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ScYwLWGZkzE コメント履歴 No: 100006
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[経世済民128] トランプ政権の矛先、日米協議で円安に向く可能性 NYで住宅価格の引き下げ相次ぐ−値下がり物件数は景気後退期上回る  うまき
2. 2018年9月22日 12:53:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1539]

 
ロンドン住宅価格、7月は2009年以来の大幅下落
Lucy Meakin、David Goodman
2018年9月19日 21:21 JST
7月は前年同月比0.7%下落、平均価格48.5万ポンド
全国でも価格上昇率が3.1%に鈍化、13年8月以来の低い伸び
ロンドンの住宅価格は7月にほぼ10年ぶりの大幅な落ち込みを記録した。

  政府統計局(ONS)によると、7月のロンドン住宅価格は前年同月比0.7%下落し、2009年9月以来の下落率となった。平均価格は48万5000ポンド(約7160万円)。全国でも住宅価格上昇率は3.1%に鈍化し、13年8月以来の低い伸びとなった。

London's Falling
House prices in the capital drop by the most since 2009


Source: Office for National Statistics

原題:London House Prices Post Biggest Drop Since 2009 in July(抜粋)


 

https://jp.reuters.com/article/may-calls-brexit-talks-stalled-idJPKCN1M126L
ワールド2018年9月22日 / 01:08 / 11時間前更新
英EU離脱交渉「行き詰まる」、メイ首相が発言 ポンド下落
1 分で読む

[ロンドン 21日 ロイター] - 英国のメイ首相は21日、欧州連合(EU)離脱交渉が行き詰ったとの認識を示し、EUは代替案を示す必要があると訴えた。

前日までオーストリアのザルツブルクで開かれたEU首脳会議は、メイ首相の離脱方針の主要な部分を受け入れない姿勢を表明した。

英メディアは、EU側がメイ首相の提案を粗略に扱ったと報道。メイ氏はテレビ演説で双方とも相手に不可能なことを望むべきでないとの考えを示した。

「このプロセスを通じて、EUに対しただ敬意を持って接してきた」とし、「英国も同様の扱いを期待している。このプロセスの最後に良好な関係が持てるかどうかは、そのことにかかっている」と述べた。

首相の発言を受け、英ポンドは下げ幅を拡大し、一時約1.4%安の1.3080ドルを付けた。合意なしの離脱に懸念が深まる中、1日の下げでは年初来で最大となる見通しだ。

メイ首相は「詳細な説明や対抗提案を行うことなく、相手方の提案を単に拒否する姿勢は受け入れられない」と指摘。「EUには何が真の問題で、代替案は何かを説明してもらう必要がある。そうすることで議論が可能になる。そうした説明を受けるまで、前進することはできない」と言明した。

メイ氏は、北アイルランドを他の英国領と異なる扱いとする案に同意できない考えを示している。

EU側は、北アイルランドとアイルランドの国境を厳格に管理する方針に反発し、北アイルランドを域内関税同盟に残すか、他の代替案で合意できない場合、アイリッシュ海に実質的な国境を設ける方向で主張している。

メイ氏は記者団に対し、「(EU離脱を決めた)国民投票の結果を覆すことも、自国を解体に導くこともしない」とし、「交渉における2点の重要な問題の解決に向け真剣に取り組む必要がある」と述べた。

「国民投票はわが国がこれまでに行った民主主義最大の実践例」とし、再投票実施を重ねて否定。「投票の正当性を否定したり、結果を阻害したりする行動をとれば、わが国の民主主義に対する市民の信頼を脅かすことになる」とけん制した。

メイ首相は、英国が条件などで合意した上で離脱するのが最善となるが、望ましくない合意の上で離脱するよりは、合意がないまま離脱する方が望ましいとの考えも示した。

 

 

外為フォーラムコラム2018年9月22日 / 11:05 / 38分前更新
コラム:高速化する外為市場が放つ「曇ったシグナル」
Swaha Pattanaik
2 分で読む

[ニューヨーク 17日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 1日の取引高が5兆ドルに上る外為市場では、電子取引と自動化で通貨取引の速度はますます上がっているものの、誰が何をしているのか、そしてその理由を見極めることはどんどん困難になっている。

「急がば回れ」という格言に対して市場は馬耳東風のようだ。

国際決済銀行(BIS)が17日公表したリポートによると、外為のスポット(直物)市場では電子取引のシェアがこの10年間でほぼ2倍に増えて70%を超えた。電子取引プラットフォームのEBSでの外為のスポット取引のうちアルゴリズムによる注文も、ほぼ同程度の比率を占めている。電子化と自動化により取引のスピードは上がる一方で、価格は次から次へと更新されていく。

こうしたデータは情報を素早く集めて処理できる人々には宝の山だが、それが可能なグループは選別が進んでいる。BISのデータによると、世界規模で外為取引を処理する銀行の数は6行程度と、1998年以来で半分以下に減った。

勝ち組は顧客のリスクの一部を社内で相殺し、アルゴリズムを駆使して注文を小分けにする。そのため従来型のディーラーは短期の価格変動の原因となる資金の流れを把握するのが困難になった。

細分化は事態をさらに難しくしている。多種多様な取引媒体が生まれ、トムソン・ロイター・マッチングやEBSスポットといったかつて市場を席巻していた取引プラットフォームはシェアが低下した。BISによると、両プラットフォームの外為スポット取引でのシェアは2015年で15%弱だが、10年前には45%前後だった。

こうした大規模な流動性の出し手は十数もの異なる取引プラットフォームとつながっている。

そのため豊富な流動性があるとの印象を与えるが、いったん問題が生じればそれが幻想にすぎないことが露わになる。例えば2016年10月には明確な理由のないまま、ポンドの対ドル相場がわずか数分のうち1.26ドルから一気に30年ぶりの安値である1.20ドルを割り込む水準まで下がった。

急速に動く市場が抱える不透明さは中央銀行にとって厄介な問題だ。

中央銀行は金融政策を実行するとともに、準備資産を管理し、金融の安定維持を支えているからだ。しかし当局者でさえ時流に置いて行かれないようにするのが難しいというのだから、同じような問題を理解しようと努めている投資家や企業は気の毒としか言いようがない。

●背景となるニュース

・国際決済銀行(BIS)は17日のリポートで、外国為替取引などの市場で近年、急速に電子化が進んで構造的な変化が多数生じ、中央銀行は市場の監督方法の見直しを迫られていると指摘した。

・BISの市場委員会がまとめたリポートによると、これらの市場はますます自動化し、取引媒体が細分化され、大量のデータ創出を引き起こしている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 
外為フォーラムコラム2018年9月22日 / 08:59 / 3時間前更新
コラム:ヘッジファンドが白旗、「FRBと闘うな」の格言体現
Jamie McGeever
2 分で読む

[ロンドン 17日 ロイター] - ヘッジファンドがついに米連邦準備理事会(FRB)に屈したようだ。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドおよび投機筋のポジションは短期金利の上昇を予想する方向に急激に傾いた。

彼らが降参し、FRBが自ら示してきた金利パスに則って利上げすると考え始めた兆しだ。

世界金融危機以来の10年間、市場は低成長、低インフレ、不安定な金融市場がFRBの大幅な利上げを阻むと予想し、「FRBとは闘うな」という格言をあざ笑うかのように、こうした見方は概ね的中してきた。

しかしCFTCの最新データによると、ヘッジファンドと投機筋は30日物フェデラルファンド(FF)金利先物と2年物米国債先物の売りポジションを増やしている。FRBと闘うのを止めたようだ。

重要なのは、以前よりも急激な短期金利の上昇を見込んでいる点だ。年内にあと2回、来年さらに3回利上げするというFRBのガイダンスを受け入れているのだ。

11日までの週には30日物FF金利先物の売り越しが倍増、6万1151枚と2月以来で最大となった。この方向への変化は6週連続で、2014年6─8月以来で最長となっている上に、当時よりも変化の幅はずっと大きい。なにしろ今年7月にはまだ22万0563枚の買い越しと、買い越し幅が10年ぶりの大きさだった。

最新週は2年物米国債先物の売り越しも19万7128枚で、2月以来で最大。一方、10年物米国債先物の売り越しは68万2684枚でほとんど変わっていない。

総合すると、彼らはイールドカーブのフラット化(長短金利の縮小)に賭けている。これは実際のカーブの動きと一致する。ただし、投機筋が賭けているのは短めの金利の上昇に起因する「ベアフラット化」であり、長期金利の低下による「ブルフラット化」ではない。

米国債の2年物と10年物利回りの差は先週、20ベーシスポイント(bp)を下回り、2007年以来で最もフラットな状態に近付いた。2年物利回りは17日時点で2.80%と、過去10年間の最高水準となっている。10年物利回りは長年3.0%乗せの水準を維持できずにおり、17日は一時3%を突破した後下回った。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/546.html#c2

[経世済民128] トランプ政権の矛先、日米協議で円安に向く可能性 NYで住宅価格の引き下げ相次ぐ−値下がり物件数は景気後退期上回る  うまき
3. 2018年9月22日 13:29:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1540]
アベノミクスの巻き戻し、影響は数世代に
データを踏まえると日本政府の市場支配率はゾッとするほど高い

自民党総裁選に敗れた石破茂氏(左)と勝利した安倍晋三首相(20日) PHOTO: RODRIGO REYES MARIN/ZUMA PRESS
By
Andrew Peaple
2018 年 9 月 22 日 09:22 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 アベノミクスは当面、ここにとどまることになりそうだ。安倍晋三首相は20日、自民党総裁選で3選を果たし、2021年までの長期政権も視野に入った。今年に入り、黒田東彦日銀総裁の2期目続投も決まっており、今回の安倍首相の勝利により、黒田・安倍両氏が過去5年に進めてきた大胆な経済政策が途切れることはまずないだろう。
 日銀による異例の金融緩和がけん引役であるアベノミクスは、現時点でプラス面がマイナス面を上回っている。4-6月期(第2四半期)の日本の国内総生産(GDP)は前期比0.7%増と、健全な伸びを示した。名目GDPは2013年1-3月期末以降、11%増えた。その前の20年間の景気停滞と比べれば、大幅な改善だ。
 一方、日経平均株価は、企業の収益改善が追い風となり、1990年代初頭以来の高値圏にある。モルガン・スタンレーによると、MSCI日本株指数の株主資本利益率(ROE)は9.8%と、2012年の4.4%から上昇した。安倍政権は高齢化社会など日本が抱える長期的な問題への取り組みで一定の進展を遂げてもいる。過去5年に日本国内の外国人居住者は3分の1近く増えた。
日銀が保有する国債の割合
Central ControlBank of Japan's share of the Japanese government bond market

Source: Japan Macro Advisers
%2013’14’15’16’17’1810152025303540455055Feb. 2018x46.8%
 こうした成功例の中で、物価は依然、大きな汚点を残す。8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同月比0.9%上昇と、なんとか上昇の勢いは維持したものの、日銀が目指す2%のインフレ目標から離れた水準に張り付いたままだ。安倍首相の発言が微妙に変化した背景には、おそらくこうした状況がある。首相はこれまで重要課題としてきた物価の押し上げについて、日銀にとって目標の一つにすぎないと語るようになった。インフレ目標達成に関する発言の微調整は、政策担当者が物価との戦いは今後何年も続くことを受け入れたことを示唆している。
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 そのため、日銀はまだ相当な期間、金融緩和を維持することになりそうだ。日銀の超緩和策はすでに、市場にかなりのゆがみをもたらしている。ジャパン・マクロ・アドバイザーズによると、日銀が保有する国債は市場の50%近くに達する。また上場投資信託(ETF)を通じて事実上、多くの日本企業の株式も大量に保有している。
 世界的な「国家資本主義」台頭への懸念は中国に向きがちだが、こうしたデータを踏まえると、日本政府の市場支配率もゾッとするほど高い。安倍首相はこれまで、任期終盤に政策の「正常化」を目指す考えを示している。だがアベノミクスの巻き戻しの影響は、おそらく数世代に及ぶのが現実だろう。
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WSJ社説】米経済は新たな「ニューノーマル」に突入か
米国の景況感は2016年の大統領選の日から変わり始めた
ダウ工業株30種平均は20日、新たなトランプ関税をものともせずに最高値を更新した

2018 年 9 月 21 日 10:43 JST

 米経済はこのところ絶好調を維持している。大統領執務室を去って20カ月が過ぎたバラク・オバマ氏が今になって、自身の功績にしようとしているほどだ。20日にも米経済の好調ぶりがあらためて明らかになった。おそらくオバマ氏は、経済低迷は終わったとの演説を再びするのだろう。

 米労働省が20日発表した15日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比3000件減の20万1000件と、1969年11月以来の低水準となった。その要因の一つは、ハリケーン「フローレンス」で被害を受けた地域での申請件数が少なかったことにあるかもしれない。しかし、イリノイ州などいくつかの州では下落はさらに大きなものだった。何より、雇用情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均も記録的な低水準だったのだ。

 そして株式市場も20日、新たなトランプ関税をものともせずに最高値を更新。ダウ工業株30種平均の終値は前日比約1%高となり、1月に付けた最高値を抜くには十分だった。他の指数もそれに続いた。ツイートで反応したトランプ氏は、大文字ロックのキーを壊したようだ。「S&P 500 HITS ALL-TIME HIGH Congratulations USA!(S&P500が最高値更新おめでとう米国!)」。数カ月ぶりに自分の年金口座を確認した労働者がいれば、きっと彼らもハッピーだろう。

 いつもの注意書きを記しておこう。週間の新規失業保険申請件数はノイズかもしれない、実体経済は株式市場より大きい、地球上の誰一人としてダウ平均が明日どう動くかは知り得ない。トランプ氏の中国相手の貿易紛争はエスカレートする一方で、はっきりとした解決策はまったく見えない。

 一方、オバマ政権時代の経済低迷が「ニューノーマル」だと言われていた時のことを多くの読者が思い出すに違いない。米国の景況感は2016年の大統領選の日から変わり始めた。そして経済政策は過去20カ月で成長に向けて劇的にシフトした。これは偶然だろうか?

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上昇続く米国株、それでも上機嫌な「悲観主義者」
悲観主義的な「ブラックスワン」ファンドはなぜ、強気相場でも稼ぎ続けられたのか ILLUSTRATION: NISHANT CHOKSI
By Spencer Jakab
2018 年 9 月 22 日 07:35 JST 更新

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

*** 

 金融危機から10周年を迎え、次の暴落を警戒してもおかしくない時期となっている。だからといって相場の下落に賭けたとしても、たいてい負けてしまう。いや、本当にそうだろうか。

 米国株の最高値更新、貿易戦争の足音、ドナルド・トランプ大統領を巡る法的問題、さらに新興国市場の失速を見れば、再度の暴落に対する不安は強まる。今ではほとんど忘れ去られた危機――英国の欧州連合(EU)離脱投票、財政の崖、テーパリングかんしゃく――も不安をあおったが、結局はまたとない買いのチャンスとなった。S&P500種株価指数はリーマン・ブラザーズが破綻した日からこれまでに200%超のリターンを上げている。終始一貫して市場にとどまることの利点を指摘した投資の古典的研究「楽観主義者の勝利」を裏付けるさらなる材料となりそうだ。

 では、市場の崩壊に大きく賭けている人物が、すこぶる上機嫌なのはなぜだろうか。彼は崩壊が迫っている可能性も排除していないが、それが理由ではない。ほとんど誰もそれに備えていないことが理由だ。

 ヘッジファンドのユニバーサ・インベストメンツのマーク・スピッツナーゲル最高投資責任者(CIO)は「四六時中、迫り来る惨事について考えている」と語る。資産価格の急落を予想しているが、いつになるかは分からないという。一方で、強気相場がこの先何年も続く可能性もあると認めている。「バリュエーションは高い。まだ高くなる可能性がある」

 投資の評論は「言うがやすし」で、暴落を予想しながらいつ起こるか言わないのは、その最たるものだ。だが、ユニバーサの見解は注目に値する。何十億ドルという投資で自身の見解を実証し、有名な「ブラックスワン」の著者、ナシーム・ニコラス・タレブ氏がアドバイザーになっているからだけではない。スピッツナーゲル氏は予測不能な事象が危機を引き起こすとはみていない。予測可能なもの、すなわち中央銀行による異例の刺激策の結果としていずれ起こる反動が、危機の原因になると予想している。

 スピッツナーゲル氏のファンドが際立っているのは、危機がない中でも顧客が利益を享受していることだ。これは投資家も関心を向けるべき理由となる。2007年設立のユニバーサは、08に巨額の利益を稼いだ一握りのファンドの一つ。危機時に名をはせたジョン・ポールソン、デービッド・アインホーン、スティーブ・アイズマンといった大物投資家が悪戦苦闘するのを横目に、スピッツナーゲル氏は所々でちょっとしたもうけを稼いできた。例えば15年8月には、市場が乱高下した1日で同氏のファンドが約10億ドル(20%)の利益を得たと報じられた。

 今年に入り投資家に送付された書簡によると、投資資金のわずか3.3%をユニバーサに、残りをS&P500種指数に連動するパッシブ運用に回す戦略は、今年2月までの10年間の複利リターンが年率12.3%に達した。これはS&P500種指数を大きく上回る好成績だ。ポートフォリオの4分の3を株式に、4分の1を米国債や金、あるいはヘッジファンドのバスケットなど、典型的なヘッジ商品に投資した場合と比べても高さが際立つ。

 懐疑的になることと、懐疑的な見方に基づいて利益を上げることは同じではない。やはり金融危機時に知名度を上げたジョン・ハスマン氏は、2000年と08年の弱気相場を言い当て、さらに深刻な危機がやって来ると確信しているが、同氏の名を冠したファンドは09年以降、目もあてられない成績となっている。危機時に稼いだ利益をはき出したばかりか、さらに損失を出している。

 ハスマン氏は危険な分岐点を探り出してヘッジをかけようと試みるが、スピッツナーゲル氏はタイミングに関して何らの見解も持たない。通常はプットオプション(売る権利)を購入してヘッジを掛け、特に割安な場面で購入している。プットオプションは相場の下落時に価値が上がるが、たいてい期限を迎えて無価値になる。このアプローチは効果が立証されているバリュー投資戦略の一種で、割安かつ不人気の資産を買う手法だ。スピッツナーゲル氏は徹底的にニュースを無視し、何カ月も少額の損失を出し続けてもじっと堪え忍ぶことで、戦略に見合った忍耐と信念を発揮している。

 17年のように米国株がとりわけ好調な年には、貯蓄型保険を購入するのはカネの無駄遣いのようだった。ところがスピッツナーゲル氏は、「お菓子屋に入った子供」のように感じたという。ボラティリティー(変動率)が下がり、オプション価格が非常に安かったからだ。

 長期にわたって市場から離れていればコストがかかる。楽観主義者が勝利を収める理由はそこにある。ユニバーサの典型的な顧客は、暴落が近いかもしれないと思ってはいても、全額を投資し続けることを望んでいる。15年のように時折入ってくる予期せぬ利益は、ケーキにおまけのデコレーションが付くようなものだ。

 世間一般の投資家は、貴重な教訓を得るためにスピッツナーゲル氏の計算法を理解する必要はない。長らく順風満帆で相場が大幅に上昇していれば、自信が深まるのは人としてごく自然なことだ。だが、恐ろしく調子が狂う確率が最も高いのは、まさにそうした時なのだ。

 スピッツナーゲル氏は「われわれにとって今は非常に好都合な時だ」と述べている。


 

 
ジャンク債ぎりぎりの米社債、空前の規模に
高まりつつある隠れたリスク
格付け別に見た米国企業の社債発行規模(単位:兆ドル)Source: ICE Data Services
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By
James Mackintosh
2018 年 9 月 21 日 16:08 JST
――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
***
 投資家はトラブルの早期の警戒信号を求めて社債市場に注目することが多いが、現在は全て順調との安堵感にひたっている。しかし、よく注意して見ると、本当のメッセージが分かる。それは、隠れたリスクが高まりつつあるということだ。債券投資家にとって、次の下降期の痛みは通常より大きくなる可能性がある。その悪影響は、株の投資家にも波及するだろう。
 債券市場には、伝統的に二つの警戒信号が存在する。一つめは、1990年代の終わりと2007年のように、米長期国債と社債の利回り格差が極めて小さく、過剰にリスクをとっている状況だ。現在もこれと同じ状態だ。投資家が慎重さを欠いていることを気付かせる上で重宝する信号だ。しかし、この信号を活用することは難しい。なぜなら、トラブルが発生するまでの間、債券利回りが極めて長期にわたって低水準にとどまる可能性があることを、歴史が示しているからである。
 二つめの警戒信号は、借り入れが容易な期間が終わりに近づいたときに現れる。つまり、株式市場が危険を察知する前に、最もリスクの高い社債が投げ売りされるのだ。2007年にS&P500種指数がピークに達する何カ月か前に、米ジャンク債市場に問題が生じたほか、11年の投げ売りの数週間前にも兆候があった。ただ、この信号も絶対確実とは言えない。ドットコム・バブルが1998年の債券投げ売りの後も2年間続いたという例もある。とはいえ、この信号は注目に値する。
発行規模でみた社債の割合Source: ICE Data Services
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 現在、投資家たちは困惑しているかもしれない。一つめの信号は点灯しているが、二つめはよく分からないからだ。米国のジャンク債は好調に推移しており、悪いことはなにもないことが示されている。より質の高い債券が投げ売りされているにもかかわらずだ。
 米ジャンク債のオプション調整後スプレッド(米国債との利回り格差の標準的な指標)は、リーマン・ショック後の最低水準に下がったが、過去2回の経済サイクルの最低水準ほどには下がっていない。しかし、より規模の大きい投資適格債の世界では、同スプレッドが1月の最低水準から0.25ポイント上昇し、投資適格級の企業は連邦準備制度理事会(FRB)による1回分の利上げに相当する打撃を受けている。一体、何が起きているのだろう。
 高格付け債がかつてのような質を維持していない一方で、ジャンク債が以前より若干安全になっていると考えれば説明がつく。今年の夏は、米国の社債で「BBB」(ぎりぎり投資適格級に入る)に格付けされたものの比率が、金額ベースで初めて40%を超えた。欧州ではBBBに格付けされた社債の比率が米国よりさらに高い。
 2007年の時点で債券利回り格差は現在に比べて多少低かったが、投資適格債の中で最低水準の債券、つまりジャンク債に格下げされる可能性のある債券の比率も少なかった。米インターコンチネンタル取引所(ICE)のデータによれば、米債券のうちBBBはわずか26%、ユーロ圏では20%にとどまっていた。
 企業の最高財務責任者(CFO)たちは自社の社債がジャンク債に格付けされない範囲でできるかぎり大量の資金借り入れを行っている。ジャンク債への格下げは借り入れコストの急激な拡大につながるからである。格付け区分の境界線に注目が集まるのは、その水準次第で借り入れに伴うリスクが通常よりさらに高まる恐れがあるためだ。BBB格付け債の積み上がりは次に景気後退入りした際に、通常よりも多くの債券がジャンク債に格下げされる可能性がある。
 欧州には独自の特異性がある。欧州中央銀行(ECB)が投資適格債の買い付けを進めており、企業にとってはこれがジャンク債を(ごくわずかではあるものの)上回る水準に維持しようとする強い動機になっていることだ。
 ECBが2016年6月に社債購入プログラム(CSPP)を開始して以降、「ICE BofAメリル・ユーロ建て社債指数」を構成するBBB格債券は他の格付けの債券総数の2倍以上に達した。一方、シングルB、Cなど最低水準のジャンク債の数量は減少し、結果的にジャンク債全体の平均的な質が向上することになった。
 ジャンク債への格下げリスクがある債券の発行規模は、まずまずの経済成長にもかかわらず、既に震え上がるほどに高水準だ。シティグループの債券ストラテジスト、ハンス・ロレンツェン氏によれば、最弱のBBB格債券(見通しが「ネガティブ」で格下げ方向で見直し対象となっている債券)と、他にもジャンク級の社債を発行している企業によるBBB格債券を合計すると、現在の米ジャンク債市場規模である1兆ドルの約半分に相当する。欧州では、このように格下げすれすれの債券がすべて格下げされるとすれば、3470億ユーロ(約46兆円)にさらに約35%増えるだろう。そうなれば投資適格債ファンドが売りを余儀なくされ、膨大な消化不良状態が生じるのは確実だ。
利回り差投資適格級社債と米国債の利回り差の推移

Source: Federal Reserve Bank of St. LouisNote: ICE BofAML US Corporate Master option-adjusted spread

 朗報は、2008年の資金ひっ迫後、多くの債券ファンドマネジャーが自主ルールを変更し、それまでベンチマークに入っていなかった債券の少なくとも一部の保有を容認していることだ。彼らは直ちに格下げ債券を投げ売りすることはないだろう。しかし、市場の構造変化から生じる恐れのある格下げ債の膨大な規模に彼らが対応できるかどうかは不透明だ。
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 こうしたことすべてが投資家にとって悪いニュースになるのは、状況が悪化する場合だけだ。経済が拡大を維持し、デフォルト(債務不履行)が低水準のままであれば、借り入れを増やすのは株主にとって素晴らしいことであるし、債券保有者にとっても結構なことだ。ただ成長について誤った見方をすれば損失の拡大に直面するリスクを負っているということを投資家は認識すべきだ。
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とれんど捕物帳 まさに“THE市場” なぜドルは上がらない
配信日時 2018年9月22日(土)08:45:00 掲載日時 2018年9月22日(土)08:55:00
 今週は突然リスク選好の雰囲気が高まりドル円は112円台後半まで上げ幅を拡大した。トレンドも完全に上昇へ転換しており、目先は7月につけた年初来高値113.15円をうかがう展開を見せている。米中貿易問題は相変わらず解決の糸口が見えず、トランプ大統領は2000億ドル規模の中国からの輸入品に対する10%の制裁関税を発表した。来週の24日から発動する。トランプ大統領は加えて、問題が解決しなければ来年には税率を倍以上に引き上げるとしたほか、追加で2670億ドル相当の関税賦課の可能性にも言及した。

 市場からは予想通りとの見解も聞かれたが、来年の税率引き上げにも言及した辺りは予想以上だったのではとも思われる。面子を重んじる中国も600億ドル相当の報復関税を早速発表しており対抗心をあらわにしている。

 米中貿易問題は次のステップに完全にエスカレートしたが、市場は意外なほど冷静な反応を見せている。どこから出てきたのかはわからないが、突然、経済への影響は限定的だと言い出している。IMFをはじめ諸々の人たちはそうは言っていないようだが、この辺はまさに“THE市場”としか言いようがない。一部には来年になって関税が全て25%に引き上げられたとしても、米個人消費支出のうち家計が直接購入する中国からの輸入品の割合はさほど高くはなく、インフレへの影響は限定的との指摘も聞かれる。もし、現時点で賦課が決まっている計2500億ドルの中国からの輸入品への関税が来年に全て25%に引き上げられたとしても、インフレへの影響は前年比で0.3%以下だとの試算もあるようだ。

 市場が過度にネガティブな反応を示さなかったことは有難いことではあるが、この辺は成り行きを見守るしかないのであろう。来週はFOMCがあり、経済見通しやパウエルFRB議長の会見も予定されている。FRBは貿易問題の影響をどう見ているのか確認したいところではある。

 もう一つ解釈が悩ましい動きがある。ドル高になっていないという点だ。確かに、これまでリスク回避のドル買いだったことからその巻き返しとも言えるが、もしファンダメンタルズに市場の意識が戻っているのであれば、米国と他国の金融政策の格差から、ドル高という解釈になるのであろう。米10年債利回りは大台の3%台を回復しているが、「FRBのタカ派姿勢を織り込む動き」との解釈も債券市場では聞かれた。

 しかし、為替市場はドル高にはなっていない。常に米財政赤字や様々な外部要因があり、金利と為替レートの相関関係が従来よりも薄れているともいえなくはないが、やはりグローバル化とポジションの状態が大きく影響しているという説が有力なのかもしれない。

 一つは、リスク選好の雰囲気になれば、米経済と新興国を始めとした他国経済とのカップリングが再び強まり、ドルから資金が移動することが期待され、それを市場は先取りしているというもの。そしてもう一つは、グローバル化の環境下で、ドルロングが過度に積み上がっていれば、どうしてもその解消圧力が働くというもの。実際、ドルロングはFRBの利上げ姿勢やトランプ大統領の減税などの経済政策の効果で高水準に積み上がっている。米シティバンクが算出しているシティFXペイン指数というのがある。ヘッジファンドなどの持ち高を推計したものだが、ドルのポジションは算出以来の高水準に再び上昇している。リスク選好の雰囲気になれば、ある種アルファの出ている他国へ資金を移動したくなるのであろう。円についても似たようなことが言えるのかもしれない。もっともこちらは金利ではなく信頼感だが。特に日本人の。

 さて来週だが、FOMCが予定されている。結果発表は日本時間で27日未明。今回はFOMCメンバーの経済見通しや金利見通し(ドット・プロット)、そして、パウエルFRB議長の会見が予定されている。0.25%の利上げが確実視されており、そのこと自体は既に織り込みだ。12月の利上げの可能性も示唆してくるであろう。注目は上記の貿易問題の影響も含めて来年以降どう見ているのかという点。

 現在の市場の流れからタカ派な見通しを示すとの予想も出ているが、個人的には中立か、もしくは、慎重姿勢を強調してくるものと思われる。将来の景気後退局面に備えて中立金利までの利上げは主張してくるものと思われるが、他国との金融政策の格差を過度に広げたいとは思わないであろう。

 現在の流れからすれば、素直にドル売りの展開が予想されるが、株高の反応が見られれば、ドル円は上値を伸ばすかもしれない。ただし、あくまで円売り・ドル売りであることから、上値抵抗はそれなりにあるものと思われる。来週は日本企業の中間期末でもある。

 レンジとしては112.00〜114.00円を想定。スタンスは「中立」から「やや強気」に変更する。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↑↑↑)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↑↑↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

 


株式報酬にも男女差別? 米新興企業で大きな開き自社株保有額の比率は男性100に対して女性47、賃金格差より深刻か

米スタートアップ企業の男女間の保有株式の差は、女性創業者に関しては一段と顕著だ PHOTO:MICHAEL NAGLE/BLOOMBERG NEWS
By
Yoree Koh
2018 年 9 月 21 日 12:55 JST 更新
 米スタートアップ企業の女性従業員の自社株保有額は、男性従業員の半分以下にとどまることが最新調査で明らかになった。富を生み出すシリコンバレーの仕組みに女性が関与しにくい1つの要因が浮かび上がった。
 男性従業員の株式保有額1ドルに対し、女性従業員の保有額は47セントであることが、カルタ(カリフォルニア州パロアルト)が公表した最新の調査結果で判明した。同社はスタートアップ企業の従業員や投資家の株式持ち分の管理業務を支援している。創業者に関してはこの男女差がより顕著だった。男性創業者の株式保有額1ドルにつき、女性創業者は39セントにとどまる。
 この調査は全米の幅広い業種を対象にしているが、恐らくハイテク業界の問題に一番関連性が高い。創業間もない企業がひとたび軌道に乗れば一獲千金も夢ではないため、この業界では給料を低く抑える代わりに株式を付与するモデルが一般的だからだ。この仕組みは何世代にもわたり、シリコンバレーの有力者を生み出してきた。十分な富を得た彼らは他のスタートアップ企業を応援し、自身の温めてきた計画を実行し、政治運動に資金を用立てるなどしてきた。
 ハイテク業界は男女間の不平等について厳しい批判を浴びている。その中には賃金格差や職場での差別も含まれる。全ての問題がこの分野で働く女性の不足によって悪化している。
 大手ハイテク企業はここ数年、多様性データの年次報告書を公表している。それによると一般的に女性は同業種の労働者全体の3分の1を占めるが、技術職や上級職ではその比率がはるかに低い。

少ない女性従業員・創業者の株式持分スタートアップ企業の女性従業員の株式保有額は男性正従業員よりはるかに少ない男性の株式保有額1ドルに対して、女性の保有額は・・・

Source: Carta
女性従業員女性創業者0(単位:セント)255075100女性創業者 x39(単位:セント)

 最新データが示すのは、ハイテク企業に女性の働き手が少ないことよりも「この問題ははるかに重要だ」ということだ。ツイッターの元幹部で6人の女性エンジェル投資家からなる「#エンジェルズ」の創業者であるクロエ・スラッデン氏はそう話す。株式報酬の格差は、女性が変化をもたらす「現実的な推進力」を弱めていると同氏は主張する。
 この分野の調査研究はまだ進んでおらず、格差が生まれた理由を特定するのは難しい。だがスラッデン氏によると、#エンジェルズのメンバーは早い段階で重要かつ専門的な役職に就く女性が少ないことが、主たる要因だと考えているという。さらに、女性の経営する企業がどのように見られるか、交渉の場で女性がどのような印象を与えるかなどを含め、その理由の一部は偏見に根ざしているとの仮説を立てている。
 今回の分析は、カルタが情報を持つ米スタートアップ企業6000社余りの約18万人の従業員から収集した匿名のデータに基づいて行われた。1万6000人近い創業者のうち約87%を男性が占める。各企業には平均で34人の従業員がおり、創業年数は5年をやや下回る。
 これまで、創業間もない企業の資本構成を示す資本政策表(キャップテーブル)に、女性がどの程度寄与しているかを示すデータはほとんど見られなかった。カルタによると、女性従業員は自社株を保有する従業員の35%を占めるものの、持ち分では20%にとどまる。調査対象となった企業の株式価値でみると、女性は約22億ドル(約2500億円)、男性は88億ドルを保有。カルタが算出した適正市場価格に基づいて換算すると、女性1人の平均額は3万5319ドル、男性は7万4998ドルとなる。
 女性の創業者は創業者全体の約13%いるが、株主資本の6%弱を占めるにすぎなかった。株式価値では約18億ドルとなり、これに対して男性の創業者は298億ドルを保有している。
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カバノー氏性的暴行疑惑、告発した女性の素顔
クリスティーン・ブレイジー・フォード氏
クリスティーン・ブレイジー・フォード氏 PHOTO: UNCREDITED
By Alexandra Berzon, Sadie Gurman and Zusha Elinson
2018 年 9 月 21 日 10:44 JST 更新

 「高校時代に性的暴行を受けた経験を話したことがあった?」。クリスティーン・ブレイジー・フォード氏は今夏、大学時代の親友に、奇妙なメッセージをフェイスブック上で送っていた。

 フォード氏の親友で、ノースカロライナ大学時代のルームメイトだったキャサリン・ピオワルスキー氏は、その記憶はないと答えた。ピオワルスキー氏は当時、フォード氏が最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏から性的暴行を受けたことを告発しようと考えていたとは、全く知らなかった。

 フォード氏の友人や知人への取材からは、政治や心の傷よりも、スポーツや科学について話すことを好む、身の固い人物像が浮かび上がってくる。実名でカバノー氏の性的暴行疑惑を告発したことで世間の注目を集めることになったフォード氏は、居心地の悪い状況に追い込まれた。そして30年来の事件の記憶は目下、ドナルド・トランプ米大統領が目指す2人目の最高裁判事の指名承認を巡る攻防を左右する重要な要因に浮上している。

 民主党は性的暴行疑惑を根拠に、カバノー氏は最高裁判事として不適格だと主張。共和党はフォード氏の主張を退けることはせず、なぜより早い段階で告発しなかったのか疑問を投げかけている。またフォード氏の記憶は曖昧で不正確とする一方で、最高裁判事に適任だと考えるカバノー氏の評判を落としかねないとみている。

 フォード氏の弁護士を務めるデボラ・キャズ氏は18日遅く、フォード氏が最近、ネット上で脅迫や殺害予告を受けるようになり、家族は引っ越しを余儀なくされたと明らかにした。こうした嫌がらせを受けて、フォード氏は来週24日に予定されている公聴会の出席をためらっているという。当初は公聴会で証言することを承諾したが、米連邦捜査局(FBI)による捜査を出席の条件とする考えを示した。ただ、共和党側は捜査を拒否している。

 フォード氏に電話や自宅訪問を通じてコメントを求めたが、返答はなかった。同氏の弁護士もこれ以上の情報提供に応じていない。


Three Senators Key to the Kavanaugh Confirmation
Three Senators Key to the Kavanaugh Confirmation
高校時代の性的暴行疑惑が浮上したカバノー氏(英語音声、英語字幕あり)Photo: Getty
 心理学者であるフォード氏(51)は米紙ワシントン・ポストに対し、1980年代初頭、あるパーティーの場で、当時高校生だったカバノー氏と、その友人であるマーク・ジャッジ氏にベッドルームに連れ込まれ、ベッド上で動けないよう押さえつけられたと語っている。体をまさぐられ、服を脱がされようとしたが、なんとか逃げ出したという。事件についてはその後、2012年に夫と一緒に行ったセラピーを受けるまで、口外したことはなかったという。

 それに対し、カバノー氏(53)は疑惑を全面的に否定。フォード氏が現場にいたとするジャッジ氏も議員に対し、記憶はないと述べている。

 フォード氏の友人は、彼女は信頼できる確かな人物だと語る。カバノー氏の友人も、彼は尊敬できる立派な人物だと話す。

 現在、パロアルト大学の教授であるフォード氏は、メリーランド州ベセスダにある女子校ホルトンアームズ・スクールの出身だ。カバノー氏が通った男子校ジョージタウン・プレップスクールからそう遠くない所にある。高校時代の友人は、フォード氏は親切な人気者のチアリーダーで、サッカーや飛び込み競技などのスポーツ活動に参加していたと話す。

 サマンサ・セメラド・ゲリー氏はフォード氏の告発について「証明できないなら、彼女が書くことはない」との友人の言葉に触れ、こう述べた。「彼女は過度に感情的になるタイプではない。論理的推論に基づく判断だ」。ゲリー氏は、フォード氏への支持を表明する議員向けの書簡に署名したホルトンアームズの級友の1人だ。

 一方、高校時代にカバノー氏と交際していたマウラ・ケーン氏は、カバノー氏について「一緒にいるときは常に相手を尊重し、親切で思いやりのある人物」とし、性的暴行を犯すことなど考えられないと反論する。

 フォード氏が数十年を経ても、心に深い傷を負っていることは明白だとの指摘も聞かれた。友人の1人、ジム・ゲンスハイマー氏は、ベッドルームにドアが1つしかないと閉じ込められた感覚に陥るため、2つ以上必要だとフォード氏が打ち明けたことがあると明かす。さらに実名を公表することで、プライバシーが侵害されることへの懸念も口にしていたという。

 フォード氏は事件後、心理学者として素晴らしいキャリアを築く。子供の虐待・育児放棄と成人の鬱病との関係や、2001年9月11日の米同時多発テロ後のポストトラウマティックグロース(心的外傷後の成長)といったテーマについて、50以上の書籍や出版物を共同執筆している。

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 フォード氏は7月、ワシントン・ポストにカバノー氏の性的暴行疑惑について情報を提供。地元選出のアンナ・エシュー下院議員(民主、カリフォルニア)に書簡を送った。エシュー議員は、米上院司法委員会の民主党トップ、ダイアン・ファインスタイン議員(カリフォルニア)に連絡を取るようフォード氏に促した。弁護士のキャズ氏が上院司法委に送った書簡によると、フォード氏はカバノー氏について「完全に理解」してもらうため、議員に匿名で疑惑について語ることを希望した。だが、メディアに書簡の内容が流出したことで、自ら名乗り出て語ることを選んだという。キャズ氏は、セクハラ疑惑を告発する「#MeToo」運動の被害女性を担当する弁護士として、ワシントンではよく知られた存在だ。

 取材した友人らは、フォード氏は政治に強い関心を示すタイプではないと語る。フォード氏は民主党員として登録しているが、2017年1月以降に行った民主党系組織への寄付金は42ドルにすぎない。

 前出のフォード氏の元ルームメート、ピオワルスキー氏によると、フォード氏は数年前、ノースカロライナ州のピオワルスキー氏の自宅を訪れた。川で遊ぶ子供たちを眺めがら、子育てについて語り合ったが、世論を二分した2016年の大統領選を控えた時期にもかかわらず、2人が政治について話すことはなかったいう。

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高校生の電子たばこ使用、米で急増=政府調査
前年比75%増 13〜18歳では3分の1近くが利用か
米国の10代の若者の間で電子たばこの使用が急増している
米国の10代の若者の間で電子たばこの使用が急増している PHOTO: STEVEN SENNE/ASSOCIATED PRESS
By Betsy McKay and Jennifer Maloney
2018 年 9 月 21 日 09:31 JST 更新

 米国の10代の若者の間で電子たばこの使用が今年急増していることが、新たな調査で明らかになった。公衆衛生当局や学校、親の懸念が強まる可能性がある。

 米政府がまとめた未発表の調査によると、調査に先立つ30日間に電子たばこを吸引した高校生は前年と比べ約75%増加した。事情に詳しい関係者が明らかにした。

 使用者は約300万人で、高校生の約20%に相当する。昨年の調査では173万人で11.7%だった。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが調査会社マーキュリー・アナリティクスと共同で実施した別の調査によると、回答を寄せた13〜18歳の3分の1近くが、電子たばこを吸っていると答えた。

 2018年の電子たばこの販売は前年比で2倍近くに増加すると予想されている。

 米食品医薬品局(FDA)のスコット・ゴットリーブ長官は先週、10代の若者に電子たばこの使用がまん延しているとし、米国でフレーバー付き電子たばこの販売を全面的に禁止することも検討していると述べた。

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たばこのニコチン含有量、非中毒性の水準に引き下げ検討 米FDA
無煙たばこ、売りたい大手企業に驚きの援軍

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/546.html#c3

[経世済民128] 一人の食卓もアレクサと一緒なら楽しくなる?アマゾンエコーが変える日本の料理風景 日本の潜在市場と隠れたる天才、発掘します うまき
4. 2018年9月22日 13:32:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1541]
アマゾン・プライムに追いつく企業は現れるか PETER ARKLE
テクノロジー
アマゾン・プライムが招いた小売業の「軍拡競争」
「2日以内でお届け」が業界の常識を覆した
By Christopher Mims
2018 年 9 月 21 日 13:02 JST

――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト

***

 人間には生命、自由、そして幸福の追求といった不可侵の権利がある。最近はそこにもう1つ加わった。あらゆるものを2日以内に受け取れる権利だ。

 各種の消費者調査によると、米アマゾン・ドット・コムの「プライム」サービスはオンライン小売業の黄金律となった。世界で1億人以上の利用者を誇る同サービスが引き金となり、大手小売企業の間で「軍拡競争」が起きている。より小規模な企業の多くは、まるでコバンザメのように大企業にしがみつくだけの存在になった。

 ウォルマートやターゲット、そしてグーグルの即日配達サービス「グーグルエクスプレス」に参加する多くの企業などが、過去1年で「無料」の2日以内配達を始めた(無料サービスは荷物のサイズなど、企業によりさまざまな条件がある)。

 アマゾンなどのネット通販企業は、実店舗小売業が倒産する要因になったとされることが多い。しかし皮肉なことに、アマゾンなどが素早い配送を実現させているのは、不動産(店舗ではなく倉庫)への投資によるところが大きい。コスト面での競争力を維持するため、小売業者は通常はコストの高い航空便ではなく、スピードで劣る陸上輸送を利用する必要がある。ネット通販大手オーバーストック・ドット・コムは、カンザス州カンザスシティにある1つの配送センターから米国の99%の地域に2日以内の配達サービスを提供するとしている。

 とはいえ大手のオンライン業者だけが大型フルフィルメントセンター(商品の保管・配送拠点)を建設しているわけではない。同業のスタートアップや別の業界の大手企業も、アマゾンとは別の選択肢を小規模業者に提供するため、同様の施設の拡大に動いている。

ウォルマートは「キャンパス」で対抗

 アマゾンが長年にわたって他のオンライン小売企業の追随を許さなかったのは、同社が広範に点在する倉庫に多額の投資をしてきたからだ。アナリストはかつて、これらがアマゾンの負担になるとみていた。

 アマゾンによれば、同社は現在、米国内に75カ所のフルフィルメントセンターを持ち、25カ所の仕分け拠点を運営している。これら拠点の中には、面積が100万平方フィート(約9万3000平方メートル)を超える巨大なものもあり、中にはベルトコンベヤーが張りめぐらされ、従業員が忙しく動き回っている。

 ウォルマートはアマゾンに対抗すべく、2015年からオンライン販売向けのフルフィルメントセンターを開設し始めたという。これらの多くは実店舗向けの配送センターとは異なり、「キャンパス」と呼ばれ、現在は6カ所が稼働している。より小規模な配送センターや店舗から直接配送するケースも含め、ウォルマートは米国の98%の地域に2日以内の配達を実現できるという。

 一方でターゲットは、まったく異なる戦略を採用した。注文から2日以内で配達される商品の90%以上は、1800店舗のうちの1400店舗から直接送り出されていると広報担当者は明かす。

プライムをさらに活用

 アマゾンの配送インフラは同社だけが利用しているわけではない。細かい記載内容まで目を通している利用者なら知っていることだが、アマゾン・マーケットプレイスを利用する販売業者も利用できる。電子商取引分野を専門とするデータ追跡会社、マーケットプレイス・パルスのユオザス・カジュケナス最高経営責任者(CEO)によれば、アマゾン・マーケットプレイスの売上高の約半分を占める上位1万社の販売業者のうち、少なくとも90%は1つの商品をアマゾンのフルフィルメント・プログラムに依頼している。また半分以上の商品を同サービスで保管したり配送したりしている業者は、全体の約70%に上るという。

 同プログラムを利用する販売業者は、大きさや重量で決まった定額の配送料を支払う。アマゾンが最も早く導入したイノベーションの1つであるこのプログラムによって、小規模事業者でもコストを予測しやすくなり、採算ラインを把握しやすくなった。

 アマゾンのインフラを利用するのは、コストや利便性だけが理由ではない。売り上げを伸ばすための鍵も握っているからだ。フルフィルメント・プログラムを使えば「プライム」としてのステータスが適用されて2日以内の配達が選択できるようになり、アマゾンの商品検索結果でもトップに表示される。カジュケナス氏によれば、検索結果の1位に表示されない場合、商品価格を最大10%下げなければ対抗することはできない。

 アマゾンが自社ネットワークを開放したことで販売業者は恩恵を受けたが、同時にアマゾンも配送ネットワーク拡充のための資金を手にできた。「プライム」の知名度も上がり、同社の時価総額を1兆ドルに押し上げる要因にもなった。


Is Amazon Going to Rule the World?
Is Amazon Going to Rule the World?
アマゾンがネット通販事業を全世界に拡大する上で直面する課題について、アマゾンの段ボール箱を使ってカラン・ディープ・シン記者が解説(英語音声のみ、英語字幕あり)
台頭するスタートアップ

 オンライン小売で名目上はアマゾンのライバルであるウォルマートも、外部販売業者向けにマーケットプレイスを提供する。だが最も大きな違いは、ウォルマートがフルフィルメントまで支援していないことだ。また、アマゾンのフルフィルメントを利用することも禁じている(一方、イーベイやグーグルエクスプレスで購入した商品がアマゾンの箱で届くことは珍しくない)。

 販売業者の中にはシップボブ、フレックス、そしてデリバーなどの新興企業と手を組むケースもある。

 鍵を握るのはスケールだ。今や家族経営の小さな店や中規模の小売業者であろうと、商品が何日も過ぎてから郵政公社(USPS)から届くのを消費者が待ってくれるとは思わない方がいい。そのためこれら新興企業は十分な販売業者を確保し、米国内の2日配達を定額で実現できるよう奔走している。

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 デリバーの共同創業者マイケル・クラカリス氏は、大規模な自社インフラを持たずに巨大企業アマゾンに勝つ方法を探していると話す。同社は全米各地で倉庫を借り、予測アルゴリズムを使った上で、2日以内に届けるにはどこで商品を管理すべきか販売業者に伝えているという。

 すでに大規模なネットワークを持つ別業界の企業も、アマゾンに対抗する好機だととらえて動き始めている。物流大手のUPSやフェデックスは最近、自社のフルフィルメント・プログラムをそれぞれ発表したばかりだ。

 UPSのサービス「ウェア2ゴー」は倉庫やフルフィルメントを必要している販売業者と、余剰スペースを持つ企業をマッチングさせる。一方、「フェデックス・フルフィルメント」はアマゾンのサービスとほぼ同じだ。今のところ、両社のサービスとも広く活用されてはいない。

 結局のところ未来を制するのは、配送コストを削減しながら2日以内の配達を実現できる規模(あるいはイノベーション)を持つプレーヤーだ。そして鍵を握るのは、それ以上のことを実現させる力だ。競争は強まっているが、アマゾンは即日配達や2時間配達さえも実現させ、競合へのプレッシャーを高めている。しかも、配送ドローンが投入されるのはこれからだ。

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[経世済民128] インフレ目標不達の「日銀量的緩和」そろそろ後始末に入る時期 「景気後退期」に備え金利操作回帰を(現代ビジネス)  赤かぶ
1. 2018年9月22日 14:08:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1542]

>量的なコミットメントを捨てて、長期金利を含めた金利水準の操作に一本化すること、日銀の理性もその方向を見据えている

多分、黒田を含め主流派は、YCCを始めた時から、その方向性だろうが

量的緩和による通貨安=景気刺激効果を捨てる気もないだろう


>米国ではインフレ率が2%を超え始めたので、順調に金利引き上げが進み、来年末頃までには政策金利は3%に近づくだろう。これが次期景気後退期に金利下げの余地を生むのだが、低インフレの今の日本にはそうした政策余地がない。これは悩ましい問題

何度も指摘しているように、

量的緩和政策など非伝統的政策を無視するから、無策になって困るだけのことであり

別に問題ではない

>景気回復が鈍化、失速してインフレ率が下がる、あるいはデフレに戻るならば、長期国債の実質利回りは上がるので民間市場参加者は長期国債を買う。つまり長期国債価格が上がり、利回りはマイナス0.1%に接近する。日銀はそこで長期国債の売り介入をする
>この場合、日銀の国債売りで円高になることを懸念する意見もあるが、為替相場に金融政策が影響を与えるのは、理論的にも実証的にも国債利回りの変化(内外金利差の変化)を通じてであり、懸念には根拠がない。

過去の為替変動を見れば、ソロスチャート信者(アルゴリズム)は多い

今ですら、日銀が長期債を売り始めたら、金利は上昇し、投機的な円高を招く確率は高い

デフレ不況下で世界が緩和的な状況で、仮に日銀だけ量的引き締めを行えば

海外投機マネーによる、かなり急激な円高不況を引き起こす可能性はさらに高いだろう

とは言え、定量的な効果を測定するために、実験してみる価値はあるかもしれない

>この操作のメリットは、1)長期国債市場の流動性と柔軟性を回復する、2)日銀は利回りレンジ内で長期国債を安く買って、高く売る操作を長期的に継続することで、金融政策のコストを抑制しながら、景況感に合わせたイールドカーブ・コントロールをすることができるようになる

1)は現状でも、既に、その方向に動いている

2)に関しては、上で指摘したとおり、日銀の債務超過と、景気刺激効果の、どちらを選ぶかの政策判断であり

  普通に考えれば、WSJが指摘していたように、英国同様、数十年以上の時間をかけて中立化を計るのが妥当だろう

  ただし、それも日本が超少子高齢化で経済収縮が加速しない場合に限る


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/548.html#c1

[経世済民128] デフレ大国ニッポンで「インフレに苦しむ老人」という残酷な現実 知られざる「物価格差」の正体(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年9月22日 14:25:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1543]

>年金が増えないのに、ひたすら物価上昇の直撃を受けて、消費を削らざるを得ない。これが日本の年金暮らしの高齢者の残酷な現実

デフレ不況期の反動ということだな

当時は、毎年、実質化処分所得は増え続けた

一方で、現役世代は賃金カット、失業、ブラック労働で苦しんだ


経済が成長し、国全体のパイが拡大しなければ、必ず、どこかに皺寄せが来るのは

当然の結果だが


それでも日本の高齢者の寿命は毎年延び続けて世界トップレベルなのだから

長生きしたいなら、もっと働けという話になり

あれだけひどくても、若年世代を中心とした安倍政権支持率が高いのも自然ではある



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/549.html#c1

[経世済民128] 先が不安な大企業・製造業の業況判断指数 トランプ政権の貿易政策への不安(PRESIDENT) 赤かぶ
1. 2018年9月22日 14:33:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1544]

>9月に控えた自民党総裁選を見据えて景気を良くしたいはず
>黒田総裁のふんばりどころ(熊野

あほらしい

金融政策でできることなど限られている

いくら踏ん張っても無意味だから

黒田も、そこまで愚かではないだろう


また既に失業率も低く、企業収益もかなり高い水準だから

これ以上、企業利益のために、量的緩和を拡大して

生活関連のインフレ率が上がったら

政治的にもマイナスだ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/550.html#c1

[経世済民128] 内部留保が過去最高446兆円 貯め込んでいる大企業はココだ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
1. 2018年9月22日 14:39:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1545]

>日本企業は貯め込み過ぎ

海外企業も貯めこんでいるし

そもそも内部留保=現預金ではない


積極的に投資して死亡したシャープのような反面教師も多いから

デフレ不況と経済収縮リスクの高い日本で、今後

現預金が不足して、資金繰り倒産と言う事態を避けたいなら

さらに貯め込むのは自然だろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/551.html#c1

[経世済民128] 「安倍3選」を市場は無視…日経平均5日続伸でも“カヤの外”(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
1. 2018年9月22日 14:54:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1546]

相変わらず愚か

とっくに織り込まれていた

>ほんの一瞬でしたが、安倍3選が決まった直後に株価は下落

利確だ

仮に負けていたら、かなりの下落になっていただろう
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/543.html#c1

[国際24] トランプ氏、国連総会でイラン非難 グローバリズム否定  うまき
1. 2018年9月26日 13:27:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1547]

貿易戦争、価格に転嫁 関税上げの上乗せ相次ぐ

米中でインフレ加速も

2018/9/26 0:17
日本経済新聞 電子版
 米中間で貿易戦争が激化するなか、関税引き上げによる負担分を価格転嫁する企業が相次いでいる。時間とコストがかかるサプライチェーン(供給網)の組み替えに比べて、価格転嫁の方が容易なためだ。こうした動きが一段と広がれば、物価上昇圧力が高まって金融引き締めにつながり、米中景気の逆風となる恐れがある。

https://www.nikkei.com/content/pic/20180926/96958A9F889DE1E7E5E7E1E6E5E2E0E4E2EBE0E2E3EA9793E0E2E2E2-DSXMZO3575345026092018EA2001-PB1-2.jpg
 江蘇省の自動車部品メーカー、昆山恵衆機電は米国向け輸出のうち25%の追加関税がかかった品目は「こちらが15%を負担、10%は米企業に転嫁」するように改めた。業績への打撃を見込み、政府からの支援金を受け取っているという。
 「お客さんはコスト増を受け入れてくれている」。電子部品大手、TDKの山西哲司常務執行役員は中国から米国に輸出している電子部品の一部を値上げしたと明かす。自動車や産業機器に使うコンデンサーやトランスなどが制裁関税の対象となったため、納入先企業に価格転嫁を受け入れてもらった。
 ある国内の樹脂加工メーカーも中国から米国に輸出する自動車部品の一部について、関税引き上げ分の価格上乗せで顧客企業と7月に妥結した。富士電機は中国で生産する電磁開閉器やブレーカーについて値上げも含めて対応を考慮している。
 サプライチェーンの見直しは時間とコストがかかる。品質管理が厳しい自動車関連などは特に手間がかかり、日立系の自動車部品メーカー、日立オートモティブシステムズは「(サプライチェーンの)切り替えには数年かかる」と米通商代表部(USTR)への意見書で主張している。
 一方、価格転嫁は即効性のある対応策となる。特殊な機能があるなどの理由で他社製品への切り替えが困難な場合は価格転嫁を進めやすいようだ。ただ、一般的にはコスト増につながる価格転嫁は嫌気されやすい。中国の自動車部品メーカー、無錫市明達電器や浙江博門汽車零配件などは追加関税分を自社で負担しているもようで、「新たな販路を模索している」としている。
 中国でも輸入自動車などに価格転嫁の動きがある。中国が制裁関税の対象としたためで、米テスラはセダン「モデルS」と、多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」の販売価格をそれぞれ約2割引き上げた。独BMWや独ダイムラーも米国で生産しているSUVを数%値上げしている。独BMWは25日、貿易戦争などを理由に2018年12月通期の業績予想を下方修正すると発表した。
 24日に米国は2000億ドル、中国は600億ドル規模の追加関税をそれぞれ発動した。米国の追加分には消費財が多く含まれる。今後、企業による価格転嫁がさらに増えれば、米中で物価高圧力が強まる恐れがある。
 米中のインフレ率は上昇傾向にある。米消費者物価指数(CPI)は6月に前年同月比2.9%の上昇と6年4カ月ぶりの高さとなり、その後も3%近くで高止まりする。中国も5月以降、上昇が顕著だ。足元では賃金や資源価格が上昇している要因が大きいが、貿易戦争が長引けば輸入品の値上がりの影響も加わってくる可能性がある。
 インフレ率の上昇が続けば、米中ともに金融引き締めが必要になってくる。そうなれば米中の景気を鈍化させる要因になるうえ、米金利が一段と上昇すれば新興国市場からの資金流出を加速させるといった副作用も生じかねないため、「米国の金融引き締め政策はグローバル経済の安定を妨げかねない」(英調査会社オックスフォード・エコノミクスのグローバルマクロ調査責任者、ガブリエル・スターン氏)といった声も出ている。


 
NY商品、原油が続伸 2カ月ぶり高値、需給逼迫観測で 金も続伸
2018/9/26 5:01日本経済新聞 電子版
【NQNニューヨーク=横内理恵】25日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前日比0.20ドル高の1バレル72.28ドルで取引を終えた。原油需給のひっ迫で価格上昇圧力が高まるとの見方から買いが続いた。一時は72.78ドルと7月中旬以来の高値を付けた。

 米国の経済制裁でイランの原油供給が減るなか、主要産油国は23日に開いた会合で増産を見送った。トランプ米大統領の再三の要請にもかかわらず、サウジアラビアなどが増産に動かなかったため、市場の一部で増産余地が想定よりも乏しいとの思惑が浮上した。供給懸念が強まるとの警戒感から、原油の先高観が強まった。

 26日には米エネルギー情報局(EIA)が週間の石油在庫統計を発表する。原油在庫の減少傾向が続くとの予想も買いを誘った。

 ニューヨーク金先物相場は小幅に続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比0.7ドル高の1トロイオンス1205.1ドルで取引を終えた。外国為替市場でドルが対ユーロなどで売られ、ドルの代替投資先とされる金の買いを誘った。

 上値は重かった。米連邦準備理事会(FRB)が26日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合ぶりに利上げに踏み切る見通しとなっている。金利上昇が金市場への投資資金の流入減につながるとの見方から買いの勢いは限られた。


 

米国株、ダウ続落で69ドル安 FOMC結果控え利益確定、貿易摩擦も重荷
2018/9/26 5:25日本経済新聞 電子版
【NQNニューヨーク=戸部実華】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比69ドル84セント(0.3%)安の2万6492ドル21セントで終えた。26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、利益確定売りが優勢になった。貿易摩擦を巡る警戒感も相場の重荷だった。

 米連邦準備理事会(FRB)は26日までFOMCを開く。市場では追加利上げが確実視されているものの、会合後に示す金融政策の見通しなどを見極めたいとの雰囲気が強かった。ダウ平均は前週に連日で最高値を更新しており、FOMCの結果を控えて「目先の利益を確定する売りが出やすかった」(キングスビュー・アセットマネジメントのポール・ノールト氏)との指摘があった。

 トランプ米大統領は25日、国連総会で一般討論演説に臨み「貿易不均衡は容認できない」などと通商政策に対する強硬姿勢を改めて強調した。中国など主要国との貿易摩擦の長期化を懸念した売りを誘う場面があった。

 朝方は買いが先行した。米長期金利の指標である10年物の米国債利回りが早朝に一時3.11%と5月中旬以来の高水準を付け、利ざや拡大につながるとの見方から銀行株に買いが先行。原油先物価格の上昇を受け収益改善への期待から石油のシェブロンも買われ、ダウ平均は72ドル高まで上げ幅を広げる場面があった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比14.223ポイント(0.2%)高の8007.471で終えた。アマゾン・ドット・コムが2%あまり上昇したほか、アルファベット(グーグル)やアップルなど主力株の一角が買われて指数を支えた。

 

 
東証後場寄り 上げ幅拡大、2万4000円に接近 上海株高も追い風
2018/9/26 13:06
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 26日後場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価が上げ幅を広げている。前日から50円あまり高い2万3995円と、心理的節目の2万4000円に接近する場面があった。中国・上海株式相場が上昇し、投資家心理が強気に傾いた。株価指数先物に断続的な買いが入り、現物株指数を押し上げた。だが、節目に接近する場面では個人投資家などの利益確定売りが増え、相場の重荷となっている。

 前引け後の東証の立会外で、国内外の大口投資家が複数の銘柄をまとめて売買する「バスケット取引」は約344億円成立した。12時45分現在の東証1部の売買代金は概算で1兆5050億円、売買高は8億625万株だった。

 ファストリや花王が上げ幅を拡大している。日電産やHOYAも高い。一方、任天堂は下げ幅を広げている。SOMPOや野村も安い。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕


 

 
中国経済、落日の足音 世界株高に忍び寄る影
内憂外患 広がる波紋
2018/9/26 5:30日本経済新聞 電子版
 「成長が頭打ち。もう潮時だ」。大阪府に住む個人投資家の柿谷信司さん(仮名)はこの夏、5年以上保有した中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)株をすべて売却した。きっかけは今年4〜6月期の決算。四半期ベースで13年ぶりの減益に転じた。「政府の規制強化が足かせとなっている」とみる。テンセント株は昨年末比で約2割下落した。

日経ヴェリタストーク 中国 落日の足音
 9月25日放送(日経CNBC) 週刊投資金融情報紙「日経ヴェリタス」の主要記事を専門家と編集長が解説する。
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 テンセントだけではない。上海証券取引所に上場する企業で構成する上海総合指数は、米トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分に制裁関税を課すと発表した17日、2014年11月以来の安値を付けた。15年の「人民元切り下げショック(チャイナショック)」以降の最安値だ。藍沢証券の王曦氏は「中国当局の金融引き締めで投資家心理が弱含んだところに、米中貿易問題が追い打ちをかけた」と話す。

■成長率6.1% 信用収縮も

 米中貿易戦争は激化の一途をたどる。米国の発表を受け即座に中国側も米製品600億ドル分に追加関税を課すと報復に打って出た。米バンクオブアメリカ・メリルリンチは中国の19年の国内総生産(GDP)成長率が6.1%に低下すると試算する。

 貿易戦争だけが原因ではない。「信用収縮が起きているのではないか」。エコノミストの間で話題になっているのが、ネット上で個人間の資金融通を仲介する「ピア・ツー・ピア(P2P)金融」の動向だ。規制強化で廃業する業者が数百社にのぼり、貸付総額が急減している。


 「宇宙の目」も減速ぶりを映し出す。米ベンチャー、スペースノウが中国の6000以上の工業地区の操業状況を衛星画像から分析した景気指数は9月まで3カ月連続で低下した。「プラスチックをつくる射出成型機の受注キャンセルが起き始めている」(日本の機械メーカー幹部)

 中国政府も手をこまぬいているわけではない。地方政府に債券発行を促し公共投資を再加速させる考え。一定の効果は上がるとみる向きもあるが米国を刺激せずに打てる手は限られる。

 19日には李克強(リー・クォーチャン)首相が「人民元の切り下げ競争はしない。知的財産権の侵害も厳しく取り締まる」と夏季ダボス会議の講演で語った。中国経済の専門家は「(広域経済圏構想の)『一帯一路』という言葉を見かける機会がめっきり減った」という。

■貿易戦争 最大の試練か

 チャイナショックをはじめ、中国経済は幾度も崩壊のリスクを指摘されながら、大規模な財政政策や資本規制などを通じて持ちこたえてきた。だが今回、李首相は「大規模な景気対策はあえて講じない」と強調する。債務膨張など無理な成長の弊害が見えてきた中、高度成長の終幕を受け入れる姿勢に転じたようにも見える。

 すでに生産年齢人口は減少に転じ、人件費も上昇が続く。東南アジアなどに生産拠点を移す動きが絶えない。第一生命経済研究所の西浜徹氏は「すぐに破裂する確率は低いが、急減速のマグマは静かにたまりつつある」と話す。

 世界経済に影響が及ぶのはまだ先だ。米国株は最高値を更新。日経平均株価も8カ月ぶりの2万4000円台乗せが近づく。だが米中貿易戦争が本格化するとされる来年以降、一段の株高を阻む最大の要因になりかねない。「中国経済の急減速はテールリスク(確率は極めて低いが、起こると影響は甚大なリスク)」(アセットマネジメントOneの鴨下健氏)。警戒度は上がっている。

 14億人近い人口を抱え、世界第2の経済大国にのし上がった中国。貿易戦争は改革開放路線にカジをきった約40年間で「最大の試練」とみる向きもある。中国経済の減速はどこまで深刻化し、世界経済に悪影響を及ぼし得るのか。リスクの深度を点検し、向き合い方を探った。

(日経ヴェリタス2018年9月23日号)


http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/132.html#c1

[経世済民128] 貿易戦争は中国経済にプラス、米成長阻害の可能性−ECB  トランプ大統領:中国の貿易面での乱用「容認できない」−国連演説 うまき
1. 2018年9月26日 18:35:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1548]
中国、2030年までに米国抜き世界一の経済大国に−HSBC予測
Simon Kennedy
2018年9月26日 10:11 JST
中国GDP、30年時点で26兆ドル−米国は25兆2000億ドルへ
インドが日本とドイツを抜き世界3位の経済大国に
中国は2030年までに米国を抜き世界一の経済大国になりそうだと英銀HSBCホールディングスが指摘した。

  同行が25日公表した75カ国対象の新たな分析結果によれば、中国は今後10年も世界経済の成長に最も大きく寄与する見通し。30年時点で中国の国内総生産(GDP)は26兆ドル(約2940兆円)と、現在の14兆1000億ドルから大きく増加する一方、米GDPは25兆2000億ドル(現在20兆4000億ドル)と中国を下回る見込みだ。

  HSBCはまた30年までにインドが日本とドイツを抜き世界3位の経済大国になると予測。世界経済の成長率は3%弱が持続可能であるとみられることから、世界のGDPは17年との比較で40%膨らみそうだとしている。

原題:HSBC Sees China Economy Set to Pass U.S. as Number One by 2030(抜粋)


 


 


中国、米軍艦の香港寄港を拒否−ロシア兵器購入巡る対中制裁後
Jason Koutsoukis、David Tweed
2018年9月26日 14:13 JST
• 米海軍の佐世保基地配属のワスプ、インド洋・太平洋地域で活動
• 中国とロシアが強い不満を示しており、仕返しだ−ISEAS研究員
米国が求めていた強襲揚陸艦「ワスプ」による来月の香港寄港を中国政府が拒否した。トランプ政権は先週、ロシアからの兵器購入を巡り中国側に制裁措置を講じていた。
  香港の米国総領事館は26日、米国による寄港申請を中国が拒否したことを確認。「中国政府はワスプ寄港申請を認めなかった。これまで香港への寄港は長く認められてきており、これが続くことを期待する」とダラー・パラディソ報道官は電子メールでコメントした。米海軍の佐世保基地に配属されているワスプは、インド洋・太平洋地域で活動している。

米海軍の「ワスプ」
フォトグラファー:Smith Collection / Gado via Getty Images
  米国は20日、中国共産党中央軍事委員会の装備発展部が米国の制裁を破ってロシア製兵器を購入したとして同部および李尚福部長を制裁対象に指定。李部長がロシア製の戦闘機と地対空ミサイル「S400」の購入に関与したとトランプ政権は主張している。
  東南アジア研究所(ISEAS)のイアン・ストーリー上級研究員(シンガポール在勤)は、米国による先週の制裁がワスプ寄港拒否の「唯一の理由」だと述べ、「中国とロシアは本当に強い不満を示しており、一種の仕返しだ」と指摘した。
原題:China Denies U.S. Warship a Port Call, Pushing Back at Trump(抜粋)


トランプ政権がFRB理事に指名したリャン氏、バブル懸念対応に適材
Craig Torres、Jeanna Smialek
2018年9月26日 14:06 JST
• リャン氏は金融安定性の専門家、選定の重要な要素に−関係者
• リャン氏がタカ派に回ることは容易に想像できる−アマースト
ホワイトハウスは先日、米連邦準備制度理事会(FRB)の理事に元FRBエコノミストのネリー・リャン氏を指名する方針を明らかにしたが、これは同氏の金融安定性に関する専門性とFRBに関する見識を踏まえた慎重な選定だった。
  リャン氏は昨年の退職までFRBの金融安定性部門のトップを務めていた。一部のクレジット市場で積極的なリスクテークの兆候が見えているだけに、これは時宜にかなった人選だ。事情に詳しい関係者1人によると、こうしたテーマに関するリャン氏の長年の研究が選定の重要な要素だった。
  金融状況は一部のクレジット市場で過熱感が浮上している。連邦公開市場委員会(FOMC)の漸進的な利上げペースと世界的な低金利が利回り追求の動きを後押しし、一部金融機関の融資基準を緩めている。
Loan Bonanza
U.S. leveraged loan issuance for year-to-date periods at a record

Source: Bloomberg league table data for new loans
  リスクが高めの企業向け融資であるレバレッジド・ローンの市場は現在、1兆ドル(約113兆円)を超える規模に拡大。過去2回のリセッション(景気後退)は金融バブルが引き金だっただけに、トランプ政権はリャン氏について、FRBに欠けた部分を埋める必要な人材と認識している。ホワイトハウスのハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長はリャン氏を「冷静で、分析的かつ理路整然とした人物であり、新たな危機が発生した場合には規制当局者としてまさに求められる素質を備える」と評した。
  
  少数のFRB当局者は、金融リスクの増大を回避するために現在の引き締めペースを続ける必要があると主張している。リャン氏の研究記録からみて、同氏も市場の過熱抑制で利上げに前向きになる可能性がある。アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「経済はかなり好調であり、リャン氏がタカ派に回ることは容易に想像できる」と語った。
原題:Trump’s Latest Fed Pick Seen Strengthening Board as Risks Bubble(抜粋) 



ドイツ銀CFO:市場の懸念は先走り−貿易摩擦と米金利上昇巡り
Geoffrey Smith、Steven Arons、Nicholas Comfort
2018年9月26日 17:05 JST
• フォンモルトケCFOがロンドンの投資家会議で発言
• 「次の下降局面を巡る懸念に関して市場は先走っている」
ドイツ銀行のジェームズ・フォンモルトケ最高財務責任者(CFO)は26日、貿易摩擦と米国の金利上昇が世界経済に及ぼす短期的なリスクは恐らく市場で誇張されているとの認識を示した。
  同CFOはバンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチがロンドンで主催した投資家会議で、「次の下降局面を巡る懸念に関して市場は先走っている」と指摘。その上で、一部のエコノミストが最大のリスク要因として強調しているようなシナリオは少なくとも「2年先」のことだろうと述べた。
原題:Deutsche Bank’s Moltke Calls Markets’ Fear of Downturn Premature(抜粋)

安倍首相:日米貿易、双方の利益になる関係継続を−国連演説(訂正)
延広絵美
2018年9月26日 4:00 JST 訂正済み 2018年9月26日 11:33 JST
• 自由貿易体制の強化に向け、日本が主導的立場取る−安倍首相
• 日米首脳会談へ、閣僚級協議は「基本的な認識一致」と茂木氏

Shinzo Abe Photographer: Akio Kon/Bloomberg
安倍晋三首相は25日午後(日本時間26日午前)、米ニューヨークで開かれている国連総会で一般討論演説を行い、自由貿易体制の強化に向け日本が主導的立場を取るとの意向を示した。日米貿易では対話を重視し、双方の利益となるような関係を継続したいとも語った。
  演説では、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉を進めるなど多国間の貿易体制を重視する姿勢も重ねて表明。トランプ米大統領が検討している自動車の輸入制限措置などを念頭に、米国の産業や雇用への日本企業の貢献を強調し、理解を求めた。
  日米両政府は安倍首相の演説に先立ち、茂木敏充経済再生相とライトハイザー通商代表による閣僚級の貿易協議を行った。茂木氏は会談後、両国の貿易を促進するための方策について「基本的な認識は一致した」と述べた。26日午後(日本時間27日午前)の首脳会談で「いい成果が出せるようにしたい」とも話した。NHKが同氏の発言場面を放映した。
  ロシアについては、会談を重ねているプーチン大統領との間で領土問題を解決した上で、平和条約を締結したいとの考えを示した。中国とは、来月予定している自らの訪中をはじめ首脳の相互往来を継続することで、両国だけでなく地域の安定に協力する方針を明確にした。
  北朝鮮問題に関しては、6月の米朝首脳会談後の変化に関心を寄せる一方、国交正常化を実現する前提として拉致問題の解決に懸ける意欲を示した。
  また来年は天皇陛下の退位や、20カ国・地域(G20)首脳会議を控えていることに触れ、自民党総裁選で連続3選を果たしたことで、今後3年間の日本のかじ取り役を担う決意を表明した。
(茂木敏充経済再生相の肩書きを訂正しました.)

ドル・円、2カ月ぶり113円回復後に小反落ー米利上げ軌道見極めへ
小宮弘子
2018年9月26日 11:26 JST 更新日時 2018年9月26日 15:19 JST
• 113円03銭と7月19日以来の高値を付けた後、112円86銭まで下げる
• 先行きの金利見通し変更なければドル・円の上昇一服しやすい-大和証
東京外国為替市場のドル・円相場は約2カ月ぶりに1ドル=113円台を回復した後、小反落。海外時間に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を巡っては、今年3回目となる利上げが織り込み済みで、今後の米利上げ軌道を見極めようと慎重姿勢が広がった。
  ドル・円は午後3時15分現在、前日比0.1%安の112円87銭。朝方に113円03銭と7月19日以来の高値を付けた後は伸び悩み、午後の取引終盤には112円86銭まで値を下げた。
  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「FOMCのポイントは金利見通しが修正されるか否か」で、先行きの見通しに変更がなければ米長期金利の上昇が一服し、「そうなるとドル・円の上昇も一服しやすい」と予想。「このところドル・円はリスクオンの円安、オフの円高というよりもドルによって左右される部分が大きいため、FOMC後も米金利とドルの動きに左右されやすいと思う」と語った。 

  今回のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが2−2.25%に0.25ポイント引き上げられることが確実視されており、市場の注目は2019年以降の金利予測分布図(ドット・プロット)に集まっている。25日の米国市場では、FOMCの政策決定を控えて米国債が総じて下落。10年債利回りは一時3.11%と5月以来の高水準を付けた。
  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「今回21年の予測が出るため、FOMCメンバーが先行きをどう見ているのか、タカかハトかを見分けたい」とした上で、「最近市場は強気だが、意外とハトなら利益確定のドル売りも入りやすい」と語った。
FOMCに関する記事はこちらをご覧ください。
   
  一方、この日はニューヨーク市内で日米首脳会談が行われる。茂木敏充経済再生担当相は25日、ライトハイザー通商代表との閣僚級貿易協議を行った後、両国の貿易を促進するための方策について「基本的な認識は一致した」と述べた。
  大和証の亀岡氏は、「対米自動車輸出にトランプ大統領から言及があるかどうかが一番大きい」とし、「言及があると、ゆくゆくは日本の輸出を抑えるために円安是正という連想も働きやすいので、少し円高に働く」と予想。言及がなければ、安心感が出てどちらかというと円安の支援材料になると語った。



超長期債が下落、日銀オペの再減額を警戒−40年債入札は無難な結果
三浦和美
2018年9月26日 7:54 JST 更新日時 2018年9月26日 16:15 JST
• 新発40年債利回り一時1.075%、昨年10月以来の高水準
• 金利上昇局面で減額なら超長期から手を引くメッセージ−メリル日本
債券市場では超長期債相場が下落。日本銀行が27日の国債買い入れオペで超長期ゾーンを減額するとの警戒感から売り圧力が掛かった。一方、この日に実施された40年利付国債入札は無難な結果となったが、相場を押し上げる要因にはつながらなかった。
  26日の現物債市場で40年物の11回債利回りは日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い1.06%で寄り付いたが、午後には売りに転じ一時は1.075%と、新発40年物として昨年10月以来の水準まで上昇。その後は1.065%で推移した。30年物59回債利回りは一時1bp高い0.915%と、新発債として昨年7月以来の高水準を付けた。長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは横ばいの0.125%で取引された。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「40年債入札は押し目需要などで思いの外しっかりした結果だったが、買いが続く感じではない」と指摘。「明日の日銀オペでは、残存期間10年超25年以下の減額が見込まれているが、利回りが上がっている局面でも減額となると、超長期から手を引くというメッセージになる。金利水準が上がったから買い進むという雰囲気にならないのは、そういうブレーキがあるからだと思う」と言う。
  長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比2銭高の150円04銭で取引を開始。午後には水準を切り上げる展開となり、結局は10銭高の150円12銭で取引を終えた。
  日銀は27日に中期と超長期ゾーンの国債を対象に買い入れオペを実施する予定。21日のオペでは残存25年超の買い入れ額が500億円と前回から100億円減額された。
  メリル日本証の大崎氏は、「残存10ー25年が減額されて長期金利が急上昇した場合には、つられて10年債の利回りが上限を試す展開にもなりかねず、0.2%で止められないという怖さがある」と指摘。「5−10年を増額する可能性があり、短期間ツイストオペのような方向にもっていきたいのかなという感じにはなってしまう」とみる。
過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。
40年債入札
  財務省が実施した40年利付国債入札の結果によると、最高落札利回りが1.025%と、ブルームバーグがまとめた予想中央値の1.03%を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.24倍と、前回の3.30倍をやや下回った。
  メリル日本証の大崎氏は、「調整がだいぶ進んでいた中で、最高落札利回りが予想よりも低い結果となり、無難な印象」としている。
  
過去の40年債入札の結果はこちらをご覧下さい。
新発国債利回り(午後3時時点)
前日比
2年債 -0.110% 横ばい
5年債 -0.065% -0.5bp
10年債 0.125% 横ばい
20年債 0.650% -0.5bp
30年債 0.910% +0.5bp
40年債 1.065% 横ばい

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/595.html#c1

[経世済民128] 日銀の政策修正は、日銀マンの気持ちを「忖度」するとわかりやすい(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年9月26日 18:51:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1549]

超少子高齢化と長生きリスクに晒される日本の場合、

一般企業の収益は増大し、家計や現役世代の収入が増えても、あまり消費の拡大にはつながらなかった

また欧州などに比べ、ただでさえ過当競争で金融機関の収益基盤が脆弱だから

本来は、更なるM&Aを加速しない限り、マイナス金利政策は、あまり有効ではなかったが

結局、ほとんど淘汰・統合は進まなかった


また高齢者を中心として資源食料要因のステルスインフレは進んでいるし

雇用も記録的に改善している


となればCCPI2%にこだわる必要はないし

実際、社会構造と潜在成長率から考えて1%程度が最適になるほど

日本経済は脆弱化していると考えた方が良いかもしれない


何度も言うように、そのような場合、必要なのは、単なる循環的な景気刺激ではなく、

抜本的な構造改革ということになるのだが、遅々として進まないのが現実だ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/587.html#c1

[経世済民128] 東大など、メタンで生きる深海底微生物の代謝機構を発見 (かいけつニュース速報) 怪傑
1. 2018年9月26日 19:02:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1550]

こうした生命の存在自体は、かなり前から知られていたが、その代謝メカニズムの解明が進んだことが成果ということになる

膨大なメタンハイドレートが温暖化ガスとしてだけでなく資源としても期待されていたが、

こうした生物によって代謝されてしまうのであれば、あまり期待はできない可能性もある

また大気中のメタンガスなどを代謝するバクテリアを雲の中に散布するような手法も可能になるかもしれない

https://www.jstage.jst.go.jp/article/japt/77/5/77_374/_pdf
メタン循環に関わる海底下生命圏 - J-Stage

http://emira-t.jp/ace/413/

http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20180924/

深海底のメタンを消費する始原的な生命の代謝機構を発見
〜 炭素12の同位体濃縮効果による地球上で最も軽いアミノ酸の形成 〜
1. 概要
国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)生物地球化学研究分野の高野 淑識(よしのり)主任研究員らは、国立大学法人北海道大学、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所及びドイツ・連邦地質調査所と共同で、黒海の深海底に棲息し、温室効果ガスである「メタン(CH4)」を高効率で消費(分解)する微生物(※1)から、アミノ酸中央代謝に関する生化学反応及び炭素12を選択的に濃縮したアミノ酸分子の炭素同位体組成(※2)を明らかにしました。

海底下では、生物活動によるメタンが大量に生成されているにもかかわらず、大気中へのメタン放出量は、その想定と釣り合っていません。その理由として、暗黒の海底下でメタンを消費する嫌気的メタン酸化アーキア(以下「ANME(ANaerobic MEthanotroph archaea)」という)呼ばれる始原菌の関与が、これまでの研究から部分的に分かっています。ところが、ANMEの生態学的な素顔や細胞内で起きている生化学反応の詳細は、明らかになっていませんでした。

そこで本研究では、分子レベル同位体比質量分析や放射性炭素同位体の細胞レベル加速器質量分析といった精密な化学分析を行い、ANMEの詳細な代謝機構を明らかにしました。メタンを消費する際には、炭素12と炭素13のうち炭素12を選択的に濃縮し、その結果、地球上で最も「軽い」アミノ酸を形成することが判明しました。

メタンの温室効果(※3)は二酸化炭素の25倍であり、メタンを消費してくれるANMEは地球温暖化を防ぐための「縁の下の力持ち」と表現することができます。本研究により明らかとなったメタンの消費(分解)プロセスは、地球の気候システムの安定化に重要な役割を果たしていると考えられています。

今後、炭素12の同位体濃縮効果(最も軽いアミノ酸の形成)は、これまで培養不可能だった微生物の栄養性や新しい培地条件開発、生化学的なトレース標準物質としての産業応用等が期待されます。

本研究は、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)による科学研究費助成事業JP16H04083、JP15H05332の一環として行われたものです。 本成果は、英科学誌「Scientific Reports」に9月24日付け(日本時間)、オープンアクセスで掲載される予定です(https://www.nature.com/srep/)。

タイトル:Insight into anaerobic methanotrophy from 13C/12C- amino acids and 14C/12C-ANME cells in seafloor microbial ecology

著者:
高野 淑識1, 2、力石 嘉人1, 3、井町 寛之2, 4、宮入 陽介5 、小川 奈々子1, 2、
金子 雅紀1, 6、横山 祐典1, 5、Martin Krüger 7、大河内 直彦1, 2

所属:
1. JAMSTEC生物地球化学研究分野、2. JAMSTEC海底資源研究開発センター、
3. 北海道大学低温科学研究所、4. JAMSTEC深海・地殻内生物圏研究分野、
5. 東京大学大気海洋研究所、6. 産業技術総合研究所、7. ドイツ・連邦地質調査所

2.背景
なぜ、海底下でメタンは大量に生成されているにもかかわらず、大気中へ放出されないのでしょうか。仮に、海底からメタンが無尽蔵に大気中に放出されてしまうと、地球全体の温室効果にブレーキが効かず、気候システムの暴走を引き起こしかねません。太陽光が届かない暗黒の海底下で、メタンを消費(分解)するキープレイヤーとなっているのが、ANMEです。

ANMEは、地球の炭素循環を考えるうえで極めて重要な役割を担っていますが、実験室内での培養は現状困難です。そこで本研究では、メタンを消費するというANMEのメタン酸化プロセスを解明するため、東ヨーロッパに位置する「黒海」に着目しました。

黒海の海底では溶存酸素が存在せず、永年的な嫌気水塊が存在しています。また、海底のメタン湧水サイトが2700箇所以上存在しています。この地質学的特徴から黒海は、ANMEの菌数密度が1cm3あたり1010 cell以上であり、菌体純度も極めて高く(>98%)、メタンに関わる始原的な微生物の生態や生物地球化学サイクルを読み解く上で、好条件が備わった天然の貴重な実験室になっています。

本研究では、黒海から採取したANME-1およびANME-2をターゲットに、多角的な手法を用いて精密な化学分析を行いました。その結果、次に述べるような謎に包まれたANMEの極限的な生態、メタンを起点として細胞内で起きている特異な生化学プロセスを明らかにしました。

3.成果
本成果のポイントは、以下の3つに集約されます。

(1)
海底下から湧き出るメタンは、ANMEに摂取・消費された後、主要な合成経路(図2)を通して、細胞を構成する炭素源になっていることが分かりました。また、アミノ酸を構成する炭素数が増えるに連れて、炭素12の濃縮作用が系統的に進行していることを示しました。
(2)
アミノ酸分子の炭素12の濃縮効果が最も顕著であった分岐鎖アミノ酸の一種であるロイシンは、アミノ酸中央代謝の最終産物として細胞内の炭素12の濃縮作用に寄与するだけでなく、膜組織のイソプレノイド脂質合成系の前駆体の一つと考えられています。そのような分岐鎖構造を持つ代謝物が、細胞全体の炭素12の濃縮効果に大きな影響を与えていることを示しました。
(3)
ANME細胞レベルの放射性炭素同位体組成の分析結果から、ANMEは炭素14を含まないメタンを炭素源にして、細胞組織を構成していることを示しました。この結果は、ANMEが大気中の炭素源(二酸化炭素)に依存する光合成系とは完全に独立して、海底下のメタンに依存し極限環境に生きる独自の生態系であることを示しています(図3)。
4.今後の展望
温室効果ガスを消失させる「素過程」を明らかにすること、そして「原理や原則」を探求することは、地球気候システムの基礎研究として重要な取組と考えています。

今回の発見の波及効果として、以下の展望が挙げられます。

(1)アミノ酸科学の展開

ANMEは、酸素が存在しない嫌気環境でしか成育しない未培養微生物です。今回の成果では、栄養学的にも極めて重要なアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン等)にハイライトが当てられています。今回明らかになった分岐鎖アミノ酸の炭素濃縮効果は、微生物の栄養学的特性の理解や実験室での単離培養方法の技術改良につながるものと期待されます。

(2)惑星科学としての炭素循環の解明

メタンが存在する惑星は、地球だけに限りません。今回明らかになった炭素12の同位体濃縮効果の発見は、メタンを起点とした地球の炭素循環の理解を深めるだけではなく、地球惑星科学的な観点から、将来、様々な探査ミッションでのレファレンスデータになると期待されます。

(3)先鋭的な分析技術の社会への還元

本成果のポイントの一つは、分子レベル、そして、細胞レベルで高精度に解析評価するという先鋭的な有機分析技術です。この技術基盤は、学術的研究への波及効果に限らず、例えば、品質検定等の産業的な要請、アンチドーピング等の社会的な要請等に対する社会還元に貢献できます。

【用語解説】

※1 嫌気的メタン酸化アーキア(ANME):メタン(CH4)は、酸素、硝酸、硫酸等の酸化剤と微生物学的な酸化反応を起こす。酸素存在下の場合、そのプロセスを好気的メタン酸化と呼ぶ。一方、酸素が存在しない場合、嫌気的メタン酸化と呼ぶ。本研究は、後者に該当する。例えば、メタンと硫酸の組み合わせの場合、以下のような嫌気的メタン酸化反応が起きる。

CH4 + SO42- → HCO3- + HS- + H2O

嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)は、この反応の主役となる。(微)生物とそれをとりまく環境の相互関係を調査研究する分野を生態学と呼ぶ。

※2 炭素同位体組成:炭素には、質量数12(陽子6個、中性子6個)と質量数13(陽子6個、中性子7個)の安定同位体がある。その他、質量数14(陽子6個、中性子8個:半減期5730年)の放射性同位体がある。

※3 メタンの温室効果:二酸化炭素の地球温暖化係数を「1」とすると、メタンは「25」になる。一般的に、海洋底では、海底面にまで上方拡散するまでにメタンは、嫌気的メタン酸化反応で消失してしまうので、黒海の深海底のようなメタンが湧き出す現象は、観られない。これまで発表者らは、海底下の深部で微生物学的なメタン生成が、起きている直接的な証拠を明らかにしている。
詳しい解説はこちら。(http://www.jamstec.go.jp/biogeochem/pdf/Takano_JGL2018.pdf

図1
図1.(a) 黒海の深海底に見られる「メタン」の冷湧水の概要、
(b) チムニー内部に高密度で棲息する嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)。

図2
図2.黒海のメタンおよび嫌気的メタン酸化によって代謝されたアミノ酸および脂質の炭素同位体組成。● ANME-1試料、● ANME-2試料、○ 炭酸塩の内部のANME-2試料。
アミノ酸および脂質分子の略記:Gly:グリシン、Ala:アラニン、Phe:フェニルアラニン、Tyr:チロシン、Glu:グルタミン酸、Val:バリン、Asp:アスパラギン酸、Thr:トレオニン、Ile:イソロイシン、Leu:ロイシン、Ph./Cr.:フィタン/クロセタン、BP:ビフィタン。
アミノ酸の生合成経路の略記:アスパラギン酸ファミリー、α-ケトグルタル酸ファミリー、ホスホエノールピルビン酸ファミリー、3-ホスホグリセリン酸ファミリー、ピルビン酸ファミリーの主要経路から構成。

図3
図3. 黒海の嫌気的メタン酸化アーキア(ANME:本研究)と光合成系のシグナル(cf. Kusch et al., Biogeosci., 7, 4105-4118)による安定炭素同位体組成(13C/12C)と放射性炭素同位体組成(14C/12C)の二次元プロット。ANMEは、光合成系と完全に独立しており、海底下のメタンに依存する独立の生態系であることが明瞭に示された。

図4
図4. 深海底から採取されたANME-1およびANME-2の例。スケールバーは3 cm。

(本研究について)
国立研究開発法人海洋研究開発機構 生物地球化学研究分野 主任研究員 高野 淑識
国立大学法人北海道大学 低温科学研究所 水・物質循環部門 教授 力石 嘉人
国立大学法人東京大学大気海洋研究所 高解像度環境解析研究センター 教授 横山 祐典
(報道担当)
国立研究開発法人海洋研究開発機構 広報部 報道課長 野口 剛
国立大学法人北海道大学 総務企画部 広報課
国立大学法人東京大学大気海洋研究所 広報室 小川 容子
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/593.html#c1

[経世済民128] 中銀の手足縛る巨額米債保有、価格低下でも逃げ道なし  雇用と企業収益の指標に「水膨れ」疑惑、揺らぐGDPの信認 うまき
1. 2018年9月26日 19:34:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1551]

地銀の本業利益、半分が赤字
金融庁が集計
金融機関
2018/9/26 18:00
 金融庁は26日、106ある地方銀行の半分以上が2期以上連続で本業利益が赤字になっているとの集計結果を発表した。23行は5期以上の連続赤字で、長期にわたって赤字から抜け出せない地銀が毎年増えている。厳しい本業を補ってきた有価証券運用でも含み益が減っており、苦境が一段と鮮明になっている。

 埼玉りそな銀行を含む地銀の2018年3月期の決算をもとに、貸し出しや投資信託の販売などに伴う手数料収入を本業利益として計算した。18年3月期は54行の本業が赤字で、このうち52行は2期以上連続で赤字だった。16年3月期は40行が赤字だったが、超低金利の長期化で融資から得られる利益が細り、赤字の地銀が増えている。

 地銀は株式や債券などの運用益で苦しい本業を補ってきた。ただ「益出し」を繰り返してきたことで、16年3月末に2.6兆円あった有価証券の含み益は18年3月末に1兆円まで落ち込んだ。金融庁は厳しい現状を踏まえて、持続可能なビジネスモデルを早期に構築するよう促している。

 

外国為替2018年9月26日 / 18:59 / 14分前更新
ユーロ圏の成長リスク、過度に懸念せず=プラートECB専務理事
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[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は、ユーロ圏の成長に対するリスクは増大しているが、実際の統計にはまだ影響していないとして、極端な減速に対する懸念を否定した。

一方、インフレ率の伸び悩みでECBは金融政策の正常化を急がず、金利は今後数年抑制されるとの見方を示した。

ECBは12月で緩和策の債券買い入れを終了する。

プラート氏はロイターテレビのインタビューで「リスクは確かに増大している。ただこれまでのところ、実際のデータに影響は表れておらず、過度に懸念してはいない」と述べた。

前回のECB理事会以降、米国は追加対中関税を発動、合意なき英国の欧州連合(EU)離脱リスクは増大し、イタリアの財政赤字問題も表面した。

こうしたリスクを踏まえ、プラート氏は一部の政治家から出ている利上げペース加速を求める声を否定。緩やかなインフレ率の上昇ですらECBの支援継続を想定しているとし、「インフレ率は2%に向かうというわれわれの基本シナリオは、総じて非常に緩和的な金融状況を前提としている」と指摘した。

利上げ開始時期については、来年10月前後でその後のペースも非常に遅いとの市場の見方に違和感はないと述べた。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/596.html#c1

[経世済民128] 貿易戦争は中国経済にプラス、米成長阻害の可能性−ECB  トランプ大統領:中国の貿易面での乱用「容認できない」−国連演説 うまき
3. 2018年9月26日 19:35:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1552]

ワールド2018年9月26日 / 18:34 / 38分前更新
貿易戦争での敗者は米国、中国は恩恵被る ECBが分析
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[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は26日、米国が他国と貿易戦争を始めた場合、報復合戦後に失うものが最も多いのは米国で、中国は恩恵を被るとの分析を明らかにした。

トランプ米大統領は今年3月に鉄鋼やアルミ、さまざまな中国製品に輸入制限措置を導入した際、「貿易戦争は望むところで楽勝だ」とツイッターでコメントした。

ECBは、米国がすべての輸入品に10%の関税を導入し、他国が同等の報復関税を課した場合のシミュレーションを作成した。

それによると、米国は貿易減少と消費者・投資家心理悪化の最大の影響を受ける見通し。「推定結果は、米国の純輸出が大幅に悪化することを示唆している。このモデルでは、米企業の投資と雇用も減少し、悪影響が増幅される」と指摘した。

またECBは、米国の成長率が2%ポイント以上押し下げられると推定している。国際通貨基金(IMF)は現在、今年の米国内総生産(GDP)伸び率を2.9%、来年は2.7%と予想している。

対照的に中国は、米製品が関税対象となっている国に対する輸出が増加することで恩恵を受けると想定している。ただ、その恩恵は一時的で小さく、心理への悪影響によって部分的に相殺されるとECBはみている。

一方、世界貿易は基準値に比べて最大3%落ち込む可能性があるという。

ECBのモデルは純粋に理論上のシミュレーションで、実際の貿易状況は再現していない。

 


 

ビジネス2018年9月26日 / 17:09 / 1時間前更新
焦点:日本車メーカー、高関税や数量規制なら死活問題 交渉注視
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[東京 26日 ロイター] - 26日にニューヨークで開催される日米首脳会談では、通商問題が大きなテーマとなる。対米貿易黒字の6─7割を占める自動車・同部品を生産する国内メーカーにとって、25%の高関税や輸出数量規制の発動は、経営への大きな打撃となるだけに、緊張感を持ってその動向を見守っている。

「数量規制も困るが、追加関税だけは絶対に避けてほしい。一度発動されたら半永久的に残りかねない」──。日本車メーカー幹部は、米政府が発動を検討している高関税が実施された場合、その打撃が大きくなることを懸念する。

日本の自動車メーカーにとって、対米輸出は経営を支える大きな柱だ。2017年の日本から米国への輸出は約174万台と国内生産の約18%を占め、自動車部品を含む輸出額は5兆5000億円を超える。

現在の乗用車と自動車部品の関税は2.5%だが、米国は安全保障への影響を理由に、通商拡大法232条を適用し、最大25%の追加関税を課すかどうか政府内の手続きを進めている。追加関税が発動されれば、日本メーカーは合計で1兆円規模の負担は免れない。  武藤敏郎・大和総研名誉理事(元財務次官・元日銀副総裁)は21日、ロイターとのインタビューで、日本から米国への直接輸出、メキシコなど第三国から米国への日本ブランド車輸出、日本からの部品輸出を合わせた対米自動車関係輸出に20%の関税が課された場合、関税額は「1兆7000億―8000億円」になると指摘している。

日本メーカーとして対米輸出が最大のトヨタ自動車(7203.T)は、昨年の米国販売(約243.5万台)のうち、日本からの輸出が約70.9万台と3割を占める。

同社は8月の決算会見で、自動車や部品を対象に最大25%の追加関税が発動された場合、日本から米国へ輸出する完成車1台当たり平均で「6000ドル(約67万円)」のコスト上昇につながると説明。単純計算で約4700億円規模のコスト増になる。

SUBARU(7270.T)は米国工場がフル生産状態のため、米国販売の約半分に相当する32万台を日本からの輸出に頼っており、エンジン部品なども日本から輸出している。

日産自動車(7201.T)も米国に工場があるが、日本から米国へ約3万台を輸出。15年に米国生産から撤退した三菱自動車(7211.T)も米国販売はすべて輸出車だ。

マツダ(7261.T)は、トヨタと21年稼働予定で年産30万台(トヨタ分15万台)の合弁工場を約16億ドル(1700億円)かけて米国に建設中だが、今は日本とメキシコから米国へ輸出する。

メキシコ生産は同国が合意したNAFTAの新しい条件によって、部品の現地生産比率が引き上げられ、新たな対応を強いられる。

同社はエンジンを日本とタイ、トランスミッションも日本でしか生産しておらず、新たに米国がこうした部品に25%の関税をかければ「もうお手上げだ」(同社幹部)と説明する。

日米間の貿易不均衡にいらだってきた米政府は、7兆円を超す対日貿易赤字の圧縮を日本に求めている。複数の関係筋によると、米側は今回の日米通商協議(FFR)の前段階で、非公式に日本からの自動車輸出削減と米現地生産の増加を要請してきたという。

ただ、日本メーカーにとって、米現地生産の増強はかなり高いハードルだ。一般的に、米国での完成車工場新設には年産24万台規模で1000億円ほど投資が必要とされる。

SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは「通常フル生産でも黒字に約5年はかかる」と指摘、「生産車種のロットが小さかったり、緻密な生産技術が必要な車種なら黒字までさらに時間を要し、固定費の上昇にもつながりかねない」と話す。

また、高級車の輸出比率が高い日本メーカーにとって、対米輸出の削減は大幅な減益要因となるばかりでなく、国内の雇用問題にも直結しかねない。

25日朝(日本時間同日夜)、ニューヨークで茂木敏充経済財政相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が2回目となるFFRを開催。終了後、茂木経財相は、両国の貿易を促進する方策や枠組みについて「基本的な認識は一致した」と表明。詳細な中身は「首脳間で議論し、合意した上で発表したい」と語った。

このため、自動車業界関係者の注目は、26日に予定されている安倍晋三首相とトランプ大統領の日米首脳会談に集まっている。

関係筋によると、日本側は米国が自動車に対する25%の関税について、適用回避を約束すれば、農産品を中心にした市場開放などについて、米国との2国間交渉に応じる姿勢を米国側に示し、理解を求める交渉スタンスを取っているという。

ただ、11月の米中間選挙を前に、下院で共和党が過半数を失うとの情勢判断が広がっており、トランプ大統領が米国内での支持拡大を目指し、日本に対して強い姿勢を打ち出す可能性を危惧する日本政府関係者の声もある。

首脳会談の決着内容によっては、日本メーカーの業績に大きな影を落とす展開も予想される。

Toyota Motor Corp
7030.0
7203.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-92.00(-1.29%)
7203.T
7203.T7270.T7201.T7211.T7261.T
白木真紀 取材協力:竹本能文、木原麗花 編集:田巻一彦


 

 
外為フォーラムコラム2018年9月26日 / 11:02 / 8時間前更新
コラム:NAFTA再交渉、真価問われる米議会
Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米議会は通商問題で信用を失いかねない事態に直面している。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、米国とカナダの合意に向けた道のりはなお遠く、時間がなくなりつつある。

米議会はこれまで、トランプ大統領が望む米国とメキシコだけの協定は受け入れないと表明してきた。だが議会がもしそうした方針を撤回すれば、鉄鋼や自動車などの輸入関税に対して十分な法的ブレーキをかけてくれるとの期待も、ほとんど持てなくなるだろう。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は25日、米国とカナダのNAFTAに関する二国間協議は依然として意見の隔たりが大きいと発言。そして議会に向けて刷新したNAFTAの文書を公表する期限までは、あと1週間足らずしかない。カナダの乳製品市場へのアクセスと紛争処理パネルが引き続き対立点となっている。

カナダは通商交渉で動きが鈍い傾向はあるにしても、今回まだ合意できないのは無理もない面がある。8月終盤に米国がメキシコと二国間協議の合意を発表した時期に、実に5週間にわたってカナダは蚊帳の外に置かれていたからだ。トランプ氏はNAFTAを米・メキシコ自由貿易協定に衣替えするのもやぶさかではない姿勢を示し、カナダが譲歩しないなら同国からの輸入車に関税をかけると改めて示唆した。

一方、米・メキシコ自由貿易協定について、上院共和党のマコネル院内総務など議会には懐疑的なメンバーが存在する。いかなる貿易協定も議会の承認が必要で、議会は合意内容が一括承認(ファストトラック)の条件を満たしているかどうか審議する。ライトハイザー氏は昨年5月、NAFTA見直しのために「カナダおよびメキシコ」と協議をすると議会に通知した以上、米・メキシコ協定批判派はカナダも含まなければならないと主張する。

ポートマン上院議員など一部の共和党議員は、国家安全保障の名目で大統領が関税を課す権限を制限することも提案した。制限の対象には、欧州連合(EU)やカナダなど米国の同盟国に対して発動した鉄鋼関税も入っている。

しかし下院共和党のスカリス院内幹事は先週、自身や他の共和党議員はカナダへの不満を高めていると述べた。こうした人々が最終的にNAFTAにカナダを加える考えを放棄すれば、トランプ氏の通商政策に議会が足かせをはめるという話も現実味がなくなるだろう。

●背景となるニュース

*ライトハイザーUSTR代表は25日、NAFTA再交渉で米国とカナダの間にはまだ「相当な距離」があると述べ、「時間切れになりつつある」と付け加えた。

*USTRは8月31日、議会に対して、11月末にメキシコとの自由貿易協定を締結し、カナダは「もし望むなら」参加可能だとの考えを通知した。関係国は9月末までに合意文書を公表しなければならない。米国とメキシコが約5週間にわたる二国間協議を終えた8月28日、カナダは交渉に再合流した。

*ライトハイザー氏は「われわれはメキシコと先に行く。カナダがついてくればベストだが、遅れるならそれは仕方がない」と述べた。


 

 コラム2018年9月26日 / 14:08 / 2時間前更新
コラム:米フェイスブック、「金のガチョウ」を殺すか
Jennifer Saba and Robert Cyran
2 分で読む

[ニューヨーク 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 写真共有アプリ大手インスタグラムは、親会社のフェイスブック(FB.O)にとって今や重要な収入源だ。

しかしインスタグラムの最高幹部2人の辞任を機にフェイスブックが両社の経営の一体化を進めれば、「金の卵を産むガチョウ」をみすみす殺してしまうことになりかねない。

フェイスブックは2012年に10億ドルでインスタグラムを買収したが、フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)にとってこれは最良の一手だった。

インスタグラムの創業者であるケビン・シストロムCEOとマイク・クリーガー最高技術責任者(CTO)はフェイスブックの巨大な広告プラットフォームと販売力を活用し、フェイスブックから独立を保ったまま事業を拡大した。

フェイスブックは顧客データの利用を巡る論争に巻き込まれたが、インスタグラムのユーザーは平静を保っている。ハイテクサイト「ザ・バージ」の調査によると、回答者の6割はインスタグラムの親会社を知らなかった。

親会社のフェイスブックと距離を置くインスタグラムの経営は恩恵をもたらし、月間アクティブユーザー数は10億人を超えるまでになった。フェイスブックはインスタグラムの売上高を明らかにしていないが、イーマーケッターの推計によると今年の広告収入は80億ドルと、2016年の4倍以上に達する見込みだ。

Breakingviewsの推計によると、インスタグラムは単独での企業価値が800億ドル強に上る。

一方、フェイスブック自体は投資家を魅了する力が薄れつつある。

欧州、カナダ、米国では中核プラットフォームでユーザー数の伸びが止まった。ロシアがフェイスブックを使って2016年の米大統領選に介入した問題が追い打ちとなり、世界各国の規制当局によって四方八方から調査を受けている。幹部の辞任も相次ぎ、売上高の伸びが鈍ったと認めた今年夏以降、時価総額が1500億ドル相当も吹き飛んだ。

ザッカーバーグCEOが、インスタグラムが産む「金の卵」からもっと搾り取りたいと考えるならば、それは理解できる。インスタグラムのトップ2人の辞任を受けてフェイスブックとの経営の一体化はその一助になるだろう。

もしザッカーバーグCEOがユーザーやユーザーのデータを使って利益を高めることに熱心になりすぎると、ちょうどフェイスブックの中核事業で起きたように、ユーザーや当局者の離反を招くだろう。

インスタグラムというブランドには大きな価値があり、成長に飢えたオーナーがうっかりとガチョウの首を絞めてしまえば残念な結果を招くだろう。

●背景となるニュース

・フェイスブック傘下の写真共有アプリ大手インスタグラムは、共同創業者のケビン・シストロムCEOとマイク・クリーガー最高技術責任者(CTO)がいずれも辞任した。

・シストロム氏は24日のブログに「休みを取り、好奇心と創造力を再び探求したい」と投稿した。

Facebook Inc
164.91
FB.ONASDAQ
+0.00(+0.00%)
FB.O
FB.O
・フェイスブックは2012年にインスタグラムを10億ドルで買収した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/facebook-instagram-breakingviews-idJPKCN1M60DO
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/595.html#c3

[経世済民128] 「日本人の給与平均が上昇」はウソ!? 統計水増しのトリック(wezzy) 赤かぶ
1. 2018年9月26日 19:40:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1553]

くだらん

本気で情報操作する場合、こんなことは漏れてこない


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/572.html#c1

[経世済民128] 安倍総理と黒田総裁、「出口」発言の矛盾は日本経済の重荷になる(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年9月27日 14:37:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1554]

>物価上昇率が2%であれば、金利が2%以下であることはあり得ない。短期金利も2%を超えているであろうし、長期金利は3%を超える水準
>短期金利が2%を超えているとすれば、当座預金のうち準備預金を超える部分に対しては付利をする必要がある。なぜなら、そうしないと当座預金が流出し、投機資金として利用されてしまう
>ところが、現在の当座預金(準備預金を超える額)残高は巨額である。したがって、付利の額も膨大なものとなる。この結果、日銀が債務超過に陥る危険

それはない

インフレ率も金利も急上昇している場合

政府が、利子など金融所得への課税で賄って、日銀に資金供給すればいい

そうすれば投機や景気過熱への抑制にもなるし

統合政府のGDP比債務も低下する


ただし、放漫財政を放置して、資産課税をやり過ぎれば、

キャピタルフライトを加速し、国内産業をさらに衰退させ、雇用も賃金も悪化することになるから

注意が必要なのは言うまでもない


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/605.html#c1

[経世済民128] 安倍3選で金融緩和継続 ハゲタカ勢がもてあそぶ日本市場(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
1. 2018年9月27日 14:50:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1555]

低レベル過ぎる

多様な外資をハゲタカなどと一括して見る時点で終わっている

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/604.html#c1

[経世済民128] 日経平均が24000円に乗せる(在野のアナリスト) 赤かぶ
2. 2018年9月27日 14:51:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1556]

コメントする価値もない

相変わらずのゴミ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/603.html#c2

[経世済民128] 米利上げは2021年まで続く?ローン返済を通じて家計を直撃(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 2018年9月27日 18:21:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1557]

>利払い負担が家計を直撃
>金利の風向きは貯蓄をしている人には優しく、借金がある人に厳しい

そう単純ではない

それぞれの財のインフレ率との関係で決まる

つまり財別の実質金利の方が遥かに重要

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/607.html#c1

[経世済民128] 孫正義氏のビジョン、ベンチャーキャピタル業界に旋風−桁違いの投資  うまき
1. 2018年9月27日 18:36:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1558]
トレーダーは米金融政策読み違え、もっとフラット化する−モルガンS
Christopher Anstey
2018年9月27日 15:20 JST
モルガン・スタンレーのストラテジストらは米イールドカーブフラット化の見通しを強めた。トレーダーらは現在、米金融政策の見通しを短期でも長期でも読み違えているとの見方を示した。

  短期を見ると、市場の金利予想は連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの金利予想を示す「2019年と20年、21年のドットの中間点より下にある」と、エレン・ゼントナー、マシュー・ホーンバック両氏らモルガン・スタンレーのアナリストが26日のリポートに記述した。

  一方、長期のプライシングは成長見通しに照らして景気に「楽観的過ぎる見方を反映している」とアナリストらは指摘。「FOMCメンバーの予想中央値では、米成長は21年までに実質1.8%の潜在成長率に戻るというもの」であり、市場の見方は楽観的過ぎると説明した。

  モルガン・スタンレーは2年物米国債をショートし、10年物と30年物をオーバーウエートにすることを勧めた。

  また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を手掛かりに、「米国債利回りが新たな水準に上昇するためには米消費者物価指数(CPI)に上方向の驚きがなければならないだろう」と指摘。「長めのデュレーションを維持」することを勧めた。


原題:Morgan Stanley Says Traders Mispricing Fed at Both Ends of Curve(抜粋)


 

アルゼンチン、IMF融資枠570億ドルに拡大で合意−供与加速へ
Patrick Gillespie、Ignacio Olivera Doll
2018年9月27日 6:45 JST 更新日時 2018年9月27日 10:36 JST
従来の融資枠は500億ドル。同国は既に150億ドルを受け取った
同国は19年末までにさらに350億ドルへのアクセスが可能に
アルゼンチンのドゥホブネ財務相は26日、国際通貨基金(IMF)が6月に設定した期間3年の同国向け信用枠を570億ドル(約6兆4300億円)前後に拡大することで合意を得たと発表した。IMFのラガルド専務理事との共同会見で明らかにした。通貨防衛とリセッション(景気後退)脱却のための支援を拡充する。


ドゥホブネ財務相フォトグラファー:Erica Canepa / Bloomberg
  IMFの従来の融資枠は500億ドルだった。アルゼンチンは既に150億ドルを受け取っているが、IMFは前倒しで供与する額を増やし、同国は2019年末までにさらに350億ドルへのアクセスが可能になる。

  アルゼンチンのマクリ大統領と同国の新たな中央銀行総裁は、支援と引き換えに政策の引き締めに動く必要がある。同国はインフレ抑制のため緊縮予算の加速と経済へのマネーサプライの伸び凍結を約束。アルゼンチン・ペソ防衛のために外貨準備を大幅に減らす対応も見合わせる。


原題:Argentina to Get More Cash Faster as IMF Ramps Up Record Bailout(抜粋)

 


甘利元再生相:米国は早期解決狙う、農業への影響抑制−新貿易協定
占部絵美、コナー・シスロ、延広絵美
2018年9月27日 17:04 JST
自動車関税は米国が要求する項目ではない、日本はゼロ
トランプ氏の対中戦略を評価、日米でフェアな世界ルール整備を
「日米物品貿易協定(TAG)」交渉合意について、自民党の甘利明元経済再生担当相は27日、米国側は環太平洋連携協定(TPP)などの発効による自国の農業への影響を懸念し、早期解決を狙っているとの見方を示した。ブルームバーグとのインタビューで述べた。

  甘利氏は、年明けにも米国を除く11か国のTPP、来春に欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効することを見据えた合意だと指摘。米国の生産者が被る不利益のため「何らかの打開策を考えてくれということではないか」と述べた。

  また、11月の中間選挙を控えたトランプ大統領は農業生産者の声に応えなければならず、「来春というとそんなに時間をおけない」とした上で、農産品などを対象に関税削減措置交渉に入り、「具体的に取り組んでほしい項目に限定した日米の協定のようなものを模索する」と分析した。甘利氏はTPP担当相として米国との交渉に当たった経験がある。

  26日(日本時間27日)の日米首脳会談では、TAG交渉を新たに開始することで合意した。安倍晋三首相は農産品の市場開放について「過去の経済連携協定で約束した内容が最大限」との日本の立場を米国が尊重することを「確認した」と述べた。一方、交渉中は日本車への追加関税の適用は回避された。

米中摩擦
  TPPに加盟するオーストラリアなどと比べ、米国の農産物は日本への輸出で不利になる。外務省によると、日欧EPAとTPPを加えた署名・発効済み自由貿易協定(FTA)が日本の貿易総額に占める割合は36.5%に上る。

   甘利氏は、自動車関税については「米国が要求する項目ではなく、スタートを間違えている」と批判した。完成車の輸入にかかる関税は、日本はゼロなのに対し、米国は2.5%を課しており、日本は引き下げを求めてきた。

  一方、激化する米中貿易摩擦については、「中国に知財、技術覇権に対するフェアなルールをあれだけ露骨に迫ることは彼にしかできない」とトランプ大統領を評価。中国は資本や技術だけでなくデータ収集にも注力しており、今後の経済成長の鍵を握るデータ社会の覇権争いにおいて日米に「フェアな世界ルールを作るという使命が出てくる」と指摘した。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/609.html#c1

[経世済民128] 孫正義氏のビジョン、ベンチャーキャピタル業界に旋風−桁違いの投資  うまき
2. 2018年9月27日 19:32:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1559]
トップニュース
2018年9月27日 / 18:01 / 41分前更新
焦点:ゆっくり縮む世界株式市場、「品薄感」が支える強気相場
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[ロンドン/ニューヨーク 26日 ロイター] - 貿易摩擦やホワイトハウスの予測不能さ、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱に金利上昇──。今年に入って世界の株式市場はこれらの悪材料に見舞われてきたが、基本的な堅調地合いは崩れなかった。
米国株の主要指数は最高値圏で推移し、世界株の指標は足元で年初来高値を4%しか下回っていない。
そして結局のところ、こうした相場展開は単純に品不足という需給面の要因に支えられているのではないだろうか。

実際、株式市場は世界的にゆっくりと縮小している。JPモルガンの分析では、流通市場から消えていく分を穴埋めできるほど新株は発行されておらず、2016年には史上初めて株式が需要超過となった。昨年はかろうじて供給超に戻ったものの、今年は需要超になる可能性があるという。
この先投資家の需要を一定と想定した場合でさえ、供給状況からみて上場株の品薄感は強まることになる。新規株式公開(IPO)や追加売り出しが減る一方、企業の自社株買いや現金調達の合併・買収(M&A)、上場廃止などによって世界中の株式が吸い上げられているのだ。
トムソン・ロイターのデータに基づくと、今年1─8月の企業上場で増えた株式はおよそ1260億ドル前後。これに追加売り出しや従業員への株式割り当てなどを含めたとしても、今年1兆ドルを超えるかもしれないという自社株買いの規模には遠く及ばない。

こうした傾向がすぐに逆転すると予想する向きは乏しい。一部の市場関係者は、企業経営者の間に株式市場に付随する予測できない変化や常に投資家の目が光っている状況に対する幻滅があり、同時に債務を利用した資金調達(デット・ファイナンシング)の方がコストが安いという事情を引き合いに出している。
シティのストラテジスト、ロバート・バックランド氏は「株式市場に上場を続けるのは痛みを伴う。手続きの煩雑さや短期主義、過剰な監視が全て厄介だ。ただ本当に基本的な問題は、企業は最も安価なマネーがある場所に向かうという性質にある」と話した。同氏は、2003年以来「脱株式化」の流れが続いていると唱えている。
事実上のゼロ金利時代には企業が株式発行よりも債券市場を資金調達先に選んだことで、脱株式化は加速。また元来投資よりも自社株買いを優先する強い動機を持っていた企業は、昨年の減税でさらにその傾向に拍車がかかった。
バックランド氏は、米国の株式は年間約1.5%のペースで減少していると試算するとともに、株式を通じた資金調達が期待できるはずの新興国でも株式の増加は止まろうとしていると付け加えた。
米連邦準備理事会(FRB)を筆頭に主要中央銀行が超金融緩和局面に一区切りをつけつつあるのは確かだ。ところがJPモルガンのアナリスト、ニコラウス・パニギルツォグロウ氏は、脱株式化を本格的に食い止めるには、米10年債利回りが4.5%まで上がり、企業の借り入れコストが6%と今より200ベーシスポイント(bp)高まる必要があるとみている。
現実を見ればFRBが利上げを継続しているとはいえ、10年債利回りは3%近辺にとどまったままだ、と同氏は指摘する。
JPモルガンによると、株式の減少が最も目立つのは米国で、今年の純減規模は2000億ドル相当だった昨年の2倍に達する可能性があある。
インドスエズのシニア株式アナリスト、ローラン・ゴダン氏はシカゴ大学のデータを引用し、1995─2000年は年間平均680件だった米国の株式上場は2009─17年には180件に減り、ニューヨーク市場の上場企業数は1997年が7500社だったが、昨年は3600社前後になったと述べた。

フランクフルトとロンドンでも上場企業数は03─18年にそれぞれ45%と20%の減少を記録したという。

<企業像の変化>
借り入れコストが上昇しているからといって、大型上場の人気が復活するとは限らないかもしれない。
その理由の1つはプライベートエクイティ(PE)の存在だ。過去10年半では、デルやヒルトン・ホテルなどPEによる買収に続いて上場廃止になったケースがしばしばあった。
低コストの資金が手に入る時期が長らく続いたことで、PEが株式公開を避けたがっている企業に振り向けられる資金はなお1兆ドル程度はあるとみられる。
ゴダン氏は「PEからコストの安い資金を調達できる限り、企業は非公開化を望む。予見可能な将来において、それは変わらないだろう」と話した。
企業や社会の性質の変化もまた脱株式化の強い原動力となっている。現代の多国籍企業はかつての巨大製造業ほど資本集約的ではなく、例えばフェイスブックは、重機やセメントのメーカーに比べて新規事業立ち上げや事業拡大にお金を必要としない。
民泊仲介のエアビーアンドビー、配車サービスのウーバーなどは、ホテルや工場を建設することなく、自動車や住宅といった既存の資本ストックを活用する技術に依拠している。
(Sujata Rao、Helen Reid、Chuck Mikolajczak記者)

https://jp.reuters.com/article/global-stocks-dearth-analysis-idJPKCN1M70UD

 

外為フォーラムコラム2018年9月27日 / 09:20 / 7時間前更新
コラム:タカ派的FRBと貿易摩擦、市場に吹く2つの逆風
Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - タカ派的な米連邦準備理事会(FRB)が、貿易摩擦とともに投資家の新たなリスクとなっている。FRBは26日までの連邦公開市場委員会(FOMC)で、今年3回目の利上げに踏み切った。一方、米国債の発行が増えている中で、FRBのバランスシートの縮小が加速しつつある。

物価上振れと減税による景気刺激効果を巡る懸念から、ハト派のFRB当局者さえ、以前より引き締めに積極的になった。オバマ前政権が任命した唯一の理事として残るラエル・ブレイナード氏は今月、利上げペースを上げなければならないかもしれないとの見方を示した。

FRBは26日公表した見通しで、年内12月にもう1回、そして来年中に恐らく3回の利上げに動くことを示唆したほか、今回からは金融政策を「緩和的」と表現するのを取りやめた。

同時にFRBは、金融危機後に4兆5000億ドルまで膨らんだ資産の削減を急いでいる。昨年10月にバランスシート縮小を開始した時点で、毎月最大100億ドルに設定した資産圧縮幅は、来月から最大500億ドルに引き上げられる。

米国債にとって最大級の買い手であるFRBが購入を絞るのと逆行するように、国債発行は増加傾向にある。減税に起因する歳入減と歳出拡大のため、来年の財政赤字は1兆1000億ドルまで膨張しかねない。今年下半期に政府が予定している借入額は7700億ドルと、前年同期を60%も上回る。米国債の供給が増え、需要が減ることで、利回りが全年限にわたって上昇してもおかしくない。

もう1つの逆風は関税だ。米政府は24日から約2000億ドル相当の中国製品に対する10%の追加関税を発動。来年には税率が25%に切り上がる。

こうした中でウォルマート(WMT.N)などの小売業者は、消費者物価が連動して上昇する可能性があると警鐘を鳴らす。大手企業の経営者で構成するビジネス・ラウンドテーブルは今週発表した調査で、全体の3分の2の経営者が貿易摩擦は設備投資に悪影響を及ぼすと回答した。

米経済は依然として好調で、8月の失業率は3.9%だった。しかしFRBの金融政策正常化のスピードアップと、米国債増発、制裁関税合戦の激化が重なり合えば、市場の動揺を引き起こす恐れがある。

●背景となるニュース

*FRBは26日までのFOMCで、政策金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、2.00─2.25%とすることを決めた。現在の引き締めサイクルが始まったのは2015年12月で、これまでに利上げは8回実施されている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/indonesia-bi-ratehike-idJPKCN1M7111

 


 


 
外為フォーラムコラム2018年9月27日 / 17:21 / 1時間前更新
コラム:FRB「自動利上げ」終焉で問われる対話能力

井上哲也 野村総合研究所 金融イノベーション研究部主席研究員
4 分で読む

[東京 27日] - 米国の中央銀行である連邦準備理事会(FRB)が26日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、声明文から「利上げ後も金融は緩和的である」との表現を削除したのは、パウエルFRB議長が声明発表後の記者会見で説明したように、それ自体が政策スタンスの変更を意味する訳ではない。

しかし、実体経済に対して刺激的でも抑制的でもない「中立的な政策金利」の水準とFOMCメンバーの大勢が考えている3%への到達が視野に入ったという点で、象徴的な出来事である。

<新局面で高まる対話の重要性>

中央銀行が金融政策を運営する上で幅広い経済主体と対話を行うことは、米国に限らず世界共通の課題であり、過去20年以上にわたって意識されてきたことである。その上で、これからのFRBは従来以上にその必要性に迫られるだろう。

その最大の理由は、利上げの影響が経済活動や金融市場に徐々に顕在化するからである。少なくともこれまでは、FOMCの議事要旨を見ても利上げの影響への言及を探すことは難しかった。しかし、政策金利の上昇に対する連動性が相対的に高い消費者ローン金利などは着実に上昇しており、今後、家計の支出を徐々に抑制することになろう。同時に、これまで抑制されてきた長期金利が多少でも上昇すれば、広い範囲の資産価格に影響が生じうる。そうなれば、利上げに対する反発も、トランプ米大統領に限らず徐々に広がりを見せることが考えられる。

国際環境も徐々に複雑化するとみられる。現在の米国にとっては、好調な国内経済だけでなく、海外経済が一部の新興国を除いて安定的に拡大していることも大きな支えになっている。しかし、通商摩擦の長期化や原油高による国際的な購買力の移転、さらに米国の金利が上昇することによる資本フローや為替レートの変動などを考えれば、国際金融市場のボラティリティーが上昇し、海外景気のばらつきが拡大することが考えられる。

米国内外の経済や金融で先行きの不透明性が高まれば、FOMCメンバーの間でも政策運営に関する意見の違いが次第に鮮明になる可能性もある。政策金利が中立水準に近づいていることとも相まって、FRBが従来のように四半期に1回の利上げを行う「自動操縦モード」を続けることは不適切となり、文字通り、虚心坦懐に経済金融情勢を評価したうえで利上げの適否を判断する局面に入ることになる。

こうした局面でこそ、FRBが家計や企業、金融市場と政策運営の考え方を共有することが、一段と重要になる。FRBは、利上げに伴う様々なマイナスの影響を評価した上で、経済や金融の過熱リスクを抑えることが相対的に重要と判断した場合に利上げに踏み切る。その際、幅広い経済主体と適切な理解を共有できなければ、利上げの影響が過大になったり過少になったりする結果、意図した政策効果が実現できなくなる恐れがある。同時に、金融市場が利上げの意図を適切に消化できなければ、政策の方向性を見誤り、資産価格を中心としてボラティリティーの不要な上昇が起きて金融システムへのストレスが生じる恐れもある。

<求められる各FOMCメンバーのリスク評価公表>

幸い、パウエル議長は対話の重要性を強く意識しているようだ。実際、6月に行われた就任後2回目の記者会見では、金融政策が幅広い経済主体に影響することを意識し、冒頭説明で「家計や企業にも分かりやすく話す」と宣言。今回の記者会見でもこうしたスタイルを維持した。また、経済学のアカデミックなキャリアを持たないパウエル議長が、8月のジャクソン・ホールでの講演で示唆したように、経済分析の枠組みや概念を尊重しつつ、その限界も明確に意識するスタンスにあることも、テクニカルタームの多用を避けつつ家計や企業にとって分かりやすい対話につながる面があろう。

それでも、今後の難しい局面を乗り切る上で、FRBにはいくつか具体的な課題も残るように見える。

例えば、FOMCは四半期に1回、メンバーによる経済見通しを集約して公表するほか、声明文などを通じてFOMC全体としての上向きか下向きかのリスク評価を説明している。しかし、FOMCの個々のメンバーがリスクをどう評価しているかは個別の講演を聞く程度しか手がかりがなく、メンバー間でのウエイトやその変化を知ることは実際に難しい。政策の方向性を理解する上で重要な情報であるだけに、何らかの形で公表することが望まれる。

この課題は政策金利の先行きに関する予想の公表方法にもあてはまる。つまり、FOMCの各メンバーによる政策金利の推移に関する予想はいわゆる「ドット・チャート」の形で公表されており、(特定はできないが)個々のメンバーの予想やその変化を外部からフォローすることができる。一方で、各メンバーがそれぞれの予想についてどちら向きのリスクを意識しているかは分からない。この点も、分かりやすい形で公表するには工夫が必要であろうが、政策の方向性を理解する上で有効な手助けとなりうる。

また、金融システムの状況をどう評価しているかについても、何らかの情報提供が望ましい。米国では、監督当局の合議体である金融安定監督評議会(FSOC)がマクロ的な金融システム安定の責務を一義的に負うだけに、FRBが金融システムの評価を発信することには制約が大きいことは否定できない。

しかし、パウエル議長が今回の記者会見でも確認したように、金融システムの状況は金融政策の運営にとって重要な与件である。また、金融政策の適切さは、実体経済と金融の双方の過熱いかんによって判断されるべきというのが世界金融危機の重要な教訓である。FOMCの議事要旨には、金融システムに関する執行部の分析とFOMCメンバーによる議論も掲載されているが、金融の専門家でない家計や企業にもそうした評価を簡潔に共有できる仕組みがあることが望ましい。

金融政策に関する対話の枠組みは、イエレン前議長の下で整備されたものが踏襲されている。既に決定している来年初からの記者会見頻度の増加と合わせて、パウエル議長のカラーがどのように実現されるのか注目したい。 

*井上哲也氏は、野村総合研究所の金融イノベーション研究部主席研究員。1985年東京大学経済学部卒業後、日本銀行に入行。米イエール大学大学院留学(経済学修士)、福井俊彦副総裁(当時)秘書、植田和男審議委員(当時)スタッフなどを経て、2004年に金融市場局外国為替平衡操作担当総括、2006年に金融市場局参事役(国際金融為替市場)に就任。2008年に日銀を退職し、野村総合研究所に入社。主な著書に「異次元緩和―黒田日銀の戦略を読み解く」(日本経済新聞出版社、2013年)など。  

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:山口香子)
https://jp.reuters.com/article/fed-column-inoue-idJPKCN1M70SJ

 


外為フォーラムコラム2018年9月27日 / 17:16 / 1時間前更新
コラム:貿易戦争懸念の後退か、ドル115円シナリオの現実味=鈴木健吾氏
鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト
4 分で読む

[東京 27日 ロイター] - トランプ政権の通商政策が徐々に変化を見せている。対中摩擦は長期化懸念が強まる一方で、欧州や日本など友好国に対する交渉には一定の進展が見え始めている。

トランプ大統領は2017年に環太平洋連携協定(TPP)交渉からの離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなどを打ち出し、2018年1月には太陽光パネルと洗濯機に対する緊急輸入制限(セーフガード)を発動。その後も鉄鋼・アルミニウムや中国に対する関税引き上げを実行に移し、さらに自動車や自動車部品に対する関税引き上げを示唆するなど、相手かまわず強硬な通商政策を次々と打ち出した。世界が報復関税の応酬合戦となり、貿易戦争状態へ突入することに対する警戒感が市場で強まった。

過去において、米国では1929年の大恐慌を受け、フーバー大統領が国内産業保護のため1930年にスムート・ホーリー法を成立させ、2万品目以上の輸入品に対して関税率を平均約50%引き上げた。これに対し多くの国が米国からの輸入品に高関税をかけて報復し、結果として世界の貿易量は急減。米国の恐慌が深刻さを増しただけでなく、世界恐慌が引き起こされた経緯がある。

それだけに同じ轍(てつ)は踏まないだろうとの見方がある一方で、トランプ大統領の一見乱暴ともいえる一方的な関税引き上げと、それに対する相手国からの報復の連鎖は、市場に世界貿易戦争の再来を警戒させるに十分だった。

実際、中国とは関税の報復合戦が続いている。米国の関税引き上げに対して中国が即日報復措置を発表し、これに対して米国がさらなる関税引き上げを示唆するというパターンも、24日時点で既に3順目(米国が第3弾の関税引き上げを発動させ、中国がこれに報復したことで、トランプ大統領が第4弾の関税引き上げを示唆した状況)だ。米中の摩擦は単なる貿易不均衡の問題だけではなく、知財を含むハイテク分野などでの主導権争いの要素も含んでいるとの見方もあり、長期化する可能性が高まっている。

<対中以外の通商摩擦に変化>

だが一方で、対中以外の通商摩擦にはやや変化がみられる。7月25日にトランプ大統領はユンケル欧州委員会委員長とトップ会談を行い、大豆や液化天然ガス等の輸入拡大を欧州から勝ち取るとともに、自動車を除く工業製品に対する関税や非関税障壁、補助金の撤廃に向けての協議を開始し、協議中はさらなる関税引き上げを留保することなどで合意した。

また、8月終盤にはNAFTA再交渉に関してメキシコと合意に至り、カナダとも詰めの協議が続いている。米議会にNAFTA新協定の文書を提出する期限が9月末に迫るなか、「時間切れになってしまうかもしれない」(ライトハイザー米通商代表部代表)状況ではあるが、その場合でもメキシコとの2カ国間協定の発効手続きを先行させるとしており、カナダの後日参加も受け入れる姿勢を示している。

日本に対してもトランプ大統領は7日、貿易協議が合意できなければ「大変な問題になる」とのけん制を行っていたが、25─26日に行われた日米の貿易協議と首脳会談では、今後、2国間貿易協議を行っていくことや、協議中は自動車関税を引き上げないことなどで合意に至っている。

欧州や日本との協議は継続中であり、カナダのNAFTA復帰も不透明という状況ではある。しかし、今年前半に見られた「相手かまわず強硬な通商政策を次々と打ち出し、報復の応酬によって関係が一気に悪化する」状況とは異なり、友好国を中心に「交渉のテーブルに着く」ステージに移行している。24日には米韓の改訂自由貿易協定に両国首脳が署名するに至ったが、今後は一定の譲歩を米国が獲得しつつ合意に向かうパターンが増えていくだろう。

<実体経済へのリスクは限定的か>

このような動きを受けて、米国の通商政策を巡る市場の懸念も「世界貿易戦争」から「米中貿易摩擦」へリスクがスケールダウンしてきている。こうなると、米中貿易摩擦が実体経済にどの程度の影響を与えるかが重要となろう。

これに関しては国際通貨基金(IMF)が2019年の試算として、米中それぞれの実質経済成長率を0.9ポイント程度押し下げるとの見方を示している。しかし、米国は減税効果に加え連邦政府のインフラ支出も予定しており、これらが2019会計年度中に3000億ドル規模の景気下支え効果につながるとみている。ちなみに米国の今年4─6月期実質国内総生産(GDP)年換算額の0.9%はおよそ1700億ドル弱となり、上記財政措置はこれを大きく上回る。

一方、中国はすでに今年前半より金融緩和や人民元安容認などによる景気下支えモードに入っており、加えて鉄道投資や減税などにより19兆円規模の景気刺激策も打ち出している。これらによって、両国の貿易摩擦による景気下押し圧力は相当程度緩和されるとみており、世界経済に悪影響を与えるリスクも限定的ではないかと考えている。

リスクといえば、夏場の新興国を巡る混乱も徐々に落ち着きを取り戻しつつあり、今のところ世界経済を揺るがすほどの事態とはなっていない(これは前回コラムの予想通り)。夏場にドル円の上値を押さえていた「貿易戦争懸念」や「新興国懸念」といったリスクの存在感が小さくなってきていることが、9月後半にドル円を113円台に押し上げた背景のひとつではないかと考えている。

かねてからの予想通り、これらリスクが秋以降に縮小傾向をたどれば、市場の注目はファンダメンタルズや金融政策に回帰し、ドル円の押し上げ要因となるだろう。

米国の経済は総じて良好だ。4─6月期実質GDPは前期比年率プラス4.2%(2次速報)でアトランタ連銀のGDPナウによれば7─9月期GDP予想も同+4.4%(9月19日現在)と、2%程度とされる潜在成長率の倍以上の成長を示している。4─6月期の企業決算でもS&P500採用の500社合計で約25%もの増益となり、これを反映して米株価はNYダウ、S&P500、ナスダックいずれも直近1カ月で史上最高値を更新した。

さらに直近1カ月の米経済指標を振り返ると、9月4日発表の8月ISM製造業景況指数は14年ぶりの良好な数字、20日の新規失業保険申請件数は49年ぶり低水準、11日に発表された8月中小企業楽観指数や7月JOLT求人件数はいずれも過去最高の良好な数字を記録している。

このような状況を受け、米連邦準備理事会(FRB)は26日(日本時間27日早朝)に今年3回目となる0.25%の利上げを行った。声明の「金融政策は緩和的」との文言が削除され、今後は中立的な状態に移っていくことが示されたが、2020年にかけての緩やかな利上げ姿勢は維持されている。「利上げの終わりが見えてきた」「利上げが米経済をオーバーキルする」との意見も聞かれるが、これらの議論をするには時期尚早だと考えている。

一方、日銀はフォワードガイダンスで「2019年10月の消費増税に対する悪影響にも強力な金融緩和で対応する」姿勢を示した。取り方によっては2020年も視野に入れた緩和継続ともいえる。

リスクの後退とともに、これらファンダメンタルズや金融政策への評価が年末にかけてのドル円を115円方向に押し上げる展開を引き続きメインシナリオにしている。

鈴木健吾氏(写真は筆者提供)
*鈴木健吾氏は、みずほ証券・投資情報部のチーフFXストラテジスト。証券会社や銀行で為替関連業務を経験後、約10年におよぶプロップディーラー業務を経て、2012年より現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。


 


ワールド2018年9月27日 / 18:36 / 6分前更新
インドネシア中銀、政策金利を0.25%引き上げ ルピア支援策も計画
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[ジャカルタ 27日 ロイター] - インドネシア中央銀行は、政策金利である7日物リバースレポ金利IDCBRR=ECIを0.25%ポイント引き上げ5.75%とした。

中銀は、経常赤字削減と海外投資家による国内資産投資の拡大が目的としている。

中銀は5月中旬以降、政策金利を5回にわたり1.5%ポイント引き上げた。

ロイター調査によると、エコノミスト25人のうち20人が0.25%の利上げを予想していた。

預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利も0.25%引き上げ、それぞれ5.00%と6.50%とした。

中銀はまた海外投資家にオンショアでの為替ヘッジを促すルピア支援策を計画していることも明らかにした。

ルピアの対ドル相場IDR=は年初から約9%下落し、1997─98年のアジア金融危機以来の安値水準付近で取引されている。

27日の市場では、中銀の発表を受けて1万4905ルピアから1万4910ルピアに若干弱含んだ。

中銀は来週、為替の代替ヘッジ手段を提供するため、さまざまな通貨に対するオンショアでのルピアのノンデリバラブル・フォワード(NDF)取引に関する指針を発表する。

中銀は海外投資家や外貨建て債務を保有するインドネシア企業が、オフショアNDFではなくオンショア市場を利用するよう望んでいる。

ペリー・ワルジヨ総裁は、ルピアの安定性を強化するため、27日の利上げは「銀行と企業に代替ヘッジ手段を提供し、金融市場を深化させる国内のNDF取引を許容する政策によって支援される」と述べた。

キャピタル・エコノミクスはこの日の利上げについて、インドネシアの引き締めサイクルが「まだ終了していない」ことを示していると指摘した。

ワルジヨ総裁は、中銀のスタンスは引き続きタカ派的だとも述べた。

 


トップニュース2018年9月27日 / 14:56 / 27分前更新
焦点:メキシコとカナダ分断、米国「NAFTA戦略」の舞台裏
Dave Graham
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[メキシコシティ 25日 ロイター] - メキシコ大統領選に勝利した翌日、アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏は、トランプ米大統領から祝福の電話を受けた。だがトランプ氏が念頭に置いていたのは、お祝いよりもさらに重要な用件だった。

それは「メキシコの新大統領は、2国間貿易協定を考慮してくれるだろうか」という問いかけだ。

ロペスオブラドール氏は、7月2日に受けたこの電話に対して、カナダを含む3カ国間の貿易協定が存在しなければ、2国間協定についても「可能性を否定しない」と応じた。この電話会談に耳を傾けていた同陣営の外交政策顧問ヘクトル・バスコンセロス氏がそう明かした。

ロペスオブラドール氏のこの回答が決定的な転機となった。それまで、米国とカナダ、メキシコの3カ国は年間1兆ドルを超える3カ国間貿易の枠組みを決める北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に向けて、この1年間、厳しい交渉を重ねていた。

これまで、メキシコとカナダは互いに協力して米国からの経済的・政治的圧力に抵抗してきた。トランプ大統領は、世界最大の経済大国である米国にとってさらに有利な条件を要求し、NAFTAは米国の労働者にとって「災難」だと繰り返し表明していた。

だが、左派の野党候補者ロペスオブラドール氏が大統領選に勝利したことで、トランプ大統領はメキシコとカナダを分断させ、自身の望む1対1での交渉によって合意を得るチャンスを得たのだ。

トランプ大統領は先月、退任するメキシコのペニャニエト大統領に触れ、「あの資本主義者よりは(ロペスオブラドール氏を相手にする方が)うまくやっていけるだろうと考えている」とウェストバージニアで行われた政治集会で支持者に語った。

メキシコの交渉姿勢が変化したのは、対立する現政権と新政権の双方が大統領交代前に米国と交渉したほうが、互いに有利だと認識したためだ。ロイターがNAFTA再交渉をよく知る十数人に取材したところ、そうした変化の裏側が浮かび上がってきた。

オブラドール新政権は、国内問題に注力するため、トランプ大統領との対立回避に熱心だった。新政権で要職に就く3人によれば、次期大統領は外交への熱意が希薄で、現大統領から引き継ぐ複雑な貿易交渉のかじ取りという「頭痛の種」を避けたいと願っている。

「国内政策こそ、最善の外交政策だ」とロペスオブラドール次期大統領は幾度となく公言している。

一方、NAFTA再交渉協議に詳しい関係者によれば、退任するペニャニエト大統領サイドでは、2年にわたる苦労の絶えない交渉から何か目に見える成果を挙げたいと願っていた。

同交渉は任期の3分の1に影を落とし、投資を滞らせ、メキシコの通貨ペソを混乱させた。メキシコでは制度上、大統領の再選を認めていないが、ペニャニエト氏が後継として支持した候補は大差で敗れた。

NAFTA再交渉の大半を通じてペニャニエト政権は、トランプ大統領に有利になるよう仕組まれた同交渉において、カナダとメキシコが手を結べば、もっと影響力を発揮できると考えてきた。

両国経済は米国に強く依存しており、メキシコ輸出の約80%、カナダ輸出の約75%が米国向けだ。これに対して、米国の輸出先としては、メキシコ、カナダ両国を合わせても3分の1強にどとまっている。

しかし、トランプ大統領がロペスオブラドール氏に祝福の電話をしてから2カ月も経たない8月27日、米国とメキシコの交渉は合意に達した。

「メキシコは自力で何とかしなければならなかった」──。メキシコの経済団体である企業家調整評議会(CCE)の国際交渉部門トップで、NAFTA再交渉のメキシコ民間部門代表を務めるモアゼス・カラチ氏はそう語った。

メキシコ当局者によれば、カナダからはすでに、同国も同じ道を選ぶ可能性があるという示唆を受けていたという。昨年初め、カナダのデイビッド・マクノートン駐米大使は、カナダは自国の国益次第で、3国間でも2国間でも交渉に応じると公言していた。

カナダのフリーランド外相のオフィスは、米国とメキシコの合意について、そして同合意がカナダと米国の協議に与える影響について、コメントを拒否している。また米国政府からも回答は得られていない。

<取り残されたカナダ>

米国とメキシコの2国間合意を受けて、カナダ経済界や政界幹部の多くが、米国と独自協定を結ぶよう同国のトルドー首相への圧力を強めている。

カナダ政府にとって重要ないくつかの交渉テーマでメキシコが譲歩したことにより、カナダの交渉力は弱まってしまった。

そうしたテーマの1つが、不公正な貿易慣行に対する保護措置だとカナダ側が想定している、「チャプター19」と呼ばれる加盟国間の紛争解決メカニズムだ。カナダ産木材が不当な補助金を受けていると米国が糾弾したとき、カナダはこれを利用して自国の木材輸出を守った。

また、保護対象となっているカナダの酪農産業を米国企業に開放するよう求める米政権の要請に対しても同国は抵抗している。

カナダ当局者は、交渉においてメキシコが譲歩しすぎたと考えている。カナダの交渉担当者と親しい有力民間セクターの組合指導者はそう漏らす。「メキシコはいくつかの重要分野において降伏したというのが全般的な印象だ」と、カナダの民間労組Uniforのトップ、ジェリー・ディアス氏はロイターに語った。

<交渉期限>

メキシコのペニャニエト現大統領としては、8月末までに合意に達する必要があった。米議会が合意を検証して承認するまでに90日かかるため、それより遅れれば、同大統領が退任する11月30日までに署名できなくなるからだ。

一方、共和党のトランプ大統領は、3国間の協定を望む一部の共和党議員からの抵抗に依然直面しており、11月6日の米中間選挙で共和党が敗北し、下院もしくは上院での過半数を失うリスクもある。

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トランプ大統領がメキシコとの合意に漕ぎつけたことは、中間選挙で共和党有利に働くかもしれない。2016年の大統領選挙でトランプ勝利に貢献した州、特に農業が盛んな州では、メキシコとの貿易が途絶すれば打撃を被るはずだからだ、とCCEのカラチ氏は指摘する。

個人的な人脈もスムーズな合意への道を開いた。

メキシコ側で交渉を主導した中には現政権のビデガライ外相が含まれており、彼はトランプ大統領の娘婿であり顧問を務めるジャレド・クシュナー氏と親しい関係にある。2人はトランプ大統領の就任以前に、米金融業界の人脈を通じて顔を合わせている。

協議に詳しい当局者によれば、ロペスオブラドール次期政権で首席交渉官を務めるヘスス・セード氏の参加も、合意に至るプロセスを加速したという。5年ごとに協定見直しが行われない場合にNAFTAを解消する、いわゆる「サンセット条項」を米国が要求したことについて、行き詰まりを打開したのはセード氏だった、とビデガライ外相はメキシコのテレビ番組に明かした。

2国間の対立を抑え、交渉を継続する上で不可欠だったのは、交渉の常連メンバーであるクシュナー氏とビデガライ外相の結びつきだった。メキシコ経営者連盟(COPARMEX)のグスタボ・デオジョス会長はそう指摘する。「近年のメキシコ外相の中で、最もホワイトハウスと話ができたのはビデガライ氏だ」

<貿易での譲歩>

8月末を交渉期限とすることに両国が合意したことで、双方とも、いくつかの大きな成果を手に、交渉のテーブルを離れることになった。

メキシコの交渉担当者は米国側を説得し、特定の季節にメキシコ産農産物の輸入を抑制するという要求を撤回させ、また世界貿易機構(WTO)のルールに基づいて米国が課税する工業製品への関税については、NAFTAによる適用除外とすることを確保した。

一方、米国は、自動車産業でより多くの雇用を維持できる可能性が高まった。メキシコが同セクターの労働者40─45%について、最低1時間16ドルという最低賃金条件を定めることに合意したためだ。これは彼らの大半が現在得ている賃金の5倍に相当する。

ペニャニエト現大統領はこの最低賃金に関する米国の要請を、自国の労働問題に対する保護主義的介入だと抵抗していた。カナダ労組Uniforのディアス代表によれば、ロペスオブラドール氏は、この条件に対してもっと寛容だという。

ロペスオプラドール氏は賃金の改善を望んでおり、メキシコから米国への移民を抑制する手段として、メキシコ経済の発展促進を支援するようトランプ大統領を説得した。

メキシコにとっては、カナダ抜きで交渉を進めることが、合意に至る道を開く上で最も重要な譲歩の1つだった、ということになるかもしれない。

「わが国の国益を守るような合意に向けて前進したいのか、カナダを待つことで、そうした国益そのものをリスクにさらすのか、われわれは決断しなければならなかった」とCCEのカラチ氏。「同じ立場であれば、カナダも同じように動いただろう」

(翻訳:エァクレーレン)


 



トップニュース2018年9月27日 / 18:31 / 11分前更新
焦点:日米通商交渉、関税先送りでも「自動車」は日本の喉に刺さったトゲ
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[東京 27日 ロイター] - 貿易不均衡の是正問題に焦点が当たっていた今回の日米首脳会談で、安倍晋三首相はトランプ米大統領を相手に、自動車輸出への25%関税の実行を回避する交渉結果を獲得した。ただ、会談後に発表された共同声明の詳細を読み込むと、自動車問題は日本の喉に刺さったトゲになる可能性がある。政府・与党関係者の中には、一定期間の先送り後、何らかの対応を迫られるリスクを意識する声も出ている。

今回の共同声明[nL4N1WD08B]は、表面上の文言を読むだけでは、解釈が難しい部分が少なくない。たとえば、日本政府が強調する米通商拡大法232条を適用した日本からの輸出車への追加関税の課税回避だ。

共同声明では「日米両国は上記について、信頼関係に基づき議論を行うこととし、その協議が行われている間、本共同声明の精神に反する行動を取らない」との部分がある。日本側は、この部分を指して232条の適用は、交渉継続中にはないとの見解を表明している。

同様に表面上の文言の裏にある意図を読み取らないと、米国のこの先の政策対応を読み誤る部分がある。それは「米国としては自動車について、市場アクセスの交渉結果が米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すものであること」という部分だ。

政府・与党関係者のひとりは、1)日本での米国車輸入拡大、2)米国での日系メーカー現地生産拡大、3)日本からの対米輸出削減──のいずれとも解釈可能と述べるとして米側が意識しているのは「現地生産拡大と輸出削減だ」と解説する。

その関係者は、今回の合意で日本側は、現地生産拡大と輸出削減について「実質的に先送りできた」と評価する。

しかし、上記の部分が声明に盛り込まれたことは「米国の勝利」と指摘する。そのうえで「どこかの時点で、現地生産拡大と輸出削減を巡って、米国から押し込まれるリスクを抱えることになった」と予想する。

実際、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は26日の首脳会談後、記者団に対し、日米交渉のキーエリアは自動車であると認めた。

また、安倍首相や茂木敏充経済再生担当相は、交渉開始で合意した2国間の物品貿易協定(TAG)は、自由貿易協定(FTA)ではないと強調している。

しかし、共同声明では「日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始する」、「日米両国はまた、上記の協定の議論の完了の後に、他の貿易・投資の事項についても交渉を行うこととする」と盛り込まれた。

その点に関連し、ライトハイザーUSTR代表は、日米通商協議について2部構成とし、第1段階で早期の成果を得る展開に期待を示し、早期の意味について、向こう数カ月中との見解を示した。さらに完全なFTA締結を目指すとしている。

先の政府・与党関係者は、日本は実質的に先送りの「果実」を得たとの見方を示したが、その根拠の1つが大統領貿易促進権限(TPA)を適用した米側の交渉方針だ。

この権限を行使した交渉を実行するには、協定署名の90日以上前に、議会に対しその協定の趣旨、内容を通告する必要があり、その上で議会での採決が必要になる。日本側には、最低でも90日間(約3カ月)の時間的余裕が生まれる。

この間に安倍政権は、国内調整を進めるということになりそうだ。

竹本能文 編集:田巻一彦


 


 
トップニュース2018年9月27日 / 11:31 / 7時間前更新
日米貿易交渉入りで合意、協議中は車関税回避:識者はこうみる
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[東京 27日 ロイター] - 日米両政府は米東部時間26日(日本時間27日未明)、2国間のモノの貿易を自由化する物品貿易協定(TAG)の締結に向けた交渉を始めることで合意した。

トランプ米大統領と首脳会談を行った安倍晋三首相は同日、交渉の継続中は米国が各国に対して検討している自動車への追加関税は、日本に対して発動されないことを確認したと明言した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●米国の強硬姿勢になお警戒

<大和証券 チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和氏>

結果的には先送りかもしれないが、この段階で自動車への関税引き上げの方向性が決まってしまえば相当ネガティブだった。これを回避できたことに関してはポジティブと受け止められる。今後は、日本側がどこまで米国側の要求をのむかだろう。牛肉やコメをはじめ、農産物の輸入をどこまで拡大するかということがポイントとなりそうだ。

(安倍政権としては)支持率との兼ね合いもあり、一方的に米国からの要求をのむことは難しい。日本側はTPP(環太平洋連携協定)で決められた枠以上の部分は譲歩したくないと考えているが、自動車については「聖域」のように扱っている面があった。米国が改めて自動車の部分に踏み込んでいくような動きをみせた場合、日本としてはあまり強く出ることができなくなる恐れがある。

中国や欧州、NAFTA(北米自由貿易協定)を巡る米国の一連の強気な姿勢を考慮すると、日本に対しても強硬姿勢をとる可能性は消えていない。政治基盤の安定が日本株の上昇の前提になっていることを考えると、支持率に揺らぎが生じれば相場の先行きに不透明感が出てくる。

●難航しても株式市場への影響は軽微

<りそな銀行 チーフマーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏>

日本に対する自動車関税引き上げについては、もともとトランプ大統領が不用意に発言したに過ぎず、政権内で意見が固まっていたわけではない。今回の日米交渉の結果、自動車への追加関税は行わず、日本側は農産物の輸入で譲歩するという方向性が決まったとみている。交渉は今後も難航するだろうが、農産物の問題であれば、株式市場への影響はほとんどない。日本株は目先的に急上昇の反動安があっても強い基調は続くとみている。
https://jp.reuters.com/article/japan-us-trade-talks-instantviews-idJPKCN1M705Z

 


イタリア新政権、試される結束−ブラックロックも予算編成に注目
John Follain
2018年9月27日 13:34 JST
• 財政拡大がどこまで可能かを巡り2人の副首相と財務相が対立
• 成長率と債務、財政赤字の目標は首相の帰国後に最終決定へ
イタリアのポピュリスト政権は、財政負担の大きい選挙公約の実現に幾ら支出するかを決める2019年予算の枠組みで合意を目指しており、連立パートナーの結束を問う最初の大きな試練を迎える。
  反エスタブリッシュメント(既存勢力)政党「五つ星運動」の党首であるディマイオ副首相兼経済発展相と、右派政党「同盟」の書記長を務めるサルビーニ副首相兼内相は、財政拡大が予算でどこまで可能かを巡りトリア財務相と対立し、数週間にわたり緊張が続いた。
  成長率と債務、財政赤字の目標に関する最終決定は、コンテ首相がニューヨークで開かれた国連総会から帰国するのを待って行われる。ANSA通信によれば、首相はニューヨークで、米資産運用会社ブラックロックのローレンス・フィンク氏とニューヨーク証券取引所(NYSE)のステーシー・カニンガム社長に対し、改革プランを説明した。コンテ氏は27日に帰国し、同日午後に閣議が開かれる予定。
  ローマのルイス大学のロベルト・ダリモンテ教授(政治学)は「五つ星運動は過去数カ月で同盟に対し形勢不利となり、非常にいら立っている。同盟との関係を安定させると同時に強い結果が必要だ。予算概要は政権の結束と回復力を測る試金石になる」と指摘した。

Europe’s Biggest Debtor
Italy has more public debt than any other EU country
Source: Eurostat, 2017 data
原題:Italy’s Populist Government Confronts First Big Test of Unity(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-27/PFP4P36JTSE901?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/609.html#c2

[国際24] 中露両国の結託にどう対処すべきか トランプ政権内の「静かな抵抗者」たち 世界潮流を読む 岡崎研究所論評集 うまき
1. 2018年9月27日 19:50:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1560]
トランプ氏の対イラン政策、各国に支持広がらず
トランプ米大統領は26日、国連安全保障理事会の会合で初の議長を務めた
By Farnaz Fassihi
2018 年 9 月 27 日 10:16 JST

 【国連】ドナルド・トランプ米大統領は26日、国連安全保障理事会の会合で初の議長を務めたが、各国は米政府が離脱したイラン核合意が国際外交の成果だったと称賛し、全会一致で合意を支持した。

 トランプ氏は冒頭、核合意は「ひどい」内容だと各国首脳に伝え、「イラン政府は暴力、恐怖、混乱を海外に広めている」と述べた。

 同氏はその後、欧州の同盟国を含む米国以外の安保理14カ国に対し、米国と共にイランを孤立させるよう要請。イラン産原油の輸出禁止や銀行取引の制限に加え、新たな経済制裁を発動する必要があると伝えた。これら制裁を破る国には厳しい結果が待ち受けていると警告した。

 だが、各国の首脳や外務相は米国に歩み寄るどころか、トランプ氏の要求を拒否。国連総会に合わせて開かれた安保理会合で米国の意向が否認される異例の事態となった。

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トランプ氏、司法副長官の解任は避ける意向 会談も延期か
トランプ大統領(写真)はローゼンスタイン司法副長官の解任を望まないと述べた(26日) 
By Michael C. Bender
2018 年 9 月 27 日 08:04 JST

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領はロッド・ローゼンスタイン司法副長官の解任を望まないとし、27日に予定されていた同氏との会談も延期する可能性があると述べた。

 ニューヨークで会見を開いたトランプ氏は、「個人的には彼を留任させ、最後まで務めてもらうことを望んでいる」と発言。またローゼンスタイン氏が大統領解任に向けて動いていたとされる件について、本人が否定したと付け加えた。

 トランプ氏は27日に首都ワシントンでローゼンスタイン氏と会談する予定だった。だが米最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏と、同氏から性的暴行を受けたと主張するクリスティーン・ブレイジー・フォード氏の公聴会も同日に開かれるため、ローゼンスタイン氏との話し合いを延期する可能性にも触れた。

 「極めて重要な最高裁判事指名であり、気をそらすようなことは一切したくない」とトランプ氏は述べた。

 ローゼンスタイン氏は大統領の会話を極秘に録音することを検討し、大統領解任を閣僚に持ちかけることも話し合ったと報道されているが、トランプ氏はこの件について直接本人に話を聞きたい考えだと関係者らは明かしていた。

 トランプ氏は24日にローゼンスタイン氏に電話し、「いい話し合いをした」と述べている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は25日、トランプ氏がローゼンスタイン氏の留任を検討していると報じた。

 ローゼンスタイン氏は、2016年米大統領選へのロシア介入疑惑やトランプ陣営との関連性を巡りロバート・モラー特別検察官が進めている捜査を監督する立場にある。トランプ氏はこの捜査を「魔女狩り」と批判している。

 司法省はこの件についてコメントを控えるとした。

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米国の投票用紙計数機、多くがサイバー攻撃に無防備

https://images.wsj.net/im-28090?width=1260&aspect_ratio=1.5
ES&S製の高速投票用紙計数機「モデル650」

By Dustin Volz
2018 年 9 月 27 日 16:29 JST

 米議会で27日に発表される報告書によると、米国の州の半分以上で使われている選挙の投票用紙計数機に、10年余り前に公表された欠陥があり、サイバー攻撃に対して無防備な状態になっている。

 問題が見つかったのは、米選挙機器大手イレクション・システムズ・アンド・ソフトウエア(ES&S)製の高速投票用紙計数機「モデル650」。この問題は、報告書で指摘された数機種の選挙機器の7つのセキュリティー問題の1つだ。報告書は、先月開催されたハッカーイベント「DEFCON(デフコン)」で行われた調査に基づいている。

 選挙関連のセキュリティー研究者、ハリ・フルスティ氏によると、ES&S製機器の欠陥が注目を集めたのは、オハイオ州の州務長官が2007年に作成を委託した報告書でこの欠陥が詳述されていたからだ。これら2つの報告書の共同執筆者である同氏は「欠陥を修正する時間は十二分にあった」と述べた。

 ロシアは2016年の米大統領選への介入疑惑を否定している。米当局者らは、票数が操作された証拠はないとしている。



http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/146.html#c1

[経世済民128] 英富裕層が恐れるのはコービン労働党政権の誕生−EU離脱より怖い 超富裕層の資産が拡大−資産管理会社平均リターン前年の2倍 うまき
1. 2018年9月27日 19:52:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1561]
「カナダにとって正しい」貿易協定を トルドー首相
NAFTA再交渉で米国との姿勢の隔たり鮮明
国連総会で演説するカナダのトルドー首相(26日、ニューヨーク) 
By Paul Vieira
2018 年 9 月 27 日 08:26 JST 更新

 【オタワ】カナダは北米自由貿易協定(NAFTA)を改定する場合、米国が国家安全保障を根拠に関税を課すことに制限を設ける必要があると表明した。

 カナダのジャスティン・トルドー首相と駐米カナダ大使の26日の発言は、NAFTA再交渉を巡る同国と米国の姿勢の隔たりを鮮明にした。交渉の早期妥結が危ぶまれている。

 ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は前日に、カナダとの協議が進展していないとした上で、トランプ政権は今月末にメキシコとの2国間協定を進める用意があると表明していた。ライトハイザー氏は、カナダが重要な分野で「譲歩していない」と述べた。

 トルドー首相は、自国にとって「正しい取引をまとめるために必要なだけの時間をかける」と語った。トランプ政権が目標とする9月末の合意に間に合わない可能性がある。

 トルドー首相は国連で記者団に、自国の政府関係者が「カナダにとって正しい取引」をまとめる作業を継続している、と語った。

 カナダのデービッド・マクノートン駐米大使はさらに率直だった。米政治メディアの「ポリティコ」が主催したトロントでのイベントで、国家安保にかこつけた関税の「恣意(しい)的利用の制限」を新協定に盛り込まなければ、協定が「無意味」になると話した。

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カナダ抜きのNAFTA改定案、28日公表へ 米政権
カナダ抜きでNAFTA改定進める用意ある=米USTR代表
「NAFTAにカナダ必要」米企業団体がトランプ政権に書簡
トランプ氏、NAFTA改称を計画 「USMC」協定に


 

 
カナダ抜きのNAFTA改定案、28日公表へ 米政権
トランプ大統領(ホワイトハウス、8月13日) 
By Jacob M. Schlesinger
2018 年 9 月 27 日 07:06 JST

 【ワシントン】米トランプ政権は関係各方面に対し、28日にカナダ抜きの北米自由貿易協定(NAFTA)改定案を公表する計画を通知した。複数の関係者が明らかにした。

 カナダの協定参加を促すのが狙いで、同国を新協定から除外する意向だとは限らないという。

 トランプ政権は、8月27日に初めて発表したメキシコとの合意についての文書の公表に動いている。米大統領による署名の60日前の協定文書公表を義務づけた議会の規定を順守するためだ。

 一方、メキシコは左派の新政権が誕生してNAFTA交渉を蒸し返すリスクを避けようと、ペニャニエト政権の最終日に当たる11月30日までに協定に署名したい考え。そのために今月30日までに文書を公表する必要がある。

関連記事
「NAFTAにカナダ必要」米企業団体がトランプ政権に書簡
【社説】カナダなしではやり直せないNAFTA

 


 
FRBの利上げ、「緩和的」外れても続く理由

ジェローム・パウエルFRB議長 PHOTO: JIM LO SCALZO/EPA-EFE/REX/EPA/SHUTTERSTOCK
By
Justin Lahart
2018 年 9 月 27 日 09:24 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
 ***
 米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続に不安を覚える人はいるだろうか。米経済は力強く、失業率は非常に低いことを考えれば、FRBが金利を据え置いていたら不安はさらに大きかっただろう。
 広く予想されていた通り、FRBは26日にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げることを決め、今年3度目の利上げを行った。また、年内にもう1度、来年は3度の利上げを予定していることを示唆した。
 だが利上げ継続を予定しているにもかかわらず、FRB当局者らは連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策声明から「緩和的」との表現を削除した。一見したところ、おかしな動きだ。金利が緩和的でない水準まで上昇すると、まず中立的になる。これは景気を加速も減速もさせない金利水準という意味だ。金利が中立的なら、FRBはなぜ今後1年で100bp引き上げようとしているのか。
 FRB当局者が声明から「緩和的」という表現を落としたのは、「中立的」という文言を使いたくなかったからではない。彼ら、特にジェローム・パウエル議長は、どこが「中立」かをFRBが正確に把握しているとの考えから遠ざかろうとしているのだ。パウエル氏はFOMC後の会見で説明に四苦八苦し、FRB当局者全員が金利は長期的に現行水準を上回るとみていると述べた。つまり、彼らが実際には現行金利水準は緩和的とみているしるしだ。
米10年債の利回りはFOMC後に低下

Source: Tullett Prebon Information

 投資家はそれをわざわざFRBに言ってもらう必要はない。信頼感の高まりや減税、財政支出の増加を追い風に経済は力強い成長を見せている。もし追加利上げがなければ、失業率が3%を割り込み、インフレと金融市場の行き過ぎが深刻な問題を引き起こし始めることは容易に想像できる。
 そのためFRBは利上げを続けるが、それを停止するのは事前に適正とみなした水準に金利が達した時ではなく、利上げが経済に影響を及ぼし始め、景気過熱の危険が和らいだ時だ。ひとつのリスクは、こうした兆しが頭をもたげた時にはFRBの利上げが行き過ぎになっていることだろう。だが現時点では金利をあまりに低く維持するよりましかもしれない。
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中国本土株を「親友」に選んだMSCI
香港との相互取引を通じた中国本土株への資金流入額
Source: Wind Info.
Note: 1 billion yuan = $145 million
.(単位:10億元)
 
By Jacky Wong
2018 年 9 月 27 日 11:55 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

 ***

 パッシブ投資家が大がかりな銘柄選択に動き出そうとしている。ただ、銘柄を決めるのは、彼ら自身ではない。

 主要株価指数を算出しているMSCIは、中国本土株の組み入れ比率を来年から引き上げることを検討している。これはかなり大きな変化だ。実施されれば、上海市場および深セン市場で取引されるA株の新興国株指数への組み入れ比率は、現在の0.7%から、2020年には3.4%へと拡大する。主要株価指数を算出しているもう一つの企業、FTSEラッセルも、今週中にA株組み入れを発表するとみられる。同社は過去3年間、A株組み入れを否定していた。

 MSCIのような指数算出会社は自らの役割について、世界市場の構成を反映する客観的指標を提供しているだけだとしている。しかし、パッシブ投資の人気が一段と高まるなか、こうした組み入れ比率の変更により、指数連動型ポートフォリオには自動的に数十億ドル相当の株式が組み込まれることになる。MSCIは今回の提案により、660億ドル(約7兆4000億円)を超える資金が中国市場に流入すると推計している。

北京市内の証券会社で株価ボードを見る投資家(6月)
SCHIEFELBEIN/ASSOCIATED PRESS
 控えめに言っても、今回のタイミングは興味深い。足元では中国の国内投資家が市場から逃げ出しているからだ。上海総合指数は年初来21%下落している。もしMSCIが昨年6月にA株の指数組み入れを始めていなれば、中国株はほぼ間違いなく一段と悪い状況になっていただろう。上海と深センの株式市場には昨年6月以降、香港証券取引所との相互取引を通じて約600億ドルの資金が流入している。これは、その前の3年間の合計を上回る規模だ。

 投資家は、より値動きが激しく、より割高な中国株も味わえるようになるかもしれない。MSCIは本土上場の中型株のほか、ハイテク企業中心のチャイネクスト(創業板)上場銘柄にも組み入れ対象を広げることを提案している。中国の金融情報サービス会社Windによると、株価収益率(PER)は上海株が12倍であるのに対し、チャイネクストは45倍だ。

 MSCIは、株価急落時の取引停止などの対応で規制当局が前進していることや、香港との相互取引がもたらした外国人による中国株へのアクセス向上によって、組み入れ比率拡大を正当化できると考えている。ただ中国市場は近年、政府系ファンドの影響増大や当局の取引監視強化によって、一層中央管理的になっているとも言うこともできる。

 真実はどうあれ、MSCIなどの指数算出会社は自ら、世界的な資本の流れに対する事実上の規制当局者になっている。中国株の指数組み入れ拡大は大きな決断だ。もし間違いが起きれば投資家から怨まれるだろう。

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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/594.html#c1

[戦争b22] F2後継戦闘機の選定次第で自衛隊の「米軍下請け化」が進む!?  中国との対決に備え、米国が空軍も大増強へ  うまき
2. 2018年9月27日 19:58:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1562]
ワールド
2018年9月27日 / 16:21 / 3時間前更新
日本のヘリ空母、南シナ海に向かう英軍艦と共同訓練
1 分で読む


[護衛艦かが(インド洋) 27日 ロイター] - インド洋に長期派遣中の海上自衛隊ヘリコプター空母「かが」は26日、南シナ海へ向かう英海軍のフリゲート艦「アーガイル」と共同訓練を実施した。

https://s1.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20180927&t=2&i=1308660999&w=1200&r=LYNXNPEE8Q0G2

この海域は欧州とアジアを経済的に結ぶ重要な海上交通路(シーレーン)で、日本と英国、そして両国の同盟国である米国は、影響力を拡大する中国に対するけん制を強めている。
長崎県大村市の飛行隊から今回の長期航海に派遣された坂口健治2等海佐は、かがに同乗したロイター記者に対し、英海軍とは伝統的に結びつきが強いと説明。こうした訓練を通じ、関係強化を図りたいと述べた。
訓練にはアーガイルとかが、海自の護衛艦「いなずま」が参加した。コンテナ船や石油タンカーが行き交うスマトラ島西方の穏やかな海上を、3隻は陣形を組んで航行し、かがの艦載ヘリが上空から見守った。
アーガイルはこの後、南シナ海から日本周辺へ向かう。北朝鮮が制裁逃れのために洋上で荷物を積み替えて密輸する、「瀬取り」の取り締まりに加わる。
英海軍がアジアに艦艇を派遣するのは今年3隻目。9月には揚陸艦「アルビオン」が日本からベトナムへ向かう途中、中国が主権を主張する南シナ海の西沙(英語名:パラセル)諸島に近づく「航行の自由作戦」を実施した。中国は艦艇とヘリコプターを派遣して警告した。
日本は南シナ海で航行の自由作戦を行わないまでも、徐々に同海域への関与を強めている。今月13日には海自の潜水艦とかがなどの護衛艦が、対潜水艦戦を想定した訓練を実施。政府は日本の潜水艦が南シナ海で訓練したことを初めて公表した。
*写真を差し替えて再送しました。
ティム・ケリー


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/342.html#c2

[IT12] 「Gmail」、外部企業はメールを読める 米グーグル認める (BLOGOS) 絶(PC)
3. 2018年9月27日 20:00:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1563]
アマゾンやグーグル、個人情報めぐる過剰規制に懸念
上院公聴会で発言 法規制への支持広がる中
上院商業委員会の公聴会でジョン・スーン議員(右)と握手するグーグルの最高プライバシー責任者キース・エンライト氏(26日、ワシントン)
上院商業委員会の公聴会でジョン・スーン議員(右)と握手するグーグルの最高プライバシー責任者キース・エンライト氏(26日、ワシントン) PHOTO: JOSHUA ROBERTS/REUTERS
By John D. McKinnon and Douglas MacMillan
2018 年 9 月 27 日 08:09 JST 更新

 【ワシントン】米議会でオンライン上の個人情報保護を強化する必要性が議論される中、大手IT(情報技術)企業の幹部が26日に米上院公聴会に出席し、法規制のあり方について業界側の意見を述べた。議会と異なる主張が示されたことにより、法整備に至るまでには困難な道のりが予測される。

 大量のデータをマネタイズすることに大きく依存する一部IT企業にとって、規制は大きなリスクになる可能性がある。

 上院商業委員会の公聴会に出席したのはアマゾン・ドット・コムやアルファベット傘下グーグルの幹部などで、規制の仕方によっては消費者に提供するサービスが制限されると主張した。

 議会と業界の対立が解消するまでは、数年単位の時間がかかる可能性もある。

 商業委員会のジョン・スーン委員長(共和、サウスダコタ州)は26日の公聴会で、法規制への支持は党の枠を超えて広がっていると指摘。同委員会の民主党トップ、ビル・ネルソン上院議員(民主、フロリダ州)も、データの不正使用が相次いだことでインターネットに対する国民の信用が低下しているとした。

 一方で大手IT企業はユーザーにおすすめ商品を知らせるためなどに、責任を持って個人情報を利用していると反論。規制がいきすぎたものになれば、これまでのやり方が覆されると述べた。

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フェイスブックの仮想現実、厳しい現実に直面
開発者会議で新製品を発表するフェイスブックのザッカーバーグCEO
By Dan Gallagher
2018 年 9 月 27 日 15:50 JST

 仮想現実(VR)を一般大衆に広めるのはフェイスブックにとって簡単な仕事のようにも見える。しかし実際には、かなり難しい仕事だ。

 簡単なのは、フェイスブックが世界人口の4分の1人をユーザーに持つ資金力に富んだ企業であることに変わりはないからだ。つまり、VRを真の意味で大衆市場向け技術にする上でフェイスブックほど好位置にある企業はない。同社は4年前に20億ドルで買収した「オキュラス」ブランドを通じて既にVRヘッドセット2種類を販売しており、26日には開発者会議「Oculus Connect (オキュラス・コネクト)」で第3弾も披露した。

 その新製品「Oculus Quest(オキュラス・クエスト)」は、コンピューターやゲーム機に接続せずに高性能のVRコンテンツを楽しめるよう設計されている。来年の早い時期に発売され、価格は399ドルから。接続が必要な現行のハイエンド機種「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」と同じだ。クエストは少なくとも、初期段階にあるVRゲーム市場でフェイスブックのシェア拡大に貢献するとみられる。フェイスブックはこの市場でソニーの「プレイステーションVR(PSVR)」」に大きく水をあけられている。調査会社IDCによると、昨年の販売台数はリフトが約40万台、PSVRは160万台だった。

過去18カ月のVR装置販売台数 (単位:100万台) Source: SuperData
サムスン「ギアVR」240.7万
プレイステーションVR 224.5
オキュラス・リフト 70.6
HTC「Vive(バイブ 58
オキュラス・ゴー 29
グーグル「デイドリーム」 28

 一方、難しいのは、オキュラスがフェイスブックの一部であることだ。フェイスブックの評判は今年、偽情報から選挙関連のハッキング、ユーザーのプライバシーまであらゆる問題で物議を醸して地に落ちた。こうした問題はついにフェイスブックのユーザーの伸びと時価総額を圧迫し始めた。同社は今はオキュラスのブランドでゲームに力を入れているが、最終的にはフェイスブック上でVRを大衆に提供することが狙いだ。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は26日に自ら壇上で新製品のクエストを披露し、VRを10億人に体験してもらうという目標を改めて示した。

 その道筋で、クエストと低位機種のヘッドセット「Oculus Go(オキュラス・ゴー)」(199ドル)は重要なステップだ。市場調査会社スーパーデータによると、5月の発売以来、「ゴー」は既に29万台近く売れた。

 だが、VRでのフェイスブックの最終的な成功は、地に落ちた広告の巨人によって運営される仮想世界に消費者が本当に没入したいかどうかにかかっている。もはやそれは、当然のことと思っていてはいけないだろう。

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スマホ顔認証できない悩み、寝起きは別人扱い?
すっぴん、ひげそり、新しい髪型・・・最新技術はどこまで認識するのか
寝起きの顔がパソコンに認証されなかったカレン・カミングスさん
寝起きの顔がパソコンに認証されなかったカレン・カミングスさん PHOTO: RENE NORMANDIN
By Tripp Mickle
2018 年 9 月 27 日 10:31 JST

 米メーン州在住のカレン・カミングスさん(72)は、買ったばかりのマイクロソフトのパソコン「Surface(サーフェス)」で顔認証機能を利用するため、内蔵カメラで自身の顔を登録した。その時、ブロンドの髪はカールされ、目元もマスカラやアイライナーで引き立てられていた。

 だが翌日の早朝、あるじの顔を見せられたサーフェスはロックの解除を拒んだ。髪はぼさぼさ、メークもせず、眼鏡をかけていたからだ。

あなたは誰?
あなたは誰?
 「『ちゃんときれいに整えてやり直しなさい、ひどい見た目よ』とコンピューターに言われたような気分だった」とカミングスさんは振り返る。「朝起きた直後はひどい状態なのは分かっているけど、コンピューターには言われたくない」

 マイクロソフトの「Windows Hello(ウィンドウズ・ハロー)」やアップルの「Face ID(フェースID)」などの顔認証技術が広まっている。利用者は自分の容姿をコンピューターに判定されているようなものだ。登録した顔が認証されない時、今の自分は見栄えが良くないのか、化粧が濃すぎるのかと悩み、新しい髪型に変えたことを後悔する。自分は自分に似ているか、などと考えてしまうことさえある。

 顔認証技術の利用者からは、登録した際と同じメークをしなければロックが解除されないとの声も聞かれる。寝起きにスマートフォンをのぞき込むと認識してくれないと話す人もいる。男性がひげをそると、スマホから他人扱いされる。

 「ひげをそるのは大きな決断だ。思い入れがあるから。でもそった途端にスマホが認証してくれなくなった」。そう語るのは起業家のメイソン・エステップさん(25)だ。伸ばしていたひげを7月にそったところ、iPhone(アイフォーン)がロックを解除しなくなった。それは自分の存在する意味を見失うような「実存的危機」だったという。

ひげをそる前後のメイソン・エステップさん。ひげをそった後の顔はiPhoneに認識されなかった PHOTOS: MASON ESTEP(2)
 ジョシュ・エングロフさん(49)の場合は新しい髪型が問題だった。この夏、理髪店で両サイドを短く切り、髪の分け目をそれまでとは逆に右から左へ流れるようにした。新しいルックスは友人や家族にすこぶる好評だった。だがiPhoneのFace IDが顔を認証しない事態が3日続き、パスコードを使ってロックを解除せざるを得なかった。

「もしかしたら、あまりいい髪型じゃなかったのかもしれない」とエングロフさん。結局、新しい髪型で顔認証を登録しなおしたと話す。

 ノーメークだとサーフェスが認証しないことから日頃の化粧に疑問を持ち始めたのは、フロリダ州タンパ郊外に住むケリー・クーンさん(40)だ。「かなりしっかりと化粧しているが、やりすぎとは言えない量だ。少なくとも、これまではそう思っていた」

iPhoneのFace IDに顔を登録する様子
iPhoneのFace IDに顔を登録する様子 PHOTO: THOMAS PETER/REUTERS
1960年代から続く試行錯誤

 人間の容姿をコンピューターが識別できるよう、鼻の位置や目の形などを測定できるソフトウエアの開発が始まったのは1960年代のことだ。初期のアルゴリズムは顔の角度や表情の変化、光の強さなどで認証に支障が出ていたと、ノートルダム大学のケビン・バウヤー教授(コンピューター科学)は話す。

 だが近年は人工知能(AI)や3次元センサーといった技術が発展したことで、より的確に対象の深度をとらえられるようになったほか、画像の分析能力も改善されてきた。

 この顔認証技術の進化に重要な疑問を投げかけたのが、カナダ・トロントの形成外科医フィリップ・ソロモン氏だ。同氏は自身のウェブサイトに「顔の整形手術を受けたらiPhone X(アイフォーン・テン)の顔認証は変わるのか?」と題したページを設けた。サイトによれば、しわ取り注射剤「ボトックス」や首回りの美容整形、あごのインプラントについては恐らく心配しなくてもいい。だが、まぶたの手術や?のインプラント、顔への脂肪移植手術を施した場合は、対策を講じる必要があるかもしれないという。

 「鼻の整形を受けた患者は、その後(登録情報を)リセットしている」とソロモン氏は話す。

使いやすさとセキュリティーのバランス

 マイクロソフトのプログラムマネジャー、デーブ・ボッシオ氏は、ウィンドウズ・ハローについて、使いやすさとセキュリティーのバランスを維持することが目標だと話す。ラップトップなどに搭載された赤外線カメラがとらえる画像はアルゴリズムで分析され、目や鼻や口といった顔の「ランドマーク」を元に数学的モデルが作成される。化粧や眼鏡、ひげ、明かりなどがシステムに影響することもあるが、許容範囲を広げればセキュリティー上のリスクが高まるとボッシオ氏は述べる。

 アップルでは化粧の有無でロックが解除されない問題を回避するため、3万もの赤外線ドットを顔に当て、3Dモデルを作成するシステムを開発したと、プロジェクトに詳しい関係者らは話す。同社によれば、iPhone Xが他人の顔で解除される確率は100万分の1(ただし双子などの家族では確率は変化する)。以前のiPhoneに搭載されている指紋認証センサーの場合は、5万分の1の確率だという。

 昨年11月にiPhone Xが発売された直後、メークアップアーティストのジェームズ・チャールズ氏は、どの程度まで化粧すればiPhoneに認証されなくなるかを試し、その動画をユーチューブに投稿した。?の輪郭が変わるようメークをし、女装パフォーマーが使うような付けまつげを貼り付け、青いリップを塗り、マリリン・モンローのようなウィッグもかぶった。それでもiPhone Xはチャールズ氏の顔を認証し続けた。


メークをしてiPhone Xの顔認証を試すチャールズ氏
 家族のスマホで自分の顔が認証されたことで、自身に対する見方が変わったケースもある。フロリダ州在住のトリ・ロベットさん(20)はこれまで父親似だと言われてきたが、母親のiPhone Xで顔認証を試したところ、ロックを解除できたと話す。

 ロベットさんは自分が母親に似てきたと最近よく言われるようになっていたが、くしくもiPhoneがそれを裏付けることになった。

 「すごくすてきなこと。母は美しくて、いつまでも若々しいから」

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いつも使うブラウザー、乗り換えるべき?
見落としがちなウェブブラウザー、各社最新版を徹底比較
各社のウェブブラウザーは同じ内容を表示するかもしれないが、使い勝手が異なり、それぞれ際立った特徴がある
各社のウェブブラウザーは同じ内容を表示するかもしれないが、使い勝手が異なり、それぞれ際立った特徴がある PHOTO: JAMES PACE-CORNSILK/THE WALL STREET JOURNAL
By David Pierce
2018 年 9 月 27 日 15:13 JST

――筆者のデービッド・ピアースはWSJパーソナルテクノロジー担当コラム二スト

***

 パソコンでの作業で最も重要なのは、閲覧ソフト(ブラウザー)を使うことだ。普段使うブラウザーがChrome(クローム)であれ、Firefox(ファイヤーフォックス)であれ、どうしようもなく古臭いバージョンのInternet Explorer(インターネット・エクスプローラー、IE)であれ、それはあなたが最も頻繁に使うソフトだろう。

 それならもっとブラウザーについて考えるべきではないか。われわれは定期的にスマートフォンを更新し、パソコンのメンテナンスを実行する。だが最もよく使うこのソフトについて検討することはめったにない。例えて言うなら、自宅の外側は定期的に清掃するが、トイレ磨きや皿洗いには手を抜いているのと同じだ。

グーグルの最新版Chrome。さらにシンプルで無駄がなく、統一感のあるデザインになった
グーグルの最新版Chrome。さらにシンプルで無駄がなく、統一感のあるデザインになった PHOTO: JAMES PACE-CORNSILK/THE WALL STREET JOURNAL
 何年か前まで、クロームが実質的に唯一の有能なブラウザーだった。今も市場で優位を保っている。だがファイヤーフォックスやアップルのSafari(サファリ)は最近、大幅にアップデートされた。マイクロソフトはIEの代わりに、ずっと使いやすいEdge(エッジ)を導入した。他にも目的を特化したさまざまなブラウザーが登場している。

 筆者はこうした新たな選択肢を前にして、自分が本当に最適のブラウザーを使っているのか確かめるのが妥当だと考えた。以下にその結果を紹介する。

複数のタブを開く

 大半の人にとって検討に値するのは5つのブラウザー、すなわちクローム、サファリ、ファイヤーフォックス、エッジ、そしてOpera(オペラ)だ。

 ブラウザーはどれも同じだと決めつけるのは簡単だ。無料でダウンロードできるほか、同じようなタブやブックマーク、検索ボックスが並んでおり、実際に区別するのが難しい。

Firefoxは気の利いた機能が満載。目の負担を和らげる夜間モードを備え、ウェブページをタップ2回で別の端末に送れる
Firefoxは気の利いた機能が満載。目の負担を和らげる夜間モードを備え、ウェブページをタップ2回で別の端末に送れる PHOTO: JAMES PACE-CORNSILK/THE WALL STREET JOURNAL
 だが筆者が試したところ、驚くべき違いを発見した。システムへの負担を調べるため、各ブラウザー上で同じ10のウェブサイトを開き、パソコンのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)使用量を観察した。クロームは(大食いとの評判通り)最大のメモリ容量を消費した。サファリとオペラがわずかの差でそれに続いた。これに対し、ファイヤーフォックスはクロームより30%少ないメモリ消費量で済んだ。

 パフォーマンス試験では、業界のベンチマークテストでも「スリザリオ」のようなゲームで遊ぶときも、内蔵ブラウザー(基本ソフトがウィンドウズ10ならエッジ、マックOSならサファリ)がそれ以外のブラウザーより優れていた。ただ、クロームはどの場合でも肉薄していた。ファイヤーフォックスとオペラは劣っており、特にグラフィックスが多い場合は精彩を欠いた。

端末の内蔵ブラウザー(iPhoneやiPadの場合はSafari)は他社ブラウザーよりうまく機能する。またモバイル版はPC版よりも全般的に優れている
端末の内蔵ブラウザー(iPhoneやiPadの場合はSafari)は他社ブラウザーよりうまく機能する。またモバイル版はPC版よりも全般的に優れている PHOTO: JAMES PACE-CORNSILK/THE WALL STREET JOURNAL
 モバイル向けブラウザーでは差が比較的小さい。筆者はiPhone XS(アイフォーン・テンエス)とグーグルのスマホ「Pixel(ピクセル)2 XL」で試した。驚くべきことに、モバイル版は同じブラウザーのパソコン版よりあらゆる面で優れていた。ページの読み込みが早く、重いウェブアプリでもさくさく処理し、全般的にブラウザーとして使い勝手が良かった。

 端末を1台だけ使うのであれば、内蔵ブラウザーがベストな選択だろう。だがモバイル化が急速に進む今、あなたが1台しか持たないということは考えにくい。だからこそ、ブラウザーは常にあなたを追いかけ、ブックマークや設定、履歴を同期させ、前回見ていたところからいつでも再開できるようにしなくてはいけない。ところがマックOSで使えるエッジや、ウィンドウズやアンドロイドで使えるサファリは存在しない。従ってマイクロソフト製品またはアップル製品で統一しない限りは、別のブラウザーを選ぶことをお勧めしたい。

一長一短、好みに応じて

 残るクローム、オペラ、ファイヤーフォックスのうちどれを選択するかは、個人の好みに大きく左右されるだろう。

 クロームは、愉快なほどシンプルなアプリだ。最新のアップデートでそれに磨きがかかった。タブのスペースのほか、URLや検索ワードを書き込む大きなボックスがあり、それがインターフェースのほぼ全てといえる。

Firefoxで新しいタブを開くと、過去に最も多く訪れたページや、後で読みたい記事を保存するサービス「Pocket」で人気上位の記事などが表示される
Firefoxで新しいタブを開くと、過去に最も多く訪れたページや、後で読みたい記事を保存するサービス「Pocket」で人気上位の記事などが表示される PHOTO: JAMES PACE-CORNSILK/THE WALL STREET JOURNAL
 一方、ファイヤーフォックスはさまざまな機能の宝庫だ。実質的に全ての要素をカスタマイズでき、レイアウトさえ変更できる。これを使えば、筆者のパソコンから2回のクリックでスマートフォンにウェブページを送れるほか、後で読みたいものをクリック1回で「Pocket(ポケット)」に保存できる。1回の質問(クエリ)で10サイトを検索でき、ページ全体のスクリーンショットを簡単に撮れる。目の負担を和らげる「夜間モード」も備えている。

 ただこうした機能のせいで、面倒に感じる点は否めない。例えばクロームのような体裁にカスタマイズするのに10分かかってしまった。

 オペラの魅力は2つに集約される。バッテリーやデータ容量を節約できること、そして自動的にプライバシーを保護することだ。オペラはあなたの個人情報を盗み出すような広告や追跡機能をブロックする。仮想私設網(VPN)を内蔵しており、より秘密が守られた方法で検索できる。残念なのは、拡張機能が少ないことだ。また、公式にサポートされていないブラウザーだと告げるポップアップがしょっちゅう現れるのにうんざりした。

 ファイヤーフォックスにもオペラのようなプライバシー保護機能の一部はあるが全てではない。最新版のサファリにもそれは言える。クロームを使うならば、少なくともグーグルは今あなたが何をしているかを知っていると思うべきだ(グーグルはユーザーがプライバシー設定によってデータの管理方法を決められると言うが、大半の共有オプションはデフォルトで「オン」になっている)。

オペラの優れた機能はバッテリーやデータ容量を節約できること。一方でインターフェースはやや乱雑でうるさい感じがする
オペラの優れた機能はバッテリーやデータ容量を節約できること。一方でインターフェースはやや乱雑でうるさい感じがする PHOTO: JAMES PACE-CORNSILK/THE WALL STREET JOURNAL
 いずれのブラウザーを選ぶにせよ、全ての端末にダウンロードしてアカウントを作り、端末同士でデータを同期できるようにすることをお勧めする。ウェブサイトはどのブラウザーでも同じように見える――筆者が確かめたので信じてほしい――が、閲覧体験はあなたの希望に合わせられる。

 ブラウザーはあなたのスマホやキーボードと同じように重要なツールだ。正しいものを使えば、システム全体がうまく機能する。ただし、タブを多く開きすぎてはいけない。

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http://www.asyura2.com/14/it12/msg/272.html#c3

[不安と不健康18] 果糖の摂取量がこの100年で6倍に激増!肥満大流行を起こした物質の正体  コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想 うまき
2. 2018年9月27日 20:01:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1564]
米マクドナルド、ハンバーガーから人工成分を排除
一部のハンバーガーについてバンズ、チーズ、ソースへの人工成分の使用をやめる

By Julie Jargon
2018 年 9 月 27 日 06:44 JST

 米ファストフードチェーン大手マクドナルドは26日、さらに多くのメニューで人工成分の使用を打ち切ることを明らかにした。プロピオン酸カルシウムや安息香酸ナトリウムといった添加物を避けたい消費者の呼び込みを狙う。

 マクドナルドは一部のハンバーガーについてバンズ(パン)、チーズ、ソースへの人工成分の使用をやめる。「ハッピーミール」のハンバーガー、「ビッグマック」、「クォーターパウンダー・チーズ」などが人工保存料・香料・着色料無添加になる。

 より健康的なイメージを演出し、主力市場の米国で低迷している売り上げを盛り返そうとする取り組みだ。

 マクドナルドは今春、冷凍ものでないビーフを使ったクォーターパウンダーの販売を米国内で始めた。また、バンズに使用していたブドウ糖果糖液糖を砂糖と置き換え、「チキンマックナゲット」で人工保存料の使用をやめ、「エッグマックマフィン」に使っていた液体マーガリンをバターにかえた。

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http://www.asyura2.com/16/health18/msg/650.html#c2

[不安と不健康18] 果糖の摂取量がこの100年で6倍に激増!肥満大流行を起こした物質の正体  コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想 うまき
3. 2018年9月27日 20:06:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1565]

>>01

経済の発展に伴い、贅沢品である肉類に加え果物の消費量の伸び自体も大きいが、

それ以上に果糖は、多くの菓子類、特にジュースに使用されていた

その伸びが圧倒的だったと言えるが

今後は制限されていくことになるだろう


https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK12023_S3A910C1000000
実は危険、肥満を招く「果糖」 ジュースに気をつけて


天然の甘味で食後血糖を上げない成分として注目されたのが果糖。果糖は果物などに豊富に含まれる。吸収されてすぐ血中に移行するブドウ糖に対し、果糖はほとんどが肝臓で代謝される。そのため甘いものが欲しいとき、果糖を中心にとれば血糖値は上がらず、肥満を防げるはずと考えられ、果糖を主成分にした健康食品も人気を集めた。

 実はこの果糖も、とりすぎはリスクがあると分かってきた。帝京大学医学部の山内俊一さんは「血液中の糖は、エネルギーとして使われる一方、体のたんぱく質と結びついてAGEs(終末糖化産物)を作り出し、毛細血管を傷つけるなど“毒性”を持つ。果糖は体内のたんぱく質と結びつく力が理論上、ブドウ糖の約100倍であることが分かってきた」と話す。

果糖が健康食品に多く使われてきた理由
・ 甘味料として味が優れている
・ 同じ甘さならブドウ糖より低カロリー
・ トウモロコシを原料に大量生産が可能
 →清涼飲料水、菓子などに大量に用いられるように
・ 健康によいイメージの果物に豊富に含まれている
・ 小腸で吸収後、肝臓で代謝されるのでブドウ糖のように血糖値を上昇させない
 →果糖を中心に含んだ健康食品も登場(高果糖コーンシロップ、アガベシロップなど)


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/650.html#c3

[経世済民128] 「原油100ドル超え」はあるか?先高観に覆われる相場の正体(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年9月28日 12:57:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1566]
主要産油国の増産見送りは何を意味するのか
市場の「強気」の見方に反して台頭する下落リスク
2018.9.28(金) 藤 和彦
アルジェリアの首都アルジェ(資料写真)
 米WTI原油先物価格は、主要産油国が増産の決定を見送ったことで2カ月ぶりの高値で推移している(1バレル=72ドル台)。

 主要産油国による「共同閣僚監視委員会」(JMMC)は昨年(2017年)1月の協調減産の開始以降、1〜2カ月に1回のペースで開催されている。9月23日にアルジェリアで開かれたJMMCには、市場の注目が集まっていた。それはトランプ大統領のツイートのおかげである。トランプ大統領は20日、「米国は中東諸国を守っており、我々なしでは同地域は長い間安全ではいられない。それにもかかわらず原油価格をますます引き上げている。独占OPECは原油価格をすぐに引き下げるべきだ」とツイートした。このツイートにより、「23日のJMMCで主要産油国は日量50万バレル程度の増産の決定を行うのではないか」との噂が広がっていたのだ。

 だが事前の予想に反し主要産油国は増産を見送ったため、「原油需給の逼迫が続く」との観測が強まり、市場は強気の見方が優勢となっている。

増産を見送った主要産油国の胸の内
 なぜJMMCで増産は見送られたのか。主要産油国の胸の内を見てみたい。

 サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は9月23日に記者団に対し「我が国には日量150万バレルの増産余力があるものの、非加盟国の増産が世界の需要の伸びを上回ることが見込まれているため、現時点で増産の必要性はない。必要な原油を入手できない状況にある石油会社を私を知らない」と述べた。

 OPEC事務局は23日、「2019年は米国など非OPEC産油国の生産量が日量240万バレル増加する一方、世界の需要の伸びは日量150万バレルにとどまる」との予測を示している。

 ロシアのノヴァク・エネルギー相も「原油需要は今年第4四半期と来年第1四半期に減少することから、現時点で主要産油国は6月の合意(協調減産合意以上の規模に達していた減産量を目標水準に戻す)を維持することを決定した」と説明した。ノヴァク・エネルギー相は18日、「原油価格の上昇は制裁を反映した一時的な現象であり、長期的な価格は1バレル=50ドル付近である」との見解を示していた。

 両氏のコメントから「原油価格は米国のイラン制裁の影響で上昇しているのになぜ我々が尻ぬぐいをしなければならないのか。今後の原油需要が軟調に推移するのに増産したら原油価格は大幅に下落してしまう」との思いが伝わってくる。

 また具体的な数値目標を示さないことで、両国の増産に反発していたイランに一定の配慮を示した可能性がある。主要産油国が「憎き米国」の要求を退けたことに安堵したイランのOPEC代表は「サウジアラビアとロシアには余剰生産能力はなく、原油価格は今後上昇する」との見方を示した。

 だが、各国の記者発表を総合すると、サウジアラビアの日量150万バレルを筆頭に、アラブ首長国連邦(UAE)は60万バレル、クウェートは40万バレル、ロシアは10万バレル、主要産油国全体で約260万バレルの増産が可能であることが判明した。260万バレルという数字は、イランの今年4月の原油輸出量に相当する。イランの8月の原油輸出量は日量190万バレルまで減少したが、9月に入り増加に転じたとの報道がある(9月19日付OILPRICE)。米国はイラン産原油の輸出量を限りなくゼロにしようと躍起になっているが、イラン産原油の輸出量が前回と同様の規模(日量100万バレルの減少)であれば、市場の見方が「需給逼迫」から「需給緩和」に転ずる可能性がある。

米国の原油在庫減少も「強気」材料に
 足元で強気の見方が出ているもう1つの要因は、ドライブシーズンが過ぎても米国内の原油在庫が減少を続けていることである(2015年2月以来の4億バレル割れとなった)。

 WTI原油先物と北海ブレント先物の価格差が拡大したことから米国産原油の輸出が再び増大するとともに、石油製品需要が引き続き高水準で推移していることから原油在庫は減少を続け、強気派の背中を押している。

 ただし、米国の原油生産量は増加傾向にある。米国では石油掘削装置(リグ)稼働数が860基、原油生産量が日量1100万近辺で推移しているが、米エネルギー省が9月17日に公表した月報によれば、米国の10月の原油生産量は9月に比べて増加する見通しである。シェールオイル生産の半分を占めるパーミアン地域では相変わらず輸送インフラが不足しているものの、原油増産の動きが再び始まっており、シェールオイル全体の生産量が日量759万バレルまで拡大するからである。

 OPECも前述の予測で「OPEC産原油の生産量は2017年の日量3260万バレルから2023年に同3160万バレルに減少するのに対し、米国のシェールオイル生産量は2017年の日量740万バレルから2023年には同1340万バレルに増加し、米国の原油生産量は同2000万バレルに達する」としており、今年の米国の原油生産量は年間平均で世界一になる見通しである(国際エネルギー機関(IEA))。

 このように米国は年を追うごとに「原油消費国」から「原油生産国」へと軸足を移しつつあるが、急速に変化する構造にトランプ大統領自身がまったく理解していないことをツイッターにより図らずも露呈してしまった感が強い。

低迷する中国とインドの原油需要
 8月の世界の原油生産量は日量1億バレルを突破し(IEA調べ)、世界の原油市場は既に供給過剰気味となっている。では、原油需要はどうなるのだろうか。

 IEAは9月13日、「世界の原油需要は今後3カ月で日量1億バレルを突破するが、主要新興国について潜在的リスクがある」との認識を示した。

 世界最大の原油輸入国である中国は米国との貿易戦争が激化の一途をたどっている。米国は24日、中国からの輸入品6000品目近くに10%の追加関税を課した(来年以降は税率を25%に引き上げる)ことにより、中国は月内に予定されていた米国との通商協議を取りやめた。中国側が関税対象を1100億ドルに拡大したことから、トランプ大統領は全輸入品に対して制裁関税発動を辞さない構えを見せており(9月24日付ブルームバーグ)、事態の収束はますます見通せなくなっている。

 マクロ経済の変調を反映してか、中国の8月の原油需要は9カ月ぶりの不調となっており、今後、両国の対立が続けばその傾向は強まることだろう。原油高が続いていることから低迷していた中国国内の原油生産も8月に底を打ったことで、今後原油輸入量の伸びが鈍化するのは必至の情勢である。

「第2の中国」と期待されているインドも最近の原油高と米国の金利正常化がもたらす悪影響から原油需要の低迷が鮮明になってきている(9月24日付OILPRICE)。

原油需要のピークが前倒しに?
 米国の原油需要は原油高にもかかわらず引き続き好調だが、原油価格が下落すると、むしろその需要は減少するリスクがある。以前のコラムで指摘したように、米国経済の好調さを体現する高株価は原油価格の好調さに下支えされているからだからだ。

 高株価の要因は、信用スプレッド(10年物国債とジャンク債の利回り差)が拡大しないことにある(市場アナリストの市岡繁男氏)が、米国の10年物国債の利回りが3%を超えてもジャンク債発行体の約15%を占めるシェール企業の財務内容が原油価格の上昇傾向で改善されるとの期待から、信用スプレッドが拡大していない。トランプ大統領は、米国株式市場の好況を「自らの政策のおかげだ」と豪語するが、株価の急落というリスクを承知の上で主要産油国に対して「原油価格引き下げ」を要求したのだろうか(「トランプ大統領は増産を見送った主要産油国に対し感謝すべきである」との皮肉も言いたくなる)。

 2016年から2017年にかけて「原油需要のピークが近いうちにやってくる」との議論が盛んに論じられた。しかし、9月に入ると「原油需要は今後5年以内にピークを迎える」との予測が相次いでいる(9月11日付OILPRICE)。

 昨年までの議論では「電気自動車などの台頭で運輸用の需要は先細りになるが、プラスチックなど石油化学の需要は大幅に拡大することから、ピークは2030年以降である」と石油関係者一同が安堵するという結論だった。だが、今年に入り世界の海洋プラスチック廃棄物が世界的に問題視されるようになり、米国やEUはもちろんのこと、インドなど新興国でもプラスチックの使用制限の動きが高まっている。プラスチックに対する風当たりの高まりが原油需要のピークを前倒しするのではないだろうか。

米国は世界の安全な原油供給を確保し続けられるか
 米国のシェールオイルの台頭に加え、需要の伸びが先細りするとなれば、主要産油国は「泣き面に蜂」である。窮地に追い込まれ、特に中東地域での地政学リスクが高まる。

 JMMCの開催前日に当たる9月22日、イラン南西フゼスタン州の州都アフワズで行われた軍事パレードが武装グループに襲撃され、多数の犠牲者が出た。同州はイスラム教スンニ派が多数を占める大規模なアラブ人コミュニティーがあり、イラン・イラク戦争(1980〜1988年)で主戦場となったが、こうした攻撃が起きるのはまれである(9月22日付AFP)。その後、イスラム国が犯行声明を発出したが、イラン側はサウジアラビアやUAEに加え、米国やイスラエルも襲撃に関与したと反発を強めている。

「米国は中東諸国を守っている」とトランプ大統領がツイートしたように、米軍は少なく見積もっても年間810億ドルの経費をかけて世界の原油供給の安全確保に努めている(9月24日付OILPRICE)。イラン核合意からの一方的な離脱に加え地政学リスクを高めるような行為を続けていれば、米軍予算がいくらあっても足りないだろう。

サウジで「反体制派」王子が海外逃亡
 最後にサウジアラビア情勢について触れておきたい。

 JMMCやイランでの武装組織の攻撃の影に隠れ世間の耳目を集めていないが、サウジアラビアが主導するアラブ連合軍は9月17日、イエメン西部のホデイダ港の奪還作戦を再開した。イエメンでの軍事介入を終結させるため6月からホデイダ港への攻撃を開始していたが、多数の犠牲者が発生し、7月に入ると膠着状態に陥っていた。

「今回の攻撃は前例のない激しいものだ」とアラブ連合軍の司令官は豪語しているが、その背景にはムハンマド皇太子の「焦り」が透けて見える。毎月50〜60億ドルの軍事費を浪費しても大きな勝利が得られない状況下で、サウジアラビア国内での反発が高まり、サルマン国王とムハンマド皇太子を名指しで批判したアフマド王子(元内相、国王の実弟)が18日に海外(英国か?)に逃亡する事態が発生した。

 サウジアラビア国民に敬愛され次期国王の呼び声もあるアフマド王子が、海外で拠点を築き反転攻勢に出れば、ムハンマド皇太子の地位は一層不安定になってしまうのではないだろうか。 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/614.html#c1

[経世済民128] 「老朽化マンション」の不都合な真実(Wedge) 赤かぶ
1. 2018年9月28日 12:59:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1567]
2018年9月28日 長嶋 修 :株式会社さくら事務所創業者・会長
人気タワマンでも40年後は廃虚!?恐ろしいマンション劣化の真実
新築・中古ともに、「都心」「駅近」などの好条件マンションの価格高止まりが続いている。しかし、湾岸や武蔵小杉など人気エリアの花形タワーマンションであっても、状況次第では数十年後には「廃虚化」が待っている。恐ろしいマンション劣化の真実を解説する。(さくら事務所会長 長嶋修)
新築はもはや「高根の花」
中古価格もいまだに上昇中
数十年後、住民の高齢化や空き家増加によって修繕が難しくなり、廃墟と化すマンションは必ず出てくる。「都心」「駅近」の人気物件であっても、廃墟化する可能性はある(写真はイメージです) Photo:PIXTA
 マンション価格の高止まりが続いている。不動産経済研究所によれば、2018年7月の首都圏新築マンション発売価格平均は6091万円と2017年度平均を上回り、東京都区部に至っては7270万円と、もはや一般的なサラリーマンには手の届かない価格水準。「都心」「駅直結」「駅前」「駅近」「大規模」「タワー」といったワードに象徴される大多数の新築マンションは、「高根の花」となりつつある。
 こうしたことも手伝って人気が集まってきたのが「中古マンション」であり、こちらもやはり「都心」「駅近」などの物件が強い。
 REINS(東日本不動産流通機構)によれば、首都圏中古マンション価格は2012年12月の民主党から自民党への政権交代以降一貫して上昇を続けている。例えば東京都心3区(中央・千代田・港区)の中古マンション平均成約価格は、政権交代以降60%アップの6247万円と、1990年代のバブルを上回る価格水準だ。

 ただし、「都心」であっても駅からの距離による格差は生じている。東京都心7区(千代田・中央・港・新宿・目黒・品川区)の中古マンション成約価格は、2013年には駅から1分離れるごとに平方メートルあたり8222円の下落を示していたが、2018年5月時点では、駅から1分離れるごとに平方メートルあたり1万8205円もの下落と、ダウン金額が多くなっている。
湾岸や武蔵小杉でも条件次第で
「都市の墓標」化するマンションも!
 それでは「都心」や「駅近」であればずっと安泰かというと、答えは「NO」である。タワーマンションが林立する都心湾岸地区や武蔵小杉(神奈川県)といった人気エリアも例外ではない。たとえ一定程度、立地が良くても、都市の墓標になりえる理由があるからだ。そして「駅から遠い」「築年数が古い」といったマンションはさらに不利で、将来は廃虚化が進むものも出てくるだろう。
著者の最新刊「100年マンション 資産になる住まいの育てかた」
 また、空き家問題といえば、これまでは主に「一戸建て」に焦点が当たってきたが、やがて「マンションの空き家問題」が顕在化するだろう。マンションは一戸建てと異なり、共同住宅であるがゆえに、個人の意思で修繕や解体などの処分はできない。空き家増に加え住民の高齢化や賃貸化も進むことによって、必要な修繕費用も捻出しにくくなることから、修繕も解体もできずに、ただ朽ち果てていくだけの「廃虚マンション」の出現可能性が社会問題として浮かび上がりそうだ。
 全国のマンションストック総数は2017年末時点で約644.1万戸。マンションの居住人口は約1590万人と推計される。これは、日本の総人口1億2652万人(2018年6月1日現在の概算値)の12.6%にあたり、国民のおよそ8人に1人がマンションに住んでいることになる。東京都の全人口1382万人(2018年5月現在)より208万人も多い水準だ。
 マンションストック総数のうち、築30年以上のマンションは、およそ184.9万戸あるが、うち40%にあたる72.9万戸は築40年以上。これが2022年には128.7万戸、2027年には184.9万戸、2034年には351.9万戸と激増していく。簡単に言えば、マンションの築年数分布は、我が国の人口ピラミッド同様、高齢マンションが極端に多い構図となっているわけだ。
 新築マンションに入居すると、住民が管理組合を結成する。入居から当面の間は、管理組合役員に自ら立候補して管理組合の運営に主体的に関わるなど、住民の意欲も高いことが多いが、年月がたって区分所有者の高齢化、賃貸化、空室化などが進行するにつれて、徐々に管理組合の理事のなり手不足、修繕積立金の収支悪化、大規模修繕や建て替えなどの意思決定ができないなどといった機能不全が見られるようになりがちだ。国はこうした「管理不全マンション」が今後、さらに増加していくことを懸念している。
住民の高齢化と賃貸化が
マンションを廃虚にする
「マンションの再生手法及び合意形成に係る調査」(国土交通省)のアンケートによれば、高経年マンションほど空き家化、賃貸化、高齢化が進み、自己居住率(持ち主自らが住んでいる住戸の割合)が低下するといったマンションの姿が浮かび上がる。
 築40年を超えたマンションでは、自己居住しているのは全体の75.6%にすぎず、その居住者のうち21.7%が75歳以上。つまり、築40年になると、持ち主の4人に3人しかそこには居住しておらず、その居住者も4人に1人は75歳以上となっているのだ。75歳未満でそこに居住しているアクティブ層は全体の59.2%と、半分強しかいない。
 同アンケートでは、高経年マンションほど管理組合総会決議の投票率が低下し、所有者不明の発生する割合が高くなること、また、所有者不明のケースでは、所有者の相続未完了や連絡が全く取れないなどで本人確認に苦労していることがわかる。賃貸率が20%を超えると、管理組合総会での大規模修繕の可否などを取り決める、総会での普通決議の投票率が極端に低下することも報告されている。
 住民の高齢化が進めば、大規模修繕のための修繕積立金の値上げや一時金も徴収が難しくなっていく。多くが定期収入のない年金生活者であることや、高齢であることから長い将来を見通せなくなっているからだ。
 また、賃貸化が進むことも、管理を難しくする大きな要因である。「平成25年マンション総合調査」(国土交通省)によれば、マンション全体の賃貸割合は13.7%、空室率は2.4%にすぎないが、経年により賃貸割合は高まり、築40年を超えると賃貸率は20%を超え、空室率は26.3%に上る。
 賃貸化が進めば、所有者がそこに住まなくなる分、マンション管理への意識は希薄化する。そもそも外部居住者は理事になれないといった管理規約を設けているところも多い。
 国土交通省が2016年から2017年にかけて、管理組合に対して行った調査(「マンションの再生手法及び合意形成に係る調査」)によると、「連絡先不通・所有者不明」の部屋があるマンションは全体の13.6%。連絡先不通・所有者不明物件のあるマンションの内訳は、築40年以上が29%、築30年以上40年未満が24%と、高経年マンションが多数を占める。
 所有者と連絡が取れない部屋が増えると「管理費・修繕積立金が徴収できない」「管理が行われないことで劣化が早まり周囲に悪影響を及ぼす」「多数決による総会決議が困難になる」など、マンション管理に様々な支障をきたす。同調査では、今後は建て替え決議などの成立が困難になっていくと回答した人の割合は70%に達している。
タワーマンションの修繕は
さらに難題が山積み
 横浜市立大学の齊藤広子教授は「マンションの空き家率は10%未満なら管理組合の対応で何とか問題を表面化しないで進められるが、10%を超えると日常的に管理組合運営が困難となり、20%を超えると長期的な展望も、それに向けた取り組みも難しくなり、負のスパイラルに陥りやすくなる。さらに空き家化が大幅に進むとエレベーターが止まり、ガス・電気・水道も止まり、居住が困難となり、自力での再生は難しくなる」と警鐘を鳴らしている。
 国交省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によれば、建物の階数や規模などによりばらつきはあるものの、15階建て・5000平方メートル未満のマンションの場合、専有面積平方メートルあたり218円を、修繕積立金の平均的な目安としている。5000〜1万平方メートル未満なら202円、1万平方メートル以上なら178円程度が目安となる。ざっと平方メートルあたり200円として計算すると、例えば70平方メートルのマンションなら適正な毎月修繕積立金額は1万4000円。この水準の積立金を入居直後から続けていれば、おおむね問題ないでしょうというわけだ。
 しかしこの水準も、消費増税は織り込んでいないほか、昨今高騰している建築費水準も計算には入れていない。大規模修繕費用は金融機関からの借り入れを伴うケースも多いが、やがては現行の金利水準も切り上がるだろう。大半のマンションは、こうした条件を十分に勘案した積み立てができていない。それらは廃虚予備軍と言っていいだろう。
 ましてやタワーマンションは、足場を組んで外壁の修繕が行えないため、ゴンドラなどによる高所作業だ。一般的なマンションに比して作業性は落ち、基本的に風速10メートルを超えると作業は中止となる。従って、工期は長めで非常にコスト高なのだ。
 加えてタワーマンションは、エレベーターや階段など共用部分の面積比が大きく、コンシェルジュサービスやラウンジ、スポーツジムなどのサービスもあるから、管理費もただでさえ高め。所有者にとっては二重苦である。
 とあるタワーマンションの大規模修繕は2年10ヵ月かかり、総額は6億円以上だった。また、設置されている高速エレベーターなどの設備は、世界に1つしかない特注品で非常に高額であることが多く、相見積もりが取れず、修繕や交換には莫大なコストがかかる。そもそもエレベーターや情報通信機器など技術進化の激しい分野では、30年前と同じスペックのエレベーターに交換するとは考えにくく、コストは想定よりアップする可能性が高い。
 そうなると建物がどんどん劣化していくのに必要な修繕もままならず、建物が朽ちていくのを見届けるしかないといった「タワーマンションの廃虚化」が進むだろう。
 もちろん、そうならないためにきっちり対策をしている優良マンションもある。都心湾岸地区や武蔵小杉に林立するタワーマンション群では、持続可能なマンションと、廃虚となっていくマンションの二極化が始まるのだ。

https://diamond.jp/articles/-/180763?

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/617.html#c1

[経世済民128] “えとみほさん”に働き方の秘密を聞いてみた(3)「飽きて」外資ITを辞めて、「楽しそう」でSnapmartを起業した うまき
2. 2018年9月28日 13:02:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1568]
https://diamond.jp/articles/print/180714
【第7回】 2018年9月28日 コボリ ジュンコ :GYAKUSAN株式会社CEO
ワクワクする未来を一枚にまとめると、夢の実現は早くなる

あなたには、かなえたい夢や目標がありますか?その実現に向けて、具体的な行動に移せていますか?どちらもまだだけど、なんとなくもやもやしているこの現状から抜け出したいというなら、本連載がきっとお役に立ちます。『逆算手帳の習慣』(ダイヤモンド社)を上梓したコボリジュンコさんは、同書の中で、夢をかなえる具体的な方法を公開しています。本連載では、ふわふわした夢を現実に変える「逆算思考」と「手帳術」について、わかりやすく解説します。


「未来を一枚の紙にまとめる」と、夢実現の可能性が高まる
 本物の望みがぼんやりと見えてきたら、いよいよ仕上げです。

 これから「ライフビジョン」という一枚の紙にまとめていきます。ここまでは旅行に持っていくモノをセレクトした感じ。これからやるのは、持ち物を分類してパッキングし、スーツケースに程よく詰め込んでいく作業に似ています。身軽だけど、必要なものはちゃんと揃っている。そんな旅の支度をイメージしてください。

「こうありたい」「こうだったらいいな」という未来を一枚の紙にまとめると、それだけで夢の実現の可能性が高くなり、早く実現出来るようになります。

 それはジグソーパズルをやることをイメージするとわかりやすくなります。

 バラバラになった大量のピースの山があったとき、完成図を見ながらやるのと、何が完成するのかわからずに進めていくのではどうでしょう。

 完成図を見ながらジグソーパズルをやるほうが、断然早く完成するはずですよね。

 同じジグソーパズルでも、完成図があるかないかでは難易度が大きく違ってきます。ビジョンがない人というのは、人生の完成図を持たずに生きているようなもの。

 夢を実現させるには、実現した状態を目で見えるようにしたほうが有利なのです。

ライフビジョンの作り方
 では、やりたいことリストの内容をもとにライフビジョンを作っていきましょう。

 ライフビジョンの円は左右で大きく2つのグループに分かれています。円を縦に2分割して、右側にはパブリック(社会的なこと)、左側にはプライベート(個人的なこと)を書き入れます。

 また、円の下半分は人生のベースとなるもの(お金、人間関係、健康、ライフスタイル)を、上半分は人生における活動(仕事、ライフワーク、楽しみ、学び・成長)を表しています。

 全体では、1つの円が次の8つのセクションに分かれています。

◎右側 パブリック(社会的なこと)

 ・ライフワーク:情熱をもって取り組むことができ、 他の人を幸せに出来ることはどんなことですか?
 ・仕事:どのようなことで世の中に貢献していきますか?
 ・お金:どんなふうにお金を使いたいですか?
 ・人間関係:どのような人たちに囲まれて生きていきたいですか?

◎左側 プライベート(個人的なこと)

 ・楽しみ:夢中になれること、幸せだと感じられることはどんなことですか?
 ・学び/成長:これから学んでみたいこと、身につけたいスキルは? どのような人になりたいでしょう?
 ・ライフスタイル:どんなところに住んで、どんな暮らしをしたいですか?
 ・健康:どんなことが出来るようになっていますか? 未来のあなたはどんな姿でしょう?

 前回までで説明したそれぞれの質問もヒントにしながら、これら8つのセクションを埋めていきます。

 やりたいことリストに書いたことの中で、「これはぜひとも実現させたい」と強く願っていることを選び、8つに振り分けていくと書きやすいです。

 そのまま転記、もしくは抽象度を上げて表現してみましょう。

 バランス良く埋まる場合もありますが、書きやすいところもあれば、どう書いていいのか悩むところもあるでしょう。埋まらずにポッカリ空いてしまうところがあるかもしれません。

 書きやすいのは普段から意識を向けている部分です。書けないところはこれまで意識を向けてこなかった部分。無理に埋めなくても大丈夫です。

 空いている状態でしばらく時間をおいてみてください。脳は空白を埋めようとするので、自然に意識するようになりますよ(※さらに詳しく知りたい方は、『逆算手帳の習慣』の84〜85ページを参照してください)。

コボリジュンコ
「逆算手帳」考案者、GYAKUSAN株式会社CEO
大学卒業後、システムエンジニアとして8年勤務。その後、フリーランスを経て2004年にウェブサイト制作会社を設立。
会社設立前後の多忙すぎる日々に耐えきれず、わらにもすがる思いで手帳を使い始めたところ、その効果を実感し衝撃を受ける。
手帳でスケジュールやタスク管理をする一方、ワークスタイルやライフスタイルを見直して、理想の生き方・働き方を模索するようになった。著書『1年後の毎日が変わる!あなたの夢を叶える「100年日記」』の出版記念セミナーで、多くの人が5年後の自分をイメージできないこと、逆算で考えられないことに愕然とし、逆算思考を体系化できないかと考えはじめる。
試行錯誤の結果たどり着いたのが「逆算手帳」で、2016年に商品化。Amazonで販売したところ、クチコミでたちまち完売。
おもな著書に『願いをかなえる!逆算手帳術』(監修・宝島社 2018年)、『1年後の毎日が変わる!あなたの夢を叶える「100年日記」』(大和出版 2015年)がある。

https://diamond.jp/articles/-/180613
【第4回】 2018年9月28日 きたみりゅうじ

“えとみほさん”に働き方の秘密を聞いてみた(4) 名誉欲はない。だからJリーグの世界に飛び込めた

SNS上で、経営やマーケティングに関する独自のコメントでフォロワーを集め、インフルエンサーの1人となった、“えとみほ”さんという女性がいる。

近年の経歴を簡単に紹介すると、40代でウェブメディアの編集長を経験したのち、アプリ・Webサービスの「Snapmart」を開発して経営者に。その後代表を退いてすぐに、全くの異分野であるJリーグ栃木SCのマーケティング戦略部長に就任して周囲を驚かせた。

なぜ彼女は、このように自由な働き方ができるのか?
どのような基準で人生の進路を決めているのか?
以前よりSNS上で“えとみほ”さんと交流し、自身もフリーランスとしてユニークな活躍をする“きたみりゅうじ”氏に、その秘密を探ってもらう連載の最終回。(第1回はこちらへ)


きたみりゅうじ
もとはコンピュータプログラマ。本職のかたわらホームページで4コマまんがの連載などを行う。この連載がきっかけでイラストレーターではなくライターとしても仕事を請負うことになる。『キタミ式イラストIT塾「ITパスポート」』『キタミ式イラストIT塾「基本情報技術者」』(技術評論社)、『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。』(日本実業出版社)など著書多数。 twitter:@kitajirushi

Snapmart事業からさらに新天地へ
 ――個人がスマホなどで撮ったスナップ写真を、誰でも気軽に売買できるようにする――

 着手から1年の開発期間を経てサービスインしたSnapmart事業は、正式発表直後からアクセスが殺到して何度もサーバが落ちるほどの反響の大きさを見せる。開設からわずか数ヶ月の間にサービス上で販売される写真の数は20万枚を超え、個人間だけではなく、購入を希望する登録企業もサービスインから1年を待たずに1000社を超えた。一大マーケットができあがった。

 えとみほさんにとっての二度目の起業は、社員に対する個別プロダクトの権限委譲もすんなりと進み、着想から3年が経つ頃、社内のルーチン業務から自分自身をリストラすることに成功する。
 順調に伸びるサービス。雑務からの解放。完全に成功を果たした悠々自適な経営者生活…を送るのかと思ったら、そうはならないのがえとみほさんの面白いところ。

き「Snapmartは華々しい成功に見えるんですけど、退任されたと聞いて驚きました。そこからJ2リーグのサッカークラブに入社されたと聞いてまたびっくりで」

 なんと経営者として華々しく成功をおさめたと思ったら、またあっさりと社員の身に移っちゃったのである。それも、サッカークラブというまったく畑違いの業種に、自分で求人を見て応募して飛び込んだというのだから驚くしかない。

き「スタートアップの世界から、サッカークラブのマーケティング部長。一見刺激度が下がるようにも見えたんですけど、そういう感覚はないですか?」

え「Jリーグのクラブチームというとまったくの別世界なので、今までの常識がまったく通用しません。逆に刺激しかないです(笑)」

 言われて思いだしたのが、友人のバイクレース出走を応援しにアメリカへ行った時のこと。
 そこではバイクレース期間中は街をあげてのお祭りモードに入る。予選が終わると街のメインストリートを丸ごと封鎖して、決勝に挑むライダーたちとファンが交流できるファンフェスタが夜遅くまで開かれる。
 おそらくこの街の子どもたちにとって危険なコースに挑まんとするライダーたちはヒーローであり、ここで交流して憧れのライダーに触れた子どもたちは、また大きくなって自分たちの子どもをこの場所に連れてくるのだろう。
 そうして街の文化ができあがる。
 地元に根ざしたクラブチームもそれと同じに思えた。

き「そっか、言ってみれば街の文化を作り上げる仕事ですものね。それは確かに刺激がすごそうです」

え「そうなんですよ」


えとみほ(江藤美帆)
米国留学中、マイクロソフト社でソフトウェアの日本語ローカライズに携わり、その後1年間本社に勤務。帰国後フリーのテクニカルライターとして活動後、2004年に英国企業のコンテンツライセンス管理会社を設立。日本における「禁煙セラピー」の普及活動に従事し、2010年に事業譲渡。以後、VR系ITベンチャー、外資系IT企業などを経て株式会社オプトに入社。ソーシャルメディアの可能性を探求するメディア「kakeru」(初代編集長)などを立ち上げる。2015年10月より関連会社の株式会社オプトインキュベートに出向し、「スマホの写真が売れちゃうアプリ Snapmart(スナップマート)」を企画開発。2016年8月、ピクスタ株式会社への事業譲渡に伴い新会社スナップマート株式会社へ移籍。2018年3月、代表を退任し非常勤顧問に就任。2018年5月より、Jリーグ栃木SCのマーケティング戦略部長。 twitter:@etomiho

40歳からはセカンドキャリア

え「以前知人に『45歳を過ぎてからの転職はアスリートのセカンドキャリアと同じと考えた方がいいよ』と言われたことがあって、それが印象に残ってるんですね」

 曰く、今は寿命が延びていておそらくは100歳まで生きるだろうと。すると80歳まで働くと考えたら何かしないといけない。40歳以降を飽きたままで過ごすには、あまりにその先の人生が長すぎる。

き「80歳まで…ですか。それ、リアルにそう思いますか?」

え「思いますよー、確実に健康寿命延びてますし」

き「一方で、40歳を過ぎるとフリーランスは仕事が減ると言われてますよね、その実感ってどうでしょう?そう思います?」

え「実際求人はすごく減りますよね。自分の転職活動を振り返ってみても。それにまわりのライターを見ていても、やはり依頼は減る方向にあるみたいです」

き「でもそういう人たちって、多くは受け身だったりしませんか? いかに稼ぐかではなくて、『仕事もらえない』ってスタンスでばかり話す人。だったら、それは自然なことだと個人的には思うんですよ」

 僕にとっての身近な例で申し訳ないのだけど、たとえば本の著者なんかだと僕程度の書き手であっても5段階くらいに扱いが変化してきていたりする。
 まずは通るかどうかわからない企画書を必死で書いて編集さんにOKをもらって本を出すのがスタート地点。そこで認められてくると、企画書を持ってきてくれたらあなたの本なら出しますよという風に変わっていく。さらに実績が積み上がると企画書は不要になり、口頭で伝えればそこから先は編集さんがいいように企画書を作って社内の稟議を通してくれるようになる。その次は、逆に先方が企画書を作って「書いてもらえないか」と口説きにくる。さらにその次となると、「どんな本ならウチで書いてくれますか?」と伺いにくるようになる。
 つまり仕事の流れっていうのは一様ではなく変わっていくもので、40歳になる頃には「一緒に仕事をさせて下さい」と思ってもらえる立場になってないと厳しいってことなんじゃないだろうか。

き「それなのに、40歳になると仕事が減るというと『だから貯金しておかないと』とか書いてるものばかり。見直すべきはお金の貯め方じゃなくて、蓄積すべき仕事の質だと思うんですよ」

え「それはそうかもしれないですね。私もITライター時代、焦りを覚え始めたのは『この仕事は35歳までだよ、それを過ぎたら食えないよ』と言われたのがきっかけでした。じゃあ40歳、50歳になった時食えるようにしておかなきゃいけない。何をやろう、どうやったらいいだろうと考えましたね。就職氷河期世代なので、とにかく『食えなくなる』というのが怖くてしょうがなかったんです」

 えとみほさんが培ってきた様々なキャリア。それは一見個々につながりはないようでいて、折々に前職の経験が生かされて、だからこそより高い成功をおさめてきているように見える。
 その有言実行ぶりからすると、当然「80歳まで働く」という彼女の言葉も、今がセカンドキャリアの始まりになるというのも、おそらくは真実なんだろう。

き「80歳かー、働きたくないなあ」

え「体は健康でも脳みそは鈍っていきますから、怖いですよね〜」

自由でいるための一番の秘訣
 80歳まで働かなきゃいけない。
 この「働かなきゃいけない」に込められた意味は人によって違う。多分ほとんどの人にとっては「(お金のために)働かなきゃいけない」となるんじゃないだろうか。でも首尾良く成功をおさめてお金から解放された時、「じゃあ何のために働くか」は人によってやっぱり違う。
 そういうモデルケースを見た時に、僕がよく思うのは「最後は名誉欲」だった。

 人に認められたい。
 手柄を勝ち誇りたい。
 多くの人からの称賛を得たい。

 たくさんの人がこの罠にはまり込み、迷走し、そして没落していく。

 えとみほさんの話を聞いていて意外だったのは、その空気がないこと。特にSnapmartほどの事業となれば起業家としての自分を誇っておかしくないはずなのにそれがない。これまで手がけてきたどの事業を語る時にも、そこに拘泥せず次へ移ることに何の違和感もなく見える。

き「面白いものを見つけて、それを広めるのが好きとおっしゃってましたけど、そういう人ってSNS上にはたくさんいるじゃないですか。でも、そういう人って、その結果自分がちやほやされたいみたいなのがあると思うんですよ。『それ広めたの私だよ!』ってどうしても言いたくなるというか、その気持ちを捨てられない。えとみほさんはそういうの全然ないですか?」

え「全然ないです(笑)」

き「全然?」

え「うん、飽きるから執着しない。極端な言い方をすれば、飽きたからどうでもいいものなんですよ。そこに愛着はありますけど、恋愛でいうと元カレみたいなもので、飽きて離れたらもう別に…ねえ(笑) その人が誰かと結婚したってどうでもいい」

 おそらく彼女にとっては、「新鮮で楽しいことに取り組む自分」こそが一番自然な姿なんだろう。自然だからこそ新しい分野へ飛び込むことを躊躇しないで済むし、こうも楽しそうで自由に見えるのかと思ったら、そこに「40歳の空虚さや惰性」を感じない理由がよくわかった気がする。

 自分の過去への執着を捨てる。そして、自分が一番楽しんでいられる世界を見つけて、そこにこだわる。それこそが、フリーランスとして自由でいるための一番の秘訣なのかもしれない。それは多分、一番難しいことなんだろうけど。
 だからこそ、それをさらりとやってのけるえとみほさんには、尊敬の念を禁じ得ない。


(おわり)



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/606.html#c2

[経世済民128] 孫正義氏のビジョン、ベンチャーキャピタル業界に旋風−桁違いの投資  うまき
4. 2018年9月28日 13:04:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1569]
コラム2018年9月28日 / 10:02 / 2時間前更新
コラム:マスクCEO提訴、テスラ株「真の価値」露呈か
Antony Currie and Gina Chon
2 分で読む

[ニューヨーク/ワシントン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米電気自動車メーカー、テスラ(TSLA.O)の株主は間もなく、同社の本当の企業価値を知ることになるかもしれない。

米証券取引委員会(SEC)は27日、株式非公開化について「虚偽で誤解を招く」投稿を行ったとして同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を提訴し、同氏の退陣を求めた。マスク氏不在のテスラは企業価値がしぼむだろうが、より理性的に評価されるようになると言えるかもしれない。

SECの訴状は、仮に多額の資金がかかっていなければ楽しめる内容だ。

例えば、マスク氏が株式非公開化計画の価格を1株420ドルに決めたのは、この数字が大麻吸引の隠語だからガールフレンドが「面白がるだろう」と考えたのも一つの理由だったようだ。マスク氏はその傲慢な態度があだになり、退陣に追い込まれる可能性が出てきた。テスラ株は27日の時間外取引で10%以上も下落した。

SECの行動の素早さが衝撃を大きくしている。通常は訴追まで少なくとも1年間を要することが多い。

時間外取引での下落後も、テスラ株は2020年の予想利益の31倍という飛び抜けた水準を保っている。生産目標の達成に度々失敗している自動車メーカーの株価としては割高で、その高さは投資家がマスク氏自身につけたプレミアムにほぼ帰せられる。マスク氏不在のテスラ株が2020年の予想利益の11倍程度に落ち着くと想定しよう。これでもBMWの株価収益率(PER)より50%高いが、時価総額は140億ドル程度と、27日終値時点の4分の1にしぼむ。

この価格なら、テスラは買収の魅力的な標的になる可能性さえ出てくる。しかし、まずは資金繰りの危機を切り抜ける必要がある。同社はキャッシュを食いつぶしており、来年3月までに償還を迎える債務は12億ドルに上る。SECがマスク氏にこぶしを振り上げたのは劇的な出来事だが、テスラが今とは全く違う道を歩まざるを得なくるかもしれない要因は、ほかにも潜んでいる。

●背景となるニュース

・SECは27日、テスラのイーロン・マスクCEOに対して民事訴訟を起こした。株式の非公開化をほぼ確実に行うことができるとする「虚偽で誤解を招く」コメントを8月7日、ツイッターに投稿したため。

・マスク氏の投稿は「テスラを420ドルで非公開化することを検討している。資金は確保済み」というものだった。

・SECはマスク氏に対し、ツイッター投稿による市場の混乱で得た利益の返還と民事制裁金の支払いを求めている。マスク氏が公開企業の幹部や取締役に就くのを禁じることも要請している。

Tesla Inc
307.52
TSLA.ONASDAQ
-2.06(-0.67%)
TSLA.O
TSLA.O
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 


自動運転車の事故で、誰が賠償責任を負うか
鉄腕アトムとクロウサギ:法人格はどこまで認められるか?
2018.9.28(金) 伊東 乾
魚は車のお手本になるか? 5G通信で進化する自動運転車
米ミシガン州アナーバーの自動運転車の走行実験施設「Mシティー」で、自動運転技術の試験を行う米フォードの乗用車フォード・フュージョン(2017年9月12日撮影)。(c)AFP PHOTO / JEFF KOWALSKY〔AFPBB News〕

 日本と南米諸国との学術芸術コンフェレンスに呼ばれて日光に来ています。親族にブラジルやメキシコ移民政策に関わった者があり、個人的にも感慨無量なものがありました。

 今回の話題の延長で「日光」での空き時間の取材も次回以降反映させたいと思っています。

 東京大学に任官して19年、今回が初めてではないでしょうか。珍しく芸術の教官として大学本部からの指示による公務出張で動いています。

 逆に言うと、私の大学でのアカデミック・ディプロマットとしての仕事の大半は、音楽とも芸術とも別の、二―ズがあって振られた仕事で扱っているものになります。

 「自働運転車」の法的責任という問題は、そうした典型の一つです。

 この連載でもすでに幾度か触れましたが、EUではすでに「ロボット法人格」が認められており、高度自律システムに財産を付与する、といった動きも出ています。

 こんな話を国内ですると「ロボットに人格権? 鉄腕アトムみたいだな・・・」といった、夢のあるリアクションをいただくことがありました。

 でも、出て来るのが<アトム>ですから、相当年季の入った夢ですが・・・。

 しかし、実際にはそんなに甘い話ではありません。なぜ、ロボットに「法人格」か?

 その答えを、アマミノクロウサギに聞いてみることにしたいと思います。

裁判における当事者性
 知る人はよくご存じのケースですが、1990年代、バブルの余波も冷めやらぬ頃、奄美大島はゴルフ場開発などでマネーが流入、一面では島の経済を活性化させました。

 しかし他方、森林の伐採などによって生態系に深刻な打撃が与えられてしまいます。

 この影響をもろに受けたルリカケス、アマミヤマシギ、オオトラツグミそしてアマミノクロウサギたちが集まって相談し、愚かな人間の環境破壊をやめさせるべく「化け合戦」で対抗しよう・・・。

 というのは高畑勲さんの映画「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994年)ですが、まさにこの同じ時期、乱開発の進む奄美大島で、絶滅の危機に瀕していた、これら動物たちが日本の裁判所に提訴する、という事態が本当に起きました。

 世に名高い「アマミノクロウサギ訴訟」(1995年)にほかなりません。

 この裁判は、日本で初めて、動物たちが原告となって、鹿児島地裁に行政訴訟が起こされたケースとなりました。

 とはいっても、アマミノクロウサギは告訴状を書くことができません。人間、実際には地元の自然保護団体の人々が、法的な手続きを進めました。

 さてしかし、民事訴訟法は訴訟能力のある主体を以下のように規定しています。

第28条

当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法(明治29年法律第89号)その他の法令に従う。訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする

 民法は3条で「自然人」、34条で「法人」を規定しており、人間か、会社などの法人格のある対象しか、訴訟の当事者となることはできません。

 つまり、日本の法制度は、アマミノクロウサギが自然破壊を人間社会に訴えようとしても、そもそも取り合う窓口がないわけです。

 実際、鹿児島地裁の下した判断も同様でした。

 訴状に特定の自然人個人、あるいは企業など法人の名称と住所などを記載して提出するように求め、期間内にその手続きが果たされなかった、として、訴え自体が却下されてしまいます。

 そこで今度は、人間が「動物たちの代わりに」訴える、という形を整えて、再び地元の人々は裁判所に訴状2を提出しました。

 ところが、ここでまた法律が引っかかってくるのです。

行政訴訟法9条1は

第9条

処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。

 乱開発によって被害をこうむっている当事者のみが、提訴する権利を有する「当事者」であると規定しているのです。

 いま乱開発の被害を受けているのは、アマミノクロウサギやルリカケスなど、野山の動物たちです。

 でも動物には裁判を起こす権利がありません。

 そこで、人間が代わりに裁判を起こすと、今度は「当事者性がない」という理由で、やはり門前払いを食わされてしまったわけです。

 何と冷たい法律の世界でしょう。

 ただ、司法の観点からはルールに厳密に従うことが重要で、鹿児島地裁の裁判官個人は、ここで提起された問題は非常に深く、重要なものだと真摯に受け止めて、判決文を準備したようです。

 こうした事例は以後にもいくつか見られ「アマミノクロウサギ訴訟」はその嚆矢として、中学や高校の教科書にも取り上げられているので、学校で習った読者がいるかもしれません。

 こういう状態、何とか解決できないでしょうか・・・?

 理論的には、一つ面白い方法が考えられます。ウサギが法人格を持てばよい。

 「アマミノクロウサギ社中」とか「株式会社クロウサギ」のようなものが、法的に認められるような制度改革を実施すれば、自然人ではないクロウサギもルリカケスも、法人のメンバーの1としては訴訟に参加することができるかもしれません。

 もっとも、実際にそんなことが起きるかどうかは別ですし、ここでは法的にデリケートな議論をしていませんのであしからず。

 そして実は、EUで進んでいる「ロボット法人格」の議論は、まさにこれを逆手に取るような構造をもっているのです。

鉄腕アトムの賠償責任
 私が子供の頃、子供向けの特撮映画は、2つのパターンに分かれていました。

 1つは、等身大の怪人が出て来るもの。仮面ライダーが典型的でした。

 もう1つは、巨大な怪獣と正義の味方が戦うもの。ウルトラマンが典型です。

 昭和46(1971)年に小学校に入学した私は、運動会で赤組と白組に別れた応援の横断幕で、自分の背後に「ウルトラマン」の幕があり、敵が「仮面ライダー」だったのをよく覚えています。

 実はその時まで、私は「仮面ライダー」という概念を知らなかったのです。敵ですから「ケッ」みたいなことを言うのですが、実際には、よく知らない「仮面ライダー」なるものが気になって仕方ありません。

 ようやくオンエアを見た年末の土曜の夜、そこには、浮世離れした巨大な怪獣と正義の味方の戦闘と、それに伴って破壊される町や爆発するガスタンク、なぎ倒しにされる送電線などがありません。

 それが、むしろ現実味が強く感じられ、怪談的な設定がよほどカッコよく思われたのでした。

 ちなみに初めて見た「仮面ライダー」は、ゾル大佐という大幹部が正体を現しておおかみ男となり、ライダーと戦って負ける話で、父が危篤で入院していたため、預けられていた親戚の家で、初めてこの「禁断の番組」(?)に触れたのでした。

 子供心にも私が感じたのは、ウルトラマンも怪獣と戦いながら、尻餅をついてビルを薙ぎ倒したりしているではないですか。ということは、その損害賠償を求められるのではないか・・・。

 なんて、大人の表現ではなく「あ〜らら こらら い〜けないんだ いけないんだ せ〜んせいに 言ってやろ」程度のものですが、正義の味方と言ってもガスタンクなど派手に破壊してるのだから、弁償しろとか言われないのは、不自然だな・・・という漠たる意識をもっていました。

 でも仮面ライダーにはその種の不自然さはなかった。

 なぜか風力発電(?)で変身するエコなヒーローは、子供が好きそうな空き地で戦い、「いい」などと喚くショッカーの戦闘員は勝手に片づけられてしまいます。

 オヤダマの怪人だけは派手に爆発しますが、環境負荷はそれほど高くないという、実にエコロジカルな作りになっていた。直後から仮面ライダーごっこに打ち興じるようになったのは言うまでもありません。

 さてここで、ウルトラマンやそれと戦う巨大な怪獣、あれらに「法人格」があるか、考えてみたいわけです。ないでしょうね。怪獣の方は特に。

 ウルトラマンの方は、人間に戻っているときは、多分民事や刑事、行政上の責任をてんこ盛り問われるに違いありませんが、幸か不幸かウルトラマンの正体だとは、毒蝮三太夫だって気づいていない。

 仮面ライダーは「改造人間」ですから、元来の自然人としての部分・・・戸籍その他があれば、普通の意味で当事者能力も、当事者としての責任も問われるでしょう。

 では、これが「人造人間」になるとどうなのか?

 小学校2年生になると、仮面ライダーの後の枠で「人造人間キカイダー」という、これまた子供心をくすぐる石森章太郎モノが引き続きオンエアされ、「良心回路」なるものを持つロボットが懊悩したりするのですが・・・。

 サイドカーを運転するキカイダーが、誤ってガードレールにぶつかって器物破損などした場合、その責任はだれにどう問うべきか・・・という問いが立てられるはずです。

 と、相当遠回りしたかもしれませんが、本来の論点に帰ってきました。自働運転です。

 自動運転車が事故を起こしたとき、例えば製造物責任などでメーカーまで俎上にあげられて・・・そんな製品を作る企業はなくなってしまうでしょう。

 では、どうすればいいか?

 「そりゃ、キカイダーが悪いんだ!」とマシン自体に責任を負わせ、アマミノクロウサギは召還されることがなかった裁判所の法廷に当事者の1として関わり、有限な賠償責任も負うという、<可処分な罪>をも有する主体として出廷できるようにすることです。

 ロボット法人を巡る最大のポイントは、実はこのような「訴訟や賠償の主体」となり得る点にあります。

 実はこれは、新たな保険商品や関連法制度の大きな改革とも関わるのですが、紙幅が尽きました。続きは別論といたしましょう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54206


 


人間の意図を正しく理解し答えを出せるAIが広まる
話し言葉を理解し、文献を読み込んで、必要な情報を導き出す
2018.9.28(金) 神崎 洋治
米国のクイズ番組「ジョパディ!」でクイズ王と対戦したIBM Watson(YouTubeより)
 人間が話しかけた内容や人間同士の会話をAI(人工知能)が正しく理解し、必要としている情報を教えてくれたり、アドバイスしてくれたりする。SF映画やコミックに描かれてきたような近未来が、あらゆるビジネスにおいて現実になろうとしている。

 コンピュータは人間の言葉やその意図を理解できるのだろうか? こんな命題に米IBMが開発した人工知能(AI)「IBM Watson」は一定の解を示した。

 既報の通り、IBMはスーパーコンピュータ「ディープブルー」でチェスの世界チャンピオンに挑んで1997年に勝利した。次の手以降の展開を読む「先読み」が重要とされるチェスで、ディープブルーは1秒間に2億手先までを読む力を備え、計算と記憶能力で人間を凌駕した。

クイズ番組でクイズ王と勝負!
 IBMは次なる目標として「クイズで人間を超える」ことを目指した。そしてWatsonを開発し、米国のクイズ番組「ジョパディ!」でクイズ王たちに挑戦した。

 この挑戦に対しては、大きく2つの見方があった。ひとつは、「コンピュータなんだから知識は豊富だろう。クイズなら勝って当然だ」というもの。もうひとつは、「そんなこと無理に決まっている」という真逆の予測である。ソフトウェア技術者の多くは後者の見解だった。クイズに正解するには、何よりもまずWatsonが人間の言語を正しく理解しなければならないからだ。Watsonはジョパディ!で他の参加者と同じ席につき、人間に向けて「自然言語」で出題されるクイズに答える必要があった。

 自然言語とは会話や意思の疎通に使われる一般的な話し言葉をイメージするとよい。「問題:スティーブンソンの『宝島』の悪役は誰?」「問題:親戚に「沸騰したやかんを1時間眺め続けるような子」と表現された発明家は誰?」といった具合だ。コンピュータが出題の意図を理解するのは簡単とは言えなかった(当時は音声認識が優れていなかったので、Watsonには他の参加者に読み上げる問題とまったく同じテキスト文が出題された)。

 ところが、Watsonは2011年2月16日(米国時間)、他のクイズ王たちに勝った。この勝利は、コンピュータが人間の言葉とその意図を理解できることを証明したという点で、コンピュータの歴史において大きな転換点になったと言える。

 当時のWatsonはルールベース(シナリオベース)の質疑応答システムを採用していた。端的に言えば、質問に対して回答を返す仕組みである。難しいのは、人間の言葉にはさまざまな言い回しや表現が存在する点だ。言い回しが違っても質問の意図が同じであれば、同じ答えを導く必要がある。例えば、「明日の天気を教えて」、「明日は雨かな」、「明日の天気はどう?」という問いは、いずれも翌日の天気に関する質問だ。これらの意図を正確に解釈して最も適切な回答を導き出さなければならない。

 Watsonはそれを実践した。質問に対する正解の確率が高い順にいくつかの解答をリストアップ。最終的な判断を人に委ねる方法もあるが、クイズ王たちとの対戦ではWatsonが自ら解答しなければならないため、リストアップした中から最も高い確率の解答を返した。そしてWatsonは勝利した。

膨大な文献から適した診断を見いだす
 コンピュータが人間のように文字を読んだり、言葉や意図を理解したりできるようになることは、どういったインパクトがあるのか。一例として、医療分野への応用を考えてみよう。

 医療分野で発表されている論文や文献、資料は毎年数十万件にのぼるとされる。医師をはじめとする医療関係者がひとりで目を通すのは、とうてい無理な件数だ。自身の専門分野に絞り込んだとしても、すべてを読むことはおそらく困難だろう。

 ここでWatsonの出番である。英文の場合、Watsonには1秒間に8億ページの文献を読む能力がある。IBMが米国の大手医療保険会社ウェルポイントとの提携に関して発表したリリースによると、Watsonは「書籍約100万冊(約2億ページ分)のデータをより分け、情報を解析し3秒以内に正確な分析結果を導き出すことができる」としている。言い方を変えると、Watsonは人間が読むために書かれた膨大な文献や資料をすべて読み込んで内容を理解するだけでなく、人間が求める情報を短時間で提供できるということだ。

 興味深いニュースが飛び込んできたのは2016年8月のことだ。東京大学医科学研究所が、自然言語を理解できるWatsonの貢献度の大きさを物語る発表をした。

 発表によると、急性骨髄性白血病と診断されたある60歳代の女性患者は、2種類の抗がん剤治療を半年間受けていたが改善が見られなかった。しかし、がんに関する論文2000万件以上をWatsonに学習させ、女性患者の病状から診断させたところ、約10分で病名と治療法を推定した。そして医師がWatsonの判断に同意して治療を行ったところ、患者の容体が回復して退院するまでに至ったという。

 もちろん、この一件だけを取り上げて、コンピュータが医師に変わってすべての病気と治療法を特定するようになると考えるのは早計だ。そもそも診察と診断は医師が行うべきものである。だが、コンピュータが主治医の診察をアドバイスして助けたり、セカンド・オピニオン(違う医師による第2の見解)として診断の参考となる情報を提供したりするといった使い方はすでに実用的な水準に達しつつあると言えよう。

コールセンターのオペレータを手助け
 人間の言葉が理解できるWatsonは、コールセンターのオペレータの負担も軽減している。例えば、Watsonの活用を公表しているみずほ銀行では、200席以上の規模のコールセンターでWatsonがオペレータの作業を“手助け”している。

みずほ銀行のコールセンターにおけるIBM Watsonの活用イメージ(YouTubeより)
 問い合わせにオペレータが応対する点では一般的なコールセンターと変わらない。違うのは、顧客との会話をWatsonが聞いている点だ。

 オペレータはWatsonが会話の意図を理解しやすいように配慮しながら、顧客からの問い合わせ内容を復唱する。すると、Watsonは顧客が知りたい情報を瞬時に把握し、オペレータが返答すべき回答のリストを作り、問い合わせに対する確度(正解予想率)とあわせて画面に提示。そしてオペレータはWatsonが示した確度を参照しつつ、リストの中から自分が正しいと考えた内容を選んで顧客に回答する。

 紙のマニュアルをめくって適切な回答を探していた従来に比べ、オペレータの負担が軽くなることは想像に難くない。加えて、Watsonが確度とともに回答リストを提示してくれるので、経験が浅いオペレータでもベテランと変わらない応対が可能になり、コールセンターの顧客対応品質の底上げが期待できる。

膨大な量のメールから不正の兆候を発見
 適切に業務が行われているかを判断したり、社内などで発生した不正の証拠を発見したりするのに利用されている国産のAIもある。FRONTEOが開発した「KIBIT」が、それだ。人間の微妙な心の動きを意味する日本語の「機微(KIBI)」と、情報量の最小単位を意味する「ビット(BIT)」とを組み合わせて「人間の機微を理解する人工知能」という意味合いで命名された。

 KIBITは、学習させるデータに応じてさまざまな分野の専門家やエキスパートを支援するAIシステムにできる。例えば、法律の専門家が選んだ教師データを機械学習させれば、法律分野の文章を理解して企業を守る能力を身につけられる。実際、ある企業では、KIBITが膨大な量の社員のメールを調べ上げ、不正を働いていることを示唆するメールを見つけ出した。

 また、国内の複数の銀行が、顧客応対記録や交渉記録から行員による説明が適切になされているかを判断することなどを目的に、KIBITの実証実験を行っている。新卒採用の応募者のエントリーシートを客観的かつ適切に評価するためにKIBITを使う企業も出てきている。

 種類と量がともに増え続けるドキュメントのすべてに目を通し、そこから不正や不適切な対応の兆候などをピンポイントで見つけ出すことは、人間業ではない。だが、人が日常的に話したり読んだりする言葉を正しく理解できるようになってきたAIはそれを可能にし、多様な用途で人を支え始めている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54234
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/609.html#c4

[経世済民128] 東証前引け 反発、一時27年ぶり高値水準 円安進行でほぼ全面高 株式こうみる:業績対比で割安、年内に2万5000円へ=ニ うまき
1. 2018年9月28日 13:11:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1570]
外為フォーラムコラム2018年9月27日 / 17:16 / 2時間前更新
コラム:貿易戦争懸念の後退か、ドル115円シナリオの現実味=鈴木健吾氏
鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト
4 分で読む

[東京 27日 ロイター] - トランプ政権の通商政策が徐々に変化を見せている。対中摩擦は長期化懸念が強まる一方で、欧州や日本など友好国に対する交渉には一定の進展が見え始めている。

トランプ大統領は2017年に環太平洋連携協定(TPP)交渉からの離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなどを打ち出し、2018年1月には太陽光パネルと洗濯機に対する緊急輸入制限(セーフガード)を発動。その後も鉄鋼・アルミニウムや中国に対する関税引き上げを実行に移し、さらに自動車や自動車部品に対する関税引き上げを示唆するなど、相手かまわず強硬な通商政策を次々と打ち出した。世界が報復関税の応酬合戦となり、貿易戦争状態へ突入することに対する警戒感が市場で強まった。

過去において、米国では1929年の大恐慌を受け、フーバー大統領が国内産業保護のため1930年にスムート・ホーリー法を成立させ、2万品目以上の輸入品に対して関税率を平均約50%引き上げた。これに対し多くの国が米国からの輸入品に高関税をかけて報復し、結果として世界の貿易量は急減。米国の恐慌が深刻さを増しただけでなく、世界恐慌が引き起こされた経緯がある。

それだけに同じ轍(てつ)は踏まないだろうとの見方がある一方で、トランプ大統領の一見乱暴ともいえる一方的な関税引き上げと、それに対する相手国からの報復の連鎖は、市場に世界貿易戦争の再来を警戒させるに十分だった。

実際、中国とは関税の報復合戦が続いている。米国の関税引き上げに対して中国が即日報復措置を発表し、これに対して米国がさらなる関税引き上げを示唆するというパターンも、24日時点で既に3順目(米国が第3弾の関税引き上げを発動させ、中国がこれに報復したことで、トランプ大統領が第4弾の関税引き上げを示唆した状況)だ。米中の摩擦は単なる貿易不均衡の問題だけではなく、知財を含むハイテク分野などでの主導権争いの要素も含んでいるとの見方もあり、長期化する可能性が高まっている。

<対中以外の通商摩擦に変化>

だが一方で、対中以外の通商摩擦にはやや変化がみられる。7月25日にトランプ大統領はユンケル欧州委員会委員長とトップ会談を行い、大豆や液化天然ガス等の輸入拡大を欧州から勝ち取るとともに、自動車を除く工業製品に対する関税や非関税障壁、補助金の撤廃に向けての協議を開始し、協議中はさらなる関税引き上げを留保することなどで合意した。

また、8月終盤にはNAFTA再交渉に関してメキシコと合意に至り、カナダとも詰めの協議が続いている。米議会にNAFTA新協定の文書を提出する期限が9月末に迫るなか、「時間切れになってしまうかもしれない」(ライトハイザー米通商代表部代表)状況ではあるが、その場合でもメキシコとの2カ国間協定の発効手続きを先行させるとしており、カナダの後日参加も受け入れる姿勢を示している。

日本に対してもトランプ大統領は7日、貿易協議が合意できなければ「大変な問題になる」とのけん制を行っていたが、25─26日に行われた日米の貿易協議と首脳会談では、今後、2国間貿易協議を行っていくことや、協議中は自動車関税を引き上げないことなどで合意に至っている。

欧州や日本との協議は継続中であり、カナダのNAFTA復帰も不透明という状況ではある。しかし、今年前半に見られた「相手かまわず強硬な通商政策を次々と打ち出し、報復の応酬によって関係が一気に悪化する」状況とは異なり、友好国を中心に「交渉のテーブルに着く」ステージに移行している。24日には米韓の改訂自由貿易協定に両国首脳が署名するに至ったが、今後は一定の譲歩を米国が獲得しつつ合意に向かうパターンが増えていくだろう。

<実体経済へのリスクは限定的か>

このような動きを受けて、米国の通商政策を巡る市場の懸念も「世界貿易戦争」から「米中貿易摩擦」へリスクがスケールダウンしてきている。こうなると、米中貿易摩擦が実体経済にどの程度の影響を与えるかが重要となろう。

これに関しては国際通貨基金(IMF)が2019年の試算として、米中それぞれの実質経済成長率を0.9ポイント程度押し下げるとの見方を示している。しかし、米国は減税効果に加え連邦政府のインフラ支出も予定しており、これらが2019会計年度中に3000億ドル規模の景気下支え効果につながるとみている。ちなみに米国の今年4─6月期実質国内総生産(GDP)年換算額の0.9%はおよそ1700億ドル弱となり、上記財政措置はこれを大きく上回る。

一方、中国はすでに今年前半より金融緩和や人民元安容認などによる景気下支えモードに入っており、加えて鉄道投資や減税などにより19兆円規模の景気刺激策も打ち出している。これらによって、両国の貿易摩擦による景気下押し圧力は相当程度緩和されるとみており、世界経済に悪影響を与えるリスクも限定的ではないかと考えている。

リスクといえば、夏場の新興国を巡る混乱も徐々に落ち着きを取り戻しつつあり、今のところ世界経済を揺るがすほどの事態とはなっていない(これは前回コラムの予想通り)。夏場にドル円の上値を押さえていた「貿易戦争懸念」や「新興国懸念」といったリスクの存在感が小さくなってきていることが、9月後半にドル円を113円台に押し上げた背景のひとつではないかと考えている。

かねてからの予想通り、これらリスクが秋以降に縮小傾向をたどれば、市場の注目はファンダメンタルズや金融政策に回帰し、ドル円の押し上げ要因となるだろう。

米国の経済は総じて良好だ。4─6月期実質GDPは前期比年率プラス4.2%(2次速報)でアトランタ連銀のGDPナウによれば7─9月期GDP予想も同+4.4%(9月19日現在)と、2%程度とされる潜在成長率の倍以上の成長を示している。4─6月期の企業決算でもS&P500採用の500社合計で約25%もの増益となり、これを反映して米株価はNYダウ、S&P500、ナスダックいずれも直近1カ月で史上最高値を更新した。

さらに直近1カ月の米経済指標を振り返ると、9月4日発表の8月ISM製造業景況指数は14年ぶりの良好な数字、20日の新規失業保険申請件数は49年ぶり低水準、11日に発表された8月中小企業楽観指数や7月JOLT求人件数はいずれも過去最高の良好な数字を記録している。

このような状況を受け、米連邦準備理事会(FRB)は26日(日本時間27日早朝)に今年3回目となる0.25%の利上げを行った。声明の「金融政策は緩和的」との文言が削除され、今後は中立的な状態に移っていくことが示されたが、2020年にかけての緩やかな利上げ姿勢は維持されている。「利上げの終わりが見えてきた」「利上げが米経済をオーバーキルする」との意見も聞かれるが、これらの議論をするには時期尚早だと考えている。

一方、日銀はフォワードガイダンスで「2019年10月の消費増税に対する悪影響にも強力な金融緩和で対応する」姿勢を示した。取り方によっては2020年も視野に入れた緩和継続ともいえる。

リスクの後退とともに、これらファンダメンタルズや金融政策への評価が年末にかけてのドル円を115円方向に押し上げる展開を引き続きメインシナリオにしている。

鈴木健吾氏(写真は筆者提供)
*鈴木健吾氏は、みずほ証券・投資情報部のチーフFXストラテジスト。証券会社や銀行で為替関連業務を経験後、約10年におよぶプロップディーラー業務を経て、2012年より現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-kengo-suzuki-20180927-idJPKCN1M70RX


 

 

 
国際金融システムのドル覇権、いまや脅かされている−JPモルガン
Cecile Gutscher
2018年9月28日 3:06 JST
トランプ政権の孤立主義、「長期的な脱ドル化」促す
脱ドル化では金がヘッジに、現在の金価格は明らかに割安
世界の準備通貨で支配的な地位を占めるドルに対し、反乱が起きつつあるのかもしれない。米国に対抗しようとしている国々が世界の金融システムにおけるドルの影響力を弱めようとしていると、JPモルガン・チェースのクオンツ・デリバティブ戦略ストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏が述べた。

  コラノビッチ氏はブラム・カプラン氏と共に著したリポートで、トランプ米大統領の孤立主義的な外交政策が欧州やアジア、中東諸国での「長期的な脱ドル化」を促すと予想。これら諸国は長きにわたりドルの覇権に異を唱えてきたと指摘した。

  「現在の米政権が進める単独主義、貿易戦争、制裁は友好国、敵対国の両方に影響をますます広げている。世界の残りの国々はドルやドル中心の金融のリスクを回避し、多様化するべきなのではないかとの疑問が生じている」と続けた。


出典:JPモルガン・チェース
  米国の競合国らが国際金融におけるドルの特権的な地位を切り崩そうと、具体的な行動を取るかどうかは分からない。だがJPモルガンは、ドル安で恩恵を受けることの多い金が暫定的な脱ドル化に対するヘッジになるとし、現在の価格水準は明らかに割安だとの見方を示した。

  JPモルガンによると、金の上場投資信託(ETF)・先物に対する投資の合計と、S&P500種株価指数の価格とを相対させた計測値に基づくと、金投資のポジションは10年ぶりの低水準付近にある。「米国の一方的な政策が中国、欧州、ロシアという強国を結束させるリスクを冒している。このような連合が誕生すれば、ドル中心の金融システムが大きな衝撃を受ける可能性がある」と結論づけた。

原題:JPMorgan’s Marko Kolanovic Says Dollar Hegemony Is Now at Risk(抜粋)


 


 
ドル・円は約9カ月ぶり高値、堅調な米経済が支え−113円台半ば
酒井大輔
2018年9月28日 11:41 JST
一時、昨年12月21日以来の113円63銭まで上伸
米雇用統計にかけて買われやすく、114円乗せも−三井住友信託銀
東京外国為替市場のドル・円相場は続伸。堅調な米経済を背景とした前日からのドル買いの流れが継続し、年初来高値を更新した。

  ドル・円相場は28日午前11時29分現在、前日比0.2%高の1ドル=113円58銭。前日の海外時間に続き、年初来高値を更新し一時昨年12月21日以来の113円63銭を付けた。値幅自体は乏しく、午前の取引レンジは29銭にとどまっている。


  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット西日本営業推進チームの西田朋広チーム長は、「目先は北朝鮮の問題や米中貿易問題が焦点から外れており、それを手がかりにしたドル・円の売り持ちが解消されやすい。前日に年初来高値を超えてきたことや米ファンダメンタルズの好調さも支えになっている」と分析。その上で、「米ISM景況感指数などセンチメント系の指標は堅調が見込まれ、米雇用統計までは買われやすく、114円を試すことになりそう」と予想した。

  三井住友銀行市場営業部NYトレーディンググループの下村剛グループ長も米ファンダメンタルズの強さやグローバルなリスクセンチメントの強さを指摘した上で「9月末の需給をこなせば、市場は上攻めしたがっているように見え、目先は大台である114円をめどに上値をどこまで伸ばせるかが焦点」と述べた。

  ユーロは同時刻現在、対ドルで前日比0.1%高の1ユーロ=1.1648ドル。対円では0.2%高の1ユーロ=132円29銭。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
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イタリア政府、19年財政赤字目標をGDP比2.4%で合意−副首相
Lorenzo Totaro、John Follain、Chiara Albanese
2018年9月28日 6:29 JST 更新日時 2018年9月28日 7:12 JST
最低所得保障のための予算や年金改革の巻き戻しなど含む
公的債務巡る投資家の懸念に影響へ−EUからもネガティブな反応
イタリア政府は2019年の財政赤字目標を国内総生産(GDP)比2.4%に設定することで合意した。連立与党がトリア財務相にポピュリスト政党の選挙公約を実現するための予算配分を増やすよう圧力をかけていた。

  サルビーニ副首相とディマイオ副首相は指導部の会合後の27日夜に共同声明を発表し、「政府全体が2.4%で合意に達した。われわれは満足している。改革のための予算だ」と述べた。

  連立与党の一角「五つ星運動」の党首であるディマイオ副首相は別途、政府が貧困撲滅に向けた最低所得保障を実施するための予算100億ユーロ(約1兆3200億円)を盛り込むことで合意をまとめたと表明した。このほか、退職年齢を引き上げた先の年金改革の巻き戻しや雇用センター改革、銀行危機被害者向けの15億ユーロの基金新設などの措置も政府に承認された。

Europe’s Biggest Debtor
Italy has more public debt than any other EU country


Source: Eurostat, 2017 data

  今回の決定は、欧州連合(EU)加盟国の間で台頭しつつあるポピュリズムの動きにとって勝利を意味する一方、イタリアの多額の公的債務を巡る投資家の懸念などにも影響を及ぼすことになりそうだ。

  EUの最初の反応はネガティブだった。EU当局者はGDP比2.4%ではイタリアが義務に違反することになると述べ、同国政府が1.9%を目指す方針をこれまで示唆していたと指摘した。

  連立与党「同盟」の関係者によると、トリア財務相は政府協議で打ち出された2.4%の赤字目標に合意した。イタリア紙ソレ24オレによると、マッタレッラ大統領は辞任の用意があると報じられていたトリア財務相に電話で現職にとどまるよう勧めたという。

Debt Driven Deficit
From 2010 Italy budget would have been a surplus without debt interests


Source: Eurostat

  ユニオン・バンケール・プリベのポートフォリオマネジャー、モハメド・カズミ氏はブルームバーグ宛て電子メールで、財政赤字目標がGDP比2.4%で合意されたことは、最悪のシナリオではないものの、市場予想の2%よりまだ幾分悪い数字だと指摘。「スプレッドが少し拡大すると予想される。今後は達成可能かどうかを見極めるため予算の詳細と前提が焦点になろう」と語った。

原題:Italy Targets Deficit at 2.4% of Output in Win for Populists (2)(抜粋)

(EU当局者の反応や市場関係者のコメントなどを追加して更新します.)
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原油100ドル迫る、良いニュースかどうかは不明−仏トタルCEO
Ben Sharples、Francine Lacqua
2018年9月28日 9:20 JST
イランへの制裁やベネズエラでの供給減少などが値上がり要因に
原油の高値は経済や石油会社にとって良くないかもしれないと指摘
原油価格が近い将来1バレル当たり100ドルに上昇するとの見方が強まる中、フランスのエネルギー大手トタルも同様の見通しを示した。ただ、それを喜んでいるわけではない。

  トタルのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、イランへの制裁やベネズエラでの供給減少など、原油市場への供給が落ち込み価格が2014年以来の3桁に上昇する支持要因があるとみていることを明らかにした。

  プヤンヌCEOは、世界経済にとって「それが良いニュースかどうか分からない」と指摘。「石油業界にとっても、ご存じのように原油価格が高過ぎる局面では競合各社に門戸が開かれることになるし」、需要は落ち込むだろうとの見方を示した。

  原油価格の上昇は、14年の下落で壊滅的な影響を受けた石油業界の安定につながっているものの、世界の経済成長の足かせになる可能性があるとの懸念が高まっている。とりわけ通貨下落でドル建て輸入品の値段が上昇している新興国にとって打撃になるかもしれない。

原題:Total Sees $100 Oil Coming, And Says It May Not Be a Good Thing(抜粋)


 


 
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54228
新興国大揺れ、アジアといえども免れない災難
90年代の危機と異なる事情、夢見た「デカップリング」は今・・・
2018.9.28(金) The Economist
経済成長率は高いのに、為替相場と株式市場が急落している。
 通貨を防衛する手段はたくさんある。
 アヤム・ゲップレ・ジュアラという、フライドチキンを細かく砕いた料理を出すインドネシアのレストランチェーンは今月、当日に米ドルを売ってルピアを買った証拠を見せることができた客には食事代をタダにするサービスを始めた。
 ロイター通信によれば、こうした「ルピア戦士」にはすでに80食以上が提供されたという。
 このサービスはインドネシア銀行(中央銀行)の職員にも提供するべきかもしれない。実際、このチェーンの店には同行から20分も歩けばたどり着ける。
 インドネシア銀行はルピアを防衛するために外貨を大量に売却している。今年1月には1250億ドルを超えていた外貨準備高が、8月には1120億ドルを割り込んだほどだ。
 こうした外貨売りと、5月以降で4度に及ぶ利上げにもかかわらず、ルピアの対ドル相場は年初来ほぼ10%下落しており、1997〜98年のアジア金融危機以来の水準に戻ってしまっている。
 インドルピーの下落率はさらに大きく、対ドルレートは過去最低の水準に落ち込んでいる。
 またアジアの通貨が安定している国・地域でさえ、株式市場が揺らいでいる。香港のハンセン指数は1月後半から9月12日にかけて20%下落し、「弱気相場」入りの一つの定義を満たした。中国本土の株式市場も不振にもがいている。

次ページ経済成長を謳歌しているアジア諸国


1嘘つきトランプ、簡単に剥がれる化けの皮 [堀田 佳男]2018.9.28
2世界初! 小天体上でホップし撮影するミネルバU [林 公代]2018.9.27
3主要産油国の増産見送りは何を意味するのか [藤 和彦]2018.9.28
4『新潮45』騒動の示す保守の衰退 [池田 信夫]2018.9.28
5自動運転車の事故で、誰が賠償責任を負うか [伊東 乾]2018.9.28
6【動画】リュウグウ上を飛び跳ねる「ミネルバU」 [JBpress]2018.9.27
7新興国大揺れ、アジアといえども免れない災難 [The Economist]2018.9.28
8中国との対決に備え、米国が空軍も大増強へ [北村 淳]2018.9.27
9日本の夫婦に特徴的な2つの大きな「ズレ」とは [三矢 正浩]2018.9.27
ランキング一覧(英エコノミスト誌 2018年9月21日号)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/615.html#c1

[経世済民128] 静かに変貌する米製造業、トランプ関税に「冷めた視線」パウエル議長:景気後退リスク見られず−利回り曲線平たん化は注視  うまき
1. 2018年9月28日 13:23:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1571]
2018.9.28(第361号)

1. 米中貿易戦争の本質(論長論短 No.329)

2. ソフトブレーングループからのお知らせ(セミナー&最新情報)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


1. 論長論短 No.329

米中貿易戦争の本質

宋 文洲

前々回の宋メールは交換留学で米国大学から上海に留学している長女が
書いてくれました。(前々回メルマガ:http://r31.smp.ne.jp/u/No/5533036/J8uJF7jCFmFD_42725/180928001.html
その長女が知らなかった母国のいろいろな側面に驚いていますが、
その中の一つが電化製品の安さです。日本と中国の過去を知らない彼女にしてみれば、
中国製電化製品は「性能がよくて安くて品質が普通」の代名詞です。

今はどうか分かりませんが、私が経営者現役の時、当時のスズキ自動車の経営者から
「トヨタの普通自動車の原価は当社の軽自動車よりも低い」と聞きました。
理由はトヨタの桁違い販売数です。売値の違いと数を合わせて考えれば
トヨタ自動車の利益力も理解できます。

中国製品は安かろう悪かろうの時代はありました。今もそのようなメーカーは
一部残っているでしょう。しかし、都会に住み、中産階級になった5億人が
そのような製品に興味がないことを、中国で生活していれば誰でも分かります。

米国や日本などに輸出している製品は中産階級が選ぶ製品の一部に過ぎません。
安いのは中国では膨大な数の量が売れているからであって、単なる人件費が安いから
ではないのです。ここ10年の人件費は何倍にもなりましたが、製品の値段は
上がるどころか、むしろ下がり続けているのです。コスト=人件費の発想は
販売数に限界があるときの発想です。

人件費で言えば、インドは中国よりはるかに低いのですが、インドの
スマートフォンの約半分は中国メーカーが占めています。特にまだ創業8年の
「小米」が既にサムソンのシェアを超えてインドのトップシェアになったのです。
インド人には経営力も技術力もあります。人件費も安いと考えればいずれ
地元メーカーがトップシェアを取り戻すと思うのですが、今のところ、
中国市場での販売数に支えられている中国メーカーに負けているのです。

購買力がない時代の中国は人件費が安くても市場がないため、製品は輸出に
依存するしかありませんでした。日本を含む海外メーカーも自国や輸出のために
中国で作っていたのです。中国進出の目的は中国に売ることではなく、
中国の安い人件費と安いインフラを利用することでした。
しかし、中国に5億人の中産階級が誕生した今、状況はまるで逆になりました。

米国から見れば中国の輸出は減っていないのですが、中国にとってみれば
米国への輸出が占める販売シェアはどんどん下がっているのです。
仮に全部を止めても国内の1%に過ぎないのです。外資企業も中国市場で
一定のシェアが取れない限り、中国で生産するメリットは殆どなくなります。

仮に安い人件費を求めて東南アジアに移転しても、中国メーカーも必要に応じて
同じことをやっているので現地の華人社会や陸路搬送のメリットを考えると
人件費の安さを求める渡り鳥モデルには限界があります。

ここに米中貿易戦争の本質もあります。「モノの製造コストは販売数に反比例する」
という原理を考えれば米中の製造業の競争は最初から勝負がついています。
中国が国内消費のあまりを米国に輸出している以上、米国はこのコストに
勝てません。昨年時点では、金額ベースでも中国の小売り販売規模は既に
米国を超えていました。今後、その差が開くばかりでしょう。

残念ながら、米国が主張してきた自由競争、自由貿易を続ける以上、米国の
貿易赤字が拡大していく一方です。トランプ氏が「不公平」と連呼したのは
結果であり、プロセスではないのです。「結果がすべて」と考えるトランプ氏は
やり手経営者として正しいのです。

私は両国ともがこの問題を取り込むべきだと思うのですが、米国は正式に
「自由競争、自由貿易」の放棄を宣言しない限り、無意味な喧嘩が続くのでしょう。
貿易相手国の内部体制まで自分のやり方を押し付けるのは大国同士には
通用しないはずです。

今週、中国は分厚い貿易白書を発表しました。統計数字がたくさん羅列しています。
要は米中間のサービス貿易や中間部品などを統計に入れると中国は決して
黒字を稼いでいないというのです。まあ、中国人の私から見ても「米国人が
こんな難しい統計を見る訳もない上、そもそも双方が見ているものが違う」から、
無駄な努力だろうと思いました。

米中の指導者たちが何を言おうとしても、私達中国人はあくまでも少しでも
自分の生活を良くしようと勤勉に働き、後世の教育にも力を入れるのです。
その結果として1990年に7億5千万もいた極貧人口が2015年には1千万人に
減ったのです。我々は自分たちを極貧から救ったのです。

自己救済の結果、中国は再び世界最大の経済規模になろうとしていますが、
その過程がもたらす変化を中国と世界の双方がどう受け入れるか。
今こそ真剣に見守る必要がありそうです。

P.S.
この原稿を書いた数時間後、トランプ氏の国連総会での演説を聞きました。
案の定、彼はグローバル化を拒絶するよう国連に促しました。
グローバル化の否定はつまり世界規模の自由貿易と自由競争の否定なのです。


今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://r31.smp.ne.jp/u/No/5533036/Dc8OAfjCFmFD_42725/180928002.html

※いただいたご意見は自動的にコメントに掲載されます。
名前も掲載されますので、問題がある場合はペンネームをご入力ください。
また、次回以降の宋メールでご意見を掲載させていただく可能性がありますのでご了承お願い致します。

今までの論長論短はこちら↓
http://r31.smp.ne.jp/u/No/5533036/651P8jjCFmFD_42725/180928003.html

 


パウエルFRB議長:漸進的な利上げが持続的な経済成長を支援
Sarah Foster、Christopher Condon
2018年9月28日 5:31 JST 更新日時 2018年9月28日 6:06 JST

「米経済は力強く、経済成長は健全な速度で続いている」

ワシントンで開かれたビジネスリーダー会合で発言
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は27日、漸進的な利上げが景気拡大の維持を支援していると述べた。前日の記者会見での見解をあらためて示した。

  パウエル議長はワシントンで開かれたジャック・リード上院議員主催のビジネスリーダー会合で、「米経済は力強い。経済成長は健全な速度で続いている」と発言。「米経済が着実に力強さを増していることから、金融当局は政策金利を健全な経済の正常な水準へと漸進的に近づけている」と説明した。

  FRBは前日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で米経済の好調さを強調し、今年3回目の利上げを実施。さらに来年も緩やかな追加利上げを続ける方針を維持した。

  パウエル議長はまた、米金融システムを一段と安全にするために、金融危機から10年たった現在も銀行に高い自己資本・流動性基準を求めていると述べた。

原題:Fed’s Powell Says Gradual Rate Hikes Support Sustained Growth(抜粋)

(パウエル議長のコメントを追加して更新します.)


 

 

来年の米利上げ回数は、2〜3回:米政策金利の上限が一層鮮明に

大槻 奈那

●現地時間9/26、米FOMC(連邦公開市場委員会)で市場予想通り0.25%利上げが決定した。注目の21年の利上げ回数は「ゼロ」とされ、再来年度で利上げは打ち止めとの見通しが示された。

●来年の利上げは3回との予想が維持された。しかし、新興国リスク、貿易戦争に加え、米国と米国外のドル建て債務の拡大が大きな懸念材料である。米国内の債務は49.1兆ドル、米国外のドル建て債務は11.4兆ドルと、2015年の利上げ開始時から4.6兆ドル=460兆円も増加している。

●これに伴い、世界的に米金利上昇の影響度が高まっている。1%の金利上昇で利払い額は最大年66兆円も増加しうる。また、米国内では借入を延滞する個人が増えつつあり、過度な利上げは、個人の生活にも影響を与えうる。来年の利上げ回数は下振れリスク大で、円高リスクも念頭に置きたい。

米FOMC、想定通り利上げ。メンバーの政策金利見通しは20年で利上げ打ち止めを示唆

9/26、米FOMC(連邦公開市場委員会)は、市場予想通り0.25%利上げを決定した。市場が注目していた2021年の政策金利見通し(中央値)は3.375%で、利上げは「ゼロ」という予想が示された(図表1)。2020年いっぱいで利上げは打ち止めということになる。
今年の利上げは、12月にあと1回、合計4回というシナリオがほぼ確実となっており、来年は引き続き3回の想定が維持された。しかし、この利上げ回数は、どちらかといえば引き下げられる可能性が高いと思われる。

米利上げ継続へのハードル

今回の利上げの直後、トランプ大統領はFRBの金融政策について「Not happy」と不満を表明している。米国では日本以上に金融政策が政権から独立しており、この発言が今後の金融政策に影響を与えることは殆どないだろう。
しかし、実質的にも急ピッチの利上げの実社会に与える影響度は高まっている。
利上げ開始の2015年時点から、米国の債務の膨張については問題視されてきた。しかしそれ以降、米国の総債務はさらに4.1兆ドル=450兆円も増加している(図表2-1)。

これに加え、米国以外の国のドル建て債務も、1.5兆ドル=16.5兆円増加している(図表2-2)。2015年の利上げ開始時点からさらに、大幅にドルの利上げの世界の国や企業への影響は大きくなっている。
仮に米国内外のドル建て債務を合算すると、6,655兆円に上る(米国内のドル以外の債務は大きくないと想定し、控除していない)。仮に貸出金利が全て変動金利型だとした場合、1%金利上昇ごとに最大で66兆円、年間の利払い負担が増加する計算になる。もちろんこの債務には固定金利型のものも若干含まれることから、すぐにこれだけの影響が出るわけではない。しかし、固定金利でも、借り換え時に金利が上昇していれば、やはり金利負担はその時点で増加することになる。

米国内のもう一つの問題点:個人ローンの延滞率

もう一つの大きな焦点は、米国内の個人ローンの延滞である(図表3)。現時点でも、90日以上延滞している個人向け貸出は44兆円に上る。直接横比較はできないが、例えば日本の全銀行の不良債権額は現時点で約7兆円となっていることから、米国の延滞問題ははるかに深刻である。

米銀は資本を十分に積んでいるので、こうした延滞の増加が銀行危機に直結することはありえない。しかし、仮に、これらの個人ローン全体の金利が1%上昇すれば、年間の利払い額は14兆円増加する。これが延滞の上昇を招くとともに、個人消費を押し下げる可能性には警戒すべきだろう。
このように、現在世界の当局者が警戒をあらわにしている貿易戦争や、一部で動揺が続いている新興国リスクなどに加え、政策金利の急ピッチの引き上げが米国経済に大きな影響を与える可能性も否定できない。このため、2019年の利上げペースは、現状予想の3回よりはやや保守的な2回程度に落ち着くシナリオは十分あると考える。その場合、来年の3月か6月には、利上げが「ひと休み」する可能性もあることから、円高圧力が増すことも念頭に置くべきだろう。


過去のレポート
2018年9月27日
来年の米利上げ回数は、2〜3回:米政策金利の上限が一層鮮明に
2018年9月21日
仮想通貨市場動向:Zaifのハッキング後も価格は堅調。リップルは急上昇
2018年9月7日
仮想通貨市場動向:フェイクニュースで大幅下落も、新興国からの資金流入と商品拡大期待で復調へ
2018年8月24日
劣後債の魅力とリスク:複雑さが難点。一方、安定的な高利回りが魅力。
2018年7月31日
日銀、金融政策を微調整:銀行に配慮を見せつつも、超低金利はまだ続く

 

9月東京消費者物価1.0%上昇、3年半ぶり高水準−予想上回る

日高正裕

2018年9月28日 8:38 JST 更新日時 2018年9月28日 10:25 JST

生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.7%上昇
全国コアCPIも1%に達する可能性高い−大和証券・岩下氏

全国の物価の先行指標となる9月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)の伸び率は4カ月連続で拡大し、3年半ぶりの高水準となった。上昇は15カ月連続。エネルギー、外国パック旅行費や衣料が全体を押し上げた。総務省が28日発表した。同日発表の雇用統計は堅調に推移している。

キーポイント

東京都区部コアCPIは前年比1.0%上昇(ブルームバーグの予想中央値は0.9%上昇)−前月は0.9%上昇
生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.7%上昇(予想は0.6%上昇)ー前月は0.6%上昇
総合CPIは1.3%上昇(予想は1.1%上昇)−前月は1.2%上昇
8月の有効求人倍率は1.63倍(予想は1.63倍)−前月は1.63倍
8月の完全失業率は2.4%(予想は2.5%)−前月は2.5%

背景
  食料やエネルギーが物価全体を押し上げる構図に変わりはないが、9月は他にも値上がりが目立った。外国パック旅行費や衣料に加え、契約更新に伴い民営家賃が上昇。新商品の投入でプリンターが値上がりし、電気掃除機やエアコンの下げ幅も縮小した。一方、相次ぐ自然災害で生鮮食品の値上がりが続いており、個人消費の下押し要因になるとの見方も出ている。

  日本銀行は10月の金融政策決定会合で物価見通しを公表する。7月会合では、企業の慎重な賃金・価格設定スタンスや家計の値上げに対する慎重な見方などを理由に物価見通しを引き下げた。28日公表された9月会合の主な意見では、「財価格の減速が一服しており、 少し安心している」との声や、賃金上昇や雇用の拡大が「需要とコスト上昇の両面から物価を引き上げていく」との指摘も出ていた。 

エコノミストの見方

第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは電話取材で、8月の全国CPIで伸びを高めた持ち家の帰属家賃を除くサービスが、9月の東京都区部も0.6%とプラス圏で推移していることから、「経済が温まってきたことを示す明るい兆しだ」と指摘。失業率が2%くらいまで低下して1年程度たてば、物価が加速してくる可能性もあるとみている。

大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは電話取材で、「東京CPIは予想より強く、全国コアCPIも1%に達する可能性が高い」と分析。10月についても「たばこ税の影響もあり、落ちない」との見通しを示した。

詳細

東京都区部の消費者物価指数の伸び率は2015年3月の2.2%以来の水準
例年9月に下がる傾向がある外国パック旅行費が欧州方面で好調で高めに出たと総務省担当者
婦人用セーターなど秋冬物衣服が出回り、昨年より高めになっている−総務省
上昇は生鮮野菜(11.3%)、電気代(5.2%)、ガソリン(17.0%)など−下落は携帯電話通信料(4.2%)
9月の全国消費者物価指数は10月19日に発表

(背景とエコノミストの見方を差し替えるとともに詳細を追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-27/PFE57O6TTDS001?srnd=cojp-v2

 


日本抜き世界一続ける中国−国内特許の価値、実際はどれほどか
Lulu Yilun Chen
2018年9月28日 6:47 JST
• 5年目の「デザイン」特許については9割余りが失効
• 米国とは対象的−中国の特許保有者は手数料の支払いに消極的
国内特許の出願件数で10年近く世界一の座を維持している中国だが、特許を保有し続けることにはそれほど熱心ではない。
  大半の特許は5年目までに放棄されている。5年目の「デザイン」特許については保有者の9割余りが手数料支払いをやめてしまい、無効となっている。米国とほぼ正反対の状況だ。
Worthless Patents
About 91 percent of five-year-old Chinese design patents are discarded
Source: JZMC Patent and Trademark, China National Intellectual Property
  自立した大国となることを目指す中で、中国は企業や大学への補助金を含め特許に関する奨励策で出願に重点を置いている。そうした特許の実用化は二の次で、特許件数の多さが必ずしも特許の質向上につながらず、スマートフォンのような革新的なアイデアについては依然として他国に頼っているのが実情だ。
 
  特許・商標を扱う上海の法律事務所JZMCのル・チュンフォン特許弁護士は「考えられているよりこうした特許は実際には価値がないということだ。デザイン特許の保持率があまりにも低ければ、より大きな制度的な問題ではなのかという疑問を招くことになる」と指摘した。
  
Patent Takeoff
China overtakes Japan as largest domestic patent owner in 2010

Source: World Bank Group
Note: World Bank latest available data ends at 2016
  中国が国内特許の出願数で日本を抜き世界一となったのは8年前。以来トップを守り、昨年だけで180万件が認められた。発明特許1件の保有手数料は年900元(約1万4800円)だが、保有を続けると最大8000元にまで引き上げられる。それ以外のカテゴリーでも年600元から2000元へと増える。
Patent Breakdown
Utility Model Patents accounted for more than half of Chinese patents in 2017

Source: China National Intellectual Property Administration
  ブルームバーグ向けにまとめられたJZMCのデータによれば、2013年に認められたデザイン特許のうち昨年時点で91%強が放棄されている。米特許商標局によると、13年に認可された米国の特許では85.6%が保有維持費が支払われている。
  
  JZMCのル弁護士は「デザイン特許が放棄される率がこれほど高いという事実は驚きだ。特許を保持し続けるという特許権者の意欲は極めて低い」と述べた。
Easy Approval
More than 61 percent of five-year-old utility model patents are dumped

Sources: JZMC Patent and Trademark, China National Intellectual Property
原題:China Claims More Patents Than Any Country - Most Are Worthless(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-27/PFP6QM6JIJUP01?srnd=cojp-v2

 

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/616.html#c1

[経世済民128] 孫正義氏のビジョン、ベンチャーキャピタル業界に旋風−桁違いの投資  うまき
5. 2018年9月28日 13:27:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1572]
↑バカかw


ソフバンクのビジョン・ファンド、不動産テック新興企業に450億円投資
Patrick Clark
2018年9月27日 21:14 JST
不動産売買のプラットフォームを運営する米オープンドアに投資
調達した資金は機能の追加と新たな地域への参入の原資に
不動産売買のプラットフォームを運営する米オープンドアは既に、インターネットを介して住宅を買い取るための資金として数十億ドルを調達したが、新たな大型投資家が同社に出資することになった。ソフトバンクグループのビジョン・ファンドだ。

  オープンドアは価格査定のアルゴリズムを駆使して迅速に、全額現金で不動産を買い取る。売却プロセスをシンプルにすることで手数料を受け取る。ビジョン・ファンドは同社に4億ドル(約450億円)を投資する。

  この投資はオープンドアの企業価値を20億ドル以上と評価していると、事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べた。オープンドアはこれまでに、ゼネラル・アトランティックやアクセス・テクノロジー・ベンチャーズ、住宅建築のレナーなどの投資家から10億ドル余りの出資を受け入れ、20億ドル超を借り入れた。

  エリック・ウ最高経営責任者は「住宅の購入と販売は人生の一大イベントだ」とした上で、理想の家を見つけた人がボタンをクリックするだけで全てを任せられるようなサービスを目指していると話した。新規に調達した資金は機能の追加と新たな地域への参入の原資にするという。

原題:SoftBank Bets $400 Million on Housing Market Startup Opendoor(抜粋)


 


2018年9月28日 週刊ダイヤモンド編集部
キャッシュレス決済戦国時代!新興5社トップが語る戦略
週刊ダイヤモンド9月29日号は「乗り遅れるな! キャッシュレス」。この1年、街中では急速にキャッシュレスが進んでおり、銀行やカード会社、IT企業は相次いで新規参入したり事業の拡充に乗り出している。特集では新興勢力主要5社の事業部門トップにインタビューを敢行した。ダイヤモンド・オンラインで、彼らの思惑と意気込み、戦略を特別公開する。
キャッシュレス決済で
パワーゲームが始まる
 「もはや決済だけではもうからない構造になっている」。メルカリの金融事業を展開するメルペイの青柳直樹社長はそう認める。それにもかかわらず、彼ら新興勢は、なぜ決済事業に参入するのか。
 彼らの狙いは共通している。一口に言えば、自社で築き上げてきた「経済圏」の拡大だ。
 下図で示したように、新興勢はそれぞれ、すでに数千万人単位の会員を抱えており、各社はさまざまなサービスを提供することで会員を囲い込み、自社の経済圏にお金が落ちるようにしている。

https://diamond.jp/mwimgs/a/f/-/img_af68408dc78ec0d83d58d33225b18262164882.jpg

 例えば楽天は、楽天市場で買い物をするとポイントがたまる。支払いに楽天カードを使えば、ポイントが加算され、たまったポイントを楽天市場で使うと、またポイントがたまる。こうやって「楽天経済圏」に会員を囲い込んでいるのだ。楽天ペイは、ためたポイントをいつでもリアル店舗で使えるようにすることで、ネットの世界に限られていた経済圏を、リアルの世界へと拡大する役割を担っている。
 経済圏が広がれば、会員が増えるだけでなく、さまざまなサービスを通じて会員にアプローチすることが可能になり、収益を上げるチャンスが広がる。決済事業単体でもうからなくても、トータルでもうかればいいという戦略だ。
 LINEペイやメルペイのように、決済事業で蓄積する信用データを基盤として、融資や資産運用など他の金融事業を展開しようとしている企業もある。
 例外はオリガミペイ。囲い込みではなくオープン戦略によって、クレディセゾンなど他社と連携してサービスを広げている。
 「キャッシュレス決済はパワーゲームになる」(長尾佳尚・野村證券エクイティ・リサーチ部エグゼクティブ・ディレクター)。果たしてこのゲームを制するのはどこか。
長福久弘(LINE Pay COO)インタビュー
「スマホ版のポータルを目指す」
長福久弘 LINE Pay COO Photo by Kazutoshi Sumitomo
 2011年にLINEのサービスを開始して以来、われわれは「スマートポータル」(スマートフォン版のポータル)になることを目指してきました。ユーザーにLINEをずっと使い続けてもらえるようなサービスを提供することが重要で、決済事業はその中でも不可欠なサービスだと考えています。
 われわれの強みは、何といってもLINEアプリをインストールした7600万人のユーザーがすでにいるということ。うち3000万人が、LINEペイのアカウントを開設済みです。
 もう一つ、国内ナンバーワンのメッセンジャーアプリとして、コミュニケーションを得意としていることも強みです。これまで、決済手数料というのはお店にとってみるとコストでしかなかった。しかしLINEペイで決済したユーザーに対して、われわれはお店のLINEアカウントの登録を促すことができます。それによって販促などの効果的なコミュニケーションが可能になる。つまり、決済手数料という「コスト」を「資産」に変えることができるのです。
 さらに、専用端末を使わず、自前のスマホなどに店舗用アプリをインストールして利用する加盟店には、21年7月末まで決済手数料をゼロにするキャンペーンも展開しています。
 加盟店にとってキャッシュレス決済導入のネックだった初期費用(決済端末)と加盟店手数料をゼロにし、キャッシュレス決済をやらない理由をつぶしていくことで、もっと普及させたいと考えています。
 ユーザーに対してはポイントプログラムなども用意していますが、キラーとなるサービスは個人間の送金機能です。飲み会の翌日に割り勘分を精算する場合など、口頭ではちょっと言いにくかったりしますよね。でもLINEのコミュニケーションの延長線上なら、「昨晩は楽しかったね。飲み代は1人1981円でよろしく」などと気軽にお願いできる。LINEでなくては提供できないサービスです。
小林重信(楽天執行役員)インタビュー
「ポイントで徹底的に囲い込む」
小林重信 楽天執行役員 Photo by Masato Kato
 楽天ペイでわれわれが何をしようとしているのかというと、楽天のEコマースでできること、すなわち楽天IDにクレジットカードがひも付いていて、買い物ができ、いつもためているポイントが使えて、またたまる。これをリアルな世界の実店舗で実現することなんです。
 楽天IDは現在9900万あり、楽天カードは圧倒的なナンバーワンのイシュア(カード発行会社)となっていますし、ポイントは年間2000億円以上付与しています。ネットではこの三つの“掛け算”で戦ってきましたが、それをリアルの世界でもやっていくという戦略です。
 われわれの武器はポイントです。楽天グループには楽天カード、電子マネーの楽天Edy、アプリ決済の楽天ペイと、いずれの分野でもナンバーワンのキャッシュレス決済サービスがあります。そのどれを使ってもポイントがたまる。それをネットでもリアルでも使えて、使うとまたたまる。ネットで培った経済圏をリアルに広げるだけでなく、リアルからも新たな客をネットに呼び込む好循環が期待できる。実際、楽天ペイを利用するようになってから、楽天市場での消費が増えているユーザーがいることが分かっています。
 競合他社の中には、加盟店手数料ゼロを表明しているところもありますが、われわれはそんな必要は全くないと考えている。手数料に見合う付加価値を提供しているからです。例えば、加盟店の振込口座を楽天銀行にしてもらえれば、365日、翌日入金します。世界最速です。中小の加盟店には非常に喜ばれている。安かろう悪かろうではなく、きちんと選ばれるサービスを提供することの方が重要です。
 スマートフォンの保有率は約7割。逆に言えば3割はまだ持っていない。楽天が通信キャリアになる意味がそこにあります。新しいサービスを付加することでスマホがさらに浸透し、それがキャッシュレス決済を広げるトリガーになるのではないでしょうか。
井野川拓也(Amazon Pay事業本部長)インタビュー
「地球一豊富な品ぞろえを実現」
井野川拓也 Amazon Pay事業本部長 Photo by K.S.
 アマゾンは「地球上で最もお客さまを大切にする」「地球上で最も豊富な品ぞろえ」という企業理念を掲げています。
 これまで、アマゾンの直販サイトやマーケットプレイスで品ぞろえを増やしてきましたが、アマゾンのサイトで販売していないものも当然ある。アマゾンペイは、アマゾン以外のサイトや実店舗でも、アマゾンアカウントを使って安心して簡単に買い物をしてもらうためのサービスです。アマゾンアカウントを持っていれば、新たにアプリをダウンロードすることなく、すぐに利用できる。それがアマゾンペイの強みです。
 創業者のジェフ・ベゾスは、アマゾンのビジネスモデルをこう描きました。品ぞろえを増やすことでお客さまの満足度が上がり、トラフィック(集客)が増える。そこに多くの売り手が集まり品ぞろえがさらに増える。こうした好循環によってプラットフォームが成長することにより、オペレーションコストが低減し、低価格で提供できるようになる、というモデルです。
 アマゾンペイは、実店舗での決済を可能にすることで顧客との接点を増やし、アマゾンを使ってもらう機会を増やしてプラットフォームを成長させる力になる。このビジネス単体で収益性を評価するのではなく、アマゾン全体に対する貢献も大きな目的だと位置付けています。
 今回、われわれは加盟店開拓のパートナーとしてニッポンペイと組んでいます。同社は、カードや電子マネーが利用できない中小零細加盟店に強い。もしわれわれが一から加盟店開拓をするなら、何百、何千人単位の営業リソースが必要になったでしょう。そこで、一定の料率で委託する判断をしました。
 お客さまへの調査で、アマゾンペイを一度使ったことがある人のうち約65%が、次回もアマゾンペイを使いたいと答えています。今後はもっとアマゾンペイの認知度を上げて何度も利用してもらうことで、お客さまの満足度を高めていきたい。
中山一郎(PayPay社長)インタビュー
「グループの力で他社を圧倒」
中山一郎 PayPay社長 Photo by K.S.
 ヤフーにはすでに「ヤフーウォレット」という決済サービスがありますが、今回われわれが新たに「ペイペイ」を立ち上げたのは、ヤフーという色が付いていない無色透明のサービスとして、先入観なくどこでも使ってもらいたいと考えたからです。
 われわれの強みは大きく三つあります。一つ目はソフトバンクの営業力。現在、全国20拠点で大規模な人員で加盟店に営業をかけていて、すごい勢いで導入店舗が増えています。二つ目は、ヤフーやソフトバンクなどの顧客基盤。そして三つ目が、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資しているインドのPaytmの技術ノウハウです。
 Paytmはインドでナンバーワンのスマートフォン決済事業者で、すでに7年の経験があり、利用者数は3億人に上る。これから事業を始めるわれわれにとって、彼らの7年分の成功と失敗の体験を共有できるのは大きなアドバンテージですね。
 開発体制でもPaytmの強みが生かされています。われわれは、日本とPaytmのインドとカナダの3拠点で、24時間途切れることなく開発を続けることができる。このスピード感は他社には絶対にまねできません。
 正直なところ、決済ビジネスを収益化させるのはそんなに簡単じゃないと思っています。ですから、まず決済プラットフォームとしてしっかり利用してもらって、その上にO2O(オンラインからオフラインへの誘導など)や金融、広告の事業をつくっていきたい。
 今年秋をめどにサービスを開始し、中国アリペイとの連携(ペイペイと契約した加盟店ではアリペイのQRコード決済もできるようにする)や個人間送金のサービスも順次導入します。
 われわれの目標は、現金が使える全ての場所でペイペイを使えるようにして、全国民に使ってもらうこと。川邊(健太郎・ヤフー社長)が宣言したように、われわれは「ヤフーをもう一つつくる」くらいの覚悟を持ってやっています。
青柳直樹(merpay社長)インタビュー
「メルカリに新しい価値を付加」
青柳直樹 merpay社長 Photo by K.S.
 ここにきていろいろなプレーヤーがキャッシュレス決済に名乗りを上げているというのは、とてもポジティブな流れだと思っています。決済というのは社会インフラなので、やはり1社だけで提案してもなかなか前に進まないですから。
 われわれは、タイミングからすると後発になりますが、まだ特定の事業者が市場を寡占しているような状況ではないので、そういう意味ではすごくいいタイミングで事業を始められるなと思います。
 現時点で、加盟店手数料をゼロにするところも出てきているので、もはや決済だけではもうからない構造になっている。そうしてしまうことで、各社とももっと大きな経済圏(エコシステム)を描こうとしている形です。そうなると、中途半端な会社はもうなかなか手を出せない、パワーゲームの領域です。
 そんな中でメルカリが目指しているのは、よりオープンなエコシステムです。
 メルカリはCtoCのフリマアプリによってユーザーに新しい体験を提供しています。これまでは、メルカリで物を売って手にしたお金の出口は、またメルカリで物を買うか、銀行口座に出金するかの2択しかなかった。それを、メルペイによってメルカリの中で売っていない物も買えるようにすれば、利便性が格段に高まる。これまで2次流通でぐるぐる回っていた世界が、1次流通まで広がるんです。
 加盟店手数料の水準については現時点ではお話しできませんが、加盟店にとっては非常に重要な要素の一つですから、競争力のある形で真摯に提示したい。
 われわれは、お客さまが日々どこでどんな取引をしてどのくらいのお金を持っているのか把握できます。その情報を基に、お客さまを加盟店に送客し、売り上げアップに貢献できる。ここが、他社とは違うわれわれの強みだと考えています。
 後発だからこそ、各社の打ち手を見極めて、それ以上の価値を打ち出していきたいですね。
https://diamond.jp/articles/-/180758


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/609.html#c5

[国際24] 中露両国の結託にどう対処すべきか トランプ政権内の「静かな抵抗者」たち 世界潮流を読む 岡崎研究所論評集 うまき
3. 2018年9月28日 13:45:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1573]
オピニオン】危険すぎる中国の帝国主義
過剰生産能力をアフリカ・アジアに輸出、「反中国」強まる恐れ
中国の習近平国家主席が進める「一帯一路」構想の政治宣伝ポスター(8月28日、北京)
中国の習近平国家主席が進める「一帯一路」構想の政治宣伝ポスター(8月28日、北京) PHOTO: ANDY WONG/ASSOCIATED PRESS
By Walter Russell Mead
2018 年 9 月 20 日 12:37 JST

――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト

***

 中国の真の問題はいわゆる「トゥキディデスのわな」ではない。古代ギリシャの歴史家トゥキディデスは、アテネとスパルタの覇権争いを例に、台頭する新勢力が既存の支配勢力と衝突するのは不可避だと説いた。だが中国がいま直面する問題を予見したのは彼ではない。その事象を帝国主義と呼び、経済崩壊や戦争につながると主張したレーニンだ。

 レーニンは帝国主義について、資本主義国家が国内経済に過剰な資本と生産能力を抱えるとき、国外に市場や投資機会を見つけようとする試みだと定義。国外で余剰分を吸い上げる新市場を見つけ続けることができなければ、経済が内部崩壊を起こし、それと共に何百万人もの失業者があふれ、何千もの企業が倒産し、金融システムが破綻するという仮説を立てた。そうなれば、革命の力が解き放たれ、既存の体制を脅かすことになる。

 こうした状況下で唯一の選択肢は、拡大を続けることだ。19世紀から20世紀初頭の「帝国主義時代」に欧州列強がしのぎを削ったのは、余剰品を売りつけ、過剰資本を大規模なインフラ事業に投じることができる植民地や保護領の獲得だった。

 皮肉なことに、これは「共産主義国家」の中国が現在置かれている立場にほかならない。中国は数十年間にわたる補助金と野放図な融資によって、国内市場に過剰な生産・建設能力があふれている。北米も欧州も日本も徐々に、中国が生産する鉄鋼やアルミニウム、コンクリートを購入する意思や購買力を失いつつある。一方で、規模が大きくなりすぎた中国のインフラ産業は十分な開発案件を見つけられずにいる。共産党指導部はこうした中、広域経済圏構想「一帯一路」を通じて、アジアやアフリカに「ソフトな」帝国を築こうとしている。

 多くのアナリストは、中国経済が成熟すれば、同国が米国や欧州、日本の姿に近づくだろうと期待していた。大勢の裕福な中産階級が十分な商品やサービスを購入すれば、産業は順調に回り続ける。政府の社会保障制度を整えることで、中産階級社会への移行はスムーズに進むはずだった。

 主要な中国当局者は、今やそのような未来には手が届かないと考えているようだ。あまりにも多くの有力利益団体が現状維持に多くの利害関係を持ちすぎているため、中国経済に痛みを伴う改革を強いるような政策はとても打ち出せない。しかし大幅な改革を行わなければ、深刻な経済危機への不安は増すばかりだ。

 一帯一路構想は、経済改革に本腰を入れることなく、拡大を続けることに狙いがあった。中国の商人や銀行家、外交官は、発展途上地域の隅々まで目をやり、中国株式会社を沈ませないための市場やインフラ事業を探した。香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストの2014年の記事は、一帯一路の目的の1つが「過剰生産能力の海外移転」だとする中国当局者の発言を伝えている。これを「中国の特徴を加味した帝国主義」とでも呼ぼう。

 だがレーニンが1世紀前に気づいたように、国内の混乱を避けるために過剰生産能力を輸出すれば、いずれ外国との衝突を招きかねない。レーニンの予言によると、競合する帝国の間では市場を巡って衝突が発生するが、それ以外にもこの戦略を危険にさらす力学が働くだろう。ナショナリストの政治家らは、自国が帝国主義国家に対して多額の債務を負うことになる「開発」プロジェクトには断固抵抗する。その結果、帝国主義は破滅への道を歩むのだ。

 中国の現在の問題はこのパターンに沿っている。一帯一路構想で最大規模のプロジェクトを抱えるパキスタンは、合意した融資条件が不公正だと考え、再交渉を望んでいる。2番目に事業規模が大きいマレーシアは、親中国派政治家が政権から一掃されたのを受け、同構想への関与を縮小する意向を示した。ミャンマーとネパールは既に一帯一路関連事業を中止している。中国への多額の債務返済に行き詰まったスリランカが、ハンバントタ港の運営権を99年間、中国企業に貸与せざるを得なくなったことから、アジア・アフリカ諸国は自国の契約書の細則をあらためて読み直し、不平等な取り決めには苦情を言うようになった。

 一方、中国の重商主義的な通商政策――補助金や知的財産権侵害のほか、ターゲット産業を設定し、中国がその分野で優位に立てるよう国家を挙げて取り組むこと――は、欧州や日本を(ドナルド・トランプ大統領への嫌悪感にもかかわらず)米政府の味方につける効果がある。

 中国にとって主要な問題は、米国がその台頭を阻止することではなく、同国の経済システムの内なる力学によって、指導者が次のいずれかを選択せざるを得ないことだ。つまり痛みを伴う不安定な経済調整をくぐり抜けるか、あるいは国外での衝突や孤立につながる拡張主義の開発政策を追求することだ。レーニンは、現在の中国のような立場の資本主義国家は、戦争や革命に相次いで見舞われる運命にあると考えていた。

 幸いにもレーニンの考えは間違っていた。第2次世界大戦後70年間の欧米の歴史が示すように、正しい経済政策に基づき、購買力の向上と国際的な経済統合を進めれば、19世紀から20世紀初頭の帝国主義的な力学を超越することは可能となる。だが一方で、中国がこうした例から何も学ばなければ、「レーニンのわな」を逃れることはできない。つまり、国内の安定維持にこだわる戦略が、世界中に一段と強力な反中国連合を生み出すことになる。

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中国は米企業技術をこうして入手するデュポンの事例に見る、技術移転「強要」の手口とは
中国はジェット旅客機「C919」の開発に乗り出した時、中国企業と技術を共有する外国企業との合弁からしか部品を購入しないと表明した DING TING/XINHUA/ZUMA PRESS
By
Lingling Wei in Beijing and Bob Davis in Washington
2018 年 9 月 28 日 10:54 JST
 かつて提携していた中国企業が貴重な技術を奪おうとしている――。疑いを抱いた米デュポンはこれを阻止するため仲裁を申し立てて1年以上争った。
 その後、中国独占禁止当局の捜査官20人がやってきた。
 捜索は昨年12月、上海にあるデュポンの複数のオフィスで4日間にわたって行われた。捜索について説明を受けた複数の人物によると、捜査官は同社の世界的な研究ネットワークへのパスワードを要求した。文書を印刷し、コンピューターを押収し、社員を脅した。一部の社員がトイレに行くときは捜査官が同行した。
 米国の企業や政府によると、中国政府はさまざまな手段を駆使して米企業から技術を入手しようとしている。強制的な手段を取ることもある。
 ウォール・ストリート・ジャーナルが米中両国の企業・政府の関係者数十人から話を聞き、規制に関するものなどさまざまな文書を精査したところ、中国が組織的かつ手際よく技術を入手している様子が浮かび上がった。中国当局は米国からの批判を不公平と受け止めている。

中国による技術移転の強要は今や、激化する米中貿易戦争の核心の一つとなっている(写真はトランプ米大統領と中国の習国家主席、2017年) PHOTO: QILAI SHEN/BLOOMBERG NEWS
 関係者の話や文書によると、中国は、国内企業と合弁を組む米国企業に圧力をかけて技術を手放させる、裁判所を使って米国企業の特許や使用許諾契約を無効にする、独禁当局などの捜査官を派遣する、国内の競争相手に企業秘密を漏らす可能性のある専門家を規制委員会に送り込む、などの手法を採用している。
 デュポンの件で争いの種となったのは、トウモロコシから柔軟性のある繊維を生産するプロセスだった。この素材の2017年の事業規模は4億ドル(約450億円)に上った。中国の独禁当局はデュポンに対し、提携先だった中国企業に対する申し立てを取り下げるよう命じたという。
 米国の企業は以前から、知的財産を引き渡すよう中国政府から圧力を受けていると不満を訴えていた。特に最近は中国が化学製品、半導体、電気自動車などさまざまな産業で力を付けており、米国企業は懸念を強めている。
 中国による技術移転の強要は今や、激化する米中貿易戦争の核心の一つとなっている。ホワイトハウスの推計では中国が米国企業に与えている損害額は年間で500億ドルに上る。米国企業の幹部は強制的な技術移転が競争力の低下を招き、イノベーションへの意欲をそぐと繰り返し訴えている。

 中国当局は取材に対し、国務院(内閣)が24日に公表した文書に言及。そこには「中国の米国企業は技術移転やライセンス契約を通じて多大な利益を得ており、技術協力の最大の受益者である」と記されている。さらに、米国企業は自主的に協力関係を結んできたとある。
 「世界に対する中国のオファーは明快だ」。ある当局者はこう話した。「外国企業は中国市場へのアクセスを許されているが、その見返りとして何かで貢献する必要がある。それは技術だ」
 米企業はほとんどの場合、十分警戒しながら中国に進出している。不満を公言することにも多くは慎重だ。米企業が中国に合弁事業というアイデアを持ち込んだのは、人口14億という中国市場と低賃金の労働力へのアクセスを得るためだった。中国企業の技術向上を支援することも合弁の条件に含まれていた。
 首都ワシントンで今年1月に開催された米商工会議所の夕食会で、企業幹部らはテリー・ブランスタッド駐中国大使に対し、技術問題に関して中国に打撃を与え過ぎないよう強く求めたという。出席者らによると、IBMのバイスプレジデント、クリストファー・パディラ氏は、中国は多くの報復手段を持っていると述べた。IBMは中国企業に技術をライセンス供与している。
 パディラ氏は夕食会でこう話した。「暗い路地で誰かがナイフで刺されても、翌朝になるまで誰がやったのか分からない。それでも殺人はすでに起こってしまっている」
 デュポンは米当局者に自社の案件を説明した。だが事情に詳しい関係者によると、貿易協議のなかでその件を持ち出してほしくないと述べた。同社のかつての中国パートナー、張家港美景栄化学は繊維を作るために使われる化学製品を販売し続けている。その製品の技術はデュポンから盗まれたものだと同社は確信している。両社の幹部からコメントを得ようとしたが、両社とも応じなかった。
 中国の独禁当局は「まだ調査中だ」とし、詳細については明らかにしなかった。
「著しい圧力」
 上海の米商工会議所が今春実施した調査では、会員企業の約5社に1社が中国当局から技術移転を迫られたことがあると回答した。そのうち航空宇宙関連の44%、化学関連の41%が「著しい圧力」を受けたと報告している。中国は両業種を戦略的に重要な分野だととらえている。
 市場へのアクセスの見返りに技術移転を迫るやり方が始まったのは、市場寄りの政策にかじを切ったケ小平氏の時代だ。この政策はのちに中国の繁栄につながった。ゼネラル・モーターズ(GM)の幹部は1978年の予備調査的な訪中で現地企業との合弁を提案した。中国政府関係者や歴史家、自動車業界の幹部らの話で分かった。
 この合弁案は、西側の技術は欲しいが西側の影響力は制限したいというケ氏の望みと合致した。同氏は1984年に「(中国は)われわれが必要とする進んだ技術と引き換えに国内市場の一部を手放す必要がある」と述べている。コロラド大学、香港大学、ノッティンガム大学の経済学者らが今年3月に発表した論文によると、この政策は成功した。論文には、外国の技術が「合弁事業の範囲を超えて拡散」し、競合他社の技術向上を促進したとある。
 中国と外国企業の合弁では、外国企業は現金や技術、経営に関する知識といった知的財産を提供し、中国企業は土地使用権や資金調達、政治的な人脈、市場の知識を提供することが多い。米国企業との合弁が増えるにつれ、歴代の米政権は技術提供に関する要件の緩和を求めて中国に圧力をかけてきたが、大きな成果は出ていない。トランプ政権は中国に関税をかけて「枠組みを変え」たいとの意向を示している。

 中国は35の分野について、外国企業による新規参入や事業拡大は合弁企業を通じて行うよう義務付けている。ただ今年4月には、外国の自動車メーカーに工場の所有権と利益を中国企業と分け合うよう義務付ける規則を、2022年までに段階的に廃止する計画を発表した。
 中国指導部にとって革新的な技術とは、中国の各業界を高度化させ、豊かな国に仲間入りするための力だ。外国企業に最高の技術を提供させるため、規制委員会が外国企業の投資を詳細に調査し、政府の目標と一致するかを確認する。
 外国の自動車メーカーにとって、規制委員会は今や、電気自動車(EV)関連の技術をめぐる戦いの場となっている。外国メーカーによると、新車を大量生産するには政府の許可を得なければならず、必須の技術監査は数日かけて行われる。
 ある外国自動車メーカーの社員は今年の監査で、監査チームと中国の自動車メーカーが「共謀している明確な証拠」に気付いた。この社員によると、監査で調査員から提出を求められたのは、このメーカーが中国の合弁相手から守ろうとしていたEVの部品の設計図だけだった。
 社員は「(調査員は)どういうわけか調べるべき分野を正確に知っていた」「その他の非常に複雑なシステムについての質問は一切なかった」と語った。
デュポンは「人質」か
 デュポンは2006年、提携先の中国企業である張家港美景栄化学にトウモロコシを原料とする繊維用のポリマー「ソロナ」の製造販売を許可した。デュポンの社内では、美景栄との提携は中国市場に参入するための通行料のようなもの、という認識だった。同社は、ソロナの生産と繊維への加工のための工場設置に向けて美景栄を教育した。
 事情に詳しい関係者によると、デュポンは美景栄がソロナに類似した製品を販売するためにデュポンの知的財産を奪おうとしているとの疑いを抱き、美景栄のライセンスを更新しなかった。2013年頃のことで、当時、ソロナは中国で7000万ドル規模の事業に成長していた。デュポンは特許が侵害されたとして2件の仲裁を申し立てた。審問は2017年まで続いた。
 この頃、中国国家発展改革委員会の独禁法部門の関係者がこの問題に関心を持ち、デュポンと会合を持ち始めた。12月、委員会はデュポンが計画していたダウ・ケミカルとの合併について独禁法に基づく調査を開始したが、合併計画にはほとんど関心を示さなかった。合併は昨年、完了した。
 この問題について説明を受けた関係者によると、中国の当局者が注目していたのはむしろデュポンと美景栄の対立だった。12月に3日間にわたって会合を開くうちに、デュポンは強制捜査が入るのではと心配になり、強制捜査への対応について社員研修を計画したが、捜査官が来るほうが早かった。
 捜査官はデュポンに対し、中国企業に技術の使用許諾を認めることに消極的であることなど独禁法に反する行為と、美景栄をめぐる仲裁の申し立てについて調査していると説明した。中国政府は米国との貿易戦争で人質を欲しがっている可能性があり、デュポンは申し立てを取り下げただけでは中国政府は満足しないだろうと考えているという。

中国にある工場の電気自動車生産ライン PHOTO: WANG ZIRUI/ZUMA PRESS
 トランプ政権高官はこうした案件を中国の経済侵略の証拠と受け止めている。対中強硬派のピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)は「中国市場への参入に意欲的な米国企業が世間知らずで傲慢(ごうまん)だったことに加えて、中国が手の込んだやり方で技術を入手しようとした。命取りの組み合わせだ」と話した。
 先月の米中通商協議で米国は技術移転の強要をめぐり中国に迫った。米国が例に挙げたのが半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーだ。同社は12月、中国の福建省晋華集成電路が技術を盗んだとして、カリフォルニア州の連邦地方裁判所に提訴していた。福建晋華は1月、マイクロンを相手取って福建省の裁判所で訴訟を起こした(福建晋華の経営には福建省政府が関わっている)。福建晋華は両者が特許権を主張している製品について、マイクロンの一部子会社による中国での販売を差し止める仮処分を勝ち取った。
 福建晋華はコメントを差し控えた。同社が7月に公表した声明では、マイクロンが「無謀にも」特許を侵害したと述べた。マイクロンは「あらゆる手段を通じて自社の知的財産および事業利益を積極的に保護する」意向を示した。
 米中協議に詳しい関係者によると、中国側の交渉担当者の王受文商務次官は8月の協議で米国側の懸念を一蹴した。王氏は、マイクロンと福建晋華は「兄弟のようなもの」で、「兄弟はけんかをするものだ」と言ったという。
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外国人の不動産購入に「ノー」、各国の対策 増税や土地利用規制、融資制限などの「歯止め策」は有効なのか?
メキシコのロスカボスにある高級住宅 LOS CABOS SOTHEBY’S INTERNATIONAL REALTY
By
Ruth Bloomfield
2018 年 9 月 28 日 10:24 JST
 ニュージーランド政府はこの夏、外国人による不動産購入に新たな制限をかけた。自国民を優遇するためだ。つまりニュージーランドに家を持ちたいと思っているのであれば、ニュージーランド人である方がいい。
 同国では非居住者(シンガポール人やオーストラリア人を除く)は新築住宅の購入制限を受けるようになる。また新築のアパートでも、購入できるのは全戸数の最大60%となる。
 外国人による不動産投資が国民の住宅取得に影響している問題は多くの国・地域で起きており、政府がさまざまな対策を講じているのはニュージーランドだけではない。増税や土地利用規制、融資制限などで外国人による不動産購入を規制する国もある。
 以下に各国・地域の事情をまとめた。
香港

香港のジャーディン山地域にある住宅は1639万ドルで販売中 PHOTO: CHRISTIE
高級住宅価格の中央値:1平方フィート(0.09平方メートル)あたり3864〜4723ドル(約43万8000〜53万5000円)
 課税は香港の不動産市場を冷やす効果がほとんどなかった。外国人による不動産購入を抑制するため、香港政府は2012年にさまざまな対策を打ち出した。印紙税率は15%まで引き上げられた(その後、中古物件購入者も対象になった)。また一部区域に建設された新築住宅は、香港の永住者のみ購入が許可された。
 米デモグラフィアが1月発表した年次調査では、香港が8年連続で世界で最も高い住宅市場となった。不動産会社サヴィルズによれば、香港の高級不動産の価格は過去10年で160%上昇している。
スイス

スイスのベルビエにあるシャレー、価格は562万ドル PHOTO: YVES GARNEAU
チューリヒの高級住宅価格の中央値:1平方フィートあたり1798〜2198ドル
 スイスでは60年ほど前から外国人による不動産購入を規制している。外国人は不動産を購入する際に地元自治体から許可を得なければならず、その許可数も年間1500件が上限となっている。ただ抜け穴は多い。最近ではスイスに永住している欧州連合(EU)出身者は例外として扱われるようになった。一部地域では不動産市場を押し上げるため、外国人購入者の制限を一時的に撤廃している。
 不動産会社エンゲル&ボルカーズのマネジングディレクター、トーマス・フリゴ氏によれば、サンモリッツでは昨年、床面積が最大2700平方フィートまでの物件に限り、投資家がセカンドホームとして購入することを一時的に認めた。その結果、政府の規制はスイスの高級住宅市場に「影響を与えていない」とフリゴ氏は話す。
メキシコ

メキシコのロスカボスにある住宅は3300万ドル PHOTO: LOS CABOS SOTHEBY
 外国人は海岸線から31マイル(約50キロ)以内、もしくは米国との国境から62マイル以内の物件を購入することが厳密には認められていない。だが現地金融機関との間で「Fideicomiso」と呼ばれる信託を設定することで、不動産の法的所有権を手にすることはできる。メキシコ政府による各種規制は不動産価格の抑制に効果をあげていない。不動産大手ナイト・フランクの住宅価格指数によれば、メキシコの不動産販売価格は2018年第1四半期に前年同期比で8.7%上昇した。これは世界で8番目に高い上昇率だ。
タイ

タイのリッツ・カールトン・レジデンシズ・イン・マカナホンの部屋は252万ドル PHOTO: KNIGHT FRANK
バンコクの高級住宅価格の中央値:1平方フィート895〜1094ドル
 外国人はアパートやコンドミニアムなら即金で購入できる。しかし、一軒家は30年リース形式での購入に限られている。ナイト・フランクのアソシエートディレクター、マルシアーノ・ビルジモフン氏は「(タイ政府は)外国人に土地の権利を与えたくないのだ」と語る。
 コンドミニアムもタイ人の居住者が運営管理に最終的な決定権を持てるよう、外国人が購入できる戸数は最大49%となっている。
 バンコクの外国人向け不動産は、香港や中国本土の投資家がほぼ独占している。トンローやエカマイなどの高級住宅街では、寝室2つのアパートが30万ドル程度から購入できる。ビジネスの中心地ワイヤレスロードになれば、同じような物件を購入するのに200万ドルは必要だ。
オーストラリア

クイーンズランドに建設される物件のイメージ図。価格は45万5300ドルから PHOTO: KNIGHT FRANK
メルボルンの高級住宅価格の中央値: 1平方フィートあたり887〜1084ドル
 オーストラリア政府は2016年、外国人による新築物件購入時の税負担を増やした。また外国人が保有物件を一定期間空き家にした場合には罰金を課している。
 さらに連邦金融規制当局は2016年、4大銀行による外国人向け住宅ローンを禁止すると発表した。サヴィルズ・オーストラリアの住宅部門責任者ゲド・ロックリフ氏によると、この決定までの4年間で最高級住宅の価格は50〜60%上昇。決定後は5〜10%の上昇に落ち着いたという。
英国

ロンドンの高級マンション「ワン・ブラックフライアーズ」は寝室3つの部屋が1737万ドル PHOTO:ST GEORGE
ロンドンの高級住宅価格の中央値: 1平方フィートあたり2911〜3558ドル
 英国は2014年から2016年にかけて、不動産市場を冷やすべく一連の課税が導入された。2軒目の住宅購入時に印紙税を3%上乗せすることや、外国人が多用していたペーパーカンパニーを通じた住宅購入には15%の課税が導入された。また今夏にはマネーロンダリング(資金洗浄)対策として、疑わしい購入者の「身代わり」になる人物も罰すると政府が発表した。
 これら対策の効果は素早く、かつ劇的に現れた。外国人購入者の多くはロンドンから去り、高級住宅の価格は大幅に下落。サヴィルズによれば、2014年から2018年の間に価格は17.6%下落した。一方で、英国がEUからの離脱(ブレグジット)を決めたことによる混乱が影響したとの指摘もある。
モルディブ

クンフナドゥー島の物件は1500万ドル PHOTO: SPHERE ESTATES
 多くの国・地域が外国人による不動産購入を規制しようとしている中、モルディブは警戒しつつも市場を開放している。2010年の新たな規則により、リゾート地域内の住宅は最大50年間のリース契約を購入することが外国人にも認められた。現在はこの期間をさらに延長するための協議が続いている。
 不動産会社スフィア・エステーツの創業者ロバート・グリーン氏は、モルディブのソネバフシ島にあるビラを販売している。これまで10軒ほどが300万〜1000万ドルで売れたという。
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http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/146.html#c3

[国際24] 嘘つきトランプ、簡単に剥がれる化けの皮 対中、対日貿易赤字、米製造業の被害、中間選挙目当て・・・  うまき
1. 2018年9月28日 14:03:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1574]


 

 

2018.9.28 13:33
安倍晋三首相、トランプ氏に米国製防衛装備品の購入伝達 菅義偉官房長官、会見で説明

トランプ米大統領(右)との会談で握手をする安倍首相=26日、米ニューヨーク(共同)
 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は28日の記者会見で、米ニューヨークでの先の日米首脳会談で、安倍晋三首相がトランプ大統領に米国製の防衛装備品を購入する意向を改めて伝えたと説明した。

 菅氏によると、首相は「厳しい安全保障環境に対応するため、今後とも米国製を含め高性能の装備品を導入する。わが国の防衛力強化に重要だ」と伝達した。

 菅氏は「日米間では引き続き(安保分野で)緊密に協力することで一致している」と強調した。

 トランプ氏は会談後の会見で「(自身の要請で)日本が大量の防衛装備品を購入することになった」と述べていた
http://www.sankei.com/politics/news/180928/plt1809280013-n1.html

 

2018.9.28 07:07
「シンゾーとの友情」トランプ氏、車関税かけず…強硬策防いだ安倍晋三首相

 トランプ米大統領(右)との会談で握手をする安倍首相=26日、米ニューヨーク(共同)
 安倍晋三首相は今回の訪米で「日米物品貿易協定(TAG)」の交渉開始に応じること自体をカードとした。じらしたうえでの交渉開始を日本側の「譲歩」という形に見せ、11月の米中間選挙を前にトランプ米大統領に花を持たせるとともに、米国が中身で強硬策に出るのは防いだ。貿易問題でこれ以上、具体的な対応を引き延ばせば、北朝鮮の非核化や拉致問題への日米協力にも悪影響が出かねないとの判断もあった。

 「トランプ政権は韓国、欧州連合(EU)、メキシコと通商の枠組みを見直してきた。この流れの中で、日本だけがいつまでもゼロ回答とはいかない」

 26日の日米首脳会談前、政府関係者はこう指摘していた。その中で今回の会談の結果、日本は自動車関税強化を回避できた。

 安倍政権は昨年1月の大統領就任以前からトランプ氏が安全保障と経済を混同しかねないとの懸念を持っていた。そこで昨年2月の日米首脳会談で発表した共同声明で安保と経済を分けることを狙い、成功した。

 その際、日本側は麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領による「経済対話」の枠組み立ち上げを提案した。さらに今年4月の首脳会談では閣僚級の新たな通商協議(FFR)を設置し、時間稼ぎを図った。

 日本としては、積極的に交渉に応じる理由はなかった。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に日本を引き込んだのはオバマ前政権で、政権が交代したからといって2国間の自由貿易協定(FTA)というのは身勝手すぎるとの思いもあった。

 ところが、今年に入り状況が変わった。朝鮮半島情勢が動き始めたのだ。軍事的圧力と経済制裁で北朝鮮を対話路線に引っ張ったトランプ氏との協力は拉致問題解決に不可欠で、その協力が得られないような対立は回避する必要があった。

 ただでさえ日本は昨年2月から1年7カ月以上、協議を引き延ばした形だ。通常のトランプ氏であればその首脳との関係もこじれていただろうが、首相との間だけは違っていた。

 「シンゾーとの友情があるから自動車に関税をかけられなかった」

 トランプ氏は26日の首脳会談で、首相にこう伝えた。自民党総裁選では「友情」と「国益」は別であるかのような論争もあったが、貿易協定をめぐる交渉は首脳間の友情が国益に直結する場合があることを裏付けた。(ニューヨーク 田北真樹子)
https://www.sankei.com/politics/news/180928/plt1809280003-n1.html


 
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/154.html#c1

[国際24] 嘘つきトランプ、簡単に剥がれる化けの皮 対中、対日貿易赤字、米製造業の被害、中間選挙目当て・・・  うまき
2. 2018年9月28日 14:14:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1575]
米中の貿易摩擦、経済冷戦の様相に近づく
米国の目的は交渉による解決ではなく米中を恒久的に切り離すことだとの見方も
中国政府は米国の要求に屈する気配を見せていない(写真中央は農地を視察する習近平国家主席、25日)
中国政府は米国の要求に屈する気配を見せていない(写真中央は農地を視察する習近平国家主席、25日) PHOTO: WANG YE/XINHUA/ASSOCIATED PRESS
By Greg Ip
2018 年 9 月 27 日 10:32 JST

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 10年前、米国と中国の間で強まっていた経済的な相互依存関係には、「チャイメリカ」というニックネームが付けられた。

 現在は米中双方が、貿易問題で一歩も譲らない姿勢を示しており、両国が互いに競い合う経済圏のリーダーになろうとする経済冷戦ととらえる者もいる。米シンクタンク、外交問題評議会の中国問題専門家であるブラッド・セッツァー氏は「中国も米国も、もはやチャイメリカの関係になりたいとは思っていない」と指摘。「中国はテクノロジー面での依存を望んでいないし、米国は永続的な貿易赤字を望んでいない」と分析する。

 中国が米企業や米製品に対して、より公正な扱いせざるを得なくなるよう、米政権は公式に、強硬ではあるものの一時的な戦術で済むよう期待を込めて、中国製品への課税に乗り出した。しかし、中国政府は米国の要求に屈する気配を見せていない。米国の要求は全体として、長期にわたり中国の経済開発の指針となってきた産業政策の大々的な終焉(しゅうえん)につながる。一部では、米国の目的は交渉による解決ではなく、米中を恒久的に切り離すことだとの見方も出ている。

主要貿易相手国に対する米国民の見方
出典:ギャラップの電話による世論調査(6月18〜24日実施、対象は1505人の成人、誤差プラスマイナス3ポイント)
公平
不公平
カナダ
EU
日本
メキシコ
中国
 
 中国に拠点を置く調査会社ギャブカル・ドラゴノミクスのアーサー・クローバー氏は先週、「米中は、長く、激しい対立の時代に入りそうだ」と文書の中で指摘。これはドナルド・トランプ米大統領だけがこうした流れを作っているのではなく、「安全保障や経済両分野の当局者らの強力な協調」によっても形成されていると語っている。これら当局者は、「米国は中国との間で、世界の経済、技術、地政学的支配権をめぐる、存亡にかかわる対立に突入しようとしている」と考えているという。

 戦後の歴史において、こうした状況は先例がない。米国は旧ソ連との経済的なつながりをほとんど持たなかったため、戦略的対立が貿易にまで広がることはほとんどなかった。日本との貿易紛争が安全保障上の影響を及ぼすこともなかった。両国は軍事同盟国だからだ。対照的に中国に関しては、サイバー犯罪、貿易障壁や強制的な技術移転の利用によって、中国が経済的優位を得るのみならず、戦略地政学的に一層手ごわい相手になることを米国は懸念している。

中国の中間財・最終財の地域別貿易額
出典:TSロンバード
*チリ、ブラジル、アルゼンチン**日本、韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム
(単位:兆ドル)

 トランプ氏の行動の主な動機となっているのは、米国の対中赤字だ。関税は不均衡を是正しない公算が大きい。ある企業が米国の関税を回避するために、生産拠点を中国からベトナムに移すと、米国の対中赤字が減る一方で、対ベトナム赤字が増える。

 だが、トランプ氏の貿易赤字への固執には同調しない一方で中国に批判的な人々は、異なる利点があるとみている。関税や予定されている主要技術の輸出制限といった制裁措置は、対外投資先としての中国の魅力を低下させ、米中を結ぶサプライチェーンをほころばせ始めるとみているのだ。関税が長く残れば残るほど、米国に輸出したい多国籍企業で、中国に代わる生産拠点を探す企業が増えるだろう。台湾とタイはすでに中国の代わりになれると自らを売り込んでいる。

 ただし、中国からサプライチェーンをシフトするのは、みかけよりも難しい。前出のクローバー氏はインタビューで、中国は安価な労働コストを提供するだけではなく、十分に開発されたインフラや物流、エンジニアなどの熟練労働力、そして中国自身の巨大な国内市場へのアクセスをもっている点を指摘、「それは他のどこにも匹敵できない」と語った。多国籍企業は2つのサプライチェーンが必要かもしれない。一つは米国へのアクセス、もう一つは中国へのアクセスをもったサプライチェーンだ。それら多国籍企業はその後、残りの地域に資するのが米国中心のサプライチェーンなのか、あるいは中国中心のサプライチェーンなのかを判断しなければならないだろう。

ニュースレター購読

 短期的には、中国は明らかに敗者だろう。中国は知的財産、ノウハウ、そして投資面、また輸出品の市場として、依然として大きく米国に依存している。

 だが時を経るにつれて、中国はこうした不利な面を克服できるだろう。投資助言会社TSロンバードのラリー・ブレイナード氏は、「中国には、アジアを基盤とする貿易ブロックを米国なしで機能させるのに必要なあらゆる前提条件がある。それは、大きな国内市場、開放市場のための政治的な支援、そして製造面での専門知識だ」と書いている。同氏によれば、最終財や中間財の中国の貿易規模は対米よりも対欧州連合(EU)のほうが多くなっているほか、他のアジア諸国との貿易はその2倍になっている。

 調査会社IHSマークイットによると、中国の華為技術(ファーウェイ)は昨年、世界最大の通信機器メーカーになった。これは、同社の機器が米国人を監視するため中国政府に利用されているのではないかとの懸念をめぐり、事実上米国から締め出されたにもかかわらず、世界一になったものだ。またボルボ・カーを保有している中国自動車メーカーの浙江吉利控股集団は昨年、資金難に陥っているマレーシアの自動車メーカー、プロトンに出資した。浙江吉利は、プロトンを東南アジアや中東への輸出プラットフォームにしたいと希望している。

 中国は、米国の持つ最も強力な競争上の利点を依然として欠いている。それは、法規範と信頼できる機関の監督下にある、懐が深くかつ開放的で透明性の高い市場、そして米国の軍事力に保証されている同盟ネットワークだ。米中どちらの側につくか選択を迫られれば、企業や国の圧倒的多数は米国を選ぶだろう。

 だが米国がこれまで以上に孤立主義的になれば、その選択は偏ったままではなくなるだろう。安倍晋三首相は12カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)が中国の拡大しつつある経済的影響力への対抗力になるとみていた。米国はその後TPPから離脱した。このため、安倍氏は今や自らの賭けにヘッジをかけ、中国の習近平国家主席に手を差し伸べて、より友好的な経済関係を構築しようとしている。

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寄稿】新たな景気後退は目前か
現在のリスクは、株価の下落によって消費支出が縮小し、リセッションに追い込まれること
現在のリスクは、株価の下落によって消費支出が縮小し、リセッションに追い込まれること PHOTO: ISTOCK/GETTY IMAGES
By Martin Feldstein
2018 年 9 月 28 日 13:39 JST

――筆者のマーティン・フェルドシュタイン氏はハーバード大学の教授(経済学)

***

 前回の深刻なリセッション(景気後退)の到来から10年を経て、米経済をかく乱する新たな長く深い景気後退期が間もなく始まるかもしれない。現在の高水準の資産価値は、2008年の金融危機前の住宅価格のトレンドに酷似している。今と10年前の不適正な価格水準はどちらも、連邦準備制度理事会(FRB)の政策に伴う超低水準の実質金利が長期間続いたことを反映している。既に金利は上昇し始めており、株価は下落し、家計資産、消費支出、経済活動なども縮小に向かうだろう。

 前回の景気後退期の前の5年間に、FRBはFF金利を1%にまで引き下げた。これに伴い、住宅ローン金利が低下し、年10%以上の住宅価格の上昇を招いた。2004年以降FRBは金利を引き上げ、住宅価格バブルはその後の2年間で崩壊した。

 住宅価格の急落を受け、負担の大きな住宅ローンを組んでいた住宅保有者は、自宅の価値を大幅に上回る負債を抱え込むことになった。彼らは一斉にデフォルト(債務不履行)状態に陥り、貸し手はその住宅に対する担保権を行使することになった。担保物件の不動産の売却により、住宅価格はさらに下落。全米の住宅価格指数は、3年間で30%下落した。

 住宅ローン債権と、同債権を裏付けとした債券を保有していた銀行は、これら資産の正味価値の急落に直面した。2009年には140の銀行が経営破綻に陥り、生き残った銀行は、市場がさらにどこまで落ち込むのかという恐怖にさらされた。これら銀行は、リスクのある投資を避けるため、企業や住宅購入者への融資に消極的となり、バランスシートの悪化に苦しむ他の銀行への貸し出しを拒否した。

 06年から09年にかけての住宅価格の下落により、家計資産は6兆ドル(約680兆円)減った。この減少は、株式市場の暴落と重なったこともあって、消費支出を急減させ、経済をリセッションに追い込んだ。銀行融資の崩壊は、その落ち込みをより深くさせ、回復ペースを鈍らせた。

 ここで、現在の状況を見てみよう。住宅価格は06年当時ほど上がっていないため、08年の危機が完全に再現される可能性は極めて低い。現在の主なリスクは、株価の下落によって、経済がリセッションに追い込まれるまでに消費支出が縮小することだ。株価は現在、高水準にある。長期金利が極めて低いからだ。現在の米国債10年物の利回りは3%に満たない。つまり、インフレ調整後の利回りはゼロに近い。より高い利回りを求めて、投資家は株式に向かう。この過程で、株価は上昇する。

 だが、長期金利は上がり始めており、近い将来かなり上がる公算が大きい。米国債10年物の利回りは3%でも低いが、それでも2年前と比較すると2倍の高さだ。FRBが2020年には短期金利を現在の2%から3.4%にまで上げていることを見込んでいるため、長期金利はさらに押し上げられるだろう。投資家は失った購買力を埋め合わせるものを求めるため、インフレ率の上昇は長期金利をさらに押し上げるだろう。連邦政府の財政赤字が次の10年間で爆発的に増えれば、債券購入者に債務の受け皿になってもらうために、長期金利をかつてないほど高くする必要があるだろう。この結果、米国債10年物の利回りが5%を超え、実質利回りが現在のゼロから2%以上に上がっても不思議はない。

 短期金利と長期金利が正常化するにつれて、株価も従来の株価収益率(PER)に戻る公算が大きい。S&P500種のPERが従来の平均値に後退する、つまり現在の水準を40%下回る水準に戻れば、10兆ドル相当の家計資産が消え去るだろう。家計資産と消費支出との過去の関係をみると、このような資産価値の下落は年間消費支出を4000億ドルほど減らし、国内総生産(GDP)を2%ほど押し下げることが示唆されている。企業の設備投資への影響を組み込むと、このような支出クランチ(ひっ迫)は経済をリセッションに追いやるだろう。

 過去のリセッションの大半は短期的で底が浅く、下降の始まりから回復の始まりまでの期間は平均1年未満だった。FRBは通常、FF金利をかなり大幅に引き下げることでリセッションに対応するからだ。しかし、今後2、3年後にリセッションに突入すれば、FRBには十分な利下げ余地がないだろう。FF金利は2020年までに3%に上昇するだけと予想されているためだ。大規模な財政出動の余地もあまり大きくないだろう。連邦財政赤字は数年後に年間1兆ドルを突破すると予想されており、公共部門が抱える連邦債務は2010年代末(2019年)までにGDPの75%相当から100%相当近くに増加すると予測されている。

 これは、長期金利の上昇によって今後数年間で引き起こされる景気下降がこれまでの平均的なリセッションよりも深刻で長期にわたる公算が大きいことを意味する。残念ながら、現時点では、FRBないし他のどんな政府機関も、この種のリセッション防止のためにできることは何もないのである。

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リーマン級危機がなくても次に迫る景気後退リスク
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【バロンズ】次の景気後退、始まりを予測する方法

http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/154.html#c2

[国際24] 嘘つきトランプ、簡単に剥がれる化けの皮 対中、対日貿易赤字、米製造業の被害、中間選挙目当て・・・  うまき
3. 2018年9月28日 14:22:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1576]

>>02 大規模な財政出動の余地もあまり大きくない 公共部門が抱える連邦債務は2010年代末(2019年)までにGDPの75%相当から100%相当近くに増加 。
>長期金利の上昇によって今後数年間で引き起こされる景気下降がこれまでの平均的なリセッションよりも深刻で長期にわたる
>FRBないし他のどんな政府機関も、この種のリセッション防止のためにできることは何もない

これは間違い

政治・経済・金融の日本化によって乗り切っていく確率が高い

つまり今後、少子高齢化が進む民主福祉国家であれば、財政ファイナンスによる

景気刺激というポピュリズム政策を避けることは難しいだろう


http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/154.html#c3

[経世済民128] 静かに変貌する米製造業、トランプ関税に「冷めた視線」パウエル議長:景気後退リスク見られず−利回り曲線平たん化は注視  うまき
2. 2018年9月28日 14:31:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1577]
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/154.html?c2#c2

トランプ政権の関税、米経済に打撃ー財の貿易赤字が予想外に拡大
Shobhana Chandra
2018年9月28日 2:51 JST
トランプ米大統領がエスカレートさせている貿易戦争は、今四半期の米経済成長を明確に抑制していることが明らかになった。

  米商務省が27日に発表した財の貿易収支は、8月に758億ドル(約8兆6000億円)の赤字。赤字は予想外に拡大し、過去6カ月で最大となった。商務省の別の統計によれば、企業投資も一服し、生産設備でのビジネス機器発注は8月に減少。それまでは大幅増加が続いていた。こうした機器の出荷は減速した。

  アマースト・ピアポント・セキュリティーズ・アンド・キャピタル・エコノミクスのエコノミストらは、7−9月(第3四半期)の米国内総生産(GDP)成長率見通しを引き下げた。この日のデータが出る前にブルームバーグがまとめた調査では、3%成長が予想中央値だった。

原題:Tariffs Start to Drag on U.S. Economy as Trade Deficit Widens(抜粋)

 

米中古住宅販売成約:8月は7カ月ぶり大幅低下−冷え込み続く
Sarah Foster
2018年9月27日 23:05 JST 更新日時 2018年9月28日 0:48 JST
全米不動産業者協会(NAR)が27日発表した8月の米中古住宅販売成約指数(季節調整済み)は、前月比で7カ月ぶりの大幅低下となり、中古住宅市場の冷え込みが続いていることが示唆された。

中古住宅販売成約のハイライト (8月)
8月は前月比1.8%低下。市場予想は0.5%低下−7月は0.8%低下(速報値0.7%低下)
前年比(季節調整前)では2.5%低下−市場予想1.0%低下、前月は0.7%低下
  住宅ローン金利上昇や手頃な価格帯の物件不足などが、引き続き購入者への重しとなっている。20日に発表された8月の米中古住宅販売件数は、この2年余りの最低水準に一致した。26日発表の新築住宅販売でも6、7月のデータがそれぞれ下方修正された。

  NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表資料で、「中古住宅販売の緩やかな下向きの流れが続いている」と指摘。購入しやすい価格帯の物件が不足していることが買い手に影響を与えていると分析した。

  統計の詳細は表をご覧下さい。

原題:U.S. Pending Home Sales Fell by Most in Seven Months in August(抜粋)

(詳細やNARの分析などを追加して更新します.)

 


8月の新設住宅着工、前年比1.6%増 市場予想は0.4%増
経済・政治
2018/9/28 14:23

国土交通省が28日発表した建築着工統計調査によると、8月の新設住宅着工戸数は前年同月比1.6%増の8万1860戸だった。3カ月ぶりに増加した。QUICKがまとめた市場予想の中央値は0.4%増だった。

うち持ち家は0.2%増の2万4420戸で、2カ月連続で増加した。貸家は1.4%増の3万5457戸と15カ月ぶりに増加した。分譲は2.9%増の2万1325戸で3カ月ぶりに増加した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕
 

 

原油80ドル超え、真の犠牲者はトルコ


ブレント原油先物価格
Source: FactSet
(トルコリラ/バレル)

By Jon Sindreu
2018 年 9 月 26 日 09:28 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 米国では、原油相場が1バレル=80ドルを超えたことにドライバーらがいら立っている。一方トルコでは、この原油高で経済全体が景気後退に陥る可能性がある。

 23日に主要産油国が原油生産量の現状維持を決めたことを受け、原油の国際価格はドル建てで2014年11月以来の高水準に達した。トルコリラ建ての原油価格は今年に入ってからほぼ2倍になり、過去最高水準に達している。

 リラ相場は、トルコ中央銀行が政策金利を24%に引き上げた13日以降、比較的落ち着いている。それでも対ドルでは年初来約38%の下落だ。その背景には、中銀の独立性欠如や、国内企業や銀行が抱える維持不能な水準の債務を巡る懸念がある。

 リラ安を受け、トルコ国民は国産の自動車や冷蔵庫やコンピューターを買うことが増えるだろう。消費者は少し損をするかもしれないが、消費財を扱うコチやドウシュなどトルコの大企業は利益を得るだろう。輸出業者も恩恵に浴する。観光業界も今年夏は盛況だった。

 ただ消費者は、石油とガスに関しては国産品を買えない。

 トルコは石油・天然ガス資源に恵まれていないため、外国産エネルギーに大きく依存し続けている。直近の国際エネルギー機関(IEA)のリポートによると、同国はエネルギー需要の4分の3を輸入しており、エネルギーが経常赤字の約3分の2を占めている。

 エネルギー価格がさらに大幅に上昇すれば、景気後退を引き起こす公算が大きい。建設事業は既に止まりつつある。政府は燃料税を引き下げることで短期的には家計や企業を守ることができるが、その打撃をいつまでも引き受け続ける余裕はない。

トルコのジェイハン港で原油貯蔵タンクの階段を下りる作業員
トルコのジェイハン港で原油貯蔵タンクの階段を下りる作業員 PHOTO: UMIT BEKTAS/REUTERS
 唯一の長期的な解決策は、エネルギーの自立度をもっと大きくすることだ。トルコのベラト・アルバイラク財務相は、先週発表した新経済プログラムでそれを約束した。しかし政府は過去少なくとも10年間、水力発電や再生可能エネルギー源についてさまざまな約束をしてきたにもかかわらず、目に見える効果はほとんどなかった。例えばIEA統計によれば、水力発電は2016年、トルコの一次エネルギー供給の約4%で、10年前と同じ割合にとどまっていた。

 より大きな教訓は、一国の金融危機は恐ろしい状況になり得るが、解決が最も難しい問題とは限らないということだ。債務は再編できるし、中銀は流動性を提供できる。仕事のない労働者は政府の政策を通じて就労させることができる。トルコの公的債務は国内総生産(GDP)の28%にすぎない。

 これとは対照的に、一国の通貨が急落した場合、他国に生活必需品を依存していると困難から抜け出す簡単な方法はない。

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社説】新興国危機で間引かれる「最弱通貨」
トルコ中央銀行(アンカラ)
トルコ中央銀行(アンカラ) PHOTO: STR/EPA/SHUTTERSTOCK
2018 年 9 月 14 日 13:53 JST

 新興国通貨ショックが続いているが、今のところ打撃が非常に抑えられているのは良いニュースだ。直近ではトルコの中央銀行が13日、リラの安定に向けて利上げを行った。ただ、より俯瞰的に見ると、市場は危機を拡大させる代わりに最も弱い通貨を選んで攻撃していると言えそうだ。

 つまり慈善的な行為ではなく、良好な経済運営や政治の信頼性から悪い部分

を排除しようとする合理的な試みなのだろう。世界経済は成長しており、その筆頭は税制改革と連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを受けて資本が流入する米国だ。そうした選別は、かつて通貨危機に見舞われたマレーシアやメキシコ、タイなどの国を防護しているように思える。

 一方で、トルコなどの最弱国に対する集中攻撃も引き起こしている。13日の利上げ前の時点で、リラの対ドル相場は年初から40%下落していた。これに対し、FRBが算出する米貿易相手国の通貨バスケットは8%の下落だった。

 トルコでは、特に建設・不動産業界で、ドル建てやユーロ建ての債務が重荷となっている。レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、中銀の独立性を脅かすと共に対米関係を悪化させることで自国経済を圧迫している。ドナルド・トランプ米大統領はトルコがでっち上げの罪で米国人牧師を拘束しているとし、解放を求めて次々に制裁を科してきた。

 アルゼンチンのペソも標的にされ、年初から約50%下落している。同国では公共事業や有権者の人気取りに使われた多額の公的債務など、クリスティーナ・キルチネル前大統領がもたらした経済的打撃が尾を引いている。

 南アフリカについては、投資家が政府の農地収用計画に反対するなかランドがドルに対して年初から約15%下落している。インドも投資家の厳しい視線を浴びており、ルピーは約13%下落している。貿易赤字や一貫性に欠けるナレンドラ・モディ首相の改革の行方が懸念されているのだ。ブラジルでは10月の大統領選で左派が大敗する可能性が浮上し、レアルは20%下落している。

 各国はこれらを警鐘ととらえ、この瞬間に乗じて襟を正すべきだ。投資家は、利上げなどの短期的な措置には目を留めず、政府が支出抑制や債務削減、税制改革や貿易自由化といった経済改革に本気で取り組んでいる証拠を探している。政治的な干渉のせいで金融政策の信頼性が損なわれたトルコなどの国は、カレンシーボード制かドル化を検討すべきだ。

 先進諸国の中銀が利上げや危機後に購入した資産の縮小を続けるにつれ、市場の圧力は増すだろう。FRBと欧州中央銀行(ECB)が資産を削減するなか、投資家が買うべき米欧債券は増えそうだ。政府の資金調達コストは上昇しており、政策を誤る余地は減じている。

 今年の選択的な新興国市場パニックは、流動性の低下を受けて途上国が資本誘致策の強化を迫られる兆しだ。自国が標的になるのを待つよりも、世界経済が成長している今のうちに改革を進める方が良い。

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[経世済民128] 「老朽化マンション」の不都合な真実(Wedge) 赤かぶ
2. 2018年9月28日 14:34:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1578]
都心再開発の主役「大型オフィスビル」の新潮流とは
渋谷、八重洲・・・不動産は「ソフト」の時代を迎える
2018.9.28(金) 曽我部 健
新たなエコシステムを作り上げようとする八重洲(写真:マリンプレスジャパン/アフロ)
 都心で進む再開発。2020年東京五輪はその大きな要因とされた。しかし、2020年と関係なく、再開発には新しい流れができつつある。ソフトの時代だ。
これからの不動産のあり方をニッセイ基礎研究所・金融研究部准主任研究員の佐久間誠氏に聞いた。(取材・文/曽我部 健)

オフィスビル需要に隠された新潮流
 「再開発」は不動産業界の一大トピックスだ。業界全体の好景気を支えたといえるが、一方で都心オフィスビルの供給過多を心配する声は多かった。ただ当面その予想は外れたと言えそうだ。三幸エステートの調査によると、丸ビルに代表される大規模でスペックの高いAクラスビルの空室率は1.2%(2018年2Q)。この数字はオフィス需要が堅調であることを示している。

 佐久間氏はこの状況をこう分析する。

「背景にあるのは、活況なIT産業のオフィス拡張意欲が高いこと、そしてより魅力的な「場所」を働き手に提供しなければ優秀な人材が確保できないことがあります」

 どういうことか。

「従来の製造業を中心とした産業構造では『売り上げを伸ばすこと=工場を増やすこと』でした。企業は工場を作り、この工場を効率化することが重要だった。しかし、経済の中心となりつつあるIT産業において生産現場となるのは工場ではなく、オフィスです。事業を拡大するにはシステムエンジニアの数を増やす必要があり、それにはオフィスを増やさなければなりません。また、オフィス環境が快適で、さらにそのオフィスが通勤しやすい利便性の高い場所、ステイタスのある場所にあれば、企業は人材確保もしやすくなります」

 デジタル化による産業構造の急速な変化の中で、生産現場が「工場」ではなく「オフィス」へと変わっていく。それも、ただ働く場所としてのオフィスではなく、付加価値を作るオフィスだ。

「作業するためだけであれば、スペースさえあればよかったかもしれません。しかし、求められる仕事がクリエイティブを伴うのであれば、これまでのオフィスとは違う形だよね、という意識が根底にあると思います」

 とはいえ、昨今の働き方の変化は「場所」を問わないようにも見える。

「SNSを中心に、デジタルな世界でのコミュニティやネットワークが拡大していますが、最近はその反動としてリアルなコミュニティの重要性が再認識され始めています」

 おもに管理し、作業する場だったオフィスが、クリエイティブな場所へと変わり、そのクリエイティビティを高めるための「リアル」な要素を兼ね備える必要がある――。いわば「ハード」の価値だけではなく「ソフト」面の価値を訴求すること。

 オフィスビル需要にはこうした今までにない「価値」が反映されているのである。

 その象徴として起きているのが「ワンフロアが大きいほうが交流しやすく、社内のコミュニティを育みやすい」という流れだ。企業の集積が進むビジネスエリアであれば、社外とのコミュニティを醸成することもできる。

「再開発が進む渋谷が好例です。米グーグル日本法人は、2019年に六本木から渋谷ストリームに移転しますが、貸室面積1.4万坪のオフィスフロアを一括賃借します。人員増を視野に入れ、現在の実に2倍以上の社員を収容できるスペースになる予定です」

「大手町ビルヂング」に注目が集まる理由
 この変化は新築の大きなビルにとどまらない。

 佐久間氏が「注目のモデルケース」として挙げるのが、日本経済の中心地・丸の内の「大手町ビルヂング」である。

 大手町ビルは、三菱地所が本社にしてきた低層・横長のレトロなビルだ。

 竣工したのは1958年なので、築60年である。再開発ブームの中、三菱地所は「大手町ビルヂング」を取り壊して再開発するのではなく、リノベーションして活用しようとしている。

「大手町ビルに入居するのは、トヨタ自動車の自動運転を支える通信技術やインターフェイスなどを開発する部門などの先端企業やコワーキングスペースです。従来の丸の内は金融機関など大企業の本社、法律事務所、会計事務所など、賃料負担力の高い業種や企業が多かった。そうすると多様性や活気という点でほかの地域に劣ってしまいます。加えて、建物自体もスクラップアンドビルドすることが多かった。大手町ビルヂングは築古の物件をリノベし、賃料を抑えることで、多様な企業や人を呼び込もうとしている。丸の内にエコシステムを創造しようという、非常に画期的で新しい試みです」

 こうした例は先進企業の多いニューヨークでもよく見られるもの。まさに「ハードよりもソフトが重要」ということを象徴しているケースといえる。

 このソフトとは「人が集まる仕組み」と言い換えてもいい。例えば、東京駅周辺は丸ビルができたことにより大きく変わった。さらに日本橋口前も開発中の「東京駅前常盤橋プロジェクト」によって変わっていくだろう。

再開発が進む都心部の未来予想
 ではこれからの「再開発」はどうなっていくのだろうか。佐久間氏は2020年以降についてこう予測する。

「丸ビルに代表されるAクラスビルの賃料は、2019年後半にピークを迎え、以降2022年前半まで下落に転じることが予想されます。理由は18年?20年に多くのビルが竣工して供給過多になり、また、19年10月に予定される消費税増税により景気が一時的に落ち込むと予想されるため。しかし、大規模ビルは21?22年に落ち着いたのち、23?24年以降にまた大きな供給が始まります。今後も虎ノ門、八重洲、常盤橋などに大きなビルが誕生し、大規模ビルの供給は続いていくでしょう」

 こうした状況は、例えば企業のCRE戦略などに大きな影響を与えていくだろう。

「企業が不動産を所有しておくだけ、というのは右肩上がりの時代、または変化の少ない時代だからこそできたことなんです。各企業は『今後変化が起こる』ということを認識する必要があります。その時代の変化に対し、差別化が難しいコモディティ化した不動産で対応するには、ハード(箱)ではなくソフト面で価値を高める必要があるということ。『オフィス=働く場所』『ホテル=寝る場所』ではなく、もう一歩踏み込んだ価値を提供しなければならない時代に入ってきているのです」

 ハードからソフトへの収益構造の移行は、パソコンの例を見てもよくわかるはずだ。活発な再開発が示すのはソフトの時代という事実なのである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54226


 


配信日:2018年9月27日アイビー総研株式会社 関 大介氏が、J-REIT投資の考え方について、解説いたします。
第149回 新規上場銘柄への投資について【J-REIT投資の考え方】
1.新規上場の動きが続く背景と市場の評価
7月末に公表された日銀の政策変更が微調整であったことも影響し、J-REIT価格は安定的な推移を続けている。東証REIT指数は、9月下旬の時点で昨年末より50ポイント程度高い1,750ポイント前後での推移を続けている。
このような順調な市況を背景にJ-REIT市場への参入を目指す動きが続いている。8月だけでも投資家向けアパート販売のシノケングループ(以下、シノケン社)は8月8日に投資法人(仮称シノケンリート投資法人)の設立を目指すことを公表した。シノケン社は個人向けのアパート販売及び管理受託を行っているが、投資法人との物件競合を避けるために1億円程度の物件は従来通り個人投資家に販売し、その規模を超える物件を投資法人に売却するとしている。まずは70億円程度で上場前REIT(※1)を組成し、300億円規模での東証上場を目指す方針を示している。
また、8月24日にマンション分譲の日本エスコン(以下、日本エスコン社)は既に設立し110億円の資産規模になっている上場前REIT(※1)の「エスコンジャパンリート投資法人」に対して、さらに7物件を売却することを公表した。投資法人への売却価格及び時期は決定していないが、日本エスコン社の売却予定7物件の簿価は64億円強になるとしていることから、投資法人の資産規模は200億円に近づくものと考えられる。
J-REITの組成はスポンサー企業にとっては、安定的な売却先となるという大きなメリットがある。さらに売却物件の管理や資産運用会社を通じた運営報酬という安定的な収益源を確保できる「事業」という側面もある。特に一般顧客を対象とする不動産販売が事業のメインとなっている企業にとってメリットが大きいため、企業価値を上げるために取る必然的な選択肢と言える。
ただし、資本市場における新規上場銘柄に対する評価は厳しい。上場時の価格動向は市場の影響を受けることになるが、直近5年の動向を見ると2015年以降は初値が公募価格を下回る事例が増えている。2018年は9月に上場した伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(証券コード3493)も含め、9月まで上場の4銘柄全ての初値が公募価格を下回る結果となった(図表1参照)。

2.価格低迷の背景と投資スタンス
新規上場銘柄の価格が低迷する背景には、主要な投資用途の違いがあったとしても不動産賃貸業という他銘柄と差別化しにくいというJ-REITの特徴がある。さらに不動産価格が高騰している中での上場となっているため、他銘柄の多くが潤沢な含み益を持つ中で新規上場銘柄は投資家を引きつけなければならない。
加えて不動産価格の高騰は2013年頃から指摘されていたが、日銀が追加緩和策を打ち出すことでJ-REIT価格が上昇し結果的にプレミアム増資が可能な状況となっていた。新規上場銘柄であっても既存銘柄と同様に高い価格で増資が可能になることで1口当たり分配金が増加し、価格上昇が続くというプラスのスパイラル(循環)が結果的に成立していた。
しかし、今後は日銀の金融緩和策が長期化したとしても、J-REIT価格が大幅に上昇するような政策が打ち出される可能性が極めて低い。つまり今後の上場銘柄は、分配金が大幅に上昇するようなプレミアム増資は期待できないと考えられる。プレミアム増資の実現が難しい状況に加え、不動産価格の高騰の影響で上場後に取得する物件の取得利回りは既存ポートフォリオを下回る可能性も高くなっている。安易に物件取得を続ける銘柄では、分配金が減少するリスクさえ投資家は考慮する必要性がありそうだ。
リーマンショック前にも、マンション分譲会社を中心に新規銘柄が一気に増加するという動きは見られた。その頃とは異なり、スポンサー企業が破綻してもJ-REIT同士の合併が可能になったという点では投資リスクは少なくなっている。しかし投資家としては、上場後の価格動向を見極めた上で投資を行っても「乗り遅れる」という事態にはならないだろう。唯一、新規上場銘柄で価格上昇期待があるとすれば、これまでにない投資用途の銘柄が登場する時と考えられる。
※1:シノケン社・日本エスコン社ともに「私募REIT」とプレスリリースでは記載しているが、既にJ-REIT市場には上場を志向しないオープンエンド型の私募REITが存在している。この2社は投資法人の上場を目指しているため、本稿では上場前REITと標記している。
※2:2018年9月時点で上場している銘柄を対象としている。
コラム執筆:アイビー総研株式会社 関 大介
<本内容は、筆者の見解でありアイビー総研株式会社及びJAPAN-REIT.COMを代表したものではありません。個別銘柄に関する記載がある場合は、その銘柄の情報提供を目的としており、お取引の推奨及び勧誘を行うものではありません。また執筆時点の情報を基に記載しております。>
次の記事「第148回 物流系銘柄の価格低迷要因について【J-REIT投資の考え方】」
https://info.monex.co.jp/lounge/approachjreit/2018/09/27-033203.html

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[不安と不健康18] 果糖の摂取量がこの100年で6倍に激増!肥満大流行を起こした物質の正体  コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想 うまき
4. 2018年9月28日 14:38:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1579]
【第4回】 2018年9月28日 ロバート・H・ラスティグ , 中里京子
痛風、糖尿病、心臓病、がん、認知症……
「果糖」が健康に最悪な11の医学的理由
「低炭水化物ダイエットは正解か?」
「脳が砂糖をやたら欲しがるのはなぜか?」
「食べた分だけ動けば確実にやせるのか?」
「カロリーを減らせば体重は減るのか?」
これらの「食事の疑問」に答えつつ、「人が太るメカニズム」を医学的に徹底解明したNYタイムズベストセラー『果糖中毒』が9/13に発売された。
アメリカの一流メディカルスクール教授が229の医学論文から「食事の正解」を導き出し、「健康な脳と体」に戻るための処方せんをあざやかに提示したとして、原書はアメリカで12万部を超え、アマゾンレビュー987件、平均4.6と高評価をたたき出した。
最新のWHO統計によると、現在世界で約19億人が「体重過多」、約6億5000万人が「肥満」だという。これは世界中の人々が運動を怠けて、食べ過ぎた結果なのか? 『果糖中毒』では、「肥満は自己責任論」を全面否定し、現在の「肥満の世界的大流行」は糖分、特に「果糖」が主な原因だと結論づけている。
ここで『果糖中毒』の一部を特別に無料で公開する。
果糖の代謝プロセスは
酒とそっくり

 自然界では、果糖は決して単体では存在しない。無害な姉妹分子であるブドウ糖とつねに一緒だ。この2つの分子の化学組成は同じだが(C6H12O6)、同じものとはとても言えない。果糖はブドウ糖よりずっと多くの悪さをする。
 まず、メイラード(褐色)反応について考えてみよう。これは赤血球のヘモグロビンをヘモグロビンA1c(エーワンシー)に変えるのと同じ反応だ。医師たちはこの反応を利用した検査によって、特定の時間内に糖尿病患者の血糖値がどこまで上がるかを知る。
 反応生成物の色は褐色だ。だから、時間が経つとバナナは茶色くなり、熱を加えるとバーベキューソースにおおわれた肉がカラメル化される。あなたは自分の体の肉を摂氏190度で1時間焼くことによってメイラード反応を起こすこともできるし、摂氏37度で75年間焼くことによってメイラード反応を起こすこともできる。結果は同じだ。
 そして果糖はメイラード反応をブドウ糖より7倍速く発生させることがわかっている[1]。この差異は一見すると微々たるものだが、体中の細胞をより速く老いらせ、老化現象、がん、認知機能の低下など、さまざまな退行変性プロセスを引き起こしかねない。今では、果糖がメタボ症候群の主要原因になっていることを示唆する研究がたくさんある。
 実のところ、果糖の代謝はエタノール[酒の主成分]の代謝によく似ている。それを見ていくために、ここで120キロカロリー分のショ糖(ブドウ糖60キロカロリーと果糖60キロカロリー)を摂取した場合について考えてみよう。
 たとえば、237ccのグラス1杯分のオレンジジュースがそれにあたる(ジュースは清涼飲料水より悪いとは言わないまでも、それが与えるダメージは同じぐらい悪い)。
 60キロカロリー分のブドウ糖は、20%対80%に分かれ、12キロカロリー分のブドウ糖が肝臓に行く〔48キロカロリー分はほかの臓器で代謝される〕。しかし、あらゆる臓器で代謝されるブドウ糖とは違い、果糖はほぼ肝臓でしか代謝されない(ごく稀なケースでは腎臓も少量の果糖を代謝する能力を持つことがある)。
 こうして、そのほとんどすべてが肝臓に行きつく60キロカロリーの果糖に、この12キロカロリー分のブドウ糖が加わり、肝臓には合計72キロカロリーが押し寄せることになる。
 これは、ブドウ糖だけの場合に比べると3倍の量だ。この果糖独特の代謝方法は、メタボ症候群に関連付けられている現象を引き起こす可能性がある。
果糖はどのように
体に入っていくか
果糖の代謝プロセス1  尿酸が生まれ、痛風をもたらし、血圧が上がる
 処理量が3倍になるということは、ブドウ糖だけだったときに比べて、肝臓が代謝のために必要とするエネルギーも3倍になるということだ。こうして、肝臓細胞からアデノシン3リン酸(ATP、細胞内でエネルギーを運ぶ重要な化学物質)が奪われる。ATPが欠乏すると、老廃物である尿酸が生成され、痛風をもたらすとともに、血圧を上昇させる。
果糖の代謝プロセス2 直接ミトコンドリアに入り、パンクさせる
 果糖はグリコーゲンの生成過程には入らずに、直接ミトコンドリアに入る。するとアセチルCoA(コエー)が過剰に生成され、それを代謝するミトコンドリアの能力を超えてしまう。
果糖の代謝プロセス3 脂肪になり、心臓病を押し進める
 余ったアセチルCoAはミトコンドリアを離れ、代謝されて脂肪になり[2]、心臓病を押し進める原因になる。
果糖の代謝プロセス4 肝臓がインスリン抵抗性になる
 果糖は、肝臓内で炎症を引き起こす肝酵素を活性化する。これによりインスリン作用の主要メッセンジャーが不活性化され、肝臓はインスリン抵抗性になる。
果糖の代謝プロセス5 血糖値が上がり、糖尿病につながる
 肝臓でインスリンの作用が欠乏するということは、ブドウ糖を低く抑える手段がまったくなくなるということだ。そのため、血糖値が上がり、究極的に糖尿病が引き起こされる。
果糖の代謝プロセス6 内臓脂肪が増える
 肝臓にインスリン抵抗性があると、膵臓が余分なインスリンを分泌しなければならなくなり、余分なエネルギーを脂肪細胞に送ることになって、最終的に肥満になる。エネルギーが最も多く詰めこまれる先は、代謝性疾患に関連付けられている内臓脂肪細胞だ。
果糖の代謝プロセス7 がん発症の可能性が高まる
 インスリンの血中濃度が高いと、さまざまながんが発症する危険性がある[3]。
果糖の代謝プロセス8 空腹感が高まる
 インスリンの血中濃度が高いと、レプチンシグナルがブロックされて、脳の視床下部に「飢えている」という誤った考えを抱かせ、空腹感が高まる。
果糖の代謝プロセス9 腸壁のバリア機能を奪い、インスリンレベルを上げる
 果糖はまた、腸壁のバリア機能を損なっている可能性がある。正常な場合、腸は血流にバクテリアが侵入するのを防いでいる。だがこのバリア機能が損なわれると、腸壁に穴があく。その結果は「リーキーガット」〔腸管壁浸漏症候群〕[4]で、体は炎症や、より多くの活性酸素にさらされるようになる。この状況はインスリン抵抗性を悪化させて、インスリンレベルをさらに押し上げることになる[5]。
果糖の代謝プロセス10 メイラード反応が生じ、がんの発症を加速させる
 果糖は、細胞に直接ダメージを与えかねないメイラード反応をブドウ糖より7倍速く引き起こす。研究はまだ初期の段階にあるものの、予備実験の結果、影響を受けやすい環境下では、果糖は老化とがんの発症を加速させると示唆されている。
果糖の代謝プロセス11 認知症が起こる
ヒトにおける果糖と認知症の結びつきに関するデータは現在のところ相関してはいるが、直接的なものではない。とはいえ、インスリン抵抗性と認知症に関するデータには、はっきりした因果関係がある。アフリカ系とラテン系のアメリカ人は、アメリカ最大の果糖消費グループで、胴回りも最大だ(インスリン抵抗性を示す)。それと同時に、この2つのグループは、認知症のリスクも最も高いグループになっている。
[1] W. L. Dills, Jr. (1993) “Protein Fructosylation: Fructose and the Maillard Reaction,” The American Journal of Clinical Nutrition, 58 (5 Suppl): 779S-87S.
[2] V. T. Samuel (2011) “Fructose Induced Lipogenesis: From Sugar to Fat to Insulin Resistance,” Trends in Endocrinology and Metabolism, 22 (2): 60-5.
[3] R. J. Shaw et al. (2012) “Decoding Key Nodes in the Metabolism of Cancer Cells: Sugar & Spice and All Things Nice,” F1000 Biology Reports, 4: 2.
[4] S. Thuy et al. (2008) “Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Humans Is Associated with Increased Plasma Endotoxin and Plasminogen Activator Inhibitor 1 Concentrations and with Fructose Intake,” The Journal of Nutrition, 138 (8): 1452-5.
[5] M. Maersk et al. (2012) “Sucrose-Sweetened Beverages Increase Fat Storage in the Liver, Muscle, and Visceral Fat Depot: A 6-Mo Randomized Intervention Study,” The American Journal of Clinical Nutrition, 95 (2): 283-9; N. K. Pollock et al. (2012) “Greater Fructose Consumption Is Associated with Cardiometabolic Risk Markers and Visceral Adiposity in Adolescents,” The Journal of Nutrition, 142 (2): 251-7.
(本原稿は書籍『果糖中毒』からの抜粋です。訳者による要約はこちらからご覧になれます)
著者について
ロバート・H・ラスティグ(Robert H. Lustig)
1957年ニューヨーク生まれ。カリフォルニア大学サンフランシスコ校小児科教授。マサチューセッツ工科大学卒業後、コーネル大学医学部で医学士号を取得。2013年にはカリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールで法律学修士号(MSL)も取得。小児内分泌学会肥満対策委員会議長や内分泌学会肥満対策委員会委員などを歴任。「果糖はアルコールに匹敵する毒性がある」と指摘した講義のYouTube動画「Sugar: The Bitter Truth(砂糖の苦い真実)」は777万回以上視聴されるほど大きな話題になった。
中里京子(なかざと・きょうこ、訳者)
翻訳家。訳書に『依存症ビジネス』(ダイヤモンド社)、『ハチはなぜ大量死したのか』(文藝春秋)、『不死細胞ヒーラ』(講談社)、『ファルマゲドン』(みすず書房)、『チャップリン自伝』(新潮社)ほか。
https://diamond.jp/articles/print/180755
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54198
タンパク質も脂肪も一網打尽、小腸の巧みな栄養吸収考究:食と身体(6)狩猟の神ディアナ篇
2018.9.28(金) 大平 万里
下腹部のあたりには、栄養分などを吸収する消化管「小腸」がある。
 私たちは「食」の行為を当然のようにしている。では、私たちの身体にとって「食」とは何を意味するのだろうか。本連載では、各回で「オリンポス12神」を登場させながら、食と身体の関わり合いを深く考え、探っていく。

(1)主神ジュピター篇「なぜ食べるのか? 生命の根源に迫る深淵なる疑問」
(2)知恵の神ミネルヴァ・伝令の神マーキュリー篇「食欲とは何か? 脳との情報伝達が織りなす情動」
(3)美と愛の神ヴィーナス篇「匂いと味の経験に上書きされていく『おいしい』記憶」
(4)炉の神ヴェスタ篇「想像以上の働き者、胃の正しいメンテナンス方法」
(5)婚姻の神ジュノー篇「消化のプレイングマネジャー、膵臓・肝臓・十二指腸」
 ミステリーの醍醐味の1つは、やはり密室トリックであろう。密室トリックでは「犯行時刻に被害者以外の出入りが困難」であることが前提にある。犯人はどうやって忍び込んだのか、あるいはどんな方法を使って犯行を可能にしたのか、そこに謎解きの面白さがある。
 細胞にも似たようなところがある。細胞膜は基本的に脂質(油)でできており、水に溶ける物質は通しにくい。一方で、消化で生じた糖やアミノ酸には水に溶けるものが多く、細胞膜をそのまま通過することはできない。にもかかわらず、現実には糖やアミノ酸は小腸から体内へ吸収されている。
 まさに密室トリックのように思えるのだが、糖やアミノ酸が供給されている限り、小腸での吸収は途切れることなく続いていく。
 となると、小腸は「特定の犯行時刻の密室トリック現場」というよりも「必要な獲物(栄養素)を常に狙っている狩人」のような存在と見た方が適切であろう。
デンプンやタンパク質を分解して、小腸に通し吸収
 ギリシャ・ローマ神話で狩猟の神といえば「ディアナ」である。ディアナは処女神で純潔の象徴でもあり、純潔を犯すものは誰であっても容赦しない。つまり、狩りの獲物以外の汚らわしいもの(消化されてない異物)はいっさい受け付けないのである。同時に、狙った獲物は銀の弓矢で確実に仕留め、自分のものにする。
 さて、狙った獲物(栄養素)を仕留め、自分のものにする(吸収する)ために、小腸の上皮細胞はどんな戦略をとっているのだろうか。
 まず、アミノ酸や糖に細胞膜をそのまま通過させることはできないわけだから、特別な仕組みが必要となる。具体的には、特定の糖やアミノ酸だけを通す「トランスポーター」と呼ばれるタンパク質が、小腸上皮の細胞膜上には何種類も埋め込まれている。
小腸とその仕組み。小腸は、空腸そして回腸からなり、その後は大腸となる。小腸の上皮細胞は、微絨毛と呼ばれる突起の表面にある。上皮細胞を越えたところに動脈・静脈(毛細血管)や毛細リンパ管などがある。
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 ただ、このトランスポーターを介して物質が体内へ入っていくには、タンパク質ならアミノ酸、デンプン(多糖)ならブドウ糖(単糖)などにまで小さくなっている必要がある。
 1匹なら仕留めることができても、群れを一気に狩るのは難しいのだ。やはり、大きな分子は身体にとってはまだ異物なのであり、体内に入ってきては困るのである。そのために膵液に含まれる消化酵素によって、タンパク質やデンプン(多糖)はかなりバラバラにしてきたわけだが、まだ完全ではない。
 そこで、それらをさらに細かくする消化酵素(銀の矢)が小腸の上皮細胞には存在する。その消化酵素は、上皮細胞から分泌されたり、上皮細胞の細胞膜上に配置されたりして、麦芽糖などの二糖類や、アミノ酸が3つ連なったトリペプチドなどを分解して、必要なアミノ酸や糖を無駄なく細胞内へ取り込むのである。
 以上が、デンプン(多糖)やタンパク質の吸収過程である。
 健康食品などでよく見かけるコラーゲンやナットウキナーゼは、さまざまな効果が喧伝されているが、どちらもタンパク質であるから、アミノ酸に近い段階まで分解されない限り小腸から吸収されることはない。そして、期待されるタンパク質の機能は、小腸に吸収される時点で完全に失われてしまっている。よって、当然のことながら、口から摂取したそれらのタンパク質の体内での効果は期待できない。
アミノ酸や糖は門脈を直行し肝臓へ
 吸収されたアミノ酸と糖のその後についても簡単に記しておこう。
 トランスポーターを介して上皮細胞を通過した糖やアミノ酸は毛細血管に入る。通常、動脈から枝分かれした毛細血管は、再集合して静脈となり心臓へ戻っていくのだが、小腸の毛細血管が再集合すると「門脈」という特別な血管となり、肝臓へ向かう。そして、門脈は肝臓内で再び枝分かれして、糖やアミノ酸のそれぞれの活用法が決まる。
 すなわち、狩りで得た獲物(アミノ酸や糖)は、門脈というバイパスを通って、食肉加工場(肝臓)へ直行するというわけである。
肝臓における門脈域。中央の円形になっている箇所が門脈の一部。門脈はさらに放射状に枝分かれして糖やアミノ酸を肝細胞へ供給する。(写真作者:Kateryna Kon)

脂肪は遠回りに運ばれて肝臓へ
 ここで「脂肪はどうなっているのか」と気になっている方も多いだろう。脂肪は、胆汁に含まれる胆汁酸によって微小な小胞として小分けにされた後、膵液の消化酵素で分解されて小腸へやってくる。脂肪はもともと水に溶けないので、その分解産物も細胞膜とは相性がよく、吸収も容易であろうことは想像に難くない。
 実際、小胞に含まれる脂肪分解物の多くは、糖やアミノ酸で必要だったトランスポーターなしに、ほぼ上皮細胞内へ取り込まれる。まるで細胞膜という投網で群れ(脂肪の分解物)を一網打尽にするような感じである。
 上皮細胞に入った脂肪の分解産物は、再び脂肪へと合成される。しかし、全身に脂肪を供給するためには、再び「水の世界」へ戻らなければならない。そこで「水の世界」での脂肪の運搬を実現させるため、「カイロミクロン」という脂肪を含んだ巨大な輸送体が小腸の上皮細胞内で作られる。
電子顕微鏡で観察した小腸の上皮細胞におけるカイロミクロン(赤い部分)。分かりやすくするため画像に彩色している。(写真作者:Jose Luis Calvo)
 このカイロミクロンの表面は細胞膜と同じ成分、つまりリン脂質でコーティングされており、体液中を移動できる仕様になっているのだ。そして、カイロミクロンは毛細血管ではなく乳糜管(にゅうびかん)と呼ばれる毛細リンパ管へ送り出される。
 乳糜管に入ったカイロミクロンはその後、リンパ管 → 鎖骨下静脈 → 心臓 → 動脈、というルートを経由して、ようやく肝臓に到着する。
 つまり、糖やアミノ酸と異なり、脂肪は門脈経由の肝臓直行ルートではないのである(ただし、吸収の際に、脂肪の分解産物を取り囲んでいた胆汁酸は、門脈へ進む)。
小腸の技は巧みだが危険も
 脂肪の吸収において糖やアミノ酸と異なる点がもう1つある。肝臓に至る途中で、カイロミクロンが筋肉や心臓、脂肪組織へ脂肪を供給してしまうのである。つまりは、狩った獲物を、食肉加工場(肝臓)を通さずに、消費者(筋肉、心臓)や問屋(脂肪組織)に直接売りさばいているわけだ。そして、肝臓にたどり着いた売れ残り(カイロミクロン・レムナント)は、脂肪の新たな輸送小胞である超低密度リポタンパク質(VLDL)の材料として使われる。
 こうしてみると、獲物(栄養素)の特性に合わせて効率的に狩り(吸収)をするディアナの技法は、実に巧みというほかない。しかし、消化管は外部と内部の境界線にある。吸収器官である小腸においては、特に異物が侵入してくる危険性と常に隣り合わせである。密室トリックに不向きといっても、決して安全な場所ではないのだ。
 例えば、胃の強酸環境をくぐり抜けたバクテリアが、小腸内で大増殖したらどうするか。最悪、押し込み強盗事件(感染)に発展しないとも限らない。やはり、特別な警備組織、それも多様な侵入者にも柔軟に対応できる強力な部隊が必要である。
 次回は、そんな小腸の防御システムを紹介しよう。


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[不安と不健康18] 植物状態の患者の一部に「意識がある」と実証した研究者の記録『生存する意識──植物状態の患者と対話する』 うまき
1. 2018年9月28日 14:40:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1580]
https://diamond.jp/articles/-/180610
【第6回】 2018年9月28日 サンジブ・チョプラ :ハーバードメディカルスクール教授,デビッド・フィッシャー ,櫻井祐子
「瞑想でIQが上昇」ハーバード教授が驚きの報告 テロメラーゼ活性が「有意に高かった」
テレビからネットに雑誌、書籍まで、世の中にはまことしやかな「健康情報」が、日々次から次に流れている。コレを食べると「やせる」「血液さらさらになる」などとテレビで放送されると、翌日にはスーパーからその食品が消えるといったことが繰り返されている。
だが、実際にはその情報の信頼度はバラバラで、何の科学的証拠もないものが「とても健康にいい」と喧伝されていることも少なくない。
では、いったい何を信じればいいのかと思ってしまう人も多いのではないだろうか。
そこで、ハーバードメディカルスクールの教授であり医師としても活躍する著者が、信頼性の高い膨大な研究の網羅的な分析によって明らかになったことを集め、「これだけは間違いなく『いい』と断言できる」という食物・習慣を抽出した。その内容を一冊にまとめたのが『ハーバード医学教授が教える健康の正解』だ。ここでは同書から瞑想が脳に及ぼす影響について論じた部分を特別に一部を公開する。
「脳が変化する」というエビデンス

 これまで、瞑想はただの自己催眠だ、いや一過性の流行にすぎない、などと批評家に片づけられてきた。
 だがさいわい、最近の技術進歩により、瞑想に対する反応を脳画像技術を用いて記録することで、瞑想によって脳内に解剖学的、機能的変化が生じるというエビデンスが得られるようになった。また認知能力や、共感力などの感情に関わる変化の大きさに関しても、研究が進んでいる。
 著名な神経科学者で、ウィスコンシン大学マディソン校心理学精神医学教授のリチャード・デイビッドソン博士は、ワイスマン・センターの「健全な心のための研究所」所長も務めている。
 彼はfMRI(機能的磁気共鳴画像診断装置)と脳波記録(脳内の電気的活動を計測する技術)を用いて、人が瞑想を行うとき脳内で何が起こっているのかを調べる画期的研究を行った。
 瞑想歴の長い6人の修行僧がニュートラルな状態から瞑想状態に移行するとき、脳内で何が起こるかを観察したところ、脳内の(知覚や認知機能をつかさどる)ガンマ帯域で、同期化された高振幅の振動が長時間にわたって持続した。
 瞑想状態に移行する際の反応が急激で大きかったことから、「精神活動が直接的に変化した」とデイビッドソンは報告している。対照群にはこうした反応は見られなかったため、瞑想が非常に特殊な脳活動を促すことが証明された。
 2000年に、マサチューセッツ総合病院精神医学部門およびハーバードメディカルスクールに所属するサラ・ラザー博士の率いる研究チームが、次のステップとしてMRIを使って「単純な形式の瞑想中に、脳内のどの部位が活性化するかを特定、解明する」ための研究を行い、脳内の複数の部位で「信号の有意な増加を観察」した。
 そして最も重要なことに、「この結果から、集中と自律神経系の制御をつかさどる神経構造が、瞑想によって活性化されることを確認した」
 いいかえれば、瞑想が脳に変化を起こすというエビデンスを提供することが可能になったのだ。そこで次の疑問が生じた。「この変化はいったい何を意味するのか? 瞑想にはどんなよい効果があるのか?」
長寿のカギ「テロメア」にも好影響があった
 定期的な瞑想がもたらす生理学的作用に重要な効果が実際にあることが、ほかの画期的研究によって示されている。
 精神神経内分泌学の専門誌『サイコニューロエンドクリノロジー』で2011年に報告されたところによると、カリフォルニア大学デイビス校の研究チームが、60人を対象に3か月間の集中的な瞑想プログラムを行った。これを「シャマサ・プロジェクト」と名づけ、ほかの科学者にも参加を呼びかけて、瞑想をする人の反応を多面的に調べた。
 参加した研究者のひとり、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の心理学者エリッサ・エペルは、エリザベス・ブラックバーン教授と共同研究を行っていた。ブラックバーンはテロメアに関する先駆的研究により、キャロル・グライダーとジャック・ショスタクとともに2009年のノーベル生理学・医学賞を受賞した人物である。
 テロメアとは、靴紐の先端についているプラスチックのパイプのように、染色体の末端を保護するキャップのようなものだ。細胞分裂のたびに少しずつ短くなり、一定の長さ以下になると分裂を停止して「細胞老化」という状態になる。
 テロメア短縮とテロメラーゼ活性低下は、心臓疾患、糖尿病、肥満、変性疾患、そして寿命の短期化といった重篤な疾患や症状のリスク上昇と関連している。
 研究者の報告した成果は驚くべきものだった。瞑想をする人はテロメラーゼ活性が「有意に高かった」 のだ。「自己統制感の高まりとネガティブな感情の減少が、テロメアの長さと免疫細胞の寿命に影響をおよぼすテロメラーゼ活性の上昇に寄与したことを、データは示している」と結論づけられた。
 2004年、エペル博士とブラックバーン博士はほかの研究者とともに、ストレスがテロメアの活動と長さに与える影響を実証する研究を行った。この研究の対象は59人の母親で、うち約半数が病気の子どもを介護する母親、残りが健康な子どもをもつ母親だった。
 長期のストレスがテロメアの長さに影響するという仮説は正しかった。
「介護群では、介護年数が長いほどテロメアは短く、テロメラーゼ活性が低かった」。そして「とくに強いストレスを感じていた女性たちは、ストレスがとくに少なかった女性たちに比べて、テロメアの長さが年数にして平均10年分も短かった」と結論づけられた。
 テロメアの短さは、加齢に伴うさまざまな病気とのあいだに関連性が認められている。したがって、ストレスを減らすことが、健康を大きく増進させるのは明らかだ。
「IQ」のスコアが有意に上昇
 さまざまな形態の瞑想にストレスを軽減させる効果があるようだ。
 代替医療の専門誌『オルタネット・セラピーズ・イン・ヘルス・アンド・メディシン』に掲載された2012年の研究は、名門全インド医科大学で1か月にわたって行われた小規模な研究だ。
 参加者34人にストレスを誘発するような経験をさせてから、電気皮膚反応と心拍数、唾液コルチゾール(ストレスにさらされた人が放出するホルモン)の値を測定した結果、「瞑想により、参加者のIQと認知機能のスコアが有意に上昇する一方で、ストレスレベルは低下した」としている。瞑想がストレス状況下での身体のコルチゾール放出を減らすことは、ほかの複数の研究でも確認されている。
 前述の「シャマサ・プロジェクト」の別部門は、瞑想が血中コルチゾール濃度に与える影響を調べた。結果は健康心理学の専門誌『ヘルス・サイコロジー』に2013年に掲載され、「安静時コルチゾール値とマインドフルネス測定尺度のスコアとのあいだに直接的な関係があることを示したのは、本研究が初めてである」と、研究者のトニー・ジェイコブズは述べている。「直接の感覚経験と当面のタスクに多くの認知資源を集中させたと報告した参加者ほど、安静時コルチゾール値が低かった」。いいかえると、マインドフルネスの状態にあればあるほど、経験したストレスは少なかった。
 継続的な瞑想が長期的な健康を促すのは、このようにストレスを減らす効果があるからかもしれない。「ストレスは、現代の主な死因のすべてと関係があることがわかっています。ストレスや気分が関係しない病気など考えられません」と、アリゾナ大学教授のチャールズ・レゾン博士もいっている。
(本原稿は書籍『ハーバード医学教授が教える健康の正解』からの抜粋です。続きは本書でお楽しみください)
サンジブ・チョプラ(Sanjiv Chopra)
ハーバードメディカルスクール(ハーバード大学医学部)教授。医師。米国内科学会最高栄誉会員(MACP)。ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(ハーバードメディカルスクール附属病院)肝臓科上級医長。毎年150ヵ国8万人の医師を教える、世界で最も学術的に優れた医師生涯教育プログラムである、ハーバードメディカルスクール生涯教育部門の部長を12年間務める。医療現場での臨床判断のツールとして世界60万人以上の医師によって利用されているインターネット上の電子教科書「UpToDate」の肝臓病セクションの編集責任者も務める。ハーバードメディカルスクール優秀教育者賞、ロバート・S・ストーン賞(ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターで医師、スタッフ、学生により選出)、米国消化器病学会優秀教育者賞、エリス島名誉勲章など多数の賞を受賞している。

デビッド・フィッシャー(David Fisher)
著述家。15冊以上のニューヨークタイムズベストセラーの著書を持つ。

櫻井祐子(さくらい・ゆうこ):訳者
翻訳家。京都大学経済学部卒、オックスフォード大学大学院で経営学修士号を取得。訳書に『CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』『選択の科学』(ともに文藝春秋)、『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』(日本経済新聞出版社)、『イノベーション・オブ・ライフ』(翔泳社)、『第五の権力』『0ベース思考』『SPRINT最速仕事術』(いずれもダイヤモンド社)など。


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/651.html#c1

[経世済民128] GPIF、リーマン再来なら巨額評価損 危機に備えを 債券市場が警告するイタリア、警告機能なき日本 うまき
1. 2018年9月28日 14:46:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1581]
https://diamond.jp/articles/-/180759
2018年9月28日 塚崎公義 :久留米大学商学部教授
日本の「財政」も「年金」も破綻しないので心配はいらない

財政の破綻を議論する際は
破綻をどう定義するかが重要
「日本の財政が破綻するか否か」を議論する際、まず破綻をどう定義するかが重要だ。なぜなら、「日銀に紙幣を印刷させて、それを政府が借りて全ての支出を賄えば、財政は絶対に破綻しない」からだ。確かにハイパーインフレになるかもしれないが、絶対に破綻はしない。
 あるいは、日本人の個人金融資産は1800兆円あって、政府の借金額より多いのだから、「税率100%の財産税」といったものを新設すれば、暴動が起きるかもしれないが借金は全て返済でき、やはり破綻しない。
 だが、こうした事態は現実的ではない。そこで本稿では「国債の償還不能のほか、ハイパーインフレや預金封鎖など」を「財政破綻」と定義することとする。
 そこで以下では、そうしたことをせずに、長期的に政府が借金を返せるのかという問題意識で論じることにしよう。
「極端すぎて話にならない」と言われることを承知の上で、極端なケースから初めてみたい。
 一人っ子と一人っ子が結婚して一人っ子を生むと、日本人の人口は減って行き、最後は一人になる。その子は、家計金融資産1800兆円を相続する。その子が他界すると、それが国庫に入るから、政府の借金は一瞬で消える。
「財政赤字は、われわれのツケを将来世代に押しつけるもので、世代間格差を作り出す」と言われる。その限りでは正しいが、遺産のことも考えれば、それは正しくないのだ。世代間格差などない。あるのは遺産が相続できる子と、できない子の「世代内格差」だけだ。
 つまり、数千年待てば財政赤字問題は解決するのだから、基本的に心配は無用なのだ。あとは、その間に何かとんでもないことが起きて財政が破綻する可能性があるのか否かを検討すればいい。

「明日までは破綻しない」が続き
結局、破綻しない

 続いて、少し現実的な話をしよう。
 日本人投資家が現金を手にしたとき、「もしかしたら日本政府が破産すれば、現金は日本銀行券だから紙くずになるし、日本国債も紙くずになる」と考えたとする。彼(もしくは彼女、以下同)の選択肢は、外貨を買うことだけだ。メガバンクに預金したり、日本株を買ったりする選択肢は合理的とは言えまい。
 だとすると、彼は「国債を買うと日本政府が破産するかもしれないが、外貨を買うと円高外貨安で為替差損を被るかもしれない」と悩むに違いない。
 そして、彼はこう考える。「明日以降のことは明日考えるとして、とりあえず明日までの間、どうしよう」「今日まで順調に国債は消化されてきた。他の投資家たちは日本政府の破産より円高外貨安を恐れているから、明日までに日本政府が突然破産する可能性は低そうだ。外貨を持っているより安全そうだから、明日までは日本国債で運用しよう」と。
 明日も明後日もそのように考えて同じことをするので、数千年の間、日本国債は投資家に順調に購入され、日本政府は破綻せずに最後の日を迎えることができると筆者は考えている。もちろん、その前に増税が実施されれば、財政が健全化される可能性はある。
 さて、そうはいっても投資家たちが「日本政府は明日までに破産するリスクが高いから、外貨の方がマシだ」と考える可能性はゼロではない。そうなると、日本政府は国債が発行できず、資金繰りに行き詰まるかもしれない。そう考える読者も多いだろうが、大丈夫。政府の借金が、外貨建てではなく円建てだからだ。どのように大丈夫なのかは、次回の拙稿(来週金曜日寄稿予定)で詳しく述べる。

少子高齢化による労働力不足で
気楽に増税できるようになるはず

 違う視点から考えてみよう。
 今後は、少子高齢化で増税が容易になるため、財政が健全化するだろう。そう考える根拠は、少子高齢化によって労働力不足になるからだ。
 現在、政府が増税を躊躇している理由は2つだ。1つは選挙で負ける可能性、そしてもう1つは増税によって景気が後退すれば失業者が増え、景気対策が必要となることだ。
 第1の点はさておき、第2の点に関しては、今後、少子高齢化によって労働力不足の時代になるということが重要だ。「景気がいいときは猛烈な労働力不足、景気が悪いときは労働力の需給が均衡」といった時代になれば、「気楽に」増税ができるようになるはずだ。
 さらにいえば、景気が過熱してインフレが心配なときに、「金融引き締めではなく増税で景気を冷やしてインフレを抑制する」といった選択肢も検討されるようになるかもしれない。そうなれば、一石二鳥であろう。

配偶者も子も親もいない被相続人に
高率の相続税を課すべき

 筆者は、増税するならば相続税だと考えている。痛税感が軽いこと、労働意欲などを阻害しない税であること、自分の努力ではない所得に課税する方が公平であることなどがそう考える理由だ。
 特に、被相続人に配偶者も子も親もいない場合には、兄弟姉妹が相続するわけなので、これには高率の相続税を課すべきだろう。子がいないということは、彼が受け取っていた年金の原資は「他人の子が納めた年金保険料」なのだから、使い残した分は国庫に納めるのが公平というものだ。
 最近は、結婚しない人や、結婚しても子がいない人が増えているので、数十年待てば、そうした人々から莫大な相続税が国庫に納入されることになろう。
 筆者がもう1つ期待しているのが固定資産税だ。これは、東京一極集中を是正する策としも重要だろう。都心の会社がオフィスを地方に移転させれば、東京都心の雇用が減って地方に雇用が生まれ、労働者の移動を促すことになる。これも一石二鳥となり得る税収といえる。
 上記したように、財政は破綻しない。一方で、景気は「税収という金の卵を産む鶏」だ。下図を見ると、GDPがわずかに増減しただけで税収が大きく増減しているのが見て取れる。

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 焦ることはない。今は景気が後退しないようにしっかり見守り、景気拡大が税収を伸ばしてくれることを確認しよう。10年後か20年後に、労働力不足が深刻化して、増税しても失業者が増えない、と確信できるようになってから増税すれば十分だ。

公的年金は破綻しないから
年金保険料はしっかり払った方がいい

 ただ、少子高齢化は、年金財政が苦しくなってしまうという問題を伴う。日本の公的年金は、「現役世代から集めた金を高齢者に配る」システムだから、現役世代と高齢者の人数比が変わると年金財政が苦しくなる。
 しかし、年金が受け取れなくなることはない。年金の額が減ることは当然あるだろうが、それは皆が長生きするのだから仕方のないことといえる。健康ならば70歳まで働いて、70歳から年金を受け取れば、毎回の受け取り額が42%増えるので、現在の高齢者と遜色ない年金が受け取れると期待しよう。
連載の著者、塚崎公義氏の近著『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』(河出書房新社 税込1512円)
 もう1つ心強いのが、政府が他の予算を削っても、年金だけは削らないと思われることだ。理由は2つある。
 第1の理由は、年金を削ると生活できずに生活保護を申請する高齢者が激増し、かえって財政が苦しくなる可能性が高いこと。もう1つは、シルバー民主主義である。年金を削ると選挙に負けるので、政治家は何としても年金だけは払おうとするのだ。
 読者諸兄が自営業者などである場合、年金保険料を払わないと、老後の年金が受け取れなくなってしまう。そうした事態にならないよう、払えるならばしっかり払おう。どうしても払えないなら、免除の申請書を出そう。黙って無視している場合と比べて、紙一枚で大きな違いがあるからだ。
 なお、本稿は拙著『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』の内容の一部をご紹介したものである。詳しく知りたい場合、あるいは来週の記事を先読みしたい場合は、拙著をご覧いただければ幸いである。
(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

 

2018年9月28日 みわよしこ :フリーランス・ライター
生活保護費引き下げが始まっても苦学生を見捨てない堺市の気概
10月1日、6月に再改正された生活保護法がついに施行される。実質的な保護費引き下げのなかでも、中高生の支援を根気よく続け、国も注目する堺市の取り組みとは(写真はイメージです) Photo:PIXTA
生活保護費引き下げを前に
中高生の未来を応援する
 2018年10月1日、つまり本記事の公開から3日後、6月に再改正された生活保護法が施行される。同時に、生活保護基準のうち生活費分(生活扶助)の見直しが実施される。今回の見直しは「ほぼ引き下げ」(最大5%)で、複数の子どもがいる世帯に対する引き下げ幅が特に大きい。
 複数の子どもがいる生活保護世帯は、2013年に行われた生活費分の引き下げ以後、2015年の家賃補助(住宅扶助)・暖房費補助(冬季加算)引き下げなどの積み重ねで、ジワジワと締め付けられ続けている。家計は、今でさえ青息吐息だ。日々の暮らしや学校生活や地域での生活は、これからどうなるのか。「知り合いのおばさん」の立場から、心配でならない。
 さらに同日、6月1日に再改正された生活保護法が施行される。生活保護世帯の子どもが大学などに進学する際に、10万円(自宅外の場合は30万円)の一時金を給付するという内容は盛り込まれているのだが、進学後に生活保護の対象から外れる取り扱いは現在と変わらない。現在の大学生活の困難は、ほぼ解消されないだろう。また、これまで現金で給付されてきた「学習支援費」は、10月以後、ほぼクラブ活動の実費のみとなる。
 その法改正の直前の5月30日、大阪府・堺市は、生活保護世帯の中高生向け未来応援BOOK『ココから!』を作成したことを公表した。明るいイメージの表紙をめくると、「私たちは、頑張っている中高生のみなさんを応援しています!」という言葉がリボンに飾られている。その下には「家庭の事情で将来の夢を諦めないで」「未来にはたくさんの可能性」「将来に向けての準備をゆっくり『ココから!』」という文言が並ぶ。
 私は思わず、涙しながら疑問を抱いてしまう。堺市のケースワーカーたちは、なぜ希望を捨てず、立ち去らずにいられるのだろうか。そこで堺市役所を直接訪れ、現役ケースワーカー・元ケースワーカーの皆さんから、直接お話を聞かせていただいた。
 現在の堺市の生活保護には、若手ケースワーカーの勉強会「Switch」(生活困窮者の支援の在り方研究会)という重要な存在がある。発足当初は、日常業務の中で感じるモヤモヤ感を持ち寄り、率直に語り合う場、ケースワーカーの「しゃべり場」だった。
 奨学金問題が世の中の話題となっていた2016年初頭、Switchの集まりで、「生活保護世帯から進学した大学生は、どうしているんだろう?」という問題意識が語られた。生活保護のもとでは大学などへの通学が認められていない。生活保護世帯の高校生が、家族と同居したまま大学に進学する場合、その大学生1人を別世帯とする「世帯分離」が行われる。生活保護の単位は「世帯」だからだ。
 同時に、大学生はケースワークの対象ではなくなる。何時間アルバイトしているのか。どういう困難に直面しているのか。奨学金の借り入れは何万円なのか。国民健康保険に加入せず、無保険状態になってはいないか。気がかりでも、同居している親などを通じて聞き取るのが精一杯だ。調査しなくては、実態はわからない。そして、世帯分離して家族と同居している生活保護世帯の大学生などの生活実態調査が、ケースワーク業務の一環として行なれることになった。
政府を動かした
ケースワーカーたちの取り組み
お話を聞かせていただいた堺市の皆さん。堺市のケースワーカーは総勢172名(2018年4月1日)。女性比率はおおむね60%
 大学生たちは、家庭からの経済的支援を受けられない。学費と生活費のために、アルバイトに明け暮れる。さらに日本学生支援機構奨学金から借り入れる奨学金総額の中央値は、4年制大学の場合で500万円台だ。学生生活は、疲労と不安とともにある。
 2017年度、厚労省は全国を対象として同様の調査を行なった。堺市の取り組みの影響であろう。厚労省の調査では、「子どもが大学に進学したため保護費が減額され、60%の家庭が食費や衣料費をさらに節約した」といった詳細が明らかになっている。
 しかし今回、一連の生活保護制度改革で、「大学進学なら世帯分離」という原則は揺らいでいない。なお、生活保護のもとでの大学進学を認めるにあたり、法改正は必要ない。厚労省の通知1通で実現できる。
 Switchはこの後、大学卒業後に関する調査も行い、9割は堅実な職業生活を歩んでいることを明らかにしている。大学進学という選択肢が、生活保護世帯を含むすべての高校生に同等の選択肢として与えられることの意義は大きい。
 健康福祉部生活援護管理課・保護係長の木寺さんは、今回の生活保護法改正について「今までとは、少しは変わったと思います」と肯定的に語る。
「大学生は、世帯分離すれば保護世帯から“いなく”なっていました。でも、その先の生活には、不安がたくさんあります。今回の進学準備給付金の支給は、そこにつながることを考えるきっかけ、考えていただくきっかけになったのではないでしょうか」
 今回、生活保護のもとでの大学進学について、大きな改善がされたわけではない。しかし、改善がなかったわけではない。
「大学進学後、卒業後の生活を踏まえて、何ができるのか。そこを考えることはできます」(木寺さん)
 もちろん、「お金が足りない」という問題はある。
「何をするにもお金が必要です。今の現実の中で、ガマンしなくてはならないことが多い保護世帯の方を、どう支援していけば、貧困の“状態”を少しでも改善できるのか。どのケースワーカーも考えるところです」(現役ケースワーカーAさん)
制度改悪が重なるなか
ケースワーカーとしてできること
 それでも、一連の制度改革に対する私の不安は消えない。今回の制度改革で、高校生を含む生活保護世帯の子どもたちに用意される支援は、ほぼ「大学に合格したら」などの条件がつく。無条件の支援、特に現金給付は、生活費を含めて減少する。
 自立支援係長の齋藤さんは、生活保護世帯の子どもたちに対する支援制度の数々について「まだ始まったばかりですから」と前置きしながら、以下のように語る。
「目の前に、皆さんがいらっしゃいます。法改正、大きな制度改正に対する思いは様々ですが、1人のケースワーカーとして支援をしていくことに変わりはありません。進学前、あるいは就職前、進路に悩んでいる生活保護世帯の子どもたちや親たちを見ているケースワーカーだからこそ、必要性を感じて『ココから!』を作ったわけです」(齋藤さん)
 6月、『ココから!』は、中高生の子どもがいる生活保護世帯に紙の冊子として配布された。早くも、親からは「子どもと進路の話をしやすくなった」という声があるという。10月1日以後、制度がどうなろうが生活保護世帯とケースワーカーの関係は続いていく。
 さらに、特筆しておきたい堺市の特徴の1つに、横や斜めのつながりがある。現在、木寺さんや齋藤さんは生活保護業務を離れている元ケースワーカーだが、現在の部署から連携を強め続けている。
高校中退は自ら選んだこと?
「ここまで」は本当なのか
 しかし、現在、「生活保護だから」というハードルが存在することは、やはり否定できない。元ケースワーカーで現在は生活援護管理課所属の堀毛さんは、以下のように語る。
「日ごろ、子どもさんたちを見て、支援の枠組みを考えているのですが、生活保護だからということで、夢や目標を諦めてほしくないです。進学、就職、その方なりの道を見つけていただきたい。それが前提にあっての活動です……。それは、“壁があって乗り越えにくいから”ということになるのかもしれませんが」
 木寺さんも補足する。
「子どもさんたちは、どこかで自分の可能性の限界を見極め、測りながら生活しているところがあります。もちろん、すべての可能性を実現できる人は、ほとんどいません。でも、見えない壁によって、『自分はここまで』と思い込んでしまっている感じがあります」
 それが端的に現れるのは、高校を中退するときだ。多くの場合、ケースワーカーに対しては「自分の意志で、もう辞めた」という事後報告になる。木寺さんは「本当にそうなの?」と問いかけたい。でも、その問いそのものが伝わりにくい。
 齋藤さんは、「どうしても数字を意識してしまう」という。
「生活保護世帯のお子さんの高校中退は、1年生の夏休みの前後で多いです。そこを認識して、タイムリーに働きかける必要があります。普段から、子どもさんに会ってもらって『最近、学校どう?』と聞いたり。会わないと、話ができませんから」
 ケースワーカーに話しにくくても、無料の学習支援や“居場所“でボランティアを行なっている大学生には話せるかもしれない。だから、齋藤さんたちは手段を増やす取り組みを重ねている。
「少しでも中退率が下がったらいいなあ、『高校を辞めなくてよかった』と言ってくれるお子さんが1人でもいればいいなあ、と思っています」(齋藤さん)
 堺市の学習支援と“居場所”は、2015年から生活困窮者自立支援法に基づく制度として開設されており、現在は4年目だ。しかし、家庭以外の場所に出ていくことが困難な子どもたちもいる。まずはケースワーカーを含めて、「こういう場がある」「こういう機会がある」と少しずつ情報を提供する。自分で行けそうになかったら、“居場所”のスタッフを紹介し、そのスタッフが定期的に訪問して面会したりする。その子が“居場所”に行ってみようという気になるのは、来週かもしれないが、数年後かもしれない。
 ともあれ生活保護制度の目的は、「最低限度だけど健康で文化的な生活」を保障することと、「自立の助長」だ。「自立」が生活保護からの脱却を意味することもある。
「でも、そこで、その方の生活が終わるわけではありません。その後の生活を踏まえて、基本的な支援をしていく。大きな制度改正があっても、基準見直しがあっても、そこに変わりはありません」(木寺さん)
和気あいあいと楽しみながら
今年度は「依存症」に取り組む
 Switchが最初に注目されたのは、2017年5月、生活保護世帯の大学生の生活実態調査だった。
「お金がなくても、金銭的ではない資源を含めて、知識を適切にお伝えすることができれば、貧困でも学習の機会を得ることはできるかもしれません」(現役ケースワーカーBさん)
その後、Switchはさらに目覚ましい活動を続けている。今年度は、メンバーが中心となって冊子『ココから!』を発行しただけではなく、貧困と依存症を中心に学びを深めている。
 なぜ、パチンコ屋に行くのか。公式用語『ギャンブル等依存』の『等』とは何なのか。少し考えてみると、わかっていないことが多い。だから学ぶ。
 若手ケースワーカーの「しゃべり場」としてスタートしたSwitchは、今や、堺市公認の部活「ケースワーク部」に見える。
「でも、和気あいあいと、高望みはしすぎず、残していけるものを残して、自分たちが楽しんで、やりたいことをやるのが一番だと思っています……。『部活』という響きは、ストンと落ちる感じがしますね」(堀毛さん)
 部活なら、顧問も必要だ。
「認めてくれて、理解してくれる上司の存在が大きいです。私たちが『やりたい』と言ったことを、一度飲み込んで考えて、業務化してくれたりする上司の存在は、ありがたいです」(堀毛さん)
 同じ大阪府の羽曳野市でケースワーカー業務に就いていた仲野浩司郎さん(社会福祉士・現在は生活困窮者自立支援制度担当)も、堺市の取り組みの特徴の1つは「行政によるバックアップ」と指摘する。
「勉強会を開催している自治体は、全国的に見ても多いと思いますが、行政とタイアップした取り組みまで昇華させているケースは数少ないのではないでしょうか。堺市の懐の深さを感じます」(仲野さん)
 それに、現在の状況が深刻だからこそ、長く遠い見通しを持つ必要があるのかもしれない。
「新しい支援を始めて、翌月に大きな前進があることは滅多にありません。でも、生活保護世帯の皆さんは、毎日、毎月、進んで行かれます。タイミングを逃さないことが最も難しく、最も楽しいところです」(現役ケースワーカー・Cさん)
堺市とSwitchの取り組みを
希望とヒントの灯火に
本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中
 羽曳野市の仲野さんは、堺市が社会福祉専門職採用を積極的に進めている自治体の1つであること、一連の取り組みは社会福祉専門職の「専門性」の発揮や役割に関するヒントにもなっていることを感じている。
「日々の個別支援から見えてきた課題を解決するために、堺市は応援ブックを作成し、利用者目線での支援の標準化を図りました。並行して、制度の改善に向けた実践を行ないました。ソーシャルワークにおける“メゾ・マクロ”の実践だったと思います」(仲野さん)
 生活保護で暮らす1人ひとりは大切な存在だが、「ミクロ」ばかりを見ていると必然的に“煮詰まる”のかもしれない。希望とヒントの灯火として、私はこれからも、堺市とSwitchの取り組みに注目し続けようと思う。
【参考URL】
堺市:生活保護世帯の中高生向け未来応援BOOK「ココから!」
http://www.city.sakai.lg.jp/kenko/fukushikaigo/seikatsuhogo/kokokara.html
(フリーランス・ライター みわよしこ)

https://diamond.jp/articles/-/180751

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/576.html#c1

[経世済民128] 全財産919円になるまで仮想通貨にハマった36歳契約社員のマイルド貧困(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
4. 2018年9月28日 15:35:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1582]
34歳貧困男性が「今が幸せ」と感じる深刻原因
ブラック企業で働くよりバイトのほうがいい
藤田 和恵 : ジャーナリスト 2018年09月28日

30歳手前からは、ファミリーレストランやパチンコ店でアルバイト。ホームレス、生活保護、ネットカフェ難民を経て現在は、マンションなどの清掃員として働いているカナメさん(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「転職を繰り返したせいで税金や国保の滞納があり、毎日の生活に不安や不満が付きまといます」と編集部にメールをくれた34歳の独身男性だ。
大学院卒業の前年、リーマンショックが起きた。就職が決まっていた会社からは内定を取り消され、なんとか入社した別の会社は半年で倒産。その後、転職を重ねた先は、異常な長時間労働やサービス残業、ノルマの強制などが横行する問題企業ばかりだった。


この連載の一覧はこちら
30歳手前からは、ファミリーレストランやパチンコ店でアルバイト。ホームレス、生活保護、“ネットカフェ難民”を経て現在は、マンションなどの清掃員として働いている。

神奈川県在住のカナメさん(34歳、仮名)の“経歴”である。

滞納した税金が給与から差し引かれる
いま、ひとつ困っていることがある。ホームレス時代などの一時期、市県民税を滞納したため、給与の差し押さえに遭っているのだという。毎月およそ20万円の手取り額から滞納分を差し引かれ、カナメさんの手元には13万円ほどしか残らない生活が、ここ半年ほど続いている。13万円は、地域の生活保護水準とほぼ同額である。

「生活保護と同じといっても、僕は(生活保護利用者と違って)医療費はかかるし、働いているので昼食代とか出費もかさみます。(生活保護利用者よりも)確実に僕のほうが苦しい。もちろん、払わなかった自分が悪いんです。でも、布団もカーテンもない暮らしから、頑張ってやっとここまで挽回したのに……。落とし穴にでもはめられた気分です」


役所から届いた差押調書。延滞金13万4600円を含め、差し引かれる金額は合計37万3600円(筆者撮影)
払わないとか、減額してほしいと言っているわけではなく、杓子定規に生活保護と同じ水準になるまで差し引くのはあんまりなのではないか――。自治体の担当者に電話をかけ、そう文句を言った。しかし、返ってきたのは「法律で決まっていること。どこで決まったか? 国会です」という冷たく、短い答えだったという。

カナメさんは「貧困を知らない人が、制度や法律をつくっていると思います」と訴える。

母親の“恐怖政治”に縛られてきた
生まれ育った家庭は「裕福なほうでした」。父親は国家公務員で、母親はフルタイムで働く派遣社員。幼い頃から、水泳教室や英語教室などに通い、大学進学では、浪人も許された。大学院卒業までの学費は、奨学金の返済も含めて親が負担したという。

しかし、カナメさんは両親のことを、特に母親のことを「毒親」だと非難する。毒親とは、虐待やネグレクト、過干渉、抑圧などによって、子どもに悪影響を与える親のことを指す。2000年以降に広まった言葉である。

「小さい頃から、母親の“恐怖政治”に縛られてきました。いつも母親の機嫌ばかりうかがっていました」とカナメさん。

殴る蹴るといった直接の暴力は受けなかったが、リモコンやラジカセ、茶わんなどのモノをよく投げつけられた。「星一徹ばりのちゃぶ台返し」も何度かあったという。

「何より嫌で、怖かったのは、でかい声で怒鳴られること。たとえば『私はお前の家政婦じゃねえんだよ』とか。後は、産みたくて産んだんじゃない、みたいなこととか。今でも、(仕事などで)大きな声で怒鳴られると体がキュッとなります」

親子関係ばかりは、他人が簡単に理解することはできない。子どもに経済的に不自由をさせない親の中にも、毒親はいるだろうし、一方で、カナメさんの両親にも、言い分はあるだろう。

ただ、息子がホームレス状態になったとき、そのことを人づてに聞いたらしい両親は「今、お前には会いたくない」と、これもまた人づてに伝えてきたという。

カナメさんは「親子の縁は自分からぶった切ったんです。今はなんの感情も、憎しみもありません」と言う。ただ、取材中は、母親について「ウソつき」「結婚生活の不満を子どもにぶつけていた」「今度会ったら殺す、くらいの気持ち」と恨み言を繰り返した。

子どもが毒親の呪縛から逃れるのは、そう簡単なことではないのではないか。

カナメさんはこれまで10社近い会社で正社員として働いてきた。そこでは、さまざまな違法・不当な働かせ方がまかり通っていた。いわゆるブラック企業が、いかに野放しにされているかという話である。同時に、彼には実家という“一時避難先”がなく、失業しても、まともな転職先を探す余裕もなかったのだろう。

オール電化システムの購入を勧める営業の仕事では、会社が決めた出退勤時刻に従い、朝礼にも参加しなくてはならなかったが、個人事業主としての契約だった。1日200軒以上の住宅を訪問し、やり取りはボイスレコーダーで録音するよう命じられた。トラブル防止と説明されたが、「僕たちがさぼっていないかを監視することが目的だったと思います」。

毎晩の帰宅時刻は、日付が変わる頃。顧客が家にいる可能性が高い週末は、まず休むことはできなかったという。

その後、勤めたIT関係の会社では、会社で寝泊まりするのは当たり前。残業時間や深夜割増手当などという概念はないも同然だったという。

ただ、営業はむいていたのか、カナメさんの成績は悪くなかった。上司や同僚から「お前のおかげで目標達成だ!」「支店のエース」などと言われると、うれしかったという。

「洗脳されていたと思います。会社で寝泊まりしていたときも、不思議と苦痛じゃなかった。頭を空っぽにしないと、頑張るのっていいなと思わないと、やってられないというのもありました」

収入は、オール電化の訪問販売だけは歩合制だったため、月収40万円近くなることもあったが、それ以外は15万円から、多くても20万円台なかば。正社員とはいえ、ボーナスは一度ももらったことはなく、有給休暇を取ったこともないという。

同じことの繰り返し
一方で、カナメさんが会社を辞めた理由は、「人を見下すような上司の怒鳴り方が、母親に似ていた」「異動先の支店で営業成績を上げられず、給料が下がったから」「インフルエンザになったから」「やりがいを感じない」など、必ずしもやむをない事情があったわけではないようだった。

ブラック企業など、とっとと辞めるというのはひとつの選択肢だし、メンタル不調に陥るよりはずっといい。しかし、転職先もまたブラックでは、同じことの繰り返しだ。

「不況と言われる割に、選ばなければ、仕事はあっさり見つかったんです。だから変に辞め癖が付いてしまったというか……。」

ホームレスを経験したのは、30歳を過ぎたころ。きっかけは、当時住んでいた部屋から引っ越しをするため、退去手続きを取った矢先に、勤務先の社長とトラブルになり、会社を辞めたことだった。すぐに敷金礼金を用意して新しい部屋を見つけることは難しく、宿無し、一文無しの生活は4カ月に及んだ。年齢が高くなるにつれ、特に正社員の仕事は確実に見つけづらくなっていた。

現在のマンション清掃の仕事は、アルバイトである。長時間労働も、サービス残業もない。職場には、勤続数十年の先輩アルバイトもおり、不当な雇止めの話も耳にしたことがない。皮肉なことに、非正規労働の今が、最も法律に守られた働き方をしているという。

「人間関係もすごくいいんです。正社員になることもできるそうなんですが、(基本給などが低く抑えられているので)正社員のほうが、年収が低いんです。なら、アルバイトのままでいいかなって。これ、“フリーターあるある”なんですよね」

「今がいちばん、幸せ」
リーマンショックのあおりをもろに食らい、一方で、ここ5、6年の「アベノミクス景気」の恩恵はみじんも受けていないカナメさん。それでも選挙には必ず行く、と胸を張る。

何を基準に投票するのかと尋ねると、「勝ちそうなところに入れる」。勝利しそうな政党や、当選しそうな候補に投票するという。理由を問うと、カナメさんはこう説明した。

「自分に世の中を見る目があるかどうかを確認するためです。事前にニュースとかを見て、勝ちそうだと思うところに入れる。結果、その政党や候補が勝てば、自分には世の中の状況を見極める目があるってことになりますよね」

自分の1票を死票にしたくないということなのか。現行の制度や法律に不満を抱きながら、政治による変化は期待しないのか。見る目も何も、よほどの接戦は別にして、普通に新聞やテレビを見れば、たいていの勝敗は予想がつくのではないか。選挙での圧勝は、時に権力の暴走にもつながるのではないか。

私がさまざまな疑問をぶつけると、カナメさんは「はあ、そういう考え方もあるんですね」とあいまいな笑顔を見せた。

「今がいちばん、幸せだなって思うんです」と、カナメさんは言う。生活保護水準の暮らしは苦しいが、それもあと少しの辛抱だ。

「プロ野球の(横浜DeNA)ベイスターズのファンなんです。深夜まで働いていた頃は、野球は結果を見るだけでした。でも、今は家で野球中継を見ることができる。こんな生活、社会人になってから初めてなんです。夕食も、モヤシを(中華調味料の)ウェイパーと一緒に煮るとおいしいし、時々、それに豚バラを乗っければ十分。貧乏だし、10年後も今の仕事ができているかどうかはわからないけど、今すごく幸せだなって感じる自分がいるんです」。

今が幸せ――。社会学者・古市憲寿の著書『絶望の国の幸福な若者たち』の中には、同じような思いを抱く若者たちが登場した。古市はあるインタビューの中でこう語っている。

「人は将来に希望をなくしたときに、『今が幸せ』と感じるのではないでしょうか」
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/598.html#c4

[経世済民128] 突然の買い出動 株価2万4000円乗せの立役者は日銀だった(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年9月28日 18:19:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1583]

低レベルな記事

>株価2万4000円乗せの立役者は日銀

別に日銀が買ったから、これだけ上がったわけではない

>配当落ち(配当の権利確定日の翌日)だったこともあり、午前中のTOPIX(東証株価指数)は0.7%の下落でした。この下落で、日銀は久しぶりのETF購入

そういうこと

今年の6月を見れば明らかだが

700億円オペを何度も行っている

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm


>ETF(上場投資信託)を約700億円購入したのです。ここ2週間ほど日銀は動いていなかったのに、突然、買い出動したのです。何があったのか……と勘繰りたくなります」(市場関係者)

だから

こういう発言はありえない



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/623.html#c2

[経世済民128] 日本中に「暴走老人」が溢れかえるかもしれない、ヤバすぎる現実 いま、介護業界で何が起こっているのか(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年9月28日 18:34:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1584]

>小規模事業所は地域の姥捨て山となり、職員たちは目の前の高齢者が明日も生存できるように、自分の生活や健康を犠牲にしてまで、地域のため、高齢者のために踏ん張っていた

当然、景気が改善し、もっと労働条件が良い職場が増えれば変わる

>多大な地域貢献をしてきたセーフティネットを潰してしまえば、問題のある高齢者たちが地域に解き放たれる

潰したくなくても、少子高齢化と経済衰退が進めば、必然的にそうなるから

安楽死などの法制化を進めない限り、日本も途上国化していくことは避けられないだろう

ただ、いくら暴走したところで、海外に比べれば、当分は桁違いに平和であるには違いない

特に殺人上位国では、統計データ自体不十分で氷山の一角に過ぎないが

それでも日本の100倍以上の殺人発生率

https://www.globalnote.jp/post-1697.html 
<2016年>
順位 国名 単位:件/10万人 注
1 エルサルバドル
82.84
2 ホンジュラス
56.52
3 ベネズエラ
56.33
4 米領ヴァージン諸島
49.26 4
5 ジャマイカ
47.01
6 レソト
41.25 1
7 ベリーズ
37.60
8 セントビンセント・グレナディーン
36.46
9 セントクリストファー・ネイビス
34.23 4
10 南アフリカ
33.97
11 トリニダード・トバゴ
30.88 1
12 ブラジル
29.53
13 バハマ
28.40
14 アンギラ
27.66 2
15 グアテマラ
27.26
16 コロンビア
25.50
17 モントセラト
19.88 4
18 中央アフリカ
19.76
19 セントルシア
19.27 2
20 メキシコ
19.26
21 ツバル
18.65 4
22 プエルトリコ
18.51
23 ガイアナ
18.37
24 ナミビア
17.14 4
25 ドミニカ共和国
15.18
26 南スーダン
13.90 4
27 コンゴ民主共和国
13.55 1
28 バミューダ
12.96
29 セーシェル
12.74
30 コスタリカ
11.90
31 コートジボワール
11.63 1
32 ウガンダ
11.52 2
33 カーボヴェルデ
11.49
34 フィリピン
11.02
35 バルバドス
10.91 1
36 マリ
10.90 1
37 ロシア
10.82
38 アンティグア・バーブーダ
10.33 4
39 グレナダ
10.25
40 ハイチ
10.04 4
41 モーリタニア
9.94 1
42 イラク
9.85 3
43 ナイジェリア
9.85 1
44 パナマ
9.67
45 ギニアビサウ
9.55 1
46 コンゴ共和国
9.32 1
47 パラグアイ
9.29 1
48 ガンビア
9.13 1
49 チャド
9.04 1
50 トーゴ
9.00 1
51 ギニア
8.82 1
52 ケイマン諸島
8.45 2
53 ドミニカ
8.37 5
54 エリトリア
8.04 1
55 ガボン
8.04 1
56 コモロ
7.70 1
57 ウルグアイ
7.69
58 マダガスカル
7.69 1
59 ペルー
7.67
60 エチオピア
7.56 1
61 キリバス
7.50 4
62 セネガル
7.38 1
63 ニカラグア
7.37
64 ラオス
7.01 1
65 タンザニア
6.95 1
66 ジンバブエ
6.67 4
67 イエメン
6.66 3
68 ジブチ
6.48 1
69 アフガニスタン
6.35 4
70 ウクライナ
6.34 2
71 ボリビア
6.30
72 ベナン
6.18 1
73 ブルンジ
6.02
74 アルゼンチン
5.94
75 タークス・カイコス諸島
5.93 2
76 エクアドル
5.85
77 モンゴル
5.66
78 米領サモア
5.40
79 米国
5.35
80 グリーンランド
5.31
81 ザンビア
5.30 1
82 リトアニア
5.25
83 キューバ
4.99
84 ケニア
4.87
85 アンゴラ
4.85 4
86 カザフスタン
4.81 1
87 ミクロネシア連邦
4.67 1
88 キルギス
4.49
89 モンテネグロ
4.46
90 ニジェール
4.44 4
91 パキスタン
4.41
92 北朝鮮
4.40 1
93 トルコ
4.31 4
94 ソマリア
4.31 1
95 カメルーン
4.17 4
96 レバノン
3.99
97 東ティモール
3.95 1
98 ベラルーシ
3.58 2
99 クック諸島
3.49 4
100 チリ
3.46
101 モザンビーク
3.40 5
102 ラトビア
3.36 1
103 サントメ・プリンシペ
3.36 5
104 タイ
3.24
105 リベリア
3.23 4
106 インド
3.22
107 モルドバ
3.19 2
108 エストニア
3.19 1
109 サモア
3.15 3
110 パラオ
3.11 4
111 チュニジア
3.05 4
112 アルメニア
2.98
113 アルバニア
2.70
114 スリランカ
2.55
115 ルワンダ
2.52 1
116 エジプト
2.51 4
117 グアム
2.51 5
118 リビア
2.50 1
119 バングラデシュ
2.50 1
120 イラン
2.47 2
121 赤道ギニア
2.31 1
122 ミャンマー
2.27
123 フィジー
2.26 2
124 ネパール
2.16
125 アゼルバイジャン
2.14
126 バヌアツ
2.13 1
127 マレーシア
2.11 3
128 ハンガリー
2.07
129 ベルギー
1.95 1
130 アルバ
1.93 2
131 カンボジア
1.84 5
132 モーリシャス
1.82
133 クウェート
1.80 4
134 マラウイ
1.73 4
135 シエラレオネ
1.71 1
136 カナダ
1.68
137 ガーナ
1.68 5
138 タジキスタン
1.61 5
139 コソボ
1.60
140 マケドニア
1.59 2
141 ヨルダン
1.55
142 ベトナム
1.52 5
143 サウジアラビア
1.50 1
144 フィンランド
1.42
145 セルビア
1.39
146 イスラエル
1.36 1
147 アルジェリア
1.36 1
148 フランス
1.35
149 ボスニア・ヘルツェゴビナ
1.28
150 ルーマニア
1.25 6
151 モロッコ
1.24 1
152 イギリス
1.20
153 ドイツ
1.18
154 ブルガリア
1.14
155 ブータン
1.13
156 キプロス
1.11
157 スウェーデン
1.08
158 スロバキア
1.05
159 クロアチア
1.04
160 ジョージア(グルジア)
0.99
161 ニュージーランド
0.99 2
162 デンマーク
0.98
163 トンガ
0.95 4
164 オーストラリア
0.94
165 マルタ
0.94 1
166 アラブ首長国連邦
0.89
167 台湾
0.82 1
168 アイルランド
0.80
169 モルディブ
0.75 3
170 ギリシャ
0.75
171 ルクセンブルク
0.72 2
172 韓国
0.70
173 パレスチナ
0.69
174 イタリア
0.67
175 ポーランド
0.67
176 オマーン
0.66 2
177 オーストリア
0.66
178 ポルトガル
0.64
179 スペイン
0.63
180 中国
0.62
181 チェコ
0.61
182 オランダ
0.55
183 スイス
0.54
184 バーレーン
0.52 2
185 ノルウェー
0.51
186 インドネシア
0.50
187 ブルネイ
0.49 3
188 スロベニア
0.48
189 香港
0.38
190 カタール
0.38 2
191 ブルキナファソ
0.37 1
192 シンガポール
0.32
193 アイスランド
0.30
194 日本
0.28  
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/622.html#c1

[国際24] プーチン大統領は「日ロの領土交渉に疲れた」 日露首脳会談、プーチン氏は日本に対し前向き  うまき
1. 2018年9月28日 18:52:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1585]
安保激変
「平壌共同宣言」が非核化につながらないこれだけの理由 核・ミサイル能力に影響なし、さらなる向上の可能性も
2018/09/28
村野 将 (岡崎研究所研究員)

(写真:代表撮影/Pyeongyang Press Corps/Lee Jae-Won/アフロ)
 9月19日、韓国の文在寅大統領と、北朝鮮の金正恩委員長との間で3回目となる南北首脳会談が平壌で行われ、その成果をまとめた「平壌共同宣言」が発表された。共同宣言は、南北関係の改善に関する項目が多くを占めているが、非核化に関連する(と彼らが主張する)ものとして、2つの項目が言及されている。
 第一は、東倉里のミサイルエンジン試験場と発射台を、関係国の専門家の監視下で、恒久的に廃棄するとしたこと。
 第二は、米側が6月12日の米朝共同声明の精神に基づき、相応の措置をとれば、寧辺にある核施設の恒久的廃棄などの追加措置を講じる用意がある、というものである。
 以下では、これらが北朝鮮の核・ミサイル能力との関係でどのような意味を持つのか、最近明らかになった情報分析と合わせて技術的な評価をまとめておきたい。
 結論から言えば、これらのいずれか、あるいは両方の措置をとったところで、北朝鮮の核・ミサイル能力には影響がないどころか、更なる向上を続けることもでき、非核化には程遠い措置ということだ。
東倉里のミサイルエンジン試験場は
優先的に廃棄しても構わない?
 平壌共同宣言で言及された東倉里のミサイルエンジン試験場は、既に6月の米朝首脳会談の時点で金委員長が廃棄を打診しており、7月20日頃から一部の解体が始まったことが衛星画像で確認されていた。
 同エンジン試験場は、北朝鮮のミサイル開発に大きな役割を果たしてきた。ここで行われた数々の試験の中でも最も重要とされるのが、2017年3月18日に金委員長立ち会いの下で行われた、大出力液体燃料ロケットエンジンの噴射試験である。このとき試験されたのは、従来北朝鮮が保有していたものとは異なる、RD-250系列と言われるウクライナ由来のエンジン技術であった。この試験で実証された技術を元に開発されたのが、「火星12(IRBM)」、「火星14(ICBM)」、「火星15(ICBM)」である。
 2017年に相次いで発射実験が行われた火星シリーズは、上記試験で使用されたエンジン、またはその改良型を搭載することにより、北朝鮮が元々保有していたスカッド・ノドン系列のミサイルから射程が大幅に延伸されている。中でも火星15は、液体燃料ICBMとしての技術的な完成度が極めて高い。北朝鮮から北米大陸の南端までは約1万2000kmの距離があるが、火星15の推定射程は1万3000kmもあり、核弾頭と弾頭を保護するカバー(シュラウド)を合わせて1トン程度のペイロードを搭載しても、ワシントンを打撃するには十分な射程を有していると考えられる。
 つまり、北朝鮮は液体燃料エンジンの推力や燃料効率をこれ以上改善させる必要はなく、地上で追加的な実験を行う理由は見当たらない。
 このことを踏まえれば、東倉里のエンジン試験場は2017年3月に主要な液体燃料エンジンの実験を終え、その後火星シリーズの実用化に成功した時点で不要なものであり、北朝鮮としては、対米交渉を行う上で優先的に廃棄しても構わないものと事前に判断していた可能性が高いと言えるだろう。
注目すべきは「固体燃料ミサイル」の動向
 今後北朝鮮のミサイル技術発展で注目すべきなのは、液体燃料ミサイルではなく、固体燃料ミサイルに関する動向である。固体燃料ミサイルは、キャニスターに装填したまま長期間保存できることから、燃料注入などの事前動作を行う必要がなく、相手から発見されにくい=即応性・残存性を向上させることができる。北朝鮮は既にソ連製の潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)をベースとした「北極星1」、それをキャタピラ式移動発射台に搭載した「北極星2」という固体燃料ミサイルを開発・保有しているが、これらの射程は1500-2000km程度と見られ、米国には届かない(後述するように、日本に届くことには大いに問題がある)。
 しかし、固体燃料ミサイルに関連する施設は東倉里には存在しない。例えば、発射実験用と見られるキャニスターは東部の新浦と南西部の南浦にそれぞれ設置されている。また、固体ロケットモーターの地上噴射試験や燃料の製造を行う施設は東岸の咸興にあり、しかも同施設は今年5月から6月にかけて大幅な拡張工事が行われたことが衛星画像によって確認されている。
 液体燃料ミサイルと固体燃料ミサイルの施設が別の場所にあるのは、重要施設を分散させることはもとより、ミサイル本体の構造が異なるためと考えられる。液体燃料ミサイルは、燃料と酸化剤の容量を増やしたり、ステージを積み増しすることによる射程延伸が比較的容易であるのに対し、固体燃料ミサイルは一度燃焼を始めると推力を調整するのが難しいため、燃料の成型段階で中心部に設ける穴の形状を変えるなどして、点火後の燃焼速度などを細かく設計する必要があり、技術的難易度が高い。南浦の実験用キャニスターは、北極星2よりも直径がやや大きいように見えるが、多少直径が太くなった程度ではICBM級の大幅な射程延伸には繋がらないだろう。
 実際、冷戦期の米ソを例外とすれば、中国が北極星シリーズと似たサイズの固体燃料ミサイル「JL-1(射程約1700km)」からICBM級の「DF-31(射程約8000km)」の飛翔試験に漕ぎ着けるまでには18年、インドの場合でも「アグニ2(射程約2000km)」を「アグニ5(射程約5500km超)」まで発展させるのには13年の年月を費やしていることからすると、北朝鮮が固体燃料ICBMの開発に短期間で成功することは難しいと考えられる。
 となれば、咸興の固体燃料関連施設が拡張されたことによって懸念されるのは、当面の射程延伸よりも、北極星シリーズの生産量が増加することである。既に米国家航空宇宙情報センター(NASIC)は、今年前半までに北極星2に使用される移動発射台と支援機材が増産されたと分析していることと合わせると、日本を攻撃しうる北朝鮮のミサイル能力は現状維持どころか、より深刻化していると見るべきであろう。
東倉里の発射台ももはや必要のないもの
 東倉里には、上記のエンジン試験場とは別に、「人工衛星の打ち上げ」と称して、「銀河2号/3号=テポドン2およびその改良型」の発射に使われてきたタワー型の固定発射台が存在する。
 この発射台は2012年4月と12月、2016年2月に使用されたが、それらを人工衛星の打ち上げと捉えるか、事実上の弾道ミサイル発射実験と捉えるかは解釈による。銀河3号=テポドン2改は、メインエンジンにノドン用のエンジンを4基束ねたクラスタエンジンを用いた3段式の打ち上げロケットであるから、北朝鮮がこれらの発射を通じて射程延伸に繋がるクラスタ化技術と、打ち上げ後のステージ分離の検証を行ったことは間違いないだろう。
 だが、これらが弾道ミサイルの発展・改良に繋がる技術的蓄積になったのは事実としても、テポドンそのものは“使える”弾道ミサイルではなかった。固定発射台を必要とする全長30m近い液体燃料ミサイルは、燃料注入にも時間がかかることから、その発射兆候を捉えることも容易であり、実戦的な運用には適さない。だからこそ、現在北朝鮮が実戦配備しているミサイル戦力は、燃料形式を問わず、すべて移動発射台に搭載されている。
 つまり北朝鮮にとってタワー型の固定発射台は、液体燃料エンジンの試験施設と同様、もはや必要ないものなのである。また平壌共同宣言では、専門家の立ち会いによって施設の恒久的廃棄を保証するとしているが、そもそもエンジン試験場と発射台の外部構造を専門家に見せたところで、大して有益な追加情報は得られない(その多くは、既に衛星画像や公開情報などから既に確度の高い分析評価がなされている)。したがって、東倉里の廃棄も、5月24日に行われた豊渓里の核実験場の廃棄のように、核・ミサイル能力の低減という観点からは効果のないパフォーマンス的なものにとどまることが予想される。
発射モラトリアム宣言に
日本向けミサイルは含まれず
 これまで米側は非核化交渉の第一歩として、北朝鮮側に核関連施設や製造済みの核弾頭・核物質のデータなどのリストを事前申告するよう要請していると言われる。これは米側が保有している独自のインテリジェンスと照らし合わせて、北朝鮮の核能力を正確に測定し、後の能力削減プロセスの実効性を担保するためであるが、北朝鮮側はこれに応じず、代わりに廃棄したり公開したりする施設を自ら一方的に指定しているというのが現状である。
 なお、固定発射台を解体すれば、衛星打ち上げを装った発射実験ができなくなると考えるのは誤りである。というのも、ロシアや中国は、これまでに弾道ミサイルの派生型を用いて移動発射台から衛星打ち上げを行ったことがあり、北朝鮮が同様の方式で発射を再開することは技術的に可能だからである。「核実験や大陸間弾道ミサイルの試射を中止する」とした4月20日の朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会での決定、その後の金委員長の「核武器の兵器化完結が検証された状況で、いかなる核実験や中長距離、大陸間弾道ミサイルの試射も必要なくなった」という発言に、衛星打ち上げが含まれていないことにも留意が必要である。
 また4月20日の決定で発射モラトリアムを宣言しているのは、中長距離ミサイル(=火星12・14・15)、つまりグアム以東に到達する米国向けの弾道ミサイルだけである。更に言えば、平壌共同宣言とともに署名された南北軍事分野合意書には、「南と北は地上と海上、空中をはじめとする全ての空間で軍事的緊張と衝突の根源となる、相手方に対する一切の敵対行為を全面中止することにした」とあることを踏まえると、日本向けとされる射程1000〜2000km超の準中距離弾道ミサイル(MRBM)“だけ”が発射モラトリアムの対象に含まれていない。これは前述した北極星シリーズ向けの固体燃料や移動発射台の増産傾向と合わせて、憂慮すべき状況である。
ミサイルの運用能力に関連する「3つの注目点」
 後述する核関連施設もさることながら、北朝鮮の能力を評価する上で重要なのは、製造済みのミサイル本体と移動発射台の数量、およびその生産関連施設である。これらの申告・査察・廃棄を求めることは、エンジン試験場や固定発射台の廃棄などよりもはるかに優先度が高い。逆に北朝鮮側からすれば、これらの能力を曖昧にし、生産・配備拠点を各地に分散させることで、米側の把握を困難にする狙いがある。
 北朝鮮のICBMを含むミサイル運用能力に関しては、ここ数カ月でいくつかの注目すべき動きがあった。
 第一は、7月末の時点で平壌の南・山陰洞の研究施設において、少なくとも1〜2基のICBMの製造が継続されているというものだ。同施設は、過去に火星15が組み立てられた工場で、上記の評価は米情報当局者や複数の民間研究者によって裏付けがとられている。
 第二は、平壌郊外のある施設の脇に設置されていた特殊な仮設構造物が解体されたという情報である。これには少し説明が要る。同施設は「3月16日工場」と呼ばれるトラック工場で、情報分析関係者の間では、ICBMと専用の移動発射台を組み合わせた後の最終点検を行う施設と考えられてきた。火星15の発射が行われた翌日の2017年11月30日には、朝鮮中央通信によって金委員長が工場を視察したときの様子が公開されている。
 注目すべきは、工場建屋の大型搬入口を囲うように設置されていた特殊な構造物である。隣接する工場建屋を大きく上回る高さのあるこの構造物は、2017年11月中旬に建設され、今年1月上旬に一度解体されたものの、4月中旬から末にかけて再び設置が確認されていた。したがって、今回の解体は2度目ということになる。
 北朝鮮が建設と解体を繰り返す理由はよくわからないが、この構造物は北朝鮮が元々火星14を載せるために使用していた8軸・16輪の移動発射台を、より大型で重い火星15を支えられるよう車軸を付け足して9軸・18輪に改修した後、ミサイルを実際に搭載した状態で起立試験を行うための囲いであると考えられる。
 北朝鮮は火星15に用いているオフロード用の9軸移動発射台を「(既存車両の改造ではなく)完全国産した」と喧伝しているが、彼らが非常に重いミサイルを支える多軸大型車両と、それを起立させられる強力な油圧システムを国産できるとの情報は確認されていない。元となっている8軸のオフロード車両は、中国から輸入した木材運搬用の大型トラック(WS51200)で、輸入データから北朝鮮国内に存在するのは6両と見られている。今年2月の軍事パレードでは、火星15を搭載した9軸の移動発射台が4両確認されていたから、今回工場脇の構造物が解体されたのは、4月中旬から8月にかけて残り2両の改修を終え、当面起立試験を行う予定がなくなったためではないかと推察される。
 この見立てが正しければ、ICBMを搭載できるオフロード用の移動発射台は最大でも6両にとどまっているはずである。ただし、オフロード用の移動発射台とは別に、2月のパレードで火星14を牽引していた大型トレーラーに起立装置を取り付けることができれば、舗装道路上で運用可能な移動発射台となりうることには引き続き注意が必要だろう。
カルゴル基地で発見された
アーチ状のミサイル・シェルター
 第三に注目すべきは、上記の起立試験用構造物と同じ役割を果たすと見られるミサイル・シェルターが、実戦用のミサイル配備拠点で発見されたことである。そのシェルターは北朝鮮南西部・黄海北道のカルゴルと呼ばれる基地にある。この基地は1990年代に機械化歩兵大隊用の拠点として建設され、のちに短距離弾道ミサイル用の運用基地に改修されたと見られているが、2017年9月の衛星画像にはこれまで確認されていなかった高さ13〜14mほどのアーチ状の天井空間を持つ建屋が増築されているのが確認できる(写真内真ん中(赤いポイントの下)の建物、および3D再現モデル)。この空間を使えば、スカッドER程度の大きさのミサイルを内部で起立させることが可能だ。

(提供:IHS Markit /Nathan J Hunt/ Thegius Ltd/ Joseph S Bermudez Jr)
 北朝鮮が屋内で移動式弾道ミサイルの起立が行える施設を設けているのは、固体燃料ミサイルの開発と並行して、液体燃料ミサイルの即応性を向上させる運用方法を模索しているためと推察される。通常、液体燃料ミサイルは安全性の観点から、屋外でミサイルを起立させたのちに燃料の注入を行うため、その間の攻撃に脆弱である。そこで北朝鮮は、山岳部に水平に掘られたトンネル内や秘匿シェルターのような場所で移動発射台にミサイルを寝かせたまま燃料を注入し、屋外に出したあとにそれを起立させることで、発射までの時間を短縮するための点検を行っていると考えられる。これに関連する動きとして、2017年4月16日に行った火星12の2回目の発射実験で、ミサイルに燃料を注入したまま水平状態から起立させようとした際にミサイルが倒れて発射に失敗したとの情報もある。
 カルゴル基地で発見されたアーチ状のミサイル・シェルターは、これまで北朝鮮国内のミサイル配備拠点では確認されていない。しかし、北朝鮮が他の場所にも同じ役割を果たす大型の秘匿シェルターを建造しているとすれば、それらの発見と対処はより困難になるのは間違いない。
 なお、ロシアは冷戦期からこれに類似した移動式ミサイル・シェルターを開発・配備している。ロシアのシェルターはアーチ状の起立スペースが設けられていない代わりに、天井部分が左右に展開して、そのままミサイルを発射可能な構造となっている。カルゴル基地の構造物には天井の展開機構は見当たらず、またエンジンを発射台上で直接点火するホットローンチ方式の火星シリーズなどをそのまま発射すれば、噴射炎によってシェルターが損壊する可能性もある。しかし、北朝鮮は固体燃料を使用し、高圧ガスを使ってキャニスターから打ち出した後にエンジンを点火させるコールドローンチ技術を実用化した、北極星シリーズの開発に既に成功している。仮に、北極星2を展開式の秘匿シェルターに配備することができれば、その発射を事前に探知することは極めて困難である。
寧辺の核施設廃棄提案から見えるもの
 さて、北朝鮮は平壌共同宣言の中で「米国が相応の措置をとれば、寧辺にある核施設の恒久的廃棄などの追加措置を講じる用意がある」としている。宣言文が公開された直後から、「米国が相応の措置をとれば」という条件が問題視されているが、ここではそれを深掘りすることはせず、寧辺の核施設が持つ意味についてだけ評価しておきたい。
 寧辺は、北朝鮮の核施設の代名詞とされてきたが、そこに存在するのは単一の施設ではなく、核活動に関連する様々な施設の複合体である。代表的なものとしては、5メガワット級の黒鉛減速炉、実験用軽水炉、核燃料製造=ウラン濃縮施設、プルトニウム抽出用の使用済み核燃料再処理施設などが挙げられる。
 このうち、寧辺で特徴的なのは核兵器の原料となるプルトニウムの製造能力である。少なくとも公開情報の上では、北朝鮮のプルトニウム製造施設は寧辺でしか確認されていない。ロスアラモス国立研究所の元所長で、寧辺の核施設に案内されたこともあるスタンフォード大学のジークフリード・ヘッカー教授を中心とするチームによれば、寧辺では2003年以降、国際原子力機関(IAEA)の査察官が常駐していた2008〜9年を除き、断続的なプルトニウム抽出が行われてきたと分析しており、年間6kg、核弾頭にして4〜8発分に相当する計20〜40kgのプルトニウムを保有していると見られている。したがって、北朝鮮が言うとおりに寧辺の核施設をすべて廃棄すれば、プルトニウムの増産については歯止めをかけることができるだろう。
 しかし、ここで制限できるのはプルトニウム生産のみということに留意する必要がある。
 というのも、北朝鮮は寧辺以外の最低2箇所に、公表していない秘密のウラン濃縮施設を保有していると考えられているからである。そのうち1つは、今年7月に平壌郊外の千里馬地区に存在することが公開情報によって確認されている。同施設は、10〜15年以上前から稼働をはじめ、長らく米情報機関が断続的に監視を続けてきたとされている。ヘッカー教授らは、北朝鮮は年間150kg、既に核弾頭にして10〜25発分に相当する200〜450kgの高濃縮ウランを保有していると見積もっている。
 このことから仮に寧辺の核施設が廃棄されたとしても、北朝鮮の核兵器製造能力に与える影響は限定的である。そればかりか、再処理済みのプルトニウムや濃縮ウランのストックパイル、そして複数の秘密施設で濃縮を続けられるウランを用いて、核弾頭の製造を継続することは可能なのである(※ポンペオ国務長官は9月19日に発表した声明において、「米国とIAEAの査察官の立ち会いの下、寧辺にあるすべての核施設の恒久的廃棄を含む、朝鮮半島の完全な非核化というシンガポールでの共同声明を、文大統領と金委員長が再確認したことを歓迎する」としているものの、平壌共同宣言では、IAEAの査察官の立ち会いや「寧辺の核施設」に何が含まれるのかといった定義については言及されていない)。
 以上に見たように、北朝鮮が平壌共同宣言の内容を文言通り履行したとしても、既に保有している核・ミサイル能力には一切影響がなく、今後それらの能力を増強しうる余地を残していることは、北朝鮮問題に関わるすべての利害関係者の共通認識として押さえておくべきだろう。

http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14076

 

日本人秘書が明かす李登輝元総統の知られざる素顔
李登輝が「日本の若者」と話したがる2つの理由
2018/09/28
早川友久 (李登輝 元台湾総統 秘書)
台湾の元総統・李登輝さんが、今でも日本の若者と積極的に交流しているワケとは――? 唯一の日本人秘書である早川友久さんが、李登輝さんの言葉の真意を読み解きながら、その素顔を明かしていきます。(⇒この連載のバックナンバーを見る)

日本から訪れた若者と交流する李登輝元総統(筆者提供)
 李登輝のもとを訪れたいと希望する日本人は多い。95歳となり、体力的に無理がきかなくなってきた最近こそ、受ける来客数はセーブしているが、相変わらず日本からの来客は多く、毎週のようにアレンジされているときもある。
 そばにいる私から見ると、はっきり言って李登輝は年寄りらしくない。アメリカ留学の経験もあるから、ハンバーガーも食べるし、暑い日などは来客が終わると「コーラが飲みたい」などと言ったりもする。常にNHKニュースを見ているし、日本から送られてくる月刊誌にも目を通すから、最近日本で流行っているものも良く知っている。何か思い出せないことがあると「ちょっとそのモバイル(スマートフォンのこと)で調べてくれんか」と言ったり、来客に「私のフェイスブックがあるよ。今度見てごらん」などと言って驚かせたりする。
 とはいえ、李登輝はもともと農業経済学という、数字を扱う学者だったわけで、米国留学時代には統計学の一環でコンピューターにも触れているから、年配者だからコンピューターには疎いだろうと、思い込むのは早合点だ。時にはタブレットを手にして「(指を)こうやって下げていけばいいんだな」などと自分で写真を見たりしているのを見ると、新しい技術やモノに対する「忌避感」よりも「好奇心」や「関心」のほうが強いことがよく分かる。そうした強い「好奇心」と、日台関係の利益になることが何か出来ないかという思いが、日台のIoT同盟を呼びかけたり、台湾和牛の研究推進の原動力になっている。
李登輝が「日本の若者」と話したがる2つの理由
 そうしたこともあって、李登輝は特に若い人と話すのが大好きだ。大学生のグループがやって来たりすると時間を忘れて話し続けることも頻繁だ。そこには2つの理由がある。ひとつは、これから日本という国を背負っていくのは若い人たちだという思いがあることだ。
「日本は台湾の生命線」と考える李登輝にとっては、未来の日本がどの方向に進むかは、台湾の将来に直結する。これから日本を引っ張っていく若い世代に伝えたいこと、話しておきたいことが山ほどある、というわけだ。そもそも、李登輝は「アジアで完全な民主主義が実現しているのは日本と台湾くらい。この両国が手を携えてアジアを牽引していくべき」と従来から主張している。
 もうひとつは、今の若者が何を考えているかを直接聞きたい、というものだ。前述したように、年配者らしくない、柔軟な頭を持つ李登輝であるから、若者の考えや意見を軽視するようなことはしない。むしろ、彼らがどんなことを考えているのか、どんな意見を持っているかを聞くことによって、自分の考え方や意見が、現在の政治とどう乖離しているのかを見極めようとしているのだ。
 実際、日本から来る若者の表敬訪問を控えると、李登輝は「今の日本の若者が悩んでいることはなんだ。不満に思っていることはなんだ」と聞きながら「何を話すべきかなぁ」と何日にもわたって頭を悩ませている。いかにして日本の若者に自信を与えるか、日本にとって台湾がいかに重要な存在か、なぜ日本こそがアジアのリーダーになるべきか、をどうやって分かりやすく理解させるか、毎度考え込んでいるのだ。こうした若者に対する温かい気持ちは、もちろん台湾の若者に対しても同様である。

台湾の若者と交流する李登輝元総統(筆者提供)
 2014年3月、日本でも一躍有名になった「ひまわり学生運動」が勃発した。これは、当時の国民党政権が中国と、相互にサービス業進出を自由化させる協定を締結しようとしたことに端を発する。台湾はサービス業の比率が大きく、協定が発効すれば、さらなる台湾経済の空洞化を招くと危惧した学生たちが、立法院(国会)を3週間以上にわたって占拠した事件だ。
 李登輝は、この学生たちの運動を夫人とともに「応援する」と公言していたし、運動終了後も、学生の代表を自宅に招いて歓談したり、食事会を開いたりしている。若者たちが国のためを思い、自ら行動を起こしたことを心から喜んでいるのが、そばにいる私にもありありと伝わってくる。こうした若者の「想い」を大切にする姿勢は実は現役総統の時代にもあった。
若者との対話を追い風に進めた「台湾の民主化」

若き日の李登輝氏(写真:AP/アフロ) 写真を拡大
 李登輝は1988年1月、急死した蒋経国総統の後を継いで総統になったが、実際には国民党内での基盤が弱い、というよりほとんどない状態で、名目上のみのロボット総統であったと言ってもよかった。しかし、李登輝のすごいところは、そこで無闇やたらと自分が進めたいことを推し進めるのではなく、時機が訪れるのを雌伏してひたすら待ったことだ。
 1990年3月に総統選挙を迎えると、党内では李登輝を総統候補に推す主流派と、非主流派が争ったものの、結果的に李登輝が選挙を勝ち抜いて名実ともに総統の座を手に入れる。党の有力者のなかには、それまで前任の蒋経国の路線を穏当に踏襲してきた李登輝を引き続き総統の座に置き、背後でコントロールしようと考えていた人もいたようだ。しかし、李登輝は正当に選出された総統として、ここから徐々に自分が考えていた「民主化・自由化」に着手し始めるのである。
 折も折、台北市内の中正紀念堂という広大なエリアで「野百合学生運動」が展開されていた。「万年議員」と呼ばれた、国民代表らが引退と引き換えに高額な退職金や年金を要求しているという報道に怒った学生たちが座り込みやハンストで抗議運動を始めたのだ。
 李登輝が総統選挙を戦っているさなか、学生たちは憲法改正や国是会議の招集、民主改革のタイムテーブルの提示などを求め、これが結果的に李登輝の進めようとする民主化・自由化への追い風となった。そうしたなかでも、李登輝は温かい気持ちで学生たちを思いやっていた。学生運動が起きたのは、南国台湾とはいえまだ肌寒く、夜には冷え込む3月である。
 ある日の午後、一台の黒塗りの車が、学生運動が行われている中正紀念堂の入口近くに停まっているのが見えた。よくよく観察すると、付近には目立たぬように、警察官や警察車両が配置されている。もしや、と感じた新聞記者がその車両を目指して近づき始めると、車はスーッと現場を離れて走り去ってしまったという。
 後に李登輝は、学生たちが寒さに震えながら座り込みやハンストをしていることを聞き、自分が中正紀念堂へ出掛けて直接学生たちと対話しようと思ったと話す。しかし、国家安全局による「身の安全を保証できない」という強い意見具申により、夕方に車両で中正紀念堂へ行き、学生たちの様子を観察するに留めたというのだ。
 数日後、李登輝は学生の代表を総統府へ招いてその要求に耳を傾けるとともに「皆さんの要求はよくわかりました。中正紀念堂に集まった学生たちを早く学校に戻らせ、授業を受けさせなさい。外は寒いから早く家に帰って食事をしなさい」と声をかけている。
 総統の李登輝と面会した夜、学生代表団は協議し、中正紀念堂における占拠を翌日に終了し解散することを決めた。そして李登輝は学生との約束通り、タイムテーブルを発表し、民主化を本格的に推し進めていくことになる。
「若者は国の宝」という揺るぎない想い
 こうした、李登輝の日台の若者に対する態度を見てもわかるように、李登輝は本当に若者を大事にする。そして若者の声に耳を傾ける。自分の意見を押し付けるようなことは決してなく、若者が何を考えているのか、なぜ自分の意見と違うのかをとことん聞こうとする。こうした姿勢の源にあるのは「若者は国の宝だ」という思いがあるからだ。
 多少体調が悪くとも、連日のようにスケジュールが入っていても、若者たちが「会いたい」と言ってくれば、特に「日本から来る」といえば、李登輝は即決で「OK」と言ってしまう。日本との窓口を任されている私が「ちょっとスケジュールが立て込んでいますからお断りしても」と口を挟んでも、「若い日本人には、昔の日本人が台湾にどれだけ貢献してくれたか。これからの日本には台湾がどれだけ大事かを伝えなきゃならないんだ」の一点張りだ。
 そばに仕える私としては、95歳という老体に文字通り鞭打って働く李登輝の熱い「想い」が込められた言葉を、少しでも多くの日本人が真摯に受け止めてくれることを願うしかないのである。
早川友久(李登輝 元台湾総統 秘書)
1977年栃木県足利市生まれで現在、台湾台北市在住。早稲田大学人間科学部卒業。大学卒業後は、金美齢事務所の秘書として活動。その後、台湾大学法律系(法学部)へ留学。台湾大学在学中に3度の李登輝訪日団スタッフを務めるなどして、メディア対応や撮影スタッフとして、李登輝チームの一員として活動。2012年より李登輝より指名を受け、李登輝総統事務所の秘書として働く。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14074

児童書で読み解く習近平の頭の中
昔も今も変わらない!中国共産党のメディア戦略
児童書で読み解く習近平の頭の中(8)
2018/09/28
樋泉克夫 (愛知県立大学名誉教授)
巨大なプロパガンダ国家の中国では、共産党中央宣伝部によるメディアを総動員しての教育・洗脳・宣伝工作は一貫して続く。習近平世代も、そして次世代も、次々世代も、共産党独裁政権が続く限り止むことはないだろう。児童・青少年を標的とする出版物を読み、習近平世代以降の中国指導層の”柔らかかった脳”に刻み込まれた思想を探り、彼ら権力者の振る舞いの根源を解読したいと思う。

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劉少奇の命を奪った「毛沢東のメディア戦略」
 1970年、上海人民出版社の活動が一層活発化する。文革最大の標的であった劉少奇を打倒し、党の権力を奪い返すことに成功した毛沢東は、それゆえに1969年の第9回共産党全国大会を「勝利の大会」と総括した。かくして文革派の牙城であった上海から全国に向け、毛沢東思想教育のためのプロパガンダが大々的に徹底して展開されることになる。その中心となるメディアが上海人民出版社であった。
 彼らのメディア戦略を知るうえで格好の“教材”と思えるのが『充分発揮筆杆子的戦闘作用』(上海人民出版社 1970年)である。ここに記された基本原則は、現在まで続く共産党政権のメディア戦略を貫いているはずだ。

文革により迫害を受けた劉少奇が亡くなった場所(写真:田中重樹/アフロ)
「鉄砲から政権が生まれる」は毛沢東の遺した至言として知られているが、じつは毛沢東は「搶杆子(鉄砲)」だけではなく「筆杆子」、つまりペンを巧妙に使うことでも政権を奪えることを実践してきた。鉛の銃弾はもちろんのこと、筆杆子から飛び出す言論という銃弾もまた確実に政敵を殺す。いや、ジリジリと時間を掛けて真綿で首を締めるように攻撃するからこそ、こちらの方が巧妙で残忍で卑劣といえる。文革時、「資本主義の道を歩む悔い改めない実権派」「中国のフルシチョフ」と非難された劉少奇の命を奪ったのは鉛の銃弾ではなく、手を変え品を変え延々と繰り返された筆杆子による波状攻撃だったに違いない。
 紅衛兵による尽きることのない悪罵、怒涛のように押し寄せる故なき非難の大合唱を浴びた時、国家主席としての自尊心も一生を革命に捧げてきたという矜持も自負心も一切合切が吹き飛んでしまった。心の支えを失ったままに、劉少奇は生きながら死んでいた。それが毛沢東の狙いではなかったか。 
「公正な報道」を目指す劉少奇を「外国の奴隷」と断罪
『充分発揮筆杆子的戦闘作用』は、中国を代表する革命的メディアとして文革時に猛威を振るった2紙1誌――共産党機関紙『人民日報』、解放軍機関紙『解放軍報』、最高理論雑誌『紅旗』――の編集部連名による「メディア戦線の大革命を徹底的に推し進めよ」という主張で貫かれている。
「新聞、印刷物、放送、通信社を含むメディア事業は、総てが階級闘争の道具である」。「その宣伝力は民衆の思想感情と政治の方向に影響を与え続ける。プロレタリア階級とブルジョワ階級の間のメディア陣地の指導権をめぐっての激越な闘争は、プロレタリア階級とブルジョワ階級の間の、思想戦線における生死を賭けた闘いである」――この原則に依って、劉少奇によるメディア介入は毛沢東に反対し、資本主義復活を目論む陰謀の一環であると断罪された。
「外国の記者は客観・真実・公正な報道を求める。我われが敢えて客観・真実・公正な報道を目指さずに自らの立場だけを強調したなら、我われの報道は主観主義に陥り、一方的に過ぎてしまう」との劉少奇の発言に批判の矢を放ち、「(劉少奇の)こういった考えこそが外国のブルジョワ階級の記者に対する全面降伏であり、プロレタリア階級の報道機関に資本主義の考えを全面的に持ち込もうとするものだ」と切って捨てた。文革派からするなら、劉少奇は「骨の髄からの外国の奴隷」でしかなかったのである。
 要するに「メディアは階級性、党派性を持つ。階級を超越した『客観的報道』などは金輪際ありえない。ブルジョワ階級の新聞は人民を騙し、自らの階級の罪悪に満ちた統治を維持するために万策を弄し、是と非を逆転させ白を黒と誤魔化し、客観的事実を歪曲し、ゆえなく革命人民を侮辱する」というメディア観である。ここからも、共産党政権が現在もなお全国のメディアを一元的に監視・統括している唯一最大の理由が見て取れるだろう。
 それにしても自分が気に入らない、あるいは自分にとって不都合な報道の一切を「フェイク・ニュース」で片づけてしまうトランプ大統領の振る舞いは、『充分発揮筆杆子的戦闘作用』の主張に通じているように思えてしまうから不思議だ。
「大悪人の劉少奇」に排除された子どもを毛主席が救う物語
「メディア戦線の大革命を徹底的に推し進めよ」の方針に従うかのように、上海人民出版社は数々の児童書を出版している。その典型例として、次の2冊を挙げておこう。

上海人民出版社が「毛沢東思想」を植え付けるために出版した児童書(写真:筆者提供)
 先ず『為革命読書』だが、表紙の中央に描かれた大きく真っ赤な太陽は毛沢東を、ヒマワリは燦々と輝く太陽の恩恵を受けてこそ成長する人民を象徴している。左胸の毛沢東バッチも誇らしげに左手に虫メガネを持つ少年が、この物語の主人公である雷鋼だ。
 労働者家庭に生まれた彼は幼い時に難病に襲われる。毛主席によって派遣された解放軍の医者によって一命をとりとめるが、極端な弱視になってしまう。8歳の時に小学校に入学しようとするが、「大悪人の劉少奇が強行する修正主義教育路線が掲げる『知育第一』『点数第一』の方針に基づき、『視力に難あり。登校不可』と小学校入学を拒否され、勉学の機会を奪われてしまった」。
 程なく文革が勃発し劉少奇の修正主義教育路線が全面否定されるや、彼は「紅小兵」の仲間に熱烈に迎えられ念願の入学を果たす。『毛主席語録』の一字一句を虫メガネで追いながら勉学に励み、「毛主席のよい子」へと成長する。やがて先生、労働者、農民、それに紅小兵仲間によって「雷鋼こそ我らの最良の手本である」と讃えられるのであった。
――じつに他愛のない物語ではあるが、この20ページの小さな絵本には封建社会における残酷極まりない地主への憎悪、地獄の封建社会から農民を解放してくれた毛沢東への感謝、毛沢東率いる解放軍による人民への奉仕、劉少奇の反人民的修正主義教育路線が流した害毒、毛沢東の訓えを学習し文革に邁進する紅小兵の英姿など。“毛沢東式文革教育のエッセンス”が描き尽くされている。
『為革命読書』に登場する紅小兵とは、毛沢東支持を掲げて活動する小学生である。呼び名からも類推できるように、文革で毛沢東に反対する勢力に対して猛威を振るった紅衛兵の下の世代――1950年代生まれの紅衛兵世代の次の1960年代生まれ――である。
「殺せーッ」と叫ぶ少年兵
 この紅小兵の理想像を、「紅小兵学習毛沢東思想補助読物」の『我們是毛主席的紅小兵』が描き出す。
 巻頭に掲げられた「長い間、叛徒、内なる敵、労働匪賊の劉少奇と文化界の代理人は、出版事業を資本主義復辟のための重要な陣地とし、封建・資本・修正主義の毒素を撒き散らしてきた。少年の読物において、彼らは児童少年が毛沢東思想と労働者・農民・兵士の英雄ぶりを学ぶことに反対し、資本主義の世界観を鼓吹してきた」との主張に基づいて、「児童少年が毛沢東思想と労働者・農民・兵士の英雄を学ぶこと」の意義を強調する。
『我們是毛主席的紅小兵』には、ソ連と対峙する緊張の国境最前線で、鉄道で、学校で、養豚場で、農場で、工場で、都市で、農村で、災害現場で、「決心を定め、犠牲を恐れず、万難を排し、勝利を勝ち取れ」「人民のための死こそ、所を得た死だ」「一に苦労を厭わず、二に死を恐れず」「凡そ反動分子というものは君たちが戦わなかったら、倒れることはない」「断固として、断々固とし階級闘争を忘れてはならない」などの『毛主席語録』の一節を心にシッカリと胸に刻むだけでなく、周りの仲間や大人にも呼び掛け、毛沢東思想を活学活用する日々を率先励行している少年・少女についての27の物語が収められている。
 たとえば「継続前進」と題された物語は、軍訓練幹部兼軍事演習指揮官兼紅小兵部隊長である志紅の「アメリカ帝国主義、ソ連修正主義に狙いを定め、突撃だー!」と吶喊の声で始まる。
 軍訓練幹部兼軍事演習指揮官兼紅小兵部隊長という肩書から、文革の時代が幼い子供に求めた役割が浮かんで来ようというものだ。加えて姓が志で名が紅である。まさに毛沢東思想の申し子というに相応しい少年だ。
 志紅は右手にピストルを掲げ、大きな岩の上に立って、部下に山頂への突撃を命じた。「突撃だーッ、殺せーッ」の叫び声は山をも揺るがすほど。紅小兵たちは怒涛のように、我先に山頂に攻め登る。
「暫しの後、山頂に紅旗が翩翻と翻る。紅小兵たちは自分たちが勝利のうちに任務を完遂したことを喜びあった」。部下を整列させ点呼。志紅隊長は部下の1人である志軍が欠けているのに気づく。隊長の名前もスゴイが、部下だって負けてはいない。志に軍というのだから、隊長が共産党で、部下が人民解放軍を暗示させようというのだろう。
 副隊長に「貴官は戦友を指揮し訓練継続。これから本官は後方点検に向かう」と命令し、志紅は山を下る。やがて足を折って叢の中にうずくまる志軍を発見した。「志軍、前進せずともいい」との命令を受けた隊員は、じっと痛さに耐えながら「隊長ドノに報告。継続前進」と声をあげる。部下の手を引き肩を貸し、やがて2人は山頂にたどり着く。赤い夕陽に照らされ、紅小兵たちの凛々しいシルエットが山頂に浮かび上がる。
 ここで想像を逞しくするなら、当時、紅小兵たちは軍訓練幹部兼軍事演習指揮官兼紅小兵部隊長の志紅に憧れた。いや、そうではなく毛沢東ら文革派は全国に無数の志紅を育て上げようとしたに違いない。当時、子供には「小さな大人」という役割が割り振られていたし、子供もまたそれに応えていたのだ。
ポスト習近平となる「紅小兵世代」の顔ぶれ
 ここで話は一気に現在に。
 今夏、例年のように北載河に集った共産党幹部の間では、2020年の第20回共産党全国代表大会で決定される次代の幹部人事が話し合われたようだ。現在の一強体制が継続し、習近平総書記の続投となるというのが現時点における大方の予想だが、ここで注目したいのが次世代幹部の呼び声が高い若手の生年である。
 たとえば19回大会で中央候補委員に選ばれた江西省党委員会常務委員の施小琳(1969年)。浙江省党委員会常務委員で杭州市党委員会書記の周江勇(1967年)。上海市党委員会常務委員・宣伝部長の周慧琳(1962年)。陝西省党委員会常務委員で省規律委員会書記・省観察委員会主任代理に加え第19回党大会で中央規律委員に選ばれた王興寧(1964年)。
 加えるに5月に行われた省級人事をみると、江西省党委員会副書記・贛州市党委員会書記の李炳軍(1963年)。浙江省党委員会常務委員で組織部長・規律委員会書記・監察委員会主席代理の任振鶴(1964年)。山東省党委員会常務委員で済南市党委員会書記・同党校校長の王忠林(1962年)。浙江省党委員会副書記の鄭柵潔(1961年)。広西チワン族自治区党委員会常務委員・組織部長の王可(1962年)――その大部分は紅小兵世代である。
 ということは、習近平主席ら紅衛兵世代の次に中国を担うのは、1960年代に生まれた紅小兵世代ということになるはずだ。
 彼らの頭の中に、幼い紅小兵当時に叩き込まれた毛沢東思想は生きているのか。今後の彼らの振る舞い――彼らが中国の将来を左右する――を見据えるなら、紅小兵に対する文革教育もまた改めて振り返ってみる必要があるのではなかろうか。
呆れるほどに早熟な共産主義者
 紅小兵世代はひとまず措き、『金訓華之歌』(仇学宝 上海人民出版社1970年)を一例に1970年における紅衛兵世代の理想像を考えてみたい。
「鮮やかな雲間に立ち、紅い太陽をにこやかに迎えるのは誰。銀色に耀く鋤を肩に、神州(そこく)を流れる川という川に喜びの視線を送る。嗚呼、紅旗は山々の頂に翩翻として並び立つ。湧き上がる歌声よ、雲を衝き抜け天にも届け・・・『生きては革命に身を焦がし、一生を毛主席に捧げよう』」で始まる200頁にも及ぶ大長編叙事詩の『金訓華之歌』は、「継続革命の大道」に命を捧げた金訓華の「火焔にも似た二十年の青春」を“感動的”に歌いあげる。
「労働者世代の頼りになる立派な後継者、新時代の若き猛将」たる金訓華は「時まさに四九年」、「新中国と同じ年」の「春浅き二月」に生まれた。産褥期、母親は「労働者の一日も早い解放を、人民の兵士たちの一日も早い捷報を、大恩人の毛主席にお願いした」。だが、産褥期も終らないうちに働かねばならない。仕方なく母親は乳飲み子の金訓華を抱いて工場に働きにでるのだが、親方に見つかったらクビになってしまう。母親の窮状を知ってか金訓華は泣かないし、むずがらない。大きなメダマを見開いて静かにしている姿は、「まるで親方が凶暴で、資本家が心の真っ黒な極悪人だということを知っているようだ」。生まれたばかりなのに既に資本家の悪辣さを熟知していたというのだから、やや大げさに表現するなら、呆れるほどに早熟な共産主義者だったことになる。
 やがて「五星紅旗が空高く揚がり、毛主席が天安門の上に立つ。大きな手を一振りすれば、たちまち大地は耀きわたる」。革命が成就し、中華人民共和国が建国されたのだ。
 幼時から青年へと成長するに従って毛沢東の著作の学習に熱が入る。『毛沢東選集』を手にするため、「凍てつく寒風、吹きつける雪」にもかかわらず、金訓華は書店の前に幾晩となく整然と並んだ。「心に焦がれる毛主席の著作だ。骨を刺す寒風も、身に積もる雪も恐れない。寒い、その場で地面を踏んで耐える。眠い、掴んだ雪で顔を拭う。夜が明ければ、毛主席の著作が手に。喜びの爆発だ。学校への道すがら、偉大な著作を手にかざす」。それからというもの、寝ても覚めても著作の学習である。
 やがて文革。彼は紅衛兵の先頭に立ち、「劉少奇を頭とするブルジョワ階級司令部」に敢然と戦いを挑む。次いで毛沢東の「偉大な戦略部署」に立つべく辺境に向かい、「自らの二本の手を以って、社会主義の祖国のために、理想的な辺境建設を目指す」のであった。そんな日々にもかかわらず、彼は毛沢東の著作の学習を怠らない。「光栄で、偉大で、正確な党への入党が叶う日を熱く思い描いて」というから、これが感動せずにいられようか。
 豪雨が続いたある日、スピーカーから「ソ連修正社会帝国主義が再び我が国境を侵そうと策動をはじめた」との情報が伝わった時、猛り狂った川の流れは堤防を越え、人々に襲い掛かってきた。すると金訓華は「同志諸君、洪水を社会帝国主義に見立てて戦おう」と敢然と洪水に挑んだものの、待っていたのは壮絶なる死であった。
 かくて「革命の旗は高く掲げられ、継続革命は永遠に止まることなし」。
 まさに「継続革命は永遠に止まることな」く、毛沢東思想教育は延々と続くのである。
 はたして現在の共産党政権幹部、あるいは次代の中国の舵を取るであろうエリート党員の脳裏に紅衛兵やら紅小兵として暴れ回った文革当時の雄姿が蘇り、必死に学んだ毛沢東思想がフラッシュバックすることはないのか。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14068

 

フランスで起きようとしている「革命」の正体 マクロン大統領はいまどうなっているのだろう
2018/09/28

パスカル・ヤン (著述家)

 旧帝大系大学院でさえも第二外国語が免除される時代になったようだ。第二外国語の強制力が消えた学部生も中国語など増えたこともあり、フランス語やドイツ語は脇に追いやられている。特にフランス語は隆盛を極めた1970年代と比較すると火が消えたようだ。

 ところが、新しい文明が時として辺境で起きるようにフランスで何かが起きていることを我らは知らない。


エマニュエル・マクロン仏大統領(REUTERS/AFLO)
 現在、日本ではフランスの情報が少ないのだ。少なくても誰も困らない。そして、正しくない情報が、大衆に「ウケる」というだけで大きな活字となってメディアに登場することも多い。前回のフランス・フィーバーは昨年の5月、大統領選挙の時であった。当初の下馬評どおりであれば、日本国民の感心はさらに小さかったであろう。

 しかし、年も変り春先になって急にマクロン旋風がおき、一方のルペンも善戦し、既製政党と無関係の二人が決戦残ってしまった。

 特に、エマニュエル・マクロンは25歳も年上の元恩師を妻としており、その一点だけでも、忘れえぬ大統領候補として日本にその名をとどめた。

 決戦投票の前日まで、マリーヌ・ル・ペンのチャンスがあるなどと、思いつきの話が日本だけで広がり、大新聞社に残るフレンチスクールの老記者たちにも活躍の場が提供された。

 あれから1年半、空騒ぎはおわり、フランス・ネタは枯れ果てていたところに、マクロン支持率30%の話が飛び込んできた。

 日本では、首相支持率は3割で退陣とされているので、これまた、ベースの情報が少ない日本では、マクロン「大トラブル」という筋の報道が好まれているのだろう。そこで、本当の所をお話しよう。

 そもそも役人や政治家は現在のポストを見れば将来がわかる。日本では県議出身の首相は明治以来120年間、出ていなかった。当初より国政をやらねば首相にはなれないということだ。マクロンは国政どころか、学級委員選挙以外、選挙に出るのも初めてとのこと。すなわち、当選すれば天井はさらに高くなるということであろう。

 あの風貌、あの若さ、あの妻、ナポレオン・ボナパルトにも見えることがある。学者肌ながらロスチャイルド銀行に下った経験からは、ジョルジュ・ポンピドー大統領を彷彿させる。また、知性と教養と若さで彗星のように登場したヴァレリー・ジスカール・デスタンにも見える。

 ナポレオンであれば、華々しいデビューであったが晩年はセントヘレナだ。ポンピドーなら、現在のフランスが先進国としてどうにか残っているのは彼のお陰だが、病で倒れてその名をパリ・ポンピドーセンターに残しているだけだ。

 ジスカールデスタンは長命で、後年ダイアナ妃との浮き名までながしているが、老獪なミッテランの策謀で大統領は一期で終わっている。さすれば、マクロンの将来はやや暗いことになってしまうが本当は違う。

 トランプ大統領は中間選挙で大わらわだが、もう一期やれるか、というより一期目を全うできるか心配になる。BREXITの期日が近づいている英国のメイ首相はいつまで持つか。長くなったメルケルはそろそろだろう。逆に残りは最低でも3年半もあるのがフランスのマクロン大統領と安倍首相ということだ。

 そんな有力政治家マクロンの本当の評価を日本人は知らない。知らなくてもいいが、支持率3割が飛び込んできたので大きな誤解が生まれてしまう。

 現在、欧州中見渡し、今後数十年にわたる欧州の骨格を造ろうとしているのがマクロンだけだ。あれほど盤石だったプーチンでさえも年金をいじれば火だるまになっている。いじらなければいつの日か破綻する。

 フランスも社会保障や労働制度改変をしなければ将来はない。そこに立ち向かっているのがマクロン大統領だ。解雇を容易にする改正労働法やフランス国鉄の雇用区分の特権をはぎ取るなどの厳しい改革に手をつけることは、政党を背負う政治家には無理だろう。

 ドグマやイデオロギーを超えたオーラが必要となるが、マクロンにはそれが備わっているのだ。社会党の前オランド大統領の隠れ秘蔵っ子だったが、社会党からは出馬してない。逆に決戦投票では右翼のルペンの支持層が、表向き左翼のマクロンに投票していることからわかるように、左翼右翼や政党ではない強い主張をもっているのだ。

 ドイツ占領下のフランスでは国鉄職員が多大な犠牲を払った。ちなみにフランスの地方駅はかならずレジスタンス活動で犠牲になった鉄道員の石碑がある。しかし、現在まで甘やかされたSNCF(フランス国鉄)に手を入れなければ改革はできない。手を出せば自分の支持率が急落する。大統領も国民も先刻ご承知のことだ。

 それを顧みず改革を断行するマクロンに対する評価は、根雪のように不動の地盤を固めつつあると見るべきだろう。フランス国民は強いリーダーを求める傾向がある。支持率低下ではなく、根雪の数値が30%であると読むべきなのだ。

欧州を変革しうる人物
 現在、有力大臣の退任や警護員の暴力事件が重くのしかかるが、彼の強い信念と比べれば取るに足らないものだろう。この信念が伝わればさらに一期、すなわち2027年まで、その地位にとどまり、ほころびのでた欧州を変革しうる人物となろう。不支持60%の報道で日本からマクロンを判断してはいけない。

 今回、皇太子様のパリ訪問では特別待遇で対応している。フランス駐在の長い小生の経験から、マクロン夫人は強烈な日本ファンになる可能性を感じる。しからば、次回来日の際は高野山や京都御所、伊勢神宮などに誘えば、大成功間違いなしだ。“婦唱夫随”カップルとみた。今後権力の座に長く留まるマクロンを格別の日本通にする最良の方法はこれだ。

フランスのインテリは全員“モンコウヤ”(高野山)”クマノコドウ“(熊野古道)を知っている。マクロン夫人の夢でもあろう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14052
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/150.html#c1

[経世済民128] 日本中に「暴走老人」が溢れかえるかもしれない、ヤバすぎる現実 いま、介護業界で何が起こっているのか(現代ビジネス) 赤かぶ
2. 2018年9月28日 19:00:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1586]
ワールド2018年9月28日 / 16:38 / 2時間前更新
アングル:高齢者主人公の漫画に脚光、80代の恋愛も リアルな姿に共感
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[東京 28日 ロイター] - 漫画が文化の1つとして認められ、国際的にも高い評価を得ている日本で今、最も新しいジャンルに注目が集まっている。高齢者を主人公にした漫画、それも、かわいそうな弱いお年寄りではなく、生き生きと人生を謳歌(おうか)し、冒険にさえ挑む高齢者を描いた作品だ。

日本社会の高齢化が進むにつれ、こうした漫画の需要が高まっている。主人公と同年代の読者だけでなく、将来の自分の姿と重ねあわせようとする比較的若い人たちにも、その人気は広がっている。

学習院大学法学部の遠藤薫教授(社会学)は、高齢化が進む日本社会では「若者中心の社会とは異なる新しい社会的問題や個人の悩みが、大きく浮かび上がってきている。そんな高齢社会のリアリティを描く漫画が、作者からも読者からも求められている」と話す。

しかも、現在60代以上の年代は「子どものころから漫画に親しみ、青年期に漫画の市民権を拡大した漫画フロンティアの世代。自分たち自身の表現として、漫画というメディアはぴったりとしていると感じられているのだろう」という。

『傘寿(さんじゅ)まり子』は80歳の主人公、作家の幸田まり子が、4世代が同居する窮屈な家を出て、一人暮らしを始めるストーリー。ネットカフェに泊まったり、昔あこがれていた男性と再会し、恋に落ちたりもする。

作者のおざわゆき氏は「私が想定していたのは、何かを切り開いていくようなおばあちゃん。元気があって、問題を何とか自分なりに解決していくようなおばあちゃんを描きたかった」という。

そして、漫画の役割について「ニュースを見ていると、年を取ることに暗い話題ばかりが多くて、みんなこれからどうなるんだろうなという不安を持っている」。こういう人たちや「独身で過ごしている人で、今後、家庭を持たないかもしれないと思っている人たちが、1人で生きることを、もやもやと考えるときに、まり子を読んで一筋の光が見えた、私もこんなふうに生きたいと言ってくれる。そこでちょっと気持ちが軽くなる、そういう存在のマンガになっているのではないか」との見方を示した。

<より身近な存在>

これまで、漫画はスポーツ、料理から歴史、戦争まであらゆる題材を扱ってきた。しかし、高齢者はその中では脇役で、愛されるおばあちゃんや介護が必要な老人、あるいは尊敬される人物として描かれてきた。

1990年代初めの漫画『ジジメタルジャケット』では、ヘビーメタルバンドを組む老人たちが描かれているが、彼らは特別な存在だ。

兵庫教育大学大学院助教の永田夏来氏は、この漫画について「高齢者は出てくるが、サプライズとしての要素。老人だがかっこよくてちょっと変わったスーパーヒーロー」だったと話す。

一方、鶴谷香央理氏の『メタモルフォーゼの縁側』では、70代の女性とオタクな10代の少女がボーイズラブ漫画によって結びつき、友情を育てる。携帯電話でメッセージをやりとりし、カフェ巡りをし、漫画のファンイベントに出かける。傘寿まり子の主人公は80歳だが、孤独を感じて家出する心情は万国共通だ。

鶴谷氏は、漫画に登場する高齢者は、以前は「ステレオタイプな年寄り像か、それをひっくり返したキャラクターだった」が、最近では、より現実に近い身近なキャラクターになったと分析する。鶴谷氏の場合、亡くなった祖母の思い出を手がかかりにしていると言う。 

1983年から続く「島耕作」シリーズで知られる漫画家・弘兼憲史氏。主人公の島耕作は現実世界と同じように年を取り、白髪となって電機メーカーの会長まで上り詰める。

弘兼氏は1995年に、中高年層を描く漫画の草分けとなる「黄昏流星群」の連載を開始した。この漫画は高齢者の恋愛や、それにまつわる人間ドラマを描いている。

「普通にその辺で暮らしているおじちゃん、おばちゃんたちが、普通に恋をするというのを描いてみたかった」と弘兼氏はロイターのインタビューで語った。「読者は、自分の身近な話題を欲しがるので、こういう中高年のラブストーリーというのは、ちょうどいい時代かと思っている」。

このシリーズを始めたきっかけは、同年代の友人と居酒屋でお酒を飲んでいる席で、人生50年ほど生きてきたが、やり残したことはないかという話になった時、みんなが「もう1回だけ、燃えるような恋がしてみたい」と話したことだったという。

「年を取ると、夢を持たないし希望も持たない、もうこれ以上何もしなくていいやと思う人が増えてくるが、そうではなく、まだまだ恋もできるし、いろんなことができますよ、と一種のエールを送る漫画になっている」と弘兼氏は話した。

<増える需要>

文化庁の賞も受賞した『黄昏流星群』はすでに57巻まで発行され、都内の書店では、書棚に並ぶとたちまち売れていくという。

その他の中高年向けの漫画も、売れ行きは好調だ。講談社によると、『傘寿まり子』の販売部数は、電子版を含み50万部に上っている。

鶴谷氏の漫画の読者の1人は、SNSに「あの歳で何か新しいことを始めることは本当にすごい。うらやましい」と投稿した。別の読者は、5人からこの漫画を読むよう勧められたと投稿した。

TSUTAYAの書店販売員・栗俣力也氏によると、高齢者漫画は昨年ごろから人気が出始め、「今年になってから、それが顕著に出てきた」という。読者の年齢層は高齢者に限らず若い人も含まれ、性別では女性と男性の偏りがない。

タイトルを言って作品を探す客もいれば、「高齢者が主役の漫画はあるか」という聞き方をされることもある。

栗俣氏は、この傾向は続くどころかさらに増えていくと予想する。現在は、需要に対して供給が間に合っていない状況で、高齢者漫画のコーナーは今は設けていないが、「これから数が増えてくれば、作らなければならない」とみている。

人気の理由はなにか。学習院大学の遠藤氏は言う。「現在の高齢者漫画には、人生の機微や繊細な心の動き、思うようには行かない人生への洞察、自分も含めて弱いものたちへのいたわりが豊かに描き出されている」──。

そして、こうした漫画作品が多く描かれることにより、暗い将来として考えられがちな「高齢社会」を、互いに思いやり合い、助け合い、長い人生経験を踏まえた人びとの絆を大事にする、優しく心豊かな社会にできるかもしれない、と遠藤氏は指摘した。

Elaine Lies、宮崎亜巳 編集:田巻一彦
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/622.html#c2

[国際24] 嘘つきトランプ、簡単に剥がれる化けの皮 対中、対日貿易赤字、米製造業の被害、中間選挙目当て・・・  うまき
5. 2018年9月28日 19:02:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1587]
トップニュース2018年9月28日 / 17:28 / 1時間前更新
アングル:トランプ政権、中国向け「圧力戦略」が新局面入りか
Matt Spetalnick and David Brunnstrom
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[ワシントン 27日 ロイター] - トランプ米大統領が26日、11月の米中間選挙に介入しようと画策していると中国を非難したことは、中国に対する圧力戦術が新たな局面を迎えたことを示している。複数の米政府高官が27日語った。

2人の政府高官によると、長年の対中強硬派として知られるボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が中心となって、貿易摩擦の枠を超え、サイバー活動や台湾、南シナ海の領有権問題なども含めて、中国に対して強い姿勢を取るようトランプ大統領を説得した。

新たな戦術はまだ策定中だが、中国への圧力強化により、今後数週間で米国側からのさらなる強硬発言や、新たな政策措置が出てくるだろう、と政府関係者は語った。ホワイトハウスは、この点に関するロイターの問い合わせに応じなかった。

米中関係が緊迫化する中で、トランプ大統領は26日の国連安保理会合で、中国が11月6日の米中間選挙で共和党が不利になるよう介入し、通商問題におけるトランプ氏の強硬姿勢に一矢報いようとしていると非難。介入の根拠は示さなかった。

これにより、トランプ氏は2016年の米大統領選におけるロシア介入疑惑と自身の選挙陣営の癒着疑惑を巡る捜査から、関心をそらそうとしており、同時に、中間選挙で共和党が振るわなかった場合に中国に責任を転嫁する用意を始めたのではないかとの批判も出ている。中間選挙の結果次第では、共和党が下院で過半数を失う可能性がある。

とはいえ、中国は米国の国益に「ハイブリッド戦」を仕掛けており、ロシアと並ぶ強力なライバルだということを、トランプ大統領が明確な発言で示す必要があるとの認識がホワイトハウスで高まっていた、と前出の政府高官は強調する。

最近では、ロシアから戦闘機やミサイルシステムを購入して米制裁に違反したとして、米国が中国人民解放軍の兵器管理部門を制裁対象に指定。これを受けて中国政府は22日、駐北京の米大使を呼び出したほか、予定されていた軍事協議を延期した。

<全方面で圧力強化>

中国の「影響操作」と呼ばれる問題について、トランプ大統領はより多くの説明を米情報機関から受けるようになっており、この分野も含め、中国に対してさらに強い姿勢で臨む構えだと、政府高官は言う。

「通商措置を取ったこともあり、われわれは全方位で中国に一層の圧力をかける準備ができている」と同高官は語った。

中国が米国の政府や企業データベースにハッキングを仕掛けてくる主犯の1つだと、米政府は以前から特定していた。ただ、ロシアが2016年の米大統領選で行ったような、ソーシャルメディア上の意識操作を含む組織的な政治キャンペーンを中国が行った形跡は見つかっていないと米政府関係者や独立系アナリストは指摘する。

中国は、米国選挙に対する一切の介入行為を否定しており、「中傷だ」と反発している。

26日の国連発言で、トランプ氏が中国による具体的な行動として唯一指摘したのが、米新聞への「プロパガンダ広告」だった。これは、アイオワ州有力紙デモイン・レジスターの日曜版に中国国営メディア企業が掲載した、米中貿易が相互利益をもたらすと訴えた4ページの折込広告のことを指している。

米大統領選においてトランプ氏は、農業州アイオワで勝利を収めたが、貿易戦争が長引けば農家が大きなダメージを受けることになる。

ただ、外国政府が貿易促進を訴える広告を米紙に出すことは日常的にあることで、外国情報機関が秘密裏に行う工作とは異なる。

「中国政府は、われわれの政策を撤回させるためにあらゆる手段を講じている」とホワイトハウス国家安全保障会議の広報担当者は語る。「彼らは、トランプ大統領に投票した州の農家や労働者を狙って報復関税を課している。その他にも政治的、経済的、通商的、軍事的な手段やメディアを使い、中国共産党の利益を得ようとしている」

トランプ政権は、たとえ中国から激しい反応を引き起こす恐れがあっても、より幅広く押し返そうと決意しているかのように見える。

例えば、中国によるネット上の盗難行為やスパイ行為に対しても、より厳しい行動を取ることを米国政府が検討している、と関係者は語ったが、詳細な説明は避けた。

米軍は今週、南シナ海上空でB52戦略爆撃機を飛行させ、同海域の領有権を主張する中国を改めてけん制した。台湾への3億3000万ドル(約375億円)相当のF16戦闘機の部品などの売却も今週承認しており、台湾を自国の一部とみなす中国を立腹させた。

また、中国が対北朝鮮制裁を完全に履行しなくなっている可能性があるとして米政府関係者は懸念を深めており、この分野でも中国に圧力をかけ続けるとしている。

他方、米国側の「やり過ぎ」を懸念するアナリストもいる。

「衝突や影響力は、賢明に使われるならば、国際関係における便利な道具だ。 特に中国の問題行動に対してはそうだ」。昨年まで米国務省で東アジア政策担当幹部を務め、現在はアジア・ソサエティのポリシー・インスティテュートに所属するダニエル・ラッセル氏は語る。

「だが、特に中国のように巨大で強力な国に対しては、攻撃的に正面から全面攻撃を仕掛けても、成功する可能性は低い」

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)


 

外為フォーラムコラム2018年9月28日 / 13:32 / 5時間前更新
コラム:米国のアフリカ戦略、中国「借金漬け外交」巻き返すか
Ed Cropley
2 分で読む

[ロンドン 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領がアフリカに熱い視線を送っている。アフリカ大陸の経済発展について、これまでほとんど注目してこなかったが、米国政府は現在、拡大する中国の影響力に対抗しようとしている。

米国は貧困国への対外支援を600億ドル(約6.7兆円)に倍増しようとしている。中国が今月発表した規模と同等だが、心配なことに、これは冷戦を彷彿(ほうふつ)させる。トランプ大統領の主な目的が純粋な財政支援ではなく、中国の習近平国家主席に勝つことであるなら、米国の納税者はその代償を支払うことになるだろう。

西側の各国政府は、真新しい鉄道のような、アフリカ諸国など貧困国が不必要だったり資金不足だったりする案件に低利で融資を提供する、中国のいわゆる「借金漬け外交」に対して懸念を一段と強めている。

条件が厳重に極秘扱いされていることの多い、こうした融資の一部は、コバルトや鉄鉱石といった鉱物で保証されている。

中国側は、アフリカの発展を単に、悪意なく支援しているにすぎず、借款の穴を埋めていると主張。借り手側も、中国の融資は、世界銀行や民間の金融機関によるものより条件が良いと話す。

米国の懸念は現在、行動に移されつつある。

米政府系金融機関である海外民間投資公社(OPIC)の資金力を倍増する法案が議会で検討されており、同法案が通れば、単なる融資ではなく、プロジェクトに関わる株式購入が可能となる。

トランプ支持者でメキシコ料理店グループの創業者レイ・ウォッシュバーン氏が率いるOPICは、収益を上げていることを誇りとしている。OPICは過去10年で、国庫に37億ドルを還元した。このことは、OPICの条件が中国の譲許的借款よりも寛大ではない可能性を示唆している。アフリカ各国がOPICが提供する支援に殺到しなくても致し方ない。

より好条件を提供するなら、偽善だとの反発を呼ぶだろう。下手な指導者が、下手な構想に基づいて貸し出された借金ですでに溺れている大陸に対し、米国がさらなる重荷を背負わせるリスクを犯すことになるという批判だ。

だが出資であれば、OPICのリスクも増す。資本構成上、株主資本は債務に劣後する。もしプロジェクトが失敗に終わった場合、株主は一文無しになるかもしれない。多くのアフリカ諸国が現在、債務繰り延べを検討していることを考えると、それはあり得ない話ではない。

結局のところ、OPICの方針転換は、開発支援よりもカネのばら撒きになりかねない。これはまさに、トランプ大統領の新しいアフリカ政策を批判して、米国第一主義の候補者が言いそうなことだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 


トップニュース2018年9月28日 / 15:33 / 3時間前更新
アングル:日米通商協議は一時しのぎ、貿易不均衡に万能薬なし
Linda Sieg
2 分で読む

[東京 27日 ロイター] - 日米両国が新たな通商協議の開始で合意したことで、貿易不均衡を巡る同盟国間の全面対決は差し当たり回避された。だが、どのようなディールに至ったとしても、トランプ大統領を激怒させている米国貿易赤字の削減には、ほとんど役に立たないだろう。

今回、締結に向けて協議が行われることとなった新たな日米物品貿易協定(TAG)以前にも、日本の市場開放を狙った2国間交渉はこれまでも行われてきた。1981─1994年の輸出自主規制など、日本の対米輸出を抑制する目的で実施されたこともある。

これまでの交渉の結果、日本はすでに外国製品に対する多くの正式な障壁を取り除いており、大きな影響をもたらすような措置を講じる余地はほとんど残されていない。

<新協定名の意味>

安倍晋三首相は、この新たな通商枠組みとなるTAGについて、投資・サービス分野を含む広範囲な自由貿易協定(FTA)とは「まったく異なる」と述べた。ただし共同声明は、対象分野の1つとしてサービスを挙げている。

安倍首相のスタンスは主に国内消費に向けられており、これまでもFTA交渉は行わないと明言している。

また、今回の合意では、農産物の輸入関税引き下げについては、環太平洋連携協定(TPP)など日本が参加する他の合意で決められた範囲内としている。トランプ大統領は昨年、TPP離脱を表明している。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、日本に対し完全なFTA締結を目指す考えを表明している。同協定には米議会の承認が必要となる。FTA締結となれば、トランプ大統領は日本を屈服させたと主張するかもしれない。

<より大規模な米中不均衡>

世界的な経済要因を考えると、そもそも2国間の貿易不均衡を重視することにほとんど意味がないと、多くのエコノミストは指摘する。

1980年代の市場志向型分野別(MOSS)協議や1990年代の日米構造協議(SII)など、日本と米国の間で行われてきた日本市場を開放させるための一連の交渉により、一部農産物に対して高関税をかけて保護していることを除けば、日本の市場障壁は比較的少なくなっている。

「米国企業が日本で抱える市場アクセス問題は、極めて小さい」と、資産運用会社ウィズダムツリー・ジャパンのイェスパー・コール最高経営責任者(CEO)は指摘。「大きな参入障壁はクリントン政権によって取り除かれた」

日本の対米黒字は昨年690億ドル(約7.8兆円)で、米国が抱える貿易赤字全体の1割にも満たない。1990年代初めのピーク時には6割近くを占めていた。現在は、中国が米貿易赤字の約46%を占めている。

<迫り来る危機>

日本が抱える対米黒字の約3分の2は自動車輸出が占めているが、TAG交渉中は、日本車メーカーは追加関税を免れることになる。

だが、もし日本との交渉が遅々として進まなかったり、あまり進展しなかったりした場合には、自国の赤字を重視するトランプ大統領が、輸入車に対する高関税措置や輸出抑制に踏み切る可能性がある。

あくまで「協議中」には日本車に新たな関税をかけないと米国側は言っているのであって、最終決定ではない、と東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは指摘し、楽観的になりすぎてはいけないとの見方を示した。

また、現在行われている米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉と違い、日米両国の話し合いがこれまでのところ無難に終わったことに市場は安堵(あんど)していると付け加えた。

(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/154.html#c5

[国際24] 嘘つきトランプ、簡単に剥がれる化けの皮 対中、対日貿易赤字、米製造業の被害、中間選挙目当て・・・  うまき
7. 2018年9月28日 19:14:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1588]
若い米退役軍人の自殺急増、10万人あたり45人に
18〜34歳の層
アーリントン国立墓地に星条旗を立てる米兵士(5月)

By Ben Kesling
2018 年 9 月 28 日 15:43 JST

 【ワシントン】米国で若い退役軍人の自殺率が大幅に上昇したことが、退役軍人省(VA)の最新リポートで分かった。VAはさまざまな対策を打ち出しているが、歯止めがかかっていない。ただ全退役軍人の自殺数はわずかに減少した。

 VAが26日発表した自殺率に関するリポートからは、18〜34歳の退役軍人、州兵や予備役の経験者、そして女性退役軍人が問題を抱え込んでいることが読み取れる。

 18〜34歳の退役軍人は過去10年にわたり自殺者が増えていたが、最新のデータによると急増した。自殺者数は2015年に10万人あたり40.4人だったのが、16年には45人となった。

 VAは「自殺が国家の公衆衛生上の問題であり、あらゆるコミュニティーが影響を受けていることが改めて示された」とプレスリリースで指摘。「われわれの目標はすべての退役軍人の自殺を予防することだ」と述べ、VAの制度を通してケアを求めていない人も対象だとしている。

 リポートによれば退役軍人は米人口の8%だが、全自殺者数の14%を占めている。女性退役軍人の自殺率は一般人女性の1.8倍だった。米国内の退役軍人は約2000万人。

 全年齢層で見れば、自殺した退役軍人の数は2015年の6281人から2016年には6079人に減った。ただ55歳以上では減ったが若い世代では増えたため、全体の自殺率はほぼ横ばいだった。

 VAの歴代長官は現職のロバート・ウィルキーも含め、自殺対策を最優先課題に掲げてきた。だが問題解決のための取り組みが不十分だとの声も上がっている。

 イラクとアフガニスタンから帰還した米退役軍人の組織で代表を務めるポール・リークホフ氏は「他の2000万人の集団が同じような脅威にさらされていたら、公衆衛生上の最優先課題になるだろう」と話し、「全国的な行動の呼びかけは全くされていない」と述べる。

 VAの監査室は2017年、省が運営する自殺予防ホットラインへの電話が高い確率で予備のコールセンターに転送されていたことを発見。VAはその後、問題は解決したとしている。

 また監査室が25日に発表したリポートによると、ミネソタ州にあるVAの施設では、自殺願望を持って入院した退役軍人への経過観察が十分でなかった。この軍人は退院後24時間以内に自ら命を絶った。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/154.html#c7

[経世済民128] 人気タワマンでも40年後は廃虚!?恐ろしいマンション劣化の真実(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
5. 2018年9月28日 19:16:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1589]
暮らしをシェア、「コリビング」市場が拡大 生活全般をアウトソーシングするミレニアル世代
ニューヨーク市クイーンズ地区のロングアイランドシティーにある家賃1800ドルの小さな部屋で暮らすスコット・レバイン氏(30) GIACOMO FORTUNATO FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
Christopher Mims
2018 年 9 月 28 日 14:52 JST
――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト
***
 ニューヨークに住むスコット・レバイン氏(30)は毎朝、マンハッタンから川を隔てたロングアイランドシティーにあるアパートメント「アルタLIC」の狭い一室で目を覚ます。服を着替え、簡易式のバスルームで歯を磨くと、収納式ベッドを片付ける。
 マーケティング・マネジャーのレバイン氏は、他の部分(基本的にはキッチン)を2人のルームメイトとシェアしている。この部屋の管理業務を担う新興企業オリーのスタッフが週に1度やって来て、シーツやタオルを交換し、バスルームの備品を補充する。広さ98平方フィート(約9平方メートル)の部屋の家賃は、全てのサービス込みで1カ月およそ1800ドル(約20万円)だ。
 オリーの「コミュニティー参加促進チーム」は、レバイン氏が社交の予定を立てる手助けもしてくれる。建物内に常駐する「コミュニティー・マネジャー」は、オリーが管理する同アパート14階分の住人全員と顔なじみになり、彼らが何らかの方法で一緒のアクティビティー(ブロードウェイの舞台裏ツアーやオーガニック農場の見学など)に参加するよう促す役割を担っている。
 「日常生活はちょっと面倒なことが多い」とレバイン氏は言う。だがオリーのおかげで「全てを都合よく整えられる。これは便利だ」

レバイン氏が暮らす「アルタLIC」を外から見たところ PHOTO: GIACOMO FORTUNATO FOR THE WALL STREET JOURNAL
 全米では数千人の若者がレバイン氏のような暮らし方を始めている。ハイテク業界や不動産業界は「コリビング(co-living)」と呼ばれるこの新たなトレンドが、次の収益源になると期待する。
 コリビングとは、ルームメイト(通常は20代か30代の独身者)に加え、清掃サービスや交流企画など、生活を快適にするアメニティーが用意されたシェアハウスの仕組みだ。現実的な面から言えば、従来のアパートより居室の面積が狭く、キッチンやラウンジをより多くの住人と共有することになり、その分、家賃が手頃に抑えられている。
 人々は少なくとも古代ローマ時代から、都市部の住居を共有してきた。その市場の一角が今やアプリで活性化され、配車サービスや即日配達に慣れ、インスタ映えを重視する人々を引きつけようと狙っている。
 その結果、不動産デベロッパーは数億ドルを新規物件につぎ込むか、既存物件の管理方法を見直すことにより、新たな居住スタイルを生み出そうとしている(コワーキングスペース運営大手のウィーワークがオフィスにしたのと同じことだ)。これに協力する新興企業が、オリーやコモン、スターシティ、ポッドシェア、ウィーリブ(ウィーワークの住宅部門)などだ。これらの企業は単位面積当たりの収益性を高める1つの方法が、建物を住む場所としてだけでなく、コミュニティーとしてのニーズを満たす場に変化させることだと気づいた。



ジョゼフ・ワトソン氏(29)がゴルフシミュレーターで練習しているところ(上の写真)。彼が住むNYクイーンズ地区のアパートはこのほかジムやプールも備えている PHOTOS: GIACOMO FORTUNATO FOR THE WALL STREET JOURNAL
ミレニアルの現実に合う
 こうした新興企業は最大手であっても、大都市の不動産デベロッパーに比べれば規模が小さい。コモンはニューヨークやロサンゼルス、首都ワシントンなど6都市で20カ所のアパートを管理している。ブラッド・ハーグリーブズ最高経営責任者(CEO)によると、計650人ほどが暮らすという。同社が手掛けるのは、個人のベッドルームと全員が過ごす共有エリアからなる典型的なコリビング住宅で、近隣のワンルームより家賃を2割安くすることを目指す。
 「当社のターゲットは年収4万〜8万ドルの層だ。彼らは大半の市場で現在十分なサービスを受けていないとわれわれはみている」。ハーグリーブズCEOはこう話す。
 一方、既存の住宅やアパートを、民泊大手エアビーアンドビーのような方式で管理する新興企業もある。先月に6400万ドルの資金調達を発表したバンガローは、メンテナンスの手間がかからない住居を求める「駆け出しの社会人」にスペースを提供するよう、不動産所有者に呼びかけている。広報担当者によると、同社が物件所有者に支払う金額より「少しだけ高い」家賃を徴収するという。共同創業者のアンドリュー・コリンズCEOによると、現在7都市で200カ所余りを管理し、800人近くの入居者がいる。
 コモンやオリーと同様、バンガローは共有エリアが家具付きで、高速の無料Wi-Fiを完備し、定期的に清掃を行うと宣伝している。また「新たな友人とのコミュニティー作り」に役立つイベントや外出などを企画するという。
 これらの新興企業を支えるのは、二役をこなす技術プラットフォームだ。オリーが運営するシステム「ベッドベッター」は、入居希望者にアパートを提示するほかに、既にそこに住んでいる契約者を紹介し、個人的なプロフィルのリンクも提供する。アパートを探す前から将来のルームメイト候補につながることも可能だ。
 「出会い系サービスのようなものだ」とレバイン氏は言う。ルームメイトのジョゼフ・ワトソン氏(29)もマーケティングの仕事をしている。ワトソン氏は手軽なデートアプリ「ティンダー」よりも、長い付き合いを目的とした「イーハーモニー」や「マッチ・ドット・コム」に似ていると話す。

収納式ベッドを壁から引き出すジョゼフ・ワトソン氏 PHOTO: GIACOMO FORTUNATO FOR THE WALL STREET JOURNAL
 コリビングに1つ問題があるとすれば、コミュニティーの管理に注意を要することだ。ロサンゼルスを拠点にするポッドシェアでは、入居希望者が事前に入念な審査を受ける必要があり、入居後にマナーが悪ければ退去させられる場合もある。「現時点で当社は2万5000人を受け入れた。一部で問題が起きるのは避けられない」と創業者のエルビナ・ベック氏は語る。
 ただ、うまくいけば、コリビングは共通の関心事に基づいて集まり、社会経済的なステータスを共有しているコミュニティーを提供する。
 アルタLICのコリビング住宅で暮らすレバイン氏は、仕事もコワーキングスペースで行っている。同氏の周囲でもいずれかを実践する人が多いという。もちろん万人向きではないが、自分だけが目立つ存在ではないと話す。「私は前に言われたことがある。ニューヨークのミレニアル世代のごく月並みなタイプだと」

アパートの台所で会話するルームメイトのレバイン氏とワトソン氏 PHOTO: GIACOMO FORTUNATO FOR THE WALL STREET JOURNAL
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/621.html#c5

[経世済民128] 静かに変貌する米製造業、トランプ関税に「冷めた視線」パウエル議長:景気後退リスク見られず−利回り曲線平たん化は注視  うまき
3. 2018年9月28日 19:20:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1590]
FRBは「退屈な孤島 」、 党派争いの波かぶらず
FRBのパウエル議長(26日)

By Greg Ip
2018 年 9 月 28 日 15:26 JST

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 米国民の多くが今週は最高裁にくぎ付けとなった。その一方で、ほぼ全ての家計に影響する別の連邦機関の動きを見逃した可能性がある。

 連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに対する関心が相対的に低かったのは良いことだ。裁判所から法執行当局に至るまでの米国機関が党派争いの場になるなか、FRBは今のところ政治的な重要性が低い退屈な孤島だ。

 数年前にはこの状況は考えにくかった。FRBは、左派からは銀行救済について、右派からは金利押し下げと支出促進という異例の政策について攻撃されながら金融危機を脱した。

 ドナルド・トランプ氏は大統領候補として自ら攻撃に加わった。大統領としては、議長や副議長などFRBの要職に扇動的な人物や党忠誠派を指名する空前の好機を得た。

 しかし、そうしなかった。

 トランプ氏は、外部のエコノミストやFRBウォッチャーの評判が良い、主流かつ相応な候補を指名してきた。それは、遅すぎる利上げや拙速な利上げといった過ちをFRBが犯さない保証ではないが、米経済の最も重要な機関に不可欠な安定を提供している。

 そうした指名もあって、司法や法執行、環境や移民について憂慮する党の活動家がFRBに割く労力が減った。

 一部の共和党議員は、ジャネット・イエレン前FRB議長やその前任者らが金利をあまりに低く維持したと考え、スタンフォード大学の経済学者であるジョン・テイラー教授を後任に据えようと働きかけた。だがトランプ氏はイエレン氏が気に入っていた。自身が指名した議長にイエレン氏の政策を実行してほしかっただけだ。

 「トランプ氏は、テイラー氏がインフレに関してタカ派になりすぎることを心配していた」。テイラー教授を選ぶようトランプ氏に勧めたヘリテージ財団のスティーブン・ムーア氏はこう話す。

 代わりにトランプ氏がFRB議長に指名したジェローム・パウエル氏は、バラク・オバマ前大統領に指名されたFRB理事で、スティーブン・ムニューシン財務長官が推薦していた共和党員だった。

 トランプ氏はパウエル氏が利上げを継続したことに驚いているようだ。26日には、「彼らが利上げ好きに見える事実について懸念している」、「われわれはそのお金で別のことができる」と述べた。

 トランプ氏は公に不満を漏らしているものの、FRB理事の空席を忠誠派で埋めてパウエル氏に圧力をかけることはしていない。

 FRBの人選はトランプ大統領の就任直後に始まり、アンドリュー・オルメム大統領特別顧問(現在は国家経済会議《NEC》副委員長)が取りまとめていた。

 その結果が、金融政策や銀行規制や金融市場の安定などで補完し合う理事たちだ。リチャード・クラリダ氏は金融政策を専門とする経済学者、ランダル・クォールズ氏は銀行専門の法律家、ミシェル・ボウマン氏はカンザス州銀行監督官で、いずれも共和党員だ。それにもかかわらず、3人とも一部の民主党上院議員に支持されている。

 トランプ氏は先週、FRB理事の最後の1人にネリー・リャン氏を指名した。FRBで金融安定を監督する職務の経験がある人物だ。民主党に登録しているリャン氏はあまりに規制好きなのではないかとの疑問が一部の共和党員から出ている。だがリャン氏はシンクタンクのマンハッタン研究所など保守派からも称賛されている。

 トランプ氏が指名した理事たちの影響を判断するのは時期尚早だ。それに、金利と規制の両方を巡る論争は避けられない。民主党は、FRBが最近のストレステスト(健全性審査)でゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーに特例措置を施したことを批判した(ただし、オバマ氏が指名した理事で唯一現役のラエル・ブレイナード氏はこの措置に賛成だった)。だがFRBは、トランプ氏の指名を受けた他の金融規制当局の面々よりも段階的に規則の緩和に動いてきた。

 FRBの当局者は、そこに深く根付いた非党派の伝統にも助けられている。共和党議員はイエレン氏と前任のベン・バーナンキ氏をしばしば批判したが、両氏は反撃せず、路線の変更もしなかった。パウエル氏も同様で、FRBの仕事する場合は別として、関税や減税といった厄介な話題に加わることを拒否している。

 新参者を受け入れる方法にもFRBのカルチャーがある。新任の連邦判事は自身の秘書を、閣僚は部下を連れて職場に乗り込むが、FRB議長は1人でやってくる。議長のアドバイザーや秘書は以前から働くスタッフの中から選ばれるため、継続性が強まる(集団思考も強まるとの批判もある)。

 パウエル氏はジョンズ・ホプキンス大学のジョン・ファウスト教授をアドバイザーとして採用したが、両氏はファウスト氏がFRBのスタッフのために働いていた時から面識がある。FRBのスタッフ自体、比較的さまざまな思想を擁する集団だ。ビル・クリントン政権で経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたイエレン氏も、トランプ氏のCEAで現委員長を務めるケビン・ハセット氏もFRBのスタッフだった。

 だが政策へのアプローチとなると、FRBはかなり同質性が高い。「私たちは最高の思考、最高の論理、最高の証拠を検討する」。パウエル氏は26日、そう述べた。「私たちは政治的要素やその類いは検討しない。それが私たちであり、私たちのすること。それがまさに私たちの常道だ」

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9月のユーロ圏消費者物価、2.1%に
ヨーロッパ
2018/9/28 18:57
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)統計局が28日発表した9月のユーロ圏の消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.1%上昇した。伸び率は8月から0.1ポイント高まり、5年7カ月ぶりの伸びを示していた7月に並んだ。

項目別にみると、エネルギー価格指数の上昇率が9.5%となり、8月(9.2%)から伸びをやや広げた。物価指数に占める比率の高い人件費などサービス価格指数の上昇率は1.3%で8月から横ばいだった。

物価の基調を判断するうえで欧州中央銀行(ECB)が重視する「エネルギーと食品、酒・たばこを除く指数(コア指数)」の上昇率は0.9%と、8月(1.0%)から伸びを縮めた。ECBが物価安定の政策目標に掲げる「2%未満で、その近辺」にはまだ遠い。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35887080Y8A920C1FF8000/ 2018/9/28 18:59 日本経済新聞 電子版
独トルコ首脳会談 孤立回避狙うトルコ 独は難民抑制期待 関係改善、人権問題がハードルに
 【ベルリン=石川潤、イスタンブール=佐野彰洋】トルコのエルドアン大統領が28日、訪問中のベルリンでメルケル独首相と会談する。トランプ米政権との関係が悪化し、通貨リラの急落で苦境に陥るトルコが、国際的な孤立とこれ以上の経済の混乱を避けるため、欧州の盟主、ドイツとの関係正常化を探る。ドイツにとっても難民の流入抑制のためトルコの安定が欠かせないが、人権問題の改善などがハードルとして立ちはだかる。

 「政治的緊張を完全に過去のものとする」。エルドアン大統領は2014年の就任以来、初めてのドイツ公式訪問の理由をこう説明する。悪化していたドイツとの関係を立て直し、トルコ経済の安定につなげる狙いだ。
 エルドアン氏は拘束している米国人牧師の解放を求めるトランプ米大統領と激しく対立している。米国は追加関税などの対トルコ制裁に踏みきり、通貨リラが年初から対ドルで約40%も急落する「トルコショック」にも見舞われた。
 通貨安とインフレの悪循環に陥り、長期政権のよりどころだった経済も19年のマイナス成長がささやかれるまでに悪化してきた。経済再建が不可欠だが、米政府の影響が強い国際通貨基金(IMF)への支援要請は避けたい考えで、ドイツとの関係改善に活路を探る。
 ドイツにとっても、トルコを軽視できない事情がある。欧州には15年に数百万人規模でシリアなどから難民が押し寄せて大混乱に陥ったが、欧州連合(EU)がその後トルコと協定を結び、難民の流入にブレーキをかけた。経済危機でトルコが不安定になれば、この防波堤が崩れかねない。
 エルドアン氏は訪独に先立つ17日、ロシアのプーチン大統領とシリア北西部での非武装地帯(DMZ)設置で合意。アサド政権による反体制派への総攻撃を回避し、難民の増加を防ぐという「お土産」も用意した。
 さらに、ドイツ国内には300万人のトルコ出身者が暮らし、エルドアン氏の支持者が多い。独トルコ関係の改善は、移民問題を巡って分断が進むドイツ社会の安定につながる面もある。
 ドイツにとって「トルコの経済的、政治的安定は根本的な利益」(メルケル首相の報道官、ザイベルト氏)といえる。
 もっとも、EU加盟国でもないトルコへの独自の支援は難しい。反トランプ連合のように受け止められれば、トランプ氏から貿易問題で思わぬとばっちりを受けかねない危うさもある。それでも、関係改善でトルコに進出するドイツ企業などに安心感が広がれば、トルコ経済の悪化に歯止めがかかる可能性はある。
 問題は、2年前のトルコのクーデター未遂をきっかけに強権的な姿勢を強めるエルドアン氏に対し、ドイツ国内で人権問題の改善を求める声が強いことだ。ベルリンでは28日、エルドアン氏に抗議する1万人規模のデモが計画されている。
 エルドアン氏はクーデター未遂後にドイツ人ジャーナリストらを拘束したうえ、ドイツの主要政党を「トルコの敵」と呼ぶなど、ドイツ人の感情を逆なでするような発言を繰り返してきた。経済が悪化した最近になってドイツ人の解放に動いているが、ご都合主義のように映る面もある。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/616.html#c3

[経世済民128] 円高進行恐れ、日本の景気に黄信号 FRB、利上げ打ち止め示唆(SankeiBiz) 赤かぶ
2. 2018年9月28日 19:29:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1591]

>2020年に利上げが停止になる可能性も示唆された。日米の金利差拡大への市場の期待がしぼめば、貿易摩擦の影響と円高進行のダブルパンチが、日本経済の失速に

そんな期待は、とっくにないし

為替変動は金利だけで決まるものではない

今となっては、かなりピント外れのコメント



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/619.html#c2

[経世済民128] 日米交渉 多国間自由貿易体制に逆風 車輸入制限回避へ次善策(SankeiBiz) 赤かぶ
1. 2018年9月28日 19:35:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1592]

>日本にとってベストのシナリオは米国のTPP復帰

今となっては四島返還同様、あり得ない話

野党の頃は安倍自民もTPPに反対していたが、

現実が見えず、無責任で能天気な人々は、己の愚かな選択を後悔することになる

それは日本国民に限らず、トランプを選んだ米国民も同じではある


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/620.html#c1

[経世済民128] 東証前引け 反発、一時27年ぶり高値水準 円安進行でほぼ全面高 株式こうみる:業績対比で割安、年内に2万5000円へ=ニ うまき
2. 2018年9月28日 20:11:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1593]
2年債と10年債の利回り格差逆転後も利上げ継続の可能性?[FISCO]
配信日時 2018年9月28日(金)16:45:51 掲載日時 2018年9月28日(金)16:55:51
 27日のニューヨーク市場では米ドルが主要通貨に対して全面高となった。この日発表された8月耐久財受注は市場予想を上回ったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、「米経済が今後2年間に景気後退入りする可能性は低い」と指摘し、利上げ継続の方針を示したことがドル買い材料となった。 パウエルFRB議長は、短期金利と長期金利の格差縮小について、「FRBの分析モデルは経済成長が続くことを示唆している」との見方を示した。27日の米国債券市場では2年債と10年債の利回り格差は22bp近辺まで縮小しており、利上げを継続した場合、2年債利回りは来年前半までに10年債利回りを上回る可能性が高いとみられている。そうなった後もFRBが利上げを継続した場合、市場関係者の間では「ドル相場への支援材料となるかもしれないが、株式市場を強く圧迫する可能性がある」との声が聞かれている。


米国株見通し:NAFTA再交渉をめぐる協議への楽観的見通しは後退[FISCO]
配信日時 2018年9月28日(金)18:45:45 掲載日時 2018年9月28日(金)18:55:45
S&P500先物       2920.00( 0.00) (18:15現在)ナスダック100先物  7659.00(+ 1.75) (18:15現在) 18時15分時点のグローベックス米株式先物市場で、S&P500先物とナスダック100先物はほぼ横ばい推移。NYダウ先物は前日比2ドル安程度で推移している。欧州株式市場は全面安。時間外取引のNY原油先物は前日比ほぼ横ばいで推移。こうした流れを受け、28日の米株式市場は売り優勢気味に始まりそうだ。 米国とカナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をめぐる協議は、10月1日の期限が迫るなか難航が伝えられており、合意期待や楽観的な見通しは後退している。本日は9月の最終取引日で、週末、月末、四半期末であり、利益確定など調整的な売りが出る可能性もある。NY原油先物は、供給懸念が根強い一方、ユーロ・ドル軟調で割高感の強まりが見込まれ、伸び悩む可能性が考えられる。 本日発表となる米経済指標は、8月個人所得・個人消費支出や9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)など。個人所得は前月を上回り伸びが予想されるが、シカゴPMIはやや低下が予想され、株式市場には結果的にややニュートラルな材料になるとみられる。


米債買われる、10年債利回りは3.0314%まで低下=ロンドン為替
配信日時 2018年9月28日(金)19:06:00 掲載日時 2018年9月28日(金)19:16:00
米債買われる、10年債利回りは3.0314%まで低下=ロンドン為替

イタリア債が売られる一方で、米債は買われている。米10年債利回りは一時3.0314%に低下。欧州株式市場は総じて軟調に推移。イタリアMIB指数は3%近い下落率になっている。

USD/JPY 113.40 EUR/USD 1.1585 EUR/JPY 131.34

ドル買い優勢、ユーロドル一時1.15台、ポンドドル1.30台前半=ロンドン為替
配信日時 2018年9月28日(金)18:36:00 掲載日時 2018年9月28日(金)18:46:00
ドル買い優勢、ユーロドル一時1.15台、ポンドドル1.30台前半=ロンドン為替

 ロンドン午前の取引はユーロドルが主導する形でドル買いが進行している。ユーロドルは、足元で1.1596レベルに安値を更新。1.15台での取引は、9月12日以来。ポンドドルは一時1.3035レベルまで下落する場面があった。1.3050割れでストップ注文がでたもよう。足元では1.3050-60レベルで取引されている。ドル円は113.36レベルまで下落も、東京市場安値113.34レベルには至らず。その後は113.40-50レベルで揉み合っている。

EUR/USD 1.1597 GBP/USD 1.3054 USD/JPY 113.49


日銀 本日は従来型のETFを購入せず
配信日時 2018年9月28日(金)17:48:00 掲載日時 2018年9月28日(金)17:58:00
日銀
本日は従来型のETFを購入せず
J−REITを購入せず
設備人材投資企業支援のETFを12億円購入


 


ユーロドル一時1.1582レベル、イタリア売りが収まらず=ロンドン為替
配信日時 2018年9月28日(金)19:18:00 掲載日時 2018年9月28日(金)19:28:00
ユーロドル一時1.1582レベル、イタリア売りが収まらず=ロンドン為替

 ユーロドルは1.1582レベル、ユーロ円は131.28レベルと安値を広げた。

 イタリア売りが収まらない。株式市場ではイタリアMIB指数が下げ幅を3%超に拡大。イタリアの銀行株はストップ安に。

 イタリア10年債利回りは3.25%近辺へと上昇。ドイツ10年債との利回り格差は、279bpと9月4日以来の拡大となっている。

EUR/USD 1.1586 EUR/JPY 131.35 EUR/GBP 0.8882


欧州株 銀行株が大幅下落、伊財政赤字目標受け
配信日時 2018年9月28日(金)19:42:00 掲載日時 2018年9月28日(金)19:52:00
欧州株
東京時間19:42現在
英FTSE100  7508.01(-37.43 -0.50%)
独DAX  12262.49(-173.10 -1.40%)
仏CAC40  5503.05(-37.36 -0.68%)
スイスSMI  9061.78(-50.44 -0.56%)
※仏CAC40、スイスSMIは15分遅れ


【銀行株】
東京時間19:42現在
HSBC       670.60(-11.40 -1.67%)
RBS        247.50(-8.10 -3.17%)
バークレイズ   173.00(-3.68 -2.08%)
Sチャータード  632.20(-9.40 -1.47%)
ロイズTSB     59.65(-1.35 -2.21%)
ドイツ銀行      9.79(-0.42 -4.12%)
コメルツバンク   8.84(-0.59 -6.23%)
BNPパリバ     52.66(-1.81 -3.32%)
ソシエテ ジェネラル  36.62(-1.42 -3.73%)
クレディ・アグリコル   12.37(-0.58 -4.46%)


ユーロ圏 10年債利回り格差 伊271bpに大幅拡大、伊予算案で
配信日時 2018年9月28日(金)18:52:00 掲載日時 2018年9月28日(金)19:02:00
ユーロ圏の10年債利回り(日本時間18:52時点)(%)
ドイツ    0.47
フランス   0.801(+33)
イタリア   3.178(+271)
スペイン   1.502(+103)
オランダ   0.576(+11)
ギリシャ   4.189(+372)
ポルトガル   1.886(+142)
ベルギー   0.827(+36)
オーストリア 0.677(+21)
アイルランド 0.984(+51)
フィンランド 0.715(+25)
(注)カッコ内数値はドイツ国債との利回り格差、単位:ベーシスポイント(BP)


ユーロ圏経済指標【ドイツ失業統計】
配信日時 2018年9月28日(金)16:55:00 掲載日時 2018年9月28日(金)17:05:00
ドイツ失業率(9月)16:55
結果 5.1%
予想 5.2% 前回 5.2%

ドイツ失業者数(9月)16:55
結果 -2.3万
予想 -0.9万人 前回 -1.0万人(-0.8万人から修正)


ECBレーン氏、イタリア財政について12月の見通しで考慮する必要
配信日時 2018年9月28日(金)16:40:00 掲載日時 2018年9月28日(金)16:50:00
ECBレーン氏、イタリア財政について12月の見通しで考慮する必要

イタリア財政について12月の見通しで考慮する必要
ECBにとって重要な点はユーロ圏の総合的なデータ
ECBは力強い経済見通し、脆弱ではない戦略をもっている
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/615.html#c2

[経世済民128] 20年末までの米リセッション入り、3分の2が予想  日経平均はトレンドだけが独り歩き、足元の急騰に違和感         うまき
1. 2018年10月01日 19:43:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1594]

外為フォーラムコラム2018年10月1日 / 18:24 / 1時間前更新
コラム:世界で高まる「ドル不足」の危険性
Jamie McGeever
3 分で読む

[ロンドン 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切り、自身のバランスシートを縮小する中で、ドルと米国債利回りは上昇しており、海外投資家によるドル資金調達は、割高かつ困難な状況に陥っている。

こうした状況は明白だが、意外なのは、そして恐らく懸念すべきは、ドルがいかに高く、希少になりつつあるかということだ。

通貨スワップ市場では、これまでストレスの兆候はなかった。同市場は、幅広いドル需要や流動性、調達をを示す上でもっとも注視されている指標の1つだが、オフショアドル需要は容易に満たされ、相場も安定していた。

だが、FRBが今回のサイクルで8回目となる利上げを行い、今後も利上げを継続する意向を示唆した翌日の27日、金利差からのかい離を示すベーシスは急拡大した。ドル/ユーロの1日当たりのベーシス拡大幅は世界金融危機以降で最大を記録した。

それはまた、銀行による四半期末のリバランスや、イタリア情勢への懸念を生み、ユーロ圏からの資金流出の急増を招いてしまった可能性がある。依然として注目すべき動きであり、他の指標も加味すれば、海外の投資家や企業、金融機関にとって、ドルの借り入れコストは2009年以降でもっとも高くなっている。

しかも、それは今後も高くなる一方だ。

米ドルや利回り、加えて金利の上昇にさらされている世界中のドルの借り手にとって、それは赤信号とは言わないまでも、黄信号が点灯している状態だ。これらの上昇が、債務を膨張させ、返済を困難にするためだ。

加えて、米金融市場改革や金融規制の強化は、米銀のドル流動性供給能力を損なっている。

トランプ米大統領の税制改革は、自国に還流する米企業の莫大な現金の一部を迂回させ、海外銀行の米国支店が現地で資金調達するコストを増加させている。

一方、本格的な世界貿易戦争のような、新興市場からの資本流出を招く、急激なリスク回避が発生する可能性は高まっており、これまで以上にその現実味を増している。今夏経験したように、資本逃避は、新興国の借り手が受ける痛みを倍増し、ドル流動性のひっ迫を、より広範囲に悪化させる。

「ドルの借り入れコストは、特にオフショアドルについては今後も上昇し続け、世界の資金調達に相当な圧力を与えることになる」と、TSロンバードのシュウェタ・シン氏は指摘。「世界調達に対する主な脅威はオフショアドルの縮小だ」

<ドル支配と依存>

3カ月物のドル資金調達コストは現在、約2.50%。歴史的な水準から見れば、高いわけではない。一見したところ、大半の借り手にとっては確実に対応可能な水準だ。しかしコストは上向いており、ドル供給は減少している。

FRBの量的緩和は実質的に終了しており、量的引き締めへと向かっている。FRBのバランスシート縮小だけでも、まもなく月500億ドル、年間6000億ドルの資金を吸収することになるだろう。

加えて、1兆ドルに上るトランプ政権による減税策や防衛費向けに国債発行が急増している。米証券業金融市場協会(SIFMA)のデータによると、1カ月ベースの発行残高は8月、初めて1兆ドルを超えた。

こうした資金を吸う音は大きくなる一方で、銀行やファンド、他の金融機関がこれら国債を購入している。購入に使われている一部のキャッシュは、さもなければ他のどこかに流れているだろう。

こうしたことの一切は、世界的ドル依存がかつてないほど高まる中で起きている。国際的な資金調達通貨としてのドル支配は、2008年の金融危機以降、特に新興市場の借り手の間で急速に広がっている。

国際決済銀行(BIS)によれば、米国以外のノンバンク向けドル与信は3月末時点で世界の国内総生産(GDP)の14%に相当しており、2007年末時点の9.5%から上昇した。

新興市場国のノンバンクに対するドル建て融資は約3.7兆ドルと、危機以降2倍以上増えている。また、同規模が通貨スワップを通じて借り出されている。

「ドル建て融資比率の高まりは、ドル高が継続した場合に現実化するリスクを予見するものだ」と、BISは四半期レビューで指摘。「さまざまな新興市場資産のポートフォリオを抱える世界の投資家にとって、ドル高は、テールリスクを高める。これによって新興市場のエクスポージャーに大幅な縮小が起こりかねない」

何兆ドルも借り入れている米国以外の銀行は、保有する資産と債務に通貨のミスマッチを抱えている可能性がある。大半は、安定したドル建て預金へのアクセスを持たないか、米国支店のドル建て預金にも簡単にはアクセスできないことが多い。

これらの銀行は、より不安定で借り入れコストも高騰する短期的なドル資金調達への依存を強いられる。ドル不足は大きな痛手となりかねない。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/column-dollar-mcgeever-idJPKCN1MB1ZQ


 

 

ビジネス2018年10月1日 / 18:34 / 43分前更新
焦点:貿易摩擦が企業心理に影、展望リポートへ日銀分析急ぐ
2 分で読む

[東京 1日 ロイター] - 株高・円安が続く市場動向とは裏腹に、企業の景況感がさえない。日銀が1日に発表した9月短観では、大企業・製造業の業況判断DIが3四半期連続で、同非製造業は2年ぶりに悪化した。米中貿易摩擦など保護主義的な通商政策の強まりが、企業心理に暗い影を落としつつある。日銀は10月末に公表する新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」に向け、貿易問題の影響について分析を深めていく考えだ。

9月日銀短観は大企業・製造業の業況判断DIがプラス19となり、3四半期連続で悪化した。3期続けて悪化するのは、2007年12月調査から09年3月調査まで5期連続で悪化して以来、約10年ぶりだ。好調を維持してきた同非製造業もプラス22と8四半期ぶりの悪化となった。

それでも日銀では、相次いだ自然災害によって物流や生産への被害が発生したことを踏まえれば、今回の短観はそれなりにしっかりした内容と受けとめているようだ。

内外需のバランスのとれた成長が持続する中、好調な収益環境を背景に企業の景況感が高水準にあるのは事実。先行きは同製造業・非製造業ともに横ばいを見込んでおり、先行き慎重になりやすい短観の特徴を前提にすれば、企業マインドが悲観に傾いてみるのは早計といえる。

設備投資計画は過去平均を上回るペースを維持しており、売上高経常利益率も「歴史的な高水準」(調査統計局幹部)にあるなど、しっかりした事業計画に大きな変化はみられていない。

もっとも、激化する米中貿易摩擦など保護主義的な通商政策に対する企業の懸念は着実に強まっているようだ。

日銀によると、貿易摩擦の足元の業績などへの影響はみられていないが、先行きを慎重にする要因と指摘する企業は増えているという。

経済産業省が28日発表した8月鉱工業生産指数速報は前月比0.7%上昇し、4カ月ぶりに上昇したものの、事前の市場予想を下回る弱めの内容になった。特に電子部品・デバイス工業が同8.8%減となり、前月段階での微増計画が大幅な減少となったことが足を引っ張った。

現時点で具体的な要因は定かではないが、日銀では、こうした背景に米中貿易摩擦が影響していないか、慎重に分析を進めているもようだ。

黒田東彦総裁は9月25日に大阪市内で講演し、先行きのリスク要因のうち、貿易問題の帰すうに最も強い警戒感を示した。「保護主義的な政策は、当事国であろうとなかろうと、誰にとってもメリットがない」と断言し、「この問題が金融市場や企業マインドの不安定化につながらないようにするためにも、各国間で真摯に議論を重ねていくことが不可欠だ」と強調した。

現段階で貿易問題の影響は数字にこそ明確に表れていないものの、日銀短観で企業から寄せられた声からは、すでに企業マインドに暗い影を落とし始めている可能性がある。収束の兆しがみえない米中貿易摩擦を中心に、問題の長期化自体が企業マインドに悪影響を与えかねず、日銀は動向を注視している。

伊藤純夫 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/boj-trade-tankan-japan-idJPKCN1MB200


 


 


中国製造業が一段と失速、貿易紛争の影響じわり
生産縮小示すデータでさらなる景気刺激策の可能性強まる
中国東部山東省の工場で働く工員
By Liyan Qi and Lingling Wei
2018 年 10 月 1 日 12:22 JST 更新

 【北京】エスカレートする米中貿易紛争が、中国経済に一段と重い足かせとなり始めた。海外からの需要低下と国内消費の低迷が相まって、中国製造業の大幅な生産縮小を引き起こしている。

 先月30日発表の経済データによると、製造業の減速が鮮明となり、中国政府が経済を下支えする景気刺激策をさらに強化する見込みが高まっている。

 最新データによると、自動車・機械などを製造する民間企業は9月、拡大基調の生産にブレーキがかかった。輸出の新規受注が2016年2月以来の低水準に落ち込んだのが響いた。一方、国有の大手製造企業の生産量も引き続き鈍化した。

 中国の7-9月期(第3四半期)の主要経済指標の中で最初に発表されたこのデータは、米中貿易戦争が世界第2の経済大国の成長を押し下げ始めたことを示すものとなった。

 これまで中国の景気減速は主に、国内の債務圧縮を進める中で、企業・個人双方の投資や消費が抑制されたことが原因となっていた。だが7月以降は、米中両国の貿易摩擦が単なる言葉による脅しから、相手国の製品に対する数千億ドル規模の関税発動へと発展し、その影響が懸念されていた。

 「製造セクター全体の拡大基調は9月に弱まった」と財新智庫莫尼塔(CEBMグループ)の北京在勤エコノミスト、鐘正生氏は指摘。「中国経済の後退圧力は相当大きい」

 エコノミストや政府顧問らは、こうした圧力を受け、中国政府が金融緩和や公的支出の拡大といったより成長志向の政策を打ち出すだろうとみている。そうなれば、すでに高い債務水準の拡大を阻止する政府の取り組みが一段と後退する公算が大きいという。

 中国人民銀行(中央銀行)は今年、銀行の預金準備率をすでに3度引き下げており、4度目の引き下げがあれば、貸し出しを加速させ、中国経済を後押しすると、アナリストやエコノミストは話す。

 国務院発展研究センターの隆国強副主任は30日、米中貿易摩擦が中国の輸出や経済成長全体に影響を与えるのは間違いないと述べた。「企業は生産を削減したり、従業員数を減らしたりするほか、一部は閉鎖に追い込まれるだろう」とメディアとの会見で語り、貿易戦争が経済に与える影響に応じて、金融政策を調整することになると続けた。

 景気刺激策の必要性に関するこうした見方は、米国の攻撃から身を守る一方で、景気の息切れを防がなくてはならない中国政府の綱渡り的状況を際立たせている。ドナルド・トランプ米大統領は、強い米国経済のおかげで中国との争いで優勢に立てると繰り返し豪語してきた。

 30日に発表されたデータは、関税発動の影響がすでに出始めたことを示している。

 中国の経済メディア「財新」と調査会社マークイットが発表した9月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.0と、8月の51.0から低下。民間中小企業を中心とする同指数は、8月まで15カ月連続で景況感の節目である50を上回っていた。

 一方、中国国家統計局が同日発表した9月の公式製造業PMIは50.8と、エコノミストの予想中央値(51.2)を下回り、7カ月ぶりの低水準。8月は51.3だった。

 国有大手企業に重きを置くこの指数は2年余り、50を上回り続けている。ただ、国有企業にとっても先の見通しは暗い。公式製造業PMIのサブインデックスで中国製品の対外需要を示す輸出関連指数は、8月の49.4から、9月は48.0に悪化した。

 最新データで唯一の明るい材料は、建設セクターの力強い回復だ。これは中国政府が再びインフラ事業に注力し始めたことが背景にある。国家統計局によると工場の生産活動を除いた9月の公式非製造業PMIは54.9と、8月の54.2から上昇した。

訂正:6段落目の「莫尼塔投資発展」を「財新智庫莫尼塔」に訂正します。

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イタリア財務相、予算で至難の業に挑む−ユーログループ納得するか
Kevin Costelloe
2018年10月1日 11:46 JST
対GDP比2.4%の財政赤字目標は金融市場の波乱要因になった
予算案巡り大統領や中銀総裁らが週末に相次いで発言
イタリアのトリア財務相は今週、同国の予算案についてユーロ圏の財務相らを納得させなければならない。

  ルクセンブルクで1日に開かれるユーロ圏財務相会合(ユーログループ)でイタリアの2019年予算案は議題に入っていないが、会合に合わせて行われる話し合いでトリア財務相が同案について質問を受けるのは確実だ。これまでに公表された重要な項目は国内総生産(GDP)比2.4%の財政赤字目標の設定だが、9月28日の市場では株や債券が値下りするなどイタリア資産に集中的な下押し圧力をかけた。

  こうした事態を受けて週末には政治家の発言が相次いだ。いつもなら控えめなマッタレッラ大統領さえポピュリスト連立政権に対し、予算均衡と持続可能な公的債務を目指す憲法上の義務があることを思い出させる動きに出た。


トリア財務相写真家:Giulio Napolitano / Bloomberg
  ウニクレディト・グループのチーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は30日付リポートで、「マッタレッラ大統領が憲法を片手に厳しい姿勢を貫き、世論調査で同大統領の高い支持率が示唆されれば、政府は予算計画を再考せざるを得ないだろう。やっかいな問題だが、慎重に見守るに値する」と語った。

  イタリア銀行(中央銀行)のビスコ総裁は自身の見解として債務圧縮の必要性を訴えた。イタリア債務の対GDP比は130%を超え、ユーロ圏では危機に見舞われているギリシャに次いで高い。

  ただ週末に最も注目を集めたのはトリア財務相の動向だった。同相は今夏の予算交渉で財政赤字を抑えようとする姿勢を貫こうとしたとされ、市場の信頼を勝ち取った。だが、政権内での今後については臆測が絶えない。

  トリア財務相は同国紙ソレ24オレとのインタビューで「私は決して辞任をちらつかせなかった」とし、「2.4%という財政赤字目標は政治的交渉の産物だ」と語った。しかし、同相は1.6%を求めていたとされ、同国紙メッサジェロは関連法の承認後、トリア氏は辞任する計画だと報じている。

原題:Italy’s Tria Faces Hard Sell on Budget to Euro Colleagues (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-30/PFW49Q6TTDS101

 


 

超長期債が下落、日銀オペ減額続くとの観測−株高・円安が拍車
野沢茂樹
2018年10月1日 8:05 JST 更新日時 2018年10月1日 16:05 JST
• 新発40年債利回り1.09%と、昨年10月以来の高水準
• 残存25年超のレンジ下げで減額方針をあらためて意識−メリル日本証
債券相場は超長期債を中心に下落。日本銀行が先週末に公表した今月のオペ運営方針を受け、国債買い入れ規模の縮小が続くとの見方があらためて売り材料視された。円安と国内株高の進行も下げに拍車を掛けた。
  1日の現物債市場で40年物の11回債利回りは日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高い1.08%で寄り付いた。午後には1.09%と、新発40年物として昨年10月以来の水準に上昇。新発30年債利回りは0.92%と昨年7月以来、新発20年債利回りは0.66%と昨年3月以来の高水準をそれぞれ付けた。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「残存期間25年超の買い入れレンジ引き下げで、市場では減額の方向性があらためて意識され、超長期ゾーンを中心に買いにくさがある」と指摘。下半期入りし、金利水準も上がっているので、いずれは投資家の押し目買いが入ってくる見込みだと続けた。

  長期国債先物市場では中心限月12月物は4銭安の150円05銭で取引を開始。その後、徐々に買いが優勢となり、4銭高の150円13銭まで上昇。午後は前日終値を挟んで推移し、結局は1銭安の150円08銭で引けた。
  日銀は先月28日公表した10月の国債買い入れオペの運営方針で、残存期間25年超の1回当たり買い入れ額のレンジを500億−1500億円から100億−1000億円に引き下げた。直近の買い入れ額は500億円と9月方針で示されたレンジ下限に達していた。実施回数は月5回で変わらなかった。一方、残存10年超25年以下については買い入れ額のレンジ、回数とも据え置きだった。9月に月5回に減った中長期ゾーンの実施回数やレンジも変更がなかった。
  米国とカナダの貿易交渉が妥結、メキシコを含めた3カ国協定の枠組みが維持されることになったとの報道が東京時間に伝わり、円相場は対ドルで1ドル=114円ちょうど近くと昨年11月以来の水準に下落。日経平均株価は一時2万4306円54銭と1991年11月以来の高値を付けた。
  一方、日銀がこの日発表した企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス19となり、3期連続で悪化した。大企業・非製造業もプラス22と2ポイント悪化した。
10年債入札
  財務省は2日、10年利付国債入札を実施する。新回号となり、償還予定日が3カ月延びる。発行予定額は額面金額で2兆2000億円程度。メリル日本証の大崎氏は、入札前取引で利回りが0.15%を超えてくれば表面利率が0.2%に引き上げられる可能性があるとし、0.15%付近では押し目買いが入りそうだとみている。
新発国債利回り(午後3時時点)
前週末比
2年債 -0.115% 横ばい
5年債 -0.070% +0.5bp
10年債 0.125% +0.5bp
20年債 0.660% +0.5bp
30年債 0.920% +1.5bp
40年債 1.090% +2.5bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-30/PFRA1J6JIJUP01?srnd=cojp-v2

 


米国債の強気派、雇用統計きっかけの相場上昇を期待−賃金の伸び焦点
Katherine Greifeld
2018年10月1日 15:59 JST
• 9月平均時給は前年同月比2.8%上昇、8月から鈍化予想−調査
• 賃金の伸び鈍化の兆候が相場上昇のきっかけになり得る−ウェルズF
米国債の強気派は今週、5日発表の9月の米雇用統計をきっかけとする相場上昇に期待している。9月のパフォーマンスが4月以降最悪となったことで生じた強気派の痛みは先週、安全資産買いが和らげた。
       
  先月発表の8月の雇用統計では、予想外に大きな賃金の伸びが10年債利回りを年初来最高水準へ押し上げる一因となったため、9月の統計でも賃金が注目される。10年債利回りは先月、イタリア財政を巡る懸念から上昇幅を縮小したものの、それでも20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇と、この5カ月で最も上げた。
  ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、ボリス・リャビンスキ氏らは、最終的に利回りは上昇する方向と予想しつつも、賃金の伸び鈍化の兆候があれば相場上昇のきっかけになり得るとみている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今年3回目の金利引き上げを決定し、利上げ継続を表明した後で賃金の伸びが期待外れとなれば、金融引き締めを続ける方針に投資家が疑問を抱く可能性があるためという。
           

  同氏は「賃金の下振れに対する市場の反応は、ポジティブ・サプライズよりも大きくなる可能性がある」と予想。「金融当局がスタンスを維持するのかどうか、一部で疑問が生じかねない」と述べた。
  先週の10年債利回りは一時3.11%と、年初来のピークに接近した。ブルームバーグ調査によると、米国の9月の平均時給は前年同月比で2.8%上昇したもよう。これはリセッション(景気後退)後で最大の伸びとなった8月の2.9%上昇から鈍化した状況を意味する。非農業部門雇用者数は前月比18万5000人増の見通し。8月は20万1000人増だった。
今週の注目イベント
• 投資家は一連の米金融当局者の講演に注目。2日と3日にパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演する
• 経済統計では雇用統計が最大の焦点:
o 1日:マークイット製造業PMI、建設支出、ISM製造業景況指数
o 3日:住宅ローン申請指数、ADP雇用統計、マークイット非製造業PMI、ISM非製造業景況指数
o 4日:チャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数、製造業受注、耐久財受注、ブルームバーグ消費者信頼感
o 5日:雇用統計、貿易収支、消費者信用残高
• 米財務省短期証券(Tビル)入札は、1日に3カ月物と6カ月物、2日に1カ月物を予定             
               
原題:Bond Bulls Emboldened as Haven Demand Eases September Drubbing(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWPBZ6JTSEH01?srnd=cojp-v2

 


米国債の強気派、雇用統計きっかけの相場上昇を期待−賃金の伸び焦点
Katherine Greifeld
2018年10月1日 15:59 JST
• 9月平均時給は前年同月比2.8%上昇、8月から鈍化予想−調査
• 賃金の伸び鈍化の兆候が相場上昇のきっかけになり得る−ウェルズF
米国債の強気派は今週、5日発表の9月の米雇用統計をきっかけとする相場上昇に期待している。9月のパフォーマンスが4月以降最悪となったことで生じた強気派の痛みは先週、安全資産買いが和らげた。
       
  先月発表の8月の雇用統計では、予想外に大きな賃金の伸びが10年債利回りを年初来最高水準へ押し上げる一因となったため、9月の統計でも賃金が注目される。10年債利回りは先月、イタリア財政を巡る懸念から上昇幅を縮小したものの、それでも20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇と、この5カ月で最も上げた。
  ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、ボリス・リャビンスキ氏らは、最終的に利回りは上昇する方向と予想しつつも、賃金の伸び鈍化の兆候があれば相場上昇のきっかけになり得るとみている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今年3回目の金利引き上げを決定し、利上げ継続を表明した後で賃金の伸びが期待外れとなれば、金融引き締めを続ける方針に投資家が疑問を抱く可能性があるためという。
           

  同氏は「賃金の下振れに対する市場の反応は、ポジティブ・サプライズよりも大きくなる可能性がある」と予想。「金融当局がスタンスを維持するのかどうか、一部で疑問が生じかねない」と述べた。
  先週の10年債利回りは一時3.11%と、年初来のピークに接近した。ブルームバーグ調査によると、米国の9月の平均時給は前年同月比で2.8%上昇したもよう。これはリセッション(景気後退)後で最大の伸びとなった8月の2.9%上昇から鈍化した状況を意味する。非農業部門雇用者数は前月比18万5000人増の見通し。8月は20万1000人増だった。
今週の注目イベント
• 投資家は一連の米金融当局者の講演に注目。2日と3日にパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演する
• 経済統計では雇用統計が最大の焦点:
o 1日:マークイット製造業PMI、建設支出、ISM製造業景況指数
o 3日:住宅ローン申請指数、ADP雇用統計、マークイット非製造業PMI、ISM非製造業景況指数
o 4日:チャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数、製造業受注、耐久財受注、ブルームバーグ消費者信頼感
o 5日:雇用統計、貿易収支、消費者信用残高
• 米財務省短期証券(Tビル)入札は、1日に3カ月物と6カ月物、2日に1カ月物を予定             
               
原題:Bond Bulls Emboldened as Haven Demand Eases September Drubbing(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWPBZ6JTSEH01?srnd=cojp-v2


 


ブラックロックの社債ETF2本に明暗−手数料争いは社内でも
Vildana Hajric、Carolina Wilson
2018年10月1日 12:13 JST
• 25日にUSIGへ過去最高の6億ドル余りが流入
• USIGの手数料、1000ドルにつき6ドル−LQDは15ドル

American flags fly at BlackRock Inc. headquarters in New York. Photographer: Bess Adler/Bloomberg
上場投資信託(ETF)市場では手数料を巡る争いが続いているが、それは今、資産運用会社の社内で起きている。
  世界最大の資産運用会社ブラックロックの22億ドル(約2500億円)規模のiシェアーズ・ブロード・米ドル建て投資適格社債ETF(銘柄コード:USIG)には9月25日に過去最高の6億2400万ドルが流入した。ブルームバーグのデータによると、1人の買い手が同ETFで4件の大口取引を執行したもようで、最大は500万口(2億6750万ドル相当)だった。
  一方、同社の340億ドル規模のiシェアーズiBoxx投資適格社債ETF(同LQD)では24日に6億7500万ドル余りが流出。25日にはさらに3億2000万ドル近くが引き揚げられた。年初来では31億ドルの投資家資金が流出している。
  両ETFの手数料は、投資額1000ドルにつきUSIGが6ドルであるのに対してLQDは15ドルと、USIGの方がはるかに安い。25日の資金流入は、USIGの時価総額が一夜にして40%余り拡大するのを後押しした。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アサナシオス・サロファジス氏は「資産配分比率を維持する必要があるであろう誰かが、割安な選択肢へとにかくシフトしている」と指摘。「iシェアーズの主力ETFの一部でこのような動きが見られるのは珍しいことではない」と語った。
             
原題:BlackRock Is the Winner and Loser in This Bond ETF Fee Fight(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWDPH6KLVR401?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/652.html#c1

[経世済民128] NAFTA、期限目前で合意 車は加メキシコに寛容 米・カナダのNAFTA再交渉が妥結、3カ国協定維持へ−関係者 うまき
1. 2018年10月01日 19:54:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1595]
NAFTA新協定、知っておくべき10のこと
米国とカナダは9月30日夜、北米自由貿易協定(NAFTA)の改定を巡る協議が合意に達したと発表

By William Mauldin
2018 年 10 月 1 日 16:20 JST

 米国とカナダは9月30日夜、北米自由貿易協定(NAFTA)の改定を巡る協議が合意に達したと発表した。これによりカナダは、8月下旬に米国とメキシコの間で成立した合意に参加する。

 NAFTA再交渉で3カ国が妥結した点について、押さえておくべき10の項目をまとめた。

1.自動車に関する合意

 他のNAFTA加盟国から自動車を関税ゼロで輸入したい? 新合意が実施されれば、1994年に発効した現行NAFTAよりも難しくなるだろう。北米製の自動車部品を含まなければならない比率が現行の62.5%から、今度は75%になる。これは労働組合や自動車関連の労働者には喜ばしいが、自動車産業の世界的なサプライヤーにとっては頭痛の種だ。

2. 賃金条項

 新ルールでは、時給16ドル以上の労働者による自動車の生産割合を少なくとも5分の2とする必要がある。賃金水準の低いメキシコで製造した自動車部品の輸入量に上限を設けるものだと考えればよさそうだ。

3.労働基準

 トランプ政権および異例の通商同盟を組む民主党と労働組合が特に誇るべきは一連の高い労働基準で、これが実現すれば、メキシコでより強力な労働組合が組織され、恐らくは同国の賃金上昇につながるだろう。もっとも、民主党議員の一部はこうした労働規定の法的強制力の水準に満足していないと話す。

4.サンセット条項

 この合意には「サンセット条項」があり、更新または再交渉が行われなければ、16年後に無効となる。カナダとメキシコの当局者は、サンセット条項の不透明さが両国への投資を阻害すると主張する。ただ、トランプ政権が模索していた5年のサンセット条項が盛り込まれなかったことに企業は多少安堵(あんど)している。

5.為替条項

 NAFTA新協定は、加盟国が貿易を有利にするために自国通貨を安値に誘導することを強制的に抑止するルールを導入する。米国やカナダ、メキシコがこの種の違反で常々批判されているわけではないが、自動車業界やその関係者はこのルールが将来的にアジア諸国との貿易協定に盛り込まれることを期待する。

6.酪農分野の譲歩

 米国はカナダの酪農市場の開放を求めていた。カナダ政府は酪農製品の価格をコントロールし、高い関税によって輸入量を制限している。酪農分野でディール(取引)を結んだことは、牛乳生産が盛んな州を代表する米議員の称賛を浴びるだろうが、カナダでは予期せぬ政治的問題が生じかねない。例えば1日に実施されるケベック州の州議会選挙への影響などだ。

7.紛争処理制度

 NAFTAには貿易ルールに違反した加盟国の責任を問う、気が遠くなるほど複雑な制度がある。トランプ政権はこの制度によって米政府の決定が覆る場合もあると警戒し、紛争処理の効力を弱めることを目指してきた。通商専門弁護士が今回の合意の文面を分析し、労働組合が見解をまとめれば、議員の投票に影響を与える可能性がある。外国企業が当該国の政府に異議を申し立てることができる「投資家対国家間の紛争解決(ISDS)条項」と呼ばれる制度については大幅に縮小された。

8. 関税に対する審査

 もう1つの仲裁制度についてはカナダ当局が維持しようと奮闘した。例えば米国がダンピングあるいは補助金を出した疑いがあるとしてカナダ製品に輸入関税を課す場合、カナダが異議を申し立てる手段となるものだ。米国通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表と米国の木材業界はこの制度の廃止を求めていた。しかし米国が折れ、カナダ政府の主張通り、制度は維持された。

9.トランプ関税の適用除外

 8月の合意で、メキシコはトランプ政権が検討中の自動車と自動車部品に対する国家安全保障上の理由に基づく関税の対象から守られることになった。米当局者は30日夜、カナダも同様の合意に達したと述べた。ただ、鉄鋼・アルミニウム関税の適用対象からカナダを除外するかどうかは、別に交渉すべきだとライトハイザー氏は述べている。

10.もはや「NAFTA 」ではない? 

 トランプ大統領は2016年の選挙期間中、「NAFTA」を非難の的としていた。マーケティングとブランディングの経験が豊富なトランプ氏は、NAFTAの名称変更を求めてきた。新たな呼び名は「米国・メキシコ・カナダ合意」を略して「U.S.M.C.A.」になると、当局者は記者団に語った。

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ビジネス2018年10月1日 / 19:04 / 13分前更新
ユーロ圏失業率、8月は8.1%に低下 10年ぶり低水準
1 分で読む

[ブリュッセル 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が1日発表した8月のユーロ圏失業率は8.1%と、7月の8.2%から低下し、2008年11月以来、約10年ぶりの低水準となった。

エコノミストの予想平均値は8.2%だった。

ユーロ圏失業率は2013年半ばの12.1%をピークに低下傾向にある。

イタリアの8月失業率が9.7%と、7月の10.2%から大幅に低下した。

失業率が最も低かったのはドイツで3.4%。7月と変わらずだった。フランスは9.3%と7月の9.2%から上昇した。

ユーロ圏全体の失業者数は1322万人と7月から10万2000人減少した。

欧州連合(EU)全体の失業者数は1666万人、失業率は6.8%。
https://jp.reuters.com/article/eurozone-unemployment-idJPKCN1MB23C


 


 
最新経済ニュース2018年10月1日 / 19:09 / 8分前更新
英消費者向け融資、8月の伸びは3年ぶり低水準
1 分で読む

* 8月の英住宅ローン融資額は+29.04億ポンド=中銀(予想:+32.50億ポンド)
* 8月の英住宅ローン承認件数は66440件=中銀(予想:64500件)
* 8月の英消費者向け融資、+11.18億ポンド=中銀(予想:+13.00億ポンド)

[ロンドン 1日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)が発表した8月の英消費者向け融資の伸び率は、ほぼ3年ぶりの低水準となった。
ただ、8月の住宅ローン承認件数は1月以降で最高の増加となった。
8月の消費者向け融資の伸び率(年率)は8.1%で、7月の8.5%から低下し、2015年9月以来の低水準となった。
前月比ベースの増加額はネットで11億1800万ポンドと、7月の8億3800万ポンドを上回った。ロイター調査の予想中央値は13億ポンドだった。
8月の住宅ローン承認件数は6万6440件、予想は6万4500件だった。前月は6万5156件だった。
海外投資家による英国債(ギルト債)買い越し額は145億1500万ポンド。7月は171億5300万ポンドの売り越しと、1982年7月に集計を開始して以来最大の売り越しだった。アナリストは、7月の売り越しについて、大量の償還が少なくとも一因となったとの見方を示している。


(ーからご覧ください)
https://jp.reuters.com/article/britain-economy-lending-idJPL4N1WH2XX?il=0

 
ビジネス2018年10月1日 / 18:54 / 23分前更新
英製造業PMI、9月は53.8 予想外に上昇
1 分で読む

[ロンドン 1日 ロイター] - IHSマークイット/CIPSが1日発表した9月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)は53.8と、上方修正された8月の改定値(53.0)から上昇した。上昇は3カ月ぶり。

ロイターが集計したエコノミスト予想は52.5と低下が見込まれていたが、予想外に上昇した。

8月に2年超ぶりに落ち込んだ輸出受注がやや回復したほか、生産は4カ月ぶりの高水準だった。

IHSマークイットのディレクター、ロブ・ドブソン氏は「短期的には楽観的な要因があるにもかかわらず、製造業は概して、相対的に精彩を欠いた状態が続いている」と指摘。英国の欧州連合(EU)離脱と変動性の高い為替レートが、見通しを一段と難しくさせ、雇用をためらわせる要因とした。
https://jp.reuters.com/article/britain-economy-pmi-idJPKCN1MB235?il=0

 

トップニュース
2018年10月1日 / 15:14 / 4時間前更新
焦点:2018年第3四半期、米国株と原油相場が大きく上昇
3 分で読む


[ロンドン 27日 ロイター] - 2018年第3・四半期は米国株と原油相場が大きく上昇した一方、貿易摩擦や新興国市場の危機、中央銀行の金融引き締めを背景に、他の資産は一部が弱気相場に転じた。
北海ブレント原油先物LCOc1は第3・四半期に3%上昇、年初来では22%上がった。米国のイランに対する制裁により世界的に供給が減少するとの見通しが原油相場を押し上げた。
米国株のS&P総合500種指数.SPXは年初来で10%余り上昇。第3・四半期は7.7%上がった。過去最高値を更新するとともに、過去最長の強気相場となった。

47カ国の株式で構成されるMSCI世界株価指数.MIWD00000PUSは不安定な展開となったが、第3・四半期は米国株に押し上げられて4%上昇した。
主要6通貨に対するドル指数は第2・四半期に5%上昇した後、第3・四半期は伸び悩んだが、上昇基調を維持して新興国市場を圧迫し続けた。新興国市場では、ドルの上昇と米中貿易摩擦を背景に、トルコとアルゼンチンの通貨危機が打撃となった。
アルゼンチンペソARS=は年初来では50%急落、第3・四半期は27%下げた。トリコリラTRY=は第3・四半期は23.5%、年初来では37%それぞれ下落。ブラジルレアルBRL=は今年に入り16.8%値下がりした。南アフリカランドZAR=とインドルピーINR=、ロシアルーブルRUB=はいずれも今年、約12%安となっている。

MSCI新興国株価指数.MSCIEFは第3・四半期に1.7%低下、年初来では14.7%下げた。同指数は8月中旬、1月下旬以降で20%低下して弱気相場に突入したが、その後はいくらか持ち直している。
上海総合株価指数.SSEAは米中貿易摩擦が激化する中、年初来では20%下落、第3・四半期は5.5%値下がりした。
アビバ・インベスターズのシニアエコノミスト、スチュワート・ロバートソン氏は「第3・四半期には貿易摩擦を巡る懸念が強まった。こうした流れは、ほぼ間違いなく第4・四半期も続き、2019年に入っても多分、解消されないだろう」と述べた。
世界の経済成長の尺度となる銅CMCU3は、最大の輸入国である中国の需要が貿易戦争の影響で減退するとの見方から、第3・四半期に6.7%下落して弱気相場に入った。銅は年初来では14%値下がりした。
また金相場XAU=は第3・四半期に5.6%下げ、年初来では9%安となった。ドル高と好調な米経済が投資家をドル資産に引き寄せ、安産資産とされる金の相対的な魅力が低下したことが主因だ。
欧州の銀行株.SX7Eも今年、大きく値下がりして弱気相場に突入した。イタリアの銀行が保有するソブリン債や、同セクターのトルコ資産に対するエクスポージャーを巡る不安が、株価を圧迫している。
S&P500種2913.98
.SPXCHICAGO BOARD OPTIONS EXCHANGE
-0.02(-0.00%)

• .SPX
• .SSEA
https://jp.reuters.com/article/q3-markets-idJPKCN1MB1KR

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/653.html#c1

[自然災害22] 「猛烈台風」の日本襲来が地球温暖化で急増のウソとホント なぜ今年は「非常に強い」台風、上陸するか 地球全体で10%遅く うまき
1. 2018年10月01日 20:00:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1596]
気候変動で海洋熱波の頻度が倍増
Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2018.181004

原文:Nature (2018-07-16) | doi: 10.1038/d41586-018-05736-3 | CRISPR gene editing produces unwanted DNA deletions

Heidi Ledford

海洋生態系を荒廃させる極端な熱事象は今後、増加が予想される。


2015年、アラスカ沖で発見されたラッコの死骸。研究者らは海洋熱波によって発生した有害藻類ブルームによる毒素が原因ではないかと考えている。 | 拡大する
Paul Nicklen/NGC/Getty

地球温暖化に伴い、海洋熱波の頻度は増えて一層極端になる、という研究結果がNature 2018年8月16日号360ページで発表された。熱波の発生は海の食物連鎖網を破壊し、生物多様性を一変させてしまう可能性がある。

研究チームは、1982〜2016年に人工衛星を使って測定した海の表面温度を分析し、海洋熱波の頻度が2倍になっていることを発見した。海面で起こるこの極端な熱事象は数日〜数カ月にわたって続き、その範囲は数千kmに及ぶことがある。研究者らは現在、今世紀末までに地球の平均気温は産業革命前のレベルより3.5℃上昇すると予想しているが、その場合、海洋熱波の発生頻度は41倍、つまり100日に1回から3日に1回に増加する可能性がある。論文の筆頭著者であるベルン大学(スイス)の気候学者Thomas Frölicherは、「今日の海洋熱波は、以前に比べて持続期間は長く、頻度は高く、強度は大きく、また範囲は広くなっています」と言う。彼はまた、これらの変化は気候の自然な変動に基づく予想を超えているとし、海洋熱波の87%が人為的な地球温暖化の結果だと結論付けた。

地球規模の現象へ
研究者が海洋の熱波に注目し始めたのは、例えば2014〜15年に北東太平洋に出現し、アラスカのラッコやカリフォルニアのアシカ、北米の漁場に大打撃を与えた巨大な「ブロブ(暖水塊)」といった、極端な海洋熱波に直面するようになってからだ。また、世界中のサンゴ礁に壊滅的な被害を与えた2015〜16年の大規模なエルニーニョも熱波への注目に寄与した(2016年1月号「『ゴジラ級』エルニーニョを捕まえろ!」、2018年7月号「グレートバリアリーフの被害状況が明らかに」参照)。

「海洋熱波が強調されるのは、陸上と同様に極端な事象が海洋でも起こり得るという認識からです」と、スタンフォード大学(米国カリフォルニア州)の気象学者Noah Diffenbaughは話す。彼はまた、今回のFrölicherらの研究が地域的な問題を全球的な視点から見ている点も評価する。

コロラド大学ボールダー校(米国)の環境科学共同研究所の海洋物理学者Kris Karnauskasは、今回の研究は、海洋の長期的な温暖化傾向から短期的で急激な温度上昇を分離するための有益な枠組みを提供するものだと評価する。彼は、海洋熱波は自然な温度変動で生じる海面温度の上昇が、海洋の温暖化により極端になった結果であるかもしれないと言う。

現在、Frölicherのチームは海洋熱波の傾向と、それが地域や地方レベルの生態系に与える影響を探るためのモデルの開発に取り組んでいる。

(翻訳:三枝小夜子)

参考文献
Frölicher, T. L., Fischer, E. M. & Gruber, N. Nature 560, 360–364 (2018).

http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/619.html#c1

[経世済民128] トランプ氏「たたき上げの資産家」は偽り、脱税の疑い−NYT トランプ氏の求心力に陰り、貿易戦争終結か  うまき
1. 2018年10月03日 15:46:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1597]
 トランプ氏の商才、貿易協定で勝利呼ぶ

大統領の型破りな交渉手法、批判にも関わらず失敗せず

トランプ氏の型破りなやり方は破滅的な貿易戦争も世界的な不況も生じさせていない

By Walter Russell Mead
2018 年 10 月 2 日 14:00 JST

――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト

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 9月30日深夜に達成された米国とカナダの通商合意は、ドナルド・トランプ米大統領の型破りな交渉手法の明白な勝利となった。米政府を厳しく批判してきた人々も、今回の改定内容を大きな成果と受け止めている。トランプ氏とその支持者らは、米国の労働者の利益のために通商協定を見直すという大統領選挙で同氏が約束した主要公約が実現に向け大きく前進したと、初めて主張できることになった。

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)では、部品の75%以上が北米で製造された乗用車だけが関税免除の対象になると規定されている。また、これら乗用車の40%以上は、労働者の平均時給が16ドル(約1800円)以上の工場で生産されたものでなければならない。また、カナダが自国の乳製品市場を米国農家に開放する策に応じたことも重要だ。

 トランプ大統領を批判する人々が、今回の合意による利益の増加について、1年間に及んだ混乱と北米自由貿易協定(NAFTA)パートナー諸国との関係悪化という犠牲に値するものなのかという疑念を持つのは、不当なことではない。また、自由貿易の信奉者らは、より限定的な新協定が、北米経済の成長を鈍化させ、世界の貿易システムの基盤を損なうと主張するだろう。今秋の中間選挙で民主党が上下両院のどちらか一方、あるいは両方の支配権を握れば、USMCAの議会での批准は保証できないということも確かだ。

 だが、メキシコ、カナダおよび韓国との貿易協定合意と、欧州連合(EU)および日本との交渉の前進は、トランプ氏が同氏に批判的な人々に再び思いがけない衝撃を与える可能性がある。多くの方面から不吉な警告があったにもかかわらず、トランプ氏の型破りなやり方は、破滅的な貿易戦争も、世界的な不況も生じさせていない。加えて、新協定は決して革命的なものではないものの、貿易交渉の極端な複雑さをよく知らない多くの米国人は、トランプ氏のアグレッシブなやり方がうまくいくことの表れとして、USMCAを受け取るであろう。

 大統領自身も、USMCAをそう受け取る公算が大きい。専門家は皆、彼に対してNAFTAに攻撃を始めるのはむちゃくちゃだと告げていた。だが、彼はそれに反論し、自分が正しかったことを証明した。彼は自らの直感的な洞察力および交渉能力にますます自信を持ち、側近や顧問らに対してますます敬意を払わなくなるかもしれない。

 トランプ氏の支持者らは、以下のような意見に賛同するだろう。「彼が外国の首脳らに対して無礼だとしても、何が悪い。他の大統領は彼らに親切にしていたが、トランプ氏はずっと良い合意を結んだ。われわれは主要7カ国(G7)首脳会議で行儀よく振る舞う大統領を選ぶのか、それとも、米国の製造業者と農家の立場を強くする合意に向けて交渉する大統領を選ぶのか」

 一方で、貿易面でトランプ氏に抵抗し続けてきた中国は、事態を懸念しているように見える。中国の検閲当局がニュースメディアに対して慎重な扱いを要望している話題のリストに、それが表れている。最近の指示ではメディアに対し、以下のような経済データに気をつけるよう求めている。それは、中国が貿易戦争で打撃を受けていることを示唆するもの、中国経済の減速、地方政府の債務増、または消費者信頼感の低下を示すものだ。トランプ政権内の通商タカ派および対中タカ派にとって、これは朗報と言える。北京の指導部は、中国が米国の経済圧力に対して脆弱(ぜいじゃく)だとみており、その脆弱(ぜいじゃく)性が国内の支持減退につながり得ることを懸念しているのだ。

 トランプ大統領は、カナダのジャスティン・トルドー首相が貿易問題で米国に柔軟に対応することにつながったのと同じ算術を、中国共産党指導者にも適用しようと考えているようだ。中国の対米貿易黒字は巨額であるため、同国は追加関税の影響を米国よりも多く受ける。トランプ氏は最終的に中国が(貿易問題で)同意に追い込まれると信じている。自分の交渉カードを持ち続け、強硬姿勢を維持し、そして待つ。結果はいずれ分かるだろう。一方、EU、日本との交渉は続いている。EU、日本はいずれも、トランプ政権が自国の自動車産業に高率関税を適用することを回避したいと望んでいる。

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 USMCAはトランプ氏の荒っぽい戦術が時として具体的成果をもたらすことを示す一方、同氏が掲げる政策課題から想定される過激さへの恐怖を緩和することにもなるだろう。カナダ、メキシコとの新たな貿易体制は既存の貿易協定と同様、不完全なものだ。しかし、米国を自給自足経済に向かわせるようなものではない。北米における貿易は、NAFTA以前の状態に比べて開放的な状態が維持されるだろう。USMCAは知的財産権の保護、電子商取引が盛り込まれるなど、NAFTAの破壊ではなく、幾つかの点において同協定を最新化、拡大したものとなった。NAFTAの条文19条「紛争解決制度」は、トランプ政権が当初、米国の主権を侵害すると主張していた条項だが、カナダは同条項を(USMCAでも)存続させることができた。

 もしUSMCAが、トランプ大統領の求める国際貿易システムの変革を示すそれなりに良いモデルであるとすれば、同大統領が目指す世界貿易機関(WTO)やその他の組織の改革目標は、多くの人々が恐れるほど破壊的なものではなく、達成可能なものかもしれない。トランプ大統領は政治的論争の条件をリセットしたものの、北米における貿易関係をほとんど損なうことはなかった。自由貿易支持者はその意味を長期にわたりしっかりと検討すべきだろう。また、将来の米国大統領はいずれの政党であってもポピュリズム(大衆迎合主義)的な見解を把握し、それに対処できる貿易協定を策定する必要がある。

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トランプ大統領の対中貿易政策は正しい

小規模企業は公平な競争の場で繁栄する
米国の製造業(ロサンゼルス)

By Mark Louchheim
2018 年 10 月 3 日 11:52 JST

 ――筆者のマーク・ラウチハイム氏は、ボブリック・ウォッシュルーム・エクイップメント社の社長。同社は112年の歴史を持つトイレ関連機器メーカー。本社はロサンゼルス。米国5州、カナダ、英国に工場を持つ。

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 製造業に関する社会通念は間違っている。製造業は、(米国にとって)勝ち目のない戦いではない。米国が純粋な「サービス経済」になる運命だという考えも、間違いだ。事実、数値制御、レーザー、ロボット工学などの新技術は、米製造業界の再生を後押ししている。ロサンゼルスを拠点とするトイレ・浴室関連製品メーカーである私の会社もこうした新技術の恩恵を受けており、国際競争力を維持するため、設備、技術、最高効率の手法などへの投資を続けている。

 それにもかかわらず、われわれの会社は、巨大かつ拡大を続ける中国市場から事実上閉め出されている。それは、われわれの会社の輸出向け製品に中国が25%の関税を課しているからだ。これに対し、中国が米国に輸出している競合製品への関税率は2.5?0%だ。私は自由貿易を信奉しているが、公正な貿易もまた重要だ。

 トランプ大統領の関税は、中国で大規模な事業を展開する多国籍の製造企業や、中国から製品を輸入している企業に打撃を与えるかもしれない。だが、わが社のような多くの中小製造企業は、大半の製品を国内で製造しており、関税の影響は最小限だ。中国との公平な競争の場を作る上で、今は最適と言える。経済が迅速に成長しているので、報復関税による短期的な痛みを吸収できるからだ。

 米国は、大幅な貿易不均衡があるため、交渉で強い立場にある。米国は毎年、約1300億ドル(約14兆8000億円)相当の物品を中国に輸出する。一方の中国は、米国に5060億ドル相当もの物品を輸出する。これは、中国産品で米国の関税の打撃を受ける可能性があるものの比率が、その逆より高いことを意味する。

 もう一つの強みは、米国が中国に輸出するものの大部分が農産品のようなコモディティー(一次産品)であることだ。コモディティーの市場は世界中に存在する。一方、中国が米国に輸出するものの大半は製造業分野の製品で、他のどこかに売るのがより困難だ。中国は交渉しないと息巻いているものの、貿易戦争で失うものは米国より多い。

 もし米国の目標が、中国による不公正競争を阻止し、米国の製造業拠点を維持し、米国製品向けに中国市場を開放させることならば、われわれは長期的な観点に立つ必要がある。長い目で見れば、公正貿易と知的財産権保護の下での公平な競争の場を確保することは、米製造業者、とりわけ継続して新技術に投資する業者にとって良いことだろう。この目標に到達するためには短期的に生じる中国との多少の摩擦も受け入れる価値がある。

 エリートたちの圧倒的多数は米国の製造業がいずれにせよ衰退する運命にあるとして、トランプ政権の対中戦略に反対している。しかし、私の会社と似た立場の米製造業企業の経営者は、公正な競争を強く要求することが米製造業界の持続的活力を確保するのに役立つことを知っている。

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米の新貿易協定、中国けん制のひな型に
米国はNAFTA再交渉をベースにアジアの貿易国と結び、中国に対抗すべき

「米国・メキシコ・カナダ協定」には中国を狙ったとみられる文言が盛り込まれている。写真はカリフォルニア州ロングビーチ港に停泊する貨物船(8月) PHOTO:MARCIO JOSE SANCHEZ/ASSOCIATED PRESS
By
Aaron Back
2018 年 10 月 2 日 10:52 JST 更新
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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 米国は貿易協定の改定でカナダおよびメキシコと合意したが、本当に重要なのはこれからだ。今度はこれをひな型にした協定をアジア・太平洋地域の貿易相手国と結び、中国に対抗するために規則に基づく貿易圏を新たに構築する夢を復活させるべきである。
 それは、日本、シンガポール、ベトナム、チリなど12カ国にまたがる環太平洋経済連携協定(TPP)の目標だった。
 だがドナルド・トランプ政権が発足直後に米国をTPP交渉から離脱させたため、残る11カ国は米国の求めていた幾つかの譲歩がない協定に署名した。
 「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は、米国がわずかな調整、そしておそらく新しい名称を要求することで、元の場所に戻れることを示唆している。
 9月30日に合意に至ったUSMCAは、労働者と企業の両方に配慮する形で北米自由貿易協定(NAFTA)を変える。労働者は、一段と厳しい自動車の現地調達規則と高賃金労働者による生産割合を確保する。製薬会社は、TPPで勝ち取るはずだったものよりも優れた知的財産の保護を得る。米国の銀行や金融機関は、現地のサーバーでデータを保持しなければならない状況を免れる。これはTPPでも求めていたができなかったことだ。
世界GDPに占める割合(2018年)

Source: International Monetary Fund
TPP非参加国TPP参加国米国中国日本カナダオーストラリアメキシコマレーシアシンガポールチリベトナムペルーニュージーランドブルネイ0%1020
 TPP参加国は同様の協定に合意し得るか。彼らはメキシコと同様、広大な米市場へのアクセスを得るためにはそうした譲歩をする価値があると計算するかもしれない。また、中国の地域的な影響力に対抗する力が欲しいかもしれない。国際通貨基金(IMF)によると、TPPは米国が参加した場合には世界の国内総生産(GDP)の約36%を占めるとみられる。これに対し、米国抜きの現状ではわずか13%だ。
 ベトナムのような途上国の説得は無理だとしても、日本といった主要貿易相手国との合意は今や現実味を帯びている。いずれにせよ、中国を寄せ付けないことは米国の大きな目標であり続けるだろう。USMCAにはまさに中国を狙ったとみられる文言が盛り込まれている。企業秘密を保護する条項や、それらを不適切に共有することを政府当局者に禁じる条項は、現行NAFTAの大きな懸念とは言いにくい。USMCAでは、いずれかの参加国が「非市場経済国」と自由貿易協定を結ぶ場合、どの参加国も協定を終了させることができる。
 貿易を巡る米国とカナダ・メキシコの緊張は和らいだ。次はアジア同盟諸国と協定を結ぶ番かもしれない。しかし、世界貿易の条件設定を巡る中国との争いは始まったばかりだ。
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親より高い地位獲得、難しい時代に=米研究
社会的地位の上昇が少なくなっている背景には、ここ数十年、経済成長が減速していることや、米経済で構造的な変化が以前よりも起こっていないことがあるかもしれない

By Paul Kiernan
2018 年 9 月 4 日 10:35 JST

 米国では子供が親より高い社会的地位を得ることが以前考えられていたほど一般的ではなく、ここ数十年ではそれを実現するのが難しくなりつつあることが、米大学の調査で明らかになった。

 「米科学アカデミー紀要」に掲載されたニューヨーク大学社会学部のマイケル・ハウト教授の論文によると、1980年代生まれの米国人で親よりも恵まれた仕事に就いたのは50%をわずかに上回る程度だった。1940年代生まれの65%超から低下している。

 ハウト氏は発表文で「われわれが考えていたよりも、生まれた時の状況が人生でどれだけのものが得られるかを決める大きな要素であることが分かった。具体的には、親が何で生計を立てているかが重要になる」と述べている。

 社会的地位の上昇が少なくなっている背景には、ここ数十年、経済成長が減速していることや、米経済で構造的な変化が以前よりも起こっていないことがあるかもしれない。20世紀に急速な工業化が進み、その後、サービス業中心の経済に移行した。1940年代生まれの米国人には、それ以前の世代よりもホワイトカラー職に就くチャンスが多かった。

 ハウト氏によると、1980年代以降、雇用市場はそれほど変化せず、実質所得の増加は主に富裕層に集中しているという。

 同氏は「米国人は何世代にもわたり、米国をチャンスを得ることができる場所と考えてきた」と指摘した上で、「今回の調査では、そうしたイメージについて目を覚まさせるような疑問が浮上している」と述べている。

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もう一つの貿易紛争:エネルギー
米LNG輸出業者は新たな犠牲者になるのか

中国・舟山市のLNGターミナルに横付けされたLNGタンカー(8月7日) PHOTO: CHINA STRINGER NETWORK/REUTERS
By
Nathaniel Taplin
2018 年 10 月 3 日 08:29 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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 北米では新たな自由貿易協定が合意された。だが、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が近く、メキシコ湾岸ではなく、カナダ・ブリティッシュコロンビア州を輸入拠点とすることになるかもしれない。
 中国国営の巨大エネルギー企業であるペトロチャイナは9月28日、カナダ初の液化天然ガス(LNG)輸出港プロジェクトに15%出資することに同意した。同プロジェクトは総額300億ドル(約3兆4000億円)規模で、カナダのインフラプロジェクトとしては過去最大。40%を出資するロイヤル・ダッチ・シェルや、他のパートナー企業も2日、出資に同意した。
米国の液化天然ガス輸出量

Source: CEIC(単位:10億立法フィート)

 これは、ドナルド・トランプ米大統領が、同盟諸国との直接交渉で新たな貿易合意を達成することで中国の孤立化を試みる中での出来事だ。このタイミングは偶然のようには見えない。
 世界のエネルギービジネスは、常に地政学の影響を大きく受けてきたが、米国が重要な輸出国に浮上し、中国が世界最大の純輸入国である状況は、想定外の新たな要素をもたらしている。急成長している米国のLNG輸出業界は、結果的に巻き添え被害を受ける可能性がある。
 LNGカナダと呼ばれる同プロジェクトは、2020年代初めに出荷を開始する予定で、ガス出荷量は最終的に年間2600万トンに達する見込みだ。米国の昨年の輸出量は1400万トン程度で、世界全体の市場規模は2億8500万トン前後にすぎないことから、全体像が把握できるだろう。
 市場として急成長中の中国は、米国産ガスにすでに10%の関税を課しているほか、カタールと大型の供給契約を結んだばかりだ。ここにカナダが加わることで、米エネルギー企業の野心的な拡大計画は、より危ういものに見え始めている。
 皮肉なのは、貿易紛争以前には、中国市場のかなりの部分を手中に収めているという点で、米国は好位置につけているように見えていたことだ。米最大の輸出業者であるシェニエール・エナジーは2017年の段階で、将来の計画における対アジア販売の損益分岐点が、100万BTU(英国熱量単位)当たり7.50〜8.50ドルになると推測していた。これは、カナダ西部から出荷されるLNGの推定価格(フランスの業界調査団体セディガスとカナダ・エネルギー研究所が算出)の9〜12ドルを大きく下回る。

 だが、中国の関税が脅しの通り25%に引き上げられれば、米国産LNGは一夜にして費用曲線の下の方から中間に入り込むことになる。米国の輸入関税を背景にパイプラインやターミナルの建設に必要な鉄鋼の価格が上がっていることや、ペトロチャイナがすでに米国産LNGの購入の削減を検討しているとの報道を踏まえると、米輸出業者の上にたちこめる暗雲を無視することはますます困難になりつつある。
 中国の目先の需要を考えると、今年の冬に関しては、米国産LNGの輸入を回避することができないかもしれない。だが、米中間で貿易をめぐる緊張が高まり続けるならば、これからやって来る長い冬が、メキシコ湾岸の米輸出業者にとっては厳しく、北方のカナダにとっては驚くほど暖かいものになるかもしれない。
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寄稿】マティス国防長官の続投を望む
トランプ氏が選んだ有能な長官には、もっと時間が必要だ
国防総省で演説するマティス国防長官(9月21日)
国防総省で演説するマティス国防長官(9月21日) PHOTO: SUSAN WALSH/ASSOCIATED PRESS
By Michael O’Hanlon
2018 年 10 月 1 日 14:39 JST 更新

――筆者のマイケル・オハンロン氏はブルッキングス研究所のシニアフェロー

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 ドナルド・トランプ米大統領は、恐らく中間選挙後に米国防総省の指導部の入れ替えを行うことを検討していると伝えられている。だが、それはやるべきではない。トランプ氏は、ジム・マティス国防長官に辞任を求めるのではなく、2020年まで続投させるべきだ。

 確かに私は、こうした主張を展開する穏健な外交政策エスタブリッシュメント擁護派の1人である。私のような人々がマティス氏を尊敬するということ自体が、トランプ氏が交代を求める理由の1つなのかもしれない。しかし、「Chaos」(カオス、海兵隊時代のマティス氏のコールサインであり、自身が気に入っているあだ名。「混乱状態」の意味がある)を続投させるべきだとの主張には、エスタブリッシュメントを喜ばせることとはほとんど無関係の2つの説得力のある理由がある。

 その第1は、彼が極めて有能な国防長官であり、トランプ氏が選んだ人物だということだ。この明白な事実は、忘れられることが多すぎる。ワシントンで毎日のように繰り返される大騒ぎの中で、トランプ大統領は、賢明な人選について自身を評価してくれる者は誰もいないと感じているかもしれない。しかし、歴史はそれを忘れない。

 第2に、マティス氏はもっと多くの時間を必要としている。1947年に国防長官というポストが創設されて以降、ほぼ全ての重要な功績は、少なくとも3?4年間この職務を務めた人々によって打ち立てられてきた。国防総省は単純に言って大き過ぎるし、米国の安全保障政策の課題は広範にわたり過ぎる。また、国防総省で特定のビジョンを実現するための政治プロセスは厄介過ぎるため、有意義な変化を迅速に起こすことができない。

 アイゼンハワー政権時代には、チャールズ・ウィルソン長官(1953?57年)が、アイク(アイゼンハワー大統領の愛称)の「ニュールック戦略」を実行する一方で、欧州とアジアの両方で安定した冷戦体制を確立した。彼は4年間長官を務めた。メルビン・レアード長官(1969?73年)は、ロバート・マクナマラ長官時代の混乱後にあたるリチャード・ニクソン大統領の1期目で、ベトナムでの米軍縮小に対処した。ジミー・カーター政権時代のハロルド・ブラウン長官(1977?81年)は、ステルス機、巡航ミサイルやその他の近代的技術を米軍の兵器に加えることを後押しする一方で、軍備増強に着手した。後任のキャスパー・ワインバーガー長官(1981?87)はロナルド・レーガン大統領の下、その軍備の拡大と維持に努めた。

 ポスト冷戦期においてディック・チェイニー氏(在職期間1989?93年)は湾岸戦争時の「砂漠の嵐」作戦を統括する一方、国防費削減で米軍史上最も成功した国防長官だった。ウィリアム・ペリー氏(1994?97年)は慎重に削減を継続し、誕生間もないビル・クリントン政権の不安定な外交チームを整えた。ロバート・ゲーツ氏(2006?11年)はイラクへの増派を実施したほか、共和、民主両党の大統領に長期間仕える初の国防長官となるなど、物議を醸すことの多かったドナルド・ラムズフェルド氏(2001?06年)の時代に生じた米国防政策をめぐる党派対立を修復させた。

 彼ら以外にも国防長官は存在した。彼らの多くは素晴らしかったが、概して本格的な変化をもたらすだけの時間がなかったことから、歴史上記憶されることはほとんどなかった。

 マティス長官は、米国にとって「永遠の戦争」とされる中東における熟練した戦士であり、中国およびロシアに対する抑止力を強化する方向に国防総省を導こうとしている。この変化を優先することは必要であり、重要なことだ。そして中東での永遠の戦争――さらに言うまでもなく今日のワシントンにおける党派戦争も――が続く中でこれをうまくやり抜くには困難が伴う。そのためには米国が度を超さないようにし、中国またはロシアと武力衝突を引き起こすことのないよう、洗練された手腕が求められている。マティスは「Chaos(混乱状態)」と程遠い人物だ。米国は現在、マティス氏の冷静さと見識を必要としている。


 

米株市場、個人消費の追い風どこまで続く?

9月の米消費者信頼感指数は18年ぶりの高水準に達した PHOTO: LYNNE SLADKY/ASSOCIATED PRESS
By
Jessica Menton and Akane Otani
2018 年 10 月 2 日 13:48 JST
 米国の消費者は良好な状態を保ったまま、クリスマス商戦を含む今年最後の四半期に突入したようだ。投資家は、米経済が2019年に入っても堅調を維持する証拠をさらに得ようと、5日発表の雇用統計に注目するはずだ。
 9月の米消費者信頼感指数は力強い労働市場に支えられ、18年ぶりの高水準に達した。アナリストらは、米労働省が5日に発表する失業率、賃金、就業者数の伸びに関する最新のデータから消費者の次の動向を探ろうとするだろう。
米消費者信頼感指数の推移

Source: Conference Board
%RECESSION税制改革サブプライム危機ITバブルの頂点2000’02’04’06’08’10’12’14’16’18020406080100120140160March 2004x88.5%
 米経済の3分の2以上を占める個人消費の拡大ペースは8月に減速したが、それでもエコノミストは年末にかけての力強い伸びを予測している。8月の消費者貯蓄率は7月の上昇ペースを維持した。
消費と所得の推移(前年比)

Source: Commerce Department via Federal Reserve Economic DataNote: Data are adjusted for seasonality and inflation.
%RECESSION税引き後所得個人消費2009’10’11’12’13’14’15’16’17’18-5-4-3-2-1012345678税引き後所得xFeb. 2013x1%
 米株市場では、一般消費財セクターがS&P500種指数全体をアウトパフォームしている。これは消費者が米経済の健全性を信頼し、可処分所得を消費に回すことに前向きだということを示唆している。
年初来のパフォーマンス

Source: FactSet
%S&P500S&P500消費財セクターJan. ’18MarchMayJulySept.-5.0-2.50.02.55.07.510.012.515.017.520.022.5
 米アマゾン・ドット・コムの株価は今年、好調な売上を追い風に急騰してきた。一方で、スポーツウェアから家庭用品まで、幅広い商品を売る従来型の小売業者の業績も好調だ。

年初来の株価上昇率
Source: FactSet
アマゾンアドバンス・オート・パーツチポトレ・メキシカン・グリルアンダーアーマー(A株)TJXカンパニーズ0%20406080TJXカンパニーズx46.5%
 多くの投資家は消費者が米国の経済成長を支え続けると楽観している。それでも一部の投資家は原油価格の上昇が続けば、この先の消費が落ち込む可能性もあると警告している。
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バロンズ】中間選挙、市場への影響は? 専門家に聞く

左から、ベン・フィリップス氏、リビー・キャントリル氏、ダン・クリフトン氏、アビー・ジョゼフ・コーエン氏 PHOTO: ERIK TANNER
By
Lauren R. Rublin
2018 年 10 月 2 日 09:10 JST 更新
• 本誌初の政策ラウンドテーブル
 11月6日の中間選挙は、市場や投資家にとってどのような意味を持つだろうか。中国との関税競争、連邦政府の増大する財政赤字、強気相場の成熟などを踏まえると、今回の選挙シーズンによる影響は特に大きい。
 本誌はワシントンとウォール街の関係に詳しい4人の専門家を招き、政策をテーマとしたラウンドテーブルを初めて開催した。参加者は、ピムコの公共政策責任者リビー・キャントリル氏、ストラテガス・リサーチ・パートナーズの政策リサーチ責任者ダン・クリフトン氏、ゴールドマン・サックスのアドバイザリーディレクターのアビー・ジョゼフ・コーエン氏、アクティブ型上場投資信託(ETF)のイベントシェアーズ米国ポリシー・アルファ(PLCY)を運用するイベントシェアーズのベン・フィリップス最高投資責任者(CIO)だ。
 大方の予測と同様に、本誌ラウンドテーブルのメンバーも、下院では民主党が過半数の議席を獲得し、上院では共和党が支配を維持すると予想している。しかし、「ねじれ議会」は必ずしも停滞を意味しない。特にインフラやヘルスケアの分野で、中間選挙が投資増加や株価上昇につながる可能性がある。
下院は民主党の過半数獲得、上院は共和党支配の維持
本誌:中間選挙がワシントンに与える影響は大きいだろうか、それとも小さいだろうか。あるいは全く影響がないだろうか?

クリフトン氏:ベッティング(賭け)市場は、民主党が下院で勝利する確率を70%、共和党が上院の支配を維持する確率を73%とみている。今年の選挙で上院民主党が守るべき議席数は26議席で、過半数を得るには2議席を追加で獲得すればよい。しかし、地域別の情勢を勘案すると厳しい状況だ。上院民主党が再選を目指す議席のうち10議席は、2016年の大統領選でトランプ大統領が勝利した州の議席である。当社は、共和党が上院の支配を維持する確率が55〜60%に低下すると予想しているものの、依然として「ねじれ議会」が生じる公算が最も大きい。次に可能性が高いのは、上下院ともに民主党が過半数の議席を獲得するシナリオだ。3番目は共和党が上下院の支配を維持するシナリオだが、これはかなり困難だろう。
キャントリル氏:当社も民主党が下院を支配すると予想しているが、問題は勝利の規模だ。これにより、民主党のナンシー・ペロシ議員が下院議長に再び就任するか否かが決まり、大統領の弾劾に関する見通しに影響を与える可能性がある。民主党が両院を支配した場合、市場にとっては不意打ちになるとみられる。このシナリオでは、インフラ法案が推進される公算は大きくなるが、市場は大統領に対する弾劾と有罪判決の可能性が高まったと受け止めるだろう。
コーエン氏:民主党議員は、外国の選挙介入、大統領に対する報酬、一部の閣僚の不適切行為などについて徹底的な調査が行われないことに不満を募らせている。民主党が下院を支配した場合、召喚状を発行する権限を得て上記の問題に対する調査が強化されると予想している。
• 減税の影響はプラスかマイナスか
クリフトン氏:投資家の観点から懸念されるのは、今年施行された減税の行方だ。民主党が下院の過半数を握れば、債務上限の引き上げと引き換えに法人減税の一部を撤廃するよう求める圧力が高まるだろう。仮に法人税率が21%から25%に引き上げられたとしよう。企業やアナリストは利益予想の下方修正を始める。交渉の過程ではインフラ投資も議論されるだろうが、増税は即座に行われるのに対して、インフラ投資は増加するまで時間がかかる。民主党が勝利した場合、当社はインフラ関連銘柄を大きく買い入れるだろう。1946年以降、S&P500指数が中間選挙から12カ月間で下落したことはない。歴史的に見て、中間選挙はマクロ経済全体ではなく個別セクターに関するイベントである。
フィリップス氏:上下院の両方で民主党が過半数の議席を獲得した場合、市場にとっては最悪のシナリオである可能性が高い。過去2年の強気相場をけん引してきたのは、税制改革、規制緩和、防衛支出の増加だ。民主党が両院を支配すると、投資家は市場を動かしてきたさらなる規制緩和や大統領令が打ち出される可能性に疑問を持つだろう。
コーエン氏:長期的にみると違う結論に行き着く。現在の財政政策は、中長期的な経済成長にとって好ましくない。構造的な財政赤字が増大し、将来の成長という点では政府投資にはメリットがない。
 減税の短期的な影響は明らかだ。S&P500指数構成企業のうち、実効税率が特に高い企業の株価は今年16%上昇した。一方、実効税率が特に低く、従って恩恵が小さい企業の株価は5%しか上昇していない。財政赤字が拡大したといって、増加した予算は何に使われているだろうか。議会では、インフラプログラムに関する具体的な提案や有意義な議論は行われていない。企業のフリーキャッシュフローの増加分は、ほとんどが設備投資ではなく自社株買いに利用されている。
 財政赤字の増大は、金利にどのような影響を与えるだろうか。既に大規模な財政赤字を抱えた状態で、どうすれば景気後退に対処できるのか。米国は再び金融政策に大きく依存し、米連邦準備制度理事会(FRB)に圧力がかかるかもしれない。財政赤字の増加をめぐる長期見通しは暗い。
クリフトン氏:市場は減税を好感している。減税前の経済成長率は年2%だったが、現在の実質GDP(国内総生産)成長率はおそらく平均3.0〜3.5%だ。インフラ法案の通過後6カ月間は、大規模な設備投資は行われないだろう。しかし、設備投資や生産性が回復する早期段階を迎えるとみている。また、財政政策は金融政策の正常化に役立つ。
• 共和党が上下院を支配した場合のシナリオ
Q:中間選挙に話を戻そう。ねじれ議会では通常、立法機能が停滞する。このような想定は、民主党が下院で勝利した場合においても合理的だろうか?
コーエン氏:その通りだ。共和党の上院支配と大統領が存在する以上、民主党が政策を変更する力には限界がある。さらに言えば、過去2年間に生じた変化の多くは大統領権限の行使によるものだ。通常、貿易政策は議会の担当分野だが、大部分が大統領権限によって定められた。消費者保護や環境をめぐる規制についても同じことが言える。上下院の片方で多数党が変わっても、こうした政策に大きな影響はないだろう。

Q:共和党が上下院の支配を維持した場合、政策にはどのような影響があるだろうか?
クリフトン氏:共和党が医療保険制度改革法(オバマケア)の廃止に失敗して以来、ヘルスケアは投資家の議論から抜け落ちている。共和党が上下両院を支配した場合、共和党はオバマケア改正にリコンシリエーション(過半数の議席で議決を可能にする手続き)を利用することができる。2017年のオバマケア縮小をめぐる投票では、故ジョン・マケイン上院議員が投じた1票の差で負けた。共和党は「税制改革2.0」の前にヘルスケアに取り組む可能性がある。なぜなら、来年の確定申告シーズンには予算が大幅に改善するとみられるためだ。
コーエン氏:それはあくまで短期間の一時的な改善にすぎない。今後の財政赤字はGDP比5%以上になると予想されている。
クリフトン氏:中間選挙の後に株価が上昇するのは、大統領が自分の再選に注力し始め、経済成長政策に対して大幅に積極的になるためだ。2010年の中間選挙以降、オバマ前大統領はブッシュ減税を延長するだけでなく、給与税の減税などを行った。このことが2012年の再選に貢献した。
• 債券市場や金利の反応
Q:債券市場は、中間選挙やその結果として生じる政策にどう反応するだろうか?
キャントリル氏:貿易政策などのさまざまな理由から、少なくとも短期的には、名目金利はレンジ圏で推移する公算が大きい。長期的には、コーエン氏が主張した通り、次の景気後退における財政政策の余地が小さくなるかもしれない。このことは、次の景気後退が深刻化および長期化する可能性を示唆する。その結果、金利は頭打ちになるだろう。
フィリップス氏:民主党が多数の議席を獲得した場合、金利低下の可能性を意味するため、公益、生活必需品、不動産などの金利に敏感なセクターは比較的好調なパフォーマンスを上げる可能性がある。市場の見方は、共和党が勝てば景気は良くなり、金利も上昇するというものかもしれない。
コーエン氏:当社の債券チームは、高度先進国の10年物国債の価格が高過ぎる、すなわち利回りが低過ぎるとみている。低成長や金融システムの不均衡に直面している国々では、経済刺激が必要とされている。グローバル経済の環境によって、利回りが低く抑えられている。現在のところ、海外投資家は米ドル建て証券の保有に満足している。米国の国債市場の約37%、社債市場の29%を米国人以外が占めている。
 しかし、もし状況が変わって、米国債に対する世界的な需要が減少したらどうだろうか。そのような事態がすぐに起こるとは予想していないし、10年物国債利回りが3.5%を大幅に上回る公算は小さい。しかし、財政赤字が拡大しているため、こうした事態について議論するのは重要なことだ。米財務省の借り入れポートフォリオは満期がかなり短い。高金利での借り換えが始まれば、利息負担が予算見通しに悪影響を与える可能性がある。
• 中間選挙と貿易リスクの関係
Q:民主党が上下院の両方または一方を支配した場合、米国以外の市場はどう反応するだろうか?
クリフトン氏:海外市場の反応は、その市場の貿易に関する見方に関係している。中国はトランプ大統領が中間選挙で弱体化すると考えているため、大統領との本格的な議論を選挙後まで先送りするだろう。一方、市場は貿易摩擦の解決を織り込み始めている。ドル高がピークに達した8月半ば以降、小型株は下落している。新興国市場は貿易協定によって上昇するだろう。私は新興国株式とS&P小型株600指数を比較するようにしている。両者の関係から、貿易環境の改善や悪化が分かる。共和党が議会の支配を維持すれば、トランプ大統領は貿易の面で大胆になるだろう。貿易について言えば、この中間選挙が重要だ。
キャントリル氏:私は中間選挙と貿易リスクが分離されていると考える。まず、人々が思う以上に、トランプ大統領の貿易についての主張は本気だ。トランプ氏の主張は1980年代までさかのぼり、中国の世界貿易機関(WTO)加盟にも反対していた。大統領はこの問題について一貫しており、ホワイトハウスのスタッフも大統領の見方を支持している。
 最も重要なのは、コーエン氏が指摘した通り、大統領が貿易に関して大きな権限を持っていることだ。また、貿易では強硬姿勢を取る方が選挙で支持を得やすい。一部の民主党員は、貿易に関して大統領に賛同している。中国との貿易摩擦は、改善する前に悪化するだろう。米国は中国に対する輸入関税の第2弾を最終決定したばかりで、第3弾も実施される可能性がある。
• 選好銘柄や投資機会
Q:市場に対する見方のまとめと、選好する投資機会をお聞きしたい。
クリフトン氏:当社の株式に対する見方は、米国の経済成長に対する見方ほど強気ではない。それでも、株式にはまだ少し上値余地があり、S&P500指数は3000〜3050になるとみている。最高の投資機会は、どのような政治シナリオでも好調な企業にある。当社はハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)やフリアーシステムズ(FLIR)のような小型防衛銘柄や、ライフサイエンス機器メーカーを選好している。
キャントリル氏:当社は債券運用会社だ。当社ではデュレーションをニュートラルおよびアンダーウエートとしている。クレジットは楽観的な見通しを織り込んでいるため、アンダーウエートとする。新興国債券には機動的に投資しており、住宅ローン債券を選好する。
フィリップス氏:中間選挙の見通しは、トラック輸送銘柄や物流銘柄には関係しない。規制と労働市場のひっ迫により、サプライチェーンには余裕がない。当社は、グローバルなサプライチェーンに影響を受けにくいトラック輸送会社のダースキー(DSKE)を組み入れている。同社は時価総額が約5億5000万ドルで、同業他社を買収している。同業他社のEV/EBITDA倍率(企業価値と利払い・税引き・償却前利益の比率)が10〜12倍であるのに対し、同社は約7倍である。当社は、ダースキーのバリュエーション上昇によって格差が縮小すると予想している。株価は今後12カ月で2倍になる可能性がある。
コーエン氏:株価に最大の影響を与えるのは、企業利益やキャッシュフローの伸びだ。企業業績や金利などに基づくと、現在のS&P500指数は適正価値を付けている。従って、期待外れとなった場合のクッションはほとんどない。2018年初め、当社は年末時点のS&P500指数の適正価値を2850と予想した。現在のファンダメンタルズによって裏付けられる水準は2850〜2900である。2019年予想は2900〜3000だ。
 米国は今年、他の株式市場やクレジット市場をアウトパフォームしている。ドルも好調だ。今年のS&P500指数はドルベースで10%上昇しているが、新興国市場は10〜20%、あるいはそれ以上に下落している。貿易政策や、中国の成長減速をめぐる懸念により、特にアジアから多額の資金が流出した。こうした懸念が後退すれば、新興国市場にとって好ましいリバランスが起きるかもしれない。


 

バロンズ】中間選挙後の株価、過去のパターン脱却か

今年の中間選挙と株価は過去のパターンを繰り返さないかもしれない PHOTO:BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/GETTY IMAGES
By
Ben Levisohn
2018 年 10 月 2 日 07:57 JST
• 株価上昇、選挙の年にそぐわず
 市場は御し難いものだが、そこには暗黙の法則があり、それに従って動く傾向がある。例えば、S&P500指数は連邦選挙がある年には上昇率が低く、選挙がない年に大きく上昇するというパターンがある。ただ今年は、このパターンは当てはまらない。その結果、11月の中間選挙後に通常期待されるような相場の上昇は、それほど期待できないかもしれない。
 データを挙げてみよう。連邦選挙がない年の株式市場は、平均で2桁の上昇率を過去に示していたが、選挙があった年の結果はそれを大きく下回った。特に中間選挙の年には著しく弱い結果となっており、1942年以来、S&P500指数は同選挙が実施された年には平均で6%しか上昇しなかった。これは同指数の平均の年間上昇率である9.1%を2%ポイント以上下回る。また中間選挙の年の相場上昇は通常、最後の3カ月に集中していた。
 それでは2018年はどうだろう。S&P500指数は、2月と3月に調整局面があったが、27日までに既に年初来で9%上昇しており、通常の選挙の年とはかけ離れた結果となっている。振り返ってみると、これまでの中間選挙の年に比べて市場が力強いのは、驚くべきことではない。新大統領は往々にして、最初の任期を華々しい政策でスタートしようとするため、刺激策は初年度に実施されることが多い。2年目になると、議会の構成がどう変わるかという問題に焦点が移る。
 今回は、後者については当てはまるが、刺激策であるトランプ大統領の大規模法人減税が効果を発揮したのは2年目になってからだった。このため、企業の増益が中間選挙への懸念を凌駕(りょうが)してしまった。インベステック・リサーチのジェームズ・スタック社長は「不確実性が高いと、市場は横ばいとなるか、下落することが多いが、今回の相場は極めて底堅く、力強い」と指摘する。

今年のS&P500種指数の推移(赤)と1942年以降の中間選挙後の株価の平均推移(グレー)
• 選挙結果次第で波乱も
 最近の相場の底堅さも、少なくとも現在までは通例に反している。ネッド・デービス・リサーチのデータによると、これまで中間選挙の年の後半にS&P500指数はピークから底値まで平均で11.9%下落した。2018年後半に入ってから、同指数の最大の下落率はわずか1.5%と過去最低となっており、これまでで最も小さな下落率だった3.6%の半分以下である。同社の主任米国ストラテジスト、エド・クリソルド氏は、今年前半の調整に言及しつつ、こう述べる。「弱含み局面の一部が1月と2月に前倒しされたかのようだ。だからと言って、危険が去ったわけではない」。
 S&P500指数はこれまで、連邦選挙の実施後12カ月間で平均9%上昇してきたが、通常であれば好ましいはずの選挙後の期間が、今回は波乱含みとなる可能性もある。このことは、民主党が下院で多数派となり、共和党が上院で過半数を維持するという、現在最も可能性が高いとみられる予想が実現した場合、特に当てはまる。インベステック・リサーチのデータによると、1928年以来、 S&P500指数は、上下両院で多数党が異なる、いわゆる「ねじれ議会」となった選挙以後、12カ月間で平均0.2%の下落となった。これに対し、議会の第一党と大統領の所属政党が一致しない状態の場合、同指数は11.9%上昇し、大統領の所属政党と議会第一党が一致した場合は9.8%上昇した。
 政治的停滞が好ましからざる結果につながる場合もあるのだ。

 

バロンズ】逆張りのプロ、小売REITに賭ける理由
MGLAXの運用マネジャー、リック・ゲーブル氏
MGLAXの運用マネジャー、リック・ゲーブル氏 PHOTO: COLE WILSON
By Lewis Braham
2018 年 10 月 2 日 07:56 JST

? MFSグローバル・リアル・エステート・ファンド

 今日、ショッピングモールに投資するのはよほどの逆張り投資家である。「購入」ボタンをクリックするだけという便利さに慣れてしまった多くの消費者にとって、「モールに行こう」というセリフは今やジョークの落ちになっている。

 買い物がバーチャルになる前の時代の遺物であるモールに対してそのような文化的偏見があることを思えば、平均的な小売業・モール系の不動産投資信託(REIT)の過去3年間の年率リターンがわずか1%というのもうなずける。同期間のアマゾン・ドット・コム(AMZN)の年率リターンは重力に逆らうかのような56%だった。

 しかし、リック・ゲーブル氏は本物の逆張り投資家だ。MFSグローバル・リアル・エステート・ファンド(MGLAX)の運用マネジャーである同氏のポートフォリオの24%は小売REITで占められており、その割合は他のいかなる不動産セクターよりも大きい。「小売売場面積に余剰がある、実店舗型小売業者が消滅しているという語り口は悲観的過ぎる」と同氏は指摘する。それどころか、ゲーブル氏はその逆のトレンドが生まれているという証拠を目にしているという。アマゾン、マットレスのキャスパー・スリープ、眼鏡のワービー・パーカーといった以前はオンライン販売のみだった小売業者が実店舗をオープンし始めてきたのだ。

 ゲーブル氏の運用総資産14億ドルのファンドにとって、群衆と逆の行動をとるという戦略は大きな利益をもたらしてきた。同ファンドは過去5年間のリターンでモーニングスターのグローバル不動産ファンドのカテゴリーで上位10%に入り、ボラティリティも低かった。

 とはいえ、ゲーブル氏は逆張り投資をするためにあらゆる小売業・モール系REITを買っているというわけではない。同氏は企業が新たな競争環境に適応できるという証拠を見たいと考えている。「アマゾンの台頭のような破壊的創造が起きている時代には業界に本物の創造性や革新が促されることがある」と同氏は言う。「一部の商業施設のオーナーは、コンセプトが新しいというだけの小売業者にスペースを貸すのではなく、実際にその施設への客足を増やせる業態に注意を払うようになってきた」。

? 体験型小売業に期待

 客足を促すのは「目的地となる」あるいは「体験型の」小売業であり、言い換えればバーチャルではない、現実の世界でのみ体験できる買い物である。例えば米モール運営最大手でゲーブル氏の最大保有銘柄でもあるサイモン・プロパティ・グループ(SPG)は今年5月、体験型の施設を生み出すのに40億ドルを投資すると発表した。

 例えば、アトランタ郊外にある高級モール、フィップスプラザでは、オンラインでは楽しむことができない高級レストラン、ウェルネスセンター、ホテルなどを含めるための再開発を進めている。「バランスシートも健全なサイモンの株式はかなり低いバリュエーションで取引されており、配当や莫大な再開発費用を支払った後でもかなり額のキャッシュフローを維持している」とゲーブル氏は付け加えた。

 もう一つの上位保有銘柄である仏蘭資本のモール運営大手ウニベイル・ロダムコ・ウエストフィールド(URW.フランス)についてゲーブル氏は「欧州で最高の小売不動産」を保有しており、同じ体験型のアプローチを採用していると述べた。同社は客を引き寄せるためにロンドンのウエストフィールド・ショッピングセンターでレディ・ガガのサプライズコンサートを開催したことさえある。

 ゲーブル氏が保有する小売REITの全てがこの戦略を採用しているわけではない。香港に拠点を置き、公共住宅団地の周辺に駐車場、スーパーマーケット、食料品店などを所有するリンク・リアル・エステート・インベストメント・トラスト(823.香港)を同氏は「必要性に基づいた小売業」と呼んでいる。「リンクは香港の住宅当局が公共住宅団地周辺の全ての小売不動産を分離した2005年に設立された。賃貸料収入が非常に安定的でかなりの急成長を示しているという点で同社は唯一無二の存在だ」と付け加えた。もう一つの選好銘柄で多くの小規模ショッピングモールを保有するブリックスモア・プロパティー・グループ(BRX)は業績回復に期待しての投資だという。

 

バロンズ】相場下落に備える新たな手段
検討に値するインバース型ETFを紹介

大手IT以外の銘柄の下落を狙った空売り投資家が有利になるのもうなずける PHOTO:DAVE MURRAY
By
Lewis Braham
2018 年 10 月 2 日 07:56 JST
• 市場をけん引している銘柄はほんのひと握り
 ゴールドマン・サックス(GS)によると、2018年上半期にS&P500指数のリターンの84%を担っていたのは、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、動画配信大手のネットフリックス(NFLX)の4社だった。これらの銘柄のモメンタムを考えると、同指数の他銘柄の下落を狙った空売り投資家が有利になるのもうなずける。しかし、インバース型上場投資信託(ETF)全体をみると、最も人気のあるものには、好調なハイテク銘柄が組み込まれている株価指標を基準にして、S&P500指数やナスダック100指数のデイリー・リターンのマイナス1〜3倍を目指すものがある。
 株価指標リターンの逆を追求するのではないアクティブ運用インバース型ETFはわずか4本しかないが、今年7月に設定されたアドバイザーシェアーズ・ドーシー・ライト・ショートETF(DWSH)はそのうちの1本だ。サブアドバイザーを務める投資アドバイザリー会社のナスダック・ドーシー・ライトは、市場と比較した株価の動きに基づいた独自の銘柄ランキング・システムを採用している。同ETFはパフォーマンスが低迷する中・大型株をショートしている。ポートフォリオは毎週アップデートされ、パフォーマンスが低迷する銘柄を組み入れて低迷から回復した銘柄を外している。
 学術的研究では長年、モメンタムが低迷している銘柄は、長期的に見て市場を大きくアンダーパフォームする傾向があることが示されている」と、ナスダック・ドーシー・ライトでシニアポートフォリオマネジャーを務めるジョン・ルイス氏は述べる。8月31日時点で、同ETFがショートとしている最大のセクターは、女性用下着ビクトリアズ・シークレットなどを傘下に持ち、今年に入ってほぼ50%下落しているLブランズ(LB)などを含む景気連動型消費財で、ポートフォリオの28%を占めている。まさにアマゾン効果に苦しめられている銘柄だ。さらに、液体ハンドリング機器メーカーのコルファックス(CFX)といった資本財セクターのショート・ポジションが21%を占めている。
 2017年6月に設定されたバータス・エンハンスト米国株ショートETF(VESH)も同じ戦略を取っている。ポートフォリオの約半分はS&P500先物に、残り半分は過去9カ月でパフォーマンスが最も低迷した5セクターに対してショート・ポジションを取っている。

• 定性的要素も加味したインバースETF
 ドーシーとバータスの運用は定量的に行われているが、よりきめ細やかなアクティブ運用を求める投資家は、アドバイザーシェアーズのレンジャー・エクイティ・ベアETF(HDGE)に注目するとよいだろう。共同マネジャーを務めるジョン・デルヴェッキオ氏とブラッド・ラメンズドーフ氏は投資運用会社レンジャー・オルタナティブ・マネジメントで2007年からベア型ヘッジファンドを運用している。そのショート・ポートフォリオは、S&P500指数が37%下落した2008年に諸経費控除後で80%のリターンを記録している。
 2011年1月に設定されたレンジャーETFは、市場の下落時には基本的にS&P500指数のマイナス1倍以上のパフォーマンスを上げ、市場の上昇時には、同種のインデックスと比較するとかなり持ちこたえている。特に、2011年7月22日から10月3日までの間に市場が18%下落した際、同ETFは30%上昇し、2012年4月2日から6月4日までに市場が9%下落した際には22%上昇している。しかも株価上昇時でもレバレッジド・ベア型ETFのように惨憺(さんたん)たる成績となったこともない。過去5年間でみると、S&P500指数が13.8%上昇しているのに対して同ETFは年率換算で12.5%の下落にとどまっている。
 ラメンズドーフ氏とデルヴェッキオ氏は企業の財務資料を入念に分析し、数字に怪しい部分があるかを探している。「売上高を前倒しさせている企業を探している」とラメンズドーフ氏は語る。つまり、減速を隠すために予想売上高を前倒しで計上し、後からそれを必死で埋め合わせるような状態にある企業だ。成長が実現しなければつまずくことになる。この戦略の利点は、利益を上げるために市場の下落は必要ない点だ。
 もちろん、強気市場でベア型ETFを保有することには痛みを伴う。ダウンサイドには備えたいがアップサイドも望む人にとってはウィズダムツリー米国株ダイナミック・ベアファンド(DYB)が賢明な選択かもしれない。キャッシュフローや利益、売上高といった成長指標、さらに株価純資産倍率(PBR)や株価売上高倍率(PSR)といったバリュエーション指標の株式市場平均値に応じて、同ETFは強気から中立あるいは弱気へスタンスを変える。完全な強気スタンスでは、同ETFが魅力的な成長とバリュー特性の観点からふるいにかけた100銘柄をロングポジションにとり(ポートフォリオの100%)、一方S&P500先物指数のショート・ポジションでヘッジしている(同75%)、つまりネットロングが25%の状態だ。中立スタンスでは同じポートフォリオでショート・ヘッジが100%となり、弱気スタンスでは株式市場から米長期国債へシフトし、S&P先物をショートすることになる。
 同ETFは、2015年12月の設定以来、完全な弱気スタンスになったことが3回あるものの、現時点では強気スタンスが続いている。にもかかわらず設定以来、毎年プラスのリターンを上げ続けている。0.48%という経費率はインバース型ETFの平均より低い。強気相場に入って10年近くが経過し、最盛期をとうに過ぎているような現在、検討に値するだろう。

 

BofAメリル、貿易摩擦で人民元予想引き下げ−JPモルガンに続き
Christopher Anstey
2018年10月2日 13:39 JST
• 19年1−3月にかけて景気に打撃を与えるとBofAメリル
• 来年1−3月の元予想は1ドル=7.05元−従来6.90元
バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチも他行に続き、中国人民元予想を下方修正した。数日前にはJPモルガン・チェースも米中貿易摩擦の激化が元安に波及する可能性が高いという判断を明らかにしていた。
  クラウディオ・パイロン氏らBofAメリルのストラテジストは2日のリポートで、「中国の成長への短期的ダメージは既に明らか」とした上で、2019年1−3月(第1四半期)にかけて景気に打撃を与えると予想。「米金利上昇見通しを考え合わせると、中国当局は元安を景気の下支えとして容認し、頼りにすることになりそうだ」と分析した。
• BofAメリルの19年1−3月の人民元予想は1ドル=7.05元。従来予想は6.90元
• 19年4−6月(第2四半期)の元予想は7.10元。従来予想は6.85元

  同行の予想は人民元が次の四半期までに2.5%下落することを示唆している。元は先週の本土市場で6.8725元で取引を終えた。
原題:Bank of America Joins in on Yuan-Forecast Cuts Amid Trade War(抜粋)
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仏PSA、米市場への復帰を準備−3カ国新協定を検証し最終判断へ
Caroline Connan、Tara Patel
2018年10月2日 12:55 JST
• タバレスCEOがブルームバーグTVに語った
• 新協定の妥結は「非常にタイムリー」−CEO
「プジョー」と「シトロエン」ブランドを展開するフランスの自動車メーカー、グループPSAは新たに妥結した米国とカナダ、メキシコの貿易協定などを検証した上で、今後数カ月以内に米市場に復帰するかどうかを判断する。
タバレスCEO
(出所:Bloomberg)
  PSAのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は2日に開幕するパリ国際自動車ショーを前にブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「われわれは今、米国に復帰する準備をしている」と述べた。
  同CEOは北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について知ることなどが最終判断を下す前に必要だと説明した上で、新協定の妥結は「非常にタイムリー」だと語った。
原題:Peugeot Is Preparing for a U.S. Comeback as Nafta Deal Emerges(抜粋)
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トランプ氏:カバノー氏の過去の飲酒に「若干問題」−重視しない姿勢
Shannon Pettypiece
2018年10月2日 10:57 JST
• カバノー氏の級友:飲酒巡る議会証言で「描写にあからさまな誤り」
• トランプ氏:自分がビールを飲んだら「世界で最悪」の人物になる
トランプ米大統領は連邦最高裁判事候補ブレット・カバノー氏の先週の議会証言について、同氏が若い頃に飲酒に関して「若干問題」があったことが明らかになったと発言した。カバノー氏自身が告白した高校・大学時代の飲酒習慣を重く見ない姿勢を示した。
  このところカバノー氏の以前の知り合いの一部から、同氏が上院司法委員会で証言した際、若い時の飲酒の程度を偽ったとの批判が出ていた。同氏は高校・大学時代にパーティーで飲酒して性的暴力などを行ったと、被害に遭ったと主張する女性らから告発されている。
  トランプ大統領はホワイトハウスのローズガーデンでの1日の記者会見で、カバノー氏が飲酒の程度について実際より軽かったかのように偽って証言していたことが分かった場合、カバノー氏の最高裁判事指名を撤回するかと尋ねられたが、カバノー氏は飲酒について異例なほど包み隠さず話したと述べ、質問をかわした。
  トランプ大統領は、「彼がビールが好きで、若干問題を抱えていたことについて包み隠さず語ったことに驚いた。飲酒した時に起こったことを彼は語った」と述べた。
  カバノー氏は司法委で証言した際、繰り返しビールが好きだと述べ、飲酒の際、記憶を無くしたことがあるかとの質問に当初回答を避けたが、最終的には記憶を無くしたことはないと述べた。エール大学でカバノー氏と同級だったチャールズ・ラディントン氏は発表資料で、カバノー氏の証言は「描写にあからさまな誤り」があると指摘した。
  トランプ大統領は会見で深刻な話を避け、冗談を連発。その場にいる全員について「悪い報告」を受けているとした上で、「マイク・ペンスは例外だ」と述べ、人付き合いでも保守的な副大統領をやゆした。さらに、飲酒はせず感情の起伏の激しい自分について、「正直言ってこれまでに一度もビールを飲んだことがない。もし飲んだらどんなにひどいことになるか分かるだろう。世界で最悪の人物になるだろう。だから一度飲まなかった」と自虐ギャグを披露した。
  
カバノー氏へのFBI捜査についてコメントするトランプ大統領
出所:ブルームバーグ)
原題:Trump Says Kavanaugh Testimony Shows Past Drinking ‘Difficulty’(抜粋)
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ミレニアルはぜいたく品好き、グッチの買い方で分かる
Xiaoqing Pi
2018年10月2日 13:19 JST

Photographer: Brendon Thorne/Bloomberg
ミレニアル世代の消費者はその上の年代よりも将来の所得について楽観しており、ぜいたく品に多くのお金を費やす。
  UBSグループが中国・欧州・米国で3000人余りを対象に実施た調査が示した。9月28日公表されたリポートによると、現在18−35歳のミレニアル世代は昨年の高級品市場拡大の85%を担った。2025年までには高級品消費全体の45%を占めるようになる見込み。
  UBSが行った調査およびソーシャルメディア分析によると、ミレニアルのお気に入りのブランドはグッチとルイ・ヴィトン。オンラインで買おうという人は年上の世代よりは多いものの、やはり店舗での購入が好まれている。
  中国ではミレニアルがぜいたく品購入に充てるのは可処分所得の約20%だが、これは年長の世代も同じだという。イタリアと米国の若年層は年長世代よりもぜいたく品に使えるお金が多いと調査結果は示している。
Millennials Are More Confident...
...that their personal financial situation will improve in the next 12 months


Source: UBS Group AG

原題:Millennials Love Luxury and Their Spending on Gucci Shows It(抜粋)
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ギリシャ首相、年金削減撤回ちらつかせる−19年予算案で、選挙意識
Marcus Bensasson
2018年10月2日 16:17 JST
• 来年2月にも総選挙実施の臆測を国内メディアは伝える
• 年金削減撤回なら、投資家に構造改革後退の印象与える恐れ
ギリシャのメディアが来年2月にも総選挙実施との臆測を伝える中、チプラス首相らは有権者を意識した2019年予算案を1日明らかにした。与野党とも減税を約束しており、債務危機対応の金融支援を8月に脱した同国の財政政策に対する信頼が問われている。
  チプラス首相は1月に予定していた年金削減を撤回する姿勢を示した。年金をカットしなくても、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)が定めた財政目標を達成できるとしている。数カ月の協議を経て合意された年金改革は、一部債権者がギリシャに欠かせない構造改革だとみており、実施撤回は支援脱却後のギリシャが改革を後退させている印象を与える恐れがある。
  同首相が率いる急進左派連合(SYRIZA)は世論調査で野党の新民主主義党(ND)に後れを取っており、チプラス首相は支持率を高めるために緊縮色の薄い予算にしたい考えだ。
  1日公表された案では、債務比率が今年は国内総生産(GDP)の183%に上昇後、2019年は170%に下がる見通し。同国は金融支援を受けた際の債権団との約束で、利払い前で対GDP比3.5%の財政黒字を22年まで実現しなければならない。年金を予定通り削減すれば、19年の基礎的財政黒字の対GDP比は4.1%と、今年見込まれる3.7%から改善するが、年金カットを実施しなければ3.6%に下がる見込み。

原題:Tsipras Tests Greek Budget Credibility With Pitch to Voters (2)(抜粋)


 

オプショントレーダー、米国株メルトアップに備える
Cormac Mullen
2018年10月2日 12:16 JST
• コールの売りに対する買いの出来高比率が過去最高水準
• 過去の同様の展開時、相場は下落に転じるケースが大半だった

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
サンダイヤル・キャピタル・リサーチによると、米国株オプショントレーダーはかつてないほど強気に傾いている。
  同社のジェイソン・ゲッフェルト社長は1日の顧客向けリポートで、コール(買う権利)の売りに対するコールの買いの出来高の比率がここ数カ月、過去最高水準にある点に言及した。相場下落を予想するオプションの建玉100枚につき、強気予想のオプションは132枚だという。
  「全米の取引所でコールオプションの買いの出来高比率が極端に高い」と述べた同氏は、「相場がメルトアップし、コールの売りポジションで道連れになることをトレーダーが一層恐れる中、コール売りの出来高比率はじりじり低下している」と説明した。メルトアップとは、投資家が殺到して買いが買いを呼ぶ相場を指す。
  

  同リポートによると、2009年の相場の安値以降、弱気に対する強気の比率がこれほど高くなった週はほかに11回ある。このうち7回は次の週に相場が下落したが、平均下落率は1%に満たなかったという。
  好調な米景気やテクノロジー株の上昇、米資産に対する海外からの需要などが寄与し、S&P500種株価指数は年初からここまで9%余り上昇。ゲッフェルト氏は「上昇の可能性に賭けたいとオプショントレーダーを思わせるのに十分なほど、株価の上昇に一貫性がある。トレーダーはコールを売って相場下落に賭けるのを怖がっている」と述べた。
          
原題:Option Traders Scared to Bet Against Market Meltup, Sundial Says(抜粋)
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日本株3日続伸、米ISM統計堅調と為替安定−南シナ海や過熱感重し
河元伸吾
2018年10月2日 7:49 JST 更新日時 2018年10月2日 15:33 JST
• 原油4年ぶり高値で資源関連高い、輸出やノーベル賞関連も上げる
• 米中艦船が急接近、25日移動平均線との上方乖離率が一時5%超

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
2日の東京株式相場は3営業日続伸。米国製造業統計の堅調に加え、為替の安定から景気や企業業績の先行きが楽観視された。国際原油市況が4年ぶり高値を付け、石油や鉱業、商社など資源株が上昇。輸送用機器やゴム製品など輸出株、日本人のノーベル賞受賞を材料に小野薬品工業など医薬品株も高い。
  半面、米国と中国艦船が急接近するなど南シナ海での地政学リスクに警戒が広がり、朝方の買い一巡後は失速。投資家の短期売買コストである25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率が目先過熱を示す5%を一時超えたことも上値を抑えた。
  TOPIXの終値は前日比6.07ポイント(0.3%)高の1824.03と2月2日以来、8カ月ぶりの高値。日経平均株価は24円86銭(0.1%)高の2万4270円62銭と、連日でバブル経済崩壊後の高値となる1991年11月以来の水準を更新した。
  大和証券の細井秀司シニアストラテジストは、「日銀短観のドル・円想定レートである1ドル=107円に対し、7−9月の平均は111円を超えており、企業業績の上方修正期待値はかなり高い」と指摘。短期過熱感はあるが、「この水準で商いをしたことがある海外投資家は多くない。日経平均のPER13倍台は米S&P500種の17倍台弱と比較しても割安で、この差を縮める動きが続きそう」とみていた。

東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
  米供給管理協会(ISM)が1日に発表した9月の製造業景況指数は59.8。14年ぶり高水準だった前月の61.3から低下したが、堅調な需要と減税を支えに着実に拡大していることが確認された。きょうのドル・円は一時1ドル=114円02銭と、前日の日本株終値時点113円92銭に対し落ち着いた動きとなった。1日のニューヨーク原油先物は、供給懸念と米国での掘削減速で2.8%高の1バレル=75.30ドルと約4年ぶりの高値を付けた。
  この日の日本株は、景気に対する楽観的な見方から続伸して開始、日経平均は一時202円高の2万4448円まで上げ幅を広げた。しかし、米国の駆逐艦が南シナ海の水域に入ったことを受け中国海軍は警告を発し、軍の船舶を派遣したとの報道が伝わると失速。午後には一時持ち直したが、上値の重い展開となった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の折見世記シニア投資ストラテジストは、「最近マーケットにはこれといったリスクが見えていなかっただけに、高値圏にあったことからも反応が大きい」と話した。
• 東証1部33業種は石油・石炭製品、鉱業、ゴム製品、非鉄金属、医薬品、輸送用機器、卸売、精密機器などが23業種が上昇、下落は不動産、情報・通信、空運、ガラス・土石製品、建設など10業種
• 売買代金上位では、京都大学の本庶佑特別教授のノーベル医学生理学賞受賞で、がん免疫治療薬「オプジーボ」への再評価機運が高まった小野薬品工業が高い、4−9月の入園者数が過去最高のオリエンタルランド、米電気自動車向け電池工場の拡大をジェフリーズ証券が評価し、強気判断を継続したパナソニックも買われた
• 半面、通期利益計画を下方修正したしまむら、SMBC日興証券が通期営業利益予想と目標株価を下げたZOZOのほか、東海カーボンや昭和電工など黒鉛電極関連も安い
• 東証1部の売買高は14億7398万株、売買代金は3兆653億円、代金は前から26%増えた、値上がり銘柄数は1061、値下がりは957

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ドル・円小幅安、114円台重く調整圧力−米雇用統計控え下値も限定
小宮弘子
2018年10月2日 11:19 JST 更新日時 2018年10月2日 15:14 JST
• 朝方付けた114円02銭から113円80銭まで小幅下落
• ユーロは下落、イタリア不安で対ドルで3週間ぶり安値を更新
東京外国為替市場ではドル・円相場が小幅下落。世界的な株高や米金利上昇を背景としたドル高・円安の流れが一服。1ドル=114円台で上値の重さが意識される中、日本株とともに売りがやや優勢となった。
  ドル・円は午後3時12分現在、前日比0.1%安の113円82銭。前日の海外市場では昨年11月以来の高値となる一時114円06銭を付けた後、113円90円台を中心に一進一退の動き。この日は朝方付けた114円02銭を高値に113円80銭まで弱含んだ。
  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、ドル・円について、「114円台は昨年5月ぐらいから何度も上値を阻まれた上値抵抗ゾーンなので戻り売りが出やすい」と指摘し、「まだまだ上値を伸していく展開ではあると思うが、いったんスピード調整的な展開に入る局面ではないか」と述べた。一方、週末には米雇用統計の発表があるため、「それほど一気に大きく下落する展開にもなりにくい」と語った。

  ドル・円のテクニカル指標では、相場の勢いを判断するRSI(相対力指数)が71と「買われ過ぎ」の水準。一方、シカゴマーカンタイル取引所(CME)の国際通貨市場(IMM)先物取引非商業部門の持ち高状況によると、円の売り越しは9月25日時点で約8万5000枚と3月以来の水準となっている。
  
  三井住友信託銀行NYマーケットビジネスユニットの矢萩一樹調査役は、テクニカル指標も投機勢の建玉を見ても「ドル・円がいったん逆の方向に行くタイミングも近いのではないかと思う」と指摘。「米雇用統計までもう少し伸びるかもしれないが、よほど強い数字が出て、よりドルをしっかり押し上げる要因とならなければ、ドル・円もいったん下を見るのではないか」と話した。
  ユーロは下落。イタリアの財政赤字拡大や予算案を巡る欧州連合(EU)との対立への懸念が引き続き重しとなり、ユーロ・ドル相場は0.4%安の1ユーロ=1.1537ドルと9月10日以来の安値を更新。ユーロ・円相場も一時0.5%安の1ユーロ=131円31銭まで値を下げた。
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アジア株下落、連休明けの香港株が軟調−南シナ海情勢が悪材料
Fox Hu
2018年10月2日 12:31 JST
• MSCIアジア太平洋指数は0.4%安、ハンセン指数1.6%下落
• 中国製造業PMI悪化や南シナ海諸島に米駆逐艦接近の報道が重し
2日のアジア株は下落。香港株の軟調が足を引っ張っている。
  MSCIアジア太平洋指数は香港時間午前10時57分(日本時間同11時57分)現在、前日比0.4%安の164.20。連休明けの香港ハンセン指数は1.6%値下がり。
  週末に発表された9月の中国製造業購買担当者指数(PMI)が振るわなかったことや、中国が領有権を主張する南シナ海の諸島に米駆逐艦が接近したとの報道もマイナス材料になっているとの指摘があった。

原題:Asia Stocks Drop as Hong Kong Shares Start Fourth Quarter Lower(抜粋)


 


米ISM製造業指数:9月は予想以上に低下、供給障害の緩和反映
Shobhana Chandra
2018年10月1日 23:04 JST 更新日時 2018年10月2日 0:32 JST
米供給管理協会(ISM)が1日発表した9月の製造業景況指数は、14年ぶりの高水準だった前月から低下した。供給のボトルネック(障害)や価格への圧力が和らいだことが反映された。
ISM製造業景況指数のハイライト (9月)
• 製造業総合景況指数は59.8。市場予想中央値は60.0。前月は61.3だった。同指数は50が活動の拡大・縮小の境目
• 新規受注の指数は61.8(前月は65.1)。生産指数は63.9と、1月以来の高水準。前月は63.3だった
• 入荷遅延指数は61.1と、5カ月ぶりの低水準。前月は64.5。生産者がより需要に応じやすいリードタイムになったことを示唆
• 受注残指数は55.7(前月は57.5)
• 仕入れ価格指数は66.9と、10カ月ぶりの低水準。2017年6月以来の大きな落ち込み。前月は72.1
• 雇用指数は58.8と、2月以来の高水準。前月は58.5
  9月のISM製造業指数は、堅調な需要と減税が支える中で製造業はなおしっかりとしたペースで拡大しているものの、活況を呈する状況ではなくなったことを示唆する。

ISM製造業総合景況指数
ISM
  入荷遅延と受注残の指数が低下したことは、製造業者が需要の伸びに追い付きやすくなり、価格への圧力が和らいでいることを示す。8月までの数カ月間は、米中の関税賦課の応酬を控えて生産者が原材料購入を急いだ結果、サプライチェーンの混乱とコスト上昇を招いていた。
  このほか在庫指数は53.3(前月55.4)。輸出受注は56と、3カ月ぶりに上昇。前月は55.2だった。
  統計の詳細は表をご覧下さい。
原題:U.S. Factory Gains Cooled to Still-Solid Pace in September (1)(抜粋)
(詳細を追加して更新します.)


 


 
パウエルFRB議長:インフレリスク抑制に自信、賃金上昇を歓迎(1)
Christopher Condon、Jeanna Smialek
2018年10月3日 2:25 JST 更新日時 2018年10月3日 6:30 JST
• 賃金の伸び率上昇だけでは、必ずしもインフレ的とは言えない
• 新たな貿易障壁が物価上昇を招く兆候はまだ見当たらず
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、最近見られる賃金上昇ペースの加速を歓迎しつつ、失業率低下で物価が急激に上昇し、積極的な利上げを余儀なくされることにはならないとの自信を示した。
  パウエル議長は2日にボストンで講演。「賃金上昇は確認された価格インフレや労働生産性の伸びとおおむね整合しているため、労働市場の過熱を示唆しない」と述べた。「また、賃金の伸び率上昇だけでは、必ずしもインフレ的とは言えない」と続けた。

パウエルFRB議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
  さらに、「低インフレの定着と極めて低い失業率という歴史的にまれな組み合わせは、類いまれな時代が続いていることの証しだ」と発言。「金利の緩やかな正常化を継続する当局の政策は、類いまれな時代に不可避なリスクを均衡することで、現在の景気拡大を引き延ばしつつ、最大限の雇用と低く安定したインフレを維持しようとする当局の取り組みの表れだ」と述べた。
  5日公表予定9月の平均時給は前年同月比で2.8%増と見込まれている。前月は2.9%増と、2009年以来の高い伸びだった。パウエル議長は注目する4つの主要賃金指標の1つとしてこの数字を引用。4つの指標はすべて3%付近に集中していると指摘した。
  パウエル議長はまた、インフレ期待が固定されなくなる兆しがあれば、より真剣に受け止めると述べ、8月のワイオミング州ジャクソンホールでの演説で言及した点を繰り返した。

  講演後の質疑応答では、新たな貿易障壁がインフレ率上昇を招く兆候はまだ見当たらないとの認識を示し、「関税は価格を上昇させ得る。そこで問題になるのは、関税が価格水準を押し上げるだけなのか、実際にインフレ高進をあおるのかだ。それはまだデータから見て取れない」とコメント。貿易政策の影響を見極めるのは時期尚早だろうと付け加えた。
  議長は世界的な成長を巡る懸念がこの1年に高まったとの見方に同意したものの、警告は発しなかった。「世界を見渡せばまだかなり明るい構図だが、今年は明るさが若干少ないかもしれない」と述べた上で、「成長は依然として健全だが多少の圧力を受けているかもしれない」と語った。
  今の利上げサイクルで政策金利をどこまで引き上げるかを巡っては米連邦準備制度だけにとどまらない議論があるが、パウエル議長はこれについて言及しなかった。
原題:Powell Sees Muted Inflation Risk in ‘Extraordinary’ Economy (1)(抜粋)
(貿易に関する議長発言などを追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-02/PFZE136S972C01?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/663.html#c1

[経世済民128] トランプ氏「たたき上げの資産家」は偽り、脱税の疑い−NYT トランプ氏の求心力に陰り、貿易戦争終結か  うまき
3. 2018年10月03日 18:51:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1598]
米紙、トランプ一族の巨額脱税疑惑を報道 税務当局は調査へ
2018/10/03
BBC News

ニューヨーク州税務当局は2日、ドナルド・トランプ米大統領が両親の巨額脱税を手伝っていたという米紙ニューヨーク・タイムズの報道について、内容を確認していると明らかにした。
ニューヨーク・タイムズは2日の大特集記事で、トランプ大統領が「1990年代に、あからさまな詐欺を含め、疑わしい課税対策」に関わっていたと書いた。同紙は、トランプ氏はきょうだいとダミー会社を作り、両親(共に故人)が所有する多数の不動産価値を低く見せかけるなどして、脱税に関与したと伝えている。
ニューヨーク州税務・財務局はBBCに対して、「ニューヨーク・タイムズ記事に書かれた告発内容を点検し、あらゆる適切な調査の道筋を積極的に追求している」とコメントした。
ニューヨーク・タイムズは、報道内容はいずれも数十年前で時効が成立しているため、これで大統領が刑事捜査の対象になる可能性は低いものの、税逃れに対する罰金には時効がないと指摘している。
ホワイトハウスのサラ・サンダース大統領報道官は、報道内容を「誤解を呼ぶ攻撃」で、トランプ一族の納税については内国歳入庁(IRS)が「何十年も前」に承認済みだと反論した。
大統領自身は記事について発言していないが、顧問弁護士のチャールズ・ハーダー氏は声明で、「誰も詐欺や租税回避などしていない。タイムズ紙の主張は真実と異なり、その元となっている事実関係は非常に不正確だ」と報道内容を否定した。
大統領について米紙の報道は
トランプ氏は長年にわたり、自分は裕福な不動産業者だった父親からほとんどなんの支援もなく、自力で巨万の富を築いた成功者だと、自分のイメージを広めてきた。
しかし、10万ページ以上に及ぶ大量の書類をもとにした調査報道で、ニューヨーク・タイムズはトランプ氏が実は現在の価値で少なくとも4億1300万ドル(約470億円)を父親から受け取ったと報じた。
「3歳になるまでにトランプ氏は、父親の不動産帝国から現在の価値で年間20万ドルの収入を得ていた」、「8歳になるころにはすでに100万ドルの資産を持つ億万長者だった」と同紙は書いている。
________________________________________
同紙はさらに、トランプ氏が大学卒業から間もなく、年間100万ドル相当を毎年、父親から受け取っていたと書いた。トランプ氏が40代〜50代になるころには、この額は年間500万ドル以上に増えていたという。
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「トランプ氏にこの資金が支払われたのは主に、両親の租税回避を手伝ったからだった。両親から数百万ドルも譲渡されたことをごまかすため、トランプ氏ときょうだいは、にせの会社を作った」と同紙は書いている。
その上で同紙は、トランプ氏が「わずか100万ドルを父親から借りて」実業家としての第一歩を踏み出した、しかも父親には利子と合わせて返済したという長年の主張は、事実と異なると指摘。父フレッド・トランプ氏が息子に貸したのは現在の価値で1億4000万ドルにあたり、トランプ氏はそのほとんどを返済しなかったという。
同紙はさらに、父親が「数百万ドル分の免税」の恩恵を不当に受けられるようトランプ氏が手伝ったと書いた。両親が所有する不動産の資産価値を何億ドル分も過小評価させる方法で、両親が大幅に納税額を減らせるよう手伝ったという。
記事ではこのほか、トランプ氏の両親が子供たちに譲渡した金額は10億ドル以上に上り、本来の課税額は5億5000万のはずだったが、納税記録によるとトランプ氏ときょうだいたちが納めた税金はその5%程度に過ぎない5220万ドルだったと書いている。
脱税報道を受けて、大統領の顧問弁護士は「トランプ大統領はこうした事柄に、まったくなんの関与もしていない」と反論した。ハーダー弁護士は、トランプ氏の両親の「税務はトランプ家の他の一員が取り扱ったもので、その人たちも税務の専門家ではなかった」ため、税理士など税務の専門家に手続きを頼っていたと説明した。
大統領の弟、ロバート・トランプ氏はこれに対して、一族を代表してコメントし、「あらゆる贈与税や相続税の申告は適切に行われ、必要な税金は納めた」と反論した。
報道の根拠は
ニューヨーク・タイムズは、公表されている財務諸表や、非公開の銀行明細書などをもとにした報道だと説明している。
根拠にした資料の中には、「フレッド・トランプ氏とトランプ氏の複数の企業、トランプ一族の様々な事業体や基金が提出した、納税申告書200点以上」も含まれているという。
トランプ氏が公開しない納税申告書との関連は
米国では、大統領候補が納税申告書を公開するのが慣例となっている。しかし、トランプ氏は2016年大統領選から現在に至るまで、これを公開していない。
今回の取材でもニューヨーク・タイムズはトランプ氏の納税申告書を入手していない。今回の記事に使った大量の資料からも、トランプ氏の近年の商取引については様子がうかがえない。
ただし同紙は、一族の基金の納税申告書を含めて入手した資料から、一族の商取引と税務処理によっていかにトランプ氏が長年にわたり富を増やしてきたかがうかがえると説明している。
(英語記事 Trump taxes: New York authorities examine president's tax affairs)
提供元:https://www.bbc.com/japanese/45728378
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14126

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/663.html#c3
[不安と不健康18] 果糖の摂取量がこの100年で6倍に激増!肥満大流行を起こした物質の正体  コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想 うまき
6. 2018年10月05日 13:40:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1599]

【第5回】 2018年10月5日 ロバート・H・ラスティグ , 中里京子
アルコール依存症の人とそっくり!「果糖」をとりすぎた人はどうなるか
「低炭水化物ダイエットは正解か?」
「脳が砂糖をやたら欲しがるのはなぜか?」
「食べた分だけ動けば確実にやせるのか?」
「カロリーを減らせば体重は減るのか?」

これらの「食事の疑問」に答えつつ、「人が太るメカニズム」を医学的に徹底解明したNYタイムズベストセラー『果糖中毒』が9/13に発売された。

アメリカの一流メディカルスクール教授が229の医学論文から「食事の正解」を導き出し、「健康な脳と体」に戻るための処方せんをあざやかに提示したとして、原書はアメリカで12万部を超え、アマゾンレビュー987件、平均4.6と高評価をたたき出した。

最新のWHO統計によると、現在世界で約19億人が「体重過多」、約6億5000万人が「肥満」だという。これは世界中の人々が運動を怠けて、食べ過ぎた結果なのか? 『果糖中毒』では、「肥満は自己責任論」を全面否定し、現在の「肥満の世界的大流行」は糖分、特に「果糖」が主な原因だと結論づけている。

ここで『果糖中毒』の一部を特別に無料で公開する。

成人の半分が
制限値を超えて「果糖」をとっている

 少量のアルコール摂取は体にいいことが、アルコールを調べた研究でわかっている。アルコールはHDL(善玉コレステロール)を増やすだけでなく、赤ワインには、インスリン反応性を向上させて、長寿をもたらすと考えられているレスベラトロールというおまけもついてくる。

 アルコールと同様に、少量の果糖もインスリンの分泌によい影響を与えるとする研究がある。つまり、アルコールと同じように、果糖の有毒性は摂取量によるのだ。

 アルコールについては、大部分の人で、1日最大50グラムという摂取量(ワイングラス約3杯分)を超えると毒になることが経験的証拠として判明している[1]。果糖についてもおそらく同じくらいの量であると考えられる(オレンジジュースで言うと約237cc)。

 問題は、現在の成人の平均果糖摂取量が1日51グラムであることだ。つまり、人口の半分以上が制限値を超えているわけである。

 慢性的なアルコール依存症者と大量の糖分を摂取している人を比べたとき、彼らはとても違って見えることが多い。とりわけ外見はまったく違う。

 アルコール依存症者は、たとえむくんでいても、大量の糖分をとっている人たちよりやせて見えることがほとんどだ。

 しかし、皮下脂肪は問題ではないことを思い出してほしい。あなたを殺すことになるのは内臓脂肪、つまり臓器の周囲につく脂肪で、肉眼で見ただけではほとんどわからない脂肪だ。

 アルコールも糖分も、内臓脂肪とそれにまつわる病気にかかるリスクを大幅に押し上げる。アルコール性脂肪性肝疾患と非アルコール性脂肪性肝疾患の違いは、名前だけなのだ。体への影響は同じなのである。

酒を飲まないサウジとマレーシアで
糖尿病が多い理由
 もちろん、アルコールと糖分の主な違いは、アルコールを飲むと酔うことにある。脳は果糖を代謝しない。糖分の影響下で車を運転しても、逮捕されることはない。

 しかし肝臓が果糖を代謝する方法は、エタノールを代謝する方法に酷似している。果糖は肥満の唯一の原因ではないが、慢性代謝性疾患においては主要原因だ。慢性代謝疾患は、あなたをゆっくりと殺す。果糖はあなたの肝臓をフライにして、アルコールがもたらすすべての病気をもたらすのだ。

 酒類の消費量を減らさなければ墓穴を掘ってしまうことは、どんな人でも知っている。だが糖分はレーダーにひっかからない。地球上最大の2型糖尿病発生率にみまわれているのがサウジアラビアとマレーシアであるのもうなずける。イスラム圏の国だから酒は飲まないのだが、その代わりに、清涼飲料水を浴びるように飲んでいるのだ。

[1] R. S. O'Shea et al. (2010) "Alcoholic Liver Disease," The American Journal of Gastroenterology, 105 (1): 14-32.
(本原稿は書籍『果糖中毒』からの抜粋です。訳者による要約はこちらからご覧になれます)

著者について
ロバート・H・ラスティグ(Robert H. Lustig)
1957年ニューヨーク生まれ。カリフォルニア大学サンフランシスコ校小児科教授。マサチューセッツ工科大学卒業後、コーネル大学医学部で医学士号を取得。2013年にはカリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールで法律学修士号(MSL)も取得。小児内分泌学会肥満対策委員会議長や内分泌学会肥満対策委員会委員などを歴任。「果糖はアルコールに匹敵する毒性がある」と指摘した講義のYouTube動画「Sugar: The Bitter Truth(砂糖の苦い真実)」は777万回以上視聴されるほど大きな話題になった。
中里京子(なかざと・きょうこ、訳者)
翻訳家。訳書に『依存症ビジネス』(ダイヤモンド社)、『ハチはなぜ大量死したのか』(文藝春秋)、『不死細胞ヒーラ』(講談社)、『ファルマゲドン』(みすず書房)、『チャップリン自伝』(新潮社)ほか。
https://diamond.jp/articles/-/181426
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/650.html#c6

[不安と不健康18] 植物状態の患者の一部に「意識がある」と実証した研究者の記録『生存する意識──植物状態の患者と対話する』 うまき
2. 2018年10月05日 13:45:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1600]
【第7回】 2018年10月5日 サンジブ・チョプラ :ハーバードメディカルスクール教授,デビッド・フィッシャー ,櫻井祐子
「血圧には減塩よりビタミンD」ハーバード教授が断言

テレビからネットに雑誌、書籍まで、世の中にはまことしやかな「健康情報」が、日々次から次に流れている。コレを食べると「やせる」「血液さらさらになる」などとテレビで放送されると、翌日にはスーパーからその食品が消えるといったことが繰り返されている。
だが、実際にはその情報の信頼度はバラバラで、何の科学的証拠もないものが「とても健康にいい」と喧伝されていることも少なくない。
では、いったい何を信じればいいのかと思ってしまう人も多いのではないだろうか。
そこで、ハーバードメディカルスクールの教授であり医師としても活躍する著者が、数十万人を何十年も追った大規模研究など、信頼性の高い膨大な研究の網羅的な分析によって明らかになったことを集め、「これだけは間違いなく『いい』と断言できる」という食物・習慣を抽出した。その内容を一冊にまとめたのが『ハーバード医学教授が教える健康の正解』だ。ここでは同書から血圧とビタミンDについて論じた部分を特別に公開する。

ビタミンDは減塩よりも「血圧」を下げる効果が大きい
 ビタミンDと死亡率の関連性を調べた最も包括的な疫学研究によって、低い血中ビタミンD濃度が、心臓疾患などによる早期死亡に直接関連していることが明らかになった。

 2012年に終了したコペンハーゲン市心臓研究は、男女1万人以上を30年間追跡して、健康状態の変化をくわしく調べた。

 追跡期間中に死亡した人は6747人で、「血中ビタミンD濃度が低い群と高い群は、罹患率と死亡率に大きなちがいがあった。……最も驚くべきことに、ビタミンD濃度が最も低い群は、虚血性心疾患または心筋梗塞(心臓発作)で死亡する確率が81%高かった」という。

 また、この驚くべき結果の確証を得るために、17件の同様の研究を分析した結果、「ビタミンD濃度の低下が、心臓疾患の罹患率と死亡率の上昇に直接関連していることが、ほぼすべての研究で示された」と、論文著者のボーエ・G・ノルデストガード博士は述べている。

 この関連性をさらに裏づけるエビデンスが、2014年のアメリカ心臓学会年次科学セッションで発表された。冠動脈造影検査(心臓疾患の病態を可視化する検査)を受ける患者の70%以上に、ビタミンD欠乏が見られたというのだ。

 心臓疾患の主な原因のひとつに高血圧があるが、糖尿病・内分泌学の専門誌『ランセット・ダイアビーティス・アンド・エンドクリノロジー』の電子版に掲載された2014年の研究で、低いビタミンD濃度が高血圧に直接関連していることが示された。実際ほかの研究でも、減塩よりもビタミンDを補充するほうが、血圧を下げる効果が大きいことが示されている。

 ヨーロッパ10ヵ国とアメリカ、オーストラリアの研究者によるメタアナリシスは、ヨーロッパ人を祖先にもつ男女15万5000人以上を対象とした35件の研究のデータを分析した結果、ビタミンD濃度が10%上昇するごとに、高血圧の発症リスクが8.1%低下したと結論づけた。

 研究代表者の南オーストラリア大学教授エリナ・ヒッポネンは、「抗高血圧薬のコストや副作用を考えると、ビタミンDによって血圧を下げ、高血圧のリスクを軽減できる可能性はとても魅力的だ」と述べる。

 また論文の筆頭著者カラニ・S・ビマレスワランは、「ビタミンDのサプリメントや栄養強化食品によって一部の心臓疾患を予防できることを、本研究は強く示唆しています」と、2013年のヨーロッパ人類遺伝学会で語っている。(中略)

「死亡率が下がった」というさまざまな研究結果
 では、ビタミンD欠乏は、死亡率にはっきりした影響をおよぼすのか?

 ビタミンDは長生きに役立つだろうか?

『アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン』に2008年に発表された、じつに興味深い研究は、「ビタミンD3が欠乏している人の死亡率は、ビタミンDの血中濃度が高い人の2倍も高い」と断定した。

 にわかに信じがたい結論だが、オーストリアのグラーツ医科大学で行われた研究も、これを裏づけている。

 この研究では心臓造影検査を受ける予定の患者約3200人(平均年齢62歳)から血液サンプルを収集した。8年後、患者の463人が亡くなっていたが、うち307人はビタミンD3濃度が最低の群に属していた。ただしこの研究もほとんどの研究と同様、「死亡率との因果関係は特定できなかった」。

 この結果をさらに裏づけたのが、ソルトレークシティのインターマウンテン医療センターが報告した、2009年の大規模研究だ。参加者約2万8000人をビタミンD濃度で3つの群に分け、2年間追跡した。追跡期間中、ビタミンD3濃度が最も低い群は、正常なレベルを維持した群に比べて、死亡するか脳卒中になる確率が77%高く、冠動脈性心疾患を発症する確率が50%近く高かった。

 死亡率とビタミンDとの関係を明らかにするために、ビタミンD濃度と早期死亡率を調べた史上最大規模の研究に、14ヵ国の平均年齢55歳の参加者56万6583人を対象とした32件の研究のシステマティック・レビュー〔既存論文を系統的な方法を用いて網羅的に収集、選択し、批判的吟味を行うレビュー手法〕がある。

 カリフォルニア大学サンディエゴ校で行われ、公衆衛生学の専門誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルス』で2014年に発表されたこの研究では、ビタミンD濃度が低い人たちは、濃度が正常または高い人たちに比べて早期死亡率が2倍近くも高かった。

 この驚くべき結果には当然ほかの多くの要因も作用していると考えられ、一部の研究はこの結論を支持しない。

 たとえば9万4138人を対象とした50件の検査データを収集、分析した2014年のコクラン・レビューは、「ビタミンD3は、主に介護施設に入居または利用している女性高齢者の死亡率を下げる効果があるように思われる」一方で、ビタミンD2は死亡率に影響がなかったと報告している。それでもこれらの研究は、健康的なビタミンD濃度を維持しようと人々に思わせるほどには説得力がある。

(本原稿は書籍『ハーバード医学教授が教える健康の正解』からの抜粋です。本書では適切なビタミンDの取り方のほか、食べ物・飲み物・習慣の「正解」について、さまざまに紹介しています)

サンジブ・チョプラ(Sanjiv Chopra)
ハーバードメディカルスクール(ハーバード大学医学部)教授。医師。米国内科学会最高栄誉会員(MACP)。ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(ハーバードメディカルスクール附属病院)肝臓科上級医長
毎年150ヵ国8万人の医師を教える、世界で最も学術的に優れた医師生涯教育プログラムである、ハーバードメディカルスクール生涯教育部門の部長を12年間務める。医療現場での臨床判断のツールとして世界60万人以上の医師によって利用されているインターネット上の電子教科書「UpToDate」の肝臓病セクションの編集責任者も務める。ハーバードメディカルスクール優秀教育者賞、ロバート・S・ストーン賞(ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターで医師、スタッフ、学生により選出)、米国消化器病学会優秀教育者賞、エリス島名誉勲章など多数の賞を受賞している。

デビッド・フィッシャー(David Fisher)
著述家
15冊以上のニューヨークタイムズベストセラーの著書を持つ。

櫻井祐子(さくらい・ゆうこ):訳者
翻訳家
京都大学経済学部卒、オックスフォード大学大学院で経営学修士号を取得。訳書に『CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』『選択の科学』(ともに文藝春秋)、『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』(日本経済新聞出版社)、『イノベーション・オブ・ライフ』(翔泳社)、『第五の権力』『0ベース思考』『SPRINT最速仕事術』(いずれもダイヤモンド社)など。
https://diamond.jp/articles/-/180757
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/651.html#c2

[経世済民128] 仕事の自動化が進むとより重要性を増す3つの職種 日本企業のオープンイノベーションに 欠けているもの 『ジョブ理論』とは? うまき
1. 2018年10月05日 13:50:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1601]
【第14回】 2018年10月5日 ムーギー・キム :ブルー・オーシャン・シフト研究所日本支部 代表,W・チャン・キム&レネ・モボルニュ ,有賀裕子
メルカリで考えるブルー・オーシャンを泳ぎ続ける企業の条件
(後編)
グロービス・キャピタル・パートナーズで数多くのベンチャーを支援してきた高宮慎一氏と、著者であるチャン・キム教授(INSEAD)に任じられ『ブルー・オーシャン・シフト』の日本企業ケースを執筆したムーギー・キム氏の対談後編。前編では、市場創造のパターン、中編では組織を動かすための要件について語ってきた。後編では、ブルー・オーシャンを泳ぎ続けている企業の要件や、ベンチャーキャピタリスト業界のブルー・オーシャンについて語り合う。

メルカリが切り開いた魅力的なブルー・オーシャン
――「売る」ための競争ではなく、「体験」を提供

ムーギー・キム
ブルー・オーシャン・シフト研究所日本支部 代表
慶応義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA(経営学修士)取得。外資系コンサルティングファーム、投資銀行、米系資産運用会社、香港でのプライベートエクイティファンド投資、日本でのバイアウトファンド勤務を経て、シンガポールにてINSEAD 起業家支援企業に参画。
INSEAD時代に師事したチャン・キム氏に任じられ、世界中に拠点を有するブルー・オーシャン・シフト研究所の日本支部の代表として、新刊『ブルー・オーシャン・シフト』では、付録の日本ケースの執筆を担当している。著書に『一流の育て方』(ダイヤモンド社)『最強の働き方』(東洋経済新報社)、『最強の健康法』(SBクリエイティブ)などがある。』
ムーギー:ブルー・オーシャンを切り開く際には、リーダーの果たす役割が大きいというお話がありましたが、ブルー・オーシャンの中で、泳ぎ続けている企業のリーダーに共通する点はありますか。

高宮:よく言うのは、ぶれない大局観と柔軟な戦略性を兼ね備えている起業家っていうのはすごく大事にしているんです。経営者や起業家にこれが揃っていると、上手く行っていることが多いと思います。
 ぶれない大局観は価値定義を指していて、Whatに当たる部分です。これは、自社にとってのブルー・オーシャンを定義すること同じだと思います。この大局観はぶらさない。
 一方、その価値をプロダクトやビジネスモデルに落とし込む時のHow に関しては、いろいろな試行錯誤があっていいと思うんです。HowはPDCA を回しながら、自分たちが切り開こうとしているブルー・オーシャンにフィットした形へと変化させる柔軟性が必要です。

ムーギー:企業の具体例はありますか。

高宮:例えばメルカリですね。
 メルカリはC to C のフリーマーケットのように捉えられていて、当初はヤフオクもあるし、楽天もあるし、そんなに広がらないかもしれないという懐疑的な見方もありました。けれども実は、新しい価値を定義しているんです。

ムーギー:それは何ですか。

高宮:「便利に、安く商品を入手する」という価値から、「楽しいショッピング体験」という価値へとシフトしています。
 楽天やヤフオクだと、スモールビジネスやせどり業者が多く利用していて、商品の相場観が大体決まっています。オークファンのようなサイトが存在し、ヤフオクでこの品物が幾らで落札されているというデータベースまで揃っている。だから、ある意味、経済性をベースに市場が回っていて、市場価格が形成されています。
 一方で、メルカリは、典型的なのは、当初立ち上がった子ども服や女性ファッションです。買い手側にとってはめちゃくちゃ高いブランドの子ども服だけれど、売り手からすれば子どもが成長してしまって、いらなくなってしまったもの。お小遣い程度になればいいやと思うようなジャンルの品物なんです。だから、ちょっとした値段で出品します。ヤフオクなどの相場からすると、べらぼうに安い値段で出品されていることも多く、買い手はメルカリを長時間利用して、掘り出し物を見つけることが楽しみになっていたりするんですよね。

ムーギー:市場原理が働く、既存のオークションサイトとは値段の面で大きく違ったんですね。

高宮:そうなんですよ。そしてより大きなポイントが体験を売ることです。実際に欲しいもの見つけた時に、「このブランド好きなんですね、私もです。これをもうちょっと安くしてもらえませんか?」みたいな、コミュニケーションが出来る仕組みがあります。まさにリアルなフリマみたいに、ショッピング体験が楽しいという価値を提供しています。「欲しいものが決まっていて、一番安く便利に買える場を提供する」という、既存のオークションサイトの競争軸から、ずらしたわけです。
 さらに、競争軸をずらすという点でもう一つ。メルカリは市場原理の場ではなくなったので、オークションのように、値段がどんどん上がっていって、需給が合致するところで収束してマッチングするみたいな機能が不要なんです。即決できる仕組みにしたことで、欲しいものがすぐに手に入るわけです。

ムーギー:売り手側は、経済合理性的には他のサイト、例えばヤフオクに出した方が 値段は高くなる可能性が高いわけですよね?


高宮慎一
グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)代表パートナー
GCPではインターネット領域の投資を担当。GCP参画前は、戦略コンサルティング会社アーサー・D・リトルにて、ITサービス企業に対する事業戦略、新規事業戦略、イノベーション戦略立案などを主導。東京大学経済学部卒(卒論特選論文受賞)、ハーバード大学MBA(二年次優秀賞)。
投資担当先には、アイスタイル(東証3660)、カヤック(東証3904)、ピクスタ(東証3416)、メルカリ(4385)、ナナピ(KDDIグループ入り)、ランサーズ、ビーバー、リブルー、ミラティブなどがある。
高宮:その可能性もあるけれど、早く売れるとか、面倒でないという点を重視する人もいます。だから、オークション機能をそぎ落としたことによって、すぐ売れるという他にはない価値を提供しているんです。

ムーギー:ヤフオクでも「5万円で即決」のような出品は出来ますよね。確かにインターフェースを見ると、メルカリの方が楽しいかもしれませんが…。

高宮:ヤフオクではそういった使われ方は、メインじゃないんですよね。「オークション」という形で市場を定義し、ブランディングをして開拓しているので、今更ヤフオクで、即決で売りたい人が大量に集まるかというと、なかなかそうはならないんです。

ムーギー:確かに、なるほど。

高宮:メルカリも、Howの部分は柔軟に変えていると思います。例えば、最初は検索機能がなかったんです。カテゴリーごとに、ひたすらガーっとページをスクロールして見ていく。その中で掘り出し物を見つけるような仕組みだったんです。
 モノが少ない時は、この形式でもよかった。ただし、規模が大きくなるのに合わせて、検索機能はつきました。
 ただ、検索を付けたからといって、市場原理に基づく方向にシフトしたかと言われれば、そうではないんです。体験型の価値を実現するためにも、それにフィットした形での検索ってあるよね、みたいな形で、少しずつ変えています。
 まさにぶれない大局観と柔軟な戦略性だと思います。

ベンチャーキャピタリストのブルー・オーシャン戦略
ムーギー:最後に、ベンチャーキャピタリストとしてのブルー・オーシャン戦略を伺いたいんです。つまりベンチャーキャピタリストは随分と増えてきています。この職業で、他とは違う価値を提供するためには、高宮さんご自身が大事にしていることは何でしょう。

高宮:なるほど。言ってしまうと市場を破壊されるから言わない、という一言で終わっていいですか?(笑)

ムーギー:ここはカットして掲載しないので、仰ってください(笑)

高宮:では、答えますね(笑)。ベンチャーキャピタリストという市場が魅力的で、レッド・オーシャン化しているかどうかは別として、私自身は出遅れているわけです。
 まず、第一世代のベンチャーキャピタリストがいるんです。グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)でいうと仮屋薗さんやインキュベイト・ファンド(IF)の赤浦さんがその世代ですね。第二世代が、GCPの今野さんやIFの本間さん和田さんですよね。私は、第二世代の中でも、若干遅めに業界に入っている。そういう意味では、どうやっていこうかなと思うところはありましたね。

ムーギー:でも、経験値がリターンと大して連動しない業界ではないんですか。

高宮:いや、しますね。経験値というか、知見やネットワークは連動しています。その知見を貯めるために、いかに人よりも早く多く投資して、成功も失敗も重ね早回しするのかは大事ですよね。

ムーギー:他には何が大事でしょう?

高宮:ブランドやレピュテーションが重要な商売という面はありますね。ムーギー君みたいに、ネットで炎上とかしちゃダメなわけです(笑)
 第二世代出遅れ組の中で、恐らく私は最初にメディアに記事を出し始めたVCだと思いますね。コンサルっぽい感じで、ソーシャルゲームが流行っていた時は、「ソーシャルゲームの勝ち筋4つ戦略」のような記事を出したりしたんです。

ムーギー:ネット炎上は、メディアで生きていくのでない限り、百害あって一利なしですからね(笑)。で、高宮さんは社としてではなく、個人的に発信を進めていたんですか。

高宮:そうです、個人的に。戦略を語ったり、プロダクトに関して深く踏み込むような視点で書いたりしています。

ムーギー:なるほど。

高宮:あとに、起業家との距離感が近いのが、他のキャピタリストとは違いますかね。プロダクトについて、一緒に楽しく飲みながら話せるから、同じ目線の仲間として見て貰えていると思います。勝手に思っているだけかもしれませんが(笑)

ムーギー:確かに、この3点は強そうですね。なかでも、高宮さんの親しみやすさや信頼感は、他のベンチャーキャピタリストが真似しようとして出せるものでもないくらい、突き抜けてらっしゃいます。

高宮:起業家と友達付き合いをしていて、起業家と家族ぐるみで会ったりもしていますね。

ムーギー:確かにフェイスブックを見ると、高宮さんが起業家の方とすっごく楽しそうに仲良くしている投稿を目にします。
 知見の早回しと、メディアでの発信、そして起業家との深い関係の構築。特に3つ目は他の人が真似しようとしても、すぐに出来ない部分ですよね。

高宮:炎上しない、きれいなメディアマーケティングは、ムーギー君だとちょっと難しいところだよね(笑)

ムーギー:私は対極的ですね。私が何か売るたびに、まずはアマゾンで1の評価が10個ぐらいドドッとつくという(笑)

 高宮さん、3回にわたって、ブルー・オーシャン戦略の基礎的要素である“既存の競争軸をずらした新たな価値の提供”から、人間的要素を十分に考慮した組織の巻き込み方、そして今話題のメルカリのブルー・オーシャン戦略要素から、高宮さんの第三世代ベンチャーキャピタリストとしてのブルー・オーシャン戦略まで、大変面白いお話を伺えました、ありがとうございました!
https://diamond.jp/articles/-/181056
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/678.html#c1

[国際24] 米国へのサイバー脅威示すとボルトン補佐官−中国チップハッキングで レノボ大幅下落 米中通商対立の恐怖、中国株は過剰に織込 うまき
1. 2018年10月05日 15:25:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1602]
WSJ社説】
ロシアのサイバー犯罪者たち
プーチン大統領のスパイたちの行為が世界で暴かれた

記者会見場に置かれた米FBIの指名手配犯のポスター。司法省はロシア人のハッキング容疑者7人を起訴した(4日、ワシントン)

2018 年 10 月 5 日 10:35 JST

 ロシアのサイバー攻撃によるスパイ行為に関して、複数の国の政府は4日、互いに連携して新たな情報を一斉に公表した。この中には、ロシアの情報機関のエージェント7人を米司法省が起訴した件も含まれている。各国当局は通常なら覆い隠されているはずのスパイ防止活動の秘密のベールを取り去ることで、広く警鐘を鳴らした。

 米司法省は起訴状の中で、スポーツ界の複数の反ドーピング機関とウェスティングハウス・エレクトリック社に対するハッキングを行ったとして、ロシアの情報機関、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の7人のエージェントの名を公表した。身体能力を高めるために禁止薬物を使用したロシアのアスリートらへの捜査に対する報復措置として、GRUは何百人もの他のアスリートのオンラインデータを盗み出した。こうした行為の中には、リオデジャネイロにエージェントを派遣し、ある会議で反ドーピング当局者のコンピューターをハッキングしたというものまであった。その後、GRUは秘密情報をリークし、罪のない男女のアスリートらを当惑させた。

 また、オランダ政府は、ロシアのエージェント4人が今年4月、ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)の無線ネットワークをハッキングしようとしたことを明らかにした。この計画は、レンタカー内に高性能機器を設置し、駐車場からビル内のオフィスに設置されたコンピューター間の無線通信を傍受するというものだった。

 当時、OPCWは英国で起きたロシアの元二重スパイ暗殺未遂事件で、ロシアが神経ガスを使用した可能性について捜査していた。この事件では罪のない民間人1人が死亡している。OPCWはまた、ロシアの支援を受けているシリア政府による化学兵器使用についても調査していた。

 オランダ当局がロシアのエージェントを逮捕しなければ、彼らはスイスにあるOPCW傘下の研究機関に向かっていた可能性がある。英国政府によれば、ほぼ同時期に同国外務省と英軍化学兵器研究機関のポートンダウン研究所も、未遂にとどまったもののロシアのサイバー攻撃目標だった。

 当局者は一部の機器についてマレーシアとの関連を指摘、2014年にウクライナ東部の親ロシア派支配地域の上空でマレーシア航空17便がミサイルで撃墜された事件の調査に使用されたコンピューターへのハッキング未遂事件についても、ロシアが関与している可能性を示唆した。明らかにロシアは同国の犯罪活動について他国政府が知っている内容に関心がある。

 スパイ防止活動を一般市民に過度にさらすことについては、以前から嫌悪感が存在し、その感情はしばしば正当な理由のあるものだったが、今回、関係国政府がすべての事例を公表したことは正しい。サイバー犯罪に関する技術面での複雑さは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のようなならず者の指導者に隠れ場所を与え、さらに欧米諸国の同情的な指導者に事態をあいまいにしたり、言い訳したりする余地を提供するからだ。

 4日の関係国による公表は、サイバー空間に広がる脅威の本当の大きさを市民に知らせたいという意思が欧米政府の間で拡大している結果であり、有権者がこれを知るのは重要なことだ。プーチン大統領は厄介者の範囲を超えているが、正体を暴露できないわけではない。

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米司法省がロシア軍士官7人を起訴 サイバー攻撃関与で
2006年11月、GRU本部を視察するロシアのプーチン大統領(前方左)
By Max Colchester and Aruna Viswanatha
2018 年 10 月 5 日 00:30 JST

 米司法省は4日、一連のサイバー攻撃に関与した罪で、ロシア軍士官7人を起訴したと発表した。ロシアの組織的なドーピング疑惑を暴いた機関への攻撃も含まれるとしている。

 被告のうち3人は、2016年の米大統領選を前に、米民主党のサーバーにハッカー攻撃を仕掛け情報を盗んだとして、ロバート・モラー特別検察官からすでに起訴されている。司法省当局者によると、今回の起訴はモラー氏の捜査を受けたものではない。

 これに先立ち、英国とオランダ政府は、ロシア軍の情報機関(通称GRU)によるサイバー攻撃を確認したと発表。オランダ情報当局は、同国ハーグに本部がある化学兵器禁止機関(OPCW)に対するロシアのサイバー攻撃を阻止したとしている。

 英政府はGRUによるサイバー攻撃の事例として、米民主党全国委員会(DNC)の電子メールや、米国など他国のスポーツ選手のドーピング検査結果の流出事件を指摘していた。

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米、新たな対テロ戦略発表 国境管理強化など「米国第一」前面
ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は米国のテロ対策について、非動的手段をより重視していくと述べた

By Warren P. Strobel
2018 年 10 月 5 日 10:16 JST

 【ワシントン】米ホワイトハウスは4日、新たな対テロ戦略を発表した。大規模な新規軍事作戦の実施ではなく、国境管理の強化や暴力的なイデオロギーへの対処を重視する「米国第一主義」的な施策の概要を示した。

 この戦略には、過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織「アルカイダ」、イランが支援する武装組織、米国内で過激化したテロリストなどによる脅威に対し、米国の巨大な軍事・治安機関がどう対処すべきかを規定する狙いがある。

 対テロ戦略をまとめた34ページの文書には「(この戦略は)米国を第一に据え、強固な国境の構築、米国への入口となる全ての港の安全強化、基幹インフラの保護、準備態勢確立への支援など、国土の安全確保に重点を置いている」と記されている。

 トランプ政権は、オバマ前政権が始めたISへの軍事作戦を続け、イラクやシリア、アフガニスタン、西アフリカなどでの米軍駐留を継続している。

 だが、トランプ氏は多額の費用がかかる米軍駐留に批判的で、IS戦闘員の一部が残るシリアに約2000人規模での展開を維持するよう顧問らがトランプ氏を説得する必要があったと関係者らは述べている。


寄稿】米国にとって負けが許されない貿易戦争
中国江蘇省無錫市にある繊維工場(9月16日)

By Jeff Moon
2018 年 10 月 4 日 13:19 JST

――ジェフ・ムーン氏は中国の貿易コンサルタントで、米通商代表部(USTR)の中国担当アシスタントを務めたことがある

***

 ドナルド・トランプ米大統領は、中国との貿易戦争で、賭け金を極めて高くしており、もはや負けは許されない状況にある。仮にトランプ氏が、中国の重商主義的貿易手法の大幅かつ検証可能な改革を保証する合意を何も達成できずに交渉を終えれば、中国における米企業の事業を、今後長年にわたって危険にさらすことになるだろう。

 最近の北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉と似たような、単に現状維持に若干手を加えた程度の合意になれば、政治面、経済面での長期的な破滅を招くだろう。中国側は、トランプ後の米国の大統領が、貿易問題でトランプ氏に匹敵するようなレトリックと政治的関与を示す可能性は小さいことを知っている。中国政府は、トランプ氏の脅しが一部でも実現しない場合には、それを米国の貿易面での要求に屈する必要が全くないことの証しと解釈するだろう。中国が、米国による最大限の経済的圧力に耐えうることを示したと言えるからだ。中国の指導者らは、中国市場をこじ開けようとする米国の最大限の努力に、抗いきったと結論付けるだろう。そして彼らは、その差別的な貿易慣行と産業政策を永遠に継続する自由を得たと考えるだろう。

 歴史はわれわれに教訓を与える。ビル・クリントン元大統領は、天安門事件後、中国の人権問題で進展がない限り、同国に貿易面での最恵国待遇を与えないと脅した。多くの論争を経て、クリントン氏は自分が強く出過ぎたことを実感した。クリントン氏は1994年に折れ、人権をめぐる米国の対中圧力の限界点を明示してしまった。これを受け、この問題は二国間関係の片隅にまで追いやられ、現在は、トランプ政権が人権問題を提起したとしても、付け足し程度になっている。

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 米国の産業界はこの前例を十分に認識していないように見える上に、将来のリスクを過小評価している。産業団体および貿易団体はトランプ氏の関税政策に強く反対しており、大統領に関税撤回の圧力をかけることで、短期的な痛みを回避することを望んでいる。だが、貿易戦争が長期的にもたらし得る利害は今や、大きくなっている。トランプ氏がこの紛争を後戻りできないところにまでエスカレートさせたからだ。トランプ氏が中国に売ったけんかを、何の成果もないまま、あるいはわずかな成果で終わらせれば、同氏はあるシグナルを送ることになる。つまり、中国は長年にわたる要求をいつまでも無視できる、中国市場で米企業が公平な競争の場に立てるよう求めるいかなる脅しも同様だ、というシグナルだ。

 願い事は慎重にすべし、その願いが現実になるかもしれないから。トランプ氏はその格言を地で行っている。自らが強く願っていた貿易戦争に直面するトランプ氏は、米中貿易をめぐる賭けで、最終的な責任を負っている。トランプ氏は勝たなくてはならない。さもなくば――。

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米副大統領、中国を痛烈批判へ 選挙介入巡り
マイク・ペンス米副大統領
マイク・ペンス米副大統領 PHOTO: TASOS KATOPODIS/EPA-EFE/REX/EPA/SHUTTERSTOCK
By Michael C. Bender
2018 年 10 月 4 日 13:47 JST

 【ワシントン】マイク・ペンス米副大統領は4日に予定される演説で、中国政府が米国の中間選挙や世界政治に影響を与えようとしているとして痛烈に批判する。

 ホワイトハウスが提供した演説原稿の抜粋によると、先週ドナルド・トランプ大統領が国連で展開した主張を拡大させるような内容だ。トランプ氏は、米国の厳しい貿易政策を阻止し自身を大統領職から追いやるため、中国が今秋の米中間選挙に介入していると非難していた。

 米政府当局者らによるとペンス氏の演説は、トランプ大統領と習近平国家主席の良好な関係には限界があると中国政府に示すシグナルだという。原稿の抜粋は中国政府に対する新たな措置には言及していないが、世界的に影響力を拡大させようとする国の不気味な様相を表現している。

 ペンス氏は演説で「中国政府は秘密工作員、偽装団体、プロパガンダ機関を動員し、中国政策に対する米国人の見方を変えようとしている」と指摘した上で、「わが国の情報機関高官が最近私に教えてくれたように、中国がこの国のあちこちで行っていることと比べれば、ロシアが行っていることは大したことではない」と述べる。

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グーグルの中国向けアプリに「待った」=米副大統領
マイク・ペンス米副大統領(4日)
マイク・ペンス米副大統領(4日) PHOTO: JOSHUA ROBERTS/BLOOMBERG NEWS
By Michael C. Bender and Dustin Volz
2018 年 10 月 5 日 07:34 JST

 【ワシントン】マイク・ペンス米副大統領は4日、アルファベット傘下グーグルに対し、中国再参入に向けた検索アプリの開発を停止するよう求めた。中国当局による検閲を強化することになると主張している。

 ペンス氏は、ワシントンの保守系シンクタンク、ハドソン研究所で行った講演で、トランプ政権が中国に対して抱える様々な不平不満を表明。知的財産権の強制移管や「中国当局の抑圧ほう助」などに絡み、中国に進出する企業に対し事業慣行を見直すよう求めた。

 その上で「例えば、グーグルは今すぐ、『ドラゴンフライ』アプリの開発を止めるべきだ」とし、ドラゴンフライは「中国共産党の検閲を強化し、中国人顧客のプライバシーを侵害することにつながる」と述べた。

 グーグルは目下、ドラゴンフライと称したプロジェクトの一環として、中国当局の検閲に対応したモバイル向け検索エンジンの試験を行っている。同プロジェクトに関しては、超党派の上院議員団から厳しい追及を受けているが、トランプ政権が公の場で非難するのは、ペンス氏の発言が初めて。

 グーグルの広報担当はペンス氏の発言に関するコメントを控え、まだ検討段階で「中国で検索サービスを立ち上げるには程遠い」とする従来の声明に言及した。

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本土向けに商品購入を代行する中国人バイヤー、豪州で急増のわけ
「代購ハブ」と銘打ったAuMakeのシドニーの店舗

By Mike Cherney
2018 年 10 月 5 日 07:57 JST

 【シドニー】英蘭系食品・日用品大手ユニリーバは、オーストラリアで販売する即席スープのブランドを、中国市場で売れ筋トップの商品にしたいと考えている。だが北京で広告キャンペーンを展開する代わりに、シドニーで暮らす中国人の住民に無料サンプルを配っている。彼らが商品を購入し、中国の家族や友人、他の消費者に発送することを期待しているのだ。

 豪州に滞在する中国人バイヤーは「代購」と呼ばれる。学生や観光客が不定期に自国へ荷物を送っていたのが始まりだが、そのうちパートタイムやフルタイムで商品購入を代行する仕事へと発展した。高い利益マージンで荒稼ぎするバイヤーも多い。

 今やユニリーバのような企業は、直接「代購」に商品を売り込むようになった。中国国内に倉庫や配送網を持つ必要がなく、低コストの販売ルートとなるからだ。しかし、欧米の著名ブランドでさえ、中国では無名に近い企業も多く、成功が保証されているわけではない。代購や彼らの中国の顧客に対し、自社商品がいかに高品質で本物であるかを納得させる必要がある。

 「代購はここでは卸売業のような役割を果たす」と市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルのシドニー駐在コンサルタント、ジュリア・イレラ氏は指摘。中国で「ブランドを生かすも殺すも」彼ら次第だと話す。

AuMakeの店舗で商品をチェックするウィニー・チエンさん(23)

 代購を通じた正確な売上高を知ることは難しい。食料品店やドラッグストアなどで商品を日々購入するバイヤーが多いからだ。ただ、豪州で中国人観光客と代購に特化した店舗を展開するエーユーメイク・インターナショナルのケオン・チャン会長が示した推計では、年間10億豪ドル(約800億円)を超える可能性がある。

 代購に売り込めば、中国市場で展開する従来型の広告キャンペーンに比べ、すぐに効果が出やすいと考えられる。中国の消費者は、海外から直接出荷したと分かる商品には、より高い金額を払うことをいとわない。2008年に社会問題となった粉ミルクのメラミン混入など相次ぐ不祥事で、国内製品に対する不安が高まったことが背景にある。また中国の消費者は、海外で人気の高い商品についての情報を代購に頼っている。

 ミルク汚染が発覚した後、需要があまりに旺盛なため、豪州のスーパーマーケットは個人が買える粉ミルクの量を制限したほどだ。このほか代購が扱う人気商品には、栄養補助食品(サプリメント)、化粧品、ムートンのブーツやジャケットなどがある。

 一方で、リスクも大きい。ベラミーズ・オーストラリア社製の粉ミルクは中国国内で供給過剰となり、中国の通販サイトは値下げを余儀なくされた。その結果、ベラミーズ社の製品で利ざやを稼げなくなった代購の多くが、他のブランドに切り替えた。これで同社の業績は落ち込み、2016年12月に株価が50%近く急落。最高経営責任者(CEO)はその後辞任した。

市場開拓に熱心なバイヤー

 「代購」は世界中にある仕組みだが、豪州が注目されるのは近年、中国人観光客や留学生が同国に押し寄せているからだ。豪観光局によると、中国から同国を訪れる旅行客は昨年130万人を超え、前年比12%増となった。また2016年の国勢調査によると、中国本土生まれの約51万人が豪州に住んでいる。この数は2011年から60%増えた。

中国の巨大市場への近道:「代購」ビジネス
 チャン氏が経営するエーユーメイクは今年、「代購ハブ」と銘打つ店舗をシドニーに開業した。豊富な品ぞろえの中から商品を購入し、店内で中国向けに発送できる。そのほかカフェを備え、オーガニック化粧品ブランド「ジュリーク」のような豪企業が、講習会や無料サンプルを提供するスペースもある。

 中国語を話すジュリークの従業員が新製品についてプレゼンテーションを行っている最中、2人の参加者がスマートフォンを使って動画を撮影していた。恐らく中国の顧客がオンラインで視聴するためのものだろう。また、ジュリークの従業員と一緒に写真を撮るため、バイヤーたちが列をなす場面もあった。その1人、学生のウィニー・チエンさん(23)は主に中国にいる両親や祖父母のために商品を購入するが、代購ビジネスをもっと広げたいと考えている。

 「顧客に信頼してもらう必要がある」とチエンさんは話す。中国の人気対話アプリ「微信(ウィーチャット)」にここで撮影した写真を投稿するつもりだ。そうすれば「私たちが本物のジュリークを購入していること、商品をよく理解していること」が分かるはずだと話す。

 ユニリーバは「代購」戦略については発言を控えた。だが最近のある午後、シドニー北部の同社オフィスに約10人のバイヤーが集まり、豪州で販売する即席スープ「コンチネンタル」や紅茶ブランドのサンプルを試していた。ある代購はオフィスで働く若者にはこのスープが受けるかもしれないと感想を述べた。一方で、中国の年配者は一から自家製スープを作ることを好むだろうと語った。

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「米国第一主義」の限界、新NAFTAが示す
議会・企業・カナダからの抵抗がトランプ大統領の影響力を抑制
合意に達した新NAFTAについて話す米USTRのライトハイザー代表(1日、ワシントン)
合意に達した新NAFTAについて話す米USTRのライトハイザー代表(1日、ワシントン) PHOTO: ANDREW HARRER/BLOOMBERG NEWS
By Greg Ip
2018 年 10 月 4 日 10:27 JST 更新

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 自由貿易の信奉者にとって、北米自由貿易協定(NAFTA)の改定版は受け入れ難いものだろう。新NAFTAは自動車分野で管理貿易を導入し、企業の海外での権利を弱め、国家安全保障を関税の口実とすることを常態化した。知的財産権や労働者の権利など、新協定に盛り込まれた多くの改善点は、ドナルド・トランプ米大統領が離脱を決めた12カ国の環太平洋経済連携協定(TPP)にもともと含まれていたものだ。

 しかし、別の観点から見れば、評価は異なってくる。その観点とは、記憶する限り最も保護主義的な米政権の下で、世界の貿易システムがいかにして生き延びたのかというものだ。新協定は、トランプ氏の「米国第一主義」のアジェンダの限界と、既存の秩序の潜在的回復力を示した。なぜそうなったのだろうか。トランプ氏が直面した議会、産業界、自らのアドバイザーたち、そして貿易相手国からの抵抗が、同氏の影響力を抑制したからだ。同じことは将来も起こりうる。

 米国は最初の段階から、全てのカードを握っていた。つまり、メキシコとカナダの対米輸出依存度は、逆方向の依存度と比べはるかに大きかった。トランプ氏は、それ以前の大統領らが持っていた貿易協定への愛着を、協定自体の有用性という点でも、外交ツールとしても、共有していなかった。NAFTA、米韓自由貿易協定、そして世界貿易機関(WTO)でさえも見限るという彼の脅しは、見せかけではなかった。彼は、洗濯機、ソーラーパネル、鉄鋼、アルミニウムへの一方的関税によってそれを証明した。米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表が1日、記者団に語ったところによれば、トランプ氏は同代表に対し「歴史上これまでUSTRが享受したことのないような支援を、私は君に与える」と伝えたという。ライトハイザー氏は「そして、彼はそれを実行した」と語った。

 しかし、新たに合意された米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は、結果的に以前のNAFTAと非常によく似ている。メキシコの唯一の重要な譲歩は、自動車と自動車部品の分野におけるものだ。同分野の新たなルールでは、北米での生産比率をより大きくし、労働者の賃金を上げることと、対米輸出台数が260万台を超えた場合に関税を課す可能性が規定された。

 だが、こうした自動車に関する取り決めは、実質的にほとんど重要性を持たないかもしれない。英調査会社LMCオートモーティブのジェフ・シュスター氏によると、現在フォルクスワーゲン(VW)やマツダ、その他数社のメーカーがメキシコで生産している低価格モデルの一部は、免税輸入の対象でなくなる可能性がある。しかし、これらのメーカーは生産を米国に移すのではなく、単純に2.5%の関税を払う対応を取る可能性があるという。これは、米国の(とりわけ低所得の)消費者に打撃を与える上、米国の労働者を助けることにもならない。

Nafta 2.0: What Is It, What's Different

米国とカナダは9月30日深夜、交渉期限を迎える直前になってNAFTAの改定協議で合意した。新貿易協定では何が変わるのか(英語音声のみ) Photo: Getty Images.
 輸出制限措置は、メーカーにメキシコでの生産能力拡大を思いとどまらせるかもしれないが、現在の出荷には影響しないだろう。米国の自動車需要が停滞しているからだ。カナダも輸出制限に直面するが、現在の輸出台数を大きく超える数字であるため、これに束縛される公算はかなり小さい。これは、韓国との新たな協定を想起させる。韓国との新協定は、韓国の安全基準に従う必要のない米国車の輸入上限を2倍にするという内容だが、それ以前に設定されていた上限に達したメーカーは、これまでもなかった。

 米国は、メキシコとの合意後、カナダに署名を迫り、さもなければ置き去りにされると警告した。しかし、1988年に最初の貿易協定を結んだときから容易に譲歩しないことで知られるカナダの交渉担当者は、屈しなかった。カナダにはまた、米国の州知事、上下両院の議員および産業団体に、粘り強く関係を深めてきた仲間がいた。

 ロン・ジョンソン上院議員(共和、ウィスコンシン州)は、合意にメキシコだけでなく、カナダを含めるべきだとトランプ氏のアドバイザーらに主張していた。同議員は、「鉄鋼とアルミニウムの関税措置によって企業が実際に何を経験したのか、北米で自由貿易圏を維持できなかった場合に何が起こるのか」について語ったという。同議員の選挙区の有権者は、トランプ氏が中国の知的財産権侵害を取り締まったことを称賛したが、カナダとメキシコを中国と同じようには見ていなかった。ウィスコンシン州の農家は昨年、カナダが米国産限外ろ過牛乳(主にチーズの原料となる)の輸入を阻止したことに動揺した。だが、同議員によれば、カナダ大使がウィスコンシン州にあるカナダの加工業者にその牛乳の購入を打診し、米国の農家が売り上げを失わないようにしてくれたという。

 米国の交渉担当者がカナダ抜きで協議を進めても、議会がメキシコのみの合意を承認しないことが真のリスクだった。特に、11月の中間選挙で民主党が下院を支配した場合、その可能性は高かった。

 このリスクが今回の交渉結果にどの程度影響したのかは不明だ。カナダは最終的にこれまで強く保護してきた乳製品市場に米国の参入拡大を認めることで大きな譲歩を行った。しかしカナダは既にTPPでも欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)でもこうした譲歩を行っており、米国との交渉で妥協する準備はできていた。対する米国はこれまで保護してきたピーナツバター、砂糖市場への輸入品の参入拡大を認めた。従ってこれは消費者のためになる自由貿易の真の勝利といえる。

 一方、カナダは(NAFTAに盛り込まれている)2国間の紛争処理制度を維持するという主要優先項目において成功を収めた。同制度は米国の反ダンピング(不当廉売)、報復関税適用決定を覆すことができる。これはライトハイザーUSTR代表が行った注目すべき譲歩だった。同代表はかつて弁護士として同制度に基づく保護措置を求めた複数の企業の代理人を務めたが、(米国での決定)が紛争処理委員会で覆された経験がある。このため以前から同制度が米国の主権を侵害するものだと批判してきた。

 今回の交渉結果は、今後の貿易交渉にとって重要な教訓となった。トランプ大統領は近く、日本、EUとの間で鉄鋼、自動車をめぐる交渉を行う。しかし、交渉に向けての彼の影響力は、自国内でのコスト上昇や海外での報復措置で打撃を受ける米国内の輸出業者とビジネス界からの圧力、これに伴う議会からの抵抗により抑制気味のものとなる(ただし、議会が中国について同情することはほとんどなく、中国との交渉には当てはまらないだろう)。一方、世界貿易機関(WTO)の見直しを要求するトランプ大統領の警告は、米議会からNAFTA撤廃警告の場合以上に強い抵抗を受ける公算が大きい。そしてトランプ大統領は来年のどこかで議会に対し、USMCAの承認を求めなければならない。その時、この種の貿易取り決めをこれまで長期間にわたって攻撃してきたトランプ大統領は、こうした協定を熱心に称賛している自分の姿に気付くだろう。

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新協定は貿易と経済成長にとっては現行協定より劣る内容だ
新NAFTAは貿易と経済成長にとっては現行協定よりも劣る。写真はカナダ・ブリティッシュコロンビア州サリーのフレーザ−・サリー・ドック(9月6日)
新NAFTAは貿易と経済成長にとっては現行協定よりも劣る。写真はカナダ・ブリティッシュコロンビア州サリーのフレーザ−・サリー・ドック(9月6日) PHOTO: JAMES MACDONALD/BLOOMBERG NEWS
2018 年 10 月 3 日 15:30 JST

 米国とメキシコで大筋合意していた北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定にカナダも加わることが決まった。安堵(あんど)感から米国株は上昇した。新協定の主なメリットは、ドナルド・トランプ米大統領の主要な保護主義的な公約の1つが詰め込まれていることだ。ただ、新NAFTAは貿易と経済成長にとっては現行協定よりも劣る内容だ。

 それと新協定をNAFTA 2.0とは呼ばないように。トランプ氏は主要公約の1つを果たしたことを誇示すべく、新協定を「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」と呼んでいる。この点に関して、米国が一方的に協定から離脱していた場合の大損害を避けられたのは良かった。

 しかし、新協定は下記のグラフが示す通り、正当性を裏付けるものというよりも安堵感をもたらすものだ。株価はトランプ氏が世界中で手当たり次第に貿易紛争を仕掛け始める前の1月に付けた最高値をようやく更新した。市場は過去9カ月、トランプ氏の貿易に対する血気盛んな言動に一部呼応して上下してきた。市場が着実に上昇し始めたのは、トランプ氏が欧州との通商協議に合意し、側近らにNAFTA再交渉の妥結を命じてからだ。

 カナダの参加はとりわけ不可欠であり、土壇場での合意は一歩前進だ。米農家にとって大きな収穫は、カナダが特定の乳製品に対する割当枠と価格制度の撤廃に合意したことだ。ただし、カナダの乳製品市場における米国のシェアに対する全体的な割当枠については、増加するのは1ポイントにも満たない程度だ。またカナダの輸出乳製品には新たな税金が課され、生産者は市場価格を下回る輸出価格を設定しにくくなる可能性がある。

 その代わり、トランプ政権はNAFTA第19章と20章に定められた紛争解決制度を維持することには合意した。これは賢明な判断だ。新協定でも近隣国から課された反ダンピング(不当廉売)関税や相殺関税に異議を申し立てる権利は保持される。国家間紛争を解決するパネルも残される。これはカナダにとって不可欠だ。これがあれば、米国の他の法律を利用し、木材など輸入品との競争を阻害しようとする多くの保護主義派の米ロビー団体を避けられる。

S&P500種指数の年初来推移
Source: SIX
メキシコと米国がNAFTA再交渉で合意
トランプ氏がメキシコに貿易代表団を派遣
対中制裁強化をWSJが報道
鉄鋼・アルミ関税
洗濯機・太陽光パネル関税

 3国間協定には8月に米・メキシコ間で合意した協定のほとんどの細目も盛り込まれるが、この多くは新たな経済的現状に基づいて協定を現代化するために重要なものだ。デジタル貿易、金融サービス、知的財産に関する章がそれに当たるほか、メキシコの通信やエネルギーに対する投資規則が明確化されている点も重要だ。

 新協定では遺伝子組み換え作物を区別することが禁じられるほか、バイオ医薬品のデータ保護期間が倍の10年に延長される。またトランプ氏は、5年ごとに更新しなければ協定が自動失効する「サンセット条項」導入を要求していたが、これについても自由貿易擁護派が勝利した。協定の期限を16年間に延長し、6年ごとに見直しを行う案で妥協された。依然として不要な不確定要素は増えるが、新規投資に致命的というほどではないだろう。

 朗報については、だいたいこれで語り尽くした。新協定は大半の外国人投資家にとって、政府の収奪的な態度から身を守るすべを奪うものだ。メキシコでは多国間紛争解決パネルを利用できるのは石油、ガス、電気、通信、輸送、公共事業だけだ。それ以外の当事者は財産が直接没収された場合でない限り、現地の裁判所を通じて解決するしかない。これは現状より悪い内容だ。

 また新協定では新たな原産地規則や労働規制が課され、貿易が大幅に政治的に管理されることになる。輸入乗用車には、最終製品と部品の双方が従来よりも高い北米調達率を満たしていない限り、関税が課される。これは北米で自動車を組み立てるコストと複雑さを増幅させ、最終製品の世界的な競争力を低下させることになる。

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 さらに悪いのは、貿易協定を利用してメキシコの最低賃金と労働政策が決められる可能性があることだ。メキシコに拠点を置く自動車会社は関税を免除されるには生産量の40%について市場賃金を大幅に上回る賃金を払う必要がある。フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)は甘んじてこれを受け入れており、恐らくうまくやっていけるだろう。しかし、われわれが尊敬する一部の人たちは、最終的に自動車生産は北米から追いやられると考えている。

 メキシコとカナダは、米通商拡大法232条に基づく「国家安全保障」を理由とした自動車関税についても一定の保険を確保した。この関税が発動された場合、メキシコは年間260万台までは非課税で米国に自動車を輸出できる。昨年の乗用車の対米輸出台数は170万台だったため、メキシコが輸出を増やす余地は残る。しかし、関税が懲罰だとすれば、この新規則は輸入制限枠として機能することになる。ところで、新協定で合意したにもかかわらず、トランプ氏がカナダからの輸入鉄鋼製品とアルミニウム製品それぞれに課した25%と10%の関税は引き続き解除されない。

***

 この新協定が米議会を通過できるかどうかは、細則にじっくり目を通してみなければ分からない。トランプ氏が、上院で過半数の賛成票を確保すれば済む貿易促進権限(TPA)法の適用を放棄すれば、年内の批准も可能かもしれない。だが採決は来年にもつれ込む可能性が高い。そのときには民主党が議会を支配しているかもしれない。

 ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表はトランプ氏に対し、新たな賃金・労働組合規則を盛り込むことで労組を引き入れ、民主党をうまく説き伏せたとトランプ氏に伝えてきた。しかし、全米自動車労働組合(UAW)でさえ、判断を保留するとしている。オバマ政権時代に成立したTPA法の延長を巡る下院の採決で、賛成票を投じた民主党議員はほんの一握りだ。下院民主党トップのナンシー・ペロシ院内総務が貿易問題に関する政治的勝利をトランプ氏に与えることなどあるだろうか?

 一方、米企業はNAFTAよりも内容が劣る協定に対して恐らく態度を決めかねるだろう。共和党の自由貿易擁護派も現状を好むだろう。トランプ氏の保護主義に対する考え方からすれば、新協定はもっと悪い内容になっていた可能性がある。しかし、新協定に関して褒める点があるとすれば、せいぜいその程度だ。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/200.html#c1

[国際24] 米国へのサイバー脅威示すとボルトン補佐官−中国チップハッキングで レノボ大幅下落 米中通商対立の恐怖、中国株は過剰に織込 うまき
2. 2018年10月05日 15:30:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1603]
ワールド2018年10月5日 / 12:17 / 2時間前更新
中国は米防衛産業への「重大リスク」、米国防総省が警告
2 分で読む

[ワシントン 4日 ロイター] - 米軍にとって重要度の高い物資の供給において中国が「重大かつ高まりつつあるリスク」になっていると考えられていることが、米国防総省が主導してまとめた報告書によって明らかになった。ロイターが4日に報告書の内容を確認した。

150ページ近くにわたる報告書は5日に正式に公表される。報告書は、米軍に必要不可欠な材料・部品に影響を与え得る脆弱性が300近くあると結論付けている。

ロイターは、米国防総省が主導して実施した調査の結果について最初に報じており、米軍が重要部品の調達で中国をはじめとする諸外国に依存している事例が多くあることが明らかになっている。

今回の報告書には、重要度の高い業種での直接投資引き上げなど、米産業を強化するための複数の提言が含まれた。具体策は機密扱いの補足資料に含まれている。

報告書は、米軍で利用されている重要なレアアース(希土類)の世界的な供給を中国が独占していることや、特定の電子製品や米軍の武器で使われる化学物質における中国の国際的な地位に触れるなど、中国に焦点を当てる内容となっている。

報告書は「米国の国家安全保障にとって戦略性があり重要と見なされている材料や技術の供給に対して、中国が重大かつ高まりつつあるリスクになっているというのが主要な結論だ」とした。

報告書は米産業の脆弱性の要因となっている米国側の欠点にも言及。変動の激しい国防予算が企業に政府需要の予測を困難にしているなどの例を挙げた。

防衛コンサルタントのローレン・トンプソン氏は文書で「報告書の分析によって市場が動く可能性は低いが、国内外の要因で引き起こされた米産業の衰退について警鐘を鳴らす内容」とした。

米政権の高官は匿名を条件に記者団に、米軍の調達を強化するための新たな措置について説明。希少物資の備蓄やリチウム海水電池などの重要物資の国内生産能力の引き上げが含まれるという。

報告書によると、世界のプリント基板の90%はアジアで製造されており、その半分以上を中国が占めている。

「高度な基板生産の海外シフトによって(国防総省は)利用する製品の原産地を把握できなくなるリスクがある」と指摘。

同省は従来より、電子回路の内部にあるトランジスタに「キル・スイッチ」と呼ばれる停止機能を埋め込むことで、紛争の際に米国の重要なシステムを停止することが可能になるリスクについて懸念を示してきた。報告書は「『トロイの木馬』チップやウイルスが米防衛システムに潜入するリスク」にも触れている。
https://jp.reuters.com/article/pentagon-china-defense-industry-idJPKCN1MF070

 


 

ペンス副大統領が民主主義に干渉と中国を厳しく非難、マイクロチップを埋め込みで
Toluse Olorunnipa、David Tweed
2018年10月4日 17:02 JST 更新日時 2018年10月5日 5:15 JST
グーグルに「ドラゴンフライ」プロジェクトの中止呼び掛け
貿易摩擦が中間選挙に陰を落とす中、強硬姿勢を強調
ペンス米副大統領は中国が米国の選挙に介入していると主張。米政府高官の発言としては、過去に例を見ない強硬な表現で中国批判を展開した。貿易懸念が11月の米中間選挙に重くのしかかる中、米国は中国に対する強い姿勢を見せようとしている。

  副大統領は4日、ワシントンのハドソン研究所で演説。中国は米国の世論操作を目的に、スパイや関税、強硬措置、宣伝工作など「政府ぐるみの取り組み」に従事していると非難した。

  「疑いの余地はない。中国は米国の民主主義に干渉している」とペンス氏は述べた。


ペンス米副大統領Andrew Harrer / Bloomberg
  「中国政府は、中国の政策に関する米国民の認識を変えるため、密偵や偽装団体、プロパガンダを動員している。中国の全米での行動に比べたら、ロシアのそうした活動は大したことないと、われわれの情報機関の上級職1人が私に語った」と、ペンス氏は述べた。

  ペンス副大統領はさらに、アルファベット傘下のグーグルが計画する「ドラゴンフライ」の中止を呼び掛けた。ドラゴンフライは、中国政府が問題視する検索結果を表示しないモバイル検索アプリを開発するプロジェクトに付けられたコードネーム。「中国共産党の検閲を強化し、中国ユーザーのプライバシーを侵害する」と述べた。

原題:Pence Casts China as Republican Campaign Foe in Harsh Speech(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-04/PG2CS16KLVR401?srnd=cojp-v2

 

東京外為市場ニュース2018年10月5日 / 15:04 / 24分前更新
中国・香港株式市場・前場=香港株一段安、レノボが急落
1 分で読む

[5日 ロイター] -
香港 前場終値 前日比 % 始値
ハンセン指数 26,512.65 - 111.22 - 0.42 26,503.75
前営業日終値 26,623.87
ハンセン中国株指数
前営業日終値 10,547.64

香港株式市場は4日続落して前場の取引を終えた。激化する米中貿易摩擦に巻き込ま
れるのではないかとの懸念から、ハイテク株の売りが強まった。
ハンセン指数前場終値は111.22ポイント(0.42%)安の2万651
2.65。
ハンセン中国企業株指数(H株指数) 前場終値は49.65ポイント(0.
47%)安の1万0497.99。
中国株式市場は国慶節のため、5日まで休場。取引再開は来週8日。
レノボ・グループ(聯想集団)と中興通訊(ZTE)が急落した

ブルームバーグは、中国の諜報機関が米企業や政府機関が使用する機器に悪意のある
チップを組み込み、中国政府が内部ネットワークにアクセスできるようにしたと報道。レ
ノボやZTEの売り上げに影響が出るとの懸念が広がった。
ハンセン中国企業情報技術(IT)指数は2.14%安。ITハードウエ
ア指数は5.45%安。
レノボは商いを伴って17.62%急落。ZTEも11.41%下落した。
商いトップの騰訊控股(テンセント・ホールディングス)は1.4%安。
https://jp.reuters.com/article/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%BB%E9%A6%99%E6%B8%AF%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%83%BB%E5%89%8D%E5%A0%B4%EF%BC%9D%E9%A6%99%E6%B8%AF%E6%A0%AA%E4%B8%80%E6%AE%B5%E5%AE%89-%E3%83%AC%E3%83%8E%E3%83%9C%E3%81%8C%E6%80%A5%E8%90%BD-idJPL4N1WL12R?il=0
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/200.html#c2

[経世済民128] 焦点:テキサス油田ブームのジレンマ、生産急増でコスト増大 空前の「LNGブーム」到来か シェルの投資決定が号砲 うまき
1. 2018年10月05日 15:56:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1604]
《ブラジル》現政権最後の油田入札=4区画で68億レの収益=空港やエレトロブラスは?
2018年9月29日

28日にリオ市で行われた岩塩層下の油田の開札の様子(Tânia Rego/Agencia Brasil) 

 国家原油庁(ANP)が28日に岩塩層下の油田の競売の開札を行い、総額68億レアルの落札謝礼金を受け取る事になったと同日付現地紙・サイトが報じた。
 岩塩層下の油田の入札は現政権では最後で、リオ州沖のサントス堆積盆地にある油田三つとカンポス堆積盆地にある油田一つが対象となった。

 

 

「新発見油田」にすがるしかない財政破綻「バーレーン」の悲痛な叫び
執筆者:岩瀬昇2018年10月5日

国家の収入源は資源輸出が大半なのだが……

 これも歴史の皮肉の1つなのだろうか。

 1928年に締結された「赤線協定」(「トルコ石油」に進出する際、当時の国際石油開発会社同士が域内での競争を制限するために設けた取り決め)の域内にあったため、大成功が約束されていたメソポタミア(現イラクの一部)での石油開発に参加できなかった「カリフォルニア・スタンダード石油(ソーカル)」(現在の「シェブロン」)が、バーレーンで油田を発見した。湾岸域内では最初の油田発見である。ついで、地質的繋がりがあると見なされた、バーレーンの対岸に位置するサウジアラビア(以下サウジ)の東部地域で油田を発見したのも「ソーカル」だった。

「ソーカル」によるバーレーンでの石油発見は1932年、ちょうど第3次サウジ王朝が「サウジアラビア王国」の建国を宣言した年だ。「ソーカル」はその後、サウジのアブドゥルアズィーズ・イブン・サウード国王から石油利権を獲得し、1938年にダンマン油田を発見した。これがサウジの大油田発見の序章だった。

 ほぼ100年後の今日、バーレーンは財政危機に苦しんでいる。2017年の財政赤字はGDP(国内総生産)の14%に達し、債務はGDPの90%にまで増大しており、格付け会社は同国の国債を「ジャンク債」と評価しているような状況だ。今では大産油国となった近隣のサウジ、UAE(アラブ首長国連邦)およびクウェートからの財政支援が実行されるのを心待ちしている状況なのである(『フィナンシャル・タイムズ』(FT)「Bahrain awaits cash injection from Gulf neighbours」東京時間2018年10月4日12時頃掲載)。

https://www.ft.com/content/80016f24-9b24-11e8-88de-49c908b1f264

Bahrain awaits cash injection from Gulf neighbours
Manama must convince sceptics it is willing to take tough measures to balance its books

Big ambition: construction projects form part of the kingdom’s efforts to build its position as a regional hub © Reuters

Andrew England and Simeon Kerr in Manama YESTERDAY

Bulldozers rumble over land reclaimed from the sea, while cranes stretch above half-built high rises that will add to the gleaming office blocks, banks and malls shaping Manama. Over at Bahrain’s international airport, men work on a $1.1bn project to expand the terminal’s capacity from 9m to 14m passengers by next year. The developments reflect the kingdom’s ambitions to revive its historical position as a regional financial and trade hub after Bahrain became swept up in Arab spring unrest in 2011. For years, the country had leveraged its reputation as one of the Gulf’s more liberal and open states to attract businesses keen to use Bahrain as a gateway to serve larger oil-rich neighbours. The construction projects, partly funded by Gulf allies keen to bolster its stability, have helped drive growth during a period of subdued oil prices, with Bahrain’s economy outpacing other Gulf states since 2014. But as the expansion of Manama, the capital, has continued, Bahrain has fallen into a fiscal crisis, with policymakers failing to balance the books. The kingdom was burdened with a budget deficit equivalent to 14 per cent of gross domestic product in 2017. Analysts expect public debt to climb from 90 per cent of GDP last year to close to 100 per cent next year. Rating agencies have downgraded its sovereign credit rating multiple times to junk status. In March, the government had to abort an attempt to raise more debt from international capital markets. A month later, the IMF warned that a “credibly large policy package” was “urgently needed”. Now all eyes are on Bahrain’s neighbours in the expectation they will, once again, have to come to the kingdom’s rescue. In June, Saudi Arabia, the United Arab Emirates and Kuwait announced they would soon unveil a support package for Bahrain. But at the time of writing no details had been announced. Bankers and analysts say the kingdom needs a multiyear, multibillion-dollar fiscal support programme to put Bahrain on a more sustainable course. However, the months-long gap between the promise of help and delivery triggered speculation that the three neighbouring Gulf states want Manama to commit to more stringent economic reforms and will insist on greater scrutiny over how the financial assistance is used. The challenge for Bahrain is to convince sceptics that it is willing to take the tough measures needed to increase revenue and reduce expenditure to repair its budget. Like other Gulf states, Bahrain has for decades provided its citizens with subsidised fuel, water and electricity and relied on the civil service to provide many of its nationals’ jobs. It has also marketed itself as a tax-friendly destination with cheaper operating costs than its rivals to lure investment — there is no income or corporate tax in the kingdom, even for foreign companies. The government has been raising the price of fuel and electricity. But it has been reluctant to make radical changes as it balances the need for reform against supporting growth and not increasing its citizens’ financial burden, analysts say. The fiscal travails have coincided with low-level unrest within the majority Shia community, which has long complained of discrimination in areas such as employment and the allocation of housing. The kingdom was rocked in 2011 when hundreds of thousands of people, mostly Shia, joined protests that shook the ruling al-Khalifa family’s grip on power. The demonstrations ended after Saudi Arabia deployed troops to support Bahraini security forces. But unrest continued in Shia villages around Manama, and the government responded with a crackdown that resulted in more than 3,000 people being detained and allegations of abuses by security forces. The US State Department said in its 2017 human rights report that the most significant issues included “reports of arbitrary or unlawful killings by security forces [and] allegations of torture of detainees and prisoners”. Bahrain, an important western ally that hosts the US Navy’s Fifth Fleet, is unique in the Gulf in that it has a Shia majority ruled by a Sunni monarchy. The worst of the most recent protests is over, but the mood among many Shia shifts between anger and despondency. The kingdom will hold parliamentary elections on November 24 with al-Wefaq, the main opposition movement, dissolved and its leader, Sheikh Ali Salman, imprisoned. Hundreds have fled into exile or been stripped of their nationality, activists say. Opposition figures accuse the government of giving Sunni Arabs from other countries citizenship to alter the demographic balance of its 1.4m people, of whom 750,000 are foreigners. “There has been the total disintegration of the structure of the opposition,” says a prominent member of the Shia community, who does not want to be named for fear of retribution. The FDI attraction is not just about attracting jobs, it’s about attracting high-quality jobs Khalid Al-Rumaihi, chief executive of Bahrain’s Economic Development Board The government denies allegations of rights abuses, saying those jailed are “criminals” and blames al-Wefaq for stoking the unrest. It also accuses Iran of supplying weapons to militants who attacked security forces. Zayed Alzayani, the industry, commerce and tourism minister, says the government cannot afford to have people “sabotaging” the parliamentary process. He insists the government will push ahead with economic reforms and will look to balance the budget by 2022. “We’re going to smooth it out as much as possible,” Mr Alzayani says. He adds: “With the fall of oil prices in 2015 we were caught out.” The kingdom, the first Arab nation to begin producing crude, in 1932, is not oil-rich and relies on revenues from 150,000 barrels per day — half the production — from an oilfield it shares with Saudi Arabia. It has one of the region’s most diverse economies, including a financial centre that employs about 15,000 people. But petrodollars still contribute 75 per cent of state revenue. The government announced in April that Bahrain had made its largest hydrocarbons discovery with at least 80bn barrels of shale oil. Bankers say the find could be transformative, but it is not yet known how much of the offshore field will be commercially recoverable. Meanwhile, the country’s foreign reserves covered only 1.5 months of non-oil imports at the end of 2017, according to the IMF. Officials say the government will introduce a value added tax next year to boost revenue, a year after Saudi Arabia and the United Arab Emirates introduced similar taxes. But there are no plans to introduce income or corporate taxes, despite the IMF suggesting it should. Khalid Al-Rumaihi, chief executive of Bahrain’s Economic Development Board, cites a pick-up in foreign direct investment, including a decision by Amazon to establish data centres in the kingdom, as proof that the country is getting back on its feet. It is focusing on sectors such as fintech, IT, finance and manufacturing as the likes of Dubai, Abu Dhabi, Qatar and Saudi Arabia push ahead with their own development plans. “The FDI attraction is not just about attracting jobs, it’s about attracting high-quality jobs . . . and then it’s about equal opportunity for Bahrainis to get those jobs and making sure they’re prepared and skilled,” Mr Rumaihi says. “If we get that right . . . everything else falls into place.” Much will depend on what kind of support the kingdom receives from its neighbours and whether social stability can be maintained. Even if help is forthcoming, Bahrain faces the challenge of carving out its niche in an increasingly competitive market. Balancing the books The Gulf Cooperation Council — the regional trade bloc of Arab countries that includes Bahrain — has supported growth in Bahrain over recent years, helping output to rise by 3.8 per cent in 2017. But seven years on from the 2011 uprising, the kingdom, whose debt is rated as junk, faces a new challenge. Bahrain’s fiscal and debt crises have brought Gulf states into talks about a new bailout package to ward off a damaging sovereign default that could cause Bahrain to devalue its currency and abandon its peg to the dollar. The government says it has made $2.3bn in savings since 2015 and will set up a cabinet task force to deliver an additional $2bn, to balance the budget by 2020. “There’s more movement within the government to solve this problem for good,” says Zayed Alzayani, minister of industry, commerce and tourism. “If there are drastic measures to be taken, a pill we have to swallow, we swallow it once — we don’t just keep taking painkillers continuously.” The kingdom’s debt as a proportion of gross domestic product reached 87 per cent in the second quarter of this year, up from 68 per cent in the same period in 2017. Reserves are projected to fall to $2.1bn next year, or less than one month’s imports, according to the IMF. Bahrain’s woes came into focus in March when markets insisted that it pay a premium when the government returned for another bond issuance. This forced it to shelve the issuance and instead go ahead with an Islamic sukuk — a sharia-compliant instrument that is similar to bonds and attracts stronger demand from Middle Eastern investors. In June, Saudi Arabia, the United Arab Emirates and Kuwait helped to prop up Bahrain’s flagging currency by pledging a new support package. At the time of writing, no details of the package had been announced. The bailout could range from an immediate multibillion-dollar cash deposit to multiyear debt buybacks and project funding of up to $15bn, people briefed on the discussion say. Bahrain’s share of revenues from the Abu Safah oilfield it shares with Saudi Arabia, currently 50 per cent, could also be increased. But the donor states, while committed to supporting political stability in Bahrain and the Gulf region through financial aid, are also pushing through their own austerity measures and will probably seek a commitment from Manama to curb its $3bn budget deficit more quickly, bankers say. Opposition figures say years of deficits have been exacerbated by off-budget spending on arms purchases and royal court expenses. IMF statistics suggest large off-budget primary spending of $1.6bn, or 4.6 per cent of GDP, in 2017, according to a BofA Merrill Lynch Global Research report. “The big problem facing the economy are unaccounted-for expenses,” says one opposition figure. “People should know what these are — there can’t be an open purse for the royal court.” Analysts fear that targeting generous benefits and salaries enjoyed by loyalists within the Sunni community could broaden dissent beyond the marginalised Shia majority. “To cut expenses more sharply is a difficult task, which leads to that dependency [on GCC aid] and it’s difficult because a fair bit has been done within what is possible without creating domestic social challenges,” says one senior banker in the kingdom. “There are only so many levers you can pull.” Simeon Kerr Get alerts on Bahrain when a new story is published Get alerts Copyright The Financial Times Limited 2018. All rights reserved. Explore the Special Report READ MORE Foreign investment rebounds for Bahrain, state touts five sectors ABOUT THIS SPECIAL REPORT The kingdom is seeking to revive its fortunes through a recently discovered oilfield and plans to become a regional financial hub. Plus: the country’s Shia majority complains of exclusion from the political process Currently reading: Bahrain awaits cash injection from Gulf neighbours Oilfield discovery lifts Bahrain’s hopes of energy resurgence Skills gap prompts Bahrain to shift focus to schools Shia complain of exclusion from Bahrain’s political process Foreign investment rebounds for Bahrain, state touts five sectors Fintech bolsters Bahrain’s bid to revive finance hub status Bahrain defends pole position as F1’s regional home


 


新興国株、今後半年で最大15%値上がりも−JPモルガン
Ben Bartenstein
2018年10月5日 8:46 JST
• 貿易戦争などマクロ経済リスク、新興国資産にほぼ織り込み済み
• 弱気センチメントにこそ好機がある−コラノビッチ氏

Photographer: Qilai Shen / Bloomberg
新興国株は今後半年で最大15%値上がりする可能性があると米銀JPモルガン・チェースが指摘した。今年に入り低調な新興国資産は米国とのパフォーマンス格差を縮めていくとみている。
  JPモルガンは、貿易戦争など主なマクロ経済リスクは新興国資産にほぼ織り込まれたと分析。同行のマクロクオンツ・デリバティブ調査のグローバル責任者、マルコ・コラノビッチ氏は4日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、来年の新興国経済の成長率は先進国の伸びに収れんしていくと説明し、新興国株式は今後3−6カ月で10−15%上昇する可能性があるとした。
  コラノビッチ氏によると、JPモルガンのクロスアセット戦略は今年前半には米国株一辺倒だったが、新興国株と米国株へのウエートを均等にした。「センチメントは弱気だが、こうした極端なコンセンサスにこそ好機があるとわれわれは考えている」と同氏は話す。
  新興国市場が米金利上昇やドル高、米中貿易摩擦の激化による影響を受ける中で、S&P500種株価指数は今年、MSCI新興市場指数を21ポイント程度アウトパフォームしている。だが、コラノビッチ氏はこうしたトレンドが反転すると見込んでいる。

原題:JPMorgan Says Emerging Markets May Rally Up to 15% in Six Months(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-04/PG3JRM6KLVR401?srnd=cojp-v2


 

ビジネス2018年10月5日 / 14:27 / 1時間前更新
トヨタが世界で243万台リコール、HVシステム制御プログラム不適切
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[東京 5日 ロイター] - トヨタ自動車(7203.T)は5日、国内外で「プリウス」などのハイブリッド車約243万台のリコール(回収・無料修理)を実施すると明らかにした。ハイブリッド(HV)システムで異常判定時の制御プログラムが不適切なため。最悪の場合、警告灯が点灯し、HVシステムが停止して走行できなくなるおそれがあるという。

リコール対象は2008年10月から14年11月に製造したハイブリッド車両。14年2月と15年7月に届け出たリコールの改善措置に一部不備があったことが判明したため、両リコール対象車両について再度改善措置を行う。

Toyota Motor Corp
7002.0
7203.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-3.00(-0.04%)
7203.T
7203.T
白木真紀


 

ワールド2018年10月5日 / 09:32 / 2時間前更新
高齢者の足確保へ、通称「白タク」解禁へ環境整備を検討=未来投資会議
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[東京 5日 ロイター] - 政府は5日に内閣改造後初の未来投資会議(議長:安倍晋三首相)を開催した。今後3年間の工程表を含む実行計画を来夏に決定することとし、その検討課題として、1)技術革新を利用した生産性向上、2)全世代型社会保障への改革として、意欲ある高齢者の働く場の準備、3)人口減少を背景にした地方の基盤企業の強化や中核都市の機能強化──の3つの柱を掲げた。

同会議で安倍首相は「世界の変化は加速している。雇用環境が一段と改善している今こそ技術革新を現場に積極的に取りいれ、労働生産性の向上を図るチャンス。この3年間が勝負」と強調し、「今年末までに中間的報告を取りまとめ、3年間の工程表を含む実行計画を来年夏まで機関決定する」とした。

具体的な検討項目の主なものは以下の通り。

●「移動弱者ゼロ」を目的とした次世代モビリティー推進

──75歳以上の高齢者を対象に、安全運転を支援する「アシストカー」を前提にした限定免許を整備。

──自家用車での有償運送(いわゆる白タク)がやりやすくなるよう環境整備。ただし市町村で必要性があると判断される地域に限定。

──運転手がいない完全自動運転実現のための道路交通法、車両の基準などのルールを整備。

●キャッシュレス化

──銀行を経由しない送金を容易にするため、個人間のスマホ送金など銀行を介さないでもスムーズに送金できるよう制度的障害を取り除く。(送金上限100万円を含む金融法制を見直す)

──創業間もない企業でも、財務状況の「見える化」により、リアルタイムの信用情報で資金調達を可能にする。

●労働市場

──65歳以上への継続雇用年齢の引き上げを検討。

──高齢者未採用企業への雇用拡大策。

──中途採用拡大と新卒一括採用の見直しを検討するため協議会を立ち上げ。

●地方施策

──地域経済の実情を踏まえた地方基盤企業の統合・強化・生産性向上。

──地銀等の経営統合など独占禁止法の適用のあり方を検討。

──地方における外国人労働力の活用(製造業の対象化など)。

*内容を追加しました。

中川泉 
https://jp.reuters.com/article/usa-china-pence-idJPKCN1ME2GV


 

 

ビジネス2018年10月5日 / 09:12 / 6時間前更新
テスラCEO、和解後にSECを「空売り強化委」と揶揄
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[4日 ロイター] - 米電気自動車大手テスラ(TSLA.O)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は4日、連邦地方裁判所が同氏と証券取引委員会(SEC)に共同文書の提出を要請した数時間後、ツイッターでSECをやゆするコメントを投稿した。

SECはマスク氏が株式の非公開化計画に触れた8月7日のツイッター投稿を巡り、同氏を提訴していたが、9月29日に和解で合意。これについて、ニューヨーク州南部地区連邦地裁のアリソン・ネイサン判事は10月11日までに、合意内容が公正かつ妥当であり公益を損なわない理由を説明する文書提出を求めた。判事によると、これは通常の手続きだという。

この後、マスク氏はツイッターで「『空売り筋・強化・委員会』(Shortseller Enrichment Commission、SEC)は驚くべき仕事をしている」と述べ、「名称変更は実に適切だ」と皮肉った。同氏は、テスラ株の下落を見込む投資家に対ししばしば批判的なコメントをしている。

テスラとマスク氏は9月29日、それぞれ罰金2000万ドルを支払うことに同意し、マスク氏が会長職を辞任することを発表した。CEO職にはとどまる。テスラは、不正に関して処分を受けたわけではない。

ミシガン大学の法律学教授でSECの元弁護士であるアダム・プリチャード氏は、ネイサン判事の要請について「CEOが口を閉じる時が分かっていないからといって、なぜテスラが罰金を払わなければならないのかを知りたいのではないか」と述べた。

テスラはコメントを控えた。SECは、地裁の命令とマスク氏のツイートに関する取材に応じていない。

テスラの株価は4.4%安の281.83ドルで終了。引け後、マスク氏のツイート投稿後に2.2%下落した。

連邦判事の一部には、SECによる和解を安易に承認するだけの存在とみなされていることに不満を持つ向きがある。ジェド・ラコフ判事は、訴えられた企業が、マスク氏が行ったような不正を否定も肯定もせずに和解することを認めるSECの従来からの方針に異論を唱えている。

 
ただ2014年には、シティグループ(C.N)とSECの2億8500万ドルでの和解をラコフ判事が却下した判断に対し、第2巡回控訴裁判所はこれを覆した上で、規制当局へ「著しい敬意」を払うべきだったとした。

法曹界では、ネイサン判事の要請はそれほど一般的とは言えないものの、マスク氏とSECの合意は最終的に承認される可能性が高いとの見方が多い。

 


 


イールドカーブの今後巡り議論白熱、フラット化の1人勝ち終わりか
Emily Barrett
2018年10月5日 13:20 JST
• 2日間の利回り急上昇はフラット化の流れ転換示唆とPIMCO
• ウェルズ・ファーゴも少し前にスティープ化陣営に仲間入り

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
米国債イールドカーブのスティープ化を見込む投資家にとって、ここ2日間の動きは待ちに待った転換点を示唆する。
  年限長めの米国債の利回りは4日に数年ぶり高水準となり、長短金利差は数カ月ぶりの大きさに拡大した。売りの流れはその後いったん弱まったものの、終わってはいないと、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のマーク・キーセル氏らはみている。約2年に及んだ利回り曲線フラット化の流れが転換したと考えるからだ。投資家は遂に、米経済の現実とインフレリスクに目覚めたのだと同氏は言う。
  「『米国を再び偉大な国に』するということは金利上昇を意味する」と、PIMCOでグローバル・ポートフォリオマネジャーを務める同氏は解説。「米経済は金利上昇に耐えられないという誤った認識が一部にあったが、実際には米経済は十分に力強い」と指摘した。
  4日の取引で米国債利回りは10年債が約3.19%、30年債が3.34%で終了。日中の高水準からは後退したものの、2年債との利回り格差(スプレッド)は最近数カ月の低水準を10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上回ったままだ。
  同日のスティープ化に歯止めをかけたのは中長期債の大口取引で、フラット化を予想する陣営が降参していないことがうかがわれる。しかしイールドカーブの今後に関する議論は白熱化してきた。
  フラット化を予想してきたモルガン・スタンレーやBMOのアナリストは、これまでの動きで正しさを証明された。スティープ化を見込む者が勝てるかはまだ分からない。
  しばらく前にスティープ化陣営に仲間入りしたというウェルズ・ファーゴのストラテジスト、マイク・シューマッハー氏は「寂しい陣営だった。予想していた方向に動き始めてうれしい」と話す。同社はスティープ化予想を堅持し、2年債と10年債のスプレッドが年末に35bp程度と現在の30bp強から拡大するとの見通しを4日のリポートで示した。国債発行増加などが理由だ。
  一方、キーセル氏はインフレに注目。労働市場は人々が考えているより引き締まっているとし、市場はそこにあるインフレリスクを無視していると指摘した。PIMCOは5年債と30年債のスプレッドに関するポジションを組んでいるという。

原題:Fans of Curve Steepener See Trade Take Flight, With Fuel to Burn(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-05/PG3N0B6S972901

 

イタリア予算の楽観的過ぎる前提−「19年1.5%」非現実的との見方も
Fergal O'Brien
2018年10月5日 12:28 JST
連立政権は成長率を20年が1.6%、21年が1.4%と想定
財政赤字比率目標は来年が2.4%、20年が2.1%、21年は1.8%
物議を醸したイタリアのポピュリスト政権の予算計画は、楽観的過ぎると思われる経済成長を前提にしていることが、明らかになった。

  当初の財政赤字目標発表から1週間が経過した4日、目標の裏付けとなる数字の一部を連立政権が公表した。新たな政府の見積もりは、イタリアの成長率を2019年が1.5%、20年が1.6%、21年が1.4%と想定。これに対し、ブルームバーグの最新調査の予想中央値では、1.2%を上回る数字は示されていない。現行法制下での19年の成長率を政府は0.9%と見込んでいる。

  オストラム・アセット・マネジメントのストラテジスト、アクセル・ボット氏は「政府の予測というものは楽観的に傾くのが常だが、特に今回の想定は、今後景気が下降する場合に財政目標を達成できない著しいリスクを示唆するものだ」と指摘した。

  イタリア連立政権は、単年度財政赤字の目標を19年が国内総生産(GDP)比2.4%、20年が2.1%、21年は1.8%とする方針。20年と21年の目標は、投資家と欧州連合(EU)からの批判に配慮し、当初伝えられた数字から引き下げられた。

  経済財務省が4日にウェブサイトに掲載した財政計画の概要によれば、公的債務総額のGDP比率目標は今年が130.9%、来年が130%、21年が126.7%。19年と20年、21年の構造的財政収支の赤字目標はGDP比1.7%としており、前政権が設定した財政均衡目標の達成は先送りされる。構造的財政収支の赤字を削減するプロセスは22年の開始を予定する。

原題:Italy Hangs Its Budget Plan on an Unrealistic View of Economy
Italy Sees GDP Growing 1.2% in 2018 With Current Legislation
Italy Targets Structural Deficit of 1.7% of GDP for Three Year(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-05/PG3V1Z6JTSEF01
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/680.html#c1

[経世済民128] 65歳まで年金保険料を払うと「元が取れるのは97歳」の衝撃 ただ、「2年で元を取る」奥の手もある(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年10月05日 16:49:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1605]

雇用契約のある労働者より、不安定な請負などが優遇されるのは、

中小零細の政治力が強い日本では、そう不自然なことではないが

年金財政が厳しくなってくれば

この手の、セコイ抜け穴は、いずれ塞がれるだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/679.html#c1

[経世済民128] 65歳まで年金保険料を払うと「元が取れるのは97歳」の衝撃 ただ、「2年で元を取る」奥の手もある(現代ビジネス) 赤かぶ
2. 2018年10月05日 16:57:57 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1606]

>年金世代への配慮を続けている特定健康保険組合の存在は頼もしい限り。そのすべての健保に対し、エールを送りたい

こういうちゃっかりした老人がいるから、健保財政も崩壊していくのだが、

自分が逃げ切ることしか考えない老人たちに言ってもムダということだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/679.html#c2

[国際24] 米国へのサイバー脅威示すとボルトン補佐官−中国チップハッキングで レノボ大幅下落 米中通商対立の恐怖、中国株は過剰に織込 うまき
4. 2018年10月05日 18:08:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1607]
ベストセラーで読むアメリカ
日焼けマシーンにダイエットコーク……トランプの心身は大丈夫?元大統領補佐官が暴露、笑うに笑えないエピソードの数々
2018/10/05
森川聡一
■今回の一冊■
Unhinged
著者 Omarosa Manigault Newman
出版 Gallery Books

1月に辞任したオマロサ・マニゴールト・ニューマン元大統領補佐官(写真:ロイター/アフロ)
トランプのお気に入りだった
元大統領補佐官による暴露本
 またまたトランプ政権の内幕を暴露するノンフィクションだ。しかし、本コラムでも取り上げてきた先行する類書にはない大きな魅力が本書にはある。まず、書いたのはプロのジャーナリストではない。大統領補佐官を今年1月に辞任したオマロサという名のアフリカ系アメリカ人の女性だ。ジャーナリストが関係者に取材して書いたのではなく、政権内部でトランプ大統領を間近でみてきた経験をもとに書いてる。しかも、オマロサはドナルド・トランプのお気に入りだった。それだけにディテールや迫力、面白さが違う。裏付けの取材がいらないし客観的に書く必要もないからだ。例えば、次のようにズバリ言い切る。
 I realized that something real and serious was going on in Donald's brain. His mental decline could not be denied.
 「間違いなく何か深刻なことがドナルドの脳で進行していることを、わたしは悟った。トランプがボケつつあることはまぎれもなかった」
 Trump's greatest character flaw is his total lack of empathy, which is itself a function of his extreme narcissism.
 「トランプの人格上の最大の欠陥は、他人への思いやりが全くないということだ。これは極端なナルシシズムの裏返しでもある」
 Trump has an affinity for pretty women. He'd rather have a pretty woman with no experience around than a qualified, less-attractive woman.
 「トランプはきれいな女性を特に好む。実力があるものの美しくない女性を部下に持つより、能力が足りなくても美しければそばにおきたがる」
 しかも、このオマロサという人物は、トランプが制作し司会も務めたテレビ番組「アプレンティス(実習生)」の一番最初のシーズンに出演したのを機に、悪役のテレビタレントとして一躍有名になった経歴をもつ。そうした知名度の高さも手伝って、本書はニューヨーク・タイムズ紙の週間ベストセラーリスト(単行本ノンフィクション部門)で9月2日付に1位で初登場した。ランキング入り6週目となった10月7日付リストでも12位につけた。
 トランプのおかげで世に出て、その縁でトランプの選挙陣営にも加わり、そのままホワイトハウス入りした。テレビ番組で一緒に仕事をしていた時から数えると14年にわたりトランプと交流をもってきた。まさに、トランプが最も信頼を寄せていた腹心だった。
日焼けマシーンを愛用するトランプ

『Unhinged』
(Omarosa Manigault Newman,Gallery Books)
 トランプは、ホワイトハウスのスタッフのほとんどがメディアに情報をリークしていると疑っていた。トランプは大統領執務室に、信頼できるオマロサを頻繁に呼びつけては本心を打ち明けていた。だからこそ、暴露話にも説得力がある。プーチン大統領を称賛するようなコメントをするなと幾度となくトランプにアドバイスしても、プーチンをなぜ持ち上げてはいけないのかトランプは理解できなかった、など呆れるエピソードが満載だ。日焼けマシーンを愛用していることなどを明かす、次のようなトランプの健康に関する記述も興味深い。
 I believe that Donald Trump is physically ill. His terrible health habits have caught up with him. His refusal to exercise (except golf). His addiction to Big Macs and fried chicken.His daily tanning bed sessions (he prefers to do it in the morning, so he “looks good” all day). Donald might brag about his superior genes, but even they can't stand up to what he puts his body through.
 「トランプは肉体的にも病んでいると、わたしは思う。トランプの生活習慣はひどいもので、からだに悪い結果をもたらしている。まず、運動をしない(ゴルフを除く)。ビッグマックとフライドチキンが大好物。毎日、日焼けマシーンも使う(午前中に使うのを好む。そうすれば、一日中、『健康にみえる』からだ)。トランプなら自分の遺伝子は優秀だから大丈夫と言うだろうが、いくらなんでも体に悪いだろう」
 The world has yet to learn about the extent of Donald Trump's Diet Coke habit. He always had one in his hand, as far back as I've known him. He's up to eight cans a day, at least. Eight cans a day, for the last fifteen years, is 43,800 cans of Diet Coke, poured into his system.
 「世界のひとびとは、ドナルド・トランプがダイエットコークを異常に好きなことを知るべきだ。わたしが知り合って以来、トランプはいつも片手にダイエットコークを持っていた。1日あたり少なくとも8缶は飲んでる。過去15年間で、1日に8缶飲んでいると、累計で4万3800缶ものダイエットコークがトランプの体内に流れ込んだわけだ」
トランプ帝国における女たちの戦い
 本書では、筆者が女性ならではの読みどころが満載である点も見逃せない。トランプ政権で要職に登用された女性に対しては時に、厳しい評価を下す。ライバル心からだろうか。特に、仕事でも衝突したデボス教育長官には手厳しい。教育長官のBetsy Devosのことを、トランプが日ごろ、ファーストネームを「ばかな(Ditzy )」という意味の単語と入れ替えてDitzy DeVosと呼んでいることを明かしている。とにかく、教育長官として不適格であるとオマロサは本書で攻撃している。仕事を邪魔された一幕も紹介するなど、教育長官のことをよほど嫌いなようだ。トランプ帝国における女たちの戦いを、のぞき見した感じだ。
 メラニア夫人に向ける視線も鋭い。外遊中にトランプが飛行機のタラップで、同行していたメラニア夫人の手を握ろうとした際、夫人が髪を直す仕草をして手をつなぐことを拒んだシーンがあった。本書は次のように解説する。
 Unlike the past, when she had no recourse or influence, she no longer had to accept her powerlessness. I believe that by avoiding Donald's clasp in public, Melania was grasping the full extent of her new power. At any time, if she so desired, she could humiliate him in public with small, ambiguous gestures, just as he’d openly humiliated her with his affairs and lascivious behavior for years. And there was nothing anyone could do to stop her.
 「なんの権限や権利を持たなかった過去とは違い、メラニアはもうトランプに無力なまま従順に従うつもりはない。公の場でトランプの手をとることを拒否したことで、メラニアは自分の思い通りになる新たな権力を手に入れたと思う。メラニアはいつでも、自分が望めば、さりげない些細な仕草をつかってトランプを公の場で侮辱できる。ちょうど、トランプが数年にわたり、不倫やふしだらな行いでメラニアを公然と辱めてきたのと同じように。そして、メラニアを止める手立てはなにもないのだ」
 本書によると、トランプとメラニアはそもそも日ごろ、あまり会話をしないという。そのかわりというわけではないのだろうが、トランプはなにか相談ごとがあると、最初の妻だったイヴァナによく電話してアドバイスを求めるという。
 こうしたこぼれ話は、女たちの戦いに限ったものではない。大統領の就任式で聖書に手をのせ宣誓する儀式で、聖書の代わりに自分が書いた本を使うことを、トランプが真剣に考えていたというエピソードには思わず吹き出した。「大統領就任式、特別エディション」を出版すればかなり売れるのではないかとトランプはオマロサにもらしていた。トランプはホワイトハウスの主となってから数か月は、いろんな部屋に大統領選挙の地域ごとの得票を示すアメリカ地図を掲げ、自分が選挙に勝ったことを繰り返し語り自慢していた様子も滑稽だ。ペンス大統領の取り巻きたちが、副大統領に「大統領」と冗談でわざと間違えて呼びかけているという暴露も、かなり面白い。こんな笑うに笑えないエピソードが満載だ。
 もちろん、トランプ政権の暴露本としてはいま現在は、著名記者のボブ・ウッドワードが上梓したFEARの方がベストセラーリストの1位に入っている。しかし、わたしはまだ読んでいなし、そろそろ飽きてきたので買うつもりもない。これまで出た類書が描きだしてきたトランプ像を根本から変えるような内容ではないだろうと予想できるからだ。今回とりあげた暴露本の方が断然、面白いはずだ。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14099

 

[1]〜大前研一ニュースの視点〜
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米通商政策/日米貿易/米韓関係/米中貿易戦争〜中国がトランプ大統領の関税制裁に報復するべきではない理由とは?

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米通商政策 通商は大統領に聞いてくれ
日米貿易 2国間「物品貿易協定」(TAG)交渉開始で合意
米韓関係 米韓FTA改正案に署名
米中貿易戦争 対中制裁関税第3弾を発動

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▼通商はトランプ大統領のディールを引き出すための道具にされているだけ
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日経新聞は先月24日、「通商は大統領に聞いてくれ」
と題する記事を掲載しました。
米トランプ政権の閣僚が重要な通商交渉を任されても、
トランプ氏の胸三寸でちゃぶ台返しにあうと紹介。
8月から始まった日米経済協議でも
政権の担当者であるライトハイザー氏が
「案件は大統領に聞いてくれ」と述べたとのことで、
トランプ氏との間合いを心得ているはずの安倍首相にとっても
通商問題は視界不良としています。

今回は安倍首相もちゃぶ台返しにあった格好です。
トランプ大統領は通商を自分の「おもちゃ・面白い道具」
として使っているに過ぎません。そして、
それを使って「ディール」を引き出すことが目的です。

それゆえ、例えば中国をいじめる「道具」として使う一方で、
習近平国家主席と直接会談したときには急に態度を軟化させて、
自分に有利な「ディール」を成立させようとします。

いくらムニューシン米財務長官やライトハイザー氏が
事前に調整していたとしても、最後はトランプ大統領次第です。
これでは二人とも本気になって取り組んでも
意味がないと思うでしょう。日本ではライトハイザー氏と
茂木経済再生担当相が相対していますが、
結局はひっくり返る可能性があります。

トランプ大統領は通商を「道具」として使っているだけで、
本当の「通商」を全く理解していません。
中国との関係性について言えば、
今は喧嘩している場合ではないのですが、
わかっていないのでしょう。また、日本が過去25年間、
米国で何をやってきたのかも全く知りません。
そういうことを何も知らないまま、相手国に難癖をつけて
1つでも2つでも新しい「ディール」を引き出し、
それをアピールしたいだけです。トランプ大統領の興味は
そこにしかありません。はっきり言って、そんな大統領と
まともに付き合ってもしょうがない、と私は思います。

そんなトランプ大統領に、また日本が振り回されています。
安倍首相は先月26日、米トランプ大統領と会談し、
農産品などの関税を含む2国間の「物品貿易協定」(TAG)の交渉を
開始することで合意しました。

これはモノの輸出入にかかる関税に関して定める協定で、
投資やサービスの自由化にも範囲が及ぶ自由貿易協定(FTA)とは別で、
日本政府の説明では、協議中は米政府が
自動車への追加関税は発動しないことで一致した
ということです。しかし、それは嘘です。
実際、ライトハイザー氏は米国の記者に対して
「これはFTAのこと」だと説明しています。

日本は二国間協定(FTA)を受け入れられない姿勢を見せています。
だから、表面的には二国間協定ではないと言いつつ、
日本を引っ張りだしているのでしょう。
今回のTAGは「モノに限られた」物品協定ということですが、
そこで止まるわけがありません。
茂木経済再生担当相は農畜産物の関税に関して、
TPPの水準以上の譲歩はしないと発言しているようですが、
TAGがこのまま終わると考えるのは難しいでしょう。


─────────────────────────
▼韓国とのFTA改正もトランプ大統領による茶番劇に過ぎない
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トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領は先月24日、
米韓自由貿易協定(FTA)改正案に署名しました。
米国仕様の自動車を韓国で販売できる台数をメーカーあたり
年5万台に倍増するなど、自動車を中心に米国の要求を反映。
韓国のウォン安誘導を禁じる「為替条項」について、
競争的な通貨切り下げを禁じるなど強制力のない付帯協定も加えました。

これもほとんど意味がないことで、
私としてはトランプ大統領に呆れるばかりです。
文在寅大統領としては、トランプ大統領に花を持たせるために、
今回は全てを妥協して受け入れた形をとったのでしょう。
しかし実際には、韓国側が困ることはほぼありません。

これまでも米国仕様の車を韓国仕様にすれば、
韓国国内で販売することはできました。
そして、これまでのFTAでは「米国仕様」の車を
販売できる上限を2.5万台に定めていました。
今回はその上限台数を「5万台に倍増させた」というのが、
トランプ大統領に言わせれば「ディール」なのでしょう。

ところが、そもそも韓国において
「米国仕様」の車は2.5万台すら売れていません。
上限台数を5万台にしたところで、「米国仕様」の車の
販売台数が伸びるわけではありませんから、何の意味もありません。

おそらく韓国側では影で笑っていると思います。
茶番劇もいいところで、これがトランプ大統領の
「ディール」ですから、もういい加減にしてほしいというレベルです。


─────────────────────────
▼中国がトランプ大統領の関税制裁に報復するべきではない理由とは?
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トランプ米政権は先月24日、
対中制裁関税の第3弾を発動しました。
2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に
10%の追加関税を課すものですが、
これに対して中国政府も即座に報復関税を発動。
これにより両国の貿易戦争は、互いの輸入品の5割〜7割に
高い関税を課す危険水準に入りました。

トランプ大統領は、2019年1月1日以降は
関税率を25%に引き上げる予定であり、
最終的にはその対象を中国からの輸入全体に適応すると、
中国を脅しています。中国からの輸入総額は約60兆円ですから、
そうなれば米国政府は10兆円を超える税収増になります。

これにより、トランプ大統領による富裕層優遇の減税で減った財源を
米国は取り戻すことができます。この税収増加分は、
一般の米国民が中国からの高い輸入品を
購入することで支払うことになるのですが、
国民の中に気づいている人は少ないでしょう。
トランプ大統領が仕掛けた「トリック」です。

それほど高い関税になるなら、米国内で生産するほうが
割安なモノが出てくるのでは?と思う人もいるかも知れませんが、
25%程度であれば、その対象となる商品は少ないと思います。
そして製造する中国企業にしても、インフラ整備、
自動化も進めているため、簡単に他国へ移すことは出来ません。

そうなると、25%の高い関税をかけられても、
中国で生産したものは今まで通り米国へ輸出され、
米国内での生産に切り替わるわけでもないので、
何も変わらず今まで通りです。つまり、
この関税率の引き上げは「中国に対する制裁」にはなっていません。

自らを英雄のように見せるトランプ劇場に
目をくらまされているだけで、結局高くなった商品を
買って割りを食うのは米国の消費者です。

こうした事実を理解していれば、
中国側の態度も変わってくるはずです。
わざわざ報復する意味などないからです。
むしろ、「米国が苦しむのを見ろ」
「これは中国への制裁ではなく、米国の消費者への刃だ」
と言えば良いのです。そうすれば、米国民がいずれ
トランプ大統領に仕掛けられた「トリック」に気づいて、
「トランプは何をやっているんだ」ということになるでしょう。

米国にしても中国にしても、政府関係者が
21世紀の経済=ボーダレス経済を全く理解していないから、
こんな愚かな「報復合戦」が繰り広げられているのだと思います。
パウエルFRB議長などは、このままだと米国が
インフレになるのは間違いないと分かっているので、
早速予防の動きを見せています。
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/200.html#c4

[経世済民128] 焦点:テキサス油田ブームのジレンマ、生産急増でコスト増大 空前の「LNGブーム」到来か シェルの投資決定が号砲 うまき
2. 2018年10月05日 18:10:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1608]
ワールド2018年10月5日 / 17:02 / 16分前更新
市場よりイタリア国民を選ぶ=ディマイオ副首相
1 分で読む

[ローマ 5日 ロイター] - イタリアのディマイオ副首相は5日、RAI3テレビのインタビューで、選択を迫られた場合、市場に屈するよりもイタリア国民を守ることを選ぶと述べた。

反エスタブリッシュメント政党「五つ星運動」を率いるディマイオ氏は、「われわれは市場に注意を払っているが、(イタリア国債利回りの対独連邦債)スプレッドとイタリア国民という選択肢なら、イタリア国民の方を選ぶ」と述べた。

また、なぜ欧州連合(EU)がイタリア予算案を拒否しようとするのか理解できないとしたほか、政府が銀行や石油グループ向けの減税措置を抑える方針だとした。

トリア経済・財務相については良い仕事をしているとし、近い将来に内閣改造を行う予定はないと述べた。

「五つ星運動」と右派政党「同盟」で構成される連立政権は、2019年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比で2.4%としているが、これは前政権の目標の3倍に上る。


 
ワールド2018年10月5日 / 16:48 / 30分前更新
EU交渉担当者、英国との離脱合意が「非常に近い」と認識=関係筋
1 分で読む

[ブリュッセル 5日 ロイター] - 欧州連合(EU)の英EU離脱(ブレグジット)交渉担当者は4日遅く、合意が「非常に近い」と各国外交担当者に述べた。会合に出席した関係者2人が明らかにした。

EUと英国は、10月17─18日と11月17─18日のEU首脳会議に間に合うよう、ブレグジットとその後の関係に関する合意を目指している。


トップニュース2018年10月5日 / 16:33 / 1時間前更新
焦点:イタリアの銀行、資本不足と調達難のダブルパンチか
2 分で読む

[ミラノ 4日 ロイター] - イタリア連立政権の放漫財政を嫌って同国の国債利回りが急上昇したことで、国内銀行が資本不足に陥る恐れが出てきた。来年には多額の債務借り換えも控えており、資金調達面の不安も高まっている。

国内銀行の総資産のうち10%は国債で、利回りが上昇すると影響は大きい。

イタリア銀は2011─12年のユーロ圏債務危機に際し、外国勢が処分した自国の国債を代わりに買い、銀行と国の「破滅のループ」に陥った。今年5、6月にイタリア資産が売り込まれた際にも同様の国債買いを強化した。

しかしアナリストによると、イタリア国債と安全なドイツ国債との利回り格差が拡大したことにより、銀行の中核的資本比率は第2・四半期に平均40ベーシスポイント(bp)低下し、第3・四半期にはさらに8bp下がった。

新政権の財政計画が初めて明らかになった5月半ば時点のイタリア国債とドイツ国債の利回り差は130bpだったが、政権が財政赤字拡大計画を示した今週には300bpを超えた。

イタリアのトレーダー業界団体アシオム・フォレックスのルイジ・ベルッティ氏は先週、これが400bpに達すれば一部の銀行は資本増強を迫られると指摘している。

<調達コストが上昇>

イタリア銀はここ数年、不良債権処理とコスト削減のために資本を調達し、リストラを進めてきた。しかし貸倒損失とマイナス金利政策によって収益が悪化し、自己資本利益率が資本コストを下回っている状態だ。

そして今、市場が荒れて調達コストが上昇している。

イタリア最強の銀行の1つであるインテーザ・サンパオロ(ISP.MI)が3月に10年債を発行したときの利回りは1.83%だったが、3日時点の同債券の流通利回りは3.12%だ。

トレーダーによると、起債市場は再び閉鎖状態に陥っている。

Slideshow (2 Images)
この状況が長引けば、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(CRGI.MI)など、ハイブリッド債を発行して資本増強する必要がある銀行にとって問題が生じる。

ただ、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の銀行に2400億ユーロの長期資金を低利で供給しているため、イタリアの銀行が直ちに流動性危機に陥る心配はない。

イタリア中央銀行によると、国内銀の流動性カバレッジ比率(LCR)は昨年末時点で平均171%と、バーゼル規制で義務付けられる100%を優に上回っている。

また取り付け騒ぎも起こっていないため純金利収入は容易に維持することができ、年末までは起債しなくてもやっていけるだろう。

Intesa Sanpaolo SpA
2.1245
ISP.MIMILAN STOCK EXCHANGE
-0.04(-1.87%)
ISP.MI
ISP.MICRGI.MI
<借り換え>

しかし来年になると、借り換えの問題が切迫してくる。

イタリアの銀行は来年半ばから、バーゼル規制におけるもう1つの流動性指標、安定調達比率(NSFR)の計算から2020年6月償還のローン債権1400億ユーロを除く必要が生じる。

また20年までには、今年2月時点の債券発行残高2670億ユーロの約半分が償還を迎え、借り換えなければならない。

さらには、新たな欧州連合(EU)の規則により、銀行は損失吸収能力のある証券の発行を義務付けられている。専門家によると、この規則は19年1月から段階的に施行されるが、来年円滑に発行を始めなければ基準の達成に苦労するかもしれない。

銀行は、イタリア国債とドイツ国債との利回り格差が開いた分の2割しか顧客に転嫁していないが、間もなく転嫁分を増やす必要に迫られるだろう。

(Valentina Za記者)

ワールド2018年10月5日 / 16:48 / 30分前更新
EU交渉担当者、英国との離脱合意が「非常に近い」と認識=関係筋
1 分で読む

[ブリュッセル 5日 ロイター] - 欧州連合(EU)の英EU離脱(ブレグジット)交渉担当者は4日遅く、合意が「非常に近い」と各国外交担当者に述べた。会合に出席した関係者2人が明らかにした。

EUと英国は、10月17─18日と11月17─18日のEU首脳会議に間に合うよう、ブレグジットとその後の関係に関する合意を目指している。



最新経済ニュース2018年10月5日 / 17:07 / 10分前更新
独経済相、米・EU貿易交渉の迅速な合意訴え
1 分で読む

[インスブルック(オーストリア) 5日 ロイター] - ドイツのアルトマイヤー経済・エネルギー相は5日、米国と欧州連合(EU)は貿易障壁の削減という目標を迅速に具体化する必要があるとの考えを示した。

トランプ米大統領とEUの執行機関である欧州委員会のユンケル委員長は今年7月、自動車を除く工業製品に対する貿易障壁の撤廃に向けて取り組むことで合意した。交渉を進める間は自動車関税の発動を控えることも示唆した。

しかし、米国の当局者らは交渉の進展の遅さにいら立ちを募らせており、アルトマイヤー経済相も結果を出すよう強く促した。

「ユンケル委員長とトランプ大統領による共同声明の迅速な実施に強い関心がある。関税を引き上げるのではなく引き下げ、貿易障壁を増やすのではなく減らすことがゴールであるべきだ」と強調した。


 

ビジネス2018年10月5日 / 17:07 / 11分前更新
18年度上期の自社株買い額24%増、通期は過去最高を予想=野村証
1 分で読む

[東京 5日 ロイター] - 野村証券は5日、国内全上場企業の2018年度上期(4─9月)の自社株買い実施額は2兆4200億円となり、前年度の上期と比べ24.2%増加したと発表した。好調な企業業績を反映し、17年度下期に続き2半期連続で実施額は前年同期を上回った。

18年度の自社株買い実施額は6.1兆円と予想。前年度比で1.7兆円増加し、過去最高だった15年度の5.3兆円を上回るとみている。

ビジネス2018年10月5日 / 16:37 / 44分前更新
日経平均は3日続落、利食い売り優勢 米雇用統計・3連休控え
2 分で読む

[東京 5日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続落。前日の米国株が大幅安となったことや、為替が円高に振れたことを嫌気し、朝方から売りが先行した。下げ幅を縮小する場面があったものの、今晩に米雇用統計の発表を控えているほか、日本が3連休前ということもあり、大引けにかけて利益確定売りが優勢となった。

TOPIXも3日続落。セクター別では、銀行、その他金融業、証券などが堅調。半面、非鉄金属、化学工業、鉱業などが売られた。銀行株については、政府が5日に内閣改造後初の未来投資会議(議長:安倍晋三首相)を開き、地銀等の経営統合などへの独占禁止法の適用のあり方が検討項目に入ったことも材料になったもよう。

「米雇用統計の結果を受け、米国の株式市場や債券市場が荒れる可能性がある。短期筋や個人から利食い売りが出やすかった」(雨宮京子SBI証券シニア・マーケットアドバイザー)との指摘があった。

全体相場は下落したものの「バリュー系の株が買われており、長期的な運用の資金が入っている可能性がある。地合いは決して悪くはない」(国内証券)との声が出ていた。

そのほか個別では、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028.T)が大幅高。同社は4日、2018年3―8月期(国際会計基準)の連結事業利益見通しを425億円から495億円に引き上げると発表。足元の好業績を評価する買いが先行した。

東証1部の騰落数は、値上がり536銘柄に対し、値下がりが1506銘柄、変わらずが68銘柄だった。

日経平均.N225

終値      23783.72 -191.90

寄り付き    23781.76

安値/高値   23730.19─23928.62

TOPIX.TOPX

FamilyMart UNY Holdings Co Ltd
12770.0
8028.TTOKYO STOCK EXCHANGE
+570.00(+4.67%)
8028.T
8028.T.N225.TOPX
終値       1792.65 -8.54

寄り付き     1790.78

安値/高値    1788.64─1800.31

東証出来高(万株) 148905

東証売買代金(億円) 27768.59

 
ビジネス2018年10月5日 / 16:58 / 21分前更新
8月の仏貿易赤字は56億ユーロ、予想以上に拡大
1 分で読む

[パリ 5日 ロイター] - フランス税関が5日発表した8月の貿易収支(季節調整済み)は56億ユーロ(64億5000万ドル)の赤字となり、赤字幅は7月(34億ユーロの赤字)から拡大した。

ロイターがまとめたエコノミスト7人の予想平均値は45億ユーロの赤字だった。

エネルギー費の増加を主因に輸入は前月比4.9%増。一方、7月には堅調だったエアバス機の出荷が減少し、輸出は0.1%減だった。

これとは別にフランス銀行(中央銀行)が発表した8月の経常収支は16億ユーロの赤字だった。7月は3億ユーロの黒字だった。貿易赤字の拡大とサービス収支の黒字縮小が要因。


コラム2018年10月5日 / 15:57 / 1時間前更新
コラム:自動運転でアクセル踏み込むトヨタとソフトバンク
Pete Sweeney
2 分で読む

[香港 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トヨタ自動車(7203.T)とソフトバンクは、自動運転車を利用したライドシェアサービス「Autono-MaaS」事業の提携に向け、アクセルを思い切り踏み込んでいる。

両社がほぼ半分ずつ出資して設立する新会社により、時価総額約23兆円を誇るトヨタは、ソフトバンクグループ(9984.T)孫正義社長のライドシェアサービスの利用が可能となる。また、通信子会社ソフトバンクにとっては、モバイルデータの大口顧客を獲得することを意味する。

人工知能(AI)搭載モビリティーへの取り組みが拡大する中、トヨタがこの流れに乗るのをこの提携が後押しすることは確かだろう。

今回の提携はそれほどカネがかかっていない。新たな共同出資会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」の資本金は20億円だが、ソフトバンクのビジョン・ファンドの軍資金1000億ドル(約11兆4000億円)と比べれば取るに足らない規模だ。

トヨタのライバルであるホンダ(7267.T)が、米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)と自動運転分野での提携で投じる資金27億5000万ドルと比べてもはるかに少ない。こちらの提携にもソフトバンクは投資している。

だが資金で足りないものは、頭脳で補う。モネを率いるのはソフトバンクの最高技術責任者(CTO)であり副社長の宮川潤一氏だ。まずは病院送迎のようなサービスで国内市場に焦点を絞り、その後、自動運転車(AV)に目を向けるだろう。トヨタが車を製造し、ソフトバンクがその車をモバイルデータにコネクトさせる。

さらには、ウーバー[UBER.UL]やシンガポールのグラブ、インドのオラ、中国の滴滴出行(ディディ・チューシン)など、ソフトバンクが支援する配車サービス会社などの大口顧客をトヨタに橋渡しすることになる。半導体メーカーや保険会社に対する孫氏の投資も、役立つ可能性がある。

「Autono-MaaS」という言葉は格好良いとは言えないが、AV技術を最初に採用するタクシーやバス、トラック運送会社が、「モビリティー・アズ・ア・サービス」(MaaS)のプロバイダーとなるという確たる主張がそこには反映されている。個人使用とは異なり、一部地域あるいは決まったルート内で運転するだけでよく、技術的な課題を大いに単純化してくれる。

大々的に発表された今回の提携は、変化が迫っていることを意味する。

ロボット工学に関心が高いにもかかわらず、日本は自動運転分野で遅れをとっていた。宮川氏は記者会見でそのことを暗に認めつつ、規制緩和の必要性を訴えた。モネが国内市場に重点を置くことは賢明なように思える。

法を守る文化のおかげで、日本は車両1台当たりの事故死亡率が世界でもっとも低い国の1つだ。高齢社会のため、運転する人の数も減っている。したがって、自然な需要が生じる。言うのは簡単だ。だからといって、それが無意味というわけではない。


 

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/680.html#c2

[経世済民128] 年金支給開始年齢「68歳」なら「65歳引き上げ」時の比ではない深刻さ(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年10月05日 18:19:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1609]

>年金支給開始年齢が「68歳」に引き上げられたらどうなるか

最低、3年余分に働く人が増える

働けない人は、生活保護だ


>無茶苦茶な論理だ。低所得者に民間の私的年金を掛ける余裕があるとは思えない。だからこその公的年金だ。それを“低所得者は私的年金でなんとかしろ”というのだから、公的年金は社会のセーフティネットの役割を放棄したに等しい

こういう愚か者が増えると国が滅ぶ


そもそも自分を養う子孫も育てず、貯蓄も十分せずに

無策で長生きできることを他人に期待することに、かなりの問題があるだろう


それでも生活保護でオブジーボのように数千万もする高度な医療を

ただで享受できているのだから

平和ボケも極まっているが


こうしたポピュリズムを放置しておけば

いずれはベネズエラなどと同じ運命が待っているだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/682.html#c1

[経世済民128] リスクオン相場に陰り、久方ぶりに原油高がかく乱要因にも 日銀が長期金利上昇を静観、市場機能優先 うまき
1. 2018年10月06日 18:34:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1610]
中間選挙、どちらが勝っても株価に追い風
選挙の翌年、株価は4年サイクルの最高潮を迎える

現職の共和党上院議員テッド・クルーズ氏は中間選挙で民主党のベト・オルーク候補の挑戦を受ける PHOTO: EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
By
Allison Prang and Akane Otani
2018 年 10 月 5 日 16:39 JST
 米国株が過去最高値付近で推移するなか、一部の投資家は9年に及ぶ強気市場にもう一段弾みをつける、意外な追い風を待っている。それは中間選挙だ。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを決定し、米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が妥結したのを確認し、投資家は次の関心を11月6日の中間選挙に向けている。共和党は連邦議会の過半数議席維持をかけて民主党と対決する。
パワーバランスと株価S&P 500種株価指数の年間上昇率(1950〜2017年の平均)

Source: LPL Research, FactSet

 共和党が過半数を失った場合、減税や移民など幅広い政策の先行きに不透明感が生じ、短期的には株式市場が大きく揺れ動く可能性があると、アナリストは話す。だが多くの人々はいずれの政党が勝利宣言しようとも、株価がさらに前進を続けると期待している。
 好調な経済と株価は、大統領の政党が議会の主導権を守るための良い兆しとなり、唐突な政策転換の可能性を最小限に抑えるだろう。だが、たとえ大統領の政党が議席を失ったとしても、歴史的にみると株価は上昇する傾向にある。多くのアナリストが指摘するように、中間選挙の翌年はこれまで、4年サイクルで株価が最も好調な年に当たっている。1つには、中間選挙は大抵、大統領の政党が議席を失うことになり、その結果、景気を押し上げる政策の立法化に尽力するためだ。
 ストラテガス・セキュリティーズの分析によると、1946年のサイクル以降、中間選挙の翌年にS&P 500種株価指数が下げたことは一度もなく、平均で15%高となっている。どちらの政党が議会過半数を獲得したかは関係なかった。これに対し、ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、1946年以降のS&P 500種指数の年間平均上昇率は8.8%で、下落した年も20回あった。
 スタイフェル・ニコラウスのマイケル・オキーフ最高投資責任者(CIO)は、強気市場はさらに上昇し続け、今年S&P 500種指数の上昇を主導したハイテク銘柄だけでなく、幅広いセクターがけん引役になるとの見方を示した。
 「それ以外の市場がさらにステップアップする時だ」とオキーフ氏は言う。「グロース株やFANG銘柄がこれまでの市場の中心だったが、大型バリュー株――優良銘柄や有配銘柄など――が再び選好されることになるだろう」
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FRB、雇用市場対策の遅れは危険
9月の米失業率は3.7%と、1960年代以来の低水準となった
By Justin Lahart
2018 年 10 月 6 日 09:16 JST 更新

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米雇用市場を冷え込ませるものなどあるだろうか。そう、米連邦準備制度理事会(FRB)だ。

 米企業の採用難は先月、一段と悪化した。9月の雇用の伸びは鈍化したものの、失業率は3.7%と、前月の3.9%から低下した。雇用減速はハリケーン「フローレンス」の影響だった公算が大きい。ただ、失業率は1960年代後半以来の低水準となっている。現在の労働市場は当時から様変わりしたとはいえ、60年代の状況を振り返ってみる価値はある。

 1960年代と言えば、失業率が低下し、初めの頃にはインフレも低水準だった。だが、60年代半ばになって賃金と物価が上向き始めた。インフレ率は65年終盤の1.9%から69年終わりには5.9%へ上昇。FRBは早期に強硬な対応策を講じることはなかった。69年にその必要性を認識し、翌日物金利を6%から9%へ引き上げた。これによって米経済はリセッション(景気後退)入りし、株価は36%の大幅安となった。中銀の手ぬるい対応の危険を示す教訓だ。

 これはFRBにとって繰り返しを避けたい過ちとも言えるもので、FRBが来年にかけて現行の利上げペース継続を見込んでいる一つの理由でもある。投資家はつい最近になってFRBの方針を言葉通りに受け取るようになった。米国債利回りが数年ぶり高水準をつけているのはこのためだ。

 FRBは時間をかけつつも着実に利上げを進め、失業率はここ1年で4.2%から3.7%へ低下した。失業率が今後1年で3.2%へ低下したら、FRBはどうするだろうか。減税や政府支出拡大の恩恵がまだ経済に響き渡る中、投資家はFRBが金融引き締めペースを加速させる可能性を考え始める必要がある。

 金利上昇とそれに続く成長減速は、投資家が歓迎できるものでは到底ない。だが、FRBが雇用市場の急流を放置するなら、もっと悪い状況になるかもしれない。
 


 


トップニュース2018年10月6日 / 07:49 / 10時間前更新
焦点:インド「影の銀行」に信用リスク懸念、淘汰進むか
2 分で読む

[ニューデリー 28日 ロイター] - インドは一部ノンバンクで流動性不足が表面化したのをきっかけに、「影の銀行」全体で信用リスクへの懸念が広がっている。ノンバンクは自己資本が不十分な小規模事業者で免許が大量に取り消されるほか、自己資本が十分で慎重経営の大手が零細事業者を飲み込み、業界で淘汰が進みそうだ。

ノンバンクはこの数週間で大手のインフラストラクチャー・リーシング・アンド・ファイナンシング・サービシズ(IL&FS)が債務不履行に陥った上、大手資産運用会社が住宅金融機関デワン・ハウジング・ファイナンス(DWNH.NS)の短期債を大幅に安い価格で売却したことから、流動性不足の不安が強まった。

バンダン銀行の非常勤会長でインド準備銀行(中央銀行)元副総裁のラシッド・カーン氏は「事態の推移を見ると懸念が広まるのはもっともなことで、業界は統廃合に見舞われそうだ」と述べ、ノンバンクの一部は借り入れが短期で貸し付けが長期という資産と負債のミスマッチの問題に取り組むべきだとの考えを示した。

市場では地方や都市部のローン市場で圧倒的なシェアを持つ、無数のハイリスク・零細ノンバンクに注目が集まっている。インドの影の銀行セクターは今や1万1400社を超えてバランスシートの合計は22兆1000億ルピー(3040億ドル)に上り、銀行に比べて規制が緩い。銀行は不良債権処理問題への対処を迫られて融資手続きが遅れがちなだけに、新たな投資家を引き付けている。

ノンバンクの融資残高は銀行の2倍近いペースで伸び、IL&FSなどトップ集団は最高位の格付けを受けていた。

しかしこうした格付けは疑いの目を向けられるようになり、IL&FSはこの数カ月で何度も格下げに見舞われた。ノンバンクの多くは返済手段のない借り手に融資しており、リスクテークが過剰との懸念が高まっている。また、規制が緩いために資金洗浄に手を染めているところもあるとの疑念が高まっている。

一部の投資家はノンバンクについて、借り入れコストの上昇にこの数日の市場の混乱が追い打ちとなって信用収縮(クレジットクランチ)に見舞われ、自己資本が乏しい企業は生き残りが難しいとみている。

カプリ・グローバル・キャピタルのオーナーのラジェシ・シャルマ氏は「小規模ノンバンクは流動性が今の水準を維持できず、コストの面で問題に直面するだろう。しかし中規模や大規模なノンバンクは流動性や資金アクセスを維持できるはずだ」と指摘。政府からの支援措置がなければ、資産運用で成績を上げられないノンバンクは消滅するだろうと述べた。

中銀は既に2000万ルピー(27万5330ドル)の最低自己資本を満たしていないノンバンクの事業免許を取り消している。

業界団体である金融業発展会議(FIDC)のラマン・アガルワル議長は、最終的に最大1500社が廃業に追い込まれるとの見通しを示した。

一方、元中銀副総裁でインディアブルズ・ハウジング・ファイナンスの取締役を務めるS・S・ムンドラ氏は「ノンバンク業界で合従連衡の動きが一定程度起きる」とした上で、「長期的にみれば業界にとって良いことだ」とした。

Dewan Housing Finance Corporation Ltd
275.15
DWNH.NSNATIONAL STOCK EXCHANGE OF INDIA
-22.15(-7.45%)
DWNH.NS
DWNH.NS
(Krishna N. Das and Neha Dasgupta記者)
https://jp.reuters.com/article/india-nonbank-idJPKCN1MC0S3


 


【米国株・国債・商品】株は下落、原油4週連続高−供給不足警戒
Jeremy Herron、Vildana Hajric
2018年10月5日 11:41 JST 更新日時 2018年10月6日 6:18 JST
米国株は週間ベースで1カ月ぶり大幅安。米国債は売りが続き、利回りは7年ぶり高水準となった。米雇用統計の内容を受け、利上げ見通しが一段と強まった。

  テクノロジー株が特に下落した。ナスダック100指数は週間ベースで3%安。米中貿易摩擦の悪化が懸念されている。S&P500種株価の産業別11指数のうち8指数が下落。ダウ工業株30種平均に採用されている銘柄の中でインテルが最も売られた。ブルームバーグが中国が極小チップを使ってハッキングを図ったと報じたことに引き続き投資家が反応した。

米国株は週間ベースで1カ月ぶり大幅安
米国債は続落、米雇用統計で利上げ観測
NY原油は週間ベースで4週連続高、供給不足を警戒
NY金は上昇、米雇用者数と賃金の伸びが鈍化
  S&P500種株価指数は0.6%安の2885.57。ダウ工業株30種平均は180.43ドル(0.7%)下げて 26447.05ドル。10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.23%。

  アマゾン・ドット・コムやネットフリックスなどテクノロジー株が幅広く売られた。ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「何よりも貿易懸念が材料だ。なぜならこうした企業は中国に多くを販売しているか、中国での生産量が多いからだ」と指摘した。

  9月の米雇用統計では雇用者数の伸びが前月より小さく、予想も下回った。賃金上昇率はやや鈍り、失業率は3.7%と、1969年12月以来の低水準に下げた。前月の雇用者数は大幅上方修正され、3カ月間の平均は19万人増となった。

  低失業率と前月の大幅上方修正を受け、米利上げ軌道にほとんど修正はないと投資家が受け止めたことが米国債の売りにつながった。

  オバマ前政権で米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務め、現在はプリンストン大学教授のアラン・クルーガー氏は、「完全雇用状態を示す統計と言ってよい」とブルームバーグテレビジョンで発言。「米金融当局の利上げ軌道が補強されるだろう」と述べた。

  原油先物相場はほぼ変わらず。週間ベースでは4週連続高となった。イランからの供給が失われる一方、サウジアラビアとロシアの生産は供給不足を回避するには不十分との懸念がある。

  ロシアのノバク・エネルギー相は、米国がイランの輸出に圧力をかけており、原油価格は今秋バレル100ドルに達する可能性があると指摘した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は1バレル=74.34ドルで引けた。ロンドンICEの北海ブレント12月限は42セント安の84.16ドル。

  金先物は上昇。米雇用統計で失業率の低下が示され、米国債利回りが7年ぶりの水準に上昇したものの、金は買われた。雇用者数と賃金の伸びが鈍化したことが重視された。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.3%高の1オンス=1205.60ドルで終了。

原題:U.S. Stocks Fall as Treasuries Extend Slump: Markets Wrap(抜粋)
Crude Advances For Fourth Week as Supply Jitters Stoke Concern(抜粋)
Gold’s Gains in Face of Yield Surge Fuel Bets That Worst Is Past(抜粋)

(第4−7段落を加えます.)
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◎NY外為:ドルは反落、米雇用統計受けて荒い値動き
  5日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。ブルームバーグのドル指数は7営業日ぶりに下げた。9月の米雇用統計が強弱まちまちな内容になったことを受け、トレーダーは利益の確定に動いた。国債利回りの上昇と株式の下落は、資源国通貨への重しとなった。

  ドルは主要10通貨の大半に対して上昇したが、ドル指数はマイナス圏となった。9月の雇用者数の伸びは前月より小さく、予想も下回った。天候の影響と前月統計の修正、失業率の低下といった統計の細目を消化する展開で、ユーロは発表直後の数分間に対ドルで日中安値と高値の両方を付けた。

  ニューヨーク時間午後4時47分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.2%安。ユーロは対ドルで0.1%高の1ユーロ=1.1522ドル。ドルは対円で0.2%安い1ドル=113円70銭。

  ポンドはこの日主要10通貨のうちドルに対する上昇率が最も大きく、日中は0.8%上げて1ポンド=1.3123ドルを付ける場面もあった。欧州連合(EU)が英国に踏み込んだ内容の自由貿易協定案を提示すると報じられ、EU離脱合意に対する期待が高まった。ポンドは週間ベースでも上昇した。

  オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルはともに米ドルに対して数年ぶりの安値。米国株安が背景となった。

欧州時間の取引
  米雇用統計の発表を控え、ドル指数が7営業日連続で上昇。ポンドは英国のEU離脱に関する合意が楽観視されて上昇したものの、米国債の下落を受けて上げ幅を縮めた。

原題:Dollar Pares Weekly Gain After U.S. Payrolls Data: Inside G-10(抜粋)
Dollar Extends Best Run This Year Before Payrolls: Inside G-10

◎米国株・国債・商品:株は下落、原油は4週連続高−供給不足を警戒
  米国株は週間ベースで1カ月ぶり大幅安。米国債は売りが続き、利回りは7年ぶり高水準となった。米雇用統計の内容を受け、利上げ見通しが一段と強まった。

  テクノロジー株が特に下落した。ナスダック100指数は週間ベースで3%安。米中貿易摩擦の悪化が懸念されている。S&P500種株価の産業別11指数のうち8指数が下落。ダウ工業株30種平均に採用されている銘柄の中でインテルが最も売られた。ブルームバーグが中国が極小チップを使ってハッキングを図ったと報じたことに引き続き投資家が反応した。

米国株は週間ベースで1カ月ぶり大幅安
米国債は続落、米雇用統計で利上げ観測
NY原油は週間ベースで4週連続高、供給不足を警戒
NY金は上昇、米雇用者数と賃金の伸びが鈍化
  S&P500種株価指数は0.6%安の2885.57。ダウ工業株30種平均は180.43ドル(0.7%)下げて 26447.05ドル。10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.23%。

  アマゾン・ドット・コムやネットフリックスなどテクノロジー株が幅広く売られた。ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「何よりも貿易懸念が材料だ。なぜならこうした企業は中国に多くを販売しているか、中国での生産量が多いからだ」と指摘した。

  9月の米雇用統計では雇用者数の伸びが前月より小さく、予想も下回った。賃金上昇率はやや鈍り、失業率は3.7%と、1969年12月以来の低水準に下げた。前月の雇用者数は大幅上方修正され、3カ月間の平均は19万人増となった。

  低失業率と前月の大幅上方修正を受け、米利上げ軌道にほとんど修正はないと投資家が受け止めたことが米国債の売りにつながった。

  オバマ前政権で米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務め、現在はプリンストン大学教授のアラン・クルーガー氏は、「完全雇用状態を示す統計と言ってよい」とブルームバーグテレビジョンで発言。「米金融当局の利上げ軌道が補強されるだろう」と述べた。

  原油先物相場はほぼ変わらず。週間ベースでは4週連続高となった。イランからの供給が失われる一方、サウジアラビアとロシアの生産は供給不足を回避するには不十分との懸念がある。

  ロシアのノバク・エネルギー相は、米国がイランの輸出に圧力をかけており、原油価格は今秋バレル100ドルに達する可能性があると指摘した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は1バレル=74.34ドルで引けた。ロンドンICEの北海ブレント12月限は42セント安の84.16ドル。

  金先物は上昇。米雇用統計で失業率の低下が示され、米国債利回りが7年ぶりの水準に上昇したものの、金は買われた。雇用者数と賃金の伸びが鈍化したことが重視された。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.3%高の1オンス=1205.60ドルで終了。

原題:U.S. Stocks Fall as Treasuries Extend Slump: Markets Wrap(抜粋)
Crude Advances For Fourth Week as Supply Jitters Stoke Concern(抜粋)
Gold’s Gains in Face of Yield Surge Fuel Bets That Worst Is Past(抜粋)

◎欧州債:イタリア債が下落ーEU離脱見通し改善で英国債も安い
  5日の欧州債市場では、イタリア債が中期物を中心に下落。英国のEU離脱見通しが改善したことから、英国債がドイツ債に対してアンダーパフォームした。

イタリア債は5年−30年物の利回り曲線がフラット化。サルビーニ副首相がEUに対する批判を強め、5年債利回りは17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.62%となった
先物取引は薄商いで、出来高は10日平均を60%下回った
ドイツ債、英国債とも朝方から下落。EUと英国の離脱合意が非常に近いとするEU関係者の見方をロイター通信が伝えた
EUが英国に「最も踏み込んだ」自由貿易協定案を提案する見通しだと伝わると、両国債とも安値を更新
来週はユーロ圏国債の発行が減る見通し。経済指標の発表も少ない
ドイツ10年債利回りは前日から3bp上昇の0.56%、フランス10年債利回りは2bp上げて0.90%、イタリア10年債利回りは9bp高い3.42%
ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください
原題:Italian Bonds Lead EGB Declines; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)


(NY外為と米国株・国債・商品を更新します.)
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8月米貿易赤字:6カ月ぶり高水準、対中赤字最大−大豆輸出急減
サウジ、ソフトバンクの第2ビジョン・ファンドに5兆円出資へ
EU、11月の英離脱合意に向け「昼夜分かたず作業」−ユンケル委員長
米フォードが正社員削減へ−110億ドル規模リストラ計画の一環
サウジ皇太子:アラムコIPOは21年までに実施、2兆ドル価値見込む


 

サウジ、ソフトバンクの第2ビジョン・ファンドに5兆円出資へ
Riad Hamade、Matthew Martin、Archana Narayanan
2018年10月6日 10:56 JST 更新日時 2018年10月6日 17:03 JST
1本目と合わせると出資額は10兆円強に倍増
サウジ公共投資ファンドはアラムコ上場などによる資金見込む
サウジアラビアの政府系ファンドは、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が計画する第2のビジョン・ファンドに450億ドル(約5兆1170億円)出資する。1本目への拠出と合わせると、出資額は900億ドルに倍増することになる。

  サウジの公共投資ファンド(PIF)は、サウジ基礎産業公社(SABIC)の持ち分売却や国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)などによって向こう3−4年で1700億ドルの資金が入ると見込んでおり、その活用方法を探している。PIFの会長を務めるムハンマド皇太子がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。


孫正義氏(左)とサウジのムハンマド皇太子(3月27日、ニューヨーク)写真家:Jeenah Moon / Bloomberg
  ムハンマド皇太子は、PIFが第2ビジョン・ファンドへの主要な出資者となることを望んでいると説明。「われわれは1本目への出資で大きな恩恵を受けている。PIFとしては、1本目への450億ドルの出資で最初の1年に多額の収入を目にしていなければ、さらに450億ドルを出資するようなことはしない」と語った。

  孫氏は2本目のビジョン・ファンドで1000億ドルの調達を目指している。ブルームバーグ・ニュースはソフトバンクへの電話取材を試みたが、営業時間外のためコメントは得られなかった。

  PIFは世界最大の政府系ファンドになる戦略を2016年に発表して以来、大胆な投資を行ってきた。その多くは、まだ黒字化していないテクノロジー企業が対象となっている。1本目のビジョン・ファンドへの出資以外では、ウーバー・テクノロジーズに35億ドル出資したほか、テスラの株式を5%近く取得した後にそのライバルのルーシッドにも10億ドル出資した。PIFはさらに、ブラックストーン・グループが運営する米インフラファンドに200億ドル出資することでも合意している。

  ムハンマド皇太子は、ソフトバンクの第2ビジョン・ファンドへの投資がPIFの資産拡大に寄与すると指摘。PIFの資産は「現在3000億ドルを上回っており、4000億ドルに近づいている。20年の目標は6000億ドル前後だ。20年にこの目標を突破すると考えている」と語った。

原題:Saudi Arabia Doubles SoftBank Bet With Extra $45 Billion (1)(抜粋)

(ムハンマド皇太子の発言などを追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-06/PG5LNF6TTDS001
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/697.html#c1

[経世済民128] 日本の貿易黒字是正、自動車工場の米移転が最善=ロス商務長官  IT大手に逆風か、欧米当局がデータ独占問題で足並み うまき
1. 2018年10月06日 18:38:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1611]

安倍首相は地銀統合促進へ、独禁法適用の在り方を検討
延広絵美、広川高史
2018年10月5日 14:07 JST 更新日時 2018年10月5日 17:20 JST
地銀協は政府による地銀特有の事情考慮した指針策定を要望
ふくおかF、十八銀統合は公取の手続き難航、2年遅れで実現

安倍首相 Photographer: Akio Kon/Bloomberg
安倍晋三首相は5日、官邸で開いた未来投資会議の会合で「地方銀行等の地方基盤企業の統合、強化、生産性向上を図るため、独占禁止法の適用の在り方を検討する」と語った。

  金融庁の有識者会議は4月、地銀の統合審査にあたっては金融庁と公正取引委員会が連携して審査するのが望ましいとする報告書を公表。両機関が別の法律に基づき審査している現状を改め、総合的な競争政策の在り方を検討すべきだと提言した。全国地方銀行協会(地銀協)の柴戸隆成会長(福岡銀行頭取)は、6月の会見で政府が主導して地銀特有の事情を考慮した指針を作ってほしいと要望していた。

  ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と十八銀行(長崎市)は経営統合を検討していたが、公取委が長崎県内の合算シェアが7割超に達することなどを問題視したことから手続きに時間がかかり、今年8月に承認が得られた経緯がある。来年4月に当初計画より2年遅れで実現する。

  未来投資会議の資料では、成長戦略の柱の一つとして「地方施策の強化」を明記。独禁法を巡る問題も検討事項として盛り込まれた。年末までに中間的な報告をまとめ、3年間の工程表を含む実行計画を来年夏に決定する方針だ。

  菅義偉官房長官は5日午後の記者会見で、地方では人口減少を背景に不可欠なサービスの確保が困難になっているとし、「各地域の金融機関が将来にわたって健全性を維持して地域の企業や住民に適切な金融サービスを提供することができるよう、今後、未来投資会議の場などを通じて検討を進めていきたい」と語った。

(第4、5段落を追加します.)
 

 


米中貿易摩擦、増えるハイテク企業の犠牲
モバイル・ワールド・コングレス(MWC)でレノボのVRヘッドセットを試す訪問者(2月、バルセロナ)
By Jacky Wong
2018 年 10 月 6 日 10:47 JST 更新

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 世界の二大経済大国の間で貿易摩擦が激化する中、とりわけハイテク業界で犠牲が増えている。まだそうしていなければ、投資家はリスクを織り込み始める必要がある。

 新たな犠牲となっているのは中国の聯想集団(レノボグループ)だ。同社株は5日に一時、23%安まで売り込まれた。中国がひそかに超小型チップをパソコンに埋め込み、米ハイテク企業のサプライチェーン(供給網)を標的にハッキング攻撃を仕掛けたとのブルームバーグ・ビジネスウィーク誌の報道が嫌気された。

 レノボはこの報道で触れられていない。だが投資家は、米政府がさらに態度を硬化すれば、同社が大きな損失を被るとの不安にかられている。中国によるサイバー窃盗の疑いや、強制的な技術移転を巡る米政府の懸念はすでに頂点に達しつつある。以前までの順調な対米関係も追い風に、レノボは世界2位のPCメーカーに成長した。同社はIBMのPC・サーバー事業を買収し、グーグルからスマートフォン事業のモトローラも買収した。現在は売上高の3分の1を米州で稼ぐ一方、中国の比率は4分の1にとどまっている。

 ただ、この日の市場の反応は過剰だった可能性がある。レノボに不正行為があったとの非難や、レノボや他の中国ハイテク企業に制裁が科される兆しは一切見当たらない。それでも、米中が手を結ぶかわりに敵対的な姿勢を強める中、こうした企業は影響を免れない。中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)は今年、イランと北朝鮮に対する制裁に違反したことを巡り、米政府が米企業から中国企業への部品販売を禁じ、破綻寸前に追い込まれた。

 米企業も苦境に陥っている。レノボやZTEのサプライヤーである半導体大手クアルコムは、440億ドル(約5兆円)でオランダのNXPセミコンダクターズを買収する計画だったが、中国の独占禁止法当局が何カ月も承認を引き延ばし、計画を断念せざるを得なくなった。

 各社は長期的な事業運営方法を見直す必要があるかもしれない。中国は長年、主要な製品組み立て地点として、世界のハイテク供給網で鍵を握る役割を果たしてきた。供給網の解体は一夜で起こるものではないが、今後は新たな工場の建設地や供給業者の選択を熟考する必要があるだろう。アップルはスマホ製品の大半を中国で製造し、売上高の5分の1を同国で稼ぐが、こうした米ハイテク大手は米中が互いに不信感を募らせる中で影響を被りやすくなる恐れがある。

 株価バリュエーションにこれら全てを織り込むのは極めて難しい。短期的には、ハイテクセクターの値動きは一段と大きくなりそうだ。レノボは5日の取引でやや持ち直したものの、終値は前日比15%安となった。投資家は米中との関係が深いハイテク銘柄について、株価から貿易摩擦の影響を割り引くことを考慮し始める必要がある。問題はすぐには解消しそうにないからだ。
 

 


 
自動車業界、北米への工場移転を加速か 新協定妥結で
NAFTAに替わる新協定妥結で外資系自動車メーカーは北米への工場移転を検討(写真はVWのメキシコ工場)
By Chester Dawson and William Boston
2018 年 10 月 6 日 06:44 JST 更新

 米国、カナダ、メキシコが新たな貿易協定を巡り合意したため、外資系自動車メーカーが北米に一層多くの工場を移転させることを検討している。

 1994年に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の妥結から数日後、外資系メーカー数社の幹部はサプライチェーン(供給網)を見直し、車部材の製造工程を米国、カナダ、メキシコの北米自由貿易協定(NAFTA)加盟国に移すことを検討していると表明した。

 ドイツの高級車大手BMWのハラルト・クリューガー最高経営責任者(CEO)は今週のパリ自動車ショーの際、記者団に「米国市場向けの生産をさらに米国内へシフトする」と話した。BMWは既に多くの部品を北米で調達しているが、新貿易協定で投資のシフトに弾みがつくとの見方を示した。

 ドイツのダイムラーのディーター・ツェッチェCEOも同じイベントで、新協定によって一層多くのエンジン製造工程の米国移設を余儀なくされる可能性があると語った。同社はアラバマ州タスカルーサの工場で乗用車やスポーツタイプ多目的車(SUV)を組み立ている。

 この基本合意は、協定加盟国の間で車の関税をゼロにする条件として、車両価格の75%以上を北米域内で調達するよう自動車メーカーに義務付ける。現在、この比率は62.5%だ。また車両の40?45%を賃金が時給16ドル(約1800円)以上の地域で生産する必要がある。この条項は、さらに多くの工程を米国に仕向け、米製造業界の雇用を拡大することを狙ったものだ。

 ルノー・日産・三菱連合を率いるカルロス・ゴーン氏は、北米の新貿易協定が米国とメキシコへのグループの投資を後押しすると述べたものの、具体的計画は示さなかった。ホンダと独フォルクスワーゲン(VW)は別途、新協定が事業活動に及ぼし得る影響をまだ調査していると述べた。

 エンジンとトランスミッションを日本に頼るマツダは、メキシコでコンパクトカー「Mazda3」を組み立てている。現地調達比率が引き上げられれば、基準を守りにくいだろう。

 マツダの丸本明社長は、現地調達が75%に達していないため、NAFTA地域で生産しなければならない部品が増えると話した。


 

 


EU、貿易交渉巡りトランプ氏に警告 「圧力は通用せず」
ホワイトハウスで声明を発表するユンケル欧州委員長(左)とトランプ大統領(7月25日)
By Emre Peker
2018 年 10 月 6 日 03:06 JST

 【ブリュッセル】欧州当局者は5日、ドナルド・トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)改定で圧力を強める戦術を使ったが、欧州連合(EU)との貿易交渉にそうした戦術は通用しないとけん制した。EUはその規模と貿易の実力によって、米国と対等な立場にあると主張した。

 EUの域内総生産(GDP)は総額15兆4000億ユーロ(約2000兆円)と、米国の19兆4000万ドルに比べさほど変わらず、対EU貿易赤字を削減しようとするトランプ氏の圧力にもほぼ持ちこたえてきた。

 欧州当局者は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について、欧州への輸出向けに北米でも生産している欧州の企業に打撃になるとの見方を示している。新たな協定はトランプ氏の対EU交渉アプローチを探る手掛かりになるとみられており、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表はNAFTA改定について、米政府の通商政策における「パラダイムシフトのモデル」だと強調した。

 米国とEUの財・サービス貿易は年間1兆ドルに上る。

 トランプ氏は7月25日、欧州委員会のユンケル委員長と貿易関係強化という共通目標の宣言で合意したが、進展具合は心もとない。両氏は自動車以外の業界の関税引き下げ、複数の業界の規制緩和、EUによる米国産大豆と液化天然ガス(LNG)輸入の拡大を目指すことで合意した。

 セシリア・マルムストローム欧州委員(通商担当)は、「われわれの状況は全く異なる。(北米3カ国は)協定を更新し、近代化している。われわれは協定を持たない」と指摘している。
 


 

 
新NAFTAが見本、米国が狙う日欧との貿易協定
フォルクスワーゲンの自動車工場(メキシコ・プエブラ)

By Jacob M. Schlesinger and Josh Zumbrun
2018 年 10 月 5 日 17:47 JST

 【ワシントン】米トランプ政権は他国との通商交渉で攻勢を強めようとしている。カナダおよびメキシコとの新協定をひな型に、外国為替や労働市場から貿易相手国の対中ビジネスのあり方まで全てに関する規則を見直す構えだ。

 米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は新たな北米自由貿易協定(NAFTA)での合意を、貿易相手国にとって厳しいメッセージとなる政策の「パラダイムシフトのモデル」と呼んだ。貿易相手国はそうした新しいアプローチがもたらす激しい交渉に向けて準備を進めている。

 米国は、自国政府が創設に貢献した世界貿易機関(WTO)と衝突することをさほど気に掛けなくなりそうだ。その代わり、世界貿易をゆがめている国々(当局者らの言う「非市場」経済国)に諸協定をもって挑むことに力を入れるだろう。

 それに米政府は、貿易協定が米企業向けの世界的なサプライチェーンを育む方法だとは考えなくなるだろう。それよりも、製造業の米国回帰をさらに促すべく、米国へのモノの輸入の基準を厳しくすることを優先するとみられる。

 根底にある理念は、ドナルド・トランプ大統領自身が今週NAFTA改定合意を発表した際に述べたのと同じ。貿易相手国は「われわれとビジネスをすることを特権」とみなすべきだというものだ。知的財産の保護から賃金引き上げに至るまで、米国の規則や基準を受け入れるか否かで同国市場へのアクセスが決まる傾向は一段と強まるだろう。

 米政権は、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」と銘打つ新協定を他の貿易相手国に適用する戦略の詳細を依然詰めている。次の大きな試金石は、最近新たな貿易協定についてトランプ政権との協議に入った日本と欧州連合(EU)だろう。そして近く協議に入るとみられる英国とフィリピンだ。

 トランプ政権が新NAFTAの条件を他国との協定に盛り込めるかどうかは分からない。ホワイトハウスは、カナダとメキシコに対しては異例の交渉力を得ていた。いつしか両国が頼るようになっていた25年来の協定を解体するとの脅しが効いたのだ。

 EUと日本には同様の対米貿易協定は存在せず、そのため両国とも失うものは比較的少ない。来年には日本とEUの自由貿易協定、およびトランプ氏の決定を受けて米国が離脱し11カ国が署名した環太平洋経済連携協定(TPP)が発効する。両者は、それぞれが参加する自由貿易圏の拡大によって米国の輸出企業を不利な立場に追いやり、対米交渉で優位に立てるとみている。

 EUの元経済アドバイザーで現在はシンクタンクのブリューゲル(ブリュッセル)所属のアンドレ・サピール氏は「米国は力ずくの戦略に出ている」と指摘。「欧州が同様の協定を望むとは思わない。バランスのとれた協定を求めるだろう」と述べた。

 関係者らによると、欧州とアジアの当局者らはここ数日、新NAFTAの34章、付属文書4点、サイドレター12通を精査し、今後問題になりそうな項目がないかを調べている。

 トランプ政権が安全保障の名のもとに25%の自動車関税をちらつかせてきたことから、日本とドイツはそれに代わり得る輸出割当枠に備えている。両国の対米自動車輸出はカナダやメキシコに次いで多い。

 カナダとメキシコがそうしたペナルティーをかわすべく受け入れた数量制限は、1980年代に米国が日本政府から引き出した「輸出自主規制」を思い出させる。その後WTOが創設され、数量制限を禁じた。

 日本は「為替操作」国を罰することを狙った新NAFTAの条項も懸念している。貿易協定にこうした条項が盛り込まれるのは初めてだ。米国は日本が輸出振興のために外為市場をゆがめているとしてたびたび日本を非難。日本政府はそうした訴えに基づく貿易上のペナルティーを求める米国の要求をずっと受け流してきた。

 米当局者はカナダおよびメキシコとの新貿易協定を以下のような形で今後の交渉相手国に適用する可能性がある。

EU

―米国は考えられる25%の「安全保障」関税の一環として自動車に割当枠を設ける可能性がある。

―米国の安全基準さえ満たしていれば米国車を輸出できる。―米国は政府調達への新たなアクセスを提供しない。

英国

―英国による中国との自由貿易協定が制限される可能性がある。

―米国に輸入される英国車(2017年は計100億ドル)に対する割当枠の可能性。

日本

―米国は考えられる25%の「安全保障」関税の一環として自動車に割当枠を設ける可能性がある。

―米国の安全基準さえ満たしていれば米国車を輸出できる。

―「為替操作」とされる行為に対するペナルティーの可能性。

フィリピン

―労働者の権利を向上させるための厳しい要件。

―フィリピンによる中国との自由貿易協定が制限される可能性がある。

―企業による新興国投資の確実性と意欲を高めてきた「投資家対国家間の紛争解決(ISDS)条項」の制限。

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中国、サイバーセキュリティー規制強化 外国企業の懸念強まる
中国当局は新たなサイバーセキュリティ規制によって企業の機密情報にアクセスする権限を手にする
By Shan Li
2018 年 10 月 6 日 00:44 JST

 【北京】中国は新たなサイバーセキュリティー規制によって、企業のIT(情報技術)を精査し、機密情報へアクセスするといった圧倒的権限を国内当局に与える。外国企業は中国での事業運営を巡る懸念を深める可能性が高い。

 公安部が先月30日に発表したところでは、11月1日以降、中国警察は企業の施設点検やネットワークへのアクセスを通じ、セキュリティー上の抜け穴がないか確認する権限を持つ。当局には「国家安全保障や治安、社会的秩序を脅かしかねない」情報をコピーし、記録を点検する権限も与えられる。

 さらに、中国政府や銀行・IT業界へ供給されるハイテク製品のセキュリティーチェックのほか、中国国内でのデータ保管が義務付けられる。

 外国企業は規制を批判。IT機器の安全性証明を理由に、政府がソースコードなど企業秘密の開示を強いるために規制を利用し、国内企業へ情報を漏えいする可能性があると指摘している。

 

コラム2018年10月6日 / 08:54 / 9時間前更新
コラム:中国テンセント音楽部門、米IPOに潜む「異音」
Jennifer Saba
2 分で読む

[ニューヨーク 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国インターネット大手、騰訊(テンセント)(0700.HK)のオンライン音楽事業であるテンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(TME)が、米当局に新規株式公開(IPO)を申請した。

この一報は耳に心地良く響く。第1にTMEは既に黒字化している。しかしよく耳を澄ますと「調子外れの音」も聞こえてくる。

TMEはスウェーデンの音楽配信大手スポティファイ(SPOT.N)と、の比較を免れないだろう。同社は4月に上場し、規模は320億ドル。しかしTMEの方が勝っている点は多い。1─6月の売上高は前年同期から倍増して13億ドルに達し、昨年の粗利益率はスポティファイの21%に対して35%だ。

その上、TMEは黒字化している。国際的なレーベルとの間で、より有利な契約を結べる点も強みだ。例えば、海賊版が横行するこの業界において、テンセントはレーベルの知的財産の監視を支援することができる。

ただ、心もとない点もある。

TMEはオンライン・カラオケから仮想ギフト、広告まで、幅広いサービスで稼いでいるが、売上高の内訳を極めて大ざっぱにしか開示していない。登録サービスが総売上高に占める割合は14%にとどまる。メディアにお金を払う習慣がない中国においては無理もない。

さらにやっかいなのは、TMEが月間ユニーク・ユーザー数を中国の総人口の60%弱に相当する8億人と発表していることだ。この数字はどうも信用できない。複数のアカウントを持っていたり、複数の端末からアクセスするユーザーを二重に算入している可能性がある。

同社自体、この数字に「現実に、あるいは認識上の不正確性」があるかもしれないと警告している。ユーザー数が予想外に動くと、株価を揺さぶることはツイッターが証明済みだ。

比較可能な企業を見つけるのは難しい。スポティファイの売り上げは大半が登録サービスによるもので、手数料に頼るテンセント・ミュージックよりも予見性が高い半面、レーベルに譲歩せざるを得ず、赤字となっている。

テンセント・ミュージックの上期の売上高は13億ドルなので、年商を30億ドルと仮定しよう。スポティファイの株式時価総額は売上高の4倍なので、この数字を当てはめるとテンセントの企業価値は120億ドルとなる。

保守的な数字かもしれないが、IPOは手堅く見積もるに限る。

●背景となるニュース

・テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(TME)は2日、米証券取引委員会(SEC)にIPOを申請した。

・申請書類によると、1─6月の売上高は13億ドル、利益は2億6300万ドル。

・TMEの親会社はテンセント。

Tencent Holdings Ltd
305.0
0700.HKHONG KONG STOCK
-3.40(-1.10%)
0700.HK
0700.HKSPOT.N
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/tencent-music-ipo-breakingviews-idJPKCN1MD0UR

 

 

コラム2018年10月4日 / 11:30 / 1日前
コラム:英国のブレグジット騒動、大荒れの終幕に突入
Peter Apps
3 分で読む

[2日 ロイター] - もし英国が本当に土壇場で欧州連合(EU)離脱の合意を勝ち取りたいのなら、ハント外相は、EUを旧ソ連と比べるべきではなかった。

メイ首相率いる与党保守党の大会で、英国との関係改善に努力しないEUを旧ソ連に例えて批判したハント外相の発言は、案の定、他のEU加盟国の指導者から大きな反発を招いた。そして、恐らくそれこそが外相の意図したところだ。

ハント外相は、次期党首候補の1人とみられている。

ボリス・ジョンソン前外相やトランプ米大統領のように、ハント外相は、過激な発言をすれば関心が集まり、たとえ政府としてやらなければいけないことの実現が困難になったとしても、党内から一定の支持を集められると計算したように見受けられる。

この秋、西側政治のどこに目を向けても、個人や党派の利益のために意図的に政策遂行を妨げている野心的な政治家の姿が目に付く。

ドイツやオーストリア、スウェーデンでの極右の台頭にしてもそうだし、イタリアの難民問題を巡る政治駆け引き、そしてももちろん、米議会においてもその現象が見られる。

こうした政治家は、恐怖や怒り、そして何よりも分断を「武器」にして危機や対立をあおれば、狭いながらも強力な支持を党派や有権者から得て、新たな権力や権威を手にできると考えているのだろう。

問題は、こうしたことに巧みな手腕を持つ政治家がほとんどいないということだ。

政治ニュースや地政学の大渦や、ライバルの陰謀を乗り切らなければならないということは、目論見通りには物事が進まないことを意味する。そして、英国のEU離脱(ブレグジット)ほど、それが真実なことはない。英国は「合意なき離脱」という、さらなる不安定さを招く結末に向かって、後戻りのできない道を突き進みつつあるようだ。

ほんの数週間前まで、ブレグジットは、メイ首相が閣僚と7月に公式別荘「チェッカーズ」でまとめた妥協案に基づく、比較的穏健なイベントとなるように思われていた。

だがその計画はいまや、保守党の大半から拒否され、先月オーストリアのザルツブルグで開かれたEU首脳会議でも否定された。

メイ首相と保守党は今週、合意なき離脱の可能性も含め、より厳しいブレグジットに向かおうとしているようだ。

国境や市場、物流の分断をもたらすそのシナリオは、すでに英国は深刻な経済的打撃を与えている。ある報告書によると、週5億ポンド(約740億円)相当の経済的活動が英国から失われている。だが不確実性があまりに高いため、損害額は劇的に拡大する可能性がある。

今後1年で、欧州統合に懐疑的な保守政権が英国で誕生し、減税や歳出削減でシンガポールのような回避地を目指そうとする可能性は十分にある。また、解散総選挙によって野党労働党が政権を奪還し、富裕層や大企業向けの増税や、大規模公共投資という正反対の政策に踏み切る可能性もある。

EU離脱を巡る国民投票の再実施を求める声も高まっているが、それがどのように実現され得るかについては全く不明瞭だ。

一部には、無秩序な「合意なき」ブレグジットと、ノルウェーやスイスのようにEU域外から緊密な関係を維持する穏健な離脱のいずれかを選択する国民投票を求める声が上がっている。また、離脱を取りやめてEUに残る選択肢も投票用紙に記載すべきとの主張もある。

しかし、投票を繰り返すことなく、これら3つの選択肢をどう有権者に提示できるか、現実的な提案はほとんどない。このような不確実性が高まっているときに、意見の一致をみることは一層困難だろう。

いまやこの問題が、英国の評判だけでなく、国民の生活もむしばみ始めていることは、驚くに値しない。

筆者の世話をする介護者の1人が先月突然辞めたため、いつもの介護機関に電話して代わりの派遣を頼んだ。だが返事は「誰もいない」というものだった。12年前負傷して身体の自由が利かなくなって以来、筆者を支えてくれた若い外国人労働者は、もうやって来ないのだ。

結局、代わりの人を個人的に見つけたが、この構図はすでに、ビジネスや農業、サービス業にヘルスケアなど、経済の大部分を揺さぶりつつある。

ジャビド英内相は2日、離脱後の移民政策について最新のアウトラインを公表し、高スキル労働者を優先する方針を示した。だが、経済の大部分を支えている低スキル労働者をどうするかについては何も発表がない。ここでも、短期的な政治的思惑が政策を動かしているようだ。

こうしたすべてが、どの程度危険なのかは、評価方法によって違ってくる。

極右政党が勢力を拡大し、多文化で開かれた社会の最も基礎的要件を防衛することにさえ苦戦する主流政党に取って代わろうとしている他の欧州諸国と比べると、予見不能な部分が大きいとはいえ、英国で起きていることは警戒度は低いという見方もできる。

そんな事態を英国が回避できたのは、強固な2大政党制のおかげだ。だが米国の例でも分かるように、このシステムにおける政治闘争からは予測もできない事態が飛び出すこともある。

米国では少なくとも、次回選挙の日程が決まっている。英国には、そのような透明性はない。政権が倒れたときに選挙が実施される。そして、メイ首相の保守党が昨年の総選挙(これも失敗に終わった短慮の1つだ)で議会の過半数を失ったため、これはいつでも起こり得る。

希望が持てるとすれば、短期的な問題が何であれ、ブレグジットを巡る一連の騒動で両党の政治が活性化し、英国が本当に重要な問題に集中できるようになることだろう。

だがそこに至るには、大荒れの道のりとなりそうだ。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。
https://jp.reuters.com/article/apps-brexit-idJPKCN1ME04H

 


 
インド、ロシアから地対空ミサイル購入 米制裁除外を期待
首脳会談に臨んだロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相(4日)
By Rajesh Roy
2018 年 10 月 6 日 01:52 JST

 【ニューデリー】インドはロシアからの地対空ミサイル購入で合意した。米国は制裁も辞さない姿勢を見せていたが、これを振り切った格好だ。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は年次の2国間協議のためにインドを訪問。これに合わせて5日、50億ドル(約5700億円)相当のミサイルシステム購入契約が交わされた。プーチン首相とインドのナレンドラ・モディ首相は共同記者会見で合意に触れなかったものの、共同声明で合意に言及した。

 インド外務省が発表した声明は「両国は『S400』長距離地対空ミサイルシステムをインドへ供給する契約の締結を歓迎する」とした。

 インド政府関係者によると、向こう2年でシステムのうち5基を導入する予定。合意からは、インドがロシアとの関係を改善し、武器供給元を分散させようとする取り組みがうかがわれる。

 米政府はロシアによる選挙介入の試みに報復するため、ロシア防衛業界と大型取引をする国に対して制裁を科す構えを示していた。インドは米国が東南アジアの地政学的バランスを達成する上でますます重要な役割を担っていることから、制裁の適用除外を期待している。

 ただ、インドを除外すれば、米政府のロシアに対する厳しい対応について本気度が疑われかねない。米国は先月、中国がロシアから「スホイ25」戦闘機とS400ミサイルを購入したことを受け、共産党中央軍事委員会装備発展部を制裁対象に指定していた。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/698.html#c1

[経世済民128] 米失業率48年ぶり低水準 9月、減税で3.7%に低下 雇用は13.4万人増 雇用者数と賃金、伸び鈍化 うまき
1. 2018年10月06日 18:41:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1612]
8月米貿易赤字:6カ月ぶり高水準、対中赤字最大−大豆輸出急減
Andrew Mayeda
2018年10月5日 21:39 JST 更新日時 2018年10月5日 23:30 JST
8月の米貿易赤字は過去6カ月で最大に膨らんだ。大豆の輸出が落ち込み、対中貿易赤字は過去最大を更新した。トランプ米政権の貿易戦争が経済成長に及ぼす悪影響が示された。

  米商務省発表の貿易収支統計によると、8月の財とサービスを合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)は前月から6.4%拡大し532億ドルとなった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は536億ドルだった。前月は500億ドル。

  8月の輸入は0.6%増の2627億ドル、輸出は0.8%減少の2094億ドルだった。大豆輸出は28%減少して25億8000万ドルとなった。今年に入り、中国からの報復関税が発動される前は大豆輸出が増加していた。

  中国に対する貿易赤字(財のみ)は調整前ベースで386億ドルと、前月の368億ドルから増加して過去最大。対メキシコでの貿易赤字も87億ドルで過去最高だった。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Trade Gap Hits Six-Month High as Soybean Exports Plunge 28%(抜粋)

(詳細を加えて更新します.)


 

米フォードが正社員削減へ−110億ドル規模リストラ計画の一環
Keith Naughton
2018年10月6日 16:04 JST
米自動車メーカーのフォード・モーターは7万人の正社員に対し、110億ドル(約1兆2500億円)規模のリストラ計画の一環として人員削減を実施する方針を通知した。

  モルガン・スタンレーは、世界で20万2000人の従業員を抱えるフォードが2万人余り削減する可能性があるとの見方を示しているが、フォードは正社員の具体的な削減数や非自発的な離職を伴うかどうかは明らかにしなかった。財務への影響や、人員整理に伴う費用を計上するかどうかなども分からないとした。

  広報担当のカレン・ハンプトン氏は5日の取材に対し、「当社は前日、世界の正社員の組織再編に向けた初期段階にあると従業員に伝えた」と説明。より幅広くフラットな組織に徐々に変えていくことが目的で、「それがある程度の人員削減につながることは不可避だと考えているが、現時点で目標は設定されていない」と語った。

  フォードは7月に2018年の利益見通しを下方修正。ジム・ハケット最高経営責任者(CEO)が当時、リストラ計画を発表したが、コストを110億ドルとするだけで詳細は明らかにしなかった。

原題:Ford Prepares to Cut Salaried Jobs in $11 Billion Restructuring(抜粋)


 

ビジネス2018年10月6日 / 00:58 / 14時間前更新
米雇用統計、9月は就業者の伸び鈍化 失業率は3.7%に改善
2 分で読む

[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した9月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が13万4000人増となり、市場予想の18万5000人増を大幅に下回った。1年ぶりの小幅な増加にとどまった。ハリケーン「フローレンス」の影響が出たとみられる。一方、失業率は0.2%ポイント低下の3.7%と、約49年ぶりの水準に改善し、労働市場が一段と引き締まっていることを示した。失業率の市場予想は3.8%だった。

時間当たり平均賃金の伸びは前月比0.3%で市場予想と一致したが、前年同月の0.5%を下回った。前年比では2.8%と、9年超ぶりの大幅増となった前月の2.9%から小幅鈍化した。賃金は安定的に伸びており、緩やかな物価圧力を示唆した。景気過熱の懸念が後退し米連邦準備理事会(FRB)が徐々に利上げを進める方針を維持する材料となるかもしれない。

7・8月の雇用者数は従来公表値より8万7000人多かったとして修正した。

就業者数は、労働人口の伸びに対応するためには月12万人増える必要があるとされている。

キャピタル・エコノミクス(ニューヨーク)のシニアエコノミスト、マイケル・ピアース氏は「フローレンスが9月の就業者数の伸びが弱含んだ一因かもしれない」と指摘した上で「この統計でFRBが徐々に利上げする計画を止める材料はない」と付け加えた。

労働省当局者も、9月中旬にサウスカロライナ州とノースカロライナ州を直撃したフローレンスによって一部の産業で雇用に影響が出た可能性があると指摘した。ただ、実際の影響を算出することはできないという。

平均週間労働時間は変わらずの34.5時間。

失業率を算出する材料となる、より小規模の家計調査によると、悪天候のため自宅で待機した人が29万9000人で、9月の例年平均(8万5000人)を上回った。

失業率が3.7%に低下したのは1969年12月以来。FRBが年末までに達すると見込んでいた水準となった。

労働市場の引き締まりに伴う労働力不足で、各企業が賃上げを強いられる事例が見られ、一部のエコノミストは統計で示された賃金の伸びが過小評価されている可能性を指摘する。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズの主任エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「規模の大小にかかわらずどの企業も、労働者をつなぎとめるため可能な方策を講じる姿勢がうかがえる」「標準的な指標でこうした(賃金)増加分は反映されない」と語る。

雇用統計の内訳は、娯楽・観光が1万7000人減と、17年9月以来のマイナスとなった。小売は2万人減だった。

一方、製造業は1万8000人増、建設業は2万3000人増、専門職・企業サービスは5万4000人増加した。政府部門は1万3000人増だった。
https://jp.reuters.com/article/us-job-data-idJPKCN1MF21H

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/696.html#c1

[経世済民128] 吉野家、人件費増もう限界 3〜8月 増収も最終赤字 うまき
1. 2018年10月06日 19:02:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1613]

>吉野家はこの逆境をどうはね返すのか

省力化しかないだろう


 

 

米アマゾン、最低賃金引き上げ 時給15ドルに

アマゾンに対しては倉庫勤務の従業員の待遇を巡り批判が強まっていた PHOTO: JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES
By
Laura Stevens
2018 年 10 月 2 日 23:34 JST
 米アマゾン・ドット・コムは2日、米国内全従業員の最低賃金を時間あたり15ドル(約1710円)に引き上げると発表した。アマゾンに対しては倉庫勤務の従業員の待遇を巡り、批判が強まっていた。
 新たな最低賃金は11月1日から導入する。既存従業員25万人超に加え、今後雇い入れる年末商戦向けの期間従業員10万人も対象となる。またアマゾンは連邦最低賃金の引き上げを目指し、ロビー活動を開始すると表明した。現在の連邦最低賃金は時間あたり7.25ドル。
 アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は発表文で「当社に批判的な向きの意見に耳を傾け、どうしたいかを真剣に考え、先頭に立つことを決断した」と述べ、「競合他社や、他の大規模雇用者にも追随を促す」考えだとした。
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アマゾンが賃金引き上げに動いた理由

アマゾンの物流センター(インド) PHOTO: RUHANI KAUR/BLOOMBERG NEWS
By
Dan Gallagher
2018 年 10 月 3 日 09:11 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
 ***
 使われていないドアからオフィスの机を作ったという話で知られるアマゾン・ドット・コムだが、もはや安上がりに済ませる策は限界に来ているのかもしれない。
 世界第2位の時価総額を誇るアマゾンは、他のハイテク大手と違い、高い技術をそれほど必要とされない大量の労働者に頼ってきた。そうした労働者は同社の広大な物流センター網を運営し、顧客に注文の品を届けているほか、昨年のホールフーズ・マーケット買収を受けて今では小売店も運営している。アマゾンは現在、世界に約57万5700人の正社員を擁する。これは、マイクロソフト、アップル、オラクルといった大手ハイテク各社の4倍を上回る人数だ。
正社員数

Source: company data, S&P Capital IQ

 だがアマゾンの業務の性質上、その賃金水準はハイテク企業の底辺に位置する。ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)を除くと、昨年の従業員の賃金の中央値は2万8466ドルと、グーグルの親会社アルファベットの14%程度だった。それもあって、アマゾンは多くの労働者が直面する環境を巡る数々の手厳しい報告の対象になってきた。また、2016年大統領選の民主党予備選で旋風を巻き起こしたバーニー・サンダース上院議員やドナルド・トランプ大統領など、かなり広い範囲からたびたび批判を浴びてきた。
 そのため、米拠点労働者の最低賃金を1時間当たり15ドルに引き上げるアマゾンの新たな計画は賢明だ。サンダース氏は既に同社のこの動きを歓迎している。ただ、コストは高くつくかもしれない。アマゾンは2日、25万人超の正社員と10万人の季節労働者やパートタイム従業員が変更の対象になると述べた。利益への影響は明らかにしなかったが、7-9月期(第3四半期)決算に合わせて今月発表する次の利益予想に織り込むとしている。

アマゾンの営業利益率

Source: company data, FactSet

 投資家は打撃に備えておくべきだ。少なくとも、アマゾンの最近の急速な増益ペースへの影響は見込んでおくべきだろう。アナリストらは営業利益率が昨年の2.3%から今年4.7%に拡大すると見込んでいた。しかも、ファクトセットによれば、利益率は着実に上昇して2022年には11%に達すると予想されていた。労働者に支払う賃金を増やせば、そうした拡大は鈍化する公算が大きい。
 だが、アマゾンはいま支出を増やすことで、今後さらに高いコストをもたらす規制の可能性を減じているのかもしれない。
関連記事
• 巨人アマゾン、「大きすぎる」は罪ではない
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アマゾン、英米での最低賃金引き上げ−批判受け、他社にも追随促す
John Lauerman
2018年10月2日 23:07 JST
米アマゾン・ドット・コムは2日、米国と英国の全従業員を対象に最低賃金を引き上げると発表した。

  11月1日付で時給15ドル(約1700円)に引き上げられる最低賃金は、25万人以上の米従業員に適用される。年末商戦時に雇用される10万人超の臨時労働者も対象に含まれている。英従業員の時給はロンドンで10.50ポンド(約1550円)、それ以外の地域では9.50ポンドに引き上げられる。これが適用される英国の従業員数は臨時労働者も含めて3万7000人程度。

  ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は発表文で、「批判を受け止め、当社は何を望むのかを真剣に考えた上で、当社は先頭に立ちたいと決断した」と説明。さらに「競合他社や大手企業にも加わるよう促したい」とコメントした。

原題:Amazon Raises Minimum Wage for All U.S., U.K. Employees (1)(抜粋)

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9月米自動車販売:目立つ減少、フォードがフィアットを下回る
Keith Naughton、Gabrielle Coppola
2018年10月3日 3:21 JST
大手自動車メーカーが発表した9月の米自動車販売は減少が目立った。フォード・モーターは前年同月比11%減と、アナリストの予想(9%減)より大幅に落ち込んだ。スポーツタイプ多目的車(SUV)とピックアップトラック「Fシリーズ」の減少が響いた。トヨタ自動車とホンダも予想を超える大幅減となった。

  フォードは、ハリケーン「ハービー」襲来後に販売が急増した前年同月が比較の対象だったことや、今年9月のハリケーン「フローレンス」の悪影響が販売減の要因だったと説明した。


  一方、予想を上回ったメーカーもあった。日産自は12%減となったが、アナリスト予想(20%減)ほど減少しなかった。

  フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、ミニバン「ダッジ・グランド・キャラバン」の納車が急増したのを追い風に、予想を上回る販売増を記録。月間販売台数は19万9819台と、2007年1月以降で初めてフォード(19万6496台)を上回った。

  米国で最も売れているフォードのFシリーズは8.8%減と、1年4カ月続いた販売増が9月で途切れた。ラインアップが古くなっているSUVも2.7%減少し、中でも「エスケープ」は20%減。セダンも26%減と振るわず、乗用車の不振が続いた。

  米新車販売台数を四半期ベースでしか公表しないゼネラル・モーターズでは、7−9月に販売が11%減少。国内で展開する4ブランド全てが落ち込んだ。

原題:Ford Falls Behind Fiat Chrysler One Year After Hurricane Harvey(抜粋)
GM 3Q U.S. Total Vehicle Sales Fell 11%

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英国、EUに離脱交渉で「強い怒り」を感じている−ハント外相
Tim Ross、Anna Edwards
2018年10月2日 21:08 JST
ハント英外相は、離脱交渉を巡る欧州連合(EU)の態度に英国は「強い怒り」を感じているとし、EUを激しく攻撃した。

  英国のEU離脱まで6カ月を切ったが、メイ首相の提案をEUが拒否し、交渉は袋小路に陥っている。ハント外相(51)は、この無遠慮な拒絶は、EUの強硬姿勢に対する英政府の反撃を助長するもので、解決にはならないと指摘した。

ハント英外相

Source: Bloomberg)
  保守党党大会が行われているバーミンガムで2日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューに応じたハント外相は「EUは英国が強い怒りを感じていることを理解する必要がある」と発言。「英国が建設的な意見を議論に持ち込むたびに、駄目だ、別の案を持って来いと言えばいいというのがEUの考えなら、それは交渉ではない」と述べた。

  ハント外相はEUをソ連になぞらえたことがある。この発言を後悔しているか、そのような比較がEU離脱交渉にプラスだと考えたのかと質問された同相は、「EUは交渉姿勢に極めて慎重になる必要がある。唯一受け入れられる交渉結果が離脱を望んだ英国を罰することだとEUが本当に考えているなら、欧州の理想とは相いれない」と論じた。

原題:U.K. Is ‘Very Angry’ With EU Over Brexit Negotiations, Hunt Says(抜粋)

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ECBはドイツ銀とコメルツ銀の合併可能性を検討−メッサジェロ
Sonia Sirletti
2018年10月2日 21:56 JST
欧州中央銀行(ECB)の銀行監督委員会は、ドイツ銀行とコメルツ銀行の合併の可能性について先週協議した。イタリア紙メッサジェロが報じた。

  同委員会は合併ならばドイツ銀が100億−150億ユーロ(1兆3100億ー1兆9700億円)の範囲の上限付近の規模の増資をすることで実現すべきだと示唆したと、同紙が情報源を示さずに報じた。レベル2およびレベル3の資産の評価損をカバーするために増資が必要だという。ECB報道官はコメントを控えた。

  ドイツの2大銀行合併の観測がくすぶる中、ドイツ政府当局者はこれを支持する考えだと伝えられている。

  コメルツ銀は合併のアドバイザーとしてゴールドマン・サックスとラザードを起用したとメッサジェロは報じた。

原題:ECB Reviewed Deutsche Bank-Commerzbank Deal, Messaggero Reports(抜粋)

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ブラックストーン、同業株式取得へ−新ファンドで33億ドル調達目指す
Gillian Tan
2018年10月3日 1:36 JST
米投資会社のブラックストーン・グループは代替資産運用会社の株式取得を目的とした第2のファンドについて、投資家との協議に入った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  同社では直ちに新たなファンドを設定するためにスコット・スーサ氏率いるチームが編成されたと、これらの関係者は情報が非公開であることを理由に匿名で話した。広報担当のポーラ・チャーハート氏はコメントを控えた。

  ブラックストーンは第2のファンドの資金として、少なくとも33億ドル(約3750億円)の調達を目指している。同ファンドはプライベートエクイティ(未公開株)や不動産、インフラを中心に代替資産を運用する会社を対象に、少数株を取得すると関係者の1人が話した。

  ブラックストーンは2014年に同種のファンドとしてブラックストーン・ストラテジック・キャピタル・ホールディングスを設定し、33億ドルを調達した。

原題:Blackstone Is Said to Seek $3.3 Billion to Buy Stakes in Peers(抜粋)

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安倍政権、女性活躍うたうも閣僚は1人ー大変心配と野田前総務相
延広絵美
2018年10月3日 6:00 JST
過去と比べて比率が少ないことは認めざるを得ない−安倍首相
女性閣僚1人は12年の政権発足後最少、過去には5人起用の時期も
2日発足した第4次安倍晋三改造内閣では、女性閣僚が片山さつき地方創生担当相1人にとどまった。女性活躍を掲げる安倍政権だが、2012年の発足後、女性閣僚の数は最も少ない。

  安倍首相は初閣議前の記者会見で、女性登用について問われ、「過去と比べて内閣における女性の比率が少ないことは認めざるを得ない」と説明。片山氏には「2人、3人分もある持ち前の存在感で女性活躍の旗を高く掲げてほしい」と語った。

  「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかりだ」とも強調したが、発足当初も女性閣僚は2人いた。14年9月の内閣改造で一時、5人が入閣したが、その後は減少が続いた。自民党三役でも12年から総務会長に野田聖子氏、政調会長に高市早苗氏を起用。16年8月に稲田朋美氏が政調会長を退任した後、女性の登用はない。

  時事通信によると、改造前に総務相を務めた野田氏は2日の記者会見で、安倍内閣が6年前に復活した時の1丁目1番地は女性活躍だったと強調。女性閣僚が数で言うと、減り続けているので大変心配している、と苦言を呈した。

  野田氏は「政治の中で一番足りていないのがダイバーシティー(多様性)だ」とし、今年4月に女性の政治参加を後押しする政治塾を地元の岐阜市で開講。「少しでも効率よく」女性が政治の世界で力を発揮できる環境を作りたいと訴えていた。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/695.html#c1

[不安と不健康18] 健康高齢者にはアスピリン使用は効果無く、有害の可能性 アスピリンは、健康な高齢者の死亡を抑制しない? うまき
1. 2018年10月06日 19:11:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1614]
アスピリンが健康な高齢者の癌死亡率を増加ASPREE試験の予想外の結果に対する死因別の分析
2018/10/5
大西 淳子=医学ジャーナリスト
 オーストラリアMonash大学のJohn J. McNeil氏らは、オーストラリアと米国で健康な高齢者に対するアスピリンの1次予防効果を調べるために実施され、既に報告されたASPREE試験のデータを分析し直して、プラセボ群よりアスピリン群の総死亡率が高かった原因は、癌死亡の増加によるものだったと報告した。結果はNEJM誌電子版に2018年9月16日に掲載された。

 Aspirin in Reducing Events in the Elderly(ASPREE)試験は、健康な高齢者に対するアスピリンの1次予防効果を調べるための研究で、オーストラリアと米国の地域住民1万9114人が参加したランダム化対照試験だ。100mgアスピリン腸溶錠またはプラセボに割り付け、認知症や身体機能障害がない状態で生存している人の割合を比較したが、中央値4.7年の追跡で、アスピリンは障害のない生存率を増やしていなかったことが報告されている。

 この試験の2次評価項目を比較したところ、アスピリン群の総死亡率がプラセボ群よりも高かった。1次予防を目的とした研究で、アスピリンが死亡率を増加させたというデータはまれなことから、著者らは原因別の死亡率を分析してみることにした。

 ASPREEでは、2010年3月から2014年12月まで参加者を募集し、オーストラリアの住民1万6703人と米国の住民2411人が参加した。対象は心血管疾患や認知症がなく、持続する身体障害のない70歳以上の高齢者(米国の黒人とヒスパニックの人々については65歳以上も含む)。アスピリン群(100mg腸溶錠)9525人とプラセボ群9589人にランダムに割り付けた。2017年6月12日の段階で、「これ以上試験を継続しても主要評価項目のメリットを検出できる可能性はない」とするNational Institute on Agingの勧告により、試験は打ち切られた。

 中央値4.7年の追跡で、計1052人(5.5%)が死亡していた。1000人・年当たりの総死亡率は、アスピリン群が12.7、プラセボ群は11.1で、ハザード比は1.14(95%信頼区間1.01-1.29)だった。死因別では、癌による死亡は522人(死者の49.6%)、脳梗塞を含む心血管死亡は203人(19.3%)、脳出血を含む大出血による死亡は53人(5.0%)、その他の死因(敗血症、慢性肺疾患、認知症など)による死亡は262人で、12人については死因を特定するための情報が不十分だった。

 アスピリン群の死亡リスク上昇に主に寄与していたのは癌死亡だった。癌死亡はアスピリン群の3.1%とプラセボ群の2.3%に発生していた。1000人・年当たりの癌死亡率はアスピリン群6.7、プラセボ群5.1で、ハザード比は1.31(1.10-1.56)だった。脳梗塞を含む心血管死亡のハザード比は0.82(0.62-1.08)、脳出血を含む大出血による死亡のハザード比は1.13(0.66-1.94)、その他の死因のハザード比は1.16(0.91-1.48)で、両群に差は見られなかった。

 癌による累積死亡率を両群間で比較すると、当初3年間には差は無く、それ以降にアスピリン群の死亡が増加し、両群の差は拡大していた。

 これらの結果から著者らは、アスピリンを使用した健康な高齢者の総死亡率がプラセボ群より高かった理由は、主に癌による死亡率が高いためだった。これは以前の研究と異なる予想外の結果であり、慎重な解釈が必要だと結論している。なお、この研究はNational Institute on Agingなどの支援を受けている。

 原題は「Effect of Aspirin on All-Cause Mortality in the Healthy Elderly」、概要はNEJM誌のウェブサイトで閲覧できる
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https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/201810/558068.html


 

第4回 30歳代男性、身体表現性障害との診断に納得せず痛みを難治化する医原性のスティグマ・恨み
2018/10/1
水谷 みゆき、牛田 享宏(愛知医科大学病院痛みセンター)
 「スティグマ(stigma)」とは、「社会における多数者の側が、自分たちとは異なる特徴を持つ個人または集団に押し付ける否定的な評価」(広辞苑)のことで、「烙印」とも訳される。医師に付けられた病名はそれが何であれ、患者にとっては多少の差はあっても何らかのスティグマとなり、本人の行動を変容させることになる。また「恨み」とは「自分を不当に傷つけた相手に対して抱く感情」であり、「持続的な怒り」(中野信子、澤田匡人 著『正しい恨みの晴らし方』[ポプラ社、2015]より )ともいえる。

 スティグマと恨みは、慢性痛を引き起こす心理社会的要因の1つである。例えば本人にとって残念な病名を付けられたり、「もうこの痛みは治らない」と医療者から説明されたり、痛みが残ったという負の感情を執刀医が適切に支えなかったりするなどでも生じる。慢性痛の治療の場でこれらの感情が患者に芽生えると、治療の進展を妨げることがある。今回は、このスティグマと恨みについて取り上げる。
心理療法を阻むスティグマと恨み

 症例を提示する前に、慢性痛治療のおおよその全体像を説明する。当センターでは臨床心理士が難治性慢性痛患者を対象に催眠を含む心理療法を行っている。慢性痛の治療では、まず器質的な問題に一般的な治療を行い、それでも十分な効果が得られなかった患者に対して、薬物療法とともに認知行動療法および運動療法を行う。これにより、患者の痛みに対する反応を変え、自己教育によって痛みに対する適応的な行動を形成できるようにする。これが現在の慢性痛における「標準的な治療」である。

 過去の統計ではこの標準的な治療により、初診から3〜6カ月の間に約60%程度の患者が改善し、35%は変わらず、5%は悪化するという経過が見られる。これらの治療で期待される効果が得られない、もしくは悪化する、治療のコンプライアンスが得られないなどの患者が心理療法の適応として紹介される。認知行動療法や運動療法による治療後にも残る痛みについて、催眠※を用いる心理療法に取り組んだ患者のうち70%はセッション内で鎮痛を経験し、さらにそのうち約65%で日常的な改善が得られる。

※ここで用いる催眠は、鎮痛そのものにつながる心身の経験を患者につくり出してもらうことを目的とする。

 ただ、スティグマや恨みが、こうした心理療法による治療の進展をも妨げるケースが存在する。そのため、医療者はできる限りスティグマや恨みの感情を発生させないことを心に留めておく必要があると考える。以下に、特に考えさせられた症例を紹介する。登場する患者が治療のどの場面でスティグマや恨みを抱いてしまったのか、どうすればそれを回避できたのかを想像しながら読み進めていただきたい。なお、症例はプライバシー保護のために内容を改変している。
症例(Aさん)30歳代男性「身体表現性障害」という病名に納得できない
主訴:右上肢の持続的な痺れ、痛み、動かしにくさ、頸肩背部の痛み。

既往歴:運動が好きで、10歳代に下肢を骨折したが完治。工場勤務中のX年前に他の製造部署に応援に行き、その作業中に右上肢に痛みが出現。3カ月後に手根管症候群の診断を受けた。しかし神経ブロックや鎮痛薬などの治療効果が上がらず、神経内科、精神科の受診を勧められ、「身体表現性障害」と診断されたころに、1回目の休職となった。

 産業医の勧めで受診した痛みセンターでは、認知行動療法と運動療法に取り組んだ。日中活動中や夜間就寝中も症状が出るものの、休職前と比べると緩和していた。

 完治はしていないが2年の休職期間が切れる前に復職。発症前より負担の軽い部署の仕事に復帰したものの、症状悪化のため復帰後1カ月で2回目の休職となった。以前のような負荷がかからなくても症状が悪化し、痛みセンターも再度受診したが、1回目と同じ治療メニューは断った。現在の症状は1回目の休職時と全く同じだという。一方で、何とか良くなりたいとインターネットで調べた遠方の医療機関も受診していることを知った主治医が、心理療法を紹介した。

 筋緊張が強いという理学療法士の評価はあるが、特別な診察所見はなし。あらゆる検査において明らかな異常を検出せず、線維筋痛症の診断基準も満たさない。
 心理面接では時間をかけて経過や症状を聞き取る。Aさんは、(1)上半身を中心とする持続的自発痛、(2)突発痛、(3)突発的な全身の不快な脱力感・倦怠感・痛みで動けなくなる──の3点を訴えていた。(1)から(3)までの一連の流れによって、手から物が落ちる、歩くのが遅くなる、背中が痛み、それが止まらないと全身が硬くなって動けなくなるなどの症状が生じる。また、痛みが治まった後もこむら返りの後のように動きにくくなるという。

 Aさんは運動好きで、身体を動かすことをいとわない。X年前に応援に行った部署は、力仕事で負傷する者も多かったが、Aさんは耐えられる自信があったという。最初に痛みが生じた際は、筋肉痛の一種でいずれ治ると考え、趣味の運動も続けていた。だが、応援に行ってから3カ月弱のあるとき、手の奥の方で「パチン」と何かが吹っ飛んだような痛みがあった。その後、頸肩背部痛が悪化し、休職した。

 Aさんは妻と暮らしている。目の前のAさんは背筋をすっと伸ばしており、表情や身のこなし、声の調子からは警戒心と抑えた緊張が感じられる。Aさん自身は、「身体表現性障害」という病名は「心の病」だと思っており、自分がその病名を付けられたことに納得しておらず、「妻も私の様子を見て、『心の病ではない』と認めている」と言う。

 自身の痛みに関してAさんはこう語った。「痛みなんて誰にでもある。痛みがあっても対処できればいい。筋肉が衰えているわけでもない。運動をするようにと言われて、その通りにやってきた。治してもらえるならと思い、精神科にも行った。結局、この痛みは骨折した時の痛みとも違い、医師に伝わらない。検査や見た目では何ともないのに、痛いからという理由で仕事に行けない成人男性の自分を周りはどう思う?」。
Next心理療法で一度は改善したのに…
病名への不満が心理療法への抵抗感を生む
 今回のAさんは、働き盛りで事故などをきっかけに、些細な外傷、もしくは外傷が見られないのに慢性化する痛みを持つ患者の1つの典型例だと考えられる。Aさんの痛みは常に筋肉の描写を伴い、実際に身体も緊張している。周囲の評価にも敏感で、内的な緊張も強かった。しばしば、こういう患者は「入浴時もリラックスする感じは全くない」「リラックスということ自体がそもそも分からない。だらんとすることですか?」などと言う。実際、Aさんもそうであった。

 恐らく、筋緊張の持続的な亢進状態があり、通常ならば適切な運動によって生じるはずの自然なリラクセーション反応が得られず、むしろ緊張が高まって生じる“こむら返り”のような状態が発作痛を生むのだろう。あるいは以前、痛みが悪化した記憶が影響を与えているかもしれない。そのため認知行動療法や運動療法も、Aさんの状態に合わなかったのだろう。自己催眠のやり方を身に付け、生じている緊張を自ら緩和できるようになり、その反復によって緊張のベースラインが低下すれば、痛みは改善してくるはずである。

 こうした説明を行った上で、2回目の面接では呼吸法を含む催眠誘導を行った。その結果、痛みは半分以上低減し、苦痛は消失した。Aさんは信じられないという顔をして、「取りあえず、よい」と言った。しかし、家に帰る途中で症状が戻ってしまった。3回目のセッションでも同様に、帰宅時に痛みが戻った。長引く慢性痛を持つ患者では、セッション内で鎮痛を経験しても痛みが戻ることはよくあるが、催眠を繰り返すうちに次第に鎮痛持続時間が伸び、日常的な痛みのレベルも低下する。しかしAさんは「マッサージやジェットバスで緊張がほぐれても10分で痛みが戻る」と話すようになった。また、催眠が深くなりかけると驚いたように自ら覚めるようになり、セッション中も十分な鎮痛を得ることが難しくなった。

 それでもAさんは、10回目の面接で「催眠状態に入る感覚が分かった」と認めた。そうなると、日常でも痛みを自ら改善させることが可能になるはずだが、Aさんは「一時的に改善しても仕事中に突然、悪化を繰り返すのであれば駄目だ。この痛みは幾らでも悪くなる」と話し、破局化思考(痛みにとらわれ無力感が強く、痛みを重大に考えること)も顕著なままであった。休職の期限が近付くにつれ、症状は再び悪化した。

 今回の症例では以下の2点のピットフォールが挙げられる。

<ピットフォール>

(1)「身体表現性障害」というスティグマ病名がAさんの心を硬直化させた
 薬物療法や運動療法による改善効果が得られない慢性痛で、筋緊張が疼痛に関わる場合でもしばしば「身体表現性障害」と診断される。これが治療、特に心理療法の効果を阻害することがある。患者が「身体表現性障害」という診断に納得していない場合、心理療法に反応すれば自分の痛みを自分で作り出していたことが証明されてしまうと感じるためであり、Aさんも途中から催眠状態に入るのを拒むようになった。こうした場合、せめて筋緊張などの身体要因が痛みに関与するような疾患名が付いていれば、心理療法に対する抵抗は少なくなるだろう。類似の症例でも線維筋痛症の病名を持った患者は、自己催眠を習得し、セッション外でも症状の改善を自ら得ようとする。

(2)職場環境の痛みに対する関心の低さは症状を悪化させる
 痛みのエピソードが発生した初期段階で適切なリラクセーションや休息が必要だったと思われる。Aさんが応援に行った部署は、頻繁に従業員の負傷が報告されていた。しかし、作業環境の改善や異常を感じたときの対処について産業医の指導はなかった。真面目な勤労者で体力にも自信があったAさんにとって、検査や見た目では何ともないのに仕事に行けないことは、精神的に苦痛だったに違いない。

 Aさんのような患者が目の前に現れたら、読者の皆さんはどう対応するだろうか。医療とは別次元の問題だとする考え方もあるかもしれない。ただ、スティグマや恨みが問題化するのは、治療に反応しない痛みや、病態に不釣り合いな痛みがある場合であり、これは慢性痛診療の本質にも関わる問題である。

 痛みが改善しないことに対し、医療者が否定的なレッテルを貼ると、それがスティグマとなる。また、治療に反応できないことに対する患者の無力感を背景として、恨みの感情が生まれる。そしてこれらが痛みの状態をさらに複雑化させてしまう。医療者はこうしたスティグマを「予防すること」を心に留めておくべきといえる。次回も症例とともに、慢性痛治療におけるスティグマや恨みについて考えたい。
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「こじらせ疼痛」にどう向き合う
連載の紹介
慢性的な疼痛は、身体的な問題、精神心理的問題、社会問題が複雑に合わさって生じるものです。そのため、慢性疼痛を抱えた患者の診療には麻酔科、精神科、整形外科など様々な診療科の知見を組み合わせた集学的・統合的な治療が求められます。本連載では、疼痛をこじらせてしまった症例を取り上げ、症状の経過を振り返りながら、日常診療で見落としがちな特徴的な症状・病態・経過、薬剤処方における注意点、患者への接し方などについて解説いたします。
著者プロフィール

牛田享宏(愛知医科大学学際的痛みセンター教授)●うしだ たかひろ氏。1991年高知医科大学卒。神経障害性疼痛モデルを学ぶため1995年テキサス大学医学部客員研究員、2004年ノースウエスタン大学客員研究員、同年高知大学整形外科講師を経て、2007年から現職。慢性の痛みに対する集学的な治療・研究に取り組み、2012年から愛知医科大学医学部運動療育センター長を併任。厚生労働省の「慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究」の研究代表者。
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コメント(1件)
1. 総合診療医(2018/10/01 15:44)
全く同意。医療者の心無い言葉がトラウマとなって慢性疼痛症候群になる患者のいかに多いことか。痛みは100%主観的なもので、患者本人にしかわからない。それを「おおげさな」、とか、「我慢が足りない」、とか、安易な扱いをすると、「わかってもらえない」恨みが痛みを増悪させる。「そんなに痛いのによくお仕事を続けられていますね。我慢強いんですね。でも、無理なさらないでください。いつも真面目なので緊張から解放されていない可能性はないですか?リラクセーションの呼吸法をお教えしましょう。吐く息を長くすると緊張が解けてずいぶん違いますよ。」などと相手の辛さを受け止める最初の対応が肝要だ。決して甘やかしているのではない。トラウマ化を防いでいるにすぎない。患者の主観を認める診療教育を受けていない昔かたぎの医師が一番困る。
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「こじらせ疼痛」にどう向き合う
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グルコースの構造式から見える薬のカタチ
2018/10/5
 皆さん、こんにちは。神戸市ポートアイランドにある兵庫医療大学薬学部の清水忠です。今回から、本コラムで化学構造式の楽しみ方について紹介をしていきます。どうぞよろしくお願いします。

 さて、読者の皆さんは「化学構造式」や「有機化学」にどのようなイメージを持っていますか? 大学時代に学習した「SN2反応」や「Friedel-Crafts反応」と言った多くの有機反応名や、反応が起きる様子を電子の巻矢印で書いたことを思い出す方もいるのではないか思います。

 もしかしたら、一部の読者の方は大学時代の有機化学のトラウマから「化学構造式は見たくない!」と感じている方もいるのではないでしょうか。ところが、“化学構造式=薬のカタチ”をよ〜く見ていると、医薬品の薬理作用、物性、薬物動態の知識とつながってきたりします。

 本コラムでは、医薬品の化学構造式を楽しむための基礎的な考え方について紹介します。既に医薬品の化学構造式を臨床現場で活用することについて解説している良書は複数ありますが、ここではウェブ連載の特徴を生かして、読者の皆さんから頂いたコメントの中で、もし、化学構造で解説できる事例があれば、この場で取り上げていきたいと考えています。ぜひ、皆さんと一緒に考えていく連載になればうれしいです。
化学構造式から薬の類似性を理解しよう
 第1回は、生体内物質と医薬品との類似性について紹介します。まず初めに、糖尿病の薬物治療に使われる血糖降下薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)を題材に、グルコースとの類似性を見てみましょう。

 ショ糖はグルコースとフルクトースがグリコシド結合でつながった構造をしています。小腸粘膜に存在するα-グルコシダーゼと呼ばれる酵素は、このショ糖の構造を認識し、グリコシド結合を加水分解して、ショ糖をグルコースとフルクトースに分解します(図1)。ここで生じたグルコースが小腸から吸収されてヒトのエネルギー源となります。

図1 α-グルコシダーゼによるショ糖の加水分解(模式図)
 健常人では血液中のグルコース濃度(血糖値)は一定の範囲で調整されますが、糖尿病の患者さんは血糖値が高くなり過ぎないようコントロールする必要があります。そこで、血糖コントロールを行う薬物治療戦略として、α-グルコシダーゼがショ糖を認識できないようにするという方法が考えられます。

 α-グルコシダーゼがショ糖を認識する際は、図2の模式図で示すようなα-グルコシダーゼに存在する凹みの部分(鍵穴)が重要な役割を果たしています。α-グルコシダーゼ阻害薬はこの凹みの部分に結合して、α-グルコシダーゼがショ糖を認識することを防ぎます。ということは、同じ凹みに結合するグルコースとα-グルコシダーゼ阻害薬は「α-グルコシダーゼが勘違いしちゃうほどカタチが似ているのではないか?」ということが予想されます。

図2 α-グルコシダーゼ阻害薬による阻害のイメージ
 それでは、グルコースとα-グルコシダーゼ阻害薬であるボグリボース(商品名ベイスン他)、ミグリトール(セイブル他)の化学構造式を見てみましょう(図3)。

図3 グルコースとα-グルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース、ミグリトール)の構造
 ボグリボースもミグリトールも、グルコースに非常に似ていると感じませんか?どちらも、グルコースに類似した糖鎖の構造を手掛かりとしてデザインされた医薬品ですので、グルコースとの類似性が高くなっています1〜3)。

 1例ではありますが、医薬品のカタチをよく見ると、生体内物質と医薬品の類似性、同効薬の類似性について理解できそうだなと少しでも感じてもらえたらと思います。

 では、今回のトピックとなった化学構造の類似性について宿題を出題します!次回は、この宿題の解説を行いながら、もう少し類似性について皆さんと一緒に考えようと思います。
今日の宿題
 生体内のナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2を阻害する医薬品は、A〜Cのどれでしょう?図3のグルコースの構造から予測してみましょう。

[参考文献]
1)ベイスン錠 インタビューフォーム
2)有機合成化学協会誌 2000;58(5):485-7.
3)セイブル錠 インタビューフォーム
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清水忠の「薬のカタチを楽しもう!」
連載の紹介
医薬品の添付文書にも書いてある「化学構造式」を見る機会はありますか?苦手という方は多いかもしれませんが、化学構造式を興味深く眺めていると、その薬の薬理作用、物性、動態(吸収、代謝、排泄)などを把握する助けになります。医薬品の化学構造式をどのように見て考えたらいいのかについて、一緒に考えていきましょう。
著者プロフィール

清水 忠(兵庫医療大学[神戸市中央区]薬学部准教授)しみず ただし氏。1998年東京工業大学理学部卒業後、同大大学院修士課程、北海道大大学院理学研究科博士課程修了。2008年より兵庫医療大学薬学部で有機化学教育、創薬化学研究に従事し、18年10月より現職。大阪薬科大、徳島大、東京薬科大で非常勤講師を勤めるほか、関西を中心に薬剤師向けの化学構造式研修会を不定期で開催するなど、薬学教育に尽力している。暑い街・群馬県館林市出身。
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https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/column/shimizu/201810/557895.html

 
ムンクが描いたのは「抗うことができない…」精神科医の斎藤環氏が読み解く
https://medical.nikkeibp.co.jp/mem/pub/series/off/201810/off003.pdf 2018/10/6
柳本 操=ライター 
 見る者に不安や恐怖をかき立てる、ムンクの『叫び』。小学生でも知っているポピュラーな絵には、統合失調症の人が感じる、圧倒的恐怖の世界が映し出されていると、精神科医は語る。
________________________________________
 勘違いしがちだが、ムンクの『叫び』のなかで、手前の人物は叫んでいない。叫びが聞こえ、耳を塞いでいるだけだ。ムンク自身は日記に、「自然を貫く果てしない叫びが聞こえ、思わず耳を塞いだ」と書いている。

 自然の叫びに恐怖を感じて両耳を塞いでいるというこの情景について、精神科医の斎藤環さんは、「ムンクその人自身が実際にその疾患であったかどうかについては意見が分かれますが、『叫び』には、統合失調症患者が見ている世界が克明に絵解きされています」と説明する。
 背景に描かれるのは世界没落の予兆
 人物ばかりがクローズアップされがちだが、「この作品の神髄は背景にあります」と斎藤さん。

 背後の影は自分を迫害しようとする人物という被害妄想を表し、火の海のような赤、歪(ゆが) んだ背景は、統合失調症患者特有の妄想で、「いびつに歪んだ世界が圧倒的な強度をもって崩壊し、自らに迫りくるが、自分は為すすべも持たない」という、「世界没落体験」の病理を表しているという。

 「統合失調症の患者は、こういった形のない恐怖に何とか形を与え、恐怖を和らげようと試みることがあります。例えば幻聴は、何かが聞こえると感じることで恐怖に形を与える試みなのです。ムンクにとっての絵画表現もまた、恐怖に形を与え、カタルシスをもたらしている可能性があるといえるでしょう」(斎藤さん)。

 ただし、統合失調症の症状が重く、その渦中にある患者がこのような絵を描くのは難しいという。「そもそも、見たものや風景をひとまとめに統合するのが難しい病気だからです。えたいが知れない恐怖を描こうという意思と、絵という出力結果とが一致している点では、ある種の健康を取り戻してから描いたものと推察できます」(斎藤さん)。

このPDFはこちらでご覧いただけます。
※プリントアウトはできませんのでご了承ください。
(イラスト:鈴木衣津子)
斎藤さんの結論
ムンクは描くことで自分の恐怖を具現化していた

「ムンク展─共鳴する魂の叫び 」
10月27日〜2019年1月20日 東京都美術館

招待券を5組10名様に進呈。こちらから応募ください(応募受付は10月6〜12日のみ)。※抽選者にはご登録住所に送付します。会員登録以降に住所変更があった場合は、こちらで登録情報を変更した上でご応募ください。
日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編
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http://www.asyura2.com/16/health18/msg/653.html#c1

[環境・自然・天文板6] 2040年に1・5度上昇の恐れ IPCCが温暖化報告書   IPCCが温暖化影響の特別報告書を採択 うまき
1. 2018年10月06日 19:16:30 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1615]
IPCC総会閉幕、1.5度上昇の報告書を採択
温暖化ガス「実質ゼロ」必要

2018/10/6 17:57日本経済新聞 電子版
韓国・仁川で開かれていた国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会は6日、地球温暖化の将来予測に関する報告書を採択して閉幕した。世界の平均気温が産業革命前に比べて1.5度上昇したときの影響を予測した初の報告書で、8日に詳細を公表する。
報告書は産業革命前から世界の平均気温は既に1度上がり、10年あたり0.2度の割合で上昇を続けていると指摘。今後も現在の二酸化炭素(CO2)の排出ペースが続けば、40年ごろに高い可能性で1.5度を超えると予測した。被害を防ぐには温暖化ガスの排出を今世紀半ばまでに「実質ゼロ」にする必要があるとした。
報告書は12月にポーランドで開く第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)での交渉資料になり、世界各国の温暖化対策にも影響を与える。
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2017/11/8 21:03
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36226500W8A001C1EA3000/ 

http://www.ipcc.ch/news_and_events/ma-Incheon-pr-livestream.shtml
4 October 2018
Livestream of IPCC press conference
INCHEON, Republic of Korea, Oct 3 - The Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) is holding a press conference at 10.00 a.m (Korea time) on Monday 8 October 2018, to present the Summary for Policymakers of the Special Report on Global Warming of 1.5 ºC, subject to approval.

This corresponds to 21.00, New York (7 October); 01.00 GMT; 03.00 Geneva; 04.00 Nairobi.

The press conference will be webcast in English and will be streamed live here: bit.ly/sr15pressconference. This information will also be posted on our social media channels on the day of the press conference.

Media following the press conference can send questions via Slido using event code SR15. To submit questions.
• Open www.sli.do
• Enter the event code (SR15) then click join

• A window will open where you can submit your questions

• Type in the question up to 300 characters.
• In the name section, type your name and in brackets your organization i.e First Name, Surname (Organization). Please note that it is important to include your organization. Anonymous questions will not be accepted.
• Click send to submit your question.

Please note that because of limited time, it may not be possible to answer all questions that are submitted.

For more information, contact:
IPCC Press Office, Email: ipcc-media@wmo.int
Werani Zabula +41 79 108 3157 or Nina Peeva +41 79 516 7068

Follow IPCC on Facebook @ipcc, Twitter @ipcc_ch, LinkedIn @ipcc and Instagram @ipcc.

Notes for editors

About the IPCC

The Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) is the UN body for assessing the science related to climate change. It was established by the United Nations Environment Programme (UN Environment) and the World Meteorological Organization (WMO) in 1988 to provide policymakers with regular scientific assessments concerning climate change, its implications and potential future risks, as well as to put forward adaptation and mitigation strategies. It has 195 member states.

IPCC assessments provide governments, at all levels, with scientific information that they can use to develop climate policies. IPCC assessments are a key input into the international negotiations to tackle climate change. IPCC reports are drafted and reviewed in several stages, thus guaranteeing objectivity and transparency.

The IPCC assesses the thousands of scientific papers published each year to tell policymakers what we know and don’t know about the risks related to climate change. The IPCC identifies where there is agreement in the scientific community, where there are differences of opinion, and where further research is needed. It does not conduct its own research.

To produce its reports, the IPCC mobilizes hundreds of scientists. These scientists and officials are drawn from diverse backgrounds. Only a dozen permanent staff work in the IPCC’s Secretariat.

The IPCC has three working groups: Working Group I, dealing with the physical science basis of climate change; Working Group II, dealing with impacts, adaptation and vulnerability; and Working Group III, dealing with the mitigation of climate change. It also has a Task Force on National Greenhouse Gas Inventories that develops methodologies for measuring emissions and removals. All of these are supported by Technical Support Units guiding the production of IPCC assessment reports and other products.

IPCC Assessment Reports consist of contributions from each of the three working groups and a Synthesis Report. Special Reports undertake an assessment of cross-disciplinary issues that span more than one working group and are shorter and more focused than the main assessments.

About the Sixth Assessment Cycle

At its 41st Session in February 2015, the IPCC decided to produce a Sixth Assessment Report (AR6). At its 42nd Session in October 2015 it elected a new Bureau that would oversee the work on this report and Special Reports to be produced in the assessment cycle. At its 43rd Session in April 2016, it decided to produce three Special Reports, a Methodology Report and AR6.

The full name of the report is Global Warming of 1.5 °C, an IPCC special report on the impacts of global warming of 1.5 °C above pre-industrial levels and related global greenhouse gas emission pathways, in the context of strengthening the global response to the threat of climate change, sustainable development, and efforts to eradicate poverty.

Global warming of 1.5 ºC is being prepared under the scientific leadership of all three Working Groups.

The Methodology Report to refine the 2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories will be delivered in May 2019. Besides Global Warming of 1.5 ºC (SR15), the IPCC will finalize two other Special Reports in August and September 2019 respectively:

• Climate Change and Land: an IPCC special report on climate change, desertification, land degradation, sustainable land management, food security, and greenhouse gas fluxes in terrestrial ecosystems (SRCCL);
• Special Report on the Ocean and Cryosphere in a Changing Climate (SROCC).

The AR6 Synthesis Report will be finalized in the first half of 2022.

For more information go to www.ipcc.ch

For more information on SR15 go to http://www.ipcc.ch/report/sr15/
http://www.ipcc.ch/news_and_events/ma-Incheon-pr-livestream.shtml

http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/676.html#c1

[経世済民128] ぐっちー「リーマン再来よりも史上初の大失業時代が深刻」〈AERA〉  赤かぶ
3. 2018年10月08日 11:49:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1616]

>リーマン・ショックは再来しません。来るとすれば史上初の大失業時代

そうなれば日本は幸せだろうが

規制と硬直化した経済では、省力化投資が、そこまで進むとしても

かなり未来の話だ

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/703.html#c3

[経世済民128] いよいよ世界恐慌の覚悟が必要…不気味な日米同時バブル 日本経済一歩先の真相(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
5. 2018年10月08日 11:50:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1617]

>世界を暗黒に叩き込む大恐慌

相変わらずバカ過ぎて話にならない

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/677.html#c5

[経世済民128] みんなは恐ろしくないのか? 日々上がる株価  赤かぶ
5. 2018年10月08日 11:53:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1618]

くだらん

株に限らず、リスク資産とは、


世界の実体経済と金融財政政策、そして政治リスクを反映し

投機的に上下動を繰り返す

それだけのことだ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/709.html#c5

[経世済民128] リスクオン相場に陰り、久方ぶりに原油高がかく乱要因にも 日銀が長期金利上昇を静観、市場機能優先 うまき
2. 2018年10月08日 12:09:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1619]
ドル不足 調達金利上昇 米利上げ・新興国不安 邦銀、10年ぶり水準
2018/10/8付
日本経済新聞 朝刊
 世界で米ドルを調達しにくい状況が広がっている。米国の利上げと新興国不安でドルの需要が高まり、日本では銀行が円でドルを調達する金利が上昇。9月には年率換算で3%台前半とリーマン・ショック以来、10年ぶりの高さとなった。アジアではドル建て債務の借り換えが困難になるリスクが高まっており、世界経済に影響が広がる可能性が出ている。


 日本の銀行は海外で企業に融資するためにドルを持つ。日銀によると8月時点で邦銀の海外での融資は75兆8千億円で、元手となる預金は62兆9千億円。この差額の13兆円程度は米銀行などから借りて調達する。
 円をドルに替える費用は主に日米の金利差で決まる。銀行間金利(総合・経済面きょうのことば)はドルだと2.4%程度だが円はほぼ0%。ドルの調達には、この金利差分のコストを負担する必要がある。米国では貸出金利があまり上がっておらず、調達コストの増加は収益の圧迫要因になる。
 9月下旬には調達金利が年3.15%まで上がった。このうち金利差によるのは2.5%弱で、さらにドルの需要を映す上乗せ分も0.7%弱まで上昇。新興国や日欧など米国以外からのドルの需要が強く、4月以後、0.1〜0.2%程度で推移していた邦銀の上乗せ分も増えている。
 野村証券の中島武信氏は邦銀のドル調達金利は19年年末には3.75%程度まで上がるとみる。三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長は「事業モデルの見直しが急務だ」と話す。
 日本だけでなく欧州の金融機関でもドルの調達金利が上がっている。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)でドルは年率2.4%程度と08年11月以来の高水準。英国の欧州連合(EU)離脱交渉やイタリアの財政問題が混迷すれば、一段と上昇する可能性もある。
 ドルの金利上昇は、アジアなどの新興国にとってはさらに深刻だ。対外債務を増やしてきた新興国は一段と資金調達が厳しい状況となりかねないからだ。
 新興国では08年のリーマン・ショック以後、潤沢なドルの資金が流入し、社債などでドル建て債務を膨らませてきた。国際決済銀行(BIS)の集計によると、銀行部門を除く新興国のドル建て債務の合計は3.7兆ドルに達し、過去10年で2.3倍に増えている。
 新興国の信用が低下し、資金が米国に戻る動きも顕著だ。ドルの金利上昇に加えてドルの不足感が高まると、新興国の政府や企業は次にドル建て債務を借り換える際、さらに金利が上乗せされるリスクが出てくる。
 今後もドルの不足感が高まる懸念は強い。米連邦準備理事会(FRB)は国債などを買うことによるドルの供給を昨年秋から減らしている。3日時点のFRBの総資産は約4.2兆ドルで1年前より3千億ドル弱減った。減少ペースは加速する見通しで、米国内外のドルは着々と減っていく。
 FRBは来年末までに3〜4回の利上げをする見込み。11日にインドネシアで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、ドルが金融情勢に与える影響が議題の一つになる。


 

地銀再編に「長崎モデル」 九州2行の統合承認
2018/8/24 20:00
日本経済新聞 電子版
 公正取引委員会は24日、長崎県の親和銀行を傘下に置くふくおかフィナンシャルグループ(FG)と同県の十八銀行の統合を認めると発表した。これで両社の再編問題は2年半越しで決着した。独占禁止法上の問題を解消するために、融資先企業が競合金融機関から借り換えることで融資シェアを下げる今回の手法は、同じ県内にある地銀同士が統合する際のモデルケースとなりそうだ。

記者会見するふくおかFGの柴戸隆成社長(左)と十八銀行の森拓二郎頭取(24日午後、福岡市)

 公取委の承認を受けて両社は同日、福岡市内で共同記者会見を開き、2019年4月に経営統合する方針を発表した。ふくおかFGの柴戸隆成社長は「今後の人口構造を考えると、今やらなければ地域の金融システムを維持できない」と統合の意義を改めて強調。そのうえで借り換えによるシェア引き下げを「苦渋の決断だった」と述べた。
 両社が統合計画を発表したのは16年2月。当初は17年4月の統合を目指していた。ところが統合で長崎県内での中小企業向け融資のシェアが80%近くになり、利用者の選択肢が狭まることを公取委が問題視。両社は公取委が納得する解消措置を示せず、審査は長期化した。17年7月には無期延期に追い込まれていた。
 審査の突破口となったのは、融資先企業に競合する金融機関に借り換えてもらう手法だ。佐賀銀行や長崎銀行など周辺の地銀、信用金庫やメガバンク、商工組合中央金庫など約20の金融機関が受け皿となり、貸出額で計1千億円弱相当を移す。これにより長崎県内での中小向け融資シェアは18年1月時点の約75%から約65%に下がる。
 受け皿となる金融機関が長崎県内での営業体制の強化を表明していることもあり、公取委は「中小企業の選択肢は確保される」と判断した。
 両社は統合後の地域での融資シェアが100%になる離島などで金利が不当に上がらないよう、第三者が監視する枠組みの導入もあわせて提示した。公取委は23日に最終意思決定を行う委員会を開き、内容を精査したうえで両社の統合計画を認めることを決めた。
 こうした方式は今後の地銀再編の1つのモデルになる可能性がある。統合で地域の融資シェアが高まり、独禁法上の問題がある再編案に関して、公取委の深町正徳企業結合課長は「債権譲渡が問題解消策の柱となる」と指摘。そのうえで「今回の事例が先例になる」との考えを示した。
 これまでの地銀再編は県境をまたぐ広域型や、競合が激しい都市部での再編が主体だった。ただマイナス金利政策や人口減少で地銀の苦境が強まるなか、重複店舗の統廃合など合理化の余地がより大きい県内同士の再編で「実」を取るニーズが強まっている。
 県内首位と2位で融資シェアが80%近くになる長崎県は突出しているが、過疎地ほど市場の魅力は薄いため、県内勢のシェアは高くなりがちだ。
 今後は長崎県での統合の行方を横目に再編を模索してきた他の地銀の動向が焦点になる。現在、岩手、富山など全国の13都府県で長崎と同じく県内に3行以上の地銀がひしめく。長崎での再編実現は「地銀にとっては選択肢が広がる」(金融庁幹部)ことになる。再編相手を県内に求める動きが広がる可能性がある。
 一方、今回のケースは県内での融資シェアが高くなる統合では他の金融機関に債権を移し替えないと実現できないという先例にもなった。「ここまで汗をかかないと統合できないのか」と受け止める地銀関係者もいる。


地銀の本業利益、半分が赤字
金融庁が集計
2018/9/26 18:00
日本経済新聞 電子版
 金融庁は26日、106ある地方銀行の半分が2期以上連続で本業利益が赤字になっているとの集計結果を発表した。23行は5期以上の連続赤字で、長期にわたって赤字から抜け出せない地銀が毎年増えている。厳しい本業を補ってきた有価証券運用でも含み益が減っており、苦境が一段と鮮明になっている。
 埼玉りそな銀行を含む地銀の2018年3月期の決算をもとに、貸し出しや投資信託の販売などに伴う手数料収入を本業利益として計算した。18年3月期は54行の本業が赤字で、このうち52行は2期以上連続で赤字だった。16年3月期は40行が赤字だったが、超低金利の長期化で融資から得られる利益が細り、赤字の地銀が増えている。
 地銀は株式や債券などの運用益で苦しい本業を補ってきた。ただ「益出し」を繰り返してきたことで、16年3月末に2.6兆円あった有価証券の含み益は18年3月末に1兆円まで落ち込んだ。金融庁は厳しい現状を踏まえて、持続可能なビジネスモデルを早期に構築するよう促している。
地銀「不良債券」を処理 外債、赤字覚悟で損切り (2018/8/14 21:43) [有料会員限定]
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人口減、低金利…しのぐ地方銀行
2018/10/8 7:00
日本経済新聞 電子版
 低金利や地域の人口減で地方銀行が厳しい経営環境下に置かれている。県内競合行からのトップ招請、犬猿の仲だったライバル行の経営統合、コンサルティング機能の強化など、様々な新機軸を打ち出す。生き残りをかけた東日本の地銀の取り組みを紹介する。
■競合行からトップ招く
 東北では地銀全15行のうち2018年3月期で本業のもうけを示す実質業務純益を増やせたのは3行にとどまった。

 特に福島銀行は最終赤字となり、福島県最大手で競合行の東邦銀行出身、加藤容啓氏が6月に社長に就いた。9月28日には就任後初めて経営方針を発表。18年3月期で33億円の赤字だった単独最終損益を、21年3月期には6億円の黒字に転換するというものだ。
 しかしそのための施策は「事務の合理化」「営業力の強化」「人材・店舗の効率的運用」などの文言にとどまり、具体策は見えてこない。
 「東邦出身ですが、心機一転がんばります」。今夏、取引先の経営者と向き合う加藤氏の姿があった。社長就任直後から始まった取引先へのあいさつ回り。「加藤社長は自分で訪問先を選んで」(関係者)おり、その中には東邦銀がメインの取引先も含まれる。
 加藤氏の社長就任は様々な臆測を呼んだ。福島銀の行員は取引先からこうささやかれるようになった。「いつか東邦銀にのみ込まれるんでしょうね」

加藤容啓社長の似顔絵をあしらった福島銀行のポスター
 だが、加藤氏の姿勢は違う。福島銀の店舗に貼られたポスターには、イラストで描かれた加藤氏が拳を振り上げている。前例のない社長の似顔絵ポスターだ。「福島銀は単独での再生をめざす。生まれ変わったことを銀行の内外に浸透させたかった」(加藤氏)と話す。
 営業も変えた。加藤氏は福島銀の社長に就任するまで東邦銀の証券子会社トップだった。そこで培ったノウハウをもとに保険や投資信託の販売に力を入れる。最優先は手数料収入の底上げだ。保険は販売額の3%前後が手数料として入る。低金利で融資の利ざやが稼げない状況下で保険重視の姿勢を鮮明にした。
 優越的地位の乱用など独占禁止法に抵触する恐れがあるとして、東邦銀は融資先に積極的に販売してない。福島銀は営業担当に東邦銀の融資先を回らせて保険を売る作戦だ。「販売をきっかけに今後の取引につながる可能性がある」(福島銀の支店幹部)ともくろむ。

 しかし低金利で利益を出しにくいとはいえ、主に貸出業務から生まれる資金利益が銀行の収益の柱だ。投信や保険の販売手数料に頼るのは限界がある。
 18年3月期の赤字決算は店舗の減損処理も一因だった。収益性が低下した店舗などの固定資産について、価値を引き下げた。収益を抜本的に改善させないと減損の懸念がつきまとう。
■かつての犬猿の仲が握手
 新潟県では県内のライバル行が手を結んだ。長年、犬猿の仲と呼ばれた第四銀行と北越銀行が1日に経営統合したのだ。やはり経営環境の悪化が背景にあった。
 持ち株会社、第四北越フィナンシャルグループが発足。2行を合わせた新潟県内のシェアは56%で、地域に1強の金融グループが誕生した。
 同日発表した中期経営計画では21年1月に両行が合併し、店舗の統廃合や従業員の再配置を進め、25年度までに累計170億円の統合効果を生み出すとした。

握手する第四北越フィナンシャルグループの佐藤勝弥会長(右)と並木富士雄社長(1日、新潟市)
 店舗の統廃合については、1店舗のみが立地する地域では合併後も当面は店舗を存続させる一方で、近隣に複数の店舗が立地している約50店を対象に統廃合を進める方針を示した。隣接している地域では「店舗内店舗」方式で統合する方針だ。店舗の統廃合で空いたスペースは介護や創業支援などの施設として活用することを検討する。
 一連の効率化で捻出した900人から退職などを差し引いた500人を、営業や取引先企業への人材派遣、新規ビジネスなどに振り向ける。
 統合でコスト削減をそこまで進めるのは、マイナス金利政策による収益の悪化と地域経済の停滞があるためだ。本業の利益を示す単体の実質業務純益を15年3月期と18年3月期で比べると、第四銀が27%、北越銀が18%それぞれ減っている。
 金融緩和の出口戦略が見えず、地盤の新潟県では人口減が進み、開業率も全国平均より低い。1行単独での努力では限界があるとみて、長年のライバル関係を超えて今回の経営統合に至った。
■本業厳しく、コンサル強化
 2年前に経営統合し、傘下銀行に常陽銀行と足利銀行を抱える、めぶきフィナンシャルグループは、行員のコンサルティング力を底上げして激変期を乗り切ろうとしている。
 マイナス金利政策の影響で超低金利が続くなか、利益の源泉となる資金利益(2行合算)は19年3月期で42億円(3%)減る見通しなど、本業は厳しい環境にある。コスト削減に向けた店舗の軽量化や業務の効率化は待ったなしだ。
 20年1月には足利銀が基幹システムを常陽銀と共通化する。統合の準備作業が足利銀で本格化し、常陽銀では法人向け融資審査での人工知能(AI)活用や少人数で運営できる軽量店舗の設置を進める。
 これらの対策で捻出した時間と資金は行員のコンサルティング力の強化に振り向ける。カネ余りの時代にあって「あらゆる企業が抱える課題は人手不足」(笹島律夫めぶきFG社長)。IT企業から講師を招いて取引先の業務効率化につながる技術を行員に学ばせるなど、金融以外の知識も備えた人材の育成を図る。
 リース、証券子会社の再編や営業ノウハウの相互共有、重複店舗の解消といったこれまでに実施した施策に比べると、新たな業務に対応できる人材の育成は時間がかかる。ITを駆使した業務改革を進めつつ、行員一人ひとりのスキルをいかに高めるか。3年生になっためぶきFGに課された宿題だ。
(古山和弘、松添亮甫、上月直之)


 


バンガード創業者が説く、シンプルな投資のすすめ
毎年恒例のボーグルヘッド会議、投資家200人が集結
バンガードグループ創業者のジョン・C・ボーグル氏 RYAN COLLERD FOR THE WALL STREET JOURNAL
By Jason Zweig
2018 年 10 月 8 日 08:00 JST

――筆者のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト

***

 米ペンシルベニア州で先週、200人の投資家を集めて開いた会議はキリスト教の伝道集会のようでも、経営学修士(MBA)コースの財務の授業のようでもあった。

 「ボーグルヘッド」と呼ばれる投資家たちは敬愛するバンガードグループ創業者のジョン・C・ボーグル(ジャック・ボーグル)氏に感謝を伝えるためにやってきた。彼らにとってこの会議は、投資にまつわる体験やアドバイスを語り合い、「投資は簡単で大した金もかからない」という認識を強め合う場でもあった。 

 2000年以降、ボーグルヘッドは一握りの筋金入りのファンの集まりから無料のオンラインフォーラム(bogleheads.org)に成長した。フォーラムの登録ユーザーは7万5000人で、個人の財務・金融に関して考え得るすべての話題について300万件を超える投稿がある。

 ボーグルヘッドが臆面もなく称賛するボーグル氏は1974年にバンガードを設立し、その翌年に初のインデックス型投資信託を設定した。バンガードによると、1990年代初頭以降、米国の投資家がインデックス型の投信のおかげで節約できた手数料は約1500億ドル(約17兆円)に上る。

IDカードの写真は参加者本人のものではなくボーグル氏の写真
IDカードの写真は参加者本人のものではなくボーグル氏の写真 PHOTO: RYAN COLLERD FOR THE WALL STREET JOURNAL
 会議の参加者が首に下げているIDカードの写真は参加者本人のものではなく、ボーグル氏の写真だった。「ジャック・ボーグルを大統領に」と書かれた選挙運動用のバッジを身に付けている人も数人いた。

 ボーグル氏が姿を現すと、参加者は総立ちになって拍手喝采した。ボーグル氏は前日に病院で不整脈の治療を受けていたこともあり、到着は約10分遅れた。

 89歳のボーグル氏は生まれつきの冠動脈疾患を抱えており、これまでに数回、心臓発作を起こしている。1996年には心臓移植を受けた。

 ボーグル氏は前かがみになって杖をつきながら演台のところまで歩くと、後ろの椅子に腰掛けた。演台を飾っていたのはボーグル氏の写真で、そこにはこう書かれていた。「われらの友人で助言者のジャック・ボーグル」

演台を飾るポスターには「われらの友人で助言者のジャック・ボーグル」と書かれたあった
演台を飾るポスターには「われらの友人で助言者のジャック・ボーグル」と書かれたあった PHOTO: RYAN COLLERD FOR THE WALL STREET JOURNAL
 ボーグル氏は疲れ切って弱っているように見えた――89歳で心臓が悪ければ、誰だってそう見えるだろう――が、声はこれまでと同じように力強かった。

 ボーグル氏は価格の安い「バリュー」株は高額な「成長」株を収益率で上回るのは間違いないとか、上場投資信託(ETF)はインデックス型の投信より優れているなど世間が無条件に受け入れている投資の常識を攻撃した(ボーグル氏は長期的にはバリュー株も成長株も収益率は一致すると予想している)。バンガードは最大のETF運用会社の一つだが、ボーグル氏はETFが過剰な売買を招いていると考えている。

 株式については、長期的にはインフレ調整後の値上がり率が年平均で4%を超える可能性は低いと警告し、世界中の投資家は「もっと節約し、コストを減らした方がいい」と述べた。

 さらに、投資家は自分がコントロールできるもの(例えば手数料や税金)をコントロールし、コントロールできないものは諦めるべきという自身の信条を繰り返した。

 ボーグル氏は個人資産のおよそ半分を株で、残りの半分を債券で保有していると言い、「半分の時間はなぜ株にこれほど多く投資しているのかと考えて過ごし、もう半分の時間はなぜ株にこれだけしか投資していないのかと考えて過ごす」と語った。

 会議ではこうも言った。「私は自分が知らないことを知ることでキャリアを築いた」

 「ここにいる皆さんは私にとって大切な存在だ」。そう聴衆に語りかけるボーグル氏の声はかすれていた。ボーグル氏の話が終わると、ボーグルヘッドは立ち上がって再び拍手喝采を送った。多くの人が目に涙を浮かべていた。

参加者全員にボーグル氏の本が配布された
参加者全員にボーグル氏の本が配布された PHOTO: RYAN COLLERD FOR THE WALL STREET JOURNAL
 デービッド・クロースさん(31)はマサチューセッツ州リビア在住の配管工で、退職後に備えて貯蓄を始めた2、3年前に偶然、ボーグルヘッドのサイトを見つけた。当時は「何の知識もなかった」と言い、「それまで貯蓄や投資について教えてくれる人はいなかった」と話した。現在はバンガードのインデックス型の投信に「ロス」という種類の個人退職口座(IRA)を開設していて、「今は自分でできるような気がする」そうだ。会議に参加したのは「自分より賢い人達と付き合えば成長できるから」だという。

 ビクトリア・ファインバーグさん(64)は国防総省を退職し、今は電子工学のエンジニアだ。ボーグルヘッドのサイトに出会ったとき、ファインバーグさんは株で損をしたショックからまだ立ち直っていなかった。2001年に初めてフォーラムに質問を投稿したところ、参加者の「知性と専門性にとても感動した」と語った。「彼らはとても親切に対応してくれた」

 ファインバーグさんが年に一度のこの会議に参加するのは今回で12回目。会議に参加する最大の目的はボーグル氏に感謝の気持ちを伝えることだ。「(ボーグル氏は)大変な仕事、本当に割に合わない仕事をしてくれた。そのおかげで私は多くの間違いをしたにも関わらず退職することができた」

 リック・ブリッジマンさん(53)は先月末でジョージア州の検事の仕事を辞めた。妻のジェノリアさん(57)は疾病対策センター(CDC)の元管理職だ。ブリッジマンさんは「ここに来る以上の退職祝いは思いつかなかった」と話した。

 1990年代初め、2人はジョージア州アトランタの個人資産に関する会議でボーグル氏の講演を聞いた。「なるほどと思わせる」話で、「これだと思った」そうだ。2人はインデックス投信を購入し、寝かせている。

ランチをとりながら情報交換に勤しむ参加者
ランチをとりながら情報交換に勤しむ参加者 PHOTO: RYAN COLLERD FOR THE WALL STREET JOURNAL
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 ブリッジマンさんは退職の話を聞きつけた株式仲買人の友人から昼食に誘われた話をしてくれた。友人には「昼食に行くのはいいが、私はボーグルベッドだからインデックスファンドやシンプルな投資を信頼していることは承知しておいて」と伝えたそうだ。

 「彼は今も友人だが、昼食にはいまだに誘われていない」。ブリッジマンさんはそう言うと、当時を思い出して妻と大笑いした。

 何人かの出席者は声を潜めて筆者にこう尋ねた。いつかボーグル氏がいなくなったら、ボーグル氏の代わりになれるような人はいるのか、と。

 私は思いついた唯一の答えを口にした。「私にも分かりません」

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バンガード創業者、インデックスファンド批判に反論する一方で、上場投資信託を懸念

ジャック・ボーグル氏は米国人の投資手段だけでなく、恐らくは市場がどのように機能するかも永久に変えてしまったインデックスファンドの生みの親だ PHOTO:CHRISTOPHER LEAMAN
By
Leslie P. Norton
2018 年 5 月 22 日 07:16 JST
• インデックスファンドの生みの親が批判に反論
 現在の市場に対して、良い方向であれ悪い方向であれ責任がある人物が1人いるとすれば、それはジャック・ボーグル氏だ。同氏は40年以上も前に現在のバンガード・グループを設立し、米国人の投資手段だけでなく、恐らくは市場がどのように機能するかも永久に変えてしまった、インデックスファンドの生みの親でもある。
 現在、インデックスファンドは株式ファンドの運用資産の43%を占めており、今後3年間でその割合は50%に達すると予想されている。保有対象をアクティブに評価するマネジャーがいない米国のファンドの規模は、約7兆ドルに達する。
 ボーグル氏が1976年に初のインデックスファンドを設定した際には、冷笑され、米国的ではないと評された。その後、インデックスファンドの人気が上昇するとともに、反動も増えている。批判する向きは、市場の崩壊を警告し、市場全体の単一的な動きを懸念している。
 インデックスファンドはより賢明で、情報に通じた投資家層を生み出し、彼らはより低い手数料を求め、資産運用業界のコストを押し下げ、投資教育の水準を改善した。だが、インデックス投資の台頭は一握りの銘柄の価格上昇にもつながった。また、企業が投資家の懸念に対応する必要性が低下して企業統治が悪化するとの懸念や、3兆4000億ドルの上場投資信託(ETF)が市場を不安定にしているとの懸念もある。
 ボーグル氏は本誌のインタビューで、インデックス投資が市場を不安定にしたという批判に答え、ETF時代がどのように終わるかを示唆し、市場をアンダーパフォームするファンドが増えれば低コストの必要性は増すばかりだと述べた。
 批判する向きは、インデックス投資家が資本を適切に配分していないと問題視する。つまり、インデックスファンドに資金が流入した場合、時価総額の大きな企業は株価上昇が適切であるか否かにかかわらず、時価総額比率相当の金額が投資され、さらに割高になるというものだ。近年、いわゆるFAANG銘柄で、個人情報問題や規制の可能性による混乱が生じるまで、バリュエーションが大幅に割高と見なされていた。

 さらに、わずか3485の上場銘柄に対して、インデックスは5000本を超える。資金の大半はS&P500指数や他の大型株指数に流入し、小型株の資本を枯渇させる可能性がある。
 第3の問題は、アクティブ運用マネジャーが減少するにつれて、上場企業の価値を決める市場の能力が低下することだ。ボーグル氏でさえ、誰もがインデックス投資に向かえば「際限のない混乱」という結果になると述べている。4番目は、株式保有がバンガード、ブラックロック(BLK)、ステート・ストリート(STT)の3社に集中することだ。3社を合わせると、S&P500指数構成銘柄の88%の企業の最大株主となっており、最近まで株主総会において、経営能力に関係なく会社側の意向に沿って投票する傾向にあった。
 ボーグル氏は当然のことながら、これらの批判に反論している。市場は資本配分とはほとんど関係ない。また、アクティブ運用から資金が流出しているため、市場に対するインデックス運用者の影響は過大評価されていると同氏は言う。インデックスファンドが株式ミューチュアルファンドの資産の43%を占める一方で、インデックスファンドの自動的な組み換えは、株式市場の全ての出来高の5%を占めるにすぎない。一方で、ミューチュアルファンドは全体として大型株の比重が指数よりも高い。例えばアップル(AAPL)はS&P500指数の3.55%を占めるが、株式ファンドの平均では3.63%となっている。アルファベット(GOOGL)はそれぞれ3.01%と3.44%で、アマゾン・ドット・コム(AMZN)は2.87%と3.4%となっている。同氏は「インデックス運用が市場の70%を占めたとしても問題にはならないとみている。実際にはインデックス投資は増えるべきだ」と語る。
• EFTと株式の集中保有を懸念
 とはいえ、ボーグル氏は1点を認めている。インデックスファンドが進化してETFを生み出した。ETFは投資家に対して、長期保有ではなく売買を促す。ETFの売買回転率は同氏にとって不安な点であり、上位100本では785%に及び、時価総額上位100銘柄では144%だ。ボーグル氏は、ETFはパッシブ運用のインデックスファンドがアクティブ運用に変化したもので、取引コストの上昇や市場タイミングの問題も生み出していると述べる。
 ボーグル氏は、ETFは純粋に投機的で、底値で売って高値で買うよう促していると懸念している。指数自体に加えて構成銘柄に流入した資金を勘案した金額加重平均収益率に対する調査では、2005年から2017年にかけて伝統的なインデックスファンドの平均リターンは8.4%、アクティブ運用ファンドは7.2%、ETFは5.5%だった。この調査結果は、ETFの終わりの種を含んでいる。また同氏は、多くのニッチ分野が一般的になったために、ETFの成長が減速し、多くのETFが姿を消していくと予想している。
 とはいえ、同氏は懸念し過ぎている可能性がある。ETFを短期的に利用する正当な理由は多く存在し、その一つはヘッジだ。2012年のバンガードの320万件の取引を対象とした調査によると、大半の個人投資家がETFを長期保有していた。
 ボーグル氏はまた、インデックス運用大手3社による株式の集中保有を懸念している。2017年時点で、バンガードはS&P500指数構成銘柄のうち491社で株式の5%超を保有していた。

 ボーグル氏は、インデックス運用については依然として楽観的だ。「人々のコスト意識が高まり、投資期間の理解が深まるにつれて、インデックス運用の革新は進行していく」と語る。特に、今後の市場のリターンが過去数年の驚異的なリターンを下回る公算が大きいため、この重要性が高まると同氏は話す。ボーグル氏の計算方法は単純で、配当利回り、利益成長、推定株価収益率(PER)を用いる。この計算によって、株式市場の短期的な年平均リターンは6%と同氏は予想する。
• インタビュー
以下、本誌のインタビューをお届けする。
本誌:あなたは、インデックスファンドで怪物を生み出したのか?
ボーグル氏:総出来高のおそらく5%を占める伝統的なインデックスファンドと、年間回転率が800%を超えるETFを区別しなければ、生み出したという主張はできない。インデックスで活発なのは、ほぼ100%がETFだ。金融の野心家が参入し、ニッチ分野を見いだそうとしている。生涯を通じて通用する優れた投資アイデアというのは信じがたい。多くのニッチに人が集まっており、それに伴って多くのETFが撤退するだろう。
Q:規制当局は、ETFを精査すべきか?
A:インデックス運用全般、中でもETFの拡大に注目している規制当局は世界中にあるが、どのように規制したらよいか分かっていない。ETFはブラックロック、バンガード、ステート・ストリートによる寡占状態にある。投資会社法は基本的に、ミューチュアルファンドは企業の株式を10%を超えて保有してはならないと定めている。しかし、あるファンドの持ち分が10%に達しようとする場合、2本目のファンドを立ち上げれば、テクニカルには規制を順守したことになる。上限を設定すべきだ。われわれ(ファンド会社)が米国の全企業の50%の株式を保有するなど、突拍子もない状態だし、まだほど遠い。しかし、これら大手企業が今まで通りの経営を続けるとは考えにくい。
Q:議決権代理行使におけるインデックス運用会社の役割は?
A:積極的関与だ。実現するまでに長い時間がかかった。機関投資家、特にインデックスファンドが真剣に取り組んでいないと私が語ったのは2001年だった。ウォール街では経営陣が気に入らなければ株式を売れば良いが、インデックスファンドは株式を売れないため、別の手段を取る必要がある。
Q:業界2.0(次世代の資産運用業界)はどうなるか?
A:マーケティングが前面ではなく、受託者の義務やプロ意識の後ろに控えるような業界だ。コストは低下するだろう。業界はより寡占的になるだろうか? 運用資産が100億ドル未満のような小規模マネジャーにも常に存在余地はある。しかし、大手は一段と強くなるだろう。人々がコストを意識し始めてからの時間が長くなり、どれほど長く投資するかを理解するにつれて、インデックス運用の進化は加速するだろう。
Q:ポートフォリオに含まれている銘柄は?
A:私には二つのポートフォリオがある。一つは年金ポートフォリオで、株式と債券が60対40で、バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス(VTSMX)のようなインデックスファンドが主体だ。バンガード・ウェリントン(VWELX)やプライムキャップといったファンドも大量に保有している。取締役の経験もあって、ストックオプションのパフォーマンスも良い。個人の投資勘定としては株式40%、債券60%としており、ボーグル・インベスト・マネジメント・スモール・キャップ・グロース(BOGIX)を保有しているほか、バンガード・タックス・マネージド・グロース・アンド・インカム(VTGIX)を特に好んでいる。

 
バロンズ】ファンドではなく「マネジャー」を買え
マネジャーの選定方法をウィーナー氏とローウェル氏に聞く

ジム・ローウェル氏とダン・ウィーナー氏 PHOTO: PHILIP VUKELICH
By
Leslie P. Norton
2018 年 7 月 10 日 08:16 JST
 バンガード・グループとフィデリティ・インベストメンツほど、米国人の投資先として認知度や忠誠度、実績が高い会社はほとんど存在しない。両社は1970年代から脚光を浴び始め、今やバンガードは運用資産5兆ドル超、フィデリティは直接運用する2兆5000億ドルに加えて、証券会社、退職年金勘定などの管理資産が7兆ドルある。1990年代に、これら2社の複雑なファンドのガイドを提供して有名になったのが、『インディペンデント・アドバイザー・フォア・バンガード・インベスターズ』の編集長のダン・ウィーナー氏と、『フィデリティ・インベスター』と『フィデリティ・セクター・インベスター』の編集長のジム・ローウェル氏だ。両氏はそれぞれの会社のアクティブ運用のマネジャーの調査を行ってきたため、スター的なマネジャーをはじめ、各マネジャーの実績を熟知している。両氏のモデルポートフォリオは、S&P500指数を大きくアウトパフォームしており、アドバイスに従っていた人は報われている。両氏はまた、運用資産55億ドルの資産運用会社アドバイザー・インベストメンツでもチームを組んでいる。
 本誌:ニュースレターの執筆は、資産運用マネジャーの仕事に役立ってきたか?
 ウィーナー氏:私は27年半もニュースレターを書いてきた。アクティブ運用のファンドでポートフォリオを組み、インデックスをアウトパフォームする方法を示すのに、これ以上良い方法はない。
 ローウェル氏:常に書くことで、考えが明確になり、落ち着いていられる。2008〜2009年の 金融危機のさなかに、ファンドの明細書は怖くて開封しなくともわれわれのレターは読んでいた顧客もいた。
 ウィーナー氏:この仕事は投資家の教育というわけで、非常に興味深い。
 Q:成功したと分かる時はどんな時か?
 ウィーナー氏:「ファンドではなくマネジャーを買え」というような自分が言った言葉が使われる時だ。
 ローウェル氏:「客に出した料理を自分も食べる」。
 ウィーナー氏:「市場のタイミングではなく、市場にいる時間」。上昇や下落のタイミングの予測は難しいが、時間は重要だ。退職の時期に合わせるターゲットデート・ファンドは生まれた年に合わせて配分が決められているが、十把一からげにするよりも、個別の要因に合わせて投資教育をすべきだと思う。
• アクティブファンドに投資する理由
 Q:アクティブファンドのパフォーマンスはベンチマークを下回りがちだが、アクティブを選ぶ理由は何か?
 ウィーナー氏:平凡なマネジャーは使わない。何千もの中から10本程度は安定的に好成績をあげ、強い投資哲学や戦略を維持しているものがある。
 ローウェル氏:多くの投資家は、インデックスファンドや上場投資信託(ETF)の手数料の低さをリスクの低さと勘違いしている。
 ウィーナー氏:誰もがバンガード500インデックス・ファンド(VFINX)やバンガード・トータル・ストックマーケット・インデックス・ファンド(VTSMX)のことを口にするが、全ての資金をこれらにつぎ込んでいれば2009年のような株価下落時には、半分以上の資金を失って泣く羽目になる。この時は元に戻るのに3年半かかった。分散投資しなければいけない。
 Q:アクティブ運用ファンドは手数料が高いためインデックスファンドの成績を上回るのが難しいのでは?
 ウィーナー氏:アクティブでも低コストのファンドもある。バンガード配当グロース・ファンド(VDIGX)のマネジャーはドナルド・キルブライド氏だが、堅固なバランスシートを重視している。相場が軟調になると同氏が選んだ45〜50銘柄は注目を浴びるようになるだろうし、弱気相場でも下落率が低い。数学は残酷なものだ。相場が20%下落すると、元に戻るには25%上昇しなければならない。50%下落なら2倍に上昇しなければならない。下落率を抑えられれば、回復も早い。
 ローウェル氏:フィデリティのファンドの多くは過去10年で手数料率を大幅に引き下げた。フィデリティで最大級のアクティブ運用のグロースファンドであるフィデリティ・コントラファンド(FCNTX)のウィル・ダノフ氏の強みは、相場下落時もファンドの下落率が低いことだ。フィデリティ・ロー・プライスト・ストック・ファンド(FLPSX)を率いるジョエル・ティリンガスト氏は、恐らく同世代最高の銘柄選びの名人だ。ぜひポートフォリオ内に同氏のファンドを加えたいものだ。
 ウィーナー氏:10億ドル近い資金をプライムキャップのファンドに投資している。バンガード・プライムキャップ・ファンド(VPMCX)は1984年の設定以降バンガード500をアウトパフォームしている時の方が多い。同期間のリターンは7572.8%対3369.6%だ。複利の力は素晴らしい。
• マネジャーの選定方法
 Q:マネジャーをどうやって選定するのか?
 ローウェル氏:マネジャーの独自のランキングシステムを持っており、マネジャーの銘柄選択スキルを見ている。モーニングスターはファンドのパフォーマンスのレーティングであるため意思決定には利用しない。
 ウィーナー氏:例えば、ハイイールド債のマネジャーを探していた時、アーティザン・パートナーズが新規にハイイールド・ファンドを設定する予定で、アイビー・インベストメント・マネジメントのブライアン・クルーグ氏を採用したと聞いた。われわれは、クルーグ氏のアイビーでの成績を確認し、アーティザン・ハイ・インカム・ファンド(ARTFX)が2014年に設定された1カ月後に投資した。一時は半分程度も保有し、現在も約6%保有している。モーニングスターは3年の実績が必要なためカバーしていない時だった。
 ローウェル氏:2012年にバンガード・ヘルスケア・ファンド(VGHCX)のヘルスケア銘柄選別の達人だったマネジャーが退職した。当時、われわれは長年ヘルスケアをオーバーウエートとしていた。VGHCXと同程度のパフォーマンスのハートフォード・ヘルスケア・ファンド(HGHAX)が見つかったが、ロードが5.5%と高い。
 ウィーナー氏:しかし、ハートフォードのマネジャーの一人が、バンガードのマネジャーの右腕だったことが判明し、手数料は高いが、アウトパフォームの可能性のあるハートフォードに投資した。

両氏が選ぶお気に入りのマネジャーとは
 Q:その他に選好するマネジャーは誰か?
 ローウェル氏:ウオッチリストに入っているフィデリティ・イベント・ドリブン・オポチュニティーズ・ファンド(FARNX)のアービンド・ナバラトナム氏は、インデックスからの除外、事業再編、経営陣や戦略の大幅な変化などの特別な事情を抱える企業を保有している。その他保有銘柄数の少ないファンドも選好する。フィデリティ・インターナショナル・グロース・ファンド(FIGFX)のジェド・ワイス氏は99銘柄、フィデリティ・フォーカスト・ストック・ファンド(FTQGX)のスティーブ・デュフォー氏は41銘柄しか保有していない。
 ウィーナー氏:自己資金を投資しているマネジャーも選好している。コミットメントが感じられる。
 Q:バンガードは400本、フィデリティは500本ものファンドがあるが多過ぎないか?
 ローウェル氏:混乱する。われわれのレターは荒野の中のガイドの役割を果たしているので成功している。
 Q:マネジャーへのお気に入りの質問は何か?
 ローウェル氏:まず、普通の会話から始めて、幸福度を確かめる。その後にファンドの成績や、過去12カ月の予想外のリスクや機会、今後1年の見通しについて聞く。
ウィーナー氏:尊敬するマネジャーは誰かと聞くのも興味深い。
 Q:長期的な投資機会は現時点では何か?
 ローウェル氏:ヘルスケア。特にバイオテクノロジー、医療機器・システムなどが成長する公算が大きい。
 ウィーナー氏:ヘルスケア。短期間で米国の国内総生産(GDP)の20%を占めるようになるだろう。ベビーブーマーは、彼らの両親の世代とは異なり、退職後もアクティブで、ヘリコプタースキーやインラインスケートを楽しむ。骨盤や膝関節の置換手術を何度も行っている友人がいる。
 Q:個人勘定の中身は?
 ローウェル氏:アドバイザー・インベストメンツにあるわれわれの確定拠出年金(401k)は、われわれのクライアントと同じようなファンドに投資されている。主に、バンガード、フィデリティ、プライムキャップのファンドだ。


 
中国が一部銀行対象に預金準備率引き下げ−今年4回目
Bloomberg News
2018年10月7日 16:50 JST
• 米中通商対立の激化受け、経済のてこ入れ図る
• 実施は15日、銀行が人民銀に預けねばならぬ資金は20兆円減へ

The People's Bank of China headquarters stand in Beijing, China.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
中国人民銀行(中央銀行)は7日、今年4回目となる預金準備率の引き下げを発表した。米国との通商対立の激化を受けて、金融当局として経済のてこ入れを図る。
  人民銀がウェブサイトに掲載した発表文によれば、一部銀行を対象に預金準備率を1ポイント引き下げ、15日から実施する。市中銀行が人民銀に預けねばならない資金は計1兆2000億元(約20兆円)減ることになる。このうち4500億元は、満期を迎える既存の中期貸出制度(MLF)の返済に活用されることになる。


原題:PBOC Cuts Reserve Ratio for Fourth Time in 2018 as Growth Slows(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-07/PG7WFF6S972801

 
中国経済、落日の足音 世界株高に忍び寄る影
内憂外患 広がる波紋
2018/9/26 5:30
日本経済新聞 電子版
 「成長が頭打ち。もう潮時だ」。大阪府に住む個人投資家の柿谷信司さん(仮名)はこの夏、5年以上保有した中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)株をすべて売却した。きっかけは今年4〜6月期の決算。四半期ベースで13年ぶりの減益に転じた。「政府の規制強化が足かせとなっている」とみる。テンセント株は昨年末比で約2割下落した。
中国 落日の足音(日経ヴェリタストーク) 
 激化する米中の貿易戦争。中国経済はどこまで持ちこたえられるのか。9月25日放送(日経CNBC) 週刊投資金融情報紙「日経ヴェリタス」の主要記事を専門家と編集長が解説する。
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 テンセントだけではない。上海証券取引所に上場する企業で構成する上海総合指数は、米トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分に制裁関税を課すと発表した17日、2014年11月以来の安値を付けた。15年の「人民元切り下げショック(チャイナショック)」以降の最安値だ。藍沢証券の王曦氏は「中国当局の金融引き締めで投資家心理が弱含んだところに、米中貿易問題が追い打ちをかけた」と話す。
■成長率6.1% 信用収縮も
 米中貿易戦争は激化の一途をたどる。米国の発表を受け即座に中国側も米製品600億ドル分に追加関税を課すと報復に打って出た。米バンクオブアメリカ・メリルリンチは中国の19年の国内総生産(GDP)成長率が6.1%に低下すると試算する。
 貿易戦争だけが原因ではない。「信用収縮が起きているのではないか」。エコノミストの間で話題になっているのが、ネット上で個人間の資金融通を仲介する「ピア・ツー・ピア(P2P)金融」の動向だ。規制強化で廃業する業者が数百社にのぼり、貸付総額が急減している。

 「宇宙の目」も減速ぶりを映し出す。米ベンチャー、スペースノウが中国の6000以上の工業地区の操業状況を衛星画像から分析した景気指数は9月まで3カ月連続で低下した。「プラスチックをつくる射出成型機の受注キャンセルが起き始めている」(日本の機械メーカー幹部)
 中国政府も手をこまぬいているわけではない。地方政府に債券発行を促し公共投資を再加速させる考え。一定の効果は上がるとみる向きもあるが米国を刺激せずに打てる手は限られる。
 19日には李克強(リー・クォーチャン)首相が「人民元の切り下げ競争はしない。知的財産権の侵害も厳しく取り締まる」と夏季ダボス会議の講演で語った。中国経済の専門家は「(広域経済圏構想の)『一帯一路』という言葉を見かける機会がめっきり減った」という。
■貿易戦争 最大の試練か
 チャイナショックをはじめ、中国経済は幾度も崩壊のリスクを指摘されながら、大規模な財政政策や資本規制などを通じて持ちこたえてきた。だが今回、李首相は「大規模な景気対策はあえて講じない」と強調する。債務膨張など無理な成長の弊害が見えてきた中、高度成長の終幕を受け入れる姿勢に転じたようにも見える。
 すでに生産年齢人口は減少に転じ、人件費も上昇が続く。東南アジアなどに生産拠点を移す動きが絶えない。第一生命経済研究所の西浜徹氏は「すぐに破裂する確率は低いが、急減速のマグマは静かにたまりつつある」と話す。
 世界経済に影響が及ぶのはまだ先だ。米国株は最高値を更新。日経平均株価も8カ月ぶりの2万4000円台乗せが近づく。だが米中貿易戦争が本格化するとされる来年以降、一段の株高を阻む最大の要因になりかねない。「中国経済の急減速はテールリスク(確率は極めて低いが、起こると影響は甚大なリスク)」(アセットマネジメントOneの鴨下健氏)。警戒度は上がっている。
 14億人近い人口を抱え、世界第2の経済大国にのし上がった中国。貿易戦争は改革開放路線にカジをきった約40年間で「最大の試練」とみる向きもある。中国経済の減速はどこまで深刻化し、世界経済に悪影響を及ぼし得るのか。リスクの深度を点検し、向き合い方を探った。
[日経ヴェリタス2018年9月23日号]


無名の「マイクロブランド」急増、背景に何が?新たな技術と手法が可能にしたニッチなブランドの台頭
今やどこを見渡しても、爆発的な数の名もない「マイクロブランド」が気味悪いほどの正確さでターゲット広告を配信している
 
By Christopher Mims
2018 年 10 月 7 日 08:48 JST

――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト

***

 経済学者のジョン・メイナード・ケインズが予想できなかったことの1つが、成熟した経済においては、誰もがマットレスの新興企業に雇われているか、そうした企業の宣伝をするポッドキャスト配信者として働いていることだ。もちろん、これは冗談だ。しかし、思い付く限り全ての媒体で十数社のマットレス通販会社が消費者の関心を引こうと争っている。

 マットレスは氷山の一角にすぎない。どこを見渡しても、爆発的な数の電子機器や衣料品、化粧品、家具、食品の「マイクロブランド」が気味が悪いほどの正確さで、われわれにターゲット広告を配信している。とりわけインスタグラムとフェイスブックではこれが顕著だ。キャスパー・マットレスやカイリー・コスメティクスなど一部企業は一夜にして成功を収めている。しかし、ホームシック・キャンドルズやローイング・ブレザーズなどは聞いたこともないだろう。

 こうした事態は、新しい技術と手法を組み合わせることによって可能になった。広告主は商品が存在さえしないうちから、模型や試作品でオーディエンス(広告の受け手)の反応を試し、海外工場に委託して素早く生産する一方で、決済から出荷まで全てをアウトソースできる。

 マイクロブランドブームは、商品の発売者や資金調達の仕方、製造方法、広告手法に変化をもたらしつつある。そもそも商品の着想の仕方さえ変わりつつある。こうした事態を受け、ジレットやJ.クルー、テンピュール・シーリーといった従来ブランドはマイクロブランドのイノベーション――新興企業が見極めたトレンド、サブスクリプション(定額制)ビジネスモデル、無料配送など――を模倣せざるを得なくなっている。中にはマットレス会社のサータ・シモンズなどのように競合するマイクロブランドを買収した企業もある。

 ブームに乗り遅れまいとアマゾンも「Our Brands」というプライベートブランドを立ち上げた。自社製品をアマゾンで独占販売することに同意すれば、追跡ツールの提供や販促支援を受けられるほか、アマゾンのサイトでより有利な場所に配置してもらえるというものだ。

 「かつての『テックスタック』のように、新たな『ブランドスタック』が起こりつつある」。スタートアップ企業投資家でソフトウエア大手アドビシステムズの最高製品責任者を務めるスコット・ベルスキー氏はこう指摘する。スタックとは、うずたかいサンドイッチのようにさまざまな要素が何層にも積み重なり、さまざまな商品の開発・提供を可能にしている状態を指す。

ブランドの誕生

 新しいブランドスタックがいかにしてマイクロブランドの急増を可能にしているかを理解するには、商品を発売する過程を想像してみるといいだろう。まずは架空のスタートアップ企業「アップリフト・コーヒー」の諮問委員会を結成するため、少数の経験豊富なマイクロブランド起業家団を採用する。

 マイクロブランドを立ち上げる上での最初のステップは、ちょっとした広告文と写真のストックを照らし合わせて選定し、数百または数千ドルを支払ってテスト広告をインスタグラムとフェイスブックに掲載することだ。こう話すのは、マイクロブランドのスタートアップ企業のアドバイザーを務めるジェシー・ホロウィッツ氏だ。同氏はコンタクトレンズのネット直販会社ハブル・コンタクツの創業者だ。同社は7370万ドル(約84億円)を調達している。アップリフト・コーヒーが売る商品はまだなくても構わないが、広告が何回タップされたかを測定することで、商品の需要感をつかみ始めることができる。

 こうしたテストは不可欠だとオンラインマーケティング会社デジショップガール・メディアのカティア・コンスタンティン氏は話す。同社はピザ生地を手掛ける「カリフラワー」などのマイクロブランドがアマゾンの売上ランキングでトップになる手助けをしている。コンスタンティン氏の顧客企業の1社は、さまざまな衣類の広告をインスタグラムに掲載していた。広告のクリック率が高く、十分な予約注文が受けられた場合、中国の工場は即座にその衣類の製造を開始できるようになっていたという。

 マイクロブランドの台頭を可能にした要因の1つは、気味が悪いほど正確にターゲットを絞った広告だ。それには人工知能(AI)を用いた複雑なアルゴリズムが利用されており、広告主でさえそのアルゴリズムを完全に理解していない。広告主は単に都市部に住む18〜34歳の裕福な若者に狙いを定めているのではなく、そうした対象を絞るアルゴリズムを通じて「類似」オーディエンス、すなわち似たような商品をクリックまたは購入した人たちを探している。

 かつては、ブランドが広告を大々的に打ち、安心して購入できそうな商品を繰り返しわれわれに知らせていた。しかし、消費者になじみのないマイクロブランドは別の方法で注目を集め、信頼を築いている。ホロウィッツ氏によると、最も反応率が高いのはグラフィックと動画が最も洗練されているブランドだ。また、価格の低さや配送に手間がかからないことも、新しいブランドを頻繁に試しやすくしているとホロウィッツ氏は指摘する。

コーヒーの生産

 アップリフト・コーヒーの予約注文が十分に取れたら、生産に取り掛かる時期だ。これは以前ほど費用もかからず、大変ではなくなっている。工場のオートメーションがはるかに柔軟になっているためだ。コンピューター化によって、商品が変わっても生産ラインを素早く切り替えられるようになったと食品会社JMスマッカーのエンジニアリング担当上級マネジャー、ジョー・ゼンバス氏は話す。同社は自社工場だけでなく外部で委託生産した食品も販売している。

 受託製造会社は、以前よりも経済的に1つの商品を毎月わずか数日で生産できるようになっている。ゼンバス氏によると、数週間の間に1つの生産ラインで数十種類の異なる商品を生産することができ、商品を切り替える際の休止時間は分単位で測れるほどになっている。

 支払いの受け取りや在庫の管理、商品の発送はかつてそれ自体が悪夢だった。しかし今や、こうした作業は全て――そして消費財会社がかつて手掛けていたほぼ全ての他の作業も――多くの大小さまざまな企業にアウトソースできるとベルスキー氏は指摘する。電子商取引(EC)サイトの支援サービスはショッピファイ、カスタム梱包(こんぽう)はルミ、商品の保管・配送はUPSやデリバーといった具合だ。

 こうしたインフラは全て消費者、特に若い消費者の需要がきっかけとなって生まれたものだ。「消費者はもはやメーシーズ(米百貨店)に行き、ブランドを探したいとは思っていない」とコンスタンティン氏は話す。「若い人たちは(ソーシャルメディアの)フィードにいる。彼らはさまざまな商品をクリックし、そして購入している」

 マイクロブランドが有効、あるいは新しいトレンドだと誰もが認めているわけではない。広告会社R/GAの米国戦略担当トップ、トム・モートン氏は、インターネットが登場する前から、雑誌の裏表紙のほか、ショッピングモール内のアーバン・アウトフィッターズやホットトピックなどの衣料品ブランド店で新興のファッションや生活用品ブランドを目にすることができたと話す。今は新興ブランドにとってエコシステムが整っている一方で、ブランド立ち上げを容易にしているその環境が持続的な成長を阻害する可能性もある。

 「そうしたビジネスが成長カテゴリーにあるのは確かだが、商品は取り換え可能だ。インスタグラムでは写真5枚おきにスポンサー付きの広告枠が設けられているため、数分スクロールすれば同じようなTシャツのスタートアップ企業を4社目にすることができる」。モートン氏はこう指摘する。

 ブランドの未来もインターネット上の他の全てと同じだ。大きいものはかつてないほど巨大化し、細分化した他の選択肢は独自のニッチ市場を見つけている。ブランドがニッチすぎれば、オーディエンス不足で存続できないだろう。しかし、マイクロブランドが部族的アイデンティティーを求めるフォロワーを集めることができれば、最終的に「マイクロ」というステータスから脱却できるかもしれない。

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ノーベル経済学賞、マクロ受賞に注目 バーナンキ氏ら
2018/10/8 6:30 日本経済新聞 電子版
スウェーデン王立科学アカデミーは日本時間8日夕、2018年のノーベル経済学賞を発表する。受賞が見込まれる顔ぶれの中には、ベン・バーナンキ元米連邦準備理事会(FRB)議長の名前もある。近年は個人や企業の意思決定や活動に着目する「ミクロ経済学」に関わる受賞が続いてきた。50回目の授与となる今回は、経済成長や金融危機などを分析対象とする「マクロ経済学」の分野が受賞するかどうかが注目される。

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過去のノーベル賞授賞式が開かれたスウェーデンのストックホルムの会場
経済学賞はスウェーデンの中央銀行が1968年に設立300周年を記念してノーベル財団に働きかけて創設した。物理学賞や化学賞、文学賞など1901年から始まったノーベル賞とは創設の経緯が異なるが、世界の経済学者にとって最高の栄誉であることには変わりない。
創設から80年代までは故ポール・サミュエルソン氏など第2次世界大戦後の経済学を確立した大物の受賞が続いた。その後、市場原理を重視する「シカゴ学派」やゲーム理論、心理学と経済学を融合した行動経済学など受賞分野は広がっている。過去79人の受賞者のうち米国生まれは44人と圧倒的な存在で、日本人の受賞者はまだいない。
今年の受賞者は誰か。慶応大の坂井豊貴教授は「マクロが注目分野だ」と話す。近年、この分野の受賞者が少ない点を理由に挙げる。サミュエルソン氏らが確立したマクロ経済学はいまも中核的な分野だが、2011年にトーマス・サージェント氏とクリストファー・シムズ氏が受賞して以来、受賞から遠ざかっている。坂井氏によると、今年の経済学賞の選考委員7人のうち研究領域がマクロ分野に近い人物が多いことも、受賞が有力視されるゆえんだ。

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バーナンキ元FRB議長=ロイター
マクロ分野で注目されるのが、元FRB議長のバーナンキ氏だ。同氏は80年代から銀行破綻などを伴う金融不安が景気低迷を増幅させるメカニズムを解明し、その研究は世界中の経済学者に影響を与えた。
かねて研究者として著名だったバーナンキ氏はその後、FRB理事を経て06〜14年には議長を務めた。議長在任中には、08年のリーマン・ショックなどを伴う世界的な金融危機が発生。市場からの国債買い入れなど大胆な政策対応を陣頭指揮した。FRBという実務機関のトップを務めた人物がノーベル経済学賞を受けるとなれば異例だ。

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清滝信宏・米プリンストン大教授
マクロ分野ではほかに、技術進歩が経済成長に与える影響を定式化した米ニューヨーク大学のポール・ローマー教授などの名前が挙がっている。日本人では米プリンストン大教授の清滝信宏氏が、金融危機の理論を確立した貢献により受賞が期待されている。
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リーマン後10年、次の危機は(時論)[有料会員限定]
2018/8/14 2:00

ロイター
リーマン救済「手段なく」[有料会員限定]
2018/9/14付


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/697.html#c2

[経世済民128] サウジアラムコIPOは21年までに実施、2兆ドル価値見込む サウジ、ソフトバンクの第2ビジョン・ファンドに5兆円出資へ うまき
1. 2018年10月08日 12:12:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1620]
米国債の利回り急騰、3.5%が株式市場の転換点か

米国債の利回りが上昇し続ければ投資家はリスク資産から資金を引き揚げ始めるかもしれな(写真はニューヨーク証券取引所、2015年8月) PHOTO: SETH WENIG/ASSOCIATED PRESS
By
Michael Wursthorn and Sam Goldfarb
2018 年 10 月 8 日 09:50 JST
 先週、米長期国債の利回りが急上昇し、9年余り続く米国株の強気相場が今後も継続するのかどうか疑問符がつき始めた。
 堅調な米国経済と株式や社債といったリスク資産に資金を注ぎ込みたいという投資家の願望を背景に、米国債の価格は急落してきた。消費者、企業、政府の借入コストを決める重要要素で、ベンチマークである米国債10年物の利回りは3.23%に上昇した。
 一般的に堅調な経済は株式にとって好材料だ。しかし、米国債の利回りが上昇し続ければ、投資家は無リスク資産を保有する方が得策と考え、リスク資産から資金を引き揚げ始めるかもしれない。借入コストの上昇によって景気拡大のペースが鈍化する可能性もある。
米国債からの資金流出
• この2週間で流出が加速した(単位:10億ドル)

Bucking BondsOutflows from U.S. Treasuries haveaccelerated over the last two weeks.

Source: EPFR Global

 株式投資家は利回りがどこまで上昇すれば株式市場が大きく反落するのかを慎重に見極めようとしている。
 スイスの金融大手クレディ・スイスが過去54年間の株式市場のリターンを分析したデータによると、これまでの金利上昇サイクルでは通常、米国債10年物の利回りが5%に達すると株式市場の転換点となってきた。とはいえ、ゼロ近辺の金利やその他の金融緩和政策が10年続いた後の今回の金利上昇サイクルは独特であり、投資家は予想の見直しを迫られている。
 BNYメロン・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、レオ・グロホウスキー氏は米国債10年物の利回りが3.5%に近づくほど「現在の株式市場は妥当な水準にあるという投資家の判断」が揺らぐリスクは大きくなると指摘する。
 アナリストや資金運用マネジャーの多くも、今回の金利上昇サイクルでは3.5%が転換点になるとの見解で一致している。クレディ・スイスは、利回りが3%を超えると株式のバリュエーションが適正でなくなり始め、3.5%で売り圧力が高まると分析する。
 米国債10年物の利回りがいつ3.5%に到達するかについてはアナリストのあいだでも意見が分かれている。米金融大手ゴールドマン・サックス・グループは最近、米連邦準備制度理事会(FRB)が2019年末までにあと5回の利上げを実施し、米国債10年物の利回りは3.4%に達するだろうと予想した。
 それと同時に、今年の米株式市場の上昇の大きな要因となってきた企業収益の急成長は減速するとみられている。調査会社ファクトセットによると、S&P500種指数構成企業の2019年の利益成長は10%になると見込まれているが、これは今年見込まれている利益成長率の約半分だという。
 金利の上昇と利益成長の減速という組み合わせは投資家のポートフォリオの構成に大きな影響を与えている。株式のリスクを減らし、安全で利回りが上昇している米国債の割合を増やしている投資家もいる。
 例えばBNYメロン・ウェルス・マネジメントは先週開かれた月例投資家会議で株式へのエクスポージャーを減らして米国債への資産配分を「ごくわずかだが」増やすことに決めた。グロホウスキー氏は「米国債はアンダーウエートのままだが、利回りが3%を上回ったのでかなり久しぶりに資産配分を増やすことになった」と明かした。
関連記事
• 【社説】米国債が示唆する「リスク資産の宴」の終焉


 
キャピタルAの金融IT、生保から証券・銀行に拡大
2018/10/8 6:30
日本経済新聞 電子版

 金融システム開発のキャピタル・アセット・プランニングの業績が好調だ。2016年10月に東証ジャスダックに上場、9月に東証2部に市場変更した。生命保険会社向けのペーパーレスシステムで事業を拡大。足元では資産管理システムで証券会社や地方銀行に販路を広げ、生保一本足からの脱却を目指している。

北山雅一社長
 「こちらをご覧ください。自社株をご長男にお譲りになると、法定相続分を大きく超えるんです」。中小企業の経営者に向かって資料を見せながら証券営業マンが説明する。「円滑な相続のためにも奥様のために相続機能のついた投資信託に入りませんか」
 このような金融商品の売り込みの場で、キャピタルAの資産管理システム「ウェルスマネジメントワークステーション」は使われている。
 営業マンはまず、顧客から聞き取った保有株式、土地、生命保険、借入金などの情報を入力。すると、システムがこれらのデータをアルゴリズムで分析して課題を出力する。現状と課題が明確になることで、金融商品を売り込みやすくなる仕組みだ。北山雅一社長は「金融資産の健康診断みたいなもの」と説明する。
 同システムの販売を始めたのは09年だが、大口の顧客がついてきたのはここ数年。フィンテックへの関心の高まりや、事業承継の後押しを政府が打ち出したことで、金融業界からの引き合いが増えてきた。攻め時とみて、北山社長も自らトップセールスに動く。

 9月のある土曜日、北山社長は東京・兜町で「プライベートバンカー」と呼ばれる金融営業マン向けの研修に講師として出席していた。受講生は証券や銀行の営業担当者など約20人。顧客の要望を聞き取り資産運用の戦略を提案するのが課題だ。北山社長は2日間にわたって参加し、問題の解説や受講生への講評に精を出した。こうした活動は自社システムのアピール目的。認知度向上の地道な取り組みが奏功し、足元では証券会社と地銀数社で採用された。
 いまでこそ金融システムはフィンテックともてはやされているが、上場までの道のりは長かった。同社の設立は1990年。公認会計士で、米国の金融情勢にも詳しかった北山社長は「金融業界でもIT(情報技術)が必要になる日が来る」と信じていた。
 最初の製品は、生保販売員向けに顧客の勤め先や家族構成のデータから生涯賃金や支出を試算して最適な保険商品を提案するシステムだった。その後、見積もりから契約まで全ての作業をペーパーレスにするシステムを投入。生保向けシステムは今でも同社の売上高の85%を占める屋台骨だ。
 上場を意識し始めたのは00年前半。だが当時はITバブルの崩壊後でシステム会社に厳しい目が向けられており、実現しなかった。それから16年後、上場を果たした。
 知名度向上で新卒採用への応募も増えた。「こんな時でもなければ新人と関われない」と保険数理などの基礎教育は北山社長が自ら取り組む。
 業績も好調だ。18年9月期の売上高は前期比10%増の66億円、営業利益は同38%増の4億7千万円になったもよう。
 資産管理システムはまだまだ伸びしろがあるとし、売上高全体の3割程度を占める次の柱に育てる。収益源が生保業界に偏っている体質を変えていく考えだ。
 ただ、足元の株価は軟調だ。7月24日に年初来高値の8040円を付けた後、ジリジリと下げ、10月5日の終値は4610円だった。市場変更に伴う新株発行で1株利益の希薄化を既存株主が嫌気したこと。季節要因で売上高が第2四半期と第4四半期に偏る構造が理解されず、第3四半期の業績が振るわなかったと判断されたこと、などが原因とみられる。
 「粘り強く説明し、信頼してもらえるようにするしかない」と話す北山社長。手がける金融システムのように、投資家に対し自社情報をどれだけ見える化できるかがポイントになる。(香月夏子)
[日経産業新聞 2018年10月8日付]



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/714.html#c1

[国際24] 世界気温 早ければ2030年にも1.5度上昇 IPCC特別報告書   うまき
1. 2018年10月08日 14:58:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1621]


気温1.5度上昇、2030年にも IPCC報告書
川村剛志、神田明美2018年10月8日10時00分

 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、地球温暖化が現状のまま進めば、早ければ2030年にも世界の平均気温が産業革命前より1・5度上昇し、自然災害などのリスクも高まるなどと予測した特別報告書を公表した。1・5度に抑えたとしても、氷床の融解などによる海水面の上昇は2100年までに最大77センチに達するといい、沿岸部や島国の人々の暮らしに大きく影響しそうだ。

 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」は、産業革命以降の気温上昇を2度未満、できれば1・5度未満に抑えることを目標にしている。1・5度に抑えた時の温暖化の影響などについての特別報告書を、温暖化問題の科学的評価で最も権威のあるIPCCがつくることになり、6日まで韓国で開かれていたIPCC総会で採択された。

 報告書によると、世界の平均気温は産業革命前よりすでに1度上昇している。10年間で0・2度ほどのペースで上昇しているとい、現状のままでは2030年から52年の間に、1・5度に達すると予測している。

 報告書は1・5度上昇した場合と2度上昇した場合の影響を比較している。

 例えば、海水面の上昇では、1・5度の場合は2100年までに、1986年〜2005年の水準に比べて26センチ〜77センチ上昇。2度上昇だとさらに海水面は10センチ高くなるといい、影響を受ける人はさらに最大1千万人多くなる。

 ログイン前の続き生態系については、1・5度上昇の場合、昆虫の6%、脊椎(せきつい)動物の4%、植物の8%の種が生息域の半分以上を失うが、2度上昇だと脊椎動物や植物で2倍に、昆虫では3倍に影響が広がるという。

 また、永久凍土が溶解する面積は、1・5度上昇に比べ、2度上昇では日本列島の6倍以上になる250万平方キロ増えるという。

 温暖化の影響は1・5度上昇でも大きいが、2度だとさらに深刻になる。

 報告書によると、気温上昇を1・5度に抑えて安定させるためには、2030年までに世界全体の年間の二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で約45%削減する必要がある。50年ごろには、CO2排出を実質ゼロにする必要があるといい、その場合の世界の電源構成は再生可能エネルギーの割合が70〜85%、石炭火力発電はゼロに近づけなければならないと指摘している。

 12月にはポーランドで国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)が開かれる。IPCCの特別報告書を受け、目標引き上げなどさらなる温暖化対策が議論される。(川村剛志、神田明美)

温室ガス削減、大幅強化が焦点
 12月にはポーランドで、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)が開かれる。IPCCの「1・5度特別報告書」を受け、各国が現状の温室効果ガス削減目標のレベルを高める方向で合意し、対策を大幅に強化する方向に動き出せるかが焦点となる。

 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」に基づき、各国は温室効果ガスの削減目標を掲げている。しかし、目標を達成したとしても、2030年時点の世界全体の温室効果ガスの排出量は気温上昇を2度に抑えられるレベルよりも110億〜135億トン(二酸化炭素換算)多い。1・5度未満に抑えるレベルからすると160億〜190億トン多いという。

 条約締約国は20年までにいまの削減目標を見直すことになっている。1・5度特別報告書が「1・5度上昇に抑えるには、30年までに二酸化炭素の排出量を10年比45%削減」とした科学的知見を受け止め、COP24で「現状より高いレベルの削減目標に見直す」と合意し、各国が目標引き上げの議論を早急に始める必要がある。

 

 


 
http://www.ipcc.ch/
Special Report on the Ocean and Cryosphere in a Changing Climate (SROCC)


http://www.ipcc.ch/scripts/_session_template.php?page=_48ipcc.htm
First Joint Session of Working Groups I, II and III and IPCC-48
Incheon, Republic of Korea, 1 - 5 October 2018

Letter of invitation to Focal Points and Ministries of Foreign Affairs
Letter of invitation to International and other Organizations

Documents for the 1st Joing Session of the Working Group I, II and III

WG-I, WG-II & WG-III: 1st/Doc. 1 - Provisional Agenda

The following documents:
WG-I, WG-II & WG-III: 1st/Doc 2a - Draft Summary for Policymakers
WG-I, WG-II & WG-III: 1st/Doc 2b - Draft Underlying Scientific Technical Assessment
WG-I, WG-II & WG-III: 1st/INF.1 - Collated comments from Governments on the Final Draft Summary for Policymakers

are available to government focal points, IPCC observer organizations and other authorised users in the pre-registration site.

Documents for the Forty-Eighth Session of the IPCC

IPCC-XLVIII/Doc. 1 - Provisional Agenda
IPCC-XLVIII/Doc. 1, Add. 1 - Provisional Annotated Agenda
IPCC-XLVIII/Doc. 2 - Draft Report of the 47th Session of IPCC
IPCC-XLVIII/Doc. 3 - Ad Hoc Task Group on Financial Stability
IPCC-XLVIII/Doc. 4, Rev. 1 - IPCC Scholarship Programme
IPCC-XLVIII/INF. 1, Rev.1 - Progress Report - International Conference on Climate Change and Cities
IPCC-XLVIII/INF. 2, Corr. 2 - Organization of the future work of the IPCC in light of the global stocktake
IPCC-XLVIII/INF. 3 - Progress Report - Task Force on National Greenhouse Gas Inventories
IPCC-XLVIII/INF. 4 - Expert Meeting on Short-Lived Climate Forcers
IPCC-XLVIII/INF. 5 - Expert Meeting on Assessing Climate Information for Regions
IPCC-XLVIII/INF. 6 - Introductory Notes
IPCC-XLVIII/INF. 7 - Proposal for the organization of work

INFORMATION FOR PARTICIPANTS

Information Note for participants (updated: 29 Sept 2018)

https://www.youtube.com/watch?v=12S3dKrxj7c&feature=youtu.be

IPCC SR15 Press Conference Live Oct 8th 2018

10:28
good good morning everybody or good
10:31
afternoon and good evening if you're if
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you're following us remotely welcome to
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this press conference of
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intergovernmental panel on climate
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change to present the special report on
10:40
global warming of 1.5 degrees
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let me introduce your your panelists
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today going on going from my left right
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to you I'm still mom on my left Valerie
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Mathis on delmarco chair of working
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group one and pan Mel dry co-chair
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working group one working group one
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deals with the physical science basis of
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climate change then on their left
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abdullah mocks its secretary of the IPCC
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and wasting li the chair of the IPCC and
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carrying on jim ski and Priya - Shukla
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both co-chairs of Working Group three
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which deals with the mitigation of
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climate change and then hands ATO
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partner and Deborah Roberts coach has a
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working group to dealing with the
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impacts and adaptation Deborah arm is
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sitting at the end because she has to
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leave to catch a plane in about half an
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hour so if you're following this press
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conference remotely you can also ask
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questions by going onto slide oh that's
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SL I got do putting in the event code s
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r15 and then hitting drawing and you can
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submit questions remotely up to 300
12:01
characters and you must put your name
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and organization in otherwise we can't
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take them if you're following this in
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the room or outside and you're covering
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it on social media please use the
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hashtag hashtag s r15 so I'm gonna hand
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over now to the chair of the IPCC dr. Li
12:21
who will give you an introduction to the
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report and then the co-chairs will give
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you some information about the report
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and go through the highlights and then
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we'll be very happy to take your
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questions we've got about an hour and a
12:33
half this morning thank you so I'll hand
12:35
over to the
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dr. who am Lee thank you Jonathan
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Thank You Jonathan then good morning I'm
12:43
delighted to open this presentation to
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you of the IPCC's new special report on
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global warming of 1.5 degrees this is
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one of the most important reports ever
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produced by the IPCC and certainly the
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most keenly awaited when government's
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meeting in the United Nations Framework
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Convention on Climate Change known as un
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FG adopted the Paris agreement at
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the end of 2015 they invited the IPCC to
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prepare a report in 2018 on the impacts
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of global warming of 1.5 degrees Celsius
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and related emissions pathways why did
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they do that the Paris agreement sets a
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target of limiting global warming to
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well below two degrees above
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pre-industrial levels and pursuing
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efforts to limit limited to 1.5 degrees
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Celsius at that time thanks to the IPCC
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is our last assessment which is a fifth
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assessment report governments had a
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clear understanding of the implications
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of warming two degrees Celsius but
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relatively little was known about 1.5
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degrees and the IPCC report and the
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scientific research it catalyzed was
14:07
intended to fill that gap
14:09
why 2018 because at the cut of each a
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climate change convention in December
14:16
this year governments will review
14:19
progress on the Paris agreement in a
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process known as a Talon OA dialogue it
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was extremely challenging to produce a
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cross disciplinary work cross
14:32
disciplinary report on this subject in a
14:35
relatively short time this is the first
14:38
time in our PCs history all three
14:41
working groups put their efforts
14:43
together to produce this report IPCC
14:46
accepted the challenge framing the
14:49
report in the context of
14:50
sustainable development and eradicating
14:53
poverty we have now delivered after a
14:57
Killian effort by our authors and
15:00
experts and our bureau members the
15:03
culmination of this process was last
15:05
week's approval session here in Incheon
15:08
with representatives of our member
15:11
governments working with authors on the
15:15
summary for policy makers to ensure it
15:17
was a clear faithful representation of
15:20
the full report it was an intense and
15:24
passionate six days with many sleepless
15:28
night but always collegial and always
15:32
respectful governments teased out the
15:37
essentials of the report in a spirit of
15:40
compromise drawing on the creativity of
15:43
the authors the result was a summary and
15:47
a report approved and accepted by all
15:50
our member governments this report is a
15:54
rich resource for governments
15:57
formulating climate policy areas policy
16:00
areas that affected by climate change
16:03
and a key input into coming climate
16:06
negotiations my colleagues will share
16:08
the key findings with you in a very
16:11
short minute of time let me give you the
16:14
highlights first climate change is
16:17
already affecting people ecosystems and
16:20
livelihoods all around the world second
16:23
limiting warming to 1.5 degrees is not
16:26
impossible but will require
16:29
unprecedented transitions in all aspects
16:32
of society third there are clear
16:35
benefits to keep warming to 1.5 D
16:37
researchers compared to two degrees or
16:40
higher every bit of warming matters
16:44
lastly the limiting warming to 1.5
16:47
degrees can go hand-in-hand with
16:49
achieving other world goals such as
16:53
achieving sustainable development and
16:56
eradicating poverty with that I would
16:59
like to hand over to Valerie the working
17:02
group co-chair
17:03
working group co-chair one thank you who
17:06
soon before we get on to presenting the
17:10
findings of the special report on one
17:12
point five degree global warming I'm
17:14
proud to unveil the draft cover page of
17:17
this special report an artist created
17:22
the piece of visual art on this front
17:24
cover having been inspired by a
17:27
scientific figure in the summary for
17:29
policy makers perhaps you can recognize
17:32
it
17:38
this is a very special report it has
17:42
attracted great interest from all around
17:44
the world which we can see reflected in
17:48
some of the following key statistics our
17:52
report is the outcome of the work of 91
17:55
dedicated lead authors and review editor
17:57
x' from 40 countries and the inputs of
18:00
133 contributing authors and as part of
18:05
the synthesis of new knowledge the
18:07
author's assess more than 6,000
18:09
scientific publications the successive
18:13
drafts of the report received more than
18:15
42,000 comments from more than thousand
18:19
experts and government reviewers world
18:21
wild with that I will now hand over to
18:25
my fellow co-chair pan Mao try to
18:28
introduce the key findings of the report
18:31
thanks Valerie today we are presenting a
18:35
summary of key findings from their
18:39
special report on global warming of 1.5
18:42
degrees Celsius you can find more detail
18:46
in a summary of the policymakers and
18:50
even more information in the underlying
18:52
report we begin with first a section of
18:57
SPM understanding global warming of 1.5
19:01
degrees Celsius we know that since
19:07
pre-industrial times human activity has
19:11
caused approximately one point degree
19:14
Celsius of global warming with likely
19:17
range between point one degrees C and
19:20
one point two degrees C we are already
19:24
seeing the consequence of one point
19:29
degree C of global warming through more
19:33
extreme weather rising sea levels and
19:36
diminishing octi sea ice among other
19:40
changes if the world continues to warm
19:45
at the current rate global temperature
19:49
is likely to reach
19:51
1.5 degrees C between 2030 to 2050 to
19:56
auto past the emission from the
20:01
pre-industrial times to the present we
20:04
continue to cause long-term changes in a
20:08
climate system this emission alone do
20:12
not commit it to the world of 1.5
20:17
degrees C moving on to the second
20:23
section of the SPM which deals with
20:26
projected climate change potential
20:29
impacts and associated risks models
20:35
project robust differences in climate
20:38
between present day and global warming
20:40
of 1.5 degrees and between 1.5 degrees
20:45
and 2 degrees every bit of extra warming
20:50
makes a difference
20:53
these differences include increases in
20:56
mean temperature on land and in the
21:00
oceans hot extremes where people live
21:03
heavy rainfall in several regions and
21:07
the probability of draught in some
21:10
regions by 2100 global mean sea level
21:15
rise would be around 10 centimeters
21:19
lower with global warming of 1.5 degrees
21:22
compared to two degrees this would mean
21:26
up to 10 million fewer people exposed to
21:30
the risk of rising seas loss of
21:36
biodiversity and species extinction are
21:41
projected to be lower with global
21:44
warming of 1.5 degrees compared to two
21:48
degrees limiting warming to 1.5 degrees
21:53
compared with two degrees would also
21:55
mean smaller reductions in the yields of
21:59
maize rice wheat and potentially other
22:03
cereal crops
22:04
particularly in sub-saharan Africa
22:08
Southeast Asia and Central and South
22:12
America the proportion of the world
22:16
population exposed to climate change
22:19
induced water shock shortages would be
22:23
up to 50 percent less with global
22:26
warming of 1.5 compared to two degrees
22:30
importantly this special report
22:33
highlights how all of these things
22:36
affect people's lives and livelihoods
22:39
around the world for example the impacts
22:43
of climate change in the oceans are
22:46
increasing risks to fisheries and
22:49
livelihoods that depend on them limiting
22:54
global warming to 1.5 compared to two
22:57
degrees would reduce the number of
23:00
people exposed to climate related risks
23:03
and susceptible to poverty by up to
23:07
several hundred millions by 2050
23:22
emissions and system transitions
23:25
consistent with 1.5 C of global warming
23:29
limiting global warming to 1.5 degrees
23:31
implies reducing emissions of carbon
23:34
dioxide by about 45 percent by 2030
23:38
compared to 2010 levels for comparison
23:42
in most pathways that limit global
23:44
warming to below 2 degrees C carbon
23:47
dioxide emissions declined by about 20
23:50
percent by 2030 to limit global warming
23:53
to 1.5 see global emissions of carbon
23:57
dioxide would need to reach net zero
24:00
around 2050 this means that any
24:03
remaining emissions would need to be
24:05
balanced by removing carbon dioxide from
24:08
the air for comparison pathways that
24:12
limit global warming to 2 degrees C
24:14
reach Net Zero around 2075
24:17
as part of limiting warming to 1.5 C
24:21
reducing emissions of substances other
24:23
than carbon dioxide that effect the
24:26
climate would improve air quality and
24:29
have direct and immediate health
24:31
benefits okay thank you Shukla I will
24:34
continue on the topic of system
24:36
transitions limiting warming to 1.5
24:39
degrees C implies changes on an
24:42
unprecedented scale
24:43
it means deep emission reductions in all
24:47
sectors the use of a wide range of
24:49
technologies behavior changes on a
24:52
significant increase of investment in
24:54
low-carbon options rapid progress is
24:58
already being made in some areas notably
25:01
renewable energy but this progress needs
25:04
to be picked up in other areas such as
25:06
transport or land management to limit
25:10
warming to 1.5 degrees C we would need
25:14
to start taking carbon dioxide out of
25:17
the atmosphere during the 21st century
25:20
the methods for doing this include
25:22
planting trees bioenergy combined with
25:25
carbon capture and storage changed
25:28
longish Land Management
25:30
as well as some novel approaches that
25:32
are very early stages of development
25:35
however carbon dioxide removal on a
25:38
large scale could have implications for
25:41
food security for ecosystems and for
25:44
biodiversity the pledges that
25:48
governments have made over the last
25:49
three years are not enough to keep
25:52
warming below 1.5 degrees C even with
25:56
ambitious and very challenging efforts
25:59
after 2030 carbon dioxide emissions
26:03
would need to decline substantially
26:05
before 2030 to avoid warming of more
26:09
than 1.5 degrees C in the middle of the
26:12
21st century followed by large-scale
26:15
carbon dioxide removal and at this point
26:18
I'll pass over to my working group to
26:20
colleague Deborah Roberts thanks so much
26:23
Jim and that brings us to the final
26:25
section of the summary for policy makers
26:27
which marks a new and important
26:30
innovation for the
26:31
assessments situating it within the
26:33
context of strengthening the global
26:35
response to climate change in the
26:37
context of sustainable development and
26:39
efforts to eradicate poverty climate
26:42
change impacts and how we choose to
26:44
respond to them are closely linked to
26:46
the sustainable development goals and
26:49
sustainable development these goals have
26:52
been put in place as a global
26:54
architecture to balance social
26:55
well-being economic prosperity and
26:58
environmental protection as part of the
27:01
response to achieving global warming of
27:04
1.5 degrees Celsius the mix of measures
27:07
we might choose to enact to adapt to
27:10
climate change
27:11
or options to reduce emissions will if
27:14
carefully selected have benefits for
27:16
meeting the sustainable development
27:18
goals this will obviously be most
27:21
effective when the actions of
27:23
governments are coordinated and when
27:24
local and regional governments and
27:26
decision-makers are supported by
27:28
national governments it's also important
27:31
that the strengthening the capacities of
27:33
national and sub-national authorities
27:35
and other stakeholders including civil
27:37
society the private sector indigenous
27:40
peoples and local communities can
27:42
support the ambitious actions that would
27:44
be required to limit global warming to
27:46
1.5 degrees Celsius International
27:49
Cooperation as we've seen this week is a
27:52
critical element for this to be achieved
27:54
in all countries for all peoples
27:56
especially for the developing countries
27:59
and vulnerable regions of the world this
28:02
completes our presentation of the key
28:03
findings of the special report on 1.5
28:06
degrees Celsius and just as pen mouths
28:08
stressed in the beginning these are
28:10
merely the key findings taken from our
28:13
summary for policymakers you can find
28:15
all of the details in the full document
28:17
and the underlying report thank you very
28:19
much on our hand over to Jonathan to
28:21
start the Q&A; session thank you very
28:24
much Deborah so we'll move on to the Q&A;
28:25
now and a reminder if you're following
28:28
this remote remotely you can send in
28:32
questions on slide oh that's SLI dot do
28:36
with the event code s r15 you must give
28:39
us your name and organization there
28:41
otherwise we can't take those questions
28:44
and as Deborah said you can find all
28:47
these materials on the website IPCC dot
28:51
CH so the summary for policy makers the
28:54
press release and also now the full
28:57
report in in the draft version sent out
29:01
to government's in June which is still
29:02
subject to copy editing and and
29:06
corrections and layout so any questions
29:11
in the in the room I see David Stockman
29:14
from the BBC please BBC News
29:24
every IPCC report I've covered suggests
29:28
that greenhouse gases need to be reduced
29:30
and usually urgently what's different
29:33
about this report what's new thank you
29:37
David I lost Valerie to take that that
29:41
the report the report is new in in
29:44
providing clear knowledge about
29:47
differences in risks and impacts for 1/2
29:50
degree warming with robust findings that
29:53
were not available at the time of the
29:55
last IPCC reports the AR 5 for different
29:58
regions for extremes for ecosystems
30:02
livelihoods it's very clear that half a
30:06
degree matters Thank You Valerie
30:18
please say who you are and where you're
30:21
from mr. Goddard German press agency
30:23
it's a question to all of the panel you
30:27
said one point five degree goal is
30:30
feasible it's you optimistic to achieve
30:35
that goal it's possible how optimistic
30:37
are you on a scale let's say from one to
30:39
ten and can you say why I also
30:42
optimistic to achieve it so question
30:45
feasibility maybe Jim would like to take
30:47
that one yeah one thing the report did
30:49
not aspire to do was to answer the
30:51
question of feasibility in a yes or no
30:54
way how we approached it rather than
30:57
number one too
30:58
we took six things we took identified
31:01
six different conditions that would need
31:03
to be met before
31:05
1.5 degrees was achievable and we
31:08
started with the very obvious ones is it
31:11
possible within the laws of physics and
31:13
chemistry to keep within 1.5 degrees
31:15
warming and we answered that question
31:18
positively we said it was possible
31:19
within the laws of physics and chemistry
31:21
and we also looked at other conditions
31:24
like do we have the technologies and the
31:26
kind of lifestyle changes available what
31:29
are the investment needs are they are
31:31
they credible but the last two points
31:34
are in terms of our conditions refer to
31:37
things that actually scientists can't
31:38
really answer because it's about the
31:40
political feasibility and the
31:42
institutional side of it this report was
31:45
specifically requested by the
31:48
governments who make up the UN Framework
31:50
Convention on Climate Change it's as was
31:53
said earlier it's the only named input
31:56
into the Talon or dialogue which will be
31:58
followed up in Poland in December and
32:01
frankly we've delivered a message to the
32:04
governments we've given them the
32:05
evidence and it's really up to the
32:07
governments to decide that last step of
32:09
feasibility and what can be done it's
32:12
their job we've done our job we've now
32:14
passed the message on and it's their
32:16
responsibility having invited us to
32:18
produce this report to decide whether
32:21
they can act on it thank you Jim I have
32:25
quite a few questions from outside the
32:27
room now so I'm gonna start with with
32:29
Seth Borenstein of The Associated Press
32:32
given that only 2% of the pathways
32:35
limited warming to 1.5 without overshoot
32:38
and the report says point blank there is
32:40
no definitive way to limit to 1.5
32:43
warming how optimistic are you that the
32:45
world will not exceed 1.5 degrees
32:48
especially with the u.s. pull out of
32:50
Paris I think that might be for Jim
32:53
again well just to say what the report
32:57
does rely on is the literature that's
33:01
out there IPCC does not do its own
33:03
research it reviews the literature and
33:06
we have not found literature out there
33:08
that looks at the degree at the specific
33:12
employee
33:12
occasions of the u.s. position on our on
33:15
the the probability of the feasibility
33:18
of 1.5 degrees C warming what we have
33:22
done is said what the countries of the
33:24
world collectively need to do and you
33:27
know we don't go specifically we never
33:30
go into looking at individual countries
33:32
when we produce our reports so we have
33:35
sent a clear signal to the collectivity
33:37
of countries the US as part of the
33:40
collectivity though it said it intends
33:42
to withdraw from Paris as soon as
33:44
possible so again the messages are there
33:46
clearly should it be the case that the
33:49
US withdrawal makes any difference to
33:51
its future emissions it leaves it as an
33:54
open question whether other countries
33:55
step in to fill the gap but again that's
33:58
not something for the scientists decide
34:00
that's for the countries of the world
34:06
clear that reducing greenhouse gas
34:09
emissions early on is needed to avoid
34:12
overshoot which means temporary
34:15
surpassing global warming of 1.5 degrees
34:18
Celsius and if we overshoot one point
34:22
five degree global warming then we would
34:25
rely on carbon dioxide removal to go
34:28
back to this level early action to limit
34:32
to reduce greenhouse gas emissions as
34:34
possible there are options available
34:36
there are signs that mitigation is going
34:39
on but if this is to be achieved there's
34:42
an urgent need to accelerate thank you
34:48
have a question from Fiona Davis of
34:50
farmers for climate action in Australia
34:52
climate action is already damaging
34:55
agriculture around the world what
34:57
message does the panel have for
34:58
policymakers who are focused on
35:00
adaptation I think maybe hands and then
35:05
Tripler
35:09
and Deborah well they the point here is
35:13
it certainly is it to make is that
35:15
climate in action will have an impact a
35:18
negative impact on agriculture on cop
35:20
heels and and so forth but but any
35:24
approach involving mitigation approaches
35:27
certainly has consider side effects and
35:30
will have to be managed carefully and
35:32
under under these under these try
35:35
trade-offs the benefits would be larger
35:38
than any negative impact of of
35:41
mitigation action in the context of in
35:48
this the agriculture and the affect on
35:53
that from but the framing of this report
35:57
essentially has the the choice of four
36:01
pathways and which may come out from not
36:05
only technologically feasible but also
36:08
that that these are meeting the
36:10
ambitions which are shown also for the
36:13
sustainable development and the poverty
36:15
eradication and I think that issue is
36:18
very much close to the agriculture
36:21
development and so in a way the report
36:23
has many messages which comes out for
36:28
the sustainable development and poverty
36:31
eradication and then access with the one
36:35
point five degree climate change thank
36:38
you and any more questions in the room
36:39
or the moment I David Shaw come on the
36:43
gun please it's a question again about
36:47
feasibility when you look at the number
36:49
of countries that are extremely reliant
36:51
on coal for example or other fossil
36:54
fuels or the extent to which modern
36:56
economies rest on fossil fuels genuinely
37:00
hand on heart how feasible is this plan
37:03
of yours well this this is not a plan
37:08
David we are setting out the evidence
37:11
and the options that policymakers face
37:14
and it's very clear that in the
37:17
scenarios of pathways that we have
37:19
assessed in this report
37:21
that call use goes down very very
37:24
substantially by the middle of the 21st
37:26
century and this is an essential
37:29
component of any of the transitions that
37:31
you would need to keep global warming
37:33
within 1.5 degrees with with either no
37:36
or or limited overshoot so again that's
37:40
a that's a clear message to the
37:41
countries I mean we can't we can't
37:43
decide on country's energy policies we
37:45
have you 195 sovereign countries who
37:48
make up the Paris agreement and her
37:50
members of the Intergovernmental Panel
37:52
on Climate Change so we can tell them as
37:55
we were invited what would need to
37:58
happen to put you on that pathway but
38:00
the question as to whether this will
38:03
happen I have to repeat you the answer
38:06
to the previous question this is over to
38:08
the government's when they meet and pull
38:09
and later in the year and work on the
38:12
evidence that we have provided them with
38:15
thank you thank you Jim I have a
38:18
question from the Laura Laura Goering of
38:20
the Thomas Thomson Reuters foundation if
38:22
international cooperation is crucial to
38:24
achieving 1.5 degrees and we see huge
38:27
challenges to international cooperation
38:28
today how confident to you this reports
38:31
messages will be turned into effective
38:33
policy I think Jim you mobile to start
38:37
off from that one that maybe some to
38:39
come thank you I'm I appear to be
38:42
carrying I have a happy heavy load this
38:44
morning you know again you know the
38:47
enable the conditions that we identified
38:49
you for the the feasibility of 1.5
38:53
degree warming refers to the political
38:55
the institutional it includes the
38:57
concept of international cooperation so
39:01
again the message is that countries will
39:04
need to cooperate we don't have a
39:06
top-down agreement with Paris its bottom
39:09
up but they need to take collaborative
39:11
and coordinated action if we're actually
39:14
going to achieve a goal of 1.5 degrees
39:17
warming so I think that's that's kind of
39:20
all I can say it and the message is over
39:23
to governments at this stage we've told
39:25
you what you that the scientific facts
39:28
the evidence the course it is up to the
39:31
governments now to decide what to do
39:32
with them
39:34
Thank You Durham Oh handsome sir come on
39:37
up yeah maybe maybe just to add the
39:39
specifics to this rulebook for
39:42
implementing the Paris agreement is
39:44
currently being compiled under the UNF
39:47
to proceed negotiations and this report
39:50
comes just in time to inform the next
39:53
conference of the parties in Poland and
39:56
it will provide all the evidence that
39:59
governments need to finalize the whole
40:02
book and follow their own decisions that
40:05
they would like to to keep the world
40:07
significantly below 2 degrees if not
40:10
10.5 degrees and they have the first
40:13
time in in the history of the IPCC they
40:17
can draw connections between following
40:19
these these decisions and what it means
40:23
with respect to avoiding impacts as well
40:27
at what it means for people for
40:29
sustainable development for reducing
40:32
poverty and and the benefits of of
40:34
meeting the targets the sustainable
40:38
development goals of the United Nations
40:40
Thank You Hans have a question from
40:42
chelsea harvey of e and e news can you
40:45
comment on the extended carbon budget in
40:47
this report compared to the budget in
40:49
ar5 what country that's the fifth
40:51
assessment report what contributed to
40:53
that decision and to what extent is the
40:55
carbon budget for 1.5 degrees still
40:57
debated among scientists or subject to
40:59
uncertainty
41:00
I lost Valerie to take that one thank
41:03
you so the report is providing an update
41:05
of the estimated remaining carbon budget
41:08
compatible with limiting global warming
41:11
to 1.5 degrees Celsius
41:12
it relies on advanced methodologies to
41:16
account for the current level of warming
41:18
as well as to account for the effect of
41:20
of non co2 factors which also affects
41:23
the level of global warming as well as
41:25
air quality so the report is very clear
41:28
on the current understanding of the
41:30
remaining carbon budgets the sources of
41:33
uncertainties including possible
41:35
outcasting of greenhouse gases due to
41:37
permafrost thawing during the course of
41:39
the century and the next IPCC main
41:42
assessment report will revisit new
41:44
knowledge in the coming years based on
41:46
updated methods
41:47
and that's how science advances thank
41:53
you have a question from Ethan who
41:55
describes himself as Urbana Illinois but
41:58
I'm gonna take the question anyway
41:59
because it's an interesting one
42:00
what consumer aspects does the report
42:02
tackle what lifestyle changes do people
42:05
have to make to reduce their footprint
42:07
on the climate and I think that's for
42:09
Valerie to you it's an important
42:12
question we've talked about governments
42:15
but the report is also quite clear that
42:17
everyone has means to act related to
42:21
daily choices the report clearly shows
42:24
that behavior and lifestyles are
42:26
important elements of the feasibility of
42:29
limiting global warming to 1.5 degrees
42:31
Celsius it's also very clear that in
42:34
pathways that optimize the benefits for
42:37
sustainability for instance there are
42:40
the pathways with low energy demand
42:43
there are also elements related to diets
42:46
and the lowest imprint in greenhouse
42:48
gases associated with diets which are
42:50
important elements of feasibility thank
42:54
you very from Audrey turn of the Straits
42:57
Times in Singapore existing literature
43:00
stern 2007 has shown that deforestation
43:03
was responsible for more than 18 percent
43:05
of global emissions have recent findings
43:08
shown which should be more significant
43:09
in reducing emissions preventing
43:11
deforestation or moving away from fossil
43:14
fuels Wood Wood Shukla want to take that
43:16
one I'm not really an expert on the on
43:23
the forestry but when I say that that
43:26
the forestry is a very central to the
43:32
report in terms of the ambitions which
43:35
are shown by the governments or not only
43:39
on the mitigation side of the ambition
43:42
but also the emissions on the
43:44
sustainable development which are very
43:48
closely connected with the forestation
43:51
yeah well we find that that the findings
43:54
that we have in the report very much
43:57
issues that that well the the decreasing
44:01
and of deforestation is sustainable as
44:05
physical search and also combined with
44:08
the application options the array of
44:12
that maybe this is one of the major
44:15
findings with this report Thank You
44:21
Valerie
44:21
yes we've talked previously also about
44:23
carbon dioxide removal and the report
44:26
has an important finding that measures
44:28
such as the restoration of natural
44:30
ecosystems and soul carbon sequestration
44:33
can provide benefits for improved by
44:36
diversity soul quality as well as local
44:39
food security so these are important
44:41
findings of the report related to land
44:43
use thank you gentleman in the front row
44:46
could you say who you are please when
44:48
you when you get the microphone
44:49
microphone please Thank You Marlo hood
44:58
with a Jones Falls press vanity you you
45:02
mentioned that the report quantifies
45:06
possible impact of permafrost melting on
45:11
the carbon budget is that the first time
45:15
that if no all right I'll let you
45:17
correct me let me ask my question anyhow
45:18
is that the first time that a Earth
45:23
System feedback has been quantified in
45:26
an IPCC report and how difficult is it
45:28
in general to quantify those feedbacks
45:31
within climate models and will you be
45:33
able to do more of that in the future so
45:37
the report provides an estimated amount
45:39
of greenhouse gas emissions associated
45:42
with permafrost thawing that is
45:45
associated with elements of uncertainty
45:48
related to remaining carbon budgets but
45:50
I would like to be very clear that's the
45:53
key message of the report is that if you
45:55
would like to stabilize global warming
45:57
to 1.5 degrees Celsius the key message
46:00
is that net co2 emissions at the global
46:03
scale must reach zero by 2050 and that's
46:07
the most important part of the most
46:09
important finding of the reports
46:13
any other questions in the room at the
46:15
moment okay so from David borrowers of
46:23
freedom from poverty and Australia how
46:26
long do we have left you act before it
46:28
will be impossible to keep it to 1.5
46:30
degrees
46:35
yeah Valerie will have n Jim the report
46:39
shows that we are at the crossroads and
46:42
what is going to happen from now until
46:45
2030 is critical especially for co2
46:49
emissions yeah I mean can I just echo
46:54
what Valerie said the reporter sent a
46:56
very clear message that if we don't act
46:59
now and have substantial reductions in
47:02
carbon dioxide emissions over the next
47:04
decade we are really making it very
47:07
challenging to impossible to keep
47:10
warming below 1.5 degrees so that this
47:13
is very clear message I wonder if I may
47:15
pick up on a response to one of the
47:18
previous questions the one that asked
47:21
about avoided deforestation there or
47:24
fossil fuels can I just make the comment
47:27
that Singh option X or option Y is not
47:32
the way this report is framed the word
47:35
or does not work in relation to the
47:38
ambition of 1.5 degrees warming the only
47:41
linking word you can use is and there is
47:43
a very clear message that in the
47:46
pathways that we have assessed that all
47:48
options need to be exercised in order to
47:51
achieve the kind of level of ambition of
47:54
1.5 degrees we can make choices about
47:57
how much of each option we use and
48:00
trade-off a bit between them but the
48:02
idea that you can leave anything out is
48:04
not possible so the key thing is option
48:07
X and option Y and option Z it is the
48:11
only option we really have you to
48:13
achieve this kind of level of ambition
48:18
anything else in the room
48:20
so from Alexander Kirk of King's College
48:23
London
48:24
you mentioned behavior changes of
48:26
populations must alter can you elaborate
48:28
on this I think do you wanna take that
48:35
thank thank you Jonathan yes I mean
48:38
behavioral change is a key part of the
48:41
you know emission pathways and the the
48:44
system transitions that we've looked at
48:46
and frankly the more we are prepared to
48:50
make changes to behavioral patterns that
48:53
reduce greenhouse gas emissions the less
48:55
we would rely need to rely later in the
48:58
21st century on perhaps more difficult
49:00
options that we don't yet fully
49:02
understand like some of the carbon
49:05
dioxide removal options I think it's
49:09
worthwhile saying that in terms of
49:10
behavior change this is something that
49:12
also connects to the other sustainable
49:15
development goals and the waddled goals
49:17
that Deborah talked about earlier there
49:21
are we are currently working on an IPCC
49:23
special report on climate change in land
49:25
which will include the idea of food
49:28
systems as a whole including the
49:30
question of dietary changes in the
49:32
demand side on what is very clear there
49:35
is that there are lots of reasons other
49:38
than climate change for shifting diets
49:41
if we changed our diets to fulfill
49:44
health recommendations we would all live
49:47
longer we bounced around much more and
49:49
have much nicer lives and we would
49:52
reduce like greenhouse gas emissions
49:54
so let's look at the optimistic side of
49:57
this climate change mitigation is not
49:59
necessarily abundant in terms of climate
50:01
change it can bring other benefits as
50:04
well and I think we need to hold on to
50:06
that that factor thank you
50:12
I have a question from umeå orphan of
50:16
Fox assault Vox
50:18
can you elaborate on the use of carbon
50:20
dioxide removal as a tactic how feasible
50:23
is it to cap warming at 1.5 degrees
50:25
without any carbon dioxide removal so I
50:28
think again Jim
50:30
others may want to come in so thank you
50:32
thank you once again Jonathan yeah we we
50:35
we have not identified any pathways that
50:38
that get to 1.5 degrees C without some
50:41
form of carbon dioxide removal at some
50:45
point to stabilize global warming at any
50:47
level we need to take as much carbon
50:51
dioxide out of the atmosphere as we put
50:54
in there for carbon dioxide removal is
50:57
unavoidable but there is more than one
50:59
way of doing it on some of the options
51:02
relating to land management and forestry
51:05
practices they are well established and
51:08
what we need or would need are the
51:10
incentives on the kind of structures to
51:13
enable these options to be taken off on
51:15
as we've said and replies to previous
51:17
questions the more we are prepared to
51:20
contemplate early action that includes
51:22
behavior change the less we would need
51:25
to rely on the more difficult options
51:28
like carbon of carbon dioxide removal
51:30
like bioenergy with carbon capture and
51:34
storage
51:34
there are many scenarios we have
51:37
identified that don't use bioenergy with
51:39
carbon capture and storage to some
51:41
degree but there are one or two so it is
51:44
not impossible to keep 21.5 without
51:48
bioenergy with carbon capture and
51:49
storage but it will need enormous ly
51:52
ambitious progress in other areas
51:55
Valarie yes just a point of
51:57
clarification there's a need in the
52:00
pathways to offset residual emissions of
52:03
co2 and other greenhouse gases for
52:06
instance from transport and agriculture
52:08
and that's related with the need to
52:10
deploy negative greenhouse gas emissions
52:14
or carbon dioxide removal just a point
52:16
of clarification thank you
52:18
question from Joydeep gupta of third
52:20
pole and india climate dialogue the
52:22
summary for policy makers warns of the
52:24
danger of shifting food cropland to
52:27
biofuels
52:28
in a one point five degree world how
52:30
serious is this threat may be hands can
52:32
start on that and
52:35
it it is not not really necessary to
52:38
fully shift to biofuels there are other
52:40
ways of of providing energy and for the
52:44
transport sector there are other aspects
52:47
that have been looked at in the context
52:50
of the report like like co2 recycling
52:53
synthetic fuels and and so forth
52:56
certainly there there will be
52:57
competition for land if the biofuel
53:00
sector is is the one that policymakers
53:03
are fully supporting but they would have
53:06
to consider the trade-offs involved
53:09
Thank You Hans Valerie yes I think a
53:12
value of the report is to provide an
53:14
exaustive assessment not just of climate
53:17
response options but also the synergies
53:19
and trade-offs that they provide with
53:21
respect to the multiple dimensions of
53:23
sustainability and that's an example
53:26
where you clearly see potential
53:28
trade-offs for other options such as
53:31
restoration of ecosystems you don't have
53:34
these trade-offs and you maximize
53:35
synergies and these are important
53:38
elements to consider for policymaking
53:41
thank you I have a question from Eric
53:44
holthouse of Grist which we're gonna
53:48
break our rule here and allow everyone
53:50
to speak on this one who wants what did
53:53
it feel like personally as humans to
53:56
assemble this report it feels like a
53:59
very critical moment in history did you
54:01
feel the weight of that history during
54:03
your work or start with Valerie I must
54:06
say it's a tremendous collective
54:08
endeavor we prepared the report in a
54:12
stringent timeline and it was amazing to
54:15
see the level of involvement of the
54:17
authors the research community and the
54:20
new publications that were published
54:22
timely to feed the knowledge in the
54:24
report and the dedication of everyone so
54:27
for me it's a it's an extraordinary
54:29
collective adventure thank you other
54:32
other any other humans on the panel I'd
54:33
like to address
54:35
well I I think I would say that that we
54:37
did feel the weight of of working with
54:44
this report but it was not a burden at
54:47
all yeah and so I think like the
54:50
enthusiasm to get into the different
54:54
corners of science which is not only
54:57
been examined now we are petite gonna
55:00
increasingly towards the exhaustive
55:03
space which now is sinking space
55:06
somewhere and that I think the report
55:08
shows that there well there is this at
55:10
that space but the space is shrinking
55:12
and that we would be we can still do it
55:17
as a universal humanity and so I think
55:22
that was the kind of spirit and the kind
55:25
of wait with us of the burden that that
55:28
that otherwise look like insurmountable
55:30
but it was never about and actually that
55:32
it was something which was a very very
55:35
but I would say very imp and it gives
55:40
you a kind of an enchantment to be a
55:44
part of a process of this kind Thank You
55:46
Hans
55:47
yeah and enhancing in addition to the
55:50
tremendous work but by our scientists
55:53
and Bureau members I must recognize that
55:57
there were five countries who supported
56:01
the process of production of this
56:04
special report hosting the scoping
56:07
meeting as well as the four lead author
56:09
meetings and in addition to that and
56:12
there were one or ninety five member
56:14
governments who lively discussed and
56:17
improved somebody for policymakers and
56:20
we are very grateful to those
56:22
governments as to those governments who
56:25
supported IPC's activity in particular
56:27
with regard to the special report Thank
56:29
You mr. enhance yes certainly the
56:32
preparation of this report which
56:34
involved a huge interdisciplinary effort
56:37
from physics physics to to the social
56:40
scientists was a benefit in itself but
56:43
it also comes with some wishful thinking
56:46
that the message is that this
56:48
port conveys are being taken up by the
56:51
public by the policymakers by
56:54
governments and that the urgency of the
56:57
issue is being seen because climate
57:00
change is is shaping the future of our
57:03
civilization if action is not taken it
57:07
will take the planet into an
57:09
unprecedented climate future if we
57:12
compare it to what has happened during
57:14
all of human evolutionary history so the
57:17
scale of of the changes that we are
57:20
experiencing in the climate system is
57:23
unprecedented the scale of the changes
57:26
that humans would have to implement in
57:28
order to keep climate change under
57:31
control is unprecedented
57:33
so it's a challenge for human
57:34
civilization and this report is
57:37
therefore a milestone in conveying that
57:40
message to human society Hugh Jim
57:44
the few minutes have given me a chance
57:46
to recover my my humanity severely
57:50
challenged after 11 straight days in
57:52
this conference centre some of some of
57:54
them day and night I mean I I think for
57:58
me it was very clear for the approval
58:00
session and the intensity of the some of
58:02
the discussions just how important this
58:05
report is and how seriously countries
58:08
took it on how hard they worked with the
58:11
scientists to produce on something that
58:14
we could all agree on but I also wanted
58:17
to echo something that Hans said we have
58:20
three working groups in IPCC on the
58:23
physical science on impacts and
58:24
mitigation the fact that this was
58:27
produced through a joint session of the
58:29
three working groups is a substantial
58:31
achievement it has created an
58:33
unprecedented degree of
58:35
interdisciplinarity into the IPCC
58:38
process which we intend to carry out
58:41
through the sixth assessment cycle and
58:44
this is partly because we've had to work
58:46
together but the other reason it's
58:48
worked is because we like working
58:50
together we like each other and we've
58:52
made new friends so there is an
58:54
unprecedented set of conditions you for
58:57
IPCC to work in a more cohesive way I
58:59
think as a result of this initiative
59:02
thank you anything Valerie wants to come
59:04
back I'm not to say for my feeling
59:08
because you know this special report we
59:10
for preparation we only have very
59:12
limited time and we're all very hard and
59:15
after the final gathered gavel down and
59:19
all the people here the cheered up and
59:21
still celebrate for this you know prove
59:24
of this special report and I really feel
59:28
very excited with you or our effort
59:31
deserves you know and we really produce
59:35
very objective and balanced special
59:43
report for global warming on 1.5 degrees
59:46
C thank you thank you Abdallah Thank You
59:51
Jonathan I am just secretary here we are
59:55
just facilitator all the work who have
59:57
have been done by scientists and culture
60:00
but I want to highlight three
60:02
demonstration the achievement of this
60:06
report is first is here because it was a
60:12
good collaboration between scientists
60:15
second it was also of good manifestation
60:21
of the collaboration at Anton national
60:24
level we spent six day but at the end
60:27
everybody adopt this report the third
60:31
demonstration is related to efficiency
60:34
of IPCC we asked in 2015 we invited by
60:40
enough Triple C to deliver a product to
60:43
be useful for next cop in Calcutta which
60:46
we delivered and this is a kind of
60:49
demonstration I will conclude by also
60:53
one key elements for the success of this
60:56
report if is related the contribution
61:01
for the host countries and I want to
61:04
address a special thank to Korea
61:07
Republic of Korea who from the beginning
61:13
from
61:14
the address for his Excellency the
61:17
president of Republic of Korea and as
61:20
well as all the facilities during this
61:22
week demonstrated that achieving 1.5
61:26
degrees is possible thank you very much
61:30
thank you Bella
61:30
Valerie I will try to summarize these
61:33
this in a few words nothing is
61:36
impossible when you build on collective
61:38
human intelligence yes another question
61:51
from Seth Borenstein of Associated Press
61:54
what's the message you have to small
61:56
island nations and other vulnerable
61:58
areas and the poor given that they think
62:00
1.5 degrees is a matter of life and
62:03
death for them and the report does not
62:05
give them any possibilities it can be
62:07
done so maybe hands will start with that
62:09
and I would not I would not agree on the
62:14
on the last part of the statement in in
62:18
terms of what what can be done or not I
62:21
think all the intervention that we've
62:23
heard so far indicate it is possible it
62:26
depends on the political will to
62:28
implement it depends on political
62:31
leadership to take this this message on
62:34
and it's it's within the scope of what
62:38
you humans can achieve certainly we are
62:41
already seeing impacts and we all seem a
62:45
challenges but the good news is that if
62:48
we can keep climate change under control
62:51
there will be benefits that that go
62:53
across sectors from from ecosystems to
62:57
humans to human societies and there will
63:00
also be benefits to the small small
63:02
island states and and the changes may
63:07
stay within the scope of their
63:09
possibilities to adapt to these changes
63:12
because certainly one message is clear
63:15
if humankind wants to keep climate
63:18
change at 1.5 degrees and needs to be a
63:21
strong effort in in mitigating climate
63:25
change and avoiding
63:28
impacts more of those dangerous impacts
63:31
of climate change but we all need to
63:33
adapt to a different climate future and
63:37
the stronger we are and the more
63:40
successful we are with respect to
63:43
keeping climate change at at one point
63:46
four five degrees the more this will be
63:49
within the scope of our adaptive
63:51
capacity with your hands buttering yes I
63:54
will try to formulate this with my words
63:56
to avoid poverty traps for many people
63:59
and many regions sustainable development
64:02
goes hand in hand with climate action
64:04
mitigation also but adaptation as well
64:07
and as a need as expressed in the report
64:10
to strengthen adaptation capacities in
64:12
many regions thank you and I have two
64:15
questions that cover similar ground so
64:19
firstly from Kate Aaron off of the
64:20
intercept can you elaborate on what the
64:22
implications of this report are for
64:25
continued fossil fuel usage how soon
64:28
would call oil and gas respectively need
64:31
to be phased out of energy systems and
64:33
then from Jeremy Hawkins of interagency
64:36
newswire from a quick scan the report
64:39
seems to underline that very rapid
64:41
reductions in carbon in carbon dioxide
64:43
emissions are now needed what do the
64:45
rates of emission reduction in the
64:46
report tell us about how quickly the
64:48
world will need to stop burning coal for
64:50
electricity
64:51
I think the ball has passed me with me
64:57
once again on this one
64:59
and the reporter is quite clear I mean
65:02
there's a figure in there below which
65:05
there's a table showing the specific
65:08
shares of different fossil fuels in
65:11
energy systems by 2050 under four
65:15
different pathways compatible with 1.5
65:18
degrees C warming and the messages are
65:21
first of all that coal will have to be
65:24
reduced very very substantially by the
65:27
middle of the century call it has the
65:30
highest carbon content of all the fossil
65:33
fuels at the other end of the spectrum
65:35
there are still space for natural gas
65:37
within the mix especially if it is
65:41
you know combined with carbon capture
65:43
and storage which would continue to be
65:47
allow it to be used and play a
65:48
contribution to electricity supply
65:50
systems the role of oil is interesting
65:54
because one of the other messages in the
65:56
report is that as well as reducing the
65:58
carbon intensity of electricity it then
66:02
it also makes sense to use electricity
66:04
more extensively in final energy demand
66:07
so the electrification of energy demand
66:11
becomes very important and that's the
66:13
factor that leads to reductions in oil
66:16
demand in the scenarios particularly as
66:19
the transport sector begins to
66:21
decarbonize through the greater use of
66:24
electrification or other low-carbon
66:27
means of transport so I think the
66:29
messages are quite quite clear on the
66:32
fossil fuels we have four different
66:34
illustrative ways in which governments
66:36
could think about how to keep global
66:39
warming within 1.5 degrees on the all
66:42
involve really quite significant changes
66:44
in the pattern of fossil fuel use thank
66:48
you the report clearly also shows that
66:54
that the options which Jim just
66:56
mentioned are available the question
67:00
that which is discussed by the report
67:04
and and say there is certain and an end
67:08
of ideas is in in case of the transition
67:13
from the fossil fuel or towards a kind
67:18
of a more sustainable and a lookup and
67:24
resources that it could be a lot of room
67:27
still left there is no need to panic
67:30
actually that that that the fossil fuels
67:34
will have to be phased out and the
67:36
standard assets can be generated the
67:38
what report argues and also informs us
67:44
is that that what we need is the
67:47
redirecting of the investments which are
67:49
otherwise moving towards the the
67:52
facilities and how this can be made
67:55
Julie shifted and then can get aligned
67:57
with the various new options which are
67:59
opening up both on the demand side and
68:01
the supply side and so there is a space
68:04
here to make the transition which would
68:08
not be unsustainable in terms of losing
68:11
jobs etc which is right on the top of
68:14
the power the policymakers mindset in
68:16
that day but but we'll have to
68:18
creatively use this existing space
68:20
before it closes it thank you I have a
68:23
rather cross-disciplinary question from
68:26
David Fogarty of The Straits Times which
68:29
will start off with Jim but maybe others
68:30
want to come in on governments Sabine
68:32
urged should take stronger action for
68:34
years yet climate policies collectively
68:36
are far behind what's needed what will
68:38
be the one big thing that will drive
68:40
stronger policy action more extreme
68:43
deadly weather events voter pressure
68:45
business investment decisions well I
68:48
think the difference about this report
68:50
is this wasn't something that the
68:52
scientists came forward with and
68:55
presented to governments on you without
68:57
any prior initiation the government
69:00
specifically asked for this report and
69:03
that I think is is what what the big
69:05
difference is so we're seeing a a signal
69:09
of willingness to take action on the
69:11
part of governments and what we've done
69:13
is is to provide the evidence for it and
69:18
you know this is more for my colleagues
69:20
like Hans on on the impact side but you
69:24
know we we are seeing the kinds of
69:26
changes in weather patterns that IPCC
69:30
has been predicting over several reports
69:33
so the predictions are coming true and I
69:36
think that that could be an important
69:38
factor Thank You Hans yeah maybe maybe I
69:43
can add to this with two examples
69:45
concerning my own country I'm coming
69:47
from from Germany and I see two
69:50
successes that may shape policies in the
69:55
near future and may even cause a change
69:57
in tides if you want to call it that way
70:00
one of them is that this report got
70:02
approved and certainly before we got it
70:04
approved there were some question marks
70:06
about it governments are
70:09
now getting the motivation to stand by
70:13
the Paris agreement and end its
70:15
implementation and the second more
70:18
symbolic move was that by the ruling of
70:22
a court and by combined with a mass
70:25
protest against the destruction of him a
70:30
very large and important ecosystem in in
70:36
the area where the brown coal mining is
70:39
currently still going on in Germany this
70:41
destruction of ecosystem has been
70:44
stopped and they have been fifty to
70:46
sixty thousand people on the on the
70:49
roads in the demonstration supporting
70:52
the prevention of of this destruction so
70:55
there is a mentality in civil society
70:58
wanting reasonable climate policies in
71:02
place and it's a combination of all of
71:05
these that that is important in the
71:08
changes that are ahead of us in
71:10
supporting the decisions that need to be
71:12
taken very shortly in order to support
71:17
the transformation that we need to go
71:19
through Thank you very
71:20
yes we spoke about the energy system we
71:24
spoke about agricultural systems or
71:27
forestry but there are many multiple
71:29
dimensions in the report with respect to
71:32
the question I really think that the
71:34
question asked to us by governments
71:36
places a strong emphasis on the
71:39
near-term and the report provides
71:41
multiple elements about options to
71:43
accelerate transitions in systems such
71:46
as infrastructure industry euro burns
71:49
systems what are the enabling conditions
71:52
for each option and how to maximize
71:54
benefits for wellbeing for all and I
71:56
think that's really new within IPCC
71:58
reports to provide such an exhaustive
72:01
assessments available for policy makers
72:03
with respect to near-term options
72:06
thank you yes please yes the question of
72:11
policy really boils down to the two
72:13
factors one is cost of the policy the
72:16
second is the societal acceptability of
72:20
that policy
72:21
now the
72:22
in terms of cost the renewable cost is
72:26
showing a very rapidly declining over
72:30
recent experiences and there's such a
72:33
technological improvement in new tech
72:35
news of low-carbon technologies will
72:40
continue to improve and secondly it
72:43
depends also the cost depends upon the
72:47
expected quantity of emissions
72:50
reductions required if demand future
72:55
energy demand can be provided with
72:59
improved energy efficiency then the
73:03
required emissions reductions will be
73:05
much less than everyone can expect in
73:09
this in this room therefore the cost
73:13
evolution depends upon what will happen
73:18
to the renewables renewables cost as
73:21
well as what happens to the efficiency
73:25
development for the energy demand sector
73:28
in terms of the societal acceptability
73:32
the government depending upon its
73:35
national circumstances has every right
73:38
every every right and every power to
73:43
pursue the equitable and just equitable
73:47
and acceptable for its own populations
73:52
so that the cost apart the cost of
73:55
policy could be minimized and acceptable
73:58
to their own constituencies thank you we
74:02
have just under half an hour to go
74:04
plenty of questions from outside are
74:07
there any questions in the room yeah
74:11
lady in the second row please identify
74:14
yourself
74:20
my name is Jennifer murders I have a
74:23
question about the oil there's no
74:27
mention of the oil in the summer so I
74:28
would like to know if there it will be
74:30
mentioned in the main report or if so
74:33
I'd like to know why thank you
74:37
good Jim yeah it's if you look at one of
74:41
the figures which has a lot of tabular
74:44
information underneath it you will see
74:46
information on oil oil in there so it is
74:48
covered and if you do a deep dive into
74:51
the report once that's out these topics
74:54
will be covered thank you another croc
74:59
cross-disciplinary question from Kate
75:01
Redman of climate sphere what are the
75:03
biggest benefits of meeting the 1.5
75:05
degree target so we'll start with
75:07
Valerie and that was joinin there are
75:11
multiple benefits on with respect to
75:13
limiting exposure of many people to
75:16
increase increases in climate and
75:20
weather extreme events such as heat
75:22
waves and heavy rainfall events for
75:24
instance and Hans could complement this
75:28
with the ecosystem perspective yes
75:31
certainly I mean the benefits are
75:33
clearly in the avoided impacts and in
75:36
the sustainability of of climate future
75:40
so there is reduced damages to
75:42
ecosystems for example there the losses
75:46
of the warm water coral reefs that are
75:48
already suffering from from climate
75:50
change could be could be reduced and at
75:55
least some of these ecosystems could
75:57
could be maintained there are benefits
76:00
to to human health because changing the
76:02
energy system means reducing pollution
76:05
and keeping climate change at balance
76:09
means reducing the number of mortalities
76:14
due to two heat stress and due to the
76:17
risk redistribution of disease vectors
76:21
there are benefits to the economy
76:23
because there are impacts of climate
76:25
change on economic roles especially in
76:28
the tropics
76:29
and subtropics so all of these impacts
76:33
can be reduced by by maintaining the
76:38
climate goals is formulated in the Paris
76:40
agreement Thank You Valerie turn to come
76:43
back a lot yes the report shows that by
76:45
limiting the level of global warming and
76:47
reducing greenhouse gas emissions
76:49
slowing the rate of sea-level rise
76:52
during this century facilitates
76:54
adaptation to rising seas for for
76:57
instance for low-lying areas like here
76:59
in Incheon and it may avoid triggering
77:03
the irreversible loss of the Greenland
77:06
and Antarctic ice sheets and committing
77:07
to multiple sea level rise in the
77:09
following centuries thank you so a
77:14
question from again from Laurie Goering
77:16
of the Thomson Reuters foundation how
77:19
much more stark are the warnings about
77:21
displacement from sea level rise risks
77:23
and water scarcity food harvest losses
77:25
etc in this report than in previous
77:28
reports so I think that's one four hands
77:31
well this this becomes a very important
77:35
message because clearly this report has
77:37
shown that 0.5 degrees make a difference
77:40
and it is clearly as we have elaborated
77:45
in in in the last set of replies that
77:47
the impacts of climate change can be
77:51
reduced largely by keeping global
77:53
warming to 1.5 compared to 2 degrees of
77:56
global warming yeah I want to insist
78:02
that there are really multiple findings
78:04
from the report assessments that stress
78:07
how much risk can be avoided by limiting
78:10
global warming at one point five degree
78:12
compared to two degrees and several
78:15
levels of risk have been revised
78:17
compared to the last IPCC assessment
78:19
report based on new knowledge and they
78:22
have been revised upwards thank you I
78:26
have a question from Alexander Kaufman
78:29
of the Huffington Post is it fair to say
78:31
it's unrealistic that a carbon pricing
78:34
scheme alone could keep warming within
78:36
1.5 degrees something Valarie in German
78:38
that me yeah Jim
78:41
okay the the the underlying report
78:44
refers to a mixture of different policy
78:49
instruments that could could be used to
78:51
help limit the emissions compatible with
78:54
1.5 degrees C warming and certainly
78:58
carbon pricing would be one among that
79:01
portfolio of instruments that could be
79:03
used there are some areas where carbon
79:05
pricing may not be the most appropriate
79:08
approach in fact and in fact if other
79:10
complementary approaches are kept it may
79:13
be that carbon prices can be kept lower
79:15
overall one thing to flag is if we are
79:20
going to take carbon dioxide out of the
79:22
atmosphere is that people do need
79:25
incentivized and given the signals to be
79:27
able to do it and it's perhaps in that
79:30
area that carbon pricing is going to be
79:33
important
79:34
you know renewable energy can actually
79:37
be cheaper than fossil fuels in terms of
79:40
generating electricity but you can never
79:42
be cheaper if you've added carbon
79:45
capture and storage to a fossil fuel
79:47
plant it's always an add-on cost and
79:49
therefore carbon pricing and the right
79:52
economic signals it would be actually an
79:54
essential part of the mix if that's
79:57
going to be an important part of the
79:59
portfolio thank you from Daisuke Dallara
80:04
of canal de la favela in Argentina how
80:07
do you expect this report to really
80:09
impact on political decision making and
80:11
the different governments maybe Jim
80:14
wants to start off with that well well
80:17
when I get back to the UK first thing
80:20
I'm going to do in wedyn ste morning is
80:22
going to the UK Parliament to give a
80:24
talk on the report aimed at
80:28
parliamentarians who are going to
80:31
consider this you know I think we can
80:33
only speak about our own countries the
80:35
UK government has said that it will
80:38
invite its independent experts to
80:41
provide advice on mid century targets
80:44
and NetZero as soon as this report
80:46
Rowlands on the minister's desk so I
80:48
think you can actually see that progress
80:50
will begin to take place you know people
80:53
are responding to this report a number
80:56
of countries around the world have
80:58
already penciled net zero targets into
81:01
their legislation so I think we're
81:03
beginning to see the signs of the
81:05
progress that would really pick up on
81:07
the report I'm in the same situation I'm
81:11
expected to report back to the French
81:13
Senate on Wednesday morning on the key
81:15
findings from the report but I think
81:18
it's not just about our governments and
81:21
I really like would like to see the
81:23
report shared very broadly with a civil
81:25
society and with students in
81:28
universities all around the world I
81:29
think the knowledge recessed in the
81:31
report is giving keys on how to act to
81:34
multiple people not only governments and
81:37
I wish it's shared as broadly as
81:39
possible and we try to have an effort
81:42
with clarity both in the text and
81:44
figures so that it can be more easily
81:46
understood by anyone thank you
81:52
well I would add that as we also had
81:56
towards the home in on the next Monday
82:00
we will have a workshop organized by the
82:04
Ministry of Environment in India with
82:07
some other NGOs and we're increasingly
82:13
seeing is that that with many other
82:15
outreach events which are being set up
82:17
in in Asia that there is a kind of not
82:22
only expectations which were there from
82:24
this report but this report could be
82:26
becoming an anchor for various other
82:28
activities and various other elements of
82:33
sustainable development etc and so this
82:35
can be a kind of a platform on which
82:39
they use amount of discussions on the
82:42
technological transitions on the
82:43
sustainable goals etc would be framed
82:46
where the climate change provides the
82:48
kind of long-term view to this entire
82:51
transformation which could be happening
82:52
thank you pan now getting obviously the
82:57
same for China cause to think even for
83:02
this approval setting they are there
83:06
were 15
83:07
from China I think they're all were
83:10
informed about the outcome of this
83:13
special pot and we also have several
83:16
lead artists participated you know
83:19
involved in the drafting of this special
83:22
report also can be a resource you know
83:25
to to you know to to report back the
83:31
outcome of the report and for me image
83:35
after I leave here that I will another
83:40
assignment good to Vietnam for outreach
83:42
activity that after that I will go job
83:47
go back to China I already received
83:48
several invitations to to to give some
83:54
presentation about the outcome
83:56
thank you applause thank you
84:01
beside that speaking about countries to
84:05
reach policymaker we need a very strong
84:09
outreach program and this is why in
84:12
level secret area we established a
84:15
strategy of communication related to 1.5
84:19
special report and we divided in three
84:23
phase before the approval between the
84:26
approval and cop 24 and after the
84:30
approval and I am pleased to inform you
84:34
that already
84:36
IPC Secretariat established a caravan of
84:41
communications around 1.5 special report
84:46
and our chair has a very intense and
84:51
also with the culture very intense
84:53
program of communication and any station
84:56
in the world where we have this
84:58
communication we are as Valerie said
85:01
were addressing government's policy
85:04
maker as well as academia as well as
85:08
civil society as well as students as
85:13
well as even children in school and
85:16
naturally this for those region we where
85:19
we have some minorities we are
85:21
also addressing those mineral teas like
85:23
rural women like some indigenous
85:26
population this is the program and I
85:29
think with this we are trying to
85:32
simplify the outcome of special report
85:35
to be understood by all the
85:37
communication to take action Thank You
85:40
Abdallah so quite a few questions here
85:42
though I must say that the IPCC doesn't
85:45
comment on the policies of individual
85:47
governments so we can't really take
85:48
questions that address that so one from
85:53
Sandra Guzman of G flack have you
85:56
estimated the costs to avoid the
85:58
increase in 1.5 degrees versus two
86:01
degrees or are you planning to do so
86:05
yeah the report does look at the
86:09
incremental costs of 1.5 degrees as
86:13
opposed to 2 on the mitigation side I
86:16
think if I remember the number it's
86:17
about 12 percent increase in sort of
86:20
energy related investments in a 1.5
86:23
scenario compared to a 2 a 2 degree one
86:27
what I think the point that we strong
86:30
point would like to make it's it's not
86:32
so much the increase investment as the
86:34
shift in investments you the need for an
86:37
increase in investments in low-carbon
86:39
propositions whether it's on the energy
86:42
supply side and on the energy demand
86:45
side which is offset by reductions in in
86:50
investments or and more in fossil fuel
86:52
infrastructure well just to say this
86:55
because the literature which this report
86:57
assesses was produced very quickly that
87:00
I think we would have an aspiration as
87:02
we go into the rest of the sixth
87:04
assessment cycle to look into the
87:06
economics in more detail so that's just
87:09
just to remind you in a way that this is
87:12
a report on 1.5 degrees C that was
87:14
produced very quickly on the research
87:17
communities and the scientists responded
87:19
in a splendid way in terms of getting
87:22
new literature out which we could assess
87:24
but there is still a lot of work to be
87:26
done so when we move on to the fool IPCC
87:29
reports in the sixth assessment cycle I
87:31
think these the the questions of the
87:33
economics and a number
87:34
of authority other issues will be
87:36
explored in in more depth and that will
87:40
be in time we have to remember that the
87:42
next big IPCC reports will be produced
87:45
just in time for the first global stock
87:48
take onto the Paris agreement in 2023 so
87:52
we're very conscious of the overall
87:53
schedule and how IPCC's activities
87:56
synchronize with the work under the the
87:59
Framework Convention thank you
88:02
a question from Paul Gross of WDIV TV
88:05
for and in Detroit USA you've only
88:08
mentioned needing to reduce carbon
88:10
dioxide what about methane which is also
88:12
increasing there's a more potent
88:14
heat-trapping gas than carbon dioxide
88:16
but also much smaller quantities in the
88:18
atmosphere again Jim I think ok yeah yes
88:23
methane has covered to mean that there's
88:25
a lot of attention to greenhouse gases
88:28
other than carbon dioxide and there in
88:31
the report and methane is one of the
88:33
most important of of these so that is
88:37
absolutely certain certainly covered I
88:39
mean it's what while saying that you
88:41
know certainly outside the context of
88:44
this report that the oil and gas
88:46
industry for example has now started to
88:48
be a lot more attention to methane
88:50
emissions and what can be done in fossil
88:53
fuel production systems to reduce the
88:55
level of methane but methane is also
88:58
important in the agricultural sector as
89:00
well which which is I often say is not
89:03
my area of direct expertise but methane
89:05
is part of it but it's worthwhile saying
89:08
that the fact that methane is removed
89:11
from the atmosphere much more quickly
89:13
than for carbon dioxide is important if
89:16
carbon dioxide goes into the atmosphere
89:18
it essentially stays there methane it
89:21
actually comes out rather more quickly
89:23
which changes the dynamics and perhaps
89:26
my colleague Valerie could could do the
89:28
physical science aspects of that
89:31
actually I will just refer to the
89:33
pathways that make it possible to limit
89:36
global warming to 1.5 close to 1.5 they
89:40
involve deep reductions in emissions of
89:42
methane and black carbon another warming
89:45
agent 35 percent or more of both bite
89:49
t-50 relative to 2010 and I want to
89:53
stress again that acting on methane
89:55
black carbon and other components that
89:58
have a climate effect as well as an
90:00
effect on air quality can provide
90:02
immediate benefits for public health
90:05
thank you
90:07
question again from male motive FP thank
90:16
you was the fossil fuel industry
90:20
represented during this woops sorry last
90:23
week were they in the room and as figure
90:28
a 3 B where you have the information
90:32
about coal oil and gas was there
90:37
discussion or among parties as to
90:40
whether or not to include those figures
90:41
was there any resistance on that score
90:44
Valerie two points we have two authors
90:48
with the strong expertise linked to the
90:50
fossil fuel industry in the preparation
90:52
of the report and the additional
90:56
information in the table behind figure
90:58
SPM 3 B has been added during the
91:00
approval process to the request of
91:02
delegates to have more transparency on
91:05
the implications of the for illustrative
91:07
pathways for different components of the
91:09
energy transitions it was asked by
91:13
delegates could I just add that of
91:20
course IPCC plenaries include observer
91:23
organizations as well as country
91:25
delegations and epi acre which I forget
91:29
what the acronym stands for the
91:31
International petroleum industry
91:32
environmental something is one of the
91:35
observer organizations and I do recall
91:38
seeing a representative of this
91:40
organization at the meeting so yes they
91:42
were in the room thank you any other
91:46
questions in the room
91:47
[Music]
91:50
so from Dennis Monahan of Democracy Now
91:53
can you address the issue of poverty
91:55
reduction and reducing inequality how
91:58
can this be reasonably pursued given
92:00
that wealth inequality is higher than
92:02
ever in recent history and is growing
92:03
and maybe shook who would like to start
92:05
on that and I was like thanks for this
92:11
question well as you say that the report
92:15
is looking at many interconnections
92:18
which are there where the poverty is
92:22
essential thing for example connections
92:25
with the sustainable development and the
92:27
jobs and so the discussions and the
92:31
within the report I have in the SPM as
92:35
one would see that and also underlying
92:38
report that the poverty is kept as a
92:44
kind of a transformation space within
92:48
that which is being explored and not
92:50
something which handicaps the move
92:53
towards the kind of sustainable and and
92:58
the low-carbon future so I mean I would
93:01
say that throughout the report and also
93:05
the SPM you would find that the
93:08
sustainable development and the poverty
93:09
eradication is flagged throughout where
93:13
how its Nexus is there very strong nexus
93:16
with the with poverty and the climate
93:22
change policies and I think that is is
93:26
something which is relatively a
93:28
different as compared to a new compared
93:31
to whatever now seeing in the previous
93:32
report sir thank you very
93:35
just to stress the fact that the report
93:38
highlights the importance of policies
93:40
that shield the poor and vulnerable
93:42
especially to resolve potential
93:44
trade-offs for a range of sustainable
93:46
development goals so that's a clear
93:48
message from the reports as well thank
93:51
you question from Brian Khan of artha
93:53
the solar radiation management play a
93:56
role in any scenarios in the report why
93:58
or why not
93:59
Valerie so solar radiation modification
94:03
is not
94:04
included in any of the pathways from the
94:06
literature assessed in the report it's a
94:09
different type of response and the
94:12
report is putting an emphasis on
94:13
strengthening the global response based
94:15
on mitigation options available now Jim
94:21
do you not well I would just start that
94:24
one of the points on solar radiation
94:27
modification is that the literature is
94:29
quite limited in its scope in terms of
94:32
what is available for IPCC to assess so
94:36
stratospheric injection I think is is
94:39
the technique that has actually been
94:41
covered to the greatest extent in the
94:43
literature but it's all theoretical
94:45
concept things because we don't really
94:48
have literature that describes actual
94:50
experiments in the atmosphere and in
94:53
fact a lot of the literature on solar
94:55
radiation modification addresses legal
94:58
ethical type issues and that is why
95:01
you're the report is constructed the way
95:03
it is we have to follow the literature
95:06
one further point on solar radiation
95:08
modification I might make is of course
95:10
it changes temperatures but it doesn't
95:14
change the concentration of carbon
95:15
dioxide in the atmosphere so there are
95:18
other impacts of carbon dioxide
95:20
emissions such as ocean acidification
95:22
that are not addressed by solar
95:25
radiation modification of I don't know I
95:28
don't know if my oceanic colleague hands
95:30
partner would be able to add to that
95:32
that is that is correctly flagged and
95:35
certainly the ocean acidification the
95:38
degree of ocean acidification coming
95:41
with continued co2 emissions has already
95:44
reached a threshold where impacts can be
95:46
observed in among ocean organisms and
95:50
and these impacts would certainly become
95:54
more severe if solar radiation
95:57
modification is implemented and then the
96:00
use of fossil fuels continues without
96:03
changes valor again yeah I want to
96:06
stress that the consideration of ethics
96:09
is an important element within these
96:11
special reports and it's clearly
96:12
expressed in the framing chapter it's
96:15
also a key consideration for thing
96:17
like solar radiation modification and
96:20
it's addressed in a specific cross
96:21
chapter books in the underlying reports
96:23
thank you question from F Burt borne of
96:26
climate movement Netherlands what can
96:28
you say about the forecast growth of
96:30
aviation and carbon emissions of
96:32
international shipping is it possible to
96:34
stay within 1.5 degrees if they're not
96:36
included in the next nationally
96:38
determined contributions Jim yeah I mean
96:42
just to say the very obvious point that
96:44
aviation and maritime emissions are not
96:46
do not fall within the scope of the UN
96:48
Framework Convention on Climate Change
96:50
and there are other international
96:53
mechanisms or institutions for dealing
96:56
with that so just to say that these
97:00
other bodies have indeed begun to take
97:03
on the question of climate change very
97:06
obvious issues that with aviation it is
97:08
very difficult to look at alternative
97:10
ways of actually keeping planes in the
97:14
air we do need fuels with very high
97:17
energy density to do that so there were
97:20
bigger challenges there and possibly the
97:22
one of the few options there is the use
97:24
of biofuels to reduce emissions there
97:27
the range of options is actually much
97:30
wider in the maritime sector and one of
97:34
the things that I'm actually doing when
97:36
I invite a week's time when I go back to
97:38
London is to address a session of the
97:41
International Maritime Organization and
97:43
report to them on the outcomes of this
97:46
report so there is a great deal of
97:49
interest in it and the final point I
97:51
would make of course I want to mention
97:53
the full sixth assessment report again
97:56
and in our transportation chapter we
97:58
have specifically identified the topics
98:01
of aviation on on shipping as topics
98:05
that will be covered in the our chapter
98:07
in a very very explicit way thank you
98:10
Jim we do have some questions about the
98:12
positions of different delegations to
98:15
the to the session to to to the summary
98:19
for policymakers but we suggest you take
98:21
those questions up with with the
98:22
delegations concerned I have a question
98:26
from Chris Rado of spectrum point D
98:30
back to the carbon budgets aren't there
98:32
serious disagreements between different
98:34
disciplines about how to calculate them
98:36
and what do the two different measures
98:37
in the summary for policymakers mean
98:39
salary and Landrum actually that was the
98:43
beauty of this report bringing together
98:44
scientists from different communities
98:47
climate modeling integrated assessment
98:49
modeling so that they would work
98:50
together within the same chapter to
98:53
provide an update on on the remaining
98:55
carbon budgets and there were also
98:58
discussions about things like the
99:00
metrics to be used to refer to the state
99:03
of global mean temperature this is
99:06
clearly expressed in the report either
99:08
you measure it by using C temperature
99:10
over the oceans and surface air
99:12
temperatures over land you can also use
99:15
surface air temperature everywhere this
99:17
is easy to implement in climate models
99:20
for instance and thus the report
99:22
provides clarity on the implications of
99:24
using one metrics or another one with
99:26
respect to the remaining carbon budgets
99:28
thank you we have one one word we have a
99:31
couple of minutes to go and so the last
99:33
question at the risk of over running
99:34
slightly is from Marc Hertz guard of the
99:37
nation in the United States the 1.5
99:39
degree target carries an obvious social
99:41
justice component in terms of impacts
99:44
but can you address the drug can you
99:46
address the justice component of the
99:48
associated mitigation efforts weren't a
99:50
successful one point five degree effort
99:52
require significant financial and
99:54
technology transfers from rich to poor
99:56
countries so I think many people want to
100:00
come in on that start off with hands and
100:02
then Jim or shukla I think what we can
100:07
say in this context that the synergy
100:10
effect of various mitigation options has
100:13
has been discussed in in this report
100:15
which means back to their implications
100:17
for various sustainable development
100:20
goals as set up by by the United Nations
100:22
and in all of these these cases the
100:25
benefits are over are in excess of of
100:30
the trade-offs so if in in the general
100:33
answer is that and that has already been
100:37
been given during previous interventions
100:39
is that when it is successful to keep
100:43
climate
100:44
warming at 1.5 degrees compared to two
100:47
degrees there there will be a benefit
100:49
for sustainable development goals and
100:52
and there's a statement to be made that
100:55
hundreds of millions of people will
100:58
benefit in in terms of of the goal of of
101:01
poverty eradication so so these overall
101:06
benefits need the need to be taken into
101:08
account when also discussing the point
101:10
of view of equity
101:11
what's a briefly on the mitigation side
101:15
the report has many many interfaces
101:18
which are there between the the type of
101:21
energy and also the sustainable
101:24
development for instance the energy
101:27
access is one of the very important goal
101:29
in the sustainable development goals
101:32
framework and and also the access to the
101:39
water which is again connected with the
101:43
energy and and the sustainable
101:46
development so there are many places
101:48
where there are very specific
101:52
interconnections of the energy and
101:55
sustainable development one can see
101:57
throughout the report and that is
101:59
something which is explicitly also built
102:02
in includes some of the scenarios which
102:05
are underlying the the report's findings
102:08
and so that the sustainable development
102:13
and energy on the mitigation side not
102:17
only the mitigation of the energy side
102:18
but also the agriculture where the
102:20
methane would be coming in that I have
102:23
been explicitly considered including
102:26
actually that looking at the Nitro
102:27
nitrogen oxides with the fertilizer use
102:30
when you start changing towards the
102:33
backs etcetera and so there is a big
102:35
span of the literature which has been
102:38
very exhaustively reviewed in this this
102:41
report you very I would just like to
102:45
read the exact sentence from the reports
102:48
that I think it's most relevant to the
102:50
question public acceptability can enable
102:53
and inhibits the implementation of
102:55
policies and measures to limit global
102:56
warming to one
102:57
point five degrees Celsius and to adapt
102:59
to the consequences public acceptability
103:02
depends on the individuals evaluation of
103:04
expected policy consequences the
103:07
perceived fairness of the distribution
103:09
of these consequences and perceived
103:11
fairness of decision procedures and I
103:14
think that's a very important point of
103:16
the report
103:17
hey Jim yeah I mean if I can just say
103:20
that this question I think is a very
103:22
good one and it's much on my mind
103:24
because I've perhaps foolishly accepted
103:27
an invitation in the UK to chair a
103:29
commission on just transition which is
103:32
about these very issues of the
103:34
implications for economic activity and
103:36
employment the report does specific very
103:40
specifically mentioned to the the
103:42
importance of economic diversification
103:45
as a strategy for regions and countries
103:48
that might be affected by the scale of
103:50
the transition that we are actually
103:53
looking at and it's something that the
103:55
report hasn't been gone and hasn't
103:56
really had time to go into perhaps
103:58
because the literature isn't there but
104:00
there are real it's not a question of
104:03
jobs disappearing under a low-carbon
104:05
transition it's about new types of jobs
104:08
appearing and there are whole sets of
104:10
issues about re-skilling the employment
104:12
changing the supply-side of the labour
104:15
market that are sets of issues that we
104:17
really need to get into to ensure that
104:19
this transition can take place in a fair
104:22
an equitable kind of way so again I
104:25
think this is something you know 1.5
104:27
isn't the end of the story as we got
104:29
into the sixth Assessment Report these
104:31
challenging issues will get further
104:33
attention thank you Jim and that that's
104:37
all from us today but we're going to be
104:39
back soon you'll be hearing from us
104:41
during cop 24 in December in Poland and
104:45
next year you'll be hearing from us a
104:47
lot but we'll have 3 reports coming out
104:49
a refinement to our methodologies for
104:53
national greenhouse gas inventories and
104:56
to more special reports one on climate
104:59
change the ocean and the cryosphere and
105:01
one on climate change and land use but
105:04
for today that's it on global warming of
105:07
1.5 degrees
105:09
for those of you here or remotely will
105:12
be consuming with interviews the rest of
105:13
the day and we look forward to speaking
105:15
to you again soon thank you very much
105:19
[Applause]
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/229.html#c1

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