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[経世済民128] トルコ金融市場の休場明けで再び波乱も(会社四季報オンライン) 赤かぶ
4. 2018年9月03日 21:14:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1429]
2018年9月3日 / 19:31 / 2時間前更新
トルコの中銀は政府から独立、銀行部門の危機は予想せず=財務相
1 分で読む

[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコのアルバイラク財務相はロイターとのインタビューで、同国の中央銀行は政府から独立しており、インフレ抑制のために必要なすべての措置を講じると述べ、通貨リラの危機にもかかわらず3カ月近くにわたって利上げを実施していない中銀を擁護した。

財務相はまた、銀行セクターの問題は予想していないと述べ、リラ急落が銀行の財務を悪化させかねないとの格付け会社の見解とは対照的な見方を示した。

エルドアン大統領の金融政策に対する影響力や米国との関係悪化への懸念から、リラの対ドル相場は年初から約40%下落している。

エコノミストはトルコが2桁インフレを抑制し、リラを支援するためには、中銀が断固とした利上げを行う必要があるとみている。

これに対して「金利の敵」を自称するエルドアン大統領は、経済成長を維持するために低金利を望んでいる。

エルドアン大統領の娘婿であるアルバイラク財務相は「トルコの中銀は恐らく他の国々の中銀よりも、独立性を持ち続けている」と述べ、中銀は「引き続き独立して」措置を実施していくと付け加えた。

さらに、トルコは「インフレに対する本格的な闘い」を必要とする段階に到達したとの考えを示した。

 



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/309.html#c4

[経世済民128] 米国も抑制できず? 原油価格はさらに値上がりする見込み(マネーポスト) 赤かぶ
4. 2018年9月03日 21:17:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1430]

金融政策が後手に回るリスク、米国が最も高い−エコノミスト
Michelle Jamrisko
2018年9月3日 12:01 JST
労働市場が引き締まり、賃金上昇余地あるとジェローム・ハジェリ氏
米など主要中銀、近く一層速いペースでの引き締め迫られる可能性

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
世界の中央銀行は金融引き締め局面のそれぞれの段階にあるが、先頭を走っている米連邦準備制度が、政策が後手に回るリスクが最も高い。スイス・リーのチーフエコノミスト、ジェローム・ハジェリ氏がこのような見方を示した。

  同氏は8月31日の電話インタビューで、米当局は「全てにおいて正しい政策を取っている」とした上で、「しかし、後手に回るリスクが高いのは誰かと聞かれれば、それは米国だと思う。労働市場環境が引き締まっているし」、賃金上昇余地もあるからだと語った。

  世界全体については、潜在成長率を上回る拡大を続けている国や地域が数多くあり、金利は依然「極端に緩和的だ」との見方を示した。長引く貿易戦争の可能性というリスクを考慮に入れなくても、世界経済に波乱が見込まれると指摘。米国を含め主要中銀が近く、予想より速いペースでの引き締めを迫られる可能性があるとの見通しを示した。

原題:Fed Is Most at Risk of Falling Behind, Says Swiss Re Economist(抜粋)


 


世界の外貨準備シェア、元が増えドルと円が減少するーゴールドマン
Christopher Anstey
2018年9月3日 14:57 JST
• 元安にもかかわらず中国債券への資金流入は加速している
• 日本債券の流出は660億ドルと、海外保有総額の推計12%に相当
ゴールドマン・サックス・グループによれば、中国人民元は世界の外貨準備でのシェアを拡大する見込みだ。元のシェア拡大に伴い、相対的に最もシェアを失わざるを得ないのはドルと円になる。
  元安にもかかわらず、この数カ月、中国の債券への海外資金流入が加速しており、これは市場規模世界3位の中国の債券への配分需要が強いことを示している。ゴールドマンのアナリストらは、2022年までの5年間の中国債券への純流入額見通し1兆ドル(約111兆円)のうち、中銀からの流入が2500億ドルに上るだろうと予測する。

  ゴールドマンのダニー・スワナプルティ、マイケル・ケーヒル、アンドルー・ティルトンの3氏は8月31日のリポートで、「外貨準備の再配分(すなわち流出)はドルと円に一段と集中する可能性がある」と指摘。現在、世界の中銀は既に外貨準備の多くをドル建てにしているため、ドルは当然ながら中国債券購入の資金源になる。アナリストらは「円はもはやアジア唯一の準備通貨ではなくなったため、元の台頭は円に対し、より大きな影響を及ぼすだろう」と分析した。
  
  ゴールドマンのアナリストらはまた、世界の主要債券ベンチマークに中国が採用された場合に中国の配分を増やすことが予想されるインデックス連動の資産運用会社からの再配分に加え、向こう5年間で他の市場から約5220億ドルが中国債券に流入すると予測。分析の都合上、これは運用資産が不変だと仮定した場合の推定となっている。アナリストらは、政府系ファンドやプライベート・ファンドマネジャーなどから総額1兆ドルが投じられると分析した。
  中銀や債券インデックス連動の資産運営会社からの日本債券流出は660億ドルと、海外が保有する日本国債総額の約12%に相当すると推計された。米債券の流出は2800億ドルの見込みだが、これは米国債の海外保有額の約4%にすぎない。
原題:Goldman Sees Yuan Gaining in Reserves at Expense of Dollar, Yen(抜粋)


 

ブラックロックの大規模債券ETF、2日間で10億ドル近く流出
Rachel Evans
2018年9月3日 10:20 JST
投資適格社債で構成のLQD、流出額は2月の市場混乱以降で最大
金利上昇はデュレーション高いファンドに良くない兆候−バジャジ氏

Photographer: Bess Adler/Bloomberg
リスク回避の動きが最初に起きたのは新興国市場。続いて米国株。そして今、これが債券に広がりつつある。

  足元で打撃を受けているのは、高格付け社債で構成される上場投資信託(ETF)だ。ブルームバーグが集計したデータによれば、世界で3番目に規模が大きい債券ETFであるブラックロックのiシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(銘柄コード:LQD)では、8月29日と30日の2営業日で9億9400万ドル(約1100億円)が流出。2月のボラティリティー急騰による市場混乱以後では最大の流出額となった。              


  トランプ米大統領が中国に対する追加関税発動を支持し、欧州連合(EU)との貿易を巡る争いが再燃する中、8月31日終了週の市場は新興国資産の下落や貿易摩擦の緊迫化で混乱。もっとも、債券投資家は米国に近いイベントに反応しているように見える。米金融当局は、年内さらに2回の利上げに向け順調に進んでいることを繰り返し示唆し、期間が長めの社債の魅力がそがれている。

  ウォーラックベス・キャピタルのETF担当ディレクター、モヒット・バジャジ氏は資金流出について、「動きが少ない傾向のある8月最終週としては相当な額だ」と述べた上で、 「デュレーションが高めのファンドにとって金利上昇は良い兆候ではない。さらに、われわれは月末の再配分に入るため、恐らく人々は秋の始まりとともにより保守的な商品にシフトしつつあるのだろう」と語った。

  ブラックロックは資金の動きに関してコメントを控えた。

  ブルームバーグのデータによれば、投資家はパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のエンハンスト・ショート・マチュリティ・アクティブETF(同MINT)や米財務省の物価連動債(TIPS)のような短期債を購入。投資家はまた、9月の新発債発行を前に現金のポジションを高めている可能性がある。

原題:Nearly $1 Billion Flees Third-Largest Debt ETF as Caution Rules(抜粋)


 

9月のドル/円は後半に向かうほど強気!?
先週末(8月31日)で8月が終わり、結局のところ8月のドル/円の月足・終値は一目均衡表の月足「雲」上限を上抜けることができませんでした。下図で確認できるように、7月と8月の月足ロウソクの形状からしても月足「雲」上限付近のレジスタンスはなかなか強力であると考えられます。それでいて、目下は31カ月移動平均線(31カ月線)や62カ月移動平均線(62カ月線)のサポートがガッチリと利いており、下値の堅さも十分に実感されるところではあります。

もちろん、今後もドル/円が月足・終値で月足「雲」上限を上抜けるかどうかという点には引き続き注目し続けて行きたいところです。すでに、2015年6月以降に形成されたと見られる三角保ち合い(=トライアングル)を上放れていると考えるならば、もはや月足「雲」上限を上抜けるのも時間の問題ということにはなるでしょう。

20180903_tajima_graph01.png

個人的に、それは9月である可能性が高いと考えています。なぜなら、11月の米中間選挙までもはや残すところ2カ月余りとなり、いよいよ米政権が本格的な戦闘モードに突入する段階であると考えるからで、巷間よく言われるように、すでにトランプ大統領は政策の軸足を通商外交から一段の国内景気刺激に移しているものと見られます。

思えば、通商外交における強硬姿勢は多分に地方の予備選を意識したものでしたが、その予備選も9月11日のニューハンプシャー州、ニューヨーク州、9月12日のロードアイランド(バーモント州)、9月18日のマサチューセッツ州で一巡します。とりわけニューヨーク州やバーモント州)、マサチューセッツ州がトランプ大統領支持率の低いことで知られる地方であるということを考えれば、既に事実上の予備選対策はほぼ終わっていると見ることもできるでしょう。

その実、最近のトランプ大統領は、足下の米景気の強さやドルの強さなどを強調するような発言を意図的に繰り返すようになっていますし、今後一段と機が熟してくる頃には、満を持して追加の景気刺激策を打ち出してくることも想定されます。少なくとも、件の通商問題の先行きが次第に見通せるようになってくるだけで、まずは円買いニーズは低下するでしょうし、一方でドル買いニーズは一段と強まるものと思われます

また、9月は18−19日に日銀金融政策決定会合、9月25−26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われる予定となっており、其々の結果がともにドル/円を強気にさせる公算が大きいと個人的には考えています。日銀は前回、初のフォワードガイダンス導入に踏み切ったわけですが、その「超緩和的な政策をなおも継続する」とのメッセージが9月の会合では再度強調されるものと思われます。一方、追加利上げの実施が見込まれるFOMCでは必ずしも「年内あと1回」の利上げを完全否定するような議論は戦わされないと見ます。

さすがに、今週は懸案のイベントや重要指標の発表などが相次ぐため模様眺め気運が強まりやすいと見られます。そのなかで、ドル/円が21日移動平均線や一目均衡表の日足「雲」下限などの支持を得ながら底堅く推移するかどうかまずは要注目。そして、いずれ日足「雲」上限を終値ベースで上抜けてくるような展開となれば、少し長い目で年内115−118円あたりの水準を試しに行く流れになって行くものと個人的には考えます。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役


 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/340.html#c4

[国際23] EUを反中国貿易戦線に引き入れたワシントン(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
7. 2018年9月03日 21:19:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1431]
2018年9月3日 / 16:26 / 2時間前更新
焦点:「一帯一路」鉄道計画がエチオピアで頓挫、中国融資減速
Maggie Fick and Christian Shepherd
2 分で読む

[アディスアベバ/北京 1日 ロイター] - エチオピアは、シルクロード経済圏構想「一帯一路」の「モデル国家」として、中国共産党の専門家から称賛されている。中国政府は一帯一路に1260億ドル(約14兆円)を投資して、自国とユーラシア、アフリカ大陸をつなぐ鉄道、道路、海路の構築を目指している。

しかし、「アフリカの角」に位置する人口1億人のエチオピアは債務返済で苦境に立たされており、同国の主な債権者である中国が、一部のインフラ計画の収益性に懸念を強めて融資を鈍化させる兆しが見えている。

「出資者は、エチオピアのGDP(国内総生産)の59%に及ぶ債務の返済リスクが非常に高まっていることを懸念している」と、エチオピアの首都アディスアベバのアフリカ連合(AU)本部への中国代表団は7月、ウェブサイトで表明した。

それによると、中国の対エチオピア投資は減速しており、中国輸出信用保険公司はエチオピアへの投資規模を縮小しているとしている。

アフリカ諸国の債務懸念が高まるなか、エチオピアのアビー首相は中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)に出席するため3日から北京を訪れる。

アビー首相は中国の李克強首相と会談するほか、自国の農工業・製薬ビジネスに中国企業から投資を呼び込もうとするとみられると、中国国営新華社は伝えている。

米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)の中国アフリカ研究所(CARI)によると、エチオピアは天然資源に乏しいにもかかわらず、中国からの融資においてアフリカ諸国のなかでトップを占め、中国国有の政策銀行は2000年以降、121億ドル以上融資を拡大している。

1991年に軍事政権が崩壊後、同国を率いる与党エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)の連立政権は、2025年までに中所得国になることを目指し、道路や鉄道、工業団地の建設など製造業主導の産業国になるという野心的な構想を進めている。だがそれにより、債務は増加の一途をたどっている。

エチオピア中央銀行のYinager Dessie総裁は7月、ロイターに対し、同国政府は中国からの債務を減らしたいと考えていると語った。同総裁によると、エチオピアの2国間債務の大半は中国からのものだという。

「向こう数カ月間にわたり、協議がもたれるだろう。債務返済の選択肢を広げる上で、落としどころがどの辺になるかまだ分からない」と同総裁は語った。

<頓挫する鉄道計画>

内陸に位置するエチオピアにおける交通整備プロジェクトの収益性に対する中国の懸念は、なかでもアディスアベバとジブチ港を結ぶ標準軌間の鉄道に集中している。

北京にある中国共産党中央党校の趙磊教授は6月、中国が融資するエチオピア首都アディスアベバ周辺の軽量鉄道とエチオピア─ジブチ間の鉄道プロジェクトを挙げ、「プロジェクトの持続可能性は低い」との見方を党機関紙の光明日報で示した。

「追加のインフラ整備やサービス、保守において十分な検討がされていない」と同教授は指摘した。

鉄道プロジェクトの主要部分は2016年に開通したが、ウォルディアからメケレまで北方に路線を拡張するための中国からの融資は度々遅れており、中国輸出入銀行からの完全な融資パッケージはまだ実行されていないと、清華大学のTang Xiaoyang教授は語った。同教授はエチオピアで実地調査を行っている。

同教授によれば、遅れを生じさせている主な懸念は、プロジェクトの経済的な持続性と実行可能性だという。

中国輸出入銀行と中国交通建設(CCCC)はコメント要請に応じなかった。

「中国輸出入銀行は新規プロジェクトに対し、ますますリスクを回避するようになっている」と、前出CARIのYunnan Chen研究員は言う。

エチオピアはFOCACで、プロジェクトの打開を期待していると、同研究員はみている。

Slideshow (3 Images)
「このように突破口を探ることはFOCACの活動の1つであり、同フォーラムへの注目が、エチオピアのようなアフリカの国にとって中国から言質を取る格好の機会となる」と語った。

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/757.html#c7

[経世済民128] 景気がいいのは本当か? 私たちが豊かになれない本当の理由〈dot.〉  赤かぶ
3. 2018年9月05日 16:53:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1432]

>政府は、経済はよくなっていると言う。確かに株価は上がっているものの、我々の生活実感はない。実際のところ、経済はどうなっているのか

コトバの定義を明確にしなければ意味はない

企業利益と、世帯あたり所得、労働参加率、正規労働者数、非正規賃金など、全て改善しているのだから、いわゆる経済が改善しているのは間違いない

ただし、外的ショック(天候、地域紛争、貿易戦争)による食料・エネルギーなどのインフレ、

そして何より、超少子高齢化による、社会保障負担の増加、長生きリスクの深刻化、世帯の縮小や人的絆の喪失、急速な社会変化による安定な雇用の喪失や、格差拡大など、

多くの将来不安要因が、人々の生活実感を悪化させているのが現実だろう

>一人当たり金融資産の順位は1995年からずっと世界で5位以内 一人当たりGDPは今や30位
>人々がモノを買わずに、お金を貯めることを楽しんでいる
>おかげで経済は成長せず、「日本は負けた」

かなり滅茶苦茶な説明

日本は世界最先端の超少子高齢化国家で、高齢者向け社会保障が充実していること

そしてバブル崩壊の結果、リスク資産は崩壊し、一部の高齢富裕層の金融資産だけが残って
負債は政府が負っているのが、一番大きな原因であり

現役世代の負債を除いた純金融資産は、ほとんどないのは、世界共通の現実

そして高齢者が金を使わないのは、少子高齢化で家族や政府が面倒見てくれる保証もなく

長期間所得を得られる保証もないのに、長生きリスクだけは巨大化しているからに過ぎない

これを解決するには、元気で長生きする高齢者には、積極的に、労働市場に参加してもらうこと

そしてAIロボットの活用で社会保障を効率化し、毎年の財政赤字のGDP比を一定に保つこと
同時に基幹的な医療と生活は完全に無料化すること

そのために最も重要なのは、非効率な規制をやめ、一方で、厳しく企業と個人の不正を監視することで

企業と個人の生産性を高め、インフレ率を高めて、所得や税収を増加させ

累積赤字をGDP以下まで縮小することだろう

そうすればインフレの高齢者へのマイナスショックは小さくなるし

人々は、より効果的に支出を行って、無駄な貯蓄をする必要はなくなる


いずれにせよ、もっと定量的に経済と政策を分析して、複数のシミュレーションに基づいて議論しないと、あまり意味はないが

なかなか現実には困難ということか


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/370.html#c3

[経世済民128] 中国はひどいことをする!  赤かぶ
4. 2018年9月05日 17:15:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1433]

>>01 元従業員による犯行だな。これは防ぎようがないな。移民労働者がただのロボットではない

こういうときに移民労働者や非正規労働者を悪者にするのは、よくある発想だが

現実には、退職した正規従業員による犯行や

外部の(日本人も含む)プロハンターによる犯行ということも十分ありえる


対策としては、当面は厳重に管理するしかないだろうが


長期的には、こうした優良品種の開放は、人類全体の福祉には貢献するから

それほど心配する必要はないし

中国も、豊かになるにつれ、少しづつではあるが、変化はしてきている



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/374.html#c4

[経世済民128] 店舗の変化で見えてきた「5年後、コンビニの姿はこうなっている」 ファミマはドンキ化セブンはスーパー化(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年9月05日 17:23:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1434]

>食品類をコンビニで買いたいというニーズ

せめて成城石井レベルの食がコンビニでも買えると良いが

難しそうだな



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/373.html#c1

[経世済民128] 高齢者こそ“一人暮らし”が幸せ? 3人の実例から学ぶ極意〈週刊朝日〉  赤かぶ
4. 2018年9月05日 17:36:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1435]

誰でも、死ぬときは1人

つまり自分が死ぬということ


ただし、死ぬまで、どう暮らすかは、自分で自由に決めればいい

1人、家族、仲間、自然の中、どれかに、こだわる必要などない



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/364.html#c4

[国際23] トランプはブッシュJr.の失敗を繰り返し、米国の没落を加速する(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
5. 2018年9月05日 17:39:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1436]
トルコ問題と米選挙の関連性(藤本誠之)
【米中貿易摩擦】中間選挙に向けたプロレスショー
 米中貿易摩擦はエスカレートし、お互いに関税をかけ合っているところです。
 これを受けて、ニューヨークダウのチャートと、上海総合指数のチャートを見比べると、明らかに上昇するアメリカ、下落する上海という状況が分かります。

 どちらが痛いのかと考えると、やはり中国側なのです。関税をかける場合、アメリカの方が大量に輸入をしているので、その意味でアメリカの方が関税をかけやすいわけです。中国側は確かにアメリカからものを買っていますが、そこに関税をかけようとしても、同じ金額分はかけられないのです。
 そうして考えると、中国側がいかに折れていくかということになってくるでしょう。
 ただ、アメリカも中国も本気で戦争するつもりはないでしょう。本気で経済戦争を仕掛けてしまったら、お互いの返り血が凄すぎるからです。
 お互いに相手を傷つけようとすると自分も痛むのです。関税をかけると言って攻めれば、相手も関税をかけ返してくるわけです。20%かければ、相手は25%と言ってくるかもしれません。金額ベース、数量ベースでアメリカの方が多いのでアメリカが有利と考えられがちですが、関税の率は、中国側もいくらでも上げられるのです。
 お互いが本当にガチンコでやりあってしまうと、お互いの国民に痛みが出るのです。
 例えば、アメリカがどんどん関税をかけるとした場合、中国から輸入したものは関税によってその値段が上がり、その分物価が上がり、アメリカ国民は多くを買えなくなってしまうのです。インフレという状態になり、経済にとっては大きなマイナスになってしまいます。また企業にとっても悪材料です。
 世の中にはいろいろな部品があり、パーツを買ったりそれを組み立てたりなどの活動が行われているわけですが、中国製品が混じっていると、そこに関税がかけられることによりコスト高になってしまいます。これも企業にとっては大変きつい状況です。
 こうしたことを招くのは明らかで、実際は、この状況はプロレスではないかと思います。
 いきなりストリートファイトで頭のおかしい人同士がボコボコに殴り合っているということではなく、あくまでショーとしてやっているのです。プロレスは殴ったり蹴ったりしているものの本当に人が死ぬところまでやるわけではありません。米中もそのようなもので、お互いの国民に見せるためのものなのです。
 トランプ大統領はアメリカ国民に対して、中国はこんなにずるいことをしているので、俺が懲らしめてやった、相手を反省させて何とか言うことを聞かせるぞと、見せているのです。
 これはもちろん、中間選挙があるからです。やはり中間選挙では当然勝ちたいわけで、それには、自分に対しての不満を他の人に向ければ良いのです。中国が悪いからと言って、一人を悪者にして、それに制裁を加えることによって、自分の人気を上げるということなのでしょう。どちらが勝つにしても、中間選挙が終われば、このことに対してのリスクは少し遠のくだろうと思います。
 ただ、それでも無くなることはないでしょう。やはり中国は様々な貿易障壁などがあり、さらに知的財産権もよく問題になっています。
 中国に進出した企業が技術を全部盗まれるという事はよくあるわけで、アメリカ企業としては、これを止めさせてほしいと思うわけです。
 中国は、完全100%外資だけで起業ができない上、いろいろな制限もあり、中国資本を入れて合弁という形でしか進出ができないケースが多いわけですが、その場合、その合弁先が結局技術を持っていってしまうのです。
 合弁企業を作って、こちらから技術を提供することで、その技術自体が相手企業に流れます。ずっと同じ合弁を続けていければ良いのですが、どこかで仲違いしたときに、結局技術だけが流出してしまうということを、アメリカ企業も日本企業も何とか防ぎたいと思っているのです。
 そうした状況がある限り、中国との貿易問題はすぐには終わりにはならないでしょう。ここから5年、10年というタームでこの問題は続くと思います。
 今までは世界一がアメリカで、日本が二番でしたが、日本が転落して中国が二番になった以上、一位と二位の争いというのは基本的には続くのです。日本の場合はアメリカの核の傘の下にいたということもあり、アメリカとの関係性の中で面と向かって歯向かう形にはなりませんでした。
 しかし中国とアメリカとなると、根本的に仲が良いわけではないので、より難しい問題です。ここから先、緊張が緩まる部分もあり、基本的にはプロレスなので少しずつ落ち着いていくのではないかと思います。
 そうした中、米中貿易摩擦というのは日本株の大きな下落要因とはならないだろうと見ています。
 ただ貿易問題が長引く中で、たまにトランプ大統領のTwitterなどで謎の発言が出てきては、よくわからない中、日本株が大きく売られ円高になる、しかし米株はあまり反応しないのを見て、再び日本株が戻るという、今までによくあった動きがまた繰り返されることにはなるでしょう。
【トルコ問題】時間とともに収束方向へ
 もう一つこの3カ月間の中で大きな問題が生じたのがトルコです。
 これは、アメリカ人牧師をトルコ政府が拘束したところから、返せ返さないという争いに発展したものです。
 この問題も実は、アメリカの中間選挙に大きな影響があります。キリスト教の牧師は、ある一定その票を持っているからです。その層の票をとるため、きっちりと対応しトルコから牧師を取り返したと、自分の手柄にしたいというのがトランプ大統領の考えなのです。
 その理由でトルコに対して非常に厳しいことを言っているのです。トルコ側も折れれば良いのですが、なかなかそうもいかず、エルドアン大統領も対抗しています。
 本来為替で考えた場合、トルコの場合の問題点は経常収支が赤字で、しかも成長を外資に頼っている点です。内需がそれほどなく、外資に頼っており、しかも短期的な借り入れで、ドルベースで借りているという、もともと脆弱な経済だったわけです。
 さらに脆弱であるがゆえに高金利でもありました。資本が出て行っては困るのでそれを留めるためにも高い金利という形になっていたわけです。

 そして今回のトルコ問題の影響を大きく受けたのが日本の個人投資家です。FXでトルコリラを買っていた人たちです。
 なぜそのようなマイナーな通貨を買うのかというと、実は高金利なのでスワップと言われる金利が得られます。FX取引をしたときに円を売ってトルコリラを買うことにより、トルコの金利がもらえます。
 円金利は払わなくてはなりませんが、円はほとんど金利がゼロなので、トルコの高い金利が享受できるというわけです。
 さらにFX取引なので、レバレッジをかけて元金の何倍も買うことができ、何倍分ものスワップがもらえるわけで、元金と比べて大変な利回りになるということで、人気があったわけです。
 今回、トルコリラがまさかそこまでは下がらないだろうという所まで底を抜けて下落したので、証拠金取引でロスカットが走った人などは、そこまでにもらった金利などは吹っ飛んでしまうような事態になったわけです。
 高金利通貨というもののリスクについてはやはり考えておかないといけないのです。高金利は様々な理由があるから高金利になっているのです。そのまま高金利だけを享受しようというのは甘く、当然為替レートが動き、いくら金利をもらっても大変な損になる可能性があるということは覚悟しておいた方が良いでしょう。
 ただ、トルコの問題は全世界的に見た場合は、多少の影響の程度で済むと思います。
 それほど国としての規模が大きいわけではないことと、何とか落ち着くのではないかと思われるからです。今後牧師がアメリカに帰ってくれば決着するでしょうし、帰ってこなかったとしても時間が経つことで記憶が薄れることもあり、問題は収束していくでしょう。
 米中の貿易摩擦に関しても、トルコ問題に関しても、すぐの解決はないと思いますが、徐々に影響力が落ちてくる問題だと思います。マーケットへの大きな悪材料になるかというと、今後そうはなりにくくなってくると言えるでしょう。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座/「金融リアルタイムライブ」講師
財産ネット株式会社 企業調査部長
藤本 誠之
8月29日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
▼詳しくはこちら
▼その他の記事を読む:
【前回の記事】老朽マンション問題の解決法(大前研一
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/781.html#c5

[政治・選挙・NHK250] 43年ぶり低水準 安倍政権発足来「労働分配率」下がる一方 アベノミクス 完全ノックアウト(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年9月05日 21:09:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1437]

相変わらず愚か過ぎるが

ここのレベルには相応しいか

賃金は景気の遅行指数で、下方硬直性があるから

デフレ不況で、企業利益が激減したときは当然、労働分配率は上がる

ただし、雇用は悪化し、失業率や賃金自体は悪化していくのは

過去の経験を見れば明らか

では景気が改善するときはどうなるかを考えてみればわかる話で

まず非正規の賃金と雇用が改善し、それから正規が改善するが

今後の景気悪化や少子高齢化リスクを考えれば、企業としては、そう賃金は増やせない


そして、景気が悪化すれば、当然、再び上昇する

ただし、これは循環要因であり、長期的には、グローバル市場の労働分配率に収束するが

日本は相対的にROEも悪いので、基本は欧米に比べて高めになることだろう


http://www.murc.jp/thinktank/economy/overall/japan_reg/watch_1801.pdf
歴史的な水準まで低下した労働分配率

賃金がなかなか増えないことと関連して、労働分配率が歴史的な低水準にあることがよく指摘される。労働分
配率とは企業が生み出した付加価値のうち賃金など労働者が手にする割合だ。図表1は、財務省の法人企業統計
を用いて労働分配率(人件費/付加価値)の推移を見たものだが、たしかに 2015、16 年度は 90 年度以来の低い
水準となっている。
もっとも、労働分配率の分子である人件費の変動は小幅であり、労働分配率の変動は、もっぱら分母である付
加価値の変化を反映している。付加価値には人件費も含まれるわけだが、人件費と税金を除いた営業純益など企
業の取り分の変動が、付加価値の増減をもたらす。労働分配率と企業の取り分は逆サイクルを描いており(図表
1)、労働分配率が歴史的な低水準にあるということは、企業利益が歴史的高水準にあることを意味する。
それでは人件費はどう推移してきたのか。図表 2 は、人件費と企業の取り分の推移を、1975 年を 100 として指
数化して比べたものである。人件費は 90 年代前半まで増加トレンドを続けていたが、その後は横ばいが続いてい
る。一方、企業の取り分は 90 年代初めまでは増加トレンドが続いていたが、バブル崩壊後はしばらく低迷が続い
た。2000 年代に入ると、リストラ効果と世界経済の好況を背景に増加した後、リーマンショックで一旦は急減し
たものの、10 年代に入って増加基調が続き過去最高水準となっている。人件費も企業の取り分も業況に影響され
るが、全く同じ動きをしているわけではない。
人件費が 90 年代半ば以降横ばいを続けている背景として二つの事が考えられる。まず、バブル崩壊とその後の
経済低迷が続く中、右肩上がりの経済成長を前提にした、定昇とベアによる賃上げを続けることが難しくなって
きた。また、財務体質と収益力を改善するためのリストラが広がり、ボーナスなど給料が減ることも珍しくなく
なってきた。企業収益が改善してくると、給料の減少は収まってくるが、それでもなかなか増えてこない。給料
が増えないことが普通になる一方で、利益は過去最高を更新できるほどに拡大し、労働分配率が歴史的水準まで
低下したと言える。
企業収益の改善が続けば、労働分配率はさらに低下する可能性がある。人件費と企業の取り分は別々に決まる
というのは悪い考え方ではない。労働者の生活を支える給料は、企業の業績変動に左右されることなく安定的に
支給されていることが重要だ。しかし、労働分配率が歴史的水準にまで低下しているということは、付加価値の
配分が企業に偏ってきていることを意味する。利益を経営側と雇用者で配分するという発想も必要ではないか。
ボーナスは月給の○ヶ月分ではなく、付加価値の○%は従業員のボーナスとして配分すると考えれば、企業利益
が過去最高水準なのに給料が増えないということはなくなる。ただし、業況が悪くなればボーナスが減ることは
覚悟しないといけない。



http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/297.html#c2

[政治・選挙・NHK250] 43年ぶり低水準 安倍政権発足来「労働分配率」下がる一方 アベノミクス 完全ノックアウト(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
3. 2018年9月05日 21:15:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1438]

あと日本の特殊要因として、近年の団塊世代の大量退職に伴う

賃金抑制(非正規への転換)というのもあり

それが生産性の改善があまりなくても、日本企業の利益を上ぶれさせ、

インバウンド効果に加え、最近の法人税収を上ぶれさせた要因でもある


http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/297.html#c3

[政治・選挙・NHK250] 世論調査では石破猛追 安倍「圧勝」報道には死角がある 世論で占えば安倍は大惨敗(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
1. 2018年9月05日 21:18:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1439]
2018年9月5日 / 09:04 / 4時間前更新
焦点:3選有力の安倍首相、求心力の維持が課題
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[東京 5日 ロイター] - 6年ぶりとなる自民党総裁選が7日告示・20日投開票の日程でスタートする。選挙戦は安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなり、すでに国会議員票の8割を固めたとされる安倍首相の3選が有力視されている。

もっとも安倍首相が勝利しても、総裁任期は2021年9月で満了となるため、3選確定と同時にポスト安倍をめぐる党内の動きが活発化する可能性もある。

また、今月30日の沖縄県知事選で与党系候補が敗れたり、石破氏が小泉進次郎・筆頭副幹事長の支持を得て善戦するケースが現実となれば、安倍首相の求心力に影響が出かねないとの思惑も党内で渦巻いている。

自民党総裁選は、衆参合計405票の国会議員票と、100万人あまりの党員・党友の得票を405票に換算し直した地方票の合計810票で競う。

安倍陣営が3日に開催した出陣式には、秘書の代理出席を含め国会議員の8割が参加した。石破陣営は石破派20人と参院竹下派などを合わせ、現時点で50人未満にとどまっており、議員票では首相圧勝の勢いとなっている。

2012年の前回総裁選では、地方票に限ると石破氏がダブルスコアで安倍氏をリードした。だが、自民党幹部の1人は「当時の自民党は野党。今は安倍氏の集票力がダントツに強い」と話す。

地方票で石破氏が安倍首相を「逆転するのは難しい」(竹下派幹部)との見方が、党内で多くなっている。

このため石破氏が、どこまで善戦するかという点に関心が集まりつつある。先の竹下派幹部は「200票取れれば(石破陣営の影響力が)変わってくる」と指摘する。

まだ、投票先を明言していない小泉筆頭副幹事長が、石破氏に投票を決め、そのことを投票前に公言すれば、一定の票が石破氏に流れる可能性があるとの声も、ここに来て広がり出した。

総裁選は無記名投票のため、石破陣営は、態度未定議員のほか、岸田派など首相支持を決めた派閥内でも、安倍首相に批判的な議員の掘り起こしを目指す。

もっとも多くの自民党関係者の関心事は、安倍首相の3選後の政権運営だ。早期に首相支持を鮮明にした二階派や麻生派内でも「誰もがポスト安倍時代を色々と考え始めている」(幹部)という。

安倍首相が総裁選を前に、早期の憲法改正発議をあらためて提唱しているのも「求心力維持のため」(永田町ウオッチャー)と冷ややかに見る向きがある。

2019年は春に統一地方選、夏に参院選を控え、自民党が選挙協力に必要な公明党が慎重な改憲を強引に進めるのは難しいとみている自民党議員がかなりいるという。

翁長雄志・前知事の死去による沖縄知事選は、野党系候補による「弔い合戦」の様相となっており、野党系候補が与党系候補をリードしているとの世論調査結果も出ている。

安倍首相は9月末に国連総会出席のために訪米し、トランプ大統領との首脳会談も予定している。11月の中間選挙を控え、トランプ大統領は、二国間自由貿易協定(FTA)や、貿易赤字削減のため自動車・牛肉などで圧力を高めてくる可能性がある。

トランプ大統領が自動車や牛肉などで自国の権益を強く押し出した場合、「蜜月」を強調してきた安倍首相がどのような対応をするのか、与党関係者や関連業界だけでなく「霞が関関係者も注視している」(経済官庁幹部)という。

来年の参院選にも影響を及ぼしそうな、自動車・牛肉に代表される日米通商協議の行方が、3選を果たした安倍首相の命運を大きく左右しそうだ。

*見出しを修正しました。

竹本能文
http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/301.html#c1

[経世済民128] 中国不動産市場のバブル崩壊 土地入札の不成立が急増(ニューズウィーク) 赤かぶ
3. 2018年9月05日 21:24:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1440]

2018年9月5日 / 08:09 / 4時間前更新
コラム:中国一帯一路の「債務ドミノ」、次に倒れるのはどこか
Christopher Beddor
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[香港 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」で、次に「債務ドミノ」が倒れるのは太平洋諸島かもしれない。

中国からの債務返済に四苦八苦するトンガのポヒバ首相は、中国が国家資産を差し押さえる可能性について警戒している。それは極端な話のようだが、この地域が抱える中国向け債務13億ドル(約1440億円)を巡る再交渉が始まっている。

ポヒバ首相は8月、太平洋島しょ国が共同で中国に債務の帳消しを巡り協議している、とロイターに語った。対中債務額が1億1500万ドルに上るトンガのような国々は、スリランカのように資産を明け渡すことを余儀なくされるかもしれないと、同首相は示唆した。

スリランカは昨年12月、中国との債務救済取引の一環として、自国の戦略港湾の長期運営権を中国に譲渡している。中国企業が資金提供し建設されたバヌアツのルーガンビル港埠頭を巡って、オーストラリアのメディアも同様の懸念について報じている。

ポヒバ首相はその後、発言を撤回した。だが同首相の発言からは、中国の習近平国家主席が世界的に推進するインフラ構築の真の狙いについて懸念が高まっていることを浮き彫りにしている。

オーストラリアとニュージーランド、そして米国は、中国の影響力に対抗すべく、太平洋諸島地域への支援を強化する計画だと、ロイターは報じた。だが、それにはさほど労力は必要としないだろう。豪シンクタンク、ローウィー研究所の試算によると、同地域が2011─2016年に受けた対外支援のうち、中国が占める割合はわずか8%。一方、オーストラリアとニュージーランドは半分以上を占めている。

また、中国の対トンガ融資は主に、都市部の復興のようなプロジェクトに充てられている。中国が資産をどのように差し押さえるのか、あるいはなぜそのようなことをするのかは定かではないと、同研究所の太平洋諸島プログラムのディレクター、ジョナサン・プライク氏は言う。

トンガ財政は実際に圧迫されている。ロイターの集計によると、同国の対中債務は国内総生産(GDP)の3分の1に上る。元金返済は予算の4%を占める。3日開幕した太平洋諸島フォーラムで債務帳消しの要請が正式に行われるとは限らないが、11月に開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で習主席にこの話題を切り出す可能性はある。

諸外国は中国が支援するプロジェクトに警戒感を募らせ、「債務トラップ」に対する警鐘も聞こえてくる。マレーシアでも中国の一帯一路計画は激しい反発に直面している。

太平洋諸国は、中国に安くイメージ回復ができる機会を提供している。世界第2位の経済大国である中国にとって、13億ドルは「丸め誤差」にすぎない。それでもトンガは感謝するだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

 


 

 

 
2018年9月5日 / 10:54 / 3時間前更新
中国、アフリカ借金漬け批判に反論 政府高官「根拠ない」
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[北京 4日 ロイター] - 中国政府アフリカ事務特別代表の許鏡湖氏は4日、中国はアフリカの開発を支援しているのであって、借金を増やしているわけではないと述べ、アフリカ諸国に中国が持続不可能な債務負担を強いているとの批判に反論した。

中国の習近平国家主席は「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合の開幕式で、総額600億ドル(約6.7兆円)をアフリカの経済発展のために拠出すると表明。2015年にも同規模の投融資を約束していた。

いくつものアフリカ諸国は中国からの債務について再編を求めている半面、自国開発には中国の資金活用が依然として最も現実的な手段になっているというジレンマを抱える。

こうした中で許氏は「多額の債務を背負っているアフリカ諸国を詳しく分析すれば、中国は主要な債権者ではない(ことが分かる)。借金問題を中国に責任転嫁するのは意味も根拠もない」と主張した。

その上で中国は資金拠出先について、実行可能性調査(FS)を駆使し、アフリカ諸国の持続的発展に資するとともに、債務問題を避けられるようなプロジェクトを選別すると説明した。

また許氏は「われわれは、アフリカ諸国の資金調達コストを押し上げる国際経済情勢の変化や、大半の国が依存する輸出原材料の国際市況が下落しつつある事実を、考慮に入れる必要がある」と語り、これらの国の債務負担は長年にわたって積み上がったものだと付け加えた。

中国は借金を利用した外交を行っているとの見方を否定している。許氏も、アフリカの最貧国向けに中国が実施し、年末までに期限を迎える無利子ローンは償却されると強調した。


 


 


2018年9月5日 / 14:40 / 6時間前更新
焦点:自動車各社、中国政府の「過剰設備対策」に戦々恐々
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[北京 4日 ロイター] - 中国政府は自動車メーカーの新規生産設備向け投資を制限するとともに、合併や戦略的提携を通じて業界再編を進めようとしており、業界内から手足を縛られる事態を警戒する声が出てきた。

自動車の過剰生産能力増大問題に取り組んでいる中国国家発展改革委員会(NDRC)は、メーカー側に新規生産設備建設を認める上で、既存設備の稼働率や研究開発投資の水準、グリーンカー生産台数が業界平均を超えていることなど、非常に厳しい条件を導入する仕組みの素案を7月に公表し、関係者から意見を募集している。

この案に業界は仰天した。

なぜなら実際に導入された場合、条件を完全に満たせるメーカーはごくわずかしか存在しないからだ。ある世界的メーカーの中国駐在幹部は「事実上もう新しい工場はほぼなくなるという意味だ。政府は設備を拡張するよりも、稼働していない既存の工場を活用することを望んでいる」と話した。

折しもトヨタ自動車(7203.T)や日産自動車(7201.T)、吉利汽車などは新規生産設備投資に熱心な姿勢を示している。

ただ4人の関係者の話では、NDRCは太陽光パネルや鉄鋼、造船などで以前に起きた過剰設備問題に起因する危機が自動車業界で起きるのを防ぎたい考えだ。また新規生産設備の確保を難しくすることで、業界再編のきっかけを作りたがっているという。

<肥大化>

プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が昨年実施した調査に基づくと、中国の今年の自動車生産能力は4280万台で、その約3分の1に相当する1400万台分が遊休状態とみられる。

中央政府や地方政府が経済発展および雇用創出を狙って補助金を大盤振る舞いした結果、自動車業界は急速に拡大してきた。しかし今や成長が頭打ちとなっているほか、電気自動車(EV)生産で新興企業も競争に参入してきたため、事業不振のメーカーは市場からの退出を迫られている。

こうした中でNDRCは「生産統合化や業界の集中化のために、各社に合併や再建、資本投資などを通じた戦略的提携を促す」ことを希望している。

業界もNDRCが打ち出した政策の「精神」はおおむね支持するとはいえ、もう少し手綱を緩めてほしいのが本音だ、と先の4人は解説する。

Slideshow (3 Images)
このうちの1人は「われわれの最大の懸念は、新たな政策が業界の健全で自発的な発展の障害となってしまうことだ。われわれは干渉を受けずに自由に事業計画や投資を行う裁量を奪われてしまう」と漏らした。

NDRCは前週末、提案を修正する可能性はあるが、投資の締め付け方針は変えない意向を示唆した。幹部のNian Yong氏は1日、自動車業界の「行き当たりばったりの投資や不必要な開発」を断固阻止すると強調した。

<有名無実化>

中国汽車工業会(CAAM)幹部のXu Haidong氏はロイターに、自動車セクターへの資本投入は長期的な成長期待に基づいていると指摘。「ただし業況の過熱とその後の落ち込みという誰もが知っている過去のパターンを踏まえると、政府は投資に制御が効かなくなり、むやみに施設が建設されたり、無秩序な発展が起きるのを防ぎ、良質な発展を促進する必要がある」と訴えた。

Toyota Motor Corp
6721.0
7203.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-52.00(-0.77%)
7203.T
7203.T7201.T
もっとも業界の一部関係者は、NDRCがどんなに厳しく新規施設向け投資を制限しても、地方の各省や都市が投資誘致競争を展開している点からすれば、規制は「有名無実化」するかもしれないとの見方を示した。

関係者の1人は「各省政府は新規投資を呼び込むことを優先し、NDRCの規則を無視するための手段を探そうとするだろう」と予想している。

(Norihiko Shirouzu、Yilei Sun記者)

 


2018年8月26日 / 17:07 / 9日前
コラム:中国アリババ、時代遅れの複合企業化で価値下落か
Robyn Mak
2 分で読む

[香港 23日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の電子商取引大手アリババ・グループ(BABA.N)は、時代遅れの複合企業への道を歩もうとしている。

同社の第1・四半期(4─6月)売上高は大幅に増加したが、実質利益は前年同期比で横ばいにとどまった。それは主として馬雲(ジャック・マー)会長がクラウドコンピューティング、動画配信からスーパーマーケットまでさまざまな分野に手を広げているためだ。

無秩序に事業を多角化した昔ながらの工業企業と同様に、拡大し過ぎて手に負えなくなった事業構成によって、アリババの企業価値がディスカウント評価されるのは当然かもしれない。

4─6月の売上高は810億元(118億ドル)で、前年同期比61%増加。力強い伸びのほとんどは、中国本土の淘宝網(タオバオ)や天猫(Tモール)、東南アジアの「ラザダ」などを通じて展開するネット小売り部門がもたらした。より規模が小さいクラウドコンピューティングも収入が倍増している。

しかし百貨店やショッピングモール、スーパーマーケット、物流といった伝統的な小売り分野に大規模な投資をしたため、電子商取引部門の収益力が圧迫された。中核事業の利払い・税・償却前の調整後利益に基づく粗利益率は、前年同期の63%から47%に低下。株式ベースの報酬など一時的要因を除いたとしても、調整後利益はそれほど変わらない。アリババは、傘下企業で利益分与協定を結んでいる決済・金融のアント・ファイナンシャルの減益や、為替差損が響いたと説明した。

アリババがクラウドコンピューティングなどに参入している点は、米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)にやや似ている面がある。ところがアリババの事業と投資の範囲を全体的に見渡せば、古い複合企業とほぼ同じだ。思い浮かぶのは米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)だが、そのGEはフラネリー最高経営責任者(CEO)の下で徐々に解体に向かいつつある。

中国経済の成長が鈍化している以上、馬会長が事業の幅を広げるのは理解できないわけではない。しかし全ての投資を組み合わせてどうやってより良い事業を生み出すのか、適切に説明するのは難しくなってきた。部外者にしてみれば、既にアリババの実態は分かりづらく、複雑だ。投資に関する金銭的な根拠、まして戦略的な根拠は示せていない。

アリババ株は現在、トムソン・ロイター・アイコンがまとめたアナリストの目標値の平均を20%強下回る水準で推移している。このディスカウント率は過去2年平均の13%よりずっと大きい。では過小評価されているのか。それよりも複合企業化がもたらしたディスカウントと呼ぶ方がふさわしいのではないか。

●背景となるニュース

・アリババが23日発表した第1・四半期(4─6月)の売上高は809億元(118億ドル)で、前年同期比61%増加した。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想平均の807億元をやや上回った。

・株式ベースの報酬など一時的要因を除く調整後利益は前年同期比ほぼ横ばいの201億元。

Alibaba Group Holding Ltd
170.44
BABA.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
-4.57(-2.61%)
BABA.N
BABA.NAMZN.OGE.N
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 

 


 
中国の産業育成策、驚くべき野心的目標−外国企業は事実上締め出しか
Bloomberg News
2018年9月5日 12:32 JST
? 「中国製造2025」で米中対立−非公式文書は野心的目標示す
? 実現なら外国企業は事実上締め出し、市場断絶の恐れ
トランプ米政権が週内にも2000億ドル(約22兆3000億円)相当の中国からの輸入品に対する追加関税の発動を決めれば、中国との貿易摩擦の激化は避けられない。だが、摩擦の中心にあるのは中国の産業育成策「中国製造2025」を巡る対立だ。
  中国製造2025は、ロボット工学から新エネルギー車、航空宇宙に至る産業で優位に立つことを目指す中国産業政策の中核だ。この青写真の主な要素は「中国製造2025重点領域技術ロードマップ」に記載されているが、これは非公式文書のため見落とされやすい。表紙が緑色だったことから「グリーンブック」としても知られる。
  公式な中国製造2025には、中国企業が目指す具体的な国内外の市場シェア獲得目標が記されず、市場主導で実行する必要があるとまで書かれているが、296ページに上るグリーンブックには驚くべき目標が詰まっている。実現すれば、中国国内の多くの産業セグメントから外国企業を事実上締め出す内容で、世界の企業にとっては市場断絶の恐れがある。
業種 国内シェア2025(%)
農業機械 95
新エネルギー車 90
携帯通信機器 80
産業用ロボット 70
世界シェア2025(%)
集積回路 56
汎用(はんよう)機 40
  中国は、一連の目標に拘束力はなく非公式なものだと説明。苗?工業情報相は4月、国営チャイナ・デーリーへの寄稿で、中国製造2025と関連政策は中国企業か外国企業かを問わず、公平に適用されるよう取り組むと言明した。グリーンブックについて同省にファクスでコメントを求めたが、返答はなかった。
  だが、外国のロビー団体や一部の通商専門家らは、公式文書に産業目標が載ると外国政府だけでなく世界貿易機関(WTO)の監視も強まる可能性があるため、代わりにグリーンブックを使ったとみている。
  ワシントンの米商工会議所中国センターで責任者を務めるジェレミー・ウォーターマン氏は「中国の産業政策は指導部が指揮し、それを受けて政府部門が実行する」と指摘。「多くの産業では一定の割合で調達が国内大手向けに確保されるとの認識がある」と語った。
原題:As Trump Mulls Tariffs, China’s Industrial Ambitions Loom Large(抜粋)


 

 

香港株下落、ハンセン指数は6月19日以来の大幅安−本土株も軟調
Bloomberg News
2018年9月5日 16:07 JST
• ハンセン指数は構成する全50銘柄が下落−テンセントが足かせ
• 上海総合指数1.2%安−日中ベースで16年2月以来の安値近づく
5日の香港株式相場は下落。指標のハンセン指数がこのままいけば6月19日以来の大幅安となる。中国本土の株価も軟調。対米貿易摩擦が激化する可能性や新興国市場の動揺が広がっていることが嫌気されている。
  ハンセン指数は香港時間午後2時4分(日本時間同3時4分)現在、前日比2.2%安。指数を構成する全50銘柄が下げている。中でもテンセント・ホールディングス(騰訊)のマイナス寄与が目立っている。
  上海総合指数は1.2%下落。日中ベースで2016年2月以来の安値まで約80ポイントに迫っている。本土で取引される人民元相場は1ドル=6.8425元とほぼ変わらず。
  興業金融証券のアナリスト、トニ・ホ氏は「株式相場は低調だ。反発してもすぐに利益確定売りが出る」と指摘。「米国が2000億ドル(約22兆2900億円)相当の中国製品に追加関税を発動するかどうかに投資家は注目しており、先行き不透明感が残る。慎重なセンチメントの中で短期売買が選好される」とコメントした。

原題:Hong Kong Stocks Head for Biggest Loss Since June, China Slides(抜粋)
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ドル・円は111円台半ば、米加通商交渉警戒や新興国不安が上値抑制
小宮弘子
2018年9月5日 12:52 JST 更新日時 2018年9月5日 15:30 JST
• 五十日の仲値需要で一時111円71銭まで上昇する場面も
• 交渉不調なら円高、ドル・円にはマイナス要因−外為どっとコム総研
東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=111円台半ばで小じっかり。輸入企業の決済が集中しやすい五十日(ごとおび)で仲値にかけてドル買い・円売りが進んだが、米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方や新興国市場に対する懸念が強く、上値は限定的となった。
  5日午後3時20分現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの111円45銭。朝方は111円40銭台を中心に小動きが続いた後、午前10時頃に一時111円71銭と4営業日ぶりの水準まで上昇。その後は伸び悩み、午後の取引では前日のニューヨーク終値(111円41銭)付近まで値を戻す場面が見られた。
  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、貿易摩擦も新興国不安もどちらかというとドル買い要因で、米供給管理協会(ISM)製造業指数の強さを見ても「ドル最強の流れであることは間違いない」としながらも、NAFTA再交渉が不調となればドル高と同時に円高も進行し、「ドル・円にはマイナス要因になり得る」と指摘。ドル・円は先週に続いて一目均衡表の雲を一時上抜けたが、「それがだましかどうかも含めて確認したい」と話した。

  5日に再開する米国とカナダのNAFTA交渉に関して、両国の当局者は共に前進していると主張しているが、カナダが手厚く保護する乳製品市場やトランプ政権が撤廃を目指している紛争解決メカニズムなど重要問題では行き詰まったままとなっている。また、トランプ大統領は早ければ6日に中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2800億円)相当への追加関税を発動し、中国との貿易摩擦を激化させる可能性がある。
  三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの矢萩一樹調査役は、NAFTA再交渉に向けて期待が高まり、これまで売られていたカナダドルが買い戻される可能性がある一方、再交渉がうまくいかなければ「再びリスクオフのような感じになってもおかしくない」と指摘。ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、明日以降は米中通商問題がどうなるかで、新興国市場のリスクも含めてリスクセンチメントの悪化が意識されやすく、ドル・円は目先伸び悩む時間帯が続きそうと述べた。
  5日のアジア市場では、インドルピーが最安値を更新したほか、マレーシアリンギが約9カ月ぶりの安値を付けた。新興国市場での資産売りが及ぼす影響への懸念が広がった。4日には南アフリカ共和国がリセッション(景気後退)入りしてランドが急落、トルコやアルゼンチンと同様にインドネシアも通貨安に見舞われた。
  オーストラリアドルは4−6月の同国経済成長が市場予想を上回ったことを受けて一時急伸したが、新興国不安が重しとなり、買い一巡後に伸び悩んだ。
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6.


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/367.html#c3

[国際23] トランプ政権暴露本「シリア大統領 暗殺指示も」〜ボブ・ウッドワード氏の内幕本/テレ朝 news 仁王像
1. 2018年9月05日 21:27:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1441]
2018年9月5日 / 11:40 / 1時間前更新
トランプ米大統領、アサド氏の暗殺を昨年指示=政権内幕本
2 分で読む

[ワシントン 4日 ロイター] - 著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏が近く出版するトランプ米政権の内幕を描いた著書によると、トランプ大統領は2017年にシリアのアサド大統領の暗殺を指示したが、国防長官はこれを無視した。

11日に発売される著書「恐怖:ホワイトハウスのトランプ(Fear: Trump in the White House)」の抜粋が4日のワシントン・ポスト(WP)紙に掲載された。

同書ではトランプ氏について、衝動的な意思決定を下しがちで、有害で危険な行動を防ぐため側近が時に大統領の指示を無視する状況が描写されている。

同書によると、シリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑が浮上した昨年4月、トランプ大統領はマティス国防長官に対し、アサド大統領の暗殺を望んでいると伝えた。マティス長官は直ちに対応すると応じる一方で、アサド大統領を特定の標的としない限定的なミサイル攻撃を行う計画を進めた。

長官はこれとは別の場面で、トランプ大統領の言動は「小学5、6年生のようだ」と同僚に漏らしたという。

マティス氏は4日、発言を否定する声明を発表した。

ウッドワード氏の著書ではまた、コーン前国家経済会議(NEC)委員長がトランプ氏の机から、大統領が署名する予定だった米韓自由貿易協定(FTA)破棄に関する書簡を持ち去ったとしている。

コーン氏は北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱に関する同様のメモを持ち去ることも試みたという。

トランプ氏はニュースサイト「デイリー・コーラー」に対してそうした事実はないとし、「作り話だ」と述べた。

このほか、ケリー大統領首席補佐官は影で大統領を「まぬけ」と呼び、「私たちは狂った街にいる。今までで一番ひどい仕事だ」と話したとされている。

トランプ大統領もロス商務長官に対して最盛期を過ぎていると侮辱したり、セッションズ司法長官についても「知的発達が遅れている」などと罵る発言をしたという。

ケリー首席補佐官はホワイトハウスを通じて発表した声明で、大統領を「まぬけ」と呼んだことは一度もないと述べた。

トランプ大統領はツイッターで、マティス氏やケリー氏らが述べたとされている内容は「作り話で、市民をだますものだ」と主張した。

ウッドワード氏はさらに、トランプ大統領がロシアによる2016年米大統領選介入とトランプ陣営との共謀疑惑を巡る捜査について偏執的な傾向を強めており、トランプ氏をウォーターゲート事件の際のニクソン大統領(当時)にたとえる側近もいると指摘した。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/791.html#c1

[経世済民128] 日銀は国債買入の回数を減少、その目的は何か --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年9月05日 21:31:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1442]

日銀がETF購入テーパリングなら「明るい兆し」−ブラックロック
Min Jeong Lee
2018年9月5日 1:00 JST
• 購入ペース緩めれば、自信の表れと受け止められる可能性−ミラー氏
• ETF購入は意図した効果もたらした、市場懸念は行き過ぎとも発言
日本株市場を長期にわたり支えてきた上場投資信託(ETF)の購入を日本銀行が縮小すると決めれば、市場にインパクトを与えるのではないかと一部の投資家は懸念するが、世界最大の資産運用会社は憂慮する理由は大してないとみている。
  ブラックロックのiシェアーズ事業で日本の責任者を務めるジェーソン・ミラー氏はインタビューで、日銀がETFの購入ペースを緩めると発表すれば、日本株のボラティリティーは当初は幾分高まるだろうが、購入ペース緩和は経済と市場に対する自信の表れと受け止められる可能性があると語った。
  ETF購入目標を倍増した2016年以降、日銀は年間約6兆円のペースで買い入れを進めている。こうした中、同行は否定しているものの、7月と8月のETF購入額が大幅に減少したことから、一部投資家からは日銀が暗黙のうちに買い入れプログラムの解消に向けて動いているとの観測が浮上した。
   
  同氏はテーパリング(緩和縮小)の決定が実際にあれば、日本経済が「自立できるほど十分強くなったという認識を市場に与える可能性」があると述べた。そのような発表があり得る時期については予想を控えた。
           
Tailing Off
Bank of Japan's monthly ETF buys fell to near its lowest since July 2016

Source: BOJ
     
  投資信託協会と日銀の発表資料、およびブルームバーグが集計したデータによると、日銀は7月末時点でETFの75%を保有。2年前の62%から拡大した。
           
  ブラックロックのミラー氏は、市場をゆがめているとの批判がある中でも、日銀のETF購入には好意的な姿勢を示してきた。株式のリスクプレミアムを低下させるという意図した効果をもたらしたと指摘する。同氏は、ETF購入プログラムがある特定の銘柄の価格をゆがめ、流動性を損ねる可能性があるとの懸念は行き過ぎだと述べた上で、日経平均連動型のETF購入を減らしてTOPIX連動型の購入を増やす日銀の7月の決定を称賛した。
  一方、三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストはテーパリングの環境はまだ整っていないとみる。「まだそんな状態ではないのではないか。つまりそれを堂々と言えるほど、日本経済、特に内需が強いとは思えない」と話し、消費増税も今後予定されていると付け加えた。  
  ミラー氏も、テーパリングをポジティブに捉える向きはトレーダーや投資家の間でまだ少数派であることを認めている。それでも、そこで暗示される経済および市場の力強さは「明るい兆し」だと「強く信じている」と語った。
       
Bank of Japan: The ETF Whale
Central bank estimated to own 75% of the nation's ETF market as of end July

Source: BOJ, Investment Trusts Association of Japan, Bloomberg
Note: Calculations assume an approximate 67% weighting for Topix from October 2016
原題:BlackRock Sees ‘Silver Lining’ When Bank of Japan Tapers ETFs(抜粋)

 


 
日銀は政策修正の効果発揮と評価、金利幅広げず
日高正裕、竹生悠子
2018年9月5日 13:00 JST
長期金利0.2%到達後、変動幅拡大するか判断
債券市場サーベイでは市場機能判断DIが改善

日本銀行は、長期金利の変動を認めた7月の金融政策の修正が効果を発揮していると前向きに評価しており、当面は金融政策を変更しない考えだ。日銀内の議論に詳しい複数の関係者への取材で分かった。次回会合は18、19の両日、開かれる。

  非公開情報のため匿名を条件に語った複数の関係者によると、日銀内では前回会合で上下0.2%に拡大した長期金利の変動幅を広げる必要はないとの見方が強い。変動幅を調整するかどうかの判断は長期金利が0.2%程度を試した後になるという。

  0.2%到達後も市場機能が改善しない場合は、変動幅をさらに拡大する可能性を排除していない。小動きで推移している金融市場が海外要因などでどの程度、影響を受けるか日銀は注視している。

  日銀は7月31日の会合で「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とのフォワードガイダンス(指針)を導入。同時に緩和策の持続性を高めるため、0%の長期金利の変動幅を上下0.2%程度に拡大した。同会合の主な意見では、「プラスマイナス0.25%程度の動きを許容することが適切」との声も出ていた。

  3日発表の債券市場サーベイでは、市場機能が「高い」と答えた比率から「低い」と答えた比率を引いた機能度判断DI(現状)がマイナス39と前回5月調査のマイナス45から改善。3カ月前と比べたDIはプラス1と15年5月調査以来3年3カ月ぶりにプラスに転じた。

  雨宮正佳副総裁は8月2日の会見で「常に適切な政策運営の枠組みを柔軟に考える必要がある」と説明。「今後の効果や副作用の出方によっていろいろ考えていくべきだ」と述べ、政策運営の修正があり得ることを示唆していた。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/377.html#c1

[経世済民128] アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は(マネーポスト) 赤かぶ
9. 2018年9月05日 21:44:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1443]

新興市場資産売り、どこまで行くか−モルガンSは「弱気」維持
Tracy Alloway、Adam Haigh
2018年9月5日 16:47 JST
• 数年にわたり積み増したポジション、投資家に減らす余地がある
• 株および先進国通貨建て債からも投資引き揚げの余地
新興市場資産には一段の下落余地がある。ここ数年人気だったポジションを投資家があまり減らしていないからだ−。
  こうした理由などを背景に、モルガン・スタンレーのジェームズ・ロード氏は新興国・地域の資産に対して弱気を維持している。MSCI新興市場通貨指数は1年ぶり安値を更新、5日には売りが株式にも広がった。
  ロード氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは4日のリポートで「クレジット、金利、為替のいずれについても弱気の見方を維持している」とし、投資家の注目がますます集まると考えられるインドネシアとマレーシアを含む変動高めのハイベータ国の大半について、ショート(売り持ち)ポジションを組んでいると記した。
  また、JPモルガン・チェースの分析によれば、投資家は新興市場国の現地通貨建て債券の保有は総じて減らしているが、株とドルその他の先進国市場通貨建て債からはまだ投資引き揚げの余地がある。
  ニコラオス・パニギルゾグロウ氏らアナリストは8月31日のリポートで「最近の新興市場資産の調整は現地通貨建て債ファンドの売りが主因だったようだ」とし、8月の「急激な」ポジション解消は恐らく「降参」に値したと記述。一方、株式ファンドは「降参には程遠い」ため、9月に入って米中貿易摩擦が悪化した場合に影響を受けやすいだろうと指摘した。

原題:Emerging-Market Slump Spurs Rush to Gauge How Much Worse It Gets(抜粋)

 

 


新興国市場】売りさらに強まる−危機波及リスク、無視できず
Bloomberg News
2018年9月5日 2:40 JST 更新日時 2018年9月5日 7:36 JST
• 南ア・ランド急落、GDP発表でリセッション入り確認
• MSCI新興国通貨指数、2017年5月以来の低水準に

Customers purchase snacks from a mobile stall on Eminonu Square in Istanbul, Turkey,.
Photographer: Ismail Ferdous/Bloomberg
新興国市場資産の売りが一段と強まった。南アフリカ共和国がリセッション(景気後退)入りしたことに加え、トルコやアルゼンチンと同様にインドネシアも通貨急落に見舞われ、危機の波及リスクは無視できないほど大きいとの懸念が高まった。
  MSCI新興国通貨指数の下げはこの6営業日で5回目。この1年余りの最低水準で引けた。南アが4日発表した4−6月(第2四半期)国内総生産(GDP)統計によれば、同国経済は2四半期連続のマイナス成長となった。通貨ランドはこれを受けて急落し、新興国通貨全般を押し下げた。
  トルコ・リラも安い。同国中央銀行は来週に会合を開くが、投資家を安心させるだけの十分な対応を取れないとの懸念は消えない。アルゼンチン・ペソは最安値を更新。インドネシア・ルピアは、同国中銀が通貨防衛策の強化を明らかにしたにもかかわらず、約20年ぶりの安値に沈んだ。
  トランプ米大統領は2000億ドル(約22兆3000億円)相当の中国製品に対する関税措置を、6日にも発表する可能性がある。ブルームバーグ・ドル・スポット指数はこうした中で4営業日続伸した。
  ソシエテ・ジェネラルのグローバルストラテジスト、キット・ジャックス氏はドル上昇は不戦勝だと分析する。「ドル上昇を確信させる理由はあまり見いだせないが、他の通貨については不安にさせられる材料が数多くある」と指摘した。

• 新興国市場株の指標であるMSCI新興市場指数は0.7%安
• MSCI新興市場通貨指数は0.5%安
• アルゼンチン・ペソは過去最安値を更新
• メキシコ・ペソは1.1%安
• 南ア・ランドは3.2%安。4−6月GDPは前期比年率0.7%減。09年以来のリセッション入り
• トルコ・リラは0.7%安
• ロシア・ルーブルは下げをほぼ埋めた。ロシア中銀総裁が来週会合での利上げの可能性に言及し、14年以来となる利上げに近づいたことが寄与
• インドネシア・ルピアは6日続落し、20年ぶり安値に沈んだ
• インド・ルピーの1カ月物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は一時0.8%高の1ドル=72.03ルピーと最高値を記録
原題:Emerging-Market Contagion Fear Sparks Deepening Rout: Inside EM(抜粋)


 


 


新興市場混乱、通貨から株に感染拡大−インドネシア株は3.1%安
Bloomberg News
2018年9月5日 12:13 JST 更新日時 2018年9月5日 13:14 JST
• MSCIアジア太平洋指数は1%安、フィリピンは1.7%安
• 経済成長や対外収支の弱さなど悪いニュースに市場反応−深谷氏
アジア時間5日の取引で、新興市場の混乱は通貨から株へと広がった。資金コストが上昇し、高い経済成長に業績を後押しされてきた新興国企業の足かせになるとの懸念が拡大している。
  MSCIアジア太平洋指数は香港時間午前11時46分(日本時間午後0時46分)現在、1%安。インドネシア株は3.1%下落、フィリピンは1.7%安となっている。ドルに対してアジア金融危機以来の安値を4日に更新したインドネシア・ルピアはほぼ変わらず。
  持続的なドル高で、新興市場国の政府や企業がドル建てで受けた融資の利払い・返済負担は重くなる。4日発表された8月の米ISM製造業景況指数は14年ぶり高水準で、米追加利上げの可能性がますます高まった。  
 
  FPG証券の深谷幸司社長は新興市場資産について、下降トレンドに歯止めがかかる気配がないと述べた。投資家は選別を強めており、経済成長や対外収支の弱さ、高インフレなど悪いニュースが出た国の通貨はより激しい売りを浴びると指摘した。
  4日発表の指標によれば、南アフリカ共和国経済はリセッション(景気後退)に陥り、前日の統計ではトルコのインフレが加速した。
  MSCI新興市場通貨指数も下落。このまま終了すれば1年余りで最安値となる。

原題:Emerging-Market Contagion Fears Rotate From Currencies to Stocks(抜粋)


 


 

新興市場通貨のボラティリティー高まる、感染止まらず
Liz Capo McCormick
2018年9月5日 12:31 JST

  新興市場通貨は一息つくことも許されない。そして、オプショントレーダーらはこの状況が変わるとはみていない。新興市場国通貨とG7通貨の予想変動率を比較したJPモルガン・チェースの指数は2009年1月以来の高水準にあり、新興市場通貨のボラティリティーの高さを示している。MSCI新興市場通貨指数は過去6営業日のうち5日で下落。混乱がトルコとアルゼンチン、南アフリカ共和国から他の国・地域へと拡散していることは明らかだ。
原題:EM Currency Volatility Surges Versus G-7 Amid Contagion: Chart(抜粋)

 

 

2018年9月5日 / 18:25 / 14分前更新
焦点:金融危機のトルコ、エルドアン強権体制は「毒の杯」か
2 分で読む

[イスタンブール 4日 ロイター] - 15年にわたりトルコの実権を握ってきたエルドアン大統領は、6月の選挙によってだれのチェックも受けない強権体制を確立した。しかしトランプ米大統領との対立をきっかけにトルコリラの急落に見舞われた今、危機を打開するための選択肢は乏しい。

6月選挙後の新制度では首相職が廃止され、エルドアン氏が閣僚などの任命権を掌握しただけでなく、司法や議会にも超越する立場を確保した。しかし独力で国を支配する道を選んだエルドアン氏は、だれの助けも借りずに危機に立ち向かう必要があり、強権体制は「毒の杯」と化す恐れもある。

<対外債務>

投資家は以前から、トルコのインフレ高騰と経常収支赤字の拡大を懸念していた。そこに突如持ち上がったのが米国人牧師の拘束問題を巡るエルドアン氏とトランプ氏の対立だ。トランプ氏はトルコ製の鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍に引き上げ、トルコリラは8月だけで25%も下落した。

エルドアン氏にとって喫緊の課題は資金の確保となる。

JPモルガンによると、2019年7月までに償還期限を迎えるトルコの対外債務は1790億ドルで、うち1460億ドルはトルコの銀行を中心とする民間部門の債務。銀行は海外から資金を借りるが、収入は主にリラで稼いでいるため、リラの急落によって返済負担が急増している。

<選択肢>

目下の注目点は、エルドアン氏が今月の国連総会などの機会を利用し、トランプ氏と和解するかどうかだ。

与党・公正発展党(AKP)に近い筋は、エルドアン氏が和解に動く可能性はあり、その場合、拘束している米国人牧師アンドルー・ブランソン氏が「表層的だが重要な切り札」になると言う。

同筋はまた、トルコが再び欧州連合(EU)にすり寄ると予想。政権内では、エルドアン氏が今月訪問するドイツが、EUによるトルコ財政支援の旗振り役を務めてくれるとの期待が強いという。

トルコは長年EU加盟交渉を続けてきたが、交渉は今、風前の灯の状態だ。

EUから支援が得られたとしても、それだけでは十分ではないだろう。トルコと最も親密なカタールは150億ドルの支援を約束しているが、これも焼け石に水だ。

同筋は「国民は徐々に貧乏になっているため、経済は大きな懸案事項だ」と指摘。「わが国はここ何年も建設以外の投資を行っていないが、ビルは食べられない」と嘆く。

インフレは急騰しており、中央銀行は、来週にリラの急落に歯止めを掛けるための利上げをすると示唆している。しかし金利を毛嫌いするエルドアン氏は利上げがインフレの元凶との考えの持ち主であるため、利上げがあるとしても「遅すぎて小幅すぎる」結果になりそうだ。

こうなると、トルコが国際通貨基金(IMF)に支援を仰ぐ可能性が高まる。しかし政府は、国家主権を明け渡すことになるとしてその可能性を排除してきた。

アルバイラク財務相は2日ロイターに対し、「私はIMFを必要としていない」と述べた。

前出の関係筋は「われわれは選挙戦のスローガンでたびたびIMFを罵倒し、IMFの重荷から抜け出したことを誇ってきた」だけに「IMFへの支援要請は非常にハードルが高い」と言う。トルコはAKPが政権を握る直前の2000─01年の金融危機後、IMFの支援を受けた。

ただこの筋は、エルドアン大統領は国民に状況を説明するのが上手なうえ、メディアをほぼ完全に掌握していると付け加えた。

一方、AKPの選挙戦責任者を務めたムスタファ・セントプ氏は、他の新興国市場に比べてトルコ経済は良好だとし「トルコが債務返済資金の手当てに困るとは思っていない」と話している。

(Samia Nakhoul記者 Dominic Evans記者)


 

 

2018年9月5日 / 15:00 / 4時間前更新
焦点:幻の仮想通貨「ペトロ」、消えたベネズエラの救世主
Brian Ellsworth
4 分で読む


[アタピリレ(ベネズエラ) 30日 ロイター] - ベネズエラのマドゥロ大統領によると、辺境の地にある人口1300人のこの集落は、仮想通貨技術の最先端を走っている。同国中部のサバンナにあるアタピリレは、この一帯で唯一の村だ。当局は、周辺に約50億バレルの石油が眠ると主張する。
ここに埋蔵されているとされる原油は、マドゥロ大統領が2月に打ち出した仮想通貨「ペトロ」の裏付けとなっている。大統領は8月、ペトロは経済危機のベネズエラ再建に向けた礎になると語った。
しかしアタピリレの住民は、政府が油田を開発しようとしているのを見たことがないと話す。苦境にあえぐ自分たちの村が、金融革命の最前線にいるとも感じていない。
「ペトロの気配は全く感じられない」と、主婦のイグダリア・ディアスさんは言う。彼女は壊れそうな学校や未整備の道路、頻発する停電や慢性的な食糧不足について痛烈な批判を始めた。
ロイターは4カ月間にわたり、仮想通貨や油田査定の専門家10人以上に取材し、政府が原油が眠ると言う場所に足を運び、ペトロの電子取引記録を調査した。明らかになったのは、仮想通貨ペトロの存在を確認するのは困難ということだった。
ペトロの取引が活発に行われているという証拠はほとんど見当たらなかった。主要な仮想通貨取引所では売買されておらず、ペトロによる支払いを受け付ける店もなかった。
わずかながら、仮想通貨の交流サイトで自分たちの取引経験を投稿するペトロの所有者を見つけた。投稿者の1人は「詐欺だ」と不満を書き込んでいた。ロイターの問いかけに応じた別の投稿者は、問題なくトークン(仮想通貨)を受け取ることができたと回答し、ベネズエラに対する米国の制裁と「ひどい報道」が、ペトロの取引に打撃を与えたと非難した。

<食い違う大統領と担当大臣>
ベネズエラの政府首脳の発言には食い違いがみられる。マドゥロ大統領はすでにペトロで33億ドル(約3650億円)を調達し、通貨は輸入品の支払いにも使われていると話す。一方、計画に携わるウグベル・ロア大学教育・科学技術相はロイターの取材に、ペトロに必要な技術はまだ開発途中だと明らかにした。「まだ誰もペトロを使えていない」と語った。
大統領は8月、給料や年金、通貨ボリバル相場をペトロに固定させると発表し、混乱に拍車をかけた。「実際に取り引きされていないトークンと価格や交換レートを連動させることなどできない。実際にいくらで取引されているのか、知る由もないからだ」と、コンピューターが専門の科学者で、ペトロの動向を注視する仮想通貨コンサルタントのアレハンドロ・マチャード氏は言う。
政府はペトロの価値をベネズエラ産の原油1バレル当たりの価格(現在は約66ドル)に固定し、アタピリレ周辺の原油で裏付けると約束した。トランプ米大統領は3月、米国民がペトロを買ったり使ったりすることを禁じた。
ペトロが多額の外貨をもたらしているとするマドゥロ大統領の主張に、アナリストは懐疑的だ。政府は仮想通貨の新規発行(ICO)でいくら調達したのか、十分な記録を明らかにしていないと彼らは指摘する。
「低調な取引状況を考えれば、確かに通常のICOではないようだ」と語るのは、ロンドンを拠点とするブロックチェーン分析会社エリプティックの共同創設者トム・ロビンソン氏。「ペトロが発行されたという証拠を得られていない。取引所で活発に売買されているという証拠もない」と、同氏は話す。
<「現時点で詐欺」>
アタピリレ周辺で石油開発の動きが確認されることもほとんどなかった。見つけた掘削リグは小さく、何年も前に導入された古いものだった。一部は放棄され、雑草に覆われていた。
石油相を務めたラファエル・ラミレス氏は8月19日、ベネズエラの分析サイトに投稿し、開発には最低200億ドルの投資が必要と試算した。問題を抱えるベネズエラ国営石油公社に、そんな資金はない。
ビットコインやイーサリアムといった名の知れた仮想通貨とは違い、ペトロの所有者を見つけるのは困難だ。
「ビットコイントーク」と呼ばれる仮想通貨の交流サイトでは今年初め、熱心なトレーダーたちがペトロに関する投稿を始めた。初期の盛り上がりは徐々に低下、参加者の一部は情報不足やコインがなかなか入手できないと不平を漏らしていた。別の投稿者は送金や売買ができないと不満を口にしていた。
「現時点で言えば詐欺。良い投資になるかどうかは時がたてば分かる」と、「クリプトバイアグラ」と名乗る参加者は6月25日に投稿している。
一方、ロイターの問いかけに唯一応じた投稿者は、ペトロ取引の経験について「かなりうまくいった」と回答した。彼はペトロの不調について、米国が購入を禁じたことや、否定的な報道のせいだと非難した。「ロイターは誠実な報道機関とは思わない」と付け加えた。
<油田開発の投資計画なし>
ベネズエラは、同国経済の中核である石油でペトロを裏付けることで、小規模ながらも増え続ける仮想通貨の発行体の仲間入りをした。こうした発行体は、仮想通貨の価値を実際の商品と連動させている。
Slideshow (4 Images)
英王立造幣局は昨年、金を担保とする仮想通貨「ロイヤル・ミント・ゴールド」を発表した。ダイヤモンドを裏付けとする仮想通貨もある。
ペトロとの大きな違いは、すぐに取引可能な有形資産を担保にしている点だ。マドゥロ大統領がペトロの裏付けとする埋蔵原油は、アタピリレ周辺にあるアヤクーチョ第1鉱区の地下深くに今も眠っている。
ベネズエラ政府は、「独立した国際認定機関」のお墨付きを得たとして、同鉱区に53億バレルの原油が埋蔵されていると主張する。埋蔵量はさておき、ここには道路やパイプライン、発電施設など掘削に必要なインフラが整っていないと、米ライス大学で中南米のエネルギー政策を教えるフランシスコ・モナルディ氏は指摘する。「この地域に投資する計画は存在しない」と、ベネズエラ出身の同氏は語る。
<忘れられた村人>
私たちは忘れられた存在──。アタピリレの住民はそう話す。かつて雇用を生み出していた養魚場は廃墟と化し、診療所には医者もいなければ稼動する救急車もない。
ほこりが舞い立つ路上では、たくさんの人が列をなしていた。村から60キロ北にある重要な石油拠点エルティグレに向かう唯一の公共交通機関、中国製のバスを待っていた。
教師のローザ・アルバレスさんは、自分のクラスの半数程度が学校に来なくなったと話す。国による支援の給食がなくなり、生徒たちの空腹を満たすことができなくなったためだという。
当局は彼女の不満を無視する一方で、教育省から新たな指示が来た。ベネズエラの新しい仮想通貨の美徳について、生徒に教えろというものだった。
「ペトロがどういうものか、誰も私に教えてくれない。どうやって子どもたちに説明すればいいのだろう」
(翻訳:伊藤典子 編集:久保信博)


 


 
米株式相場の調整予想は「誤りだった」:ウォール街の弱気派筆頭
Lu Wang
2018年9月5日 10:05 JST
• モルガンSのウィルソン氏は7月に2月よりひどい急落を予想
• 相場上昇を受けて調整予想を撤回したが、依然として慎重姿勢崩さず

モルガン・スタンレーの米国株担当チーフストラテジスト、マイク・ウィルソン氏は週末の顧客向けリポートで、米株式相場が2月よりもひどい急落に見舞われる可能性があると7月に予想したのは「誤りだった」と認めた。S&P500種株価指数は過去2カ月に6.7%上昇した。

マイク・ウィルソン氏
写真家:Christopher Goodney / Bloomberg
  ウィルソン氏は相場調整の予想を撤回したものの、先行きには依然として慎重で、多くの投資家が考えるほど広範囲にわたる相場上昇ではないと指摘。自身の予想は時期尚早だった可能性もあるが、正しくないのと「結局は同じになる」と付け加えた。
  米株式相場は国際的な通商摩擦や金利上昇、新興国市場資産の不振をよそに、とどまることのない上昇を見せており、ウィルソン氏らウォール街のストラテジストはその勢いに降参している。S&P500種株価指数は8月に月間ベースで5カ月連続の上昇となり、2900ポイントの大台に初めて乗せた。
  こうした持続的な株高を受け、ここ1カ月に少なくとも2人のストラテジストが相場予想を上方修正した。ウィーデンのマイケル・パーブス氏とバークレイズのマネーシュ・デシュパンデ氏はいずれもS&P500種の年末予想を3000に引き上げた。ウィルソン氏は年末予想を見直すかどうか言及を避けた。同氏の予想は2750で、ブルームバーグの追跡対象ストラテジストでは最低。同氏の予想通りになるには5.2%下落する必要がある。


原題:Wall Street’s Top Stock Bear Issues Mea Culpa on Correction Call(抜粋)

 


 


ドル「過大評価」でも、売るべきか買うべきかでウォール街の意見二分
Katherine Greifeld
2018年9月5日 11:51 JST
• UBSセキュリティーズはユーロ反発の条件整いつつあるとみる
• ソシエテは新興市場資産売りと欧州リスク背景にドル一段高見込む
従来からの尺度に従えば、ドルはますます過大評価されている。ではドルをどうするかというと、ウォール街のアナリストらの意見は分かれている。
  ドルは急伸しており、国際通貨基金(IMF)のデータによれば7月時点で、実効為替レートの10年平均を11%強上回る水準。為替の組み合わせで最も取引が多いユーロ・ドルは現在、経済協力開発機構(OECD)が算出した購買力平価(PPP)より約15%低い。一方、連邦準備制度の貿易加重ベースのドル指数は2002年に記録した過去最高値まで4%弱の水準まで上昇した。
  USBセキュリティーズにとって、最近のドル高はドルを売るべき根拠の1つだ。しかしソシエテ・ジェネラルは、ドル需要の急拡大は米国以外がいかに危険性の高い世界になったかを示す証拠だと指摘する。ソシエテのグローバルストラテジスト、キット・ジャックス氏は、イタリアの政治リスクが高まり、英国が欧州連合(EU)離脱交渉の決裂に備える中で新興市場資産が売りを浴びる現状では、ドル以外の保有を考える理由はほとんどないと説明した。
  同氏はドル以外は「一段とネガティブだ。米国は比較的安定している。しかし市場にとっては難しい状況だ。買いたいものが既に高価だからだ」と述べた。
  UBSセキュリティーズのグローバル新興市場株戦略責任者、ジェフリー・デニス氏は異なる見方をする。米中貿易摩擦は質への逃避でドルに資産をシフトさせる動きを後押しするが、関税賦課がさらにエスカレートすればドル相場を圧迫するとみる。さらに、イタリア関連リスクを市場は高く見積もりすぎてユーロが割安になっているため、ユーロが今後反発する条件は整いつつあると分析した。
  ソシエテのジャックス氏は「ドルは割高だ」と認めるものの、デニス氏の意見に同意しない。為替市場は通貨のバリュエーション不均衡に反応するものだが、世界情勢の現状による影響の方が大きいとして、米利上げに他の金融当局が追随するまで、ドルを投資家が遠ざける可能性は低いと述べた。

原題:Wall Street Analysts Split on How to Trade ‘Overvalued’ Dollar(抜粋)


 


 
「予測不能な」イタリア国債、ドイツの資産運用会社が保有減らす
Dirk Gojny
2018年9月5日 14:11 JST
• イタリア国債についてはより慎重になった−シューベルト氏
• イタリア国債は多くの外国人が保有、混乱悪化なら世界市場に衝撃も
市場は不確実性を好まない。これは昔から言われていることだ。ドイツの資産運用会社、バーブルク・インベストはこの言葉に従い、イタリア国債を売った。
  同社は最近数週間にイタリア国債の保有を減らし、配分をアンダーウエートとしている。運用者のアンドレア・シューベルト氏が明らかにした。政治が主たる材料となる市場で、イタリア国債への投資は現時点で「予測不能」だからだという。
  「ユーロ圏国債セクターで投資機会を探るに当たって、イタリア国債についてはより慎重になった」と同氏は述べた。
  イタリアの新政権が9月に公表する予算で赤字が欧州連合(EU)規則の上限である国内総生産(GDP)の3%を上回るとの懸念を背景にイタリア債は売られ、2年債利回りは8月に70ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上昇した。
  シューベルト氏は、イタリアをユーロ圏にとどめるためEUは譲歩する用意があるとみている。イタリアはユーロ圏にとって重要な国であり、2兆3000億ユーロ(約300兆円)の債務は救済するには大き過ぎるからだ。イタリア国債は多くの外国人投資家が保有しており、同国の政治混乱が悪化すれば世界の市場に衝撃を与えかねないとも同氏は指摘した。

原題:‘Unpredictable’ Italian Bonds Prompt Warburg to Reduce Holdings(抜粋)

 

2018年9月5日 / 15:40 / 3時間前更新
ドル111円半ば、1週間ぶり高値
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[東京 5日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日NY市場の午後5時時点とほぼ変わらずの111円半ば。海外市場でドルが買われた流れを引き継ぎ、一時111.71円と8月30日以来、約1週間ぶり高値を更新した。

東京市場の午前の取引でドルは一段高となった。実需の売買が集中する5・10日で、仲値公示と前後して買いの勢いが強まったという。そうした売買が一巡した午後には111円半ばへ反落した。

主要通貨の中で動きが目立ったのはオーストラリアドル。第2・四半期の実質国内総生産(GDP)が前年比3.4%増と予想の2.8%増を大きく上回り、6年ぶり高水準となったことが手掛かり。

発表を受けて豪ドルは対米ドルAUD=D3で0.71米ドル後半から0.72米ドル前半へ、対円AUDJPY=Rでも80円前半から半ばへ一時上昇した。

しかし買いが一巡すると、豪ドルは0.71米ドル後半、80円前半へじりじりと反落した。「低い賃金の伸び、伸び悩む物価、住宅価格の下落という3つの懸念が、まだしばらく金融政策正常化の妨げとなる」(外銀)という。

きょうの海外市場で注目を集めているのが、米国と北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を再開するカナダドル。同国のトルドー首相は「条件の悪いNAFTAであれば、離脱するほうが良い」としており、市場では「中国やトルコなど、トランプ米大統領とあつれきが生じる国の通貨は下落しやすい」(トレーダー)と下落予想が浮上している。

カナダ国内ではカナダ銀行(中銀)が政策金利を発表する。今回は据え置き予想が大勢だが、前月発表の7月消費者物価指数(CPI)が6年10カ月ぶりの大幅な伸びとなったほか、第2・四半期の国内総生産(GDP)も前期比年率2.9%増と1年ぶりの高成長となっただけに、市場では、声明を通じて10月利上げの可能性を見極めたいとする声が出ている。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 111.48/50 1.1590/94 129.24/28

午前9時現在 111.46/48 1.1585/89 129.14/18

NY午後5時 111.44/47 1.1581/83 129.07/11

為替マーケットチーム

 


325回 スイスフラン高と近づく米中間選挙【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】
有事、あるいはリスク回避相場に買われるとされるスイスフランが強含んでいます。EUとのブレグジット合意が難航する英国ポンドに対しては4月から、欧州通貨ユーロに対しても5月からスイスフラン高がトレンドとなっていますが、8月中旬からは足下で独歩高となっている米ドルに対してもスイスフラン高が進行しており、8月最終週は、米ドルの上昇を上回る最強通貨に躍り出ています。

ジャクソンホールシンポジウムでパウエルFRB議長が「物価上昇率は2%を超えて過熱するリスクはみえない」と発言してから、米長期金利は上値が抑制されてしまった印象ですが、 前回8月29日のコラムで指摘した「米国債の先物市場の過去最大規模の売り越しポジション」に変化が現れました。最新の米10年国債先物市場のヘッジファンドら投機筋のポジションは、過去最大にまで膨れ上がっていた70万枚の売り越しが、わずか1週間で17万枚も減少し53万枚程度となっています。金利は想定していたようには上がらないとみて、買い戻しに動いたことがうかがえる事象です。債券の買い戻しですから、債券価格は上昇しますが、利回りには下押し圧力となりますので、この流れが継続していくようなら米国金利上昇はしばらく期待できないということになります。

米国金利上昇が抑制的となるなら、これまで独り勝ちだった米ドル高に修正が入る可能性に対処しなくてはならない、という警戒が出てきたことが、スイスフラン高につながっているのかもしれません。ブレグジット合意で不安定なポンドや、トルコ向け債権のエクスポージャーが大きい欧州も、トルコリラ下落の底が見えない中では積極的に買いたくない、と考える投資家らによるスイスフラン買いでしょうか。リスク警戒が高まると日本円も買われるのが教科書的値動きですが、日銀が日本国債の長期金利をゼロ近傍に固定する緩和政策を継続している中において、積極的に円も買いにくいのが実情です。

また、市場の一部には「現代版プラザ合意」の噂が広がっています。米中貿易戦争では落としどころが見えない中、中国は人民元安を誘導しているように見え、トランプ大統領は中国とEUは為替操作していると繰り返し不快感を表しています。中国国営の新華社通信は1985年の「プラザ合意」で米国側の要求を受け入れた日本が経済的苦境に陥ったことを忘れるべきではないとする記事を配信しており、プラザ合意で苦しんだ日本に学べ、と警鐘を鳴らしています。こうした背景から、中国が人民元の切り上げに応じるのではないかとの観測が散見されるようになってきているのです。8月末、トランプ大統領は、政権が各国の為替操作の有無をどう決定するか検討していると述べており、にわかに10月の為替報告書にも注目が高まってきました。米国はこれまでも中国が為替を操作していると繰り返し主張してきましたが、公式には認定していません。トランプ大統領は「われわれはその方式を極めて精力的に検討している」と述べており、これまでとは違う方式での認定の可能性もあることを匂わせています。中国が人民元安を放置するようなら、為替報告書公表時期にはその可能性の高まりに警戒が強まることが想定されます。

中間選挙を控え、トランプ政権はこれまでの成果を強調してPRするだけでなく、懸念事項があれば是正に動く可能性は否定できず、足下で大きく上昇し始めたスイスフランはこうした懸念によるヘッジなのではないかと考えています。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。


 

豪州:4−6月成長率、約6年ぶりの高い伸び−予想上回る
Michael Heath
2018年9月5日 11:03 JST 更新日時 2018年9月5日 12:54 JST
GDPは前年比3.4%増、12年以来の高水準−予想2.9%増
家計支出は0.7%増、家計の貯蓄率は1%に低下
オーストラリア経済は4−6月(第2四半期)に予想を上回る成長を遂げた。家計が貯蓄を支出に回したことが寄与した。住宅価格下落や弱い賃金の伸びはそれほど響かなかった。

  豪統計局が5日発表した4−6月期の国内総生産(GDP)は前期比0.9%増となり、伸び率は予想の0.7%を上回った。1−3月(第1四半期)は同1.1%増に上方修正された。4−6月GDPは前年同期比で3.4%増と、2012年7−9月(第3四半期)以来の高水準。予想は2.9%増だった。

  キャピタル・エコノミクスの豪州担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「豪中銀は良好な景気動向を想定」しており、今回の統計を受けて利上げを急ぐ可能性は低いとしながらも、「市場は20年のいずれかの時点まで利上げはないとの見方を考え直し始める可能性がある」と述べた。

  家計支出は前期比0.7%増加し、GDP成長率への寄与度は0.4ポイント。家計の貯蓄率は1%と、1−3月期の1.6%(改定値)から低下した。

  豪ドルは上昇し、シドニー時間午後0時28分(日本時間午前11時28分)時点で1豪ドル=0.7213米ドルとなった。統計発表前は0.7189米ドルだった。  

原題:Australia’s Economy Expands at the Fastest Pace in Six Years (1)(抜粋)

(コメントや詳細を追加して更新します.)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/360.html#c9

[経世済民128] 中国はひどいことをする!  赤かぶ
9. 2018年9月05日 21:49:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1444]

とは言え、中国がひどいことをする というのは、そう間違いではない

 

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/367.html?c3#c3 

中国の産業育成策、驚くべき野心的目標−外国企業は事実上締め出しか


焦点:自動車各社、中国政府の「過剰設備対策」に戦々恐々

中国、アフリカ借金漬け批判に反論 政府高官「根拠ない」

コラム:中国一帯一路の「債務ドミノ」、次に倒れるのはどこか
 


2018年9月5日 / 14:45 / 4時間前更新
中国特使は太平洋フォーラムで「非常に傲慢」、ナウル大統領が非難
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[ウェリントン/シドニー 5日 ロイター] - 太平洋諸島フォーラムを主催するナウルのワガ大統領は、同フォーラムに派遣されている中国の特使が「非常に傲慢」で、首脳会議中に余計な口出しをするなど「いじめっ子」のようだったと非難した。

同フォーラムには18の太平洋諸国の指導者、および米国と中国を含む非メンバー国の代表団が参加している。

ワガ大統領は4日遅くの記者会見で「(ツバルの)首相が話そうとした際に中国の代表が発言を要求した」と述べた。これに先立ち、非公開の首脳会議で激しいやり取りがあったとのメディア報道が出ていた。

同大統領は「彼は非常に傲慢で、一介の当局者にすぎないのに首脳会議をかなり長く妨げた。彼は大国から来ているから我々をいじめたいと考えたのではないか」と説明した。

ナウルとツバルは台湾と外交関係を有する太平洋6カ国に含まれている。

中国外務省からは今のところコメントを得られていない。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/374.html#c9

[環境・自然・天文板6] やべぇって。今回の台風絶対やばいって。超半端ないって、映像・画像。 gataro
2. 2018年9月05日 21:51:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1445]
2018年9月5日 / 16:45 / 2時間前更新
よりグリーンな成長、2030年までの累積効果は世界で26兆ドル=調査
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[オスロ/ロンドン 5日 ロイター] - 経済と気候変動に関するグローバル委員会は5日に公表した調査報告書において、気候変動に対する強固な取り組みにより、現在から2030年までの間で、世界経済に対し、少なくとも26兆ドルの追加の累積効果をもたらすとの見方を示した。

トランプ米大統領は昨年、米国の負担になるとして地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を表明したが、同委員会は雇用や各国経済の押し上げにつながるよりグリーンな成長に向け「かつてないほどの勢い」があると指摘した。

同委員会が詳細な見通しに言及するのは、2014年の報告書以来。14年の報告書では、化石燃料からのシフトによる経済的機会に焦点を当てていた。

今回の報告書では、よりクリーンなエネルギーや都市、産業などへの投資が2030年に6500万人の新規雇用を創出する可能性があるとしたほか、化石燃料からクリーンエネルギーへのシフトにより、2030年には大気汚染による70万人の早期死亡を回避できるとした。

またエネルギーセクターにおける補助金改革と炭素価格の上昇により、政府の歳入額が2030年に年間で2兆8000億ドル増加する可能性があるとした。

トランプ大統領はパリ協定により、米国において2025年までに270万人の雇用が失われるとしたが、報告書では化石燃料セクターでの雇用喪失は、再生可能エネルギーや建設セクターでの雇用増加で相殺される以上になると指摘。報告書によると、米国の風力発電、太陽光発電での雇用は現時点で47万6000人という。
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/666.html#c2

[国際23] 「トランプの理解力は小5」 米高官の悪戦苦闘が暴露本に(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
3. 2018年9月06日 09:16:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1446]
トランプ氏に政権内部から抵抗−高官がNYT紙に匿名で論説投稿
Joshua Gallu
2018年9月6日 7:43 JST 更新日時 2018年9月6日 9:01 JST

論説の著者は自身がキャリア官僚でなく政治任用官だとしている
トランプ氏は著者を「臆病者」と批判−報道官は著者の辞任を要求

トランプ米大統領は政権内部からの組織的な抵抗に遭っている。ニューヨーク・タイムズに5日掲載された匿名の書き手による論説から明らかになった。抵抗する複数の人物は「トランプ氏のアジェンダの一部および最悪の性向を妨害する」ことを望んでいるという。

  トランプ政権の高官だとされる論説の著者は、自身と他の政府当局者が「大統領が職を退くまで、彼のさらなる間違った方向への衝動」を阻止することを誓ったと説明。「問題の根源は大統領の超道徳性にある。意思決定において認識可能な基本原則に大統領がとらわれないことは、彼と仕事をする誰もが知っている」と記した。

  ニューヨーク・タイムズは論説への補足で、同紙は著者が誰であるか知っているとした上で「われわれの読者に重要な視点を提供する唯一の方法は匿名で掲載することだった」と説明。性別不詳の著者は自身をキャリア官僚ではなく政治任用官だとしている。トランプ大統領の支持者の一部は以前からキャリア官僚について、大統領の弱体化を狙う「ディープ・ステート(政権の裏側に潜む闇の政府、伏魔殿)」と呼んで嘲笑してきた。


ホワイトハウスで記者団の質問に答えるトランプ大統領(9月5日)写真家:Susan Walsh / AP
  トランプ氏は5日のホワイトハウスでのイベントで、この論説は「侮辱」するものであり、著者は「臆病者」だと批判。書いたとされる高官は「恐らくあらゆる不純な動機からここにいるのだろう」と述べた上で、自分は2020年に再選されると宣言した。

  また大統領は5日遅い時間、ツイッターに「裏切り?」と投稿した。

  ホワイトハウスのサンダース大統領報道官は発表資料で、論説の著者は辞任すべきだと主張。「この記事の匿名の著者は正式に選ばれた米国の大統領を支えるのではなく、欺くことを選んだ」とした上で、「彼は米国を第一に考えず、米国民の意思よりも自身と自分のエゴを優先させている。この臆病者は正しいことを行い、職を辞するべきだ」としている。

  前日には著名ジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏の新著の抜粋が報道され、ホワイトハウスの上級スタッフの混乱ぶりや、トランプ大統領のリーダーシップおよび能力を軽視する高官らのコメントが暴露されていた。

  論説の匿名の著者は、「われわれの組織はよく知られる左翼の『レジスタンス』ではない」とし、規制緩和や税制改革、国防費増額といったトランプ政権の功績を挙げた上で、「しかし、こうした功績は、衝動的かつ敵対的で狭量な上に効果のない大統領のリーダーシップのスタイルにもかかわらず成し遂げられた。こうしたリーダーシップの故に成し遂げられたわけではない」と論じた。

原題:Trump Faces Internal Opposition, Anonymous Aide Writes in Times(抜粋)

(論説の詳細や大統領報道官の発表などを追加し更新します.).

 

 


 
 
歴史の終わり』のフクヤマ氏、米国政治を一刀両断
保守・リベラル対立は「アイデンティティ闘争」だ
2018.9.6(木) 高濱 賛
ロンドンで大規模な反トランプデモ、「赤ちゃんトランプ」バルーンも
英首都ロンドンのトラファルガー広場で、ドナルド・トランプ米大統領の訪英に反対するデモに参加した人(2018年7月13日撮影)。(c)AFP PHOTO / Niklas HALLEN〔AFPBB News〕

白人草の根大衆が求めた「尊厳」と「認知」
 日系米人政治学者、フランシス・フクヤマ氏の新著が9月11日に発売される。筆者は発売前に入手した。

 タイトルは 『Identity: The Demand for Dignity and the Politics of Resentment』(アイデンティティ:尊厳への要求と憤りの政治)。

 2011年に出版された『Political Order and Political Decay』以来7年ぶり。ドナルド・トランプ政権が発足して以降初めてとなる。

 フクヤマ氏は、「Liberal Democracy」(自由民主主義)が最終的な勝利を収めることで社会制度の発展が終わり、人類発展としての歴史が「終わる」という主張した著書『The End of History and Last Man 』(邦訳『歴史の終わり』)で世界的に注目された。

 その後、ネオコン(新保守主義派)の知恵袋的存在となったが、ジョージ・W ・ブッシュ政権のイラク政策を激しく批判。

 2006年以降はネオコンとは距離を置き、ネオコン支持路線に対するそれまでの主張を撤回している。

 そのフクヤマ氏がトランプ大統領をどう見ているのか。トランプ大統領の「ちゃぶ台返し」政治をどのように分析しているのか。トランプ政治を歴史的観点からどう位置づけるべきか――。

 アングロサクソン国家に現出した
「大衆ナショナリズム」の正体
Identity: The Demand for Dignity and the Politics of Resentment by Francis Fukuyama Farrar, Straus & Giroux, 2018
 実は、同氏は本書の構想を練っていたとされる2017年春、ワシントン・ポスト紙とのインタビューで2016年の米大統領選結果についてこう述べていた。

 「自由民主主義の古典的なアングロサクソン国家(英米)でポピュリスト・ナショナリズム(大衆民族主義)の波が生まれた事実は驚き以外のなにものでもない」

 「トランプ氏は、大統領職を全うするための準備もなく、その激しい気性や気質は到底大統領としては不適格な人物だ」

 「国際秩序を堅持するための米国の役割について公然と異議を唱えた米大統領はトランプ氏が初めてだ」

("Francis Fukuyama: Democracy Needs Elites," Alexander Gorlach, Washington Post, 3/2/2017、https://www.huffingtonpost.com/entry/francis-fukuyama-democracy-elites_us_58b5a2cfe4b0780bac2d8ea3

ネットで拡散された「大衆ナショナリズム」の危険性
 フクヤマ氏は、このインタビューの中で「トランプを生んだ政治状況」についてこう続けている。

 「トランプ当選の原動力になったのは、非都市圏の田舎に住む一握りの低所得で低学歴の白人たちだとされているが、これは氷山の一角に過ぎない」

 「インターネットの普及でポピュリズムは拡散し、情報を発信する『生産者』(Producer)と情報を受信する『消費者』(Consumer)との間で交通整理するものがいなくなったのだ」

 「取り残されたと感じていた消費者が生産者の発信に引きずられ、最終的にはトランプ氏を大統領候補に指名してしまった共和党自体に問題があるのだ。経済が好調な限り、(大企業と富裕層を守る)共和党は動かないだろう」

 本書は、こうしたフクヤマ氏の「トランピズム」に対する基本認識を尺度に米国そして世界が現在置かれている政治状況を歴史的観点に立って分析している。

イデオロギーでも「富の分配」でもない
保守・リベラルの政治論争
 トランプ大統領を支持する保守勢力とこれに反発するリベラル派との対立は激しさを増している。

 トランプ氏は大統領に就任するや、大統領選で公約してきた通り、米経済力の強化を目指し、「米国第一主義」を掲げて国際社会における米国の負担を軽減策を次々と打ち出した。

 バラク・オバマ前大統領が「レガシー」(遺産)としてきた国内外政策を次々とひっくり返してきた。

 一見、「小さな政府(限定的自治)」を標榜する保守派(共和党)と「公正な富の分配(経済的平等)」を唱えてきたリベラル派との政策上の対決のように見える。

 ところが、フクヤマ氏はこれは従来のような「パイ」の分配を巡る経済闘争でもなければ、イデオロギー闘争でもない、と言い切る。

 「左(リベラル派)は阻害されてきたより広範囲なグループ(マイノリティ)の利益を追求、右(保守派)は人種、民族、宗教などと直結する従来からの白人のアイデンティティ(自己同一性)*を堅持・強化しようとしたことで政治闘争が激化してきた。

*アイデンティティ=自分が何者であるかを知り、私が私であることを確信すること。米精神病理学者のE・H・エリクソンが使い始めた概念。

「自らの尊厳を社会に認めさせたがる」
人間の性(さが)
 言い換えると、この政治闘争は物質的な利益を巡る対立というよりも自らの存在を社会に認識させようとするアイデンティティ闘争なのだ。

 これは米国だけの問題ではない。

 現在どちらかというと国際社会の主役の地位を確実にしていない、かって「大国」として認められた国家だったロシアや中国やハンガリーに『権威主義者』が登場し、世界秩序にチャレンジしているのも、このアイデンティティの問題にあるのだ。

 フクヤマ氏はこうした現実を「Identity Politics」と表現している。「アイデンティティを巡る政治闘争」とでも訳すべきか、フクヤマ氏はこう記述している。

 「現代社会において個々のアイデンティティは極めて重要になっている」

 自らが認識している正真正銘の内面的自己と外部に存在する社会的ルールや基準との間にはギャップがある。外部が自分自身の価値や尊厳を的確に認識していないという苛立ちである。

 内面的自己とは人間としての自分の尊厳である。これは時として変化する。

 かっては戦争で命を落とすことも厭わぬ兵(つわもの=Warrior)に与えられた。

 しかし現代では社会を構成する主体としての人間一人ひとりに尊厳は示されるようになってきた。

 内面的自己は、自らに対し社会が尊厳を示すことを求める。自らに対する尊厳を社会が認識することを求める。

 個々が自らの尊厳を認めるよう要求する行為は即「アイデンティティを巡る政治闘争」への発展していく。

 その政治闘争は、米国内では新しい社会運動を引き起こしている。

 ポピュリスト・ナショナリズムやイスラミズム(イスラム教主義)、大学キャンパスでの政治論争がそれである。

 ヘーゲル*はかって『個々人が自らの尊厳を認識するよう求める闘争は究極的には人間の歴史の推進力だ』と述べたが、まさにその通りである。

*オルグ・ヘーゲル=ドイツ観念論を代表する哲学者(1770〜1831)

 フクヤマ氏によれば、「Identity Politics」は米国内においては、個々人や個々のグループが自分たちの尊厳を社会が認めていないことへの「憤り」を燃え上がらせているという。

 ミズリー州ファーガソンやボルチモア、ニューヨークなどで起こった警官による黒人殺害事件は、黒人の若者を「Black Lives Matter」として立ち上がらせた。

 大学キャンパスはじめハリウッドや政界で続発する「強者」によるセクハラ行為は「#Me too」運動として燎原の火のように広がっている。

トランプ支持者とプーチン支持者の共通項
 「ドナルド・トランプ氏に票を投じた多くの人たちは白人でありさえすれば、白人優先社会を謳歌できた過去を思い起こした人たちだ」

 「『Make America Great Again』というスローガンはまさに過去への回帰を願望するものだった」

 「これはかっての超大国ロシアへの回帰を誓うロシアのウラジミール・プーチン大統領を熱烈に支持するロシア人とも共通している」

 元々アパラチア山脈周辺に住む低学歴で低所得層の一握りの白人によってスタートした「Identity Politics」が生んだトランプ大統領とその政権。

 この政権は今後どうなっていくのか。

 ロシアゲート疑惑を巡る捜査が今なお続く中で、トランプ大統領の政権運営は不安定な状態が続いている。

 自らに不利な報道がなされると。トランプ大統領は「フェイクニュース」だと激怒する。メディアを「国民の敵だ」と面罵する。

「民主主義はエリートによるコントロールが必要」
 フクヤマ氏は、前述のワシントン・ポストとのインタビューでこう指摘している。

 「現状を改善のための特効薬はない。・・・インスティテューション(制度)はエリートによってコントロールされてきたという見解には賛成できない」

 「インターネットの登場でエリートはその影響力を失いつつある。民主主義というものは、おそらくある程度エリートがコントロールしなければ正常には機能しないと思う」

 「もっとも、果たしてそうなのか、今後の行方を見てみないと分からないが・・・」

 この記事の見出しは「Democracy Needs Elite」(民主主義はエリートを必要としている)である。


 

 


米国株の下落に備えよ−ゴールドマンとシティが警戒促す
Lu Wang
2018年9月6日 5:13 JST
米国株に対する投資家の楽観が強まる時は、ウォール街からの警告も高まる。

  投資家の楽観が年初来最大の下落局面を示唆する水準に達したことから、シティグループは新たな相場下落が待ち構えている可能性があると警戒を促した。一方、ゴールドマン・サックスの強気・弱気相場指数は、バリュエーション(株価評価)の高さや労働市場の引き締まりを追い風に、警戒水準に達した。

  これは強気相場が間もなく終了すると意味しているわけではない。それでも、ゴールドマンのピーター・オッペンハイマー氏らストラテジストは、S&P500種株価指数が年19%上昇した9年半を経て、今後数年はリターンが低下することに投資家は備えるべきだと指摘した。同社の強気・弱気相場指数は1955年以降、S&P500種のリターンと強い相関性があり、ピーク値を付けた時期は直近2回の弱気相場開始時に一致する。現在それは「赤の点滅灯を放っている」と、ストラテジストらは言う。

  8月には、息の長い株価上昇を受けて少なくとも2人のストラテジストがS&P500種の18年末予測を引き上げたばかり。今回の警告は、そこから風向きが変わったことを示している。


  相場上昇についていこうとする強気派があまりに多いことを踏まえ、シティグループのトビアス・レブコビッチ氏らストラテジストは、2月と同様、5日発表の米雇用統計が売り手掛かりになる可能性があるとして、リスクを伴うエクスポージャーを減らすよう投資家に促した。「賃金上昇ペース加速の可能性に加え、米金融政策や地政学事象、貿易制裁、海外経済の軟調なども相まって、5%下がるような下落局面が再び起こる可能性がある」と指摘。「手掛かり材料を特定するのは常に困難だが、今では脆弱(ぜいじゃく)性が存在する」と記した。

  証拠金負債からオプション取引、ニュースレターの強気度合いなど広範な要因を考慮に入れたシティのパニック・ユーフォリア・モデルはこのほど、投資家の楽観が1月以降で初めて極端な水準に達したことを示した。1987年以降、このような水準を付けた時は、70%の確率でその後12カ月に株価が下落している。


原題:Goldman Sachs Joins Citigroup in Flashing Warnings on S&P 500(抜粋)


 

 

2018年9月6日 軽部謙介 :時事通信解説委員
日米新通商協議、「戦略的曖昧さ」はトランプに通用するか
軽部謙介の米国ウオッチ
日米貿易問題を話し合う新通商協議が始まりました
Photo:PIXTA
 米通商代表部(USTR)の建物は小さい。

 ワシントンを南北に貫く17番通りをはさみ、ホワイトハウスの実働部隊が入居する巨大な「オールド・エグゼクティブ・オフィス・ビル(OEOB)」の真ん前に立つので、校舎のようなたたずまいがひときわ目立つ。

しかし、その建物は南北戦争当時、北軍の司令部に使われた由緒あるもの。当時はリンカーン大統領が頻繁に訪ねてきたという逸話も残る。

 2階にある小さな会議室は、この建物で唯一、各国との交渉に使われる部屋だ。大きなテーブルが置かれ十数人も入れば満員になるこの会議室で、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザーUSTR代表が向かい合ったのは8月9日。

 日米の閣僚級による新通商協議(FFR)の第1回会合だった。

日米交渉の歴史刻む
会議室で始まったFFR
 この部屋には日米経済交渉の歴史が詰まっている。

 特に1980 年代から90年代にかけて摩擦が激しかったころ、クレイトン・ヤイター、カーラ・ヒルズ、ミッキー・カンターら歴代のUSTR代表は、日本から訪れた閣僚たちをここで迎えた。そして、日本市場の開放を、時には猫なで声で、時には激しい口調で迫った。

 会議室はUSTR代表の執務室とドア1つでつながっている。交渉が難航すると、日本の閣僚はよくこの執務室で「一対一」の会談を強いられた。

「日本では経産省や外務省など官僚の力が強い。大臣たちにはゆがめられた情報が吹き込まれている。米国の主張を分からせるには一対一が効果的だという思いがあった」

 当時、日本側と対峙したUSTRの元担当はこう回顧する。ライトハイザー代表も前例に倣ったのか、茂木担当相を執務室に案内し、サシの会談を行っている。

 だが茂木・ライトハイザー会談で、何か結論めいたものが出たわけではない。

「今回はお互いが基本的な考え方を主張しただけ。今後のことは9月の第2回会談で」と外務省の関係者は話す。当初の予定を延長し2日間にわたった会談だったが先行きは見えないままだ。

自動車制裁関税の回避求めた日本
「それはトランプ大統領が決める」
 日米の新通商協議は「FFR」と呼ばれている。「自由(free)」「公正(fair)」「相互的(reciprocal)」の頭文字をとっており、4月の日米首脳会談で設置が決まった。 ただここで何を話し合うのかは明確ではない。第一回会合もそれを象徴するような展開だった。

 出発前、日本政府代表団は今回の訪米を「米・EUのようなものにする出発点」と位置付けていた。

 2週間前の7月25日、トランプ大統領と欧州委員会のユンケル委員長による首脳会談で、(1)自動車以外の工業品への関税撤廃などで協議を開始(2)米国産液化天然ガス(LNG)の輸入拡大(3)協議中の自動車・同部品への追加関税の回避――などが合意された。

 日本政府代表団はこれをモデルにし、交渉での最優先の狙いを「自動車への制裁関税課税の回避」に設定していた。

 トランプ大統領は「自動車の対米輸出が安全保障を脅かしていないか」という調査を商務省に命じている。9月初めには結論が発表されるとみられているが、自動車輸出が「安全保障上の脅威だ」となれば、制裁関税を課すことが可能になる。その税率は20%とも25%ともいわれており、世界的に大きな経済的影響が出ると懸念されている。

  大和総研の試算によると、日本経済に対しても最大で4兆円程度のマイナスのインパクトが生じる可能性がある。

 今回の協議で、日本側は自動車の制裁関税から日本を除外するように要請した。だが米側は「それは大統領が決めることだ」と、曖昧な姿勢に終始したという。

 おそらくこれは、「今後日米がどのような交渉を進めるかにかかっているぞ」というシグナルなのだろう。

 つまり米欧首脳会談で、EUが米国産LNGの輸入拡大を約束したように、トランプ大統領が何か獲得できる「取引」でなければ、自動車での制裁関税回避は確約できないということだ。

 米国は2国間交渉を重視するトランプ大統領の下、政権発足直後に環太平洋連携協定(TPP)から離脱。日本側に自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉開始を求めてきている。一方日本政府はあくまでもTPPを重視。米国離脱後に残った11 ヵ国とTPP11を結成しながらも、トランプ政権に復帰を呼び掛けている。
 
 かつての日米摩擦の時代は、日本の輸出攻勢にさらされた米企業や業界団体が議会にロビー活動をかけ、議会に保護主義圧力が強まる中で、米政府が問題解決の対日交渉を担うパターンだった。

 だが現政権では、通商政策はすべてトランプ大統領次第といってもいい。

「米国第一」を掲げるトランプ大統領が、大統領選に勝利する力になった工業地帯の白人労働者らの利害を意識しながら、時に、中国や北朝鮮との安全保障問題と貿易を「取引」するようなやり方で通商政策も主導してきた。

 しかも自由貿易や「公正」などといった理念やこれまでの政策の継続性よりも、その時々の状況の下で、現実的な成果を得ることが優先されてきた。

 USTR自身もこうした大統領の言動に振り回され、きちんとした通商戦略を構築しきれないでいるのが実情だ。

かつてと違う対日姿勢
通商政策の重点は中国に
 日本に対する米国の姿勢もかつてとは違う。

 FFR協議を終え、日本側のある交渉者はこういう表現で日米の現在位置を語った。

「昔、USTRのあの部屋で語られたのは、日本の市場は閉鎖的だ、米国の製品をもっと買え、構造的に米国製品が排除されているなどなど、日本市場への参入に関する事柄が多かった。しかし、今の米国は違う。彼らは言葉では市場開放的なことを言うが、もうその点を重視はしていない」

 外務省の幹部もこう話す。「トランプ政権にとって、日本市場は視野に入っていない。むしろ彼らが欲しているのは、現実に米国の雇用を増やす米国内への投資だ」

 日本側はその分析に基づき、世耕弘成経産相が7月下旬から8月初旬にかけて米中西部を回り、日本の投資がいかに米国で雇用を生み出しているかなどを強調した。特に米自動車産業の「聖地」であるミシガン州デトロイトでは、「市長、商工会議所会頭など地域の地元有力者と面談し、投資を通じた日本企業による米国経済への貢献などについて意見交換を行いました」(経産省のホームページ)という。

 日米摩擦が激しいころ、日本の閣僚がデトロイトを訪問するなどということは想像もできなかった。敵の本丸に切り込むイメージで受け取られ、米国に余計な刺激を与える恐れがあったためだ。

 今回大きな騒ぎにならず世耕経産相がデトロイトを訪問できたのも、日米経済関係の大きな変化の結果かもしれない。 だがこの変化は、日本政府が対応できる余地を少なくしている面もある。

 米国の要求が輸出増のための市場開放や規制緩和が中心だった過去の日米交渉では、米国の要求に日本が譲歩し、業界などを説得して輸出自主規制などの「落としどころ」を作ってきた。

 だが企業がグローバルな経済活動を展開する今では、企業の対米投資を増加させるといっても、政府のやれることには限界がある。

 もう1つの変化は、米国の通商政策の焦点が中国に移っているということだ。

 経産省の関係者は「トランプ大統領は中国に対し、貿易黒字を半分にしろと言っている。これはクリントン政権時代に『日本の黒字を対GDP(国内総生産)比で2%以下にせよ』と迫ってきた数値目標要求と全く変わりがない。しかし、日本の黒字については、中国と同じように大統領の選挙運動期間中から批判してきたのに、半減せよなどと言っていない。そこにはメッセージの違いがある」と話す。

 USTR2階で日米の閣僚が激しくやりあっていた時代の最終局面で、米国内には「ジャパン・ファティーグ(日本疲れ)」の雰囲気が広がり、最終的には「ジャパン・パッシング(日本回避論)」につながった。日本に対してはその流れが今に至っている状況だ。

 その一方で、現在、政治的にも軍事的にも中国の台頭を抑制しようとする米国は、対中交渉に「疲れ」を感じるわけにもいかないし、ましてや「回避」するわけにもいかない。

 中国との激しい摩擦は長期戦の様相の一方で、日米新通商協議の焦点が見えにくいのは、 こうした米国の軸足の変化が影を落としている。

「戦略的曖昧さは強み」と
日本政府当局者は言うが
 一方で日本政府当局者の一人は「曖昧さ」がFFRの強みになると指摘する。

 今の日米経済関係はTPPとFTAの関係を整理しないと前に進めない状況だが、「米国から見ればFTA交渉をやっているように見えて、日本から見ればTPPにつながる話し合いをしているような場としてのFFR」-

 こんな、「謎解き」のような、外見的に漠然とした話し合いができないか模索しているのだとこの当局者は言う。

「非常に分かりにくいが、トランプ政権の顔を立てつつ、米国のTPP復帰にも結び付けられるという一石二鳥が狙える。話し合いを始める前提として欧州のように『協議の間は自動車に追加関税を課さない』という言質もとれれば、当面の日本の優先課題はクリアできる」

 だが思惑通りにいくのかどうか。

「戦術的曖昧さ」を伴ったFFRとはいえ、FTAを志向するにしても、あるいは米国のTPP復帰を画策するのにしても、どこかの段階で「何を、どのように、いつまでに協議するのか」という議題は設定しないといけない。

 9月に入れば第2回会合の日程設定を含めて日米間での水面下の話し合いが加速していくはずだ。

 ただ、日本政府高官が「それでもスタートにすぎない」というように、9月以降のFFRは、11月の米中間選挙、来夏の日本の参議院選挙など、政治日程もにらみながら具体的な中身についての検討を進めるとみられる。

 特に農業という政治的に微妙な分野を抱える日本にとっては「TPP以上の譲歩はしない」という一線を守れるのかが大きな焦点になる。

 時代の変化を意識しながら、曖昧さの残るFFRで日本政府当局者たちが米国との話し合いのテーブルにつくのはやむを得ないことだが、「曖昧モード」がずっと続いていくとも思えない。

(時事通信解説委員 軽部謙介)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/793.html#c3

[経世済民128] 日銀は国債買入の回数を減少、その目的は何か --- 久保田 博幸  赤かぶ
4. 2018年9月06日 21:34:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1447]
長期金利弾力化は緩和弱める、ゼロ%が有名無実化:片岡日銀委員
日高正裕、竹生悠子
2018年9月6日 11:03 JST 更新日時 2018年9月6日 15:47 JST
2%物価目標の達成が後退、望ましいのは緩和の強化
フォワードガイダンスは現状追認以上の効果があるのか判然としない

The Bank of Japan (BOJ) headquarters stands in Tokyo, Japan. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日本銀行の目指す2%物価目標の達成見通しが後ずれする中、片岡剛士審議委員は6日、7月の金融政策決定会合で導入した長期金利の弾力化ではなく、金利をさらに低下させる追加緩和が必要との見解を明らかにした。横浜市内での講演と会見で述べた。

  片岡委員は、長短金利操作は上昇圧力がかかる局面で長期金利をゼロ%にとどめることで緩和効果が強まるというのが利点の一つとした上で、弾力化は緩和効果を弱め「誘導目標を不明確にする」と指摘。ゼロ%程度の操作目標が「徐々に有名無実化しうる」と懸念を示した。

  物価上昇率や予想インフレ率が十分に引き上がっていない中で長期金利上昇を許容した場合には、「物価目標の達成が後退することになりかねない」と分析している。物価低迷やリスクを考慮すると、望ましいのは追加緩和など「金融緩和自体を強化すること」と述べた。金融市場では緩和の副作用は顕在化していないという。

  日銀は7月の金融政策決定会合で、緩和策の持続性を高めるため、ゼロ%の長期金利の変動幅を上下0.2%程度に拡大。「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とのフォワードガイダンス(指針)も導入した。片岡委員は原田泰審議委員とともにいずれも反対票を投じた。

  片岡氏はフォワードガイダンスを、政策委員の物価見通しや2%目標に距離がある状況からの「合理的帰結」と言える内容とし「現状追認以上の効果があるのか判然としない」と批判した。

  日本経済を巡るリスクとしては、貿易摩擦の深刻化を挙げた。企業や投資家の心理悪化を通じて設備投資の停滞や株安につながれば、「世界経済への影響は無視できないものとなる」とし、「これまで以上に海外経済の動向には注意が必要な情勢だ」と話した。

  北海道で6日午前3時すぎに発生した地震により、道内全域で停電が発生するなど企業活動に影響が広がっていることについては、「日銀としては情報収集に努め、経済への影響を注視していきたい」と述べた。

(会見での発言を追加します.)


 

 


 

[FT]金融危機に学ばぬ当局
2018/9/6 2:00日本経済新聞 電子版
Financial Times
 ジョン・メイナード・ケインズは1942年、こう書いている。「私は再び財務省に戻ってきた……だが、一つ大きく違うことがある。18年にほとんどの人の頭にあったのは、14年(の第1次大戦開戦)以前の世界に戻りたいということだけだった。だが今、39年について、そう(第2次大戦勃発前に戻りたい)と感じる人はまずいない。今の戦争が終わった後、どんな世界を目指すのか、以前の世界に戻りたいと考えるのかどうかで大きく変わってくる」――。

James Ferguson/Financial Times

 彼が指摘した通り、戦前とは異なる世界を目指したことは、確かに世界を大きく変えた。大恐慌と第2次大戦を経験した人たちは、大きな変化を求めていた。そして、それを手に入れた。フランスではその時期を「栄光の30年」と呼んでいる。

 70年代のスタグフレーションは大変な反動を引き起こした。その結果、80年代に入ると政府や市場の役割、マクロ経済政策の目標、中央銀行の使命についての考え方は大きく変化する。この時も、根本的変革を起こすことが再び目標となった。

 では、2008年の金融危機後は何が起きたのか。政治家と政策当局は、我々を過去へ連れ戻そうとしたのか、それとも過去とは異なる未来に導こうとしたのか。答えははっきりしている。前者だ。

 公平を期して言えば、よりよい過去に戻そうとは努力した。1918年がまさにそうだった。悲惨な戦争がようやく終わったばかりだったから、平和について「集団安全保障」や「国際連盟」など、新しい考えが提案された。だが経済に関する限り、政策当局は第1次大戦前に戻そうと、特に金本位制への回帰を望んだ。つまり18年に彼らが求めたのは、国際関係に関してよりよい過去に戻ることだった。一方、2008年の危機後に政策当局が望んだのは、金融規制に関してよりよい過去に戻ることだった。どちらのケースでも、それ以外のことは以前のままである。

 危機直後の政策当局の主たる目的は救済となる。金融システムを安定させ、需要を回復させることだ。これを達成できたのは、政府のバランスシートに目をつぶって破綻した金融システムの立て直しを最優先し、金利を引き下げ、裁量的財政拡大は抑えつつ当面の財政赤字の急増を容認し、新たに複雑な金融規制を導入したからだ。これで1930年代のような経済の破綻は免れ、景気回復を(弱々しいながらも)実現できた。

 注目すべきは、これらの措置が危機前の政策的コンセンサスにいかに忠実かという点だ。中央銀行はその使命の通り最後の貸し手として機能し、マクロ経済の安定化でも中心的役割を果たしたが、これも危機前のコンセンサス通りである。中央銀行が使う主な手段も、相変わらず金利だった。今回は短期金利がゼロに達したため、長期金利も操作対象になった。危機の最悪期を脱すると財政政策は緊縮に転じた。いくらか借入比率が下がり、流動性に関する基準が強化され、規制が厳格化されはしたが、金融システムはほぼもとのままだ。民間部門の債務縮小は小幅にとどまった。

 金融危機は自由市場の悲惨な失敗であり、しかも多くの国で格差が拡大した時期に続いて起きた。にもかかわらず1970年代とは異なり、政策当局は政府と市場の相対的な役割を真剣に問い直そうとはしなかった。彼らの古い常識では「構造改革」とはいまだに減税と労働市場の規制緩和を意味し、格差への懸念は表明しても、対策はほとんど講じていない。政策当局は、増え続ける債務に需要が依存していることの危険性にまだ気づいていない。独占や、一方の利益が他方の損失になるだけで市民の福祉拡大につながらないゼロサムの経済活動がはびこっている。今なお続く金融部門の膨大な取引がどれほど価値を生み出しているのかと疑問視する向きもほぼない。前回以上に大規模な金融危機が発生するリスクがあることを認識している人もほとんどいない。

 危機以後、いや危機前から多くの市民が困窮し、様々な問題に直面していることはさておくにしても、政策当局がこのように無為無策では、ポピュリストが幅をきかすのも無理はない。政治は真空状態を嫌う。トランプ米大統領やイタリアのサルビーニ副首相らが口にするような危険で国を分断するような主張がすぐ真空を埋めてしまう。多くの人の不満のはけ口となるような政策を訴えれば、それなりに支持は得られる。

 こうした状況を前にしても、金融危機前の常識を疑う向きがないことには驚く。70年代のケインズ政策は大失敗に終わったが、危機前に主流だった政策が招いた低成長とマクロ経済の不安定さに比べると、後者の問題の方が大きいのに危機前の定説をまだ信じているとはどういうことだろう。さらに衝撃的なのは、次の大規模な危機はおろか、次の大きな景気後退をうまく乗り切れるとの自信さえほとんどないのに、危機前の定説をまだ信じている点だ。

 この危機感のなさは何か。よいアイデアがないことが一因かもしれない。経済学者ニコラス・グルーエン氏は最近の論文の中でまさにそう主張している。だが、実行できる手はある。例えば、住宅購入はローンを組むのではなくエクイティ・ファイナンスでまかなう(編集注、英国で導入されている手法で、リスク分散のために金融機関にも住宅の一部を保有してもらい、購入者は金融機関に支払いを続けることで所有権を手に入れる)。債務の金利負担を税控除から外す。企業経営陣の成功報酬にメスを入れる。銀行の自己資本比率の要件をもっと引き上げても成長に打撃にはならないなど、提案は様々ある。中には、なぜ中央銀行に口座を持てるのは銀行だけなのか、市民全員が持てばよいとか、一般の銀行には保有する預金額を上回る融資をさせてはならないといった意見もある。

 金融以外の分野の課題もある。知財権保護は行き過ぎの面があるようだ。また、なぜ土地課税重視に切り替えないのか、なぜキャピタルゲイン課税を機能しないまま放置しているのか、独禁法をなぜ再度、強化しないのか、といった見方もある。

 こうした問題をすべて網羅するようなイデオロギーは、今はまだ登場していないかもしれない。それはそれでよいかもしれない。だが、できることはある。政府が無策である理由として考えられるのは、既得権益者の強い影響力だ。現在の一部の企業が高い利益率を誇る経済を、それが自由市場経済だと主張する向きもあるが、結局のところ、政治的影響力を握る情報に通じたインサイダーが巨利を得る仕組みになっている。

 だが政治の中枢にいる人たちの危機感のなさは、市民の間に過激な怒りを招く。市場経済と自由な民主主義を信奉する人々がもっとよい政策を打ち出さなければ、扇動政治家らが選挙で勝利を収めるだろう。

 2008年の危機の前より少しましな社会にすれば、事態は改善すると考えていたら大間違いだ。人々が求めているのは、過去よりましな世界ではなく、よりよい未来だ。(5日付)


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米経済にスタグフレーションのリスク、確率25%−ルーミスのファス氏
Finbarr Flynn
2018年9月6日 15:47 JST
貿易制限が米経済の足かせになるとともにインフレ圧力も高める
スタグフレーションのわな、米金融当局にも鮮明になりつつある
トランプ米政権が関税や経済制裁を拡大することによって米経済がスタグフレーションに陥る確率は4分の1。ルーミス・セイレスのダン・ファス副会長がこのような見方を示した。

  ファス氏(84)は今週、東京でブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「貿易制限が増え続ければ明らかに、米経済はスタグフレーションの環境に入る」と語った。「米金融当局に対する圧力は利上げを迫るもので、当局の最大の懸念は地政学的リスクだ」と分析した。

  米経済が高インフレと景気停滞に見舞われていた1970年代に債券運用に携わった同氏は、「金融当局のレーダーにスタグフレーションのわなは大きく映りつつあるだろう」と述べた。貿易制限は米経済の足かせになると同時にインフレ圧力を高めると同氏は説明。スタグフレーションになると考えているわけではないが、リスクは「非常に深刻だ」と付け加えた。


原題:Loomis’ Fuss Sees Risk of U.S. Stagflation Amid Trade Fights (1)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中


 


米利上げ、あと2回で米株は弱気相場入りも―スティーフル
Cormac Mullen
2018年9月6日 16:08 JST
米連邦準備制度があと2回利上げをすれば米国株は弱気相場入りする可能性があると、スティーフル・ニコラウスが指摘した。
  米当局が年内にあと2回利上げをすると、いわゆる中立金利に基づいた指標が弱気相場入りを引き起こすラインを超える。ストラテジストのバリー・バニスター氏が5日の顧客向けリポートに記述した。この指標は2000年と07年の株売りを正しく予想したという。

原題:Two More Fed Hikes Could Trigger a Bear Market, Stifel Says(抜粋)


 


ECBメルシュ理事:インフレ安定確保、金融安定に優先する
John Ainger
2018年9月6日 19:54 JST
欧州中央銀行(ECB)のメルシュ理事は、インフレの安定確保が金融安定を巡る懸念に優先されなければならないとの認識を示した。

  メルシュ理事はフランクフルトで講演し、欧州連合(EU)の法律で価格安定がECBの第一の責務であると明記されていると指摘。また、2%弱のインフレ率という目標は測定が容易であることから、消費者物価の監視は中銀に適した仕事だと述べた。

  「金融の安定が価格の安定に優先することはあり得ない」とし、「この二つの間で一定のトレードオフが必要になる場合、EU条約は価格安定が最重要だと定めている」と言明した。

  EUは今週末にウィーンで財務相・中央銀行総裁会議を開き、ユーロ圏が金利上昇に対処できるかなどについて議論する。

原題:Mersch Says ECB Must Put Inflation Before Financial Stability(抜粋)


 

 
新興市場に一段の痛みか、指標は新たなマイナス域突入示唆
Brandon Kochkodin
2018年9月6日 10:51 JST

  一つのテクニカル指標を見る限り、新興国市場株の下げ止まりを探っている投資家は、近い将来にそれが実現することを期待すべきではない。トレンドのピークや転換を見つけ出すGTI・VERA収束拡散法は、iシェアーズMSCI新興市場ETFが新たなマイナス領域へ突入しつつあることを示している。このシグナルは、8月末に下落を再開した同ETFの下げがさらに勢いづいていることを示唆する。
    
原題:Emerging Markets Sell-Off Seen Accelerating by One Gauge: Chart(抜粋)

 

 
メキシコ・ペソもついにマイナスか−新興市場で今年唯一の勝ち組通貨
Selcuk Gokoluk
2018年9月6日 12:13 JST
• ペソの対ドル年初来上昇率、わずか0.6%にまで縮小
• カナダ抜きのNAFTA交渉は決裂するリスクあるーコメルツ銀
新興市場通貨で年初来の対ドル騰落率が今なおプラスで推移している通貨がただ一つある。もっとも、その通貨も今や負け組入り目前だ。
  メキシコ・ペソは5日、対ドルで0.8%安の1ドル=19.5490ペソと、主要新興国・地域24通貨の中で南アフリカ共和国・ランドに次ぐ下落率となった。北米自由貿易協定(NAFTA)を巡る米国との交渉が楽観視され、ここ数週間は相対的に堅調に推移してきたペソだが、足元では年初来上昇率がわずか0.6%にまで縮小。新興市場が次々と危機に揺さぶられる中、感染被害を受けている。
             

          
  コメルツ銀行の為替戦略責任者、ウルリッヒ・ロイトマン氏(フランクフルト在勤)は「全ての新興市場通貨が広範にわたる悪影響を受けている」と述べた上で、NAFTAについては「特に良いニュースだとは思わない。カナダ抜きでは米国とメキシコの交渉も決裂するリスクがある」と語った。
      
アルジェブリス・インベストメンツのポートフォリオマネジャーのアルベルト・ガロ氏、新興市場についてコメント
出所:ブルームバーグ
原題:2018’s Only Winning EM Currency Is Close to Joining Losers Club(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/377.html#c4

[経世済民128] 日本衰退の原因の1つは「過剰な要求」 --- 内藤 忍  赤かぶ
1. 2018年9月06日 22:09:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1448]

>日本人宿泊客は、大してお金も落とさないのに、文句ばかり言って、悪評を巻き散らず迷惑な存在
>小さなミスさえ許さないという風潮は、最近の日本ではさらに強くなってきている

超少子高齢化と経済停滞が進むと、そういう人も増えるのだろうが


>新興国のローカルから見ると「過剰な要求」で、オーバースペック

過剰かどうかは、結局、顧客の支払い(需要)とのバランスになる

食や化粧品など、安全を重視する分野では、日本製の魅力は高い

中国企業が日本で製造を開始したりもしているし

アベノミクス円安のおかげもあり日本企業の回帰も起こっている

「日本製」は売れるから?中国企業が日本で製造した歯ブラシ...|レコード ...
https://www.recordchina.co.jp › 経済
2018/04/11 - 10日、観察者網は、中国企業が中国市場向け高級歯ブラシの生産拠点を日本に設け、量産を開始したことを伝えた。資料写真。 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/387.html#c1

[自然災害22] 北海道で震度6強…インフラ壊滅、泊原発の外部電源が喪失(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
1. 2018年9月06日 22:10:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1449]
主要ニュース(共同通信)2018年9月6日 / 18:20 / 1時間前更新
最大火力の一斉停止を想定せず
共同通信
1 分で読む

 経済産業省は6日、地震による北海道全域の停電について、北海道電力が同社最大の火力、苫東厚真火力発電所(厚真町)が一斉に停止する事態を想定していないことが一因だとの見方を示した。経産省は広い地域で停電が長引くとし、病院などの自家発電機への燃料供給を急ぐ。懐中電灯やランタンを確保し、北海道に輸送する構えだ。全面復旧には少なくとも1週間かかる見通し。

 経産省は6日午後5時現在で約34万戸が復旧したと発表。約261万戸が依然停電している。

 経産省によると、苫東厚真は全3基で出力計165万キロワット。北海道電は3基が同時に停止する事態は検討していなかった。

【共同通信】

北海道地震、ゆうちょATM「全域停止」 金融も影響
信組「営業停止」も
2018/9/6 15:24日本経済新聞 電子版
 大規模な停電を引き起こした6日の北海道地震。地方銀行や信用金庫・信用組合の店舗が閉鎖を余儀なくされたほか、被害が小さかった地域でもATMの運営に大きな影響が出た。ゆうちょ銀行は北海道全域でATMが停止。電力問題を通じ、広域で生活への影響が出ている。

停電で交差点の信号が消え、大通公園にあるテレビ塔の時計表示も消えた(6日午前、札幌市)
停電で交差点の信号が消え、大通公園にあるテレビ塔の時計表示も消えた(6日午前、札幌市)

 北海道内の地銀2行は半分以上の店舗で営業を中止した。北洋銀行は道内170店舗のうち札幌本店を含む主要地区の約50店のみ開店。北海道銀行は140店のうち27店を開いた。

 建物の倒壊や人的被害は軽微だったが、自家発電量に限りがあるため6日はATMの稼働時間を従来より短縮する方針だ。営業しなかった店舗では職員が出入り口の前に立ち営業中の店舗に顧客を誘導した。

 道内の20信用金庫も自家発電能力を備える本店など一部の店舗に限って開店した。日銀札幌支店によると、いずれの信金も少なくとも本店は自家発電で営業している。北海道信用金庫(札幌市)は札幌市内の本店を含め3店舗のみ開店した。

 札幌中央信用組合(札幌市)は全店で営業停止。7日は全16店のうち5店舗で、現金引き出しに対応するという。北央信用組合(札幌市)や十勝信用組合(帯広市)、函館商工信用組合(函館市)は停電の影響で現金の緊急払い出しのみ対応した。北央信組は震源地の近いむかわ町支店で現金を扱う機器が倒れるなどの被害があった。

 3メガバンクの店舗はいずれも稼働した。

 今回の被害で際立っているのは、広域の停電だ。北央信組の堀江隆常務理事は「全道規模で停電するとはまったく予想していなかった。以前、道東で同規模の地震が起きた際はその地区に被害が集中しており、札幌圏まで電気が来ないことはなかった」と話す。

 停電で幅広く影響が出たのはATMだ。ゆうちょ銀行は停電の影響で道内全域でATMが停止した。郵便局のほか出張所などを含め1693台のATMのうち多くが稼働できない状況とみられる。セブンイレブンなどにATMを設置しているセブン銀行は、ATM約1000台が利用できない状況になっている。

 イオン銀行でも道内に設置された180台のATMのうち169台が現在使えない状況になった。あおぞら銀行は札幌支店の店内ATMが停電で使用できなくなり、窓口で入出金などに対応。店舗のシャッターが開かないため、顧客を行員通用口から店内に誘導した。

 東京海上日動火災保険など損害保険大手各社は6日、災害対策本部を設置した。今後、道内の社員を中心に建物などの被害状況を調べて迅速な保険金の支払いをめざす。西日本豪雨などに続いてドローン(小型無人機)による調査も検討する。

 東京海上、損害保険ジャパン日本興亜、あいおいニッセイ同和損害保険の各社も現地への派遣を検討しているが、相次ぐ災害で多くの社員を関西方面に派遣しており「人員確保は容易でない」(損保大手幹部)との声も出ている。三井住友海上火災保険はOBやOGを含め300人体制で対応、日本生命保険も災害対策本部を設置した。


地震発生で北海道電力が異例の見送り、あす条件決定の社債
呉太淳
2018年9月6日 14:55 JST 更新日時 2018年9月6日 17:11 JST
7年と16年の2本立て、各100億円で、5日まで需要調査をしていた
未明にマグニチュード6.7の地震、道内全域約295万戸が一時停電

An aerial photo shows landslides that seem to be happened by the earthquake in Atsuma Town, Hokkaido. Photographer: Yasushito Yakami/Yomiuri Shimbun
北海道電力は予定していた社債の発行を見送る。未明に発生した地震を受けた対応で、条件決定直前での取りやめは珍しい。

  主幹事の1社のみずほ証券が資料で明らかにした。「起債再開時期は未定」としている。北海道電力の経理部担当者は、災害からの復旧が長期化する見通しもあり状況を踏まえて決めた、と語った。社債は7年と16年の2本立てで各100億円、7日の条件決定を予定していた。5日の需要調査では7年利率が0.32−0.34%、16年の国債上乗せ金利(スプレッド)は30bpに絞られていた。

  北海道でこの日の未明、南西部の胆振(いぶり)を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生した。これを受けて北海道電力の6日の需要調査は開始が遅れていた。北海道電力では火力発電所が停止、道内全域約295万戸が一時停電した。経済産業省の発表によると全域の停電解消までには1週間以上かかる見通し。

  ニッセイ基礎研究所の徳島勝幸・金融研究部主席研究員は北海道電力の起債中止について、信用力への影響が不透明として「企業に大規模な影響があることがあった時はやらないのは不文律」と述べた。北海道電力の経理部担当者は「午前中の段階では予定通り行う方向で考えていた」としながら収支に与える影響が未定として「投資家に迷惑をかけないようにした」と話した。

  社債市場では8月に入り固有の事情で起債の中止・延期が最近相次いでいる。キリンホールディングスは8月31日、発行体の都合として5年債発行を見送った。同17日にもフジクラが発行体の都合として起債を中止した。フジクラは後に検査結果の改ざんがあったことが背景だったことを明らかにした。リコーリースも同3日、日本銀行会合を受けた長期金利急上昇を理由に社債発行を延期した。

  北海道電力の株価終値は前日比49円(6.4%)安の713円。値下がり率は東証11位で、2016年10月以来2年弱ぶりの大きさだった。

(第4段落に識者と北海道電力のコメントを追加して更新します.)
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北海道で震度6強、道内全域が停電、復旧に1週間以上か
宮沢祐介、林純子、桑子かつ代
2018年9月6日 3:34 JST 更新日時 2018年9月6日 20:34 JST
7日に290万KW確保見込む、官邸対策室設置−安否不明者30人超か
北電砂川火力3号機が再稼働、泊原発1−3号機の外部電源も回復
北海道で6日午前3時すぎに大きな地震が発生した。気象庁によると、震源は胆振地方中東部で推定マグニチュードは6.7。厚真町では震度7を記録した。道内全域で発生した停電は全面復旧に時間がかかる見通しで、航空や鉄道などの交通機関やトヨタ自動車、日本製紙などの企業活動にも影響が広がった。

  政府は官邸対策室を設置。菅義偉官房長官は臨時記者会見で、安倍晋三首相から早急な被害状況の把握や、政府一体となって災害応急対策に全力で取り組むことなどの指示があったと話した。安倍首相は関係閣僚会議で「自衛隊、警察、消防、海上保安庁の部隊により、救命救助活動に全力を尽くす」などと述べた。


厚真町での土砂崩れPhotographer: Yomiuri Shimbun via AP Photo
  北海道電力の広報担当によると、一時は管内の295万戸すべてが停電した。世耕弘成経済産業相は、震源地に近い苫東厚真火力発電所の停止により需給バランスが大きく崩れてすべての発電所が停止し、道内全域の停電につながったと説明した。同発電所では4号機タービン付近から出火、1、2号機ではボイラーが損傷し回復には少なくとも1週間は必要という。

  北海道電によれば午後に砂川火力発電所3号機を再稼働したほか、複数の水力発電所も立ち上げ一部地域への送電を再開した。経産省電力基盤整備課の曳野潔課長は6日夜に省内で会見し、午後4時時点で旭川市、札幌市、苫小牧市、室蘭市などの一部で、計33万戸の停電が解消したことを明らかにした。

  7日朝までに奈井江発電所2号機、知内発電所1号機、音別発電所などを起動し、すでに再開した火力や水力と合わせて計120万キロワットの供給を確保し、約100万戸程度の停電を解消させたい考え。早ければ7日中にも約300万キロワット規模の運転再開を目指していると話した。

ピークの供給確保に時間
  ただ、こうした対応でも5日には380万キロワットに達していた需要のピークの水準には届かないことから、北海道全域の停電解消には1週間以上かかる見通し。同日の北海道電の株価は一時前日比6.7%安と2016年10月以来の日中下落率を記録した。

  停電に伴い企業は工場の操業を停止している。各社の広報担当者によると、日本製紙は新聞用紙や感熱用原紙を製造する道内4拠点で操業を停止。トヨタも苫小牧市にある駆動系部品などを生産する子会社のエンジン工場で稼働が止まった。飲料メーカーでもキリンホールディングスでアルコール飲料などを製造する工場が、アサヒホールディングスもビール系飲料の工場が稼働停止となっている。苫小牧市にある出光興産の北海道製油所では精製設備が地震後に自動停止した


倒壊した安平町の家屋Photographer: The Yomiuri Shimbun via AP Photo
  三菱製鋼が7割、新日鉄住金が3割を出資する三菱製鋼室蘭特殊鋼(北海道室蘭市)では火災が起きたが、室蘭市消防本部によると午前6時55分に鎮圧。同工場では停電のため操業を停止しているほか、新日鉄住金の室蘭製鉄所も安全確認のため止めている。再開時期は未定。

  国土交通省によると、新千歳空港は地震の影響によりターミナルビルで水漏れが多数発生し、旅客の安全を確保するため終日閉鎖。同空港を発着する国内線、国際線はすべての便が欠航となった。同省危機管理室の前田隆司氏は、電力の復旧と漏水部分の修復が済めば再開できると話した。JR北海道は地震に伴う停電の影響で全道で運転を見合わせている。固定電話や携帯電話の通信にも影響が出ている。

  菅官房長官は6日夕の会見で、土砂崩れなどにより7人が死亡したと発表。安否不明者の人数は把握していないとした。共同通信によると、32人が安否不明となっており、道警などが確認を急いでいる。札幌や苫小牧などで100人以上が重軽傷を負っているという 。

●北海道で発生した地震の主な影響(各社広報担当者など)

札幌証券取引所:全銘柄の売買を一時停止−7日の再開については未定
北海道電:同社管内の295万戸すべてで停電
JR北海道:新幹線含む鉄道全線で運行停止
7日は在来線で午前の運転見合わせを決定、新幹線の運航は未定
新日鉄住金:室蘭製鉄所は安全確認のためきょうの操業を停止、再開めど未定
出光興産:苫小牧市の北海道製油所が地震後に自動停止
JAL:新千歳空港からのきょうの発着92全便が欠航
ANAHD:新千歳空港発着の国内線130全便が欠航、あす以降の見通し未定
トヨタ:北海道工場の稼働を停止−6日夜間操業も
デンソー:千歳市の工場の稼働を停止
アイシン精機:工場を停止
いすゞ自:停電で苫小牧の部品工場の操業停止
パナソニック:千歳市と帯広市の電子部品2工場が稼働を停止
ミネベアミツミ:完全子会社ミツミ電機の半導体工場(千歳市)は停電のため操業停止中
アサヒGH:スーパードライなど製造の北海道工場は停電のため稼働停止
三菱重工:札幌市内の営業拠点は停電のため休業
三菱製鋼:室蘭市の特殊鋼工場で火災、午前6時55分に鎮圧−同市消防本部 
保険各社:
損保ジャパン日本興亜:本社に災害対策本部を設置し被害状況を収集中、損害査定のため100人超を現地に派遣予定
東京海上日動火災保険:災害対策本部を設置し、損害査定などの人員派遣、数百人規模での対応を予定、ドローンを活用した被害把握の準備整う
三井住友海上火災保険:札幌に対策室を設置し300人体制での対応や、ビデオチャットを活用した損害調査などを検討
(第6段落で火災発生の場所を室蘭製鉄所内に訂正済みです)

(第4に経産省発表の情報を追加しました.)


2018年9月6日 / 03:51 / 4時間前更新
北海道で震度7の地震、死者7人 大規模停電で経済に打撃
2 分で読む

[東京 6日 ロイター] - 北海道で6日未明に発生した地震は、震源地近くの厚真町で最大震度7を観測。大規模な土砂崩れや家屋倒壊を引き起こし、政府はこれまでに7人の死亡を確認した。北海道全域で続いた停電は午後になり一部が解消しつつあるものの、復旧にはなお時間がかかる見通しだ。

地震は午前3時08分ごろに発生。震源は胆振地方中東部で、震度7を観測した厚真町や、震度6弱のむかわ町では大規模な土砂崩れや家屋倒壊などが発生し、被害が集中した。気象庁によると、震度7を観測するのは2016年の熊本地震以来となる。

<大規模停電が発生>

停電の影響は一時295万戸に及んだ。1995年に起きた阪神淡路大震災の260万戸を上回る規模で、広い範囲で社会・経済活動に影響が出ている。

北海道電力(9509.T)は同日午後に砂川火力発電所での発電を再開し、旭川市、札幌市やその周辺で電力供給が始まった。ただ、4基の水力発電と砂川の計55万キロワットは、道内全体の電力需要の約15%にとどまる。

世耕弘成経済産業相は、道内全域での復旧には1週間以上かかるとの見通しを示している。

北海道電力では、主力発電所である苫東厚真火力発電所で、タービン火災の発生やボイラーの損傷が判明している。

一方、北海道電力泊原発では一時、外部電力が喪失。非常用電源で使用済み核燃料プールの冷却を継続した。その後、外部電力を回復し、プールの冷却に支障がなくなった。

Slideshow (7 Images)
<停電で企業・金融機関・交通に影響>

停電の影響で、道内の主要な工場で生産を停止した企業も多い。サッポロホールディングス(2501.T)によると、サッポロビール北海道工場に建物の被害はなく人的被害もないが、停電のため製造ラインを停止し、復旧の見通しも未定としている。

金融機関にも影響が出ている。北海道銀行は、予備電源を利用できる本店と27支店は営業しているが、その他の113支店は営業できずにいると発表した。予備電源が使用できる一部のATMは利用可能だが、その他のATMは利用できなかった。

Hokkaido Electric Power Co Inc
713.0
9509.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-49.00(-6.43%)
9509.T
9509.T2501.T
東京証券取引所は、地震と停電に伴って、朝方から一時停止していた札幌証券取引所での全銘柄の売買について、終日停止した。明日以降の予定は現時点で未定としている。

交通機関への被害も多い。新千歳空港はターミナルビルの被害で終日閉鎖される。JR北海道や札幌市内の地下鉄をはじめ道内の全鉄道が運行を停止した。

安倍晋三首相は同日朝、人命第一で政府一丸となって災害対応に当たると強調。自衛隊を2万5000人体制で北海道に派遣すると述べた。

政府は首相官邸内の危機管理センターに官邸対策室を設置。合わせて同日朝から関係閣僚会議も開催し、安否不明者の捜索や被害対応に当たった。

(田巻一彦 編集:田中志保)
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/602.html#c1

[自然災害22] 北海道で震度6強…インフラ壊滅、泊原発の外部電源が喪失(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
2. 2018年9月06日 22:11:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1450]
泊原発、外部電源が一時喪失
毎日新聞2018年9月6日 19時18分(最終更新 9月6日 19時27分)

社会
気象・地震
サイエンス
科学・技術
速報

地震による停電で一時外部電源を喪失した泊原発=北海道泊村で2018年9月6日午後0時54分、本社機「希望」から佐々木順一撮影
 北海道電力は6日、同日未明の地震による停電で、泊原発1〜3号機(北海道泊村)の外部電源が一時喪失したと発表した。非常用ディーゼル発電機6台を使い、燃料プール内の核燃料の冷却を維持。早期に稼働再開した道内の水力発電所の電気を優先的に送り、喪失から約9時間半後の午後1時までに復旧した。

 北電によると、水力発電所の電気を問題なく泊原発に送電できることを午前9時ごろに確認していたが、原子力規制委員会に復旧するまで報告していなかった。規制委は報告が不十分として北電に改善を指示した。

 泊原発1〜3号機は運転停止中のため、原子炉内に核燃料は入っていなかった。原発敷地内にある重要設備で損傷は確認されておらず、原発周辺の放射線測定で異常値は確認されていない。

 また、東北電力東通原発(青森県東通村)、同女川原発(宮城県女川町)、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)など東北地方の原子力施設に異常はないという。【鈴木理之】
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/602.html#c2

[国際23] グーグルやフェイスブックは利用料を払え!   赤かぶ
1. 2018年9月06日 22:14:50 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1451]
社説】被告席に着くハイテク大手
説明責任を果たさないインターネット大手に政府は介入する
フェイクニュースや海外政府の介入についての質問を受けるため、上院情報委員会の公聴会に招致されたフェイスブックのシェリル・サンドバーグCOOとツイッターのジャック・ドーシーCEO(5日、ワシントン)
フェイクニュースや海外政府の介入についての質問を受けるため、上院情報委員会の公聴会に招致されたフェイスブックのシェリル・サンドバーグCOOとツイッターのジャック・ドーシーCEO(5日、ワシントン) PHOTO: JOSE LUIS MAGANA/ASSOCIATED PRESS
2018 年 9 月 6 日 17:10 JST 更新

 ツイッターとフェイスブックの経営幹部は5日、ソーシャルメディアやネット検索エンジンの政治的偏向に関する議論が活発化する中で、議会公聴会の厳しい質問にさらされた。ハイテク大手は保守派の意見を意図的に抑圧してはいないと主張しており、それは恐らく真実だろう。しかし、ハイテク大手のこの問題への関心の薄さは、利用者離れや政府の介入を招く恐れがある。

 ハイテク技術の基盤を担う企業の反保守的偏向に対する苦情は、以前から増加傾向にあった。アップル、フェイスブック、グーグルが、疑わしい情報を流す右派の人物アレックス・ジョーンズ氏のウェブサイト「Infowars(インフォウォーズ)」を、「ヘイトスピーチ」に当たるとして8月に閲覧禁止としたことは、こうした企業が中立的だとする主張に対する疑いを増大させた。証拠は乏しいものの、各社の決定は同調して行われたように見えるし、正当化の理由もあいまいだった。

 トランプ大統領は、いつものようにツイッターで騒ぎ立てた。先週のツイートでは「やつらは不正操作を行った」と指摘。「グーグルとその他の企業は、保守派の声を抑圧し、良い情報やニュースを隠している。やつらはわれわれが見られるものと、見られないものをコントロールしている。これは極めて深刻な状況であり、是正されるだろう!」と語った。トランプ氏はその後ホワイトハウスで、ハイテク企業は「極めて厄介な領域に踏み込んでいる」「慎重になるべきだ」と警告した。

 ラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、政府がハイテク大手の調査を開始すると発言。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は5日、ソーシャルメディア大手各社が特定の見解を「意図的に抑え込んでいる」かどうかについて、司法省が調査すると報じた。

***

 保守派のラジオ司会者のデニス・プレガー氏が立ち上げた団体「PragerU(プレガー大学)」による「ブッシュはイラクについてうそをついたか」や「アメリカは人種差別的か」といった教育ビデオを例にとってみよう。これらは、グーグルのユーチューブ部門で規制を受けているが、検閲された50前後のビデオのどれも、グーグルの社会ガイドラインに反する暴力的でわいせつで憎悪をあおるような内容を含んでいなかった。

 ユーチューブのアルゴリズムや、ユーザーコミュニティーは、特定のビデオを不快なものとして報告することができる。しかし、グーグルのガイドラインによれば、こうしたビデオを排除するには、内部での検討が必要だ。つまり、表向きはグーグル従業員が合意することが求められている。PragerUは、グーグルを提訴。訴状の中で、「(ユーチューブは)なぜビデオを規制し、流通を阻害したのかについて、説明を拒否した。その理由は、規則に従わない利用者(規則の抜け穴を悪用する利用者)を利する可能性があるため、検討過程に関するより詳しい情報を開示することは通常できないというものだった」と指摘した。

 保守系のコメンテーター、ダグ・ウィード氏は最近、保守系ウェブサイト「ザ・フェデラリスト」で、ケーブルテレビチャンネル「フォックス・ビジネス」でのインタビューを宣伝するために広告枠を購入しようとしたところ、グーグルに断られたと訴えた。同氏によると、グーグルの従業員から、画面の下に流れる字幕(トランプ氏がモラー特別検察官による捜査を「魔女狩り」と呼ぶのを引用した)がヘイトスピーチだと告げられたという。

 グーグルの従業員がニュースや意見とヘイトスピーチの違いを区別できないのだとしたら、同社は深刻な問題を抱えている。インフォウォーズは禁じられるに値するものだったかもしれないが、ハイテク企業による不明確な弁明は、多くの保守派を動揺させている。それはジョーンズ氏を軽蔑するが、次は自分が標的かもしれないと懸念している人々だ。このため、ジョーンズ氏は「言論の自由のための殉教者」のように装うことができている。実際はそうでないにもかかわらずだ。

 一部の保守派は、グーグルのニュースや検索サイトで自分たちのコンテンツが差別されているとも述べている。グーグルは、同社のアルゴリズムに政治的なバイアスはなく、数十の可変要素が組み込まれていると回答しており、その可変要素の一部は位置情報に基づいているため、時間単位で変わる可能性があると指摘している。このため、アルゴリズムが差別をしていることを証明するのは難しいだろう。個々のユーザーの体験はそれぞれ違うからだ。

 大半の差別はまた、偶発的である公算が大きい。例えば、クリック数やリンク数が多いサイトを優遇すると、コンテンツが無料のリベラルなサイトに行き着く可能性がある。だが、これはより大きな問題を浮き彫りにする。すなわち、ソーシャルメディアと検索プラットフォームによるコンテンツについての編集判断は不透明で、恣意(しい)的なことがよくあるにもかかわらず、そうしたコンテンツが公の議論に多大な影響を及ぼしているという問題だ。

 グーグルは全ての検索の90%をコントロールしている。同社はバイアスについて非難されると、自動化され不透明なアルゴリズムの後ろに隠れる。「見て、お母さん。ほら、触ってないよ」と言わんばかりに。その瞬間にも、同社の従業員はユーザーが見るものと見ないものに対し、大きな決定力をふるっている。PragerUの訴状によると、人間の審査員は自由裁量権を享受して、報告のあったコンテンツを遮断しているように見える。

 フェイスブックとグーグルはまた、デジタル広告収入の60%を牛耳っており、市場での寡占状態を利用して競合相手を追いやってきた。フェイスブックは広告に政治的というタグを付けることによって、パブリッシャーがニュースストリームでコンテンツを宣伝できないようにした。

***

2012年、連邦取引委員会(FTC)事務局はリポートを発表し、グーグルを反競争的行為で提訴するよう勧告した。オバマ大統領(当時)が指名したジョン・リーボウィッツ委員長率いるFTCは提訴に反対の姿勢を示したが、グーグルの競争相手は略奪的慣行に不平不満を言い続けた。

 一方、政治的左翼と右翼に対する怒りは現在合流しつつあり、政府の行動を求める声が高まっている。ミズーリ州のジョシュ・ホーリー司法長官は昨年、グーグルのビジネス慣行に対する調査を開始したし、他の州も追随するかもしれない。民主党のマーク・ウォーナー上院議員(バージニア州)は、通信品位法第230条に基づくユーザー作成コンテンツのための法的保護の一部を、プラットフォーム運営会社から剝奪するよう提案した。テッド・クルーズ上院議員は、230条の免責規定の言わんとするところは「(プラットフォームは)中立的な公共の討論場であるべきだ」ということだと述べた。

 トランプ政権のFTCは、ハイテク大手の調査を再開すると述べてきた。FTCはこうした独占企業を規制(恐らくコンテンツレビューを監督する政府監視人を指名)によって取り締まる可能性がある。民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が大統領に当選しないように気を付けるべきだ。

 次いで民間によって訴訟が起こされる脅威が存在する。グーグルが言論の自由の権利に違反しているとのPragerUの提訴は裁判所で勝利する公算はほとんどない。なぜならグーグルは政府ではなく、法律に基づいて一部のコンテンツを排除するという選択肢もあるからだ。しかしグーグルが自身の規約条件に違反することで不公正なビジネス行為をしたとの主張は、(議論として)もっと強いものだ。

 政府がこれに対する答えを持っていないだろうとする懐疑論者にわれわれを数えてもらっても構わないし、われわれは「公平原則」(テレビとラジオ放送の公平性担保のため連邦通信委員会が1949年に制定し、1987年に廃止された)のインターネット版を必要としていない。しかし歴史が示しているのは、説明責任を果たさない企業を取り締まるよう、米国人が政治家に最終的には求めるということだ。ハイテク大手の支配者たちは、自分たちが政治的左翼の検閲部門であるとの印象を与えた場合、その代償を支払うことになる。

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[国際23] アメリカ有力紙 「マティス長官退任の見方 政権内に広がる」〜関係の冷え込みを指摘する報道が相次ぐ/nhk 仁王像
1. 2018年9月06日 22:17:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1452]
マティス国防長官、省ナンバー3を解任へ
省の効率化を担うギブソンCMO
マティス米国防長官
マティス米国防長官 PHOTO: YURI GRIPAS/REUTERS
By Gordon Lubold
2018 年 9 月 6 日 08:23 JST

 ジム・マティス米国防長官が国防総省のジョン・ギブソン最高管理責任者(CMO)を「成果がない」ことを理由に解任する意向であることが分かった。複数の同省関係者が明らかにした。軍の近代化や効率化を図るトランプ政権の取り組みがつまずいた形だ。

 ギブソン氏は、国防総省の組織再編やコスト削減を担うため新たに設けられたCMOに今年就任。ドナルド・トランプ大統領から指名を受け、2月に上院で承認されていた。

 航空宇宙業界で最高経営責任者(CEO)を務めていたギブソン氏は、マティス氏とパット・シャナハン国防副長官に次いで省内で3番目に序列が高い。同氏が解任される予定であることはこれまで明らかになっていなかった。

 関係者らによれば、ギブソン氏は1カ月以上前に、ペンタゴン幹部がCMOの成果に満足していないとシャナハン氏から伝えられていた。だがその時点で後任の候補者がいなかったという。

 ギブソン氏は今もCMOの職務を続けているが、ホワイトハウスが後任を探す間はその業務が縮小されていると関係者らは明かした。

 国防総省は今回の解任について、その詳細を明かさなかった。ある政府当局者はギブソン氏が優秀でCMOにも適任だと述べたが、7000億ドルの予算を持つ国防総省でコスト削減に取り組むことの難しさをマティス氏やシャナハン氏が理解していなかったため、同氏の努力は成果につながりにくかったと話している。
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日銀国債買い入れ、長期オペ500億円増額−中期と同様に月間減との声
山中英典、三浦和美
2018年9月6日 10:14 JST
残存5ー10年を1回あたり4500億円に、月間は1500億円減額の見込み
長期債の通知額も新レンジの中央値がコンセンサスー三菱モルガン

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日本銀行は長期ゾーンの国債買い入れオペの金額を7カ月ぶりに増やした。今月のオペ運営方針で中期と長期ゾーンの実施回数を減らす一方で、買い入れ額の上限を引き上げており、1回あたり購入額を増やして月間の減額幅を極力抑える狙いとみられている。4日の中期債オペも同様の対応を行った。

  日銀は6日午前10時10分に通知した金融調節で、残存期間が5年超10年以下の国債買い入れ額を前回より500億円多い4500億円とし、9月のオペ方針で示した購入額のレンジの中央値まで増やした。同ゾーンの増額は2月以来。ただ、オペ回数が5回に減るので月間では合計2兆2500億円となり、8月の購入額4000億円を6回実施した場合よりも1500億円の減額となる。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「4日の中期債オペの通知額が新レンジの中央値だったので、今日の長期債も同様に新レンジの中央値になるとの見方がコンセンサス。月次換算買い入れ額は2.5兆円と、8月の通常オペのペースより1500億円減る」と説明。その上で、「ある程度織り込み済みとはいえ、実質減額方向の動きが確認されれば債券の買い難さが意識される」とみる。

  4日実施の残存期間1年超3年以下、3年超5年以下の買い入れオペでは1回あたりの金額を前回より500億円多い3000億円、3500億円とし、いずれも今月のオペ方針で示した買い入れレンジの中央値まで増やした。

  一方、同時に通知された残存期間1年以下は500億円、物価連動債は250億円と、ともに前回と同額だった。


 

 
2018年9月6日 / 17:22 / 3時間前更新
インタビュー:消費増税に反対、10兆円超対策の継続を=内閣参与
3 分で読む

[東京 6日 ロイター] - 自民党総裁選が7日に告示され、今後3年間の政権運営を巡り、本格的な論戦がスタートする。北海道の地震発生を踏まえ、政策を訴える選挙活動は9日まで自粛となる見通しだが、20日の投開票後には、直面する政策課題への「待ったなし」の対応が求められる。課題にどう取り組むべきか、専門家へのインタビューシリーズを実施する。

初回は、積極財政が持論の藤井聡・内閣官房参与(京都大学教授)に、実現すべき財政政策のイメージや具体的な対策について聞いた。

藤井氏は、来年秋に予定されている10%への消費税率引き上げは、心理的影響が大きく、反対だとの意向を示した。実施するなら10─15兆円の経済対策を5年程度、見送りの場合でも、同規模の対策を2年間継続する必要があると主張した。

また、対策の内容の柱の1つに、大規模災害が多発する最近の環境変化を踏まえ、治山・治水を中核にした大型災害対策が必要だとの見解も示した。

インタビューの詳細は以下の通り。

──来年秋に10%への消費税率が控えている。実施の是非をどうみているか。

「消費税の10%への引き上げは、恐ろしい結果になると確信している。京大で心理学実験を行った結果、10%という負担感が誰でも計算できる分、購買意欲の減退はとりわけ大きいことが分かった」

「特に女性においてその影響は大きい。2%増税は影響は軽微といわれているが、心理的な影響だけでも深刻だ。加えて2%分の物価上昇という影響が加わり、消費は相当落ち込む」

「しかも、影響は短期的ではなく、長期に続く。このことは5%、8%への増税時を見ても明らかだ」

──安倍首相は、増税実施の方針を示すと同時に、来年度予算で万全の対策をとる意向を示している。どの程度の規模感の対策が必要か。

「骨太の方針では、10%への税率引き上げの影響の程度を踏まえると書かれている。さらに経済状況を踏まえるとも書かれている。先に述べたように、増税の影響が甚大であることに加え、経済状況は14年の消費増税の影響が残存し、今後はオリンピックの特需剥落や残業代の縮小、米経済等の海外の景気悪化などが予想される。これを凌駕するには、毎年10─15兆円の超大型の経済対策を4、5年継続する必要がある」

──つまり経済状況を踏まえる場合、増税を中止した場合でも、大型対策が必要ということか。

「前回増税の影響が残存しており、前年度のデフレーターの上昇率はたった0.1%と、デフレ脱却から程遠い状況。これに残業代減少や五輪特需剥落が来年度は加わるわけで、10%増税がなくとも、10―15兆円の大型景気対策を2年前後は継続する必要があるだろう」

「逆に言うなら、政府がそのような大型予算が組めずに、消費増税をやれば、日本経済の激しい凋落と、さらなる財政悪化は避けられないだろう」

──それだけの大型対策となると、対策の中身は何が中心となるのか。

「内容としては、骨太に書かれているように、将来の成長基盤となる波及効果の高い投資プロジェクトを計画的に実施するという基本方針通りでよい」

──このところ続いている大規模災害や気候変動に備える対策として、国土強靭化などが入るのか。

「西日本豪雨と今回の台風21号の高潮被害を踏まえれば、治山、治水対策は喫緊の課題だ。さらに土木学会は南海トラフ地震で1000兆円を超える被害が生ずると試算している。災害対策が不十分であれば、将来の成長基盤自体が破壊される。だから、国債に基づく大型かつ速やかな災害対策は、骨太2018の将来の成長を確保するための投資をすべしとの理念にかなう重要案件と言えよう」

──大型経済対策を実施するための財源は、どのように調達するのか。その場合、財政再建の遅れにはどう対処するのか。

「歳出拡大のための財源は、長期投資には常識的に建設国債や財投債を充てるべき。この場合、当然ながら基礎的財政収支(PB)の黒字化目標は達成できないが、そもそもPB目標は廃止すべきだ。あるいは、将来世代が受益する投資案件はPB規律外とすべきだ。もっとも、超大型財政政策継続を続ければ、デフレを完全脱却できる。その結果、PB黒字化目標も達成可能だ」

「デフレ脱却には、これまでの財政緊縮・金融緩和政策では失敗した。財政を拡大することが本筋のはずだ」

──現在、歳出の中身は社会保障費のウエートが突出している。成長に寄与する項目のウエートを高める必要があるのではないか。

「社会保障費はどうしても拡大せざるを得ないので、削るというよりは、従来通り査定をかけて抑制していけばいい。一方で、長期的投資は毎年2─3兆円ずつ拡大していくことで、歳出におけるバランスが変わってくるはずだ。そうやって全体の歳出のパイは拡大していけばいい」

「このように、歳出も税も、より成長できる仕組みに変えるということが必要だ。税については、経済停滞効果の大きい消費税に代わって、直接税の比率を上げるべく、所得税、法人税や金融所得税などをいく分上げて、直間比率を変えていくことは必要」

*このインタビューは5日に行いました。

*内容を追加します。

中川泉 編集:田巻一彦

 

 


予想下回るADP雇用者数の伸びでドル売り反応=NY為替
配信日時 2018年9月6日(木)21:25:00 掲載日時 2018年9月6日(木)21:35:00
 8月の米ADP雇用統計は16.3万人の雇用増にとどまった。事前予想は20万人増、前回値は21.9万人から21.7万人に下方修正された。

 発表を受けてドル円以外の主要通貨ではドル売りの反応がみられている。ユーロドルは1.1645-50レベルに再び上昇。ポンドドルは1.2960レベルに本日高値を更新した。ドル円は、米10年債利回りの低下とともに、やや遅れて111.20近辺へと下押しされている。

EUR/USD 1.1647 GBP/USD 1.2956
USD/JPY 111.20

2018年9月6日 / 21:27 / 12分前更新
BRIEF-8月米ADP民間雇用者数は163,000人増(予想:190,000人増)
1 分で読む

[6日 ロイター] -

* 8月米ADP民間雇用者数は163,000人増(予想:190,000人増)


東京外為市場ニュース2018年9月6日 / 21:32 / 7分前更新
BRIEF-米新規失業保険申請件数は203,000件(予想:214,000件)=労働省
1 分で読む

[6日 ロイター] -

* 米新規失業保険申請件数は203,000件(予想:214,000件)=労働省

* 米失業保険受給総数170.7万件=労働省

* 米新規失業保険申請件数4週間移動平均は209,500件=労働省
 


 


 

ECB次期総裁、最有力は前フィンランド中銀総裁リイカネン氏−調査
Kati Pohjanpalo、Piotr Skolimowski
2018年9月6日 15:04 JST
• ブルームバーグのエコノミスト調査でリイカネン氏が最有力候補
• 次期総裁はユーロ圏北部と南部の要求のバランスを取る必要
ユーロ圏の北部と南部が主導権を争う中で、フィンランド中央銀行のリイカネン前総裁は、欧州中央銀行(ECB)の次期総裁となるのにちょうどいい条件を備えていると言えそうだ。
  2019年11月に誰がドラギ総裁の後任に就任するかを予想するブルームバーグのエコノミスト調査で、リイカネン氏が新たな最有力候補となった。ECBが金融緩和の解除に向けて準備する中で、同氏の最大のセールスポイントは妥協のたまもの的候補であることかもしれない。

リイカネン氏
Photographer: Mikael Sjoberg/Bloomberg
  次期ECB総裁は、危機時の刺激策を終了したいドイツなどの要求と、金融支援がなければ経済が打撃を受けると心配するイタリアなどの要求の間で、バランスを取る必要がある。マラソンランナーでクロスカントリースキーもこなすリイカネン氏は、長丁場となる仕事をやり遂げるのにぴったりの人物かもしれない。
  マンデータム・ライフの投資ソリューション責任者、ローリ・ベイティネン氏(ヘルシンキ在勤)は「ユーロ圏北部と南部の対立を踏まえると、リイカネン氏は良い選択なのではないか。同氏はECBのいずれの非伝統的措置についても極端なスタンスを取ったことがない。極めて良い候補だ」と指摘した。

調査ではビルロワドガロー氏、レーン氏、バイトマン氏が後に続く
原題:Draghi Succession May Turn on Finland’s Marathon-Man Compromise(抜粋)


 


2018年9月6日 / 19:37 / 2時間前更新
ECBの金融安定性を維持する責任は限定的=メルシュ専務理事
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[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のメルシュ専務理事は6日、ECBは金融安定性を維持する責任が限られているとの見方を示した。

イタリア政府の一部は、ECBが調達コストを低水準に抑える以外の政策を実施する可能性があると示唆していたが、メルシュ氏はこれを退けた。

メルシュ氏はカンファレンスで「(EU)条約は金融安定性をECBの目的にしていない」と指摘。「ECBが持つたった一つの第一義的な責任は物価の安定だ」と述べた。

またインフレ率を持続的に目標に向かわせるために金融安定性が必要ならば、金融安定性はECBに関係しているとし、他の業務については国家レベルで行われるべきとした。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/386.html#c1

[経世済民128] 日米新通商協議、「戦略的曖昧さ」はトランプに通用するか(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年9月06日 22:25:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1454]
2018年9月6日 / 17:37 / 4時間前更新
米自動車関税、日本経済全体の政策として対応検討を=宮沢自民税調会長
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[東京 6日 ロイター] - 自民党の宮沢洋一・税制調査会長は6日、報道各社とのグループインタビューで、自動車の取得・保有関連の税負担が諸外国よりも高いとの見解を示し、地方財政への影響も勘案しながら、2019年度の税制改正で自動車税の軽減に関する議論が始まるとの見方を示した。

また、米国による輸入自動車への高率関税の適用が現実味を帯びた場合、その影響への対応は、経済全体の政策として考えていくべきだと述べた。

19年度税制改正では「老後の備えを支援する制度について幅広い議論が必要」「終身雇用は大事な制度だが転職する人もいる」と指摘し、勤続年数が20年を超えると有利な退職金課税の見直しを議論する。

19年10月に予定する消費税率10%への引き上げは「2040年までの社会保障制度の姿を描くとき財源として切り離せない」と述べ、予定通りの実施が不可欠との見解を強調した。

消費税率引き上げの際、食料品など必需品の税率を据え置く「軽減税率」導入に必要な財源の確保については「頭が痛いが3カ月で結論を出さないといけない」とした。大型の設備投資を行った医療機関の消費税負担への対応も議論するという。

法人税について「今回の税制改正で大きな議論はない」と指摘。トランプ米大統領による減税の影響は注視すると述べた。


 


2018年9月6日 / 18:07 / 4時間前更新
米国が新たな関税講じるなら、報復せざるを得ない=中国商務省
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[北京 6日 ロイター] - 中国商務省は6日、米国が新たな関税措置を講じるなら報復せざるを得ないと警告した。

トランプ米大統領は、2000億ドル相当の中国からの輸入品に25%の関税を上乗せする方針を示している。

高峰報道官が定例会見で「もし米国が新たな関税措置を取るなら、中国は必要な報復措置を導入せざるを得ない」と述べた。

中国は新たな関税による影響を精査し、国内で事業展開する中国・外国企業が困難を克服するために強力な措置を取る方針だという。

トランプ政権は、6日深夜に意見募集期間が終了した後、対中関税を発動させる構えをみせている。ただ、計画に詳しい複数の関係者によると、時期はまだ未定。

市場関係者は、対中追加関税は両国間の貿易摩擦を一層悪化させ、世界の投資・貿易・成長にとって大きな打撃と懸念している。

トランプ大統領は5日、中国との通商協議はまだ合意できる段階ではないとし、話し合いを継続すると述べた。


 

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/382.html#c1

[国際23] 「中国特使は非常に傲慢でいじめっ子のよう」 台湾と国交のあるナウル大統領が非難(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2018年9月06日 22:27:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1455]
2018年9月6日 / 15:12 / 3時間前更新
焦点:汚職容認に借金漬け、アフリカ支援批判に中国が反撃
2 分で読む

[北京 5日 ロイター] - 北京で開かれた「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合の期間中に中国の元当局者や国営メディアは、中国によるアフリカ支援の正当性を声高に主張し、汚職の温床などとする批判に相次いで反論した。

中国は以前からアフリカの原材料に関心があるだけで、無条件の融資や支援は汚職を招き、アフリカ諸国に持続不可能な債務を負わせるといった批判を、主に西側諸国から受けている。

今回の首脳会合でもアフリカの記者が、中国の当局者に汚職や環境問題、中国の支援を受けた一部プロジェクトでの現地雇用の不足などについて質問を浴びせかけた。

こうした動きに対して中国の外務省の元アフリカ局長でマリとモロッコの大使を務めたチェン・タオ氏は、汚職が指摘されている国を支援したとして中国を批判するのは不当だと反論した。

「アフリカの友人から、自分の国の政府は汚職にまみれており、中国はなぜ支援するのかと言われた。自分の国の政府は中国に橋や病院の建設を求めているが、中国政府は応じるべきではないというのが、彼の意見だった」という。「この友人には『選挙でその政府を選んだのはあなた方だ』と話した。中国政府が交渉できるのはこの政府だけだが、橋や病院を造るのは大統領や高官のためではなく、一般国民のためだ。この問題を考えるときにはこうした視点も持つことができる」と述べた。

トランスペアレンシー・インターナショナルが発表した昨年の汚職指数で最低の評価を受けた10カ国のうち、赤道ギアナ、ソマリア、スーダン、南スーダンのアフリカ4カ国が今回の首脳会合に参加した。

中国の習近平氏は6年前に国家主席に就いて以来、国内で汚職の取り締まりを強化しており、政府は中国と関係のある諸外国についても汚職の取り締まりを進めるよう求めている。

アフリカ事務特別代表を務めた劉貴今氏は、中国は汚職による資金の無駄遣いを望んでいないと述べた。「中国の対アフリカ支援はその国の国民を主な対象としており、腐敗した政府や当局者に資金は流れていない」という。

5日に発表された首脳宣言は、中国とアフリカ諸国は今後も汚職を絶対に容認しないと表明した。

中国のアフリカ支援に対しては、アフリカ諸国を借金漬けにするとの批判も出ている。習国家主席は3日、アフリカ諸国に対する総額600億ドルの支援を発表した。

米国務長官だったティラーソン氏は3月、アフリカ諸国は中国から融資を受ける際に自分たちの主権を奪われないよう警戒すべきだと訴えた。

しかし中国の政府高官は今回の首脳会合開催前に、中国は「債務の罠」外交を行っていないと反論。中国政府アフリカ事務特別代表の許鏡湖氏は4日、中国はアフリカの開発を支援しているのであって、借金を増やしているわけではないと述べた。

中国共産党の機関紙、人民日報の海外版は1日、債務や新植民地主義への懸念を口実に中国とアフリカの協調を壊そうする動きがあるとの社説を掲載した。

アフリカ諸国からは、中国は支援の条件が全般に良く、欧米よりも支援に前向きだとの声が上がっている。

ガボンの当局者はロイターの取材に「中国の対アフリカ支援の仕組みは最も柔軟性が高い」と指摘。中国がアフリカ諸国に返済不可能な債務を負わせているという主張は「不公正だ」と非難した。

(Ben Blanchard記者)


 

2018年9月6日 / 10:42 / 2時間前更新
焦点:中国がリンクトインで超攻撃的スパイ作戦、米高官が指摘
Warren Strobel and Jonathan Landay
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[ワシントン 31日 ロイター] - 米防諜担当の高官は31日、中国の情報機関が、リンクトインの偽アカウントを使って、米政府や民間企業の機密にアクセスできる米国人をスパイに仕立てようと画策している、と指摘。リンクトインに対して、それらのアカウント閉鎖を要求している、とロイターに語った。

米国家防諜安全保障センター(NCSC)ディレクターのウィリアム・エバニナ氏は、米情報機関や法執行機関が、米マイクロソフト(MSFT.O)傘下のビジネス向け交流サイト、リンクトインに対して、中国による「超攻撃的な」取り組みについて警告した、と語った。

エバニナ氏は、中国はこの作戦で、一度に数千人のリンクトイン会員に接触することもある、と語った。ただし、米情報機関が把握している偽アカウント数や、接触を受けた可能性のある米国人数、あるいはどの程度、その採用活動が成功したか、などについては回答を避けた。

過去にもドイツや英国において、中国政府がリンクトインを用いたスパイ募集を行っている、と当局が警告している。だが、米国におけるこうした事例について、米当局者が公式に発言し、これまで判明していたよりも大きな問題になっていると指摘することは、これが初めてだ。

イランやロシアの情報機関が関与しているとされた偽アカウントをすべて閉鎖した米ツイッター(TWTR.N)やアルファベット傘下のグーグル(GOOGL.O)、フェイスブック(FB.O)の対応を、リンクトインも見習うべきだ、とエバニナ氏は主張する。

「最近ではツイッターが、数百万件に上る偽アカウントを閉鎖している。われわれはおそらくリンクトインに対し、偽アカウント対策を進め、ツイッターに倣うよう要請することになるだろう」

米国情報機関の高官が、米国企業を名指しで特定して、対策を講じるよう公然と勧告することは極めて異例だ。リンクトインによれば、同サービスの全利用者5億7500万人は200以上の国や地域にまたがっており、そのうち米国人は1億5000万人以上だという。

エバニナ氏は、リンクトインの対応に不満を抱いているのか、それとも同社が十分に対応したと考えているのか、明らかにしていない。

リンクトインの信頼安全性部門を率いるポール・ロックウェル氏は、中国側のスパイ行為に関して、米国の法執行機関と協議していたことを認めた。

リンクトインは8月、政府機関と関連のあるリンクトイン会員に接触を試みていたことを理由に、「40足らずの」偽アカウントの閉鎖を発表。ロックウェル氏は、これらが中国のアカウントかどうかについては明らかにしなかった。

「この種の活動を特定し阻止するため、あらゆる手を打っている」とロックウェル氏はロイターに語った。「決して対策を要請されるまで待つのではなく、不適切な行動を積極的に特定し、われわれが発見した情報や政府機関などの情報に基づいて、不適切なアカウントを削除している」

ロックウェル氏は、中国情報機関と関係のある偽アカウントの数について明言を避けた。リンクトインが「アカウントを制限し、想定し得る本質的なダメージを緩和、阻止するために非常に迅速に行動した」と同氏は述べているが、詳細は明らかにしなかった。

リンクトインは「この件では被害者だ」とエバニナ氏は言う。「ここでの教訓は『あなたのサイトはフェイスブックのようになろうとしている。では、今年の春フェイスブックが置かれたような立場、つまり議会での証言をしたいと思うのか』ということだ」

2016年の米大統領選に介入するため、ロシアがフェイスブックを悪用した疑惑を巡り、同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は連邦議会で証人喚問を受けている。

中国外務省は、エバニナ長官の指摘に異議を唱えている。

「このような結論に達する上で、米当局の担当者がどのような証拠を手にしているのか、承知していない。彼らの主張は完全にナンセンスであり、隠された動機によるものだ」と同省は声明で語った。

だが、上院情報委員会の民主党幹部マーク・ワーナー上院議員は、中国政府がリンクトインを利用していることは、「中国の情報機関による活動の幅広さを示しており、誰もがネット上で活動する21世紀において、防諜活動が直面する課題を示している」と語る。

Slideshow (2 Images)
<中国に寝返ったCIA元職員>

エバニナ氏は、この問題を取り上げる理由の1つには、中央情報局の元職員ケビン・マロリー被告の事件があったからだと指摘する。

マロリー被告は6月、中国のスパイに機密情報を売り渡した容疑で有罪評決を受けた。

公判記録や裁判の証拠によれば、中国語を流ちょうに話すマロリー被告は、経済的に困窮していた。2017年2月、リンクトインのメッセージで、ヘッドハンターを装った中国籍の人物が彼に接触。リチャード・ヤンと名乗るこの人物の手引きで、同被告は上海のシンクタンクで働いていると称する男に電話連絡を入れた。

連邦政府の訴状によれば、その後マロリー被告は上海を2度訪問。中国側の接触相手が情報機関の関係者だと知りつつ、与えられた特殊な携帯デバイスを使って米国の国防機密を売ることに同意した。彼は9月に刑を宣告される予定だが、終身刑を下される可能性もある。

ロシアやイラン、北朝鮮なども、スパイ候補を探すためにリンクトインなどのサービスを活用しているが、米国の情報機関当局者は、最も活発で最大の脅威は中国だと指摘する。

Microsoft Corp
108.49
MSFT.ONASDAQ
+0.00(+0.00%)
MSFT.O
MSFT.OTWTR.NGOOGL.OFB.O
米当局者によれば、中国の国家安全部には、情報機関に雇用されていないが連携している「協力者」がおり、スパイ要員候補にアプローチするために偽アカウントを作成しているという。

こうした工作の標的は、スーパーコンピューターや核エネルギー、ナノテクノロジー、半導体、ステルステクノロジー、医療、ハイブリッド穀物・種子、再生エネルギーなどの分野における専門家らだという。

中国の情報機関は採用活動のために、賄賂や偽のビジネス企画案を活用している。たとえば研究者や科学者であれば、学術論文や専門論文に対する報酬を提示され、その後、米国政府や企業の秘密を提供するよう要請されたり、圧力を受けたりする場合があるという。

米情報機関の高官によれば、偽アカウント作成者の一部は中国情報機関とかかわりのあるIPアドレスにリンクしており、またペーパーカンパニーが、経営幹部のヘッドハンティングを手掛けているように偽装したアカウントもあるという。

この高官によれば、リンクトインを通じて標的にされた米国人と、2014年から2015年にかけて複数のサイバー攻撃を受けた米連邦政府人事局から流出したデータには、「ある程度の相関関係」が認められたという。

この時、ハッカーは、セキュリティチェックのために身元調査を受けた米国人2200万人以上について、住所や財務・医療記録、職歴や指紋といった重要な個人情報を盗みだした。

この大規模なサイバー攻撃の首謀者として最も疑わしいのは中国だと、米国側は特定したが、当時の中国外務省はこの主張を「馬鹿げた理屈」と一蹴した。

<前例なきスパイ大作戦>

米連邦捜査局(FBI)の情報部門を率いるジョシュア・スクーレ氏によれば、中国によるスパイ活動全体の約7割は、米政府ではなく、米民間セクターを対象にしているという。同部門はスパイ対策業務向けの情報収集などを担当している。

「わが国の歴史上、前例のないペースで、中国は経済スパイ活動を展開している」とスクーレ氏は語る。

エバニナ氏によれば、過去2年半でマロリー被告を含む5人の現旧当局者が中国のためのスパイ活動容疑で告発や有罪判決を受けた。これ以外にも米国人による中国向けのスパイ行為で捜査中の案件があると述べたが、詳細は明らかにしなかった。

米情報機関は現旧職員に対し、こうした活動への脅威について警告し、身を守るためのセキュリティ措置を指示している。現旧職員の一部は、政府関係の職歴を詳細にネット投稿しており、政府が公式には認めていない極秘の情報部門の名称まで記載していることもあるという。

リンクトインは「非常に優れたサイトだ」とエバニナ氏は言う。「しかし、政府内部の人間やCIAなどの元職員に限らず、研究者や科学者、技術者など、敵対国が望む人材を標的とするための重要な手段となっている。情報収集にはうってつけの舞台なのだ」

(翻訳:エァクレーレン)


 


蚊帳の外だったセーフヘイブン、魅力取り戻す−中国の銀行預金が増加
Bloomberg News
2018年9月6日 14:32 JST
• 中国の家計預金は7月、前年同月比で1年ぶりの大きな増加を記録
• 「質への逃避」で多くの資金が銀行などに向かう−民生銀の王一峰氏

Photographer: Billy H.C. Kwok / Bloomberg
中国金融市場での最近のセーフヘイブン(安全な避難先)は目新さも面白みも全くない代物だ。一般国民の間でリターン追求の動きが広がる中で、何年も蚊帳の外に置かれていた銀行預金が増えている。
  高利回りの金融商品投資が想定よりリスク高いことが明らかになるにつれ、銀行預金の魅力が再び高まっているためだ。
Further to Go?
China's household deposit growth seen accelerating as risky investments sour

Sources: People's Bank of China, Bloomberg
  中国の家計預金は7月、前年同月比で1年ぶりの大きな増加を記録した。
  本土株が急落し、社債デフォルト(債務不履行)は記録的ペースで増加。オンライン上で貸し手と借り手を結び付ける融資プラットフォームの閉鎖や凍結も相次ぎ伝えられ、不安に駆られた貸し手が資金返還を求めて殺到している。アナリストらはこうしたことを背景に資金が銀行預金に流入していると指摘する。

 
Daybreak: Asia." (Source: Bloomberg)
  民生銀行の王一峰研究員(北京在勤)は「『質への逃避』を目指す多くの資金が、預金や低リスクのマネーマーケットファンド(MMF)への預け入れという形で銀行などの伝統的な金融機関に向かっている」と述べた。

原題:China’s $29 Trillion Ball of Money Rolls to a Long-Ignored Haven(抜粋)


 

超富裕層が多い街ランキング、NYが香港に抜かれる−東京3位
Alfred Liu
2018年9月6日 14:08 JST
• 香港の金持ちの数は約1万人、NY8900人、東京6800人
• ロンドンは、パリよりも金持ちの数が少ない

Photographer: Billy H.C. Kwok / Bloomberg
超富裕層が最も多く住んでいる街は今では香港だ。これまでのニューヨークとの首位交代は、アジアの富の増大を象徴している。
  ウェルスXの最新調査によると、3000万ドル(約33億4000万円)以上の資産を持つ住民の数は昨年、香港で31%増えて約1万人となった。ニューヨークは9000人弱。東京が3番目で約6800人だった。欧州連合(EU)離脱が迫る英国の首都ロンドンは、パリよりも金持ちの数が少なかった。
Richer in Hong Kong

Source: World Ultra Wealth Report, Wealth-X
  全世界で超富裕層は13%増え、約25万6000人。彼らが持つ資産の総額は31兆5000億ドルに上る。
  ウェルスXのリポートによると、中国本土と香港の金持ちが最も大きく増えた。世界の超富裕層に占めるアジアの超富裕層の割合は25%余りと10年前の18%程度から高まっているという。
Where the World's Wealthiest Live
Top 10 places and the number of residents with more than $30 million

Source: Wealth-X
Note: Population numbers are rounded to the nearest 10.
Tiers of Wealth

Source: World Ultra Wealth Report, Wealth-X
原題:Hong Kong Passes New York as Home to the Most Ultra-Rich People(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/792.html#c4

[不安と不健康18] 長寿で増す筋力維持の重要性、分岐点は40代と70代(かいけつニュース速報) 怪傑
2. 2018年9月06日 22:28:52 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1456]
世界の4人に1人が運動不足−121位の日本人、米国人よりは体動かす
Hans Lee、Alyssa McDonald
2018年9月6日 15:54 JST
• 多くの国で男性より女性の運動が少ない傾向−WHO調査
• 比較的貧しい国の国民は高所得国に住む人々と比べ倍以上の運動
4人に1人が運動不足だと世界保健機関 (WHO)が168カ国・地域を対象に実施した調査で指摘した。最も運動量を満たしているのはウガンダの国民で、最下位はクウェート。日本は121位だった。WHOは激しい運動を週75分以上、中強度の運動なら週150分以上を十分な運動と定義している。
  米国は143位、英国123位、シンガポール126位だという。オーストラリアは97位で、インドは117位、フィリピン141位、ブラジル164位となった。
Let's Get Physical
1 in 4 adults -- or 1.4 billion -- around the world do not do enough exercise

Source: World Health Organization
Note: The WHO defines enough exercise as at least 75 minutes of vigorous activity or 150 minutes of moderately intense activity per week or any combination of the two.
  多くの国で男性より女性の運動が少ない傾向があり、比較的貧しい国の国民は高所得国に住む人々と比べ倍以上の運動しているという。クウェートと米領サモア、サウジアラビア、イラクでは人口の過半数が運動不足。ウガンダでは運動不足の国民は5.5%にすぎなかった。
  運動不足を解消する世界的な取り組みで2001年から16年にかけ大きな改善は見られず、25年までに運動不足を10%減らすというWHOの目標達成は難しい状況で、「大半の国」で緊急の対策が必要だとWHOは呼び掛けている。
原題:These Are the World’s Laziest Nations(抜粋)


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/647.html#c2

[経世済民128] 企業の「内部留保」史上最高の500兆円突破で起きること くすぶる「やっぱり課税すべき」の声(現代ビジネス) 赤かぶ
5. 2018年9月07日 00:18:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1457]

相変わらず愚かなことをやっているが

まず内部留保が全て現預金として存在しているわけではなく

多くは設備投資などの現物資産となっている


次に、なぜ企業が現預金としての内部留保も増やすかと言えば、


絶えず、支出が発生し、売り掛けリスクを抱えているから

一般家計以上に、資金繰り倒産が発生する可能性がある

そして日本の将来はもちろん、今の世界景気に対しても強い不安があり

またリーマンショックのような金融危機が起こることを警戒している


そうでなければ、さっさと投資や配当、賃金に回せばよいだけのこと


>時限を設定したうえで一定以上の内部留保に課税する方針を打ち出せば、企業は設備投資や配当に資金を使うのではないか

当然、そうなるだろう

そして、米国の規制緩和の動きや、世界の負債バブルの動きを見れば

次の金融危機では多くの企業が倒産するか、海外へと消えていくことになるだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/383.html#c5

[経世済民128] 東大生の親の6割以上は年収950万円以上(ニューズウィーク)  赤かぶ
7. 2018年9月07日 00:32:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1458]

>>05

タイトルのミスリーディングに気づいていない

愚かな指摘

ポイントは東大は特別ではないということだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/378.html#c7

[経世済民128] 「独身貴族」は一時的? おひとりさまの老後に待つ「お金の落とし穴」(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年9月07日 00:40:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1459]

>「独身貴族は羨ましいよな」──稼いだお金を趣味や娯楽に使えることから、そう言われることもある独身生活。だが、悠々自適の生活には、落とし穴も

独身が比較的、経済的に余裕があるとしたら、それは子育てコストがかからないことによる


>月額16万〜17万円では「独身貴族」どころか厳しい生活

だから高齢になれば、その優位が消滅するのは当り前の話だが

よほど愚かで浪費を重ねるか、低賃金でない限り、

妻が専業主婦や非正規の子育て世帯よりは、貯蓄はできるだろう


>自分の介護は誰がするのか

子どもがいたからと言って、介護を期待できると思ったら大間違いだろう

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/384.html#c1

[経世済民128] 企業の「内部留保」史上最高の500兆円突破で起きること くすぶる「やっぱり課税すべき」の声(現代ビジネス) 赤かぶ
7. 2018年9月07日 01:46:06 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1460]

日本の株価が、好調米国に置き去りにされる理由
磯山友幸の「政策ウラ読み」
「分配」姿勢に課題、投資家は成長力を疑問視

2018年9月7日(金)
磯山 友幸


日経平均株価は上値が重い展開が続いている。(写真:PIXTA)
2017年度の「内部留保」は前年度比9.9%増
 米国のダウ工業株30種平均は8月末に2万6000ドル台を突破、2月初め以来ほぼ半年ぶりに最高値を更新した。トランプ大統領が中国からの輸入品に関税をかける“米中貿易戦争”を仕掛けるなど株式市場を大きく揺さぶっているにもかかわらず、米国株高が続いている。

 一方、日本の日経平均株価はといえば、今年1月23日に付けた2万4129円34銭の年初来高値を抜くことができず、2万2000円台で上値の重い展開となっている。外国人投資家による売買比率が高い日本市場は、米国株など海外の情勢に大きく左右される。にもかかわらず日本株が高値を更新できないのはなぜなのか。

 企業業績は好調だ。財務省が9月3日に発表した2017年度の法人企業統計によると、企業(金融・保険業を除く全産業)の売上高は1544兆円と6.1%の大幅増となり、経常利益は83兆5543億円と11%増えた。当期純利益は61兆4707億円と24%も増えている。

 大幅に利益を増やしているにもかかわらず、株価は今ひとつ上昇する勢いに欠けるのだ。普通は利益が増えれば、株価は上昇するものだが、なぜ、日本企業はそうならないのか。

 最大の問題は、足元の利益が将来の成長につながると投資家に思われていないことだ。企業は稼いだおカネを設備投資に回したり、他の企業をM&A(合併・買収)したりして、将来の成長に「投資」する。あるいは、優秀な人材に高給を払って積極的に採用するなど人件費に投じる。そうした先行投資がいずれ利益となって再び企業に戻ってくるわけだ。もちろん、利益の一部は株主に配当として配られる。そうした将来に向けての利益の「分配」が見えるからこそ、株価が上昇するのである。株価は将来にわたって企業が生み出す価値を見据えている。

 ところが日本企業の場合、利益がそうした将来への「投資」に向かわず、かといって配当にも回らず、しばしば批判されているように「内部留保」に回っている。法人企業統計で内部留保を示す「利益剰余金」を見ると、2017年度は446兆4844億円。前年度に比べて40兆円、率にして9.9%も増えた。

 企業収益が大きく伸び始めたのは、第2次以降の安倍内閣が進めたアベノミクスの効果だ。量的緩和によって為替の円高が修正され、輸出産業を中心に業績が回復した。経常利益はリーマンショック後のどん底だった2009年度の32兆1188億円と比べると、2017年度(83兆5543億円)は2.6倍。第2次安倍内閣が発足した2012年度(48兆4611億円)と比べても1.7倍になった。

労働分配率はほぼ一貫して低下し続けている
 ところが、その利益がなかなか設備投資などに回らず、利益剰余金として企業に蓄えられる結果になっている。2012年度の利益剰余金は304兆円だったので、5年で140兆円も増加したことになる。この間、設備投資は34兆円から45兆円に11兆円増えただけにとどまっている。

 しかも内部留保の多くが、現預金として保有されている。2017年度に企業が保有している現金・預金の総額は、222兆円にのぼる。これだけの低金利の時代に、資金をただ積み上げて放置しているわけだ。

 安倍首相は、繰り返し「経済好循環」を掲げ、財界首脳に「賃上げ」を要請してきた。好調な企業収益の恩恵を、従業員に分配することで、家計が潤えば、それが消費の増加となって再び企業収益にプラスになってくる。こうした「循環」を起こすことが重要だとしているのだ。

 確かにベースアップは5年連続で実現したが、果たして企業は、経済好循環が起きるほどに人件費を引き上げているのか。

 法人企業統計の付加価値分析を見ると、2017年度の人件費の総額は206兆円。前年度に比べて2.3%増えてはいるが、5兆円弱の増加に過ぎない。内部留保の増加に比べれば微々たるものだ。それでも2015年度1.2%増、2016年度1.8%増、そして2017年度は2.3%増と、増加率が大きくなっているのを見ると、安倍首相の呼び掛けが多少なりとも効果を発揮しているように見える。

 しかし、企業が生み出した付加価値に占める人件費の割合、いわゆる労働分配率を見ると、2011年度の72.6%をピークにほぼ一貫して低下を続け、2017年度は66.2%である。

 内部留保の増加にかねてから苦言を呈してきた麻生太郎副総理兼財務相は、9月4日の閣議後の記者会見で「給料が伸びたといっても2ケタに達していない。労働分配率も下がっている」と指摘、「企業収益が上がっていることは間違いなく良いことだが、設備投資や賃金が上がらないと消費につながらない」と述べた。

 実際、給与の増加が消費の増加にはまだ結びついておらず、消費の低迷が続いている。企業にはまだ分配余地がある、としたわけだ。

 株価と大きく関係する企業の「分配」に、配当がある。物言う株主の増加もあって、近年は配当や自社株買いなど「株主還元」に力を入れる企業も増えている。では、配当はどれくらい増えているのか。

 法人企業統計によると2017年度の配当総額は23兆円余り。2016年度の20兆円に比べて3兆円増え、2015年度の22兆円を上回った。

配当性向は37.9%と、2016年度比で低下
 ところが、である。当期純利益のうちどれくらいを配当に回したかという「配当性向」は37.9%と前年度の40.4%から大幅に低下した。アベノミクスで企業業績が急回復した2013年度には配当性向が38.3%にまで低下したが、2017年度はそれを下回り、過去10年で最も低くなった。まだまだ増配余地があるということだ。

 2018年度の企業業績は当初、悪化する可能性があるとみられていた。ところが四半期決算などを見ていると、2018年度も増収増益になりそうな気配が強まっている。3月決算企業では、9月中間決算が締まる頃には通期の業績見通しを修正、中間配当や年間配当の見直しを行うことになる。今期も増益でしかも増配ということになれば、株価を押し上げる材料になるに違いない。

 もう1つ、企業に変化が見られている。将来を見据えた設備投資に力を入れるところが出始めた。日本政策投資銀行が8月1日に発表した2018年度の設備投資計画調査によると、資本金10億円以上の大企業の設備投資計画は前年度実績比21.6%増と大幅な増加になる見通し。前年度の同調査では伸び率は11.2%増だったので、設備投資意欲が急速に増していることを示している。

 企業が将来を見据えた投資に動き出す環境の変化もある。深刻化する人手不足に対応した無人化や省力化の投資が増えているのだ。特にこれまで生産性が低いとされてきた物流や飲食、小売り、宿泊といったサービス産業で投資が増えているのだ。小規模の飲食店などでもレジと連動した注文システムの導入が進むなど、人手不足が大きなきっかけになって設備投資を増やしている。物流業界では無人トラックの実証実験などが始まっている。

 こうした設備投資がすぐに企業収益に結びつくわけではないが、銀行口座に現金を積んでおくよりは、将来への可能性が広がるのは確かだろう。

 今後、上場企業は「分配政策」に無頓着ではいられなくなる。年金基金や生命保険会社といった機関投資家が、企業の成長戦略や配当方針に一段と目を光らせることになるからだ。内部留保を溜め込んで投資をしない企業に対して、海外のファンドなどが株を買い集めて、増配などを要求するケースが頻発しているが、過剰な内部留保を溜め込むことは、そうした物言う株主からターゲットにされる可能性があるのだ。

 また、国内の機関投資家でも、こうした海外投資家が増配などを要求した場合、賛成票を投じるケースが増えている。最終受益者であるアセットオーナー(年金資産などの保有者、保険契約者)の利益を第一に考えて行動することがスチュワードシップ・コードで求められるようになったからだ。

 企業業績が好調を続ける見通しになる中で、日本企業が「分配政策」について考え、内部留保の有効活用に動き出すようになれば、日本株も本格的に上値を追う展開になるだろう。


このコラムについて
磯山友幸の「政策ウラ読み」
重要な政策を担う政治家や政策人に登場いただき、政策の焦点やポイントに切り込みます。政局にばかり目が行きがちな政治ニュース、日々の動きに振り回されがちな経済ニュースの真ん中で抜け落ちている「政治経済」の本質に迫ります。(隔週掲載)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/383.html#c7

[原発・フッ素50] 北海道厚真町で山体崩壊 原発近くで起きたらひとたまりもない 日本の運命は風前の灯 全原発を即廃炉すべき  魑魅魍魎男
3. 2018年9月07日 08:42:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1461]
子力問題から逃げる安倍政権が電力危機を招く
大停電と「トリチウム水」に見る無責任の構造
2018.9.7(金) 池田 信夫
北海道古宇郡泊村にある泊発電所(出所:Wikipedia)
 北海道で震度7の地震が起こり、北海道全域の295万世帯が停電した。地震は日本では珍しくないが、こんな大停電は初めてだ。この原因は苫東厚真火力発電所(165万キロワット)が地震で停止したためと言われるが、地震が起きたときの消費電力300万キロワットのうち、55%を1カ所で発電していたことが大きな問題だ。

 本来は深夜には原発が「ベースロード」として電力を供給するので、泊原発(207万キロワット)が稼働していれば、大停電は起こらなかったと思われるが、これは原子力規制委員会が安全審査をしており、いつ再稼動できるか分からない。安倍政権は原発の問題からずっと逃げているからだ。

5年以上も放置されてきた原子力問題
 安倍首相が原子力問題について判断したのは、2013年10月のオリンピック招致演説が最後だ。このとき「汚染水」の処理について、首相は「国が前面に出る」と言い「状況は完全にコントロールされている」と宣言した。

 このとき国費でALPS(多核種除去設備)や凍土壁が導入され、排水から放射性物質を除去する方針が決まったが、トリチウム(三重水素)が除去できないことは分かっていた。これは水素の放射性同位体で、原子核の構造が水素とよく似ているので、除去する実用的な技術がないのだ。

 今も福島第一原発では、水をタンクに貯蔵するために毎日5000人が作業しており、1000基近いタンクに92万トンの「トリチウム水」が貯蔵されている。その処理をめぐって、8月30日と31日に地元で公聴会が開かれた。出席した反対派は貯蔵された水の海洋放出に反対し、「トリチウム以外の放射性物質がタンクに残っている」と主張した。

 そんなことは当たり前だ。事故を起こした炉心を冷却しているのだから、その排水にはいろいろな放射性物質が含まれている。それは環境基準以下に薄めて流せばよかったのだが、東電が「ゼロリスク」にしようとしたことが問題をこじらせてしまった。

放射性物質は除去されたが「風評」が残った
 東電は「汚染水」の中の放射性物質を除去したが、トリチウムだけが残ったまま、貯水タンクに水は貯まり続けた。原子力規制委員会の田中俊一前委員長も2014年に海洋放出の方針を示し、毒性がないことはマスコミも分かってきたので、汚染水は「トリチウム水」と呼ばれるようになった。

 東電の川村会長は2017年に「田中委員長と同じ意見だ」と海洋放出を示唆したが、これに福島県漁連が「裏切り行為だ」と反発し、田中氏も「東電は地元と向き合う姿勢がない」と強く批判し、問題は暗礁に乗り上げてしまった。

 このころから問題が「毒性」から「風評」にすりかわった。トリチウムを薄めれば毒性はなくなるが、風評は消えない。県漁連も、もっぱら風評を理由にして、海洋放出に反対するようになった。

 田中氏の後任の更田豊志原子力規制委員長も2018年1月、地元との話し合いで「意思決定をしなければならない時期に来ている」と述べたが、誰が決定するのかは明言しなかった。更田氏によると「原発内に貯水できるのはあと2〜3年程度で、タンクの手当に2年以上かかる」という。2018年中に結論を出さないと、貯水タンクが足りなくなる。

 原発再稼動もトリチウム水も、科学的には答が出ている。法的には安全審査は原発の運転とは別の問題で、定期検査の終わった泊原発は運転してよい。今は燃料棒を抜いているので運転は不可能だが、大停電の再発を防ぐには再稼動が必要だ。

 こんな簡単な答が出せないのは「あらゆる手を尽くしたができなかった」と言わないと、地元が納得しないからだ。再稼動は「安全審査に合格した」という(法的には無意味な)お墨付きをもらわないとできない。トリチウム水も貯水タンクが一杯になって「これ以上は無理だ」と言わないと流せない。

 そういう日本的な問題解決のために事故から7年以上も問題を放置し、原発を止めたことによるコストは15兆円を超え、廃炉には8兆円がかかる。それは結局は、電力利用者と納税者の負担になるのだ。

安倍政権の危機管理は大丈夫か
 安倍首相は5年前に「国が前面に出る」と約束した後ずっと、原発の問題を避けてきた。官邸の司令塔とされる今井尚哉秘書官(経産省出身)も、処理の方針を示さない。それが再稼動も「トリチウム水」も前進しない最大の原因である。今の政権では、官邸の意向がはっきりしないと誰も動けない。

 原子力は不人気な問題である。それに手をつけないで先送りすることは、政治的には賢明だった。憲法改正のためには、ポピュリズム的手法も必要だったのかもしれない。しかし3期目に入ると予想される安倍政権が、電力危機のリスクを放置していていいのだろうか。

 日本の電力供給の安定性は世界でもトップレベルだが、それは(よくも悪くも)電力会社の経営に余裕があったからだ。電力会社を追い詰めると経営は合理化するが、危機管理に必要なインフラの冗長性は小さくなる。首都圏で直下型大地震が起こると、北海道のような大停電が起こってもおかしくない。

 地震を止めることはできないが、大停電を止めることはできる。特に今回の場合は、原発再稼動という当たり前のことをしていれば、こんなことにはならなかった。北海道電力は「過去に120万〜130万キロワットの供給が失われた際の対応は検証していたが、3基が同時に停止する事態は検討していなかった」というが、それは逆だろう。

 原発を動かさないと大規模停電が起こる可能性は、ずっと指摘されてきた。特に北海道は、冬に停電すると凍死者が出るおそれがあるので危険だと言われてきたが、電力会社も経産省もそういう事態を「想定外」にしてきた。それを想定すると、原発再稼動しか答がないからだ。

 安倍政権は電力会社を悪者にして原子力の問題から逃げてきたが、そろそろ限界は近い。北海道の電力危機は、次のもっと大きな危機を警告しているのではないか。
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/290.html#c3

[経世済民128] 「ウチの社長は中国人」日本人社員が語る働き心地(ダイヤモンド・オンライン)  赤かぶ
1. 2018年9月07日 13:43:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1462]

中国人に乗っ取られたミャンマーの古都マンダレー
人口120万人の半数以上が中国系、不正・違法に国籍取得疑惑も
2018.9.7(金) 末永 恵
東南アジアを代表する仏教の国、ミャンマー。最後の王朝の古都マンダレーを含め、歴史的なパゴダ(仏塔)や寺院など世界遺産も多く抱える(筆者撮影)
 「マンダレーの死」――。

 ミャンマーのフォークシンガーが歌うその歌は、ユーチューブで公開され、瞬く間に拡散し、おおよそ100万人が怒りと悲しみに包まれた。

 「異邦人(中国人)にめちゃくちゃにされた」「この都市に住みついたあいつたちは何者」「私たちの愛するマンダレーは死んだ」――。

 ミャンマー人が中国人移民に乗っ取られた故郷、マンダレーを嘆くフォークソングだ。

 中国人が、地元企業を買い漁り、国民であるミャンマー人が故郷を追われ、異邦人の中国人が我が物顔で自分たちの故郷を占拠したと歌う。

 前回、「ついに頓挫か 中国人100万人マレーシア移住計画」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53936)で、マレーシア第2の都市、ジョホールバルに移住計画を企ててきた中国が、マハティール首相の誕生で苦境に立たされている様子をお伝えした。

 そして8月27日、マハティール首相は「外国投資歓迎・外国人不動産取得認可」の一貫した国の政策変更はないものの、「永住権や市民権を目論んだ」不動産取得は認められないとし、中国人による違法かつ不正な不動産取得の契約合意内容など事実関係の再審査を決定した。

 マレーシアの場合、マハティール首相が、先月の訪中で「新たな植民地主義は受け入れられない」と中国を公然と批判。同月末の米ワシントン・ポスト紙は「マハティール首相の中国に対する外交姿勢は、極めて正当なもの」と高く評価した。

 一方、東南アジアでは、中国投資により経済では一定の起爆剤になったものの、大量の中国人移民を阻止できず、中国人の大量移住により、すっかり変貌してしまった都市も出てきている。

 その一つが、「アジア最後のフロンティア」と言われるミャンマーの中心に位置する第2の都市で最後の王朝の古都、マンダレーだ。

 道路が縦横に基盤の目のごとく走り、町の中心に正方形の城壁と濠に囲まれた王宮が鎮座する。その外側を市街地が広がる。まるで、日本の京都のような佇まいだ。

 筆者も新聞記者時代から何度か訪れているが、首都・ヤンゴンの喧騒から、ホッと一息できる、昔ながらの歴史的文化都市が醸し出す空間は、ミャンマー人にも人気だった。

 そもそも、マンダレーはコンバウン朝の9代ミンドン王が、都をアマラプラからマンダレーへ遷都。1878年、ミンドン王が逝去し、次のティーボー王時代の1885年、第3次英緬戦争を経て、英国がマンダレーを占領。

 インドに王が追放され、コンバウン朝は滅亡。ミャンマーは英国の植民地となり、マンダレーは、ビルマ独立を守った最後の「王都」となった。

 美しいフォルムで際立つ東南アジアでは希少の木造建築の「シュエナンドー僧院」、マンダレー最大の仏塔「マハムニ・パゴダ」など、ミンドン王時代に荘厳な仏塔や寺院が多く建立され、マンダレーは国の文化の中心として発展した。

 最後の王都では、王様に寵愛される高僧を育てる芸術家が多くいたほか、マンダレー人は最も洗練されたビルマ語を駆使し、独特の具材とレシピでビルマで最高のカレーを作り出した王室料理人も育てたといわれる。

寺院では、日本と同様、供花を売っている。女性は、「タナカ」(日本人の名前のようですが)を顔に塗って、日焼け止め対策をする(筆者撮影)
 すなわち、マンダレーはミャンマーの「伝統文化」を育んだ祖国発祥の大地なのだ。

 仏教文化の聖地で、絹織物や翡翠、さらには木の彫刻や大理石の仏像製作など特殊伝統工芸の中心集積地で、ミャンマーでのマンダレーの存在意義は別格だ。まさに、日本の京都を髣髴させる。

 しかし、1990年代から2010年初頭の軍政時代、欧米が経済制裁を科す一方、中国人がマンダレーの経済を支配し、マンダレーは中国資本の国内最大の拠点となった。

 中国のミャンマー輸出(最終財)の約80%が昆明経由といわれている。マンダレーは昆明経由の中国製品の集積地なのだ。

 マンダレーを拠点に農村市場に中国の製品がばらまかれる一方、中国人経営のマンダレー市内の縫製工場では、「中国製」のタグを付け香港経由で欧米に輸出しているという。

 生産現場を見れば一目瞭然だが、部材から機械設備まで、中国製品に支配されているというのが現状だ。

 こうして、中国製品が溢れ、中国人が増えた結果、マンダレーの不動産価格は高騰。

 オーストラリアやニュージーランドなどの諸外国でも社会問題化しているが、中国人による投機で、マンダレー市民は地元故郷に住めなくなり、故郷を追いやられている悲惨な状況が続いている。

 その結果、かつてのビルマの伝統的な歴史的文化都市を標榜してきたマンダレーは、古き良き伝統を失いつつある。

 大陸・中国からの大量移民が、ミャンマーの伝統文化、歴史的価値観を軽視し、中国の文化、伝統を押し付ける事態に発展しているからだ。

 今では、毎朝、旧王宮の美しい壮大な堀のある街の中心部で、太極拳の練習をする中国人が大挙し、大音量の中国の音楽が鳴り響く。天空のミンドン王におかれては、さぞかしお悩みのことだろうとお察しする。

 結局、古の王都は、現在人口120万人ほどだが、その半数以上に相当する約60万から70万人(中国人。http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ir/college/bulletin/e-vol1/1-3shee.pdf=プーン・キム・シー立命館大学客員教授著「中国とミャンマーの政治経済関係」)が占拠する「中国の植民地化」となってしまったのだ。

 ミャンマーの法律では、外国人は土地の所有ができない。

 しかし、中国の雲南省との国境沿いで入国管理の役人に賄賂を渡し、偽造文書を作成し、違法な手段でミャンマーの国民証明書を入手する「異邦(違法)ミャンマー人」が急増。

 不正、違法な形でミャンマーの市民権や国籍を取得しているのだ。

 しかし、こうして外国人の中国人がいとも簡単に市民権を取得するのに対し、イスラム教徒のロヒンギャは何世代にもわたって永住権さえもらえない。何とも不条理な事態に陥っている。

 EUや米国が、「ロヒンギャ問題」と呼ばれる人権問題を背景に、ミャンマーへの投資を控えている状況にある中、中国は以前と変わらず、野心的に投資を進める。

 中国はミャンマーを、内陸部の雲南省とインド洋を結ぶ一帯一路の要衝と位置づけており、マラッカ海峡が封鎖された場合、ミャンマーを経由地点として、インド洋から直接中国国内に資源を輸送するルートが確保できる。

 地政学的にも、安全保障の観点からも重要な国であると認識しているからだ。

 昨年4月には、雲南省の昆明とミャンマーのインド洋沿いの港町、チャオピューを結ぶ原油パイプラインも稼働。

 90%の原油を中東やアフリカに依存する中国にとって、マラッカ海峡を通過せず、中国国内に運ぶ“代替肢”を確保できたことは大きい。

 さらに、今年2月、ミャンマー・中国経済回廊構築に関する政府間合意への署名か゛行われた。

 習政権が主導する一帯一路の重要プロジェクトの経済回廊計画には、中国の昆明からミャンマーのマンタ゛レーを経由し、ヤンゴンまて続く道路建設が組み込まれている。

 つまり、中国がミャンマーの主要道路を建設し、中国まで繋がっていくということ。マンダレーは中国のライフラインの“心臓部”というわけだ。

 欧米がミャンマー政府によるロヒンギャ住民の迫害を糾弾する一方、一貫して中国はミャンマーの立場を支持してきた。

 中国は今後も、巨額のチャイナマネーによる経済支援とロヒンギャ問題への支持をしたたかに両秤にかけ、ミャンマーを一層、中国の“陣地”に引き寄せたい思惑がある。

 マンダレーは、古くから中国・雲南省との交易・交通の拠点で、密輸ルートでもあった。

 麻薬の密輸や翡翠などの宝石の取引に関わる中国人も多く、今でも翡翠の卸売市場の朝市には、大陸から中国人が大挙する。

 中国とミャンマーの政府は、両国は「胞派(パウッポー)」の関係だ、という。ビルマ語で「血を分け合った兄弟」という意味で、友好関係を強調する。

 しかし、両国の思惑とは裏腹に、マンダレーの人たちは、中国人の大量移住は、マンダレーの植民地化と考えている。

 筆者の知人のマンダレー人は「我々は、今やマンダレー人と思っていない。中国人が我が物顔で生粋の住民のように平然と暮らしている。なぜなら、彼らは『お金』があれば、何でもものにできると思っているからだ」と誇り高い王都の子孫らしく、中国人を見下げる。

 そして、「宝石の都」(パーリ語)と呼ばれた最後の王朝は、「ミャンマー連邦・中国共和国」に成り果てた、と卑下して止まない――。

(取材・文 末永 恵)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/389.html#c1

[経世済民128] 対中関税22兆円手続き終了 米大統領、強硬姿勢崩さず(かいけつニュース速報) 怪傑
1. 2018年9月07日 18:03:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1463]

トランプ政権の対中関税発動迫る、市場は中国テクノロジー株など注目

Randall Jensen、Luke Kawa

2018年9月7日 12:14 JST
• 人民元や新興国市場、米工業株の動きも投資家は注視
• 米国の小型株は好調さ目立つ−国内重視で貿易摩擦の影響軽微か
今週の市場で誰もが口にしたくはない重大な問題は米国と中国との通商対立だ。投資家は今後の展開に注目している。
  トランプ米大統領は中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当への関税賦課計画について、意見公募期間が6日終了し次第、発動する構えだと伝えられている。実際に発動すれば、米国株式相場や新興国市場などを揺るがしかねず、米経済の長期的前進を幾分損なう恐れがある。
  キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は電話インタビューで、「短期的に多少の波乱を招くだろう。貿易や関税の影響の一部を経済的観点から目にし始めたところだ。実際に発動されて中国が報復に出る場合、その影響は恐らく来年1−3月(第1四半期)まで見られないだろう」と述べた。
  ここ数カ月の貿易摩擦の高まりから既に影響を受けた市場と、保護主義の台頭で影響を受けやすいとみられる分野を以下にまとめた。
中国のテクノロジーセクター
  トランプ政権が通商戦術で主な標的にしてきた1つは中国のテクノロジーセクターだ。米国が技術移転や知的財産権、技術革新に関わる中国の「不公平な貿易慣行」に対抗して3月に関税措置を打ち出して以来、中国企業は同業の米国企業に大きく出遅れている。中国のテクノロジー大手、百度やアリババ・グループ・ホールディング、テンセント・ホールディングス(騰訊)はMSCI新興市場指数の約12%を占めることから、同指数もその流れに追随する可能性がある。

工業株
  貿易摩擦で売られやすいもう一つの脆弱(ぜいじゃく)な分野は、国際的な販売やサプライチェーンに依存する米製造業者だ。これらの工業株の年初来のパフォーマンスはS&P500種株価指数を約5%下回っている。

小型株
  米国の小型株は全般的に、世界の株式を上回るパフォーマンスで、国内エクスポージャーの高さから貿易摩擦の影響を受けにくいと見られてきた。この差が生じた背景には、好調な経済活動を受けたドル高や米連邦準備制度の持続的な金融引き締め、新興国市場の一部の混乱もある。

波乱の新興国市場
  新興国市場は貿易大国間の緊張で最も大きく動揺しているようだ。中国と香港に上場する株式が約3分の1を占めるMSCI新興市場指数は1月に約10年ぶりの高値を付けて以来20%強値下がりしている。

中国の通貨
  中国人民元は貿易摩擦を背景に投資家の注目を集めている。オフショア人民元は3月に対ドルで1年ぶりの高値を付けて以来、最大11%下落した。元安は米国の貿易措置の一部を弱めるのに役立つが、中国政府は資本逃避にうんざりしている。

原題:Watch These Markets as Trump’s $200 Billion Trade Salvo Nears(抜粋)

 

 


 


2018年9月7日 / 12:28 / 31分前更新

コラム:自由貿易の復権へ、トランプ関税が思わぬ効果

Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領はうっかりと、自由貿易を再び「クール」なものにしているようだ。

海外からの安い輸入製品が米国の雇用を破壊していると訴えたこともあり、トランプ氏は大統領選で勝利を収めた。だが最新の世論調査では、経済に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、米国人は大統領の関税戦争を支持していない。中国に反感を持つ「ラストベルト(さびついた工業地帯)」でさえ、輸入関税による価格上昇を心配している。

2016年の米大統領選において通商問題は共和、民主両党にとって「共通の敵」だった。

トランプ氏はさまざまな通商合意からの脱退を公約し、共和党の理念を足蹴にした。民主党では、バーニー・サンダース上院議員が環太平洋連携協定(TPP)に批判を浴びせ、候補指名を争ったヒラリー・クリントン氏は従来の支持姿勢を転換せざるを得なかった。トランプ氏の公約は、ペンシルバニアのような伝統的に民主党色の強い産業州での勝利に一役買った。

トランプ政権は既に、メキシコやカナダ、欧州連合(EU)から輸入する鉄鋼・アルミニウム製品に対する追加関税に踏み切った。また、中国からの2500億ドル(約28兆円)相当の輸入品にも関税をかけようとしている。標的にされた国々は、報復措置を講じた。

一方でトランプ大統領は、いまだに主要通商合意の締結にこぎつけていない。大統領は1日、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を巡り、カナダをNAFTAにとどめる必要はないとツイートした。

しかし、一般の米国人は、トランプ大統領の貿易戦争が経済に及ぼす影響を心配している。最近の各種世論調査においても、貿易戦争が影を落とし始めた。

AP通信と全国世論調査センター(APーNORK)が先週発表した世論調査によると、回答者の61%がトランプ氏の通商協議を支持しないと回答し、不支持率は6月の55%から増加した。

ペンシルバニア州の鉄鋼生産がさかんな地域ですら、住民が懸念を深めている。最近のNBCニュース/マリストの調査によると、同地域の有権者46%が、関税措置により米世帯の負担が増え、経済がダメージを受けると回答。関税措置で米国の雇用が守られると答えたのは28%にとどまった。

米キニピアック大の世論調査では、オハイオ州民の55%が中国製品に対する関税を支持すると答えたが、それにより消費者物価が上昇した場合でも支持するとの回答は46%だった。

11月に予定される中間選挙で下院の過半数維持を掲げて選挙戦に臨む与党共和党は、神経をとがらせている。

先月行われたオハイオ州の連邦下院補欠選挙で辛勝した共和党のトロイ・ボルダーソン氏は、トランプ大統領の支持を受けたものの、トランプ関税を支持しないと発言。伝統的な共和党の地盤にもかかわらず、ボルダーソン氏の勝利は僅差だった。

ある共和党ストラテジストはBreakingviewsに対し、貿易戦争が党の経済繁栄に向けたメッセージを傷つけていると話す。関税を巡る公聴会では、多数の中小企業経営者が、関税で廃業に追い込まれる恐れがあると証言。トランプ大統領の貿易政策に対する反動は、経済的にも政治的にも大きな代償をもたらすかもしれない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 

 


 

中国は再び世界経済を救えるか−週内にも追加のトランプ関税発動

Enda Curran
2018年9月7日 10:26 JST
• アジア通貨危機や世界金融危機では中国が安定化の役割
• トランプ政権は中国製品2000億ドル相当に追加関税も
世界経済に占める中国の割合は拡大しており、新興国市場の混乱が先進国に波及しない防波堤としての役割がこれまで以上に重要になっている。
  アルゼンチンやトルコ、南アフリカ共和国の市場を襲い、アジアにも波及しつつある混乱でも、大半の先進国経済の成長見通しはほとんど損なわれていない。実際、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長からは、新興国には重荷となっている利上げペースを緩める兆しはほぼ見られない。
  だが、12兆ドル(約1325兆円)規模の中国経済がここからかなり減速した場合、話は違ってくる。トランプ米政権は中国製品2000億ドル相当への追加関税発動を週内にも発表する可能性があり、中国経済は新たな課題に直面している。
  世界経済に占める中国の割合は約15%と、20年前のアジア通貨危機時のわずか3%から大きく膨らみ、世界の経済成長に対する寄与は30%余りに達している。多くの新興国にとって中国は最大の貿易相手国であり、多くの商品で最も大きい買い手でもある。
  HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者、フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)は、「中国は新興国経済を引っ張る機関車だ」と指摘。「このため、新興国が既に債務のドル調達コスト上昇への対応に苦慮する中、中国経済の減速は特に新興国にとって深刻な課題になる」と話す。

  ブルームバーグ・エコノミクスのトム・オーリック氏は、1997年のアジア通貨危機や中南米での周期的な危機など大きなショックが新興国市場を襲っても、近隣の先進国にはさざ波が立つ程度だったと分析。だが、中国の場合はそうはいかない。
  中国は長らく安定化の役割を担ってきた。アジア通貨危機時に人民元切り下げを見送り、影響の広がりを防ぐことに一役買った。それから10年後の世界金融危機時には巨額の景気刺激策を打ち出し、商品需要が急回復、多くの新興国やオーストラリアなど一部の先進国を後押しした。
  メイバンク・キム・エン・リサーチのシニアエコノミスト、チュア・ハク・ビン氏(シンガポール在勤)は、中国が引き続き鍵を握ると指摘。「貿易戦争で中国経済が沈むことになれば、新興国や他のアジア諸国は下押し圧力をフルに受けることが避けられない」と述べた。
  予想する向きはほとんどいない中国経済のハードランディングシナリオは起こりそうにないが、中国景気が底堅く推移しても、金融引き締めによる影響から世界を守ることはできない。
  ユーリゾン・SLJキャピタルのスティーブン・ジェン最高経営責任者(CEO)は、「中国は世界経済情勢の一段の悪化を防ぐため、新興国向けに措置を講じることは可能だ」と指摘しながらも、「米金融当局による今後の政策行動に伴う逆風を完全に打ち消すことはできないだろう」と述べた。
原題:China Stands Between Emerging Market Turmoil and Global Pain(抜粋)

 


 

外為フォーラムコラム2018年9月7日 / 08:13 / 30分前更新
コラム:巨大黒字国ドイツ、再びトランプ貿易戦争の標的に
Jamie McGeever
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[ロンドン 5日 ロイター] - 今週発表されるドイツ貿易統計は、世界の経済ウオッチャー、とりわけ米ホワイトハウスの住人にとって、巨大な経常赤字を抱えた国と巨大な黒字を享受する国にまたがる深い亀裂を改めて認識させるものになるだろう。

トランプ米大統領は先週、ドイツや欧州が、為替相場をユーロ安に操作して輸出や貿易を自国有利になるよう働きかけることで、米国企業に損害を与えている、と改めて攻撃した。

「ほぼ中国並みに悪い。ただ(中国より)小さいだけだ」と、トランプ氏はブルームバーグに語った。

実際には、対米や全体の貿易黒字額では、ドイツの黒字は中国よりも大きい。

もし、米国とドイツの溝が改められることなく拡大すれば、その反動で為替市場のボラティリティーが急上昇する事態が起きかねない。ボラティリティーは現在、史上最低に近い水準にあるが、それが急上昇するならば、世界金融市場の安定を脅かすことになりかねない。

ユーロ/ドル市場は、世界でもっとも取引が活発で重要な為替市場であり、取引高は1日1兆ドル(約111兆円)と、全世界の為替取引の4分の1近くを占めている。ユーロ/ドルが安定している理由は、まさにこの取引規模と流動性にある。

だがこの市場が、今後も静かなオアシスであり続ける保障はない。

ボラティリティーが新興国市場の大半を引き裂く中、先進国市場は、これまでほぼ無傷のままだった。だがユーロ/ドル相場における混乱やストレス、急変から影響を受けない市場は世界に存在しない。

ドイツは今年上半期、244億ユーロ(約3兆1600億円)と、どの国よりも大きな対米貿易黒字を記録、同国の総貿易黒字額も1215億ユーロに達した。

ドイツは2002年以降、毎年経常黒字を計上しており、2015年には国内総生産(GDP)の8.9%に達した。その後、この割合はやや減少しているが、それでも昨年はまだ8%台で、3年間の平均値は欧州委員会(EC)が上限として推奨する6%を大きく上回っている。

ミュンヘンのIFO経済研究所によれば、ドイツの経常黒字は今年2990億ドルに達し、3年連続で世界最大の貿易黒字国となると見込まれている。これは、約2000億ドル程度とIFOが予想する2位の日本の経常黒字を、約50%上回っている。

したがって、トランプ大統領が再びドイツに関心を向けたことも、何ら不思議ではない。昨年1月、ドイツ政府が「ひどく過小評価された」ユーロを使って米国から「搾取している」と非難したナバロ米通商製造政策局長の発言を、大統領は繰り返した。

外交的な表現をするなら、ドイツが何らかの手段でユーロ相場を操作しているとの指摘は疑わしい。実際、世界の3大経常黒字国の中で、ドイツは自国通貨相場に対する影響力が最も低いためだ。

中国は、以前より人民元の柔軟性や元建ての二国間貿易を容認しているかもしれない。だが、それでも人民元は、厳しい資本管理が敷かれた国の、厳密な管理下に置かれた通貨であることに変わりはない。人民元は基本的に、中国政府の意のままに動く。

そして日本は、この20年で世界のどの先進国よりも頻繁に世界の為替市場に介入しており、そのほとんどが、円安方向への誘導、または、少なくとも円高進行を阻止するためのものだった。

これら3大輸出国は、2002年以降、経常黒字を毎年計上している。2002年は、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した年であり、ドイツが経常赤字から黒字に転じた年でもある。

国際通貨基金(IMF)と世界銀行のデータによると、2002年以降にこの3カ国が計上した累計経常黒字の合算金額は、現在の為替レートで8.6兆ドルに達する。これは、同期間に米国が抱えた累計債務額8.3兆円に、ほぼ完璧に符号する。

米国の歴代政権は、日本や中国、またはドイツが、通貨操作や他の通商慣行を利用することによって、世界市場における自国製品の競争力を高めてきたと批判してきた。

1980年代に当時のレーガン大統領が標的にしたのは日本で、2000年代にジョージ・W・ブッシュ大統領が追及したのは中国だった。トランプ大統領は、中国とドイツに怒りの矛先を向けている。

レーガン大統領が就任した1981年以来、米国は、たった1年を除いて、毎年経常赤字を出してきた。その例外は1991年だが、IMFと世銀のデータによると、同年の黒字額はGDPの0.046%で、ほとんど意味がなかった。

世界貿易の舞台で「アメリカの敗北や失敗」だとみなしているものに向けるトランプ大統領の苛立ちは、自国に対して向けられるべきではないだろうか。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 


 

 
2018年9月7日 / 16:13 / 1時間前更新
ドル110円半ば、米大統領発言受け2週間ぶり安値
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[東京 7日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の110円半ば。日本時間の早朝(米国市場終盤)にトランプ米大統領の対日貿易不均衡を巡る発言が伝わり、ドルは一時2週間ぶり安値をつけた。

トランプ米大統領は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニストとの電話の中で、自身と日本の指導者との良好な関係に言及する一方、「『もちろんそれは彼らがいくら支払わなければならないのかを伝えればすぐに終わるだろう』と付け加えた」という。

これを受けて、ドルは一時110.38円と8月22日以来2週間ぶり安値まで下落。「通商問題で日本にはこれまで具体的な言及はなかった。目先は円高圧力が強まりやすい」(信託銀)との声が出ており、欧州から米国時間にかけて円高圧力が警戒されている。

きょうは8月の米雇用統計が発表される。「米雇用市場は堅調との見方が主流だが、8月ADP民間雇用者数が予想を下回ったこともあり、予想外に悪ければドルが110円割れするリスクもある」(外為アナリスト)という。

米国の対中追加関税の意見募集期間は米国時間6日夜に終了したが、中国からの2000億ドルの輸入品に対して追加関税措置を発動したとの報道はない。

一方、7月の米国の対中貿易収支は368億ドルと過去最高となり、トランプ政権の保護主義的な政策が今のところ成果をあげていないことを示唆する結果となった。

午後3時過ぎのスポット市場の人民元CNY=CFXSは1ドル=6.84元付近。この日は6.8296元で取引が始まり、元安方向に振れた。

香港市場では翌日物の人民元HIBOR(香港銀行間取引金利)HICNHONDF=が3.13933%と前日の1.71600%から急上昇し、約3カ月ぶりの高水準となった。

中国国営銀行大手がフォワード市場で、ドルを人民元にスワップするドル投/人民元転取引を実施し、流動性がタイトになったことがHIBOR上昇の主因とみられる。

中国国営銀行はしばしば中国人民銀行(中央銀行)の意向を反映して行動するとされ、人民元安を抑制したい人民銀行が、国営銀行を介して、人民元の借入れコストを吊り上げた可能性が指摘されている。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 110.58/60 1.1622/26 128.53/57

午前9時現在 110.48/50 1.1618/20 128.37/41

NY午後5時 110.74/77 1.1621/23 128.72/76

為替マーケットチーム

 


2018年9月7日 / 12:33 / 5時間前更新
コラム:通貨ルピアが急落、インドネシアに有効な防衛策は
Clara Ferreira-Marques
2 分で読む

[シンガポール 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - インドネシアにとって通貨防衛の最も有効な方法は、「頭を冷やす」ことかもしれない。新興国資産が劇的に売られる流れを受け、通貨ルピアの対ドル相場は1998年のアジア危機以来の安値に沈んだ。政策担当者はあわてているようだが、落ち着いて取り組めば十分対応できる。

ルピアを守るという面でインドネシアの態勢は、20年前よりしっかりしている。当時に比べて外貨準備は多い半面、対外債務は少ない。ただし経常赤字が拡大を続けているため、アルゼンチンやトルコと同一視されてインドネシア資産は売り浴びせられている。5日には株価も約4%安と、この2年近くで最大の下げに見舞われた。

こうした中で当局は見事なほど早めに動いてきた。中央銀行は5月以降4回、計125ベーシスポイント(bp)の利上げを実施するとともに、2月から7月まで外貨準備のうち137億ドル相当を投じてルピア支援の介入を間断なく行っている。最近ではヘッジコストの引き下げを試みた。一方で政府は、今年の対国内総生産(GDP)比が昨年の1.7%から2.5%に上がると予想される経常赤字の縮小に力を注いでいる。

実際に発表された経常赤字縮小策は、短期的にはプラスに働くだろう。例えばバイオディーゼルの使用義務化は、同国の原油輸入を日量約40万バレル減らしてくれる可能性がある。とはいえ、これらの措置は低調な経済成長を再び上向かせたり、喉から手が出るほどほしい外国の直接投資を呼び込む力は全くない。

より適切で長期的な解決策は、自由化を継続するとともに政策の安定を維持して、海外からの資金流入につなげることだ。国内エネルギー部門への資金流入が増えれば、インドネシアは再びエネルギーの純輸出国になってもおかしくない。同じように、およそ250億ドルの発電所向け投資の先送りは、インフラ改善の努力を妨げている。そうした改善がなければ、インドネシアが外国資金に投資先として選んでもらうのは難しくなるかもしれない。

逆にムルヤニ財務相が4日、投機筋に対して漠然と脅しをかけたような行為は、何の役にも立たない。打つ手の選択肢がだんだんと減り、選挙も視野に入っている中で、政治家としてはこのような口先介入や目先の対策をもっと打ち出したくなるだろう。

もっとも中銀は、来年になればドル高がもたらすルピアの下げ圧力が弱まると予想している。それまでにより多くの改革や後戻り可能な措置を実行する方が、インドネシアにとっては有益だろう。

●背景となるニュース

*ルピアの対ドル相場は4日、一時1ドル=1万4940ルピアと20年ぶりの安値に沈んだ。アジア新興国通貨の中で今年値動きが最も低調なのがインドルピーで、ルピアはそれに次いで、年初来の下落率が10%近くに達する。

*インドネシア政府は4日、投機筋に対して「断固とした行動」を取ると表明。中央銀行と金融サービス監督機関が大口取引への監視を強める、とムルヤニ財務相が発言した。

*中銀は5月以降に計125bp利上げし、ルピア支援のために数十億ドル規模の為替介入を実施した。

*中銀は、オーバーナイト・インデックス・スワップと金利スワップの導入により、企業や投資家が利用できるヘッジ手段を拡大する方針を示した。一方で政府は、いくつかの発電所建設プロジェクトの延期や修正などを通じて、輸入の抑制に取り組んでいる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/390.html#c1

[経世済民128] 金融市場のインフルエンサー --- 久保田 博幸  赤かぶ
2. 2018年9月07日 18:14:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1464]

国内では日銀が強力だが

最大のインフルエンザウイルスはトランプ

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/390.html?c1#c1


主要ニュース(共同通信)2018年9月7日 / 17:10 / 11分前更新
「闇の政府」が相次ぎリーク?
共同通信
1 分で読む

 【ワシントン共同】トランプ米大統領を露骨に批判する政権高官らの声が相次ぎ報じられ、トランプ氏は6日、政権内部の隠れた「ディープ・ステート(闇の政府)」が自身を倒すためにメディアにリークしているという陰謀論を主張。側近の誰を信用すべきか疑心暗鬼に陥っているとの見方も浮上している。

 4日に著名記者ボブ・ウッドワード氏の新刊「恐怖」に、予測不能なトランプ氏の制御を試みる複数の高官の声が引用されていることが発覚。5日も、ニューヨーク・タイムズ紙にトランプ氏の振る舞いを「国家にとって有害」と断じた匿名の高官の寄稿が掲載され、ホワイトハウスは犯人捜しに躍起となった。

【共同通信】

 

Photographer: Akio Kon/Bloomberg
円の対ドル上昇加速も、トランプ氏発言で2つの節目近づく
Michael G. Wilson
2018年9月7日 12:10 JST

  円の対ドルでの上昇が勢いを増そうとしている。トランプ米大統領が通商問題で日本とも対決する可能性を示唆した後、ドルの対円相場は2つの節目を試そうとしている。1つは100日移動平均で、これを下回って今週を終えれば一段の下落に道が開けそうだ。もう1つは8月21日に付けた安値の1ドル=109円78銭で、これを割り込むと108円の水準を試すことになる。
原題:Dollar-Yen Faces Double Trouble as Trump Turns to Japan: Chart(抜粋)


 

円上昇、日米貿易摩擦警戒でドル・円は一時約2週間ぶり110円前半
小宮弘子
2018年9月7日 10:57 JST 更新日時 2018年9月7日 16:09 JST
• ドル・円下げ続けるかは微妙、好調な米指標がサポートに-CIBC
• 豪ドルは16年以来の安値へ下落、トランプ政権の対中追加関税を警戒
東京外国為替市場では円が上昇。トランプ米大統領の発言を巡る米紙報道を受けて日米貿易摩擦への警戒感が高まり、ドル・円相場は一時約2週間ぶりの円高水準を付けた。
  この日の相場は円買いが先行。主要10通貨すべてに対して上昇する場面があった。対ドルでは一時1ドル=110円38銭と8月22日以来の水準まで円高が進行、午後3時57分現在は110円66銭で推移している。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のオピニオン記事は、貿易を巡って日本と争う可能性を示唆するトランプ大統領の発言を報じた。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、トランプ政権の対日貿易姿勢についてそこまで強硬ではないと思っていた向きもいるだろうが、「貿易赤字が膨らむ中で、貿易交渉の姿勢が強固であることが確認された」と指摘。米国の対中関税やカナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)交渉の行方なども重しとなり、ドル・円とクロス円(ドル以外の対円相場)の調整を促したと説明した。
  
  一方、午前9時過ぎには円買いも一巡。週末を控えて様子見姿勢が広がる中、円は伸び悩む展開となった。春木氏は、この日発表される米雇用統計で良好な結果が予想される中、「好調な米経済指標はドル・円をサポートしそう」だとし、「ドル・円がこのままじりじり下げ続けるかは微妙」と語った。
米雇用統計のプレビューはこちらをご覧ください。
  トランプ政権の中国製品2000億ドル(約22兆1000億円)相当への関税上乗せ計画に関する意見公募は6日に終了し、翌7日にも対中関税を発表する準備が整う。一方、カナダ当局者は6日、米国とのNAFTA交渉について、今週中に合意に達することはないだろうとの見通しを示した。カナダのフリーランド加外相によると、交渉は7日に再開される。
  米中貿易戦争の激化が警戒される中、豪ドル・円相場は一時1豪ドル=79円ちょうどを割り込み、2016年11月以来の水準まで豪ドル安・円高が進行。豪ドルは対ドルでも1豪ドル=0.7138ドルまで下落し、同年3月以来の安値を付けた。
  フランクリン・テンプルトン・インベストメンツの豪債券部門のディレクター、アンドリュー・カノビ氏(メルボルン在勤)は、対中関税に対する懸念の高まりやより広範な新興国市場の弱さが豪ドル安の背景にあると説明。また、「市場は強い豪GDP(国内総生産)でなくて、所得の弱い伸びや低調な消費者物価に関する話に目を向けている」とし、豪ドルの下落リスクは高まっていると述べた。


 


 

超長期債が小幅高、日銀オペ方針に安心感でフラット化続く
野沢茂樹
2018年9月7日 8:00 JST 更新日時 2018年9月7日 16:09 JST
• 新発30年利回り一時0.83%、新発40年利回り0.97%にそれぞれ低下
• オペ方針に安心感が広がり超長期債を中心に買い戻し−三菱UFJ信
債券市場では超長期債相場が小幅高。日本銀行による今月の国債買い入れオペが月間ベースでは小幅な減額に落ち着くとの安心感に加えて、米国を巡る貿易戦争拡大の懸念を受けた米債高と円高・株安も追い風となった。
  7日の現物債市場で新発30年物の59回債利回りは0.83%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)下回って開始。その後は0.835%で取引された。新発40年物の11回債利回りは0.5bp低い0.97%。長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは横ばいの0.105%で推移した。
  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、市場は9月のオペ方針で「当初は回数減に注目したが、月間ベースの減額幅が小幅にとどまる点が意識され、安心感からボラティリティーも低下してきた」と指摘。「これまでショートしやすかった超長期ゾーンを中心に買い戻しの動きが広がり、イールドカーブのフラット化につながっている」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比5銭高の150円44銭で取引を開始後、円高・株安を背景に一時150円48銭に上昇。午後もこの日の高値圏で推移したが、取引終盤にかけては伸び悩み、結局は1銭安の150円38銭で引けた。
  日銀は9月のオペ方針で回数を減らして1回当たり買い入れ額の上限を引き上げた中長期ゾーンの買い入れを今週、相次ぎ実施。買い入れ額は新たなレンジの中央値となり、月間合計では残存期間3年超5年以下が前月より500億円減、5年超10年以下は1500億円減の見通しとなり、大幅な減額の懸念は後退している。
流動性供給入札
  財務省はこの日、残存期間1年超5年以下の既発債を額面で4000億円程度、追加発行する流動性供給入札を実施。市場の需給環境を映す応札倍率は4.74倍と、3月以来の高さとなった。
過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧下さい。
  この日の債券市場では米国を巡る貿易戦争拡大の懸念や新興市場国の混乱も米独長期金利の低下を通じて買い材料視された。早朝にはトランプ米大統領が日本との通商対決を視野に入れているとの一部報道も伝わり、東京時間には日経平均株価が一時300円超下落。円相場は対ドルで1ドル=110円38銭と約半月ぶりの高値を付ける場面があった。
新発国債利回り(午後3時時点)
前日比
2年債 -0.115% +0.5bp
5年債 -0.075% 横ばい
10年債 0.105% 横ばい
20年債 0.610% 横ばい
30年債 0.835% -0.5bp
40年債 0.970% -0.5bp


 

 

 

 
新興国市場の「感染」も下火か、沈静化がコンセンサス−フィッチ
Alexandra Stratton、Lananh Nguyen
2018年9月7日 11:17 JST
フィッチはパキスタンを除く全てのアジア新興国の安定的見通し維持
ソブリン格付け責任者マコーマック氏がインタビューに応じた
アルゼンチンとトルコで始まり、インドやインドネシアなどの新興国市場に広がった資産の売りはこれ以上広がらず、落ち着く可能性が高いと格付け会社フィッチ・レーティングスが指摘した。

  同社のソブリン格付けグローバル責任者ジェームズ・マコーマック氏は、金融市場で広範な売りの感染が確かに見られるものの、新興国市場の混乱は沈静化するというのが投資家のコンセンサスだと説明した。フィッチはパキスタンを除く全てのアジア新興国市場について「安定的」という見通しを維持している。

  同氏はフィッチがニューヨークで主催した会議でインタビューに応じ、「感染を巡る議論は、時間と共に変化している。以前の危機のエピソードほど人々は注目していない」と述べた。他の場所での動きに基づいて別の国・地域の資産が不合理に売られることを同氏は「感染」と定義している。

  会議では調査参加者の約43%が今回の混乱を通じてポジションを維持すると回答。約30%が感染悪化でエクスポージャーを減らすことは妥当だと答え、売りは行き過ぎで買いの好機との見方は全体の26%を占めた。

原題:Fitch Sees Emerging-Market Contagion Easing as Investors Pause(抜粋)


 

リーマン・ショックの教訓 破綻から10年
5つのポイントを解説
米下院監視・政府改革委員会の公聴会に出席するリーマン・ブラザーズのファルド最高経営責任者(2008年10月)
米下院監視・政府改革委員会の公聴会に出席するリーマン・ブラザーズのファルド最高経営責任者(2008年10月) PHOTO: REUTERS
By James Mackintosh
2018 年 9 月 7 日 12:24 JST

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

***

 米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破たんから10年が経った今も、あの時どこで何を間違え、同じ事態を再び招かないためにはどうすればいいかを解説する書物が多く出版されている。最適な銀行の規制方法や、デリバティブ(金融派生商品)の取引相手に対する減免などといった議論に投資家らが踏み込む必要はないだろう。だがその全体像はいまだに掌握できないものの、リーマンの崩壊からは多くの重要な教訓を学べる。以下にそのうちの5つをまとめた。

1. すべてのバブルが過大なバリュエーションとして表れるわけではない
 2008年の金融危機に向かって突き進んでいた中でも、多くの人にとってドットコム・バブルはまだ鮮明な記憶だった。バリュエーションは90年代末の異常な水準にまだまだ及んでいないと当時よく言われていた。だからバブルの心配はない、株価も大丈夫だ、と。

 これは1929年の大恐慌と同じように誤った考え方だった。残念ながらバブルは信用に生じており、株価収益率(PER)やそれ以外のほぼすべてのバリュエーション・ツールに注目していた人たちは欺かれた。危機直前のバブルはPERのP(株価)だけでなく、E(収益)も膨らましていたからだ。現在の予想PERはリーマン・ショック前に付けた2007年の最高値を上回り、企業の収益も上々ですべてが安泰のように見える。2007〜2008年よりもこの収益が持続可能であることを願いたいが、一方で収益の質を計るあらゆる指標は下落気味で、企業の借り入れ依存度も高くなっている。

2. 危機が生じると、流動性は突如なくなる
 投資家らは社債などの取引が特に難しくなっていると嘆き、トラブルが控えている前兆かもしれないと不安を示す。だが2008年の出来事は、簡単に取引できるものは今後もそうであり続けると信じることに本当の危機が宿っていることを教えてくれた。なぜならば危機が生じれば、容易な取引などなくなるからだ。

 2007〜2008年当時は、容易だった社債の取引が難しくなった。好調を維持していた頃、プライマリーディーラーたちは2850億ドル(約31兆円)にも及ぶ巨額なポジションを抱え、それが市場の流動性を過去最高までに高めた。だがポジションを一気に手仕舞うと、市場は一気に流動性がなくなった。そしていよいよ危険な情勢になると取引は完全に止まり、ジャンク債の利回りは23%まで跳ね上がった。複雑な仕組み金融商品は好景気の時には最も人気が高かったものの、それらを売買することは不可能になっていった。

 一方、ディーラーたちが今抱えている社債の額は100億ドルにとどまる。逆に流動性が高いのが、上場投資信託(ETF)だ。だが危機的な状況になっても債券ETFなら簡単に手放せると購入者らが考えているならば、残念な思いをするだろう。


Warren Buffett Explains the 2008 Financial Crisis

金融危機とはなんだったのか?著名投資家ウォーレン・バフェット氏に聞いた(英語音声、英語字幕あり)
3. 長期の安定は過剰な判断を招く
 経済学者の故ハイマン・ミンスキー氏の考え方は、金融危機後に再び持てもてはやされた。同氏が提唱した投機的なサイクルがほぼ現実のものになったからだ。2001年のわずかな期間をのぞき、当時は景気拡大が長期にわたって続いたため、多くの人は現状に満足していた。誰もがローンを組もうとし、銀行もやや積極的すぎるほどに融資した。これが資産価格の上昇と強い経済を生む素晴らしきサイクルとなった。だがそのサイクルが逆回転し始めた時に借金を返済する必要が生じ、それが資産価格を暴落させ、深刻な景気後退を招いた。

 ミンスキー氏が提唱するサイクルの最終ステージでは、「ポンジ(詐取的)債務」と呼ばれるものの拡散が見られる。これは収入のみで債務返済ができず、トラブルを避けるために資産価値の上昇を必要とする事態を指す。2007年のサイクルのピーク時では借入資金による企業買収、ヘッジファンドのレバレッジ、不動産投機、そして大規模な投資構造などの拡散がこれにあたる。これらは今はほとんど目につかないものの、後になって振り返ると見えてくるケースものも多い。

4. 金融イノベーションは頻繁に破綻する
 経済史学者の故チャールズ・キンドルバーガー氏は歴史を通し、資金や信用供与を抑制するために規制をしても、それをかいくぐって無謀な貸し出しが続けられてきたことを記録している。陶酔する投資家や企業からの資本や融資への需要は、イノベーションによって金融システムがそれを満たしてきた。資本として利用できる新たな商品を作るなどしてだ。2007年の場合は、マネー・マーケット・ファンド(MMF)が仕組み商品を手がけるなどしていたのがその一例だ。

 金融危機後の規制により銀行がローンへの需要を満たせない中、クレジット・ファンドやピアツーピア(P2P)の貸し手などがそれを埋めるための方法を模索している。だがその規模はまだまだ小さく、危機的な状況を生じさせるほどではないと期待したい。

5. 今回こそという考え方は、大抵の場合で間違えている
 証券化やデリバティブによってリスクを他社に振り分けたため、銀行はより安全になったと2007〜2008年頃には考えられていた。だがこれは状況を改善するのではなく、リスクがどこに隠れているのかを見えにくくするものであり、結果的に誰もが最悪の事態を予測するようになった。

 各銀行は底堅い状況が続くが、そのほとんどはより多く質も高い資本と流動性によってもたらされている。だがリスクをファンドに転嫁する複雑な手法が素早く広まり、銀行以外の金融機関による貸し出しも増えている。2007年と比較すればこのような動きのスケールは(少なくとも中国以外では)まだ小規模だ。ただしこれらが将来的に脅威となる可能性はある。

 より多くの世帯や企業幹部、そして投資家が前回の危機に注目すれば、彼らが過大なリスクを冒して次の危機を招く可能性が低下するのはいいことだろう。

 米経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスは1975年に、その壮大な著書「The Great Crash 1929(大暴落1929)」の序文でこううまくまとめた:「金融面での錯覚や狂気の予防には、法整備よりも人の記憶の方がよっぽど効果的だ。1929年に生じた大惨事の記憶が消えた時、法や規制はもはや意味をなさなかった」。多くの投資家が2007〜2008年の出来事を振り返れば振り返るほど、あのような出来事が繰り返される可能性は低くなる。10年の節目が訪れたにもかかわらず、その記憶が薄れていることを筆者は懸念する。

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8月の米雇用統計、5つの注目点

今年に入ってからの就業者数の増加は月平均21万5000人 PHOTO: LYNNE SLADKY/ASSOCIATED PRESS
By
Sarah Chaney
2018 年 9 月 7 日 11:02 JST
 米商務省は7日に8月の雇用統計を発表する。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト調査では、非農業部門就業者数が前月比で19万2000人増加し、失業率は前月の3.9%から3.8%に低下すると予想されている。以下に5つの注目点を挙げる。
1. 失業率の低下
 失業率が2カ月連続での低下になるかに注目したい。ベトナム戦争の最中だった1969年以来の低水準である3.7%にまで下がる可能性も排除できない。レイオフの目安となる新規失業保険申請件数は歴史的低水準を維持しており、労働市場が堅調であることを裏付けている。
米国の失業率

Source: Labor Department

2. 採用は再加速するか
 採用は7月の減速の後、また加速しそうである。今年に入ってからの就業者数の増加は月平均21万5000人となっており、前年同期間の同18万4000人を上回っている。7月の就業者数の増加はその両方を大きく下回ったため、反発してもおかしくない。8月の就業者数が堅調な伸びを示すと見込む理由は他にもある。7月の雇用統計にはいくつかの異常値が見られた。例えばスポーツ・レジャー業界での就業者数が伸び悩んだが、同じことが8月のデータに表れる可能性は低い。
3. 広義の失業率
 その他の失業率にも注目しなければならない。職探しをあきらめた人、正規雇用を希望しつつやむなくパートタイム職に就いている人などを含む広義の失業率「U-6」は7月、前月の7.8%から7.5%に低下した。ただ前に失業率が同じくらい低かった時期と比べると、幾分高い水準を維持している。2000年12月のU-6は6.9%だった。背景には、経済的理由でパートタイム職に就いている人の割合が縮小傾向にある一方で、18年前よりもまだ大きいということがあるのかもしれない。
4. 賃金の小幅上昇
 労働市場は引き続きひっ迫しているので、賃金は小幅には上昇しそうだが、急上昇は期待できない。7月の全労働者の賃金は前年同月比2.7%の上昇で、非管理職の賃金の上昇率と同じだった。この数値は、失業率が現在に近い低水準だった2000年に記録された非管理職の年間時給上昇率、約4%を下回っている。
5. 高卒未満の失業率が最低更新か
 高卒未満で25歳以上の労働者の失業率は7月に5.1%を記録した。これは1992年にデータを取り始めて以来の最低水準である。同失業率は2016年9月に直近のピークである8.5%を付けてから、2年間で特に急激に低下してきた。教育水準の低い人の失業率の急低下は、ひっ迫しつつある労働市場が周縁にいる人々を引き込んでいるという証拠だ。この傾向が続くのかに注目したい。
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ミレニアムがクオンツファンド閉鎖−「カオス理論」物理学者設立
Vincent Bielski、Saijel Kishan
2018年9月7日 14:08 JST 更新日時 2018年9月7日 16:07 JST

プリディクションは1年を除きプラスの運用成績が続いていた
ファーマー氏ら2人の物理学者が1991年に設立した

ヘッジファンド運営会社ミレニアム・マネジメントは、評価の高い物理学者2人が設立し、ミレニアムが2013年に買収したクオンツヘッジファンド部門を閉鎖した。1990年代初めに取引を開始した同部門は、1年を除き運用成績がマイナスとなった年がこれまでなかった。

  事情に詳しい関係者1人によれば、イジー・イングランダー氏が率いるミレニアム傘下のプリディクション・カンパニーの閉鎖は、利益が出ていただけに社員を驚かせた。プリディクションのヘッジファンドは「カオス理論」の発展に重要な業績を残したドイン・ファーマー氏とノーム・パッカード氏がスタートさせ、ピーク時の運用資産額は約40億ドル(約4400億円)に達した。

  統計的手法に基づき裁定取引を行う「スタットアーブ」戦略を採用する同種のファンドは現在、利益を出すのに苦労しており、160のファンドの成績を反映するサイエンティフック・インベストメンツ指数によれば、今年これまでの全体のリターンは1%未満のマイナスと低迷している。

  関係者によると、プリディクションのファンドの成績は平均的なスタットアーブを上回ってはいたが、運用を続けるには十分でなかったという。ミレニアムの広報担当者は、コメントを控えている。

  ペンシルベニア大学のマイケル・カーンズ教授(コンピューターサイエンス)は「オートメーションと競争拡大のせいで、彼らがやっていたことは今日でははるかに難しくなっている」と指摘した。

原題:Millennium Is Said to Shut Down Pioneering Quant Hedge Fund (1)(抜粋)

(専門家のコメントなどを追加して更新します.)

 

ビットコインのメルトダウン、改善する前に悪化の見込み
Olga Kharif
2018年9月7日 13:07 JST
• ビットコインは昨年12月のピークから65%値下がり
• ユーリカヘッジの仮想通貨ヘッジファンド指数は年初来、約50%低下
最新の一連の急落でビットコインが底を打ったと思っている人は、考え直した方がいい。
  最大の仮想通貨であるビットコインは昨年12月のピークから65%値下がりしているが、テクニカル指標はさらなる下落を示唆する。12月以降に付けた高値は前回の山を下回り徐々に切り下がっている。さらに、方向性指数は強気の買い圧力が突然消滅し新たな売り圧力のトレンドが始まったことを示唆した。
  既にやけどをした投資家は多く、これからも続くだろう。ユーリカヘッジの仮想通貨ヘッジファンド指数は年初来、約50%低下している。

原題:Bitcoin’s Meltdown Looks to Grow Worse Before Things Get Better(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/386.html#c2

[経世済民128] 「独身貴族」は一時的? おひとりさまの老後に待つ「お金の落とし穴」(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年9月07日 18:18:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1465]
デートの支払いは誰が? #MeTooの時代にも難題 おごることは相手への思いやりか、力の誇示か
デートでは男性がおごるべきか、女性も負担するべきか。この難問は今もカップルを悩ませている

By Elizabeth Bernstein
2018 年 9 月 4 日 16:46 JST 更新

 デート代は男性側が負担すべきーートロントに住むライターのエリオット・カッツさん(53)は、これまでそう信じてきた。だが先日あるデートで2人分の映画代を払おうと財布を出した時、一緒にいた女性も支払おうとしたという。それでも急いでチケットを買うと、相手は代金を直接渡してきた。

 デートに付き合ってもらったのでお金はいいとカッツさんは拒んだ。相手はお金を払いたいと話し、やりとりが続いた。女性はおつりが出ないよう売店で現金をくずし、最終的にそれを強引にカッツさんに渡してきたという。

 「最初のデートでもその後も、相手の女性が特別な存在であると感じさせるために男性側がおごるべきだ」とカッツさんは話す。「でもその時はお金を受け取るよう、彼女が執拗(しつよう)に言ってきた」

 デートでの支払いは誰が負担するべきか? おごることは相手への思いやりなのか、それとも力の誇示なのか? この難題は誰も解くことができていない。今はセクハラを告発する「#MeToo」運動もそこに加わり、事態はさらに複雑になっている。

 11月に学術誌セージオープン(Sage Open)に掲載された、未婚で異性愛の男性1万7000人以上を対象にした研究によれば、男性の76%はデートでおごらないことに罪悪感を覚える。だが64%は女性も多少は払うべきだと答え、女性が一切支払いをしない場合はほぼ半数の男性が相手と会わないようにすると述べた。

 一方、おごられることを拒む男性については女性の40%が不満だと答えた。ただし39%の女性は自分が払うと申し出てもそれを受け入れてほしくないと考えている。また女性がデート代をいくらかは支払うべきだと考えている男性に不満を感じる女性は、44%に達している。

 研究に関わった米チャップマン大学心理学部のデービッド・フレデリック准教授は、今やデートに決まった台本はないと話す。「多くの女性は支払う意思を示すが、それが本心からくるオファーなのか、あるいはあくまでもデートの作法としてやっているだけなのか、男性は判断しなければならない難しい立場に置かれている」

 38歳のフレデリック氏自身はガールフレンドと出会う前まで、ある「技」を使っていたと話す。相手が支払うと申し出てきたらそれを拒み、次回のデートで負担するようお願いするやり方だ。割り勘にすれば冷めてしまう女性もいるため、これは万全なやり方だとフレデリック氏は述べる。相手への思いやりを示しつつも、男女平等を支持する姿勢も見せられる。さらに相手の女性がどのような意図を持っているか判断するヒントも得られるという。

「男性が拒否すれば引き下がり、お礼の言葉を伝える」

 米ジョージア州ローマにある書店のマネジャーとして働くジュリー・ライプルさん(49)は、テーブルに伝票が届けられるたびに財布に手を伸ばす。だがこれまでデートをしてきた男性らは、女性が少しでも支払うことを拒んできた。ライプルさんは「支払う意思を示すことで、自分のことは自分でやれる独立した人間だと見せられる」と話すが、「男性がそれを拒否すれば引き下がり、お礼の言葉を伝える」と話す。

 ビクトリア・ケントさん(36)のように、デートの支払いは平等に負担することを望む女性もいる。シカゴで広報関係の仕事をするケントさんは今のボーイフレンドと交際を始めた1年前から、会計は割り勘だ。「相手に負担してもらうような感覚が苦手で、同じ立ち位置からスタートを切りたかった」という。

 伝統的に男性が支払いを負担してきたのは、男性の方が所得が多かったためだ。また男性はそうすることで自らが丁重かつ女性を尊重する人物だと示すことができた。だが女性の社会進出が進み、フェミニスト運動などが男女格差の是正を試みる中、女性が支払いを申し出るケースも増えた。それは女性の自立だけでなく、男性に借りを作るような状況を避けるためのものでもある。

 セージオープンに掲載された研究によれば、55歳以上の女性の約半分と18歳から25歳までの女性の5分の1は、デート代を負担したいと回答。性的な関係を持つよう圧力を受けたくないからだという。デート代を負担する見返りにセックスを期待していると答えた男性は、全体の16%だった。

「もう一度だけ聞き返してほしかった」

 男性であれ女性であれ、女性がデート代を支払うことを居心地悪く感じる人は今も多い。男性側は立場が弱くなったと感じるほか、女性が支払うことに固執すれば恋愛関係に発展したくない合図だと受け止めるケースもある。一方で自立心の強い女性であっても、女性に支払いをさせる男性は紳士的でなく、2人の関係に真剣ではないと多くが感じている。

 米ボストンカレッジにあるロナガン研究所のケリー・クローニン副所長は、「初デートで女性が支払うことを男性が拒否しなかったとして、まったく動じない女性はなかなかいないだろう」と話す。

 なお前出のカッツさんは映画代を支払うと言って聞かなかった女性と会い続け、2回目のデート以降はしばらくの間、割り勘を受け入れた。だがある日、一度もごちそうしてくれないから傷ついているとその女性に言われ、驚いたという。

 カッツさんは初めてのデートでのやりとりを持ち出し、女性の考え方を尊重していただけだと説明した。その際、「もう一度だけ聞き返してほしかったと女性に言われた」とカッツさんは明かす。

デートの支払いは男性? 女性? 専門家のアドバイスは

 デートの際の支払い、正しいマナーやコツは? ボストンカレッジにあるロナガン研究所のケリー・クローニン副所長に聞いた。

 高額なデートは避けるべし: クローニン氏によれば高額なデートは「間違った合図を出すことになり、金銭に対する考え方の違いでお互いにぎこちなくなる。それが誤解へとつながっていく」

 割り勘は禁止:「割り勘するのは友達同士だ」とクローニン氏は話す。異性とのデートで代金を負担し合えば、相手に対する思いやりを示せず、それが特別なイベントであることも伝えられないなど、元も子もなくなってしまう。そこでおすすめなのが、交互におごるやり方だ。そうすればお互いが相手に思いやりを示すことができるだけでなく、「相手から搾取するだけの存在になりたくない」ことも伝えられる。

 デートに誘った方が企画も支払いも負担するべき:女性が男性をデートに誘ったのであれば、自分が誘ったから今回はおごると伝えればいい。そうすることで気持ちを整理するだけの時間的猶予を男性に与えられるとクローニン氏は話す。またそう伝えることで、本当は相手に払ってもらうための駆け引きをしているわけではないことも伝わる。

 駆け引きの「ダンス」を学ぼう: おごってもらう側であれば伝票を手にするのではなく、まず財布に手を伸ばそう。支払う側が「ここは払うよ」と言ってきたら、おごられる側が「ご親切にありがとう。少しだけ払うか、チップの分は払う」と答えるのが理想のやりとりだ。その後(次回のデートを期待している場合は)「いや、今回はおごらせてもらうよ。次回はよろしく」と支払う側が伝え、おごられる方が「本当にありがとう。とても楽しかった」と応じる流れがベストだとクローニン氏は話す。

 デート翌日には再びお礼のメッセージを:デートの翌日にはお礼のメッセージを相手に再び伝えよう。「一緒にすごせて楽しかった、ドリンクをおごってくれてありがとう。また次の機会に会いましょう」など、その際にもう一度会いたいかどうかをほのめかすのがポイントだ。

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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/384.html#c2

[経世済民128] リーマン後10年「次なるリスク」、債務膨張に経済ナショナリズム…(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年9月10日 13:04:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1466]

確実に債務バブルと破綻を防ぐには、投資(融資)と決済機能を行う金融機関の垣根を明確化するしかないが

成長にとって決済マネーを投資に使うことの有利性は明らかなので、なかなか実現は難しい

さらに利益を得られなかった一般大衆の嫉みや怒りから生じる政治圧力が、

バブル崩壊によるダメージを加速して世界中に伝播することが多いのは

今の貿易戦争も同じ構図と言える

 


 

リーマン危機10年 当事者の証言(1) 責任不在、次の危機の芽
リーマン「担保あった」 当局「法的権限ない」
2018/9/9付日本経済新聞 朝刊
 2008年9月15日。米投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが破綻し、世界は金融危機(リーマン・ショック=総合2面きょうのことば)に陥った。それから10年。世界経済や金融システムは息を吹き返したが、爪痕は残り、新たな危機の予兆はある。リーマン元首脳ら内外の関係者が日本経済新聞に語った新たな証言を交え、当時を検証し「次の危機」への教訓を探る。(肩書は当時)=関連記事を特集面、総合3面に

リーマン・ブラザーズ元副会長 トーマス・ロッソ氏

リーマン・ブラザーズ元CAO スコット・フライドハイム氏

 「日曜になってもどれを発表することになるのかわからなかった。想像を絶する苛烈な時間だった」

4つの選択肢

 破綻前日、14日の日曜日。リーマンのCAO(最高管理責任者)、スコット・フライドハイム氏の机には残された選択肢について4つの発表資料が並んでいた。英バークレイズによる買収。米商業銀行大手、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)による買収。事業再編と政府支援による生き残り。そして、万策尽きての破綻――。

 米住宅バブルがはじけ、08年3月に投資銀行のベアー・スターンズが実質的に破綻した。ウォール街を監督するニューヨーク連銀が緊急融資に動いて、米商業銀行大手のJPモルガン・チェースに救済買収された。規模の近いリーマンは「次の標的」とされて市場の攻撃を受け、資金繰りが行き詰まった。

 ニューヨーク連銀のガイトナー総裁は9月12日にウォール街の首脳らを集め、14日まで対応策を練った。ウォール街はバークレイズの買収を支援する協調融資をまとめかけたが、同社は撤退。バンカメはメリルリンチに買収対象を乗り換えた。リーマンは再建の道を閉ざされ、当局は米連邦破産法11条の申請を迫った。

 米当局はなぜリーマンを救済せずに、世界金融危機の引き金を引いたのか。リーマン危機の最大の謎だ。

 「米連邦準備理事会(FRB)から融資を受けるのに十分な担保を持っていた。のちの専門家の調査でも証明されている」

 リーマンの副会長だったトーマス・ロッソ氏は、日本経済新聞に破綻の内幕を語った。最大で必要な額を35%上回る担保を持っていたとも説明した。

 金融システムを守るためFRBが実行する緊急融資は「堅実」な先に限ると法律で規定された。ポールソン財務長官やガイトナー氏、FRBのバーナンキ議長は、リーマン救済の見送りを「法的な権限がなかった」とのちに説明した。リーマンの担保の多くが不良資産であれば、FRBは融資できない。だが、当局は明確な根拠を示していない。ロッソ氏は「(担保不足と判断したという)文書はない。説明は偽りだ」と批判した。

 08年9月は共和党・ブッシュ政権の末期。議会では金融の公的救済に批判的な声が強まった。「強欲なウォール街を救うのは許せない」との世論も無視できなくなった。大統領選を11月に控え、共和党の大統領候補、マケイン氏は「国民を公的救済から守る」と主張した。ベアーの救済に続き、住宅公社2社の公的支援に必要な法案は議会で紛糾。「ここは社会主義国か」。こんな声を張り上げる有力議員すらいた。

政治判断で暗転

 当局の策は裏目に出て、市場はパニックに陥った。世界最大の保険会社、米AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は金融派生商品などの巨額損失で経営危機に陥り、救済せざるを得なくなった。名門のモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスも苦しくなった。

 結局、議会は10月に7000億ドル(80兆円弱)の公的資金で金融危機を封じる新法を曲折を経て成立させた。大手金融への公的資金の一斉注入も決めた。ロッソ氏は「『これ以上の公的救済はしない』という政治判断でリーマンを犠牲にした。すぐに、その決断がいかに愚かだったか気づいた」と語った。

 「危機の本質はリーマンの経営問題ではない。様々な主体の『レバレッジ』(借金による投資)だ」

 ロッソ氏は危機の原因をこう総括した。政府の持ち家促進策で家計も住宅価格の上昇を過信。返済能力の低い低所得者らへの住宅ローン(サブプライムローン)など過剰な債務が積み上がり、住宅バブルが育った。

 高度な金融技術を使えばリスクを分散できるとの幻想で金融資本主義は暴走。個々のサブプライムローンは巨額の投資商品に仕立てられ、金融機関や投資家に転売された。やがて低所得者は身の丈を超えた借金を返済できなくなり、回り回って投資商品は価値を失った。その膨大な損失が金融機関を押しつぶしたのがリーマン危機の実相だ。

 「FRBが06年に利上げをやめたのをみて、経営幹部はさらにリスクをとるよう指示した。実態は不動産投資ファンドだった」

 債券部門でリーマンのトレーダーだったローレンス・マクドナルド氏はこう語り、住宅バブルに踊ったと認めた。トップが収益拡大の旗を振り、過剰なレバレッジを使い、リスクの高いサブプライムローンなど不動産投融資にまい進。ウォール街では「破綻は自業自得だ」との声もあった。

 今に残る教訓は何か。米国は1980年代に貯蓄金融機関の危機を公的資金で封じ、90年代の日本が巨額の公的資金で金融危機を克服したこともよく知る。一方、住宅バブルに突き進んだ金融を公的に救い続ければ、深刻なモラルハザード(倫理の欠如)を招きかねない。リーマンを救済しないとの決断は金融システムを機能不全に陥れ、恐慌を世界にばらまいた。

 最終的に米政府は残る金融機関を救済し、米欧日の中銀による未曽有の金融緩和や中国の4兆元(当時のレートで57兆円)に上る景気刺激策で、世界は平穏を取り戻した。金融システムも健全化したかに見える。

 だが、世界の債務は危機時より大きく膨らんで、ファンドなどを通じてあふれ出たマネーが新たなバブルを生みだしてもいる。政府や政治家、中銀、金融・企業は危機の再発を防ぐ責任があるのに、主体的な動きはさほど見えない。際限なく膨張するマネーをどう制御していくか。再び重い課題が突きつけられている。

(ニューヨーク=大塚節雄)

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リーマン危機10年 破綻劇はなぜ起きたか
2018/9/9付日本経済新聞 朝刊
ロッソ氏
フライドハイム氏

 リーマン・ブラザーズの破綻から9月15日で10年。世界を揺るがす破綻劇はなぜ起きたか。副会長だったトーマス・ロッソ氏、CAO(最高管理責任者)の任にあったスコット・フライドハイム氏に聞いた。
(聞き手はニューヨーク=大塚節雄)

当局の決断愚かだった ロッソ元副会長

 ――破綻の原因は。

 「住宅価格は下がらないと妄信し、官民こぞって家計の『レバレッジ(借金による投資)』を助長した。投資銀行も流れをあおる装置となったが、問題はリーマン固有ではなく、すべての投資銀に共通していた。リスク指標ではリーマンは中くらいの位置だった」

 「他の投資銀や保険大手、果ては米連邦準備理事会(FRB)のドル供給で他国も救済された。拒否されたのはリーマンだけだ。住宅2公社の支援後、世論が救済策を嫌い、当局は政治の混乱に直面した。政治判断でリーマンを犠牲し、すぐに決断がいかに愚かだったかに気づいた」

 ――FRBは担保不足で融資を避けたのでは。

 「のちに当局者は法的権限がなかったと説明したが、(判断を裏づける)公的文書はない。説明は偽りだ。その後、十分な担保を保有していたことが証明されている。専門家の調べでは最大で840億ドルの必要額に対し、少なくとも1140億ドルの担保があった」

 ――破綻の教訓は。

 「危機下ではだれも自分のことしか考えなくなる。FRBの最後の貸し手機能は欠かせない。法改正で機能が制限されたのは問題だ。次の危機は政府の過剰なレバレッジに潜む。すぐに社会保障費の膨張に対処する必要があるが、二極対立は深まる一方。政治システムの問題は深刻だ」

 Thomas Russo 弁護士出身。93年から最高法務責任者、99年からは副会長を兼務。破綻後はAIG幹部に転じた。74歳。

金融「脱政治」欠かせず フライドハイム元CAO

 ――リーマン破綻は回避できたでしょうか。

 「救済できたし、すべきだった。私を含めて投資銀行の経営陣は仕事や資産の大半を失ってもやむを得なかった。だが無数の一般の人々が深く苦しむのは避けられたはずだ。支援に十分な担保はあったが、当局者を責めるつもりはない。賢明な彼らが結果を予想できなかったとは思えない。巨大な政治圧力に屈した」

 ――高リスクの事業に傾斜しすぎたのでは。

 「危機には政府の住宅取得支援策、個人向け信用、住宅公社など様々な要素が絡む。そこに過度の融資をした商業銀、許される範囲の上限までレバレッジを高めてリスクをとった投資銀が加わる。リーマン固有の問題なら話は簡単だろうが、レバレッジなどの指標は競合他社と大差なかった」

 「だが、すべての投資銀は流動性の低い資産を資本以上に持ち、短期の資金調達が緊張すれば、ゲーム継続は難しくなる。ベアー・スターンズが倒れた直後から、我々は売却や合併の検討を急いだ。次に小さな投資銀だったからだ。検討先は100を数え、用意した4種類の資料のどれを発表するのか直前までわからなかった。想像を絶する苛烈な時間だった」

 ――破綻の教訓とは。

 「いかに『脱政治』を進めるかを議論すべきだ。次代の(金融規制の国際基準)『バーゼル4』構築に向けて国際協力のもとに規制のあり方を再評価するのも一案だ」

 Scott Freidheim 91年入社。トップ直属スタッフを経て幹部職を歴任。その後は投資会社や非営利団体を運営。53歳。

 

リーマン危機から10年 個人投資家が得た2つの教訓 2018/9/9
リーマン危機後、様々な資産価格はほぼ5〜6年で回復した
 2008年9月のリーマン・ショックから丸10年。「100年に1度の衝撃」にめげずに投資を続けた人は、大きな果実を得た。「投資の継続」「急落に耐える資産配分」という2つの教訓は、次に訪れる金融危機にも応用できそうだ。
 「評価損で一時資産が半値以下になりうろたえた」。02年から積み立てで国際分散投資してきた会社員でブロガーの水瀬ケンイチ氏は、リーマン危機をこう振り返る。「しかし世界経済は長期では成長を続けると信じて積み立てを続けた」。昨年末時点で累計投資額約4000万円は、6400万円に増えている。
■資産価格は5〜6年で回復

 リーマン後の様々な資産価格は、ほぼ5〜6年で回復した。資産を増やせたのは投資を続けた人だ(グラフA)。今後も危機は繰り返しやってくるが、リーマン級の危機が来ても投資を継続することが大事だとわかる。
 下げる前に売り最安値で買い戻せばベストだが、大和総研元取締役で現在ファイナンシャルプランナーの須原国男氏は「相場を当て続けるのはプロでも困難」と話す。不安になり投資をやめると、上昇の果実を得られない可能性も高まる。
 実際、先進国株価に連動する指数「MSCIワールド(配当込み)」は1980年1月から今年7月までに42倍(ドルベース)になった。この462カ月のうち上昇率上位10の月に投資していなければ、上昇率は16倍に急減する。上位10のうち3つの月は多くの人が「危機はまだ続く」と思っていたリーマン後3年半の底値圏の時期だった。
■株式の下落率大きく
 「予測が困難だから、長期運用の国や企業の年金は世界中の株や債券に適切な比率に配分したうえで、局面ごとに配分比率をむやみに変えずに投資を継続する」(須原氏)。相場を当てる自信のない「普通の人」にも大切な姿勢だ。

 そのためには自分の耐性に合った資産配分がカギを握る。評価損が自分の許容範囲を超えると投資を継続できなくなるからだ。
 多くの機関投資家が現時点で見込む長期の期待リターンは国内外の株式で年率5〜6%、海外債券で1〜3%、国内債券で0〜1%程度。国内外の株式の配分比率が高いほど長期で大きなリターンを見込めるが、値動きも大きくなる。
 過去に米国が不況期に入った後の各資産の下落率をみると、局面で違うが株式の下げが大きいのが目立つ(表B)。
 京都の上場企業で役員をしていて07年に退職したA氏(73)は「退職金で新興国投信を大量に買ったが、金融危機で6割下落。怖くなって売ってしまい、老後設計が崩れた」と悔やむ。
 資産配分を考える際は、念のため最大評価損はリーマン危機時を想定しておきたい。ざっくりしたメドは国内株や先進国株は5割、新興国株は6割、海外債券は2割程度の損失だ。
 例えば、資産全体が1000万円で、先進国株と新興国株で500万円ずつ運用しているとすると、最大評価損はざっと550万円。この損失に耐えられないなら、株式の比率を減らす必要がある。リーマン危機時も半分が債券なら下落率を抑えることができた。これが2つ目の教訓だ。
■年に1度のリバランス

 自分に適した資産配分を決めた後、大きな上昇や下落があれば、乱れた配分比率を元に戻すリバランスを実行したい。比率が想定より高くなった資産を売り、低くなった資産を買い増して元に戻す。資産を想定していた値動きの水準に戻すのが主な目的だ。
 国内外の株と債券4資産を基本配分とし、年に1度リバランスを続けた結果を試算した(グラフC)。放っておくと上昇する株の比率を元に戻し続けた結果、08年の下落率を抑えられた。上がった資産を一部売り、下がった資産を一部買い続けるため、長期のリターンも高まりやすい。
■世界経済に火ダネ

 危機の予兆はある。日本に大きな影響がある米国景気の戦後の拡大期間の平均は約5年だが、今はもう10年目。景気後退局面でほぼ共通する予兆は長短金利の逆転だ。2年物国債などの短期金利が長期金利(10年物国債金利)を上回って1年超たつと景気後退が起きてきた(グラフD)。
 経済実勢を表す体温といわれる長期金利を、中央銀行の政策金利に左右されやすい短期金利が上回る状況は、引き締め効果が強くなりすぎていることを示す。米利上げに伴い、長短金利差が近づき、先月下旬には一時0.2%弱まで縮小した。早ければ年内にも逆転が起こる可能性がある。
 米利上げで新興国から資金流出が起きているし、米中貿易戦争による世界経済の下押し圧力も心配だ。一方で、米国では「利上げ早期打ち止め論」も浮上。景気拡大が予想外に長引く可能性も捨てきれず、断定的な予測は困難だ。
 次に危機が来たときに動揺して投資をやめてしまうか、続けられるか。それが長期の資産形成の分かれ道になることをリーマン危機が教えてくれる。
(編集委員 田村正之)
[日本経済新聞朝刊2018年9月1日付]
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[経世済民128] ブラックアウトはなぜ起きた?北海道電力が抱える「脆弱性」の本質 他の電力会社とは全く状況が違う(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年9月10日 13:32:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1467]

日本が、ゼロリスク症候群の放漫財政で、

高齢者優遇の医療制度、非効率な地方の公共事業、食料関税、原発停止や、狂牛病騒動の牛肉輸入禁止などなど、

膨大な無駄を続け、大衆迎合のポピュリズム政策をやっても

アルゼンチンやベネズエラのような事態にならずにやってこられたのは

国内の高度な生産力、特に自動車を中心とした強力な輸出産業が機能して経常収支がプラスだったからだが

超少子高齢化による生産力の低下、労働環境改善コストや社会保障増大コストの上昇、アジアなどの競合国の強大化などで

災害をきっかけとして、地方からインフラ崩壊が発生し、最悪、膨大な貧困難民が発生することになる


さらに貿易戦争の悪化、中国の軍事圧力増大による交易条件悪化、

温暖化による巨大台風や熱波、水害、竜巻の高頻度化

そして極めつけに、東南海巨大地震が起これば、

本州自体が、壊滅的な事態になり

国家崩壊のリスクすらある

一方、共通のリスクを抱える海外も、今後は、同様に厳しい状況が続くから

どこかに逃げて、しかも安楽な生活が送れるのも、ごく一部

特に多くの一般難民は、資産を奪われたり、奴隷化されたりして

ロヒンギャやアフリカ、中東難民のような悲惨な境遇になる可能性も低くはない


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/417.html#c1

[国際23] 米国務省、中華民国と断交した中米カリブ3カ国の大使ら召還(フォーカス台湾) 無段活用
5. 2018年9月10日 14:21:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1468]
米国は中国をいたぶり続ける覇権争いに「おとしどころ」などない

早読み 深読み 朝鮮半島
2018年9月10日(月)
鈴置 高史

2017年11月に北京で開催されたビジネスフォーラムでそっぽを向いて座るトランプ大統領と習近平国家主席(写真:The New York Times/アフロ)
(前回から読む)
 愛知淑徳大学の真田幸光教授に米中経済摩擦の行方を聞いた。「米国は中国をいたぶり続ける」と真田教授は見る。司会は日経ビジネスの常陸佐矢佳・副編集長。
やくざの因縁と同じ

真田 幸光(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授/1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。81年、東京銀行入行。韓国・延世大学留学を経てソウル、香港に勤務。97年にドレスナー銀行、98年に愛知淑徳大学に移った。97年のアジア通貨危機当時はソウルと東京で活躍。2008年の韓国の通貨危機の際には、97年危機の経験と欧米金融界に豊富な人脈を生かし「米国のスワップだけでウォン売りは止まらない」といち早く見切った。
米中貿易摩擦の展開をどう読みますか。「おとしどころ」は?
真田:米国は中国をいたぶり続けます。「おとしどころ」などありません。台頭する中国を抑えつけるのが目的ですから。これは貿易摩擦ではなく、覇権争いなのです。「終わり」のない戦いです。
鈴置:米国は中国に対し具体的な要求を掲げていません。中国が何をどう譲歩したら25%に引き上げた関税を元に戻すのか、明らかにしていない。やくざが因縁を付けるのと似ています。
真田:まさに仰る通りです。理屈をこねて相手を脅しているのです。もちろん、トランプ(Donald Trump)大統領は「知的財産権の問題――中国が米国の技術を盗んでいるから関税を上げた」と言っています。
 実際、中国の盗みはひどい。米国や日本、欧州の先端技術を平気で無断借用する。さらにそれを軍事力強化にも使う。そして無断借用どころか、堂々と自分の特許として出願する。知財の問題で米国が怒り心頭に発し、中国の技術窃盗をやめさせようとしているのは事実です。
 でも、中国がどう行動したら「盗むのをやめた」と認定されるのか。米国が「まだ、中国は盗みをやめない」と言えば、関税を戻さなくていいわけです。「中国をいたぶり続ける」ことに真の目的があるのです。
基軸通貨にはさせない
トランプ政権は習近平政権を倒すまでいたぶる?
真田:そこまでやる必要はありません。中国の国力を削いで行けばいいのです。もちろん、政権が変わることで中国の国家運営のやり方が変わるというのなら別ですが、それは期待できない。
鈴置:人民元は6月半ばから売られ、8月15日には1人民元=7・0を割るかというところまで安くなりました。人民元を暴落させるつもりでしょうか。
真田:米国がやろうと決意すればできます。基軸通貨ドルに、力のない人民元が挑んでも叩き返されます。
 ただ米国は人民元を暴落させる必要はありません。「少しの脅しで人民元は揺れた。そんなボラティリティの高い通貨が使えるのか。基軸通貨と言えるのか」とマーケットに思わせれば十分なのです。米国とすれば、人民元が基軸通貨に育たないよう、貶め続ければいいのです。
鈴置:暴落させなくとも、中国は外貨準備の減少に悩むことになります。人民元売りに対抗するために、外準のドルを恒常的に吐かせられるからです。
 2018年の上半期、中国の経常収支は赤字に陥りました。海外旅行ブームでサービス収支の赤字が急増したためです。そのうえ、米中摩擦で貿易黒字も減って来るでしょうから、この面からも外準は目減りします。

上海株は落とす
株式市場は?
真田:為替と異なり、米国は中国の株式市場には甘くないでしょう。中国企業はここで資金調達して急成長してきた。だから、上海株はさらに落としたいはずです。
 もちろん、米系金融機関は政府の意向を組んで早くからポジション調整していた。それを見て他の国の金融機関なども追従――売りに出た構図です。
金融の戦いなのですね。
真田:中国は「一帯一路」計画とAIIB(アジアインフラ投資銀行)のセット商品化を通じ、世界の基軸通貨となるよう人民元を育ててきました。
 軍事力を除き、最も強力な武器は通貨です。米国は中国に通貨の覇権を握らせるつもりはありません。だから人民元を叩くのです。
 貿易を名分に金融戦争を仕掛け、人民元はヘナチョコ通貨だと知らしめる。するとマーケットは「中国危し」と見て、株も落ちる。こうして実体経済も悪化する。その結果、中国は米国に歯むかう軍事力を持てなくなる、というシナリオです。

工場を取り返す
鈴置:「トランプは安全保障を理解していない」と批判する人が多い。TPP(環太平洋経済連携協定)は中国への投資に歯止めをかけ、軍事力拡大を抑止するのが目的。というのに、参加を取りやめたからです。
 しかしトランプ大統領にすれば「TPPなんてまどろっこしい方法をとらなくても、人民元を揺さぶればもっと簡単に目的を達成できるじゃないか」と反論したいでしょうね。
 真田先生の指摘した「中国へのいたぶり」。トランプ大統領の参謀であるナヴァロ(Peter Navarro)国家通商会議議長の書いた『Crouching Tiger』(2015年)が予言しています。邦訳は『米中もし戦わば』です。
 この本のテーマは中国の台頭を抑え、米国の覇権を維持するには何をなすべきか――。第42章「経済力による平和」では以下のように説いています。『米中もし戦わば』の333ページを要約しつつ引用します。
• 取るべき方策は明らかに、中国製品への依存度を減らすことだと思われる。この方策によって中国との貿易の「リバランス」を図れば、中国経済とひいてはその軍拡は減速するだろう。
• アメリカとその同盟諸国が強力な経済成長と製造基盤を取り戻し、総合国力を向上させることもできる。
 一言で言えば「どんな手を使ってでも、中国に取られた工場を米国と同盟国は取り返そう。それだけが中国に覇権を奪われない道なのだ」との主張です。
 トランプ政権が発動した一部の中国製品に対する25%の高関税に対しては「中国製品の輸入が止まって米国の消費者や工場が困るだけ」と冷笑する向きがあります。
 しかし、真田先生が予想したように、この高率関税が長期化すると世界の企業が判断すれば当然、それに対応します。企業はバカではないのです。
「中国生産」から足抜け
対応策は?
鈴置:別段、難しい話ではありません。米国向けの製品は中国で作るのをやめ、代わりに中国以外で生産すればいいのです。中国以外で生産能力が不足するというなら、能力を増強すればいい。
 ロットの少ない製品は中国での生産と米国での販売をやめてしまう手もあります。中国の根本的な弱点は「中国でしか作れないもの」がないことです。
 日経新聞は8月末から相次ぎ、企業のそうした対応を報じています。電子版の見出しは以下です。
• 「日本企業、高関税回避へ動く 中国生産見直し 米中摩擦への対応苦慮」(8月28日)
• 「米フォード、中国製小型車の輸入撤回 25%関税で」(9月1日)
• 「信越化学、シリコーン5割増産 米中摩擦受け分散投資」(9月3日)
 米中経済戦争が長期化すると判断した企業が出始めたのです。そもそも中国の人件費の高騰で、組み立て産業の工場は中国離れが起きていました。中国での生産回避は大きな流れになる可能性があります。ナヴァロ議長の作戦通りです。
 というわけで、『米中もし戦わば』を再読するビジネスマン、安保関係者が増えています。「米中経済戦争」だけではありません。
 「マッドマン戦略」(第38章)、「法人税の引き下げ」(第42章)など、トランプ政権の手口、手法が予言されているからです。「中国の技術窃盗がいかに米国の国益を害しているか」との説明も42章で展開されています。
「いたぶり」は米国の総意

真田:予言書というより、大統領の教科書でしょうね。ただ、「中国へのいたぶり」は、トランプ政権の特殊性というよりは米国の総意であることを見逃してはなりません。
 民主党議員からも本件に関しては反対の声は出ません。議会も「中国へのいたぶり」を支持しています。中国から政治献金を貰い、魂を奪われてきた議員も多いというのに。
 中国で稼いできたウォール街――金融界も文句を言いません。マーケットとしての中国は大事ですが、自分たちの飯のタネであるドルの優位を人民元に脅かされるとなれば話は別なのです。人民元が基軸通貨になれば中国の銀行にやられてしまいます。
鈴置:最近、米国で「中国スパイの暗躍」が話題になっています。5年前に自身の補佐官が中国のエージェントだったとFBIから指摘され、辞任させた上院議員の話が7月下旬に突然、明らかになりました。
 産経新聞の古森義久・ワシントン駐在客員特派員が「中国スパイと断じられた米上院議員の補佐官 慰安婦問題糾弾でも先鋒」(8月14日)で詳しく書いています。
お前はスパイか
 8月24日には米議会の米中経済安全保障問題検討委員会が有力シンクタンクや大学に中国が資金を提供し、影響力の行使を図っているとの報告書を発表しました。
 『China’s Overseas United Front Work』です。産経新聞の「『中国共産党が米シンクタンクに資金提供』 米議会委が報告書発表」(8月26日)が内容を報じています。
 中国は1949年の建国当時から100年かけて米国を打倒し世界を支配する計画を立てていた、と警告する本が2015年に米国で出版されました。
 『The Hundred- Year Marathon』で、書いたのは中国専門家のピルズベリー(Michael Pillsbury)氏。『China 2049』というタイトルで邦訳も出ています。
 CIAの職員だった同氏は親中派から転向。この本では、米国の中国研究者の多くが中国共産党の思いのままに動かされていると暴露しました。
 日本のある安保専門家は今や、トランプの中国叩きを批判すれば「お前は中国のスパイか」と非難されかねず、米国の親中派は動きが取れなくなっていると指摘しています。
今、抑え込むべき敵
米国の通貨攻撃を中国がやめさせる手はあるのでしょうか。
真田:2つあります。まず、世界に向け「米国が世界の通商を破壊する」と訴えることです。G20などでもう、やっています。でも、トランプ大統領はそんな非難にへこたれる人ではありません。
鈴置:むしろ「中国が弱音を吐いている」とほくそ笑むでしょうね。それに世界には中国の横暴に反感を持ち、中国が叩かれるのを待つ空気があります。中国の意見を支持する人はあまりいないでしょうし、下手に賛同すれば「中国のスパイか」と疑われてしまいます。
真田:もう1つの手は、イラン問題で米国と協力することにより、中国への圧迫を緩めて貰う手です。トランプ政権は「中国いたぶり」以上に「イラン潰し」を重視しています。
 実はロシアもその手を使っています。7月16日にヘルシンキで開いた米ロ首脳会談の後、トランプ大統領がロシアに極めて甘い姿勢を打ち出し、共和党からも非難されました。
 私の聞いたところでは、プーチン大統領から「イランで協力することはやぶさかではない」と耳打ちされたからのようです。
 中国も「イランで協力する」と持ちかける手があります。トランプ大統領は中国へのいたぶりを緩める一方で、国民には「対中貿易赤字が減った」とか「雇用が戻った」などと説明するでしょう。
 ただ、それで「中国へのいたぶり」を本気でやめるわけではない。時により強弱はあっても、米国は圧迫を続けると思います。中国は「今ここで、抑え込んでおくべき国」なのです。
 日本に対してもそうでした。対日貿易赤字が増えると、「日本は米国製品を不公正な手で締め出している」「日本人は働き過ぎ。アンフェアだ」など、ありとあらゆる難癖を付けて日本の台頭を抑え込もうとしたではありませんか。
 米国は可能なら、中国も日本同様に「生かさず殺さず」の状態に持って行き、おいしい部分だけ吸い上げる仕組みを作っていくでしょう。
「宇宙での戦い」が始まった

「中国へのいたぶり」が今年夏になって始まったのはなぜですか?
鈴置:中国の金融は今、いくつもの不安を抱えています。ドルが利上げに向かい、途上国に入りこんでいた外貨が抜け出しやすくなっている。中国企業が世界同時不況の際――2008年に発行したドル建ての債券が発行後10年たって償還期を迎えている。少子高齢化で生産年齢人口の比率が減少に転じ、バブルが崩壊しやすくなっている。
真田:ご指摘通り、金融面で「攻めやすい」状況になっています。ただ私は、米国が今「中国いたぶり」に乗り出した最大の理由は「制宙権問題」だと思います。
 中国が宇宙の軍事利用に拍車をかけています。これに対しトランプ政権は宇宙軍の創設を掲げ全面的に対抗する構えです。中国の「宇宙軍」を抑え込むのにはやはり、中国経済を揺らすことが必須です。
 現在、米ロが中軸となって国際宇宙ステーションを運営しています。これにクサビを打ち込む形で中国が独自の宇宙ステーションを運営しようとしています(「米中ロがうごめく『金正恩後の北朝鮮』分割案」参照)。
 米国とすれば、軍事的な優位を一気に覆されかねない「中国の宇宙軍」は何が何でも潰す必要があるのです。マーケットはそうした米政府の意図を見抜いて中国売りに励んでいるわけです。
覇権に挑戦する国は「宙づり」に
それにしても、米中の戦いに「おとしどころ」がないとは、目からうろこのお話でした。
鈴置:我々は――日本人は対立した人同士は話し合って妥協点を見いだすもの、あるいは見いだすべきだと思い込んでいる。だから新聞記事は、何らかの解決策があるとの前提で書かれがちです。
 でも、話し合うフリはしても妥協など一切せず、相手を苦しい状況に宙づりにして弱らせていく、という手も世の中にはあるのですよね。
真田:覇権争いとはそういうものです。中国を野放しにしておけば、米国がやられてしまう。米国が生き残るには、中国を貶めるしかないのです。
(次回に続く)
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■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ
北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。
もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。
目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。
◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録


このコラムについて
早読み 深読み 朝鮮半島
朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は、朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/816.html#c5

[国際23] 欧米金融資本の食い物になってきたギリシャに対し、事実上の死亡宣告(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
6. 2018年9月10日 14:26:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1469]

#相変わらず愚か

共通の敵を前にアメリカとギリシャが急接近
U.S. to Expand Military Presence in Greece

2018年9月5日(水)17時21分
クリスティナ・マザ

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6

ホワイトハウスを歩くトランプとギリシャのアレクシス・ツィプラス首相(2017年10月)Joshua Robertsct- REUTER

<トルコやロシアとの関係悪化から、アメリカとギリシャの軍事協力が急速に進行中。ギリシャがトルコに代わる米軍の軍事拠点になるかもしれない>

アメリカとトルコとの関係が悪化するなか、米軍はギリシャにおける軍事プレゼンスの拡大をもくろんでいる。当局者によれば、アメリカのねらいは、ギリシャとの協力関係を利用して、中東主要地域への軍事的アクセスを向上させることだ。

「地理的な状況、そしてリビアとシリアで進行中の軍事行動、(トルコが位置する)地中海東部における軍事行動の可能性を考えると、ギリシャの地理的な位置と状況はかなり重要だ」と、ジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長は言った。

ギリシャとの軍事的な関係を強化するというアメリカの決断には、進行中のシリアの内戦が大きな影響を与えている。シリア政府は現在、北西部イドリブ県の反政府勢力に対する攻撃の準備を進めており、トルコは9月7日、シリアの将来について、ロシア、イランと会談を行う。

アメリカはシリア情勢に関してもはや主役の座を退き、関係する国々に対する影響力を失っているが、それでも軍事介入が必要になった場合、すばやく対応するための方法を米軍は模索している、と専門家は見る。

ギリシャ軍基地で米軍ドローン
アメリカとギリシャの軍事協力は数カ月前から強化されている。今年5月、米軍はこれまで使用してきたアフリカの拠点が修理中で使えなくなったため、ドローン(無人機)をギリシャの基地に送った。ドローンは現在、エーゲ海に近いラリサ空軍基地に駐留している。軍用ドローンがEU加盟国を拠点に運用されるのは初めてだ。

その時点で、アメリカとギリシャの当局者は、両国が合同でさらに多くの軍事的な計画に着手する可能性があることを示唆していた。現在ギリシャ国内の米軍基地は一カ所だけだが、米軍は飛行やその他の共同訓練のために、ギリシャ軍の基地も使用することになるかもしれない。

アメリカとギリシャの軍事協力の強化は、トルコを脅かす可能性が高い。現在のところアメリカ、ギリシャともにトルコとは緊張した関係にある。

トルコとアメリカの関係は、トルコが2年近くスパイ容疑で拘束しているアメリカ人牧師アンドリュー・ブランソンの解放をめぐってここ数カ月、急速に悪化している。

外交関係の悪化とともに、トルコは経済問題でドナルド・トランプ大統領を非難し始めた。同盟国としてのトルコが信用できなくなったことから、アメリカ政府はトルコ南部のインジルリク空軍基地から、完全に撤収する可能性を示唆している。シリアでのIS(イスラム国)との戦いで米軍の戦略拠点だった基地だ。

次のページ ロシアの工作にギリシャ反発

一方、ギリシャ政府が米軍との協力関係に積極的になったのは、ロシアやトルコとの関係が不安定になっているためだ。

ギリシャとトルコの関係は常に緊張しているが、両国がNATOに加盟したことで、紛争が勃発する可能性は大幅に減少した。だが最近は、トルコがギリシャ人兵士をスパイ行為で告発したり、トルコの戦闘機がギリシャの領空を侵犯したりという外交上のいざこざが相次いでいる。

ロシアとの間にも緊張が高まっている、今年6月、ギリシャと隣国マケドニアがマケドニアの国名を「北マケドニア共和国」とする合意に達したためだ。この合意でギリシャとマケドニアの数十年にわたる対立は解消へと向かい、マケドニアのEUやNATO加盟への扉が開かれる。マケドニアを足場にバルカン地域での影響力を拡大しようとしていたロシアにとっては最悪の結果だ。

ギリシャは、マケドニアのNATO加盟を阻止する工作を行ったとして、ロシアの外交官2人を国外に追放した。これを受けて、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、予定されていたギリシャ訪問を取りやめた。

(翻訳:栗原紀子)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/818.html#c6

[国際23] 欧米金融資本の食い物になってきたギリシャに対し、事実上の死亡宣告(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
7. 2018年9月10日 14:32:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1470]

ロシアは、なぜここまで「横暴」になったのか
マケドニアの国名をめぐってギリシャと火花
クリストファー・ヒル : 米デンバー大学コーベル国際大学院長 2018年09月08日

「仲間」の国でさえロシアの横暴さは許容できないレベルに達している(写真:ロイター)
バルカン半島の小国マケドニアとギリシャは先日、マケドニアの国名を「北マケドニア共和国」とすることで合意した。しかしロシアがこれをぶち壊そうと裏工作を繰り広げている。

マケドニアでは国名変更の是非を問う国民投票が9月末に予定され、ここで承認されれば、北マケドニア共和国が正式に誕生することになる。ギリシャの北部地域は古くからマケドニアと呼ばれてきたため、両国はマケドニアの呼称をめぐって何十年も対立してきた。

国際社会の大多数は国名変更を支持したのに
ギリシャはかつて隣国が「マケドニア共和国」と名乗ったことに反発。同国のNATO(北大西洋条約機構)やEU(欧州連合)への加盟に拒否権を発動した。マケドニアは1993年、国連に加盟する際、「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」という暫定国名を用いなければならなかったほどだ。

このような複雑な経緯を持つ両国は今年6月、国境を接するプレスパ湖で調印式を開き、対立の火種となってきたマケドニアの国名を「北マケドニア共和国」とする合意文書に署名。国際社会の圧倒的大多数もこれを支持した。

だが、ロシアは違った。ギリシャ政府は7月、プレスパ湖で交わされた合意をロシアが転覆しようとしていることを示す「否定できない証拠」をつかんだと発表した。官僚の買収を試みるなど内政干渉を行っているというのだ。

コジアス外相はさらに、合意に対するギリシャ国内の反対運動をロシアが支援していると非難。ギリシャはロシアの暴挙には屈しない、とたんかを切った。ギリシャはその後、ロシア外交官2人を追放。ロシアは報復措置としてラブロフ外相によるアテネ訪問の予定をキャンセル。モスクワ駐在のギリシャ外交官を追放すると発表した。

ロシアの工作活動はマケドニア側でも確認されている。ロシアはマケドニア内の反政府運動に資金提供し、9月30日の国民投票に向けて暴力行為をたきつけるようロシア寄りの企業に圧力をかけている。ザエフ首相はそう主張した。

ロシアがプレスパ湖での合意を頓挫させようとしているのは、マケドニアがNATOに加わるのを阻止するためだろう。ロシアがNATOの拡大に反対するのは、旧ソ連時代の衛星国が西側の同盟国に転換するのをおそれているためだと説明されることが多い。しかし、マケドニアはワルシャワ条約機構の加盟国だったこともなければ、ロシアの国益を決定的に左右するような国でもない。

横暴さは許容できないレベルに達した
一方のギリシャは1952年からNATOに加盟しているが、ロシアのプーチン大統領とは良好な関係を築いてきた。ロシアは今年3月に英国で起きた元スパイ暗殺未遂事件で神経剤を使用したと断定された。これを受けてEUはロシアを非難する声明を出したが、その文言をトーンダウンさせる役割を担ったのがギリシャだった。

それなのにロシアは、仲間のギリシャの国益を傲慢にも踏みにじった。プレスパ湖での合意はギリシャ政府にとってさして重要ではないと、なめてかかったのだろう。

今回の件で明確になったのは、敵国だけでなく、身内であってもロシア政府の横暴は許容できないレベルに達したということだ。ロシア政府は諸外国で裏工作を活発化させてきている。NATO加盟国の領土にまで上がり込んできて、元スパイの暗殺を試みるような国がロシアなのだ。そのロシアは今、ギリシャとマケドニアに干渉し、両国が苦労して勝ち取った合意をぶち壊そうとしている。

このようなロシアの暴挙を前に、ギリシャとマケドニアの指導者はひるむことなく誠実に立ち向かった。問題は、他国の政治家に彼らと同じくらいの根性があるかどうかだ。

 


 
ギリシャ首相、年金の追加削減見送りを示唆
ヨーロッパ
2018/9/10 1:09日本経済新聞 電子版
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 【イスタンブール=佐野彰洋】ギリシャのチプラス首相は9日、同国北部テッサロニキで記者会見した。財政収支の黒字幅が目標を上回っていることを理由に2019年以降に実施予定の追加の年金削減や所得税の課税最低限引き下げは不要との考えを示した。「これらの救済策は(緊縮の)巨大な負担に耐えてきた国民にできる最低限のことだ」と述べた。ロイター通信が報じた。

9日、記者会見するギリシャのチプラス首相(ギリシャ北部テッサロニキ)=ロイター
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9日、記者会見するギリシャのチプラス首相(ギリシャ北部テッサロニキ)=ロイター

 19年9月に任期満了を迎えるチプラス政権は再選に向け、支持率で先行を許す野党の追い上げに必死だ。ギリシャは先月、8年に及んだ金融支援から脱却したが、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)ら債権団の監視は継続している。債権団がギリシャの提案を受け入れるかは不透明だ。金融市場が懸念を深めれば、国債の安定発行が難しくなる恐れもある。

 チプラス氏は貿易見本市に参加するため、テッサロニキを訪問した。8日夜の経済政策演説でも追加の年金削減などは不要との考えを表明していた。法人税、不動産税、付加価値税(VAT)を引き下げるとも語った。

 会場周辺では、マケドニアの国名変更を巡る同国とギリシャの合意に反対するデモが行われ、当局推計で約6千人が参加した。警官隊との衝突が起き、8人が逮捕され、警官15人が負傷した。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/818.html#c7

[国際23] 米国務省、中華民国と断交した中米カリブ3カ国の大使ら召還(フォーカス台湾) 無段活用
6. 2018年9月10日 14:45:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1471]
中国の貿易に陰り、トランプ大統領は全輸入品に関税の用意
Bloomberg News
2018年9月10日 3:04 JST
8月の中国輸出は全体として鈍化−対米貿易黒字は過去最大
中国輸出業者は今後ひどい打撃、19年の成長率鈍化の公算−IHS
中国が米国との貿易紛争を、経済に小規模な打撃を受けるだけで逃れられる可能性は乏しくなった。

  トランプ米大統領は7日、追加関税を課す中国からの輸入品の対象を一段と広げ、全ての輸入品に「すぐさま」課税する用意があると述べた。エコノミストの間では通商摩擦が経済に即座に及ぼす影響は限定的との見方が優勢だが、中国人民銀行(中央銀行)前総裁の周小川氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、経済への信頼に対する影響はより大きいだろうと指摘した。

  中国税関総署が8日発表した8月の貿易統計は、米中のにらみ合いの原因とその結果を如実に示した。対米貿易黒字は過去最大に膨らんだ一方、ドルベースの輸出の伸びは全体として鈍化した。

  IHSマークイットのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、ラジブ・ビスワス氏(シンガポール在勤)は「米国による大規模な追加関税措置が迫っており、中国の輸出業者は今後ひどい打撃を受け、2019年の中国の国内総生産(GDP)伸び率は落ち込む公算が大きい」と指摘。「米国が中国への関税措置を強化し続けたら、当局が影響緩和策を講じても、輸出セクターにはこの先、長期にわたる厳しい道のりが待ち構えている」と述べた。

  中国財政省は7日、潤滑油や児童書など397品目を対象に輸出企業への税還付の率を引き上げると発表。対象品の輸出企業は15日から、付加価値税などの負担が減ることになる。

  トランプ氏は9日も中国への非難を続けた。米フォード・モーターが中国で生産する小型車を米国で販売する計画を取りやめる決定を下したことにそれとなく触れ、「この車は現在、米国で生産できる」とツイート。「米国が他の国から搾取される日々は終わった!」と書き込んだ。


原題:China Trade Outlook Darkens as Trump Threatens Total Tariffs (1)(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/816.html#c6

[国際23] 米国務省、中華民国と断交した中米カリブ3カ国の大使ら召還(フォーカス台湾) 無段活用
7. 2018年9月10日 14:57:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1472]

2018年9月7日 / 14:34 / 30分前更新
焦点:中国の半導体企業、高待遇を武器に台湾の人材引き抜き
Yimou Lee
4 分で読む

[台北 4日 ロイター] - 大幅な給与アップと年8回の帰省費用、そして手厚い家賃補助付きマンション──。台湾のエンジニアにとって、これらは夢のようなオファーであり、とうてい抗うことはできない。

ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)(2303.TW)など、台湾トップ半導体メーカーで築いた豊富な経験を持つエンジニアは昨年、中国政府の支援を受けた半導体メーカーから勧誘され、現在は中国東部のウェハー工場で小人数のチームを率いている。

好況に沸き、急成長する中国の半導体産業で働く、台湾出身の上級プロフェッショナルは増加しつつあり、このエンジニアもその1人だ。

中国にとって、台湾からこうした人材を引き抜く重要性は高まっている。同国は現在、国内半導体産業を加速度的に成長させ、スマートフォンから軍事衛星に至るあらゆる製品に欠かせない重要なチップの海外依存度を下げようと努力しているからだ。

2014年に始まった中国の取り組みは、今年に入りさらに強化されている、と採用担当者や業界関係者は指摘する。米中通商摩擦がエスカレートする中で、外国製半導体への過剰な依存が懸念されている。

中国は2017年、2600億ドル(約29兆円)相当の半導体を輸入しており、これは同国の原油輸入額を上回っている。中国半導体産業協会(CSIA)によれば、国内需要に占める国産半導体のシェアは同年で、20%未満にとどまった。

台湾から中国の半導体メーカーに転職した上級エンジニアは今年に入り300人を超えた。中国政府が2014年に半導体産業育成のために220億ドル規模のファンドを創設して以来、トータルで1000人近くが中国本土に渡っている、と台北の転職支援企業H&Lマネジメント・コンサルタンツは推計する。

熟練エンジニアを巡る争奪戦を受け、台湾では、経済の重要なけん引役を、政敵の中国に奪われてしまうのではないかとの懸念が高まっている。とはいえ、中国は、ローエンドの半導体製造においては前進がみられるものの、半導体の設計・製造という面では、台湾より何年も遅れているとアナリストは分析している。

今年、米国が中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)(0763.HK) (000063.SZ)に対する半導体の販売を禁じたことで、中国の半導体産業育成計画は加速したと、事情に詳しい中国高官は4月、ロイターに語った。

米国政府が160億ドル相当の中国製品に関税を課したことで、中国製半導体は打撃を受けた。同製品への税率は現在25%だ。

これにより中国製半導体の競争力は、台湾製や韓国製に比べ低下しており、中国の半導体産業育成に向けた野心に水を差す可能性がある。中国政府が目指しているのは、2025年までに、国内半導体需要の少なくとも4割を国産半導体で満たすことだ。

中国の人材不足を裏付けるかのように、2つの国営機関は8月、国内集積回路セクターで働く専門スタッフは2017年末時点で約40万人にすぎず、2020年までに必要とされる推定72万人を大幅に下回っている、と発表した。

人材不足に対処するため、中国は韓国や日本のエンジニア獲得を狙っているものの、採用担当者によれば、最大の成功を収めているのは、共通の言語や文化を有する台湾だという。

数十億ドル規模の半導体産業育成ファンドからの潤沢な資金支援を受けた、中芯国際集成電路製造(SMIC)(0981.HK)などの中国半導体メーカーが提示する高額の給与と充実した諸手当、そして社内での高い地位が、台湾のエンジニアを魅了している。H&Lでマネジャーを務めるリン・ユーシャン氏はそう指摘する。

「彼らが言うには、台湾で10年かけて得る収入を、中国では3年で稼げる。その分、早く引退することができる」とリン氏。

台湾で半導体集積回路を設計するノバテック・マイクロエレクトロニクス(3034.TW)のスティーブ・ワン副会長兼社長は、過去2年間で従業員の数パーセントが退社し中国に渡ったと語り、中国のライバル企業が提示する条件に対抗することは難しいと認めた。

冒頭で紹介した中国のウェハー工場で働く台湾出身エンジニアの場合、5年以上勤務することを条件に、3ベッドルームの新築マンションを相場より4割安い賃料で提供され、さらに当時の給与の5割増しの金額を提示されたという。具体的な数字は明かさなかった。

「中国はいくらでもカネを出そうとしているが、台湾企業の場合はリソースが限られている」とこのエンジニアは言う。

<対抗戦略>

中国北東部に新設された半導体メーカー芯恩(青島)集成電路の上級幹部は、最近採用した120人のエンジニアのうち、約3分の1が台湾出身だと明かした。

「資金面での不足はない。足りないのは人材だ」と同幹部は匿名で語った。

同幹部によれば、中国を代表する半導体メーカーSMICの創業者リチャード・チャン氏が率いる芯恩では、新規採用者に対して、港湾都市青島での割安な不動産物件や、2カ国語学校向けの魅力的な学費補助などの待遇を提示しているという。

「台湾出身のエンジニアは最も経験が豊富であり、国内での人材育成を助けてくれる」と同幹部は語る。「台湾からエンジニアを引き抜く動きは、拡大し続けるだろう」

こうしたエンジニア流出によって最大の打撃を被っている中には、台湾の著名な半導体設計企業や半導体受託生産(ファウンドリー)も含まれており、人材確保のための支出増を強いられている。

台湾で時価総額上位10社の財務諸表に基づいてロイターが試算したところ、代表的な半導体設計・製造企業において、過去2年間の収益が21%伸びているのに対して、給与や諸手当を含む人件費は35%も膨らんでいる。

<営業秘密は守られるのか>

中国による引き抜きに、台湾はますます警戒感を募らせている。

台湾では長年、米アップル(AAPL.O)の主要サプライヤーである台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW)などの半導体メーカーに対して、最先端技術を中国の製造拠点に移転することを禁じてきた。そうした技術が中国のライバル企業に渡ることを防ぐためだ。

また台湾では、中国半導体産業の急速な発展によって、過去に太陽光発電パネルや液晶ディスプレイといった分野で発生したような、過剰供給による価格急落といった悪循環が再現されるリスクを懸念する声も多い。

中国の集積回路設計企業が計上した2017年の収益は310億ドルに達しており、すでに台湾ライバル企業の220億ドルを凌駕している、とバーンスタインのアナリスト、マーク・リー氏は説明する。

激しい人材争奪戦によって、このギャップがさらに広がるのではないかと懸念が広がっている。

United Microelectronics Corp
15.55
2303.TWTAIWAN STOCK EXCHANGE
-0.75(-4.60%)
2303.TW
2303.TW0763.HK000063.SZ0981.HK3034.TW
台湾行政院(内閣)は7月、トップクラスの人材を引き留めるため、従業員持株制度にを巡る税制上の規制緩和を約束した。

「中国共産党は、わが国の人材を引き抜いている」と、台湾で経済政策などの立案を担当する国家発展委員会の陳美伶主任委員(閣僚)は語った。「企業が人材を維持しやすくなるよう、法令を改正している」

台湾知的財産局で法務部長を務めるHo Chan-cheng氏は、「不適切な引き抜き」は営業秘密の漏洩につながる可能性があり、政府は台湾の重要なテクノロジー、すなわちウェハー当たりのチップの歩留まりを増大させる能力を保護するために努力している、と述べた。

台湾企業側もまた、独自インセンティブの提示に努めている。

台湾で活動する半導体設計企業ファイソン・エレクトロニクス(群聯電子)の広報担当アントニオ・ユー氏は、同社には「中国企業のように金に物を言わせるだけの資金力はない」が、従業員にとって「安心できる環境」をつくり出そうと努力しているという。

長年継続される現金賞与や、無料法律相談などの制度、同社のケイ潘健成会長との対話集会などをユー氏は挙げた。

「私たちは従業員を家族のように扱っている」とユー氏。

こうした取組みがあるとはいえ、台湾のエンジニアにとって中国企業が提示するインセンティブには抵抗しがたい魅力がある。

台湾の半導体エンジニア、トミー・フアン氏(37)は2016年、中国南部のユナイテッド・セミコンダクターに入社した。ここは台湾のUMCと中国政府の支援を受けた提携企業による合弁事業だ。

台湾側の人材引き留め策は、自分にとっては有効ではなかった、とファン氏は言う。「台湾に残っていたらチャンスは来ない」

中国側は、5歳の子どもの学費補助として年間最大6万元(8689ドル)と、台湾時代の2倍に相当する給与を提示したという。「私たちは、中国に来ることに希望を賭けている」

(翻訳:エァクレーレン)

 


 

中国は「現代版プラザ合意」で元高を飲むのか
日経平均よりも米中貿易戦争の行方に注目
平野 憲一 : ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト 2018年09月10日

日本株の行方は、日米交渉もさることながら、やはり米中貿易戦争次第か。筆者は「これから急激な元高が進む可能性もある」と予測する(写真:AP/アフロ)
日本株が再び下落基調だ。日経平均株価は、久々の8連続高で喜んだのもつかの間、直後には逆に6連続安。7日の終値は2万2307円となり、下値の支持線として機能していた3つの移動平均線(25、75、200日移動平均)を一気に下回ってしまった。

日米貿易問題への過度な懸念は不要?
一方、極めて形が悪くなったアメリカのナスダック指数の今後も不安だ。その原因の1つ、同国における半導体について、先行き弱気論が台頭していることが気になる。

半導体の動向は日本株に大きな影響を与えるため、投資家心理を冷やしてくるからだ。そして、同国のトランプ政権のターゲットは、「いよいよ来たか」というべきかもしれないが「次は日本」のようだ。日経平均は2万3000円抜けの期待から一変、2万2000円の攻防戦になりそうな気配だ。

だが、筆者は「日米貿易問題はそれほど大きくはならない」と思っている。主な理由は3つだ。@以前ほどアメリカの対米貿易赤字は大きな額ではないAその赤字額よりも、在米日本企業の輸出によって生み出される貿易黒字額の方がアメリカにとってはるかに大きいB世界が的のようになっているトランプ政権にとって唯一「ポチ」の存在のような日本(恐縮だが市場ではこう呼ばれている)を遠くに追いやることは好ましくない、との意見が政権内に多い、との3点だ。

しかし、一方で、米中貿易戦争はさらに深刻になると考える。先週末に、ドナルド・トランプ大統領が中国からの輸入に対して2670億ドルの追加の制裁関税を課すと報じられ、ニューヨークダウは一時180ドル近く下落した。

今すぐにも出る可能性のある「第3弾」2000億ドル対中制裁関税のうえに、さらに「第4弾」2670億ドル相当の関税品目が上乗せされると、中国輸入品のほぼすべてに関税を課すことになり、中国との貿易戦争はますます激しいものになる。やはり、米中対立の本質は貿易問題ではなく、「覇権戦争」だからだ。

「現代版プラザ合意」で米中問題を一気に解決?
WIPO(世界知的所有権機関、国際連合の専門機関)によると、2017年国際特許出願件数は、アメリカ5万6624件に対して、中国4万8882件と、両国の差が急接近、このままならおそらく数年で逆転しそうだ。それに対してのアメリカの危機感はそれこそ「ハンパない」ものがある。これは「アメリカから学んだ(盗んだ)知的財産が基になっている」とトランプ大統領は考えている。

実際、アメリカは何十年も、中国人留学生(彼らだけではないが)に、惜しげもなくハイテク技術を教え、国家機密レベルにも場合によっては接近させた。なぜなら「将来アメリカナイズされた彼らが国に帰り、中国を民主主義国家に変えてくれる」と考えたからだ。

だが、現実は違った。彼らの知識で中国は強くなり、ますます共産主義国家として強大になろうとしている。「『中国製造2025』など許すまじ」と、トランプ大統領は考えたようだ。

「歴代の大統領は何を考えて来たのだと腹立たしく思っている」と大統領のツイッターにもある。もちろん、中国の習近平体制の命とも言うべき「中国製造2025」撤回などあるはずはなく、米中双方とも引くに引けない近代戦争が続くことになりそうだ。

そこで、中国の政権維持と、アメリカの貿易赤字・知的財産保護政策を同時に解決するのが「人民元切り上げ」だとも言われる。簡単に言ってしまえば「現代版プラザ合意」だ。今はむしろ元安が進行しており1ドル=7元に迫る現在、極めて奇異に聞こえるが、ニッセイ基礎研究所など、すでに複数のレポートで、アメリカがこうした戦略をとる可能性があることを指摘している。

ここで改めて若い読者のために、プラザ合意を紹介しておこう。同合意とは、33年前、アメリカのドル高是正を解決するため、アメリカの呼びかけで、NYプラザホテルに先進国5カ国(日・米・英・独・仏=G5)の財務相と中央銀行総裁が集まり、ドル安に向けた協調がなされたことを言う(1985年9月22日)。

「1ドル=3元」はないが、今後の為替の行方に注目
ドルに対して、参加各国の通貨を一律10〜12%切り上げるために各国が協調介入を行うというものだったが、当時の実質的なターゲットは主に円であり、日本の対米貿易黒字だった。結果的にわずか2年でドル円は1ドル=250円前後から約120円まで急速に円高が進んだ。

日本は円高不況を避けるため、強力な金融緩和政策を実施。これがいわゆるバブル景気を招く。今回は、もしあれば「米中二国間での合意」となるが、もちろん元高を了承すれば中国は「輸入増加、輸出減少、国内景気は元高不況」となる。それを防ぐために、国内景気喚起、財政拡大、インフラ整備に今までよりも強力な政策が必要となるが、そのモデルは33年前の日本にあるので、実現は不可能ではないはずだ。

しかも、そのターゲットは「1ドル=3元」という説まである。日本では2年で、プラザ合意前のドル円が250円から120円になったので、その比率でザックリ行くと1ドル=6.8元が2年で1ドル=3元だというわけだ。だが、この辺になるとかなり乱暴な話に聞こえるし、そこまではさすがに無理だと思うが、いずれにしても今後に注目したい。

さて、当面の日経平均はどうなるか。前述のごとく、サポートラインを割れ、形の悪さが目立ってきたが、「ステルステーパリング」が噂されている日銀のETF(上場投資信託)買いは、9月に入っての連続買いで「年6兆円ペース」に戻っている。

また外国人投資家は現物+先物で2週連続買い越しとなり、その額は5389億円だ。現物のみでも5週ぶりの買い越しとなった。業績が順調にもかかわらず、年初からの急落・低迷相場のため、日経平均と予想EPS(1株利益)の相関係数は、36週移動平均ベースで−0.7前後まで低下している。

つまり増益なのに株価が下がっているわけだが、このマイナス数値の大きさは、2016年末から始まった「トランプ相場」の直前レベルとほぼ同じだ。業績と株価の相関関係は「反転近し」を告げている。今週の日経平均予想レンジは2万2000円前後―2万2700円とする。

 

 

「悪魔の仕事場」から米国を救う
怠惰はトランプ大統領の敵であり、世界の味方だ
2018.9.10(月) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年9月7日付)

米政権高官ら、匿名寄稿を次々否定 トランプ氏は氏名公表を要求
問題の論説の寄稿を否定したトランプ政権高官ら(2018年9月6日作成)。(c)AFP〔AFPBB News〕

 米国のドナルド・トランプ大統領について最近リークされた情報のうち最も衝撃的なのは、ホワイトハウスのスタッフの1人が大統領の寝室を「悪魔の仕事場」と呼んでいたことだ。

 この描写には、ホワイトハウスがノイローゼに苦しんでいる理由を知るために必要な情報がすべて詰まっている。

 トランプ氏が正真正銘の自己をさらけ出す場所。それは、口うるさい側近の目や耳が届かないホワイトハウスの2階である。

 自身の権力の中心地においてさえ、トランプ氏は排斥されている少数派だ。

 片手でテレビのリモコンを握り、空いた手でツイッターにメッセージを送る同氏の寝室は、さながら映画「スタートレック」に出てくるエンタープライズ号のブリッジ(司令室)だ。

 オーバルオフィス(大統領執務室)に下りてくるのは、写真撮影があるときと毎日1、2回開かれる会議のときだ。

 これに次いで不穏なのは、トランプ氏を敬うスタッフがほとんどいないという事実だ。しかしそれでは、同じ話を繰り返し語ることになる。

 最新の事例が、米ニューヨーク・タイムズ紙に匿名記事を寄せ、政府内部でも大統領に抵抗する動きがあることを明らかにした現職の政府高官だ。

 この記事によると、トランプ氏は「反民主的」で「せっかち」で「敵対的」なうえに、「狭量」で「知識も不足」している。

 大統領のスタッフのほとんどは、トランプ氏の衝動的な行動から米国を守るためだけに仕事を辞めずにいるという。

 この記事には、米国の最高司令官がその打撃のほとんどを寝室から繰り出しているとは書かれていない。だが、この点はどんな論考においても最重要視するべきだ。

 筆者自身は、トランプ氏がバスローブ姿でチーズバーガーをほおばりながら、怒鳴り散らすように命令を出しても何ら問題はないと思っている。

 エチケットは過大評価されている。しかし、物事のプロセスは、特にトランプ氏によって過小評価されている。この状況が長く続くことを願う。

 というのも、決断を下すことと命令を下すこととの間には、天と地ほどの違いがある。

 トランプ氏は数多くの決断を下している。

 例えば、ジム・マティス国防長官に「連中を殺してしまえ」と命じたことがあるとされる。この「連中」とは、バシル・アサド大統領をはじめとするシリア人のことだ。

 もしトランプ氏が合法的な命令書を書いていたら、マティス氏がこれをやり過ごすことは難しかっただろう。しかし、口頭での命令なら国防総省は簡単に無視できる。

 怠惰はトランプ氏の敵であり、世界の味方だ。

 そのことが強く実感できるのが、つい先日報じられた2件の暴露情報だ。

 伝説のジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏の近刊『Fear: Trump in the White House』と、前述したニューヨーク・タイムズ紙の匿名記事は、互いの内容を補強し合う。

 最もショッキングなのは、これらの内容が少しもショッキングでないことだ。すでに誰もが知っていることだった。同じパターンが何度も繰り返されている。

 トランプ氏は「小学5年生か6年生」程度の理解力しかない「ばか」だという閣僚の発言が引用される。

 すると同じ閣僚が、そんなことは言っていないと否定する。こうした否定発言がある1人の聞き手のために用意されていることは、誰もが承知しているところだ。

 例の匿名記事の著者は、自身の同僚もトランプ氏の「コメントや行動」に「日々信じがたい気持ちを覚えることを内々に認めている」と書いている。

 ここで「コメント」が先に来ていることには意味がある。トランプ氏の具体的な行動を特定するのは、発言を特定するよりも難しいのだ。

 ウッドワード氏もこの匿名の人物も、「核のボタン」が入ったカバンを隠してしまうというような著しい抵抗の事例は示していない。

 ウッドワード氏の本には、そのままにしておけば北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定から米国が手を引く事態になった書類を、スタッフがトランプ氏の机から持ち去った話が書かれている。

 それでも、これらの書類をそのままにしておいたらどうなったかは明らかではない。どちらも性急な行動ではあっただろうが、連邦議会や裁判所からの抵抗に遭ったはずだ。

 戦争行為が回避された唯一の事例は、外国の指導者を暗殺せよというトランプ氏の求めにマティス国防長官が耳を貸さなかった一件だ。

 トランプ氏がこの求めを繰り返すことはなかった。炎と怒りをお見舞いしてやると自分のベッドから脅しをかけることは簡単だが、実際に炎を空から降らせることははるかに難しいのだ。

 とはいえ、過去を振り返ればトランプ氏が次に取るかもしれない行動が分かり、安心できるというわけではない。

 ウッドワード氏の近刊に対する大統領の反応は、この伝説の書き手の情報源を突き止める「魔女狩り」を命じることだった。

 匿名記事に対しては、「反逆罪か?」というコメントをツイッターに投稿した。いずれも結局は同じことを意味する。

 トランプ氏は今後、官僚の能力を片っ端から利用して、自分に忠実でない人物をあぶり出しにかかるだろう。おそらく、無益な犯人捜しになる。

 内部調査を誰が指揮するのかという難問を別にしても、だ。

 そもそもトランプ氏は、内部調査の担当者がホワイトハウス内での抵抗運動に参加していないかどうかを、どうやって判別するのだろうか。

 また、仮に犯人が見つかったとしても、そんな情報はトランプ氏の孤立を際立たせるだけだ。

 実の娘のイヴァンカ・トランプ氏とその夫もジャレッド・クシュナー氏――そして、筋金入りの若手スタッフ数人――は別として、誰かがトランプ氏に対する忠誠心を持っていると想定することは困難だ。

 ファーストレディーのメラニア・トランプ氏でさえ例外ではない。

 トランプ氏はここからどこに向かうのだろうか。実は、同氏にはお気に入りの逃げ場がもう一つある。遊説だ。

 寝室と同様に、演壇に立てば顧問弁護士や長官たちの監視の目から逃れることができるのだ。

 だが、トランプ氏がまず考えるのは、例の2階に引っ込むことだろう。引っ込んでしまえば、裏切られる心配はなくなる。

 そして、そこからなら、自分の思うままに大統領らしくなれる。国の統治よりも、そちらの方がはるかに楽しい。

By Edward Luce

 


 

テクノロジー2018年9月10日 / 13:31 / 19分前更新
日立、中国テンセントと戦略的提携で合意
1 分で読む

[東京 10日 ロイター] - 日立製作所(6501.T)は10日、中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)(0700.HK)とIoT(様々なモノがインターネットに接続される)分野における戦略的提携で合意したと発表した。

今回の合意に基づき、日立グループとテンセントは長期的な提携関係の下で、スマートシティの構築や製造・物流分野におけるスマート化など幅広い事業分野でのIoT化に向かって、両者が有する技術・資源を活用し、新市場の開拓に注力していくとしている。

具体的には、中国政府が推進する「一帯一路構想」を背景に、「健康中国」、「美麗中国」、「ネットワーク強国」などの活動に参加していく。

現在、昇降機や空調設備、生体認証技術などでテンセントのIoTシステム導入を検討しているが、今後は健康養老やスマート製造、スマート物流などでも、技術交流・協力を進めていく。

中国における日立グループの売上収益は、2017年度で1兆0410億円とグループ全体の11%を占めている。

Hitachi Ltd
707.1
6501.TTOKYO STOCK EXCHANGE
+6.50(+0.93%)
6501.T
6501.T0700.HK
今回の戦略的提携での合意を踏まえ、18年度の売上収益を1兆1000億円に拡大させるとしている。

*内容を追加しました。

田巻一彦

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/816.html#c7

[国際23] プーチンは何をすべきか?(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
2. 2018年9月11日 19:35:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1473]
世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

ノルド・ストリーム2は欧州のロシア依存を高めてしまうのか

2018/09/11

岡崎研究所

 8月18日、ドイツのメルケル首相とロシアのプーチン大統領は、ドイツ北東部のメセブルクで会談、ロシアの天然ガスをバルト海経由で欧州に直接輸送する海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設を推進することを確認した。同計画には、欧州のロシアに対するエネルギー依存を高めることに繋がるとの批判がある。

 会談に先立ち、両首脳は記者会見を行ったが、このうち、プーチン大統領の発言のノルド・ストリーム2に関連する部分の概要を以下に紹介する。


(CNuisin/RedlineVector/Multigon/MatiasEnElMundo/iStock)
 独ロ協力の優先分野の一つはエネルギーだ。ドイツはロシアのエネルギー資源の最大の買い手国だ。2017年にロシアはドイツに538億立方メートルのガスを売った。それは、ドイツの消費量の30%以上にあたる。

 ドイツはロシアの炭化水素資源の大市場であるばかりでなく、欧州の他の国々への重要な経由地でもある。6月には、ソ連から西欧へのガスの輸出開始から50周年を迎えた。

 この間、我が国はエネルギーの継続的な供給を保証し、欧州大陸のエネルギー安全保障に多大な貢献をしてきた。

 独ロは、新しいガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に関して協働している。このパイプラインは、欧州のガス輸送システムを改善し、供給ルートを多様化させ、輸送リスクを最小化させるだろう。そして、最も重要なことは、欧州経済における、増大するエネルギー資源に対する需要を満たすことになるということである。

 私(プーチン)は、ノルド・ストリーム2計画は、純粋に経済的なプロジェクトであると強調したい。ウクライナ経由のガス輸送の可能性を排除するものではない。この点におけるメルケル首相の立場を承知している。

 私は、ウクライナのガスの経由地としての地位は経済的必要性に基づくものであるべきだと強調したい。それは、あらゆる場面において経済的に正当化されるものでなければならない。

出典:‘Russian-German talks:Talks between Vladimir Putin and Federal Chancellor of Germany Angela Merkel were held at the Meseberg residence.’(Kremlin August 18, 2018)

 上記プーチンの発言も端的に示す通り、ドイツのガスのロシア依存度は高い。2017年のロシアからのガス輸入は538億立方メートル、ノルド・ストリーム2の輸送能力は年間550億立方メートルである。2020年の稼働を目指す同パイプラインが完成すれば、ドイツは現在の倍の量のガスを輸入し得ることになる。

 経済的側面だけを見れば、ノルド・ストリーム2は合理的である。オランダとノルウェーのガス生産が逓減しつつある中、欧州にとって、とりわけ脱原子力と脱石炭を目指すドイツにとって、代替となる安定的な供給源が必要である。比較的安いロシアのガスを利用出来れば好都合であろう。また、ドイツの化学企業にとってはシェール・ガスを利用できる米国のライバルに対抗する上で歓迎すべきことであろう。東欧の中間企業を経由せずに、直接ロシアのガスプロム社からガス調達して転売することも可能になるかもしれない。

 しかし、戦略的側面を看過すべきではない。ノルド・ストリーム2は、ロシア依存を深め、固定化する。ロシアからドイツに直接ガスを供給するルートが強化されれば、ロシアが東欧諸国への介入にガスを梃として使う自由度を高めることになる。そういうわけで、ポーランドなどの東欧諸国およびバルト諸国は、同プロジェクトに反対している。これらの国々とプロジェクト参加国、とりわけドイツとの亀裂は、欧州の安全保障にマイナスである。ノルド・ストリーム2によってウクライナ経由の輸出に対する依存度が下がれば、ロシアがウクライナの全面的な侵攻を企てる障害が除去されることにもなる。欧州委員会も、供給源を多様化しロシア依存を減らすという政策に反するとして支持出来ないとの立場であるが、これまで実効性のある措置を講じてこなかった。

 トランプ米大統領は、7月にNATO首脳会議に出席した際に、ストルテンベルグNATO事務総長との会談で「ドイツはロシアの捕虜となった。ロシアから多量のエネルギーを得ているからだ」と述べた。トランプの表現は乱暴に過ぎるが、あながち見当外れともいえない。米国は、オバマ政権の時代からノルド・ストリーム2に反対している。

 ホワイトハウスは「ノルド・ストリーム2を何としても阻止する」と言っているとも報じられている。昨年8月に米議会で成立した対ロ制裁法に基づき、トランプ政権がノルド・ストリーム2のプロジェクトに参加している欧州の5つの企業に制裁を科すようなことがあれば、同計画の大きな障害となり得る。とはいえ、トランプ政権が、そこまで対ロ関係悪化のリスクを冒すとは考え難い。ノルド・ストリーム2の建設はもはや止められず、欧州の安全保障にとり不安要因となり続けるように思われる。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/821.html#c2

[国際23] FB・ツイッター、極右ページ次々削除 トランプ氏反発  赤かぶ
3. 2018年9月11日 20:04:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1474]

【第11回】 2018年9月11日 安井明彦 :みずほ総合研究所調査本部 欧米調査部長
トランプ大統領の支持率が不気味なほど安定しているのはなぜか
超党派協力の夢を阻む「教会から疎外された人々」の正体
トランプ大統領の支持率安定が、超党派の夢を阻む?
ジョン・マケイン上院議員の死去により、米国では党派を超えた協力関係があった時代への憧憬が高まった。現実には、トランプ大統領を支持する白人労働者が米国の分断を深刻化させている Photo by Keiko Hiromi
マケイン上院議員死去で感じる
「トランプ分断」の深刻さ
 米国では、8月25日に亡くなったジョン・マケイン上院議員の告別式が、9月1日に首都ワシントンのワシントン大聖堂で行われた。告別式には党派を超えた多くの参列者が集まった。

 マケイン議員の告別式は、そう遠くない昔の米国では、党派を超えた友情が珍しくなかったことを雄弁に示していた。告別式では、共和党のジョージ・W・ブッシュ、民主党のバラク・オバマという2人の元大統領が、相次いで弔辞を述べた。

 言うまでもなく、ブッシュ元大統領は2000年大統領選挙の予備選挙、オバマ元大統領は2016年の大統領選挙で、マケイン議員と戦った間柄である。かつての政敵であり、所属政党も違う2人の政治家を、マケイン議員は同じ演台に立たせてみせた。インターネットでは、参列しているブッシュ元大統領が、横に座っていたオバマ元大統領のミシェル夫人に、こっそりキャンディを手渡す映像が拡散し、微笑ましい話題を提供している。

 民主党から無所属に転じたジョン・リーバーマン元上院議員は、2008年の大統領選挙に出馬したマケイン議員から、所属政党が違うにもかかわらず、副大統領候補に登用する構想を持ちかけられた経験談を披露した。「党派が違うのに?」とリーバーマン元議員は不審がったが、マケイン議員は「それが大事なんだ」と超党派協力の必要性を力説したという。

 幸福な融和の構図を描いたかに見えるマケイン議員の告別式は、深い断絶の存在を浮き立たせる出来事でもあった。複数の元大統領が参列するなかで、現職のドナルド・トランプ大統領は、招待者リストに含まれなかった。トランプ大統領とその支持者たちは、ワシントン大聖堂とは別の「教会」に籠っていたようなものだ。厳粛ながらも温かな告別式とはかけ離れた世界が、今の米国には確かに存在している。

不気味なほど安定している
トンンプ大統領の支持率
 マケイン議員が融和の象徴であるとすれば、トランプ大統領は分断の象徴である。その証拠が、不気味なまでに安定的に推移する支持率である。さまざまな騒動が起きる割には、トランプ大統領の支持率は、おおよそ30%台半ばから40%台半ばのあいだに収まっている。

 実際に、トランプ大統領の支持率は、過去の大統領と比べても、極端に動きが少ない(図)。「強く支持する」と回答してきた20〜30%の熱心な支持者の存在によって、支持率の底割れは避けられている。その一方で、40〜50%はトランプ大統領に「強く反対する」と答え続けており、ここから支持率が上昇する余地は少ない。勢い、少数ながら熱心な支持者にかけるのが、トランプ大統領の政治手法になっている。


(資料)ギャラップ社調査により、みずほ総合研究所作成 拡大画像表示
 熱心な支持者は、何があってもトランプ大統領を信じ続けているようだ。8月後半の米国では、いつもは高視聴率をたたき出すFOXニュースの視聴率が、不自然に低い日があった。トランプ大統領の元側近たちが、裁判で有罪評決を受けたり、有罪を認める答弁を行ったりしたと報じられた日である。トランプ支持者はFOXニュースを見る傾向が強いが、大統領にとって都合が悪いニュースが多かった日には、テレビに目もくれなかったようだ。

 かつてトランプ大統領は、「私が(ニューヨークの)5番街の真ん中で誰かを銃で撃ったとしても、票を失いはしないだろう」と述べたことがある。確かに熱心な支持者たちは、どこまでもトランプ大統領についていくのかもしれない。

 なぜそこまでトランプ大統領を支持し続けるのか。米アトランティック誌は、熱心なトランプ支持者の集まりを、教会に代わるコミュニティとして捉え直す記事を掲載している。

 アトランティック誌が描き出すトランプ大統領の政治集会は、大統領による攻撃的な言動や、陰惨な現実描写が多いにもかかわらず、そこに集まった聴衆は、極めて明るい雰囲気に包まれている。支持者の仲間意識が生み出す高揚感は、さながら教会での礼拝のようだという。

 実は、これは単なる比喩ではない。トランプ支持者のコミュニティには、実際に教会の代役を果たしている側面がある。トランプ大統領の熱心な支持者は、教会から疎遠になった人たちと一致するからだ。

 トランプ大統領の支持者の中核は、労働者階層の白人だと言われる。米国では統計上の制約から、社会階層を教育水準で代替して分析する場合が多いが、近年の米国では、学歴によって教会に通う頻度に大きな差が生まれている。

 1970年代以降では、労働者階層と見なされる大卒未満の白人が教会に通う頻度は、大卒以上の白人の2倍以上の速度で減少しているという。現状では、大卒以上の白人では3割程度が「滅多に教会に足を運ばない」と答えている一方で、大卒未満の白人では同様の回答が約半数に達している。

 どうやら労働者階層の白人は、教会に集うコミュニティに対し、疎外感を感じているようだ。労働者階層の白人にすれば、教会に集うのは教えを守って成功してきた人たちであり、もはや自分たちが仲間入りできるコミュニティではない。

疎外感を覚える労働者階級が
集まる「教会」のような場所
 製造業の不振などを背景に、労働者階層の白人の雇用は不安定になっている。そうした暮らしの現実は、教会が唱えてきた勤勉の価値観とは合致しない。また、経済的な苦境は、離婚などの生活の破綻を招きやすい。その点でも、労働者階層の白人は、教会に居心地の悪さを感じるようになっているという。実際に、同じ労働者階層の白人においても、教会に通う頻度が低い人たちでは、離婚や家計の困窮、さらには薬物などへの依存を経験する割合が高い。

 教会の側も、労働者階層の白人が多いコミュニティに力を入れるのは難しくなっている。成長の余地が少ない地域では、教会の活動を支えるだけの資金的な余裕が乏しい。労働者階層の白人が教会から離れれば、その教会の経営は難しくなる。教会の活動が縮小すれば、ますます労働者階層の白人は教会から縁遠くなる。まさに悪循環である。

 トランプ大統領の支持者は、「忘れられた人々」と形容されることが多い。労働者階層の白人たちは、教会からも「忘れられた人々」になりつつあった。伝統的に教会は、単なる信仰の場ではなく、地域のコミュニティの中心としての役割を果たしてきた。心の拠り所を失った人たちに、教会に代わる居場所を提供してくれたのが、トランプ支持者のコミュニティだった。

宗教色の後退が分断に拍車
様変わりするコミュニティの姿
 かつての米国では、政治から宗教色が後退すれば、世論の分断は和らぐと考えられてきた。同性婚や妊娠中絶のような争点では、信仰の有無が対立軸と重なりがちだったからである。

 ところが実際には、宗教色の後退は、従来とは異なった論点で、世論の分断を深める結果をもたらしている。教会から疎遠になった人々には、同性婚などの宗教と重なりやすい論点ではなく、人種や国籍といった世俗的な論点で、意見を先鋭化させる傾向があるからだ。実際に米国では、同じ宗教の信者でも、教会活動への参加の度合いが低下するほど、移民に対する意見が厳しくなることが確認されている。

 移民に厳しいトランプ大統領の政策は、「トランプの教会」に集うコミュニティの思いを代弁しているのかもしれない。日常生活から教会の影が薄れるのと同時に、対立を諌める訓話を聞いたり、多少なりとも人種間の交流を行ったりする機会は失われた。教会から足が遠のいた人々は、宗教の教えにコミュニティの絆をみつけられなくなったからこそ、人種などの世俗的な観点で仲間意識を強めている可能性がある。

 マケイン議員の葬儀を終えた米国では、11月の議会中間選挙に向けた党派間の論戦が熱を帯び始めた。熱狂的な支持者に活路を託すトランプ大統領は、ひたすら自らの教会で語り続ける。

 思い返せば、今では融和の象徴とされるマケイン議員も、2008年の大統領選挙では、攻撃的な言動で知られるサラ・ペイリン元アラスカ州知事を副大統領候補に選び、今につながる分断への道筋を開いた側面がある。ワシントン大聖堂を包み込んだ党派を超えた協力への期待は、夏の終わりのはかない夢に過ぎないようだ。

(みずほ総合研究所調査本部 欧米調査部長 安井明彦)


 

 

海野素央の Love Trumps Hate

モンタナ州まで行って直撃「Qアノンの正体」とは?

2018/09/11

海野素央 (明治大学教授、心理学博士)


筆者が参加したモンタナ州ビリングスでの集会(AFP/AFLO)
 今回のテーマは「Qアノンの正体」です。Qアノンはトランプ政権内の情報を匿名掲示板4chanと8chanに、昨年10月28日から投稿をしている謎の人物です。

 ドナルド・トランプ米大統領は9月6日、北西部モンタナ州ビリングスで支持者を集めて集会を開きました。トランプ大統領がモンタナ州を訪問するのは、7月に続いて2回目です。

 本稿では、同州のトランプ集会に参加したQアノンの投稿内容に共感する人々である「Qフォロアー」を対象に現地ヒアリング調査を実施しましたので、彼らの声を紹介しましょう。


支持者を指さすトランフ?米大統領(モンタナ州ヒ?リンク?ス筆者撮影)
Qアノンは誰だ?
 Qの字句が印刷されたTシャツを着用している白人のマーク・ニューマンさん(65)は、非常に親しみやすく開放的な性格で、快くインタビューに応じてくれました。率直に言ってしまえば、陰謀論者Qアノンの陰湿さとかけ離れた印象を与えます。彼は、Qアノンについて次のように語りました。


マーク・ニューマンさん(右)とリサ・レイさん(米モンタナ州ビリングス筆者撮影)
Q. あなたはQアノンのフォロアーですか?

A. そうです。私はQアノンを信じています。Qアノンは真実を拡散しています。

Q. Qアノンの正体をご存知ですか?

A. Qアノンは1人ではありません。米国家安全保障局(NSA)の中にあるグループです。メンバーは約10人だと思います。彼らはトランプのために働いていています。トランプは彼らとコーディネートしています。

Q. Qアノンはロシアに関して投稿をしていますか?

A. プーチン(露大統領)はグローバル主義者に反対だと言っています。プーチンはトランプと同じ立場をとっています。

Qアノンの存在意義
 ニューマンさんとお揃いのQアノンを支持するTシャツを着ているリサ・レイさん(59)も、フレンドリーな性格でした。レイさんはQアノンに関して以下のように述べました。

Q. Qアノンはあなたにとってどのような存在ですか?

A. Qアノンは「正義」です。私たちの「希望」です。それに対して、メディアはうそつきでです。

Q. Qアノンは何を遂行しようとしているのですか?

A. グローバル主義者は悪者です。彼らは国境をなくそうとしています。国境を失えば不法移民が入ってきて米国らしさが失われてしまいます。Qアノンは、不法移民に反対です。米国社会における「法と秩序」を回復しようとしています。環太平洋経済連携協定(TPP)と北米自由貿易協定(NAFTA)にも反対です。Qアノンとトランプには共通の信念があります。

Q. Qアノンのフォロアーの合言葉である「白ウサギを追え」について説明をしてくれますか。

A. 白ウサギが真実を発見してくれます。白ウサギを追えば、真実の巣穴に私たちを導いてくれます。

Q. トランプ大統領が昨年、米軍の幹部と配偶者をホワイトハウスに招待したとき、記者団に対して「嵐の前の静けさ」と語りました。メディアは北朝鮮に対する牽制だと解釈しましたが、Qフォロアーはトランプ大統領から異なったメッセージを受け取ったそうですね。

A. グローバル主義者や米連邦捜査局(FBI)を攻撃するという意味です。

Qアノンと北朝鮮
 Qアノンのフォロアーであるキム・スカルトンさん(64)は、Qアノンを冷静に分析していました。


キム・スカルトンさん(米モンタナ州ビリングス筆者撮影)
Q. Qアノンについて説明をしてくれますか?

A. Qアノンの哲学は、人々を教育することです。Qアノンは、人々が真実を知る糸口を与えてくれます。

Q. ではQアノンはどのようにして人々を教育しているのですか?

A. Qアノンは人々に「どのぐらい深く真実を探求しましたか」と問いかけています。真実を見つけ出すことはとても苦痛な作業です。

Q. Qアノンとトランプ大統領はどのような関係ですか?

A. トランプは、私たちとコミュニケーションをとる道具として、Qアノンを使っています。メディアは真実を語らないからです。トランプはQチームと関係があります。

Q. Qアノンが投稿を続ける目的は何ですか?

A. トランプを米中央情報局(CIA)、FBI、米司法省から守るためです。CIA、FBI、司法省はトランプと対立しています。

Q. Qアノンはモラー特別検察官について投稿をしていますか?

A. Qアノンは、モラー特別検察官が中間選挙に関わらないと言っています。ロシアの中間選挙に対する干渉もないと言及しています。中間選挙では外国政府が投票マシーンに介入することはなく、正直な選挙になると投稿しています。

Q. Qアノンは北朝鮮についてコメントをしていますか?

A. 金一族はCIAの支配から解放されたと、Qアノンは投稿しています。トランプ大統領が金一族とCIAの関係を断ったのです。Qアノンは、金一族はCIAから自由になって幸せだと言っています。CIAは北朝鮮から麻薬を輸入していました。QアノンはCIAを悪者だと考えています。

Qアノンとトランプ
 Qアノンが投稿を始めた昨年10月から投稿内容をフォローしているサーラ・スナイダーさん(37)は、静かな口調で次のように語りました。


サーラ・スナイダーさん(米モンタナ州ビリングス筆者撮影)
Q. Qアノンとホワイトハウスは関係がありますか?

A. 多いにあります。Qアノンは大統領専用機内から写した写真を8chanに投稿しています。しかも、ホワイトハウスで行われた復活祭に登場した縫いぐるみのウサギは、イースター・バニー(復活祭のウサギ)ではありませんでした。メガネをかけて、ポケットがついている白ウサギです。「不思議の国のアリス」に出てくる白ウサギです。

Q. Qアノンとトランプ大統領とは関係がありますか?

A. Qアノンとトランプの関係を示すストーリーを紹介しましょう。Qアノンをまったく信じていないある人物が、トランプに「最高(Tippy Top)と言わせてみろ」とQアノンに投稿したのです。「もしトランプがその言葉を使ったら、Qアノンを信じてやる」と言ったんです。ホワイトハウスでの復活祭のイベントに参加したトランプは、バルコニーから短いスピーチを行いました。その中でTippy Topという言葉を使って「ホワイトハウスを最高の状態に保っている」と語ったのです。私はQアノンはトランプととても近い関係にあると信じています。

Qフォロアーに対するトランプの対応
 レイさんはインタビューが終わると、周りを気遣いながら「トランプ支持者はQのTシャツを着たがりません。頭がおかしいと思われるのが嫌だからです」と小声で語りました。確かに、集会に参加したトランプ支持者は、圧倒的にトランプ支持のTシャツを着用していました。

 スカルトンさんは、トランプ大統領のスタッフからQの字句が印刷されたTシャツを脱ぐように強要され、会場に入る前に赤色のポロシャツに着替えていました。会場の外にできたトランプグッズの店では、QのTシャツは販売されていませんでした。恐らくQアノンのフォロアーが7月下旬から8月のトランプ集会にQのTシャツを着用して登場し、メディアの間で話題になったからでしょう。

 結局、トランプ大統領のスタッフは、ネット上ではQアノンの力を借りながらも、集会では有権者がトランプ大統領と陰謀のイメージを結びつけないように細心の注意を払っていることが、現地の集会に参加して明らかになりました。

  
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[経世済民128] 米政府に関税をかけられた米企業が戻りたくないほど米国は荒廃している(櫻井ジャーナル) :国際板リンク  赤かぶ
3. 2018年9月12日 18:47:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1475]

リーマン・ショックから10年、銀行にとって「失われた10年」か
Lu Wang、Felice Maranz
2018年9月12日 5:55 JST
• 株価やファンド、投資信託のポジションは金融株敬遠の継続示唆
• 長年の超低金利政策も大きく影響か、テクノロジー株の後塵拝する

Photographer: Chris Hondros/Getty Images North America
あらゆる傷は時がたてば癒えるものかもしれないが、米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破綻から10年が過ぎても、銀行に対する投資家の信頼感は十分に回復したとは言えない。
  世界金融危機の引き金になったと広く信じられているリーマン破綻から、ちょうど10年となる今週。株価やファンドのポジションのデータは、金融セクターを敬遠する傾向が消えていない状況を示唆する。
  S&P500種株価指数を構成する主要業種別指数で、弱気相場から完全な立ち直りを見せていない唯一の指数が金融株だ。2007年の高値を約8%下回っている。6月末時点でヘッジファンドに最も嫌われた業種だったほか、投資信託も持ち分を5年ぶり低水準まで減らした。ゴールドマン・サックスのデータが示した。

  ファースト・アメリカン・トラストのジェリー・ブラークマン最高投資責任者(CIO)は、「センチメントに関して言えば、銀行にとって失われた10年だろう」と話した。
  S&P500種が値上がりし、07年の高値を約80%上回って取引される現在、かつて市場全体の時価総額の5分の1余りを占め一大セクターだった金融株が、今はテクノロジー株の後塵を拝している。高リスクの事業を削減し流動性に富む資産の保有を求める規制強化により金融機関はショックへの耐性に優れるようになったが、利益は落ち込み、融資も伸び悩み、政策金利は過去最低付近で推移と、弱気派には敬遠する理由がそろう。

  「ここまでひどい状況になるとは思っていなかった」と語るのは、フェデレーテッド・インベスターズのチーフ株式ストラテジスト、 フィリップ・オーランド氏だ。「米金融当局が政策を正常化させるのにこれほど時間がかかるとは思っていなかった。当局による異例の低金利政策が金融機関の利益を生み出す能力を恐らく損ねた」と付け加えた。
  ゴールドマンのデータによると、第3四半期(7−9月)初めの時点でヘッジファンドが金融株に振り向けていた資産の割合は10%と、ベンチマークでの比率を4.5ポイント下回った。昨年は銀行株を選好した投資信託も売りに回り、ポートフォリオに占める金融株の比重は第2四半期に平均して1.1ポイント低下と、11セクター中で最大の落ち込みを示した。

 
  減税による恩恵もあり、銀行や保険会社は今年、利益が26%伸びると予想される。この見通しはS&P500種企業の予想におおむね沿っているが、収入は4.8%増の見込みで、公益や生活必需品を除く全ての業種を下回っている。ブル−ムバーグがまとめたアナリスト予想が示した。
  株価収益率(PER)が約16倍で1株当たり純資産倍率(PBR)は1.6倍と、金融株はS&P500種のセクター別で最下位。成長が大ブームの今、投資家にとって割安であるというだけでは十分でない。 
  サスケハナ・インターナショナル・グループの銀行アナリスト、ジャック・ミシェンコ氏は「金融業は名声を失った」とし、経営大学院の卒業生も「10年から15年前と比べ、ウォール街よりテクノロジー企業を選択する。それと同じだ」と述べた。
原題:A Decade After Lehman Collapse, Investors Still Shun Bank Stocks (抜粋)
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6.


 

2018年9月12日 / 15:09 / 3時間前更新
コラム:リーマン・ショック10周年、次なる危機の姿は
Jamie McGeever
3 分で読む

[ロンドン 11日 ロイター] - リーマン・ブラザーズ破綻から10年の節目を迎えた今、当時に思いをはせる金融市場参加者の間では、あれほどの惨事は二度と起きないだろうという意見がコンセンサスだ。その根拠と言えば概して、当局がそれを許さないということに尽きる。

なるほどリーマン破綻をきっかけにした金融システム崩壊と経済の壊滅は、何十年に一度あるかどうかというゆゆしき事態だったので、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁のかつての発言を拝借すれば、再発を確実に防ぐために、当局は「できることは何でもやる」だろう。痛みを伴った教訓はしっかりと刻み込まれている。

ただし10年前の規模の金融危機の再発があり得ないという考え方は論理の飛躍であり、かなり認識が甘い。実際、当時の危機につながった根っこの多くの部分は今なお健在だ。

ある程度の確実性をもってわれわれが言えるのは、次のクラッシュは恐らく、金融システムの中の従来と違う箇所で生まれ、広がっていくということでしかない。おなじみの警戒信号は灯るかもしれないが、ある危機のきっかけは、別の危機の引き金にはならないのではないか。

金融システムの崩壊は通常、以下に示すうちの1つ、ないしは複数の要因がもたらす。つまり(1)家計もしくは企業部門の高水準の債務とレバレッジ(2)リスクテーク拡大の動き(3)低ボラティリティーが助長した投資家の過剰な自己満足や貪欲さおよび熱狂(4)金利上昇(5)企業利益下振れ──だ。

それぞれ程度の差こそあれ、これらは現在顕現化している。債務水準は金融危機前よりも高く、マッキンゼーによると昨年の世界の債務総額は169兆ドル、2007年は97兆ドルだった。

銀行のレバレッジは下がっているものの、10年にわたる実質ゼロ金利と超低水準のボラティリティーが金融システム全体に投機とリスクテークをまん延させた。アルゼンチンが鳴り物入りで100年債の発行を開始したのはわずか1年前だった点を思い出してほしい。

世界の経済、市場、金融・財政政策はリーマン破綻に象徴される金融危機以降に急速に変化した。金利は極めて低くなり、中央銀行のバランスシートが肥大化、公的債務も大きく膨らんだことで、相対的に言えば危機に対して政策担当者が使える手段は少なくなりつつあるだろう。

中銀は金融市場において恒常的な存在となっており、もはや金利水準やバランスシートの規模を金融危機前の「正常」水準に戻す公算は非常に乏しい。

日本の経験、すなわち過去20年間で量的緩和(QE)とゼロ金利を含む異例の政策措置を打ち出しながらも経済成長が精彩を欠いたままだということこそ、先進国全般のこれからを予測する有益な手掛かりになる。

<既知の未知>

新たな市場リスクも出てきている。例えばアルゴリズム取引の急速な発達や、パッシブ運用型の上場投資信託(ETF)主導の投資規模が数兆ドルに拡大していること、仮想通貨の登場、AI(人工知能)とビッグデータの普及などだ。

それに加え、政治と社会構造はどんどん脆弱になっている。ポピュリズム(大衆迎合主義)や極右、強権的な政治家が台頭する一方、グローバリズムは風前のともしびと化し、政府や公的機関に対する一般の信頼は低下し続けている。

こうした構図は、有害な組み合わせとなりかねない。

米連邦準備理事会(FRB)が先導する形で世界的に借り入れコストは上昇しつつある。ペースは緩やかだが、過去最低水準を起点としている点は、今までにない意味合いを持っている。米金利上昇は、たとえどんなにゆっくりと進行しても、資産市場にとって良い面はほとんどない。

社債市場はとりわけ中国において、借り入れコスト上昇とドル高の悪影響を受けやすい。また新興国市場は、特に経常赤字の穴埋めを海外資金に依存している場合、同様の影響を受けやすい。トルコやアルゼンチンを見れば分かる。

ブラジル、インドネシア、南アフリカといった新興国に対する圧力も強まっているが、現段階では動揺の広がりは限定的。先進国市場は、理由は判然としないがおおむね落ち着きを保っている。

それはもしかすると、08年以降に中銀が市場に次々に流し込んだ多額の流動性によって経済成長と企業の収益力、資産価格が押し上げられているからかもしれない。しかしこの流れは緩やかに逆転しつつある。

金融市場には相当な自己満足感が漂う。ボラティリティーが過去にほとんど例がないほど下がっているのだ。そうした中、多くのリスクや危機の火種が何度も警告されてきた。それらはどれも、ラムズフェルド元米国防長官の定義に従えば「既知の未知」だ。

既知の未知には、中国における社債市場の崩壊や米金利上昇とドル高をきっかけとした新興国資産の暴落、米企業利益の落ち込み、ユーロ解体、世界的な貿易戦争、原油価格急落、インフレ高騰などが含まれる。

もちろん、危機のきっかけとなりそうな材料を予測できるからといって、その対応策を練り上げられるとは限らない。イタリアが将来の未知の時点にユーロを離脱するかもしれないという可能性に対し、どうすれば十分に備えられるというのだろう。

その是非はさておき、投資家は単純に最善の事態を期待している。2012年にはギリシャのユーロ圏離脱とユーロ解体を避けられたのだから、次も大丈夫なはずだ。ホワイトハウスではだれも全面的な貿易戦争など望んでいないはずだと。

そうかもしれないが、そうでないかもしれない。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 


米金融当局の利上げ見通しを市場は信奉、年内あと2回との見方強める
Jeanna Smialek
2018年9月12日 11:48 JST
• FF金利先物は年内あと2回、今年の合計で4回の利上げを示唆
• 予想通りなら利上げ回数は2006年以降最多へ
米連邦準備制度の当局者らは、景気予測に基づき2018年の利上げを計4回と予想しているが、市場関係者もその見通しをますます信奉している。
  当局は今年既に2回利上げし、年末までに0.25ポイントの利上げをあと2回実施すると予測している。年末の政策金利水準に関する市場の見方を映すとされるフェデラルファンド(FF)金利先物1月限のインプライド金利は11日に2.36%に上昇し、年内に44ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度の追加引き締めの可能性を示唆した。10月限の動きを見ると、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25ポイント利上げはほぼ確実と織り込まれている。

  市場が政策引き締め見通しに自信を強めている背景には、米経済の堅調さを示す多数のデータがある。失業率は3.9%に低下し、政策当局者が長期的に持続可能と見る水準をかなり下回っており、インフレ率は米金融当局の2%目標に向かって収束している。当局は今年3月と6月に利上げしたが、1年に4回の利上げは金融危機発生の2年前に当たる2006年以降実施していない。
原題:Markets See Highest Chance Yet of Two More Fed Hikes in 2018(抜粋)
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3. リーマン・ショックから10年、銀行にとって「失われた10年」か
4. ドルは上昇する米国株頼り、「脆弱な」基盤浮き彫りに−TD
5. 米金融当局の利上げ見通しを市場は信奉、年内あと2回との見方強める
6.

 
ガンドラック氏:ドル下落の公算、年末は恐らく今より安いと予想
John Gittelsohn、Emily Barrett
2018年9月12日 10:08 JST
• ドル値下がりなら新興市場国などの株式には朗報
• 銀行ローンとMBS勧める−年末S&P500、年初下回るとも予想
ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高投資責任者(CIO)によれば、ドルは今後値下がりする公算が大きい。そうなれば、新興国の株式など米国以外の株式には朗報かもしれない。
  ガンドラック氏は11日、自身が運用するトータル・リターン・ボンド・ファンド向けウェブキャストで、「まずは下に向かう新たな動きを見ることなく、新高値をドルが付けにいくとは思わない」とし、「ドルは恐らく年末時点で現在より安いだろう」と続けた。

  トランプ大統領がドル安を望んでいるのも一因で、ドル高を見込む向きは読み間違える結果に終わるだろうとも指摘。景気先行指数はリセッション(景気後退)が迫る兆候を示してはいないが、新興市場の状況が悪化すれば、世界市場は幅広い問題に見舞われる可能性があるとも話した。
  ドル以外についてガンドラック氏は、以下の内容も指摘した。
• 米10年債利回りが2.25%まで低下するとは予想しないが、投機的なショートがとてつもない規模になっているため、大規模ショートスクイーズが起きればあり得る
• 現在の市場で購入するのに最適な債権は銀行ローンと民間発行の住宅ローン担保証券(MBS)
• ポートフォリオに商品を加えるのに良い時期の可能性−商品は通常、景気サイクル終盤にパフォーマンスが良い
• S&P500種株価指数は年初より低い水準で年末を迎える可能性−マイナスとなっている他の株価指数との乖離(かいり)が縮む
原題:DoubleLine’s Gundlach Says Dollar’s Next Move May Be Downward(抜粋)

 

ドルは上昇する米国株頼り、「脆弱な」基盤浮き彫りに−TD
Luke Kawa
2018年9月12日 10:28 JST
• 株高が米連邦準備制度の政策よりドルの動きに関係
• 株価を支えているのは自社株買いや財政刺激など「一時的要因」
米ドルを動かしているのは何だろうか?米連邦準備制度のことは忘れて、株式市場に注目してみよう。
  TDセキュリティーズによると、最近は米国株の急上昇が米金融引き締めよりはるかに大きな力で米ドルをけん引している。為替戦略北米責任者、マーク・マコーミック氏は11日付リポートで、「米国株が運転席に移動したのは明らかだ」と指摘した。

  世界の他の地域と比較したドルと米国株の3カ月間の相関関係は強まっている。一方、ドルと他の先進国の短期金利スプレッドの相関関係はマイナスに転じた。
  マコーミック氏の分析によると、リターンが向上していることで日本を中心に海外の投資家がヘッジなしのベースで米国へのエクスポージャーを高めている。高い金利ではなく高いリターンがドルの大きな追い風だ。こうした傾向は2015年夏にも見られた。当時、中国・人民元の実質切り下げが新たに安全資産への逃避を招き、新興市場資産は激しく打ちのめされた。
  マコーミック氏は「自社株買いや財政刺激、FANG銘柄の突出した株価動向、企業のレパトリはいずれも大抵が一時的要因にとどまることを踏まえると、為替の材料が株式に集中していることはドルを支える基盤の脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにしている」と書いている。
  一方でTDは、賃金上昇や海外からの影響波及が材料となり、米国株と他の地域・国のギャップが縮小して結果的にドルを下押しする可能性にも言及した。マコーミック氏は「少なくとも欧州や日本など他の先進国に対して、米国株の違いが現在の規模で続くかどうかはは分からない」とした上で、今後は円やユーロ、スイス・フランに追い風が吹くとの見通しを示した。

原題:Reliance on Soaring Stocks Leaves U.S. Dollar in ‘Fragile’ State(抜粋)
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6.


 

債券は小幅安、米長期金利上昇が重し−日銀オペ結果受け下値限定
三浦和美
2018年9月12日 7:59 JST 更新日時 2018年9月12日 16:14 JST
• 先物1銭安の150円29銭で終了、長期金利は0.11%に小幅上昇
• 米長期金利3%上抜ければ円金利に上昇圧力も−メリル日本証
債券相場は小幅安。前日の海外市場で米国の長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、売りが先行した。半面、日本銀行が実施した国債買い入れオペが現物債需給の引き締まりを示したことを受けて、相場の下値は限定的となった。
  12日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比5銭安の150円25銭で取引を開始し、一時は150円23銭まで下落。午後に入ると、日銀オペの結果を受けて下げ幅を縮小し、結局は1銭安の150円29銭で取引を終えた。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「前日の海外市場はリスクオン的な雰囲気になり、海外の債券が売られた。米長期金利は利上げのタイミングで3%を抜ける可能性もあり、そうなれば円金利にもやや上昇圧力が掛かる可能性がある」と指摘。一方、「今日の日銀オペでは応札倍率が低下するなど若干需給の引き締まりを示す結果となり、午後には少し買い戻しが入った」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは0.11%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高く始まり、その後も同水準で推移した。
  11日の米株式相場は上昇。テクノロジー株や原油高を受けたエネルギー関連銘柄が上げを主導した。ダウ工業株30種平均は前日比0.4%高の25971.06ドルで引けた。一方、米国債相場は下落。株高や原油高が相場の重しとなり、米10年国債利回りは4bp高い2.98%程度となった。
日銀オペ
  日銀は午前の金融調節で、長期と超長期ゾーンを対象に国債買い入れオペを実施。買い入れ額は残存期間5年超10年以下が4500億円、10年超25年以下が1800億円、25年超が600億円といずれも前回と同額だった。オペ結果によると、応札倍率は5年超10年以下が2.3倍と昨年5月以来の水準に低下し、売り需要が弱いことが示された。10年超25年以下、25年超も前回を下回った。
  メリル日本証の大崎氏は、「5−10年は1回当たりのオファー額が増えたこともあるが、7月末から8月初めにかけて2兆円程度吸収された影響がまだ残っている面もある」と指摘した。
過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。
新発国債利回り(午後3時時点)
前日比
2年債 不成立
5年債 不成立
10年債 0.110% +0.5bp
20年債 0.610% 横ばい
30年債 0.830% 横ばい
40年債 0.965% 横ばい

ビットコイン強気派が冷や汗−最後の砦、今度こそ割り込む恐れ
Olga Kharif
2018年9月12日 13:07 JST
• トレンドの転換点を特定するGTI・VERA収束拡散法で分析
• 7月以降で最長の買いトレンドがちょうど終わったところ

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg
仮想通貨ビットコインの最近の不振は全面的な急落に発展し、強気派の最後の砦(とりで)である重要な抵抗線をまたも試す恐れがある。テクニカル指標が示唆した。
  ビットコインは2月以降、6000ドルの節目を4回試し、そのたびに反発。これを割り込めば一段安のシグナルとなり得る。トレンドの転換点を特定するGTI・VERA収束拡散法に基づくと、7月以降で最長の買いトレンドがちょうど終わったところで、一層の下落が示唆される。
  ビットコインは今年に入ってから既に半値以下になっている。仮想資産が広く受け入れられるの先のことになるとの見方が一般的になる中で、機関投資家からも個人投資家からも関心が薄れた。

原題:Bitcoin Bulls Are Sweating Latest Test of Key Resistance Level(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/440.html#c3

[経世済民128] 中国の金融危機「5年内の確率40%」、最も警戒が必要となるのは2019年後半から(日経BizGate) 赤かぶ
1. 2018年9月12日 18:53:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1476]
トランプ大統領の2670億ドル対中関税、米消費者の「全身」を直撃へ
Angus Whitley、Bruce Einhorn、Daniela Wei
2018年9月12日 5:22 JST
7日にトランプ米大統領が賦課する用意があると表明した中国への追加関税(2670億ドル相当、約30兆円)は、米国が中国から輸入する全てが文字通り対象になることを意味している。ヴィクトリアズシークレットの下着やアンダーアーマーのスポーツウェア、ナイキの靴なども標的になり、アップルのスマートフォンにも逃げ道はないだろう。
  ターゲットやサムソナイト・インターナショナルなど米国の製造業者や小売業者は関税導入なら価格を引き上げると警告しており、米消費者はトランプ大統領の闘いに引きずり込まれることになる。貿易戦争は米国人の頭のてっぺんからつま先まで影響をもたらす恐れがある。
  頭部
  米国際貿易委員会(ITC)のデータによると、米国が中国から昨年輸入したサングラス、ゴーグルなどアイウエアは約10億ドル相当に上り、中国が最大のサプライヤーだった。中国製プリヴェ・ルヴォーのサングラスはウォルマートの通販サイトで現在29.95ドルで売られているが、値上がりする可能性がある。中国はスカーフやショールでも米国にとって最大の供給国で、補聴器では2番目のサプライヤーだ。
  衣服
  週末に重宝する万能型のニットが危機にさらされる。この種の商品を米国は昨年、中国から46億ドル輸入し、さらにTシャツやタンクトップなどのカジュアルシャツを6億600万ドル輸入した。メーシーズやバーリントン・ストアーズに冬服を購入しに出掛けた米消費者は、価格上昇を目の当たりにするかもしれない。中国は男性用・女性用コートでも米国への最大のサプライヤーだ。
  ポケットの中
  アップルは、すでに提案されている2000億ドルの対中関税が発動されれば「アップルウオッチ」や 「エアポッド」の価格を引き上げると警告しているが、追加関税の対象拡大ならアップルの他製品も値上がりする可能性がある。アップルは「アイフォーン」などで中国に生産拠点を持つ鴻海精密工業をはじめとするサプライヤーに深く依存している。
Getting Personal
U.S. imports from China that could be next for Trump's trade tariffs

Source: United States Census Bureau
Note: 2017 import values
  下着
  米国が輸入する女性用下着は中国製が最も多い。貿易統計によると、昨年の輸入額は12億ドル相当に上った。財布のひもが固い米国人男性の下着でも、中国からの輸入が最大。
  靴
  中国が米国に昨年輸出したフットウエアは115億ドル前後。中国製ラバーブーツに追加関税が課されれば雨靴が高くなるし、中国製のインソールも同様だ。

原題:Trump’s Next Trade War Shot Could Hit Americans From Head to Toe(抜粋)


 

 

 

上海総合指数が下落、4年ぶり安値付近−割安感も材料視されず
Sofia Horta e Costa
2018年9月12日 12:12 JST 更新日時 2018年9月12日 17:10 JST
前日比0.3%安で取引終了−2014年以来の安値付近
中国株の反転には割安なバリュエーション以外の材料必要−凱基証
12日の中国株式相場は下落。上海総合指数が2014年以来の安値付近で取引を終了した。

  上海総合指数は前日比0.3%安の2656.11で引けた。バリュー投資家にとっては買い場が訪れているとの証券日報の報道にも反応が薄かった。 深?総合指数は0.4%下げた。

  凱基証券の陳浩アナリスト(上海在勤)は「中国株の反転には割安なバリュエーション以外の材料が必要だ」と指摘。「中期的には株安がまだ続きそうだ。しっかりとした景気回復と金融リスクの解消に向けたレバレッジ圧縮の取り組みが終わったことを確認できてようやく、人民元建てA株の実際の底が見えるだろう」とコメントした。


原題:China Stocks Near Post-Crash Low as Support Attempts Lack Punch(抜粋)

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豪ドルと中国株との相関性、約10年ぶり高水準−BNYメロン
Andreea Papuc
2018年9月12日 11:24 JST
• 「豪ドルにとって極めて重要な数週間」となる可能性−デリック氏
• 人民元切り下げの2015年、豪ドルと中国市場の相関性強まる
オーストラリア・ドル と中国株の相関性がここ10年余りで最も強まっており、米国との貿易摩擦に中国がどう対応するかで豪ドル相場が左右されるリスクを浮き彫りにしている。バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンが指摘した。
  BNYメロンの分析によれば、貿易を巡る米中の対立が悪化した4月以降、豪ドルと中国株の相関性は上昇している。チーフ通貨ストラテジストのサイモン・デリック氏は今週の顧客向けリポートで、「新たな発表がなされた場合、人民元と共に中国市場がどのような反応を示すかが、豪ドルを考える際の重要な問いだ」と論じ、「豪ドルにとって極めて重要な数週間」となる可能性があるとコメントした。

  中国は豪州にとって最大の貿易相手国で、中国経済のハードランディング懸念が広がり人民元が事実上切り下げられた2015年に豪ドルと中国市場の相関性が強まっている。
原題:The Aussie Is Increasingly Tied to China Risks, BNY Mellon Says(抜粋)


 
ドル・円は小反落、貿易問題への根強い懸念が重し−111円台半ば
酒井大輔
2018年9月12日 12:38 JST 更新日時 2018年9月12日 15:07 JST
一時111円65銭と1週間ぶり高値を付けた後に伸び悩む
日米新通商協議が控える中、ドル・円の上値追いには慎重−CIBC
東京外国為替市場のドル・円相場は小反落。米国の金利上昇や株高を受けてドル高・円安が進んだ前日の海外市場の流れを引き継いで始まった後、米中貿易問題や日米貿易交渉への根強い懸念などから水準を切り下げた。

  ドル・円相場は12日午後3時3分現在、前日比0.1%安の1ドル=111円54銭。朝方に一時111円65銭と5日以来の高値を付けた後は伸び悩み、日本株の下落と歩調を合わせて111円46銭まで売られた。その後は下げ渋り、値幅は19銭にとどまっている。円は主要16通貨全てに対して買い優勢。


  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、国内実需勢によるクロス円(ドル以外の通貨に対する円相場)売りや日本株下落を円買いの理由として挙げ、「ドル・円、クロス円はニューヨーク時間にリスクオンで上昇したため、実需勢もいったん売りに動きやすかったのではないか」と説明。ドル・円については「米雇用統計以降の堅調な米ファンダメンタルズに基づく米金利上昇がサポートしている」とする一方、「日米新通商協議が控える中で、ドル・円の上値追いには慎重な状況は変わらない」との見方を示した。

  8月の初会合後の日程が注目されている日米新通商協議を巡り、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が今月21日にも2回目の協議を行う方向で調整することを確認した、とロイター通信が報じた。

  前日の米国債相場は株高や原油高が重しとなり下落。米10年国債利回りは一時2.98%と8月8日以来の水準まで上昇した。

  三井住友銀行市場営業部NYトレーディンググループの下村剛グループ長は、「米10年国債の利回りは3.0%を見に行くような感じになっている」と指摘。「米金利が上昇する中でリスクセンチメントがいいということで、ドル・円は110円から112円レンジの上限を試す局面にある」と述べた。

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新興市場で安全逃避の動きか−バリューがグロースをアウトパフォーム
Srinivasan Sivabalan
2018年9月12日 13:50 JST
バリュー株の対グロース株相対パフォーマンスは1年ぶり高水準
アナリスト、テクノロジー含む成長企業の業績予想引き下げ目立つ
株式市場には自己治癒力が備わっている。金融危機やユーロ圏債務危機、原油低迷、トランプ氏の米大統領選勝利の局面でも見られたこの力が今、新興国・地域市場で働いている。

  潜在成長力は高いもののバリュエーションが相対的に高く収入の変動が大きい比較的規模の小さい企業から、安定したキャッシュフローでバリュエーションが割安な成熟産業の企業に投資マネーがシフトしている。新興市場ではバリュー株のパフォーマンスがグロース株を上回り、相対ベースで1年ぶりの高水準に達した。
  
  バリュー株への傾斜はすなわち、米利上げと貿易摩擦激化、高まる新興国・地域の財務ストレスの中で、リスク資産の値下がりがどこまで進むかを懸念した投資家による安全資産への逃避だ。


              
  この警戒はアナリストにも広がりつつある。アナリストは新興市場全体の利益見通しを引き下げているが、ヘルスケアのようなセクターを含むバリュー領域よりもテクノロジーを含む成長企業の方が修正幅が目立つ。バリュー銘柄の今年の利益見通しはなおプラス圏を維持しているが、グロース銘柄はマイナス圏に落ちている。
            


  デリバティブ(金融派生商品)トレーダーも気付いている。彼らは上場投資信託(ETF)のiシェアーズ・コアMSCI新興市場ETFの下落に備えたオプションの価格を大きく押し上げ、プット(売る権利)とコール(買う権利)の建玉比率は2016年10月以来の高水準に跳ね上がった。一方、代表的なiシェアーズMSCI新興市場ETFの同比率は2年ぶりの低水準に近い。
   
  両ETFは重複する部分が大きいものの、コアETFはバリュエーションが低めの企業を含み、新興市場株のより幅広い領域に投資する。コアETFの時価総額の中央値が183億5000万ドル(約2兆460億円)なのに対し、もう一方は230億2000万ドルだ。これは先物トレーダーが大型株よりも、成長企業に多い小型株をより懸念していることを示唆している。


JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバルマーケットストラテジスト、ケリー・クレイグ氏、米国株についてコメント

デイブレイク:中東。(出所:ブルームバーグ)
原題:EM Value Stocks Beat Growth Shares, Signaling Flight to Safety(抜粋)

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ドルは上昇する米国株頼り、「脆弱な」基盤浮き彫りに−TD
米金融当局の利上げ見通しを市場は信奉、年内あと2回との見方強める
アジアの新興国株価はまだ割高、投資家を再び呼び込むには至らず
Moxy Ying
2018年9月12日 12:37 JST
バリュエーションは過去10年の平均を下回っている
貿易や売り波及リスクを考えると底打ちしていないとの見方も
アジア株は世界の他の地域との比較で2年ぶりの安値水準にあるが、域内の新興国市場の大半が投資家を引き付けるまでには至っていない。

  その一因は払拭(ふっしょく)されない割高感だ。アジアの大半の新興国市場でバリュエーション(株価評価)はMSCI新興市場指数を上回る。

Expensive Asia
Most of Asia emerging markets still trade at premium to global peers


Source: Bloomberg

  ブルームバーグの集計データによると、MSCI新興市場アジア指数は今年これまでに11%余り下落し、予想利益に基づく株価収益率(PER)は11倍と、過去5年平均を下回った。一部のストラテジストは買い時が訪れつつあると指摘する一方で、米中貿易摩擦や他の市場から売りが波及する恐れから投資に動くには時期尚早かもしれないと警告している。

  大和キャピタル・マーケッツ香港のチーフストラテジスト、ポール・キットニー氏は「アジア新興国市場のバリュエーションは歴史的な10年平均より低いが、さらに低下し得る。世界的な金融危機後の低水準よりはなお高い」と指摘した。

  また同氏によれば、米中間選挙前にリスクはピークに達する公算もあるが、関税を巡る発言は「良くなる前に悪化する」見込みだ。大和は7日付リポートで、11月より前に米中が通商合意に達する確率は75%とし、日本を除くアジア株は好材料が舞い込んで相場が上昇する前に最大15%下げる可能性があるとしている。


原題:Emerging Value in Asia Stocks Not Enough to Win Investors Back(抜粋)

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プーチン大統領、年末までに平和条約締結を安倍首相に提案
リーマン・ショックから10年、銀行にとって「失われた10年」か
ドルは上昇する米国株頼り、「脆弱な」基盤浮き彫りに−TD
米金融当局の利上げ見通しを市場は信奉、年内あと2回との見方強める
リーマン破綻から10年、バンカーのボーナスは米英で明暗
Stefania Spezzati
2018年9月12日 16:39 JST
英国のバンカーらのボーナスは、リーマン・ブラザーズが破綻した10年前とほぼ同水準にある。しかも、減少傾向にある。法律事務所リンクレーターズの調査が示した。一方、米国のバンカーのボーナスは危機前の水準を回復し、明暗が分かれた。

  リンクレーターズによると、英国のバンカー賞与は2017年に計196億ドル(約2兆1900億円)で、08年とほぼ同水準。ここ3年には欧州連合(EU)のボーナス制限規則を受けて9%減少した。

  対照的に、米国のバンカーの17年ボーナスは314億ドルと、07年以来の高水準。危機の最悪期に比べ78%も増えている。

  リンクレーターズの雇用・奨励金担当パートナーのアレクサンドラ・ベイダス氏は「米国のバンカーのボーナスが昔から欧州勢より多かったのは秘密でもなんでもないが、金融機関に対して厳しい規制当局とそうでない当局があるのは大変受け入れ難い事実だろう」と述べた。

原題:U.K. Bankers’ Bonus Pool Stagnates In Past Decade, Law Firm Says(抜粋)

 

新興市場で安全逃避の動きか−バリューがグロースをアウトパフォーム
Srinivasan Sivabalan
2018年9月12日 13:50 JST
バリュー株の対グロース株相対パフォーマンスは1年ぶり高水準
アナリスト、テクノロジー含む成長企業の業績予想引き下げ目立つ
株式市場には自己治癒力が備わっている。金融危機やユーロ圏債務危機、原油低迷、トランプ氏の米大統領選勝利の局面でも見られたこの力が今、新興国・地域市場で働いている。

  潜在成長力は高いもののバリュエーションが相対的に高く収入の変動が大きい比較的規模の小さい企業から、安定したキャッシュフローでバリュエーションが割安な成熟産業の企業に投資マネーがシフトしている。新興市場ではバリュー株のパフォーマンスがグロース株を上回り、相対ベースで1年ぶりの高水準に達した。
  
  バリュー株への傾斜はすなわち、米利上げと貿易摩擦激化、高まる新興国・地域の財務ストレスの中で、リスク資産の値下がりがどこまで進むかを懸念した投資家による安全資産への逃避だ。


              
  この警戒はアナリストにも広がりつつある。アナリストは新興市場全体の利益見通しを引き下げているが、ヘルスケアのようなセクターを含むバリュー領域よりもテクノロジーを含む成長企業の方が修正幅が目立つ。バリュー銘柄の今年の利益見通しはなおプラス圏を維持しているが、グロース銘柄はマイナス圏に落ちている。
            


  デリバティブ(金融派生商品)トレーダーも気付いている。彼らは上場投資信託(ETF)のiシェアーズ・コアMSCI新興市場ETFの下落に備えたオプションの価格を大きく押し上げ、プット(売る権利)とコール(買う権利)の建玉比率は2016年10月以来の高水準に跳ね上がった。一方、代表的なiシェアーズMSCI新興市場ETFの同比率は2年ぶりの低水準に近い。
   
  両ETFは重複する部分が大きいものの、コアETFはバリュエーションが低めの企業を含み、新興市場株のより幅広い領域に投資する。コアETFの時価総額の中央値が183億5000万ドル(約2兆460億円)なのに対し、もう一方は230億2000万ドルだ。これは先物トレーダーが大型株よりも、成長企業に多い小型株をより懸念していることを示唆している。


JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバルマーケットストラテジスト、ケリー・クレイグ氏、米国株についてコメント

デイブレイク:中東。(出所:ブルームバーグ)
原題:EM Value Stocks Beat Growth Shares, Signaling Flight to Safety(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/441.html#c1

[国際23] 極秘の金正恩氏暗殺訓練も トランプ政権の内幕本発売 ホワイトハウスの混乱描く  赤かぶ
2. 2018年9月12日 19:02:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1477]
米軍、ギリシャ基地活用を模索 トルコとの関係悪化
アテネのギリシャ国防省で歓迎を受けるダンフォード米統合参謀本部議長
アテネのギリシャ国防省で歓迎を受けるダンフォード米統合参謀本部議長 PHOTO: U.S. NAVY PETTY OFFICER 1ST CLASS DOMINIQUE A. PINEIRO/DEPARTMENT OF DEFENSE/ZUMA PRESS
By Nancy A. Youssef
2018 年 9 月 12 日 10:57 JST

 【アテネ】米軍は現在、空軍・海軍基地の一層の活用を含め、ギリシャでの作戦行動拡大に向け協議を進めている。トルコとの緊張が高まる中、地中海東部への展開の可能性を示唆する措置だ。

 関係当局者らによると、米軍にとってギリシャは地政学的および地理的に格好の条件を備えている。政治的には、米国とギリシャの関係は最高の状態にあり、両国ともに、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるトルコへの懸念を抱いている。地理的には、ギリシャの気候は年間を通じて飛行訓練に理想的であり、ギリシャ軍とNATO軍の基地がともに存在している。

 最近当地を訪れた米当局者らによれば、米国にとって恐らく最も重要なのは、ギリシャの現政権と野党第一党がともに米軍の受け入れに寛容なことだ。当局者らは、ギリシャの軍事施設の利用や米軍のギリシャへの一時的駐留を増やす可能性があるとしている。

 このほどギリシャを訪れたジョー・ダンフォード米統合参謀本部議長(海兵隊大将)は、同行記者団に対し、ギリシャがシリアやアフリカ北部の米軍の活動拠点に近いことを指摘。「ギリシャが提供する地理的条件と活動の機会は極めて重要だ」と語った。

 米国は、ギリシャの基地利用の拡大を既に開始している。今年春には、ギリシャのラリサ空軍基地からの軍用無人機MQ-9リーパーの運用が始まった。

 当局者らは、カーティス・スカパロッティ米国欧州軍最高司令官が主導する協議について、まだ予備的段階であり、米軍の兵員の常駐や機材の常備を含むものではないと強調する。ギリシャには多くの利点があるが、ギリシャの軍施設の利用拡大により、今後トルコのインジルリク空軍基地を使用しないということにはならないという。

 ダンフォード氏は「ギリシャとの二国間関係は、トルコを犠牲にすることを意図するものでない」と述べた。

 インジルリク基地は、より大きく、NATOの作戦向きに設計されているほか、シリアにも近い。シリアでは、米軍が過激派組織「イスラム国(IS)」の残党および支配地域を根絶する作戦を実施している。

 しかし、2016年にレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の反対勢力がクーデター未遂事件を起こした。トルコがロシア製ミサイルシステム「S-300」を購入したほか、トルコがテロリストとみなすクルド系民兵組織を米国がシリアで支持していることなどで、米国とトルコの関係は緊張している。この結果、ギリシャの魅力が高まっているのだ。

 トルコは15年以降、米国がインジルリク基地から行える作戦の種類に制限を加えている。米国はこれに対応し、カタールなどの場所に人員・機材を移して、シリアでの作戦を行っている。

 米軍はここ何年も、ギリシャ・クレタ島の沿岸にあるソウダベイ海軍基地を使用している。ここは、空母が接岸できる地域唯一の港だ。5月には、空母ハリー・S・トルーマンがソウダベイに4日間停泊した。翌月には、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談のため、シンガポールに向かう途中だったトランプ大統領を乗せた大統領専用機が、ソウダベイに立ち寄って給油した。

 だが、ある米国の政府関係者によると、ソウダベイは能力の限界に達しているため、他の選択肢を求める動きにつながっている。

 この地域は、他の大国も関心を寄せている。中国は東地中海に地歩を築き、ロシアはこの地域での軍事作戦活動のため、主要な集結・準備地点としてシリアを利用している。ギリシャはまた、ロシアと長年の関係を維持している。

 それにもかかわらず、米当局者はギリシャについてこう語る。「賭けてみる価値がある」


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/838.html#c2

[経世済民128] 日韓が漁夫の利? 米中貿易戦争で格安米国産原油が過去最高の輸入に(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年9月13日 18:36:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1478]

WTI70$は別に安くはない

政治要因による需給逼迫で、北海ブレントが高すぎるだけ


 


IEA:石油の一段の値上がり警告−イランとベネズエラ供給減で
Grant Smith
2018年9月13日 17:57 JST
• 他の産油国で不足分を相殺できるか不明−月次リポート
• バレル当たり80ドルを上回って上昇する可能性−IEA
国際エネルギー機関(IEA)は月次リポートで、深刻化するイランやベネズエラの供給落ち込みを相殺する生産が他国からなければ、石油価格はバレル当たり80ドルを上回って上昇する可能性があると警告した。
  IEAによると、イランの原油輸出は、米国の制裁発動前の時点で既に大幅に落ち込んでいた。イランには向こう数カ月、さらに圧力がかかり、ベネズエラの生産は経済危機を受けて数十年来の水準に減少する見通し。これに伴う供給不足をサウジアラビアなど他の産油国が埋められるのか、あるいはどの程度まで可能かは不明だとIEAは指摘した。
Filling the Gap
Will Saudi Arabia and others offset swelling losses in Venezuela and Iran?
Source: IEA
原題:IEA Warns of Higher Oil Prices as Iran, Venezuela Losses Deepen(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/444.html#c2

[経世済民128] 浜矩子、リーマン・ショックの陰に「メイド・イン・ジャパン」〈AERA〉  赤かぶ
1. 2018年9月13日 18:48:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1479]

相変わらず愚か過ぎて話にならない

チューリップバブルが有名だが

債務バブルとその崩壊は、世界恐慌以前から起こっている
 
こういう下らない批判をしている暇があれば

少しは、まともな代替案でも考えた方がいい


 


 

2018年9月13日 / 11:13 / 4時間前更新
コラム:バブル後の日本、企業凋落でも「勝ち組」の訳
Edward Hadas
4 分で読む


[ロンドン 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 2008年の金融危機で世界株式市場が崩壊するはるか前、1990年の日本は、株価と不動産市場の暴落に見舞われた。
10年前に起きたグローバル金融危機の経験からすれば、そのとき日本は数十年は続く混乱の中に叩き落されていたはずだ。だが、そうはならなかった。
日本の「バブル経済」は、世界クラスだった。
バブルの絶頂を迎えた1989年には、世界の上場企業の時価総額上位50社のうち、32社が「日出ずる国」に本社を置いていた。そしてバブルがはじけた。幾度もはじけた。
その後30年間、日経平均株価は何度かピークを迎えたが、その都度、直前につけたピークを下回った。底値も同様だ。2009年3月にバブル崩壊後の最安値に沈んだ日本の株価は、史上最高値から82%下落していた。現在でも、最高値より42%程度低い。
株式市場の視点で言えば、10年前の金融パニックは、日本のバブル崩壊と比べれば大したことではないように見える。
MSCI世界株価指数は、2007年10月から2009年3月にかけて57%下落したが、そのわずか6年後の2015年2月には、当時の史上最高値を更新した。現在は、それを27%程度上回っている。
さらに、日本の金融危機は、株式市場に限定された出来事ではなかった。不動産価格が暴落し、都内の住宅地の地価は、現在でもピークより65%低い水準にある。その上、巨大な経営危機が銀行を襲った。
これほど甚大で地殻変動的な金融ショックに襲われたなら、経済の残る部分が破壊されたとしてもおかしくなかった。
確かにメガ銘柄の数で言えば、日本は巨人から小人へと転落してしまった。NTT(9432.T)や野村ホールディングス(8604.T)、日産自動車(7201.T)などは、スイスの食品大手ネスレ(NESN.S)、同製薬大手ノバルティス(NOVN.S)、米半導体大手エヌビディア(NVDA.O)などに取って代わられた。
いまや、世界の上位50社に残った日本企業は、時価総額2000億ドル(約22兆円)のトヨタ自動車 (7203.T)だけだ。
こうした転落の大部分は、ピーク時につけた日本企業の異常なバリュエーションを反映したものだ。
とはいえ、かつて明るかった光の多くが曇ってしまった。5兆ドルの国内総生産(GDP)と、ドイツとフランスを合わせた規模の人口を有する国にしては、世界最大手を争う巨大日本企業の数は驚くほど少ない。 大胆な買収を仕掛けた武田薬品工業(4502.T)のような企業は例外的だ。
だが、一国の経済は、株式市場やトップ企業だけで回っているのではない。巨大な金融危機が、日本人の生活に与えた影響は驚くほどわずかだった。
国の繁栄を示す最も簡単な指標である1人当たり実質GDPは、日本の場合、1988年から1998年にかけて18%増加している。国際通貨基金(IMF)のデータによると、これは、他の主要先進国6カ国の平均17%を上回っている。これらの国は、同期間にバブル崩壊を経験していない。
また、金融危機のダメージが長引くこともなかった。IMFの2018年予測値を見ると、日本の1人当たりGDPは、この30年で41%増加。これはフランスと同じ伸び率であり、日本以外の主要7カ国(G7)の平均44%をわずかに下回る程度だ。
さらに素晴らしいのは、こうした尊敬に値する成長が、明らかな副作用を伴わなかったことだ。日本の失業率は安定して低位にあり、格差問題も限定的であり、医療費負担も先進国で最低水準にある。
Nippon Telegraph and Telephone Corp4961.0
9432.TTOKYO STOCK EXCHANGE
+72.00(+1.47%)

• 9432.T
• 8604.T
• 7201.T
• NESN.S
• NOVN.S
過去30年の1人当たりGDP成長率で見ると、米国は日本より11%高いが、それでも米国人はこの安定ぶりをうらやましく思うかもしれない。だが、こうした統計には、人口動態の違いによる影響が示されていない。
米国の人口は、1988年より3割以上増えている。人口増加により、住宅や道路、病院などが必要となっている。こうしたインフラ建設が、GDP増加分の大部分を占めており、消費による影響は少ない。
日本の人口増加率はわずか3%で、GDP増加分のうち個人消費が寄与した分は米国より多かった。
世界の舞台で活躍する日本人経営者の減少も、人口動態の違いによって説明できるかもしれない。
日本の20─24歳の人口は、1994年のピークから37%減少している。新たに労働市場に参入する若者の数が減ったため、企業側も、国際的な野心を満たすために必要となるエネルギッシュな若者の採用が難しくなっているのだろう。
日本が他の先進国のように移民を受け入れていたなら、国際的に活躍する企業がもっと増えていた可能性はもちろんある。移民は、結局のところ、より大きな目標を抱き、国際的である場合が多い。国際的な事業拡大に資する資質だ。外国出身者は日本人口の2%にとどまっており、他のG7諸国の9─20%を大きく下回っている。
こうした状況はいつか変わるかもしれないが、そうなったとしてもそれは経済的な必要性からではない。人口が減少するにつれ、縮小する労働人口によって、平均賃金増加率は他の先進経済と同じペースで維持される見込みだからだ。
だがそれでも、世界の舞台で薄れていく日本企業の存在感と、安定的な国内の繁栄とのコントラストは、大きな経済上の疑問を提示している。それは、なぜ国をさらに豊かにすべきか、という問題だ。
安倍晋三首相は時に、日本が国際社会で存在感と名声を得るべきだと考えているかのような発言をする。それは、最近では第2次世界大戦当時まで、標準的な目標だった。
世界のトップ企業は、こうした栄光の一端をもたらしてくれる。もし、それが目標であるならば、日本は大敗しつつある。だがいまや、個人の快適さの追求に焦点は移っている。その基準でいけば、日本はいまだに世界の勝ち組なのだ。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 

 

 

アジアの金持ち、年初来で11兆円失う−株が02年以来の長期売り局面
Venus Feng、Devon Pendleton
2018年9月13日 9:54 JST
• 米国の富裕層は逆に資産を1320億ドル増やした
• アジアで失われた富の67%は中国と香港の資産家に集中

Wang Jianlin Photographer: Jason Alden/Bloomberg
億万長者の輩出が最近目立つ地域はアジアかもしれないが、その最高峰にいる人々の資産はこのところ急減している。アジア株が2002年以来の長期売り局面にあることが背景だ。
  ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、アジアの富裕層でトップ120人の保有資産は年初来で計990億ドル(約11兆円)減少。対して、米国の上位173人は計1320億ドル増やした。

  アジアで失われた富の67%は中国と香港の資産家56人に集中、1人当たりでは年初来で平均12億ドル減らした。資産を最も減少させたのは大連万達集団を率いる王健林氏で、債務圧縮を目的に同社が資産売却に動いたこともあり、93億ドル減少。次はテンセント・ホールディングス(騰訊)の馬化騰氏で、同社の株価急落を背景に92億ドル失った。
原題:Rich Asians See Crazy Big Losses in Longest Market Sell-Off (1)(抜粋)


 

 
10年前の金融危機対応でミス認める−バーナンキ元FRB議長
Rich Miller
2018年9月13日 16:08 JST
• 破壊力持った危機の到来予測できず経済的ダメージも過小評価
• クレジット入手の可能性激減がリセッションの深刻化を招いた
2006−14年に米連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたベン・バーナンキ氏は、10年前の金融危機対応で当局者に2つの致命的なミスがあったとの認識を示した。大きな破壊力を持った危機の到来を予測できず、それがどれほど大きな経済的ダメージをもたらすか過小評価していたという。

バーナンキ元FRB議長
写真家:大隅智広/ブルームバーグ
  バーナンキ氏は、この主題を巡る13日公表の論文の内容を短編ビデオで説明し、「危機それ自体がどれほど広範囲で破壊的なものであるか誰も予想しなかった」と述べた。その後のリセッション(景気後退)が深刻化した主因として、08年のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス経営破綻で金融システムを飲み込んだパニックを挙げた。
  景気悪化の深刻さを予見できなかった事実を踏まえると、将来的には「経済モデルや予測に信用市場の要素を一段と緻密に盛り込むことが求められる」と、バーナンキ氏はブログで別途記した。
  住宅価格の急落とそれに伴う家計資産および個人消費への影響が10年前のリセッション深刻化の主な要因だとするエコノミストの主張に対し、バーナンキ氏は異議を表明。こうした出来事が特に危機を引き起こす上で大きな役割を果たしたのは確かである一方、投資家が銀行や他の金融機関から資金を引き揚げなければ、あれほどひどい経済悪化はなかっただろうと論じた。
  バーナンキ氏は「1930年代に類似したパニック、取り付け騒ぎがあった。人々が街頭で列をなすのではなく電子的形態のものだった。クレジット(信用)入手の可能性は激減した」と説明した。

原題:Bernanke Admits Fed Made Mistakes Combating Crisis 10 Years Ago(抜粋)


 


 

2008年の金融危機は終わらず−全米各地で家計所得回復せず
Alex Tanzi
2018年9月13日 14:46 JST
• 最大級の打撃が残っているのはネバダとコネティカット、フロリダ
• 家計所得が大きく回復している地域も多い−米国勢調査局
2008年の金融危機はまだ終わっていない。その爪痕は全米各地に広がる。
  米国勢調査局の米国コミュニティー調査(ACS)によれば、17年に12州とプエルトリコで家計所得の中央値が危機前の水準を約2000ドル(約22万円)以上下回った。

州ごとの家計所得中央値(実質)、2007〜17年の変化
  最大級の打撃が残るのはネバダとコネティカット、フロリダだ。アラスカ、アリゾナ、アイダホ、ニューメキシコ、ルイジアナ、インディアナ、ジョージア、デラウェア、ミシガン、プエルトリコが続く。

  その他の地域では家計所得が大きく回復している。
2017年 2007年 変化
首都ワシントン 82,372 64,553 17,819
ノースダコタ 61,843 51,968 9,875
ワシントン州 70,979 65,838 5,141
サウスダコタ 56,521 51,408 5,113
ネブラスカ 59,970 55,635 4,335
コロラド 69,117 65,365 3,752
マサチューセッツ 77,385 74,036 3,349
ユタ 68,358 65,272 3,086
テキサス 59,206 56,270 2,936
アイオワ 58,570 55,958 2,612
オレゴン 60,212 57,734 2,478
ミネソタ 68,388 66,090 2,298
ハワイ 77,765 75,510 2,255
原題:2008 Financial Crisis Isn’t Over for Some American Families(抜粋)


 

リーマン危機10年、なぜブッシュ氏に注目すべきか
危機管理には多くの場合、国民が求めることと正反対のことが求められる
ブッシュ元大統領(写真)は当時、「われわれが政治的なダメージを受けるなら、それはそれで仕方がない」と言った
ブッシュ元大統領(写真)は当時、「われわれが政治的なダメージを受けるなら、それはそれで仕方がない」と言った PHOTO: DAVID J. PHILLIP/ASSOCIATED PRESS
By Greg Ip
2018 年 9 月 13 日 15:28 JST

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 リーマン・ブラザーズが破綻した翌日、当時のヘンリー・ポールソン財務長官とベン・バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長がジョージ・W・ブッシュ大統領のところにやってきた。悪い知らせがあった。保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が850億ドル(現在のレートで約9兆4500億円)の融資を必要としており、融資がなければ破綻するというものだった。

 ブッシュ氏は不満そうでいらついていたが、融資を承認して言った。「われわれが政治的なダメージを受けるなら、それはそれで仕方がない」。ポールソン氏がのちにそう記している。

 金融危機の研究者が3人の危機管理担当者――ポールソン氏、バーナンキ氏、ティモシー・ガイトナー・ニューヨーク連邦準備銀行総裁――が金融システムを救うために下した決断に注目するのは当然だ。危機当時、彼らの行動は国民受けが悪く、今でも批判されているが、第2の大恐慌を回避するには不可欠だった。しかしブッシュ氏の終始一貫した無条件の支持がなければ、そのほとんどは不可能だっただろう。

 これまで知られていなかったブッシュ氏の役割は今、もっと評価されるべきだ。危機から10年がたち、金融システムは強固になったが、政治システムは当時と比べてはるかに脆弱だ。政治が分極化し、ポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭し、保護主義が強まっているということは、次の危機が起きたときは、前回ほど強力な政治の意思を示すことは到底できないということだ。

 それがどのような結果を招くかは直近の例が示している。ユーロ圏が域内の危機に対応し、そこから回復するのに米国以上の時間がかかったのは主に政治の分断のせいだ。ユーロ圏には単一の財政当局がないため、公的資金をどのくらい投入するかを決めるには懐疑的な姿勢を示していたドイツからゴーサインを得る必要があった。そのためユーロ圏は危機に見舞われた加盟国に対し、緊縮財政と極めて厳しい救済条件を突き付け、結果として危機の悪化を招いた。ドイツの政治的抵抗によって欧州中央銀行(ECB)は少なくとも2年間、FRBのような抜本的な対策を取ることができなかった。

 大恐慌のときも同じようなことがあった。ハーバート・フーバー大統領が失業率の上昇と銀行の倒産に歯止めをかけようとしたものの思い通りにいかなかったのは、公的資金が必要なときに民間に解決を求めたからだ。経営不振の銀行を公的資金で下支えする政策は成功が期待されたが、憤慨した議会が資金の注入先の公表を要求したため、不名誉を避けたい銀行が逃げ出して、失敗に終わった。フーバーは見当違いの政治の常識によって増税と関税引き上げを法制化した。

 フランクリン・D・ルーズベルトが1932年の大統領選でフーバーに勝利すると、ルーズベルトがドルの金への交換を一時停止するとの臆測が浮上した。ルーズベルトは就任後まもなく、実際にドルの金への交換を停止した。これは悪化する景気を回復に向かわせる上で非常に重要な対策だったが、ルーズベルトが臆測に対処するまでの4カ月の間に金の流出が加速、その結果、銀行が次々と破綻した。

 ブッシュ氏の遺産はイラク侵攻など自ら招いた多くの論争の影に隠れているが、金融危機を引き起こし、共和党にホワイトハウスを失うという代償を払わせたことへのブッシュ氏の責任はわずかにすぎず、責任はそれまでの大統領にもあった。

 にもかかわらず、ブッシュ氏は問題解決のために政治の常識を捨てる覚悟をしていた。ブッシュ氏は自身の回想録の中で、ある共和党議員に不良資産救済プログラム(TARP)に賛成するよう働き掛けたときのことを記している。最終的には銀行にはTARPを通じて数十億ドルの資金が投入されることになるのだが、共和党議員は「自由市場の破壊に関わる」ことはできないと言って反対した。このときブッシュ氏はこう言い返した。「私がこんなことをしたいと思っていると思うか。言っておくが、これらの会社がつぶれても私はかまわない。しかし経済全体が危機に瀕しているんだ」


Warren Buffett Explains the 2008 Financial Crisis

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は2008年の金融危機について語った(英語音声、英語字幕あり)
 ルーズベルトとは違い、バラク・オバマ氏は政権交代時に危険な空白が生じる隙を与えなかった。2008年の選挙運動中にはポールソン財務長官と連絡を取り続け、TARP支持の民主党票をかき集めた。後任の財務長官にはガイトナー氏を指名した。ガイトナー氏は「ストレステスト」を考案し、銀行システムへの信頼を回復させた(共和党の大統領候補だったジョン・マケイン氏は救済に迷いを見せていたが、最終的にはTARPを支持した)。オバマ氏は経済を立て直したと評価されているが、最も厳しい決断を下したのはブッシュ氏だった。

 次の危機ではこうした厳しい決断ははるかに難しくなるだろう。ヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は先ごろ、さまざまな債務危機に関する詳細な研究を無料の電子書籍にまとめて公表した。ダリオ氏はインタビューの中で、過去の危機から学ぶべき重要なポイントとして、危機の解決は危機対応に当たる人間に「決断を下すだけの知識と権威があるか、もしくは彼らが政治環境によって邪魔されるか」どうかによるところが大きいと述べている。

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 中国の指導者にはいつか起きるであろう危機に対応するのに必要な専門知識と権威があるとダリオ氏は考えている。米国についてはもっと悲観的だ。その理由の一つは指導者が取れる手段が少ないことだ。金利の引き下げ余地は小さく、議会はFRBや財務省がパニックを阻止する目的で行使してきた裁量権を大幅に抑制している。政治についてダリオ氏は、次の危機では不平等とポピュリズムがさらにひどくなり、危機対応の責任者から国民に不人気な決断をする上で必要な政治的自由が奪われるとみている。

 トランプ大統領はいつ何時も自らの支持基盤の意向を把握し、それに従って立ち位置を変えることに長けているが、危機管理には多くの場合、国民が求めることと正反対のことをすることが求められる。国際関係はゼロサムゲームだというトランプ氏の考え方は国際協力をより難しいものにするだろう。同時に、ユーロ圏のこのところの団結具合では、今やイタリアで政権を担い、ドイツで野党第一となったポピュリストへの対応は今まで以上に難しくなるだろう。

 ブッシュ氏の遺産の多くは民主党に否定され、共和党にうち捨てられている。しかし次の危機が近づいたとき、両党ともブッシュ氏の不在をひしひしと実感するだろう。

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隠れた緩和縮小」が8割、日銀の政策修正の解釈
日高正裕、藤岡徹
2018年9月13日 5:00 JST
次回会合は全員が現状維持、次の変更は「20年以降」が6割
副作用対策の効果は「大きな変化はない」が69%、「十分」は4%

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
エコノミストの多くは、日本銀行が導入した長期金利の変動容認やフォワードガイダンス(政策金利の指針)を「ステルステーパリング(隠れた緩和の縮小)」とみている。エコノミストを対象に行ったブルームバーグ調査で分かった。18、19両日に開く金融政策決定会合は、全員が現状維持を予想した。

  ブルームバーグが5−11日にエコノミスト51人を対象に調査した。7月の会合で導入された一連の修正について、「金融緩和の強化」か「隠れた緩和の縮小」か聞いたところ、回答した48人中38人(79%)が後者を選択した。日銀は修正を「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と明記していた。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは調査で、「フォワードガイダンスで緩和の強化と見せながら、経済・物価情勢等に応じて長期金利の上下変動を許容することで市場機能の改善を図った」と指摘。「ハトの着ぐるみを身につけたタカという印象」との見方を示した。

  三井住友信託銀行の花田普調査部経済調査チーム長は今後も「緩和の程度は維持すると説明しながら、金融市場がネガティブな反応を示さないように『ばれない正常化』を模索していくのではないか」とみる。

  日銀は前回の会合で、緩和策の持続性を高めるため、ゼロ%の長期金利の変動幅を拡大。「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とのフォワードガイダンスも導入した。片岡剛士、原田泰両審議委員はいずれも反対票を投じた。

調査の結果はここをクリックしてください

  調査では、政策修正が長期化する緩和の副作用対策として「十分」と回答したのは2人(4%)にとどまり、「副作用は少し和らいだが大きくは変わっていない」との回答が35人(69%)に達した。

  追加緩和か引き締めに関わらず、次の政策変更が行われるのは2020年以降との回答は57%(29人)と8月に行った前回調査から変わらなかった。内訳は追加緩和2人、引き締め27人。

  エコノミストの多くは引き続き消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の2%早期達成に懐疑的で、「2%には達しない」との回答が22人(44%)、23年以降の到達が16人(32%)だった。

 

 

2018年9月13日 / 17:54 / 7分前更新
日銀の緩和策修正、副作用に一定の配慮が示された=藤原・全銀協会長
1 分で読む

[東京 13日 ロイター] - 全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は13日の定例会見で、日銀の金融緩和策が人々のマインドや金融システムに与える影響などの副作用をため込まないことが重要と指摘したうえで、日銀が7月に行った緩和策の修正について「副作用に一定の配慮が示されたと受け止めた」との見解を示した。

ただ、「長期金利の水準はきわめて低い水準であることには変わらない」と語った。

藤原会長は今回の緩和策修正について「有事の短期戦から平時に向かう持久戦へのシフトだ」との見方を示し、緩和が長期化する中で「累積的な影響に対するモニタリングレベルを上げていきたい」と語った。

ふくおかフィナンシャルグループ (8354.T)と十八銀行 (8396.T)の経営統合が公正取引委員会から承認されたことについては「公取の判断基準が明確になって予見可能性が高まった」と評価した。一方、「統合・再編は経営の選択肢だが、手段ではあって目的ではない。生産性の向上や顧客サービス充実ための選択肢の1つ」として、統合効果をどのように還元していくのかが重要との考えを強調した。

Fukuoka Financial Group Inc
598.0
8354.TTOKYO STOCK EXCHANGE
+7.00(+1.18%)
8354.T
8354.T8396.T
布施太郎


 

 

ドラギ総裁、QE終了予定堅持なら説明必要か−景気見通し下振れ公算
Piotr Skolimowski、John Ainger
2018年9月13日 10:44 JST
• 貿易摩擦で外需が弱まる中で、成長率予測は小幅下方修正の見通し
• 現地午後1時45分に政策発表、45分後にドラギ総裁が記者会見
欧州中央銀行(ECB)は13日、夏季休暇明け後初の金融政策決定を行う。政策委員会の会合では、ユーロ圏経済が金融刺激策終了後に持ちこたえられるかという難しい問題に取り組むことになる。
  事情に詳しい複数の関係者によれば、世界的な貿易摩擦に伴い外需が弱まる中で、政策委が同日公表する最新の域内成長率予測は下方修正される見通しで、同委のために見通しを集計する別の委員会はリスクが下向きに傾いていると捉えている。
  ただ政策委はこの分析に同意せず、成長に対するリスクは「おおむね均衡」しているという過去1年余り続けた立場を堅持すると考えられる。表現のいかなる変化も市場を動揺させる可能性が高い。
  エコノミストや投資家が考える通り、ECBが資産購入額を10月から半分に減らし、年末で打ち切る計画をドラギ総裁が引き続き推進するつもりだとすれば、政策担当者らの自信が今も損なわれていない理由を説明する必要が出てくるだろう。
  ECBはフランクフルト時間13日午後1時45分(日本時間同8時45分)に政策決定を発表し、45分後にドラギ総裁が記者会見を行う。
ECB to Update Projections
June forecasts saw growth slowing from 2.1% this year to 1.7% in 2020

Source: European Central Bank

Risks to Euro-Area Economy
Trade war and Italian crisis perceived to be biggest threat to region's outlook
Source: Bloomberg survey of economists conducted Aug. 31-Sept. 6
Risks were rated from 1 (none) to 5 (significant). Chart show weighted averages.


原題:ECB Policy Mantra Tested as Outlook Weakens: Decision Day Guide(抜粋)

 


 

2年後に米経済下降、次の危機はドルが主役とダリオ氏が予想
Katia Porzecanski
2018年9月13日 2:03 JST
FRBのプリントマネーでドルは最大30%下落か−ダリオ氏
景気下降を反転させる上で金融政策の効果は限定的に


資産家でヘッジファンド運用者のレイ・ダリオ氏は、米国は2年後に景気が下降に転じる可能性が高いとの見方を示した。またドルは大きく下落すると予想した。

  ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるダリオ氏は12日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、現在の減税による景気刺激策の効果は約1年半後に衰え始めると指摘。また政府は財源が不足する年金やヘルスケアなどの支払いに充てるため借り入れを増やすと述べた。

  国内外での米国債需要は米政府の借り入れニーズに追いつかず、金融当局はゆくゆく利上げよりむしろプリントマネーの必要性が生じ、それが急激なドル下落を招くと、ダリオ氏は予想。ドルは最大30%下げる可能性があると述べた。

ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏がブルームバーグテレビジョンのインタビューで話します

Daybreak: Americas." (Source: Bloomberg)
  ダリオ氏は「私が懸念しているのは今から2年後だ」と指摘。「債務危機というよりドル危機になるだろう。政治・社会的危機の面が強いと思う」と続けた。

  また、景気低迷を反転させる上で金融政策の効果は限定的だとダリオ氏は指摘。その時には既に金利は低く、量的緩和は最大になっているためだと説明した。      

原題:Dalio Says U.S. Two Years From Downturn as Tax Jolt Fades (1)(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/450.html#c1

[経世済民128] 米政府に関税をかけられた米企業が戻りたくないほど米国は荒廃している(櫻井ジャーナル) :国際板リンク  赤かぶ
4. 2018年9月13日 18:57:30 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1480]
米地区連銀景況報告:関税の影響に警鐘、経済成長緩やか

FRBが公表したベージュブックによると、米経済は緩やかなペースで拡大した

By Sarah Chaney and Sharon Nunn
2018 年 9 月 13 日 05:12 JST

 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)が12日公表した地区連銀景況報告(ベージュブック)によると、最近発動された関税や今後の関税計画を受け、米企業は投入コスト上昇への対応を強いられる中、貿易を巡る緊張の高まりに懸念を示している。

 全米12地区の経済情勢について8月31日以前に収集した事例報告をまとめた今回の報告によると、米経済は緩やかなペースで成長した。

 トランプ政権は多額の輸入品に対して関税を発動したうえ、追加関税を課す構えも示し、米製品に対する報復関税の発動を招いた。

 企業は景気の先行きにおおむね楽観的な見方を維持しているものの、貿易摩擦を背景に多くは不確実性を指摘している。貿易を巡る懸念が強まっていることから、事業投資を先送りしたケースも見られた。

 多くの企業は、関税による原材料費の上昇を価格に転嫁することはできないと述べている。一例として、メリーランド州の缶製造業者は「値上げすれば顧客が別のパッケージ形式を探し、永遠にビジネスを失うことになると懸念」している。

 ニューヨーク地区の企業に関しては、最近発動された関税が製造業や運輸セクターの投入コスト上昇につながった。同地区の企業は貿易政策が事業に及ぼす影響に懸念の声を上げている。

 リッチモンド地区の空港運営会社は、新たな関税を背景に事業が減速しかねないとの恐れから、設備投資に慎重になっている。

 ただ、企業によっては関税の影響は最小限にとどまっている。ボストン地区の銃器メーカーは、事前に向こう2年の鉄鋼価格を固定したと述べた。

 全般的には、消費者信頼感が高水準となる中、需要をけん引している面もあると企業は指摘している。バージニア州の窓メーカーは数年ぶりの堅調な業績を達成し、力強い消費者信頼感が寄与したとの見方を示した。

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ゴールドマン、米株弱気相場入りの可能性を警告−貿易摩擦激化で
Lu Wang
2018年9月13日 8:38 JST
• JPモルガンやUBSも貿易摩擦で予想される打撃を強調
• 米国株は他市場を上回る好調さでも、ウォール街の慎重姿勢は強まる
今年に入り貿易摩擦がエスカレートする中で米国株の投資家は冷静さを保っているが、ウォール街から聞こえてくる警告は強まるばかりだ。
  最近、ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースもそれに加わり、全面的な貿易戦争が起きた場合に米企業が被るリスクを強調している。今週それぞれ発表したリポートで両社のストラテジストは、企業利益への打撃に関する試算を示した。ゴールドマンの米国株チーフストラテジスト、デービッド・コスティン氏は米国が全輸入品に10%の関税をかけるシナリオでは弱気相場入りを想定していると指摘した。
  UBSグループのストラテジストのキース・パーカー氏も先週、トランプ米大統領が中国の輸入品に対する新たな関税発動を検討する中で米国株の際立った強靱(きょうじん)さが危険にさらされていると投資家に警告を発した。S&P500種株価指数が今年、世界の他の地域との比較で2014年以来最高の年に向かっていることを踏まえれば、こうした懸念は投資家の姿勢と食い違っているように見えるが、企業幹部の間で高まりつつある不安感とは重なる。
  7000件余りの決算報告書と電話会議の内容を調査したJPモルガンの分析結果によると、前回の決算シーズンでは減税より関税の方が頻繁に話題となり、35%の企業が関税を脅威と指摘した。ドブラフコ・ラコスブハス氏ら同行のストラテジストは25%の二国間関税が実施された場合、S&P500種株価指数の構成企業全体で1株利益は最大10ドル落ち込む可能性があると予想。今年の予想は1株当たり165ドルだ。
  ラコスブハス氏はリポートで「貿易摩擦の高まりが今後、特に来年について1株利益を大きく押し下げる恐れがある」と分析している。
  一方、ゴールドマンのコスティン氏が描くのはもっと暗いシナリオだ。中国製品への25%関税賦課でS&P500種構成企業の来年の成長は吹き飛びかねないとした。米国が海外からの全ての輸入品に10%の関税をかけるというより極端なケースでは、米国側のコスト上昇で企業利益は10%落ち込む可能性もあるという。
  投資家のセンチメントも悪化し、バリュエーションは下がりかねない。結果的にその最悪のシナリオではS&P500種株価指数は2230に下落し得ると、コスティン氏は今週のリポートに書いている。これは先月付けた過去最高値2914を23%下回る水準で、従来の弱気相場入りの定義を満たす。

出典:ゴールドマン・サックス
原題:Goldman Warns of Bear Market in Latest Wall Street Trade Alarm(抜粋)

 

 


トランプ氏支えるポピュリズム、金融危機が原因でない−バーナンキ氏
Jesse Hamilton、Christopher Condon
2018年9月13日 12:56 JST
現在の政治動向の起源を10年前の信用市場崩壊に求める考えに異議
一般の人々の不満は過去数十年間にわたり高まっていたと指摘
バーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長は12日、2016年米大統領選でドナルド・トランプ氏を勝利に導いたポピュリズムの躍進や左派の進歩主義者の台頭について、08年の金融危機への米政策当局の対応が引き金となったものではないとの考えを示した。

  バーナンキ氏はブルッキングズ研究所で開かれたイベントで、現在の政治動向の起源を10年前の信用市場崩壊に求める考えに対し、賃金の伸び悩みや社会的地位の向上機会の縮小などを背景に一般の人々の不満は過去数十年間にわたり高まっていたと指摘。経済のメルトダウンとそれに続いた銀行救済は助けにならなかったが、それらが主な要因となったというわけでなく、「前提に誤りがある」と論じた。

  同イベントには、バーナンキ氏と共に最前線で危機対応を指揮したポールソン元財務長官と、ポールソン氏の後任として財務長官に就任したガイトナー元ニューヨーク連銀総裁も参加し、グレートリセッション時の被害を食い止めるために取った措置のほか、その後に講じられた施策が危機再発を防ぐことができるかどうかなどを巡り議論を交わした。

原題:Bernanke Rejects Tie of 2008 Crisis to Trump-Aiding Populism (1)(抜粋)


 

トルコ中銀、利上げ判断 通貨下落歯止め焦点に
トルコショック 中東・アフリカ
2018/9/13 17:11
 【イスタンブール=佐野彰洋】トルコ中央銀行は13日、金融政策決定会合を開き、通貨リラの急落や物価高騰を受けて、政策金利を引き上げるかどうかを判断する。金融引き締めを嫌うエルドアン大統領からの圧力が続く中、金融市場は3〜4%程度の利上げを予想している。通貨安に歯止めを掛けることができるかが焦点だ。

 中銀は7月の前回会合で市場予想の大勢に反し、主要な政策金利である1週間物レポ金利を年17.75%で据え置いていた。8月にはトルコ在住の米国人牧師拘束問題を原因にリラが急落する「トルコショック」が発生し、新興国を中心に世界の金融市場を揺さぶった。

 信用不安が再燃したアルゼンチンの中銀は8月末の追加利上げで政策金利が年60%に達した。トルコやアルゼンチンだけでなく、ブラジルやインドの通貨も過去最安値に沈んだ。

 トルコ中銀は市中銀行への資金供給を中心となる1週間物レポ金利よりも割高な翌日物貸出金利(19.25%)に切り替え済みだ。

 しかし、リラ安の進行で8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比17.9%に達し、9月以降の20%超えが確実とみられている。中銀は3日の声明で「物価安定への重大なリスク」に言及、「必要な措置を講じる」と利上げを示唆していた。

 年初から4割下落したリラの対ドル相場は、13日朝、決定会合を控え1ドル=6.3リラ台と9月に入ってから最もリラ高の水準で推移した。市場は利上げを織り込み済みだが、小幅な利上げにとどまれば、中銀への信認が一段と低下し、資金流出を招く恐れがある。

 リラ売りを抑え込もうと政府が小手先の対策を繰り返していることも実体経済の重荷となっている。8月、銀行監督当局は国内銀行が外国投資家と行う為替スワップの取引量を、規制上の自己資本の25%までに制限した。

 投機筋によるリラ売りを封じる狙いだったが、相場変動のリスクをヘッジしたい企業や銀行の取引まで制限する副作用が発生。「3カ月先のリラ相場や金利水準が算出できず、銀行同士で資金の貸し借りができない」(外銀関係者)

 その結果起きたのが、市中金利の高騰だ。中銀によると、8月末時点での企業向け貸出金利は加重平均で年32%。3カ月で13%近く上昇した。

 エルドアン氏は13日公表の大統領令で、不動産取引や賃貸契約をリラ建てとするよう定めた。既存契約も30日以内の改定が必要となる。リラ相場の下支えと同時に外貨建て契約が一般的な小売りチェーン救済が狙いとみられるが、商慣行の突然の変更で混乱が生じそうだ。

 自動車リースや電力、小売りなど「借り入れは外貨、収入はリラ」という内需型企業を中心に破綻や社債償還の不履行が相次ぎ表面化している。資金繰りの悪化や資材コストの上昇で、建設工事の中断や遅延も目立つ。

 10日発表の4〜6月期の実質成長率は前年同期比5.2%増と1〜3月期に比べ約2%減速した。消費や投資の落ち込みで2019年にはマイナス成長に転じる可能性が指摘されている。

 不良債権の増加は金融システムの健全性を損ないかねない。米JPモルガンによると、トルコの民間部門は19年6月までの1年間で1464億ドル(約16兆円)の対外債務を返済する必要がある。このうち3分の1を銀行などの金融部門が負う。協調融資や社債の借り換えが順調に進むか、市場は注視している。

 


 
米が中国に新たな通商交渉を提案、摩擦激化回避で
Bloomberg News
2018年9月13日 4:24 JST 更新日時 2018年9月13日 18:01 JST
米国からの招きを受け具体的作業を開始−中国商務省の報道官
協議はワシントンで行われる可能性が高い−関係者
米中両国政府は新たな通商協議に向けて具体的な作業に取り組んでいる。両国が緊張を和らげ、貿易摩擦のさらなる激化を回避できるかもしれないとの期待が浮上している。

  中国商務省の高峰報道官は13日、北京での定例記者会見で、中国が米国からの招きを受け、両国が具体的作業に取り掛かっていると明らかにした。事情に詳しい関係者3人によれば、ムニューシン財務長官の主導で米政府高官らが最近、中国側を協議に招請した。匿名を条件に語った関係者の1人によると、中国側が同意すれば新協議はワシントンで行われる可能性が高い。

  米国による通商交渉の提案については先に、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が匿名の情報源を引用して報じていた。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は同報道を確認し、「これは前向きな事態だ」と発言。「われわれは現在、連絡を取り合っており、意思の疎通は密になったと言える」と述べた。

原題:U.S. and China Signal Another Round of Trade Talks Is Coming (抜粋)

 

中国:8月のファイナンス規模は予想以上に拡大、政策が後押し
Bloomberg News
2018年9月12日 19:24 JST
中国経済全体のファイナンス規模は8月に予想以上に拡大した。緩和的な政策が効果を表し始めた。

  中国人民銀行(中央銀行)が12日発表した8月のファイナンス規模は1兆5000億元(約24兆3400億円)と、ブルームバーグがまとめた市場予想の1兆3000億元を上回った。7月は1兆400億元だった。

  8月の人民元建て新規融資は1兆3000億元。市場予想は1兆4000億元。7月は1兆4500億元だった。8月のマネーサプライ(通貨供給量)M2は前年同月比8.2%増で、市場予想の8.6%増を下回った。

原題:China’s Funding to Economy Rises in August on Policy Support(抜粋)

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ドル・円は上昇、米中協議期待やトルコ利上げ観測でー株高も追い風
池田 祐美
2018年9月13日 12:32 JST 更新日時 2018年9月13日 15:31 JST
• 朝方に付けた111円17銭から午後に一時111円47銭まで上昇
• これまでネガティブにみていたものが好転する期待ー東海東京証
東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。米中貿易協議への期待やトルコの利上げ観測などを背景とした新興国懸念が後退した。日本株が大幅上昇し、リスク選好のムードが広がったことも相場の追い風になった。
  13日午後3時18分現在のドル・円は前日比0.1%高の1ドル=111円42銭。朝方に付けた111円17銭を日中安値に水準を切り上げ、午後には一時111円47銭まで上昇した。
  東海東京証券金融市場部外貨管理グループの吉田幹彦グループリーダーは、「市場全体でこれまでネガティブにみていたものが好転する期待が高まっている。北米自由貿易協定(NAFTA)交渉、英国の欧州連合(EU)離脱交渉、そして新たに出てきたのが米中通商交渉再開に対する期待」と説明。「ドル・円は、日本株が株価指数先物とオプションの特別清算日が重なるメジャーSQを控えた短期的な需給で上げたことにつられている感じがする。クロス円も上げている」と述べた。  
米政権による中国への通商交渉提案に関する記事はこちらをご覧下さい。
  この日の東京株式相場は反発。日経平均株価は前日比216円71銭(1%)高の2万2821円32銭で引けたほか、中国上海総合指数も4営業日ぶりに反発している。米長期金利は時間外取引で一時1ベーシスポイント(bp)高の2.97%を付けた。
  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、「米雇用統計以降、流れが変わったと感じていて、賃金が伸び始めたことによって、米長期金利が上がり始めている。これがドル高・円安、円が全般的に売られる一つの要因になっている」と分析。「将来的には米金利の方向に目が向かって、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降は、最終的な米長期金利と米利上げの到達点がどこになるのかという論争になっていくだろう」と述べた。
  米国ではこの日、8月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。市場予想は前月比0.3%上昇が見込まれている。7月は0.2%上昇だった。

  欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)、トルコ中央銀行はこの日、金融政策会合を開く。市場ではECBとBOEは現状維持、トルコ中銀は1週間物レポ金利を17.75%から21.00%へ引き上げると見込まれている。
  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ユーロ=1.1624ドル。ポンド・ドル相場は0.1%安の1ポンド=1.3033ドル。ドル・トルコリラ相場は0.4%高の1ドル=6.3673リラ。前日に一時6.3319リラと8月29日以来のリラ高・ドル安水準を付けた。
  ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、トルコ金融政策の相場への影響について「予想以上の3%超え利上げなら、真剣と受け止められるだろう。ショートがたまっているので、トルコリラは上昇すると思う。欧州はトルコに近いのでユーロ・ドルにも波及すると思う」と指摘。ただ「ユーロは1.1650ドルでは上値が重い」と語った。


日本株反発、米中交渉の再開期待広がる−資源セクター中心幅広く上げ
長谷川敏郎
2018年9月13日 7:56 JST 更新日時 2018年9月13日 15:31 JST
• 米国が中国に対し新たな通商交渉を提案、海外原油や非鉄市況上げ
• SQ控え先物主導の買い戻しと市場関係者、売買は盛り上がり欠く
13日の東京株式相場は反発。米国と中国の通商問題改善への期待が広がり、国際商品市況の上昇も好感された。中国経済の動向に敏感な鉱業や石油、非鉄金属、商社、海運株など資源セクター中心に情報・通信や電力、小売株など内需セクターも上げ、東証1部33業種中、32業種が高い。
  TOPIXの終値は前日比18.70ポイント(1.1%)高の1710.02、日経平均株価は216円71銭(1%)高の2万2821円32銭。TOPIXは5日以来の1700ポイント回復、日経平均は8月31日以来の高値。
  三井住友アセットマネジメント株式運用グループの平川康彦シニアファンドマネージャーは、「貿易問題や国内の通信や医薬品の政策リスクなどさまざまな面で不透明感が強い。景況感からは日本株がレンジの上値を抜けるほど力強くない」とし、「下げに備えている投資家が多く、話し合いなど通商交渉に対する多少の期待感が出るだけでも買い戻しが入りやすい」と話した。

東証内
Photographer: Junko Kimura/Bloomberg
  米中貿易摩擦の激化を避けようと、米政府は中国に対し新たな通商交渉を提案した。中国が同意すれば、協議はワシントンで行われる可能性が高い。次官級で米中通商協議が8月22日から再開された前回のケースでは、過度の通商懸念が後退する格好で、日本株は8月末まで反発傾向を強めた経緯がある。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「今回の米中交渉は閣僚級と伝えられている。次官級の際も交渉見通し後はショートカバーが入っており、前回と同様の相場パターン」とみている。
  東証1部の売買代金上位ではソフトバンクグループやファーストリテイリング、トヨタ自動車など株価指数のウエート構成比が高い銘柄が上昇。先物上昇に絡むインデックス主導の相場展開をうかがわせた。あす14日には株価指数先物・オプション9月限の特別清算値(SQ)算出も控え、三菱モルガンの鮎貝氏は「裁定業者の巻き戻しが加わり、裁定買いを誘発した」と言う。
  また、12日のニューヨーク原油先物は1.6%高の1バレル=70.37ドルと続伸。米国の制裁でイラン産原油の輸出が乱れた上、米原油在庫が落ち込んだことも材料視された。米中新協議への期待で同日のロンドン、ニューヨーク市場で銅など非鉄金属価格も上昇、きょうの日本株市場で資源セクターが買われる要因となった。取引開始前に発表された日本の7月の機械受注は、前年同月比13.9%増と市場予想の4.3%増から上振れ、機械など設備投資関連業種も堅調。
  ただ、売買代金は盛り上がりを欠くなど先行き不透明感の強さも顕著だ。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「トランプ米大統領が日本に対し通商交渉でどういう要求をしてくるのか。たとえ厳しい要求であっても、悪影響によるボトムがはっきりすれば、相場の先行きは見通せるようになる。大統領の手のうちのカードが見えないうちは霧が晴れない」としている。
• 東証1部の売買高は13億4675万株、売買代金は2兆3464億円、売買高は前日から8%弱減った、値上がり銘柄数は1511、値下がりは513
• 東証1部33業種は鉱業、ゴム製品、海運、石油・石炭製品、卸売、電気・ガス、非鉄金属など32業種が上昇、下落はその他製品の1業種
• 売買代金上位では三菱商事、武田薬品工業、ダイキン工業、ブリヂストン、住友金属鉱山が高い、これに対しゴールドマン・サックス証券が投資判断を下げた東京エレクトロン、野村証券が判断を下げたSUMCOは安い


 
2018年9月13日 / 16:54 / 30分前更新
焦点:オプションは膠着継続を示唆、日経2万3500円超えの確率15%
2 分で読む

[東京 13日 ロイター] - 日本株は再び上昇局面に入っているが、オプション市場の動きが示唆するのは膠着相場の継続だ。貿易戦争への懸念が根強いとみられ、日経平均.N225が2万3500円を超える確率は15%となっている。一方、2万1000円を下回る確率も9%と小さい。堅調な企業業績などから大幅な株安も見込まれておらず、上下に動きにくい展開が続きそうだ。

<2万3500円のコールが活況>

日経平均が300円近く上昇し、NT倍率.NTIDXが13.30倍を超えた11日、オプション市場のトレーダーの間で話題になったのが、10月限の権利行使価格2万3500円のコール・オプション(買う権利)だ。出来高は前日比6倍の3911枚、プレミアムは同64%高の46円と急伸した。

9月限の株価指数先物・オプションは13日が取引最終日となり、日経平均先物ミニとオプションは10月限に限月交代する。SQ(特別清算指数)算出週では期近物から期先物へのロールオーバーが進むが、2万3500円コールの商い急増は「日経平均を押し上げたい投資家の存在を意識させた」(国内証券トレーダー)という。

しかし、建玉の中身をみる限り、2万3500円を超えるような株高は、強く想定されているわけではない。オプションSQ算出日(10月限は10月12日)に、イン・ザ・マネー(コールの場合、権利行使価格が原資産の日経平均を下回る状態)となる確率を示すデルタは、足元で2万3500円コールでは約0.15、2万3000円コールで約0.34となっている。

簡単に言えば、10月12日に日経平均が2万3500円を超える確率は15%、2万3000円を超える確率は34%と市場は予想していることになる。

9月末には配当権利落ちがあり、その影響額は「160円程度」(銀行系証券)とみられている。13日の日経平均終値から160円引くと2万2661円。これを基準とすれば2万3500円は3.7%程度高い水準にすぎない。

eワラント証券の投資情報室長、小野田慎氏は「上昇局面では(2万3500円の)コールを手仕舞い、アップサイドのもの買う動きが出ることも考えられる。だが、デルタは低く、到達の確率もそれほど高くない。売り手も結構出てくる水準だ」と指摘。「短期的な主戦場はやはり2万3000円」と話す。

<2万1000円割れの確率は9%>

一方、10月限プット・オプション(売る権利)は、権利行使価格2万1000円の建玉が12日時点で1万1945枚。2万2000円が8815枚となっている。2万円以下の建玉ではこれらよりも多いところもあるが、その多くはリンク債に絡んだポジションの影響を受けたとみられている。

2万1000円プットの出来高は11日に2809枚、12日に2927枚となり、10日の8倍以上に膨らんだ。にもかかわらず、12日のプレミアムは10日比33%安。2万3500円コールのプレミアムの変動と比較すると大人しい。

日経平均
22821.32
.N225NIKKEI INDEX
+216.71(+0.96%)
.N225
.N225
足元のデルタは2万1000円プットで約マイナス0.09。日経平均が2万1000円を下回る確率は9%という計算になる。

米中貿易戦争への懸念もあるが、足元の企業業績は堅調との見方も多い。ちばぎんアセットマネジメント調査部長の奥村義弘氏は「仮に米国による2000億ドル規模の対中関税が実際に発動されれば、一時的に株価が大きく調整するリスクがあるが、市場の織り込みも進んでおり、下値の堅さをみせる可能性もある」とみる。

長田善行 編集:伊賀大記
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/440.html#c4

[経世済民128] ゆとり労働で“働き方世代”誕生? 残業短縮がもたらす弊害 〈AERA〉  赤かぶ
1. 2018年9月13日 19:13:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1481]

>管理職は部下の仕事を肩代わり。部下の負担は減り定時に帰れるゆとりが生まれたが、各所で弊害

管理職であれば、サービス労働で健康を害するリスクがあるなら

当然、仕事量を自分で管理して減らすべきだろう

それで利益が減ったとしても、自分の管理能力の不足ということになる


>30年後には、学校の授業時間が少なかった「ゆとり世代」のように、労働時間が短い「働き方世代」と称されるのではないか

別に昔も変わらない

強制的に働かされたところで、無能な人間は、そう変わらない

自己責任だろう


>猛烈に忙しいです。でも残業代がなくなって、給料は減りました。釈然としません

仮に、自分の労働生産性に自信があり、時給に不満があるなら

企業が得た付加価値分を還元するよう交渉し、

ダメなら転職すべきだろう


自信がなく、もっと金が欲しいなら、残業がなくなったのだから

副業したり、DIYで節約すればいい

>会社に内緒で、いわば非公式に社員が「残業する」「帰る」を選

これは違法行為だが

持ち帰り残業など、大昔から横行しているから

別に驚くことでもない



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/447.html#c1

[国際23] トランプ政権の米空軍が「金正恩暗殺」秘密訓練......ウッドワード暴露本(ニューズウィーク)  赤かぶ
1. 2018年9月13日 21:51:30 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1482]


ロシア爆撃機がアラスカ接近=防空識別圏内、米軍機が緊急発進【9/13 14:05】
【ワシントン時事】米軍は12日、核兵器搭載可能なロシアのTU95戦略爆撃機2機が米アラスカ州に近い防空識別圏内を飛行したため、米軍機が緊急発進(スクランブル)で対応したと発表した。米軍機がロシアの爆撃機に対して緊急発進するのは今月に入って2度目。

声明によると、2機のロシア爆撃機は11日夜、SU35戦闘機2機に護衛されながら、アラスカ州西岸に接近した。これに対し、米軍はF22ステルス戦闘機2機を発進させた。


情報提供:株式会社時事通信社

 
対日けん制か挑発か=プーチン氏平和条約提案の真意【9/13 14:08】
【ウラジオストク時事】ロシアのプーチン大統領は12日、日本との平和条約を年内に前提条件なしで締結しようと突如提案し、内外に波紋が広がった。プーチン氏の真意をめぐり、対日関係に詳しいロシア専門家は、北方領土交渉に寄せる日本側の期待へのけん制や、平和条約に対する日本の意欲を探る「挑発」の意図があるといった見方を示した。

モスクワ国際関係大のドミトリー・ストレリツォフ教授は「まったく思いがけない発言だったが、平和条約問題は日ロ政治対話の中心であり、ロシアもある程度イニシアチブを取って、日本に熱意を示す意味での発言だったのかもしれない」と指摘する。

一方で北方領土問題をめぐり日ロに立場の隔たりがあることは明白で、あえて年内という非現実的な提案をすることで「日本の過度の期待を冷まそうとした」可能性もあると見る。平和条約締結については「年内でも来年でも難しい。日本は領土問題の解決なしには締結できず、領土問題が解決される見通しは少ない」と語る。

ロシア科学アカデミー極東研究所のビクトル・クジミンコフ日本研究センター上級研究員は「安倍晋三首相が平和条約を締結しようと繰り返し言っているので、プーチン氏はそれなら締結しましょうと応じた。ロシアとして締結に何ら障害はなく、それができないとすれば、領土要求をする日本に問題があると言うことができる」と分析。日本の本気度を試した「挑発的な発言」と見る。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/845.html#c1

[経世済民128] 2%より低いインフレ率は「悪」か?大英帝国最盛期はデフレだった(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年9月13日 22:04:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1483]
マイナス金利、地銀を直撃=大規模緩和の副作用拡大【9/13 15:59】
安倍政権の経済政策「アベノミクス」の中核となった日銀による超低金利政策は、輸出企業の業績改善に寄与した一方で、人口減少にあえぐ地方銀行など地域金融機関の業績悪化を加速させた。特に日銀が2016年2月にマイナス金利を導入して以降、地銀は貸出金の利ざやが稼げず16年度決算で全国の地銀の過半が貸し出しなどの本業で赤字に転落。その後も業績は悪化しており、副作用が深刻になりつつある。

全国地方銀行協会の柴戸隆成会長(福岡銀行頭取)は12日の記者会見で「収益の先行きに強い懸念を持っている」と強調。さらに「(大規模緩和が)続くと銀行システムや金融仲介機能への副作用が大きくなってくる」と警戒感を示した。

政府・日銀は、大規模な金融緩和で、銀行から企業への融資が増えれば、景気回復につながると期待。米国よりも低い金利を背景に、外国為替市場で円安が進み、輸出企業の収益拡大という効果はあった。

しかし、地銀にとっては本業の稼ぎである企業への貸出金利と預金金利の利ざやが縮まり、業績悪化のスピードが加速。地銀の多くは保有株を売却するなどして純利益を確保したが、このような埋め合わせをいつまでも続けることはできない。

日銀は、地銀への副作用について「現状は顕在化していない」(黒田東彦総裁)との立場だ。地銀の抱える構造的な問題は、仮にマイナス金利を解除しても解決するわけではなく、地銀の収益を賄えるだけ金利が上昇すれば経済全体に悪影響を与える恐れもあるからだ。

一方、金融庁は今年度に入って、17年度決算で7年ぶりの赤字に転落した福島銀行に対し業務改善命令を出した。赤字決算で命令を出すのは異例だが、構造改革への動きが鈍く危機感が欠如している地銀各行に警鐘を鳴らす狙いがあるとみられる。アベノミクスの目指す地域活性化を実現するためにも、地銀の収益基盤強化は急務だ。

情報提供:株式会社時事通信

 

 
米インフレ率鈍化は一時的な現象か?
2018年9月13日 MINIトピック、市況ヘッドライン

 12日発表された8月の米生産者物価コア指数は前年比+2.3%で市場予想の同比+2.7%を下回った。前月比では2017年2月以来となる−0.1%となった。貿易サービスなどの項目が下落したことが要因。インフレ加速の思惑は後退したが、米雇用情勢は引き続き良好であり、需給ひっ迫の様相を呈していることから、年末にかけて賃金はゆるやかに上昇するとみられている。市場関係者の間では、インフレ率が鈍化する可能性は低いと予想されている。

 ただし、セントルイス地区連銀のブラード総裁は12日、「インフレが急伸する可能性は小さい」、「利回り曲線の逆転は、リセッションリスクを引き上げる可能性がある」、「米国の金利は中立または、引き締め気味」と指摘し、追加利上げの必要性について懐疑的な見方を示した。市場では年内2回(9月と12月)の追加利上げが想定されているが、インフレ関連指標が市場予想を下回るケースが増えた場合、12月利上げの可能性は低下し、ドル上昇を抑制する要因となる可能性がある。

リーマン・ショックから10年、次の暴落は前回の比ではない全資本市場バブル崩壊か=今市太郎
日本のデフレを終わらせるのは「災害」という悲しさ。世界にバレ始めた日銀の無力感=児島康孝
2022年までに日本経済は破綻する。アベノミクス成功でも終焉でも未来は同じ=高島康司

 

 

米卸売物価指数、8月は0.1%下落 1年半ぶりマイナス
2018年9月13日04時36分

 [ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した8月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.1%下落し、2017年2月以来初めて落ち込んだ。市場予想は0.2%上昇だった。

 エネルギーが値上がりする一方で、食品や幅広い貿易サービスが下落し、全体水準を押し下げた。

 7月のPPIは横ばいだった。

 8月の前年同月比は2.8%上昇と、市場予想の3.2%上昇を下回った。7月は3.3%上昇していた。

 予想外のマイナスにはなったものの、労働市場の引き締まりや好調な経済を背景に、インフレは総じて安定的に上昇している。

 ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は、低い失業率、国内総生産(GDP)や賃金の伸び、財政政策が経済を支援しているとし、「インフレ圧力は今後数四半期に強まるはずだ」と述べた。

 食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア物価は前月比0.1%上昇した。7月は0.3%上昇していた。8月の前年同月比は2.9%上昇。7月は2.8%上昇だった。

 8月のPPIは減速したものの、底堅い労働市場と好調な経済を背景に全体の物価は安定的に上昇している。トランプ政権が木材や洗濯機、太陽光パネル、鉄鋼、アルミニウム、そして幅広い中国製品に輸入関税をかけたことも今後、物価上昇圧力になるとみられる。

 米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)物価指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が7月に前年比2.0%上昇した。FRBの目標である2%に届いたのは今年3度目だ。

 8月のPPIの内訳は、食品が前月比0.6%下落。卵や生鮮果物が大幅に値を下げた。7月は0.1%下落していた。エネルギーは8月に0.4%上昇。うちガソリン価格は0.6%上昇し、7月の0.1%下落からプラスへ転じた。

 モノ全体を指す最終需要財は横ばい。7月は0.1%上昇していた。

 サービスは2カ月連続で0.1%下落。そのうち、卸売りと小売の利益幅を示す貿易サービスは0.9%下げた。1.7%下落した機械と専門機器の卸売りサービスが8月のサービス全体の下落要因の8割超を占めた。

 サービスのうち医療費は0.3%上昇。病院外来費が0.5%下落した一方で、入院費や歯科医療、介護費が値を上げた。7月の医療費は0.1%上昇していた。医療費はコアPCE物価指数の計算に組み込まれる。

 ウエルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「機械と専門機器の利益幅が下がったことは、生産者が関税の影響で上昇した投入コストを価格に転嫁しづらいのかもしれない」と述べた。

 


米FRB、今後1─2年にわたり利上げ余地=ブレイナード理事
2018年9月13日10時14分

 9月12日、米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は、FRBは経済成長を減速させることなく今後1─2年にわたり金利を引き上げる余地があるとの認識を示した。写真は講演する同理事。昨年3月にマサチューセッツ州で撮影(2018年 ロイター/Brian Snyder)

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 [サンフランシスコ 12日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は12日、FRBは経済成長を減速させることなく今後1─2年にわたり金利を引き上げる余地があるとの認識を示した。

 理事はデトロイト・エコノミッククラブで行った講演で、経済が底堅く成長し、失業率が3.9%、インフレ率もFRBが目標とする2%の水準にある中、今後1─2年は段階的な追加利上げが適切となる公算が大きいと指摘した。

 ブレイナード理事の発言は、8月のジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演に同調する内容だが、理事はもう一歩踏み込み、一部の当局者が来年の利上げ打ち止めが適切と考えるのに対し、「向こう1─2年」にわたり利上げ局面が続く可能性があると考える背景に詳しく言及した。

 ブレイナード理事は、トランプ政権の減税や政府支出が中立金利の水準を押し上げていると分析した。中立金利が上昇すれば、中銀は景気を減速させることなく利上げを行う余地が広がる。

 理事は「財政刺激策の効果が予想され、金融情勢も成長を支える状況の中、短期的な中立金利はさらに幾分上昇する公算が大きく、一定期間は長期的な均衡金利を超える可能性がある」と述べた。

 その上で、FRBが四半期ごとに公表し、金融政策に「関係するベンチマーク」となっているのは短期的な中立金利で、長期的な予想ではないと指摘した。

 長期的な中立金利に関するFRBの最新の予想は、現在の政策金利を約1%ポイント上回る2.9%。一般的には、金利がこの水準を超えると金融政策が成長を損なう方向に作用するため、これがFRBの利上げの上限になると考えられている。

 ブレイナード理事の分析は、現在の利上げ局面が予想より長く続き、利上げが打ち止めとなる金利も予想より高い水準になる可能性があることを示唆している。

 一方、セントルイス地区連銀のブラード総裁は、2008年の金融危機後の経済の変化を踏まえると、低失業率や高い経済成長率がインフレ加速につながるとは考えにくいため、FRBは利上げを停止すべきだとの考えを示した。

 トランプ政権の法人減税については、生産性の伸びを長期的に押し上げ、米経済の持続可能な成長に寄与する可能性があるとの認識を示した。

 ブレイナード理事は対照的に、減税の効果について質問を受けると、生産性の向上や投資拡大につながるかどうか判断するのは時期尚早だと答えた。

 FRBが12日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、貿易問題を巡る懸念から一部国内企業が投資の縮小や先送りといった措置を取っていることが示された。

 輸入関税の影響はさほど大きくないとしながら、製造業を中心に投入価格が押し上げられているとも分析した。

 ブレイナード理事は、貿易摩擦を巡る企業の懸念は今のところ経済に大きな影響を及ぼしていないとの認識を示した。

 緩和的な金融状況や労働市場の引き締まりが上向きリスクとなる一方で、貿易問題を巡る不透明感が下向きリスクをもたらすと指摘。ただ現時点で、関税引き上げに伴い物価や信頼感に「目に見える」影響は及んでいないとした。

 


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/453.html#c1

[原発・フッ素50] 北海道全域停電の理由は何? taked4700
6. 2018年9月14日 14:04:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1484]
「大停電時代」がやってくる
原発停止と電力自由化で劣化する電力インフラ
2018.9.14(金) 池田 信夫
苫東厚真発電所(出所:Wikipedia)
 北海道の地震では、全道が大停電する前代未聞の事態になった。事故を起こした苫東厚真(とまとうあつま)石炭火力発電所(165万kW)は今も運転できず、「節電要請」が続いている。その原因について北海道電力の電源配置が「一極集中だった」という批判が多いが、これは結果論である。

 苫東厚真は震度7の地震の震源の真上にあった。地震の起こった9月6日午前3時の北海道全体の消費電力は310万kW。その半分以上を苫東厚真が供給していたが、震源から約100km離れた泊原発(207万kW)が稼働していたら、苫東厚真の停電はカバーできただろう。このように原発が止まったままの「片肺飛行」は全国で続いている。

北海道は「片肺」で冬を越せるのか
 午前3時8分に地震が起こったとき、苫東厚真2号機と4号機は緊急停止したが、1号機は動いていた。北海道全体が大停電になったのは、1号機が停止した3時25分だ。この17分間に何が起こったのかは、これから詳しい調査が行われるだろうが、今のところ分かっているのは、それまでは他の発電所も動いていたということだ。

 一部の発電所が止まっても、ただちに大停電になるわけではない。供給力が落ちると、負荷(電力需要)を自動的に遮断し、需給のバランスを取る。北電は「130万kWの負荷遮断までは想定していた」という。つまり電力供給が180万kWまで落ちてもバランスはとれたはずだ。

 しかし3時25分に苫東厚真1号機が落ち、電力供給が消費を下回ったため周波数が低下し、これによって他の発電所も切り離され、それによってさらに送電網の周波数が低下する・・・という連鎖反応が起こった。1号機が落ちたあと、大停電になったのは一瞬だった。

 大停電のときは電気が少しずつ止まるのではなく、ブレーカーが落ちるように一挙に大停電が起こる。送電する周波数が大きく低下すると電気機器が壊れるので、発電機が送電網から自動的に切り離されるからだ。

 電力供給が消費を大きく下回ったのは、電力供給の半分以上を苫東厚真に頼っていた北電にも問題があるが、泊が動いていればこんな片寄った運用にはならなかった。泊の3基のうち1基が定期検査で止まっていたとしても110万kWは供給できたので、地震で停止しなかった火力と合計して、電力供給には十分余裕があった。

 電力危機はまだ続いている。北電は「苫東厚真の全面復旧は11月ごろになる」というが、そのころ北海道には雪が降り始める。冬の最大消費電力は525万kWで、北電の最大供給量580万kWしかない綱渡りだ。この状態で1つでも発電所が落ちると、また大停電が起こる可能性がある。真冬の北海道で大停電が起こったら、多くの凍死者が出るだろう。

「東京大停電」は起こるか
 これは北海道だけの問題ではない。首都圏の電力供給の90%は火力発電で、14基の火力発電所のうち12基が臨海部に集中している。東京湾に直下型地震が起こったら、首都圏も大停電になる可能性がある。その場合には、日本の中枢機能も麻痺するだろう。

 そういう事件が起こったことがある。1987年7月23日、東京の猛暑で東京23区で大停電が起こり、国会の予算委員会が中断された。これは冷房需要が急速に伸び、1分間に40万kWも電力需要が増えたためだった。

 東電の電力供給は北電の10倍以上あり、他の電力からも融通できるが、首都圏の電力使用量も綱渡りだ。次の図のように今年(2018年)1月26日には、大寒波と大雪で電力使用量が最大発電能力の95%になり、融通でしのいだ(東電調べ)。


 このとき「原発がなくても電力は足りてるじゃないか」という人がいたが、こんなぎりぎりの運用を足りているとはいわない。大きな火力発電所が落ちると、大停電になるおそれがある。

 2011年の福島第一原発事故の直後に大停電にならなかったのは、負荷を遮断して需要を大幅にカットしたからだ。このときは柏崎刈羽原発(総出力821万kW)も動いていたが、今はそれが止まったままだ。柏崎刈羽の6・7号機は、安全審査に合格した後も再稼動できず、福島第一・第二原発は廃炉になった。

電力自由化で大停電は増える
 大停電の責任は第一義的には北電にあるが、上のような事情を考えると、彼らの経営努力にも限界がある。泊原発が動かせないのは、2012年に定期検査が終わった後も、安全審査が終わらないからだが、これには法的根拠がない。原子力規制委員会も「再稼動の審査はしていない」と国会で答弁している。

 泊原発の場合は、発電所の近くに「12万〜13万年前以降に動いた断層」があるかどうかをめぐって不毛な論争が続いているが、これを棚上げして北海道の高橋知事が再稼動に同意すれば、運転開始は2カ月ぐらいあれば可能だ。

 これは2012年に野田政権が大飯原発3・4号機の再稼動でやったことだが、安倍政権は「安全審査に合格して地元が同意しないと再稼動しない」と約束したため、身動きが取れない。こういう状況を生み出したのは民主党政権だが、それを5年以上放置している安倍政権の責任も重い。

 長期的には、大停電が増えることは避けられない。今まで日本で停電が少なかったのは、電力会社が地域独占の代わりに供給責任を負ってきたからだが、電力自由化でそういう時代は終わる。今は過渡的な状態だが、2020年には発送電が完全分離され、発電会社は供給責任を負わなくなる。

 いま電力会社が送電網を増強しても、発電と分離されたら回収できないので、インフラに投資するインセンティブがない。それでも北電は来年、石狩新港発電所を稼働する予定だが、人口の急速に減少する北海道で、それ以上インフラ投資しろというのは無理だ。

 発送電分離を進めたアメリカのカリフォルニア州では、発電業者が大量に参入する一方、送電会社が設備を増やさなかったので大停電が頻発した。いまだにカリフォルニアの停電時間は年間130分。それに対して日本の停電時間は21分だが、日本も大停電時代になるだろう。

 割り切って考えれば、大停電してもしばらく不自由な生活をするだけだ。病院など生命に関わる施設は、自家発電や無停電電源装置などの自衛策をとればいい。大停電はそういう「自由化のコスト」と考えるしかないが、日本人がそれに慣れるには時間がかかるだろう。
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/317.html#c6

[経世済民128] AI介護、雇用収縮......2030年、AIで日本の職場と家庭はどう変わる?(ニューズウィーク)  赤かぶ
1. 2018年9月14日 14:12:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1485]

>今のAIは小学2年生レベル?

既に多くの領域で、全人類が叶わない能力を持っているのだから

こういう比較は無意味だし

今後も多くの雇用が置き換わるのは当然だが

労働人口も減るのだから、トータルでの生産性と、生活水準の関係するのは

コストパフォーマンスということになる


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/454.html#c1

[経世済民128] 2025年、仕事量でロボットが人間を抜く 世界経済フォーラム予測(AFP) 赤かぶ
3. 2018年9月18日 12:28:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1486]

>2025年までに仕事量全体の52%をロボットがこなす

全く無意味な比較

産業革命以前と比べれば、技術革新による生産量の増加は100万%以上

AIロボットによる生産性と生活水準の上昇も同じ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/497.html#c3

[国際23] トルコ中銀はエルドアン大統領の意に反して大幅利上げを実施 --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年9月18日 12:53:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1487]

>利上げによって簡単に物価上昇が抑えられるわけでもなく、トルコと米国との対立という根本的な問題、さらにはエルドアン大統領そのものがリスク要因

そういうことだ

中銀が金融政策を調整したからと言って、経済が簡単に上向きになるわけではないし

インフレがコントロールできるわけではない

国内産業と消費構造が、いかに効率的かが、最も重要


>物価上昇という効果が出るという保証もない異次元の金融緩和策

物価上昇が主目的ではなく、財政ファイナンスにより

社会保障コストを抑制し、企業の崩壊を防ぐのが主目的だったから全く問題はない


>5年以上も続けて、副作用も目に見えるようになっている。中央銀行は政府からは独立した組織であることをあらためて示すことも、トルコの例ではないが重要

逆だ

日本の場合、超少子高齢化が続き、消費性向は基本、下がり続けるのだから

より緩和的な政策が、まだ当面は必須となる


ただし、政府と国民がそれに甘えて改革を怠れば、いずれアルゼンチンやベネズエラのような事態になるのも確実ではある


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/871.html#c1

[経世済民128] アベノミクスがあと3年続けば日本の産業衰退が一気に露呈する(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年9月18日 13:02:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1488]

相変わらずのゴミ

ほとんど無内容な批判ばかり

具体的な対案全くなし

>見せかけの好景気」は破綻
>金利は上昇
>日銀の金利抑制も限界


>所得再分配だけでは不十分

>政府が常に正しい判断をする保証はない。情報公開と決定プロセスの徹底的な透明性、公正なルール、若手研究者・技術者の育成と予算の配分が不可欠



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/500.html#c1

[経世済民128] ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3% 米中通商協議開かれない恐れ、中国が提案拒否検討 うまき
1. 2018年9月18日 18:22:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1489]
2018年9月18日 / 16:26 / 1時間前更新
コラム:トランプ関税攻撃、中国の致命傷にならない訳
David A. Andelman
3 分で読む

[18日 ロイター] - トランプ米大統領が仕掛けてくるいかなる関税戦争に対しても、中国は勝利を収める準備が万端整っている。その戦略はいたってシンプルで、「独裁資本主義」という同国の伝統に集約される。

米国市場が17日に引けた後、トランプ大統領は中国からの輸入品2000億ドル(約22兆4000億円)相当に10%の関税をかけると発表した。予想されていた税率の半分だが、これには中国を2国間交渉のテーブルに着かせる狙いがある。

交渉のさらなるインセンティブとして、大統領は年末商戦後の年内に税率を25%に引き上げると発表した。

だが、中国が効果的に取り入れている独裁資本主義は、トランプ大統領が、自国に勝利をもたらすような経済的苦痛を中国に与えることを困難にさせるだろう。

米政権内ではほとんど、あるいは全く注目されていないが、目からうろこが落ちる瞬間にたどり着く重要な要素がいくつかある。

筆者自身にそのような瞬間が起きたのは、自宅キッチンにある新しい用具を調べていたときだ。「中国が関税を発動する前にこのハイアール製レンジを買い換えた方がいいかな」と、電化製品のセールスマンに聞いた。すると、彼は心配無用だと笑って答えた。ハイアールは値上げしないと保証したというのだ。

この営業担当者はただ自分が勤める店のセールストークを繰り返していただけかもしれない。だが翌日、学生時代の友人で、クリスタル・ソーラーの最高財務責任者(CFO)を務めるデービッド・ボストウィック氏は、それこそまさに中国が米国の太陽光パネル市場に拠点を築いたやり方だと指摘した。

価格を下げ、米国の太陽光パネル産業を骨抜きにした。「価格を2割下げれば、中国人は支障なく米国で製品を売り続けることが可能だ」と同氏は言う。

こうした変化の一部によって、中国企業は一段と効率を上げ、長期的に競争力が強まる可能性がある。同時に、利ざやが薄いせいで卸売価格から1割値下げしたがらない、あるいはそれが不可能な企業は、中国の国内外で他の創造性に富んだ選択肢を見つけ出すかもしれない。

中国は長年、経済成長を促進するため輸出に依存する経済からの脱却を図ってきた。そうした政策はうまくいっている。

世界的なリセッション(景気後退)の真っただ中だった2009年を除き、国内総生産(GDP)に占める輸出の割合は過去10年、毎年低下している。輸出部門の割合は昨年18.5%を占めるにすぎず、2007年の35%と比べて大幅に低下した。また、昨年の対米輸出は全体のわずか18%にすぎなかった。

言うまでもなく、習近平国家主席の支配下で台頭する中国国有企業の役割も、関税に対するカウンターとして使われるかもしれない。中国政府は思いのままに利益水準を調整したり、大量の労働者を雇用し続けたりすることが可能だ。

その一方で、自国通貨の人民元を10%切り下げる可能性もある。人民元に対する米ドル高の影響も踏まえると、新たなトランプ関税の効果の大半は無力化される可能性がある。

加えて、多くの中国民間企業は、中国からの輸入を減らそうとする米国の試みによって恩恵を受ける可能性がある。

東南アジアへのマーケティングや販売を増やすことができるからだ。同地域は経済成長の伸びが堅調であり、 経済協力開発機構(OECD)は今後何年も「国内需要はレジリエント(回復力がある)」と予測している。ほかにも、とりわけ中国が活発に活動しているアフリカや中南米といった地域での販売増を狙うことも可能だ。

一部の中国企業は生産拠点を海外に移転さえするだろう。例を挙げると、ハイアールは米ゼネラル・エレクトリック(GE)から家電事業を買収後、すでに米5州に生産拠点を置いている。同社はまた、ニュージーランドの大手家電メーカー、フィッシャー・アンド・パイケル・アプライアンシズ(F&P)の買収を通して、メキシコからニュージーランドに至るまで生産拠点を構えている。F&Pはメキシコやイタリア、タイで生産している。

「メキシコは(かつて)生産拠点を構えるにはコストが割高だった。だが今では中国の労働者の方がメキシコのそれよりも高い。したがって、変化が起きる可能性はある」と、米商工会議所のアジア担当シニアバイスプレジデントのチャールズ・フリーマン氏は指摘した。

また、いかなる段階においても、トランプ関税の影響から中国の企業や経済を守れる方法もある。コスト削減や生産拠点の移転を望まない多くの企業は、中国政府に人民元を切り下げて影響を相殺するよう求める可能性が高いと、フリーマン氏は言う。「政策面で、それは(米国側に)多大な問題をもたらすことは言うまでもない。人民元の切り下げはすでに神経質な問題となっている」

だが本格的な貿易戦争のさなかで、中国が米国の感情にどれだけ配慮するというのだろうか。

最後の、そして今なお予想だにしない中国にとっての恩恵は、これが長期戦だということかもしれない。「関税は、中国の企業と経済が合理化し、一段と競争力と収益力を高める助けとなる可能性がある」と、米中商工会議所(シカゴ)のシバ・ヤム会頭は言う。要するに、ホワイトハウスにとって、あらゆる面で勝ち目がない、ということだ。

途中で多少の痛みは伴うかもしれないが、中国指導部の多くはトランプ氏が2020年の米大統領選挙で敗北するか、今年11月の中間選挙で民主党が圧勝すると予想しており、米次期政権が関税を削減し、通常の自由市場の現実に戻るまでやり過ごすことができると考えている。

もちろん、習主席は選挙に勝つ必要などない。「終身国家主席」の同氏は、独裁資本主義システムを完全に手中に収めている。

*筆者は、米紙ニューヨーク・タイムズや米CBSテレビの元特派員。著書に「A Shattered Peace: Versailles 1919 and the Price We Pay Today」がある。

https://jp.reuters.com/article/column-trump-tariff-china-idJPKCN1LY0V6
2018年9月18日 / 10:55 / 2時間前更新
トランプ米政権、対中関税第3弾の発動を発表:識者はこうみる
2 分で読む

[東京 18日 ロイター] - トランプ米大統領は17日、2000億ドル(約22兆4000億円)相当の中国製品に対して10%の関税を課すと発表した。市場関係者のコメントは以下の通り。

<野村証券 クオンツ・ストラテジスト 高田将成氏>

米国が2000億ドルの対中追加関税を表明したにもかかわらず、日本株が上昇の勢いを強めているのは、グローバル株全体がラリーに入っているためだろう。こうした局面では、よほどのネガティブ材料でない限り、すぐに消化されてしまう。

特に日本株では、短期筋の買いが強いようだ。けん引役のCTA(商品投資顧問業者)は、日経平均で2万2650円を超えたあたりから機械的にロングを増やしている。グローバルマクロも8月以降ロングをキープしている。貿易戦争の行方には不透明感もあるが、その先のグローバルインフレをにらんでいるようだ。

一方、年金などのリアルマネーは依然、日本株には消極的なようであり、TOPIXの上値を抑える要因になっている。

短期筋は、新興国株への警戒感から、あくまで消去法的に日本株を選好しているだけである可能性が高い。安倍晋三首相の自民党総裁3選が堅いとみられ始めたことから買い始めており、総裁選の9月20日あたりまではラリーが続くとみられるが、足の速い短期筋だけに、そう遠くない時点で日本株買いも終わるかもしれない。

<トウキョウフォレックス上田ハーロー 営業推進室長 阪井勇蔵氏>

トランプ米大統領は17日、2000億ドル相当の中国製品に対して10%の関税を課すと発表した。米国の対中制裁関税の発動はこれで3度目となる。

追加関税発動はある程度為替市場に織り込まれていたが、株安警戒感や中国の報復措置が必至となったことで、ユーロ/円相場が130円後半から前半まで下押しするなど、外為市場ではクロス円を中心に円買いで反応した。

1回目と2回目の対中制裁関税発動時には、株高/円安の動きが出たことを考えれば、今回の市場の反応(円買い)は小幅とはいえ、市場の警戒感の高まりを表すものだ。

初期の円高反応が小幅にとどまった背景には、前日、米長期金利が3%台に乗せたこともあるとみられるが、一方で連休中に中国株が続落しており、市場がリスク回避方向に傾倒する素地は整っている。

21日を軸に開催される方向で調整が進む日米通商協議(FFR)の第2回会合を控える日本にとっても、今回の対中制裁関税はFFRが厳しい状況になることを示唆している。

FFRを巡っては、トランプ大統領が7日に「合意できなければ、大きな問題になる」と警告し、日本と貿易協議に本腰を入れてこなかった唯一の理由は中国と協議していたからだ、と述べている。

米国は、日本とのFFRにも強硬姿勢で臨む可能性が高く、結果的に、ドル/円が112円台に定着するのは難しくなり、むしろ110円台までの調整が入ってもおかしくないとみている。

<SMBC日興証券 金融財政アナリスト 末澤豪謙氏>

トランプ米政権が今回発表した対中追加関税は、中間選挙を控えて下がり始めた支持率の挽回を狙ったとみられる。この週末もロシア疑惑に絡んで、トランプ陣営の元選対本部長を務めたマナフォート氏が司法取引に応じるなど陣営内部からの反乱が続いている。政権公約をコアの支持層にアピールしたかったのだろう。

追加関税の税率は当初10%で、年末には25%に引き上げられる。トランプ大統領は、中間選挙、さらには2年後の再選に向けて、強硬姿勢をさらに強める可能性がある。フライト・トゥ・クオリティー(質への逃避)の動きになりやすい。

市場が警戒するのは、日本が次のターゲットになる可能性があることだ。トランプ大統領は、15年6月に大統領選への出馬表明に際して、巨額な貿易赤字に絡んで、中国、日本、メキシコを名指しで非難をした。為替は円高に振れ、2万3000円台を回復している日経平均も上値が重くなってくるのではないか。

<フィデリティ投信 運用本部インベスメントディレクター 福田理弘氏>

トランプ政権が2000億ドル相当の対中追加関税を発動すること自体は想定の範囲内。この2カ月ほど米中貿易戦争への関心がやや薄れ、日本株にも上値トライの機運が出てきていただけにマイナスインパクトは避けられないだろうが、日経平均は2万1500─2万2000円を割り込んで一段と下値を模索していくほどではない。

日本の実体経済へ本当にインパクトがあるのは、米国が日本からの輸入車に対して関税を引き上げる事態になった場合だ。

トランプ政権は中国が報復措置を報じるなら即座に2670億ドルの中国製品への関税を検討しているという。成り行きを見極めたいが、投資家は実施を前提に臨まなければならないだろう。
https://jp.reuters.com/article/usa-china-tariff-idJPKCN1LY04L

 


2018年9月18日 / 16:01 / 2時間前更新
アングル:通貨危機、実体経済への波及に身構える新興国投資家
2 分で読む

[ロンドン 14日 ロイター] - 新興国投資家は、通貨危機とそれに対処するための大幅な利上げが、実体経済をより大きく減速させたり、景気後退(リセッション)を引き起こす恐れがないかどうか見定めようとしている。

トルコの中央銀行は13日、政策金利を一気に6%ポイント余りも引き上げて24%に設定し、年初来約40%に達したリラの下落をこれ以上容認しない姿勢を打ち出した。

アルゼンチンも半値以下になったペソの下支えに苦戦し、政策金利を60%にまで上げている。

さらにインドルピーが過去最安値に沈むとともに、南アフリカランド、ロシアルーブル、ブラジルレアルといった通貨が今年に入って15─20%値下がりした。

そして市場の混乱が実体経済に悪影響を及ぼし始めた兆しが見えてきた。南アは第2・四半期に予想外のリセッションに突入。アルゼンチンもリセッション入りが予想され、トルコは来年にかけて経済がハードランディングするとの見方が多い。

ではこれらの国の経済成長は足元でどんな状況となり、企業や消費者の心理がショックを受けている兆候はあるのか。また資金流入がほぼ止まったことで、来年の経済見通しは劇的に悪化しているのだろうか。

<企業景況感と金融環境>

今月公表のデータに基づくと、多くの途上国の購買担当者景気指数(PMI)は急低下した。

HSBCの新興国市場調査グローバル責任者ムラト・ウルゲン氏は、ドルが堅調で米短期金利が上がっている環境では、新興国の対外金融環境は特に経常赤字国において引き締まると指摘。資金流出を受けて多くの新興国が利上げを選択していることから、国内の金融環境も引き締まりつつあると付け加えた。

同氏によると、市場の不安定さや金利上昇、夏場の株価下落を考えれば金融環境が厳しい局面に置かれ続ける公算は大きく、それが今後の経済活動を圧迫するだろうという。

<通貨安の負の側面>

国際金融協会(IIF)のチーフエコノミスト、ロビン・ブルックス氏は、過去の例では通貨が急落した年に大きく落ち込んだ実質国内総生産(GDP)は、その後比較的速いスピードで回復し、通貨安で輸入が抑制され、次第に輸出が増えることで経常収支も赤字から黒字に転じると指摘した。

ただ通貨安は輸出競争力を促進する半面、国内の購買力を弱め、金融の引き締まりとともに需要と経済成長を押し下げる。

さらに専門家が詳しく分析しているのは、増大している貿易摩擦や輸入関税が、貿易の比重が高まり続ける新興国経済にもたらす影響だ。

ウルゲン氏は既にトルコ、アルゼンチン、ブラジル、南アの経済見通しを引き下げており、当面新興国の先進国に対する成長率の優位は縮小すると予想する。

<見通し一段と下振れも>

一部の新興国が今の危機を乗り切れるかどうかを探る上で、重要な判断要素の1つになるのは資金フローだろう。

HSBCのデータでは、昨年新興国の債券に700億ドル、株式に650億ドルが流入したが、今年は債券は完全に流出に転じ、株式も5月末までに入ってきた550億ドルの半分弱が再び流出しつつある。

JPモルガンのルイス・オーガンズ氏は、新興国への資金フローが突然止まったり大きく減少すれば、負の連鎖の作用と相まって、巨額の経常赤字を抱える国が経済構造調整に要する時間が長くなると警鐘を鳴らす。

同氏は直近の顧客向けノートに「新興国の成長率見通しが最近引き下げられているが、経済活動は見通しが一段と下振れすることを示唆している」と記した。

(Karin Strohecker、Ritvik Carvalho記者)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/494.html#c1

[経世済民128] ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3% 米中通商協議開かれない恐れ、中国が提案拒否検討 うまき
2. 2018年9月18日 18:36:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1490]
「ブラック・スワン」ヘッジが急増−米国株強気派に警戒促す信号点滅
Yakob Peterseil、Sid Verma
2018年9月18日 10:52 JST
• SKEW指数が過去最高水準に接近、ヘッジ需要増加が浮き彫りに
• 「通商リスクが大いに関係している」とエバコアのディバッシャー氏
米国株の強気派に対し、オプション市場で警戒を促す信号が点滅している。
  投資家心理の「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)は落ち着いた水準にあるが、世界の貿易摩擦が激化、テクノロジー株にバリュエーションを巡る懸念が忍び寄る中、投資家はテールリスクに備えつつある。
  CBOEのSKEW指数は先週150を突破したが、これはS&P500種株価指数のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のプット(売る権利)オプションの需要が、コール(買う権利)に対して急増したことを表す。SKEW指数の高まりは、めったに起きないが発生すれば甚大な被害をもたらす「ブラック・スワン」的事象である米国株破裂の時期が迫っている証拠かもしれない。
  ブルームバーグが1990年までさかのぼって集計したデータによると、SKEW指数は今年、終値ベースの平均が過去最高更新に向かっている。歴史的に同指数は115近辺で推移。これは構造的にコールよりもプットの需要が多いことを示す。14日の同指数は151.6で終了した。          

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iSsi5VSywkcc/v2/-1x-1.png
  エバコアISIのポートフォリオ戦略責任者、デニス・ディバッシャー氏は「これは通商リスクが大いに関係していると私はみている」と語った。
  別の解釈としては、デリバティブ(金融派生商品)トレーダーが株価のさらなる上昇を見込む賭けに動いていないというものだ。相場の壊滅的な下落を不安視するというより、大きな上昇余地があるとは単にみていないだけかもしれない。
  ボラティリティー・ヘッジファンドのクレデンス・キャピタル・マネジメントでディレクターを務めるヤニス・コーレトシス氏は「現行水準のSKEWは必ずしも弱気のサインではない。むしろ強気の欠如を示唆するものだ」とツイートした。
原題:Surge in Black-Swan Hedging Casts Shadow Over U.S. Stock Rally(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-18/PF873S6S972901?srnd=cojp-v2


 

米政権が関税第3弾、中国は屈せぬ姿勢−摩擦長期化の様相
Andrew Mayeda、Jenny Leonard
2018年9月18日 7:41 JST 更新日時 2018年9月18日 13:55 JST
24日に10%の米追加関税発動、来年には関税率を25%に引き上げ
スマートウオッチやブルートゥース対応機器などを対象から除外

Container ships at the Yangshan Deep Water Port in Shanghai. Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
トランプ米政権は17日、中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当への10%の追加関税を来週発動させるとともに、来年には同関税率を2倍超に引き上げると発表した。米中貿易摩擦が長期化する可能性が高まった。

  トランプ大統領は17日の声明で、中国が米国の農家や産業に警告通り報復した場合、米国は直ちに中国製品約2670億ドル相当を対象にする追加関税を目指すと表明した。

  事情に詳しい関係者によると、習近平中国国家主席の経済ブレーン、劉鶴副首相は18日午前に北京で政府の対応策を協議するため会合を開く予定。中国証券監督管理委員会(証監会)の方星海副主席は天津市で開催されている夏季ダボス会議のパネル討論会で、中国経済は力強いとし、同国がトランプ大統領の通商戦術によって圧力を受けることはないと語った。

  方副主席は米国が中国の対米輸出品全てに関税を課したとしても、中国国内総生産(GDP)の押し下げ幅は約0.7ポイントにとどまると推定。米中関係は正常化し得ると確信しているとし、双方が対等の立場で交渉できるよう希望すると語った。

  中国金融市場は反応薄で、中国株の指標である上海総合指数は、約4年ぶり安値で引けた前日とほぼ変わらず。人民元は下落し、S&P500種先物も下げた。

  中国政府は2000億ドル相当の米関税への報復措置を既に表明しており、液化天然ガス(LNG)や航空機などの米製品600億ドル相当に関税を課すとしている。

  米政府高官2人が匿名を条件に17日の電話会議で記者団に語ったところでは、トランプ政権は同関税率を25%に引き上げるのを来年まで先延ばしにすることにより、米企業が代替サプライチェーンを探すなど対応策を講じるための時間的猶予を与えようとしている。10%関税は今月24日に発動するとした。

  トランプ大統領は17日の声明で、「数カ月にわたり、われわれは中国に対し、不公正慣行の是正と、米企業への公正かつ互恵的な待遇を求めてきた」とした上で、「われわれは行われるべき変革の内容を非常に明確に示してきたし、米国をより公平に待遇するあらゆる機会を中国に与えてきた。しかしこれまでのところ、中国は慣行を改めることに消極的だ」と論じた。

  スマートウオッチや近距離無線通信規格「ブルートゥース」対応機器のほか、自転車用ヘルメットや子ども用椅子、子ども用自動車シート、一部工業用化学製品などが同関税の対象から外された。高官の1人によると、7月公表の暫定対象リストからこれらを含め300品目が外され、新たに加えられた品目はなかった。

  トランプ大統領は中国との協議の可能性を示唆しながらも、中国が貿易慣行を変えるよう圧力を引き続き強めている。エコノミストらがトランプ政権の戦術によって現在の世界的な幅広い好景気が損なわれかねないと懸念を示す中、実業界の首脳らは高リスクの戦略が企業のサプライチェーンを一変させ、コストをつり上げる可能性があると警告している。

  米商工会議所や小売業者団体、農業団体に加え、共和党の一部もトランプ大統領の関税政策への反対を表明してきた。政権内部でもライトハイザー通商代表部(USTR)代表ら対中タカ派と、通商合意を目指すムニューシン財務長官らが対立している。

  全米貿易協議会(NFTC)のルーファス・エルサ会長は、「トランプ政権は一部業界の懸念に対応したようだが、多くの米企業や消費者にとっては今回の措置は依然、コストの急増と不確実性の大幅な高まりを意味する」と指摘。「企業にとって不確実性が一番困る。不完全な貿易関係の方がこのような混乱よりはまだましだ」とコメントした。

  今回のトランプ政権の追加関税発表により、外交を通じて打開を図る取り組みに暗雲が垂れ込めた。事情に詳しい関係者2人は17日、トランプ大統領が対中追加関税を発動すれば中国は新たな貿易協議を拒否するだろうと述べた。

原題:Trump Ramps Up Tariff Pressure With $200 Billion China Hit(抜粋)

(中国当局者のコメントなどを追加して更新します.)

 


中国、報復措置実施を表明−トランプ米政権の追加関税計画に対抗
Andrew Mayeda、Jenny Leonard、Enda Curran
2018年9月18日 16:52 JST
米国による24日の追加関税発動と同時に報復関税を実施する
米追加関税で通商協議に新たな不確実性が生じた−中国商務省
中国政府は18日、トランプ米政権に対する報復関税措置を実施すると表明した。米政府は中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当への10%の追加関税を24日発動させるとともに、来年には同関税率を2倍超に引き上げると17日に発表した。

  中国商務省の報復措置に関する声明には具体的な行動は明記されていないが、中国は以前から米製品600億ドル相当に対し報復関税を賦課するとの方針を示している。声明によれば、中国の報復関税は米国の追加関税発動と同時に実施される。米国の追加関税で通商協議に新たな不確実性が生じたとも指摘した。

Shots Fired
U.S.-China trade war is intensifying, based on imposed and threatened tariffs


Source: U.S. Census Bureau and Bloomberg

  トランプ米大統領は17日の声明で、中国政府が報復措置に踏み切れば、米国は直ちに中国からの輸入約2670億ドル相当に関税を上乗せするよう目指すと言明しており、米中の貿易戦争が一段と激しくなるリスクが高まっている。


原題:China Vows to Retaliate After Trump’s $200 Billion Tariff Hit(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-18/PF8R7W6K50Y6?srnd=cojp-v2


 


イタリア債が下落、予算案巡りディマイオ副首相とトリア財務相が衝突
Kevin Costelloe、Charlotte Ryan
2018年9月18日 18:03 JST
• 財務相は引っ込んでいればいいと副首相が発言とスタンパ紙
• イタリア10年債利回りは17日に約1カ月ぶりの水準に低下
イタリアのディマイオ副首相が予算案を巡ってトリア財務相と衝突した。財務相の将来に再び不透明感が強まり、同国債は下落した。
  18日の欧州債市場で、イタリア10年債利回りは前日の低下から反転して上昇。スタンパ紙によると、17日夜に開かれた重要閣僚会議ではディマイオ副首相が提案した最低所得保障に閣僚らが承認に消極的な姿勢を示したと、同副首相が述べた。
  連立与党の一角を占める五つ星運動を率いるディマイオ氏は「こうした状況が続くようなら、トリア氏には引っ込んでいてもらって構わない」と語ったと、スタンパ紙は伝えた。
  ロンドン時間午前8時18分(日本時間午後4時18分)時点で、イタリア10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.87%。17日は2.84%と、8月8日以来の水準に低下していた。イタリアのポピュリスト政権は予算編成に当たり欧州連合(EU)の規則を守るとの楽観から、同国10年債利回りは月初から17日までで約40bp低下していた。

原題:Italian Bonds Slide as Tempers Flare Over Budget Proposals(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-18/PF8TDW6JIJUR01?srnd=cojp-v2

 


 

米セールスフォースのベニオフ会長、タイム誌買収−影響力拡大へ
Nick Turner、Gerry Smith、Nico Grant
2018年9月18日 8:30 JST
ベニオフ夫妻は1億9000万ドルでタイム誌買収に合意
タイム誌買収を通じ影響力はシリコンバレー以外にも拡大へ

Marc Benioff, chairman and chief executive officer of Salesforce.com Inc. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg
ソフトウエアメーカー、米セールスフォースフォース・ドットコムの会長兼共同創業者で資産家のマーク・ベニオフ氏は、米誌タイムの買収を通じて影響力をシリコンバレー以外にも広げる考えだ。

  ベニオフ氏(53)と妻リンさんは、1923年創業の老舗ニュース雑誌タイムをメレディス社から現金1億9000万ドル(約212億円)で買収することに合意した。ベニオフ氏は長年、サンフランシスコで個人的な慈善事業や公共事業への企業スポンサーシップを通じて影響力を拡大してきたが、今回の買収を通じメディア界の大物として全米レベルで注目度を高めそうだ。

ベニオフ氏のタイム誌買収についてブルームバーグのレベッカ・ペティ記者が報告

出所:ブルームバーグ
  今回の取引は、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)による2013年の米紙ワシントン・ポスト買収を想起させる。ベゾス氏が2億5000万ドルで買収した同紙についてトランプ米大統領は、アマゾンにとって「高額なロビイスト」だと述べ、批判の矛先を向けていた。

  ベニオフ夫妻は同誌の日常業務や編集方針には関与せず、経営は現在の首脳陣が引き続き担う。発表資料によると、セールスフォースは今回の取引とは無関係で、ベニオフ夫妻が個人的に買収する。タイム誌買収は米紙米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じた。買収は向こう30日以内に完了の予定。

原題:Salesforce’s Benioff to Buy Time Magazine, Boosting Influence(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/494.html#c2

[経世済民128] ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3% 米中通商協議開かれない恐れ、中国が提案拒否検討 うまき
3. 2018年9月18日 18:42:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1491]
ドル・円は反発、米中摩擦で売り先行も米金利上昇支え−112円前半
池田 祐美
2018年9月18日 9:21 JST 更新日時 2018年9月18日 15:43 JST
朝方に111円67銭まで下落後、午後に一時112円27銭まで上昇
米金利上昇方向の中でドルを買っていた方が安全ーSBI証
東京外国為替市場のドル・円相場は反発。トランプ米政権が中国からの輸入品約2000億ドル相当への追加関税を発表したことを受けてドル売り・円買いが先行したものの、その後は米長期金利の上昇などに伴い、ドルに買いが入り112円台に乗せた。

  ドル・円相場は18日午後3時30分現在、前日比0.4%高の1ドル=112円26銭。朝方に111円67銭まで下落した後、徐々に水準を切り上げ、午後に入って一時112円27銭まで上昇した。

  SBI証券IFAビジネス部の相馬勉部長は、「米国の関税制裁や利上げ観測を背景に、資金がドルに集中して他の国が倒れる感じだ」と説明。「米金利上昇方向の中でドルを買っていた方が安全。ドル・円は目先は112円台半ばを狙う展開ではないか」と述べた。

  米長期金利はこの日の時間外取引で一時2ベーシスポイント(bp)高の3.005%に上昇した。一方、中国上海総合指数はこの日、一時2016年2月29日以来の安値を付けた後に反発。日本株は続伸し、日経平均株価は前週末比320円以上上昇して引けた。

  トランプ米政権は17日、中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当への10%の追加関税を24日に発動させるとともに、来年には同関税率を25%に引き上げると発表した。三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「米国の対中追加関税2000億ドル分は、事前に相当程度言われていた話。通商戦争は、最初はドル売りだったが、米国よりも他国の方が悪影響が大きいとの見方で、途中からドル買いの反応になっている」と指摘した。

トランプ米政権による対中追加関税発表に関する記事はこちらをご覧下さい。
  


  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.1707ドル。朝方1.1667ドルまで下落した後、午後に一時1.1718ドルまで上昇した。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がこの日、パリで講演する。

  SBI証の相馬氏は、ユーロ・ドルについて、「前向きなECB高官発言が出れば1.18ドルを狙う展開」と指摘。もっとも「英国の欧州連合(EU)離脱交渉などがあり、思い切って買えない。交渉がうまく行けば、ポンドとともに、ユーロも買われるだろう」とも語った。



ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3%
Robert Fullem
2018年9月15日 4:46 JST 更新日時 2018年9月15日 6:15 JST
14日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。米中の保護貿易への懸念が再び強まったことで避難先としてドルが選好されたほか、米国債利回りの上昇も買いを誘った。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。今週に入ってからの下げが0.6%程度に縮小した。

  米中通商協議の再開を探る動きが見られる中、トランプ米大統領が中国製品2000億ドル(約22兆4000億円)相当を対象とした追加関税措置の導入を進める意向を示したと伝わった。報道を受けて同指数は上げ幅を拡大。オーストラリア・ドルは下落し、円は強含んだ。

  米10年債利回りは一時、3%台に上昇した。複数の中央銀行が緩和姿勢を後退させる流れが背景にある。この日発表された統計では、8月の米鉱工業生産指数や9月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)が市場予想を上回った。シカゴ連銀のエバンス総裁は、経済は力強く成長しており年内の米利上げが4回だとしても意外ではないと述べた。

  ドルは対円で一時、0.2%高の1ドル=112円17銭と、7月20日以来の高値を付けた。午後4時59分現在では0.1%高の112円06銭。ユーロ・ドルは0.6%安の1ユーロ=1.1625ドル。

欧州時間の取引
  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は下落。8月の米消費者物価指数(CPI)統計でコア指数の伸びが市場予想に反して鈍化したことや、トランプ政権が中国との通商協議再開を提案して米中の緊張が若干緩和したことが影響した。

  ユーロは一時、0.3%高の1ユーロ=1.1722ドルに上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、ユーロ圏経済は世界的なリスクに対応できる十分な強さがあるとの認識を示したことが好感された。

原題:Dollar Cuts Weekly Loss as Yields Hold Gains: Inside G-10(抜粋)Dollar Set for Worst Week in 7 Months as Euro Gains: Inside G-10(抜粋)

(指標や連銀総裁発言、欧州時間の取引などを追加し、最新の相場で更新します.)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/494.html#c3

[経世済民128] 「時間がない」働く母も、付加価値の高い仕事へ ビースタイル代表に聞く「時短で高給の可能性」(前編) うまき
1. 2018年9月18日 18:46:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1492]
ソフトウエア・ロボットで躍進する新興企業3社
ユーアイパスの評価額は30億ドルに 6カ月で3倍
米テキサス州ミッドランド近郊にある石油大手シェブロンの掘削リグ。同社も新興の「ロボット」ソフトウエア企業ユーアイパスの顧客だ
米テキサス州ミッドランド近郊にある石油大手シェブロンの掘削リグ。同社も新興の「ロボット」ソフトウエア企業ユーアイパスの顧客だ PHOTO: DANIEL ACKER/BLOOMBERG NEWS
By Rolfe Winkler
2018 年 9 月 18 日

 何年間もの鳴かず飛ばずの苦難の時期を経てきた新興企業3社が突然、人工知能(AI)を各所に取り入れた企業向けソフトウエアの分野で大成功を収めた。この3社は現在、マーケットリーダーと見られるために、一歩先を行こうと互いに競い合っている。

 3社は、UiPath(ユーアイパス)、Blue Prism Group(ブループリズム・グループ)、Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)。いずれも2005年か、それ以前に設立されているが、3社の事業が軌道に乗ったのは、単純なバックオフィス作業を自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」と呼ばれる現在の事業を着想してからの過去数年である。

 ユーアイパスは17日、新たな資金調達ラウンドを終えようとしていた。関係者によると、これにより同社の企業価値評価は30億ドル(約3350億円)となる。前回の資金調達の際の評価額は11億ドルだった。7月にはライバルのオートメーション・エニウェアが1回目の資金調達を行っており、その際の評価額は18億ドルだった。英国の公開会社であるブループリズムの株式の時価総額は16年3月の上場時点から、30倍近くに膨れ上がっている。同社は1月に実施した2度目の株式売却で約6000万ドルを調達した。3社の調達額は今年、合計7億ドル近くに上り、各社は世界中に支社の開設を急いでいる。

 重要な問題は、いわゆるソフトウエア・ロボットの市場を誰が先導するのかだ。ソフトウエア・ロボットは人間を模倣して、単調なバックオフィスのタスクを遂行する。会社のデータベースに請求書の情報を入力する、保険金の支払い請求を処理する、新規採用者に自動で内定通知書を送付するといったタスクだ。

 調査会社フォレスターのアナリスト、クレイグ・ルクレア氏は、今年の同市場の売上高が、2016年の3億2500万ドルから11億ドル近くにまで増えると予測する。同氏によると、同セクターでは、他に一握りの企業がシェアを争っているが、ユーアイパス、ブループリズムとオートメーション・エニウェアの3社が圧倒的優位に立っている。だが同氏は、それだけでは3社の巨額の評価を正当化するのに十分でないと指摘する。

 この評価額急増には、AIをめぐる熱狂が反映されている面もある。3社のソフトウエアは、正確にはAIの分野に入らないにもかかわらず、この恩恵を受けている。

 ロボットによる業務自動化「ロボティック・プロセス・オートメーション」(RPA)は、現在は人の手で行っている単純で繰り返しの多い事務作業、例えばEメールに添付されたPDFファイルの開示、文書のスキャン、企業データベースの必要箇所への入力などの作業ができるよう、人間がソフトウエア・ロボットを訓練する。

 3社が大手顧客向けに対応可能となるよう自社ソフトウエアの改善を進める中、ソフトウエア・ロボット市場が成長を遂げるまでには数年が必要だった。ブループリズムがこの種のソフトウエアに「ロボティック」というAIの関与を感じさせる用語を使用し、マーケティング面でも弾みをつけることになった。ユーアイパスを2005年にルーマニアで立ち上げた共同創設者で現在は最高経営責任者(CEO)を務めるダニエル・ダインズ氏は「企業が自動化を検討する上でAIという用語は魅力的に映る」と述べた。

 企業各社の最高情報責任者(CIO)たちはRPAが事務作業を迅速、低コスト、かつミスも少なく行うことが可能で、そのため具体的なコスト削減を上司に示すことができ、RPA市場は急速に拡大しつつある。ユーアイパスの顧客であるエクイファックスのバイスプレジデント、ジャイロ・キロス氏によれば、ユーアイパスのロボットのコストは事務職員の20〜33%、仕事達成量は3〜4倍とされる。

 急速な成長は、著名な投資家を興奮させている。セコイア・キャピタルはユーアイパスの最新の資金調達を主導する予定。2億2500万ドルの調達ラウンドがそれで、ユーアイパスの調達総額は合計4億ドル強になる。これは、アーリーバード・ベンチャーズ、アクセル・パートナーズ、そしてキャピタルG(グーグル持ち株会社アルファベットの投資部門の一つ)による投資に続く動きだ。

 それでも、こうした企業が急激に高まる評判を維持できるかは、その商品が単なる反復可能な作業をこなすソフトウエアを超えて、ハブ(中心的な存在)に変貌するかどうかに帰着するかもしれない。つまり、他のソフトウエア企業がもっと精緻なAIを企業に売却するのを助けるようなハブ的存在になるかどうかによるだろう。

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[経世済民128] 18年全国基準地価は+0.1%、27年ぶりプラス転換 商業地の上昇加速 日本株は続伸、米の対中追加関税発動は経済に配慮 うまき
1. 2018年9月18日 18:57:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1493]

【バロンズ】米株のアウトパフォームが続く理由
PHOTO: BRIANNA SANTELLAN
By Randall W. Forsyth
2018 年 9 月 18 日 10:09 JST

? 米国と他地域の株式市場のパフォーマンス格差は拡大中

 米国と他地域の株式市場のパフォーマンスの乖離(かいり)が広がっている。過去数カ月、米国と貿易相手国(特に中国)の間で緊張が高まるにつれて、パフォーマンスの差も拡大してきた。しかし、ウォール街のアウトパフォームの開始時点は、はるか以前に強気相場が始まった頃までさかのぼる。投資家にとって重要な問題は、「なぜ米国株式市場のパフォーマンスは優れているのか」ということと、「アウトパフォームは続くのか」ということだ。

 ここ最近、パフォーマンスの乖離は特に大きくなっている。11日までの12カ月間で、S&P500指数は15.68%上昇した一方、MSCIアジア太平洋指数は2.41%下落した。ブリークリー・アドバイザリー・グループのピーター・ブックバー氏のチャートによれば、6月前半まで両指数はおおむね同様に推移していた。同氏は「このトレンドは持続可能なものではない。アジアは世界の国内総生産(GDP)の3分の1を占めており、北米や欧州よりも大きいため、何らかの形で影響が生じるだろう」と述べる。MSCIアジア太平洋指数のうち最大のウエートを占めるのは日本(約38%)で、その後に中国(18%)、オーストラリア(11%)、韓国(8%)、台湾(7%)が続く。

? 利益成長とセクター別ウエートが要因

 ビスポーク・インベストメント・グループは、2010年末までさかのぼり、MSCI世界(米国除く)指数に対して比較的堅調なMSCI米国指数のパフォーマンス要因を調査した。その結果、バリュエーション上昇も貢献していたものの、利益成長が一貫して主なけん引役だったことが分かった。

 BCAリサーチも同じ結論に達した。ただし、同社は、日本企業の過去数年の増益率は米国企業と同様であるものの、それ以前は長期にわたって低成長が続いていたと指摘する。また、同社によれば、投資家が米国企業の増益に反応したことで、株価収益率(PER)が上昇した。

 高水準の利益成長とバリュエーションの上昇は、米国経済の強さの証左である。米国経済は、連邦政府の比較的迅速な政策対応によって、世界のどの地域よりも相当に早く、大幅に回復した。金融危機の直後から財政刺激が実施され、政府は公的資金を金融機関に注入した。特に米連邦準備制度理事会(FRB)は、バランスシートの規模を危機前の約5倍に拡大した。

 しかし、米国市場のアウトパフォームにはテクニカルな要因もある。MSCI米国指数は、利益が急成長したセクターにウエートが偏っている。今後12カ月の予想利益に対するPER(12カ月予想PER)を例に取ろう。BCAによれば、2010年以降、世界のハイテクセクターの12カ月予想PERは約160%上昇したが、素材セクターでは25%しか上昇しなかった。

 米国経済は巨大ハイテク企業に支配されており、MSCI米国指数に占めるハイテクセクターのウエートはMSCI世界(米国除く)指数よりも15%ポイント高い。対照的に、素材セクターのウエートは5%ポイント低い。ビスポークは、仮にMSCI米国指数とMSCI世界(米国除く)指数のセクター別ウエートが同一だったならば、後者のパフォーマンスは2倍以上だったと結論付ける。

? 来年に利益成長が減速する可能性

 だが、依然として主な要因は利益である。残念なことに、BCAは2019年に利益成長が減速すると予想している。高水準のバリュエーションと金利の上昇が原因で、自社株買いによる1株当たり利益(EPS)の押し上げ効果も薄れる公算が大きい。労働市場がひっ迫し、賃金上昇が加速すれば利益率は低下することになる。

 また、BCAはドル高について、海外で米国の商品やサービスの価格を押し上げるため、利益に悪影響を与えるとみる。同社の予想では、今後12〜18カ月間、貿易加重ベースで5%のドル高につきS&P500指数構成企業の利益は1%減少する。今年、ドルは貿易加重ベースで6.2%上昇しており、BCAはさらなる上昇を予想している。

 米国の余剰生産能力が不足しつつあるなどの理由により、世界の経済成長は減速する公算が大きい。新興国市場も苦戦している。その上、BCAは「政策環境も厳しさを増す」と考えている。欧州連合(EU)は、インターネット企業に対して個人情報収集に関する規制を強めている。トランプ政権は、保守派の意見を抑圧した疑いがあるとしてソーシャルメディア企業を標的にしている。米国と中国の貿易摩擦も懸念される。

 従ってBCAは、投資家の「過度に楽観的」な利益予想は裏切られる可能性があるとみている。S&P500指数構成企業の今後3〜5年間の増益率は、平均で年率16.5%と予想されている。これは3年前の予想増益率よりも6%ポイント高く、2000年のハイテクバブル時の18.7%に次ぐ水準である。

 企業利益の力強い伸びは、現在の強気相場を通じて、米国株式市場の大幅なアウトパフォームの原動力となってきた。その力は、来年には弱まり始めるかもしれない。



 米財政赤字1兆ドルは懸念すべきか

議会の奇跡的な行動がなければ、年間1兆ドル規模の財政赤字が復活することに PHOTO: NEW STUDIO
By
Jack Hough
2018 年 9 月 18 日 10:11 JST 更新
• 債務増加
 10月に米国の会計年度が始まる。議会の奇跡的な行動がなければ、年間1兆ドル規模の財政赤字が復活することになる。
 公的債務は、9月末の15兆7000億ドル、国内総生産(GDP)比78%から、10年後には28兆7000億ドル(同96%)に増加することになる。米議会予算局(CBO)によるこの予想は、経済成長率、インフレ率、雇用および金利に関する妥当な想定に基づいているが、幾つかの重要事項を含んでいない。米国土木学会は2025年までに1兆4000億ドルのインフラ投資が必要と推定しているが、これは含まれていない。また、金融危機や戦争の勃発(ぼっぱつ)、あるいは天災の増加なども考慮しておらず、トランプ大統領による減税の一部が2025年に終了するとも想定している。

公的債務の国内総生産(GDP)比
 債務を今後30年間にGDP比78%の水準に維持するだけでも、莫大(ばくだい)な額の予算削減が必要となる。その額は、来年度は4000億ドルで、2048年までに6900億ドルへ緩やかに増加する(2019年価格)。対して2017年度の国防費は5900億ドル、裁量的支出は6100億ドルだった。その他4兆ドルは、社会保障などの義務的経費と、負債の利払いとなっている。
 下院共和党は先週、新たな減税案「減税2.0」を発表した。主な内容は家計や零細企業向けの減税だが、歳入のさらなる減少と財政赤字の増加は、納税者の慰めにはならない。納税者1人当たり債務は16万4000ドルだが、今後10年以内に25万ドルを超えると見込まれている。
 債務主導の破滅が近い将来に発生する確率は低いとみられるため、株式および債券投資家に対する差し迫った警告はない。実際、市場に対する最大のリスクは、平穏な状況に現状への安心感が高まることだ。米国10年債利回りが約3%の水準でも、米国債を喜んで買う投資家は確実に残っている。

 全ての財政赤字が悪者ではない。2012年度までの4年間の年間1兆ドルを超える財政赤字は、金融システムのテコ入れに役立ち、深刻な景気後退が長期的な不況に変わることを阻止した。ケインズ派経済学者は、景気が落ち込んでいる際には需要刺激のための財政赤字と減税を求め、景気が活況な際の財政黒字で回収できると言うが、現実には財政は黒字化していない。
 債務増加率が経済成長率よりも低ければ、負担は徐々に軽減される可能性がある。実際、第2四半期GDP成長率は債務増加率を上回ったが、一時的な下支え要因によるものだった。
 CBOは今後10年間について、実質GDP成長率を年率約1.7%、名目GDP成長率を同4.0%と予想しているが、も年々増加し、対GDP比で平均4.9%を締め続けると予想されている。経済成長率が現在から低下する理由は、ベビーブーマーの退職という人口動態的な要因が大きい。
• 歳出削減策

 対外援助削減、浪費や不正行為の排除、福祉の抑制といった一般的な解決策は役に立たない。広義の対外援助は年間約500億ドルにすぎず、わずかな節約にしかならない。米会計検査院は、連邦組織全体の2017年度の不正支出を1410億ドルとしているが、新たなコンプライアンス措置に多額を費やさずにこの額を減らすのは困難だ。福祉給付を広く捉え、所得制限の対象となる給付プログラム全体を指すと考えた場合、本年度の総額は7420億ドルに達する。しかし、所得制限の対象外である2兆1000億ドルの義務的給付プログラムと比較すると小さい。
 無党派の市民グループであるコンコード連合のロバート・ビックスビー氏は、「政治的に容易な手段はない。問題は給付プログラムで、ベビーブーマーは既に受け取り始めている」と語る。同氏は、悪化が続く社会保障の財政状況はベビーブーマーの退職が収束すれば安定する可能性があるが、好転はせず、同時にメディケア(高齢者向け医療保険制度)の課題は増すばかりだ、と指摘する。
 ルービン元財務長官も、財政赤字削減策として、メディケア費用の伸び抑制と歳入増を挙げる。同氏は、「費用に焦点を当てた包括的なヘルスケア改革が必要だ。メディケアとメディケイド(低所得者医療保険制度)の費用の伸びを抑制できれば、目標の半分は達成できる」と言う。残る半分は歳入だ。1998年から2001年までの財政黒字の期間において、年間歳入の対GDP比は19〜20%だった。その割合は今後数年間で16.4%に低下して底を打ち、減税が解消されれば反発すると予想される。
 財政赤字を容認する減税がそれに見合う経済成長を達成できるという理論は、ほとんど賛同を得ていない。しかし、財政改革が経済成長にとって良いことであると考える理由は数多くある。利払いは抑制され、民間投資が政府借り入れに取って代わる。CBOは、今後30年に債務を対GDP比78%に維持するだけでも、人口1人当たり国民総生産(GNP)は4.5%増加すると推定している。

 前回、債務に対して抜本的な対処を試みたのは、オバマ前大統領時代の2010年のシンプソン・ボウルズ計画だった。2020年にかけて約4兆ドルの財政赤字削減を目指し、裁量的支出の削減、社会保障とメディケアの改革、所得税・法人税減税と並行した税控除の撤廃をその手段としたが、議会での採決には至らなかった。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領も債務削減に取り組んだ。民主党が支配する議会は、税収の増加がなければ歳出削減に同意しないと主張した。しかし、ブッシュ元大統領は、1ドルごとの歳入増に対する約2ドルの歳出削減を盛り込んだ超党派合意を取り付けた。その結果、ブッシュ氏は1992年の大統領選挙で敗北した。次のクリントン元大統領は1993年度予算でも赤字削減に引き続き取り組んだ。
 財政赤字の対GDP比は、1992年の4.5%から5年後にはほぼゼロへ減少し、その後財政黒字に転じた。ここから得られる教訓は、財政改革はナルシストまたは栄光を求める人々の仕事ではないということだ。
• 当面は心配無用
 良いニュースは、議会が財政赤字に対処する勇気を持った場合、金融市場が協力する公算が大きいとみられることだ。
 JPモルガンのエコノミストは最近の分析で、米国に似た諸外国の第2次世界大戦以降の過去の債務不履行、ベイルアウト(救済)およびインフレ率急上昇を調査した。その結果、任意の5年間において、上記が発生する確率は6%未満だった。統計的には、債務水準と危機の関係は驚くほど弱い。つまり、危機は、債務の対GDP比が現在の米国よりも低い国で発生しており、同比率が高くても危機を回避できた国もあった。多くの危機は、各国固有の通貨に関する問題が理由であり、米国にはあまり当てはまらない。
 エコノミストは、「米国の債務危機を懸念するのは時期尚早」だが、「債務によって生み出された脆弱(ぜいじゃく)性における過去の教訓も無視すべきではない」と結論付けた。

 T.ロウ・プライスの米国課税債券チームを率いるアンディ・マコーミック氏も、当面に関して同様に確信しており、「今後6カ月から2年は問題ない。債務が対GDP比で100%に達した場合、人々が動揺する可能性はあるが、それをポートフォリオに織り込むには時期尚早過ぎる」と語る。
 同氏が正しければ、現在は債券利回りと金利が低位にとどまる中で、財務規律を取り戻すための抜本的な行動を取るには良い機会だ。簡単ではないだろうが、今より簡単になることは今後ないだろう。

 配当投資、金利上昇の影響は?

PHOTO: DUNCAN CHARD
By
Lawrence C. Strauss
2018 年 9 月 18 日 10:06 JST
• 幅広い金利上昇の影響
 生活必需品や公益事業など、超低金利の時期に現金配当を行った企業にとって、今年は厳しい年となっている。今後その状況はさらに厳しくなる可能性もある。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が短期金利の引き上げを続ける中、金利はより広い範囲で上昇している。10年物米国債利回りは昨年末の2.43%から直近で2.95%に上昇した。バンクオブアメリカ・メリルリンチで米国株式とクオンツ戦略を統括するサビタ・スブラマニアン氏は、このような状況で「投資家は現金や短期債といった伝統的な利回りの源泉に戻る可能性がある」と述べる。
 公益事業、素材、生活必需品の各セクターは、年初来のリターンが市場をアンダーパフォームしている。S&P500指数に含まれる不動産企業のリターンは2%未満と、金利上昇の影響を受けて低迷している。
 2008年の金融危機以降、FRBが量的緩和策の一環で金利を引き下げると債券利回りは低下し、投資家が代替となる投資先を求めた結果、配当利回りの高い企業の株価が上昇した。しかし、その希少価値は徐々に低下しているうえ、公益事業や電気通信サービスセクターの企業は多額の債務を抱える傾向があるとスブラマニアン氏は指摘する。低金利下では問題なくても、「信用スプレッドが縮小以外の方向に動いたら、債務の大きさが問題化するだろう」と同氏は警告する。
 スブラマニアン氏は、公益事業と不動産の各セクターをアンダーウエート、生活必需品と電気通信サービスの各セクターをニュートラルと評価している。電気通信サービスの2大銘柄はAT&T(T)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)で、それぞれ配当利回りは6%と4.4%となっている。
• 配当利回りを狙った投資は慎重に
 クレディ・スイス証券で株式ストラテジストを務めるパトリック・パルフリー氏は、高配当利回りのセクターを2種類に分類している。一つ目は、公益事業、不動産投資信託、電気通信サービスなど伝統的に利回りに敏感なグループだ。一方、生活必需品とヘルスケアを別のグループとしているのは、少なくとも理論的には、その一部が株主還元のための多額のキャッシュを創出できることによる。
 年初から金利上昇が続いているうえ、労働市場がひっ迫していることから、賃金上昇の可能性も高い。このことはさらなる金融引き締めにつながり得る。金利上昇に伴い、「10年債を保有できる場面で、公益事業や電気通信サービスの株式保有を正当化することはだんだん難しくなってくる」と同氏は指摘する。
主要ETFの比較

 SPDR S&PファーマシューティカルズETF(XPH)の年初来のリターンは12.2%と、S&P500の9.24%を上回った。株価上昇もその一因だが、製薬大手数社は配当利回りが魅力的な水準にある。メルク(MRY)の配当利回りは2.8%、イーライリリー(LLY)は2.1%、ファイザー(PFE)は3.2%、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)は2.7%となっている。
 一方、コンシューマー・ステープルズ・セレクト・セクターSPDR ETF(XLP)の年初来のリターンはマイナス3.18%だった。パルフリー氏によると、アマゾン・ドット・コム(AMZN)をはじめとするオンライン小売企業の台頭により利益率が圧迫される中でも、生活必需品企業のバリュエーションは高い。ステープルズETFの価格は、構成企業の2019年アナリスト予想利益のほぼ18倍となっており、SPDR S&P 500 ETF(SPY)の16.2倍を上回っている。
 ヘルスケア大型株の予想株価収益率(PER)は来年の利益予想の16倍弱、年初来のリターンは12.8%とS&P500指数を上回っている。
 スブマラニアン氏は、公益事業など従来の高配当利回りセクターについて、投資家は今後も慎重さを保つべきだと述べる。同氏は「配当利回りの高いセクターは、過去の景気サイクルのときと比べてリスクが高くなっている可能性が高い」として、景気後退時に過去と同様の底堅さを示すかは分からないと付け加える。
 パルフリー氏は、配当利回りにあまりとらわれ過ぎないことが重要だと述べる。投資家は配当の源泉を把握するべきであり、それが強力なフリー・キャッシュ・フローであれば理想的だ。

 
金融危機回顧、ポールソン元米財務長官に聞く
ジョージ・W・ブッシュ政権下で財務長官を務めたヘンリー・ポールソン氏(2007年)
ジョージ・W・ブッシュ政権下で財務長官を務めたヘンリー・ポールソン氏(2007年) PHOTO: DANIEL ACKER/BLOOMBERG
By William D. Cohan
2018 年 9 月 18 日 10:11 JST 更新

? ベアー・スターンズ

 金融大手ゴールドマン・サックス・グループの元最高経営責任者(CEO)であるヘンリー・ポールソン氏は、ジョージ・W・ブッシュ政権下で財務長官を務め、2008年の金融危機に対応した。

 72歳になった同氏は現在、シカゴ、ワシントン、北京にオフィスを構える超党派の「シンク・アンド・ドゥ」タンク、ポールソン・インスティテュートを運営している。そのシンクタンクは、環境の維持と保全を重視しながら米国と中国の経済関係を強化することをテーマにしている。

 本誌は、ブラジルでの環境アドベンチャー休暇から戻ったばかりのポールソン氏に電話で取材し、10年前の金融危機を振り返ってもらった。

 本誌:金融市場で異常な数の問題が起きかけているかもしれないと最初に気付いたのはいつだったのか? 2007年2月にサブプライム住宅ローン担保証券のベンチマークであるABX指数が急落したときか、2007年の4月から5月に証券大手ベアー・スターンズ傘下の二つのヘッジファンドが破綻したときか、それとも別のタイミングだったのか? 2007年の初めには既に気付き始めていたのだろうか?

 ポールソン氏:その二つの出来事は点滅している黄信号だったが、私に関する限り、金融危機が本格化したのは2007年8月の初め、フランスの金融大手BNPパリバが傘下の三つの投資ファンドで解約を停止したときだった。それによって流動性の凍結が本格的に始まり、その後加速していった。危機が始まるまでの1年間にブッシュ元大統領、バーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長、ガイトナー元ニューヨーク連銀総裁、連邦議会議員らと強い協力関係を築くことができたのは本当に幸運だった。

 われわれが金融システムの救済が必要かもしれないと考え始め、緊急時対応策を練り始めたのは2008年の春のことだった。

Q:ベアー・スターンズが実質破綻した後ということか?

A:正確な日付は覚えていないが、ベアー・スターンズが実質破綻したときには既に対応策に取り組んでいた。その年の春には取り組みが始まっていて、ベアー・スターンズの破綻後に強化されたということだ。

 行動しなければいけないという大きな責任を感じながら、緊急時に必要な権限を持ち合わせておらず、それを連邦議会からも得られないと分かっていたので、かなりのフラストレーションがあった。緊急時に必要な権限を議会から得ようとして失敗したら、防ごうとしていた危機を引き起こしてしまうことも以前から承知していた。

 ベアー・スターンズに関して言えば、事前に対策を練っていたとしても役には立っていなかっただろう。当時の市場は流動的で、われわれは急激に変化する未知の領域で対応に当たっていた。従って金融危機が始まる前、あるいは始まってすぐに計画していたようなことは、状況が悪化していく中であまり役に立たなくなっていたはずだ。

Q:当時、ベアー・スターンズを救済するために必要なことをしなければならないと考えていた理由は?

A:「できることは何でもやる必要がある。同社が破綻した場合、どれほどひどい状況になるのかは分からないが、非常事態に陥る大きなリスクはある」というのがわれわれの考え方だった。じっくりと議論している場合ではなかった。

 通常の市場環境であれば、ベアー・スターンズの破綻は米国経済にとって打撃とならなかっただろう。われわれは、同社の破綻を受け入れるには金融システムが脆弱(ぜいじゃく)過ぎる、不安に突き動かされていると考えていた。ベアー・スターンズ救済劇がモラルハザードを生み、リーマン・ブラザーズの破綻を促したと主張する人もいるが、私はその逆だと信じている。われわれはそのおかげで惨事を免れ、連鎖的な破綻を回避することができた。

 ベアー・スターンズが破綻していたら、ヘッジファンドはすさまじい勢いでリーマンを追い詰めたことだろう。リーマンはすぐに破綻し、その結果は実際の9月の破綻よりもかなりひどいことになっていたはずだ。その間には連邦住宅金融抵当金庫(フレディマック)と連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)の一時国有化やバンク・オブ・アメリカによるメリルリンチ買収などがあったからだ。ファニーとフレディを安定化させる前にそうしたことが起きていたらどうなっていたかを想像すると恐ろしい。

Q:リーマンのCEOだったリチャード・ファルド氏であれば「規模ならわが社の方がベアー・スターンズよりも大きい」と主張しただろうという見方もあるが、ベアー・スターンズが実際に破綻していたらどうなっていたと思うか?

A:リーマンはそのすぐ後に破綻していただろう。銀行間貸出市場は機能を停止していた。ベアー・スターンズの救済後、私は諸外国の財務相から「われわれは全く安心できない。米国の投資銀行と取引する理由が見当たらない」という意見をよく聞いた。そこには多くの不安があった。

Q:その年の夏が終わった頃、最悪の事態は避けられたと考えていたのか? それとも、ベアー・スターンズが救済され、フレディとファニーが一時国有化された後でも事態はもう一段階悪化しそうだと考えていたのか?

A:ベアー・スターンズはわれわれにとって大きな警鐘となり、事態がもう一段階悪化する可能性や、それに対応するために必要なツールがないことへの焦燥感を高めた。われわれには、債務を保証したり投資銀行を含めたノンバンクに資本を注入したりするためのツールがないことは法律家から聞かされていたが、われわれにそれを許可する権限がどこにもないことが信じられなかった。

 そこでわれわれは司法省をはじめ、行けるところ全てに行き、買い手なしには破綻しかけているノンバンクを救済するのに必要な権限がないことを知った。バーナンキFRB元議長と私はリーマンのようなノンバンクの破綻を管理する権限がないことについて、バーニー・フランク元下院議員に相談した。

 同議員はわれわれが恐れていたことを理解し、納得した。ただしリーマンが破綻すること、それによって米国経済が深刻な打撃を受けることを確信しない限り、議会は動いてくれないだろうと教えてくれた。だからといって警報を鳴らせば、リーマンはすぐにも破綻していただろう。私はベアー・スターンズの救済を例に挙げてファニーとフレディも大き過ぎてつぶせないという考え方を示し、両公社に資本調達を約束させ、リチャード・シェルビー上院議員、クリス・ドッド上院議員との4月初めの会議でこれを利用して、それまでファニーとフレディの機能強化法案の提出に消極的だった2人を説得、その法案の上院での審議を活性化させた。

 その後、ガイトナー元総裁と私はリーマンに関して戦略的出資者を見つけるか、身売りをするかすべきだと考えてファルドCEOを積極的に説得し始めた。われわれはそうした取り組みを加速させ、多くの緊急時対応策を練ったが、それでも安心はできなかった。

? リーマン・ブラザーズ

Q:何度も聞かれた質問だと思うが、政府はなぜリーマンを救済しなかったのか?

A:われわれの回答は一致していないように思えるかもしれないが、バーナンキ元議長、ガイトナー元総裁、私の3人は、システム上重要な金融機関の破綻を防ぐという決意で一致団結していた。ところが、米国の規制システムは分断された時代遅れの代物だった。十分な監視や現代の金融システムの大部分への可視性がなく、資本注入したり、債務を保証したり、ノンバンクを段階的に縮小するのに必要な緊急時の権限もなかった。従ってわれわれはケースバイケースでできることを何でもした。

 議会が不良資産救済計画(TARP)の実施を可能にする金融安定化法を通過させるまでに、われわれは破綻しかけていた4つのノンバンク、ベアー・スターンズ、メリルリンチ、リーマン、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対処していた。買い手が見つかったメリルリンチは政府の救済を受けなかった。JPモルガン・チェース(JPM)のような資本力の十分ある買い手が見つかったベアー・スターンズも幸運だった。株主総会で決議されるまでの間、JPモルガンがベアー・スターンズの負債を保証したことも大きかった。

 リーマンに関してはその負債を保証する覚悟と能力がある買い手が必要だったが、見つからなかった。そうした買い手なしで連邦政府が融資を容認したとしても、額が不十分だったり、効果が薄かったりして取り付け騒ぎは阻止できなかっただろう。それには資本を注入するか、負債を保証するかしなければならなかったが、連邦政府にそうした権限はなかった。ここに多くの人々が見過ごしたポイントがある。パニックの最中、市場参加者は自分で投資判断をする。彼らがリーマンに関して存続可能、または支払い能力があると考えなければ、流動性不足を補うだけの連邦政府による融資があったとしても破綻は避けられなかっただろう。当時、リーマンに関してそう考える者などいなかった。

? アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)

 ところが、AIGの破綻やそれに伴う悪影響は連邦政府による融資で回避された。というのもAIGは個別に信用格付けされた複数の保険会社を保有しており、連邦政府も市場も、そこには融資を十分に担保し持株会社の流動性不足を補う融資を受けた後のAIGの存続を確実にするだけの価値がある、と考えたからだ。

 その数カ月後に損失が積み重なると、AIGは格付け会社に存続可能だということを示すために政府から資本注入を受けリストラを実施した。幸いなことに、当時のわれわれにはそれだけの資本があった。

 終わってみれば、AIGへの融資は成功だった。AIGが破綻していたら、リーマンの破綻よりもはるかにひどい状況になっていたはずだ。政府がAIGに注入した資金は全て返済された上に大きな利益ももたらした。うまくいって良かったが、実際はみっともない話である。

 AIGは良い教訓になった。金融規制システムが現代の金融市場についていけないという状況を許すべきではない。一つの規制機関ではAIGに対して可視性を要求したり、監督権や十分な権限を持ったりすることができない。AIGが保有する複数の保険会社は州レベルで規制され、そうした保険会社の上であぐらをかいている巨大ヘッジファンドのような持株会社は、住宅金融大手のカントリーワイドやインディマック、貯蓄・貸付組合のワシントン・ミューチュアル、GEキャピタルなども担当した無能な貯蓄金融機関監督局(OTS)によって規制されていた。こうした企業は規制当局を自ら選んできた。詰まるところ、規制逃れなのだ。

債券下落、米金利先高警戒感で−日銀オペ結果受け超長期安い (訂正)
三浦和美
2018年9月18日 7:57 JST 更新日時 2018年9月18日 16:33 JST
• 長期金利は0.11%に上昇、30年と10年の利回り格差が拡大
• 外部環境的には円金利が下がる要因あまりない−岡三証
債券相場は下落。米長期金利の先高警戒感や、安倍晋三首相が先週末に日本銀行の出口戦略に言及したことを背景に売り圧力が掛かった。また、日銀が実施した国債買い入れオペで超長期債の需給緩和が示されたことから利回り曲線はややスティープ(傾斜)化した。
  18日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.11%で取引を開始し、その後も同水準で推移した。超長期債利回りの上昇幅が大きくなり、30年債と10年債の利回り格差は約1週間ぶりの水準に拡大した。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「雇用統計以降、米経済指標の上振れが目立っており、米長期金利が上振れするリスクが意識される」と指摘。「今日は日本株が高く、円安方向となっており、外部環境的には円金利が下がる要因はあまりない」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は前営業日比6銭安の150円21銭で取引を開始。一時は150円19銭まで下落し、結局は7銭安の150円20銭で引けた。
  17日の米国債市場では、米10年債利回りが一時3%を超えて5月以来の水準まで上昇。結局は前営業日比1ベーシスポイント(bp)低い2.99%程度で引けた。
  安倍首相は14日、自民党総裁選に向けた日本記者クラブ主催の公開討論会で、日銀の異次元緩和について「ずっとやっていいとは全く思っていない」と述べた上で、自らの在任中に出口戦略への道筋をつけたい考えを示した。具体的な時期や手法は「黒田東彦総裁に任せている」と語った。
  トランプ米政権は17日、中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当への10%の追加関税を来週発動させるとともに、来年には同関税率を2倍超に引き上げると発表した。
日銀買いオペ
  日銀はこの日、長期と超長期ゾーンを対象とする国債買い入れオペを実施した。各ゾーンの買い入れ額は前回から据え置かれた。応札倍率は残存期間5年超10年以下が2.50倍、10年超25年以下が3.23倍と、前回からやや上昇。25年超は4.08倍と前回の2.67倍を大幅に上回った。
  岡三証の鈴木氏は、オペの結果について、「応札倍率が前回から上がっており、やや売りがあったようだ。25年超は特に弱い印象がある」と話した。
過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。
新発国債利回り(午後3時時点)
前週末比
2年債 不成立
5年債 -0.065% +0.5bp
10年債 0.110% +0.5bp
20年債 0.615% +0.5bp
30年債 0.845% +1.0bp
40年債 0.980% +1.0bp
(本文末尾の利回り表を訂正します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-17/PF7Z1E6KLVR501?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/505.html#c1

[経世済民128] 世界恐慌を予言した人たち 彼らはなぜ金融緩和に批判的なのか(日経BizGate) 赤かぶ
1. 2018年9月18日 19:29:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1494]

金融政策は緩和と引き締めを景気を見ながら行うものだし、

金融緩和期での資産価格の高騰や、引き締めに転じる時の

資産価格の急落は、当り前の話であり、それを指摘したところで

ほとんど意味はない


よって次の景気後退で

米株価の調整が、リーマンショック以上になる可能性も

(トランプが、これ以上、保護貿易や、放漫財政を続けず、規制緩和も行わない場合は)

かなり低いだろう

また

>金融緩和が長期にわたるほど、反動のリスクは大

これを一般化するのは明らかに間違い

日本のバブル崩壊が、あれだけ巨大な収縮であったにもかかわらず

世界経済にほとんど波及せず、国内問題で終わったこと

さらに、家計へのダメージが非常に小さく、企業へのダメージが大部分であったことからもわかる

ただ企業へのダメージコントロールに失敗して金融緩和を十分行わなかったことが、20年デフレの根源でもあり

世界のトップ企業から、日本が消えさり、

今の企業の投資不足や超少子高齢化にもつながっている可能性は非常に高い


よって、遥かに問題なのは、金融機関の決済機能と投資機能を分離しないこと

現状でも、債務膨張による資産バブルがグローバルに拡大していることだ


これは本来、融資や投資への規制、税制強化によって行わなければならないが

バブルが崩壊するときには、大体、規制は弱体化している

そして今の米国は、まさに規制強化に逆行している


さらにトランプの保護貿易政策という、遥かに害は大きいこともやっているのだから

いずれ世界規模の景気後退が来るのは、ほぼ確実ということだ


またリーマンショックとは異なり、保護貿易の悪影響で、スタグフレーションとなる可能性も低くはない

その場合、日銀も、現状のような超緩和的な金融政策は、変えざるえないが

社会保障の構造改革が進まない現状では、基本的には、緩和的な政策は、まだ、かなり長期にわたって続くことになるだろう

それでインフレが悪化するかどうかは、その時の国内生産力次第ということになるし

経済には、温暖化や巨大災害要因も効いてくるから


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/505.html?c1#c1


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/503.html#c1

[経世済民128] リーマン後10年で世界に溜まった「次の危機のマグマ」の実態 もし次が起こったら、日本は…(現代ビジネス)? 赤かぶ
1. 2018年9月18日 19:41:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1495]

>その衝撃を和らげる政策的な余地・のりしろがないことを肝に銘じておくべきである。次の危機が起きた時、日本には服用できる痛み止めの薬がなく、リーマン・ショックよりも深刻な事態に陥る

これも良く言われることだが、完全な誤り

リーマンショックは、日本においては単なる需要ショックによる企業利益崩壊と雇用喪失だから

財政支出拡大による失業者対策、必要な国内インフラ投資の拡大、そして金利上昇を防止するための金融緩和(つまりアベノミクス)を、しっかり行うべきだったが

愚かな民主党は、逆噴射して消費税を言い出し、完全に失敗した


よって次の危機こそ、きちんとアベノミクスを行うことが重要

ただし、社会保障を中心とした構造改革を疎かにして、いつもの地方などへの非効率なバラマキを行うのであれば

さらに経済が衰退していくことになるし、キャピタルフライトによるインフレと

実質可処分所得の減少(年金高齢者を中心とした貧困化と生活破綻)も、かなり進むことになる


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/504.html#c1

[経世済民128] 幸福度指数が世界トップレベルのオーストラリアの不思議 定年バックパッカー海外放浪記 オーストラリア自転車&キャンプ旅2 うまき
1. 2018年9月19日 12:20:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1496]
豪州中銀議事録(2018年9月18日公表9月4日開催分)
(出所:豪州中銀HPから)

今回の議事要旨も過去の内容と大差ありません。今回は米中貿易問題が前回より激化した点や中国経済に関し詳しい記述などを加えています。今回の訳もあまり言及していなかった点を中心にして、簡単に和訳しています。

以下は豪州中銀の金融政策の議事録要旨の一部抜粋をお送りします。

(議事録要旨)
(世界経済)
米国経済は更に拡大、ユーロは2018年上半期で少し緩んだが、それでも成長トレンド以上の伸び。日本経済の6月期は拡大した。中国・日本除くアジア地域はトレンド以上の伸びを示している。但し、企業投資は幾つかの国で鈍化している。これらの地域の消費は依然強い。

世界経済で貿易に関する緊張が一段と高まっている。特に米中2国間の関税問題は8月末、更に拡大した。一方で、米墨は新たな貿易協定を締結した。
中国に関して、経済活動の伸びは幾つかの部門で鈍化した。小売売上高の伸びは下がり、とりわけインフラ投資が弱かった。白もの製品や繊維を含む、消費関連商品の国内生産が減少した。委員達は幾つかの生産部門が中国から他の国に移転したことを確認した。対照的に、建設に使われる鉄鋼・ガラス等は増加した。
商品価格は前回会合以降、強弱混在している。鉄鉱石価格は下落し、石炭価格は上昇した。しかし、年初の高い水準からは下がっている。


(国内経済)
西オーストラリア地区の資源投資サイクルで下落していた状態からは改善した。この地区の企業状態報告からみると、以前よりは改善しているが、他の地区から見るとまだ低い。しかし、賃金の伸びは他の地区より高くなり、人口は他の地区より低いものの増加している。
豪州全体でみると、6月末期の成長は年末ベースの潜在成長力を越えると予想している。委員達は前回報告された見通しは上方修正されると見ている。
賃金は緩やかに伸びている。最近の最低賃金上げの効果で9月末期の賃金は上昇すると委員達は確認した。
 
{その他、住宅、企業投資、輸出などの訳は略します。}

{金融市場の訳は下記除き略します。}
為替市場において、米国ドルは他の主要市場に対してほとんど変わらなかった。貿易加重平均ベースで、年初より約5%米ドル高になっている。他の通貨の流れにそって、豪ドルは対米ドルで安くなった。しかし、過去数年間の狭いレンジ内で推移している。

また、金融市場の価格を見ると、キャッシュレート(中銀レート)は暫くの間、変更なしと予想しているようだ。

(金融政策)
最近の経済データを見ると、国内成長は6月末期に潜在成長を上回った。これは強い公共事業、資源輸出、非鉱山関連企業投資の拡大、堅調な消費により支えられている。企業状況は依然ポジティブであり、最近の労働市場データもポジティブである。失業率は5.3%まで下がり、これは鉱山開発ブームに沸いた2012年のピーク以降最も低い数値になっている。

労働需要の先行指標を見ると、雇用は平均以上の伸びが見込まれる。失業率は5%程度まで改善すると予想される。賃金は高い稼働率を埋めるべく徐々に上昇していくだろう。また、最近のデータはGDPの伸びが平均以上であり、インフレも恐らく上がっていく予想は変わっていない。しかし、委員達は海外からの不確実性や低い賃金の伸びに関するリスクが引き続きあることを確認した。

現状の環境や取り得るデータを勘案し、委員会は現状の金融スタンスを維持し、これにより持続的成長に繋げ、インフレを中銀目標値内に達成できると見ている。
委員会は現行のキャッシュレートを1.5%のまま据え置くことを決定した。
(要旨は以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

相場は今日の議事録ではほとんど材料視されていません。但し、日中の動きは米ドル安・円安の流れから、豪ドルやユーロなどが買われ、豪ドルは高値0.7221米ドルを付けて、0.7195〜0.7200米ドルまで小反落しています。シカゴポジション145内にある最初の抵抗線0.7230〜40米ドルに止められ、次の一手を模索中になっています。(2018年9月18日16時30分、1豪ドル=0.7200米ドル)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/507.html#c1

[経世済民128] 米中貿易戦争、長期化へ 22兆円相当の制裁第3弾 税率10%の狙いは(SankeiBiz) 赤かぶ
1. 2018年9月19日 12:27:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1497]

>今回の2000億ドル相当では、中国の主力輸出品である衣料品や家具などの消費財が多数含まれ、米中双方の経済への影響が懸念

今回は、まだ元安で凌げるレベルだが

仮に25%まで関税が上昇すると、元安ではキャピタルフライトやインフレが悪化することで

かなり中国経済は危機的な状況になるし、その深刻な影響は、欧州、豪州やアジア日韓を通じて

トランプの米国と、多くの国民にも大きなダメージをもたらすことになる


不毛な貿易戦争とは、そういうものだが

それによって中国の影響力や生産力を徹底的に叩き潰すことができれば

自国民を含む世界の貧困化という犠牲を払って米国の覇権自体は、長期化するだろう


しかし、そう上手くいくかどうかは、また別の話だ

中間選挙で敗北して弾劾、というリスクも高まっている


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/514.html#c1

[経世済民128] もはや「経済成長」では働き手が幸福になれない理由(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年9月19日 16:44:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1498]

>もはや「経済成長」では働き手が幸福になれない

別に、昔から、国が経済成長したからといって

全国民が幸せになったわけではない

ただし一人当たり実質GDPが下がると、多くの国民の幸せ感は下がる


>安倍長期政権を生み出したのは、成長志向の政策が経済界の利害と合致し、失業率や求人倍率など、雇用指標が“改善”したことが、就職環境に敏感にならざるを得ない若者の支持につながったから

と言うより、デフレ不況で若年失業率が高いのに増税を持ち出すような民主党政権が酷すぎたからだろう

つまり、そういう時期には、失業率や、名目賃金は、幸せ感(不幸感)との間に強い相関をもつ指標になる


>所得の分配は賃上げより労働時間短縮で

これもケースバイケース

例えば超少子高齢化と寿命延長で、国民負担の増加が止まらず、

長生きリスクと将来不安が高まっている場合


暇な時間が増えることより、貯蓄の増加や労働期間の延長が、

幸福感(安心感)の増大につながる国民の割合を高めることになる


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/519.html#c1

[経世済民128] リーマン対応の日銀の社債購入、抜け出せぬ呪縛ーゾンビ温存も 日銀:金融政策は現状維持、片岡、原田両委員が反対 株は大幅続 うまき
2. 2018年9月19日 19:26:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1499]
2018年9月19日 / 17:38 / 2時間前更新
金融緩和、いつまでも続けたいわけではない=黒田日銀総裁
1 分で読む

[東京 19日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後に記者会見し、「金融緩和にしても金融引き締めにしても、いつまでも続けたいということはない」と述べた。物価2%目標に向けて金融緩和を続ける方針を改めて強調する一方、早期に目標を達成して金融政策を正常化させたい意向を示した。

日銀は7月の前回会合で、副作用に配慮する形で、長期金利の上振れを一定程度容認するなど、政策の枠組み修正を決定。今回の会合でも、その方針を維持することを決めた。

黒田総裁は、政策修正後の国債市場動向について「ひところよりも取引が活発化し、国債の値動きも幾分増している」と分析した一方、「例年夏場は市場取引が細りやすく、実勢が見極めにくい。このタイミングで今回の措置の効果を評価するのはやや性急だ」と述べた。

出口戦略を巡っては、安倍晋三首相が14日の自民党総裁選の討論会で、異次元緩和を「ずっとやっていいとは全く思っていない」と言及。黒田総裁は、首相発言へのコメントは控えたが、「物価目標をできるだけ早期に達成して正常化プロセスに入りたいというのは、どこの中央銀行でも同じだ」とした。

通商問題など海外発のリスク要因を巡っては「メインシナリオを変える状況ではないが、やや強まったとみている」と指摘した。米中の貿易摩擦が長期化する中、「当事国だけではなく、サプライチェーンを通じて世界経済全体に影響を及ぼす可能性がある」との認識を示した。

梅川崇

 


日銀:金融政策は現状維持、修正の評価は「やや性急」と黒田総裁
日高正裕、竹生悠子、藤岡徹
2018年9月19日 11:57 JST 更新日時 2018年9月19日 17:29 JST
長期金利0%、短期金利マイナス0.1%を据え置き
長短金利を当分の間、維持するフォワードガイダンスも据え置き
日本銀行は19日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決定した。片岡剛士、原田泰両審議委員が反対した。日銀は前回7月会合で導入した金融緩和の持続性強化策の効果を見極める構えだ。

  会見した黒田東彦総裁は、7月の政策修正後の債券市場について「ひと頃よりも取引は活発化し、国債の値動きも幾分増している」と分析。ただ夏場の取引は少なくなる傾向があるため実勢を見極めにくいとし、「このタイミングで今回の措置の効果を評価するのはやや性急」との見方を示した。

  今後、国債買い入れを弾力的に運営する中で、経済や物価情勢への市場参加者の見方を反映し、「従来よりも柔軟な形で金利が形成されることなどを通じ、国債市場の機能度が向上していくことを期待している」とも語った。 

  金融政策決定会合では、誘導目標である長期金利(10年物国債金利)は「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」といずれも据え置いた。長期金利の変動を認める方針にも変更はない。

  「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持する」としたフォワードガイダンス(政策金利の指針)や長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」も維持した。指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J−REIT)の買い入れ方針にも変更はなかった。引き続き、市場の状況によって「買い入れ額は上下に変動しうる」としている。

ノーサプライズ
  ブルームバーグがエコノミスト51人に行った事前調査では、全員が現状維持を予想していた。日銀は7月会合で2019年10月の消費増税の影響を含めた不確実性を踏まえ、フォワードガイダンスを初めて導入するとともに、長期金利やETF買い入れ額の変動を容認。その後の市場動向を注視してきた。

  ドル・円相場は結果発表後も小動きで1ドル=112円前半で取引されている。クレディ・アグリコル証券の森田京平チーフエコノミストは電話取材で、市場予想通りに現状維持となり、「あらゆるところにサプライズはなかった」と述べた。

ブルームバーグの事前調査の結果はこちら

  政策金利の指針について、原田委員は物価目標との関係がより明確な指針の導入が適当として反対。長期金利の変動幅拡大は「政策委員会の決定すべき金融市場調節方針としてあいまいすぎる」と批判した。片岡委員も予想物価上昇率の現状評価が下方修正されれば追加緩和を行うとのコミットメント(公約)が適当と指摘した。

  欧米の中央銀行が金融引き締めへ向かう中、異次元緩和を続ける日本でも緩和の出口政策への関心が高まっている。安倍晋三首相は14日、異次元緩和を「ずっとやっていいとは全く思っていない」と述べ、出口への着手を「私の任期のうちにやり遂げたい」との考えを示した。

  黒田総裁は首相発言に対し具体的な言及は避けつつ、「金融緩和にしても引き締めにしても、いつまでも続けたいということはない」と言明。「2%に達成した後も大幅な金融緩和を続ける必要はなく、当然、出口が議論になる」と話した。

リスク
  米トランプ政権が仕掛ける貿易戦争については、7月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)でもリスク要因として言及していた「保護主義的な動きの帰趨(すう)とその影響」を、改めて発表文に明記した。黒田総裁も、保護主義的な動きには「懸念しつつ状況を見ている」としたものの、「今のところ貿易面へ影響は出ていない」と分析した。

  JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは電話取材に対し、「リスク要因として認識したからと言って、緩和手段がない上、副作用の懸念もあるので、日銀に何かできるわけではない」と指摘。保護主義のリスク自体は前から分かっており、「政策的な意味は全くない。市場からすれば完全なノーイベントだ」と述べた。

  米国は17日、中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当への10%の追加関税を来週発動させると発表。中国も米製品600億ドル(約6兆7400億円)相当を対象に報復関税を課すと表明した。月内に予定されている日米首脳会談で自動車関税の引き上げも議題に上る見通しだ。

  決定会合の「主な意見」は28日、「議事要旨」は11月5日に公表する。

(金融緩和の出口についての黒田総裁の発言を追加しました.)
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2018年9月19日 / 19:08 / 14分前更新
WRAPUP 1-黒田日銀総裁「緩和の永続望まず」、物価達成後に政策正常化へ
1 分で読む

[東京 19日 ロイター] - 日銀は18、19日の金融政策決定会合で、現行政策を維持する方針を決めた。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で、物価2%の早期実現に向けて金融緩和を続ける考えを示す一方、大規模緩和を「いつまでも続けたいということはない」と発言。物価目標を達成した上で、金融政策を正常化させたい意向を表明した。

金融緩和を縮小する「出口戦略」を巡っては、安倍晋三首相が14日の自民党総裁選の討論会で「(異次元緩和を)ずっとやっていいとは全く思っていない」と発言した。

黒田総裁は会見で、物価目標の実現に向けた緩和策を「止めたり、途中で変えたりする考えは持っていない」と改めて強調する半面、「金融緩和にしても金融引き締めにしても、いつまでも続けたいということはない」とした。「物価目標をできるだけ早期に達成して正常化プロセスに入りたいというのは、どこの中央銀行でも同じだ」と述べた。

総裁が「物価2%の達成」を出口の前提条件とする一方、首相の発言の根拠は定かではないが、いずれも金融政策の正常化への意欲がにじんだ格好だ。

金融政策は7月の前回会合で決めた方針を維持した。長期金利目標はゼロ%程度としつつ、「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」と明記。上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)の買い入れ目標額や、「市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうる」との表現も据え置いた。

黒田総裁は、政策修正後の国債市場動向について「ひところよりも取引が活発化し、国債の値動きも幾分増している」と分析した一方、「例年夏場は市場取引が細りやすく、実勢が見極めにくい。このタイミングで今回の措置の効果を評価するのはやや性急だ」と述べた。

また、通商問題など海外発のリスク要因を巡っては「メインシナリオを変える状況ではないが、やや強まったとみている」と指摘した。米中の貿易摩擦が長期化する中、「当事国だけではなく、サプライチェーンを通じて世界経済全体に影響を及ぼす可能性がある」との認識を示した。

国内で立て続けに発生した台風や地震などの自然災害については、経済に与える影響は「概ね一時的なものにとどまる」と予測。訪日外国人による消費への影響が長期化しないか、引き続き注視すると述べた。 (梅川崇)

 


ビジネス2018年9月19日 / 18:38 / 44分前更新
焦点:意外高の日本株、海外勢買い戻しなど需給逆回転
2 分で読む

[東京 19日 ロイター] - 日本株が意外高を演じている。特段の好材料が出たわけではなく、むしろ米国による対中追加関税など悪材料が浮上する中での大幅高だ。変化がみられるのは需給面。年初から大幅に売り越していた海外勢が買いに転換し、売り方はショートカバーを余儀なくされている。株高の勢いは強いものの、「ストーリー」が弱い中で本格的な上昇局面に入ることができるのか注目されている。

<グローバル株反転に乗る>

今年年初から9月第1週までの海外勢による日本株の累計売り越し額は、約8.5兆円。いわゆる「アベノミクス相場」での海外勢の年間売り越し額の最高は、15年の3兆2820億円。その2倍以上の売り越しだったが、ようやく買い戻しに動いているようだ。

8.5兆円の内訳は、現物が約4.4兆円、先物が約4.1兆円。「買いの中心は海外勢。ヘッジファンドなど短期筋だけでなく、長期投資家からの買いも入っている」(国内証券トレーダー)という。

ゴールドマン・サックス証券の11日付リポートによると、米国に本拠を置くロングオンリーの44の国際株式ファンドのベンチマークに対するアンダーウエートの度合いは、7月末時点で約8%。アベノミクス開始前の5%を大きく上回っていた。

買い戻しに転じた理由は、割安感や業績期待感、安倍晋三首相の自民党総裁3選への期待(政策安定感や財政刺激策)などが指摘されている。だが、どれも以前から指摘されていた材料であり、目新しいわけではない。

米国による2000億ドル相当の商品への追加関税の実施方針にもかかわらず、反発を続けている中国株にみられるように、グローバル株式全体が反転基調に入る中で、米株と比べて割安感があった日本株にも、海外勢の買いが流れ込んできたようだ。

<慌てたコールの売り手>

いくつかのテクニカル的な節目を突破したことで、CTA(商品投資顧問業者)などトレンドフォロワーが買いに参戦。ショートの踏み上げを伴って意外高となっている構図だとみられている。

中でも冷や水を浴びせられたのがコール・オプション(買う権利)の売り手だ。

相場にこう着感が強まり、指数の大きな変動が見込めない局面では「セル・ボラティリティー」の戦略を取る投資家が現れる。オプションのプレミアムには時間的価値が含まれるため、相場が動かなければ、SQ(特別清算指数)に近づくにつれプレミアムは低下。オプションの売り方は利益を得られる。

日経平均の10月限コール・オプション(買う権利)の建玉が、最も積み上がっていたのは権利行使価格2万3500円。これを突破したことで「コールの売り手が先物を買うことで損益分岐点を上げ、損失を限定させる動きに出た」(国内証券)とされ、裁定買いを誘発したとの指摘もある。

フェアラインパートナーズの堀川秀樹代表は「前週の段階では、2万3500円など考えられない水準だった。日経平均だけの上昇なら心配だが、TOPIXが7月高値を超え堅調なのもポジティブ。2万4000円タッチの可能性については懐疑的な見方もあるが、再びオプション投資家が慌てさせられるリスクがある」と話す。

<昨年秋の再現期待も>

市場では、昨年秋のような上昇トレンド相場を期待する声も出ている。

昨年、北朝鮮情勢の緊迫化や森友・加計学園問題などが警戒され、夏まで日経平均は2万円を下回る水準で推移。だが、衆院解散・総選挙の観測が高まると、9月8日を底に株価は上昇し、10月には過去最長となる16連騰を記録した。

海外勢の売り越しが溜まっていた点や、裁定買い残の減少など需給面での類似点も多い。昨年9月8日安値から11月8日高値までの上昇幅4142円、上昇率21.5%を今年の9月7日時点の日経平均に当てはめると2万6940円。91年4月以来の高値を付けることとなる。

ドルトン・キャピタル・ジャパンのシニアファンドマネージャー、松本史雄氏は「目先は日本株の上昇のトレンドが続きそうだ。もともとバリュエーションは低水準にあった。通常のバリュエーションの年間変動率を考慮しても、2万5000円台にいったん乗せても不思議ではない」との見方を示す。

ただ、依然として日本株を積極的に買う材料は乏しいとの声も多い。「安倍首相3選後に、成長戦略が開花するとは思えない。財政刺激策に頼る姿は昔の日本そのもの。日米通商協議はこれからだ」(国内投信)。消去法的な買いが一巡した後も上昇トレンドを維持できるのか。正念場はこれからだ。

長田善行 編集:伊賀大記


 

日本株は大幅続伸、米中貿易懸念薄れ好業績評価−輸出や金融高い
河元伸吾
2018年9月19日 7:53 JST 更新日時 2018年9月19日 15:44 JST
中国は通商対立終わらせる交渉も、円は1ドル=112円台前半に下落
TOPIXは約3カ月ぶり、日経平均は約8カ月ぶりの高値

The Tokyo Stock Exchange (TSE) building, operated by Japan Exchange Group Inc. (JPX). Photographer: Akio Kon/Bloomberg
19日の東京株式相場は大幅に4営業日続伸。中国が米国との通商協議再開を示唆し、貿易摩擦の解決に向けた動きが好感された。為替相場の円安推移で業績期待も高まり、電機や機械など輸出関連、米長期金利上昇で保険など金融株が高い。

  TOPIXの終値は前日比25.78ポイント(1.5%)高の1785.66、日経平均株価は251円98銭(1.1%)高の2万3672円52銭。TOPIXは6月15日以来3カ月ぶり、日経平均は1月24日以来約8カ月ぶり高値。


東証プレートPhotographer: Akio Kon/Bloomberg
  野村証券投資情報部の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、米中貿易問題は交渉の余地が出てきたため、次の制裁に踏み込むような最悪のシナリオは回避されたと指摘、「貿易問題で上値が抑えられていたマーケットは、好調な企業業績や実体経済の強さに視点が移った」と述べた。企業業績については「為替相場の安定や良好な世界経済を背景に輸出の拡大が続き好調」とし、上期決算発表時に通期計画の上方修正が期待されると言う。

  中国は18日、米製品600億ドル(約6兆7400億円)相当を対象に5−10%の報復関税を24日に発動すると発表。同時に、米国との通商対立を終わらせるためなお交渉の用意があると表明した。また、中国の李克強首相は19日、輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはないと言明した。きょうのドル・円相場は一時1ドル=112円43銭と2カ月ぶりの円安値を付けた。取引開始前に財務省が発表した8月の貿易収支で、輸出は前年比6.6%増だった。

  米中貿易摩擦への懸念後退と輸出好調を受けた日本株相場は大幅続伸して取引開始。先物主導で買い戻しの勢いが強い中、中国上海総合指数の大幅高もあり終日高値圏で推移した。TOPIXは4営業日連続で1%超値上がり、日経平均は4日間で計1000円超上昇した。


  きょうは日本銀行が金融政策決定会合を開き、現状維持を決めた。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、想定通りの決定で相場への影響は中立とした上で、「安倍首相が出口戦略に触れていたためどのような表現が入るが注目されたものの何もなく、多少安心感が広がっている」と話した。決定公表を受けた午後に日経平均は421円(1.8%)高まで上げ幅を拡大した。 

日銀決定会合についてはこちらをご覧ください

東証1部33業種は、米長期金利が3.06%に上昇し利ざや改善が期待される保険、全国全用途の基準地価の27年ぶりプラスを受けた不動産、原油市況高が収益を押し上げる石油・石炭製品のほか、機械、電機、卸売が上昇率上位
空運のみ下落
売買代金上位では中国関連のコマツや安川電機のほか、任天堂やヤフー、リクルートホールディングスが上昇
19年3月期減益計画を発表した関西電力のほか、ファーストリテイリング、ツルハホールディングスが安い
東証1部の売買高は16億235万株、売買代金は2兆9670億円
値上がり銘柄数は1775、値下がりは279
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中国が報復関税、米製品600億ドル相当に−先鋭化する貿易摩擦
英国:8月インフレが予想に反し加速、交通費や衣料が上昇
マクドナルドの税優遇調査が終了、違法な国家補助なし−EU
英国:8月インフレが予想に反し加速、交通費や衣料が上昇
Lucy Meakin
2018年9月19日 18:05 JST
8月の消費者物価指数は前年同月比2.7%上昇ー予想2.4%上昇
食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は2.1%に加速
英国では8月に、予想に反してインフレが加速した。劇場のチケットやコンピューターゲームの価格が上昇したほか交通費と衣料も値上がりした。

  政府統計局(ONS)が19日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と、7月の2.5%からインフレが加速。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は2.4%上昇だった。

  イングランド銀行(英中央銀行)はインフレ抑制のため8月に利上げした。一部エコノミストはインフレ率が年末までに目標の2%に戻ると予想していた。統計発表を受けてポンドは0.5%高の1ポンド=1.3208ドルとなった。

  短期金融市場は次回利上げを来年5月と予想している。食品やエネルギー、たばこ、アルコール飲料を除いたコアインフレ率は8月に2.1%に加速した。


原題:U.K. Inflation Unexpectedly Accelerates on Theater Prices, Fares(抜粋)


 


 
ドル・円が2カ月ぶり高値更新、世界的株高でリスク選好の円売り圧力
小宮弘子
2018年9月19日 11:17 JST 更新日時 2018年9月19日 15:08 JST
112円43銭まで上昇、中国切り下げ否定で豪ドル・円は3週ぶり高値
週末に日米協議あり、ドル・円上抜けは時間かけながら−あおぞら銀
東京外国為替市場ではドル・円相場が2カ月ぶり高値を更新。世界的に株高が進む中、リスク選好に伴う円売り圧力がかかりやすい状況が続いた。

  ドル・円は朝方に1ドル=112円23銭まで小緩んだ後、徐々に値を切り上げ、正午過ぎに一時112円43銭と7月20日以来の高値を更新。その後伸び悩み、午後2時57分現在は前日比0.1%安の112円29銭となっている。

  あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長は、「貿易摩擦は米中の報復もあったが、今のところ景気への影響は軽微という見方で米株が結構上がったし、今日は日経平均も大きく上がっているので、やはりリスクオンの展開になると円は売られやすい」と指摘。その上で、ドル・円については112円半ばをしっかり抜ければ113円台が見えてくるが、週末に日米通商協議という不安材料もあり、「上抜けは時間をかけながらということになるのではないか」と話す。


  前日の欧米株に続いて19日のアジア株は上昇。中国株は続伸し、午後の東京株式市場では日経平均株価が一時421円高まで上げ幅を拡大する場面が見られた。

  クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)では豪ドル・円相場が一時0.5%高の1豪ドル=81円51銭付近と約3週間ぶりの水準まで豪ドル高・円安が進行。中国の李克強首相が輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはないと言明したことが手掛かりとなった。

  諸我氏は、「基本的には緩やかな円安トレンドだと思うが、貿易摩擦懸念が少し緩和されてきたということでドルも売られるので、その意味ではドル・円の上昇や緩やかなものになる」とし、「むしろクロス円の方が上昇余地がある」とみている。

  日本銀行は19日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決定した。金融政策の据え置きは市場の予想通り。この後、午後3時半から黒田東彦総裁の会見が行われる。

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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/518.html#c2

[戦争b22] 積年の防衛費減が招く日米同盟の危機 「トランプ時代」を生き抜くための防衛政策 サイバー空間で発生する新たなグレーゾーンに うまき
1. 2018年9月19日 19:31:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1500]
2018年9月19日 / 18:38 / 44分前更新
〔焦点〕厳しい自衛隊員募集、年齢引き上げ・女性活用でも「静かな危機」
4 分で読む
[東京 19日 ロイター] - 若年人口の減少と国内景気の拡大を受け日本企業は深刻な人手不足に直面しているが、国の安全保障の中心的存在である自衛隊員の募集活動は、さらに困難となっている。自衛官の採用数は2017年度に4年連続で計画を下回り、防衛省は今年10月から、募集対象者の年齢上限を26歳から32歳に引き上げる。 女性の活用も推進し若い男性自衛官の不足を補おうとしているが、このまま採用難が続けば、今後の自衛隊の海外活動や海上の安全保障を守る活動にも制約要因となり得る。「静かなる危機」とも言われる現状について、元防衛副大臣や防衛省幹部、元自衛官などへのインタビューからリポートする。

8月の暑い日曜日。東京・立川市の祭り会場で、屋台から少し離れた場所に自衛隊立川出張所のブースがあった。

自衛隊の活動を紹介しつつ、募集活動も行っている。制服姿の自衛官が数人、机に待機しているが、話を聞きに来る人はほとんどいない。

野澤博司所長によると、前日は約20人がブースに立ち寄ったが、真剣に入隊を考えていた人は「なかなかいない」。所長は「今は、非常に厳しい状況。今後とも募集者獲得のために頑張りたい」と話した。 ブースの横には子ども用の迷彩服が展示され、着用して記念撮影をすることができる。祭りのついでに展示物をみていたという、子どもを連れた近所に住む若い夫婦は、災害救助活動など自衛隊の活動には感謝しているという。子どもが将来自衛隊に入りたいと言ったらどうするかとの質問には「反対はしないが、危険な仕事なので心配」と答えた。

元防衛副大臣の長島昭久衆院議員は、自衛隊の人材不足に危機感を示す。同氏はロイターに「本当に深刻だと思う。20年後、人からロボットに相当置き換えていかない限り、募集の強化で今の戦力機能を保っていくことは難しい」と語った。「日本を取り巻く情勢を考えると、だんだん平和になっていくわけではないから、非常に深刻だ」。 自民党国防部会長で元防衛副大臣の若宮健嗣衆院議員は、業務や機械の省人化、無人化、ドローン、人口知能(AI)などの活用に向けた努力が必要だと説く。

ただ、年末に発表される防衛大綱の見直しに向けて自民党がまとめた提言の中にも、人材確保の決め手となる策は見当たらない。

自衛隊の採用対象人口(18歳から26歳)は、ピークだった1994年の1743万人から、2018年には1105万人まで減少。今から10年後には1002万人まで減る見込みで、その後も同様のペースで減少していくことになる。

自衛官候補生試験の応募者数も、2013年の3万3534人から2017年には2万7510人に減少した。

<自衛隊業務の制約要因>

このトレンドが続くと、自衛隊の現場の活動にとって制約となる可能性がある。元防衛審議官で政策研究大学院大学シニア・フェローの徳地秀士氏は「地域の安全保障上の課題に対応するため、日本は中国の海洋進出や朝鮮半島など、近隣の問題に焦点を当てる必要がある」とした上で、人員不足がこうした業務に影響すると指摘。「悩みの種だ。より少ない人数で、今まで以上の業務をこなす必要がある。簡単な解決策はない」と言う。 長島衆院議員も「もうPKO(国連平和維持活動)などは出せないと思う。そういう選択になる。日本周辺の安全、安定を守っていくために、そこに資源を集中させるしかない」と語った。 自衛隊の定員24万7154人(2017年3月31日現在)に対し現員は22万4422人で、充足率は90.8%。内訳では幹部自衛官の方が充足率が高く、「士」と呼ばれる一番下の階級では73.7%にとどまっている。

軍事組織とジェンダーに関する著書のある佐藤文香・一橋大学大学院教授は、自衛隊の募集対象年齢引き上げは「危機感の表れと受け止めて間違いない」とした上で、階級の低い、若い自衛官の充足率が低いことが問題だと指摘する。 自衛隊は一定期間で若い隊員が入れ替わるよう任期制を導入したものの、数年で終わる制度では若い人にとっては魅力がなく、採用がうまくいかなかったと佐藤氏は指摘する。

そこで今回、対象年齢を引き上げて「たくさんの人に来てもらおうという戦略」を打ち出したと分析する。 これに対し、防衛省人事教育局の廣瀬律子人事計画・補任課長は「若ければ若いほど強いという考えをとった時もあったが、海外でのオペレーションもあり、最先端の装備も入ってきているので、どちらかというと、経験、技能の方がより、今の自衛隊には必要なのではないか」という考えから、「間口を広げよう」としたものだと説明している。

<女性の活用>

もう一つの隊員増強策が、女性隊員の活用だ。防衛省は昨年4月に「女性自衛官活躍推進イニシアティブ」を発表。女性に対する配置制限を撤廃し「あらゆる分野で活躍する機会が開かれる」こととした。

2017年度に6.5%だった女性自衛官の比率を、2030年までに9%以上とする目標も公表した。これらを受け、8月には航空自衛隊で初の女性戦闘機操縦士が誕生した。 また、陸上自衛隊幕僚監部によると、女性自衛官の増員に向けた居住施設などの整備を進めるとともに、家庭と仕事の両立ができるよう、育児休暇後に復職しやすい制度や、緊急呼び出しの際の託児所の設置にも取り組んでいるとしている。

ただ、目標とされる9%はまだまだ低いとの見方もある。米国の女性兵士の割合は15%程度。一橋大学の佐藤教授は、配置制限が撤廃されたといっても「いわゆる『女性らしい』配置につける傾向は変わっていない」と分析する。

<ネットやアニメで募集活動>

自衛隊の募集業務に関わる人員は地方協力本部を中心に約5000人程度で、この10年間ほとんど変わっていない。 募集活動は、地元のイベントに参加して広報活動を行うほか、大学や高校を訪問し説明会を行う。若者にアピールするため、アニメやアイドルを使いソフトなイメージを打ち出すポスター等も多く使用されている。 陸上幕僚監部・募集広報担当の林田賢明3等陸佐によると、2017年度からは、テレビコマーシャルから、完全にインターネットを通じた広報にシフトした。同氏によると、これにより「自衛官募集ホームページのアクセスは格段に伸びている。(17年度は)16年度比で3倍くらい。今年度もまた伸びている」という。 ただ、アクセス数の増加が応募者の増加に直接結びつくわけではない。就職が売り手市場と言われる中、古い体質の組織できつい仕事のイメージがある自衛隊を希望する若者は少ない。

橋本大季氏(24)は、陸上自衛隊の人材養成のための高等工科学校を卒業し防衛大学校に進んで2016年に卒業したが、自衛隊には入隊せず、卒業と同時にファイナンシャルプランナーになろうと起業した。

北海道出身の橋本氏が工科学校に入学したのは家が裕福でなかったためで、「国を守るという意識はなかった」という。防衛大学在学中に、尊敬する先輩が自殺したことがきっかけで自分の人生について考え始め、「おカネの勉強をしっかりしようと思った」と話す。

がっしりとした体格だが、笑顔が優しい印象の橋本氏は言う。「自衛隊に入ってくる人たちは、貧しい、家の事情で入ってくる人が多いというのが事実」。

一橋大学の佐藤教授は、日本にはずっとポバティードラフト(貧困徴兵)というものがあったと指摘する。そして「おカネをもらって教育を受けながら安定した職に就くことに魅力を感じるような層が、これからもっともっと顕在化してくる」と予想する。

宮崎亜巳、Linda Sieg 編集:田巻一彦、田中志保
https://jp.reuters.com/article/jp-stock-idJPKCN1LZ12M?il=0
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/328.html#c1

[経世済民128] ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3% 米中通商協議開かれない恐れ、中国が提案拒否検討 うまき
5. 2018年9月19日 19:39:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1501]
トランプ関税による勝ち組はアップル、負け組は米国の消費者
Angus Whitley、Bruce Einhorn、Daniela Wei
2018年9月19日 13:59 JST
• 米国は24日に中国製品2000億ドル相当への関税を発動する
• 中国は米製品に対し報復関税を課す方針を表明
トランプ米大統領は17日、重要な年末商戦を控える中で、中国製品2000億ドル(約22兆5000億円)相当への関税を発動すると発表した。米中が全面的な貿易戦争に向かう可能性が高まった。
  米国は24日から10%の追加関税をハンドバッグや家具から魚介類やドライフルーツに至るまでの製品に課し、2019年には関税率を25%に引き上げる。中国は直ちに反撃し、米国の発表から数時間後に米製品600億ドル相当を対象に報復関税を課すと発表した。これは米中の対立の深刻化を招く恐れがある。トランプ大統領は中国政府が報復した場合、中国製品2670億ドル相当を対象にする追加関税を目指すと表明している。
Shots Fired
U.S.-China trade war is intensifying, based on imposed and threatened tariffs
Source: U.S. Census Bureau and Bloomberg
  製造業者や小売企業、経済団体は何週間にもわたり、関税対象製品の最終リストからの除外を目指し、ロビー活動を繰り広げてきた。勝ち組と負け組の一部は以下の通り。
負け組:
米国の消費者
  米国の家庭は覚悟が必要だ。トランプ氏の新たな関税のリストは、石けんやシャンプー、手工具や家具、皮革製品やハンドバッグ、冷蔵庫や掃除機、皿やコップなど、あらゆる家庭用品が対象となり、こうした米国のほぼどんな家庭にもある多くの定番商品の価格が上昇する可能性が高い。クリスマスツリーに飾る電飾も中国製ならば値上げから逃れられない。
自転車利用者
  自転車業界が関税の対象除外に躍起になっていたにもかかわらず、サドルやスポークからチューブやフレームに至るまで、ほぼ全ての自転車部品が米国の新たな関税リストの対象となった。
食通
  キャビアと言えばロシア産を連想するかもしれないが、世界の最高級品の一部は中国産であり、キャビア好きの人は同製品が関税リストに含まれたことを嘆くことになるだろう。ティラピア、イガイ、ナマズ、タラ、魚卵などを好きな人や、アーモンドやマカデミアナッツなどのスナックを食べる人も、より多くの金額を支払わなければならなくなる公算が大きい。
  このほか、ボート・ヨット乗りも負け組の一角だ。
勝ち組:
アップル
  米通商代表部(USTR)によると、ホワイトハウスは米アップルの「アップルウオッチ」を含む製品分野を関税リストから除外した。同社の「エアポッド」や、フィットビットのフィットネス製品も対象から外れた。
Made in China
Electronics, textiles are among the biggest products U.S. imports from China


Data: United States International Trade Commission; graphic by Bloomberg Businessweek
Note: Values based on 2016 import data by sectors
小さい子供がいる親
  トランプ政権は、チャイルドシートや子供用の椅子、ベビーサークルなど高価な子供向け商品を関税の最終リストから除外した。米ターゲットやニューウェル・ブランズのベビー用品部門グレコ・チルドレンズ・プロダクツなどが新たな関税に反対しロビー活動を行っていた。
  痛み止め服用者、病院用用品業者、アンティーク愛好家らも勝ち組に含まれる。
原題:Winners and Losers From Trump Tariffs: Apple, Bikes, Americans(抜粋)


 


中国株式市場、救世主は政府系機関投資家グループ「国家隊」か
Luke Kawa
2018年9月19日 9:30 JST
• ドイツ銀アナリスト:国家隊が市場介入を再開する
• 既に介入を始めていることを示す兆候も見られる
中国政府の刺激策は国内経済だけでなく、株式市場も救う可能性がある。
  ドイツ銀行は18日、市場を安定させるために中国政府が2015年半ばに創設した政府系機関投資家のグループ、いわゆるナショナルチーム(国家隊)が市場介入を再開するとの見通しを示した。米中貿易摩擦が激化する中で中国株の指標、上海総合指数が17日、2014年以来の低水準を記録したためだ。
  ドイツ銀のアナリスト、マイケル・トン、ルカ・チュー両氏は18日のリポートで、「国家隊は通常、株式市場が急速かつ急激な調整局面入りした時や、政治リスクが高まっている時に市場安定化のため介入する」と説明した。
  両アナリストは、実際、国家隊が既に市場を下支えしている可能性があると指摘した。国家隊は21のメンバーで構成され、合計の運用資産は1兆元(約16兆4000億円)超。
  両アナリストは国家隊が市場に介入し、生命保険各社が株式を買い入れるよう指示されたとする8月のブルームバーグ報道を引用。その後に国家隊が選好する大型株がアウトパフォームしたことは、国家隊が「直接的あるいは間接的にこの数週間介入していることを示唆する」と分析した。

  両氏は、「保険会社を直接の資金源とすることにより、中国政府はより多くの長期資本が『市場安定化装置』として参加することを促そうとしている」と説明した。
  両氏はまた、主要指標と連動する上場投資信託(ETF)への多額の資金流入などが、国家隊による現在と将来の株価下支えを示唆しているとした。
  KGIセキュリティーズの上海在勤アナリスト、ケン・チェン氏も、上海総合指数が18日午後に反発したのは、国家隊の株価刺激によるものだと分析した。
原題:China’s Plunge-Protection Team Is Poised to Save Stock Markets(抜粋)
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6.
苦境の米テスラ、増資で25億ドル調達の可能性もーモルガンS
Anand Krishnamoorthy
2018年9月19日 16:15 JST
• マスクCEO、資本調達の必要性を繰り返し否定
• 必要がない時に調達しておく方がはるかに好ましいーアナリスト
モルガン・スタンレーのアナリストらは、電気自動車メーカーのテスラが年内にも増資に動く可能性があるとみている。同社が生産を増強しているほか、転換社債の満期に備えるためだ。
  アダム・ジョナス氏含む同行のアナリストらは18日のリポートでさまざまな可能性を記し、一連の騒動で過去6週間に株価が25%下落したテスラが、同社のビジネスモデルに関心がある戦略的投資家から10ー12月(第4四半期)に株式発行で25億ドル(約2800億円)を調達する可能性があると指摘した。
  テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、財務改善に伴い資本調達の必要はないと繰り返し発言している。同氏は先月、年内にフリーキャッシュフローが黒字化し、創業15年で初めて持続的に利益を創出できるようになるだろうと語ったほか、来年満期を迎える転換社債約9億ドルの償還資金にキャッシュフローを利用できるとの見通しも示していた。
  アナリストらは、「テスラが現金を十分生み出せるなら」、増資の必要はないと強気派は言うだろうが、「その必要がない時に資金を調達しておく方が、会社にとってはるかに好ましいというのがわれわれの見解だ」と説明。具体的な案件が検討されているとは承知していないとして、今後数四半期に起こり得る「イベント」の予想の一環として増資のシナリオを提示したものだと付け加えた。さまざまなイベントの中で、テスラの株価は97ー441ドルの範囲で変動する可能性があるとの見通しも示した。
  同行はテスラに対し「イコールウエート」の投資判断を継続。目標株価は291ドル。同社株の18日終値は前日比3.4%安の284.96ドルだった。
原題:Morgan Stanley Sees $2.5 Billion Equity Raise for Troubled Tesla(抜粋)
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6.
VWのトラック部門、M&Aやさらなる提携も視野−ダイムラー追撃へ
Christoph Rauwald
2018年9月19日 11:57 JST
• 戦略の一環で「あらゆる選択肢を残している」とレンシュラー氏
• 利益率を9%に押し上げる計画に依然取り組んでいる
ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)のトラック部門は商用車業界をけん引するダイムラーやボルボの追撃を目指し、主力の欧州市場への依存低減と利益率押し上げに取り組んでいる。
  同部門のアンドレアス・レンシュラー最高経営責任者(CEO)は18日、独ハノーバーで半年に1回開かれる国際商用車ショーで記者団に対し、今後の動きとしては買収とさらなる提携のいずれの可能性もあると説明。VWの商用車部門「トラトン」の事業にはこれまでのところ業界大手2社ほどの地理的広がりがなく、米国でのプレゼンスはトラックメーカーの米ナビスター・インターナショナルへの出資に限られている。
VWは「トラトン」部門IPOの準備を進めていると、トラック部門のレンシュラーCEO
出所:ブルームバーグ)
  レンシュラー氏は「戦略の一環としてあらゆる選択肢を残している」と指摘。売上利益率の業界平均9%を達成する上で、自身の部門には収益性改善の余地があると語った。同氏は「トラトンは欧州と中南米では既に業界トップで、その地位を拡大していきたい」とも述べた。
  レンシュラー氏の指揮の下、VWは部門再編を実施。トラトン部門の新規株式公開(IPO)の可能性を前に、近く銀行を決定し法律顧問を起用する見通し。同氏はVWの大型乗用車部門から意思決定プロセスを切り離したほか、スウェーデンのスカニアと独マン・ブランド間の提携を深めコスト圧縮を図っている。
原題:VW’s Truck Unit Gears Up for Global Push With Alliances, M&A (2)(抜粋)


 
中国首相:輸出刺激目的の通貨切り下げせず−貿易摩擦激化の中
Bloomberg News
2018年9月19日 12:46 JST 更新日時 2018年9月19日 13:31 JST
輸出競争力向上のために人民元切り下げることはない−李首相
李首相は天津市の世界経済フォーラムで基調演説

李克強首相 Photographer: Jacobia Dahm/Bloomberg
中国の李克強首相は19日、米国との貿易摩擦が激しくなる中で輸出競争力の向上を目的に人民元を切り下げることはないと言明した。中国はトランプ米政権による来週の対中追加関税の発動に報復する方針を示したばかり。

  李首相は天津市で開かれている世界経済フォーラムでの基調演説で、最近の元相場の変動は意図的とみられているが、実際はそうではないと説明。「一方的な切り下げは中国経済にとって利益よりも害が大きい。中国が元切り下げを通じて輸出を刺激することは決してない」と表明した。

  首相発言を受けて、オフショア人民元は香港時間午前11時24分(日本時間午後0時24分)現在、1ドル=6.8509元と0.15%上昇。


李克強首相Photographer: Jacobia Dahm/Bloomberg
  李首相は安定的な経済発展を維持する上で、中国当局はより困難に直面していると指摘。雇用を優先するための取り組みを強化すると述べた。政府が追加減税や手数料のさらなる引き下げに向けた方策を探る一方、中国人民銀行(中央銀行)は穏健な金融政策を堅持するとした。

原題:China Won’t Devalue Yuan to Boost Exports, Premier Li Says (1)(抜粋)

(第3段落以降を追加し更新します.)


  
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/494.html#c5

[経世済民128] リーマン対応の日銀の社債購入、抜け出せぬ呪縛ーゾンビ温存も 日銀:金融政策は現状維持、片岡、原田両委員が反対 株は大幅続 うまき
3. 2018年9月19日 19:52:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1502]
ECB:ユーロ圏の銀行、危機前の最高益水準には戻らない見込み
Nicholas Comfort
2018年9月19日 12:29 JST
• 持続可能な資本に基づき「適正なリターン」を得る必要
• 米州・アジア勢との競争上「銀行同盟」の完成必要−ドイツ銀CEO
欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏の銀行が2008年の金融危機前の最高益水準を回復することは恐らくないとみている。
 
  危機後に強化された資本規制や各行による高リスク事業の回避といった要因が利益を抑えているとECBは説明。その上で、持続可能な資本に基づき「適正なリターン」を得る必要があると指摘した。
  ECBの単一監督メカニズム(SSM)がまとめ18日公表した収益性・ビジネスモデルの見直しが銀行に対する資本需要設定に反映されることになり、一部企業にとっては審査が厳しくなる可能性があるともコメントした。

  SSM銀行監督委員会のヌイ委員長は同日、ユーロ圏銀行市場の統合を完成させることが大手企業向けの業務と世界のライバル行と競い合うという点で域内の銀行を有利にするとパリで語った。
  政策立案当局に「銀行同盟」と共に欧州の単一資本市場に向けた取り組みの進展を求める同委員長の呼び掛けはこの日、一部の銀行界幹部によって繰り返された。
  ドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)はイタリアのミラノで開催された「ブルームバーグ欧州資本市場フォーラム」で、米州・アジア勢に対して「競争面での優位さを本当に望むなら、われわれは銀行同盟を完成させる必要がある」と述べた。
原題:Bank Profits Probably Won’t Resume Pre-Crisis Levels, ECB Says(抜粋)

 

ブラックロックはイタリア国債に強気転換−「より合理的な」政治期待
Anooja Debnath
2018年9月19日 16:13 JST
• イタリアの政治的環境や政府目標は前向きで市場寄りに動いている
• 与党2党はEUの枠組み内で政策を実行する必要性を意識−シール氏
ユーロ圏で最悪のパフォーマンスの国債がここにきて世界最大の資産運用会社の支持を取り付けた。
  ブラックロックでファンダメンタル・フィクストインカム担当副最高投資責任者(CIO)を務めるスコット・シール氏によると、イタリア政治が「はるかに合理的な結果」に向かうとの期待の強まりから同社はイタリアについて中立スタンスからロング(買い持ち)ポジションに転換したという。

  ロンドン在勤のシール氏は「イタリアの状況は、政治的環境であれ政府目標であれ、より前向きで市場にやさしい結果に向かって動いているようだ」と指摘。「これに関して多少の雑音は出てくるだろう。だが、他の周辺国市場のバリュエーションを見れば特に、イタリアは依然として欧州の投資家にとって魅力的なリターンを提供する」と分析した。
  10年物イタリア国債利回りの同年限のドイツ国債に対する上乗せ幅(スプレッド)は5月29日に323ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、約5年ぶりの高水準を付けた。しかしその後、連立政権が月内に公表する予算で一段と慎重なアプローチをとるとの見方が強まり、スプレッドは縮小し、230bp前後で推移している。
  同国債のボラティリティ―がここ数週間高まっていたのは、ポピュリスト政権の予算案が、対国内総生産(GDP)比で3%を上限とする財政赤字の欧州連合(EU)ルールに反するとの懸念からだ。ディマイオ副首相がトリア財務相と予算案を巡り衝突したとの報道を受けて同国債は18日の早い時間に下落したが、その後反発。10年債利回りは2.75%と、8月1日以来の水準に低下した。シール氏は、イタリア政治のニュースを受けた相場波乱になお警戒する必要はあるものの、連立与党2党は今、EUの枠組み内で政策を実行する必要性を以前より「はるかに強く意識している」ようだと述べた。
原題:BlackRock Goes Long Italian Bonds on ‘More Reasonable’ Politics(抜粋)
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4. ドル・円が2カ月ぶり高値更新、世界的株高でリスク選好の円売り圧力
5. ゴールドマン・アセットがトルコとアルゼンチン債購入−混乱行き過ぎ
6.


 

今回はボラティリティーに賭けず−危機中に巨額稼いだヘッジファンド
Netty Ismail
2018年9月19日 13:33 JST
• 08年のような急上昇した状態、長くは続かないとディグル氏
• 当局には流動性供給の用意−コンピューター取引の増加も影響
金融危機中にボラティリティーを巡る賭けで27億ドル(現行レートで約3000億円)を稼いだヘッジファンドの共同創業者、スティーブン・ディグル氏は、中央銀行が異例の緩和措置を解除しつつあるにもかかわらず今は、危機時のような乱高下を予想していない。
  現在はファミリーオフィスのバルペス・インベストメント・マネジメントを率いるディグル氏は、世界各国政府と中銀は自分たちを「資本市場の守護者」と考えており、10年前の危機時のような価格変動を防ぐために流動性を供給する用意があると指摘した。コンピューターやアルゴリズム取引の増加も変動を抑えると述べた。
  同氏はインタビューで、「今後は総じて、流動性が今までほど極端に潤沢ではなくなるだろうから、ボラティリティーは幾分高まるだろう」とした上で、しかし「2008年のような急上昇した状態が長く続くことはないだろう」と語った。

原題:This Time Round, Hedge-Fund Veteran Is Shunning Volatility Bets(抜粋)
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BofA:代替投資事業をIキャピタルに売却へ−200億ドル相当
Katherine Chiglinsky
2018年9月19日 11:47 JST
バンク・オブ・アメリカ(BofA)は代替投資のフィーダーファンド管理事業を金融テクノロジー企業のiキャピタル・ネットワークに売却することに合意した。
  預かり資産をヘッジファンドとプライベートエクイティ(PE、未公開株)に投資するフィーダーファンドの規模は約200億ドル(約2兆2500億円)。この買収によりiキャピタルのプラットフォームで扱う資産は4倍以上に増える。
  取引は来年1−6月(上期)中に完了する予定。条件は明らかにされていない。
原題:BofA to Sell Alternative Operations With $20 Billion to ICapital(抜粋)
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2018年9月19日 / 11:07 / 1時間前更新
焦点:米関税免除の代償に苦しむ韓国鉄鋼界、日本と明暗
Jane Chung and Yuka Obayashi
3 分で読む


[ソウル/東京 13日 ロイター] - 韓国で大きな外交的成果として当初歓迎された米国による鉄鋼輸入関税免除は、今ではその代わりに導入された輸入数量を制限するクオータ制がネックとなり、一部の鉄鋼メーカーの生産能力が半減するまでに追い込まれている。
事情に詳しい複数の人物によると、生産ラインは休眠状態だという。その一方で、日本の鉄鋼メーカーは、25%の米関税に直面しているにもかかわらず、鋼管の対米輸出を拡大している。日本勢は、石油高で増産傾向にある米国の石油業者などに、高性能な掘削鋼管などを提供しているが、地元企業による代替は難しいと言われる。韓国企業の製品ではそうはいかない。
韓国は3月、米鉄鋼関税の適用対象から除外された最初の国となった。自国の鉄鋼メーカーにとって3番目に大きな輸出市場である米国に、無関税で継続的なアクセスが可能なはずだった。
ネクスチールやヒュースチール(005010.KS)、世亜製鋼(003030.KS)といった特殊鋼管メーカーにとって追い風となるはずが、逆風に変わった。前年から3分の1近く減った今年の輸入割当枠は、5月までにすでにほぼ使い切ってしまった。その結果、ネクスチールとヒュースチールは、来年分の出荷を開始できる10月と11月までそれぞれ工場稼働率の引き下げを余儀なくされている。
世亜製鋼など一部メーカーは、割当枠を逃れるため、米国にある小規模な生産拠点への投資を増やすことを検討している。米商務省によると、日本製の鋼管製品の輸入量が今年1─7月に、前年比50%近く増加した一方、韓国製品のそれは18%減少した。
「もし米国が(通商政策で)メキシコとカナダに強硬な態度を取らなければ、韓国からの輸入はお荷物になりかねない。そうなれば、輸入割当枠が削減される可能性がある」と、通商法が専門である梨花女子大学のWonmog Choi教授は指摘。「板ばさみになっているということを、われわれは認識すべきだ」
ただ、鉄鋼の輸出量全体で見ると、韓国は日本を凌駕(りょうが)している。米データによると、制限枠があるとはいえ、韓国は今年、263万トンの鉄鋼を米国に輸出することが可能であり、これは日本の昨年の対米輸出量173万トンをはるかに上回る。
韓国鉄鋼大手のポスコ (005490.KS)や現代製鉄(004020.KS)は、米国での売上高が全体の5%に満たないため、輸入割当枠の影響をあまり受けてはいない。一方、両社に比べて小規模なヒュースチールやネクスチール、世亜製鋼といった企業にとって米国市場はきわめて重要であり、輸出先の7割を占めている。
<米国に移転>
トランプ大統領は8月29日、鉄鋼とアルミ輸入の割当枠の適用対象から韓国を含む一部の国を除外する文書に署名。米商務省は「米国の鉄鋼・アルミ生産業者から入手できる製品の量や質が不十分な場合、企業は当該製品の適用除外を申請できる」とし、「そういうケースの場合、割当枠の適用が免除される可能性があり、そうなれば関税を支払う必要はない」と説明した。
しかし米国に活動拠点のない輸出企業は、免除を直接申請することはできない。米国の取引先を通じて輸入増を求めることしかできず、プロセスはより複雑で時間を要する。
ある鋼管メーカーの社員はロイターに対し、5つある工場のうち1つを今年後半まで停止すると話す。
「わが社の工場の稼働率は、ほぼ半分まで低下した」と、この社員は匿名で語った。輸入割当枠を回避するため、工場の1つか2つを米国に移転することを検討しているという。
また、世亜製鋼の社員は匿名で「米国に工場が2つあるため、輸入割当枠の影響をそれほどひどく受けてはいない。中長期的には、米国での生産能力を拡大することを検討している」と話した。
<インドへの道>
公式統計に基づくIHSマークイットとグローバル・トレード・アトラスのデータを使用した米商務省の国際貿易局(ITA)のウェブサイトによると、日本の米国向け鋼管製品の輸出額は今年1─7月、前年同期比で84%増の1億9000万ドル(約210億円)に上った。
一方、韓国の輸出額は8億3100万ドルだが、伸び率はわずか2.6%にすぎない。
世亜製鋼のように、日本の大手鉄鋼メーカーは米国内にも生産拠点があり、輸入関税による打撃を和らげる効果を果たしている。
新日鉄住金(5401.T)の宮本勝弘副社長は、「米国に710万トンの鉄鋼生産能力を持っており、米国への輸出は昨年度60万トン程度なので、規模が全然違う」とし、日本からの輸出減に伴うマイナスに比べ、同社の米国拠点が享受している米鉄鋼市況の上昇による恩恵の方が大きいと指摘した。
だが、鉄鋼全体量としては対米輸出がそれぞれ減少傾向にある中、日韓両国はインドのような成長市場への輸出を増加させている。世界的な貿易摩擦に対する懸念を背景に強含む海外鉄鋼市況の恩恵を得ようとしているためで、新規顧客の開拓にも励んでいる。
相場が上昇したことで、一部の韓国メーカーは輸入割当枠に対する失望感を一段と強めており、関税対象になっていた方がまだよかったと考えている。
「輸出量は制限されている。韓国が輸出を続けられていたなら、価格上昇がその影響を埋め合わせてくれていただろう。たとえ関税がかけられたとしても、その方がましだったかもしれない」と、韓国産業研究院(KIET)のLee Jae-yoon氏は語った。
Husteel Co Ltd14550.0
005010.KSKOREA STOCK EXCHANGE
-550.00(-3.64%)

• 005010.KS
• 003030.KS
• 005490.KS
• 004020.KS
• 5401.T

 

2018年9月19日 / 16:03 / 3時間前更新
コラム:米中貿易戦争、報復の連鎖に潜む投資家の「盲点」
Gina Chon
2 分で読む

[ニューヨーク 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 投資家は、米中貿易戦争において、いちるの望みも抱かない方が無難かもしれない。

米国が2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に対し新たに関税を課すと発表し、中国が報復関税で応じるという一連の流れは、もっとひどい状況になっていたとしてもおかしくはない。

そのため市場は勇気づけられた。18日の米国株式市場はS&P総合500種、ダウ平均株価、ナスダック総合が軒並み反発した。

だが投資家はより大局的な視点を見失っている。それはつまり、今後、事態がさらにエスカレートすることを食い止める手立ては、ほぼ何もないということだ。

米国と中国が互いの輸出品に課す関税率を、予定していた25%から下げたことは朗報と言えるだろう。最新の輸入関税がヘルメットや自動車のシートといった消費財に影響を及ぼしていることから、11月の米中間選挙を控えたトランプ大統領は、価格上昇によって有権者を取り逃がしたくないと考えたはずだ。

しかしそれは、ただの時間稼ぎにすぎない。ホワイトハウスは関税率を来年25%に引き上げる意向を示している。

すべては米中間の協議次第だが、これまでのところ、協議は不毛な結果に終わっている。中国商務省と米財務省が8月行った協議も進展なく終わった。新たな関税戦争により、ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相との会談予定も、ほぼ消滅するだろう。

関税の悪影響に関する証言も、耳を傾けてもらえなかった。中国製品に対する輸入関税が決まる前、米通商代表部(USTR)は関税が企業や個人に及ぼす影響についてヒアリングを実施した。数千に及ぶコメントが寄せられたほか、USTRで開かれた会合で数百人が証言した。

その結果、一部の製品は関税リストから除外された一方、新たな製品がリストに加えられ、関税措置は進められた。トランプ大統領は、関税によって中国が何十億ドルも「支払う」と誤解を招くような言い方をしている。だが実際には、関税を払うのは輸入業者であり中国ではない。

関税の影響についてそのようなゆがめられた見方がなぜ問題かと言えば、トランプ大統領自身がまさにそうした軌道を支配する人物だからだ。次の措置では、中国からの輸入品すべてを対象とする、2670億ドル相当の中国製品に関税をかける可能性が高い。そしてその次は、中国による投資の制限、さらには学生ビザや商用ビザに波及する可能性もある。

通商協議やヒアリングは、大統領が見ていない単なる余興にすぎないということが明らかになりつつある。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/518.html#c3

[経世済民128] もはや「経済成長」では働き手が幸福になれない理由(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
3. 2018年9月19日 19:59:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1503]
2018年9月19日 熊野英生 :第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト
日本の労働生産性がG7で最下位にとどまる理由 サービス化と高齢化
 政府は「働き方改革」や「生産性革命」を掲げて生産性向上に躍起だが、日本の生産性が低いといわれるのはなぜなのか。国際的に比較することで、現状と課題を考えてみた。
日本の生産性は
70年代からG7で最下位
 日本生産性本部が、OECD加盟国35ヵ国で比較した時間当たりの労働生産性は、2016年のデータで20位である。
 日本の生産性を100とすると、米国は151、ドイツが148、フランスが145、イタリアが118、イギリスが115、カナダが110となっている。これら7ヵ国を先進7ヵ国(G7)としてまとめると、日本はG7の中での生産性の順位は、データが遡及可能な1970年以降でずっと7番目(最下位)なのである。
 私たちは、日々、生産性を上げるために働き方を工夫して、時間当たりの能率を高めようとしている。しかし、マクロの集計値から割り出した生産性は、国際的に見ると、思った以上に低い。こうした「低生産性の構造」は克服できるのだろうか。
出所:日本生産性本部 拡大画像表示
 上で述べたOECD加盟国の1時間当たりの労働生産性を示したのが、下の図表1だ。
 日本の低生産性の犯人と考えられているのは、高齢化が進んで、消費が弱くなっていることだ。
 確かに、単身世帯を含んだ全世帯のうち40%が無職世帯として増えてくようになると、消費者の傾向が節約志向になってしまう。年金生活者は、収入が固定的であり、かつ、所得水準も低い。厚生年金が月16.5万円で、年収ベースで約120万円の世帯が標準だとすると、そう高い買い物などはできないから、おのずと小売・サービス産業は付加価値の獲得が難しいと思われる。
サービス業の生産性の低さは
どの国も共通する
 そこで、日本の生産性を業種別に分解して、さらに主要国で同様の業種別生産性を計算してみた。(図表2)。ここでは、為替変動をなるべく排除して考えるために、OECDの購買力平価(PPP)で表示する加工を施した。
◆図表2:日米欧の産業別労働生産性の比較

拡大画像表示
 まず、気がつくのは、卸小売、個人サービスの生産性水準は、日本だけでなく、米国やドイツでも同様に低いことだ。
 個人サービスの内訳をさらに詳しく見ても、相対的に宿泊・飲食サービスは低い。この点は各国で共通している。
 日本の場合は、ヘルスケア・社会支援といった分野の生産性は4.10万ドルと特に低い。これは医療・介護・福祉が労働集約的な産業である上、財政状況が厳しいため、サービス単価が極端に抑え込まれているせいだろう。
 日米欧を比較する限り、日本だけがサービスの生産性が低く、それが高齢化によって引き起こされているという要因だけではなさそうだ。どの国も、サービスの生産性は相対的に低くて、日本は高齢化や財政難によってそのことに拍車がかかっていると見た方がよい。
製造業は非価格競争力が弱点
牽引する産業がない日本
 産業別の生産性を見たとき、日本の製造業は確かに相対的に高い生産性を誇っている。米国には及ばないが、ドイツとイギリスとは並んでいる。
 ただ日本の場合、産業の中で、製造業が突出して生産性が高いというわけではない。米国では、全体平均に比べて製造業の生産性は1.47倍と高い。日本は1.39倍であり、米国ほどではない。
 ドイツは、就業者1人当たりの製造業の生産性は米国ほど高くはないが、総労働時間は日本の約8割であり、時間当たり生産性は日本の25%ほど高い。また、時間当たり賃金は7割も高い。
 日本の製造業は、生産性はそこそこ高いのだが、ドイツや北欧諸国に比べて非価格競争があるとはいえない。このことは、労働費用の安い新興国との価格競争に巻き込まれやすいことを暗示している。
 また産業別に見た生産性の高さのランキングでは、日本は図表2の7ヵ国の中で、製造業が3位であることを除くと、電気・ガス・水道の4位で、他の業種は軒並み下位である。
 このことは、日本で突出した生産性を誇っている産業がないことを示す。つまり、日本の生産性を上位に引っ張っていく産業の不在が、低生産性の特徴といえるのだ。
就業構造にも原因
高スキル職の割合が低い
 筆者は、日本の生産性が高くない理由が、スキル=人的資本の蓄積によって製品や商品の価格やサービス単価を引き上げていこうという意識が弱いからではないかと考える。
 高付加価値化の追求が必ずしも徹底されていないと言い換えてもよい。
 このことは、就業者を職業別に分類してみても、専門職・技師の割合が少ないことでもわかる。
 代わりに、事務補助員、サービス・販売員、単純作業の従業者は多目である。
 これだけで確定的なことは言えないとしても、スキルが求められる職業の割合が低く、サービス業従業者などの汎用性のある職業の割合が高いことは、日本でスキルを重視した職業が少ないことをうかがわせる。
 また、就業者の労働形態では日本は短時間労働者の割合が高く、かつ短時間労働者はフルタイム労働者の賃金の56.6%の水準しか受け取っていない(図表3)。このフルタイムとパートタイムとの賃金格差は欧州諸国と比べても大きい。
◆図表3:就業者に占める短時間労働者の割合(2016年)

拡大画像表示
高齢化のトレンドは逆風
低賃金の短時間労働者増える
 今後、日本の高齢化が進んでいくと、企業内の人員構成は50・60歳代のウエイトが高まるだろう。そのとき、現在よりも、技能・専門職が増えていき、企業の高付加価値化は進むのだろうか。
 2015年の総務省「国勢調査」では、55〜59歳の雇用者の非正規比率は26.0%だが、60〜64歳になると36.3%、65〜69歳では39.0%と上昇していく。このデータは、企業内人口構成がシニア化するほど非正規する傾向を示している。
 日本は短時間労働者の割合が高く、しかも低賃金であることは述べたが、おそらく、これはサービス化と高齢化に伴う変化ともいえよう。そうであるなら、今後、低賃金の短時間労働者が増える傾向がますます強まると考えた方がよい。
 このことは日本が今後、生産性を高めていく場合の大きな課題になる。
 また、産業別にみて、生産性上昇を牽引するセクターが見当たらないことも述べた。製造業は、米国やドイツに比べると、まだ劣位にある。
 今後、非価格競争力を高めてさらに突出した生産性を目指すことが課題だろう。成長戦略として、貿易連携などを軸に、日本の強いところを伸ばしていく構想も求められる。
(第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト 熊野英生)
https://diamond.jp/articles/-/179992

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/519.html#c3
[国際23] 焦点:リーマン破綻10年、今度は米ラストベルトで住宅投機再燃 うまき
2. 2018年9月19日 20:08:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1504]
欧州における混乱と崩壊の兆し(大前研一)

【英】無秩序離脱なら欧州で運転免許無効も?
 日経新聞は6日、「在英金融引き抜き、白熱」と題する記事を掲載しました。
 これはフランスのマクロン大統領が、イギリスに代わる金融都市の座を狙い、銀行やファンドの誘致策を次々に打ち出していると紹介しています。
 また、ドイツ取引所も、これまでロンドンが独占してきたユーロ建ての金利デリバティブ取引を活性化させる考えで、こうした金融業誘導の思惑も絡み、今後政治的な駆け引きがいっそう活発になりそうだとしています。
 来年の3月のタイムリミットの時点で、もし合意がなければ、HARD BREXITということになります。
 そのような無秩序離脱となった場合、ブルームバーグの報告によると、イギリス人は欧州で自動車免許を使えなくなるということです。これはかなり大きなインパクトになるでしょう。
 金融機関の場合には、単一パスポート制度によって、域内の他国での営業ができていますが、離脱により他国での業務に支障が出ると言われています。
 金融拠点としてのロンドンの受け皿を狙っているのは、フランクフルト、パリ、アムステルダム、ルクセンブルク、ダブリンで、基本的には皆、ロンドンの機能に来てほしいと思っているわけです。

 一方、イギリスとしては離脱によって惹きつけられるようなものはほとんどなく、失うものばかりと言えます。車の免許も使えなくなり、薬も輸入できなくなるかもしれないなどと言われていて、そのような情報があるなら投票する前にもっと詳しく伝えておいて欲しかったというところでしょう。
 そうは言っても、もしもう一度国民投票にかけるとなれば、離脱の交渉は一旦ストップとなり、来年3月のタイムリミットを一度EUに延期してもらい、半年ほどかけてやらないといけないわけです。しかし、すでにそういう時間はなく、実際にはそこまで行くか、メイ政権が崩壊するかという状況です。
 タイミング悪く、労働党が内輪揉めの状態に入ってきているので、このまま簡単に労働党に移行するという状況ではありませんが、メイ政権が崩壊するということ、つまり与党側が分解するということは、すでに過半数は持っていないので、可能性としてあり得ると言えます。与党は北アイルランドの議席を頂いて、助けてもらっている状況なのです。
 今後特にアイルランドとの国境問題に関しては、まだまだ不確定要因があります。BREXITはいずれにしても、このまま行けばHARD BREXITの方に行くでしょう。
 ただ、アイルランドとの国境の問題については、日本で言うETCのようなハイテクを使って、対応する案が出てきています。いちいちパスコントロールで止まったりはせず、クリアされている車や人はETCのようなもので行き来ができる、人間と車が同時に、止まらずに行き来できるようにするといったアイデアがBBCなどでは取り上げられてきています。ハイテクを使うことにより、だいぶ楽になるのではないかという意見も出てきているわけです。
【独】排他主義顕在化
 日経新聞は12日、「ドイツ、極右の伸長許す」と題する記事を掲載しました。これはザクセン州ケムニッツで8月末に発生した大規模なデモは、排他主義が色濃く反映したものだったと紹介しています。
 これらを取り込んだ極右政党が支持率を伸ばし、今やドイツ政治が無視できないほどの勢力になっており、極右が第一党になるという悪が実現すれば、ヨーロッパ全体の政治危機につながると指摘しています。
 今、このザクセン州のケムニッツというところが大きな注目を集めています。この街で開催されたストリート・フェスティバル最中の死傷事件をきっかけに、いわゆるネオナチのような人たちが警察と揉めて、さらにネオナチに反対する人たちとも衝突しています。
 その後ここ2週間ほどは、少し落ち着いた状況になってはいますが、やはり移民排斥という中で、ヒトラーの言葉やシンボルを使いながら活動するという動きが出ているのです。アメリカにもKKKのような同様の動きがありますが、ドイツの場合には議会の勢力にも現れています。
 ドイツ連邦議会の議席数を見ると、与党のCDU/CSUが、かなり議席を減らしています。一方で、極右政党と言われている、ドイツのための選択肢、AfDが、大きく議席を伸ばしてしまったのです。これが州によっては非常に大きくなり、第一党になる可能性もあるというわけなのです。
 ドイツの人口に占める外国人の推移を見ると、ここにきてやはり難民なども含めて伸びています。メルケル政権に対する批判もこの点にあるというわけです。

 一方、経済状況を見ると、失業率は下がっているので、難民がいなかったらどうなっているかという問題もあるのです。さらにGDP成長もきちんとしている状況です。

 したがって、ドイツの悩みというのは、経済がきちんと動いており、しかも雇用面でも、ほとんど人が足りないのでなかなか事業を伸ばしていくこともできないという時に、なぜこのようなケムニッツのような問題が起きるのかということなのです。
 これはやはり、自分の職が奪われる、この人たちが治安を悪くしているということで、ヒトラーの面影を掲げた人たちが跋扈し、警察ともぶつかる、そして、反対している穏健な市民ともぶつかるということになっているのです。そして今回は死傷事件の発生により、さらに感情を煽っていると言う部分もあるのです。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座 学長
大前 研一
9月16日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
▼講座受講をご検討頂いている皆さまへ


▼その他の記事を読む:
【前回の記事】米経済が商品価格に与える影響(近藤雅世)



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/869.html#c2

[経世済民128] リーマン対応の日銀の社債購入、抜け出せぬ呪縛ーゾンビ温存も 日銀:金融政策は現状維持、片岡、原田両委員が反対 株は大幅続 うまき
4. 2018年9月19日 20:15:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1505]
2018年9月19日 / 19:40 / 21分前更新
日銀が大規模緩和の継続決める
共同通信
1 分で読む

 日銀は19日、2日目の金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和の枠組みの継続を決めた。2%の物価上昇目標の実現に向け、短期金利をマイナス0・1%とし、長期金利を0%程度に誘導する。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で、安倍晋三首相が次の任期中に金融政策の正常化に道筋を付ける可能性に言及したことに関し、正常化は2%の物価目標達成後になるとの考えを強調した。

 黒田氏は「あくまでも2%を達成して、そういった状況にしていく必要がある」と述べ、早期の緩和縮小を否定した。

 日銀は国内景気の現状を「緩やかに拡大している」と前回判断を維持した。

【共同通信】


 豪ドルが引き続き堅調、対円は81.60近辺に上昇=ロンドン為替
配信日時 2018年9月19日(水)19:55:00 掲載日時 2018年9月19日(水)20:05:00
豪ドルが引き続き堅調、対円は81.60近辺に上昇=ロンドン為替

 ロンドン昼、NY市場待ちで調整が入りやすい時間帯になっている。しかし、豪ドルは引き続き堅調な足取りを示している。豪ドル円は本日高値を81.60レベルに、豪ドル/ドルは0.7260レベルにそれぞれ更新している。

AUD/JPY 81.58 AUD/USD 0.7258 USD/JPY 112.40


327回 英ポンドは底入れしたのか【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】
配信日:2018年9月19日
フリーアナウンサーの大橋 ひろこ氏が実際のトレードを通じて学んできたFX取引のコツ、魅力をお伝えいたします。

第327回 英ポンドは底入れしたのか【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】
英国、EU離脱(ブレグジット)交渉が難航しています。ロンドンのカーン市長が9月16日、英国のブレグジット交渉は「悪い合意か決裂」に終わる可能性が高く、離脱の是非を改めて問う国民投票を実施すべきだと訴えました。カーン氏は最大野党・労働党の有力政治家で支援労組からも再投票を求める声が上がっている、と報じられています。こうした声は英国全体に広がっており、調査会社が7月に英国有権者1,653人を対象に実施した調査でも、最終的な合意内容について国民投票を実施することに賛成する割合が反対を上回りました。さらに、EUからの離脱を問う国民投票をあす実施する場合どうするか、という質問に対し、全体の45%が「残留」、42%が「離脱」と回答しているのだそうです。

2016年、英国は国民投票でブレグジットを決めました。これを受けEUとイギリスの間で様々な新ルールの取り決めが必要となりました。

英国/EU間のブレグジット交渉のデッドラインは2019年3月29日ですが、実際には合意事項をイギリスとEU各国の各議会の承認を得る必要があるため、2018年10月18日開催のEU首脳会議までの条件合意が求められていました。

8月下旬、英国がEUとの合意がないままEUを離脱する場合の「実践的で釣り合いのとれた」対策を発表したことで、交渉がまとまらないままブレグジット期限を迎えるリスクが高まったことに市場は驚き、ポンドが大きく売られる局面がありました。9月10日にはEU側の首席交渉官を務めるバルニエ氏が11月初めまでには合意可能と発言しており、安心感からポンドが買い戻されています。ブレグジット交渉のデッドラインが近づいてきたことで、通貨ポンドは乱高下しています。しかし、足下ではポンドは大底を確認して反騰し始めたように見えます。

英国の金融政策を見てみましょう。

9月13日、英国中央銀行(BOE)は金融政策委員会で政策金利を0.75%に据え置くことを発表しました。ブレグジットに対する懸念が高まっていることを理由としていますが、英国は前回8月の金融政策委員会で金利を0.25%引き上げています。利上げしたばかりだった、ということもあって、市場にも9月利上げの予想はありませんでした。現時点で市場関係者らは「BOEはブレグジットまでは次の利上げを行わない」とみているようです。実際BOEはブレグジットに対する企業、金融市場、家計の反応は金融政策の方向性に影響するとしています。現時点ではファンダメンタルズ(経済などの基礎的条件)よりも、政治情勢に配慮しているということですが、英国は2017年11月にリーマンショックから10年ぶりの利上げに踏み切って以降、利上げサイクルにあることを忘れてはなりません。

7月の英消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.5%上昇、伸び率が前月比で拡大するのは2017年11月以来8カ月ぶりです。昨年11月の3.1%をピークにインフレ率は低下を続けてきましたので、インフレ低下が止まったのかどうか、今週9月19日に発表される8月分のCPIには注目が集まります。現時点での市場予想は前年同月比2.4%と控えめです。2.4%を超える数字が出てくれば、ポンド買いが強まる可能性があります。
2018年5〜7月の賃金上昇ペースも前年同月比2.9%と2015年5〜7月以来の高い伸びを記録しており、政治リスクを抜きに考えれば、ここからポンドを売り込むのはリスクが高いと考えます。

しかしながら、ブレグジット交渉の行方が不透明なこともあって、通貨先物市場のヘッジファンドなどの投機筋のポンドの売り越しポジションは直近ピークであった8月28日の76,928枚から減少しているものの、最新の9月11日時点では61,179枚も残っています。トレンドとして、ファンドはポンドショートを買い戻しているという点を軽く見ない方がいいような気がしています。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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次の記事「第326回 下落が続く豪ドル、人気低迷のワケ【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】」


 
第221回 窓について その198 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】
配信日:2018年9月19日


株式会社インベストラスト代表取締役 福永 博之氏が、テクニカル分析について、解説いたします。
第221回 窓について その198 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説になります。
では前回のおさらいから確認していきたいと思います。前回は「2月以降の下落局面から現在の三角もち合い形成に至るまで、埋まっていない窓が9月11日の終値よりも上に1つ、下に2つと全部で3つできましたが、今後どちらの窓を埋める値動きになるのか引き続きフォローしていきたいと思います。」としましたが、結果は...。

何と、先週から今週の9月18日にかけて三角もち合いの上限に迫ると同時に一気に上値の抵抗線を上回り、遂に2月2日と5日のあいだにあけた窓を埋める結果となりました!
前回は他にも「仮に一旦上回った5日、25日、75日移動平均線を下回るようですと、これら2つの窓(9月6日と7日、また9月10日と11日にあいだにあけた窓)を埋めることになりそうですが、これらの移動平均線上を維持するようですと、窓を埋めることなく反発が続くことが期待されます。仮にそうなりますと、2月の窓を埋めることへの期待がさらに高まることになるのではないかと思われます」としましたが、指摘した通り5日、25日、75日の各移動平均線上を維持したことから反発が続くと同時に2月2日と5日のあいだにあけた窓を埋める結果となりました。
このように三角もち合いを長期間上抜けることができずに推移したあと、一旦上抜けるとその後も上昇の勢いが継続する結果となっているのが分かりますが、9月14日にあけた窓はどの窓だったと考えればよいのでしょうか。
三角もち合いの上限を基準に考えた場合は、一気に抵抗線を上回って終えていますので、ブレイクアウェイギャップと考えられそうですが、一方で価格水準だけを見ますと、5月21日の高値(23,050円39銭)を超えられずに始まりましたので、過去の値幅の範囲内にあることからコモンギャップと見ることもできそうです。
また今後の予想される動向としましては、窓を埋めたあとに株価水準を保つことができるか、さらに上昇を続けることができるかなどが今後の注目点になってきそうです。
そうしたなか、年度後半に向けて三角もち合いを上抜けてきた日経平均株価ですが、今後は1月23日の高値に接近できるか、また上回ることができるか目が離せない展開になりそうですので、引き続き窓と株価動向を確認しながら解説していきたいと思います。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

 
73回 米国は経済と株価が直接連動【ズバリ!江守哲の米国市場の"いま"】
配信日:2018年9月19日


エモリキャピタルマネジメント株式会社 代表取締役 江守 哲氏が、米国株や為替市場について解説します。
第73回 米国は経済と株価が直接連動【ズバリ!江守哲の米国市場の"いま"】
米国株は堅調さを維持しています。市場が懸念していた米中貿易戦争への懸念も徐々に織り込まれてきたようです。報道にもあるように、トランプ政権は9月17日に中国による知的財産権侵害に対抗した制裁関税の第3弾を今月9月24日に発動すると発表しました。中国からの輸入品2,000億ドル相当に10%の追加関税を課し、来年には25%に引き上げます。中国も直ちに米国製品600億ドル相当に対する報復関税措置の実施を表明しました。これまで米中両国は、双方からの500億ドル相当の輸入品にそれぞれ25%の追加関税を課す措置を2段階に分けて実施済みです。今回を含め、3回にわたる制裁で、米国が中国からの年間輸入実績の約半分に高関税を課すことになります。想定されていたとはいえ、異例の事態といえます。トランプ大統領は声明で、「中国が報復すれば、直ちに2,670億ドルを対象に加える」と言明し、中国からのすべての輸入品への制裁も辞さない構えを示し、対米貿易黒字の削減を強く迫っています。一方で、年末商戦を控え、輸入品の値上がりによる米消費者への影響に配慮し、当初の税率を抑えた格好です。トランプ大統領は、「米国政府には常に中国と協議を行う用意があり、いずれかの時点で中国と合意できるかもしれない」とし、交渉妥結の可能性に含みをもたせています。
トランプ政権が現在のような強気な姿勢に出ることができるのは、米国株が高いからです。株価が高いことで、個人消費が7割を占める米国内総生産(GDP)の拡大を支えることができます。米国の家計に占める金融資産(株式や債券、投資信託)の割合は5割を超えています。株価が下がると、米国経済は簡単に崩れます。このように、米国経済は株価と一体です。そして、株価が崩れるようなことになれば、現在のトランプ政権の強気な姿勢も転換せざるを得なくなります。輸入関税の引き上げは、企業の原料コストの上昇につながり、ひいては製品価格の上昇やインフレにつながります。その度合いを見極めながら外交を進める必要があるため、トランプ政権はきわめて難しい判断と決断を行っていることになります。とにかく、米国第一主義を大前提に、世界経済や国際情勢に強い影響力を発揮し、それを維持する必要があります。そのために、現在は関税という「武器」を使って交渉しているわけです。
このように、現在の市場を分析する上で、トランプ政権の意図を正しく理解することが重要です。中国を標的にしていることは明白です。いまは、軍事的な戦争を行うような時代ではありません。経済を動かして戦争を仕掛ける「経済戦争」の時代です。これは対トルコやイランの制裁でも確認できることです。通貨安にして、対象国をインフレにして疲弊させるのが、いまの戦争のやり方です。また、現在のトランプ政権の対中政策の裏には、中国による知的財産権侵害に対抗する意図に加え、北朝鮮対策もあります。不安定なところを抑えておきたいわけです。また、今後は中東情勢にも不安定化の動きが出てくるでしょう。ロシアの動きが気になります。中国との関係もありますので、今後は経済面に加え、久しぶりに中東情勢などの経済面以外の情勢不安が高まりそうです。そうなると、原油価格にも影響が出てきます。このような不安心理が高まる中で、トランプ政権は米国経済の拡大と株価下支えを目的に、さらに強権的な政策を実行し、それを受けて米国株はむしろ上昇基調を強めていくでしょう。現在の「米国の一国主義」は、株価を支えるうえで不可欠なスローガンであることを理解しておきたいところです。

江守 哲
エモリキャピタルマネジメント株式会社・代表取締役
大手商社、外資系企業、投資顧問会社等を経て独立。コモディティ市場経験は25年超。現在は運用業務に加え、為替・株式・コモディティ市場に関する情報提供・講演などを行っている。
著書に「1ドル65円、日経平均9000円時代の到来」(ビジネス社)
「LME(ロンドン金属取引所)入門」(総合法令出版)など
共著に「コモディティ市場と投資戦略」(勁草書房)
次の記事「第72回 「米国株は中間選挙年でも堅調」」


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/518.html#c4

[経世済民128] 「テレワークは主婦だけのものではありません」 伝道師、田澤由利氏に聞いた 「提言 私たちの働き方」 うまき
2. 2018年9月19日 20:23:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1506]
坂本幸雄の漂流ものづくり大国の治し方

働き方改革より「生涯の安定」が建設的ビジョンを生む

正当な評価でイノベーションの芽を育てよ
2018/09/19

坂本幸雄 (現ウィンコンサルタント社長、元エルピーダメモリ社長)

 本連載の最終回では、「ものづくり」に携わる経営陣に求められる力とその育て方について考えたい。


(Pom669/iStock)
 求められる力について一言で言えば、それは「斬新で柔軟な発想力」だ。ITの進化で短いサイクルのイノベーションが求められる今日、世の中の動きが分かり知識が豊富にある、というレベルの経営陣では通用しない。世の中の変化を先読みし、業界がどんな影響を受けるのか、自社が何をすれば顧客を満足させられるか、世の中に驚きを与えられるか、というビジョンを持ち続けることが必要だ。

 将来の経営陣候補にこうしたビジョンを持たせるために重要なことは、短期的な研修でも働き方改革でもない。実は、成果に対する正当な評価を基にした「生涯の生活の安定」こそがキーワードだ。

 米国では、有能であれば若い頃から高い給料が与えられ、役員就任時には「サインアップフィー」という特別報酬、それも一生安泰に暮らせるほどの金額が与えられる企業が多い。これがモチベーションに繋(つな)がるのは当然だが、実はそれ以上にこの「安定」がもたらす意識変革効果が大きい。

 米国の大企業の役員クラスと仕事をする中で、なぜ働くのかという質問をしたことがあるが、彼らは口を揃(そろ)えたように「画期的な製品を世の中に生み出したい」「会社を一流企業に成長させて従業員に喜びを感じさせたい」など、崇高な目的を話す。この意識が、イノベーションを生む源泉であるように感じる。

 一方、多くの日本企業では極めて優れた成果を残しても報酬は少なく、役員クラスであっても、年功序列型賃金がベースとなっている以上、給料は知れている。これでは、自分や家族の生活がかかっているため、上司の意向に常に従い、リスクのある挑戦もしない方が得だという考えが生まれやすくなる。

 日本企業で人事制度全体をいきなり変えることは難しいが、例えば役員就任時に、将来の退職金に大幅に上乗せした金額を与え、安泰な生活を保証した上で、数年間の雇用契約を結ぶのはどうか。その後、成果を残せば継続して活躍してもらえばいい。こうすることで、建設的なビジョンを持って働くマインドが生まれやすくなるのではないか。

 報酬面での配慮に加え、斬新で柔軟な発想力を持つ社員を評価する風土も不可欠だ。私は日本体育大学卒業後、テキサス・インスツルメンツに倉庫番として入社したが、どんな小さな仕事でも必ず改善を続け、会議でも他の人が思いつかないような提案をし続けた。こうした姿を見た上司は、私をいきなり課長に引き上げた。これは役職や年齢を気にしない米国人の上司だったからできたことであり、私の人生の転機となった。

 「人は財産だ」という日本企業は多いが、成果が正当に評価され、建設的なビジョンを持って働ける会社こそ真に人を大切にする会社であり、「ものづくり大国」として返り咲くために必要なことだ。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/510.html#c2

[経世済民128] 首相発言は日銀に福音かリップサービスか、黒田総裁は「粘り強く」 貿易問題を楽観視する市場、日銀総裁は「非常に懸念」と警鐘 うまき
1. 2018年9月20日 10:26:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1507]
黒田日銀総裁、出口戦略「物価2%達成後」
貿易摩擦 経済
2018/9/19 21:08
 日銀は19日の金融政策決定会合で強力な金融緩和の維持を決めた。黒田東彦総裁は記者会見で、安倍晋三首相が緩和の「出口」の時期に触れたのに関し、物価目標の達成に全力を尽くす姿勢を強調。出口戦略は「あくまで2%を達成してから」との考えを示した。7月に決めた緩和修正の効果は「評価するのはやや性急」と指摘。米国発の貿易摩擦は「世界経済に幅広い影響が及ぶ可能性がある」と懸念を示した。

記者会見する日銀の黒田総裁(19日午後、日銀本店)

 出口戦略を巡っては、自民党総裁選で2021年までが任期となる3選をめざす首相が14日の討論会で「何とか任期のうちにやり遂げたい」と述べた。判断は黒田総裁に委ねつつも、雇用改善なども強調した。金融市場では、首相の物価目標へのこだわりが従来より薄らいだようにも映り、関心が高まっていた。

 一方の黒田総裁は「引き続き2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するよう緩和を続ける」と強調。早期の出口戦略への観測を打ち消した格好だ。13年の政府との共同声明は「見直す必要があるとは思わない」と述べ、従来の政策スタンスを修正しない考えを示した。日銀は目標達成時期が21年度以降となる可能性が高いとみており、当面は現状の緩和策を粘り強く続ける構えだ。

 第一生命経済研究所の新家義貴氏は「現実的な予想に立てば、2%物価の実現は相当ハードルが高い」と指摘。ただ、日銀は7月に「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持する」との方針を導入しており、早期の緩和縮小は難しいのが実情だ。

 一方で黒田総裁は安倍首相同様に過去5年あまりで雇用や企業収益が大きく改善してきたことを強調した。日銀内では緩和長期化による副作用への警戒も高まっている。黒田総裁は緩和を「いつまでも続けたいということはない」とも述べた。5年あまり前の就任当初のように物価目標のため「何でもやる」というスタンスは後退している。

 7月の前回会合では緩和の副作用への対応を決めた。0%程度とする長期金利の誘導を柔軟化し、国債市場の取引回復を狙ったものだ。黒田総裁は日銀のアンケート調査で市場機能が改善していることに触れ、「市場機能が向上することを期待している」と語った。ただ、8月中旬以降は再び取引が低迷している。黒田総裁は「政策措置の効果を評価するのはやや性急だ」とし、時間をかけて点検していく考えを示した。

 物価目標へのハードルはなお高い。景気は回復を続けているが、足元の物価上昇率が加速する兆しは出ていない。19年10月に消費増税が予定されているほか、世界では米中の制裁関税発動の応酬など貿易摩擦が広がっている。

 黒田総裁は貿易摩擦に関し「非常に関心をもってみている」と指摘。そのうえで「企業や家計の心理に影響を与え、投資や消費に影響が及ぶ恐れがある。当事国にとどまらず、供給網や多国間の貿易関係を通じて世界経済に幅広い影響が及ぶ可能性がある」と語った。

日銀、シナリオ再点検へ 株高でも保護主義警戒 (2018/9/19 17:26) [有料会員限定]
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日銀、シナリオ再点検へ 株高でも保護主義警戒
編集委員 清水功哉
ニュースこう読む コラム(経済・政治)
2018/9/19 17:26日本経済新聞 電子版
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 米国発の保護主義拡大が国内の経済・物価情勢に及ぼす悪影響に対して警戒感を強めている――。19日の黒田東彦総裁の定例記者会見は、その点を感じさせる内容だった。米トランプ政権は17日、対中制裁関税の第3弾を発動すると発表。中国も報復を決めており、米側は「第4弾」も示唆している。近く開く対日貿易協議でも、米政権が強硬姿勢を示す可能性がある。19日の日本の株価が大きく上昇するなど現時点で市場に混乱は起きていないが、黒田総裁は「国際通貨基金(IMF)と同様に、通商問題などを背景とするリスクがやや強まっていると見ている」と述べた。

■米中貿易摩擦の長期化リスクを考慮

記者会見する日銀の黒田総裁(19日午後、日銀本店)

 「10月末に開く次回金融政策決定会合での経済・物価情勢の展望(展望リポート)のとりまとめに向けて、従来のシナリオの妥当性をあらためて点検する」。日銀内で聞く声だ。米中の貿易戦争について当初、日銀内では秋の米中間選挙前に米側が何らかの「成果」を誇示する形で折り合うという見方もあった。今では判断の修正に傾きつつある。貿易戦争には両大国の21世紀の覇権をめぐる争いという側面があり、長期化する恐れがあるからだ。「通商問題は当事国だけでなく、世界経済全体に影響を及ぼす」(黒田総裁)だけに、日本としても注意が必要だ。

 しかも、最近になってトランプ米大統領は日本にも厳しい発言をするようになってきた。日銀は当面、近く開く日米貿易協議や日米首脳会談の行方を注視するが、日本の輸出を支える自動車への関税率引き上げが現実のものになれば、国内経済への打撃はかなり大きい。米側が協議を有利にするため、円高誘導発言で揺さぶりをかけるリスクも気になるところだ。

 足元で日本企業の設備投資が増加傾向を続けているなど景気は緩やかな拡大を続けている。ただ、貿易や投資を滞らせる保護主義の悪影響は、企業や家計の心理面に負の作用を及ぼし、経済や物価にジワジワと下押し圧力をかける恐れがある。「現時点で従来の経済・物価のメインシナリオを変えるほどのものではない」(黒田総裁)が、9月の企業短期経済観測調査(日銀短観)や10月の支店長会議での報告、さらには各種経済指標に異変の予兆が出てこないかを日銀は注視していく。

 仮に保護主義拡大を背景とした経済のリスクが徐々に顕在化した場合、日銀の政策にも影響を及ぼす可能性がある。7月末に決めた政策の枠組みに基づく日銀の金利の「上向き修正」などがスムーズに進まなくなるかもしれないのだ。

■緩和政策の副作用軽減に逆風も

 日銀は7月末、金融緩和策の柔軟性を上げる政策修正措置を決めた。物価上昇圧力がなかなか強まらないなか、副作用を軽くして政策の持続性を上げ、緩和策の長期化に備える狙いがあった。具体的には、長期金利(10年物国債利回り)の変動容認幅を従来の倍のマイナス0.2〜プラス0.2%に広げた。上場投資信託(ETF)の購入額も、「年間約6兆円」を維持しつつ「市場の状況に応じて上下に変動しうる」とした。長期金利を上げたり、ETF購入額を減らしたりできるようにしたわけだ。だが、こうした「緩和縮小方向」の柔軟対応を具体化するには、物価情勢の改善や市場環境の安定が必要だ。

 仮に米国発の保護主義拡大で世界経済が下振れて市場が荒れるようなら、むしろ「緩和強化方向」の柔軟対応すら迫られかねない。長期金利を下限のマイナス0.2%程度に下げたり、ETF購入を機動的に増やしたりする対応だ。副作用軽減という当初の狙いとは逆方向になり、緩和政策の持続性を揺るがしかねない。政策運営は一段と難しくなる恐れがある。

 先週、緩和策の出口に関する安倍晋三首相の発言が関心を集めたが、出口政策に急いで着手できる状況ではないというのが日銀の考えだ。黒田総裁は「2%の物価安定目標の実現に向けて全力を傾けてまいりたい」と強調した。


黒田総裁、決定会合受け会見 貿易戦争の影響は
経済
2018/9/19 14:41 (2018/9/19 16:26更新)
 「政策措置の効果を評価するのはやや性急だ」。日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後の記者会見でこう述べた。7月末の前回会合では大規模緩和が国債市場に及ぼす副作用を和らげるため長期金利の変動幅の拡大を容認したが、効果の見極めには時間がかかるとの認識だ。安倍晋三首相が今後3年のうちに金融緩和の「出口」に道筋をつけるとした発言には「日銀として2%目標の実現に全力を尽くす」と述べた。

黒田総裁 「貿易摩擦の影響を注視」
 日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後に記者会見し、米中などの貿易摩擦について「日本経済への影響を注視する必要がある」と述べ懸念を示した。
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記者会見する日銀の黒田総裁(19日午後、日銀本店)
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記者会見する日銀の黒田総裁(19日午後、日銀本店)

 日銀は7月の会合で、長期金利の変動幅をそれまでの2倍にあたるプラスマイナス0.2%程度まで容認することを決めた。直後には金利の動きが大きくなったものの、8月中旬以降は取引が再び停滞し、足元では0.11%前後で膠着感が強まった。黒田総裁は日銀のアンケート調査で市場機能が改善していることに触れつつ、「夏場は取引が細りやすい」とも述べ、引き続き市場状況を見極めていく考えを示した。

 14日に開かれた自民党総裁選の討論会では安倍晋三首相が「(今後3年の)任期のうちにやり遂げたい」として、「出口戦略」の道筋をつける考えを示した。黒田氏は「雇用や企業業績など経済情勢は大きく改善している」と安倍首相同様に成果を強調した。ただ今後の政策運営は「引き続き物価目標をできるだけ早期に実現すべく金融緩和を続ける」と従来の発言を踏襲した。

 もっとも肝心の物価がなかなか上がらないことは日銀自身が深く認識している。7月会合で示した政策委員の物価見通しの中央値は、2020年度ですら消費増税の影響を除いて1.6%にとどまる。景気がよくても足元で物価上昇の勢いは一向に強まっておらず、今後3年で2%の物価安定目標を実現することは厳しいのが実情だ。

 物価上昇にとってさらなる逆風となりかねないのが、貿易摩擦が一段と激化して世界景気が腰折れするリスクだ。黒田氏は「非常に関心を持って状況をみている」とした。貿易への直接の影響だけでなく、「企業や家計のマインド面を通じて投資や消費に影響が出てくると幅広い影響を及ぼしうる」とし、今後の動向を注視していく考えを示した。

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リーマン危機10年、日本株は魅力的? (55秒で映像解説)
松崎雄典編集委員
スグ効くニュース解説
2018/9/20 6:00日本経済新聞 電子版
保存 共有 印刷 その他
リーマン・ショックから10年が経過しました。日本株の魅力は高まりましたか。


「ニュースのなぜ?」を日本経済新聞の編集委員が解説します。Twitterで質問を募集中です。

リーマン10年 日本株は魅力?(スグ効く解説55)
 リーマン・ショックから10年が経過した。日本株の魅力は高まったのか、松崎雄典編集委員が55秒で解説。
Play Video
回答者:松崎雄典編集委員 2008年9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻を受けた16日の日経平均株価は、前週末比605円(5%)安の1万1609円でした。株価の下落は半年続き、09年3月にバブル経済崩壊後の安値7054円を付けます。

 その後、海外に比べ、日本株は回復が遅れました。一時、1ドル=75円台まで進んだ円高や、東日本大震災による物流網の寸断、電力料金の上昇などが企業収益の重荷となり、海外投資家は日本株に投資しなくなります。

 リーマン危機から10年が経過した現在、日経平均は2万3000円台にまで上昇しました。10年前の2倍。2.4倍になった米国株には及びませんが、1.4倍の欧州株を上回っています。

 再評価されるようになったのはなぜでしょうか。フィデリティ投信の丸山隆志最高投資責任者(CIO)に聞くと、2つのグラフをみせてくれました。

 法人企業統計によると日本企業(金融保険を除く全産業)の売上高経常利益率は1954年以降、2〜4%を中心に上下していました。2013年から上回るようになり、足元では7.7%です。製造業に限ると10.6%に達しています。丸山CIOは「企業経営者が再びショックが来ても耐えられるよう、利益率の改善に取り組んだ結果」とみます。

 もう1つは売上高に占める海外の比率が3割を超える企業の数です。12年まで400社ほどでしたが、600社に迫ってきました。海外で活躍する企業が増えています。

 悲観論はかなり和らぎましたが、なお多くの海外投資家は慎重です。企業の収益力が高まったとはいえ、高齢化や政府債務の多さといった大きな問題を考えると、他の国の株式に投資した方が良いと考えるからです。

 日本株への投資がさらに増えるには、日本経済全体への不安が和らぎ、投資家向け広報(IR)などで企業の実力がより知られるようになる必要があります。

結論:企業の稼ぐ力は着実に高まった。海外投資家を呼び込み一段の株高につなげるには、日本経済への不安解消がカギとなる。

あすはミニバンタイプの新型タクシーの特徴を分析します。


松崎雄典(まつざき・ゆうすけ)

 2001年日本経済新聞社入社。証券部、大阪経済部、日経ヴェリタス編集部、ロンドン駐在記者などを経て17年4月より編集委員。証券アナリスト検定会員。専門は企業財務、マーケット。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35472170Y8A910C1I10000/?n_cid=NMAIL007


 

アルゼンチン6四半期ぶりマイナス成長 4〜6月4.2%減
2018/9/20 5:21日本経済新聞 電子版
 【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチン国家統計センサス局が19日発表した4〜6月期の実質成長率は前年同期比で4.2%減と、大幅なマイナスとなった。歴史的な干ばつの影響で農業が大打撃を受ける中、4月に始まった通貨下落が製造業や商業などの不振を招き、追い打ちをかけた。足元で通貨安は進行しており、当面苦しい状況が続きそうだ。

通貨安が進む中、両替商の店舗前で為替レートを気にするアルゼンチン国民(12日、ブエノスアイレス)
通貨安が進む中、両替商の店舗前で為替レートを気にするアルゼンチン国民(12日、ブエノスアイレス)

 前年同期比でマイナスとなるのは6四半期ぶり。1〜3月期の実質成長率(改定値)は同3.9%のプラスだったため、急激な落ち込みとなった。

 大幅減の最大の要因は歴史的な干ばつだ。水不足で大豆生産が振るわず、4〜6月期の農業部門は前年同期比で31.6%のマイナスとなり、全体の足を引っ張った。

 4月からの通貨安の影響も大きい。米国の利上げなどを背景に新興国からの資金流出が続く中、アルゼンチンの通貨ペソは急落。アルゼンチン中央銀行は政策金利を引き上げ、政府は財政支出の抑制を余儀なくされた。この結果、製造業が同1.8%減、商業が同1.6%減と前年実績を割り込んだ。通貨安の恩恵を受ける鉱業輸出など一部を除き、ほとんどの分野で軒並み1〜3月期から数字を落とした。

 通貨安は7月以降も続いており、9月に入ってからは1ドル=39ペソ台で推移する。6月末時点からの下落幅は対ドルで26%を超える。通貨安に伴う経済低迷は7〜9月期から本格化するとみられている。

 アルゼンチン政府は通貨安を食い止めるため、国際通貨基金(IMF)へ追加支援を要請。ドル売り・ペソ買い介入で外貨準備高が減少する中、通貨防衛のための資金を確保したい考えだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35554840Q8A920C1000000/


アルゼンチンとブラジル、通貨が最安値更新
2018/9/14 8:38日本経済新聞 電子版
 【ブエノスアイレス=外山尚之】南米アルゼンチンとブラジルで13日、為替市場の終値で通貨が対ドルで過去最安値を更新した。新興国通貨安の震源地であるトルコの通貨リラは大幅な利上げで値を戻したが、経済や政治に不透明感がある国の通貨が売られる状況は続く。特にアルゼンチンは通貨安により8月のインフレ率が年率34.4%と物価高が加速しており、経済に深刻な影響を与えつつある。

アルゼンチンは通貨安で物価上昇が止まらない状況が続く(12日、ブエノスアイレス)
アルゼンチンは通貨安で物価上昇が止まらない状況が続く(12日、ブエノスアイレス)

 アルゼンチンの通貨ペソは13日、対ドルで前日比2.4%安の1ドル=39.1ペソで取引を終えた。ブラジルレアルは同1.2%安の1ドル=4.2レアルと、2016年1月以来の最安値を更新した。年初来からの下落率はアルゼンチンが52%、ブラジルが21%に達する。

 今回の新興国の通貨安の発端となったトルコでは13日、中央銀行が主要な政策金利である1週間物レポ金利を6.25%引き上げ年24%とした。市場予想を上回る利上げ幅により、通貨リラは対ドルで4%以上値を戻した。市場では新興国経済を巡る懸念が後退したとの見方もあったが、アルゼンチンやブラジルでは依然として通貨安圧力が強い。

 アルゼンチン政府は現在、国際通貨基金(IMF)と追加融資に向けた協議を進めているが、国民がペソを売ってドルに変える動きが止まらず、通貨安に歯止めがかからない状況だ。

 通貨安はアルゼンチン経済に打撃を与えている。アルゼンチン政府は13日、8月のインフレ率が前年同月比34.4%と、7月から3.2ポイント上昇したと発表した。トルコショックを受け通貨安が加速したことで、物価の上昇が止まらない。ペソ安が続く中、年内にもインフレ率が40%に達するとみられている。

 ブラジルでは10月の大統領選に向けた世論調査でばらまき色の強い政策を掲げるシロ・ゴメス元財務相(60)の人気が上昇し、2位につけていることが嫌気されている。

 現在、首位を走る「ブラジルのトランプ」ことボルソナロ下院議員(63)は過激な発言で批判も強く、第一回投票で過半数を取れずに10月28日に予定される決選投票で敗れるとの見方が強い。2位争いに焦点が移る中、財政規律を重視するアルキミン前サンパウロ州知事(65)が伸びず、ゴメス氏が着実に支持を集めている。市場では財政の持続可能性についての懸念が強まっており、レアル売りにつながっている。

トルコ中銀が大幅利上げ、政策金利24%に (2018/9/13 21:18更新)
NY株3日続伸で147ドル高 トルコ利上げで安心感 (2018/9/14 5:30)
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35358550U8A910C1000000/?n_cid=SPTMG022


 

ビジネス2018年9月20日 / 07:34 / 1時間前更新
ドル下落、米中貿易摩擦不安和らぐ=NY市場 米国株はダウとS&P上昇、米国債利回り上昇受け金融株に買い
2 分で読む

[ニューヨーク 19日 ロイター] -

ニューヨーク外為市場は、ドルが対ユーロでやや下落し、リスクに敏感とされる豪ドルに対して約3週間ぶり安値を付けた。米中貿易摩擦を巡る不安が和らいだ。

ユーロが対ドルで0.14%上昇した。

豪ドルAUD=は0.69%値上がりし、8月30日以来の高値を記録した。

中国財政省は18日、米国の追加関税を受け、従来の計画通り約600億ドル相当の米国製品に関税を課すと明らかにした。ただ当初予定から税率区分を簡素化し、最高水準を引き下げた。

トランプ米大統領は17日、2000億ドル相当の中国製品に対して関税を課すと発表した。関税率は年末までに25%に引き上げられるが、発動当初は10%にとどまる。

クレディ・スイスの外為ストラテジストは「公表された関税は全般的に市場予想の中でも低い水準と受け止められたことが、市場反応からうかがえる」と話す。

リスク選好が各市場の追い風となった。中国が競争的な通貨切り下げを行わない方針を示し、インドルピーが主導する形で新興国通貨が底堅かった。

ドルは軟調だったが、一部の市場参加者はなおドルの底堅さを指摘する。

アムンディの外為部門世界責任者は「ドルは世界を代表する準備通貨で、フェデラルファンド金利はリスクと無縁だ。最もリスクが低い一方で、利回りはG10中で最高水準だ」と語る。

来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果も注目されている。連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切り、将来の道筋も見通しやすくなるとみられる。

ドルは対円で0.15%下落した。日銀の黒田東彦総裁は、物価2%の早期実現に向けて金融緩和を続ける考えを示すなどした。

カナダドルは対米ドルで約3週間ぶりの高値を付けた後、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉協議を控える中、上げ幅を大きく縮小した。

英国のメイ首相が欧州連合(EU)首脳らと会談することに伴い、同国の離脱問題報道にも市場の関心が集まる。

英ポンドは対ドルでほぼ横ばい。メイ氏がアイルランド国境問題に関するEUの修正案を拒否する方針と伝えたタイムズ紙報道を受け、大半の上げ幅を縮小した。

ドル/円 NY終値 112.27/112.30

始値 112.41

高値 112.42

安値 112.17

ユーロ/ドル NY終値 1.1672/1.1674

始値 1.1688

高値 1.1694

安値 1.1651

表はロイターデータに基づいています

2018年9月20日 / 07:24 / 1時間前更新
米国株はダウとS&P上昇、米国債利回り上昇受け金融株に買い
5 分で読む

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が上昇して終了した。米国債利回りの上昇を受け金融株に買いが入ったことに加え、通商を巡る懸念が後退したことが背景。ダウは1月下旬以来の高値で取引を終えた。

S&P金融株指数.SPSYは約1.8%上昇し、S&P500種の主要セクター指数の中で最も上昇率が大きかった。

ゴールドマン・サックス(GS.N)、JPモルガン・チェース(JPM.N)、シティグループ(C.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)は、2.6─3.3%上昇した。

米国債利回りの上昇を受けてディフェンシブ銘柄は売られ、S&P公益事業指数.SPLRCUは2.1%下落、下げが最もきつかった。

マイクロソフト(MSFT.O)は1.3%安。

同社は18日、四半期配当を約10%引き上げたが、モルガン・スタンレーは引き上げ率が同社の過去12カ月の営業利益の伸びを下回り、投資家の期待に届かない可能性を指摘した。

アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)は0.8%安。

欧州委員会のベステアー委員(競争政策担当)は19日、アマゾンによる販売業者データの使用を巡り、同サイトで商品販売する業者に対し聞き取り調査を実施していることを明らかにした。

アマゾン以外のハイテク大手「FAANG」株では、ネットフリックス(NFLX.O)も小幅下落。フェイスブック(FB.O)は1.7%高。アップル(AAPL.O)とグーグルの親会社アルファベット(GOOGL.O)は小幅上昇した。

米中間の通商摩擦を巡っては、中国の李克強首相が19日、中国は輸出拡大のために意図的に人民元相場を下落させていることはないと語った。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチはリサーチノートで「直近の関税の経済への直接的影響は小幅にとどまる可能性が高い」との見方を示した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.17対1の比率で上回った。ナスダックでも1.17対1で値下がり銘柄数が多かった。

S&P総合500種構成銘柄をみると、32銘柄が52週高値を更新し、新安値を付けた銘柄はなかった。ナスダック総合構成銘柄では53銘柄が新高値を更新し、58銘柄が新安値を付けた。

米取引所の合算出来高は約65億2000万株。直近20営業日の平均は62億3000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 26405.76 +158.80 +0.61 26287.84 26464.4 26280.7 .DJI

1 6

前営業日終値 26246.96

ナスダック総合 7950.04 -6.07 -0.08 7962.55 7976.13 7917.73 .IXIC

前営業日終値 7956.11

S&P総合500種 2907.95 +3.64 +0.13 2906.60 2912.36 2903.82 .SPX

前営業日終値 2904.31

ダウ輸送株20種 11513.66 -1.28 -0.01 .DJT

ダウ公共株15種 723.03 -15.36 -2.08 .DJU

フィラデルフィア半導体 1371.68 +2.81 +0.21 .SOX

VIX指数 11.75 -1.04 -8.13 .VIX

S&P一般消費財 928.87 +0.29 +0.03 .SPLRCD

S&P素材 377.06 +4.17 +1.12 .SPLRCM

S&P工業 667.72 -0.28 -0.04 .SPLRCI

Goldman Sachs Group Inc
235.58
GS.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+6.69(+2.92%)
GS.N
GS.NJPM.NC.NBAC.NMSFT.O
S&P主要消費財 559.10 -0.83 -0.15 .SPLRCS

S&P金融 475.47 +8.22 +1.76 .SPSY

S&P不動産 204.13 -1.88 -0.91

S&Pエネルギー 552.68 +2.10 +0.38 .SPNY

S&Pヘルスケア 1079.83 -1.20 -0.11 .SPXHC

S&P電気通信サービス 156.61 -2.14 -1.35 .SPLRCL

S&P情報技術 1300.39 -1.32 -0.10 .SPLRCT

S&P公益事業 267.83 -5.81 -2.12 .SPLRCU

NYSE出来高 8.47億株 .AD.N

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23615 + 95 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 23580 + 60 大阪比

ロイターデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-19-idJPKCN1LZ2VO

 


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54138
ポンド安が刺激にならない英国経済
生活水準が下がっただけ、通貨切り下げの「達人」に学ぶ教訓
2018.9.20(木) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年9月14日付)

英新紙幣に女性作家オースティン 没後200年に合わせ発表
英南部にあるウィンチェスター大聖堂で公表された、英作家ジェーン・オースティンを描いた新10ポンド紙幣(2017年7月18日撮影)(c)AFP/Chris J Ratcliffe〔AFPBB News〕

 過去70年間にわたり、英国は通貨切り下げの達人だった。

 1948年には、1ポンドで4ドル強、13.4新ドイツマルクを買うことができた。現在は1.3ドル、2.2ドイツマルク相当のユーロしか買えない。

 自国通貨切り下げにおける英国の成績は世界一流だった。経済動向の実績は、これに見合うものになっていない。

 この70年間を見ると、主要7カ国(G7)の中で1人当たりの国内総生産(GDP)成長率が英国より低かったのはカナダだけだ。

 もっと最近では、例えば1999年のユーロ誕生以降、英国の生活水準の向上ペースは単一通貨に加盟する平均的な国を若干下回っている。

 ここから得られる長期的な教訓は、通貨切り下げは1949年、1967年、1992年の英国の国際収支危機を多少和らげたものの、ポンド安は繁栄に至る道筋ではないということだ。

 直近2度のポンド安局面は、懐疑論を強めるだけだ。

 2007年の終盤から2009年初頭にかけて25%下げたポンド安は、英国を不況から救い出せず、国の貿易収支の改善にほとんど貢献しなかった。

 財の輸出数量はポンド安による競争力向上にほとんど反応せず、サービス輸出は全く変わらず、ポンド安が貿易に与えた主な影響は、英国市民の海外旅行を抑制することだった。

 2015年終盤から20%下落したポンド安局面は、それ以上に期待外れだった。

 輸出業者は高まった競争力を生かし外国のライバル企業に安値攻勢を仕かけようとせず、逆に輸出品のポンド建て価格を引き上げた。

 外国製品・サービスのコストが上昇したにもかかわらず、国内販売の輸入代替はほとんど起きなかった。

 製造業就業率の若干の回復は圧倒的に、食品や、ラジエーター、ナイフ、フォーク、スクリューのような金属製品など、単純で生産性の低い製品の生産に集中していた。

 ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)が決まった国民投票以降、正味の貿易収支が成長に全く貢献せず、イングランド銀行が繰り返し今後見込まれる景気刺激効果を下方修正していることから、足元のポンド安は英国史上最悪の通貨安になろうとしている。

 大多数の英国人にとって、直近2度のポンド安がもたらした圧倒的に大きな効果は、物価が賃金より早く上昇し、生活水準が下がることだった。

 購入する輸入品の量は以前とほぼ変わらず、英国人はただ以前より貧しくなっている。

 2007年から2018年にかけて、英国の物価水準は30%上昇した。これに対し、ユーロ圏は17%、すべての先進国の平均は19%だ。

 輸入インフレによるコスト上昇を考慮に入れるために雇用主に賃上げを迫る労働者の力が限られているため、主に先進国から成る経済協力開発機構(OECD)諸国で過去10年間に実質平均賃金の上昇が英国より鈍かったのはメキシコとギリシャだけだ。

 これはポンドの弱さのせいであり、英国人が不幸せなことに誰も驚くべきではない。

 近代経済国における通貨切り下げのお粗末な実績に経済学の考え方が追いつきつつある。米ハーバード大学のギータ・ゴピナ教授の研究は、企業は圧倒的に、支配的な通貨で輸出品、輸入品の代金を請求することを実証した。

 英国にとっては、その通貨は米ドルとユーロを意味する。

 どんな輸出についても製品・サービス輸入が価値の大きな割合を占める世界的なサプライチェーンにおいては、特にそうだ。

 つまり、ポンドが競争力と貿易量に与える影響は、以前よりずっと小さくなっているということだ。

 通貨安が長期的に英国の助けになっておらず、この10年間は生活水準に甚大な被害を及ぼしてきた理論的、実際的証拠が積み上がるなか、さらなるポンド安を追求する施策は、分別のある経済政策の青写真に含まれるべきではない。

 ところがポンド安は、経済的な公正さに関する公共政策研究所(IPPR)の委員会が最近打ち出した提言の中心に据えられており、労働党はこれを支持している。

 これはひどく遅れた考え方だ。

 生活に困窮している家族を助け、英国のために前向きな政策プログラムを用意したいのであれば、最近の証拠はすべて、通貨切り下げが過去の政策であることを示唆している。

By Chris Giles

c The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/525.html#c1

[経世済民128] 「テレワークは主婦だけのものではありません」 伝道師、田澤由利氏に聞いた 「提言 私たちの働き方」 うまき
3. 2018年9月20日 10:33:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1508]
【第2回】 2018年9月20日 和田 裕美
正社員になったら安定を失った…本当の「安定」「安心」って何?
大企業のほうが安心、正社員採用のほうが安定している。
女性が転職を考えたり、主婦から再び働こうと考えたとき、
ほとんどの人が「安定」を条件にあげる。
しかし、そうした働き方が、今の時代は「リスク」になることも…。
専門スキルや学歴がなくても、経験がなくても、年齢を重ねていても、
主婦であったとしても、
技術を身につけることで、
女性はもっと「稼げる」し、
本当はもっと「稼いでいいんです」。
そう語るのは、外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、
世界第2位の成績を残し、
独立後に出版した書籍は
累計200万部超えの作家・和田裕美さん。
彼女が20年かけて伝えてきたことの集大成が「稼げる技術」である。
「稼げる技術」とは、
自分で稼いで自立できる力のこと。
会社に依存するのではなく、
自分の力で一生食べていくスキルだ。
書籍『何もなかったわたしがイチから身につけた稼げる技術』より
安定志向でいると陥りやすいワナについて解説する。
(まとめ/両角晴香、編集部、著者写真/佐久間ナオヒト)
女性にとって安定した仕事とは?
誰にも依存せず、自分でお金を生み出したい
転職を考えている女性に話を聞くと、
「安定した仕事に就きたいんです!」という人のほうが、
「起業したいんです!」というよりも圧倒的に多いですよね。
たしかにこの考え方は安全パイです。
安定していたら、病気になっても、保証があるし、会社もつぶれないし、ずっとお給料をもらえる。ここにリスクはなさそうなので「食いっぱぐれない」。
その上で「高い給料」であったなら、それは最高の安全地帯です。
だからこっちを求める人の気持ちが、すごくわかるんです。
ただ、お給料をもらう立場では、残念ながら
「これだけ欲しい、稼ぎたい」という希望は、あまり通りません。
上限があり、決まった金額の範囲内で「稼ぐ」ことになります。
そう、安定は「定まったところに安まる」ということです。
会社からもらった株が上場して高値をつけたなど、よほどのことがない限りは大きくは稼げないのです。また、100%「安定の保証」もありません。
あの大きな企業がまさか、あんなことになって、あんなにリストラするなんて、10年前に誰か考えたでしょう? だから、安定が続くかはわからないという曖昧な部分もあるのです。
誰にも、何にも依存せず、
自分で稼げるようになれれば…
和田裕美(わだ・ひろみ)京都生まれ。作家 株式会社HIROWA代表、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。営業力・コミュニケーション力・モチベーションアップのための講演・コンサルティングを国内外で展開している。
累計200万部超の著書に、『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『幸せをつかむ! 時間の使い方』『人づきあいのレッスン』『「やる気」が出るコツ、続くコツ』『和田裕美の営業手帳』(以上、ダイヤモンド社)など多数。
外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、世界第2位の成績を残し、その後、女性初の最年少支社長となった実績がある。
●毎日配信、登録無料 「ワダビジョン」 http://special.wadahiromi.com/mailmagazine/ ●Twitter @wadahiromi
●和田裕美ブログ http://ameblo.jp/wadahiromi/
ずっと「安定」を求めていてもいいのですが、会社やダンナさんなど、何か・誰かに100%頼って生きていくとなると、ずっと「誰かに食べさせてもらう」ことになります。
「それがいいんだ!」と思う人もいるので、あくまでもひとつの価値観なんですが、もし、ダンナさんがリストラされたら、もし、会社が倒産したら……。
(あまり悪いことを考えたくはないので、言い換えると)
もし、もっとお金が必要になったら、
もし、もっと輝きたくなったら……。
断然、誰にも依存せず、自分で稼げるようになっているほうがいいんです。
そっちのほうがむしろ、大きな大きな安定だと思うのです。
会社にもらう保証ではなくて、
自分を信じることができる100%の保証だからです。
正社員になったとたん
収入ゼロを経験
あくまでも主観ですが、わたしは、安定にそれほど魅力を感じていません。
それはわたしの家庭環境の影響もあるし(親は自営業)、自分が働いてきた環境の影響もあります。
もしもわたし自身が安定を求めていたら、20代で3000万円以上の年収を手にはできなかったでしょう。
さらに言えば、安定を手にしても、それが急になくなってしまった経験があるからなんです。
本社正社員になったら
全員解雇!
わたしが今までの人生で唯一「安定」を失った瞬間というのが、なんと営業現場から本社正社員になって安定してから2年目ときのことでした。
外資系企業だったため、本社のアメリカ・シカゴでオーナーが変わった瞬間に、会社の方針がガラッと変わったのです。そのせいで売り上げが伸びなくなり、ついには日本撤退へ。
全員解雇、クビになりました。(ここでは短く書いていますが、もっとゴタゴタがいろいろとあります)
日本法人として38年も続いて安定していたはずの会社だったので、そのときは労働組合も相当な反発をしていましたが、もう会社もない袖は振れないので、どうにもなりません。
正社員としてお給料をもらう立場になっていたわたしも、もちろん収入はゼロ。
売れなかったら報酬ゼロという厳しい環境で働いていたときは、安定した収入を得ていたのに、正社員になったらゼロになった!
「えっ、安定ってなに?」っていう感じです。
だったら自分で稼げばいい
しかし、完全歩合制度の営業現場で鍛えられていたわたしは、固定給が入ってこないことには慣れていたんですね。
だから、「だったら自分で稼げばいいや」とあっさり思えたんです。
ここで違う会社に転職しようとは、まったく思いませんでした。
まあ、フリーになって1年くらいはぼちぼちやっていたんですが、ひょんなことから出会った人に出版のチャンスをもらい、これまで培った営業エッセンスをまとめた本を出版して、セミナー事業などもやるようになったのです。
これはおそらく「稼げる技術」が身についていたからこそ、できたのです。
(「稼げる技術」について知りたい方は、第1回連載を参照ください)
人間関係にも、
会社にも縛られない働き方
人間関係にも会社にも縛られず、自由に生きているわたしは今、声を大にして、自信を持って、「どこでも働けます!」と言い切れます。
だからあなたも「正社員に……」「安定と保証が……」ということだけに固執しないでほしいのです。
そして、どんなことがあっても「一生食べていける自分」をつくったほうが、本当の意味で安心なのだと理解してください。

https://diamond.jp/articles/-/179973

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/510.html#c3

[経世済民128] 「テレワークは主婦だけのものではありません」 伝道師、田澤由利氏に聞いた 「提言 私たちの働き方」 うまき
4. 2018年9月20日 10:34:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1509]
壇蜜「ご機嫌を保つために不機嫌な人を見る」
2018年9月20日
母は「尊敬すべき、仕事をしていて家にいない人」だった
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 「仕事をする人間の女性としての母親を見ていた」ことから、大きな影響を受けたと語るのは、タレント、女優、そして文筆活動と多方面で活躍されている壇蜜さんです。9月21日公開の映画「食べる女」では、別居中の二児の母を演じました。映画のお話から、お母様から受けた影響まで、5つの質問に答えてもらいました。

前編:壇蜜「時短で何もかも一気にできると思うなよ」

画像のクリックで拡大表示
多方面で活躍されている壇蜜さんにお話をうかがいました
【質問6】影響を受けた人物は?
【回答】母です
 母が働いていた姿から受けた影響は大きいと思います。「仕事をする人間の女性」としての母親を見ていたので、私も将来は、仕事をする人でもあり、家族の一員でもあるという「角度によって見え方が変わる人」になれたらいいなと思っていました。中学生の頃、周りではお母さんが働いている人は珍しかったのですが、それを悪いとは感じていませんでしたね。「いつも家にお母さんがいるお家が、私はそんなに羨ましくないかもしれない」ということを、日記に書いていました。

 「こういう仕事をしていて、こうやって助かる人がいる」という、仕事が社会の仕組みに貢献していることを母に教えてもらえたことも大きかったです。仕組みを知ったことで、母親が「ただ家にいない人」ではなく「尊敬すべき、仕事をしていて家にいない人」という印象を持っていたので、親が家にいないことを恨んだりはしませんでした。

 父と離れて暮らすことになってからは、家庭を守るために母が一家の長のようになりました。いろいろな面を持ちながら毎日仕事に行っていた姿を思い出すと、自分の将来も「こういうことをしているのが私です」と言い切れないくらいの奥行きがあったらいいなと思いますね。

次ページ  自分の機嫌は自分で取る
【質問7】「食べる女」で演じられた「米坂ツヤコ」は、二人の子どものお母さんで夫とは別居中という設定です。どんな気持ちで演じられましたか?
【回答】娘のことをすごく考えるお母さんだと思いました
 ツヤコが子どものことをすごく考えているお母さんだということは、役の中で大事な点だと感じていました。台本を頂いて思ったのは、子どもたちが「子ども」としてちゃんと映るように、私の役があるのだということです。娘はすごくしっかりした子なのですが、お母さんのツヤコは少し頼りないんですよね。ツヤコは仕事も子育ても自分のしたいことも頑張る人なのですが、どこか危うい感じがある。お母さんが娘を「しっかりした子に育てた」というよりも、お母さんの危うさが、娘のしっかり者で優しいところを育ててくれたのかなと感じました。


画像のクリックで拡大表示
映画「食べる女」で米坂ツヤコを演じた壇蜜さん
【質問8】自分の機嫌をよくするために工夫していることはありますか?
【回答】機嫌が悪い人を見ます
 機嫌の悪い人を見ると、「自分の機嫌は自分で取らないとダメだな」と思わされます。機嫌は自分で直すのが正しいと思っていて、そのためには不機嫌で、みっともない人を見ればいいんです。そういう人を見ていると、「必死で物事をかなえようとしてきたけれど、それがかなわなかったり、何か言われたりしたら、こうなっちゃうよね」と、機嫌が悪い人に愛おしさを持てるようになります。だから、許すために見るという感じですね。

 機嫌の悪い人は、自分で直す気がないから手に負えないんです。私も「代わりはいくらでもいる」とか「お前は安っぽい」と言われたことがあります。でも、「それを言われても、私は普通さを保てているからいいや」と思うと、今日を納得して締めくくれる気がするんです。

 何かいいことがあってうれしくて、「明日もいいことがあるといいな」と思えるのは、20代前半くらいまでですかね。一日何事もなかったことに感謝して、神棚に向かって手を合わせて「明日もよろしくお願いします。明日も見守っていてください」と言うような時間が生まれたとき。そういうときに、明日もやっていこうとか、何とか生きる線を保っていこうみたいな気持ちが生まれると思うのです。それが私のモチベーションにもなっているのかもしれません。

次ページ  マイナスをプラスにすると充足感
【質問9】どんなときに充足感を感じますか?
【回答】自分の体のマイナスがちょっと改善されたときです
 私、鼻が詰まりやすい人なんですよ。だから鼻が通っていると、「はー、よかったー!」って思います。体の困っているところは誰でもありますよね。調子が悪い部分がちょっとでもよくなれば、自分で感じられるじゃないですか。「少しでもよくなったときに充足感を感じないなら、他にいつ感じるの?」という話です。

 おいしいものを食べたとか、甘いものを食べたとか、マッサージを受けたとか、そういうプラスなことではなくて、マイナスだった部分がゼロになったときのほうが、充足感を味わえますよ。みんな自分の弱っている部分を探したほうがいいと思います。


画像のクリックで拡大表示
「マイナスだった部分がゼロになったときのほうが、充足感を味わえますよ」
【質問10】映画「食べる女」のおすすめポイントを教えてください
【回答】「おなかすいた」と思えることです
 「おなかすいた」って思えることです。おなかがすくのは、充足感の話でいうと、体がマイナスになっている状態ですよね。食べておなかがちょっと満たされたらうれしいはずです。食べたくなる映画なので、映画に出てきた料理をまねしてほしいですね。まねできるところはいっぱいあります。うまくまねできたときに「やった!」と思えるはずなので、映画を見て、料理をまねするところまでをワンセットにしてほしいです。

聞き手・文/飯田樹 写真/小野さやか

【作品情報】
「食べる女」
9月21日(金)公開
配給:東映
(C) 2018「食べる女」倶楽部


画像のクリックで拡大表示
壇蜜(ダンミツ)

1980年12月3日生まれ、秋田県出身。多彩な経歴を経た後、グラビアモデルとして芸能活動をはじめ、現在はバラエティ、情報番組などへのテレビ出演からラジオや雑誌などでの執筆活動までも行う。女優としても幅広いジャンルで活躍し、「アラサーちゃん 無修正」(14)、「ホリデイラブ」(18)、などのテレビドラマや、『サンブンノイチ』(14)、『関ヶ原』(17)、『星めぐりの町』(18)などの映画作品に出演する。

【取材後記】
取材をしたのは東京が今年一番の暑さを記録した7月某日。取材後に壇蜜さんは「熱中症対策に」と、編集部に塩味のお菓子を差し入れてくださいました。その心遣いと丁寧に言葉を選んでお話しされる姿に、取材チームが心をつかまれたことは言うまでもありません。

https://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/011700165/091300017/?n_cid=nbpwol_mled
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/510.html#c4

[経世済民128] 一人の食卓もアレクサと一緒なら楽しくなる?アマゾンエコーが変える日本の料理風景 日本の潜在市場と隠れたる天才、発掘します うまき
1. 2018年9月20日 10:35:56 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1510]
2018年9月20日 竹内一正 :経営コンサルタント
AIは金持ちだけが使えるツール、2030年の格差社会に残る職業は
AIに奪われる仕事
労働集約的な仕事はAIに仕事を奪われます Photo:PIXTA
今ある仕事の大部分が、2030年にはAIに置き換わるといわれている。果たして、あと十数年後に私たちが直面する日本ではどのような世界が広がっているのか。『物語でわかる AI時代の仕事図鑑』の著者であり、経営コンサルタントの竹内一正氏が、AIによって加速する格差社会の現実と2030年のAI社会になっても生き残るための原則を語る。

「インターネットは貧乏人のツール。AIは金持ちだけのツール」
 ハーバード大学で金のない学生のザッカーバーグが立ち上げたフェイスブックが大成功したのは、タダ同然で使えるインターネットという“ふ化器”があったからだ。ツイッターにしても同様である。インターネットは貧乏人を成功に導くツールであり、今でもその神通力は健在だ。

 しかし、AIは違う。

 AIはタダでは使えない。AIに入力する膨大なデータを集めるにも金がかかる。その上、データ量が多ければ多いほどAIは力を発揮するが、より多くのデータを集めるにも、より多くの金がなくてはならない。しかも、AIが力を発揮するには高性能なコンピューティング能力が必要となり、それにも金がかかる。

 AIは金持ちをより金持ちにする性質を持っている。一方、AIの恩恵に浴せない中小零細企業や個人事業主、資金のない個人はAI格差の谷に落ち込んでいく。

「インターネットは貧乏人のツールだったが、AIは金持ちだけのツールだ」

 これはあるAI研究者の言葉だ。

 日本政府は「日本に格差はない」と大本営発表みたいなことを言うが、日本で格差は拡大していることは事実だ。そして2030年に向けてAIによって格差はさらに広がっていく。

AIは、常に正しい答えを出せるわけではない
 AIに関する本は既に多く出ているが、AIはそれだけが単独で私たちの前にポンと出現するわけではないことに注意が必要だ。企業の都合や、社会の受け入れる力と綱引きをしながら浸透していく。その時、仕事を奪われると考える人たちは抵抗するだろうし、全ての問題が解決できると過大評価してしまう社長は先走るに違いない。

 そして、AIは常に正しいわけではない。そのことを世間が知るきっかけは、NHKが2018年3月に放送した『AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン』というマツコ・デラックスと有働由美子アナが出演した番組だ。

 パターン認識で700万を超えるデータをAIが解析という触れ込みの番組の中で、「仕事の効率を上げたいなら?」という質問に対し、NHKのAIは「11時間54分以上働く」と驚きの回答を出した。多くの視聴者は思わず「???」となっただろう。

 なぜNHKのAIはそんなバカげた結論を出したのか。

 AIに入力したデータには「健康に関するデータは入っていなかった」という言い訳的な説明が番組中になされるに至ると、多くの視聴者があきれた。労働者にとって、健康に働くことは極めて重要なことだ。ところがそれが抜け落ちていたとは…。

 番組に対し「そんな重要なデータを入力しないでどうする!」という批判が寄せられたのは当然だ。当時の安倍政権は、長時間労働を問題視しているというポーズを取りながら、残業代ゼロでタダ働きを助長する「働き方改革」の法案を通そうとしていた時だった。

 NHKが政権の意向を忖度したかどうかはわからないが、わかっていることは、どんな高度な性能を持つAIでも、必要なデータを入力しなければ間違った結果しか出せないことだ。AIは入力するデータ次第で結果が変わるということを視聴者に知らしめたことが、この番組の最大の功労だったろう。

今のAIはまだ、物事を理解して判断できない
 では、今のAIはどんなレベルなのだろう?

 ここで、インターネットを生んだ米国の研究機関DARPAのAI研究者の意見を紹介しよう。AIのレベルには3つの波があるらしい。

 第1の波は「手作りの知識」、つまり人間が一つひとつ知識をAIに教え込むレベルだ。ロジスティックス(物流)のプログラムやチェスなどはこれに当たる。

 第2の波は「統計的な学習」で、大量のデータからAIは学んでいく。現在のAIの主流で、音声認識、顔認識など膨大な学習データを統計的に処理し、AIは結果を導き出す。しかし、決して物事を理解し、判断しているのではない。さらに、AIが出した結論の理由が説明できない「AIのブラックボックス化」という問題を有している。

 そして、第3の波が「文脈の理解」だ。物事の文脈を理解し、いわば、常識を持つAIである。そして、AIが自ら出した結論の理由を説明できる。ただし、第3の波はまだ来ていない。私たちは今、第2の波の中であり、2030年になっても第3の波は来ていないだろう。

2030年に訪れる「AI社会」の姿とは?
 2030年の社会を想像する前に、まず、過去に例を探っておこう。パソコンが企業で普及しだした1995年頃のサラリーマン諸氏の様子から学び取ることは多い。

 パソコン普及期の第1段階では、パソコンが使えない部課長は、部下に命じて資料や企画書を作成させていた。PCで何ができて何ができないかは社長も部課長もわかっていなかった。

 第2段階になると、部下たちから白い目で見ら続けていたPC音痴の部課長は、いやいやながらPCの使い方を自分で学び始める。

 第3段階では、部課長も社長も自分でPCを使うのが当たり前になる。この頃になってやっとPCでできることとできないことの境界線が幹部社員にもわかるようになった。

 AI時代も似たような道筋をたどるだろう。PCを早く習得したビジネスマンの方が先に生産性が上がったように、AIの使い方を早く学んだ方がビジネス戦線で勝利を得る確率は高くなる。

 今後2030年に向けて、日本社会の道路や上下水道などインフラは急速な老朽化に直面するが、国にも自治体にも予算的な余裕はなく、修理は手つかずになっていく。2030年の日本の空には宅配ドローンが飛び、スマホは第5世代移動体通信で今より格段に速くなり、あるレベルの自動運転車(ただし、レベル4までで、完全自動運転は日本では出遅れる。詳しくは別の機会に説明しよう)が公道を走るだろう。しかし、その道路は陥没が至る所で発生し、老朽化で通行止めになっている橋も少なくなく、水道管の破裂も珍しくない、そんなアンバランスな社会となっている。

 社会全体が“均衡ある成長”を遂げることは無理になるのが、2030年の日本の姿だ。

AI時代に食える仕事、食えない仕事
 自動車は便利を提供したが、交通事故という負の側面ももたらした。全てのテクノロジーには光と影がある。

 そして、AIは今ある仕事を奪っていくが、新しい仕事も作り出す。ただし、AIは10個の仕事を奪う一方で、新しい仕事は2個しか生み出さないといった具合だ。

 定量的に考えれば、AIにより雇用の絶対数は減り、“雇用収縮”が生じることは明らかだ。とりわけ雇用の多くを占めてきた労働集約型の仕事こそAIの得意技のひとつであることを忘れてはいけない。
 
 2030年の日本では、データ・サイエンティスト、ドローンやセンサー技術者は引っ張りだこになり、環境や次世代エネルギーに関するデバイス開発者は引く手あまたとなる。自動運転に関するプログラマーもウエアラブルPC開発者も、そしてAIなどの技術を社会問題と融合させて解決策を生み出す社会科学系の研究者も脚光を浴びる。

 つまり、新たな価値を生み出す仕事はAIに奪われない。もちろん、AIのプログラマーも重要な役割を果たす。医療では手術支援ロボット「ダヴィンチ」の普及が進むが、高度な手技を持つ脳神経外科医などはAIに置き換えられない。

 しかし、このような仕事に就ける能力を持つ人は多くはない。

 一方で、労働集約型のコールセンターはAI化でオペレーターの省人化が進み、製造現場の直接作業者も同じ波をかぶる。銀行マンはあこがれの仕事から、やりたくない仕事に転落する。

 薬剤師は仕事の大半がAIに奪われやすく、司法書士、行政書士、社会保険労務士も同様だ。弁護士も例外になりえず、プログラマーでさえ凡庸なレベルではAIに仕事を奪われる。

 非正規雇用は今後も増えるだろうが、AI化はその後押しをしてしまう。

AIの弱点を知れば、未来は明るい
 しかし、AIを過剰に恐れたり、イメージに振り回されたりしてはいけない。なにより、AIの弱点を知ることは大切だ。

『物語でわかる AI時代の仕事図鑑』
竹内一正さんの新刊『物語でわかる AI時代の仕事図鑑』
 AIは、入力されたデータが正しいかどうかを判断する能力を持ち合わせていないことはNHKの番組ネタで既に言及した通りだ。その結果、入力データを恣意的に選択して、AIから利用者が希望する結果を引き出すことも起こりうる。この度、出版した『物語でわかる AI時代の仕事図鑑』で登場するエリート銀行マンが、頭取によるAI悪用事件に巻き込まれる姿はまさにそれだ(詳しくは本書を読んでいただきたい)。

 近年、上司が指示を出さなければ動けない“指示待ち社員”が問題となっているが、AIは断トツの指示待ち社員でもある。誰かがデータを集め入力しないとAIは役に立たない。AIは自分でデータを探し出して考えることはまだできないし、2030年でも無理だろう。

 そして、AIにできることには限界がある。上梓した本書の物語には女性漁師が登場する。彼女は苦労の末にAIセンサーを使い、定置網漁での漁獲高をアップさせ年収を上げることに成功した。しかし、喜んだのもつかの間で、資源としての魚の量そのものを増やす力はAIにはなかったことに気づく。漁業のルールは水産庁といった規制官庁によって決められていて、規制の存在が、AIの問題解決能力以上の支配力を持っているからだ。AIの限界を知った女性漁師はある行動に出るのだが…。

 今から12年先の2030年は、高齢化と非正規雇用が増加し、老朽化した社会インフラの下で、資金力のある企業を中心にAI化が嫌でも進行し、さまざまな格差が広がっていく。

 そんな時代を生きるにはどんなことを考え、行動すべきか?

 AIの波は避けられない。だからこそ、今までのやり方にしがみつかないこと。AI化から目を背けないことが肝要となる。なにより、AIは万能ではない。弱点もたくさんある。まずは、AIにできることできないことを客観的に理解すること。そして、これまでの働き方に縛られず、新たな働き方を積極的に求めて行動することができれば、AI時代をたくましく生き抜く可能性が高くなる。

 変化に適応できた種のみが生き残るという原則は、2030年のAI時代でも有効だ。

(経営コンサルタント 竹内一正)
https://diamond.jp/articles/-/180131


 

2018年9月19日 / 13:18 / 12分前更新
コラム:自動車業界、グーグルに席巻される運命か
Liam Proud
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[ロンドン 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 日仏大手自動車連合が、アルファベット(GOOGL.O)傘下の巨大IT企業であるグーグルと手を組む。これはドライバーをより幸せにしてくれるはずだ。しかしグーグルが自動車向けソフトウエアに進出する姿は、同社がスマートフォン市場で大成功を収めた構図と気味が悪いほど似通っている。

ルノー(RENA.PA)と日産自動車(7201.T)、三菱自動車(8058.T)の連合は18日、車両搭載用基本ソフト(OS)としてグーグルのスマホ向けOS「アンドロイド」を2021年から採用すると発表した。各社は現在、オープンソース方式の「Linux」のソフトウエアを含めて寄せ集め的な技術を使っている。この提携に関する金銭的な条件は明らかになっていない。ただグーグルが、ソフトウエアを提供する代わりに、ユーザーのデータ獲得と各種アプリを予めインストールすることを要求するというスマホの世界で駆使したやり方を踏襲する事態が想定される。

グーグルとの提携は、ドライバーにとっては色々と楽ができるようになる。今の車は、ダッシュボードの下のスクリーンには「インフォテインメント(情報と娯楽の融合)」システムが搭載され、ナビゲーション支援や音楽再生などの機能を果たすが、そうしたソフトウエアは、消費者がハンドセットに基づいて対面するインターフェースに比べて不格好になりやすい。

重要なのは、自動車メーカーのシステムは「グーグルプレイ」のようなアプリストアを持たないことが多い点だ。アンドロイドの採用によって、自動車はアプリ開発者にとって新製品を生み出す意欲が高まる分野となる。例えば駐車スペースを探したり、チケット料金を支払うアプリが登場するかもしれない。ライバルのプジョー(PEUP.PA)やトヨタ自動車(7203.T)も追随する以外選択肢がなくなるのではないか。

短期的に見れば、自動車メーカーが失うものは乏しい。グーグルは主に広告事業を展開しているので、ユーザーの位置などに基づいた製品販売をできるようにするデータに一番関心を寄せるはずだ。メーカー側は、新たなサービスをドライバーに提供するための自動車の走行に関する情報は引き続き管理できるだろう。

それでもドライバーが車内でグーグルのアプリを利用するのに慣れてくるとともに、メーカーはどの方面にも事業を展開するのが難しくなる。この状況はまさに今、スマホメーカーが陥っている苦境だ。スタティスタのデータによると、アンドロイドは実にスマホの88%にインストールされている。グーグルはいずれ、自動車メーカーが大事にしまっているデータの提供を求め、傘下の自動運転部門ウェイモに役立てるとみられる。

もっともグーグルの影響力がそこまで広がれば、独占禁止当局の注目を集めるだろう。親会社のアルファベットは最近、スマホ市場で優越的な地位を乱用したとされ、欧州連合(EU)欧州委員会から43億ユーロの支払いを命じられている。

自動車メーカーは今後、グーグルが市場でより影響力を強めることを警戒するとしても、連携する以外に選べる道は乏しいだろう。

●背景となるニュース

*日産、ルノー、三菱自動車の連合は18日、車両搭載OSとして2021年からグーグルの「アンドロイド」を採用すると発表した。

*各社の車は、地図アプリ「グーグルマップ」やAI(人工知能)を用いて会話形式で検索などができる「グーグルアシスタント」が予めインストールされる。

*この提携の金銭的な条件は明らかにされていない。最初に報じた米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、グーグルはアプリによって生み出されたデータを利用するという。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/auto-google-breakingviews-idJPKCN1LZ0DD
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/511.html#c1

[自然災害22] 豊漁が一転、不漁に…サンマは北海道地震を知っていたのか(日刊ゲンダイ) :経済板リンク  赤かぶ
1. 2018年9月20日 10:50:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1511]
裏かかれる地震予測 司令塔なき研究、防災に課題
真相深層
北海道地震 科学&新技術
2018/9/20 6:57日本経済新聞 電子版

 6月に大阪北部、9月に北海道南西部と地震が相次ぐなか、地震研究を束ねる政府の地震調査委員会の存在感が薄い。同委は活断層などを調べて地震の発生確率を予測してきたが、多くの地震が「想定外」の断層で起こり、メカニズムについても曖昧な説明に終始している。「研究が防災に役立っていない」と、国の防災研究全体のあり方を問う声が強まっている。

北海道地震を受けて開かれた政府の地震調査委員会(6日)
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北海道地震を受けて開かれた政府の地震調査委員会(6日)

 今月6日に北海道で起きた地震は、震源近くに「石狩低地東縁断層帯」という活断層が延び、関連が注目されている。調査委はこの断層帯について、国内に2千以上ある活断層の中で要注意の「主要活断層帯」とし、「南部でマグニチュード7.7程度の地震の恐れがある」と予測していた。

 だが地震後の説明は歯切れが悪い。発生当日の会合後、平田直委員長(東大教授)は「断層帯と直接の関連はない」と説明した。ところが5日後に「断層帯の深部が動いた可能性は否定できない」と翻し、「断層帯の活動が続く可能性もある」と警戒を呼び掛けた。

 地下深くの活断層は直接調べる手段がなく、科学の判断が二転三転するのは珍しいことではない。だが被災地からは「警戒せよといわれても、どうしたらよいのか」(道庁の防災担当者)と戸惑いの声が上がる。

 似た光景が大阪北部地震でも見られた。震源近くには「有馬―高槻断層帯」「上町断層帯」「生駒断層帯」があり、やはり主要活断層帯に挙げられている。だが調査委は「地震がいずれかに関係する可能性はあるが、特定するのは困難」とし、ここでも曖昧な説明を繰り返した。

 地震調査委は文部科学省の地震調査研究推進本部に置かれ、1995年の阪神大震災を踏まえて発足した。約20人の研究者と事務局からなり、主要活断層帯114カ所のほか、南海トラフ地震など「海溝型地震」をあわせ、地震の大きさや発生確率などを「長期予測」している。

 だが、実際の地震は予測の裏をかくように起きている。04年の新潟県中越、07年の能登半島沖、中越沖、08年の岩手・宮城内陸地震などがノーマークの活断層で起きた。11年の東日本大震災も「想定外」の連動地震だった。

 主要活断層帯で起きたのが確実なのは、16年に「日奈久・布田川断層帯」がずれた熊本地震にとどまる。

 予測が当たらないこと自体を批判する地震学者は少ない。産業技術総合研究所の宍倉正展研究グループ長は「活断層がずれるのは数百年から数千年に1度。一方、調査委ができてからまだ20年強なので、当たらない方が自然」と話す。

 だが同時に宍倉氏は「調査委は自治体や住民に役立つ情報を発信できていない」と指摘する。

 それを物語るのが熊本地震だ。調査委は日奈久・布田川断層帯で地震の可能性を警告していたのに、多くの住民は発生後「熊本で地震が起きるとは思っていなかった」と答えた。自治体による耐震補強の支援策も他の都道府県より貧弱だった。

 何が問題なのか。国の中央防災会議は有識者会議で防災調査・研究のあり方を検証し、17年4月にまとめた報告で「日本の防災研究には司令塔がなく、政府、大学、研究機関の連携も不足している」と厳しく指摘した。

 中央防災会議は防災相のもと国の防災対策のまとめ役だが、研究組織を持たない。一方、文科省が所管する大学や研究機関、気象庁などはバラバラで、成果を国や自治体の防災対策に生かせていないという指摘だ。

 有識者会議の主査で、政府の東日本大震災復興構想会議委員を務めた河田恵昭・関西大社会安全研究センター長は「防災対策が地震学者を中心に決められ、都市づくりを考える工学者や、住民避難などを研究する人文社会学者の声が反映されていない」と話す。

 今年は豪雨、台風災害と地震が複合的に起こり、災害の様相が変わってきた。いまの研究体制のままで有効な対策を打てるのか。自民党総裁選で防災省設立の是非を議論するのもよいが、いまある組織の検証から始めないと、今後の災害対策はおぼつかない。

(編集委員 久保田啓介)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35549560Z10C18A9EA1000/


http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/612.html#c1

[戦争b22] 積年の防衛費減が招く日米同盟の危機 「トランプ時代」を生き抜くための防衛政策 サイバー空間で発生する新たなグレーゾーンに うまき
2. 2018年9月20日 10:55:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1512]
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54145
台湾に迫る危機、日本よどうする!台湾統一を理由に終身国家主席となった習近平氏
2018.9.20(木) 樋口 譲次

中国空母が台湾海峡を通過、中台の緊張高まる中。写真は香港に到着した中国の空母「遼寧」(2017年7月7日撮影、資料写真)。(c)AFP/Anthony WALLACE 〔AFPBB News〕
 台湾は、国際社会では「地域」として扱われることが多いが、正真正銘の「国家」である。
 国家とは、明確な領土領域、永久的住民および統治機関が備わっている有機的な組織体をいい、近代国家の統治機関は一般的に、立法、行政および司法の三機関から成り立っている。
 すなわち、民主主義国においては、領土領域の住民である国民が、主権者として法律を制定し、法律に基づいて住民に対する行政が行われ、法律違反の疑いがあれば司法機関によって有無罪の判断が下される仕組みを整えた組織体が国家であり、国際法上の人格をもつ主権国家は外交能力を備えている。
 いずれに照らしても、台湾は十二分に条件を満たしており、国家と定義することに全く疑問の余地がないからである。
 しかしながら中国は、「台湾は中国の一部であって、台湾問題は中国の国内問題である」との基本原則を主張して曲げず、「一つの中国」の原則は中台間の議論の前提であり、基礎であるとしている。
 中国の全国人民代表大会は2018年3月、中国共産党の指導的役割を明記し、国家主席の任期を2期(10年)までとしていた規定をなくす憲法改正案を圧倒的賛成多数で可決した。
 習近平国家主席は、任期制限がない中国共産党トップの総書記、人民解放軍トップの中央軍事委員会主席を兼務しており、このたびの憲法改正で終身国家主席の地位を手に入れたことによって、いわば「中国皇帝」として長期君臨の体制を確立したことになる。
 中国には、習国家主席が地盤とする「浙江閥」「太子党」のほかに、前々国家主席であった江沢民が率いる「上海閥」、前国家主席を務めた胡錦濤の「中国共産主義青年団(共青団)」派の3大派閥による権謀術数の権力闘争が繰り広げられてきた。
 しかしそのような中で、なぜ、習国家主席の独走・独裁を許すに至ったのかについては、様々な議論があるが、台湾問題の解決が大きなウエイトを占めていると見られている。
 中国の憲法は、その前文で「台湾は、中華人民共和国の神聖な領土の一部である。祖国統一の大業を成し遂げることは、台湾の同胞を含む全中国人民の神聖な責務である」と定めている。
 そして、中国は、平和的な統一を目指す努力は放棄しないと表明しつつも、台湾を「核心的利益」と呼び、中台統一に対する外国の干渉や台湾独立運動に対して反対する立場から、武力行使も辞さないことを定めた「反国家分裂法」を制定している。
 それを盾に、習近平主席は、香港返還(1997年)そしてマカオ返還(1999年)を成し遂げた今、最も困難な台湾問題を解決して祖国統一の大業を完成し「中華民族の偉大な復興」の夢を実現するには、強力な指導者に率いられた長期安定の政治体制が必要であると主張した。
 反論の余地のないその主張に対しては、共産党内の反対派であっても口を閉さざるを得なかった、というのが終身国家主席へ至った見立てだ。
 それは取りも直さず、1953年6月生まれの習近平(65歳)時代に台湾統一を成し遂げることを意味する。
 もし、その間に平和的統一が達成できなければ、武力統一も辞さない構えであり、台湾はもとより、日米などの周辺国・関係国に向けて、台湾危機が現実のものとして切迫しつつあることを示す重大な警告と見なければならない。
ロシアのクリミア半島併合を
研究させた習近平の台湾統一工作
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領をロール・モデルとする習近平主席にとって、「あいまいハイブリッド戦」と呼ばれるプーチンのクリミア半島併合は格好の教材である。
 習近平主席は、中国のシンクタンクにその研究を命じ、それによって、中国の台湾統一研究が劇的に変化したと言われている。
 中国は、すでに、台湾に対して、いわゆる「グレーゾーンの戦い」を仕かけており、外交工作、軍事工作、そして対国内工作などを複雑に絡ませながら、熟柿が膿んで自然に落ちるのを待つ「熟柿作戦」を展開している。
 それが功を奏さないと見れば、最終手段としての武力統一に打って出る手筈であることは、前述のとおりだ。
外交工作:台湾の国際空間からの締め出し
 中国は、台湾を国際機関から締め出し、また、その圧力で台湾と外交関係のある国々を断交に追いやっている。
 この背景には、中国が主張する「一つの中国」原則の受け入れを台湾に強要し、国際社会に認めさせようとしていることにある。
 1949年に中華人民共和国(中国)が成立し、国連では「中国代表権」問題が生起したが、当時の中華民国(台湾)政府の蒋介石総統は「漢賊並び立たず」と述べ、台湾政府が「唯一の中国正統政府」であるとの主張を崩さなかった。
 日米両国は「二重代表方式」を模索し説得に努めたが、蒋介石がこれを拒否したため、1971年に代表権は中国に移転し、台湾は国連から排除された。
 それが国際社会における中台確執の始まりであり、以来、台湾は中国との関係から国際的な活動が制限されてきた。
 2003年に中国を発端とする重症急性呼吸器症候群(SARS)が近隣各国や北米にも伝播するという事件が起き、台湾でもSARSの流行が深刻な社会的混乱を招いた。
 これを契機として、台湾を世界保健機関(WHO) から排除することが、台湾だけではなく他国への脅威になり得ることを国際社会に認識させた。
 紆余曲折はあったが、台湾は、ようやく2009年からWHO総会へのオブザーバー参加が認められるようになった。
 しかし、中国は、「一つの中国」原則の受け入れを拒んでいる、民主進歩党(民進党)の蔡英文政権が発足した2016年5月前後から、国際社会に圧力をかけたため、2017年5月のWHO総会へのオブザーバー参加が認められなかった。
 そればかりではない。
 経済協力開発機構(OECD)の鉄鋼委員会(2016年4月)、国連食糧農業機関(FAO)漁業委員会(同年7月)、国際民間航空機関(ICAO)総会(同年8月)、国際刑事警察機構(ICPO)総会(同年11月)、国際放送協会からの台湾国際放送の排除(2017年6月、失敗)、東アジア・ユース・ゲームズ(2018年7月)など、台湾の国際空間を閉塞させるべく、ありとあらゆる国際組織や会議への台湾不招待やボイコットを執拗に働きかけている。
 最近では、中国が外国の民間航空会社に台湾を中国の一部として表記するよう強制したことも記憶に新しい。
 一方では、中国の圧力によって、台湾と外交関係のある国々が次々と断交に追いやられる「断交ドミノ」が急速に進んでいる。
 蔡政権下で台湾と国交を断絶し中国と国交を樹立した国は、時期的順に、西アフリカの島国サントメ・プリンシペ(2016年12月)、中米パナマ(2017年6月)、同ドミニカ共和国(2018年5月)、西アフリカのブルキナファソ(同年5月)、中米エルサルバドル(同年8月)であり、すでに5か国との断交に追い込また。
 今後、南米パラグアイや大洋州パラオなどの断交の動きも取り沙汰されている。
 現在、台湾が外交関係を維持しているのは、中南米や大洋州などの17か国となった。いずれも大国の利害に大きな影響を及ぼさない小国であり、台湾の国際的悲哀を象徴している。
 このままでは、台湾は「中国による台湾の国際的空間を圧縮する行為」が「やがて外交関係をゼロにする」との危機感を強めざるを得ない。
 また、現在、辛くも世界貿易機関(WTO)加盟(2002年)とWHO総会オブザーバー参加の地位を維持しているものの、今後中国による国際機関などからの締め出し圧力が一段と強まって、台湾の孤立・弱体化が進み、再び国民党政権時代のように中国の影響下に組み込まれる恐れが大いに懸念されるのである。
軍事工作:台湾周辺海空域からの軍事的圧力
 尖閣諸島周辺をはじめ、わが国の周辺海空域で中国軍の活発な活動が常態化していると同じように、中国軍は台湾周辺海空域での活動を活発化させ、軍事力を背景とした威嚇を強めている。
 中国は、2018年1月、台湾との事前協議を行わないまま、台湾海峡の中台中間線の中国側に新たな民間航空路を設定し運用を開始した。
 同中間線の台湾側には、台湾軍の3つの訓練空域が設定されているが、そこでの活動を妨害する狙いが込められていると見られている。
 また、2017年12月、蔡総統は記者会見で、中国軍機が台湾周辺で活動を活発化させているとして、中国への警戒感を示した。
 そのように、中国軍の戦闘機(H-6、Su-35など)や艦艇(空母遼寧を含む)が常態的に台湾本島を周回している。
 これまでの台湾は、極力中国を刺激しないよう、中国軍の活動に対する表立った非難を抑制してきたが、2017年の「国防報告」では、台湾周辺海空域における中国軍の活動の実態を次の図をもって公表した。

 さらに、2018年4月には台湾海峡で実弾演習を行うとともに、海空作戦や着上陸作戦のための軍事演習・訓練を増加させており、台湾に対して一段と軍事的圧力を強めている。
 このような中国の軍事的圧力は、台湾初の総統直接選挙の直前の1996年3月、台湾海峡で弾道ミサイル発射と3軍統合演習を行った軍事恫喝を想起させるものである。
 前述のとおり、中国の軍事展開能力は、当時と比較して格段に強化されており、台湾国民に「四面楚歌」の心理を植え付けるには十分であり、今後、その恐怖は強まることはあっても弱まることはないであろう。
対国内工作:台湾国内の混乱助長と抵抗意志の弱体化
 近年、台湾では、中国のスパイ活動が政治、経済、国防や情報、文化、イデオロギーなどあらゆる分野に浸透し、特に民進党政権となって以降、その活動が一段と強化されている。
 台湾で暗躍する中国のスパイの数は、5000人以上と見られ、台湾メディアの調べによると、中国のスパイ容疑で逮捕された事件は2002年以降だけでも60件(2017年3月現在)に上っているが、これは氷山の一角だと言われている。
 政府関係者によると、このうちの9割が軍事機関に集中しており、例えば、中国人民解放軍を退役した鎮小江・元中将が、台湾の政界および軍の関係者を買収して台湾の戦闘機に関するデータを入手した罪で、2016年に4年間の禁固刑を言い渡された。
 台湾史上最大の中国共産党スパイ事件となった。
 また、台湾国防部の陳中吉報道官が、「我が軍の退役軍人が中国に行った後、買収されました。弱みを握る、高額な報酬を持ちかける、ハニートラップにかける、などです」と公表したような事件も起きている。
 中国人民解放軍が国境に迫ってくる前に、台湾軍は敗れてしまう恐れがあるとの警戒心も高まっている。
 一方、政界では、中国との統一を主張する政治団体「中華統一促進党」が中国当局から資金を得て、反「台湾独立」運動や民進党の蔡英文政権への抗議活動に人を動員していた疑いが持たれている。
 同党は、八田與一の銅像を破壊した反日団体としても知られおり、中国は台湾を併合するために、政界をターゲットとして政治工作にも力を入れている。
 また、2期8年にわたった民進党・陳水扁政権の後、国民党の馬英九が総統に就任した頃から、台湾のマスメディアの報道・言論空間のなかに中国の影響力が浸透するようになっている。
 日本台湾学会の川上桃子氏の論考『台湾マスメディアにおける中国の影響力の浸透メカニズム』によると、中国の浸透メカニズムのうち、その浸透経路は下記の4つに代表される。
(1)中国で事業を展開ないしは展開を計画している台湾の事業家たちによる、中国政府からの庇護や支持を取り付けるための台湾マスメディアの買収と報道・言論内容への介入
(2)中国の各級政府による台湾での「報道の買い付け」
(3)台湾テレビ局の番組の売買や番組制作面における中国の省・市傘下のテレビ局との提携等の強化→中国側の政治的意図の浸透
(4)中国政府と台湾メディア企業の直接的なコミュニケーションの日常化→メディアによるニュース処理プロセスのなかでの中国の影響力の侵入
 このようにして、新聞やテレビにおいて、「中国を褒めたたえる報道」が増える一方、中国政府にマイナスとなるニュースを意図的に小さく扱ったり、無視したりする傾向が現れている。
 また、中国とドラマ番組の商談を進めていた台湾のテレビ局が、中国側からの示唆を受けて中国に批判的なトークショー番組を打ち切るといった事案が起きている。
 台湾統一を国家目標として掲げる中国の情報戦・世論工作が、マスメディアを通じて日々台湾国民の中に浸透し、ボディ―ブローのように効いていくことになろう。
 これと関連して、台湾の交通部(交通省)は2016年5月、立法院で、「中国からのサイバー攻撃が『戦争に準じる程度』まで深刻化している」と報告したように、中国の台湾に対するサイバー攻撃も常態化している。
 また中国は、硬軟両様の工作を展開しているが、最近、台湾の若者を中国に取り込もうと躍起になっている。
 それは、馬英九政権末期、中台間で調印された「海峡両岸サービス貿易協定」の阻止を目的に、学生を中心とした若者たちが立ち上がった「ひまわり運動」が台湾人意識を一段と高めたからである。
 また、近年、台湾では「天然独」と呼ばれる、「生まれつき自分たちは台湾人であり、中国人ではない」との台湾アイデンティティーをもつ若者たちが増えていることにもよる。
 中国は、このような若者に対して、中国大陸におけるビジネス展開、就業、起業、税制など、すべての面において台湾人は中国人と同等の待遇を受け、台湾の学生が中国の学校に入学するにあたっても特段の差別を受けることはない、との懐柔策を提案している。
 「甘い蜜の罠」であることは明白であるが、台湾での給料より、中国の特定の地域での給料が2〜3倍高いということになれば、中国に機会を求めようとする若者たちがでてきても、不思議ではない。
 このように、様々な懐柔策を駆使して、台湾アイデンティティーを弱めようとする中国の浸透工作は、台湾に新たな課題を投げかけている。
 以上述べたように、中国は、外交工作、軍事工作、そして対国内工作などを複雑に絡ませながら、台湾国内を混乱させ、「台湾独立」の動きを封じ、中国に対する抵抗意志を弱め、戦わずして台湾統一を成し遂げようと目論む「グレーゾーンの戦い」を執拗に展開している。
 そして、和戦両様を常套手段とする中国は、次の手段として武力統一を着々と準備しているのである。
武力統一:最終手段としての軍事侵攻
 中国は、台湾への軍事進攻を念頭に、継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍改革、統合作戦、武器開発、軍事演習・訓練などを通じて大幅に軍事力を増強している。
 一方、台湾の国防費は約20年間でほぼ横ばいであり、2017年時点の中国の公表国防費は台湾の約15倍となっている。
 明らかに、中台間の軍事バランスは中国有利に傾いており、台湾の「国防報告2017」は、「台湾にとって軍事的脅威が増大している」との認識を示している。
 日本の平成30年版「防衛白書」は、中台の軍事力の一般的な特徴について、次のように分析している。
(1)陸軍力については、中国が圧倒的な兵力を有しているものの、台湾本島への着上陸侵攻能力は、現時点では限定的である。しかし、近年、中国は大型揚陸艦の建造など着上陸侵攻能力を着実に向上させている。
(2)海・空軍力については、中国が量的に圧倒するのみならず、台湾が優位であった質的な面においても、近年、中国の海・空軍力が急速に強化されている。
(3)ミサイル攻撃力については、台湾は、「PAC-2」の「PAC-3」への改修およびPAC-3の新規導入を進めるなど、弾道ミサイル防衛を強化中である。しかし、中国は台湾を射程に収める短距離弾道ミサイルなどを多数保有しており、台湾には有効な対処手段が乏しいとみられる。
 そのうえで、防衛白書は、軍事能力の比較は、兵力、装備の性能や量だけではなく、想定される軍事作戦の目的や様相、運用態勢、要員の練度、後方支援体制など様々な要素から判断されるべきものであるが、中台の軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化し、その差は年々拡大する傾向が見られる、としている。
 そして、台湾国防部は2018年8月、「2020年までに中国が全面的な侵攻作戦能力の完備を目指している」とし、両岸関係が重大な局面に移りつつあるとの見解を示している。
迫る台湾危機は日本の危機
日本はどうすればよいのか
 米国は、ドナルド・トランプ政権になって、「台湾関係法」を根拠に、バラク・オバマ政権が凍結していた14.2億ドル(約1562億円)の台湾への武器売却を承認した。
 台湾が目指す潜水艦の自主建造(国産化)についても、米政府は2018年4月、米企業に対し台湾側との商談を許可するなど、台湾への軍事協力を強化している。
 また米国は、中国の反対によって台湾との交流を自粛してきた結果、両国の交流不足を来したとして、「台湾旅行法」(2018年3月6発効)を制定し、米台政府関係者の交流をあらゆるレベルで促すこととした。
 米議会も、2018年8月に「国防授権法」を成立させ、台湾の要求に基づく防衛装備品や役務の提供、台湾軍の軍事演習への参加招請、台湾政府高官・軍高級幹部との交流プログラムの実施、西太平洋における台湾海軍との二国間海上訓練、米国海軍と台湾海軍の相互寄港の実行可能性の検討などを求めている。
 このように米国は、台湾の安全保障・防衛強化のための措置を講じつつあるが、米国は台湾カードを利用し、この地域、特に南シナ海での中国の軍事的支配を牽制・抑制し始めたとの見方もある。
 では、台湾を「運命共同体」と位置づけ、死活的利益を共有する日本は、どうすればよいのか。
 安倍晋三政権になって、日台関係は少しずつ強化されつつあると言ってよかろう。
 日本と台湾は、昭和47(1972)年の断交後、双方が窓口機関を設置して実務的な交流を行ってきた。
 日本の対台湾窓口機関の名称は「交流協会」であったが、平成29(2017)年1月に「日本台湾交流協会」に変更された。台湾側もこれに呼応した形で、対日窓口機関の名称を「亜東関係協会」から「台湾日本関係協会」に変更した。
 両機関の旧名称はともに「一つの中国」原則を主張する中国への配慮から名づけられものであり、日台関係の困難を示す象徴であった。
 その困難を克服し歴史的な一歩を踏み出したのは安倍首相のイニシアティブによることが、陳水扁元総統のインタビュー(産経新聞、2018年9月5日付)で明らかにされている。
 わが国には、米国と同様に「台湾関係法」や「台湾旅行法」のような法律を作り、法的整備の面でも台湾を支援しなければならないとの意見が存在し、大きな課題である。
 その面で、両国間に意義ある進展をもたらしたのは、いわゆる平和安全法制の制定である。
 武力攻撃事態対処法の改正では、これまでの武力攻撃事態等に加え、存立危機事態」(わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態)への対処が追加された。
 また、重要影響事態安全確保法は、重要影響事態を「我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(そのまま放置すればわが国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等)」とし、支援対象となる重要影響事態に対処する軍隊等を、「日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行う米軍」、「国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊」及び「その他これに類する組織」と規定した。
 その際の対応措置として、
@後方支援活動
A捜索救助活動
B船舶検査活動
Cその他の重要影響事態に対応するための必要な措置
 とし、外国領域での対応措置も、当該外国等の同意がある場合に限り、実施できることとしている。
 他方、日米防衛協力のための指針(ガイドライン、平成27年4月)では、そのW項「日本の平和及び安全の切れ目のない確保」B項「日本の平和及び安全に対して発生する脅威への対処」において、「同盟は、日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対処する。当該事態については地理的に定めることはできない」と記述されている。
 以上のことから、平和安全法制は、明らかに台湾有事をカバーしていると解釈され、また、そのような事態に日米が共同して対処することを、ガイドラインは裏づけている。
 しかし、このように法的整備ができても、日米台の3か国による平時からの協議、政策面および運用面の調整、そして共同演習・訓練などが行わなければ、有事における有効な機能発揮を期待することはできない。
 一方、いきなり有事演習・訓練を始めれば、中国の激しい非難や抵抗を受けることは容易に想像がつく。
 そこで、米国の「国防授権法」が求める台湾政府高官・軍高級幹部との交流プログラムの実施、台湾軍の軍事演習への参加招請、西太平洋における台湾海軍との二国間海上訓練などの動向を見極めつつ、
 中国も容認せざるを得ない平和目的の活動や措置、例えば、国際人道支援・災害派遣、非戦闘員を退避させるための活動、サイバー空間に関する協力、捜索・救難、海洋安全保障、空域管理のための調整、海空連絡メカニズム(ホットライン)の構築など、実行可能なことから始めたらどうか。
 それらが有事体制の基礎を作り、最も現実的に日米台の安全保障・防衛協力を前進させる大きな一歩となるのではないだろうか。


 


中ロの急接近が脅威に、米国が本格的に対策を検討
米国を敵視し、軍事面、経済面で連帯を強化する中国とロシア
2018.9.19(水) 古森 義久
ロシア「史上最大」の軍事演習、中国・モンゴル軍とパレード
ロシア東部シベリア地方のチュゴル軍事演習場で行われた軍事演習「ボストーク2018」で開かれたロシア・中国・モンゴル軍による軍事パレード(2018年9月13日撮影)。(c)MLADEN ANTONOV / AFP〔AFPBB News〕

 9月中旬、中国とロシアがこれまででは最大規模の合同軍事演習を実行した。この演習が象徴する中ロ両国の軍事的な連帯強化は、米国に対抗する意図が明確だといえる。

 では、米国は中国とロシアの連帯強化にどう対応すべきなのか。米国でこの課題を究明した大規模な官民合同の研究結果が公表された。この研究はその総括において、米国がこれまでどおり米国主導の国際秩序を守るため軍事、経済、政治などでの力をさらに強め、中ロ両国に対決していくことをトランプ政権に提案していた。

連邦議会で強まる中ロ連帯への懸念
 中国とロシアがここ数年、米国を共通の競合相手とみて連帯を強めてきたことは、米側でも重大な懸念の対象と受け止められてきた。その懸念はオバマ前政権から存在したが、ここに来て連邦議会の超党派議員多数の間で特に懸念が強まり、トランプ政権の確固した対応を求めるようになった。

 懸念の対象は主に中国とロシアが最近、軍事面での協力を強めてきたことである。トランプ政権も昨年(2017年)12月に公表した「国家安全保障戦略」のなかで、両国を「米国の利益や価値観を崩そうとする修正主義勢力で戦略上の競合相手」と定義づけた。

 こうした背景の中、米国のアジア研究の学者や研究所多数から成る民間研究組織「全米アジア研究部会(NBR)」は9月中旬、「中国・ロシア関係=その戦略的意味と米国の政策選択肢」と題する報告書を公表した。

 この調査研究はトランプ政権誕生直前の2016年12月に開始され、米国の民間の学者、研究者80人ほどに、中国やロシアなどの専門家約30人を加えたスタッフによって行われた。米国政府の国家安全保障会議、国防総省、国防総省などの関係部門の代表たちも多数、非公式な形でこの研究に加わった。米国でこれまで行われた中ロ連帯問題についての官民合同の研究としては最大規模といえる。

なぜいま連帯を強めているのか
 同報告書の総括は、プロジェクトの中核となっていたジョージ・ワシントン大学教授のロバート・サター氏が執筆した。その骨子を紹介しよう。

 まず注目されるのは、全体の傾向として今後も中ロの連帯は強まり、米国の国家安全保障や対外戦略全体への大きな脅威やチャレンジになっていくという懸念を表明している点である。報告書の総括には次のように記されていた。

・習近平政権、プーチン政権ともに今後少なくとも5年は連帯をさらに強めていく意図が明白である。習主席の任期が無期限になったことがプーチン政権の独裁傾向とさらに合致するようになり、米国に共同で抵抗する動機を強めた。

 そのうえで同報告書は、中国とロシアがなぜいま連帯を強めているのか、その基本的な理由として以下の要因を指摘していた。

・中国とロシアの対外戦略と価値観の共通性
(米国主導の民主主義に反対し、南シナ海やクリミアでの軍事膨張行動を進めることがその実例)

・共に民主主義陣営から非難されている状況
(中ロ両国が米国主導の民主主義陣営から「侵略」や「弾圧」を非難されることを共通の弱みのように受け取っている)

・「米国の衰退」という共通認識
(米国が主体となる民主主義陣営の力が米国自体も含めて衰退してきたとする認識)

経済面でも連帯を強化
 さらに同報告書は、中ロ両国を接近や連帯へと動かしてきた具体的な動因として以下の諸点を挙げていた。

・中ロ両国はともに米国のグローバルな影響力に対抗し、国際秩序の改変を意図している。両国は南シナ海、クリミアなど、ともに自国に近い地域で米国の主導権に反発するようになった。

・中ロ両国はともに米国主導の民主主義と人権尊重の動きに反発する。両政権は米国側から民主主義や人権の弾圧に関して非難を受け、ともに弱みと反撃の必要を感じている。

・米国の軍事力と軍事態勢への反発が中ロ両国の連帯をもたらした。特に中ロがそれぞれ自国の安全保障にとって極めて重要とみなす地域で米側がミサイル防衛や長距離ミサイル、軍事偵察の能力を増強していることを、自国への脅威と感じている。

・中ロ両国はともに「反米」と呼べる米国へのネガティブな認識を抱き、その認識が自国への自己認識と重複している。米国とその同盟諸国の意図への強い不信と反発が共通する。

・中ロ両国は、貿易や投資の面でも連帯することによる利益が増えてきた。ロシアはクリミア侵略への米国や西欧の経済制裁の結果、貿易面で中国への依存を増してきた。中国もエネルギー資源の調達先としてのロシアの重要性を高めてきた。

 報告書は以上のような諸点を挙げ、中ロ両国の連帯が米国とその同盟諸国にもたらす影響はきわめてネガティブであり、その結果、米側にとっての国際情勢展望は暗い、とも述べていた。

正規の軍事同盟を結ぶ可能性は低い
 しかし、報告書は以下のようにも記し、中ロ連帯には抑制の要因や限界もあることを指摘する。なかでも、中ロ両国はいくら軍事協力を進めても公式の同盟パートナーにはならないという見通しは重要だろう。

・中ロ両国の経済力の差が軍事や政治での連帯を抑える可能性がある。ロシアの経済力は中国よりもはるかに劣り、対中経済依存を高めている。モンゴルや中央アジアではロシアは経済覇権を中国に譲った。この不均衡がプーチン大統領のロシア復活の野望とぶつかる見通しもある。だから、中ロ両国が正規の軍事同盟を結ぶ可能性はきわめて低い。

・ロシアの軍事面での立場も変化してきた。ロシアの軍事力は中国よりずっと強力で優位な立場から援助する構図だったが、それが変わってきた。ロシアの国家資産は核戦力、軍事技術、秘密作戦能力、諜報能力などに限られ、国際的なソフトパワーは皆無といえる。その軍事優位も最近は中国に追いつかれ、指導的な立場が崩れてきた。

・中ロ両国の間には相互不信や敵対の長い歴史がある。民族性の差異にまでさかのぼる闘争の歴史は完全に消えることはないという見方がなお存在する。米国への対処でも、中ロ両国は自国の利益のために相手を利用し、欺くという言動を最近まで続けてきた。せいぜい10年ほどにしかならない最近の米国に対する足並みの一致が果たしてどれほど堅牢なのか疑問である。

・米国側の中国とロシアへの政策は異なる場合がある。トランプ政権はプーチン政権との融和を模索しながら、習政権に対しては強硬な態度を崩さないというような「使いわけ」政策をとることも珍しくない。この米側による差別が中ロ連帯を阻む可能性がある。

・中ロ両国の日本や西欧などに対する姿勢はときに大きく異なる。米国のアジアでの主要同盟相手である日本への態度は、中国よりもロシアの方が友好的である。西欧諸国や中東、さらにはアジアでのベトナム、インドなど重要な相手への政策をみても、両国には違いが目立つ。この差異が中ロ連帯のさらなる進展を難しくしうる。

米国がとるべき政策は?
 同報告書は以上のように中ロ連帯に多角的な光をあてながら、米国のトランプ政権がどのような政策で臨むべきかを記していた。この大規模な調査研究に加わった専門家たちの間では、米国のとるべき政策として大きく分けて以下の4つが挙げられたという。

(1)中ロ両国がこのまま連帯を続けることを想定し、米国は軍事、経済、外交の各面で国内外の力を着実に強化し、両国に正面から対決し、抑止する。

(2)中国との関係を改善して対決要素を薄める。ロシアに対してはさらに強硬な措置をとり、中ロの離反を図る。

(3)米国への長期の最大脅威は中国とみなして強固な抑止策をとり、ロシアに対しては融和政策を導入して、中ロの離反を図る。

(4)米国は長年の国際的な覇権や主導権を後退させ、中国とロシアという新興の大国の国際的役割拡大を受け入れる形で協調を図る。

 以上のような政策選択のなかで、この調査研究に参加した米国側の専門家たちの圧倒的多数が、(1)の対決と抑止の政策への賛同を表明したという。その結果、同報告書は米国政府や議会に対して、実質的に強固な政策を勧告していると言えるのである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54140

 


ウラジオ柔道外交はプーチン大統領の「一本勝ち」
北方領土は「我慢する」か「長期戦を覚悟する」かの問題に
2018.9.20(木) 新潮社フォーサイト
新潮社の会員制国際情報サイト「新潮社フォーサイト」から選りすぐりの記事をお届けします。
プーチン大統領、日ロ平和条約締結を提案 年末までに「前提条件なし」で
ロシア東部ウラジオストクで開催中の「東方経済フォーラム」に臨む、同国のウラジーミル・プーチン大統領(中央)、中国の習近平国家主席(右)、安倍晋三首相(2018年9月12日撮影)。(c)AFP/Kirill KUDRYAVTSEV〔AFPBB News〕

(文:名越健郎)

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が9月12日にウラジオストクで、「(領土などの)前提条件なしで日露平和条約を年内に締結しよう」と突然提案したことは、日本側に困惑を招いた。前々日の日露首脳会談でそのような発言はなく、唐突かつ意表を突く発言だったからだ。

 難航する北方領土問題の棚上げを意図したことは明らかだが、日本側が拒否すれば、ロシアが反発し、交渉はさらに難航しよう。プーチン大統領と22回の会談を重ねた安倍晋三首相の対露外交が、曲がり角に直面していることを示した。

「1島返還」の恐れも
 プーチン発言は、日中露韓とモンゴル首脳が登壇した東方経済フォーラムのパネル・ディスカッションで飛び出したが、引き金は安倍発言だった。首相は「プーチン大統領と今後も会談を重ねていきたい。聴衆の皆さんにも、平和条約締結に向けたわれわれの歩みを、支持してもらいたい」と拍手を催促すると、大統領は「シンゾーは『アプローチを変えよう』と言ったが、是非そうしたい。たった今思いついたアイデアだが、平和条約を今とは言わないが、年末までに無条件に結ぼう。その後ならば、平和条約を基礎に、すべての係争問題の解決ができるはずだ」と提案すると、安倍首相を上回る拍手が起きた。

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 4島の帰属問題を解決して平和条約を結ぶ――が国是の日本にとって、プーチン提案は到底受け入れられない。最大の問題は、平和条約を締結すれば、国際法上、戦後処理の完了を意味することだ。火事場泥棒のような終戦直後の旧ソ連による「4島不法占拠」が一瞬にして「合法支配」と化すことになる。

 1956年の日ソ共同宣言は、「平和条約締結後に、善意のあかしとして歯舞、色丹の2島を引き渡す」と明記しており、全面積の7%の2島引き渡しで決着する可能性が強まる。国後、択捉について、プーチン政権は「大戦の結果ソ連領となった」としており、返還は考えられない。プーチン大統領自身、国後、択捉の帰属協議に応じたことは一度もない。

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 しかも大統領は「2島を引き渡すといっても、主権を移管するのか、レンタルするのか、具体的には何も書かれていない」と公言している。無条件で平和条約を締結した後の交渉は、56年宣言の解釈をめぐって難航しそうだ。大統領は「共同宣言に沿って日本が2島を領有することは、日本の“一本勝ち”だ」と述べたこともある。「引き分け」を唱える大統領の方針からすれば、2島を折半し、日本が得るのは無人島の歯舞諸島だけにとどまりかねない。歯舞なら4島の全面積の2%で、日本側の外交完敗となってしまう。

中韓も棚上げを支持?
 今回のプーチン提案はサプライズ効果があり、普段日露関係には無関心な欧米のメディアも、「プーチン大統領、長く待たれた平和条約を日本に提案」(『ワシントン・ポスト』)、「プーチンが年末までの日露平和条約を希望」(『NBCテレビ』)などと大きく報道した。「日本がプーチンの平和条約提案を拒否」(『ブルームバーグ』)などと、日本に問題があるかのような報道もあった。

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 これは、壇上で「平和条約締結」だけを訴え、領土問題解決に触れなかった安倍首相の対応にも問題があろう。首相はプーチン発言を笑顔で聞き、その後も4、5回発言の機会があったのに、北朝鮮問題やシベリア鉄道の輸送問題などに触れただけで、プーチン提案に反論しなかった。菅義偉官房長官が「4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する基本方針に変わりはない」と強調したが、首相がその場で日本の立場を説明し、反論すべきだった。

「反論も何もせずに薄ら笑いを浮かべていた。外交上の大きな失態」(国民民主党の玉木雄一郎代表)、「(無条件の平和条約締結は)領土要求を放棄し、国を切り売りすることになる。それを目の前で言われて反論も異論も言わないのは外交的大失態」(共産党の志位和夫委員長)といった野党指導者の批判は的を射ていた。

 パネル・ディスカッションではその後、日露の領土問題が話題になり、司会者から振られた中国の習近平国家主席は「領土をめぐる係争が存在するのは問題だ。解決できないなら、それをうまく管理することが重要だ。歴史の教訓から学んでほしい」と述べた。韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は「国際的な文書を基に、英知で解決すべきだ。中国のケ小平は『現世代が問題を解決する英知を持たないなら、次の世代に委ねるべきだ』と述べたことがある」と語った。日本と領土問題を抱える中韓首脳はいずれも、ロシアの領土棚上げ論を暗に支持した。

 プーチン大統領が得意とする柔道は、相手の力を利用して逆襲に転じるのが極意だが、今回は大統領が首相の前のめり姿勢を利用して技をかけ、「一本勝ち」を収める形となった。

安倍首相の「外交失敗」
 プーチン提案の直後、イーゴリ・モルグロフ外務次官が日本側に年内の平和条約締結で交渉開始を求めており、提案を事前に用意していた可能性もある。旧ソ連は1970年代、領土問題を棚上げした中間条約の締結を日本に提案したことがあり、領土先送り論は目新しくない。

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・米露首脳会談が「不調」に終わったこれだけの理由

 ロシア科学アカデミー極東研究所のワレリー・キスタノフ日本研究センター長は『独立新聞』(9月12日)で、「センセーショナルに見えても、現実性はあまりない。年内または近い将来の平和条約締結はないだろう。ロシアが4島への日本の主権を認め、次に2島を返還し、国後、択捉はかなり後に返すというのが日本の立場だ。しかし、ロシア政府は4島が合法的にソ連領になったことをまず日本が認め、それから平和条約交渉を行うとの立場だ」とコメントした。

『タス通信』東京支局のワシリー・ゴロブニン支局長はラジオ局『モスクワのこだま』のブログで、「これまで、ロシア外務省は無条件の平和条約締結案を日本側に伝えていなかった」とし、「安倍首相は重大な外交的失敗を喫した。ロシアは島で1センチも譲歩せずに、自らの立場を強化できたからだ」と書いた。モスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授は「思いがけない発言だったが、平和条約問題は日露政治対話の中心であり、ロシアもある程度イニシアチブを取って、日本に熱意を示す意味での発言だったかもしれない」と好意的に評価した。

 日本側も「両国関係を発展、加速したいという強い気持ちの表れだろう」(菅官房長官)、「なるべく早く平和条約を締結したいという思いがよく分かった」(河野太郎外相)と前向きに受け止めつつある。しかし、4島での共同経済活動がまとまらない中、新たに無条件の平和条約締結案を協議するなら、交渉が複雑化し、混乱するのは確実だ。

プーチン政権が続く限り日本の国内問題に
 日本のメディアでは報じられなかったが、プーチン大統領はパネル・ディスカッションの最後に再度北方領土問題に触れ、「ロシア連邦の地図を見てほしい。巨大な国だ。面積は世界最大であり、ここに問題の島々がある。そこには道徳的、政治的な性格と特徴があり、わが国にとって極めて先鋭で敏感な問題だ。従って、その点を考慮して正しく解決に当たらねばならない」と述べ、4島の問題は政治的、心理的問題であることを強調した。一方で、「われわれは中国との40年来の領土問題を、相互に受け入れ可能な妥協案によって解決した」とも強調した。

◎新潮社フォーサイトの関連記事
・北朝鮮「建国70年」の実相(4・了)金正恩「態度」と「言葉」の意味
・「クリントン図書館」が公開したエリツィン独白「プーチンは狂信主義者」
・米露首脳会談が「不調」に終わったこれだけの理由

 中露の国境問題は2004年、係争中の3つの川中島を面積折半にするとの妥協案で解決したが、これは技術的な領土問題であり、第2次世界大戦の結果が絡む北方領土問題とは異なるとの認識である。広大な面積のロシアにとって、4島が技術的問題なら面積折半でも惜しくないが、膨大な犠牲を出した大戦の「戦利品」である以上、譲れないという発想だ。同じく大戦の結果が絡むバルト3国との領土問題でもロシアは一切譲歩しなかった。プーチン大統領自ら高揚させた戦勝意識と愛国主義が譲歩を妨げる構図だ。

 こう見てくると、プーチン政権が続く限り、ロシア側が最大限譲歩しても2島止まりであり、国後、択捉の返還はもはや考えられない。北方領土問題は次第に、2島(または1島)で我慢するか、それとも4島を目指してプーチン後へ長期戦を覚悟するか、憂鬱な国内問題になりそうだ。


名越健郎
1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。

◎新潮社フォーサイトの関連記事
・北朝鮮「建国70年」の実相(4・了)金正恩「態度」と「言葉」の意味
・「クリントン図書館」が公開したエリツィン独白「プーチンは狂信主義者」
・米露首脳会談が「不調」に終わったこれだけの理由
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54136


 

中ロの急接近が脅威に、米国が本格的に対策を検討
米国を敵視し、軍事面、経済面で連帯を強化する中国とロシア
2018.9.19(水) 古森 義久
ロシア「史上最大」の軍事演習、中国・モンゴル軍とパレード
ロシア東部シベリア地方のチュゴル軍事演習場で行われた軍事演習「ボストーク2018」で開かれたロシア・中国・モンゴル軍による軍事パレード(2018年9月13日撮影)。(c)MLADEN ANTONOV / AFP〔AFPBB News〕

 9月中旬、中国とロシアがこれまででは最大規模の合同軍事演習を実行した。この演習が象徴する中ロ両国の軍事的な連帯強化は、米国に対抗する意図が明確だといえる。

 では、米国は中国とロシアの連帯強化にどう対応すべきなのか。米国でこの課題を究明した大規模な官民合同の研究結果が公表された。この研究はその総括において、米国がこれまでどおり米国主導の国際秩序を守るため軍事、経済、政治などでの力をさらに強め、中ロ両国に対決していくことをトランプ政権に提案していた。

連邦議会で強まる中ロ連帯への懸念
 中国とロシアがここ数年、米国を共通の競合相手とみて連帯を強めてきたことは、米側でも重大な懸念の対象と受け止められてきた。その懸念はオバマ前政権から存在したが、ここに来て連邦議会の超党派議員多数の間で特に懸念が強まり、トランプ政権の確固した対応を求めるようになった。

 懸念の対象は主に中国とロシアが最近、軍事面での協力を強めてきたことである。トランプ政権も昨年(2017年)12月に公表した「国家安全保障戦略」のなかで、両国を「米国の利益や価値観を崩そうとする修正主義勢力で戦略上の競合相手」と定義づけた。

 こうした背景の中、米国のアジア研究の学者や研究所多数から成る民間研究組織「全米アジア研究部会(NBR)」は9月中旬、「中国・ロシア関係=その戦略的意味と米国の政策選択肢」と題する報告書を公表した。

 この調査研究はトランプ政権誕生直前の2016年12月に開始され、米国の民間の学者、研究者80人ほどに、中国やロシアなどの専門家約30人を加えたスタッフによって行われた。米国政府の国家安全保障会議、国防総省、国防総省などの関係部門の代表たちも多数、非公式な形でこの研究に加わった。米国でこれまで行われた中ロ連帯問題についての官民合同の研究としては最大規模といえる。

なぜいま連帯を強めているのか
 同報告書の総括は、プロジェクトの中核となっていたジョージ・ワシントン大学教授のロバート・サター氏が執筆した。その骨子を紹介しよう。

 まず注目されるのは、全体の傾向として今後も中ロの連帯は強まり、米国の国家安全保障や対外戦略全体への大きな脅威やチャレンジになっていくという懸念を表明している点である。報告書の総括には次のように記されていた。

・習近平政権、プーチン政権ともに今後少なくとも5年は連帯をさらに強めていく意図が明白である。習主席の任期が無期限になったことがプーチン政権の独裁傾向とさらに合致するようになり、米国に共同で抵抗する動機を強めた。

 そのうえで同報告書は、中国とロシアがなぜいま連帯を強めているのか、その基本的な理由として以下の要因を指摘していた。

・中国とロシアの対外戦略と価値観の共通性
(米国主導の民主主義に反対し、南シナ海やクリミアでの軍事膨張行動を進めることがその実例)

・共に民主主義陣営から非難されている状況
(中ロ両国が米国主導の民主主義陣営から「侵略」や「弾圧」を非難されることを共通の弱みのように受け取っている)

・「米国の衰退」という共通認識
(米国が主体となる民主主義陣営の力が米国自体も含めて衰退してきたとする認識)

経済面でも連帯を強化
 さらに同報告書は、中ロ両国を接近や連帯へと動かしてきた具体的な動因として以下の諸点を挙げていた。

・中ロ両国はともに米国のグローバルな影響力に対抗し、国際秩序の改変を意図している。両国は南シナ海、クリミアなど、ともに自国に近い地域で米国の主導権に反発するようになった。

・中ロ両国はともに米国主導の民主主義と人権尊重の動きに反発する。両政権は米国側から民主主義や人権の弾圧に関して非難を受け、ともに弱みと反撃の必要を感じている。

・米国の軍事力と軍事態勢への反発が中ロ両国の連帯をもたらした。特に中ロがそれぞれ自国の安全保障にとって極めて重要とみなす地域で米側がミサイル防衛や長距離ミサイル、軍事偵察の能力を増強していることを、自国への脅威と感じている。

・中ロ両国はともに「反米」と呼べる米国へのネガティブな認識を抱き、その認識が自国への自己認識と重複している。米国とその同盟諸国の意図への強い不信と反発が共通する。

・中ロ両国は、貿易や投資の面でも連帯することによる利益が増えてきた。ロシアはクリミア侵略への米国や西欧の経済制裁の結果、貿易面で中国への依存を増してきた。中国もエネルギー資源の調達先としてのロシアの重要性を高めてきた。

 報告書は以上のような諸点を挙げ、中ロ両国の連帯が米国とその同盟諸国にもたらす影響はきわめてネガティブであり、その結果、米側にとっての国際情勢展望は暗い、とも述べていた。

正規の軍事同盟を結ぶ可能性は低い
 しかし、報告書は以下のようにも記し、中ロ連帯には抑制の要因や限界もあることを指摘する。なかでも、中ロ両国はいくら軍事協力を進めても公式の同盟パートナーにはならないという見通しは重要だろう。

・中ロ両国の経済力の差が軍事や政治での連帯を抑える可能性がある。ロシアの経済力は中国よりもはるかに劣り、対中経済依存を高めている。モンゴルや中央アジアではロシアは経済覇権を中国に譲った。この不均衡がプーチン大統領のロシア復活の野望とぶつかる見通しもある。だから、中ロ両国が正規の軍事同盟を結ぶ可能性はきわめて低い。

・ロシアの軍事面での立場も変化してきた。ロシアの軍事力は中国よりずっと強力で優位な立場から援助する構図だったが、それが変わってきた。ロシアの国家資産は核戦力、軍事技術、秘密作戦能力、諜報能力などに限られ、国際的なソフトパワーは皆無といえる。その軍事優位も最近は中国に追いつかれ、指導的な立場が崩れてきた。

・中ロ両国の間には相互不信や敵対の長い歴史がある。民族性の差異にまでさかのぼる闘争の歴史は完全に消えることはないという見方がなお存在する。米国への対処でも、中ロ両国は自国の利益のために相手を利用し、欺くという言動を最近まで続けてきた。せいぜい10年ほどにしかならない最近の米国に対する足並みの一致が果たしてどれほど堅牢なのか疑問である。

・米国側の中国とロシアへの政策は異なる場合がある。トランプ政権はプーチン政権との融和を模索しながら、習政権に対しては強硬な態度を崩さないというような「使いわけ」政策をとることも珍しくない。この米側による差別が中ロ連帯を阻む可能性がある。

・中ロ両国の日本や西欧などに対する姿勢はときに大きく異なる。米国のアジアでの主要同盟相手である日本への態度は、中国よりもロシアの方が友好的である。西欧諸国や中東、さらにはアジアでのベトナム、インドなど重要な相手への政策をみても、両国には違いが目立つ。この差異が中ロ連帯のさらなる進展を難しくしうる。

米国がとるべき政策は?
 同報告書は以上のように中ロ連帯に多角的な光をあてながら、米国のトランプ政権がどのような政策で臨むべきかを記していた。この大規模な調査研究に加わった専門家たちの間では、米国のとるべき政策として大きく分けて以下の4つが挙げられたという。

(1)中ロ両国がこのまま連帯を続けることを想定し、米国は軍事、経済、外交の各面で国内外の力を着実に強化し、両国に正面から対決し、抑止する。

(2)中国との関係を改善して対決要素を薄める。ロシアに対してはさらに強硬な措置をとり、中ロの離反を図る。

(3)米国への長期の最大脅威は中国とみなして強固な抑止策をとり、ロシアに対しては融和政策を導入して、中ロの離反を図る。

(4)米国は長年の国際的な覇権や主導権を後退させ、中国とロシアという新興の大国の国際的役割拡大を受け入れる形で協調を図る。

 以上のような政策選択のなかで、この調査研究に参加した米国側の専門家たちの圧倒的多数が、(1)の対決と抑止の政策への賛同を表明したという。その結果、同報告書は米国政府や議会に対して、実質的に強固な政策を勧告していると言えるのである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54140

 


ウラジオ柔道外交はプーチン大統領の「一本勝ち」
北方領土は「我慢する」か「長期戦を覚悟する」かの問題に
2018.9.20(木) 新潮社フォーサイト
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プーチン大統領、日ロ平和条約締結を提案 年末までに「前提条件なし」で
ロシア東部ウラジオストクで開催中の「東方経済フォーラム」に臨む、同国のウラジーミル・プーチン大統領(中央)、中国の習近平国家主席(右)、安倍晋三首相(2018年9月12日撮影)。(c)AFP/Kirill KUDRYAVTSEV〔AFPBB News〕

(文:名越健郎)

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が9月12日にウラジオストクで、「(領土などの)前提条件なしで日露平和条約を年内に締結しよう」と突然提案したことは、日本側に困惑を招いた。前々日の日露首脳会談でそのような発言はなく、唐突かつ意表を突く発言だったからだ。

 難航する北方領土問題の棚上げを意図したことは明らかだが、日本側が拒否すれば、ロシアが反発し、交渉はさらに難航しよう。プーチン大統領と22回の会談を重ねた安倍晋三首相の対露外交が、曲がり角に直面していることを示した。

「1島返還」の恐れも
 プーチン発言は、日中露韓とモンゴル首脳が登壇した東方経済フォーラムのパネル・ディスカッションで飛び出したが、引き金は安倍発言だった。首相は「プーチン大統領と今後も会談を重ねていきたい。聴衆の皆さんにも、平和条約締結に向けたわれわれの歩みを、支持してもらいたい」と拍手を催促すると、大統領は「シンゾーは『アプローチを変えよう』と言ったが、是非そうしたい。たった今思いついたアイデアだが、平和条約を今とは言わないが、年末までに無条件に結ぼう。その後ならば、平和条約を基礎に、すべての係争問題の解決ができるはずだ」と提案すると、安倍首相を上回る拍手が起きた。

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 4島の帰属問題を解決して平和条約を結ぶ――が国是の日本にとって、プーチン提案は到底受け入れられない。最大の問題は、平和条約を締結すれば、国際法上、戦後処理の完了を意味することだ。火事場泥棒のような終戦直後の旧ソ連による「4島不法占拠」が一瞬にして「合法支配」と化すことになる。

 1956年の日ソ共同宣言は、「平和条約締結後に、善意のあかしとして歯舞、色丹の2島を引き渡す」と明記しており、全面積の7%の2島引き渡しで決着する可能性が強まる。国後、択捉について、プーチン政権は「大戦の結果ソ連領となった」としており、返還は考えられない。プーチン大統領自身、国後、択捉の帰属協議に応じたことは一度もない。

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 しかも大統領は「2島を引き渡すといっても、主権を移管するのか、レンタルするのか、具体的には何も書かれていない」と公言している。無条件で平和条約を締結した後の交渉は、56年宣言の解釈をめぐって難航しそうだ。大統領は「共同宣言に沿って日本が2島を領有することは、日本の“一本勝ち”だ」と述べたこともある。「引き分け」を唱える大統領の方針からすれば、2島を折半し、日本が得るのは無人島の歯舞諸島だけにとどまりかねない。歯舞なら4島の全面積の2%で、日本側の外交完敗となってしまう。

中韓も棚上げを支持?
 今回のプーチン提案はサプライズ効果があり、普段日露関係には無関心な欧米のメディアも、「プーチン大統領、長く待たれた平和条約を日本に提案」(『ワシントン・ポスト』)、「プーチンが年末までの日露平和条約を希望」(『NBCテレビ』)などと大きく報道した。「日本がプーチンの平和条約提案を拒否」(『ブルームバーグ』)などと、日本に問題があるかのような報道もあった。

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 これは、壇上で「平和条約締結」だけを訴え、領土問題解決に触れなかった安倍首相の対応にも問題があろう。首相はプーチン発言を笑顔で聞き、その後も4、5回発言の機会があったのに、北朝鮮問題やシベリア鉄道の輸送問題などに触れただけで、プーチン提案に反論しなかった。菅義偉官房長官が「4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する基本方針に変わりはない」と強調したが、首相がその場で日本の立場を説明し、反論すべきだった。

「反論も何もせずに薄ら笑いを浮かべていた。外交上の大きな失態」(国民民主党の玉木雄一郎代表)、「(無条件の平和条約締結は)領土要求を放棄し、国を切り売りすることになる。それを目の前で言われて反論も異論も言わないのは外交的大失態」(共産党の志位和夫委員長)といった野党指導者の批判は的を射ていた。

 パネル・ディスカッションではその後、日露の領土問題が話題になり、司会者から振られた中国の習近平国家主席は「領土をめぐる係争が存在するのは問題だ。解決できないなら、それをうまく管理することが重要だ。歴史の教訓から学んでほしい」と述べた。韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は「国際的な文書を基に、英知で解決すべきだ。中国のケ小平は『現世代が問題を解決する英知を持たないなら、次の世代に委ねるべきだ』と述べたことがある」と語った。日本と領土問題を抱える中韓首脳はいずれも、ロシアの領土棚上げ論を暗に支持した。

 プーチン大統領が得意とする柔道は、相手の力を利用して逆襲に転じるのが極意だが、今回は大統領が首相の前のめり姿勢を利用して技をかけ、「一本勝ち」を収める形となった。

安倍首相の「外交失敗」
 プーチン提案の直後、イーゴリ・モルグロフ外務次官が日本側に年内の平和条約締結で交渉開始を求めており、提案を事前に用意していた可能性もある。旧ソ連は1970年代、領土問題を棚上げした中間条約の締結を日本に提案したことがあり、領土先送り論は目新しくない。

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 ロシア科学アカデミー極東研究所のワレリー・キスタノフ日本研究センター長は『独立新聞』(9月12日)で、「センセーショナルに見えても、現実性はあまりない。年内または近い将来の平和条約締結はないだろう。ロシアが4島への日本の主権を認め、次に2島を返還し、国後、択捉はかなり後に返すというのが日本の立場だ。しかし、ロシア政府は4島が合法的にソ連領になったことをまず日本が認め、それから平和条約交渉を行うとの立場だ」とコメントした。

『タス通信』東京支局のワシリー・ゴロブニン支局長はラジオ局『モスクワのこだま』のブログで、「これまで、ロシア外務省は無条件の平和条約締結案を日本側に伝えていなかった」とし、「安倍首相は重大な外交的失敗を喫した。ロシアは島で1センチも譲歩せずに、自らの立場を強化できたからだ」と書いた。モスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授は「思いがけない発言だったが、平和条約問題は日露政治対話の中心であり、ロシアもある程度イニシアチブを取って、日本に熱意を示す意味での発言だったかもしれない」と好意的に評価した。

 日本側も「両国関係を発展、加速したいという強い気持ちの表れだろう」(菅官房長官)、「なるべく早く平和条約を締結したいという思いがよく分かった」(河野太郎外相)と前向きに受け止めつつある。しかし、4島での共同経済活動がまとまらない中、新たに無条件の平和条約締結案を協議するなら、交渉が複雑化し、混乱するのは確実だ。

プーチン政権が続く限り日本の国内問題に
 日本のメディアでは報じられなかったが、プーチン大統領はパネル・ディスカッションの最後に再度北方領土問題に触れ、「ロシア連邦の地図を見てほしい。巨大な国だ。面積は世界最大であり、ここに問題の島々がある。そこには道徳的、政治的な性格と特徴があり、わが国にとって極めて先鋭で敏感な問題だ。従って、その点を考慮して正しく解決に当たらねばならない」と述べ、4島の問題は政治的、心理的問題であることを強調した。一方で、「われわれは中国との40年来の領土問題を、相互に受け入れ可能な妥協案によって解決した」とも強調した。

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 中露の国境問題は2004年、係争中の3つの川中島を面積折半にするとの妥協案で解決したが、これは技術的な領土問題であり、第2次世界大戦の結果が絡む北方領土問題とは異なるとの認識である。広大な面積のロシアにとって、4島が技術的問題なら面積折半でも惜しくないが、膨大な犠牲を出した大戦の「戦利品」である以上、譲れないという発想だ。同じく大戦の結果が絡むバルト3国との領土問題でもロシアは一切譲歩しなかった。プーチン大統領自ら高揚させた戦勝意識と愛国主義が譲歩を妨げる構図だ。

 こう見てくると、プーチン政権が続く限り、ロシア側が最大限譲歩しても2島止まりであり、国後、択捉の返還はもはや考えられない。北方領土問題は次第に、2島(または1島)で我慢するか、それとも4島を目指してプーチン後へ長期戦を覚悟するか、憂鬱な国内問題になりそうだ。


名越健郎
1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。

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・「クリントン図書館」が公開したエリツィン独白「プーチンは狂信主義者」
・米露首脳会談が「不調」に終わったこれだけの理由
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54136


 


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[経世済民128] 一人の食卓もアレクサと一緒なら楽しくなる?アマゾンエコーが変える日本の料理風景 日本の潜在市場と隠れたる天才、発掘します うまき
2. 2018年9月20日 10:58:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1513]
 
「身近な悪意」で暴走、AIのダークサイド
トレンド・ボックス
先端技術の光と影
2018年9月20日(木)
竹居 智久/浅川 直輝/玉置 亮太=日経コンピュータ/日経xTECH
あらゆる技術には光と影がある。それはAI(人工知能)も例外ではない。フェイク動画で人をだます、人の行動を操作する、自動運転ソフトを誤動作させて人を傷つける──。悪意に操られる危険がある以上、AIの「ダークサイド」を知っておく必要がある。
(日経ビジネス2018年7月16日号より転載)
 「言ってもいないことを本当に言ったかのように見せかけられる時代になった」。2018年4月、フェイク(偽の)ニュースに警鐘を鳴らすバラク・オバマ前米大統領の映像が話題になった。
 理由は発言内容ではない。この映像自体がフェイクだったからだ。作ったのは米映画監督ジョーダン・ピール氏と米メディアのバズフィードである。
 ディープフェイク。有名人の顔を別人の顔に合成した精巧なニセ動画の総称で、PCソフト「FakeApp」を使うことが多い。FakeAppは深層学習(ディープラーニング)を活用し、不自然さを感じさせないように画像を加工できるとの触れ込みだ。冒頭に紹介した映像では、ピール氏が話したときの口元の動きをオバマ氏の映像に重ね、あたかもオバマ氏が話しているかのように見せかけた種明かしをする。映像の中の“オバマ氏”はこう締めくくる。
 「気をつけろよ、おまえたち」
 警告は単なる脅しではない。既にネット上にはディープフェイクがあふれている。メルケル独首相の顔が途中からトランプ米大統領にすり替わる演説、有名ハリウッドスターのまだ製作されていない「続編」の名場面、有名女優の顔をはめ込んだポルノ──。
メルケル・トランプが演説?
●「ディープフェイク」で作成したニセ動画の例

演説するメルケル独首相(上)の顔が途中からトランプ米大統領(下)に差し替わった
出所:YouTube(写真:The New York Times/Redux/アフロ)
差別発言するチャットボット
 氾濫するディープフェイクを問題視した米掲示板サイト、レディットは18年2月に利用規約の一部を改定。性的な画像やビデオの配布を禁じる中で、「偽造された描写も含む」と明記した。FakeAppの開発者が立ち上げたコミュニティー「deepfakes」も閉鎖した。
 AIが悪用されかねない懸念は既に現実になっているかもしれない。16年の米大統領選ではAIが暗躍し、投票行動を操った可能性がある。
 舞台は世界最大のSNS(交流サイト)である米フェイスブックだ。3月に最大8700万人の利用者データが流出して大統領選の選挙工作に使われた疑惑が発覚。同社のマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は米議会で謝罪した。膨大な利用者データを分析して政治広告を配信する過程で同社のAI技術が使われた可能性がある。

2018年4月に米議会の公聴会で証言するフェイスブックのザッカーバーグCEO(写真:PIXTA)
 「AIシステムは肯定的な反応と否定的な反応の両方を人々から引き起こす。社会面の課題は技術面の課題と同じぐらい大きい」。約2年前の16年3月25日、米マイクロソフトで研究開発部門を担当するピーター・リー氏は同社のブログでこうつづった。2日前に公開したチャットボット「Tay(テイ)」が攻撃的で不適切な発言を繰り返したことを謝罪し、このような経験から「学ぶ努力を続けていく」と述べた。
 同社はチャットアプリを頻繁に利用する18〜24歳のユーザーが対話を楽しむ相手としてテイを開発。ネットで利用者と対話するうちに、より洗練された対話ができるように成長していくはずだった。ところがテイはヒトラーを礼賛する発言や、人種差別的な発言を繰り返すようになり、同社はわずか1日でテイの公開を停止した。
 同社が先駆けて公開した日本の「りんな」などは対話に使う言葉を同社の開発者が教え込む形式だった。しかし、テイはネット上で利用者が書き込んだ内容を学んで成長する仕組み。ここに不適切な言葉を学ぶ脆弱性があった。
敵対的サンプル画像
 AIのダークサイドの最たるものは戦争や殺人の「AI兵器」だろう。完全に人間の判断を排除して攻撃できる自律型兵器は現時点で存在しないとされるが、多くのAI研究者は同兵器の開発を禁止すべきと声を上げている。
 「我々はグーグルが戦争ビジネスに参加すべきではないと信じている」。3000人以上の米グーグル社員が、深層学習で映像を解析する米国防総省の研究プログラムに参加しないようスンダー・ピチャイCEOに求める書簡に署名したと、米ニューヨーク・タイムズなどが18年4月に報じた。
負の方向にも使える
●能力向上によって生まれたAIの光と影

 「韓国科学技術院(KAIST)とのいかなる分野での協力もボイコットする」。世界30カ国からなるAIやロボットの研究者約50人が18年3月、KAISTに公開書簡を送った。KAISTが18年2月に、韓国軍需企業と「国防人工知能融合研究センター」を共同設立したことに反対するためだ。
 兵器とは縁遠い自動車が牙をむくおそれもある。
 AIによる自動運転車が備える、人間や障害物を認識する技術を悪用するのだ。一例が「敵対的サンプル画像」と呼ぶ手法。AIに認識させる画像に人間には見えないノイズを混入させて誤認識させ、文字通り「暴走」させる。意図的な混入だけでなく、「悪意なく掲示される画像を誤認識する可能性もある」(ビッグデータ活用支援ベンチャー、メタデータの野村直之社長)。
学習を制御しないと暴走する
●一般利用者と対話するマイクロソフトのAIとその学習の仕組み

出所:Twitter
データや倫理の整備が鍵
 技術者や研究者はAIのダークサイドに立ち向かう取り組みを進めている。
 活発なのはAIが学習する基になるデータを健全に保ったり透明性を高めたりする動き。フェイスブックは今回の疑惑を受け、ターゲティング広告に使うデータの透明性を高める施策に乗り出した。欧州の「一般データ保護規則(GDPR)」はプロファイリングに関するガイドラインを定め、個人に重大な影響を及ぼす完全な自動処理による決定に人々が服さない権利を示した。
声を上げ始めた技術者
●AI兵器の開発に反対する技術者の動向

出所:(上)トビー・ウォルシュ氏HP、(下)米ニューヨーク・タイムズ
 AIに学習させるデータから「毒」を抜くことを支援する企業も登場した。メタデータはユーザー企業が用意したデータをリアルタイムに検査して不適切な表現を取り除くクラウドサービスを提供。AIに学ばせる「正解データ作りを支援する」(野村社長)。
 倫理的な基準を設ける議論も進む。非営利団体「Future of Life Institute」は17年1月に「アシロマAI原則」と呼ぶ23項目のAI開発原則を公表。米国電気電子学会(IEEE)はAIや自律型システムの開発ガイドラインの第2版を17年12月に公開。グーグルのピチャイCEOは18年6月、AIの兵器への使用を禁止すると発表した。
 AIにデータを与えるのも指示するのも人間。AIのダークサイドとは我々人間のダークサイドにほかならない。
日経コンピュータ
システム管理者、情報システム担当者らITプロフェッショナルからITで企業改革を進める経営者まで、有益な情報をタイムリーに提供する。


このコラムについて
トレンド・ボックス
急速に変化を遂げる経済や社会、そして世界。目に見えるところ、また見えないところでどんな変化が起きているのでしょうか。そうした変化を敏感につかみ、日経ビジネス編集部のメンバーや専門家がスピーディーに情報を発信していきます。
https://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120118/226265/071300014/ 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/511.html#c2

[国際23] 欧州で急速に高まる中国企業への警戒感 米国が国防費を対中戦にシフト 中国にまたしてもやられた日本政府 うまき
1. 2018年9月20日 11:00:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1514]
2018年9月19日 / 14:58 / 17時間前更新
焦点:台湾の「ステルス外交」、日豪印など域内大国に接近
Greg Torode and Jess Macy
3 分で読む

[香港/台北 14日 ロイター] - 中国が台湾を外交的により孤立させようと攻勢を強めるなか、台湾は長年に渡って築いてきた米国との関係を超え、アジア・太平洋の域内大国と安全保障面で関係を強化しようと、目立たないように、それでいながら活発に動いている。

中国軍の動向に関する情報をインドと共有する試みから、潜水艦の自主開発に日本の専門家を招こうという動きまで、台湾との関係はその国にとって機微な問題にも関わらず、次第に実を結びつつあると、政府や軍、外交関係者は話す。

台湾はインドや日本に加え、オーストラリアやシンガポールとの関係強化も狙っている。

中国政府の怒りに油を注ぎ、非公式に台湾を支援する国々への圧力が高まる事態を避けるため、台湾はひっそりと動いてきた。一方で蔡英文政権は、東南アジアやオーストラリアなどと通商面、文化面で結びつきを深めようと「新南向政策」を公式に掲げている。

中国はこのところ、台湾を国家として承認する数少ない国々の方針を転換させることに成功した。台湾は残る国との正式な外交関係の維持に注力しつつ、域内大国が中国の台頭に対処しようとする機会を捉え、こうした国々との戦略的な関係を深化させようとしていると、台湾当局者は話す。

「台湾とこれらの国々が、現在の安全保障の環境についてより深い理解を共有することを望んでいる」と、台湾の呉ショウ燮外交部長(外相)はロイターに語った。

中国がより強く、より威圧的になる中、呉部長は「こうした国々の多くは影響を感じており、自国の利益の一環として、台湾を避けるのではなく、より良く知っておきたいと考えている」と述べた。

<国家承認の問題>

中国は、民主的な台湾を地方政府の1つと位置づけており、支配下に置くため武力行使も辞さない構えを崩さない。近年は台湾周辺での軍事活動を活発化させている。

エルサルバドルは今年8月、台湾と断交して中国と外交関係を樹立した。5月にはドミニカ共和国が、昨年はパナマが同様の決断をした。台湾と正式な外交関係があるのはわずか17カ国となり、うち6カ国は太平洋の小さな島しょ国だ。

「域内大国の中で、台湾との関係を米国並みにしようと考えている国は1つもない」と、米戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・グレイザー氏は言う。「だが、関心が交差していることは確かだ。様々なことが積極的に模索されている」と、同氏は話す。

米政府も「1つの中国」政策を採用しており、台湾と正式な外交関係はない。同時に米国は、台湾に対する最大の武器供与国であり、国際社会の中で最大の支援国でもある。

この関係はトランプ米大統領の下で強まっている。米政権は武器の輸出拡大を検討しているほか、政府関係者同士の交流を活発化させている。ロイターが入手した米政府の推計によると、軍関係者を含めて毎週100人のペースで米当局者が台湾を訪問している。台湾側も蔡政権になって米国との交流を促進している。

<インドが進出>

機密情報の共有を含め、安全保障面における台湾と日本の関係は一定の時間をかけて築かれてきたが、台湾とインドとの関係は急速に深まっていると、事情に詳しい筋は話す。

大使館に相当する台湾の駐インド代表処には、非公式に武官が置かれた。インド軍幹部は公用旅券ではなく、通常旅券で頻繁に台北を訪れている。台湾は東京やシンガポール、ワシントンの代表処にも非公式に武官を駐在させている。

事情に詳しいインド筋によると、同国は台湾が把握する中国軍の動向、とりわけインドとの国境に近い中国西部での動きに関心を寄せている。「台湾は中国を監視しており、我々は台湾を頼りにしている」と同筋は話し、「インドの軍関係者は、研修休暇と呼ばれるものを利用して定期的に台湾を訪れている」と明かす。

ロイターはインド政府に公式見解を求めたが、同政府に近い筋は安保面の関係についてはコメントを拒否し、こう話した。「台湾との関係は経済や商業のつながり、人的な交流に限定されている」。

台湾は米国の主要同盟国オーストラリアにも接近していると、アジア・太平洋諸国の複数の外交官は言う。

まだ模索段階だが、東南アジアや太平洋地域における中国の動向を監視するという共通の関心について議論をしているという。インドとの関係同様、装備協力などではなく、中国の活動や軍の展開、その意図などの情報共有に発展していく可能性が高いという。

オーストラリア政府の広報官は、コメントを避けた。

豪ロウイー研究所の地域安全保障アナリスト、ユアン・グラハム氏は、オーストラリア政府の立場について、台湾の戦略的な重要性について認識を深めているものの、慎重な姿勢を崩さないだろうと分析する。

「オーストラリアが、例えば日本のように関係を深めてくれると考えているなら、台湾は期待しすぎだろう」と、グラハム氏は言う。「台湾と直接、軍事関係を構築するのはオーストラリアにとって心地よいものではない」。

一方、情報筋によると、シンガポールは中国政府からの圧力にもかかわらず、小規模な軍事的なプレゼンスを台湾に維持する意向をたびたび台湾当局者に示唆している。

台湾とシンガポールの関係は過去数十年続いてきたもので、軍事演習への部隊派遣が柱となっている。2016年11月には、演習で使ったシンガポール軍の装甲車を台湾から輸送する際、香港税関が一時的に差し押さえる事態が発生し、中国政府が非難した。

両者の関係に詳しいシンガポールの研究者は、「台湾はシンガポールが中国の圧力に抵抗し、訓練にとどまらず、広範で深い軍幹部の交流が行われていることを歓迎している」と語る。「今の環境では話し合うことはたくさんある」。

他の研究者も、政府とつながりがある中国人研究者から、台湾との軍事関係を批判されると話す。

「みんな判で押したように、シンガポールはいつになったら(台湾との軍事協力を)止めるのかと聞いてくる。ヒントは明らかだ」と、あるベテラン研究者は言う。

ロイターはシンガポール国防省にコメントを求めたが、現時点で回答を得られていない。

台湾の複数の研究者によると、台湾が自主建造を目指す潜水艦計画について、退職した日本人技術者が支援のために訪台している。

台湾国防部(国防省に相当)はロイターの問い合わせに対し、そうした報道は「完全な憶測だ」と発表した海軍の声明を参照するよう回答した。

日本の外務省は、日本人技術者が関与しているとの情報は把握していないとした上で、「台湾との関係は1972年の日中共同声明にあるとおりで、非政府間の実務的な関係は維持されている」としている。

台湾の外交は「半官半民」の役割が重要性を増している。特に鍵を握るのが、政権に近い台北の研究機関。外交部が一部資金を拠出し、国家安全会議(安全保障会議)と密接な両岸交流遠景基金会が、現役の研究者や退職した当局者、軍出身者、時には現職の政府関係者に幅広く接触している。

同会は台湾の国際的な交流を後押しているが、研究者らによると、現役の軍関係者が関わる場合は制服を着ずに国外へ出張するという。台湾がいかに目立たないように活動しているかを示している。

(翻訳:山口香子、編集:久保信博)
https://jp.reuters.com/article/taiwan-diplomacy-idJPKCN1LY0MG

 

 


中国人の「国慶節」人気旅行先、日本が初の首位
中国・台湾 アジアBiz
2018/9/19 20:35
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 【大連=原島大介】中国の国慶節(建国記念日)を祝う10月の大型連休中の人気旅行先として、日本が初めて首位に立った。直前に大阪と北海道で大規模災害が発生し、訪日中国人客の減少が懸念されていた。ただ、旅行先の分散が進んでいるほか、災害復旧への対応の早さも評価され、影響は限定的となりそうだ。日中関係の改善も追い風になっている。

総合免税店「ラオックス」秋葉原本店を訪れた中国人観光客ら(2017年10月)
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総合免税店「ラオックス」秋葉原本店を訪れた中国人観光客ら(2017年10月)

 中国の旅行予約サイト大手、携程旅行網(シートリップ)がまとめた。トップの理由として、観光資源が豊富にあり、目的地が多様な点を挙げた。また2017年に首位だったタイでは、今年7月に中国人客を乗せたボートの転覆事故が発生。安全面への不安が高まり、客足が遠のいた面も大きかった。

 中国では日本の災害ニュースが大きく報道される一方、交流サイト(SNS)では連日、日本在住の中国人が復旧状況を投稿している。「繁華街の回復など対応の早さが伝わり、逆に旅行を考える中国人に安心感を与えた」(遼寧省大連の旅行会社)とみられる。

 関西国際空港が一時閉鎖になり、北海道でも鉄道網が寸断されたことなどから、キャンセルを余儀なくされる人も相次いだ。複数の旅行関係者によると、この影響で両地域を訪れる旅行客は減少する見通しだ。

 ただ何度も日本を訪れる「リピーター」が増えたことで、旅の目的地が分散。今回は東京近郊や名古屋、北陸などに向かう客が増えているといい、災害に伴う影響は全体としては軽微になりそうだ。

 12日に日本の安倍晋三首相と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席がロシアで会談し、相互の訪問について話し合うなど日中の首脳間の交流も活発になっている。中国人の旅行先は外交の影響を受けやすく、日中関係の改善が進んでいることも日本人気に影響しているようだ。

 中国の大型連休は国慶節と、2月の春節(旧正月)の2回。家族が実家で年を越すことが多い春節に対し、国慶節は日本のゴールデンウイークに近く、家族旅行などにお金を費やす傾向が強い。日本の旅行や小売りなどインバウンド(訪日外国人)関連の業界にとっても、かき入れ時となっている。

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8月訪日客4.1%増 伸び鈍化、地震・豪雨影響 (2018/9/19 18:00)
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35539350Z10C18A9FFE000/?n_cid=NMAIL007

 


 
2018年9月20日 加藤 出 :東短リサーチ代表取締役社長
大阪「インバウンドバブル」は円高で弾ける、円安頼みの脱却必要
インバウンドバブル
道頓堀の一等地にあるドラッグストアの2階で、曲に合わせて踊っている女性を目撃。中国人向けに中国語で商品名が書かれた宣伝ボードを振っていた Photo by Izuru Kato
 台風21号が近畿圏等に甚大な被害をもたらした数日後、出張で大阪に行った。梅田や堂島では大きな街路樹が根元から倒れていた。難波では古い木造店舗がめちゃくちゃに壊れていた。通天閣近くの新世界には吹き飛ばされて骨格だけになった看板が多数あった。

 関西国際空港が水没等により機能していなかったため、外国、特にアジアからの観光客は大幅に減少していた。近年は大混雑が常態化していた黒門市場では、手持ち無沙汰の店員が散見された。

 関空が全面的に復旧すれば外国からの観光客はまた戻ってくるだろう。とはいえ、あらためて大阪の街を散策してみると、ここ最近の「インバウンドバブル」の過熱ぶりは相当なところにまできているように感じられた。

 ほんのちょっとした空き地でも、インバウンド観光客向けのホテルを建設する動きが激しい。また、心斎橋から難波にかけてのドラッグストアの数は異常だ。グリコの看板がある道頓堀の橋に面したドラッグストアでは、キャンペーンガールが2階のバルコニーで曲に合わせて踊っていた。橋にいる人々に見えるように彼女が振っているボードには「合利他命」(アリナミン)と書かれていた。

 また、前述の黒門市場での魚介類や牛肉の多くはインバウンド観光客価格になっている。人気店の寿司パックの中心価格帯は3000円あたりで、4800〜5800円のパックが昨年見たときよりも増えていた。お得な品に敏感な大阪のおばちゃんたちは買いに来ていなかった。

 利幅の厚い価格設定をしても観光客が喜んで金を払うなら、周りがとやかく言う必要はないといえる。フランス・パリのシャンゼリゼ通りのレストランで食事をしているのは、近年は中東、ロシア、アジアからの観光客ばかりだ。

 ただし、彼らはシャンゼリゼというプレミアムに金を払っている。それ故ユーロが少々高くなっても観光客は減らない。では、日本に近年押し寄せているアジアからの観光客はどうなのだろうか。

 日本ならではの安全、高品質な商品や食事を彼らが求めてやって来ているのは確かだが、ベースにあるのは円安だ。新興国の所得水準は上がってきているとはいえ、円安でなければ、彼らは日本であんなに大胆に買い物はできない。

 裏を返せば、日本国内に住んでいる人は、円安故に高いガソリン、電気、ガス、輸入食品を買わされている。米国経済からの恩恵などを受けて企業業績は好調なのに国内の消費に弾みがつかないのは、人々の将来不安に加え、円安による交易条件の悪化が影響しているといえる。

 せめて今のうちに円安でもうかっている企業が社員の賃金やボーナスを大幅に引き上げてくれればよいのだが、企業経営者は慎重だ。今年5月の決算発表で、トヨタ自動車の豊田章男社長はコストカットがトヨタの真骨頂だ、とあらためて経費削減をアピールしていた。

 そう考えると、円安に依存した景気回復には限界があるといえる。日本銀行は超低金利政策によって事実上の円安誘導を行っているが、数年後に米国経済が失速したら、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに転じ、日米金利差は縮小する。

 世界経済の後退とともに円高が来ると、インバウンド観光客バブルがはじける恐れもある。円高を過度に恐れないで済む経済の構造にシフトしていく必要があるといえるだろう。

(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
https://diamond.jp/articles/-/180013

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/893.html#c1

[経世済民128] 「テレワークは主婦だけのものではありません」 伝道師、田澤由利氏に聞いた 「提言 私たちの働き方」 うまき
5. 2018年9月20日 11:03:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1515]
ビジョンを実体化させる「継続的対話」の必要性 あなたの「話題占有率」が及ぼす、周囲への影響

2018.9.19(水) Coach's VIEW
業績向上を目的とした組織改革や人材開発、リーダー開発の加速に向けてエグゼクティブ・コーチングを提供するコーチ・エィの「Coach's VIEW」から選りすぐりの記事をお届けします。
瞬間的な発信だけでは意味がない。
(文:コーチ・エィ 森田克司)

 クライアントのA氏が社長に就任した時のことです。

 就任後の最初のセッションで、社長としての抱負を聞きました。

「会社は人材がすべて!」
「人材育成を最重要テーマに掲げて経営を進めていきたい!」

 力強い口調と覚悟に満ちた目を見て、

「ああ、彼は本気だな」

 私はそう思いました。

 実際、A社長は矢継ぎ早に手を打ちました。

 就任挨拶での育成方針の発表を皮切りに、人事部に包括的な育成の仕組みの構築を指示し、自己研鑽にむけた教育予算の付与、次世代幹部リーダーの選抜制度のスタートなどなど。

 社長就任から半年が経過したとき、A社長は最初の大々的な組織調査を実施しました。

 半年間の取り組みの成果と新たな課題を知るためです。

 しかし、レポートを見た社長の表情はみるみる曇っていきました。

「こんなはずはない」

組織の優先順位は、何で決まるのか?
「こんなはずはない」

 そういう言葉が出たのは、経営の柱の1つである「育成」の項目が、他の項目と比べて低めのスコアを示していたからです。

 その後、A社長はただちに自由回答に目を走らせました。

 するとそこには、この半年の成果の数々が書かれていました。その多くは、以下の3つの内容に集約されていました。

・目標に対する意識やコミットが上がった
・無駄なコストを削減するなど最終利益を意識するようになった
・残業時間が減った

 これらの項目は、私とのセッションではあまり話題になっていなかったため、私も少し意外な気がしていました。

 紙面を何度もめくりながら読み耽るA社長に、私は言いました。

「社員のみなさんは、さまざまな成果を実感されているようですね」

 さらに、

「でも、私とのセッションではあまり話題に挙がっていない内容が、前面に表れてくるのはどうしてですかね?」

 そう尋ねると、しばしの沈黙の後、「あっ」と何かに思い至ったかのように顔を上げました。そして、

「自由回答に書かれていることは、私が役員のメンバーと日常的に一番話題になっているものばかりです」

 そう答えました。

 社長は続けます。

「半年間を振り返ると、要所要所で育成方針を打ち出し、指示も出してきました」

「しかし、役員会やもっとも接点の多い役員との日常的なやり取りで話すのは、まさにこの3つのトピックスがほとんどだったと思います」

「瞬間的発信」以上に重要な「継続的対話」
 ここで「話題占有率」という考え方をご紹介したいと思います。 

 これは私の造語ですが、文字通り、その話題が全体の何%を占めているかを考える時に使っています。

「人は、自分の中で最も優先順位の高いことを自然と話題にする」という原則があります。そして、あることを話題にすればするほど、必然と周囲の人々もそのことについて一緒に考えます。

 結果的に、周囲の優先順位にも影響を及ぼす、ということになります。また、優先順位が上がると、達成確率にも少なからず影響がでてきます。

 ですから、たくさん話をすればするほど、それを達成するためのアイデアもたくさん生まれやすくなり、達成確率も上がりやすくなります。

 つまり、組織のトップが方針や指示をどんなにエネルギー高く打ち出したとしても、「継続的な対話」がなければ、それについて考える機会そのものが生まれません。すると、達成能力云々とは無関係に、達成に向けての前進は期待できない、ということになります。

 では、A社長が「育成」の優先順位を挙げて組織に浸透を図っていくには、一体どうしたらいいのでしょうか。

「トピックス・マネジメント」のススメ
 わたしはまず、A社長に1週間で彼が話している「トピックス」を円グラフで表してもらいました。

 その結果、育成については、およそ5%の占有率でした。

「本当に育成を経営の中心に据えるとしたら、どのくらい話題にしている必要がありそうですか?」

 この質問に、彼は「半分、50%」と回答しました。

 そして、3つのことを自ら決めました。

1.役員会のアジェンダの半分を育成関係のものにする
2.育成についてのみ話す「人材育成会議」を新設する
3.個別の役員とのミーティングでは、毎回、必ず育成について話題にする

 効果は、半年後に行われた2回目の組織調査で表れました。

 定量面での上昇幅はもっとも大きかったのが「育成項目」でした。

 自由回答にも、育成に関するコメントが増えました。

 手応えを感じたA社長の目下のテーマは、多彩な質問力のアップです。

「育成」を話題にする時間が増えた分、いかに新しい視点でみんなで考えることができるか。私とのコーチングでは今、これに取り組まれています。

 みなさんにも、「本当にやりたいこと」があるのに、気が付くと後回しにしてしまっていた。そんなことがあるのではないでしょうか。

 場合によっては、改めて自分が一番やりたいことを意図的に、戦略的に話題として選んで話す、「トピックス・マネジメント」という視点も何かのヒントになるかもしれません。


森田克司
株式会社コーチ・エィ 執行役員
一般財団法人 生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ

 早稲田大学商学部卒。一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 経営学修士(MBA)。早稲田在学時にカナダ留学を経験。卒業後は専門商社に入社し、海外営業部に配属。韓国とフィリピン向けに半導体の製造機械を仕入れから輸出業務、販売、そして現地顧客先のエンジニアに対する機械操作の教育まで一貫して担当。その後、中国の広州市にある中山大学に留学。現地では標準語と広東語を学ぶ一方、現地の市政府や日系企業と共同プロジェクトを実施するなど社会活動にも従事。帰国後は一橋大学院で経営全般を学び、コーチ・エィに入社。

*本稿は、最新のコーチング情報やリサーチ結果、海外文献の紹介を通じて、業績向上につながる組織改革や人材開発、リーダー開発など、グローバルビジネスを加速させていくヒントを提供するコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるコラム「Coach's VIEW」の提供記事です。

 
【第53回】 2018年9月20日 澤 円 :日本マイクロソフト 業務執行役員、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長

名刺交換の行列に並ぶ人に、決して人脈はできない

名刺交換するだけでは、簡単に人脈は築けません Photo:PIXTA
 皆さんこんにちは、澤です。

 先日、Industry Co-Creationというイベントに登壇してきました。

 このイベントは、「ともに学び、ともに産業を創る。」という素敵なコンセプトのもと、スタートアップを中心に様々な業界の有名・著名人が登壇したり、ネットワーキングのパーティーを楽しんだりするイベントです。今年は2月に福岡、そして9月に京都で開催されました。

 スタートアップ企業だけではなく大企業もスポンサーになっているなど、大小問わずさまざまな企業が一堂に会して、セッションで話したりブースを出してサービスの紹介をしたりしていました。

 ネットワーキングパーティーは本当に楽しくて、毎回私も楽しみにしているのですが、こういう場で「人脈を作りたい!」と思っているであろう人たちを観察していると、いろいろなタイプがあることがわかり、多くの学びが得られます。

 今回は、そういった人たちの特徴を挙げながら、どうすれば人脈を広げられるのかをお話ししたいと思います。

とにかく名刺を渡しまくる人は
相手の記憶に残っていない
 こうしたイベントに参加すると一番多く見かけるのは、とにかく名刺を渡しまくる人です。日本には名刺交換というビジネスカルチャーが広く深く浸透していて、「何はともあれご挨拶」ということで名刺の交換がうやうやしく行われます。

 結論から言えば、名刺交換だけで人脈は全く広がりません。また、名刺に書かれている内容の延長線上の話、つまりは社員数や事業規模、自分が担当している事業内容を一生懸命に語っても、人脈を広げるところにまでは至りません。

 これだけ効果のないアクションであるにもかかわらず、日本のパーティーではそこかしこで名刺交換祭りが開催されており、同じような会話が繰り広げられています。私ももちろんビジネスパーソンなので、名刺交換を求められれば必ず応えます。ですが、通り一遍の挨拶と説明があっても、たいてい記憶には残りません。どの人の説明もそれほど大きな差はなく、同じように聞こえてしまうのと、たいてい私自身に直接は関係しない情報ばかりを説明されるからです。

 特に大企業の方は、私の本職である「マイクロソフトの業務執行役員」とどのように関係を構築するかを考えていようなのですが、クライアントやパートナーであれば担当営業がいるので、私が直接関係を構築するために時間を割く必要はないことがほとんどです。そのため、一通りの挨拶をしたら大抵の場合、すぐに会話は終了となることがほとんどです。

 一方で、スタートアップ企業は、「まだこの世の中にないサービスを作る」という考えの人が多いので、とても面白い情報が得られる場合があります。そうなるとこちらも興味が出てきてあれこれ質問をしたくなったりもします。その時は、どちらかというと私の脳内は「大企業の業務執行役員」の脳の動きではなく、別の顔である「スタートアップ企業の顧問」としての思考になります。このような思考回路を持っている人は大企業勤務をしている人には少ないので、サービスの内容がユニークな人であれば、確実に私にとっては人脈となります。

 ただし、サービスの内容があやふやだったり、ビジネスの目的がお金儲けだけだったりすることが見えた場合には、早急に会話を終了して他の方々との交流にシフトするようにしています。

大企業の人とスタートアップの人が
名刺交換をしてもかみ合わない
 さて、大企業とスタートアップの人が名刺交換をした場合はどうなるでしょう。人脈として成立するでしょうか?

 たいていの場合、会話が全くかみ合わない場合がほとんどです。大企業でスタートアップ界隈の思考に触れる機会があまりない人たちは、起業する人たちのマインドセットや、ビジネスに対する考え方が理解できず、どう反応していいかわからなかったりします。

 また、スタートアップ側の人は、決裁権などを持たない大企業の人に協業を必死にアピールしたりすると、相手に引かれてしまうこともあります。同様のことが、最近シリコンバレーでも起きているそうです。

「視察旅行」と称してシリコンバレーを訪れた人たちが、起業家たちのプレゼンを聴くだけ聴いて、協業や投資の話をするわけでもなく「いやー、いいお話でした、ありがとうございました」と言って帰ってしまうのだそうです。

 これでは、起業家たちとしては自分たちの情報を盗まれたも同然です。スタートアップ企業にとって、「タイム・イズ・マネー」は基本中の基本となる考え方です。大企業とは、時間に対する感覚が違うため、会話が成り立たないことが頻発するのです。

 また、名刺交換の時にありがちなのが、「占い師に並ぶような列ができる」というパターンです。イベントなどでプレゼンをした後、登壇者の前には名刺交換を求める人が縦一列に並ぶ光景が、そこかしこで見られます。

 名刺交換という儀式は一対一で向き合って行うものなので、仕方がない側面はあるのですが、この状態だと登壇者は「同じ質問に何度も答える」ということになり、時間を有効に使えているとはいえません。

 次々に人が現れては挨拶をするようなスタイルですと、正直全員の顔と名前を一致させることは不可能で、受け取った名刺も「これは誰なんだろう…」と後で悩まれるのが関の山です。

 もし人脈作りを目的にするのであれば、「占い師の列」に並ぶのは得策ではありません。ましてや、大会場でたくさんの人が集まる場所で多くの人が会話をしたいと思っている人を独占するのは、それ相応の理由がなければ「時間泥棒」の印象を与えて逆効果となります。

まず自分の価値を高める、
相手に役立つ「お土産」を用意する
 では、どうすれば確実に人脈を築くことができるのでしょうか?

 一番手っ取り早い方法は、「自分の市場価値と認知度を上げる」ことです。そうすれば、わざわざ自分が人脈作りのために動かなくても、多くの人が寄ってきてくれますし、また紹介をしてくれるようになります。つまり、他の誰かが人脈作りを代行してくれるわけです。

 ただ、これは一朝一夕にはなかなかできないことです。来週までに人脈を作りたい!となると、時間的に厳しいですね。

 ではどうすればいいかというと、「自分がつながりたいと思っている相手のことを予習する」そして「その人にとって役に立つ情報を持参する」のが効果的ではないかと思います。自分のことを知っている人、それも「よく知ってくれている人」に対しては、誰でも良い印象を持つものです。

 また、自分が取り組んでいるプロジェクトや、責任を持っている業務に対して確実に効果のあるツールやサービス、もしくは何かイベントに参加する機会などを紹介すれば、相手も興味を持つ可能性が高くなります。

 ここでやるべきではないのは、「売り込み」です。ツールやサービスを紹介するにしても、「売り込む」ためではなく「相手にとってプラスになるものを試してもらう」というモードでいけば、相手も受け取りやすいでしょう。

 人脈を作るためには、投資が必要です。もしあなたが営業マンだとして「会えたから売り込むべし!それが営業だ!」というような考え方では、いい人脈を作ることはできないと思います。

「トップセールスマンは、会った途端に売り込みしているのでは?」と考えている方もおられると思いますが、そういう人たちは緻密な計算をした上で短時間のうちにクロージングしているにすぎません。

 トップセールスマンは、極めて短い時間に人脈を構築してしまう名人でもあるのです。常に相手をリサーチし、準備をしているからこそ、会ってすぐにセールスができるのです。

 人脈を作る上でまず必要なのは、人間力です。会社の商品力を武器にしているうちは、人脈作りの達人にはなれません。いかにして人間力を上げていくのか、同じ空間での対応力をつけていくのかが大事です。

話し好きの人が陥りやすい
人脈作りの落とし穴とは
「なるほど、ボクは話し好きだから人脈作りに向いているな!」と思うのは、少々早合点が過ぎます。

 人脈作りに大事なのは、しゃべりのうまさではありません。むしろ、ここぞとばかりにしゃべり倒す人は、「多くの人からつながりたいと思われる人」からすると、面倒な人にもなりやすかったりします。

「口下手だから、人脈なんてできない」と思う人も、心配ありません。しっかりと相手のことを調べ、いくつか相手が答えたくなるような質問を用意していけば、自分が話さなくても相手がたくさん話してくれるかもしれません。

 自分がやりたいことに興味を持ってくれた人に対して、人はあまり悪い印象を持たないものです。それをしっかりと受け取る心構えを持てばいいのですから、話し上手になることに比べればハードルは低いのではないでしょうか。

 もう1つ大事なのは、「知り合ったらアフターフォローをすること」です。相手に役立つ情報を書いたメールを送るのもよし、相手の成功体験になりそうなイベントなどに招待するのもよし、できたばかりの細い人脈の糸が切れてしまわないように努力することが大事です。

 このひと手間ができるかどうかで、人脈ができるかどうかが決まるのではないかと思います。私は「Give Firstの精神」と言っているのですが、自分の方から徹底的にGiveするというマインドセットが、人脈作りを成功させる秘訣ではないでしょうか。

(日本マイクロソフト 業務執行役員、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 澤円)
https://diamond.jp/articles/-/180130

【第3回】 2018年9月20日 ニック・ウィリアムソン :英語講師
英語には、3つの未来形がある
あなたは、自信をもって英語が話せますか? それとも、今、勉強中でしょうか? 長年やっているけどまだものにならない……。そんな方には、この連載がきっとお役に立ちます。英語講師として日本で20年以上活躍するニック・ウィリアムソンさんは、この9月に『たった30パターンで英会話!』(ダイヤモンド社)を発刊。その中で、ニックさんが独自に体系化した英語が一気に上達するコツを公開しています。本連載では、そのポイントについて、わかりやすく解説していきます。

 未来のことを表現するのに、毎回「will」を使ってませんか? 毎回「will」を使うと半分くらいは間違ってしまいます。
英語は未来の言い方が3つあります。「will」と「be going to」、そして、「be+-ing の現在進行形」です。この言い方はそれぞれニュアンスと使い方が違いますので、注意しましょう。
 I’ll play tennis tomorrow.(will)
 I’m going to play tennis tomorrow.(be going to)
 I’m playing tennis tomorrow.(現在進行形)
万能選手の「be going to」を使おう
 結論から言えば、ネイティブは上記の3つの未来形を全部使っていますが、英語学習者の方には「be going to」がおすすめです。
「will」と「現在進行形」は両方、特別なニュアンスがあり、いつでも使えるわけではありません。しかし、「be going to」だけは、いつ使ってもおかしくないのです。
 会話の場面では、ゆっくりと考える時間はありません。細かいことを色々考えていると、口から言葉が出てきませんから、考える量をどれだけ減らせるかが勝負。
 ですから、未来を毎回「be going to」と決めてしまえば、言葉が口から出やすくなりますね。
 そうは言ってもやっぱり違いが気になると思いますから、「will」と「現在進行形」の使い分けを見ていきましょう。
willと現在進行形の違いは、
その未来のことが前から決まっていたかどうか
ニック・ウィリアムソン
オーストラリアのシドニー出身。 シドニー大学で心理学を専攻。同大学で3年間日本文学も勉強し、日本の文化にも明るい。在学中にオーストラリアの日本大使館が主催する全豪日本語弁論大会で優勝。日本の文部科学省の奨学金を得てシドニー大学卒業後、東京学芸大学に研究生として1年半在学。在学中にアルバイトとして英会話スクールで英語を教え始め、卒業後も看板講師として勤め上げる。英語講師として20年間のキャリアの中で、英会話教室をはじめ、企業向け英語研修や大学の講義、SKYPerfect TVの番組の司会やラジオのDJ、数々の雑誌のコラムや7冊の英語本の執筆など、活動の場は幅広い。ゼロから日本語を完璧に習得した経験と、大学で専攻していた神経心理学の知識をもとに、非常に効果的で効率的な独自の言語習得法を開発。著書に『たった40パターンで英会話!』『中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本』『中学レベルの英単語でネイティブとサクサク話せる本[会話力編]』(以上、ダイヤモンド社)『旅の英会話伝わるフレーズ集』(ナツメ社)など。
 willは「今決めた」というニュアンスで、日本語で言えば「じゃ、〜するね」という感じです。話の流れでその場で決めたときに使います。不確定な未来のことも「will」を使います。
 現在進行形は「前から決まっている」未来のことを表します。日本語で言えば「〜するんだけど」といった言い方です。すでに決まった予定があり、その予定を人に伝えるときに使います。
 例えば、「明日は仕事だ」は、I’m working tomorrow.
 と言います。明日、仕事が入っているのは前から決まっている予定なので、 「will」ではなく「現在進行形」です。 「I will work tomorrow.」とは言いません。
「来年30歳になります」は、I’m turning 30 next year.
 と言います。いつ30歳になるのかは決まっています。ここで「I’ll turn 30 next year.」と言うと「じゃ、来年30歳になろうかな」とその場で決めたことになっちゃいます。どんなに遠い未来でも、決まっていることなら「will」ではなく「現在進行形」です。
「じゃ、後で電話するね」は、I’ll call you later.
 と言います。話の流れでその場で決めたことなので「will」を使います。「I’m calling you later.」だと「後で君に電話することにしているんだ」という、ちょっと怖いニュアンスになります。どんなに近い未来でも、前から決まっていなければ「will」です。前から決まっていることは現在進行形です。
「迷子になりそう」は、I’ll get lost.
 と言います。迷子になるかどうかは不確定な未来ですので「will」を使います。ここで現在進行形を使うと「明日は迷子になる日だ」と、まるで迷子になるのがスケジュールにあるような感じとなり、違和感があります。
 例えば、映画に誘われたとき、先約があって断るなら現在進行形を使います。「will」を使うと失礼になってしまいますので、気をつけましょう。
 A:明日、映画を観に行かない?
   Do you want to see a movie tomorrow?
◎B:明日はテニスをすることになってるの。
    I’m playing tennis tomorrow.
×B:じゃ、明日はテニスをするわ。
    I’ll play tennis tomorrow.
「be going to」ならどんな未来のことでも表せる
 I’m going to work tomorrow.(明日は仕事をすることになっている→前から決まっている)
 I’m going to turn 30 next year.(来年30歳になる→前から決まっている)
 I’m going to call you later.(あとで電話するね→今決めた)
 I’m going to get lost.(迷子になりそう→決まってない)
 I’m going to play tennis tomorrow.(明日はテニスをすることになっている→前から決まっている)
 どれも正解です! 細かい使い分けを考えずに済むので、だいぶ楽になります。つまり……
 毎回、「will」を使うと半分くらい間違い。
 毎回、「現在進行形」を使っても半分くらい間違い。
 毎回、「be going to」を使えば、毎回正解!
 未来を表すときには迷わず「be going to」ですね!
 ここでお伝えしたことは、日本ではほとんど知られていませんが、ケンブリッジ大学出版局の世界で最も売れている英文法書『English Grammar in Use』にも、はっきり以下のように書いてありますよ。
 ●We use “I’ll” when we’ve just decided to do something.
 (“willは、今決めたばかりの未来の予定に対して使います” 同書p42)
●Do not use “will” to talk about what you decided before.
 (“すでに決まっている未来の予定に対してwillを使わないでください” 同書p42)
●I’m doing something tomorrow = I have already decided and arranged to do it.
 (“すでに決まっている未来の予定は現在進行形を使います” 同書p38) 
他の例文を見てみよう
 じゃ、こうしよう。I’ll tell you what.
 これは、決まり文句ですが、その場で決めたことなので「will」を使います。
 来年、ニューヨークに引っ越す。I’m moving to New York next year.
 どんなに遠い未来でも、すでに決まっている予定は現在進行形です。
 私も一緒に行こう。I’ll go with you.
 「〜に行く」と友達に言われて、「じゃ、私も行こうかな」とその場で決めたので「will」を使います。
 来月結婚します。I’m getting married next month.
 「will」を使ってしまうと「じゃ、来月結婚します」という意味になり、「急にどうしたの?」と驚かれますよ。
 誰にも言わないから。I won’t tell anyone.
 友達の秘密を教えてほしいときなどに使います。その場で決めたことなので「will」ですね。
 来週は給料日なんだ。I’m getting paid next week.
 給料日こそ決まっているので、現在進行形を使います。
 じゃ私が皿を洗う。I’ll do the dishes.
 「ご飯を作ってあげる」と言われて「じゃ、私が皿を洗うね」というようなときに使います。その場で決めたので「will」です。
 明日は仕事ないよ。I’m not working tomorrow.
 多分、雨が降るよ。It’ll probably rain.
 「maybe(かもしれない)」「probably(多分)」「I think(だと思う)」を使うときは、不確定な未来なので、「will」です。そして「willには意志がある」という間違った解説をよく耳にします。雨には意志は当然ありませんが、このように言います。
 彼女は怒りそう。She’ll get angry.
 彼女がこの先怒るかどうかは、あくまで予想なので、不確定な未来の「will」です。
 彼は来なそう。He won’t come.
 「しなそう」は、あくまで予想なので、不確定な未来の「will」です。

https://diamond.jp/articles/-/180080

 

【第2回】 2018年9月20日 吉田裕子 :国語講師
「読みづらい」「伝わらない」文章によくある2つの特徴とは?
なぜ、日本人なのに、日本人相手に伝わる文章が書けないのか? 書いた本人はきちんと書いているつもりでも、伝わっていなければ意味がありません。
「うまく書けない」「時間がかかる」「何が言いたいかわからないと言われてしまう」――そんな悩みを解消する書き方を新刊『人一倍時間がかかる人のためのすぐ書ける文章術 ムダのない大人の文章が書ける』から紹介していきます。
読みにくい文章を直そう!
問題:厄介なのはどちらでしょうか?
厄介な取引先とのトラブルを放置してはいけない。
1.取引先
2.トラブル
 ふたえにしてくびにかけるじゅず。
 これは、一休さんが出したとも、近松門左衛門が出したともいわれている問題です。この文はどういう意味でしょうか。
 面倒なことに、「ふたえにしてくびにかけるじゅず」という文は、次のような2通りの解釈ができてしまいます。
1.二重にして、首にかける数珠。
2.二重にし、手首にかける数珠。
 読点(、)や漢字変換などで区切りをはっきりさせなくては、誤解が生まれてしまうわけです。
 これは、冒頭で出題した「厄介な取引先とのトラブルを放置してはいけない」も同じです。問題を出しておいて恐縮ですが、この文だけでは、取引先が厄介なのか、トラブルが厄介なのか決められないのです。本来は、読み手がどちらか迷わないよう、明確に書くべきでしょう。たとえば、
・あの取引先は厄介だ。あそことのトラブルは放置してはいけない。
・取引先とのトラブルが厄介なことになったら、放置してはいけない。
 というように書き改めるべきなのです。
 区切り目がわかりづらく、読みにくい文を挙げます。矢印の先の改善例と見比べてください。
・漢字やひらがなが続く
×人気歴史小説最新刊第五巻は来月発売!

○人気の歴史小説、最新刊(第五巻)は来月に発売!

×まだなおさりげない根回しが求められる。

○まだなお、さりげない根回しが求められる。
・文のまとまりの切れ目に読点(、)がない
×ヒットは確実と言われたが振るわずに終わった。
↓【逆接の接続助詞「が」の後には「、」を】
○ヒットは確実と言われたが、振るわずに終わった。

×子どもの頃から長年アメリカで暮らした影響が表情や仕草に感じられる。
↓【長い主語「子どもの〜影響が」の後には「、」を】
○子どもの頃から長年アメリカで暮らした影響が、表情や仕草に感じられる。
 少し時間を空けて、自分自身で音読してみると、読みづらい箇所がよくわかります。上の×のような文はスムーズに音読できません。
 また一般に、こうした読みづらさは一文が長くなるほど発生しやすいものです。主語と述語関係がねじれてしまう現象も長い文ほど発生します。それらを防止するためにも、一文はあまり長くならないようにしたいもの。平均で30字前後、最大でも50字程度におさまるよう心がけましょう(目安としては、この本の1行が約40字です)。
 モットーは「一文一事」。多くの事柄を一文に詰め込もうとせず、潔く文を切るのです。
 たとえば、「○○ので、〜。」という理由+結論の文をよく見かけます。それでは長くなりがちなので、「(結論)。なぜなら(理由)。」という順の二文にしましょう。短い文×2にしたほうが読みやすいのです。
 また、一文が長くなる人というのは、長い修飾語を書きがちです。修飾語とは、後ろの言葉を詳しく説明する部分のことです。「赤いリンゴ」の「赤い」、「遥かかなたの惑星」の「遥かかなたの」です。文が長い人は、
・ここ数年で急成長を遂げた医療機器開発で名高いA社
・高校の演劇部で一緒だった市立病院の看護師の先輩
 という書き方をしがちなのです。この後ろに述語が続くと、さらに長い文になります。1回読んだだけでは、意味を理解できない文ができてしまうのです。
・医療開発で名高いA社は、ここ数年で急成長を遂げた。
・高校の演劇部で一緒だった先輩は、市立病院で看護師をしている。
 長い修飾語は避け、主語と述語のかたちにするなど、文の構造をわかりやすくしましょう。すらすら音読できる、簡潔で読みやすい文章を心がけましょう!

https://diamond.jp/articles/-/180073

 
【第2回】 2018年9月20日 櫻井 弘
雑談に詰まって沈黙しないための「きっかけ言葉」
Photo:PIXTA
話し方講師・櫻井弘氏の新刊書『ちょっと言いかえるだけ!気のきいた「話し方」ができる本』の中から、「会話力」がみるみる上達する極意を紹介していきます。今回も前回に引き続き、会話をスムーズに進めるためのスキル“櫻井メソッド”を伝授します。会話の間合いをうまく取り、雑談で話題に詰まっても回避できる、話し方の高等テクニックを習得しましょう。
櫻井メソッド(3)
鼻呼吸で「間」をつくる
 私たち話し方講師の間で「間は命なり」と言われています。「間」とは、緊張から「自分を取り戻すための時間」であり、「集中して考えるための時間」ともいえるからです。たとえば、予想外の状況になったとき、窮地に立たされたときなど、この「間」を活用することで乗り切ることができます。
 このとき大切なことは、いかにして自然なかたちで「間」をつくるか、ということです。かなり難しいテクニックなのですが、私たちプロの講師も使っている、「鼻呼吸」という方法があります。
 ただ、この呼吸法を実際に行って上手に「間」を取りながら、インタラクティブ(双方向)のコミュニケーションを取っている人は、そう多くありません。それ以外のほとんどの人は「口呼吸」をしているのです。
話した後で口を閉じれば
沈黙を埋める余計な言葉もなくなる
 鼻呼吸は、口を軽く閉じ、舌先は上あごにつけ、鼻で呼吸をする呼吸法です。
 たとえば「〜でいかがでしょうか?」と言ったあと、「口呼吸」をしている人は、口を開けたままの状態にしています。
 このときにほんの少しでも沈黙が生じると、「何とかしてこの沈黙の時間をうめなくては……」という心理が働いて、「え〜」「あの〜」「まぁ〜」などと、すぐに言葉をはさんでしまい、その勢いで話し続けてしまうのです。
「鼻呼吸」で、語尾をしっかり話し、そのときに口をしっかり閉じれば、ゆっくりと鼻から空気を吸うことができます。
 そのあいだに「アイコンタクト」をして、相手の反応をキャッチすることができるのです。たとえば次のようにです。
櫻井:「田中さん、こんにちは!」(すぐに口を閉じ、笑顔)
田中:「あ〜櫻井さん、こんにちは!」(相手の表情や服装などを観察)
櫻井:「あら、今日も素敵ですね。どこかにお出かけ?」(相手をほめる)
田中:「ええ、ちょっとお中元を買いにデパートまで」(相手のバッグに目がいく)
櫻井:「お召し物も素敵ですけど、そのバッグも、とってもオシャレですね」
田中:「ありがとうございます。実はこれ、この前買ったばかりで。お気に入りなの」
 このように、「鼻呼吸」による最大のメリットは「間」をとることによって相手を観察することができ、余裕を持って、相手の様子や関心事へと話題を広げることができるという点です。「鼻呼吸」は間をつくる上で効果絶大ですので、ぜひトライしてみてください。
櫻井メソッド(4)
雑談に困ったら「ど」の法則
本コラム執筆・櫻井弘氏の新刊書が発売中
 どうにも話題に詰まって、話が続かなくなってしまうことがあります。無言のまま沈黙が続くと、空気がよどみがちになります。そんなときには「ど」の法則を実践してみましょう。これは話題をふくらませる際にとっかかりとなる「きっかけ言葉」を口にするものです。
「ど」という文字には、それから始まる疑問形の言葉がたくさんあります。たとえば次のようなものです。
「どうしてですか?」
「どちらで行われているのですか?」
「どなたといらっしゃるのですか?」
「どこまで行かれました?」
「どんな状況だったのですか?」
 たとえば、「先日、海水浴に行ったんです」と言われたとき、
「そうですか」
 と答えればそれまでですが、
「どちらまでいらしたんですか?」
 と聞けば、会話はどんどん広がります。
 会話が途切れそうになったときには、ぜひ「ど」の法則を活用してください。
櫻井メソッド(5)
「一問二答」で会話をふくらませる
「櫻井メソッド」の5番目として、「一問二答」を取りあげます。
 よく聞く会話のやり取りで、もっとも多いのが「天気」の話題ではないでしょうか。天気は定番中の定番で“鉄板の話題”といっても過言ではありません。
 いくら社会が複雑化し、価値観が多様化しても、「天気」の話題だけは万国共通です。とくに私たち日本人は、もともと農耕民族でしたから、天気や天候についての話題は欠かせませんでした。それに天気の良し悪しは誰のせいでもありませんので、差し障りのない「無難な話題」として重宝されているのです。
 ちょっと専門的な言い方になりますが、天気のような話題を投げかける質問を「社交的質問」といいます。これは「わかっていることを聞く」という質問の仕方です。
 社交的質問では、問いかけに対して、答える側は必ず「そうですね!」などと「イエス」の言葉で返さざるをえません。
 実は、この質問の仕方は、「フットインザドアー」という質問法で、人を動かす説得や交渉のときにも有効な方法です。
「はい、そうです」「ええ、その通り!」「そういうことです」と、相手に「小さなイエス」を言わせることを積み重ねると、「違います!」とか「いいえ!」という否定語が使いにくくなる効果があるのです。
 ところが……です。この鉄板の「天気」の話題を出して、「今日は寒いですね〜」と投げかけたとしましょう。
 相手もお約束通り、「そうですねえ」と、にこやかに「イエス」の反応を示してきました。
 丁寧な人であれば、「そうですね。寒いですねえ」と、同じ言葉を返してくるかもしれません。
 実は、問題はこのあとなのです。というのも、「そうですねえ」とか「そうですね。寒いですねえ」などと、言葉を返されたあと、適当な言葉が見つからず、お互いに沈黙したまま、いきなり重苦しい空気になってしまうことも少なくないからです。こんな経験、皆さんもありませんか?
1つの質問に対して
2つの答えを用意する
 では、相手から天気の話を交えた挨拶をされたとき、それに答える側として、どんなふうに反応したら良いのでしょうか。
 こんなときに使える効果抜群のテクニックがあるのです。それが「一問二答」の返し方です。
 文字通り、1つの質問に対して、2つの答えを用意するわけですが、2つ目の答えは、小耳にはさんだ程度の、さりげない「プラスアルファの情報」で良いのです。たとえば、先ほどの天気の話題なら、
「今日は寒いですね〜」
「そうですね。でも、午後からはだいぶ気温も上がると、天気予報で言っていましたよ」
 このように些細な情報を付け加えるだけです。すると、相手は話が広がったことで、俄然話しやすくなります。
「そうですか、それはいいことをうかがいました。なんだか気持ちまで温かくなってきましたね!」
「でも、ここのところ、一日の気温差が激しくて、体調管理が大変ですよね。ご家族は、風邪など大丈夫ですか?」
 このように話題が途切れることなく、スムーズに進んでいきます。
 何か問われたら、答えを2つ用意する。気まずい沈黙を避け、豊かなコミュニケーションを図るためにも、「一問二答」の返し方を身につけたいものです。
 さて、次回はいよいよ櫻井メソッドの6、7をご紹介します。「相手にすんなり受け入れられる注意や頼みごとのテクニック」についてです。(次回は9月27日公開となります)

https://diamond.jp/articles/-/179352

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/510.html#c5

[経世済民128] ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3% 米中通商協議開かれない恐れ、中国が提案拒否検討 うまき
6. 2018年9月20日 11:09:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1516]
2018年9月20日 / 01:24 / 1時間前更新
米政権、全面的な通商戦争なお回避可能=米商議所会頭
1 分で読む

[ワシントン 19日 ロイター] - 米商工会議所のトーマス・ドナヒュー会頭は19日、トランプ政権が北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉でメキシコのほかカナダとも合意し、向こう数週間で欧州との通商問題で進展を得られれば、全面的な通商戦争は回避できるとの考えを示した。

ドナヒュー会頭はクリスチャン・サイエンス・モニターが主催した朝食会で「通商戦争が現在、最大の脅威となっている」と指摘。現時点ではまだ現実のものとはなっていないとしながらも、トランプ大統領がこれまでに発表した対中関税措置をすべて発動させ、NAFTA再交渉協議が決裂した場合、通商戦争が現実のものとなる可能性はあると述べた。

ドナヒュー会頭は中国との通商を巡る見解の相違解消には時間がかかる可能性があると指摘。ただトランプ政権が対中関税措置を恒久的なものにするとは考えていないと述べた。

その上で、報復措置に依存するのではなく、協議を継続することが米中両国のためになるとし、特定の中国製品の米国への輸出制限措置の導入のほか、中国の通商政策の変更に向け他の貿易相手国と協力するなど、関税措置以外の手法で中国に圧力を掛けることも検討する必要があるとの考えを示した。

NAFTA再交渉を巡っては、米国はメキシコと合意したものの、カナダとの交渉は難航。ただ、ドナヒュー会頭は「カナダが参加しない協定はあり得ない」との考えを示した。
https://jp.reuters.com/article/us-trade-idJPKCN1LZ29C

2018年9月20日 / 04:14 / 1時間前更新
米住宅着工、8月は予想以上に増加 集合住宅が急増
1 分で読む

[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した8月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比9.2%増の128万2000戸と、市場予想の123万5000戸を上回った。住宅ローン金利が上昇する中、住宅市場は経済全体と比べてペースが鈍っていたが、今回の統計は市場にとって明るい兆しだ。

7月の数字は当初発表の116万8000戸から117万4000戸へ上方改定された。

住宅着工件数は月次の数字が乱高下する傾向があり、大幅に改定される可能性がある。8月の増加の大半は月々の変動が大きい集合住宅だった。1棟2戸以上の集合住宅は29.3%増の40万6000戸だった。

市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅は1.9%増の87万6000戸と、より緩やかな伸びだった。

地域別では中西部と南部、西部が増加。北東部は横ばいだった。

着工件数の先行指標となる建設許可の件数は5.7%減の122万9000戸だった。

好調な景気の一方で、住宅市場は勢いが劣っている。エコノミストらは在庫の少なさや金利の上昇を指摘する。住宅価格の上昇もあり、一部の初回購入者が手を出せない状況となっている。
https://jp.reuters.com/article/us-econ-housing-starts-idJPKCN1LZ2MB

 

【第19回】 2018年9月19日 淡河範明
東京の年収700万円台世帯は住宅ローン破綻必至!?「背伸び消費」で、貯金はわずか月2万円弱!
変動金利が1.5%上昇しただけで、家計は火の車
現在、変動金利は0.5%を切る史上空前の超低金利状態です。しかし、変動金利は銀行が金利を引き上げることのできる商品。ひとたび金利上昇局面となれば、毎月返済額がアップし、余裕のない家庭は住宅ローン破綻をしかねません。今回調べてみたところ、特に東京都では平均的ともいえる年収700万円台世帯に「破綻予備群」が多く潜んでいることがわかりました。その理由と対策を、住宅ローンのプロである淡河範明氏が解説します。
首都圏、特に東京の人は、
身の丈以上の家を買っている!?
 「大企業の社員で世帯年収700万円超なら、中流階級よりは上のポジションだろう」。もし、あなたが東京で住宅を購入しようとしていたり、すでに住宅ローンを返済中だとすれば、こうした考えはすぐに改めるべきです。
 厚生労働省の「平成29年国民生活基礎調査」によれば、国内の世帯年収の平均は560万円ですから、700万円台といえば、ずいぶんゆとりがあるように思われるかもしれませんが、560万円は収入の少ない高齢者世帯や単身世帯、地方都市で暮らす世帯も含んでのものです。
 また、東京の物件は地方に比べて、驚くほど高額です。東京カンテイの調べでは、2017年度の首都圏の新築マンション1戸当たりの平均価格は5544万円。近畿圏3933万円、中部圏4049万円と比べて、約1500万円も高くなっています。新築一戸建てについても、首都圏の平均価格3999万円に対して、近畿圏2982万円、中部圏3055万円と、約1000万円違います。
 東京に限れば、地方の物件との価格差はさらに広がるでしょう。その分、東京で家を買うと、住宅ローンの借入額が膨らみ、金利変動リスクを受けやすくなるのです。
 「東京の人は稼ぎがいい分、頭金も多く出せるから、それほど借入額は膨らまないでしょ?」という声も聞こえてきそうですが、次の表をご覧ください。頭金と関係の深い、勤労世帯の貯蓄額のデータです。
都道府県別1世帯当たりの貯蓄現在高(2人以上の世帯うち勤労世帯)
※総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」より
順位 都道府県 貯蓄現在高
1 福井県 1601万円
2 香川県 1438万円
3 愛知県 1428万円
4 東京都 1418万円
5 富山県 1416万円
6 神奈川県 1402万円
7 岐阜県 1391万円
8 島根県 1377万円
9 滋賀県 1372万円
10 三重県 1336万円
↓ ↓ ↓
23 長野県 1157万円
26 大阪府 1031万円
 周知のとおり、東京は平均世帯収入では全国1位ですが、貯蓄額では全国4位に下がります。親との同居率や教育費、物価などの違いにより、福井県や香川県よりも下位なのです。23位の長野県とは261万円、26位の大阪府とも387万円しか違いません。そのため、家を購入する際の頭金額はさほど変わりがありません。
 前記したとおり、首都圏と近畿圏、中部圏との新築物件の価格差は1000万以上ありますから、東京で家を買う場合、住宅ローンの借入額が膨らみやすいことがお分かりになると思います。借入額が大きければ、金利変動の影響を受けやすく、当然リスクも高くなります。
 このように、東京で家を購入する人は地方の人よりも無理をしているケースが多いということです。そのため、物件を購入した時点から破綻に近い位置に立たされているのです。
年収700万円台の世帯は、
毎月の貯金額がわずか2万円弱
 こうした東京の中でも、金利上昇時に特にダメージを受けやすいのが、世帯年収700万円台の人たちです。以下は、総務省統計局「家計調査」から、「関東大都市圏の2人以上の世帯のうち、住宅ローンを返済中の勤労者世帯(2017年)」の平均的な家計を抽出したものです。
東京で「年収700万円台」は、住宅ローン金利上昇で家計は赤字になりやすい!?
平均年収 勤め先収入
(毎月) 住宅ローン返済額
(毎月) 借入金残高
(推定) 預貯金純増額
(毎月)
年収400万円台世帯
(平均443万円、T階級) 36万円 8.4万円 2842万円 2.2万円
年収600万円台世帯
(平均606万円、U階級) 47万円 8.4万円 2814万円 4.7万円
年収700万円台世帯
(平均745万円、V階級) 51万円 10.7万円 3604万円 1.7万円
年収900万円台世帯
(平均913万円、W階級) 73万円 10.7万円 3593万円 9.1万円
年収1300万円台世帯
(平均1370万円、X階級) 97万円 13.8万円 4641万円 11.7万円
※ 家計収支(2017年)の「関東大都市圏の2人以上の世帯のうち、住宅ローンを返済中の勤労者世帯」より作成。集計世帯数は合計280世帯で、T階層からそれぞれ41世帯、49世帯、56世帯、69世帯、65世帯と一定数のサンプルを集めている。
※「勤め先収入」以外に、たとえば内職などの収入があるため、12倍しても「年収」とはならない。
※ 表中の「借入金残高」は筆者の推定値。残りの住宅ローン期間30年の前提で、ネット銀行の現在の変動金利(表面金利)0.457%で借りているとして算出。
 この統計は、世帯年収別に5つのグループに分かれています。それぞれ50世帯程度を調査した平均なので、かなり正確な調査だといえるでしょう。分かりやすくするため、年収「400万円台世帯」「600万円台世帯」「700万円台世帯」「900万円台世帯」「1300万円台世帯」と呼ぶことにします。ここから意外なことが2つ分かりました。
 まず注目してほしいのは、「年収400万円台世帯」です。毎月の住宅ローン返済額は約8.4万円なので、平均世帯主の年齢43歳という前提から住宅ローン借入金残高を試算してみると2842万円となりました(残りの返済期間30年、借入金利0.457%と仮定)。次に、「年収600万円台世帯」を見てみると、毎月の住宅ローン返済額は同じ8.4万円で、借入金残高はほぼ同じ2814万円となりました。
 これは年収400万円台世帯が、かなり背伸びをしていると言えるのではないでしょうか。その結果、毎月の預貯金額は2.2万円しかありません。年収600万円台は4.7万円も貯金をしているのに比べると、かなり余裕がないことが分かります。
 そして、もっと際どいのが「年収700万円台世帯の台世帯」です。「700万円台世帯」と「900万円台世帯」は、どちらも住宅ローン返済額は約10.7万円であり、借入金残高は約3600万円と試算できました。「700万円台世帯」は背伸びをして、一つ上の年収世帯と同じグレードの物件を購入していますね。
 結果として、「700万円台世帯」の毎月の貯金額はわずか1.7万円でした。900万円台世帯の貯金額は9.1万円もあるのに比べて、余裕がないことが分かります。変動金利が上昇すれば、たちどころに家計は赤字に転落します。
 700万円台世帯に余裕がないのは、住宅ローン以外の消費についてもかなり「背伸び」をしていることが理由として挙げられるでしょう。この年収以上になると、見栄なのか自動車を購入するようになり、自動車等関係費は毎月2.7万円もかかります。子どもを塾や習い事に通わせるため、教育費も月3万円かかっています。
 このように考えていくと、借入金残高が多くて金利変動リスクを受けやすく、加えて毎月の貯金額の少ない「700万円台世帯」がいかに危険な状況に立たされているか、ご理解いただけるのではないでしょうか。
 「一億総中流」とよく言われますが、東京で家を買うなら、そうした甘い認識は奈落への第一歩です。「400万円台世帯」と「700万円台世帯」では、言うまでもなく使えるお金が多いのは後者ですが、生活レベルを落としづらいのも後者です。
 「子供を有名私立校に通わせたい」「ブランド品を買うくらいの贅沢はしたい」「車は軽≠ナ十分だけど、やっぱりMINI≠ェいい」。「300万円台世帯」であれば、検討する余地はありませんが、「700万円台世帯」だとこうした生活が選択肢に入ってきます。そのため、つい浪費してしまい、毎月の預貯金額が2万円にも満たないのです。
 なお、「貯金額」=「自由になるお金」があれば、金利上昇の防波堤となります。いくら金利が上がっても自由に使えるお金が十分にあれば、いざというときに返済に回せるからです。しかし貯金が少ない場合、以下に見るように家計が赤字に転落すれば、下手すれば住宅ローン破綻をしかねません。
2%程度の金利上昇で
家計が赤字=住宅ローン破綻の可能性も!
 では、東京を中心とした関東大都市圏の「400万円台世帯」「700万円台世帯」の家計が赤字に転落するのはどんなケースでしょうか。それには、毎月の預貯金純増額がマイナスになる条件を確かめれば分かります。
 下記がそのシミュレーション結果です。黄色の部分が、預貯金純増額がマイナスになるケースです。(5年特約はないものとして計算しています)
「毎月支払額」は金利上昇でいくら増加?
東京の年収400万円台は、2%上昇で破綻も!
※ 黄色背景は2.2万円(毎月の預貯金額)を上回るケース
毎月支払額はいくら増加?
金利1.5%上昇
(1.957%) 金利2%上昇
(2.457%) 金利2.5%上昇
(2.957%) 金利3%上昇
(3.457%)
1年後に
金利上昇 +1万9257円 +2万6217円 +3万3439円 +4万918円
2年後に
金利上昇 +1万8570円 +2万5266円 +3万2209円 +3万9393円
3年後に
金利上昇 +1万7885円 +2万4319円 +3万984円 +3万7874円
4年後に
金利上昇 +1万7202円 +2万3375円 +2万9763円 +3万6362円
5年後に
金利上昇 +1万6520円 +2万2434円 +2万8548円 +3万4859円
6年後に
金利上昇 +1万5839円 +2万1496円 +2万7338円 +3万3362円
7年後に
金利上昇 +1万5160円 +2万562円 +2万6134円 +3万1874円
8年後に
金利上昇 +1万4483円 +1万9630円 +2万4934円 +3万393円
9年後に
金利上昇 +1万3808円 +1万8702円 +2万3741円 +2万8921円
10年後に
金利上昇 +1万3134円 +1万7778円 +2万2552円 +2万7456円
11年後に
金利上昇 +1万2462円 +1万6856円 +2万1370円 +2万6001円
12年後に
金利上昇 +1万1791円 +1万5939円 +2万193円 +2万4553円
13年後に
金利上昇 +1万1123円 +1万5024円 +1万9022円 +2万3115円
14年後に
金利上昇 +1万456円 +1万4114円 +1万7857円 +2万1685円
※家計収支(2017年)の「関東大都市圏の2人以上の世帯のうち、住宅ローンを返済中の勤労者世帯」をベースに、以下の前提でシミュレーション。変動金利:0.457%/残債:2842万円/毎月の預貯金純増額:2万2214円/残り借入期間:30年
「400万円台世帯」であれば、現在の金利よりも5年以内に2.0%上昇するか(変動金利2.457%)、10年以内に2.5%上昇するか(変動金利2.957%)、13年以内に3.0%上昇すると(変動金利3.457%)、家計が赤字化します。
 続いて「700万円台世帯」です。
「毎月支払額」は金利上昇でいくら増加?
東京の年収700万円台は、1.5%上昇で破綻も!
※ 黄色背景は1.7万円(毎月の預貯金学)を上回るケース
毎月支払額はいくら増加?
金利1.5%上昇
(1.957%) 金利2%上昇
(2.457%) 金利2.5%上昇
(2.957%) 金利3%上昇
(3.457%)
1年後に
金利上昇 +2万4416円 +3万3240円 +4万2398円 +5万1881円
2年後に
金利上昇 +2万3546円 +3万2036円 +4万838円 +4万9946円
3年後に
金利上昇 +2万2677円 +3万835円 +3万9285円 +4万8021円
4年後に
金利上昇 +2万1810円 +2万9638円 +3万7737円 +4万6104円
5年後に
金利上昇 +2万945円 +2万8445円 +3万6197円 +4万4198円
6年後に
金利上昇 +2万83円 +2万7255円 +3万4663円 +4万2300円
7年後に
金利上昇 +1万9222円 +2万6070円 +3万3135円 +4万413円
8年後に
金利上昇 +1万8363円 +2万4890円 +3万1615円 +3万8536円
9年後に
金利上昇 +1万7507円 +2万3713円 +3万101円 +3万6669円
10年後に
金利上昇 +1万6653円 +2万2541円 +2万8594円 +3万4813円
11年後に
金利上昇 +1万5801円 +2万1373円 +2万7095円 +3万2967円
12年後に
金利上昇 +1万4951円 +2万209円 +2万5603円 +3万1131円
13年後に
金利上昇 +1万4103円 +1万9050円 +2万4118円 +2万9307円
14年後に
金利上昇 +1万3258円 +1万7895円 +2万2641円 +2万7494円
15年後に
金利上昇 +1万2414円 +1万6745円 +2万1172円 +2万5693円
※家計収支(2017年)の「関東大都市圏の2人以上の世帯のうち、住宅ローンを返済中の勤労者世帯」をベースに、以下の前提でシミュレーション。変動金利:0.457%/残債:3604万円/毎月の預貯金純増額:1万7186円/残り借入期間:30年
 「700万円台世帯」の場合、8年以内に1.5%(変動金利1.957%)、14年以内に2.0%(変動金利2.457%)、17年以内に2.5%(変動金利2.957%)、19年以内に3.0%上昇すると(変動金利3.457%)、同じく赤字化します。
 後述するように、この程度の金利上昇は「ない」とは言い切れない数字です。また、シミュレーションの前提より借入額の多い人や、これから新規借入をする人はさらに金利上昇の影響を受けやすくなるため、よりリスクは高まります。
【関連記事はこちら!】
>> 住宅ローンを変動金利で借りている人でも、借り換えで最大300万円近くもうかる! 多くの人が「高い変動金利」で借りているので注意!
変動金利の1、2年内の上昇リスクは低いが、
10年スパンでは、上昇する可能性のほうが高い
 気づいていない人も多いようですが、この10〜15年の間にかなり金利が下がりました。たとえば、ソニー銀行の変動金利(表面金利)は「2008年8月:1.812%」→「2018年8月:0.457%」と、約1.3%下降。三菱UFJ銀行は「2009年8月:1.675%」→「2018年8月:0.525%」と、約1.1%下がっています。
 2018年9月、大手4行が相次いで住宅ローン金利を一部引き上げましたが、これは10年固定等の固定金利型の商品です。後述するように、固定金利と変動金利ではかなり異なった動きをします。事実、変動金利については、この10年間は金利を上げた一度もことはなく、いまだに金利を下げているところもあるくらいです。
 とはいえ、ミスプライスともいえるような異次元の低金利がいつまでも続くとは思えません。銀行の体力が持たないからです。これからの10年で、10年前の金利水準、もしくはそれ以上の金利上昇が起こる可能性は高いと覚悟しておいたほうがいいでしょう。
 特に先ほどシミュレーションで見たように、大都市圏の「700万円台世帯」の破綻ボーダーラインのひとつ、「8年以内に金利1.5%上昇」は、現実に十分起こり得るシナリオです。
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>>変動金利の住宅ローンは、金利が何%まで上昇すると考えれば破綻しないでむのか?
金利タイプの変更や借り換えで
住宅ローン破綻を回避!
 では、こうした破綻リスクの高い世帯は、どのような対策を取ればいいでしょうか。最善策は金利タイプの変更や借り換えです。ポイントは次の3つです。
ポイント@「金利タイプの変更や借り換えを前提に、ターゲット(乗り換え先)を決める」
ポイントA「金利を定期的にチェックする」
ポイントB「あらかじめ決めた金利まで上昇したら、金利タイプの変更または借り換えを行う」
 ここで大切なのは、機≠逃さないようにするために、あらかじめ金利がいくらになったら、金利タイプを変更するかを決めておくことです。
 先ほど、変動金利と固定金利の動きは異なるとお話ししましたが、金融の世界では、固定金利が先に上昇し、その後変動金利が上昇するというのが常識です。実際、2016年8月以降、10年以上の金利は上昇しはじめていますが、前記のとおり、変動金利はいまだに引き下げている銀行もあります。
 そのため、「変動金利が上がりはじめたら固定金利に乗り換えよう」と気軽に構えていると、時すでに遅しということになりかねません。変動金利が上がりはじめたときには、固定金利はとっくに上がってしまっている可能性が高いからです。
 そのため、実際に変動金利が上昇してから固定金利に乗り換えようとすると、現状より相当高い金利に乗り換えざるを得なくなるでしょう。たとえば、その時点で変動金利が1%になったとしても、2%超の固定金利に乗り換える決断は、将来のリスクを回避するためだと頭ではわかっていても、なかなかつかないものです。だから、事前に金利がいくらになったら、変更するかを決めておくことが大切なのです。
 付言すると、2018年9月現在のフラット35の最頻金利は1.39%です。2008年時のソニー銀行、三菱UFJ銀行の変動金利よりも低くなっています。10年、20年単位で見ると、現在の固定金利はかなりおトクといえます。
 金利の動きは、私たち専門家でもなかなか読み切れません。バブル時代の変動金利は8%台。当時、現在の低金利を予測できた人は皆無でしょう。仮に先を見通せたとしても、金利の上昇期には、銀行員は決して「今が変え時です」と声をかけてはくれません。
 預貯金が少ない世帯ほど、金利上昇に備えなければなりません。現在の金利水準であれば、固定金利への切り替えは「早すぎる決断」とはならないと私は考えますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。
【関連記事はこちら!】
>>住宅ローンの変動金利が上昇したら、いくら繰上返済すべきか、借入金額別に診断!

http://diamond.jp/articles/-/179619


 

ダイ・ハードは遠い彼方へ、変化した日中の経済力学
映画で読み解く社会学:『スカイスクレイパー』(2018年、アメリカ映画)
2018.9.19(水) 山 亜紀
『スカイスクレイパー』© Universal Pictures
 安全なはずの超豪華高層ビルで事件が発生。なかに取り残された家族を救出するため、父親がたった1人で立ち上がり、命がけでテロリスト集団との闘いに挑む。
 次々とヒットを飛ばしているロック様ことドウェイン・ジョンソンの最新主演作はあの懐かしの『ダイ・ハード』を思わせるストーリー。それでいて、劇中には時代差を感じさせる表現がちりばめられており、『ダイ・ハード』を知る世代には、ちょっぴり寂しい気分にさせられる。
「名前だけで観客が呼べる」ドウェイン・ジョンソン
 いまやプロレスラーのザ・ロックというより、ハリウッド・スターのドウェイン・ジョンソンの方が知られた名前だろう。『ワイルド・スピード』シリーズの世界的ヒットをはじめ、日本でもこの4月と5月に『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』『ランペイジ 巨獣大乱闘』と主演作が続けざまに公開されたばかり。かつてのハリウッドにはブルース・ウィリスはもちろん、アーノルド・シュワルツェネッガー、シルヴェスター・スタローンといった数々のスターが存在し、続々とエンタメ映画が作られたものだが、最近は名前だけで観客を呼べるのはこのドウェイン・ジョンソンくらいではないかと言われている。
『スカイスクレイパー』© Universal Pictures
 全米最大のプロレス団体、WWEの大スター。こんな屈強な男が「お父さん」なら、テロリストなんて、束になってもかなうはずがない。
 いまでこそ、名の知れたブルース・ウィリスだが、『ダイ・ハード』の大ヒットで初めて存在を知った人も多く、公開当初はタンクトップ一丁のちょっとぷよっとしたジョン・マクレーンの登場に誰もが「えっ、この人で大丈夫?」と思ったものである。
 映画を盛り上げるのは、このハラハラドキドキ感。一見、完全無欠そうなドウェイン演じる父親だが、ここでは以前、惨事に巻き込まれ、心身ともに傷を負っている設定になっている。片足は義足である。それくらいハンデがないとブルースほどの危機感は生まれなかったのか。それでいて、その義足は障害ではなく、強みとなっていく。この全方位に向けた配慮を怠らない作品作りも現代らしい特徴の1つといえるだろう。
舞台は香港の超々高層ビル
 一番、時代の流れを感じるのが舞台となった「高層ビル」である。『ダイ・ハード』でブルースが乗り込んだのは、彼の妻が勤めているナカトミ商事という日系企業が所有するハイテク高層オフィスビルだったことを覚えているだろうか。当時の日本はちょうどバブル。アメリカの大企業を買収するなど、絶好調の時期で、それを揶揄するかのようなシチュエーションだった。
 一方、ドウェインが乗り込むビルは香港にある。地上1キロの巨大ビル、「ザ・パール」。『ダイ・ハード』のナカトミプラザなんか足元にも及ばないスケールだ。
『スカイスクレイパー』© Universal Pictures
 舞台が香港と聞いて、意外に思う人もいるだろうが、いま、ハリウッド映画はかなりの数が中国向けに作られている。実際、人気SFアクションシリーズ最新作『トランスフォーマー/ロストエイジ』はアメリカより、中国の興収が勝って大成功を収めている。
 この映画では中国人俳優を起用し、中国ロケを敢行、そしてメジャースタジオでは初めて中国でワールドプレミアを開催した。ザ・ハリウッド的な製作費が膨大なエンタメ系映画はいまや中国が舞台のものは少なくなく、出演者も中国人俳優で、当然、プロモーションも日本を通り越して、中国で行われる。何もアメリカ本国でヒットしなくても、中国で当たればいい。なにしろ中国のスクリーン数は北米を抜いたと言われている。昨年の全世界での興収は北米が低迷していたにもかかわらず、中国のおかげで過去最高を記録した。
 先日、日本でも公開され、初登場1位を記録したジェイソン・ステイサム出演の巨大サメ映画『MEG ザ・モンスター』は米中合作で、やはり中国が舞台、ヒロインも中国人女優のリー・ビンビンを起用し、この映画もアメリカより中国でヒットしている。そして、『スカイスクレイパー』もまた、舞台が香港、中国人俳優を起用、中国でヒットした作品である。
 中国に熱い視線を送るハリウッド。以前はハリウッドのスタジオや映画館チェーンを中国が買収し続けて、アメリカで問題になったことも。
 この『スカイスクレイパー』を制作したレジェンダリー・ピクチャーズも、中国が2016年に買収している。レジェンダリーは『GODZILLA ゴジラ』を手がけたこともある会社。ギレルモ・デル・トロ監督が日本のアニメ愛を炸裂させた、巨大ロボットと「KAIJU(カイジュー)」が戦う『パシフィック・リム』を作った会社でもある。
 今年、続編『パシフィック・リム:アップライジング』が公開されたが、巨大ロボを中国企業が乗っ取ってしまう話になっていて、やはり中国人俳優が大活躍するという思わぬ進化を遂げていた。
 目下の懸念はあの「機動戦士ガンダム」のハリウッド実写映画版を制作することになっているのが、このレジェンダリー・ピクチャーズということである。ふたを開けたら、日本人役なのに重要なポジションはほとんど、人気、知名度、語学力も上の中国人俳優にとられていた『SAYURI』の二の舞にならないことを祈るばかり。
お母さんだって戦っちゃう
 話を『スカイスクレイパー』に戻そう。誰もがこの映画に最も時代を感じる瞬間が「強いお母さん」の活躍ではないだろうか。『ダイ・ハード』の時代のように、お母さん側もただ、待ってるだけじゃない。戦うのである。
『スカイスクレイパー』© Universal Pictures
 公開中のアニメ『インクレディブル・ファミリー』は超人一家の話だが、お母さんが外で悪者を退治している間、お父さんは家に残ってワンオペ育児でサポートという、これまでとは逆の関係性に驚かされた。お父さん一強は古い。現代はお父さんも強ければ、お母さんも強い。ともすれば、お母さんの方が強い。ちなみに『スカイスクレイパー』の奥さんは元軍医でかなりの強さ。ディズニー映画のプリンセスたちは王子様に頼らず、自力で幸せになっていく時代。アクション映画のお母さんもまた、お父さんの登場を待ってるばかりじゃないのである。
『スカイスクレイパー』© Universal Pictures
『スカイスクレイパー』
公開日:9月21日(金)全国公開
配給:東宝東和
監督:ローソン・マーシャル・サーバー
出演:ドウェイン・ジョンソン、ネーヴ・キャンベル、パブロ・シュレイバー、チン・ハン他
© Universal Pictures
『スカイスクレイパー』公式サイト http://skyscraper-movie.jp/


 

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[経世済民128] ドル上昇−対中追加関税の意向、米10年債一時3% 米中通商協議開かれない恐れ、中国が提案拒否検討 うまき
7. 2018年9月20日 11:10:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1517]
トランプ大統領に多くを学ぶべき日本
好調な米経済と低迷する日本経済、その差は何か
2018.9.19(水) 堀田 佳男
米同時多発攻撃から17年、トランプ氏 追悼式で「英雄たち」たたえる
米ペンシルベニア州シャンクスビルで米同時多発攻撃の犠牲者の追悼式の会場に到着したドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人(2018年9月11日撮影)。(c)Nicholas Kamm / AFP 〔AFPBB News〕

 「いつ米経済がクラッシュするのか、今はそれが心配です。不動産市場も株式市場も調子が良すぎます」

 米カリフォルニア州サンフランシスコ郊外でソフトウエア会社を経営するエドウィン・バーグソールドさんは、米経済の活況がどこまで続くのか心配している。

 ドナルド・トランプ(以下トランプ)政権が誕生してから、米経済は実質GDP(国内総生産)成長率も個人消費も伸び続けているばかりか、失業率は3.9%(8月)、インフレ率も2%ほどで推移しており、現時点で大きな憂慮はない。

いまの米経済に死角なし
 バーグソールドさんが続ける。

 「会社の利益はトランプになってから上向きです。しかも昨年末の減税で法人税が下がり、企業経営者としてはありがたい状況です。それだけにあとは落ちるだけという運命がくるようで怖いのです」

 企業経営者として経済の下降局面を想定しておくことは当然とも思えるが、現時点で米経済に暗雲は垂れ込めてない。

 ホワイトハウスの国家経済会議(NEC)委員長のラリー・クドロー氏は9月8日、フォックス・ニュースに登場して自信たっぷりに述べた。

 「ほとんどの経済専門家は2018年の米経済が好景気に沸くことはないと否定的な見方をしていましたが、全くの見当違いでした。経済政策だけでなく、あらゆる指標で良好な数値が出ています」

 11月6日の中間選挙を前に、トランプの汚点をあぶり出したい民主党としては、経済ではケチをつけられない状況にあるのが現実だ。

 トランプ政権が発足してから1年9か月、クドロー氏の言説の通り、大方の批判的予想は外れた。いくつか例を挙げたい。

 ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏はトランプに否定的な見方をする一人だ。

大統領就任当初の大方の予想は外れた
 大統領選直後の2016年11月9日、ニューヨーク・タイムズ紙に次のようなコラムを書いた。

 「市場は下落する気配を見せている。(中略)トランプは米国と世界にとって災害であり、予期しない悪い結果が訪れるだろう。たぶん世界的な不況に直面することになるし、その先は見えない」

 さらに国際通貨基金(IMF)の元エコノミスト、エリック・ジッツァウィッツ氏も2016年11月に「トランプが勝てば、金融市場はメルトダウンを起こすことを予期しておく必要がある」とコメントしていた。

 2017年1月20日の就任式当日、英インディペンデント紙は「トランプが世界に贈る最初のギフトは金融危機」というタイトルの記事を掲載し、2008年に次ぐ破滅的な金融危機が到来する可能性があると書いた。

 それだけではない。昨年12月、トランプの大型減税が成立する直前、民主党ナンシー・ペロシ下院議長は同法案を徹底的に痛罵していた。

 「共和党がいま成立させようとしている法案は米国史上最悪の内容です。米国の何千万という中流階層を犠牲にして、富裕層と大企業を富ませる法律です。一言でいえばアルマゲドンです」

 連邦議会上下両院で共和党に過半数を奪われている民主党としては、とにかくトランプを攻め、共和党主導の法案に反対する必要があった。

 だが大型減税案が成立し、それまで35%だった法人税は21%に下げられた。冒頭のバーグソールド氏が社長を務める中小企業にも恩恵があったばかりか、個人の所得税も見直された。

ワシントン・ポストも認める好調経済
 民主党ロン・ワイデン上院議員の算出によれば、年収20万ドル以下の勤労者は平均で月160ドル(約1万7600円)の減税になったという。トランプ政権への悲観的議論は空論になったと述べてもいいほどなのだ。

 2600ページに及ぶ長大な減税法案の中にはオバマケア(国民皆保健)の一部撤廃も盛り込まれており、痛手を受けた人たちがいるのも確かだが、経済成長が継続されているのは確かなことである。

 トランプに批判の声を上げる最右翼的な存在のワシントン・ポスト紙は9月13日、「編集委員会」の論説として米経済の好況を認めた。

 「米経済に良好なことが起きています。8月の失業率は3.9%ですし、インフレ率も連邦準備銀行(FRB)が目標にしている2%に近い」

 「最新の統計局のデータでは、平均世帯年収は6万1400ドル(約678万円)で、2008年の金融危機以前とほぼ同じレベルにまで戻りました。(中略)トランプの功績を認めていい」

 しかしワシントン・ポスト紙らしい批判の目も忘れていない。

 トランプは9月10日のツイッターで、「GDP成長率(4月から6月期)は4.2%で、失業率(3.9%)よりも高い。これは過去100年で初めてのこと!」と自画自賛してみせたが、過去100年では経済成長率の方が高かったことは何度かあったと指摘した。

 また財政赤字は20年会計年度には1兆ドル(約110兆円)に達する見込みで、大型減税を行っても国防費と社会保障費がかさんでいるため、米政府の赤字体質は変わらないままである。

個人消費も伸び、批判しにくい民主党
 財政赤字の増大は、長期的には米国債の消化が困難になり、長期金利が上がってドル安に向かうことが考えられる。

 けれどもトランプ周辺はいま雇用が安定し、賃上げも実現されるというグッドニュースに包まれている。

 401Kなどの年金の増額を実施した企業も多数あり、400万人以上の勤労者が恩恵を受けている。

 さらにGDPの約7割を占める個人消費も伸びており、民主党は中間選挙を前に、経済政策では口を挟めない状況である。冒頭のバーグソールドさんの憂慮は杞憂に終わりそうだ。

 また連邦議会共和党は先週、減税法案第2弾を公表した。法人税をさらに下げて20%にする意向で、同案の恒久化も視野に入れる。

 だが中間選挙前までの成立はほぼ無理なので、来年以降に持ち越しとなるだろう。

 それよりも今問題なのは日本経済である。

米国に大きく水をあけられた日本
 2019年に予定されている消費税10%は個人消費をいま以上に減速させるはずだ。

 今年の米国のGDP成長率が3〜4%であるのに対し、日本の2018年度の実質成長率は1.2%ほどで、米国に水をあけられてしまった。

 安倍晋三政権は国内産業にエネルギーを注入する意味で、法人税の減税を真剣に考えてもいい。

 日本は個人消費もずっと横ばいで、上昇率は米国に3倍近い差をつけられている。

 トランプには多くの批判が集まるが、こと経済政策については日本が踏襲してもいい点があることを認めるべきかもしれない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54132
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/494.html#c7

[経世済民128] 一人の食卓もアレクサと一緒なら楽しくなる?アマゾンエコーが変える日本の料理風景 日本の潜在市場と隠れたる天才、発掘します うまき
3. 2018年9月20日 12:26:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1518]
【第48回】 2018年9月20日 松本利明 :人事・戦略コンサルタント
「念のため、このデータは残しておこう」病の治し方
優秀なエリートには共通点がある。彼らは「真面目に、我慢して、一生懸命」ではなく、「ラクして速く」をモットーに、効率よく結果を出し続けている。まじめさと仕事のパフォーマンスは比例しない。24年間で5万人以上のクビ切りを手伝い、その一方で、6000人を超えるリーダー・幹部社員を選出してきた松本利明氏の新刊、『「ラクして速い」が一番すごい』から、内容の一部を特別公開する(構成:中村明博)

資料・データはどんどん捨てよう
 あなたのデスクはスッキリしていますか?
 PCのデスクトップはアイコンだらけになっていませんか?
松本利明(まつもと・としあき)
人事・戦略コンサルタント
外資系大手コンサルティング会社であるPwC、マーサージャパン、アクセンチュアなどを経て現職。5万人以上のリストラを行い、6000人を超える次世代リーダーや幹部の選抜・育成に関与する。その中で、「人の持ち味に合わせた育成施策を行えば、人の成長に2倍以上差がつく」ことを発見し、体系化する。そのノウハウを、クライアント企業にはマネジメントの仕組みとして、社員には具体的な仕事術へと落とし込み提供。24年間で、外資系・日系の世界的大企業から中堅企業まで、600社以上の人事改革と生産性向上を実現する。自らもその仕事術を実践することで、スタッフからプリンシパル(部長クラス)まで8年という驚異的なスピードで昇進する。現在は、企業向けのコンサルティングに加え、「すべてのムダをなくし、自分らしく、しなやかに活躍できる世界」にするため、「持ち味の見つけ方・活かし方」を、ビジネスパーソンのみならず学生にも広めている。「仕事術」「働き方」などのテーマで、メディアへの寄稿多数。また「日本企業の働き方・賃金改革の在り方」について、英国放送協会(BBC)から取材を受け、その内容は全世界に配信された。
 プロジェクト管理のコンサルタント、リズ・ダベンポートによると、人は年間150時間を探し物に費やすそうです。
 8時間勤務なら年間約18日、つまり約1ヵ月分の時間を探し物に充てている計算です。
 急ぎのタイミングに限って、あるべきところに必要な物が置いていなかったりするものです。「プライベートでは整理整頓できているが、職場ではどうも……」などということはありません。仕事もプライベートも一緒です。
 意識しないと身のまわりは物であふれます。物が多いとどうしても探し物をする時間が増えます。目の前にある9割の物は捨てるくらいでちょうどいいのです。
ところで、「整理」と「整頓」の違いはご存じですか?
「整理」とは、必要なものと不必要なものを振り分け、不必要なものを捨てること。
「整頓」とは、必要なものを機能的に配置することです。
 つまり、整頓の前に整理が必要です。物が多いとわかりやすく配置することは難しくなりますし、場所がわかっていても、とり出すのに時間がかかるので非効率。
 ビジネス資料は「いる」「いらない」「捨てる」「残す」を考えがちですが、危険です。残す必要があるものは、次の3種類だけ。
「これ」以外は捨ててOK!
(1)法律・契約関連、クライアントへ納品した資料や備品
(2)「言った言わない」にならないように言質を含んだ重要なメールや議事録
(3)納期、量、価格といった仕事の受発注に関する書類
 上記以外の資料はどんどん捨てましょう。
 デジタルデータも同様です。どんどん捨てていきましょう。「念のため、このデータは残しておこう」などと考えがちですが、するとファイルが「最終」「最終修正版」「本当に最終」などと際限なく増え、何が本当に最後のものかわからなくなり、ミスの原因になります。
 作業フォルダはプロジェクトのフェーズごと「(Process(作業中)」「Final(納品)」の2つにしましょう。
「Final(納品)」は最終的にお客様に納めたもので、それ以外はすべて「Process(作業中」フォルダに入れておきます。
 そして、納品して仕事が終わったら、「Process(作業中)」フォルダを「覗かない」でゴミ箱に移すのです。納品したら絶対に「Process(作業中)」フォルダは開けずに捨てましょう。
 どうしても残したい資料があるなら、「Others(その他)」フォルダをつくり、そこに入れます。
 ただし1年たったら「Others(その他)」フォルダは覗かずに捨ててください。1年たって使わなかった資料はもう使うことがありません。フォルダごと捨てます。
 本当に必要な部分があれば、その他の資料で引用しているものです。
 ファイルを残す基準は、「他人が見ても、業務を問題なく引き継げるレベルまでシンプルに整理されているかどうか」です。
 週に1回は時間を決めて資料やデータを整理しましょう。週に1回はやらないと習慣にならないし、どんどんデータもたまってしまいます。
 データは全部自分で持つ必要はありません。必要なときにとり出せればいいので、全員が使う物ならクラウドにあげて共有し、ほしい人に渡して必要なときにもらえば重複管理は防げます。
「捨てる基準」は強く意識しないと、徹底できません。未練が出ないように捨てる基準をあえて口に出すといいでしょう。引き下がれなくなりますし、まわりも歯止めをかけてくれるようになるのでオススメです。
 かばんやロッカー、デスクまわりはその人の心理状況を映し出します。かばんやロッカーに物を入れすぎてはいけません。「半分空けておく」ぐらいがちょうどいいのです。多くても7割にとどめておきましょう。それ以上にしてしまうと、どんなに整頓されていても、とり出すまでに時間がかかります。新しい物が入る余裕も生まれません。一度勇気を出して捨ててみてください。
■参考記事
「5万人のリストラ」から見えた万年平社員の共通点とは?
松本利明(まつもと・としあき)
人事・戦略コンサルタント
外資系大手コンサルティング会社であるPwC、マーサージャパン、アクセンチュアなどを経て現職。5万人以上のリストラを行い、6000人を超える次世代リーダーや幹部の選抜・育成に関与する。その中で、「人の持ち味に合わせた育成施策を行えば、人の成長に2倍以上差がつく」ことを発見し、体系化する。そのノウハウを、クライアント企業にはマネジメントの仕組みとして、社員には具体的な仕事術へと落とし込み提供。
24年間で、外資系・日系の世界的大企業から中堅企業まで、600社以上の人事改革と生産性向上を実現する。自らもその仕事術を実践することで、スタッフからプリンシパル(部長クラス)まで8年という驚異的なスピードで昇進する。
現在は、企業向けのコンサルティングに加え、「すべてのムダをなくし、自分らしく、しなやかに活躍できる世界」にするため、「持ち味の見つけ方・活かし方」を、ビジネスパーソンのみならず学生にも広めている。「仕事術」「働き方」などのテーマで、メディアへの寄稿多数。また「日本企業の働き方・賃金改革の在り方」について、英国放送協会(BBC)から取材を受け、その内容は全世界に配信された。

https://diamond.jp/articles/-/179969

 

 


オピオイド危機、米中間選挙の重要テーマに
医療用麻薬の乱用問題に触れた選挙広告、2014年には1州のみだったが今年は25州に拡大
今年の米中間選挙では、共和、民主両党の候補ともに反オピオイドの広告を出す頻度が加速度的に増えている PATRICK SISON/ASSOCIATED PRESS
By Dante Chinni, Joshua Jamerson and Danny Dougherty
2018 年 9 月 20 日 10:36 JST 更新

 4年前の選挙キャンペーンでは取るに足りない付け足しにすぎなかった医療用麻薬「オピオイド」の乱用問題が、今年秋の米中間選挙では一部の主要レースの重要な論点の一つになっている。

 広告調査会社カンタ−・メディア/CMAGのテレビ広告分野のデータに基づくウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析によれば、連邦議会選挙と州知事選挙の選挙広告のうち、オピオイド問題に絡むメッセージを含むものの放映回数は、今年これまでに25州で5万回以上に達している。前回の中間選挙があった2014年の同時期に行った調査では、オピオイド問題に触れたテレビ広告は、ケンタッキー州上院議員選挙での1件(放送回数は70回)だけだった。

オピオイド危機、米中間選挙の重要テーマに
 今年のキャンペーン広告の中で、オピオイド問題の取り扱いの広がりは移民問題や銃規制問題ほどではない。オピオイドに触れたテレビ広告は、全体のわずか3%にすぎない。しかし、WSJの分析では、オピオイド危機の拡大に呼応するように、オピオイド関連の広告も増え始めていることが示されている。共和、民主両党の候補ともに反オピオイドの広告を出す頻度が加速度的に増えている。

 こうした広告のメッセージには、乱用者を治療する資金の拠出拡大や、正規ルート以外でのオピオイドの流通阻止などが含まれている。

 この広告の急増により、オピオイド問題は、ほぼ埋もれた状態から、影響力の大きい全国区の政治的話題になっている。広告枠購入の地図は、フロリダ州、ミズーリ州、ウィスコンシン州やウェストバージニア州など、上院議員選と知事選が接戦の州で、この話題が多く取り上げられていることを示している。オハイオとペンシルベニアの両州では、下院議員候補らが何千もの広告を流している。

オピオイド危機、米中間選挙の重要テーマに
 広告回数の数字は、問題の深刻度を示した地図と完全には一致しない。例えば、フロリダ州では多くの広告が流れているが、直近で入手可能だった2016年の人口10万人当たりの死亡数のデータを引用すると、過剰摂取による死亡率は他の多くの州よりも低い。ウィスコンシン州、ミズーリ州およびペンシルベニア州でも、オピオイド問題の広告が多く流れているが、3州はこの問題から最も深刻な打撃を受けている州ではない。

オピオイドによる死亡率の変化
(2018年に選挙広告を流した25州で2012年と2016年を比較)
出典:カイザー・ファミリー財団(死亡率)、カンタ−・メディア/CMAG(広告)
注:数値は各州の平均年齢の違いを考慮し、2000年米国標準人口で年齢調整した
広告放送回数1〜750回
751〜1500回
1501〜2500回
2500回以上
N.H.
Maine
Mass.
Md.
Pa.
Ohio
Mich.
N.J.
Ind.
Fla.
R.I.
N.Y.
Wis.
N.C.
Ill.
Mo.
W.Va.
Tenn.
Ky.
Minn.
Ariz.
Colo.
N.M.
Ark.
Ore.
0%
50
100
150
200
250
2500回以上xOhiox167.48%
 こうした州で広告が多く流れている理由は何だろうか。それには、選挙が接戦であることのほかに、過剰摂取による死亡の増加が顕著であることがある。これらの州では、2012年から16年までの間に、オピオイドの過剰摂取が50%以上増えているのだ。

オピオイド問題に言及した選挙広告
(2018年、政党別)
出典:カンタ−・メディア/CMAG
民主党
共和党
Ohio
Pa.
Ind.
Maine
Wis.
W.Va.
Fla.
Ky.
Mo.
N.C.
N.H.
N.Y.
Ark.
Ariz.
Colo.
Ill.
Mass.
Md.
Mich.
Minn.
N.J.
N.M.
Ore.
R.I.
Tenn.
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
 2018年の選挙戦では、共和、民主の両党がこの問題を取り上げているものの、共和党の選挙広告で言及しているものが多い傾向にある。特にオハイオとペンシルベニアの2州では顕著だ。この2州は、過剰摂取が最も増えている州に入る。


The Way to Save Opioid Addicts | Moving Upstream
The Way to Save Opioid Addicts | Moving Upstream
麻薬乱用問題の専門家の間では、最も効果的な治療法は投薬治療だということに幅広いコンセンサスがあるが、米国の入院リハビリテーション施設の多くは投薬治療を行っていない。なぜこの治療が困難で問題があるのか、WSJのジェイソン・ベリーニ記者が解説する(英語音声、英語字幕あり)
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米株市場、赤字企業のアウトパフォームに懸念の声も
企業向けソフトウエア会社オクタの幹部ら(2017年4月)
企業向けソフトウエア会社オクタの幹部ら(2017年4月) PHOTO: CHARLES SYKES/ASSOCIATED PRESS
By Corrie Driebusch
2018 年 9 月 20 日 10:55 JST

 米国株式市場では今年、急成長している企業の株価動向は極めて好調だ。だが、こうした企業の多くには気掛かりな特徴がある。利益を上げていないのだ。

 事業拡大のための再投資に注力している成長企業は、上げ相場の局面で良いパフォーマンスを見せる傾向にあり、今年の米株をけん引しているハイテク、一般消費財、ヘルスケアといったセクターに多い。

 アナリストは、成長株で構成するラッセル1000グロース指数の上昇率がラッセル1000バリュー指数を上回っているのは理にかなっており、むしろ好ましいと考えている。ラッセル1000バリュー指数は、割安と考えられている銘柄で構成されており、こうした銘柄は景気循環の後半で魅力的だと見なされることが多い。

 ただ問題は、FTSEラッセルのデータによれば、グロース指数構成企業のうち安定した利益を上げていない企業の今年8月までのリターンが18%と、同指数全体の16%を上回っている点だ。

 グレンミードのデータによると8月はこの傾向が顕著で、ラッセル1000構成企業のうち利益を上げていない企業の銘柄のリターンは13.5%と、指数全体のリターン5.5%を大幅に上回った。こうしたやや不自然なゆがみを懸念する声も聞かれる。

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 米国の主要な株価指数は8月末時点で過去最高値近辺にあり、9月に入ってもこれまでほぼこの水準で推移している。貿易を巡る緊張、新興国通貨の危機、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースなどについて懸念されているものの、9年に及ぶ上げ相場が減速するようには見えない。

 利益を上げていないが株価が大幅に上昇した企業には、バイオ医薬品会社サレプタ・セラピューティクスや、企業向けソフトウエア会社オクタなどがある。両社とも株価は2倍以上に上昇した。サレプタは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬の臨床試験が好結果を示したことが株価を押し上げた。オクタは売上高の大幅増が買い材料となった。

 サレプタは2016年初め以降で四半期決算が黒字になったのが1回だけだが、ファクトセットによると、アナリスト22人のうち20人が同社株の投資判断を「バイ」としている。

 オクタは17年4月の上場以降、四半期決算が黒字になったことがないが、アナリスト13人のうち11人が投資判断を「バイ」としている。

 投資家は将来大きな利益を上げると見込んだ企業により強い関心を示しているが、これが行き過ぎた場合について懸念する声もある。

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 オピオイド危機、米中間選挙の重要テーマに医療用麻薬の乱用問題に触れた選挙広告、2014年には1州のみだったが今年は25州に拡大
今年の米中間選挙では、共和、民主両党の候補ともに反オピオイドの広告を出す頻度が加速度的に増えている PATRICK SISON/ASSOCIATED PRESS
By
Dante Chinni, Joshua Jamerson and Danny Dougherty
2018 年 9 月 20 日 10:36 JST 更新
 4年前の選挙キャンペーンでは取るに足りない付け足しにすぎなかった医療用麻薬「オピオイド」の乱用問題が、今年秋の米中間選挙では一部の主要レースの重要な論点の一つになっている。
 広告調査会社カンタ−・メディア/CMAGのテレビ広告分野のデータに基づくウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析によれば、連邦議会選挙と州知事選挙の選挙広告のうち、オピオイド問題に絡むメッセージを含むものの放映回数は、今年これまでに25州で5万回以上に達している。前回の中間選挙があった2014年の同時期に行った調査では、オピオイド問題に触れたテレビ広告は、ケンタッキー州上院議員選挙での1件(放送回数は70回)だけだった。

 今年のキャンペーン広告の中で、オピオイド問題の取り扱いの広がりは移民問題や銃規制問題ほどではない。オピオイドに触れたテレビ広告は、全体のわずか3%にすぎない。しかし、WSJの分析では、オピオイド危機の拡大に呼応するように、オピオイド関連の広告も増え始めていることが示されている。共和、民主両党の候補ともに反オピオイドの広告を出す頻度が加速度的に増えている。
 こうした広告のメッセージには、乱用者を治療する資金の拠出拡大や、正規ルート以外でのオピオイドの流通阻止などが含まれている。
 この広告の急増により、オピオイド問題は、ほぼ埋もれた状態から、影響力の大きい全国区の政治的話題になっている。広告枠購入の地図は、フロリダ州、ミズーリ州、ウィスコンシン州やウェストバージニア州など、上院議員選と知事選が接戦の州で、この話題が多く取り上げられていることを示している。オハイオとペンシルベニアの両州では、下院議員候補らが何千もの広告を流している。

 広告回数の数字は、問題の深刻度を示した地図と完全には一致しない。例えば、フロリダ州では多くの広告が流れているが、直近で入手可能だった2016年の人口10万人当たりの死亡数のデータを引用すると、過剰摂取による死亡率は他の多くの州よりも低い。ウィスコンシン州、ミズーリ州およびペンシルベニア州でも、オピオイド問題の広告が多く流れているが、3州はこの問題から最も深刻な打撃を受けている州ではない。
オピオイドによる死亡率の変化(2018年に選挙広告を流した25州で2012年と2016年を比較)

出典:カイザー・ファミリー財団(死亡率)、カンタ−・メディア/CMAG(広告)注:数値は各州の平均年齢の違いを考慮し、2000年米国標準人口で年齢調整した

 こうした州で広告が多く流れている理由は何だろうか。それには、選挙が接戦であることのほかに、過剰摂取による死亡の増加が顕著であることがある。これらの州では、2012年から16年までの間に、オピオイドの過剰摂取が50%以上増えているのだ。
オピオイド問題に言及した選挙広告(2018年、政党別)
出典:カンタ−・メディア/CMAG

 2018年の選挙戦では、共和、民主の両党がこの問題を取り上げているものの、共和党の選挙広告で言及しているものが多い傾向にある。特にオハイオとペンシルベニアの2州では顕著だ。この2州は、過剰摂取が最も増えている州に入る。

The Way to Save Opioid Addicts | Moving Upstream

麻薬乱用問題の専門家の間では、最も効果的な治療法は投薬治療だということに幅広いコンセンサスがあるが、米国の入院リハビリテーション施設の多くは投薬治療を行っていない。なぜこの治療が困難で問題があるのか、WSJのジェイソン・ベリーニ記者が解説する(英語音声、英語字幕あり)
関連記事
• 米中間選挙、銃規制強化の広告が急増
• 米上院、包括的歳出法案を可決
• 大麻由来のコーヒーやキャンディーは合法?
• 米中間選挙で民主党がすべきこと:怒りを投票に
• トランプ氏、オピオイド問題で司法省に企業提訴求める


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/511.html#c3

[国際23] それでも「無能」トランプが解任されない理由(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年9月20日 12:39:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1519]

>党のイデオロギーを実現するために、他のあらゆること(大統領職を含む)を犠牲にする政治勢力に囲まれているのはトランプだけ

別に、党利党略で無能なトップを掲げ続けるのは米共和党に限らず

どの国の、どの組織でも普通のことだし


>「無能」トランプ

昔の北の金一族と同じで、政治的に罵倒されているだけで

それほど無能でもない

 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/494.html?c7#c7
トランプ大統領に多くを学ぶべき日本
好調な米経済と低迷する日本経済、その差は何か



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/894.html#c2

[経世済民128] 米中貿易戦争第3ステージへ 慌てぬ中国、トランプは勝てるのか(ニューズウィーク) :国際板リンク  赤かぶ
1. 2018年9月20日 12:48:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1520]

米対中関税第3弾、自動車部品業界を直撃へ
トランプ政権の対中関税第3弾により、中国自動車部品メーカーだけでなく、米消費者も影響を受けそうだ(写真は中国・聊城の自動車部品工場)
トランプ政権の対中関税第3弾により、中国自動車部品メーカーだけでなく、米消費者も影響を受けそうだ(写真は中国・聊城の自動車部品工場) PHOTO: /ASSOCIATED PRESS
By Trefor Moss and Chester Dawson
2018 年 9 月 20 日 01:57 JST

 【上海】トランプ米政権が発表した対中関税第3弾は、中国の自動車部品メーカーに大きな打撃を与えるものの、その影響は値上げを通じて米消費者にも及びそうだ。

 来週24日に発動される2000億ドル(約22兆5000億円)相当の中国輸入品に対する追加関税の対象には、クランク軸やスパークプラグ、ワイパーブレードなど、さまざまな自動車関連部品が含まれている。影響はサプライチェーン(供給網)全体に波及する見通しで、新車・中古車問わず価格を押し上げる可能性がある。

 業界関係者によると、自動車業界はグローバル化が進み、中国のサプライヤーは供給網で極めて独占的な地位を占めるようになっており、特定の素材や部品については手頃な価格で迅速に調達できる代替先がほとんどないという。

 現在、中国企業1000社以上が、米国の自動車メーカーや部品販売店向けに自動車部品を輸出している。ボストン・コンサルティング・グループの最近の調査によると、米国が中国から輸入する自動車部品は年間100億ドル(約1兆1200億円)相当と、メキシコの230億ドルに次ぎ2番目の規模だ。米国の対中関税は当初10%だが、年末までには25%に上がる。

 関税により、部品交換にかかるコストも上がりそうだ。例えば、大半が中国で生産されているブレーキロータを交換する場合、25%の関税なら平均コストは280ドルから400ドル近くに跳ね上がる可能性がある。そうなれば、自動車保有者は必要な修理を敬遠しかねない。業界団体オートケア協会はこう指摘する。

 関税の影響をすでに心配する中国企業は、追加関税の発表を受けて、競合に米顧客を奪われるとの懸念を強めるかもしれない。

 アルミホイールを生産する江蘇珀然股フン有限公司(江蘇省・連雲港)は、トランプ政権が7月に追加関税案を明らかにして以降、受注が半減したという。海外取引責任者、ソン・チェンチェン氏は、関税を回避するため韓国経由での輸出も視野に入れるが、300人の従業員に人員削減はないと話していると明かす。米自動車メーカーが求める品質のものを生産できる部品会社は世界にほとんどなく、米顧客に調達先を変更する選択肢はないとみているためだ。

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 影響は中国企業にとどまらない。米国内に生産拠点を持ち、部品調達をこうした中国企業に依存する企業や、中国で部品を生産する米企業も無縁ではいられない。

 エンジンメーカーの米カミンズは、中国のみでエンジンを生産している。一部の特別な部品が中国でしか確保できないからだ。中国で年間生産するエンジン約25万基のうち1万基以上を米国に輸出する。同社はトランプ政権がこれまで発動した対中関税により、間接的なものも含め、今年1億ドルのコストがかかると予想する。

 関税の影響をとりわけ受けやすいのが、米国の部品メーカーだ。原料を中国から取り寄せ、容易には値上げに応じない米自動車メーカーに供給するためだ。部品メーカーを顧客に抱える法律事務所バッツェル・ロング(デトロイト)の弁護士、キャサリン・キャロル氏は「自動車部品メーカーは板挟みの状況で、関税によって引き裂かれる」と話す。

 米自動車部品業界のロビイストは、包括的な関税ではなく、反ダンピング(不当廉売)関税など、一段と的を絞った措置を講じるようトランプ政権に要請している。

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米カルパース、中国に次期CIO候補求める
カルパースのマーシー・フロストCEO(2017年2月)
カルパースのマーシー・フロストCEO(2017年2月) PHOTO: MAX WHITTAKER/REUTERS
By Heather Gillers
2018 年 9 月 20 日 06:22 JST

 中国の外貨管理当局の投資担当者が米国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)の次の最高投資責任者(CIO)の最有力候補に浮上した。複数の関係者が明らかにした。

 カルパースは中国国家外貨管理局の孟宇(ベン・メン)氏を次期CIOに選定した。この関係者によると、19日午前の時点で孟氏は内定通知に署名しておらず、同氏のコメントも得られていない。

 孟氏は2015年終盤まで7年にわたりカルパースで投資に携わっていた。今回の内定を受け入れれば3600億ドル(約40兆円)規模の資産を運用するカルパースに舞い戻ることになる。

 現CIOのテッド・エリオポウロス氏は、期待リターンの下方修正、経費節減、次の景気後退への備えを進める中で、高コストのヘッジファンドへの投資を引き揚げた。エリオポウロス氏は5月に、今年中に辞任する意向を明らかにした。

 次のCIOは、カルパースの270億ドル規模のプライベートエクイティ(PE)投資の方向性を巡る協議に加わることになる。カルパースはPEポートフォリオ見直しの一環として、非公開企業の株式を取得する資金プールに多額の資金を委託する計画を探っている。

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握手を交わす文在寅氏(左)と 金正恩氏(19日、平壌)
握手を交わす文在寅氏(左)と 金正恩氏(19日、平壌) PHOTO: PYONGYANG PRESS CORPS/ZUMA PRESS
2018 年 9 月 20 日 11:45 JST

 平壌から伝えられた朗報は、北朝鮮の独裁者がいまでも核兵器を放棄したいと考えていると述べたことだ。しかし金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領による今年3回目の首脳会談後、19日に発表された共同宣言は、友好ムードにもかかわらず、核廃棄の目標に関しては大きな前進をもたらさなかった。

 金委員長は、確かにミサイル試験施設の廃棄を約束したが、これは6月にシンガポールで行われたドナルド・トランプ米大統領との会談で話したのと同じ内容だ。ただし今回は、世界各国の専門家による監視を容認するとしている。同じものを別物のように売り込むのは、北朝鮮が得意とするやり方だ。そして、もともと象徴的だった譲歩に若干の要素を追加した、今回の首脳会談で得られた唯一の具体的成果を飛躍的な前進とたたえるのは残念なことだ。

 南北問題を注視する一部の人々は、金委員長が核弾頭の中身を生産するための原子炉と遠心分離機を備えた寧辺(ニョンビョン)の核施設を廃棄する可能性にも言及したことに期待感を示した。しかし北朝鮮は、同じことをブッシュ(子)政権の時代にも約束し、それをほごにしている。

 しかも、今回は落とし穴がある。米国が最初に、何らかの利益を与えなくてはならない点だ。具体的にどんな利益かは言及されなかった。北朝鮮の要求には、朝鮮戦争の終結を正式に宣言することのほか、国連の制裁措置および米国による一方的な制裁措置の緩和が含まれる公算が大きい。北朝鮮は6月以降、これと同じ非現実的な要求をしている。米国との交渉が停滞している理由はここにある。

 最も重要なことは、金委員長が北朝鮮の核施設に関する申告と、その廃棄スケジュールを米国に提供すると約束しなかった点だ。核施設の申告は、最初の重要なステップになる。同国の研究施設、爆弾格納庫、ミサイル発射台や弾頭設計施設の場所が分からなければ、国際社会は非核化のプロセスを監視できないからだ。これは6月の米朝首脳会談後にマイク・ポンペオ国務長官が最初に要求したことだった。だが、北朝鮮は何も提供していない。

 文大統領は、金委員長にほとんど圧力をかけなかった。文氏は、南北を経済的に統合するというアジェンダとともに、当局者およびビジネスリーダーから成る200人の代表団を連れて平壌を訪れた。自らのコミットメントを示すためだ。非核化に関する進ちょくがない一方で、こうした計画は前進している。韓国は制裁を破って、非武装地帯の向こう側に原材料や機材を送った。これは先週オープンした連絡事務所の建設のためだった。

 19日の平壌共同宣言は韓国と北朝鮮が年末までに鉄道、道路連結のための着工式を行うことをうたっている。同宣言はまた、双方が金剛山観光事業と開城工業団地での事業再開に努めることを盛り込んでいる。両事業はそれぞれ2008年、2016年に停止されるまでの間、金正恩体制に外貨を提供する事業となっていた。

 こうした計画を実現するためには北朝鮮に対する制裁措置の緩和が必要となるため、今回の合意は事実上、北朝鮮の対外貿易再開を認めるよう求める内容だった。韓国が米国に北朝鮮向け制裁措置を撤回するよう圧力を掛けることで北朝鮮を支援する中で、金委員長が核計画について説明しなかったのは驚くべきことではない。

 韓国の文正仁・統一外交安保特別補佐官は先月、本紙に対し、韓国は信頼醸成のため米国と北朝鮮が相互に譲歩案を提示することを望んでいると述べた。この発言は北朝鮮が表明している北朝鮮と米国による「段階的で同時的な措置」という要求に呼応したものだが、まず非核化、次いで報償(緩和措置)、という米国の立場とは対立している。

 このようなすべての事柄から判断すると、古い約束を繰り返すだけの金委員長の態度にトランプ大統領があれほど熱烈に対応したのは奇妙だ。トランプ氏は19日、「金正恩氏は、最終交渉を条件に、核査察の容認に同意した。また国際専門家の立ち会いの下に実験場と発射台を恒久的に廃棄することに同意した」とツイート。そして「この間、ミサイルないし核の実験はないだろう。(朝鮮戦争当時の)英雄の遺骨は米国の故郷に戻り続けるだろう。また北朝鮮と韓国は2032年五輪を主催する申請を共同で出すだろう。非常にわくわくする!」と書いた。

 残念なことに、(発射)実験の一時停止は有用だが、非核化への進展ではない。保有兵器の放棄に金委員長が同意するチャンスは依然としてある。それは、米国がテコとなる制裁措置をしっかり維持している場合だ。19日の共同宣言は、韓国が金委員長にアメをどっさり差し出してムチをしまい込みたいと望んでいることを示唆した。だが北朝鮮の過去の行動は、そうしたやり方では成功がおぼつかないことを示している。

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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/523.html#c1

[政治・選挙・NHK250] 安倍3選でも前途多難、「参院選後に首相交代」シナリオも  安倍政治を止めたい野党の「大きな勘違い」 うまき
1. 2018年9月20日 12:58:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1521]
自民AI対決、首相圧勝なら日本株高−僅差は「終わりの始まり」
長谷川敏郎、Min Jeong Lee
2018年9月20日 1:00 JST 更新日時 2018年9月20日 12:27 JST
安倍盤石化が対トランプ交渉に影響も、日経平均はレンジ相場上放れ
分岐点は石破氏270票以上、経済政策で新たなドライバーも必要に

Shinzo Abe Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちになった自民党総裁選。安倍3選を本命視する日本株市場で投資家らが注目するのは勝ちっぷりだ。圧勝し政権基盤が安定すれば、アベノミクスへの信頼で海外マネーの流入が期待される半面、僅差なら首相のレームダック化が警戒され始める。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「安倍首相が圧倒的に勝ち、政権基盤を盤石にできるかどうかが注目点」と指摘。圧勝なら、国内基盤を固めた上で米国のトランプ大統領との通商交渉に臨めるとし、「日本は農業分野で米国に譲歩する一方、自動車分野の譲歩を引き出すことが最善の戦略。自民党の票田である農業分野で譲歩するには、まず政権基盤を盤石にする必要がある」と言う。

  丸三証券の服部誠執行役員は、「安倍氏が勝利すれば、すぐに消費税増税に向けた財政出動対策が期待される時期に入っている」との見方だ。2016年の米大統領選、17年のフランス大統領選や衆院選と「日本株は結局、この3回とも政治で株価が動いている。米国や欧州の政治が不安定な中、安倍首相の3選は日本国内で考えている以上に海外投資家から重視される可能性がある」と話す。

  6年前の石破氏との決戦投票に勝利、その後の衆院選も勝って政権に返り咲いた安倍首相。デフレ脱却を目指すアベノミクスを進め、日経平均株価は13年からの5年間で2.2倍になった。日本の変化を評価した海外勢による日本株買越額(現物)は、13年に過去最高の15兆円を記録した。

  ことし1月には日経平均がバブル期以来、26年ぶりの高値を付けたが、森友・加計学園問題など政権スキャンダルや地政学リスク、米国を巡る貿易摩擦懸念などが上値を抑制。レンジ相場が続いた中、海外勢の日本株に対する弱気姿勢も目立ち、18年の現物累計売越額は9月1週までで4.4兆円とブラックマンデーのあった1987年に次ぐ高水準となっている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-20/PFAKCD6KLVR501

270票以上、ダブルスコア
  いちよしアセットの秋野氏は、「自動車が通商問題で影響を受けるとGDPへの悪影響が大きく、その不透明感が日本株の重し」とした上で、「日経平均が三角もちあいを上放れるなど、足元の日本株は既に安倍首相の圧勝を前倒しで織り込み始めた。日経平均はことし高値を上回り、中期的には2万5000円を目指す」と予想する。

  ゴールドマン・サックス証券のチーフ日本株ストラテジスト、キャシー・松井氏も「保護貿易主義と世界経済の成長減速リスクは残るものの、安倍氏再選、財政刺激策、収益予想の上方修正、海外投資家の買い再開といったファンダメンタルズ改善を反映し、市場は徐々に遅れを取り戻す」とみている。

  首相圧勝か、そうでないかを判断する分岐点はどこか。UBS証券ウェルスマネジメント部の日本株リサーチヘッド、居林通氏は「マーケットは石破氏が総得票数の3分の1に当たる270票以上を獲得した場合のインパクトを過小評価している。それはアベノミクスの『終わりの始まり』を意味する」との認識だ。首相の経済政策には新たなドライバーが必要になっているにもかかわらず、「現時点では見当たらない。今の段階ではあまり幸せなシナリオはなさそう」と言う。

  「一つのメルクマールは首相と石破氏の得票がダブルスコアになるかどうか」と話すのは、三菱UFJ国際投信・株式運用部の小西一陽チーフファンドマネジャーだ。ここから両者の得票差が縮まれば、12年当時のように「石破氏が党の役職に就いたり、ポストを与えることになると、党内のパワーバランスが少し変わってくる。スキャンダルや選挙で弱目の数字が出たりすると、さまざま政策に影響する可能性がある」と警戒感を示す。

首相、朝日新聞調査で議員票8割超確保
  20日投開票の自民党総裁選は6年ぶりの選挙戦で、国会議員票405、党員・党友の地方票405の計810票で争われる。安倍首相は会見で、台風や地震など相次ぐ災害を受け「安心できる強靱(きょうじん)な日本をつくり上げる」とし、来年10月からの税率10%への消費税増税を予定通り実施する考えを示した。石破氏は「国会を公正に運営し、政府を謙虚に機能させる」と語った。

  12日付の朝日新聞報道によれば、首相が党所属国会議員405人のうち337人の支持を集め、議員票の8割超を確保する情勢。石破氏は50人にとどまっている。17日付の読売新聞が党員・党友を対象に行った投票傾向に関する電話調査では、首相51%、石破氏36%、13%は投票先を明らかにしていない。

  20日の日本株は、日経平均が一時89円(0.4%)高まで上昇した後、一時マイナス圏に転じる上値の重い展開。前日までの過去4営業日で1000円以上上げるなど上昇ピッチの速さに対する警戒と総裁選後の政策対応、財政出動期待が交錯している。


(文末に20日の日本株概況を追記.)
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延広絵美、Isabel Reynolds
2018年9月20日 9:00 JST
地方票は信任投票の側面、石破元幹事長が善戦なら政権運営に影響も
安倍首相「新しい国造り進めたい」、石破氏「国民信じ、真実語る」
自民党は20日午後、党本部で総裁選の投開票を行う。国会議員票で優勢な安倍晋三首相が連続3選する見通し。ただ、党員・党友の地方票は現職総裁への信任投票の側面があり、石破茂元幹事長が善戦すれば今後の政権運営に影響する可能性もある。

  安倍首相は19日、東京・秋葉原駅前での街頭演説で、来年以降は天皇陛下の退位や東京五輪など日本が「大きな歴史の転換点」を迎えることを踏まえ、「新たな国造りを進めていきたい」との決意を示した。石破氏は渋谷駅前で「国民を信じて常に真実を語りたい」と述べ、急速に進む人口減への対応を訴えた。

  総裁選は国会議員票405票と党員・党友による地方票405票の計810票で勝敗を競う。午後1時から国会議員による投票を開始し、午後2時20分頃に地方票と合わせた開票結果を発表する。その後の両院議員総会で正式に新総裁が選出され、夕方以降には記者会見を予定している。

  共同通信が14、15両日の党員・党友を対象にした調査で、安倍首相に投票するとの回答は55.5%で石破氏は34.9%だった。国会議員票では党内7派閥のうち5派閥が首相を支持しており、405票のうち、345票前後を固めているという。
http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/880.html#c1

[経世済民128] 米中貿易戦争第3ステージへ 慌てぬ中国、トランプは勝てるのか(ニューズウィーク) :国際板リンク  赤かぶ
2. 2018年9月20日 13:06:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1522]
アリババ馬会長:米雇用100万人創出の公約、今や貿易戦争の犠牲に
Lulu Yilun Chen
2018年9月20日 10:48 JST
• 馬氏はトランプ大統領との会談で100万人雇用を公約していた
• 不安的な貿易状況によってもはや実行不可能になった−馬氏
アリババ・グループ・ホールディングの共同創設者で会長の馬雲(ジャック・マー)氏は、米国内で100万人の雇用を創出するとの先の自身の公約について、現在の米中貿易戦争によって公約を果たすことが不可能になったと述べた。これにより、世界の2大経済大国間の協力拡大に向けた注目度の高い取り組みが後退を余儀なくされることになる。
  中国国営の新華社通信とのインタビューで馬氏は語った。馬氏は米大統領に約束したことは不安的な貿易状況によってもはや実行不可能になったと述べた。 同氏とトランプ大統領は2017年1月の会談で、米国の中小企業がアリババのプラットフォームに採用されることで雇用がいかに増えるかを協議していた。

馬雲氏
写真家:Andrey Rudakov / Bloomberg
  米中間の貿易摩擦が世界中のビジネスに打撃を与えると警告するなど、馬氏はこの問題について批判をますます強めている。18日には中国の実業界と政界指導部に対し、両国が経済の優位性を競い合う中で貿易摩擦がトランプ政権後も含め20年間続く状況に備えるよう警鐘を鳴らした。
  インタビューで馬氏は「公約は中国と米国が協力的で友好的な関係にあることが前提条件だった。足元の状況によって前提が完全に崩れたため、公約をもはや遂行できない」と語った。
  それと同時に馬氏は二国間貿易関係の健全な発展を後押しする努力を続ける姿勢を示した。また貿易は武器ではなく、戦争に用いることはできないと述べた。
原題:Jack Ma Says Promise to Create U.S. Jobs Now Victim to Trade War(抜粋)
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米中のユニコーン、かなり違う−中国はIPO急ぎ米国は上場を先送り
Venus Feng
2018年9月20日 12:23 JST
• シリコンバレー発のIPOは少なめ−ウーバーなど価値膨張でも
• 非公開でいることで長期的な視点で事業展開を図ることができる
米テクノロジー業界のスタートアップ企業が新規株式公開(IPO)を急がないのとは対象的に、中国ハイテク企業の創業者は資金調達のために競ってIPOの実現にこぎ着けようとしている。
  ブルームバーグ・ビリオネア指数のデータによれば、中国5社のIPOで少なくとも16人がIPOを通じて資産を計480億ドル(約5兆3800億円)に膨らませた。7月9日に上場した中国のスマホメーカー、小米の共同創業者8人がその半分を占め、合わせて265億ドル。その2週間後に米国で上場した電子商取引プラットフォームを手掛ける拼多多の黄錚最高経営責任者(CEO)は99億ドルだ。
Rich Overnight
Chinese entrepreneurs realized $48 billion of paper wealth with IPOs this year
Source: Bloomberg Billionaires Index
*Xiaomi calculation includes cofounder share sales in IPO; *Meituan Dianping has not listed yet as of Sept. 19; *CATL IPO value calculated based on the CNY-USD fx rate on June 8, 2018
  企業価値が10億ドルを超える有望な未公開企業「ユニコーン」について、中国企業はIPOに関して「より機を見るに敏だ」とユニコーン投資商品をオンライン資産運用プラットフォームで提供しているメイシン・グローバルのケビン・ディアオCEOは説明、「2017年末に比較的良い財務実績を達成できれば18年にIPOを目指す。成長が続きバリュエーションを支えることができるかどうか不確かだからだ」と述べた。小米の売上高は17年に前年比67%増えた。16年は2.4%増。
Unicorn Bounty
Stakes held by U.S. tech founders are valued at about $60 billion on paper
Source: Data compiled by EquityZen, a marketplace for shares in pre-IPO technology companies.
  配車サービスのウーバー・テクノロジーズなど米国のユニコーン企業の評価額は大きく膨らんだが、シリコンバレー発の今年のIPOは中国ほど多くない。非公開でいることで長期的な視点で事業展開を図ることができるとともに、株式相場の変動にさらされずに済むことから企業価値の急変も避けられる。こうした未公開の米大手ハイテク企業の創業者らが持つ自社株は総額で少なくとも600億ドルの価値があると評価されている。
原題:China’s Unicorns Race to IPO as Silicon Valley Waits Patiently(抜粋)


 

世界の形変える「一帯一路」−開発の先にあるのは創造か破壊か
Sheridan Prasso
2018年9月20日 10:59 JST
関連の事業を請け負う最大の建設会社が国有の中国交通建設
「ポートシティー・コロンボ」など多くの事業で問題抱える
強引な開発の犠牲となったのがクリストファー・フェルナンドさんだ。インド洋に浮かぶ島国スリランカの西海岸、コロンボの北約20マイル(約32キロメートル)の海辺にある自宅が昨年、突然波に襲われ、台所では流し台しか残らなかった。30年間住んだわらぶき屋根の家が壊れた。


波に襲われたクリストファー・フェルナンドさんの家撮影:Sheridan Prasso
  漁業で生計を立てているフェルナンドさん(55)は「砂の採取で何もかも破壊されつつある」と言う。波はかつて砂を運んでくれたが、今は砂浜を削っている。それほど遠くない海上には浚渫(しゅんせつ)船が見える。ここで集められる砂は中国交通建設(チャイナ・コミュニケーションズ・コンストラクション)が手掛ける「ポートシティー・コロンボ」の基礎工事に使われる。

  中国の習近平国家主席が2013年に提唱した広域経済圏構想「一帯一路」に沿って、シンガポールとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイの中間にあるコロンボに新たな金融ハブの建設を目指し、マリーナや病院、ショッピングモール、集合・戸建て住宅2万1000戸を含めた大規模な都市開発が進められている。

  このプロジェクトは、貿易拡大と経済関係を支えるとともに、中国の権益を世界中で強化するために投じられる推計1兆ドル(約112兆円)に上るインフラ整備計画の一端だ。


「ポートシティー・コロンボ」関連の作業を進める中国交通建設の浚渫船撮影:Atul Loke / Bloomberg
  政府・法人顧客向けに中国の海外投資を調査しているRWRアドバイザリー・グループ(ワシントン)によれば、国有の中国交通建設は一帯一路関連の事業を請け負う最大の建設会社だ。中国交通建設によると、同社は海外100カ国余りで700件のプロジェクトに関与しており、そのポートフォリオの価値は1000億ドルを超える。


  だが同社とその子会社の事業は多くの国で疑念や論争を引き起こしている。フィリピンでは高速道路入札で不正に関わったとされ、09年に世界銀行のブラックリストに掲載された。前政権の汚職疑惑を受けマレーシアは今年、2つの鉄道事業を中止した。オーストラリアでは3月に出された政府調査報告書で、中国交通建設が所有する企業による小児病院建設の監督が行き届かず、水道水が鉛で汚染され、下請け会社によるアスベストを使った建材の利用が指摘された。中国交通建設は同社の過失ではないとしている。


中国交通建設の劉起涛会長出所:Bloomberg TV
  ポートシティー・コロンボも環境問題で批判を浴びているが、中国交通建設を巡る問題はまだまだある。ケニアでの鉄道建設労働者の酷使とバングラデシュでの賄賂に関する疑惑に加え、カナダは5月、安全保障上の理由から同社による建設会社買収を阻止した。南シナ海の領有権が争われている海域で中国が岩礁を埋め立て軍事拠点を築いていることを手助けしているとして、米国の一部議員は中国交通建設に対する制裁を求めている。

  中国交通建設の劉起涛会長は8月、同社の北京本社でブルーバーグテレビジョンのインタビューに答え、同社がプロジェクトを抱える国で政権が交代すると汚職疑惑が取り沙汰されるのはよくあることだと説明した。中国交通建設はビジネスを行っている全ての国で現地の法律と環境規制に従っていると主張。社内ガイドラインの順守も監視していると述べた劉会長だが、同社が南シナ海で何かしているとしても、それについてはコメントしないという。

Building the Belt and Road
Chinese construction company CCCC has infrastructure projects across Asia, Africa, and Latin America


Data compiled by RWR Advisory Group, a Washington-based research firm that tracks Chinese investments abroad based on media reports, corporate disclosures, regulatory filings, and in-country sources. CCCC projects, represented by circles on this map, are sized by dollar value. They include only projects that have been completed or initiated outside China since 2012 for which a project value could be ascertained. In certain cases, these values may reflect awards to groups of companies or joint ventures in which CCCC was a part. Canceled or pending transactions aren't included. As RWR research reflects only what has been publicly reported, errors and omissions are possible.

  劉会長(61)は「そうした種類の腐敗行動は持続可能な会社の発展の助けにならないことをわれわれは承知しており、役人に絡んだ一切の汚職行為を認めていない」と明言。「上場企業として市場の監視にもさらされており、もしそうした腐敗行為があれば、会社は終わりだ」と語った。

  一帯一路については、習主席によって「提案された」もので、「人類の発展に関する懸念に基づき、中国だけでなく欧米の企業など誰であれ参加するよう招かれており、話し合いと協力を通じた利益の共有を目指している」との認識を示した。


「ポートシティー・コロンボ」の工事現場撮影:Atul Loke / Bloomberg
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」誌に掲載)

原題:A Chinese Company Reshaping the World Leaves a Troubled Trail(抜粋)

 

コーン前NEC委員長はウェルズFとの接触否定−次期CEO観測
Hannah Levitt
2018年9月20日 9:50 JST
• 10月で就任後2年のスローンCEOに風当たり強まる
• 株価の出遅れや利益予想下方修正を受け取締役会に対応検討の圧力
ゴールドマン・サックス・グループの元幹部ゲイリー・コーン氏が米銀ウェルズ・ファーゴの次期最高経営責任者(CEO)に就任するとのうわさは、本人が直ちに否定したにもかかわらず、ウォール街で根強くくすぶっている。ホワイトハウスの米国家経済会議(NEC)委員長職を先に退任したコーン氏は今年、ウェルズ・ファーゴから打診を受けたとされている。
  19日付の米紙ニューヨーク・ポストによると、コーン氏は交渉中ではないときっぱり否定し、「絶対にない。記事用の発言としてもらって構わない」と語った。
  同日午後にウェルズ・ファーゴのベッツイー・デューク会長も、「当社取締役会がCEO候補に接触したといううわさは完全に間違っている。ティム・スローンCEOは取締役の全会一致の支持を得ており、この支持は揺るがない」とコメントした。
  ただ、ウォール街の最新のうわさはウェルズ・ファーゴの状態について多くを物語っている。スローンCEOは10月12日で就任後丸2年を迎える。スローン氏は同行の不祥事対応や経営・内部管理の刷新を進め、顧客を適切に取り扱う方針を打ち出して全米各地を回った。しかし、投資家は同行が回復中とはまだ納得していないことが、古典的な投資尺度の多くに示されている。
  株価は出遅れ、アナリストの利益予想下方修正は続いており、不祥事一掃キャンペーンでは数カ月ごとに新たな不正が発覚して世間を騒がせている。こうした状況を受け、取締役会には対応検討を求める圧力が多少なりともかかっているとアナリストらは指摘する。

原題:Gary Cohn Denying Wells Fargo Rumor Signals Pressure on CEO (1)(抜粋)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/523.html#c2

[経世済民128] 首相発言は日銀に福音かリップサービスか、黒田総裁は「粘り強く」 貿易問題を楽観視する市場、日銀総裁は「非常に懸念」と警鐘 うまき
2. 2018年9月20日 13:20:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1523]
GPIFや3共済、保有リスク資産が126.5兆円と過去最高−6月末
野沢茂樹
2018年9月20日 10:09 JST
外国証券の保有額は2四半期ぶりに最高、日本株は過去2番目の規模
国債・財投債は2013年からの売り越し続く−4〜6月の資金循環統計
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や公務員らが加入する共済年金などの公的年金は、6月末時点の外国証券の保有残高が過去最高となった。円安・ドル高の進行が背景にあり、日本株と合わせたリスク性資産は過去最高の126兆5410億円に達した。

  日本銀行が20日公表した資金循環統計によると、公的年金は4−6月期に日本株を2583億円と3四半期連続で買い越した。外国証券は1兆1093億円と17四半期連続の買い越し。6月末の残高は日本株が52兆3302億円と昨年末に次ぐ過去2番目の規模で、外国証券は74兆2108億円と2四半期ぶりに最高を更新した。

  国債・財投債は3791億円の売り越し。売り越しは2013年7−9月期から続いており、6月末の残高は45兆9584億円と03年末以来の水準に減った。

  国債・財投債と国庫短期証券を合わせた「国債等」の6月末残高は1100兆円で、公的年金の保有比率は4.2%。同統計の公的年金には、GPIFや国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、年金特別会計などが含まれる。

4−6月期 6月末
国債・財投債 -3791億円 45兆9584億円
日本株 +2583億円 52兆3302億円
外国証券 +1兆1093億円 74兆2108億円
GPIFの4−6月期の運用状況に関する記事はこちらをご覧ください
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/525.html#c2

[経世済民128] 少子高齢化による労働力不足で始まった日本経済の「黄金時代」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年9月21日 13:19:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1524]

>少子高齢化による労働力不足で始まった日本経済の「黄金時代」

今後も雇用逼迫で労働環境や賃金の改善が期待される点では誤りではないが、

労働力不足と質の低下は、潜在成長率を下げ、企業の競争力を低下させ

特にアジアでの相対的な貧困化を招くことになる


さらに今後の気候・災害リスクや安全保障リスクの巨大化に適応する能力も低下するから

黄金時代といっても、ハゲ易い金メッキだと思った方が良いだろう

 


https://diamond.jp/articles/-/180240
2018年9月21日 岡田兵吾 :マイクロソフト シンガポール アジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長
働き方改革を邪魔する「凝り固まったおじさん」の再生法
働き方改革を邪魔する「凝り固まったおじさん」の改造法
シンガポールのラッフルズホテル前にて、子どもたちの将来に思いを馳せる筆者
「サラリーマンになりたい」
子どもが発した言葉の意味
 個人的なことだが、先日、ちょっと感動する出来事があった。筆者は常日頃から、子どもたちに「大きな夢を持て」「色々なことにチャレンジしろ」と語り、吉田松陰や坂本龍馬やジョン・F・ケネディなど、様々な偉人の生き様を教えてきた。

 ところが先日、子どもがそうした教育の甲斐もなく「大きくなったらサラリーマンになりたい」と言い出したのだ。まだ11歳であるにもかかわらず、現実的すぎる将来の夢に、筆者は密かに落胆してしまった。

 しかし、この夢には理由があった。「パパが楽しそうに働いてるから、パパみたいになりたいんだ」と付け加えたのだ。このときの感動がどれほどのものか、わかってもらえるだろうか。涙で視界が0.7秒ほど見えなくなってしまったほどだ。親が油断していると、時折、こうした感動的な言葉で心を鷲づかみにされてしまうのだから、子どもは本当にすごいと感心してしまう。

 ただし、感動すると同時に筆者はふと心配になった。「パパみたいなサラリーマンになりたい」と言ってくれた子どもが社会人になったとき、日本でもシンガポールのようにワーク・ライフ・バランスが実現できているのかと。

 働き方改革気運の高まりに伴い、日本企業は残業上限規制やフレックスタイム制の見直しなどを推し進めている。しかし、こうしたワーク・ライフ・バランスの実現をネガティブにつぶしにかかろうとする「おじさん」が、企業社会にはいまだ随所に見られる。そして、そんな「おじさん」はあなたの職場にも潜んでいるはずだ。

 ワーク・ライフ・バランスを否定するおじさんがネガティブな意見を言う理由は、「より良い働き方」であっても、現状から変化するのが面倒臭いからに他ならない。「凝り固まった頭のおじさん」は、現状の問題点を棚卸しすることや解決策を見出すことを「大仕事」と感じてしまい、実は発展性の乏しい日々のルーティン業務から抜け出すことを恐れている。

「凝り固まった頭」をおじさんに限定してしまったが、それだけに留まらない。新入社員であっても「一度覚えた仕事のパターンを変えたくない」という人は少なくない。これは、「凝り固まった頭のおじさん」と同じだと言える。最初は仕事にムダを感じたり、抵抗があったりしたはずなのに、一度仕事を覚えてしまうとその状況に安住し、ミイラ取りがミイラになってしまうのだ。

 また「凝り固まったおじさん」たちは、「ワーク・ライフ・バランスなんて言っても実現するのはどだい無理」といった愚痴をこぼすだけで、「では、どうしたら実現できるか」というプランを練ることはない。口を挟んで進行を阻害する一方、代替案も出さないので、目も当てられない「凝り固まり」っぷりである。

ワーク・ライフ・バランスは完璧のはずが…
シンガポールオフィスの「落とし穴」

我が子に語り続けるほどに敬愛する吉田松陰先生を「祭神」とする萩市にて、松陰神社前の筆者
 しかし実は、ワーク・ライフ・バランスが進んでいると述べたシンガポールでも、「完璧なワーク・ライフ・バランスには個人差がある」ということを、最近筆者は思い知った。

 筆者の部署にはテレワークの文化が根付いていて、基本的に出社する必要がないのだが、一部の人が毎日出社していることが、今年になって問題になった。どうもオフィスに顔を出していないと「さぼっていると思われそうで不安になる」という理由で、出社してしまうらしい。

「在宅勤務デー」と決められた金曜日以外は、社員それぞれ出社すべき日が異なるので、出社するかしないかは個人の判断に委ねられている。すると「出社しないと不安な人」は「どちらでも良いなら出社しよう」と考えてしまう。

 しかも、どうやら他部署でも同様のことが起こっているらしく、「このままでは、いつまで経っても一部の人がワーク・ライフ・バランスを実現できない」と危惧した上層部は、オドロキの方法を導入することにした。

 来年のオフィス移転で、「デスクの数を2.5人に1つ」とすることを決めたのだ。

 会社に来ても座る場所がないので、強制的に出社できる日が限られるというわけだ。来年からの「デスク制限」が発表されてから、今まで毎日出社してきた同僚は、最近では「火・水だけ出社する」と言い出すようになった。誰も責めてはいなかったのだが、「出社しなければいけない」という強迫観念から、ようやく解放されたのである。

「凝り固まったおじさん」を救う
あえてバランスをとらない手法
 生粋の「凝り固まったおじさん」は、会社がワーク・ライフ・バランスを強硬に根付かせようとしても、抵抗して実現を阻止しようとするだろう。だが筆者は、変化を受け入れない「凝り固まったおじさん」を、強く責めようとは思わない。

 なぜなら、「凝り固まったおじさん」には得てして「仕事を変化させることでミスが起こったり、お客様への迷惑が生じたりすること」を懸念するがゆえに、動けなくなっている人が多いからだ。決して投げやりなわけではなく、生真面目な日本人気質を体現しているがゆえに、変化できずにいるのである。

 特に「完璧に、ミスなく」と思えば思うほど、変化できなくなるのだが、実は、こうした生真面目気質を楽にしてくれる方法が存在する。

 それは、米フェイスブック会長兼CEOのマーク・ザッカーバーグ氏の実姉で、同社の元マーケッター、ランディ・ザッカーバーグ女史が提唱する「PICK THREE」(3つ選択する)という方法である。

 彼女は日本未発売の著書『Pick Three: You Can Have It All』の中で、ワーク・ライフ・バランスを実現する方法として「バランスを取らない方法」を勧めている。

 そのバランスを取らない方法とは、「1) Work 2) Sleep 3) Fitness 4) Family 5) Friendsの5つのうち、今日やるべき3つを選択する。毎日全部を完璧にこなすのは無理なので、日々はアンバランスに3つだけ選択することで、トータルでバランスをとる」というものだ。

 この「トータルバランスを取るために、日々はアンバランスでいい」という考えは、「凝り固まったおじさん」のワーク・ライフ・バランス観を変化させるヒントになるのではないだろうか。

 日々の業務以外の見直すべき仕事・作業の棚卸しのための作業を、いくつかのグループに分類し、作業を小分けにすることで手を付けやすくする。少しずつ行うことで、変化のスタートアップへの恐怖を軽減させ、日々の仕事の合間に仕事に変革を加えることを可能にさせるのではないだろうか。

筆者が実践した「10%の革命」を
起こすワークショップ
 連載の過去記事「日本人はなぜ働くのも休むのも世界で一番下手なのか?」でも紹介しているが、筆者は所属部門のアジア域内改善チーム 組織・文化改革リーダーとして、社内の働き方改革を行っていたことがある。その際「10%ルール」を意識して社内変革を推進していた。

「10%ルール」とは、米レンセラー大学で「世界をひっくり返すには、どうしたらいいのか」を追求する研究チームが、2011年、「少数意見であっても、社会全体でその数が10%を超えると、一気に広がる可能性がある」と発表した研究結果である。

 もし、あなたの会社の「凝り固まったおじさん」のうち10%の意識を変えることができれば、職場のワーク・ライフ・バランスが大きく変化するのではないだろうか。特に部署内の統制された少人数グループならば、10%の人を巻き込むことも、それほど難しくないのではないだろうか。

 ちなみに、筆者が昔行った啓蒙活動は、「Stop, Start & Continue(SSC)」ワークショップというものだ。各部署のあらゆる活動を「Stop=中止する活動、Start=新しく始めるべき活動、Continue=何が何でも継続すべき活動」に分類して、従来の働き方を見直し、改革したのだ。

「なんだ、それだけか」と思われるかもしれないが、「それだけのこと」が「凝り固まったおじさん」たちは、何年もできずにいるのだ。

「凝り固まる」のをやめて
とりあえず「動いて」みよう

「すべての仕事を3分で終わらせる〜外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術」
岡田兵吾著
定価:本体1400円+税
発売:ダイヤモンド社
 棚卸しは「いつかやろう」と思っていても、「いつか」はやってこないものだが、「今日は社内一斉大掃除」などと誰かに決められると、思わずやってしまうものだ。「ワーク・ライフ・バランスの実現なんてムリ」と諦める前に、「仕事の大掃除」の日をつくってしまったり、朝のラジオ体操のように「短い時間でできる範囲の棚卸し」を小分けにし、週2くらいで予定を入れ込んでしまうのもよいかもしれない。

 少し「凝り固まる」のをやめて「動いてみる」だけでも、大きな変化を得られると筆者は考える。南アフリカ共和国の元大統領、ネルソン・マンデラ氏も、こんな言葉を残している。

It always seems impossible until it is done.
(ものごとは、終わるまでいつも不可能に思える)

「日本でワーク・ライフ・バランスを実現するなんて不可能」と言わんばかりの報道が多く見られるのも問題であるが、1人ひとりの意識が変わっていくことが、変革においては何より重要なはず。私たちのため、そして子どもたちのために、素晴らしいワーク・ライフ・バランスの実現を願っている。

 STAY GOLD!

(マイクロソフト シンガポール アジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長 岡田兵吾)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/534.html#c2

[経世済民128] リーマン危機10年、「低金利で借金に抵抗感ない」 渡辺博史・国際通貨研究所理事長(SankeiBiz) 赤かぶ
1. 2018年9月21日 13:37:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1525]

どうもこの人は金融経済が、あまりわかっていないようだが

>政治家は国民に『税金を払え』という元気がなくなり、『お金を借りれる間はひたすら借りまくろう』という発想になりやすい。国民に辛いことを言える良識と基盤を持った政治家が必要
>債務をゼロにする必要はない。しかし少なくとも債務残高対GDP(国内総生産)比を増やさないように

政府と民間(家計、企業)の債務と資産は等しい

また、日本では将来不安とデフレ恐怖で、家計は黒字を維持(金融資産拡大)し、企業は債務を減らしている状況だから

よほど増税しない限り、政府が負債を増やす構造は変わらないし、PB黒字にするほどの巨額の増税(法人税率、所得税率2倍、消費税率30%など)をすれば、

景気は劇的に悪化し、膨大な失業者と貧困が発生する

つまり、GDPを維持し、雇用の悪化を防ぐためには、

現状の緩和的な金融政策と、拡張気味の財政政策を維持しながら

インフレによる実質資産課税を行うしか選択肢はないということになる


もちろん、構造改革(規制効率化、社会保障効率化など生産性と消費効率の向上)は常に必要なのは言うまでもない



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/533.html#c1

[経世済民128] 安倍政権と物価2%、社会変化への「おびえ」が高い壁に 金融緩和批判に潜む「懸念の水増し」の矛盾 うまき
1. 2018年9月21日 18:14:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1526]
日銀が超長期債の買い入れ減額、40年債利回りは昨年11月以来の高水準
野沢茂樹
2018年9月21日 11:54 JST
残存期間25年超を600億円から500億円に減額、他ゾーンは据え置き
意図的に金利を上げようとしていると捉えられかねない−SBI証
日本銀行は21日、金融緩和策の実施手段の1つである超長期国債の買い入れ規模を縮小した。市場では緩やかな金利上昇を促す狙いがあるのではないかといった見方が出ている。

  日銀は午前10時10分の金融調節で、残存期間が25年を超える国債の買い入れ金額を前回までの600億円から100億円少ない500億円にすると通知した。同ゾーンの減額は日銀が国債買い入れの「弾力化」を決める前の7月19日以来。一方、同時に通知した残存1年超3年以下と3年超5年以下、10年超25年以下は前回と同じ金額とした。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、金利が下がっているような環境ではない中での減額なので、意図的に金利を上げようとしていると捉えられかねないと指摘。きょうは20年債入札の翌日とあって、40年債入札がある来週も残存10年超25年以下の減額があるのではないかとの見方は出てくるだろうと述べた。

  日銀のオペ通知を受け、新発40年国債利回りは1.025%と昨年11月以来の水準に上昇。新発30年債も昨年10月以来で初めて0.885%を付けた。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは0.125%と日銀の政策修正直後に当たる8月3日以来の高水準を付けた。

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LIBOR上昇、2営業日で3月以来の大きさ−米利上げ期待反映
Alexandra Harris
2018年9月21日 13:54 JST
• 9月と12月の年内2回の米利上げ見通しを反映する動き
• FF金利先物は年内46bp前後の利上げを織り込んでいる
ドル建て3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が2営業日連続で上昇し、今年5月4日以来の高水準に達した。米連邦準備制度による利上げ見通しの高まりが、LIBORの動きにも反映された格好だ。
  20日発表のドル建て3カ月物LIBORは前日比1.3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、2.3664%となった。9月と12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の25bp引き上げがそれぞれ決定されるという確信が短期金利市場でますます高まり、LIBORの上昇は2営業日としては3月以来の大きさとなった。
  シカゴの先物オプションブローカー、アンブロシノ・ブラザーズのシニアバイスプレジデント、トッド・コルビン氏はLIBORの上昇について、「恐らくキャッチアップ(追い付く動き)であり、なお若干上げ余地がある」との見方を示した。
  FF金利先物は、来週のFOMCでの利上げを完全に織り込み、年末までの期間については46bp前後(2週間前は41bp前後)の利上げ見通しを反映している。

原題:Libor Spike Suggests Benchmark Catching Up With Rising Fed Odds(抜粋)


 

中国の目標は達成不可能か−減税と支出増、赤字削減は同時実現できず
Bloomberg News
2018年9月21日 16:41 JST
• 今年は減税と支出拡大、財政赤字削減を一気に狙う−矛盾も浮き彫り
• 18年の財政赤字目標を達成しても来年に反動の恐れ
中国政府は不都合な真実に直面している。減税と支出拡大、財政赤字の削減を今年達成しようとしているが、3つを同時に実現することはできない。
  景気減速に対米貿易戦争が加わり、中国政府の目標を巡る矛盾が浮き彫りとなっている。不十分な減税や社会保障負担の拡大で消費者の購買力への下押し圧力も強まっている。
  李克強首相は20日、中国政府がこの状況を注視していると表明。今年後半の税収が比較的大きく減少すると政府はみている。追加減税や社会保障負担の軽減も計画していると李首相は話した。
  同首相が指摘するように、一連の施策で消費は促されるはずだが、財政赤字の削減目標の達成を後押しするものではない。財政赤字は中国当局が目標として今年厳しめに設定した対国内総生産(GDP)比2.6%を満たす見込みだが、その反動が来年に表面化する可能性はある。
  ゴールドマン・サックス・グループの本土合弁パートナー、北京高華証券の中国担当チーフエコノミスト、宋宇氏は「財政赤字を調整せずに減税と政府支出の拡大維持を実現することは不可能だ」と指摘。支出を大幅に減らさないとすれば、減税に向けた有効な手立ては財政赤字の拡大だけであり、中国政府はその点について明確にする必要があるとコメントした。
Taxes Grow Faster Than Economy

Source: National Bureau of Statistics, Bloomberg Calculations
Note: Revenue data shows year-on-year change in quarterly revenue.
原題:China Is Hitting Reality Now on ‘Impossible’ Tax, Deficit Goals(抜粋)
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米が全面的な対中貿易戦争に踏み切る確率、60%に上げ−ゴールドマン
Ye Xie
2018年9月21日 10:40 JST
2000億ドル相当の関税発動直後に、新たな関税発表の可能性も
米中両国が全面対決の場合、市場に全く影響なしと想像するのは困難
関税合戦を繰り広げる米国と中国はこれまで一定の自制の兆しを示してきたが、近いうちに解決に至るとする見方はほとんどない。

  一例を挙げれば、ゴールドマン・サックスは、トランプ米大統領が中国に対し全面的な対決に踏み切り、さらに2670億ドル(約30兆400億円)相当の中国製品輸入の全てもしくは大半に追加関税を賦課する確率を55%から60%に引き上げた。

  ゴールドマンのアナリストであるアレック・フィリップス、ブレーク・テーラー両氏は、24日に2000億ドル相当の対中関税が発動された直後にも、新たな関税の発表があるかもしれないと指摘した。

  これまでのところ、米経済や企業利益に米中貿易摩擦の影響がほとんど見られないため、米国の投資家が通商懸念を無視するようにしてきたのも理解できる。

  だが、世界1位と2位の経済大国同士が全面対決することになれば、それでも市場に全く影響がないと想像するのは困難だ。

原題:Goldman Sees 60% Probability of Trump All In on Trade War(抜粋)

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FOMC、リセッション懸念を否定か−ドイツ銀エコノミスト
Steve Matthews
2018年9月21日 13:06 JST
• 米金融当局者は26日に最新の経済予測を公表する
• 当局が軟着陸を達成する可能性はそこそこある−フーパー氏ら
米経済が2020年までにリセッション(景気後退)に陥るかもしれないとの懸念が投資家の間で深まる中、米金融当局は来週開く連邦公開市場委員会(FOMC)後の発表で、丸9年が経過した現行の景気拡大局面があと数年続くとの見通しを示すと見込まれている。
  FOMCは25、26両日の会合後に経済成長率やインフレ率、政策金利の誘導目標などについて当局者の最新経済予測を公表する。今回の予測では21年の見通しが初めて示される。ピーター・フーパー氏率いるドイツ銀行のエコノミストは20日のリポートで、FOMCが景気鈍化の可能性を指摘しつつもマイナス成長を予想することはなさそうだとの見方を示した。
  フーパー氏らは「リセッションを引き起こさずに、失業率を自然失業率の水準に押し戻すという、下方からのソフトランディング(軟着陸)を米金融当局がこれまでに達成できたことはない」と論評。「当社としては20年の景気鈍化を予想しつつ、『今回は違う』と宣言する覚悟で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる当局が歴史的ソフトランディングを成し遂げる可能性はそこそこあると見込んでいる」と記した。
  セントルイス連銀のブラード総裁やアトランタ連銀のボスティック総裁らは、イールドカーブ(利回り曲線)の長短逆転がリセッションの前触れとなってきたとして、逆イールドが起きて景気悪化のシグナルとなる可能性に懸念を表明している。

  米金融当局者は6月の前回予測で、景気拡大ペースの減速に向けて政策金利の誘導目標を20年に3.4%まで引き上げるとの予想を示した。これは当局者が長期的な中立金利と見なす中央値推計を0.5ポイントほど上回る水準だ。
  ソフトランディングは景気鈍化とともに金利の小幅な低下を意味すると考えられる。このためドイツ銀のエコノミストは、当局者が21年の予測について同誘導目標の見通しを3.4%から引き下げるかどうか関心があるとしている。
原題:Fed Likely to Push Aside Recession Worry in Unveiling 2021 View(抜粋)
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アジアは貿易戦争と金利上昇に耐えられる−通貨危機で設立のAMRO
Enda Curran
2018年9月21日 11:11 JST
AMROはASEANプラス3のチェンマイ・イニシアチブ監視部門
新興市場の混乱続くため、監視を強め各国当局と緊密に連絡−コー氏
アジア各国は金利上昇や限定的な米中貿易戦争に対処できると、約20年前のアジア通貨危機を受けて設立されたチェンマイ・イニシアチブのシミュレーションが示した。ただ、新興市場の混乱が続いているため、域内状況を一段と注視しているという。

  チェンマイ・イニシアチブはアジアで短期流動性の危機が起きた際、域内で融通し合える資金をプールした2400億ドル(約27兆円)規模の枠組みで、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国が参加する。ここから資金を引き出した国はまだない。

  同イニシアチブがシンガポールに置く調査・監視部門、ASEANプラス3・マクロ経済調査事務局(AMRO)のチーフ・エコノミスト、コー・ホーイー氏はインタビューで、「域内でのリスク上昇を踏まえて、AMROは域内動向の監視を強め各国当局と緊密に連絡している」と言明。その上で、アジアの新興国経済は概して土台がより強固になっており、ショックに耐えられると述べた。

  同氏はまた、アジアの新興市場経済は米金利正常化に伴うリスク回避で資本流出が加速し為替ボラティリティーが高まる可能性のほか、激化する米中通商対立リスクも抱えると指摘。AMROが限定的な米中貿易戦争と域内への影響をシミュレーションし、アジアで金利が急騰した場合の影響を分析したところ、比較的健全なアジア経済はショックによる悪影響が限られるとの見方を確認する結果が出たと付け加えた。

原題:Asia’s Emergency Cash Buffer Remains Intact If Needed(抜粋)


 

香港ドル、対米ドルで03年以来の大幅高−金利上昇観測が後押し
Tian Chen
2018年9月21日 11:27 JST 更新日時 2018年9月21日 16:27 JST
• 一時0.63%高の7.7930香港ドル−許容変動幅の中間を突破
• トレーダーらは金利が上昇し続けるとの考えに至ったか−DBS香港
香港ドルは21日、米ドルに対して15年ぶりの大幅上昇となっている。アナリストは香港の金利上昇見通しやストップロスなどが引き金となった可能性を指摘した。
  香港ドルは一時0.63%高の1米ドル=7.7930香港ドル。米ドルとのペッグ(連動)制の許容変動幅の中間水準を突破した。

  香港ドルの3カ月物香港銀行間取引金利(HIBOR)はこの日、2.12518%と10年ぶりの高水準まで上昇。香港ドルをショート(売り持ち)にする取引の妙味は下がっている。
  域内銀行は香港ドルの定期預金金利を改定しており、HSBCホールディングスが19日に3カ月−1年物の金利を10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げたと、香港経済日報が報じた。金融機関は06年以降、住宅ローン金利に影響するプライムレートを引き上げていないが、特に来週の米追加利上げが見込まれる中でその可能性は高まりつつある。
  DBS香港の国債・市場担当マネジングディレクター、トミー・オン氏は「香港ドルの急上昇は非常に妙だ」と説明。「トレーダーらは金利が今後も上昇し続けるとの考えに至り、一部が香港ドルをショートとするキャリー取引を巻き戻し、それがストップロスを誘発して通貨高に拍車が掛かった可能性がある」とコメントした。
原題:Hong Kong Dollar Jumps Most Since 2003 as Liquidity Tightens(抜粋)
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ロンドン外為:ポンド2カ月ぶり高値から下落−EU首脳会議成果なし
Charlotte Ryan
2018年9月21日 17:12 JST
21日のロンドン外国為替市場で、英ポンドが下落。前日まで2日間開かれた欧州連合(EU)首脳会議で加盟国首脳はメイ英首相のEU離脱案をきっぱりと拒絶し、合意成立のための時間はなくなりつつあると警告した。
  現地時間午前8時44分(日本時間午後4時44分)現在、ポンドは0.4%下落して1ポンド=1.3217ドル。週初の水準からは上げているが、上昇率は1.1%に縮まった。20日には1.3298ドルと、7月10日以来の高値を付けていた。対ユーロではこの日、0.3%下落して1ユーロ=89.07ペンス。週初来では0.2%安。

原題:Pound Slips From 2-Month High After EU Rejects May’s Brexit Plan(抜粋)
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スルガ銀株が19%のストップ高、創業家が保有株売却との報道で
谷口崇子
2018年9月21日 9:48 JST 更新日時 2018年9月21日 16:05 JST
• 1999年11月以来18年10カ月ぶり上昇率
• 再生シナリオの実現性高まるも行政処分を見守る−アナリスト
スルガ銀行の株価が21日急反発、前日比100円(19%)高の620円と値幅制限いっぱいまで買われて取引を終えた。1999年11月以来18年10カ月ぶりの上昇率。専門家は、創業家が関連企業などを通じて保有する約15%の株式について売却を検討していると報じられたことを市場が好感したと分析。再生シナリオの実現性が高まったとしている。
  21日付日経新聞は、創業家が保有する全ての株式を売却し、借り入れを返済する意向だと報じた。創業家出身の岡野光喜前会長は、シェアハウス不正融資問題で引責辞任したが、資本面でも関与をなくすことでガバナンス(企業統治)の立て直しを急ぐとしている。
  同行が7日に開いた会見で有国三知男社長は、創業家の保有株について「どうするかは前会長の判断だ」としていた。
  JPモルガン証券の西原里江シニアアナリストは21日付リポートで、報道が事実なら「再生シナリオの蓋然性が高まる。株価はそうした方向性を好感したのだろう」と指摘。一方、「シナリオが実現するか見極めるのは時期尚早で、今後発表される行政処分で新たな不祥事が明らかになる可能性もある」とし、投資判断アンダーウェートを継続するとした。
(第1、4段落で株価を更新し、アナリストの見方を追加します.)
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豪州の格付け見通し「安定的」に引き上げ、財政黒字化を予想−S&P
Chris Bourke
2018年9月21日 12:54 JST
従来見通し「弱含み」−現行格付けは最上級の「AAA」
2020年代の早い時期の財政黒字回復を見込む
格付け会社S&Pグローバル・レーティングは21日、オーストラリアの格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」から「安定的」に引き上げた。同国が2020年代の早い時期に財政黒字を回復すると予想している。現行格付けは最上級の「AAA」。

  S&Pは発表資料で、「力強い労働市場と比較的堅調な商品価格に支出抑制が加わり、底堅い歳入の伸びを支えると予想している」と説明。「不動産価格の秩序立った巻き戻しが続き、そうした鈍化によって個人消費や金融システムの資産の質が大きく圧迫されることはないだろう」と予想した。

  S&Pは2016年7月以来、豪州の格付け見通しを弱含みとしていた。

原題:S&P Lifts Australia’s AAA Outlook on Budget, Housing Confidence(抜粋)


 


ヘッジファンド、一番人気はマクロ戦略ー成績不振ながら1.7兆円流入
Krista Gmelich
2018年9月21日 14:26 JST
ヘッジファンドの中で今年投資家の人気が一番高いのはマクロ戦略だ。同戦略のファンドには8月末までに150億ドル(約1兆7000億円)余りが流入した。

  イーベストメントの20日のリポートによると、8月の純流入額は35億ドル。昨年は通年で94億ドルが流入した。

  イーベストメントの別のリポートによればマクロ戦略ファンドの1−8月の平均成績はマイナス0.8%と他の戦略に後れを取っているが、チューダー・インベストメントやエレメント・キャピタル・マネジメントといった著名ファンドの活躍によって、投資家を引き付けている。金利上昇、地政学的リスク、ボラティリティー上昇とマクロトレーダーに収益機会を提供する環境もそろっている。

  投資家向け文書によると、チューダーの1−8月成績はプラス8.7%だった。

戦略
2018年資金動向
マクロ 152億ドル
市場ニュートラル・エクイティ 117億ドル
マルチ戦略 (78億ドル)
マネージドフューチャーズ (89億ドル)
注:()は純流出

原題:Macro Managers Pull in $15 Billion in Year, Leading Hedge Funds(抜粋)

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【日本株週間展望】続伸、出遅れ修正急で年初来高値も−FOMC注視
長谷川敏郎
2018年9月21日 16:13 JST
米金融当局は利上げ実施へ、日米で通商交渉や首脳会談が開催予定
TOPIXや日経平均PERは13−15倍台、米国株を下回る
9月4週(25ー28日)の日本株は続伸し、市場では日経平均株価が8カ月ぶりに年初来高値を更新するとの見方が出ている。通商問題への過度な警戒が薄れる中、米国株は最高値を更新し、出遅れ感や割安感の強い日本株再評価の流れが続く。米国の金融政策や日米首脳会談は注目材料だ。


市中株価ボード前の歩行者Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  米国では25−26日に金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)があり、経済指標は26日に8月の新築住宅販売、27日に中古住宅販売や耐久財受注が発表される。

  ブルームバーグの事前調査によると、米連邦準備制度理事会(FRB)は今回のFOMCで利上げを行う見込み。通商関連のスケジュールは24日に米中追加関税の発動、25日に日本と米国の通商交渉が予定されている。週内には自民党総裁選で3選を果たした安倍晋三首相が訪米し、日米首脳会談が開かれる見通しだ。

  国内では、28日に8月の鉱工業生産が公表予定。ブルームバーグ・データで日本株のバリュエーションをみると、向こう1年の予想PERはTOPIX13.5倍、日経平均15.9倍。最高値を更新中の米S&P500種株価指数の16.9倍を下回っている。第3週の日経平均は週間で3.4%高の2万3869円93銭と大幅続伸、1月23日に付けた終値ベースの年初来高値(2万4124円15銭)が接近している。

<市場関係者の見方>
●三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージャー
  「日経平均は2万4000円台の年初来高値を試しそうだ。米中貿易に対する不透明感がいったんピークを過ぎ、米国株の独り勝ち状況から日本株や新興国株などの出遅れ修正が起こっている。自民党総裁選での安倍首相3選で政治が安定する中、日本の企業業績は悪くなく、投資家の目が日本株の割安感に向けられている。米長期金利は利上げに向け上昇してきており、今月の米利上げでいったん上昇基調は一服、米国株が横ばう中で新興国や日本株への資金シフトが起ころう。ただ、原油価格上昇から長期金利が5月の3.1%を上回ってくると、米国株が弱含む可能性がある」

●アストマックス投信投資顧問の山田拓也執行役員
  「米国の堅調な経済が確認され、為替の安定から日経平均が年初来高値にトライする勢いが続こう。日本株はスピード違反的な上昇ペースのため、調整をこなしながら米国株の上昇を追いかけ、高値を目指す。一方、日米通商協議で米国側の強硬姿勢や米利上げピッチの変調などは警戒される。米国は中国やカナダとの交渉が長引き、代わりに日本から何か成果を得ようとすることが考えられる。特に自動車は貿易赤字の一番の象徴で、ターゲットになりやすい。今回のFOMCで米国の利上げは確実、日米金利差で為替が一気に円高に向くリスクは小さい。半面、米景気が強過ぎるとして、利上げが早まるようなアナウンスが出る可能性には注意したい」


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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/541.html#c1

[経世済民128] リーマン破綻10年、霧晴れぬ「危機発生メカニズム」 リーマン危機が招いた「中国バブル」、歴史は繰り返すか うまき
1. 2018年9月21日 18:22:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1527]
 
アングル:不正操作疑惑の恐怖指数、AIなど改善策導入へ
 

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米ボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)が不正操作に弱いとの批判に応えるため、米シカゴ・オプション取引所(CBOE)の運営会社CBOEグローバル・マーケッツ(CBOE.Z)が人工知能(AI)の導入を含めた複数の改善措置を進めている。

今年2月には、VIXの不正操作が複雑なデリバティブの波乱を招いたとの批判が出た。

●VIXとは

米S&P総合500種株価指数.SPXのオプション取引に基づき、米国株の30日間の予想ボラティリティーを示す指数。先物やオプションなどVIXの派生商品は毎月第3、もしくは第4水曜日に期落ちを迎え、最終的な清算価格はVIXの月次清算によって決まる。

清算価格は一連のS&Pオプションの取引始値を使って算出される。算出対象のオプションの中に始値がついていないものがあった場合には、そのオプションの売りと買いの呼び値の平均を使う。

●どんな批判が出ているのか

誰かが作為的に対象オプションの価格を引き上げるなどして清算価格を操作できる可能性は、以前から議論されてきた。

昨年5月にテキサス大経営大学院の学者らが論文で、VIXの清算時にS&P500種オプションの出来高が急増していると指摘して以来、こうした疑念の信ぴょう性が高まった。

論文はこの現象について、相場操縦以外の可能性も排除しないとしつつも、総合的証拠に照らすと相場操縦が疑われると結論付けている。

論文の発表以来、相場操縦により損失を被ったとするトレーダーからの訴訟は10件を超えた。訴訟はおおむね、複数の関係者がVIX清算価格を動かす意図でS&Pオプションの注文を入れたと主張している。

●CBOEの対応

CBOEは、清算の前後にS&P500オプションの出来高が急増することについて、必ずしも相場操縦を意味しないと主張する。

期落ちが迫ったVIX派生商品を保有するトレーダーが、ボラティリティを予想する取引の手段をVIX商品からS&P500オプションに乗り換える動きによって、出来高急増が説明できる可能性があるという。

CBOEは流動性を高めるため、清算時の入札に参加できる業者の数を増やした。

ここ数カ月は入札が波乱なく進んだため、懸念はやや和らいだが、投資家は今後とも清算の様子を見守る構えだ。

●VIXは改善の必要があるか

一部の市場参加者からは、流動性を高めたり、清算入札の監視を強めるだけでは不十分との声も出ている。CBOE自体がVIXの仕組みを変更する必要性が指摘されている。

Cboe Global Markets Inc
107.18
CBOE.ZBATS STOCK EXCHANGE
+0.24(+0.22%)
CBOE.Z
CBOE.Z.SPX
こうした市場参加者によると、VIXは、市場実勢に近い価格で取引されているオプションだけでなく、幅広いオプションに基づいて算出されるため、操作されやすい。S&Pオプションのうち、通常であれば不人気で取引されないような特定の商品を大量に買うだけで、清算価格に影響を及ぼせるという。

(Saqib Iqbal Ahmed記者 John McCrank記者) 

 

来週は騰勢一服、FOMCや日米首脳会談などを見極め 

[東京 21日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、騰勢一服となりそうだ。米株高や新興国市場の落ち着きを背景とするリスクオン地合いが一変する可能性は低いが、日本株は直近の上昇ピッチが速く利益確定売りも出やすい。米連邦公開市場委員会(FOMC)や日米首脳会談などの重要日程をこなしつつ、次の上昇に備えた値固めの期間になると予想される。

日経平均の予想レンジは2万3400―2万4200円。

最高値圏で推移する米国株に支えられ、日経平均はわずか2週間で1500円を超す上げ幅を記録。節目の2万4000円が目前に迫っている。自民党総裁選後の政策期待や米中貿易摩擦を巡る緊張緩和などもあり、楽観的なムードが広がっているが、短期的な過熱感は強い。市場では「米金利上昇でも新興国通貨が上昇ようなリスクオン地合いであり、投資環境は悪くないが、米国による新たな対中関税の可能性や今後の政治イベントを考えると日経平均が2万4000円を大きく超えるのは容易ではない」(野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジストの澤田麻希氏)との見方が出ている。

25日には9月期末の配当権利付き最終売買日、26日は権利落ちを迎える。TOPIXなどのベンチマークと運用成績を連動させたい機関投資家は、受け取りが見込まれる配当分を25日大引けか26日寄り付き近辺に再投資する必要があり、今回は総額5000億円を超えるとの市場観測もある。日経平均の権利落ち分155―160円(市場推計)を埋め切ることも予想されるが、足元の株高は需給イベントと配当権利取りを見込んだ買いも多いとみられる。権利落ち後の反動安には注意が必要だ。

注目スケジュールは、25―26日のFOMCと日米首脳会談などの政治イベント。FOMCでの米利上げ決定は既定路線であり、焦点は今後の金利上昇ペースになるが、利上げ継続でも米経済は強いとの見方が広がれば、株式市場への追い風になる。

24日に日米通商協議(FFR)、26日に日米首脳会談と重要日程が続く。「トランプ氏が日本に対中国のような強硬な姿勢を示すことはなさそう。少なくとも為替にまで言及するとは考えにくく、過度な円高懸念は想定していない」(三井住友アセットマネジメント シニアストラテジストの市川雅浩氏)との声もある。円相場が落ち着いた水準を維持すれば、日本株の調整局面も限定的とみられる。

株式マーケットチーム

ビジネス2018年9月21日 / 15:47 / 2時間前更新
日経平均は6日続伸、中国株高・円安など支え 一時300円近い上げ
2 分で読む

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は6日続伸した。前日の米国株市場でダウが最高値を付けたことで投資家心理が好転。朝方から買いが先行した。後場は中国株の上昇や為替の円安推移などを横目に一段高となり、上げ幅を300円近くまで拡大する場面もあった。

TOPIXも6日続伸。セクター別では33業種中、医薬品、金属製品、その他製品を除く30業種が上昇。石油・石炭製品、海運、保険、鉄鋼などが値上がり率上位となった。

米中貿易戦争への過度な警戒感が後退。安倍晋三首相の自民党総裁選勝利による政局の安定や経済対策への期待などが買い安心材料になったという。日経平均は一時2万4000円近くまで上昇した。ただ、3連休を前に利益確定売りも入りやすく、大引けにかけて上げ幅を縮小した。

来週以降、日米の通商協議や首脳会談、米連邦公開市場委員会(FOMC)などを控えている。首脳会談については「トランプ米大統領が無理難題を吹っかけてくる可能性は十分ある。リスクシナリオも念頭においておきたい」(アイザワ証券の日本株ストラテジスト、清水三津雄氏)との声も出ていた。

個別銘柄ではスルガ銀行(8358.T)が大幅反発し、ストップ高比例配分。前日、創業家が保有株式の売却を検討していることが報じられ、ガバナンス改善を期待した買いが先行した。Ubicomホールディングス(3937.T)も一時ストップ高となり、年初来高値を更新した。20日、生体認証による本人認証、決済サービスを手掛けるLiquid(東京都千代田区)と資本業務提携すると発表し、材料視された。

東証1部に新規上場したイーエムネットジャパン(7036.T)の初値は7000円で、公開価格の2.3倍となった。初値を付けた後、一時8070円まで上値を伸ばした。

東証1部の騰落数は、値上がり1591銘柄に対し、値下がりが456銘柄、変わらずが63銘柄だった。

日経平均.N225

終値      23869.93 +195.00

寄り付き    23848.63

安値/高値   23764.05─23971.41

TOPIX.TOPX

終値       1804.02 +16.42

寄り付き     1798.77

安値/高値    1795.31─1807.67

東証出来高(万株) 207835

東証売買代金(億円) 39626.66

Suruga Bank Ltd
620.0
8358.TTOKYO STOCK EXCHANGE
+100.00(+19.23%)
8358.T
8358.T3937.T.N225.TOPX

ビジネス2018年9月21日 / 15:42 / 2時間前更新
ドル112円後半、日中などアジア株高でリスクオン
2 分で読む

[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の112円後半。前日112円半ばの壁を上抜けたことで上昇に弾みがついたものの、リスクオンの環境下でドルと円が同時に売られているため、クロス円の上昇幅に比べてドル/円の上昇は限られた。とはいえ目線は上向きで113円台が視野に入ってきた。

ドルは午前9時台の112円半ばから徐々に上値を伸ばした。仲値付近では実需のドル買いも見られた。日本やアジア市場での株高がリスクオンのセンチメントを強めた。

「日経平均の一段高や中国株の持ち直しで、リスクオン相場になっている。リスクオン相場で売られやすいドルと円が同時に売られているが、今のところ円のほうがより激しく売られ、主要通貨では最弱通貨となっている」(外為アナリスト)という。

クロス円での円売りも顕著で、ユーロ/円は前日の安値130.92円から132.93円まで約2円幅で上昇、英ポンド/円は前日の安値147.33円から149.71円まで2円超上昇した。

一方、ドル/円は前日の安値112.04円から今日の高値112.80円まで0.8円程度の伸びに留まり「円も弱いが、ドルも決して強くないことが分かる」(同上)という。

午後3時時点のドル指数.DXYは93.916付近とと前日の高値94.563から下落している。

豪ドルAUD=D3は0.7294米ドル付近と約3週間ぶりの高値圏。格付け会社による見通し変更が支援材料となり、今週1週間の上げ幅は約1年ぶりの大きさになると予想される。

格付け会社S&Pグローバル・レーティングは21日、オーストラリアのソブリン格付けを「AAA」に据え置き、見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。財政見通しの改善が理由。

市場では「(S&Pの発表が)やや唐突な印象があるため、豪ドルは買われたものの、反応は今一つだった」(国内銀)との声が出ていた。

市場では、来週行われる日米通商協議や首脳会談の行方が注目を集めている。

茂木敏充経済再生担当相はきょうの閣議後会見で、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との日米通商協議(FFR)を、24日にニューヨークで行うと発表した。 菅義偉官房長官は、安倍首相が23日夕にトランプ米大統領との夕食会に出席し、26日に首脳会談を行うことを明らかにした。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 112.76/78 1.1783/87 132.89/93

午前9時現在 112.48/50 1.1773/77 132.46/50

NY午後5時 112.48/51 1.1775/78 132.46/50

為替マーケットチーム 


 

日本株は6日続伸、米統計堅調と通商懸念薄れる−景気敏感、金融上げ
河元伸吾
2018年9月21日 8:01 JST 更新日時 2018年9月21日 15:51 JST
• TOPIXは4カ月ぶり高値、日経平均は8カ月ぶり高水準に
• 米景気先行指数111.2と前月比上昇、中国は関税影響軽減を検討

An employee works at the Tokyo Stock Exchange (TSE).
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
21日の東京株式相場は6営業日続伸。米国の景気先行指数の上昇が好感され、中国の関税政策柔軟化の検討で米中貿易摩擦に対する懸念も和らいだ。鉄鋼や非鉄金属など素材株、海運や石油など資源株、機械株といった景気敏感セクターを中心に保険、銀行株など金融セクターが高い。
  TOPIXの終値は前日比16.42ポイント(0.9%)高の1804.02と5月22日以来、4カ月ぶりの高値。日経平均株価は195円(0.8%)高の2万3869円93銭と1月24日以来、8カ月ぶりの高値を付けた。
  アストマックス投信投資顧問の山田拓也執行役員は、「景気堅調の米国株が最高値を更新する中、為替の円安推移と業績期待の高まりを背景に日本株の出遅れ感を解消する動きが出ている」と指摘。米中貿易摩擦の悲観度合いが収まりつつある中、「為替が2カ月ぶりの水準まで円安が進んだことが一つの追い風。中国上海株のしっかりとした動きも安心感につながった」と言う。
  米民間調査機関コンファレンス・ボードが20日に発表した8月の米景気先行指標総合指数は111.2と前月の110.8から上昇、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は22.92と市場予想の18.0から上振れた。先週の週間新規失業保険申請件数は市場予想の21万件を下回り、前週比3000件減の20万1000件。
  一方、中国商務省の高峰報道官は会見で、中国が米国による直近の関税措置の影響を軽減する措置を検討していると明らかにした。影響を受ける企業の約半数が中国に拠点を置く外国企業になるだろう、としている。
  20日の米国株は、S&P500種株価指数が0.8%高の2930.75と最高値を更新。きょうのドル・円は一時1ドル=112円80銭台と前日の日本株終値時点112円15銭からドルが強含み、2カ月ぶりの円安水準に振れた。大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは、「貿易摩擦を意識しつつも、ファンダメンタルズに目を向けると米国の実体経済の強さが確認でき、景気敏感の側面を持つ日本株にはプラス」とみている。関税措置を巡る中国の動きもトランプ米大統領の中間選挙に向けた成果につながり、「米国に少し余裕が生まれ、日米通商協議でも姿勢が和らぐ可能性が出てきた」と言う。日米通商協議は米ニューヨークで24日から再開される予定。
  米国の経済統計や株式市場の堅調を好感し、週末の日本株は上昇して開始。日本銀行が残存25年超の国債買い入れ額を前回の600億円から500億円に減額する材料もあり、午前はやや上値の重い展開となった。午後は円安進行、中国上海総合指数の大幅上昇からリスク資産選好の動きが強まり、日経平均は一時296円高の2万3971円と2万4000に迫る勢いを見せた。
• 東証1部33業種は石油・石炭製品、海運、保険、鉄鋼、非鉄金属、その他金融、機械、銀行、鉱業など30業種が上昇、下落はその他製品や金属製品、医薬品の3業種
• 売買代金上位では、創業家が保有株売却を検討と日本経済新聞が報じたスルガ銀行が急騰、大和証券が高炉セクターの投資判断「強気」を維持し、JFEホールディングスも高い、コマツや東海カーボン、JXTGホールディングス、安川電機も買われた
• 半面、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を下げた花王、クレディ・スイス証券が弱気判断に下げたTOTOは安い、ソニーやアステラス製薬も軟調
• 東証1部の売買高は20億7835万株、売買代金は3兆9627億円とそれぞれ前日から24%、33%増え5月31日以来、約4カ月ぶりの多さ、きょうの大引け時はFTSE全世界株指数のリバランスの影響があった、値上がり銘柄数は1591、値下がりは456

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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/540.html#c1

[経世済民128] 18年全国基準地価は+0.1%、27年ぶりプラス転換 商業地の上昇加速 日本株は続伸、米の対中追加関税発動は経済に配慮 うまき
5. 2018年9月21日 18:26:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1528]
広がる「圏内格差」、都市部でも明暗 投資マネーは選別色
経済
2018/9/19 1:30
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 2018年の基準地価は、各地の中核都市や観光地を抱える地域が訪日客の恩恵や緩和マネーの需要を受けて上昇した。一方、同じ都道府県内でも交通の利便性が低かったり高齢化が進んだりしている地域では下落が続く。投資マネーも選別色を強めており、「圏内格差」が広がっている。

 東京圏(東京および神奈川、埼玉、千葉、茨城の一部)の住宅地は前年比1.0%プラスだった。上昇率が1%台に乗るのは08年(1.6%上昇)以来。東京23区内では以前から人気の中央区や港区だけでなく、交通の便が良く相対的に値ごろ感のある北区や墨田区など5%を超える地区が目立つなど、地価上昇が周辺部に広がりつつある。

 一方、都内でも多摩市や青梅市の住宅地は下落した。高度成長期に人気を集めたニュータウンの住民の高齢化が進み、都心部へのアクセスの悪さも一因となっている。

 圏内では、神奈川県茅ケ崎市の住宅地がマイナスになった。訪日客にも有名な同県鎌倉市や葉山町も住宅地は下落。高齢化と人口減が進む中、より都心に近い場所に需要が集中する。

 関西でも、兵庫県は中心地の神戸市中央区が再開発の好影響を受け、商業地で全国8位の上昇率の地点もあったが、姫路市や朝来市は住宅地の下落率でトップ10に入った。新潟市も利便性の高さで住宅地が26年ぶりの上昇に転じたが、新潟県全体はマイナス圏だった。

 格差の極端な例は北海道だ。スキーリゾート目当ての訪日客が訪れるニセコ地区では、東京・港区の高層マンションに匹敵する高級コンドミニアムが相次ぎ建設された。東急リゾート(東京・港)によると買い主は香港やシンガポールなどアジア系が6割を占める。

 18年の基準地価で、商業地・住宅地ともに上昇率トップはニセコの恩恵を受ける北海道倶知安町。一方で下落率ランキングの上位に道内の美唄市や砂川市、夕張市などが入る。限られた滞在日数で訪日客の恩恵を受ける地域は限定される。

 背景には、投資マネーが選別色を強めていることがある。特に外国人投資家は買い一辺倒というわけではなく、値上がり益がある程度確保できれば物件売却に動いている。

 都市未来総合研究所の集計によると、18年1〜6月は海外勢による売却額が約6600億円と、前年同期の2.4倍に急増した。購入額は約3900億円と、2割増にとどまった。

 日銀による大規模緩和を背景に、高い利回りを求める個人の不動産投資向け融資の動向も焦点だ。全国の銀行による17年の不動産向けの新規融資額は前年比約5%減の約11兆7千億円。過去最高だった16年から一転、6年ぶりに前年を下回った。マイナス金利導入と前後して大幅に伸びてきた個人向けアパートローンの急減が主因。スルガ銀行の不正融資問題などを受け、さらに市場が収縮していく可能性がある。

 今回の基準地価は7月1日時点のため、6月の大阪北部地震や7月の西日本豪雨の影響はほぼ含まれていない。台風21号、北海道地震など大規模災害が相次いでいる。不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は「インバウンド需要に依存して地価が上昇した地点も多いが、台風の多さや猛暑などが影を落とし、伸びがいずれ鈍化する可能性もある」とみる。

道内基準地価、下落率8年連続縮小 観光需要けん引 (2018/9/18 21:40)
基準地価27年ぶり上昇 商業地3年連続、訪日需要が拡大 (2018/9/18 16:53)
18年分の北海道内路線価、1.1%上昇 (2018/7/3 1:00)
商業地に3年ぶり上昇地点 長野県の18年公示地価 (2018/3/28 1:00)
公示地価上昇、全国に波及 地方圏26年ぶりプラス (2018/3/27 16:50) 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/505.html#c5

[経世済民128] 安倍3選後が年金改革「最後のチャンス」、日本の対応は遅すぎる 海外では国民が猛反発…「年金改悪」日本だけがやすやすと うまき
1. 2018年9月21日 18:35:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1529]
既存の政治を拒む世界 イアン・ブレマー氏
米ユーラシア・グループ社長
グローバルオピニオン
2018/9/14付日本経済新聞 朝刊 
 10年前の2008年9月15日、米投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻により、世界は(1929年の大恐慌を経た)30年代以来最も深刻な金融危機に陥った。以降の出来事を振り返ってみよう。破綻を引きがねとする景気後退により、欧州では、ユーロ圏の存続が疑問視されるほど重度の債務危機が起きた。

Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。著書に「スーパーパワー――Gゼロ時代のアメリカの選択」など。48歳。ツイッター@ianbremmer
 

 (需要の減退懸念などによる)原油の価格下落は世界の勢力バランスにも変化をもたらし、中東・北アフリカは政情不安の波に相次いで襲われた。(2010年12月に)チュニジアで警察に抗議した若者の焼身自殺をきっかけに、政府への抗議運動が全土に広がり、長期独裁のベンアリ政権が崩壊した。エジプトの当時のムバラク大統領は拘束され、リビアの最高指導者だったカダフィ大佐は反政府勢力に殺害された。シリアやイエメンでは内戦が始まり、今も続いている。

 中東などから一時、年間100万人以上の人々が、身の安全とよりよい生活を求め欧州に向かった。移民・難民の流入により、欧州では新たな危機が生まれた。安全とアイデンティティーを失うことへの不安が広がり、政治が一変した。不安を抱き、怒った有権者は、既に確立された政党を拒むようになった。英国は欧州連合(EU)にとどまるか、新しい世界に飛び込むかの選択に直面し、EU離脱(ブレグジット)を選んだ。

 16年の米大統領選挙では、(クリントン元国務長官のような)高い資質と知名度を持つとされるよく知られた候補でなく、押しの強い実業家が選ばれた。トランプ氏は、政府や軍の経験を持たずに選ばれた初の米大統領だ。

 フランスの有権者は17年の大統領選で、政治の主流派を否定した。16年に政治運動「前進(現共和国前進)」を立ち上げたマクロン氏を選んだ。長らく共和党(中道右派)と社会党(中道左派)の二大政党制が続いていたが、ともに初めて選挙に出たマクロン氏に敗れた。

 ドイツのメルケル首相は3月、4選をたぐり寄せたものの、自身の率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は議席を大きく減らした。(難民の排斥を訴えた)極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて議席を獲得し、最大野党になった。

 イタリアでは3月の総選挙で、中道左派の与党の民主党が後退した。6月、コメディアンのグリッロ氏が始めたポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」と、(地域政党の「北部同盟」として結成した)極右政党「同盟」による連立政権が誕生した。

 欧米以外では、メキシコの有権者が7月、新興野党の国家再生運動(Morena)を率いるロペスオブラドール大統領を選んだ(就任は12月)。既存の二大政党、制度的革命党(PRI)と国民行動党(PAN)に属さない大統領の誕生は、1929年以来初めてとなる。パキスタンでは8月、7月の総選挙で勝利したパキスタン正義運動(PTI)の党首カーン氏が首相に選ばれた。球技クリケットの同国代表の主将を務め、92年のワールドカップで初優勝に導いた人物だ。

 次はどの国・地域に目を向けたらいいだろうか。ブラジルでは10月、将来を決定づける大統領選が実施される。世論調査ではルラ元大統領の人気が高かったが、汚職事件を受け収監された。裁判所は出馬を認めず、離脱したかたちだ。現時点で首位を走っている(「ブラジルのトランプ」と呼ばれる極右の)ボルソナロ下院議員は、少数政党を渡り歩いてきた(6日、選挙キャンペーン中に腹部を刺されて重傷を負ったが、意識を取り戻した)。

 古い政治を捨て、新しいものを受け入れるというのが、現在の各国・地域の大きな流れだ。世界中の有権者が(従来の政治家でない)別の人を探している。「今の人以外の誰か」と言い換えてもいいだろう。

 例えば2年後、大切な国を率いるのが誰も聞いたことのないような人になり、政権与党はまだ存在していない政党になるかもしれない世界にどう備えたらいいだろうか。変化のペースはあまりに速く、目が回りそうだ。

 世界中が既知の政治を拒絶し、新しいものを受け入れるというのは、単純な右や左へのシフトとは異なる。米のトランプ氏は右派の移民排斥主義者で、フランスのマクロン氏は中道派、メキシコのロペスオブラドール氏は左派といえる。

 こうした傾向は、人々の不安や怒りを反映している。明日の仕事はどこから来るのだろうか。国境はどのくらい安全なのだろうか。指導者は、それぞれの国の変化の速さに対応できないのではないか。まだたくさんの疑問が渦巻いている。

 世界のつくり直しが始まったといえる危機から10年がたつ。不安の結果が、政治的に混乱した世界といえる。今後も似たような状況が続くのは確実だ。
 

加速する世界の多極化 ケント・カルダー氏[有料会員限定]
グローバルオピニオン
2018/9/7付

国連の地位低下に歯止めを ドミニク・モイジ氏[有料会員限定]
グローバルオピニオン
2018/9/21付


 
米国経済の構造問題から目をそらすな
社説
2018/9/18付
 2008年9月のリーマン・ショックから10年を経て、米国は力強い経済成長を取り戻した。しかし所得や資産の格差拡大、高齢化の進展といった構造的な問題が解決したわけではない。

 米経済を真の意味で再生するには、大型減税や規制緩和のほかにも様々な政策が要る。トランプ米大統領が「偉大な米国の復活」を望むなら、貿易や移民の制限にかまけている余裕はない。

 17年の家計所得の中央値は実質ベースで前年比1.8%増の6万1372ドルとなり、1967年以降の最高を更新した。景気の着実な回復に伴って、中間層の懐が温まっているのは心強い。

 それでも米国の格差は拡大する一方だ。上位1%の高所得層が握る富の割合は、89年の30%から2016年には39%に上昇した。これに対して下位90%の低中所得層が抱える富の割合は、33%から23%に低下している。

 「アメリカン・ドリーム」の象徴のひとつである持ち家の比率は64%で、04年のピークを5ポイント下回っている。起業のバロメーターといわれる企業の開業率も10%にとどまり、1977年より7ポイント低い水準で低迷している。

 米国の景気回復局面が戦後最長の10年に近づき、主要国の中でも好調さが際立つのは確かだが、これでは手放しで喜べない。教育制度の改革や職業訓練の強化、安全網の見直しも視野に入れ、成長の果実が広く行き渡るような政策を練り直す必要がある。

 高齢化への対応も欠かせない。16歳以上で働く意志のある人(就業者と職を探す失業者)の割合を示す労働参加率は62%台で、2000年の67%台をピークに低下傾向をたどっている。1946〜64年に生まれたベビーブーマー世代の相次ぐ退職が主因だ。

 米国では毎日1万人のペースで、ベビーブーマーが65歳を迎えている。移民、女性、高齢者の労働参加や年金・医療制度の改革などが避けて通れない。

 トランプ政権の大型減税や規制緩和が、景気の回復を後押ししているのは否定できない。生産性の上昇などを通じ、米経済を中長期的に底上げする可能性もある。だが貿易や移民の制限は成長の基盤をむしばむ公算が大きい。

 トランプ氏が構造問題から目をそらし、誤った政策に走れば、大きな代償を払うことになる。好況に浮かれている場合ではない。


 

無視できない豪州の警告  本社コメンテーター 秋田浩之

秋田 浩之 Deep Insight 本社コメンテーター2018/9/21 2:00 日本経済新聞 電子版
 日本政府内でいま、極めて敏感な案件として、極秘裏に議論されている問題がある。安全保障上の理由から、米国の政府機関などが使用を禁じた中国の2大通信機器メーカーについて、日本の主要な通信インフラからも除外するかどうかだ。
 対象になっているのは華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)。いずれも巨大なグローバル企業であり、日本から締め出すことには慎重論もある。
 割安の両社を排除すれば、通信インフラのコストが上がってしまうほか、中国が猛反発し、両国関係が再び冷え込みかねない――。慎重論としては、こんな声がある。安倍晋三首相は10月に訪中しようとしており、いまは外交上、微妙な時期でもある。
 そうしたなか、日本が注目すべきできごとが、南半球のオーストラリアで起こった。
 まもなく移行する次世代高速通信「5G」のシステムについて、豪州政府が8月23日、ファーウェイとZTEの参入を禁じる決定に踏み切ったのだ(「ファーウェイ、ZTE 豪が5G参入禁止」参照)。重要情報が中国側に漏れかねないことが理由だ。中国のスパイ行為にかかわっているといわれたに等しい両社は疑いを否定し、中国政府も強く反発している。
 豪州はいまの第4世代(4G)では、5割超の通信設備にファーウェイを採用している。にもかかわらず5Gから両社を排除するのは、行き交う情報量が桁違いに多く、サイバースパイの脅威が極めて深刻になるからだ。
 似たような懸念は米英でも指摘されているが、米政府といえどもここまで厳しい措置はとっていない。ファーウェイとZTEの使用が禁じられているのは米政府機関および、米政府と取引がある米企業だけだ。
 対中強硬策の先頭に立つことになるだけに、豪州政府内では事前に激論が交わされたという。「猛反発した中国から、重い報復を受けかねない」。一部の省庁からはこんな反対論が出たらしい。
 そこでターンブル首相(当時)は米英など主要国に当局者を送り、各国のスパイ機関からもひそかに情報を集めた。そのうえで「排除やむなし」と判断し、反対を押し切った。後任のモリソン氏もこの措置を支持している。
 日本からみると、驚かざるを得ない決断だ。なぜなら貿易を中国に大きく依存する豪州は従来、日米よりも「中国寄り」の姿勢をとってきたからである。

 たとえば2015年10月、米軍が駐留する北部ダーウィンの基地に近い港を99年間、中国企業にリースする契約を結んだ。外交筋によると、中国の脅威にあまりに無神経だとしてオバマ政権(当時)が怒り、抗議する騒ぎになった。
 さらに同年、豪州は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)を支持し、創設メンバーにも参加。AIIBと距離を置く日米との間にすきま風が吹いた。
 こうした豪州がなぜ、米国よりも強硬な対中措置をとるまでに至ったのか。ひとつには近年、中国と疑われるサイバースパイが相次ぎ、国防省や気象局、防衛産業が標的になってきたことがある。
 しかし、日本が着目すべきなのは、もうひとつの理由だ。内情を知る豪州の安保専門家によると、判断の決め手は、中国が17年6月に施行した国家情報法だった。
 これは国内外での情報活動を強めるため、中国が設けた法制度。豪州当局が入念に精査したところ、「運用によっては、中国の民間企業に対し、当局が情報収集への協力を強いることができる」という結論になったのだという。
 この結論通りなら、仮に、両社が中国のスパイ活動とは無関係だとしても、国家情報法にもとづき、今後、中国当局に協力させられる危険がある。
 強大になる中国への対応について、豪州からくみ取れる教訓はサイバー問題だけではない。ここ数年、同国は中国から「内政干渉」の脅威にさらされ、警戒感が広がっている。
 最近、騒ぎになったのが、上院議員が中国富豪から資金をもらい、南シナ海問題で中国政府を支持する発言をしていたスキャンダルだ。実態が暴露され、議員は昨年12月、辞任に追い込まれた。
 中国の企業・団体から多額の献金が主要政党に流れているほか、10〜18年、ファーウェイが12回にわたり国会議員の視察旅費を負担していた実態も明るみに出た。
 豪州の大学にも中国から多額の寄付が流れ込んでいる。「台湾問題などで反中的な発言をした教授に、中国大使館などから圧力がかかるケースが出ている」(名門大学の教授)
 危機感を抱いた豪州の情報機関は与野党や大学にひそかに接触し、危険を強く警告。ターンブル首相(当時)は今年に入り、外国の利益を代弁する政治活動に届け出を義務付けたほか、外国からの政治献金も禁じる法案も出した。ファーウェイ、ZTEとの「絶縁」は、こうした懸念が重なった末の決断だったのである。
 両社への対応をめぐっては、英政府も安全保障の懸念を表明しているが、日本は今のところ、何も措置はとっていない。
 20年の東京五輪・パラリンピックに向け、日本も5Gに移ろうとしている。通信インフラを更新するにあたり、安全保障上、どのような考慮が必要になるのか。日本政府は企業に正確な情報と判断を示すべきだ。その意味で、オーストラリアの事例は参考になる。
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秋田 浩之
本社コメンテーター
外交・安全保障
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京ではケ小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。
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[経世済民128] 安倍政権と物価2%、社会変化への「おびえ」が高い壁に 金融緩和批判に潜む「懸念の水増し」の矛盾 うまき
2. 2018年9月21日 19:34:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1530]
緩やかな物価上昇に変調の兆し 8月消費者物価指数 上昇品目は4年9カ月ぶりの低水準
経済 2018/9/21 11:42
 緩やかな物価上昇に変調の兆しが出てきた。総務省が21日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で0.9%の上昇と20カ月連続で上がった。総合指数も1.3%上昇したが、上昇品目数は4年9カ月ぶりの少ない水準だった。値上げの動きが一服しており、物価上昇の持続性が不透明になっている。

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 8月の物価上昇をけん引したのはガソリンや灯油などエネルギー関連だ。品目別にみれば対象523(生鮮食品を除く)のうち、上昇品目数が258、下落が199。上昇品目の比率は49.3%で13年11月以来に50%を下回った。14年は消費増税の影響もあって上昇品目数は一時80%台になったが、足元は値上げの裾野が狭まっている。
 総務省は「(食品や耐久消費財などを含む)『財』の上昇が鈍い」と分析する。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏の分析によると、「財の物価は為替相場に影響を受け、円高の半年から1年後に上昇が鈍くなる傾向がある」。18年2月は1ドル=105円台まで円高・ドル安が進んでおり、この影響が出た可能性がある。
 ただ、円高基調が収まっても値上げの持続性は不透明だ。今夏は猛暑や豪雨など異常気象で生鮮食品が大きく値上がりした。節約志向が強まれば不要不急の耐久財は需要が鈍くなって企業は値上げをしづらくなる。ニッセイ基礎研の斎藤氏は「物価の基調は徐々に弱まる方向」と見通す。
 物価上昇を持続するためにはサービス価格の上昇が不可欠だが、日本はサービス分野の価格が上がりづらい。訪日客増などで上昇基調の宿泊料も、持続性は不透明。8月はお盆休暇の影響などで前年同月比10.2%上昇したが、豪雨や地震の影響で訪日客が減れば宿泊料には下押し圧力もかかる。安倍晋三首相は20日、地震被害を受けた北海道で宿泊料を割引きすると表明した。
 物価上昇を後押しする賃金は上昇基調にあり「物価上昇への耐性は高まっている」(農林中金総合研究所の南武志氏)との声もあり、足元は物価が一段と上がるか天井となるかの分水嶺だ。9月以降の値上がり品目数は、消費者の物価上昇に対する意識を量る材料になる。
• 消費者物価、8月0.9%上昇 20カ月連続プラス (2018/9/21 8:31)


9月最終週の日本株相場の特色広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

ダウ平均とS&P500株価指数が揃って史上最高値を更新した。先週のレポートで、米国株の先行指標であるダウ輸送株平均が史上最高値をとってきたので、ダウ平均やS&P500も追随して高値をとってくるだろうと述べた通りの展開である。
週初の「今週のマーケット展望」では冒頭、こう述べた。
<日経平均は2月の急落時に空けた窓をほぼ埋めかかっている。2万3000円の壁を上抜けたことで、ここから先は上値抵抗がない。次は2万3500円の節目を試し、その後2万4000円台の年初来高値更新を目指していくだろう。ただ、その前に、今週は2万3000円の節目をしっかりキープすることが肝要だ。
日経平均は上放れの兆しがでてきたがTOPIXは依然として上値切り下げトレンドを崩していない。このタイミングで一目均衡表の雲を上に抜けることができれば、TOPIXも戻り歩調が強まり、日本株相場全体の地合いが一段と改善するだろう。>
TOPIXは雲を一気に上抜けた。上値切り下げのトレンド線もブレイクした。ここから本格的な戻り相場を辿るだろう。

さて来週は9月最終週である。月末、四半期末、上半期末にも当たる。需給の特殊要因を考慮すべきか?結論から言えば、そんなことはない。
まず3連休明けの25日は3・9月決算銘柄の権利付き最終売買日である。簡単に思いつくのは配当権利取りの買いで株価が上昇するということだ。アベノミクス相場開始以降、過去5年の権利付き最終売買日の日経平均、TOPIX、そしてその前日のNYダウ平均の騰落率を見たのがグラフ1である。

3勝2敗なので、なんとも言えないところであるが、2014〜2016年は確かに配当取りの影響が表れているように見える。2015、2016年と前日のNYダウが下落していても日本株はしっかりだった。しかし2013年と昨年2017年はNYダウの下落に引きずられるように日本株も下げている。ここから言えることは権利付き最終日の配当取りの動きは、相場を押し上げる場合もあれば、そうでない場合もあって、明確な傾向はない、ということである。だから配当取りをあてにして堅調との見方を持つのは禁物である。
権利付き最終日の配当取りの動きがはっきりしない理由として、既にそれ以前に配当取りに動いているから、という仮説が成り立つかもしれない。グラフ2は9月末の権利付き最終日を含む週と、その前の週の日経平均のパフォーマンスを見たものである。2015年を除いて、明確に前週のほうがパフォーマンスがよい。配当取りの効果は権利付き最終日より前に出現しているようだ。
では、9月最終週を通じてはどのようなパフォーマンスだっただろうか。これも巷間よく聞かれるのが、機関投資家の配当再投資の買いで堅調、というものだ。配当相当分が落ちても、実質的にポートフォリオの価値が下がったわけではない(3カ月程度あとに配当金が入ってくる)ので機関投資家は配当落ち分を先物を買い建ててエクスポージャを維持する。9月最終週の信託銀行によるTOPIX先物の手口を見ると、毎年決まって買い越しである。配当額の増加もあって信託銀行の買い越しも年々増加の傾向にある(グラフ3)。
では実際に信託の先物買いは相場への影響はあったのだろうか。グラフ4は9月の最終5営業日の累積リターンを1日先行させたNYダウの5営業日の累積リターンと併せて見たものだ。

これを見ると、2013〜2016年までリターンはマイナスで信託の先物買いは相場の支えとして機能していない。昨年こそはかろうじてプラスだったが。機関投資家のポートフォリオだからTOPIX先物を使うわけだが、では日経平均とTOPIXのリターンに差が出るかというと、それもない。むしろ2013、2014、2016はTOPIXのほうがリターンが悪かった。
ここでわかるのはNYダウのリターンと日本株のリターンはほぼ連動しているということだ。身も蓋もないが、配当再投資の先物買い需要より、結局、米国株次第ということだろう。
さて、その米国株だが史上最高値を更新してきた。ここまでは想定通りの動きだが、問題はここから先である。懸念は米国金利が再び3%台に上昇していることだ。
株価は最高値、金利は上昇とあって再び金利見合いの株価の割高感が台頭している。金利見合いのバリュエーションを測るには、PERの逆数である株式益利回りと国債利回りの差(=イールドスプレッド)を見るのが一般的である。今年2月初旬、米国株は史上最大の下落幅を記録する大暴落に見舞われたが、その時、S&P500と米国10年債利回りのイールドスプレッドは3%を割り込んで2.8%まで低下していた。その後、業績の向上と株価調整でPERが下がり、金利も落ち着き、イールドスプレッドが安定的に3%台となるなかで株価はじりじりとあげてきた。そして今また2月の暴落時と同じ水準である2.8%までイールドスプレッドが低下しバリュエーション面では割高感が出ている。(グラフ5)。

金利が下がらないなら、来月から始まる3Q決算で、利益の向上(バリュエーションの改善)を待つ必要があるだろう。
ただし、2月の急落はバリュエーション面の割高にくわえて上昇スピードの速さも、その後の反動(=急落)を招いた要因だった。RSI(グラフ6)がレッドラインの70を越えて強烈に買われ過ぎのシグナルを発していた。

それにくらべて足元の上昇は緩やかで、過熱感はない。昨日時点のRSIはまだ68である。したがって米国株の頭打ちはあるが(むしろ、ここで一旦頭打ちとなるほうが健全である)急落はないだろう。米国株がしばらく高値保ち合いになるとして、日本株は単独で上値を追えるか。日米閣僚級通商会議(FFR)や日米首脳会談が首尾よくいくこと、利上げが見込まれる来週のFOMCを受けてドル高円安が加速することなど、日経平均の年初来高値更新に向けた材料は豊富だと考える。
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仮想通貨市場動向:Zaifのハッキング後も価格は堅調。リップルは急上昇大槻 奈那 プロフィール

●9/20、仮想通貨交換業者Zaif が不正アクセスを受け、約67億円の仮想通貨が流出したと発表した。6月に発生した韓国での2件のハッキング事件以来、3か月ぶりの被害となった。
●しかし、仮想通貨の価格はこのニュースにさほど影響を受けなかった。仮想通貨市場は、近時円からの流入が減少している一方、Zaifは国際的には小規模であることや、14日以降のZaifのシステム障害で、若干織り込まれていたことなどが影響したとみられる。
●弊社サーベイによれば、仮想通貨投資を増やしたい投資家は減少傾向。一方、米国では引き続き注目度は高い。足元では、米銀PNCが国際送金にリップルの商品を導入すると報じられ、リップルが30%超上昇、値動きも活発になっている。来週は米でのETF承認の是非が注目される。
3か月ぶりのハッキングでも、仮想通貨市場の下落は限定的
9/20未明、テックビューロ社傘下の仮想通貨交換業者Zaif が不正アクセスを受け、ビットコイン等約67億円が流出したと発表した。6月に発生した韓国での2件のハッキング事件以来、3か月ぶりの大規模な被害となった。これで今年報道された仮想通貨ハッキング額は約710億円となった(図表1)。
しかし、ハッキング報道に対する仮想通貨市場の下落は小幅にとどまった(図表2)。背景として、17日にZaifのサーバ障害が発表されていたことから、ある程度市場に反映されていた可能性があることや、Zaifが国際的には90位前後と大手ではなかったこと(取引高ベース、Coinmarketcap)、来週予定されている米SECによるETFの承認期待が残っていることなどがあるとみられる。

日米の投資家動向
更に、円から仮想通貨に投資をする動きが減少していることも、今回のZaifの事件の影響を小さくしたとみられる。円からビットコインへの流入比率は、この半年余りで大幅に下落した(図表3-1,3-2)。

弊社の個人投資家サーベイでも、仮想通貨に投資を増やしたいとする回答は減少し、総じて厳しい見方になっている(図表4-1,4-2)。

他国の動向:米国では一定の盛り上がり
一方、米国では引き続き注目度は高い。足元では、米銀PNCが国際送金にリップル社のシステムを導入すると報じられ、リップルが1日で30%以上上昇した(前掲図表2)。同時に、導入側のPNC(PNC US)の株価も3%程度上昇した。
更に、リップルは、新しい高速送金システムxRapidを来月リリースすると発表した。従来のシステムだと、実際の送金に使われる通貨はリップルとは限らないが、新システムではリップルを使うことが必要とされている。
また来週には、米SECが、仮想通貨ETFの上場を承認するかどうかの決定が下される。既に上場申請を却下されているファンドもあることから市場は楽観視はしていないものの、一縷の望みをかけている状態である。
今後の市場の課題
今回のZaifのハッキングは、従来から課題となっていたホットウォレットへの不正アクセスによるものだ。依然詳細は不明だが、これまでも言われてきたセキュリティ強化の必要性が改めて浮き彫りになった。
また、Zaifは、14日の17時頃から19時頃までの間に外部から不正アクセスが行われ送金されたとしている。その後、フィスコの支援とともに20日に発表した。支援を固めたいという意向があったにしても、ハッキングから発表まで6日も経っているというのはあまりにも遅かったという印象だ。その間にもし情報が漏えいしてしまったら、取引の公平性が問題になる。
今後、市場の透明性を高めるためには、取引のセキュリティの向上とともに、情報開示のあり方も問われるだろう。
【最近の仮想通貨市場の動きについては、マネックス仮想通貨研究所ウェブサイトをご参照】
(※)印刷用PDFはこちらよりダウンロードいただけます。
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市況概況
2018年9月21日
米株高と円安受け日経平均は195円高と6日続伸

広木 隆 ストラテジーレポート
2018年9月21日
9月最終週の日本株相場の特色

就活、21年卒は6月解禁継続 経団連ルールは廃止
政府・大学主導
就活 経済
2018/9/21 1:31日本経済新聞 電子版
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 2021年春入社の学生の就職活動ルールについて、政府と経済界、大学は採用面接の解禁を6月1日とするスケジュールを維持する方針を固めた。経団連による現行ルールは廃止し、政府と大学がルールを作り企業に要請する形で調整する。経団連の中西宏明会長がルールの廃止に言及したが、就活の早期化を懸念する大学に配慮して当面はスケジュールを示す。

政府と大学が就活ルールを作り、企業に要請する形で調整する
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政府と大学が就活ルールを作り、企業に要請する形で調整する

 就活ルールは春の新卒採用における面接の時期などを定めている。拘束力はないが、企業が採用を始める時期の目安となってきた。21年春入社まではスケジュールの目安が残る一方、時期に関係なく新卒を採用する「通年採用」などとの整合性は課題として残る。

 経団連は10月初旬に、経団連としてのルールの廃止を決める。就業体験(インターンシップ)に関する規定もなくす。経団連ルールがなくなるかわりに、政府と大学関係団体がルールをつくり、業界団体や大学に要請する形式に変える方向で3者で最終調整する。外資系から中小まで幅広い企業を対象とする。

 今の就活ルールは経団連が「採用選考に関する指針」としてまとめている。20年春入社の学生までは大学3年生の3月1日に説明会を解禁し、大学4年生の6月1日に面接を始め、10月1日に内定を出す日程を示している。ルールに拘束力はなく、これまでも抜け駆けして選考を始める企業は多かった。

 このため経団連の中西宏明会長は9月3日の記者会見で就活ルールを廃止する可能性に言及した。一方で大学側は就活が長期になることを懸念し、全国の大学などでつくる就職問題懇談会で副座長の土屋恵一郎・明治大学長は「現行ルールを維持するのが最善」と主張していた。

 IT(情報技術)人材などの囲い込みは世界的に激しい。企業側には必要な人材を必要な時期に採用したいとの考えが強まっている。日本の労働市場は横並びの新卒採用からは転換期を迎えている。


554回「おひとり様を生き抜く」
配信日:2018年9月21日

損をしないために知っておくこと、得するために覚えておきたいことを、ファイナンシャル・プランナー廣澤知子がやさしく解説します。(週1回更新)

第554回「おひとり様を生き抜く」
『極上の孤独』(下重暁子著)がベストセラーになっています。死別、離別、そして元々を含めて、私の周囲にもシングルが多くいます。(この本では、夫婦であったり、パートナーがいても、独りの時間を楽しむことをすすめているわけで、シングルかどうかにポイントは置いていませんが。)

自分の時間を楽しむ「おひとり様」はとても有意義だと思いますが、FPとして気になるシングルは図らずして独りになった場合の経済的な面についてです。
自立できる程度に自分に稼ぎのある場合は経済的には大きな問題にはなりません。本書の中で筆者も繰り返されていますが、自分自身を「養える」だけ稼ぐ、これができていると安心で、収入面でのキャッシュフローがあることは精神的にも支えになります。結婚や出産で専業主婦になるのが当たり前であった世代の女性にとっては、なかなかハードルが高いかもしれません。
もちろん遺産だったり、財産分与によって資産を得たり、もともと十分な資産を持っている、つまりストックがある場合も当面心配はないでしょう。

専業主婦だった、親の年金を頼りにしていた、資産らしい資産はない、仕事の経験はほとんどない・・・こんなケースはなかなか厄介なものです。
人生100年時代ですから、今あまりお金がなければ、できるだけ長く働くことが必要となります。資格、職歴がない、年齢が高いとなると、どうしても低賃金のアルバイトなどに就かざるをえないことが多くなるでしょう。「おひとり様」を楽しむどころか、日々の生活に追い立てられることも。もちろん、資格を取ったり、勉強したりする時間的、経済的余裕があれば話は別ですし、本人の努力や才能によって大いに異なってきますが。

そこで、性別問わず、誰でも、今すぐにでも始めておくべきことは「おひとり様力」を鍛えていくこと。すなわち、精神面、経済面、生活面において、独りになった時に問題なく、生きて行けるような下地作りをしておくことです。

第497回「最後は『おひとり様力』」
https://info.monex.co.jp/lounge/money/2017/05/15-015186.html

特に経済面については、前述の通り、ストックとキャッシュフロー(収入)の下地をもつと精神的な安定にもつながります。キャッシュフローの支出部分は生きている限り発生しますので、収入部分がなければストックの切り崩しのみになりますし、当然ストックもない状態であれば日々キャッシュフローの収支バランスを取りながらの生活になってしまいます。
ストックを持つには「勝手に稼いでくれる仕組み」作りがポイントです。
収入は支出に出ていくか、現金のみで手元に、という状態では、どうやっても「勝手に稼いで」はくれません。わずかずつでも投資にお金を回し、金利収入(インカムゲイン)や、市場での売買益(キャピタルゲイン)を手に入れる仕組みが必要です。
とはいえ投資を勉強する余裕がない、経済を知らない、相場が怖い、という方もいらっしゃるでしょう。その場合、少額で投資できる投資信託、非課税投資できるNISAなどを活用することでハードルはぐっと下がります。
投資はまずは始める、そしてできるだけ早くすることで時間を味方につけること。まずは仕組み作りから始めましょう。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員

次の記事「第553回「新興国投資のリスク、いま一度」」
https://info.monex.co.jp/lounge/money/2018/09/21-033168.html

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/541.html#c2

[国際23] プーチン大統領、本職さながら?の狙撃技術披露 プーチン突然の提案 悲観の必要なし 露国営テレビでプーチン氏専門番組が開始 うまき
2. 2018年9月21日 19:38:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1531]
[1]〜大前研一ニュースの視点〜
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日ロ関係/米中ロ関係〜プーチン大統領といち早く平和条約を締結することが、安倍首相の唯一最大の貢献

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日ロ関係 一切の前提条件設けず日ロ平和条約締結を提案
米中ロ関係 プーチン氏、打算の中国接近

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▼北方4島について、日本政府はずっと国民を騙している
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ロシアのプーチン大統領は12日、安倍首相に対して、
一切の前提条件を設けずに2018年末までに
日ロ平和条約を締結するよう提案しました。
これは安倍首相が平和条約や領土問題の解決について
「アプローチを変えなければならない」と述べたのに対し、
プーチン大統領が賛同したもので、
まず平和条約を締結した上で
友人同士として意見の隔たりがある問題について
解決していこうというものです。

このプーチン大統領の提案について、日本のマスコミは
「なぜ安倍首相は反論しないのか?」と指摘していますが、
安倍首相としては「真実」を理解しているだけに
歯がゆい思いをしていることでしょう。
河野外相は日本とロシアの北方領土に関する真実について、
どこまで理解しているのかわかりませんが、
安倍首相はプーチン大統領との20回を超える
ミーティングなどを通して理解しているはずです。

日本の方針は
「北方4島の返還を前提にして平和条約を締結すること」
であり、これは以前からずっと変わらないもの。
菅官房長官などもこの趣旨の発言をしていますが、
そもそもこの認識が間違いであり、
日本政府がずっと隠してきている「嘘」なのです。

ロシア側の認識は
「北方4島は第二次大戦の結果、ソ連に与えられたもの」であり、
日本は敗戦国としてその条件を受け入れたわけだから、
固有の領土かどうかは関係がない、というもの。
ラブロフ外相もプーチン大統領も、
このような見解を示しています。
そして、このロシア側の主張が「真実」です。

終戦時にソ連と米国の間で交わされた
電報のやり取りが残っています。
ソ連のスターリンが北海道の北半分を
求めたのに対して、米国側は反発。
代わりに北方4島などをソ連が領有することを認めました。

この詳細は拙著「ロシア・ショック」の中でも紹介していますが、
長谷川毅氏の「暗闘」という本に書かれています。
米国の図書館などにある精密な情報を研究した本で、
先ほどの電報などをもとに当時の真実を
見事に浮かび上がらせています。

すなわち、北海道の分割を嫌い、
北方4島をソ連に渡したのは米国なのです。
今でもロシア(ソ連)を悪者のように糾弾する人もいますが、
犯人は米国ですからロシアを非難すること自体がお門違いです。

さらに言えば、日本が「北方4島の返還を前提」
に固執するようになったのも、米国に原因があります。
1956年鳩山内閣の頃、重光外相がダレス国務長官と会合した際、
日本はソ連に対して「2島の返還を前提」
に友好条約を締結したいと告げました。
しかし、ダレス国務長官がこれを受け入れず、
「(ソ連に対して)4島の返還」を求めない限り、
沖縄を返還しないと条件を突きつけました。

つまり、米国は沖縄の返還を条件にしつつ、
日本とソ連を仲違いさせようとしたのでしょう。
この1956年以降、日本では「北方4島の返還」が前提になり、
それなくしてロシア(ソ連)との平和条約の締結はない、
という考え方が一般的になりました。
1956年までの戦後10年間においては「4島の返還」
を絶対条件とする論調ではありませんでしたが、
この時を境にして一気に変わりました。


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▼プーチン大統領といち早く平和条約を締結することが、安倍首相の唯一最大の貢献
─────────────────────────
今回のプーチン大統領の提案に対して、
マスコミも識者も随分と叩いているようですが、
1956年以降日本の外務省を中心に
政府がずっと国民に嘘をついてきた結果、
真実を理解せずに批判している人がほとんどでしょう。
プーチン大統領の提案は理にかなっています。
日本政府の「嘘」を前提にするのではなく、
とにかくまず平和条約を締結することから
始めようということです。

プーチン大統領の提案通り、まず平和条約を締結すれば、
おそらく「2島の返還」はすぐに実現すると思います。
残りの2島については、折り合いがつくときに返還してもらう、
というくらいで考えればいいでしょう。
相手がプーチン大統領であれば、
このように事を運ぶことはできるでしょうが、
別の人間になったら「1島」も返還されない可能性も大いにあります。

今、安倍首相は「とぼけた」態度を貫いています。
真実を理解しながらも、周りにはそれを知らず
理解していない人も多いでしょうし、
長い間日本を支配してきた自民党が国民に嘘をついていた
という事実をどう説明するか、
など悩ましい状況にあるのだと思います。

安倍首相に期待したいのは、
ロシアに対して経済協力などを続けながら、
とにかくいち早くロシアとの平和条約を締結して欲しい、
ということです。今回の自民党総裁選に勝利した場合、
それが実現できれば、安倍首相にとって唯一にして
最大の貢献になると私は思います。

北方4島の全てが返還されなくても、
それによってどれほどマスコミから叩かれても、
安倍首相とプーチン大統領の間で、
平和条約の締結を実現すべきです。
菅官房長官などは知ったかぶりをして、
4島返還について日本政府の方針に変わりはない
などと発言していますが、全く気にする必要はありません。
プーチン大統領の次を誰が担うのかわかりませんが、
仮にメドベージェフ氏が大統領になれば、
2島返還ですら絶対に容認しないでしょう。
プーチン大統領が在任中にまず平和条約を締結することは、
極めて重要だと私は思います。

というのも、中国がロシアに接近しつつあるので、
ロシアにとって日本の必要性が低下し、
このままだと日本にとってさらに厳しい状況になるからです。
今回の東方経済フォーラムを見ていても、
プーチン大統領と中国は明らかに接近したと私は感じました。

中国は巨大な人口を抱える東北三省の経済状況がよろしくありません。
その対策として、極東ロシアへの投資に向けて動いています。
中国とロシアの国境を流れる黒竜江(アムール川)をまたいで、
現在両国を結ぶ橋を建設しています。
中国側とロシア側でそれぞれ資金を出し合っていて、
橋の建設には中国の技術が活用されています。

中国とロシア間の動きが活発化し、
中国から極東ロシアへの投資が拡大すると、
その貢献度はかなり大きなものになります。
今回、安倍首相とプーチン大統領で見学に行った
と言われているマツダのエンジン工場のレベルではないでしょう。
また中国とロシアは、同じく米国にいじめられている立場として、
ボストーク2018で巨大な軍事演習を予定しています。

日本も目を覚まさないと、全て中国に持っていかれてしまいます。
少なくともプーチン大統領は内心では親日派なので、
今のうちに早く動くべきです。最後にもう1度述べておきます。
安倍首相には、自民党総裁選に勝利したら、
どんな批判を受けても悪役になろうとも、
何が何でもロシアとの平和条約の締結を
実現させて欲しい、と思います。


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※この記事は9月16日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

シリアに関するロシアの身勝手な提案

2018/09/21

岡崎研究所

 シリア内戦は、アサド政権側が、かつて「イスラム国」が支配していた領域の大部分を取り返し、反政府勢力が支配していた南西部のダマスカスに近い部分も制圧した。今やアサド政権の支配下にないのは、北西部のイドリブを中心とする地域と、北東部のクルド支配地域だけと言ってよい状況になっている。さらに、イドリブ県に対してもロシアが激しい空爆を加えている。ロシアとイランの支援の下、戦争犯罪人ともいうべきアサドが、内戦にほぼ勝利したと言える。


(luplupme/Cartarium/iStock)
 この状況を踏まえ、ロシアは、欧州にとっての頭痛の種であったシリア難民の帰還、それと同時にEU、米国などがシリア再建に資金を出し、アサドとの関係も正常化するように、という提案を行っている。このロシア提案は、アサドに難民帰還を受け入れさせること、シリア再建資金は米・EUが出すこと、自らが支援したアサド政権に政権としての正当性を付与することを求めているが、相当身勝手な提案である。

 提案の実効性についても疑問がある。フィナンシャル・タイムズ紙コラムニストのガードナーは、次の3つの問題点を指摘する。

 第1:アサド政権が安定性をもたらすと前提するのは賢明ではない。アサド政権は自国民、スンニ派多数派に全面戦争を仕掛け、50万人が死亡し、人口の半分は避難民になった。その上、アサド政権の政策は過激派を作り出す。シリアは2003年のイラク戦争の時にイラクにジハード主義者を送り込んだし、シリアでの反乱の初期に刑務所から何百人のジハード主義者を釈放し、反乱の主導権を彼らがとるようにするなど、過激派を使った。

 シリアのイランとの同盟は40年も続いている。ヒズボラは1982年ダマスカスのイラン大使館で生まれた。

 第2:アサドはシリアの難民が帰還することについてロシアなどと同じ考えをしていない。彼はスンニ派が支配的な人口構造の復活を阻止したいとしているように見える。

 第3:もっとも憂慮されるのは、アサドの軍がロシア空軍と共に北西シリアの最後の反対派拠点、イドリブを奪取する軍事作戦に乗り出そうとしていることである。イドリブにはアルカイダ系の何万ものジハード主義者がおり、300万の住民の半分は反体制派地域から逃れてきた難民である。この二つのグループは作戦が始まれば、トルコの国境に押し寄せることになり、通貨危機や、米国と対決しているトルコに安全保障・難民問題を提起する。

出典:David Gardner,‘Russia launches a diplomatic offensive on rebuilding Syria’(Financial Times, August 22, 2018)
https://www.ft.com/content/e89d42f0-a539-11e8-8ecf-a7ae1beff35b

 アサドが大量のスンニ派住民の帰還を認めないのではないかという、ガードナーの指摘は、その通りであろう。また、米国では、リンゼイ・グラハム上院議員(共和党・サウスカロライナ州選出)が、シリアの破壊はイラン、ロシアの介入の結果ひどくなったのであり、その再建資金を米国に要求するのは筋違いである、ロシアはシリア再建に関心はなく、アサドがシリア全土を制圧することを望んでいる、と批判している。

 オバマ政権時代、化学兵器使用について米国がシリアを攻撃しようとした際に、ロシアが米国に対し「我々がシリアに化学兵器を廃棄させる」と言って、米国を止めたことがあった。シリアについての米欧の思惑とロシアの思惑は基本的に違うのであり、ロシアと協力してシリア情勢を何とかしようとの発想は、うまくいかない。今回のロシア提案についても注意深く対応すべきであろう。

 トランプの本音は、何とか早くシリアから撤退したいということであり、そう公言している。軍などの助言を受けて、やむを得ずシリアにとどまっているのであろうが、迫力を欠くことおびただしい。トランプは米国が毎年シリアに出していた2億3000万ドルの安定化基金拠出を「ばかげている」として、やめてしまった。米のシリア情勢への影響力は縮小している。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13936

  
 

オトナの教養 週末の一冊

中露関係は「離婚なき便宜的結婚」

『ロシアと中国 反米の戦略』廣瀬陽子教授インタビュー
2018/09/21

本多カツヒロ (ライター)

 中国の一帯一路にロシアのユーラシア連合構想。その実現はさておき、両国には壮大な構想がある。共産圏や巨大な国土、独善的なリーダーという共通点を持ち、近隣の国である両国は現在いかなる関係を築いているのか。『ロシアと中国 反米の戦略』(ちくま新書)を上梓した慶應義塾大学の廣瀬陽子・総合政策学部教授に、中露関係や関係する旧ソ連の中央アジア諸国などについて話を聞いた。


中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ)
――今回のテーマは中国とロシアの関係についてです。両国ともに、絶大なリーダーシップを発揮する指導者がいるわけですが、互いにどのように相手国をみているのでしょうか?

廣瀬:プーチン大統領自身が、中国が好きかと問われれば決してそうではないと思います。ただ、国として戦略的に協力しなければならないという認識でしょう。

 中国側にしても、ロシアとの関係は不可欠というほどではないと考えられます。ただ、一帯一路の成否が国際社会の評価を左右する現状において、その一地域である中央アジアで成功するためにも、ロシアとの関係は戦略的にも良好に保ちたいところでしょう。

――中露関係は、互いに戦略的な意味合いが強いと。

廣瀬:中露関係は「離婚なき便宜的結婚」などと言われます。利害では、反米、かつアメリカの一極支配ではなく、多極的な世界の維持を望んでいる点で一致している一方、お互いに不信感を抱いている。周囲の人たちが「そんなに信頼していないなら別れればいいじゃない」とアドバイスしても、別れない夫婦のようなものです。

――もともと同じ共産圏ですが、現在のような状況はいつ頃からなのでしょうか?

廣瀬:ソ連時代に遡ると、最初は良好だった中露関係が、約50年間の反目の時代をへて、2004年頃から再び関係を改善化、そして緊密化していったと言えます。ソ連は中国の建国を支持し、軍事技術も惜しみなく供給していました。しかし、1956年のソ連共産党大会で、フルシチョフ共産党第一書記のスターリン批判を契機に、両国間にイデオロギー対立が起きます。この対立は長らく続き、1968年の中ソ国境紛争で関係悪化がピークに達しました。ソ連解体後も微妙な関係でしたが、当時のエリツィン大統領と江沢民主席が、戦略的パートナーシップを掲げた共同宣言に調印すると、1996年に後の上海協力機構の前身にあたる上海ファイブを結成します。

 2000年にプーチン大統領が就任すると、国境問題などのトラブルになる事案はなるべく早めに解決するスタンスを鮮明にします。そこでかねてからの懸念だった中露の国境問題を、2004年に等分割することで解決します。

 08年にロシア・ジョージア(グルジア)戦争が起き、ロシアは国際社会で孤立します。特に、アメリカはロシアに激しく反発したため、ロシアはアメリカへの対抗意識をより鮮明にしますが、ロシア1国ではとてもではないが敵わない。そこで、徐々に関係が良好になりつつあった中国との仲をより深めようとします。

 ただ、2000年代半ばに経済面でピークを迎え、国力にも勢いがあった当時のロシアは、中国と協力姿勢を取りつつも、強気な態度でした。そうした態度が明らかに変わったのが、14年のウクライナ危機です。それまではロシアから中国への天然ガス輸出問題でも価格面で相いれず、交渉が決裂していたのが、ウクライナ危機が起きると、欧米からの経済制裁と石油価格の暴落などにより、ロシアは経済的に苦境に立たされました。中国側の譲歩もあったと言われていますが、ロシアも譲歩し、天然ガスの価格問題が妥結しました。その天然ガスの輸送のために、「シベリアの力」という新しいパイプライン計画が発表され、現在建設が進んでいます。

――ロシアも中国もアメリカにとって代わり、世界の覇権を握りたいとは考えていないのでしょうか?


『ロシアと中国 反米の戦略』(廣瀬陽子、筑摩書房)
廣瀬:おそらく両国ともに、一国では不可能だと考えているでしょう。しかしながら、国としてのプライドは保ちたいし、何より米国の単独優位は許せない。そうなると、多極化しか道はない。多極化とは、いくつかの国が勢力を互いに保ちつつ、国際的な均衡を保つ状況です。ロシアは、アメリカ、ヨーロッパ、中国、ロシアの4つの勢力で多極化できればと考えているでしょう。

 プーチンのブレーンであり、多大な影響を受けているアレクサンドル・ドゥーギン(元モスクワ大学教授、ユーラシア党党首)という地政学者がいます。彼は、ヨーロッパをフィンランド化、つまり中立化させることが重要だと考えています。日本に関しては、ドイツ同様にロシアの味方につけたい考えです。

――それはなぜでしょうか?

廣瀬:日本をロシアの味方につけ、日米同盟が崩れれば、アメリカのアジアにおける覇権は大きく崩れますから。そのためには、日本に北方領土を返還するべきだとさえ彼は言っています。

――先程もお話が出ましたが、中国は一帯一路を進めています。一方のロシアも「ユーラシア連合」構想を持っています。現在、どんな状態なのでしょうか?

廣瀬:ユーラシアは、ヨーロッパとアジアを合わせた地域で、現在のロシア外交のキーワードになっています。「ユーラシア連合」構想については、プーチンが3期目の大統領就任以前から構想を掲げていました。

 ソ連解体後に生まれた独立国家共同体(CIS)をはじめとし、政治、軍事、経済的な地域の協力組織を基盤としたのが「ユーラシア連合」構想です。簡単に言えば、バルト三国を除いた旧ソ連諸国をベースとしたEUのようなものです。このロシア版EUが、本来のEUとアジアをつなぐ結節点になればいいなという構想です。

 そこで、前段階としてEUと同様に、「経済連合」から始めようとしていますが、現在正式加盟している国は、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスのみで、ロシアの経済状況が悪いこともあり、上手くいっていません。

――地域的に見ても、中国の一帯一路とかぶるようと思うのですが。

廣瀬:はい、両構想は、地域的には中央アジアなどとかぶります。

 他方、内容で考えますと、「似て非なる構想」だと指摘されていまして、実際、2つの大きな違いがあります。

 まず、ロシアのユーラシア連合構想は、国家間の条約・契約を前提としているのに対し、一帯一路は国家との関係に基づくのではなく、地域を緩やかに捉えています。交渉なども、行うとすれば、地域や企業との交渉となります。たとえば鉄道網を計画する場合、その国よりも鉄道会社と交渉するというような形になり、国家間交渉にまではいかないというようなことです。このように一帯一路の計画はかなり曖昧なのですが、その曖昧さが、一帯一路が支持されている一因ともいわれています。

 もう一点は、中露両国が分業を確立してきたということです。ロシアが軍事と政治を担当し、中国が経済を担当するといった具合です。ただ、最近の中国の勢いは凄まじく、経済のみならず、政治や軍事面でも進出し始め、分業体制は崩れています。その状況は、ロシアの許容範囲を超えていると思われますが、国力の落ちてきているロシアは黙認せざるを得ない状況にあるといえそうです。

――ユーラシア連合構想は、かなり先行き不透明ですね。

廣瀬:ロシアにとって、他にも厄介な点があります。ひとつは、中央アジアの国々は、これまでロシアに強く依存し、石油や天然ガスもロシアにしか輸出できない状況でしたが、経済力をつけ、多くのエネルギーを必要とする中国がこの地域に進出してきて、中央アジア諸国の対中資源輸出が増えてきているということです。これにより、中央アジアの対露姿勢も以前より強気になっているように見えます。

 また、これらの国々の動向で目立つのが、欧米への接近です。なかでも目立つのがウズベキスタン。権威主義だった同国の大統領、イスラム・カリモフが16年9月に亡くなり、新大統領に就任したシャヴカト・ミルズィヤエフは、権威主義から外交の多角化へ舵を切り、アメリカとの関係を深めています。ウズベキスタンは、05年に起きた国民を虐殺したアンディジャン事件以降、アメリカとの関係が悪化していました。それが改善に傾き始めた。それに慌てたのが、カザフスタン。今年3月に、アメリカのアフガニスタン作戦のために、米軍がカスピ海にある2つの港を使用することを認めたのです。これに対し、ロシアは相当激怒しています。

 このことは、20年以上続いた、カスピ海の領海問題、つまりカスピ海を海と考えるか、湖と考えるかという論争に一応の終止符を打つ大きなきっかけになったと思っています。海だと定義された場合は国際法(「海洋法に関する国際連合条約」)が適用され、つまり「領海」の原則が適用され、天然資源については、自国の「領海」でしか開発できなくなるのですが、自国「領海」に資源を有するアゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、ロシア(自国「領海」に資源が見つかってから)が海であると主張してきました。他方、湖だと定義された場合は、国際的な慣習により、カスピ海は沿岸国の共同管理になり、資源なども共有財産として均等に分配されることになります。このような論争が20年以上続いていたわけですが、今年の8月12日のカスピ海サミットでようやく「玉虫色」ながら一応の合意が生まれたのです。

 長くなるので詳細は避けますが、カスピ海を海でもなく、湖でもないという「特別な法的地位」を有する大陸内水域とし、沿岸から15海里は領海/同25海里は漁業専管水域とし、海底パイプラインは関係国の合意によって敷設可能としたことが主要なポイントとなります。ロシアは自国を迂回する海底パイプラインが敷設されることには反対でしたが、今回の同意で、その可能性を認めてしまったことになりました。

 とはいえ、海底パイプラインの敷設には事前の環境アセスメントとその結果に対する沿岸5カ国の合意が必要となるのですが、その際に、ロシアが海底パイプラインの敷設を妨害する可能性があることは危惧されています。他方、外国軍のカスピ海渡航禁止ということが合意され、5カ国の結束を対外的にアピールしたことはロシアの決定的な外交的勝利だといえます。それほど、ロシアは米国に勢力圏を脅かされることを警戒しているともいえるでしょう。また、このことは、ユーラシアに影響力を拡大している中国に対しての牽制の意味も持っているはずです。

――旧ソ連の中央アジア諸国は、これまでロシアばかりを見ていたけど、他にも貿易相手はたくさんいることに気がついたと。

廣瀬:開眼させたのが中国です。他にもトルクメニスタンは、ロシアと価格交渉で決裂し、ロシアに天然ガスの輸出ができなくなりましたが、対中輸出は伸びていまして、中国の存在感がますます大きくなっています。

 エネルギーの買い取り価格に関しても、ロシアは中央アジア諸国から安く買い叩き、そこに相当なマージンを乗せ、ヨーロッパへ輸出していました。しかし、ロシアへの制裁の影響で、以前ほどヨーロッパでは売れなくなったようです。

――そうなると、中露が再び対立しそうですが。

廣瀬:対立に火種は色々とあると思います。ただし、経済力が落ちているロシアは中国に対して強気に出られないというのが実情です。

――中央アジアには、旧ソ連諸国があります。なかでも中露関係を考えるうえで重要なのは、どこの国なのでしょうか?

廣瀬:もっとも重要なのはカザフスタンですね。国土が広く、中露両国に国境を接している。しかも、中国側の国境にはウイグル自治区があり、中国とカザフスタンが共同でウイグル対策をしていたことの意味は大きいです。

 他方、ロシアにとって真の盟友と言える国が、先のユーラシア経済連合にも最初から加盟していることからもわかるように、カザフスタンとベラルーシです。地理的にも中露に挟まれ、政治的にもカザフスタンはバランサーとして重要な役割を果たしてきました。

――カザフスタンもエネルギー資源は豊富なのでしょうか?

廣瀬:石油も天然ガスも豊富で、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、中国を結ぶパイプラインが完成し、カザフスタンも中国にエネルギー資源を輸出しています。

――他にも中露関係で、重要な国はありますか?

廣瀬:ウクライナですね。ウクライナとジョージアはもともと親欧米で、NATOやEUへの加盟を目指していました。それが実現すると困るのがロシア。ウクライナのNATO加盟を阻止するためにユーラシア連合構想が生まれたとすら言われるほどです。だからこそ、ウクライナ危機が起きたのです。

 中国は、ウクライナと軍事的なつながりが非常に強い。中国はウクライナから多くの軍事装備品や技術を得てきましたが、ウクライナ由来の軍事装備品の代表格が空母「ワリャーグ」で、中国で改良され2012年に「遼寧」として生まれ変わりました。そもそも、ウクライナ危機で混乱しているウクライナ東部は、旧ソ連時代から軍需産業の集積地です。ウクライナ危機が起きてから、国内の経済が悪化し、軍事工場も稼働できなくなりました。そのために、ウクライナの軍事工場や技術者たちははなりふり構わず、中国などに技術や軍事装備品を売るようになったのです。

――さらに、北朝鮮の核弾頭ミサイル開発にもウクライナの軍事技術が関わっているとの指摘もありますね。

廣瀬:ウクライナ危機後、北朝鮮のミサイル技術が急速に発展しました。相当数のウクライナ人エンジニアが北朝鮮へ渡ったとも一部では言われています。

――ロシアから中国が武器を輸入することはないのでしょうか?

廣瀬:ロシアが中国へ輸出したほぼすべての戦闘機がコピーされ、他国に売却された過去があり、ロシアは相当な不信感を抱いていました。しかし、ウクライナが軍事機密を中国に売ってしまうこともあり、2〜3年前からロシアも中国へ武器を売るようになりました。

――中露は親密なのかどうか本当によくわかりませんね。ところで、中露関係が、国際社会に今後どんな影響を与えていくと考えられますか?

廣瀬:ここまでのように中露の動向だけを見ていると、さまざまな影響がありそうですが、世界規模で見ると大した影響はないと思います。その一番の要因は、やはりロシアの国力の低下、プーチン人気の陰りなどが挙げられます。

――嘘か真かはわかりませんが、プーチン大統領の支持率は常に高い数字ですよね。

廣瀬:プーチン大統領が就任した当初はバラマキ政策や、14年のクリミア編入により支持率は80%以上を維持していました。経済制裁やルーブルの下落で経済状況が悪化した際にも、プーチンはアメリカが経済制裁を行い、石油価格を操作しているために経済が悪化していると説明し、支持率が落ちなかった。ところが、ロシアワールドカップ期間中に年金受給年齢を徐々に引き上げるという法案を発表したことで、国民の反発を買い、公式の支持率が67%、民間のシンクタンクの調査では37%まで落ちました。ロシアの平均寿命は66歳であるにもかかわらず、年金受給年齢を2028年までに男性が60歳から65歳、2034年までに女性が55歳から63へ引き上げると発表したからなのですが、その後、猛烈な反発が生じたため、8月末に女性の受給年齢は、8歳ではなく5歳引き上げ、つまり60歳とするというのは緩和案を発表しましたが、それでも国民の怒りは収まっていません。

――中露と近い朝鮮半島への影響もあまり大きくはありませんか?

廣瀬:韓国への影響はありますね。今年6月にアメリカのトランプ大統領が、金正恩委員長とシンガポールで会談しました。今後、米韓合意を破棄するとトランプなら言いかねません。もしそうなった場合、韓国は中国に飲み込まれる可能性がある。そこで、韓国はロシアへ接近しています。事実、ロシアワールドカップ期間中、ムン・ジェイン大統領は、自国チームの応援という名目でロシアへ飛び、ロシアから北朝鮮、韓国を結ぶ鉄道とパイプライン計画に合意したのを始め、プーチンと話し込み、さまざまな事案で合意に達したと言われています。ロシアとしても、韓国とのディールが結実すれば、朝鮮半島全体にエネルギー、輸送インフラによって影響力を行使できるため、対中、対米戦略の上でも極めて重要な意味を持ちます。

――廣瀬先生は昨年フィンランドに1年間滞在されていたとのことですが、ヨーロッパから見た中露関係とは、日本から見るそれと違うのでしょうか?

廣瀬:フィンランド滞在によって、中露関係に関してより俯瞰的に見ることができたと思います。たとえば、中国に関してヨーロッパの人たちがどのように見ているか。一帯一路のなかで、陸と海のシルクロードの他に、近年では北極圏のシルクロードも入ってきました。3年前に北極圏で現地調査をした時点では、中国の進出に対し好意的でした。しかし、昨年聞いてみると、かなりの割合の人が批判的な意見になっていた。

――ロシアに関してはどうでしょうか?

廣瀬:まず、ロシアはご存知のような広大な国土の国で、モスクワやサンクトペテルブルクなどの主要都市は東欧にありますが、その他の約70%はアジア地域です。

 ヨーロッパの国々のロシアへ対する反応は温度差がある。たとえば、顕著にロシア嫌いな国としては、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国とポーランドが挙げられますが、逆に親ロシアなのが、イタリア、ハンガリー、ギリシャ、キプロスなどです。時期や時のトップによって態度を変えてきたのが、ドイツやイギリス、フランスなどだと言えるでしょう。例えば、イギリスの場合、金融界にロシアの新興財閥が深く関わっているため、以前はロシアに対してかなり配慮しているように見えました。

――他にも、サッカープレミアリーグの名門チェルシーのオーナーは、ロシア人石油王のアブラモビッチですしね。

廣瀬:今年3月に、イギリスで起きた元ロシアの二重スパイの暗殺未遂事件で神経剤ノビチョクが使われたと言われています。事件発覚後、イギリス政府は自国の外交官を引き上げたり、ロシアの外交官を追放したりしたほか、諸外国にも対露制裁を呼びかけるなどかなり厳しい態度に出まして、現在は米国と並ぶ世界で最もロシアに対して厳しい態度をとっている国になっています。しかし、その影響で、アブラモビッチにもビザが下りず、彼の資金によるサッカースタジアム改修計画が頓挫したとも聞いています。

 一方で、イギリスはプーチンと敵対し、ロシアから亡命してきた新興財閥のオーナーたちを匿ってきました。たとえば、故・ボリス・ベレゾフスキーや、ミハイル・ホドルコフスキーなどです。特に、ホドルコフスキーは現在、資金を提供し、ロシアの悪事をジャーナリストに暴かせたりしています。先日、中央アフリカでロシア人ジャーナリスト3人が殺害されましたが、そもそも中央アフリカに行ったのは、ホドルコフスキーが依頼した仕事のためで、仕事中に殺害されたのでした。

――最後に、どんな人に本書を薦めたいですか?

廣瀬:一帯一路やユーラシア連合構想は、日本とも直接関わる問題です。また、近年、北極圏の資源などをめぐり争奪戦が起きています。なかでもロシアが目立ちますが、北極圏以外の国では中国の動きも目立っています。実は、日本も北極圏の問題に積極的に関わっているのですが、そのことはあまり広く知られていない気がします。しかし、中国の一帯一路のようなユーラシアを広く見据えた戦略に対抗していくためには、より広い地域を戦略的に捉えてゆくことが不可欠です。もっと広く地域を見る感覚は、日本人の参考になると思うので、本書がその一助になれば嬉しいですね。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13997
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/898.html#c2

[国際23] 欧州で急速に高まる中国企業への警戒感 米国が国防費を対中戦にシフト 中国にまたしてもやられた日本政府 うまき
3. 2018年9月21日 19:39:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1532]
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14012 WEDGE REPORT
満州事変の屈辱の日に発表、底流に「中国封じ込め論」
2018/09/20
佐々木伸 (星槎大学大学院教授)

満州事変後、上海の街角に張り出されたポスター(近現代PL/アフロ)
 トランプ米大統領が発動を決めた「対中追加関税第3弾」の対象は年2000億ドル(22兆円)という巨額なものになった。第1、2弾と合計すると、中国からの全輸入額の半分に相当する。今回の標的は家電や家具、食料品など消費材が多く、年末のクリスマス商戦に影響が出るとの懸念が強い。激化する米中貿易戦争の背景を探った。
中間選挙の勝利が最優先
 トランプ大統領の「中国叩き」の直接的な目的はなにがなんでも11月6日の中間選挙に勝つことだ。中国との貿易不均衡を是正するという選挙公約を実現し、米有権者の支持を獲得するというのが狙いだ。たとえ、中国から実際に譲歩を引き出せなくても、そうした厳しい姿勢を打ち出すことで支持を拡大できるという計算だ。
 大統領が中間選挙での勝利を是が非でもほしいのは与党共和党の議会支配を維持しなければならない事情があるからだ。今、大統領には、大統領選挙でロシアと結託したのではないか、そうした疑惑のもみ消しを図ったのではないか、というロシアゲート事件の捜査がヒシヒシと迫っている。もし、中間選挙の結果、野党民主党が下院で過半数を押さえれば、大統領の弾劾というシナリオが一気に現実味を帯びてしまう。
 大統領の弾劾は下院の過半数の賛成で訴追が決定され、上院の3分の2以上の同意で有罪となり、大統領は罷免される。現在、下院(435人)では、共和党が民主党より23議席上回って過半数を握っているが、中間選挙では民主党が逆転するというのがほぼ一致した見方。ただ、約60の議席をめぐっては両党の激戦となっており、どう転ぶか分からない。共和党が2議席上回る上院(100人)では、改選議席33のうち、8議席から9議席が接戦だ。
 今回の選挙は事実上、トランプ大統領の「信任投票」(米紙)。それだけに大統領は有権者に人気の高い対中貿易赤字の縮小を前面に出してがむしゃらに強硬措置を連発しているわけだ。民主党はトランプ氏の政策のほとんどすべてに反対だが、対中強硬方針については賛同する議員が多い。
 トランプ大統領は中国が今回の追加関税に報復措置を取れば、残りのすべての輸入品に追加関税を課すことを検討すると言明しており、貿易戦争が緩和する兆しはない。大統領は18日、「中国は長い間、米国を利用してきた。だが、そうしたことはもう起こさせない」とあくまでも強気の姿勢だ。
関与から対抗へ
 こうしたトランプ大統領の過激な言動がとりわけクローズアップされる一方で、米識者の間では、米中対決が「単なる貿易戦争ではない」との見方も根強い。米国は1972年、当時のニクソン大統領が電撃訪中して国交を樹立して以来、中国を国際的な枠組みに取り込もうという「関与政策」を続けてきた。
 グローバル化が進むにつれ、中国は世界の工場として急成長、米国との相互依存関係を強めた。だが、オバマ前政権の頃から、こうした協調に基づく「関与政策」が中国の政治・経済の開放をもたらさなかったという焦燥感がエスタブリッシュメントの間に広まった。トランプ政権に交代してからも、中国が近い将来、経済的に米国を凌駕するのではないか、との脅威論が強まった。
 トランプ政権は巨額な補助金を使った中国の産業育成策「中国製造2025」をつぶしたいという思惑もあるといわれ、底流で米国の対抗勢力を抑え込む「中国封じ込め論」が急速に形成されつつあるようだ。オバマ政権の国務次官だったカート・キャンベル氏らは米外交専門誌への寄稿で「関与政策」の失敗を論じる一文を発表している。
タネ切れの中国
 中国は米国が第3弾を発動する24日に報復関税を発表する見通しだ。だが、その対象は600億ドル分だという。米国による7月の第1弾340億ドル、また8月の160億ドルにはそれぞれ同額の追加関税を課す報復措置で対抗した。しかし今回は、それができなかった。
 中国の米国からの輸入は輸出の4分の1程度しかないため、関税を掛けようにも対象がない状況、つまりタネ切れ状態なのだ。中国の元高官は最近、必要なら米企業のサプライチェーン(供給網)にとって死活的な部品の輸出を停止すると恫喝。米国が中国に代る供給網の代替国を見つけるには数年かかる、と警告した。
 その何年かを耐えれば、トランプ政権が交代するだろうとの期待を込めての発言だが、中国にとってこの戦術は危険極まりない。専門家によると、中国からの対米輸出の40〜50%は米国や日本などの外国企業が製造している製品や部品だ。彼らはいわば中国にとって味方でもある。しかし、部品の輸出ができないことになると、外国企業は中国を見限り本国や他国に工場などを移転しかねない。実際、日本企業の一部はすでに、中国から撤退を開始している。
 日米貿易摩擦の際には、日本側が自動車工場を米国内に移転することによって、米国との妥協を図ったが、中国の場合、輸出に占める外国企業の部品などの割合が大きいので、そうした工場や産業の移転が事実上できない。専門家の1人は「関税で報復するのは限界がある。だからと言ってあまり極端なやり方は取りにくい。習近平政権は必死になって対応策を模索しているが、混乱し、苦悩している」と指摘している。
 トランプ大統領が第3弾の追加関税の発動を発表した9月18日は87年前に「満州事変」が起きた日である。中国にとっては「日本の侵略が始まった屈辱の日」(専門家)だ。習政権になってから、中国は日中戦争の始まりを従来の1937年ではなく、満州事変の起こった1931年と主張するようになった。トランプ大統領が満州事変の勃発日と知っていたかは明らかではないが、中国にとっては新たな屈辱の日になるかもしれない。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/893.html#c3

[経世済民128] 2040年「社会保障給付190兆円」が示唆する、日本の厳しすぎる財政事情 累進課税はなぜ正当化できるのか? 日本で超累進 うまき
2. 2018年9月22日 10:41:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1533]

>社会保障試算を前提に推計を延長すると〜名目長期金利が名目成長率を上回って推移するという前提のもと利払い費の増加で財政赤字GDP比はプライマリーバランス以上に悪化し、公的債務残高の対GDP比は再び200%に向かって上昇する見込みです。程度はともあれ収束に向かいつつあると見られた財政状況は、2028年度以降、再び発散

保護貿易や、労働規制などの現状では、生産性上昇が急速に進む可能性は、かなり低い

公的医療範囲の限定、年金給付の先送りなどの社会保障改革を行い、

労働期間を70歳程度まで延ばさない限り、いずれ高インフレの時代が来るのは間違いないことだし

既に、その予兆は出ている

>財政破綻し、日本円が紙くずになり、年金も社会保障も崩壊したときに、日本株の空売りやFX、あるいは仮想通貨への投資でなどで一部の人間だけが大儲けしたとしたら、ひとびとはそれを「不公平」だと感じないだろうか。そのときにこそ、富裕層に対して「補償」を求める超累進課税が復活するかもしれない。――富裕層が日本国内に残っていれば、の話

現実は、そうはならない

ベネズエラや、アルゼンチン、ソ連(ロシア)など破綻国家の推移を見ればわかるが

政治家や公務員の労働倫理すら崩壊して、公正な税制や社会保障など維持できなくなり

政治的弱者(普通の富裕層や、一般労働者)の金融資産や財産は消滅し、権力と癒着した集団へのバラマキ

政情不安と国内の対立、ポピュリズムのさらなる強化による成長停滞の悪循環が続く

というのが答え


そこから抜け出すのが簡単ではないのは、歴史が示す通りだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/544.html#c2

[経世済民128] 2040年「社会保障給付190兆円」が示唆する、日本の厳しすぎる財政事情 累進課税はなぜ正当化できるのか? 日本で超累進 うまき
3. 2018年9月22日 10:47:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1534]

>>01 日本政府の借金はすでにゼロになったし、財政は世界で一番健全

統合政府で見ても、負債はゼロではない

そして国民生活にとって、最も重要な指標は財政赤字の大きさなどではなく

インフレ率、可処分所得上昇率であり

それを支えるのが、産業の生産性(高付加価値産業をいかに維持・育成できるか)であり

いかに社会保障やインフラ整備を、コストパフォーマンスよく維持・向上していけるかだ


そして、さらに重要なのは、加速する温暖化や有害物質などによる環境と生態系の破壊を抑制し

持続可能な世界のための科学技術の開発と普及なのだが

それが理解できる人間は少ない


その典型がトランプの米国や中国なのだから、見通しはネガティブということだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/544.html#c3

[経世済民128] 安倍3選で現実味を増す “日本版リーマン・ショック”の到来 日本経済一歩先の真相(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
3. 2018年9月22日 11:39:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1535]

思ったとおり

>あちこちの地銀でも存続をかけ、不正融資が横行していても、おかしくない。それらが一気に噴出すれば日本版リーマン・ショックの到来だ。

>不正に走らなければ、生き残れない状況に地銀を追い込んだ責任はまず黒田総裁にあり、結局は安倍首相

リーマンショックのメカニズムを全く理解していないし

企業が淘汰されるのは自業自得

バカ過ぎて話にならない

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/539.html#c3

[経世済民128] 2040年「社会保障給付190兆円」が示唆する、日本の厳しすぎる財政事情 累進課税はなぜ正当化できるのか? 日本で超累進 うまき
8. 2018年9月22日 12:14:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1536]

>>02 ソ連(ロシア)など破綻国家
>>06 ソ連は 別に破綻してはいない

敗戦したソ連は崩壊だな

その後のウクライナなど東欧諸国の運命を見れば

財政破綻以上に悲惨とも言える


そして、その後、ロシアは財政破綻し、財政危機が続いた

ja.wikipedia.org/wiki/ソ連崩壊
ja.wikipedia.org/wiki/ロシア財政危機

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/544.html#c8

[経世済民128] 2040年「社会保障給付190兆円」が示唆する、日本の厳しすぎる財政事情 累進課税はなぜ正当化できるのか? 日本で超累進 うまき
9. 2018年9月22日 12:36:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1537]

>>07 レミーマルタンを5000円で買える様にしたのは富裕層優遇

恣意的な物品税廃止は、主に海外産品への公正な課税を目指したもの

そして利益を得たのは、所得が上昇してきた大衆だろう

別に富裕層は物品税が高くても困らない


富裕層優遇でいえば、高還元率のふるさと納税の方が遥かに有害


あと資産課税を公平さを保ったまま高累進税率にするのは、所得以上に、実質的・技術的に、ほとんど不可能だ

キャピタルフライトと資産下落、闇取引の横行で課税ベースが減れば、有害無益となる

本来、財産権を規定した憲法にも違反する


せいぜい配当課税を高める程度だろうが、これも法人化とTaxHavenを放置しては無意味

所得課税の10-5-3同様、結局、捕捉できなければ不公平が拡大するだけで意味はない


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/544.html#c9

[経世済民128] トランプ政権の矛先、日米協議で円安に向く可能性 NYで住宅価格の引き下げ相次ぐ−値下がり物件数は景気後退期上回る  うまき
1. 2018年9月22日 12:46:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1538]

ビジネス2018年9月22日 / 00:43 / 11時間前更新
焦点:米が日本の自動車輸出削減・現地生産拡大を非公式に要望 首脳会談で議論へ
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[東京 22日 ロイター] - 24日にニューヨークで開かれる日米通商協議(FFR)と26日の日米首脳会談では、貿易不均衡是正が大きなテーマになりそうだ。複数の関係筋によると、米側は非公式に日本側に対し、自動車の米現地生産拡大と輸出削減を求めてきている。自動車輸出削減は自由貿易の原則に反するだけでなく、国内の生産体制や雇用問題に直結し、日本経済全体にも大きな影響を与えかねず、日本側がどこまで自国の主張を貫けるのか注目される。

また、米側は合わせて2国間の自由貿易協定(FTA)締結も強く求めてくる可能性が高く、牛肉やジャガイモなど農産物の輸入拡大も、大きな争点になるとみられる。

複数の関係筋によると、米国は年間7兆円規模の対日貿易赤字の半分以上が自動車と同部品で占められていることを問題視しているもようだ。

昨年の日本から米国への自動車輸出台数は約174万台。一方、米国内で生産されている日本メーカーによる現地生産台数は約377万台。現地生産の規模が2倍となっているが、米側は現地生産の一段の拡大と日本からの輸出台数の削減を求めているという。

米・メキシコ間で合意した修正された北米自由貿易協定(NAFTA)の中に、自動車の数量規制とみられる項目が入ったことも日本政府・与党内での警戒を高めている。そこでは、メキシコからの完成車輸出が一定量を超えた場合、25%の関税を課すと明記された。政府関係者の1人は「米国が日本に対しても、同様の対応を求めてくる可能性がある」と指摘する。

また、経済産業省は2019年度の税制改正要望で、自動車関係税の大幅引き下げを要求している。表向き「2019年10月の消費税引き上げへの対応」(自民党幹部)だが、日米交渉を見据えた「自動車業界対策」(与党関係者)とも言われる。

武藤敏郎・大和総研名誉理事(元財務次官・元日銀副総裁)は21日、ロイターのインタビューで、日米通商交渉で自動車産業がどのような影響を受けるかが、日本経済最大の課題であると指摘。

可能性が指摘されている対米自動車輸出の数量規制については「米国には成功体験があるため、魅力的と考えている」と述べるとともに、日本もかつて実施したことがあるが「一度導入すると見直しが難しく、日本経済に厳しい結果となる」と語った。

今回の日米交渉では、茂木敏充経済財政相が24日、ニューヨークでライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と会談し、FFRの第2回会合を開く。米国は貿易赤字削減のため、自動車での不均衡是正のほか、FTAの協議入りを強く求めてくる可能性が高い。FTA交渉を通じ、牛肉やジャガイモなど農産物の対日輸出拡大を図ろうとするとみられている。

これに対し、日本側は米国を除く11カ国で合意した環太平洋連携協定(TPP)における農産品の関税水準を超えて、引き下げる考えはないことを主張する方針。

トランプ大統領と安倍晋三首相との日米首脳は、23日の夕食会で意見交換するほか、26日に首脳会談を行う予定になっている。

対北朝鮮問題などの外交・安全保障問題に加え、今回は日米通商問題が大きなテーマになることは確実な情勢とみられている。

安倍首相が、トランプ大統領との親密な関係をてこに、どこまで日本側の主張を押し通すことができるのか、日本政府関係者だけでなく、トランプ大統領の保護主義的な政策を注視する主要国の関心も高いとみられる。

(竹本能文 編集:田巻一彦)


 

 
ワールド2018年9月22日 / 07:09 / 3時間前更新
米司法副長官、トランプ大統領の解任発動提案 秘密録音も=NYT
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[ワシントン 21日 ロイター] - ローゼンスタイン米司法副長官が昨年春、トランプ大統領の発言を秘密裏に録音して、政権メンバーが大統領職を解任できる憲法修正規定の発動を提案していたと、ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙が21日伝えた。

2016年大統領選のロシア介入疑惑を巡り、セッションズ司法長官が昨年3月、捜査に関与しないと表明。ローゼンスタイン氏が指揮に当たった。同年5月には、特別検察官にモラー氏を任命している。

同紙の報道によると、トランプ氏がコミー連邦捜査局(FBI)長官を解任したことを受け、ローゼンスタイン氏が提案した。

ローゼンスタイン氏は司法省やFBIの当局者らに、秘密裏に録音した記録が政権内の混乱を表面化させるのに活用できると指摘したという。

ローゼンスタイン氏は報道について「不正確で事実として間違っている」と否定する声明を出した。

同紙は情報源について、一連の出来事やFBI当局者らのメモについて説明を受けた人物としている。

ローゼンスタイン氏はマッケイブFBI副長官(当時)に、大統領職交代について定めた憲法修正第25条を発動するようセッションズ氏やケリー国土安全保障長官(当時、現在は大統領首席補佐官)を説得できる可能性を伝えたとされる。

同紙は、いずれの提案も実現されなかったとしている。

*写真を追加しました。

 

ロシア政府が中銀にいら立ち、先週の予想外の利上げで−関係者
Evgenia Pismennaya、Ilya Arkhipov
2018年9月21日 20:35 JST
ロシアのプーチン政権幹部は先週ロシア中銀が利上げを決定したことにいら立っていると、事情を知る関係者2人が明らかにした。

  ロシア中銀は通貨危機への対処で4年前の誤りを繰り返さないよう危惧しているが、予想外の利上げでパニックの兆しが露見してしまったと関係者は発言。この関係者は政府の考えについての話であることを理由に匿名を条件に語った。

  ロシア大統領府に近い別の関係者は、制裁が近く実施されて資金流出が加速し、ルーブルに下落圧力がかかる恐れがあるため利上げが必要だと中銀が考えたのでないなら、利上げを待つことができたと論じた。

  利上げが決定された14日の中銀政策決定会合に向けて最高位の政策当局者からは異なる見解が聞かれており、利上げへの異論はこうした対立の継続を反映している。ブルームバーグが調査したエコノミスト42人のうち利上げを予想していたのはわずか1人。大統領府の首席経済顧問は金融引き締めを「極めて望ましくない」と語っていた。

  ロシア中銀はコメントの要請に応じなかった。

原題:Putin’s Government Said to Fume After First Rate Hike Since 2014(抜粋)

 
欧州通貨をロング、FOMC後ドルショート追加も-アセットOne
小宮弘子、Chikako Mogi
2018年9月21日 9:38 JST
伊政権や英国のEU離脱が現実的な形に、ユーロやポンドに安定感
今月の米利上げ後に株式や米金利が変調するかを注視
総資産運用残高が56兆円を超えるアセットマネジメントOneは、欧州政治の安定化を理由にここ数週間にユーロとポンドをロング(買い持ち)にした。一方、米国では利上げの悪影響が今後顕在化してくるとみており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後にもドルショート(売り持ち)を追加する可能性があるという。      

  竹井章ファンドマネジャーは18日のインタビューで、「ブレグジット(英国の欧州連合離脱)の話も何とか形がつきそうだし、ユーロ圏もイタリアのコンテ政権が意外に現実的な形になってきている」と指摘。欧州中央銀行(ECB)は少なくとも2019年夏の終わりまで政策金利を据え置く見通しだが、ユーロを考える上で「政治面も含めての安定感が出てきている」ことに着目していると語った。

  イタリアでは連立政権が予算編成にあたり欧州連合(EU)の財政赤字基準を尊重するとの見方が強まり、同国10年債利回りの対独スプレッドが約5年ぶりの水準から縮小。イングランド銀行(英中央銀行)は今月の金融政策委員会で7−9月の経済成長率予想を上方修正し、段階的な利上げの方向性を維持した。

  合意なきEU離脱への懸念からポンドは8月に1年2カ月ぶりの水準まで下落。ユーロもイタリア政治不安などを背景に4月から下げに転じ、8月に17年6月以来の安値を付けた。その後は欧州政治の安定化の兆しを背景に両通貨とも持ち直している。


  一方、来週25、26日のFOMCでは今年3回目となる利上げがほぼ確実視されている。足元の堅調な米景気動向と物価上昇を背景としたものだが、竹井氏は米債利回りが景気後退を示唆するとされる「インバージョン(長短逆転)するかは別として、フラット化しているのは事実で、金利を上げてきた過程で景気に負の影響は出てきてしかるべき」と指摘した。

  実際、企業債務の国内総生産(GDP)比率がピークを付けて下がり始めるという「事象的に過去リセッション(景気後退)になった時と同じような症状が出ている」と指摘。株価など資産価格の上昇は「最後の花火を打ち上げにいっている」形で、年末までに転換点を迎える可能性が高いと予想した。その上で、現在は若干ショートのドルポジションを「今後もう少し増やしてもいいかなと思っている」と述べ、FOMC後の株式市場や米金利の反応を注視する姿勢を示した。

  竹井氏によると、同社はドル以外に約2カ月前からオーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルをショートに振っている。円も「この2週間ぐらい」にショートにしたと言う。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-21/PFB2XZ6S972901?srnd=cojp-v2


 


 

メイ英首相、EUに敬意要求−離脱交渉の行き詰まり深刻化
Adveith Nair、Emma Ross-Thomas
2018年9月21日 23:57 JST
自らのEU離脱案、「たやすく拒否されるのは受け入れられない」
悪い合意ならない方がまし、とあらためて強調−ポンドは急落
英国のメイ首相は自らが提示した欧州連合(EU)離脱案を全面的に拒否したEUに対し、敬意を持って英国を扱っていないと非難した。離脱交渉を巡る膠着(こうちゃく)状態は深刻の度を増している。

  EU加盟国首脳は20日まで2日間にわたりオーストリアのザルツブルクで開かれていたEU首脳会議で、メイ首相の案は機能しないと率直に通告した。そこから一夜明け、メイ首相はロンドンで声明を発表し、悪い合意ならない方がましだとあらためて強調。自らの提案が「たやすく拒否されるのは受け入れられない」と訴えた。

交渉は「袋小路に陥っている」と話したメイ英首相(21日)

Source: Bloomberg)
  メイ首相は21日、首相官邸で「離脱交渉のプロセスを通じ、私はEUを敬意を持って扱ってきた。英国は同様の扱いを望んでいる。このプロセスの終了時に良好な関係が維持されるかどうかは、それ次第だ」と指摘。「交渉終盤の段階で、他方の提案を詳細な説明や対案もなくたやすく拒否するのは受け入れられない」と主張した。

  メイ首相の発言を受け、ポンドはドルに対し一時1.6%下落。この下落率が引けまで維持されれば、終値ベースで昨年6月以来の大幅安となる。

原題:May Tears Into EU and Demands Respect, Says Brexit at ‘Impasse’(抜粋)

ビジネス2018年9月22日 / 06:54 / 5時間前更新
英ポンド下落、合意なきEU離脱懸念高まる=NY市場
2 分で読む

[ニューヨーク 21日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、英国が条件などで合意しないまま欧州連合(EU)を離脱するとの懸念が高まったことを背景に英ポンドが下落した。

オーストリアのザルツブルクで開かれていたEU首脳会議から一夜明けた21日、英国のメイ首相はEU首脳は自身が示した提案を十分に説明することなく拒否したと指摘。離脱交渉は行き詰っているとの認識を示し、EUは離脱を巡る代替案を示す必要があると訴えた。また、条件などで合意した上で離脱するのが最善としながらも、望ましくない合意の上で離脱するよりは、合意がないまま離脱する方が望ましいとの考えも示した。

これを受け、英ポンドGBP=は1.44%下落。1日の下落率としては2017年6月以来最大となる可能性がある。

オアンダ(トロント)の首席外為ストラテジスト、ディーン・ポップルウェル氏は「英ポンドに対する弱気派が勢力を増しており、特に午前の取引で相場が大きく下落した」と指摘。「一段の下落も予想される」と述べた。

英ポンドが下落したことでドルは押し上げられ、終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.38%高の94.255。ただこのところ株価上昇などを受けたリスク選好度の改善を反映しドルは軟調となっており、週間としての下落は2月以来最大となる可能性がある。

通商を巡る懸念が後退し、トルコ中央銀行を初めとする新興国中銀が自国通貨の安定に向けた措置を導入する中、ユーロに買いが入り、欧州取引時間帯でユーロは対ドルEUR=で約3カ月ぶりに1.18ドル台に乗せた。ただその後ドルが上向いたことで、ユーロは下落。終盤の取引で1.174ドルとなっている。

ドル/円JPY=は112.62円。

市場は来週25─26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目。CMEグループのフェドウオッチによると、市場が織り込む今回のFOMCで利上げが決定される確率は93.8%となっている。

ドル/円 NY終値 112.56/112.59

始値 112.69

高値 112.78

安値 112.51

ユーロ/ドル NY終値 1.1749/1.1751

始値 1.1758

高値 1.1769

安値 1.1733

表はロイターデータに基づいています


 


 
BofAはリスク恐れ過ぎ、危機後の投資銀率いた幹部が決別
Ruth David、Ambereen Choudhury
2018年9月21日 16:03 JST
法人・投資銀行部門率いたマイスナー氏が19日に辞職を発表
リスク意欲巡る意見対立と合併助言業務での苦戦が背景と関係者
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の投資銀行部門で、リスクテークを巡る対立と市場シェア維持での苦戦が幹部流出を招いた。


マイスナー氏写真家:Scott Eells / Bloomberg
  金融危機後の混乱期を通じて法人・投資銀行部門を率いたクリスチャン・マイスナー氏は19日、辞職すると表明。同行のリスク意欲を巡る意見対立と国内の合併助言業務で市場シェア維持が困難な状況が理由だと、事情を直接知る関係者が述べた。マイスナー氏に続く幹部も出るかもしれないと付け加えた。  

  BofAのM&A(企業の合併・買収)助言手数料収入は今年、大手米銀の中で最も大きく減った。レバレッジドバイアウト(LBO)向けの高リスク融資ではかつて首位だったが今は3位に後退。ブルームバーグの集計データが示した。こうした案件で業務を獲得しようと競い合うさまざまな金融機関では、融資基準の緩和が起きている。

  BofAは、南アフリカ共和国の小売企業、シュタインホフ・インターナショナル・ホールディングス向けのマージンローン(証券担保融資)でやけどを負った。これをきっかけに、一部の案件でリスクをどこまで許容するのか激しい内部論争が起こり、最終的にリスクを抑える方向性が打ち出されたもよう。この論争の中心にいたのがマイスナー氏だったという。

  BofAはコメントを控えた。

原題:As BofA Gets Gun-Shy on Risk, Some Executives Head for Door (1)(抜粋)

 

テクノロジー2018年9月21日 / 13:47 / 3時間前更新
アングル:低成長の米通信株、セクター分類変更でも陽は差さず
2 分で読む

[20日 ロイター] - 米国株の「電気通信サービス」セクターは今週末の大規模な企業セクター分類変更で「通信サービス」に衣替えし、ネットフリックス(NFLX.O)やアルファベット(GOOGL.O)、フェイスブック(FB.O)など今をときめく業績好調な銘柄が新たに組み込まれることから、市場で大いに注目を集めている。

しかし米経済の好調を背景に投資家は引き続き成長株を選好しており、以前からこのセクターに組み込まれているディフェンシブ株のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ.N)、AT&T(T.N)、センチュリーリンク(CTL.N)の通信大手3社に陽が当たることはなさそうだ。

電気通信サービスは年初から4.4%の低下と11のS&Pセクター別指数で最も下落率が大きく、AT&Tは13.3%下げた。一方、新たに通信サービスに加わる銘柄の多くは大きく値上がりし、ネットフリックスが91.5%、ツイッターが21.7%、アルファベットが10.8%の上昇率を記録している。

確かに上場投資信託(ETF)に投資しているパッシブ運用の投資家は分類変更に合わせて通信株を保有するだろう。とはいえ高配当ながらも成長が鈍くディフェンシブ株と位置付けられている通信株は、多くのアクティブ運用の投資家からは引き続き冷たくあしらわれるかもしれない。

クレディ・スイスの株式ストラテジスト、パトリック・パルフレー氏は「通信株は影が薄くなりそうだ。投資家が配当利回りを理由に通信株に目を向けることはない。大きな成長機会を持つ銘柄に向かうだろう」と述べた。

金利上昇や景気拡大が続いているため、投資家は景気低迷時にパフォーマンスが良好な高配当株よりも成長株に資金を注ぎ込んでいる。また、ディフェンシブ株にも資金を配分してポートフォリオのバランスを取ろうとする投資家も、従来の通信株に安全性を求めようとはしないだろう。

パルフレー氏は「安全性や配当利回りを手に入れたいなら、不動産投資信託か公益株を買うだろう。こうしたセクターは配当利回りというテーマが一貫している」と話した。

トムソン・ロイターの集計によると、S&P総合500種構成企業の今年の増益率は21%、増収率は11.1%と見込まれる。通信株はそれぞれ16.7%、7.4%だ。

向こう1年の業績予想に基づく株価収益率(PER)の予想は電気通信サービスが18.4倍だが、通信株は10.6倍にとどまる。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは既に「通信サービス」に連動する新たなファンド「コミュニケーション・サービシズ・セレクト・セクター・SPDR・ファンド」(XLC.P)を、バンガード・グループは「バンガード・コミュニケーションズ・サービシズ指数ファンド」(VOX.P)をそれぞれ立ち上げた。

新たなETFは通信株にとってある程度の支えになるだろう。ただしパッシブ運用投資家が市場に占める比率は低下し、アクティブ運用投資家の影響力が増している。ブラックロックの試算では、2017年に世界の株式市場に占める指数連動投資家の比率は18%を割った。

運用成績でも成長株に投資するファンドが割安感のある銘柄に投資するバリューファンドを上回っている。リッパーのデータに基づくと、年初来のリターンは成長株ファンドの16.4%に対してバリュー株ファンドは4.4%にすぎない。過去5年で見ても成長株ファンドは14.9%、バリュー株ファンドは10%だ。

市場では「通信サービス」は分類変更後にS&P500に占める比率が従来の2%から10%に高まることから、通信株に新たに目を向ける投資家がいるのではないかと前向きな予想も一部で聞かれる。

しかし分類変更で株価上昇を期待するストラテジストですら慎重な姿勢だ。ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのグローバル株式・テクニカル・ストラテジスト、サメール・サマナ氏は「通信株は市場の見方が悲観的に方向に傾き過ぎているセクターの1つだろう」と分析した上で、それほど悲観的にならなくなる好機というだけかもしれないとの見方を示した。

Netflix Inc
361.19
NFLX.ONASDAQ
-4.17(-1.14%)
NFLX.O
NFLX.OGOOGL.OFB.OVZ.NT.N


 

ビジネス2018年9月22日 / 06:59 / 5時間前更新
ダウ連日最高値、貿易懸念が後退 セクター分類変更控え商い活況
5 分で読む

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米国株式市場では、ダウ工業株30種.DJIが連日で最高値を更新して終了した。貿易摩擦を巡る懸念が和らぎ、ボーイング(BA.N)などの工業株が上昇を主導した。

大規模なS&P総合500種のセクター分類変更を週明け24日に控え、商いは活況となり、出来高は2月9日以来の高水準となった。また、オプションや先物の決済日が重なる「クアドルプル・ウィッチング」に当たったことも出来高押し上げにつながった。

一方、ナスダック総合.IXICとS&P総合500種.SPXは下落して取引を終えた。週足では、ダウとS&Pが上昇。ダウの週間上昇率は約2カ月ぶりの高さとなった。ナスダックは下落した。

インバーネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は、市場はセクター分類変更に備えた動きになったと指摘した。

金融株.SPSYは下落。米連邦準備理事会(FRB)が来週利上げを実施することが予想されているものの、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る懸念から米長期債利回りが低下したことを受けた動き。

通信株.SPLRCLは1%上昇。24日から従来の「情報技術」セクターは「通信サービス」セクターに衣替えし、フェイスブック(FB.O)やウォルト・ディズニー(DIS.N)などの大型株は新セクターに含まれることになる。

主要ハイテク株「FAANG」銘柄は総じて下落。アップル(AAPL.O)、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)、ネットフリックス(NFLX.O)、アルファベット(GOOGL.O)は1.1─1.9%安。

個別銘柄では、警備サービス会社ADT(ADT.N)が続伸し、5%高で終了。アマゾンが、ADTの警備サービスと連携可能な新サービス「アレクサ・ガード」を発表したことが材料視された。

マクドナルド(MCD.N)は2.8%高。四半期配当を15%引き上げるとの発表が好感された。

マイクロン(MU.O)は2.9%下落し、半導体の下げを主導。米国の対中関税が少なくとも1年は業績を圧迫するとの見通しを示した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.04対1の比率で上回った。ナスダックでは1.21対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約107億7000万株。直近20営業日の平均である65億7000万株を約64%上回った。

S&P総合500種構成銘柄では56銘柄が52週高値を、1銘柄が新安値を更新した。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 26743.50 +86.52 +0.32 26726.25 26769.16 26680.37 .DJI

前営業日終値 26656.98

ナスダック総合 7986.96 -41.28 -0.51 8041.69 8057.26 7979.67 .IXIC

前営業日終値 8028.23

S&P総合500種 2929.67 -1.08 -0.04 2936.76 2940.91 2927.11 .SPX

前営業日終値 2930.75

ダウ輸送株20種 11532.56 +15.18 +0.13 .DJT

ダウ公共株15種 727.16 +2.40 +0.33 .DJU

フィラデルフィア半導体 1383.09 -4.58 -0.33 .SOX

VIX指数 11.68 -0.12 -1.02 .VIX

S&P一般消費財 932.39 -2.62 -0.28 .SPLRCD

S&P素材 380.16 -0.87 -0.23 .SPLRCM

Boeing Co
372.23
BA.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+4.77(+1.30%)
BA.N
BA.N.IXIC.SPXFB.ODIS.N
S&P工業 670.54 +2.07 +0.31 .SPLRCI

S&P主要消費財 567.05 +1.45 +0.26 .SPLRCS

S&P金融 477.54 -1.75 -0.36 .SPSY

S&P不動産 205.41 -0.27 -0.13 .SPLRCREC

S&Pエネルギー 556.34 +3.98 +0.72 .SPNY

S&Pヘルスケア 1091.93 +2.07 +0.19 .SPXHC

S&P電気通信サービス 158.86 +1.54 +0.98 .SPLRCL

S&P情報技術 1311.17 -4.50 -0.34 .SPLRCT

S&P公益事業 269.20 +1.05 +0.39 .SPLRCU

NYSE出来高 26.88億株 .AD.N

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23770 + 20 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 23725 - 25 大阪比


 
主要ニュース(共同通信)2018年9月22日 / 09:20 / 2時間前更新
プラごみ対策で投資先選別
共同通信
1 分で読む

 世界最大級の年金ファンドのノルウェー政府年金基金は、投資先を選別するため、深刻化するプラスチックごみの汚染対策など海の環境保全の取り組み強化と、関連情報の開示を企業に求める新たな方針を決めた。基金を運用するノルウェー中央銀行インベストメント・マネジメント関係者が22日、明らかにした。

 環境や社会問題に配慮した「ESG投資」推進の一環。漁業資源の乱獲防止なども求めており、対応状況の情報を投資先の決定に生かす。基金は日本にも投資しており、プラスチックの生産・販売や漁業に関わる企業の資金調達に影響しそうだ。

【共同通信】
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/546.html#c1

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