以上」
とした。
多くは中国の番号だったといい、政府に対応を求めた。

国番号「86」から迷惑電話相次ぐ…処理水放出とは無関係の個人・団体に 中国の抗議か
2023/8/26 19:37
https://www.sankei.com/article/20230826-EVYUM6MSR5OTNKT4BAC6DLZ6QA/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、放出とは無関係な日本国内の個人や団体に中国から迷惑電話が相次いでいることが2023年8月26日、分かった。
北京の在中国日本大使館が、中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)で明らかにした。
日本大使館は中国政府に対応を求めたとしている。
日本政府関係者によると、日本の一部施設などに中国の国番号
「86」
で始まる番号からの着信が相次いだ。
東京都江戸川区の区総合文化センターの他、医療機関、飲食店など放出とは無関係な施設などに電話が掛かってきていることが確認されている。
海洋放出への抗議とみられる。
中国の交流サイト(SNS)では日本への抗議や、日本製品のボイコットを呼び掛ける投稿もみられる。
また、日本大使館は2023年8月26日、大使館で2023年8月26日に開催予定だった日本人ピアニストのイベントを延期した。
「不測の事態を避けるため」
と説明している。
日本大使館周辺では、中国側の制服や私服の警察関係者による警備が強化されている。
日本大使館は在留邦人に対し
「大使館を訪問する必要がある場合は、大使館周囲の様子に細心の注意を払う」
といった注意を呼び掛けている。
現時点で在留邦人が処理水放出に関連してトラブルに巻き込まれたり、日本大使館周辺で抗議デモが行われたりといったことは確認されていない。
2012年には尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化を受け、北京など中国各地で大規模な反日デモが起きた。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/297.html#c26

[政治・選挙・NHK291] <永田町激震!>瀕死の岸田首相にトドメを刺す 麻生太郎「電撃引退」決断(週刊ポスト) 赤かぶ
32. 2023年8月28日 01:55:56 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-80]
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「移民」と日本人
病院でクルド人「100人」騒ぎ、救急受け入れ5時間半停止 埼玉・川口
2023/7/30 13:30
https://www.sankei.com/article/20230730-HM3RDJDY3ZIL7JBAUVPHGX7YSY/

「移民」と日本人
れいわも賛成した川口市議会「クルド人」意見書 マスコミ報じず
2023/7/30 13:30
https://www.sankei.com/article/20230730-H6PIW4LZ25O7LBZKRX6LT7TY34/
川口市議会が可決した「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」
https://www.sankei.com/article/20230730-H6PIW4LZ25O7LBZKRX6LT7TY34/photo/Z4PK5ILWMFJSFPPY6TUF6YZFOY/

「移民」と日本人
「経営者」6割がトルコ国籍 資材置き場でトラブル、広がる規制 埼玉・川口
2023/8/12 14:00
https://www.sankei.com/article/20230812-6PFAX4UXPNOWVO2U55FTWQ57TU/

「移民」と日本人
クルド人経営者「日本人がやらない仕事」 フェラーリ投稿で炎上も
2023/8/12 14:00
https://www.sankei.com/article/20230812-GGUJSGQVYJJOVNRI6AUB4SMOUY/

クルド人騒動「遺憾」 トルコ大使、法令順守求める
2023/8/12 17:06
https://www.sankei.com/article/20230812-OCDDUA7CUFLFDGCSO2EPGBA2CY/

埼玉県川口市、外国人の迷惑・不法行為是正に自民党動く・経済解説22
https://www.bing.com/videos/search?q=%e7%9f%b3%e4%ba%95%e5%ad%9d%e6%98%8e&docid=603529195313907295&mid=1A0E6EC3A8B7E6494A281A0E6EC3A8B7E6494A28&view=detail&FORM=VIRE

夜集まり騒ぐ中東系難民たちの怖さ−川口市での映像
https://www.bing.com/videos/search?q=%e7%9f%b3%e4%ba%95%e5%ad%9d%e6%98%8e&docid=603489625778095013&mid=74CE528504CC980315EC74CE528504CC980315EC&view=detail&FORM=VIRE

埼玉のクルド人を甘やかすな
移民国家への第一歩? 川口市でのクルド人騒動は日本中で起こり得る!
WiLL2023年10月号 
ジャーナリスト 石井孝明
川口市議会議員 奥富精一
■川口市の現状
★石井
埼玉県川口市で2023年7月4日、トルコ人国籍のクルド人同士の殺人未遂事件があり、重傷を負った男らが運ばれた
「川口市立医療センター」
周辺に双方の親族ら約100人が集まって暴力沙汰になる騒動へと発展しました。
周辺の交通が混乱し、2023年7月4日午後11時半から翌2023年7月5日午前5時までの間、救急車の受け入れができなくなりました。
このようなことが起きた背景には何があるのでしょうか。
★奥富
川口市でのクルド人問題を取り上げて下さり有難うございます。
私の住む川口市の外国人住民は、約3万9000人(2021年12月末)と、市人口約60万9000人のうち、約6.4%を占め、その数は全国自治体で1位。
クルド人は川口市近郊に2000人以上います。
大前提としてクルド人のほとんどが川口市周辺に集住しています。
★石井
私は奥富市議と川口市民の皆さんが、クルド人問題に困っていることをインターネットなどで発信しているのに、メディアも政治家も無視し続けることに憤りを感じて、2023年5月から自分のサイトやSNSで問題を取り上げてきました。
奥富市議はクルド人問題に対して警察・行政による取り締まりを訴えていますが、川口市で何が起こっているのでしょうか。
★奥富
触法行為には厳正に対処するべきですが、法に触れるほどでもない騒音や不法投棄などの迷惑行為といったグレーゾーンが多く、そこが悩みの種です。
また違法行為であったとしても、何故か警察が取り扱わない。
クルド人が運転する車に突っ込まれて、家や物が壊されるといった物損事故があっても、ほぼ100%警察は取り扱ってくれない。
★石井
クルド人が運転する自動車の多くは他人名義、無免許、無保険なので、警察の対処も煩雑になり、取り締まりに消極的なのでしょう。
★奥富
改造車による騒音や危険運転も酷い有り様です。
改造車の問題には地域住民も積極的に取り組み、ようやく警察も動き出して改造車の騒音に関しては若干減ったように感じます。
しかし、音が小さくなっただけで悪質運転(スピード違反やドリフト走行など)はそのままです。
★石井
日本人女性に対するナンパや放尿、個人による不法投棄も多い。
洗濯機や掃除機、冷蔵庫といった、それまで使っていた大型家電が不法投棄されていたりもします。
川口市民からよく聞くのは、クルド人の子供たちが怖いという証言です。
昼間に街やゲームセンターをウロウロし、万引きが増えているそうです。
★奥富
1990年代に政治難民と称して日本にやってきたクルド人の子供(2世)が、ここ2〜3年でギャング的な暴力事件を起こしている。
夜中に住宅街での大喧嘩、騒音や迷惑行為、コンビニでのたむろは日常茶飯事です。
★石井
深夜に外国人男性が集団でたむろしていたら、誰だって怖いはずですし、女性は尚更です。
私が思うに彼らの印象は、1980年代の「ヤンキー漫画」の登場人物といった感じです。
喧嘩がかっこいいと思ったり、違法な改造車や薬物に手を染めたりする・・・それをSNSで自慢する奇妙な行動をしているのです。
■日本に同化しないクルド人
★石井
不思議なのは、何故日本にやってきたクルド人が、川口を選んだのかという点です。
過去の記録や資料がなく、口コミや噂レベルでの話はたくさんあるのですが、どれも眉唾物で、断定できません。
★奥富
客観的に言えるのは、川口には産業廃棄物の集積場や解体業者が多くあったことです。
1990年代から、クルド人が仕事を求めてやってきて、働くようになりました。
彼らは解体業を中心に設計を立て、家族を持つようになりました。
日本で本国(トルコ)以上に豊かな生活ができるようになったクルド人が、トルコにいる親族を日本に呼び寄せ、どんどん増えていったのです。
★石井
川口にいるクルド人は、同族で共同体を作っています。
また集住者の7割は南東部クルド人と呼ばれる、トルコの特定地域からやってきた人たちです。
彼らは家族や親戚といった血族で団結するのですが、別の血族とは喧嘩をするほど仲が悪い。
彼らはクルド人同士でも対立しています。
2023年7月に起こったクルド人100人による騒動も、敵対し合う一族の揉め事が始まりのようです。
仲間を助けるつもりで集まった結果、機動隊が駆け付けるほど大規模な事件に発展してしまった。
興味深いのですが、あるクルド人が、別のグループに所属するクルド人が起こした問題行動の写真や動画を、私のSNSやメールに報告してくるのです。
クルド人がクルド人の問題行為を、告げ口し合っているという状況です。
★奥富
川口に住むクルド人は、血族的な団結力は強いのですが、クルド人という民族単位で見た時にはまるで団結力がない。
彼ら自身で非常に閉鎖的な社会を形成していますが、解体業などで儲けてはいるので、彼らだけで社会が成り立ってしまうのです。
しかも彼らは日本社会と一切交わろうとしません。
日本語を覚えようとしないし、日本文化にも興味がない。
★石井
在日クルド人の多くはトルコにおいて教育を全く受けず、日本に来た人が多い。
そういった人たちがトルコで就職するとなると農業を営むか、羊飼いになるしかなく、手取りで日本円換算5万円ほどと聞きます。
となると日本にリスクを負っても来るのは納得できます。
★奥富
更に親がまともに教育を受けていない場合が多いので、子供にも向学心がありません。
小中学校の先生に聞くと、クルド人は特に読み書きに熱心ではないとのことです。
親も教育を重視しません。
向学心がないため、次第に学校での授業についていけなくなった子供のドロップアウト率が非常に高い。
学校に行かなくなったクルド人の子供たちが、非行や犯罪に走るのです。
★石井
クルド人アパート問題も深刻です。
審査基準が緩く、クルド人を受け入れる不動産会社が存在します。
川口市に、生活保護受給者などが多く住むアパートがありますが、そのアパートで空き室が出ると、すぐにクルド人が借ります。
★奥富
昼間から学校に行っていない子供の騒ぎ声など、案の定、騒音やゴミといったトラブルが発生し、警察沙汰になっています。
警察官やアパートの管理会社が来て対処しようとするのですが、改善は難しく、多くの日本人住人がそのアパートを去る。
そこに、更にクルド人たちが入居するといったことが繰り返され、結果的にクルド人アパートが完成します。
そういったアパートが川口市に10何軒とあります。
■日本の危ない支援者
★石井
そもそも彼らは何故日本に居られるのでしょうか。
日本は単純労働の外国人労働者を制度の上で受け入れていません。
★奥富
日本とトルコの間には最大90日間の観光ビザがあります。
90日、日本で不法に働き、その後は不法滞在や1度帰国してからまた日本に来るパターンもありますが、往復の交通費もバカになりませんから、それを嫌がり難民申請をする。
審査に3年ほどかかるため、その間、日本に滞在できる。
川口市のクルド人全てが貰っているかどうかは分かりませんが、一定期間なら難民申請することで、難民手当として生活費や家賃を得ています。
5回、6回と申請を重ねていくうちに日本に居着いてしまうパターンが多い。
★石井
そもそも、
「難民」
という主張も怪しいですね。
トルコ政府はクルド人を迫害していません。
またEU加盟を目指して1990年代に司法制度を作り変えて、死刑も廃止しています。
クルド人のテロ組織を取り締まってはいますが、クルド人であることを理由に投獄や暴力などは、行っていません。
日本に来たクルド人がこうした手段を初めから知っているとは思えません。
いわゆる
「人権屋」
と言われる、一部の左翼が日本に来たクルド人に、こうした手続きを教えている可能性もあります。
★奥富
日本語がほとんど分からないクルド人が会社設立の手続きや、登記など出来るわけがありません。
クルド人を利用して金儲けを企む行政書士と弁護士が恐らく背後に存在しているでしょう。
彼らは1回20万〜30万円ほどで不動産の登記や仮放免、難民申請を行います。
また、クルド人を利用して利益を得ようとする日本人ブローカーが存在しているのだと思います。
★石井
もう1つのパターンが、善意がズレた人たちの存在です。
ある活動家は子供を守ると称して、クルド人の子供をクリスマスパーティーに招いたとのことです。
クリスマスは、イエス・キリストの生誕を祝い、
「神の子」
との認識を示す祭りです。
異教を禁じるイスラム教徒が参加したら、大変な問題になる。
日本に来たクルド人は、イスラム教に熱心ではありませんが、熱心なイスラム教徒だったら、この活動家を攻撃する可能性もありました。
この活動家はクルド人やイスラム教を学ぶことなく、一方的な善意で
「クルド人の子供を救うこと」
だけを考え、クルド人に押し付ける。
異様な支援活動です。
★奥富
東京新聞の望月衣塑子氏が入管法改正案に反対の立場で
「外国労働者、その子供のために正義を貫いてほしい」
とSNSに投稿し、クルド人の子供が国会前でデモを行っている動画を拡散しましたが、私は
「川口の子供の悲痛な叫びも聞け」
と反論しましたよ。
善意と思っていることが、悪意に取られるケースはたくさんあることを左派には知ってもらいたい。
■多少の改善
★石井
川口市でのクルド人問題を見てきた奥富市議は、どういった対策を考えているのですか。
★奥富
私は2023年4月の川口市議会選挙で、
「外国人問題に向き合う」
「地域住民と善良な外国人を守る」
といった公約を掲げ、選挙に挑みました。
そうすると、地域住民や同僚議員から、クルド人問題の相談がたくさん来ました。
★石井
これまで世間に認知されてきませんでしたが、川口市民の間では、クルド人に対して不満や恐怖心を抱いていたのですね。
★奥富
川口市議会の2023年6月定例会で、
「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」
の採決に尽力、警察官の増員、パトロールや取り締まりの強化を要望しました。
★石井
この意見書は衆議院・参議院・内閣総理大臣・国家公安委員会・埼玉県知事・埼玉県警に提出された極めて重い意見書です。
★奥富
ええ。
それだけでなく、
「ストックヤード条例(川口市資材置場の設置等の規制に関する条例)」
が2022年7月1日に施行されました。
この条例では、
「新規のストックヤードについては、中の様子が見えるような視認性の高い塀を設置すること」
「騒音・振動・粉塵の発生軽減措置を講じること」
といった規制を制定しました。
施行後、新規のストックヤードは2件しか登録されていません。
また、この条例ができたことで、新たなストックヤードを作りたいクルド人が、条例のない越谷市などに移るようになったとも言われています。
ストックヤード条例の施行以前から建てられていたストックヤードについても、きちんと調査ができるよう、条例改正を目指しています。
★石井
奥富市議のご尽力があってか、川口市内の警察車両によるパトロールが増えた印象を受けます。
路上駐車などの違法行為も少し減少したようです。
2023年度になってから、税務署、入管、労基署がクルド人の営む解体業者に対して、見回りや監視をしています。
クルド人経営者が儲かっているのは税金をきちんと払っていないためでしょうから、国税局も目を光らせている。
クルド人側もSNSで情報共有をしていますから、警戒をしているようです。
★奥富
川口市民が一番気の毒です。
川口市民は非常に良い人が多く、むしろ、クルド人を心配したりしています。
クルド人たちに悪意はないのでしょうが、マナーのない行為に罪悪感を抱かないことが許せない。
★石井
市議会がこの問題に前向きに取り組んでいるのは嬉しい。
今まで、トルコ大使館は、クルド人は難民であるからとして黙認していましたが、さすがに暴動まで発生したので調査を実施しています。
産経新聞(2023年8月13日付)によると、コルクット・ギュンゲン駐日トルコ大使は
「日本の法令、しきたりに則って滞在することが重要だ」
と言っています。
正論です。
川口市の場合は、市議会議員の皆さんのおかげで少しずつ改善していることを実感します。
心配なのはクルド人テロ組織の旗が、クルド人の集会や祭りで掲げられていることです。
その関係者が日本に居る可能性があります。
日本が国際紛争に巻き込まれなければ良いのですが。
■国が具体策を示せ!
★石井
ここまでクルド人の悪事や問題行動が悪化、増大すれば、日本人とクルド人の共生は極めて困難だと思います。
クルド人の入国拒否も、日本への流入が止まらなければ検討すべきです。
★奥富
中には良いクルド人もいるでしょう。
しかし宗教や民族的価値観の違いで日本人と交わることのできない壁は必ずあります。
私は行政の考える”多文化共生”というのは成り立たないと思っていますから。
★石井
これからも川口市におけるクルド人問題は続いていくと思います。
すぐに解決する問題ではない。
奥富市議は今後どのような対策を考えていますか。
★奥富
法の適用を粛々とやっていくだけです。
我々日本人はは小さな問題を1つ1つ潰していくことしかできません。
私がクルド人問題に関して主張し続けているのは、2つだけ。
「犯罪・不法行為をしない」
「ルールと地域の慣習を守る」。
入管の話やテロリストの話を持ち出してしまうと、私だけでは対処しきれない問題が多く含まれてしまう。
国会議員との連携も重要になるでしょう。
とにかく、真面目な外国人は守るべきだし、犯罪行為を繰り返す外国人はすぐにでも本国にお帰り頂きたい。
難民と認定された場合、当然ですが入管や警察など、川口市はありとあらゆる情報を関係部署に提供すると議会で答弁しています。
実際に強化を目指します。
クルド人との向き合い方は、国が考えなければならない問題です。
ところが、国から何の対策や指針も出せされない。
完全に知らんぷりですよ。
★石井
政府は外国人と共生することに対して非常にぼんやりとした考えしか示さず、具体策がありません。
国が外国人との共生を目指そうと言ったものの、どのようにして共生を図るのか、そもそもクルド人を何人受け入れるのか、大前提としてどの国の人をどれだけ迎え入れるのか、それに伴う費用をどこがどれだけ負担するのか、そういったことが全く議論されていない。
★奥富
まるで何も決まっていません。
それで一番困っているのは川口市民ですからね。
■大喜びするクルド人
★石井
斎藤健法相が2023年8月4日に、日本生まれで、在留資格がなく強制送還の対象となる18歳未満の外国籍の子供に対し、一定条件を満たせば、法相の裁量で例外的に在留を認める
「在留特別許可」
を付与すると発表しました。
今回の判断で、18歳未満の子供約140人と、その家族にも在留が認められる見込みです。
★奥富
受け入れを認めるのは結構ですが、受け入れた地域の住民との軋轢があることを斎藤法相に見えているのか、そこを聞きたい。
★石井
全く見えていないはずです。
地域に負担を押し付けたまま集住だけを認めている。
これは完全に国の過ちです。
★奥富
「在留特別許可」
が正しいのか、国民全体で考え直すべきです。
★石井
クルド人はこの斎藤法相の決定を大喜びしています。
彼らの子供が認定される可能性があるからです。
元々日本の行政は甘く、子供がいる家庭は確かに送還されにくい傾向があります。
そのために、クルド人は日本で一生懸命子供を作るそうです。
どうも、生まれてくる子供の幸せを考えず、在留の道具に考えている気配がある。
「蟻の一穴天下の破れ」
と言いますが、特例が必ず前例となるでしょう。
今後はどうしてクルドで生まれた子供は助けないのか、という話も出てくるでしょう。
★奥富
もう既に、何で日本で生まれた子供だけ許されるのだという声が出ています。
そのようにクルド人を受け入れることで、例えば川口市にかかるコストを計算した人は誰かいるのでしょうか。
★石井
クルド人を受け入れることで、彼らに使われている税金の方が、彼らが日本にもたらす利益より多いでしょうね。
また日本の価値観、人々の安全といった金銭に変えられないものを壊しかねないリスクも生じています。
★奥富
市、県、国がそれぞれ対策を打ち出すべきです。
クルド人問題が川口市で起こったのは単なる偶然かもしれません。
しかし、今後、日本全国どこでもあり得る話であり、これから皆さんの街で起こり得る話です。
是非、関心を持ってもらいたい。
★石井
国際的なベストセラーになった、英国のジャーナリストであるダグラス・マレーの『西洋の自死』(東洋経済新聞社)は、移民や難民を受け入れて大混乱した西洋社会の問題を紹介しています。
そこでは、移民に問題があると声を上げた者はメディアや社会、リベラルから潰されると書かれています。
日本でも同じ問題が起きています。
実際に声を上げる川口市民やクルド人問題の改善に向けて努力を続けている奥富市議、自民党の川口市議団に対して、左翼連中はレイシストや差別主義者だとレッテルを貼り、潰そうとします。
我々日本社会全体で、協力して奥富市議をはじめとする声を上げる人たちの活動を守り、助けていかなければなりません。
そして日本人ではなく、クルド人の方が自らの行動を改め、日本のルールに従わない限り、共生は難しいでしょう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/570.html#c32

[政治・選挙・NHK291] <永田町激震!>瀕死の岸田首相にトドメを刺す 麻生太郎「電撃引退」決断(週刊ポスト) 赤かぶ
38. 2023年8月28日 12:20:55 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-79]
<△22行くらい>
クルド人騒ぎ 殺人未遂容疑で男再逮捕 逮捕者計7人に 埼玉・川口
2023/8/22 19:24
https://www.sankei.com/article/20230822-622LWJWSBNPWVBJ7J2IVHDS77A/
埼玉県川口市で2023年7月、トルコの少数民族クルド人ら約100人が病院周辺に殺到し、救急の受け入れが一時停止した騒ぎの直前に発生した事件で、埼玉県警は2023年8月22日、殺人未遂の疑いで、トルコ国籍で解体業、トーズ・メメット・ムラット容疑者(27)=埼玉県川口市安行慈林=を再逮捕した。
認否を明らかにしていない。
再逮捕容疑は、2023年7月4日、埼玉県川口市の路上で、男性=当時(24)=を刃物のようなもので切り付け殺害しようとしたとしている。
男性は全治約3カ月の怪我を負った。
また埼玉県警は2023年7月4日、凶器準備集合の疑いで、男性=当時(26)=に対する殺人未遂事件に関与したとして逮捕された男ら2人を再逮捕し、トルコ国籍で埼玉県川口市前川の職業不詳、ゼンギン・ベキル容疑者(21)を新たに逮捕したと発表した。
既に6人が逮捕されており、逮捕者は計7人となった。
再逮捕されたのは、いずれもトルコ国籍で埼玉県川口市東領家の解体作業員、エリルマズ・サルマン容疑者(27)と、埼玉県川口市安行慈林、自称、解体業のバリバイ・マズルム容疑者(31)。
埼玉県警によると、3人は共謀して2023年7月4日、男性に危害を加える目的で、野球のバットなどを準備し、埼玉県川口市内に集合した。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/570.html#c38
[原発・フッ素54] なぜ東電は問題だらけの汚染水の海洋放出に追い込まれたのか (ヤフーニュース) 西大寺
6. 2023年8月28日 22:44:51 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-78]
<■238行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
海水、魚も「検出下限値未満」 処理水放出
2023/8/28 19:27
https://www.sankei.com/article/20230828-QAU5XC6PDFICHCZWMSPOXTQY2A/
東京電力は28日、処理水を放出中の福島第1原発の周辺3km以内で27日に採取した海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は全10カ所で機器の検出下限値未満だったと発表した。
毎日海水を採取しているが28日は海が荒れて船が出せず、沿岸2カ所でのみ採取した。
水産庁も28日、放出口から約4〜5kmで27日に水揚げしたヒラメ2検体のトリチウム濃度が検出下限値未満だったと発表した。

処理水放出ルポ 放射性濃度測定は3段階、「放出は計画通り」と東電
2023/8/27 19:25
https://www.sankei.com/article/20230827-CEFE63PILJLKBH2RAKMRFY5GAM/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出は、27日で放出開始から4日目を迎えた。
海水で薄めた後の総放出量は約1500トンに上り、東電は
「計画通りに進んでいる」
と強調した。
安全性や風評への懸念が尽きない中で始まった海洋放出。
現場に入り、設備の運転状況などを取材した。
「ゴー」
という大きな音と共に勢いよく大量の水が流れ出す音が聞こえた。
「放水立て坑」
と呼ばれる大型水槽に溜めた処理水が、立て坑内の堰を越えると海への放出が始まる。
立て坑の上部は、核物質防護上の観点からコンクリートで覆われ、処理水が流れる様子は見られなかったが、この真下で放水が行われている状況は理解できた。
立て坑は、全長約1kmの海底トンネルに通じる。
放出された処理水が再び取水されないよう、水深12メートルにある放出口から流れ出る。
東電は立て坑で一時的に溜めた処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を毎日測定。
計画の排水基準(1リットル当たり1500ベクレル未満)を下回る運用目標値を設定し、基準を下回ったことを確認した上で放出を開始する。
東電の計画では、放射性物質の測定は放出前に3段階で行う。
最初に、原発敷地内のタンクで保管している処理水は多核種除去設備(ALPS=アルプス)でトリチウム以外の物質を除去するが、十分に取り除けなかった場合は、基準値を下回るまで浄化処理を何度も繰り返す。
その上で、海水で希釈する前には、セシウム137やウラン234など計69核種の放射性物質濃度が基準以下になっているかを確認。
立て坑に溜めた処理水の検査は、放出直前に行う最後の濃度測定となる。
一方、放出設備の操作は、原発近くの免震重要棟で遠隔操作によって行う。
1班9人の体制で運転員が24時間監視し、移送した処理水の水位や希釈後のトリチウム濃度の変化などを4つのモニターで常時確認している。
24日から始まった海洋放出は今も続く。
東電の担当者は
「放出は手順通りに行われ、今のところ設備や運用面でのトラブルは起こっていない」
と説明した。
海への放出後は、沖合3km以内の10地点で採取した海水に含まれるトリチウム濃度を調べ、1リットル当たり700ベクレルを超えた場合、
「異常あり」
と判断し、放水を緊急停止する。
これまでに採取した海水からは、いずれも分析機器で検出できる限界値を下回った。
東電以外にも国や福島県も独自に濃度を測定し、結果はウェブサイトで公開。
東電の担当者は
「計画通りに放出が進んでいるとはいえ、今後もミスなく着実に実施していきたい」
としている。

処理水放出の運転状況を報道陣に公開、東電
2023/8/27 18:00
https://www.sankei.com/article/20230827-X77LZ2SKUVINNKANTU4T7E2T5Q/
東京電力は27日、福島第1原発処理水の海洋放出開始後初めて、設備の運転状況などを報道関係者に公開した。
24日に始まった放出作業は4日連続で行われ、これまでに設備などのトラブルはなく、周辺海域の放射性物質濃度に異常も見つかっていない。
一方、環境省は27日、25日朝に採取した原発から約40km以内の11地点の海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度が全ての地点で検出できる下限値を下回ったと発表。
原発から約5km以内の9カ所で海水を分析した福島県も、検出下限値より低かったことを明らかにした。
東電は原発内に溜まり続ける処理水について、トリチウム濃度が国の排水基準の40分の1未満になるまで海水で薄めた後、海に放出している。
東電が報道陣に公開したのは、処理水を海水で希釈した後のトリチウム濃度を調べる
「サンプリングラック」
と呼ばれる採水設備や、遠隔操作による運転状況など。
担当者は
「順調に放出が進んでいる」
と説明した。
福島第1原発では、敷地内に設置した1000基余りのタンクに容量全体の98%に当たる約134万トンの処理水を保管。
放出後はタンクの減少が期待されるが、処理水の元となる汚染水が毎日約90トン発生しており、2023年度内の削減量は約1万1200トン、タンク約10基分にとどまる見通し。

トリチウム検出下限値未満 環境省と福島県、海水分析結果発表
2023/8/27 12:35
https://www.sankei.com/article/20230827-FCUDFTDW4BOLHIQ3H6BOZWSX6A/
環境省は27日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始から2日目の25日朝に採取した約40km以内の11地点の海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は全ての地点で検出できる下限値を下回ったと発表した。
同省は
「人や環境への影響はない」
としている。
11カ所での測定結果は、いずれも検出下限値(1リットル当たり7〜8ベクレル)未満だった。
うち3カ所では、セシウム137などの放射性物質についても分析したが、全て検出限界値を下回った。
同省は当面の間、毎週分析を実施していく予定。
西村明宏環境相は
「風評を生じさせないため、客観性・透明性・信頼性の高いモニタリングを徹底していく」
とのコメントを出した。
福島県も27日、原発から約5km以内の9カ所で25日に採取した海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は検出できる下限値より低かったと発表した。
9カ所での測定結果は1リットル当たり3.7〜4.1ベクレル未満。

自民、批判・チャイナリスク訴え 処理水嫌がらせ
2023/8/28 20:55
https://www.sankei.com/article/20230828-AO4EGMPA2JKBVBK4BLK4PXYS6Q/
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国から福島県内への嫌がらせ電話などが多数発生していることに対し、自民党からは28日、批判とともに中国との経済関係の見直しを訴える意見が相次いだ。
中国政府による日本産水産物の輸入停止などもあり、改めて
「チャイナリスク」
が顕在化したとの受け止めが広がっている。
「処理水の風評被害より、中国の嫌がらせ被害が日本に起きている」
「我々としては、理論的に毅然とした形で国際社会に発信し続ける」
自民党の小野寺五典元防衛相は28日、官邸で岸田文雄首相と面会後、記者団に強調した。
「中国と付き合う中で、このような理不尽なことが行われることはどの分野も肝に銘じるべきだ」
とも語り、警戒を呼び掛けた。
27日には山下貴司元法相が短文投稿サイト「X(旧ツイッター)」で、嫌がらせ電話などに関し、
「(中国が)チャイナリスクを大々的に宣伝する結果となる」
と指摘した。
中国では処理水の放出に伴い、日本製品の不買運動や訪日旅行のキャンセルなども起きている。
自民の佐藤正久元外務副大臣は28日、
「これで日本から投資を呼び込みたいとは、お門違いも甚だしい」
とXに投稿。
赤池誠章元内閣府副大臣も同日のブログで、中国との経済関係に関し、
「危機管理として、必要最小限の付き合い方とすべきだ」
と訴えた。
党外交部会は週内に部会を開き、中国による嫌がらせ電話や日本の水産物輸入停止措置などに関して協議する方針だ。
部会幹部は
「中国から因縁をつけられても、日本は科学的根拠に基づいた対応を通じ、国際社会の理解を得ていく必要がある」
と強調した。

首相、嫌がらせ電話や投石に「遺憾」 週内に水産業支援策
2023/8/28 20:29
https://www.sankei.com/article/20230828-2DUM2HCCXZIJRLYTEZPNVQMBOU/
岸田文雄首相は28日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、中国から発信されている日本国内への嫌がらせ電話や、中国にある日本大使館や日本人学校への投石が相次いでいる事態に関し、中国政府の対応を批判した。
官邸で記者団に
「遺憾なことだと言わざるを得ない」
「日本政府として邦人の安全確保に万全を期す」
と述べた。
また、中国による日本の水産物輸入停止措置を受け、週内に水産事業者支援策の具体的な内容を整理し、説明する考えを示した。
「我が国の水産事業者を断固として守る決意だ」
「あらゆる措置を講じていく」
と語った。
同日、外務省の岡野正敬事務次官は呉江浩駐日中国大使を外務省に呼び出し
「極めて遺憾であり、憂慮している」
と申し入れた。
科学的根拠に基づかない発信を続ける中国に対し
「人々の不安をいたずらに高めるべきではない」
として正確な情報発信を強く求めた。
松野博一官房長官は記者会見で
「中国から事実に反する内容を含む発信が行われていることに対し、累次に渡り適切に反論を行う」
と語った。
相次ぐ嫌がらせ電話に関し、全国知事会の新会長に決まった村井嘉浩宮城県知事も同日の記者会見で
「非常に遺憾だ」
「到底容認できない」
と批判。
福島県の内堀雅雄知事は福島市で開かれた福島復興再生協議会で、政府に対応を要請した。

中国、処理水問題で国内不満をガス抜きか 神田外語大教授、興梠一郎氏
2023/8/28 19:23
https://www.sankei.com/article/20230828-HNYOX7CIGVLO5M3ASWWCYMMZXI/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡って中国当局が強硬に反対し、庶民の反日感情を扇動している。
その背景について神田外語大教授の興梠一郎氏に聞いた。

中国の嫌がらせは真新しい動きではなく、日本政府が尖閣諸島を国有化した際も中国側が大動員をかけ、反日デモや不買運動が起きた。
現在、不動産不況や失業率悪化で人民の不満が相当たまっており、国内の不満をガス抜きし、批判の矛先を日本に向けたいとの狙いがあるのではないか。
中国政府はSNSで自国の原発排水など不都合な情報は削除し、日本批判の投稿は黙認している。
日本産水産物の輸入を停止し、嫌がらせを黙認するのは、国内のガス抜きに加え、日米韓の緊密化や日米の半導体輸出規制に対する一種の経済制裁とも言えそうだ。
ただ尖閣の時と違うのは、現時点で抗議の動きが限定的なことだ。
中国は得だと判断すればとことん騒ぐ。
各地で暴動に発展してもおかしくないがそこまでではない。
抗議が広がれば、日本批判から国内の反政府デモに飛び火しかねないと危惧しているのだろう。
それほどまでに中国経済は悪く、人民の不満はマグマのように溜まっている。
少し前に
「白紙運動」
という反政府デモも起きた。
生きづらさを感じた人々による政府批判の動きがいつ広がってもおかしくない状態だ。
反スパイ法改正などで中国投資に及び腰な外資企業が増える中、中国も日本との関係を決定的に悪化させることは避けたいはずだ。
合理的に考えれば、中国に処理水を巡る抗議の機運を高めるメリットは薄い。
日本人に危害が及ばないよう今後を注視する必要はあるが、適度にガス抜きをして収束するのではと考える。
また今回の件で、中国依存が高いと外交カードに使われてしまうリスクも改めて分かった。
日本政府は今後、中国依存の高い輸出品の販路を多様化する努力も必要だ。

岡野次官、中国大使を呼び出し 処理水嫌がらせ「極めて遺憾」
2023/8/28 16:58
https://www.sankei.com/article/20230828-SYSHDCWRABIIBAFB7ZNEE7OSPU/
外務省の岡野正敬事務次官は28日、呉江浩(ご・こうこう)駐日中国大使を外務省に呼び出し、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が始まった24日以降、日本国内で相次いでいる中国発の嫌がらせ電話などの状況が改善されていないとして
「極めて遺憾であり、憂慮している」
と申し入れた。
岡野氏は処理水に関する科学的根拠に基づかない発信を続ける中国に対し、
「人々の不安をいたずらに高めるべきではない」
と強調。
「正確な情報を発信することを改めて強く求める」
と述べた。
中国政府に対し、自国民に冷静な対応を呼び掛けるなど早急に適切な対応を取り、中国の在留邦人や日本の公館の安全確保に万全を期すよう求めた。
また、岡野氏は海洋放出は国際基準や国際慣行に則り、安全確保を徹底した上で実施されていると強調。
放出開始後もモニタリングデータを迅速に公表して高い透明性を確保しており、
「データから何ら問題が生じていないことは明らかだ」
と指摘した。
その上で、中国政府が日本産水産物に対する輸入規制を拡大、強化していることに対し
「科学的根拠に基づく対応とは到底言えず、極めて遺憾だ」
と抗議した。
日本産食品の輸入規制措置の即時撤廃を重ねて強く求めた。

「到底容認できない」 嫌がらせで知事会新会長
2023/8/28 16:33
https://www.sankei.com/article/20230828-OILKEVJTPBOBRKMUGJGQLLGZNQ/
全国知事会の新会長に決まった村井嘉浩宮城県知事は28日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、日本国内で中国発信の嫌がらせ電話が相次いでいることについて
「非常に遺憾だ」
「到底容認できない」
と批判し、日本政府として何らかの対応をすべきだとの認識を示した。
中国政府による日本産水産物の輸入停止などの措置に対しても
「感情的で、科学的根拠に基づくものではない」
「日本政府は、中国に冷静な対応を求めていただきたい」
と注文した。

松野氏、中国の処理水反発・嫌がらせ電話「極めて憂慮」
2023/8/28 12:11
https://www.sankei.com/article/20230828-EM65JM2NQJMUHITI4FNG4C24BE/
松野博一官房長官は28日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、日本国内で中国から発信されている嫌がらせ電話が相次いでいることについて
「極めて遺憾であり憂慮している」
「中国側に対しては国民に冷静な行動を呼び掛けるなど適切な対応を行うと共に処理水の正確な情報を発信することを引き続き強く求める」
と述べた。
松野氏は処理水に関し
「中国から事実に反する内容を含む発信が行われていることに対し、累次に渡り適切に反論を行う」
とも語った。
公明党の山口那津男代表らが28〜30日の日程で予定していた中国訪問が延期となったことについては2022年11月の岸田文雄首相と習近平国家主席との首脳会談で国民交流の再活性化に合意したことを踏まえ、
「政党交流もその重要な一環だ」
「政府としても山口氏の訪中に期待していた」
と指摘した。
その上で
「日中両国間には処理水を巡る問題を含め、数多くの課題や懸案があるが、我が国として主張すべきは主張し、中国に対して責任ある行動を強く求めつつ、対話をしっかりと重ねる」
と強調した。

外務省、中国渡航・滞在邦人に注意喚起 処理水嫌がらせなどで
2023/8/27 23:52
https://www.sankei.com/article/20230827-Q5JR53NJJRNO7N5H2EEHPXHCQA/
外務省は27日、東京電力福島第1原発の処理水放出に関し、中国で抗議や嫌がらせが相次いでいるとして、中国への渡航や滞在を予定する邦人に注意を呼びかけた。
特に留意する点として、
▽外出する際に不用意に日本語で大声で話すのを控える
▽日本の大使館や日本人学校を訪問する場合は、周囲の様子に細心の注意を払う
▽抗議活動に遭遇しても近づかず、その様子をスマートフォンなどで撮影しない
としている。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/299.html#c6

[原発・フッ素54] 「放射性物質は海水で薄めれば無害になる」という幻想を正す  魑魅魍魎男
11. 2023年8月29日 02:15:53 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-77]
<■375行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
【詳細】「知らない人からののしられ」 暴言も 処理水放出後
2023年8月28日 19時44分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230828/k10014176441000.html
福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まった8月24日以降、中国からとみられる迷惑電話が国内の公共施設や観光施設などに相次いでいます。
警察は迷惑電話を受けないようにするサービスに登録するなどの対応を呼び掛けています。
一方、政府は、中国側に国民に冷静な行動を呼び掛けるなど適切な対応を行うよう強く求めていくとしています。
処理水放出後、相次ぐ迷惑電話を巡る国内の動きをまとめました。
迷惑電話がかかってきた時の対処法も記事の最後に掲載しています。
■処理水放出後 迷惑電話が100件以上 暴言も 宮城 白石市
宮城県白石市にある観光施設、「宮城蔵王キツネ村」には、処理水の放出開始後、中国からとみられる迷惑電話が100件以上かかっているということです。
施設によりますと、福島第1原子力発電所にたまる処理水の海への放出が始まった今月24日以降、中国の国番号「86」から始まる国際電話の着信が相次ぎ、電話に出ると一方的に暴言を吐かれることもあったということです。
こうした電話は1分間隔でかかってくる日もあり、今月24日から28日までにかかってきた迷惑電話は少なくとも100件以上に上るということです。
この施設は放し飼いにしたキツネと触れ合えることで人気の観光スポットで、28日も多くの人が訪れていましたが、事務所の電話機には中国からとみられる国際電話がかかり、従業員などが対応に苦慮していました。
施設では着信を受けた記録と共に警察に被害届を出したということです。
「蔵王キツネ村」の佐藤文子村長は
「意味の分からない内容の電話が多すぎて困っています」
「『バカ』や『死ね』など日本語もありますが、多くは中国語でかかってきます」
「相手にしないようにするしか対策のしようがありませんが、このようなことをしても仕方ないのでやめてほしいです」
と話していました。
■「罵られ、本当に疲れた」 山形 南陽市
中国からとみられる迷惑電話は、山形県南陽市にある赤湯温泉の旅館にもかかってきています。
南陽市の赤湯温泉旅館協同組合には13軒の旅館が所属していますがNHKが取材したところ、処理水の放出が始まった今月24日以降、少なくとも6軒の旅館で中国の国番号「86」で始まる番号から迷惑電話がかかってきたことが分かりました。
このうち「湯宿 升形屋」では、こうした迷惑電話が連日、20件から30件ほどかかってきているということです。
いずれも電話に出ると
▽中国語とみられることばで一方的にまくしたてたり、
▽片言の日本語で「バカ」や「コノヤロー」などと暴言を吐いたりしてきたということです。
旅館のおかみの歌丸あき子さんは、
「関係のない人から罵られ、本当に疲れました」
「組合や国などで早く対策を取ってもらいたいです」
と話していました。
■迷惑電話各地で 福島には2000件以上 茨城 原子力科学館にも
中国からとみられる迷惑電話は、福島県内では県や福島市などの自治体に少なくとも合わせて2000件以上かかっていることが分かりました。
中国からとみられる迷惑電話についてNHKが福島県と県内の主な7つの市を取材をしたところ、これまでに
▽福島県がおよそ1000件、
▽福島市がおよそ800件、
▽いわき市と郡山市がそれぞれおよそ150件、
▽相馬市がおよそ50件かかってきていると回答しました。
電話の多くは中国語とみられることばで一方的にまくしたてたり、自動音声の外国語が流れたりするもので、中には海への放出を指してか
「流さないでくれ」
ということばを発したケースもあったということです。
福島市は現場が混乱しないよう急遽、応答する際のマニュアルを作るなどの対応を取っていて福島市管財課の高田豊1 課長は
「市役所なので電話に出ないわけにもいかず、対応に時間を取られ業務に支障が出ている」
「今後も様子を見て対応する」
と話していました。
また、茨城県東海村にある原子力や放射線の仕組みについて展示する「原子力科学館」や、東京・江戸川区の公共施設にも業務と直接関係の無い国際電話の着信が、24日から相次いだということです。
このほか、NHKの取材では
▽青森県や岩手県、静岡県でも迷惑電話が確認されています。
■東京電力にも6000件超の国際電話
東京電力によりますと処理水の海への放出が始まった今月24日から27日までの4日間で、中国の国番号「86」から始まる国際電話の着信は、グループ会社を含めて6000件以上に上っているということです。
電話の詳しい内容については模倣に繋がる恐れがあるとして明らかにしていませんが、無言電話などもあるということです。
東京電力は1件1件対応しているとした上で
「風評の払拭や処理水への理解を得られるよう引き続き海域モニタリングのデータなど科学的な根拠に基づく情報発信に取り組みたい」
としています。
■中国のSNS 日本非難するよう呼び掛ける投稿相次ぐ
福島第1原子力発電所に溜まる処理水を巡る日本の対応を受け、中国のSNSには、日本を非難するよう呼び掛ける投稿が相次いでいます。
SNSウェイボーの投稿の中には
「『核汚染水』を海に流した日本を非難したい人は、この番号に電話してください」
という文言と共に、日本の参議院の電話番号が記載されたものもあります。
また、東京都内の施設に電話をしたとされる動画では、男性が
「なぜ『核汚染水』を海に放出するのか」
などと一方的に中国語で話す様子が映されています。
■外務次官 中国大使呼び出し抗議 “冷静な行動国民に呼びかけを”
外務省によりますと、中国・北京にある日本大使館などにも同様の電話がかかってきている他、青島の日本人学校では敷地に石が投げ込まれたということです。
これを受けて、外務省の岡野事務次官は28日午後、中国の呉江浩駐日大使を外務省に呼び出し、
「状況の改善がみられず、極めて遺憾で憂慮している」
と抗議しました。
その上で、中国政府に対し、
▽冷静な行動を国民に呼び掛けるなど適切な対応を早急に行うことや
▽中国に滞在している日本人や大使館の安全確保に万全を期すこと、
▽人々の不安をいたずらに高めないよう、正確な情報を発信することを強く求めました。
■岸田首相 “遺憾と言わざるを得ない”
岸田総理大臣は28日夜、総理大臣官邸で記者団に対し
「中国に対しては、まずは専門家どうしの科学的な意見交換をしっかり行いたいとあらゆる機会を捉えて要請してきたが、こうした場が持たれないまま、中国発とされる多数の迷惑電話や日本大使館、日本人学校への投石などが行われていることは遺憾なことだと言わざるを得ない」
と述べました。
その上で
「日本政府として邦人の安全確保に万全を期すことは当然だが、中国側に対しては今日も駐日中国大使を招致し、中国国民に冷静で責任ある行動を呼び掛けるべきである旨強く申し入れを行っている」
「アメリカからは日本の安全で透明性が高く科学的根拠に基づいたプロセスに満足しているとの見解が示されており、こうした国際社会の声も合わせて中国政府にしっかり伝えていきたい」
と述べました。
注目
■専門家 “嫌がらせ 中国政府が容認か”
中国からとみられる嫌がらせの電話が相次いでいることについて、中国の政治や社会に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は
「中国ではどういう情報を流すのか、あるいは削除するのか、当局によって情報が統制されている」
「ネットなどに、一斉に一時期に集中して1つのテーマで統一した見解が流れるのは政府が容認しているとみられる」
と話していました。
背景について
「中国の経済が非常に悪く、若者の失業率が高いなど深刻な問題を抱えていて、不満のマグマがあちこちに溜まっているので国民の安全を守るという大義名分の下で、外に目を逸らすガス抜き的な部分もある」
と指摘しました。
その上で
「今は日本を批判する立場だが日本人に被害が及ぶような事態になると、中国側が国際的に批判され、不利な立場になる」
「過激な行動が目立ち始めると抑え込むことになるだろう」
と分析していました。
■警察 “身に覚えない番号や非通知の電話出ないで”
相談が多く寄せられていることを受け、福島県警は26日、注意喚起を行いました。
この中では
▽身に覚えのない電話番号や番号非通知の電話には出ないこと、
▽携帯電話は、国際電話の受信拒否の設定をすることといった対策をとるよう呼び掛けています。
警察は自治体などと連携して、必要な捜査を進めるとしています。
■国際電話 固定電話での拒否方法は
NTT東日本によりますと、固定電話にかかってくる国際電話については特定の国番号の着信だけを拒否することはできず、また不特定の番号について着信を拒否するには、国際電話のサービス自体をやめるしか方法はないということです。
国際電話サービスをやめるには電話会社が共同で運営している「国際電話不取扱受付センター」に連絡し、自宅に届く申込書に記載して送り返すか、インターネットから直接、申し込む方法があります。
これにより国際電話の着信を一括で拒否できますが、自分からかけることもできなくなります。
「国際電話不取扱受付センター」によりますと、ここ数日、中国からとみられる着信を理由に国際電話を休止したいという申し込みが急増していて、休止手続きには時間がかかる可能性があるということです。
国際電話不取扱受付センターの連絡先は
0120ー210ー364です。

北京の日本大使館 レンガ片投げ込まれる 処理水放出開始日に
2023年8月29日 1時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230829/k10014177091000.html
東京電力福島第1原子力発電所に溜まる処理水を薄めて海に放出する措置が始まった今月24日に、中国・北京にある日本大使館の敷地にレンガの破片が投げ込まれ中国人が警察に拘束されました。
大使館の職員や施設に被害はなかったということです。
中国の首都・北京にある日本大使館によりますと、東京電力が福島第1原発に溜まる処理水を基準を下回る濃度に薄めた上で海への放出を始めた今月24日、中国人が大使館の敷地にレンガの破片を投げ込む事件が起きたということです。
この中国人はその場で警察に拘束され、大使館の職員や施設に被害はなかったということです。
中国では山東省青島と江蘇省蘇州にある日本人学校でも石や卵が投げ込まれているのが見つかった他、日本の大使館や総領事館には抗議や嫌がらせの電話が相次いでいます。
こうした状況について、中国外務省の汪文斌報道官は28日の記者会見で、中国側の対応を問われると
「中国は、中国にいる外国人の安全と正当な権利を一貫して法律に則り保障してきた」
と述べた上で
「『核汚染水』の海への放出を直ちに停止するよう日本側に強く求める」
などと従来の主張を繰り返しました。
日本大使館は不測の事態に備え警備の人員を増やすなど態勢の強化を迫られています。

処理水のフェイク情報と新たな風評被害 化粧品の不買運動も
2023年8月28日 18時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230828/k10014176331000.html
処理水の放出をめぐって、いま国や市民を巻き込んだ“情報戦”とも言うべき状況が起きている。
政府やメディアが反発の姿勢を強める中国ではSNS上に過激な投稿が溢れ、それに煽られた市民が日本へ嫌がらせの電話をかける事態にまで発展。
更に、フェイク情報によって日本の化粧品が買い控えられるという新たな風評被害まで。
今何が起きているのか、データから実態に迫る。
(8月28日放送「クローズアップ現代」取材班)
目次
日本へ“電凸”の呼びかけも
中国SNSの実態「不満」と「恐れ」
■日本へ“電凸”の呼びかけも
東京電力福島第1原子力発電所に溜まる処理水の海への放出が始まった8月24日以降、福島県をはじめ全国各地の自治体や飲食店、学校、それに個人の住宅などに中国の国番号から始まる国際電話の着信が相次いでいる。
中には、一方的に暴言を吐いたり、罵るようなことばを使って処理水を巡る対応に抗議するような内容もある。
そうした中国からと見られる電話。
中国のSNS「ウェイボー」では、日本を非難するよう呼びかける投稿が相次いでいる。
投稿の中には
「『核汚染水』を海に流した日本を非難したい人は、この番号に電話してください」
という文言などが記載されたものもある。
東京都内の施設に電話をしたとされる動画では、男性が
「なぜ『核汚染水』を海に放出するのか」
などと一方的に中国語で話す様子が映されていた。
■中国SNSの実態「不満」と「恐れ」
NHKは、サイバー空間のSNS分析などを行っている都内の調査会社と共同で、ALPS処理水の海洋放出の前後で中国国内でのSNS上の投稿の変化などについて分析した。
分析に使ったメインのワードは「核汚染水」「核汚水」「核廃水」の3つ。
対象は中国で広く使われているSNSの「ウェイボー」だ。
放出前の8月18日から放出後の25日までのおよそ1週間のデータを収集した。
顕著な変化が見られたのは、ALPS処理水の海洋放出が始まった8月24日だった。
「日本が核汚染水を海に放出開始」
というハッシュタグが付けられた投稿が、放出開始からわずか3時間で、12億7000万件以上の閲覧と、36万件を超えるコメントが投稿された。
投稿数は、21日には少し減っていたものの、その後は徐々に増え、放出開始の24日は前日の倍以上の335件にのぼった。
投稿をさらに詳しく見ていく。
まず、投稿内容について「肯定的」か「否定的」に語られているかをAIで分類してみると、調査した期間は批判的な内容がほぼ全てを占めていた。
さらに、投稿内容を「怒り、不満、恐れ、喜び、悲しみ」といった5つの感情で分類した。
すると、海洋放出が行われた24日をピークに「不満」と「恐れ」の2つの感情を含んだ投稿が、顕著に表れていることが分かった。
多く見られたのが、SNSなどで日本から発信されたと思われる
「海洋放出に批判的な日本語のコメント」
を引用した投稿だった。
多くは日本語が中国語に翻訳され、中国国内で拡散されていた。
先程のハッシュタグが付けられた、あるアカウントの投稿内では
「東北の太平洋側の魚は数年食べないようにします」
など、日本語のSNSのコメントが引用され、1万2000の反応を集め、広く拡散されていた。
ユーザーから多くの反応を集めた上位20の投稿のうち12が、国営の中国中央テレビや中国共産党の機関紙など政府や党直属のメディアのアカウントだった。
中国などの情報戦を分析している調査会社のアナリストは、こうしたデータから、中国の狙いを「主張の正当性」「外交」「内政」の側面から指摘した。
★テリロジーワークス 陶山航スペシャリスト
「日本発の否定的な言説が図らずも中国に広く利用されてしまっている現状がある」
「中国としては『日本国内でさえ放出に反対している人がいる。そうした中で日本政府は断行した。どうして中国が納得できようか』というロジックに、日本のコメントを引用することで説得力を持たせたい狙いがあると考えられる」
「処理水の放出は、日本に強い態度で臨むための外交カードとして利用されている」
「また、中国は国内に経済や社会問題も抱える中、批判の矛先を日本に向けることで、国内内部の問題に目を向けない狙いがあるとも考えられる」
中国の情報発信については、中国の外交問題に詳しい東京大学の川島真教授も次のように分析している。
★川島真教授
「恐らく中国としては、外交的に取引材料を作るとか、あるいは国際的に日本に対してネガティブなイメージを作る」
「これは明らかに宣伝政策として進められているということです」
「加えて、書き込みの内容を見ても、ほぼ同じ方向の内容になっているので、恐らくは、そういったキャンペーンを張りつつ、同時に、そうした中国共産党の意見に反対するものを消していく、そういうこともやっていると思います」
「外国の問題に対しては、多くの方(市民)は情報を持っていないので、そうなると政府系メディアの影響力が依然強く、そうしたメディアに頼った認識を持つようになりがちであるということはあると思う」
■韓国でも反発広がる
一方、韓国政府は放出に関して賛成・支持の立場ではないとしながらも、放出決定にあたって記者会見で
「科学的・技術的問題はないと判断した」
と述べている。
しかし、韓国の市民の間では処理水放出に関する反発の感情が巻き起こっていることが、SNSのデータからは見て取れる。
韓国語で「汚染水」を含むX(旧ツイッター)の投稿の数を分析ツールで集計すると、2023年5月頃から投稿が増加しはじめ、放出が決まった8月下旬にはさらに増加し、8月1日から26日までにリポスト含めて約70万件投稿されていた。
そのほとんどは処理水放出に反対する内容で、子供たちの健康を不安視する投稿や、反対デモへの参加を呼び掛ける投稿が多くリポストされていた。
更には、処理水の安全性を紹介する岸田総理大臣のフェイスブックの投稿に韓国語で
「汚染水放出をすぐにやめろ」
「歴史に残る犯罪だ」
といった多くのコメントが書き込まれるなど、反対する韓国の市民によるネット上での運動が過熱している。
■相次ぐフェイク情報 韓国・中国からも
中国・韓国で反発や不安が広がる中、SNSやネット上には処理水を巡るフェイク情報も拡散する事態となっている。
6月、韓国のメディアを名乗るアカウントが動画投稿サイトに
「日本がIAEAに政治献金を行った」
などとする動画を投稿。
動画で紹介された外務省のものとされる文書では、処理水に関するレビューを行うIAEAと第三国専門家の意見の相違を解消するために、日本政府がIAEAに対して100万ユーロ以上の政治献金を行ったことなどを窺わせる内容が記載されているとしていた。
しかし、この文書は嘘だった。
動画では、日本原子力研究開発機構の研究員の男性が写真付きで紹介された上で、文書では、この人物があたかもIAEAとの調整を行ったかのように記載されていたが、この人物は、処理水とは全く無関係の担当者だった。
私たちがこの研究員に直接取材したところ
「全く身に覚えがない」
と答え、ネット上の顔写真が無断で悪用されていたことが分かった。
日本の外務省は、
「事実無根だ」
と反論を行った他、韓国政府も
「フェイクニュースである」
と結論付けるなど国際社会を巻き込んだ問題に発展した。
また、中国系とみられるSNSのアカウントが、日本語で拡散している真偽不明な情報やフェイク情報も見つかった。
特に7月から8月にかけて拡散したのはこれらのイラスト。
日本人アカウントの間で拡散している。
中には、核燃料に触れた水が
「そのまま海に放出される」
と、誤解させるような書き込みがされている投稿も見られた。
このイラストを調べていったところ、文字は異なるものの同じ絵柄を使ったものが、数年前に中国語のXアカウントやブログで投稿されているのが確認できた。
数年前のこの絵柄が使い回される形で、中国系のアカウントなどが日本語で投稿したり、日本にある中国大使館のアカウントがリポストするなどして、日本人の間でも広がったとみられる。
更に、全くのフェイク情報も広がる事態に。
「ドイツの研究機関のシミュレーション」
として、処理水が世界に広がっていく様子を示したものだとする画像。
日本語で発信する中国人インフルエンサーが投稿した。
しかし、実際にはアメリカのNOAA(海洋大気局)が東日本大震災の後で津波の広がりを示した画像だった(この投稿は既に削除されている)。
こうした投稿が広がる背景には、中国・韓国だけでなく日本でも放出に反対する声が広がっていることもある。
X上には、処理水の放出に反対するハッシュタグが放出開始前後からトレンド入りするなど関心が高まっていて、関心の高まりに合わせて賛成・反対の双方から様々な情報が飛び交い、その中に真偽が不確かな情報も入り込んでしまっているのが現状だ。
■日本製品の不買運動 新たな“風評被害”
こうしたフェイク情報の広がりは、新たな風評被害を引き起こしている。
標的となっているのが『日本の化粧品』だ。
6月、中国のSNS上で
「放射線の影響を受けている日本の化粧品リスト」
というフェイク情報が拡散した。
中国語で
「特に妊婦さんや授乳中の方々は安全性を常に最優先に考えて製品を選択してください」
などと不安を煽っている。
これにより、中国国内では日本ブランドに対する強い不信感が広がった。
このフェイク情報が拡散した6月初旬から中旬にかけては、中国で国内最大のECセールが開催されていた時期と重なる。
都内のマーケティング会社が、日本製品のECサイトでの販売動向を分析した結果、日本の化粧品の取引額が例年に比べ、大きく減少していた。
会社の分析によると、中国でも人気が高い日本の化粧品トップブランド5社の、6月5日から2週間の取引額は、前の年の同じ時期と比較して、複数のサイトで合わせて2億元、日本円にしておよそ40億円も落ち込んでいたことがわかった。
その後の詳しい調査で、サイトのカスタマーサポート宛てに
「原産地はどこか」、
「本当に安全なのか」
など利用客からの問い合わせが増え、返品率が上昇したことが明らかに。
更に、多くの中国人インフルエンサーが、炎上リスクを避けようと、日本企業から依頼されていた商品PRを拒否するなど、販売促進活動が頓挫したことも売り上げの減少に影響したとしている。
★マーケティング会社の担当者
「中国国内では消費を減退させるようなニュースが非常に増えていて、情報が真実かどうか意識されないまま、社会的な不安が広がっている」
「中長期的に中国でビジネス活動をするのであれば、コストはかかるものの、商品全量の放射線検査をして、安心感を証明し、中国の消費者に届けていくということをやらなければ、デマで広がった不安感を覆すのは難しいと思います」
処理水の海洋放出以降、中国の消費者の不信感は更に高まっている。
海洋放出が始まった24日には「ウェイボー」で一時「日本化粧品」が検索ワードのトップになった他、中国の国営通信社が実施した
「今後も日本の化粧品を買うか」
というネットアンケートでは、回答したおよそ1万8000人の99%以上が
「買わない」
と回答している。
こうした動きに対し、日本の複数の化粧品メーカーは、中国国内向けのサイト上などで
「中国で販売されている商品は様々な基準を満たしていて安全性に問題ない」
などと説明している。
その中の1つ化粧品大手・資生堂のグループ会社がNHKの取材に対し、
「全世界のお客さまに安全で高品質な商品を提供するため、極めて厳格な法規や指針に従って製品を製造しています」
「今後も、動向を見極めながら、適宜適切な対応を取って参ります」
と答えた。
■“情報戦”対策強める外務省
国や市民を巻き込んだ“情報戦”とも言えるこの状況の中、外務省は科学的根拠や事実に基づかないフェイク情報への対策を強めている。
フェイク情報について、AI=人工知能を使って情報収集を行い、事実に基づかない情報を見つけた場合には削除を求め、反論するとしている。
6月に韓国のメディアを名乗るアカウントが発信した
「日本がIAEAに政治献金を行った」
などとする動画に対しては、外務省はすぐさま
「事実無根であり、日本政府としてこのような無責任な偽情報流布に対し、強く反対する」
としてその内容を否定。
更に、8月に公開された外務省の公電とされる文書に対しても、外務省は
「全くの偽物」
ときっぱりと否定した上で、
「手段を選ばない悪意のある偽情報の拡散は、自由や民主主義に対する脅威である他、復興に向け努力する人々の感情を大きく傷付けるものであり、断固として反対する」
などとする声明を発表し、強く非難している。
外務省軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室はNHKの取材に対し、
「文書の偽造などあたかも真実かのように見せかけた特に悪質な偽情報だ」
「誤った情報やデマは速やかに正していくことが風評の払拭に繋がる」
と話している。
また諸外国の理解を求めていくために、SNSを活用して英・中・韓・スペイン語など10か国語で情報発信している他、現地の大使館は、誤った情報や偽情報の1つ1つを訂正するQ&AをHPに掲載するなどして風評の払拭に努めている。
■安全性の発信どうすれば
国の有識者会議の委員を務めた福島大学の小山良太教授は、各国に対して、日本政府が安全性の発信を継続していくことが大事だと話した。
★福島大学 小山良太教授
「中国との国際関係で言うと、何を言っても無駄だという人もいるが、そこできっちり回答した、誠実に回答したという事実は後々に効いてくる」
「関係は必ず変わるので、今やれることをやっておくことで次に繋がる」
「国際世論も味方に付けていく必要はあるので、日本が誠実に1つずつ回答している姿を見せるのは重要だ」
一方で、各国の理解を得ていくには、各国の科学者どうしの交流など、科学的な発信だけではない取り組みも必要だとしている。
「如何に理解してもらえる仲間を増やすか、理解者を増やすか、結局ここに尽きると思うし、今からでも遅くはない」
「政府どうしの関係だけに頼っていると理解を進めるのはなかなか難しい」
「政治的な対立が影響を及ぼしてしまうのは分かっているので、そこを1つずつ解きほぐていくしかないのではないか」
■情報に冷静に向き合う
処理水放出が開始された後も、日本や中国、韓国のSNSでのその是非をめぐる議論はとどまる気配をみせていない。
もちろん、建設的な議論は続けていかなくてはならない。
しかし、とりわけSNSでは、議論が過熱し、フェイク情報だけでなく、一方的なレッテル貼りや誹謗中傷と感じる投稿も広がっている。
そして、ネット上のそうした情報の拡散や混乱が、世論を動かし、結果的に不買運動などにも発展している。
ネット上の分断が、社会や国家間の分断をこれ以上広げないように、何よりまず、1人1人が情報に冷静に向き合うこと、そして立場を異にする人と相互理解を進める丁寧なコミュニケーションを心掛けていくことを、改めて肝に銘じたい。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/300.html#c11

[政治・選挙・NHK291] 中国懸念の論拠報じぬNHK(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
28. 2023年8月29日 10:52:12 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-76]
<■75行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
処理水で反日活動 中国政府に「責任」がある
2023/8/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20230829-OFA6TQDECVMB7PHV4Y7Q6M35LA/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まってから、中国人による反日活動が頻発している。
在中国の複数の日本人学校へ石や卵が投げ込まれた。
福島県をはじめとする国内の飲食店、公的施設などへ中国発信の抗議や嫌がらせの電話が相次いだ。
中国のSNSでは日本へ迷惑電話をかける動画や日本製品不買呼びかけの投稿が目立っている。
処理水は科学的根拠に基づき安全な方法で放出されている。
抗議される謂れは少しもない。
中国発の卑劣な嫌がらせは直ちに中止されるべきだ。
外務省の岡野正敬事務次官は2023年8月28日、中国の呉江浩駐日大使を呼び、抗議した。
岸田文雄首相は2023年8月28日、中国発の相次ぐ嫌がらせについて
「遺憾なことであると言わざるを得ない」
と述べた。
日本の水産事業者への支援策を週内に公表すると明らかにした。
首相は非科学的な中国政府などの振る舞いをもっと明確に批判すべきだ。
禁輸への対抗措置の検討も必要である。
外務省は、中国へ渡航する邦人に注意を呼び掛けている。
中国では平成24(2012)年、尖閣諸島(沖縄県)を巡って反日活動が荒れ狂った。
日系の工場が暴徒に放火され、日系スーパーは略奪された。
日本大使館を囲んだ反日デモ隊は日の丸を燃やし、投石した。
今後、反日活動が激しさを増すことへの警戒が必要だ。
在留邦人や旅行客は細心の注意を払ってほしい。
渡航中止や帰国も選択肢ではないか。
今回の事態に最も責任を負うべきは、反省の色を見せない中国政府だ。
科学を無視して処理水放出に反対する中国政府は処理水中のトリチウムに関する正確な情報が自国内で広がることを妨げ、不安を煽ってきた。
中国のSNSで中国の原発の方が福島第1よりも遥かに多くのトリチウムを放出しているとの正しい情報が投稿されても削除している。
誤った情報しか自国民に与えず、SNS上の反日的投稿を放置している。
中国政府は反日活動、反日感情を生んだ張本人も同然と言える。
中国経済の変調から生じた自国民の不満を日本に向けたり、歴史問題と同様の反日カードにしたい思惑が中国政府にはあるのだろう。
だが、中国への共感は世界で広がっていないことを受け入れるべきである。

中国SNS “処理水の海洋放出は問題ない”とする投稿を削除か
2023年8月25日 19時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230825/k10014174301000.html
福島第1原発に溜まる処理水が海へ放出されたことについて、中国のSNSでは
「科学的に問題ない」
などと投稿されたコメントが削除され、中国政府が神経を尖らせているとみられます。
削除されたのは、中国の原子力専門家を名乗るアカウントから2023年8月24日に投稿されたコメントです。
コメントでは
「中国国内の原子力発電所で、中国当局が定めるトリチウムを放出する上限は福島第1原発の8倍であり、心配するに値しない」
などと説明し、処理水の海洋放出は問題ないと結論付けています。
しかし、このコメントは既に削除され、投稿したアカウントも閉鎖されたとみられ検索しても見つからない状態になっています。
ただ、SNS上には投稿内容を保存した写真が拡散していて、
「内容が間違っているならば反論すれば良いのに何故アカウントまで閉鎖するのか」
とか
「国民の素質が向上するのを待つしかない」
などと削除を疑問視するコメントも書き込まれています。
アカウントが閉鎖された理由について、運営会社は
「SNS上の規定に違反した」
としていますが、中国政府が国内の世論に神経を尖らせているとみられます。

中国、SNSでの反日投稿を容認 不安が覆う邦人社会
2023年8月27日 20時44分(共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/273042
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、中国の交流サイト(SNS)では反日的な投稿が増えている。
中国では指導部を批判する書き込みはすぐ削除されるが、日本への攻撃的投稿は放置される。
海洋放出に反発する中国当局が容認しているのは明らかで、邦人社会を不安が覆っている。
「日本は世界の悪性腫瘍」
「日本人は死ぬべきだ」。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には日本を敵視する書き込みが相次ぐ。
日本の電話番号を複数書き込んだ画像が投稿され
「日本の番号を見つけて誰であろうと電話し、断固抗議しよう」
と呼び掛ける人もいる。
日本で相次ぐ迷惑電話はこうした投稿がきっかけとみられる。
日本の参議院に重慶市の男性が電話し
「なぜ核汚染水を海に排出したのか」
と質す様子を写した動画には、8万件以上の賛意が寄せられた。
「登下校中に子供が嫌がらせを受けないだろうか」。
中国で日本人学校が投石などの標的になったことで、日本人学校に子供が通う保護者らは動揺。
夏休み明けの新学期を9月初旬に控え、緊張が高まっている。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/586.html#c28

[政治・選挙・NHK291] <X子の父親は元公安刑事>木原事件 自民党筋が吹聴する「文春劇場は終わった」(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
42. 2023年8月30日 00:59:50 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-75]
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木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

【全文】佐藤誠元警部補の記者会見内容|安田種雄事件再捜査はなしか
政治
2023.07.30
https://www.shikoku-taikonohana.com/2023/07/30/satoumakoto-kaikenzenbun/
木原誠二氏の妻、郁子さんの元夫、安田種雄氏が変死した事件。
これを捜査していた佐藤誠元警部補が記者会見を開きました。
その全文をまとめていきます。
目次
【全文】佐藤誠元警部補の記者会見内容
質疑応答:X子には前科があったのか
質疑応答:捜査チームが当たった人に被疑者はいたのか
質疑応答:YとXが安田種雄といた話
質疑応答:どうすれば再捜査が始まる?
質疑応答:木原誠二の妻でなければ操作は変わったか
質疑応答:重要参考人は叙勲者、警察官どれが捜査難しい?
質疑応答:事件だという証拠は
質疑応答:物証はあったのか
質疑応答:佐藤誠の行為は法律違反では
質疑応答:X子も覚せい剤をしていた?
質疑応答:X子はどんな人
質疑応答:政治家に対して意見は
質疑応答:操作が打ち切りになった経緯や理由は
質疑応答:女性捜査官とはつながりは?
質疑応答:安田種雄の傷口は
質疑応答:Zが怪しいのはなぜ?
質疑応答:文春では最後にZがでるが佐藤誠さんはもっと前から知ってたのでは?
質疑応答:携帯電話が1台消えた
質疑応答:安田種雄の遺族と会ったのか
質疑応答:捜査本部全体の見立てはX子か
佐藤誠の記者会見後の木原誠二の動き
佐藤誠元警部補の会見への世間の声
【全文】佐藤誠元警部補の記者会見内容|再捜査はなしか。まとめ
【全文】佐藤誠元警部補の記者会見内容
※登場人物について
X子さんは名前が隠されていますが、木原誠二氏の現在の妻、木原郁子さんです。
Y氏は当時の不倫相手、渥美豪氏。
Z氏は不明ですが、ボクサーをしていたことから関係性を見て木原郁子さんの父、舩元賢二氏ではないかと思われています。
佐藤誠さん1959年5月10日生まれ。
木原誠二氏の妻である郁子の捜査を担当しています。
まずは経緯を説明します。
YouTubeで佐藤あきらさんの配信をみて、驚いて、警察の指示がないと書けない内容だったため。
あまりにもめくりすぎていた、本当に現職の警察が言ったのか驚いた。
YouTubeが好きで見ていくうちにかかわったら大変だと感じた。
当時住んでいた家の隣の人から、文春がきてたよ!と言われてそこから名刺に電話したのが始まり。
どっからこの記事が流れたのか知りたかった。
文春から佐藤誠氏自身に、2、3回電話がきて堪忍してくれたといった。
警察庁長官の会見で、事件性がないといわれてカチンときた。
被害者に対して火に油を注いでると感じた。
現場の警察より被害者がかわいそうだっため、取材に応じた。
正義感とかではなく、その時頭にきてもういいよ、受けるよ、といった。
それがきっかけで会見が行われ、もう中途半端にはできないと。
事件性がないというのは、調べ官だったので情報や証拠が全部、私の方に集中する。
自殺の証拠は一切なく、事件だ。
怖さは特になかった。
警察退職したら何でも話していいのか、そんな警察官がいたら怖いと思う人もいると思う。
でもここの会見でいうしかない、と思ってしまった。
安田種雄さんと俺の前で自殺の証拠をもってきてくれたら済む話。
大塚警察署はミスっちゃったのかなという感じ。
こういった経緯。

質疑応答:X子には前科があったのか
若い頃の友達がやったという話があって、調べ室で聞いた。
シンナーをやっていたといわれているが、前科はないと思われる。
佐藤誠氏は、DNA、ポリグラフ検査をしたとのことです。
質疑応答:捜査チームが当たった人に被疑者はいたのか
佐藤さん個人の意見では、
調べ官は見立てするわけですが、週刊誌にもあるように、安田種雄の殺害(のどから一突き)あれはどうやったって女ではできない。
ナイフを使うと必ず手に傷が入る。
その手の傷がX子さんにはなかった。
最初佐藤誠さんはX子さんが、この人怪しいなと思っていたが少しずつ変わっていった、またY氏は時間的に無理。
Z氏についてはわからない。
操作に関しては終わり方が異常だった。
100件以上捜査してきましたが、こんな終わり方はなかった。
捜査を始める、そして捜査を終える、と被害者の家族に伝えていくのが普通、それが5年放置されて突如終わった、しかも安田種雄の死に、露木警視庁長官は事件性はないというので怒りが出た。
質疑応答:YとXが安田種雄といた話
Y氏は安田種雄の死亡現場にいて、安田種雄の父が家に来た時カーテンの裏に隠れていた。
生きてる時にY氏はX子に呼ばれていると、X子はコメント。
しかし実際はX子はY氏を死んだ後に呼んでる。
X子は、Y氏を呼んだってことを認めてしまったので、そのあとの流れの話は嘘。
嘘をつかざるを得なくなった。
また、指紋がついちゃったかもしれない。というX子の発言もありますが、自分の家のモノに指紋が付いていてもおかしいことはない。
これは、X子はついた指紋をふき取ってくれとY氏に言っているはず。
Z氏は任意同行を拒否していることについて→それについてはわからない。
また、今後の捜査をしないとZ氏はわからない。

質疑応答:どうすれば再捜査が始まる?
佐藤誠さん個人的には、
警察庁長官が事件性がない、と言っているので難しそう。
一番大事なのは、被害者。
起訴できるかもわからない、自殺かもしれない、被害者の方に結果を伝えないといけない。
一生懸命やったけど証拠が見つからない、操作をしたけど自殺でしたと、結果を言わないといけない。
それが今回の安田種雄の一件では何も言われていなかった。
だから5年も開いて報告され、安田種雄氏の父は怒っている。
しかも自殺に関する証拠もない。
なぜ証拠がないのに、警察庁長官は事件性がないといったのか。
事件性が高いというのは、俺(佐藤誠さん)が一番証拠を知っている。

質疑応答:木原誠二の妻でなければ操作は変わったか
ドラレコには、刑事にしゃべるな、俺が手を回しておいたから安心しろ。
という木原誠二氏の木原郁子氏への言葉はよくないのでは?
臨時国会が始まると、小さい子供は面倒見れないので、任意同行だった。
1回目は断られて、もう任意同行は来ないと思った。もちろんこれはあり。
スムーズにいったのは、当時の幹事長二階氏が、ちゃんと警察には答えないといけない、と木原誠二氏は言われたため、翌日からは楽に操作ができた。
この件に関して二階さんには感謝してる。
妻の罪を夫が隠す、というのは違反行為にならない。
タクシーの中のドラレコも、励ましてるだけともとれる。
これはハッタリともとれる、ため。
タクシーの中でY氏の名前が出て驚いた。X子が木原誠二氏にY氏の話を共有していることに驚き。
木原誠二氏がいたことでやりづらさはあった。

質疑応答:重要参考人は叙勲者、警察官どれが捜査難しい?
個人的には、全員ハードルが上がる。
一般人よりやはり難しかったといえる。
とはいえ、いつも通りしっかり捜査をしていた。
上の人間は少し気にしていたと思います。

質疑応答:事件だという証拠は
当時の写真が、事件の証拠。
だが、証拠は少し乏しい。
当時の関係者の、供述調書くらいしかない。
事件関係者全員が覚せい剤中毒者だったため警察も本腰を入れていなかった模様。
ただ、安田種雄の事件は、自殺と認めるものがなかった。これが事件だと思われる強い証拠になる。
本当に豚の肉を買ってきて、どれくらいナイフがささるか、血が流れるか、なども実験している。
その結果、事件当時のようにはならないことからもわかる。
東大の先生にも聞いて判断した。

質疑応答:物証はあったのか
安田種雄の事件には捜査時間が足りず、事件だとする物証は見つけられなかった。
その中でX子に取り調べを10回ほどした。
Y氏の収監されている宮崎にも何度も飛んだ。
Y氏の供述が一番です。
捜査が始まった以上、白黒をつけないといけないが、そこまで行けず中断させられた。

質疑応答:佐藤誠の行為は法律違反では
もうここまで来たら引けない。
たしかに法律に触れることは予想できた。
辞めた警察官がペラペラしゃべったら怖いと思う人もいるだろうが、これは突っ込むしかない。

質疑応答:X子も覚せい剤をしていた?
安田種雄氏は、覚せい剤使用のブラックリストで、X子も調べられたようだが、こちらでは使用は確認できなかった。
100回分くらい覚せい剤使用しなければ、死にはいたらない。

質疑応答:X子はどんな人
反応が素直で、受け答えが素直だった。
かまをかけたら引っかかったり、机をたたくとびくっとしていた。
当時のバッグも高価だったかもしれない、毎回違う服で調べ室に来ていた。
髪の毛もセットしてきた。

質疑応答:政治家に対して意見は
個人的には、もう少し証拠などをもってきてもいいのではと思う。
だが、そんなことを言える立場ではないし、あまり政治はわからない。
質疑応答:操作が打ち切りになった経緯や理由は
先ほども言いましたが、終わり方が異常。
時効はない、自殺か捕まえるしかない。
灰色だったら終わらない、被害者にも終わる理由や説明がない。
取り調べしていた木原誠二氏など、国会が始まるため、操作が終了となった。
自然消滅したような操作の終わり方。
被害者に対する締めがない。

質疑応答:女性捜査官とはつながりは?
2018年に安田種雄の捜査を担当していた女性捜査官。
彼女と佐藤誠氏はしょっちゅうあうってことはない。
飲み会では、こういった話になると思いますが、佐藤さんには特に話は来ないとのこと。
Y氏は逮捕したらやっぱり喋らない。
刑務所に入っている状態でY氏に聞いた方がスムーズに進められた。

質疑応答:安田種雄の傷口は
安田種雄氏の父は、傷口は喉にあったといっていて、
一突きだったとのこと。
情報調整局長になった木原誠二氏。
役職は関係ないので取り調べにはそこまで影響はなかった。

質疑応答:Zが怪しいのはなぜ?
これについては勘。
個人的にZ氏が怪しいといっていた。
全部の証拠を見たうえで、佐藤さんはZは怪しいと見立てた。
決定的に、安田種雄を殺害した物証があって、というわけでもない。消去法でそうなった。

質疑応答:文春では最後にZがでるが佐藤誠さんはもっと前から知ってたのでは?
消去法でいくと、X子でもないし、となった。
あくまでも推理で見立てでZ氏。
10月の10日からの捜査で1か月もなかったが
2、3日目からZ氏が怪しいのではないかと佐藤さんは思っていた。
この件と佐藤さんの退職は関係ない。
おふくろがなくなったので家を売って、これからは市役所でちょこっと仕事をさせてもらえればと考えてる。

質疑応答:携帯電話が1台消えた
メール分析は分析班がやっており、推測できる部分は多かったが、
犯人だと断定できるやりとりは不明だった。
携帯がなくなったのだが、その記憶はないと。

質疑応答:安田種雄の遺族と会ったのか
佐藤誠さんは安田種雄氏の遺族は会ったことはない。
それは担当がいる。
安田種雄氏の父の会見をみたが、とてもかわいそうだった。
やはり大切なのは遺族。
警察には感謝しているといってくれた安田種雄氏の父には感謝している。
なぜもっと遺族を逆なでするような対応をするのか腹立たしい。

質疑応答:捜査本部全体の見立てはX子か
X子だと見立てていました。
佐藤さんはZだと思っていたが、サツイチはX子だと思っていたはず。

■佐藤誠の記者会見後の木原誠二の動き
佐藤誠氏の記者会見後、木原誠二氏が動いています。
妻の代理人ですがやはり木原誠二氏の指示だと考えられます。
木原誠二官房副長官の妻の代理人は28日、週刊文春の報道を巡り、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てをしたと明らかにした。「深刻な人権侵害、恣意(しい)的な社会的制裁が生じている」としている。
人権救済の申し立てを申請しています。
確かに記者会見では木原誠二氏の妻の名前が出ていますし、これは当然といえます。
また、警視庁では、
警視庁の国府田剛捜査1課長は「証拠上事件性は認められない」とのコメントを発表。元捜査員が会見で、関係者のプライバシーや捜査の具体的内容などを明らかにしたとして、「誠に遺憾。捜査への信頼に関わる」とした。
これは佐藤誠氏も覚悟していたようですが、
辞めた警察官が捜査についてしゃべるのは、公務員法にも触れるため、今後対応が必要になってきそうです。

■佐藤誠元警部補の会見への世間の声
やはり物証や核心的なところに触れられなかったこと、ここに満足いってない声が多く上がっていますね。
とはいえ、勇気ある会見に佐藤さんへの称賛の声も上がっていました。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/341.html#c42

[政治・選挙・NHK291] 処理水放出 説明不足どころか嘘ばかり 何も書かない大メディアも酷いものだ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
40. 2023年8月30日 13:44:27 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-74]
<■374行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
松野官房長官、中国WTO提訴「さまざまな選択肢念頭」
2023/8/30 13:17
https://www.sankei.com/article/20230830-2TUNXDZSWNPWJHFIDWJA5H6SWQ/
松野博一官房長官は30日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた中国側の水産物輸入禁止措置を世界貿易機関(WTO)に提訴する可能性について
「様々な選択肢を念頭に、WTOの枠組みの下で必要な対応を行う」
と述べた。
輸入禁止措置に関し
「(中国側が)科学的な根拠に基づかない措置を導入したことは全く受け入れることができない」
と強調した。
中国外務省の汪文斌報道官が29日の記者会見で、海洋放出開始後に在中国日本大使館にレンガ片が投げ込まれたことに対し
「日本が一方的に海洋放出を始めたことに根本原因がある」
と述べたことについては
「発言の1つ1つにコメントすることは控えたい」
とした上で
「日本の関連施設などに同様の事案が発生していることは極めて遺憾であり、憂慮している」
と語った。

NTT、着信拒否方法を周知 中国からの迷惑電話対策
2023/8/29 18:54
https://www.sankei.com/article/20230829-D4POI3MT2JM67MUE3O73ENNUCY/
福島第1原発の処理水放出を巡り、中国から嫌がらせの電話が国内へ相次いでいる問題で、NTT東日本は29日、電話相談窓口を開設し、ホームページ上で対策方法の周知も始めた。
警察庁によると、中国からとみられる迷惑電話に関する警察への相談は28日正午までに、31都府県警で計225件に上った。
福島県警への相談が最多で、相談者は自治体や学校、飲食店や民間事業者など。
警察庁は、通信事業者のサービスを使って着信を拒否する、といった対策を呼び掛けている。
何百回も迷惑電話がかかってきたケースでも相談件数としては1件と計上されるなど、実際の回数は不明だ。
警察庁は、処理水が放出された24日以降、苦情や嫌がらせといった内容や、発信元の番号から関連が疑われる相談件数を集計した。
松本剛明総務相は29日の閣議後記者会見で
「(迷惑電話が)発生していることは極めて遺憾で、大変憂慮している」
と述べ、迷惑電話の受信を拒否できるサービスを顧客に円滑に案内できるよう、NTT東日本・西日本と事業者団体に要請したと説明した。
NTT東は要請を受け同日、電話相談窓口「迷惑電話対策センタ」(0120・325・263、平日・土日祝日の午前9時〜午後5時)を開設。
ホームページ上に
「外国からの発信と思われる迷惑電話の対応について」
を追加した。

処理水巡り都庁にも迷惑電話100件超 「ひどい国だ、死ね」
2023/8/29 13:13
https://www.sankei.com/article/20230829-7YPOOK54NVJBJOP6XIAHCQIBQI/
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、東京都庁にもこれまでに100件超の嫌がらせ電話がかかっていることが29日、分かった。
ほとんどが中国の国番号「86」で始まる電話番号からの着信という。
都によると、処理水の放出が始まった24日以降、食品の安全や感染症などを担当する保健医療局にかかっている。
25日は昼休みを中心に100件弱あり、自動音声で
「日本は汚染水を流している。酷い国だ。死ね」
などと繰り返す内容だった。
自動音声の後に男性が中国語と思われる外国語でまくし立て、最後に日本語で
「バカヤロウ」
と言って切ることもあった。
26、27日の土日は職員が電話に出ないため、迷惑電話の件数は不明だが、28日は4件、29日も午前中までに数件の電話がかかっている。
固定電話では、特定の国からの着信を全て拒否することはできないという。
ただ、中国からの国際電話には番号の頭に国番号「86」が付くため判別できる。
固定電話の場合は、相手の番号を表示するサービス「ナンバー・ディスプレイ」に加入し、身に覚えのない海外からの着信に出ないといった対応を示した。
一方、携帯電話では、大手各社が提供するサービスなどを利用し、特定番号や非通知への着信拒否ができる。
NTT東は
「窓口への相談や機器の設定変更などを柔軟に検討してほしい」
と呼び掛けている。

主張
処理水で反日活動 中国政府に「責任」がある
2023/8/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20230829-OFA6TQDECVMB7PHV4Y7Q6M35LA/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まってから、中国人による反日活動が頻発している。
在中国の複数の日本人学校へ石や卵が投げ込まれた。
福島県をはじめとする国内の飲食店、公的施設などへ中国発信の抗議や嫌がらせの電話が相次いだ。
中国のSNSでは日本へ迷惑電話をかける動画や日本製品不買呼びかけの投稿が目立っている。
処理水は科学的根拠に基づき安全な方法で放出されている。
抗議される謂れは少しもない。
中国発の卑劣な嫌がらせは直ちに中止されるべきだ。
外務省の岡野正敬事務次官は2023年8月28日、中国の呉江浩駐日大使を呼び、抗議した。
岸田文雄首相は2023年8月28日、中国発の相次ぐ嫌がらせについて
「遺憾なことであると言わざるを得ない」
と述べた。
日本の水産事業者への支援策を週内に公表すると明らかにした。
首相は非科学的な中国政府などの振る舞いをもっと明確に批判すべきだ。
禁輸への対抗措置の検討も必要である。
外務省は、中国へ渡航する邦人に注意を呼び掛けている。
中国では平成24(2012)年、尖閣諸島(沖縄県)を巡って反日活動が荒れ狂った。
日系の工場が暴徒に放火され、日系スーパーは略奪された。
日本大使館を囲んだ反日デモ隊は日の丸を燃やし、投石した。
今後、反日活動が激しさを増すことへの警戒が必要だ。
在留邦人や旅行客は細心の注意を払ってほしい。
渡航中止や帰国も選択肢ではないか。
今回の事態に最も責任を負うべきは、反省の色を見せない中国政府だ。
科学を無視して処理水放出に反対する中国政府は処理水中のトリチウムに関する正確な情報が自国内で広がることを妨げ、不安を煽ってきた。
中国のSNSで中国の原発の方が福島第1よりも遥かに多くのトリチウムを放出しているとの正しい情報が投稿されても削除している。
誤った情報しか自国民に与えず、SNS上の反日的投稿を放置している。
中国政府は反日活動、反日感情を生んだ張本人も同然と言える。
中国経済の変調から生じた自国民の不満を日本に向けたり、歴史問題と同様の反日カードにしたい思惑が中国政府にはあるのだろう。
だが、中国への共感は世界で広がっていないことを受け入れるべきである。

中国SNS “処理水の海洋放出は問題ない”とする投稿を削除か
2023年8月25日 19時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230825/k10014174301000.html
福島第1原発に溜まる処理水が海へ放出されたことについて、中国のSNSでは
「科学的に問題ない」
などと投稿されたコメントが削除され、中国政府が神経を尖らせているとみられます。
削除されたのは、中国の原子力専門家を名乗るアカウントから2023年8月24日に投稿されたコメントです。
コメントでは
「中国国内の原子力発電所で、中国当局が定めるトリチウムを放出する上限は福島第1原発の8倍であり、心配するに値しない」
などと説明し、処理水の海洋放出は問題ないと結論付けています。
しかし、このコメントは既に削除され、投稿したアカウントも閉鎖されたとみられ検索しても見つからない状態になっています。
ただ、SNS上には投稿内容を保存した写真が拡散していて、
「内容が間違っているならば反論すれば良いのに何故アカウントまで閉鎖するのか」
とか
「国民の素質が向上するのを待つしかない」
などと削除を疑問視するコメントも書き込まれています。
アカウントが閉鎖された理由について、運営会社は
「SNS上の規定に違反した」
としていますが、中国政府が国内の世論に神経を尖らせているとみられます。

中国、SNSでの反日投稿を容認 不安が覆う邦人社会
2023年8月27日 20時44分(共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/273042
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、中国の交流サイト(SNS)では反日的な投稿が増えている。
中国では指導部を批判する書き込みはすぐ削除されるが、日本への攻撃的投稿は放置される。
海洋放出に反発する中国当局が容認しているのは明らかで、邦人社会を不安が覆っている。
「日本は世界の悪性腫瘍」
「日本人は死ぬべきだ」。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には日本を敵視する書き込みが相次ぐ。
日本の電話番号を複数書き込んだ画像が投稿され
「日本の番号を見つけて誰であろうと電話し、断固抗議しよう」
と呼び掛ける人もいる。
日本で相次ぐ迷惑電話はこうした投稿がきっかけとみられる。
日本の参議院に重慶市の男性が電話し
「なぜ核汚染水を海に排出したのか」
と質す様子を写した動画には、8万件以上の賛意が寄せられた。
「登下校中に子供が嫌がらせを受けないだろうか」。
中国で日本人学校が投石などの標的になったことで、日本人学校に子供が通う保護者らは動揺。
夏休み明けの新学期を9月初旬に控え、緊張が高まっている。

海水、魚も「検出下限値未満」 処理水放出
2023/8/28 19:27
https://www.sankei.com/article/20230828-QAU5XC6PDFICHCZWMSPOXTQY2A/
東京電力は28日、処理水を放出中の福島第1原発の周辺3km以内で27日に採取した海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は全10カ所で機器の検出下限値未満だったと発表した。
毎日海水を採取しているが28日は海が荒れて船が出せず、沿岸2カ所でのみ採取した。
水産庁も28日、放出口から約4〜5kmで27日に水揚げしたヒラメ2検体のトリチウム濃度が検出下限値未満だったと発表した。

処理水放出ルポ 放射性濃度測定は3段階、「放出は計画通り」と東電
2023/8/27 19:25
https://www.sankei.com/article/20230827-CEFE63PILJLKBH2RAKMRFY5GAM/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出は、27日で放出開始から4日目を迎えた。
海水で薄めた後の総放出量は約1500トンに上り、東電は
「計画通りに進んでいる」
と強調した。
安全性や風評への懸念が尽きない中で始まった海洋放出。
現場に入り、設備の運転状況などを取材した。
「ゴー」
という大きな音と共に勢いよく大量の水が流れ出す音が聞こえた。
「放水立て坑」
と呼ばれる大型水槽に溜めた処理水が、立て坑内の堰を越えると海への放出が始まる。
立て坑の上部は、核物質防護上の観点からコンクリートで覆われ、処理水が流れる様子は見られなかったが、この真下で放水が行われている状況は理解できた。
立て坑は、全長約1kmの海底トンネルに通じる。
放出された処理水が再び取水されないよう、水深12メートルにある放出口から流れ出る。
東電は立て坑で一時的に溜めた処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を毎日測定。
計画の排水基準(1リットル当たり1500ベクレル未満)を下回る運用目標値を設定し、基準を下回ったことを確認した上で放出を開始する。
東電の計画では、放射性物質の測定は放出前に3段階で行う。
最初に、原発敷地内のタンクで保管している処理水は多核種除去設備(ALPS=アルプス)でトリチウム以外の物質を除去するが、十分に取り除けなかった場合は、基準値を下回るまで浄化処理を何度も繰り返す。
その上で、海水で希釈する前には、セシウム137やウラン234など計69核種の放射性物質濃度が基準以下になっているかを確認。
立て坑に溜めた処理水の検査は、放出直前に行う最後の濃度測定となる。
一方、放出設備の操作は、原発近くの免震重要棟で遠隔操作によって行う。
1班9人の体制で運転員が24時間監視し、移送した処理水の水位や希釈後のトリチウム濃度の変化などを4つのモニターで常時確認している。
24日から始まった海洋放出は今も続く。
東電の担当者は
「放出は手順通りに行われ、今のところ設備や運用面でのトラブルは起こっていない」
と説明した。
海への放出後は、沖合3km以内の10地点で採取した海水に含まれるトリチウム濃度を調べ、1リットル当たり700ベクレルを超えた場合、
「異常あり」
と判断し、放水を緊急停止する。
これまでに採取した海水からは、いずれも分析機器で検出できる限界値を下回った。
東電以外にも国や福島県も独自に濃度を測定し、結果はウェブサイトで公開。
東電の担当者は
「計画通りに放出が進んでいるとはいえ、今後もミスなく着実に実施していきたい」
としている。

処理水放出の運転状況を報道陣に公開、東電
2023/8/27 18:00
https://www.sankei.com/article/20230827-X77LZ2SKUVINNKANTU4T7E2T5Q/
東京電力は27日、福島第1原発処理水の海洋放出開始後初めて、設備の運転状況などを報道関係者に公開した。
24日に始まった放出作業は4日連続で行われ、これまでに設備などのトラブルはなく、周辺海域の放射性物質濃度に異常も見つかっていない。
一方、環境省は27日、25日朝に採取した原発から約40km以内の11地点の海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度が全ての地点で検出できる下限値を下回ったと発表。
原発から約5km以内の9カ所で海水を分析した福島県も、検出下限値より低かったことを明らかにした。
東電は原発内に溜まり続ける処理水について、トリチウム濃度が国の排水基準の40分の1未満になるまで海水で薄めた後、海に放出している。
東電が報道陣に公開したのは、処理水を海水で希釈した後のトリチウム濃度を調べる
「サンプリングラック」
と呼ばれる採水設備や、遠隔操作による運転状況など。
担当者は
「順調に放出が進んでいる」
と説明した。
福島第1原発では、敷地内に設置した1000基余りのタンクに容量全体の98%に当たる約134万トンの処理水を保管。
放出後はタンクの減少が期待されるが、処理水の元となる汚染水が毎日約90トン発生しており、2023年度内の削減量は約1万1200トン、タンク約10基分にとどまる見通し。

トリチウム検出下限値未満 環境省と福島県、海水分析結果発表
2023/8/27 12:35
https://www.sankei.com/article/20230827-FCUDFTDW4BOLHIQ3H6BOZWSX6A/
環境省は27日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始から2日目の25日朝に採取した約40km以内の11地点の海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は全ての地点で検出できる下限値を下回ったと発表した。
同省は
「人や環境への影響はない」
としている。
11カ所での測定結果は、いずれも検出下限値(1リットル当たり7〜8ベクレル)未満だった。
うち3カ所では、セシウム137などの放射性物質についても分析したが、全て検出限界値を下回った。
同省は当面の間、毎週分析を実施していく予定。
西村明宏環境相は
「風評を生じさせないため、客観性・透明性・信頼性の高いモニタリングを徹底していく」
とのコメントを出した。
福島県も27日、原発から約5km以内の9カ所で25日に採取した海水を分析した結果、放射性物質トリチウムの濃度は検出できる下限値より低かったと発表した。
9カ所での測定結果は1リットル当たり3.7〜4.1ベクレル未満。

自民、批判・チャイナリスク訴え 処理水嫌がらせ
2023/8/28 20:55
https://www.sankei.com/article/20230828-AO4EGMPA2JKBVBK4BLK4PXYS6Q/
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国から福島県内への嫌がらせ電話などが多数発生していることに対し、自民党からは28日、批判とともに中国との経済関係の見直しを訴える意見が相次いだ。
中国政府による日本産水産物の輸入停止などもあり、改めて
「チャイナリスク」
が顕在化したとの受け止めが広がっている。
「処理水の風評被害より、中国の嫌がらせ被害が日本に起きている」
「我々としては、理論的に毅然とした形で国際社会に発信し続ける」
自民党の小野寺五典元防衛相は28日、官邸で岸田文雄首相と面会後、記者団に強調した。
「中国と付き合う中で、このような理不尽なことが行われることはどの分野も肝に銘じるべきだ」
とも語り、警戒を呼び掛けた。
27日には山下貴司元法相が短文投稿サイト「X(旧ツイッター)」で、嫌がらせ電話などに関し、
「(中国が)チャイナリスクを大々的に宣伝する結果となる」
と指摘した。
中国では処理水の放出に伴い、日本製品の不買運動や訪日旅行のキャンセルなども起きている。
自民の佐藤正久元外務副大臣は28日、
「これで日本から投資を呼び込みたいとは、お門違いも甚だしい」
とXに投稿。
赤池誠章元内閣府副大臣も同日のブログで、中国との経済関係に関し、
「危機管理として、必要最小限の付き合い方とすべきだ」
と訴えた。
党外交部会は週内に部会を開き、中国による嫌がらせ電話や日本の水産物輸入停止措置などに関して協議する方針だ。
部会幹部は
「中国から因縁をつけられても、日本は科学的根拠に基づいた対応を通じ、国際社会の理解を得ていく必要がある」
と強調した。

首相、嫌がらせ電話や投石に「遺憾」 週内に水産業支援策
2023/8/28 20:29
https://www.sankei.com/article/20230828-2DUM2HCCXZIJRLYTEZPNVQMBOU/
岸田文雄首相は28日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、中国から発信されている日本国内への嫌がらせ電話や、中国にある日本大使館や日本人学校への投石が相次いでいる事態に関し、中国政府の対応を批判した。
官邸で記者団に
「遺憾なことだと言わざるを得ない」
「日本政府として邦人の安全確保に万全を期す」
と述べた。
また、中国による日本の水産物輸入停止措置を受け、週内に水産事業者支援策の具体的な内容を整理し、説明する考えを示した。
「我が国の水産事業者を断固として守る決意だ」
「あらゆる措置を講じていく」
と語った。
同日、外務省の岡野正敬事務次官は呉江浩駐日中国大使を外務省に呼び出し
「極めて遺憾であり、憂慮している」
と申し入れた。
科学的根拠に基づかない発信を続ける中国に対し
「人々の不安をいたずらに高めるべきではない」
として正確な情報発信を強く求めた。
松野博一官房長官は記者会見で
「中国から事実に反する内容を含む発信が行われていることに対し、累次に渡り適切に反論を行う」
と語った。
相次ぐ嫌がらせ電話に関し、全国知事会の新会長に決まった村井嘉浩宮城県知事も同日の記者会見で
「非常に遺憾だ」
「到底容認できない」
と批判。
福島県の内堀雅雄知事は福島市で開かれた福島復興再生協議会で、政府に対応を要請した。

中国、処理水問題で国内不満をガス抜きか 神田外語大教授、興梠一郎氏
2023/8/28 19:23
https://www.sankei.com/article/20230828-HNYOX7CIGVLO5M3ASWWCYMMZXI/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡って中国当局が強硬に反対し、庶民の反日感情を扇動している。
その背景について神田外語大教授の興梠一郎氏に聞いた。

中国の嫌がらせは真新しい動きではなく、日本政府が尖閣諸島を国有化した際も中国側が大動員をかけ、反日デモや不買運動が起きた。
現在、不動産不況や失業率悪化で人民の不満が相当たまっており、国内の不満をガス抜きし、批判の矛先を日本に向けたいとの狙いがあるのではないか。
中国政府はSNSで自国の原発排水など不都合な情報は削除し、日本批判の投稿は黙認している。
日本産水産物の輸入を停止し、嫌がらせを黙認するのは、国内のガス抜きに加え、日米韓の緊密化や日米の半導体輸出規制に対する一種の経済制裁とも言えそうだ。
ただ尖閣の時と違うのは、現時点で抗議の動きが限定的なことだ。
中国は得だと判断すればとことん騒ぐ。
各地で暴動に発展してもおかしくないがそこまでではない。
抗議が広がれば、日本批判から国内の反政府デモに飛び火しかねないと危惧しているのだろう。
それほどまでに中国経済は悪く、人民の不満はマグマのように溜まっている。
少し前に
「白紙運動」
という反政府デモも起きた。
生きづらさを感じた人々による政府批判の動きがいつ広がってもおかしくない状態だ。
反スパイ法改正などで中国投資に及び腰な外資企業が増える中、中国も日本との関係を決定的に悪化させることは避けたいはずだ。
合理的に考えれば、中国に処理水を巡る抗議の機運を高めるメリットは薄い。
日本人に危害が及ばないよう今後を注視する必要はあるが、適度にガス抜きをして収束するのではと考える。
また今回の件で、中国依存が高いと外交カードに使われてしまうリスクも改めて分かった。
日本政府は今後、中国依存の高い輸出品の販路を多様化する努力も必要だ。

岡野次官、中国大使を呼び出し 処理水嫌がらせ「極めて遺憾」
2023/8/28 16:58
https://www.sankei.com/article/20230828-SYSHDCWRABIIBAFB7ZNEE7OSPU/
外務省の岡野正敬事務次官は28日、呉江浩(ご・こうこう)駐日中国大使を外務省に呼び出し、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が始まった24日以降、日本国内で相次いでいる中国発の嫌がらせ電話などの状況が改善されていないとして
「極めて遺憾であり、憂慮している」
と申し入れた。
岡野氏は処理水に関する科学的根拠に基づかない発信を続ける中国に対し、
「人々の不安をいたずらに高めるべきではない」
と強調。
「正確な情報を発信することを改めて強く求める」
と述べた。
中国政府に対し、自国民に冷静な対応を呼び掛けるなど早急に適切な対応を取り、中国の在留邦人や日本の公館の安全確保に万全を期すよう求めた。
また、岡野氏は海洋放出は国際基準や国際慣行に則り、安全確保を徹底した上で実施されていると強調。
放出開始後もモニタリングデータを迅速に公表して高い透明性を確保しており、
「データから何ら問題が生じていないことは明らかだ」
と指摘した。
その上で、中国政府が日本産水産物に対する輸入規制を拡大、強化していることに対し
「科学的根拠に基づく対応とは到底言えず、極めて遺憾だ」
と抗議した。
日本産食品の輸入規制措置の即時撤廃を重ねて強く求めた。

「到底容認できない」 嫌がらせで知事会新会長
2023/8/28 16:33
https://www.sankei.com/article/20230828-OILKEVJTPBOBRKMUGJGQLLGZNQ/
全国知事会の新会長に決まった村井嘉浩宮城県知事は28日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、日本国内で中国発信の嫌がらせ電話が相次いでいることについて
「非常に遺憾だ」
「到底容認できない」
と批判し、日本政府として何らかの対応をすべきだとの認識を示した。
中国政府による日本産水産物の輸入停止などの措置に対しても
「感情的で、科学的根拠に基づくものではない」
「日本政府は、中国に冷静な対応を求めていただきたい」
と注文した。

松野氏、中国の処理水反発・嫌がらせ電話「極めて憂慮」
2023/8/28 12:11
https://www.sankei.com/article/20230828-EM65JM2NQJMUHITI4FNG4C24BE/
松野博一官房長官は28日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、日本国内で中国から発信されている嫌がらせ電話が相次いでいることについて
「極めて遺憾であり憂慮している」
「中国側に対しては国民に冷静な行動を呼び掛けるなど適切な対応を行うと共に処理水の正確な情報を発信することを引き続き強く求める」
と述べた。
松野氏は処理水に関し
「中国から事実に反する内容を含む発信が行われていることに対し、累次に渡り適切に反論を行う」
とも語った。
公明党の山口那津男代表らが28〜30日の日程で予定していた中国訪問が延期となったことについては2022年11月の岸田文雄首相と習近平国家主席との首脳会談で国民交流の再活性化に合意したことを踏まえ、
「政党交流もその重要な一環だ」
「政府としても山口氏の訪中に期待していた」
と指摘した。
その上で
「日中両国間には処理水を巡る問題を含め、数多くの課題や懸案があるが、我が国として主張すべきは主張し、中国に対して責任ある行動を強く求めつつ、対話をしっかりと重ねる」
と強調した。

外務省、中国渡航・滞在邦人に注意喚起 処理水嫌がらせなどで
2023/8/27 23:52
https://www.sankei.com/article/20230827-Q5JR53NJJRNO7N5H2EEHPXHCQA/
外務省は27日、東京電力福島第1原発の処理水放出に関し、中国で抗議や嫌がらせが相次いでいるとして、中国への渡航や滞在を予定する邦人に注意を呼びかけた。
特に留意する点として、
▽外出する際に不用意に日本語で大声で話すのを控える
▽日本の大使館や日本人学校を訪問する場合は、周囲の様子に細心の注意を払う
▽抗議活動に遭遇しても近づかず、その様子をスマートフォンなどで撮影しない
としている。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/595.html#c40

[政治・選挙・NHK291] 案の定の最悪展開 岸田首相よ「悪いのは中国」ではすまないぞ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
32. 2023年8月31日 08:23:33 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-73]
<■289行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
阿比留瑠比の極言御免
対日姿勢 逆転した中韓
2023/8/31 1:00
https://www.sankei.com/article/20230831-SAV7GXIWSZMOJGL6BAWA35HVCM/
東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、韓国と中国の対日姿勢がこれまでと逆転している。
日本が相手だと冷静さを失いがちだった韓国が理性的に日本に理解を示す一方、反日も戦略的に利用していた中国が感情的になり、得意の損得勘定すら忘れているように見える。
韓国紙の中央日報やハンギョレ新聞によると、韓国の尹錫悦大統領は28日、科学的・国際的基準を無視して日本の処理水放出を非難している野党などに対し、こう言い切った。
「1+1を100と言うような人たちだ」
「このような勢力とは、我々が戦うしかない」
朝鮮日報によると、尹錫悦氏は8月15日の光復節の演説では、問題の所在についてずばりこう述べている。
「共産主義勢力に盲従し、捏造と扇動で世論を歪め、社会を攪乱する反国家勢力は今も横行している」
「このような勢力に決して騙されたり、屈服したりしてはならない」
処理水について、悪意を込めて
「汚染水」
と呼ぶ立憲民主党の一部議員や共産党、れいわ新選組、社民党などは
「1+1を100と言う人」
に当てはまるだろう。
彼らに対し、尹錫悦氏のように堂々と批判する政治家が、日本にもいてほしい。
一方、中国はと言うと処理水を
「核汚染水」
という造語で呼び、放出の停止を求め日本産の水産物輸入の全面禁止まで実施した。
外務省の汪文斌報道官は29日の記者会見で、北京の在中国日本大使館にレンガ片が投げ込まれた事件についても、こう居直った。
「日本政府が核汚染水の海への放出を一方的に強行し、各国の国民の強烈な憤慨を引き起こしたことが根本的な原因だ」
中国から日本への嫌がらせ電話や在中国の日本人学校に石や卵が投げ込まれた問題に関しても
「中国は外国人の安全を一貫して守っている」
と言うばかりで、悪びれた様子もない。
仮に投石で子供に被害が出たとしたら、日本の対中感情は決定的に悪化するだろうし、中国は国際社会で投資先としての信用も更に失うはずだが、国民に自粛を呼び掛けてもいない。
安倍晋三政権当時、安倍氏は中韓両国を比較してよくこんな話をしていた。
「中国はとんでもない国だけど、まだそれなりに考えて動いている」
「韓国は訳が分からないまま反日だとかで熱くなっている」
「中国の対日姿勢の変遷は、国家戦略の変化という部分があるけど、韓国は違う、感情的になる」
だが、今回の中国の対応は戦略的とは言い難い。
中国に同調する国はロシアと北朝鮮ぐらいで、国際社会で中国を孤立させる結果を招いた。
「チャイナリスク
の顕在化は、中国にとって得る物はない。
「中国は8%の経済成長率を保たれないと若者の就職先を確保できず、体制の維持が難しくなる」
かつて外務省幹部から聞いた話だが、国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しによると、2023年の成長率は5.2%で2024年は4.5%まで落ち込む。
若年層の失業率は高く、不動産不況から脱する道程も見えない。
十分な社会保障制度がない中で少子高齢化も加速している。
中国はこうした国内の不満を逸らすため、国民の反に感情を煽り、放置しているのか。
そして、最早対外的に体裁を取り繕う余裕すらなくしているとしたら恐ろしい。
体制維持のためには、老いて身動きが取れなくなる前に、台湾や沖縄県に手を伸ばすしかないと判断しかねない。

WTOに中国提訴求める声 処理水放出で自民部会
2023/8/30 20:22
https://www.sankei.com/article/20230830-XMYV3IQOQFNBDO5HFTUWMCPUPE/
自民党外交部会は30日、党本部で東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関する会合を開き、日本産水産物の全面的な輸入停止措置をとる中国について協議した。
「遺憾」
を繰り返す政府の対応が不十分だとして情報発信の強化を求める声が相次ぎ、中国を世界貿易機関(WTO)に提訴すべきだとの意見も出た。
「科学的根拠に基づかない措置は全く受け入れられず、措置の即時撤廃を求める申し入れを外交ルートで行ったのは当然だ」
堀井巌外交部会長は会合の冒頭、中国の輸入停止措置についてこう強調した。
中国発信の嫌がらせ電話も遺憾と指摘し、中国での日本人学校への投石などを念頭に
「在留日本人の安全確保に万全を期すよう政府は中国当局に強く求めるべきだ」
と訴えた。
中国の輸入停止措置について出席者からは、輸出入の数量制限を行うことを加盟国に原則禁止しているWTOの協定に違反するとして、提訴すべきだとの声が上がった。
佐藤正久元外務副大臣は会合後、記者団の取材に応じ、
「日本は法の支配に基づく自由で開かれた社会を作ると言っている」
「ルールに基づく対応も取るべきだ」
と主張した。
青山繁晴参院議員も
「提訴手続きに入るべきだ」
「遺憾表明だけでは足りない」
と語った。
ただ、別の議員からは
「どう対応するのが日本の外交戦略上、最大の効果を発揮するかよく考えながら取り扱うべきだ」
との慎重論も出た。
堀井氏はWTOへの提訴について、
「外交部会の満場一致の意見ではない」
と指摘。
「(会合で)政府からは提訴した場合のメリットとデメリットについて丁寧な説明があり、外交上の意味合いは理解した」
と述べるにとどめた。
また、政府のみならず、企業なども一丸となって国際社会に日本の正当性を発信する重要性を指摘する意見もあった。
出席議員の1人は会合後、
「経済界も国民や政府と一体となって中国の言動はおかしいと訴える姿勢を示すことが求められる」
と語った。

中国、日本のWTO提訴検討に反発 「輸入停止は正当で合理的」と主張
2023/8/30 19:39
https://www.sankei.com/article/20230830-JG2NHWPR6BIWTLIOGKVTZZGR4I/
中国外務省の汪文斌報道官は30日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受けた中国による日本産水産物の輸入停止を巡り、日本側から世界貿易機関(WTO)への提訴を検討する意見が出ていることに
「中国側の緊急措置は完全に正当で合理的であり必要なものだ」
と反発した。
汪氏は、日本の海洋放出について
「私利私欲に走った極めて無責任な行為だ」
という従来の見解を披露。
その上で
「国際社会は批判し、関連する防止措置を取っている」
と主張した。
具体的にどの国がそうした対応を取っているのかは明らかにしていない。
高市早苗経済安全保障担当相は29日の記者会見で、日本の水産物の輸入全面停止について、中国をWTOへ提訴するなど
「対抗措置を検討していく段階に入っていると思う」
と述べた。

松野官房長官、中国WTO提訴「さまざまな選択肢念頭」
2023/8/30 13:17
https://www.sankei.com/article/20230830-2TUNXDZSWNPWJHFIDWJA5H6SWQ/
松野博一官房長官は30日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた中国側の水産物輸入禁止措置を世界貿易機関(WTO)に提訴する可能性について
「様々な選択肢を念頭に、WTOの枠組みの下で必要な対応を行う」
と述べた。
輸入禁止措置に関し
「(中国側が)科学的な根拠に基づかない措置を導入したことは全く受け入れることができない」
と強調した。
中国外務省の汪文斌報道官が29日の記者会見で、海洋放出開始後に在中国日本大使館にレンガ片が投げ込まれたことに対し
「日本が一方的に海洋放出を始めたことに根本原因がある」
と述べたことについては
「発言の1つ1つにコメントすることは控えたい」
とした上で
「日本の関連施設などに同様の事案が発生していることは極めて遺憾であり、憂慮している」
と語った。

中国の水産物禁輸で首相「事業者守る」、高市氏「WTO提訴の段階」
2023/8/29 19:35
https://www.sankei.com/article/20230829-ZWK4JVI5D5I6FLPHPAE77B4SFQ/
岸田文雄首相(自民党総裁)は29日の党役員会で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について
「我が国の水産事業者が損害を受けないよう、万全の対応を取る」
と述べた。
「水産物の消費拡大に向けて国民的取り組みを進める」
とも語った。
首相は中国による日本の水産物の輸入全面停止を受け、今週中に水産事業者への支援策を発表する方針を示している。
野村哲郎農林水産相は同日の記者会見で
「新たな輸出先の開拓など臨機応変な対策を講じて万全を期す」
と述べた。
支援策は、販路開拓や国内需要喚起など幅広い項目を盛り込む方向で検討を進める。
中国向けの輸出が多いホタテなどが念頭にある。
これに関連し、高市早苗経済安全保障担当相は記者会見で、日本の水産物の輸入全面停止について、中国を世界貿易機関(WTO)へ提訴するなど
「対抗措置を検討していく段階に入っていると思う」
と語った。
先進7カ国(G7)各国などと連携して対処することなども挙げた。
自民党の世耕弘成参院幹事長は会見で、
「科学的な根拠なく、政治的・恣意的に特定の国の特定の水産物を全面禁輸するような国には、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加入する資格は全くないと思う」
と述べた。
中国はTPPへの加入を申請している。
一方、公明党の山口那津男代表は記者会見で
「(WTOへの)提訴が如何なる効果を生み出すかは定かではない」
と否定的な考えを示した。

中国をWTO提訴検討も 高市氏、水産物輸入停止で
2023/8/29 14:32
https://www.sankei.com/article/20230829-QT43X6ZNSBNQVAPUHNLHRKTKTI/
高市早苗経済安全保障担当相は29日、閣議後の記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた中国による日本の水産物の輸入全面停止について、世界貿易機関(WTO)への提訴など
「対抗措置を検討していく段階に入っていると思う」
と語った。
先進7カ国(G7)各国などと連携して対処することなども挙げた。
高市氏は、前提として
「外交ルートの抗議申し入れで仮に効果を発揮しない場合」
と指摘。
WTO提訴などの対応は外務省や経済産業省の所管だとした上で、持論を展開した。
処理水放出を巡り中国からとみられる迷惑電話が相次いでいることに
「深く憂慮している」
とも語った。

フォト
中国、対日批判が過熱 英文発信強化、浸透狙う
2023/8/30 19:17
https://www.sankei.com/article/20230830-HQ6VQCUSDFIX5B534HK4IHQ4S4/
中国各紙は日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出のほか外交や安全保障面で日本を非難する記事を掲載した。
中国では当局やメディアによる対日批判が過熱し、国民の不信感を煽っている。
国営メディアは英文でも処理水問題を連日伝え、英語による発信強化で中国の主張を世界に浸透させる狙いとみられる。
30日付の環球時報は、米国務省が空対地の長距離巡航ミサイル「JASSM―ER」の日本への売却を初めて承認したことを大きく報じ
「日本は軍事大国への野心を膨張させている」と主張。
国営通信新華社は
「国際社会は日本の核汚染水放出をやめさせるべきだ」
といった英文の論評などを連日配信。
30日付の環球時報英語版は
「日本の国家イメージが急低下」
との見出しの記事を掲載。
人民日報は28日付紙面で
「日本は世界に核汚染水は安全で無害だという嘘を広めようと企んでいる」
と非難した。(共同)
■濃度異常なし、監視継続処理水放出開始1週間 東電福島第1原発
処理水の海洋放出が始まって31日で1週間となった。
設備や運用にトラブルはなく、周辺の海水や魚の放射性物質トリチウム濃度も異常はないが、東電、国、福島県は監視を続ける。
東電は24日に海洋放出を始めた。
放出前の保管量は134万トンで容量の98%に達していた。
放出は一定量ずつ実施し、初回は約7800トンを約17日で放出する。
トリチウム濃度は1リットル当たり14万ベクレルで、これを国の基準の40分の1となる1500ベクレル未満になるよう大量の海水で薄めて放出している。
東電によると、30日午後5時時点の放出濃度は205ベクレルで、放出総量は2788トン。
2023年度は4回に分けて約3万1200トンを放出する。
約1000基あるタンクの約30基相当だが、この間も処理水が増え続けるため、実際に空にできるタンクは約10基にとどまるとしていている。

中国の消費者「海鮮離れ」 習政権の処理水批判で
2023/8/30 19:03
https://www.sankei.com/article/20230830-KKB526YFBRMN5F4LY74VDI2EW4/
中国で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、日本産だけでなく中国産の海産物も避ける動きが出ている。
中国政府が処理水放出による
「食品安全の汚染リスク」
を強調し続ける中、中国の消費者が海産物全体の安全性を警戒するようになっているためだ。
中国の水産業関係者は影響がどこまで広がるか懸念している。
「ここ数日で売上高、販売価格、来店客が全て減った」
「今後どうなるのかと、ここの販売店主は皆が心配している」
北京市内の海鮮市場で魚を販売する女性店主は不安げに話した。
この店は以前から日本産を含む輸入品は取り扱っていないが、処理水放出が始まった24日から販売状況が悪化しているという。
中国の交流サイト(SNS)では
「核海鮮」
といった表現も使われており、漁師が
「品質を保証する!」
などと涙ながらに訴える動画も目立つ。
「日本の海洋放出への反対が『反海鮮』に変化している」
という投稿もあった。
香港紙、明報(電子版)は
「反日と放射線への懸念という強い感情は全ての海鮮にまで及んだ」
と伝えた。
中国政府は24日、放出開始を受けて日本産水産物の輸入を全面的に停止。
同措置について
「中国の消費者の健康を守り、輸入食品の安全を確保する」
などと説明している。
中国外務省報道官は
「日本は全世界に核汚染のリスクを転嫁した」
と批判した。
こうした中国当局の発信が、SNS上に広がる
「反日ムード」
だけでなく、全ての海産物への警戒感も刺激する結果になったのだ。
中国メディアによると、沿海部の江蘇省当局は
「正規ルートで購入した海産物は基本的に国の基準を満たしているので安心して食べることができる」
として消費者に過度の心配をしないよう呼び掛けている。
しかし、海鮮市場でエビなどを扱う販売店の女性店員は
「来店客は『海産物を食べて本当に大丈夫か?』と聞いてくる」
「今はまだマシなはずで今後どうなるのか…」
と下を向く。
中国のSNSなどでは、処理水が
「放出開始から240日後に中国沿海に到着」
するといった真偽不明の情報が出回っており、水産業者は今後の風評被害の拡大に頭を悩ませている。
外務省の岡野正敬事務次官は28日、呉江浩駐日中国大使に
「処理水について科学的根拠に基づかない発信により人々の不安をいたずらに高めるべきではない」
として正確な情報発信を強く求めている。

豊洲市場で魚の詰め替え認めず 香港の輸入規制
2023/8/30 22:13
https://www.sankei.com/article/20230830-TZ3S6UZ47ZNHFL5LNGJBT3LVUY/
香港政府が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に絡み、輸入禁止対象でない道府県で取れた水産物も、東京の豊洲市場など10都県で別の箱に詰め替えた場合は輸入を認めていないことが、関連業者などの話で30日分かった。
香港は24日に東京など10都県の水産物の輸入を禁止したが、10都県を経由する水産物は容認。
ただ詰め替え作業は認めない厳格な運用で、対象外の地域の水産物に対しても実質的に輸入規制がかかる形。
水産物輸出に影響が広がりそうだ。
輸入業者によると、豊洲市場を経て輸出される水産物の一部は、各産地の水産物を競り落とした後に客ごとに箱に詰め直されているという。
香港政府は禁輸対象の水産物が紛れ込むのを懸念しているとみられる。
香港当局が29日に業者向け説明会を開き、詰め替えを認めない措置などを伝えた。
別の業者によると、詰め替えていない水産物の輸入はできているという。(共同)

上海で拘束の日本人男性起訴 国家安全危害罪か
2023/8/30 20:59
https://www.sankei.com/article/20230830-U4RPF426HVJCZCRWK3GUNPLDBI/
中国上海市で2022年6月に逮捕された50代の日本人男性が2023年8月中旬に起訴されていたことが30日、分かった。
日本政府関係者によると、国内法違反の罪で起訴されたという。
国家の安全に危害を与えた罪で訴追された可能性がある。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受けて日中関係が緊張する中、在留邦人の拘束など安全面の問題が深刻に懸念されている。
具体的な起訴内容は明らかになっていない。
男性は2021年12月に上海で中国当局に拘束された。
拘束の経緯や理由などは不明。
2022年6月には国内法違反の疑いで逮捕されていた。
習近平政権は2014年に反スパイ法を施行するなど中国で活動する外国人の取り締まりを強化している。
それを受けてスパイ容疑などによる日本人拘束が続いており、2015年以降に拘束された邦人は少なくとも計17人に上る。
2023年3月には北京市でアステラス製薬の日本人駐在員が反スパイ法違反容疑で拘束されている。
2023年7月にはスパイ行為の定義を拡大し、取り締まりを徹底する
「改正反スパイ法」
が施行された。
対象行為が極めて曖昧なため、中国に住む外国人は不安を募らせ、各国も警戒を強めている。

中国嫌がらせ電話、外務省に3日間で500件
2023/8/30 18:27
https://www.sankei.com/article/20230830-LOGZAZFJUNO7TGDW2OJOLQSTBQ/
小野日子外務報道官は30日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、外務省の代表番号に中国からの嫌がらせ電話が約500件かかってきたと明らかにした。
期間は25〜29日で、休日の26、27両日を除いた3日間の件数。
外務省幹部は嫌がらせ電話について
「業務に支障が出る」
と語った。
小野氏は記者会見で
「外務省だけでなく日本国内で中国から発信されていると思われる電話などの嫌がらせが多数発生している」
と指摘し、
「極めて遺憾で憂慮している」
と述べた。

首相、昼食に福島県産食材 風評対策で安全性PR
2023/8/30 16:11
https://www.sankei.com/article/20230830-QVP4WC4KBZMUFBK7FN4KPY6VZU/
岸田文雄首相は30日、官邸で西村康稔経済産業相らと福島県産の食材を使った昼食を取った。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に絡み、中国が日本産の水産物輸入を全面的に停止するなど風評対策が課題となる中、福島県産食材の安全性をPRする狙いがある。
政府関係者によると、メニューはヒラメやスズキの刺し身、豚肉、ご飯、みそ汁、スイカなど。刺し身は処理水放出後の29日に入荷された、福島県沖で獲れた魚を使った。
首相は
「大変美味しい」
と舌鼓を打ち、完食したという。
西村氏は昼食後、記者団の取材に応じ、食事について
「首相自身が先頭に立って風評に対応していくという姿勢の表れだ」
と述べた。
「安全と安心の間を埋めていくことが我々の仕事だ」
「漁業者や加工業者に寄り添って、対応を考えていきたい」
とも語った。
昼食には、鈴木俊一財務相と小倉将信こども政策担当相も同席した。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/605.html#c32

[政治・選挙・NHK291] 麻生太郎氏「支持率はあてにならない」発言の唯我独尊…SNSでは「無視が本音」と呆れや怒り(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
30. 2023年8月31日 11:16:05 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-72]
<■143行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自民議連、性別変更で適合手術要件維持訴え 安易な変更防ぐ
2023/8/30 19:20
https://www.sankei.com/article/20230830-BWA5UJSYRJNF7NXEWI4ODIOKKU/
自民党有志議員で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」
は30日、党本部で会合を開き、性別を変更する場合は性別適合手術を要件とする現行制度を維持する必要性を確認した。
安易な性別変更が横行することで社会の混乱を防ぐ狙いがある。
性別変更を巡っては性別適合手術を求める現行法の規定の合憲性が裁判で争われており、議連は近く声明をまとめる。
「自分さえ思えば性別変更ができかねない。大きな社会の混乱になる」
議連の共同代表を務める山谷えり子元拉致問題担当相は会合でこう語り、現行制度の維持を訴えた。
性同一性障害特例法は性変更の審判を申し立てる要件に、
▽18歳以上
▽結婚していない
▽未成年の子供がいない
▽生殖の機能がない
▽身体的特徴が似ている
の5項目を挙げており、規定を満たすには、性別適合手術を受ける必要がある。
ただ、一部のLGBT団体や日本学術会議は手術要件の撤廃を求めている。
性的少数者に関する法整備を提言する
「LGBT法連合会」
は同法の要件について、
「人権侵害の懸念が極めて強い手術要件を中心に撤廃すべきだ」
と主張する。
手術を必要とする法律の規定が合憲かどうかは家事審判でも争われており、2023年9月27日には最高裁大法廷で弁論が行われる。
自民議連の会合ではLGBTの当事者らにヒアリングを行い、手術要件撤廃に否定的な意見が相次いだ。
性別適合手術を経て、戸籍上の女性となった
「性同一性障害特例法を守る会」
の美山みどり代表は、
「自身の性的機能に嫌悪感を持ち、医学的な救いとして手術した」
「手術要件は(女性として)社会に信頼されるためだ」
「要件の撤廃は認められない」
と主張した。
バイセクシャルを公言する作家の森奈津子氏は
「LGBT活動家は性別適合手術を断種(強制不妊手術)で人権侵害と主張するが、LGBT当事者は賛同していない」
「活動家は当事者の代表ではない」
と強調。
過剰な性教育に否定的な立場をとる
「子どもたちの未来を繋(つな)ぐお母さん連合会」
の山崎恵共同代表は
「手術することなく戸籍を変更すると、体が男性のままの母親が生まれてしまう」
として、授乳室などを共有することを懸念した。
議連共同代表の片山さつき元地方創生担当相は記者団に、手術要件に関し、
「身体的特徴が分からなくなれば(女性更衣室などの)女性スペースの立ち入りについても判断ができなくなる」
と語った。
会合では、自身の性に違和感を覚える子供に対し、性転換を図るホルモン治療や外科手術を受けさせてしまうことを問題視する意見も出た。

最高裁大法廷では、今
「性同一性障害特例法」
が課している
「手術要件」
についての違憲審査が行われており、2023年9月27日には申立人側の意見を聞く弁論が開かれる。
こうした家事事件において、最高裁が国民に公開する形での弁論を開くのは初めてのことだという。
身体は男性で性自認が女性の申立人は、高額の手術費や後遺症への不安から精巣の摘出手術は受けていない。
最高裁は世論の涙をバックに、一気呵成に
「性別の定義変更」
を図ろうとしている可能性がある。
最高裁の戸倉三郎長官は2023年の憲法記念日における記者会見で、最高裁判事にLGBT研修を受けさせる旨を述べている。
経産省トイレ裁判の判決文には異例にも、5人の判事全員による意見が付されており、その内容が
「まるでLGBT活動家のようだ」
と、一般のLGBT当事者からも訝しがられている。
男性器の付いたトランス女性が女子トイレを使用することに不快感を持つなら、それはそう感じた女性の方がおかしいのだから、その人には研修を受けさせるべきという意見は常軌を逸している。
一体、裁判官は誰のLGBT研修を受けたのか、国民には知る権利がある。
裁判官の判断に影響を与えているわけだから、これは重要な情報だ。
国会議員は是非最高裁を呼んで、ヒアリングをしてほしい。
筆者が講師として招かれた
「性的マイノリティに関する特命委員会」
には最高裁の事務方が出席し、高階恵美子委員長から意見を求められていた。
三権分立とはいえ、最高裁を呼べない理由はない。
なぜそこまで言うかというと、トランスジェンダー当事者の意見は真っ二つに割れているからである。
手術要件廃止派の一方的意見だけ聞いているとしたら、大問題だ。
キリスト教圏に影響を受けた日本のLGBT活動家は、生殖腺を取り除く性別適合手術を国家による
「断種」
だと言い募り、LGBT後進国の日本は非人道的な性同一性障害特例法を廃止しろと叫ぶ。
だが、この法律を欧米のような文脈で語るのは筋違いだ。
1964年に起きたブルーボーイ事件は、男性器を切除する手術を行った産婦人科医が優生保護法によって逮捕された事件である。
それ以降、我が国においては、性を移行したい者にとっての希望が断たれることとなった。
もちろん、これは拷問が目的だったわけではなく、当事者の苦悩に寄り添った結果としての手術だった。
そのことを当事者たちはよく分かっていた。
しかし、手術を受けた人たちが男娼だったため、センセーショナルに伝える週刊誌によって、性転換に負のイメージが付けられてしまった。
それから幾年、やっと手術が合法になったのが2003年。
性同一性障害特例法の成立を、多くの当事者は涙を流して歓迎したのだった。
ところが、そこから取りこぼされた人たちがいた。
手術をするほどの苦痛がないトランス女性/トランス男性たちである。
手術しなければ戸籍上の性別を変更できないこの法律では自分たちは救われないとの不満を抱えながら、それでも
「1人でも多くの仲間が助かるなら」
と利己を押し殺して法案の成立に合意したのだった。
だが、その思いは限界に達した。
当時は主流派ではなかった彼らが今、世界的な潮流に乗り、主客交代劇を繰り広げているのである。
「今度は俺たちが幸せになる番だ」
と。
しかし、手術要件がなくなってしまうと、今度は性同一性障害者たちが困ってしまう。
手術は
「医療」
ではなく
「趣味」
で行うものと見なされ、
「美容整形と何が違うの?」
と言われるからだ。
当然、安倍政権で導入した保険適用も廃止になる。
2021年現在、性別適合手術を受けた人は約1万1000人に達する。
社会の中で、男性/女性として真っ当に暮らしているこの人たちの人生を否定してはならない。
■確信犯で嘘を付く
性別適合手術を廃止し、自己申告だけで戸籍の性別を変更できるよう要求しているのは、性同一性障害者ではなくトランス女性/トランス男性の活動家である。
彼らにしても、伊達や酔狂でやっているわけではない。
自分が信じる正義のために必死なのだ。
社会をグレートリセットさせるためなら少々の嘘は許容範囲だ、と思っている節がある。
例えば
「LGBT法連合会」
という団体は、LGBTの代表でも何でもないただの民間組織だ。
だがマスコミは、それを当事者代表の声として報道する。
2023年3月には、トランス女性へのデマが広がっているとして
「法律ができても、トランス女性は女湯や女子トイレに入りません」
と記者会見したのだが、スピーチに立ったトランス男性である杉山文野自身が戸籍の性別とは違う浴場やトイレに侵入しており、そのことを知る筆者たち関係者は、テレビの前で一斉に椅子から転げ落ちた。
渋谷でのレインボーパレードを主催しているNPO法人
「東京レインボープライド」
共同代表でもある杉山文野氏は自らのツイッターで、男湯に入って歌舞伎町の市川海老蔵氏と遭遇したことを報告している。
同じ内容を海老蔵氏のブログでも確認できるので、是非読んでみてほしい。
タイトルは『男湯に女いた』。
胸を切除しているが子宮は摘出していない杉山氏は、戸籍上は女性だ。
LGBT理解増進法施行に伴い、厚生労働省は
「公衆浴場の男女別は身体的特徴で判断を」
と通知を出したものの、日本で一番有名なLGBT活動家である杉山氏を警察は逮捕できるはずがない。
そんなことをすれば、国際的スキャンダルになるだろう。
杉山氏は信念の下に男湯や男子トイレを使っているのであり、今後もやめることはない。
厚労省の通知は無意味なのだ。
また、身体が男性のトランス女性が女湯に入っていることも、筆者たち当事者の間では常識だ。
「股間タック」
という言葉で検索してみてほしい。
睾丸を指で体内に入れて恥骨に引っ掛け、余った皮で包んで接着剤で止めれば女性器そっくりになる。
そのまま女湯や女性トイレに入っても恍惚とした表情で自撮りをしている画像が、SNSでいくらでも発見できるだろう。
東大教授のクィア学者、清水晶子氏はこれを
「埋没した棘」
と表現し、
「今だって彼女たちは女性スペースに存在する」
「でも女たちは気付いていない」
「気付かないのだからいいじゃないか」
という趣旨の論文も書いている。
よく保守論壇は、戸籍とは違う性別の浴場やトイレを利用する是非について、
「自分たちはトランスジェンダーを差別しているのではない」
「犯罪者との見分けがつかないことを問題にしているのだ」
といった議論をする。
だが、それは本質からずれている。
真の問題は、トランスジェンダーの当人たちが、既にそうした場所に入っているという事実だ。
経産省のトランス女性職員も、省内のトイレは理解が得られず使えなかったが、デパートなどの民間施設では当然女子トイレを利用しているとツイートしている。
三省堂の国語辞典は、2022年版から「男」「女」の項目を変えた。
<生まれたときの身体的特徴と関係なく、自分はこの性別だと感じている人もふくむ>
としたのだ。
このように既成事実が積み上がっていき、最高裁は
「社会は変わった」
との最終判断を下すことになる。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/599.html#c30

[政治・選挙・NHK291] <X子の父親は元公安刑事>木原事件 自民党筋が吹聴する「文春劇場は終わった」(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
43. 2023年9月01日 02:51:25 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-71]
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木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

「誰が見ても事件」元捜査員が異例の会見 捜査1課長は反論
2023/7/28 19:20
https://www.sankei.com/article/20230728-BRYKIDEYLNPL5DYBW4ARVBMSF4/
2006(平成18)年に東京都文京区の自宅で遺体で発見された男性=当時(28)=の死亡に関し、捜査に携わった元警視庁捜査1課の佐藤誠氏が2023年7月28日、都内で会見を開き、事件性はないとする捜査結果について
「誰が見ても自殺ではなく事件だ」
と述べた。
元捜査員が捜査内容を明かし、批判を展開するのは極めて異例。
捜査関係者によると、男性は2006(平成18)年4月、自宅で首から血を流して死亡しているのが見つかった。
体内から致死量の覚醒剤が検出され刃物による自傷、自殺と判断された。
2018(平成30)年に大塚署が洗い直しを行い、捜査1課が再捜査を開始。
男性の妻だった女性らに参考人として、任意の事情聴取を行うなどした。
その結果、再び自殺と判断された。
会見で佐藤氏は、取調官として女性の調べを担当したと説明。
証拠品や他の参考人らの供述内容から
「自殺と認定できる証拠はない」
と話した。
ただ、事件と判断できる物証も集まっていなかったとした。
週刊文春は、女性がその後に再婚した相手が木原誠二官房副長官で、政治的立場が捜査に影響を与えたのではないか―などと報じた。
佐藤氏は会見で、国会日程の関係で女性への任意聴取が途中で打ち切られるような形になったとし、
「結論を遺族に伝えず、異常な捜査の終わり方だった」
と主張した。
これに対し、警視庁の国府田剛捜査1課長は2023年7月28日、報道各社に状況を説明し、
「証拠上、事件性は認められず死因は自殺と考えて矛盾はないと確認した」
などとコメント。
会見については
「特定の関係者のプライバシーの内容や当時の捜査が明かされ、誠に遺憾」
とした。
木原氏側は既に
「週刊文春の私と私の家族に関連した記事は事実無根」
とするコメントを出しており、2023年7月21日に続き、2023年7月28日も日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。

日曜に書く
喋り出した刑事たち 論説委員・井口文彦 
2023/8/27 15:00
https://www.sankei.com/article/20230827-3J2NQOWJDZOXZP2U5F2SVJKUKI/
刑事は口が堅い。
捜査に関する情報を口外するなど、まずない。
どこでどう容疑者側に伝わってしまうか、分からないからだ。
捜査終了後も黙して語らない。
事件を語れば、当事者の
「知られたくない事情」
に触れてしまいかねない。
犯人を逃さぬため。
被害者をこれ以上傷つけぬため。
禁欲的とも言える職業的沈黙の積み重ねが、警察への信頼になった。
が、その価値観では測れぬ出来事が起きた。
2023年7月、退官直後の殺人担当刑事が記者会見し、捜査批判をしたのだ。
組織は揺れ、同僚たちは絶句した。
警視庁捜査1課元警部補、佐藤誠(64)である。
■記者会見
2006(平成18)年、東京で28歳の男性が死亡した。
覚醒剤が検出され、警視庁は自殺と判断。
12年後の2018(平成30)年、再捜査され、男性の妻だった女性を聴取したのが佐藤だ。
女性は木原誠二官房副長官の妻になっていた。
再捜査でも事件性は薄いと判断され、打ち切りに。
5年後の今年(2023年)、『週刊文春』が
「木原が圧力をかけ、自殺として捜査を中止させた疑いがある」
と報じた。
佐藤は取材に実名で応じ、自殺とした警視庁判断を
「おかしい」
と批判した。
それが
「不透明な捜査結末=政治的圧力?」
との疑惑記事の構図を構成する要素に使われた。
記者会見の会場は文春関連施設。
記事を補強するイベント≠フ色彩が濃かった。
会見で佐藤が述べたのは大きく3つ。
@自殺とは思えない。ただ事件性を証明する証拠もなかった
A遺族に再捜査結果を説明することなく、異様な中途半端さで終結した
B官房副長官の妻ということで面倒だとは思ったが、木原から捜査に圧力をかけられた認識はない。
新事実は見当たらない。
文春が盛んに報じる疑惑を立証するものもなかった。
■長官に「カチンと」
ではなぜ会見したのか。
佐藤によれば、この話を知った契機は動画サイト。
捜査資料が流出しているのかと驚いた。
文春から接触があった際、情報源の探りを入れたが、取材は断った。
そうした折、警察庁の露木康浩長官が
「事件性はない」
と発表した。
佐藤は
「これにカチンときた」
と言う。
「あれを自殺と断定?」
「あの証拠状況で事件性がないと言う警察官などいないですよ」
「遺族が可哀想そうじゃないですか」
「黙っていられなくなった」
長官が噓を付いている、頭にきた、全部話すしかない。
「そう思っちゃったんです」
と言う。
一方で
「退職したら何でも喋る警察なんて気持ち悪いですよね」
「分かってはいます」
と冷静さも保ってはいる。
佐藤の行動はどう評価されるか。
同僚、OB仲間の大半は否定的だ。
趣旨はこうだ。
《何があったにせよ、退官後に捜査内容を暴露して批判するなど警察官にあるまじき行為》
《文句があるなら何故その時捜査会議で言わず、今になってしかもメディアに言うのか》
■告発か、倫理欠如か
一方でごく少数だが、評価する声もある。
《正論を言っても階級組織の警察では潰される》
《正義を実現しようと思ったら告発もある》
佐藤会見の1カ月前、警視庁が被告となっている国家賠償訴訟で公安部の現職捜査員が対象の事件捜査を
「捏造だった」
と証言し、騒然となった。
これも公益通報に近い行為かもしれないが、相次ぐ捜査員の反旗に
「警視庁はどうなっているのだ」
と統治不全を疑う向きもある。
警察官僚は
「モラルハザードは否定できない」
とみる。
「平成に入ってから、幹部OBが本を出版するため事件資料を現職に持ち出させたり、テレビに出演して捜査情報を喋る例が続いた」
「挙げ句には、元首相銃撃で歴代警視総監OBがあらゆるメディアに露出し、かつての部下の要人警護部門をこき下ろす」
「上司、先輩のそういう姿を見て、現職は何を感じるでしょう」
「口を開くことに抵抗が薄れてもおかしくない」
佐藤の行為を
「けしからん」
と切って捨てるのは簡単だが、それでは済まない問題が潜んでいるように思える。
見落としがちだが、疑惑を招いたそもそもの原因は警察の捜査の甘さにある。
自殺なら、遺族も納得できる証拠を揃えるのが捜査だ。
それができていない、自他殺すら鑑別できない―だから、臆測を呼ぶ。
そのことから目を背けてはなるまい。=敬称略

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/341.html#c43

[原発・フッ素54] 近大研究チームが5年前、トリチウム除去に成功も…実用化を阻んでいるのは政府と東京電力(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
54. 2023年9月01日 03:15:27 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-70]
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処理水放出の取り組み理解 G7高官がビデオ会議
2023/9/1 1:25
https://www.sankei.com/article/20230901-OSMEAU7TNBOGJGNEZHIEOOZ6KI/
先進7カ国(G7)高官は2023年8月31日夜、ビデオ会議を開いた。
日本側が東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関する取り組みを説明したのに対し、他のメンバーから理解が示された。
日本外務省が発表した。
ビデオ会議の開催はG7議長国の日本が呼び掛けた。
出席した小野啓一外務審議官が、放出開始後もモニタリング(監視)データを迅速に公表し、科学的な観点から何ら問題が生じていないと明らかになっていると説明した。
他のメンバーは、日本が科学的根拠に基づき国際原子力機関(IAEA)と実施する透明性ある取り組みを歓迎した。

駐日米大使、中国の日本産水産物輸入停止を批判
2023/8/31 20:38
https://www.sankei.com/article/20230831-BSGQVYZABFL6NNESOCXE4PJJCY/
エマニュエル駐日米大使は2023年8月31日、福島県相馬市を訪問し、漁業関係者と意見交換した。
改めて福島第1原発の処理水の海洋放出に支持を表明。
同日発表した声明で
「日本は科学的厳格性において新たな国際基準を打ち立てた」
と述べた。
中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止したことについては、
「中国が露骨な政治的決断を下し、オープンな対応や科学的協力を怠ってきた」
と批判した。

首相、水産業者支援を表明 中国念頭「依存分散する」
2023/8/31 20:02
https://www.sankei.com/article/20230831-K4DZXHOCEJKCDDVDZSJJXMC3LQ/
岸田文雄首相は2023年8月31日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、中国が日本産の水産物輸入を全面的に停止したことを受け、水産事業者向けの支援事業を創設すると表明した。
来週初めまでの取りまとめを西村康稔経済産業相と野村哲郎農林水産相に指示したことも明らかにした。
官邸で記者団の取材に答えた。
首相が発表した支援事業は、
@国内消費拡大・生産持続対策
A風評影響に対する内外での対応
B輸出先の転換対策
C国内加工体制の強化対策
D迅速かつ丁寧な賠償
の5本柱。
中国向けの輸出が多いホタテなどの支援が念頭にある。
具体的には、水産物が中国で加工されて輸出されていることから、国内加工体制の整備のため、事業者向けに殻むき機の導入や人員確保の費用を支援。
米国や東南アジアなどの海外販路の開拓にも取り組む。
経産省が設置した風評被害対策の基金は積み増す方針だ。
首相は
「中国市場だけに依存せず、持続的、安定的になりわいや事業が発展していくよう、特定国依存を分散するための緊急支援事業を創設する」
と説明。
財源について、
「予備費の活用も含めて、機動的に予算の確保を行う」
と語った。
輸入停止を続ける中国に対しては、
「当局間で科学的な意思疎通の実施について、具体的な日程も示しながら提案をしてきた」
「一刻も早く応じてほしい」
と強調した。

松野氏、IAEA中立性疑問視の東京・望月記者に反論
2023/8/31 13:04
https://www.sankei.com/article/20230831-6SA4ZPQYPJMBRNLKBSK4DBQM4I/
松野博一官房長官は2023年8月31日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、安全性などを評価した国際原子力機関(IAEA)の中立性を疑問視する東京新聞社会部の望月衣塑子記者の質問に対し、
「中立性に疑問があるとの主張は全く当たらないばかりではなく、国際機関の存在意義そのものを失わせかねない」
と反論した。
望月氏は、会見で日本がIAEAに分担金を支払っていることや日本人職員を派遣していることなどを踏まえ、
「IAEAの中立性そのものを問題視する声もあるが、どう考えているのか」
と問うた。
これを受け松野氏は
「国際機関は固有の財源がないため、活動に要する費用は主に加盟国からの分担金で賄われている」
と説明。
その上で、2023年の日本のIAEAの分担率は7.8%で、海洋放出に反発する中国(14.5%)の方が上回っていることを強調した。
それでも望月氏は
「中立的と再三繰り返しているが、IAEAはそもそも、原子力利用を促進する立場の機関だ」
「散々、中国を批判しているが、海洋放出は十分検討すべきだった」
などと主張したが、松野氏は処理水放出が安全基準に適合すると結論付けたIAEAの包括報告書を挙げ、
「IAEA自身が選定した外部の国際専門家を含む独立した第三者の立場から科学的知見に基づいて評価をしており、政府としては中立と考えている」
と語った。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/302.html#c54

[政治・選挙・NHK291] 汚染水放出は経済敗戦…岸田政権は「技術後進国」の汚名を歴史に刻んだ 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
33. 2023年9月01日 12:15:21 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-69]
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処理水放出、透明性を重視 インドネシア外相
2023/9/1 10:53
https://www.sankei.com/article/20230901-FYKQO2EGFNJY7MR765CNURBPV4/
インドネシアのルトノ外相は2023年9月1日までに、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について
「透明性と、国際原子力機関(IAEA)と協力したモニタリングを重視する」
と述べ、科学的な観点から見守る姿勢を示した。
地元メディアに2023年8月31日に語った。
インドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国。
ルトノ氏は
「鍵は(放出)過程の透明性とモニタリングにある」
と発言した。
2023年7月のASEANプラス3(日中韓)外相会議など一連の関連会合では、中国が処理水を巡り非難し、懸念の共有を呼び掛けたが、いずれの声明にも盛り込まれなかった。(共同)

主力の沖合底引き網漁解禁 福島、未明に相次ぎ出港 処理水放出海に異常なし
2023/9/1 10:07
https://www.sankei.com/article/20230901-BPBJNGHWI5OT3OPL3QBD6X4GZY/
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出が行われている中、福島県で2023年9月1日、主力漁法の1つである沖合底引き網漁は2カ月間の禁漁期が明けて解禁となり、未明から多くの船が漁場に向かった。
2023年8月24日の放出開始後、周辺の海水や魚の放射性物質濃度に異常は出ていない。
相馬市の松川浦漁港では午前1時半から漁船の壮行会が開かれ、相馬双葉漁協の菊地昌博副組合長は
「処理水が海洋放出された中での初出漁となり残念ではあるが、頑張ってもらいたい」
と激励した。
宝恵丸の菊地栄達船長(30)は取材に
「風評で魚の値段が下がらないか不安はあるが、やることに変わりはない」
と語り、船を出した。
福島県によると、沖合底引き網漁は2022年、福島沖全体の水揚げ量の約2割を占めた。
「常磐もの」
の代表格であるヒラメやカレイなどが取れる。

大手町の片隅から
「私は中国産を食べません」宣言 乾正人
2023/9/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20230901-KC7GNIRDGZOQDGZBZEQT6TZQ6M/
20数年ぶりに宇都宮に行ってきた。
本紙に連載し、多くの反響を頂いた
「令和阿房列車で行こう」
の単行本(飛鳥新社刊)が8月末に発売されたのを機に、路面電車としては75年ぶりに登場したLRT(次世代型路面電車)に乗るためだ。
■LRTは次回のこころだぁ
訪れたのは開業3日目だったが、どの電車も満員御礼の盛況。
地元の熱気を含め、書きたいことは山ほどあるが、今回は福島第1原子力発電所の処理水放出を巡る中国の対応を取り上げざるを得ない。
はっきり書こう。
中国は今、建国以来、最大の危機に瀕している。
40年以上前、中国語で大学を受験して以来、
「親中派」
を自任する私が書いているのだから間違いない。
ご存じの通り、習近平独裁体制が確立した中国では、多様な言論は存在しない。
ケ小平が主導した改革開放路線を引き継いだ胡錦濤政権下では、共産党を決して批判しないというタブーはあったが、地方政府の腐敗や公害などを断罪する
「調査報道」
もある程度、容認されていた。
ところが、習体制が固まるにつれ、権力の行き過ぎを抑制する役割を果たしていた
「調査報道」
は姿を消していった。
新聞もテレビも毛沢東時代に逆戻りし、
「党の喉」
としての役割を忠実に果たしている。
「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕るのが良い猫だ」
というケ時代の現実主義は、すっかり影を潜め、
「白い猫」

「黒い猫」
と言いくるめるプロパガンダが、人々を搦めとっているのだ。
ネットは厳しく検閲され、
「処理水は安全だ」
といった言説は、たちどころに抹殺される。
「処理水」

「核汚染水」
と言い募り、処理水の放出が世界の環境を破壊するという非科学的なデマを国営放送が連日垂れ流せば、怒りに任せて迷惑電話を日本に掛けようという輩が続々と出るのもムベなるかな。
■甘く見られている岸田首相
習政権が常軌を逸した振る舞いをするのは、バイデン米大統領が
「時限爆弾だ」
と表現するほど中国経済が急速に失速しているからだ。
「悪い人間が問題を抱えていると悪いことをする」
とバイデン氏が言うように、国内の不満を逸らすためには国外に敵を作るのが1番だ。
特に
「反日キャンペーン」
は、手っ取り早い。
岸田文雄首相は強い対抗措置を取れないと甘く見られている。
現に首相や外相の動きは鈍い。
こういう時こそ親中派・公明党の出番だが、山口那津男代表は訪中を断られ、なす術もない。
そんな情けない政府与党に代わって、細やかな対抗策を講じることにした。
迷惑電話を中国に掛けるは、品格に欠けるので、中国が、日本産水産物の輸入禁止措置を撤回するまで
「私は中国産を食べません」
宣言をすることにした。
ただ、実際にやってみると財布に優しくなく、言うは易く、行うは難しである。
最近のスーパーは、農作物も水産物も生産地を明記していて見分けやすいが、問題は大手飲食チェーン店の食材だ。
コストカットのため中国産野菜や食材を使っている店も少なくない。
面倒くさいが、店に入る前にいちいち産地を聞くことにした。
イヤな客だと思われるだろうが、悪いのは中国政府なので、ご容赦を。(コラムニスト)

処理水放出の取り組み理解 G7高官がビデオ会議
2023/9/1 1:25
https://www.sankei.com/article/20230901-OSMEAU7TNBOGJGNEZHIEOOZ6KI/
先進7カ国(G7)高官は2023年8月31日夜、ビデオ会議を開いた。
日本側が東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関する取り組みを説明したのに対し、他のメンバーから理解が示された。
日本外務省が発表した。
ビデオ会議の開催はG7議長国の日本が呼び掛けた。
出席した小野啓一外務審議官が、放出開始後もモニタリング(監視)データを迅速に公表し、科学的な観点から何ら問題が生じていないと明らかになっていると説明した。
他のメンバーは、日本が科学的根拠に基づき国際原子力機関(IAEA)と実施する透明性ある取り組みを歓迎した。

駐日米大使、中国の日本産水産物輸入停止を批判
2023/8/31 20:38
https://www.sankei.com/article/20230831-BSGQVYZABFL6NNESOCXE4PJJCY/
エマニュエル駐日米大使は2023年8月31日、福島県相馬市を訪問し、漁業関係者と意見交換した。
改めて福島第1原発の処理水の海洋放出に支持を表明。
同日発表した声明で
「日本は科学的厳格性において新たな国際基準を打ち立てた」
と述べた。
中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止したことについては、
「中国が露骨な政治的決断を下し、オープンな対応や科学的協力を怠ってきた」
と批判した。

首相、水産業者支援を表明 中国念頭「依存分散する」
2023/8/31 20:02
https://www.sankei.com/article/20230831-K4DZXHOCEJKCDDVDZSJJXMC3LQ/
岸田文雄首相は2023年8月31日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、中国が日本産の水産物輸入を全面的に停止したことを受け、水産事業者向けの支援事業を創設すると表明した。
来週初めまでの取りまとめを西村康稔経済産業相と野村哲郎農林水産相に指示したことも明らかにした。
官邸で記者団の取材に答えた。
首相が発表した支援事業は、
@国内消費拡大・生産持続対策
A風評影響に対する内外での対応
B輸出先の転換対策
C国内加工体制の強化対策
D迅速かつ丁寧な賠償
の5本柱。
中国向けの輸出が多いホタテなどの支援が念頭にある。
具体的には、水産物が中国で加工されて輸出されていることから、国内加工体制の整備のため、事業者向けに殻むき機の導入や人員確保の費用を支援。
米国や東南アジアなどの海外販路の開拓にも取り組む。
経産省が設置した風評被害対策の基金は積み増す方針だ。
首相は
「中国市場だけに依存せず、持続的、安定的になりわいや事業が発展していくよう、特定国依存を分散するための緊急支援事業を創設する」
と説明。
財源について、
「予備費の活用も含めて、機動的に予算の確保を行う」
と語った。
輸入停止を続ける中国に対しては、
「当局間で科学的な意思疎通の実施について、具体的な日程も示しながら提案をしてきた」
「一刻も早く応じてほしい」
と強調した。

松野氏、IAEA中立性疑問視の東京・望月記者に反論
2023/8/31 13:04
https://www.sankei.com/article/20230831-6SA4ZPQYPJMBRNLKBSK4DBQM4I/
松野博一官房長官は2023年8月31日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、安全性などを評価した国際原子力機関(IAEA)の中立性を疑問視する東京新聞社会部の望月衣塑子記者の質問に対し、
「中立性に疑問があるとの主張は全く当たらないばかりではなく、国際機関の存在意義そのものを失わせかねない」
と反論した。
望月氏は、会見で日本がIAEAに分担金を支払っていることや日本人職員を派遣していることなどを踏まえ、
「IAEAの中立性そのものを問題視する声もあるが、どう考えているのか」
と問うた。
これを受け松野氏は
「国際機関は固有の財源がないため、活動に要する費用は主に加盟国からの分担金で賄われている」
と説明。
その上で、2023年の日本のIAEAの分担率は7.8%で、海洋放出に反発する中国(14.5%)の方が上回っていることを強調した。
それでも望月氏は
「中立的と再三繰り返しているが、IAEAはそもそも、原子力利用を促進する立場の機関だ」
「散々、中国を批判しているが、海洋放出は十分検討すべきだった」
などと主張したが、松野氏は処理水放出が安全基準に適合すると結論付けたIAEAの包括報告書を挙げ、
「IAEA自身が選定した外部の国際専門家を含む独立した第三者の立場から科学的知見に基づいて評価をしており、政府としては中立と考えている」
と語った。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/602.html#c33

[政治・選挙・NHK291] <X子の父親は元公安刑事>木原事件 自民党筋が吹聴する「文春劇場は終わった」(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
44. 2023年9月01日 19:49:10 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-68]
<△22行くらい>
岸田首相の最側近である官房副長官・木原誠二は、東京大学法学部を卒業し、大蔵省に入省。
政界に転じた後は、首相を目指す岸田の懐刀となる。
官房副長官・木原誠二のスキャンダルは、新聞やテレビはほとんど報じず、報道は週刊文春の独壇場だったため、ご存じない方もおられるだろうから簡単におさらいする。
@17年前の2006年、官房副長官・木原誠二の夫人の当時の夫が、自宅で血まみれの遺体で発見される。警察は自殺で処理。
A5年前の2018年に警視庁が再捜査。夫人も任意で取り調べを受けるが、捜査は事実上、打ち切りに。
B2023年夏、元捜査官が記者会見して「これは殺人事件だ」と告発。
週刊文春は、夫人の親族が事件に関与したのではないかと強く匂わせているが、最大の焦点は、5年前の2018年の再捜査時に、自民党の要職にあった木原誠二が捜査に圧力を掛けたか否かだ。
警視庁は
「事件性も圧力もなかった」
と明言している。
これを受け、官房副長官・木原誠二も記者会見を開いて潔白を示せばいいだけなのに、約2カ月に渡って記者会見をせず、逃げ回った。
さすがにワシントンで開かれた日米韓首脳会談には、久方ぶりに岸田首相に同行したが、共同通信のコラムでは
「憲政史上、類のない疑惑」
とまで書かれる始末。
周辺には
「官房副長官なんて2度とやるもんじゃない」
とボヤいているそうだが、このままダンマリを続けていては、
「第2の黒金泰美(宏池会3羽ガラスの1人で、池田内閣で2年に渡って官房長官を務めた)」
と呼ばれますぞ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/341.html#c44
[政治・選挙・NHK291] 岸田自民大ピンチ! 9.3投開票首長選挙「2戦2敗」濃厚…囁かれる秋の解散総選挙に暗雲(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
45. 2023年9月01日 20:12:52 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-67]
<■642行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「移民」と日本人
<独自>「犯罪外国人は強制送還を」 クルド人問題の川口市長、法相へ要望
2023/9/1 19:37
https://www.sankei.com/article/20230901-JRY6IEHP75LEHOBLNMPPFCDDXM/
埼玉県川口市の奥ノ木信夫市長が2023年9月1日、法務省を訪れ、不法行為を行う外国人について厳格に強制送還することなどを求める要望書を斎藤健法相に手渡したことがわかった。
要望書ではトルコの少数民族クルド人の現状などを説明。
難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免」
のクルド人が市内に相当数いるとして、行政サービスの提供を国の責任で判断することも求めた。
同市内では、クルド人と地域住民との軋轢が表面化。
同市議会は2023年6月、一部のクルド人を念頭に、国や県などに
「一部外国人」
による犯罪の取り締まり強化を求める意見書を可決。
警察官の増員や犯罪取り締まりの強化を求めている。
2023年7月初めには、殺人未遂事件をめぐるグループ同士の争いでクルド人ら約100人が市立病院周辺に殺到、救急の受け入れがストップする事案があった。

「移民」と日本人
在日クルド人のトラブル続出…「素性」わからぬ不安 警察介入も難しく
2023/9/1 19:43
https://www.sankei.com/article/20230901-TWSMNX3LMZN53PX32ZALYE64SM/
埼玉県川口市長が法相に要望書を提出した背景には、同市内で一部クルド人と住民のトラブルが相次いでいることがある。
外国人との共生をめぐっては言葉や文化の壁が大きいとされるが、クルド人など一部外国人の場合、更にに難しい壁がある。
彼らの一部は難民認定申請中で、住民票などもない
「不法滞在」
の状態が続いている人もいるため、トラブルを解決しようにも身元が分かりにくいことだ。
警察の介入も難しく、住民が泣き寝入りするケースも目立ち始めている。
■弱者にしわ寄せ
川口市北部の2階建てアパートでは2023年4月、クルド人解体業者が借りた2階の3部屋にクルド人家族が相次いで入居した。
子供もいるとみられるが、何世帯何人が住んでいるのか不明という。
1階に住む70代の女性は連日、深夜でも大人数で騒ぐ声に悩まされた。
たまりかねて警察を呼ぶと、男性から日本語で
「ババア出てけ。あなたが出てけば、私が入る。もっと騒いでやる」
と威嚇されたという。
近くに住む女性の親族は
「警察はすぐ来てくれるが、民事のためか翻訳機で注意するくらい」
「誰が住んでいるか不明なのが、尚更怖い」
「同居する姉は障害者で精神的にも不安定になった」。
市や市議も仲裁に入った事案だが、解決の目処は立っていないという。
地元の不動産業者によると、契約上は正規の在留許可を持つ外国人の名義でも、実際の入居が別人のケースは後を絶たない。
更に
「彼らが住むのは古く安い物件が多く、生活保護受給者など日本人の弱者が追い詰められている」
「同様のトラブルは最近よく聞く」。
■法的措置も効果なく
川口市は人口約60万人のうち外国人が6.5%を占め、トルコ国籍者も国内最多の約1200人。
多くがクルド人とみられるが、実際には2000人以上とも言われる。
行政側も彼らの実態把握が難しいのは、正規の在留期間が過ぎているにもかかわらず、自国での差別や迫害などを理由に難民認定を申請している人が多いからだ。
申請中は一定期間の在留資格が認められるケースもあるが、入管施設への収容を一時的に解かれただけの仮放免の立場の場合、氏名や住所が居住自治体に報告されないケースも多く、住民票や在留カードもない。
このため問題が起きても相手の素性が掴めないいという不安を感じる住民は少なくない。
「言葉の壁はもちろんだが、姿さえ現さなくなると泣き寝入りするしかない」。
川口市に隣接する越谷市の50代男性はそう話す。
男性はクルド人の解体業者に貸した農地の明け渡しを求めて、さいたま地裁支部に仮処分を申し立てた。
農地は令和元年、3年契約で貸したが、賃料はほとんど支払われなかった。
2022年には畳の野焼きなどが原因とみられる火災が2度発生、警察官が事情を聴こうとしても、
「暖を取っていただけ」
と拒否されたという。
更に地中に廃材などが無断で埋められていたことも判明。
裁判に踏み切ったが、業者は話し合いの場には来ず、すでに別の場所へ移っていたという。
業者のトラックは現在も農地脇の歩道に放置されたままだ。
■警察官に「バカか」
同市内の60代男性は半年前、自宅に乗用車が突っ込み、塀が大破した。
隣接の集合住宅に住むクルド人らが代わる代わる使っていた車だった。
しかし、警察に届けても
「運転者を特定できない」
と言われ、捜査は有耶無耶になった。
また、警察の調べで車の名義は宇都宮市の女性だったが、名義変更しないまま千葉県の人物に売られ、更に外国籍の人物に転売されていたという。
男性は
「運転手も名義も分からなければ、請求しようがない」
「幸い自宅の保険で修理できたが、人身事故だったらと思うとぞっとする」。
埼玉県川口市内では、クルド人が運転するトラックの過積載や煽り運転なども問題化している。
令和3年にはクルド人少年運転のトラックの死亡ひき逃げ事故も発生、住民や市議らが警察に取り締まり強化を求めているが
「適切に対処している」
と返事があるだけという。
最近、クルド人男性とみられるトラック運転手が、職務質問した警察官を罵倒する動画を自ら交流サイトに拡散していたことが話題となった。
警察側の低姿勢とは裏腹に、男性は威嚇するように日本語でこう叫んでいたが、検挙に至ることはなかったという。
「バカか。在留カードなんか見せないよ。持ってるけど、見せないって決めてるよ。知るか!」

クルド人騒ぎ 殺人未遂容疑で男再逮捕 逮捕者計7人に 埼玉・川口
2023/8/22 19:24
https://www.sankei.com/article/20230822-622LWJWSBNPWVBJ7J2IVHDS77A/

「移民」と日本人
病院でクルド人「100人」騒ぎ、救急受け入れ5時間半停止 埼玉・川口
2023/7/30 13:30
https://www.sankei.com/article/20230730-HM3RDJDY3ZIL7JBAUVPHGX7YSY/

「移民」と日本人
れいわも賛成した川口市議会「クルド人」意見書 マスコミ報じず
2023/7/30 13:30
https://www.sankei.com/article/20230730-H6PIW4LZ25O7LBZKRX6LT7TY34/
川口市議会が可決した「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」
https://www.sankei.com/article/20230730-H6PIW4LZ25O7LBZKRX6LT7TY34/photo/Z4PK5ILWMFJSFPPY6TUF6YZFOY/

「移民」と日本人
「経営者」6割がトルコ国籍 資材置き場でトラブル、広がる規制 埼玉・川口
2023/8/12 14:00
https://www.sankei.com/article/20230812-6PFAX4UXPNOWVO2U55FTWQ57TU/

「移民」と日本人
クルド人経営者「日本人がやらない仕事」 フェラーリ投稿で炎上も
2023/8/12 14:00
https://www.sankei.com/article/20230812-GGUJSGQVYJJOVNRI6AUB4SMOUY/

クルド人騒動「遺憾」 トルコ大使、法令順守求める
2023/8/12 17:06
https://www.sankei.com/article/20230812-OCDDUA7CUFLFDGCSO2EPGBA2CY/

「裏口移民」クルド 埼玉で大暴れ
Hanada2023年10月号 ジャーナリスト 石井孝明
■異邦人の横暴で埼玉大混乱
埼玉県南部に集住するトルコ国籍のクルド人による住民への犯罪や迷惑行為が問題になっている。
苦しむ日本人の姿に憤りを感じ、私は2023年5月から取材・報道をしてきた。
現実は酷かった。
異邦人の横暴が放置され、治安が悪化している。
日本人を守るべき行政・警察の動きが鈍く、それを阻止できない。
メディアが人権配慮のために沈黙し、他地域の人はほとんど知らない。
埼玉県の蕨(わらび)市、川口市西部を2023年5月から何度も歩いた。
すれ違う中東系の人の割合が、日本の他地域に比べて異様に多い。
馴染みのない風景に、普通の日本人は戸惑うだろう。
2023年5月に、川口市内のクルド人経営の人気ケバブ店を訪ねた。
店員は不愛想で日本語は喋れないが、料理は美味しかった。
クルド人の溜まり場になっている。
アマルという20歳の解体工と話をした。
会話は弾んだが、
「どのような立場で日本に居るのか」
と訊くと、
「政治難民です」
と言って顔がこわばった。
「本当か」
と重ねて訊くと、
「トルコに帰ると迫害されます」
と下を向いた。
会話は終わった。
街を歩くクルド人に声を掛けた。
最初はにこやかに挨拶しても、記者の立場を明らかにして取材を申し込むと、
「日本語、分かりません」
と言って去っていった。
話せない事情がありそうだ。
実は、彼らの多くは
「政治難民」
という
「嘘」
で日本に滞在している。
会話だけなら、気の良さそうな男たちだ。
しかし、生活の中で向き合う川口市民からは、
「彼らは迷惑だ。共生?とんでもない」
という感想ばかり聞こえる。
具体的には、クルド人は夜のたむろ、住居での騒音、ゴミの放置、女性へのナンパなどの迷惑行為をしている。
彼らの車の運転が荒く、住民は交通事故による命の危険に直面している。
交通ルールを守らず、改造車で騒音を撒き散らし、スピード違反を行う。
猛スピードで狭い道を走る車を、私は何度も目撃した。
そもそも、クルド人が運転免許を持っているかも怪しく、無保険、そして他人名義の車で運転している例も多い。
事故を起こした場合に警察は積極的に動かず捜査が有耶無耶になり、被害者の日本人が泣き寝入りすることもあるという。
2021年10月には、川口市内で日本人の69歳男性のひき逃げ死亡事故が起きた。
クルド人の19歳の少年が逃走、出国しようとしたところを空港で逮捕された。
■埼玉県警ようやく動く
川口市西部にある公園を2023年7月に訪ねた。
静かな日本の住宅街の中にあるが、ゴミが散らかり、地域住民が掃除をしていた。
近くにはクルド人の集住するアパートがいくつもある。
その住民は、
「ゴミ捨てルールを守るように何度言っても聞かない」
と話していた。
近くの小売店店主に話を聞いた。
店の無料駐車スペースは、夜にクルド人の溜まり場になる。
異国の男たちが夜に集まっていたら怖い。
そのため、周辺地域で夜に日本人が出歩かなくなり、売り上げも落ちた。
「長時間停車しているので出て行ってくれと言っても、なかなか立ち去らない」
クルド人の集住するアパートは外から見ると、ゴミが散らかり、汚れている建物ばかりだ。
1Kほどの部屋に男が5〜6人とか複数世帯が住み、住環境はかなり悪い。
埼玉県では、クルド人が関係するらしい交通事故や窃盗が増えている。
ところが、警察発表は
「トルコ人」
で、メディアもそのように伝える。
「情報を正確に伝えない」
「事件が解決せず犯人が捕まらない」
と、住民は不安と不満を募らせていた。
2023年7月4日には女性を巡るトラブルで、クルド人同士のナイフによる乱闘事件が発生し、重傷者が2人出た。
殺人未遂などで、5人のクルド人が逮捕された。
その夜、被害者、加害者が搬送された川口市立医療センターに双方の親族が合計で100人程度押しかけて揉み合いになり、また病院内に押し入ろうとして騒ぎになった。
そのため埼玉県警の機動隊が出動し、地域の救急救命を担うこの病院の機能が約5時間半止まった。
住民の生活が脅かされている。
市民からの不安と怒りの声を受け、2023年6月、川口市議会は自民党の提案による
「一部外国人による犯罪取り締まりの強化を求める意見書」
を採択して、警察力の行使を埼玉県知事、埼玉県警、内閣総理大臣、国家公安委員長に正式に要請した。
このような意見書は日本で類例はない。
意見書では、
「住民の生活は恐怖のレベルに達している」
との深刻な認識が示されている。
2023年7月から現地を歩くと、埼玉県警のパトロールが増え、住民から
「警察の姿が見えて安心した」
との声を聞いた。
ようやく状況が少し改善した。
■懸念される子供たちの非行
「クルド人の子供が怖い」
川口市の住民からそんな感想を聞いた。
私は2023年6月の平日の昼間に、川口市西部を歩いた。
クルド人らしい子供が、学校に行かないのかうろうろしていた。
クルド人の大人が子供を見ている気配がなかった。
ある住民は、騒いでいる10歳ぐらいの子供を注意すると、仲間を呼ばれて取り囲まれ、唾を吐かれた。
商店での万引きもあるという。
別の人が、商業施設で騒いでいる5〜6歳の男の子とその弟らしい子供に注意した。
すると、
「僕たちは可哀相なクルド人です」
「弟は小さいので許して下さい」
と、準備をしていたように流暢な日本語で返事をされた。
誰かが教えているのではないか、と気味が悪くなったという。
2023年8月1日には、クルド人の14歳の男子が埼玉県警に逮捕された。
2023年7月に川口市内の商業施設で、複数でたむろして喫煙していたのを警備員が注意した。
すると、
「外国人を差別するのか」
「爆破してやる」
と脅し、その商業施設に煙幕花火を放り込んだ。
脅迫と威力業務妨害の容疑だ。
かなり異様な行動と発想だ。
在日クルド人の子供は、高い確率で不登校になる。
親が無学で教育熱心でないことに加えて、言葉の壁があるために学校の勉強に付いていけない。
男の子は親族の解体業で働き始める。
女の子が親族の子供の面倒や子守をするが、高校まで行く子は少ない。
2世には「半グレ」の非行グループが出来ているようだ。
クルド人社会は女性の地位が低く、家父長的な家庭が多い。
女の子は父親の権威に服従し、家に縛り付けられる。
在日クルド人を調査した人によると、ある少女は異文化の日本に連れてこられて、友人も出来ず、将来への不安から心を病んでしまい、太ももにナイフを突き立てる自傷行為をしていたという。
子供たちの将来が心配だ。
■「政治難民」という嘘
クルド人たちは、何故日本にいられるのか。
日本は外国人の単純労働者を受け入れていない。
外国人の就労は手続きが大変で、日本語も習得しなければならない。
実は、在日クルド人の大半は正規の手続きを経ず、制度の隙をついて日本に滞在している。
言わば
「裏口」
から勝手に入ってきているのだ。
彼らは、トルコのパスポートで来日する。
トルコと日本は相互に90日間の滞在に限り、ビザ免除で入国できる。
観光を想定したものだ。
クルド人は、その滞在期間中に親族の会社で働く。
滞在期間が切れると帰国して再来日、または違法滞在の形で残り続ける。
または、トルコ政府に迫害を受けるクルド人の政治難民だと申請する。
その難民申請中は、日本に居ることができる。
2023年6月に、難民の申請回数を原則2回にする入管法改正が行われ、2024年度に施行される。
これまでは何度も難民申請ができた。
1回の申請の判断に3年ほど掛かるために、認められなくても何度も申請して日本に居続けられる。
強制送還まで入管施設の外で暮らす
「仮放免」
という曖昧な法的立場で過ごしている人も多い。
仮放免者は原則働けないはずだが、彼らは親族の会社で稼いでいる。
彼らの
「政治難民」
という主張は、恐らく嘘だ。
トルコ政府は、クルド人の迫害政策を採っていない。
クルド人はトルコの2割弱、約1500万人もいて平和に暮らしている。
ただし、トルコ政府は分離独立運動を行うクルド労働者党(PKK)をテロ組織と認定し、その鎮圧のための軍事行動を行っている。
クルド人が暮らしにくい面はあるだろうが、迫害を受けている状況ではない。
そもそも、トルコはEU加盟を目指して司法制度をEU諸国式に作り直し、死刑制度もない。
クルド人は日本に1990年代から来ていたが、近年流入が増え、更に態度が悪くなっているという。
現在、在日クルド人の数は2000人と彼らは主張するが、実際はもっと多いだろう。
日本側には正確な統計さえない。
解体業、産廃業、中古車輸出業、飲食業などで、合法的に滞在するクルド人の経営する企業がある。
彼らは同族を頼って来日してそこで働き、仕事の目処が着くと家族を呼び寄せる。
日本に来るクルド人は、トルコ南東部の特定地域の出身が7割ほどを占める。
ここの主要産業は羊飼いなどの牧畜、農業で貧しい地域だ。
そして無学な人が多いという。
出稼ぎが目的であるために、日本のことを知らず、日本社会や日本人との交流に余り関心がない。
解体業で働くと、報酬は1日1〜2万円ほどだ。
日本では肉体労働で、家族でこの収入で生活するのはきつい。
しかし、彼らは日雇い扱いで税金が曖昧になり、無保険が多く、手取り額は高くなる。
また、彼らの多くは無学で、トルコでは高い報酬の仕事に就けず、農業や羊飼いで月5万円程度しか稼げない。
日本での報酬は魅力的で、嘘をついてまで来日する。
経営者層には、この安い労働力を使い、儲けている人もいるようだ。
■自己顕示欲の強い人たち
それでは、在日クルド人はどのような人たちなのか。
私は
「自分勝手で変わった人たち」
という印象を受けている。
何人かのクルド人に、日本人への迷惑行為について聞いた。
「小さなこと」
と平然と言う人ばかりで、謝罪の言葉はなかった。
暴走車を走らせている刺青だらけの若者は、
「日本人もやっているじゃないか」
と言い返してきた。
そして、自己顕示欲が異様に強い人が多い。
自慢をSNSに頻繁に投稿する。
あるクルド人はテレビに出演し、
「自分は難民」
と主張した。
しかし、妻名義で会社を経営し、会員制クラブの所有するフェラーリやクルーザーに乗っている姿をSNSに残していた。
それをトルコ人が探し出して日本語で紹介し、ネットで炎上してしまった。
迷惑行為を同胞にやめるように呼び掛けているクルド人はいる。
日本人に感謝を伝えたいと、公園の清掃活動をボランティアで行う人もいる。
ただし、そういう人は少数だ。
一方で、一族の絆は強い。
何かトラブルがあると集まり、抗議をする。
警察に対してさえもそうだ。
他の家族とは仲が悪い。
頻繁に乱闘騒ぎを起こす。
かなりギスギスした雰囲気のコミュニティだ。
在日クルド人社会を調査したトルコ人が、次のように語っていた。
「トルコでは、南東部の都市化の遅れた地域のクルド人の『頑迷さ』『自分勝手さ』『閉鎖性』が指摘されている」
「ゴミ捨てなどのルール違反や車の暴走行為も批判されている」
「その地域出身の在日クルド人も同じ特徴がある」
クルド人はトルコ、そしてドイツなどの西欧諸国で、一族で固めた犯罪組織を作っている。
彼らは派手な生活を誇示しており、日本のクルド人に似ているという。
在日クルド人社会に犯罪組織はまだないようだが、
「危険は考えなければならない」
と指摘する。
クルド人の祭り、団体などで、テロ組織PKKの旗がはためいており、トルコでは日本で稼いだ資金を持ち込もうとしたPKK関係者が逮捕されている。
PKKの日本での活動実態は不明だが、警戒すべきであろう。
あるクルド人の解体業経営者に話を聞いた。
「悪い人がいることは確かだし、迷惑行為はやめさせようとしている」
「しかし、全てのクルド人を悪いとは思わないでほしい」
この人は日本に感謝し、寄付やボランティアの社会貢献も行っている。
ただ、日本にいる姪が、日本人男性に
「クルド人め」
と投げ飛ばされる事件があった。
「日本人と協力しようとしている私の努力が虚しく感じる」
「そして、川口市には中国人、ベトナム人など様々なグループがいて悪いことをしているのに、クルド人だけが狙い撃ちされるのは悲しい」
一部のクルド人の異様な行為は、日本と協調しようというクルド人も苦しめている。
■「差別だ!」で誰もが委縮
ただし、クルド人問題を大きくしたのは日本側にも責任がある。
奥ノ木信夫・川口市長は2023年6月の市議会で、
「国が一貫しない政策の問題を地方自治体に押し付けている」
「今回の問題もその1つの表れ」
と不満を述べた。
私も、そう思う。
国は外国人労働者を増やす方針だ。
しかし、どこまで、どのような形で外国人を受け入れるのか、明確ではない。
国民的合意も議論もなく、なし崩し的で受け入れる方向に状況が動いている。
国は実際の措置を自治体に押し付ける一方、予算支援は限定的だ。
クルド人問題では、帰国が前提である仮放免者を放置し続け、埼玉県南部への集住に無策だった。
また、川口市選出の自民党の新藤義孝衆議院議員、川口市出身の大野元裕埼玉県知事は、クルド人問題に沈黙を続けている。
政治的に人権派から批判を受けかねないためだろう。
政治家は動かず、国と県は何も対策をしてこなかった。
更に、国は不法滞在を認めるかのような奇妙な方針を発表した。
斎藤健法相は2023年8月、日本で生まれ育ったものの、在留資格がなく強制送還の対象となる18歳未満の外国籍の子供に、親に国内での犯罪歴がないなど一定の条件を満たせば、法相の裁量で例外的に在留を認める
「在留特別許可」
を与え、家族と共に滞在を認める考えを示したのだ。
連立与党でリベラル色の強い公明党の申し入れを認めたようだが、国会で審議もされないまま重要な決定が行われてしまった。
斎藤法相は、人道的配慮から決定し
「今回限り」
と述べた。
ただし、私はこの特例が
「前例」
に変化し、
「不法滞在者が子供を理由に在留を主張する」
「日本での出産を増やす」
などの問題が起きることを懸念する。
在日クルド人たちは、今回の決定を
「子供を理由に日本に残れるかもしれない」
と喜び、期待している。
元々彼らは
「子供がいると強制送還されない」
と思い込んでおり、日本での子作り、子供の呼び寄せに熱心だ。
日本の行政は甘いので正式に公表していないが、実際に子供のいる家族はなかなか強制送還をされない。
更に出産を巡る日本の行政の支援金を、何故かクルド人が使える。
彼らはそれを最大限利用している。
ある川口市民は、
「斎藤法相と法務省・出入国在留管理庁の幹部は、川口での外国人トラブルの現実を見て欲しい」
と、今回の決定を不快そうに語った。
その上、クルド人の不法滞在を支える日本の人権活動家、メディア、左派政党がいる。
彼らは外国人の問題行為を批判する人を
「差別だ」
と攻撃し、発言する人々を委縮させてきた。
それなのに、クルド人の不法行為、迷惑行為については何もしない。
無責任な人たちだ。
彼らの中には、クルド人から利益を得る人々がいる。
支援する弁護士、司法書士、行政書士にとってクルド人は顧客で、彼らに問題があった方が儲かる。
日本人の建設業者や政治団体には、クルド人を利用して働かせる人たちがいる。
政治勢力、メディアもクルド人を助けて、利益を得てきた。
彼らはクルド人を
「日本政府の政策の犠牲者」
として、入管法改正や外国人政策への批判で登場させ、日本を批判させた。
それなのに、クルド人の違法・迷惑行為がここ数カ月、世の中に知られると、沈黙してしまった。
■向き合う川口市民の不満
それでは、クルド人と今後どのように向き合うべきか。
まず大前提として、現在の彼らの違法・迷惑行為には、厳正に法を適用する必要がある。
そして、
「埼玉県民の危険を減らし、地域に安全を取り戻すこと」
が本筋だ。
生活トラブルでの法的適用だけではなく、クルド人の企業活動でも違法行為を捜査するべきだ。
クルド人の解体業、産廃業は
「安さ」
でここ数年大きく成長した。
その安さが怪しい。
もちろん、全ての企業がそうであるとは言わないが、児童労働や難民の違法就労、税金の支払いで、違法の疑いがある、クルド人が産廃を不法投棄する事例が、関東各地で摘発されている。
政治難民として嘘の申告をして日本に滞在しているクルド人には、原則として帰国してもらうしかない。
また、日本とトルコのこれまでの友好関係からすると難しいであろうが、両国のビザなし渡航は取り止めるべきであろう。
クルド人がこれを使って入国し続けているからだ。
そして頼りないにしても、埼玉県警、埼玉県、川口市などの行政に対して、違法外国人・クルド人を取り締まることを要請し、その活動を支援することも必要だ。
法の執行では、法律の範囲内で問題を解決することを求めるべきだ。
過剰な公権力の行使は、人権侵害を誘発する。
また、一般の日本人によるクルド人や外国人への攻撃、人権侵害は許してはいけない。
問題を混乱させ、解決を遠ざけるだけだ。
人種差別や外国人排撃の感情は日本社会を腐らせる。
更に、クルド人の行動をおかしいと批判する人を
「差別だ」
と批判を向ける人権派の人たちがいる。
声を上げる川口市民、政治家を、こうした批判から日本社会全体で守ることが必要だ。
そうでなければ、問題解決のための議論や活動が委縮する。
日本人と共生する意欲があり、合法的に滞在するクルド人とは協力していく必要がある。
人権配慮を常に考える甘い日本政府は、違法滞在のクルド人をいきなりトルコに帰国させることはしないだろう。
長い時間をかけて、ゆっくり問題を解決するしかない。
しかし、共生を模索しようという私のこのような意見は楽観的かもしれない。
実際に、クルド人の迷惑行為に直面している川口市民からは、
「クルド人とは暮らせない」
との不満が多く、追い返す形での即座の解決を求める声が多い。
■外国人労働者、再考が必要
クルド人問題は、埼玉県だけの問題ではない。
日本に暮らす外国人は全国で約296万人(2022年6月末)いる。
日本人と共生する意思のない外国人とのトラブルは、全国各地で今後広がっていくだろう。
埼玉県南部、特に川口市、蕨市は移民国家日本の先駆けになってしまった。
岸田政権は、外国人労働者の受け入れと移民に積極的だ。
「外国人と共生する社会を作る」
と、岸田文雄首相は発言の度に繰り返す。
経済界を中心に、移民拡大の意見は強まっている。
なし崩し的に、外国人の流入は増え続けている。
私も、人口減や少子高齢化に対応するために移民は必要と考えていた。
しかしその考えを、クルド人を巡る取材で変えた。
日本の行政と社会は、外国人、特に日本人と共生する意思のない悪意の外国人に対応する準備が全く出来ていない。
外国人と住民のトラブルは今後、日本中に広がる。
問題が深刻になる前に、どの立場の人も埼玉県南部のクルド人問題の現状を知り、自分の問題、そして自分の住む地域の問題として対応を考えるべきだ。

埼玉のクルド人を甘やかすな
移民国家への第一歩? 川口市でのクルド人騒動は日本中で起こり得る!
WiLL2023年10月号 
ジャーナリスト 石井孝明
川口市議会議員 奥富精一
■川口市の現状
★石井
埼玉県川口市で2023年7月4日、トルコ人国籍のクルド人同士の殺人未遂事件があり、重傷を負った男らが運ばれた
「川口市立医療センター」
周辺に双方の親族ら約100人が集まって暴力沙汰になる騒動へと発展しました。
周辺の交通が混乱し、2023年7月4日午後11時半から翌2023年7月5日午前5時までの間、救急車の受け入れができなくなりました。
このようなことが起きた背景には何があるのでしょうか。
★奥富
川口市でのクルド人問題を取り上げて下さり有難うございます。
私の住む川口市の外国人住民は、約3万9000人(2021年12月末)と、市人口約60万9000人のうち、約6.4%を占め、その数は全国自治体で1位。
クルド人は川口市近郊に2000人以上います。
大前提としてクルド人のほとんどが川口市周辺に集住しています。
★石井
私は奥富市議と川口市民の皆さんが、クルド人問題に困っていることをインターネットなどで発信しているのに、メディアも政治家も無視し続けることに憤りを感じて、2023年5月から自分のサイトやSNSで問題を取り上げてきました。
奥富市議はクルド人問題に対して警察・行政による取り締まりを訴えていますが、川口市で何が起こっているのでしょうか。
★奥富
触法行為には厳正に対処するべきですが、法に触れるほどでもない騒音や不法投棄などの迷惑行為といったグレーゾーンが多く、そこが悩みの種です。
また違法行為であったとしても、何故か警察が取り扱わない。
クルド人が運転する車に突っ込まれて、家や物が壊されるといった物損事故があっても、ほぼ100%警察は取り扱ってくれない。
★石井
クルド人が運転する自動車の多くは他人名義、無免許、無保険なので、警察の対処も煩雑になり、取り締まりに消極的なのでしょう。
★奥富
改造車による騒音や危険運転も酷い有り様です。
改造車の問題には地域住民も積極的に取り組み、ようやく警察も動き出して改造車の騒音に関しては若干減ったように感じます。
しかし、音が小さくなっただけで悪質運転(スピード違反やドリフト走行など)はそのままです。
★石井
日本人女性に対するナンパや放尿、個人による不法投棄も多い。
洗濯機や掃除機、冷蔵庫といった、それまで使っていた大型家電が不法投棄されていたりもします。
川口市民からよく聞くのは、クルド人の子供たちが怖いという証言です。
昼間に街やゲームセンターをウロウロし、万引きが増えているそうです。
★奥富
1990年代に政治難民と称して日本にやってきたクルド人の子供(2世)が、ここ2〜3年でギャング的な暴力事件を起こしている。
夜中に住宅街での大喧嘩、騒音や迷惑行為、コンビニでのたむろは日常茶飯事です。
★石井
深夜に外国人男性が集団でたむろしていたら、誰だって怖いはずですし、女性は尚更です。
私が思うに彼らの印象は、1980年代の「ヤンキー漫画」の登場人物といった感じです。
喧嘩がかっこいいと思ったり、違法な改造車や薬物に手を染めたりする・・・それをSNSで自慢する奇妙な行動をしているのです。
■日本に同化しないクルド人
★石井
不思議なのは、何故日本にやってきたクルド人が、川口を選んだのかという点です。
過去の記録や資料がなく、口コミや噂レベルでの話はたくさんあるのですが、どれも眉唾物で、断定できません。
★奥富
客観的に言えるのは、川口には産業廃棄物の集積場や解体業者が多くあったことです。
1990年代から、クルド人が仕事を求めてやってきて、働くようになりました。
彼らは解体業を中心に設計を立て、家族を持つようになりました。
日本で本国(トルコ)以上に豊かな生活ができるようになったクルド人が、トルコにいる親族を日本に呼び寄せ、どんどん増えていったのです。
★石井
川口にいるクルド人は、同族で共同体を作っています。
また集住者の7割は南東部クルド人と呼ばれる、トルコの特定地域からやってきた人たちです。
彼らは家族や親戚といった血族で団結するのですが、別の血族とは喧嘩をするほど仲が悪い。
彼らはクルド人同士でも対立しています。
2023年7月に起こったクルド人100人による騒動も、敵対し合う一族の揉め事が始まりのようです。
仲間を助けるつもりで集まった結果、機動隊が駆け付けるほど大規模な事件に発展してしまった。
興味深いのですが、あるクルド人が、別のグループに所属するクルド人が起こした問題行動の写真や動画を、私のSNSやメールに報告してくるのです。
クルド人がクルド人の問題行為を、告げ口し合っているという状況です。
★奥富
川口に住むクルド人は、血族的な団結力は強いのですが、クルド人という民族単位で見た時にはまるで団結力がない。
彼ら自身で非常に閉鎖的な社会を形成していますが、解体業などで儲けてはいるので、彼らだけで社会が成り立ってしまうのです。
しかも彼らは日本社会と一切交わろうとしません。
日本語を覚えようとしないし、日本文化にも興味がない。
★石井
在日クルド人の多くはトルコにおいて教育を全く受けず、日本に来た人が多い。
そういった人たちがトルコで就職するとなると農業を営むか、羊飼いになるしかなく、手取りで日本円換算5万円ほどと聞きます。
となると日本にリスクを負っても来るのは納得できます。
★奥富
更に親がまともに教育を受けていない場合が多いので、子供にも向学心がありません。
小中学校の先生に聞くと、クルド人は特に読み書きに熱心ではないとのことです。
親も教育を重視しません。
向学心がないため、次第に学校での授業についていけなくなった子供のドロップアウト率が非常に高い。
学校に行かなくなったクルド人の子供たちが、非行や犯罪に走るのです。
★石井
クルド人アパート問題も深刻です。
審査基準が緩く、クルド人を受け入れる不動産会社が存在します。
川口市に、生活保護受給者などが多く住むアパートがありますが、そのアパートで空き室が出ると、すぐにクルド人が借ります。
★奥富
昼間から学校に行っていない子供の騒ぎ声など、案の定、騒音やゴミといったトラブルが発生し、警察沙汰になっています。
警察官やアパートの管理会社が来て対処しようとするのですが、改善は難しく、多くの日本人住人がそのアパートを去る。
そこに、更にクルド人たちが入居するといったことが繰り返され、結果的にクルド人アパートが完成します。
そういったアパートが川口市に10何軒とあります。
■日本の危ない支援者
★石井
そもそも彼らは何故日本に居られるのでしょうか。
日本は単純労働の外国人労働者を制度の上で受け入れていません。
★奥富
日本とトルコの間には最大90日間の観光ビザがあります。
90日、日本で不法に働き、その後は不法滞在や1度帰国してからまた日本に来るパターンもありますが、往復の交通費もバカになりませんから、それを嫌がり難民申請をする。
審査に3年ほどかかるため、その間、日本に滞在できる。
川口市のクルド人全てが貰っているかどうかは分かりませんが、一定期間なら難民申請することで、難民手当として生活費や家賃を得ています。
5回、6回と申請を重ねていくうちに日本に居着いてしまうパターンが多い。
★石井
そもそも、
「難民」
という主張も怪しいですね。
トルコ政府はクルド人を迫害していません。
またEU加盟を目指して1990年代に司法制度を作り変えて、死刑も廃止しています。
クルド人のテロ組織を取り締まってはいますが、クルド人であることを理由に投獄や暴力などは、行っていません。
日本に来たクルド人がこうした手段を初めから知っているとは思えません。
いわゆる
「人権屋」
と言われる、一部の左翼が日本に来たクルド人に、こうした手続きを教えている可能性もあります。
★奥富
日本語がほとんど分からないクルド人が会社設立の手続きや、登記など出来るわけがありません。
クルド人を利用して金儲けを企む行政書士と弁護士が恐らく背後に存在しているでしょう。
彼らは1回20万〜30万円ほどで不動産の登記や仮放免、難民申請を行います。
また、クルド人を利用して利益を得ようとする日本人ブローカーが存在しているのだと思います。
★石井
もう1つのパターンが、善意がズレた人たちの存在です。
ある活動家は子供を守ると称して、クルド人の子供をクリスマスパーティーに招いたとのことです。
クリスマスは、イエス・キリストの生誕を祝い、
「神の子」
との認識を示す祭りです。
異教を禁じるイスラム教徒が参加したら、大変な問題になる。
日本に来たクルド人は、イスラム教に熱心ではありませんが、熱心なイスラム教徒だったら、この活動家を攻撃する可能性もありました。
この活動家はクルド人やイスラム教を学ぶことなく、一方的な善意で
「クルド人の子供を救うこと」
だけを考え、クルド人に押し付ける。
異様な支援活動です。
★奥富
東京新聞の望月衣塑子氏が入管法改正案に反対の立場で
「外国労働者、その子供のために正義を貫いてほしい」
とSNSに投稿し、クルド人の子供が国会前でデモを行っている動画を拡散しましたが、私は
「川口の子供の悲痛な叫びも聞け」
と反論しましたよ。
善意と思っていることが、悪意に取られるケースはたくさんあることを左派には知ってもらいたい。
■多少の改善
★石井
川口市でのクルド人問題を見てきた奥富市議は、どういった対策を考えているのですか。
★奥富
私は2023年4月の川口市議会選挙で、
「外国人問題に向き合う」
「地域住民と善良な外国人を守る」
といった公約を掲げ、選挙に挑みました。
そうすると、地域住民や同僚議員から、クルド人問題の相談がたくさん来ました。
★石井
これまで世間に認知されてきませんでしたが、川口市民の間では、クルド人に対して不満や恐怖心を抱いていたのですね。
★奥富
川口市議会の2023年6月定例会で、
「一部外国人による犯罪の取り締まり強化を求める意見書」
の採決に尽力、警察官の増員、パトロールや取り締まりの強化を要望しました。
★石井
この意見書は衆議院・参議院・内閣総理大臣・国家公安委員会・埼玉県知事・埼玉県警に提出された極めて重い意見書です。
★奥富
ええ。
それだけでなく、
「ストックヤード条例(川口市資材置場の設置等の規制に関する条例)」
が2022年7月1日に施行されました。
この条例では、
「新規のストックヤードについては、中の様子が見えるような視認性の高い塀を設置すること」
「騒音・振動・粉塵の発生軽減措置を講じること」
といった規制を制定しました。
施行後、新規のストックヤードは2件しか登録されていません。
また、この条例ができたことで、新たなストックヤードを作りたいクルド人が、条例のない越谷市などに移るようになったとも言われています。
ストックヤード条例の施行以前から建てられていたストックヤードについても、きちんと調査ができるよう、条例改正を目指しています。
★石井
奥富市議のご尽力があってか、川口市内の警察車両によるパトロールが増えた印象を受けます。
路上駐車などの違法行為も少し減少したようです。
2023年度になってから、税務署、入管、労基署がクルド人の営む解体業者に対して、見回りや監視をしています。
クルド人経営者が儲かっているのは税金をきちんと払っていないためでしょうから、国税局も目を光らせている。
クルド人側もSNSで情報共有をしていますから、警戒をしているようです。
★奥富
川口市民が一番気の毒です。
川口市民は非常に良い人が多く、むしろ、クルド人を心配したりしています。
クルド人たちに悪意はないのでしょうが、マナーのない行為に罪悪感を抱かないことが許せない。
★石井
市議会がこの問題に前向きに取り組んでいるのは嬉しい。
今まで、トルコ大使館は、クルド人は難民であるからとして黙認していましたが、さすがに暴動まで発生したので調査を実施しています。
産経新聞(2023年8月13日付)によると、コルクット・ギュンゲン駐日トルコ大使は
「日本の法令、しきたりに則って滞在することが重要だ」
と言っています。
正論です。
川口市の場合は、市議会議員の皆さんのおかげで少しずつ改善していることを実感します。
心配なのはクルド人テロ組織の旗が、クルド人の集会や祭りで掲げられていることです。
その関係者が日本に居る可能性があります。
日本が国際紛争に巻き込まれなければ良いのですが。
■国が具体策を示せ!
★石井
ここまでクルド人の悪事や問題行動が悪化、増大すれば、日本人とクルド人の共生は極めて困難だと思います。
クルド人の入国拒否も、日本への流入が止まらなければ検討すべきです。
★奥富
中には良いクルド人もいるでしょう。
しかし宗教や民族的価値観の違いで日本人と交わることのできない壁は必ずあります。
私は行政の考える”多文化共生”というのは成り立たないと思っていますから。
★石井
これからも川口市におけるクルド人問題は続いていくと思います。
すぐに解決する問題ではない。
奥富市議は今後どのような対策を考えていますか。
★奥富
法の適用を粛々とやっていくだけです。
我々日本人はは小さな問題を1つ1つ潰していくことしかできません。
私がクルド人問題に関して主張し続けているのは、2つだけ。
「犯罪・不法行為をしない」
「ルールと地域の慣習を守る」。
入管の話やテロリストの話を持ち出してしまうと、私だけでは対処しきれない問題が多く含まれてしまう。
国会議員との連携も重要になるでしょう。
とにかく、真面目な外国人は守るべきだし、犯罪行為を繰り返す外国人はすぐにでも本国にお帰り頂きたい。
難民と認定された場合、当然ですが入管や警察など、川口市はありとあらゆる情報を関係部署に提供すると議会で答弁しています。
実際に強化を目指します。
クルド人との向き合い方は、国が考えなければならない問題です。
ところが、国から何の対策や指針も出せされない。
完全に知らんぷりですよ。
★石井
政府は外国人と共生することに対して非常にぼんやりとした考えしか示さず、具体策がありません。
国が外国人との共生を目指そうと言ったものの、どのようにして共生を図るのか、そもそもクルド人を何人受け入れるのか、大前提としてどの国の人をどれだけ迎え入れるのか、それに伴う費用をどこがどれだけ負担するのか、そういったことが全く議論されていない。
★奥富
まるで何も決まっていません。
それで一番困っているのは川口市民ですからね。
■大喜びするクルド人
★石井
斎藤健法相が2023年8月4日に、日本生まれで、在留資格がなく強制送還の対象となる18歳未満の外国籍の子供に対し、一定条件を満たせば、法相の裁量で例外的に在留を認める
「在留特別許可」
を付与すると発表しました。
今回の判断で、18歳未満の子供約140人と、その家族にも在留が認められる見込みです。
★奥富
受け入れを認めるのは結構ですが、受け入れた地域の住民との軋轢があることを斎藤法相に見えているのか、そこを聞きたい。
★石井
全く見えていないはずです。
地域に負担を押し付けたまま集住だけを認めている。
これは完全に国の過ちです。
★奥富
「在留特別許可」
が正しいのか、国民全体で考え直すべきです。
★石井
クルド人はこの斎藤法相の決定を大喜びしています。
彼らの子供が認定される可能性があるからです。
元々日本の行政は甘く、子供がいる家庭は確かに送還されにくい傾向があります。
そのために、クルド人は日本で一生懸命子供を作るそうです。
どうも、生まれてくる子供の幸せを考えず、在留の道具に考えている気配がある。
「蟻の一穴天下の破れ」
と言いますが、特例が必ず前例となるでしょう。
今後はどうしてクルドで生まれた子供は助けないのか、という話も出てくるでしょう。
★奥富
もう既に、何で日本で生まれた子供だけ許されるのだという声が出ています。
そのようにクルド人を受け入れることで、例えば川口市にかかるコストを計算した人は誰かいるのでしょうか。
★石井
クルド人を受け入れることで、彼らに使われている税金の方が、彼らが日本にもたらす利益より多いでしょうね。
また日本の価値観、人々の安全といった金銭に変えられないものを壊しかねないリスクも生じています。
★奥富
市、県、国がそれぞれ対策を打ち出すべきです。
クルド人問題が川口市で起こったのは単なる偶然かもしれません。
しかし、今後、日本全国どこでもあり得る話であり、これから皆さんの街で起こり得る話です。
是非、関心を持ってもらいたい。
★石井
国際的なベストセラーになった、英国のジャーナリストであるダグラス・マレーの『西洋の自死』(東洋経済新聞社)は、移民や難民を受け入れて大混乱した西洋社会の問題を紹介しています。
そこでは、移民に問題があると声を上げた者はメディアや社会、リベラルから潰されると書かれています。
日本でも同じ問題が起きています。
実際に声を上げる川口市民やクルド人問題の改善に向けて努力を続けている奥富市議、自民党の川口市議団に対して、左翼連中はレイシストや差別主義者だとレッテルを貼り、潰そうとします。
我々日本社会全体で、協力して奥富市議をはじめとする声を上げる人たちの活動を守り、助けていかなければなりません。
そして日本人ではなく、クルド人の方が自らの行動を改め、日本のルールに従わない限り、共生は難しいでしょう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/608.html#c45

[政治・選挙・NHK291] <横断幕にギョッとした>「汚染水」と呼べない福島県民の苦衷(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
30. 2023年9月02日 06:57:02 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-66]
<■116行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
処理水と対中外交 WTO提訴をためらうな
2023/9/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20230902-UDX3IDFHFRO6TITLDN7HQEALAA/
岸田文雄首相と林芳正外相の最近の対中外交には疑問を呈さざるを得ない。
中国が東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に難癖をつけ、日本産水産物の輸入を全面禁止した不当な措置への対応のことだ。
中国政府の行動は他国に圧力をかける不当な経済的威圧であり、容認できない。
岸田首相は遺憾の意を表明した。
岸田政権は中国政府に対して、海洋放出への反対と不当な禁輸をそれぞれ撤回することや、科学的見地に基づく協議を求めている。
だが、これだけでは行き着く先は泣き寝入りである。
不十分だ。
岸田首相は近く、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連や20カ国・地域(G20)の首脳会議に出席する。
各国に日本の立場を丁寧に説明し、中国には翻意を迫らなくてはならない。
ただし、頑なな中国側は納得しないだろう。
岸田政権は中国政府の不当さを一層明確に批判し、世界貿易機関(WTO)への提訴に踏み切るべきだ。
その上で万が一にも敗訴しないよう全力を尽くす必要がある。
林外相は2023年9月1日の記者会見で、
「WTOや関連協定の枠組みの下、何が最も効果的かの観点から様々な選択肢を不断に検討する」
と述べた。
中国政府による日本産水産物の全面禁輸の公告は2023年8月24日だ。
未だに
「検討」
を唱えているようでは話にならない。
処理水に
「核汚染水」
という誤ったレッテルを貼り、自国や世界で不安と反日感情を煽る中国政府には一分の理もない。
岸田政権には、今回の問題が日中2国間という範疇にとどまらないという視点を持ってほしい。
世界第2位の経済大国である中国は各国に経済的威圧を繰り返している。
そのような暴挙を押しとどめる責務が世界第3位の日本にはある。
日本が立ち向かわないようでは、米国以外の国々が中国の経済的威圧に対抗することは難しくなる。
日本の水産業者の保護は重要だ。
同時に、国際ルールや科学に基づく公正な国家関係、通商を守る責任も日本にはある。
2023年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の首脳声明は経済的威圧への共同対応を打ち出した。
日本は2023年の議長国であるのに、この約束を忘れたのか。
G7外相声明すら出ていないのは極めて不可解だ。

中国主張「事実に反する」 外務省、大使館HPに反論
2023/9/1 23:50
https://www.sankei.com/article/20230901-EI57R2BVOZPYBKBDTJUATHEKHA/
外務省は2023年9月1日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、在日本中国大使館のホームページ(HP)に事実に基づかない主張が掲載されているとして、中国側に反論したとする文書を発表した。
国際原子力機関(IAEA)が関与したモニタリング(監視)を否定する姿勢を
「IAEAの安全基準に依拠して設定された中国の基準さえ否定するもので、極めて無責任だ」
と批判した。
文書は、2023年8月28日に岡野正敬外務事務次官と面会した呉江浩駐日大使の発言としてHPに掲載されている
@日本はトリチウム以外の放射性核種について説明していない
Aモニタリングの対象が少なく安全と言えない
BIAEA以外の国際機関や他国の参加がなく透明性を欠く
の3点に反論。
@処理前の水に存在し得る29核種は規制基準未満まで除去する
A東電や環境省、福島県などが包括的なモニタリングを行い結果を公開している
BIAEAによる比較評価には米国、フランス、スイス、韓国の分析研究機関が参画している
と指摘している。

放出口付近でトリチウム検出 放出後初 東電「安全問題ない」
2023/9/1 21:52
https://www.sankei.com/article/20230901-IMYU4OGLF5KJZFHDO57YHKRUVU/
東京電力は2023年9月1日、2023年8月31日に福島第1原発の処理水放出口付近で採取した海水から、放射性物質トリチウムが1リットル当たり10ベクレル検出されたと発表した。
2023年8月24日の放出開始後、検出は初めてで、東電は
「放出の影響とみられるが、安全には全く問題ない」
としている。
東電によると、過去5年間の第1原発沖での濃度は0.4〜2.8ベクレル。
検出されたのは原発3km圏に10カ所ある採取場所のうち、放出口から最も近い場所の海水。
また同じ場所で2023年8月24日に採取した海水を精度を上げて分析した結果、2.6ベクレル検出された。
通常の分析では検出下限値未満だった。
残りの9カ所では通常分析、精密分析とも検出下限値未満だった。
環境省と福島県は2023年8月30日に原発周辺でそれぞれ採取した海水を、水産庁は2023年8月31日に放出口近くで採取したヒラメ2匹を分析した結果、全て検出下限値未満だったと発表した。

日商会頭、処理水巡る中国対応を非科学的だと批判 「憂慮だけでなく遺憾」
2023/9/1 20:51
https://www.sankei.com/article/20230901-XEH2R4O4VBMNLHRY5IZJDAXSQM/
日本商工会議所の小林健会頭は2023年9月1日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡る中国政府の対応について
「国として科学的な根拠に基づかない発信をすべきではない」
と指摘し、
「核汚染水」
といった非科学的な主張で日本を非難する姿勢に疑問を投げかけると共に
「日本産の食品や食料に影響があることを考えると、憂慮するだけでなく、非常に遺憾と言わざるを得ない」
と中国側を批判した。
小林氏は、中国は日本の最大の貿易相手で、しかも隣国だとした上で
「日本経済にとって避けられない(相手)と十分認識しながらも『それでも』という部分がある」
と述べ、処理水を巡る動向は看過できないとの認識を強調。
中国による日本産の水産物の輸入停止や風評被害で損失を被っている地方の水産業者などを
「全面的に支援していきたい」
と述べた。

水産物のトリチウム測定、1時間に短縮 茨城大、電子レンジ使用
2023/9/1 18:14
https://www.sankei.com/article/20230901-HTZPR6HGHNP7NBGV7SDVPZSRRI/
茨城大大学院の鳥養祐二教授(量子線科学)の研究室が、水産物に含まれるトリチウム濃度を約1時間で測定する技術を開発した。
従来の1カ月から、電子レンジを使用して大幅に短縮した。
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出後の2023年9月1日、福島県相馬市で水揚げされた魚介類から抽出した水分中のトリチウム量を調べた結果、国が安全と定める基準を下回った。
測定に使ったのは、2023年8月30日に取れたホッキ貝、ヒラメなど3種類。
植物などの濃度測定に使われる手法を改良した。
実用化できれば、水揚げから店頭に並ぶまでの間に測定が可能になるという。
鳥養教授は
「安全性の説得力が増す」
と語り、風評被害対策に貢献したいと強調した。
2023年9月1日の測定で検出されたトリチウムは、いずれも放出前の海水に含まれる量と同程度だったため
「放出の影響は見られない」
と結論付けた。

林外相「選択肢不断に検討」 対中、WTO提訴論に
2023/9/1 14:33
https://www.sankei.com/article/20230901-XV32MEWKCBPLDDQKFXQLQI7WVI/
林芳正外相は2023年9月1日の記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水放出後の中国による日本の水産物全面輸入停止を巡り、自民党内の世界貿易機関(WTO)への提訴検討を促す意見に関し
「WTOや関連協定の枠組みの下、何が最も効果的かの観点から様々な選択肢を不断に検討する」
と述べた。
同時に
「建設的かつ安定的な日中関係を双方の努力で構築するためにも、中国側には冷静かつ建設的な対応を求めたい」
とも語った。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/626.html#c30

[政治・選挙・NHK291] 「汚染水」の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める れいわ新選組が声明(長周新聞) 赤かぶ
55. 2023年9月02日 10:21:01 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-65]
<▽39行くらい>
風を読む
中国が嫌う日本の核オプション 論説委員長・榊原智
2023/9/2 10:00
https://www.sankei.com/article/20230902-CDFNLSX2FVI25PU2L5AVCNR4FE/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に中国共産党政権が猛反発し、安全な日本産水産物を禁輸した。
「核汚染水」
という誤ったレッテルを貼り、不安と反日感情を煽っている。
海洋放出の安全性は、国際原子力機関(IAEA)の科学を踏まえたお墨付きもある。
それでも中国共産党政権が反対するのは、無理にでも問題化して政治利用したいからだ。
民主的選挙を経ない中国共産党政権には正統性が乏しい。
専制的だが、経済変調がもたらす国民の怒りに怯える弱い体制でもある。
国民の不満の矛先を日本に向け、新たな反日カードにもしたいのだろう。
台湾や経済安全保障の問題で国際社会と対峙する今、
「反日」
で国内の結束を図る目的もあろう。
理由は他にもある。
日本の原子力を混乱させたい、潰したいという暗い情念だ。
原子力を高い政治的リスクのある問題に仕立てれば、経済と軍事両面で日本にダメージを与えられる。
日本の世論を分裂させ、原発再稼働や新増設にブレーキを掛ければエネルギー安全保障を不安定にし、日本の経済成長を抑え込める。
原発輸出のライバルの弱体化も見込める。
軍事的には、日本の
「核オプション」
や、安倍晋三元首相が遺した
「核共有」
の議論を潰す作用が期待できる。
核オプションとは核武装するかどうかの選択の自由を指す。
それには、核兵器生産の潜在的能力に繋がる技術的基盤が不可欠だ。
自前の技術に基づく民生利用の原発は、結果的に、核オプションを担保している。
日本は核拡散防止条約(NPT)や非核三原則などで核兵器の製造を自制している。
一方で、核オプションを持つ現実は、日本の抑止力を高め、外交力を下支えしている。
米国のジョージ・W・ブッシュ政権は中国に対し、北朝鮮の核・ミサイル開発を阻むよう働き掛けた際、そうしなければ日本の核開発を止めることは難しいという論法を用いた。
中国が日本の核武装の可能性を恐れていることを類推させる。
「政権は銃口から生まれる」
という毛沢東の言葉を奉じる中国共産党政権は国家の力関係をまず、軍事面から見る。
彼らの海洋放出への難癖は、隣国日本の核オプションを潰せるかもしれない策略でもあるのだから、日本との友好を損なっても、世界から非科学的と批判されても痛痒(つうよう:精神的・肉体的苦痛や物質的な損害、物事の進行に具合の悪い事情)を感じないのである。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/622.html#c55
[国際33] 中国外相「日韓との協力に期待」=王毅・朴振両氏が電話会談/時事通信 仁王像
1. 2023年9月02日 11:03:31 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-64]
<■74行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大
2023/9/1 18:10
https://www.sankei.com/article/20230901-KKKY4I7NJVI3RKGFEFM7234BCQ/
中国が発表した新しい地図に対し、アジアで非難が一斉に広がっている。
地図には、中国が南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線
「九段線」
を拡大した
「十段線」
が記され、領有権を争うフィリピンやベトナムなどの他、台湾も反発。
一方的な領有権の主張は、2023年9月上旬にアジアで相次ぎ開かれる国際会議で火種となる可能性がある。
地図は中国自然資源省が2023年8月28日に公表した
「2023年版標準地図」。
南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されている。
また、ヒマラヤ地域では、中国が
「南チベット」
として領有権を主張するインド北東部の
「アルナチャルプラデシュ州」
も中国領として記載された。
地図を巡ってフィリピンは2023年8月31日の声明で
「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」
と反発。
南シナ海での中国の主権主張を退けた2016年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めた。
ベトナムも2023年8月31日に
「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」
との声明を発表し、
台湾の外交部(外務省に相当)報道官は
「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」
と批判した。
マレーシアも
「ボルネオ島(カリマンタン島)沖の自国の排他的経済水域(EEZ)と重なる水域を中国領にしている」
と非難し、
インドは
「国境問題の解決を複雑にするだけだ」
と中国の姿勢に反発した。
2023年9月上旬にはインドネシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が、インドで20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。
中国とASEANは南シナ海での紛争防止を目指す
「行動規範」
策定作業を進めているが、今回の領有権の主張は協議に影響を与えそうだ。
インドはG20議長国であり、会議直前の地図公開は円滑な議事進行の妨げとの受け止めが広がっている。
印紙ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)は
「インドを敵対国として扱い、圧力を掛ける狙いは明確だ」
と批判した。
中国外務省の汪文斌報道官は2023年8月31日の記者会見で、地図に関して
「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」
と述べ、領有権主張を正当化した。

風を読む
中国が嫌う日本の核オプション 論説委員長・榊原智
2023/9/2 10:00
https://www.sankei.com/article/20230902-CDFNLSX2FVI25PU2L5AVCNR4FE/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に中国共産党政権が猛反発し、安全な日本産水産物を禁輸した。
「核汚染水」
という誤ったレッテルを貼り、不安と反日感情を煽っている。
海洋放出の安全性は、国際原子力機関(IAEA)の科学を踏まえたお墨付きもある。
それでも中国共産党政権が反対するのは、無理にでも問題化して政治利用したいからだ。
民主的選挙を経ない中国共産党政権には正統性が乏しい。
専制的だが、経済変調がもたらす国民の怒りに怯える弱い体制でもある。
国民の不満の矛先を日本に向け、新たな反日カードにもしたいのだろう。
台湾や経済安全保障の問題で国際社会と対峙する今、
「反日」
で国内の結束を図る目的もあろう。
理由は他にもある。
日本の原子力を混乱させたい、潰したいという暗い情念だ。
原子力を高い政治的リスクのある問題に仕立てれば、経済と軍事両面で日本にダメージを与えられる。
日本の世論を分裂させ、原発再稼働や新増設にブレーキを掛ければエネルギー安全保障を不安定にし、日本の経済成長を抑え込める。
原発輸出のライバルの弱体化も見込める。
軍事的には、日本の
「核オプション」
や、安倍晋三元首相が遺した
「核共有」
の議論を潰す作用が期待できる。
核オプションとは核武装するかどうかの選択の自由を指す。
それには、核兵器生産の潜在的能力に繋がる技術的基盤が不可欠だ。
自前の技術に基づく民生利用の原発は、結果的に、核オプションを担保している。
日本は核拡散防止条約(NPT)や非核三原則などで核兵器の製造を自制している。
一方で、核オプションを持つ現実は、日本の抑止力を高め、外交力を下支えしている。
米国のジョージ・W・ブッシュ政権は中国に対し、北朝鮮の核・ミサイル開発を阻むよう働き掛けた際、そうしなければ日本の核開発を止めることは難しいという論法を用いた。
中国が日本の核武装の可能性を恐れていることを類推させる。
「政権は銃口から生まれる」
という毛沢東の言葉を奉じる中国共産党政権は国家の力関係をまず、軍事面から見る。
彼らの海洋放出への難癖は、隣国日本の核オプションを潰せるかもしれない策略でもあるのだから、日本との友好を損なっても、世界から非科学的と批判されても痛痒(つうよう:精神的・肉体的苦痛や物質的な損害、物事の進行に具合の悪い事情)を感じないのである。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/413.html#c1

[国際33] 中国外相「日韓との協力に期待」=王毅・朴振両氏が電話会談/時事通信 仁王像
2. 2023年9月02日 11:15:37 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-63]
<▽49行くらい>
台湾・外交部長が寄稿 「今こそ台湾の国連参加を」
2023/9/1 16:03
https://www.sankei.com/article/20230901-WFP2J2AYIFPATLWNJBS2KP7ASQ/
台湾の呉サ燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)が国連総会の新会期が2023年9月5日に始まるのを前に産経新聞に寄稿し、地球規模の課題の解決や国際社会の平和と安定のため、国連と関連機関への台湾の参加を認めるよう訴えた。
詳細は以下の通り。

冷戦が終結して以来、国連憲章が掲げる国際紛争を平和的に解決する原則によって、ルールに基づく国際秩序と世界平和が維持されてきた。
だが、ロシアによるウクライナ侵略はその原則に反し、人権を著しく侵害している。
この戦争がもたらした人道危機と経済的な衝撃は、グローバル時代において危機が国内に止まらないことを人々に気付かせた。
地球規模の安全保障上の脅威は、自国周辺以外の地域でも発生を防がなければならない。
とりわけ、民主主義の台湾は中国からの巨大な挑戦に直面している。
台湾を1度も統治したことがない中華人民共和国は、台湾を力で奪い取ることを宣言し、武力行使の放棄を拒否している。
台湾は常に冷静沈着に台湾海峡の平和と安定の現状を維持してきたが、中国の経済力と軍事力が強くなるにつれ、北京は台湾に軍事力を見せ付けて脅迫するようになり、我々の民主的な生活様式を脅かしている。
台湾海峡の平和と安定を共に維持していくことは、各国の利益と一致する。
この地域でどんな衝突が発生しても、世界経済に災難をもたらすことになる。
近年、国際社会では数多くの共同声明で、台湾海峡の平和と安定が地球規模の安全保障に極めて重要であると強調されている。
戦争を回避するためには、包容性や対話が必要であり、そして最も重要なのは団結だ。
国連は今も対話の最良のプラットフォームであり、度々団結や包容性をもって問題解決に取り組むよう呼び掛けている。
台湾はその努力に参画する意欲も能力もある。
しかし、中国が国連総会第2758号決議(アルバニア決議)の解釈をミスリードし、台湾は国連から排除されたままだ。
同決議では、台湾が中華人民共和国の一部だとは言及しておらず、中華人民共和国に国連と関連機関における台湾の人々の代表権を与えたものでもない。
逆に、同決議は誰が
「中国」
という加盟国を代表するかを確定したに過ぎない。
これは1971年に同決議が可決された際、国際社会と中国がいずれも認めた事実である。
中国の誤った解釈と国連憲章が堅持する基本的原則は矛盾するもので、必ず正されなければならない。
我々は国連に対し、国連が掲げる
「誰も取り残さない」
という原則を堅持し、国連システムへの台湾の参加を認め、地球規模の協力が必要な議論から台湾を排除しないよう呼び掛ける。
もし国連が、台湾の市民や記者の関連会合への出席や取材を許可し、
「持続可能な開発目標」(SDGs)
に関するメカニズムへの台湾の意義ある参加を認めるなら、それは良い始まりとなるだろう。
国連システムへの台湾の意義ある参加を認めることは、世界が共に対処すべき地球規模の課題の解決に寄与すると共に、世界が脅威に遭遇した際、国連が一致団結して世界平和を守る決意を示す象徴となる。
団結は力なり。
今こそ台湾を国連に組み入れる時だ。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/413.html#c2
[政治・選挙・NHK291] 国民を犬死させた戦争に負けた日(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
22. 2023年9月03日 05:43:31 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-62]
<■143行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
埼玉・川口市「クルドカー」問題、暴走行為やトラック過積載収まらず…警察不信高まる 市長は法相に強制送還の要望書
2023.9/2 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230902-VRHVGATZIRNJXKIRZ3QXUYIZLA/
埼玉県南部に集住するトルコ国籍の一部クルド人と、住民のトラブルが続いている。
埼玉県や県警、川口市などには苦情が寄せられ、県警は違法行為を取り締まってはいる。
ただ、車の暴走行為やトラックの過積載などは収まらないという。
高まりつつある住民らの警察不信。
ジャーナリストの石井孝明氏は緊急リポート第3弾で、
「クルドカー」
問題に迫った。

「クルドカー」
最近、埼玉県南部で、こんな言葉が生まれている。
「中東系の人が運転する危険な車」
という意味だ。
住民は不安と恐怖を感じており、そうした車を見ると逃げ出す状況だ。
同県川口市と蕨市には、トルコ国籍のクルド人が数千人集住している。
彼らは不法滞在や難民申請など、正規ルートではない形で日本に住み、解体業・産廃業などで働いている。
問題の写真は、埼玉県南部を走る
「クルドカー」
だ。
危険なほど高く、解体で出たとみられる廃材などを積み上げている。
過積載の可能性が高い。
荷台から崩れたり、車が横転した場合、廃材が道路や歩道にぶちまけられ、車や歩行者が巻き込み事故に遭う危険性があり得る。
クルド人は車が好きだ。
高級車や高出力エンジン搭載車に乗り、猛スピードで走る。
私も、この地域を取材していて、クルド人運転とみられる車の危険な割り込み、住宅地を高速で飛ばす車を何度も見た。
実際にクルド人による交通事故、死亡ひき逃げ事故がこれまでに発生している。
不思議なことだが、一部のクルド人はSNSで
「クルドカー」
を自ら公開している。
過積載の多さを自慢している映像もある。
中には、明らかに未成年と思われる子供たちが、トラックや車を運転している映像もある。
法律を守る意識が希薄で、日本人の安全が損なわれることを配慮していないように感じる。
日本側にも問題がある。
日本企業は解体の注文を、安く請け負うクルド人系の会社に発注している。
一瞬、自社の利益になるかもしれないが、過積載を誘発して、住民を危険に晒しているのだ。
これらはいずれ、批判されることを認識した方がいい。
住民らは警察への不信感を高めている。
県警が積極的に取り締まらないから、クルド人らがSNSに挑発するような動画を載せ、違法行為を続けていると認識しているのだ。
埼玉県南部の治安悪化を許してはならない。
■川口市長が法相に要望書
埼玉県川口市の奥ノ木信夫市長が2023年9月1日、法務省を訪れ、不法行為を行う外国人について厳格に強制送還することなどを求める要望書を斎藤健法相に手渡したことが分かった。
要望書では、トルコの少数民族クルド人の現状などを説明。
難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免」
のクルド人が市内に相当数いるとして、行政サービスの提供を国の責任で判断することも求めた。
川口市内では、クルド人と地域住民との軋轢が表面化している。
同市議会は2023年6月、一部のクルド人を念頭に、国や県などに
「一部外国人」
による犯罪の取り締まり強化を求める意見書を可決し、警察官の増員や犯罪取り締まりの強化を求めている。
2023年7月初めには、殺人未遂事件を巡るグループ同士の争いでクルド人ら約100人が市立病院周辺に殺到、救急の受け入れがストップする事案があった。

クルド人の迷惑行為に警察動く 埼玉・川口市の住民とトラブル深刻化 市議会が意見書を採択、歩み寄る変化の兆しも
2023.7/24 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20230724-Y5MIHJNYOVJI5CIKLHBKSOKBA4/
ジャーナリスト・石井孝明氏が緊急リポート
埼玉県南部に集住するトルコ国籍のクルド人と住民のトラブルで、状況に変化の兆しが出ているという。
関係者によると、一部のクルド人による改造車の暴走や騒音が問題になっていたが、埼玉県警が違反者を捜査しているもようだ。
クルド人経営の一部企業に、税務署や入国管理局、労基署、警察が調査に入り、締め付けが厳しくなっているという。
クルド人側にも、歩み寄りの動きがあるという。
ジャーナリストの石井孝明氏による緊急リポート第2弾―。

状況の変化は、川口市議会が2023年6月末、
「一部外国人による犯罪取り締まりの強化を求める意見書」
を採択したことが影響したようだ。
クルド人による迷惑行為に、警察や行政が動かないことへの市民の批判が強まっていた。
住民によると、警察官のパトロールの頻度が増え、迷惑行為も少し減ったという印象があるという。
クルド人側もSNSなどに警察による改造車の摘発の写真を出している。
ただし、県警や各行政機関は、
「人権派」
からの批判やクルド人と住民の対立を恐れてか、取り締まりを強化したとの広報をしていない。
クルド人の側にも変化がある。
有志が暴走グループに呼び掛け、一部をやめさせた。
ボランティアによる公園の掃除も行われている。
解体業の社長は
「迷惑をかける同胞がいて悲しい」
「日本の生活に合わせることを呼び掛けている」
「自分の仕事や生活で、日本の人々から信頼を得ていきたい」
と語ったが、
「埼玉には様々な民族集団がいるのに、クルド人だけに批判が強まり、取り締まりで狙われている。残念だ」
と、不満も述べた。
一方で住民からは、迷惑行為はまだあるという声がある。
現に、埼玉新聞は2023年7月21日、
「女子高生にわいせつ、友人と待ち合わせ中…男逮捕」
という見出しで、県警川口署が2023年7月20日までに、強制わいせつの疑いで、トルコ国籍で川口市在住の無職男(56)を逮捕したと報じた。
逮捕容疑は、2023年4月30日夜、市内の公園で10代の女子高校生の体を触るなどのわいせつ行為をした疑いという。
一連の問題に向き合ってきた奥富精一川口市議(自民党)は次のように語る。
「すぐに、全ての人が納得する形で解決する方法はない」
「不法行為を取り締まり、ルール・慣習を守ってもらうように外国人とコミュニケーションを深め、彼らの行動によって地域住民の不信感を取り除く」
「出来ることを、1つ1つ積み重ねるしかない」
人権に配慮し過ぎの日本の行政が、違法行為をする外国人の強制送還をすぐに行うとは思えない。
問題の解決は長引きそうだ。
岸田文雄政権は、準備不足という現実があるのに、外国人の移民の受け入れを拡大しようとしている。
川口市の苦難を見ながら、日本と移民・難民の向き合い方を考えるべきだ。

埼玉県川口市、クルド人と住民間のトラブル深刻化 男女関係のもつれから殺人未遂事件 ジャーナリスト・石井孝明氏が緊急寄稿 
2023.7/10 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230710-HEYHWNHF4ZLGNNXKKETP5DPKRY/
埼玉県南部に集住するトルコ系クルド人(トルコ国籍)と、地域住民とのトラブルが深刻化している。
男女関係のもつれからクルド人男性が2023年7月4日、同胞をナイフで複数回切り付けて重傷を負わせ、埼玉県警は殺人未遂容疑で逮捕した。
被害者が搬送された川口市医療センターには、双方の親族ら約100人が詰め掛けてもみ合いとなり、公務執行妨害容疑で2人が逮捕された。
周辺の交通が混乱し、一時、病院機能が止まったという。
ジャーナリストの石井孝明氏が緊急寄稿した。

今回の事件はメディアも伝えたが、トラブルはこれだけではない。
治安悪化に怯える地域住民によると、ゴミ捨て、夜の騒音、女性への「ナンパ」行為、危険運転などが発生している。
この1年、状況が悪化している。
筆者は直近1カ月、クルド人が数千人集住する川口市、蕨市を何度も取材した。
街中でかなり多くの中東系男性が歩いており、日本の他地域と雰囲気が違う。
街中で20歳の解体業で働くクルド人青年に話しかけた。
和やかに会話したが、
「どのような立場で日本にいるのか?」
と聞くと、
「政治難民」
と言って顔はこわばり、急に黙った。
答えたくない理由があるらしい。
埼玉県南部には、クルド人経営の解体業、産廃業が集まる。
日本は外国人の単純労働者を受け入れていない。
合法的な居住者もいるが、政治難民を主張したり、違法状態のまま滞在している者もいる。
前出の青年の沈黙は、この曖昧な法的立場のためなのか。
川口市西部の市街地で、平日にクルド人らしい子供がうろうろしていた。
一人で空き缶を蹴っていた男の子に、
「学校いかないの?」
と話しかけた。
彼は私を睨み、無言のまま去った。
日本語が上手に使えず、不登校になる子供がいるという。
日本人の住民がゴミ捨て場を掃除していた。
近くにはクルド人のアパートがいくつもある。
ゴミ出しルールが破られるという。
「挨拶をしても、女性は無視する」
「地域から孤立している」
(60代男性)。
近くのコンビニ店主の悩みを聞いた。
彼らは夜出歩く習慣があり、店先にたむろをする。
「日本人の住民は怖がって、夜の客足が減った」
同族が集まって行動する。
日本人には異国の男たちが夜に集団でいるだけで、恐怖感を抱いてしまう。
危険運転にも住民の不安は高まる。
2022年12月には、19歳のクルド人少年による60代男性のひき逃げ死亡事故が発生した。
少年はトルコに出国しようとして空港で逮捕された。
市民の声を受け、ようやく川口市や埼玉県警が動き出そうとしている。
ただ、改善の程度はゆっくりだ。
岸田文雄政権は政策として外国人労働者を拡大する方向だが、覚悟と準備は出来ているのか。
埼玉県南部の混乱を軽視してはならない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/629.html#c22

[政治・選挙・NHK291] 国内水産業を淘汰する汚染水海洋放出 被災地復興の努力水泡に帰す暴挙 東電守るために毀損される日本の食への信頼(長周新聞) 赤かぶ
25. 2023年9月03日 06:06:56 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-61]
<■118行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国の「死亡」デマ否定 園田氏、福島の人に謝罪
2023/9/2 18:14
https://www.sankei.com/article/20230902-6UJVVAI5GZKHPBHQTJUXL2QTX4/
2011年10月に東京電力福島第1原発に溜まっていた低濃度汚染水を浄化した水を飲んで安全性をアピールした園田康博氏(当時、内閣府政務官)に関して、がんで死亡したとの悪質なデマが中国のインターネット上で出回り、園田氏は2023年9月2日に共同通信の電話取材に応じてデマを否定した。
園田氏は当時の自身の行動がきっかけでデマが広がったことについて
「震災を経験された人や福島県の人に改めてお詫びしたい」
と語った。
中国では同原発処理水の海洋放出を受け、危険性を煽る様々なデマが出ている。
園田氏は当時の記者会見で一部のフリー記者が
「環境や健康に影響ないと言うなら、飲んではどうか」
と再三質問したのに応じ、浄化した水を飲んだ。
中国のネット上では
「園田氏が(血液のがんの一種である)多発性骨髄腫で死亡した」
とのデマが拡散している。
園田氏は既に政界を引退している。(共同)

処理水海洋放出、新たな「反日カード」に 親中派ドンの訪中要請、あり得ない農水相「想定外」発言…鈍すぎる日本政府
2023.9/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230902-ADK7VVOQKFPPFKQZO5WLJKXX4E/
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出から1週間が過ぎた。
設備や運用にトラブルはなく、周辺海域のトリチウム濃度にも異常は確認されていない。
ところが、習近平国家主席率いる中国は科学的根拠を無視して、処理水を
「核汚染水」
と呼び、日本産水産物を禁輸した。
北京の日本大使館や各地の日本人学校にはレンガ片や石が投げ込まれ、咸陽市のすし店では、放火の可能性がある火災が発生した。
岸田文雄首相は、中国の暴挙(水産物禁輸)を世界貿易機関(WTO)に提訴するなど、毅然と対抗措置を取るべきだが、
「親中派のドン」
である自民党の二階俊博元幹事長に訪中を要請していたという。
岸田政権に
「外交戦」
を勝ち抜く知恵と気概はあるのか。
経済危機に直面する中国の狙いとは。
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員、峯村健司氏による最新リポート。
福島第1原発処理水の海洋放出を受け、中国内では日本に対する批判が高まっている。
北京の日本大使館や日本人学校に、レンガ片や石などが投げ込まれている。
日本の自治体や企業、飲食店などに中国からとみられる迷惑電話が相次いでおり、被害は広がっている。
迷惑電話自体が偽計業務妨害であり、営業に影響が出ていれば威力業務妨害罪となる。
こうした犯罪行為は、中国政府が指揮しているのだろうか。
複数の日本政府関係者によると、警察庁が迷惑電話の発信元を探ったところ、ほぼ中国全土から発信されており、個人の携帯電話からかけられているものがほとんどだった。
特定の機関や組織による行為である可能性は低いとみていいだろう。
中国では、インターネットを含めた通信は厳しく監視されている。
にもかかわらず、ネット上には日本に迷惑電話をかける方法や、政府機関や店の電話番号などを紹介する書き込みが削除されずに残っている。
一方、処理水が
「安全だ」
「科学的根拠がある」
などという書き込みは次々と削除されている。
中国政府が黙認しているとみて、間違いないだろう。
中国では今、コロナ禍後も経済の回復が遅れている。
不動産大手「中国恒大集団」は経営危機に陥っており、バブル崩壊の様相を帯びている。
就職率にも影響しており、2023年7月の16―24歳の若者の失業率は過去最高の21.3%となり、実際は40%を超えるという試算もある。
若者の失業の増加は、社会不安に直結しかねず、1989年の天安門事件のような抗議運動にも発展しかねない。
危機感を抱いた中国政府はとうとう失業率の発表自体を取りやめたほどだ。
こうした社会の不満のガス抜きとして習近平政権が目を付けたのが、
「処理水の放出」
だった。
胡錦濤前政権までは、頻繁に
「反日デモ」
が起きていたが、習政権下ではこれまで起こらなかった。
習氏は就任後、大規模な反腐敗キャンペーンを展開して、
「一強体制」
を確立して政権基盤が安定していたことが、その背景にある。
習政権は、これまでの
「歴史問題」
に取って代わり、処理水を新たな
「対日カード」
にしようとしているのだ。
だからこそ、国を挙げたネガティブキャンペーンを展開し、国民の対日批判を煽っているのだろう。
日中関係は出口の見えない対立のフェーズに入ったといえよう。
にもかかわらず、日本政府の反応は鈍いと言わざるを得ない。
中国政府による日本からの水産物の全面輸入禁止について、野村哲郎農水相は2023年8月25日の会見で、
「全く想定していなかった」
と述べた。
日本政府は中国側とのコミュニケーションが十分ではなく、情報収集が不十分だったことが露呈した形だ。
日本政府は
「中国側との長期戦」
に備えることが不可欠だ。
WTOへの提訴や、中国からの輸入する水産物の輸入制限など、対抗措置を早急に打ち出す必要がある。

中国・習政権の俺様ワールド≠ェ止まらない 処理水放出めぐる日本の水産物輸入禁止は「国内の不満を日本に向ける狙い」
2023.8/29 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230829-SBO5YI5LORNDJJWVOPTTXQLCYI/
中国の習近平政権の
「俺様ワールド」
が止まらない。
日本政府が福島第1原発の処理水放出を始めたことを受けて、中国は日本の水産物輸入を全面的に禁止した。
中国と香港合わせて年額1600億円超の金額になる。
また加工品も禁止した。
もちろん漁業関係者には大打撃なのは間違いない。
しかし、1600億円は確かに巨額だが、日本政府が減税や販路開拓などで十分対応できる。
問題は、岸田文雄政権の行動力にかかってくる。
今のところ、政府は中国に対して科学的根拠で説得することを目指すが、その効果があるか疑問だ。
習政権は処理水の海洋放出が科学的根拠からは問題がないことは分かっている。
つまり全面的禁輸は単なる政治的な駆け引きだ。
狙いは国内の不満を逸らすためだろう。
今の中国の経済は振るわない。
不動産市場の低迷、若年失業者の大幅な拡大、更に金融危機の可能性などだ。
中国国民が、経済不安を口にすることは、ネットなどで監視され、警告の対象になっている。
例えば
「デフレ(物価の長期下落)」
という言葉をネットで書き込むことも禁止されている。
デフレが中国経済の停滞を示すことで、習政権の威信を低下させるからだろう。
若年失業率が公式統計よりも大幅に多く、50%に迫るとした専門家による研究成果も、あっという間に公表禁止だ。
中国のバブル崩壊の実態も国内外で分からない。
全て習政権の威厳を保つためだ。
まさに俺様ワールドである。
今回の日本からの水産物の全面的輸入禁止も、この中国国内の不満を日本に向ける狙いがある。
過去の日本製品の排斥運動と同じように、今後は自国の水産物にも処理水の海洋放出が被害を与えるとして、
「国民」(中国共産党党員やその別動隊など)
を煽って過激な運動を引き起こす可能性もある。
その時に中国にいる在留邦人や日本企業に被害が発生することも考えられるだろう。
警戒が必要だ。
日本企業は安易な中国への投資拡大や事業進出について再考するいい機会になる。
簡単に言うと、現状の中国への投資は単に高リスクで、日本の国益にもそぐわないものだ。
韓国では、野党や一部の市民団体が、尹錫悦政権を批判するという政治的な目的で反対している。
日本国内でも同様だ。
東大の鳥海不二夫教授の調査によるとネットで海洋放出に反対している人たちの圧倒的多数が、特定の左派・少数政党を支持している。
政府はこれらの政治的扇動に負けることなく、漁業へのダメージ回復のための経済対策と、一部マスコミも加担している悪しき風評への断固たる対応をすべきだ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/620.html#c25

[政治・選挙・NHK291] 「処理水」なんて奇怪な言葉を課せられているのは日本だけ 野村農相「汚染水発言」撤回をどう見るか(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
98. 2023年9月04日 07:57:02 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-60]
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主張
日本学術会議 「処理水」ではだんまりか
2023/9/4 5:00
https://www.sankei.com/article/20230904-YCP72XKUOZLB3PDESHFNBEIPU4/
日本学術会議の在り方を巡り、政府は有識者懇談会を設置し、議論を始めた。
求められる機能とそれに相応しい組織形態を検討する。現行の
「国の特別機関」
という位置付けから民間法人に移行する案も俎上に載せる。
政府は問題点を整理した上で、毅然とした態度で速やかに改革を進めてほしい。
それにしても、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出について、学術会議が提言や見解を出していないのはどうしたことか。
処理水は科学的根拠に基づく安全な方法で放出されている。
国際原子力機関(IAEA)は報告書で、
「国際的な安全基準に合致する」
と結論付けた。
これに対し、中国は
「処理水」

「核汚染水」
とのレッテルを貼り、科学を無視して
「海洋環境の安全と人類の生命、健康に関わる重大問題」
と批判している。
事実と異なるプロパガンダに、漁業者らは風評被害に悩まされ、日本の国益は侵害されている。
この深刻な事態に対応せずして、国民のための組織と言えるのか。
かつて学術会議は
「東日本大震災復興支援委員会」
を設置し、原子力災害に伴う農産物の風評問題に関する提言を行った。
処理水についても科学に基づく発信を行うべきだ。
学術会議法は
「科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献」
することが使命だとしている。
使命を果たしているとは言い難い。
軍事忌避の体質も問題である。
1950(昭和25)年と1967(昭和42)年に
「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」
とする声明をまとめ、2017(平成29)年に声明継承を宣言している。
これらは防衛力の充実に関する研究まで阻む要因となってきた。
政府は学術会議の見直しに向け、第三者による
「選考諮問委員会」
を新設し、会員選考に関与させる同法改正案を、先の通常国会に提出する方針だった。
学術会議側が
「独立性が損なわれる」
と反発したため、提出を見送った。
学術会議の運営は国民の税金で賄われている。
国防に後ろ向きで、国民のために働かない組織を税金で養う必要はあるのか。
現状を改める気がないなら、民営化するしかない。

西村経産相の会見動画改竄、「核汚染水」と偽情報 本人が注意呼びかけ
2023/9/3 18:48
https://www.sankei.com/article/20230903-M323YL23RVJJLNHIX6LMGSEEMQ/
西村康稔経済産業相は2023年9月3日、交流サイト(SNS)のX(旧ツイッター)で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関連し、西村氏の記者会見の動画を加工・改竄し、
「核汚染水」
という用語を使った偽情報が発信されていると注意を呼びかけた。
会見は2023年8月25日のもので、加工された動画は
「日本の水産物輸出の取り扱いを誤解させるような、事実無根の情報」
だと批判した。
西村氏は
「悪意のある偽情報の拡散は、被災地の復興を妨げ、復興に向け努力する被災地の人々の感情をも大きく傷付けるものだ」
と指摘。
「偽情報やその流布に断固として反対する」
とした。

処理水 中国の対日情報戦に対抗 林氏が説明行脚
2023/9/3 18:15
https://www.sankei.com/article/20230903-K5SMXO7L4BKULF3B7DWPTJNJ34/
政府は東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に際し、林芳正外相らを中心に科学的根拠に基づく安全性の説明を続けている。
中国は危険性を訴えて国際的な対日包囲網を作ろうとしているが、海洋放出への各国の理解は広がりつつあり、中国の孤立が深まっている。
林氏は2023年9月3日、ヨルダン、エジプト、サウジアラビアとポーランドの4カ国歴訪に出発した。
必要に応じて海洋放出を説明し、理解と支持を得る考えだ。
「国際原子力機関(IAEA)の指摘を真摯に受け止め、不適切な表現を行わないよう求める」
外務省はこれに先立つ2023年9月1日、処理水に関する事実に基づかない主張を公式サイトに掲載した在日中国大使館に、こう反論した。
「IAEAの権威・権限の否定は、IAEAの安全基準に依拠して設定された中国の安全基準さえも否定するものだ」
とも指摘し、
「原子力の平和的利用の促進を阻害する極めて無責任な主張だ」
と批判した。
中国は情報戦を仕掛けているが、日本側に理解を示す国は増えている。
ペルーのヘルバシ外相は2023年9月1日、東京都内で会談した林氏に
「同じ海洋国家として日本の対応を理解し信頼する」
と伝えた。
アルゼンチンのカフィエロ外相も、2023年8月30日の林氏との会談で支持を表明した。
先進7カ国(G7)首脳を補佐する
「シェルパ」
らも2023年8月31日のビデオ会議で
「IAEAと共に行われている日本の透明性のある取り組みを歓迎する」
と伝えた。
中国の強硬姿勢は長期化する可能性もある。
武井俊輔外務副大臣は2023年9月3日のNHK番組で
「全ての在外公館を上げて説明する」
「各国の言葉でSNS(交流サイト)でも発信していく」
と述べた。

ヒラメ・マダイも「検出下限値未満」 処理水放出
2023/9/3 17:44
https://www.sankei.com/article/20230903-PSCB6VZVDRP7VAWLGKH5X7IRNU/
東京電力と水産庁は2023年9月3日、福島第1原発周辺で2023年9月2日に採取した海水や魚に含まれる放射性物質トリチウム濃度を分析した結果、いずれも機器で検出できる下限値未満だったと発表した。
第1原発では2023年8月24日に処理水の海洋放出を始めた。
東電は原発から半径3km以内の10カ所で採取した海水を、水産庁は放出口から5km圏内で採取したヒラメとマダイの計2匹を分析した。

日本人学校への投石「反日」暴挙が続発 日本企業も「中国リスク」再認識を 経営者は「脱中国」を具体的行動に移せ
2023.9/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20230901-K5YAAPV32RKGDBRGDCTRUNEAFU/
東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、中国が尋常ではない
「反日」
暴挙を展開している。
報道によると、山東省青島の日本人学校では、中国人が敷地内に石を投げ込み、公安当局に拘束された。
江蘇省蘇州の日本人学校には複数の卵が投げ込まれた。
中国のインターネット上では日本製品の不買運動を扇動する動画が投稿されている。
福島県内の飲食店や市役所には、中国発信とみられる番号から抗議電話が相次いでいるという。
2012年にも、沖縄県・尖閣諸島の国有化をきっかけに、中国の100以上の都市で
「反日」
デモが発生し、数十万人が参加した。
中国各地の日系スーパーの売り場が破壊され、略奪行為が発生した。
日系企業の工場が破壊され、日本の自動車会社の販売店も襲撃を受けた。
今回、大きな暴動にならないことを願うが、投石は当たり所が悪ければ命に関わる。
罪のない子供が通う学校を標的にするのは卑怯であり、絶対に許されない。
一連の行為に、中国当局が関与したかは分からない。
ただ、自国(中国)の原子力施設から、福島第1原発の数倍もの放射性物質トリチウムを放出しておきながら、日本だけを
「核汚染水」
などと攻撃するのはおかしい。
従来の
「反日」
教育の影響もあるのではないか。
中国では現在、不動産危機が巨大な金融危機に発展しつつある。
失業率増加など国内の経済状況は悪化している。
習近平総書記(国家主席)率いる共産党政権への批判を、
「反日」
に転嫁しているとの見方も根強い。
中国政府が放置すれば、燃え盛った
「反日」
感情が、いつの間にか
「反共産党政権デモ」
に発展することになりかねない。
中国政府としても、放置しておくメリットはないと思う。
日本政府は
「邦人の安全確保」
を中国政府に求め、在留邦人には注意・警戒を呼び掛けているという。
世界保健機関(WHO)や、国際原子力機関(IAEA)による処理水放出への評価を踏まえて、中国政府による日本産水産物輸入停止についても、即時撤回を求めていくべきだ。
理不尽な脅しに屈してはならない。
日本企業も
「中国リスク」
について再認識すべきだ。
「反日」
デモは前出の2012年だけでなく、何度も繰り返されている。
中国は、理不尽な主張や理屈を根拠に危険な行動を起こす国と言える。
国防動員法や国家安全法など、国策に人民を巻き込む法整備も進められており、有事の際は、更に過激になるだろう。
社員や家族の安全を守れるのか。
中国でのビジネスは
「危険と隣り合わせ」
ということだ。
最近、
「脱中国」
が盛んに叫ばれ始めている。
これを機に、企業経営者は具体的に行動に移す時期ではないか。

中国との情報戦に負けるな 風評被害を起こしている奴は誰だ まず中国政府が喜ぶことを言うのはやめる
2023.8/31 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230831-HSKFLHBMHFJ73NI7GD4IYG2U2E/
先週始まった東京電力福島第1原発の処理水放出に対しては、意外な反応が多かった。
中国政府が日本産水産物を全面禁輸にしたのは想定内だったが、中国の外務次官に抗議された日本の垂秀夫(たるみ・ひでお)駐中国大使が
「中国のみが流れに逆行している」
ときっぱり反論したのは良かった。
また、処理水の放水後も香港にある日系のすし屋に行列が出来ていることについて、北京にある日本大使館がSNSの微博(ウェイボ)に、
「理性的な香港の消費者に『いいね』を押す」
と投稿し、中国政府を挑発したのも良い意味で驚いた。
外務官僚が頑張っているのに比べ、自民党の政治家の反応はイマイチだった。
まず、野村哲郎農水相の
「全く想定していなかった」
という発言はイカン。
世界中からバカにされる。
河野太郎デジタル相の
「中国の団体のお客さんが日本のすしや刺し身を食べてくれる」
という発言もダメ。
なぜ中国に媚びるのか?
中国のやり方は感情的な
「喧嘩」
であり、情報戦争である。
こちらは冷静に緻密に対抗しなくてはいけないので、政治家のユルーい発言は勘弁してほしい。
一方、野党・日本維新の会の松井一郎前代表が、夕刊フジの連載「以心伝心」で、石原慎太郎元東京都知事の言葉を引用して、
「科学が風評に負けるのは国辱」
と述べたのは大変良かった。
これに比べ、メディアはいただけない。
毎日新聞の
「処理水放出、科学的根拠だけでいいのか」(2023年8月22日付)
という記事にはガッカリしたが、日経新聞までも
「科学を隠れ蓑にするな」
という記事を出していたのには驚いた。
これらの記事を、習近平(国家主席)さんが読んだら大喜びするだろう。
福島の飲食店などに中国発信とみられるイタズラ電話が相次いでいる。
中国の日本人学校に投石などの嫌がらせも起きている。
日本への旅行をキャンセルする動きもあるという。
これは、これまで何度も中国政府がやってきた
「反日」
キャンペーンや、オーストラリア、韓国、台湾への嫌がらせに相通ずるものがある。
実は十分に対抗できるのだ。
良い例が台湾のパイナップルで、中国に禁輸された後、販路を日本に変えるための補助金を台湾政府が拠出し、日本も輸入を増やして結果的にうまくいった。
だから、我々がやるべきことは簡単だ。
まず中国政府が喜ぶようなことを言うのはやめることだ。
そのうえで、政府は毅然とした態度で中国に接し、日本の水産物を守るための方策を考えることだ。
中国向け輸出で最も多いホタテについては国内に加工場を作るという話が既に出ているが、早く手を打たねばならない。
インバウンド狙いの
「ブライダル補助金」
とか、所得制限なしの
「ガソリン補助金」
とか、今はそんなことをやっている場合じゃないだろう。
日本の水産業を守ることに、我々の税金を使うべきなのだ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/638.html#c98

[政治・選挙・NHK291] 住み家はあっても服さえ買えなくなった(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
36. 2023年9月04日 11:07:57 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-59]
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周回遅れで悲劇と混乱 滝本太郎弁護士
2023/9/3 15:30
https://www.sankei.com/article/20230903-JG6QJLPGTFMWXHLZ2654PS3LAU/
トランスジェンダーなどの性的少数者に配慮して公衆トイレなどで
「ジェンダーレストイレ」
の設置が進む。
滝本太郎弁護士に話を聞いた。

世界各国の動きをみると
「(トイレなど)女性スペースでも女性として遇せよ」
というのみならず、法的性別が性自認で変更できるとの法整備まで踏み込んだ
「先行国」
すらある。
しかし、女性スペースや女子スポーツの問題などを見れば分かるように、女性の権利・法益を簒奪することは明らかだ。
こうした動きは
「性自認至上主義」
とも言うべきカルト的思想が招いた混乱と言える。
イギリスのように舵を切り決別する動きも出ている。
正常化に向けては苦労が多いようだが、日本ではその実態が知られていない。
「トランス女性」
の定義はどこまでいっても曖昧だ。
一方で、性犯罪は身体的特徴が男性のままである人から、女性に対する犯罪であることが圧倒的だ。
こうした事実から、女性を、生物学的な男性から守るように主張することが差別であるはずがない。
残念ながら日本では一部の学者や弁護士らが性自認至上主義を推奨すらしている。
このままでは周回遅れで悲劇と混乱を招くことになりはしないかと強く懸念している。

ジェンダーレストイレ、海外で社会問題化も
2023/9/3 15:00
https://www.sankei.com/article/20230903-SAK4DPNZOBLUNNEVDCUF5A5BW4/
トランスジェンダーなどの性的少数者に配慮して公衆トイレなどで
「ジェンダーレストイレ」
の設置が進んでいる。
公共トイレはどのように整備、利用されるべきか−。
生物学的な男女の分類に違和感を抱く性的少数者への配慮として、海外でも男女の性別に捉われないトイレの整備が進む。
ただ、女性が安心して利用出来なくなったりプライバシーが失われたりすることへの不安が広がり、社会問題化するケースも少なくない。
「女性の生物学的差異が公共生活から消去≠ウれつつあるという広範な懸念を認識している」
2022年7月、英国のケミ・バデノック女性・平等担当相が議会に提出した声明でこう強調したのは、公共トイレを巡る社会の懸念が背景にあった。
2010年代後半以降、トイレの男女共用化が進んだ英国では、プライバシーが脅かされるといった批判が渦巻いていた。
英国政府はこうした社会の不安を受け、一部の地方で男女別のトイレ設置を義務付ける指針を打ち出すなど、共用化の歯止めに動き出している。
米国では2021年6月、バージニア州のトランスジェンダーの学生に、性自認と同じトイレの使用を禁じた教育委員会の決定を違法とする判決が連邦最高裁で確定。
一方、同州内の高校で、少年が同級生の女子生徒を女子トイレで性的暴行した事件は、社会に大きな議論を巻き起こした。
少年はスカートを履くなど性自認が流動的だった可能性が指摘されたためだ。
日本では、トランスジェンダーの女性として生活する経済産業省の50代職員に対するトイレ使用制限を巡り、最高裁が国の対応を違法とする判断を示した。
「職場のトイレ」
に対する個別の判断だが、
「公共のトイレ」
での使用制限も
「違法」
と捉えられかねず、専門家らは
「判決の扱いを誤れば女性が困難な状況に置かれる」
と懸念の声を上げている。

「女性」主張の不審者、警察対応は困難
2023/9/3 14:30
https://www.sankei.com/article/20230903-5K4Z7AOCDJIADEQZAWBTUQI5GE/
トランスジェンダーなどの性的少数者に配慮して公衆トイレなどで
「ジェンダーレストイレ」
の設置が進む。
LGBTなど性的少数者に対する理解増進法では
「ジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別はあってはならない」
と定めているが、差別の定義ははっきりとしていない。
最大の問題は、女性だと自認する男性が女性専用スペースに入ることを正当化しかねないことだ。
実際に、トイレ内で不審な行動をしていた男性に
「性自認は女性」
と主張された場合、警察側はどう対処するのか。
警視庁幹部は
「本人にトランスジェンダーと言われれば、(建造物侵入容疑などでの)現行犯逮捕は難しい」
とみる。
盗撮機材などの物的証拠がない限り、
「調べを尽くす必要がある」
という。
別の幹部の見方も同様だ。
盗撮などの犯罪事実がなければ、対応した警察官が
「周りの利用客が不安に思っている」
などと説明し、その場から離れさせるしかないとみている。
この幹部が今後危惧するのは、警察官が
「男だろ。出ていけ」
などと決めつけ、トラブルとなることだ。
「現場からどう対応すればいいかという相談は上がってきていないが、いずれは起こる」
「地域の警察官が苦悩するのが目に見える」
と話した。

問われる「多様性尊重」 ジェンダーレストイレに不安の声も
2023/9/3 14:00
https://www.sankei.com/article/20230903-C4D6DURYGFNHNFLYT6VOYUQ2ME/
トランスジェンダーなどの性的少数者に配慮して公衆トイレなどで設置が進む
「ジェンダーレストイレ」
が物議を醸している。
ジェンダーレスに代わり女性専用をなくしたトイレもあり、女性からは
「性犯罪が怖くて利用できない」
との声も上がる。
「多様性の尊重」
が却って女性を蔑ろにしているとも言え、専門家は
「公共のトイレに求められているものは何かを考え直す必要がある」
と指摘する。
東京・歌舞伎町で2023年4月に開業した複合商業施設
「東急歌舞伎町タワー」。
日夜、多くの若者らで賑わう2階フロアでは2023年8月初め、ジェンダーレストイレが廃止され、男性・女性・多目的に分けたトイレに改修された。
「多くの意見を踏まえ、更に安心して利用してもらえるトイレを目指した」。
施設を運営する東急の担当者はジェンダーレストイレ廃止の経緯をこう話す。
改修前は男性用小便器を除き、個室は全て性別を問わない共用スペースに配置していた。
多様性に配慮したトイレとして話題を呼んだが、女性客から
「男性客の目の前で個室に入りづらい」
「酔った男性客に話しかけられた」
「性犯罪が怖い」
などの苦情が相次ぎ、開業から僅か3カ月余りで廃止となった。
自らの性を女性と自認する都内の50代のトランスジェンダーは
「多様性が犯罪の問題と一緒に論じられて残念」
と話すが、40代の女性利用客は
「これなら安心して使える」
と話した。
全国に先駆けて性的少数者を支援する取り組みを進めてきた渋谷区では2018(平成30)年度から、区内の17カ所の公衆トイレをジェンダーレストイレに建て替えた。
そのうち幡ケ谷公衆トイレなど5カ所では、女性用をなくして導入したことで住民の反発を招いた。
区によると、女性から
「防犯面で不安」
などの声が相次ぎ、区は各トイレに防犯カメラを設置。
警察とも連携を図るとしている。
茨城県や大阪府など国内各地で官民を問わず、公共トイレのジェンダーレス化に向けた検討が進むが、
「拙速な多様性尊重だ」
「利用者の気持ちが置き去り」
などの不満の声が高まっている。
トイレの環境改善に向けた普及啓発などに取り組むNPO法人
「日本トイレ研究所」
の加藤篤代表理事は、
「設置の意図と社会の反応にギャップが出ている」
と分析。
「トイレは安心できる場をどう作るかが重要」
「設置する側と利用者がコミュニケーションを取りながら改善を図ることが大切だ」
と強調した。

LGBTなど性的少数者に配慮する形で社会が急速に変化する中、却って女性の権利を侵害するような問題が各地で生じている。
公共施設や教育などの現場を通し、実態を探る。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/640.html#c36

[政治・選挙・NHK291] 最高裁、沖縄県の上告棄却 辺野古新基地の設計変更をめぐる「是正指示」裁判(この国の司法は行政の下僕?!) 戦争とはこういう物
3. 2023年9月05日 01:13:18 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-58]
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辺野古地盤改良、県側敗訴が確定 最高裁が上告棄却、法廷闘争決着の方向
2023/9/4 15:07
https://www.sankei.com/article/20230904-S5DXSN75FBJCNL5SNWOOFD5HEU/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、辺野古沖の地盤改良工事の設計変更を承認するよう是正指示を出したのは違法な国の関与に当たるとして県が国に是正指示の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は2023年9月4日、県側の上告を棄却した。
県側敗訴とした福岡高裁那覇支部の判決が確定した。
辺野古移設に関する訴訟のうち、最高裁で県の敗訴が確定したのは6件目。
現在も下級審で係争中の訴訟が2件あるが、主な法的争点について結論が出た形となり、県と国の法廷闘争は事実上、決着する方向となった。
防衛省は2020(令和2)年4月、辺野古沖の埋め立て海域の軟弱地盤を改良するための工事について、県に設計変更を申請。
県は不承認とする処分を下したが、公有水面埋立法を所管する国土交通相が2022(令和4)年4月、不承認処分を取り消す裁決をすると共に、承認するよう是正指示をした。
県は裁決や是正指示を不服として国地方係争処理委員会に審査を申し出たが退けられたため、福岡高裁那覇支部に提訴。
国交相は埋め立てを推進する閣議決定をした内閣の一員で
「裁決や是正指示は権限乱用で違法・無効だ」
と主張した。
だが2023年3月の高裁支部判決は
「内閣や首相による具体的な指示があったという証拠が見当たらない」
と指摘。
取り消し処分は知事の裁量権の範囲を逸脱しているとし、県の訴えを退けた。
県側は上告したが、最高裁は2023年8月、国の取り消し裁決について県の上告を受理しない決定をし、是正指示については高裁の結論変更に必要な弁論を開かずに判決期日を指定していた。

辺野古工事めぐる裁判 沖縄県の敗訴確定 最高裁が上告退ける
2023年9月4日 20時22分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230904/k10014183141000.html
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古での軟弱地盤の改良工事をめぐり、工事を承認しない県に対して国が行った
「是正の指示」
が違法かどうかが争われた裁判で、最高裁判所は
「国の指示は適法だ」
として上告を退ける判決を言い渡し、沖縄県の敗訴が確定しました。
辺野古への移設に反対してきた県は工事を承認する義務を負うことになり、今後の対応が焦点となります。
2023年9月4日の動きを振り返ります。
目次
裁判長 “国の指示は適法”
裁判までの経緯
■裁判長 “国の指示は適法”
普天間基地の移設先となっている名護市辺野古沖では、区域全体の7割ほどを占める埋め立て予定地の北側で軟弱地盤が見つかり、国が地盤の改良工事を進めるため設計の変更を申請しましたが、県が
「不承認」
としたため工事が進んでいません。
このため国土交通省は2022年、地方自治法に基づき県に承認を求める
「是正の指示」
を行い、県は取り消しを求める訴えを起こしました。
2023年9月4日の判決で、最高裁判所第1小法廷の岡正晶裁判長は
「国の指示は適法だ」
として上告を退け、沖縄県の敗訴が確定しました。
判決は、国土交通省が
「是正の指示」
を出す前、工事を担当する沖縄防衛局の申請に基づき県の
「不承認」
を取り消す裁決をしていたことを挙げ、
「取り消しの裁決がされた場合、都道府県知事は裁決の趣旨に従った処分をする義務を負う」
「仮に都道府県知事が裁決後も同じ理由で申請を認めないことが許されると、相手方が不安定な状態に置かれ、紛争の解決が困難となる」
としました。
5人の裁判官全員一致の意見で、移設計画の大きな焦点である軟弱地盤の改良工事について最高裁が判断を示したのは初めてです。
確定により県は、国の指示に従い工事を承認する義務を負うことになり、判決を受けた県の対応が注目されます。
■裁判までの経緯
アメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古。
長さ1800メートルの滑走路を2本建設することになっていて、南側では埋め立て工事が進んでいます。
移設計画をめぐって国と沖縄県の間ではこれまで13件の裁判が起こされ、2023年9月3日までに県が埋め立て承認を取り消したことを巡る裁判など6件で県の敗訴が確定。
4件で和解が成立するか県が訴えを取り下げています。
今回、判決が言い渡されたのは、計画の大きな焦点となっている北側、大浦湾側での工事です。
まだ土砂の投入は始まっていません。
軟弱地盤が見つかり、国は改良工事のため設計の変更を申請しましたが、沖縄県は
「不承認」
に。
このため、国土交通省は2022年、地方自治法に基づき県に承認を求める
「是正の指示」
を行い、県は取り消しを求める訴えを起こしていました。
■国側の今後の手続き 2週間後に「勧告」へ調整
2023年9月4日の判決で、県は、国の
「是正の指示」
に従って工事を承認する義務を負うことになりました。
国土交通省によりますと、
「是正の指示」
は地方自治法に基づいていて、県が従わない場合、国が代わりに承認する
「代執行」
に向けた手続きができるようになるということです。
手続きは、国が県に承認を
「勧告」
し、従わない場合は承認を
「指示」
します。
いずれの場合も承認の期限を設けます。
県が期限までに承認しない場合、国は高等裁判所に訴えを起こすことができ、裁判所は訴えを認めると、県に承認するよう命令する判決を出します。
そして、高等裁判所の命令を受けても承認しない場合には、国が県の代わりに承認する
「代執行」
を行うことができます。
複数の防衛省関係者によりますと、関係省庁間で今後の手続きについて検討を進めていて、判決からおよそ2週間後までに県が設計変更の申請を承認しない場合、国土交通省が県に
「勧告」
を行い、承認の期限をおよそ1週間後に設定する方向で調整しているということです。
更に県が
「勧告」
に従わなければ、今度は承認を
「指示」
し、期限をおよそ10日後に設ける方向で検討を進めているということです。
そして、県が期限までに承認しない場合には、高等裁判所に訴えを起こすことにしています。
■松野官房長官 “県は速やかに判決に沿った対応を”
松野官房長官は午後の記者会見で、
「変更承認申請を承認しない沖縄県知事の事務処理が違法で、承認するよう求めた国土交通大臣の指示が適法だという司法の最終判断が示されたと認識している」
と述べました。
その上で、
「政府としては日米で合意された在日米軍施設や区域の整理、統合、縮小を更に進めていく必要があると考えている」
「今後とも地元への丁寧な説明を行いながら普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現し、基地負担の軽減を図るため全力で取り組んでいく」
と述べました。
また、記者団が
「玉城知事が承認を拒み続けた場合、代執行の手続きを行う考えはあるか」
と質問したのに対し、
「コメントは差し控える」
「沖縄県において判決に沿った対応が速やかにされるものと考えている」
と述べました。
一方、防衛省はコメントを発表し、
「引き続き、地元の皆さまに丁寧な説明を行いながら、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現するため、辺野古への移設工事を着実に進めていく」
としています。
国土交通省は、
「最高裁判決に沿って沖縄県で適法に処理されるものと考えている」
とコメントしています。
■沖縄県 難しい判断迫られる
敗訴が確定したことで、県には国による工事を承認する義務が生じ、名護市辺野古への移設計画の阻止を目指す玉城知事にとっては、難しい判断が迫られることになります。
玉城知事が工事を承認しない姿勢を維持する可能性はありますが、国は、県の代わりに承認を行う代執行に向けた手続きを行う見通しで、工事を阻止するのは難しい状況となります。
また、自治体のトップが司法の最終判断に従わないことに対し、批判を受けることが予想されます。
一方、玉城知事が承認するとなれば、辺野古移設反対を公約に掲げているだけに支持基盤が大きく揺らぎかねず、県政運営にも影響が出る恐れがあります。
玉城知事は、近く知事を支える県議会議員などから今後の対応について意見を聞くことにしていて、県内の世論も見極めながら判断するものとみられます。
■玉城知事会見 “極めて残念” 今後の対応 具体的に触れず
最高裁判所の判決について玉城知事は、2023年9月4日午後6時半から県庁で記者会見を行い、今後の対応については具体的に触れず、判決内容を踏まえて検討する考えを示しました。
玉城知事は、県が敗訴したことについて、
「地方自治の本旨を踏まえた公平・中立な判決を最後まで期待していただけに極めて残念です」
と述べました。
そして、判決について、
「地方公共団体の主体的な判断を無にするものであり、地方公共団体の自主性や自立性、ひいては憲法が定める地方自治の本旨をも蔑ろにしかねないものであり、深く憂慮せざるを得ない」
と述べました。
その上で、今後の対応については、判決内容を踏まえ、検討していく考えを示しました。
また、玉城知事は
「判決が出ても、私が、沖縄における過重な基地負担の軽減、普天間基地の1日も早い危険性の除去、辺野古新基地の断念を求めるという意思に、全く変わりはない」
「引き続き、対話による解決を求め続けて参りたい」
と述べ辺野古移設反対の姿勢を維持する考えを示しました。
更に、玉城知事は、
「政治姿勢と行政の判断の整合性をどう取っていくのか、知事という仕事にとっては最も重要だ」
「公約で訴えたことをこれからも、ぶれずに、頑張っていきたい」
と述べました。
今回の判決を受けて、県は国の指示に従い工事を承認する義務を負うことになりますが、仮に玉城知事が承認した場合、これまで一貫して辺野古への移設反対を掲げてきただけに、支持基盤が大きく揺らぎかねず、県政運営に影響が出る恐れがあります。
一方で、承認しない場合でも、国が県の代わりに工事を承認する
「代執行」
に向けた手続きを始めるとみられ、玉城知事にとっては、難しい判断が迫られています。
■名護市長 “県と国の対応見て対応”
沖縄県の敗訴が確定したことについて、アメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市の渡具知武豊市長は、
「判決は県と国に対して示されたものであり、これを受けて県や国から今後、何らかの対応が示されるものと考えているが、判決の内容について詳細を確認していないため、これ以上のコメントは差し控えたい」
「県と国の対応が明確化する時点において、今後の名護市としての対応を取っていきたい」
と述べました。
■宜野湾市長 “普天間返還 大きく動くのでは”
沖縄県の敗訴が確定したことについて、普天間基地を抱える宜野湾市の松川正則市長は、裁判の当事者ではないのでコメントは難しいとした上で、
「宜野湾市では様々な事故を経験し、1日も早い普天間飛行場の閉鎖・返還や返還までの危険性の除去を求めてきている」
「今回の判決によって大きく動くのではないかと期待しています」
と話しました。
■今回の判決について、辺野古の商工会の理事を務め、条件付きで移設を容認している玉利朝輝さん(64)は、
「移設工事が進んでいる中、今回の判決は妥当だと思います」
「県はこれ以上、国と争うのはやめて、国と名護市と一体となって辺野古周辺の地域にメリットのある振興策を考え、推進していってほしいです」
と話していました。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/649.html#c3

[政治・選挙・NHK291] 最高裁、沖縄県の上告棄却 辺野古新基地の設計変更をめぐる「是正指示」裁判(この国の司法は行政の下僕?!) 戦争とはこういう物
6. 2023年9月05日 08:15:54 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-57]
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主張
沖縄県の敗訴確定 知事は辺野古移設協力を
2023/9/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20230905-PDULABU5XFIK5MZBQGUKJJ4UVE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、工事に反対する県が国の是正指示を違法と訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁が県側の上告を棄却した。
県の敗訴が確定したことになる。
玉城デニー知事は判決後、
「極めて残念」

「深く憂慮せざるを得ません」
とし、判決内容を踏まえて今後の対応を検討するとコメントした。
国に対しては
「県民の意思に沿うよう判断してもらいたい」
と語った。
辺野古移設の断念を求めていることになる。
これはおかしい。
法治国家の首長として玉城氏が取るべきは、司法の最終判断を受け入れ、国の工事設計変更への承認を表明することである。
辺野古沿岸部の埋め立て工事海域に軟弱地盤が見つかり、防衛省が地盤改良に伴う設計変更を県に申請した。
だが、県は承認せず、国の是正指示にも従わずに提訴した。
今回の最高裁の判決で、玉城氏は設計変更の申請を承認する
「法的義務」
を負った。
その義務を速やかに果たすべきだ。
玉城氏を支持する革新系団体からは、県が別の理由を付け再び
「不承認」
とするよう求める声が出ているが言語道断だ。
法治国家の基本ルールを逸脱してはならない。
設計変更を承認せず、3年以上も工事を遅らせた責任は県にある。
1996(平成8)年に移設を条件とする普天間飛行場の全面返還で日米が合意してから27年が経つ。
近年は県と国の泥沼の裁判闘争が続き、判決に至ったケースではいずれも県が敗訴した。
いい加減にしてほしい。
普天間飛行場は市街地に囲まれている。
辺野古への移設は、普天間飛行場周辺に暮らす県民の安全を図るための事業だ。
更に、中国などの増大する脅威から沖縄を含む日本を守りぬくためでもある。
返還後は、跡地の利用で県経済の活性化に繋げることも出来よう。
玉城氏は知事として何が県と県民にとって大切かを虚心坦懐「心に何の蟠りもなく,平静な態度で事に臨む・事(様)」に考え、法的義務を履行し、移設協力へ転じるべきだ。
国は移設工事を着実に進め、普天間返還を実現しなければならない。
米軍基地の多い沖縄の負担は大きい。
引き続き整理・縮小に尽力すると共に、基地と辺野古移設の重要性について丁寧な説明が必要である。

国、早期工事着手目指す 承認代執行も視野
2023/9/5 1:30
https://www.sankei.com/article/20230905-DXVCXH55JNOQ5KLESYR5SDUONM/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡る訴訟で2023年9月4日、沖縄県の敗訴が確定したことを受け、政府は未だ着手できずにいる予定地東側の埋め立て工事の早期開始を目指す。
ただ、玉城デニー知事が司法判断に従い、国が申請した工事の設計変更を承認するとは限らず、国による承認の代執行も視野に入れている。
「沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものと考えている」。
松野博一官房長官は2023年9月4日の記者会見で県側に釘を刺した。
東側の埋め立て工事は、軟弱地盤が見つかったため県が設計変更を承認する必要がある。
国は勝訴を見越し、承認後に速やかに土砂投入を始められるよう、係争中も工事の準備を進めてきた。
防衛省幹部は
「法治国家で司法の判断に従わないことはあり得ない」
と話す。
ただ、不承認処分は移設工事反対の
「切り札」
で、玉城氏が承認に転じるかは見通せない。
2018(平成30)年12月から埋め立て工事が始まった予定地南側約41ヘクタールの進捗率は2023年7月末時点で98%に達している一方、東側約111ヘクタールには未だ土砂は投入されていない。
このため、全体の進捗率は16%にとどまる。
防衛省は2019(令和元)年末の時点で埋め立て工事と飛行場建設には着手から9年3カ月かかるとの試算を示しているが、県の対応次第で移設時期は更に遅れかねない。
県は、2020(令和2)年4月に国が設計変更を申請した際も審査を1年7カ月も引き延ばし、不承認とした。
約9300億円と見積もる総工費が膨らむ可能性もある。
今後、県が引き続き承認しない場合、国は地方自治法に基づき、県の代わりに国土交通省が設計変更の申請を承認する代執行に向けた手続きに入ることが予想される。
防衛省関係者は県の対応について
「非生産的だ。沖縄自身の足を引っ張っている」
と漏らす。

辺野古移設工事巡り敗訴確定 沖縄県知事、かつてない苦境に
2023/9/4 21:34
https://www.sankei.com/article/20230904-5WTSXYC32FO7RCFQXGWOCBDHMI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡る2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定した。
移設阻止を掲げる玉城デニー知事は
「極めて残念」
とのコメントを発表したが、今後の対応については明言を避けた。
判決に従うか、反対を貫くか−。
いずれの選択も批判を免れず、玉城氏は、かつてない苦境に立たされている。
■辺野古地盤改良、県側敗訴が確定
「判決内容を踏まえ、対応を検討したい」
最高裁判決を受けて行われた2023年9月4日の知事会見。
今後の対応を問う記者の質問に、玉城氏は苦渋の表情で何度もこう繰り返した。
県はこれまで、辺野古沖の地盤改良工事に伴う国の設計変更申請を承認しなかった。
だが、最高裁判決により
「承認義務」
を負うことになる。
辺野古移設に反対する
「オール沖縄」
勢力の支持を受けて2018(平成30)年に知事となった玉城氏は、2022年の知事選でも辺野古反対を最重要事公約に掲げて再選した。
行政のトップとして最高裁判決に従わなければならないが、国の申請を承認すればオール沖縄などの反発を受けるのは必至だ。
県や県議会関係者らによれば、考えられる選択肢は3つだ。
1つは、設計変更は承認するものの、サンゴの移植などを巡る別の訴訟で反対を続ける案。
ただし、工事は阻止できず、訴訟でも県の勝訴は望み薄だ。
2つ目は、承認を拒否するか、結論を先延ばしにする案。
この場合、国が承認を代執行する手続きを取ることになるが、確定判決に従わない県への批判が噴出しそうだ。
3つ目は、今回の訴訟に関わる不承認理由とは別の理由で、再び
「不承認」
とする案。
これも単なる時間稼ぎに過ぎず、批判は免れない。
この他、承認せずに辞職し、知事選で改めて
「民意」
を問うという案も一部で囁かれている。
反対を貫くなら最も筋の通った戦術だが、県政が混乱する上、玉城氏が落選するリスクもあり、
「辞職の可能性は低いだろう」
と県議会関係者は話す。
■危険性除去は一致
「現時点で有効策は見出せない」
と県幹部。
だが、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性の除去が目的であることは国も県も同じだ。
防衛省幹部は
「判決を機に国と県が協力し合えるようになれば良いのだが」
と語る。
移設工事は2017(平成29年)4月に本格的に始まり、当初は8年で完了するとされたが、東側の海域で軟弱地盤が見つかったため工期が12年に延びた。
更に県の不承認で3年以上も遅れている。
自民党沖縄県連は2023年9月4日、
「普天間飛行場の早急な危険性除去という県民の総意を蔑ろにしてはならない」
とし、速やかな承認を求める談話を発表した。
■対話チャンネル再開を
元沖縄県副知事 上原良幸
米軍はの1日も早い全面返還を実現するには、国と県とが問題解決に向けて対話し、協力する姿勢が欠かせない。
しかし革新の太田昌秀知事時代にも保守の仲井真弘多知事時代にもあった国と県との対話チャンネルが、移設反対を掲げた翁長雄志知事の時代に裁判闘争に突入してからは途絶えてしまった。
裁判闘争では、何も解決しないということだ。
市街地に囲まれた普天間飛行場が返還されれば危険性が除去されるだけでなく、跡地利用で沖縄が大きく発展するだろう。
だが、かつては国際都市形成構想など魅力的な利用策が議論されていたのに、今は話題にすら上らなくなった。
最高裁判決をきっかけに、国と県が原点に戻ることを期待したい。
勝った負けたではなく、お互いが裁判闘争の不毛さを知り、対話のチャンネルを再開させることが大切だ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/649.html#c6

[政治・選挙・NHK291] 最高裁、沖縄県の上告棄却 辺野古新基地の設計変更をめぐる「是正指示」裁判(この国の司法は行政の下僕?!) 戦争とはこういう物
7. 2023年9月05日 08:29:12 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-56]
最高裁判決と今後のポイント
・工事を不承認とした沖縄県に対する国土交通相の是正指示は適法
・知事の工事不承認に対して国土交通相が取り消す裁決をした場合、知事が同一理由で再び承認しないのは地方自治法違反
・移設を巡り県と国が争った一連の訴訟の論点が出揃い、係属中の2件も県側勝訴は厳しい見通しに
・防衛省沖縄防衛局が申請した設計変更の内容の妥当性は判断せず

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/649.html#c7
[政治・選挙・NHK291] 世界はきっと呆れている 「処理水放出」日本が失ったとてつもないもの(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
67. 2023年9月06日 10:46:53 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-55]
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正論
「刺激しない」が対中外交なのか 明星大学教授・細川昌彦
2023/9/6 8:00
https://www.sankei.com/article/20230906-KVOLPK3WNVJXLO37AVZZFKFQ2I/?870782
中国による日本産水産物の禁輸に対して日本外交の動きが鈍い。
「科学的根拠を説明して、撤回を求める」
のは当然だが、そうした対応だけで果たして事態は打開できるのだろうか。
それは中国の狙い、意図を見極めることが大前提だ。
■「経済的威圧」に対する行動を
中国が水産物の禁輸をしても日本が処理水の海洋放出を止めることはないのは明らかだ。
それにもかかわらず中国は敢えて強硬措置に出た。
それは政治的意図による
「経済的威圧」
であるからだ。
中国は日本に対して米中対立の中で半導体の規制など中国への圧力に加担していると反発を強めていた。
そうした中で本件を外交カードとして利用する思惑も透けて見える。
中国人による迷惑電話などの過剰反応はいずれ沈静化するであろう。
しかし中国政府による禁輸措置自体はそうではない。
一時的≠ニの中国側の説明を額面通りには受け取れない。
また日本の対応次第では
「日本は与しやすい相手」
と見て、今後も他の分野で
「経済的威圧」
が繰り返されるだろう。
それを抑止するためにも行動≠ェ必要なのだ。
それが経済安全保障の本質だ。
日本政府からは
「中国を刺激しないのが得策」
との声も聞こえてくる。
むろん不必要に刺激すべきではない。
しかしだからと言って戦略的な行動まで躊躇してはならない。
■WTO提訴を躊躇するな
まず世界貿易機関(WTI)に提訴すべきだ。
提訴は
「対立を煽る」
ものではなく、むしろ日本外交のよって立つ基軸である
「ルール重視の外交」
として重要だ。
WTO提訴といっても、
「協議要請」

「パネル設置」
の2段階ある。
まず第1段階の協議要請を早急にすべきだ。
中国が話し合いにも応じていないので、協議の場に引き出す意味は大きい。
中国は2023年8月31日、WTOに今回の禁輸措置を通知して、即時撤廃に応じない姿勢を明確に示した。
日本も反論だけでなく早急に動くべきだ。
日本政府は提訴に慎重であるが、その理由は2つあるという。
第1は結果を得るまでに時間が掛かることだ。
しかし結論も大事だが、それだけが目的ではない。
WTOを活用する姿勢を明確にすることで、今後も繰り返されかねない経済的威圧への抑止力にも繋がる。
豪州は中国による経済的威圧に対してWTOに提訴したが、結論が出る前に中国は措置を見直す動きを見せている。
第2はWTOで敗訴するリスクだ。
2015年に韓国による日本産水産物の輸入規制を巡ってWTO提訴したが、2019年に上級審に当たる
「上級委員会」
で逆転敗訴≠オた苦い経験から消極的だという。
しかしこれはこの訴訟の中身を理解しないものだ。
通商法の専門家の大方の見解はこうだ。
「上級委員会で韓国の措置を妥当と最終判断したわけではない」
「韓国の措置を妥当でないとしたパネル(小委員会)の判断について判断材料の不備を指摘して取り消しただけで、韓国の措置が妥当かどうかの判断を回避したものだ」
「従って特殊な事案であって今回の措置の先例にならない」
これは敗訴≠ニいうよりは
「判断回避」
なのだ。
訴訟戦術上の問題もあったが、これを敗訴≠ニいう言葉を使って政治家も含め誤解させてWTO提訴にブレーキをかけているとすれば問題だ。
また今回の措置は科学的根拠をもって国際機関によるお墨付きもあり、韓国のケースとは決定的な違いがある。
松野博一官房長官は会見で
「WTOの枠組みの下で対応する」
とした。
しかしこれは単にWTOの会合の場で中国の措置の不当性を発言することを念頭においたものに過ぎない。
こうした自己満足でお茶を濁していてはいけない。
■G7連携や脱中国で牽制を
WTO以外にも多面的な行動が必要だ。
例えば国際連携だ。
先進7カ国首脳会議(G77サミット)で
「経済的威圧に対する共同対処」
が合意されたが、その協議の場を早急に立ち上げて本件を取り上げるべきだ(2023年8月4日付本欄)。
こうした国際連携も
「見える化」
して対外的にアピールすることが抑止力の上でも重要だ。
また脱中国依存を前面に出し中国を牽制することも必要だ。
例えばホタテは人件費の安い中国で加工作業をして米国に輸出されるものも多い。
中国での加工施設を中国外に移し、中国に依存しないサプライチェーンを早急に構築することが必要だ。
その結果、中国の雇用にも影響するだろう。
国内では漁業関係者への支援策として発表されているが、むしろ中国に対する牽制として打ち出すべきだ。

正論
中国の水産物規制に対抗せよ 明星大学教授・細川昌彦
2023/8/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20230804-FD6VNA6N3RJMFOFJH2KBH4ZC5Q/
東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出に関して、中国は日本からの輸入水産物への放射性物質の検査を強化した。
これまでの任意でのサンプル検査から全量検査に切り替えたのだ。
その結果、鮮魚などが通関できずに事実上輸入がストップする事態が発生している。
更に香港は海洋放出されれば輸入を禁止する方針も打ち出している。
■狙いは「対日外交カード」か
中国と香港は合わせると日本の水産物輸出の約4割を占め、最大の輸出先だ。
事態が長引けば、日本の漁業関係者への深刻な影響は避けられない。
中国は
「人民の健康と海洋環境に責任を負うため」
と正当性を主張するが、明らかに科学的根拠に基づかないものだ。
しかもそもそも処理水の海洋放出はまだ始まっていないにもかかわらず、検査を厳しくしており、
「外交カード」
とする意図を露呈している。
国際原子力機関(IAEA)は人、環境に与える影響は無視できるものと報告書で結論付けている。
日本がこのIAEAの報告を踏まえ、
「高い透明性をもって丁寧に説明していく」
としているのは当然だ。
しかし意図的に政治的な措置を行う中国に対して、いくら科学的説明を粘り強くしても、抗議と撤回要求をしても残念ながら効果は期待できないだろう。
また日本は何ら対抗してこない国だと思われるのは、今後、様々な威圧的な措置を誘発しかねない。
こうした不当な圧力に対して揺らぐことなく、処理水の海洋放出を予定通り実施すべきであるのは当然だが、それだけではなく、当面の対応と根本的な対応の両方が必要だ。
■当面の措置とG7の活用
当面は中国の措置が検査手続きの恣意的運用であり、科学的な説明を受け付けないならば少なくとも同様の運用レベルで対抗すべきだろう。
即ち中国から輸入する水産物について日本も全量検査すべきだ。
中国の複数の原発が放出するトリチウムが福島の処理水の最大で6.5倍であることが判明しているだけにやむを得ない措置と言える。
更に日本の漁業関係者の被害への対応も併せて必要だ。
既に一部ではアワビの取引価格も下がっており、放出前であっても国が被害への補償を行う方針を示したことは妥当だ。
また中国に輸出しているホタテなどの水産物の代替の売り先として米国、韓国、台湾などの協力を得てダメージを最小限にする努力も早急にすべきだ。
国際的な世論戦でのアピールも重要だ。
中国は南太平洋の国々や東南アジア諸国連合(ASEAN)に
「懸念の共有」
を呼び掛けたが、今のところ不発に終わっている。
これに安心せず、太平洋諸国など海洋国家の途上国への理解を得る外交努力を一層強化すべきだが、国際的な対応はそれだけではない。
2023年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)ではこうした
「経済的威圧」
に対してG7が共同で行動すべく
「調整プラットフォーム」
という枠組みを立ち上げることに合意した。
まずは2023年のG7議長国である日本が主導して早急にこれを立ち上げて動かすべきだ。
本件を、G7各国と情報交換して理解と協力を得るケースとしたい。
■早急に根本的な対抗制度を
その上で経済的威圧に対する根本的な備えは早急に必要だ。
近年、中国は巨大市場や供給力を武器に相手国を威嚇して政策変更を迫る
「経済の武器化」
を常態化させている。
最近でも新型コロナの発生源に関する独立調査を求めた豪州に対する大麦、ワインへの報復関税、台湾代表事務所を開設したリトアニアに対する通関拒否など枚挙に暇がない。
習近平政権の外交方針からこうした威圧は今後とも続くと見るべきだ。
こうした経済的威圧に対しては行政の運用面での対応だけでは限界があり、今後の抑止力としては法的な制度を用意しておくことが必要だ。
今回の措置に間に合わなくても、ヒト、モノ、カネ、サービスの規制など多様な手段の中から状況に応じて対抗措置として選択できる制度の整備をすべきだ。
しかし日本はG7の中で唯一、そうした経済的威圧に対する対抗手段を持ち合わせていない。
欧州連合(EU)、米国には独自に対抗できる措置があり、更に対抗措置法案も準備している。
これに対して日本は中国を刺激することを懸念して、制度を整備する
「構え」
を示すことさえ及び腰だ。
日本は標的となる可能性が高いにもかかわらず危機感がなく、吞気に無防備のままだ。
そうした中で今回、経済的威圧の標的となってしまった。
さすがにこの苦い経験で覚醒すべきだろう。
早急に各省庁バラバラではなく内閣全体で対応する制度を整備する必要がある。
具体的には2022年成立した経済安全保障推進法の改正が考えられる。
この法律で4つの制度を創設したが、これに
「経済的威圧への対抗措置」
を第5の柱として加えることも検討すべきだ。
日本が直面する状況は待ったなしだ。

社説検証
処理水と中国反応 各紙とも理不尽と糾弾 「WTO提訴せよ」産経
2023/9/6 9:00
https://www.sankei.com/article/20230906-5OZESNPGO5KVLLNAYDMF4NOBKY/
政府と東京電力が、福島第1原発の処理水の海洋放出を始めて2週間が経過しようとしている。
海洋から検出される放射性物質トリチウムの濃度は、計画の基準を大きく下回っている。
こうした海洋放出は世界の原発などで広く行われており、国際原子力機関(IAEA)も安全性にお墨付きを与えている。
だが、中国政府は日本産水産物の輸入を全面停止し、中国から日本に嫌がらせ電話が相次いでいる。
在中国日本大使館や日本人学校への投石も発生した。
主要各紙は、科学的根拠を欠く日本産水産物の輸入停止や嫌がらせ電話などを一斉に非難した。
2023年8月29日付の産経は
「処理水は科学的根拠に基づき安全な方法で放出されている」
「抗議される謂れは少しもない」
と強調し、
「中国発の卑劣な嫌がらせは直ちに中止されるべきだ」
と断じた。
2023年8月29日付の朝日は
「正当な抗議も認められるべきだ」
としながらも、
「現に起きているのは無関係の市民や施設を標的とした嫌がらせだ」
と指摘し、
「中国政府には事態の沈静化を図る責任がある」
と論じた。
読売も2023年8月29日付で
「中国からの、科学的根拠を無視した一方的な嫌がらせを中国が放置していたら、日本の対中友好感情を著しく傷つけ、両国関係を悪化させる恐れが強い」
と懸念を示した。
そして中国政府に
「沈静化に動くべきだ」
と注文を付けた。
「度を越した迷惑行為は看過できない」
と表明した2023年8月30日付の毎日は、
「日本国民の対中感情が更に悪化するだけでなく、自らの国際的なイメージの低下を招くことを中国政府は認識すべきだ」
と論難した。
さらに日経も2023年8月30日付で
「中国政府には、自国民による理不尽な嫌がらせ、危険な行為をやめさせる強い措置を取る義務がある」
「放置は許されない」
と糾弾した。
こうした中国の暴挙を巡り、各紙はその隠れた意図についての分析でも足並みを揃えた。
産経は2023年8月29日付で
「中国経済の変調から生じた自国民の不満を日本に向けたり、歴史問題と同様の反日カードにしたい思惑が中国政府にはあるのだろう」
と論考した。
朝日も2023年8月29日付で
「中国経済の停滞で、若年失業率は20%を超える深刻な状況にある」
「日本が不満のはけ口になりかねないリスクは十分にある」
と警鐘を鳴らした。
毎日は2023年8月30日付で
「不動産不況や若者の失業率悪化で国民の不満が高まっている」
と分析した上で、
「日本に対する嫌がらせ行為を黙認することで、『ガス抜き』を図る狙いがあると見られても仕方ないだろう」
と批判した。
中国による日本産水産物の全面輸入禁止についても、各紙とも厳しく批判した。
産経は2023年8月26日付で
「不当な禁輸で日本の水産業に多大な経済的打撃を与える暴挙に他ならない」
「岸田文雄首相が即時撤廃を申し入れたのは当然だ」
と主張した。
更に産経は、2023年9月2日付で
「岸田政権は中国政府の不当さを一層明確に批判し、世界貿易機関(WTO)への提訴に踏み切るべきだ」
と訴えた。
朝日も2023年8月26日付で
「巨大市場を武器に、貿易で他国に圧力をかける『経済的威圧』にも等しい振る舞いだ」
「合理性を著しく欠いた措置に、強く抗議する」
と難じた。
交流サイト(SNS)への投稿を厳しく統制しながら、反日的投稿を放置する中国政府の態度は、大国とは思えぬ無責任な振る舞いである。
中国が対日禁輸を即時撤廃するのは当然だが、水産物禁輸の打撃を少しでも緩和するため、日本政府は中国への過剰な依存をやめ、官民一体で新たな販路の開拓などに努めるべきだ。
それは経済安全保障を強めることにも繋がるはずだ。

■処理水放出と中国を巡る主な社説
【産経】
・科学無視の暴挙をやめよ(8月26日付)
・中国政府に「責任」がある(8月29日付)
・WTO提訴をためらうな(9月2日付)
【朝日】
・筋が通らぬ威圧やめよ(8月26日付)
・冷静な対話こそ必要だ(8月29日付)
【毎日】
・即時撤回へ外交の強化を(8月26日付)
・沈静化へ責任ある対応を(8月30日付)
【読売】
・中国は不当な措置を撤回せよ(8月26日付)
・中国は嫌がらせを放置するな(8月29日付)
【日経】
・中国の日本産水産物の禁輸は理不尽だ(8月25日付)
・中国は理不尽な迷惑行為をやめさせよ(8月30日付)
【東京】
・日中は理性的な対話を(8月30日付)

主張
水産業者への支援 「脱中国依存」に繫げたい
2023/9/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20230906-CWEZXP25PFLVXII4UBINV3BXHE/
東京電力福島第1原子力発電所からの処理水海洋放出に対し、中国が日本産水産物を全面輸入禁止とする暴挙に及んだことを受け、政府は水産事業者のための新たな支援事業を創設した。
岸田文雄首相の指示による対策だ。
国内消費拡大・生産持続対策や風評影響への内外での対応、輸出先の転換対策―などの5本柱で構成されている。
中国の一方的な振る舞いに対抗する迅速な措置である。
効果的に活用したい。
中国は日本の水産物の主要取引先である。
香港と合わせた2022年の輸入総額は1626億円に達し、日本の水産物輸出の42%を占めていた。
これが突如、停止になったのだから痛手は小さくないが、科学を無視した中国の不当な経済的威圧に屈してはならない。
政府が支援策の1つに掲げた国内消費の拡大は防御策、また対抗策として有効だ。
国民が、1年間に1600円分多く魚介類を消費すれば、中国と香港への輸出額に等しくなる計算だ。
十分、可能な数字である。
防衛省も全国の自衛隊の部隊などに国産水産物の積極的な消費を呼び掛ける事務次官通達を出した。
各基地や駐屯地で支給する食事に地元の魚介類を多用すれば沿岸・沖合漁業の活性化にも繫がる。
学校給食でも地場の水産物を活用すべきだ。
日本では魚食離れが進んでおり、平成23(2011)年度に国民1人当たりの肉類消費量が魚介類の消費量を上回り、以来その差の拡大が続いている。
食料の安定供給の面からも水産業の停滞は問題だが、政府は実効的な打開策を見い出せないまま苦慮していた。
処理水の海洋放出で、政府は基金を創設している。
風評被害対策に300億円、漁業継続支援に500億円だ。
そこに今回の新たな支援事業のための207億円が追加された。
国内漁業者の長期的な減少傾向や中国市場への過度の依存といった課題を抱える我が国の水産業を成長産業に転じる活力源としなくてはならない。
中国に大量輸出してきたホタテ貝については、日本国内で剝き身加工を行う機械設備の導入や海外販路の開拓などが必要だが、新支援事業はこの点もカバーする。
ハードルは低くないが、国を挙げて克服し、
「水産日本」
の復活に繫げたい。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/653.html#c67

[政治・選挙・NHK291] <独走追及!>木原官房副長官の疑惑問題、深まるナゾに追及の光を当てる! 経歴などが一向に出てこないZ氏。一体なぜ?<佐藤… 赤かぶ
34. 2023年9月07日 09:45:35 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-54]
<■1218行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/329.html#c34

[政治・選挙・NHK291] 国民不在の権力亡者 見るもおぞましい内閣改造になる予感(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
43. 2023年9月08日 00:37:45 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-53]
<■1665行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。

致死量の覚醒剤によって自殺したのなら、わざわざナイフを頭上から喉元に向かって刺す必要があるのか?
ナイフで刺殺された後に、第三者によって致死量の覚醒剤を打たれたのではないか?
犯罪の可能性があれば捜査する。
犯人は逮捕する。
当たり前の話だ。
相手が政治家の関係者でも親族でもそれは同じはずだ。
何でこんな当たり前のことが通らないんだ。
政治家が捜査機関上層部に圧力を掛けたり、たとえ相手が有力政治家であっても、捜査機関上層部がその圧力に屈するなどということは絶対にあってはならない。
一般国民から見て、政治家の立場とか、警察・検察官僚の天下り先の心配とか、そんなことより重要な事はいくらでもある。
子供の頃に「法の下の平等」について習っているはずだが一体全体どこへ行ったんだ?

岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/670.html#c43

[政治・選挙・NHK291] 国民不在の権力亡者 見るもおぞましい内閣改造になる予感(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
48. 2023年9月08日 19:56:42 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-52]
<■251行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時〜12時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/670.html#c48
[政治・選挙・NHK291] 妻の前夫“怪死事件”捜査の渦中に…木原誠二官房副長官は違法風俗の常連!(週刊文春) 赤かぶ
37. 2023年9月08日 20:09:46 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-51]
<■1922行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
致死量の覚醒剤によって自殺したのなら、わざわざナイフを頭上から喉元に向かって刺す必要があるのか?
ナイフで刺殺された後に、第三者によって致死量の覚醒剤を打たれた可能性もあるのではないか?
疑問点は多々あり、とても「自殺」とは思えず、「他殺」としか思えない。
犯罪の可能性があれば捜査する、犯人を検挙する、法治国家なら当たり前の話だ。
相手が政治家の関係者でも親族でもそれは同じはずだ。
何でこんな当たり前のことが通らないんだ。
政治家が捜査機関上層部に圧力を掛けたり、たとえ相手が有力政治家であっても、捜査機関上層部がその圧力に屈するなどということは絶対にあってはならない。
圧力を掛ける政治家と圧力に屈する捜査機関上層部が存在するのは異常な世界だ。
警察上層部に圧力を掛ける政治家や、その政治家を擁護する弁護士・政治家は論外で信用できないが、圧力に屈する警察上層部も情けなく信用できない。
一般国民は、そんな世界に生きるのは嫌だと思っている。
一般国民から見て、政治家の立場とか、警察官僚の保身とか、そんなことより重要な事はいくらでもある。
子供の頃に「法の下の平等」について習っているはずだが一体全体どこへ行ったんだ?

岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時〜12時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。
http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/674.html#c37

[政治・選挙・NHK291] 大メディアは政局予想垂れ流し 木原官房副長官続投報道にこれだけの雑音(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
28. 2023年9月08日 23:25:21 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[-50]
<■1922行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時〜12時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。

致死量の覚醒剤によって自殺したのなら、わざわざナイフを頭上から喉元に向かって刺す必要があるのか?
ナイフで刺殺された後に、第三者によって致死量の覚醒剤を打たれた可能性もあるのではないか?
疑問点は多々あり、とても「自殺」とは思えず、「他殺」としか思えない。
犯罪の可能性があれば捜査する、犯人を検挙する、法治国家なら当たり前の話だ。
相手が政治家の関係者でも親族でもそれは同じはずだ。
何でこんな当たり前のことが通らないんだ。
政治家が捜査機関上層部に圧力を掛けたり、たとえ相手が有力政治家であっても、捜査機関上層部がその圧力に屈するなどということは絶対にあってはならない。
圧力を掛ける政治家と圧力に屈する捜査機関上層部が存在するのは異常な世界だ。
警察上層部に圧力を掛ける政治家や、その政治家を擁護する弁護士・政治家は論外で信用できないが、圧力に屈する警察上層部も情けなく信用できない。
一般国民は、そんな世界に生きるのは嫌だと思っている。
一般国民から見て、政治家の立場とか、警察官僚の保身とか、そんなことより重要な事はいくらでもある。
子供の頃に「法の下の平等」について習っているはずだが一体全体どこへ行ったんだ?
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