23. 2023年6月29日 11:59:39 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[1]
Hanada2023年8月号 門田隆将
自民党史でも特筆されるLGBT法案を巡る岸田首相以下、自民党幹部の失態。
統一地方選が終わった2023年4月下旬以降、私は多くの国会議員から、
「誰が得するんだろう」
「自民党でこれを真に望んでいる議員は、一部の過激な推進派を除いて誰もいない」
・・・そんな話を折に触れて聞いてきた。
それほど異常なLGBT法案の動きだった。
この原稿を執筆している2023年6月14日現在、法案は衆院本会議を通過し、参院での審議、そして採決を待っている段階だ。
だが、あまりに書かなければならないことが多過ぎて、現在の時点での感想を記してみたい。
2023年4月20日、私は統一地方選の後半戦が終わる3日前に新宿・歌舞伎町タワーのトイレに関するツイートをさせてもらった。
同トイレは男子の小便用だけが”独立”しており、あとは女性も、男性(大便をする)も、身障者も、LGBTも、全て”もう1つのトイレ”に詰め込まれていた。
私はツイートに
<要するに女性は男と「隣同士」で用を足す>
<凄い時代が来たもんだ>
<これがおかしいと思わない人が、私には信じられない>
と書いて発信した。
これが反響を呼び、忽ち見てくれた人が
「450万人」
を超え、”いいね”も、5万を超えた。
更に私はこれをリツイートし、
<簡単に言えば、
”女子トイレがなくなり、男女が一緒に並び、使用する公共スペースになった”
という事>
<トイレや風呂だけでなく競技面でも女性アスリートは悲惨な事に>
<これが”多様化”の正体>
とも発信し、これもまた大反響を呼んだ。
実はこの時点で
「統一地方選が終われば、岸田首相はLGBT法を一挙に動かす」
「恐らく広島サミットまでに形にするつもりだ」
という噂が永田町に飛び交っていた。
しかし、2023年5月19日から始まる広島サミットに間に合わせるなど正気の沙汰ではなく、正直、私は
「まさか」
と思っていた。
だが念のために法案が通ると大変なことになりますよ、との思いを込めてツイートを発信したのである。
しかし、私の
「まさか」
が如何に甘かったかは、その後の経過が示す通りである。
自民党は特命委員会と内閣第1部会の合同会議を4回に渡って開いた。
会議で反対論を展開した議員は計58人。
推進派は32人に過ぎなかった。
年端もいかない児童に同性愛を教え込むことや、
「私は女」
と主張する身体男性が女子トイレや女風呂、女子更衣室に入り込んで来ることを許す”根拠”となる法律に保守・現実派の政治家は一斉に反発した。
問題は、LGBTへの理解を増進させるために、国、地方公共団体、事業主、そして学校に施策が要求されており、研修という名で活動家たちが公金に群がることだった。
しかし、自民党は反対論が圧倒しているにもかかわらず、強引に”部会長一任”を取り付け、政調審議会、更には総務会を経て正式に与党
「自・公案」
としたのである。
だが澎湃と沸き起こる反対論が次第に岸田首相を追い詰めた。
2023年6月9日の衆院内閣委員会で
「審議2時間で”可決”に持っていけ」
との首相の指示に
「これを強行すれば自民党の岩盤支持層が離れる」
との情報が官邸に返されたのである。
自・公案に加え、立憲・共産案、維新・国民案の3つのLGBT法案が出揃う中、突然方針変更が行われるのだ。
取材に当たった記者によれば、
「前日の2023年6月8日に信じ難いことが起こりました」
「急に官邸の指示が変更され、
”このままだと危ない、維新・国民案に乗っかって、両党を抱き込め”
となったのです」
「急遽、萩生田光一政調会長と維新の馬場伸幸代表が会談して、事実上、維国案を丸呑みする形で、決着するのです」
「そのため日本の法律なのに維新が考えた”ジェンダーアイデンティティ”という誰も分からない言葉が入ったのです」
内閣委員会の当日(2023年6月9日)未明にこの案が決まり、結局計4案が提出されるという異例の展開となったのである。
だが、LGBTを理解増進させる対象に
「児童・生徒」
は入ったままで、きちんとした性教育も行われていない日本で今後、同性愛教育が幅を利かすのである。
自民党の保守・現実派は最後まで抵抗したが、女性と女児の”命と人権”を脅かす法案を安倍氏のかつての側近たちが率先して推し進めたことに私は愕然とした。
巷には、
「もう自民党には投票しない」
という声が満ちている。
しかし、これも致し方ない。
世界的に起こっている左翼・リベラル陣営の巻き返しが、自民党を席捲しているのである。
その防波堤となっていた安倍氏が去り、自民党はかつての姿とは全く異なる党となった。
立て直しには、一刻も早い保守・現実派政権の樹立が不可欠なのである。
岸田首相が開けた”地獄の蓋”
WiLL2023年8月号 門田隆将
2023年6月15日午後6時過ぎ、岸田文雄首相の口から
「今国会での解散は考えていない」
という言葉が出た時ほど、記者たちが”シラけた”ことはなかった。
「えっ、何故?」
「もう解散を決意したはずでは?」
政権中枢に食い込んでいる記者たちの間では、そんな思いが込み上げていた。
しかし、次の瞬間、
「岸田さんなら心変わりは当然か・・・」
「あの衝撃の数字で気の小さな男に決断は無理だった」
と。
直後に官邸からは、
「”解散する”なんて1度も言ってない」
「この方針は予定通りだ」
という空虚な嘘と言い訳が繰り返された。
毎年、通常国会の会期末が近付けば多少のドタバタ劇は当たり前だ。
しかし、今回ばかりは、マスコミもあり得ないほど右往左往させられたのである。
元になったのは、前週末の2023年6月10日、11日両日に行われた自民党の全国情勢調査の数字である。
ここで、解散総選挙を今国会で打った場合、自民党の獲得議席はマイナス42で
「220議席」
という”過半数割れ”になってしまったのだ。
この数字を見た自民党執行部は
「まさか」
「あり得ない」
という声しか出なかった。
岸田首相本人も同じである。
2023年5月25日、週刊文春によって息子・翔太郎氏の公邸内のおふざけ写真が明らかになり、翌週には『FRIDAY』が
「首相自身も宴会に参加していた」
ことを集合写真で暴露した。
「集合写真には岸田さんの弟妹が写っていて、実は息子が従兄たちを呼び寄せた会ではなく、首相が弟妹たちの一家を呼んだ”岸田一族の忘年会”だったことがバレてしまったんです」
「翔太郎秘書官に対し、
”公的立場の人間として不適”
と辞職させた首相が、自分自身が関わった忘年会の中で起きた不祥事に
”あなた自身は不適格でないのか”
と与党からでさえ批判が起こったのは当然でしょう」
(政治部デスク)
だが、これもLGBT法案の問題に比べれば、取るに足らない些細な出来事だったと言えるだろう。
首相秘書官のオフレコ発言を毎日新聞が暴露して以来、高まった批判に恐れ慄いた岸田首相にエマニュエル米駐日大使と公明党が一挙に攻め込み、LGBT法案成立の流れが出来上がった。
選挙への影響を考え、統一地方選終了までは”音無し”だった首相も、2023年4月下旬にこれが終わるや、自民党内で特命委員会と内閣第1部会の合同会議を計4回開かせるという急展開。
だが反対論が強く、反対意見は計58人、賛成意見は計32人だけで、反対勢力が圧倒したのだ。
「理解増進」
という名の下に性の自我も確立していない児童に同性愛を教えたり、
「私は女だ」
と主張する身体男性が女子トイレや女風呂、女子更衣室に入り込んで来ることを許す”根拠”となる法律など、保守・現実派が許せるはずがなかった。
また研修という名で公金に群がる活動家たちを嫌悪する保守派は益々
「保護すべき女性や女児の命を守れない」
と反対姿勢を強めたのだった。
しかし、それでも岸田首相は、強引にこれを推し進め、党内の合同会議は反対派を封じて
「部会長一任」
を取り付け、また、衆参の内閣委員会も強行突破し、両院の本会議でも、
「退席」
という手段を取った計5人の政治家を除いて”党議拘束”の脅しを用いて可決・成立させてしまったのである。
「衆院内閣委員会の時点で国民の反発を感じた首相は萩生田光一政調会長に命じ、急遽、維新の馬場伸幸代表との前夜(2023年6月8日夜)の話し合いがもたれた」
「当日(2023年6月9日)未明までかけて維新・国民民主党案を丸呑みするという醜態を演じて、これを通したのです」
(前出・政治部デスク)
しかし、この段階でサミットで上昇していた高支持率は吹き飛び、過半数割れの
「惨敗」
を示したことを自民党の全国情勢調査が明らかにしたのである。
与党の公明党も9議席減の23議席となり、
「岸田退陣必至」
との予測となってしまったのだ。
法案を通した後、自民党議員たちは女性たちの非難をかわすために、トイレや浴場など”女性専用スペース”確保の法整備に議員連盟を立ち上げる動きが始まり、忽ちここに50人超が終結するというあり得ない動きまで起こった。
「それなら何故法案そのものに反対しないのか、それが出来ないなら、何故法案の中身を修正しないのか、という声が湧き起こりました」
(自民党関係者)
岩盤支持層の保守・現実派を捨て、”地獄の釜の蓋”を開けてしまった岸田首相。
求心力を失った国家の領袖ほど惨めなものはない。
自らの不明を恥じよ。
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/689.html#c23