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zikAgAsyVVk コメント履歴 No: 100003
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[経世済民128] 税制改正、新たな財源確保が大きな課題に 調整、最後まで難航か(SankeiBiz) 赤かぶ
2. 2018年9月01日 19:03:12 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1390]

総合課税にしても、法人活用による経費扱いや海外移転などの税逃れが増えることになり

税収増には、ほとんど結びつかない

日本の個人所得は低いので、累進税率を上げても、やはり税収増効果は小さい

法人増税は、国内産業は超少子高齢化で縮小が続くので、課税しても、さらに細るだけだし

グローバル企業は単に拠点を海外に移すだけ

結局、どうあがいたところで財政を改善したいのであれば、

移民を積極的に増やすか、

企業の生産性を高め、生産性の低い産業は海外に任せ

労働者の実質所得を増やす一方で

増え続ける高齢者の労働参加率を高め

歳出を減らして、歳入を増やす以外に手はないが


現実には、どの政党になっても改革は進まず、

財政ファイナンスは続き、いずれ高インフレに苦しむことになるだろう

https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2018/index.htm
平成30年度 税制改正
Chapter1 個人所得課税
(1)給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替
(2)給与所得控除の適正化
(3)公的年金等控除の適正化
(4)基礎控除の適正化
Chapter2 法人課税
(1)賃上げ・生産性向上のための税制
@賃上げ及び投資の促進に係る税制
A情報連携投資等の促進に係る税制
B租税特別措置の適用要件の見直し
C中小企業における賃上げの促進に係る税制
(2)事業再編の環境整備
(3)地方拠点強化税制の見直し
Chapter3 資産課税
(1)事業承継税制の拡充
(2)一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し
(3)外国人の出国後の相続税等の納税義務の見直し
Chapter4 消費課税
(1)国際観光旅客税の創設
(2)外国人旅行者向け消費税免税制度の利便性向上
(3)金の密輸入に対応するための罰則の引上げ
(4)たばこ税の見直し
@たばこ税の税率の引上げ
A加熱式たばこの課税方式の見直し
Chapter5 国際課税
恒久的施設関連規定の見直し
Chapter6 納税環境整備
税務手続の電子化等の推進
(1)大法人の電子申告義務化
(2)所得税の確定申告・年末調整手続の電子化
Chapter7 その他
(平成30年度改正以外の事項)
(参考)平成30年度の税制改正(内国税関係)による増減収見込額
(参考)消費税の軽減税率制度
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/351.html#c2

[経世済民128] 「嫁にやるなら銀行員」と言われた時代は“今は昔”!   赤かぶ
4. 2018年9月01日 19:48:34 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1391]

銀行はボランティアではなく、従業員を食わせていかなければならないのだから当然のことだし

地方ほど、銀行(ゆうちょ)の支店やATMなどなくてもやっていけるように

決済や融資でのキャシュレス化を加速していかなければならないし、

技術的にも十分可能になっている

そうすれば逆に大都市以上に効率的で高付加価値の生活も可能になるだろう

>町内から支店を撤退する「対抗策」として鳥取県日南町は、31日までに地元の地銀・鳥取銀行に預けていた約5億6千万円を全額解約

対抗措置として全く意味はない

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/344.html#c4

[経世済民128] ヤマト「悪意ある水増し」16% 法人向け引っ越し代金の過大請求、調査委報告書を公表(SankeiBiz) 赤かぶ
1. 2018年9月01日 20:01:12 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1392]

>特定の法人顧客に対し、見積額を高くする目的で組織的に水増し

本来、きちんと相見積もりを取れば、

水増しが多すぎれば、競争に負けるだけだから問題にはならない

法人側との癒着がなければの話だが


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/348.html#c1

[経世済民128] 税制改正、新たな財源確保が大きな課題に 調整、最後まで難航か(SankeiBiz) 赤かぶ
5. 2018年9月01日 21:59:20 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1393]
>>2 みたいに移民を積極的に増やせとか言ってるのは中国の工作員

勘違いしているようだが

積極的に増やせとは言っていない

単に財政を改善したいのであれば

有期の移民労働者の受け入れは、最も安直で簡単な策の一つと言っているだけで

その下に書いてある選択の方が望ましいのは言うまでもない

ただし現実には改革を嫌う国民は、安倍政権に責任転嫁することで、

前者も選ぶことになるだろう

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/macro/2018/kuma180830ET.pdf


発表日:2018 年 8 月 30 日(木)
エンゲル係数と高齢化
〜直近 12 か月で再び最高に〜
第一生命経済研究所 調査研究本部 経済調査部
首席エコノミスト 熊野 英生(пF03-5221-5223)
食料品の値上がり
この夏は天候不順で生鮮食品などがまた値上がりした。食料品の価格高騰は、消費マインドにも打
撃を与える点でも心配である。そこで、再びエンゲル係数が高まっているのではないかと考えた。暦
年ベースでは、2016 年のエンゲル係数は 1988 年以降でピークとなったが、その後 2017 年は一旦落ち
着いた。ところが、2018 年上半期から過去1年間(2017 年 7 月〜2018 年 6 月)まででみると、2016
暦年のピーク(25.85%)を小数点のところで上回っている(直近1年間 25.88%、図表1)。
この変化は、総務省「家計調査」
(2人以上世帯、全世帯)で表われて
いるものである。食料品の物価上昇率
は、2014 年から生鮮食品を中心に継
続的に伸びていて、ここにきて再び伸
びてきている。消費者物価全体では、
1%に満たない伸びであるが、食料と
エネルギーは目立って伸びているので
ある。その結果として、エンゲル係数
が高まっている。
家計の中で最も打撃を受けるのは、
高齢者世帯である。2017 年の家計調査では、
2人以上世帯平均でのエンゲル係数が 23.8%、
60 歳代 25.2%、70 歳以上 27.3%となってい
る。
過去 10 年間のうち、品目別物価で上昇が
目立つのは、食料品と光熱・水道である(図
表2)。それぞれの上昇率は、11.8%と
12.3%である。2007〜2017 年にかけての消費
者物価は、僅か 3.3%の上昇率である。より
実感に近い、消費者物価・総合除く帰属家賃
でも 4.4%の上昇率である。
家計消費に占める食料品の金額の割合は、エンゲル係数と呼ばれる。その割合は、2018 年上半
期・2017 年下半期の合計でみると、1988 年以降で最高だった 2016 暦年を超えている。しかし、家
計の購買力は、コストプッシュで食料品の値上がりが起きているので、実質マイナスである。高齢
者はその打撃をより大きく受ける。
(図表2)過去10年間での物価変動率
10年前比
(2017/2007)
5年前比
(2017/2012)
総合 3.3% 4.4%
(除く帰属家賃) (4.4) (5.3)
食料品 11.8 9.4
住宅(除く帰属家賃) 1.3 1.8
光熱・水道 12.3 3.1
(エネルギー) (8.1) (0.5)
交通 8.0 7.4
通信 ▲ 6.4 ▲ 3.6
家具用品 ▲ 12.8 2.2
被服 4.9 6.9
教育 ▲ 4.0 6.3
教養娯楽 ▲ 4.4 6.0
出所:総務省
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Economic Trends / マクロ経済分析レポート
食料品と光熱・水道は年平均1%以上の上昇率であり、しかも高齢者世帯はこの2品目の構成ウエ
イトが高くなっている。つまり、この 10 年間で物価上昇の痛みを受けやすかったのが高齢者だったと
いう訳である。
金融政策を論じるとき、食料品とエネルギーを除くと物価の真のトレンドがわかると信じられてい
る。しかし、そうした習慣で考えることは、生活実感と乖離した物価観を持ってしまうことになる。
また、2019 年 10 月に予定されている消費税率の引き上げでは、食料品が軽減税率の扱いになる。その
理由は、ただでさえ上昇している食料品価格がもうこれ以上高騰しては困るという高齢者の声を反映
しているのだろう。
物価上昇に対する反応
食料品価格の高騰が、エンゲル係数の上昇の背景にはある。家計は、物価上昇に対してどう反応し
ているかと言えば、購入数量を減らしているのである。おそらく、消費者が安価に敏感になることも
同時に起こっている。コストプッシュ・インフレに対して、需要を減らしているのが実態である。
この変化は、個別の品目でみるとよくわかる(図表3)。例えば、家計調査で平均価格・購入数量
がわかる分類表では、生鮮魚介は 10 年間で 23.0%の平
均価格の上昇があった。それに対する購入数量の減少率
は△35.5%と大きい。相対的に価格上昇率が小幅だった
生鮮肉は、2.8%の価格上昇に対して購入数量が 17.6%
も伸びている。家計は、生鮮野菜、生鮮果実も購入数量
を減らしている。飲料でも、価格が上がったビールの消
費量は減って、価格が下がったワインは消費量を増やし
ている。
仮に、家計調査の平均価格と消費者物価が一致して変
化すると考えると、この 10 年間で食料品の支出額が
5.0%増加しているから、11.8%の食料品価格の上昇率を差し引いて、購入数量は△6.8%も減少して
いる計算になる。
年金制度がネック
達観して考えると、食料品やエネルギー価格は、国際商品市況の影響を受けるから、日本の景気や
金融政策の影響を離れて決まってくる。日本がデフレであっても、世界がインフレならば、食料品価
格は上がる。エンゲル係数の上昇は、コストプッシュ・インフレの影響が表われていると理解できる。
食料品やエネルギーは、必需的な品目であり、本来は減らしにくい性格である。従って、これらの
コストプッシュ・インフレは、他の品目に回っていく家計の購買力を奪っていき、家計のデフレ傾向
を強めることになる。
日銀の政策になぞらえると、2%が達成できないのは、過去のトレンドの影響などではなく、コス
トプッシュの作用が実質購買力を大きく減殺しているからだ。日銀が物価をコントロールできるとい
う考え方は間違っている。さらに言えば、円安になって輸入物価が上昇しても、それは家計の実質購
買力を下げる点で逆効果である。
家計が、コストプッシュ・インフレに弱くなったのは、高齢化が進んで、所得がより固定的だから
である。全世帯ベースの有業率はここ 20 年間で大きく下がり、直近では約 60%まで低下した(図表
(図表3)家計調査の平均価格・購入数量の変化
2007年と2017円の変化率、%
平均価格 購入数量
パン 11.5 ▲ 0.9
麺類 10.2 ▲ 4.4
生鮮魚介 23.0 ▲ 35.5
生鮮肉 2.8 17.6
生鮮野菜 15.8 ▲ 3.3
生鮮果実 14.2 ▲ 15.4
油脂 17.4 ▲ 6.9
ビール 5.6 ▲ 38.3
ワイン ▲ 10.6 53.8
出所:総務省
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所調査研究本
部経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変
更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
Economic Trends / マクロ経済分析レポート
4)。これでは、デマンドプル・インフレなど起
こる訳がない。
この構造を助長しているのは、年金制度が物価
上昇に対して1年遅れてしかスライドしない仕組
みであることも大きい。消費税率が上がったとき
だけ、マクロ経済スライドが加味されて割り負け
幅が大きくなる。高齢者は、消費増税もインフレ
加速も歓迎しない。
物価スライドの仕組みが年1回で遅れることや、
帰属家賃・耐久財など物価下落が起きやすい品目
に引きずられやすいことも、本当は再検討する方
がよい。2017 年の無職世帯の割合は 39.1%にも達
するから、年金の物価スライドが現状のままであると、どうしても所得が物価に対して割り負ける構
造になってしまう。
デフレの正体の大きな要因は高齢化である。その中身に踏み込むと、年金支給額が固定的であるこ
とが挙げられる。年金制度は、2020 年に改正が見込まれるので、この論点も検討しなくてはいけない
だろう。
出所:厚生労働省、総務省
(図表4)世帯主の有業率の低下
就業構造基本調査 家計調査
全世帯(単身世帯を含む)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/351.html#c5

[経世済民128] 税制改正、新たな財源確保が大きな課題に 調整、最後まで難航か(SankeiBiz) 赤かぶ
6. 2018年9月01日 22:05:35 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1394]

>>04 日本は内需の国だから公共事業をやればどんどん経済発展

これは間違い

社会保障コストの削減と生産性の上昇につながるような

効率的な公共事業を行うこと自体は問題はないが


過去の日本が行ってきた単なる地方へのバラマキは、いくら増やしても

既得権層を豊かにさせて格差を拡大し、ムダなダムや、環境破壊になるだけで、

百害あって一利なし


特に、失業率が下がり、完全雇用の状態で、さらにムダな公共事業を行えば

どうなるかは、今後の米国のトランプ政権の末路を見なくても

日本の長期停滞を見ていれば、明らかなことだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/351.html#c6

[経世済民128] 税制改正、新たな財源確保が大きな課題に 調整、最後まで難航か(SankeiBiz) 赤かぶ
7. 2018年9月01日 22:37:50 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1395]

>>06 今後の米国のトランプ政権の末路


と言うか、既に、底辺層は、トランプにも裏切られているのだが

そのストレスのはけ口が、海外に向かっているのが貿易戦争だとすれば

中韓の日本攻撃と同じ事態が長期にわたって続き、

米国の格差拡大も、世界全体でさらに拡大が続き

さらに世界の安全保障の悪化へと続くことになる


 


米国民の半分は2007年時点よりも貧乏に。これから伸びる理由がない米国経済

2018年8月26日ニュース
米国ミネアポリス地区連銀の調査によると、米国民の半分は「2007年時点よりも貧乏」になっているようです。これでは今後の消費やGDPの伸びは期待できません。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2018年8月16日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
金融資産を持つ富裕層だけが肥えていく。持たざる者達の末路は…
取り返しのつかない「米国の格差」
ミネアポリス地区連銀・研究調査部門による「米国の貧富格差に関する長期レポート(PDFファイル)」が発表されました。ここでも格差の拡大が懸念されています。
なんでも、米国人の半分は11年前の超不況以前よりも貧乏になってしまったというのです。海外の報道を翻訳しながら、ポイントを解説します。
米国民の格差調査は、ほとんどが年収格差に対してのみで、資産格差については良いデータが存在しない。
この度、ミネアポリス地区連銀の研究部門である、Opportunity & Inclusive Growth Instituteの2018年6月調査によると、過去70年間の米国の格差形成は、年収の格差だけでなく、株式等の金融資産および複数の住宅(別宅、別荘等)の保有による格差が拡大していることがわかった。
今回の分析では、所得、預貯金、不動産価値、株式保有、その他の資産のデータを分析して米国の格差を浮き彫りにした。
1970年以降の収入の分極化(超高収入と低収入)で、中間層が少なくなっている。特に白人と黒人の経済格差は全く減少していない。
簡潔に言えば、中間層の資産は主に自宅のみなのだ。
これに対し、トップ10%の主要な資産は株式・債券などの金融資産で形成されている。
出典:Income and Wealth Inequality in America, 1949-2016 | Opportunity & Inclusive Growth Institute(2018年6月14日配信)
中間層が資産として持つ「住宅」は伸び悩む…
住宅価格は、1950年から2000年代まで上昇。しかし中間層の収入は伸びなかった。
2009年以降は、株価は急速に回復し、金融資産も大きく伸びた。しかし中間層が所有する住宅価格は伸び悩んだので、中間層と富裕層の格差は拡大したのだ。
出典:同上
収入の格差は言わずもがな…
1970年から1980年代後半の期間で、下層50%の米国民全体の総収入に占める割合は21.6%から16.2%へ減少した。それに対し、トップ10%は30.7%から39.9%へ増加した。
2016年に至っては、下層50%の総収入に占める割合はさらに2%近く下がり14.5%に減ってしまった。対してトップ10%は、8%弱増えて47.6%にまで伸びたのだ。
つまり、低所得者層の収入はさらに下がり(21.6%→14.5%)、他方で高取得者層の収入は逆に大きく伸びた(30.7%→47.6%)のだ。
出典:同上
どの数字を見ても、貧富の差の拡大が浮き彫りになっている。次項では、レポートから抜き出したチャートを紹介しながら、米国が直面する問題についてお伝えしたい。
Next: 数字を見れば一目瞭然。この10年で「富裕層の資産」だけが急成長した
この10年で「富裕層の資産」だけが大きく膨らんだ
資産という視点から見ると、戦後の50年間については、ほぼ平等に伸びていた。
しかし、金融危機以降は大きく変わってしまった。下層90%は大きく資産を減らしたのに対し、トップ10%の資産は大きく増えたのだ。
下層50%は資産と呼べるものをほとんど保有しておらず、中には借金を抱えており、米国民全体の財産に占める割合は1950年3%から、2016年には1.2%に減ってしまった。
上層50%から90%が持つ主な資産は住宅だが、トップ10%は株式資産が主である。
中間層は、住宅価格が変動する度に総資産金額としては大きく変化するが、トップ10%は住宅価格からの影響は少なく、株価の変動の方が影響が大きいのだ。
それゆえにこの10年間は、中間層の資産は余り変わらず、急速に回復した株価によりトップ10%の財産は大きく増えたのだ。
出典:Income and Wealth Inequality in America, 1949-2016 | Opportunity & Inclusive Growth Institute(2018年6月14日配信)
数字で見れば「米国の格差」は一目瞭然
以下のチャートは、前述の分析報告書から抜き出したものです。期間はすべて、1950年から2015年。
<(ア)収入の成長率>
青色矢印(破線)は富裕層のトップ10%、水色(点線)は中間層50%から90%、草色(実線)は、下層50%です。

<(イ)資産(住宅資産、株価債券等の金融資産)の成長率>
青色矢印(破線)は富裕層のトップ10%、水色(点線)は中間層50%から90%、草色(実線)は、下層50%です。

<(ウ)下層50%の資産(借金)の構成比の変化>
住宅ローン等の各種の借金を見やすくする為に赤色枠を追加しました。

<(エ)50%から90%の中間層の資産(借金)の構成比の変化>

<(オ)トップ10%の資産(借金)の構成比の変化>
もちろん、借金などはほとんどありません。

<(カ)米国民全体の資産(借金)の構成比の変化>

(ウ)〜(カ)の4つの面グラフについて、薄い灰色区域は住宅価格+非金融資産、灰色区域は株式+ビジネス資産、濃い灰色区域は債券と現金、現物及びその他の金融資産。赤線以下の借金の薄い灰色区域は住宅ローン以外の債務(自動車ローン、クレジットローン等)、灰色は住宅ローン債務。太い点線は資産総額です(2016年のドル価値を基準にして物価上昇率を勘案)。
消費もGDPも伸びる理由がない
衣食住は最低限必要なものです。保有する衣服や食品が資産ではないのと同じように、自分が住むための住宅は資産ではないと思います。
つまり、中間層の保有する自宅は資産ではなく、別宅や別荘や、保有する賃貸マンションが投資物件であり、財産であり、資産だと思うのですが…。
米国人の半分は「11年前の超不況以前よりも貧乏」になってしまったのですから、消費が今後も伸びるとは思えず、GDPも伸びるとは思えません。
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・米国国民の貧困化(8/8)
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【関連】「先進国で日本がいちばんヤバい」IMFの警告でアベノミクスの嘘が明らかに
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【関連】「先進国で日本がいちばんヤバい」IMFの警告でアベノミクスの嘘が明らかに


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/351.html#c7

[政治・選挙・NHK250] 憲法改正の目的は戦争。(谷間の百合) 赤かぶ
1. 2018年9月01日 23:38:44 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1396]

安倍が改憲できるかどうかは、かなり怪しい

野党はもちろん石破も経済政策で対案を出さない限り、

いくら批判したところで、当面は、ほとんど意味はない

 

https://www.dir.co.jp/report/research/economics/japan/20180831_020295.html
男女ともに正規雇用者数が大幅増2018年7月雇用統計

2018年08月31日 日本
経済調査部 研究員 竹山 翠

経済調査部 エコノミスト 小林 俊介

全文PDFダウンロード

サマリー
◆【7月の雇用】完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt上昇し2.5%となった。失業者数は前月差+6万人と2ヶ月連続で増加し、就業者数も同+4万人と4ヶ月ぶりに増加した。また、非労働力人口は同▲17万人と4ヶ月ぶりに減少した。つまり、非労化していた人々が労働市場に戻ってきていると考えられ、内容としては悪くないといえよう。

◆【6月の賃金】現金給与総額は前年比+3.3%と11ヶ月連続で増加した。1997年1月以来、21年5ヶ月ぶりの高い伸びとなった。内訳を見ると、所定内給与(同+1.1%)、所定外給与(同+3.5%)、特別給与(同+6.3%)の全ての項目で増加した。全体を押し上げたのは、一般労働者の特別給与の増加(同+6.2%)である。ただし、毎月勤労統計の結果は、年初に行われたサンプル替えによる影響を強く受けていることに注意が必要だ。

◆【先行き】労働需給はタイトな状況が続き、失業率は上下しながらも2%台半ばで推移するとみている。2019年度以降導入見込みの残業規制等を背景に、企業の人手不足感は一層強まるとみている。特に人手不足が深刻な産業では、正社員化や賃金引上げといった処遇の改善や省人化投資が求められる。
http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/147.html#c1

[政治・選挙・NHK250] なぜ、自民の議員に安倍を支える勢力が多いのか  赤かぶ
1. 2018年9月01日 23:55:26 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1397]

>なぜ、自民党の多くの議員が安倍を守りたがるのか――。
>答は選挙での勝馬に乗るため

愚かな分析

では、なぜ安倍が選挙で勝ち馬になるのかを考えるべきだろう

安全保障や倫理ばかり議論しているが(そちらは安倍より石破が優勢だが)

国民が最も関心をもっている経済から目を背けては

米国同様、ポピュリスト政治家が蔓延るばかりになる

http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/147.html?c1#c1



http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/149.html#c1

[経世済民128] 税制改正、新たな財源確保が大きな課題に 調整、最後まで難航か(SankeiBiz) 赤かぶ
8. 2018年9月02日 00:17:20 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1398]

>>04 日本は内需の国だから公共事業をやればどんどん経済発展

これが間違いであり、既に日本の労働資源は非常に高コストであることは

最近の労働指標でも明らかだが、

効率的な公共事業が困難になっていることを明確に示す指標としては未活用労働指標がわかり易いか

http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/147.html?c1#c1
男女ともに正規雇用者数が大幅増

http://www.stat.go.jp/data/roudou/tsushin/pdf/no20.pdf
未活用労働指標の国際比較


日本の未活用労働指標4は他国と比べて低く,潜在労働力人口の割合は非常に低い


図1は,各国のLU4とその内訳(「労働力人口」と「潜在労働力人口」の合計に占める「失業者」,「追加就労希望就業者」及び「潜在労働力人口」の割合)を示しています。
日本では雇用情勢が着実に改善していることから,LU4も低く,就業可能で就業を希望する人の多くは,就業に結びついているものと考えられます。LU4の内訳にみる失業者の割合が比較的近いイギリス,ドイツと比べると,追加就労希望者と失業者の割合が同程度であることは共通しますが,潜在労働力人口の割合は非常に低いといえます(図1,表1)。

5か国の中ではイタリアのみ,潜在労働力人口の割合が追加就労希望就業者を上回っています。イタリアでは
失業率が高い状態が続いていることから,潜在労働力人口に含まれる,就業希望があり,就業可能であるものの
失業の長期化等により求職意欲を失った者などが多くなっていると考えられます。


日本の未活用労働指標4は 15〜24 歳の若年層でみても他国と比べて低い

年齢別にみると,各国とも,15〜24歳(若年層)の各項目の割合は,総数(図1)でみたときの倍程度となっています
(図2,表1)。
また,若年層でみても,日本の未活用労働の割合は低い水準であり,LU4の内訳をみると,他国に比べ,潜在労働力人口の占める割合が小さくなっています。
男女別にみると,各国とも,女性に比べ男性のLU4が低くなっています。内訳をみると,各国ともに,失業者の占める割合では男女に大きな差はありませんが,追加就労希望就業者の占める割合では女性の方が高いことがわかります(図3,表1)。


未活用労働指標4の内訳は,男性と比べて,女性では追加就労希望就業者の占める割合が高い


また,男女別でみても,日本の未活用労働の割合は低い水準であり,LU4の内訳をみると,他国に比べ,潜在労働力人口の占める割合が小さくなっています。

図3 LU4の内訳(男女別)


就業希望の非労働力人口では,すぐに就業できない者が多い


前述のとおり,LU4の内訳をみると,潜在労働力人口の割合が極めて小さいことが日本の特徴となっています。
潜在労働力人口は,日本ではその多くを就業可能非求職者が占めています。就業可能非求職者は,非労働力人口で就業を希望する者(就業希望者)のうち,就業可能時期が「すぐつける」者を指します。本稿では,就業可能非求職者を「すぐに就業できる者」,それ以外の就業希望者を「すぐに就業できない者」と表記します。「すぐに就業できない者」は,国際基準に基づく未活用労働には該当しません。

非労働力人口に占める「すぐに就業できる者」の割合は,他の4か国に比べ日本ではかなり低くなっている一方,就業希望者全体の割合はドイツ,フランスと同程度となっています。特に,25〜54歳では,「すぐに就業できる者」の割合は低いものの,非労働力人口に占める就業希望者全体の割合はイギリス,ドイツ,フランスを上回ります。日本では,就業希望者自体は少なくないものの,「すぐに就業できない者」が多いことがわかります
 

25〜54歳の就業希望者の内訳を構成比でみると,日本では9割以上が「すぐに就業できない者」となっており,
その大部分が女性であることがわかります(図5,表3)。

25〜54歳の就業希望者のおよそ8割を占める,女性の「すぐに就業できない者」を非求職理由別にみると,「出産・育児のため」が最も多く47.9%,次いで「健康上の理由のため」が13.7%,「適当な仕事がありそうにない」のうち「勤務時間・賃金などが希望にあう仕事がありそうにない」が11.6%となっています(図6)。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/351.html#c8

[政治・選挙・NHK250] 日本墜落!<本澤二郎の「日本の風景」(3082)<「自分さえ良ければ」の霞が関> 笑坊
2. 2018年9月02日 09:41:10 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1399]
2018年9月2日 加藤年紀 :株式会社ホルグ代表取締役社長
公務員批判が誰の得にもならない理由

「公務員を調子に乗らせて何がしたいのか?」――。地方公務員の成果や実績を表彰する『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2018(以下、地方公務員アワード)』の結果発表を行った。筆者が主催する地方自治体情報メディア「HOLG.jp」が、8月20日から25日にかけて実施したイベントである。冒頭のコメントは、2017年に開催された同アワードに際して寄せられたものだ。

 HOLG.jp の2018年の地方公務員アワードでは、全国で12名の『すごい!公務員』が選出された。日々の業務成果によって地方公務員を表彰するイベントに、今回は電通やLIFULL、PR TIMES、ホープなどの上場企業が協賛企業として名を連ね、「電通賞」などの協賛企業賞が公務員個人に授与された。従来、表彰されることの少ない地方公務員ではあるが、このイベントに協賛企業がつく事実から、地方公務員に対して好意的な目を向ける企業が増えたことがうかがえる。

誤った公務員批判は税金の無駄遣いを助長する

 実は冒頭のコメント「公務員を調子に乗らせて何がしたいのか?」は、主催者である筆者の脳裏に長い間ひっかかっていた。

 ネット上で発せられていたこともあり、受け流してもいいことのようにも思ったが、そのコメントに対して一定の支持があることに筆者は強く懸念を感じた。やはり、公務員は叩かれる宿命にあるのだろうか。

 結論から述べると、誤った公務員バッシングは税金の無駄遣いを助長すると筆者は考える。本稿では公務員バッシングが引き起こす問題について論じたい。

不祥事が起きた背景が分析されず、その後も報じられない

 本来、公務員は志の高い誇らしい職業であるべきだ。しかしながら、1990年代の官官接待問題や、いわゆるノーパンしゃぶしゃぶ事件、2006年に発覚した社会保険庁の年金記録問題、近年の公文書の改ざん問題など、公務員自身が自らの首を絞め、その評価を貶めてきた歴史も残念ながら存在する。

 もちろん、この「不祥事」に対する公務員バッシングの全てを否定するつもりはない。税金を扱う以上、不正を働いた者は厳しく追及されて当然だろう。ただし、個別の不祥事が起きた際、ひたすら叩き続けるだけでは根本的な解決にはならない。その事象がなぜ起きてしまったのかを事実ベースかつ多角的な視点で構造的に捉え、今後はどのようなアクションが必要なのかという提言が求められる。

 しかしながら、昨今の文書改ざん問題に対しても、「再発防止のために、今後どうすべきか」という実務レベルでの提言は、ほとんど見ることがなかった。

340万人の公務員を一括りに「悪」や「無能」とするのは百害あって一利なし

 最も危惧すべきは「公務員全体=悪」とするバッシングの存在である。

 筆者はこの公務員全体を「悪」や「無能」とする風潮に関しては、百害あって一利なしだと断じたい。不祥事から報道が始まり、テレビのコメンテーターなどが「これだから公務員は…」というような発言を行う。まるで公務員全体が悪であるかのように短絡的な落としどころが設定されていく。

 そもそも、公務員は全国におおよそ340万人存在する。それを一括りにまとめて批判することなど、本来できるものではない。わかりやすいからといって、大雑把に公務員を断罪することで、行政組織の「採用力の低下」「モチベーションの低下」「実務負荷の増大」「民間人との断絶」など、大きなデメリットを生じさせている。

行き過ぎた公務員バッシングの成れの果て

 以前、ある週刊誌のウェブ版の記事では、匿名の公務員の証言をもとに、公務員がいかにダメかという流れで話が進んでいった。読者のメディアリテラシーが高まりつつあるが、過去のメディアによるバッシングがいまだに影響を及ぼし、「公務員=悪」と解釈される傾向は強い。

 また、公務員本人がそうしたバッシングを目にした際、彼らのモチベーションは当然のように下がり、仕事の成果を落とすことになるだろう。その状態が持続すると、やがて公務員はメディアの批判に何も感じなくなる。自己防衛本能が働くからだ。

 いつの日から、公務員には何を言っても構わないという風潮が生まれたのか。公務員には多くのクレームや不当な依頼が舞い込んでくるという。

 企業でも、コールセンターなどに対して絶えずクレームを行うモンスタークレーマーの存在が認められているが、人件費などの対応コストは当然、企業が負っている。一方、行政に対するクレームの場合は、その対応コストは我々国民が負担した税金から捻出されている。公務員批判をする人ほど、「公務員は厚遇だ」と声を上げるが、仮に厚遇だとすれば、なおさら公務員の時間を奪うことには慎重になるべきだ。

身分を隠す公務員

 行政の財源は今後さらに厳しくなると予想される中で、適切な官民連携によって状況を打開する必要がある。しかしながら、公務員のマイナスイメージの広がりは、この官民連携をも妨げている。実は、公務員が近所付き合いの中で、自らの職業を隠していることは少なくない。というのも、公務員である事実が明るみに出ると、それを理由にさまざまなことをお願いされたり、公僕であるはずが、時に下僕かのような扱いを受けることもあるからだ。

 ひどい時には飲み屋で市民から絡まれ、「お前は誰の税金で飯を食っているんだ?」「どのくらい給料もらっているか言え!」などと言われることもあるそうだ。そんなことでは身分を公開する気も失せるだろうし、草の根レベルの接点や官民交流は生まれるはずもない。同じ地域で生活しても互いが出会うことはなく、公務員は民間人を理解できないまま生活を送り、民間人も公務員への理解が進まない。

公務員による収賄の起訴件数は年間22件

 公務員は、癒着の疑いを住民やメディアからかけられることに過敏である。その点も行政と民間企業の距離を遠ざけている一因である。しかし、民間企業との過度な距離感は機会損失を生み、住民サービスの改善や改革を遅らせる。以前に松阪市が“明るい癒着”と打ち出し、民間企業との連携を推進したが、行政は透明性や優位性がある民間企業とは進んで接点を持つべきだろう。

 もちろん、過去に横領や収賄事件が立て続けに発生し、疑われる原因を作ったことは公務員自身の責任でもある。しかし、実際に犯罪に手を染めている公務員はごく一部に限られる。2016年の公務員犯罪で横領の起訴件数は13件、収賄は22件である。[*1]

 全国340万人の公務員が2、30名の行ないによって、その全体の動きを縛られることはマイナス面に働くことの方が大きくないだろうか。

[*1]平成29年版犯罪白書「公務員による犯罪 検察庁新規受理・終局処理人員」

活躍する公務員にも光を当てるべき

 極論だが、もし日本全国から公務員という存在をなくすことを目的とするのであれば、公務員バッシングを徹底的に行う価値があるかもしれない。しかし、公務員が日本からいなくなることなど、バッシングを行う住民やメディアですら現実的に望んでいるわけではないだろう。

 だとすると、公務員へのアプローチは、中傷ばかりではなく、考えや行動の質を高められるよう、提言型のスタイルをとる必要がある。そのためには、バッシングの陰に数多く存在する、成果を上げた公務員に光を当てるべきではないだろうか。なぜなら、成果を上げる公務員の考えや行動には、行政組織全体の成果を底上げするヒントに溢れているからである。

 批判を展開するのは自由だ。しかし、非建設的な公務員批判はその批判を展開する者も含め、「国民全体に損害を与える」という事実は認識されるべきだろう。 “公務員”は職業として総称することができても、批判対象として一括りにできるものではない。340万人の公務員には一人ひとりに個性があり、心が通い、彼らにも家族が存在するのである。

 最後に話を戻したい。1年前に筆者の脳裏に刻まれた「公務員を調子に乗らせて何がしたいのか?」という問いにはこう応じたい。「公務員を調子に乗らせて何が悪いのか?」と。

(株式会社ホルグ代表取締役社長 加藤年紀)
http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/166.html#c2

[政治・選挙・NHK250] 日本墜落!<本澤二郎の「日本の風景」(3082)<「自分さえ良ければ」の霞が関> 笑坊
3. 2018年9月02日 09:45:36 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1400]

利己的で無責任で愚かな国民が選ぶ限り、そうした国民以上に、優秀な政治家など出ない

その程度のことすらわからない国民が多数派になり

ひたすら自分の選んだ政治家の無能や、公務員のあら捜しばかり行うようになった時、民主主義国家は、滅びる

それも必然か


http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/166.html#c3

[経世済民128] 自転車の販売数(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
3. 2018年9月02日 23:13:33 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1401]
2018年8月31日 / 19:07 / 1日前
コラム:対米黒字の8割弱が自動車、「1本足経済」に潜むリスク
田巻 一彦
2 分で読む

[東京 31日 ロイター] - 米国が通商拡大法232条による自動車を対象にした輸入規制を課すかどうか調査中だが、仮に課税された場合、日本経済にはかなりの打撃となる可能性がある。

日本の貿易黒字に占める自動車の割合が高く、対米に限定すれば、黒字額全体の76%を占めるからだ。自動車に頼る日本経済の「一本足」の構図は大きなリスクであり、貿易戦争を仕掛けられれば、かなりの打撃を覚悟しなければならないだろう。 

<米が重視する自動車問題>

米国とメキシコの間で北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しが行われ、原産地比率が62.5%から75%に引き上げられた。主要なターゲットがメキシコ内で生産される自動車であることは明らか。自動車に関しては、時間当たり賃金が最低16ドルであることを満たしている工場で生産されたものが、40─45%を占めることも決められた。

これで事実上、新たに米国からメキシコに自動車工場をシフトさせることが難しくなったと言える。

このように米国のトランプ政権は、自動車をメインに貿易赤字の縮小を狙う戦術を採用していることが鮮明だ。

一方、日米間の貿易収支をみると、ある特徴的なことが浮き上がってくる。2017年度の日本の貿易収支によると、対米貿易黒字は6兆9999億円。このうち自動車と自動車部品の黒字額は5兆3657億円と貿易黒字額全体の76.7%を占める。

日米貿易不均衡は「日本の自動車輸出が生み出している」と、トランプ政権からは見えるかもしれない。

<狙い撃ちのリスク>

このことはまず、短期的に大きなリスクを発生させるだろう。米政権が現在、調査中としている通商拡大法232条の適用による25%の自動車関税の適用があった場合、日本の自動車メーカーだけでなく、日本経済にも大きな打撃となる。

2017年に日本から米国に輸出された自動車は約174万台。課税された場合、かなりの割合で輸出台数が減るか、もしくは自動車メーカーの収益が激減することになると予想される。

中長期的にも問題は残る。リーマンショックから10年が経過したが、次に大きな危機が世界経済を覆った場合、単一の業態の稼ぐ黒字額が巨額である場合、その業態がショックの直撃を受けると、経済全体が受ける衝撃が増幅されてしまう危険性があることだ。

実際、2017年度の貿易黒字は2兆4491億円だったが、自動車と自動車部品のネット黒字額は13兆6754億円にのぼる。

自動車だけで稼ぐ「一本足」の構図は、日本経済の将来を考えた場合、かなりのリスクがあると言わざるを得ない。

<脱自動車への挑戦>

では、どうするべきか──。「即効薬」はないだろうが、足元で急速に進んでいるビッグデータとAI(人工知能)を駆使し、マクロ的なトレンドを把握してチャンスを獲得するビジネスモデルの周辺で、必要となるあらゆるモノ、サービスでシェアを高める企業が数多く出てくることが必要だ。

関連して起業、大型設備投資、人材の確保などで、政府が総合的にサポートする仕組みを作ることも重要だろう。

自動車だけが黒字を稼ぐという構造を変えることができれなければ、トランプ大統領の仕掛ける貿易戦争を潜り抜けても、日本経済の未来に光明は差し込んでこないと思う。

●背景となるニュース

・〔情報BOX〕NAFTA新合意による勝ち負け [nL3N1VL73S]
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/357.html#c3

[経世済民128] 自転車の販売数(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
4. 2018年9月02日 23:21:09 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1402]

相変わらず愚かだが

>日銀に国債を大量に買い取らせ、マネーをじゃぶじゃぶ市場に供給すれば、デフレから脱却できるという主張は全く間違っていた

これ自体は別に間違いではない

財政バラマキを続け、財政ファイナンスを続ければ必ずインフレになるが

それが日本経済にとってプラスではないと判断しているから

政府も財政規律を完全に捨てているわけではなく増税を行うわけだ


>人口が減少している。そして、人口が高齢化している。そうしたことに伴う全体としての消費の沈滞化と供給力(労働者数)の減少が成長率を低めている

構造問題は、また別の話であり

こちらの解決が重要なのは、小笠原以前に、とっくに政府も日銀も理解しているから

いろいろ政策を打ち出しているが、あまり効果はない

それでも、ただ無意味な批判を繰り返す小笠原よりはマシだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/357.html#c4

[経世済民128] ぐっちー「“脱・大企業勤め”でAIに勝利できるワケ」〈AERA〉  赤かぶ
3. 2018年9月02日 23:28:51 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1403]

>脱・大企業勤め”でAIに勝利できる

ひどいタイトルだが

>人間はまだまだAIに勝てる可能性

当たり前の話だが、大企業から転職すればAIに勝てるわけではない

そしてAIロボット以上の生産性を発揮できる人材は減り続けることになる

それで別に問題はない



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/352.html#c3

[経世済民128] 欧米はなぜ『中国製造2025』を恐れるのか(マスコミに載らない海外記事) :国際板リンク  赤かぶ
5. 2018年9月02日 23:31:29 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1404]
2018年9月2日 / 16:59 / 6時間前更新
焦点:中国不動産市場のムード一変、土地入札の不成立増加
Clare Jim
2 分で読む

[香港 30日 ロイター] - 中国の不動産市場は、開発業者が金に糸目を付けずに土地を買いあさっていた昨年から状況が一変し、地方政府が行う土地使用権入札で不成立が増加している。このため開発業者は市況の流れを見極めようと様子見姿勢を強めている。

入札の不成立は7月以降、大都市で目立って増えた。政府の引き締め策の長期化やマクロ経済の悪化で開発業者が流動性の減少や利ざやの縮小に見舞われているためだ。

山東省第2の都市、済南が今月実施した入札は8件が不成立となったほか10件が最低売却価格で落札され、基準を4%弱上回る価格での落札が1件だった。

また、やはり今月に山西省の太原市が実施した入札は、この数年で最大の規模になるとの期待を裏切って8件が不成立となった。2件は応札価格が最低基準に達せず、他は応札自体がなかった。

土地入札の不調はこの2都市に限ったことではない。

不動産会社センタラインによると、土地入札の不成立は今年1─7月が796件と前年同期の2倍以上に増えて、大都市では2015年以来の高水準、小都市では過去最高を記録した。

中国国際金融(CICC)の調査では、不成立が入札全体に占める比率は8月第3週までが9.4%と、7月全体の7.3%を上回った。

Eハウス・チャイナ(2048.HK)のYan Yuejin調査部長は「土地市場が正気を取り戻しつつあることを示している。開発業者の多くは多くの制約に見舞われているが土地の取得になおも前向きなため、市況悪化の兆候でないのは確実だ」と指摘。その上で、入札不成立の増加は市場の需要と地方政府の提示する入札条件や価格にずれがあることを示しているとした。

入札の不成立が増えたとはいえ、政府統計によると7月の不動産投資の伸びは約2年ぶりの高水準となった。地方政府は不動価格の過熱を抑えようと物件の放出を増やしており、開発業者の選択肢は広がった。

アナリストの間からは、土地取引の完了と地方政府が支払いを記録するタイミングがずれているため、土地入札のデータは直近の状況を反映していないとの声も出ている。

ある大手開発業者の最高財務責任者(CFO)は「中国の経済指標は操作されており、実体を映していない。市場の実際のセンチメントを表しているのは入札の不成立数だ」と述べた。業界では先行きに悲観的な見方が広がっており、大手がこぞって大金をつぎ込んだ時代は過ぎ去ったという。

開発業者によると、新築住宅の売却に制限を掛けたり賃貸住宅建設の要件引き締めなど地方政府が今年初めに導入した規制強化のために、業者はキャッシュフローや利ざやが悪化している。

深センの開発業者のCFOは、別の業者が昨年1平方メートル当たり3万8000元で購入した厦門の区画を、今年同2万5000元で手に入れたと明かした。「高値掴みしないのが重要で、だからこそ収益と利ざやが維持できている」という。

一方、中国海外発展(0688.HK)など大手は土地の購入ペースを落としているが、下半期に割安感が出れば買いに動く態勢にある。このため、第4・四半期には土地購入は上向くとエコノミストや開発業者はみている。

中国海外発展のYan JianguoCEOは「応札件数が減り、土地の値上がり分がはく落すれば、下半期に(買いを入れる)好機が来るのは間違いない」と述べた。

E-House China Enterprise Holdings Ltd
14.0
2048.HKHONG KONG STOCK
+0.62(+4.63%)
2048.HK
2048.HK0688.HK
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/332.html#c5

[経世済民128] 年金は「夫は65歳、妻は70歳」からもらうのが一番得するワケ ポイントは年金にかかる「税金」(週刊現代) 赤かぶ
3. 2018年9月03日 01:04:30 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1405]

>>02 90・100という年齢はやはり生きる屍

80代で漁師や農夫は多いし

芸術関係は90代まで普通に働いている

今後は、日野原医師のようなケースも増えるだろう

100まで現役というのも悪くはない

ja.wikipedia.org/wiki/日野原重明

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/354.html#c3

[戦争b22] リビア首都で民兵どうし衝突 市民含む39人死亡〜西部の暫定政府と東部を統治する軍事組織の対立が続いて/nhk 仁王像
3. 2018年9月03日 07:39:44 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1406]
国連:イエメンにおける人権侵害で国際調査委員会の設置を
62団体が国連人権理事会に行動を要請


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GYATA-64 antipersonnel mines cleared by YEMAC from Aden city and its suburbs since Houthi-Saleh forces withdrew from the city in July 2015, March 16, 2017. 展開
GYATA-64 antipersonnel mines cleared by YEMAC from Aden city and its suburbs since Houthi-Saleh forces withdrew from the city in July 2015, March 16, 2017. © Private
(ジュネーブ)― 国連人権理事会は、イエメンの全内戦当事者による人権侵害に関し、独立した国際調査委員会を設置すべきであると、ヒューマン・ライツ・ウォッチほか61の国・地域・国際NGOが、人権理事会加盟国へ宛てた書簡内で本日述べた。

内戦当事者は引き続き、国際人道法および国際人権法の重大な違反や侵害を犯している。イエメンでは世界最大級の人道危機が進行中で、少なくとも700万人の人びとが飢饉に瀕し、数十万人がコレラに苦しんでいる。イエメン政府とそれを支援するサウジアラビア主導の有志連合軍は、自軍による人権侵害の中立かつ透明な捜査をこれまでしていない。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのジュネーブ代表ジョン・フィッシャーは、「イエメンでの人権侵害に対する国際的な調査を支持する声が、最高潮に達した」と述べる。「国連人権理事会の加盟国は、自らのマンデートに従ってこれらの呼びかけに耳を傾け、イエメン内戦の特徴となっている不処罰を排除するための体制を整えなくてはならない。」

国連人権高等弁務官、国連人道問題調整事務所所長、および安全保障理事会のイエメン担当専門家パネルも、イエメンでの人権侵害に関する国際調査を求めている。フーシ派の部隊とイエメン政府双方の支配下にある地域から、数十のイエメン団体も呼びかけに加わった。

Jamil Qaid comforts his 8-year-old daughter, Malik, after her arm was amputated. Malik was wounded during one of the Houthi-Saleh artillery attacks on al-Dabou'a neighborhood, Taizz, on May 23, 2017. 展開
Jamil Qaid comforts his 8-year-old daughter, Malik, after her arm was amputated. Malik was wounded during one of the Houthi-Saleh artillery attacks on al-Dabou'a neighborhood, Taizz, on May 23, 2017. © 2017 Khalid Fuad Albanna
国連人権事務所は、2015年3月以来、内戦で少なくとも5,110人の一般市民が犠牲になり、8,191人が負傷したことを具体的に認定。しかし、「全体数はおそらくはるかに多い」と考えている。

2015年3月からサウジ主導の連合軍は違法な空爆を多数繰り返しており、その一部は戦争犯罪に該当する可能性がある。一方、フーシ派の部隊もタイズやアデンといった街の人口密集地域にロケット弾を無差別に発射しており、これも戦争犯罪に該当する可能性がある。双方ともイエメン全土で、イエメン人活動家をはじめとする人びとを嫌がらせや恣意的拘禁、強制失踪の対象にしており、「行方不明」者の数が増加している。両当事者は、紛争終了後も長きにわたり一般市民を危険にさらす可能性から広く禁じられている武器を使用しており、人道支援も妨害してきた。

2015年と2016年に人権理事会は、イエメンでの人権侵害に対する国際的な調査委員会を設置しなかった。代わりに支持したのは2年以上にわたるプロセスで、これまでイエメンの人権侵害の重大性に対処するのに必要な、独立した、公正かつ透明な捜査を提供できずにいる。書簡に署名した57の団体は、人権理事会に対し、独立した国際調査委員会の設置を要請。事実の確立および現状の把握、証拠の収集および保存、長期的な責任追及の実現を見据えた人権侵害疑惑をめぐる責任の所在特定のためのマンデートを、調査委に付与するよう併せて提言している。

フィッシャー ジュネーブ代表は、「人権理事会加盟国は、サウジ主導の連合軍からの圧力に過去2回弱腰となり、くり返される戦争犯罪と世界最大の人道危機を眼前にしながら、原則を貫くことはなかった」と指摘する。「今年9月に各国政府は、政治的圧力に屈することなく、イエメンの人びとを最善のかたちで支援する方法で応えなくてはならない。そして加盟各国は、内戦の当事者に気兼ねすることなく責任追及を促進することにより、自らのマンデートに忠実であるべきだ。」 

Region / Country 中東・北アフリカ イエメン
Topic 国際的な法による裁き 国連 国連人権理事会


 

連合軍が誤爆認める、イエメンで子どもら51人死亡
 内戦が続くイエメンの北部で先月、空爆があり、多くの子どもらを含む51人が死亡したことについて、サウジアラビアが主導する連合軍は1日、連合軍による誤爆だったと認めました。

 イエメンでは先月9日、北部サーダ州の市場で子どもらを乗せたバスなどが空爆を受け、51人が死亡、79人がけがをしました。

 イエメンでは現政権を支援するサウジアラビア主導の連合軍とイランが後ろ盾の反政府勢力との間で内戦が続いていて、連合軍側はこの空爆を行ったことを認めつつも「反政府勢力側のミサイルの発射装置を狙ったものだ」と主張していました。しかし、ロイター通信によりますと、連合軍は1日、交戦規定上の過ちがあり、正当化できるものではなかったと表明し、空爆は連合軍による誤爆だったと認めました。

 連合軍側が誤爆を認めるのは異例ですが、その背景には国連人権理事会の専門家グループが連合軍側の空爆について「戦争犯罪」の可能性を指摘したほか、サウジアラビアの同盟国であるアメリカのマティス国防長官が市民への被害を抑えるよう求めるなど、国際的な圧力が強まっていたことがあげられています。


 
イエメンサウジ軍、誤爆認める 民間人死傷に責任
会員限定有料記事 毎日新聞2018年9月3日 東京朝刊
• サウジアラビア
• 中東
• 国際
• 紙面掲載記事

イエメン北部の空爆現場で、散乱した子どもたちのリュックサック=8月10日、AP共同
 【カイロ共同】イエメン内戦に軍事介入しているサウジアラビア主導の連合軍は1日、イエメン北部で8月9日にバスが空爆され、子ども40人を含む多数の市民が死亡した事件の調査結果を発表した。「交戦規定上の過ち」があったと責任を認め「遺憾だ。被害者の遺族にお悔やみを伝えたい」と表明した。国営サウジ通信が伝えた。

イエメン内戦子供犠牲の空爆やまず「戦争犯罪の恐れ」
毎日新聞2018年8月31日 17時05分(最終更新 8月31日 23時50分)
イエメンアラブ首長国連邦速報中東国際

サウジアラビアが主導する連合軍の空爆で重傷を負い治療を受ける子供=イエメン北部サーダ州で2018年8月12日、AP

イエメン内戦の構図
 【カイロ篠田航一】内戦が続く中東のイエメンで8月に入ってから、子供たちが多数犠牲になる空爆が相次いでいる。国連人権理事会の専門家グループは28日に、内戦に軍事介入するサウジアラビア主導の連合軍と、サウジが支援するハディ暫定政権による空爆が多数の民間人犠牲者を出しているとして、「戦争犯罪」にあたる恐れがあるとの報告書を公表した。
 一方、ハディ暫定政権と敵対する親イランの反体制派武装組織フーシについても、拘束者の虐待、子供の徴兵などの行為が同様に戦争犯罪にあたる可能性を指摘。戦闘に関与する全ての当事者を厳しく非難した。
 ロイター通信などによると、イエメンでは9日に北部サーダ州で子供たちを乗せたバスが空爆され、少なくとも子供40人を含む51人が死亡。23日には西部ホデイダ州で子供22人と女性4人が死亡する空爆があり、いずれもサウジ側による攻撃だった。
 だが今回の報告書ではサウジ側だけでなく、ハディ暫定政権やフーシなど全ての紛争当事者について「市民の犠牲を最小限にする努力がみられない」と批判した。
 国連の批判に対し、サウジ主導の連合軍は29日、「報告書は不正確だ。内戦を長引かせるイランの役割に言及していない」と反論した。
 イエメンでは2014年以降、ハディ暫定政権とフーシの対立が激化。サウジやアラブ首長国連邦(UAE)などが15年3月に軍事介入を始め、内戦に発展した。中東で覇権を争うサウジとイランの事実上の「代理戦争」の様相を呈しており、フーシ側も度々サウジ領内にミサイル攻撃を加えている。
 サウジ主導の連合軍は度々、「市民を標的にしていない」と釈明しているが、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、内戦下で起きた連合軍による1万6000回に及ぶ空爆のうち、3分の1は軍事拠点に無関係の民間施設が狙われ、病院や結婚式場も攻撃されたという。

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http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/298.html#c3

[経世済民128] ギャンブル依存症男性の借金体験告白 「限度額まであといくら…」(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年9月03日 23:41:58 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1407]

>カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法が成立し、いよいよ日本国内にカジノが誕生する日も近づいてきているが、その一方で大きな課題とされているのが、ギャンブル依存症対策

現状でカジノIRが国内のギャンブル依存症を増やす割合は、限りなく小さく


>パチンコ、パチスロ、ボートレース、競輪、競馬などにハマっており、自称「ギャンブル依存症

朝鮮の財源にもなり、脱税も多いパチンコ、パチスロが

主婦など低所得層の依存症者も多く、圧倒的に有害だが

相変わらず利権のために放置だ


一方で韓国ではパチンコはとっくに禁止になっている


https://blog.goo.ne.jp/naosuke26_1978/e/b861cab10957504290aebe97f14604df
韓国でパチンコが禁止となったニュースを報道できない日本のマスコミ
2008年07月23日 | 芸能スポーツ事件・ニュース

あまり知られていないようですが、韓国では今年6月にパチンコが法律で禁止されたんです。
しかし日本のマスコミはこの事を一切報道しませんね。
今日はその謎について迫りたいと思います。

日本全国に存在するパチンコ店では、就業者の多くが在日コリアンであり、
全国のパチンコ店経営者の在日韓国・朝鮮人の割合は、7割から9割とも言われているそうです。
また、日本のパチンコ店の収益は、在日本大韓民国民団、及び在日本朝鮮人総聯合会の
最大の資金源とも言われており、北朝鮮の核開発の資金に回されているのではないかとも
言われているそう。

韓国には今年はじめにはコンビニよりも多い1万5千軒のパチンコ店があり、
3兆円市場になっていたそう。
それが、今年6月に韓国政府によって法律で禁止されたのですが、その効果で韓国内の
個人消費が伸びているといいます。


http://originalnews.nico/31893
昔から、パチンコやパチスロで負けた金はオーナー(の朝鮮人)へ流れていく仕組み。 
 オーナーの国籍割合について言っている人がいて、韓国人が50%、朝鮮人(北朝鮮人)が30〜40%、日本人や華僑(中国人)の人がぞれぞれ5%のデータ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/361.html#c1

[経世済民128] アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年9月04日 09:05:40 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1408]

世界(〜米国)がデフレから脱却すれば、必然的に、金利は上昇し

資金還流から経常収支赤字の対外債務国の経済は悪化する

そんなことは過去の経験から明らかだったのだから


アルゼンチンやトルコ、さらにはベネズエラなど、経済原理を無視した

ポピュリズム愚民国家がひどい状況になるのは、完全に自業自得であるが


まともな国であれば対処できたし、実際、多くのアジア諸国は備えていた


しかしトランプの米国を典型とする自国第一の保護主義(貿易戦争)政策は、事前の想定を

上回るダメージを生み出したとも言える


ベネズエラ政府の暗号通貨に実態なし、大統領発言と矛盾
Mike Orcutt

2018年09月03日 07時11分更新
記事提供:MIT Technology Review


ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、2月に発売開始した、埋蔵原油に裏付けされた政府発行の暗号通貨「ペトロ(petro)」の売上がすでに33億ドルに到達し、ペトロが輸入品の支払いに使用されていると主張する。しかし、 ロイター通信の調査によると、大統領の主張を裏付ける証拠は一切見つからず、ペトロは実際に使える暗号通貨ですらないことが分かった。

ロイター通信は、暗号通貨や油田査定の専門家と4カ月間にわたる調査を実施し、ベネズエラの石油備蓄用地を訪ねたり、ブロックチェーン取引を分析したりした。その結果、ペトロを販売する取引所は1カ所も無く、ペトロを使用可能な店も無かった。ペトロを扱うとされていたネム(NEM)のブロックチェーン上でも、ペトロが発行されたことを示す記録は無かった。

ペトロ・プロジェクトに携わるウグベル・ロア大臣は、ロイター通信に対し、「誰もまだペトロを使用できる人はいませんし、何らかのリソースを受け取った人もいません」と認めている。ロア大臣によると、ベネズエラはまだ独自のブロックチェーン技術を開発中であり、ペトロの購入者は、暗号通貨を受け取る代わりに、将来の暗号通貨を予約した状態になっているのだという。

この話は本当かもしれない。しかし、ペトロがすでに代金の支払いに使用されていると主張するマデュロ大統領の話とは矛盾する。また、ロア大臣のコメントは、大統領による「給料や年金、ベネズエラの法定通貨ボリバルの為替レートは、現在、ペトロと連動している」という最近の発表を一層、ややこしくしている。

【この記事をMITテクノロジーレビューで読む】
https://www.technologyreview.jp/nl/venezuelas-new-cryptocurrency-doesnt-seem-to-exist/

 
2018年9月3日 風間真治
経済危機が止まらない南米ベネズエラの
水面下で広がる仮想通貨の波

カリブ海に浮かぶ小国・ドミニカ共和国に住み、中南米の新興国を舞台に貿易事業を展開する風間真治さん。今回は、通貨単位を10万分の1に切り下げるデノミを実施した南米ベネズエラでの「仮想通貨DASHカンファレンス」のレポートです。
 経済危機がますます加速する、南米ベネズエラでは今、国民たちの海外流出が止まりません。
 
 私が住むドミニカ共和国の首都サントドミンゴは、ベネズエラから飛行機でわずか1時間半。ベネズエラ人は90日未満であればビザ免除で入国できるという協定もあって、日に日にベネズエラ人が増加しており、石を投げればベネズエラ人にあたる、と思うくらい、ベネズエラからの入国者が街に溢れています。
 
 ベネズエラからドミニカ共和国への入国は、90日未満の滞在ではビザは免除されるものの、移住となると居住権を取得する必要があるので、多くのベネズエラ人がビザ免除で入国して、90日を過ぎた後もそのまま不法滞在していると思われます。
 ベネズエラではハイパーインフレ解消の目処は立っておらず、今月に入りついにデノミ(通貨単位の切り下げ)が行なわれ、通貨の価値は10万分の1に切り下げられました。その影響で、銀行口座にボリバル通貨を持っていた人たちは、一瞬にして自分の財産を失うことになったのです。
 
 更に、多くの失業者をうみ出し始めたことで周辺の国々も警戒感を強めており、特に元々移住者が多い、コロンビアやドミニカ共和国、エクアドル、ペルー、チリといった国々では、ベネズエラからの入国者についてはハードルを高めるだろうと予想されています。
 
 実際、先月、私は仕事の関係で、ベネズエラ人を一人ドミニカ共和国に受け入れる予定でしたが、入国時にそのベネズエラ人が所有していた米ドルがわずかしかないという理由で、空港のイミグレーションで監禁されてしまい、次の日まで出してもらえないということがありました。最終的には入国は認められましたが、監禁されている間、ご飯も食べさせてもらえず、水も飲ませてもらえずということで、空港から出てきた時は若干衰弱していて心配しました。私もイミグレーション長官との折衝に立ち回らなければならず、大変苦労しました。
 充分な米ドルを所有してドミニカ共和国に入国できるベネズエラ人など、今どき、ほぼ存在しないのはドミニカ共和国のイミグレーションも十分承知しているはずなのですが、それぐらいベネズエラからの入国者の増加に頭を痛めていて、対策をし始めたということだと思います。
 今回、最低賃金の改正も行なわれ、8月20日からの改正法で、最低賃金は1億8000万ボリバル(約1900円)から1800ボリバルソベラノ(約3300円)になりました。これと同時に、ベネズエラ政府が定めたのは、国がICOで発行した仮想通貨ペトロに裏付けされたデノミ後の新紙幣の発行です。
 1ペトロは現在の原油価格に相当する60米ドルに換算されますが、これが新紙幣になると、3600ボリバルソベラノにあたります。つまり、新紙幣のボリバルソベラノの価値は、1ペトロとペッグされているという状況です。1ペトロが金のように普遍的な価値を持つためには信用が大事になりますが、現状では1ペトロを所有していればオイルと交換が可能ということで、その価値を担保しているかたちです。
 こうした状況下で、特に昨年から続くベネズエラ国内での仮想通貨の広がりは、ますます勢いづいています。
 これまでもレポートしたとおり、私は現在ベネズエラでいくつかのビジネスを展開しており、そのすべての支払いを仮想通貨で送っています。それは、国際送金などができず、仮想通貨での支払い以外、替わるものがないからで、逆に言えば仮想通貨で支払いができる人だけが取引の対象となっているということです。
 ベネズエラ政府は今年に入って、ペトロという国独自の通貨を発行しましたが、ベネズエラ国内でペトロに期待している人たちはほとんどいません。むしろ多くの人は長らく続いている政府の稚拙な舵取りに失望しており、ベネズエラ国民が現在、望んでいるのは政府に管理されない通貨と、それらが現実の生活でより多く使われること。ベネズエラ人たちは政府がコロントロールすることに対して懐疑的な目を通り越して、期待すら抱かなくなっているといえます。
 ビットコインをはじめとした仮想通貨の取引量は、世界的にみると、一時のバブル時期に比べて低迷しているなかで、ベネズエラではビットコイン通貨の値段が下がろうと上がろうと、全体の取引高がいまだに多く、また特筆すべきは仮想通貨での実質社会での使用が増えてきており、世界でも類を見ない仮想通貨のユースケース大国となっている点です。
「DASHベネズエラ」カンファレンスに参加して
 そのベネズエラの仮想通貨コミュニティの中でも圧倒的な存在感を示すのが、リーダーのエウヘニア女史率いる「DASHベネズエラ」というコミュニティで、毎月一度、首都のカラカスでカンファレンスを開催しています。今回は、そのカンファレンスに参加して目にし、耳にした様子をレポートしたいと思います。
DASHベネズエラのボードメンバーとリーダーのエウヘニア女史(左から3番目、左から2番目が筆者)。
 カンファレンスは首都カラカスのホテルの広間で行なわれました。そこで、DASH ベネズエラの発起人でありリーダーでもあるエウヘニアさんとボードメンバー10人ほどとともに、話をする機会がありました。
 
 リーダーのエウヘニアさんは、ベネズエラだけでなく中南米全体の仮想通貨界においてもキーパーソンの一人といえる有名な方ですが、日本人の私の興味に、とても丁寧に対応してくれました。
 
 話を聞いて驚いたのは、DASHベネズエラがスタートしたのが2017年9月からで、まだ数カ月しか経っていないにもかかわらず、多くのコミュニティを形成していることです。エウヘニアさんは現在、自らの仕事を中断して、ベネズエラ国内のDASHの普及に専心しています。当初は毎月のカンファレンスは20人ほどの集まりでしたが、今では2000人規模に急成長を遂げています。
 今回カンファレンスに参加し、彼女がもつカリスマ性が、こうした活動に影響を及ぼしていることを強く感じました。私も仕事上、多くの中南米人と対峙してきた経験がありますが、彼女と話していてその独特のオーラというか、自然体で話す雰囲気が印象的でした。
「DASH」という仮想通貨は、ベネズエラ国内で現在、タクシー、レストラン、美容院、バイク店舗など全部で約200店舗が決済手段として導入しています。短期間でこれだけ店舗を増やしてきたことは驚くべきことですがさらにコミュニティは2018年末までに1000店舗導入を目標に掲げていたのですが大きく前倒しする形ですでに8月現在でこの1000店舗の数字をスピード達成しており、またさらにこの増加数は日を追うごとに増えているという状況で止まるところを知りません。
 BITCOIN日本語情報サイトのデータによると、世界最多の仮想通貨のコミュニティがあるといわれている日本で、2018年8月10日現在のビットコインの対応店舗数が実店舗ベースで259店舗ですので、いかにベネズエラ国内でのDASH対応店舗が広がっているか分かるかと思います。
 ベネズエラでは深刻なハイパーインフレのため、ベネズエラ滞在中にもっとも困るのが外食です。というのも、まずベネズエラ国内で現金が手にはいりません。また、公定レートと闇レートが20倍近く離れており、物価が闇レートを基準に決まっています。そのため、クレジットカードを使用して支払いをしようとすると、小さなサンドウィッチが2万円とかしてしまうひどい状況です。
 
 そこで、助かるのが、このDASH対応のレストランなどです。ベネズエラに来る数日前から知り合いに、「いざという時のために、ベネズエラの入国前に、携帯のウォレットにDASH通貨をいくらか入れておいたほうがいい」とアドバイスをされていたのですが、今回、エウヘニアさんとカラカス市内にあるレストランで昼食を共にさせていただく機会がありDASHで支払いをしましたが、物価を気にせず安い値段で支払いをして、美味しい昼食を食べることができました。
エウヘニアさんとレストランで昼食を食べDASH通貨で支払いました。
独自の活動資金システムが機能
 ところで、急成長を遂げている「DASHベネズエラ」の毎月の活動資金には、独自のシステムが機能しています。
 
 グローバルなDASHコミュニティでは、DASHの普及に寄与するなんらかの活動を提案し、それが「マスターノード」と呼ばれる運営者たちの投票によって有益とみなされた場合には、コミュニティの中で活動資金が送られる仕組が採用されています。
 
 DASHベネズエラには、毎月100DASH(2018年5月現在の価値で3万〜4万米ドルほど)が活動予算として配給されており、この資金を利用して、カンファレンスの運営や店舗設置の営業活動などを賄っています。
 
 ちなみに世界にはDASHが設置する「DASH大使館」と呼ばれるものを設置している国もあります。これらの大使館には、その国におけるDASH通貨の普及を目的としたエージェントのような人がおり、彼らが予算の範囲で毎月、その国でDASH通貨の宣伝活動をしたり、またDASH通貨の使い方や質問に答える活動をしています。これらも、先に紹介したマスターノードによって、予算が割り当てられており、世界にはこのようなDASHの活動を支えている大使館がいくつかあったりもします。
 この話を聞いて、こうした運営システムは、中南米では通貨の普及に比較的適したやり方ではないか、という印象をもちました。通貨というのはそもそも、その通貨の経済圏での「共同幻想」ともいえます。通貨=お金に何か実質的な価値があるわけではなく、そこの国なり地域に属している人が「価値がある」と思い込むことで成り立っています。そしてその通貨を何らかの活動により受け取った人が、次に何かを買いたい時に、「おそらく受け取ってもらえるはず」と信じることができるというのが大事なのです。
 
 DASHコミュニティが持つ予算配分の仕組は、カトリックの普及活動にとても似ています。どちらも同じ、なにかを信じるコミュニティを作るからです。バチカン市国にはカトリック教会の本拠地があり、そこでは国家予算なども決められていて、毎年各国にあるカトリック教会からの募金などで歳入があり、また普及活動などの活動予算配分などが決められて、各国の教会が普及に役立てています。
 
 中南米ではコロンブスの時代からカトリックがこうしたシステムを普及させてきた歴史があり、カトリックの国が多いことからも、DASHとの相性も良さそうだと勝手ながら思ってしまいました。
 
 また、ベネズエラのような一つの国家も「共同幻想」であり、国家という目に見えるものが存在するわけではありません。その国に所属する一人ひとりが「自分たちがこの国に所属している」と思い込むことで国が成立しているのであって、それらの共同幻想を成立させるために、国は様々な努力をしているといえます。その本来は目に見えて存在しない「国家」を思い込ませるために、役立っているもののひとつが国家が発行する通貨ではないでしょうか。
 
 だから国家にとって「通貨」というものの信用性を保つことはとても大事であり、一方では我々が何を信用して通貨とするかも、決めるのはそこの国で生活している一般市民のオプションなのです。ベネズエラ国家が発行したボリバル通貨が国の中で信頼されずに、価値が暴落したのは良い例です。
コミュニティのサービス事業
 DASHベネズエラのコミュニティの中には、この予算制度を使って、様々なDASHサービス事業を立ち上げた起業家もいるといいます。ここから雇用も生み出しているのですが、たとえば以下のようなものがあります。
●DASH HELP:ベネズエラ、コロンビアなど中南米の数カ国で、DASHを使用するにあたっての質問や困ったときのヘルプセンターとしての役割を担う
●DASH YOUTH:ベネズエラ国内における主に10代のティーンエイジャー向けの仮想通貨育成事業を、大学などのキャンパスを中心に行う
●CRIPTO LUGARES : ベネズエラ国内におけるDASHの使用設置店舗を携帯のアプリ上で紹介する
●DASH MAERCHANT:ベネズエラ国内におけるDASHで買える商品、サービスを増やす
●CRIPTO LIFEX :ベネズエラ国内で法定通貨とDASH通貨の購入や売却を担うマーケットサイトを運営
DASH HELPのメンバー。DASH通貨のヘルプセンターにて【撮影/風間真治】
DASH YOUTHのメンバーたちと、カラカス市内のボリバル大学構内にて。
参加者は2000人! DASHの無料配布が大人気
 当日のカンファレンスは、早朝から長蛇の列ができていました。当日来た人にはまずスマートフォンで「DASHウォレット」と呼ばれる携帯財布の作り方をレクチャーされ、その後、全員に米ドルにして約12ドル(約2600円)分のDASHが配布されます。
 
 これは、午後に行なわれる、DASHで買い物体験ができる「DASHシティ」と呼ばれるイベントのために、無償で配っているものですが、現在のベネズエラでは、平均給料が米ドルにして月間2ドル(約220円)弱ほどとなっており、多くのベネズエラ人にとって米ドル換算で12ドルもの通貨DASHをもらえるというのはかなり魅力的です。
 
 DASHシティでの買い物体験がインセンティブとなって、来場している人たちも多いのかなと思いますが、それにしても、午前のカンファレンスと午後のアクティビティを含めて、合計2000人以上もの人が訪れるという熱気ぶりに、このDASHコミュニティの盛り上がりを実感しました。
ホテルで行われたDASHベネズエラのカンファレンス、早朝から長蛇の列【撮影/風間真治】
来場した人全員にDASH通貨が無償で配られた【撮影/風間真治】
 午前のカンファレンスは、500人ほど入るカンファレンスルームで行なわれましたが、ここでは仮想通貨全般の基本的な知識のレクチャーやDASHの歴史などが紹介されていました。仮想通貨のレクチャーでは、「公開鍵」や「秘密鍵」の仕組みなど、重要な技術的知識の説明がある一方、「なぜ今のベネズエラでDASHを使うべきか」という問いに対して、「決済時間がわずか1秒であること」など、便利さを強調していた印象がありました。
 その後は、DASHベネズエラとしての取組みやベネズエラのDASH提携企業や提携店舗の紹介、今後の展望、DASHヘルプセンターの説明など、DASH通貨を使ううえでの様々なサービスを紹介し、充実した内容でした。
 
 実際に私がDASHで支払いをした際も、スマートフォン端末で1秒で処理され、すごく快適でした。この1秒で処理されるという要素は、今後仮想通貨が実際に利用されるかどうかにとって、とても重要な要素だと思います。ちなみに、ビットコインはまだまだ支払いの処理が20分ほどかかるケースがあるため、今後の技術が進むことをこちらも期待したいです。
カンファレンスの様子【撮影/風間真治】
 午前のカンファレンスの後で、特別ということで参加させていただいたのが、ベネズエラ全土に20カ所あるコミュニティの代表者会議です。この日は地区別の代表者、責任者が全員集まり、2018年末までの具体的な目標を話し合っていました。
 
 主なところでは、年末までに1000カ所のDASH通貨決済店舗を設置すること、35社の戦略的提携企業を実現すること、ベネズエラ以外にもDASHベネズエラのコミュニティをあと2カ国広げること(1カ国はお隣のコロンビアですでに実現)、DASHコミュニティの提携企業から輸出事業で持続的に外貨獲得を入手できるような企業を育てること、今後少しずつ自分たちで活動予算を獲得できるような仕組をつくっていくこと、など。利益をあげる仕組については、DASHベネズエラの知名度を使い、ベネズエラの大手企業と提携して宣伝費用を徴収するなど、すでにいくつか実現しています。
 
 話合いはすべて、代表者の投票制で決められており、想像以上に組織化されているのと、今年の目標達成のための予算を獲得するために、クラウドファウンディングで資金を集めていることにも驚きました。
DASHベネズエラの地区別代表会議の様子【撮影/風間真治】
DASH シティでDASHの買い物体験
 午後は、ホテルの貸し切りスペースにDASH決済を採用している店舗の方たちが出店し、そこで昼食を買ったり商品を買える、「DASHシティ」(DASH通貨の街)が作られていました。入場時に配られたDASHを利用して、ここで買い物体験をしてもらうという試みで、これが大好評。17時過ぎぐらいになると、人が通れないほど混み合い、夜まで盛り上がっていました。
 
 ここでの支払いはすべて、スマートフォンので「DASHウォレット」からQRコードをかざして支払いをするものです。現在ベネズエラが国家として発行しているペトロ通貨も、QRコードで支払いをするシステムが提案されているため、ベネズエラの人たちがこの方法に慣れていくと、すぐに定着するのではないかとも感じました。
「DASHシティ」と呼ばれる仮想通貨の街を再現【撮影/風間真治】
支払いはスマートフォンからDASHで行なう【撮影/風間真治】
 なお、DASH決済が利用できるレストランやタクシー会社などの情報は、ベネズエラのスタートアップ会社「CRYPTO LUGARES」のアプリで得ることができますので、ベネズエラを訪れる際は一度見ておくと便利かなと思います。なお、このCRYPTO LUGARESはDASHコミュニティから予算を獲得して起業したメンバーが経営しているサービスサイトです。
DASH をモチーフにした商品も
 ベネズエラでは最近、「DASH」のマークが入ったクリプト商品がでてきています。「クリプト」というのは仮想通貨の英語、クリプトカーレンシーの「クリプト」のことで、要は仮想通貨をモチーフにした商品です。クリプトシャンプーやクリプトキーホルダーなど様々。今回の「DASHシティ」でもクリプト商品が販売されていましたが、これらも人気を博していて、現在のベネズエラの仮想通貨の人気を象徴しているように感じました。
DASHのマークが入ったクリプトシャンプーも好評【撮影/風間真治】
(文・撮影/風間真治)
著者紹介:風間真治(かざま・しんじ)
商社の海外営業、中南米のドミニカ共和国駐在を経て独立。現在はカリブ海に浮かぶドミニカ共和国に住みながら、主に中南米諸国でこれから経済が成長していくような国々を頻繁に回り、未知なる客先を訪ね歩いては様々な新規事業の開拓に取り組む日々。中南米ではいくつかの国に会社を作り、貿易事業、港湾の通関業、不動産事業、インターネット事業、中古車販売業などを手がける。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/360.html#c2

[経世済民128] アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は(マネーポスト) 赤かぶ
3. 2018年9月04日 09:13:38 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1409]

#緊縮策に切り替え、IMF支援を要請したアルゼンチンは、まともな方向に向かいつつあるようだが

現実を無視した愚かな左翼政権を選んだベネズエラの結末は、かっての旧ソ連同様の国家崩壊

そして周辺諸国への混乱の輸出は、内戦状態に匹敵する


 

 

ベネズエラ、経済危機で難民大量流出
Viewpoint-2018/08/29
反米左派マドゥロ政権下で経済崩壊の危機に直面している南米ベネズエラ。食料や ... 1998年から続くベネズエラの反米左派政権は、ウゴ・チャベス前大統領(2013年3月がんで死去)が提唱した「21世紀型社会主義の実現」を目指してきた。

ベネズエラで止まらない危機の連鎖 首都カラカスの断水で病院の手術が ...
Newsweekjapan-2018/08/15
ハイパーインフレ、不足する医療物資、スーパーの棚は空っぽ――国民の苦難が続くベネズエラの首都カラカスで、水不足がさらに追い討ちをかけて ... ロイター通信によると、医療器具が洗えない病院では手術を延期せざるを得ない、と伝えた。 


ベネズエラの妊婦がブラジルに殺到、病院はてんてこ舞いに
ロイター-2018/08/22
ボアビスタ(ブラジル) 22日 ロイター] - 経済困窮と政治混迷に悩むベネズエラから、妊婦が出国し、出産のためブラジルに ... 市内の病院には長い列ができ、これほど多数の医療処置の必要な人に対応できるだけの設備がない」と語った。


経済苦境深まるベネズエラ、市民がブラジルに逃避 国境キャンプ攻撃も
BBCニュース-2018/08/20
経済危機が深刻化するベネズエラから、隣国ブラジルに逃避する市民が増えている。ブラジル軍の報道 ... 国境を越えてブラジルに入ったベネズエラ市民の多くは空腹を訴え、母国では医療サービスが受けられないと話した。 ブラジル軍による ...
住民がベネズエラ人移住者追放 国境市のパカライマで=ロライマ州
サンパウロ新聞-2018/08/21


ペルー、国境に非常事態宣言 疫病感染のベネズエラ人が大量流入?
Newsweekjapan-2018/08/29
ペルーは28日、経済危機と飢餓から逃れてくるベネズエラ人の流入が止まらない問題を受け、北の国境について公衆衛生 ... ペルーの保健当局は先にも、大半の流入者は母国で基礎的な医薬品と医療にアクセスできておらず、流入した人々 ...
ペルーが北部国境に非常事態宣言、ベネズエラ人の大量流入受け
Reuters Japan-2018/08/28

経済危機のベネズエラ、通貨を10万分の1に切り下げ
CNN Japan-2018/08/21
(CNN) 経済危機に直面するベネズエラで20日、通貨ボリバルを10万分の1に切り下げるデノミネーションが実施された。 ... ベネズエラでは最近、食料不足や医療事情の悪化、インフレ、政治危機などから逃れようと、多数の国民が近隣国へ ...
ベネズエラで新紙幣配布も…
テレビ東京-2018/08/22
 


CNN Japan
ブラジル国内のベネズエラ人は3万800人=3年前の1千人が30倍に
ニッケイ新聞-2018/08/29
ロライマ州の知事のスエリー・カンポス氏は22日、国境を越えてパカライマ市に入ってくるベネズエラ人は1日800人に上り、州内の学校に在籍中のベネズエラ人子弟は1484人に上り、同州の医療機関で診察や検査などを受けた人の数は ...
ブラジル、ベネズエラ国境へ軍隊派遣 移民の大量流入に危機感
CNN Japan-2018/08/29

ベネズエラ難民巡り国際会議 9月開催
日本経済新聞-2018/08/24
【サンパウロ=外山尚之】経済が崩壊状態のベネズエラから難民の流出が続き、国際社会が対応に追われている。南米エクアドル政府は難民問題に対応するため、9月17〜18日に中南米諸国が集まる会議を開く。国連難民高等弁務官事務 ...

経済危機のベネズエラで230万人が国外に脱出 医薬品不足も深刻
livedoor-2018/08/19
国連は14日、6月の時点でおよそ230万人のベネズエラ人が、危機に直面した母国から主にコロンビア、エクアドル、 ... ドゥジャリク事務総長報道官は、ベネズエラ国内の基礎的な医薬品や医療用品の深刻な不足が「病院の品質の急激な悪化 ...

キューバ最大の外貨獲得源「医師・看護師派遣」の闇が問題化
ハーバー・ビジネス・オンライン-2018/08/28
ところが、派遣された医師や看護師ら医療団は、キューバ政府が派遣前に約束したこととは全く異なる厳しい現状に直面し、その結果、その職務を放棄して米国に移住するという現象が起きているのである。これが特に顕著なのはベネズエラに ...
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/360.html#c3

[政治・選挙・NHK250] 南スーダンに派遣された自衛隊。任務の内容、状況を秘せられて任地に赴くことになる自衛隊へ、これが安倍の与えてくれる誇りか  赤かぶ
3. 2018年9月04日 09:40:39 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1410]

#負担の現場への押し付けは、どこでも行われているが

左翼系国家の問題点は、あまり報道されない


 

キューバ最大の外貨獲得源「医師・看護師派遣」の闇が問題化
https://hbol.jp/173730/2
白石和幸

2018.08.29 

Parentingupstream via pixabay(CC0 Creative Commons)
 キューバで一番の外貨獲得源は何かご存知だろうか? それは外国への人的派遣サービスである。その中でも一番のドル稼ぎに貢献しているのは医師と看護師の外国への派遣である。
医師派遣で年間1兆円近くの歳入
 ホセ・ルイス・ロドリゲス元経済相によると、2011年から2015年の間に年間ベースで115億4300万ドル(1兆2700億円)がキューバ政府のこの分野における歳入になっているというのだ。また、2016年度保健統計年鑑によると、62か国にキューバ人医師が派遣されているという。その内訳はラテンアメリカの24か国、サブサハラ27か国、中東と北アフリカ2か国、中央アジアと太平洋7か国、それにロシアとポルトガルにも派遣されているという。
 派遣されている医師の数は2015年統計で5万人以上で、キューバの医師の数は2016年統計で9万161人とされている。因みに、看護師は8万9072人と統計されている。即ち、キューバの医師の半数が外国に派遣されて政府のドル稼ぎに貢献しているということになる。(参照:「Martinoticias」)
 医師が一番多く派遣されているのはベネズエラとブラジルで、それ以外にカタール、クウェート、中国、アルジェリア、サウジアラビアそして南アフリカとなっているそうだ。そして、このキューバ人医師の現地での奉仕に対してキューバ政府にその報酬が支払われるわけである。
 ただ、経済的に貧困な国に対しては飽くまでボランティアとして医師団を派遣しているそうだ。その対象になっている国はハイチ、ボリビア、エルサルバドル、グアテマラ、ニカラグア、ホンジュラス、エチオピア、コンゴ、タンザニア、モザンビケといった国々である。(参照:「Martinoticias」)
実質的な「タダ働き」に医師らが反旗
 ところが、派遣された医師や看護師ら医療団は、キューバ政府が派遣前に約束したこととは全く異なる厳しい現状に直面し、その結果、その職務を放棄して米国に移住するという現象が起きているのである。これが特に顕著なのはベネズエラに派遣された医療団の中から発生しているというのである。
 そして米国に移住したキューバ人医師らが抱えるている一番の問題は、キューバ政府が彼らの帰国を許可しないということなのである。その理由は、キューバ政府によると、彼らは与えられたミッションの職務を放棄したというのが理由だとしている。
 彼らから見れば、政府は彼らを囚人のごとく拘束し、人的権利も侵害するようなミッションだったということには一度も触れたことがなかったと指摘しているのである。しかも、給与を受け取る権利も剥奪されたそうだ。
 しかし、政府は彼らを逃亡者だと見做しているという。それに対して、彼らは職務を放棄したことは認めるとしながらも、それは大きな欺瞞であったとし、祖国そして彼らの家族から逃避したのではないと答えている。(参照:「Cubanet」)

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「医師を搾取する奴隷制度だった」
「医師を搾取する奴隷制度だった」
 マリア・エウヘニア・ラゴマシノさんの場合、彼女は2007年から2011年までベネズエラで派遣医師として働き、その後ブラジルに派遣された。そこで2013年から2015年まで働いたそうだ。その後は、他の多くの仲間と同様に米国で生活するようになったという訳である。
 彼女は、「私は外国に出た時に初めて物事を明確に見ることができるようになった。(キューバを出国する前に)言われていたことが全て偽りであったことに気づいた。(政府が)約束したことは守られず、権力をふるって人間性とは程遠いものだった」と語っている。
 メルセーデス・ウイリアムズさんの場合は、ベネズエラを脱出してコロンビアに入国。米国大使館に出頭して米国に入国できる許可書を入手。それ以後、彼女の両親と再会できることはなかったそうだ。最初に母親が亡くなり、今年父親が亡くなった。帰国の許可が下りないから生前中の両親に会えなかったのである。彼女は「ミッションから離れたのは、医師を搾取するやり方は正に奴隷制度だったからだ。私はあそこ(ベネズエラ)では奴隷になったように感じていた」と語っている。そして愛する人たちに会うことができないことに心が傷むと表明。また、彼女はキューバでは法律や規定が大衆の前に公表されることはないと指摘している。
 ギッセル・ヘレラさんの場合は、ある日曜日が勤務日ではなかったので上司の許可なくミランダ市からカラカス市へ行ったが、許可なく行動したとして他の仲間の前で上司から厳しく叱責されたという。そのあと上司からセクハラの被害を受けたそうだ。そのようなこともあって現在マイアミに移住した。彼女は、キューバでは絶対に見つけることのできない未来を米国で見つけたと語っている。(参照:「Cubanet」)
キューバ人医師らは国際司法裁判所に提訴
 昨年11月に彼らはキューバ政府が権利の侵害をしたとして告発し、それを国際司法裁判所に提訴している。同様に、ワシントンの人権委員会、フランシスコ法王、米州機構、国連などにもこの問題を提起したそうだ。そこには、我々はキューバ政府によって現代の奴隷制度の対象にされ、逃亡者と見做されて我々の家族とも8年間も会えない罪を着せられ、キューバで支払われる給与も剥奪されたと言った内容が記されているとしている。(参照:「Infobae」)
 オバマ前大統領がキューバと国交正常化を果たした時に、それに先陣を切って反対したのはキューバ人2世のマルコ・ルビオ上院議員であった。彼の反対の理由はキューバは独裁政治が続いており民主政治が確立されていないからだとしている。
 米国に移住したキューバ人医師らがキューバ政府に抗議しているのは、正にルビオ議員が指摘している一面から垣間見ることができる。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。

白石和幸


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https://www.nikkeyshimbun.jp/2018/180830-02topics.html
ブラジル国内のベネズエラ人は3万800人=3年前の1千人が30倍に
2018年8月30日
 ブラジル地理統計院(IBGE)が29日、7月1日現在でブラジル国内に住んでいるベネズエラ人は3万800人と発表した。この内の1万人は、今年の上半期に入国した人達だという。
 この数字は連邦警察がまとめた移民関連のデータを基にして算出されたもので、統計を開始した2015年は、国内在留のベネズエラ人は1千人と報告されていた。
 ベネズエラ人が急増した理由は、ベネズエラにおける政治的、経済的、社会的な危機に他ならない。同国ではこの3年間で、体制派と反体制派との抗争や、年100万%とも言われる超ハイパーインフレ、生活必需品も含む物資の供給不足などが続いている。
 IBGEは、実際に入国した記録があるベネズエラ人の数に、出生率や死亡率などを考慮して、先の数字を算出した。また、ベネズエラ人の99%は、ロライマ州のボア・ヴィスタやパカライマに住んでいるという。
 ロライマ州の人口は57万6600人で、州都のボア・ヴィスタには37万5400人が住んでいるとされているから、ベネズエラ人は州都の人口の8%以上を占めている事になる。
 ロライマ州の知事のスエリー・カンポス氏は22日、国境を越えてパカライマ市に入ってくるベネズエラ人は1日800人に上り、州内の学校に在籍中のベネズエラ人子弟は1484人に上り、同州の医療機関で診察や検査などを受けた人の数は延べ7457人などの数字を挙げた。また、州内の刑務所に収監されているベネズエラ人は99人おり、1人につき、2014・58レアルの経費が発生している事なども列挙し、具体的な対応を取るよう求めた。
 同州知事が提出した要請には、ベネズエラ人急増に伴う諸経費として1億8422万1179・38レアルを支払う事、ボア・ヴィスタに野戦病院を即時開設する事、消防車5台の寄贈、ボア・ヴィスタやパカライマで巡邏活動を行う軍警用の警察車両50台の寄贈、市警の活動を活性化し、諜報・捜査活動を拡大するために市警用の車両20台の寄贈、平和維持部隊の派遣強化などが含まれている。(29日付G1サイトより)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10870.php
ペルー、国境に非常事態宣言 疫病感染のベネズエラ人が大量流入?
2018年8月29日(水)12時23分

8月28日、ペルーは28日、経済危機と飢餓から逃れてくるベネズエラ人の流入が止まらない問題を受け、北の国境について公衆衛生に関する非常事態を宣言した。写真は流入したベネズエラ人。ペルーのトゥンベスにある臨時の避難所で25日撮影(2018年 ロイター/Douglas Juarez)
ペルーは28日、経済危機と飢餓から逃れてくるベネズエラ人の流入が止まらない問題を受け、北の国境について公衆衛生に関する非常事態を宣言した。
ビスカラ大統領は、移民により保健と公衆衛生に「差し迫った危険」が生じているとして、北部2県について60日間の非常事態を宣言、文面を官報に掲載したが、危険に関するそれ以上の詳細は明らかにしなかった。
国連は今週、ベネズエラ人の中南米諸国への脱出は地中海地域の難民問題に匹敵する「危機的状況」となりつつあると指摘した。
ペルー、コロンビア、ブラジルの移民当局者は、コロンビアのボゴタで2日にわたって対応を協議。その後、28日に発表した共同声明で、現在コロンビアに暮らすベネズエラ人は約100万人、ペルーには40万人以上いると明らかにした。ペルーでは、合法的な滞在が認められているか、もしくは手続き中の状態にある人は17万8000人にすぎない。
ペルーの保健当局は先にも、大半の流入者は母国で基礎的な医薬品と医療にアクセスできておらず、流入した人々からはしかやマラリアが拡大することが懸念されると表明している。コロンビアとペルーは28日、流入状況を追跡するとともに、支援を公平に分配するため流入に関する情報をデータベースとして共有していくと表明した。
コロンビア移民当局の責任者は、来週に同国とエクアドル、あるいはペルーとブラジルも加わり、ベネズエラからの流入について協議すると述べた。
[リマ 28日 ロイター]


http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/238.html#c3

[経世済民128] アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は(マネーポスト) 赤かぶ
4. 2018年9月04日 10:34:15 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1411]

2018年9月4日 / 05:37 / 5時間前更新
アルゼンチン、緊縮財政策を発表 輸出品課税や歳出カットなど
1 分で読む

[ブエノスアイレス 3日 ロイター] - アルゼンチンのマクリ大統領は3日、大豆輸出に対する新たな課税や歳出の大幅カットなどを含む緊急の経済対策を発表した。国際通貨基金(IMF)の500億ドルに上る融資プログラムを加速させるため、来年度予算の均衡化を目指す。

それによると、来年度の財政赤字縮小分のうち約半分は歳出カットで実現。また歳入増については、ほぼすべてを輸出品への課税で賄う。一次産品の輸出には1ドル当たり4ペソ、その他の輸出品については1ドル当たり3ペソを課すという。

マクリ大統領は新税について「より質の高い雇用を生み出す輸出拡大という、われわれが育成したいことに反する」と認めた上で、緊急の対策だとし、経済が安定を取り戻せば廃止すると明言した。

アルゼンチンは大豆かすと大豆油の輸出世界トップで、大豆とトウモロコシの出荷でも世界有数。農家や輸出業者は為替相場の動向から売り時をはかるため、新税導入でアルゼンチンからの穀物出荷が遅延する可能性もある。

ドゥホブネ財務相は4日、ワシントンでIMF高官と会い、6月に合意した融資実行を加速させるために協議する。

またドゥホブネ氏は、今年のアルゼンチン経済は予想されていた1%のマイナス成長を上回る悪化になるとの見通しを示した。

政府はこのほか、子ども向け福祉など社会保障制度の強化、閣僚ポストの縮小(現行の19から10に)、インフラ開発向けの来年度歳出を27%減らす方針を示した。

ドゥホブネ氏によると、こうした措置で基礎的財政収支(プライマリーバランス)対GDP比1%の黒字化が2020年度までに実現できるという。

あるトレーダーは、新たな財政目標の実現に懐疑的な見方を示したほか、アナリストの反応もまちまち。予想より小規模だったとの声や、来年に政治的混乱が拡大するとの懸念もある。

ただ、EFトムセンのフェデリコ・トムセン氏は「こうした数字を悲観的に見てもデフォルト(債務不履行)についての話はばかげている」と述べた。

 


 

 
通貨下落、世界の景気に暗雲 アルゼンチンは必死の声明
ワシントン=青山直篤2018年9月3日07時02分
写真・図版
新興国通貨が下落している

 新興国通貨の下落が目立っている。利上げが続く米国へ新興国から資金が引き揚げられ、アルゼンチンやトルコは通貨危機の様相だ。トランプ米政権の保護主義も世界中で摩擦を引き起こし、堅調な世界の景気に暗雲がたちこめつつある。

 アルゼンチンの中央銀行は8月30日、政策金利を年45%から60%に引き上げた。それでも通貨ペソは一時1ドル=42ペソ周辺と過去最低水準に下落し、8月の下落率は30%超、年初からでは50%超に達した。その後1ドル=37ペソほどまで持ち直したが不安定な値動きが続く。

 マクリ政権は併せて財政健全化も進めて「ペソ売り」を止めようと必死だ。国際通貨基金(IMF)のライス報道官は31日の声明で「アルゼンチンはIMF資金の完全な支援を受け、同国当局の強い決意で現在の難局を乗り切ると確信している」と強調した。今月4日にはIMFのラガルド専務理事とドゥホブネ財務相が会談する。

 背景には米国の利上げがある。米連邦準備制度理事会(FRB)は2015年末に利上げに転じ、金融緩和の出口に向かう。景気過熱を抑えるため、今年はすでに2回の利上げを行い、年内あと2回の見込みだ。

 金融緩和下では低金利の米国から新興国へ投資資金が向かったが、今は金利が上がる米国へ新興国から資金が流出している。01年に財政破綻(はたん)し信用力が低いアルゼンチンは特に影響を受けやすい。

 トランプ米政権の強硬な外交・通商政策も新興国不安に拍車をかける。トルコがテロ支援などの罪で米国人牧師を拘束していることに反発し、8月、トルコへの関税を引き上げた。トルコ経済への不安は高まり、通貨リラは急落。利上げを拒もうとしたエルドアン大統領の姿勢も拍車をかけた。8月の下落率は30%超、年初来では40%超だ。トルコ向け融資が多い欧州の金融機関への不安も出ている。

 米政権の保護主義政策は世界の貿易を縮小させかねず、中国との対立は出口が見えない。人民元相場は対ドルで下落傾向で、貿易摩擦でさらに中国経済の不安が高まれば、世界の景気にブレーキがかかる。

 新興国通貨安はまだ深刻な悪影響には至らず、急激な円高にもなっていない。しかし世界経済への「危険信号」で、「金融危機の本質は、本当にコントロール可能かは誰にも分からないことだ」(プリンストン大のアラン・クルーガー教授)と、今後を懸念する声も目立ち始めている。(ワシントン=青山直篤)

 
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2018年9月4日 / 00:46 / 10時間前更新
トルコ中銀が次回会合での利上げ示唆、インフレ高進受け
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[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ中央銀行は3日、物価安定への「重大なリスク」に対応する考えを示した。この日発表された8月消費者物価指数(CPI)が約15年ぶりの高い伸びになったことを受けたもので、金融市場の沈静化を図る狙い。

中銀は今月13日に政策決定会合を開くが、今回のコメントは利上げ実施を示したものとみられる。通貨危機の中、脆弱な物価見通しを浮き彫りにした形だ。トルコリラは対ドルで年初から約40%下落しており、食料品から燃料までさまざまな製品コストが跳ね上がっている。

8月CPIは前年比17.9%上昇となり、市場予想を上回った。

この統計が発表された直後、中銀はコメントを発表。「インフレ見通しに関する最近の動向は、物価安定への重大なリスクを示している。中銀は物価安定を支援するために必要な対応を取る方針だ」とし、「金融スタンスは最近の動向を踏まえ、9月の金融政策委員会で調整される」との見解を明らかにした。

投資家にとって大きな疑問は、中銀がインフレ抑制に十分な利上げを実施できるのかという点だ。7月の会合では、予想に反して金利を据え置き、リラ急落につながった。前回の利上げは6月会合で、政策金利である1週間物レポレートを1.25%ポイント引き上げ17.75%とした。

ラポバンクのストラテジストは「適切な利上げが求められており、利上げをすると宣言したことにより、中銀は次回会合で期待を上回るバーを引き上げてしまったかもしれない」と述べた。

中銀のコメントを受け、リラTRYTOM=D3は直ちにこの日の下げ幅を縮めた。1132GMT(日本時間午後8時32分)時点で、1%安の1ドル=6.6100リラ。

 

 

苦境の新興国市場、アルゼンチンとトルコ主導で急ピッチな展開へ
Netty Ismail、Lilian Karunungan、Justin Villamil
2018年9月4日 6:22 JST
• トルコ中銀は金融政策スタンスを来週調整すると発表
• アルゼンチン大統領:均衡予算を前倒しで実現へ
今週の新興国市場は急ピッチな相場展開となりそうだ。トルコとアルゼンチンが先月売り込まれた通貨のてこ入れに動いているためだ。
  トルコの中央銀行は3日、インフレが8月に2003年以来の高水準に加速したことから、金融政策スタンスを来週調整すると発表。アルゼンチンのマクリ大統領は、増税と歳出削減を通じて均衡予算を1年前倒しで実現させると表明した。
  SMBC日興キャピタル・マーケットのエグゼクティブディレクター、オクサナ・ラインハルト氏は、「トルコとアルゼンチンは無視できない2つの重要な問題だ。アルゼンチンは幅広く安定してきたトルコよりもっと大きな原動力になる可能性がある」と予想した。
  アルゼンチン株主導で世界の株式と新興国通貨は3日、軒並み下落し、米国の祝日にもかかわらず投資家に息つく暇も与えなかった。SEBのチーフ新興市場ストラテジスト、ペール・ハマールンド氏によると、財新伝媒が発表した中国の8月の新製造業購買担当者指数(PMI)が予想よりやや大きく低下したことは、同国経済の失速が続いていることを示唆し、新興国資産への投資意欲をそいでいるという。

原題:Embattled Emerging Markets Will Take Cues From Argentina, Turkey(抜粋)
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イラン通貨、急落−米制裁再開控え原油輸出が落ち込む
Arsalan Shahla、Ladane Nasseri
2018年9月4日 9:58 JST
• テヘラン商業地区の両替所でリアルは対ドルで約9%下落
• 両替商は店舗閉鎖、当局の通貨防衛能力巡る懸念広がる
イランの通貨リアルは3日の取引で急落。米国による制裁再開を控え、当局は通貨防衛に無力かもしれないとの懸念が広がり、一部の両替商は店舗を閉鎖した。
  テヘラン商業地区の両替所で、リアルは対ドルで1ドル=11万8000−12万1000リアルと、2日から約9%下落。両替所が立ち並ぶフェルドーシ通り近辺では6業者がドルの売買をしていないとの掲示を出している。

  リアルの対ドルでの下げは8月初旬以降で最も大きい。米制裁再開を数週間後に控え、イランの8月の原油輸出が約2年半ぶり低水準に落ち込んだ。2015年の核合意から米国が離脱したことで危機感が広がる中、ロウハニ大統領はすでに物価上昇を巡る不満の高まりに見舞われており、リアル安でロウハニ政権に対する圧力がさらに強まる公算が大きい。
原題:Iran Rial Resumes Drop as Oil Sales Sink Ahead of Sanctions (1)(抜粋)
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ブレント原油が約2カ月ぶりの高値−イラン輸出が16年以来の低水準
Amy Stillman
2018年9月4日 6:38 JST
• イラン8月の原油とコンデンセート輸出は日量210万バレル弱に減少
• 米制裁の全面的発効を控えバイヤーがイランからの調達減らす
3日のロンドン市場で、北海ブレント原油先物相場が約2カ月ぶりの高値となった。イランの原油輸出急減が背景。米国の対イラン制裁の全面的な発効を数週間後に控え、アジアのバイヤーがイランからの調達を減らしている。
  ブレント原油先物は前週末比0.7%高。ブルームバーグ集計のデータによると、イラン産の原油およびコンデンセート(超軽質原油)の輸出量は8月に日量210万バレル弱と、2016年3月以来の低水準に落ち込んだ。一方、トレーダーは予想される供給ギャップをサウジアラビアやロシアの生産が穴埋めする兆候を探している。8月にはロシアの生産が旧ソ連崩壊後の最高水準付近にあり、石油輸出国機構(OPEC)の生産も今年最高の水準に膨らんだ。
  PVMオイル・アソシエーツのアナリスト、スティーブン・ブレノック氏はリポートで、「強気のセンチメントを支えているのは、ますます相場に有利な供給見通しだ。イランの原油輸出の下振れによるところが大きい」と指摘した。
  ロンドンにあるICEフューチャーズ・ヨーロッパのブレント原油先物11月限は前週末比51セント高の78.15ドルと、7月10日以来の高値で終了した。

原題:Brent Crude Nears Two-Month High as Iran Ships Least Since 2016(抜粋)
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/360.html#c4

[政治・選挙・NHK250] 次の選挙は果たして安倍で勝てるか?がカギ!  赤かぶ
1. 2018年9月04日 10:46:07 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1412]
首相インタビュー一問一答 脱デフレ宣言「雇用が大切」
政治
2018/9/4 2:00日本経済新聞 電子版
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 3日の安倍晋三首相のインタビューの主なやりとりは次の通り。

 ――世論調査で関心の高い社会保障分野でどんな改革を検討しますか。

インタビューに答える安倍首相(3日午後、首相官邸)

 「いくつになっても意欲さえあれば働ける生涯現役、生涯活躍の社会を次の1年をかけて作り上げたい。評価・報酬体系の整備を進めて65歳以上への継続雇用年齢の引き上げを検討する。中途採用の大幅な拡大にも取り組んでいきたい。いわば働き方改革の第2弾として生涯現役時代の雇用改革を断行したい」

 「次の2年をかけて生涯現役社会を前提として医療・年金など社会保障制度全般にわたる改革を進める。医療保険はこれまで病気にかかった人への給付が中心だったが、健康年齢を延ばせるよう予防・健康へのインセンティブ措置も強化したい。年金も70歳を超えても受給開始年齢を選択できるようにするなど検討したい。全ての世代が安心できる社会保障制度に向けて3年かけて大改革を行いたい」

 ――後期高齢者には医療費負担増の懸念があります。

 「社会保障全般にわたる改革を進める中で給付と負担のバランスを考えていきたい。後期高齢者の窓口負担のあり方もそうした中で検討したい」

 ――消費税率10%への引き上げは予定通り実施しますか。

 「消費税の使い道を見直して全世代型社会保障に転換すると昨年の衆院選で信を問い、理解を得た。必ずやり遂げなければならない。前回の8%への引き上げは経済に予想を超えた影響を与えたが、今回は違う。軽減税率で食料品の税率を据え置き、増税分から子育て世帯への投資にも配分する。思い切った駆け込み需要の反動減対策も講じたい。マクロ経済への衝撃は相当弱まる」

 ――物価2%の目標を達成できなくても「脱デフレ」を宣言する可能性はありますか。

 「目標には達していないが、実体経済においてめざすものは雇用であり、賃金が上がり生活が向上していくことだ。成果が出ている。その中で適切に判断していきたい」

 ――トランプ政権は日米自由貿易協定(FTA)を求めています。

 「日本は環太平洋経済連携協定(TPP)に戻ってほしいと考えている。茂木敏充経済財政・再生相からトランプ米大統領に『方法の違いにすぎない』と話したが異論はなかった。茂木氏と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表との間で引き続き建設的な話し合いをしていく」

 ――外国人労働者の受け入れ拡大策の今後は。

 「即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みの構築は急務だ。今年末までに総合的な対応策をまとめる。いわゆる移民政策をとる考えはない」

 ――来年の参院選前に憲法改正を国会で発議する可能性は。

 「改憲は国民投票で決まる点で法律と異なる。国会議員が改憲発議を怠る、議論を行わないのは国民に権利を行使させないことになる。責任放棄のそしりを逃れ得ない」

 「次の国会に自民党の改憲案を提出できるように党内のとりまとめを加速する。その後のスケジュールは予断を持つことはできないが、野党を含め幅広い合意を早期に得られるようにしたい」

 ――北朝鮮問題は米朝首脳会談などで急速に動きました。

 「次は私自身が金正恩(キム・ジョンウン)委員長と向き合い、核・ミサイル、そして拉致問題を解決しなければならないと固く決意している」

(聞き手は

政治部長 丸谷浩史)
http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/232.html#c1

[アジア23] 中国、海底資源サンプル採取か 沖縄沖 無人潜水機を運用 (かいけつニュース速報) 怪傑
1. 2018年9月04日 11:08:13 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1413]

2018年9月3日 / 19:36 / 10時間前更新
中国、アフリカに600億ドルの金融支援へ 協力フォーラム開幕
1 分で読む


[北京 3日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は3日、北京で開幕した中国アフリカ協力フォーラム首脳会合で演説し、アフリカ諸国への600億ドルの金融支援や一部の国の対中債務を軽減すると表明した。
習主席は、アフリカ諸国の人々が実感できるとともに、環境に配慮した持続可能な開発を約束した。
600億ドルの金融支援には、150億ドルの援助、無金利の融資、200億ドルの信用枠、中国・アフリカ開発に向けた100億ドルの特別基金、アフリカからの輸入向けの50億ドルの特別基金が含まれる。さらに中国企業に向こう3年で100億ドル以上の対アフリカ投資を促す方針を示した。
また、アフリカの貧困国や内陸・島しょ国に中国が実施している無利子融資について、返済期限が2018年末までの分は免除すると表明した。
中国は、地球温暖化や砂漠化などを目的とする50のプロジェクトを実行する方針。
また、アフリカ連合(AU)への無償の軍事支援を継続するとともに、詳細は不明だが安全保障に関連したフォーラムや基金の創設を計画している。
中国政府の高官らは、今年の首脳会議は、中国の広域経済圏構想「一帯一路」におけるアフリカの役割を強化することになると述べている。

中国、アフリカ債務免除と6.7兆円支援を表明
Bloomberg News
2018年9月4日 8:48 JST
• 年末までに期限迎える無利子融資の返済、一部の国を対象に免除
• 習主席は新たに600億ドル規模の金融経済協力を発表

中国の習近平国家主席
Photographer: Lintao Zhang/Getty Images AsiaPac
中国の習近平国家主席は3日、北京で開幕した「中国アフリカ協力フォーラム」で演説し、一部のアフリカ諸国の債務を免除すると表明した。自身肝いりの広域経済圏構想「一帯一路」を巡る主な批判に対処する。
  習主席は一帯一路構想を擁護した上で、今年末までに期限を迎える一部のアフリカ諸国の無利子融資の返済を免除する方針を示した。具体的な国名は挙げなかったが、重債務の貧困国が対象になるとした。

アンゴラのロウレンソ大統領と握手を交わす習近平国家主席(9月3日、北京で)
Photographer: Andy Wong/Pool via Getty Images
  習氏はまた、新たに600億ドル(約6兆6700億円)規模の金融経済協力を実施すると表明した。内訳はクレジットラインで200億ドル、無償資金協力や無利子融資で150億ドル、特別ファンドで100億ドル、アフリカからの輸入支援で50億ドルなど。3年前の前回フォーラムでも同規模の支援を打ち出していた。
  中国政府は最近、海外への融資慣行を巡りオーストラリアやインドなどから非難を浴び、国内でも一部の学識経験者から疑問視する声が出ていた。マレーシアのマハティール首相は先月、中国が整備する200億ドル規模の鉄道プロジェクトの停止を決断した後、訪問先の中国で「新植民地主義」とけん制していた。
原題:China Promises Africa Debt Relief as Xi Counters Aid Criticism(抜粋)
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トランプ大統領と金正恩労働党委員長の首脳会談は失敗−パネッタ氏
Mark Niquette
2018年9月3日 20:23 JST
米国のパネッタ元国防長官は、北朝鮮の非核化を巡りトランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長と6月に行った首脳会談について、事前準備に欠け「失敗する運命にあった」と述べた。

パネッタ元国防長官
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
  パネッタ氏は2日にABCの番組「ジス・ウィーク」で、「状況を深く懸念している。率直に言って、首脳会談は失敗だったと思う」と語った。
  オバマ政権下で国防長官と中央情報局(CIA)長官を歴任したパネッタ氏は、6月の米朝首脳会談は「全てがショーのためだった。握手して、言葉をかわすことが全てだった」とし、そのような重要な会合が開催される前に必要だった下地となる作業がなされていなかったと指摘。基盤となる外交作業がなお必要だと述べた。
原題:Panetta Calls Trump’s Summit With North Korea’s Kim a Failure(抜粋)


http://www.asyura2.com/17/asia23/msg/741.html#c1

[国際23] 英「合意なき離脱」への対策発表〜EU離脱まで7か月余りとなる中/nhk 仁王像
5. 2018年9月04日 11:09:17 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1414]
2018年9月4日 / 09:32 / 1時間前更新
欧州議会、ブレグジット期限2週間前の合意承認見込む
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[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州議会憲法問題委員会のダヌータ・ヒューブナー委員長は3日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡り、欧州議会は2019年3月29日の離脱期限のわずか2週間前に英国政府との合意を承認できる見通しだと述べた。

同委員会はEUと英国がブレグジットを巡る離脱条件などで合意に至れば欧州議会として最初に審議することになる。

ヒューブナー委員長によると、採決目標は3月11─14日に開かれる予定の本会議。離脱までの期間が短いことから、否決されれば英国は協定なしでのEU離脱を迫られることになりかねない。

同委員長は委員会で「われわれは3月最初の本会議で採決しなければならない」と説明。「(3月25─28日に予定される)次の本会議ではわれわれの後に(全てのEU加盟国による)欧州理事会が再び検討しなければならないため遅すぎる」と述べた。

委員長はまた、EU首脳は「10月に交渉がうまくまとまるか、11月にずれ込むのか」どうか分かっていないと指摘。その上で、合意なしのブレグジットリスクが大幅に高まるとして、「11月を過ぎないことが望ましい」と付け加えた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
ワールド2018年9月4日 / 09:02 / 1時間前更新
マレーシアとシンガポール、高速鉄道計画の延期に合意=現地紙
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[クアラルンプール 3日 ロイター] - マレーシアとシンガポール両政府は両国を結ぶ高速鉄道建設計画を2年間延期することで合意した。マレーシアのメディアが報じた。多額の債務を抱えるマレーシア政府は財政再建を優先するために大型プロジェクトを見直す構えを示している。

1日付のマレーシア経済紙ジ・エッジが関係筋の話として報じたところによると、両政府は2020年5月31日まで同計画を延期することで合意。双方とも違約金を支払う必要はなく、マレーシアは財政を見直す時間を確保することになる。

マレーシアのアズミン・アリ経済相は3日、両政府が違約金を伴わない形での延期に合意したと認めた。両政府が近く、新たな合意書に署名する際に詳細を明らかにすると述べた。

同相は延期期間について問われ、「妥当な期間」と述べるにとどめた。ロイターが発言の録音データを確認した。

マハティール首相は5月の総選挙で政権を奪取してからすぐに、同計画を中止する意向を示していた。

アズミン氏は、マレーシアは同計画を遂行する構えだが、負担を軽減する必要があると表明。延期期間中にどのようにコストを削減するかについて検討すると述べた。

シンガポール運輸省はコメントの求めに対し、コー・ブンワン運輸相がフェイスブック上で決定事項について「近く」発表があると投稿しているのを参照するようにと応じた。

 
2018年9月4日 / 09:27 / 1時間前更新
スコットランドの独立志向、ブレグジットで強まる可能性=世論調査
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[ロンドン 2日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)がスコットランドの英国からの独立志向を強めかねない──。2日に公表された世論調査でこうした傾向が明らかになった。

2014年のスコットランド住民投票で独立は否決されたが、16年の国民投票でブレグジットが決定。スコットランドの有権者の大半はEU残留を支持していた。

今回の世論調査によると、ブレグジットが予定通り2019年3月29日に実行された場合、スコットランド人の47%は住民投票が再び行われれば独立に賛成すると回答。独立に反対する人の割合は43%、態度を決めかねている人の割合は10%だった。

一方、英国がEUに残留した上で住民投票が実施された場合では賛否の割合が逆転し、独立賛成派が43%になったのに対し、独立反対派が47%となった。

世論調査は英国世論調査協議会のメンバーであるデルタポールがスコットランドの有権者1022人を対象に面接方式で実施。ブレグジット阻止を目指している団体「ベスト・フォー・ブリテン」が委託した。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/723.html#c5

[国際23] EUを反中国貿易戦線に引き入れたワシントン(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
8. 2018年9月04日 11:13:06 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1415]
ECB利上げでも心配は無用−欧州政策研究所ダニエル・グロス氏
Alessandro Speciale
2018年9月4日 7:20 JST
? 7日のEU財務相・中銀総裁会合に提出の論文で指摘
? 利上げをあまりにも長く先送りすれば先行き問題招く
欧州政策研究所(CEPS)のディレクター、ダニエル・グロス氏は、欧州中央銀行(ECB)が過去何年にもわたる金融緩和策を終えることになっても、金融の混乱を引き起こすと心配する必要はないと論文で指摘する。
  7日にウィーンで開かれる欧州連合(EU)各国の財務相・中央銀行総裁の会合に提出される論文をブルームバーグが入手したもので、「金利上昇は必ずしも一段と広範な金融市場の不安定性の前触れではない」としている。
  現在EU議長国を務めるオーストリアは、金利正常化が金融面の問題を引き起こすかどうかや、脆弱(ぜいじゃく)性にどう対処すべきかについて検討するよう各国代表に呼び掛ける方針。ブルームバーグが入手した同国政府のメモで示された。
  グロス氏は、ECBによる量的緩和(QE)の終了と非常にゆっくりとしたペースでの利上げ方針はプラスマイナス両面があると分析。借り入れコストの上昇は中銀の利益を減らし、最終的には各国政府の国庫にも影響が及ぶ一方、商業銀行のバランスシート改善で経済成長を支えることになる。
  グロス氏はまた、利上げをあまりにも長く先送りすれば、先行き問題を招くと警告。「政策正常化は政府や大手金融機関の資金調達上の問題を生じさせることはなく、リスク回避やリスクプレミアムの突然の回帰につながると懸念する理由もほとんどない」と指摘。それどころか、長期にわたる低金利継続のシナリオの下では「やがて脆弱性の高まりにつながる可能性がある」としている。
  さらに、ECBによる政策正常化が世界レベルで大規模な金融パニックを招来する公算も小さいとし、トルコやウクライナをはじめとする一部の近隣各国が脆弱であるとしても、欧州の銀行にはそうした地域にほとんどエクスポージャーがなく、衝撃は限られる可能性が大きいと説明。「中国の信用問題の方が、トルコの問題よりもユーロ圏の銀行にとってずっと重要と考えられる」と論じた。
原題:EU Finance Ministers to Be Told Not to Fear Rising ECB Rates(抜粋)
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メルシュECB理事:欧州は独自の世界的決済サービス構築を
John Ainger
2018年9月4日 10:02 JST
? 地政学的緊張の一段の高まりに備える必要があるとメルシュ氏
? 欧州以外のカード決済に頼っている現状は最善とは言えず
欧州中央銀行(ECB)のメルシュ理事は3日、欧州は独自の世界的なカード決済サービスを構築して既存のサービスと競争すべきだと提唱した。地政学的緊張の一段の高まりに備える必要があると説明した。
  メルシュ理事はパリでの講演で、オンライン決済でのペイパルや、アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムのサービスが市場で支配的となっていることに言及。ドイツのジロカードやフランスのフランス銀行カード協会(カルト・バンケール)など欧州のプロバイダーは国内に重点を置きすぎていると指摘した。
  同理事はその上で、「欧州各国の国内決済を欧州以外のカード決済サービスに頼っている現状は最善とは言えない」と発言。多国籍企業に「利用されている」欧州連合(EU)の堅固な規制枠組みの下で、欧州の銀行はカード決済サービス・ビジネスの多くを「諦めた」ように映るし、アリババ・グループ・ホールディングとテンセントも進出していると語った。決済システムは同理事のECBでの担当分野の1つ。
原題:ECB’s Mersch Urges Europe to Develop Own Global Payment Services(抜粋)


 

2018年9月4日 / 11:03 / 8分前更新
UPDATE 1-第2四半期の豪経常赤字は135億豪ドル、赤字幅が予想上回る
1 分で読む

(内容を追加しました。)

[シドニー 4日 ロイター] - 豪連邦統計局が4日に発表した第2・四半期の経常収支は134億7200万豪ドルの赤字となった。赤字幅はロイターがまとめた予想平均の115億豪ドルを上回った。

貿易収支は28億1200万豪ドルの黒字。

統計局は、純輸出が第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率を0.1%ポイント押し上げる可能性があると指摘した。市場でも0.1%ポイントの押し上げが予想されていた。GDP統計は5日に発表される。

対外純債務は1兆0400億豪ドルだった。


 


 


危機対応の金融緩和からの脱却、容易な道のりでない−OECD
William Horobin
2018年9月4日 8:42 JST
? 金融システムにリスクの「高まり」予見されるとリポートで指摘
? 以前のような市場の混乱が繰り返される可能性があると警告
経済協力開発機構(OECD)は3日、世界各国・地域の中央銀行が進める金融危機対応の緩和策からの脱却の道のりは容易ではなく、以前のような市場の動揺が繰り返される可能性があるとの見方を示した。
  OECDはビジネスと金融についての年次リポートで、金融政策の転換や高水準にある公的債務、中国の銀行やシャドーバンキング(影の銀行)ビジネスにおけるレバレッジなどを列挙し、今後金融システムにリスクの「高まり」が予見されると指摘した。
  米連邦準備制度は既に利上げに着手し、他の中銀の間にもこれに続く動きが見られるが、危機前の正常な状態に戻るのは至難の業と予想される。米国とユーロ圏、英国、日本の中銀のバランスシートは2018年初めの時点で計15兆ドル(約1666兆円)前後と07年の約5倍の規模に拡大している点にOECDは言及した。
  OECDは、「正常化へのこうした転換は既に18年の早い段階に資産価格の極端な動きをもたらしてきた。これは今後訪れる事態の前触れであるかもしれない」と論じた。その上で、金融緩和策の終了は08年のような金融危機の再発を避けることを狙った諸規制の強靱(きょうじん)性を試すことになるだろうと記した。
  具体的には、銀行の資本増強で前進があったものの、商業銀行と投資銀行の業務分離の取り組みは不十分で、混乱を招くような技術や詐欺といった新たなリスクについて、規制の多くは対処していないと説明した。
  リポートでは、「銀行システムが金融面のサポートを受けていた局面は、銀行のビジネスモデルやガバナンスを根本的に変える良い機会だったが、この好機は部分的にしか活用されなかった」としている。
原題:OECD Sees No Easy Ride as Monetary Policy Shifts Off Crisis Mode(抜粋)

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イタリア市場振り回される−副首相の発言で利回り一転低下
Jerrold Colten、Kevin Costelloe
2018年9月4日 0:15 JST 更新日時 2018年9月4日 5:34 JST
? サルビーニ副首相は19年財政赤字がEU規則上限に達すると発言
? その後「全てのルール」を尊重すると述べ、債券価格上昇

Photographer: MARCO BERTORELLO/AFP
イタリアではポピュリスト指導者らが財政赤字拡大をいとわない歳出増に意欲を示し、投資家を安心させようとするトリア財務相の取り組みに水を差した。

トリア財務相
写真家:Giulio Napolitano / Bloomberg
  サルビーニ副首相は2日、イタリア北部でのイベントで、2019年予算で財政赤字は前年からほぼ倍増し、欧州連合(EU)の財政規則の上限である3%に「達する」だろうと述べた。EU規則の「順守に努めるが、イタリア国民の福利が優先する」とした。
  ポピュリスト政党の連立政権による予算案への懸念からイタリア国債利回りは上昇してきた。トリア財務相はレプブリカ紙とのインタビューで「予算の安定性を重視する」と述べて不安払拭(ふっしょく)を図り、19年予算案の詳細が発表されれば国債利回りは下がるだろうと語っていた。政府は財政計画と成長目標を27日までに設定、10月15日までに予算の原案を欧州委員会に提出する。
  また、ディマイオ副首相は選挙公約だった最低所得保障が引き続き政府の最優先課題の一つだと言明した。コリエレ・デラ・セラが報じた。この貧困層救済策を19年中に導入する意向を示したという。
  ただサルビーニ副首相は3日午後になって、予算で減税を実現するほか、「全てのルール」を尊重すると述べ、EUの財政規則に抵触する可能性を示した先の発言をトーンダウンさせた。イタリア10年債はこれを受けて上昇、利回りは約5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.18%となった。6月1日のコンテ政権発足時の水準は2.7%だった。
Italy’s Debt-Driven Deficit
From 2010 budget would have been a surplus without debt financing costs
Source: Eurostat
原題:Italy Leaders Whipsaw Markets With Vows of Defiance, Reassurance(抜粋)
(第5段落に副首相の3日の発言と債券相場を追加して更新します.)
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/757.html#c8

[国際23] 元大統領が「暴君と化したトランプ」を激しく非難!   赤かぶ
2. 2018年9月04日 11:15:42 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1416]
2018年9月4日 / 10:43 / 27分前更新
アングル:中国伝統の「奥の手」で占うトランプ貿易戦争
2 分で読む

[上海、31日 ロイター] - 米中貿易戦争の先行きを読む手がかりを得ようと、アナリストは貿易データを精査し、政治コメンテーターは公式コメントの分析に躍起になっている。

一方で、一般の中国人の中には、トランプ米大統領の次の一手を測るのに一風変わった方法を利用する人たちもいる。

占い師の手を借りているのだ。

トランプ氏が隠し持っている作戦のヒントを得ようと、中国の迷信深い人々は、トランプ氏の写真や生年月日を手に、宇宙エネルギーのマスターやいにしえの精霊の専門家などの下に「神頼み」に走っている。

貿易戦争は、中国の経済成長の先行きへの不透明感を高めただけではない。事業経営や、米国への移住計画を進めるべきかなどでアドバイスを求める一般の中国人の中にも、自身の生活について不安を感じている人たちがいる。

著名な流派に属する香港の風水師ビクター・ウンさんは、通常は顧客の生年月日や出生時間を使って占いを行っている。だが貿易摩擦が激化し、将来の不確実性が高まったことで、ほかの要素も占いに取り入れるようになった。

「米中貿易戦争が続いているので、米中両国の指導者の運命も見るようにしている。習近平の生年月日とドナルド・トランプの生年月日を使う。それが現状を分析するやり方だ」と、ウンさんは話した。

西安の占い師Xie Xianglinさんの下には、貿易戦争の行く末を占ってほしいという依頼が「増え続けている」という。そのほとんどが、起業家や投資家からのものだ。Xieさんは、1件500元(約8000円)で占いを請け負っている。

最近だけで、「7人が投資や移住情勢について占いを依頼してきた」という。

緑豊かな上海の復興公園では、少なくとも7月の3週間、週末になると、誰が貿易戦争の被害者であり悪者であるかについて、退職した人々の間で激論が交わされた。

同公園には、週末になるとたくさんの退職者が集まる。最近では、トランプ氏の写真や生年月日を手に、次の展開を占う人が出てきたと、複数の目撃者がロイターに語った。

中国の人々は、指導者に至るまで、疑念が生じたときや混乱期には予言や占いを信じてきた長い伝統がある。

だが共産党の党員は、占い師のところへ行くことを含め、政府が言うところの迷信深い行為への参加を禁じられている。

投資ブローカーのリッキー・フォンさんは、風水マスターである前出のウンさんの占いで、貿易戦争が自分のビジネスに及ぼす影響を切り抜けてきた。

「米中貿易戦争について言えば、私見では投資への影響はきわめて大きい」と、香港でフォンさんは話した。

「ウン先生は、とても詳細なデータを提供してくれる。伝統的な金融ツールもデータを提供してはくれるが、風水の先生は別の種類のデータをくれる。伝統的な方法を使って私の運命を解読し、状況により良く対応するにはどうすればいいか教えてくれる」と、フォンさんは付け加えた。

ウンさんは最近、企業コードやフォンさんの生年月日の解釈に基づき、香港のハイテク企業、光啓科学(0439.HK)への投資を助言した。ウンさんは、こうした数字が、その人と特定の企業の投資相性を知る手がかりを与えてくれると考えている。フォンさんは助言に従って1株0.375香港ドルで購入し、同0.77香港ドルで売り抜けたという。

Kuangchi Science Ltd
0.68
0439.HKHONG KONG STOCK
-0.01(-1.45%)
0439.HK
0439.HK
現在のところ、少なくともいくつかの占いによると、トランプ氏と貿易戦争の運命は正しい方向を指し示している。

「貿易戦争は、近い将来、和解に終わる」と、前出の占い師Xieさん。ロイターのために、無料で占いを提供してくれた。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/780.html#c2

[経世済民128] 日の丸自動車が知らないトランプのNAFTA見直し「もっと危うい裏事情」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
6. 2018年9月04日 11:22:42 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1417]
NAFTAからNACTAで自動車業界激震
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」
「管理貿易」に突き進むトランプ政権の脅威

2018年9月4日(火)
細川 昌彦

北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉で、米国とメキシコが大筋合意した。この合意が、日本の自動車業界を激震させる可能性がある。あまり報じられていないが、合意内容に日本の自動車メーカーの身動きをとれなくする“毒まんじゅう”が仕込まれている。


トランプ大統領はメキシコに“毒まんじゅう”を食わせた?(写真:ロイター/アフロ)
レイムダックのメキシコを二国間で突く米国
 北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを巡る米・メキシコ、米・カナダ2国間協議に世界の目が注がれている。8月29日、米・メキシコは大筋合意し、その後、行われた米・カナダは農業分野などでの対立が解消されず、9月5日に再協議する。

 「これまでのNAFTAは米国の雇用を奪ってきたので見直す」

 
 NAFTAの見直しはトランプ大統領にとって大統領選での選挙公約であった。しかし、昨年からのメキシコ、カナダとの交渉は膠着状態に陥っていた。事態が動いたのは、7月のメキシコの大統領選だ。12 月に新大統領に交代するが、新大統領が現政権との協議結果を受け入れると表明したことで、米国はレイムダックになった現政権との協議を一挙に加速させた。ある意味、新旧大統領の「無責任が生んだ間隙」を突いた結果なのだ。

 
 メキシコにとってその代償は大きかった。

自動車産業の北米戦略、抜本見直し迫られる
 日本の自動車業界では、米・メキシコの間で大筋で妥結した中身に衝撃が走った。

 まず、北米域内で自動車関税ゼロにする適用条件として域内での部品調達比率が定められているが、これを現在の62.5%から75%に引き上げる。日本メーカーは現状では75%を達成していないので、対応が必要になる。

 
 そして米国製部材の調達を事実上増やすことにつながる、「賃金条項」も新たに盛り込んだ。部品の40〜45%について時給16ドル以上の地域での生産を義務付けるものだ。これは事実上、米国製部品の購入を強制する、悪名高い「バイ・アメリカン条項」に等しい。メキシコの労働コストの安さ(時給7ドル程度)を前提として生産体制を構築してきた、これまでの自動車産業の経営戦略の転換を迫るものだ。

 
 さらに、これはまだ公表されていないようだが、全体としての域内調達比率を満たすだけでは足りないようだ。部品の中でもエンジン、サスペンション、トランスミッション、バッテリーなど中核的な部品7品目については、それだけで75%の現地調達比率を定めているとの情報もある。これらの中核的な部品は日本から供給している日本メーカーにとって、対応の困難な深刻な問題だ。特に内製化していない部品は、部品メーカーが域内から供給しない限り、条件を満たせない。

 
 自動車メーカーはこれまでNAFTAを前提に、北米でのサプライチェーンを構築してきた。部品の品質、価格、納期などを緻密に検討して、部品の調達先を決めて作り上げてきたものだ。その前提条件が変更されるのだから、堪ったものではない。調達先の切り替えも簡単ではない。

 
 部材メーカーも自動車メーカーの調達方針を踏まえて、メキシコなどへの投資をしてきている。今回の見直しで、メキシコの工場ではなく、米国の工場からの供給に切り替えざるを得ないところも出てくるだろう。

 
 コスト高になってでも米国工場からの部品供給に切り替えるのか、中核部品を北米から供給できるような体制を組めるのか、それらの対応を諦めて2.5%の関税を支払うことを覚悟するのか、そうした選択の厳しい経営判断を迫られる。

 
 いずれにしても、今後のメキシコへの投資が冷え込むのは明らかで、メキシコが安易に妥協した代償は大きい。

“毒まんじゅう”を食べてしまったメキシコ
 しかし、当初公表されたこれらの条項だけではなかった。もっと衝撃的な内容が付属合意としてあったことが判明したのだ。それが「数量規制」という“毒まんじゅう”だ。

 当初、日本のメディアでは「最悪の事態を回避して安堵」といった、呑気なコメントもあったが、これでは本質が見えない。海外通信社の衝撃的な報道で、やっとその深刻な内容に気づいたようだ。

 
 かつて日本も80年代に締結した日米半導体協定においても、その付属文書で外国製半導体のシェアに関する数値目標を盛り込まされた。そしてその後、大きな禍根を残した苦い経験をしている。

 
 突かれたくない重要な内容は本体の合意には盛り込まないものだ。付属文書を見なければ本質はわからない。

 
 メキシコから米国への乗用車輸出数量が240万台を超えると、25%の関税が課されるというものだ。米国は現在通商拡大法232条に基づいて、自動車輸入への追加関税を検討しているが、この高関税を免れるために、数量規制を飲んだということだ。メキシコはこの“毒まんじゅう”を食べてしまった。

 
 数量規制は関税引き上げよりも自由貿易を歪める度合いが強いので、世界貿易機関(WTO)のルールで禁止されている。これは明らかに自由貿易の根幹を揺るがす大問題なのだ。

 
 かつて80年代の日米貿易摩擦において、鉄鋼の対米自主規制を行い、自動車でも米国は同様の自主規制を日本に対して要求していた。そしてこのような「管理貿易」には怖さがあった。日米半導体協定のように、一旦安易に譲歩すると、更に米国はカサにきて要求を強めてくる、という苦い経験をした。

   
 そして今、塗炭の苦しみを味わっているのが韓国だ。

 
 本年3月、米韓自由貿易協定(FTA)の見直し交渉が合意した。この中で、鉄鋼に関して、通商拡大法232条に基づく追加関税を免除されるのと引き換えに、米国への鉄鋼輸出の数量制限が盛り込まれた。

 
 当初、うまく交渉をして追加関税を免れたとされていたが、そこに大きな落とし穴があった。数量規制の運用が米国にいいようにやられて、韓国はがんじがらめにされて、悲惨な状況に追い込まれているのだ。

 
 「これでは追加関税をかけられていた方がマシだった」との声が聞こえるほどだ。

 「ミスター数量規制」によって「北米管理貿易協定(NACTA)」になった
 ライトハイザー米国通商代表は、80年代に日本に対して鉄鋼輸出自主規制を飲ませた成功体験を持つ。さらにトランプ政権下では拍車がかかり、通商拡大法232条による高関税を脅しに、数量規制に追い込む。鉄鋼問題で韓国に対して味を占めて、今回、メキシコに対して自動車の数量規制を飲ませたのだ。

 いわば彼は「ミスター数量規制」だ。

 
 さすがにメキシコのグアハルド経済大臣は当初受け入れなかったが、最後はレイムダック化した現大統領が安易に受け入れてしまったのだ。

 
 メキシコは「25%の追加関税を免れるための保険を得た」とその成果を説明するしかなかったが、これこそ米国の思うつぼだ。

 
 2017年のメキシコから米国への乗用車輸出が170万台なので、240 万台の数量規制ならば今後4割程度の増やす余地があると安易に考えたのだろう。

 
 しかしメキシコの対米輸出はここ5年を見ても、年平均1割は伸びている。今後も自動車メーカーの生産拡大計画があり、新協定が2020年から発効するとして、恐らく数年で240万台に達してしまう。

 
 しかも注意を要するのは総枠の数量だけでない。韓国は鉄鋼の数量規制を54品目ごとに規定されて「がんじがらめ」にされている。今後、明らかにされるであろう数量規制の中身も子細に見る必要がある。

 
 例えば、前述したように、自動車メーカーが「引き上げられた域内部品調達率や賃金条項を無理して満たすよりも、2.5%の関税を支払う方がコスト的によい」として選択したとしよう。ところが、そういう対応を抑制するために別途の仕組みも仕込まれているようだ。

 
 2.5%の関税支払いをして米国に輸出できる台数を百数十万台に制限して、これを超えると懲罰的な高関税がかかる、という仕組みだ。

 
 こうした管理貿易の仕組みを駆使して、企業の経営判断の自由度を「がんじがらめ」に縛り、米国での部品調達に巧妙に追い込んでいるのである。

 
 いずれにしても自動車産業はメキシコへの投資を抜本的に見直しすることを迫られそうだ。

 
 「北米自由貿易協定」は「北米管理貿易協定」になってしまった。NAFTA(North American Free Trade Agreement)ではなく、NACTA(Controlled Trade )だ。

カナダとの交渉を固唾を飲んで見守る日欧
 現在協議が継続中の米加間の交渉では、カナダの乳製品の扱いと米加間の紛争処理のあり方で対立が激しいが、自動車分野は大きな対立点になっていない、とメディアは伝えている。

 カナダについては、賃金が米国並みで、低賃金のメキシコとは賃金条項での立場が違うので、この点では対立点にならないのは確かだ。しかし表に出ていない数量規制については、その危険性をカナダは十分理解していることを期待したい。カナダがメキシコのように“毒まんじゅう”を食べないよう、日本、欧州は固唾を飲んで見守っている。

 
 トランプ大統領はカナダへの強硬姿勢を強め、NAFTA分裂や自動車の追加関税もちらつかせることによって脅して、カナダの譲歩を迫っている。しかし五大湖付近では日本メーカーも含めて自動車産業は、国境をまたいで一体化して生産している。仮にNAFTAを維持できない事態になれば、米加双方も、そしてそこに投資するメーカーも致命的打撃を受ける。

 
 米国議会の権限も無視できないことも忘れてはならない。NAFTA分裂の事態は、議会としても受け入れられないだろう。強硬姿勢はトランプ政権の焦りの裏返しでもある。

今後、欧州、日本に対しても数量規制要求へ
 鉄鋼で韓国に対して、自動車でメキシコに対して、米国は「高関税で脅して、数量規制を飲ませた。」これが米国の手法だ。

 米国は今後、欧州、日本に対しても、同様の手法でやってくるだろう。ハガティ駐日大使が自動車の数量規制に言及するのもそれと軌を一にするものだ(参照:メディアが報じない、日米通商協議の真相を読む)。9月の日米通商協議(FFR)、日米首脳会談での大きな焦点となるだろう。

 
 この問題は世界の通商秩序の根幹を揺るがすものだとの危機感が必要だ。部品調達率や賃金条項だけに目を奪われていてはいけない。自動車メーカーも「実害のない数量が確保できればよい」といった安易な考えは、将来に禍根を残すことを肝に銘ずるべきだろう。

 
 さらに考えなければならないのは、これを米国に許すと、将来、同様に巨大市場を有する中国も同じことをしてくることも覚悟しなければならないということだ。

 
 日欧は連携して、「毒まんじゅう」を阻止する戦いの胸突き八丁にさしかかっている。


このコラムについて
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」
経済産業省(旧通商産業省)で日米の通商交渉などを長らく担当してきた細川昌彦氏(中部大学特任教授、元・経済産業省中部経済産業局長)が、米国、中国、欧州、そして日本など世界の大国間で繰り広げられるパワーゲームの深層を読み解く。2017年2月から日経ビジネスオンラインの「ニュースを斬る」でトランプ外交などを中心に解説してきた人気コラムニスト。

 

淘汰目前、中国NEVメーカーに3つの試練
トレンド・ボックス
底力と経営革新が問われる

2018年9月4日(火)
湯 進


蔚来汽車のスマートカー(写真上)と量産モデルES8
 中国新興電気自動車(EV)メーカーの代表格である蔚来汽車が8月、ニューヨーク証券取引所への新規株式公開計画を発表。「中国のテスラ」になるという夢の実現に向けて一歩踏み出した。

 補助金政策を追い風にEVを中心とする中国の新エネルギー車(NEV)市場は急速に拡大し、多くの新興メーカーが続々とEV開発に乗り出している。一方、2019年から実施される罰則付きNEV生産義務、20年までに段階的に廃止される補助金制度などを勘案すれば、淘汰の波は眼前に迫りつつある。新興EVメーカーの生き残りをかけた競争は激しさを増すものと思われる。

50社超が新規参入
 中国政府は、地場自動車メーカーの内燃機関の技術開発がなかなか進まない中、国内の大気汚染の深刻化や原油の過度な輸入依存もあり、12年からNEV市場の育成に力を入れてきた。

 補助金制度、購入税免除、自動車ナンバープレート優先取得など一連の促進政策により、中国のNEV販売台数は13年の1.7万台から17年に77.7万台へと急速に増加。世界全体の5割強を占める規模にまで増加した。中国政府が示したNEV販売台数を25年に新車販売の20%にあたる700万台にする目標は、中国NEV市場の拡大を大いに期待させる。


出所:中国乗聨会の発表より作成
 中国地場自動車メーカーがNEV政策の波に乗り活気づく中、異業種からNEV市場に新規参入する動きも目立つ。

 18年6月末時点、中国にNEV関連メーカーは503社あり(累計登記ベース)、主要メーカーの投資計画をまとめると、20年のNEV生産能力は800万台に達する。これは市場需要の4倍にあたる規模だ。

 現在の中国NEV市場ではBYD汽車、北汽新能源、上汽乗用車など民族系3社が約5割のシェアを占める。既存の自動車勢力にITを駆使したスマートカー技術の蓄積は多くないものの、新たな製品価値を市場に浸透させれば、今まで参入できなかった自動車市場で競争力をもつ可能性がある。

 外資系企業は中国でNEVの本格的な生産を行っていない。高級車に特化するテスラを除くと、いずれもその販売台数は少ない。このため、新興EVメーカーの多くは、いつの日か「中国のテスラ」に化けるときが来る、と夢見ている。50社超の新興EVメーカーが続々と自社工場の建設に取り組む。

EV量産を進めるIT系3社
 豊富な資金力を持つ中国IT大手の百度、アリババ、テンセントの3社は、政府のNEV政策に投資意欲を刺激され、相次いで新興EVメーカーに出資した。

 蔚来汽車(テンセント出資)は6月、高級EV「ES8」の納車を開始。7月末までに1331台納車し、18年の販売目標を3万台に設定する。創業3年間の資金調達額は累計24億ドルに達したのに対し、累計損益は17億ドルの赤字であった。ニューヨーク証券取引所に上場できれば、蔚来汽車は最大18億米ドル(約2000億円)を調達。EVの生産・開発に投入する計画だ。

 小鵬汽車(アリババ出資)はこれまで15億ドル超を調達したが、来年さらに30億ドルを調達する予定。EV量産モデル「G3」を年内にも納車する。販売価格を蔚来汽車「ES8」の半額程度(20万〜28万元)に設定し、幅広い消費者をターゲットにする。

 上記2社がそれぞれ地場自動車メーカーのJAC汽車、鄭州海馬汽車に生産を委託したのに対し、威馬汽車(百度出資)は既存EVメーカーの買収により年産能力10万台の自社工場を稼動させ、EV量産モデル「EX5」の9月納車開始を目指す。

 新興EVメーカーは、エンジン車メーカーに伍する製品開発力を備え、コネクテッドカーの開発で他社と差別化を図る必要がある。資金調達力、製品開発力及び自社工場建設の進捗状況を考慮すれば、少なくとも現時点で大手IT企業の出資する上記3社は比較的生き残る可能性が高い。

 一方、3社以外に年内の完成車量産を計画する新興EVメーカーは5社にとどまる。これら新興EVメーカーにとっては、部品サプライチェーンの整備やものづくり力の向上が依然重要な課題となる。

中国EV生産・販売ライセンスを取得した8社と主要新興EV企業(万台)
EV生産・販売ライセンスを取得した企業 主要新興EVベンチャー
企業名 出資先 年産能力 企業名 出資先 年産能力
北京新能源 北京汽車 7 蔚来汽車 テンセント等 20
長江EV 五龍集団 5 小鵬汽車 アリババ等 20
前途汽車 長城華冠 5 威馬汽車 百度等 20
奇瑞新能源 奇瑞汽車 8.5 Dearcc汽車 ファンド 18
江鈴新能源 江鈴汽車 5 Byton汽車 一汽、CATL等 18
雲度新能源 福建汽車 5 奇点汽車 ファンド等 30
知豆電動汽車 新大洋集団 4 車和家汽車 ファンド 20
合衆新能源 桐郷合衆 5 零跑汽車 ファンド 30
出所:各種報道より作成
新興メーカーが直面する3つの試練
 今後中国の新興EVメーカーは、以下の3つの試練を乗り越えなければならない。

 1つ目の試練として挙げられるのは、中高級EV市場の形成に時間を要することだ。18年1〜6月のEV販売台数を見ると、航続距離300km以下の車種が全体の5割を占め、補助金控除後の小売価格10万元(約170万円)以下の車種は全体の45%を占めた。沿海部の大都市では、ナンバープレートの発給規制によるEV特需があり、短距離移動に適したコンパクトカーがEV市場の主流である。他方、内陸部の中小都市では、中古車を含む対エンジン車のコストパフォーマンスと利便性がEV購入の重要な条件となる。

 しかし18年6月末時点、全国のEV保有台数が162万台であったのに対し、充電スタンドの設置数は70万に過ぎない。さらにバッテリー測定体制の不備により、EV中古車取引価格が新車価格と大きく乖離していることが、一部の消費者がEVを敬遠する要因となっている。

 2つ目の試練は、政府が参入基準の引き上げや生産ライセンスの発給を通じ、新興EVメーカーの絞り込みを図ることだ。

 18年7月発表の「自動車産業投資管理規定(意見公募)」は、過剰投資を防ぐため、企業と地方政府の双方に厳しい基準を設けた。EV年産能力10万台以上、工場フル稼働までの株式譲渡ができない、企業所在地域のNEV保有率が全国平均を上回ること、などを主な参入条件に挙げる。18年8月末時点で、既にEV生産ライセンスを取得した15社(うちの8社が販売許可も取得)以外にも、ITベンチャーを含む新興メーカー数十社が懸命にEV開発を行う。しかしこうした新興メーカーが生産ライセンスを取得する目処は立っていない。

 3つ目の試練は、NEV補助金の廃止や外資規制の緩和により、今後し烈な市場競争が繰り広げられることだ。

 メーカー乱立による過剰投資や製品品質の低下が懸念されることから、中国政府は18年に航続距離300km以下のEVに対する補助金を前年比最大58%減額、支給期間を20年末とする方針を明らかにした。また今年NEV市場の外資出資比率規制が撤廃されることにより、すでに新規EV合弁事業を発表したフォードと衆泰汽車、日産・ルノーと東風汽車、BMWと長城汽車に加え、テスラも中国に年産50万台のEV新工場を建設する。21年以降、多くの外資系メーカーがEV市場に参入することから、市場競争は一層激しさを増し、新興EVメーカーに淘汰の波が押し寄せる可能性は高い。

 この先中国のNEV市場では、生存をかけた激しい戦いが展開されるものと予想される。すでに中国でEVを量産するフォルクスワーゲンは、25年に150万台のEV販売を計画する。GMは上海にEVバッテリーパック工場を設け、今後5年間で20車種のNEVを投入する予定だ。日本の自動車大手3社も一斉に中国での増産に向けた投資を表明し、激戦必至の中国NEV市場で態勢を整える。

 補助金制度の廃止やEV生産ライセンス規制の設定は、自国のNEV市場を育成しようとする中国政府にすれば、新興EVメーカーの存亡にタイムリミットを設ける試みといえる。筆者が6月小鵬汽車を訪ねた時、創業者の何小鵬氏は「20年に生き残っている新興EVメーカーは3社だけだ」と危機感を露わにした。

 今後新興EVメーカーには厳しい試練が待ち受ける。いかにものづくりの弱みをカバーしコネクテッドカーで競争優位に立てるか、今まさに新興EVメーカーの底力と経営革新が問われている。

湯進(たん・じん)氏
みずほ銀行国際営業部主任研究員・博士(経済学)

2008年入行時より国際営業部に所属。自動車・エレクトロニック産業を中心とした中国の産業経済についての調査業務を経て、中国地場自動車メーカーや当局とのネットワークを活用した日系自動車関連企業の中国ビジネス支援を実施しながら営業推進業務に従事。また継続的に中国自動車業界に関する情報のメディア発信も行っている。(関連情報はこちら)

直近の自動車関連レポート

日経産業新聞 「中国EV電池市場〜外資規制に緩和期待」(2018.6.25)
mizuho globalnews Vol.97「中国新エネルギー車市場の拡大とリチウムイオン電池メーカーの成長」(2018.6) みずほ銀行
週刊エコノミスト「中国が EV電池工場になる日」 (2018.5) 毎日新聞出版社
日経産業新聞 「中国の燃費・NEV規制」(2018.5.21)

このコラムについて
トレンド・ボックス
急速に変化を遂げる経済や社会、そして世界。目に見えるところ、また見えないところでどんな変化が起きているのでしょうか。そうした変化を敏感につかみ、日経ビジネス編集部のメンバーや専門家がスピーディーに情報を発信していきます。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/342.html#c6

[経世済民128] 高齢者を狙い撃ちした負担増がさらなる不況を招く可能性(マネーポスト) 赤かぶ
5. 2018年9月04日 11:29:56 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1418]
この夏の消費に「酷暑」はどう影響したか?
上野泰也のエコノミック・ソナー
脱力感・外出手控えというマイナス効果も
2018年9月4日(火)
上野 泰也

各地で残暑が続く(写真=つのだよしお/アフロ)
 気象庁のホームページにアクセスして日本の観測史上の最高気温に関する「歴代全国ランキング」を見ると、上位には今年の夏に記録した数字が目立つ。第1位が埼玉県熊谷の41.1度(7月23日)。横並びで第2位になっている3つの41.0度のうち1つは、2013年8月の記録だが、残り2つは今年のもので、岐阜県美濃と岐阜県金山(ともに8月8日)。第6位には東京都青梅(7月23日)と新潟県中条(8月23日)の40.8度が入っている。
 筆者が住んでいる東京でも今年の夏は最高気温が35度を超える日がけっこうあったので、その日の天気予報で最高気温が32度止まりだったりすると「今日は楽だな」と思うようになってしまった。基準となるレベルがシフトすると、人間の心理、事象の受け止め方は変わってくる。サーベイ(アンケート調査)系の経済指標を長い時系列で見る際に、注意しなければならないことにも通じる。
 ここでは3つの手がかり、すなわち、@景気ウォッチャー調査、A販売・外食関連業界統計の7月分、B情報会社QUICKが上場企業を対象に8月に実施した調査であるQUICK短観の結果をもとに、今年の「猛暑」「酷暑」が日本経済に及ぼした影響を考えてみたい。
@7月の景気ウォッチャー調査
 内閣府が8月8日に発表した7月の景気ウォッチャー調査(調査客体2050人)で、現状判断DIは46.6(前月比▲1.5ポイント)。先行き判断DIは49.0(同▲1.0ポイント)。ともに節目の50を下回った。現状については「平成30年7月豪雨によるマインド面の下押し」、先行きについては「人手不足、コストの上昇、平成30年7月豪雨の影響等に対する懸念」が、悪材料として公表資料の要約部分(サマリー)に明記された。
「猛暑効果」の負の側面
 だが、以前は考えられなかった高い気温が7月から8月に観測された中、「猛暑効果」の負の側面も、景気ウォッチャーが寄せたコメントの中から浮かび上がった。ホームページで公表されている7月調査についての「景気判断理由集(現状)」に筆者がキーワード検索をかけたところ、「猛暑」を含むものが179、「酷暑」が41、「異常な暑さ」が11、合計231という結果だった。「 〃 (先行き)」は114+22+3で、計139である。
猛暑が個人の行動にネガティブな影響を及ぼしているという類の報告で、筆者の印象に強く残ったのは、以下の2つである。あまりの暑さによる脱力感がにじみ出ている。
・「酷暑のため、何に対しても動きが鈍くなっているように感じられる」
・「前半は雨、後半は猛暑で客足は伸びず、客に買物をする元気がない」
■図1:毎年7月の平均気温の平年差 関東甲信地方・東海地方

(出所)気象庁
また、高齢者を中心に外出を控えるようになった点を指摘する声が、多数あった。
・「連日、異常な猛暑で、屋外の活動を控えるようにといった報道もあり、外出を控える様子がみられる」
・「猛暑続きや台風で年配者が外出せず、売り上げに響いている。(後略)」
・「3カ月前と比べて、来客数の落ち込みが極端にひどい。今月は猛暑で、日中があまりにも暑く、高齢の客に来店してもらえないような状況である。(後略)」
・「最近の猛暑で客が激減している。延べ数で1000人だった来場数が800人くらいまで落ち込んでいる。単に高齢者層が家から出なくなった可能性もある」
・「異常な暑さで日中の外出を控えている人が多く、売り上げに響いている」
・「猛暑のため買物時間が日中から夜間に移行し、全体的に来客数は減少している」
 猛暑が個人消費に及ぼすポジティブな面としては、ミネラルウォーターを含むドリンク類、アイスクリーム、冷やし中華、エアコン、日焼け止め、制汗剤、熱中症対策商品などの売れ行き好調が報告された。だが、夏のレジャー関連では以下の報告もあった。
・「猛暑のため、好天にもかかわらず海水浴客が少ない。また、平成30年7月豪雨による自粛ムードがある」
・「本来であれば、夏は暑く、冬は寒い方が旅行の販売は伸びるが、余りの猛暑ぶりに客が外出を控える傾向がある。特に、熟年層が主流の販売店では、来店者数が落ち込み、受注が減少している」
 こうしたコメントを読んでいて心の中に浮かび上がってくるのは、日本の有名なことわざ「過ぎたるは及ばざるがごとし」。夏場の暑さと個人消費を中心とする経済活動の関係については、「普通に暑い夏」の範ちゅうに入るような適度な暑さがベストということだろう。
 もっとも、その「普通に暑い夏」が、地球温暖化と異常気象の頻発により、もはや過去のものになりつつあるように見えるわけだが・・・。
物販はおおむね好調
A7月の販売・外食関連の業界統計
 小売業界にはデパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストアといった業態ごとに業界団体があり、たいていの場合、販売統計を月次で公表している。また、外食の業界団体にも月次の売り上げ統計がある。これらの統計の7月分の過半数は、客足が落ちても猛暑関連の売り上げ増があるなどして、前年同月比プラスを確保した。具体的には、以下の通りである。
◆8月20日に日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が発表した7月のJFAコンビニエンスストア統計調査月報で、店舗売上高(既存店ベース、以下同じ)は前年同月比+0.1%になった(2カ月連続増)。ドラッグストアやスーパーマーケットとの激しい競争に、西日本豪雨の影響が加わって、来店客数は同▲1.8%(29カ月連続減)。だが、平均客単価は同+1.9%(40カ月連続増)で、売上高は微増を確保した。気温が高かったため、飲料、アイスクリーム、冷し麺など夏物商材の売れ行きが好調だった。
◆8月21日に日本チェーンストア協会が発表した7月のチェーンストア販売統計で、総販売額(店舗調整後、以下同じ)は前年同月比+1.5%になった(2カ月連続増)。部門別に見ると、食料品が同+2.5%。農産品の相場高が影響したほか、飲料、アイスクリーム、乾麺類など涼味関連商品、塩分系キャンディーなどが好調だった。なお、同日に日本スーパーマーケット協会が発表した7月の販売統計でも、傾向は同じである。
◆8月21日に日本百貨店協会が発表した7月の全国百貨店売上高概況で、売上高総額(店舗数調整後、以下同じ)は前年同月比▲6.1%になった(2カ月ぶり減)。119店舗のうち、入店客数が減少した店舗が73にのぼった。担当者は「猛烈な暑さで、主な客層である年配のお客さまが外出を控えた影響が出た」と分析している(共同)。日傘、帽子、サングラス、扇子などの盛夏商材やUV関連商品は動いたが、衣料品のクリアランスセール前倒しの影響などもあり、売上高は前年同月実績に届かなかった。
◆8月22日に日本ショッピングセンター協会が発表した7月のショッピングセンター(SC)販売統計調査報告で、既存SC売上高は前年同月比▲1.9%になった(2カ月ぶり減)。「西日本を中心とした豪雨、台風や記録的猛暑などの天候不順で客足が鈍ったことが大きく影響した」と、公表資料に書かれている。
◆8月27日に日本フードサービス協会が発表した7月の外食産業市場動向調査(全店データ)で、売上高は前年同月比+0.5%になった(23カ月連続増)。土曜日が前年同月より1日少なかったことや全国的猛暑、台風など異例続きの天候で客足は同▲1.1%になった。だが、価格改定や各社のキャンペーン、季節メニューの効果などで客単価の上昇が続いており、プラスの売上高を確保。業態別では、ファーストフード業態のうち「アイスクリーム」が猛暑で好調に推移し、前年同月比+2.0%。一方、喫茶業態では猛暑で冷たいドリンクなどが好調だったが、異例の天候が続いて客足を遠ざけ、同▲2.0%になった。
 自宅近くにあるケースが多いとみられるコンビニエンスストアに比べ、遠くにあるケースが多いとみられる百貨店やショッピングセンターは、記録的な猛暑の中では集客面で不利だったと言える。喫茶店でさえも、足を向けるのが億劫になった人が少なからずいたようである。
 なお、上記のような販売・外食関連統計のほかにも、猛暑に関連するデータが含まれている業界統計がいくつかあることも、念のため書いておきたい。
 たとえば、7月22日に日本電機工業会(JEMA)が発表した7月の白物家電出荷額。国内出荷額は前年同月比+7.2%(3カ月連続増)で、うちルームエアコンは同+12.2%(6カ月連続増)になった。猛暑を背景に7月のルームエアコン国内出荷台数は176.3万台に達し、7月としては1972年の統計開始以降で、最高の数字になった。
BQUICK短観
40度を超えると通常の猛暑よりマイナス
 企業の側は、自社の業績への影響を含めて、今年の猛暑をどのように受け止めているのだろうか。こうした疑問に答えてくれたのが、情報サービス会社QUICKが上場企業を対象に毎月実施しているQUICK短観である。
 8月15日に発表されたQUICK短観(調査期間:8月1〜12日)では、313社が猛暑に関する特別質問に回答した。「記録的な猛暑が続いています。この暑さに関する貴社の状況はどれが最も近いでしょうか?」という設問に対する回答分布は以下の通りである。
• A.「猛暑特需(猛暑によるプラス効果)が生じている」(20社・6%)
• B.「猛暑が業績に悪影響を与えている」(28社・9%)
• C.「猛暑をビジネスチャンスと捉えて対応を講じている・考えている」(24社・8%)
• D.「足元では影響はほとんどなく、今後も特に対応は考えていない」(241社・77%)
 ここでAとBだけを比べると、猛暑による経済効果はマイナス面の方が大きいという話になってしまう。だが、Cと回答した企業の行動は、経済にポジティブな影響を与え得るだろう。したがって、ここではA+C(合計14%)が猛暑でプラス効果を享受しているか、前向きに猛暑に対応しており、ネガティブに影響していると回答したBを上回った、という整理をすることにしたい。
 以上@〜Bを総合して考えると、四捨五入すれば40度になるほどの異常に高い気温の下では、夏物需要が経済にプラスの影響を及ぼす一方、脱力感や気力減退に由来する客足の減少などで通常の猛暑に比べるとマイナス面が大きくなるものの、日本経済全体への影響は差し引きではやはりプラスだと結論付けておくのが、順当なところだろう。


このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。

 

2018年9月4日 / 09:47 / 31分前更新
8月末マネタリーベースは501.9兆円、3カ月ぶり減=日銀
1 分で読む

[東京 4日 ロイター] - 日銀が4日発表した市中の現金と金融機関の手元資金を示す日銀当座預金残高の合計であるマネタリーベース(資金供給量)の8月末の残高は501兆9637億円となり、3カ月ぶりに減少した。

8月中の平均残高は前年比6.9%増の498兆3868億円。マネタリーベースの構成要因ごとの月中平均残高は、金融機関の手元資金を示す当座預金が同7.8%増の388兆9556億円、紙幣は同3.8%増の104兆6482億円、貨幣は同0.9%増の4兆7830億円だった。

 

 


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/356.html#c5

[国際23] 「#120db」 欧州における、移民難民による西洋/白人女に対する、頻発する「性犯罪」を告発するツイッター 晴れ間
22. 2018年9月04日 11:31:11 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1419]
世の中はあなたの脳が思うほど悪くない
太古の昔から人間が持つ「認知の偏り」、アルゴリズムによって増幅

太古の昔には有益だったバイアスが有害なものになってしまったことが最大の理由 ILLUSTRATION:PETER OUMANSKI
By
Christopher Mims
2018 年 9 月 3 日 09:05 JST
――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト
***
 なぜ犯罪やテロ、誘拐などの暴力行為が実際よりはるかに多く起きているように感じるのか、不思議に思ったことはないだろうか。米国はなぜ互いを信頼しない社会になりつつあるのだろう。米国人はなぜみなおびえているのか。
 社会科学や心理学、コンピューターサイエンスの専門家によると、太古の昔に生きた私たちの祖先にとっては有益だったバイアス(認知の偏り)――甘いものが食べたくなることもその一つだ――が、時代が変わって有害なものになったことが最大の理由だという。世界が瞬時につながるようになったおかげで、かつては目の前にある危険からわが身を守っていたであろう本能は私たちをそろって、つまらないことで大騒ぎする悲観論者に変えてしまった。
 この呪いは、認知バイアスや社会バイアスの仕組み、それにこれらのバイアスを助長するソーシャルネットワークのアルゴリズムを理解することで解けるかもしれない。
利用可能性バイアス
 利用可能性バイアスとは心理学者のエイモス・トベルスキー、ダニエル・カーネマン両氏――カーネマン氏は「Thinking, Fast and Slow」(邦題「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」)の著者――が1973年に最初にとなえた概念で、一番最近耳にしたことが実際よりも頻繁に起きていると考える傾向を指す。これは、ぽたぽたと落ちてくる滴ほどの情報に基づいて人生の選択をせざるを得なかった時代には役に立ったかもしれない。しかし今では消火ホースでまかれた水のごとく大量の情報が手に入るようになり、悪いことが起きる可能性を冷静に判断できないようだ。

 ビーチで溺れて死ぬ確率のほうが高いのに、なぜ人はサメに襲われることを恐れるのか。人はテロを恐れるが、飛行機の墜落で死ぬ確率のほうがはるかに高く、通りを歩いていて死ぬ確率のほうがさらに数倍高い。これらは利用可能性バイアスで説明できる。
利用可能性ヒューリスティックとも呼ばれるこの認知の偏りは、実際は今の米国は子どもにとってかつてないほど安全な場所であるにもかかわらず、親が自分の目の届かないところで子どもを遊ばせたがらない理由の一つでもある。
 少なくとも1800年代後半に扇情的な報道、いわゆるイエロージャーナリズムが登場して以降、マスメディアは利用可能性バイアスに乗じている。しかし子どもの自立心を尊重するよう訴える非営利団体「レット・グロウ」の代表、レノア・スケナジー氏は、インターネットが子どもの誘拐もサメにかみつかれることもテロ攻撃も、まるで自分の家の裏庭で起きているような印象を与えていると指摘する。
極端バイアス
 アイデアがどのようして広がるかを研究するペンシルベニア大学ウォートンスクール教授のジョナ・バーガー氏によると、人間には集団の中にいるときに表れる社会バイアスもある。「極端バイアス」とは聞き手を満足させておくために、話を大げさにする傾向のことだ。その結果、昔からの言い伝えにあるほら話のごとく、肯定的な話はものすごく素晴らしい話になり、否定的な話は恐ろしい話に変化する。
 インターネット上ではこの傾向は過剰に働く。バーガー教授は「聞き手がどんどん増えると、私たちはバイアスによって聞き手を引きつけるためますます話を極端にするようになっている」と話す。単に「わくわくする」とは言わず、「非常にわくわくする」と言うように、大げさな言い回しが増えていることに注目してほしい。肯定的な反応と否定的な反応を同時に引き起こすコンテンツは広がるスピードがさらに速い。スケナジー氏によると、例えば親のところから見知らぬ人間によって連れ去られた子ども――極めてまれな現象だ――に関するコンテンツをシェアすれば、怒りの感情と独りよがりの感情が同時に起きるという。私たちは怒りを感じつつ、警鐘を鳴らすことで子どもを守る手助けをしていると感じる。スケナジー氏は「怒りと道徳という二重の呪いだ」 と指摘する。
確証バイアス
 私たちには、既存の認識を強める情報を求め、そうではない情報を割り引いて受け止める生まれつきの傾向がある。これが確証バイアスで、皮肉なことに、このバイアスは私たちが他人に操作されないようにする方法として発達した可能性がある。
 確証バイアスは最近、目立つ形で姿を現したばかりだ。ドナルド・トランプ大統領が先週、グーグルが大統領に関して批判的なニュースを上位に表示しているという保守派な人々の間で言われていた話に飛びつき、これに対処すると脅したためだ。グーグルは自社の検索結果は政治的に偏っていないと主張している。
 ソーシャルメディアのアルゴリズムは言ってみれば、私たちをまとめてバケツの中に入れて、過去に示した関心とほぼ一致する情報を与えているようなものだ。何百万という人間に対してこのようなことを行うということは、人々を分断させたり対立させたりして、現実に対する認識を共有できない状態に追いやっているということに他ならない。
 その結果、不正確な情報――例えば、誘拐が増えているとか、ワクチンが自閉症を引き起こすとか――がこうしたエコーチェンバー(共鳴室)の一つに入り込むと、その広がりに歯止めをかけるものはないといっていい。
バイアスを拡大するアルゴリズム
 人をできるだけ引き付けておこうとするアルゴリズムは人間のバイアスを利用したり、そうする意図はないままバイアスをあおったりする。どちらにしても、アルゴリズムの働きはメンタルヘルスに関わる問題からかつてないほど深まった政治の対立まで、現実の害悪を次々に招いている。
 作った側の意図はどうであれ、その結果として生じたのが、真実ではないことを私たちに信じこませるように高度に最適化されたシステムである。フェイスブックやアルファベット(グーグルとユーチューブを傘下に持つ)を含めたハイテク数社が構築したのは、歴史上最大かつ最も広い範囲に影響を及ぼし、最も多くの利益をもたらす妄想マシーンだった。
 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は 今年1年をかけて同社のさまざまな問題を解決すると述べ、ユーザーが同社のサービス上で有意義な時間を過ごせるようにすると誓った。同社はさらに、自社のプラットフォームを、ロシアが2016年の米大統領選の混乱を狙って行ったような不正操作の影響を受けにくいものにするべく積極的に取り組んでいると述べている。こうした対策に効果があるかどうかにかかわらず、ユーザーがフェイスブックに費やす時間は減っている。
 ユーチューブはコンテンツモデレーション(コンテンツの適正化)を強化し、最新ニュースに関係するトピックの検索時にはより権威のあるニュースソースを上位に表示させていることを明らかにしている。最近も、偽情報を発信していることが判明したアカウントを削除した。この対応がユーザー体験にどの影響しているかは分からない。
このコラムは共有すべからず
 疑り深い人はこのコラム自体も認知バイアスの産物だと言うかもしれない。
 ハーバード大学心理学教授のスティーブン・ピンカー氏はこう指摘した。「私は時系列データによる裏付けのないまま『かつてなかったような事態が起きている』と訴える所見に対しては常に懐疑的だ。そうした所見自体が利用可能性ヒューリスティックの産物である可能性があり、不正確なものかもしれないからだ」
 幸いなことにブリティッシュコロンビア大学の脳神経倫理学者、ピーター・ライナー氏はこうした認知バイアスについて学ぶことが役に立つ可能性があると話す。「免疫をつけるには、認知バイアスが存在することを知るのが一番いい」
 だからこそこのコラムはソーシャルメディアで共有しないでほしい。ソーシャルメディアで共有すれば、バイアスを強化するいずれかのエコーチェンバーに組み込まれるだけだ。その代わり、友達や家族、いやいっそのこと全くの他人とこのコラムについて話してほしい。そもそも知らない人に殺される確率は、けた外れに小さいのだから。
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/509.html#c22

[自然災害22] 2018年夏の酷暑と台風の多発、九州北部から中国地方での洪水被害は、近い将来の大地震の連続、それも関東から関西での大地震 taked4700
5. 2018年9月04日 11:41:29 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1420]

>酷暑と台風の多発、九州北部から中国地方での洪水被害は、近い将来の大地震の連続、それも関東から関西での大地震


地震よりも、酷暑や台風の方が遥かに深刻なのに、地震ばかり騒ぐ人がいるのは

原発事故の実態が風評被害であり、現実の人的損耗は地震と津波の被害が、大部分であったのと似ている

地震に関しては、被害の規模もリスクも小さい上に

既にかなりの対策があり、しかも多くの場合自己責任で対処可能


一方で、温暖化に関しては、全く対処ができておらず

その被害規模も、桁違いに大きく、グローバルであり、非常に深刻

どちらにリソースを割くべきか、コストパフォーマンスが高く重要かは明らかだが


民間で、税金を使わずに研究を進める分には、全く害はないので

退職老人などが趣味で行うのが適しているだろう


なにごとも優先順位と効率性の判断が重要


http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/593.html#c5

[自然災害22] 東京23区、首都直下地震時に「危ない区」リスト…死者発生率・建物全壊・停電・断水(Business Journal) 赤かぶ
2. 2018年9月04日 11:46:04 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1421]

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/509.html?c22#c22
世の中はあなたの脳が思うほど悪くない
太古の昔から人間が持つ「認知の偏り」、アルゴリズムによって増幅

太古の昔には有益だったバイアスが有害なものになってしまったことが最大の理由 ILLUSTRATION:PETER OUMANSKI
By
Christopher Mims
2018 年 9 月 3 日 09:05 JST
――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト
***
 なぜ犯罪やテロ、誘拐などの暴力行為が実際よりはるかに多く起きているように感じるのか、不思議に思ったことはないだろうか。米国はなぜ互いを信頼しない社会になりつつあるのだろう。米国人はなぜみなおびえているのか。
 社会科学や心理学、コンピューターサイエンスの専門家によると、太古の昔に生きた私たちの祖先にとっては有益だったバイアス(認知の偏り)――甘いものが食べたくなることもその一つだ――が、時代が変わって有害なものになったことが最大の理由だという。世界が瞬時につながるようになったおかげで、かつては目の前にある危険からわが身を守っていたであろう本能は私たちをそろって、つまらないことで大騒ぎする悲観論者に変えてしまった。
 この呪いは、認知バイアスや社会バイアスの仕組み、それにこれらのバイアスを助長するソーシャルネットワークのアルゴリズムを理解することで解けるかもしれない。
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/594.html#c2

[自然災害22] 東京23区、首都直下地震時に「危ない区」リスト…死者発生率・建物全壊・停電・断水(Business Journal) 赤かぶ
3. 2018年9月04日 11:51:10 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1422]

>東京23区に安全な場所はない

と言うより、世界のどこにも安全な場所などはないが

智慧と金と努力により、安全度は改善できるというのが正しい


http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/594.html#c3

[政治・選挙・NHK250] 立憲民主党よ、共産党よ、少しは自民党を見習え!   赤かぶ
32. 2018年9月04日 13:41:32 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1423]

ダイヤモンド・オンライン このページを印刷する
2018年9月4日 室伏謙一 :室伏政策研究室代表・政策コンサルタント
ジリ貧の国民民主党代表選、結果はどうあれ分裂は必至か
国民民主党の代表選の候補者二人
ほとんど注目されていない国民民主党の代表選 Photo:Rodrigo Reyes Marin/AFLO
ほとんど注目されていないが、9月4日は国民民主党の代表選の投開票日である。何かと“中途半端さ”が目立つ、この政党は、代表選の結果がどうなっても、その先にあるのは、党勢の回復・拡大でもなく、党の分裂である可能性が極めて高い。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

ほとんど注目されていない
国民民主の代表選
 支持率が低迷したまま一向に改善の兆しが見られない国民民主党、旧希望と旧民進両党の代表を共同代表として置いていたところ、9月末日の任期満了を前に、8月22日、一人の代表を選ぶ代表選が告示された。投開票日は9月4日。

 9月といえば自民党の代表選に、翁長前知事の逝去を受けた沖縄県知事選と、重要選挙が目白押しである。

 このような状況下、国民民主の代表選は、ほとんど注目されていない。それもそのはず、結党されて間もない国民民主党、拙稿『国民民主党は中途半端、蓋を開ければ「第2自民党」のお粗末』でも書いたが、野党なのか与党なのか「極めて中途半端」といえる状況だからだ。提案型だの対決より解決だのと聞こえはいいが、要は「党内がまとまっていない、決められない」ということなのだろう。

 ちなみに、自民党総裁選は9月7日告示、20日投開票である。

 この日程にぶつけて、自民党の総裁候補と事実上の「党首討論」を仕掛けるといったことも考えられただろうし、世間の注目の多くは自民党総裁選の方に向くかもしれないが、どうせ注目されず埋もれるのであれば、それぐらいやった方が党内の求心力なり結束力は多少は高まったかもしれない(自己満足ではあっても)。

 そうしたことすらできないところにも、国民民主党の“中途半端さ”がにじみ出ているように思われる(実際、なぜこの日程でやるのかとの疑問の声は上がっていたようだ)。

立候補しているのは
玉木議員と津村議員
 さて、今回の代表選、立候補しているのは、現共同代表の玉木雄一郎衆院議員と津村啓介衆院議員。

 当選期数で言えば玉木議員が4期目であるのに対して津村議員は6期目と若干先輩であるが、共に40代で政治家としては若手であり、両者ともその若さをウリにしているようだ。

 玉木議員はこの代表選を、必ず政権を取ることを目指し、安倍政権にチャレンジするチャレンジャーを選ぶ選挙として位置づけているようだ。

 地方を回っていると、「安倍政権をなんとかしてくれ」、「野党はまとまってくれ、しっかりしてくれ」といった声をよく聞くとのことで、自らが国民民主党代表に就任することでこれに答えを出すとしている。そしてそのための「武器」はアベノミクスに対抗できる政策だとして、それを代表選の公約のようなものとして掲げている。

 詳細については国民民主党サイトの特設ページ等でご確認いただきたいが、街頭演説等では、大企業や外国を豊かにするのではなく暮らしを豊かにする政策、未来へ投資する政策を訴えており、その目玉となっているのが「コドモノミクス」のようだ。

 安倍政権下で日本国民の税金が「お友だち」と海外に流れてしまっているところ、そうした無駄遣いではなく、出生率を2以上に回復させたフランスの家族手当も一つのモデルに、出産、子育て等に積極的支援を行い、第三子以上には1000万円給付するといったもの。そして、これができるのが国民民主党であるとしている。

 その他、右でも左でもなく改革だ、であるとか、地域に元気になってもらいたいので、頑張る地域を、地域の一次産業を全力で応援する、地域の安心を作る、地域に根ざし地域を第一に考える、地域の未来を作ることができるのは国民民主党といった主張も見られた。

 また、特異なものとしては、「政党として仮想通貨(トークン)を発行し、若い新たな支持層を開拓」というものもある。

 もっとも、拙稿『仮想通貨は「通貨」と本当に呼んでいい存在なのか』において述べたとおり、仮想通貨は通貨たりえない単なる投機の対象でしかなく、京都大学大学院助教の川端祐一郎氏によれば、ビルゲイツ氏は「ビットコインは資産として何も生み出していない。このバブルはまさに大馬鹿理論(greater fool theory)現象にほかならない」と断じているとのことであり(さらに詳しくは川端氏による「カリフォルニアン・イデオロギー」、『表現者クライテリオン 2018年7月号』を参照されたい)、そんなものを自らの政策の中に入れたのは、単なる技術狂ということか。

 新しい、話題になっているものを、そのものの良し悪しは別にしてとりあえず入れたか、その程度であろう。

玉木議員の主張から読み取れるのは
その主張や存在の「軽さ」
 こうした玉木議員の主張から読み取れるのは、その主張や存在の「軽さ」であろう。無論、「コドモノミクス」については、財源は使途を限定した「子ども国債」による等、現実的かつ質のいいものもあるので、頭ごなしに全否定するつもりはないが。

 加えていえば、自らの存在感を示すために代表選を利用しているだけで、党のことは二の次とまで見えてしまう。

 そうした玉木議員の軽さに業を煮やしての出馬なのだろうか、対する津村議員は出馬表明会見では怒りがにじみ出ていた。

 冒頭、津村議員は厳しい表情で支持率低迷を総括、その原因を現執行部の(1)野党共闘への視点が二転三転したこと、及び(2)独自の政策の発信が著しく滞ったこととした。

 まず、(1)については、現執行部が安易に「対決より解決」を放棄して「対決も解決も」というわかりにくい路線に転換したことを指摘、何度転換しても信頼回復できないとし、転換するのであれば玉木代表は責任を明確化すべきと批判した。

 加えて、玉木現共同代表には野党共闘への本気度が感じられないとし、その本気度が玉木議員との最大の違いであると自らの野党共闘への本気度の強さを示した。

 さらに、選挙協力、国会対策の歩調の一致のいずれも欠けている、野党合同選対を設置して候補者の事前調整をすべきだが、玉木現共同代表は事後の候補者調整に言及しており、これは野党共闘に水を差すことになる、無所属の会との統一会派は失敗、結党に当たって大量離党させてしまったのは誰かが責任を負うべき痛恨事である等、玉木現共同代表への批判を続けた。まるで抑えていた不満を一気にぶちまけたかのうようである。

 そして、一足飛びに統一会派を目指しても無理であり、本気でやる覚悟があるのなら、現実的にできることを責任を持って提案してほしい、玉木現共同代表に替わって、ゼロから無所属の会との連携協議をスタートさせたい、無所属の会との合同国対の設置を提案したいとし、玉木議員への対抗意識を明確に示している。

 次に、(2)については、政策の発信力が決定的に欠けており、大きな国家ビジョン、ポスト安倍の具体的な政策を語ることが必要であるとした。国民民主党結党後から始まった「ABC調査会」(「ABC」とは、人工知能〈AI〉、生活を支えるベーシックインカム〈BI〉、コミュニティの自立〈CI〉の略)は先進的で魅力的であるが、議論はふんわりしたままで明後日の話をしているとして、新しい経済政策、新しいライフスタイルを実現できる政策を提示すべきと主張、政策の面でも玉木現共同代表を、こちらはどちらかといえばやんわりとであはるが、批判している。

津村議員の主張は
「現状打破、選手交替」
 その津村議員が主張する政策の中身であるが、「現状打破、選手交替」を掲げ、3つの現状打破につながる政策を打ち出している。

 一つ目が「弊害が深刻となっているアベノミクスの大転換」で、アベノミクスは目の前の株価、GDPを上げることばかりに熱中しているが、大金持ちと大企業のためにしかなっておらず、一般国民等には犠牲を強いているとし、野党が政権を獲得したら、直ちに政府と日銀のアコード(実際には共同声明で、正式名称は「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について」〈平成25年1月22日 内閣府、財務省、日本銀行〉)を廃止、2%の物価安定目標を止め、日銀の独立性を回復させるとする。

 二つ目が、「政治的タブーの打破」で、少子化、高齢化、人口減少を踏まえ、新しいライフスタイルや新しい社会の価値観を実現すべきだとして、個人の多様な生き方を支援するため、(1)尊厳死・安楽死の合法化、(2)夫婦別姓、(3)不妊治療の保険適用の拡大および(4)同性婚の法整備を、未来先取り政党を標榜する政党として率先して取り上げるべきであるとしている。

 そして三つ目が、「野党の状況の打破」であり、こちらは直接的に政策の話ではないが、安倍一強を倒すためには選挙で勝たなければならず、まずは統一地方選で勝利してそれを夏の参院選での野党過半数に繋げたいとし、地位協定の見直しを野党共闘の柱の一つにすることや、国民民主党の地方ブロック等への選挙費用上積みによる基盤強化等を進めたいとしている。

 津村議員は背水の陣であることを示したいのか、来年の参院選で野党が過半数を取れなければ代表を辞任するとまで繰り返し述べている。

 もっとも、国民民主がとれなくても、立民が躍進すると見られているから、それで国民民主が議席を減らしても結果的に野党が合計で過半数に届けば、辞任する必要がなくなることまで読んでいるようにも聞こえるが。それでは背水の陣ではなく単に逃げ道を確保しているだけだが……。

今回の代表選で
両候補が全国各地を一緒に巡る理由
 今回の代表選では、全国各地を両候補が一緒に巡って街頭演説会等を行って支持を訴えるという方式が採られている。

 党所属国会議員はもちろんのこと地方議員や党員には事前に周知されているだろうから、街頭演説会でもやればある程度は関係者が集まるのだろう。もっとも、あくまでも国民民主党の代表選なのであるから、内輪でやればいいのではいかと思うし、一応は選挙なのであるから各候補がそれぞれ動けばいいと思うのだが、ずっと一緒に動くというのには違和感がある。

 要は代表選に名を借りた国民民主党の宣伝活動、認知を高めるというより認知してもらうための活動といったところで、そうでもしないとどんどん一般国民・有権者に忘れ去られてしまうといったところなのだろう。

 つまりは今回の代表選、新たに代表を選ぶことよりも、低迷する支持率を少しでも上げることに重きが置かれていると考えた方がいいのかもしれない。少なくとも現執行部はそう考えているのだろう。

 しかし、津村議員の出馬表明会見での発言を聞く限りにおいては、党内がそうした考えで一致しているわけではないようだが、街頭演説や討論会では、津村議員は政策を中心に語るのみで、出馬表明会見で行ったような現執行部、特に玉木現共同代表批判は、控えていたのか控えるように言い渡されていたのか、行われていない。

 津村議員による批判は政策的なものではなく、執行部の与党、現政権への姿勢や野党連携の姿勢に関するものであり、候補者同士の討論が政策論争に限定されてしまうと、その主張は半減してしまうと言っていいだろう。

 代表選は代表選として粛々と進めつつも、それ以上に党勢の回復や拡大を目指したいのかもしれないが、政策的な問題もさることながら、津村議員が指摘したような、二転三転しどっちつかずの姿勢が党への信頼を失墜させ、極端なまでに支持率を低迷させているのだ。批判を封印させるようでは、自分たちの置かれた状況について理解できていないのと同じであり、党勢の回復や拡大など望むべくもないだろう。

 一度噴出した怒りや不満は、一時的に封じたとしてもなくなるわけではない。結局は燻ったままで、さらに大きくなって爆発することになるだけだ。

 しかも怒りや不満を持っているのは津村議員だけではあるまい。彼の推薦人になった議員たち、さらには津村議員の出身派閥である自誓会関係議員も同様であろう。

いずれにせよ
分裂は必至と考えた方が良さそう
 事実、代表選を前に離党した(実際には党は離党届を受理せず除名処分にしたが)柚木道義議員は、離党の理由として、「党が掲げる『対決より解決』路線によって『野党の分断がますます加速した』」ことを挙げている。

 この主張は津村議員の主張と同趣旨である(そもそも旧希望の党と旧民進党の合流の際にも少なからぬ離党者を出している)。

 今回の国民民主党代表選、推薦人の数からしても、玉木議員が代表に選出される可能性が高いが、その先にあるのは、党勢の回復・拡大でもなく、党の分裂であろう。

 むろん、真っ二つというより、「無所属組」、「立憲民主へ合流」、「残存勢力」の3分裂といったところだろうが、いずれにせよ分裂は必至と考えた方が良さそうだ。

DIAMOND,Inc. All Rights Reserved.

http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/152.html#c32

[国際23] トランプはブッシュJr.の失敗を繰り返し、米国の没落を加速する(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年9月04日 16:00:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1424]

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

米国の中東離れがもたらすもの岡崎研究所

2018/09/04

 ワシントン・ポスト紙コラムニストのイグネイシャスが、8月14日付け同紙に「中東への米国の不関与の意図せざる結果」と題する論説を書いて、米国の存在が弱まった中東情勢は今よりも悪くなる恐れがあり、すでにその兆候が出ている、と警告している。論説の主要点は、次の通り。


(bonezboyz /pialhovik/Meilun/iStock)
・UAEのオタイバ駐米大使はアスペン安全保障フォーラムで「目を開け。新しい中東はもうすでにある」、「米国の高官が『米国には中東でより大きな役割を果たすことを支持するグループがいない』と言ったのを聞き、我々は自分自身を頼りに物事を進める必要があると考えた」と述べた。「自分自身を頼りに物事を行う」とは、中東諸国にとり、まずロシアと中国とのより緊密な関係を意味する。
・私(イグネイシャス)は、米国の価値を共有する近代的な中東を望み、我々の影響力の喪失を残念に思っている。それ以上に、米国のヘゲモニーの傘がなくなると、きちんとした人々や考え方が害を受ける。最近の中東で米を無視して行われた悪い決定が二つある。
・一つ目は、サウジだ。サウジは、人権状況を批判したとして、カナダ大使を追放したサウジの皇太子はサウジの女性に車の運転を認めつつ、同時にサウジの女性活動家を弾圧した。偽善的で抑圧的に見える。ポスト米国の中東で彼が正しいことをすることは難しくなっている。特に、権威主義的指導のモデルはプーチンや習近平であるから、なおさらである。
・トランプさえ、サウジの皇太子との関係で苦労している。サウジはイランへの圧力として6月、石油増産を約束したが、7月にはその40%を逆に戻した。プーチンと石油価格を上げる取引をし、それがトランプとの約束より重視された。
・二つ目は、エルドアンのトルコである。彼は米国人牧師の釈放を拒否している。エルドアンは、妥協するよりもNATOをやめる準備があるように見える。米国との関係が悪くなれば、中露と取引できると思っている。

出典:David Ignatius,‘The unintended consequences of U.S. disengagement in the Middle East’(Washington Post, August 14, 2018)
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-unintended-consequences-of-us-disengagement-in-the-middle-east/2018/08/14/702affd2-9ffe-11e8-93e3-24d1703d2a7a_story.html

 この論説は、米国の関与が中東で弱まっていることを遺憾であるとして書かれたものである。しかし、流れとしては、米国は中東の諸問題から手を引いていくことになる公算が大きく、オタイバ大使の見通しは大体あっていると思われる。

 米国のグローバルな役割への疲労感や被害妄想感情は米国社会にしみこんでおり、トランプ大統領は、そういう感情の上に誕生したものと思われる。ただ、トランプは嘘を平気でつくなど、米国社会での異端児でもある。こんな人は、米国にもあまりいるわけではない。

 トランプ時代を分析するに際して、トランプ個人の特異性の問題とトランプ大統領出現に至った米国社会の問題を分けて考える必要がある。アフガン、イラク戦争の経緯もあり、中東への関与縮小は米国社会の問題であるという面が大きいと考えられる。その上、シェールガス、石油が米国で出てきたため、石油利権の問題の重要性は減っているとの事情もある。

 それを考えると、中東情勢はユダヤ、ペルシャ、アラブ、トルコが各々の利益を重視し、勝手に動く時代が来るとみてよいのではないかと思われる。中東の秩序の維持者としての米国の役割が小さくなっていくに従い、いわば中東が群雄割拠の時代になるように感じられる。

 そして、他の地域もそういう様相を強めるだろう。現在の時代を「ポピュリズムの時代」というのは名前の付け方が間違っている。群雄割拠時代といったほうがよい。

 米国が日本に押し付けた憲法の前文には、「われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。」とあるが、アメリカ・ファーストもロシア・ファーストも中国・ファーストも、こういう考えとは外れたものである。トランプの米国は、こういう理念を離れ、秩序の構築者、維持者の役割を放棄しつつあると考えるべきだろう。


サウジアラビア、憎きカタールを核廃棄物で孤島化する計画
Saudis to Make Qatar an Island Using Nuclear Waste

2018年4月11日(水)17時05分
デービッド・ブレナン

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半島国家カタールの首都ドーハの上空をデモ飛行するカタール軍の戦闘機 Fadi Al-Assaad-REUTERS

<2017年6月に隣国カタールを断交し、経済的にも封鎖してきたサウジアラビアだが、今度は物理的にもカタールを孤立させようとしている>

サウジアラビアが、対立する隣国カタールをいっそう孤立させようとしている。半島国家のカタールが陸のサウジアラビアと接する部分に核廃棄物処理場や幅約200メートルもの運河を建設して、カタールを陸の孤島にする計画なのだ。

政府系のアルリヤド紙とオンライン新聞「sabq」の報道によれば、サウジアラビアは全長60キロに及ぶカタールとの国境沿いに軍事基地と核廃棄物処理場と幅約200メートルの運河を建設し、カタールを物理的にも孤立させる計画。

両国の関係は、2017年6月にサウジ主導の中東諸国がカタールと国交断絶して以来、危機に陥っている。

サウジアラビアとその同盟国であるバーレーンやアラブ首長国連邦(UAE)、エジプトなどは、カタールが中東でのテロ活動を支援していると非難しているが、カタール政府はそれを否定している。

どうやらサウジアラビアは、外交や貿易、渡航を断つ通常の断交では満足できなくなったようだ。「サルワ・マリン運河プロジェクト」と呼ばれるこのプロジェクトでは、国境地帯に軍事基地と核廃棄物処理場を建設する。

UAEも廃棄物処理場を建設
核廃棄物は、サウジが建設を計画している原子炉から出るものだ。国境はさらに、広い運河によって仕切られる。UAEも、国境上のカタールにもっとも近い場所に、核廃棄物処理場を建設する予定だ。

sabqの報道によれば、運河はスエズ運河を建設したエジプト企業が建設する。幅200メートル、深さ20メートルほどの運河は、完成にはおよそ1年かかる。建設費用は約7億5000万ドルで、資金はサウジとUAEの民間投資家が出資する。

臨海部に運河が新たに建設されることで、リゾート、プライベートビーチ、クルーズ船の投資機会が生まれる、とsabqは報じている。

アルリヤド紙の報道によれば、サウジ・カタール間の国境検問所からは、税関や入国管理の担当者がすでに撤退し、国境警備隊が警戒にあたっているという。

建設計画はまだ正式な承認を受けておらず、承認までには多くのハードルを越える必要があるが、計画を見るだけでも、サウジとカタールの関係が過去1年で著しく悪化しているのは明らかだ。

UAEのアンワル・ガルガーシュ外務担当国務相はツイッターで、報道を認めたともとれる発言をしている。提案されている「徹底した地理的な隔離」は、「カタールが危機の対応と解決に失敗した証だ」と、言う。

次のページ どちらもアメリカの同盟国

カタールとサウジはともに、ドナルド・トランプ大統領の支持を得ようと争っている。カタールのシェイク・タミム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長は、トランプおよびジェームズ・マティス国防長官と会談を行うために、4月9日にワシントンに赴いた。この訪米に合わせ、米国務省は、先進精密攻撃兵器(APKWS)5000ユニットを3億ドルでカタールへ売却することを承認している。

一方、サウジアラビアの王位継承第1位の ムハンマド・ビン・サルマン皇太子も3月に2週間の日程で訪米した。訪米中は、ホワイトハウスでトランプ大統領と面会したほか、ニューヨークやハリウッドやシリコンバレーでビジネスリーダーたちと会談した。

ムハンマドとトランプはいずれも、中東で拡大しつつあるイランの影響力を削ぐことに強い関心を持っている。サウジとの同盟を疑問視する声もあるが、同盟解消の気配はない。化学兵器を使った疑いのあるシリアのアサド政権に対する軍事作戦でも、サウジアラビアはアメリカに協力を表明している。

(翻訳:ガリレオ)

対立するカタールを島に…国境での運河建設計画、サウジ当局者が進展示唆
2018年9月1日 18:01 発信地:リヤド/サウジアラビア [ サウジアラビア カタール 中東・北アフリカ ]
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対立するカタールを島に…国境での運河建設計画、サウジ当局者が進展示唆
カタールの首都ドーハの市街地(2009年3月9日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / KARIM JAAFAR
【9月1日 AFP】サウジアラビアの当局者は先月31日、断交状態にある隣国カタールとの国境沿いに運河を建設し、半島状の国土を持つカタールを島に変える計画が進展していることを示唆した。

 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の顧問を務めるサウード・カハタニ(Saud al-Qahtani)氏はツイッター(Twitter)に、「サルワ(Salwa)島プロジェクト遂行の詳細についてしびれを切らして待っているところだ。偉大な歴史的プロジェクトはこの地域の地理を変えるだろう」と投稿している。

 サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、バーレーンは昨年6月、カタール政府がイスラム過激主義を支援し、イランとも近い関係にあるとして、同国と外交関係を断絶した。カタール政府はこの主張を否定している。

 その一方、サウジアラビアの政府系ニュースサイト「SABQ」は今年4月、政府がカタールとの国境沿いに全長60キロ、幅200メートルの運河の建設を計画していると報じている。この報道によれば、最大で28億リヤル(約830億円)の建設費が見積もられている運河の一部は、計画されている核廃棄物処理場の用地になるという。

 別のメディアの報道によれば、プロジェクトには運河建設を専門とする会社5社が入札しており、落札企業については今月発表される見通しだという。(c)AFP

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/781.html#c2

[中国12] 中日関係の悪循環、認識の食い違いを露呈(チャイナネット) 無段活用
4. 2018年9月04日 16:05:23 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1425]
児童書で読み解く習近平の頭の中

「嘘」と「洗脳」で突き進んだ文化大革命の真実

児童書で読み解く習近平の頭の中(7)
2018/09/04

樋泉克夫 (愛知県立大学名誉教授)

習近平国家主席を頂点とする現在の共産党政権中枢が幼少期を送った1950年代から60年代前半にかけて出版された児童向け書籍から、当時の共産党政権が育て上げようとしていた“理想の小国民像”を考えてみたい。それというのも“三つ子の魂百までも”の譬えに示されるように、政治の中枢に立った現在の彼らの振る舞いの芽は、彼らの幼い頃に植えられたのではないかと考えるからだ。


写真:アフロ
 1966年に入ると文革派の動きは激しさを増し、これに呼応するかのように若者たちが動き出す。生まれた時から毛沢東思想で教育された彼らの頭の中は、「毛主席万歳、万歳、万々歳」でしかなかったはずだ。洗脳教育の成果というものだろう。

 6月初めには北京の地質学院、鉱業学院、石油学院、北京大学などの付属中学に加え、北京第25中学などのエリート学生が「紅衛兵」組織を相次いで結成し、「偉大な領袖・毛主席を守るために最後の血の一滴まで断固として捧げよう」と叫び、「四旧打破」を掲げ、毛沢東の敵と思われる人物を求めて街頭に飛び出して行った。旧思想・旧文化・旧風俗・旧習慣を中国全土から一掃しようというのだ。

 8月18日、林彪、周恩来らを従え天安門楼上に立った毛沢東が全国から集まった100万余の紅衛兵を初めて接見したことで、天安門広場は興奮の坩堝と化した。毛沢東から「造反有理」「革命無罪」のお墨付きを与えられた紅衛兵運動は、この日を境にして中国全土というより全世界を震撼させることになる。文革の主導権を握った文革派陣営から、毛沢東を「百戦百勝」「絶対無謬」と神聖視した青少年向け印刷物――紙の爆弾――が次々に出版される。その典型が『一心為公的共産主義戦士蔡永祥』(解放軍文芸社 1967年)だろう。

「英雄的行動」と讃えられた下級兵士の死
 1966年10月9日午前、江西省吉安市第二中学の紅衛兵と革命的教師の一団は、天安門広場で毛沢東の接見を受けるために南昌発北京行きの汽車に乗った。「僕らの心は、もう北京に、毛主席の身辺に飛んでしまっていた」。「汽車もまた飛ぶように奔る。2日目の深夜2時過ぎ、銭塘江辺りにさしかかると、汽車は鉄橋の上で急停車した。なにが起こったのだ。数十分が過ぎると、汽車は何事もなかったかのように動き出す」。車掌は「銭塘江大橋手前数十メートルのところで線路を塞ぐ大木を発見したが、解放軍の戦士の英雄的犠牲によって我ら紅衛兵を北京で待つ毛主席の許へ送り届ける列車を救ってくれた」と説明する。

「この知らせを聞くや、列車に乗り合わせた誰もが深い悲しみを覚え、毛主席にとって真の戦士、プロレタリア文化大革命に身も心も捧げた守り手に惜しみない賞賛を送り、一斉に声を張り上げた。『解放軍は紅衛兵をイチバン慈しむぞォーッ、我らは解放軍にシッカリと学ぶぞォーッ』とシュプレヒコールの嵐だ」。やがて北京到着。「10月18日のこの日は僕らの生涯で忘れ難い一日となった。午後2時19分53秒、僕らは偉大なる導師、偉大なる領袖、偉大なる統帥、偉大なる舵取りの毛主席との接見を果たしたのだ」。

 文革開始直後の66年10月である。インパクトのある話題が欲しかった文革派メディアにとって、蔡永祥の死は願ってもない宣伝材料となったはずだ。解放軍下級兵士の死は「紅衛兵を北京で待つ毛主席の許へ送り届ける汽車を救った」とされた。「一心を公の為に捧げた共産主義戦士英雄」の物語は瞬く間に全土に広められ、「毛主席の真正の立派な戦士、プロレタリア文化大革命に身も心も捧げた守り手」と崇める学習運動が展開される。

 その一方で、街に飛び出した紅衛兵は「劉少奇叛徒集団を打倒せよ」「満腔の怒りをこめて、労働大盗賊の劉少奇を糾弾するぞ」「劉少奇の反革命のツラの皮を剥がせ」「地主階級の孝行息子・劉少奇の姿を暴露せよ」「劉少奇は『左』を装った『右』だ」「造反の粉砕を目論む劉少を告発するぞ」などあらん限りの罵声を浴びせ、劉少奇を血祭りにあげた。劉少奇が占めていた国家主席という肩書は、怒れる紅衛兵にとっては無意味だった。

 1953年6月生まれだから、文革勃発時に習近平は13歳である。当時の高級幹部の子弟がそうであったように、彼もまた紅衛兵運動の高まりの中で毛沢東を崇め、蔡永祥の英雄的行動を学習し、「造反有理」「革命無罪」のままに暴れ回ったに違いない。だが、父親である習仲勲が毛沢東に敵対したと批判され失脚したことで、習近平もまた1969年には陝西省延安市延川県に下放され、北京を追われている。

 1969年、毛沢東が「勝利の大会」と呼んだ第9回共産党全国大会が開かれた。麾下の人民解放軍を挙って毛沢東を支援した林彪は「毛沢東の親密なる戦友」と呼ばれ、公式に毛沢東の後継者に指名される。毛沢東は自らにとってふたつの敵のひとつである劉少奇派を林彪の力を借りて共産党中核から一掃する一方、もうひとつの敵であった「ソ連社会帝国主義」と国境紛争を戦うことになる。

『毛主席語録』を振り回して敵を撃退!?
 中ソ国境を流れる黒龍江の中州の珍宝(ダマンスキー)島を戦場に展開された国境紛争には、双方で100万人近い兵力が投入され、全面戦争一歩手前というほどに深刻な事態を招いた。全面戦争とは聞こえはいいが実際は人海戦術で戦うしかない解放軍に対するは、近代兵器で武装されたソ連軍である。戦いの帰趨は明らかだろう。だが、中国としては毛沢東の軍事思想に支えられた解放軍の大勝利をウソでも宣伝するしかない。そこで連環画『珍宝島英雄賛』(本社美術通訊員編絵 上海人民出版社 1970年)が出版される。

 連環画とは中国伝統の解説付きの絵本式読み物であり、『三国志』『水滸伝』『西游記』なども、こういった形で子供たちの間に広まった。いうならば伝統的メディアによって子供たちに祖国防衛の意義を学ばせようというわけだ。

 表紙を開けると「警戒を厳に、祖国を防衛せよ。人民のための戦に備え、飢えに備えよ」との『毛主席語録』の一節が記され、次いで「偉大なる領袖の毛主席と彼の親密なる戦友の林副主席の批准により、中共中央軍事委員会は珍宝島におけるソ連修正主義の武装挑発を反撃する自衛戦争において鮮血と生命を盾に偉大なる祖国の神聖な領土を防衛した孫玉国ら10人の同志に『戦闘英雄』の光栄ある称号を授与した。人民に、党に、偉大なる領袖の毛主席に無限に忠誠を尽くした英雄たちの気高き心を、よりよく学習せよ」とある。

 67年11月24日、酷寒で珍宝島の最前線警備に当たる孫玉国ら兵士は、国境を侵犯する完全武装のソ連兵を発見する。直ちに「中国人民に対する重大な挑発だ。即刻立ち去れ」と厳重に抗議するが、厚顔無恥にもソ連兵は雪の上にひとつの島を描いて「1868」と記し、この島は1868年からソ連(ロシア)領だと主張する。そこで孫玉国らは強く抗議し、雪の上に記された島と1868の上に大きく「×」を記した。

「1868年当時、ここは島ではなく中国側の河岸の一部だったが、土砂の堆積により20世紀初頭に島となった。1860年にロシアの老いぼれクソ皇帝が中露北京条約を中国人民に強要した。この島は一点の疑義もなく中国の領土だ」「これは断固として改竄することのできない歴史的事実だ」との意味を込めていたというが、「×」だけで、それほどの意味を表すことができるのか。この時、孫玉国らの右胸に『毛主席語録』がシッカリと抱かれていたことはもちろんだ。

 3カ月余が過ぎた69年3月初め、ソ連機甲部隊が狂ったように国境を侵犯する。烈火のごとく怒る孫玉国らは敵機甲部隊の前に立ちはだかり、「止まれ。ここは中国の領土だ。お前らの強盗行為は中国に対する重大な挑発だ。直ちに撤退せよ」と叫ぶ。ソ連軍の前進は止まず戦端が開かれる。中国兵士は銃の代わりにした『毛主席語録』を打ち振りながら、「我らは毛沢東思想で武装し筋金入りだ。天が崩れてきても支えることが出来るぞ」と立ち向かう。

 かくて「ソ連修正主義の戦車、装甲車、武装部隊による狂気の進攻を粉砕し、祖国の神聖なる領土を勝利のうちに防衛した」という。『毛主席語録』が近代的兵器で武装したソ連軍をも打ち破ってしまうほどの無敵の兵器であることを、子供たちの脳裏に」刻みつけようとしたわけだ。

不可能も可能に変える「偉大なる領袖の教え」
 1970年代に入ると、文革派の牙城であった上海における宣伝中枢たる上海人民出版社は、毛沢東思想万歳の児童書を連続的に出版している。典型例として、『夜航石頭沙』(上海港工人業余写作組)を挙げておく。


中国で1960年代後半から1970年代前半に出版された青少年向け書籍(画像:筆者提供)
 秋も深まった一夜、長江の河口を白波を蹴立て進む航標五号は北部海岸に碇を下ろす。静まり返った船内では、その日の作業を終えた党支部副書記の程志敏が、いつものように灯火の下で一心不乱に毛沢東の著作を学習している。そこに「近くの呉淞口に停泊中の外国船が折からの強風に座礁し船体破断の危機。大至急救援に向かうべし」との緊急電報が届く。早速、乗組員全員が非常呼集され、幹部からの命令を待った。

 呉淞口は上海港の喉元に位置するだけに、事態を早急に収拾できなかったなら多くの船舶の航行にとって障害となるばかりか、「中国革命と世界革命とに大きな損失をもたらす」と程志敏は考えた。早急に救難作業に着手すべきだが、安全航路では現場到着は大幅に遅れる。そこで最短航路の石頭沙水路を抜けようと提案したが、そこは穏やかな天候でも航行が容易ではない難所中の難所だった。

 程志敏の提案を傍で聞いていた「反動技術“権威”」の船長は飛び上がって驚き、「石頭沙は解放前から難所中の難所であり、夜間航行など絶対に不可能だ」と主張する。

 そこで程志敏はスックと立ち上がり、「石頭沙の夜間航行が難しいことは先刻承知だが、我われ共産党人には、毛主席の支持がある。コレが難しい、アレは出来ないなどと弱音は吐かない。刀の山であれ猛火の海であれ、飛び込んでみせるのだ」と敢然と言い放つ。すると、その場の誰もが程志敏の手を固く握るのであった。

 じつは、程志敏は超人的な努力で最下級の船員から現在の地位を築き上げたのである。「旧社会で母と2人の兄弟は敵の醜い刀によって惨死させられた。共産党、毛主席がプロレタリア革命を教え導いてくれたことで暗雲を払い明るい太陽をみることが出来た。『毛主席がいなかったら、程志敏の今日はありえない』」と心の中で叫びつつ、全員に状況を説明し任務遂行を求める。乗組員の心はひとつになり、航標五号は暴風雨の中を現場に急行した。

 水路は狭く浅瀬や岩礁が続き、風雨は増すばかり。この時、甲板に立った「程志敏と同志たちが偉大なる領袖毛主席の『我われが全人民とが団結し共同して努力すれば、あらゆる困難を押しのけ勝利という目的に到達できる』との教えを心にシッカリと刻んだ」。天候はいよいよ荒れ、航標五号の行く手を遮る。その時、程志敏の脳裏に「勇敢なる戦闘精神を発揮せよ。犠牲を恐れるな。疲れを恐れず連続作戦の作風を発揮せよ。短期間に休むことなく波状攻撃で戦い抜け」との「偉大なる領袖の教え」が浮ぶ。

 やがて現場に到着し沈没寸前の船から乗組員を救助し、任務は完了した。そこで程志敏が「この軍隊は比類なき精神を秘めている。敵の一切を圧倒し断固として敵に屈服しない」との『毛主席語録』の一節を声高らかに読み上げた。かくして「キラキラと光り輝く金波銀波を蹴立てて、程志敏と同志たちが操舵する航標五号は革命の航路を勇敢に前進する」のであった。

英語教育にも「毛沢東賛歌」
『夜航石頭沙』と前後して上海出版社からは、文革工作に挺身する小学生が、蔣介石一派の秘密工作員で元教師の破壊工作を摘発し毛沢東派を守った『英雄機智的紅小兵』、毛沢東思想で武装し、自然災害を克服し豊かな収穫をもたらした人民公社の英雄を描く『胸懐朝陽戦冰雹』、毛沢東の訓えのままに「一に苦労を恐れず、二に死を恐れず」に革命精神を発揮して多くの人々を救った人民解放軍兵士を讃える『優秀共産党員――陳波』、さらに旧社会では教育の機会すら与えられなかった港湾労働者の宋懐宇が、毛沢東思想学習をキッカケに英語を学び、やがて海外からやってくる外国船員に英語で毛沢東思想の意義や文革の理想を語るに至るまでの『宋師傅学外語』などが出版されている。

 どれもこれも定型化された毛沢東賛歌であり、いわば紋切り型の結論ではあるが、『宋師傅学外語』を読んでいて興味を持ったのは、当時、実際にはどのような英語教育が行われていたのかといった点だ。そこで『簡明英語語法』(湖北省中小学教学教材研究室編 湖北人民出版社 1973年)のページを繰ってみた。

 同書は書名で判るように英語文法解説書だが、出版時期からいって単なる文法解説書で終わってはいない。徹底して毛沢東賛歌である。目に着いた例文を紹介しておくと、

・Chairman Mao is our great teacher.(毛主席は我われの偉大な導き手である)

・Down with the landlord class!(地主階級を打倒せよ)

・Imperialism,revisionism and all reactionaries are paper tigers.(帝国主義、修正主義と一切の反動派は張子の虎である)

・Only socialism can save China.(社会主義のみが中国を救う)

・China will never be a superpower.(中国は断固として大国にはならない)

 このように激烈な例文が次々に記されているが、最終的には「The sea is deep,but our love for Chairman Mao is deeper than the sea.(海は深い。我われの毛主席に対する熱愛は海よりも深い)」に収斂していく。かくして外国語学習であれ、一瞬たりとも毛沢東思想から離れることはなかったわけだ。

なぜ、「99%の火傷」を負っても完治可能なのか?
 最後に文革期を代表する子供向けの百貨全書とでもいうべき『十万個為什麼』(上海人民出版社 1970年)を紹介しておくのも、当時の子供たちを取り巻く時代状況を知るうえで意味あることだろう。

 これは全部で13冊という大部のシリーズで、出版し終わるまでに4年ほどの歳月が過ぎている。第1巻の出版が1970年9月で最終13巻が74年7月である。この間の重要な動きを拾ってみると、毛沢東と林彪の対立顕在化(70年)、林彪のナゾの逃亡とモンゴルでの墜落死(71年)、林彪事件総括の第10回党大会(73年)、四人組台頭と批林批孔運動(74年)。まさに文革後半の激動期を通じて出版されたことになる。それだけに編集者も執筆者も作業途中で方針や内容を変更せざるをえない立場に立たされ、大いに戸惑ったに違いない。

 書名は『十万個のナゼ』となっているが、「十万個」は沢山という意味である。第1巻冒頭の「ナゼ、我われは10進法を使うのか」からはじまり第13巻最後の「ナゼ、勝手にツバを吐くのはダメなのか」まで、各巻に主に自然科学関連の100から130前後の「ナゼ」が挙げられ、その回答がイラスト入りで判り易く解説されている。

 このシリーズ初版の出版は、大躍進失敗から毛沢東の権威が後退し、どん底経済立て直しに辣腕を揮ったことで国民間に劉少奇への期待が高まった時期の1962年である。ここで取り上げる上海人民出版社版の『十万個為什麼』は62年版の改訂版に当たるが、劉少奇が毛沢東の敵として国民的糾弾の標的となり抹殺された後であり、政治状況が大逆転してしまった以上、さすがに初版をそのまま印刷するわけにはいかなかったはずだ。

 その辺りの事情を各巻冒頭に掲げられた「重版説明」は、「これまで叛徒・内奸・工賊の劉少奇の反革命修正主義文芸の黒い方針とその影響下にあったことで、多くの誤りが存在し、マルクス主義・レーニン主義・毛沢東思想を積極的に広めないだけではなく、(中略)知識万能を宣揚し、趣味性を追及し、封建・資本・修正主義の毒素を撒き散らす内容の書籍が少なからず横行していた。偉大なるプロレタリア文化大革命の過程で広範な労働者・農民・兵士と紅衛兵の小将軍は、それら書籍の持つ誤りを厳格に批判し、修正主義文芸の黒い方針と黒い方針による出版がもたらす害毒を徹底して粛清した」とする。

 なにが「害毒」で、内容をどのように「徹底して粛清した」のか判然とはしない。たとえば「ナゼ、90%以上の火傷でも完治可能であるのか?」の項目をみると、「資本主義国家の医学の“権威”は、火傷の面積が体の表面積の85%を超えた場合、死亡率は100%だと結論づける」が、「1958年に毛主席が定めた『意欲を奮い立たせ、先頭に立つよう努め、より多く、より早く、より立派に、より倹約して社会主義を建設せよ』との耀ける総路線の下、工農業生産の大躍進の高まりに鼓舞され、我国の医学関係者はこの迷信を打破し、大胆に実践し、80%以上の火傷患者を救うことに成功した。偉大なる文化大革命の過程で(中略)99%の火傷を負った患者、さらには3度の火傷で94%という広い面積の火傷を負った患者を治癒することに成功し、資本主義国家の“権威”の定説と文献上の記載を完全に乗り越え、世界医学界における奇跡を創造」と記すのみである。これでは、「ナゼ、90%以上の火傷でも完治可能であるのか?」の疑問に対する科学的な回答ではないだろうに。

 因みに13巻の最後――ということは『十万個のナゼ』の最後の「ナゼ」は「ナゼ、どこにでも唾を吐いてはダメなのか」。病原菌を撒き散らすから「僅かな唾でも被害は甚大だ。だから、辺りかまわずに唾を吐くといったような悪い習慣は絶対に改めねばならない」で終わっている。「悪い習慣は絶対に改めねばならない」とは、なんとも“意味シン”な回答だと思う。

「政権は鉄砲から生まれる」と、毛沢東は革命における「搶扞子(武力)」の重要性を強調する。だが「筆扞子(メディア)」の働きを忘れていたわけではない。いや、むしろ時には筆扞子に重きを置いていた。文革はその典型だろう。人民解放軍(=搶扞子)を掌握して劉少奇追い落としに成功して後、「未来の大人」であり「小さな大人」である子供に向けて、いよいよメディア(=筆扞子)戦略は巧妙に激烈に展開されることになる。
http://www.asyura2.com/17/china12/msg/788.html#c4

[国際23] 米朝首脳合意は進展すると書いた佐藤優  天木直人  赤かぶ
2. 2018年9月04日 16:18:30 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1426]

#何度も言っている通り、完全に予想通りの展開


米朝交渉行き詰まり、非核化合意の実施に暗雲
両国が相手の譲歩不足を責め合う展開に

米朝首脳会談で合意文書に署名後、握手を交わすトランプ大統領(右)と金正恩委員長(6月12日、シンガポール)


By Jonathan Cheng and Andrew Jeong
2018 年 9 月 4 日 13:15 JST

 【ソウル】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領が握手を交わし、北朝鮮の非核化と両国関係の見直しに合意してから約3カ月。合意の実施に向けた協議で次にどちらが譲歩すべきかを巡って事態は行き詰まっている。

 こうした膠着(こうちゃく)状態は、北朝鮮とのデリケートな緊張緩和を妨げる恐れがある。両サイドとも何週間にもわたる協議で自分たちは譲歩してきたと主張しているが、非核化手順や平和条約締結に向けた措置について明確な合意は現在のところ成されていない。

 北朝鮮問題の米特別代表に新たに指名されたスティーブ・ビーガン氏は近く韓国と日本を訪問する見通しだ。同氏は先月、マイク・ポンペオ国務長官と共に初めて北朝鮮を訪問する予定だったが、直前にトランプ氏が中止を命じていた。

 トランプ氏は正恩氏との強力な個人的関係を自賛してきたが、協議の停滞によって6月12日の米朝合意の欠点が露呈しつつある。両指導者が署名した文書は500語にも満たず、北朝鮮の非核化達成に必要なスケジュールや工程表は盛り込まれなかった。

 トランプ氏によるビーガンとポンペオ両氏の訪朝中止の決定は、事態が思うように進展しないことへの不満の高まりを表している。

北朝鮮が2017年7月に配信した大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の様子を捉えた画像

 こうした事態の行き詰まりは、北朝鮮政権の誠実さに対する米当局者や北朝鮮専門家の懸念を物語っており、正恩氏に核兵器を手放す意思があるのかどうかについてあらためて疑問が生じている。北朝鮮が前回核実験を行ったのは1年前の2017年9月3日だ。

 ニッキー・ヘイリー米国連大使は先週、北朝鮮が「非核化について考えを変えているかもしれない」と述べ、米国が対北制裁を続ける意向を示した。

合意が免罪符に

 元米国務省高官でコンサルティング会社オルブライト・ストーンブリッジ・グループの北朝鮮専門家のエバンス・リビア氏は、トランプ氏が期待値を上げ、北朝鮮が非核化に同意したと主張することで「北朝鮮政権に免罪符を与え、(正恩氏にとって)都合のいい言い訳を与えることになった」と話す。

 その一方で正恩氏は「核・ミサイル開発プログラムを強化し、米政府に対して非核化はあり得そうにないとのシグナルを送っている」とリビア氏は指摘する。

 今夏に撮影された衛星写真からは、北朝鮮が兵器開発を進めている可能性がうかがわれる。平壌郊外のミサイル施設に最近2棟の新しい建物が建設され、製造が続けられているとみられる。また、咸興(ハムフン)市にある固形燃料型ミサイルの主要コンポーネント製造施設を拡張したり、寧辺(ニョンビョン)の核研究施設を改修したりもしている。

 両国が依然、高度な緊張関係にあることを示す兆しはほかにもある。米国は1日、「米国民が逮捕・長期拘束される深刻なリスク」があるとして、米国市民による北朝鮮への渡航禁止措置を延長した。

 協議の膠着によって、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領にとってもプレッシャーが高まっている。文氏は年の大半を米朝緊張緩和の維持に費やしてきた。今月、自ら訪朝して正恩氏と会談を行うほか、5日には「北朝鮮の相手当事者との広範な協議」のために特使団を平壌に派遣する予定だ。

 文氏が現在の行き詰まり状態を打破するには、米朝どちらが先に動くのか、あるいは両者同時に行動するのかを決定付ける疑問を解決する必要が恐らく出てくるだろう。

核実験場の破壊は未検証

 北朝鮮は、停戦状態にある1950〜53年の朝鮮戦争を終結させる平和条約の促進を米国が宣言することを求めている。それは、北朝鮮が言うところの米国による対北「敵対政策」の終結を意味することになる。

 しかし、ワシントンの外交政策機関の多くのメンバーを含め懐疑的な人たちは、北朝鮮が核に対する自らの立場を固める手段として、最初に核兵器を放棄することなく平和条約を締結することを強く望んでいるとみている。

 また、北朝鮮政権は、米国との平和条約締結に向けて事態が進展し、最終的に正式な国家としての承認が得られれば、国際的な対北制裁を維持する根拠が薄れるとみているとの見方もある。

 一方、米国は北朝鮮に対し、核・ミサイル施設の完全なリストと核爆弾・ミサイル在庫の引き渡しを求めている。

 この問題は、北朝鮮の兵器について国内でいかに検証するかに関する疑問も生じさせる。包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)のトップは先月行われたインタビューで、北朝鮮がその誠実さの最初の証として行った地下核実験場の破壊は、専門家による検証ができておらず、納得いく措置とはほど遠いものだと述べた。

 また、北朝鮮に対し、一定数の弾頭を検証のため西側に引き渡すよう求める声もある。ただし、北朝鮮が大幅な譲歩の確保や米国からの約束なしにそうした措置を取るとみている専門家はほとんどいない。

 韓国国防研究院のキム・ジナ研究委員は、最新の譲歩が大々的に報じられたことから、北朝鮮が「米国に以前よりも強硬に次の措置を取るよう迫り、『平和的な体制保証と外交正常化』を持ち出すだろう」と指摘。「両サイドが『一連の行動』について合意しない限り、北朝鮮は外交努力を続けているムードを演出するだけにとどまる可能性がある」と述べる。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/783.html#c2

[経世済民128] アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は(マネーポスト) 赤かぶ
6. 2018年9月04日 16:20:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1427]
新興国市場は見た目ほど割安ではない
今は無邪気な逆張り投資家の出番ではない

トルコとアルゼンチンの通貨は今年、対ドルで半値付近にまで下げた(写真はイスタンブールの観光名所、8月20日) PHOTO: LEFTERIS PITARAKIS/ASSOCIATED PRESS
By
James Mackintosh
2018 年 9 月 4 日 14:59 JST
――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
***
 通貨は急落、政策はめちゃくちゃ。新聞は国際通貨基金(IMF)による過去最大規模の救済を大々的に報じている。新興国市場はますます混迷を深めているようだ。
 新興国市場の株価は先進諸国の株価、特に値が張る米国の株式市場と比べると大幅に割安に見える。では新聞の見出しに目をつぶり、胸やけを無視して新興国市場の株を買うべきタイミングなのだろうか。
 率直に言って答えはノーだ。そうした純粋な逆張り戦略が妥当なときもあるが、今はそうではない。確かに今後12カ月の予想株価収益率(PER)で見ると、米国株は17倍近いのにMSCIエマージング・マーケット・インデックスは11倍しかない。トルコとアルゼンチンの通貨が対ドルで年初からおよそ半値まで下落した結果、経済が比較的安定しているインドやインドネシアのような国の通貨まで下げている。しかも最大の新興国市場である中国は弱気相場に戻っており、中国株を多く組み入れている新興国市場の株価指数も下げている。
 とはいえ、新興国市場の株価は昨年の上昇分をすっかり失ったわけではなく、主要債券指数も昨年の利益が帳消しになったわけでもない。ましてや本当に割安と言える価格まで下落してもいない。過去の水準と比較すると、バリュエーションではそれほど割安感はない。それどころか指数が割安に見えるのは、先進国でも買いたいという人が少ないセクターのウエートが高いからでしかない。

新興国の株は割安ではない
先進諸国と比較した場合に新興国の株価指数が割安に見えるのは不人気セクターのウエートが高いため
予想PERを先進国と比較した場合の割安度

Source: FTSE Russell*Emerging sectors reweighted to match FTSE Worldweights

 一番理解されていないのは最後に挙げた点ではないだろうか。先進国と比べると、新興国市場には銀行や素材メーカーが多く、これらのセクターは流行の先端を行くセクターより低いバリュエーションで取引されている。FTSEラッセルでグローバルマーケットリサーチ部門のトップを務めるフィリップ・ロウラー氏によると、セクターのウエートを先進国の水準に合わせて調整すると、新興国市場の株価指数の予想PERはFTSEワールド・インデックスと同水準になるという。
 混乱に乗じて新興国市場の上場投資信託を割安価格で買い、台頭しつつある中産階級に投資したいという向きはがっかりすることになるだろう。時価総額が10億ドルを超える新興国市場株で最も割安な株式25%のうち半分近くが金融セクターで、ギリシャやトルコ、中国の銀行が多く含まれる。残りも多くが低成長の公益企業かロシアの石油企業だ。株価純資産倍率(PBR)で見てバリュエーションが低いこれらの株式のうち、消費者関連セクターの銘柄は8%にすぎず、医療セクターの銘柄は一つもない。
 新興国の中でも最も株価の高い市場はそれとはかなり様相が異なり、消費者関連や医療セクターに属する株が半分を占める。この2つのセクターは米国を除く先進国と比べると割高だ。時価総額が圧倒的に高いのは中国の主要ハイテク株で、これらの株も今年に入ってから大きく下げたにもかかわらず割高だ。

株価の下落新興国市場の株価は下落している ものの昨年初頭に比べると依然高い

Source: Thomson Reuters

 ベアリングスでマクロ経済と地政学に関するリスクを担当するクリストファー・スマート氏は「新興国株価指数のPERを見ると判断を誤る」と指摘する。「新興国市場の指数は新たに登場した中産階級を反映する以上に、テクノロジーやコモディティ(商品)の世界的なサイクルを大きく反映している」
 新興国市場に割安な資産がそれほど多くないとなれば、特に大きな打撃を受けた国で機会を探るという考え方もある。問題はトルコもアルゼンチンも、多額のドル建て債務を抱えていることだ。通貨を切り下げれば輸入が多すぎて輸出が少なすぎるという問題には対処しやすくなるが、アルゼンチン政府とトルコの銀行にとって債務の返済は一層困難になる。
 債務不履行(デフォルト)なしでこうした問題を解決できると思うなら、多くのトルコの銀行株が簿価の半値を下回る水準で取引されていることを知るべきだ。ドル建ての4年債の利回りは20%を超えている。アルゼンチンのドル建て100年債の利回りは10%を上回っており、デフォルトが起きないとは言えない。
 近年の歴史が示すように、大幅な通貨切り下げ後に株を買えば成功するケースが多かった。1994年のメキシコ通貨危機(テキーラ危機)のあとも、1998年のロシアのデフォルトのあとも、2001年のアルゼンチンのデフォルトのあとでさえそうだった。しかし成功するかどうかはタイミング次第で、タイミングは運によるところが大きい。デフォルト直後の2002年初頭にアルゼンチンの株式をドル資金で買った投資家は半年以内に投資資金の半分を失ったが、7月まで待った投資家のドル資金はその後の1年半で3倍になった。
 最近の歴史には誤解を招きかねないところもある。過去の大幅な通貨切り下げは、固定為替相場制が廃止された際に行われたケースがほとんどだ。したがってアルゼンチンやトルコの通貨のように変動相場制を採用する通貨が大きく下げた例は極めて少なく、参考にならない。政治が及ぼす影響を予想するのは難しいが、資本統制は完全に説明がつく。その場合、利益を手にするのは難しくなるだろう。
 今の新興国市場では、資産が安い場合はそれなりの理由があって安いことを投資家は認めるべきだ。真剣に分析してその理由に納得できないということももちろんあるだろう。しかし今は無邪気な逆張り投資家の出番ではない。
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/360.html#c6

[国際23] トランプはブッシュJr.の失敗を繰り返し、米国の没落を加速する(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
3. 2018年9月04日 16:35:35 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1428]

#格差の拡大と、低所得者層への社会保障の弱さは、移民国家の宿命ではあるが

ポピュリズムの急激な拡散で

ローマ同様、いずれ米国の弱体化を加速させることになるだろう

親より高い地位獲得、難しい時代に=米研究

社会的地位の上昇が少なくなっている背景には、ここ数十年、経済成長が減速していることや、米経済で構造的な変化が以前よりも起こっていないことがあるかもしれない

By Paul Kiernan
2018 年 9 月 4 日 10:35 JST

 米国では子供が親より高い社会的地位を得ることが以前考えられていたほど一般的ではなく、ここ数十年ではそれを実現するのが難しくなりつつあることが、米大学の調査で明らかになった。

 「米科学アカデミー紀要」に掲載されたニューヨーク大学社会学部のマイケル・ハウト教授の論文によると、1980年代生まれの米国人で親よりも恵まれた仕事に就いたのは50%をわずかに上回る程度だった。1940年代生まれの65%超から低下している。

 ハウト氏は発表文で「われわれが考えていたよりも、生まれた時の状況が人生でどれだけのものが得られるかを決める大きな要素であることが分かった。具体的には、親が何で生計を立てているかが重要になる」と述べている。

 社会的地位の上昇が少なくなっている背景には、ここ数十年、経済成長が減速していることや、米経済で構造的な変化が以前よりも起こっていないことがあるかもしれない。20世紀に急速な工業化が進み、その後、サービス業中心の経済に移行した。1940年代生まれの米国人には、それ以前の世代よりもホワイトカラー職に就くチャンスが多かった。

 ハウト氏によると、1980年代以降、雇用市場はそれほど変化せず、実質所得の増加は主に富裕層に集中しているという。

 同氏は「米国人は何世代にもわたり、米国をチャンスを得ることができる場所と考えてきた」と指摘した上で、「今回の調査では、そうしたイメージについて目を覚まさせるような疑問が浮上している」と述べている。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/781.html#c3

[経世済民128] 日本人は既に新興国の人たちより貧しくなっている --- 内藤 忍  赤かぶ
1. 2018年9月04日 18:54:40 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1429]

昔は、アルゼンチン、ブラジル、スペイン、ポルトガルは日本よりも遥かに豊であり

貧しい日本人が農業奴隷として出て行ったが

今では、そうした国々よりも遥かに豊かになった


同じように、構造改革を行い、経済発展した新興国の中から、

超少子高齢化と産業の衰退が続く日本よりも豊かになる国がでるのは当然のことであり

その好例が、昔は貧しい漁村で、水すら自給できなかったシンガポールだ

ただし、小国ほど絶えざる努力がなければ、容易く侵略され衰退に転じるし

高GDPと高消費が幸福な道かどうかは、また別の話だ

http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/366.html#c1

[経世済民128] 日本人は既に新興国の人たちより貧しくなっている --- 内藤 忍  赤かぶ
2. 2018年9月04日 19:28:19 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1430]

ただし

>だから、資産を積極的に増やすという観点だけではなく、保有している資産の価値の下落を防ぐという目的からも、資産運用は必須


これは間違い

新興国の人々以上に豊かな消費生活を維持することを前提としなければ

別に特別な資産運用など必要はなく

生活は労働と年金をベースとして

個人国債と、低コストの内外ETFを中心とした分散投資IDECO程度でも十分だろう


>カンボジアで1万円以下で、プール付きの快適なホテルに泊まれるのも、果たしていつまで可能なのか。
>プノンペンのホテルでのんびりしながら、そんな日本に対する将来の漠然とした不安
>内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイス


もちろん、投資自体を趣味とするなら話は別だから、好きにすると良いが

こうした煽り商法に騙されて強迫観念でハイリスク投資を行うと、

長期的にはハイリターンが得られる確率は限りなく低く、カモになる確率は高い


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/366.html#c2

[経世済民128] 中国不動産市場のバブル崩壊 土地入札の不成立が急増(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 2018年9月04日 20:41:42 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1431]
2018年9月4日 / 11:48 / 8時間前更新
焦点:貿易戦争で人民元の一段安も、中国が試される「本気度」
2 分で読む

[上海 3日 ロイター] - 米国が中国製品への輸入関税対象拡大を視野に入れている中で、中国人民銀行(中央銀行)は近く、下げ歩調の人民元を支えるために、今までよりも強力な手段を行使する決断を迫られるかもしれない。

元が4カ月にわたって値下がりしてきた間、人民銀はずっと小手先の対応でしのいできたが、最近になってさらなる下落は好ましくないとの姿勢を示唆し、市場が1ドル=7元を試す手前で何とか相場を安定させている。

しかし市場関係者の話では、米中貿易摩擦の激化で既に減速している中国経済が一段と圧迫されるのに伴って、人民元に対する下げ圧力が復活するのも避けられない。

トランプ政権は、早ければ今週中にも新たに2000億ドル相当の中国製品に輸入関税を適用する可能性がある。これが実現すれば、中国当局の金融緩和や米国債利回り上昇、全般的なドル高というプレッシャーにさらされている人民元の下落リスクは一層増大しかねない。

BNPパリバの中国金利・FXストラテジスト、Ji Tianhe氏は「人民銀は今微妙なバランスを保っており、米中の貿易を巡る協議がもたらす予想外の事態や、市場のリスクイベントがそうしたバランスを狂わせる恐れがある」と述べた上で、状況が変われば人民銀はより強力な通貨政策を発動してもおかしくないと付け加えた。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリストチームは、年初来で約5%下落している人民元が今後あと1.6%下がり、年末には1ドル=6.95元になると予想する。

ゴールドマン・サックスは来年初めに1ドル=7.1元まで元安が進むとの見方を変えていない。もっとも中国エコノミストのM・K・タン氏は、その後通商面の緊張が和らいで元高に戻るとみている。

<試される本気度>

人民銀はここ数週間でいくつかの元支援策を打ち出し、トレーダーにとって元安に賭ける取引は割高化するとともに、2015年の元切り下げショックの記憶がまだ新しい国際金融市場の不安を後退させている。8月24日には元基準値算出に「カウンターシクリカル(反景気循環)な要素」を再導入したと表明し、元安に歯止めがかかった。

国有銀行は、スワップ市場で元先安観を抑制するための取引を行っているとみられる。

中国が2016年と17年に採用した資本規制も、当時目にされたボラティリティの復活を防いでいるもようだ。

ただし市場関係者は、人民銀は単に時間稼ぎをしているだけだと考え、ドルの上昇とともに元がまた軟化するだろうと見込んでいる。

それだけに人民銀の次の一手は、従来と違って「重量級」の政策になると予想される。例えば中国国内のオフショア人民元預金に関して準備率を大きく引き上げたり、フォワード取引の決済手段を変更する、あるいはオフショア市場における外国人の元空売りコストを思い切って引き上げるといった可能性がある。

ゴールドマンのタン氏は、資本規制強化や、資金流出が相当拡大した場合には直接的なドル売り介入さえ排除できないと話す。

今のところ人民銀が積極的な元防衛に動く水準はなお判然としていない。表面上は、1ドル=7元という心理的な節目を超えて元安が進むのは阻止する態勢に見える。とはいえ昨年は、貿易加重平均指数が92近くまで下がった際に本格的な元安対応に乗り出しており、そこが防衛ラインのようにも受け取れる。

それでも上海のある外銀トレーダーは、貿易摩擦が急速にエスカレートすれば、人民銀は口先だけでなく行動でもっと積極的に元を守らない限り、対応しようがなくなると警告した。

このトレーダーは「中国当局が本気で元を安定させたいなら、『実弾』が必要だ。ごまかしのような手段では足りない」と強調した。

(Winni Zhou、Andrew Galbraith記者)


 

 


2018年9月4日 / 14:43 / 4時間前更新
コラム:割安の中国融資に溺れるアフリカの「二日酔い」
Ed Cropley
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[ロンドン 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ビールの価格がただ安いから飲め、と言う論法は成り立たない。しかし、アフリカ諸国はここ数年、中国からの割安融資という酒に溺れ、それによる無駄遣いや、デフォルト(債務不履行)さえ引き起こしている。

さすがに中国は節酒を説くようになったが、借り手のアフリカ諸国も貸し手の中国も断酒の意志は乏しいようだ。

中国とアフリカ諸国の組み合わせは理に適っている。西側金融機関の融資はコストが高すぎたし、国際機関の動きは遅すぎた。中国の政府と銀行がこの隙間を埋めた。今世紀に入ってからの中国のアフリカ諸国向け融資は少なくとも1360億ドルに上り、アフリカ諸国はどうしても必要な資本を、中国は不可欠な天然資源をそれぞれ手に入れた。

中国からの資金で空港や港湾、鉄道が建設され、雇用が生まれた。しかし割高なプロジェクトも進められ、果ては経営破綻も発生。ロンドンに拠点を置く運動組織「ジュビリー」からは中国政府が「債務の罠を使った外交」を展開していると批判を浴びた。

ロイターによると、既にアンゴラは国内総生産(GDP)の3分の1強に相当する債務420億ドルを再編しており、米ジョンズ・ホプキンズ大はこの債務は中国からの借り入れだとみている。

中国の習近平国家主席も変化を望んでいるようだ。

習氏は3日、アフリカ諸国に向こう3年間で総額600億ドルの支援を行うと表明したが、同時にアフリカ諸国に無駄なプロジェクトを行わないよう、くぎを刺した。ただ、中国はこれまで融資について説明責任や透明性の面でほとんど何も取り組みを行っていない。

主な融資機関である中国輸出入銀行と国家開発銀行は融資の詳細を伏せており、アフリカ諸国の納税者の最終的な負担を予想するのは難しい。一方、世界銀行が手掛けるプロジェクトは公開されて厳しい目にさらされ、経済的に合理性があって環境を破壊しないことが明確になっている。

借り手側が「断酒」に努めた様子も見当たらない。

国際通貨基金(IMF)は4月にガーナに対し、9億1800万ドルの支援の最終分を実施するに当たって借り入れの抑制を求めた。しかしアクフォアド大統領は習国家主席との会談で、償還期間100年のインフラ国債を発行し、ほぼGDPに相当する500億ドルを調達する計画を示した。

次の二日酔いはもっとひどいものになるだろう。

●背景となるニュース

・中国の習近平国家主席は3日、北京で開幕した中国アフリカ協力フォーラム首脳会合で、アフリカ諸国に今後3年間で総額600億ドルの支援を行うと表明した。これは2015年以来に提供された額に等しい。

・米ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)の中国アフリカ研究所(CARI)のデータによると、中国の2000年─16年の対アフリカ諸国融資は総額1250億ドル。

・エチオピアとザンビアは対中債務の再編の望むと表明した。ロイターは先に銀行筋の話として、コンゴ共和国とアンゴラが既に対中債務の再編に着手したと報じた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 


 
2018年9月4日 / 17:08 / 2時間前更新
インタビュー:貿易戦争など警戒、ディフェンシブ態勢で好機待つ=ファス氏
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[東京 4日 ロイター] - 米資産運用会社ルーミス・セイレスの副会長で「債券界のウォーレン・バフェット」とも称されるダン・ファス氏(84歳、運用歴60年)は東京都内でロイターのインタビューに応じ、旗艦ファンドのポートフォリオを一段とディフェンシブにシフトさせていることを明らかにした。

理由については、自社アナリストの個別訪問で企業に貿易戦争に備える動きがあることを把握しており、地政学リスクへの警戒感から、時機をみて機動的に動くためポートフォリオの自由度を高めていると語った。

同社は、仏ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ傘下の資産運用会社で、米マサチューセッツ州ボストンが本拠地。6月末時点の運用資産残高は2644億ドル(約29兆円)。

ファス氏の来日インタビューは3日行われた。概要は以下の通り。

──世界経済の現状をどうみるか。

「世界経済、また先進国および新興国の大半の経済は今のところ堅調だ。しかし、(米国が仕掛ける)貿易戦争から『かなりの』ストレスを生んでいる。政治が貿易に介入することで、経済の好調さが損なわれる恐れがある。実際、一部にその兆候が出ている」

「当社のクレジットアナリストが、企業の(経営トップの)CEOやCFOではなく財務担当者に聞き取りを行った結果、貿易への介入を見越し、織り込むような動きが企業の事業計画にみられつつある。こうした動きが今後も広がれば、経済全体においても、現時点ではみられないような軟調な部分が目に付くようになると想定するのが自然だ」

「事業会社の世界では、目先にトラブルの到来が見込まれる場合、一旦停止するというのが定石だ。企業による発注キャンセルの動きが出始めれば、景気が方向転換するのに時間はかからない。そして、その影響はレバレッジ効果を持ってレイオフなどを引き起こす」

「そうなると経済はあっという間に急転換を余儀なくされる。似たことは過去にもあった。私は60年の運用キャリアの中で、何度かそれを経験している。貿易戦争、ビジネスへの(政治)介入、(経済)制裁─これらは、米景気を下押しする可能性がある」

──運用する旗艦ファンド「ルーミス・セイレス・ボンド・ファンド」(LSBDX.O)(LSBRX.O)のポートフォリオについて。

「以上の分析に基づき、われわれが取った行動は2つ。1つ目は、2年以下の米短期国債が中心になるが、高格付・高流動性の資産やキャッシュの総称である『リザーブ』の比率を、35%にまで引き上げた。旗艦ファンドのリザーブ比率は、通常モードで2%程度だ。2つ目としては、ファンドの平均格付けを引き上げた」

「これは私の60年超におよぶ運用キャリアでも、またルーミス・セイレスでの42年半の運用キャリアでも、最も慎重なポジショニングだ。何も世界はもう終わりだと言っているわけではない。ただ、今は柔軟性を高めるのに適した時期だと考えている」

「ポートフォリオの利回り向上にも配慮しているが、幸い、短期ゾーンの利回りが上昇してきているため、ディフェンシブなポジションにしてもある程度の利回りが稼げるようになっている」

「これにより、当ファンドのポートフォリオは現在、非常にフレキシブルな態勢にある。貿易戦争を含む地政学リスクを巡る懸念が解消に向かうならば、それは産業界やクレジット市場にとって喜ばしい話であり、われわれは通常モードのポジショニングに戻ることができる。その場合、FRB(米連邦準備理事会)は正常な状態を目指して利上げを続けるだろう」

「一方で、利上げをペースダウンする、あるいは利上げを打ち止めにするとみれば、われわれはリザーブをすぐさま放出(債券買い)することができる」

──米金利見通しについて。

「10年国債利回りUS10YT=RRは、3.8─4%が今回の利上げサイクルのピークとなるだろう。30年債利回りUS30YT=RRについては、投資家の負債マッチング上のニーズもあり、さほど上がらないと考える。4.3─4.4%がピークとみている」

Loomis Sayles Bond Fund
13.51
LSBDX.ONASDAQ STOCK EXCHANGE CAPITAL MARKET
-0.02(-0.15%)
LSBDX.O
LSBDX.OLSBRX.O
(1 Japanese yen = $0.0090)

インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記


 


南アランド売り反応、GDPが予想外の前期比マイナスで=ロンドン為替
配信日時 2018年9月4日(火)18:40:00 掲載日時 2018年9月4日(火)18:50:00
南アランド売り反応、GDPが予想外の前期比マイナスで=ロンドン為替

 第2四半期の南アGDPが予想外の前期比マイナスとなったことで、ランド売りが強まっている。ドル/ランドは15.00-05から15.2389レベルに上伸。ランド円は7.41近辺から一気に7.3115レベルまで急落。

 南アGDPは、これで2四半期連続のマイナス成長となり、リセッション入りとなった。2009年以来の連続マイナス成長となった。

ZAR/JPY 7.3170 USD/ZAR 15.2240


再送:南アフリカ経済指標【GDP】
配信日時 2018年9月4日(火)18:34:00 掲載日時 2018年9月4日(火)18:44:00
※前期比年率の前回値が修正されました。

GDP(第2四半期)18:30
結果 -0.7%
予想 0.6% 前回 -2.6%(-2.2%から修正)(前期比年率)
結果 0.4%
予想 1.0% 前回 0.8%(前年比)

 
ドル買い優勢、豪ドル/ドルは上げを消して安値更新=ロンドン為替
配信日時 2018年9月4日(火)16:50:00 掲載日時 2018年9月4日(火)17:00:00
ドル買い優勢、豪ドル/ドルは上げを消して安値更新=ロンドン為替

 ロンドン序盤はドル買いが優勢になっている。東京市場で買いが目立った豪ドル/ドルは上げを消しており、本日安値を0.7184レベルまで広げている。

AUD/USD 0.7185 AUD/JPY 80.07 USD/JPY 111.44


2018年9月4日 / 14:28 / 5時間前更新
豪中銀の声明全文
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[シドニー 4日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が4日の政策理事会後に発表した声明は以下の通り。

政策理事会は今日、政策金利のキャッシュレートを1.50%に据え置くことを決定した。

世界経済は引き続き拡大している。多くの先進国・地域がトレンドを上回るペースで成長しているほか、失業率は低水準となっている。中国経済は小幅に減速し、当局は金融セクターのリスクに引き続き細心の注意を払いつつ、政策を緩和している。世界的にインフレ率は低水準にとどまっている。とはいえ、一部の国・地域ではインフレ率が上昇しており、引き締まった労働市場を考慮すると一段の上昇が見込まれる。世界の見通しに関する不透明要因の1つは、米国の国際通商政策の方向性から生じている。

金融状況は引き続き緩和的だが、一部の国では徐々にその度合いが低下している。米ドルは今年、幅広く上昇している。

豪州では市場金利が年初の水準から上昇している。ただ、6月末以降は若干低下している。市場金利の上昇は小口預金の金利上昇には波及していない。一部の貸し手は住宅ローン金利を小幅に引き上げたものの、支払われる住宅ローン金利は平均して1年前の水準より低い。

豪経済に関する中銀の中心的な予想は、2018年と19年の国内総生産(GDP)伸び率が平均で3%をやや上回るとの見通しだ。18年前半の豪経済はトレンドを上回るペースで成長したと推定される。景況感は明るく、鉱業以外の設備投資は増加が見込まれる。公共インフラ投資の増加と資源輸出の伸びも経済を下支えしている。

引き続き不透明要因の1つとなっているのは家計消費の見通しだ。家計所得の伸びは緩やかで債務の水準は高い。干ばつは一部の農業セクターの状況を厳しくした。

豪州の交易条件は、一部の商品(コモディティー)価格の上昇を受けてここ数年で改善した。交易条件は今後悪化するとみられる一方、比較的高水準にとどまる見込みだ。

豪ドルは貿易加重ベースで過去2年間のレンジの範囲内にとどまっているが、他の主要通貨と同様に米ドルに対しては下落した。

労働市場の見通しは依然としてポジティブだ。失業率はほぼ6年ぶりの低水準である5.3%に低下した。求人率は高水準で、一部分野は技術者不足を報告している。失業率は向こう2年間に5%前後にさらに緩やかに低下すると見込まれる。

賃金の伸びは最近になってやや上向いたものの、依然として弱い。

経済の改善によって賃金の伸びはいずれ、さらに幾分押し上げられるはずだが、緩やかなプロセスとなる公算が大きい。

インフレ率は2%前後にある。インフレ率が2019年と2020年に現在よりも上昇するというのが中銀の中心的な予想だ。一方、7─9月期の一部管理価格の一時的な下落を反映し、2018年の総合インフレ率は当初予想よりも若干低い1.75%になると予想される。

シドニーとメルボルンの住宅市場の状況は引き続き緩和し、家賃上昇率の全国的な指標も依然として低い。

住宅融資伸び率は年率5.5%に低下した。これは住宅市場の力学が変化する中で、投資家による需要が減退したことが主因だ。

家計のバランスシートにおけるリスクの増大を抑制するために豪健全性規制庁(APRA)が先に実施した監督措置の影響もあり、貸出基準は数年前に比べて厳格化している。信用度の高い借り手を巡る競争が起きている。

低水準の金利は引き続き豪経済を支援している。失業率のさらなる低下とインフレ率の目標水準への回帰が予想されている。ただ、そのペースは緩やかである可能性が高い。

入手可能な情報を考慮した上で、理事会は今回の会合で金融政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と整合的と判断した。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/367.html#c1

[経世済民128] アベノミクスのツケ…エンゲル係数が“最悪”視野に急上昇中(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
3. 2018年9月04日 22:42:40 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1432]

#単純にアベノミクス=金融政策のせいにするのは愚か

エンゲル係数の上昇は、長期トレンドであり

高齢化、世帯人数の縮小(単身世帯増)、消費支出の減少、社会保障負担の増加、食料物価上昇など

複数の要因が関係しているが

特に最近の上昇は、天候要因による生鮮上昇なども大きく関係している

http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/kouri/
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/kouri/attach/pdf/index-56.pdf
生鮮食品を除く食料の消費者物価指数の動向は、ほぼ横ばいで推移していましたが、平成26年4月の消費税率引上げ等に伴い上昇傾向で推移しています。

 

http://www.garbagenews.net/archives/2045697.html

エンゲル係数の推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)
2018/03/19 05:09

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2018-0316世帯単位における裕福さ、生活レベルの度合いを示す指標の一つとして「エンゲル係数」なるものがある。社会構造の変化とともに、一般世帯における生活内容実態との連動性は薄れつつあるが、今なおよく使われている値の一つ。今回は金銭面や商品・サービス購入頻度の面から人々の生活状況を推し量れる、総務省統計局が2018年2月16日に公開値の更新(2017年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】を元に、この「エンゲル係数の推移」を確認していくことにする。
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エンゲル係数の定義と今世紀の推移

「エンゲル係数」とは「消費支出」に占める「食料品」の割合を意味する。具体的にこれらの支出の関係を示すと

・(実)収入……世帯主の収入(月収+ボーナス臨時収入)+配偶者収入など

・支出……消費支出(世帯を維持していくために必要な支出)
     +非消費支出(税金・社会保険料など)
     +黒字分(投資や貯金など)
       (※可処分所得=消費支出+黒字分)

・エンゲル係数……食料費÷消費支出

となる。

「エンゲル係数」そのものはドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲル(Ernst Engel)が提唱した指数で、「家計の消費支出に占める飲食費割合が高いほど生活水準は低い」との説に基づいている。よほどの富裕層(そしてそれらはごく少数)で無い限り、食費の額に大きな違いは出ず(ただし今家計調査でも明らかな通り、差額が生じるのもまた事実)、一方で食費そのものはどの家庭でも必ず発生する。そして食は一般の人においては趣向とは関係の無いものとの認識があった。従って、全体の支出に占める比率は、消費支出そのものが大きくなるほど低くなる・食費以外の項目に割り当てられる額が大きくなるとの考え方。

現在では商品価格の水準や生活様式、食生活の内情や周辺環境が同じもの同士で無いと比較にならない、農村部の住民は自前で主食や野菜を自給できる(割合が高い)ので必然的にエンゲル係数が低くなる、さらには住居費も合算して考えるべきだとの意見もあり(住居費まで合わせると、賃貸か自前の住宅かによる違いの考察、住宅ローンはどのような判断をすべきかなど、問題は山積される)、以前ほど重要視されてはいない。

その上、同一期間における各種属性別の比較ならまだしも、経年推移に関しては、食生活の様相そのものが変化してしまうことから、検証の際にぶれが生じる可能性が多分にある。

エンゲル係数が提唱された当時は、食事が単なる生活に必要不可欠な行動以上のものでは無かったかもしれないが、現在では嗜好性が多分に反映されるものとなっており、前提そのものが覆されている。食に対する生活の立ち位置も昔からは大きく変わっており、さらに中食の浸透がそれを加速化させている。後述する通りこの数年はインフラの整備などを受け、中食文化が急速に進み、それが指数を押し上げる形となっている。

そのエンゲル係数だが、二人以上世帯に限定した推移が次のグラフ。定義に従えば生活が苦しくなるほど上昇する傾向を見せるが、この10年あまりでは2005年を底値に少しずつ値を積み増している。なお今記事では家計調査の公開値において用途分類で算出している。

↑ エンゲル係数の推移(二人以上の世帯)(用途分類で算出) 

今世紀に入ってからの動きを見る限りでは、動きそのものは小さいものの、上昇している実情が認識できる(直近年では前年比でマイナスとなったが)。

2013年以降の上昇の加速化に関しては先行記事の【中食系食品などの購入動向推移をグラフ化してみる】で算出値と併せて解説している通り、食生活の急速な変化、具体的には中食化の進行と、エンゲル係数が高値をつけやすい高齢者世帯の比率増加の相乗効果によるもの。また2014年に限れば消費税率の引上げ、そして2014年以降は原材料価格の上昇に伴う食費の積み増しが小さからぬ要因となっている。詳細は別途記事【収入と税金の変化をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)】で解説するが、光熱費などは2014年半ばをピークとして上昇は止まり、むしろ下落する傾向にある一方、食料品価格は上昇を続けており、これがエンゲル係数の増加にもつながっている。

↑ 消費者物価指数(CPI)動向(2015年年平均=100)(月次)(光熱費追加) 

さらに後述するが、計算式の上で食費以外に影響を与える、消費支出が減退しているのもまた、エンゲル係数を底上げする要因であることは否定できない。

世帯主の世代別に見ていこう

これを世帯主の年齢階層別に仕切り直したのが次のグラフ。

↑ 世帯主の年齢階層別エンゲル係数の推移(二人以上の世帯)(用途分類で算出) 

↑ 世帯主の年齢階級別エンゲル係数(二人以上の世帯)(用途分類で算出)(2017年)

元々エンゲル係数は高年齢ほど高い傾向にある。中堅層の子持ち世帯は子供への出費が(学費や子供の遊興費、その他住居関連費の増大など、食費以上にそれ以外の負担が大きい)増え、消費支出も大きい。一方高年齢層は年金生活者が多数を占めることから、消費支出が小さく、当然食費が占める割合も大きくなるため。青系統色(=シニア層)の折れ線グラフの高位置がそれを表している。

各年齢階層の動向を見ると、全体値に近い動きではあるが、2010年から2011年の大きな上昇を別にすると、30代以上はほぼ横ばい、むしろ減少する局面もあったことが分かる。一方30歳未満に限れば2008年以降2011年まで一貫して上昇しており、この10年間でほぼ2ポイントほどの上乗せが確認できた。

2013年または2014年以降の急激な伸びの動きの要因は上記で解説の通り、「中食文化の急速な普及浸透に伴う食へのライフスタイル、金額面への注力増加」、さらには「食料方面の物価の上昇」、そして別途「収入と税金の変化をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)」などで解説するが、実収入の増加に対し非消費支出、特に社会保険料の圧迫が大きく、可処分所得が減少していることが大きな要因といえる。

直近2017年に限ると前年で大きな上昇を示した30歳未満が1.6%ポイントもの減少を示したのをはじめ、多くの層で前年比マイナスを計上している。全体値でも前年比マイナス0.1%ポイントだったことから、一時期大いに騒がれていたエンゲル係数の上昇にまつわる話が一気に沈静化したのも納得がいく(騒がれた内容そのものは概して非論理的なものだったが)。

他方、トレンドとしてエンゲル係数が上昇傾向から転じたとは判断し難い。周辺環境の変化を見るに、上昇する要素は多々あれど、減る要素は見つけ難いからだ。

元々高めの値を示している高齢層のエンゲル係数が、今後さらに増加するか否かは未知数だが、少なくとも高齢世帯そのものの増加、全世帯に占める割合は増加するのは確実なことから、全体値としてのエンゲル係数も漸増していくものと考えられる。さらに中食の普及浸透は便宜性の向上や関連食品の技術の進歩、そしてコンビニをはじめとした流通形態のさらなる整備もまた、指標の押し上げには確実に貢献することとなる。食が「必要不可欠なもの」に加え、「生活の上での楽しみ」の色合いが濃くなっている以上(各種甘味の利用性向の高まりが一因であることは容易に想像できるはず)、単純に比較のための指標として用いることは難しいのが実情だ。

上記に有る通り昨今では、社会指標におけるエンゲル係数の確からしさは、特に経年推移においてはあまり精度の高いものでは無い。それでも有益なものとして現在でも用いられている。その動向には大いに注意を払わねばなるまい。

なお今回のエンゲル係数は家計調査における区分として「用途分類」で算出している。これは各支出対象を使い道で仕切り分けしたもの。食品を購入したとしてもそれを自世帯の食用としてでは無く、贈呈用など別の用途として用いた場合、食料費としては計上しない(イコールエンゲル係数には関与しない)。

一方で食用だろうと贈呈用だろうと食品を購入したのだからエンゲル係数には計上すべきだとする考えもあり、それは「品目分類」(使い道に限らず詳細な項目の支出金額などの消費動向を見るための分類)で計算をする必要がある。その方法による計算結果は【中食系食品などの購入動向推移をグラフ化してみる(家計調査報告】で解説しているので、そちらを参照してほしい。とはいえ、数字そのものはともかく、それが指し示す内容はほとんど同じではあるのだが。


■関連記事:
【食費の割合が減り、家賃負担が増加……一人暮らしをする若者のお金の使い道の変化をグラフ化してみる】
【正しい金利計算ができる中高生は半分足らず…金融クイズの正解率をグラフ化してみる(2016年)(最新)】
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【消費税率引き上げのやり玉は外食費・節約意識も節約強化対象も最上位】



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/369.html#c3

[経世済民128] アベノミクスのツケ…エンゲル係数が“最悪”視野に急上昇中(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
4. 2018年9月04日 23:08:51 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1433]

>>04  急激な伸びの動きの要因は「中食文化の急速な普及浸透に伴う食へのライフスタイル、金額面への注力増加」「食料方面の物価の上昇」非消費支出、特に社会保険料の圧迫が大きく、可処分所得が減少

ここを補足しておくと、エンゲル係数上昇の主因である

中食文化が急速な普及した原因には

アベノミクスによる雇用の改善=労働参加率の上昇(女性、高齢者の労働力化の進展)が効いている可能性は非常に高いから

労働総分配額や世帯あたり所得の増加のバーターとしてのエンゲル係数の増加という側面も無視できないだろう

(ただし企業利益増加で労働分配率自体は下がっている)

http://www.garbagenews.net/archives/1954675.html


https://jp.reuters.com/article/column-yoshinori-shigemi-idJPKCN1J20FR

世帯平均所得は約560万円…世帯あたりの平均所得金額推移をグラフ化してみる(最新)
2018/08/12 05:17

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2018-0803厚生労働省は2018年7月20日に、平成29年版(2017年版)の「国民生活基礎調査の概況」を発表した。この調査は国民生活の基本事項を調べ、各行政の企画や運用に必要な資料を収集する目的で行われているが、日本における市民生活の実情を把握できる多彩なデータが盛り込まれている。今回はその中から「世帯単位での平均所得金額」を確認し、その動向について精査していくことにする(【発表ページ:平成29年 国民生活基礎調査の概況】)。
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平均所得は560.2万円、平均所得以下の世帯は61.5%

今調査の調査要件及び注意事項は、先行記事の【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる】で解説しているので、そちらを参照のこと。

早速だが次のグラフは、2016年までの各年における世帯所得の平均額推移を示した図。全世帯の他に、高齢者世帯(65歳以上の人のみ、あるいはそれに18歳未満の未婚の人が加わったもの。例えば高齢世帯に18歳以上の人が加わり、稼ぎ頭がいそうな世帯は該当しない)、児童あり世帯(18歳未満の未婚の人がいる世帯)別の動向もまとめてグラフに盛り込んでいる。なお今件の直近分は報告書の題名が「2017年版」ではあるが、聞き取り時には当然2017年は終了していないため、2016年の1年間分に関して調査が行われており、2016年分の回答値が最新となっていることに注意。

↑ 1世帯あたり平均所得金額(世帯構造別、万円)
↑ 1世帯あたり平均所得金額(世帯構造別、万円)

直近では全世帯平均の所得金額(世帯全体の金額。年金や保険も含む)は560万2000円。児童がいる世帯では働き盛りの世帯主がいる場合が多く、配偶者もパートなどで家計を支えている事例も多々あり、平均所得は高めに推移しており、2016年分では739万8000円となる。一方高齢者世帯では年金による所得が多分を占め、318万6000円となっている。

また経年による変化を見ると、取得可能なデータの期間では20世紀末に最大額を記録し、あとは漸減。2016年における全世帯の560万2000円は前年よりは増加したものの、最大値を示した1994年の664万2000円よりは100万円以上も少ない。

なお【過去70年近くにわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる(最新)】でも示した通り、この20年間は消費者物価指数に大きな変動は無く、額面を修正して実態を考察する必要はない(そのままの額面で受け止めて問題は無い)。つまり全体で均して考えると額面通り、生活は少しずつ厳しさを増していると考えてよい。

↑ 消費者物価指数(1950年の値を1.00とした時、持家の帰属家賃を除く総合、全国)(1950-2018年、2018年分は直近月)(再録)
↑ 消費者物価指数(1950年の値を1.00とした時、持家の帰属家賃を除く総合、全国)(1950-2018年、2018年分は直近月)(再録)

ただし全世帯に関しては平均所得金額が低めの高齢者世帯の割合が増加しているため、それが平均値を引き下げる要因となっていることも指摘しておく。

直近の2016年分について、額面区分別構成世帯率は次の通り。平均額は560.2万円だが中央値は442万円。平均値以下に多くの世帯が収まっているのが見て取れる。平均所得金額以下の世帯比率は6割を超えていること、そして低所得世帯数の多さ、高所得層によって平均所得がかさ上げされているようすが把握できる。

↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(2016年分・2017年調査)
↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(2016年分・2017年調査)

世帯平均所得は他の調査でもいくつか値が出ているが、今「国民生活基礎調査の概況」で精査を行う場合は、平均額だけでなく中央値も併用することが望まれる。単純に平均所得だけで勘案すると、世間全体としての実情からのずれが生じかねないからである。

世帯の種類別に現状を見てみると…

一方、昨今において全体値としての平均所得が減少傾向にある理由の一つに挙げられるのが、低所得世帯となりやすい高齢者世帯数の増加。上記折れ線グラフの通り、児童あり世帯や高齢者世帯それぞれのみでは21世紀に入ってから横ばいを維持しているのにも関わらず、全世帯の平均額は漸減している(ここ数年は上昇に転じたが)。これは主に年金生活をしており所得が低い高齢者世帯の、全体に占める割合が増加しているからに他ならない。高齢者世帯の増加傾向はすでに【高齢者世帯数の推移をグラフ化してみる】で示した通り。

そこで補完情報として3つほどの世帯形態を挙げ、直近年分の世帯数分布を見ていくことにする。まずは母子世帯と高齢者世帯「以外」の世帯による動向。取得データの関係から、1000万円以上の区分がやや粗くなっている。

↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(母子世帯・高齢者世帯以外)(2016年分・2017年調査)
↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(母子世帯・高齢者世帯以外)(2016年分・2017年調査)

所得のばらつきがやや大きく、平均額以下の割合も低め。平均所得は663.5万円、中央値は570万円となっている。

続いて「標準4人世帯」における値。これは【総務省による定義では】「夫婦と子供2人の4人で構成される世帯のうち、有業者が世帯主1人だけの世帯に限定したもの」とある。今件でも同じものと見てよいだろう。つまりは「子供2人持ちの専業主婦がいる世帯における動向」と見ればよい。

↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(標準4人世帯)(2016年分・2017年調査)
↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(標準4人世帯)(2016年分・2017年調査)

平均所得は749.8万円、中央値は646万円。他のグラフと比べてボリュームゾーンがやや右にシフトしている様子もうかがえる。切り口を変えれば世帯主のみの就労でこのレベルの所得を確保しないと、子供2人世帯において兼業しなくても済む状況は難しいとも見ることもできよう。

最後は「母子世帯」(死別・離別・未婚(いわゆる婚外子、非嫡出子)などで、現に配偶者のいない(配偶者が長期間生死不明の場合も含む)65歳未満の女性と、20歳未満のその子(養子含む)のみで構成している世帯)。ただし今調査では母子世帯の実数は98世帯のみとなっており、統計の上ではぶれが生じている可能性が少なからずあることを書き添えておく。

↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(母子世帯)(2016年分・2017年調査)
↑ 所得金額階層別・世帯数相対度数分布(母子世帯)(2016年分・2017年調査)

男性より女性の方が平均的な就業対価は低めであることに加え、育児も同時に必要なケースが多々あることから(少なくとも祖父母は同居していない)時間も多分に拘束されるため、所得水準は極めて低い。全世帯平均の半分程度に留まっている。多くは望まずしてその立場にあることを考えれば、世帯数そのものは少数であるとはいえ、社会全体によるサポートが強く求められるところではある。


※追記:(2015年公開版から)
一般的には「所得」と「収入」は同義語として用いられる場合もあるが、「所得」は税法上は「収入」から経費や控除を引いて、課税額を判断するための算定額を意味する。国民生活基礎調査では用語の説明中で今回取り扱った「所得」に関して「稼働所得」「公的年金・恩給」「財産所得」「年金以外の社会保障給付金」「仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得」と分類し、さらに「稼働所得」は「雇用者所得」「事業所得」「農耕・畜産所得」「家内労働所得」と区分している。

そのうち「雇用者所得」は「世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社会保険料を含む。なお、給料などの支払いに代えて行われた現物支給(有価証券や食事の支給など)は時価で見積もった額に換算して含めた」と説明されており、税引き前の額面を意味している。サラリーマンの場合は給与明細を見れば分かる通り、あらかじめ控除として税金や社会保険料の額が引かれて上で手取り収入として渡されるため、実質的には今件の「所得」は収入に近しい。また「事業所得」は「世帯員が事業(農耕・畜産事業を除く)によって得た収入から仕入原価や必要経費(税金、社会保険料を除く。以下同じ)を差し引いた金額をいう」とあり、こちらは所得そのままを意味する。

一方、税法上ではサラリーマンなどが受け取る給与に該当する給与所得は、収入金額から給与所得控除額を引いた額が相当。またいわゆる「可処分所得」は実収入から税金、社会保険料などの非消費支出を差し引いた額で、俗にいう手取り(収入)を意味する。

国民生活基礎調査で雇用者所得が実質的に収入に近しい値で算出されているのは、税金や社会保険料は経費では無く、他の稼働様態ならば所得から改めて支払うことになるため。なお今記事でかつては一部収入と所得を混在した表記がなれていたが、2015年に公開した記事以降、正しい、国民生活基礎調査にて表記されている言い回しに統一した。


■関連記事:
【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(最新)】
【基本は現金・クレカ…二人以上世帯の代金支払い方法の移り変わりをグラフ化してみる】
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/369.html#c4

[経世済民128] ヤマト「悪意ある水増し」16% 法人向け引っ越し代金の過大請求、調査委報告書を公表(SankeiBiz) 赤かぶ
2. 2018年9月05日 00:36:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1434]
起こるべくして起こったヤマト過大請求
目覚めよサプライチェーン
2018年9月5日(水)
牧野 直哉


(写真=PIXTA)
 7月上旬に内部告発で明るみに出たヤマトホームコンビニエンスによる引越代金の過大請求問題。先週第三者委員会による調査結果が公表された。第三者委員会は、過大請求を行ったヤマトホームコンビニエンスだけではなく、監督責任のあるヤマトホールディングス(HD)の経営体質の問題を指摘した。

2種類の「お客さま」が過大請求を助長した
 今回の問題は、ヤマトホームコンビニエンスが請け負った引っ越しの法人契約で発生した。ヤマトホールディングス調査委員会が発表した「調査報告書」19ページの「法人契約引っ越しサービスの流れ」に記載されている契約から受注、見積もり、搬出作業、搬入作業、請求へと至るフローを見れば、今回の過大請求の発生理由が極めて明確に理解できる。ポイントは2種類の「お客さま」である。

 まず、引っ越しする業者を選定するのは「お客さま(法人)」である。法人が依頼する引っ越し需要の発生は、社命による転勤が想像しやすい。実際に国内における引っ越し需要は、新年度に合わせた3〜4月で全体の3割にもおよぶ。会社都合だから、従業員やその家族の移動にともなう費用は会社が負担する。したがって、実際に引っ越しをしなければならない「お客さま(本人)」は、引っ越し業務の発注先を決定した担当者とは、異なるケースが多いはずだ。今回の過大請求は、発注決定者と発注したサービスの受益者が異なっているために発生したのである。

2種類の「お客さま」に必要なコミュニケーション
 引っ越し業者の選定者と、引っ越しサービスの受益者のように、発注先を決定する人と、発注したモノやサービスを受け取る人が異なるのは、企業における外部業者活用では一般的である。むしろ、恣意的な発注業者選定を防ぐためには好ましい状態である。しかし、好ましい状態を機能させ維持するためには、選定した業者が見積もり金額に見合ったサービスを提供しているかどうかの確認と、選定者、受益者の適切なコミュニケーションが欠かせない。これがサプライチェーンの各所で確実に実現しなければ、サプライチェーン全体でのQCD(Quality、Cost、Delivery)すべてにおける健全性が確保されない。今回のケースで言えば、引っ越し業者を選定し見積もりを入手した担当者が、見積もり内容通りの作業が行われたかどうかを確認しなければ、今回のような「過大請求」が発生する可能性が高くなるのである。

 本来的には、サービスが適切に行われたかどうかの確認がなければ支払いができないはずだ。しかし、サービスの受益者が無事に引っ越し先に家財道具を移動させ、新たな住居への移転完了によって、赴任地へ出勤すれば、サービスが提供されたと判断していたのであろう。引っ越しサービスの受益者も、作業の完了時点で、作業完了のサインを行っているはずだ。しかし、実態として実際に運送した内容と、事前見積もり内容等の違いを詳細にはチェックしていなかった可能性が高い。

過大請求の根拠になった「標準引越運送約款」
 もう一つ、今回の問題が「過大請求」とされる根拠がある。国土交通省によって示されている「標準引越運送約款」である。第十九条には「運賃等の収受」が規定されている。その中の4項には「実際に要する運賃等の合計額が見積書に記載した運賃等(以下「見積運賃等」。という)の合計額より少ない場合 実際に要する運賃等の合計額及びその内容に修正します。(4項一号)」と明記されている。この規定によって、見積もり時点よりも実際に荷物が少なかった場合、運送内容に合わせて見積もり金額を修正して請求しなければならないのである。見積もり内容と、実際の作業内容の対比が必要なのである。

 今回の問題は、正しい作業の完了、そして見積もり金額の修正に必要な、正しくサービスが提供されたかどうかを判断する「検収」行為が正しく行われていなかったのも発生要因である。過大請求の事実が明るみに出た後、ヤマトホームコンビニエンスは、2640社の顧客に謝罪と事実関係の報告を行った。謝罪があった顧客企業はもちろん、他の引っ越し業者と法人契約を行っている企業も、引っ越しが正しく完了した検収行為がどのように行われているのか。引っ越しサービスの受益者も、見積もり内容に対して実際の運送内容が異なっていた場合は、料金の見直しが可能であるとの理解と実践が欠かせないだろう。

わかりづらく手間のかかる「見積もり」
 しかし、価格見直しの基準になる見積もりについても、非常にわかりづらい。近年、インターネットを活用してさまざまな業者に一括で見積もり依頼が可能なサービスが提供されている。引っ越しだけではなく、自家用車の買い取りや、最近では弁護士についても同じようなサービスが登場している。引っ越しの見積もり依頼を行えば、インターネットで依頼を行ってから数分でさまざまな業者から、見積もりに必要な自宅訪問の打診が電話で行われる。

 引っ越しの一括見積もり依頼サービスには、見積もり依頼の時点で大まかな金額を提示してくれるサイトもある。この提示される金額がとても悩ましい。筆者が自宅を例に一括見積もりサービスを行ったサイトでは、最安値と最高値に実に3倍もの開きがあった。もちろんこれは概算金額だと理解している。しかし、全く同じ条件で見積もり依頼しているにもかかわらず、これだけの金額差が生じるのはなぜか。

 購入頻度の高いモノやサービスであれば、金額差の理由を追及するだろう。しかし、国立社会保障・人口問題研究所が行っている「人口移動調査」の最新の調査結果でも、全世代における引っ越しの平均回数は3.04回となっており、もっとも回数の多い50歳代前半でも4回程度である。この頻度なら、3倍にもおよぶ見積もり金額の違いを精査せず「よくわからない価格設定」といった印象のみが残ってしまうに違いない。

 こういった状況は、国も業界も問題視している。標準引越運送約款では、第十八条「運賃及び料金」で、運賃料金表を整備したり、運賃や料金とその適用方法の店頭への掲示を規定したりしている。よくわからない料金体系をわかりやすく、理解しやすくといった熱意はうかがえる。しかし筆者の経験でも、引っ越し業者の営業所や事業所を訪問した経験はない。料金体系を店頭に提示しても、効果のほどは期待できないはずだ。

「過大請求」された側の問題点
 過大請求が行われたのは法人契約とされている。「悪意」をもって見積もり金額を上乗せしたとも指摘されており、そういった企業姿勢は糾弾されてもやむを得ない。しかし、顧客側でも正しく引っ越し作業が行われたかどうかを確認しなければならない。作業に見合った対価を支払うといった外部発注業務の基本が守られていなかった点が、過大請求を助長したのは否めない。

 引っ越し作業は、運送するモノや運送元、運送先まで含めて考えると、なかなか標準化が難しい。こういった毎回必ず発生する違いを許容し、かつ受注した引っ越しトータルの帳尻あわせで利益を確保するために、過大請求全体の16%で「悪意」のある金額の上乗せが行われたのである。こういった行為に対抗するためには、根拠のない信頼関係に依存するのではなく、作業内容の確認を行って、信頼関係の見える化が欠かせない。作業内容に見合わない請求を見抜く取り組みが、発注する側にも必要なのである。

 今回の過大請求を巡っては、サービスを提供するヤマトホームコンビニエンスや、ヤマトHDへの手厳しいコメントが目立つ。しかし、今回の過大請求発生の構図は、なにもヤマトホームコンビニエンスのみで特異に発生しているのではない。引っ越しを請け負うすべての企業で同様のジレンマにさいなまれているはずだ。引っ越しにまつわる法人契約を行っている企業では、必要以上に支払わないためにも検収方法の見直しを今、行うべきなのである。


このコラムについて
目覚めよサプライチェーン
自動車業界では、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車。電機メーカーでは、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、三菱電機、日立製作所。これら企業が「The 日系企業」であり、「The ものづくり」の代表だった。それが、現在では、アップルやサムスン、フォックスコンなどが、ネオ製造業として台頭している。また、P&G、ウォルマート、ジョンソン・アンド・ジョンソンが製造業以上にすぐれたサプライチェーンを構築したり、IBM、ヒューレット・パッカードがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を開始したりと、これまでのパラダイムを外れた事象が次々と出てきている。海外での先端の、「ものづくり」、「サプライチェーン」、そして製造業の将来はどう報じられているのか。本コラムでは、海外のニュースを紹介する。そして、著者が主領域とする調達・購買・サプライチェーン領域の知識も織り込みながら、日本メーカーへのヒントをお渡しする。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/348.html#c2

[経世済民128] 中国不動産市場のバブル崩壊 土地入札の不成立が急増(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年9月05日 00:38:10 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1435]
中国・一帯一路の挫折と日中関係 日本財界に急速に高まる戦略への期待の意味
中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス


2018年9月5日(水)
福島 香織


8月27日に北京で開かれた一帯一路推進五周年座談会(写真:新華社/アフロ)
 中国国内でも悲観的な見方が多かった一帯一路の挫折がいよいよ表面化してきた。

 AFPが9月早々、こんな風に報じている。

“「中国「一帯一路」におけるインフラ建設計画が重大な挫折にあい、一部の参加国は中国に対する恨みを抱きはじめ、中国の提供する債務圧力におしつぶされる心配を始めている。”

 2013年に習近平が自らの最重要国家戦略として打ち出した一帯一路戦略は、AIIBという中国主導の国際金融機関の設立とセットで、意欲的に進められてきたが、これまでの5年の経緯を振り返れば、参加国、周辺国に不安を与える以外の何物でもなかった。先進国からは中国版植民地政策と非難され、インフラ建設支援を受けているはずの途上国からは、悪徳金融のようだと恨まれ、中国国内の銀行や企業は経済的利益の見込みが立たない中での投資ノルマと債務不履行に不満が高まっている。

 仄聞するところでは、党内にもこの「一帯一路」戦略の棚上げ、縮小を求める声があるが、党の長期戦略として党規約の前文にまで「一帯一路戦略」を明記した習近平が、自分のメンツを犠牲にして、こうした声に耳を傾ける様子はない。一帯一路はどこにいくのか。そして、秋の首相訪中を控えて、日本財界に急に高まる、“一帯一路”への期待は何を意味するのか。

 一帯一路の挫折がはっきりしてきたのは今年春以降だろう。米トランプ政権の対中貿易戦争が、単なるディール以上の意味(中国の覇権野望を挫くという意味)を持つのではないか、という観測が出始め、それまで一帯一路に比較的好意的な発言をしていた欧米メディアからも、一帯一路について「債務の罠」「中国版植民地主義」といった批判的な意見が報道され始めた。また、アジアや中央アジアの親中国家に変化がみられるようになった。

 マレーシアのマハティールが、圧倒的に有利なはずの親中派現職、ナジブを破って首相に返り咲いたことは大きい。これはマレーシア有権者のチャイナ・マネーにおぼれるナジブ政権に対する明確なノーの意思表示と言えた。マハティールが8月に北京を訪問したときは、南シナ海とマラッカ海峡を結ぶ200億ドルの鉄道計画など一帯一路戦略に含まれる三つのプロジェクトの棚上げを表明。建前上は一帯一路はアジアの発展に必要、積極支持するなどと中国にリップサービスをするも、「新しい植民地主義はのぞまない」と、現行の一帯一路路線に釘を刺した。中国の大手デベロッパー・碧桂園が手掛ける70万人の人工島都市建設計画「フォレストシティー」についても、前政権では中国投資家による物件購入をあてにしており、事実上のチャイナタウン建設との位置づけであったが、マハティールは外国人(中国人)への販売・転入禁止措置を打ち出した。

 さらにパキスタンのイムラン・カーンが8月に政権をとると、やはり一帯一路の中核プロジェクトである中国・パキスタン経済回廊(CPEC)について、その資金状況の透明性を高める、と約束した。元クリケット選手、実務経験ゼロのカーンが有権者に選ばれたのは、前政権の汚職体質に皆がうんざりしていたことが大きいが、CPEC計画の推進に伴う中国の貿易赤字やローンがかさみ、債務危機に直面していることも大きい。中国への債務返済不能に陥れば、その借金のカタに中国による植民地化が進むのではないか、という危機感も関係している。それでも9月3日に北京で開幕した「中国アフリカ協力フォーラム」では、中国は今後3年間にアフリカ発展支援に600億ドルの拠出を発表している。

 CPECの起点の一つとなるグワダル港は、マラッカ海峡の陸路バイパスとして中国のエネルギー輸送の要であり、中国のインド洋進出の軍事拠点としても地政学的要衝の地だが、中国はすでに、この港の43年租借権を確保している。カーン政権は、IMFに支援を求めているが、仮にIMFがパキスタンに支援を行えば、当然、CPECの中身も見直されるだろう。中国が高金利で貸し出す資金で、中国企業によって中国産資材を使って中国人労働者を雇って行われたプロジェクトで、債務返済不能を理由に、出来上がったインフラの権利を奪う悪徳金融のような真似は許されない。

 一方で、米国務長官ポンペオは、IMF最大の出資国として、中国の借金返済にIMFを使う道理はない、と強くけん制。米国は、中国に外貨準備を吐き出させて追いつめるつもりかもしれない。IMFが支援しなければ、パキスタンは中国に全面的に救済をもとめる。中国にパキスタンの財政危機を救うための外貨を用立てる余力はあるのだろうか。

 一帯一路戦略によって債務危機に陥っている国は、マレーシアやパキスタン以外にも、ラオス、カンボジア、インドネシア、タイ、ベトナムなどの東南アジア、エチオピア、ジンバブエ、カメルーン、ガーナ、ジブチといったアフリカ諸国に広がっている。借金のカタに建設されたばかりのインフラ利権をもぎ取られる側も悲惨だが、建設途中で資金ショートし、現物回収もできない中国側の銀行や企業の状況もかなり深刻である。

中国体制内学者からも不安の声
 実は、一帯一路戦略は中国内部の体制内学者からも、かねてから不安視されてきた。たとえば、元人民銀行金融政策委員の余永定は昨年の8月に黒竜江省で開催された金融フォーラムの席で、「パキスタンへの投資で、収益を得られるのか、元金を回収できるのかは、我々は慎重に考えねばならない」と釘をさした。安邦保険傘下の民間シンクタンクは一帯一路戦略について、数年前から一応言葉を選んではいるが、概念・理念先行で、実体的メカニズムの設計を怠けたハイリスクな戦略と言わんばかりの批判をしていた。

「中国には一帯一路戦略を各地で同時進行できるほどの資源はない。…一帯一路は、完全なるハイレベルの政治的要因から決定しており、戦略的地縁政治的意義は大きいかもしれないが、他の中国の多くの政策と同様、戦略から政策への移行のプロセスにおいて、戦略自体が変質してきた。経済利益よりも国家利益を優先させ、“運命共同体”といった理念や協力発展の概念を提唱するだけで、実体的なメカニズムの設計を回避している。…このままでは、中国はASEANや中央アジアの“ATM”になってしまうだろう。…中国の外貨準備高3兆ドルのうち1・6兆を一帯一路に投じるとして、それを補うための“輸出増大”戦略は、ASEAN諸国などから強烈な抵抗が予想される。…一帯一路の資源は、人民元変動とも関係してくる。人民元価値が下がれば、対外投資の元金が増大するだけでなく、キャピタルフライトに歯止めが利かなくなるだろう。…伝統的な対外投資操作モデルや為替操作モデルでは何ともしがたい規模。最終的にはコントロール不可能な債務を抱え込むことになる…」

 そもそも、新疆や中央アジアには民族問題、テロ・治安問題といった政治リスクがあり、さらには人口密度的にも交通インフラの商業運営利益が見込めるようなものでもない。砂漠を横断するような高速鉄道や高速道路の機能維持、メンテナンス費用は考えるだけでも、気が遠くなる話だろう。中国の銀行も企業も政権の意思には逆らえず、不良債権を抱えるとわかっていながら、利益が上げられないとわかっていながら、このプロジェクトにかかわってきたかっこうだ。だが、こうした党内部の専門家たちの意見、提言を無視して、党規約に党の重要戦略として一帯一路の名前を盛り込んだ習近平政権は、その挫折の色が濃くなるにつれて、責任が問われることになる。

 ボイス・オブ・アメリカによれば、8月下旬に北京で開催された一帯一路建設推進五周年座談会で習近平は一帯一路が「単なる経済協力の提言であって、地縁政治同盟や軍事同盟を作ろうだとか、閉じられた“中国クラブ”を作ろうとしているのではない。イデオロギーで選別するつもりも、ゼロサムゲームの博打をするつもりでもない」と自己弁護した。

 また、「対話を堅持し、ともにウィンウィンの協力関係を作り、お互いを鑑とする原則で、沿線国家の最大公約数的利益を求めて、政治的相互信頼を推進し、経済と人と文化の総合交流を図るつもりである。…今後のプロジェクトは、必要とされるところに迅速に行い、現地の民生が受益するプロジェクトであるようにしてきたい」と、これまでとはトーンを変えて神妙に語ったことから、党内でも厳しい批判にさらされて、習近平自身も多少は、一帯一路戦略の中身を調整するつもりではないか、という憶測も流れている。

 ただ、中国国内の一帯一路宣伝は堅持されており、初の一帯一路ドキュメンタリー映画「共同運命」がベネチア映画祭で上映されたりもしているところをみれば、この戦略を縮小したり棚上げする気配は、今のところない。

安倍首相の秋の訪中に集まる注目
 では、この債務膨張に悩む一帯一路戦略を中国はどう導くつもりなのか。ここでおそらく期待を寄せられているのが日本であろうと思われる。安倍晋三が日中平和友好条約締結日40周年の10月23日を軸に訪中を調整中であり、その地ならしに8月末に北京で財務相対話が開催され、2013年に失効していた日中通貨スワップ協定の再開に大枠合意している。

 今回は3兆元規模と、従来の10倍の規模、中英通貨スワップの規模よりは小さく、人民元の安定化や国際化にどれほどの影響力があるものではないかもしれないが、一帯一路が行き詰まり、米中貿易摩擦に苦しみ、その影響で人民元が急落する中で、日本円とのスワップは、中国をかなり勇気づけるものにはなろう。産経新聞の単独インタビューで安倍晋三が「5月に李克強首相が来日し、日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と語ったように、日中関係の回復を象徴する協定といえる。

 時期同じくして、外務次官の訪中、日中与党交流協議会の北京での開催と、日中政治交流が続き、9月末には「一帯一路」をめぐる日中官民合同委員会の初会合を北京で開催する。第三国で日中両国企業がともに参加できる一帯一路インフラ案件の整備を進めていると報道されており、具体的には一帯一路の一環であるタイ鉄道計画や、日本が主導する西アフリカに4000キロの道路を建設する「成長の環」計画に中国を参与させることなどが、検討されているようだ。

 一帯一路への参加を日本が表明することになれば、地に落ちた一帯一路の評判も、持ち直すかもしれないし、中国はそう期待していると思われる。不透明な一帯一路プロジェクトの資金の流れも、日本が関わることで透明化するのではないか、と言う関係国の期待もある。もちろん中国公式報道では、日本が一帯一路に参与することは日本の衰退を救うことだ、というニュアンスで報じられている。

 さて、安倍政権が一帯一路に対して本音ではどのようにアプローチしていくつもりかは、私にはわからない。安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上り、関係者から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞くと、本気かと問い直したくなる。いかなる環境でもビジネスチャンスをつかめる企業はあろうが、一帯一路の本質が「偉大なる中華民族の復興」という中華覇権を目的としたものだと考えると、たとえビジネス利益が見いだせても、この戦略の成功に日本として手助けしてよいものかどうか、という気にもなる。

 安倍が提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」は米国、インド、オーストラリアなどともに一帯一路に対抗する中国包囲網戦略と見ていたが、安倍は一帯一路とインド太平洋戦略を連携させるとも発言している。この真意はどこに。

 単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけなのか。米中対立が先鋭化する中で、日本が独自の存在感や外交を模索しているということなのか。あるいはもっと深い目論見があるのか。様々な予測を念頭に、秋の訪中の行方を注目していこう。

【新刊】習近平王朝の危険な野望 ―毛沢東・ケ小平を凌駕しようとする独裁者

 2017年10月に行われた中国共産党大会。政治局常務委員の7人“チャイナセブン”が発表されたが、新指導部入りが噂された陳敏爾、胡春華の名前はなかった。期待の若手ホープたちはなぜ漏れたのか。また、反腐敗キャンペーンで習近平の右腕として辣腕をふるった王岐山が外れたのはなぜか。ますます独裁の色を強める習近平の、日本と世界にとって危険な野望を明らかにする。
さくら舎 2018年1月18日刊


このコラムについて
中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/367.html#c2

[経世済民128] 日の丸自動車が知らないトランプのNAFTA見直し「もっと危うい裏事情」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
8. 2018年9月05日 00:43:38 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1436]

「トランプ主義」日米FTAに足を踏み入るな

米加ぎくしゃく、NAFTA存続の危機

岡部直明「主役なき世界」を読む


2018年9月5日(水)
岡部 直明


米加関係は、NAFTA見直しをめぐって決定的に対立した。写真は2018年6月8日、カナダのシャルルボワでドナルド・トランプ米大統領と談笑するカナダのジャスティン・トルドー首相(写真=AP/アフロ)
 米国、カナダ、メキシコによる北米自由貿易協定(NAFTA)が存続の危機にさらされている。トランプ米大統領が提起したNAFTA見直しは、米墨間では合意したが、米加間では決着できなかった。米墨合意も数量規制の導入など「管理貿易」の色彩が濃くなった。

 9月中に米加合意が達成できないと、NAFTAは空中分解しかねない。NAFTAを前提に組み立てられた自動車などのサプライチェーン(供給網)も崩れてしまう。NAFTAの崩壊は米中、米欧、日米の貿易摩擦に波及する。トランプ第一主義が世界の自由貿易を危機に陥れようとしている。

カナダ離脱の危機
 深刻なのは、米国にとって最も近い同盟国であるカナダとの関係が、トランプ大統領の登場によって大きく揺らいでいることだ。米大リーグには、トロント・ブルージェイズが参加する。ニューヨークからシカゴに飛ぶより、トロントに行く方がずっと早い。ニューヨーカーにとって、カナダ国境にあるナイヤガラは最も手頃な行楽地だ。カナダの輸出の4分の3が米国向けであるように、貿易、投資の相互依存関係は極めて深い。

 そんな米加関係は、NAFTA見直しをめぐって決定的に対立した。トランプ大統領は「カナダをNAFTAにとどまらせることはない。公正な貿易ができないなら、NAFTAから出て行くことになる」とちらつかせている。米議会が米加墨3カ国の協定を維持するよう求めているのに対しては、「議会が干渉するなら、NAFTAを解消する」と息巻いている。

 トランプ大統領の圧力に、トルドー・カナダ首相も屈するわけにはいかない。米国は11月に中間選挙があるが、カナダも2019年に総選挙を控えている。トルドー政権の支持率が低下するなかで、乳製品など農産物問題で安易な妥協は許されない。

 そうでなくても、トランプ大統領とトルドー首相の関係はきしみ続けている。トランプ政権による鉄鋼、アルミニウムの追加関税発動に、カナダは即座に対抗措置を打ち出した。先の7カ国(G7)首脳会議では、議長国のカナダが苦心してまとめあげた首脳宣言を、トランプ大統領が「承認しない」とちゃぶ台返しを演じ、トルドー首相の面目を失わせた。

 仮に、米加間で9月中の合意が成立せず、NAFTAからカナダが離脱するという最悪の事態になれば、自動車の供給網は分断される。カナダを生産の拠点として米国に輸出する日本の自動車メーカーは、関税の復活で生産体制の大幅な見直しを迫られることになる。

米墨管理貿易協定に変質
 トランプ大統領は、就任早々から不法移民の流入を阻止するためだとして、メキシコとの国境に壁を建設する方針を打ち出すなど隣国メキシコに圧力を強めてきた。NAFTA見直しもその一環である。

 メキシコとの合意成立で、金融市場には安堵感が広がったが全くの見込み違いである。交渉は合意すればいいわけではない。その合意内容は自由貿易体制の将来にかかわる大きなリスクをはらんでいる。

 自由貿易体制の盟主であるべき米国が「米国第一主義」さらに「トランプ第一主義」に陥ったことをはっきり示している。

 米墨合意では、焦点の自動車貿易の関税をゼロにする条件として、部材の域内調達比率を現在の62.5%から75%に引き上げる。さらに、40−45%は時給16ドル(約1800円)以上の地域での生産を義務付ける「賃金条項」を導入する。米国からの部材調達をふやすのが狙いだ。

 これだけでも十分に「米国第一主義」「トランプ第一主義」だが、これに数量規制が加わった。米墨間で、乗用車の輸入量が一定水準を超えた場合に、最大25%の関税を適用することで合意した。2017年実績の4割増にあたる240万台を上限とする事実上の「数量規制」である。

 これは、「北米自由貿易協定」を「米墨管理貿易協定」に変質させるものだ。この数量規制は世界貿易機関(WTO)ルールから大きく外れる。

 メキシコのグアハルド経済相は、数量規制受け入れについて、メキシコからの輸出車に25%の高関税が一律適用されるのを避けるためだと説明しているが、トランプ政権の圧力の大きさを浮き彫りにしている。

北米を繁栄に導いたNAFTA
 1994年、クリントン米政権下で創設されたNAFTAは、北米に繁栄の時代を導いた。冷戦の終結で鮮明になったのは大欧州時代の到来だった。欧州連合(EU)は市場統合から単一通貨ユーロの創設と質的深化を遂げるとともに、旧東欧圏への東方拡大に動き出した。そのなかで、米国を軸とした北米3カ国の「市場統合」は時代の要請だった。NAFTAの創設には米議会内に異論もあったが、それは歴史の必然だった。

 NAFTAは北米に世界各国から投資を呼び込み、経済を活性化させた。カナダはG7の一員としての地位を固めた。メキシコは債務危機に苦しむ他の中南米諸国と一線を画した。NAFTAが創設された1994年に先進国クラブである経済協力開発機構(OECD)にメンバー入りしている。メキシコ財務相を務めたグリア事務総長はいまやOECDの顔になっている。

 メキシコはかつての資源国、債務危機国からNAFTAをてこに大きく前進した。筆者は1980年、大平正芳首相に同行して初めてメキシコを訪問した。それは第2次石油危機後の日本の「油ごい」外交だった。

 筆者が日本経済新聞社のニューヨーク支局長だった1986年当時、メキシコを訪問したのは、債務危機の取材のためだった。そして2004年に合意した日墨経済連携協定の取材で、再びメキシコを訪れた。メキシコはNAFTAを基盤に各国・地域と相次いで自由貿易協定(FTA)を締結していた。自動車など北米のサプライチェーンの拠点として発展した。NAFTAによって資源依存や債務危機から卒業できたのである。

 そして、何よりNAFTAは北米を核とするグローバル経済の拠点として、本家の米国経済の繁栄につながった。それは自由貿易の最先進国としての繁栄だった。

自動車摩擦打開へ日欧連携を
 NAFTAが自由貿易から管理貿易に変質し、空中分解する事態になれば、日欧など世界の自動車産業のサプライチェーンは分断される。供給網の見直しでコスト増や生産性低下も避けられなくなる。トランプ大統領がそれを承知でNAFTA見直しに踏み切ったのは、日欧との自動車摩擦が激化することを暗示している。

 日欧の基幹産業である自動車にトランプ発の貿易戦争が点火する事態になれば、世界貿易は縮小し、世界経済は停滞することになる。こうした危機は何としても防がなければならない。

 問題はどう危機を打開するかである。間違ってもNAFTA見直しの米墨合意を見習ってはならない。数量規制による「管理貿易」を安易に受け入れるのは危険極まりない。一見、摩擦回避のための「大人の解決」とみえるかもしれないが、自由貿易体制の将来に禍根を残すことになりかねない。

 危機的状況だからこそ、日欧は自由貿易体制の維持、強化で結束することが求められる。EUが提案している「自動車関税ゼロ」構想は、日米欧が受け入れられるはずだ。

 トランプ流保護主義に対抗して、日本とEUが経済連携協定で調印した意義は大きい。その成果を具現化するとともに、政治的意義をトランプ政権にアピールすることだ。

 合わせて、2国間の貿易赤字を「損失」と考えるトランプ大統領の思い込みを正す必要がある。日欧連携を軸に国際世論を巻き込むことが肝心だ。

日米FTA避け多国間主義貫け
 NAFTAが空中分解の危機にさらされているなかで、試されているのは日本の通商戦略である。北朝鮮問題があるからといって、何から何まで「トランプ追随」になるのは危険である。トランプ政権による鉄鋼、アルミニウムの追加関税に、対抗措置を講じなかった日本は甘くみられても仕方がない。

 NAFTAの見直しをトランプ大統領が提起したとき、日本は即座に懸念を表明すべきだった。日本の自動車の供給網が分断されるのを、ここまで座視してきたツケは重い。グローバル経済の相互依存が深まるなかでは、他地域の通商交渉にも、遠慮せず口出しするしかない。

TPP存続だけで満足してはいけない
 トランプ大統領が離脱を表明して崩壊寸前になった環太平洋経済連携協定(TPP)を11カ国だけで存続させた意味は大きい。日本の通商戦略の成功例だが、それに満足してはいけない。年内合意に向けて動き出している東アジア地域包括的経済連携(RCEP)との結合をめざすことこそ肝心だ。中国を含むRCEPとTPPが結合することになれば、多国間主義に背を向けるトランプ政権も無視できなくなるはずだ。TPP・RCEP連合に米国を誘い込めば、世界経済を揺るがす米中貿易戦争を緩和することもできる。

 間違っても、トランプ大統領が求める日米FTAに足を踏み入れてはならない。日米FTAに応じれば、トランプ政権の圧力に抗しきれなくなるだろう。日本の通商戦略がめざすべきは、2国間主義ではなく、あくまでWTOルールにもとづく多国間主義である。NAFTAをめぐる混迷がそれをはっきり示している。


このコラムについて
岡部直明「主役なき世界」を読む
 世界は、米国一極集中から主役なき多極化の時代へと動き出している。複雑化する世界を読み解き、さらには日本の針路について考察する。
 筆者は日本経済新聞社で、ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、取締役論説主幹、専務執行役員主幹などを歴任した。
 現在はジャーナリスト/武蔵野大学国際総合研究所 フェロー。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/342.html#c8

[国際23] 中国アフリカ協力フォーラムで世界制覇を狙う──後押ししたのはトランプの一言(ニューズウィーク) 赤かぶ
6. 2018年9月05日 00:46:51 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1437]
HTTP://WWW.ASYURA2.COM/17/ASIA23/MSG/741.HTML?C1#C1 
中国、アフリカに600億ドルの金融支援へ 協力フォーラム開幕


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/367.html?c2#c2
中国・一帯一路の挫折と日中関係 日本財界に急速に高まる戦略への期待の意味

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/367.html?c1#c1 
焦点:貿易戦争で人民元の一段安も、中国が試される「本気度」

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/787.html#c6

[政治・選挙・NHK250] アベノミクスの失敗証明 石破公約と日銀リポートの共通点(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年9月05日 01:01:34 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1438]

相変わらず愚かな批判を繰り返しているが

明確な達成基準と、そのための手段なしに批判したところで意味はない


>5年前も現在も<成長戦略>と<社会保障>。一体、どういうことなのか

それだけ超少子高齢化が続く日本では経済状況が深刻であり

既得権層のために、改革も進まないということだ


だから米国と異なり、金融緩和のみでは2%目標が達成できないし

放漫財政で、2%にすれば良いというものではないことを

政府と日銀が理解し、政策変更もなされたのだが

まだ理解できずに低レベルな批判を繰り返している


>5年間も「異次元緩和」を続けているのに物価が上昇しないのは、政府が、先行きに希望が持てる「成長戦略」を打ち出さず、国民の将来不安を解消する「社会保障制度」の改革に手をつけなかったから
>どこに問題があるのか、何をすればいいのか分かっていたのに、安倍政権は5年間も手をつけなかった

今の日本では、石破が総理になったところで、無理だし

どの政権になっても安倍政権レベルに達するかどうかすら怪しい

それだけ日本の構造問題は深刻なのだが、全く理解できずに

今後も、さらにポピュリズムに走っていくのだろう

http://www.ishiba.com/sousaisen/


https://www.sankei.com/politics/print/180904/plt1809040031-c.html
018.9.4 19:50
【自民党総裁選】石破茂氏が政策動画公開 「多くの人に見てもらいたい」

記者会見する自民党の石破元幹事長。自身のウェブへ誘導するQRコードを掲げている=4日午後、国会
 自民党総裁選に出馬する石破茂元幹事長は4日、自身の政策を発信するメッセージ動画を公開した。「政治・行政の信頼回復100日プラン」「経済政策」を皮切りに、告示日の7日までに「地方創生」や「憲法」などを5〜10分間にわたり載せる。

 石破氏は動画発表の記者会見で「冗長にならないように気をつけた。カメラに向かってしゃべるのは難しく、いつまでたっても慣れない」と収録の苦労も語った。

 総裁選では安倍晋三首相(総裁)との論戦機会が限られる中、党員に向けて政策発信の頻度を高める狙いがある。

 



http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/272.html#c2

[経世済民128] アベノミクスのツケ…エンゲル係数が“最悪”視野に急上昇中(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
7. 2018年9月05日 01:46:09 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1439]

これがオリジナルだが

これらのデータと>>3,4のような背後にあるメカニズムすら理解しようともせず

具体的に有効な対案も出さずに

不毛な批判のための批判を繰り返しているのが

ゲンダイなどのゴミメディアであることがわかる

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/macro/2018/kuma180830ET.pdf
 
Economic Trends / マクロ経済分析レポート 
 
発表日:2018 年 8 月 30 日(木)
エンゲル係数と高齢化
〜直近 12 か月で再び最高に〜

第一生命経済研究所 調査研究本部 経済調査部
首席エコノミスト 熊野 英生(пF03-5221-5223)

食料品の値上がり
この夏は天候不順で生鮮食品などがまた値上がりした。食料品の価格高騰は、消費マインドにも打
撃を与える点でも心配である。そこで、再びエンゲル係数が高まっているのではないかと考えた。暦
年ベースでは、2016 年のエンゲル係数は 1988 年以降でピークとなったが、その後 2017 年は一旦落ち
着いた。ところが、2018 年上半期から過去1年間(2017 年 7 月〜2018 年 6 月)まででみると、2016
暦年のピーク(25.85%)を小数点のところで上回っている(直近1年間 25.88%、図表1)。
この変化は、総務省「家計調査」
(2人以上世帯、全世帯)で表われて
いるものである。食料品の物価上昇率
は、2014 年から生鮮食品を中心に継
続的に伸びていて、ここにきて再び伸
びてきている。消費者物価全体では、
1%に満たない伸びであるが、食料と
エネルギーは目立って伸びているので
ある。その結果として、エンゲル係数
が高まっている。
家計の中で最も打撃を受けるのは、
高齢者世帯である。2017 年の家計調査では、
2人以上世帯平均でのエンゲル係数が 23.8%、
60 歳代 25.2%、70 歳以上 27.3%となってい
る。
過去 10 年間のうち、品目別物価で上昇が
目立つのは、食料品と光熱・水道である(図
表2)。それぞれの上昇率は、11.8%と
12.3%である。2007〜2017 年にかけての消費
者物価は、僅か 3.3%の上昇率である。より
実感に近い、消費者物価・総合除く帰属家賃
でも 4.4%の上昇率である。
家計消費に占める食料品の金額の割合は、エンゲル係数と呼ばれる。その割合は、2018 年上半
期・2017 年下半期の合計でみると、1988 年以降で最高だった 2016 暦年を超えている。しかし、家
計の購買力は、コストプッシュで食料品の値上がりが起きているので、実質マイナスである。高齢
者はその打撃をより大きく受ける。
(図表2)過去10年間での物価変動率
10年前比
(2017/2007)
5年前比
(2017/2012)
総合 3.3% 4.4%
(除く帰属家賃) (4.4) (5.3)
食料品 11.8 9.4
住宅(除く帰属家賃) 1.3 1.8
光熱・水道 12.3 3.1
(エネルギー) (8.1) (0.5)
交通 8.0 7.4
通信 ▲ 6.4 ▲ 3.6
家具用品 ▲ 12.8 2.2
被服 4.9 6.9
教育 ▲ 4.0 6.3
教養娯楽 ▲ 4.4 6.0
出所:総務省
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Economic Trends / マクロ経済分析レポート
食料品と光熱・水道は年平均1%以上の上昇率であり、しかも高齢者世帯はこの2品目の構成ウエ
イトが高くなっている。つまり、この 10 年間で物価上昇の痛みを受けやすかったのが高齢者だったと
いう訳である。
金融政策を論じるとき、食料品とエネルギーを除くと物価の真のトレンドがわかると信じられてい
る。しかし、そうした習慣で考えることは、生活実感と乖離した物価観を持ってしまうことになる。
また、2019 年 10 月に予定されている消費税率の引き上げでは、食料品が軽減税率の扱いになる。その
理由は、ただでさえ上昇している食料品価格がもうこれ以上高騰しては困るという高齢者の声を反映
しているのだろう。
物価上昇に対する反応
食料品価格の高騰が、エンゲル係数の上昇の背景にはある。家計は、物価上昇に対してどう反応し
ているかと言えば、購入数量を減らしているのである。おそらく、消費者が安価に敏感になることも
同時に起こっている。コストプッシュ・インフレに対して、需要を減らしているのが実態である。
この変化は、個別の品目でみるとよくわかる(図表3)。例えば、家計調査で平均価格・購入数量
がわかる分類表では、生鮮魚介は 10 年間で 23.0%の平
均価格の上昇があった。それに対する購入数量の減少率
は△35.5%と大きい。相対的に価格上昇率が小幅だった
生鮮肉は、2.8%の価格上昇に対して購入数量が 17.6%
も伸びている。家計は、生鮮野菜、生鮮果実も購入数量
を減らしている。飲料でも、価格が上がったビールの消
費量は減って、価格が下がったワインは消費量を増やし
ている。
仮に、家計調査の平均価格と消費者物価が一致して変
化すると考えると、この 10 年間で食料品の支出額が
5.0%増加しているから、11.8%の食料品価格の上昇率を差し引いて、購入数量は△6.8%も減少して
いる計算になる。
年金制度がネック
達観して考えると、食料品やエネルギー価格は、国際商品市況の影響を受けるから、日本の景気や
金融政策の影響を離れて決まってくる。日本がデフレであっても、世界がインフレならば、食料品価
格は上がる。エンゲル係数の上昇は、コストプッシュ・インフレの影響が表われていると理解できる。
食料品やエネルギーは、必需的な品目であり、本来は減らしにくい性格である。従って、これらの
コストプッシュ・インフレは、他の品目に回っていく家計の購買力を奪っていき、家計のデフレ傾向
を強めることになる。
日銀の政策になぞらえると、2%が達成できないのは、過去のトレンドの影響などではなく、コス
トプッシュの作用が実質購買力を大きく減殺しているからだ。日銀が物価をコントロールできるとい
う考え方は間違っている。さらに言えば、円安になって輸入物価が上昇しても、それは家計の実質購
買力を下げる点で逆効果である。
家計が、コストプッシュ・インフレに弱くなったのは、高齢化が進んで、所得がより固定的だから
である。全世帯ベースの有業率はここ 20 年間で大きく下がり、直近では約 60%まで低下した(図表
(図表3)家計調査の平均価格・購入数量の変化
2007年と2017円の変化率、%
平均価格 購入数量
パン 11.5 ▲ 0.9
麺類 10.2 ▲ 4.4
生鮮魚介 23.0 ▲ 35.5
生鮮肉 2.8 17.6
生鮮野菜 15.8 ▲ 3.3
生鮮果実 14.2 ▲ 15.4
油脂 17.4 ▲ 6.9
ビール 5.6 ▲ 38.3
ワイン ▲ 10.6 53.8
出所:総務省
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所調査研究本
部経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変
更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
Economic Trends / マクロ経済分析レポート
4)。これでは、デマンドプル・インフレなど起
こる訳がない。
この構造を助長しているのは、年金制度が物価
上昇に対して1年遅れてしかスライドしない仕組
みであることも大きい。消費税率が上がったとき
だけ、マクロ経済スライドが加味されて割り負け
幅が大きくなる。高齢者は、消費増税もインフレ
加速も歓迎しない。
物価スライドの仕組みが年1回で遅れることや、
帰属家賃・耐久財など物価下落が起きやすい品目
に引きずられやすいことも、本当は再検討する方
がよい。2017 年の無職世帯の割合は 39.1%にも達
するから、年金の物価スライドが現状のままであると、どうしても所得が物価に対して割り負ける構
造になってしまう。
デフレの正体の大きな要因は高齢化である。その中身に踏み込むと、年金支給額が固定的であるこ
とが挙げられる。年金制度は、2020 年に改正が見込まれるので、この論点も検討しなくてはいけない
だろう。


出所:厚生労働省、総務省
(図表4)世帯主の有業率の低下
就業構造基本調査 家計調査
全世帯(単身世帯を含む)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/369.html#c7

[経世済民128] アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は(マネーポスト) 赤かぶ
8. 2018年9月05日 07:46:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1440]
2018年9月5日 / 04:09 / 4時間前更新
米、アルゼンチンとIMFの支援前倒し巡る協議を支援=トランプ大統領
1 分で読む

[ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米大統領は4日、米国が「試練の時にある」アルゼンチンをサポートし、融資の早期獲得を巡る国際通貨基金(IMF)との協議を支えていく考えを表明した。

トランプ大統領は声明で、アルゼンチンのマクリ大統領と電話で会談したことを明らかにし、「マクリ大統領のリーダーシップに信頼を置いており、経済問題対処に向け金融・財政政策の強化を目指す、IMFとの協議を強く支えていく」と述べた。


 

 


アルゼンチン通貨危機、市場がこれほど心配する理由 財政赤字、インフレ高進、迫り来る景気後退・・・IMF救済の行方
2018.9.5(水) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年9月1/2日付)

通貨ペソ急落のアルゼンチン、緊急利上げで政策金利60%に
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの外貨両替所前の、為替レートを表示する電光掲示板(2018年8月29日撮影)。(c)EITAN ABRAMOVICH / AFP〔AFPBB News〕

 アルゼンチンの通貨危機は、改革を進める同国政府を大混乱に陥れ、投資家の不安をあおり、国際通貨基金(IMF)の記録を破る500億ドル規模の救済に疑問を投げかけた。

 アルゼンチンの通貨ペソは2日間急落した後、8月31日に安定したが、重要な疑問にはまだ答えが出ていない。

投資家が最も心配していることは何か?
 最大の懸念材料は、大統領選挙を来年に控え、アルゼンチンが迫り来る景気後退とインフレ高進の舵取りをしながら、今後数年間の資金需要を満たしていけるかどうかだ。

 調査会社オックスフォード・エコノミクスは、2018年の残り数か月と2019年の資金需要が総額770億ドルにのぼると試算している。もっと景気がいい時期でさえ、調達が難しい数字だ。

 アルゼンチンの公的債務全体の8割近くが米ドル建てのため、ペソが弱くなると、ドルでの債務返済が難しくなる。

 8月29日の7%安に続き、30日に下げ幅が2ケタに達したペソ安により、アルゼンチンの債務負担は大きく膨らんだ。

 現在の相場水準では、政府債務は今年、アルゼンチンの国内総生産(GDP)の90%に達する可能性がある。

 その結果、アルゼンチンの債務デフォルトに対して保険をかけるコストが急騰し、投資家が今アルゼンチンのことを、すでに一部デフォルトしたベネズエラに次いでリスクが高い国と見なしていることを示唆している。

金利60%でペソ急落を食い止められるか?
 8月30日には、中央銀行が政策金利を史上最高の60%に引き上げたにもかかわらずペソが急落したが、金融政策の引き締めは間違いなく相場を支える助けになる。

 中銀が示唆したように、少なくとも12月まで金利をこれだけの高水準に据え置くことは、ペソの下支えに対するコミットメントを表しているからだ。

 投資家が心配しているのは、中銀は自分の役目を果たしたが、ペソ安を食い止められるかどうかは結局、いかにして財政赤字を削減し、2019年までに赤字をGDP比1.3%に抑えるIMF目標を達成するか、政府が詳細を説明することにかかっていることだ。

 政府はこれまでに、エネルギー補助金を削減し、公的部門の賃金をカットする措置などを表明しているが、アルゼンチン政府がどれほど劇的に支出を削減し、こうした対策が確実に引き起こす政治的抵抗を乗り越えていくかは不確かだ。

アルゼンチン国民はどう思っているのか?
 今年5月下旬にペソ急落が始まって以来、国民は次第に神経をとがらせていった。今では、かつてないほど不安を募らせている。

 経済的に不安定だった長い歴史のおかげで、伝統的にドルで貯蓄する国として、ドル相場はおそらくアルゼンチン国民にとって最も重要な経済的変数だ。

 実際、為替相場はアルゼンチン政府と経済全般に対する信認の有用な代理指標になっている。

 このため8月末のペソ急落は、IMFの支援を受けた救済パッケージに対する楽観論が乏しいことを示唆している。

 忌み嫌われているIMFが前回、アルゼンチン救済に関与した際の暗い記憶を考えると特にそうだ。あの当時は、2001年にアルゼンチン経済が崩壊して終わった。

 現在、政府に忠実な支持者と対抗勢力の間に戦線が引かれつつあり、前者がマウリシオ・マクリ大統領を支持してツイッター上でのキャンペーンを後押しする一方、後者が政府の危機対応を激しく批判している。

マクリ大統領の再選の見込みはどうなる?
 政治の世界では1年は長い。アルゼンチンでは特にそうだ。

 大統領選挙が来年10月27日まで予定されていないことから、様々な問題が片づくまで、あえて先行きを予想しようとする人は少ない。

 最も重要なのは、クリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル前大統領が最近収賄スキャンダルに見舞われたことから、同氏が次の大統領選に出馬するかどうかだ(世論調査では、たとえ出馬してもマクリ氏が楽に下すと見られている)。

 それでも為替レートのボラティリティー(変動)が、選挙まで十分な時間を残してアルゼンチンが景気後退から抜け出す可能性や、しぶとく高止まりするインフレ率を抑え込む当局の試みにとって悪い知らせであることは明白だ。

 再選を目指す現職者としては、スタグフレーション期に選挙戦に入りたいわけがない。

IMFは救済プログラムの見返りに何を要求するか?
 IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事は8月29日、IMFのスタッフは「金融・財政政策の強化と社会で最も脆弱な人々を支援する努力の強化」を通じて救済計画を「修正」するためにアルゼンチン政府と協力していると述べた。

 しかし、実際問題としてこれが意味することは曖昧だ。

 一方では、強力な金融・財政政策への言及は、IMFがインフレを抑制するためのさらなる利上げや、公共財政に対する信用を取り戻し、借り入れニーズを削減するための大胆な予算削減を求めることを示唆している。

 これらは、かなりオーソドックスなIMFの処方箋だ。

 アルゼンチンのニコラス・ドゥホブネ経済相は、今年の財政赤字に対する政府の「シーリング(上限)」はGDP比1.3%だと述べているが、一部のアナリストは、IMFは計画よりも早く赤字を解消するためのもっと大がかりな対策を要求するかもしれないと話している。

 だが、IMFはラガルド氏の指揮下で、緊縮財政を押しつける無慈悲な機関というイメージを和らげようとしてきた。

 「最も脆弱な人たちを支援する努力」の必要性を認める言葉は、アルゼンチンの貧困層を傷つけることで、救済プログラムがマクリ氏の政府への支持を損なわないようIMFが必死になっていることを浮き彫りにしている。

 このためIMFは予算について、さらなる規律を求めてくる公算が大きいが、喫緊の厳しい歳出削減を要求することはないだろう。

アルゼンチンで起きることはアルゼンチンにとどまるか?
 アルゼンチンは今年に入ってIMFのプログラムに入ったが、同国の窮状は最近、トルコの金融危機によって引き起こされた混乱のせいで悪化した。

 トルコリラの暴落は8月に新興国全体に波及し、アルゼンチンに新たな圧力をかけた。

 トルコリラとアルゼンチンペソは毎日のように入れ替わりに、今年最も下げの大きい主要通貨になっている(8月30日にはアルゼンチンが再びトルコを抜いた)。

 トルコとアルゼンチンは最も脆い国かもしれないが、世界の金融政策の地殻変動によって打撃を受けかねないのは両国だけではない。

 米連邦準備理事会(FRB)は今年、あと2回利上げする計画で、バランスシートを縮小し続けている。一方、欧州中央銀行(ECB)は2018年末までに量的緩和プログラムを終了する。

 トルコとアルゼンチンの窮状は、危機後の超低金利政策という強壮剤から世界経済を脱却させるプロセスが、多くの人の予想よりも難しいことを示唆しているのかもしれない。

By Robin Wigglesworth and Colby Smith in New York and Benedict Mander in Buenos Aires

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石油離れ、トランプ氏の牽制……試練の産油国
World Now
2018.09.05
イラン・テヘランで自動車用のシートを製造する地元メーカー、ハディド・モブタケラン社。長年の経済制裁のなかで、検査機器や金型を自作する技術を磨いた
イラン・テヘランで自動車用のシートを製造する地元メーカー、ハディド・モブタケラン社。長年の経済制裁のなかで、検査機器や金型を自作する技術を磨いた
イランとサウジアラビアという中東の2大産油国のあつれきは、世界経済をも激しく揺さぶっている。そこに「石油の時代」の終わりの足音も重なり、産油国は岐路に立たされている。
「石油離れ」への不安隠さないサウジ
「原油価格が高すぎる。良くない!」

米大統領のトランプはこの数カ月、こんなツイートを繰り返している。シェールオイルで世界最大の産油国になった米国だが、なお大きな影響力を持つ石油輸出国機構(OPEC)を牽制したものだ。

原油価格は5月、米国のイラン制裁による供給不足の懸念などで、1バレル=70ドルを超す3年半ぶりの高値に跳ね上がった。一方、イランは「米国による政治的緊張のせいだ」と反発してきた。

こうしたなか、OPECは6月下旬、原油価格を下支えしてきたこれまでの協調減産を緩める形で原油の増産を決めた。

「我々は石油の需要を失ったり、石油離れを招いたりしたくない。米大統領のツイートは、それを計る指標の一つだ」

サウジのエネルギー産業鉱物資源相ハリド・ファリハは決定後の会見で、トランプの意向を考慮したことを認める一方、原油が高くなりすぎることによる「石油離れ」への不安も吐露した。

中東の新しい地図_石油の時代_2
記者会見するサウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源相ハリド・ファリハ=ウィーンのOPEC本部
背景には、「石油の時代」がいつまでも安泰ではない、との危機感がある。

石油消費の6割を占める運輸部門で、電気自動車(EV)の技術革新が急速に進む。温暖化対策のパリ協定を背景に、英仏が2040年までにガソリン車の新車販売を禁止する方針を発表し、中国やインドなど新興国も、EVシフトを加速させている。

その結果、いずれ埋蔵量が枯渇するという従来の「ピーク論」に代わり、需要のほうが先に頭打ちになるという新「ピーク論」が台頭した。ピークを迎える時期をめぐり、早ければ「2030年代後半」(OPEC、英BP)などの分析も相次ぐ。

「石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない」。技術革新による新時代の到来を予見したサウジ元石油相の警句が現実味を増している。

迫られる国内改革
「石油の時代」を謳歌してきた中東の産油国はどうなるのか。

日本エネルギー経済研究所は、需要が減って原油価格が下がると、中東の純輸出額は2050年に1兆6000億ドル(約180兆円)減る、とはじく。その通りになれば、名目GDPの13%が消えてしまう計算だ。

主な産油国は脱石油を目指した改革計画を打ち出している。特に世界が注目するのが、サウジの皇太子ムハンマドがまとめた「ビジョン2030」だ。

石油以外の政府収入を6倍にするなどの数値目標を並べ、原資として世界最大の国営石油会社サウジアラムコの株を一部上場する計画をぶちあげた。石油収入を国民に分配するだけでは体制を維持できないとの危機感が透けるが、実現には懐疑的な見方も強まっている。

一方、イランは突然の逆風にさらされている。

もともとほかの産油国と比べると、エネルギー輸出への依存度は低い。工業品、農産品ともに国内生産が進み、とりわけ自動車は昨年だけで約150万台を生産し、基幹産業に育った。

中東の新しい地図_石油の時代_5
自動車用のシートを製造する地元メーカー、ハディド・モブタケラン社。検査機器や金型を自作し、欧州への販路を開いている=テヘラン
だが、トランプ政権による圧力で外資の撤退表明が相次ぎ、8月には自動車産業などを狙った制裁が復活。11月には本丸の原油取引も対象になる。

すでに通貨リアルの下落とドル高、物価高が市民生活を直撃している。テヘランの生地店主チャルチ・ホセインプール(33)は「マイカーを売らざるを得ない」とため息をついた。「シリアやイラクもいいが、まずは自国の貧しい人を助けるべきだ」。批判の矛先は現体制にも向き始めている。

筆者
村山祐介
村山祐介
朝日新聞GLOBE編集部員
1971年生まれ。アメリカ総局員、ドバイ支局長を経てGLOBE記者。GLOBE186号で特集した「巡礼」が趣味で、銭湯とジョギングも毎週欠かせません。バックパッカーで貧乏旅行をしつつ、電子機器には散財するガジェットおたくでもあります。


 


原油価格が年末にかけて一段と上昇するワケ
1バレル=65ドル以下には下がりにくい?
江守 哲 : エモリキャピタルマネジメント代表取締役 2018年09月04日

アメリカ・テキサス州の原油掘削地域。増産できているはずなのに、 なぜ原油価格は下がりにくいのか(写真:Nick Oxford/ロイター/アフロ)
原油相場が、再び上昇し始めている。これまでは、OPEC(石油輸出国機構)による増産懸念を背景に上値が重かった。だが、ニューヨークのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は1バレル=65ドルを底値に切り返しの動きに入りつつある。

なぜ原油価格は下がりにくいのか
筆者は本欄の「OPEC増産でも原油価格が下がりにくい理由」(6月28日配信)で、「これまで割安に放置されてきたWTI原油は65ドルを底値にさらに水準を切り上げやすい環境になっている」「65ドル以下では、どの産油国も厳しい状況に追い込まれる」とし、65ドルが底値になると明確に指摘してきた。

結果的に、やはり今回も65ドルを底値に切り返しており、見立てどおりに推移している。結局のところ、原油などのコモディティの価格はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の動向に左右される。生産者が生産を継続できない価格水準は続かず、いずれ採算レベルにまで戻すのが常識的な動きである。

この「採算レベル」を考えるときに重要なことは、現在の生産コストだけでなく、将来の生産拡大や新規開発に必要な価格水準を考慮することである。現在稼働している石油鉱区では、生産コストが65ドルを超えるようなところはむしろ少数である。しかし、今後生産を拡大しようとすれば、そのコストは65ドルを超える水準にまで上がっているということである。

昨年末にアメリカのダラス地区連銀が同国のシェールオイル企業に対して実施した、「石油掘削リグ稼働数が拡大する原油価格水準」についての調査によると、60ドル以下では7.2%のみが「稼働可能」と答えている。

つまり、シェール企業の92.8%が稼働に必要な原油価格の水準を61ドル以上と答えていたのである。さらに、51.2%以上のシェール企業が、66ドル以上の原油価格が必要と回答していた。

こうした調査をみれば、少なくとも、将来の増産に向けては、最低でも61ドル以上、できれば65ドル以上の原油価格の水準が必要だったことがわかる。また、最近の調査では、さらにコストが上がっているようである。

上がる賃金と物流コスト、生産効率も低下
同国のカンザスシティ地区連銀が7月に実施した、管轄地域のシェール企業が掘削の拡大に必要と考える原油価格の水準は、すでに69ドルにまで上がっているようだ。半年前の調査では62ドルだったことから、この半年で7ドルも上昇したことになる。

コスト上昇の背景には、労働者の確保や賃金の上昇があるとみられている。また、主要シェール鉱区から原油を送り出すパイプラインの能力にも限界がきており、石油掘削リグ稼働数が頭打ちになっていることも、生産量の伸び悩みにつながっているようである。事実、直近のリグ稼働数は860基前後で頭打ちである。

問題はそれだけではない。シェール生産地域の生産量の動向を見ると、現在生産量が伸びているのは、テキサス州とニューメキシコ州にかかるパーミアン地区のみである。この地域での産油量が急増したことで、シェールオイルの生産量が急拡大したのだが、ここで2つの問題が起きている。

ひとつは、リグ当たりの産油量の低下である。つまり、生産効率が明らかに鈍化しているのである。これは、生産コストの上昇につながることになる。もうひとつは、これまでの産油量の増加で輸送力が追いつかなくなっている点である。

パーミアン地区の8月の生産量は日量340万バレルで、この1年で約4割増加している。しかし、この地域からの輸送能力は日量350万程度であり、ほぼ限界だ。

新しいパイプラインの稼働は2019年の予定であり、それまでは輸送にも限界がある。こうした状況もあり、国際エネルギー機関(IEA)は、今年のアメリカ・シェール企業の生産コストは前年比11%増加すると予測している。また、米エネルギー情報局(EIA)も、2018年の同国の原油生産量の見通しを前年比14%増に下方修正している。

これらの主要機関も、ようやくコスト増の現実に目を向け始めたといえるだろう。実際には、アメリカの産油量は増えている。しかし、想定よりその伸びが鈍化すれば、市場はこれを強気材料ととらえるのが常識なのだ。

さらに、IEAは、世界の原油市場について、「旺盛な需要と一部産油国の生産に関する不透明感から、年末にかけて需給がタイト化する可能性がある」との見通しを示している。IEAのファティ・ビロル事務局長は、「原油市場が年末にかけて引き締まるとの懸念は確実にある」とし、「非常に旺盛な需要の伸びが引き締まりを招く可能性があることや、ベネズエラの生産が崩壊していることも大きな問題」と指摘している。

さらに「ベネズエラの生産は過去2年のうちに半減しており、中東を含む産油国にも生産の脆弱性が見られる」としており、需給がさらに引き締まる可能性があるとみられている。アメリカがイランへの経済制裁を行うこともさらなる市場への原油供給が減少する要因だ。

2020年前半にかけて再度「1バレル=100ドル時代」も
これらの状況を受けて、原油価格が高騰するリスクがあると考えたアメリカのトランプ政権は、戦略石油備蓄(SPR)の放出を表明した。しかし、これもさほど効果はないだろう。

というのも、SPRの放出は、将来の買い材料だからである。最近はアメリカの生産量が増加しており、SPRの重要性は以前ほどではなくなっているものの、結局、放出された分はいずれ穴埋めされるからだ。これが将来の買い材料となるわけである。さらに、シェールオイルの増産が想定ほど伸びなければ、11月6日の中間選挙を前に、原油価格の抑制に失敗する可能性もありそうだ。

新興国などを中心に、世界的に景気はやや鈍化の傾向を見せ始めているが、アメリカの景気は絶好調である。これを反映してか、同国内の石油製品需要は最新週で日量2213万バレルとなり、ほぼ過去最高水準に達している。

これにより、石油製品需要に対する在庫は16日分と、原油価格が147ドルを付けた2008年とほぼ同じ水準である。同国内の石油需給は歴史的な逼迫状況にあるわけだ。原油価格が高くて当たり前なのである。

米中貿易問題やイラン経済制裁の行方など、不透明要因は多いが、それでも世界の石油需要は確実に増加し、生産量は高コストから伸び悩んでいくだろう。

実は、原油高は世界最大の産油国になったアメリカにとってもよい状況であるといえる。筆者は、米国株のピークを2019年後半とみているが、直近の過去の米国株とWTI原油のピークを付ける「タイムラグ」はおおむね6カ月から9カ月である。したがって、WTI原油が真のピークを付けるのはまだ先ということになる。WTI原油は年内に80ドル近くまで上昇するだろう。そのうえで、2019年後半から2020年前半ごろに100ドルまで上昇していても驚いてはいけない。





なぜ主要3通貨はあまり動かなくなったのか
新興国通貨がもっぱら下がっている
唐鎌 大輔 : みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 2018年09月05日

主要3通貨はあまり動かなくなっている(写真:ロイター/Jason Lee)
トルコ中央銀行は9月13日の政策決定会合で「政策スタンスを調整する」との声明を出した。結局、いくら意地を張ったところで通貨急落に対する手段はいくつもあるわけではない。最も根本的な手段としては「利上げ」、市場心理安定のためには「IMF(国際通貨基金)への支援要請」、対米緊張緩和のためには「アメリカ人牧師の解放」などが期待されていたが、通貨危機に対処するには「まず利上げをしたうえで次に何ができるか」を考えることが多い。

今回の声明は利上げを示唆したものと考えられるが、声明によりトルコリラが急騰するような動きは見られていない。事の発端が対米関係のこじれにあるため、利上げのみでは不安の解消には至らないということなのだろう。

新興国通貨が忌避され、ドルは昨年の下落から回復
新興国から資金が流出する事は、それがショックに発展するかどうかは脇において、避けがたいものがある。主要通貨の名目実効為替相場(2国間でなく複数の通貨の中での相対的な位置を示す)の動きを見ると分かるが、昨年こそドルが全面安となり相応の調整が進んだものの、今年に入りその調整分はすべて取り戻してしまった。

通貨別に見れば、対ドルで年初来の上昇を実現しているのは円とメキシコペソだけであり、そのほかの通貨は基本的にすべて下落している。ドル相場が調整(下落)しない理由は、米国への資本流入が旺盛であるという事に尽きるが、こうした資本の出どころが新興国となっているのが現状であり、そのあおりを最も派手に食らって、資本流出が続ているのがトルコやアルゼンチンという整理になる。

両国ほど危うい新興国は少ないにしても、FRB(米国連邦準備制度理事会)が世界の資本コストであるアメリカのFF金利(フェデラルファンド・レート、政策金利)を引き上げており、FRBのバランスシート縮小も始まっている以上、今後「相対的にリスクの高い資産市場」からは資金が抜けていくしかない。それが新興国市場や社債市場なのであり、たとえば後者について言えば、クレジットスプレッドの拡大は年初から米国でも始まっている。

この際、「相対的にリスクの高い資産市場」としてユーロや円といった主要通貨は対象になっていないことも注目したい。年初来でドルは独歩高となっているが、かといってユーロや円が下落しているわけではない。たとえば、ユーロは確かに対ドルで年初来3%下落したが(7月27日時点)、名目実効為替相場はむしろ上昇した。なぜか。もちろん、「対ドルでのユーロ売り」を超える「対他通貨でのユーロ買い」のインパクトが勝ったからである。


ユーロの名目実効為替相場についてその寄与度を通貨別に要因分解してみると、確かに最大のシェアを占めるドル(米国)に対してユーロは下落している。ここに限ればマイナス0.4%ポイントのユーロ名目実効為替相場の押し下げが確認できる。

だが一方、トルコや東欧通貨などに対してユーロは大きく上昇したため、名目実効為替相場全体で見れば上昇という結果に落ち着いている。

とりわけ対トルコリラの上昇だけでプラス0.6%ポイントと対ドルでの下落を補って余りある状況であり、「新興国からの資本流出によって主要通貨が支えられた」という典型的な構図に仕上がっていると言える。経常黒字を大きく抱える一部のアジア通貨など例外もあるが、現在の為替市場は新興国通貨を忌避し、先進国通貨にシフトする傾向がはっきり出ているように見受けられる。

また、こうした状況が最近、為替市場で膠着が騒がれる理由の1つなのだろう。多くの市場参加者が注目する「先進国 vs. 先進国」の通貨ペアでは方向感が出ない一方、「先進国 vs. 新興国」の通貨ペアでは偏った取引が続けられている。新興国通貨に売りが集中することで、先進国通貨同士の強弱関係が定まりにくくなっている市場環境があると推測される。

もちろん、アメリカ経済が低インフレ・高成長というゴルディロックス状態を続けているのでボラティリティが上がらないという本質的な事もあるだろう。だが、ドル円やユーロドルといったメジャーペアよりも、「新興国の苦境」の方がどうしても耳目を集めやすい環境になっている事が大きい。そして「新興国の苦境」はFRBが利上げを続け、米国と新興国の金利差が詰まる限りにおいて継続する可能性が高い。

現状は2006年や2007年前半に似ている?
問題はこの状況を横目にFRBがいつまで正常化プロセスを続けられるかだろう。米国内のインフレ圧力が看過できないほど大きなものであれば海外経済環境に配慮することなく正常化プロセスを続けることになる。だが、現実はそれほど差し迫った状況にもない。FRBの政策運営が方向転換する契機としてはアメリカ実体経済の失速を予想するのが筋だが、このままいけば新興国市場の混乱となるかもしれない。

主要通貨ペアに方向感が出るのはFRBの政策運営が方向転換する時と考えられる。具体的には「次の一手」が利上げではないという状況になった時、というのが筆者の基本認識である。これまでは米国内外の経済情勢が米国の金利上昇に対して踏ん張りを見せてきたため、混乱は発生していない。しかし、既に一部の国々がこれに耐えられなくなってきている。現在の状況は「大いなる安定」が称賛され、その後の苛烈な調整局面へ入っていった2006〜2007年前半の状況に似ている印象も受ける。

※本記事は個人的見解であり、所属組織とは無関係です

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/360.html#c8

[政治・選挙・NHK250] 阿修羅のサヨクの人たちは、ひんぱんに「ネトウヨ」とは言うけど、決して「安倍信者」とは言わない、怪しい事実 新新左翼
16. 2018年9月05日 08:17:53 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1441]
現代人が「欲望」に振り回される根本原因
原因は「情報過多」だけではない
ライフ 2018.9.3 #哲学 #心理学 編集者・ライター 斎藤 哲也 PRESIDENT Online 一覧 次のページ
幸福な人生とはどのようなものか。古代ギリシャの哲学者たちは、ただ生きるということではなく、よく生きることが重要だと考えた。そのための道具が「理性」だ。理性があれば、富や名誉、食欲、性欲などに振り回されずに生きることができる。だがこれは裏を返せば、それだけ理性的な行動が難しいということだ。現代の私たちはどうすればいいのか――。
透明人間になれたら何をするか
もしも透明人間になることができたら、あなたは何をするか。この素朴な思考実験を、正義や道徳に関わる問題として扱った哲学書がある。古代ギリシャの哲学者・プラトンの代表作『国家』だ。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/francescoch)
この本のなかで、プラトンの兄・グラウコンは、はめると透明人間になれる指輪に関する伝説を紹介したうえで、「この指輪を、正しい人間と不正な人間がはめると何をするだろうか」と問いかけている。
グラウコンの考えは、この指輪をはめてもなお、正義にとどまるような意志強固な人間などいるはずがない、というものだ。その後に続く部分を読んでみよう。
<市場から何でも好きなものを、何おそれることもなく取ってくることもできるし、家に入りこんで、誰とでも好きな者と交わることもできるし、これと思う人々を殺したり、縛(いまし)めから解放したりすることもできるし、その他何ごとにつけても、人間たちのなかで神さまのように振舞えるというのに!――こういう行為にかけては、正しい人のすることは、不正な人のすることと何ら異なるところがなく、両者とも同じ事柄へ赴くことでしょう>(プラトン『国家』藤沢令夫訳、岩波文庫)
いくら正しい人間だって、透明人間になれるなら、盗み、レイプ、殺人などやりたい放題を尽くすだろう、というのである。
「ただ生きる」のではなく「よく生きる」
この思考実験からグラウコンは「正義は、個人にとって善いものではない」と結論づける。彼に言わせれば、透明ならざる人間は、やりたいようにはできないから、しぶしぶ正義に従っているにすぎないのだ。
『国家論』では、この後に、ソクラテスの反論が展開される。要旨だけを述べれば、不正や悪徳を働く生き方は、魂がかき乱されるのだから、決して幸福な人生とはいえない、というものだ。
では、ソクラテスやその弟子であるプラトンにとって、幸福な人生とはどのようなものか。
それは、理性を用いて、善の何たるかを知り、富や名誉、食欲、性欲などに振り回されずに生きることだという。別の著作でソクラテスは言っている。<大切にしなければならないのは、ただ生きるということではなくて、よく生きるということなのだ>(『クリトン』)と。
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自分の見たいものしか見ない現代社会
自分の見たいものしか見ない現代社会
ソクラテス、プラトンを嚆矢として、西洋の哲学者たちは、長らく理性的に考え、生きることの重要性を説いてきた。だが、それは裏を返せば、多くの人間が理性的に生きていないことを示すものだろう。理性的な人間がマジョリティならば、わざわざ理性の大切さを訴える必要はないのだから。
私たちが生きる現代社会はどうだろうか。多くの識者が指摘しているように、ネット社会が人々を視野狭窄にしている側面があるのはたしかだろう。政治学者の片山杜秀氏は、平成史を振り返る連載のなかで次のように語っている。
<世の中が高度に複雑化・専門化したために、高等教育を受けても追いつかない。分かりにくい政治的・経済的・社会的事象も増える一方。要するにいくら学んでも追いつかず、人間がオーヴァーヒートしてしまう。そんな時代が当世なのです。
そうなると人間は自ら進んで原始宗教の時代に戻るのです。広く分かろうとしても分からないので、多くのものに目をつむり、「見たいものしか見ない」「聞きたいものしか聞かない」ようになるのです>(「AI栄えて人間滅ぶ」『小説幻冬』2018年6月号)
IT革命が夢見たユートピア
以前、この連載でも紹介したように、ヒトの心には、直感的な「速いこころ」と理性的な「遅いこころ」という2種類の情報処理システムが重なって搭載されている。「分かりにくい政治的・経済的・社会的事象」を理解するためには、直感は向いていない。安全保障はどうあるべきか、社会保障はどうあるべきかといった問題を、直感で判断するわけにはいかないだろう。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Svisio)

それゆえ、社会が複雑になればなるほど、その問題解決には理性的な能力が求められる。でも理性は「遅いこころ」なので、立ち上がるのも遅ければ、処理能力もゆっくりだ。それでもヒトが高度な文明を築くことができたのは、前回述べたように、環境を知性の一部としてきたからにほかならない。
今年、邦訳が出版された『知ってるつもり――無知の科学』(スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック著/土方奈美訳、早川書房)でも語られているように、「頭蓋骨によって脳の境界は定められるかもしれないが、知識の境界はない。知性は脳にとどまらず、身体、環境、そして他の人々をも含む」のである。
ならば、現代社会で生じる複雑な問題、解決が不可能に思えるような問題も、環境を知性の一部にすることで対処が可能なのではないか。いや、人間は、社会は、もっと賢くなれるのではないか――そう考えた人々がいる。IT革命の旗手たちだ。
情報技術の発展は、人類の知性をも発展させる。戦争、紛争、貧困、環境問題など、グローバルな問題も、情報技術を駆使すればいずれ解決されるだろう。IT革命の可能性を信じた人々は、そんなユートピアを思い描いていた。
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視野狭窄の原因は「情報過多」だけなのか?
視野狭窄の原因は「情報過多」だけなのか?
しかし現実には、片山氏が指摘するように、人々はますます視野狭窄に陥り、どの国々でも政治的対立が先鋭化している。片山氏は、その典型例として安倍政権への態度を挙げて、次のように説明している。
<政権を支持する人は、政権を擁護する保守や右派系のサイトやブログ、アカウントばかりをフォローする。政権が嫌いな人は、リベラル・左派系のメディアしか見ようとしない。自分で考え、判断するどころか、味方の論法をそのまま真似て、相手を攻撃し悦に入る。あるいは、相容れないものは端っから無視する。負荷も減って楽だし、自分に近い意見だけに接すればストレスもかからない>(同前)
この現状診断に異論はない。ただ、ひとつ疑問を投げかけるとすれば、人々が視野狭窄に陥っているのは、本当に情報過多が主要因なのだろうか。
ダマすための技術を生み出してしまう人間
テクノロジーが進歩して情報があまりに増えすぎたために、人々がその処理に追いつかず、結果として狭い見方に閉じこもってしまうという説明は、たしかにわかりやすい。でも、問題の根っこはもっと深い。
この連載でも繰り返し述べてきたように、認知科学や行動経済学は、人間がさまざまな認知バイアスに陥りやすいことを明らかにしてきた。そしてバイアスの多くは、先述した直感的な「速いこころ」と関係している。直感的な判断は、しばしばエラーを起こしてしまうからだ。
人間は思ったほど理性的でも合理的でもないことが明らかになれば、そこにつけこむ人間が出てきてもおかしくない。人間の感情や直感は非常にダマされやすい。それを見越して、上手にダマすための技術を生み出してしまうのも、また人間なのだ。次回は、その実例を見ていくことにしよう。
(写真=iStock.com)


http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/282.html#c16

[政治・選挙・NHK250] アベノミクスの名において、庶民が豊かにならない理由  赤かぶ
2. 2018年9月05日 08:24:31 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1442]

別に安倍政権を支持しているわけではないが

こうした無意味な議論では何も解決しない

>アベノミクスの名において、庶民が豊かにならない理由 

アベノミクスの定義がなく

豊かでないという根拠もなく

その理由もない


行うべきは、内外の金融経済政治情勢や、現状の厳密な分析と、

政策効果の定量的な検証とシミュレーション

それがなければ全く無意味で愚かな、単なる政治の不安定化を目指すアジテーションに過ぎないが

それが目的ということだろう


http://www.garbagenews.net/archives/1954675.html

http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/282.html?c16#c16
政権を支持する人は、政権を擁護する保守や右派系のサイトやブログ、アカウントばかりをフォローする。政権が嫌いな人は、リベラル・左派系のメディアしか見ようとしない。自分で考え、判断するどころか、味方の論法をそのまま真似て、相手を攻撃し悦に入る。あるいは、相容れないものは端っから無視する。負荷も減って楽だし、自分に近い意見だけに接すればストレスもかからない 

人間は思ったほど理性的でも合理的でもないことが明らかになれば、そこにつけこむ人間が出てきてもおかしくない。人間の感情や直感は非常にダマされやすい。それを見越して、上手にダマすための技術を生み出してしまう

http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/281.html#c2

[経世済民128] 年収1000万家庭が夢見る「私立小進学」に教育費貧乏の落とし穴(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
5. 2018年9月05日 23:59:14 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1440]
退職勧奨に応じた34歳男性がハマった袋小路「このままではホームレスになるしかない」
藤田 和恵 : ジャーナリスト 2018年09月05日

会社に言われるまま退職に応じていては、正社員になった意味が…(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
記録的な猛暑日が続いた7月末。テツハルさん(34歳、仮名)は就職活動に奔走していた。


この連載の一覧はこちら
ある日の正午過ぎ、都内のオフィス街を汗だくで面接会場に向かっていたとき、ふいに足がもつれた。景色がゆがんで見えるのは、陽炎のせいなのか、それとも自分がめまいを起こしているのか。慌ててコンビニエンスストアを探し、冷房の利いた店内に飛び込んだ。

「軽い熱中症だったんだと思います。電車代を浮かそうと、1駅分歩いたせいです」

切られるとしたら非正規社員からだと思っていた
テツハルさんは今年3月、正社員として勤めていた会社を「強制的に退職させられた」。

退職の1カ月半ほど前、上司に別室に呼び出され、「来年度のわが社にとって、あなたは戦力ではないと判断しました」と告げられた。このときに手渡されたのが、A4判サイズ1枚の「合意書」。

合意書には、「退職勧奨」を承諾することや、退職金を通常の規定に上乗せした計72万円とすることなどが箇条書きされていた。加えて一連の合意内容を第三者に漏らさないこと、退職について聞かれたときは「円満退職」とのみ述べることといった旨も記されていた。

「会社の業績が悪いというウワサはあったんです。でも、切られるとしたら、高齢の嘱託社員や派遣社員の主婦の人たちからだと思っていました。同僚たちとは『僕たちは正社員でよかったね』と話していた矢先だったんです。だから、(退職勧奨は)寝耳に水で……。退職金72万円といっても、これじゃあ口止め料じゃないですか」。

正社員でよかった、という屈託ない物言いに、かすかな違和感を覚えた。しかし、非正規労働者が真っ先に切り捨てられる現状があるのもまた事実である。

この日、上司からはその場で合意書に署名するよう求められたが、テツハルさんは応じなかった。「こういうときはすぐサインしちゃだめだっていうじゃないですか」。署名する代わりに退職金のさらなる上乗せと、退職金の振込期日を明記するよう求めたという。

私は再び違和感を覚えた。

強制退職というからには、テツハルさんはてっきりこのような「不当解雇」には応じられないとして署名を拒んだと思ったのだ。しかし、実際には退職金の金額や期日についての交渉に入ったという。条件さえ整えば、退職勧奨自体は受け入れる――。少なくとも会社はそう受け止めただろう。

労働基準監督署で相談員に言われたこと
一方で、テツハルさんは労働基準監督署にも足を運んだ。しかし、相談員からはこう言われたという。

「(今回の退職勧奨は)倫理上は望ましくないが、法律上アウトとはいえません。(労使間紛争を解決する手続きである)労働審判は、結論が出るまで1、2年かかるし、実名で会社と交渉をしなくてはなりません。その間、気持ちよく働き続けることができますか?」

会社には逆らわないほうがいい――。そう言われていると感じた。テツハルさんは「労基署も僕の味方にはなってくれない。世の中、敵だらけだと思いました」と振り返る。

結局、会社は退職金の上乗せには応じなかった。上司から「君はまだ若い。3カ月くらいあれば(再就職先は)決まるだろ」と促され、テツハルさんはついに合意書に署名した。

都内で自営業を営む両親の下で育った。私大を卒業したときはリーマンショックの直前で、就職状況は「売り手市場」。複数の内定の中からアパレル関係の専門商社を選んだ。

正社員で年収約300万円。雇用条件は安定していたが、勤続3年目あたりから、上司によるパワハラが始まった。

後頭部をひっぱたかれる、背中を蹴られる、営業車を運転中に助手席から首根っこをつかみ上げられるなどの暴力を受けたほか、商品の色指定をめぐる行き違いがあったときには、同僚らの前で「お前、色盲か!」と罵倒されたこともある。

暴言や暴力は、理由なく受けることもあった。社内の担当部署に訴えたものの、結果は上司にばれて「チクリやがって」と怒鳴られただけ。たびたび「大卒は使えねえ」とののしられたといい、テツハルさんは「この上司は高卒。パワハラの根っこには学歴コンプレックスがあったと思います」という。

もともと細身だった体は2年ほどで10キロやせ、45キロ近くになった。精神的にも追い込まれ、最後は自ら退職した。

この専門商社を辞めた頃、世間はリーマンショックの影響で、景気は悪化。仕事探しは難航し、やむをえず派遣社員として働き始めた。年収は二百数十万円で、前職に比べて50万円以上のダウン。一方で職場の人間関係には恵まれ、心身はしだいに回復したという。

ところが、勤続4年を過ぎると、突然、派遣元の営業担当者から雇い止めをほのめかされるようになった。この担当者はあろうことか「あなたのような人が何年も派遣社員なんて仕事をしていていいんですか。このまま働いても、将来、時給が上がることもありませんよ」と説得してきたという。

「採用時は、『あなたのスキルとキャリアを生かしてください』と言っていたくせに」

テツハルさんがあきれて担当者の話を受け流していると、今度は、派遣先が閑散期に入ったという理由で、突然、1カ月間にわたり出勤日をゼロにされた。“兵糧攻め”である。結局は雇い止めに応じざるをえなかった。

典型的な雇い止めの手口
勤続4年を過ぎた頃の雇い止め――。これは、労働契約法18条に基づく「無期雇用転換」を逃れるための典型的な手口なのではないか。

同法18条は、アルバイトや派遣社員などの有期契約労働者が通算5年を超えて契約更新した場合、期間の定めのない無期雇用へと転換することができるとしている。しかし、無期雇用にしたくない一部企業が、無期雇用転換が始まる2018年4月より前に従業員を雇い止めにする「無期転換逃れ」が社会問題となっている。

私がそう指摘すると、テツハルさんは「そういう法律があることはなんとなく知っていました。でも、自分とは関係ない法律だと思っていました。派遣会社から何の説明もなかったですし……」と言う。

今年3月に退職した会社は、派遣社員を雇い止めされた後、ようやく見つけた仕事だった。年収も約280万円と比較的安定していた。しかし、正社員は簡単にクビにならないというテツハルさんの見立てとは裏腹に、同じ時期、彼を含む数人の正社員が退職勧奨を受け、辞めていったという。

テツハルさんは今も就職活動中だ。条件は、「ボーナスがあって、身分保障が手厚い」正社員だという。この間、インターネット上の転職サイトやハローワークを通して約200社に書類を出したが、面接できたのはわずか30社ほど。「年齢がネックになっていると思います」。

就職活動をする中で、3月まで勤めていた会社の求人情報を偶然、目にする機会があった。小規模な人員募集だったこともあり、自分の後任がアルバイトとして募集されていることを知ったという。テツハルさんは「自分の仕事はアルバイトでもできたと言われているような気がして、すごく不愉快でした」と憤る。

これまで仕事が長続きしなかった原因について、テツハルさんは「巡り会った上司たちがあまりにもヘンな人たちだったからです」と怒りを込める。そして、今後はパワハラや退職強要のターゲットにならないよう、「自衛策として、職場では業務以外の話はしないようにします」と続けた。

テツハルさんとのやり取りはスムーズで、社会人としても十分に有能に見えた。一方で、「怒りのポイント」が私とは微妙にずれていた。

テツハルさんの後任がアルバイトなのは、彼の担っていた仕事が取るに足らなかったからではなく、会社がより簡単にクビにできる、低賃金の非正規労働者に置き換えたからだ。非正規労働者が増える中、正社員並みの業務を任されるアルバイトや契約社員は大勢いる。

また、上司らの属人的な問題もさることながら、パワハラを見て見ぬふりをしたり、こそこそと無期転換逃れをしたりする企業側の構造的な問題のほうがより深刻なのではないか。

なにより、会社に言われるまま退職に応じていては、正社員になった意味がない。

守ってくれる労働組合なんてなかった
そう伝えると、テツハルさんはこう答えた。

「抵抗しようにも、(守ってくれる)労働組合なんてありませんでした。個人で入れるユニオンとかいうのがあると聞いたけど、どういうところかよく知らないし。どっちにしても会社とやり合えば、時間と手間がかかりますよね。それよりも嫌なことは一刻も早く忘れたいんです。新しい仕事をして、嫌な記憶から早く逃れたいんです」

失業から5カ月余り。猛暑が一段落した今も、まだ次の仕事は見つからない。

「このままではホームレスになるしかない」

そう不安を漏らしていたテツハルさんからは、取材後もLINEが届いた。

「(約束の)期日に結果を教えない企業は最悪」

「私はやはり社会から死を宣告されているのでしょうか」

進むも地獄、退くも地獄――。テツハルさんはそんな袋小路にはまっている。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/353.html#c5

[経世済民128] 東大生の親の6割以上は年収950万円以上(ニューズウィーク)  赤かぶ
1. 2018年9月06日 00:16:40 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1441]

>東大生の家庭の収入は一般群と比較して著しく高い

これは正しくない

東大生の親の平均年収は約1000万円であり、

大学生の家庭の平均年収は830万円で、国立は841万円、公立は730万円、私立は834万円だから

せいぜい2割高いだけ

大学に行くのは贅沢消費だから、その親の年収が高いのは当然だし

国立に入学できる親の知能は、相対的に高く

知能と所得も、ある程度の相関があるから

その賃金が高めになるのも自然ということだろう


また、親の所得や高等教育の影響よりも、小学校入学以前での

勤勉や自立、創意工夫など生活習慣の習得の方が、遥かに

子供の生涯年収と生産性との相関が高いので

依存症などのダメな親の場合、できるだけ早期に、その悪影響から引き離して

基礎的なトレーニングを与えることが重要だろう

http://blogos.com/article/190505/
「経済格差は知能の格差」「知能は遺伝の影響強く受ける」 橘玲氏の記事が物議、日本の教育政策はムダなのか


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/378.html#c1

[経世済民128] 東大生の親の6割以上は年収950万円以上(ニューズウィーク)  赤かぶ
2. 2018年9月06日 00:26:11 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1442]

とは言え、最終的には、東大を出ようが、中卒だろうが、AIロボットの生産性には勝てなくなり、基幹的生産活動においてヒト自体、必要なくなるから、大した問題ではない


 

 

MONEY VOICE2018年09月05日 07:05ロボットに仕事はぜんぶ任せよう。人間は給付金で遊んで暮せばいい
 

ロボットが人間の仕事を奪う、所有者に富が集中するとの意見を見ると不安になりますが、未来は明るいかもしれません。働かなくても豊かに暮らせる時代が来ます。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
株式会社銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

「ベーシックインカム」と「ロボット化」がもたらす明るい未来

子どもの頃に夢見た「アンドロイド」が現実に
当メルマガでは、以前からAI(人工知能)やロボット化について、いろいろと考えてきました。

たとえば、次のような疑問です。

・AIとロボット技術が合わさると、それは僕たちが子どもの頃に見た「アンドロイド」ではないのか

・アンドロイドは人間に代わって働き、人間はいままで担ってきた労働から解放されるかもしれない

・そのとき、人間はどうやって収入を得るのか

・アンドロイドの所有者に富が集中してしまい、それ以外の庶民は残された仕事を分け合って細々と生きていくのか

もし上記のように、「アンドロイドの所有者に富が集中する未来が来るとすれば、それはかなり憂鬱だな」などと悶々としていました。

ところが、先日ある新聞(雑誌かもしれません)で面白い考えを目にしました。

ベーシックインカムが「富の集中」を解消する
どなたが書かれた記事だったか記憶にないのですが、簡単にいえば以下のように、「AIロボット社会」と「ベーシックインカム」の組み合わせについて書いたものでした。

企業は業務の大半をAIロボットに置き換える
  ↓
ロボットには人件費がいらないので、企業の利益は増える
  ↓
その企業が納める法人税も増える
  ↓
その法人税を原資に、政府はすべての国民に一律のお金(=ベーシックインカム)を給付する

僕はこの記事を読んで、「あり得るな」と思いました。

ベーシックインカムというのは、年金や低所得者への生活保護、児童手当などに代え、すべての国民に対し一律にお金を給付するという考えで、近年ヨーロッパを中心に注目を集める政策です。すでに北欧では実験段階に入った事例もあります。

ベーシックインカムはロボット化を念頭に生まれた概念ではないですが、僕はロボット化とベーシックインカムの相性はすごくいいと思いました。

ロボット化が未来を破壊するという懸念
ロボット化の最大の懸念は、人間に残された労働が少なくなり、労働者が収入を得る機会が減る点にあります。

その結果として労働者が貧困化するようなことがあれば、消費は減りますので、企業の売り上げも減り、経済は縮小してしまいます。

なぜベーシックインカムが経済成長を促すのか
ロボット化の「負の側面」が取り沙汰されていますが、ベーシックインカムによって、懸念点の1つである貧困化を緩和できるとすればどうでしょう。

消費が拡大し、企業の収益の拡大し、法人税が増加する。その結果、ベーシックインカムの拡大余地が生まれるという、好ましい経済循環が生まれるのではないでしょうか。

これはロボットに人間の代わりに仕事をしてもらい、そこから得られる付加価値を、国民すべてに分配するということです。

人間は「週3日」働けばよい
では、このような社会で私たち国民の生活はいったいどのようになっているのでしょう。

ロボット化からもれた仕事もある程度は残るでしょうから、すべての労働が無くなるとは思えません。それでも国民の就労時間は劇的に短くなり、例えば1日の労働時間は5時間ほど、それも働くのはせいぜい週3日ほどといった感じになるかもしれませんね。

通信手段の高度化とAI技術の進歩によって、大半の仕事は一か所に人が集まってやる必要はなくなっており、自宅や最寄りのサテライトオフィスで済ませることになるでしょう。

モノを大量に生産する現場はロボット化されていますから、人が企業に就職するという形態は主流ではなくなっていると思います。

働かなくても「そこそこ豊かに暮らせる」日が来る
代わって小規模な会社や個人が消費者と直接結びついて、ニッチなサービスを請け負ったり、嗜好性の高い商品を少量つくったりするといった商形態が主流になっているのではないでしょうか。

一方で、人はベーシックインカムがありますから、仮に働かなくてもそこそこ豊かな生活ができるはずです。向上心のある人は、自己実現のために個人間でモノやサービスを売買したり、小規模な事業を起こしたり、場合よっては起業を試みるといったケースも増えるでしょう。

このようにAIやロボット化された社会と、ベーシックインカムの相性は素晴らしく、上記のような明るい近未来がやってくるのかもしれません。少なくとも私たちの意思で、そのような社会をつくることはできると僕は思います。

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[自然災害22] 経済損失1410兆円!南海トラフの恐怖! Nスペ 「MEGAQUAKE 南海トラフ巨大地震 迫りくるXデーに備えろ」  赤かぶ
7. 2018年9月06日 00:43:49 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1443]
南海トラフ地震は被害1410兆円、回復20年
気鋭の経済論点
「国難」もたらす南海トラフ地震
2018年9月6日(木)
藤井聡
南海トラフ地震の経済的被害は最悪の場合、1410兆円に達すると試算した。国家の危機に備えるには耐震補強工事だけでは足りない。大都市に集中する人口を分散する必要がある。
(日経ビジネス2018年7月9日号より転載)

藤井 聡[ふじい・さとし]
京都大学大学院 教授
________________________________________
1968年奈良県生まれ。98年に京都大学で工学博士号を取得。東京工業大学教授などを経て2009年から現職。土木工学を専門とする。安倍政権で内閣官房参与を務める。
 政府は、今後30年以内に南海トラフ地震が起きる可能性を70〜80%と見積もっている。伊豆半島から九州に至る太平洋側の広い地域に被害が出ることが予想される。
 内閣府はこれまで道路や建物など建築物(ストック)を中心に被害額が約200兆円に上るとしてきた。だが建築物が壊れることで、企業の生産活動や個人の消費(フロー)が長期的に低迷することまでは織り込めていなかった。長期的な影響を考慮しなければ被害の全体像を描いたことにはならないのだが、計算は容易ではない。

(写真=AP/アフロ)
過去の大震災を参考に試算
 筆者が幹事長を務めた土木学会の技術検討委員会はこの難題に取り組み、6月に報告書を公表した。南海トラフ地震の被害額(ストックとフローを合わせた総額)は、従来の7倍に当たる1410兆円に達すると結論づけた。
 試算の手がかりにしたのが過去に発生した巨大地震のデータだ。2011年の東日本大震災で集めた膨大な交通データを参考に、南海トラフ地震で道路網がどの程度破壊されるかを推計した。
西日本の太平洋側を中心に被災する
●内閣府が南海トラフ地震で予想する震度6以上の地域

 加えて1995年の阪神大震災のデータや、内閣府が公表している津波の浸水エリアを基に生産設備の破壊状況を推計した。
 こうして得られた道路と生産設備の被害データを、人や物の移動を考慮したSCGE(空間的応用一般均衡モデル)と呼ばれる経済モデルに入力することで、最大級の震度の場合、南海トラフ地震直後にGDP(国内総生産)がどの程度落ち込むかを割り出した。
 その後の回復のペースは、阪神大震災と同じと仮定した。阪神大震災では20年かけて被災地のGDPが少しずつ回復していったことが今回の分析から分かった。同じ回復曲線を南海トラフ地震に適用すると、被害額は20年間で合計1048兆円となった。これは南海トラフ地震が発生しなかった場合に予想されるGDPとの差額である。
 さらに内閣府が想定する建築物や港湾の被害を加えて、日本全体の経済被害は20年間で1410兆円という数字を弾き出した。まさに「国難」といえる状況だ。
阪神大震災は回復に20年かかった
●全国を基準値とした場合の阪神大震災の被災地のGDP

出所:土木学会のレジリエンス確保に関する技術検討委員会
 ではどうすればいいのか。被害を減らすには、耐震補強工事が有効だろう。今後38兆円をかけて道路や建物、港湾の耐震性を強化し、さらには強い防潮堤を整備すれば、20年間の被害額を509兆円減らせる。
 財政への影響も調べたのが今回の試算の特徴だ。財務省が失う税収は20年間で131兆円に達した。一方で耐震補強工事は財政的被害の軽減にも有効で、54兆円圧縮できることが分かった。これはつまり、耐震補強に38兆円を費やせば、税収が54兆円増えることを意味している。差し引き16兆円のプラスだ。
 防災事業は財政を悪化させるのではなく、むしろ「健全化」につながるのだという発想の転換が必要だ。税収基盤を守るためにも、財務省はより積極的に防災事業に予算をつけるべきだろう。
経済的被害は巨額だ
●大震災の被害額と耐震補強の効果
地震名 直接的被害
(ストック) 間接的被害
(フロー、20年累計) 耐震補強
費用 減災額
南海トラフ地震 170兆円 1240兆円 38兆円 509兆円
首都直下地震 47兆円 731兆円 10兆円 247兆円
 ただし防災の公共工事を施しても、1000兆円近い規模の被害が残り、国難から逃れられるわけではない。筆者はさらに被害を減らすため、都市機能の地方分散が必要と考える。
 先進国の中でも日本は、一部の大都市に人口が過度に集中する特異な国だ。戦後に新幹線や高速道路の整備が東京や大阪、名古屋に偏ったため、日本海側の都市が衰退していった。
 高度成長期に「日本列島改造論」を掲げた田中角栄首相が地方に道路や鉄道を必要以上に整備したという「常識」を信じる人は多いだろう。しかし欧米先進国のデータと見比べれば、地方の交通インフラの整備は圧倒的に足りないことは明白だ。
 南海トラフ地震は人口が過度に集中した大阪や名古屋を直撃するため、被害額はおのずと大きくなる。これに対して地方にも人口が分散していれば、当然今回の試算ほど被害額は大きくならない。
 大都市に人口が集中する弊害は、首都直下地震でより顕著だ。土木学会の委員会では、首都直下地震の被害額を20年間で778兆円と試算。そのうえで、耐震補強に10兆円を費やせば、被害は約3割に相当する247兆円が圧縮されるとした。
 ただしそれでも7割の被害が残存する。これを抜本的に縮減するには、人口の地方分散を図るしかない。土木学会の試算では、地方部の新幹線の整備などを通して仮に3割の分散化が果たせるなら、被害は半減以下になると推計している。
18世紀にはポルトガルが没落
 ところで一部の大都市に人口が集中したまま南海トラフ地震が起きれば、被害額は1410兆円では済まない、と筆者は思っている。というのも今回の試算のベースとした阪神大震災では、東京や名古屋などの経済圏はほとんど影響を受けることなく、兵庫県をはじめとする被災地を支援できた。
 一方、南海トラフ地震では大阪や名古屋はもとより、東京を含めて主要な経済圏が軒並み影響を受ける。被災地は国内から十分な支援を受けられず、GDPは20年で回復しない可能性もある。
 1755年、ポルトガルの首都リスボンを大地震が襲い、経済は壊滅した。当時植民地拡大で栄華を誇った同国はこれ以降、現在に至るまで大国の地位を回復できていない。同じように日本にとり南海トラフ地震が長い低迷期の入り口になる可能性がある。数百年では利かず、1000年単位の低迷となる恐れすらある。
 東日本大震災では「1000年に1度」という想定を超える規模の地震が発生したとされた。今回、土木学会は考え得る限り最大の被害を織り込んだ。つまり、もはや「想定を超えた」との言い逃れはできない。国は都市機能の分散などの抜本的な対策に本気で取り組む必要がある。
(構成=吉野 次郎)


このコラムについて
気鋭の経済論点
社会的な課題に対して私たちはどのように対処していけばいいのか。経済学の視点から分かりやすく解説するコラムです。執筆者は、研究の一線で活躍する「気鋭」の若手経済学者たち。それぞれのテーマの中には一見難しく感じるものもありますが、意外なところに経済学が生かされていることも分かるはずです。


http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/599.html#c7

[自然災害22] 経済損失1410兆円!南海トラフの恐怖! Nスペ 「MEGAQUAKE 南海トラフ巨大地震 迫りくるXデーに備えろ」  赤かぶ
8. 2018年9月06日 00:45:08 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1444]

いずれにせよ、小さな地震の予知に一喜一憂しても意味はなく

着実に巨大地震に備えることが重要

http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/599.html#c8

[経世済民128] 東大生の親の6割以上は年収950万円以上(ニューズウィーク)  赤かぶ
3. 2018年9月06日 00:48:09 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1445]

「子どもは学校に行かなくてもいいんじゃない?」
孫泰蔵「思考停止を疑え」
変化する社会を生きるために必要なスキル

2018年9月6日(木)
孫 泰蔵

新しい発想を生む視点や思考の組み立て方、その実践方法について、孫泰蔵さんに聞く連載「思考停止を疑え」。今回は「教育」にまつわる思考停止をテーマに聞いた。

(聞き手:日経BP社出版局編集第一部長・中川ヒロミ)


「オフィスと社員はもう要らない」という衝撃的なメッセージから始まった当連載、孫さんが繰り返しおっしゃっているのが「思考停止せず掘り下げよう」という提言です。教育に関してもお考えがある、とのことですが。

孫泰蔵氏(以下、孫):「これまでと同じ行動を取っているほうが安心」という“経路依存性”がはたらいて、教育についても思考停止状態に陥っている人は少なくないように思いますね。

私にも小学生の息子がいますが、親としてどういう教育をわが子にすべきかと不安になります。

孫:実際、どんな不安があるのでしょう?

小さなところでは「宿題をきちんとやらなくて困った」から始まりますが、集約すると、「将来ちゃんと社会でやっていける大人に育つために、勉強をしてほしいし、できれば就職に有利な学校に進んでほしい。でも、子どもは思い通りにならない」というところでしょうか。

孫:なるほど。では、さっそく問いを立てていきましょう。まず「ちゃんと社会でやっていく」とはどういう状態なのでしょうね?

「自分でお金を稼いで独力で生活できる」ということでしょうか。経済的に自立し、周りの人とも協調できる力は、やはり身につけてほしいと感じるのが親心なんです。

孫:ふむ。そうすると、ここで次の問いが立つわけですが、僕らは本当に“独力で”生きていかなきゃいけないんでしょうか? 経済的に自立しなきゃいけないって、誰が決めたんでしょうか? というか、そもそも経済的に本当に自立できている大人って、いますかね? 会社員は経済的に会社に依存しているじゃないですか。会社が潰れた途端に路頭に迷うわけですから。なんとなく、「バイトより正社員のほうが経済的に自立している」ようなイメージがありますが、どっちも同じ、会社に依存している生き方です。

 では自営業はどうでしょうか。自分の裁量で稼いでいるという点では何かに依存しているわけではないように見えます。でも実際には自営業で成功している方ほど「周りのおかげ」とおっしゃいます。

 これは僕の持論として言い切るのですが、人は独力で生きていけるわけがない。皆が支え合わなければ生きられないから社会を構成しているわけです。自分だけではできないことだらけだから、誰かそれを補助してほしい。その対価としてお金が必要で、だからたくさんお金を持つと安心できるという心理が生まれる、というわけですね。他に教育上の不安といえば、何か浮かびますか?

「周りの子と歩調を合わせないといけない」という不安もよく聞かれます。自分の子どもに少しでも不登校の兆候があると「このまま引きこもりになったらどうしよう」と心配になりますし、学校の先生から「昼休みに外に出て友達と遊ばず、1人で教室で過ごしているのが気がかりです」と言われて悩んでいる親もいました。

孫:その先生にぜひ直接聞いてみたいですね。なぜ昼休みに全員外に出て遊ばないといけないのか? と。「子どもは外に出て遊ぶもの、なんて誰が決めたんですか? あなた、毎日必ず運動場で遊んでましたか?」と問いたい。大人も子どもも関係なく、行きたい時には行くし、行きたくない時には行かない。そんなの人それぞれやんか、という話です。


お稽古の強要は「パワハラ」と同じ
ただ、親も子も「皆と違うことをする」と不安になってしまうのも正直なところです。周りと一緒に塾に行かせて、なんとなく受験する。子どものことになると、「取り返しのつかないことにならないように」と心配になり、安全そうな場所を選びたくなるんです。

孫:出ましたね、僕が最も引っかかるワード(笑)。「取り返しのつかないことにならないように」。これ、すごく矛盾していると思うんですよね。取り返しのつかないことっていうけど、親自身がいったいどれだけ取り返しのつかないことを経験してきたというのでしょうか?

 僕の知人が「子どもを英語教室に行かせてるんです」と言ってたんですね。「いろいろ調べて、のびのびと子どもが楽しんで学べる英語教室を見つけてきたんですよ〜。すごくいいところで」と満足気に。「良かったですね!ところで、あなたは英語話せるんですか?」と聞いたら、「いえ、苦手です」と。「そうなんですか。一緒に通わないんですか?」と聞くと、「いえ、私はいいんです」って言うんですよね。「もういい年だし、海外旅行程度はなんとかなるし、今さらやっても頭固いし」って。「お子さんは楽しそうに通っているんですか?」と聞くと、「うーん、まぁ、行けばなんとか」と。それを聞いて、おかしくないか?と僕は言いたくなるわけです。ずるくないですか。子どもにはやらせるのに、自分はやらないって。子どもが自分から行きたいと言っているならまだしも、行きたがっていない子どもを行かせるなんて。部下の意思を確かめもせずに「いいから黙って、研修に行ってこい!」と無理強いする上司のパワハラと何が違うのかと。

「いやいや」と反論、あると思います。「私も親として、子どもを思ってのことです。早く英語を身につかせないと取り返しのつかないことになると心配だから」と。でもね、実際のところ、英語ができないまま大人になった自分はどうですか。取り返しがつかないことになっていますか。本当に必要に駆られたら、血眼になってやり直そうとするんじゃないですか。


いやもう、耳が痛い。確かに親も自分のことになると、取り返しはつくと思っているんですよね。
孫:そうです。30歳だろうが40歳だろうが、急に海外赴任が決まったり、英語が絶対必要な条件にさらされたら、本気でやろうとするし、取り返しはいくらでもつきます。

 僕、「本当に取り返しがつかないものってあるだろうか?」と真剣に考えてみたことがあるのですが、確かにあるにはあるんですよね。例えば、35歳を過ぎていきなりトップアスリートになるのはなかなか難しいでしょう。でも、そういうことくらいじゃないでしょうかね。つまり、フィジカルな条件に縛られる特別なことでない限り、たいてい“取り返しはつく”。語学やプログラミング程度のスキルは、何歳であっても本気で取り組めば身につくものだと思います。

たしかに冷静に考えると、焦らなくていいのかもと気づきますね。

孫:僕はモワッとした不安を感じた時には、不安のもとが特定できるまで考え抜くようにしているんです。考えないといつまでも不安が消えず、焦りを解消することに忙しくなりますから。真っ暗闇の空間を歩くのは怖いけれど、その暗闇の中のどこにソファがあり、テーブルがあるのか、特定できていれば、恐れを感じずツカツカと歩けるはず。知らないこと、つまり「不明」が不安を増大させると思うんです。

 そして、この増大した不安を利用しようとするのが教育産業の一部の人たちです。「バイオリンを習わせるなら3歳からですよ」「テニスのトッププロを目指すなら5歳までにはラケットを」と“取り返しがつかなくなる不安”を刺激して、親を消費に向かわせる。産業側は現在活躍している演奏家や選手が皆そうであったかのように言葉巧みに宣伝しますが、実際には、中学の部活から始めてトッププロになった人だって相当数いるわけです。本当はいろいろな事例があるのに、一部の例だけを強調して不安を喚起させる。このビジネスに巻き込まれている親はとても多い。


子ども自身の意思表示を待て
その時々で最高の環境を与えるのが親の責任ではないかと思い、いろいろやらせなければと焦ってしまうんですよね。

孫:それもまた、よくある親の思考停止ポイントの一つです。「最高の環境を与えること」は親の責任だろうか?と問うてみてほしいです。自分が育てられた過程を思い出してみてください。子ども時代に親がやってくれたことのすべてが「最高だった」と思いますか。

 僕の場合は、小学生時代に「野球をやりたい」と言ったら「ダメ。塾に行きなさい」と言われて野球を諦めたのですが、それで親を恨んでいるかというとそんなことはありません。本気で野球をやりたければ、親に何を言われてもやっただろうし、それほどの強い動機ではなかったことは自分でも分かります。

 大丈夫です。今ピアノを習わせなかったからといって、将来、子どもに恨まれることはありませんし、もしも恨まれたとしたらろくでもないと僕は思いますよ。なに人に責任転嫁してんだと。本気でやりたければ、いつでも自分の力で切り開ける。それくらいの力は、人間誰でも備えているんです。そこを信じましょうよ。むしろ、本人が本当にやりたいと思ってないのに無理やりやらせることで、せっかく素晴らしいことなのにそれを嫌いになるかもしれないというマイナスについて考えるべきです。

子ども自身の「これをやりたい」という気持ちが芽生える時を待てと。孫さんのお子さんは4歳ということですが、「○○したい」という意思表示はさすがにまだ?

孫:めちゃくちゃありますよ。最近は、「マーブル・メイズ」というビー玉を穴に落とさずにゴールさせる工作にハマっていて、この間、僕も一緒になって段ボールで1日かけて作りました。でも、「段ボールだとイマイチ」という評価を受けて落ち込んで(笑)。「今度は3Dプリンタで作ろう!」と意気込んでます。

そういった動機付けはどうやって? 何か手本を見せるのですか?

孫:こちらから見せるというわけではなく、本人が勝手に見つけてくるんです。「YouTube」とかを見て。

「昔、自分がやりたくてできなかった野球を、わが子にはやってほしい」という思いは?

孫:まったくありませんね。自分が子どもの立場だったら嫌だと思うからです。ありがちですよね。医者になってほしいから、ナイチンゲールの伝記を読ませるとか(笑)。でも、子どもだってバカじゃないので、親の気持ちを汲み取って忖度しますよ。子どもは親が好きだから、親の期待に応えようとするものですからね。それが結果的に、本人が心から好きになれる道ならいいけれど、そうじゃなければ不幸の道にしかならない。いずれは「私の好きにやらせてほしい」「俺のやりたいことをやらせてくれよ」とほころびが出る。

とはいえ、なんでも好きなように子どもにさせて本当に大丈夫なのか?という不安はつきまとうのではないでしょうか。例えば、学校に行くことも嫌だと言いだしたら?とか。引きこもりになってしまったら、どうしようと。

孫:ここでまた思考を止めてほしくないんです。「引きこもったら何が悪いんですか?」という問いを立ててみましょうよ。引きこもりってただの結果でしかなく、たまたまインドア派で外に出る頻度が極端に少ないだけであって、「イコール100%ダメ」とは言い切れないと思うんです。

たしかに、好きなことを追求した結果の引きこもりならポジティブに捉えられるかもしれませんが、「外に出るのが怖い」というタイプの引きこもりだとすれば?

孫:なぜそうなったのかを考えることが大事だと思います。きっとその背景には、「行きたくないところに無理やり行かされて、嫌々やらされていることに適応できず、いじめられて……」という原因がある。本当に好きなことだけをやり続けていたら、「外に出るのが怖い」という気持ちになるはずがありませんよね。引きこもりの原因はいたってシンプルだと僕は思います。引きこもりは、行きたくないところへ子どもを無理やり行かせるから起こるんだと思います。「行かなければならない」と親が子どもに強いるからますます嫌いになり、それが最後には「引きこもり」という形で爆発してしまうんだと思うんです。

 学校に行くかどうかも自由に選択していいと思いますし、僕個人の考えをもっと言ってしまうと、「学校は行かなくっていい」とさえ思っています。これまで自分のFacebookにもマイルドに投稿していますけれど、ぶっちゃけ、「学校なんか行かせるかっつーの」というくらいの気持ちです。


10年で世界はがらっと変わる
なぜそこまで言い切ってしまえるんですか?

孫:理由をこれから説明します。以下の1900年に撮影されたニューヨーク5番街の写真には、この年に初めて公道を走った自動車が1台だけ写っています。この頃の人々の交通手段は馬車でした。しかしこの13年後の同じ場所の写真を見ると、道路は自動車で埋め尽くされ、逆に馬車が1台だけになっているんです。街の風景が一変するのに要した年数が、たった13年だったことを証明しています。振り返ると、スマートフォンも10年程度でほぼ「皆のもの」に浸透しましたよね。


1900年に撮影されたニューヨーク5番街の様子(写真:TopFoto/アフロ)
たしかに10年前には想像しなかった世界を、今の私たちは生きています。

孫:世の中の前提となるテクノロジーは10年程度で変わる。交通手段の変遷でいうと、この先10年の変化として予想されるのは、当然、「自動運転」になるでしょう。

 テクノロジーの変化は、人々が習得すべきスキルをも劇的に変化させます。19世紀の馬車の時代には馬術が必須科目でしたが、20世紀には運転免許が必須となり、21世紀にはAIをうまく使いこなす能力が問われていく。

 社会を生きるために必要となるスキルはそのまま教育にも反映されます。19世紀には読み書き算盤、20世紀はいろいろな知識の正確な習得でした。必要な時に必要な知識を取り出して応用できる知力が評価され、それを測るためのテストも必要とされてきました。さて、これからはどうか。

 知識の量ではAIに絶対にかなわない中で人間ができるのは「自ら未来を切り開く力」でしょう。具体的には4つのCと言われていて、「クリエイティビティ(創造する力)」「クリティカル・シンキング(常識を疑い、枠組みを変えて物事を見る力)」「コミュニケーションスキル」「コラボレーションスキル」。ここまではきっと、「ふむふむ」と聞いてくださる方が多いと思うのですが、僕がさらにここで踏み込みたいのが、「じゃ、この4つを教えるのに最適な場所はどこですか?」という問いです。

それが必ずしも「学校」ではないのではないかと。

孫:はい。これらの力を育む上で、学校は最悪とは言わないまでも、決して良い場所ではないと思います。1時間目・国語、2時間目・算数、3時間目・社会と、決められた時間割の中で決められた教科書の範囲を学ぶ環境で、はたしてクリエイティビティが育めるのか?と思うわけです。「勝手なことをしてはいけない」という同調圧力は、クリエイティビティにとって真逆の環境。学校や先生の方針に従わないと叱られるんですから、クリティカル・シンキングの力も育つはずがありません。

 さらに、教室は同学年で統一されるというのも不自然です。多様性のある環境でのコミュニケーションスキルやコラボレーションスキルが育まれません。ということで、いまの日本の学校の大半は21世紀に必要なスキルを習得するのにはまったく適さないという結論に至ったわけです。


「経験主義型」の学びの場を増やしたい
学校をなくしてしまったほうがいい、というくらいのご意見でしょうか?

孫:いえ、「選択肢をうんと広げて、学校に行ってもいいし、行かなくてもいいし、複数の学校に行ってもいいし、学校ではない他のところで学んでもいいというような、『社会全体』で学べる環境を創ろうよ」という意味合いに近いですね。

 教育哲学には大きく「系統主義」と「経験主義」とがあって、現在の学校教育の多くは、系統的にカリキュラムを組み立てて順序立てて伝授するという「系統主義」に則ったやり方をとっています。一方、ほとんど提供されてこなかったのが「経験主義」型の教育で、これは一人ひとりが個別の経験を積む中で必要に応じて知見を習得していくという方式。僕はこの経験主義型の学びの場をもっと増やしていきたいと思っているんです。

実際にその場も作られたと。

孫:千葉県柏の葉に昨年夏にオープンした「VIVITA」が、その一つのモデルですね。VIVITAは会員制の自由参加型アフタースクール・プログラムとして運営しているのですが、「ノーカリキュラム・ノーティーチャー」というコンセプトでやっています。

 何をやっているかというと、子どもたちが好きなことに本気で取り組める場の提供です。ロボットを作る子、洋服を作る子、アニメーションを作る子、仮想通貨のシステムを作ろうとする子、新聞社を作ろうとする子……。無料で開放していて、レーザーカッターや3Dプリンタのような本格的なモノづくりをするための機械やプロ用のマテリアルを自由に使えます。柏の葉T-SITEの児童書も自由に読めるから、皆すごく熱心に研究していますよ。

 今出入りしているのは400人くらいで、毎日来る子もいれば、時々しか来ない子もいる。別に毎日来るから偉いわけでもないので、「明日も来てね」なんて絶対に言いません。だって、「今日やって充分にできた」と思った子がしばらく来なくなるのは当然ですからね。大人が子どもを管理しない方針を徹底しています。

すべて子どもの自己判断に任せているんですね。「教える」立場の大人はいないのですか?

孫:“いろんな分野のすごい人”はちょくちょくやって来ます。それも「俺はこういうふうに作っているよ」と見せるだけで、一方的に教えることはせず、聞かれたら答えるスタンス。例えば自動車メーカーで活躍しているデザイナーの人がボランティアで来ていたりして、「車をデザインしてみたい」という子が聞きに来たら、「流体力学というのがあってね」と自然と知識の種を植えるわけです。

 少し前に、ロボットコンテストを開催したのですが、独創的なすごいアイディアが集まりましたよ。僕たちはとくに教えていないんですが、「いやあ、俺には作れんわ」という傑作ばかり。「今度はこういうロボットを作りたい」「私はアプリを」と自分の好奇心がエンジンになっているから、子どもたちは夢中で学ぶんです。15時に開く前から並ぶ子もいて、ドアが開いた途端に競走馬みたいに突進して来る感じです(笑)。今すごく楽しみなのが、風船ドローンを開発した10歳の女の子。最初はうまくいかなかったんですが、ドローンのスタートアップの社長を訪ねて「教えてください」と門戸を叩いたんですよ。それで、社長さんも嬉しくなって「全部教える」とガチで技術開示をして一緒になって3カ月かけて開発して、本当に完成させちゃったという。本格的な開発に入って商品化の話もあったり。調べたら、会社登記は10歳からできるそうで、もしかしたら10歳のドローン会社社長が誕生するかもしれません。

すごく夢のあるお話ですね。

孫:アフタースクール・プログラムを始めることに「わけわからん」と言われることも多々あったんです。「孫さん、一体なんの儲けになるんですか」とか。でも、思考停止をしないようにと考え続けていった結果、こういう新しい試みが生まれて、結果として未来につながる手応えをすごく感じている。だからやはり、問いを立てることをサボらずに、考え抜くことって大事なんだなと改めて思いますね。


構成・文/宮本恵理子 写真/竹井俊晴
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/378.html#c3

[中国12] またも下水油事件、食品会社も「残飯由来」と知りながら購入し原料として使用―北京市 赤かぶ
4. 2018年9月06日 00:51:48 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1446]
農と食の課題大国」中国が技術で変わる日
テクノロジーの地政学
テクノロジーの地政学:Agri・Food Tech(中国編)
2018年9月6日(木)
吉川 欣也、シバタ ナオキ
 「Software is Eating the World」。
 この言葉が示すように、近年はソフトウエアの進化が製造業や金融業などさまざまな産業に影響を及ぼしています。そこで、具体的に既存産業をどのように侵食しつつあるのか、最新トレンドとその背景を専門外の方々にも分かりやすく解説する目的で始めたのが、オンライン講座「テクノロジーの地政学」です。
 この連載では、全12回の講座内容をダイジェストでご紹介していきます。
 講座を運営するのは、米シリコンバレーで約20年間働いている起業家で、現在はコンサルティングや投資業に携わる吉川欣也と、Webコンテンツプラットフォームnoteの連載「決算が読めるようになるノート」で日米のテクノロジー企業の最新ビジネスモデルを解説しているシバタナオキです。我々2人が、特定の技術分野に精通する有識者をゲストとしてお招きし、シリコンバレーと中国の最新事情を交互に伺っていく形式で講座を開いています。
 今回ご紹介するのは、第10回の講座「Agri・FoodTech:中国」編。ゲストは、エンジェル投資家でありながら、中国・北京を拠点にAgriTech企業も経営しているAlesca Life Technologies Limited(アレスカライフ・テクノロジーズ)の創業者兼CEO小田剛氏です。
「野菜を洗う洗剤」がヒット!? 安全性へ意識が高まる

小田 剛氏
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校 国際関係・ビジネス経済学部を卒業後、メリルリンチ日本証券に入社。投資銀行部門にて企業経営戦略、格付アドバイザリー、資金調達およびM&Aに携わった後、2011年にDell Chinaへ転職して新興国経営戦略や事業展開業務に従事。2013年には農業のデータ化・効率化・現地化を目標としたAgriTechスタートアップのAlesca Life Technologiesを起業。中国・中東・アフリカの事業展開、プロダクト開発、資金調達および業務提携を担当しつつ、エンジェル投資家としてBindez(ミャンマー)、Level Skies(米国)、Tradove(米国)の株式・ICO資金調達にも携わる。
 前回の講座「Agri・FoodTech:シリコンバレー」編では、AgriTech(アグリテック=農業×テクノロジー)とFoodTech(フードテック=食×テクノロジー)が盛り上がりを見せている背景に、世界的な食料不足問題や食(健康)に対する価値観の変容があると説明しました。
 中国も似たような背景でAgri・FoodTechが伸びているようですが、もう一つ、「安全性」が大きなテーマとなっています。具体的にどんなトレンドなのか、全体動向を見ていきましょう。
シバタ:Agri・FoodTech関連マーケットの専門調査会社である米AgFunderの調べでは、2017年にこの分野で1億ドル(約100億円)以上の大型投資案件となったもののうち、アメリカ以外での案件は11件あるそうです。
 その中で、中国企業絡みは6件。半数以上を占めています。アメリカ以外では中国が存在感を示しているようです。
吉川:そうですね。この中で最も大きな調達額を記録した食品デリバリーのEle.me(エルミー/餓了麼)は、翌年の2018年4月、中国EC大手のAlibabaに買収されています。その額は日本円にして約1兆円。桁が違いますよね。

食品デリバリーサービスEle.meのWebサイト
 ちなみにこの調査では、他にも中国のオンライン食品コマースMissFresh E-Commerce(ミスフレッシュ・イーコマース/每日优鲜)が約5億ドル(約500億円)、生鮮食品ECのYiguo.com(ユイゴー・ドットコム/易果生鲜)が約3億ドル(約300億円)もの投資を得ていたとあります。
シバタ:AgFunderによる同様の調査の2016年版を見てみると、1億ドル(約100億円)以上の大型投資案件は3件だけでした。つまり、Agri・FoodTechのマーケット全体が、この1〜2年で急拡大していると言えます。
小田:中国のFoodTech分野では、特に食品のデリバリー・販売網に関する企業に投資が集中しています。後はユーザーデータの確保・分析にしっかり取り組んでいる企業ですね。
シバタ:中国ではなぜ、FoodTech関連のサービスが急速に広まっているのでしょう?
小田:市場の大きさはもちろん、中国が抱える食品・農業周りの課題が非常に大きいということが挙げられます。
 例えば、農地や地下水の汚染問題。中国では、農地の5分の1が危険なレベルで汚染されており、農家が使用する地下水の80%が安全基準をクリアしていないことを政府も認めています。食品加工や保存の安全性についても、古くは2008年の「Chinese milk scandal」、直近では2014年の「中国マクドナルド・KFCに出荷された期限切れ肉」、流通過程や店舗内で生鮮食品が適切に保存・管理されていなかったりなどの問題が頻発しています。
 ですから、AgriTechも含めて「可能な限り高品質で安全性の高い食品を購入したい」という消費者ニーズに応える動きが強まっているのです。
 これを象徴する面白い例として、今、中国では「野菜を洗う洗剤」がヒットしているんです。生産〜流通過程で使われる化学薬品などを洗い落とすための特別な洗剤で、最近は北京市内での販売が急成長しています。
シバタ:野菜を洗う洗剤がヒットしているんですか? 衝撃ですね。
吉川:その話に関連して、この間中国へ行った時、日本の無印良品が経営する「MUJI HOTEL」に立ち寄ったんですが、食品の仕入れでオーガニック野菜を見つけるのがすごく大変だと言っていました。中国にもオーガニック野菜はあるものの、「MUJI基準のオーガニック野菜」はなかなか入手できないと。
シバタ:シンクタンクの米ピュー・リサーチ・センターによる調査でも、中国を含む西太平洋地域では、一般消費者の「食品安全に対する問題意識」が非常に高まっているという結果が出ています。食品安全が「非常に大きな問題だ」と答えた人の割合は、2008年度はたった12%だったのに対して、2013年度には38%まで増えているそうです。
小田:この地域では毎年1億3000万人が食品安全の問題で病気になっているという調査結果も出ており、中には働けなくなった人もいるわけです。中国政府もこうした問題が顕在化していることを危惧していて、大気汚染の問題も含めて解決に向けた施策を打ってきました。
 その成果は、徐々にですが出始めています。私が北京に来たのは2011年なのですが、今は空もだいぶ青くなりました。そして、まだ価格が高いものの、以前よりは有機野菜、無農薬の野菜が購入しやすくなっているというトレンドもあります。
 それと歩調を合わせるように、消費者が高品質で安全な食品を求める傾向も強まっているので、Agri・FoodTechに関連する企業への注目度が高まっているわけです。
「食×テクノロジー」専門のスタートアップ支援も続々誕生
 中国では食品の安全性を担保するためのテクノロジー活用が増えているということでしたが、それに伴ってAgri・FoodTech関連のインキュベーター、アクセラレーターも増えているようです。食の安全性、廃棄物の減少、農業の持続可能性などについて、さまざまなアプローチで問題解決に取り組む起業家を支援する動きがどうなっているのか、詳しく見ていきましょう。
小田:象徴的な会社として有名なのは、Bits x Bites(ビッツ・アンド・バイツ)です。同社は中国で初のAgri・FoodTechに特化したベンチャーキャピタル(以下、VC)兼アクセラレーターで、海外の優れたAgri・FoodTech企業を中国に持ってきて、現地化をサポートするのを得意としていました。
 ただ、最近は中国国内で生まれた企業のアクセラレーターとしても名を上げています。具体的には、同社の投資先が持つ販売網を利用して成長を支援しており、FoodTechのみならずAgriTechやサプライチェーン関連の事業を促進しています。
 例えば中国では、サプリメントなどの健康食品を摂ったり、サラダをメイン料理として食べる習慣がないんですね。そこで、野菜をジュースにして1日に必要とされる栄養素を摂取できるような製品を開発するスタートアップが出てくるわけですが、Bits x Bitesはこういう製品のアイディエーション(開発コンセプトの設計)から支援をしています。

Bits x BitesのWebサイト
 Bits x BitesのInvestment Partner(投資責任者)Joseph Zhouが、Webメディア『TechNode』にインタビューされた記事を読むと、「食品に関して最も重要なことは美味しく仕上げること」「新しいアイデアを持ってアプローチして来る人には、最初に『それは美味しいですか? 味見させてもらえますか?』と質問します。それから、生産、調達、安全性の話をします」とのことです。この発言からも、マーケットでは高品質で安全性の高い食品が求められていることが分かると思います。
 また、このBits x Bites出身のEric Sunらが上海で立ち上げたインキュベーターのYEAST.(イースト)は、食を含めたライフスタイルの改善を目的に起業・商品開発する人たちを支援する次世代研究開発ラボを始めています。彼らは「キッチンテック」と呼ばれる分野にフォーカスしており、一般家庭やレストランのキッチンにイノベーションをもたらすアイデアを育成しています。
 さらにもう一つ、ニュージーランドの乳業会社Fonterra(フォンテラ)出身のメンバーが立ち上げたインキュベーターのHatchery(ハッチェリー)は、ミレニアル世代の若い人たちや独身の人向けに新しい飲食コンセプトを提案するスタートアップをサポートするプラットフォームを運営しています。
シバタ:各社、さまざまな切り口でAgri・FoodTechの普及を支援しているのですね。
大手IT企業が仕掛ける「食のサプライチェーン改革」
 中国のマーケット動向を説明する際は、よくIT御三家の「BAT」(検索サービス大手のBaidu、EC大手のAlibaba、SNS大手のTencentの3社の頭文字を取った造語)の名前が出てきます。Agri・FoodTech分野でも、同じくBATの影響力が強いようです。
シバタ:まずは、先ほど話題に上ったEle.meを取り上げましょう。同社はAlibabaに買収される前の2017年、Baiduのデリバリーサービス「Baidu Waimai」(バイドゥ・ワイマイ)を買収しています。一方で、Tencentは「Meituan Waimai」(メイチュワン・ワイマイ)というデリバリーサービスに出資している。やはりBATの名前が出てきますね。
小田:競争が激しいこともあって、最近は「デリバリー料金はほぼ無料」というのが当たり前になりつつあります。6〜8元(約100〜130円)くらいのデリバリー料を取るのですら、高いハードルになっているんですよ。
 中国のペイメントサービスについては前の講座で取り上げたようですが(FinTech・仮想通貨:中国編)、都市部ではAlibaba GroupのAlipay(アリペイ)とTencentのWeChat Pay(ウィーチャット・ペイ)がかなり普及しているので、現金も使わなくて済む。お金を下ろしにコンビニや銀行に行く必要もないので、家やオフィスから一歩も出なくても食べ物にありつけるわけです。
シバタ:今後の業界展望はどう見られているのですか?
吉川:自動運転技術が本格的に普及するまでは、人間がデリバリーするサービスが続くでしょうね。
小田:でも、Ele.meに買われたBaidu Waimaiは、2016年に資金調達した時には2500億円くらいのバリューだったのに、買収時の価格は800〜1000億円程度だったという話もあります。これは、デリバリーサービスの高い営業費用や設備投資などを理由に単体の価値で競争するのが難しくなっており、そこから得るユーザーデータや、築いた販売網を活かしながら競争していく戦略が必要になっていることの表れでしょう。
シバタ:その販売網について、Ele.meは2018年の夏時点で中国2000都市で展開しており、130万軒のレストラン、2億6000万人のユーザーが登録しているそうです。また、デリバリーの登録ドライバー数は300万人近くにおよび、2018年6月には上海の産業密集地域を中心に17の飛行経路について中国政府から飛行承認を受けています。要はドローン配送の許認可も取得していると。すごい勢いです。
吉川:許認可を得たとはいえ、ドローン配送についてはうまくいかなかったらやめることも念頭にあるんじゃないでしょうか。JDなども地方でドローン配送を始めているのですが、実際に現地に行って状況を見聞きすると「安全面を考えるとまだまだ難しいのでは……」と感じることが多々あります。
シバタ:とりあえず許認可は取った、という状況なのかもしれませんね。では次の話題に移りましょう。FoodTechの分野では、IT企業と大手家電メーカーとの連携も進んでいるということですが、具体的にどんな動きがあるのでしょう?
小田:例えばBAT、JD、中国第2位の検索エンジンSogouなどは、家電大手のMidea Group(ミデア・グループ/美的集団)やHaier(ハイアール/海尔)と提携してスマート冷蔵庫を開発しています。冷蔵庫自体の値段は非常に安く、2017年にはHaierが無料で提供するキャンペーンも検討していました。

Haierのスマート冷蔵庫(画像は同社Webページより)
 これが何を示しているかというと、家電メーカーのビジネスモデルが変わり始めているんですね。スマート冷蔵庫を、アメリカで普及しているAmazon EchoやGoogle Homeのような家庭内の「Internet of Things」ハブとして設置して、家庭のデータを取得する。または冷蔵庫から直接ECプラットフォームを通じて野菜やお肉、乳製品などを家に送る。ハードウエアを売る商売から、サービスを提供するビジネスモデルに軸足を移そうとしているのです。
吉川:アマゾンも似たような動きをしていますよね。冷蔵庫のようなハードウエアがサービス化していくには、最終的にデリバリーも必要になるので。こういったスマートホーム構想は、願わくばパナソニックやシャープのような日本の家電メーカーに先取りしてほしかったですが、その前に中国やアマゾンの“IT・メーカー連合”が本格普及させそうな勢いです。
小田:ハードウエアとの連携以外に、中国で最近増えている無人コンビニでも、IT企業の存在感が高まっています。オペレーションを無人にできるだけでなく、スマートフォン経由で決済もできて、SNSやAI(人工知能)を活用することで今までと違った広告宣伝もできる。そのため、AlibabaやJD、Tencentなどが無人コンビニを展開する企業と連携を深めています。
シバタ:中国のテクノロジー企業がこうやって販売網を急拡大させる際の動きは、日本企業やシリコンバレーの企業よりも素早い印象があります。なぜなんでしょう?
小田:とにかく提携のペースが非常に早いんですよね。「どうしてもこの業界に進出したい」、「競合他社が新しいサービスを開始した」、もしくは「こういう情報がほしい」となったら、すぐにパートナー企業を探して商品開発をしてローンチしてしまう。各種の規制が日本やアメリカほど厳しくないというのも理由の一つですが、それ以上にマネジメントスタイルが違うというか、ビジネスを前に進めるペースが早いんです。
広まる「無人販売機」奮闘する日本企業とは?
 ここからは、中国におけるAgriTech・FoodTechの最先端事例を紹介していきます。
 この分野を分類すると、AgriTechは大きく【ソフトウエア】(アナリティクスなど)と【ハードウエア】(農機、ロボット、ドローンなど)の2つに分かれ、ここに【FoodTech】を加えた3分野があります。
 今回は、【AgriTech:ソフトウエア】と【FoodTech】の中で我々が注目するものをピックアップしてみました。
【AgriTech:ソフトウエア】
■ Meicai(メイツァイ/美菜)
 2014年6月に北京で創設されたMeicaiは、中国国内の農家と中小規模の飲食店をつなぐ、中国最大級のBtoB型フードオンラインマーケットプレイスです。 現在、中国50都市を対象エリアに運営されており、2018年内にはユニコーン(企業の評価額が10億ドル=約1000億円以上で非上場のベンチャー企業を指す言葉)入りを果たすのではないかと目されているほど成長しています。
 サービスの特徴は、飲食店がMeicaiのスマートフォンアプリから調達したい食材を探してオンラインで注文すると、18時間以内に注文した商品が指定した場所に届くという点。中間業者を介さないことで、飲食店は市場価格に比べて食材の調達コストを約36%節約することができます。
 ちなみに、一般消費者向けの類似サービスとして冷凍食品を6時間以内に送る企業も出てきており、この分野はBtoB、BtoCともに引き続き注目されるでしょう(吉川)。

MeicaiのWebサイトとスマートフォンアプリ(画像は同社Webサイトより)
【FoodTech】
■ 無人販売機
 前段で無人コンビニの話題に触れましたが、中国では無人の販売店が非常に増えていて、そのバラエティもさまざまです。都市部では、マンションのようなコミュニティにはほぼ必ず、たくさんの無人販売機が設置してあります。品ぞろえも、ジュースのような飲料から牛丼のような丼物、カット野菜、ミールキット、薬など幅広い。日本の自動販売機と違うのは、この点でしょう。
 プレーヤーもたくさんいるのですが、中でも日本の富士電機が非常に大きなシェアを占めています。中国は人口が多いので、当然利用者のボリュームも日本とは違う。マーケットとして非常に面白いと思います(小田氏)。
■ Bugsolutely(バグソリュートリー)
 上海にあるスタートアップで、カイコからスナックを、コオロギからパスタを作っているユニークな企業です。見た目を「昆虫」と分からなくすることで、不快感を軽減し、味も美味しく仕上げています。これにより、持続可能なタンパク質を提供することを目指しています。
 パスタについては、世界で初めてコオロギの粉を20%使用。タンパク質だけでなく、カルシウム、鉄分、ビタミンB12、さらにオメガ脂肪酸を豊富に含む新しい栄養源としてマーケティングすることで注目を集めています。日本にも上陸し、販路拡大を目指すということです(小田氏)。
■ 321cooking(321クッキング/三刻)
 中国で伸びているミールキットの会社で、20〜40代の多忙な消費者をターゲットにしています。前回の講座で紹介したミールキットサービスの米Blue Apron(ブルー・エプロン)を参考にしながらも、名門シェフとのコラボレーションによるメニュー開発と「美味しい」「便利」「新鮮」(「安全・健康」)を価値命題として短時間で調理可能な料理キットを販売しています。
 ミールキットのサービスは、大きく「調理の手軽さ・スピード」「クオリティ重視」「ラーメン専門のような特化型」「ヴィーガン向けなどの志向特化型」の4つに分類されます。その中で三刻は、レストランクオリティの料理を家庭で作ることができるという「クオリティ重視」のアプローチを取っています。
 そうすることで、例えば客先とのディナーや残業による外食が多く、かつ食材・調味料を気にするというような消費者を取り込んでいます(吉川)。
Alesca Lifeの取り組みに学ぶ、AgriTechの可能性
 講座の最後は、今回のゲストである小田氏がCEOを務めるAlesca Life Technologies(以下、Alesca Life)の取り組みを通じて、AgriTech企業が成長していく上での戦略やマーケット特性について伺ってみました。
シバタ:まずはAlesca Lifeの事業内容から説明をお願いします。
小田:はい。我々は北京を拠点に「コンテナ式植物工場」を展開するスタートアップで、どこでも農作物を育てられるコンテナ・室内システムを提供することで室内農業の実現を目指しています。

Alesca Lifeのコンテナ式植物工場(写真は同社Webサイトより)
 野菜の水耕栽培ができる我々のコンテナはどこにでも置くことができ、クラウドに接続して施設内の温度、湿度、照明などを制御することが可能になっています。栽培時における環境モニタリング・デバイスやオペレーション管理のデータ化ツールまで、すべてのプロダクトを自社開発しているのも特徴です。
シバタ:なぜコンテナを活用した室内農業にフォーカスしたのですか?
小田:コンテナって、実は全世界でだいたい1200万台くらいが利用されていない状態で放置されているんです。中国の港にも膨大な数のコンテナが積み上がっているので安価で購入することができますし、場合によっては無料でもらえる。まずはこれを有効活用できないかと。
 コンテナは動かしやすいという利点がありますし、事業コンセプトとして「コンテナ式植物工場」というのは分かりやすいので、スタンダードの一つにできるのではと考えました。
 ただ、最近はコンテナ以外に、地下駐車場のような地下施設に植物工場を作ることも始めています。これには北京のような都市部ならではの理由があって、DiDi(滴滴出行)のようなライドシェアサービスが普及したことで、クルマを持たない人、持っているけど乗らない人が増えているんですね。それで、北京ほどの大都市でも、駐車場に空きができ始めている。
 これはホテルのような場所でも顕在化している問題で、かつ、彼らは提供する食材のクオリティにも気を配っています。そこでAlesca Lifeが空きスペースを有効活用しながら高品質な野菜を提供することで、新しい付加価値を提供できるようにもなります。そういう文脈で、「北京マリオットホテルノースイースト」や「ザ ウェスティン北京朝陽」のような高級ホテルも顧客となっています。
シバタ:面白いですね。
小田:ただ、おかげさまで一定の知名度を得たため、偽のAlesca野菜および商品を販売しようとしているところも過去に出てきまして。そこも中国らしいというか。
シバタ:対応はどうされたのですか?
小田:当社は前述した通り、植物工場のオペレーションとサプライチェーンマネジメントに用いるデバイスやシステムを自社開発してきたので、そこで得たモニタリングデータなどをきちんと顧客に渡すようにしており、偽の商品とすぐ区別できるようにしています。

Alesca Lifeが開発したプロダクトやツール
 例えば3カ月に1度、場合によっては1カ月に1度、Alesca野菜の安全性について詳細なレポートを出すことで、「このレベルの情報開示ができるのはAlesca Lifeしかない」とご理解いただけるようになったんです。こういう環境の中で、Alesca Lifeの社員がこういうプロセスで野菜を生産しました、だからクオリティを確保できるんですと丁寧に説明していけば、信用されるというか。
シバタ:情報開示も価値の一つになるということですね。素晴らしい。今後の展開はどうお考えですか?
小田:食品安全性の問題、もしくは農作物の生産力に問題を抱えている地域は世界中にたくさんあるので、今後は中国で培ったノウハウを活用しながら新興国に展開していきたいと考えています。直近だと中東とアフリカ、具体的にはUAE(アラブ首長国連邦)と南アフリカ共和国に進出し始めています。
吉川:前回の講座で、「インドア農業」を展開している米Plenty(プレンティ)に孫正義氏のソフトバンク・ビジョン・ファンドやアマゾン創業者のジェフ・ベゾスといった投資家が2億ドル(約200億円)の投資をしたという話をしたのですが、国家や大手企業がAgriTechに注目することで、大きな金額が動くようになっていますよね。
シバタ:農業のお話からデータに関するお話まで、ありがとうございました。


このコラムについて
テクノロジーの地政学
 シリコンバレーと中国の最先端テクノロジー事情を、専門外の人でも分かりやすく理解できるようにまとめて提供するオンライン講座「テクノロジーの地政学」のダイジェスト版です。ソフトウェアの進化が他の既存産業をどのように侵食しつつあるのか、メディアに出てくる前の情報を解説していきます。


http://www.asyura2.com/17/china12/msg/777.html#c4

[不安と不健康18] 長寿で増す筋力維持の重要性、分岐点は40代と70代(かいけつニュース速報) 怪傑
1. 2018年9月06日 00:52:44 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1447]
脳の再生へ、パーキンソン病以外の治療にも道
急発進した夢の治療〜再生医療の「いまココ!」
500万個の細胞を脳に注射、治療法を橋淳教授に聞く
2018年9月6日(木)
中能 泉
iPS細胞を使った世界初のパーキンソン病の臨床試験(治験)が、8月1日にスタートし、年内にも1例目の患者に移植手術を実施される予定です。前回に続き、京都大学iPS細胞研究所(CiRA/サイラ)の橋淳教授のお話から、iPS細胞を使ったパーキンソン病治療の最前線をお伝えします。
 前回、パーキンソン病の治療のために、「ドーパミン神経細胞の移植」について欧米などでも研究されていることをお伝えしましたが、日本で始まったiPS細胞を使った世界初の治験は、移植の本格化に向けた大いなる第一歩といえるでしょう。世界初のiPS細胞を使ったパーキンソン病の治験とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
 パーキンソン病は、脳内のドーパミンを作り出すドーパミン神経細胞が減少することで、体の動きに障害が出てしまう病気。ドーパミン神経細胞を作るという研究はさまざまなところで行われていましたが、ES細胞やiPS細胞といった多能性幹細胞の登場により、一気に現実味を帯びてきます。
 そして、橋教授は、ドーパミン神経細胞をiPS細胞から作り出すことに成功。さらに、さまざまな基礎研究、動物実験などをクリアし、実際にパーキンソン病の患者に試して安全性や効果を確認する治験が始まった(←いまココ)のです。
神経細胞だけを選別する手法を開発
 2005年に世界で初めて、ヒトと同じ霊長類でES細胞移植によるパーキンソン病症状の改善に成功したのが橋教授でした。カニクイザルのES細胞から分化させたドーパミン神経を、パーキンソン病のカニクイザルの脳に移植し、症状を改善させました。その後、京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の樹立に成功したことで、ES細胞の研究を基にiPS細胞を用いた臨床応用への研究を進めることになります。
 「iPS細胞を用いるには、様々な課題がありました」と橋教授。iPS細胞はい増殖力を持つため大量の細胞が作れる半面、未分化なiPS細胞や未熟な細胞が残る可能性があり、それらを移植してしまうと、いわゆるがん化を起こす可能性が指摘されていました。
 そこで、橋教授は、未熟な細胞などが混じらずに、ドーパミンを産生する神経細胞だけを選別する「セルソーティング」の手法を開発。「これによって質のい神経細胞だけを作り出すことができるようになった」と橋教授はいいます。そして、ドーパミン神経細胞に分化する手前の「ドーパミン神経前駆細胞」を移植することで、脳内にドーパミン神経細胞が効率よく生着することも判明します。

iPS細胞から神経細胞を作り出す。正確には、分化する手前の「ドーパミン神経前駆細胞」を作り出して、脳内に注射で移植する
まずは猿で有効性を確認
 iPS細胞から作った神経細胞をパーキンソン病のカニクイザルに移植し、最長で2年間観察を行ったところ、症状が改善。がん化も見られないなどさまざまな研究結果を経て、今回、ヒトに移植する研究(治験)が国から承認されスタートすることに。
 今回の治験では、「iPS細胞ストックプロジェクト」の他人由来のiPS細胞から作った「ドーパミン神経前駆細胞」を、患者の左右の頭蓋骨に小さな穴を開けて、脳の深部に計約500万個注射。移植後1年間は免疫抑制剤を投与し、2年間の経過観察で、移植細胞の状態や改善効果などを確認していくといいます。
 特に、安全面では慎重な検討が必要です。細胞ががん化する可能性もゼロではないため、経過観察には、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使用して、がん化が生じていないかを定期的に検査します。橋教授は、「万が一の場合は、放射線でがん化した細胞を焼き切ったり、手術したりすることも考えている」といいます。
「脳は再生できる」時代へ?!
 この治療法は、移植した細胞が神経細胞になり、ドーパミンを出すことで、パーキンソン病の症状を改善したり、飲み薬を減らせるようになることが目的。ドーパミン神経が増えても、病気の原因となる異常なたんぱく質がたまるのを防げるわけではないので根治は難しく、「リハビリや薬などほかの治療との組み合わせで根治に近づけたい」と橋教授。薬が効かない患者のために、最終的には薬が必要でなくなる治療を目指したいとも話します。

橋 淳(たかはし・じゅん)
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)臨床応用研究部門・神経再生研究分野・教授。京都大学医学部卒業。同大学付属医学部脳神経外科で勤務後、1995年から2年間米国ソーク研究所研究員。2007年京都大学再生医療科学研究所生体修復応用分野准教授を経て、12年から現職
 コスト面については企業と組んで削減を図っており、将来的には全体で数百万円に抑え、保険適用を受けられるようにするのが目標。1回の移植で効果が10〜20年続き、寝たきりや要介護になることが防げるのであれば、有用な治療といえるのではないでしょうか。「メカニズムの研究も進んでいるので、近い将来、病気の発症自体を止めることができるかもしれない」といいます。
 さらに、ドーパミン神経細胞の補充療法は、脳の神経細胞が失われることで機能障害が起こる脳の病気が細胞移植によって改善できるのでは、という期待ももたれています。これまで難しいとされていた脳の病気の治療に向けて、新しい扉は確実に開かれたのではないでしょうか。結果が待たれます。

京都大学iPS細胞研究所制作の「幹細胞かるた」。最後で解説しています
今回の幹細胞かるた
「を」 大きさは実にさまざまヒトの細胞
細胞と一口に言ってもさまざまなものがあります。ヒトの体には200種類以上の細胞があるといわれています。最近ではもっと細かく分類できるのではないかという考え方もあります。細胞は大きさも形もさまざまで、受精卵は比較的大きく0.1mm程度で球に近い形をしています。運動神経細胞はとても細長く、長いものでは1m程度になります。iPS細胞は他の細胞とくらべて小さく丸い形をしています。さまざまな細胞が力をあわせてヒトの体を作っています。
出典:「幹細胞かるた」 企画・制作:京都大学iPS細胞研究所、デザイン:大隅 英一郎(picto inc.)、イラスト:石津 雅和(FiTS)


このコラムについて
急発進した夢の治療〜再生医療の「いまココ!」
 いま、注目を浴びている再生医療。でも、ちょっと難しすぎて実際に行われていることが、容易に理解できないというのが正直なところではないだろうか。そこで、いま再生医療の現場にいる方々に直撃取材!「いまどこで、何が行われているのか」「いつ、何ができるようになるのか」など、再生医療の現状とそれぞれが目指す未来を聞いてみよう。


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/647.html#c1

[政治・選挙・NHK250] <生涯奴隷>を国民の義務と宣言した安倍晋三!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
8. 2018年9月06日 00:54:23 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1448]

働き方改革で「やりがい」が下がる職場とは 日本の「働き方改革」の光と陰(その1)

トレンド・ボックス
2018年9月6日(木)
岡元 利奈子
 この数年、企業の「働き方改革」はある種のブームとなり、それに関する話題が毎日のように各社から発信されるようになった。だが、世界中で「働きがいのある会社」の調査・分析をしているグレート・プレイス・トゥ・ワーク(GPTW)のデータで世界と比較してみると、日本企業は「働きがい」という点において世界標準からはかなり立ち後れていることがわかる。そこで、この数年の「働き方改革」を総括するとともに、この先、日本企業が真の「働きがい」を実現するにはどうしたらいいのかを考えてみた。その第1回。
そもそも「働き方改革」とは何を目指すべきなのか
 この数年、ある種のブームになっていた「働き方改革」だが、実際には、従業員の働き方にどのような変化をもたらしたのだろうか。
 この数年の各社の「働き方改革」に関する取り組みを調べて分類してみると、その多くは「時間」と「場所」に焦点を当てた施策であることがわかる。
 具体的には、「時間」に関しては、(a)働く時間の自由度を高める(例:コアタイムなしのフレックスタイム)、(b)休暇を取りやすくする(例:部下の休暇取得をマネジメントに義務づけ)、(c)早帰りを促進する(例:残業の事前申請)(d)働く日時のバリエーションを増やす、「場所」に関しては(a)オフィスの場所を考える・増やす(例:サテライトオフィス)(b)働く場所の自由度を高める(例:在宅勤務やテレワーク)などに分類できる。
 こうした取り組みは、この1〜2年で加速度的に(特に従業員数が1000人以上の大企業で)広がっており、一定の成果が表れていると言えよう。
 また、「働き方改革」に対する盛り上がりは、ダイバーシティー(日本においては「女性の活用」と狭く捉えている企業が多い)の浸透を後押ししている。これまでの画一的で固定的な労働環境を見直し、より多様な人材が企業において中長期にわたり働き続けられる環境を提供しようと取り組む企業が増えつつある。これらは望ましい変化だ。
 だが、残念ながらポジティブな話ばかりではない。せっかく「働き方改革」に取り組んだのに、うまく進んでいないケースもしばしば見かける。さらに、私たちが危惧しているのは、見かけ上、「働き方改革」が進んでいるのに、実際には、従業員の「働きがい」が一向に上がっていないというケースだ。
 では、そもそも「働きがい」とは何なのだろうか。
 私たちは「働きやすさ」と「やりがい」の両方が揃っている状態と考えている。
 「働きやすさ」は「従業員が快適に働き続けられる環境」を指し、就労環境や労働条件と大きく関係している。働きやすさを向上させる施策は、「労働時間の短縮」「有休消化率の向上」「報酬の水準引き上げ」など、いずれも成果が目に見えやすい。
 一方、「やりがい」は「従業員の仕事に対するやる気やモチベーション」を指し、仕事そのものや意味づけ、自身の成長感、承認(上司や他人から認められること)などと関係している。やりがいを向上させる取り組みや成果は、目に見えにくいものだ。
 目に見えないものは、変えにくい。目に見えないものは、マネジメント(管理)の手がかりが見つけられないからだ。
 もうすでにおわかりと思うが、この数年の日本企業の「働き方改革」は、「働きやすさ」の改善に終始しているところが多い。
■図 「働きがい」と「働きやすさ」「やりがい」の関係性

「働き方改革」で見落とされている「働きがい」
 米国の心理学者、フレデリック・ハーズバーグは、職場で従業員の不満足につながる要因(衛生要因)と、満足度を上げる要因(動機付け要因)が別であるとした「二要因理論」を提唱した。「衛生要因」は、会社の方針と管理、監督、身分、作業環境、安全、給与などを指す。これは「働きやすさ」と関係するものだ。一方、「動機付け要因」は、仕事そのもの、達成、承認、責任、成長の可能性などで、「やりがい」と関係する。この理論によると、衛生要因をいくら整えても、不満足の解消になるだけで、満足度向上にはあまりつながらない。
 こうして考えてみると、現在進められている「働き方改革」の多くは、この「働きやすさ」やハーズバーグの言う衛生要因にばかり焦点が当てられ、「やりがい」や動機付け要因の観点からの改革が欠けていると言える。
 様々な企業の調査結果を見ると、「働き方改革」の結果、「働きやすさ」は確かに上がったが、従業員の仕事に対する「やりがい」はむしろ下がり、総合的な「働きがい」は改革前よりも下がってしまったというケースも珍しくない。
改革でやりがいが低下する「ぬるま湯職場」
 私たちは、「働きやすさ」と「やりがい」の高低により、職場を四つのタイプに分類している(図参照)。働きやすくやりがいも高いのが「A いきいき職場」、働きやすさは低いがやりがいがあるのが「B ばりばり職場」、働きやすいがやりがいがないのが「C ぬるま湯職場」、働きやすさもやりがいもないのが「D しょんぼり職場」と定義した。
 これに基づいて、今の「働き方改革」のムーブメントを考えると、何が起きているのかを把握しやすいと思う。
■図 「働きやすさ」×「やりがい」の四つの職場タイプ

 「働き方改革」は「働きやすさ」を追求しようとする動きであり、この図では下の象限から上の象限への移行を意図している。大事なのは、スタート時点がA〜Dのどの職場であるかだ。
 もともとやりがいの高い「B ばりばり職場」は「働き方改革」によって「A いきいき職場」を目指せるが、改革のスタート時点でやりがいの低い「D しょんぼり職場」が「働き方改革」を進めると「C ぬるま湯職場」が生まれやすい。
 「C ぬるま湯職場」は様々な弊害を生む。仕事へのモチベーションがほとんどなくても、居心地がいいため、従業員は何となく居続けてしまう。惰性が蔓延し、自発的な行動や改善は全く期待できない。このような環境では、やる気がある人は白けてしまう。ある意味で、「D しょんぼり職場」よりもたちが悪いと言える。
 努力の結果、以前よりも悪い職場ができあがってしまっては、何のための改革だったのかわからない。「働き方改革」に取り組み、「働きやすい職場」を実現することは大切なことだが、それ以上に従業員の「やりがい」を高めることが重要であることを、企業の方々はぜひ留意していただきたい。
(次回に続く)
[関連書籍の紹介] 「働きがいのある会社」は、業績も抜群!

『世界でいちばん働きがいのある会社』
「働きがいのある会社」に関して世界58カ国で調査を行うGPTWが、20年以上にわたって蓄積したデータを徹底分析し、真の「働きがいのある企業文化」と、その担い手である「全員型リーダー」を創る方法を手ほどきします。

2018年9月 日経BP社刊
マイケル・C・ブッシュ&GPTW調査チーム(著)


このコラムについて
トレンド・ボックス
急速に変化を遂げる経済や社会、そして世界。目に見えるところ、また見えないところでどんな変化が起きているのでしょうか。そうした変化を敏感につかみ、日経ビジネス編集部のメンバーや専門家がスピーディーに情報を発信していきます。


http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/300.html#c8

[経世済民128] 59歳・年収500万円、突然雇い止めされた非常勤講師のマイルド貧困(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
9. 2018年9月06日 00:57:49 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1449]
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/353.html?c5#c5

退職勧奨に応じた34歳男性がハマった袋小路「このままではホームレスになるしかない」
藤田 和恵 : ジャーナリスト 2018年09月05日

会社に言われるまま退職に応じていては、正社員になった意味が…(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
記録的な猛暑日が続いた7月末。テツハルさん(34歳、仮名)は就職活動に奔走していた。


この連載の一覧はこちら
ある日の正午過ぎ、都内のオフィス街を汗だくで面接会場に向かっていたとき、ふいに足がもつれた。景色がゆがんで見えるのは、陽炎のせいなのか、それとも自分がめまいを起こしているのか。慌ててコンビニエンスストアを探し、冷房の利いた店内に飛び込んだ。

「軽い熱中症だったんだと思います。電車代を浮かそうと、1駅分歩いたせいです」

切られるとしたら非正規社員からだと思っていた
テツハルさんは今年3月、正社員として勤めていた会社を「強制的に退職させられた」。

退職の1カ月半ほど前、上司に別室に呼び出され、「来年度のわが社にとって、あなたは戦力ではないと判断しました」と告げられた。このときに手渡されたのが、A4判サイズ1枚の「合意書」。

合意書には、「退職勧奨」を承諾することや、退職金を通常の規定に上乗せした計72万円とすることなどが箇条書きされていた。加えて一連の合意内容を第三者に漏らさないこと、退職について聞かれたときは「円満退職」とのみ述べることといった旨も記されていた。

「会社の業績が悪いというウワサはあったんです。でも、切られるとしたら、高齢の嘱託社員や派遣社員の主婦の人たちからだと思っていました。同僚たちとは『僕たちは正社員でよかったね』と話していた矢先だったんです。だから、(退職勧奨は)寝耳に水で……。退職金72万円といっても、これじゃあ口止め料じゃないですか」。

正社員でよかった、という屈託ない物言いに、かすかな違和感を覚えた。しかし、非正規労働者が真っ先に切り捨てられる現状があるのもまた事実である。

この日、上司からはその場で合意書に署名するよう求められたが、テツハルさんは応じなかった。「こういうときはすぐサインしちゃだめだっていうじゃないですか」。署名する代わりに退職金のさらなる上乗せと、退職金の振込期日を明記するよう求めたという。

私は再び違和感を覚えた。

強制退職というからには、テツハルさんはてっきりこのような「不当解雇」には応じられないとして署名を拒んだと思ったのだ。しかし、実際には退職金の金額や期日についての交渉に入ったという。条件さえ整えば、退職勧奨自体は受け入れる――。少なくとも会社はそう受け止めただろう。

労働基準監督署で相談員に言われたこと
一方で、テツハルさんは労働基準監督署にも足を運んだ。しかし、相談員からはこう言われたという。

「(今回の退職勧奨は)倫理上は望ましくないが、法律上アウトとはいえません。(労使間紛争を解決する手続きである)労働審判は、結論が出るまで1、2年かかるし、実名で会社と交渉をしなくてはなりません。その間、気持ちよく働き続けることができますか?」

会社には逆らわないほうがいい――。そう言われていると感じた。テツハルさんは「労基署も僕の味方にはなってくれない。世の中、敵だらけだと思いました」と振り返る。

結局、会社は退職金の上乗せには応じなかった。上司から「君はまだ若い。3カ月くらいあれば(再就職先は)決まるだろ」と促され、テツハルさんはついに合意書に署名した。

都内で自営業を営む両親の下で育った。私大を卒業したときはリーマンショックの直前で、就職状況は「売り手市場」。複数の内定の中からアパレル関係の専門商社を選んだ。

正社員で年収約300万円。雇用条件は安定していたが、勤続3年目あたりから、上司によるパワハラが始まった。

後頭部をひっぱたかれる、背中を蹴られる、営業車を運転中に助手席から首根っこをつかみ上げられるなどの暴力を受けたほか、商品の色指定をめぐる行き違いがあったときには、同僚らの前で「お前、色盲か!」と罵倒されたこともある。

暴言や暴力は、理由なく受けることもあった。社内の担当部署に訴えたものの、結果は上司にばれて「チクリやがって」と怒鳴られただけ。たびたび「大卒は使えねえ」とののしられたといい、テツハルさんは「この上司は高卒。パワハラの根っこには学歴コンプレックスがあったと思います」という。

もともと細身だった体は2年ほどで10キロやせ、45キロ近くになった。精神的にも追い込まれ、最後は自ら退職した。

この専門商社を辞めた頃、世間はリーマンショックの影響で、景気は悪化。仕事探しは難航し、やむをえず派遣社員として働き始めた。年収は二百数十万円で、前職に比べて50万円以上のダウン。一方で職場の人間関係には恵まれ、心身はしだいに回復したという。

ところが、勤続4年を過ぎると、突然、派遣元の営業担当者から雇い止めをほのめかされるようになった。この担当者はあろうことか「あなたのような人が何年も派遣社員なんて仕事をしていていいんですか。このまま働いても、将来、時給が上がることもありませんよ」と説得してきたという。

「採用時は、『あなたのスキルとキャリアを生かしてください』と言っていたくせに」

テツハルさんがあきれて担当者の話を受け流していると、今度は、派遣先が閑散期に入ったという理由で、突然、1カ月間にわたり出勤日をゼロにされた。“兵糧攻め”である。結局は雇い止めに応じざるをえなかった。

典型的な雇い止めの手口
勤続4年を過ぎた頃の雇い止め――。これは、労働契約法18条に基づく「無期雇用転換」を逃れるための典型的な手口なのではないか。

同法18条は、アルバイトや派遣社員などの有期契約労働者が通算5年を超えて契約更新した場合、期間の定めのない無期雇用へと転換することができるとしている。しかし、無期雇用にしたくない一部企業が、無期雇用転換が始まる2018年4月より前に従業員を雇い止めにする「無期転換逃れ」が社会問題となっている。

私がそう指摘すると、テツハルさんは「そういう法律があることはなんとなく知っていました。でも、自分とは関係ない法律だと思っていました。派遣会社から何の説明もなかったですし……」と言う。

今年3月に退職した会社は、派遣社員を雇い止めされた後、ようやく見つけた仕事だった。年収も約280万円と比較的安定していた。しかし、正社員は簡単にクビにならないというテツハルさんの見立てとは裏腹に、同じ時期、彼を含む数人の正社員が退職勧奨を受け、辞めていったという。

テツハルさんは今も就職活動中だ。条件は、「ボーナスがあって、身分保障が手厚い」正社員だという。この間、インターネット上の転職サイトやハローワークを通して約200社に書類を出したが、面接できたのはわずか30社ほど。「年齢がネックになっていると思います」。

就職活動をする中で、3月まで勤めていた会社の求人情報を偶然、目にする機会があった。小規模な人員募集だったこともあり、自分の後任がアルバイトとして募集されていることを知ったという。テツハルさんは「自分の仕事はアルバイトでもできたと言われているような気がして、すごく不愉快でした」と憤る。

これまで仕事が長続きしなかった原因について、テツハルさんは「巡り会った上司たちがあまりにもヘンな人たちだったからです」と怒りを込める。そして、今後はパワハラや退職強要のターゲットにならないよう、「自衛策として、職場では業務以外の話はしないようにします」と続けた。

テツハルさんとのやり取りはスムーズで、社会人としても十分に有能に見えた。一方で、「怒りのポイント」が私とは微妙にずれていた。

テツハルさんの後任がアルバイトなのは、彼の担っていた仕事が取るに足らなかったからではなく、会社がより簡単にクビにできる、低賃金の非正規労働者に置き換えたからだ。非正規労働者が増える中、正社員並みの業務を任されるアルバイトや契約社員は大勢いる。

また、上司らの属人的な問題もさることながら、パワハラを見て見ぬふりをしたり、こそこそと無期転換逃れをしたりする企業側の構造的な問題のほうがより深刻なのではないか。

なにより、会社に言われるまま退職に応じていては、正社員になった意味がない。

守ってくれる労働組合なんてなかった
そう伝えると、テツハルさんはこう答えた。

「抵抗しようにも、(守ってくれる)労働組合なんてありませんでした。個人で入れるユニオンとかいうのがあると聞いたけど、どういうところかよく知らないし。どっちにしても会社とやり合えば、時間と手間がかかりますよね。それよりも嫌なことは一刻も早く忘れたいんです。新しい仕事をして、嫌な記憶から早く逃れたいんです」

失業から5カ月余り。猛暑が一段落した今も、まだ次の仕事は見つからない。

「このままではホームレスになるしかない」

そう不安を漏らしていたテツハルさんからは、取材後もLINEが届いた。

「(約束の)期日に結果を教えない企業は最悪」

「私はやはり社会から死を宣告されているのでしょうか」

進むも地獄、退くも地獄――。テツハルさんはそんな袋小路にはまっている。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/146.html#c9

[経世済民128] 日銀は国債買入の回数を減少、その目的は何か --- 久保田 博幸  赤かぶ
2. 2018年9月06日 01:02:10 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1450]
米貿易赤字:7月は2015年以来の大幅拡大−対中赤字は過去最大
Jeff Kearns
2018年9月5日 21:38 JST 更新日時 2018年9月6日 0:08 JST

輸出額は1%減、民間航空機や大豆が減少−輸入額は0.9%増
対EU赤字も過去最大、対メキシコでは縮小

7月の米貿易赤字は3年ぶりの大幅な拡大となった。対中赤字は過去最高を記録した。トランプ米政権が広範な中国製品に関税を賦課し、同国は報復措置で応じている。

  米商務省発表の貿易収支統計によると、7月の財とサービスを合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)は501億ドルと、前月の457億ドル(速報値463億ドル)から44億ドル(9.5%)拡大した。赤字額は2月以来の最大。拡大幅は2015年3月以来の大きさだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は502億ドル。


  輸出額は1%減の2111億ドル。民間航空機の輸出が15億7000万ドル、大豆は6億8200万ドルそれぞれ減少した。

  輸入額は0.9%増の2612億ドル。コンピューターや原油、自動車など幅広く増えた。

  中国に対する貿易赤字(財のみ)は調整前ベースで過去最大の368億ドル。前月は335億ドルだった。対欧州連合(EU)も過去最大の176億ドルとなった。前月は117億ドル。一方、対メキシコ赤字は55億ドルで、前月の74億ドルから縮小した。

  国内総生産(GDP)の算出に使用されるインフレの影響を除いた実質財収支の赤字は825億ドルと、前月の793億ドルから拡大した。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Trade Gap Widens Most Since 2015; China Deficit Hits Record(抜粋)

(統計の詳細を追加し、更新します.)

 

ユーロ圏:8月総合PMIは54.5、速報から上方修正−見通しは悪化
Jana Randow
2018年9月5日 17:31 JST
事業見通しに関する指数が1年11カ月ぶり低水準に下がる
経済成長は堅調も、企業は貿易摩擦悪化の影響を懸念
ユーロ圏の経済成長は今のところまだ堅調だが、貿易摩擦悪化の影響を企業は感じ始めている。

  IHSマークイットが5日発表した8月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値は54.5と速報(54.4)から上方修正され、7月の54.3を上回った。一方、事業見通しに関する指数は1年11カ月ぶり低水準に落ち込んだ。

  これまでのデータは7−9月(第3四半期)の成長率が前四半期と同じ0.4%となる可能性を示唆するが、「楽観の後退はこのペースが10−12月期に入っても維持できるのか疑問を投げかける」と、IHSマークイットのエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏がコメントした。

原題:Don’t Be Fooled by Solid Growth as Euro Area Draws Warning Signs(抜粋)


 
新興国資産売り止まらず−南ア・ランドとインドネシア株急落
Bloomberg News
2018年9月5日 12:13 JST 更新日時 2018年9月5日 21:31 JST
新興国資産の売りがやむ気配は見えない。大半の通貨が下落し、株価指数は弱気相場入りに近づいた。

  南アフリカ共和国の通貨ランドが下げを主導し、約2年ぶり安値を付けた。次いでメキシコ・ペソの下げ幅が大きい。新興市場株の指標であるMSCIの指数は6営業日続落となり、3週間ぶりの大幅安に向かっている。中でもインドネシア株は過去約2年で最大の下落。ルピア安で企業の債務負担が膨らむと懸念されている。

  4日発表された8月の米ISM製造業景況指数は14年ぶり高水準で、米追加利上げの可能性がますます高まる一方、南アフリカ経済は4−6月(第2四半期)にリセッション入りした。

  ドイツ銀行のアジアマクロ戦略責任者、サメール・ゲール氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「もはや新興市場のファンダメンタルズだけの問題ではない」と発言。「新興市場全体への波及が問題になってきており、複数の市場でのポジション保有や償還圧力などがあるためそれが広く起きている」と語った。  

  ランドは一時2.3%安。ムーディーズが次回の見直しで南アの現地通貨建て債券の格付けを投資不適格(ジャンク)級に引き下げるとの懸念が投資家の間に広がった。メキシコ・ペソは1%余り下落。インドネシア株の指標のジャカルタ総合指数は約4%下げた。


原題:Emerging-Market Contagion Fears Rotate From Currencies to Stocks(抜粋)
No Relief in Sight for Emerging Markets as Rand Leads Sell-Off、Stocks Retreat Amid EM Turmoil; Dollar Advances: Markets Wrap
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/377.html#c2

[経世済民128] <大被害>関西空港に約5000人、高速船で避難へ!連絡橋は復旧の目処立たず 大阪経済に悪影響も :災害板リンク  赤かぶ
1. 2018年9月06日 01:05:57 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1451]
関空、孤立7800人の脱出完了 再開は「めど立たず」
2018年9月6日00時22分
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報道陣の前で頭を下げる関西エアポートの西尾裕専務執行役員=2018年9月5日午後8時2分、関西空港、細川卓撮影

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 台風21号の高潮で滑走路などが冠水し、連絡橋の損傷で利用客らが取り残された関西空港は5日、高速船とバスによる島外への輸送を進めた。関空を運営する関西エアポートの西尾裕・専務執行役員は5日夜に記者会見し、空港の再開について「時期を調整しているが、めどは立っていない」と述べた。

台風接近どうする? 備え確認し、早めに避難を
水害への備えは? 台風に襲われたら、街で身を守る
 一方で西尾氏は、冠水していない第2滑走路について、条件がクリアできれば暫定的に運航を再開する方針を明らかにした。条件としては、連絡橋のアクセスのほか、給油ポンプの修復とターミナルビルの排水を挙げた。冠水した第1滑走路については「再開には時間がかかる」と語った。

 利用客らが取り残されたことについては、「ご不便をおかけしたことについてはおわびを申し上げたい」と陳謝。「橋がなくなると孤島になるのはわかっていたが、我々の想定が甘かった」と認めた。

 関西エアポートは5日、島外への移動を希望した約7800人の輸送を午後11時に完了したと発表した。


 


地盤沈下に悩んできた関空 想定外の冠水・タンカー衝突
2018年9月4日23時22分
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【動画】台風21号による高潮で冠水した関西空港=依知川和大撮影
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高潮で冠水した関西空港=2018年9月4日午後5時39分、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影

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 台風21号の高潮で大規模に冠水した関西空港は大阪湾に浮かぶ人工島で、1994年の開港以来、地盤沈下に悩まされてきた。津波や高潮の高さを下回らないよう護岸のかさ上げ工事を繰り返してきたが、「想定を上回る潮位」に襲われた上、タンカーが連絡橋に衝突し、孤立状態に陥った。

臨時高速船、救助を始める 関空に取り残された客3千人
台風接近どうする? 備え確認し、早めに避難を
水害への備えは? 台風に襲われたら、街で身を守る
 関西空港は、2本ある滑走路のうち第1ターミナルビル南側にある第1滑走路(全長約3500メートル)が全面的に浸水した。国土交通省などによると、滑走路は海面から高さ5メートル地点にあるが、最大50センチ冠水した。

 運営会社の関西エアポートによると、4日の日没までに浸水被害の全体状況を確認することができず、運航再開の見通しについて、広報担当者は「まったく未定」と繰り返した。

 関空島は大阪湾の泉州沖約5キロの海上に造成された。同社によると、地盤沈下はいまも続き、94年の開港以来、昨年までに約3〜4メートル沈んでいる。2004年には台風による高潮と高波で護岸が崩れ、浸水被害が出たこともあった。

 ログイン前の続き地盤沈下の影響で護岸が高潮や津波を下回らないよう、これまで護岸のかさ上げ工事を順次進めてきた。大阪湾で過去最高の293センチの潮位を記録した1961年の第2室戸台風と同じレベルの潮位の際に、50年に1度の高波が来ても護岸を超える波を抑えられるような高さに継ぎ足した。

 だが、気象庁によると、大阪の潮位は4日午後2時18分に329センチとなり、過去最高を更新した。同社は「想定を上回る潮位になったということではないか」と話す。

 さらに、関空と対岸を結ぶ関空連絡橋も通行止めになった。連絡橋は全長3・75キロ。片側3車線の高速道路の下にJRや南海電鉄が通る線路が敷設された二重構造で、空港開港と同時に供用が始まった。

 タンカーの衝突で橋桁が大きくずれた。関西エアポートによると、「桁は大地震でもずれない設計になっていた」という。土木設計の専門家は「船がぶつかるといった事態は想定していなかっただろう」と話す。

 連絡橋の中心付近は海面から25メートルの高さが確保され、通常なら大型船が下を航行することも可能になっている。関空で勤務経験がある国交省職員は「衝突したのは空港島寄りで橋が低くなっている場所のようだが、タンカーが衝突するなんて想像もできなかった。よほど潮位が高かったのか」との見方を示した。

「西の玄関口」の今後は?
 1994年に日本初の24時間空港として開港した関空は近年、格安航空会社(LCC)を積極的に誘致し、訪日客の「西の玄関口」として存在感を高めてきた。

 2017年度の国際線旅客数は前年度比14%増の2190万人となり、4年連続で過去最高を更新。訪日客の消費は関西経済の一番の押し上げ要素となっていた。滑走路や連絡橋の全面復旧が遅れれば、一時的にでも「関空離れ」が起きる懸念もある。「旅行者への影響が心配」(南海電鉄)、「他の地域に訪日客が流れるのでは」(百貨店関係者)との声も出る。

 関空は日本有数の貿易拠点としての顔も持つ。半導体や光学機器などの輸出、医薬品などの輸入拠点となっており、17年度の国際貨物量は前年度比13%増の83万2千トンと好調だった。

 半導体メーカーのロームは「現時点では影響が出るか分からない」(広報)といい、情報収集を急ぐ。航空貨物を取り扱う阪急阪神エクスプレスは、関空の復旧が長引けば成田空港などへの振り替えも検討するという。一方、スイスの製薬大手ノバルティスは「輸入は船便も多く、在庫も十分。すぐに影響は出ないはず」(広報)としている。

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台風21号、住宅被害は1千棟超に 停電31万戸で続く
2018年9月6日00時41分
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周辺では街灯や家の明かりがともる中、停電したまま暗くなった住宅街=2018年9月5日午後6時50分、大阪府豊中市、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影
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関西空港のターミナル内で一夜を明かし、臨時バスの乗り場に並ぶ人たち=2018年9月5日午前10時41分、細川卓撮影

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 暴風と高潮をもたらした台風21号は5日、北海道にも接近し、被害は全国に広がった。各警察や自治体によると、大阪、滋賀、愛知、三重の4府県で計11人が死亡。総務省消防庁のまとめでは、大阪や愛知など28都道府県で計467人が負傷し、住宅被害は、大阪や京都をはじめ27都道府県で一部損壊や床下浸水など計1095棟に上った。

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 文部科学省の調べでは、大阪や北海道を中心に学校関連の296施設に被害が出た。停電は6日午前0時時点で、近畿の約31万6千戸で続いている。タンカーが連絡橋に衝突し、8千人近くが孤立したとみられる関西空港では、高速船とバスによる利用客らの島外への輸送が進められ、5日夜までに希望者約7800人の移送を終えた。

 今回、大きな被害をもたらした要因の一つは、近畿と四国を中心に発生した記録的な高潮だ。大阪(329センチ)や和歌山・御坊(316センチ)、神戸(233センチ)など6地点で過去最高の潮位を観測した。

 高潮に備え、大阪市内では、大阪府が安治川など3本の川の水門を閉鎖。市は361カ所の防潮扉すべてを閉じた。ただ、港区の天保山渡船場の待合室が水没するなどの被害があり、全8カ所の渡船場で運航を中止した。

 兵庫県内では、神戸市のポートアイランドや芦屋市の南芦屋浜、西宮市の甲子園浜など人工島で浸水被害が相次いだ。加えて、芦屋市では川があふれ、南部の住宅が床上浸水。神戸市の阪神電鉄深江駅周辺で浸水が起きるなど、陸側の市街地でも浸水被害が起きた。

 和歌山市雑賀崎の工業団地では、堤防の一部が壊れて海水が浸入し、団地内にある25社のうち約10社が浸水。建物内には自動車や自動販売機が流れ込み、水は深いところで腰くらいの高さに達した。

 JR西日本によると、阪和線の車両所で電柱が折れた影響で列車が出入りできず、一部区間で運転見合わせが続く。南海電鉄の高野線は飛来物で電線が損傷したり、線路に木が倒れたりしたため、一部で運転を見合わせている。

 文化財も被害を受けた。奈良の世界遺産・法隆寺では国宝の金堂の屋根にある鐘や、国宝の五重塔の一部が落ちた。京都の世界遺産・西本願寺では名勝・滴翠園(てきすいえん)の建物「清浄亭(しょうじょうてい)」が倒木で全壊し、京都・大覚寺では重要文化財の建物「宸殿(しんでん)」が破損。和歌山・高野山では、奥の院の参道付近で多くの木が倒れた。このほか京都の二条城や仁和寺、滋賀の彦根城、奈良の春日大社でも被害が出た。

 

 


レゴの街並み、台風で損壊 ナゴヤドームは屋根吹き飛ぶ
2018年9月5日18時01分
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レゴランドのミニランドでは、台風21号の強風で京都の「知恩院」も倒れていた=2018年9月5日午後、名古屋市港区、吉本美奈子撮影

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 名古屋市のテーマパーク「レゴランド・ジャパン」も、台風21号の影響で園内の施設が一部で損壊した。国内の観光名所や街並みを1千万個のブロックで再現した「ミニランド」も壊れ、復旧作業を急いでいる。

台風接近どうする? 備え確認し、早めに避難を
水害への備えは? 台風に襲われたら、街で身を守る
 ミニランドは屋外に展示され、日本の有名建築約500点を紹介している。レゴランドの人気スポットだ。

 しかし、強い風雨に見舞われて、「ナゴヤドーム」は屋根が吹き飛んだ。東京・渋谷の街並みをイメージしたビルも倒れ、札幌市の「さっぽろテレビ塔」は先端が折れた。担当者によると、前もって一部を屋内に移していたが、「台風でも耐えられる設計になっている」として大半はそのままにしていた。

 このほか、園内にあるジェットコースター「ザ・ドラゴン」は、遊具近くの木がレール部分に倒れ、電源装置が破損した。

 同園は4日の午前11時半に臨時閉園し、5日は通常通り営業した。「ミニランド」と「ザ・ドラゴン」の復旧のメドはたっていないという。

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台風21号、交通の乱れ続く 復旧見通し立たない駅も
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/371.html#c1

[自然災害22] <大被害>関西空港に約5000人、高速船で避難へ!連絡橋は復旧の目処立たず 大阪経済に悪影響も  赤かぶ
9. 2018年9月06日 01:11:53 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1452]

山火事、熱波、海面上昇、氷河融解、爆弾低気圧や竜巻・・

温暖化が続けば、こうした災害が異常気象ではなく通常気象となる

 

 

地球温暖化で「ホットハウス・アース」の危険性 CO2削減でも=国際研究
2018年08月7日
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マット・マクグラス環境担当編集委員

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「ホットハウス・アース」――低予算のSF映画のタイトルのように聞こえるが、「温室と化した地球」とは、科学者にとっては深刻極まりない概念だ。

今後数百年にかけてうだるような暑さが続き、海面がそびえ立つほど上昇する、そんな状態に地球が向かっていく、その境界線を超えてしまうまで、あとわずかだというのだ。

たとえ世界各国が二酸化炭素(CO2)削減目標を達成したとしてもなお、我々はこの「不可逆な道」に転がり込んでしまうかもしれない。

ストックホルム大学ストックホルム・レジリエンス・センターが発表した研究結果によると、地球全体の気温が2度上がればこの現象が起きる。

気候変動を扱う国際研究チームが米国科学アカデミー紀要(PNAS)に寄せたこの論文では、向こう数十年で予想される温暖化によって、今は人類を守っている地球の自然現象が、人類の敵になる可能性があると指摘した。

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地球上の森林や海、地面は毎年45億トンもの炭素を吸収している。吸収されずに大気中に残る炭素は、気温上昇の原因となる。

しかし地球温暖化が進むと、こうした炭素吸収源は炭素の発生源となり、気候変動問題を悪化させるという。

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地球が産業革命以前の気温から2度高い気温に近づけば近づくほど、何百万トンもの温暖化ガスを含有している高緯度の永久凍土や、アマゾンの熱帯雨林といった自然界の味方が、現在吸収している以上の炭素を吐き出してしまう可能性が高くなる。

各国政府は2015年、気温上昇を2度未満に抑え、上昇幅を1.5度以下を維持するために努力すると約束した。しかし研究チームによると、分析が正しければ現在の炭素削減計画では不十分だ。

ストックホルム・レジリエンス・センターのヨハン・ロックストローム所長はBBCニュースに対し、「つまり気温が2度上がると、制御メカニズムを地球そのものに委ねることになるかもしれない」と話した。

「今は我々人間がコントロールを握っているが、気温上昇が2度を超えた段階で地球のシステムは友人から敵に変わる。人類の運命は、均衡を乱した地球のシステムに完全に委ねられる」

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地球の気温は現在、産業革命前の水準から1度高く、10年ごとに0.17度上昇している。

ストックホルム大学の最新研究では10種類の自然システムを対象として、「フィードバック・プロセス」と名付けた。

フィードバック・プロセスには森林や北極の海氷、海底のメタンハイドレートなどが含まれ、現時点では人類が炭素と気温上昇による最悪の事態から逃れる手助けをしてくれている。

もしこのうちのひとつが敵となり、大気中に大量のCO2を排出し始めると、他のフィードバック・プロセスもドミノ倒しのように連鎖するのではという懸念がある。

「ホットハウス・アース」とは?
一言で言うなら、よろしくない。

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研究論文によると、ホットハウス・アース期に入った地球では過去120万年で最も高い気温を記録することになる。

気温は産業革命以前と比べ4〜5度高い水準で安定する。あらゆる氷が溶け出し、海面は現在より10〜60メートル上昇するだろう。

つまり、地球の一部は人が住めない状態になる。

ホットハウス・アースの影響は「甚大で、時に突然で、間違いなく壊滅的」だと研究チームは指摘する。

唯一良い面があるとすれば、最悪の事態は向こう1〜2世紀の間には訪れなさそうだということだ。しかし、一度始まってしまったら止める手立てがない。

英国や欧州を襲っている熱波はホットハウス・アースの影響?
現在世界中で起きている異常気象が、ただちに気温上昇が2度を越える危険に関係するとは言えないと、論文の執筆陣は説明する。

しかし、これまでに考えられていた以上に、地球は温暖化に敏感だという証拠かもしれないと言うのだ。

ロックストローム教授は、「こうした異常気象から学び、証拠として受け止め、もっと注意深くならなくては」と話す。

「産業革命前比プラス1度でこうなるなら、他の異常気象についても、予想より唐突に起こり得ると言われても、少なくとも驚いたり退けたりしない方がいい」

このリスクは前から分かっていたのでは?

自然界の仕組みがいかに協力で、いかに繊細か、我々はこれまで過小評価してきた。それが、研究チームの言わんとするところだ。

これまでは今世紀末までに気温が3〜4度上がれば、気候変動は地球全体の緊急事態となると考えられてきた。

しかし今回の論文は、気温が2度以上高くなると、今は気温上昇を防いでくれている自然システムが大量の炭素発生源へと変わり、地球が産業革命以前から4〜5度高い気温になる「不可逆な道」を歩み始めてしまうと主張している。

何か良いニュースは?
何と答えは、「ある」だ。

ホットハウス・アースへのシナリオは回避できるが、その為には地球との関係を根本的に見直さなければならないだろう。

研究の共著者でコペンハーゲン大学に所属するキャサリン・リチャードソン教授は、「気候変動など地球規模の変化は、人類が地球全体で地球のシステムに影響を及ぼしていることを示している。つまり、国際コミュニティーが地球との関係を管理し、未来の惑星の状態に影響を与えられることを意味している」と話した。

「この研究では、その為に利用できるいくつかの手段を特定した」

つまり、今世紀半ばまでに化石燃料を使うのを止めるだけでなく、木を植えたり、森林を守ったり、どうやって太陽光をさえぎるか、大気中から炭素を取り除く機械を開発するかといったことにも労力を割いていかなければならない。

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CO2を大気から取り除く機械が必要になると研究者は指摘する
研究チームは人類の価値観や公平性、習慣、技術について総合的な再定義が必要だと指摘する。我々は皆、地球の世話役にならなくてはいけないのだ。

他の科学者の見解は?
この研究論文は極端だという意見もあるが、多くの科学者は結論はまともなものだと支持としている。

英イースト・アングリア大学のフィル・ウィリアムソン博士は、「この研究では、人類が気候に与えた影響の結果として、地球が『自発的に』冷却化する機会を人類が越えてしまったと指摘している」と説明した。

「人為的な気温上昇の影響で、今世紀末までにさらに0.5度上昇すれば、2度の気温上昇で起きるらしい臨界点越えが発生する。そうなると、ホットハウス・アースなど不可逆の変化がさらに起きることになる」

一方で、研究チームはこのように深刻な問題を人間は理解できるはずだと、人類に信頼を寄せているが、それは見当違いだという声もある。

英ユニバーシティー・コレッジ・ロンドンのクリス・ラプリー教授は、「人類史を振り返れば、これは能天気な希望だろう」と指摘した。

「右翼ポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭し、『国際主義エリート』の主張を拒絶している。さらに、気候変動そのものを否定している。そういう状況にあって、受け入れ可能な『中庸状態』に人類が地球を導けるようになるなど、必要な要素が揃うなど、可能性は限りなくゼロに近いはずだ」

(英語記事 Risk of 'Hothouse Earth' despite CO2 cuts)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45093509


 

2018.09.04 TUE 07:30
異常気象と地球温暖化の関係が、「新しい解析手法」から見えてきた
2018年に北半球を襲った猛暑や豪雨。これまで専門家は、こうした異常気象を人が起こした気候変動の関係性を明言できずにいた。しかし、気象学の新分野がそれを変えるかもしれない。個別の異常気象と人為的な気候変動の関連性を分析する手法「エクストリーム・イヴェント・アトリビューション」に迫る。

TEXT BY MATT REYNOLDS
TRANSLATION BY ASUKA KAWANABE

WIRED (UK)

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2018年8月、中国・瀋陽で発生した記録的な豪雨の影響で水没した自動車。PHOTO: VCG/GETTY IMAGES

2018年の夏は異常だった。

6月、7月と熱波が北半球を襲い、各地で最高気温の記録を塗り替えた。日本では7月に観測史上最高の41.1℃が記録され、7月16日〜22日の1週間で22,000人以上が熱中症で搬送された。さらに焼けるような暑さのあとで空気も乾燥し、カリフォルニアやポルトガル、そして北極圏までもが森林火災に襲われた。

こうした極端な異常気象の説明を迫られた気候学者たちは、これまで何年もの間、とある常套句に頼ってきた。「ひとつの気象現象を指して、気候変動のせいだと言うことは不可能です」と。

気象学の新分野
彼らは正しい。天気というのは予測不可能なものである。異常気象は世界全体の気温にかかわらず常にあちこちで起きており、あるひとつの原因と必ずしも関係しているわけではない。

しかし、オックスフォード大学環境変動研究所の副所長を務めるフリーデリケ・オットーいわく、この返答には欠点があるという。

「もし科学者たちが質問に答えなければ、別の誰かが代わりに返答するでしょう。たいていは現象の規模に関心をもたず、何か別の意図をもって発言する人間です」と彼女は言う。

科学者たちは常套句を使う代わりに、せめて異常気象が気候変動(地球温暖化)に起因している可能性が高いか低いかは答えられるのではないかと、オットーは考えている。

オットーは、最近になって注目されている「エクストリーム・イヴェント・アトリビューション」という科学的取り組み[編註:日本では単に「イヴェント・アトリビューション」と呼ぶことが多い]の中心人物だ。その狙いは特定の異常気象にターゲットを絞り、過去120年間で人間が引き起こした1℃の気温上昇がなかった場合にも起きた可能性が低いか高いかを、気候モデルを用いて検証することである。

数年前までは関連性を正確に示すのが不可能だったとオットーは言う。2004年、英国気象庁のピート・スコットが『Nature』誌に、数万人の死者を出した2003年のヨーロッパ熱波のリスクは気候変動によって最低でも2倍になっていたという論文を発表した。

それから12年後、米国気象学会の機関紙は1冊丸ごとエクストリーム・イヴェント・アトリビューションという新分野に捧げた号を出した。編集部はその導入部で、いまでは一部の気象現象に対する気候変動の影響を確信をもって見つけられると主張している。

「気象現象と人為的な気候変動を結び付けられると言えたのは、それが最初でした」とオットーは言う。

気候モデルを使って2018年の熱波を分析
2014年後半、オットーはオックスフォード大学とオランダの赤十字・赤新月気候センター、オランダ王立気象研究所が共同で打ち出した「ワールド・ウェザー・アトリビューション(WWA)」イニシアチヴの立ち上げを手伝った。

このプロジェクトの目的は、ただ異常気象と気候変動の関連性を示すだけでなく、リアルタイムで分析を進めることで、異常気象の発生中に関連性の有無に関する答えを出せるようにすることだ。

欧州の多くの地域が暑さにやられていた今年7月、オットーは今年の熱波に関する分析を発表した。彼女はアイルランド、デンマーク、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの7地点の気温を調べ、気候変動が起こっていなかった場合に同じ気温が記録される確率はどのくらいかを、異なる複数の気候モデルを用いて予測したのだ。

分析のためにオットーは、2つの気候モデルを使って数百ものシミュレーションを行った。これらのモデルは天気予報などに使われるのと同じ類の気候モデルで、降雨や気温、気圧といった変数が考慮される。

オットーが使用した2つのモデルで変化させたのは、気候変動の主な原因である大気中の温室効果ガスの濃度のみだ。片方のモデルは現在の大気を表し、もう片方のモデルは1900年以降に温室効果ガスの濃度が急上昇しなかった場合の大気を表している。2つのモデルを使って数百年分の天気をシミュレーションすることで、オットーと同僚たちは気候変動の有無に応じた天気を比較できた。

たとえるなら「喫煙とがんの関係」
今回のアトリビューションは、熱波が起きている最中にリアルタイムで行われた。北ヨーロッパの熱波に関して言うと、分析結果は明確なものだった。人間が起こした気候変動は、こうした気温になる確率を2倍にしていたのだ。もしわれわれ人間が地球全体を温めていなければ、今年のような熱波が起きる確率は半分だったということになる。

31℃弱だったデンマークのコペンハーゲンでは、気候変動によってこうした高温になる確率が5倍になった。スウェーデンのリンシェーピングでは6倍だ。「気候変動が何をするのか。そして今回の熱波で何をしたかというと、気象現象が起こる可能性を変化させたのです」とオットーは言う。

可能性や見込みといった言葉は曖昧に聞こえるかもしれないが、過去10年間で研究者たちが特定できたであろうどんなことよりも、はるかに信頼できる。

オットーは自身の分析を、喫煙とがんの関係にたとえる。個人の肺がんが間違いなく喫煙によって引き起こされたと断言することは不可能だが、喫煙と進行中のがんの間に関係性を見出すことはできるということだ。

新手法の活用で異常気象に備える
これまでオットーたちは、200人以上の犠牲者を出した日本の平成30年7月豪雨や、昨冬の北米での極寒をはじめ、いくつもの異常気象を分析してきた。

その結果は、常に気候変動と異常気象の関連を肯定するものではない。例えば、2015年に1,000万人近くに影響を与えたエチオピアでの干ばつの分析では、気候変動との関連は認められなかった。

しかし、気候変動との関連性のないケースをみつけることは、関連性のあるケースをみつけるのと同じくらい有意義なことだ。オットーは、個人や政府が自分の分析を利用して気候変動の影響に備えてくれればと思っている。

「気候変動はすでに始まっていて、われわれの日々の生活に影響を与えている、というのがこのプロジェクトの主な動機のひとつなんです」と、彼女は言う。

英国では、地域の洪水リスクの評価の一助として、エクストリーム・イヴェント・アトリビューションが使われている。だが、オットーは分析手法が確立されるにつれ、より広い目的で利用されるようになるだろうと考えている。

「これはまだ、世界の大半においては新しい科学分野です」と彼女は言う。しかし、政府はこの新分野を活用することによって、過去に起きたことではなく将来起きうる事象への賢い判断を下せるようになるかもしれない。「気候変動を考えるときに過去ばかりをみていては、正しい答えは導き出せません」

現在のところWWAは、「まったく温暖化していない世界」と「温暖化が特定の段階まで進んだ現在の世界」を比較している。だがオットーは、さらに気温が1℃上昇した場合のモデルも用いている。今世紀末までに起こるとされる1℃上昇が現実になれば、コペンハーゲンでは今夏のような気温がいまの4倍起こりやすくなるという。

われわれが注目すべきは、ニュースの見出しに並ぶ世界平均気温の上昇値ではなく、こうした異常気象だ。

「世界の平均気温は人を殺しません」とオットーは言う。「人を殺すのは、こうした異常気象なのです」

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加速する地球温暖化は予測不能な段階に──全米で止まらぬ山火事と「仮説」の崩壊
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45093509

 


 

2018.08.15 WED 08:30
加速する地球温暖化は予測不能な段階に──全米で止まらぬ山火事と「仮説」の崩壊
地球温暖化の影響を受け、全米で過去に類をみない大規模な山火事が立て続けに発生している。環境の変動は過去の事例から予測できるとされてきたが、気候変動が勢いよく進んだせいで、過去を基にした仮説と対策が機能しなくなっている。見えてきた事実はひとつ、「問題は悪化する」ということだ。

TEXT BY ADAM ROGERS
EDITED BY CHIKA IWATA

WIRED(US)

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PHOTO: JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES

地球温暖化の議論をするとき、次のような人間の言うことは真に受けないほうがいい。地球温暖化について、「何者かによる陰謀だ」と主張する人、意図的に無知を装う人、「そもそも温暖化していないのではないか」という懐疑論を先導する輩などだ。

彼らは科学者たちについて、温室効果ガスが地球の大気に与える影響を大げさに見積もりすぎていると主張している。こうした温暖化懐疑論者たちによれば、科学者たちの計算は不確実であり、地球環境が将来、どのくらい悪化するかについて自信をもって判断することは不可能だという。

これまでの40年間、こうした態度は間違っているとされてきた。しかし、皮肉なことに、データを受け入れないという愚かな抵抗を続けてきたこうした人々が、おおむね正しいことが判明した。

全米では7月31日時点で140件の山火事が発生し、100万エーカー(約4,047平方キロメートル)以上が炎に包まれた。出動した消防士は25,000人以上にのぼる。カルフォルニア州では8人が死亡し、数万人が避難を余儀なくされた。煙や火砕流のような雲が、宇宙からも観察されている。

火災を専門とする科学者たちは、事態は今後さらに悪化する一方だと口をそろえる。では、いったいどれほと悪化するのか。どこまで広がるのか。誰が被害を被るのか──。こうした疑問に対して、これまでの経験は一切通用しない。科学者たちにも実際のところは分からないのだ。

過去の実績をベースにした「仮説」は機能しない
科学者たちはこれまで、政策立案者を補佐して将来の計画を策定する際、仮説をもとにしてきた。これは「定常性」と呼ばれ、環境システムにおける極端な事象(極値)は過去の制約要件に従うという考え方だ。降雨量、河川の水位、ハリケーンの強度、山火事被害などが対象となる。

だが、過去はプロローグに過ぎず、気候変動は仮説を灰に変えてしまった。米西部や欧州で発生した火災は、「定常性の死」を証明している。これは10年前、ある研究チームが米科学誌『サイエンス』に掲載し、物議を醸した考えだ。当時、論じられたのは「水」についてだったが、いまは「火災」も現実のものとなっている。

カリフォルニア大学マーセド校で山火事を研究するリロイ・ウェスタリング教授は次のように話す。

「もはや、われわれは過去の観察結果を手がかりにはできません。将来の計画を立てるために過去の記録を使っても、これからどんな事象が起こりうるかという、その確率を測定できる安定的なシステムなどありません。ものごとがどのように変化してゆくかを予測するために必要なのは、物理学と、事象同士の複雑な相互作用を検証する力です」

山火事は常に複雑なシステムの一部をなすものだった。気候変動がこの複雑性に拍車をかけた。具体的には、二酸化炭素やそのほかの温室効果ガスによる、地球全体の温暖化だ。この影響は何千年も続くだろう。ウェスタリングは続けた。

「それだけでなく、気候システムや生態系システム、人間が土地をどのように利用しているかといったことも、相互に影響し合っています。この相互作用の交差点は非情に複雑で、その予測となるとさらに難しくなります。新たな基準がないと言ったのは、まさにこのことです。いま生きているすべての人たちが残りの人生を過ごす間にも、気候変動はおそらく加速度的に進行してゆくでしょう」

研究は進むも、一般にまで浸透しないジレンマ
だからといって、学ぶべきことや打つ手が何もないというわけではない。火災の傾向にまつわるデータが増えれば、逆に研究者たちは起こりうる事象の予測モデルを構築しやすくなる。

「燃料管理」を行う最適な方法もわかるようになるだろう。すなわち、気候変動の影響による熱波や干ばつで乾燥した可燃性植物をどのように除去するかといったことだ。さらに研究が進めば、より燃えにくい建造物の建て方や、第一選択肢として、建造物を建てるべきでない場所はどこかを見定めやすくなる。

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カリフォルニア州で発生した山火事の様子。2018年8月10日撮影。PHOTO: MARCUS YAM/LOS ANGELES TIMES VIA GETTY IMAGES
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これらを実現するためにはもちろん、政策立案者が聴く耳をもち、行動に移すことが前提だ。だが、彼らはまだそういう態度をとっていない。ウェスタリングは言う。

「政策立案者は火災からの回復力や耐火性の高さについては雄弁に語ります。また、研究者であるわれわれも、気候変動や山火事などのリスクについてこれまで何十年にもわたって議論をしてきました。しかし、科学者やリスク管理の専門家以外の人々の間では、いまだ議論に大きな前進は見られません」

これが現実なのだ。火災の研究者らは少なくとも20年前、ひょっとすると1世紀も前から、大気中の二酸化炭素(CO2)の増加がより大きな山火事の発生につながると警告していた。歴史が次のような事実を証明している。

火事跡や木の年輪サイズなどのデータを基に研究者たちが明らかにしたところによると、欧州から人々が北米に入植する前、山火事の頻度は比較的多かったが、規模は割に小さかった。プエブロなどの先住民は多くの木を燃料として使い、建築用に直径の小さい樹木を用いていたという。

一方、スペイン人が米大陸にやって来たころ、疫病の蔓延で先住民たちは村を追われ、人口は90パーセント近く減少した。その結果、森で発生する山火事は以前の自然なパターンに戻った。頻度が低く、比較的規模が小さく、広範囲にわたるタイプの山火事だ。

19世紀末までには、土地は家畜の放牧などに利用されるようになったが、土地の利用者には山火事に対する耐性はほとんどなかった。年輪年代学者のトム・スウェットナムは次のように指摘する。

「20世紀後半から21世紀初頭のいまでは、暑さによる干ばつや山火事がこれまでに体験したことのない激しさで猛威をふるっています」

スウェットナムが研究対象にしているジェメス山系で発生した山火事は、12時間で40,000エーカー(約16,187平方メートル)を焼いた。2方向からの逆回転の風にあおられて発生する炎「水平ロール渦火炎」だった。スウェットナムは言う。

「火災後にはキャノピーホールと呼ばれる、樹木のまったくない空間が30,000エーカー(12,140平方メートル)以上にわたって残されました。木が1本もない巨大な穴が山林の上層部の広がりのなかにできたのです。少なくとも過去500年に、こうしたことが起きた考古学的証拠はありません」

最悪の予想が、いま現実に
スウェットナムはニューメキシコ州の、とりわけ山火事の多い地帯に住んでいる。彼によれば、そこは原野と都会の接点なのだが、これまでになく危険なエリアになりつつあるという。

「こうした変化は悲しく、また懸念すべきことです。しかし、われわれ年輪年代学者の多くは気温の上昇が続けば、こうした現象が起きるだろうと予測していました。最悪の予想が現実のものとなるのを目の当たりにしているのです」

山火事の研究者らは、気候変動に端を発する山火事と土地利用の因果関係について、以前から警告を発してきた。ハリケーンと洪水が、土地の利用方法と関係があるという指摘と同じくらい長い間、主張してきたのだ。

それでも人々はヒューストンの氾濫原に家を建てたり、ミシシッピー川に貧弱な堤防しかつくったりせず、森のそばにも家を建て、やぶや木立を手入れしなかった。その間じゅう、気温の上昇は続いていた。

米農務省森林局の森林管理官で研究員でもあるマーク・フィネイは、次のように指摘する。「発生した山火事なかには、異常といえるものもありました。しかし、それより異様だったのは、燃え盛る大きな炎の渦を人々がただ見つめていることでした。こうした例は枚挙にいとまがありません。それでも、変化の兆しはあります」

干ばつや気温上昇は以前よりひどくなっている。また、都市のスプロール現象も悪化している。フェネイは言う。

「最悪の山火事はいまのところ起きていません。シエラ・ネヴァダ山脈地帯はこうした最悪の事態がいつ起きてもおかしくない状態にあります。もし火災が起きれば、このあたりの生態系にとって過去数千年来、体験したことのないレヴェルの森林火災になるでしょう」

では、次に何が起きるというのだろう。ポンデローサマツやジェフリーマツの森が燃え、消えてしまうのだろうか。森が草原に変わってしまうなどということもあるのだろうか。

ジャイアントセコイア(セコイア杉)が生えるこの地では数千年にわたり、そんなことは一度も起きていない。それなら、セコイア国立公園の森林にスプリンクラーを取り付ければよいのだろうか。フィネイは言う。

「わたしはただ、現代に生きる人間として失望を感じているにすぎません。少なくとも二世代前、あるいは三世代前にも、同じように失望を感じた人々がいたはずです」

だが当時、彼らの嘆きに耳を傾ける者はいなかった。そして現代人もまた、次にどんなことが起きようとしているか、本当のところは理解していないのだ。

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地球温暖化で自殺やうつ病が世界的に増加する:研究結果
https://wired.jp/2018/08/15/fire-will-get-worse/

 

2018.08.11 SAT 19:00
地球温暖化で自殺やうつ病が世界的に増加する:研究結果
平均気温が上がると自殺率もアップするという研究結果が、科学誌に発表された。ハリケーンなどの自然災害のあとでは心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病などが増加するとされており、地球温暖化とメンタルヘルスの関係が世界的な問題になる可能性が指摘されている。

TEXT BY MATT SIMON
TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

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Hopedale
カナダのラブラドル半島沿岸部にあるホープデイルの街(人口600人程度)は、イヌイット自治区であるヌナツィアヴトの首都だ。PHOTO: GETTY IMAGES

カナダのラブラドル地方に古くから暮らすイヌイットの人々は、自分たちの土地に強い結びつきを感じており、狩猟によって食料や毛皮を得てきた。そんなイヌイットの人々から見れば、気候変動による災害はすでに発生している。

「この土地の人々は屋外に出て心地よさを感じるのが好きです。もし遠出ができなくなったら、彼らは人間である気がしないのです」。ドキュメンタリー番組「「Lament for the Land(土地への哀歌)」」で、ノア・ノーカザクは語っている。

イヌイットの土地は、世界平均の2倍の速さで温暖化が進んでいる。このため、移動の際に頼りにしてきた氷が危険にさらされているのだ。ハンターは秋に町から出られなくなることが多くなった。これは、まだ氷が完全に固まっていないからである。春になって氷が溶け始めたときも同様だ。気候変動によって、こうした時期がますます長くなっている。

ラブラドルで調査を行った健康地理学者のアシュリー・クンソロは、次のように語る。

「過去にさかのぼって見ると、こうした期間には町での自殺や自殺未遂、希死念慮(自殺願望)が若干増えています。地元の精神衛生医の間には懸念が広がっているのです。この期間が2週間から8週間に延びた場合に、この状況は何を意味すると思いますか?」

国際的に高まる危機
こうした現象は、「エコロジカル・グリーフ(生態学的な悲嘆)」として知られている。地球が温暖化するにつれて失われていく生態系や生物種、生活様式などについて悲嘆することだ。

ただし、苦しんでいるのはイヌイットだけではない。地球上で海面が上昇し、嵐が激しくなり、気温が高くなるにつれて、精神衛生上の危機は国際的に高まっている。

米ウースター大学の心理学者で、気候変動と精神衛生に関する詳細な報告書[PDFファイル]の執筆者のひとりであるスーザン・クレイトンは次のように話す。「うつ病や不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、薬物乱用、家庭内暴力などのすべてが、自然災害のあとで増加する傾向があります。自然災害が増えるにつれて、このような精神衛生への影響も増えると予想されます」

例えば、2005年に米国南東部を襲った「ハリケーン・カトリーナ」のあとで生存者に対して行われたサンプル調査によると、6人に1人がPTSDの基準を満たしていると判明した。自殺および希死念慮の割合は倍増した。そして、特に避難している人々においては、こうしたメンタルヘルスの問題が身体的な健康に密接に関連する可能性があり、弊害がさらに大きくなるのだ。

月平均気温が上がると「自殺率もアップ」
ウィスコンシン大学グローバルヘルス研究所のディレクターであるジョナサン・パッツは、「人々が各地に移動すると、もともとその地に住んでいる人々には免疫がない病気も一緒に運ばれる可能性があります。逆に、移動先の新しい場所の病気に対して、人々が免疫を持っていない可能性もあるのです」と指摘する。

海面上昇や、激しさを増すハリケーンの直接的な危険を受けない場所に住む人々であっても、この影響からは逃れられない。今世紀の終わりには、平均的な米国人が35℃以上の気温に耐えなければならない日は、いまの4〜8倍に増えると予想されている。

なかでも、アリゾナ州の住民は特にひどくなる。気温が35℃以上になる日は、現在の年平均116日から200日以上に急増するのだ。気温が高くなるほど自殺率が高くなるという相関性は、いくつかの調査で指摘されている。

『Nature Climate Change』に今年7月23日付で発表された大量のデータに基づく論文では、米国においては郡レヴェル、メキシコでは地方自治体レヴェルで、気温と自殺に関する統計をまとめている。比較されているのは、これらの小さな地域同士ではなく、カリフォルニア州パロアルトの09年7月と10年7月の月平均気温のように、それぞれの地域自体だ。各地域間の貧困率や銃の所有率などの要因の違いは調整されている。いずれも自殺率に関連があるからだ。

調査で明らかになった自殺率の上昇は、少ないといえるかもしれない。自殺率は月平均気温が1℃上がるたびにメキシコで2パーセント、米国で0.7パーセント上昇する。この関係性は複雑だ。自殺率には世界中でばらつきがあり、自殺率が最も高い場所が必ずしも気温が最も高いわけではない。しかし将来を考えると、住民の健康に与える影響は甚大なものになる可能性がある。

生物学的に共通の反応を示す
論文の筆頭著者であるスタンフォード大学准教授(経済学者)のマーシャル・バークは、「われわれの調査結果が、さまざまな社会経済的階層や、異なる地域にわたって非常に一貫しているということは、これが生物学的に共通の反応であることを示唆しています」と説明する。

気候に関連した精神的外傷が精神衛生に与える影響の背後にある共通のメカニズムを、科学者たちが明らかにできるかはわからない。ただし、こうした経験自体は明白だ。直観的に人間らしい反応と感じられる。

イヌイットの調査を行ったクンソロが今年4月に同僚とふたりでエコロジカル・グリーフに関する論文を「Nature Climate Change」に発表したときは、膨大な反響が電子メールで寄せられた。それは国際的な反響だった。

「彼らは干ばつの影響を受けた農家でもなく、海抜が低い島国でもなく、移住を余儀なくされた人々でもありませんでした。多くが都市部で生活する人々ですが、このような全体的な絶望感や不安感を語ろうとしていました」と、クンソロは話す。

われわれに共通する問題の根は同じかもしれない。だが気候変動の現れ方は、それぞれの地で大きく異なる場合がある。「地域、場所、文化により、大きく異なる何かを経験をすることになるでしょう」とクンソロは語る。イヌイットの場合、それは氷であり、米国南部では超大型ハリケーンになるだろう。

あらゆる健康管理がそうであるように、予防は最良の薬だ。だが気候変動については、われわれはすでに手遅れなのかもしれない。

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北極圏の氷の下にある「軍事基地の廃墟」から、汚染物質が流れ出す──気候変動がもたらす環境破壊の行方
https://wired.jp/2018/08/11/climate-changes-mental-health/


最強台風21号まとめ 記録的高潮と暴風
日直主任日本気象協会 本社日直主任
2018年09月05日14:38
最強台風21号まとめ 記録的高潮と暴風
今年最強の台風21号の影響で、近畿を中心に記録的な高潮や記録的な暴風となり、列島に大きな爪痕が残りました。
ポイント解説へ
台風21号 25年ぶりに非常に強い勢力で上陸
記録的な高潮
記録的な暴風
台風の活発な雨雲 列島縦断

台風21号 25年ぶりに非常に強い勢力で上陸
台風21号は8月28日午前9時、南鳥島近海で発生しました。発達しながら西よりに進み、マリアナ諸島付近で一時「猛烈な」勢力に。進路を次第に北よりに変え、日本の南を北上し、9月4日正午頃に「非常に強い」勢力を保ったまま、徳島県南部に上陸、午後2時頃には「非常に強い」勢力を保ったまま、兵庫県神戸市付近に再上陸しました。「非常に強い」勢力で上陸するのは25年ぶりでした。午後3時には「強い」勢力になり、午後4時には日本海に抜け、日本海を北上し、5日午前9時に間宮海峡で温帯低気圧に変わりました。
記録的な高潮
台風の接近、上陸に伴って近畿や四国の沿岸部では急激に潮位が上昇し、記録的な高潮となった所がありました。大阪では1961年の第2室戸台風の時に観測した過去の最高潮位を瞬間的に上回る値(329センチ)を観測しました。関西空港の滑走路や駐機場が広い範囲で浸水するなどの被害がでました。そのほか、神戸で最高潮位233センチ、和歌山県御坊で最高潮位316センチを観測しました。

※潮位はいずれも瞬間値の速報値
記録的な暴風
四国や近畿を中心に記録的な暴風となりました。最大瞬間風速は大阪府田尻町(関西国際空港)では58.1メートル(午後1時38分)を観測(2009年以降の観測で1位の記録)。和歌山県和歌山市では57.4メートル(午後1時19分)を観測し、1961年9月16日の第2室戸台風の時の値である56.7メートルを超えて、史上1位の記録を更新しました。大阪市でも47.4メートル(午後2時3分)を観測。45メートル以上を観測するのは半世紀ぶりでした。建物の屋根が飛ばされ、トラックが横転、建設現場のクレーンが折れるなど各地に大きな被害がでました。大規模な停電も起きました。

夕方以降は北陸でも暴風が吹き荒れ、福井県敦賀市で47.9メートル(午後3時)、石川県金沢市で44.3メートル(午後5時57分)を観測し、観測史上1位となりました。東京都内でも八王子市で31.5メートル(午後4時24分)、都心で26.8メートル(午後7時5分)を観測するなど風が強まりました。
台風の活発な雨雲 列島縦断
四国や近畿、北陸周辺に台風本体の活発な雨雲がかかりました。高知県田野町では午前10時1分までの1時間に92.0ミリの猛烈な雨が降り、観測史上1位の記録となりました。

そのほか、記録的短時間大雨情報も続々と発表されました。
12時10分 香川県東かがわ市与田山で90ミリ。
14時50分 京都府左京区付近で約100ミリ。
14時50分 滋賀県大津市北部付近で約90ミリ。
15時10分 滋賀県高島市付近で約90ミリ。
17時40分 山梨県富士山西部付近で約100ミリ。
17時40分 静岡県富士宮市付近で120ミリ以上。
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/598.html#c9

[国際23] 「中国特使は非常に傲慢でいじめっ子のよう」 台湾と国交のあるナウル大統領が非難(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年9月06日 06:52:07 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1453]
中国海軍が新研究所の建設で「最大の弱点」克服へ
最新科学研究で潜水艦発見能力の強化に邁進
2018.9.6(木) 北村 淳
世界最強の攻撃原潜、アメリカ海軍シーウルフ。現在の中国海洋戦力の最大の弱点は対潜水艦戦能力である(写真:米海軍)
「中国のハワイ」と呼ばれる海南島の三亜市郊外に、中国海軍が電波科学の研究施設を建設しようとしている。

 その施設の中心的設備は「高出力非干渉性散乱レーダー」(HPISR)と呼ばれる装置だ。HPISRは、米国のアラスカ州にある「HAARP」(高周波活性オーロラ調査プログラム)という設備と類似している(下の写真)。HAARPは、アメリカ海軍と国防高等研究計画局(DARPA)がアラスカに建設したものの軍事利用にはあまりにも莫大な予算を必要とするため、現在はアラスカ大学が純然たる科学研究目的で使用している。

HAARP(写真:アラスカ大学)
(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54032

 中国のこの高出力非干渉性散乱レーダーの建設に対して、アメリカ海軍をはじめとする潜水艦専門家たちから警戒の声があがっている。

陣容が固まりつつある中国の「積極防衛戦略」
「積極防衛戦略」(米軍などでは「接近阻止領域拒否戦略」「A2/AD戦略」と呼称している)を推進している中国人民解放軍は、南シナ海や東シナ海といった中国の沿海域だけでなく西太平洋に接近してくるアメリカ軍艦艇や航空機を撃破する態勢を着々と固めつつある。

 中国沿岸地域には、中国軍が「世界に先駆けて開発に成功した」と豪語する対艦弾道ミサイルをはじめ多種多様の地対艦ミサイルがずらりと配備され、米軍や自衛隊からの攻撃を受ける恐れがほとんどない中国沿海域の艦艇や爆撃機からの対艦攻撃能力も充実している。また、米軍機や巡航ミサイルを撃破するための様々な防空ミサイルを開発したり、ロシアから調達することによって、防空態勢の強化も著しい。それらに加えて、監視衛星や早期警戒管制機などのセンサー類も質・量ともに充実しつつある。

 とりわけ南シナ海では、本コラムでも継続して取り上げているように、海南島から300kmほど張り出したウッディー島(永興島)を中心に西沙諸島の軍備を増強し、さらに650〜800kmほど遠方にありフィリピンに近接する南沙諸島には、7つもの人工島軍事拠点を生み出してしまった(下の地図)。

海南島(印の付いた島)、西沙諸島、南沙諸島の位置(Googleマップ)
拡大画像表示
 それらの人工島基地群や西沙諸島には、地対艦ミサイルや防空ミサイルが設置されただけでなく、3つの人工島には爆撃機や戦闘機が常駐できる航空施設まで設置されており、南沙諸島のど真ん中に3隻の不沈航空母艦を浮かべておく態勢を維持することも可能となっている。

 そのため、万が一にもアメリカや日本が南シナ海で中国と軍事的に対峙するような事態に立ち至った場合、アメリカ海軍や海上自衛隊の水上艦艇を含む関係船舶の航行は極めて危険な状況になりかねない。船舶だけでなく航空機も、人工島や永興島それに中国沿岸の上空域に接近することは大きなリスクを伴うことになる。

 要するに、南シナ海においては中国の積極防衛戦略の陣容が固まりつつあり、アメリカ海洋戦力による自由な作戦行動が困難になる日が近づいているのだ。

中国海軍最大の弱点は対潜能力
 もちろん中国海洋戦力に弱点がないわけではない。最大の弱点は対潜水艦戦能力である。

 中国海軍は、海中を潜航する潜水艦を探知する能力が海上自衛隊やアメリカ海軍に比べてかなり弱体と考えられている。つまり、いくら南シナ海で作戦する敵水上艦艇を脅かすことができても、南シナ海を潜航する敵潜水艦を探知することができない可能性が高い。

 現代の潜水艦は、探知されないための各種ステルス性能が可能な限り高く設計されている。そのため、海中で静止したり低速で潜航している敵潜水艦を探知することは、いかなる海軍にとっても極めて困難な任務である。だが、中国海軍の潜水艦のステルス性能および敵潜水艦探知能力がアメリカ海軍や海上自衛隊には追いついていないことはほぼ確実とされている。したがって、米海軍の攻撃原子力潜水艦や海上自衛隊の攻撃潜水艦が、南シナ海で中国海軍によって探知される可能性はかなり低いというのが現状だ。

 中国軍は、南シナ海で米軍機や米海軍水上艦艇の作戦行動を大きく制限することができても、強力な攻撃力を有する米海軍攻撃原潜の脅威を除去することができない限り、空母や揚陸艦や輸送艦をはじめ海軍艦艇を安心して運用することはできないのである。

潜水艦発見能力の強化に取りかかった中国
 中国海軍が名実ともに南シナ海(そして東シナ海)を“中国の海”とするには、対潜能力を海上自衛隊レベルそしてそれ以上に押し上げなければならない。中国海軍は、もちろんその強化に着手している。

 なんといっても、中国海軍がなんとか近代海軍の体裁を整え始めたのは1980年代後期からであり、アメリカ海軍や海上自衛隊に比べると著しく後発海軍である。対潜能力の強化を開始したのも、ここ最近のことと言ってよい。

 たとえば中国海軍では、これまで海上自衛隊やアメリカ海軍が対潜哨戒機として用いてきたP-3海洋哨戒機と同等の性能を有するとみられるY-8Q海洋哨戒機の運用をようやく開始したばかりである。

 ただし、海上自衛隊はP-3哨戒機に加えて最新鋭かつ国産のP-1哨戒機の運用を開始しており、アメリカ海軍も新鋭P-8哨戒機を運用している。そして、日米が保有するP-3、P-1、P-8哨戒機のうち東シナ海や南シナ海、西太平洋に投入できる機体は軽く100機を超えている。それに対して、中国海軍のY-8Qは数機が確認されているだけである。

 とはいえ、中国海軍の戦力強化のスピードは、常に米海軍情報筋の予測をはるかに上回る速さで伸展してしまうのが常である。したがって、中国海軍がいったんY-8Qという近代的対潜哨戒機を手にしたならば、瞬く間に数量を増やすとともに、米海軍のP-8や海自のP-1に猛追しようとすることは間違いない。

電波科学研究施設の目的は?
 Y-8Q対潜哨戒機以外にも、中国海軍は南シナ海や東シナ海に「海底科学観測情報網」を設置する作業を開始している。

 海底科学観測情報網は海洋環境観測や災害予防のための科学データを収集する設備であるとされている。だが米海軍関係者は、「海底科学情報網は明らかに中国版『SOSUS』である」と考えている。SOSUSというのは、アメリカ海軍が世界中の戦略的要衝である海洋の海底に張り巡らせた音響監視システムで、潜水艦の動向を探知する大がかりなシステムである。

 中国海軍は、米海軍や海上自衛隊の後塵を拝している対潜能力を一気に挽回するために、超電導技術を応用した潜水艦探査技術の開発や、極超長波(ELF、一般的に3kHz以下)と呼ばれる低周波電波を用いて遠隔地から潜水艦を探査する技術の開発などを推し進めているといわれている。同時に、米海軍や海自などが潜航中潜水艦との通信に用いている超長波(VLF、3kHz〜30kHz)や極超長波といった超低周波数帯域の通信を攪乱することにより、敵潜水艦の作戦能力を減衰させる技術も鋭意開発中の模様である。

 そして、海南島に建設される「高出力非干渉性散乱レーダー」を中心とする電波科学研究施設こそが、極超長波を利用して潜水艦を探知したり通信を攪乱したりする海軍秘密兵器の研究あるいは運用施設ではないか? という推理がなされているのだ。

 通常、この種のレーダー施設は人里離れた辺鄙な土地に建設されるのが常である。それにもかかわらず、三亜市郊外という比較的人口が密集している土地に建設し、そのうえ三亜には中国海軍原子力潜水艦基地が存在していることが、その推理の根拠である。

 中国海軍が、かつてアメリカ海軍が手にしようとした極超長波を利用した対潜水艦戦能力を手にした場合(それは近い将来には実現するものと思われるのだが)、現在のところは優勢なアメリカ海軍や海上自衛隊の潜水艦作戦能力が、劣勢に転じてしまうことになりかねないのだ。


ロシア軍大演習に中国軍が初参加」が意味するもの

安倍首相のウラジオストク訪問時に中露は合同軍事演習
2018.9.6(木) 新潮社フォーサイト


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ロシア、戦勝記念日の軍事パレードで最新兵器を披露
ロシアの首都モスクワで行われた旧ソ連の対ナチス・ドイツ戦勝73年を記念する軍事パレードに登場した、最新鋭の極超音速ミサイル「キンジャル」を搭載したミグ31超音速迎撃機(2018年5月9日撮影)。(c)AFP PHOTO / Kirill KUDRYAVTSEV〔AFPBB News〕

(文:小泉悠)

 秋はロシア軍の演習シーズンである。

 ロシア軍の演習は12月1日から始まる冬季演習期間と、5月1日から始まる夏季訓練期間に分かれており、後者の半ばにあたる8月から9月頃に、軍管区単位の大演習(ロシア軍の分類に従えば戦略指揮参謀演習)が行われるというのが通例だ。ことに近年では演習の規模が巨大化する傾向があり、10万人以上の兵力が動員されることも珍しくない。

 この種の大演習は4つの軍管区(西部、南部、中央、東部)の持ち回りで実施されるので、それぞれの軍管区では4年に1回の頻度で大演習が巡ってくるということになる。演習には当該軍管区の部隊だけでなく、他の軍管区からも部隊が派遣されてくるのが通例であり、場合によっては同盟国軍が参加することもある(たとえば西部軍管区であればベラルーシ、中央軍管区であれば中央アジア諸国が参加する)。

仮想敵に日本が含まれている
 2018年度大演習の舞台として予定されているのは、東部軍管区だ。同軍管区は東シベリアから極東、さらには北極圏東部までを含む広大な軍事行政単位であり、前回の「ヴォストーク(東方)2014」演習では15万人以上の大兵力が動員された(ただし、そのすべてが演習に参加したのか、軍管区内の兵力をすべてカウントしているだけなのかは明らかでない)。今年の大演習はそれから4年を経て巡ってきたもので、「ヴォストーク2018」と名付けられている。演習の実施時期については今年8月から9月とされているが、具体的な開始及び終了時期についてはまだ公式発表が見られない。

 一連の「ヴォストーク」演習が日本にとって重要なのは、まずもって、その仮想敵に日本が含まれているという点にある。「ヴォストーク2014」の際にロシア国防省の機関紙『赤い星』が報じたところによると、同演習は仮想国家「北方連邦」と島を巡って領土問題を抱えた仮想国家「ハンコリヤ」が、軍事紛争に陥るという想定で実施された。さらにこの紛争がエスカレートしたことにより、NATO(北大西洋条約機構)の主導的大国である「ミズーリヤ」が介入し、太平洋におけるロシアの内海を奪取しようと試みることも想定されていたという。具体的な国名は伏せられているものの、北方領土を巡る日露紛争が対米戦争にまでエスカレートするというシナリオであることは明らかであろう。

 さらにこの演習の過程では、ベーリング海峡を挟んで米領アラスカに接するチュコト半島や北極圏のウランゲリ島に防衛部隊を送り込む演習を実施しており、北極防衛の重要性がかつてなく強調されたことも注目される。地域紛争が対米戦争にエスカレートした場合、それが全面核戦争へと至らないように核抑止力を確保する必要が生じる。この意味では報復攻撃用の弾道ミサイル原潜が遊弋(ゆうよく)する北極海およびオホーツク海の防衛は、死活的な意義を帯びることになる。

 また、これと並行してロシア軍は極東部に大規模な増援部隊を送り込み、大規模な地上戦訓練も実施した。こちらについては具体的なシナリオが明らかにされていないが、中国を想定した訓練であった可能性が高いと見られている。純粋に軍事的な観点からすれば、ロシアにとっての中国は依然として仮想敵であることが伺われよう。

「ヴォストーク」への外国軍の参加は初
 翻って今回の「ヴォストーク2018」では、いくつかの継続性と変化が予想されている。

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 継続性について言えば、北方領土を巡る日本との紛争の可能性は、依然として主要なシナリオの1つに留まる可能性が高い。「ヴォストーク2018」の開始に先立ち、ロシアは択捉島に戦闘機を配備しており、従来から駐留している陸軍部隊や海軍の地対艦ミサイル部隊(2016年には最新鋭の3K55バスチオンが択捉島に、3K60バルが国後島に配備された)とともに、北方領土の防衛訓練が従来以上の規模で実施されることになろう。

 北極圏においては、西部軍管区に所属する北方艦隊が、「ヴォストーク」演習の枠組みでは初めて参加することが予告されているほか、8月に入ってからチュコト半島のアナドゥイリ飛行場に、Tu-160超音速爆撃機部隊が展開したと報じられている。北極防衛に加え、隣接するアラスカの米ミサイル防衛システムに対する攻撃が想定されていると見られる。

 一方、変化として注目されるのは、「ヴォストーク2018」に中国軍およびモンゴル軍が参加すると報じられている点だ。これまで「ヴォストーク」演習はロシア軍単独の演習として実施されてきており、外国軍の参加は初となる。

 なかでも大きなインパクトを持つのは、中国軍の参加であろう。中国側の発表によると、「ヴォストーク2018」に派遣される兵力は人員3200名、兵器900、航空機・ヘリコプター30機であり、ザバイカル地方のツゴル演習場で訓練を行うとされているから、巨大な演習の一部に過ぎないと言えないことはない。また、中露はこれまでにも上海協力機構の枠内で「平和使命演習」を、2国間ベースで「海上連携」演習を行ってきており、両国の合同演習が珍しいというわけでもない。

 しかし、前述したように、「ヴォストーク」演習は、もともと対日米戦争に加えて対中戦争をも想定した演習であった。そこに中国が友軍として参加するとなれば、昨今の中露接近の動きにおける新たな契機とみなすことができよう。

政治の論理は軍事の論理を包含する
 日本にとっての「ヴォストーク2018」の意義を読み解くうえでは、軍事の論理と政治の論理を区別することが必要である。

 軍事の論理とは次のようなものだ。すなわち、脅威とは敵の能力に意図を乗じたものとして理解されるが、意図は変化しやすく、かならずしも明瞭でない。したがって、脅威評価はより計測しやすい能力を基盤としなければならない。北方領土を巡る日露の軍事的衝突は現実に予期し難いにせよ(つまり「蓋然性」は低いとしても)、その「可能性」が存在する以上は備える必要がある、ということになる。

「ヴォストーク2018」も軍事組織であるロシア軍が立案し、実行するからには、基本的にこのような論理に基づくものと考えてよいだろう。領土紛争が存在する以上はそれが軍事紛争となることを想定しなければならず、仮想敵が米国の同盟国であるならば、米国の介入という最悪の事態も当然、覚悟しておかなければならない。

 これまでは仮想敵であった中国を参加させるという転換に際しても、ロシア軍参謀本部内では、現在でも中国は仮想敵の1つにとどまっているはずであり、中国の姿がない場所では依然として、対中国戦争を想定した訓練も行われる可能性が高い。現にロシア軍は「ヴォストーク2018」に向けて、大規模な地上兵力の動員準備を行っているが、極東においてこれだけの地上兵力を必要とする事態は対中国戦争だけである。

 だが、政治の論理はこうした軍事の論理を包含する、より広範なものである。この場合で言えば、純粋な軍事の論理に従って大々的な対日米戦争演習を行い、さらには中国を招き入れることが、当面の対日・対米・対中関係においていかなる政治的反応を引き起こすか、という包括的な計算がかならず存在する。

 特に中国との合同演習が予定されている9月11日から15日という時期は、ウラジオストクで開催される「東方経済フォーラム」(9月11〜13日)と重なっており、開催前日の9月10日には、日露首脳会談が行われる見込みと伝えられている。

 このようなタイミングにおいて、政治の側が軍事の論理を妨げようとしていないという事実(たとえばウラジーミル・プーチン露大統領は北方領土での演習を控えめなものとするよう軍に命じることもできるし、中国との合同演習のタイミングをずらすこともできる)は、政治の論理がそれを求めている可能性を示唆する。

中露のさらなる軍事的接近もありえる
 より具体的に考えてみよう。

 安倍晋三首相がウラジオストクを訪問するとき、北方領土では戦闘機の展開を含む活発な軍事活動が行われ、ロシア本土では中露の合同軍事演習が展開されていることになる。ロシア国防省はプーチン大統領が「ヴォストーク2018」を検閲する可能性も示唆していることから、同じく「東方経済フォーラム」を訪問予定の習近平中国国家主席とともに、ツゴル演習場で中露演習の模様を観戦するというシナリオも考えられないではない。

 このような「舞台装置」が、日本側に対してどのようなメッセージを孕んでいるかは明らかであろう。北方領土問題においては、ロシアの実行支配と軍事的防衛の意図をあくまでも強調し、日本側がロシアに対してあらゆる妥協を拒めば、中露のさらなる軍事的接近もありえるということだ。

 一般的なイメージに反して、ロシア人はもてなし好きである。遠方からの客人には、こちらが面食らうほどの歓迎を示してくれることも珍しくない。ただ、今回の「歓迎」は派手ではあるが、かなり手荒いものであることも覚悟すべきであろう。


小泉悠
1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年〜2011年ロシアに滞在。現在は公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務める。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)。ロシア専門家としてメディア出演多数。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/792.html#c2

[経世済民128] 対中関税22兆円手続き終了 米大統領、強硬姿勢崩さず(かいけつニュース速報) 怪傑
4. 2018年9月08日 07:00:11 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1454]

トランプ大統領:日本は「大きな問題」に、米国との通商合意なければ
Shannon Pettypiece
2018年9月8日 2:21 JST
トランプ米大統領は7日、日本が米国との新たな通商合意に至らなければ「大きな問題」になるだろうと述べた。

  「協定を結ばないのであれば、大きな問題になることを日本は分かっている」と大統領専用機の機中で記者団に話した。

  トランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を決定し、鉄鋼・アルミへの関税を発動して以来、日米は貿易問題で合意に至っていない。安倍晋三首相はトランプ大統領と個人的に親しい関係を築こうとしているが、金属関税の適用除外を得るには至っていない。

原題:Trump Says Japan Will Have ‘Big Problem’ With No U.S. Trade Deal(抜粋)


ワールド2018年9月8日 / 02:44 / 38分前更新
米大統領、中国全輸入品に追加関税も 新たに2670億ドル相当用意
1 分で読む

[米大統領専用機上 7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、新たに2670億ドル相当の中国製品に対して追加関税を課す用意があると明らかにした。

トランプ大統領は「中国側の動き次第で、2000億ドル規模の中国製品に対する関税措置が近く発動される可能性がある」とした上で「その後、私が望めば、さらに2670億ドル相当の追加関税を急きょ発動する用意があると言っておく。そうなれば、状況は一転するだろう」と語った。

これに先立ち、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は、2000億ドル分の中国製品に対する追加関税を巡り、トランプ大統領は市民から寄せられた意見を精査した上で決定を下すとの見方を示した。パブリックコメント(意見公募)期間は6日深夜に終了。2000億ドル分の中国製品にはカメラ、録音機器、ハンドバッグ、タイヤ、掃除機などが含まれ、関税率は10─25%となる可能性がある。

米国の中国からの最大の輸入品である携帯電話はこれまで対象となっていなかったが、新たに2670億ドル分の中国製品に関税が課されれば、対象に含まれることになる。

トランプ政権はすでに半導体を含む500億ドル相当の中国製品に対し25%の関税措置を発動させている。

トランプ大統領が打ち出した対中関税措置の対象は発動前のものも含め合計5170億ドルとなり、2017年の米国の中国からのモノの輸入総額の5050億ドルを上回る。

トランプ氏の発言を受け、中国人民元CNH=はオフショア取引で対ドルで約0.4%下落した。

*内容を追加して再送します。

トランプ大統領:中国からの輸入、さらに2670億ドル相当に関税も
Shannon Pettypiece
2018年9月8日 1:31 JST 更新日時 2018年9月8日 2:17 JST
トランプ米大統領は、中国からの輸入2670億ドル(約30兆円)相当に対して追加関税を賦課する用意があると表明した。既に表明済みの2000億ドル相当に追加されることになる。

  トランプ氏は7日、大統領専用機「エアフォース・ワン」で記者団に対し、中国からの輸入品2000億ドル相当への関税は「今後の状況次第ではすぐにも実施される」と説明。さらに「これは行いたくはないが、その後には私が望めばさらに2670億ドル相当への関税を間髪を入れずに実施する用意がある」と加えた。

原題:Trump Threatens Tariffs on $267 Billion More of China Goods (1)(抜粋)

(トランプ大統領の発言を追加し、更新します.)
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米国株・国債・商品】株下落、トランプ氏が対中関税拡大を警告
Jeremy Herron、Sarah Ponczek
2018年9月8日 5:49 JST 更新日時 2018年9月8日 6:23 JST
7日の米株式相場は下落。S&P500種株価指数は4日続落となった。中国との貿易戦争をエスカレートさせるようなトランプ大統領の動きを受けて、テクノロジー関連や多国籍企業の株価が値下がりした。

米国株は下落、トランプ氏の対中関税に関する発言で
米国債は下落−10年債利回り2.94%
NY原油は3日続落、週間では7月以降で最大の下げ
NY金は3日ぶり下落、堅調な雇用統計受け安全資産としての需要後退
  ナスダック100指数は週間では3月以降で最大の下げ。アップルは終盤下落に転じた。同社は、対中関税賦課により幅広い製品が影響を受けることになると説明した。トランプ大統領はこの日、事実上、中国からの輸入品全てに関税を賦課する用意があると警告した。S&P500種株価指数の週間での下落率は6月以降で最大。ダウ工業株30種平均ではボーイングの下げが目立った。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2871.68。ダウ工業株30種平均は79.33ドル(0.3%)下げて25916.54ドル。ナスダック100指数は0.3%下落。米国債市場では、ニューヨーク時間午後4時55分現在、10年債利回りが6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.94%。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が3日続落。週間では7月以降で最大の下げとなった。新興国市場の混乱で、エネルギー需要が後退するとの懸念が強まった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は2セント下げて1バレル=67.75ドル。週間では2.9%安と、7月半ば以来の大幅な下落率。ロンドンICEの北海ブレント11月限はこの日33セント高の76.83ドル。

  ニューヨーク金先物相場は3日ぶりに下落。8月の米雇用統計で雇用と賃金の伸び加速が示されたことから、安全資産としての金の需要が後退した。金は週間ベースでも下げ、過去9週間のうち8週でマイナスとなった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.3%安の1オンス=1200.40ドル。週間では0.5%下げた。

  トランプ大統領はこの日、中国からの輸入2670億ドル(約30兆円)相当に対して追加関税を賦課する用意があると表明した。既に表明済みの2000億ドル相当に追加されることになる。

  朝方に発表された8月の米雇用統計では賃金上昇ペースの加速が示されるなど明るい内容となったが、トランプ氏の関税に関する発言が相場の重しとなった。

  ウェザビー・アセット・マネジメントの調査ディレクター、ボンセク・チョイ氏は「リスクは本物で、全面的な貿易戦争に近づいている兆候が強まりつつある」と指摘。「状況は急速に変わり得る。よって貿易戦争に関しては、もし多くの警告が現実のものとなった場合、情勢は極めて急速に変化するだろう」と述べた。

原題:U.S. Stocks Fall on Trade Rhetoric, Tech Jitters: Markets Wrap(抜粋)
Oil Posts Weekly Loss as Emerging-Market Rout Threatens Demand
Gold Staggers as ‘Worst-Is-Over’ View Tested by U.S. Job Gains

(第6段落以降を追加し、更新します.)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
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2018年9月8日 / 06:09 / 42分前更新
米加NAFTA協議、月末まで継続も 加外相「非常に良い進展」
1 分で読む

[ワシントン 7日 ロイター] - 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、米国とカナダは7日も二国間協議を継続した。カナダのフリーランド外相は「非常に良い進展が見られている」と指摘。ただこの日、協議は月末まで継続する可能性があるとの見方をカナダ当局者が示していることが明らかになった。

ワシントンを訪れているフリーランド外相はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との話し合いの後、記者団に対し、協議は建設的に進んでいると改めて表明。「相互理解に向け非常に良い進展が見られている。双方のニーズを共に理解しつつある」と述べた。

ただ、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長によると、2国間協議で最も難航しているのがカナダの乳製品の市場開放を巡る問題。同委員長はこの日のFoxビジネスネットワークのインタビューで、カナダとの協議で合意を阻む要因となっているのは 「M、I、L、K(牛乳)」だとし、カナダに対し牛乳や乳製品の障壁を取り除くよう呼び掛けた。

カナダとの交渉では乳製品のほか、協定19条の紛争解決制度や、国内で製作されたメディアコンテンツを優遇するカナダのメディアに関する国内法などが問題点となっている。

トランプ大統領はこの日、大統領専用機上で記者団に対し「カナダに対する態度は強硬過ぎるとの見方もあるが、カナダは長年にわたり米国を搾取してきた。カナダは米国を公平に扱う必要がある」と述べている。

今週に入ってから交渉団は週内の見解の相違の解消に向け夜遅くまで協議を継続。フリーランド外相は「継続的な交渉モードに入っている」と述べていた。ただこの日、カナダ関係筋の話で、カナダ交渉団は米国との協議は月末まで継続する可能性があるとの見方を示していることが判明した。

米政権はNAFTA再交渉でメキシコとはすでに合意しており、カナダにも同様に合意するよう圧力を掛けているが、カナダ政府はこれに対抗。関係筋はカナダは合意が得られると楽観的な見方を示しているとしているが、2017年8月に始まったNAFTA再交渉協議の着地点はいまだ見えていない。



日本一の富豪ファストリの柳井氏、2年余りで資産倍増−株価上昇で
Venus Feng
2018年9月8日 4:32 JST
巨額の富が一夜にして築かれたり失われたりする中国と異なり、日本では通常、資産家が失った富を取り戻すのにはずっと長い時間がかかる。


柳井正氏Photographer: Akio Kon/Bloomberg
  だが、衣料品ブランド「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの創業者である柳井正氏(69)の場合は違うようだ。同社の株価が過去1年間に75%余り上昇したことから、柳井氏の個人資産は大きく増加。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると254億ドル(約2兆8200億円)と、2016年4月時点からほぼ倍増となった。


  柳井氏が会長兼社長を務めるファーストリテイリングは、時価総額では「ZARA」を展開するスペインのインディテックスに次いで世界2位のアパレルメーカーだ。ファーストリテイリングの株価は2年前、業績計画の下方修正が響いて急落。だがその後は海外市場での安定した事業拡大のほか、テニスのロジャー・フェデラー選手やゴルフのアダム・スコット選手との契約締結も寄与し、業績を回復させてきた。こうした状況を背景に柳井氏の資産は今年48億ドル増加し、ビリオネア指数での順位は30位に上昇した。

原題:Japan’s Richest Man Doubles Fortune With Some Help From Federer(抜粋)


2018年9月8日 / 05:24 / 1時間前更新
トランプ大統領、「特定の状況下」での聴取にオープン
1 分で読む

[米大統領専用機上 7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、ロシアの2016年米大統領選干渉疑惑を巡る捜査について、「特定の状況下」で直接聴取に応じることにオープンとの考えを示した。

ただ、「偽証罪のわな」に陥ることは望んでいないの認識を再表明した。



2018年9月8日 / 02:44 / 1時間前更新
トランプ米大統領、司法省に調査要請 政権批判のNYT論説巡り
1 分で読む

[米大統領専用機上 7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が掲載したトランプ政権高官による「政権内の抵抗勢力」を巡る匿名の論説文について、NYTを調査するよう司法省に要請したことを明らかにした。

NYTに対し何らかの措置を講じることを検討しているとしたが、詳細には踏み込まなかった。

トランプ大統領は記者団に対し「どうなるか状況を見守ろう。どうするか見極めているところだ」とし、セッションズ司法長官が「執筆者が誰なのか調査すべきだ。国家安全保障に関わると確信している」と語った。

司法省の報道官は、調査を巡り肯定も否定もしないと応じた。

NYTは声明を発表し、司法省が「あからさまに政府の権力を乱用することはない」とし、「トランプ大統領の脅しは、われわれが寄稿者の身元を守るべき理由を明確に示し、米国の民主主義に自由で独立した報道が重要であることを再確認するものとなった」とした。

New York Times Co
22.85
NYT.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+0.05(+0.22%)
NYT.N
NYT.N
トランプ大統領のコメントを受け、NYT(NYT.N)の株価は一時下落したものの、0.3%高で取引を終えた。


トランプ米大統領:セッションズ司法長官はNYT論説筆者の捜査を
Shannon Pettypiece
2018年9月8日 4:10 JST
トランプ米大統領は、政権高官とされる人物が匿名でニューヨーク・タイムズ紙(NYT)に論説を寄稿したことについて、セッションズ司法長官が捜査に乗り出すことを望んでいる。この論説によれば、政権内部の高官らは「大統領が職を退くまで、彼のさらなる間違った方向への衝動」を阻止することを誓った。

  トランプ大統領は大統領専用機エアフォース・ワン内で同行記者団に対し、「国家安全保障の問題だと言えよう。セッションズ氏は論説の筆者が誰であるか捜査しているべきだろう。国家安全保障に関わることだと真剣に考えているからだ」と述べた。

  セッションズ長官のフローレス報道官はトランプ大統領の発言について、「司法省は捜査に関して確認も否定もしない」とだけ述べた。

原題:Trump Says Sessions Should Investigate the Times Op-Ed’s Author(抜粋)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/390.html#c4

[経世済民128] 日銀は国債買入を実質減額、注目は本日の長期ゾーンの国債買入額 --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年9月08日 07:14:16 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1455]

米雇用統計:8月は平均時給2.9%増に加速−雇用者数20.1万人増
Shobhana Chandra
2018年9月7日 21:38 JST 更新日時 2018年9月7日 23:46 JST
• 失業率は3.9%で前月から変わらず−労働参加率は低下
• 6月と7月の雇用者数は合わせて5万人の下方修正
8月の米雇用統計によると、賃金の伸びが2009年のリセッション(景気後退)終了以降で最大となった。また雇用者数の伸びは市場予想を上回った。
  米労働省の7日発表によると、8月の平均時給は前年比で2.9%増と、伸び率は前月(2.7%)から加速。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査での予想全てを上回った。市場予想の中央値は2.7%増。前月比では0.4%増(前月0.3%増)だった。
Surprise Jump
U.S. wages grow at the fastest pace since 2009

Source: Bureau of Labor Statistics
  8月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比20万1000人増。エコノミスト予想の中央値は19万人増だった。前月は14万7000人増(速報値15万7000人増)に下方修正された。家計調査に基づく失業率は3.9%で変わらず。 

  ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は「労働市場は非常に順調のようだ」と指摘。賃金の伸びの弱さが「ここ数年、唯一ネガティブな要素だった。賃金の伸び加速で、労働市場が正常に戻ったことを最終的に確認できる」と続けた。
  前月までの2カ月間の雇用者数は合わせて5万人の下方修正となった。これにより、3カ月間の平均値は18万5000人増。
  製造業の雇用者数は3000人減。市場予想は2万3000人増だった。建設業は2万3000人増。
  サービス業は17万8000人増。教育・医療が5万3000人増、プロフェッショナル・ビジネスサービスも5万3000人増だった。
  政府部門の雇用は3000人減。民間部門は20万4000人増えた(市場予想19万4000人増)。
  週平均労働時間は34.5時間で前月から変わらず。
  労働参加率は62.7%と前月(62.9%)から低下した。
  「U6」と呼ばれる不完全雇用率は7.4%(前月7.5%)に低下。U6にはフルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者や、仕事に就きたいとは考えているものの積極的に職探しをしていない人が含まれる。
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Wage Gains Pick Up to 2.9% While Payrolls Rise 201,000 (2)(抜粋)
(賃金のチャートを追加し、更新します.)


2018年9月7日 / 22:14 / 2時間前更新
8月米雇用20万人増、賃金上昇9年ぶりの大きさ
3 分で読む

[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した8月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が20万1000人増となり、前月から伸びが加速した。市場予想の19万1000人増を上回った。

時間当たり平均賃金は前年比で2.9%上昇と、2009年6月以来の高い伸びを記録した。米経済が今のところ、米中貿易摩擦の高まりの影響を免れているとの見方を後押しした。

時間当たり平均賃金は前月比では0.4%(10セント)上昇。7月は0.3%上昇していた。賃金の伸びの加速は、労働市場の引き締まりを明示している。米連邦準備理事会(FRB)が9月25−26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3度目となる利上げを決めるとの市場の見方が固まる材料だ。

賃金の伸びは労働市場にとりいわゆるアキレス腱となっていたが、8月に上向いたことは、インフレ率が年内、および来年初旬はFRBの目標である2%近辺で推移し続けるとのエコノミスト予想と矛盾しない。

BNYメロン(ボストン)のシニア・グローバルマーケットストラテジスト、マービン・ロー氏は「今後これまでの賃金上昇が一部反転するようなことがあったとしても、現在はFRBが掲げるシンメトリック(対称的)な2%のインフレ目標が支持される水準にある」とし、「市場では今月のFOMCでの利上げが完全に織り込まれている」と述べた。

就業者数は、労働人口の伸びに対応するためには月12万人増える必要があるとされている。

6月と7月の就業者数は合わせて5万人分下方改定された。

失業率は前月から横ばいの3.9%。市場予想は3.8%だった。一方、現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は0.1%ポイント低下し7.4%と、01年4月以来の低水準をつけた。

米国は中国以外にも、欧州連合(EU)やカナダ、メキシコなどの主要な貿易相手国と報復関税の応酬を繰り広げている。アナリストらは、米政権の1兆5000億ドル規模の減税政策と財政出動によって米経済は貿易摩擦の影響から守られていると述べる。また、これまでに導入された輸入関税は米経済のごく一部にしか影響を与えていないとみている。ただトランプ米大統領が、輸入関税を課す中国製品を追加した場合、状況は変わるかもしれないと警告する。

米中両国は7月上旬以降、合わせて1000億ドル相当の製品に報復関税を課した。新たに2000億ドル規模の中国製品に関税を課す計画について米政権は6日まで一般から意見を募集してきた。

トランプ氏は、海外勢による不正な競争にさらされている米産業を守るとし、今年初めから海外の鉄鋼やアルミニウム、洗濯機、木材、太陽光パネルに輸入関税を導入している。

米中間の通商問題について、SSエコノミクス(ロサンゼルス)の首席エコノミスト、Sung Won Sohn氏は「すべての対中関税措置が発動されれば、大幅なレイオフは避けられない」との懸念を示した。

ただ一部アナリストは、トランプ政権が打ち出した大型減税と歳出拡大策が米経済を通商を巡る問題から守る盾のような役割を果たしているとも指摘。ナロフ・エコノミックアドバイザーズ(ペンシルバニア州)の首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「減税と歳出拡大策で一種の高揚した状況が作り出される中、年内さらには来年上半期に労働需要が衰えると考える理由はない」と述べた。

雇用コンサルティング会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが6日発表した8月の米企業の人員削減数は、輸入関税に関連した業界で521人だった。一方、鉄鋼生産業で採用者数が359人増加し、雇用全体への影響を抑制した。

雇用統計は、最近の製造業やサービス業の統計と合わせ、トランプ氏の保護主義的な通商政策の経済への影響が今のところ限定的であることを示す。第2・四半期国内総生産(GDP)は年率で4.2%増と、第1・四半期(2.2%増)の2倍近いペースで伸びた。

雇用統計の内訳は、製造業が3000人減。17年7月以来初めて減少した。7月は1万8000人増加していた。自動車が約5000人減となったことが主な押し下げ要因となった。これについてバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(バンカメメリル)のエコノミスト、ジョセフ・ソン氏は「自動車部門は夏の間は整備のために工場が閉鎖されることがあるため、雑音が混じりやすい」との見方を示した。

雇用は機械、コンピューター、電子機器、家具でも減少した。

一方、建設業は2万3000人増。7月は1万8000人増加していた。卸売りは2万2400人増、専門職・企業サービスは5万3000人増、スポーツ用品・趣味関連は9200人増となった。

ただ小売は5900人減。政府部門も3000人減となった。



2018年9月8日 / 06:09 / 41分前更新
ドル上昇、米雇用統計受け 貿易懸念なお=NY市場
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[ニューヨーク 7日 ロイター] - ニューヨーク外為市場は、8月の米雇用統計で雇用の伸びが加速したことを受け、ドルが幅広い通貨に対して上昇した。ただ、米中貿易摩擦への懸念は根強かった。

8月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が20万1000人増となり、前月から伸びが加速した。時間当たり平均賃金は前年比で2.9%上昇と、2009年6月以来の高い伸びを記録した。

賃金の伸び加速は労働市場の引き締まりを示す。米連邦準備理事会(FRB)が25─26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、今年3回目となる利上げを決める可能性が強まったとみられている。

ダラス地方連銀のカプラン総裁は、堅調な雇用統計を受けて利上げを継続すべきとの考えを示した。

ユーロが対ドルEUR=で0.5%下落、ドルは対円JPY=で0.29%上昇した。

スタンダード・チャータード銀行のG10FX調査部門のグローバルヘッド、スティーブン・イングランダー氏は「今日は、金利水準の違いや債券市場動向にドルが反射的に反応した」と指摘する。

米国の10年債利回りは約1カ月ぶり水準に上昇した。

ドル相場の短期的な方向について、アナリストらはトランプ政権の貿易関税措置に左右されると予想する。

トランプ大統領は、新たに2670億ドル相当の中国製品に対する追加関税の用意があることを明らかにした。

トランプ氏は「中国側の動き次第で、2000億ドル規模の中国製品に対する関税措置が近く発動される可能性がある」とした上で「その後、私が望めば、さらに2670億ドル相当の追加関税を急きょ発動する用意があると言っておく。そうなれば、状況は一転するだろう」と語った。

OANDAのシニア通貨アナリスト、アルフォンソ・エスパルザ氏は「仮に貿易戦争を巡る発言が続き、(米国が)2000億ドル相当の中国製品に追加関税を課せば、安全資産としてのドルに追い風が吹く」と語る。

豪住宅融資統計が弱い内容となったほか、貿易を巡る対立状態が商品関連通貨を圧迫し続け、豪ドルAUD=が2年半強ぶりの安値に下落、ニュージーランドドル(NZドル)NZD=D4も対米ドルで2016年2月以来の水準に値下がりした。

英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、EUの首席交渉官を務めるバルニエ氏が今月初め、アイルランド国境問題で英国と協議したいと英議員らに述べていたことが明らかになった。これを受け、ポンドGBP=が一時1週間ぶり高値を付けたが、直近では小動き。



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/392.html#c1

[経世済民128] スルガ銀行 第三者委が組織的不正を認定 岡野会長ら辞任 NHK  赤かぶ
1. 2018年9月08日 07:15:48 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1456]
スルガ銀、3首脳が引責辞任−第三者委がシェアハウス問題で報告
谷口崇子、Gareth Allan
2018年9月7日 15:57 JST 更新日時 2018年9月7日 19:37 JST
• 岡野会長ら3人に善管注意義務違反認定、有国取締役が社長昇格
• 「企業文化を根本的に変える」−有国新社長が謝罪

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

会見する有国氏
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
シェアハウスをめぐる不正融資問題で、スルガ銀行の第三者委員会(委員長・中村直人弁護士)は7日、融資の審査書類などに改ざんや偽造があり、多くの行員の関与を認定するとともに、その背景にコンプライアンス意識の欠如などがあったとする調査結果を公表した。これを受けて同行は、7日付で岡野光喜会長、米山明広社長、白井稔彦専務ら役員5人が辞任、後任社長に有国三知男取締役(52)を充てたと発表した。
  創業家出身の岡野会長ほか代表権を持つ3人が引責辞任する異例の事態となったが、第三者委は辞任した3人については善管注意義務違反を認定するとともに、一部については法令違反もあったとした。岡野会長については「最も重い経営責任がある」と記した。会長ポストは後任がなく空席となった。
  このほか第三者委は以下の点についても指摘した。
• 投資家に十分な自己資金があるように不動産販売会社が偽装工作した
• 収益不動産ローン全体に無担保ローンの抱き合わせ販売が強く推奨された
• 審査部門が営業部門からプレッシャーを受けていた傾向があった
• 極端なコンプライアンス欠如と企業風土の著しい劣化があった
• 有国氏に明らかな善管注意義務違反があったとは認められないが、一定の経営責任
  第三者委の報告を受けて有国新社長は記者会見し、シェアハウス融資で「多大なるご迷惑をお掛けしました」と謝罪、「企業文化を根本的に変え、ガバナンス機能を整える」と語った。社外監査役の野下えみ氏は、既に退任した取締役や執行役員の「訴訟の可能性も含めて」今後も調査していくと述べた。
  スルガ銀は低収益にあえぐ地銀の中にあって、高リスクながら金利が稼げる個人向け無担保ローンや不動産投資ローンに注力することで高い収益性を維持、2016年度まで5期連続最高益を更新していた。しかし、1月にシェアハウス向け融資問題が表面化して以降、不適切融資などをめぐる報道が相次ぎ、株価は年初来で76%下落した。社内調査では増収増益維持に向けた圧力が不適切融資に走らせたとの指摘もあった。

成長神話に終止符
連続増益がシェアハウス融資問題で止まった

出典:スルガ銀行決算資料
パワハラ
  スルガ銀本店がある静岡県沼津市で会見した中村委員長は、不適切融資について件数、金額ベースでは推計できないとしながらも、「本件は組織的問題だと認識している」との見方を示した。また目標達成に向けたパワハラが大きな問題だと指摘、「数字ができないならビルから飛び降りろと言われた」といった事例が報告書に盛り込まれた。同委は中村氏、仁科秀隆氏ら4人の弁護士がメンバーで、中立・公正な立場からシェアハウス問題の事実究明をすることを目的に5月に設置された。
  スルガ銀行に対しては金融庁も4月から立ち入り検査を実施、融資審査に問題がなかったかなどを調べている。第三者委の調査結果も踏まえて、金融庁は行政処分に向けた最終判断をするとみられる。
  同行によると3月末の総融資額は約3兆2500億円で、うち、シェアハウス案件は約7%の2036億円としていた。同行は投資用不動産融資が回収できないリスクも保守的に見積もるなどした結果、貸倒引当金は増え続け、6月末時点では前年同期比677億円増の870億円となっている。業績見通しについては修正を決定した際には速やかに開示するとしたが、単体自己資本比率が12%強あり健全性は十分だとした。
  第三者委報告では3月末のシェアハウス融資案件を含む収益不動産ローンの融資残高は約1兆9000億円と融資総額の約6割を占めていたことが分かった。
株価急落
  スルガ銀の株価は1月にシェアハウス運営会社「スマートデイズ」の賃料不払いが表面化した際、同行からの融資が多いと報道されたことなどをきっかけに下落が始まった。その後も融資の際に残高を証明する通帳記録の偽造や改ざんなどを行うなど同行員の不適切融資への関与や与信費用の大幅な積み増しなどのネガティブな情報が相次ぎ、1月19日に2452円あった株価は9月7日時点で569円まで落ち込んでいる。
  スマートデイズは5月に破産。物件所有者には今も賃料が振り込まれず、スルガ銀などが融資したローンだけが残っているという。8月29日に会見した所有者約280人の弁護団(団長・山口広弁護士、河合弘之弁護士)は、契約者の銀行取引履歴のコピーなどを示しつつ、書類の改ざんを指摘。「返せない借金を負わせる詐欺的なスキーム」だったとして、契約の白紙撤回を求めた。これについて有国社長は物件所有者に対する救済策については「個別の話し合いの中でやっていく」とし、一律の救済は否定した。
(第4段落に有国新社長の会見内容などを盛り込み更新します.)



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/391.html#c1

[経世済民128] 東日本大震災時、一部地域を停電にしてブラックアウトを避けた東電・・北電の対応は後手、供給遮断間に合わず…ブラックアウト 怪傑
3. 2018年9月08日 07:18:45 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1457]
トヨタ10日は全工場停止、サプライチェーンに広がる地震の影響
桑子かつ代、古川有希、佐野七緒
2018年9月7日 14:34 JST 更新日時 2018年9月8日 1:24 JST
ダイハツ2工場を除く国内の完成車工場や部品工場などを停止
SUMCO工場停止で、シリコンウエハー価格に上昇の可能性
北海道胆振東部地震のサプライチェーンへの影響が全国に拡大している。トヨタ自動車は道内の部品工場が停止していることから、8日に予定していた完成車工場の一部ラインでの休日操業計画を撤回したのに続き、10日にダイハツ工業の2工場を除く国内のすべての完成車工場を停止することも決定した。

  広報担当の喜多亜貴子氏によると、同社は10日、完成車を組み立てる国内16工場に加え、部品を製造する7工場も稼働を停止する方針。11日以降の操業や海外での生産についてはコメントを控えた。これに先立ち愛知県にある田原工場と、トヨタ自動車九州、トヨタ車体の工場の一部ラインの8日の操業中止を決定していた。発端となったのは変速機などを製造する苫小牧市の工場の稼働停止。地震直後に道内全域で電力供給が失われたことで操業が止まった。

  半導体の基板材料として利用されるシリコンウエハーで世界シェア3割弱を持つSUMCOも停電の影響で千歳工場の操業を停止している。同社の広報担当者は工場や設備には外部から見た限り大きな被害はないとした上で、内部の調査は停電解消後になると話した。同社の7日の株価は一時前日比6.5%安で、6日終値も同4.9%安だった。台湾経済日報はSUMCOの工場停止で、シリコンウエハーの価格が上昇する可能性があると報じた。

  岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは、半導体業界の在庫水準はそれほど高くないことから、同社の工場が1週間くらい止まれば「相当な影響」が出るとし、「1カ月止まることがあれば大変なことになる」と話した。

乳製品供給にも影響の懸念
  北海道は日本全体の生乳生産量の54%を占めるなど酪農拠点でもある。停電で酪農家が搾乳できなくなっていることや乳業各社の工場や冷蔵設備が停止していることから、牛乳やバター、チーズなど乳製品の供給にも影響が波及する恐れがある。

  森永乳業の広報担当の大塚幸稔氏は、北海道内の4工場が停電の影響で停止しているほか、自家発電設備のない一部の冷蔵倉庫も稼働できなくなっていることを明らかにした。こういった倉庫の冷蔵品は廃棄する方針だという。明治ホールディングスと雪印メグミルクも、北海道にそれぞれ保有する7工場が停止している。

  みずほ証券の佐治広シニアアナリストは、牛乳は冷蔵された状態で流通するため停電の影響を受けると指摘。長期化した場合には、酪農家からの原料調達にも影響が出るようになるとの見方を示した。

  世耕弘成経済産業相は7日午前の閣議後会見で、一部の発電所などが再稼働したことで、停電戸数はピークの295万戸から155万戸に半減したことを明らかにした。病院のほか水道や通信関連の施設、避難所などを優先して電力の供給を再開させていると話した。

  経産省の発表資料によると、発電所や本州をつなぐ送電の再開により7日午前9時半までに約189万キロワット規模の供給が回復。同日中には直近の最大電力需要の8割弱に相当する304万キロワットの供給力確保を目指している。世耕氏は300万キロワットまで積み上がれば、「産業面の給電というところが復活していくのではないか」と話した。

  停電が部分的に解消したことで、一部インフラ関連施設の利用は再開している。新千歳空港では国内線の運航が再開すでに再開しており、同空港のターミナルビル運営会社は、国際線ターミナルビルの閉鎖を8日午前6時に解除すると発表した。JR北海道も、同空港と札幌を結ぶ「快速エアポート」と北海道新幹線の運行を午後1時ごろから再開した。

(トヨタの10日の稼働計画を追加して更新します.)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/393.html#c3

[経世済民128] 東日本大震災時、一部地域を停電にしてブラックアウトを避けた東電・・北電の対応は後手、供給遮断間に合わず…ブラックアウト 怪傑
4. 2018年9月08日 07:25:21 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1458]

>北海道内の全域が停電となったブラックアウトについて、北海道電力は7日、主力の苫東厚真とまとうあつま火力発電所の停止が急だったため、対応が間に合わなかったことが原因

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54053
原子力問題から逃げる安倍政権が電力危機を招く
大停電と「トリチウム水」に見る無責任の構造

2018.9.7(金) 池田 信夫

北海道古宇郡泊村にある泊発電所(出所:Wikipedia)

 北海道で震度7の地震が起こり、北海道全域の295万世帯が停電した。地震は日本では珍しくないが、こんな大停電は初めてだ。この原因は苫東厚真火力発電所(165万キロワット)が地震で停止したためと言われるが、地震が起きたときの消費電力300万キロワットのうち、55%を1カ所で発電していたことが大きな問題だ。

 本来は深夜には原発が「ベースロード」として電力を供給するので、泊原発(207万キロワット)が稼働していれば、大停電は起こらなかったと思われるが、これは原子力規制委員会が安全審査をしており、いつ再稼動できるか分からない。安倍政権は原発の問題からずっと逃げているからだ。

5年以上も放置されてきた原子力問題
 安倍首相が原子力問題について判断したのは、2013年10月のオリンピック招致演説が最後だ。このとき「汚染水」の処理について、首相は「国が前面に出る」と言い「状況は完全にコントロールされている」と宣言した。

 このとき国費でALPS(多核種除去設備)や凍土壁が導入され、排水から放射性物質を除去する方針が決まったが、トリチウム(三重水素)が除去できないことは分かっていた。これは水素の放射性同位体で、原子核の構造が水素とよく似ているので、除去する実用的な技術がないのだ。

 今も福島第一原発では、水をタンクに貯蔵するために毎日5000人が作業しており、1000基近いタンクに92万トンの「トリチウム水」が貯蔵されている。その処理をめぐって、8月30日と31日に地元で公聴会が開かれた。出席した反対派は貯蔵された水の海洋放出に反対し、「トリチウム以外の放射性物質がタンクに残っている」と主張した。

 そんなことは当たり前だ。事故を起こした炉心を冷却しているのだから、その排水にはいろいろな放射性物質が含まれている。それは環境基準以下に薄めて流せばよかったのだが、東電が「ゼロリスク」にしようとしたことが問題をこじらせてしまった。

放射性物質は除去されたが「風評」が残った
 東電は「汚染水」の中の放射性物質を除去したが、トリチウムだけが残ったまま、貯水タンクに水は貯まり続けた。原子力規制委員会の田中俊一前委員長も2014年に海洋放出の方針を示し、毒性がないことはマスコミも分かってきたので、汚染水は「トリチウム水」と呼ばれるようになった。

 東電の川村会長は2017年に「田中委員長と同じ意見だ」と海洋放出を示唆したが、これに福島県漁連が「裏切り行為だ」と反発し、田中氏も「東電は地元と向き合う姿勢がない」と強く批判し、問題は暗礁に乗り上げてしまった。

 このころから問題が「毒性」から「風評」にすりかわった。トリチウムを薄めれば毒性はなくなるが、風評は消えない。県漁連も、もっぱら風評を理由にして、海洋放出に反対するようになった。

 田中氏の後任の更田豊志原子力規制委員長も2018年1月、地元との話し合いで「意思決定をしなければならない時期に来ている」と述べたが、誰が決定するのかは明言しなかった。更田氏によると「原発内に貯水できるのはあと2〜3年程度で、タンクの手当に2年以上かかる」という。2018年中に結論を出さないと、貯水タンクが足りなくなる。

 原発再稼動もトリチウム水も、科学的には答が出ている。法的には安全審査は原発の運転とは別の問題で、定期検査の終わった泊原発は運転してよい。今は燃料棒を抜いているので運転は不可能だが、大停電の再発を防ぐには再稼動が必要だ。

 こんな簡単な答が出せないのは「あらゆる手を尽くしたができなかった」と言わないと、地元が納得しないからだ。再稼動は「安全審査に合格した」という(法的には無意味な)お墨付きをもらわないとできない。トリチウム水も貯水タンクが一杯になって「これ以上は無理だ」と言わないと流せない。

 そういう日本的な問題解決のために事故から7年以上も問題を放置し、原発を止めたことによるコストは15兆円を超え、廃炉には8兆円がかかる。それは結局は、電力利用者と納税者の負担になるのだ。

安倍政権の危機管理は大丈夫か
 安倍首相は5年前に「国が前面に出る」と約束した後ずっと、原発の問題を避けてきた。官邸の司令塔とされる今井尚哉秘書官(経産省出身)も、処理の方針を示さない。それが再稼動も「トリチウム水」も前進しない最大の原因である。今の政権では、官邸の意向がはっきりしないと誰も動けない。

 原子力は不人気な問題である。それに手をつけないで先送りすることは、政治的には賢明だった。憲法改正のためには、ポピュリズム的手法も必要だったのかもしれない。しかし3期目に入ると予想される安倍政権が、電力危機のリスクを放置していていいのだろうか。

 日本の電力供給の安定性は世界でもトップレベルだが、それは(よくも悪くも)電力会社の経営に余裕があったからだ。電力会社を追い詰めると経営は合理化するが、危機管理に必要なインフラの冗長性は小さくなる。首都圏で直下型大地震が起こると、北海道のような大停電が起こってもおかしくない。

 地震を止めることはできないが、大停電を止めることはできる。特に今回の場合は、原発再稼動という当たり前のことをしていれば、こんなことにはならなかった。北海道電力は「過去に120万〜130万キロワットの供給が失われた際の対応は検証していたが、3基が同時に停止する事態は検討していなかった」というが、それは逆だろう。

 原発を動かさないと大規模停電が起こる可能性は、ずっと指摘されてきた。特に北海道は、冬に停電すると凍死者が出るおそれがあるので危険だと言われてきたが、電力会社も経産省もそういう事態を「想定外」にしてきた。それを想定すると、原発再稼動しか答がないからだ。

 安倍政権は電力会社を悪者にして原子力の問題から逃げてきたが、そろそろ限界は近い。北海道の電力危機は、次のもっと大きな危機を警告しているのではないか。


 


https://dot.asahi.com/dot/2018090600047.html?page=1
震度2で電源喪失寸前だった北海道・泊原発「経産省と北電の災害対策はお粗末」地震学者

西岡千史2018.9.6 14:16dot.

倒壊した建物 (c)朝日新聞社


震度2で電源喪失寸前だった北海道・泊原発「経産省と北電の災害対策はお粗末」地震学者

西岡千史2018.9.6 14:16dot.

倒壊した建物 (c)朝日新聞社
倒壊した建物 (c)朝日新聞社

 北海道を震度7の地震が襲った。気象庁によると、地震の発生は6日午前3時8分、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.7で、震源の深さは約40キロと推定されている。

 地震地質学が専門の岡村真・高知大名誉教授は、今回の地震について「石狩平野には馬追丘陵から南北に延びる地域に活断層が存在すると推定されていて、震源は石狩低地東縁断層帯の東側と思われる」と分析している。震源に近い厚真町などでは家屋の倒壊や土砂崩れが発生し、生き埋めの被害も出ている。

【写真特集】地震発生直後の被害の様子

 これまで北海道では、太平洋側に延びる千島海溝でM9クラスの地震が想定され、前回の発生から約400年が経過していたことから「切迫性が高い」と警戒されていた。だが、岡村氏によると「千島海溝との関連性は低い」という。

「今回は内陸で起きた地震で、規模としてはそれほど大きなものではなかった。ただ、震源が深く、石狩低地帯は地盤が弱いところが多いため、地盤災害が広がったと思われます。余震も想定されることから、土砂崩れが起きる地域に住む人は警戒を続けてほしい。また、捜索活動を続ける人も、二次災害に気をつけてほしい」(岡村氏)

 さらに、被災地を混乱させているのは295万戸におよぶ道内全域の停電だ。道内の信号機はストップし、固定電話や携帯電話がつながらない地域も出ている。

「2003年のニューヨーク大停電のとき、日本では複数の系統から電源を確保しているから、1つの発電所のトラブルが原因で広範囲の停電は起こりにくいシステムになっていると言われてきた。なぜ、こんなことが起きたのか。訓練も行われていなかったのか。今後、徹底した調査による原因究明が必要です」(岡村氏)

 なかでも驚かされたのが、北海道電力の泊原発(泊村)で外部電源がすべて失われたことだ。泊村の震度は2。にもかかわらず、現在は非常用ディーゼル発電機で、燃料プールにある使用済み核燃料1527体の冷却を続けている。幸いにも、3基の原子炉は運転停止中だった。



 2011年の東京電力福島第一原発事故による大きな教訓は、大規模災害が起きても「絶対に電源を切らさないこと」だったはずだ。それがなぜ、わずか震度2で電源喪失寸前まで追い込まれたのか。

「泊原発には3系統から外部電源が供給されていますが、北電の中で3つの変電所を分けていただけと思われる。北電全体がダウンしてしまえばバックアップにならないことがわかった。今回の地震で、揺れが小さくても外部電源の喪失が起きることを実証してしまった。『お粗末』と言うしかありません」(岡村氏)

 北電によると、地震発生直後に同社最大の火力発電所、苫東厚真発電所が緊急停止。電力供給の需要と供給のバランスが崩れたことで周波数の低下が起き、他の発電所も運転が止まった。苫東厚真発電所の復旧は、少なくとも1週間かかるという。泊原発の非常用ディーゼル発電は最低7日間稼働できるというが、「事故にならなくてよかった」ではすまされない。

「北電だけの問題だけではなく、監督官庁である経産省や原子力規制委員会にも責任がある。このような事態が起きることを想定して、原発施設の電源確保の仕組みをチェックしていなかったということ。これは大問題です。近づく南海トラフ地震でも、すべての火力発電のブラックアウトを想定しておくべきです」(岡村氏)

 現在、発電所の再稼働に向けて作業が行われているが、電力復旧のめどは立っていない。もし、泊原発で非常用のディーゼル発電が故障などで使えなかった場合は、“最後の砦”であるガスタービン電源車に頼らざるをえなかったことになる。今回の地震は「原発への電源供給」という災害対応の“基本中の基本”に問題があったことを明らかにした。(AERA dot. 編集部・西岡千史)

※6日午後、厚真町鹿沼で震度7を観測していたと気象庁が発表したため最大震度を修正しました
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/393.html#c4

[自然災害22] 北海道で震度6強…インフラ壊滅、泊原発の外部電源が喪失(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
5. 2018年9月08日 07:33:27 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1459]

>泊原発の外部電源が喪失

仮に原発を稼働させていれば、これほど巨大な停電など起こらなかった


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/393.html#c4

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54053
原子力問題から逃げる安倍政権が電力危機を招く
大停電と「トリチウム水」に見る無責任の構造

https://dot.asahi.com/dot/2018090600047.html?page=1
震度2で電源喪失寸前だった北海道・泊原発「経産省と北電の災害対策はお粗末」地震学者


http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/602.html#c5

[経世済民128] 49%が「AIとロボットに仕事を奪われる」は本当か? 働き方改革が招くピンチとは(NIKKEI STYLE) 赤かぶ
3. 2018年9月08日 22:18:00 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1460]

発想レベルが低過ぎる


>49%が「AIとロボットに仕事を奪われる」

奪われるのではなく、今やっている単純な作業や計算が置き換わる

つまり、本来、人がやらなくても良い仕事をしなくても済むようになるということ


今でも途上国では水くみのために子供が深い谷まできつい仕事をしているのと同じ


仮に順調に発展が続けば、

未来の人々からすれば、今の我々の記録を見て

昔の人は、やりたくもない、つまらない仕事をしていて気の毒だ

と思うようになるかもしれないし

理想的には、労働のためのムダな人口が必要な時代も終わり

生態系が改善すると望ましいが

現実には、愚かな人類は、そう簡単には減らず、

愚かな紛争と貧困が消えるのは、かなり先になりそうだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/397.html#c3

[政治・選挙・NHK250] 大変だ!安倍総理が16人死んだ!   赤かぶ
34. 2018年9月09日 21:00:27 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1461]

あほらしい

 
首相 「16人死亡26人不明」
09月07日 10時22分

北海道での地震を受けた政府の関係閣僚会議で、安倍総理大臣は、16人が死亡し26人が安否不明になっていることを明らかにした上で、態勢の機動的な強化を図り、人命救助に全力をあげる考えを示しました。

北海道で震度7の揺れを観測した地震を受けて、政府は、7日午前9時半すぎから総理大臣官邸で3回目となる関係閣僚会議を開催しました。
この中で安倍総理大臣は、「これまでに16人が亡くなられ、厚真町を中心に26人が安否不明になっている。現在、2万2000人の救助部隊で救命・救助活動にあたっているが、態勢を機動的に強化して人命救助に全力を尽くしていく」と述べ、16人が死亡し、26人が安否不明となっていることを明らかにしました。
また安倍総理大臣は、「停電は北海道全体のほぼ半分の140万戸で電力供給を再開した。1世帯でも多くに電気が届くよう火力発電所の運転再開などに全力をあげるとともに、供給が再開したエリアでは節電への協力を引き続きお願いしたい」と述べました。
さらに安倍総理大臣は、「多くの方が避難所などで不安な時を過ごしている。被災市町村などと連携し、生活物資などの供給をプッシュ型で行うとともに、病院の人的支援、ライフラインの早期復旧に向けた支援などを先手先手で行って欲しい」と述べ、被災者の支援に全力をあげるよう、関係閣僚に対して指示しました。
http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/414.html#c34

[経世済民128] 「貯蓄ゼロ」から脱出するために、まずは「3つの貯めどき」を知る 人生の「3大支出」に負けない方法(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年9月09日 21:15:17 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1462]

現状「貯蓄ゼロ」なら、脱出するためには、これでは不十分だろう

>2つめは、「使うことが決まっているお金」の入るポケット

ここを放置してはだめだ

絶対必要な部分と、そうでない部分に分け、優先順位を決める

順位が低い部分を徹底的に削除、もしくは低コストなものに置換する

絶対必要な家賃や水高熱通信、食費なども同様

>貯蓄も多く毎月黒字で将来の試算上も問題がないにもかかわらず、使いすぎじゃないかと思って、お金を使うことに罪悪感
>使うもよし、さらに貯めるもよし

別に使う必要も、貯める必要もないなら

寄付すればいいのだが

大部分の日本人の発想には、ほとんど寄付はないらしい


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/410.html#c1

[経世済民128] 普通の人の仕事が消滅する… グーグルなど「4強」が世界を支配、私たちの未来は?(NIKKEI STYLE) 赤かぶ
2. 2018年9月09日 21:24:11 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1463]

>アメリカは300万人の領主と3億人の農奴の国となる」と警鐘を鳴らす。中産階級が消滅し、優秀な少数者と、それ以外に分断された世界

低レベルな分析

そんなに単純ではない

社会保障と再分配が十分機能しなければ、

失業者や低年金者を中心とした悲惨な底辺層と

超富裕層の間に、広い分布が生じるだけだが


生産性自体は大きく上昇するし

情報コストも大幅に低下するから

高卒レベルで住宅にこだわらなければ、

非上流の消費生活水準も上昇する可能性は高い


ただし実際には、今後、反グローバリズムと保護主義による

負債バブルの崩壊、リセッションと貧困化が生じるから、

いずれにせよ、そうはならないだろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/407.html#c2

[経世済民128] 体験者が語るリボ払いの恐怖「使ったのは100万円で金利は57万円…」(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年9月09日 21:28:36 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1464]

>一見お得

と考えるのは、よほどの低知能だけだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/408.html#c2

[経世済民128] 災害時に弱いキャッシュレス社会、現金が重要に。セイコーマートの事例より --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年9月09日 21:33:20 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1465]

別にキャッシュレスを否定する必要もない

非常用に備えて実物貨幣や貴金属など1000万程度は自宅に置いておいても悪くはないが

別のリスクも生じるから

キャッシュレス化自体は、どんどん進めた方が良いだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/411.html#c1

[経世済民128] 災害時に弱いキャッシュレス社会、現金が重要に。セイコーマートの事例より --- 久保田 博幸  赤かぶ
3. 2018年9月09日 21:41:38 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1466]

要するに、緊急時には、食料など必需品に関して、現金決済を義務付ければ良いということ

そして

>停電が発生し、食料品店なども休業をせざるを得ない状況が続いている中、セイコーマートの多くが営業

問題の本質は、現金が使えるかどうかではなく

停電と、それへの対応だろう


仮に現金対応できている店舗でも、停電でレジや冷蔵庫が止まれば同じことだし

高層建築でエレベータが止まれば、老人はどうにもならない


つまりキャッシュレスに弱いというのは正確ではなく

現代社会は電源喪失に対して弱いというのが、より適切だろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/411.html#c3

[経世済民128] 日本経済、個人消費の回復は道半ば GDP改定値高水準も自然災害が大きな懸案に(SankeiBiz) 赤かぶ
2. 2018年9月12日 21:23:53 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1467]

米国で起きかけた全面的な銀行取り付け騒ぎ
FT記者の告白、10年前に報道を差し控えた恐怖の1日
2018.9.12(水) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年9月8/9日付)

米FRB、9年半ぶり金利引き上げ 金融危機対応に幕
米ニューヨーク証券取引所で、連邦準備制度理事会の利上げを報じる画面を見つめるトレーダー(2015年12月16日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Spencer Platt〔AFPBB News〕

 私は一度、本紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の読者に重要な情報を伝えるのを差し控えたことがある。そう認めるべき時が来た。

 あれは10年前、金融危機が最悪のピークに達した時のことで、私は正しいことをしたと思っている。だが、2008年の危機から10年経った今、これについて話さなければならない。

 その瞬間が訪れたのは2008年9月17日。米リーマン・ブラザーズが破産申請した2日後のことだ。

 あの水曜日は、私にとっては、金融危機の一番怖い日で、世界の金融が全面崩壊に近づいた時だった。だが、私はFTにそんな記事は書かなかった。

 水曜夜に2つの重要なニュースが流れた。

 まず、保険大手のAIGが85億ドルの救済措置を受けた。救済が必要だったのは、AIGが保証していたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引で、約束のお金を払わなければならなかったからだ。

 こうした保証がなければ、銀行各行がバランスシート上に抱え、リスクがゼロと考えられていた債券が、実は無価値だと見なされる恐れがあった。

 もしそうなっていたら即座に、これらの債券を保有する銀行の多くが形式上、支払い能力不能に陥っていた。

 AIGの破綻は、大きく毀損した米国の信用商品を抱える欧州銀行システムの即時崩壊を意味する――。多くの人がそう考えていた。

 米国があれほど多額の救済資金を出したことは、AIGによる保証は信用できないことを示唆していた。だとすれば、融資の担保として通用するものがあるのか、という話になる。

 一方、米国最大の独立系MMF(マネー・マーケット・ファンド)だった「リザーブ・ファンド」は、保有しているリーマン債で損失が出たことを発表した。

 その結果、ファンドの基準価額が額面1ドルを割り込むことになった。

 これはぞっとするほど怖いことだった。というのは、短期の債券を保有するMMFは保証された金融商品として扱われていたからだ。「1ドル割れ」したMMFは過去に一つもなかった。

 短期債にとって、こうしたファンドは欠かすことのできない顧客だった。

 MMFがなかったら、銀行や大手企業はどうやって必要資金をまかなえるのか。投資家はMMFからの資金の引き揚げを急ぐ一方、ファンドの運用責任者は財務省証券の安全性を取り、社債を一斉に売った。

 これは銀行に対する取り付け騒ぎだった。ウォール街の最大級の銀行の支払い能力が疑われていた。

 大混乱のさなか、短期米国債の利回りは真珠湾攻撃以来最低の水準に落ち込んだ。必死になった人は、安全性を求めていた。この際、金利など問題にならなかったのだ。

 2007年の英ノーザン・ロックの取り付け騒ぎとは異なり、ウォール街の出来事はどれも目に見えなかった。

 短期米国債を購入するために街区をぐるりと取り巻くような行列はできない。だが、私が話を聞いたウォール街の人間は、銀行システムが崩壊する恐れがあると言っていた。

 私はたまたま、シティバンクの銀行口座に大金を預けていた。米国の預金保険制度でカバーされる上限を上回っていたため、もしシティが破綻したら――かつては考えられなかったが、今では想像できる出来事――、預金を永遠に失うことになった。

 そこでランチタイムにシティへ向かった。預金を半分引き出し、隣にあるチェースの支店に預け替えるためだ。そうすれば、保険でカバーされる預金が2倍になる。

 我々がいたのはマンハッタンのミッドタウンで、投資銀行のオフィスに取り囲まれている場所だった。

 シティに行くと長い行列ができており、並んでいるのは全員、身なり良いのウォール街関係者だった。彼らは私と同じことをしていた。隣では、チェースの支店も不安げな様子のバンカーでいっぱいだった。

 顧客担当の窓口に行き着くと、担当者は素晴らしい人で、隣のチェースの担当者とある行動計画で話をつけたと説明してくれた。私は別の銀行に口座を開設する必要がないのだという。

 担当者は箇条書きのリストを使い、私が結婚しているかどうか、子供がいるかどうか聞いてきた。

 そして、それぞれの子供のための信託口座と、妻との共同口座を開設してくれた。

 ものの数分で、私は預金保険のカバー率を4倍にできた。私がリスクを抱えている相手は、もはやシティではなく、米国政府になっていた。

 窓口の女性は笑みを浮かべ、朝からずっとこれをやっているんです、と語った。彼女もチェースの友人も、その週まで、こんな依頼を受けたことは一度もなかったという。

 私は少々息苦しくなっていた。銀行取り付け騒ぎが起きていた。それもニューヨークの金融街で、だ。

 パニックに陥っているのは、何が起きているのかを一番よく理解しているウォール街の人間だった。

 私がやればよかったのはただ、カメラマンを呼んで、身なりの良いバンカーがお金を引き出そうと行列を成している写真を何枚か撮ってもらい、事情を説明するキャプションを書くことだった。

 我々は、そうしなかった。

 FTの1面にそんな記事が出たら、それだけで金融システムに最後のとどめを刺すことになりかねなかった。読者は警告を受けずに終わり、システムはパニックに陥る最後の一突きを受けなかった。

 この判断は正しかったのだろうか。私はそう思っている。競合するメディアもすべて、マンハッタンの銀行支店の写真を掲載しなかった。

 言論の自由に対する権利は、混み合った映画館で「火事だ」と叫ぶ権利を与えてくれない。あの時は火災のリスクがあり、我々はそう叫ぶことで、火花を散らしてしまう可能性があったのだ。

 数週間後、連邦議会で可決された緊急経済安定化法案によって預金保険の保護の上限が10万ドルから25万ドルに引き上げられた。

 あれから10年。米国の銀行は事実上、金融界で以前より明らかに安全になった唯一のプレーヤーだ。

 米銀は義務を果たし、自己資本を増強し、唐突なシステム崩壊のリスクは今、はるかに非現実的なものになっている。

 今の問題は、そのリスクの排除がほかのリスクを軽減する仕事を妨害したことだ。

 今は、膨れ上がった資産価格や借入金を使った投資、そして、これらの資産を保有する年金基金にリスクが存在している。

 次の危機の焦点は銀行システムではなく、年金基金の価値が徐々に低下し、知らぬ間に丸一世代の人が十分な老後資金がない状態に置かれる危険だ。

 悪い知らせは、これが、常にあと1日解決を待つことのできる危機だということだ。

 政治家はこれを無視することができる。良い知らせは、私は今回は、報道を控えなくてもいいということだ。

By John Authers

 


リーマン・ショック10年(下)資本主義が危うい
岡部直明「主役なき世界」を読む
強権と独占で複合危機に

2018年9月12日(水)
岡部 直明


(写真=ロイター/アフロ)
 リーマン・ショック10年後の世界は、強権政治と独占経営によって、資本主義が揺らいでいる。トランプ米大統領による保護主義・排外主義と習近平中国国家主席による国家資本主義の「強権対立」は、米中間の覇権争いに発展した。

 デジタル革命を先導するアマゾンなど米国のIT(情報技術)5強は独占の弊害が目立ってきた。問題はそれが格差拡大とポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭によって、民主主義の危機に連鎖しているところにある。金融危機はいつ再燃してもおかしくないが、この複合危機の根はもっと深い。自由な市場と民主的な政治を前提にしてきた戦後の世界システムの危機である。

次はトランプショックか
 リーマン・ショックの後遺症がまず表れたのは2010年からのユーロ危機だった。PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)というありがたくない呼び名の国々が、危機に見舞われた。

 とりわけギリシャ危機は深刻だった。欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のトロイカ支援体制のもとで苦しい改革を進め、ようやく最近、危機から脱したが、成長力は乏しくまだ難題が残る。ポピュリスト政権下のイタリアには銀行不安がなおくすぶる。


ギリシャ危機は深刻だった。2014年4月1日、ユーロ圏財務相会合でギリシャ追加融資を承認。アテネでは、抗議する人々が議会に押し寄せた(写真=AP/アフロ)
 リーマン・ショックに対応した金融緩和から各国が出口に向かうのは当然だが、その余波も見逃がせない。先頭を行く米連邦準備理事会(FRB)の利上げで、対外債務を抱えた新興国からの資本流出が相次いでいる。とりわけアルゼンチンやトルコは大幅な通貨安に直面している。新興国危機が危機の火種になっている。

 しかし、次の金融危機が起きるとすれば、ユーロ圏や新興国発ではないだろう。やはり震源地は米国になるはずだ。それも今度はトランプショックの恐れがある。

貿易戦争に金融政策・為替介入
 リーマンショックの反省から、ボルカー元FRB議長を中心に金融規制「ボルカー・ルール」がまとめられた。しかし、トランプ大統領はこの金融規制の緩和を打ち出した。反ウォール街を売りにしていたはずなのに、ウォール街寄りを鮮明にしている。出口戦略に実績があった当時のイエレンFRB議長をあえて交代させたのは、大統領の金融規制緩和に抵抗したせいかもしれない。トランプ流の金融規制緩和は、金融資本主義の肥大化を加速する可能性がある。それは潜在的危機の温床になりかねない。

 もうひとつの危険は、パウエルFRB議長が進めている利上げ路線に、「低金利好き」のトランプ大統領が介入して、本来あるべき利上げが見送られてしまうことだ。パウエル議長が政治圧力に抵抗しきれないと、再びバブルの発生と崩壊につながりかねない。

 そうでなくてもトランプ発の貿易戦争は米国自身を含めて世界経済を混乱させている。貿易戦争にからんだ為替介入も市場の波乱要因になる。トランプショックの要因はすでにそろっている。

はびこる強権政治
 世界はいま強権政治に席巻されているようにみえる。強権政治は、批判勢力の存在を許さず、言論の自由を認めない。司法に介入し、中央銀行の独立性も無視する。

 その強権政治が最先進国であるはずの米国のトランプ大統領によって実行されるのだから、世界は混迷する。多国間の自由貿易を否定し、2国間の保護主義に傾斜する。自由な資本主義をゆがめているのは、なんと超大国の大統領である。

 習近平中国国家主席の「反保護主義」の主張がまだまともに聞こえるほどだ。その習近平主席は自らの任期を延長して国家資本主義の体制を強化しようとしている。一帯一路構想には米国顔負けの「中国第一主義」が潜んでいる。

 この米中の強権対立は、貿易戦争を超えて覇権争いに発展している。米中経済冷戦に打開の道はみえていない。

 もともと強権的だったプーチン・ロシア大統領はさらに強権政治に傾斜する恐れがある。ウクライナだけでなく、中東に広がる介入主義は、冷戦期に米国に対抗した旧ソ連がモデルだろう。しかし韓国以下の経済規模しかないロシアが超大国のように振る舞うのは無理がある。資源依存から脱せない経済構造にも問題が多い。プーチン政権がやむを得ず採用する年金の受給開始年齢引き上げには、プーチン支持派まで反旗を翻した。国民生活を犠牲にする拡張主義には限界がある。プーチン人気にもかげりが生じるだろう。

 トルコのエルドアン大統領もクーデター未遂事件が背景にあるだけに、さらに強権政治化に動く可能性がある。しかし「金利を搾取の道具」とみて、中央銀行に利上げを認めない頑迷さには驚く。これでは資本流出は止まらず、通貨危機から抜け出せないだろう。

 問題は、こうして危機が深まれば深まるほど、強権政治家たちは、権力保持のため一層の強権化を目指しかねないところにある。

デジタル革命に「勝者総取り」の危険
 デジタル革命は資本主義の未来を切り開く可能性を秘める。その一方で、「勝者総取り」(ウイナー・テイク・オール)といわれる独占の弊害で資本主義をゆがめる危険をはらんでいる。

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)の4社にマイクロソフトを加えた「ITビッグ5」は株式の時価総額でも人口知能(AI)、再生可能エネルギーなどへの投資でも他を圧する巨人になった。GAFAの時価総額は英国の国内総生産(GDP)を上回り、研究開発費はフランスの軍事費に匹敵するほどだ。

 こうしたIT独占はデジタル革命そのものの阻害要因になりかねない。新興勢力の頭を抑える存在になることで革新意欲がそがれる。独占企業より新規参入の新興企業の方が収益力や革新力が高いのは経済の常識だ。何より顧客やデータを総取りすることによって世界中で個人の生活にまで踏み込んでくる問題が指摘される。

 さらに、アマゾンなどによるデジタル・流通革命が既存の流通業の存続さえ危うくしている。もちろん、既存の流通業自身の改革が生き残りのカギを握るが、IT巨人が優越的地位を乱用すれば、対応は困難になる。


GAFAの勢いは止まらない。2018年1月29日、ジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)率いる米アマゾンは時価総額1兆ドルを達成(写真=AP/アフロ)
 これまでの産業革命で起きたイノベーションは財やサービスの創造だったが、いま起きているのは1市場を超えた流通業という大産業分類の「総取り」である。

 こうしたIT巨人の行動に世界中で警戒感が強まっている。米議会にもEU委員会にも規制や監視強化の動きがある。とりわけ個人情報の流出でフェイスブックは批判を浴びた。しかし、規制や監視の先を行くIT巨人の独走をとめるのは簡単ではないだろう。

格差が生むポピュリズム
 最大の問題は強権政治と独占経営による資本主義のゆがみが民主主義の後退と相まって複合危機を起こしているところにある。金融資本主義の肥大化とデジタル資本主義の独占化が世界中で格差を拡大させた。人々は「昔は良かった」症候群に陥り、ポピュリズムを台頭させてしまった。

 それはEU全域を覆う。仏独という主要国まで極右ポピュリズムの進出を許している。イタリアには、左右のポピュリズム政権が誕生した。自由な社会だったはずのスウェーデンでも極右が勢力を伸ばした。

 EUには難民問題を抱えるという事情はあるが、ポピュリズムの台頭は世界的な傾向である。中間選挙さなかの米国では、共和党はトランプ大統領という典型的なポピュリストに乗っ取られ、民主党では左派ポピュリストのサンダース氏の影響力が高まっている。

 強権と独占による資本主義と民主主義の複合危機はこれからも続くと考えておかなければならないだろう。

複合危機をどう防ぐか
 金融危機を防ぐのに、それなりの処方箋はある。しかし、資本主義と民主主義の複合危機を防ぐのはたやすくはない。それでも、危機打開に地道に取り組むしかない。

 まず、「言論の自由」にこだわることである。強権政治によるメディアへの介入には徹底して立ち向かうことだ。ヘイトスピーチには法的規制が求められる。偽情報にも規制が必要だ。

 次に、独占禁止法の強化である。とくにデジタル革命に伴う独占化の監視を強化することだ。グローバル経済時代に対応して、独禁当局の国際連携も欠かせない。「グローバル独禁法」の制定を経済協力開発機構(OECD)や世界貿易機関(WTO)などで検討する必要がある。

 個人情報の保護も重要である。ビッグデータ時代だからといって、個人情報がおろそかにされるようでは民主主義の土台が崩れる。EUが打ち出した厳格な基準を国際ルールにすることだ。

 そして、中央銀行の独立性を確保することだ。それは民主主義と資本主義のための基本的なインフラである。政治の介入は防がなければならない。

 格差是正のためには、課税の公平性を維持し所得再配分機能を生かすことが肝心である。グローバル企業の課税逃れを放置してはならない。格差是正には資産課税の強化が必要だ。金融取引税やデジタル課税の導入も真剣に検討するときである。

 リーマンショックからの10年で世界は大きく変わった。それを時代の潮流変化だと、したり顔で受け流すことほど危険なことはない。いま起きているのは、資本主義と民主主義の複合危機なのである。この危機を座視することは許されない。


このコラムについて
岡部直明「主役なき世界」を読む
 世界は、米国一極集中から主役なき多極化の時代へと動き出している。複雑化する世界を読み解き、さらには日本の針路について考察する。
 筆者は日本経済新聞社で、ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、取締役論説主幹、専務執行役員主幹などを歴任した。
 現在はジャーナリスト/武蔵野大学国際総合研究所 フェロー。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/428.html#c2

[経世済民128] 日本経済、個人消費の回復は道半ば GDP改定値高水準も自然災害が大きな懸案に(SankeiBiz) 赤かぶ
3. 2018年9月12日 21:29:16 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1468]

2018年9月12日 週刊ダイヤモンド編集部
株式投資への増税が19年度税制改正で浮上、軽減税率の財源確保で
財務省
軽減税率の財源確保をめぐって、文書改ざん問題で信用を失った財務省はどこまで影響力を及ぼすことができるか Photo by Masaki Nakamura
 中央省庁による2019年度当初予算の概算要求が8月末にまとまり、予算編成と税制改正に向けた議論が今後本格化する。

 大きな焦点は、来年10月の消費税率の引き上げに伴う景気対策と、食料品などに適用する軽減税率の財源確保だ。

 軽減税率をめぐっては、1兆円前後の恒久的な財源が必要と政府はこれまで説明している。そのうち約4000億円は、低所得者の医療や介護費の負担を和らげる「総合合算制度」の実施見送りで賄う方針だが、残り約6000億円もの財源をいかにして捻出するかが喫緊の課題だ。

 すでに、昨年末の税制改正で決まったたばこ増税や、給与所得控除の縮小分を財源として当て込む声は出ているものの、それでも約2500億円足りないという状況で浮上したのが、株式投資による金融所得への増税だった。

「今年秋から、いよいよ所得税改革の第3弾が始まる」

 自民党税制調査会の宮沢洋一会長は今春以降、講演会などで税制改正への意気込みを語る中、金融所得課税について取り上げ、その問題意識を繰り返し説いてきた。

 それは、諸外国よりも負担率が低いことに加えて、給与などの収入は多くなれば負担率(最高55%まで)が上がる累進課税にもかかわらず、「収入1億円を境目にして、それ以上は負担率が低いところで20%近くまで下がってしまう」(宮沢氏)という問題だ。

 金融所得課税の税率が一律20%(復興特別所得税を除く)のため、金融所得の割合が多い富裕層の税負担が総じて軽くなる「逆転現象」が起きているという。

渋面の官邸サイド
 その現象を、税率引き上げで少しでも是正しようというわけだが、税率1%の引き上げで約500億円の増収になり、軽減税率の財源不足の穴埋めに好都合という計算も、そこには垣間見える。

 宮沢氏を陰に陽に振り付けているのは、出身母体でもある財務省だ。増税への流れをつくろうと昨年から必死に動いていたものの、それとは裏腹に基点となる宮沢氏が夏場以降、金融所得増税について平場で口にする機会が、めっきりと減ってしまっているのだ。

 そもそも、株高はアベノミクスの成果と喧伝してきた政府にとって、市場を冷やしかねない金融所得増税は「安易」(首相周辺)に映り、昨年末の政府の税制改正大綱には今後の検討事項として盛り込まなかった経緯がある。

 今年に入っても、変わらないそうした首相周辺の姿勢を見るにつけ、党税調が早くもトーンダウンしているかのようだ。

 折しも、党税調を支える財務省が文書改ざん問題で信用を失墜させる中で、失地回復に向けて官邸サイドをどこまで説得できるか。その地力がまさに試されることになる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)

 

 
2018年9月12日 河野龍太郎 :BNPパリバ証券経済調査本部長
リーマン後10年、「労働節約的イノベーション」が新たな危機の火種になる

Photo:PIXTA
「リーマンショック」から10年目となる2018年9月15日が近づいてきた。危機のもとになったサブプライムローンなどを封じる金融規制強化は進んだが、新たな「火種」も見え隠れする。危機は再び繰り返すのか。

サブプライム危機の「真実」
金融当局に強い反省
 まず、金融規制の問題だが、規制当局は、危機は繰り返さないと口をそろえる。そうした主張を、単に「希望的観測」とか「行政の無謬性の罠」と片付けることはできないだろう。

 サブプライム危機の原因の1つは、当時の誤った金融規制の導入で、大手米銀が過大なリスクテークに走ったことであり、このことについては、監督当局には強い反省がある。

 一般に、サブプライム危機が起きたのは、低金利を背景に米国で住宅ブームが生じ、資金調達のためにサブプライム・ローンなどが膨張、それを元に証券化商品が乱造され、ブームが崩壊したからだと解説される。

 しかし、因果関係はむしろ逆だった。

 証券化商品へのニーズが強まり、それを組成するためにサブプライムローンなどが粗製乱造され、住宅バブルが醸成されたのが実態だ。

 それではなぜ証券化商品へのニーズが高まったのか。

 証券化商品の中でもニーズがあったのは、トリプルA資産とされていたスーパー・シニアと呼ばれる部分を集めた高利回りの債券だ。

 だが2004年の銀行規制では、リスクが低く、銀行が保有する際には規制上の資本を割り当てる必要がないとされた。本当はリスクがあるから利回りが高いのだが、それを考慮する必要がないと監督官庁がお墨付きを与えてしまった。

 利にさとい大手米銀は一斉にその商品に飛びつき、その組成のため劣悪なサブプライムローンが粗製乱造され、それに伴って住宅バブルが起きたのである。

 銀行は、規制上リスクが小さいはずのスーパー・シニア債を大量に保有していたため、バブル崩壊で大損失が発生、それが破綻の原因の1つとなった。

 大手米銀は、いわば、規制の隙間をついて儲けていた。リターンが高くとも規制上リスクがないと認定されていたから、十分な資本も準備されていなかった。

 さらにどの銀行も一斉に同じところに資金を投入するから、バブルも生じた。銀行業の行動原理を考慮しない規制が、危機の種をまいたという構図だ。

 それ故、サブプライム危機後、銀行規制は世界的に強化されている。今のところ大銀行を巻き込む危機が訪れる可能性は(多分)小さい。

是正されたグローバル・インバランス
中国の経常収支は大幅減
 危機を生んだ背景にあったグローバル・インバランス問題も、今は状況が大きく変わった。

 当時、大手米銀がスーパー・シニア債を欲したのは、正真正銘のトリプルA資産である米国債の金利が大幅に低下したことが、そもそもの原因だった。

 中国や日本など経常黒字国の過剰貯蓄が向かった先が米国債であり、その結果、米国準備制度理事会(FRB)が利上げを続けたにもかかわらず、中国などの旺盛な米国債購入で米国の長期金利はほとんど上昇しなかった。

 それ故、長短スプレッドを確保できなくなった大手米銀がスーパー・シニア債に向かったわけだ。

 当時に比べると、米国の資本輸入は大きく減少し、経常黒字国の資本輸出も、日独を除くと、かなり抑制されている。過剰貯蓄国の代表の1つだった中国の経常黒字は、今やゼロ近傍まで縮小している。

 今は、サブプライムバブル時のように、経常黒字国の過剰な資本輸出によって、米国の長期金利が低く抑えられ、不均衡が生じているとは必ずしもいえなくなっている。

新たな危機の断層線
「労働節約的なイノベーション」の光と影
 それでは、金融的不均衡をもたらす断層線は今や存在しないのか。近年、筆者が強く懸念しているのは、先進国における所得分配がもたらす問題だ。

 日米独を中心に先進各国は完全雇用の状態にあるが、賃金上昇はなお緩慢で、その結果、物価上昇の動きは鈍い。景気拡大が長期化しているにもかかわらず、FRBの利上げペースが遅いのもこのためだ。日本に至っては、政策金利の引き上げのめどすら立っていない。

 この底流には、労働分配率の趨勢的な低下傾向がある。生み出された付加価値における労働の取り分が低下し、資本の取り分が上昇しているのだ。

 労働分配率が趨勢的に低下しているのは、90年代末から加速したイノベーションやグローバリゼーションが大きく影響している。

 先進国で観察されるのは、製造業の生産工程の新興国へのオフショアリングであり、「労働節約的なイノベーション」である。この結果、生産性上昇率が高まっても、その果実は、資本やアイデアの出し手に向かい、平均的な労働者の所得増加にはつながっていない。

 これまで、実質賃金の引き上げには、生産性の上昇が不可欠であり、そのためにはイノベーションやグローバリゼーションを推進すべきだと長い間、論じられてきた。

 確かにオフショアリングなどで生産効率は大きく改善したが、それは労働分配率の低下をもたらし、必ずしも実質賃金の上昇にはつながっていない。

 オフショアリングで中間的な賃金の仕事が先進国で減少し、比較的高い賃金の仕事と比較的低い賃金の仕事が増え二極化が進んだことが、トランプ政権が貿易戦争を開始した背景の1つだが、問題はそれだけではなかった。

 所得増加が資本やアイデアの出し手に集中することは、次のようなマクロ経済上の大きな問題を引き起こす。

 所得が増えても、それが、いわゆる「富裕層」のような消費性向の低い経済主体に集中することは、経済全体では、消費が大きく増えず、貯蓄が積み上がって、投資でスムーズに吸収できないことを意味する。

 経済を均衡させる自然利子率がマイナスの領域まで下がっても、実際の名目金利はゼロ以下に下がらないため、総需要を刺激できず、 経済は長期停滞に陥る。

 先進国経済は、資産バブルによる総需要のかさ上げなしには、完全雇用に達することが難しくなる。

バブルを作ることでしか
完全雇用に到達できない
 新興国へのオフショアリングが始まったのは1990年代の終盤からだが、過去20年間で、米国が完全雇用に達したのは、2000年のドットコムバブルと2005〜2007年のサブプラムバブルの時だけだ。

 つまり、もはやバブルを作ることでしか、米国は完全雇用に到達できないのではないか。そして現在、米国が完全雇用にあるのは、バブルで総需要をかさ上げしているから、というのが筆者の仮説である。

 バブルは弾けるまで、それがバブルであることは認識できない。今回はクレジットスプレッド(債務不履行のリスクに応じて上乗せさせる金利)が縮小していることを背景に、社債の大量発行が続いている。また、社債発行で調達された資金が、自社株買いに回っていることも気になる。

 自然利子率がマイナスの領域まで低下しているため、バブルを醸成して総需要をかさ上げすることでしか、完全雇用に到達できないというのは、ローレンス・サマーズ教授の「長期停滞論」で指摘されたことだ。

 だが教授らの主張と筆者の考えでは、一点、大きな違いがある。

 サマーズ教授らが主張していたのは、イノベーションの枯渇で設備投資が不活発になり、貯蓄を吸収できず、自然利子率がマイナスの領域まで低下したということだった。

 しかし、今やあらゆるところでデジタル革命の進行が観測される。

 筆者が考えるのは、イノベーション不足ではなく、労働節約的なイノベーションが進んだ結果、消費性向の低い一部の経済主体に所得増が集中し、自然利子率が大きく低下したのではないか、ということだ。

 一方でこうした問題は、本来なら、所得再分配政策で対応すべきだが、政治的には簡単ではない。

 イノベーションやグローバリゼーションの恩恵を受けるエスタブリッシュメントへの反発として始まったのが、トランプ大統領の「ポピュリズム政治」だが、それでもトランプ氏はあくまで元凶を国外に求めている。

 国内の所得分配構造そのものに手を付けようという動きは、今のところ起きていない。

 結局、金融緩和で無理に対応しようとするから、資産価格ばかりが上昇して、バブルが生じる。これが、米国経済に次なる危機をもたらす「断層線」である。

 これまでは主に製造業の生産工程のオフショアリングだったが、2010年代後半に入り、非製造業にもオフショアリングが広がろうとしている。

 自然利子率がマイナスの領域に入った場合、バブルを醸成する以外、総需要をかさ上げして完全雇用に達することは不可能なのか。

 実は方法は2つある。1つは、通貨安に誘導することで大幅な経常黒字を作ること。もう1つは、大幅なPB赤字を作ることである。国外の需要や将来の需要を先食いすることで過剰な貯蓄を吸収できる。

 実際、ドイツが完全雇用にあるのは、GDP比で8%前後の経常黒字を醸成しているからであり、日本は、4%前後の経常黒字と、3%前後のPB赤字を醸成している。

 しかし、いずれも持続可能とは言えない。米国のバブルが崩壊すれば、FRBが金融緩和に転じ、ユーロや円は対ドルで大幅な増価を余儀なくされるため、両国とも完全雇用を維持できなくなる。

いつまでバブルは続くか
実体経済の表裏の関係
 それでは、どこまで米国のバブルの膨張が可能なのか。

 筆者の念頭にある経済モデルでは、資産価格の上昇が続くのは、実体経済が好調だからではなく、さえないからである。

 中央銀行が資産価格に強く働きかける政策を繰り返してきた結果、資産市場は既に実体経済を正しく映す鏡ではなくなっている。実物投資の機会が限られ、貯蓄の行き場がないから、資産市場に流れ込み、資産価格が上昇する。

 ただ、それはいつまでも続かない。資産価格が上昇を続ければ、資産効果によって総需要がさらにかさ上げされ、実体経済が過熱し金利が上がるためである。

 金利が低いからこそ、資産価格の上昇が続いていたのだが、金利上昇が始まれば資金が金融市場から逃げ出し、資産価格は上昇しなくなる。そして、上昇が止まれば、逆回転が始まり、バブルは崩壊する。

 こう考えると、新興国からの資金流出が始まり、貿易戦争が火ぶたを切った3月以降も米国株が大きく崩れず、高値圏で推移しているのが説明可能かもしれない。

 本来、新興国からの資金流出は不確実性をもたらし株価の下落要因になるはずだが、資金が米国に還流すると、長期金利が抑えられ、逆に株価が上昇する。

 同じように、貿易戦争も本来は株価の下落要因になるはずだが、新興国への懸念から、米国に資金が還流し、長期金利が抑えられ、株価は上昇する。

 一般に株価が下がると思われている要因も、閾値を超えるまでは、長期金利の抑制を通じ、株価を押し上げる。

 一方で、反対に長期金利の押し上げ要因になるものは、本来は実体経済の押し上げ要因であっても、株安をもたらす。

 2月に株価が調整したのは、財源が十分でないまま、トランプ大統領が社会インフラの増強に言及したためだった。

 財政膨張懸念から長期金利が上昇すれば、前述した通り、資産価格の上昇が続かなくなる。今後、貿易戦争の悪影響が米経済にも現れ、仮にその悪影響を吸収すべくインフラ投資や追加減税にトランプ大統領が言及するようなことがあれば、株高要因になると思いきや、金利上昇を通じ、株式市場は動揺するのかもしれない。

カギを握るFRBの利上げ
資産市場の過熱を警戒する議長
 さて、こうした資産市場の動きに、大きく影響を与えるのがFRBの金融政策だ。

 近年、歴代FRB議長は、インフレが過熱しなければ、極力、景気拡大を短縮化させるリスクを回避すべく、利上げペースを抑えてきた。だがその結果、2度のバブル醸成をもたらした。

 しかし、パウエル議長は、8月のジャクソンホールの講演で、景気拡大を短縮化させるリスクだけでなく、利上げが遅れることで、景気が過熱するリスクにも配慮するとしている。さらに、過去2度の景気過熱はインフレ上昇ではなく、資産市場における過熱であったとも明言している。

 マーケットは経済の大きな落ち込みに対して「何でもやる」というパウエル議長の発言に、パウエル・プット(株価サポート政策)を読み取り、さらなる株高で反応した。ただパウエル議長の講演の真意は、インフレが落ち着いていても、資産市場が堅調なら、利上げを続けるというものだったようにも思われる。

 もし、そうした政策にFRBが舵を切るのなら、実体経済から大きく乖離した株価が大きな修正局面を迎える可能性がある。

 あるいは、現代の民主主義のもとでは、政治的に独立した中央銀行といえども、株式市場から独立した政策は取れないと考えたほうがいいのだろうか。

(BNPパリバ証券チーフエコノミスト 河野龍太郎)

 

2018年9月12日 ロイター
日銀、市場機能回復に「時間必要」 変動幅拡大には慎重
日本銀行
9月12日、日銀が7月末の金融政策決定会合で「政策修正」を決定してから、1ヵ月余りが経過した。市場機能の低下防止を狙って長期金利の変動幅拡大などを打ち出し、発表直後は円債市場の流動性が回復したものの、足元の長期金利は0.1%前後で再びこう着感を強めている。写真は都内で昨年6月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 12日 ロイター] - 日銀が7月末の金融政策決定会合で「政策修正」を決定してから、1ヵ月余りが経過した。市場機能の低下防止を狙って長期金利の変動幅拡大などを打ち出し、発表直後は円債市場の流動性が回復したものの、足元の長期金利は0.1%前後で再びこう着感を強めている。

 日銀は政策修正の効果を見極めるには一定の時間経過が必要というスタンスで、一部の市場関係者が求める一段の変動幅拡大には距離を置いている。

長期金利が再びこう着
 日銀が7月31日に示した「政策修正」では、長期金利の一定の変動幅拡大を容認する一方、当分の間、極めて低い長短金利水準を維持するとした「新たなフォワードガイダンス」の導入も盛り込んだ。

 黒田東彦総裁は同日の会見で、ゼロ%を中心に上下0.1%となっていた長期金利の変動幅について「その倍程度に変動し得ることを念頭に置いている」と表明。上下0.2%程度の変動を許容する方針を示した。

 長期金利は、直後に一時0.145%に急上昇したものの、日銀がすかさず予定されていなかった国債買い入れを実施したこともあり、その後はおおむね0.1%前後での推移が続いている。

 こうした市場の現状に対し、日銀は市場機能の低下も時間をかけて累積してきた副作用の1つであり、その改善には一定の時間が必要とみている。

 また、日本の実体経済や株式・外為市場や米金利動向など日本の国債市場を取り巻く環境に大きな変化がなかったことも、長期金利の変動幅が限定的だった要因と分析している。

市場の変動に期待
 ただ、現在の長期金利の推移について、日銀内には「もう少し変動があってもいい」(幹部)との指摘もあり、0.1%程度の長期金利水準に意図的に誘導しているわけではなさそうだ。

 今後、日銀の見通しに沿って経済・物価情勢が改善したり、米金利が上昇するケースなどでは、長期金利の上昇を容認するとみられる。

 日銀は9月に入って残存期間10年までのゾーンの国債買い入れ回数を減らす一方、1回当たりの買い入れを増額した。

 直近の買い入れ額を前提にした場合、月間の買い入れ額は全体で8月よりも減り、年間の日銀の国債保有増加額は、年間40兆円弱まで縮小する方向。

 こうした弾力的な金融市場調節を駆使しつつ、国債市場の需給や環境の変化に伴って、価格の変動率や取引量がどのように変化していくのか、政策修正の効果を慎重に見極めていく考えだ。

副作用対応ありきではない
 一方、市場の一部では、政策修正後も長期金利がこう着し、流動性が回復していない点を指摘し、今回の「政策修正」では副作用対応として力不足であり、現在の上下0.2%程度の長期金利変動幅を一段と拡大すべきという声もある。

 だが、日銀はそうした対応には距離を置いている。

 日銀は、今回の「政策修正」について、物価見通しを下方修正した結果、金融緩和のさらなる長期化が避けられないと判断し、これに対応して積み上がる副作用への対応策を示したと位置づけている。

 変動幅のさらなる拡大を求める一部市場関係者の意見に対して、別の幹部は「副作用の存在を最優先に考えて政策調整したわけではない。あくまで物価見通しの下振れと、それに伴う金融緩和の長期化の想定が先」と述べる。

 一段の副作用対策が議論の俎上(そじょう)に上るには、7月末に想定していた2%達成時期のさらなる先送りの可能性が高くなるなど外部環境の変化が必要との立場とみられる。

 経済・物価見通しに大きな変化がない中で副作用対応に動けば、名目の長短金利を低位に誘導し、金融緩和の効果を狙うという現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の根幹が、なし崩し的に揺らぎかねないという危惧もありそうだ。

 もっとも、今回の措置が市場機能の低下という副作用対策として有効だったかのかどうか、その成否はこれから試されることになる。

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)


 
2018年9月12日 ロイター
日銀、金融政策維持の公算 米中貿易摩擦などリスク点検へ
日本銀行
9月12日、日銀は18、19日の金融政策決定会合で、現行の政策を維持する見通し。7月末の前回会合では、金融緩和の副作用などを念頭に長期金利の上振れを一定程度容認するなど、政策の枠組み修正を決定した。写真は都内で2016年9月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 12日 ロイター] - 日銀は18、19日の金融政策決定会合で、現行の政策を維持する見通し。7月末の前回会合では、金融緩和の副作用などを念頭に長期金利の上振れを一定程度容認するなど、政策の枠組み修正を決定した。国債市場の動向を分析しつつ、その効果を見極めたい考えだ。米中貿易摩擦に加え、国内に被害をもたらした台風や地震が与える影響も、リスク要因として議論されるとみられる。

 7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価見通しが下振れたことを受け、日銀は国債市場の機能改善を図ることを目的に、長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.1%から倍程度に広げる方針を決めた。

 直後の8月2日、円債市場では新発10年物国債利回りが一時0.145%と、約1年半ぶりの高水準を付けたが、以降は0.1%付近で推移している。

 日銀が四半期に1回実施している「債券市場サーベイ」(8月調査)では、3ヵ月前と比べた市場の機能度が一定程度の改善を示したものの、夏季休暇と重なる8月は取引量も少なく、日銀内には「効果を測定するには時期尚早」(幹部)との見方が多い。

 次回会合では、市場動向を精査するとともに、経済のリスク要因を重点的に点検する。9月以降、近畿地方を中心に被害が出た台風21号や、北海道胆振東部地震といった自然災害が立て続けに発生。北海道では大規模停電の影響で、全般的な生産活動に大きな打撃となった可能性があるだけでなく、近畿や北海道といった海外旅行客に人気のある地域の自然災害で、インバウンド消費などへのマイナスも懸念されている。

 また、米中の追加関税の応酬が、企業の投資意欲を減退させかねず、7月の鉱工業生産が約4年ぶりに3ヵ月連続のマイナスとなり、この基調が長期化するかどうかも議論の対象になるとみられる。

 一方、足元の物価動向は引き続き力強さに欠け、金融緩和の効果が物価に波及する様子はうかがえない。

 7月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品)は、前年同月比0.8%の上昇となり、伸び率は前月から横ばいとなった。8月の東京都区部は、同0.9%上昇と前月からプラス幅を拡大したが、調査日がお盆の週に重なり、宿泊料が指数を押し上げた特殊要因もある。

 貿易問題を中心に先行き不透明感は強まりつつあるが、現段階では統計上「大きなショックは確認できない」(別の幹部)ことから、景況感や物価の現状認識は据え置く方向だ。

(梅川崇 編集:田巻一彦)

 
2018年9月12日 ロイター
政府、自動車関連減税など対策検討へ 消費増税・日米交渉にらみ
政府、自動車関連減税など対策検討
9月12日、政府は、自動車産業を対象に減税やメーカー支援などの手厚い政策対応の検討を始めている。2019年10月に予定している10%への消費税率引き上げや、日米通商協議(FFR)で自動車の対米輸出の規模が問題視されかねないため。複数の政府関係者によると、具体的には自動車取得税、同重量税などの撤廃・軽減や自動車メーカーへの支援措置などが検討課題となる。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)
[東京 12日 ロイター] - 政府は、自動車産業を対象に減税やメーカー支援などの手厚い政策対応の検討を始めている。2019年10月に予定している10%への消費税率引き上げや、日米通商協議(FFR)で自動車の対米輸出の規模が問題視されかねないため。複数の政府関係者によると、具体的には自動車取得税、同重量税などの撤廃・軽減や自動車メーカーへの支援措置などが検討課題となる。

 また、2019年度予算編成では、これらの対策について、規模の上限を設けずに盛り込むことになっており、増税後の景気失速を懸念する政府が、思い切った財政出動にかじを切る可能性も出てきた。

「前回の消費税率8%への引き上げは、その影響が2年以上続いた」と額賀福志郎・自民党税調小委員長(同党自動車議員連盟会長)は今年2月、日本自動車会議所における講演で述べ、自動車関連税制の軽減について、踏み込んだ考えを示した。

 また、政府部内にも、前回の消費増税前後に自動車や住宅などの耐久消費財の販売が急減した「前例」を踏まえ、自動車取得税などを「思い切って廃止ないし大幅に圧縮することも選択肢ではないか」(政府関係者)との声が出ている。

 現在、2000CCクラス・243万円相当の乗用車を購入する場合、8.9万円の車体課税(取得税や自動車税、重量税、消費税)がかかり、米国の3.1万円より高い。このため自動車業界は、自動車の車体にかかる税率を引き下げるべきと主張し、自民党などに働きかけてきた。

 17年度の「税制改正大綱」では、1)10%への消費税引き上げ時の前後の平準化対策に万全を期す、2)19年度税制改正までに安定的財源を確保し、地方財政に影響しないように配慮しつつ、自動車保有の税負担の軽減措置を講ずる──ことが盛り込まれた。

 政府は今年末までに、購入にかかる自動車取得税、保有にかかる自動車税、利用にかかる自動車重量税などの減税を検討し、自動車販売の下支えを図りたい考え。

 合わせて燃費性能による税(エコカー減税)の手直しなどで、燃費効率のよい最新鋭の自動車の販売を支えるシステムの構築を検討している。

 ただ、自動車取得税と自動車税は地方税で、廃止・軽減すれば地方税収に影響が出る。宮沢洋一・自民党税調会長が6日、ロイターなどの報道各社へのインタビューで「地方財政に影響の出ないようにする」と発言しているのは、地方からの反発を考慮しているためとみられる。

 一方、消費税とともに政府を悩ませているのが、日米通商協議(FFR)の行方だ。米国は自動車を巡る日米貿易不均衡に不満を持っているとの見方もある。額賀氏は今年2月の講演の中で「外国政府の政策に国内経済が振り回されるリスクが、これまで以上に高まっている」と述べていた。

 また、「日本経済は自動車産業の一本足打法のような構造」とも指摘。生産全体に占める割合が2割、対米貿易黒字の6─7割を占める自動車産業が、米国の圧力で経営に打撃を受けることになれば、日本経済全体を動揺させるという危機感を示したとみられる。

 一部の与党関係者の間では、FFRで自動車輸出に圧力がかかれば、自動車産業を支援する何らかの対策を講じる必要があるとの声も浮上している。

 こうした中、消費増税実施の際の消費全体の落ち込みを回避するため、政府内では流通、小売業に対し、前回増税時には「禁止」していた「消費税還元セール」を解禁することも検討されている。

 また、増税分の価格転嫁を義務化している法律の見直しについても、検討が始まった。増税実施時期をはさんで、実施前から徐々に値上げするパターンや実施後に値下げするパターンなど、価格設定は流通・小売業者の判断に任せ、消費全体として駆け込み需要とその反動という「山と谷」が大きくならないような政策対応を想定。「こうした対応策は、早めに国民に周知する必要がある」(経済官庁幹部)との考え方に傾いている。

 このような政策対応は、9月20日の自民党総裁選の投開票までは「正式に検討を開始できそうもない」(政府関係者)が、水面下では経済官庁を中心に準備が始まっているもようだ。

 仮に安倍晋三首相が自民党総裁選に勝利した場合、10月早々にも消費増税の是非を含めた新たな経済政策上の優先課題が示されるとの見方が、霞が関では広がっている。

 中でも、FFRの着地点や世界経済の動向によっては、大規模な需要対策を骨格にした経済対策を取りまとめる必要性も出てくるとの声が一部にあり、内外情勢の行方に注目している。

(中川泉 編集:田巻一彦)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/428.html#c3

[国際23] 極秘の金正恩氏暗殺訓練も トランプ政権の内幕本発売 ホワイトハウスの混乱描く  赤かぶ
3. 2018年9月12日 21:44:45 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1469]
好景気下のトランプ氏の不人気ぶり、前代未聞−世論調査で浮き彫り
Alex Tanzi、Rich Miller
2018年9月12日 17:00 JST
• 「ワシントンの茶番劇」が経済を巡る良いニュースかき消す
• 11月中間選挙で議会過半数維持狙う共和党には頭痛の種に
米経済の力強さを踏まえると、トランプ大統領の不人気ぶりは前代未聞だ。
  ブルームバーグで世論調査データを分析したところ、少なくとも故ロナルド・レーガン氏にさかのぼる歴代政権の中で、大統領支持率が景気への消費者信頼感指数を一貫して下回り続ける例はトランプ氏が初めてであることが分かった。
Trump Drag
Unlike his predecessors, Trump's popularity has persistently trailed sentiment about the economy

Sources: Bloomberg CCI national economy subindex and Gallup Poll
  ワシントンを拠点とする保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のシニアフェローで、世論調査専門家であるカーリン・バウマン氏はこれら2つの数字について、「大きなギャップが存在する。選挙時にしばしば見られるような形で経済が支配的である様子がうかがわれない」と語った。
  こうした状況は、11月の中間選挙で上下両院の過半数維持を目指す共和党にとって大問題となっている。米紙ニューヨーク・タイムズによれば、ホワイトハウスのマルバニー行政管理予算局(OMB)局長は先週、内輪の会合で共和党支持者に対し、中間選挙に向けて有権者の関心の的をトランプ氏ではなく、経済に向ける必要があると訴えて危機感をあらわにした。
  かつてなく好調とトランプ氏が10日のツイッター投稿ではやしたほどではないにしても、米経済が良好なのはほぼ疑いがない。4−6月(第2四半期)の米国内総生産(GDP)は4年ぶりの高い伸びとなり、失業率は1960年代以来最低近くにある。賃金にもようやく伸び加速の兆候がうかがわれる。
  さらに、米家計も好景気であると認識していることが、ブルームバーグが週間ベースでまとめている消費者信頼感指数で裏付けられている。トランプ氏にとって残念なのは、経済を巡る消費者のセンチメントが80年代の調査開始以降、どの歴代政権下の平均をも上回っているのに対し、大統領支持率は最低であることがワシントン・ポスト紙とABCニュースによる別の世論調査で示されている点だ。こうした結果は、ブルームバーグの委託で消費者信頼感指数のデータを作成するランガー・リサーチ・アソシエーツの計算に基づく。
Unprecedented Times
Trump is the only leader in recent history whose approval rating has lagged economic sentiment

Source: Langer Research Associates, citing Washington Post/ABC News | Bloomberg Consumer Comfort Index
Data show percentage-point gap between presidential approval rating and consumers' favorable assessment of the economy
  キニピアック大学の世論調査専門家、ティム・マロイ氏は「経済は好調だが、トランプ氏の支持率は不調だ」と話す。
  また、AEIのバウマン氏は経済とトランプ氏で米国民の評価が異なる理由について、「トランプ氏の人柄とワシントンで繰り広げられている茶番劇にある。それ以外は日々、全てかき消されていると見受けられる」と説明した。
  ランガー・リサーチのゲーリー・ランガー社長は、「力強い経済が大統領の人気を保証するものではない」のは明らかだと指摘した。


原題:Trump Is More Unpopular Than Any President With a Strong Economy(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/838.html#c3

[国際23] 平和条約は時間の問題ではなく柔軟性の問題 プーチン・安倍首脳会談に関する専門家の見解(Sputnik日本) 無段活用
1. 2018年9月14日 01:01:19 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1470]
プーチンが「領土棚上げ」を口走った深刻事情
「年内平和条約」の提案は何を意味するのか
美根 慶樹 : 平和外交研究所代表 2018年09月13日

9月10日に会談した安倍晋三首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(写真:Valery Sharifulin/TASS Host Photo Agency/Pool via REUTERS)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月12日、ウラジオストクで開催中の「東方経済フォーラム」で突然、爆弾発言をした。


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「いま思いついた。平和条約を前提条件なしで結ぼう。今ここでとはいわない。今年末までに結ぼうではないか」と、文字通りの"思いつき発言"をしたのだ。

これは「領土問題を棚上げして平和条約を結ぼう」というもの。日本側としては到底応じることはできない。このような提案は、プーチン大統領が誠意をもって領土問題に取り組んでいるか疑問を抱かせるものといえる。一体、その背景には何があるのだろうか。

「領土問題は一朝一夕には解決できない」
この爆弾発言に先立つ9月10日夜、安倍晋三首相とプーチン大統領は正式に会談を行っている。両首脳は、北方領土での「共同経済活動」の実現に向けた「ロードマップ(行程表)」を取りまとめた。

肝心の領土問題については、安倍首相は、「(北方領土)4島の未来像を描く作業の道筋がはっきりと見えてきた」と進展があった印象をにじませる発言。それに対し、プーチン大統領は「長年議論が続いている領土問題を一朝一夕には解決できないことはわかっている」と前置きの上、「両国国民に受け入れ可能な解決方法を探すという意味で共同経済活動に着手した」と、ロシアの立場を語っていた。

しかし、現実にはなんら北方領土問題は進展していない。この際、あらためて北方領土問題の現状と課題を見ておこう。

そもそも、今回の首脳会談において、領土問題解決の突破口が開かれるという期待感があったわけではない。あくまでウラジオストックで開かれる「東方経済フォーラム」に安倍・プーチン両首脳が出席するのを機会に設定されたにすぎない。そう考えれば、今回の会談は失敗とか成功とか評価すべきでなく、予想どおりの結果だったといえる。

日本は、北方4島は「日本固有の領土」であるという立場である。19世紀、東方へ進出してきたロシアと日本が1855年の日露和親条約で境界を確定して以来、北方4島は日本の領土であった。一方、ロシアは、「第二次大戦の結果ロシア領となった」というのが基本的な立場である。

世界の歴史において、戦争によって一部領土の領有権が移ることは実際にあったことであり、ロシアはその例を見ながらロシアの立場を正当化している。「ロシアは第二次大戦に連合国として参戦し、その結果北方4島をロシアの領土として獲得した」という理屈である。

これに対し、日本は、「北方4島がロシアによって『占領』されているのは事実であるが、領土問題は法的に解決しておらず、ロシアは北方4島について権利を持たない」と反論している。日露両方とも実際に使っている言葉は多少丸くしているが、主張の趣旨はそういうことである。

安倍首相は、このような状態を「異常な戦後」と評し、「私とプーチン大統領の間で終わらせる」と述べている。しかし、そう簡単ではない。

プーチン大統領はロシア国内の世論に忠実
日本とロシアの歴代の指導者は領土問題を解決して日露関係を正常化させるためさまざまな努力を行ってきた。人によって、また、時代とともに主張や取り組み方は違っているが、ロシア側で問題の解決に最も熱意があったのはエリツィン大統領であった。

残念なことに、同人はロシア国内での政治的立場が弱く、結局日本との交渉の結論が出る前に辞任してしまった。

プーチン氏はエリツィン氏の後を継いで大統領に就任した。ロシア国内での政治的立場は強いが、日本との関係正常化にエリツィン氏ほどの熱意は見せない。日本とロシアが1956年に行った宣言は領土問題の解決方針にも言及していたが、プーチン氏はその宣言よりも後退しているおそれがある。

プーチン氏がそのような姿勢をとるのは、ロシア国内に北方4島を日本に返還することに反対する世論が強いからであるが、それだけではない。プーチン氏の頭を占めている大きな問題はアメリカとの関係である。アメリカとロシアは冷戦の終結後も、いわゆるミサイル防衛網に関し対立してきた。さらに、2014年、ロシアが強引にクリミアを併合して以来、ロシアと米欧諸国との関係は険悪になり、「新冷戦」との呼ばれる事態に陥ってしまった。

このような状況を背景に、ロシアは、北方4島を仮に日本に返還すると、アメリカ軍に利用されることを問題視している。4島(のどこか)に、ロシアを標的とする基地が設置される可能性があるというわけだ。また、ロシアは、日本の陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入も問題視している。ロシアは日米同盟を警戒し、それを強くすることには極力反対するのである。

そのような安全保障上の問題は、ロシアが北方4島問題を解決したくないために使っている口実とも考えられるが、冷戦中にも時折言及していた問題でもある。

また、北方領土の日本への返還後かりにアメリカ政府から基地設置を求められた場合、日本政府は拒否できるかと言えば、それも困難かもしれない。少なくとも、米軍の基地を認めるようなことはないと断言はできないだろう。ロシアは、特に安全保障面では、日本はアメリカが嫌がることはできないことを見越して日本との交渉を有利に進めようとしているのだ。

中国と大規模な軍事演習を実施したロシア
安全保障面では日本側にももちろん言い分がある。ウラジオストックでの「東方経済フォーラム」に合わせ、ロシアは中国とともに大規模な軍事演習を行ったので、安倍首相はロシア軍の極東での軍事演習を「注視している」とプーチン大統領に伝え、牽制した。

安全保障問題はともかく、「共同経済活動」はよいことであり、この活動を通じて「両国国民に受け入れ可能な解決方法」が見つかることを期待したいものだ。

しかし、問題がないわけではない。最大の問題は、北方4島で日本側がロシア側と協力して事業を行う場合、ロシア側は「ロシアの法律に従う」ことを求めていることだ。日本側は、「それではロシアの主権を認めることになり領土問題を解決することにならない、むしろ障害となる」と反論している。

ただし、この対立を続けるだけでは何も進展しないので、日露両国は共同経済活動を実現するための「特別な制度」について協議していくことになっている。安倍首相は「特別な制度」とは「両国民が一緒に住む経済特区のようなものか」と聞かれて、「そのようなイメージだ。世界でもあまり例がない」と述べ、日本企業がサケの加工工場を建設する例を挙げた。

しかし、これでは「特別な制度」とは何か、明確でない。問題は「ロシアの法律に従う」ことを認めないでいかにロシア側と折れ合いをつけるかであり、どのような解決方法があるか、まだ不明である。

今回の首脳会談では、共同経済活動についての話し合いが進み、日本側は今年10月、民間事業者によるビジネスミッションを派遣することとなった。これは結構なことだが、「特別な制度」についての協議が進展した形跡はなかった。

また、ロシア側は、現在「共同経済活動」の対象になっている海産物の養殖、風力発電、ゴミ減容化(容積を減少させること)、温室野菜栽培および観光だけでは足りないとし、日本企業がロシア国内で大型事業に参入することなどを要望してきている。

そのようなロシア側の要望はわからないでもないが、そこまで進むには、「特別な制度」をはじめ日露間で信頼を構築する必要がある。ロシア側が、「特別な制度」については相変わらず固い態度で終始しながら、要望だけは遠慮なくしてくるのであれば、日本側としては応じられない。

総論的にはよくても各論に入ると進まず…
経済面での協力においては、安全保障関連問題と違って、日露両国は共通の利益を達成しようとしているが、それでも双方が努力しなければ進まない。共同経済活動には、約20年前、いったん合意したが、結局何ら成果を出せないまま終了した前歴がある。総論的にはよくても、各論に入ると難問が出てくる1つの例であった。

プーチン大統領の個性とロシア内外の政治状況にかんがみると、近日中に平和条約交渉がまとまる公算は、残念ながら、低いと言わざるを得ない。だからこそ冒頭の"思いつき発言"が飛び出したのだろう。

日本側は、こういう状況下では、いたずらにスピードを求めるべきではないだろう。あくまで辛抱強く、坂道で荷車を押し上げる気持ちで努力を積み重ねるしかない。「共同経済活動」は、まさにそういう気持ちで進めていく必要がある。領土問題の解決をもって平和条約を締結する、との原則は曲げるべきではない。


年金改革はプーチン氏の鬼門か
解析ロシア
譲歩案示した弱気姿勢があだ花に?

2018年9月14日(金)
池田 元博

 ロシア社会で今、極めて大きな関心事となっているのが年金制度改革だ。小欄でも何度か取り上げてきたが、受給開始年齢を引き上げる政府案に国民が反発。政権批判の声が強まり、プーチン大統領の支持率も低下した。事態を重くみた大統領はついに「譲歩案」を提示、自ら収拾に動き始めた。

年金改革についてテレビで演説するプーチン大統領(写真:AP/アフロ)
 「この先、長期間にわたって、年金システムの基盤と財政的な安定性を確保するのが制度改革の主な課題です。つまり、現在と将来の年金生活者の収入を維持するだけでなく、増やすことが目的なのです」――。

 8月29日。プーチン大統領は国営テレビを通じて、年金制度改革に関するメッセージを国民に語りかけた。

 大統領がテレビに登場すること自体は珍しくない。大統領の動静はニュースでほぼ毎日伝えられるし、自らは毎年、「プーチンとのホットライン」というテレビ番組に生出演して国民の数多くの質問や苦情に直接答えている。また、年末にはテレビを通じて国民に新年の祝辞を伝えるのが恒例となっている。

 他にも大統領選への投票を呼びかけるなど、国政にかかわる重大局面で国民向けのメッセージを発表することはある。ただし、個別の政策テーマに関して、大統領がテレビを通じて国民に直接訴えかけるケースは異例だ。年金改革はそれだけ重要な課題というわけなのだろう。

 
 とはいえ、政権にとって極めて大事な政策課題にもかかわらず、これまでプーチン大統領は前面に立って国民を説得してこなかったのが実情だ。制度改革の推進役はメドベージェフ首相率いる連邦政府と、政権与党の「統一ロシア」に委ね、自らはどちらかといえば傍観者の立場で、発言を極力控えてきた。

 
 政府が打ち出した年金制度改革案は、年金の受給開始年齢を、男性は現行の60歳から65歳、女性は同じく55歳から63歳に引き上げるのが骨子だ。平均寿命が延び、少子高齢化も進むなかで、長期にわたる年金財政を健全化することを主眼にしている。ロシアは他国と比較しても年金制度改革への取り組みが大幅に遅れており、その意味でも受給開始年齢の引き上げが急務になっていた。

 
 ただし、当然のことながら国民に痛みを強いる政策となるだけに、政権としてもなかなか着手できない。とくにプーチン大統領は2005年、「自分の大統領としての任期が終わるまで、受給開始年齢は変更しない」と公言していた。それだけに、なおさら難しかった。

 
 曲折をへて、政府はようやく今年6月に改革案の概要を公表。議会の下院は年金改革法案の審議に入った。翌7月の第1読会では野党勢力がこぞって反対したものの、下院で圧倒的な議席数を誇る「統一ロシア」の支持によって法案を基本承認した。

 
 しかし、国民の9割以上が年金受給年齢の引き上げに反対する中、批判の矛先はメドベージェフ首相率いる政府や「統一ロシア」だけでなく、年金制度改革で「中立」を装っていた大統領自身にも向かった。かつて80%を超えていたプーチン大統領の支持率はここにきて急落し、60%台まで落ち込んでしまった。

 
 プーチン政権も実質4期目に入り、社会ではただでさえマンネリ政権への不平・不満が水面下で渦巻く。国民の反発が根強く、支持率急落の主因となっている年金制度改革の問題でこのまま手をこまぬいていれば、政権の求心力低下に歯止めがかからなくなる恐れがあった。

 
 プーチン大統領がこのタイミングで、テレビを通じて国民向け談話を発信したのは、年金改革問題への対処を誤れば政権を揺るがす一大事に陥りかねないという危機意識が大きく働いたともいえるだろう。

 では、大統領は具体的にどのようなメッセージを国民に伝えたのか。

国民の説得に苦慮
 大統領はまず、多くの犠牲者を出した第2次世界大戦と1990年代の深刻な経済・社会危機によって、ロシアが深刻な人口減問題を抱えていると指摘。生産可能人口が減少すれば自動的に年金の支払い能力も低下するので、年金制度を修正していくことが欠かせないと強調した。

 一方で、2005年に「自分の任期中は変更しない」と公約した過去の経緯にも言及した。当時は国民総生産の規模は小さく、賃金も極めて低かったうえ、失業率やインフレ率が高く、実質的に国民の4分の1が貧困生活を余儀なくされていたと列挙。「2000年代初頭や半ばに年金の受給年齢を引き上げるのは絶対的に不可能だった」と振り返った。

 つまり当時は年金改革どころではなく、まずは1990年代のエリツィン政権時代の社会・経済混乱を収拾し、経済成長達成を優先しなければならなかったわけで、年金の受給開始年齢は引き上げないとした当時の自身の決断は、正しい選択だったと弁明したわけだ。

 これに対して、ロシアは2016年からは安定した経済成長を達成し、失業率も1991年以来で最も低くなっていると説明。他方、国民の平均寿命は直近の15年間で7.8歳も延びる半面、年金保険料を納付する勤労者と年金受給者の比率は2019年に1.2対1(2005年時点では1.7対1)となる見込みで、このままでは政府の財源も不十分なまま年金財政が破綻しかねないと警告した。

 ただし、いくら様々な数字を列挙して年金システムの苦境を訴えても、国民は納得しないと判断したのだろう。プーチン大統領は続いて結局は、自らの譲歩案を示して国民の理解を求めたのだ。とくに女性については、年金の受給開始年齢を現行の55歳から63歳に引き上げるとした政府案を撤回し、60歳までの引き上げにとどめると約束した。

 男性については現行の60歳を65歳まで引き上げる政府案を踏襲する。つまり、男性と女性の受給開始年齢の引き上げ幅を同等とすることで、とくに女性の不満解消を狙ったわけだ。

 プーチン大統領はさらに、多くの子どもを産んだ女性や、障害者などに対する優遇策を進めるほか、年金を受給する直前の年齢層の勤労者に対する雇用や社会保障対策を充実させると公約。年金生活者を対象にした公共交通機関の無料パスの配布、所得税や不動産税などの優遇策は、従来通りの年齢から適用すると表明した。

 ロシア経済紙「ベドモスチ」によれば、女性の就業率は現行の年金受給開始年齢である55歳を境に急落し、60〜64歳になると、わずか26%に過ぎない。年金の受給開始に合わせて仕事をやめ、家庭で孫の世話などに専念するのが通例となっているようだ。


 政府の当初案通りに女性の受給開始年齢を63歳まで一気に引き上げると、こうしたライフスタイルの抜本的な見直しが迫られるため、国民の不満が倍加したともいえる。

 また国内の世論調査では、政府の年金制度改革案に圧倒的多数が反対する一方で、プーチン大統領が土壇場で政府案を全面撤回するシナリオを望む国民が相当数に上っていた。

弱みを見せてしまったプーチン大統領
 プーチン大統領はかつて2000〜2008年の政権1、2期目にエリツィン前政権下で深刻化した社会混乱を収拾し、年金や公務員給料を大幅に引き上げて国民生活を大幅に向上させた実績がある。そうした「プーチン神話」はいまだに国民の間で根強く、「彼なら我々に痛みを強いることはない」「国民の立場に立って年金問題を解決してくれるはずだ」といった期待につながっている。

 大統領としても結局、こうした国民の願望を無視するわけにはいかず、「国民のヒーロー」の役割を演じざるを得なかったようだ。ただし、ポピュリズム的な対応を優先させたことで、政府の財政再建策や年金制度改革は1歩も2歩も後退を余儀なくされた。

 さらにやっかいなことがある。プーチン大統領といえば強権的で、何事も即断即決するタイプの強い指導者のイメージがあるが、こと国民に不人気な政策では支持率を気にして優柔不断に陥り、そのまま断行できずに譲歩するという弱みをみせてしまったことだ。

 国民に年金制度改革の妥協案を示したことで、プーチン大統領の支持率低下にはひとまず歯止めがかかった。ただし、年金の受給開始年齢の引き上げに反対する国民の声は依然として根強い。デモや集会も頻発している。大統領がいったん妥協案を示したことで、今後さらなる譲歩を迫られる恐れもある。

 
 民間世論調査会社レバダ・センターのレフ・グトコフ所長は、物価の上昇や貧困、失業問題などあらゆる分野で市民の不安や不満が広がっていると指摘。深刻な社会・経済混乱に陥った20年前の「1998年と似たような緊張がロシア社会で急速に高まっている」と警告する。年金改革問題をめぐる騒動もその一因という。年金制度改革は今後も引き続き、プーチン大統領の政権運営の鬼門になりかねない。


このコラムについて
解析ロシア
世界で今、もっとも影響力のある政治家は誰か。米フォーブス誌の評価もさることながら、真っ先に浮かぶのはやはりプーチン大統領だろう。2000年に大統領に就任して以降、「プーチンのロシア」は大きな存在感を内外に示している。だが、その権威主義的な体制ゆえに、ロシアの実態は逆に見えにくくなったとの指摘もある。日本経済新聞の編集委員がロシアにまつわる様々な出来事を大胆に深読みし、解析していく。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/847.html#c1

[経世済民128] トランプ大統領の危険な「アジアゲーム」 うまき
1. 2018年9月17日 17:47:02 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1471]
対中関税第3弾、17日にも正式表明 トランプ政権
2018/9/16 7:58日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は中国への制裁関税の第3弾について早ければ17日にも正式に表明する方針だ。ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)など米紙とロイター通信が15日報じた。輸入品2千億ドル(約22兆円)分に関税を上乗せする方向で対象品目など詳細を詰めている。トランプ米大統領は関税の早期発動に意欲を示しており、近く最終判断する。

トランプ米大統領は関税の早期発動について近く最終判断する=ロイター
トランプ米大統領は関税の早期発動について近く最終判断する=ロイター

 発動日は数週間後に設定する見通しだ。ウォール・ストリート・ジャーナルは17日か18日の表明が予定され、上乗せする関税率は経済への影響を抑えるため10%にすると報道。中国が譲歩する姿勢をみせなければ25%に引き上げる可能性があるという。米通商代表部(USTR)は7月に10%と公表したが、トランプ氏が8月に25%に引き上げるよう指示していた。

 対中穏健派のムニューシン米財務長官は貿易問題を巡る閣僚級協議を再開することを中国に提案し、ワシントンで9月27〜28日に開く方向で調整中だ。ただ、トランプ氏は協議と関係なく関税を発動する意向を示しており、正式に表明した後での協議開催に中国側が難色を示す可能性もある。

 USTRが作成した第3弾の対象品目案には家具や家電など消費財が含まれた。

 米政権は7月から8月にかけて中国に対し計500億ドル分に25%の制裁関税を課した。第3弾を発動すれば計2500億ドル分となり、中国からの年間輸入総額(約5千億ドル)の半分に関税をかけることになる。中国は600億ドル分の米国製品に報復関税を課す構えだ。発動すれば貿易戦争は一段と激しくなり、双方の経済への影響が広がる。

 トランプ氏は中国に追加関税をかけて圧力を強めながら、知的財産の侵害やハイテク産業への巨額補助金をやめるよう求めてきた。米中両政府は5〜6月に閣僚級協議を3回開いたが、中国側も譲らず平行線に終わった。8月にも事務レベル協議を開いたが、報復合戦に歯止めをかけるための成果は出なかった。

 トランプ氏は第3弾に加えて、中国からの輸入品すべてに関税を課す可能性にもたびたび言及している。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/482.html#c1

[経世済民128] 高級ホテルで働くうちにわかってきた、お金持ちなのにブラックリスト入りする人には、ひと目でわかる特徴があった!  赤かぶ
10. 2018年9月17日 18:45:41 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1472]

無意味な記事

貧乏に本物も偽物もないように

本物の金持などない


単なる個人差の問題



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/469.html#c10

[経世済民128] 日本より悲惨な韓国経済、この先の10年「希望が一切ない」4つの根拠  2022年までに日本経済は破綻する うまき
5. 2018年9月17日 18:52:27 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1473]

無意味な記事

>2022年までに日本経済は破綻

しない


>日本より悲惨な韓国経済

日本より、これまではGDP成長率も実質所得の増加も高く

日本がデフレ不況で苦しむ間に、急速にキャッチアップしてきたのが現実


経済音痴の左派政権の貧困対策は、ほとんど機能していないが

政権交代が早く進み、再分配政策と成長政策のバランスが取れるようになれば、再び経済成長が開始する可能性は高い



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/488.html#c5

[経世済民128] 日本より悲惨な韓国経済、この先の10年「希望が一切ない」4つの根拠  2022年までに日本経済は破綻する うまき
6. 2018年9月17日 18:52:55 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1474]

無意味な記事

>2022年までに日本経済は破綻

しない


>日本より悲惨な韓国経済

日本より、これまではGDP成長率も実質所得の増加も高く

アベノミクス以前の日本がデフレ不況で苦しむ間に、急速にキャッチアップしてきたのが現実


経済音痴の左派政権の貧困対策は、ほとんど機能していないが

政権交代が早く進み、再分配政策と成長政策のバランスが取れるようになれば、再び経済成長が開始する可能性は高い



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/488.html#c6

[経世済民128] 米輸入物価指数:8月は0.6%低下−16年1月以来最大のマイナス うまき
1. 2018年9月18日 06:41:14 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1475]
ECBビルロワドガロー氏:影の銀行と新興国市場リスクに注意を
James Regan、William Horobin
2018年9月17日 13:24 JST
主なリスクの一つは影の銀行−規制が緩めで強化の必要
金融危機から学んだ教訓は各国間の協力−逆行する動きに警告

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg
欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ビルロワドガロー仏中銀総裁は15日、リーマン・ブラザーズの経営破綻から10年後の今、シャドーバンキング(影の銀行)と新興国市場の債務を注視する必要があるとの認識を示した。

  欧州システミックリスク理事会(ESRB)によれば、銀行が金融危機後にリスクが比較的高いビジネスから撤退する中、専門の投資家が参入し、欧州連合(EU)のシャドーバンキングシステムは2017年末時点で資産42兆ユーロ(約5470兆円)余り、EUの金融システムの約40%に膨らんだ。


フランス中銀のビルロワドガロー総裁写真家:Marlene Awaad / Bloomberg
  ビルロワドガロー総裁はラジオ局フランス・アンテルとのインタビューで、「われわれが現在着目する必要がある主なリスクの一つは、銀行システムの外にある。シャドーバンキングと呼ばれるもので規制は緩めだ」と説明。規制が強化される中でやや忘れられており、この分野で強化の必要があると述べた。

  新興国市場の「伝染リスク」があるかと問われた同総裁は「現時点でそれは見られない。中国では当局が行動する手段を持っているが、われわれは非常に警戒しなければならない。債務が増えているところは軒並みリスクが拡大している」とコメントした。

  ビルロワドガロー氏は金融危機から学んだ教訓の一つが各国が共同対応で協力するメリットだったと指摘し、その逆のアプローチに警告を発した。これはトランプ米政権の「米国第一」の保護政策に象徴されているとも語った。

原題:ECB’s Villeroy Sees Risks From Shadow Banking, Emerging Markets(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
【米国株・国債・商品】株が1カ月ぶり大幅安、米中対立激化を懸念
Sarah Ponczek
2018年9月18日 5:50 JST
17日の米国株は下落し、約1カ月ぶりの大幅安。トランプ米大統領が先週末、中国製品2000億ドル(約22兆4000億円)相当への関税手続きを進めるよう側近に指示したとの報道が引き続き重しとなった。米10年債利回りは3%近辺で推移した。

米国株は終盤に下げが大きくなる展開−テクノロジー株軟調
米国債は10年債利回りが一時3%を上回る場面も
NY原油は反落、米中通商対立で需要鈍化懸念
NY金は3日ぶりに上昇、避難先として選好される
  ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値ではS&P500種株価指数が前週末比0.6%安と、6営業日ぶりに反落。ダウ工業株30種平均は0.4%安。米国債は上昇。10年債利回りは2.99%で1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満の低下となった。

  アマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトなどテクノロジー株などを中心に下げた。半導体株も軟調。ナスダック100指数は6月以来の大幅安となった。投資家の間では、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やエクソンモービルなどの消費関連やエネルギー株に資金を移す動きが見られた。

  トランプ米大統領はこの日の米金融市場の引け後に、中国に関する発表を行うと記者団に明らかにした。

  ニューヨーク原油先物相場は反落。世界的な供給懸念がある一方、米中の通商対立で需要が落ち込むとの見方が強まった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は前週末比ほぼ変わらずの1バレル=68.91ドル。ロンドンICEの北海ブレント11月限はほぼ横ばいの同78.05ドル。

  WTI先物は一時1.1%上昇する場面もあった。ブルームバーグのデータによると、米国の制裁再開が近づく中でイラン産原油の需要が抑制され、同国からの原油や主要石油製品の輸出が2年半ぶりの低水準に落ち込んだ。また、米国の石油精製業者が定期修理に入ることから精製量が今後減る見通しであることも材料視された。WTIは今月に入って1%余り下落。米中対立激化が石油需要の伸びに影響を及ぼしている。貿易戦争と供給懸念という2つの材料が綱引きしている状況だ。

  ニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに上昇。米中通商対立が一段と激化するとの懸念で、避難先として金を選好する動きが強まった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.4%高の1オンス=1205.80ドルで終了。14日は0.6%、13日は0.2%それぞれ下落していた。

  キトコ・メタルズのシニアアナリスト、ジム・ウィコフ氏は、トランプ政権がさらなる対中関税措置を導入する構えとの報道を受け株式市場はリスクオフモードだとし、市場心理も「安全な避難先である金属に追い風となる方向に働いている」とリポートで指摘した。

原題:U.S. Stocks Start Week Wobbly as Trade Fears Grow: Markets Wrap Crude See-Saws as Supply Crunch Muted by Impending Demand Drop PRECIOUS: Gold Rises on Haven Demand as U.S. May Move on Tariffs(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
ダイモン氏が予想する米国債利回り5%、ETF投資家はくみせず
Sarah Ponczek、Carolina Wilson
2018年9月18日 0:45 JST
REITや公益株、米長期債のファンドに資金流入
低金利継続を前提に投資、「高リスク」を指摘する声も
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は米10年債利回りが「5%かそれ以上になる確率は大方の人が考えているより高い」と述べていたが、上場投資信託(ETF)投資家は別の見方をしているようだ。

  このところ人気なのは、不動産投資信託(REIT)や公益株、米長期債など低金利が続く場合に投資リターンが上がることの多い分野のETFだ。一部の投資家は貿易戦争の脅威が膨らみ、米金融当局が将来の利上げ方針を後退させる可能性があると見込んでいる。


  インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者(CIO)、クリス・ザッカレリ氏は、低金利の継続に賭けるのは高リスクだと指摘する一方で、「考え方次第だ。貿易戦争が勃発すると信じているなら、問題は起こる」と質への逃避に賭ける投資家の考えを説明。これらの投資家は「貿易戦争が米経済をリセッション(景気後退)に追い込むと考えているのかもしれない。米国の景気拡大が終わるという不安がある」と続けた。

  14日の市場で、米10年債利回りは一時3%を超えた。株式では金融株がアウトパフォームする一方、不動産と公益が振るわなかった。それでも9月では、不動産株に連動する米上場のETFは全体で2億5800万ドル(約290億円)余りの資金が純流入した。純流入は3カ月連続で、それ以前は5カ月連続の純流出だったため潮目の変化が鮮明だ。

   先週は各REITは著しい需要を集めた。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェフリー・ラングバウム氏によると、REITの価格は米国債利回りがほぼ2.8−2.9%のレンジ相場にあった2月から5月にかけて底を打った。「REITの投資家はこの水準でなら利益が出ると確信しており、この水準の金利ならREITは機能するだろう」と同氏は述べた。


原題:Dimon Sees Treasury Yields at 5%; ETF Investors Aren’t Buying It(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
ECB、初回利上げ以降の政策ガイダンスを明確にする必要−クーレ氏
Piotr Skolimowski、Birgit Jennen
2018年9月17日 21:58 JST
1−2カ月前に利上げを示唆する戦略、もはや適切でない可能性
複雑な政策環境では明確さが必要−クーレECB理事
欧州中央銀行(ECB)は最終的に政策の引き締めを開始すれば、利上げペースについて明確なガイダンスを示す必要があるかもしれないと、同行のクーレ理事が17日述べた。

  ECBは現在、政策金利を「少なくとも2019年夏の終わりまで」過去最低の水準に据え置くとしており、投資家らは同年終盤に利上げがあるとの意味だと解釈している。ECB当局者は初回利上げの後、どの程度のペースで行動するか今のところ何ら示唆していない。

  クーレ理事は資産買い入れ策で膨張したECBのバランスシート、インフレの背後にある動きの不透明性など複雑な政策環境では、利上げの1ー2カ月前に実施を示唆するといった以前の戦略はもはや適切ではないかもしれないと指摘。それに代わって、どの経済指標に注目する必要があるか伝えることを検討すべきだと語った。

  同理事はベルリンで「利上げ見通しに関する市場との対話は、当然ながら政策正常化への移行をしっかり行うほんの第一歩に過ぎない」と述べ、「利上げ開始以降の緩和解除について、条件付きのフォワードガイダンスで政策当局者が見込むペースを明確にできるのではないか」と述べた。

原題:Coeure Says ECB May Need Clearer Policy Guidance When Rates Rise(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/473.html#c1

[経世済民128] 米輸入物価指数:8月は0.6%低下−16年1月以来最大のマイナス うまき
2. 2018年9月18日 06:45:03 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1476]
リーマン級危機がなくても次に迫る景気後退リスク 経済成長を支える安い資金や資源が尽きた時、景気後退は起きる

原油市場において景気を冷え込ませる要因を探すべき(写真は原油タンカーの甲板に立つ乗組員) PHOTO: ALI MOHAMMADI/BLOOMBERG NEWS
By
James Mackintosh
2018 年 9 月 14 日 15:19 JST
――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
***
 エコノミストや金融関係者、規制当局者はここ数週間、リーマン破綻から10年の節目を迎えた今、どうすればその再来を防げるのかを論じることに多くの時間を費やしてきた。投資家にとって悲しい真実は、たとえ再び金融危機が生じなくても、次の弱気相場が訪れれば、パニックが起き、巨額の損失を生むだろうことだ。そしてそれはさほど遠い時期ではないかもしれない。
 正確にいつなのかという答えを見つけるのは、控えめに言っても困難である。だが歴史を通して景気後退と常に連動しているのは市況の低迷だ。だから1つのアプローチは景気後退をできる限り予想し、事前に売り払うこと。もう1つは、相場の下落を契機に景気後退が始まるのかもしれないという前提のもと、脆弱(ぜいじゃく)な市場を見つけ出すことだ。

景気後退の予測モデル利回りだけを基準に予測すると、 米国が向こう12カ月間に景気後退入りする確率は上昇傾向だが、それでも 15%にとどまる

出典:ニューヨーク連邦準備銀行

 あいにく、景気後退の予測は難しい。エコノミストは過去に惨めなほど失敗を繰り返してきた。だが、かなり簡単に言ってしまえば、経済成長を支える低金利資金や安い資源がなくなったとき、景気後退は起きるのだ。
 現在の資金調達コストは歴史的にみれば低水準だが、投資家が長期的に持続可能と考える水準よりは高くなっている。われわれが判断の尺度にできるのは長短金利差、すなわち利回り曲線(イールドカーブ)と呼ばれるものだ。短期資金の調達コスト(米2年債の利回りで代用されることが多い)が10年債の利回りを上回ると、必ずと言っていいほど米国はそれに続いて景気後退入りしてきた。
 イールドカーブはまだ逆転していない。だが利回りを基準にしたニューヨーク連銀のモデルは、この先12カ月間に景気後退入りする確率を15%としている。これは前回の景気後退期以降で最も高く、景気後退局面に入る約18カ月前である2006年夏と同じ水準だ。
 イールドカーブが景気後退を決定づけるわけではなく、その予測能力を疑う理由もいくつかある。米国以外の国々では信頼性がはるかに低く、日本では過去5回の景気後退のうち1回のみ、英国では過去4回のうち2回を予測したにすぎない。一部のエコノミストは米国でも、量的緩和策や世界的な低金利の影響で10年債利回りが抑えられているため今は有用性が低いとみている。

原油と景気後退原油価格は大抵、景気サイクルの 最後に急上昇する
原油価格* 12カ月変動率

出典:セントルイス連邦準備銀行注*:WTI原油スポット価格

 そこでわれわれは予測ではなく、最も脆弱な市場を注視することで、資金需給ひっ迫の兆候を見つけることができるだろう。トルコの通貨リラやアルゼンチンの通貨ペソの最近の相場混乱は、両国の経常赤字が世界有数の高水準にあり、ドル建ての借り入れコストが上昇したことと恐らく無関係ではなかろう。一方、米社債市場ではジャンク(投資不適格)級でも、スプレッド(国債との利回り格差)が極めて低いままだ。米国内にはほとんど懸念がないことを示唆する。
 資源に関して言えば、経済を収縮させ、ブームを終わらせる可能性がある要因を探すべきなのは原油市場だろう。2008年、2001年、1980年、1974年の景気後退局面に先立ち、原油価格の急騰がみられた(いずれも1年以内に2倍を超える上昇)。これに対し、過去1年間の原油価格の上昇率は40%と比較的安心できる水準だ。そのうえ米経済は、過去に比べて原油価格の影響を受けにくい状況だとみられる。
 世界経済の情勢にも米国にとって期待のもてる理由がある。他の国々の経済成長が低調にとどまる限り、米経済が必要とする資源を巡る競争は一段と低下するはずだ。
 ただ、標準的なアプローチでは物事を取り違えることも多い。なぜなら経済は明らかに金融市場で起きていることに影響されるからだ。ベン・バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)元議長が今週指摘したように、2008年に投資家が短期資本市場から逃避した際、米金融街をのみ込んだパニックはそれ以外の経済へと波及した。債務危機は確かに株式危機より悪い。だが2000年にドットコム・バブルがはじけ、それがより穏やかだったとはいえ、2001年の景気後退に影響したのは明らかだ。

弱気相場と景気後退
S&P500はその直前2年間の高値から下落

Source: Thomson Reuters

 市場は転換点を迎える前、極端な方向に走るのが普通だ。シティグループのストラテジスト、マット・キング氏は、企業の高い債務比率と緩和された融資基準が、景気サイクルが終わりに近づく兆候だと指摘する。投資家はこれに対し、利益率の高さや債務返済コストの低さに注目している。だが金利が上昇すれば、積み上がった債務から悪循環が生まれる可能性がある。社債に買い手がつかなくなり、企業の資金調達能力について懸念が高まるからだ。

 株式市場は幅広い業界で行き過ぎの兆候が出ているわけではない。ただ、米国株は平均してバリュエーションが高いが、それは売上高の伸びではなく、通常より大きな利益率が根拠となっている。そのため株価は利益率を脅かす要因、とりわけ賃金上昇や関税コストの影響を受けやすくなっている。
 仮に今のサイクルがすぐ終了すると知っていれば、投資は簡単だろう。株を売って債券を買えばよい。だが時として最終段階は何年も続くことがある。その間、利回り上昇で債券価格は落ち込み、逆に株価は好調に推移しやすいのだ。
 投資家が終わりは近いと判断し、それでも最後の数カ月に株で得られる利益を逃したくないと考えたならば、たとえ金融機関は健全だとしても、景気後退がいかに悪い事態を招くかを肝に銘じてほしい。1970年、1974年、2001年の景気後退期には、S&P 500種株価指数がピークから底値まで30%以上も下落した。
 金融危機はそれよりもっとひどいものであり、リーマン危機を忘れてはいけない。だが今の景気サイクルが終わるとき、たとえ金融機関が揺らぐことはなくても、投資家は多大な損失をこうむるものと覚悟すべきだ。
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「動かぬ円」という異変 対米欧通貨で変動過去最小か
編集委員 清水功哉
2018/9/17 5:30 日本経済新聞 電子版
 この調子なら過去最小記録になるのではないか――。9月も後半となり、マーケット参加者の視野に今年最後の四半期(10〜12月期)が入ってきているが、日銀や為替市場関係者の間で「動かない円相場」という異変への関心が高まっている。
 年初来のドル・円相場の変動幅(円の高値と安値の差)は9円を下回る低水準。年間の変動幅が、1973年(為替が変動相場制に移った年)以降で最小となる可能性が徐々に意識され始めた。実は年初来の変動幅はユーロ・円相場もかなり小幅。同じ年に対ドル、対ユーロともに円の変動が過去最少になるなら、初めての出来事になる。
■年初来の変動幅は9円を下回る
 まずはドル・円相場から見ていこう。これまでの年間変動幅の最小記録は2011年の9円97銭、次が15年の10円2銭だ(グラフA参照)。データの出所はQUICK。為替相場は厳密な把握が難しい面もあり、データの出所によって多少異なることがある。このため15年を過去最小とする見方もあるが、いずれにしても18年の年初来の変動幅(8円74銭)はそれらより1円以上小さい。

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 18年のドル・円相場はどんな動きをしてきたのか。グラフBの通り、年初に付けた1ドル=113円37銭が円の安値で、3月に付けた104円63銭が高値である。18年の変動幅がこれまでの最小記録(11年の9円97銭)を上回るには、今後114円60銭を超えて円が下落するか、103円40銭を上回って円が上昇するかのどちらかが必要になる。あと3カ月半の間にいずれかが起きることはあるのか。もちろん無いと断言はできないが、簡単でない印象もある。

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 円安方向への動きを促す材料になりうるのは米景気の強さや利上げ観測だろう。だが、114円台後半までの円下落を実現する力を発揮できるかには疑問もある。
 象徴的な光景が7月19日にあった。市場予想を上回る米景気指標を受けて円が売られ、いったん113円15銭まで円安が進んだ。年初につけた安値(113円37銭)に迫る勢いだった。だが、その後一気に112円台前半に買い戻されてしまった。トランプ米大統領が米利上げは好ましくないなどと発言したためだ。
 足元の米景気は強いものの、米政権が利上げやその結果としてのドル高を望ましいとは考えていないという空気を市場は感じている。米連邦準備理事会(FRB)もあと1年もしないうちに利上げを打ち止めにする可能性を示唆している。米長短金利差も縮小傾向で推移してきた。ドルを思い切って買い上げにくい。
■円高には要注意
 むしろ注意が必要なのは円高方向かもしれない。3月に104円台まで上昇した背景には米中貿易摩擦があったが、両国の貿易戦争はその後も激化している。世界経済への悪影響を政府・日銀や企業は心配している。市場がリスク回避的になれば、「安全通貨」と目されている円に上昇圧力がかかりやすい。トランプ米大統領は日本に対する通商政策についても厳しい発言をしており、9月下旬に開かれそうな日米の閣僚級の貿易協議(FFR)に関心が集まる。協議を有利に進めるため、米側が円高誘導発言で圧力をかけるなどすれば、円買いに拍車がかかりそうだ。
 とはいえ、年内に103円台前半まで円高が進むと予想する市場関係者は少ない。「リスク回避的な局面での円買い戻しの勢いが以前と比べると弱い」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)との指摘もある。日本企業は海外でM&A(合併・買収)や設備投資を活発化させており、円売り需要が根強いことも背景にありそうだ。
 となると、やはりドル・円の年間変動幅が過去最小になる可能性は意識されやすい。

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 ユーロ・円相場に話を移そう。年初来の円の高値は5月に付けた1ユーロ=124円60銭、安値は2月の137円48銭で、その差は12円88銭。これまでの年間変動幅の最小記録は05年の12円99銭で、それをわずかに下回っている(データはQUICK)。
■「どっちつかず」のユーロ・円相場
 「欧州中央銀行(ECB)による利上げがすぐにはない上に、イタリアなどの政治面の不安もあってユーロを思い切って買いにくい一方、日銀の金融緩和も長期化しそうで円も買い進めにくい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏)。こうした状況が続き、明確な方向性が出にくい。
 ちなみに足元の円の対ユーロ相場は、年初来の高値と安値のほぼ中間といえるレベル。「どっちつかず」の展開を象徴するかのような水準だ。今後も方向性が出なければ、年間の変動幅の最小記録更新もあり得る。
 為替相場の安定は企業経営には望ましいが、投資家にとっては利益を稼ぐための機会が減る面もある。果たして、対ドル、対ユーロともに円相場が「最も動かぬ年」になるのか。経営者も投資家も注視しそうだ。
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官僚哀史 はびこる慣習、衰えゆく組織
政と官 細る人財(1)
経済 政治
2018/9/17 2:00日本経済新聞 電子版
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 残業100時間超えは42人――。厚生労働省の労働基準局では6月、過労死につながりかねない長時間労働が続出した。安倍政権が重視する働き方改革関連法の国会審議が山場を迎えていたためだ。働く人の健康を守る役割を負う同省は「強制労働省」と呼ばれる。

国会が閉会している時期でも、厚生労働省の庁舎は夜遅くまで明かりが消えない(11日午後10時すぎ)
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国会が閉会している時期でも、厚生労働省の庁舎は夜遅くまで明かりが消えない(11日午後10時すぎ)

 労働政策をまさに担当する現場で「官僚哀史」ともいえる過酷な働き方がはびこる理由の一つは、「決裁は紙で」という古い意識が残るためだ。

 厚労相らの国会答弁の準備ではまず係長がパソコンで作った原案を印刷して上司に回す。上司の手書きの直しを反映し、再度印刷して了承を得る。局長ら5人の上司と同じ作業を繰り返す。国会の委員会審議があると、大臣官房だけで1日1万枚以上の紙を印刷する。

 前時代的な作業に若い官僚の頭脳と体力を浪費し、厚労省は国会に示した裁量労働制に関するデータの千件近い異常値を見過ごした。官の力量と政策の裏付けへの信頼は失墜し、自民党内では厚労省分割論も浮上した。

 むろん、厚労省のミスは政策当局としてあまりにずさんで、言い訳できない。だが官僚をたたく政治の側の責任も大きい。国会議員の質問が役所に届くのが深夜にずれ込むことは珍しくなく、こうした政と官の旧態依然の関係が無用な疲弊を生む温床となっている。

 今夏、人事院は国家公務員に残業時間の上限規制の導入などを進める方針を公表した。安倍政権が掲げる働き方改革が官でもようやく動き出す。だが改革なき働き方を続けるうち、官に対して世間が漠然と抱いていた「優秀な頭脳集団に任せておけば大きな間違いはない」との感覚は、底が抜けるように崩れた。

 不信は霞が関全体を覆う。明治政府内に設けられた金穀出納所を源流とする財務省も、文書改ざんや前次官のセクハラ問題など政策以前の不祥事にまみれた。組織内の秩序を保つことを最優先する官に、自己改革は可能なのか。

2000人を超える150年間の歴代キャリア官僚の経歴が並ぶ
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2000人を超える150年間の歴代キャリア官僚の経歴が並ぶ

 財務省内には「裏表紙」と呼ばれる文書が出回る。明治以降の同省の歴代キャリア官僚について入省年次別に担当部署や役職をすべて網羅し、予算を担う主計局を本流とする堅固な組織秩序が一目でわかる。ある幹部は「若手が歴代幹部の経歴をたどり、自分が将来どこまで出世できるか分析している」と明かす。

 上意下達の一糸乱れぬ組織は財務省の力の源だった。ところがいまでは硬直的な組織が優秀な人材を遠ざけ、自由に物言えぬ風潮を広げる。矢野康治官房長は「部下が上司を評価する仕組みを導入すべきだ」と「360度評価」の導入を進めたが、来春の財務省への入省志願者は前年より約2割減った。

 人材を失えば組織も保てない。危機は現実になり始めている。

◇  ◇  ◇

 政と官の関係がきしむなか、官僚の不祥事や汚職が相次ぎ、政策そのものへの信頼も崩れた。時代に合わせた制度をつくるはずの「人財」が細り、働き方改革やデジタル化といった世界の潮流から取り残されるリスクが膨らむ。政と官の現場で何が起きているのか。



通貨暴落に苦しむイラン 海外脱出は「夢」に
消費の落ち込みがさらに景気を冷やす悪循環に
イランの中間層は通貨急落で、旅行や留学などの海外渡航ができなくなっている AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By Asa Fitch and Aresu Eqbali
2018 年 9 月 16 日 02:32 JST 更新

 【テヘラン】経済混乱に見舞われているイランでは、通貨リアル急落により、多くの市民が休暇や出張、留学などを目的とする海外渡航を断念せざるを得ない状況に追い込まれており、消費の落ち込みがさらに景気を冷やす悪循環に陥っている。

 リアルは1月以降、対ドルでおよそ75%下落し、今月には1ドル=約14万リアルの安値に沈んだ。そのため、航空燃料などを含むドル建ての財・サービス価格は大幅に値上がりしており、多くの中間層にとって、旅行費用は手の届かない水準に跳ね上がっている。

 2人の娘を持つフルーザンさん(46)は、通貨暴落により、10代の娘をカナダの大学に留学させる計画をあきらめた。そのため、娘は急きょ、質の悪い国内大学への入学を目指さざるを得なくなった。「予算が決まっているので、ドル建ての値上がりペースにはついていけない」。フルーザンさんは、不満を漏らしていることを知られたくないとして、苗字は明かさない約束で取材に応じた。

トルコの人気観光スポットのスルタンアフメット。トルコは6月にイラン人観光客数が前年比30%減少

 イラン指導部にとって、こうした問題はさらなる頭痛の種だ。通貨急落に加え、2桁の失業率やインフレ高進で、イランの経済危機は深まっている。フィッチ・ソリューションズ・マクロ・リサーチは、イランの国内総生産(GDP)は来年、4%以上のマイナスに陥ると予想する。

 イラン経済は、トランプ米政権がイラン核合意からの離脱を宣言した5月以降、悪化の一途をたどっている。米国は先月、対イラン制裁を復活させており、11月にはイラン産石油や同国の金融機関との取引を制限する追加制裁も発動する構えだ。

 イランでは昨年12月、政府の経済運営に不満を抱える市民による大規模なデモが発生しており、経済問題の深刻化は、ハッサン・ロウハニ大統領にとって大きな政治的リスクだ。

 世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると、旅行・観光は今年、イランで150万人以上の雇用を支え、間接的な要因も含めればGDPの7.3%を稼ぎ出す見通しだった。だが、旅行代理店は予約の取り消しに見舞われ、多数のスタッフ削減を余儀なくされているようだ。

テヘラン―タブリーズ(写真)間を結ぶ国内便チケット高騰を嘆くSNS投稿も
テヘラン―タブリーズ(写真)間を結ぶ国内便チケット高騰を嘆くSNS投稿も PHOTO: ATTA KENARE/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
 制裁による痛みが広がる中、エールフランス、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、エーゲ航空、KLMなど欧米の大手航空会社はここ数週間に、テヘラン便の停止を発表。イランの航空会社も運行便を削減しており、国営のイラン航空は9日、ドバイ、独ハンブルク、スウェーデンのヨーテボリに向かう便を減らすと発表した。

 こうした動向により、とりわけ影響を受けているのが、欧米諸国に対する敵対感が薄いコスモポリタン市民だ。

 テヘランの旅行代理店でマネジャーを務めるバヒッド・アリネジャド氏は、海外で医療サービスを受ける「医療ツーリズム」はほぼ全滅状況だと語る。イランの中・高所得者の間では珍しくなく、アリネジャド氏の代理店では毎週10人のペースで予約があったが、過去3カ月は全くなくなったという。

 イランは海外旅行に関するデータを公表していないが、旅行先として人気の高いトルコでは、6月にイラン人観光客が前年同月比30%落ち込んだ。隣国ジョージアを訪れるイラン人観光客も7月、前年比およそ10%減った。

 イラン人の多くは、ソーシャル・メディア上で不満を爆発させている。シャヒン・サマドプアさんは、閑散とした機内の様子を録画した動画を投稿し、広く共有された。サマドプアさんは「300席の機体に乗客はたった20人だ」と語りながら、テヘラン―タブリーズ間を結ぶ1時間の国内便チケットの高さを嘆いた。「飛行機での移動にも手が出なくなっている。状況は日に日に悪くなる一方だ」

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新興国危機、FRBによる救済は期待薄
アルゼンチンなど新興国の株式相場は先週、弱気相場入りした
アルゼンチンなど新興国の株式相場は先週、弱気相場入りした PHOTO: ROBERTO ALMEIDA AVELEDO/ZUMA PRESS
By Justin Lahart
2018 年 9 月 14 日 07:16 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

*** 

 新興国市場が苦境に陥いる時、米連邦準備制度理事会(FRB)が救済に駆けつけるまで問題は深刻化の一途をたどりかねない。もしFRBがいつまでも姿を現さなかったら、どうなるだろう。

 トルコ中央銀行による13日の大幅利上げは、新興国市場がいかに不安定化しているかを改めて浮き彫りにした。トルコリラの暴落とインフレ率の急上昇に直面したトルコ中銀は、投資家の信頼回復のために利上げせざるを得ないと感じたのだ。利上げはリラ相場を押し上げたものの、経済にさらなる打撃を及ぼしかねず、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領の怒りも誘う危険な一手だ。

 トルコだけではない。アルゼンチンや南アフリカも深刻な状況にある。インフレを巡る問題は、間もなく就任するメキシコのポピュリスト大統領を待ち構える課題の一つでもある。インドネシアはインフレ問題や多額の対外債務を抱えている。各国の問題はそれぞれ特有のものと捉えることも可能ではあるが、投資家はそうみていない。新興国株は先週、弱気相場の領域へと滑り落ちた。

 新興国市場を見舞う逆風の一部はFRBの措置に起因するもので、その意味では見慣れた状況が横たわっている。

 FRBは政策金利を引き上げてきた。景気が力強く拡大し、失業率も低水準にとどまる中、利上げを継続する公算が大きい。そのこと自体は新興国に問題とはならないが、それは新興国経済も力強く成長していればの話だ。実際には多くの国で成長が減速している。借り入れコスト上昇と合わせれば、危険な要因の組み合わせが出来上がる。

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 2016年初めに新興国市場が混乱に見舞われた際も、同じような力学が働いていた。FRBは15年12月、金融危機以降で初の利上げを実施。利上げを継続する姿勢を示した。だが、新興国市場の動揺を目の当たりにしたFRBは、米経済への影響を懸念して追加利上げを遅らせた。これは90年代終わり頃の状況に似ている。当時はFRBの利上げも一因に新興国市場で相次ぎ危機が発生し、ついには98年にロシア国債がデフォルト(債務不履行)に陥った。結局、FRBは利下げに動くこととなった。

 だが今回は、FRBは思いとどまらないかもしれない。FRBは16年初めのように米経済を不安視してはいない。足元の米金融市場も、90年代に比べれば新興国危機に影響されにくくなっている。

 FRBの利上げが新興国市場に及ぼす衝撃を抑える要素も複数ある。米国を初めとする先進国の経済は順調で、貿易拡大が一部新興国に追い風となるかもしれない。中国が財政刺激策を拡大していることも支援材料となるはずだ。それでも、こうした好材料はFRBの影響を相殺するには不十分だろう。多くの新興国の厳しい現状が悪化する一方になるリスクがある。

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ECB、初回利上げ以降の政策ガイダンスを明確にする必要−クーレ氏
Piotr Skolimowski、Birgit Jennen
2018年9月17日 21:58 JST
1−2カ月前に利上げを示唆する戦略、もはや適切でない可能性
複雑な政策環境では明確さが必要−クーレECB理事
欧州中央銀行(ECB)は最終的に政策の引き締めを開始すれば、利上げペースについて明確なガイダンスを示す必要があるかもしれないと、同行のクーレ理事が17日述べた。

  ECBは現在、政策金利を「少なくとも2019年夏の終わりまで」過去最低の水準に据え置くとしており、投資家らは同年終盤に利上げがあるとの意味だと解釈している。ECB当局者は初回利上げの後、どの程度のペースで行動するか今のところ何ら示唆していない。

  クーレ理事は資産買い入れ策で膨張したECBのバランスシート、インフレの背後にある動きの不透明性など複雑な政策環境では、利上げの1ー2カ月前に実施を示唆するといった以前の戦略はもはや適切ではないかもしれないと指摘。それに代わって、どの経済指標に注目する必要があるか伝えることを検討すべきだと語った。

  同理事はベルリンで「利上げ見通しに関する市場との対話は、当然ながら政策正常化への移行をしっかり行うほんの第一歩に過ぎない」と述べ、「利上げ開始以降の緩和解除について、条件付きのフォワードガイダンスで政策当局者が見込むペースを明確にできるのではないか」と述べた。

原題:Coeure Says ECB May Need Clearer Policy Guidance When Rates Rise(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
カタール政府系ファンド、中国フィンテック企業に出資交渉−関係者
Dinesh Nair、Manuel Baigorri
2018年9月18日 0:40 JST
平安保険傘下の陸金所の少数株式、カタール投資庁が取得も
カタール投資庁は中国の経済成長取り込みを図っている
カタール政府系ファンドのカタール投資庁(QIA)は、中国オンライン貸出業者最大手、陸金所への出資に関して交渉を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。投資は中国の経済成長取り込みを図る一環。

  陸金所は中国平安保険(集団)傘下のフィンテック企業。関係者によれば、QIAは陸金所の少数株式取得を巡って交渉しており、協議は進んだ段階にある。約5億−10億ドル(約560億−1120億円)規模の取引になるとみられ、向こう数週間で合意が発表される可能性があるという。関係者は情報が非公開であることを理由に匿名で語った。

  陸金所は昨年初めて業績が黒字転換。2016年には企業価値を185億ドルと評価する資金調達を完了した。

  QIAが目指す陸金所への出資には、遅れや交渉破綻の可能性がなおあるという。QIAと平安保険、陸金所それぞれの担当者はコメントを控えた。

原題:Qatar Fund Said to Near Investment in China’s Top Online Lender(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
新興国市場、底打ちに近づいている−テンプルトン
Ruth Carson、Andreea Papuc
2018年9月18日 6:08 JST
フィリピン・ペソなどはショート−テンプルトンのシニアコフ氏
ドルはいずれの方向にも動く可能性、大規模な投資は回避
フランクリン・テンプルトン・インベストメンツは、新興国市場が底打ちしつつあるかもしれないとの認識を示した。ただ、フィリピンなど今後も市場の混乱が続く国もあるだろうと付け加えた。

  フランクリン・テンプルトンの豪州債券担当マネジングディレクター、クリス・シニアコフ氏はシドニーでのインタビューで、不透明性からドルに対してポジションを中立にしていると発言。一方、フィリピン・ペソをショートにし、豪ドルがNZドルに対して下落すると見込むポジションも構築していると明らかにした。


  シニアコフ氏は「現時点でドルに対しては大きな投資をしないようにしている。どちらの方向にも跳ねる可能性があると感じているからだ」と説明。「相対的な価値がある投資対象や、新興市場の中で勝者と敗者が見込まれる部分を選好している」と述べた。

   新興国市場の混乱は終わったかの問いには、「底に近づいているが、新興市場で本格的な投げ売りがあったのかはわからない。市場に圧力はあったが、ある意味秩序立っていた。例えば、米国債利回りの急落や全面的な質への逃避などの衝撃は目にしていない」と語った。米金融当局の利上げ見通しについては、金融資産価格が最も重要な指標だと指摘。これが安定を続ける限り、当局は利上げを継続するだろうとの見方を示した。

原題:Templeton Says Emerging Markets Approaching Turning Point (2)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
インド、国営銀行3行の統合を検討−不良債権処理の加速視野に
Shruti Srivastava
2018年9月18日 3:25 JST
インドは、巨額の負債を抱えた銀行システムの強化を図るため、国営銀行3行を統合する可能性を検討している。

  ジャイトリー財務相が率いる閣僚委員会はビジャヤ銀行、デナ銀行、バロダ銀行の統合を提言したと、財務省のクマー氏がニューデリーで記者団に語った。統合が実現すればインド第3位の銀行が誕生することとなり、雇用の減少につながらないことを政府は確実にしていくと述べた。

  インドの不良債権比率はイタリアに次ぎ世界で2番目に高く、今回の動きは不良債権処理の加速を目指す政府の新たなアプローチとなる。インドの銀行がバランスシートに抱える負債は総額2100億ドル(約23兆5200億円)を超える。

原題:India to Consider Merging Three State-Run Banks to Cut Bad Loans(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
トルコ・リラ続落、大統領が最大手銀行の野党保有株移管を主張
Constantine Courcoulas
2018年9月17日 22:05 JST
  17日の外国為替市場では、トルコ・リラを中心に新興国通貨が2日続落。リラは先週、トルコ中銀が予想を上回る大幅な利上げを実施した後に上昇したが、エルドアン大統領の経済支配に対する懸念でその効果が薄れている。

  リラは一時、3%を超える下げ幅を記録。メディアに話す権限がないとして匿名で語ったイスタンブールを拠点とする為替トレーダーによると、出来高が少ないことで動きが増幅されている。

  エルドアン大統領は総資産で同国上場最大手銀行のトルコ勧業銀行について、最大野党の保有株式を政府に移管するべきだと主張。大統領がまたしても経済に介入する動きを見せたことで、投資家の不安が強まった。

  イスタンブール時間午後0時55分時点で、リラは前週末比1.5%安の1ドル=6.2607リラ。20日発表予定の政府の中期計画も注目されている。


原題:Turkish Lira Slides as Isbank Fallout Dilutes Rate-Hike Support(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/473.html#c2

[経世済民128] 米輸入物価指数:8月は0.6%低下−16年1月以来最大のマイナス うまき
3. 2018年9月18日 06:50:52 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1477]
2018年9月18日 / 06:25 / 22分前更新
貿易問題受け円上昇、ポンド・ユーロ高=NY市場
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[ニューヨーク 17日 ロイター] - ニューヨーク外為市場は、トランプ米大統領が引け後に対中関税を巡る方針を公表する見通しとなったことを受け、円がドルに対して上昇した。ブレグジット(英国の欧州連合離脱)交渉を巡る期待感からポンドやユーロが対ドルで値上がりした。

トランプ氏の方針表明予定が伝わり、ドルは対円JPY=で取引時間中の安値を更新した。

ブレグジット交渉でEU側の責任者を務める欧州委員会のバルニエ首席交渉官は、英国との交渉は友好協力の精神で行われているとした上で、EUの単一市場の統合性を保全できるなら、EUは英国と離脱条件などについて合意できる可能性があるとの立場を示した。アイルランド国境問題で進展が報じられたこともポンドの支えとなった。

ユーロ/ドルEUR=が0.49%高の1.1685ドル。ポンド/ドルGBP=は0.72%値上がりした。

ジェフリーズのFX担当マネジング・ディレクターは「週内に行われるEU首脳会談でポンド買いにつながるような結果が出るのではとの期待が広がった」と述べた。

ユーロに関しては前週100日移動平均線を上抜けるなど、テクニカル要因も買い材料となった。こうした中、新興国通貨は下げ渋る展開。MSCI新興市場通貨指数.MIEM00000CUSは一時0.4%安だったが、その後0.21%安で推移した。

米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は17日、中国が関税などの引き下げに向け真剣な協議を行う準備ができ次第、米政府は中国との通商協議に臨む用意ができていると表明。中国の経済改革は誤った方向に向かっているとし、米政府は近く追加的に2000億ドル相当の中国製品に対する関税措置の発動を発表するとの見方も示した。ドルは4月以降、通商問題に絡みリスクオフの流れで値上がりしており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、利食い売りが出やすい状態になっているという。

ドル/円 NY終値 111.83/111.86

始値 112.02

高値 112.10

安値 111.77

ユーロ/ドル NY終値 1.1683/1.1684

始値 1.1660

高値 1.1698

安値 1.1657

表はロイターデータに基づいています

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
ワールド2018年9月18日 / 04:25 / 2時間前更新
米政府、中国と真剣な通商協議望む=NEC委員長
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[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は17日、中国が関税などの引き下げに向け真剣な協議を行う準備ができ次第、米政府は中国との通商協議に臨む用意ができていると述べた。

カドロー委員長はニューヨークのエコノミック・クラブで、「中国が関税、および非関税障壁を引き下げ、市場を開放し、世界で最も競争力のある経済である米国が中国により多くの物品とサービスを輸出できるようにするために、自由貿易に向けた実質的な協議に向け準備ができ次第、米政府にはいつでも中国と協議を行う用意がある」と述べた。

カドロー委員長はまた、中国の経済改革は誤った方向に向かっているとの認識も表明。米政府は近く追加的に2000億ドル相当の中国製品に対する関税措置の発動を発表するとの見方も示した。また、ムニューシン財務長官が中国側と交渉を行っていることも明らかにした。

米政権当局者は15日、トランプ米大統領は約2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税について17日にも発表する公算が大きいと明らかにしている。

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/income-map/#6/138.3289/38.0481/2016/1/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35431100V10C18A9SHA000/?n_cid=NMAIL007
首都圏に所得減のドーナツ 衰える「始発のまち」 限界都市 NIKKEI Investigation
2018/9/15 18:02 日本経済新聞 電子版
フォームの始まり
かつて栄えたベッドタウンの衰えが際立ってきた。市区町村別に2011〜16年の住民所得を調べると、首都圏の郊外でドーナツ状に減少が続いていた。団塊世代が年金生活に入り、モノづくりの空洞化で働き手も集まらないからだ。上昇に転じた都心部などとの違いは鮮明で、若い世代を呼び込む工夫が要る。

 総務省の「市町村税課税状況等の調」をもとに、納税義務のある住民1人当たりの課税対象所得を集計。5年前と比べた。増減を地図で色分けすると所得が減っている自治体がドーナツ状に浮かんだ。沿線の始発駅があるまちが多い。

■団塊世代退職の余波
 その一つ、埼玉県久喜市は5.4万円減った。東武伊勢崎線の久喜駅は東京メトロ半蔵門線と相互乗り入れする始発駅だ。都心まで1時間強だが、少し歩くと空き店舗や空き家が目につき、お年寄りの姿も多い。
 市の人口は約15万4千人で、5年前とほぼ同じだ。だが、高度成長期にマイホームを求めて移ってきた団塊世代が退職。15〜64歳の生産年齢人口は約8千人減り、65歳以上は約9千人増えた。この住民構造の変化が所得減の大きな要因だ。
 同じ現象が茨城県取手市、埼玉県飯能市にみられる。いずれも1960〜80年代にかけて公営や民間の団地建設が相次ぎ、人口が膨らんだ「始発のまち」だ。

 国勢調査のデータを視覚化するとはっきりする。2010年〜15年の間に65歳以上の人口割合が5ポイント以上増えた自治体を地図にしたところ、似たドーナツがあらわれた。久喜市は5.9ポイント増加していた。取手市は6.8ポイント、飯能市は5.2ポイント増えた。
 産業構造の変化が重なったケースもある。JR青梅線の始発駅がある東京都青梅市は5年で1人当たり所得が4.7万円減った。12年にルネサスエレクトロニクスが半導体工場を閉鎖、17年には東芝がノートパソコンの拠点を閉じた。「中堅企業の転出も相次ぎ、働き盛りの若い世代の雇用を吸収する職場が減った」(青梅商工会議所)
 首都圏は都心部にいくほど1人当たり所得が伸びるが、ドーナツの外にある北関東のまちでも所得増はある。栃木県佐野市は5年間で13.0万円、群馬県太田市は24.2万円増えた。いずれも製造業の集積地で、JA共済総合研究所の古金義洋氏は「平均給与が高い製造業の雇用者数の増加が寄与した」と分析する。
 ベッドタウン頼みのまちが取り残されるドーナツ現象は関西圏にもみえる。大阪市や神戸市で所得が増えるなか、兵庫県三田市や奈良県などのベッドタウンは減少し、格差が生じている。
■住民の「新陳代謝」促す
 日本総合研究所の蜂屋勝弘氏は「自治体間の税収差が広がれば、いずれ福祉や教育など行政サービスの違いが生まれる」と懸念する。サービスを維持できなければ若い世代ほどまちを離れ、税収がさらに落ち込む。この悪循環を断ち切るには、住民の新陳代謝を促す施策が要る。
 不動産開発の山万(東京・中央)が1971年に開発を始めた千葉県佐倉市のニュータウン「ユーカリが丘」の手法は参考になる。エリア内で住民が山万の分譲住宅に引っ越す場合、既存住宅を査定額の100%で山万が買い取り、改修して新築の7割程度の価格で再販する。子どもが独立した夫婦が一戸建てから駅前マンションなどに移り、若い世代が改修住宅を買うといった好循環をめざす。
 商業施設や工場を誘致して挽回を狙う従来型の施策は、撤退リスクと隣り合わせだ。行政と住民が一体となって住民誘致の新しいモデルをつくる必要がある。
(栗原健太、清水正行、安田翔平)
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/473.html#c3

[経世済民128] ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3% 米中通商協議開かれない恐れ、中国が提案拒否検討 うまき
4. 2018年9月18日 23:24:33 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1478]
中国、対米同時報復へ 新たな対抗手段も 閣僚級協議「不確実に」
米中衝突 経済 中国・台湾 北米
2018/9/18 23:02
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 【天津=共同】トランプ米大統領が17日に2千億ドル(約22兆円)相当の対中制裁関税第3弾を表明し貿易赤字削減へ大幅な譲歩を迫ったのに対し、中国政府は18日、報復として、600億ドル相当の米国からの輸入品に対し、24日から5%か10%の追加関税を課すと発表した。米国と同時に発動する。「両国間協議に新たな不確実性が生じた」と強調。月内に再開予定の閣僚級協議が中止となる可能性が出てきた。

 中国の全製品に制裁対象を拡大する場合に備え、新たな報復手段も検討しているとみられる。

 中国商務省は18日、第3弾の制裁関税は世界貿易機関(WTO)ルール違反だとして、米国を提訴する手続きに入ったと発表した。

 第3弾制裁が24日に発動されることで、中国からのモノの輸入額のほぼ半分に追加関税が課されることになる。減速傾向にある中国経済の先行きに一段と不透明さが増すだけではなく、米国内も製品価格上昇によって国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費が冷え込みかねない。世界第1位、2位の経済大国による「貿易戦争」の泥沼化が日本を含めた世界経済に悪影響を及ぼすのは必至だ。

 中国は既に、制裁関税への報復として、米国と同額に当たる年500億ドル相当の米製品への関税を発動。第3弾への対抗策として600億ドル相当の制裁関税も準備している。

 米商務省によると、中国の2017年の米国からの輸入額は約1300億ドルで、全ての米製品を対象にしても金額面で同等の制裁を加えることはできない。

 このため中国は、米国内の産業のサプライチェーン(部品の調達・供給網)にとって不可欠な部品の輸出を制限することや、発動済みの追加関税の税率引き上げなどを検討しているもようだ。

 両国は今月下旬に中国の劉鶴副首相らが訪米し、ムニューシン米財務長官らと閣僚級協議を再開する方向で調整を進めてきた。だが協議前にトランプ氏が強硬姿勢を示したことで「相互信頼」(中国商務省報道官)を再開の前提としてきた中国側は対応の見直しを迫られている。


米中、加速する「不信の連鎖」 貿易・投資が大幅減速
2018/9/18 14:00日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権が17日、中国への制裁関税を大幅に積み増すと正式に決定し、両国の貿易戦争は解決が一段と遠のいた。米中はモノだけでなく、マネーやヒトの流れも縮小する負の連鎖に陥りつつある。

トランプ米政権は対中関税の第3弾を24日に発動すると発表した=AP
トランプ米政権は対中関税の第3弾を24日に発動すると発表した=AP

 国際通貨基金(IMF)は米中の関税合戦が500億ドル(約5兆5千億円)でとどまれば「経済への影響は軽微だ」としてきたが、両国のチキンレースは着々とワーストシナリオへと向かう。対中制裁の増額や自動車関税の発動に突き進めば、米国、中国とも成長率は最大で1%近く下がるとの試算もある。

 自由貿易秩序が失われれば、米中経済は共倒れになる。米国の7月の対中輸出は8%減と大きく落ち込んだ。輸入制限で相手国の経済が弱るほど、相手国への輸出も減って自国経済に跳ね返る。保護主義の弊害はそこにある。

 米国は中国マネーにもストップをかける。中国勢による米ハイテク企業の買収を防ぐため、対米投資を厳しく審査する新法が成立。既に2018年1〜6月期の中国による対米直接投資は、前年同期比9割も減った。トランプ政権は中国人研究者らのビザ審査を厳しくするよう指示したともされる。強硬策は「ヒト・モノ・カネ」のすべてに広がる。

 米中は高官級協議を停止したままで、対立解消の機運がない。米経済は4〜6月期に4%台の経済成長を記録したが、鉄鋼価格が4割も上昇するなどコスト高が際立ってきた。それでもトランプ氏が強硬策を緩めないのは「対中制裁は支持者への約束」(トランプ陣営の元幹部)だからだ。

 雇用研究の第一人者であるデビッド・オーター・マサチューセッツ工科大教授は、製造業の雇用減が有権者を「大衆迎合主義」に駆り立てたと指摘。中国の対米輸出が現在の半分にとどまれば、2016年の米大統領選でミシガンなど3州はトランプ氏が敗北し、現政権は誕生していなかったと分析する。

 実際、共和党支持者の6割強が「対中関税で米国経済は長期的に良くなる」とトランプ氏の制裁発動を支持する。トランプ氏は11月の中間選挙や20年の大統領選を見据え、強硬策をエスカレートさせるとの悲観論が強い。

 市場は「目先、不利なのは中国」とみる。米市場には貿易戦争が泥沼化する懸念が強まるが、ダウ工業株30種平均は2万6000ドルを保つ。一方、中国株は上海総合指数が3年10カ月ぶりの安値に沈む。

 もっとも、習近平(シー・ジンピン)政権が見据えるのは、トランプ氏よりずっと先の2049年だ。建国100年の同年に国民生活を先進国並みに引き上げると宣言。中国の国内総生産(GDP)は30年前後には米国を追い抜くとされ、その決め手が巨額補助金を使った産業育成策「中国製造2025」だ。

 米国の真の狙いは、中国を世界一に押し上げる同計画を潰すことにある。中国はアヘン戦争以降、欧米列強に屈した100年を「屈辱の歴史」と呼ぶが、米政権に譲歩すれば屈辱の再来となる。米国は次のカードとして半導体製造装置などの輸出規制を検討するものの、徹底抗戦する中国は内製化で「強国」への道を急ぎ始めた。

 新興国市場の動揺で、世界経済は既に転換点にある。二大エンジンである米中経済が混迷すれば、世界景気は失速しかねない。裁定役を期待される日本や欧州も米国の貿易戦争の標的となり、その余裕を失った。不信の連鎖は解決の糸口がみえない。


米制裁関税「反撃せざるを得ない」 中国商務省が声明、閣僚協議拒否も
米中衝突 貿易摩擦 中国・台湾
2018/9/18 16:38
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 【北京=原田逸策】米国による対中制裁関税第3弾の決定を受けて、中国商務省は18日、「深い遺憾を表明する。自らの正当な権益と世界の自由貿易秩序を守るため、中国は同じように反撃せざるをえない」との声明を出した。

 声明は「米国が追加関税をかけることは、双方の交渉に新たな不確実性をもたらす」と指摘し、米中が調整中の閣僚級協議を中国が拒否する可能性を示唆した。さらに「米国がこうした行為がよくない結果を招くと認識し、修正を加えることを希望する」とした。


米、対中関税第3弾を24日発動 家具や家電、年内10%
トランプ政権 米中衝突 貿易摩擦 中国・台湾 北米
2018/9/18 7:40
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 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は17日、中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)を対象に第3弾の制裁関税を24日に発動すると発表した。家具や家電などに10%の関税を上乗せし、2019年以降は25%に引き上げる。中国からの輸入の約半分に関税をかける形となり、経済や企業のサプライチェーン(供給網)への影響が広がる。中国は報復関税を課す構えで、米中の貿易戦争は一段と激しくなる。

トランプ米政権は対中関税の第3弾を24日に発動すると発表した=AP
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トランプ米政権は対中関税の第3弾を24日に発動すると発表した=AP

 米政権は7〜8月、2回に分けて計500億ドル分に25%の制裁関税を課した。中国は米国産大豆などに同規模の関税を課して対抗した。今回の第3弾は「中国の報復に対する報復」との位置づけだ。二大経済大国による報復の応酬が実際に起こる異常事態となる。

 米通商代表部(USTR)が作成した関税の適用対象となる最終品目リストは、スポーツ用品や服飾品、食料品など一般消費者に身近な製品を含む。米アップルの腕時計端末「アップルウオッチ」を含むスマートウオッチのほか、一部の化学品や繊維製品、農産品など約300品目は、7月に公表した約6千品目の原案から取り除いた。

 第3弾を発動すれば計2500億ドル分となり、中国からの年間輸入総額(約5千億ドル)の半分に相当する。多くの米国企業は「コストが上昇して最終消費者の負担も増えて需要が落ち込む」として反対意見を出してきた。中国は米国産の液化天然ガス(LNG)など600億ドル分に5〜25%の関税を課す報復リストを公表済みだ。米中をまたがるサプライチェーンを構築した日本企業にも影響が広がるのは必至だ。

 米政権は3月、中国の知的財産侵害に対して計500億ドルの制裁関税を課すと表明した。追加関税で圧力を強めながら、米国企業に対する技術移転の強要や、ハイテク産業への巨額補助金をやめるよう求めてきた。

 米中両政府は5〜6月に閣僚級協議を3回開いたが中国側も譲らず平行線に終わったため、米国は制裁実施に踏み切った。8月にも事務レベル協議を開いたが、目立った成果は出なかった。米中両政府には9月中の閣僚級協議の再開を模索する動きもあるが、関税の発動表明を受けて協議を通じた事態打開は一段と難しくなる。

 トランプ氏は第3弾に加えて、残りの中国製品を対象にした「第4弾」も強行して、中国からの輸入品すべてに関税を課す可能性にも繰り返し言及している。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/494.html#c4

[経世済民128] 「時間がない」働く母も、付加価値の高い仕事へ ビースタイル代表に聞く「時短で高給の可能性」(前編) うまき
2. 2018年9月18日 23:27:18 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1479]
2018.09.18
不況の印刷業界で異例の評価、「ラクスル」の投資妙味 株価は公募価格の1.8倍に
伊藤歩

先週で7月決算企業の決算発表がおおむね出そろいました。その中に面白い会社を見つけました。
印刷会社とユーザーを仲立ちするプラットフォームの運営会社・ラクスルです。今年5月31日に東証マザーズに上場したばかりの会社で、社名の由来は「楽に刷る」と中小企業のビジネスを「楽にする」だとか。
2009年の創業から10年目での上場となったわけですが、実はこの会社、上場前から将来有望なベンチャーとして数々の受賞歴を持っています。代表の松本恭攝(やすかね)氏は、昨年11月にフォーブスジャパンの日本の起業家ランキング2018で1位を獲得しています。
構造不況業種の代表格といってよい印刷業界にあって、なぜこれほどの高い評価を受けているのでしょうか。そのビジネスモデルをひも解いてみましょう。
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料金を格段に安くできるワケ
同社の主力サービスは、社名と同じ「ラクスル」です。利用者がチラシ、ポスター、名刺、パンフレットなど、印刷したいものの原稿を作成し、材質やサイズ、数量などを指定してインターネットで申し込むと、この会社が提携している全国の印刷会社の中から、印刷機が空いている会社を探してマッチングしてくれます。
ごく少量から受けてくれて、しかも値段が安いのです。たとえば名刺。原稿を自分で作成するとはいっても、200以上のパターンの無料のテンプレートが用意されていて、必要な事項を入力して申し込むだけです。
出荷までの日数に余裕があればあるほど料金が安くなる料金体系になっています。受付日から1営業日目の出荷だと、カラー両面で100枚1,400円。これが7営業日目の出荷だと、463円。送料がメール便だと190円、宅配便だと470円が別途かかりますが、街中の名刺屋さんだと両面になった途端に料金は倍にハネ上がりますから、格段の安さです。
現状では、個人のユーザーが6割を占めていますが、照準は法人に定めていて、中小企業を中心に法人顧客層を拡大していく意向のようです。
法人向けをどう拡大していくのか
飲食店や美容院、学習塾、歯科医院、駅前不動産屋などは、狭い営業エリア内にチラシを配って集客を図ります。ですので、印刷代を安く上げたいという需要とともに、配布もしてほしいという需要があります。
このため、集客支援サービスという形で、ポスティングや新聞折込、ダイレクトメールのほか、駅に貼るポスターなどは、印刷とともに掲出交渉まで請け負う対応しています。
もう1つの主力商品が「ハコベル」です。名前から連想できる通り、こちらは全国の運送会社と提携し、運んでほしい荷物をネットで申し込み、この会社が空いている車を探してマッチングするサービスです。
印刷業界も運送業界も、建設業と同様、多重構造になっています。顧客から直接受注するのは営業機能を持った大企業ですが、顧客から直接受注した業者と、実際に刷ったり運んだりする業者の間には何重にも業者が関与し、その都度、手数料を抜いていくわけです。
だったら、実際に刷ったり運んだりしている末端の業者と直接取引できれば安くできる。そう考えたわけです。
次ページ: 投資対象としての評価は?

営業利益よりも重視するもの
上場後初の本決算となった2018年7月期の売上高は前期比45%増の111億円、本業の儲けをしめす営業損益は前期の11.4億円の赤字から9,300万円の黒字になりました。今期計画は売上高のみ公表していて、前期比30%増の145億円です。
提携先の印刷会社の数は公表していませんが、KPI(重要業績指標)として累計顧客数、購入回数、そして単価は継続公表しています。2018年7月末時点の顧客数は66万1,815。前期末時点では45万2,940、その前は29万3,689でしたから、2年で倍以上に増えた計算になります。

損益面では、営業利益よりも売上高と売上総利益を重視すると言っています。
ラクスルは顧客から印刷業務や配送業務を請け負い、それを全国の印刷会社や運送会社に下請けに出しているので、売上高は顧客からの受注金額満額を計上する形になっています。プラットフォーム運営会社ではありますが、プラットフォーム利用料を売り上げ計上する形は取っていないのです。
売上高は「顧客からの信頼の総和」であり、売上総利益は「顧客、サプライヤーへの付加価値の総和」だというのが、会社側の説明。顧客がラクスルに支払った対価と、サプライヤーがラクスルから受注した金額の差額が売上総利益です。顧客もサプライヤーもその価格に納得した結果、ということなのでしょう。
厳密に言えば、サプライヤーへの支払いに加え、システム投資にかかる減価償却費も原価ですが、原価に占める割合は1%前後に収まっています。営業利益よりも売上総利益だと言う理由は、販管費、中でも広告宣伝費です。これはラクスルの知名度を上げる、つまり成長投資という考えに基づいています。
足元の株価は公募価格の1.8倍
同社株価の9月14日の終値は2,746円。上場時の公募価格1,500円の1.8倍です。PER(株価収益率)は利益予想を会社が公表していないので計算不能ですが、PBR(株価純資産倍率)は11.33倍と高水準です。
上場以前からこの会社がプロの投資家から高い評価を得てきた最大の理由は、自分の会社を説明する能力の高さにあるのではないか、と筆者は思っています。
ホームページ上にアップしている決算説明会の動画をご覧いただくとわかるのですが、ビジネスモデルがわかりやすく、実際に業績が右肩上がりだというだけでなく、成長戦略について、プロの投資家が納得できるだけの説明ができているのです。
新進気鋭のベンチャー経営者の多くは、ビジネスモデルの説明はできても財務の説明ができなかったり、あるいは逆に、財務には強いということをアピールしながら、横文字言葉を連発するだけで意味不明、自分の言っていることが理解できないのは頭が固くて古いせい、と言わんばかりの人が少なからずいます。
が、この会社はビジネスモデルがわかりやすいうえ、今後何を目指していくのかの説明も明快なのです。
投資対象としては中〜上級者向き?
それは経営陣の出自によるところが大きいのかもしれません。創業社長の松本氏は33歳の若さですが、世界的に有名な経営コンサルティング会社A.T.カーニーの出身です。このほか、CFO(最高財務責任者)は世界的な投資会社カーライル、COO(最高執行責任者)は世界的に有名な経営コンサル会社のボストン・コンサルティング出身です。
この顔ぶれで煙に巻くような説明をされると失望も倍増しますが、投資家がどういう説明を必要としているのかをよく理解している人たちが、誠実に説明をしている印象を受けます。
ラクスルは印刷業界、運送業界以外にもこのビジネスモデルを広げていくと言っています。顧客の増加に比例してシステム投資負担も重くなっていくでしょう。
今のところ、稼いだ利益は成長投資に回していくとも言っています。上場したばかりで配当方針は明らかにしていませんが、早期の配当開始は期待できない可能性があります。
今後競合が出てくるのかどうか、出てきた場合も圧倒的な優位性を保ち続けることができるのかは、現時点ではわかりません。すでに株価が相当高いということも含め、投資対象としては中〜上級者向きの銘柄といえるのではないでしょうか。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/502.html#c2

[経世済民128] 司法試験の希望者が激減している理由を知っていますか? 既得権益層から不満噴出の結果がコレ 赤かぶ
11. 2018年9月20日 22:39:20 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1480]

特に問題はない

無意味な大学院に高い金を払って、低レベルな学生が司法試験に通るよりも遥かに良い

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/527.html#c11

[国際23] プーチン大統領、本職さながら?の狙撃技術披露 プーチン突然の提案 悲観の必要なし 露国営テレビでプーチン氏専門番組が開始 うまき
1. 2018年9月21日 07:18:00 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1481]
北方領土問題は今度こそ動くのか「2島返還論」のタブーを解禁するとき
2018.9.21(金) 池田 信夫

北方領土の国後島を訪問したロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領(当時、2010年11月1日撮影、資料写真)。(c)AFP/RIA-NOVOSTI/KREMLIN/MIKHAIL KLIMENTYEV〔AFPBB News〕

 自民党総裁選挙で、安倍首相が3選された。3期目に積み残した課題は多いが、その1つは北方領土問題だ。9月12日にウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムで、ロシアのプーチン大統領は、突然「前提条件なしで年末までに平和条約を結ぼう」と提案したが、安倍首相はその場では答えなかった。
 これについて総裁選挙では、石破茂氏が「領土交渉が振り出しに戻った」と批判したのに対して、安倍首相は「ロシアはいろんな変化球を投げてくるが、ただ恐れていてはだめだ」と否定的ではなかった。1956年の日ソ共同宣言から動かなかった北方領土問題は、今度は動くのだろうか。
北方領土は「日本固有の領土」か
 多くの日本人は「歯舞・色丹・国後・択捉の北方4島は日本固有の領土だ」という政府見解を信じているだろうが、問題はそれほど自明ではない。歴史的には、この4島に日本人が住んでいたことは事実だが、国境線は動いた。
 外務省ホームページによると、1855年、日魯通好条約で、択捉島とウルップ島の間の国境が確認された。1875年の樺太千島交換条約では、千島列島をロシアから譲り受ける代わりに樺太全島を放棄したが、1905年のポーツマス条約では日本が南樺太を譲り受けた。
外務省ホームページより
 1945年2月のヤルタ会談で南樺太と千島列島をソ連の領土にするという密約が結ばれたが、これには法的根拠がない。1945年7月のポツダム宣言では、日本の主権が「本州、北海道、九州及び四国並びに連合国の決定する諸島」に限定されると規定したが、この宣言にソ連は署名していない。
 日ソ中立条約に違反して1945年8月に参戦したソ連は、北方4島を武力で占領したが、その後も日本とは平和条約を結んでいない。1951年のサンフランシスコ平和条約で日本は「千島列島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄」したが、この条約にソ連は参加していない。
 1956年の日ソ交渉では、領土問題について日ソ間で意見が一致する見通しが立たないため、戦争状態の終了と外交関係の回復を定めた日ソ共同宣言を締結した。このとき「歯舞群島及び色丹島は平和条約の締結後、日本に引き渡す」と明記されたが、国後・択捉については何も決まっていない。いつまでも日ロ関係を混乱させている北方領土問題とは、この2島の問題に過ぎないのだ。
2島返還論という「変化球」
 プーチン大統領の提案は「平和条約を結んでから領土問題を話し合おう」というものだが、2島を「平和条約の締結後、日本に引き渡す」という約束を実行するなら検討に値する。彼は「いま思いついた」と言ったが、このように重要な問題について思いつきで発言するとは考えにくい。おそらく日ロの事務レベルでは合意できなかったので、彼の独断で提案したのだろう。
 その真意は分からないが、最近のロシア経済の苦境から推定すると、平和条約を結んで経済を回復しようということかもしれない。ロシアはずっと「クリル諸島(千島列島)はすべてロシアの領土だ」と主張しており、クリル諸島には北方4島がすべて含まれているので、歯舞・色丹を返還するだけでも彼らにとっては譲歩だ。
 だが日本政府の定義では、4島は千島列島に含まれないので、2島だけ返還すると「固有の領土」である国後・択捉を放棄することになる。2島返還論は外務省がずっと否定してきたもので、自民党も反対してきた。ところが今回、自民党でも右派と見られていた安倍首相が、これに前向きともとれる態度を取ったのは意外だ。
 日本政府が4島返還の原則を変えない限り平和条約は締結できないが、国後・択捉を返還されても日本人が移住することは困難で、経済的メリットはほとんどない。割り切って考えると、安全保障と2島の領有権のどっちが重要かというバランスの問題だろう。
「4島か2島か」より大事な問題
 2島返還論は、この62年間タブーだった。「それは戦後のドサクサにまぎれてソ連が不法占拠した主権侵害を事後承認するものだ」という主張は、筋論としては正しいが、それが日本政府の一貫した方針だったわけではない。
 サンフランシスコ条約で「千島列島」の領有権を放棄したとき、国会で吉田茂首相は南千島(国後・択捉)は千島列島に含まれると答弁した。日本も一時は、2島返還で平和条約を結ぼうとしたという説もある。
 2016年の日ロ首脳会談のときプーチン大統領は、1956年の日ソ交渉のとき、アメリカのダレス国務長官が重光外相に「もし日本がアメリカの利益を損なうようなこと(2島返還)をすれば、沖縄は完全にアメリカの一部となる」と述べたと記者会見で語った。つまりアメリカは2島返還で平和条約を結ばないよう、日本に圧力をかけたというのだ。
 これが「ダレスの恫喝」といわれる話で、プーチン大統領がそれを引き合いに出したのは、「日本も本当は2島返還を考えていた」と言いたいのだろうが、そういうアメリカ政府の方針は外交文書で確認できない。そういう経緯があったとしても、2島返還を正当化する根拠にはならない。
 それより大事な問題は、もし歯舞・色丹が返還されたら、そこに自衛隊や米軍の基地を設置するのかということだ。これはロシアにとっては脅威になるが、日本にとっては2島返還でも基地を置くことができれば重要な意味がある。領土問題は国家主権の問題であるとともに、日米同盟の問題である。
 原則論としては、4島返還が正しい。ここで日本が妥協すると、今後ロシアとの外交交渉でなめられるという懸念もあるだろう。だが日本とロシアのような大国間で平和条約が締結されていない状況は異常であり、安全保障の上で問題がある。
 平和条約では領土を確定するので、そこに2島返還を書けばいい。かつて日ソ中立条約を破って参戦したロシア人だから約束を守らないかもしれないという不信感もあるが、そういうことを言い出したら外交交渉はできない。このへんは外交テクニックの問題だろう。むしろ障害は、これまで固く2島返還を拒否してきた外務省にある。
 北方領土は、プーチン大統領と信頼関係を築いた長期政権の安倍首相にしか解決できない厄介な問題だ。そろそろタブーは解禁し、2島返還論を議論してもいいのではないか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54174

 


潜水艦の南シナ海派遣、安倍首相は知っていたか
田原総一朗の政財界「ここだけの話」
防衛戦略は難しい局面に

2018年9月21日(金)
田原 総一朗


潜水艦の南シナ海への派遣は、安倍首相に事前に知らされていたのか(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
 9月13日、防衛省が海上自衛隊の潜水艦を南シナ海へ向けて極秘で派遣。東南アジア周辺を長期で航海中の護衛艦部隊と合流させ、訓練を実施したという。海上自衛隊の訓練は、通常は日本の周辺海域で行われる。南シナ海での訓練は初である。

 一体、何のためにこんなことをしたのか。

 今、中国が南シナ海で軍事拠点化を進めていることに対し、日本は危機感を抱いているといわれている。確かに例えば、中国の南シナ海進出によって、日本の船舶の往来が阻害されているなら確かに問題である。しかし、そんなことは起きていない。日本の船舶は、南シナ海を自由に移動している。

 僕は先日、防衛省の元防衛大臣ら2人に「こんな訓練をやる必要はあるのか」と問い質した。すると、2人とも「その必要はない」と答えた。日本は、対中国戦略をどこまで進めるのか。

 さらにいくつか気になる報道があった。9月18日、エジプト東部のシナイ半島で、イスラエル軍とエジプト軍の活動を監視している多国籍監視軍(MFO)に、陸上自衛隊2人の派遣が検討されていると報じられた。

 また、日本政府が導入を決めた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」が、北朝鮮が2017年8月に予告した米領グアム島周辺への弾道ミサイル発射の迎撃に使われる可能性があるという話もある。

 僕は元防衛相らに、「自衛隊は、どこまで防衛戦略を推し進めるのか。特に対中戦略は、どうなっているのか」と聞いた。すると彼らは、「日本政府は、対中戦略をほとんど持っていない」と答えたのである。

 最大の問題点は、ここからだ。

 冒頭に挙げた海上自衛隊が潜水艦を南シナ海へ極秘派遣した訓練について、報道には「防衛省の指示」とある。しかし、元防衛相らの話によると「防衛省はこんなことを許可していない。当然のことながら、安倍首相も知らないだろう」と言うのである。

 つまり、この訓練は、海上自衛隊が独自の判断で実施したということである。さらに言えば、日本では海上自衛隊、陸上自衛隊、航空自衛隊、3者の連携も弱いという。これでは戦前の状況に重なるのではないか。

 それほど重要なことを、なぜ歴代の防衛大臣は総理大臣に問題提起しないのか。元防衛相に尋ねると、「あまりにも大変な問題で、触れるのがこわいから」と答えた。

難しい問題、困った問題は、なかったことにする
 日本人は、大変なことは「なかったことにする」傾向がある。その典型例が、原発問題だ。かつては原発は「絶対に事故は起こらない」といわれていた。事故を想定しなかったから、東京電力はしっかりした避難訓練すら実施しなかった。

 なぜ、やらなかったかといえば、そうした避難訓練をするということは、事故の可能性があると同義になってしまうからだ。そんなことがあれば、地元の原発反対の声が高まりかねない。こうして東電は、事故が起きる可能性を否定したのである。

 しかし、実際はどうだろうか。2011年3月、東日本大震災の影響で福島第一原発の事故が発生した。いまだに、事故の収束は見込めない状況だ。

 このように、日本は同じようなパターンを繰り返している。困ること、大変なことは、「ない」ことにするのである。

 太平洋戦争時にも、同様のことは言える。米国と戦争をして、勝てると思った日本人は誰もいなかった。しかし、なぜ日本は米国との開戦に踏み切ったのか。

 軍隊というものは、勝てないと分かっていても、戦えるなら戦うものなのだ。

 これに対して、竹下登氏が首相になった時、僕は「日本には自衛隊というものがあるけれど、戦えない軍隊じゃないか。それでいいのか」と尋ねたことがある。すると、竹下氏は、「だからいいんだ。だから日本は平和なんだ」と答えた。

自立論はあまりリアリティがない
 今、日本の防衛戦略は、非常に難しい局面に差しかかっている。

 日米安保条約が結ばれたのは、冷戦時代のことだ。当時、日米はソ連と敵対していたが、日本だけでは軍事的にソ連に対抗することはできない。そこで、日本が他国から攻められたら、米国は日本を守るという約束をした。ただし、米国が他国から攻められたら、日本は何もしない。

 なぜ、このような内容が成立したかといえば、米国は日本ではなく、「極東」を守るという思惑があったからだ。日本は、完全なる対米追従の構図となる。

 そして冷戦が終わると、風向きが変わる。「日本は対米従属から自立すべきではないか」という声が上がり始めたのだ。一方で、「冷戦が終わったから、米国は日本を守る必要がなくなったのではないか。このままでは日本は米国に見捨てられる可能性がある。対米関係を強化しなければならない」という主張も出始めた。

 自立論と日米関係強化論の対立が起こり始めたのである。ただし、自立論はあまりリアリティがない。

 では、日米関係を強化するのであれば、どこまでやるべきか。

 オバマ大統領の時代は、安保関連法の成立により、米国からの要求は収まった。ところが、トランプ大統領は「米国第一主義」を掲げ、日本に防衛費の引き上げや米国からの高額な武器の輸入などを要求されている。そのトランプ大統領からの要求に、日本はどこまで応えるのか。

大変な問題で、このまま放置できる話ではない
 一方で自衛隊におけるシビリアンコントロールには大きな問題がある。潜水艦の南シナ海への派遣だけでなく、2003年12月から09年2月までのイラク派遣、2012年1月から17年5月までの南スーダンの派遣も同様だ。

 これは大変な問題である。このまま放置できる話ではない。自民党幹部らも問題視しているが、解決策を見出せないようだ。

 大きな問題ほど、皆、ふたをする。日本の防衛戦略をどのようにしていくのか。自衛隊におけるシビリアンコントロールが全く利いていない状況をどうしていくのか。もっと議論すべきではないかと思う。

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このコラムについて
田原総一朗の政財界「ここだけの話」
ジャーナリストの田原総一朗が、首相、政府高官、官僚、財界トップから取材した政財界の情報、裏話をお届けする。

 

日本人の「慰安婦像キック」で大弱りの台湾・民進党
統一地方選を前に「政権叩き」の材料に
2018.9.21(金) 安田 峰俊

台湾・台北で行われた、日本政府に台湾人慰安婦への謝罪を求める抗議集会(2018年8月14日撮影)。(c)AFP / SAM YEH〔AFPBB News〕
 日本では「親日的」とみなされがちな国・台湾にまで設置された慰安婦像。もちろん日本としては看過できない問題だが、無分別な抗議活動は逆効果をもたらす。右翼系活動家の日本人が、あろうことか慰安婦像にキック。この一蹴りが台湾で大問題に発展し、与野党間の政争の材料にまでなる事態に陥っている。1人の日本人の蛮行は、一体なにを引き起こしたのか。ルポライターの安田峰俊氏が報告する。(JBpress)
与野党両党を巻き込む大きな国際問題に
 今年(2018年)9月6日、日本の右派系市民団体「慰安婦の真実国民運動」の藤井実彦(ふじい・みつひこ)幹事(当時)が、台湾(中華民国)台南市内の中国国民党施設敷地内に設置されていた慰安婦像を蹴りつけるようなポーズを取った。
 この日、藤井氏はもともと、像を設置した台南市議の謝龍介議員(国民党)に対して抗議に出向き、要求書を手渡して像の即時撤去を求めていた。「像蹴り」はその後に発生し、謝議員が自身のフェイスブック上で監視カメラの映像を公開したことで広く知られることになってしまった。
藤井氏が慰安婦像を蹴りつける様子を報じる現地TV局『台湾電視』の報道
 その後、日本台湾交流協会台北事務所(事実上の日本大使館の代替機関)に対する抗議デモが起き、事務所にペンキが投げつけられる事件も発生した。台湾メディアの報道量はかなり多く、事態は民進党・国民党の与野党両党を巻き込む大きな国際問題となっている。
 藤井氏のバックグランド(新宗教団体・幸福の科学の信者とされている)や、その宗教的・政治的な動機については、宗教ジャーナリストの藤倉善郎氏が詳しい記事を発表している(参考:「台湾『慰安婦像キック問題』の背後に『右派カルト』。大手メディアは沈黙」、ハーバー・ビジネス・オンライン)。
 本記事では主に、台湾側の反応や、事件が現地社会にもたらした影響について詳しく紹介していくことにしよう。
「邪教」の信者と報じられる
 今回の像蹴り事件は、対日歴史問題への関心が強い藍色陣営(国民党系、中台融和派)のメディアのみならず、『自由時報』『蘋果日報』をはじめとした緑色陣営(民進党系、台湾自立派)の媒体でも盛んに報じられた。台湾の日本報道の特徴は、日本語ができる人材がメディアの内部にいるケースが多いことから、日本のネット記事や問題当事者のSNSの投稿などが豊富に引用されることだ。
 今回の件でも台湾の大手ケーブルTV局傘下のニュースサイト『ETtoday新聞雲』が、藤井氏が自身のFacebook上で「足が痺れていたのでストレッチをおこなっただけ」と釈明したことを報道。さらに、藤井氏が自身のページに抗議コメントをつけた台湾人に、慰安婦像は「disgusting(胸糞が悪い)」で、慰安婦問題は韓国人による「blackmail(恐喝行為)」であると英語で回答したこと、その後に投稿の大部分を非公開にして「逃亡」したことまで、詳しく報じている。
 また、藍色陣営系の中天電視のWEB版『中天快点TV』はさらに踏み込み、9月11日付けで「国際的に札付き! 藤井実彦はかつて慰安婦漫画展を阻止しようとしていた」と題した記事を掲載。右派系の市民運動「論破プロジェクト」を主催する藤井氏が、2013年にフランスのアングレーム国際漫画展に慰安婦問題を否定する内容の漫画を出品して韓国側出品の慰安婦漫画への「反撃」を図ろうとしたものの、主催者側に困惑されて出展を断られたことまで伝えている。
 同記事には藤井氏のバックグラウンドについての言及もある。以下に大意を紹介しよう。
“アニメや漫画を重視する日本の若い世代は、藤井実彦氏の(上記の慰安婦漫画の件について)騒ぎを起こす行為をまっとうなものであるとは見ておらず、彼が無理にトラブルを起こしていると見なしている。今回、藤井氏が台南の慰安婦像を蹴るポーズを見せた事件を含めて、ツイッター上では批判一色となっており、ついでに彼の「幸福実現党」の身分まで掘り出されることになった”

“もともと「幸福実現党」とは、1984年に成立した現代宗教の「幸福の科学」をルーツとしており、教義の内容は特に厭世的だったり終末論的だったりはしないが、守護霊とコミュニケーションしてつながることができると言っており、多くの日本人からはオウム真理教の後を継ぐカルト宗教組織であると見られている。多くの人は敬してこれを遠ざけ、彼らと関わり合いになりたいと思っていない”

 ほか、香港の伝統的な中国語紙『大公報』のWEB版も、9月12日付けで「藤井実彦を徹底解明、カルト宗教メンバーと見られていた」と題する記事を発表。やはり幸福実現党や幸福の科学について言及し、「日本右翼分子藤井実彦」が所属する「邪教(=カルト宗教)」であると断じている。
統一地方選を前にした政権叩きの材料に
 台湾において、慰安婦問題は与野党を問わず国民的な問題だが、対日歴史問題の追及に熱心な野党・中国国民党など藍色陣営のほうが、高い関心を持っているのも確かである。藍色陣営は、これまでも「親日」「媚日」をキーワードに蔡英文政権を攻撃することが多かった(もっとも、国民党の馬英九前総統も、実は経済や民間交流の面では相当に「親日」的だったのだが)。
 そのため、今回の慰安婦像蹴り事件は、今年11月の統一地方選での巻き返しを狙う藍色陣営に政権攻撃の材料を与え、また地方選候補者たちが知名度アップを図るための格好のアピール材料になっている。
 例えば、像蹴り事件の直前に藤井氏から抗議文を手渡された国民党所属の台南市議・謝龍介議員は、日台交流協会への抗議デモの主催や、事実上の台湾駐日大使である謝長廷氏に向けて安倍総理への公式な抗議声明の発表を求めるなど、問題の「当事者」であることを世間一般に知ってもらおうと、非常に華々しい動きを見せている。
 ほか、馬英九政権時代の総統府スポークスマンで、次回の台北市議選に国民党から立候補予定の羅智強氏は、自身のFacebook上で「蔡英文と謝長廷のいずれが、像蹴り事件の元凶か?」と題したアンケートを実施。いずれにしても民進党叩きが目的のアンケートなのだが、6600人近い回答を得る(投稿自体にも2900人以上の「いいね」などの反応が付いた)など、この問題をうまく利用して支持者固めや政権与党叩きに結びつけることに成功している。
羅智強氏がFacebook上に投稿したアンケート。完全に政権叩きの道具になっている
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 また、過去に靖国参拝反対運動をおこなうなど、対日強硬派で知られる藍色陣営寄りの立法委員(国会議員に相当)の高金素梅氏も、今回の一件を受けて怪気炎を上げている。
 高金氏は、かつて沖縄戦で犠牲になった台湾人日本軍兵士を追悼する石碑に蔡英文が揮毫した行為を、日本の侵略行為を肯定する振る舞いだとして批判。その文脈のなかで、像蹴り事件についても「たまたま起きたものではない」と述べ、「(日本に媚びる)民進党は台湾を裏切った失政集団だ!」と、激烈な政権批判に結びつけている。
 藍色陣営系の媒体のほか、「反・蔡英文」を打ち出すネット上の政治グループはこぞってこの問題を批判的に取り上げており、彼らのFacebookのポストには数百件近い怒りの書き込みが殺到する例も珍しくない。道義的に考えて明らかにひどい問題(緑色陣営の支持者でも不快感を抱かざるを得ない問題)が起きたことで、像蹴り事件は藍色陣営の支持者の団結を固める効果をもたらしているようだ。
グダグダのコメントを出す民進党候補
 対して困っているのが与党・民進党の側である。像蹴り事件が起きた台南市はもともと、民進党の固い地盤のひとつで、日本への好感度も高い地域だ。民進党は対日歴史問題については国民党ほど厳しい姿勢を取っていないが、いっぽうで台湾という土地への愛着を訴え、かつリベラルな価値観を前面に打ち出している党である。
 台湾人の女性が過去に意に沿わぬ苦しみを被った点や、フェミニズム的な観点からは、民進党としても慰安婦問題にそれなりの誠実さを示さないと支持者に申し訳が立たない。いっぽう、国民党のような対日歴史問題批判は票につながらないし、このジャンルで国民党と勝負しても民進党の強みは打ち出せない。
9月13日、市内の飲食店への訪問後にメディア取材に囲まれる、民進党の次期台南市長候補の黃偉哲氏(左)。エプロン姿で深刻な話をする。『中天電子報』より
 民進党の現立法委員で、次期台南市長選に立候補予定の黃偉哲氏は、緑色陣営系メディアの『自由時報』の9月11日付け記事のなかで以下のように話している。実に歯切れの悪いコメントだが、大意を訳すことにしよう。
“慰安婦事件は簡単に言えば、戦時中に日本軍部が台湾・韓国などの国家の女性を軍中の慰安婦の仕事に就かせたもので、どのようにして(女性らが慰安婦に)なったにせよ、ともかく相当多くの女性は非自発的(な就業)だったのであり、これはおそらく日本政府に対して厳しく非難をおこなうべきものだ。ただ、このことと現在の日本政府には関係がないわけだが、しかしながら日本政府の態度は非常に重要なのであり、(日本政府が)歴史に向き合うことを望むかどうか、これが実に重要だ”

“しかしながら、いかなる政党もこのこと(=像蹴り事件)で政治的な操作をおこなったり、選挙のなかでの利益を得ようとすることは好ましくない”

 2016年の女性総統誕生ブームの熱気も沈静化した昨今。蔡英文や民進党の支持率が頭打ちになり、今年11月の統一地方選をどう切り抜けるかで頭を悩ませている大変なときに、日本から来た市民活動家が「いらんこと」をやりやがって・・・、と内心で苦々しく思っているのであろう。
*  *  *
 日本国内で保守的な論調をとる日本会議系や幸福の科学系の政治活動家やそのシンパには、中国への反発感情ゆえか「台湾好き」(≒「親日」とみなされがちな民進党・緑色陣営好き)を公言する人が少なくない。だが、そうした人たちの行動が逆に、民進党陣営を思い切り追い詰める結果を生んでいるのが、今回の像蹴り事件というわけだ。
 与野党の別を問わず、台湾のみなさんに大変ご迷惑をおかけしている今回の一件。日本国内での報道量は決して多くないのだが、決して同様の事態が再発することがないように祈るばかりである。

 

平和と日本を愛するマハティール首相、国連で吠える 欧米の唯我独尊を厳しく追及、戦争のない世界を訴える
2018.9.21(金) 末永 恵
来日中のマハティール首相、TPPは「再交渉必要」
東京都内で開催された国際会議「アジアの未来」で演説するマレーシアのマハティール・モハマド首相(2018年6月11日撮影)。(c)AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI 〔AFPBB News〕

 「コフィ・アナン氏の訃報に、心から哀悼の意を表する」

 マレーシアのマハティール首相(以下、マハティール氏)は8月に80歳で死去したコフィ・アナン元国連事務総長の死を受け早々に、こう弔辞を表明した。

 日本のメディアは「アナン氏は平和を愛し、紛争解決に尽力。中でも事務総長として最も高く評価されたのが、米国のイラク攻撃に対し、非難声明を発表したこと」と、その“偉業”を称えた。

 イラク戦争は、2003年3月に開戦。米国が国連安保理の同意を経ずに、戦争に単独で踏み切った。アナン氏が事務総長に就任してから6年目のことだ。

 国連への最大分担金を支出する最大支援国の大国・米国に対し、「法を破った行為であるとともに、憲章への違反行為」と非難した国連事務総長は、後にも先にもアナン氏以外、いなかったからだ、ということらしい。

 そうした一般的な評価とは一線を画して、当時のアナン氏を厳しく非難したのが小国・マレーシアのマハティール氏(当時、4代目首相)だった。

 アナン氏を名指しで、国連を無視し、イラクへの開戦に踏み切った米国を止められなかったアナン氏に「辞表を突きつけ、抗議するべきだ」と直言したのはマハティール氏のみだった。

 アナン氏は回顧録の中で、「事務総長時代の最悪の経験は、イラク戦争を阻止できなかったことだ」と国際社会での評価とは裏腹に、後悔の念を深く滲ませた。

 マハティール氏の一喝は、心に深く、暗く重石となって横たわっていたに違いない。

 マハティール氏は2003年10月末に22年間のマレーシア最長となる首相職を自ら退いたが、その1か月前の国連総会での最後の演説でも、大国・米国や国連を厳しく非難した。

 「(イラク進攻は)欧州帝国主義の再来だ。経済的締め付けと金融の無力化で、新興独立国が屈服させられ、再植民地化されることはあった」

 「だが今は、外国の軍隊が、諸外国を『占領』するという事態が現実となって起きている」

 このようにジョージ・W・ブッシュ政権(当時)の一国覇権主義の対外・経済政策などを痛烈に批判した。

 さらに国連についても、「国連は、足元から崩壊している。貧困や弱者を救済できなくなっている。そういう国や人々は、無視され、脇に追いやられている。国連が創立された時の原点に戻り、信頼を取り戻す必要がある」と力説し、新興国や発展途上国の指導者から喝采を浴びた。

 あれから15年。世界最高齢(93歳)の首相として再び政界に返り咲いたマハティール氏は、今月28日に再び、ニューヨークで開催の国連総会の演壇に立つ。

 5月に政権交代を果たして以後、初の欧米への外遊となる。米国(ニューヨーク)訪問後、30日には旧宗主国・英国(ロンドン)入りする。テレサ・メイ首相とは、国連総会時に首脳会談を行う予定だ。  

 マハティール氏は国連では、新生マレーシアの外交方針を発表する(マレーシア政府筋)。

 9月11日の米国同時多発テロの追悼覚めやらぬニューヨークで、平和的解決による世界的繁栄を訴える中、国連改革の推進を訴える。

 「拒否権を誇示する国連安保理常任理事国などの大国主義の再考」

 「途上国のアフリカ諸国との連携」

 「経済貿易の保護主義を否定。トランプ政権のアメリカ・ファーストやアジア軽視を牽制」

 さらには、「中国などの新植民地主義に警笛」を鳴らし、経済で台頭するアジア的価値観の重要性についても言及するとみられる。

 実は、マハティール氏はこうした国際的な表舞台だけではなく、22年間の首相時代とともに、2003年10月の引退後も、積極的に「裏舞台」でも世界情勢への提言や苦言を世界の指導者に発信続けてきた。

マハティール首相と世界の指導者との書簡を集大成した「ドクターMより:世界のリーダーへの書簡」
 中でも世界のリーダーに向けた私信(書簡)が、影響力を強く発揮してきたといえる。

 その書簡で最も多いのが超大国の米国との指導者たちとのやりとりだ。

 『ドクターMより:世界のリーダーへの書簡』(2012年、2015年発刊。写真添付)にまとめられた書籍の中では、米国を含めた世界のリーダーとの何千通にもなる書簡から厳選されたものが紹介されている。

 象徴的な書簡のやり取りは、コフィ・アナン元事務総長が人生最大の後悔と悔やんだイラク戦争や米国のアフガン軍事介入などで、平和的解決で紛争や戦争を回避するべきと主張するマハティール氏の訴えと願いが込められたものだ。

 前任の首相時代から(1981〜2003年)核の再処理や廃棄物問題など、原子力の人類への脅威を理由に、「反原発」を長年一貫して主張し、米国による日本の原爆投下を厳しく非難。

 ハスマ夫人と何度も長崎や広島の平和記念式典に出席している同氏が、人生を通して、訴えてきたのが、恒久的な世界平和だ。

 英国の統治下で多感な少年期を過ごし、悲惨な戦争体験を身にしみて味わってきたからこそ、主権国家として平和を統治することの重要性を痛感しているからともいえる。

 実際、英国領土であった植民地下のマレーシアでは、英国人を「マスター」(雇い主、主人)に相当する「トゥアン」(マレー語)と呼ばなければならなかった。

 マレー人は常に英国人に見下されたが、「私は決して『マスター』とは呼ばなかった。自分の国では自分がマスターであるべきだからだ」と述懐する。

 とりわけ、世界の覇権を一手に掌握する米国が介入する戦争への苦言に容赦はない。

 「米国の大統領が第三世界の指導者の苦言に耳を傾けるとは思えないが・・・」と前置きしたうえでイラクへの軍事介入を示唆するジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)に書簡を送った。

 「サダム・フセインの大量化学兵器密造の国連による立証がなされなかったにもかかわらず、戦争に突入する意味は全くなく、何の解決にもならない」

 「最も重要なのは、互いの憎しみと怒りを取り払うことで、それが最大の解決策だ。軍事介入は何の解決をももたらさないどころか、新たな憎しみを助長する」

 これに対して、ブッシュ氏は「軍事介入しなければ、米国民の安全、ひいては国際社会が危険にさらされる」とマハティール氏に往簡したという。

 また、9月11日の米国同時多発テロ直後の2001年10月には、アルカイダの指導者、オサマ・ビン・ラディン容疑者の大捜索戦に銘打ったアフガンへの軍事介入に対しても、「軍事介入は悲劇をもたらすだけ」とブッシュ氏に書簡を送っている。

 マハティール氏は、ビル・クリントン大統領(当時)にもボスニア紛争で同様の書簡を送っている。

 また、バラク・オバマ大統領就任直前にも、アフガン戦争に対して「私はあなたの有権者ではないが、あなたの言動行動は、私や私の国に多大な影響を及ぼす」として、戦争を避けるよう忠告している。

 「米国人は今や世界で最も嫌われている、欧州人からもだ。世界から称賛される国は、植民地支配から撤退する国と指導者だ」

 こうした書簡の効果があったのか、のちに米国は国内からも批判が上がった泥沼の戦いに終止符を打つことになった。

 ここで、マハティール氏が小国であっても大国に物申す彼独自の世界観を描いた演説の一端を紹介したい。

 「日本なかりせば」

 マハティール氏が1992年10月、香港で開催された「欧州・東アジア経済フォーラム」での演説だ。

 「日本の存在しない世界を想像してみたらいい。もし、『日本なかりせば』、欧州と米国が世界の工業国を支配していたい違いない」

 「欧米が基準と価格を決め、欧米だけにしか製造できない製品を買うため、世界中の国はその価格を押しつけられていただろう」

 「貧しい南側諸国が輸出する原材料価格は、買い手が北側のヨーロッパ諸国だけなので最低水準に固定。その結果、市場での南側諸国の立場は弱まる」

「多国籍企業が安い労働力を求め南側の国々に投資したのは、日本と競争せざるを得なかったからだ。日本との競争がなければ、南側・開発途上国への投資や経済発展はなかった」

 「日本と日本の成功体験がなければ、東アジア諸国は模範にすべきものがなかっただろう。欧州が開発・完成させた産業分野では、自分たちは太刀打ちできないと信じ続けていただろう」

 「もし、『日本なかりせば』、世界は全く違う様相を呈していたに違いない。富める北側は淀みなく富み、貧しい南側は淀みなく貧しくなっていただろう」

 「北側の欧州が、世界を永遠に支配し、マレーシアのような国は、ゴムを育て、スズを掘り、それを富める工業国の顧客の言い値で売り続けていたに違いない」

 冒頭のこの演説から、白人(white manとマハティール氏は記述)の政府関係者が憤慨して、プンプン顔を赤らげ、退席していったという。

 マハティール氏はアジア通貨危機でも、IMF(国際通貨基金)からの支援申し出を断り、通貨取引を規制した。

 欧米諸国やメディアは「自由市場を冒涜する無知な指導者」と批判。しかし、のちに、世銀やIMFはマハティール氏の固定相場制導入を評価した。

 その後に起こったロシア経済危機では、米国の投機家が損失を出すと、米国政府が巨額資金で救済する事態となった。

 これを見て、西側諸国は通貨取引安定化のため監督強化を図った。マハティール氏に“追随”したわけだ。

 民主選挙で選ばれながら、欧米諸国やメディアからは「独裁者」と叩かれ続けた。しかし、独自の政策でマレーシアを東南アジアの「ハリマオ(マレー語で『虎』)」に育てたマハティール氏を「鉄の女」サッチャー元英国首相は「アジアの歴史を代表する宰相」にの筆頭に挙げた。

 首相に返り咲いたマハティール氏は中国に続き、今回の西側への外遊で再び、大国に「耳の痛い訓示」を浴びせるだろう。

 「マハティールなかりせば」

 国際社会でのアジアのプレゼンスは、今よりはるかに弱いものになっていたのではないだろうか。

(取材・文 末永 恵)

 
ザンビアに忍び寄る新たな債務危機 危機の背後に中国の影、他のアフリカ諸国への警鐘
2018.9.21(金) The Economist

ランキング一覧
(英エコノミスト誌 2018年9月15日号)

熱帯農業科学技術協力了解覚書に署名した中国熱帯農業科学院とザンビア開発庁(撮影日不明)。(c)新華社/劉ケ〔AFPBB News〕
政治の腐敗と低利のローンは危険な組み合わせだ。
 ザンビアの首都ルサカでは、自動車が普段にも増してゆっくり走っている。あちこちに隠されたスピード違反取り締まりカメラにドライバーが怯えているためだ。
 ザンビア政府は資金難に陥っており、そのためスピード違反者が高額な罰金をふっかけられている。
 政府はこれ以外にも、井戸やインターネット電話、さらには天気予報にまで課税すると発表している。
 「一般庶民にしわ寄せが来ている」
 タクシー運転手のジョン・フィリさんはこうこぼす。「どれもこれも、政府がカネを借りすぎたせいだよ」
 街角の不安は市場にも反映されている。
 ブルームバーグ・バークレイズ新興国国債インデックスという指数を見ると、組み入れられている75カ国の国債のうち、2018年に入ってからザンビアほど値下がりしている銘柄は存在しない(図参照)。



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/898.html#c1

[政治・選挙・NHK250] ふるさと納税が時代に逆行する「規制強化」された理由 ふるさと納税は日本人の崇高な「寄付精神」を破壊する うまき
2. 2018年9月21日 07:28:40 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1482]
ふるさと納税の見直しは「愚策」総務省にとっては「目の上のたんこぶ」に
磯山友幸の「政策ウラ読み」


2018年9月21日(金)
磯山 友幸


高額の返礼品を用意する自治体を規制する動きが加速する(写真:PIXTA)
野田聖子総務相が制度見直しを表明
 野田聖子総務相が9月11日の記者会見で表明した「ふるさと納税」の制度見直し方針が、大きな波紋を呼んでいる。

 「ふるさと納税制度は存続の危機にあります。このまま一部の地方団体による突出した対応が続けば、ふるさと納税に対するイメージが傷ついて、制度そのものが否定されるという不幸な結果を招くことになりかねません」

 野田総務相はこう述べて、制度見直しの必要性を強調した。

 野田氏が言う「突出した対応」というのは、一部の自治体が高額の返礼品を用意することで、巨額のふるさと納税(寄付金)を集めていること。昨年度に寄付受け入れ額トップに躍り出た大阪府泉佐野市は特設のふるさと納税サイトを設け、約1000種類もの返礼品を取りそろえ、135億円もの寄付を集めた。前年度に比べて100億円も増加した。

 あたかも通信販売サイトのような泉佐野の返礼品サイトが人気を集めたのは、「泉州タオル」などの地場製品に限らず、近江牛や新潟産のコメ、北海道のいくら、ウナギなど全国の逸品を取りそろえたこと。食品だけでなく、ホテルの食事券や航空券が買えるポイント、日用雑貨など様々だ。

 これまでも地元特産の牛肉や海産物、果物などを返礼品としていた自治体が寄付額上位に名を連ねていたが、泉佐野は「地元産」という枠を一気に取り払ったことで、返礼品を求める人たちの寄付を集めたのだ。

 総務省は2017年4月と2018年4月に総務大臣名の通達を出し、寄付金に対する返礼品の調達額の割合を3割以下に抑えることや、地場産品でない返礼品を扱わないよう自治体に「通知」してきた。ところが、要請に応じないどころか、泉佐野のように「開き直る」ところまで出てきたことで、いよいよ規制に乗り出すことにした、というわけだ。

 野田氏は会見で「これまでと同様に見直し要請を行うだけでは自発的な見直しが期待できない状況」だとして、「過度な返礼品を送付し、制度の趣旨を歪めているような団体については、ふるさと納税の対象外にすることもできるよう、制度の見直しを検討する」としたのだ。

 これに対して、地方自治体からは反発する声が上がっている。自治体が疑問視するのは、「調達額3割」の妥当性や、「地場産品」の定義である。

「地場産品」の定義はどうなる?
 調達額3割については、自治体がふるさと納税の返礼品用に地場産品を買い上げることで、産業振興につながっているのに、なぜ3割とするのか。寄付という税収の使い道を総務省がとやかく言うのは、そもそも地方自治の本旨に反するのではないか、というわけだ。

 また、「地場産品」についてはその定義をどうするのか、という問題もある。地元に工場がある大手電機メーカーの製品は地場製品なのか、最終製品は米国製の電話機かもしれないが、その部品は地場の工場で作っている、といった主張もある。また、牛肉やうなぎなどでも、途中までは他地域や外国で育ったものもある。

 総務省が一律に基準を押し付け、それに従わない自治体は制度から除外するという「上から目線」のやり方に反発する声も多い。

 総務省はかねてから高額返礼品への批判を繰り返してきた。それがここへ来て強硬手段をちらつかせるようになったのには、明らかに総務省としての事情がある。

 ふるさと納税の受け入れ額は2017年度で3653億円。2014年度は388億円だったので、この3年で10倍近くになった。ふるさと納税は2008年に導入されたが、時の総務大臣は菅義偉・現官房長官。菅氏の後押しで実現したが、当初から総務省自体は導入に消極的だったとされる。

 ふるさと納税の発想の根源は、東京に一極集中している税収を地方に分散させることにある。東京に住んで働く人が自らの意思でふるさとに税の一部を納めるというものだった。最終的には寄付という形が取られたが、税収を納税者の意思で移動させることができると言う点では、当初の発想どおりになった。

 もともと地域間の税収格差を調整する仕組みとして、地方交付税交付金制度がある。この分配は総務省が握っており、これが総務省が地方をコントロールする権益になっているのは間違いない事実だ。ふるさと納税で、納税者の意思が税収再分配に反映されるようになると、もともとの総務省の利権に穴が開く。

 2008年にふるさと納税が導入された年はわずか81億円で、15兆円を超える地方交付税交付金からすれば微々たる金額だった。それが急激な伸びで無視できない存在になってきたのだ。2016年度の地方税収は39兆3924億円で、仮におおむねの上限とされる2割がふるさと納税で動いたとして8兆円になる。それから比べれば昨年の3653億円はまだまだごく一部ということだが、返礼品競争が激しさを増し、納税者の関心をひくことになれば、さらに爆発的にふるさと納税が増えることになる。そんな危機感を総務省は持っているのだろう。

地方の消費を下支えする効果は無視できない
 では、本当に通達に従わない自治体を対象から除外するような立法が可能なのだろうか。仮に一部の自治体への寄付を控除対象として認めないとした場合、寄付する納税者の側に大混乱をもたらすに違いない。また「3割」や「地場産品」といったルールの具体的な基準を明記しないと、法律としては成り立たないだろう。

 総務省は今回の「警告」によって多くの自治体が3割以下に返礼品の調達額を抑えたり、地場産品でないものの取り扱いを止めることを期待しているに違いない。11月に再度の調査を行うとしており、それまでに改善されれば、法改正の動きは立ち消えになるかもしれない。10月には内閣改造も予想されており、野田総務相の交代も噂される。

 結局は、自治体に自制を促すための「警告」にとどまり、ふるさと納税の仕組みが大きく変わることはないだろう。

 ただし、一方で、納税する側の意識変革も必要になるかもしれない。このふるさと納税が本当にその自治体を応援することになるのか、返礼品が魅力的かどうかだけでなく、税の使われ方として正しいかどうかも重要な判断基準にすべきだろう。

 もっとも、高額返礼品人気は、低迷している地方の消費を下支えする効果があることも忘れてはいけない。その自治体に住んでいない人が返礼品を目的に寄付をすることで、その地域内で返礼品が買い上げられ、地域の「消費」が上向くことになる。一種の「インバウンド消費」である。

 消費を盛り上げるために、むしろ返礼品の金額を引き上げて、地域での購入額を積み増すのも景気対策として意味があるのではないか。いったん税金として集めてそれを産業振興予算や景気対策などに配るよりも、ふるさと納税(寄付)というすぐに現金が入ってくるものを、地場の産業に回した方が即効性がある、とみることもできる。しかも、首長や議会などが補助金の助成先を決めるよりも、返礼品として人気のある商品の企業に直接恩恵が及ぶ方が、競争原理が働き、地域活性化に役立つとも考えられる。

 災害が多発する中で、ふるさと納税の仕組みを活用して被災地を支援する取り組みも広がっている。そうしたふるさと納税には返礼品はなしというものも多い。返礼品がなくても、税金(寄付金)の使われ方が明確なものに対しては、応援しようと言う納税者も増えているということだろう。

 ふるさと納税を巡る論議を、税金の使われ方をどう透明化し、そこに納税者の意思をどうやって反映させるかを考えるきっかけにすべきだろう。分配権限を握る総務省にとっては、ますますふるさと納税は目の上のたんこぶになっていくに違いない。


このコラムについて
磯山友幸の「政策ウラ読み」
重要な政策を担う政治家や政策人に登場いただき、政策の焦点やポイントに切り込みます。政局にばかり目が行きがちな政治ニュース、日々の動きに振り回されがちな経済ニュースの真ん中で抜け落ちている「政治経済」の本質に迫ります。(隔週掲載)

http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/881.html#c2

[経世済民128] 日本人は地方を見捨てるのか。2024年、少子高齢化で認知症が這い回る地獄絵図となる うまき
1. 2018年9月23日 07:26:06 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1483]

日本は超少子高齢化と社会の成熟化によるマイナス効果がある上に

環境破壊、地球温暖化による災害激化や、極東の安全保障の悪化、そして世界の保護主義化による経済停滞が加わるのだから

非効率な社会保障とインフラコストの増大を放置している限り
地方の崩壊の次は、当然、大都市部の崩壊が始まる

現実には、地方の崩壊を、食い止めるために大都市部への課税は強化されるから
日本全体が共倒れとなっていく可能性が最も高い


大都市部の住人の無関心を非難して、さらに負担を押し付けようとしてもあまり意味はなく

条件を決めて安楽死を法制化し、地方インフラの停止と、豪雪部など高コストエリアの人口の都市部への集約など

現実的な政策を、きちんと行うことだ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/560.html#c1

[経世済民128] 安倍のゾンビ政治に誑かされている日本人に覚醒させるための天命が下った 浦島
2. 2018年9月23日 08:03:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1484]

>経済学は詐術や弁解の一種だと断言して、経済学などは無用な存在であり、カネ儲けをする詐欺の道具に過ぎない

浜みたいなメディア芸人を見ていると、そう思うのも不思議ではないが

先端の定量経済学は、どんどん自然科学に近づいている


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/553.html#c2

[経世済民128] アマゾンに楽天が"一生追いつけない"理由 ビジネスモデルの差が成長力の差に(PRESIDENT Online) 赤かぶ
1. 2018年9月25日 21:54:07 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1485]
巨人アマゾン、「大きすぎる」は罪ではない
反トラスト法が罰するのは商慣行であって規模ではない

ワシントンのエコノミック・クラブ主催のイベントが行われたホテルの外でアマゾンに抗議する人々(13日) PHOTO: CLIFF OWEN/ASSOCIATED PRESS
By
John D. Stoll
2018 年 9 月 25 日 08:48 JST 更新
――筆者のジョン・D・ストールはWSJのビジネスコラムニスト
***
 米アマゾン・ドット・コムの時価総額は1兆ドル(約110兆円)に達し、世界一の富豪が経営のトップに立つ。新進気鋭の法律専門家からドナルド・トランプ米大統領にいたるまで、アマゾンに批判的な向きは、同社がその巨大さを武器に不当に競争をつぶしていると指摘する。アマゾンを解体すべき時期なのだろうか? 
 アマゾンの巨大さの問題は、過去1週間だけでも何度か浮上した。17日には、シティリサーチが顧客向けノートで、アマゾンは反トラスト当局による追及を逃れるために、二分割すべきだと指摘した。その2日後には、欧州連合(EU)の反トラスト当局が、アマゾンのマーケットプレイス(仮想商店街)の出店業者を不当に扱っていないか、予備調査を開始すると明らかにした。
 アマゾンはネット小売りで独占的な地位を占め、クラウドコンピューティング事業でも、一部では収益性を犠牲にした低価格戦略で、有利な立場を築いている。だがアマゾンがここまで上り詰めるのに、法に違反しただろうか? 会社分割は本当に、アマゾンや競合相手、そして消費者により良い結果をもたらすだろうか?
 「単に大きいという理由で、企業を罰することはない。問題視するのはその行動だ」。こう指摘するのはミシガン大学のダニエル・クレーン教授(法律学)だ。独占禁止法の専門家の多くは、1970年代以降の反トラスト当局の対応は、消費者が企業から不当にだまし取られることがないようにするのが主眼であり、アマゾンがこうした行為を行っている証拠を見つけることは困難だと話す。
専門家がよく引き合いに出すのが、2004年の「ベライゾン対トリンコ」訴訟の判決で故アントニン・スカリア最高裁判事が示した意見だ。この裁判では、ベライゾンに対し、同社の通話網への競合のアクセスを認めるよう義務づけるべきかどうかが争われた。スカリア氏は「単に独占的な権力を保有している、またはそれに伴う独占的な価格設定を行うことは違法ではないだけでなく、それは自由市場制度における重要な要素だ」と指摘した。つまり、独占者であること自体は犯罪ではなく、その権力を乱用することが罪なのだ。スカリア氏によると、健全な独占は、革新や経済成長をもたらす「リスクテーク」を促すとしている。

エコノミック・クラブ主催のイベントで話すアマゾンのジェフ・ベゾスCEO(13日)PHOTO: SAUL LOEB/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
 消費者もこれに異論はないだろう。ホールフーズがアマゾンに買収されて以降、ランチミート(サンドイッチ用ハムなど加工肉)は以前より手頃になった。小売り世界最大手ウォルマートは、アマゾンの台頭により、顧客サービスの改善を進めている。多くの企業がアマゾン・ウェブ・サービスの価格競争力を弱めようと取り組む中で、クラウドのサービス料金も下がった。
 だがそれでも、法律専門家や規制当局の間では、既存の反トラスト法は、アマゾンなどハイテク大手による桁外れの影響力を想定していなかったとして懸念がくすぶっている。既存の反トラスト法が、目まぐるしいスピードで変化する米国のビジネス環境に十分対応できるのか疑問視されているのだ。
 はるか昔、米国の反トラスト法は、ルイス・ブランダイス最高裁判事が名付けた「巨大さの呪い」の原則に準拠してきた。少数の企業が株式相場を支配するとともに、複数の産業で市場シェアを大きく伸ばし、不均衡なほどの雇用を生み出す中で、新星の学者らは、一握りの企業や銀行が過度な権力を付与することを危惧したブランダイス氏の主張に再び注目している。
 コロンビア大学のティモシー・ウー法学教授は「巨大さと過剰なまでの集中に対する戦いはどこかで失われた」と語る。ウー氏はアマゾンのようなメガ企業が、資本は足りないが、素晴らしいビジネスアイデアを持った小規模な競合相手を閉め出しかねないと懸念する。「われわれはどのような経済を望むのか決断する必要がある」
 だが前出のクレーン氏は、当局がハイテク企業のビジネスに効果的に介入できるほど、テクノロジーに関する専門知識を備えているかは不明だと述べる。
 アマゾンは実店舗という観点から見ると、なお小規模な存在だ。消費財の9割以上は、まだ実店舗で販売されている。だが、ユーロモニター・インターナショナルによると、アマゾンは昨年の米国の電子商取引市場で45%を占めており、入手した膨大な顧客データにより、価格設定などの商慣行で、アマゾンは不当に優位な立場を確保しているとの批判が出ている。
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 アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は最近、ワシントンのエコノミック・クラブが主催したイベントで、同社に対しては当局からの監視の目が強まるとの見方を示した。「巨大組織はすべて精査・監視されるだろうし、そうなるべき」と述べた。
 だが、資本力のある多国籍企業の存在により世界はより豊かになるとの考えを表明。iPhone(アイフォーン)があるのはアップルのおかげであり、最新鋭の飛行機に乗れるのはボーイングのおかげだとし、「巨大企業にしかできないことがある」と話した。
 さらに、新たな反トラスト規制による制約を受けても、俊敏に対応できると主張。「想定しうるあらゆる規制の下でも、顧客はなお低価格や迅速な配送、多彩な商品展開を求める」と述べた。
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/585.html#c1

[経世済民128] 米中貿易戦争:中国のLNG関税で米エネルギー産業に打撃(ニューズウィーク) :国際板リンク  赤かぶ
1. 2018年9月25日 22:15:48 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1486]
中国:貿易協議の再開は米国次第−米政府は誠意示す必要
Bloomberg News
2018年9月25日 15:41 JST
EUと日本、ロシア、ASEANとの協力を強化へ
中国商務省の王、傅両次官と発改委の連副主任が記者会見で述べた
中国は25日、貿易紛争を巡り米国と話し合うことについてオープンだと表明した上で、同国が誠意を示し、中国政府の喉元にナイフを突き付けることはやめるよう呼び掛けた。

  商務省の王受文次官は北京での記者会見で、2国間の貿易協議中断には米国が課した通商面での制約に責任があり、協議再開は米国次第だと述べた。両国はこれまで4回の協議で一定のコンセンサスに達していたが、米国が一度合意したことを後退させている理由は中国側には分からないとも語った。

  同省で通商交渉を担当する傅自応次官は同じ記者会見で、貿易協議のために中国が自国経済を発展させる権利を犠牲にすることはないと明言。中国が経済の針路を反転させることはないが、改革は深めていくと説明した。

  国家発展改革委員会(発改委)の連維良副主任は同会見で、中国経済は強靱(きょうじん)で、貿易紛争のリスクに持ちこたえられると主張。米国との貿易摩擦の影響に対抗するため、中国は国内消費と投資を増やし、民間の企業景況感を改善させるほか、欧州連合(EU)と日本、ロシア、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との協力を強化すると語った。

  傅次官は米中両国が貿易を巡り対立するのは一般的なことだが、両国共通の利益は問題となっている部分よりずっと大きいと指摘。

  王次官は中国が外国企業に対して技術移転を強要しているとの米主張についての質問に対し、中国政府にそのようなことを義務づける政策はないが、中国で本土企業との合弁に参加する際に一部のセクターで外国企業にそうしたことを義務化する権利があり、これは先進国でも同様で、世界貿易機関(WTO)のルールで認められていると話した。

原題:China Open to U.S. Talks, But Not With Knife at Its Throat(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-25/PFLLDG6KLVR401

 


 

米中の通商対立は関税合戦で本格化ー双方譲らず長期戦の構え
Andrew Mayeda、Enda Curran
2018年9月25日 14:17 JST
• 24日に米中が互いの製品に追加関税発動、米株式相場は下落
• 中国は今週のワシントンでの貿易協議を取りやめ

Containers sit stacked next to gantry cranes at the Yangshan Deep Water Port in Shanghai, China.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
世界1、2位の経済規模を誇る米中両国が長期で激しくなる恐れがある貿易戦争への備えを固めている。久しぶりに好調となった世界経済は米中貿易戦争の悪影響を乗り切れるか試されることになる。
  トランプ米政権は米東部時間24日午前0時(日本時間同日午後1時)すぎ、通商法301条に基づき中国による知的財産権の侵害に対抗する制裁関税の第3弾として、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆5600億円)相当を対象とする10%の追加関税を発動した。中国は直ちに米国製品600億ドル相当に関税を課す報復措置を取った。事情に詳しい複数の関係者によると、中国は今週予定されていたワシントンでの貿易協議を取りやめた。中国指導部の間では、本格的な米中貿易協議は11月の米中間選挙後までは不可能という見方が強まっているという。
MBMGグループの共同創業者兼マネジングパートナー、ポール・ギャンブル氏が米中貿易摩擦についてコメント
デイブレイク:中東。」(出所:ブルームバーグ)
  24日の米株式相場は、米中貿易戦争の長期化という現実に直面し下落した。
  
  中国の王受文商務次官は25日に北京で記者団に対し、協議再開時期は完全に米国次第だと指摘。米国側の輸入制限が協議を失速させており、中国はナイフをのどに突き付けられた状態で交渉を行うことはないと述べた。
  同じ記者会見で国家発展改革委員会(発改委)の連維良副主任は、中国が米国との貿易紛争の影響を打ち消すことができると述べ、内需や投資を拡大し、企業景況感の改善を図る考えを表明した。
  トランプ米大統領は経済界首脳やエコノミストの警鐘をよそに、不公正な貿易慣行や米知的財産権の悪用に対処するため中国に立ち向かう計画から一歩も引かない構えだ。中国の習近平国家主席は米国の関税措置に屈しない姿勢で、中国経済への打撃を緩和する景気刺激策を準備している。
  フィッチ・レーティングスは世界見通しに関する最新リポートで、米中は激しさを増す非難の応酬から、世界経済に打撃を与える行動へと移りつつあると指摘。フィッチのチーフエコノミスト、ブライアン・コールトン氏はリポートに「貿易戦争はいまや現実となった」と記した。フィッチは2019年の世界成長見通しを0.1ポイント引き下げ3.1%とし、さらなる下振れリスクがあると警告した。
  対中関税第3弾の対象品目は冷凍肉からテレビ部品に至るまで多岐にわたる。トランプ大統領は中国が報復措置を講じればさらに2670億ドル相当の中国製品への新たな関税を実施すると警告している。この警告が実行に移されれば、昨年の中国からの輸入額の全てが対象となるため、多国籍企業のサプライチェーンを動揺させかねない。
Shots Fired
U.S.-China trade war is intensifying, based on imposed and threatened tariffs

Source: U.S. Census Bureau and Bloomberg
原題:Trade War Reality Sets In as U.S and China Stick to Their Guns(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-25/PFLH876JIJUU01?srnd=cojp-v2


 


 
米農家に他の貿易交渉への楽観的見方広がる、米韓FTA調印受け
Shruti Date Singh
2018年9月25日 12:48 JST
韓国の昨年の米農産物輸入高は約7800億円
米韓FTA調印は朗報だと米農業連合会のデュバル会長
米韓首脳が24日、見直し交渉後に合意に達した自由貿易協定(FTA)に調印したことを受け、米農産物の輸出市場が閉ざされることはなく、むしろ拡大する可能性があるとの楽観的見方が強まった。

  輸出市場、特に中国が閉ざされれば、トウモロコシや大豆、牛肉、豚肉、鶏肉の供給増大による低価格の影響が悪化すると懸念していた米国の農家にとって、米韓FTA調印は朗報となった。

  米農業連合会(AFBF)によれば、昨年の韓国の米農産物輸入高は69億ドル(約7800億円)と、米国にとって6番目の輸出市場。米韓FTAが後押しし、韓国市場は米国産牛肉の輸入で日本に次ぐ2番目の規模となった。

  AFBFのジッピー・デュバル会長は24日の発表資料で、「米農業経済が振るわない中、韓国とのFTAの改定は待ち望んでいた朗報であり、連合会に加盟する農家や牧場経営者の助けになる」と指摘。「農産物の輸出市場確保が極めて重要であり、われわれは米政府に対し、他の貿易協定も締結するよう引き続き促す」と述べた。

  同会長が言及した他の貿易協定には、対中国、メキシコ、カナダのほか、トランプ大統領が離脱を決めた環太平洋連携協定(TPP)への復帰の取り組みも含まれる。

原題:New U.S.-South Korea Pact Spurs Hopes for Nafta, China Deals(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-25/PFLBW16JIJUY01?srnd=cojp-v2


 

 

中国の消費は減速しているのか?

2017年「独身の日」後の物流センター(11月3日、山東省済南市) PHOTO: CHINA STRINGER NETWORK/REUTERS
By
Nathaniel Taplin
2018 年 9 月 25 日 11:04 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 中国の電子商取引最大手のアリババグループが始めた年に1度の買い物イベント、11月11日の「独身の日」セールがいよいよ6週間後に迫っている。ところが、現地のチャットルームは中国の「消費降級」の話題で盛り上がっている。 この数年間、アナリストは中国の消費者層の台頭とその旺盛な需要に応える企業を大いにはやし立ててきたが、投資家は懸念すべきなのか。
 「降級」という言葉が示唆するほど深刻ではないが、やはり懸念するべきだろう。中国の消費者はいくつかの痛みに直面しようとしている。米国との貿易戦争によって労働集約型の輸出セクターは打撃を受ける可能性が高く、自動車のようなセクターは税制優遇措置が失効したことで苦戦してきた。それでも最近は、中国の労働市場が実際に好転してきた。家計債務の増加ペースは過去2年間よりも減速しており、消費に使える所得が増えているということにもなる。
緩やかな減速 Source: CEIC*

Average of manufacturing and nonmanufacturing employment PMIs, with 10 set to boundarybetween contraction or expansion on the month.

 2017年の消費と小売売上高が軟調だった理由の1つに、都市部の賃金上昇が加速したにもかかわらず、中国の消費者がかなり無謀な借り入れをしたということが挙げられる。しかもその多くは中国政府によって奨励された住宅ローンである。2016年と2017年には家計債務が国内総生産(GDP)比で10%も増えた。
 それは引き続き増加しているが、ペースは劇的に鈍化している。6月末時点の消費者ローン残高は前年同月比でGDPの3%相当しか増えておらず、それ以前の12カ月間の半分のペースとなっている。つまり、中国の家計には個人の自由裁量で品物を購入するための所得が残るはずで、第2四半期には消費がわずかに増加した。とはいえ、サービスへの支出を除く小売売上高はまださほど増加していない。
 不動産セクターが引き続き堅調なこともあり、中国の労働市場も驚くほどよく持ちこたえている。中国の購買担当者指数によると、サービス、建設関連の企業は8月に21カ月ぶりの速いペースで従業員を増やしたという。製造業者は依然として人員を削減しているが、そのペースは2017年初以来で最も遅くなっている。2018年の終わりには、雇用状況の改善によって小売売上高と消費全般のある程度の回復が促される可能性がある。
 しかし、来年にはさらに厄介な状況になるかもしれない。米国による大規模な関税導入の悪影響が実際に出る前から利益の伸びは鈍化している。調査会社ガベカル・ドラゴノミクスによると、最も役に立つ所得の先行指標の1つだという工業部門企業利益(資本集約型の材料セクターを除く)も減少している。利益成長の減速はいずれ賃金成長にも悪影響を及ぼし始めるだろう。
 中国の消費者は今のところ順調だが、中国の消費関連株は年初来で20%下げている。11月の「独身の日」セールによってもたらされる消費の急回復はすぐに過ぎ去ってしまうかもしれない。
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連邦公開市場委員会の見通し広瀬隆雄

更新日時:2018年09月24日00:00
このレポートのまとめ
1. 9月25・26日にFOMCが開催される
2. 今回は0.25%の利上げが予想される
3. 12月にもう一回、0.25%の利上げが予想されている
4. 経済予想サマリーも発表される
5. 大統領からのプレッシャーにパウエル議長がどう応える?
■連邦公開市場委員会
9月25・26日の2日間に渡り連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。
市場は94.4%の確率で米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)が0.25%引き上げられ、2.25%になることを織り込んでいます。

なお、今回が今年最後の利上げではなく、もう一度12月19日に0.25%の利上げがあり、FFレートは2.5%になると市場関係者は見ています。

つまり2018年中は合計4回の利上げがあると見られているのです。
■経済予想サマリー
今回のFOMCではFOMC参加メンバーによる経済予想サマリー(略してSEP)が発表されます。これは俗称「ドットプロット」と呼ばれることもあります。
前回の経済予想サマリーでは2018年のコンセンサスFFレート予想として2.4%が示されました。

つまり冒頭で述べた市場参加者の今年末のFFレート予想である2.5%とほぼ一致しているわけです。
GDP予想に関しては2.8%のコンセンサスが示されました。

今回、この予想数字が動くかどうかに注目したいと思います。
失業率に関しては、FOMCメンバーは今年末3.6%を予想していますが、もうかなり完全雇用に近いので、これ以上、数字は下がりにくいと思います。

もうひとつの注目点としてはPCEコア・インフレがあります。PCEとは個人消費を指します。「コア」とはガソリン代のような変動の激しい品目を除いた数字を指します。

2018年末のコンセンサス予想は2%です。
なおPCEコア・インフレ予想は連邦準備制度理事会(FRB)がとりわけ好んで利用するインフレ指標です。
FRBは長期でのインフレ率を大体2%前後にすることをターゲットとしています。その意味ではほぼターゲットに一致していると言えます。
■トランプ大統領からのプレッシャー
FRBは米大統領ではなく米議会に対して報告責任を負っています。もっと平たい言い方をすればFRBの「上司」は米議会だということです。
これは行政府、すなわち大統領がFRBの采配にいろいろ口出しすることを避け、中央銀行の中立性を守るための工夫です。
しかし直接FRBに対して指図する権限が無いにもかかわらず歴代の大統領の中にはFRBに「金利を低く抑えろ」と注文をつける大統領が散見されました。トランプ大統領もそのひとりです。
このような政治の介入は中央銀行への信認を脅かすことになりかねないので、好ましからざる行為です。
今回のFOMC後に予定されている記者会見でジェイ・パウエルFRB議長がどれだけ独立性を貫く姿勢をアピールするかに注目したいと思います。
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2018年07月30日 今週はキャタピラー、BP、ファイザー、プロクター&ギャンブル、アップル, スクエア、テスラ、シェイクシャック、クラフトハインツが決算発表する

2018年07月23日 今週はアルファベット、ベライゾン、AT&T、フェイスブック、アマゾンなどが決算発表する


広瀬隆雄(ひろせ・たかお)氏
コンテクスチュアル・インベストメンツ マネージング・ディレクター
三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年、投資顧問会社・コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。マネージング・ディレクターとして活躍している。米国企業の動向に精通。米国カリフォルニア州在住。


 


トップニュース2018年9月25日 / 13:05 / 2時間前更新
焦点:米株独り勝ちの時代に幕、利上げでキャッシュの妙味改善
2 分で読む

[ニューヨーク 24 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が25─26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り追加利上げを決めると、米金融市場ではキャッシュの投資妙味がこの約10年間で最も高まり、株式独り勝ちの時代に幕が下りそうだ。

米国株は8月に強気相場が過去最長記録を更新。一方、ジャンク債(高利回り債)を除くほとんどの債券は、金利低下によって利回りがS&P総合500種指数の配当利回りやインフレ率を下回った。このため利回りを求める投資家はインフレ調整後の実質利回りがプラスの株式に向かった。

クレセット・ウェルス・アドバイザーズのジャック・エイブリン最高投資責任者(CIO)は「米金融市場で過去10年間に起こった大きな動きの1つは、債券が代替的な投資先として市場からほぼ完全に姿を消してしまったことだ」と述べた。「歴史的にみて株式投資と債券投資は綱引きを演じてきたが、世界金融危機以降に債券市場は片腕を縛られた状態になっている」という。

しかし、こうした状況は変わるかもしれない。FRBはバランスシート拡張を停止して低金利政策に終止符を打ち、2015年末に利上げを開始。その後債券は徐々に実質利回りがプラスを回復した。

FRBが次回のFOMCで利上げすれば、キャッシュも利回りがプラスに転じるだろう。短期金融市場で幅広い資産の実質利回りがプラスになれば2008年初頭以来だ。

クレセット・ウェルスのエイブリン氏は「(FRBの利上げが)キャッシュの後押しになるのは間違いない。リスク回避も後押しする」と話した。

安全資産でプラスの実質リターンが得られるようになると、リスク資産の投資妙味は薄れる。

クレディ・スイス・グループのアナリスト、ゾルタン・ポザール氏は「安全資産が不足する体制は終わった。今では安全資産が市場にあふれている」と述べた。

半面、株式市場は株価収益率(PER)が17.2倍と長期平均の15倍を上回る状態で追加利上げを迎える。実質金利がマイナスだった3年前や5年前なら、これは逆風ではなかったが、今はやや割高に見受けられる。今年の大型減税の追い風を受けた企業利益の伸びが今後は鈍ると予想されるだけになおさらだ。

トムソン・ロイターのデータによると、S&P500種構成企業の利益の伸びは今年が23.2%とサイクルのピークで、来年は10.2%に鈍化する見通し。

ブルダーマン・アセット・マネジメントの首席市場ストラテジスト、オリバー・プルシェ氏は「利益の伸びが金利を上回っている限り、株式は好調だ。利益の伸びが金利の上昇に比べて鈍くなると、厄介なことになる」と述べた。

リッパーの集計によると、19日までの週に株式ミューチュアル・ファンドからは差し引き10億ドル超が流出し、13週連続の流出となった。一方で金利上昇リスクのヘッジに利用されるウルトラ・ショート・オブリゲーション・ファンド(USO)には6億1400万ドルが流入して28週連続の流入となり、投資家が償還期間がより短い金融商品に資金を移している様子がうかがえる。

ただ、キャッシュの投資妙味が高まっているとはいえ、株式からすぐに資金が引き揚げられるとアナリストはみていない。

ナティクシスの首席市場ストラテジストのデービッド・ラファーティ氏は「企業利益の伸びと景気に対する楽観的な見方が、利回りの比較で債券の妙味が株式を上回り始めているという考え方に水を差している」と指摘。債券利回りがより妙味を増し、企業業績の見通しが不透明になる来年下半期なって投資家は真の選択を迫られるとみている。
https://jp.reuters.com/article/tech-zaif-idJPKCN1M51D5


 


 


バロンズ】中国マネー、超ハイリスク商品流入の理由
中国の資産運用の市場規模は世界第4位
中国の資産運用の市場規模は世界第4位 PHOTO: MING CHEN
By Crystal Kim
2018 年 9 月 25 日 07:40 JST

? 中国資金が米国のハイリスク商品に流入

 中国でレバレッジドETF(上場投資信託)やインバース型ETFへの関心が高まっている。レバレッジドファンドは短期間でリターンを2〜3倍に増幅させ、インバース型ファンドは特定の市場の下落時に上昇するよう設計されている。

 ETF専門の投資会社ディレクションでマネジングディレクターを務めるシルビア・ジャブロンスキー氏は、「われわれの運用資産のうち、中国由来の資金はおそらく10%に満たないが、これを新しい機会とみている」と述べる。ディレクションはニューヨークに本社を置き、香港に事務所を開設している。

 ボストン・コンサルティング・グループの最近の報告によると、中国の資産運用市場は現在、米国、英国、日本に次いで世界で4番目の規模となっており、運用資産は約4兆2000億ドルで、今後も成長が見込まれている。昨年、世界全体の運用資産は過去10年で最高の伸びを示したが、中国市場の拡大もその要因となっている。

 ETF業界のイベントを開催するインサイドETFの最高経営責任者(CEO)を務めるジョン・スウォルフス氏は、「アジアの投資家、特に中国の投資家は、株式市場を投資よりもギャンブルのツールとして捉え、レバレッジの利いた商品に引かれる傾向がある。エクスポージャーを拡大することで3倍のリターンをもたらすETFは、彼らの興味を引いている」と指摘する。

 中国の需要は、米国で上場している既存のレバレッジの利いたETFに追い風となる可能性がある。スウォルフス氏によると、アジア地域のETF投資のおよそ半分は米国のファンドに直接向かい、約35%が欧州、残りがアジアにとどまる。資金流入は現在それほど大きくないが、今後の市場拡大を前提として注目に価する。

 ジャブロンスキー氏によると、過去2〜3年の間に、米国で上場しているディレクションのレバレッジドETFに対する中国からの投資は2億ドル程度増加している一方、現地で上場している6本のETFへの投資は合計6000万ドルほどしか増加していない。調査会社ETFGIの共同創業者デボラ・ファー氏は、その原因として、6本がいずれもレバレッジの利いたものでもインバース型でもないためと考えている。一方、規制に基づく保有報告書によると、中国本土の機関投資家は、米国で上場されているレバレッジドやインバース型の商品を保有していると同氏は指摘する。

? 熟練したトレーダー以外は投資を避けるべき

 本誌は以前から、レバレッジの利いたファンドやインバース型ファンドに対する注意を促してきた。短期的なヘッジや利益拡大の目的で熟練したトレーダーが使用することは多いが、保有銘柄の毎日の調整作業と複利効果の組み合わせが、莫大(ばくだい)な損失をもたらすこともあるため、長期保有の投資家には適していない。

 ジャブロンスキー氏によると、米中の関税をめぐる一連のニュースやそれへの対応から、ディレクション・デイリーFTSEチャイナ・ブル3XシェアーズETF(YINN)とディレクション・デイリーFTSEベアー3X(YANG)が今年は関心を集めている。実際、この2本は日々のETFパフォーマンスランキングの最上位と最下位に頻繁に登場するが、長期的なパフォーマンスは悲惨なものだ。過去5年間で、ブルETFはベンチマークの5%上昇に対して5%下落、ベアーETFは35%以上下落している。

 市場が急転換するとき、レバレッジの利いた商品の投資家は間違った側に投資していると無一文になる危険性がある。2月5日には、ボラティリティが予想外に急上昇したことから、ベロシティーシェアーズ・デイリー・インバースVIXフューチャーズ・ショート・ターム上場投資証券(ETN)は清算に追い込まれ、プロシェアーズ・ショートVIXショートターム・フューチャーズ(SVXY)はレバレッジ引き下げを強いられた。


 

 

バロンズ】FRBが挑む景気との戦い
FRBのパウエル議長
FRBのパウエル議長 PHOTO: ALEX WONG/GETTY IMAGES
By Randall W. Forsyth
2018 年 9 月 25 日 07:21 JST

? ダウ工業株30種平均が今年1月の過去最高値を更新

 ダウ工業株30種平均(NYダウ)が今年1月の過去最高値を更新し、S&P500指数も引き続き高値を更新している。中国からの2000億ドルの輸入に対する10%の追加関税は実施されたが、税率は予想より低かった。

 貿易摩擦が懸念されたほどには悪化しない状態でドル安傾向が続き、世界の株式市場を押し上げた。貿易交渉に進展がみられてドルがさらに安くなれば、新興国市場の株価を大幅に押し上げる可能性がある。ちなみに中国の上海総合指数は1週間で4%超反発した。

 しかし、米国株式市場を押し上げてきた要因の一つが弱まる可能性がある。 JPモルガン のストラテジストは、米国企業が2018年に4000億〜5000億ドルの海外滞留資金を本国に還流すると予想しており、上半期には既に3300億ドルが還流されている。そのうち、1240億ドルが自社株買い、1330億ドルが債務返済、そしてわずか130億ドルが設備投資に使用されたと、同社は推定している。つまり市場を押し上げている要因はファイナンシャル・エンジニアリングだ。

? 利上げとバランスシート縮小

 今週の連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の25ベーシスポイント(bp)引き上げが見込まれているが、問題はその先だ。これまでは、FOMCメンバーによる金利予想では2019年に25bpずつ3回の利上げとなっていたが、FF金利先物市場は最大でも2回の利上げしか織り込んでいない。

 しかし、大手2行のエコノミストは、利上げサイクルにみられる景気後退を引き起こさずに、米連邦準備制度理事会(FRB)が市場の予想以上に利上げすると予想している。

ゴールドマン・サックス のエコノミストは、コア個人消費支出価格(PCE)指数との関連で、FF金利は2.75〜3.00%まで上昇可能と推定している。現在の水準と比較すると、今週の利上げを含めて25bpずつ4回の利上げを意味している。

 ドイツ銀行のエコノミストは、以前の景気後退に先立つ資本財の余剰、つまり2000〜2001年の景気後退前のITバブルや大不況前の住宅バブルがないことから、FRBは景気を落ち込ませずに減速させられると述べている。

 一方で、パウエル議長が指摘しているように、過去2回の景気後退は金融の余剰によって引き起こされており、今回は債務が問題となっている。金利自体は歴史的低水準にあるが、企業の支払利息は過去最高水準に膨れ上がっている。さらに、FRBがバランスシート縮小のペースを加速させれば、金利の痛みはさらに深刻化する。

 世界の主要中央銀行は世界の金融システムに月間5000億ドルを注ぎ込んできたが、来年早々にはその資金注入が止まることになる。調査会社のマクロメイブンスは、各国中央銀行のバランスシート拡大と足並みをそろえて上昇したS&P500指数のチャートを持ち出して、バランスシート縮小の影響を示唆している。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/584.html#c1

[経世済民128] アマゾンに楽天が"一生追いつけない"理由 ビジネスモデルの差が成長力の差に(PRESIDENT Online) 赤かぶ
2. 2018年9月25日 22:18:17 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1487]
巨大IT企業のビジネスモデル、規制強化必要=報告書
スマートフォン上のフェイスブックのログイン画面

By Deepa Seetharaman
2018 年 9 月 25 日 16:25 JST

 シリコンバレーの巨大ハイテク企業による自主規制は信用できず、一段と規制を強化すべきだとする最新の報告書が24日発表された。競合企業の買収を通じて膨大なユーザーデータを蓄積し続ける手法などに矛先が向けられた。

 この報告書を発表したのは、ワシントンを拠点とする左寄りのシンクタンク、ハーバード大学のショレンスタイン報道・政治・公共政策センター。それによるとデータ乱用防止に向けた最近の同業界の取り組みにもかかわらず、フェイスブックやアルファベット傘下グーグルなどのデジタル広告プラットフォーム企業は、このビジネスモデルを通じて今もユーザーのプライバシーを侵害しており、それが虚偽情報による宣伝キャンペーンの温床になっていると指摘した。

 「われわれは業界の体質を根本的に変える必要がある」。フェイスブックでプライバシー・政策問題を担当したことがあり、現在はショレンスタインセンターの研究員を務めるディパヤン・ゴーシュ氏はこう述べた。

 ゴーシュ氏らは報告書の中で、カリフォルニアのような州単位ではなく(同州は最近、業界が反対する厳しいプライバシー法案を可決した)、連邦政府が規制の主導権を握るべきだと主張した。ハイテク大手の大半は、サービスを消費者に届ける能力などが過度に奪われない限り、良識ある規制を実施することには前向きな姿勢を示している。

 共著者のベン・スコット氏はベンチャーキャピタルのオミダイア・ネットワークで政策・擁護担当ディレクターを務める。両氏は、ユーザーデータ保護のためには、プライバシー法の強化に加え、ハイテク企業が収集できるデータ量の制限が必要だと主張。さらにハイテク企業は収集した情報をどのように広告サービスに利用しているかについて、現在よりもはるかに詳しい情報を開示する必要があるとも述べた。

 具体的な勧告の中には、ハイテク関連の企業合併・買収(M&A)に関する制限をさらに厳しくすることも含まれる。「現代経済においてデータが主要な価値の源泉であるならば、合併審査でもそれを重要な焦点とすべきだ」と報告書は指摘している。

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EU新データ保護規制、グーグルとFBに追い風か
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/585.html#c2

[経世済民128] ブレグジットに「血のにおい」、ポンド売り持ち拡大か うまき
1. 2018年9月25日 22:32:30 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1488]
秋の暴落は本当か、株式市場と季節の関係を解く
季節が夏から秋に移ると樹木が紅葉するように人々の行動も変わる

https://si.wsj.net/public/resources/images/OG-BU088_201809_G_20180921184511.gif 
季節が夏から秋に移ると樹木が紅葉するように人々の行動も変わる ILLUSTRATION:ALEX NABAUM
By
Jason Zweig
2018 年 9 月 22 日 13:26 JST
――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト
***
 毎年、夏の終わりが近づいてくると、オオカバマダラ(渡りをするチョウとして有名)はメキシコを目指し、渡り鳥は越冬のために南に向かって旅立ち、金融の専門家は米株式市場の暴落が迫っていると予想する。9月と10月は株式にとって最も不吉な月という昔からの俗説に正当性はあるのだろうか。
 その答えはイエスでもありノーでもあるが、概ねノーだ。
 ウォール街の過去最大級の暴落の一部は確かに9月と10月に起きている。
 1869年9月24日、最初のブラックフライデーには金の価格が約20%急落し、株式市場も暴落した。
 1873年9月18日には投資銀行ジェイ・クック・アンド・カンパニーが支払いを停止したことで銀行の破綻が相次ぎ、米国史に残る大恐慌の1つが引き起こされた。
 1907年10月16日には銅鉱山会社株の買い占め失敗があり、ニューヨークの大手銀の一部で取り付け騒ぎがあるなどパニックが起こったが、J・P・モルガン氏が個人的に介入したことでようやく収束した。この出来事が契機となり、米連邦準備制度理事会(FRB)が創設された。
 1929年10月28日のブラックマンデーには、ダウ工業株平均が12.8%暴落し、世界大恐慌の発端となった。
 1987年10月19日、ダウ工業株30種平均が1日の下げ幅として最大の22.6%を記録した。
 2008年9月15日、リーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融危機という暗黒の日々の到来を告げた。
 これは運命なのだろうか、それとも単なる不規則変動なのか。
 資産価格の歴史を研究しているロチェスター大学の金融学教授、ウィリアム・シュワート氏によると、9月の平均リターンは他のどの月よりも低いという。最も古い広範な市場のデータが残っている1834年から2018年までの期間で、平均リターンがマイナス圏(具体的にはマイナス0.4%)に入っている月は9月だけである。
1946年〜2018年の平均リターン(月別)Source: G. William Schwert, University of Rochester

 しかし、月別の差は小さいため、9月の比較的低い過去平均リターンを深読みし過ぎるべきではないとシュワート教授は注意を促している。
 長期的に見て平均リターンが最も高いのは12月で約1.4%、次に高いのが1月の1.2%となっている。ところがこうした変動に「経済的な重要性はあまりない」とシュワート教授は話す。
 10月に関しては、1834年からの平均リターンが0.4%とプラスになっている。2002年以来だと10月の平均リターンは1.6%で3番目に好調な月となっている。2008年10月にはS&P500種指数がその価値の5分の1近くを失ったにもかかわらずである。
 従って投資家の9月と10月に対する不安は証拠よりも心理学者が「利用可能性ヒューリスティック」と呼ぶもの(ある出来事が起きる可能性を生々しい例をいかに簡単に思い出すことができるかで判断するという人間の傾向)に基づいているのだ。2008年10月の大きな損失についてはなかなか忘れられるものではない。その一方で2015年10月の7%、2011年10月の11%といったまずまずのリターンを思い出すのは難しいのだ。
 とはいえ、この時期になると投資家はより心配する傾向にあるかもしれない。研究者は多くの独立した研究で、季節が夏から秋に移り変わると、樹木が紅葉するように人々の行動も変わるということを発見してきた。日照時間が徐々に短くなると、脳内化学物質が変化し、一部の人々のリスク選好度が変わってくる可能性があるのだ。
 金融年代記作家のサミュエル・アームストロング・ネルソン氏は1903年の著書「株式投機のABC」に次のように書いている。「雨天や荒天になると、からっと晴れて人々が元気で楽観的になっているときほど自由に、自信満々には取引しないという傾向が投機家にはある」
 オプション取引をしている投資家は春や冬よりも秋に損失を出す可能性がより高い。米国、カナダ、オーストラリアのミューチュアルファンドの投資家はそれぞれの秋に当たる月で売り越している。オーストラリアの秋は3月から5月までで、会計年度が異なっているにもかかわらずだ。
 米国債の平均リターンは春よりも秋に高くなっており、投資家が昼間の時間が短くなる時期により安全な資産を求めているということが分かる。株式アナリストの利益予想も秋と冬には春と夏ほど楽観的ではなくなっている。
 過去150年以上のデータを振り返って平均すると、美術品オークションの入札者は日照時間が短い季節よりも長い季節に売りに出された絵画により高い額を支払ってきた。米プロフットボールリーグ(NFL)の選手にさえ、涼しい日よりも暖かい日に行われる試合でよりアグレッシブなプレーをする傾向がある。
 もちろん、すべての投資判断が心理状態によって決定されるわけではない。最近では、9月に支払期限を迎える学費を賄うため、あるいは夏の休暇で蓄積したクレジットカードの借金を返済するために秋に株式を売却するという傾向があるかもしれない。人々が第1四半期により多くの投資をするのは、年末のボーナスや税金の還付金を受け取った後だからかもしれない。
 トロント大学で金融学を教えるリサ・クレーマー教授は、それでも「秋に悪いニュースが出ると、多くの投資家は日照時間が長い数カ月前か数カ月後よりも過剰な反応を示すかもしれない」と指摘する。同教授は季節的な情緒の変化が金融行動にどのように影響し得るかについて、いくつかの研究を行ってきた。
 株式市場は必ずしも秋に暴落するとは限らないが、この季節にはわずかな下落を大暴落の前兆と捉えてしまう可能性が高くなるかもしれない。そう考えるのではなく、1年で日が短い時期には最も大きなリターンが得られることも多いということも覚えておこう。
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バロンズ】5つの「ファクター」で市場に勝つ

PHOTO: SSPL/GETTY IMAGES
By
Daren Fonda
2018 年 9 月 25 日 07:55 JST
• 今年はモメンタムが先行
 市場を上回るリターンの獲得を目指すなら、アクティブ投資のファンドマネジャーに資金を託すという方法がある。また、特定の属性や「ファクター」を強調する上場投資信託(ETF)に投資するのも一案だ。
 銘柄、市場動向、より幅広い経済的要因の特徴に基づく「ファクター」は、株式リターンのけん引要因となる。「バリュー」はおそらく最もよく知られたファクターであり、多くの研究で、割安な株価と優れた長期的パフォーマンスとの関連が指摘されている。その他の有力なファクターとしては、低ボラティリティ、株価のモメンタム、サイズ(小型株)、クオリティ(収益性とバランスシートが優れた銘柄)などが挙げられる。
 これら五つの主要ファクターのうち、今年S&P500指数に競り勝っているのは、これまでのところ二つだけだ。先頭に立つのは「モメンタム」で、MSCI USAモメンタム指数は14.9%の上昇となっている。MSCIファクター指数によると、2位は11.8%の「クオリティ」で、「低ボラティリティ」(9.4%)、「小型」(8.9%)、「バリュー」(7.3%)と続いている。一方、S&P500指数は10.3%の上昇だ。
 ニューファウンド・リサーチのポートフォリオマネジャー、ジャスティン・サイベアーズ氏によると、1963年までさかのぼったデータに基づき、五つの主要ファクターを均等加重配分した理論上のポートフォリオの年間のリターンは、株式市場全体を平均で2.9%ポイント上回るという。しかし、学術研究においては、運用管理費用、配当金やキャピタルゲインに対する税金、そして、ほとんどの投資家は50年単位でファンドを保有しないという事実は考慮されない。幾つかの調査によると、現実世界のファンドのリターンと理論上のリターンには、かなりの違いがあるようだ。
• 市場動向と各ファクターの優位性

 一部のファクターが相場上昇時に力を発揮するのに対し、よりディフェンシブで安全志向の強いファクターもある。市場動向は絶えずシフトし、タイミングの見極めは難しい。「あるファクターが、いつ別のファクターより優位になるかを特定することは不可能に近い」と、ファクターETFのスポンサーであるアルファ・アーキテクトを率いるウェスリー・グレイ氏は話す。オッペンハイマーファンズのデータによると、2008年以来、大型株を対象とするラッセル1000指数を年率ベースで上回っている主要ファクターは、「クオリティ」と「小型」だけだという。オッペンハイマーのETF投資戦略責任者、デービッド・マッツァ氏は、「いずれの市場においても、ファクターパフォーマンスは極めて循環的だ」と述べている。
 「低ボラティリティ」に分類されるETFは、景気後退時に耐久力を示す安全第一の銘柄と考えられているが、成長銘柄が好まれる相場では、出遅れると予想される。しかし、投資家が安全性を求める中、このところ低ボラティリティは驚くほど堅調だった。iシェアーズ・エッジMSCIミニマム・ボラティリティ米国ETF(USMV)の過去5年間のリターンは年率13.2%で、S&P500指数の13.3%とほとんど変わらない。投資家は、より低いボラティリティで、市場のリターンにほぼ匹敵する成果を上げたことになる。しかし、金利の上昇が続いた場合、このようなETFが十分なプロテクションを提供するかどうかは議論の余地がある。サイベアーズ氏は、「相場が下向きになると低ボラティリティ銘柄の健闘を期待するかもしれないが、金利上昇が原因で弱気相場になれば、そのパフォーマンスは低迷するだろう」と指摘する。
• マルチファクターETFという選択肢も
 もう一つ考慮すべき事柄は、あるファクターのリターンの背景である。例えば、モメンタム投資家は、実質的にテクノロジーセクターに賭けている。iシェアーズ・エッジMSCI米国モメンタム・ファクターETF(MTUM)に占めるテクノロジー銘柄の割合は41%だ。このようなオーバーウエートが、ファクターのパフォーマンスの大部分に影響を及ぼしていると、グレイ氏は指摘する。アルファ・アーキテクト米国クオンティテイティブ・モメンタムETF(QMOM)は、「強力かつ一貫性のあるモメンタム」を示す銘柄を均等に保有する手法により、年初来で16.8%上昇している。同ファンドのテクノロジー銘柄の割合は31%だ。
 ファクターの相対的な強みは乗り換えの時期を判断する材料になるが、予測能力には限界がある。投資家へのアドバイスとしてグレイ氏は、「安全策は、戦略的に複数のファクターに投資し、タイミングを見計らって切り替えようとは考えないことだ」と述べている。賭けを誤る危険を冒したくない場合は、個別のファクターETFに同じ割合で投資することを検討すべきだろう。しかし、サイベアーズ氏も指摘するように、未来のことが正確に分かれば、分散投資は無意味であり、この議論そのものが価値を失うことになる。
 もう一つの選択肢は、マルチファクターファンドだ。ETFドット・コムによると、現在投資可能なマルチファクターETFは300本余りで、運用資産は880億ドルを超える。これらのETFの一部は、ファクターの配分を絶えず変化させ最適化を図っている。ゴールドマン・サックス・アクティブベータ米国ラージ・キャップ・エクイティ(GSLC)の過去1年間のリターンは、S&P500指数を上回る11.2%で、運用管理費用は、平均を下回る0.09%である。ただ、注意すべきは、どのようなファクターファンドであれ、ずっと優位性を持てるわけでも、相場急落の際のライフジャケットになるわけでもない、ということだ。

バロンズ】割安な金、投資の好機到来

PHOTO: JONATHAN BARTLETT
By
Andrew Bary
2018 年 9 月 25 日 07:16 JST
• 不当な評価を受けてきた金
 金は不当な汚名を着せられてきた。長年にわたって、変わり者や臆病者が選ぶ投資対象とみなされており、配当や利息を生み出すこともない。今年は特に不調で、金価格は8%下落して1オンス当たり(以下同)約1200ドルとなっており、2011年の高値である1900ドルを35%以上下回る。バンガードは、米国最大の金関連ミューチュアルファンドを間もなく改名し、金以外に重点を移す予定である。
金相場

 しかし、現在の金はポートフォリオへの組み入れに値する。株式や他の金融資産に比べて、金は割安に見える。さらに重要な点として、各国の中央銀行がバランスシートを縮小するにつれて、米国をはじめとする世界の多くの国々でインフレが加速し始めている。金は、インフレによるポートフォリオの価値低下を抑える役割を果たす。
 ミューチュアルファンドのグッドヘイブン(GOODX)の共同ポートフォリオマネジャーであるキース・トローナー氏は、「金は希少で、供給を急速に増やすことが難しい」と述べる。グッドヘイブンは大手鉱山会社のバリック・ゴールド(ABX)を保有している。同氏は「金は政府による国内通貨切り下げのヘッジ手段とみなされてきた」と指摘する。
 世界に存在する金の総量は約60億オンスと推定されている。金額にして7兆ドル以上、S&P500指数の時価総額の約30%に相当する。年間の新規採掘量は総量の2%未満にすぎない。トローナー氏によれば、世界各国のほとんどの政府がインフレを促進しようとしており、その一因は多額の債務である。政府が多額の債務を抱える場合、選択肢はデフォルト(債務不履行)、債務再編、通貨インフレの三つだが、政治家はなるべくインフレを選びたがるという。金利上昇は現金保有の魅力を向上させるため、金にとって悪材料だと指摘する向きもある。しかし、金利が急上昇した1970年代には、金は非常に好調だった。
• ドル安でセンチメントが変わる可能性
 投資家の金に対するセンチメントを変え得るカタリストの一つが、米ドルの下落である。金および採掘権関連会社フランコ-ネバダ(FNV)の共同設立者で会長のピエール・ラソンデ氏は、「金は米ドルと反対に動く。ドル高の局面では、金は必要とされない。しかし、ドル安になると人々は金を求める」と述べる。歴史的に見て、金とドルは80〜85%の負の相関を有する。ドルを支えているのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が緊縮的な金融政策を継続し、2019年末までにフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現在の1.75〜2.00%から2.50〜3.00%に引き上げるという予想である。
金相場とドル相場

 資産運用会社スプロットUSAの金属ストラテジストであるトレイ・レイク氏によれば、ドル建ての債務を抱える新興国の経済が金利の上昇圧力を受けているなどの理由により、FRBが利上げを減速しなければならない可能性がある。FRBが利上げを延期する動きを市場が感じ取った場合、ドルは下落し、金価格はおそらく上昇するとみられる。同氏は「現在の複雑で不安定な投資環境において、金をポートフォリオに組み入れることは極めて有用だ」と述べる。
 現在、米国の投資家の多くは金をほとんど保有していないが、金に対して強気な見方を取る著名投資家もいる。その一人が、債券運用大手ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)である。同氏は、「6月の時点では、チャートポイントの1290ドルを下回ったばかりだったため、1200ドルを割り込むまで買うのを待つように推奨した」と述べる。今月初めに1196ドルを付けたため、テクニカル指標に基づき「現在は強気な見方を取っている」という。
 金は以前から危機に対するヘッジとして利用されており、2008〜2009年の金融危機でもその役割を果たした。リーマン・ブラザーズが破綻した2008年9月15日から、株式市場が底を打った2009年3月9日までの間、金は17%上昇した。S&P500指数は同期間に40%以上下落している。
 現在、金はどれほど割安なのだろうか。先週金曜日に過去最高値の2万6743ドルを付けたダウ工業株30種平均(NYダウ)と比較すると、NYダウ1単位は金22オンスに相当する。直近でこの比率が最低だったのは2011年の7.8オンスである。当時、金は過去最高水準に近い1900ドルを付けていた。ピークは1999年の40オンスで、当時の金価格は約290ドル、NYダウは約1万1500ドルだった。過去最低比率を付けたのはコモディティーブームが最高潮に達した1980年で、金価格とNYダウは共に約800ドルと同等だった。
• 金関連の投資手段
 金に関連した投資手段は数多く存在する。その一つがコモディティー上場投資信託(ETF)である。直近の価格は、業界をリードするSPDRゴールド・シェア(GLD)が約114ドル、信託報酬が低いiシェアーズ・ゴールド・トラスト(IAU)が約11.50ドルである。年間の経費率はSPDRが0.4%、iシェアーズが0.25%となっている。両者よりも最近に設定されたミニシェアーズ・トラスト(GLDM)の価格は12ドル、経費率はわずか0.18%である。
 SPDRゴールドの資産総額は290億ドルで、最大の株式ETFであるSPDR S&P500(SPY)の約10分の1にすぎず、金の不人気ぶりが表れている。金価格が2011年に約1900ドルのピークを付けた時、両者の資産総額は共に750億ドルとほぼ同等だった。オープンエンドの貴金属ミューチュアルファンドは、過去10年のパフォーマンスが低調だ。モーニングスターによれば、平均パフォーマンスは年率マイナス5%である。
金の採掘量は近くピークをつけると予想されている

単位:百万トロイオンス
 7月、バンガードは、米国最大の金関連ミューチュアルファンドで資産総額18億ドルのバンガード・プレシャス・メタル・アンド・マイニング(VGPMX)を、バンガード・グローバル・キャピタル・サイクルズに改名し、貴金属鉱業銘柄へのエクスポージャーを削減すると発表した。金・貴金属鉱業銘柄の組み入れ比率は最低25%となる予定である。
 金鉱株は、他の資源会社の株式と同様に、コモディティー投資にレバレッジをかける効果がある。金価格が上昇する場合、通常は金鉱会社の利益が金価格を超える割合で増加する。仮に1オンス当たりの生産コストを1000ドルとすると、金価格が1200ドルから1500ドルへ25%上昇した場合、利益は200ドルから500ドルへと2倍以上に増加する。


 


バロンズ】投資のプロが語る「世界救うアイデア」
ビル・マクグラシャン氏
ビル・マクグラシャン氏 PHOTO: PETER PRATO
By Leslie P. Norton
2018 年 9 月 25 日 07:18 JST

? ライズ・ファンドを立ち上げた理由

 代替資産運用大手TPGの成長株式部門TPGグロースの責任者であるビル・マクグラシャン氏は2年前、ネット通販・競売大手イーベイの最初の従業員として有名なインターネット起業家ジェフ・スコール氏が主催する会議に参加した。カリブ海のリチャード・ブランソン氏(英バージン・グループの会長)が所有する島での会合には、故スティーブ・ジョブズ氏の妻、ローレン・パウエル・ジョブズ氏もゲストに招かれていた。その会議の議題は何だったのか。世界を救う大きなアイデアである。

 現在54歳のマクグラシャン氏はくぎ付けになった。中国、チリ、インド、その他の途上国に住み、働いてきた同氏は、活気あふれる中流層や堅調な経済を生み出す力が資本主義にあることを目の当たりにしてきたからだ。同氏は資本へのアクセスと投資規律があるTPGであれば、投資利益を上げながら、国際連合(UN)の持続可能な開発目標(SDGs)を手本に社会的・環境的影響を及ぼすことができるのではないかと考えた。その結果として誕生したのがライズ・ファンドである。同ファンドは昨年に21億ドルを集めたが、30億ドルドル規模の2本目を立ち上げる計画もある。以下はマクグラシャン氏へのインタビューの抜粋である。

本誌:その会議の後、何が起きたのか?

マクグラシャン氏:二つのアイデアがもたらされた。一つ目はこうした影響力がある人々が3日間だけはなく、より組織的かつ継続的にそれに取り組む方法はないだろうかというもの。二つ目はわれわれが直面している大問題を解決する上であまり拡張性や持続性がないのが非政府組織の世界だが、資本主義のエンジンを本当に活用できたらどうなるだろうかというものだ。私は会議の後、ロックバンドU2のボーカル、ボノ氏、ジェフ・スコール氏と話し合い、3人でそれに挑戦することに決めた。われわれは影響評価と測定プロセスを考え始める上で経営コンサルタント会社ブリッジスパンに相談した。われわれはよくあるインパクト・ファンドにはなりたくなかった。インパクト投資はかなりの非主流派であり、方向性としては純粋な投資というよりは慈善活動に近い。世界最大級の未公開株(PE)投資会社の一つであるわが社は、それを大規模に行うこと、機関投資家の資金の世界で合格レベルに達する整合性や規律で測定や報告を行うことができる。

 結果を測定すること、成果目標を宣言すること、その宣言を重要なパフォーマンス指標や今日営上の測定基準に織り込むこと、それに関して第三者が検証できるような形で報告することなどが可能でなければならない。

Q:では、社会的利益をどのように測定し、ポートフォリオ内で標準化するのか?

A:業界内でも多くの人々がこれに取り組んできた。慈善活動の世界は成果の測定に関して先駆者と言えるだろう。その大きな強みの一つに、ロックフェラー、フォード、マサチューセッツ工科大学(MIT)を拠点とするアブドゥル・ラティフ・ジャミール貧困アクション・ラボ(J-PAL)、ヒューレットといった主要財団、シカゴ大学やスタンフォード大学といった大学などが、企業の生産活動と社会的・環境的利益を関連付ける一連の研究を行ってきたということがある。

 全ての事業には社会的・環境的影響がある。問題はその全てをどのように測定するかだ。われわれはグロース投資家である。初期段階の投資に注目するとき、われわれは過去から導き出した仮定に基づいてその成長率と成長可能性を理解できなければならない。それが医療関連事業であれば、成果の単位は何人の患者にサービスを提供するかになる。そこでわれわれは出資している事業の成果の社会的・環境的影響がどれぐらいになるのか、そうした成果から影響の水準を予測できるような信頼できる、精査された第三者によるデータは存在するのかといった自問をする。われわれは全ての投資に対して確率加重を行い、それに応じた計算をする。すると投資した資金の何倍の影響があったかを表す、IMMという一つの数値が算出される。

 少なくとも投資額の2.5倍の影響をもたらすことができなければ、われわれはその投資をライズ・ファンドに組み入れない。TPGグロースに組み入れられた投資に少なくとも2.5倍のIMMがあれば、その投資はライズ・ファンドにも組み入れられる。われわれはその投資を監視し、実際にそうした影響がもたらされたかどうかを確認するためにコンサルティング会社KPMGに監査してもらう。

? 持続可能な開発目標へのこだわり

Q:実例を挙げてほしい。

A:ビューポイント・セラピューティクスは白内障を治療することが可能な点眼薬を開発した。その治療費は手術を受けた場合の数分の1である。約1億人が白内障のせいで視覚障害を抱えており、途上国にも多くの患者がいる。英国では白内障の手術を受けるのに長い期間待たなければいけないかもしれない。治療費の負担とそれが国民総生産(GNP)や仕事に従事している人間の経済的価値に及ぼす影響に関しては豊富なデータがある。インド、パキスタン、バングラデシュ、アフリカのような地域にそうした解決策が提供された場合の経済的影響はどれほどになるだろうか。

 われわれが行ってきた白内障失明の治療介入の費用負担は途上国で770万件、先進国で68万7000件に上る。先進国では2350万件の中等度から重度の視覚障害についても治療介入を引き受けてきた。同社にはまだ第3相臨床試験を終わらせる必要があるので、成功率は30%と想定している。それでもビューポイントへの投資の影響は投資資金の121.4倍となる。われわれに100万ドルを投資してもらえれば、それに基づく1億2100万ドルの社会的価値が生み出されることになる。

Q:もう1例上げるとすると?

A:ドドラ・デイリーは株式上場を申請した。インド最大級の酪農企業の一つで、約24万の農業従事者と提携している。ドドラはそうした農家から毎日120万リットルの牛乳を仕入れ、検査にはデジタル温度計を使い、農家への支払いは遠隔決済ソリューションで行っている。契約は長期なので、農家は安心して牛の頭数を増やすことができる。追跡、測定、報告が可能な農家の所得水準はこうしたシステムのおかげで70%も上昇するということが分かった。同社のIMMは4.2倍である。

Q:UNの目標にこだわるのはなぜか?

A:SDGsは真に目指すべき到達点であり、公正な世界を実現するために世界中が集結した目標だからだ。アナリストはSDGsの実現に必要な資金を30兆ドルと見積もっている。ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の総資産を注ぎ込んだとしても、その1.5%未満にしかならない。政府と慈善活動を当てにしていては、その目標に近づくことすらできていない。資本主義の拡張性と革新的なエンジンが本当に魅力的なのは、そのエンジンを影響の創造に向ければ、30兆ドルよりもずっと少ない額でそこに到達できそうだと思えるところだ。

Q:ライズ・ファンドが最も注力しているSDGsの目標は?

A:その投資の3分の1は教育関連で占められている。その他の内訳は医療が約21%、エネルギーが14%、金融サービスが13%となっている。


 

バロンズ】大麻株バブル、ビットコインの再来か

ティルレイのブレンダン・ケネディCEO(左)と投資家のピーター・ティール氏PHOTO: JOEL ARBAJE
By
Bill Alpert
2018 年 9 月 25 日 07:25 JST
• 大麻関連株の奇妙なトリップ
 大麻関連株は今週、短くて奇妙なトリップを経験した。19日には、7月にナスダックに上場した大麻栽培会社のティルレイ(TLRY)を筆頭としてカナダの大麻栽培会社の株価が急騰したものの、あっという間にほぼ元の水準に下落したのだ。例えばティルレイは週明けの17日に117ドルで寄り付き、19日の午後には300ドル近くまで暴騰した後、21日の引け値は123ドルとなった。
 カナダによる認可を受けた大麻栽培業業者によって、大麻の娯楽目的での販売が10月17日から開始されることになっており、温室では盛んに大麻が栽培されている。一方株価はここ数カ月、事業のファンダメンタルズとの関連があまり見られない状態が続いており、今回の乱高下で株価の不可解な動きが鮮明となった。ティルレイの時価総額は19日の最高値時点で300億ドルとなり、ツイッター(TWTR)、メディア大手CBS(CBS)、航空大手アメリカン航空グループ(AAL)を超えた。
 ティルレイ株が、医療用大麻を手掛けるオーロラ・カンナビス(ACB.カナダ)や世界最大の大麻栽培会社キャノピー・グロース(WEED.カナダ)といった、同社よりも大規模で安定しているライバル以上に評価されている理由も謎だ。ちなみに19日時点でのティルレイの予想株価収益率(PER)は、2020年の強気な予想売上高に対して85倍以上、同年の予想株価キャッシュフロー倍率は340倍となっていた。
• 大麻関連株はビットコインの再来となるか
 カナダの大麻関連株は、本紙が4月2日号の特集記事で取り上げた時点で既に過大評価されていた。ところが8月、米国の酒類製造・販売大手コンステレーション・ブランズ(STZ)がキャノピー・グロースに40億ドルの追加投資を発表して以来、手がつけられない状態となった。オーロラ・カンビナンスの株価は17日、同社が飲料大手コカ・コーラ(KO)とカンナジオール(痛みのケアに用いられる精神作用のない大麻成分)を用いたスポーツドリンクの開発について協議していることが報道されると17%上昇した。オーロラは、どの飲料会社とも「合意や今後の計画などは未定」と述べている。

 18日、ティルレイのブレンダン・ケネディ最高経営責任者(CEO)はCNBCの投資情報番組『Mad Money』に出演し、「大麻産業は、1000億ドル規模の企業を数社生み出すだろう」と述べた。その翌日の出来高は3100万株で、株価は前日終値154.98ドルから2倍近くまで上昇する場面もあった。ケネディ氏はティルレイの他にシアトルのベンチャーファンド、プライバティア・ホールディングスも率いている。同社は資産家で投資家であるピーター・ティールの支援を受けて4000万ドルをティルレイに投資し、現在ティルレイ株の82%を保有している。19日の午後には一時、評価額が200億ドルを超え、購入時の500倍以上を記録した。
 ティルレイが上昇する一方、業界リーダーであるキャノピー・グロースは出遅れた。キャノピー・グロースのブルース・リントン最高経営責任者(CEO)は「われわれが何かするたびにセクターの株価は上昇するようだ」と本誌に語っている。一方で「キャノピーにとっての良いニュースは、必ずしも競合にとって良い予兆になるとは限らない」とも述べる。キャノピーは、コンステレーションからの支援のほかに、注文残高の3分の1以上がカナダ国内におけるものであることや、同時に海外でもかなりのマーケットシェアを占めることを強みとしている。「当社の目標は、セクターで優位にたち、海外でもナンバーワンとなることだ」と同氏は語る。
 ティルレイの株価が急上昇した真の要因はその希少性にある。7月の新規株式公開(IPO)で市場に流通した株式は全体のわずか10%ということで、同社の株式の購入や借入、空売りがしづらい状況になっている。8月のコンステレーションによる追加投資発表以来、ティルレイでは浮動株の100%以上が連日取引されている状態だ。これが米国個人投資家によるものだということは明らかだ。キャノピー、クロノス・グループ(CRON.カナダ)、グリーン・サム・インダストリー(GTII.カナダ)、メドメン・エンタープライゼズ(MMEN.カナダ)など、大麻関連企業でカナダと米国両方に上場している企業は幾つかあるが、8月の大半の売買は米国に移っていた。このことから、他のカナダの大手大麻栽培会社が米国の取引所に殺到していると言われている。
 ティルレイと同社のインサイダー株主は、ティルレイ株への旺盛な需要に対し、供給を増やすことで応えることは確実だろう。追加売り出しを行うことで、素晴らしいバリュエーションに対する格好のチャンスを生かすはずだ。本誌は同社にそのような計画について尋ねたが、コメントはなかった。一方、ケネディ氏とプライバティア・ホールディングスは、数千%にも及ぶ含み益を抱えていることになる。約6600万株のインサイダー・シェアに関しては、引受会社であるカウエンが解除しない限り、2019年1月中旬までロックアップされた状態だ。
 積極的な個人投資家投資家による需要以外に、ティルレイ株がここまで買われる理由はよく分かっていない。同社は大手ライバルに比べると見劣りしている。グラムあたり売上原価は大手競合と比べると最も割高だ。さらにカナダのその他の認可栽培業者は、10月の合法化に向けて在庫を増やしている一方、ティルレイの生産と在庫量は、どちらも2018年4-6月期に減少している。ビットコインは2017年12月に記録した1万9000ドルを超えるピーク時から6700ドルまで転落し(9月21日時点)、多くの熱狂した投資家を落胆させた。ティルレイにも同じことが起こるだろうか。


 

バロンズ】新興国が陥る「スローモーション」危機
カーメン・ラインハート氏

By Daren Fonda
2018 年 9 月 25 日 08:00 JST

? 新興国危機

 新興国市場の多くで株式、債券、通貨が急落している。しかし、米国の投資家は、問題が別世界の出来事であり、本当に悪化した場合には国際機関による救済でショックの波及は阻止されると考えているようである。しかし、ハーバード大学ケネディ行政大学院の国際金融の教授であるカーメン・ラインハート氏は、新興国が今や「スローモーション」の危機の過程にあり、懸念はアルゼンチンやブラジル、トルコなどの注目されている市場にとどまらないと考えている。同氏は、バブルの生成と崩壊のサイクル、国家債務のデフォルト、その他の金融危機を研究しており、ベストセラーとなった「This Time Is Different: Eight Centuries of Financial Folly」(邦訳:「国家は破綻する──金融危機の 800年」)の共著者でもある(ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授との共著)。本誌はラインハート教授に、新興国市場、金融危機のコンテージョン(伝染)の可能性、米国市場などについて聞いた。

? 新興国市場の苦境

本誌:新興国市場は再び苦境にあるが、その理由は何か。

ラインハート氏:新興国にとっては、2008年を例外として2003〜2013年は最高の環境だった。中国経済は2桁成長で、中国の需要によってコモディティー価格は押し上げられ、多くの開発途上国では貿易が大幅に拡大した。先進国における低利回りによって、新興国には膨大な資金が流入し、企業と政府は外国での借り入れを拡大した。しかし、2013年に状況の悪化が始まった。中国経済は減速し、コモディティー価格は反落、そしてロシア、ブラジル、南アフリカを筆頭に新興国通貨は下落した。資本は新興国市場から流出した。最後の一撃は米国の金利上昇であり、2015年の米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げで始まった。これによって資本流出は加速し、新興国に対する圧力が高まった。

Q:新興国市場にとって何か好材料はあるか。

A:世界の流動性状況は依然として極めて良好だ。FRBも以前の引き締めサイクルに比べて、利上げに対して緩やかなアプローチを取っている。これが過去よりも崩壊の進行が緩慢な理由だ。しかし、債務の膨張、成長の減速、貿易環境の悪化など、新興国は以前の危機の発生時に似通った状況となっている。資産クラスとしての新興国市場は魅力が低下している。財政の悪化、税歳入の減速、資本フローの悪化、債務返済の困難化などの多くの事象の根元には成長の減速がある。

? 他地域への波及

Q:新興国市場の不調は他の地域に波及するか。

A:状況がさらに悪化すれば波及が起こり、コンテージョンはさらに大きな問題になるだろう。大きな懸念は、開発途上国、特にサハラ以南のアフリカ諸国や中東の最貧国への中国の融資が急激に拡大していることだ。中国はパリ・クラブには参加していないため、中国の融資の規模や条件は分からない。過去には開発途上国への融資額はある程度の精度で分かったが、開発途上国が中国からどれだけ借り入れているか、そして返済しているか否か全く分からない。これは、懸念すべきことだ。一部は既に債務不履行となっている可能性がある。

 公的部門であるか企業部門であるかを問わず、新興国市場で大きな債務不履行があれば、欧州の銀行には特に影響が及ぶ可能性がある。これらの銀行はエクスポージャーの縮小に努めているが、一部の銀行はトルコや他の開発途上国に相当の融資を行っている。例えば、スペインの銀行はトルコ、中南米、その他の開発途上国に大きな融資を行っている。これらの銀行は大規模な債務不履行やその他のクレジット・イベントのリスクを負っている。他の欧州の銀行も程度に差はあるが新興国へのエクスポージャーがある。米国の銀行のポートフォリオに関しては、今や直接的な融資よりも債券などの影響の方が大きい。しかし、スペインやイタリアの銀行が債務不履行の打撃を受ければ、不安定な状況を考慮すると、比較的小さなショックでも大きな影響を及ぼす可能性がある。

Q:新たなショックに対するグローバルな金融システムの備えはどうか。

A:規制の変更によって、セーフガードは強化されている。しかし、救済の規模も大きくなる一方だ。1995年の国際通貨基金(IMF)によるメキシコ救済は当時史上最大の記録だった。その記録は1997年のアジア危機、2001年のトルコ危機で塗り替えられ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、ポルトガルの救済で天井を突き抜けた。大きなネガティブ・サプライズがあれば、どのような規制もセーフガードも市場への影響を阻止することはできない。

? 米国経済

Q:世界的な貿易戦争を懸念しているか。

A:中期的に世界経済の成長に悪影響を及ぼす可能性が高い。米国の交渉はディズニーランドにあるアトラクションのようなもので、全く予測がつかない。中国は輸出主導経済なので失うものが大きい。二次的な影響も過小評価できない。例えば、中国と中南米の5年単位の経済成長率の相関は1991年中盤以降で0.75と極めて高い。貿易戦争は米国よりも中国に大きな影響を及ぼすかもしれないが、中国が沈めば世界の多くの部分が共倒れになるだろう。

Q:米国経済をどうみているか。

A:景気後退が近いとは考えていないが、中期的、長期的な方向には楽観できない。ベトナム戦争時の1960年代後半以降において、完全雇用の状況下でこれほど大規模な財政刺激が行われたことはない。米国は慢性的な巨額の財政赤字と経常赤字を抱えている。債務は第二次世界大戦終了時のレベルに近い。人口の高齢化や積み立て不足の年金の問題も抱えている。問題を先送りして、心配するのを止めるという考え方には問題がある。

Q:投資に対する意味合いを聞きたい。

A:全般的に米国の資産は相対的に魅力が高いようにみえる。米国は金融抑圧の時代から脱出しつつあるが、これは欧州や日本では起こっておらず、これらの地域では債券の利回りは依然として極端に低い。米国の強気市場がどれだけ継続するかには懸念があるが、FRBの利上げのペースは非常に緩やかであり、市場もそれを極めて良好に消化しているようにみえる。現時点では、他の先進国はほとんど米国の競争相手にはならない。新興国に関しては、投資家は選別を強めて、脆弱(ぜいじゃく)性の低い市場に集中する必要がある。この好例にはペルーやタイがあり、利回り水準は魅力的で、対外債務も相対的に低い。

 米国のハイイールド債は新興国債券のようなものだ。債券発行額は巨額で、レバレッジも高まっており、新興国市場と同様の圧力がかかっている。一部のハイイールド債へのエクスポージャーは実質利回りの点で依然として魅力的だが、今までよりも慎重を期す必要がある。


 


 

年内の1バレル=100ドル突破も想定−イラン産原油消失で石油商社
Javier Blas、Heesu Lee、Alfred Cang、Dan Murtaugh
2018年9月25日 11:16 JST
日量200万バレル消失の可能性で供給サイドの反応がないとの指摘
主要産油国が米大統領の増産要求を聞き入れる兆しは見られない
石油輸出国機構(OPEC)および非OPEC産油国が米国による対イラン制裁再開に伴う同国からの原油輸出減少の埋め合わせに苦慮する中で、国際原油価格は2014年以降で初めて1バレル=100ドル台を回復する可能性があると大手石油商社の関係者が予想した。

  OPECと非OPECの主要産油国は23日にアルジェリアの首都アルジェで会合を開いたが、原油価格の迅速な押し下げを迫るトランプ米大統領からの要求を聞き入れる兆しはほとんど見られず、24日の原油先物市場では北海ブレントが一時約4年ぶりの高値を付けた。

  マーキュリア・エナジー・トレーディングの共同創業者ダニエル・イエギ氏はS&Pグローバル・プラッツ・アジア太平洋石油会議で、「今年10−12月(第4四半期)に日量200万バレルが消失する可能性に対し、供給サイドの反応を市場は得ていない。私の考えではそれに伴い1バレル=100ドルを上回る原油価格の高騰が想定可能になる」と指摘した。


原題:Oil Traders Say $100 Coming as OPEC Strains to Fill Iran Gap (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-25/PFL92Z6K50XT01

外為フォーラムコラム2018年9月25日 / 16:45 / 4時間前更新
コラム:100ドル突破はあるか、原油市場が抱える「ジレンマ」
Clyde Russell
3 分で読む

[シンガポール 24日 ロイター] - 原油市場において十分な供給がなく、タイト化が同時に起きた場合、価格予想を見誤る人が出てくるかもしれない。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国の中で最大の産油国であるサウジアラビアや、主要非加盟産油国であるロシアからのメッセージは、増産は必要ない、というものだった。

だが、今週シンガポールで開催されている年1回の会合に集まっているトレーダーや製油業者からは、市場は供給不足となる見通しであり、原油価格は一段と上昇する可能性があるとの声が上がっている。

確かに最近、北海ブレント原油先物LCOc1のような指標の期近物は上昇しており、市場がタイト化しているとの見方を裏付けているように見える。

アジア市場で24日、ブレント先物は2014年11月以来の高値(81.48ドル)をつけた。

しかし原油価格の上昇は、サウジやその同盟諸国にとって問題ではないようだ。サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、アルジェで開催したOPECと主要非加盟産油国による会合後、必要であれば増産できるものの、増産計画はないと語った。

「市場の供給は十分だ。必要な原油を入手できない状況にある製油業者を私は知らない」とファリハ氏は記者団に語った。

製油業者は原油を手に入れることができるかもしれないが、価格上昇によりコスト増に直面することになる。通常のサプライチェーンが受ける混乱増大にも対処しなくてはならない。

イランへの制裁再開という米国の決断により、すでに製油業者は重質高硫黄原油の仕入先を探すことを余儀なくされている。

状況は、トランプ米政権がイランからの全輸出品に制裁を科す11月以降の数カ月で、さらに悪化する可能性がある。

イランが輸出をいきなりゼロにする可能性は低い一方で、日量約50万バレルのイラン産原油が失われるという複数アナリストの当初見通しは、今となってはかなり楽観的すぎるように思える。

イランの輸出は日量100万バレル以上、あるいはもし中国を除く主要顧客が他国産の原油に切り替えるとすれば、最大200万バレル減少する可能性すらある。

こうした状況に、経済・政治問題悪化を受けたベネズエラ産原油の喪失や、リビアで続く内戦による混乱が拍車をかけており、市場は突如としてそれほど十分に供給されているようには見えない。

さらに事態を複雑化する要因として、米中の貿易摩擦が挙げられる。中国の製油業者が米国からの原油購入を減らし、相当な貿易フローが妨げられる可能性がある。

世界の製油業者が政治的な障害に対処すべく、供給をうまく調整することは可能だろうが、これは大きな代償を払うことになりかねない。

<1バレル=100ドルも>

そうした代償を数値化するのは常に困難ではあるが、資源商社トラフィグラで原油取引の共同責任者を務めるベン・ラッコック氏は、S&Pグローバル・プラッツ開催のアジア太平洋石油会議で、原油価格がクリスマスまでに1バレル=90ドル、新年までに同100ドルになることもあり得るとの見方を示した。

原油価格は現在、期近物が期先物よりも価格が高い状態の「バックワーデーション」の状態にある。

バックワーデーションは通常、市場がタイト化しているサインであり、トレーダーや消費者は近い将来、供給を確保するためにより多くを支払らなければならないことを意味する。

だが、もし原油価格が実際に、米国の対イラン制裁再開を受けて向こう数カ月、急上昇するなら、現行価格で期先物を購入するというのは理にかなっているかもしれない。

オマーン先物やドバイ・マーカンタイル取引所(DME)、ドバイ・スワップといったイラン産原油の取引価格を見てみると、いくつか興味深いトレンドが見えてくる。

オマーン先物曲線のバックワーデーションは過去1カ月、スティープ化しており、期近物は現在、半年先の受け渡しの価格に対し2.95ドルのプレミアムが上乗せされている。これは1年前の1.88ドルから増加している。

一方、オマーン先物取引と比べて、ドバイ現物市場のフォワード曲線に見られるバックワーデーションはそれほどスティープ化していない。

現在、11月物のドバイ・スワップは1バレル=75.95ドルで取引されている。4月物に対し2.07ドルのプレミアムとなっている。

製油業者のような現物取引を行う消費者は、価格上昇を見込んだ曲線に沿って、供給を確保しようとする一方で、期近物の価格は市場のタイト化に関する報道を利用しようとする投資家の流入によって釣り上がることが、今後予想されるだろう。

だが、米国の対イラン制裁が完全履行されたら、市場は十分に供給されていると主張するサウジが正しいのか、あるいは高騰する価格の中でトレーダーが勝者を決めるのか、今よりは明らかになっているだろう。
https://jp.reuters.com/article/column-oil-market-idJPKCN1M50TU


 

2018年9月25日 / 18:46 / 2時間前更新
金融政策、効果と副作用をバランスよく考慮する必要=日銀総裁
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[大阪市 25日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は25日、大阪市で講演し、金融政策は「効果と副作用の両方をバランスよく考慮していく必要がある状況になってきている」と述べた。デフレ克服が見通せなかった時と比べて経済・物価情勢が変化し、併せて金融政策運営も変わりつつあるとの見方を示した。大阪経済4団体共催の懇談会で述べた。

総裁は、景気が回復局面にあっても、物価が思うように伸びない現状を「やや複雑な経済・物価情勢」と表現。そうした環境の下では「金融政策もまた、さまざまな情勢を総合的に勘案して運営していくことが適当」と語った。

一方で、デフレからの脱却が見通せなかった時期は「大規模な政策を思い切って実施する必要があり、取るべき政策とその考え方はシンプルで明確だった」と振り返り、現在との違いを際立たせた。

日銀は、金融政策を取り巻く情勢が変化したことなども踏まえ、7月30、31日の金融政策決定会合で、金融緩和の副作用に対応するための措置を打ち出した。

同会合で導入を決めた政策金利に関するフォワードガイダンスは、低金利を「当分の間」続けると明記したが、総裁は講演で「特定の期間を念頭に置いたものではない」と重ねて表明。一方、「いつまでもという訳ではない」とも述べ、適切なタイミングで低金利政策を終える意向を示した。

長期金利の変動容認幅を広げた後の市場動向は「総じて落ち着いている」と分析し、「私どもの政策意図は、市場参加者に誤解なく受け止められたと理解している」と語った。

黒田総裁はまた、懇談会後の記者会見も含め、物価2%の実現に向けた意欲をにじませた。物価目標が未達な中で「金融政策を変えることはない」とし、金融緩和を縮小する正常化プロセスは、あくまで物価目標の達成後であることを強調した。

経済を巡るリスク要因では、米中間の貿易摩擦を挙げ、「貿易戦争は看過できない問題」と指摘した。現段階で、貿易全体への影響は限定的とみられるが「金融市場の動揺や企業心理の悪化を通じて、影響が増幅するリスクは注視していく」との考えを示した。

梅川崇
https://jp.reuters.com/article/kuroda-boj-policy-monetary-idJPKCN1M517I



 

ビジネス2018年9月25日 / 16:21 / 5時間前更新
大富豪の投資リターン15.5%、未公開株を買い増しへ=調査
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[ロンドン 25日 ロイター] - 世界トップクラスの大富豪は2017年に平均15.5%の投資リターンを確保し、今後は未公開株への投資配分をさらに増やす計画──。スイス銀行大手UBS(UBSG.S)とカムデン・ウェルスが、大富豪一族の資産を運用する事務所311カ所を対象に実施した調査で、こうした実態が明らかになった。

2016年の投資リターンは平均7%だったが、17年は先進国上場株のリターンが23%、新興国上場株が38%、未公開株(プライベートエクイティ=PE)が18%に上り、全体のリターンが拡大した。

18年はベンチャーキャピタルと未公開株に対する直接投資のリターンが13%と最高で、PEファンド投資が11%、不動産への直接投資が8.4%となる見通し。UBSのサラ・フェラーリ氏は「(大富豪の)家族事務所は5年前に計測を始めて以来、最高のリターンを達成している。相場が上昇しているのに加え、家族事務所は長期的なアプローチを取って流動性の低さを引き受けられることが、その背景だ」と述べた。

いつでも売却できる上場株と異なり、未公開株は通常何年間も投資資金が拘束される傾向にある。

大富豪一族のポートフォリオ規模は平均8億0800万ドル。投資配分は上場株が28%でうち6%は新興国市場。債券が16%、未公開株や不動産などの「オルタナティブ」資産が46%となっている。

UBS Group AG
16.065
UBSG.SVIRT-X LEVEL 1
+0.25(+1.58%)
UBSG.S
UBSG.S
コモディティーは3%、キャッシュは7%。

ただ、ヘッジファンドは手数料が高い割に運用成績が低い状態が続いているため、投資配分の削減が続いて現在は5.6%にとどまっている。
https://jp.reuters.com/article/world-wealthiest-investment-idJPKCN1M50R1


 


黒田総裁:フォワードガイダンスは「変わっていく可能性ある」(1)
日高正裕
2018年9月25日 15:44 JST 更新日時 2018年9月25日 18:00 JST
「当分の間」は「相応に長い期間のイメージ」
低金利を維持する約束は「非常に重要」、米欧とは違い
日本銀行の黒田東彦総裁は、超低金利の継続を約束したフォワードガイダンス(指針)について、将来の特定の時期や具体的な物価指標に結び付ける形で変わっていく可能性がある、との見方を示した。25日、大阪市内で行った講演と会見で語った。

  黒田総裁は、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)もフォワードガイダンスの適用期間について「当分の間」という表現を使っていたが、「今はもっと具体的な言い方になっている」と指摘。日銀も同様に「変わっていく可能性はある」が、具体的には「その時の状況次第だ」と述べた。

  「当分の間」は「相応に長い期間のイメージ」だと説明した。米欧の中銀が金融正常化を進め、日本でも早期正常化観測が見られるが、物価の上がらない日本と米欧の状況は大きく異なり、低金利を維持する約束は「非常に重要」と表明した。

  日銀は7月の金融政策決定会合で、「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」というフォワードガイダンスを導入した。19日の決定会合では、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を決定。長期金利の上下0.2%の変動を認めた持続性強化策の効果を見極める構えだ。

  黒田総裁は、2%物価上昇目標の達成に想定よりも時間がかかっており、強力な金融緩和を続けていく上で、「効果と副作用の両方をバランスよく考慮していく必要がある状況になってきている」との考えを示した。長期金利の柔軟化を認めた7月の政策修正は、この考え方に沿ったものだという。

  26日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)については、米国経済は非常に順調で「正常化を進めていくのは当然だ」と指摘。日米の金利格差は「拡大していく方向にある」とした上で、「他の条件が一定であればドル高円安になるが、為替レートはいろいろな要因で変動するので、見通しを言うのは適当でない」と述べた。

  最近の貿易の保護主義的な動きの貿易や企業の投資活動への影響についても点検を続ける。保護主義的な政策は「当事国であろうとなかろうと、誰にとってもメリットがないことは明らかだ」との見方を示した。「行き過ぎた動きにはいずれブレーキがかかる」としつつ、「引き続き、各国間で真摯(しんし)に議論を重ねていくことが不可欠」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-25/PFLLDG6KLVR401

 


ECBプラート理事、ドラギ総裁はインフレで新たなメッセージ送らず
Zoe Schneeweiss、Carolynn Look
2018年9月25日 18:31 JST
プラート理事はロンドンのイベントで発言−ユーロは上げ消す
ユーロほぼ変わらずの1.1749ドル、前日は1.1815ドル付ける
欧州中央銀行(ECB)のプラート理事は25日、ユーロ圏の基調的インフレは「比較的力強い」との前日のドラギ総裁の発言について、新たなシグナルを送ることを意図したものとは思わないと述べた。

  ECBチーフエコノミストのプラート理事はロンドンでのイベントで発言。これを受けてユーロは弱含んだ。ドラギ総裁の欧州議会での発言は向こう2年の利上げペースが早まるとの観測を高めていたため、ユーロは前日に大幅上昇していた。

  プラート理事は「昨日の市場の反応を見た」が、「反応は少し後になって反転した。それは正しいと思う。総裁の発言に何も新しいものはなかったと思うからだ。基本的にわれわれが言っているのは、物価圧力は引き続き弱くインフレ率が2%付近になるには長い時間がかかるだろうという内容だ」と語った。

  ロンドン時間午前9時32分(日本時間午後5時32分)現在、ユーロは前日からほぼ変わらずの1.1749ドル。一時は1.1774ドルとなっていた。24日には3カ月ぶり高値の1.1815ドルを付けた。

  28日発表の9月のユーロ圏インフレ率は2.1%と、前月の2%を上回る見込み。コアインフレ率は1.1%が見込まれている。前月は1%。

原題:ECB’s Praet Says Draghi Isn’t Sending New Message on Inflation(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-25/PFLT1Y6KLVS901
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/586.html#c1

[国際24] 焦点:ドイツの新移民法、メルケル首相の「大きな賭け」 うまき
1. 2018年9月25日 22:40:33 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1489]
殺人危機に陥った中南米、犠牲者1日400人
世界人口の8%を占める地域が殺人件数では世界の約3分の1を占める
By
David Luhnow
2018 年 9 月 25 日 13:42 JST
 【アカプルコ(メキシコ)】太平洋に面したメキシコのリゾート地、アカプルコは世界で最も殺人が多発する場所の1つだ。
 クリスチャン・サビノさん(22)はある朝早く、中央市場のそばでプラスチック製の椅子に座っていた。そこへ銃を持った男が近づき、5回発砲した。地面に倒れ込んだサビノさんの頭に男は最後の1発を撃ち込み、その場を立ち去った。
 この日、アカプルコでは他にも6人が殺害された。被害者の1人であるタクシー運転手の遺体はバラバラに切り刻まれていた。死はあまりにも日常の風景に溶け込んでおり、ローストチキンを出す近くのレストランの一部常連客は、警察がサビノさん殺害の現場周囲を封鎖したのを見届け、そのまま最後まで食事を続けた。
 ハリウッドスターも訪れる華やかな高級ビーチリゾートとしてアカプルコが人気を誇ったのは昔のことに思われる。人口80万人の同市では昨年、953人が暴力によって殺された。これはイタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダを合わせた数よりも多い。
 メキシコに限った話ではない。中南米・カリブ海諸国の多くが世界で最も暴力のまん延する「殺人危機地域」となっている。毎日約400人が殺害され、年間の犠牲者は14万5000人に達する。
 この地域は世界人口の8%を占めるにすぎないが、殺人件数では世界の約3分の1を占める。また国連の統計によると、2000年以降、致死的な暴力が増え続けているのは世界でこの地域だけだ。

世界の殺人の25%が集中
 世界中で発生する殺人のほぼ4分の1が、ブラジル、ベネズエラ、メキシコ、コロンビアの4カ国に集中している。ブラジルでは昨年、過去最悪の6万3808人が殺害された。メキシコも過去最悪の3万1174人を記録し、今年これまでの殺人件数はさらに20%増えている。
 ちなみに国連の集計によれば、2016年の殺人事件被害者数は中国が8634人、欧州連合(EU)は5351人、米国は1万7250人だった。
 凶悪犯罪は経済発展を遅らせ、米国への移住に拍車をかける。米州開発銀行(IDB)の2016年の調査によると、中南米諸国の国内総生産(GDP)は暴力によって平均3%押し下げられており、それは先進国の2倍の水準だ。犯罪で失われた代価をIDBは1150億ドル(約13兆円)〜2610億ドルとみているが、これは同地域全体のインフラ支出、あるいは中南米の最貧困国下位3分の1の所得合計額に匹敵する。

アカプルコの住民が朝食をとる横では、メキシコ軍兵士と警察が路上にある遺体の一部を監視している PHOTO: BRIAN L. FRANK FOR THE WALL STRE FOR THE WALL STREET JOURNAL
 ここ数年、恐ろしい暴力から逃れるため、中米諸国から米国へと渡る家族(女性・子供を含む)が増えている。「マラ・サルバトルチャ(MS-13)」、「バリオ18」といったギャング集団が恐怖政治を敷き、住民はどの学校や医療機関に通うかさえ影響を受けている。エルサルバドルの2016年の殺人発生率は人口10万人あたり83人と世界最高になり、米国の17倍近い水準だった。
 アカプルコの遺体安置所では、各種手続きや処理が追いつかないほどのペースで遺体が積み上がっている。サビノさんの殺害直後の朝、既に3人の新たな犠牲者が担架に横たえられたまま、検視解剖を待っていた。その少し先には、身元不明の356人分の遺体が5つの冷蔵室に収められており、あたりには死臭が漂っていた。
 アカプルコがあるゲレロ州の法医学当局者ベン・イェフダ・マルチネスさん(60)は、子供たちが殺されるのはいつになっても慣れないことだと話す。「昔は犯罪者が子供を手にかけることはまずなかった。だが今では7歳や8歳の子供を解剖している」と言う。マルチネスさんは地元の大学で化学と生物学を教えている。「かつての教え子を解剖しなくてはならないことが何度もあったのはショックだった」
 運ばれた死体のうち約1割は遺族も名乗り出ない。警察に書類を提出したり、遺体をわざわざ引き取ったりしないのだ。また、身元を特定するすべがない時もある。「時には足や頭しかないことがある」

アカプルコで長年の知り合いに誘拐されて殺された被害者の母親 PHOTO: BRIAN L. FRANK FOR THE WALL STRE FOR THE WALL STREET JOURNAL

6歳になる被害者の弟 PHOTO: BRIAN L. FRANK FOR THE WALL STRE FOR THE WALL STREET JOURNAL
 現在の殺人発生率のまま70年間アカプルコ(またはベネズエラの首都カラカス、エルサルバドルの首都サンサルバドル)に住み続ければ、あなたが殺される確率は約10分の1だ。
 2000〜2017年に中南米・カリブ海諸国では約250万人が殺害された。シカゴがまるごと消えたようなものだ。これに対し、シリア、イラク、アフガニスタンの武力衝突での死者は合計約90万人だ(国連の集計および「イラク・ボディー・カウント」など民間団体の推計)。
 またメリーランド大学のグローバル・テロリズム・データベースによると、同期間に世界中で起きたテロ攻撃で死亡した人は24万3000人だった。
 ブラジルでは2000〜2015年に1歳未満の乳児1379人が暴力によって死亡(政府統計)。また60歳以上の犠牲者も3万人近くに上った。
 メキシコの殺人件数は実際より少なく報告されているかもしれない。墓標のない墓に放り込まれたり、焼かれたり、サトウキビ圧搾機にかけられたりする遺体も多いからだ。ティフアナではかつて、地元犯罪組織のために300人以上の遺体を酸に溶かしたと告白した男もいた。かつて凶暴な麻薬犯罪組織「ロス・セタス」が支配していたコアウイラ州には10万3000もの身元不明の骨片があるという。
 世界の大半の地域では殺人発生率が低下しているにもかかわらず、中南米では2000年以降、殺人件数が毎年約3.7%増加。人口の伸びの3倍のペースだ(イガラッペ研究所調べ)。現在の殺人発生率は人口10万人あたり約24人だが、この流れが反転しない限り、2030年には10万人あたり35人となる見通しだ。

闇の背景には何が?
 中南米は、暴力的に植民地化され、血なまぐさい戦争によって独立した。この地域は貧富の差が世界で最も大きく、不満が鬱積(うっせき)している。経済の大きな部分は、政府の目が行き届かない露天市場や家族経営の商売など「非公式」ビジネスで構成され、それが法をすり抜ける文化を生み出している。メキシコの麻薬カルテルのような強力な犯罪組織があるほか、弱体化した行政組織には汚職がまん延している。
 人口動態にも一因がある。中南米は世界のどの地域より若年層が多く、数少ない有望な仕事を若い男性が奪い合う状況となっている。それに加えて教育制度の弱さもある。ブラジル政府の統計によると、同国の25歳以上のうち高校を卒業した者は27%しかいない。
 中南米では学校や警察といった公共サービスが整備されないまま、急速な都市化を遂げたところが多い。それによって都市周辺部には、社会的に締め出された層が多く住む地区が生まれた。都市部への人口流入が状況をさらに悪化させたようだ。過去20年間にメキシコおよび中米のひとり親家庭の比率は急上昇している。
 中南米には銃もあふれている。大抵は非合法に所持しているものだ。イガラッペ研究所によると、2000〜2015年に中米で起きた殺人の約78%は銃によるものだ。これに対し、世界平均は32%にとどまる(米国では約73%)。
 これら要因がからみ合って悪循環が生まれている。世界銀行のローラ・チオダ氏が行った調査によると、ホンジュラスの若者の実に40%が暴力を原因とする何らかの抑うつ症状を示している。「彼らが学校にいる姿を想像してほしい。これほどの心的外傷を抱えた生徒にうまく計算法を教えられるだろうか」と同氏は問いかける。多くは中退し、非公式経済の一員となる。そこには給料も訓練もなく、キャリアの展望もない。「一度足を踏み入れると、犯罪と並列するこの構造が雇用や公共サービス、アイデンティティーを与えてくれることに気づく」

車を検問するメキシコの治安当局者(麻薬カルテルの一員が近くのタクシー乗り場で銃撃された) PHOTO: BRIAN L. FRANK FOR THE WALL STRE FOR THE WALL STREET JOURNAL
 中南米は常に世界最悪の殺人多発地域だったわけではない。英ケンブリッジ大学暴力研究センターのマニュエル・アイズナー氏によると、1950年代にはシンガポールとカラカスの殺人発生率が人口10万人あたり6〜10人でほぼ並んでいた。
 当時、シンガポールにはギャングや売春、麻薬密売、汚職などがはびこっていた。だが1960年代前半の独立後、権威主義的指導者となったリ・クアンユー初代首相は、法の支配を徹底し、教育に力を入れ、勤勉な文化を作り出し、それによって社会の統合を進めた。「抑圧一辺倒ではない。そこには思いやりの要素があった」とアイズナー氏は言う。
 現在、シンガポールの殺人発生率は人口10万人あたり0.4人まで低下。一方でベネズエラ政府はカラカスの殺人件数を集計していない。非政府組織(NGO)ベネズエラ暴力監視団の推計では、同国の殺人発生率は10万人あたりおよそ110人で、年間約3万4000人が殺害されるとみられる。

根付かない法の支配
 中南米全ての国がこの問題を抱えるわけではない。チリの殺人発生率は10万人あたり3.6人と、米国を大きく下回る。メキシコのユカタン州は同様に殺人発生率が低い。都市内部でも犯罪は特定の場所に集中する。コロンビアの首都ボゴタでは全犯罪の半数が、市内のわずか2%の場所で起きている。そう考えると、暴力を減らすためには警察による効率的な取り締まりが不可欠となる。
 だがチリや、状況が徐々に改善するコロンビアなどの例外を除き、中南米諸国はおおむね強力な法制度を構築できていない。同地域で解決される殺人事件の割合は20%に満たない。メキシコではこの数字が10%を下回る。米連邦捜査局(FBI)に相当するメキシコの検事総長事務所は、過去8年間に組織犯罪に結びつく600件余りの殺人事件を捜査した。しかし有罪の評決を勝ち取ったのは2件しかない。処罰される例がここまで少なければ、殺人を犯しても不問に付されるのと実質的には変わらない。
 その結果、人々は自分たちの手で裁くようになる。メキシコ南部の町ミラバルの住民は5月半ば、年配女性を襲って強奪したとして男3人を捕まえ、火あぶりにした。当局者によると、この事件で逮捕者は出ていない。

 1990年代に中南米に民主主義が広まったことは、予想に反する影響をもたらした。独裁国家であれば、組織犯罪や暴力をコントロールするのは比較的容易だ。多くの中南米諸国は、法の支配が確立する前に民主主義を手にした。一方、アジア諸国の一部は民主主義を手に入れずに法の支配を実現した。社会主義国家キューバでは、殺人発生率が人口10万人あたり約4人と推定される。
 さまざまな意味で、アカプルコは中南米の機能不全を完璧に表す象徴的存在といえる。魅力的な美しい場所にもかかわらず、中南米に暴力をまん延させた多くの要因がそれを台無しにしている。すなわち、社会の不平等や、急速かつ無計画な都市化、教育や警察といった公的制度の不備、深く根ざした汚職、法律に触れても何とかなるという態度だ。
 「アカプルコは観光客が何をしても構わない場所だった。ここにはルールがないと地元住民が同様に思い始めたとしても不思議ではない」。同市の暴力に関する著作を執筆しているスペインのジャーナリスト、エリサベト・サバルテス氏はこう話す。ここに移り住んでからの4年間で知人5人が殺害されたという。

にぎわっていた頃のアカプルコを描いた壁画 PHOTO: BRIAN L. FRANK FOR THE WALL STRE FOR THE WALL STREET JOURNAL

観光に頼るアカプルコ経済は急減速し、多くのプロジェクトが未完成のまま放置された PHOTO: BRIAN L. FRANK FOR THE WALL STRE FOR THE WALL STREET JOURNAL
 中央市場でサビノさんが殺害された数時間後、ワニ皮のベルトと黒いサングラスを着用した地元の刑事が姿を現した。刑事は目撃者に何も質問しなかった。検視チームによって遺体が運ばれると、刑事もその場を去った。
 最近で恐らく最も悪名高い犯罪は、アカプルコの地元大学生からなる非行集団が10代の若者を10人以上誘拐し、殺害した事件だろう。この集団は高校時代のクラスメートや友人といった知り合いを標的にした。身代金を受け取った後、人質を殺したうえ、その葬式に平然と出席し、両親の前で死を悼んでいた。自分のガールフレンドを拉致して殺したメンバーすらいる。
 アカプルコ生まれのハビエル・モルレットさんはこの街を誰よりもよく知っている。父親は1960年代に市長を務めていた。モルレットさん本人は市内の空港や港湾の運営会社を経営していたことがある。2012年、メキシコ市にある同国有数の公立大学に通っていた21歳の娘が誘拐された。必死で行方を捜し続けた末、2年後に娘の遺骨を発見した。事件は未解決のままで終わったという。
 モルレットさんは暴力を「自分たちで解決できるとは思えない」と話す。「ここは昔、理想の楽園だった。だがわれわれがそれを地獄に変えてしまったのだ」

かつて裕福な米国人がヨットの修理を行っていたプラヤ・マンサニロ。今やこの海岸は麻薬抗争の犠牲者が打ち上げられることで知られる PHOTO: BRIAN L. FRANK FOR THE WALL STREET JOURNAL


 

米国の薬物過剰摂取死、グラフで見る現状「オピオイド」だけでない、長期トレンドから分かる複雑な実態
人口10万人当たりの薬物過剰摂取による死者数

Source: University of Pittsburgh and Science magazine
By
Josh Ulick and Betsy McKay
2018 年 9 月 25 日 12:05 JST 更新
 米国では薬物の過剰摂取による死者が急増しているが、その背景にあるのは医療用麻薬「オピオイド」だけではない。過剰摂取による死亡率は40年近く急激な成長曲線を描いている。メタンフェタミン、コカイン、その他の薬物など、全米で流行パターンに変化が見られるほか、さまざまな年齢層が関与している。連邦データの新たな分析で明らかになった。
 分析を行ったのは米ピッツバーグ大学公衆衛生大学院の研究者で、20日に米科学誌サイエンスに掲載された。それによると、ある薬物の使用が減少すると別の薬物の使用がその空白を埋めるように増加した。また、1つの地域である薬物1種類による死亡が頻発し、それがまた別の地域に移るというパターンが繰り返されていた。さらに、中年と20代の米国人では過剰摂取する薬物の種類が異なっていた。これは、米国人口動態統計の偶発的中毒死について分析した際に明らかになったという。
 こうした個々の「小さな流行」が積み重なり、過剰摂取による死者の急増という冷徹な全体像を作り上げている。
 このトレンドの背景にある複雑さが意味するのは、成長曲線を抑制または阻止するには、単に次々に薬物を取り締まるだけではなく、より根本的な変更が必要だということだと分析の著者は述べる。「この力学は非常に複雑だ」。ピッツバーグ大学公衆衛生大学院健康政策・管理学部の助教で分析の筆頭著者であるハウレ・ジャラルはこう話す。「特定の薬物や年齢層に対応するのではだめだろう。はるかに包括的な介入が必要になる」
10万人当たりの過剰摂取による死者数

分析の著者は、成長曲線が1999年以降に急速に上向き始めた点も指摘している。ピッツバーグ大学公衆衛生大学院の学部長で分析の最終著者であるドナルド・バーク氏は、医師がオピオイド系鎮痛剤を広く処方したことや、新たな技術によって違法薬物の生産・流通が容易になったことを原因に挙げた。その一方で、薬物需要は増加した。バーク氏によると、一部の調査ではその原因として所得格差の拡大や共同体意識の喪失などの社会的・文化的要因を挙げている。
 過剰摂取の死因としては、ヘロインとフェンタニルなどの合成オピオイドによる死亡率が処方オピオイドによる死亡率を上回っている。新たな処方指針や制限によって処方オピオイドの入手が困難になり、それに取って代わった違法フェンタニルなどの合成オピオイドは極めて強力だ。一方で、2007年以降、メタドンによる死者は減少している。メタドンは州のメディケイド(低所得者向け医療保険)制度の患者の痛み管理に処方されていたが、2007年に同制度の「推奨処方薬リスト」から外された。
 2016年のデータでは、ヘロインと処方オピオイドの過剰摂取死は性別や年齢によって異なっている。ヘロインの最大の犠牲者は20代と30代の男性だった。処方オピオイドの最大の犠牲者は中年と若者の男性だった。中年女性も薬物に大きな影響を受けていた。処方オピオイドによる死亡率は50代の男性のそれに近づいている。

 ヘロインと処方オピオイドによる死亡率は都市と地方でも異なっている。2016年のヘロインによる死亡率は都市の方が高く、特に影響を受けたのが20代と30代の若者だ。ヘロインと処方オピオイドによる死亡率は地方の方が似通っており、最も死亡率が高かったのは中年男性だった。

 分析の著者によると、薬物の過剰摂取死に関する直近の分析は白人の米国人に焦点を絞っている。しかし、アフリカ系米国人も新たな形で影響を受けている。コカインの過剰摂取によって死亡するアフリカ系米国人の年齢は上昇しており、これは特に都市の男性ユーザー群が高齢化していることを示している。

 米国のコカイン関連の過剰摂取死亡率は過去15年に上昇と下降を経験しているが、これはコロンビア内戦の影響によるコカイン生産量の増減に関係しているとみられる。つまり、供給が需要を呼び起こすことを物語る。
2003年以降のコカインによる死亡率とコカ栽培面積の変動率比較

Sources: University of Pittsburgh and Science magazine (overdose deaths);
Office of NationalDrug Control Policy (coca cultivation)

 どのような薬物がどの地域で最も使用されているかは時期によって全米で異なっている。ヘロインとコカインの使用地域はかつて、大都市周辺に集中していたが、今では全米で広く使用が見られ、特に北東・南西部が中心となっている。処方オピオイドの使用地域は、過去には南西部とアパラチア地方に集中していたが、現在は西部やニューイングランド地方に拡大している。フェンタニルはアパラチア地方と北東部で最も使用例が多い。
 全米で唯一、比較的薬物使用の少ない地域はノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ、アイオワの中北部4州だ。ただしこの4州も場所によって薬物の影響を受けている。
 メタンフェタミン関連の死亡率は西部・南西部を中心に上昇している。

 調査は一生のうち2度、特に転機となる時期があることを示している。過剰摂取死亡率はまず20代〜30代にかけて上昇し、40代〜60代にかけて再び上昇している。この傾向は特に男性に顕著だ。20代〜30代の男性の死因はヘロインと合成オピオイドの過剰摂取が多く、40代〜60代の男性では処方オピオイドが目立つ。

 多くの人の死因が「不特定薬物」または「不特定麻薬」に分類されているが、これは薬物が正確に特定できなかったことを意味する。著者によると、そうした人たちの死因は処方オピオイドである可能性が高い。死因の特定は死亡証明書を作成する医師がどの程度医療訓練を受けているかに左右される場合が多いと、専門家は話す。
薬物別、10万人当たりの過剰摂取による死者数(2016年)Source: University of Pittsburg and Science magazine

注:「不特定薬物」には「不特定麻薬」よりも広範な薬物が含まれる
ヘロイン処方オピオイドコカイン不特定薬物メタンフェタミンメタドン不特定麻薬012345メタンフェタミンx2.179

 バーク氏は、ウイルスがどのように世界中を移動して病気を流行させるかについて研究しており、薬物についても同様の研究がなされるべきだと考えている。公衆衛生当局の指導者や法執行機関、その他の関係者が協力し、薬物の具体的な販売地や産地、生産や供給方法を特定すべきだという。過剰摂取死は深刻化しており、もっと徹底した追跡が不可欠だとバーク氏は指摘する。
 米疾病対策センター(CDC)は20日、年齢調整済みの薬物過剰摂取死亡率が2006年の10万人当たり11.5人から2016年には10万人当たり19.8人に上昇したことを明らかにした。平均増加率は2006〜14年は年率2.8%だったが、2014〜16年は年率17.7%に加速している。過剰摂取死亡率は2006〜16年の間に43州とワシントンDCで上昇している。デラウェアとニューハンプシャーの両州では過剰摂取死亡率は3倍以上に上昇している。
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WSJ社説】「一帯一路」に背を向けるモルディブ大統領選で野党候補が勝利、中国より民主化を選んだ有権者

モルディブ大統領選での敗北を認める現職ヤミーン氏(24日) PHOTO: HANDOUT/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
2018 年 9 月 25 日 16:21 JST

 インド洋に浮かぶ小さな群島国家モルディブは通常あまり注目されないが、戦略的な要衝にあるため極めて重要な国だ。23日の大統領選の結果はアジアの安全保障や民主主義にとって朗報となった。

 大統領選でベテラン議員のイブラヒム・モハメド・ソリ氏と争った現職アブドラ・ヤミーン氏は24日、敗北を認めた。有権者の約90%が投票した結果、民主主義の再建と欧米との関係改善を掲げたソリ氏が58%の票を獲得した。同氏は中国からの投資に強硬路線を取ることも公約していた。

 モルディブでは10年にわたり民主化に向けた努力が続けられていたが、ヤミーン氏はそれを台無しにした。今年に入って非常事態宣言を発令。司法関係者を拘束し、抗議行動を取り締まった。かねてモルディブと友好関係にある米国やインドはヤミーン氏を批判した。一方で中国は同氏を擁護した。中国に有利な条件で公共工事に投資する習近平国家主席の「一帯一路」構想をヤミーン氏が支持したからだ。主要なシーレーン(海上輸送路)に近いモルディブは戦略的な価値も高い。

 気候変動によりモルディブは水没の危機にあると警戒する声もあるが、略奪的な融資によって国家財政が先に沈むかもしれない。中国政府は近年、モルディブの公共工事に多額の投資を続けてきた。国際通貨基金(IMF)の2017年のリポートによれば、モルディブの対GDP債務比率は「2014〜16年に11.5ポイント近く増えた」。中国関連プロジェクトの影響で、対外債務は2021年にはGDP比51.2%に達する勢いだ。IMFによればモルディブの政府歳入が約10億ドル(約1120億円)であるのに対し、債務利子支払額は今後4年間で毎年9200万ドルに達する。

 持続不可能な債務を弱い国に背負わせることは一帯一路によくある手法だ。プロジェクトが債務不履行に陥れば、中国は戦略的に重要な公共事業を差し押さえる。スリランカは中国政府系企業に対する数十億ドルの債務の返済に窮して、自国の港を引き渡す決断をした。他国政府もこうした手法に気付いている。

 戦略上の問題は別として、大統領選の結果は何よりモルディブの民主主義にとって勝利だ。有権者は民主主義がハイジャックされることを拒否した。モルディブの新政府は、中国との怪しげな取引への依存を減らすと公約している。その実現に向け、インドや欧米諸国は手を差し伸べるべきだ。

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WSJ社説】プーチン氏がシリアに贈るミサイル
ロシアがイスラエルに協力するとの期待は外れた

ロシアの地対空ミサイルシステム「S300」(16年、モスクワ) PHOTO: ALEXANDER ZEMLIANICHENKO/ASSOCIATED PRESS
2018 年 9 月 25 日 11:18 JST

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がイスラエルおよび米国と協力してイランをシリアから追い出す、と楽観的に考えている人々は考え直した方がいいかもしれない。ロシアは24日、高性能の地対空ミサイルシステム「S300」を、シリアの対ロ従属政権に2週間以内に引き渡す計画だと発表した。

 ロシア政府は、シリアの防空システムが先週ロシアの偵察機を誤って撃墜し、搭乗していたロシア人15人を死亡させた事件を挙げ、今回の決定を正当化している。シリアのミサイルは、同国内にあるイランの拠点を爆撃するイスラエル軍機を標的としていた。S300システムは誤ってロシア軍機を攻撃する可能性は低いが、従来のシステムよりはるかに強力で、イスラエル軍機にとっては大きな脅威となる。

 イスラエルはシリア領内に頻繁に空軍機を飛行させている。軍事拠点を確立しようとするイランの執拗(しつよう)な取り組みを遅らせるためだ。シリアのアサド政権がイランの行動に反対しないのは、イランの革命防衛隊とロシアが、シリア内戦の形勢逆転を後押ししてくれたからだ。イランは武器と民兵のための永続的な拠点を持つことを望んでいる。自らの勢力範囲を拡大し、次に不可避の戦争が始まったときにイスラエルに直接脅威を与えることが狙いだ。イスラエルはこうした軍事増強を容認できない。隣国レバノンでイスラム教シーア派組織ヒズボラが最大15万発と推計されるミサイルを持つことを考えると、なおさらだ。

 米国とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランから距離を置くようプーチン氏を説得しようとしてきたが、効果はほとんどない。イスラエルはもちろんロシア軍に損害を与えるような事故を起こさないように努めるだろうが、一方でイラン革命防衛隊が国境に橋頭堡(きょうとうほ)を築くのを阻止せざるを得ない。S300の供与は、プーチン氏が米国とその同盟国を困らせたいと考えていることを示す新たなしるしだ。

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内戦シリアで富を築いた男、アサド政権の命綱
強いプーチン氏と弱いロシア
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/130.html#c1

[原発・フッ素50] 伊方原発再稼働を容認 広島高裁、差し止め取り消し  伊方3号機、10月27日再稼働 広島高裁決定受け四国電 うまき
1. 2018年9月25日 22:50:41 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1490]
四国電「妥当な決定」 伊方3号機差し止め取り消し
環境エネ・素材 中国・四国
2018/9/25 13:47
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 四国電力は25日、広島高裁が伊方原子力発電所3号機(愛媛県)の運転差し止め仮処分を取り消して再稼働を認める決定をしたことについて、「妥当な決定をいただいた。安全を最優先に運転再開に向けた準備を進める」との佐伯勇人社長のコメントを発表した。


 


伊方原発の再稼働、高裁が容認 差し止め仮処分取り消し
新谷千布美2018年9月25日21時36分
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会見で判決について話す河合弘之弁護士(中央)=2018年9月25日午後3時26分、広島市中区、上田幸一撮影

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 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めた広島高裁の仮処分決定について、広島高裁は25日、四電の保全異議を認め、決定を取り消した。差し止めの法的拘束力がなくなったことを受け、四電は10月27日に3号機の運転を再開すると発表した。

 異議審では、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山(熊本県)の噴火リスクが焦点となった。

 三木昌之裁判長は決定で、火山に関する原子力規制委員会の安全審査の内規(火山ガイド)について、噴火の時期や程度を「相当程度の正確さ」で予測できることを前提としている点を「不合理」と指摘した。

 しかし、阿蘇山の破局的噴火については「頻度は著しく小さく、国は具体的な対策をしておらず、国民の大多数も問題にしていない」と指摘。「発生の可能性が相応の根拠をもって示されない限り、想定しなくても安全性に欠けないとするのが社会通念」とした。

 そのうえで、阿蘇山に関してこうした根拠は示されておらず、破局的噴火以外で火砕流が伊方原発に達する可能性は十分小さいと判断。伊方原発の立地は不適ではないと結論づけた。

 仮処分を申し立てたのは広島市と松山市の住民。広島地裁は昨年3月に住民側の申し立てを退けたが、広島高裁は同12月、これを不服とした住民側の即時抗告を認めて、運転を差し止める決定を出した。四電が保全異議を申し立て、異議審では広島高裁の別の裁判官3人が審理していた。住民側は最高裁への不服申し立てを見送る方針。

 伊方原発3号機をめぐっては、大分地裁で今月28日、別の住民による運転差し止めの仮処分申し立てに対する決定が出る予定。(新谷千布美)

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伊方3号機、10月27日再稼働 広島高裁決定受け四国電
2018/9/25 13:34 (2018/9/25 16:39更新)日本経済新聞 電子版
 四国電力の伊方原子力発電所3号機(愛媛県)が1年ぶりに稼働する見通しとなった。広島高裁(三木昌之裁判長)が25日、四国電の異議申し立てを認め、2017年12月に同高裁が命じた運転差し止め仮処分を取り消した。これを受け、四国電力は伊方3号機を10月27日に再稼働する予定だと発表した。同社最大の発電設備の復帰は経営にはプラスとなる。

 伊方3号機は新規制基準下で2016年8月に再稼働し、17年10月に定期検査入り。同12月の運転差し止めがなければ、18年1月に運転を再開する計画だった。定期検査による停止を含め、運転再開は約1年ぶりとなる。

 ただ同3号機は近隣県の住民らによる差し止め仮処分申請を複数抱えており、今後も「即停止」となる可能性は残る。

四国電力伊方原発3号機の運転差し止め仮処分異議審で運転再開が認められ、垂れ幕を掲げる住民側(25日午後、広島高裁前)=共同
 
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)

 伊方3号機(出力89万キロワット)は11年の東日本大震災後に導入された新規制基準下で16年8月、全国3カ所5基目として再稼働した。四国電の年間電力供給量の2割程度を担い、火力発電の燃料費などを減らし月35億円の収支改善効果があった。

 17年10月に定期検査入りし停止中だったが、同12月に広島高裁が運転差し止め仮処分を決定した。9万年前と同じ阿蘇山の破局的噴火リスクを払拭できないとの理由からだ。

 しかし、25日の決定で三木裁判長は「(過去最大規模の噴火の)発生頻度は著しく小さい。想定しなくても安全性に問題ないとするのが現時点の社会的通念」とした。

 運転停止から間もなく1年となる。仮処分による長期停止により四国電は約300億円の収支悪化要因になったとしている。18年4〜6月期には再稼働直前の16年以来、2年ぶりの最終赤字に転落。早期再稼働は同社の経営上の最優先事項といえる状況だった。

高松市にある四国電力本店 

 伊方原発の1、2号機(いずれも56万6千キロワット)は小型で老朽化しており廃炉を決めている。四国唯一の原発である3号機が動けば、同社全体の電力供給力も高まる。小売り全面自由化で競争が激しくなる中、他社や市場に売電する「外で稼ぐ」収益モデルを再び目指せることになる。

 差し止め仮処分が覆った事実は目先の再稼働にとどまらない意味を持つ。17年12月の差し止め仮処分には「18年9月末まで」との期限がついていた。今回、広島高裁が差し止めの是非をどのように判断しても10月以降は法的に再稼働は可能だった。

 四国電には異議審を争わず期限切れを待つ選択肢もあったが取り消しを求めた。この点について同社幹部は「高裁決定は重い。他の訴訟への影響を考えれば、なんとしてでも(運転差し止めを)ひっくり返す必要があった」と話す。

(深野尚孝)
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/344.html#c1

[国際24] アフリカを植民地化しつつある中国の一帯一路 米国に桁外れサイバー攻撃、やはり中国の犯行だった 中国の大気汚染は今 うまき
1. 2018年9月26日 07:26:56 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1491]
国営事業で財政再建、武帝が見せた超絶経営センス
【連載】ビジネスに効く! 世界史最前線(第6回)
2018.9.26(水) 玉木 俊明
万里の長城は匈奴などの異民族の攻撃に備えるために築かれた
 前221年に中国を統一した秦でしたが、その政策があまりに急進的かつ過酷であったために、始皇帝が没するやいなや、各地で反乱が相次ぎ、前206年に滅亡します。

 秦代の歴史については、新たな竹簡が発見され、次々と新事実が判明してきていますので、今後大きく書き換えられる可能性もあります。ただ、始皇帝が目指した中央集権化の志向性は、少なくとも宋代に至る歴代王朝でも維持されていた、という現在の評価は今後も変わらないのではないでしょうか。

 経済が成長するために国家の役割はきわめて重要です。前回の記事★(「中国文明を経済成長路線へ乗せた始皇帝の『剛腕』」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54030)で述べたように、始皇帝は文字の統一だけではなく、大土木工事を実施し、道路や運河の整備を行いました。これにより輸送コストが大きく低下したはずです。

 道路や運河などのインフラ整備は、経済成長のために欠くことのできないものです。中国ではまず秦が本格的なインフラ整備に乗り出しましたが、その発想は後に続く漢にもバトンタッチされたのでした。前回解説したように、青銅器や鉄器の普及でメソポタミアに遅れていた中国は、始皇帝の類まれなるリーダーシップで経済発展を遂げ、さらに漢の時代にその地歩を確かなものとするのでした。

中央集権体制を敷けなかった劉邦
 前210年に始皇帝が没すると、秦による治世は急激に不安定化してきました。そこに陳勝と呉広が起こした反乱(「陳勝・呉広の乱」)をきっかけに、秦朝に対する農民たちの反乱が全国的規模へと拡大していきます。

 この騒乱の中、陳勝と呉広は討ち死にしますが、秦朝に対する戦争は楚の項梁に引き継がれます。その項梁も秦を滅ぼす前に敗死すると、その配下で活躍していた、項梁の甥で軍人出身の項羽、農民出身の劉邦の2人が頭角を現してきます。

 最終的に秦を滅ぼしたのは項羽でしたが、その後の覇権を巡り、劉邦と対立します。

 その対立で優勢だったのは項羽でしたが、最後に勝利したのは劉邦でした。劉邦は前202年の垓下の戦いで項羽を打ち破り、中国の統一に成功したのでした。

 ところがこの劉邦は、始皇帝のような中央集権体制を築くことはできませんでした。劉邦は、大勢の人たちの力を借りて漢(前漢)を建国しました。劉邦に協力してくれた人々とは、中央集権的で強権的だった秦の治世へ反発した人々です。

 したがって中央から地方に派遣した官僚が各地を管理する中央集権的な「郡県制」ではなく、地方分権的な「郡国制」を採用したのです。漢を建国した劉邦は、自分のために戦ってくれた一族の諸侯や功臣の功績を無視するわけにもいかず、彼らに領地を与え諸侯王や列候として厚遇しなければならなかったのです。これが前漢の、大きな特長でした。

 ただし劉邦は、直轄地には郡県制を、それ以外の地には郡国制を採用しました。中央集権的体制を理想としながらも、諸侯王たちの権力をある程度容認するという折衷案だったのです。

 高祖以降の漢の皇帝たちはどうだったかと言えば、やはり、諸侯王の権力を奪い取って、皇帝の権力を強め、独裁体制を敷こうと目論みました。すると当然、それに対して、諸侯王が反発します。それが爆発したのが、前154年に勃発した「呉楚七国の乱」でした。

【地図1】呉楚七国の乱 ©アクアスピリット
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 地図にあるように、漢に反旗を翻した諸侯王の領土を合わせると非常に大きいものでした。諸侯は半独立国で、この反乱を平定しない限り中国はまた大きな混乱に見舞われる可能性がありましたが、この乱は皇帝であった景帝(在位:前157〜前141年)により3か月間で鎮圧されました。これをきっかけに、諸侯王の勢力は大きく削減されることになります。

武帝登場
 武帝(在位:前141〜前87年)が即位したのは、このような時代でした。その治世になると、諸侯の力はさらに弱められ、君主独裁制が一層強められることになりました。

 このころ、漢はある脅威に悩まされていました。それは北方の遊牧騎馬民族、匈奴の攻撃です。匈奴は、秦の始皇帝が建設し、漢も整備を続けた万里の長城を越えて、中原(黄河中流域)まで侵攻し、略奪を繰り返していたのです。

 そこで武帝は、匈奴との対決を考えます。前139年、西方の大月氏国に「匈奴挟撃」の同盟を結ぶため、張騫(ちょうけん)を派遣しました。

10年の拘留生活から決死の脱出
 使節団を率いて大月氏国へ向かった張騫でしたが、途中で匈奴に捕らえられ10年近く拘留されてしまいます。その後、何とか脱出に成功した張騫は、大月氏国にたどり着くことに成功しましたが、張騫の申し入れは聞き入れられませんでした。

 ただ、張騫の旅は無駄ではありませんでした。彼は帰国後、大月氏や大宛、烏孫などの状況や地理について詳細に報告します。その情報を元に、武帝は本格的な西域経営に乗り出します。前129年以降、衛青、霍去病(かくきょへい)の2人の将軍を登用して匈奴を圧迫することに成功、西域に進出することになりました。

【地図2】前漢の最大版図 ©アクアスピリット
拡大画像表示
 武帝は西域に敦煌をはじめとする四郡を設置し、支配領域を西に広げていきます。さらに南にはベトナムの南越を滅ぼして日南郡を置き、東へは朝鮮に侵出して楽浪郡以下の四郡を置いて直轄領としました。

 このように武帝時代には、その版図を中華以外の世界に拡大していったのです。これらの地域は、言うなれば中国の単一市場に取り込まれたわけです。始皇帝時代に出現した単一市場をはるかに上回る規模のものでした。

 もちろん、現代の単一市場ほどの凝集性はありませんが、緩やかにつながれた1つの市場と見るべきでしょう。

積極的外征が招いた財政危機
 一方で、武帝の対外政策によって、漢は窮地に立たされてしまいました。あまりに積極的な対外政策の連続で、巨額の資金が費消され、国庫が空っぽになってしまったのです。

 武帝は、財政再建を図る必要に迫られました。そこで登用したのが経済官僚・桑弘羊(そうくよう・前152〜前80年)です。

 桑弘羊の助言を受けた武帝は、それまで帝室財政の収入源となっていた塩鉄税収を、国家財政に移管しました。

 鉄と塩は、中国においてもっとも重要な産業でしたが、塩の生産地は山西省や四川省の一部に限られており、地元の製塩業者とその販売業者が巨額の富を得ていました。鉄製農具についても、製鉄業者とその販売業者の独占状態にあり、彼らが莫大な利益を得ていたのです。

 この塩と鉄の商売には課税されていましたが、その税は帝室に収められ、国家財政には寄与していなかったのです。桑弘羊はこれを改め、さらにその後、塩と鉄を国家による専売制にして莫大な収入を得ていくのでした。

 また桑弘羊は、均輸法・平準法を実施しました。

 均輸法とは、地方に置いた均輸官という役人が、その地方で余っている商品の購入と中央への輸出を担当し、中央はその商品が不足している地方に売るという法律です。

 平準法とは、物価が低下したときには国家が商品の買い付けをすることで物価を引き上げ、逆に物価が上昇したときに国家が買い付けていた商品を売って物価を引き下げるという法律です。地方での商品の買い付けを担当するのは均輸官、都である長安でその商品の保管・売り出しを担当するのは平準官と呼ばれる役人でした。

 どちらも「物価の安定」が建前になっていますが、その裏には、直接商売に介入し、収益を上げ、財政を立て直したい、という国家の意図がありました。一方、商人にとっては自分たちの商売を圧迫この政策に、強い不満を持つようになりました。

 学者からも「民業圧迫」の強い批判が桑弘洋に対してなされましたが、この経済官僚は持論を曲げず、自ら提言した経済政策を貫くのでした。

 さらに武帝は、商工業者にかける財産税を重くして税収を増やし、さらに諸侯国に認めていた貨幣鋳造を禁止し、中央官庁が発行する「五銖銭」だけを通貨とすることで通貨制度を安定させたのでした。しかも五銖銭は、唐代初頭まで使用されます。このように同じ通貨が長く使われるということは、中国経済の安定につながりました。

 こうした政策の結果、商人たちの財布の中身は寂しくなったかもしれませんが、国家の財政は一気に豊かになったのです。

先進的な政策で成し遂げた財政再建
 武帝と桑弘羊のコンビが断行した財政改革と経済政策は、非常に先進的な施策でした。

 この政策により、首都・長安の倉庫には穀物が満ち溢れ、都に集められた絹布も500万匹に達したと言われています。政策は大成功を収めたのでした。

 武帝の財政改革は、単に財政赤字を解消することだけにとどまらず、国家が経済に介入し、経済成長を促すというシステムだったと言えるでしょう。これを始めたのは秦の始皇帝でしたが、武帝の時代により洗練され、完成したシステムに高められたのでした。

 財政危機に陥った原因は、積極的な外征にあったと言われていますが、そもそも広大な帝国の維持には膨大な経費が必要です。問題は、「その費用を誰が負担するか」ということです。

 一連の政策で、武帝は一般民衆にかかっていた負担を、特権的大商人に転嫁することに成功したと言えるでしょう。塩・鉄の専売は大商人のドル箱事業を国家が奪ったわけですし、均輸法と平準法も商人が掌握している物流・販売事業の一部を国家が代わりに行うようになったわけですから。

 しかもこれらは、単なる経済政策にとどまらず、積極的な「国営事業」運営の前例となりました。現代でも、目的は様々でしょうが多くの国でさまざまな形の国営事業が展開されています。問題は、それが成功するかどうか、です。歴史を振り返れば、大失敗した国営事業には枚挙がありません。武帝の国営事業はどうだったか。私は成功だったと評価してよいと考えています。

 ただ、武帝と桑弘羊の財政政策には、少しだけ欠落している視点がありました。

 それは国債を発行しなかったことです。

 戦争などで増大する国家支出を賄うため、国債を発行して資金を集め、それを長期で返済する仕組みを作ったならば、財政運営ははるかに楽になったはずです。そして、これこそが近代的な財政システムの要になっています。

 ですが、さすがの桑弘羊もそこまでは考えつきませんでした。このような財政システムを最も効率的に構築したのは、18世紀のイギリスでした。イギリスはそのためにフランスとの戦争を勝ち抜き、ヘゲモニー国家になったのです。もしも桑弘洋が国債の仕組みを発明していたならば、中国はさらなる経済発展を遂げていたかもしれません。

 
ブラジル大統領選挙、中南米の新たな脅威
政界の腐敗に国民うんざり、極右候補に票が流れる恐れ
2018.9.26(水) The Economist


 
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(英エコノミスト誌 2018年9月22日号)

ブラジル大統領選の最有力候補、腹部刺され内臓に達する重傷
ブラジル、リオデジャネイロを訪れた右派大統領候補、ジャイル・ボウソナロ氏(2018年8月27日撮影)。(c)Mauro PIMENTEL / AFP〔AFPBB News〕

極右のジャイル・ボルソナロ候補が当選したら大変なことになる。

 「神さまはブラジル生まれ」ということわざがある。人気のある映画のタイトルにもなっている言葉だ。

 確かに、その美しさ、豊かな自然、音楽などに触れると、何か特別な祝福を受けている国なのではと思うことも少なくない。

 しかし当のブラジル国民はこのところ、本当の神はこの映画に登場する「神さま」のように休暇を取り、どこかに出かけてしまったのではないかと疑っているに違いない。

 景気は散々で、財政は逼迫し、政治は腐敗し切っている。路上での犯罪も増えている。世界で最も危険な20都市のリストには、ブラジルの都市が7つも入るありさまだ。

 来月に予定されている国政選挙は、ブラジルが新たなスタートを切るチャンスとなる。

 しかし、非常にあり得ることだが、右派ポピュリストのジャイル・ボルソナロ候補が大統領選挙で勝利すれば、何もかもが悪化するリスクが生じる。

 メシアス(メシア、救世主の意)というミドルネームを持つ同氏は、救済を約束している。だが実のところは、ブラジルにとって、そして中南米にとっても危険な人物だ。

 ボルソナロ氏は、米国のドナルド・トランプ大統領、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領、そしてマッテオ・サルビーニ副首相を擁するイタリアの左右連立政権へと連なるポピュリストクラブの新メンバーだ。
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/131.html#c1

[国際24] アフリカを植民地化しつつある中国の一帯一路 米国に桁外れサイバー攻撃、やはり中国の犯行だった 中国の大気汚染は今 うまき
2. 2018年9月26日 07:28:12 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1492]
中ロ、初の大規模合同演習で蜜月演出し日米牽制
熊谷徹のヨーロッパ通信
独メディア、「平和条約の提案は安倍首相への侮辱」

2018年9月26日(水)
熊谷 徹

 ロシア軍は今年9月11日から6日間にわたり、シベリアと極東地域で中国、モンゴルとともに大規模な軍事演習「ボストーク2018」を実施した。この演習の狙いはロシア・中国と米国との関係が悪化する中、中ロ両国の「蜜月」を強調することで日米を牽制することだった。ドイツのメディアは、ロシアのプーチン大統領が9月12日、極東ウラジオストクで開かれていた「東方経済フォーラム」で、日本政府に事前通告することなく「平和条約の年内締結」を提案したことについて、「安倍晋三首相に対する侮辱」と解釈している。


東方経済フォーラムでパネルディスカッションに参加した安倍首相(左)と習近平国家主席(中央)、プーチン大統領(右)。プーチン氏は、習氏と関係を強化する一方で、平和条約をめぐって安倍首相に揺さぶりをかけた(代表撮影/ロイター/アフロ)
 この演習には、米国の国防総省や欧州の北大西洋条約機構(NATO)をはじめ世界中の軍事関係者が注目した。その理由は2つある。

過去最大規模の軍事演習?
 1つは、参加部隊の規模がソ連崩壊後にロシアが実施した軍事演習の中で最大だった点だ。ロシア国防省は、「ボストーク(東方)2018には中部軍管区と東部軍管区の29万7000人の将兵、3万6000両の戦車や装甲兵員輸送車、1000機の軍用機、80隻の艦艇が参加した。過去になかった規模だ」と説明している。

 ソ連軍(ロシア軍)の演習の中で最も規模が大きかったのは、東西冷戦がたけなわだった1981年にワルシャワ条約機構軍が東欧で実施した「ザパート(西方)1981」だ。この時には約15万人の兵が参加したとされている。つまり今回のボストーク2018の参加兵力は、ザパート1981の約2倍になる。

 軍事専門家の間では、「29万7000人という数字は誇張されている」という見方が出ている。ロシア国防省の発表が事実とすると、ロシア軍の兵力の3分の1がこの演習に参加したことになるからだ。中部軍管区から多数の将兵や戦車を一度に列車や大型トレーラーなどでロシア東部に移動させようとすると、交通が混乱する可能性がある。だが、そのような事態は起きていない。

 ソ連およびロシアの国防省は、過去においても軍事演習の参加人員数を実際よりもふくらませて広報してきた。たとえばある部隊から一握りの将兵が演習に参加しただけでも、その部隊の総兵力が演習に参加したと数えるのだ。したがって米英の外交官や軍事関係者の間では、ボストーク2018に参加した兵力は10万〜15万人だったという見方がある。

 だが仮に参加兵力が10万人としても、ボストーク2018がソ連崩壊以後最大規模の演習だったことは間違いない。ちなみにロシアが昨年、東欧で実施したザパート2017の参加兵力は1万2700人だった。

中国軍が本格的なロシアの軍事演習に初参加
 この演習が大きな注目を集めたもう1つの理由は、中国の人民解放軍(以下、中国軍とする)の参加だ。中国軍はボストーク2018に3200人の将兵、900両の戦車・装甲兵員輸送車、30機の軍用機を参加させた。ロシア軍と中国軍は過去においても共同で小規模な演習を行ったことがあるが、その主要な目的は対テロ戦などに限られていた。今回のようにロシアが定期的に実施する大規模な軍事演習に中国軍が参加するのは初めてである。

 なぜ中国はボストーク2018に参加したのだろうか。その背景には、中国が今進めている軍の近代化がある。

 中国軍は1979年の中越戦争以来、実戦を一度も経験したことがない。これに対しロシア軍はシリア内戦やウクライナ内戦に介入することによって、実戦の経験を着々と蓄積している。このため中国軍は今回の演習に参加することによって、ロシアがこれらの戦場で集めたノウハウや戦訓を吸収しようとしているのだ。

 ロシアの兵器産業にとって、中国は極めて重要な顧客だ。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、中国は2017年にロシアから8億5900万ドル(約945億円)相当の兵器を購入している。これはインド、エジプトに次いで世界で3番目に多い金額だ。

 もちろん今回中国軍が演習に参加させた将兵の数はわずか3200人であり、規模は小さい。ただしロシア軍は中国軍の参加について積極的に広報した。しかも両国は、今後も軍事交流を深化させる方向にある。ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は9月13日、中国軍の魏鳳和国防部長とともにシベリアの射爆場での実弾演習を視察した際に、「我が国と中国は、今後もボストーク2018のような大規模な合同軍事演習を定期的に実施する」と発言している。

中国との接近ぶりを強調するロシア
 さてロシアが「中国との初の本格的な合同軍事演習」を全世界へ向けて積極的に発信した狙いは何だろうか。ロシアが視野に置いているのは、米国だ。

 社会主義時代のソ連にとって、中国は「潜在的脅威」だった。ソ連東部で領土を侵略する危険性が最も高い国は中国だった。両国間の国境線は約4400キロメートルと長大だからである。実際1969年には極東のウスリー川にあるダマンスキー島(珍宝島)の領有権をめぐって、中ソ間で軍事衝突も起きている。

 だがロシアは21世紀に入って中国との関係改善に努めている。そのことは、ロシアが中国に毎年約380億立方メートルの天然ガスを輸出する契約を2014年に調印したことにも表れている。ロシアは中国軍を大規模演習に参加させることで、「中国はロシアにとってもはや軍事的な脅威ではなくなった。両国は関係を強化する方向にあり、ロシアは孤立していない」というメッセージを全世界に送ろうとしている。

 逆にロシアと欧米との関係は、悪化する一方だ。欧米は、ロシアが2014年にクリミアを併合したり、2015年にウクライナ内戦に介入したりしたのを理由に、対ロシア制裁を実施している。NATOはロシアがバルト三国への圧力を高めていることを警戒し、昨年初めて、これらの国々に戦闘部隊を常駐させた。小規模な部隊とはいえ、かつてソ連領に編入されていた国にNATOが戦闘部隊を常駐させることの意味は重い。

 また欧州諸国の政府は、ウクライナや欧州の多くの企業に膨大な経済損害を与えたランサムウエア「ノットペティア」などによるサイバー攻撃が、ロシアの諜報機関によるものだったという疑いを強めている。特にドイツ政府はロシアのサイバー攻撃を重大な脅威と見なしている。

 さらに米国では、ロシアの諜報機関が米国大統領選に介入した疑惑についての捜査が続いている。英国では今年、軍用の神経剤ノビチョクによって英国市民1人が死亡し、元二重スパイらが重体に陥る事件が発生した。欧米諸国はロシアの軍事諜報機関による犯行と断定して、ロシアの多数の外交官を追放した。米国は、ロシアからドイツに天然ガスを直接輸送するパイプライン「ノルトストリーム2」の建設プロジェクトについても、批判的な姿勢を強めている。

 欧州ではロシアがクリミアを併合して以来「冷戦の再来」ともいうべき状態が続いているのだ。

 つまりロシアのプーチン大統領は、極東地域で「過去最大規模の軍事演習」を実施することで国力を誇示するとともに、中国との蜜月を強調することによって西側陣営を牽制している。さらに中国軍を演習に招待する形を取ることで、軍事に関してはロシアが中国に対して優位な立場にあることを印象付ける狙いもある。

中国も日米を牽制
 一方中国も、米国との貿易紛争がエスカレートする兆候を見せていることから、米国に対する共同戦線を張る「盟友」を必要としている。

 中国指導部は当初、制裁関税をめぐるトランプ大統領の恫喝を、単なる脅し(ブラフ)と考えていた。だが最近は、「米国は冷戦時代、ソ連に対して、ココム(対共産圏輸出統制委員会)などによる封じ込め政策を実施した。同様に、トランプ政権は中国に対する包囲網を作り、中国政府の経済戦略『メイド・イン・チャイナ(中国製造)2025』や『一帯一路』などのプロジェクトを妨害しようとしている。制裁関税は中国封じ込め政策の一環だ」という見方が強まっている。このため、今後中ロは「反米陣営」を構築するために関係を急激に密接にする可能性がある。

プーチン大統領の平和条約提案
 ドイツの保守系日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)は、「中ロ蜜月は、日本政府にとって頭が痛い事態であり、日本は今回の合同軍事演習を疑惑の目を持って眺めている」と論評している。尖閣諸島をめぐる日中間の対立が将来さらにエスカレートした場合、中国はロシアから後押しを受けるかもしれない。日本政府は北方領土問題があるために、ロシアに対しては強硬な姿勢を取れない状況にある。その意味でも中国にとってロシアとの協調は重要だ。

 しかもトランプ政権が誕生して以来、日本政府はアジアでの有事の際に米国が積極的に支援してくれるかどうかについて、過去に比べて確信を持てない状況に追い込まれている。これも日本政府にとっては頭痛の種だ。

 FAZは「安倍首相は北方領土の早期返還を実現させることを望んでいる。しかしプーチン大統領が東方経済フォーラムの場で、前提条件なしに今年末までに日本と平和条約を締結しようと安倍首相に提案した。これは悪い前兆だ。領土問題を解決した後に平和条約を結ぶという日本政府の方針に逆行する。プーチン大統領は2日前に行った安倍首相との首脳会談ではこの提案を伝えず、聴衆の前で公表した」と報じた。

 さらに同紙は「プーチンは自分のイメージを良くするために安倍首相を利用した」と論評し、安倍首相を「侮辱された男(der Gedemutigte)」と呼んだ。政治家に気遣いをする日本の報道機関とは違い、ドイツのメディアは歯に衣着せない。

 このパネル・ディスカッションの映像を見ると、プーチン大統領は機関銃のように早口で自己の主張をまくしたてている。安倍首相は、「平和条約を年内に締結しよう」という提案を聞いても苦笑いを浮かべるだけで、自分の意見を言わなかった。

 日本国内ではこうした態度は珍しくないのかもしれない。だが外交の世界では通用しない。日本の外では、直ちに反論しなければ、相手の意見を認めたと誤解される危険がある。安倍首相は少なくとも、「まず領土問題を解決するのが先だ。平和条約の締結はそれから」と日本側の主張を繰り返すべきだった。米国の大統領やドイツの首相ならば、こういう発言を聞いてニコニコしていることはあり得ない。

 立て板に水のロシア大統領と、苦笑いをするだけの日本の首相。外交の舞台でのイメージをめぐる「戦争」でどちらが優勢に見えたかは、言うまでもない。

独メディアは四島返還に悲観的
 FAZによるとロシアにとって北方領土は戦略的に重要な意味を持つ。その理由はこれらの島々が、オホーツク海と太平洋を区切る自然の防壁の役割を果たしているからだ。ロシアが択捉島と国後島に対艦ミサイルを配備しているのはそのためだ。ロシアが防衛拠点として使っている島を外国に引き渡すとは考えにくい。同紙は北方領土四島の返還について悲観的なのである。

 日本政府にとって、「平和条約を締結する前にまず領土問題を解決」というこれまでの要求を覆すことは難しい。さらに、もしも日本が歯舞群島と色丹島の引き渡しを目指してロシアと平和条約を締結した場合、プーチン大統領は「自国の主張が通った」と宣伝し自分のイメージ強化に使うに違いない。条約締結後にロシアが歯舞群島と色丹島を引き渡す保証もない。

 プーチン大統領に対する支持率は、今年6月にロシア政府が年金支給年齢の引き上げを発表して以降、下がりつつある。そうした中で、プーチン大統領が北方領土問題で日本に譲歩するような態度を示した場合、支持率がさらに下がる可能性もある。欧州で東西冷戦が再来したかのようなムードが高まっている今、極東での「領土引き渡し」は彼の愛国者としてのイメージに傷をつけるからだ。

 ドイツのメディアが「侮辱された男」と呼んだ安倍首相は、プーチン大統領の変化球をどう打ち返すのだろうか。事態を静観するだけでは、膠着状態にある交渉を打開することはできない。


このコラムについて
熊谷徹のヨーロッパ通信

http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/131.html#c2

[経世済民128] スズキ、トヨタ傘下入りが現実味…中国の所得水準上昇に伴い販売不振→全面撤退(Business Journal) 赤かぶ
1. 2018年9月27日 04:01:17 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1493]
中国製リチウム電池が信頼できない理由
技術経営――日本の強み・韓国の強み
車載用電池に対する自動車各社の異なる見方

2018年9月27日(木)
佐藤 登


北京モーターショー2018に展示された米ゼネラルモーターズのEV「ヴェリテ 6(Velite 6)」(写真=AFP/アフロ)
 9月13日のコラムでは、「爆走中国EV、電池業界に起きている異変」を執筆した。これまで報道されてきた中国でのEVシフトや、そこに連結する電池業界の勢いが以前ほどないこと、それどころか経営危機に陥る企業も出てきていること、そしてその背景にあるものなどについて考察した。

 変化が起きている最大の要因は、中国政府が打ち出してきたエコカーへの補助金を減額していることによるものだ。補助金は2020年には消滅する予定になっている。となれば、事態は一層深刻化すると思われるが、中国政府の面子もかかっているこの状況の中で、新たな政策がどのように出てくるのかが着目される。

中国製電池の信頼性は大丈夫か?
 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の報道を、中国メディアの「OFweek」が9月14日付で伝えた。それは、米ゼネラルモーターズ(GM)が2019年に市場投入を予定しているビュイックブランドのEV「ヴェリテ6(Velite 6)」に関するもの。適用している電池メーカーのリチウムイオン電池(LIB)の性能が要求に届かないこと、更には安全基準にも適合しないため、発売を遅らす可能性が高いというニュースである。

 報道によると、ヴェリテ6にLIBを供給するのは中国Wanxiang Group(万向集団)傘下のA123システムズである。浙江省杭州の工場でヴェリテ6に搭載するEV用電池を生産している。ヴェリテ6にはプラグインハイブリッド車(PHV)もあるが、こちらは近く生産に入るとのことだ。

 OFweekによると、GMは当初、韓国LG化学製のLIBを採用する計画であった。しかし中国政府が定めた16年の規定、それは「バッテリー模範基準認証(通称、ホワイトリスト)」を取得していない企業のバッテリーを搭載するクルマは中国国内での補助金を認められないというものだが、日韓勢のLIBは認定されることはなかった。すなわち、LG化学製LIBを搭載したエコカーには補助金が付かないということを意味し、LG化学のビジネスモデルが崩れたのである。代わりに、GMは補助金を受けられるA123システムズ製のLIBの採用を決めたという経緯である。

 このような影響はほかでも起きている。独フォルクスワーゲン(VW)も中国市場でLG化学のLIB適用を検討していた。しかし、このホワイトリストの影響により、VWはLG化学から中国CATL製のLIBに転換しているようだ。独BMWは、2013年に投入したEV「i3」、およびPHV「i8」にはじまって、すべてのEV、PHVに韓国サムスンSDIのLIBを調達してきた。そのBMWも中国市場でのビジネスモデルを勘案し、新たにCATLとの契約を取り交わしている。

 A123システムズのLIBがどの部分でGMの要求性能に満たないのか、そして安全基準を満足しないのか、その詳細は明らかではない。A123システムズは、元はと言えば米国で育ったベンチャー電池企業である。米国カリフォルニア州で1990年9月に発効したゼロエミッション車(ZEV)法規に適合させるべき、1991年には米国先進電池研究組合(USABC)が設立された。以降、米国では電池研究から事業化を目指す電池ベンチャー企業が乱立した。A123システムズもその一つであり、米国生まれの企業である。

 同社はマサチューセッツ州ウォルサム市にて2001年に創業した。米マサチューセッツ工科大学(MIT)で開発が進められていたオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)をLIBの正極材料に適用したEV用電池の事業化を進めていた。A123システムズのEV用LIBの開発は、ブッシュ大統領が推進していた水素エネルギー政策に打って変わって、2008年に就任したオバマ大統領がグリーン・ニューディール政策を打ち出したことで、米エネルギー省から2億4900万ドルの助成金を獲得するに至った。ミシガン州の生産工場を基盤として、その後は中国にも工場を進出させた。

 潤沢な開発資金を手にした同社は、米国を中心に自動車メーカー各社と契約を結び供給を開始した。しかし、A123システムズ製のLIBを搭載した米フィスカー・オートモーティブの高級PHV「フィスカー・カルマ」が、2011〜12年にかけて炎上や爆発事故を起こした。原因はLIBの品質にあるとされ、PHVはリコールの対象となった。

 A123システムズには5500万ドルものリコール費用が発生しただけでなく、製品の評価が奈落の底に落ちてしまった。その後も、LIBの供給商談が破談になるなど致命的な打撃を受けた。同時に、中国企業の万向集団がA123システムズを2億5600万ドルで買収した。米国政府が税金を投じて育成したはずの米国ベンチャーは国籍を中国に変える形となり、米国籍を失った。この一連の煽りを受けて、13年11月には、フィスカー・オートモーティブも経営破綻に陥ってしまった。

安全に対する開発基準と意識が異なる日本勢
 歴史をヒモ解けば、LIBが車載用、特にEV用に適用されたのは、2009年に三菱自動車が発売した「i-MiEV」、そして翌10年に日産自動車が発売した「リーフ」に遡る。10年からは中国ローカルメーカーも、タクシーやバスなどに適用し始めた。しかし、そこからEVの火災事故が多発した。BYDのEVバスもご他聞に漏れない。

 米テスラのEVである「モデルS」は、13年に米国市場で立て続けに5台の火災事故を起こしている。16年にはフランスの試乗会で火災事故を起こし、その他、ノルウェーやスウェーデン、そして中国市場でも火災事故を起こした。

 一方、日系勢のEVはこれまで、火災事故を1件も発生させていない。日産のリーフは累積販売台数が35万台を超えている。火災無事故は誇るべき実績である。BMWのi3も、そして販売台数規模は小さいものの12年に発売したトヨタ自動車のEVである「eQ」、同様にホンダの「FIT EV」も火災事故とは無縁である。

 ではなぜ、このような差が生じるのか? それには筆者の持論がある。筆者がホンダ時代に車載電池の研究開発に直接携わり、自動車メーカーの視点で取り組んできた経験、更に、サムスンSDIではLIB開発から事業に至る供給側の立場で取り組んできた経験から以下のように考える。

 電動車開発における重要コンポーネントとしては、モーター、電池、インバーターなどが代表として挙げられるが、何といっても火災事故の誘因となるものは電池である。とすると、自動車側の立場では車載電池をいかに安全で信頼性の高いものに設計・開発するかという視点が極めて重要となる。

 LIBでは充電放電に伴う発熱は適用する正極材料によっても異なる。また、充放電時の正極の結晶構造の変化度合いも材料によって異なる。逆にいえば、様々なLIBを設計できることにもなるが、安全性と信頼性の確立は殊更重要だ。電池が暴走しないような充放電制御機構や冷却システムも不可欠である。

 制御系が万が一、故障してもLIBの火災や爆発を起こさない設計・開発が基本的に必要だ。そのためには、開発品のLIBが過酷な条件においてどうなるかという、いわゆる限界試験による確認が大切である。1991年から着手したホンダでの電池研究開発においても、当初から独自の限界試験を相当盛り込んだのである。

 2004年9月にサムスンSDIに移籍してからは技術経営に臨んだ。その折に、世界の自動車各社を訪問した。そして、同社を退社する12年末までに多くの協議を重ねてきた。ホンダ時代にはできなかった自動車各社への訪問は確かに新鮮であった。なぜならば、自動車各社が車載用電池に対してどれだけの意識をもって開発にあたっているか、そしてその試験法や基準がどういうものかを直接知ることができたからである。もちろん、国内の古巣であるホンダやトヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車、マツダ、スズキ、スバル、日野自動車などとも、かなりの協議や意見交換をしてきた。

 そこで実感したのは、欧米自動車各社と日系勢自動車各社のLIBに対する安全性確保のための開発指針が異なっていたことである。日系勢の多くは、自社独自の評価法と独自基準を持ち、かつ限界試験を適用していることに特異性がある。

 一方、欧米勢は自社独自の評価法と独自基準は持っているものの、日系勢のそれよりも一段低い所に位置していた。そして、限界試験なるものはほとんど行われていなかった。したがって共同開発する、あるいは供給する電池各社も自動車各社の基準に合わせることで良かったのである。

 ここで言う欧米勢はGM、米フォード、独フォルクスワーゲン(VW)などで、先のベンチャーは含まない。フィスカー・オートモーティブやテスラのEVで火災が多発したのも、結局は車載用LIBの安全性評価や基準が既存の欧米勢に比べても、更に低かったからだろうと類推される。

 事実、サムスンSDI時代に若手エンジニアを引率して日系自動車各社を訪問し協議をしている過程で、自動車各社から高い基準や限界試験を主張されると、彼らは「なぜそこまで必要なのか?」と疑問を抱くことになった。立場上、同席していた筆者が彼らに説明して納得させる場面も少なからずあった。取りも直さず、欧米勢の自動車各社と主に付き合ってきた彼らだから、その基準に慣れきっていたのである。

 そういう欧米勢も、ここ3年ほど前から安全性開発姿勢に変化が見られる。日系勢をベンチマークしてのことだろうが、基準を上げながら、そして限界試験も積極的に取り入れるなど、安全性に関する意識が高まってきた。だからこそ、冒頭に紹介したGMがA123システムズのLIBの性能品質や安全性に不満を持つようになり、開発遅延が生じているのだろう。

中国の車載用LIB規格が変わった
 他方、中国の電池メーカーは、これまでローカルの自動車メーカーとの協業を中心に進めてきた。ローカルの自動車各社の信頼性はエンジン車でも元々低かったのに対し、EVでは新規参入組が多く現れ、入念な開発を行って信頼性を高いものに築き上げるマインドは不足している。短期間に開発して市場に投入することが優先されるがゆえに、事故に至る現象が今も続いている。BYDのLIBをBYDのEVバスに供給しているビジネスモデルでも例外ではない。

 電池各社がそういうローカル系自動車各社のみとビジネスをしている限り、その基準内で今後も開発を進め続けるだろう。ここに来て、中国No.1とNo.2の電池メーカーであるCATLとBYDは今後、ローカル以外の日欧米グローバル自動車各社とのビジネスを開始する。新たなビジネスモデルで懸念されるのは、知財と安全性・信頼性の問題だ。逆に、この協業連携によって両社は先進自動車各社の洗礼を受ける可能性が高い。

 中国市場で車載用LIBの安全性を担保するために、GB規格が適用されている。GB/T 31485-2015で「電動自動車用動力バッテリーの安全要件および試験方法」、GB/T 31486-2015で「電動自動車用動力バッテリーの電気的性能要件および試験方法」が課せられている。

 この規格は当初、中国自動車技術研究センター(CATARC)が検討、立案していた。ところがここ数年、CATLが勢いを付けてきたことで、CATARCに代わってCATLが試験法の制定や基準を設定し、CATARCは試験を実施する側にと役割を分担している。この役割見直しによって変わったことがある。LIBのGB規格試験法から「釘刺し試験」を除外した。その理由は、「EVでの事故が発生しても釘を刺したような現象は起こらない」という理屈からであった。もっとも、中国電池業界の開発負荷を低減させる狙いもあったようだ。それだけでなく、この試験を適用すればパスしない中国製LIBが少なからずあるからだろう。

 車載用国連規則で認証が義務付けられるECE R-100.02 Part.IIの9項目の試験法にも釘刺し試験は含まれていない。上述したように、GB規格には当初含まれていたが、後に除外された。しかし、日系自動車各社や電池各社の大半は自主的に釘刺し試験を実施する。さらに、各社独自の試験法や基準、限界試験を導入し開発にあたっている。国連規則や中国GB規格はクリアして当然の義務教育であるので、これに甘んじているだけではグローバルビジネスとしては不十分である。

 日系勢が進めている各社の自主的な、そしてより厳しい試験法と基準、それに限界試験を付加する高等教育をクリアすることで、安全性と信頼性が一段と高い次元で実現する。

 以下の図は、エスペックが運営している宇都宮事業所の「バッテリー安全認証センター」の機能と国連規則を挙げたものである。国連規則やGB規格をワンストップで提供できる機能を有している。試験項目によっては、中々クリアできないLIBもある。それを短期間で効率的に改善開発するために、自動車業界や電池業界に貢献するビジネスモデルを提供している。それのみならず、各社の高等教育をクリアするためのオーダー試験についても随時対応できる機能も有している。


エスペックの「バッテリー安全認証センター」の機能と国連規則
中国系LIBを調達する日系企業への提言
 日系自動車各社が、中国市場で中国製LIBを調達する動きもある。日産自動車はCATLのLIBを採用すると既に判断した。ホンダも近い将来に向けた調達のための共同開発をCATLと開始している。トヨタ自動車のCATL詣でも報じられている。

 他方、日本市場でも定置用途や太陽光発電用の蓄電システムとして中国製LIBを調達するビジネスが急速に進んでいる。その理由は、この分野でのLIBシステムの価格差が要因になっている。日系勢のLIBと中国系勢のLIBの価格差が2倍以上もあるためだ。

 そこで中国系LIBを調達する日系企業、特に自動車メーカー以外の業界に対して提言したい。LIB各社の性能仕様は顧客に提出されるが、供給側にとっては支障の無い仕様表現であることが多い。ましてや過酷な条件や限界試験の際の事象など記述する訳もない。それを要求しても実施するかどうかも協議をして見ないと不明だ。書面だけの仕様で判断するのは非常にリスクを伴う。

 日本市場でもこれまで、中国製モバイル用LIBとモバイル充電器の事故が多発してきた。特にモバイル充電器に関しては度々、テレビのニュースでも報道されているほど頻発している。車載や定置用の大型LIBでは、人命に関わる事故にもつながりかねない。

 中国製LIBやモバイル充電器を導入しようと検討を進めている各社においては自主的に、かつ過酷な試験法の適用で安全性と信頼性を確保していただきたい。自社で試験設備を導入して対応するには、時間と投資がかかり非効率である。また、試験のノウハウも重要なので、エスペックのような受託試験機能や認証センターを積極的に活用いただきたい。それが、日系企業の安全性・信頼性を担保し、優れた品質性能を具現化する大きな手がかりとなるのだから。


このコラムについて
技術経営――日本の強み・韓国の強み
 エレクトロニクス業界でのサムスンやLG、自動車業界での現代自動車など、グローバル市場において日本企業以上に影響力のある韓国企業が多く登場している。もともと独自技術が弱いと言われてきた韓国企業だが、今やハイテク製品の一部の技術開発をリードしている。では、日本の製造業は、このまま韓国の後塵を拝してしまうのか。日本の技術に優位性があるといっても、海外に積極的に目を向けスピード感と決断力に長けた経営体質を構築した韓国企業の長所を真摯に学ばないと、多くの分野で太刀打ちできないといったことも現実として起こりうる。本コラムでは、ホンダとサムスンSDIという日韓の大手メーカーに在籍し、それぞれの開発をリードした経験を持つ筆者が、両国の技術開発の強みを分析し、日本の技術陣に求められる姿勢を明らかにする。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/601.html#c1

[国際24] コラム:ECBは3度目の正直、原油100ドル突破で利上げあるか Jamie McGeever うまき
1. 2018年9月29日 19:23:54 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1494]

米ミシガン大消費者マインド指数:9月は6カ月ぶり水準に上昇
Sarah Foster
2018年9月28日 23:16 JST 更新日時 2018年9月29日 0:21 JST
米国の消費者マインドは9月に上昇し、6カ月ぶり高水準。2004年以来の最高に接近した。

ミシガン大学消費者マインド指数のハイライト(9月、確定値)
消費者マインド指数は100.1(予想100.6);前月96.2;9月速報値100.8
現況指数は115.2、前月110.3から上昇;速報値116.1
期待指数は90.5、前月87.1から上昇;速報値は91.1
  消費者マインド指数は2004年以降で3度目の100超えとなった。ミシガン大の消費者調査ディレクター、リチャード・カーティン氏は発表資料で、「この先一年の資金繰りが良くなると、どの家計も極めて楽観している」と指摘。「経済にマイナスに影響する可能性が指摘されている1つの問題は関税だ」と続けた。

  1年先のインフレ期待は2.7%(前月3%)に低下。5−10年先のインフレ期待は2.5%、前月は2.6%だった。

  統計の詳細は表をご覧下さい。

原題:Consumer Sentiment in U.S. Rose to Six-Month High in September(抜粋)

(詳細を加えます.)

ドラッケンミラー氏:「多額」の債務が新たな金融危機を引き起こす
Krista Gmelich
2018年9月29日 17:10 JST
著名投資家で資産家のスタンリー・ドラッケンミラー氏は、債務水準が急増していることを理由に、新たな金融危機が起これば前回よりも一段と悪いものとなるとの見方を示した。

  ドラッケンミラー氏は、13Dグローバル・ストラテジー&リサーチのキリル・ソコロフ会長とのインタビューで、「われわれは多額の債務問題を抱えている」と指摘。前回の危機の原因となったものを3倍規模に膨らませ、それを世界的レベルで行ったと語った。

  ウォール街の金融関係者やマネーマネジャーの間では、こうした債務問題が新たな危機を引き起こすとの見方が増えており、ドラッケンミラー氏はそのような流れに加わった形だ。

  ドラッケンミラー氏は6日にニューヨークでインタビューに応じたもので、投資家向け有料映像サービス「リアル・ビジョン」が28日に発言内容を公表した。インタビューについてはビジネス・インサイダーが先に報じていた。

原題:Druckenmiller Sees ‘Massive’ Debt Fueling Next Financial Crisis(抜粋)



NY連銀総裁:漸進的な利上げ継続が必要−インフレ高進は予想せず
Jeanna Smialek、Alexandra Harris
2018年9月29日 11:29 JST
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は28日、米経済の力強い成長の下で失業率が50年ぶりの低水準近くに改善していることを背景に、漸進的な利上げを続ける必要があるとの考えを表明した。

  ウィリアムズ総裁は、引き締め策と緩和策の分岐点となる中立金利について、政策の指針としての重要性を否定する見解を示すとともに、金融政策の正常化を進める中で当局がフォワードガイダンスを取り下げようとしている理由を説明した。

  総裁はコロンビア大学の会議での講演テキストで、「将来のある時点で、金利引き上げと引き下げのいずれが必要かはもはや明確でなくなり、将来の政策の道筋についての明示的なフォワードガイダンスはもはや適切でなくなるだろう」と指摘した。

  また、今年と来年の国内総生産(GDP)伸び率をそれぞれ3%、2.5%と予想した上で、失業率は来年、3.5%を「やや下回る」と予測。「インフレ圧力の大幅な高まりを示す兆し」はなく、インフレ率は当局目標の2%を若干上回る水準が見込まれると語った。

原題:Williams Calls For Gradual Hikes Amid Strong Growth Outlook (1)(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/163.html#c1

[国際24] 米、イラク情勢でイランを非難 「北朝鮮の次」の標的 トランプ氏、イランを国連で威嚇  うまき
1. 2018年9月30日 22:22:18 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1495]
イラクの米領事館を閉鎖へ、イランの脅威受け外交官を避難
今月15日、バスラのイラン総領事館放火事件に反対しイラン国旗などを掲げ抗議する人々
By Ben Kesling and Michael R. Gordon
2018 年 9 月 29 日 07:49 JST

 【ワシントン】米国務省は、イラク南部バスラにある米領事館を閉鎖し、駐在の外交官を避難させる。イランを起因とする安全保障上のリスクが高まっていることが背景にある。政権関係者が明らかにした。

 バスラの領事館は、イラク内に3つある米外交拠点の1つで、イランや同国の支援を受けるイラク内の勢力による脅威が現実味を増しているという。

 政権関係者によると、マイク・ポンペオ米国務長官が28日朝、最終決定した。米外交官を守るとともに、イランが米外交官の安全を脅かすことで、トランプ政権の政策を巡る取引材料に利用しないよう阻止する狙いがある。

 ポンペオ長官は外交経路を通じて、イランに脅しは許容できないと伝えたとしている。また22日にイラン南西部アフワズで開催された軍事パレード中に武装勢力が襲撃した事件について、米国は全く関与していないと強調したという。

 トランプ政権は目下、中東での影響力拡大をもくろむイランを抑制しようと、厳しい制裁措置を実施しており、イラン政権と対立する姿勢を鮮明にしている。

 ある政府高官は「仮に米国が攻撃を受けたら、われわれは反撃するということだ」とし、イラン支援の勢力が米国を攻撃すれば、イランに責任を負わせると述べた。

 


 


飲酒禁止のイランで横行する密造酒、計22人死亡
2018年9月30日 20:46 発信地:テヘラン/イラン [ イラン 中東・北アフリカ ]
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飲酒禁止のイランで横行する密造酒、計22人死亡
イランの首都テヘランで、密造ビールを処分する警察官(2009年7月22日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / FARZIN NEMATI
【9月30日 AFP】イラン国内の3つの州で、不純物が入った密造酒を飲んで少なくとも計22人が死亡した。イラン学生通信(ISNA)が29日、伝えた。

 イランでは1979年の革命以降、飲酒には罰金、むち打ち、禁錮刑など厳罰が科される。それでも密輸された酒や密造酒が広く出回っているのが実情だ。安価な密造酒には、正規の手法で製造された蒸留酒に用いられるエタノール(飲用アルコール)の代わりに毒性のあるメタノールを混ぜている場合が多い。

 ISNAによると、密造酒による死者が最も多かったのは南部ホルモズガーン(Hormuzgan)州の港町バンダルアバス(Bandar Abbas)だ。州保健当局は「これまでにアルコール中毒で入院した人の数は168人に上った」と発表。うち16人が死亡し、8人が重体だと明らかにした。バンダルアバス警察の話としてISNAが報じたところによると、警察は密造酒製造の容疑で夫婦1組を逮捕したほか、密造酒を販売した疑いで1人の身柄を拘束した。

 このほか、北部アルボルズ(Alborz)州でも、これまでに3人が密造酒を飲んで死亡。また北東部の北ホラサン(North Khorasan)州でも、29日までの10日間で25人がアルコール中毒の治療を受け、うち3人が死亡したと、地元警察が国営イラン通信(IRNA)に語った。同警察は28日夜、極秘に密造酒を製造していた違法蒸留所を摘発し、31人を逮捕したという。(c)AFP

 

米イラン 強硬派主導の対立、歯止め失う恐れ
中東・アフリカ
2018/9/28 19:30 
【ドバイ=岐部秀光】米国のイラン核合意からの撤退に伴う、イランへの関連制裁の11月の完全再開まで1カ月あまりとなった。今週、国連総会に出席するため訪米したイランのロウハニ大統領とトランプ米大統領の直接会談は実現せず、代わりに激しい舌戦を繰り広げた。強硬派が主導する両国政権の対立は先鋭化する一方で、歯止めを失う恐れが強まる。

トランプ米大統領はイランを公然と批判した(25日、ニューヨーク)=ロイター
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トランプ米大統領はイランを公然と批判した(25日、ニューヨーク)=ロイター

名指しは避けながらトランプ氏の姿勢を批判したイランのロウハニ大統領(25日、ニューヨーク)=AP
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名指しは避けながらトランプ氏の姿勢を批判したイランのロウハニ大統領(25日、ニューヨーク)=AP

イラン政策を巡っては米欧の亀裂が深まるが、トランプ氏に譲る気配はない。一方のイランも、経済の苦境が深まる中で保守強硬派が勢いを増し、本来は穏健派のロウハニ師も強硬な発言が目立つようになった。

「民衆の感情にうったえて人気を得ようとする現在の支配者は、まるでナチスのようだ」。25日の国連総会の演説で、ロウハニ師は、名指しは避けながらもトランプ氏を激しく批判した。

トランプ氏も国連総会演説で「イランは腐敗した独裁体制」だと批判し、対イランでの国際社会の結束を呼びかけた。米の制裁効果は強力で、欧州企業のイランビジネスからの撤退は止まらない。だが、欧州の政治家はイラン核合意の維持で結束し、中ロとの連携を深める。

欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は制裁回避のための独自決済システムをつくる考えを示した。短期的な効果には疑問も向けられるが、米政権の政治的な孤立を印象づける。

22日にイラン南西部アフワズで起きた軍事パレードを狙ったテロ。ロウハニ師や最高指導者ハメネイ師は矛先を敵対するサウジと米国に向けた。外敵の脅威を強調し、国内の結束を演出したい立場とみられる。

隠れた深刻なリスクは偶発的な事故が大規模な衝突に発展することだ。内戦が続くシリアではイスラエルが、イランの支援を受けるイスラム教シーア派民兵の軍事拠点が築かれることに神経をとがらせている。イスラエルは今月、過去18カ月に200回を超す空爆を実施したと明らかにした。

サウジは、イランがサウジの反体制派を支援していると批判しており、双方の内政への干渉が激しくなるおそれがある。

テロが発生したアフワズは豊富な石油資源が眠るイランにとって重要な地域だった。イエメンの内戦ではイランの支援を受けるシーア派武装勢力フーシが、暫定政府を支援するサウジのタンカーや石油施設を狙う立場を公言している。イラン革命防衛隊は8月に世界の石油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くで軍事演習を実施した。

イランを巡る危機は同国からの石油の供給減少だけでなく、潜在的な紛争リスクの懸念として石油市場の心理的な重荷となっている。


2018年9月28日 / 16:23 / 33分前更新
ブログ:北朝鮮、いたる所に金一族の肖像画がある理由
Danish Siddiqui
4 分で読む

[平壌 25日 ロイター] - 北朝鮮への旅行者が最初に気づくことの1つは、平壌国際空港を出てすぐの道路沿いにある、飛行機と労働者を背にした金日成(キム・イルソン)氏の巨大な肖像画だ。そしてすぐに、こうした肖像画をあらゆる所で目にすることになる。

北朝鮮を建国した金日成氏と、同氏の息子で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の父である金正日(キム・ジョンイル)氏を描いた数百万もの肖像画やモザイク画、絵画が、同国の物語において金一族がどれほど中心的な存在であるかを、日々国民に思い出させている。

笑顔の指導者父子の絵は、いたる所に飾られている。

肖像画は、駅や病院、学校や工場などの公共の場だけでなく、住宅の居間などの私的な場所でも掲示が義務付けられているのだ。

記者や観光客に同行する政府の世話人によると、誰も指導者より上に立つことがないように、肖像画は高い位置に掲げられなければならない。

夜になると、平壌ではさまざまな建物に飾られた巨大な肖像画がライトアップされる。

北朝鮮は、今でも世界で最も厳しい監視体制が敷かれた国の1つだ。国の大部分は部外者に閉じられており、観光客の団体は、平壌のほか数都市の訪問しか許されていない。そしてそれが、貧しいこの国に残された貴重な外貨獲得手段の1つとなっている。

もう1つ、すべてのものに及ぶ金一族の影響力を訪問者に見せつけているのが、北朝鮮の国民全員が必ず身に着けている金日成氏と金正日氏が描かれたバッジだ。

このバッジは、12歳になる国民全員に配られる。それ以後、自宅から外出するときは必ずこのバッジを身に着けていなくてはならない。バッジは神聖なもので、売ることはできないと、世話人は言った。

「われわれ北朝鮮人は全員、こうした肖像画バッジを常に身に着けている。人体で一番大事なのは、心臓でしょう」と、政府が外国人記者向けに設定した訪問先である平壌の教育大学で音楽を教えていたアン・ソルヨン氏は言った。彼女の生徒も、全員白いシャツにバッジを着けている。


「偉大なる指導者がいなかったらわれわれは生きていないという信念を、心臓に一番近い場所に着けたバッジを通して常に心にとどめておくことができる」と、アン氏は付け加えた。
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/172.html#c1

[経世済民128] ぐっちー「米経済に“リスクの芽”というウソに騙されるな」〈AERA〉  赤かぶ
2. 2018年9月30日 22:31:44 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1496]

>レバレッジは3倍程度に抑えられていて、当時と違い若年労働人口の増加に見合って需要や与信が伸びている
>今の米国経済を揺るがすリスクはトランプ大統領の気まぐれだけ

かなり甘い見通し

単にリーマンショック級の下落はないというだけで

米金利の上昇は、今のグローバルな債務GDP比の上昇と新興国不安定化

さらにバフェット指数などから考えて

10年程度に普通に起こる2〜3割程度の調整リスクは、当然、予想して然るべきだろう
 

http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/173.html
次の景気後退に備えるため、ファイナンシャルアドバイザーと話し合っておくべきこと



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/637.html#c2

[経世済民128] 米金利下げで超円高に アベノミクス株バブルがはじける日(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年9月30日 22:35:52 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1497]

>日本は金融緩和見直しで、利上げ容認の方向だ。つまり、米国の金融緩和と日本の金融引き締めという“円高要因”がダブルで同時に起きかねない

相変らず愚か

今の統合政府の金融財政政策を理解していないことが丸わかり

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/638.html#c2

[経世済民128] ノーベル経済学賞の2氏、米政権を会見で批判ノードハウス氏、気候変動巡り「ばかげている」 大規模住宅供給「焼け石に水」 うまき
2. 2018年10月09日 22:24:03 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1498]
ビジネス2018年10月9日 / 17:27 / 4時間前更新
システム障害の影響は40弱の証券会社に、賠償は考えず=東証幹部
1 分で読む

[東京 9日 ロイター] - 日本取引所グループ(JPX)(8697.T)の横山隆介CIO(最高情報責任者)は9日、東京証券取引所の株式売買システム「アローヘッド」で生じた一部接続障害について会見し、障害の原因は特定の証券会社が発した通信経路確認の大量の電文だったと説明した。40社弱の証券会社に影響が出たが、東証の川井洋毅執行役員は「複数のサーバーに接続するなど、他の経路で発注することもできる」とし、賠償は考えていないとした。

横山氏は、明日からは通常通り売買できるとの見通しを示した。しかし、システム障害で影響を受けた取引がどの程度に上るか、現時点で把握していないという。

不正な電文は9日午前7時32分ごろ、通常の1000倍以上の規模で送られてきたため、東証で注文を処理するサーバーの前段階に位置する4台の負荷分散装置の1つがダウンした。証券会社側の何らかの設定ミスが原因とみられるが、会見で証券会社名は明らかにされなかった。

横山氏は会見で「複数の装置に接続できるよう各社にお願いしているが、いざこういう事象が発生したときにうまく(他の負荷分散装置に)切り替えられるか。取引参加者とのコミュニケーションが十分にできていたか、反省すべき点があった」と述べた。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/735.html#c2

[経世済民128] 麻生セメントは、韓国からセメントを安く買って売るだけの張りぼて企業だという。自社工場では、ごみを燃やしてるんだって  赤かぶ
21. 2018年10月09日 22:38:29 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1499]

>麻生セメントは、韓国からセメントを安く買って売るだけの張りぼて企業 自社工場では、ごみを燃やしてる

反トランプのNYT以下

無内容な中傷記事を書いている限り、何の効果もない


http://www.aso-cement.jp/about/overview.html
トップページ企業情報工場概要(田川工場)
工場概要(田川工場)
厳格な生産管理体制のもと、高品質セメントを安定生産。資源リサイクルや排熱エネルギーの有効活用に積極的に取り組む環境にやさしい工場です。

田川工場
(Googleマップ) 〒826-0041 福岡県田川市大字弓削田2877番地
Tel:0947-42-0090 Fax:0947-42-5667
苅田工場
(Googleマップ) 〒800-0311 福岡県京都郡苅田町長浜町10番地
Tel:093-434-0885 Fax:093-434-6579
田川工場 苅田工場 品質方針 環境安全方針
田川工場
田川工場環境保全に配慮した省エネルギー工場。
高品質セメントを安定生産。

当社発祥の地にある田川工場は昭和9年(1934年)操業を開始しました。福岡県のほぼ中央部に位置し、九州各地のお客様へ直接製品をお届けしています。

さらに、各種産業廃棄物のリサイクルや排熱発電などによるエネルギーの有効活用に積極的に取り組んでいます。

沿革
昭和09年/1934 操業開始
52年/1977 5号キルン操業開始
61年/1986 排熱発電稼働開始
平成06年/1994 SOM設備稼働開始
12年/2000 廃プラ処理設備稼働開始
ISO9002取得
13年/2001 ISO14001取得
15年/2003 ISO9001へ移行
生産能力
普通ポルトランドセメント140万t/年
高炉セメント50万t/年
主要設備
キルンFLスミス製NSP式 4,400t/日(クリンカ)
ロータリーキルン 中央制御室 仕上げミル
セメント製造工程図
リサイクル資源を積極活用し、環境にやさしいセメント生産。
ISO9001(品質マネジメントシステム)とISO14001(環境マネジメントシステム)による厳格な生産管理体制を整えています。

セメント製造工程図
物流ネットワーク
セメント・コンクリート技術センター
リサイクル・廃棄物処理
持続可能な開発への取り組み
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/708.html#c21

[経世済民128] 日経平均、一時1000円超下げ アジアも全面安 トランプ氏「FRBは狂った」 利上げを再度批判 うまき
11. 2018年10月11日 23:13:30 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1500]

2番底を探りにいく展開
1回マーケットが大きく壊れるとマーケットの性格として1発で底が入るというのはまれで、必ず2番底を探りにいく。その期間は半年後でリーマンショックのときもそのように動いた。チャイナショックの時も同じ動きで底入れまでに半年を要した。3月頃に今年の秋に2番底となる可能性について述べたが、約8か月後の現在そのような展開となっていると思う。

イールドスプレッド(金利対比の株式のバリュエーション)について
株式(S&P500)の益利回りと米国10年債利回りの差が3%を割り込んできた。そうなると株の魅力が薄らいだということで株の割高感が意識される。2018年2月は急落する前に2.8%付近まで縮小しており、今もその水準まできている。 たた株式の割高感はこの急落でイールドスプレッドが3%に戻ったので、金利対比の割高感はいったんこれで調整されているということだろう。

この先の米国株の動きは?
下げはこの水準で止まるだろうがすぐには戻らないだろう。リバウンドを繰り返しつつ戻る展開が予想される。S&P500で見ると、前回(2018年2月の急落)は200日移動平均線が下支えとなった。今回も200日線付近まで下げているが、株価の水準としてはここでいったん調整が完了して、今後はリバウンドしながらも200日線に沿いながらしばらくもみ合い、というのが考えられるシナリオだろう。
また2月の急落時はその前の株価上昇のスピードが非常に早かった。RSIで見ると買われ過ぎのラインを超えていた。だから下げの角度が非常に大きくなった。今回は高いところ(買われ過ぎ)から落ちてはいない。普通の水準から急落しており、売られ方としては行き過ぎなのでこの水準で止まるであろう。
懸念材料としては、イールドスプレッドの改善には株の益利回りが上昇 - 企業の利益見通しが上振れなければならないが、アナリストの予想ベースで下方修正の見通しが増えている点があげられる。業績は良いのだが、予想を超えて上振れる可能性が少なくなっていると思う。

日本株の見通しは?
米国株が米国の金利上昇に対して割高感が出て急落し調整していることと、それにつられて日本株が下がっていることはファンダメンタルズ的には何も関係ない。日本株はPERが13倍と非常に安く、企業の利益ももっと伸びるのにそこまで予想されておらず据え置かれている。今後の中間決算での上方修正期待が強い中で、いっそう日本株の割安感が出ている。
米国株もここで下げ止まるだろうが、そこからもう1回米国株を買えるのか?米国の企業業績は上振れしずらい、金利も高止まりしつづける、となれば買うのは難しいと思う。対して米国株に連れ安している日本株は、一段と割安感が出ている、中間決算での上方修正期待、日本の金利は上がらない、ことから考えると、日本株に資金が入ってくる可能性は十分ある。
広木 隆 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/759.html#c11

[経世済民128] 米中、通商対立の中で各国の支持取り付け目指す−IMF・世銀総会 中国を操作国に認定なら世界の市場さらに混乱へ、為替報告 うまき
1. 2018年10月11日 23:34:28 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1501]

主要ニュース(共同通信)2018年10月11日 / 21:10 / 1時間前更新

G20、貿易摩擦緩和へ協調模索

共同通信
1 分で読む

 【ヌサドゥア共同】日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が11日夜、インドネシア・バリ島のヌサドゥアで開幕した。米中の貿易摩擦への懸念から株価が世界同時に急落する中での開催となり、持続的な経済成長に向け協調を模索する。各国は貿易戦争を仕掛ける米国に自制を求める見通しだが、米国が強硬姿勢を崩さないのは確実で、G20は大きな試練を迎えている。

 米利上げを背景にアルゼンチンやトルコといった新興国で通貨安とインフレが深刻化しており、その対応策も主要な議題となる。

 米国と中国との貿易摩擦は、解決の見通しが立たない。

【共同通信】


2018年10月11日 / 23:26 / 6分前更新

WRAPUP 1-貿易通貨戦争が世界成長阻害も、ラガルド氏「罪なき非当事国多い」
2 分で読む

[ヌサドゥア(インドネシア) 11日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は11日、貿易戦争や通貨戦争が世界の成長を阻害し、「罪のない非当事国」を傷付けかねないとした上で、各国が貿易摩擦を巡る緊張を緩和し、世界の貿易ルールを放棄するのではなく修正するよう訴えた。

ラガルド氏は、IMF・世界銀行年次総会の開催地であるインドネシアのバリ島で「貿易戦争にも通貨戦争にも進んでいかないよう確かに望んでいる。いずれもすべての当事国にとって弊害がある」と指摘。インドネシアなど中国への物資供給国を含め「罪のない非当事国も大勢いる」と語った。

最近の中国人民元の下落については、主としてドル高によるものと説明し、通貨バスケットに対してはさほど下落していないとの認識を示した。また、相場変動の柔軟性を引き続き高めていくべきだとするIMFの勧告に中国政府が従っていくことを期待しているとした。

ラガルド氏は「中国を含め、一段と多くの国々が自国通貨の変動を容認するようになっている」と指摘。「われわれは(通貨の)柔軟性に向けた中国の動きを支持してきた」とし、IMFは中国当局が「その道を進んでいくこと」を奨励していると述べた。

貿易摩擦を巡る懸念が広がる中、人民元は今年3月から8月までに8%強値下がりした。ただその後は当局の政策対応もあり、下げ渋っている。

ラガルド氏は、貿易摩擦が拡大する中、中国当局は成長や安定性、投資家の信頼感の維持に向け対策を講じているとする一方、財政状況をコントロールする上で「微妙な」舵取りを迫られているとの考えを表明。「中国当局は、経済を管理下に置ける成長水準を維持するため、間違いなく様々な選択肢を検討していると思う。利用できる柔軟性を活用しつつ、財政収支にも大きく配慮しなければならない」と話した。

米国株式相場が前日に800ドル強急落したことをきっかけに、この日は日経平均株価が一時1000円を超える大幅な値下がりを記録したほか、中国株も下げがきつい展開となった。専務理事はこうした直近の市場の動揺についてコメントを避ける一方、米国株や全般的な株価は「総じて極めて高い水準にあった」と指摘した。

その後CNBCとのインタビューでは、トランプ米大統領が利上げを続ける米連邦準備理事会(FRB)は「狂ってしまった」と述べたことについて、パウエルFRB議長と「クレイジーさ(狂気)」は結びつかないとした上で、同議長や他の政策担当者は極めて真面目かつ堅実で、実際の情報に基づいて決定を下そうとしているのは確実だと述べ、中銀はその機能において独立性を保つべきとの考えを示した。

ビジネス2018年10月11日 / 20:20 / 3時間前更新
インタビュー:中長期的な財政見通しが重要=古澤IMF副専務理事
2 分で読む

[ヌサドゥア(インドネシア) 11日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の古澤満宏副専務理事は11日、ロイターとのインタビューに応じ、世界経済の不確実性に対応するため「できるだけバッファーを高める必要がある」との認識を示した。その上で2019年10月の消費税率引き上げに触れ、「来年の増税は実施し、中長期的な財政見通しをきちんと示すことが重要」と語った。

主なやり取りは以下の通り。

――新興国の一部で通貨の下落や資本流出が発生している。アジアでも同様の現象が広がるリスクはないか

「今の段階でCONTAGION(伝染)とはみていない。国によって資金フローや為替に影響が出ていることに対しては、それぞれの国がいろいろな対応をしている。すべての国が同じように影響を受けるわけではない。基本的には、その国のファンダメンタルズを強化するための措置をとる必要がある」

――最近の市場変動の背景をどうみるか

「世界中にお金が十分あるので、それがボラティリティーを高めているところはある。また現在の貿易をめぐる議論等、いろいろな要因がマーケットに影響を与え、マーケットの動きを大きくしている部分はある」

――アジア経済への影響はどうか

「まったく影響ないことはないだろうが、日々の動きに一喜一憂するのではなく、実体経済への影響をよく見ていく必要がある」

――中国の資本流出について懸念が広がっているが、今後、アジア経済におけるリスクとして高まる可能性はあるか

「中国当局は、おそらく色々な手立てを持っているので、(資本流出が)世界経済全体を揺るがす(危機の)引き金になるとは思わない。マネージできるだろう」

――IMFは今の日銀の金融緩和政策の維持を支持する一方で、副作用にも言及している。金融緩和の効果・副作用のバランスについてどうみるか

「やはり金融緩和策が長期戦になっているので、持続的でないといけない。そこは色々な政策の調整を経て、そういう状況になっている。7月の政策見直しも、金融機関への影響にも配慮し、金融政策の持続性を高める、という意味で評価できる」

――日銀の金融緩和が限界に近づいているとの声もある

「限界に近づいていることはない」

――すでに金融緩和も長期化し、財政もこれだけ拡大している。将来景気が落ち込んだ場合、日本の政策余力はどれだけあるのか

「金融政策はもう目一杯いろいろやっている。一方で、できるだけバッファーを高めていかないと何かあったとき対応ができない。そういう意味で財政については予定されている来年の消費増税は実施し、中長期的な財政の見通しをきちんと示すことが重要」

――将来の緩和余地を広げるため、日銀もなるべく早く金融政策を正常化すべきとの声もあるが

「まだそういう段階ではない。今の金融政策を変更し、金利を上げたり緩和の度合いを変更するような状況ではない」

木原麗花

 
東京外為市場ニュース2018年10月11日 / 22:56 / 36分前更新
UPDATE 1-対中貿易でさらに多くの措置可能=トランプ米大統領
1 分で読む

(情報を追加します。)

[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、対中貿易でさらに多くの措置を講じる可能性をちらつかせた。フォックスニュースのインタビューで語った。

中国経済にさらなる悪影響を与える手段がまだ数多く存在するとの認識を表明し、対中貿易戦争を巡り譲歩する姿勢を示さなかった。

米国は先月、2000億ドル相当の中国製品に対する新たな関税を発動し、中国も600億ドル相当の米国製品を対象に報復関税を発動した。

トランプ氏はこうした措置について「大きな影響をもたらした」とし、「中国経済は相当弱まり、私が望めばさらに多くの措置を講じることもできる」と述べた。また「そうしたくはないが、中国側が(交渉の)テーブルに着く必要がある」と述べた。

中国側は交渉を望んでいるとしつつ、準備が整っていると考えられず、そうした認識を伝えたことも明らかにした。米国の歴代大統領が中国の不公正な貿易慣行を容認してきたとも批判。中国に対し「そうした状況はもう終わった」と知らせる必要があるとの考えを示した。

「中国の人々はあまりにも長い間、豊かな生活を送り続けてきたし、率直に言って米国人を愚かだと考えているのではないか。米国人は愚かでない」と指摘した。


 
東京外為市場ニュース2018年10月11日 / 22:46 / 1時間前更新
UPDATE 1-米新規失業保険申請件数が増加、低水準は変わらず
1 分で読む

* 米新規失業保険申請件数は214,000件(予想:206,000件)=労働省

* 米新規失業保険申請件数4週間移動平均は209,500件=労働省

* 米失業保険受給総数166.0万件(予想:166.0万件)=労働省

* (内容を更新しました)

[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した6日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7000件増の21万4000件だった。市場は全集の20万7000件から20万6000件に減ると見込んでいた。ただ申請件数は依然として49年ぶりの低水準近くで、労働市場が底堅さを保っているとの見方が変わることはなさそうだ。

労働省によると、9月中旬にハリケーン「フローレンス」の被害を受けたサウスカロライナ州とノースカロライナ州は申請件数に影響が出た。またバージニア州と米領プエルトリコは推計値だった。

週ごとの変動をならし情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は2500件増の20万9500件だった。

労働市場は最大雇用状態に近いか、最大雇用に達しているとみなされている。これによって賃金の伸びは緩やかに加速していると多くのエコノミストがみており、米連邦準備理事会(FRB)が12月に再び利上げするとの見方が高まっている。FRBは今年に入ってすでに3回利上げしている。

2週間以上手当を受けている失業保険受給者の総数は、9月29日までの週で4000件増の166万件だった。4週移動平均は1万件減の165万6000件と、1973年8月以来の低水準だった。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/766.html#c1

[経世済民128] 米利上げ回数の予想が後退、「来年末までに3回」に疑問符ー株安で 世界の債券が値上がり、株安で「全面的な安全資産への逃避」 うまき
1. 2018年10月12日 07:04:05 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1502]
ダウ平均500ドル超下げ、世界株安で不安定な展開
NY証取のトレーダー
NY証取のトレーダー PHOTO: WANG YING/ZUMA PRESS
By Christopher Whittall, Steven Russolillo and Jessica Menton
2018 年 10 月 12 日 05:59 JST 更新

 11日の米国株式市場は続落し、ダウ工業株30種平均は500ドルを超える下げとなった。世界経済の減速や国債利回りの上昇、通商対立の激化など、市場が材料を再評価する中で、前日の急落から一段安となっている。

 ダウ工業株30種平均の終値は前日比545.91ドル(2.13%)安の2万5052.83ドル。S&P500種指数は57.31ポイント(2.06%)安の2728.37、ナスダック総合指数は92.99ポイント(1.25%)安の7329.06で終えた。

 前日の米株急落受けて世界的に株安が進行したことで、ダウは高値と安値の値幅が750ドル以上に達する不安定な展開となった。前日の下げを主導したテクノロジー、コミュニケーション株が下げ幅を縮める一方、原油安を嫌気しエネルギー株は売り込まれた。

 S&P500種のハイテク株指数は1.3%低下。フェイスブックやグーグル親会社アルファベットを含むコミュニケーション株指数は0.9%低下した。

 フェイスブックは1.3%値上がり。アルファベットは0.1%の小幅安となった。ネット小売り大手アマゾン・ドット・コムへの売りは続き、約2%下落した。3銘柄は前日、いずれも4%を超える下げとなっていた。

 S&P500種のエネルギー株指数は 3%低下。米原油先物が大幅安となったことが売り材料。

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 市場ではここ1週間、米景気の力強さを受けた金利上昇やインフレ高進、借り入れコスト増大による企業収益の下押しへの懸念が広がっていた。

 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの資産アロケーション責任者、ジェイソン・ドラホ氏は、株式の強気相場が9年に及ぶ中、米景気の拡大が今後どの程度続くのか、見直す動きが出ていると指摘する。「米経済はなお堅調」としながらも、「米景気拡大局面の終盤で、金利上昇、ボラティリティー増大といった現実を認識し始めている」と話した。

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[経世済民128] 「未婚非正規女性」切り捨て社会の末路「全従業員の正社員化」に宿る堤清二の理念「70歳以降まで働く」のは嫌?嫁ブロック起業 うまき
2. 2018年10月12日 07:12:14 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1503]
政府が打ち出す「生涯現役社会」の破壊度
働き方の未来
「日本型雇用制度」は終焉へ

2018年10月12日(金)
磯山 友幸


「生涯現役社会」に向けて、シニア層に対する期待は高まる一方(写真:PIXTA)
労働人口の確保が経済成長の焦点
 安倍晋三首相の自民党総裁としての3期目がスタートし、内閣改造を経て第4次安倍改造内閣が発足した。2012年末に政権を奪還して第2次安倍内閣が発足して6年。アベノミクスは一定の効果を収め、就業者数も雇用者数も過去最高を更新している。果たして安倍首相はアベノミクスの次のステップとして何を行おうとしているのか。

 首相就任後の2013年に打ち出したアベノミクスの第1弾は「3本の矢」だった。(1)大胆な金融緩和、(2)機動的な財政出動、(3)民間需要を喚起する成長戦略――を掲げ、日銀による「異次元緩和」などが行われた。円高だった為替水準が是正された結果、輸出産業を中心に企業業績が大幅に改善、過去最高の利益を上げるに至っている。また、震災復興や国土強靭化を旗印に公共投資も積極化し、建設需要を底上げした。3本目の矢である「成長戦略」については、「遅々として進まない」「期待外れ」といった厳しい評価が聞こえるものの、農業や医療など「岩盤規制」と呼ばれた分野で、曲がりなりにも改革が動き出している。

 2016年に自民党総裁2期目に入ると、アベノミクスの第2弾を打ち出した。「一億総活躍社会」を旗印に、女性活躍促進や高齢者雇用の拡大などを目指した。「働き方改革」が内閣の最大のチャレンジと位置付けられた。

 65歳以上で働いている高齢者が800万人を突破、女性15歳から65歳未満の「就業率」も遂に70%に乗せた。働き方改革の議論では、電通の新入社員の自殺が労災認定された時期と重なったこともあり、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」に議論の中心が置かれた。

 労働基準法などの改正で、繁忙期の特例でも残業時間を最長で「月100時間未満」とすることが罰則付きで決まるなど、労働者側にとっても画期的な法改正が実現した。これまでは残業時間の上限は労使交渉で合意(サブロク協定)すれば実質的に青天井だった。

 働き方改革の本来の目的は「生産性」の向上にあったが、結果的には女性や高齢者など労働力を増やすことで経済成長につながる構図になった。今後、人手不足が深刻化していく中で、どうやって労働人口を確保していくのかが焦点になっている。

 そんな中で、安倍総裁の3期目がスタートした。さっそく首相が議長を務める「未来投資会議」が10月5日に開かれ、2019年から3年間の「成長戦略」について議論された。

今後の論点は「全世代型社会保障」
 会議に資料として提出された内閣官房日本経済再生総合事務局の「成長戦略の方向性(案)」では、こうした問題意識がつづられている。資料にはこうある。

 「潜在成長率は、労働力人口の高まり等により改善し、また、労働生産性は過去最高を記録しているものの、労働生産性の引上げが持続的な経済成長の実現に向けた最重要」であるとし、(1)AI(人工知能)やロボットの活用による一人ひとりが生み出す付加価値の引き上げ、(2)新陳代謝を含め資源の柔軟な移動を促し、労働生産性を引き上げる、(3)地域に生活基盤産業を残すための地方支援――に力を入れるとした。そのうえで、「アベノミクスの原点に立ち返り、第3の柱である成長戦略の重点分野における具体化を図る」としている。

 こうした方向性を確認したうえで、今後の論点として、「全世代型社会保障への改革」というキャッチフレーズを打ち出した。安倍首相も会見で、「安倍内閣の最大のチャレンジである全世代型社会保障への改革」という言い方をしており、「3本の矢」「1億総活躍社会」「働き方改革」に続く、表看板になりそうだ。

 もっとも、全世代型社会保障という言葉は分かりにくい。いったい何をやろうとしているのか。

 同会議に世耕弘成経済産業相が出した「生涯現役社会の実現に向けた雇用・社会保障の一体改革」という資料が分かりやすい。現在、安倍官邸の経済政策は経産省からの出向者などが中心となってまとめており、世耕氏のペーパーももちろん連動している。

 「生涯現役時代に対応した社会保障制度改革」と「生涯現役時代に対応した雇用制度改革」を並列に並べて、同時に実現していくとしている。

 社会保障改革の柱は「年金改革」と「予防・健康づくり支援」、一方の雇用制度改革は「高齢者雇用の促進」と「中途採用の拡大」だ。つまり、高齢者にいつまでも働いてもらえる雇用制度を整備することで、社会保障制度が抱える年金や健康保険の財政問題を解消していこうというわけだ。

 高齢者雇用の促進では何を考えているのか。経産相の資料には、4つが列記されている。

65歳以上への継続雇用年齢の引上げに向けた検討
高齢者未採用企業への雇用拡大策
AI・ロボット等も用いた職場環境整備
介護助手制度の利用拡大
 最も大きいのが継続雇用年齢の引き上げであることは言うまでもない。現在、高年齢者雇用安定法で、定年を迎えても希望すれば65歳まで働ける制度の導入が企業に義務付けられている。定年を65歳まで引き上げたり、定年自体を廃止する選択肢もあるが、多くの企業が定年になった段階で雇用条件を見直して嘱託などとして再雇用する「継続雇用制度」を利用している。希望者全員を継続雇用する義務があるが、条件が合わずに本人が希望しなければ雇用しなくてもよい。

 安倍内閣は来年以降の「成長戦略」の一環として、この65歳という年齢を引き上げようと考えているのだ。政府内には65歳定年引き上げを義務付けたうえで、70歳までの継続雇用とすべきだという意見がある一方で、単純に継続雇用の年齢を65歳までから70歳までにすべきという意見もある。

 世耕氏の資料ではこれと対をなす「年金改革」として、次の2つを掲げている。

年金受給開始年齢の柔軟化
繰下げの選択による年金充実メリットの見える化
 つまり、年金受給開始を選択制にして、65歳になったらすぐにもらうのではなく、働けなくなってからもらうようにする。一方で受給する年齢を先延ばしすれば、その分メリットがあることを分かりやすく見せる、というわけだ。

「新卒で企業に入れば一生安泰」は幻想
 現在、年金の支給開始年齢は徐々に65歳に引き上げられている。継続雇用制度が65歳まで義務付けられたのは、定年退職しても年金が受け取れず「無収入」になる人を無くそうとしたからだ。将来、政府は年金支給開始を70歳にしたいと考えれば、当然、継続雇用制度の年齢を引き上げなければ「無収入」者が生まれる。

 もうひとつは、生涯現役で働くことによって、健康を維持し、社会保障のもう一つの頭痛の種である医療費の増加に歯止めをかけることを狙っている。世耕ペーパーにはこうある。

がん検診等の通知に個々人の健康リスクを見える化し、健診受診率を向上
健康スコアリングレポートにより従業員の健康状態を見える化し、経営者の予防・健康づくりを促進
投資家による健康経営へのシグナル(健康経営銘柄への投資を促進)
保険者による生活習慣病や認知症予防のインセンティブ強化
保険者によるヘルスケアポイント導入を促進し、ウェアラブル端末等を活用した個人の予防・健康づくりを支援
 厚生労働省の施策のようだが、経産相の資料である。年間42兆円を突破した医療費を抑制しなければ、財政はますますひっ迫する。

 一方で、高齢者を雇用し続けることを企業に義務付けると、企業自身の生産性が落ちることになりかねない。高齢者が企業に居座ることで、若年者の活躍の場が奪われることになりかねないからだ。

 それを防ぐには、日本型の終身雇用年功序列を抜本的に見直さざるをえなくなる。「中途採用の拡大」の中にも、「職務の明確化とそれに基づく公正な評価・報酬制度の導入拡大」あるいは、「40歳でのセカンドキャリア構築支援」といった施策が並ぶ。

 会議で安倍首相もこう述べている。

 「あわせて新卒一括採用の見直しや中途採用の拡大、労働移動の円滑化といった雇用制度の改革について検討を開始します」

 中西宏明・経団連会長が「就職活動指針」の廃止を打ち出したが、新卒で企業に入れば一生安泰、という制度を維持することはもはや難しくなっている。厳しいようだが、生産性の上がらない社員を抱え続ける余力が企業になくなり、優秀な社員には国際水準並みの高給を払わないと逃げられてしまう時代に突入しつつある。

 安倍首相は早くから規制を阻害している「岩盤」として、農業、医療、雇用制度を挙げて批判してきたが、いよいよ3期目で最大の岩盤ともいえる「日本型雇用制度」に手を付けることになるのだろう。人々の生活に結びついており、既得権を持つ層も少なくないだけに、議論が本格化してくれば、批判の声が上がるに違いない。2019年6月にも閣議決定する成長戦略「未来投資戦略」の中にどれだけ具体的な指針として盛り込み、3年間の行動計画として描けるかが焦点になる。


このコラムについて
働き方の未来
人口減少社会の中で、新しい働き方の模索が続いている。政官民の識者やジャーナリストが、2035年を見据えた「働き方改革」を提言する。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/720.html#c2

[経世済民128] 日本の純資産はプラマイゼロ、IMFの新国富論 ドイツはマイナス  黒田日銀総裁:出口戦略開始の合図は金利目標の変更 うまき
1. 2018年10月14日 07:46:50 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1504]
「金利上昇も悪くない」 米銀決算に見るプラス面
JPモルガンのダイモンCEOは金利上昇に「人々が驚いていることに驚いた」と述べた

By Aaron Back
2018 年 10 月 13 日 03:44 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 米国の大手銀行は12日、世界の終わりではないことをタイミングよく思い出させてくれた。

 金利上昇を嫌気し、ダウ工業株30種平均はここ2日間に1300ドルを超える下げを演じたが、銀行は当然ながら金利上昇の恩恵を受ける。株価が急落する中でも、JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの3行が発表した7-9月期(第3四半期)決算はいずれも、米経済の基本的な強さを示す形となった。

 JPモルガンとシティは利益が市場予想を上回ったほか、不祥事に揺れるウェルズ・ファーゴもコスト削減が寄与してまずまずの内容となった。法人向け融資やクレジットカード融資の金利は預金金利を上回るペースで上昇するため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは、大半の銀行にとっては差し引きプラスとなる。JPモルガンはとりわけそれが顕著で、純金利マージンは前四半期の2.46%から2.51%に拡大した。ウェルズ・ファーゴでも利ざやは改善したが、シティは横ばいだった。海外事業の比率が高く、米金利の動向による影響が少ないためとみられている。

 銀行幹部は米国債利回りの上昇を楽観しているようだ。JPモルガンのマリアンヌ・レーク最高財務責任者(CFO)は決算会見で「(利回り上昇は)予想していたことであり、望んでいたことだ」とし、「経済が拡大していれば、長期債の利回り上昇は望ましい」と述べた。

 同行のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)も、金利上昇に「人々が驚いていることに驚いた」と語った。

 JPモルガンのコア融資は7-9月に前年比7%増と、力強い伸びを維持した。レーク氏は金利上昇が顧客に打撃を与えている兆しは見られないと話している。シティグループの融資は、前四半期の4%増から3%増にやや減速した。

 ウェルズ・ファーゴでさえ、融資動向は懸念されていたほど悪くなかった。ジョン・シュルーズベリーCFOは先月、法人向けの主要な貸し出し先である商業用不動産(CRE)融資と商工業融資がいずれも4-6月期に比べ減るとの見方を示していた。だが実際には、減少したのはCRE融資のみで、ウェルズ・ファーゴは慎重な見方をしていたためだと説明している。

 また、消費者・法人の双方で、返済に窮している兆候が消えた。JPモルガンとウェルズ・ファーゴはいずれも貸倒引当金を引き下げており、両行がデフォルト(債務不履行)が減ると想定していることを示唆している。シティグループも引当金を少し積み増した程度だ。

 つまり、消費者も企業も極めて良好な状況にあり、大手銀の収益改善をけん引したということだ。金利の上昇が続けば、株価が下がらないという訳ではないが、米経済にとって破滅的ではないということは言えそうだ。


【第47回】 2018年10月13日 三井住友アセットマネジメント 調査部
FRBは今後も利上げを継続するか?米雇用統計から読み解く行方
FRBの利上げの行方は?
米国では引き続きFRBが利上げを継続する可能性があるのでしょうか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA
 皆さん、こんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 米国において、GDP統計と並んで重要な経済指標のひとつが雇用統計です。米国の中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を運営するにあたって負っている二つの使命(デュアル・マンデート)が、「物価の安定」と「最大限の雇用」だからです。雇用統計は米国の金融政策の重要な判断材料になるのです。そこで今回は、10月5日に公表された最新の米雇用統計についてまとめてみました。

 雇用統計は、農業を除く40万超の事業所、政府機関を対象とする事業所調査と、約6万世帯を対象とする家計調査の2つのパートからなります。前者の代表的な指標には雇用者数、平均賃金、労働時間等、後者には就業率、失業率等があります。

ハリケーンの影響ありでも力強く雇用は拡大
雇用者数も平均賃金も増加傾向に
 まず事業所調査の雇用者から見てみましょう。非農業部門に属する事業所の給与支払簿に記載された雇用者の数は、前の月に比べ13.4万人の増加となりました。市場が事前に予想していた同18.5万人増を大きく下回りましたが、もともと雇用者数は月ごとの振れが大きいのが特徴です。

 しかも、9月は東海岸を襲ったハリケーン“フローレンス”の影響を受けている可能性が高いと考えられます。事実、家計調査によれば、29.9万人が悪天候の影響による就業不能者とされました(非農業、同統計は未季調、つまり季節調整がかかっていません)。当該事由による10月の就業不能者数の過去10年間における平均は20.0万人ですから、ハリケーンの影響は相当に大きかったといえます。

 このように雇用者数は月次の振れが激しいため、3ヵ月および6ヵ月の移動平均をとると、過去2ヵ月の実績値が合計で8.7万人ほど上方修正されたこともあり、それぞれ19.0万人増、20.3万人増となりました。足元の雇用の基調は月平均20万人前後のペースで増加していると判断されます。米国の場合、失業率を悪化させないために必要とされる雇用の増加数は月間10?15万人程度ですから、力強い拡大と言えるでしょう。

 業種別の動向を見ると、鉱業、建設、製造業からなる財部門は前月比4.6万人増でした。このうち建設は同2.3万人と増分の5割を占めています。大半が非住宅部門ですから、トランプ大統領の財政拡大策の効果が表れてきたと見られます。一方、サービス部門は同7.5万人増と、前月の同23.3万人増から大きく鈍化しました。特に小売、飲食、教育・医療の悪化が目立ちます。もっとも、ハリケーンの影響によるところが大きく、雇用の基調が変化したわけではないと考えられます。

 次に平均賃金は前月比0.3%増となりました。前年比では2.8%増となり、8月の同2.9%増から鈍化しました。昨年9月の賃金がハリケーンの影響で押し上げられたことによるもので、本来なら前年比の伸びは、もう少し高いものになっていたはずです。実際、10月の賃金は、多少の反動により前月比0.1%程度の低い伸びに止まったとしても、前年比の伸びは3%に到達することになります。そうなれば、2009年4月の同3.4%以来の高い伸びになります。

 ともあれ、これで前月比0.3%の伸びが3ヵ月続いたことになり、ここ数ヵ月間で賃金の伸びが僅かながら高まってきました。景気拡大のペースが加速するなか、人手不足感がさらに強まっている可能性を示唆するものです。実際、Amazonの最低賃金引き上げ等、賃上げの報も増えているようです。

 9月の賃金統計は、ハリケーンの影響を受けていると見られますが、自発的離職者の増加や、フルタイムの仕事が得られず、パートタイムの職を選択せざるを得なかった非自発的なパートタイマーの減少など、賃金にとって前向きな動きが強まっていることに間違いはありません。今後、賃金水準の高いビジネスサービスセクターの賃金増加率が高まってくれば、全体の賃金上昇にも一段と弾みがつくと見られます。

失業率は約49年振りの低さ、
労働需給は相当に引き締まってきている
 一方、家計調査の代表的な指標である失業率は3.7%となり、前月の3.9%から大きく低下しました。69年12月に記録した3.5%以来、実に約49年振りとなる低い水準です。労働力人口(労働供給)は増加しましたが、それを上回るペースで就業者数(労働需要)が増えたためです。就業者の内容をみても、正規雇用、パートタイマーともに増加しましたが、正規雇用の伸びがパートタイマーの伸びを上回っています。このほか、週平均労働時間は前月比横ばいの34.5時間でした。天候の影響を受けやすい鉱業や建設の労働時間は減っているものの、他の業種が補ったようです。

 以上が特に注目される指標ですが、労働市場の実勢を正確に捉えるには、これらだけでは十分とは言えません。例えば、職探しを断念して労働市場から退出した人々は、統計上は失業者とならないため、失業率を実態以上に低く見せる可能性があります。こうした問題に対応するためには、労働参加率(16歳以上の生産年齢人口に占める労働力人口の割合)や、労働市場からの退場者も含めた広義失業率、経済的理由によるパートタイマー比率、失業者に占める自発的離職者の割合(自己都合による離職者が失業者に占める比率)、失業期間といった指標にも注目する必要があります。

 ただし、雇用関連の指標の数は多く、互いに異なる動きをすることもあります。そこで、労働市場の状態を総合的に捉えるために、雇用者数や失業率、賃金上昇率など17の指標(※)を構成要素とする労働市場情勢指数を構築しました。米国に12ある地区連邦準備銀行のひとつカンザスシティ地区連銀が公表している労働市場情勢指数と同様の指数です。

 当方で構築した労働市場情勢指数は、2009年10月の▲7.49を当面の底に上昇軌道を辿り、直近18年8月に3.28をつけました。住宅バブルに沸いた07年3月につけた高値2.70を上回り、ITバブル期の01年5月に記録した3.56以来の高い水準です。続く9月は3.08と小幅な低下となりましたが、高い水準を維持しました。労働需給はかなり逼迫してきていると考えられます。

(※)17の指標の内容は、失業率、フルタイム雇用を希望したにもかかわらずパートタイマーとなっている労働者等を含めた広義の失業率、失業保険申請件数、労働参加率、就業率、経済的理由によるパートタイマー比率、自発的離職者比率、長期失業率、失職確率、就職確率、雇用者数、人材派遣業雇用者数、労働時間、賃金上昇率、ISM製造業雇用指数、コンファレンスボード消費者信頼感指数の雇用現状DI、同雇用将来DIです)。

物価は安定、利上げは緩やかなペースで
 労働市場の状況から判断する限り、米連邦準備制度理事会(FRB)は、今後も利上げを継続する可能性が高そうです。利上げの着地点は、中立金利(景気を刺激も抑制もしない景気に中立な金利水準)と見なされる3%がひとつの目処になると考えられます。

 労働需給は引き締まってきていますが、幸いなことに現在のところ賃金、物価の加速度的な上昇にはつながっていません。FRBの金融政策に対する信頼感等から、インフレ期待が落ち着いていることが大きいと考えられます。いずれにしても、急いで金利を引き上げる必要はなく、FRBは中立金利の3%に向けて緩やかな利上げを継続する見通しです。

(三井住友アセットマネジメント 調査部 磯合隆)
https://diamond.jp/articles/-/182093


 
トップニュース2018年10月13日 / 09:43 / 1日前更新
焦点:ブラジル大統領選、市場は極右筆頭候補の行動力に期待
Rodrigo Campos
2 分で読む

[ニューヨーク 10日 ロイター] - ブラジルで28日に行われる大統領選決選投票で極右候補のジャイル・ボルソナロ下院議員が勝利し、年金改革や民営化を推し進めるとすれば、同国の資産は一段と値上がりする可能性がある──。投資家の間ではこうした見方が広がっている。

ボルソナロ氏は選挙期間を通じて自らの政策の詳細を明らかにしておらず、女性や人種などに対する差別的な態度も見受けられるが、市場はそれほど気にかけていない。ブラジル国内には、既に深刻な分断化や暴力に見舞われている社会がボルソナロ氏の言辞をきっかけにどうなっていくのかを懸念する声もあるが、やはり市場は深刻にはとらえていないようだ。

XPインベストメンツ(マイアミ)のチーフ新興国市場兼グローバル・ストラテジスト、アルベルト・ベルナル氏は「あまりに二極化がひどいのでブラジルには投資しないと言ってきた投資家は1人もいない。ブラジルに存在する二極化は英国やドイツ、米国とそう変わらない。世界はもっと分断が進んでいる」と話した。

ボルソナロ氏の第1回投票における得票率は46%と予想を上回り、2位の左派・労働党候補フェルナンド・アダジ元サンパウロ市長に約17%ポイントもの差をつけた。

投資家が引き続き恐れているのは、労働党が勝って国家主導型経済に戻り、テメル現政権が部分的に手をつけてきた改革がとん挫する事態だけに、第1回投票でボルソナロ氏がアダジ氏に対して優位に立ったことで、資産価格が上昇した。

ゴールドマン・サックスの中南米経済調査責任者アルベルト・ラモス氏は「重大な危険は労働党の介入主義的政策の復活だが、それが実現する確率はゼロでないにしても乏しくなってきている。(株式)市場が改革は実行されるとの安心感を強めれば、さらに大きく上がる可能性がある」とみている。

ストーン・ハーバー・インベストメント・パートナーズの新興国市場責任者ジム・クレイジ氏は、投資家が最も重要視しているのは年金改革だと指摘。これが実現すると確信しているとはまだ言えず、ボルソナロ氏が当選してどんな政権を樹立するかで分かってくるとの見方を示した。

ボルソナロ氏は、財務相の有力候補と目されるパウロ・グエデス氏に経済政策を任せている。グエデス氏はシカゴ大出身で、同大は経済政策について保守的かつ正統的な考えを持つことで知られる。またボルソナロ氏は、閣僚起用に向けて銀行を主体とするビジネス界の関係者とも接触している。

XPインベストメンツのベルナル氏は、ボルソナロ氏について市場は今のところ、グエデス氏が言及している内容の一部は実行し、より現実的に状況に対応できると好意的に解釈していると述べた。

10日には、グエデス氏が国営企業の年金基金が関係する不透明な資金のやり取りをした疑いで連邦検察当局の捜査対象になっていることが判明し、株価や通貨レアルが下落した。

それでもブラジル資産は上値余地がある、というのが専門家のコンセンサスとなっている。

9月半ばにボルソナロ氏が支持率でしっかりしたリードを確保しているとの世論調査結果が出て以降、ブラジル株や債券、レアルは軒並み上昇。ボベスパ指数は最高値に迫り、レアルの過去3週間の対ドル上昇率は10%を超えた。

ただ足元の1ドル=3.75レアル近辺という水準は、過去1年平均の3.52レアルや昨年平均の3.19レアルに比べればまだ安い。iシェアーズ・ブラジル上場投資信託(ETF)は今年の高値を15%程度、過去最高値は60%下回っている。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」

https://jp.reuters.com/article/brazil-election-assets-analysis-idJPKCN1ML0DP

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/796.html#c1

[国際24] 焦点:スパイ騒動で浮かび上がるロシア軍の「戦時モード」 うまき
1. 2018年10月14日 07:50:02 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1505]

2018年10月11日 17時54分 JST | 更新 2018年10月12日 09時39分 JST

ロシアのラストエンペラーを描く問題作「マチルダ 禁断の恋」

上映妨害が各地で相次いだ理由とは?

反対運動がエスカレート。映画館に車突入や放火も…

•  
関根和弘

(C) 2017 ROCK FILMS LLC.
「マチルダ 禁断の恋」のワンシーン。ニコライ2世(右)とマチルダ
ロシア帝国最後の皇帝、ニコライ2世の恋愛を描いたロシアの映画作品「マチルダ 禁断の恋」が12月8日、日本で公開される。
ロシアでは公開前からロシア正教会の一部信者たちが激しく反発。映画館に乗用車が突入するなどの上映妨害が各地で相次いだ。騒動の背景には一体何があったのか。
マチルダとは、ニコライ2世が皇太子だったころに付き合っていた実在のバレリーナ、マチルダ・クシェシンスカヤのこと。
ニコライ2世には当時、のちの皇后となるアレクサンドラと結婚を前提に交際しており、マチルダは愛人のような存在だった。
映画はこうした実話をもとに作られた。ニコライ2世がマチルダに一目惚れし、ただれるような恋に落ちるさまを描いている。

(C) 2017 ROCK FILMS LLC.キスをするニコライ2世とマチルダ
ニコライ2世を演じるのはドイツを代表する実力派男優ラース・アイディンガー。マチルダにはポーランドの新進気鋭の若手女優ミハリナ・オルシャンスカが抜擢された。
音楽は、マチルダが実際に所属していたマリンスキー劇場(サンクトペテルブルク)の交響楽団が担当。豪華なセットと衣装とに彩られた映像美に加え、セックスも含めた官能的なシーンと巧みな心理描写で話題になった。

(C) 2017 ROCK FILMS LLC.「マチルダ 禁断の恋」より
だが、作品をめぐってはロシア国内で大きな反発が起こった。公開前にもかかわらず、一部の熱心なロシア正教会の信者らが「皇帝の名誉を侮辱するな」などと批判。各地で上映に反対する集会や署名集めが起きた。

ASSOCIATED PRESSニコライ2世の肖像などを掲げて「マチルダ」上映に抗議するロシア正教会の信者ら=2017年8月、モスクワ
反対運動は次第にエスカレート。監督のスタジオに火炎瓶が投げ込まれたほか、監督の顧問弁護士の乗用車が放火され、エカテリンブルクでは作品に抗議した男が映画館に車を突入させるなどした。
政治家もこうした運動をあおった。その急先鋒が、下院議員のナタリア・ポクロンスカヤ氏(38)だ。

ASSOCIATED PRESSナタリア・ポクロンスカヤ氏
ポクロンスカヤ氏はウクライナ領のクリミア半島で検察官を務めていたが、ロシアが半島を併合宣言した際、それを支持。ロシア政府から半島の検察トップに任命され、その後ロシアの下院議員に転身した。
ポクロンスカヤ氏は併合宣言後、自身のロシアへの愛国心やロシア正教会への信仰心をむしろ強調してきた。
映画についても「皇帝に対する中傷だ」などとして上映中止を政府に訴えたほか、補助金の不正利用疑惑を検察当局に「告発」するなど、異様な執着ぶりをみせた。
背景には何が
映画への反発がここまで広がったのは、ニコライ2世がロシア正教会の聖人だからだ。
ロシア皇帝は代々、ロシア正教会を国教として熱心に信仰していた。1917年に労働者らによる革命が起きてニコライ2世は退位。家族とともにシベリアで監禁状態に置かれ、銃殺された。

ASSOCIATED PRESSニコライ2世(左から3人目)と家族
革命勢力が建国したソ連では宗教そのものが弾圧されていたが、ソ連が崩壊してロシアになると、ロシア正教会は復活。2000年にはニコライ2世と彼の家族を「殉教者」として位置づけ、聖人に加えた。
こうした経緯から、熱心な信者にとってはニコライ2世とその家族はその悲劇性も相まって特別な存在となっている。
最高指導者であるプーチン大統領がロシア正教会を「優遇」してきたことも遠因だ。
ロシアはイスラム教や仏教など様々な宗教や宗派を信仰する人たちがおり、プーチン政権も表向きは「政教分離」の原則を強調する。
だが、プーチン氏自身はロシア正教会の熱心な信者で、正教会の行事に参加する様子が頻繁にテレビなどで報じられ、ロシア正教会のトップ、キリル総主教とも深い関係とされる。

ASSOCIATED PRESSプーチン大統領(左)とキリル総主教=2017年5月、モスクワ
こうした両者の「蜜月」ぶりが、国民の約8割を占めるロシア正教会の信者を増長させた可能性もある。
監督自ら語る
作品の制作者はどう思っているのか。7月に来日したアレクセイ・ウチーチェリ監督(66)に聞いた。

KAZUHIRO SEKINEインタビューに応じるアレクセイ・ウチーチェリ監督=東京
――ロシアでは公開前から反発が各地で相次ぎました。どんな状況だったのですか。
クリミアの検事だったポクロンスカヤ氏が抗議したのを受けて、「キリスト教国」と名乗る小さなグループが現れました。
このグループのメンバーはサンクトペテルブルクにある私のスタジオに2つの火炎瓶を投げ入れたり、私の担当弁護士の乗用車を放火したりしました。
エカテリンブルクでも抗議活動がありました。試写会の会場となった映画館に車が突入したんです。関係者は皆、刑事罰を受けています。
騒ぎを起こしたのはロシア正教会の信者でした。でも重要なことは、抗議をしたのはごく少数だったことです。公開後は抗議はなくなりました。
――なぜそのような激しい抗議が起きたのでしょう。
ニコライ2世とその家族は死後、何十年もたってから聖人として認められました。殉教が理由であり、信者にとっては特別な存在です。それが一部の信者の激しい反発を生んだのでしょう。
でも、だからと言って、彼の生前の行いについて何か語ることを禁ずるのは、ポクロンスカヤ氏もロシア正教会も法律もできないのです。芸術作品をつくるのは自由です。
特に映画で描いているのは、ニコライ2世が皇帝になる前のこと。抗議を受けるいわれはありません。
――抗議が起こることは予想していましたか。
まったくの予想外でした。まして公開前から抗議が起きるなんて考えもしなかった。
のちに皇帝になる人物だからといって、ニコライ2世もまた人間です。恋をしたり、人生に悩んだりする普通の人です。
その事実はたとえロシア正教会の信者だろうが、そうでなかろうが受け入れなければなりません。
私はニコライ2世という人物をよりリアルに知ってほしかった。映画は信者のためにつくったのではありません。そんなことはありえない。数多のロシア人のためにつくったのです。
我々映画人が手がける作品は、誰しもが楽しめる人間のストーリーであり芸術作品です。
――2012年にロシア正教会の寺院で、プーチン大統領とキリル総主教との関係を批判する曲をゲリラ的に演奏した若者グループ「プッシー・ライオット」が信者たちから猛反発を買いました。それ以降、信者たちが過激化しているとの指摘があります。
その指摘は承知しています。だが、過激な抗議活動はプッシー・ライオットの件だけではありません。
もちろん、信者の気持ちを大切にしなければならないが、だからといって感情的になるべきではないし、暴力行為に発展させてはいけない。
宗教の自由も言論の自由も認めれられており、そうした行為は法律で罰せられるべきです。
映画や芝居、展覧会などの芸術活動は法律に違反していない以上、認められなければなりません。
――作品には度々、性的なシーンが登場します。それらは必要だったのですか。
もし女性の胸が露出していることが問題だというのなら、世界中の美術館には行けなくなるでしょう。なぜなら男女の裸体をモチーフにした彫刻や絵画はたくさんあるのだから。芸術作品を単なるわいせつ物とされるべきではありません。
それらに対して反発する信者もいるかもしれませんが、私は信者たちの好き嫌いを考えて映画をつくっていません。つくりたくもない。信者に配慮して制作するなんてありえないのです。
――今回の作品を含め、自らの映画制作に通じるテーマはありますか。
今回の作品について言えば、ニコライ2世の恋愛模様を通じて、彼もまた、一人の人間だったということを伝えたかった。
制作全般において私が意識していることは、極限状態に置かれた人間からあふれ出る人間性や言動です。特に瀬戸際に立たされ、これまでに下したことのないような決断に迫られた人間を描くことに興味があります。
ニコライ2世とは何者だったのか
ロシア帝国最後の皇帝。26歳で即位して以降、欧州列強の一国としてヨーロッパとアジアの覇権を目指す。
アジアでは極東への進出をめぐり、日清戦争で破れた清が日本に遼東半島などを割譲すると、ドイツ、フランスとともにこれに反対。遼東半島を清に返させた(三国干渉)。
1904年、日本との間で戦争(日露戦争)となったが敗北した。国民の不満が募る中、首相にストルイピンを起用して近代化を進めようとしたが、寵愛した祈祷僧ラスプーチンが政治にも口を出すようになり、改革は頓挫した。
1914年には第一次世界大戦にも参戦するが、戦局は思わしくなく、1917年には当時の首都ペトログラード(現サンクトペテルブルク)で革命的な運動(二月革命)が起こり、退位を余儀なくされた。
妻と5人の子どもとともにエカテリンブルクで監禁生活を送っていたが1918年、ソ連を建国したレーニンの命令で家族とともに銃殺された。
ソ連崩壊後の2000年、ニコライ2世と家族はロシア正教会の聖人として認められた。
日本で切りつけられる事件も
皇太子時代、世界各地を旅行しており、最後の訪問地が日本だった。1891年、軍艦で長崎に寄港。神戸や京都を訪れた。大津から京都に戻る際、警察官に切りつけられる事件が起きた(大津事件)。
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訂正の連絡はこちら

関根和弘ハフポスト日本版ニュースエディター/うさぎ好き
oshihide Hamazaki
これをプーチンとロシアに漕ぎつけるのも一興だが、これを言えば1988年の『キリストの最後の誘惑』の上映の際にも多くのキリスト教国で上映禁止になったり、フランスではキリスト原理主義者が映画館に火を放ち
(14人が怪我、うち4人が重傷)との事件があった。
いいね! · 返信 · 1日前

Tulsa Birbhum
日本で過去の天皇の、
現在では好ましくないとされる一面を
描いた映画を公開しようとしたら、
似たような事になりそう。
いいね! · 返信 · 1日前

https://www.huffingtonpost.jp/2018/10/11/matilda-interview_a_23557553/


 

「大股開き男に水ぶっかけ」 話題のロシア動画は「やらせプロパガンダ」だった?
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10月11日(木)17時50分 J-CASTニュース
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問題の動画。「IN THE NOW」より 写真を拡大
地下鉄の車内、男性客が傍若無人に大股を広げて座る。そこにツカツカとやってきた金髪美女、ペットボトルを取り出すと、いきなり男の股間に液体をぶっかけた——。

「ロシアのフェミニズム活動家による、男性への抗議活動」。そんな触れ込みで拡散したこの動画は、世界中で反響を巻き起こした。共感の声もあった一方で、あまりにも過激な女性の振る舞いには、眉をひそめる向きが強かった。

ところがこの動画、実は「やらせ」だったのでは、との疑惑が浮上している。しかも、その黒幕はプーチン政権かもしれない、というのだ。


被害者が「金もらって演じた」と発言

「プーチンのジェンダー戦争?」(英ザ・サン)

「クレムリンのプロパガンダ」(英デイリー・メール)

こうした見出しが、海外メディアを相次ぎ飾っている。


疑惑の起点となったのは、ロシアのネットメディア「Bumaga」だ。動画中で液体をかけられた男性の一人を発見、彼が「金をもらって演じた」と暴露したことをすっぱ抜いたのである。


EUがロシアによる「デマ」への対抗のため立ち上げたキャンペーンサイト「EU VS Disinfo」は2018年10月8日(現地時間)、これらの証拠を元に問題の動画が「やらせ」だと指摘した。さらに、拡散に関わったメディアが、実質的な国営媒体「RT(ロシア・トゥデイ)」の系列にあるとし、問題の動画が、プーチン政権の政治工作だ、と主張している。


しかし、いったい何のために?


「犯人」は水着インスタ金髪美女


サンクトペテルブルクの地下鉄を舞台に、足を広げてふんぞり返る男性客の股間に、若い女性が次々と漂白剤入りの水をかけていく。男たちは怒りを見せるが、女はそれをかわし、素早く逃げ去る......。


このYouTube動画が、世界的に注目を集めたのは9月後半のことだった。


電車内などで、男性が大股開きで座ることを、英語で「マンスプレッディング」と呼ぶ。単なる迷惑行為としてのみならず、近年はジェンダー的な観点からも批判が過熱中だ。今回の「水かけ」も、こうしたマンスプレッディングをやめない男たちを「懲らしめる」ためのものだとされていた。


その過激な行動、しかも「犯人」の社会活動家、アンナ・ドブガリュクさんが21歳、インスタグラムにも水着写真を多数アップする華やかなブロンドの美女とあって、話題は一気に広がるとともに、激しい議論を巻き起こした。


総じて目立つのは、女性側への批判だ。たとえば日本では、10月3日の「モーニングショー」(テレビ朝日系)が、「大股開き男性に抗議の水 女子大生投稿も大炎上」のサブタイトルで動画を紹介、


「座り方のマナーとしては悪いけど、やられたら怒るでしょ」(羽鳥慎一アナ)

「確かに迷惑だな、と思ったことはありますけど、あそこまでするのはどうなんでしょうね?」(宇賀なつみアナ)

と、批判的な論調で取り上げた。


反フェミニズムで世論分断狙う?


さらにツイッターでは、


「なんでフェミニズムって不特定多数に向けて攻撃的になるん?」

「だんだんとフェミニストが暴徒化してるなぁ 完全なテロだよね」

「頭おかしすぎでしょ? なんで罪に問われないの?」

など、いわゆるフェミニズム運動とからめて、女性を叩く声も少なくない。


海外メディアでは、これこそが動画の狙いではないか、というのがもっぱらの見方だ。あえて「過激なフェミニスト」の姿を拡散することで世論の反発をあおり、「#MeToo」運動などに盛り上がる欧米世論の「分断」「混乱」を招こう、というのである。


プーチン政権がフェイクニュースなどの流布を通じて、米大統領選に介入したとされる「ロシアゲート」疑惑は記憶に新しい。これに限らず、ロシアがネットを巧みに活用し、シリア問題などで、自国に有利なプロパガンダを広めているとの見方は根強い。今回の動画も、同様の手口ではないか、というわけだ。


「水かけ犯」のアンナさんはインスタグラムなどで、プロパガンダ説を繰り返し否定している。

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https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1011/jc_181011_3123963223.html
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/268.html#c1

[国際24] 「借金の罠」恐れるパキスタン、中国一帯一路計画を再考 パキスタン、IMFに支援要請へ財政悪化 ロシアからSu―35輸入か うまき
1. 2018年10月14日 08:07:23 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1506]
中国の一帯一路、完成するのは「でこぼこ道」パキスタンのIMF支援要請で浮き彫りに
資金力のある隣国

Source: World Bank

By
Andrew Peaple
2018 年 10 月 10 日 11:51 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 中国の広域経済圏構想「一帯一路」の陰で、パキスタンは一つの大きな問題に直面する。パキスタンはこれまで、中国が約70カ国のインフラ開発に数千億ドルを投じようとするこの構想の最大の受益者だった。だが中国から約620億ドル(約7兆円)相当の投資の約束を取りつけたにもかかわらず、パキスタンの総選挙後に樹立された新政権は、国際通貨基金(IMF)との協議を余儀なくされている。積み上がった債務の返済期限が迫る中、最終的に120億ドル規模の支援を要請する可能性がある。

「一帯一路」の主要プロジェクトが進むパキスタンのグワダル港 PHOTO: ASIM HAFEEZ/BLOOMBERG NEWS
 パキスタンが抱える問題は、一帯一路構想に寄せられてきた期待に影を落とす。この構想は、端的に言えば、新たな経済大国がその資金力に物言わせ、友好国や外交的影響力を手に入れようとするものだ。この先何年にもわたり、新興国市場全体が力強く成長するという夢を語る原動力となってきたが、その一方で、融資を中国企業の受注契約や雇用に結びつければ、中国の慢性的な過剰生産能力を軽減するのに役立つと考えられる。
 中国政府は一帯一路には善良な意図があると世界に受け止められるよう望んでいる。だがパキスタンでは、吸収しきれないほどのペースで中国マネーが急速に流れ込んだ。
 パキスタンでは過去5年間に外国からの融資が急増。昨年の融資総額100億ドルのうち、中国は40%近くを占める。その資金を元に進めるインフラ事業の資材を輸入するため、同国の貿易赤字は膨れ上がった。中央銀行は通貨ルピーの下落を食い止めようとし(成果は出ていない)、外貨準備は4年ぶりの低水準に落ち込んだ。通貨安と原油価格の上昇で、コアインフレ率は8月に7.7%まで上昇。一段と危機的状況になる中、パキスタンの株式市場は今月に入って7%超下落し、指標となる国債利回りは急上昇している。
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 この結果は、一帯一路構想の最終的な狙いが、中国に依存する債務国ネットワークを作り出すことだという懸念を鎮めるのにはほとんど役立たない。中国は国内に債務問題を抱えており、過去には外国の諸問題に巻き込まれるのを避けようとしてきた。そう考えると、これはややマキャベリズムのように見える。IMFが今パキスタンに融資を与えることは、外交上の注意を要するだろう。米国は中国の銀行に資金が吸い込まれるような金融支援には慎重な姿勢をとっている。
 中国の経済外交にまつわる誇大宣伝には気をつけよ――。これが投資家へのメッセージだ。マレーシアなど他の国々も最近、世界第2位の経済大国からあまりに巨額の投資を受け入れることには否定的な考えを表明した。パキスタンのように中国と運命を共にする国が、市場の混乱から無縁ではいられないのは明らかだ。
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WSJ社説】中国「一帯一路」の新たな人質
パキスタンの首相に就任したイムラン・カーン氏

2018 年 8 月 20 日 11:29 JST

 18日にパキスタンの首相に就任したイムラン・カーン氏に課される最初の任務は、金融危機を回避することだ。クリケット選手から政治家に転じた同氏は、中国が資金提供する開発計画を後退させるか、それとも、中国への依存を強めるのかを選択しなくてはならない。

 パキスタンの外貨準備高は、先月末時点で103億ドル(約1兆1400億円)に落ち込んだ。これは同国の輸入2カ月分に相当する。政府は対外債務のデフォルト(債務不履行)を回避するため、すぐに100億ドルほどの資金を借りる必要がある。この債務が膨らんだのは、総額620億ドルのインフラ建設計画「中国パキスタン経済回廊(CPEC)」の資金繰りのため、パキスタン政府が中国の銀行から借り入れたからだ。CPECは、アジアや欧州、そしてアフリカでインフラを建設する中国の「一帯一路構想」の目玉の一つだ。

 通常であれば、パキスタンは国際通貨基金(IMF)に融資を要請するところだろう。同国は実際、十数回以上にわたってそうしている。だが、対中債務がその障害となっている。マイク・ポンペオ米国務長官は先月、中国の債権保有者、すなわち中国政府そのものを救済するためにIMFの資金を使う理由などないと警告した。

 米国とIMFは今後の方針を決める前に、パキスタンが中国融資の秘密条項について明らかにすることを望んでいる。こうした条項が明らかになれば、IMFはパキスタン政府に対し、中国主導の一部プロジェクトの再交渉や、他のプロジェクトの凍結を要求する公算が大きい。あるエネルギープロジェクトについてウォール・ストリート・ジャーナルは、中国側の投資家に30年間にわたり、米ドルでの年間利回り34%を保証していると報じた。

 米国や他のIMF出資国は、融資を供与した場合、パキスタンが現在の資金難を一時的にしのぐことができても、その後、中国にグワダル港のような戦略的資産を引き渡さざるを得なくなる「債務のわな」に陥ることを懸念している。同様のことがスリランカで起きている。スリランカは、ハンバントタ港の建設事業のため中国から借りた60億ドルの返済ができなかった。スリランカは昨年、この債務を帳消しにする見返りとして、同港を中国の招商局港口に99年間リースすることになった。

 カーン氏は、透明性を求めるだろう。同氏は、中国との幾つかのプロジェクトに乗り出した前任者の決定を批判し、当局者らの腐敗を非難した。カーン氏が選んだ次期財務相は、中国との合意を議会で議論する考えを示した。

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 しかし同時にカーン氏は、中パ経済回廊を自身の経済計画の柱と呼んでいる。同氏が率いるパキスタン正義運動(PTI)の中には、IMFに金融支援を仰がず、中国との「全天候型友好関係」にリスク承知で賭けるのを望む向きもある。中国は、過去1年でパキスタンに50億ドルの融資を行ったが、7月の総選挙を受けてさらに20億ドルの融資を約束した。

 カーン氏が経済危機回避のため中国などから十分な資金を借り入れられたとしても、IMFのお墨付きがなければ投資家の信頼は回復しないだろう。パキスタンが対中債務を膨らませていけば財政危機の可能性は高まるだろう。そうした不確実性は、カーン氏が選挙公約を果たすのを難しくしそうだ。

 カーン氏は、透明性の要求を腹立たしく思うかもしれない。だがこれまでの証拠が示すのは、中国のプロジェクトの多くは計画がずさんであり、プロジェクトの債務でパキスタンの財務が一世代にわたってダメージを受けることになるということだ。政権交代したマレーシアは最近、中国が融資する総額200億ドル強の各種プロジェクトを中断した。カーン氏も同じことをするのが賢明だろう。

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WSJ社説】「一帯一路」に背を向けるモルディブ
大統領選で野党候補が勝利、中国より民主化を選んだ有権者

モルディブ大統領選での敗北を認める現職ヤミーン氏(24日) PHOTO: HANDOUT/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
2018 年 9 月 25 日 16:21 JST
 インド洋に浮かぶ小さな群島国家モルディブは通常あまり注目されないが、戦略的な要衝にあるため極めて重要な国だ。23日の大統領選の結果はアジアの安全保障や民主主義にとって朗報となった。
 大統領選でベテラン議員のイブラヒム・モハメド・ソリ氏と争った現職アブドラ・ヤミーン氏は24日、敗北を認めた。有権者の約90%が投票した結果、民主主義の再建と欧米との関係改善を掲げたソリ氏が58%の票を獲得した。同氏は中国からの投資に強硬路線を取ることも公約していた。
 モルディブでは10年にわたり民主化に向けた努力が続けられていたが、ヤミーン氏はそれを台無しにした。今年に入って非常事態宣言を発令。司法関係者を拘束し、抗議行動を取り締まった。かねてモルディブと友好関係にある米国やインドはヤミーン氏を批判した。一方で中国は同氏を擁護した。中国に有利な条件で公共工事に投資する習近平国家主席の「一帯一路」構想をヤミーン氏が支持したからだ。主要なシーレーン(海上輸送路)に近いモルディブは戦略的な価値も高い。
 気候変動によりモルディブは水没の危機にあると警戒する声もあるが、略奪的な融資によって国家財政が先に沈むかもしれない。中国政府は近年、モルディブの公共工事に多額の投資を続けてきた。国際通貨基金(IMF)の2017年のリポートによれば、モルディブの対GDP債務比率は「2014〜16年に11.5ポイント近く増えた」。中国関連プロジェクトの影響で、対外債務は2021年にはGDP比51.2%に達する勢いだ。IMFによればモルディブの政府歳入が約10億ドル(約1120億円)であるのに対し、債務利子支払額は今後4年間で毎年9200万ドルに達する。
 持続不可能な債務を弱い国に背負わせることは一帯一路によくある手法だ。プロジェクトが債務不履行に陥れば、中国は戦略的に重要な公共事業を差し押さえる。スリランカは中国政府系企業に対する数十億ドルの債務の返済に窮して、自国の港を引き渡す決断をした。他国政府もこうした手法に気付いている。
 戦略上の問題は別として、大統領選の結果は何よりモルディブの民主主義にとって勝利だ。有権者は民主主義がハイジャックされることを拒否した。モルディブの新政府は、中国との怪しげな取引への依存を減らすと公約している。その実現に向け、インドや欧米諸国は手を差し伸べるべきだ。
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【社説】中国「一帯一路」の被害者モルディブ

モルディブのアブドゥラ・ヤミーン大統領(左)と中国の習近平国家主席(2017年12月) PHOTO:FRED DUFOUR/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
2018 年 2 月 20 日 10:55 JST
 インド洋の小さな島国モルディブにおける政治危機は、小さな出来事のように見えるかもしれない。しかし、この国の戦略的な位置と、中国の影響力拡大を考えれば、司法を自ら支配して反対勢力を封じ込めようとするアブドゥラ・ヤミーン大統領の動きは、もっと広く注目されるべきだ。
 モルディブ最高裁判所は今月に入り、モハメド・ナシード元大統領を含む野党政治家9人に対する過去の判決を覆して釈放を求め、野党議員12人の復権も求めた。するとヤミーン大統領は即座に緊急事態を宣言し、最高裁の判事2人を拘束した。また警察もヤミーン大統領の異母兄で、1978年から2008年まで独裁者として君臨したマウムーン・ガユーム元大統領を逮捕した。
 政権当局者は、政府転覆の企てを阻止したのだと述べている。だが、より説得力ある説明は、ヤミーン大統領の常軌を逸した行動と中国との親密な関係が、支配層のなかで反発を引き起こしたということだ。年内に予定されている大統領選挙は、野党が善戦すると予想されていた。
 習近平国家主席の「一帯一路」構想の一環として、中国政府はモルディブに借款を供与し、国営企業を派遣して港湾建設やその他の公共工事に従事させてきた。国際通貨基金(IMF)の新たな報告書によると、これらプロジェクト推進の結果、モルディブの対外債務は2021年に対国内総生産(GDP)比51.2%に達し、16年の34.7%から大きく膨らむとみられる。
 現在亡命中のナシード元大統領は、中国による少なくとも16の島々の「土地収奪」をモルディブ政府が容認したと非難しており、3つのプロジェクト向けの中国借款が国家債務の80%近くを占めていると述べている。同氏は今月に入ってインド紙に寄稿し、「モルディブにとって、こうしたプロジェクトのコストは途方もなく膨らんでおり、体制の取り巻きが私腹を肥やすのを許している。一方、モルディブの将来の世代は、決して返済できないほどの莫大な債務を負わされている」と書いた。
 IMFは、対外債務の返済費用は今後4年間、年平均9200万ドルになると述べている。これに対し、政府の歳入はわずか約10億ドルだ。これらプロジェクトからのリターンが不十分であれば、モルディブはスリランカと同じような境遇に陥る可能性がある。スリランカは、中国の借款でハンバントタ港を建設したが、昨年12月、同港の運営権を中国国営企業に99年間のリースとして譲渡した。デフォルト(債務不履行)を避けるためだった。パキスタンも同様に、グワダル港の40年間の運営権を中国に譲渡した。
 インドは当然ながら、中国がモルディブの港を使ってインド洋での軍事プレゼンスを拡大する可能性を懸念している。昨年は中国海軍の艦船3隻がモルディブに寄港した。インドとモルディブの経済関係も弱まっている。ヤミーン政権は2012年、モルディブの空港改修工事で中国企業を選び、インド企業との契約を破棄した。昨年、モルディブ政府は議会での議論もなしに中国との貿易協定を押し進め、中国産品の95%を8年間にわたって無関税とした。
 中国政府はヤミーン大統領への支援を何らかの「条件付き」にしたようには見えないが、同大統領の権威主義化を全く気にもしていない。中国外務省は最近、モルディブの内政に対する外国の干渉に警告した。これはインドなどが緊急事態を終わらせ、法の支配に戻るよう求めたのとは対照的だ。
 習近平氏の「一帯一路」構想は、中国の影響力拡大を何にも増して重視するものであり、モルディブはその巻き添え被害の一例だ。レックス・ティラーソン米国務長官は中国の手法を「略奪的」と呼んだが、それは往々にして正しい指摘だと言える。
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http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/269.html#c1

[国際24] ブラジル極右候補、トランプ礼賛者を外相に起用か トランプ貿易戦争の皮肉 ブラジル農家に豊かにし米国農家を苦しめる  うまき
1. 2018年10月21日 19:11:09 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1507]

「行為に使ったものがそのまま……」“ブラジル移民の町”群馬県大泉町でサンバが中止されたワケ
高橋 幸春 2018/10/20
source : 文藝春秋 2018年11月号

genre : ニュース, 社会, ライフスタイル

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 群馬県大泉町――。人口約41,800人のうち外国人が約7,500人、人口比率で約18%を占める日本有数の“移民の町”だ。なかでも最も多いブラジル人は4,221人に上る(今年8月末現在)。大泉町にブラジル人が移住してから、既に30年以上が経過している、日本における“移民先進地域”だ。

ブラジル人で賑わう「タカラ」
ブラジル人で賑わう「タカラ」
この記事の画像(3枚)
 大泉町では2007年から毎年、サンバのイベント「大泉カルナバル」を開催してきた。ところが今年6月、大泉町観光協会は突如、今年度の開催中止を発表した。大泉町でいったい何が起きているのか。

 実は大泉町における「サンバ」が中止されたのは今回が初めてではない。大泉町では、1991年から「サンバパレード」が開催されていた。町おこしとして大きな注目を集め、全盛期には20万人もの観光客が集まる大イベントだった。ところが、このサンバパレードも2001年に中止を余儀なくされている。

 当時、町長を務めていた長谷川洋氏は中止の理由についてこう説明する。

「パレードの当日はいたるところに違法駐車の車が溢れ、観光客で身動きが取れませんでした。私も警備に駆り出されて、観光客が路上に飛び出さないようにロープを握っていましたが、その圧力は怖いくらいでした。ダンサーや観光客の安全性を考慮して中止になったんです」

ダンサー同士の性行為が……
 だが大泉町商工会の茂木透会長は、中止された理由は安全性の問題だけではないと指摘する。日本人住民の中には、サンバパレードへの不満が充満していたというのだ。

以前は大泉町でもサンバパレードが(※イメージ) ©iStock.com
以前は大泉町でもサンバパレードが(※イメージ) ©iStock.com
「あるレストランの経営者が『ダンサーが着替える場所に使ってください』と、お店を提供してくれたんです。ところが、そこがダンサー同士の性行為の場として利用されたのです。後片付けもされず、行為に使った物がそのまま放置されていた」

「サンバパレード」中止の6年後から「大泉カルナバル」が行われるようになったが、今年中止された。観光協会のHPには、以下のように記されているのみだ。

<当協会各関係者と企画立案、調整を行ってまいりましたが、整が付かず、今年は中止という運びと相成りました。>(原文ママ)

 大泉町関係者がその背景を解説する。

「元々、運営の一部に公費が充てられていた時期もありました。ただ『大泉カルナバル』は『サンバパレード』と比べて入場者数も少なく、『日系ブラジル人の小さなイベントのためになぜ公費を使うのか』という声が上がっていた。他の国籍の住民もいるのに、なぜブラジル人だけを優遇するのか。カルナバルが中止された背景には、こうした日本人住民の不満があったのです。来年以降は企画を一新して開催するという声も上がっていますが、まだ見通しは立っていません」

 日本人とブラジル人との「共生」について、村山俊明町長はこう漏らしている。

「共生というのはまだまだ。はっきり言ってかけ離れていると思う」

文藝春秋11月号
文藝春秋11月号
「文藝春秋」11月号に寄稿した「外国人比率トップ 群馬県大泉町の悲鳴」では、日系ブラジル人の生活保護や犯罪、子供たちへの教育など大泉町が抱える諸問題について詳しく書いた。

※「文藝春秋」11月号では、「亡国の『移民政策』」と題する特集で、“隠れ移民大国”日本が抱える様々な問題を検証しています。ぜひ他の記事もあわせてお読みください。
http://bunshun.jp/articles/-/9401
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/345.html#c1

[経世済民129] 日本経済が直面している問題の答えは金融政策にはない=白川前日銀総裁 70歳までの雇用促進を政府議論、年金受給開始年齢引上 うまき
2. 2018年10月22日 22:28:47 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1508]

「根本原因はデフレではない」 白川・前日銀総裁が5年半ぶりに語った
10/22(月) 18:21配信 J-CASTニュース

総裁を辞任して以来初の記者会見を行った白川方明・前日本銀行総裁

 白川方明・前日本銀行総裁は2018年10月22日、総裁を辞任してから初めてとなる記者会見を日本記者クラブで開き、日本経済の停滞の原因はデフレにあるのではないとする持論を語った。

 安倍政権発足によるアベノミクスや後任の黒田東彦(はるひこ)総裁による異次元の金融緩和でデフレ脱却を目指している現状についての直接的な評価には言及しなかったものの、デフレを日銀の金融政策だけで解決することについては、総裁当時から強い疑問を持っていたことをあらためて強調した。

■総裁のときに受けた批判

 白川氏は安倍政権が発足した直後の2013年3月に任期を20日ほど残して辞任したが、その後は公の場での記者会見など一切、避けてきた。今回は、自身の日銀時代を回顧する著書『中央銀行 セントラルバンカーの経験した39年』(東洋経済新報社)について語るというテーマで会見の場に臨んだ。

 白川氏は会見の冒頭、「退任当初から執筆を勧められたが、中央銀行の総裁は退任後は多くを語らないのが美学と考えてきた。自慢や自己弁護と思われるのも避けたかった」としたが、ある日銀OBの勧めもあり、中央銀行をめぐる議論をもっと活発にしたいと思い、出版に至った経緯を語った。

 会見は1時間にわたって白川氏が自著について語ったが、とくに熱を帯びたのは、自身が総裁時代に浴びた「批判」についてだった。批判の内容を「日本経済の根源的な原因はデフレであり、それは貨幣的現象だから、日銀の大胆な金融緩和政策によって脱却できる。日銀は物価目標を掲げ、達成を約束すべきだが、それをしていない」というものだったと総括。2012年12月の総選挙で民主党から政権を奪還した安倍晋三・自民党総裁がこうした主張を掲げて、圧倒的な国民の指示を得たことにも触れた。

過去5年の経験が示すこと

 こうした日銀批判に対して、白川氏は「日本経済の根源的な原因はデフレではないと思っていた」と反論。そのうえで「急速な高齢化や人口減少に適合していないことが大きな原因」と述べ、社会保障を含めた財政の持続可能性の方が重要だという考えを示した。

 その一方で、2012年12月に、物価目標を政策とするインフレ・ターゲティングの導入を掲げ、日銀法改正までも示唆して総選挙を戦い、国民の圧倒的な支持を受けた安倍政権のもとで、日銀が何も答えずに独善と思われることは避けなくてはならない、と思い、「熟慮の末、政府とアコード(政策協定)を結ぶのはやむを得ないと考えた」と発言。13年1月に「デフレの早期脱却と物価安定の目標を2%とする」という政府との共同声明に至った経緯を説明した。ただ、その共同声明も「日銀が2%の物価目標を機械的に追求しようとしたものではない」とした。

 その後、日銀は後任の黒田総裁のもとで、2%の物価上昇を目標に、「異次元の緩和」と呼ばれる金融政策で大量の国債やリスク資産を日銀が買い取って資金を市場に供給する体制を取るようになった。これには中央銀行の政策としては中央銀行自身や国の財政の健全さを損なうとした批判も強い。

 この後、会場からの質問で、現在の黒田総裁の政策について評価を聞かれた白川氏は「他の中央銀行総裁にならい、足元の金融政策について直接的なコメントは控えたい」と述べつつ、「過去5年の経験が示すように、日本経済の直面する問題の答えが金融政策以外にないということではないし、物価が上がらないことが低成長の原因という立場でもない」と語るとともに、2013年の政府と日銀の共同声明の精神に立ち返るべきだ、と語った。

【関連記事】
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最終更新:10/22(月) 18:21
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「経済問題の答えは金融政策にない」白川日銀前総裁(18/10/22)
330 回視聴
ANNnewsCH
2018/10/22 に公開
日銀の白川方明前総裁が2013年の退任後に初めて記者会見し、日本経済が抱える問題は金融政策では解決できないという見方を示し、デフレ脱却を掲げるアベノミクスを暗に批判しました。
・・・記事の続き、その他のニュースはコチラから!
[テレ朝news]
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/
https://www.youtube.com/watch?v=J2t31Dj-9NA


<長銀破綻20年>危機回避の公的資金は評価二分
10/22(月) 21:28配信 毎日新聞
<長銀破綻20年>危機回避の公的資金は評価二分
長銀本店
 日本長期信用銀行の破綻から、23日で20年が経過。公的資金投入による一時国有化で危機拡大を防いだことを評価する声がある一方、多額の国民負担への批判も浴びた。経営を引き継いだ新生銀行は、大手銀行では唯一公的資金を完済できておらず、「処理」は未完のままだ。

 融資先の経営不振や株価下落による損失で経営が悪化していた長銀は1998年10月23日、施行されたばかりの金融再生法に基づいて国有化された。前年には山一証券や北海道拓殖銀行などが相次いで破綻しており、連鎖的な破綻を防ぐための緊急措置だった。政府は98年12月に日本債券信用銀行も国有化し、銀行の「不倒神話」は完全に崩れた。

 長銀は2000年3月、米投資会社リップルウッドを主体とする投資組合に10億円で売却され、同6月に新生銀に改称した。投入された公的資金は約8兆円に上り、債務超過の穴埋めとして投じられた約3兆6000億円は国民負担となった。国有化と同時に実行された経営合理化で、約3500人いた行員は約2200人まで減少した。外資傘下となった新生銀は、企業向け融資から、投資銀行業務と個人向けサービスに業務の軸足を転換。急速な不良債権処理が「貸しはがし」と批判を浴びる一方、経営は改善し、04年に再上場した。

 長銀破綻前後に人事担当部長を務め、現在は物流会社に勤める入山賢一さん(67)は「再建計画に沿って退職勧奨したが、条件のいい就職先を紹介できずつらかった。自分が残るわけにはいかないと思い、新生銀移行時に退職した」と振り返る。さらに「長銀破綻に伴う急速な不良債権処理で、潰さないで済む企業も潰れた。もっと他の方法があったのではないか」と割り切れない思いを語る。

 その後、新生銀はリーマン・ショックに伴う投資損失で08〜09年度に再び最終(当期)赤字に転落。日債銀を引き継いだあおぞら銀行との合併も検討したが、実現しなかった。なお約3500億円相当の公的資金を返済できておらず、本格的な経営再建は道半ばだ。工藤英之社長は「今後は他の金融機関と異なる価値を創出し、生産性改善に取り組む。市場から高評価を受けられるビジネスモデルの確立に向けて努力を続ける」と語る。【土屋渓】

 ◇日本長期信用銀行

 基幹産業に長期資金を安定的に供給するため、長期信用銀行法の施行に伴い1952年に設立された。「ワリチョー」などの金融債を発行して資金を調達し、高度成長期の産業振興を担った。バブル期に不動産やノンバンク向け融資に失敗し、経営が悪化。98年10月に一時国有化された。2000年に米投資組合に売却され、同年6月に新生銀行に改称した。

■長銀破綻以降の主な出来事

1998年10月 特別公的管理を申請し破綻、一時国有化

  99年 6月 東京地検が大野木克信元頭取ら旧経営陣3人を逮捕

2000年 3月 政府が米リップルウッド主体の投資組合に長銀を譲渡

      6月 新生銀行に行名変更

      7月 大口融資先のそごうが民事再生法適用を申請し、破綻

  04年 2月 東京証券取引所第1部に再上場

  08年 7月 消費者金融大手レイクなどを5800億円で買収すると発表

  10年 3月 リーマン・ショックの影響で2期連続赤字

      5月 あおぞら銀行との合併交渉が破談

  15年 6月 りそなホールディングス、あおぞら銀が公的資金完済

【関連記事】
<長銀破綻>「公的資金なければ、日本経済に損害」元頭取
<質問!>バブル崩壊、何が起きたの?
<証券業界>構造改革半ば 山一廃業、失った20年 資産形成へ流れ進まず

最終更新:10/22(月) 22:23
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181022-00000091-mai-bus_all
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/114.html#c2

[経世済民129] 日経平均は604円安、一時2万2000円割れ 外部環境警戒で全面安 TOPIX1年超ぶり安値 識者はこうみる 3つの理由 うまき
2. 2018年10月23日 23:18:48 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1509]
日本株 明らかに売られ過ぎ
ストラテジーレポート
広木 隆 2018/10/23国内株式

• マネックス
日経平均が2万4000円を越える水準まで上昇し27年ぶりの高値をつけたのは今月2日のことである。そこからわずか20日で2000円も下げた。株価というものは企業価値を評価して決まる。1カ月も経たないうちに企業価値が1割近くも吹き飛ぶなどということはありえない。日経平均の予想EPSは相変わらず最高水準にある。この間の下げはセンチメント(市場心理)の悪化以外のなにものでもない。
何がセンチメントを悪化させたか。まずは米国株の急落であった。米国株の急落は米国の長期金利上昇に対するバリュエーション調整であり、それは極めて合理的である。ただ、その下げに日本株が連れ安するのは合理的でない。
そのほか通商摩擦、中国景気の減速、サウジアラビア記者殺害を巡る緊張、中距離核戦力縮小条約破棄を巡る米露の対立、イタリアの財政懸念、etc. どれも本質的には日本株のファンダメンタルズに大きく影響を及ぼすものではない。
いちばん、つまらないのがVIX指数の上昇を理由にするものだ。株が下がったからVIXが上がったのであって、その逆ではない。因果関係が反対である。ただ、リスク・パリティ戦略をとる運用にとってはエクスポージャーの縮小が要求されるので、いったんボラティリティが上がると、断続的な売りが出て従来以上に調整が長引くということは言えるだろう。
米国金利の上昇で米国株が下げるのはわかるが、日本株はまったく状況が異なる。日経平均の予想PERはアベノミクス開始以来の低水準。最低は3/23の12.22倍である。2万2000円は現在の予想EPSではPER12.70倍だが、現在の予想EPSは減益見込みである。このところ川重やダイヘン、そして今日のLIXILグループなど下方修正が続いているが、あくまで上場企業の一部に過ぎない。大半の企業は好業績が続いており、今回の決算で業績見通しは上方修正されるだろう。
保守的にみてEPSの伸びゼロ、前期対比横ばいとの仮定を置くと、EPSは1800円。2万2000円はPER12.22倍とアベノミクス開始以来の最低値に並ぶ。現在がいかに割安か、陰の極か、ということである。

広木 隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。 国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。 長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。 2010年より現職。青山学院大学大学院(MBA)非常勤講師。 テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、BSテレ東「日経プラス10」、日テレNEWS24「まーけっとNAVI」、J-WAVE「JAM THE WORLD」等のレギュラーコメンテーターを務めるなどメディアへの出演も多数。 マネックス証券ウェブサイト(https://info.monex.co.jp/report/strategy/index.html)にて、最新ストラテジーレポートが閲覧可能。 著書: 「ストラテジストにさよならを 21世紀の株式投資論」(ゲーテビジネス新書) 「9割の負け組から脱出する投資の思考法」(ダイヤモンド社) 「勝てるROE投資術」(日本経済新聞出版社)
広木 隆 の別の記事を読む
バックナンバー
• 2018/10/19戻り切れない日本株相場 こんなときこそ高配当銘柄(推奨ポートフォリオ)
• 2018/10/12米国株急落について
• 2018/10/05米長期金利は雇用統計を受けて急騰したあと、いったんピークアウト


東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は604円安の2万2010円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が100ドルを超す下げとなったことを受け、日経平均は210円安の2万2404円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も軟調に推移するとまもなく400円を超す下げとなり、その後もほとんど反発することなく推移した日経平均は前場を494円安で終えました。日経平均は後場に入っても下げ幅を広げる展開となり、下げ幅が600円を超えると一時は621円安の2万1993円と2万2000円の節目を割り込む場面もありました。日経平均は引けにかけてわずかに値を戻し結局604円安の2万2010円と1日の安値水準で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5724億円と昨日からは増加しましたが、日経平均が600円を超す下げとなった割にはあまり膨らみませんでした。東証33業種はすべて下落しました。中でも金属製品が6%を超す下げとなったほか、建設業、ガラス土石製品も4%超下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は総じて下落しました。中でも売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が3%近く下げたほか、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、三井住友(8316)、武田薬品(4502)がいずれも2%前後の下げとなりました。その他材料が出たところでは、住宅・不動産情報ポータルサイト「HOME'S」を運営するLIFULL(2120)が17%高と大幅に上昇しストップ高となりました。昨日発表した第3四半期決算が好調だったことが好感されました。一方で子ども服などを手がける西松屋チェーン(7545)は10月の既存店売上高(20日締め)が前年同月比5.4%減と軟調だったことが嫌気され5.5%の大幅安で年初来安値を更新しました。また、今期の業績予想を大幅に下方修正した住宅設備最大手のLIXILグループ(5938)も16%近い大幅安で年初来安値を更新しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は600円超の大幅安となりました。日経平均がこれほど下げるほどの悪材料が出たわけではなく、1日の下げとしては過剰な印象を受けます。引き続き荒っぽい値動きが続きそうで、警戒感を強めて望んだほうが良さそうです。目先はやはり日経平均が2万2000円の節目を死守できるかがポイントとなりそうです。本日の大引け後には日本電産(6594)が決算発表を行いました。決算発表の幕開けとして意識されやすく明日のマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)
https://media.monex.co.jp/articles/-/10331


米国株急落から1週間 今後の見通し
広木隆のMarket Talk
広木 隆 2018/10/18国内株式

• マネックス
2018年10月18日(木)Market TalkのSummary
米国株急落の背景
・米金利上昇で株価の割高感が意識された
・株式の益利回りについて
・VIXショックについての議論でおかしい点は
今後の見通しは
米国株については調整完了とみてよいのではないか。日本株も早期に23,000円を奪回して、米中間選挙、日本の中間決算が終わる11月中旬から下旬にかけて再度高値を取りに行く動きとなるだろう。
年内、今回のような急落の再来に注意すべきですか
年内に限っていえば、2月そして今回と既に2回「米金利上昇で株価大幅調整」をやっている。年内残り2か月ほどの間に同じことを繰り返すとは考えにくいので、年内は無いのではないか。
世界景気終盤と盛んに言われ出しましたが、稼ぐ力を信じて日本電産やオムロンを長期保持していていいでしょうか
いいと思う。世界景気のスローダウンはあるだろうが、そういった中でオムロンや日本電産のビジネス、業績は堅調であろう。
日経平均は22,000円を一旦切りますか、年末は24,000円を超えますか
22,000円は切らないと思う。24,000円を超えて25,000円を目指せると思っている。
そろそろ、調整のかなり進んだグロース株への見直しが期待できると思うのですが、どうでしょうか
米国金利が高止っている中ではなかなか難しいかもしれないが、グロースとかバリューということではなく、グロースの中でも機械や電気などは業績そのもので買っていけると思う。
心理的な節目の2万3000円に近づく水準では利益確定売りが上値を重くしそうですが、突破の糸口になるのは何でしょうか
決算発表ではないか。決算を見て業績を確認して、ということになるだろう。
このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。
Market Talkオンデマンドを視聴する
https://media.monex.co.jp/articles/-/10302

http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/127.html#c2

[経世済民129] 日本経済が直面している問題の答えは金融政策にはない=白川前日銀総裁 70歳までの雇用促進を政府議論、年金受給開始年齢引上 うまき
5. 2018年10月23日 23:34:26 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1510]

つまり政府の改革努力が足りないということ

何度も言っていることだが

そういう状況だから、日銀の金融政策に過度に依存することになる

しかし愚かな人間は単なる黒田緩和批判しか思いつかないのだから

どうにもならない



http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/114.html#c5

[経世済民129] トランプ大統領、FRB利上げに「文句は言う」が… 日銀TB買入れ縮小加速の好機、短期金利急低下 円とフラン安全資産輝き うまき
5. 2018年10月24日 23:45:15 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1511]
外為フォーラムコラム2018年10月24日 / 18:36 / 5時間前更新
コラム:「年末円安」のアノマリーは繰り返されるか=佐々木融氏
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
3 分で読む

[東京 24日] - 10日発生した米株価急落に伴う市場の混乱は、ボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX指数)が急騰した今年2月の株価急落との類似性が指摘されている。たとえば、いずれも米10年債金利がそれまでのピークを越えて上昇後、しばらくして発生した。

2月の混乱は1週間(5営業日)で終了。終値ベースでみると米株価指数は1週間で9%弱下落し、その後の2週間強で下落分のほとんどを取り戻した。最初の2営業日で24ポイント急騰したVIX指数も、株価が戻す中で反落した。

一方、今回の動揺は2月のときよりも長い。この原稿を執筆している23日時点でもまだ収束しておらず、およそ2週間続いている。しかし、米株の下落幅は5%弱と、2月に比べて半分程度にとどまっている。VIX指数の上昇も、2月に比べて半分程度だ。米10年債金利は2月も10月もやや大きめに低下したが、すぐに反転上昇し、どちらも大きな動きにはつながっていない。

JPモルガンの米国株式ストラテジストによると、システムトレードを行っている市場参加者のテクニカルな売りは、19日までに80%程度が終了。一方、7─9月期における米企業決算の1株利益(EPS)は前年同期比25%増の42ドルと、市場予想の40.5ドル(同21%増)を上回る見通しである。

JPモルガンは、好決算と直近の株価下落を受けて、S&P500種銘柄による自社株買いが増加する可能性があると予想している。今年の自社株買いはこれまで8000億ドル(約90兆円)程度とみていたが、現在は9000億ドルから1兆ドルに上方修正した。米株は反発に向かう可能性が高い。

<年末に向けた相場展開は>

こうした中で、為替相場は年末に向けてどう動く可能性があるだろうか。2月の混乱時には円が主要通貨と主要新興国通貨の中で最強、ドルが2番目に強く、いずれも名目実効レートベースで1.5%程度上昇した。今回の局面では新興国通貨の一部で強さが目立ち、円もドルも全体的に中位のパフォーマンスにとどまり、名目実効レートベースでの上昇もさほど大きくない。

通貨先物を扱うシカゴマーカンタイル取引所のIMMで、円は2月も10月もほぼ同程度の売り持ちだったことを考慮すると、今回は円の買い戻し圧力が弱いのが印象的だ。実需の円売りフローが大きいと見るべきなのだろう。

そもそもここ数年、10─12月期はドル高・円安が目立つ。ドルは、名目実効レートベースでこの時期、2011年から16年まで6年連続で上昇(昨年は下落)している。一方、同ベースの円は12年から17年までの6年間のうち、5回下落している。しかも円の下落幅の平均は、ドルの上昇幅の平均より倍以上大きい。この結果、ドル円相場は12年から17年まで6年連続で10─12月期に上昇している。

<米中間選挙に注目>

目先の為替相場にとって最大の注目は、11月6日に迫った米中間選挙だろう。下院で民主党が過半数を奪還するとの見方がコンセンサスとなっているため、結果が予想通りとなれば、影響は限定的かもしれない。

しかし、上下両院で共和党が過半数を維持するような事態になれば、トランプ政権による追加減税に対して期待が高まる。米経済が「一人勝ち」との見方が強まり、さらにドルが買われやすくなるかもしれない。ただ、IMMを通じた投機筋のドル買い持ちは、ドルがピークアウトした16年12月末と同程度にまで積み上がっている。ドルが一段と大きく上昇するためのハードルは低くない。

エネルギーや食品価格を除いた先進国のコアCPI(消費者物価指数)の伸び率は足元で大きく鈍化している。JPモルガンのエコノミスト・チームによると、9月までの3カ月間の伸びは年率プラス0.7%と、5年ぶりの低水準となっている。米国のコアCPIも7月ごろをピークに伸びが鈍化傾向にあるが、米国は長短名目金利が上昇しており、実質金利が比較的大きく上昇している。

米国の政策金利からコアCPIの伸び率を引いたベースでみた実質金利は、08年2月以来10年半ぶりにプラス圏に入りかけている。一方、日本ではコアインフレ率がいくぶん上昇基調に入りながら、名目金利はほとんど変化しておらず、実質金利は低下基調にある。

結果として、日米の実質政策金利差は15年3月以来の水準まで拡大している。今後も米国ではインフレ率が落ち着く中で金利が上昇を続け、日本ではインフレ率が底堅く推移するようであれば、一段と日米の実質金利差が拡大し、ドル円を押し上げる可能性が出てくる。

(本コラムは、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

佐々木融氏(写真は筆者提供)
*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。


ビジネス2018年10月24日 / 19:06 / 4時間前更新
焦点:安倍首相の訪中、日中関係緊密化の節目に 気になる米の反応
2 分で読む

[東京 24日 ロイター] - 7年ぶりとなる25日からの安倍晋三首相の訪中は、「冷たい関係」が続いていた日中外交にとって、大きな転換点になる可能性がある。失効していた通貨スワップ協定の再開を含めた経済関係の緊密化だけでなく、文化・芸術など幅広い分野における交流の強化も狙っている。ただ、米中間の貿易摩擦が激化する中で、日中の接近を米国がどのように受け止めるのか不透明感もあり、「安倍外交」の真価が問われる局面と言えそうだ。

<元首級の接遇で熱烈歓迎>

安倍首相は25、26日の2回にわたって李克強首相と会談。26日には習近平国家主席との首脳会談も行われる。

その間、25日には日中平和友好条約締結40周年イベントに参加。26日は李首相との会談後に共同会見が予定され、午後は北京大学も訪問する。

また、中国側は25日夜に李克強首相主催の非公式晩餐会、26日昼に李克強首相夫妻主催の昼食会、同日夜に習近平国家主席夫妻主催の夕食会と、元首級の接遇となっている。ある政府関係者は、中国側の対日接近を典型的に示す日程と指摘する。

この背景について、複数の政府・与党関係者は、トランプ米政権が中国からの輸入品に高関税をかけ、この影響で中国経済にスローダウンの兆しが見えており、米側をけん制する意味で、米国の同盟国である日本に接近してきているとの見方を示している。

<目玉はスワップ協定の再開>

今回の訪中で行われる一連の会談では、日本の尖閣諸島国有化を受けた日中の関係悪化で失効していた通貨交換(スワップ)協定の再開、第三国でのインフラ整備での協力、イノベーションや知的財産保護を巡る協力、中国の大国化で形骸化していた対中ODA(政府開発援助)の廃止などで合意する見通し。

パンダの新規貸与や、日本の東北地方産を中心とした食品に対する中国の輸入規制緩和についても、何らかの議論が進むことを日本側は期待している。

北朝鮮情勢についても、韓国を含む半島全体の非核化を望む中国と、北朝鮮のみの非核化を優先する日本で立場は異なるものの、朝鮮半島の緊張緩和で情報交換する意向だ。

李首相は5月の来日時に「ともに自由貿易を擁護したい」と発言し、管理貿易の手法で保護主義を進める米国をけん制した。今回も同様の主張を繰り返す可能性があり、日本側も「反保護主義でなく自由貿易擁護ならば、米国をあまり刺激しないのではないか」(関係官庁)と期待する。

もっとも対中強硬姿勢を強める米国は、日中接近を注視し続け、複数の政府・与党関係者によると、通貨スワップ再開についても非公式に不快感が示されたという。

また、通貨スワップを巡っては「与党内の反中派から根強い反対論があった」(政府・与党関係者)とされ、西村康稔官房副長官は11━12日のツイッターで、中国国内において金融システムに関連して不具合が生じた場合、邦銀の人民元調達を助けることが目的だと説明。金融危機時の中国救済措置ではないとの見解を示した。財務省や外務省も「邦銀のための措置」と、繰り返し説明している。

<気になる米国の反応>

ただ、日本にとって日中首脳会談後の米国の反応は気になるところだ。米国はメキシコ・カナダと北米自由貿易協定(NAFTA)に代わって「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を締結。

その中の32条10項では、市場経済でない国との自由貿易協議を望む参加国は、協議開始の3カ月前に他の2カ国に通知することを義務付けると明記されている。

通商交渉の専門家によると、この条項は事実上、中国排除のための条項と読むことができるという。

米国のロス商務長官はロイターとの5日のインタビューで、日本や欧州連合(EU)などとの通商協定で、同種の条項が盛り込まれる可能性に言及している。

こうした中で、日中両首脳による友好関係の強化が、米国にとって「抜け駆け」と映るのかどうか。

日本政府にとって、中国との友好ムードの盛り上がりを手放しで喜べない側面があるのも事実のようだ。
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/147.html#c5

[経世済民129] トランプ大統領、FRB利上げに「文句は言う」が… 日銀TB買入れ縮小加速の好機、短期金利急低下 円とフラン安全資産輝き うまき
6. 2018年10月24日 23:49:59 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1512]
トランプ氏:パウエル氏のFRB議長指名を「多分」後悔−WSJ
Mike Dorning
2018年10月24日 9:02 JST 更新日時 2018年10月24日 12:03 JST
どのような状況で議長を解任するかとの問いに「分からない」
パウエル氏はまるで利上げするのがうれしいかのようだと大統領
トランプ米大統領がパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長への批判をエスカレートさせている。大統領はパウエル氏をFRB議長に指名したことを「多分」後悔していると述べたが、どういった状況となればパウエル氏を解任するかとの問いには「分からない」と答えた。

  トランプ氏は23日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、連邦準備制度が独立機関であることを承知しているとした上で、自分はより低い金利を望んでいるとパウエル議長に意図的に直接のメッセージを送ったと説明した。


トランプ大統領とパウエルFRB議長(2017年11月2日)フォトグラファー:Olivier Douliery / Bloomberg
  大統領はまた、パウエル議長は「まるで利上げするのがうれしそうに見える」と発言。今の段階で言うのは「時期尚早だが、多分」パウエル氏の指名を後悔していると述べた。

  どうような状況でパウエル議長を解任するかとの問いには「分からない」と述べた。今月11日には同じ質問に対して「彼を解任するつもりはない」と答えていた。

  連邦準備制度を規定する法律は、理事は「正当な理由があれば大統領によって解任され得る」としているが、具体的な理由は定めていない。

原題:Trump Says He ‘Maybe’ Regrets Picking Fed’s Powell, WSJ Reports(抜粋)

(大統領の発言内容を追加して更新します.)

ロンドン外為】ポンド下落、6週間ぶり安値−首相交代リスク続く
Charlotte Ryan
2018年10月24日 21:28 JST
メイ首相と保守党議員の24日会合に注目集まる
首相交代劇ならポンドはさらに1−2%下落も−ノムラ
24日のロンドン外国為替市場では、ポンドが6週間ぶりの安値に下落。英国が合意なき欧州連合(EU)離脱に至るとの不安や、メイ英首相が退陣に追い込まれるリスクが続いていることが意識された。

  ポンドは今週に入ってからの下げを拡大している。メイ首相は24日に保守党の会合で、EU離脱計画への不満をあらわにする同党議員らと向かい合う。一方、欧州議会ではトゥスクEU大統領(常任議長)がアイルランドと英国領北アイルランドに審査を伴う国境が設置されるのを回避できる保証はないと語った。


  ポンドは一時0.6%安の1ポンド=1.2900ドルと、9月10日以来の安値を付けた。ロンドン時間午前11時52分時点では1.2916ドル。ノムラのストラテジスト、ジョーダン・ロチェスター氏は、首相交代劇に至ればポンドはさらに1ー2%下落する可能性があるとみている。

原題:Pound Declines to Six-Week Low as May Set to Face Brexit Critics(抜粋)



ユーロ圏:10月の総合PMI、低下−世界貿易巡る懸念響く
Piotr Skolimowski
2018年10月24日 17:54 JST
総合PMI速報値は52.7、9月は54.1だった
ブルームバーグ調査に参加したエコノミスト全員の見通しを下回った
ユーロ圏の成長の勢いが10−12月(第4四半期)に入り鈍化した。世界貿易を巡る懸念拡大が製造業に響いている。

  IHSマークイットが24日発表した10月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は52.7と、9月の54.1から低下した。ブルームバーグ調査に参加したエコノミスト全員の見通しを下回った。

  10月の製造業PMI速報値は52.1と、前月の53.2から低下した。サービス業PMI速報値は53.3に低下した。9月は54.7だった。


原題:Trade Woes Set Up Euro-Area Economy for Disappointing Year-End(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-24/PH3HHZ6S972O01?srnd=cojp-v2

東京外為市場ニュース2018年10月24日 / 23:06 / 40分前更新
BRIEF-9月の米新築1戸建て住宅販売、前月比-5.5%=商務省
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* 9月の米新築1戸建て住宅販売、年率553,000戸(予想:625,000戸)=商務省

* 9月の米新築1戸建て住宅販売、前月比-5.5%=商務省

BRIEF-カナダ中銀、政策金利を1.50%から1.75%に引き上げ
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* カナダ中銀、政策金利を1.50%から1.75%に引き上げ

東京外為市場ニュース2018年10月24日 / 22:56 / 1時間前更新
BRIEF-10月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.9(予想:55.5)=マークイット
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* 10月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.9(予想:55.5)=マークイット


東京外為市場ニュース2018年10月24日 / 22:56 / 1時間前更新
BRIEF-10月の米サービスPMI速報値は54.7=マークイット
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* x10月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.8=マークイット
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/147.html#c6

[経世済民129] ECB、年末で資産購入終了の計画堅持ー景気見通し悪化でも ECB出口に乱気流リスク満載 独IFO業況指数、予想以上の低下 うまき
2. 2018年10月26日 00:22:35 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1513]

ドラギECB総裁:リスクバランス変わっていないー景気に揺らぎでも
Piotr Skolimowski
2018年10月25日 23:57 JST
• ユーロ圏経済に対するリスクは依然「おおむね均衡」
• 指標は幾分弱いものの、ECBの基本シナリオと一致している
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は25日、最近の指標が見通し悪化を示唆しているものの、ユーロ圏経済に対するリスクは依然「おおむね均衡」しているとの見解を示した。
  総裁は政策決定後の記者会見で、「入ってくる情報は予想よりも幾分弱いが、ユーロ圏経済の幅広い拡大が続きインフレ圧力が徐々に高まるという基本シナリオと引き続き一致している」と語った。インフレがECBの目標水準に向かって徐々に収れんしていくという「われわれの自信は経済の基調的な強さが支えている」と説明した。
Risks to Euro-Area Economy
Italy's political crisis is considered single-biggest threat to outlook

Source: Bloomberg survey conducted Oct. 12-17
Note: Risks were rated from 1 (none) to 5 (significant). Chart shows weighted averages.
  ただ、インフレ見通しを巡る不透明感が後退しているという文言は声明の冒頭から削除された。
  世界的な貿易摩擦やイタリアの予算問題、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱のリスクなどユーロ圏経済への逆風があるが、政策委員会はこの日、債券購入を年末で終わらせる計画をあらためて確認した。
ドラギECB総裁
(出所:Bloomberg)
原題:Draghi Says Balance of Risks Hasn’t Changed as Growth Wobbles(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-25/PH5QPU6JIJUO01



米国株は調整に時間 長期上昇相場の反動
編集委員 松崎雄典
2018/10/25 18:15
日本経済新聞 電子版
 世界の連鎖株安が止まらない。今月上旬の高値から日経平均株価が12%、米ダウ工業株30種平均は8%下げた。債券や為替など他の市場が比較的、安定しているのに、株の値動きは激しい。米国株は9年8カ月と過去最長の上昇相場が続いてきた。その反動が表面化しており、金利や景気の先行きが見えるまで、調整局面から抜け出すには時間がかかりそうだ。
 米国株は3つの「ゲタ」をはいていた。1つは低金利。国債の利回りが低い(価格が高い)と相対的に株価も高くなりやすい。株価収益率(PER)は株価が1株利益の何倍かを示す。米国のS&P500種株価指数の構成銘柄は2010〜13年まで11〜13倍程度だったが、今年のはじめには18倍台まで高くなっていた。
https://www.nikkei.com/content/pic/20181025/96958A9F889DE1E4EBE0E1E3E2E2E0E7E3E2E0E2E3EAE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3691941025102018000001-PN1-2.jpg
 次にIT(情報技術)大手だ。アップルやアマゾン・ドット・コムは8〜9月にそろって時価総額が1兆ドル(約110兆円)を超えた。世界の株式ファンドの組み入れ上位はIT大手で占められる。米最大級の投資信託「フィデリティ・コントラファンド」ではIT・通信の比率が45%を占める。
 今年はマネーが米国に集まる「1強」がきわだった。新興国の通貨が下落すると、安心を求めて米国株が買われやすくなった。実は世界の株式相場は1月にピークアウトしていたのに、米国株はあふれたマネーを吸収して今夏から一段高となっていた。
 米国株は高値から20%の下落を経験しない上昇局面が、2009年3月9日から9年8カ月と過去最長を更新し続けてきた。しかし、ここにきて「ゲタ」がなくなりつつある。
 米10年債利回りは今月上旬に3.2%台まで上昇し、株安の引き金を引いた。金利の上昇(債券価格の低下)にあわせて株価も調整を迫られている。緩和マネーの下支えを失い、相場にボラティリティ(変動)が戻ってきた。ITが売りの対象となり、下げを主導している。世界でITの規制論が高まってきたことも逆風だ。
 米国1強も揺らぎだした。「貿易戦争の負の影響を織り込んでいなかった米国株にも、いよいよ影が忍び寄ってきた」(ピクテ投信投資顧問の田中純平ストラテジスト)。キャタピラーや3Mなど関税がコスト高になる企業が増え、とりあえず米国株に資金を置いておけばいい環境ではなくなった。
 もっとも世界景気がすぐに後退してしまうような大きなショックが想定されているわけではない。債券市場では景気に敏感な低格付け債の価格が安定している。「景気後退を織り込んでいるのなら低格付け債の市場はパニックになってもおかしくない」(大和証券の谷栄一郎シニアクレジットストラテジスト)。為替市場でもドル円は1ドル=112円前後で安定し、リスクオフの円買いの動きは限られる。

https://www.nikkei.com/content/pic/20181025/96958A9F889DE1E4EBE0E1E3E2E2E0E7E3E2E0E2E3EAE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3691939025102018000001-PN1-2.jpg
 株価だけ値動きが荒いのは、長らく続いた上昇相場が調整に入った可能性があるからだ。問題は、どこまで調整が進むのかにある。S&P500のPERはリーマン・ショック前の05〜07年は14倍台で推移していた。ITの隆盛がPERを底上げするとはいえ、金融政策が正常化し、金利が上がるなら、足元の15.8倍はまだ調整余地があるようにも見える。
 株式相場にはいくつもの懸念が浮上している。景気の拡大局面に終わりがくるとの意識が高まりつつあり、米国の長期金利が4%を超えて上昇してしまうのではとの声もある。貿易戦争が「米中冷戦」の始まりだという認識も広がってきた。
 そして、これまでリスクを吸収してきた緩和マネーが縮小している。視界は簡単には晴れず、戻りを試すまで時間が必要になりそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36923100V21C18A0000000/

株安を増幅させたのは機械の売り? 3つのポイント
2018/10/25 14:58日本経済新聞 電子版
 10日の米国株の急落に端を発した相場の急変動は一向に収束しません。25日も日経平均株価は一時、800円を超える下げとなりました。原因の一つとされるのが相場の変動率が上がると発動される「機械的な売り」です。どういった仕組みなのでしょうか。

2万1200円台で取引を終えた日経平均株価(左上)と、軒並み下落した世界の株価指数(25日午後、東京都中央区)
2万1200円台で取引を終えた日経平均株価(左上)と、軒並み下落した世界の株価指数(25日午後、東京都中央区)

(1)ボラティリティー指数

 これからの株式相場の変動率を投資家の行動から予想する指数です。日本では「日経平均VI」、米国では「VIX(ヴィックス)指数」が代表的です。株式相場が大きく動くと予想する投資家が増えれば指数が上がる仕組みになっています。

▼米株襲った3つの逆風 米中摩擦・景気不安・アルゴ

(2)リスク・パリティ戦略

 保有する株や債券の変動率をそろえようとする投資方法です。VIX指数など世界で株の変動率が急激に上がった結果、株の保有比率を下げようと機械的な売りが出ています。最先端の投資家はコンピューターのプログラムを使い自動的に売買しています。

▼リスク均等に分散投資 株急変で自動売り誘発

(3)CTA(商品投資顧問)

 Commodity Trading Advisorの頭文字で、株式相場の流れ(トレンド)に沿って売買する投資家です。商品だけでなく株などにも投資します。プログラムが上昇局面にあると判断すれば買い、逆なら売ります。CTAの動きが相場の変動率を増幅するとも言われます。

▼底値で買え、黄信号 日本株に「1兆円」売り圧力
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36908400V21C18A0000000/


世界同時株安再び 市場を揺らすジレンマ
証券部 富田美緒
2018/10/25 17:23日本経済新聞 電子版
 株安が世界に連鎖している。24日の米国市場でダウ工業株30種平均は600ドルを超える下げを記録すると25日の日経平均株価は800円超の下落となり、アジア市場にも株安が広がる。世界的な金融緩和の終了と米国の自国第一主義の政策が実体経済に与える影響が徐々に明らかになり、投資家心理が弱気へと傾いている。強い米国への信頼が揺らぎ、株式市場を大きく揺さぶっている。

2万1200円台で取引を終えた日経平均株価(左上)と、軒並み下落した世界の株価指数(25日午後、東京都中央区)
2万1200円台で取引を終えた日経平均株価(左上)と、軒並み下落した世界の株価指数(25日午後、東京都中央区)

 25日の日経平均の終値は前日比822円(3.7%)安い2万1268円だった。2日に付けた高値からの下げ幅は3000円を超える。年初来の騰落率をみると日本は7%安、米国も0.5%安とマイナス圏に沈んだ。ドイツは13%安、中国は2割安で、市場をけん引してきた米国の株安が市場の雰囲気を悪化させた。

 世界の株式時価総額は急減する。QUICKファクトセットによると1月には過去最高の85兆ドル(約9500兆円)にまで膨らんだが、24日時点では71兆ドル。約1500兆円が吹き飛んだ。

 市場は3つのジレンマと直面する。米欧が金融政策の正常化に向かい、株高と低金利が共存する「適温相場」が終わりを迎えつつある。金利の上昇局面では相対的に投資先として株式の価値が低下する。

 PER(株価収益率)は株価が1株当たり利益の何倍あるかを示すが、金利が上昇すると益回りが重視されるようになる。

 益回りは株価に対する1株利益の比率を示す、債券の利回りに近い概念だ。益回りを上げるには企業の利益が伸びるか、株価が下がるしかない。

 米国ではスリーエム(3M)などの大手が相次ぎ市場予想を下回る決算を発表した。「米国の減税効果の剥落や貿易摩擦の影響は着実に企業業績に跳ね返ってくる」(BNYメロン・アセット・マネジメントの王子田賢史氏)との見方が増えてきた。アナリストが来期業績の方向感をどう見ているかを示す「リビジョン・インデックス」は引き下げが相次いでいる。

 もう一つのジレンマは米国第一主義だ。鉄鋼などの追加関税や米中摩擦に追い打ちをかけるように、トランプ大統領は中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を表明した。市場からは「軍拡競争を回避できなければ、冷戦終結以降、軍縮が民間投資の拡大を後押してきた構図が崩れかねない」(BNPパリバ香港の岡沢恭弥氏)との声もあがる。

 もう一つのジレンマが金融緩和を前提とした運用手法の巻き戻しだ。リスクを分散するための運用手法として「リスクパリティ」と呼ばれる戦略が広がった。これは株や債券など保有する資産のリスクの大きさを変動率に応じてそろえるものだ。しかし、株安により株の変動率が上がると、リスクを下げるために株を手放さなければならない。このためほぼ機械的に株が売られるようになった。

 投資家が大きな資金を投じていた運用戦略の持ち高調整が市場全体を揺さぶる構図を、サブプライム問題を表面化させた2007年の「クオンツ・ショック」に重ね合わせる市場参加者もいる。米ゴールドマン・サックスのジョン・マーシャル氏は「変動率の上昇が直接次の危機を招くわけではない」としつつも、投資家がリスク回避に動くと「企業の資金調達コストの上昇を通じ実体経済に跳ね返ってくる可能性がある」と指摘している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36919190V21C18A0000000/



長野県内7〜9月の景況感、3期連続で悪化
2018/10/25 23:00日本経済新聞 電子版
 長野経済研究所(長野市)が発表した7〜9月期の業況アンケートによると、県内全産業の業況判断指数(DI)は、前回4〜6月期比で1.5ポイント低い1.1だった。3四半期連続の悪化となる。人件費の上昇に加え、米中の貿易摩擦への懸念が影響した。

 製造業は2.5ポイント悪化の15.3。「半導体製造関連や設備投資など内外需要が底堅く推移したほか、円安傾向もありプラスを維持した」(同研究所)という。

 非製造業は、0.8ポイント低いマイナス11.5だった。

 10〜12月期の全産業の見通しはマイナス2.7。貿易摩擦のほか、原材料価格の上昇が予想されるという。

 あわせて発表した「米中貿易摩擦にかかるアンケート」では、貿易摩擦が自社に与える影響について、「影響が生じない見込み」と答えた企業が最も多く、67.9%だった。「既に影響が出始めている」と答えたのは11.9%。業種別では、製造業が20%だったのに対し、非製造業が2.6%と低かった。

 具体的な対応策の検討状況では、87.5%が「検討していない」と答えた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36924610V21C18A0L31000/
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/157.html#c2

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