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[経世済民128] 日経平均は300円安、夏季休暇前に手仕舞い売り 日米貿易協議への警戒も(ロイター) 赤かぶ
1. 2018年8月10日 21:24:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1213]
悲観の中に生まれるゴールデン・クロスは大相場の予兆
日本株が弱い。寄り付き前に内閣府が発表した4〜6月期のGDPは前期比年率1.9%増と、2四半期ぶりのプラス成長となり、市場予測中央値の1.3%増を上回った。それでも日経平均は200円に迫ろうかという下げになっている(13:30時現在)。なんでもかんでも悲観的に、悪いように悪いように考えようとする日本株の市場参加者特有のセンチメントか、それを巧みに突いた売り方のなせる業か。
日本株相場の重石は貿易戦争に対する懸念であるのは間違いないとして、しかし、それは世界共通の懸念だろう。いちばん影響を被るのは中国である(だから中国株の下げがきつい)が、次に大きな影響があるのは米国である。その米国の株式相場が史上最高値圏にあって、なぜ日本株が売られなくてはならないのだろう。
もちろん日本株は米国株でない(当たり前だ)。東京市場に、アップルもアマゾンもグーグルも上場していない。米国株相場が最高値にあるのは、それらの企業が素晴らしい事業と経営を行い、それを市場が評価して企業価値が増大した結果である。だから米国株が高値にあっても日本株が追随できないのは当然である。
それと同じように日本株は中国株ではない。日本企業の価値は中国企業の価値とはまったく違う。しかも、それを評価するのは海外投資家の参加が極めて限られる、中国のローカル投資家がほとんどを占める市場である。中国株が下がっても、日本企業の価値評価にはなんら関係ない。上海株相場の動向に一喜一憂して東京市場の株価がそれに連動する馬鹿馬鹿しい相場が続いているが、中国株が下がっても日本株が売られる理屈はまったくない。それでも株価は下がる。企業価値が下がらないのに株価が下がるなら、割安になっているということだ。
足元、佳境を過ぎた決算発表は概ね順調である。上方修正する企業のほうが下方修正する企業の倍も多い。QUICKの集計によれば、四半期実績の前年同期比は、売上高5.1%、営業利益10.4%、経常利益17.8%、当期利益14.5%の増収増益である(8日発表分まで:銘柄数ベースで76%、時価総額ベースで89%の進捗率)。四半期実績の対通期会社予想(業績進捗率)は売上高で23.6%、営業利益で25.0%、経常利益27.0%、当期利益27.2%である。
その結果、通期の業績見通しもわずかながら徐々に切り上がり、日経平均の予想EPSはちょうど1700円に達した。予想PERは13倍台前半でさすがに割安感がある。いまは2万3000円の壁を越えられないでいるが、2万4000円だって、たかだかPER14.1倍で届く。いったん走り出せば2万5000円(PER14.7倍)くらいまでは今のファンダメンタルズからじゅうぶん正当化される水準だ。貿易戦争懸念で織り込み切れていない利益水準にキャッチアップするだけで2万5000円に届く(グラフ1参照)。

もっと悲観論が広まればいい、と思っているのだが(理由は後述)、少し風向きが変わってきた気がする。日本経済新聞のコラム「スクランブル」。昨日は嶋田有記者が「株、上放れサイン点灯か」という記事を書き、今日は松崎雄典・編集委員による「株式相場9月浮上説」を載せた。
嶋田さんは移動平均の収斂に注目するが、僕も同じく移動平均に注目している。日経平均週足の13週線と26週線が6月最終週にゴールデン・クロスしている点である。13週線と26週線がゴールデン・クロス(以下GC)するとほどなくして大きなラリーが始まるのだ。前回のGCは2年前の9月。その時もレポートやテレビ番組などでGCを取り上げ、大相場の予兆だと述べた。果たして、その後の米国大統領選でトランプ・ラリーが始まった。中段保ち合いを経て翌年の秋、日経平均は再び上げ相場を演じ16連騰の新記録樹立。今年1月の2万4000円高値までの大相場とつながっていったその起点こそ2年前の9月のGCだった。

このGCは12年14年16年そして18年と2年周期、そして必ず「選挙の前」である。12年は自民党が政権を奪取した年末の総選挙。14年も消費増税先送りで国民に信を問うとした総選挙。16年は米国大統領選であった。そして今年は9月に自民党総裁選、11月に米国中間選挙を控える。そのタイミングでのGC示現である。今回もまたラリーが始まる予感がする。
ポイントは、GCが起きるタイミングは、相場が悲観に傾いている時だというのが面白いところだ。12年は民主党政権末期の閉塞感が日本全体を覆い、株式市場にも閑古鳥が鳴いていた。1日の東証1部売買代金が1兆円にも満たない日が続き、このままでは会社が潰れるのではないかと思ったくらいだ。10月にGCが示現した時、その翌月からアベノミクス相場が始まるなんて想像もできなかった。14年はアベノミクス相場1年目の反動で、年初から4月連続安という暗い相場だった。ところが6月にGCすると、秋には黒田バズーカ2で相場が吹き上がる。コーポレートガバナンス改革元年で高値をつけた15年6月までラリーは続いた。16年のGCはBREXITの翌月。この先、世界はどうなってしまうのかという不安に米国大統領選の不透明感が更に市場を暗澹たる雰囲気にさせていた。ところが、その後のトランプ・ラリーで相場は一転。上述した通りである。
そして今。米中貿易戦争だとか自動車関税引き上げで日本も苦境にとか世界経済減速懸念とか、あれこれ不安の種は尽きず、好決算にも反応できないほど相場の地合いも悪い。しかし、そんななかで出たGCである。過去はその後に大きな相場上昇が起きた。なぜかは合理的な説明がつかない。それこそ、「理外の理」というものか。要は、煮詰まったから放れる、というリズムなのであろう。極まれば転ずる。もっと悲観論が広まればいい、と思っている理由はそういうことである。まさに、「強気相場は悲観の中に生まれる」ものなのである。


 


 
日本株1カ月ぶり安値、日米FFR警戒とユーロ安−午後300円超安に
河元伸吾
2018年8月10日 8:06 JST 更新日時 2018年8月10日 15:54 JST
• 日米貿易協議に進展見えず、トルコリラ急落し対ユーロで円高加速
• 米証券弱気で半導体関連安い、不動産や保険など東証32業種下げる
10日の東京株式相場は3日続落し、主要株価指数は1カ月ぶり安値。日米新貿易協議(FFR)への警戒が続く中、午後に入りトルコリラ下落を材料に対ユーロで円高基調が強まり、新興国不安から下げ足を速めた。半導体関連など電機株、精密機器や海運、不動産株など東証1部33業種中、32業種が安い。
  TOPIXの終値は前日比20ポイント(1.2%)安の1720.16、日経平均株価は300円31銭(1.3%)安の2万2298円08銭。両指数とも7月12日以来の安値水準に沈んだ。
  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「FFRはどこまで話し合いが進んだのか交渉内容が分からず、市場には自動車関税などのリスクに対する警戒が残っている」と指摘。日本は環太平洋連携協定(TPP)、米国は2国間の自由貿易協定(FTA)を示すなど「考え方が違うことから議論の進め方が難しい。2国間で交渉が進めば、日本側が一番危惧する自動車関税も視野に入りやすい」との認識を示した。

東証外観
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
  茂木敏充経済再生相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表はワシントンでFFRに臨み、共同通信の報道によると、米国は2国間交渉を望み、日本はTPPへの米復帰を促した。米時間10日に2日目の協議を行う。麻生太郎財務相はきょうの閣議後会見で、FFRについて「日米がきちんと話すことができるのは大事だが、米国は2国間、日本は多国間での解決を目指すので、両国の立場の違いははっきりしている」と述べた。
  きょうのドル・円は、朝方付けた1ドル=111円17銭から一時110円68銭までドル安・円高方向に振れた。みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、FFRの協議が続く間、「米国側からみて対日貿易赤字が拡大するようなドル高・円安には向きにくく、円が買われやすい状況」と言う。
  週末の日本株は高安まちまちで始まった後、FFRの不透明感や為替動向を嫌気し、徐々に下落。米モルガン・スタンレーが半導体関連セクターの判断を「インライン(標準的)」から「コーシャス(慎重)」に下げた影響で、東京エレクトロンやSUMCOなど関連銘柄が下げたことも株価指数を押し下げた。
  午後半ば以降は、トルコリラ安を受け対ユーロで円高基調が強まり、日本株も先物主導で一段安。日経平均は一時325円安、ユーロ・円は朝方の1ユーロ=128円付近から127円割れまで円高が進んだ。証券ジャパン調査情報部の増田克実副部長は、「トルコリラ急落から新興国の通貨不安が懸念されるほか、週末を控えヘッジ売りが重なり、下げ幅を広げた」とみていた。英紙フィナンシャル・タイムズは、欧州中央銀行(ECB)の銀行監督部門は欧州の銀行の中で特にBBVA、ウニクレディト、BNPパリバがリラ下落の影響にさらされていると考えていると報じた
  一方、内閣府がけさ発表した4−6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率1.9%増と2期ぶりのプラス成長で、市場予想は1.4%増。SMBC信託の山口氏は、「GDPは踊り場からの脱出でプラス評価しても良いが、米中貿易摩擦問題が継続している状況で外需部分に不安が残り、株式を買い進む力にならない」と指摘した。取引開始時は株価指数オプション8月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグの試算で日経平均型は2万2655円70銭と前日終値を57円31銭上回った。
• 東証1部33業種は鉱業、海運、不動産、保険、情報・通信、金属製品、電機、精密機器など32業種が下落、上昇は石油・石炭製品の1業種
• 売買代金上位では、4−6月期純利益が42%減の第一生命ホールディングス、決算失望の国際石油開発帝石が安く、アルバックやスルガ銀行は大幅安
• 半面、増益決算と自社株買いが材料の富士フイルムホールディングス、増配と自社株買いの株主還元強化をアナリストが評価した昭和シェル石油は高い、1−6月期営業利益が市場予想を上回った荏原は急騰

  

 
債券上昇、日本株安・円高でリスク回避−ブルフラット化との見方も
三浦和美
2018年8月10日 8:00 JST 更新日時 2018年8月10日 16:05 JST
• 先物20銭高の150円27銭で終了、長期金利0.10%と6日以来の低水準
• 外部環境は金利が下がる材料の方が多い−SBI証
債券相場は上昇。日米新貿易協議(FFR)やトルコ情勢を巡る先行き不透明感を背景に国内市場で株安・円高の展開となったことから、リスク回避に伴う債券買い圧力が掛かった。
  10日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比7銭安の150円14銭で取引を開始。午後の取引終盤に日経平均株価が下げ幅を拡大し、外国為替市場でトルコリラを中心に対新興国通貨で円高が進むと、一時150円30銭まで上昇した。終値は20銭高の150円27銭と、日中取引ベースで7月31日以来の高値で引けた。
  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「海外の金利はどちらかというと下向きで、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)もあまり強くない。加えて、FFRが始まって円高・株安リスクが意識されるなどもろもろ考えると外部環境は金利が下がる方の材料が多い」と指摘。需給面でも「超長期ゾーンは次の20年債入札まで間が空いている」とし、再来週にかけて利回り曲線はブルフラット(平たん)化すると見込む。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.105%で寄り付き、午後には0.10%と、6日以来の水準まで下げた。
新興国市場に関してはこちらをご覧下さい。
日銀オペ
  日本銀行はこの日、中期と超長期を対象に国債買い入れオペを実施。各ゾーンの買い入れ額は前回から据え置かれた。応札倍率は残存期間10年超25年以下が3.85倍と、昨年8月以来の高水準となったほか、25年超と3年超5年以下も上昇し、市場で売り需要が多いことが示された。一方、1年超3年以下は3.28倍と、5月以来の低水準だった。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、日銀オペの結果について「超長期の応札倍率が上昇したが、入札直後の上、利回りが下がったので売りたい人が増えたのではないか」とみる。
過去の日銀のオペの結果はこちらをご覧下さい。
新発国債利回り(午後3時時点)
前日比
2年債 -0.115% 横ばい
5年債 -0.075% -0.5bp
10年債 0.100% -1.0bp
20年債 0.610% -1.0bp
30年債 0.840% -1.0bp
40年債 0.985% -0.5bp


 


円が全面高、日米貿易協議懸念やトルコリラ急落でリスク回避
小宮弘子
2018年8月10日 11:21 JST 更新日時 2018年8月10日 16:01 JST
• マーケットが薄い中、短期的には円買い仕掛けやすい−みずほ銀
• ドル・円は円買いとドル買いの綱引きで行って来い
東京外国為替市場では円が全面高。日米新貿易協議(FFR)に対する懸念やトルコリラの急落などを背景にクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)を中心にリスク回避の円買いが加速した。ドルも円以外の通貨に対して上昇している。
  円は午後3時39分現在、先進国や新興国などほぼ全ての主要通貨に対して上昇。対ユーロでは前日から一時1%近く上げ、6月19日以来となる1ユーロ=126円83銭まで円高が進行した。午後の取引で欧州中央銀行(ECB)が一部の欧州銀行のトルコリスクを懸念していると英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたのをきっかけにユーロ・ドルが心理的節目の1ユーロ=1.1500ドルを割り込んだ。
  みずほ銀行の加藤倫義参事役はFFRについて、「米国は2国間協議、日本はTPPの枠組みにこだわっており、良い果実が生まれているような雰囲気ではない」と指摘。「夏休みであり、みんなTPPの結果を見たいからあまり積極的にポジションを張ろうとしていないということはマーケットは薄い。そういう中で、つい最近までリスクオフの円買いはお休みだっただけに、短期投機筋にしてみれば今日は円買いが仕掛けやすい」と話した。

  共同通信によると、茂木敏充経済再生相は9日のFFRの協議後、記者団に対し、「米国は2国間の交渉を望んでいる」と語り、10日に2日目の協議をすると明言した
  ドル・円相場は円買いとドル買いが交錯し、行って来いの展開。朝方付けた111円17銭から一時110円68銭と7月26日以来の水準まで円高が進んだが、その後はドル買いが強まり、111円台を回復する場面も見られた。同時刻現在は前日比0.1%安の111円02銭で推移している。
  トルコリラは連日の大幅安。対米関係悪化やインフレ高進に対する懸念から売りが加速し、対ドルでは史上初の1ドル=6リラ台、対円で1リラ=17円台まで急落した。
  マネースクエアの西田明弘チーフエコノミストは、リラが下げ止まるためには、「インフレ抑制のために利上げをすること、そして財政の拡張政策の修正といった適切な経済政策を打てるかが鍵となる」と指摘。「目先的にはきょう公表されるとみられる新しい経済政策でどういうものが提示されるか、そして緊急会合などで利上げを行えるかポイントになりそう」と話した。
  この日は英国で4−6月の国内総生産(GDP)、米国で7月の消費者物価指数(CPI)が発表される。あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長は、「米CPIへの期待はあるが、雇用統計で平均時給などをいったん消化しているので、それほど大きな動きにはつながらない」と予想。むしろ、欧州通貨安が進む中で「英GDPの方が相場が振れる可能性がある」と話した。
  ポンド・円相場は一時1ポンド=142円を割り込み、昨年9月以来の水準までポンド安・円高が進行。ポンド・ドル相場は1ポンド=1.2800ドルを割り、約1年ぶりの安値を付けた。


 

 

ビジネス2018年8月10日 / 19:12 / 2時間前更新
ECB、欧州銀のトルコ向け債権に懸念強める=FT紙
1 分で読む

[フランクフルト 10日 ロイター] - 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は10日、欧州中央銀行(ECB)が欧州の銀行のトルコ向け債権に対する懸念を強めていると報じた。

伊BBVA(BBVA.MC)、ウニクレディト(CRDI.MI)、仏BNPパリバ(BNPP.PA)を特に注視しているという。これらの銀行は、トルコで積極的に事業を展開している。ただ現地子会社がグループ全体の財務に及ぼす影響はそれほど大きくない。

ECBは同紙の報道についてコメントを控えた。

トルコと米国の外交関係悪化やトルコ中銀の独立性への不安などを背景に、トルコリラは対ドルで再び急落している。

報道によると、ECBは今のところ監督上の審査でこの問題を深刻なものと受け止めていない。ただトルコの銀行部門は外貨建て借り入れが約40%を占めており、リラ安に対するヘッジが不十分の可能性があると懸念しているという。

 

 

トップニュース2018年8月10日 / 15:01 / 6時間前更新
アングル:下げ止まらないトルコリラ、中銀の想定シナリオ
2 分で読む

[アンカラ 9日 ロイター] - トルコリラTRYTOM=D3の値下がりが止まらない。エルドアン大統領が金融政策に影響力を行使する姿勢や、米国との関係悪化が懸念されているためだ。

今年に入ってリラの対ドル下落率は25%を超え、中央銀行が5月に緊急利上げに動いたにもかかわらず、その後リラ売りは加速。通貨危機が国内の銀行システムや企業の債務、経済全般に及ぼす悪影響に不安が高まっている。

以下に中銀が今後どのように対応するかについていくつかのシナリオを記した。

(1)口先介入

最も安易で、それだけに効果が一番薄い方策の1つだ。中銀のチェティンカヤ総裁とエルドアン氏の娘婿のアルバイラク財務相は、公式発言を通じて市場鎮静化を目指す可能性がある。

こうした戦術は市場混乱時に当局者がしばしば用いるが、エコノミストは、せいぜいリラを一時的に押し上げるのが関の山だと話した。キャピタル・エコノミクスのウィリアム・ジャクソン氏は「口先介入以外が必要になる局面が訪れる」と警告した。

(2)次回会合まで沈黙を維持

中銀は9月13日の次回会合まで何も動かないこともあり得る。ただここ数日の値動きを参考にするなら、中銀が静観したままではリラの下げがさらに進み、投資家の中銀に対する信頼感は一段と低下する。

一方、エルドアン氏が足元で沈黙しているのは状況悪化を防ぐ上で役立っている。エルドアン氏は以前、リラ売りを西側諸国がトルコを屈服させるために行っていると主張していた。

(3)規制緩和

トルコでは全ての銀行はリラ建てと外貨建ての一定の準備金保有が義務付けられている。中銀はこの準備金の基準を緩和し、市場に出回る外貨を拡大することができる。それによって外貨の流動性が十分もしくは過剰となり、リラの値動きを落ち着かせられる。

中銀は5月に基準緩和で100億ドル相当の外貨を間接的に市場に供給してリラ安を食い止めようとしたものの、結局は計300ベーシスポイント(bp)の利上げを余儀なくされた。

また今週6日にも同様の措置を通じて22億ドルの外貨を市場に流し込んだ。

ただこうした準備率引き下げは、中銀に独立性がないとの見方を強めるだけで逆効果だとエコノミストは指摘する。

トルコの著名エコノミストはツイッターに「市場が中銀は利上げできないという印象を持っているのでリラが急落した。準備率をまったく変更しない方が事態はずっと良くなっただろう」と苦言を呈した。

(4)大幅利上げと強力なメッセージ

中銀が大幅な利上げに踏み切るとともに、独立性を保って物価上昇に対処するため長期間高金利を続けられるというメッセージを送る──。これは投資家にとって最善のシナリオで、リラを下支えする上で大きな効果が期待できる。

キャピタル・エコノミクスのジャクソン氏の話では、投資家は恐らく実質金利が5─10%になることを求めており、つまり物価上昇率が16%近くである点を考えると、政策金利は20%を上回る水準にしなければならない。現在の政策金利TRINT=ECIは17.75%だ。

もっともジャクソン氏は、利上げ幅よりも付随するメッセージの方がより重要で、非常に長期間高金利が維持されると展望できる形が望ましいと強調した。

(5)複雑な枠組み復活

中銀が複数の金利を駆使する複雑な金融政策の枠組みを復活させ、主要政策金利を据え置きながら、「後期流動性窓口貸出金利」を再び引き上げる恐れがある。ただしこれは現実味が乏しい。中銀がせっかく成し遂げた金利の一本化が水の泡になるからだ。複数の金利による政策運営は、長い目で見て市場の信頼を損なう。

(6)ドル売り

中銀の外貨準備が少ない以上、最もありそうにない。現在リラ買いに使えるのは約210億ドル程度。全ての準備金と財政資金を合計すると1000億ドルになる。

また中銀は、世界の金融政策の中で直接為替介入はもはや適切な選択肢でなくなっているとも表明。他の新興国の中銀と同様、直に外貨準備を減らすことがないオプション取引などを利用して相場に影響を及ぼす手法を好んでいる。

(7)資本規制

政治家も中銀も、資本規制は検討対象になっていないと明言している。もし資本規制が導入されれば、かつて新興国市場のスターだったトルコに対する投資家の信認を損なってしまうだろう。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/159.html#c1

[国際23] 「BRICS+」でトランプに対抗する習近平──中国製造2025と米中貿易戦争(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 2018年8月10日 21:36:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1214]

#衰えたとはいえ、まだまだ威力は大きい

舐めていると足を掬われることになる

 

世界に広がるトルコリラ安、ユーロに対するドル高が追い打ち
トルコが外貨建て債務の返済に応じられるか疑問視され、リラ相場は今週20%余り下落している
By Mike Bird
2018 年 8 月 10 日 16:50 JST

 トルコリラ相場は10日、ドルに対して前日比10%余り下落した。ドルが1年ぶり高値をつけている半面、トルコの財政を巡る懸念が世界中に広がっている。

 10日午後の香港市場で、リラ相場は1ドル=6.21リラで過去最安値を更新した。その後はやや下げ幅を縮め、現在は7%安の5.95リラ付近をつけている。

 ドルは前日比0.8%高の1ユーロ=1.1445ドルと、2017年7月以来の高値をつける場面があった。目下の取引値は1ユーロ=1.1455ドル前後と、0.6%のドル高・ユーロ安水準にある。

 ウエストパック銀行のショーン・キャロー氏は「ここ何日かは海外市場がトルコリラ安を懸念するというより好奇の目で眺めており、トルコだけの問題と捉えているようだった」とした上で、今となっては「その状況が変化したようだ」と述べた。

 トルコは外貨建て債務の返済に応じられるかどうか疑問視されるようになり、リラ相場は今週20%余り下落した。

 こうした中、ユーロ圏内のいくつかの銀行が抱えるトルコ関連の投融資残高を欧州中央銀行(ECB)が調べているという英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道が、ドルに対するユーロ安材料となっている。

 


 

米の追加制裁に身構えるロシア、経済は崖っぷちに
米国の対ロ追加制裁発表を受けてルーブルは対ドルで一時5%下落した(写真はプーチン大統領)

By Anatoly Kurmanaev
2018 年 8 月 10 日 02:54 JST

 【モスクワ】米国務省は8日、ロシア政府が英国での神経ガスを使った暗殺未遂事件に関与したと断定して追加の対ロ経済制裁を発動すると発表した。ロシアの当局者や企業は、それによって経済が一段の打撃を受けかねないと身構えている。

 米国の追加制裁発表を受け、ルーブルはドルに対して5%下落し、前日比でほぼ2年ぶりの下げを記録する場面もあった。ロシア株は一時9%下落した。制裁の影響で米国市場へのアクセスを失いかねないと警戒された航空最大手アエロフロートや国営銀行が相場の下げを主導した。

 ロシア政府は9日、今年3月にイングランド南部で発生した元ロシア情報機関員と娘の暗殺未遂事件への関与を否定する一方、制裁の意義を一蹴。大統領報道官は、ロシアは「米国との建設的な関係」の構築に今後も努めるとし、制裁の全容を把握するまでは対抗案を策定しないと語った。

 政治アナリストらによると、制裁の第1弾はロシアの防衛産業が主な狙いで、当初の影響は限定的とみられる。だが投資家と企業は、報復措置の応酬で経済に幅広い影響が出ると警戒している。ウラジーミル・プーチン大統領が2014年にクリミアを併合して以来、欧米による対ロ制裁が相次いだことで既にルーブルの価値は半減し、ロシアのエネルギー産業への投資は減少。アルミ大手UCルサールを直撃した。

 年内の発動が見込まれる制裁の第2弾には外交関係の見直しや停止、米ロを結ぶ航空便の中止、ロシア製品の輸入制限などが盛り込まれる。米議会は別途、ロシアの海外での資金調達能力をそぐような金融制裁を検討している。

 モスクワのアメリカ・カナダ研究所のシニアフェロー、ウラジーミル・バシリエフ氏は9日、国営テレビに「われわれは経済戦争にはまり込もうとしている」と語った。「両国関係が後戻りできない地点に達しつつある。関係改善のベースが全く見られない」

 ロシアのアントン・シルアノフ財務相は、財務省と中央銀行が制裁に対抗する金融ツールを準備していると語った。インタファクス通信によると、シルアノフ氏は「ロシアの経済と国際収支は、原油価格の変動であれ経済制裁であれ、外部要因に対する抵抗力をここ数年で大きく増した」と話した。

 既に外債発行を米国に制限されているロシア国営銀行2位のVTB銀行は、事業と顧客を保護するために新たな制裁の影響を分析していることを明らかにした。また同国ガス業界2位のノバテクは、地元通貨建てでの販売契約への切り替え努力を倍加させると表明した。

 与党議員らは、米国の政治家がロシアを国内の政争と中間選挙のサンドバッグのように扱っていると非難。上院外交委員会のコンスタンチン・コサチェフ委員長は、新制裁を「リンチ(私刑)」になぞらえた上で、「米国はまたも脅しや拷問で容疑者から証拠をたたき出す警察国家のように振る舞っている」とインタファクス通信に語った。

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米、対ロ制裁へ 元スパイ毒殺未遂で
【バロンズ】ロシア株投資は慎重に
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/638.html#c1

[国際23] 「BRICS+」でトランプに対抗する習近平──中国製造2025と米中貿易戦争(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年8月10日 21:52:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1215]

これは「貿易戦争」か? エコノミストの賛否二分

中国は米国が「経済史上で最大の貿易戦争」を開始したと言うが、米国は一連の関税を違う形で表現する傾向にある

By
Josh Zumbrun

2018 年 8 月 10 日 13:40 JST

 米国の新たな関税は今年、ますます多くの物や国を巻き込み、脅威から現実へと変わっている。だがエコノミストの見解は依然分かれている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が民間のエコノミストを対象に行った調査では、これまでに講じられた措置は「貿易戦争」だとの回答と、そこまで達していないとの回答がちょうど半々だった。
 中国は米国が「経済史上で最大の貿易戦争」を開始したと言うが、米国は一連の関税を違う形で表現する傾向にある。ホワイトハウス当局者は「貿易戦争」という言葉を避け、その代わりに貿易議論の最中だと述べることもある。ドナルド・トランプ政権は貿易戦争という言葉を使う時、仕掛けたのは中国だとし、米国は安全保障と知的財産を守っているだけだと説明してきた。トランプ氏は「貿易戦争は良いものだ。そして簡単に勝てる」と話したことがある。欧州連合(EU)は「貿易戦争」への言及を避けてきた。

 どう呼ぶかはさておき、これまでに起きたことを順に並べてみよう。米国は洗濯機と太陽光パネルに関税を発動した。中国はソルガムに関税を設けた。米国はほぼ全ての輸入鉄鋼・アルミニウムに関税を課した。EU、メキシコ、カナダ、中国のほか、トルコのような比較的小さい国でさえ同様の報復をした。米国は知的財産についての懸念を理由に、中国からの輸入品340億ドル相当に関税を発動した。中国は同日のうちに米国からの輸入品340億ドル相当への関税を導入した。米中政府は今月、さらに160億ドル相当の輸入品への関税を発動する見通しだ。
 オックスフォード・エコノミクスのグレゴリー・ダコ氏は「この段階では意味論は重要ではない。これが貿易戦争でないとしても、簡単にそうなり得る」と述べた。
 大半のエコノミストは今後1年で関税の水準が上昇すると考えている。現在、複数の追加的な引き上げを正当化するプロセスが進行中だ。米国は世界を対象にした自動車および自動車部品関税もちらつかせてきたほか、中国からの輸入品2000億ドル相当への追加関税も検討している。そして中国は、米国からの輸入品さらに600億ドル相当への関税で対応するかもしれない。


米国が課す関税は1年後に上昇しているか
?Source: WSJ Survey of Economists
上昇している60.8%変わっていない15.7%低下している23.6%上昇しているx60.8%


 米国は外国からの投資の審査も強化しており、ウラン関税を導入する可能性もある。それに、北米自由貿易協定(NAFTA)に何が起きるかは不明だ。
 「貿易戦争」議論に決着をつけるため、WSJは月間調査で「米国は『貿易戦争』の最中にあると思うか」と尋ねた。エコノミストや経済学者48人からの回答のうち、貿易戦争中だと答えたのはちょうど半数の24人だった。
 「いいえ」と答えた残り24人からは別の言葉が挙げられた。6人は、この時点では「貿易の小競り合い(skirmish)」と呼ぶことを提案した。4人は「貿易摩擦(tensions)」、2人は「貿易闘争(battle)」、2人は「貿易紛争(dispute)」と表現した。
 (調査対象には、呼び方はともかく「貿易○○」から直接の影響を受ける企業や業界のエコノミストが多かった)
 以下は、「貿易戦争」かどうかを問う質問に対する回答の一部
*いいえ。「今回の報復合戦はむしろ政治・経済に動かされている交渉術の色合いが濃い」ジム・メイル氏、サム・カーン氏(ACTリサーチ)
*はい。「生産コストを押し上げ、設備投資を阻止し、サプライチェーンを混乱させ、アウトソーシングを促し、インフレをあおっているのなら貿易戦争だ。現在は全ての項目が当てはまる」バーナード・バウモール氏(エコノミック・アウトルック・グループ)
*いいえ。「社内で議論はあるが、私たちはこの状況を貿易紛争と呼んでいる。貿易戦争という言葉は、最終的に世界的リセッション(景気後退)につながる本格的な状態にエスカレートした時にとっておく」ポール・モーティマ=リー氏(BNPパリバ)
*はい。「私は貿易戦争だと思うが、動きは遅い。そして為替市場に広がる恐れがある」スコット・アンダーソン氏(バンク・オブ・ザ・ウエスト)
*いいえ。「まだ小競り合いの段階にあり、EUとは停戦の兆しがある。だが中国との貿易戦争はもっと可能性が高そうだ」ダイアン・スウォンク氏(グラント・ソーントン)
*はい。「米国は中国との貿易戦争にある」ジェイ・ブライソン氏(ウェルズ・ファーゴ)
*いいえ。「そうだとすれば、株価はずっと低いだろう」ジョセフ・ラボーニャ氏(ナティクシス)
*はい。「中国は激しい戦いがなければ都合の良い慣行をやめそうにない。中国との貿易闘争は深刻な結果を生みかねないが、必要な戦いだ」ラッセル・プライス氏(アメリプライズ・ファイナンシャル)
*いいえ。「貿易の取っ組み合いだ。ぬかるみにはまり、素手で殴り合っている。多少のかすり傷はあるが、まだパンチは決まっていない」ガナー・ブリックス氏、エイミー・クルーズ・カッツ氏(エキファックス)
*はい。「合意には程遠い」ジョエル・ナロフ氏(ナロフ・エコノミック・アドバイザーズ)
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中国の自動車販売失速、投資家は注意を

吉利のSUV「リンク」
By Jacky Wong
2018 年 8 月 10 日 08:16 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 世界最大の自動車市場の失速が鮮明だ。中国国内の自動車メーカーも減速する公算が大きい。

 中国乗用車協会(CPCA)が発表した7月の自動車販売台数は前年同月比5.5%減少し、2カ月連続のマイナスとなった。1-5月期は5.3%増だった。

 CPCAの信頼度が高い訳ではないが、減速は他のデータからも明らかだ。バーンスタインによると、6月の新車向け保険契約件数は前年同月比10.5%減と大幅な落ち込みとなった。メーカー各社の販売データも低調だ。長城汽車(グレート・ウォール・モーター)が今週発表した7月の販売台数は前年同月比21%減。

 通商政策を巡る米中の応酬が激しさを増しているが、販売低迷の原因はおそらく国内に起因するだろう。中国当局が進めるシャドーバンキング(影の銀行)に対する締め付けだ。中国消費者は車購入でローンの依存を強めており、金融環境の引き締まりは自動車メーカーにとっては販売の足かせとなる。価格帯が低・中程度の市場をターゲットとする現地メーカーへの打撃がとりわけ大きいようだ。高めの車には手が出ない層は、一般的な借り入れ手段以外から購入資金を手当てする傾向が強いためだ。

 足元で、ネットを介して個人の資金を融通する「ピア・ツー・ピア(P2P)金融」の破綻が相次いでいることも、地方都市で自動車販売を押し下げているようだ。一方で、BMWやメルセデスなど高級車の販売状況は相対的に良好だ。富裕層はメーカー系列の金融会社や銀行から融資を得ることができる。

 中国自動車メーカーの株価は、この先の暗い見通しをすでに織り込んでいる。長城汽車と広州汽車集団の株価は年初来およそ半減している。中国勢で最も勢いのある吉利汽車控股(ジーリー・オートモービル)は37%値下がり。それでも依然として、バリュエーションは競合勢のおよそ2倍の水準だが、その開きは正当化される。同社の7月の自動車販売台数は32%増だった。

 だがその吉利も減速している。1-6月期は44%の伸びを記録していた。その原動力となったのが、昨年終盤に投入したスポーツ用多目的車(SUV)「リンク(Lynk)」だ。これはスウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カーとの合弁が製造を担当しており、吉利の自社ブランドよりも高めの価格設定となっている。

 だが、海外の大手自動車メーカーも近く、現地提携先との合弁を通じて、リンクと同等またはこれを下回る価格で新型SUVを相次いで販売する構えで、リンクは激しい競争にさらされそうだ。しかも、リンクの合弁による吉利の収益への貢献度は低いかもしれない。吉利は利益とロイヤルティーをボルボ・カーと共有する必要がある。

 リンクを除くと、吉利の7月の販売台数は18.5%増と、2016年以来の低い伸びにとどまる。吉利で最も高額なSUV「博越(BOYUE)」の販売台数は11%減少した。販売台数の伸びはより廉価な車種によるものだが、収益の押し上げ効果は限られそうだ。吉利でさえ、業界全体の落ち込みに無縁ではいられないのだ。


 

 

米中貿易摩擦、網にかかったのは米水産業界

米国で水揚げされてから中国に輸出され、加工後に米企業が輸入する水産物は推定9億ドルに上る


米国が検討する対中追加関税の対象品目には、ティラピアからマグロまで数十種の魚が含まれている

SIMON SIMARD FOR THE WALL STREET JOURNAL


By Heather Haddon and Jesse Newman | Photographs by Simon Simard
2018 年 8 月 10 日 10:46 JST

 中国からの輸入品に対する米国の追加関税リストは、元々は米国産の主要産品にも結果的に打撃を及ぼす可能性がある。それは魚だ。

 トランプ政権は先月、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当に対する10%の追加関税を課す方針を示した。その対象品目の中には、ティラピアからマグロまで数十種の魚が含まれている。この追加関税の税率は25%に引き上げられる可能性があり、最終的には米通商当局によって9月に決定される。

 米国で水揚げされた後に中国に輸出され、切り身などに加工されてから米企業が輸入する水産物は、9億ドルに上ると推定されている。

 かつて米農務省で主任エコノミストを務めていたジョゼフ・グラウバー氏は、加工後に米国に再輸入される魚のような産品について「外国で付加価値が付けられているが、基本的には米国産品だ」と指摘。検討されている関税は、漁業者から消費者まで水産物サプライチェーン全般にわたり、利益を圧迫したり、価格を上昇させたりする可能性があると述べている。

 米国の水産団体によれば、加工作業のため中国に魚を輸出する慣行は、過去20年間に拡大してきた。米国内の加工工場が、高コストや労働力不足などに直面する一方、中国では国内の大規模な養殖漁業を支えるため、より低コストの工場が次々に誕生してきた。

 これにより、中国は米国向け水産物の最大の供給国となった。市場調査会社アーナーバリーによると、昨年の中国の米国向け水産物出荷量は13億ポンドで、2位インドの2倍となっている。

 米国産水産物が他国を標的とした輸入関税の影響を受けることは、世界のサプライチェーンがいかに複雑につながっているかを浮き彫りにする。例えば、アラスカ南東部で漁獲されるピンクサーモンは現地の工場で頭を切り落とし、はらわたを抜いて冷凍にした後、コンテナ船で中国に出荷される。中国に到着すると、切り身やサーモンバーガーなどに加工され、米国を含め世界向けに輸出される。

 アラスカの調査会社マクドウェル・グループのエコノミスト、ギャレット・エブリッジ氏によれば、中国に送られるアラスカ産水産物の半分以上は加工されて再輸出される。シタビラメなどの場合は最大95%が再輸出されるという。漁業はアラスカ州で最大の雇用を抱える産業の一つで、約6万人が従事している。また、アラスカ州の漁獲量は米国全体の60%を占めているという。

 一方、メキシコ湾岸の一部水産業者は、最新の対中関税に水産物を含めるよう政府に働き掛けていた。漁業団体「南部エビ連合(SSA)」は5月にトランプ政権に書簡を送り、中国産の養殖魚は抗生物質を使っていることが多いと指摘するとともに、不当な安値で輸出されSSAを圧迫していると訴えた。

 米通商代表部(USTR)の報道官は、関税発動に当たっては一般から意見を聴取し、「中国の有害な行動を変えさせるべく圧力を強められるよう品目を選定した」と述べた。

水産物輸入業者スレード・ゴートンの加工施設 PHOTOS: SIMON SIMARD FOR THE WALL STREET JOURNAL
 全米海洋大気局(NOAA)によると、米国は自国の天然漁業だけでは国内需要を満たすことができず、水産物消費量の80%を輸入に頼っている。中国からの再輸入に依存している米国の水産業者は今、ビジネスを失うのではないかと身構えている。関税が課されれば水産物の販売が減少し、小規模な家族経営の漁業者だけでなく、大規模な水産物加工業者、さらには漁網や船舶エンジンなど関連製品を販売する無数の業者に打撃を与える恐れがある。

 魚介類販売業は利益率の低いビジネスであるため、価格上昇分をレストランや食料品店などの顧客に転嫁する必要がある。そうすると、消費者向けの価格も上がる公算が大きい。

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 ボストンに本拠を置く水産物輸入業者スレード・ゴートンのキム・ゴートン最高経営責任者(CEO)は、卸売価格の潜在的な値上げに言及し、「1ポンド当たり25から50セントを転嫁するというのは至難の業だ」と話した。同社は米国で水揚げされたタラやサケなどを中国から再輸入している。輸入業者の一部は、関税が実際に発動された場合に備えて、中国の供給業者と価格交渉をしているという。

 水産物は、既に食肉など他のタンパク質源よりも平均価格が高くなっており、価格上昇の打撃を受けやすい傾向がある。ニールセン・トータル・ビューのデータによると、今年6月までの1年間の水産物平均価格は1パッケージ当たり7.22ドルと、前年の6.77ドルから上昇した。ニールセンによると同期間の食肉平均価格は、1パッケージ当たり3.54ドルだった。

 シカゴに本拠を置く中堅卸売業者、フォーチュン・フィッシュ&グルメのショーン・オスカンレイン社長は、「当社が水産物価格を10%上げれば、顧客が受け入れないだろう」と話す。同社は中国から年間約33万ポンドのイカやティラピア、ズワイガニなどを輸入している。同社長は、検討されている関税を回避するため、中国の輸出業者に前倒しで注文していると述べる。

水産物輸入業者スレード・ゴートンの従業員
水産物輸入業者スレード・ゴートンの従業員 PHOTO: SIMON SIMARD FOR THE WALL STREET JOURNAL
 水産物とは対照的に、食肉価格は供給増によって下がっている。連邦統計によると、食肉価格は2015年から6%近く下落しており、牛肉と子牛肉は5%下がっている。

 米国の水産業界の一部は、中国が7月に米国製品340億ドル相当に報復関税を課したことで打撃を受けている。関税負担の少ないカナダの供給業者に一部のバイヤーがシフトしたからだ。

 例えば、メーン州アランデルでステファニー・ナドー氏が経営するロブスター卸売会社は、年間売上高3000万ドルの30%強を中国に依存しているが、関税が実施されて以降は受注が停滞したと言う。

 ナドー氏は「25%の関税を課されていないカナダに対抗して、米国産ロブスターを売れるような魔法はない」と述べた。海外市場向けのロブスターは現在、水槽のなかにいるという。

検討されている関税は水産物サプライチェーン全般に影響を及ぼす

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米シニア世代の苦境、備えなく人生終盤に


老後の財務状況、前の世代より悪化するのは戦後初

債務や医療費、高齢の親の支援などがのしかかるシニア世代 THE WALL STREET JOURNAL
By Heather Gillers, Anne Tergesen and Leslie Scism
2018 年 8 月 10 日 09:14 JST 更新

 いま引退年齢に差しかかっている米国人は、前の世代よりも悪化した財務状況に直面する。ハリー・トルーマン元大統領の時代以降、こうした事態に陥るのは初めてのことだ。

 人生の円熟期を迎えようとするシニア世代。だが社会保障や年金基金の給付金を含めた彼らの収入の中央値はここ何年も横ばいのままだ。1950年代以降は増え続けるのが当然だった。

 一方で平均債務水準は高い。子供たちの教育ローンを返済している場合も多い。年老いた親の面倒を見るため、貯蓄を少しずつ取り崩してもいる。確定拠出年金(401k)がもたらす収入は微々たるものだ。2人世帯の場合、支給額の中央値は年間8000ドル(約88万円)にも満たない。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析によると、世帯主が55〜70歳の家庭では、引退後も生活水準を維持できる資金のない世帯が40%以上あることが判明した。約1500万世帯がこれに相当する。

 影響は幅広い層に及ぶ。先月発表された新しい国勢調査データによると、ベビーブーマー世代の引退が急増し、その結果、より少ない若年労働者が高齢者層を支えることになる。

 70歳を過ぎても仕事をやめない人や、単純労働を引き受ける高齢者が今後は増えるだろう。子供の資金援助に頼らざるを得ないため、若い世代をも苦しめることになる。

 企業は彼らの豊富な経験に頼る一方で、引退時期を延ばすことによる問題に取り組まなければならない。つまり、健康面の衰えに伴うコストを負担し、高齢労働者に再教育を施すことが必要になる。

 米国全体で見れば、引退後の収入不足は公的資金が大量につぎ込まれる前兆となる。特にシニアが課税対象の支出を減らし、当局が高齢者への公的扶助費を増やすと決めればなおさらだ。

米シニア世代の苦境、備えなく人生終盤に
 「この世代は自力で乗り切るしかない」。ボストン大学退職研究センターのアリシア・マンネル所長はこう話す。引退後の生活水準に関しては同センターの推定値および国勢調査データに基づいてWSJが判断した。

 アイオワ州在住のクレッグ・ウィットマイヤーさん(56)は以前、安定した老後のために自分が正しいことをしていると考えていた。ベビーブーマー世代の多くも同様だ。彼は20代で401kに加入した。だが34歳で離婚。このとき全額を引き出した。再び積み立て始めたが、5年後に失業。また全額を引き出したという。

 ウィットマイヤーさんの老後資金は現在10万ドルを若干超える程度。娘の学費ローンが9万2000ドル残っている。自分はいつ引退できるのか、あるいは引退してよいのかどうか分からないと語る。自分の親世代が置かれた立場とは正反対だ。元消防士と元教師の父母は、年金受給が保証されている。「老後の蓄えなど一度も心配したことがない」

 こうした見通しは、高齢者の経済的安定が改善され続けた数十年来の状況を一変させる。戦後しばらくは、社会保障に加えて、政府や企業から確定給付年金が支給されることで、数百万人の収入が保証されていた。経済成長に伴って賃金も上昇した。多くの人は親世代よりも良い財務状況で老後を迎えることができた。

 そんな時代は終わった。ベビーブーマーは401kなどで老後資金を自己責任で運用するよう促された初の世代だ。その結果、投資判断でミスした人、十分資金がたまらなかった人、様子見でスタートが遅れた人などが続出した。

 以下に考えるべきポイントを挙げよう。

・非営利(NPO)調査機関アーバン・インスティテュートがWSJの依頼で国勢調査データを分析した。それによると、55〜69歳の米国人の個人所得中央値は2000年から横ばい状態。1950年にデータを取り始めてから一度もなかったことだ。一方、25〜54歳の個人所得中央値は、ピーク時の2000年を下回るが、ここ数年は徐々に持ち直している。若い世代はまだ老後の貯蓄プランを見直す時間がある。

・ボストン大学退職研究センターが算出した最新の数字によると、401kに加入する世帯で55〜64歳の働き手が1人以上いる場合、2016年時点の年金積立残高(税制優遇あり)の中央値は13万5000ドル。例えば62歳と65歳の夫婦が今日引退したら、年金受給額は月額600ドル前後となる。

・無党派のNPO公共政策調査機関、従業員福利厚生研究所(EBRI)によると、世帯主が55歳以上の家庭で何らかの負債を抱える比率はこの20年余りで徐々に高まり、1992年の54%から2016年は68%になった。

・ニューヨーク連銀のインフレ調整後データによると、2017年の60〜69歳の負債総額は約2兆ドル。1人当たり負債額は2004年より11%増加した。2017年の自動車ローン残高は1680億ドルで、1人当たりのローン残高は2004年より25%増。2017年の学生ローン残高は2004年の6倍を超えている。

「不足」世代

 経済状況と人口動態のダブルパンチにより、米国のシニア層は借金をため込む一方、それを返すための資金は先細りするばかりだ。


未払いの請求書を一つ一つ調べるマコード夫妻

妻のリンダさんが服用する医薬品類

玄関先のポーチでくつろぐマコード夫妻
PHOTOS: COOPER NEILL FOR THE WALL STREET JOURNAL
 長く続いた低金利時代を背景に、ベビーブーマー世代は高騰する住居費や医療費、学費を借金でまかない続けた。低金利は彼らの生活の「安全装置」にも影を落とした。債券利回り低下を受け、多くの保険会社が、将来の生活費の助けとなる貯蓄型生命保険や介護保険の保険料を引き上げたからだ。財政状況の厳しい自治体が年金カットを検討する中、公務員の一部は不安にかられたまま生活している。

 平均寿命が延びたのに加え、教育費が高騰したことで、50代〜60代は成人した子供と年老いた親族の両方を支えることになった。一部はプロの介護者の手を借りねばならないだろう。だがその担い手は不足し、知人などに依頼していた昔に比べて費用が高くつく。

 それに輪をかけるのが医療費の負担だ。カイザー家族財団によると、平均的な労働者が払う個人健康保険の保険料は1999年から281%増の1213ドルとなった。この間のインフレ率は47%だ。EBRIが1518人の労働者を対象に昨年6月に実施した調査では、前年より医療費が増えたという答えが半数近くに上った。その結果、4分の1以上が老後の蓄えを取り崩し、半数近くがそれ以外の貯蓄を減らしたという。

 カイザー家族財団によると、大手企業のうち退職者医療保険を提供している比率は4分の1にとどまる。メディケアの資格要件を満たすまでの期間をカバーするものだ。1999年には40%が提供していた。メディケアの保険料や公的制度でカバーされない費用を払うために、社会保障受給金から支出することが増えているという。2013年には平均月額1115ドルの受給金のうち41%が医療支出に充てられた。この比率は年々上昇傾向にあるとカイザー家族財団は指摘する。

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米国の高齢化加速、2035年には老若逆転へ
高齢化する米ベビーブーマー、その厳しい末路
年金生活者が変える米国の居住マップ

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/638.html#c2

[国際23] 「BRICS+」でトランプに対抗する習近平──中国製造2025と米中貿易戦争(ニューズウィーク) 赤かぶ
3. 2018年8月10日 22:02:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1216]

 
社説】トランプ関税が海外に押し戻す雇用
スタンダード・テキスタイルのユニオン工場(米サウスカロライナ州)

RD TEXTILE
2018 年 8 月 10 日 15:46 JST 更新

 米国では1991〜2016年に繊維工場の雇用が75%超失われた。「私の主な目標のひとつはそうした雇用機会を復活させることだった」。スタンダード・テキスタイル(オハイオ州シンシナティ)のゲーリー・ハイマン社長兼最高経営責任者(CEO)はこう話す。ハイマン氏は成功し、米南部の2都市で約400の雇用を創出した。しかし今度は、ドナルド・トランプ大統領の関税がこれらの雇用を海外に押し戻そうとしている。トランプ氏が主張する関税の効用とは正反対だ。

 スタンダード・テキスタイルは病院やホテル用のシーツやタオルといった繊維製品の生産に特化した企業だ。02年以来、約6600万ドル(約73億円)をサウスカロライナ州ユニオンとジョージア州トーマストンの製造施設や装置に投資してきた。

 同社が雇用する労働者に大卒資格は必要ない。正しい姿勢と仕事への適正を示せば、会社が実地研修を提供する。給与と諸手当を合わせた従業員の平均年収は4万4000ドル。ユニオンの家計所得の中央値3万5000ドル、トーマストンの同2万7500ドルを優に上回る金額だ。

 スタンダード・テキスタイルが主材料とするのは加工されていない生地で、毎年約3000万ドル相当を中国から輸入している。ユニオン工場の労働者は生地の汚れを落とし、漂白や染色を行ったものをロール状にしてトーマストンに送る。トーマストンの工場では裁断、縫製、包装をする。だがトランプ政権は7月、中国製品2000億ドル相当に関税10%を課すことを提案した。加工されていない生地も対象だ。トランプ大統領は8月1日、これを25%に引き上げるよう米通商代表部(USTR)に指示した。

 これにより、スタンダード・テキスタイルは外国の競合他社に対してかなり不利になる。昨年は未加工生地の関税に290万ドルを支払った。今回の動きで製造コストは最大750万ドル増える見通しだ。一方、中国の労働者が生産した最終繊維製品に課されるのは6.7%の古い関税のまま変わらないとみられる。

 ハイマン氏は、関税の引き上げが重荷となり、国内の一部工場閉鎖や数百人の解雇、生産拠点の海外移転を迫られる恐れがあると話す。

 2016年の大統領選でトランプ氏は、ユニオンとトーマストンで過半数票を獲得した。ユニオン工場の責任者ラス・オウグル氏によると、工場の労働者はトランプ関税に当惑している。「トランプ陣営が選挙で繰り返していたのは、米国、特に製造業に雇用を取り戻すという約束だった」とオウグル氏は述べる。

 同氏はさらにこう続ける。「私たちはここで、世界中の低賃金国に対する競争力を得ようと戦っているのだ。この関税とそれがもたらし得る影響は壊滅的だと思う。間違いなく壊滅的だ。収入が失われるだけでなく、無意味だ。この政策は米国のメーカーや雇用を犠牲にして、海外から最終製品を調達する企業に不当な優位性を与えている。私たちが求めているのは施しではなく、公平な条件だ」

 多くの企業が同様の疑問を投げかけている。トランプ氏本人は話したがらないが、関税による有害な影響に彼らは耐えているのだ。

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ワールド2018年8月10日 / 11:11 / 8時間前更新
人民日報、米中貿易摩擦で政府の国家主義的姿勢への批判に反論
1 分で読む

[北京/上海 10日 ロイター] - 中国政府の中枢では、米国との貿易戦争を回避するために政府が低姿勢で臨むべきとの批判が強まっているが、共産党機関紙の人民日報は10日、中国を象に例え、その大きさと力強さは隠すことができないと反論した。

複数の政府関係筋によると、米国との貿易摩擦の激化が共産党内に亀裂を生じさせており、党内では、過度に国家主義的な中国の姿勢が米国の態度硬化を招いた可能性があるとの批判が出ている。

人民日報は長文の社説でこうした批判層に直接狙いを定め、ホワイトハウスは内外で非難されている一方、インターネットで「まことしやかな」見解を流布させている向きがいると説明。

「見解の1つは『中国の戦略が自信過剰で高姿勢過ぎ、米国からの連続パンチを招いている』と中国を批判している。中国は反撃すべきでないとの批判もある。中国が降参している限り、米国は慈悲深く手を出さず、中国と米国の貿易戦争は起こらないだろうという意味だ」と指摘した。

しかしながら、貿易摩擦は中国が招いたものでは全くなく、旧ソ連や英国、日本など、米国の覇権を脅かす恐れがあるとみなした国を米国が追い込もうとするのは歴史が示しているとし、中国は巨大で成長する経済により、その最前線に立たされているとの見方を示した。

社説は「1世紀以上にわたる大変な努力を経て、中国は世界の舞台の中心に帰ってきた。中国と米国の貿易摩擦において、われわれが踏まえねばならない基本的な事実だ」とし、「象が苗木の後ろに隠れることができないように、中国の大きさや重さは『控えめな姿勢』では隠せない」と強調した。

また、米中貿易摩擦の激化は中国が米国の覇権を脅かす最大の存在になっているとの懸念が背景にあり、中国が米国に対する「前例のない敵」として浮上していると説明。

「中国が何をしようと、米国の目には中国の発展が既に『米国の優位性を損なっている』ように映る」とし、「このような『敵』に対しては、米国はまず敵の存在を利用し、『米国を再び偉大にする』ため国民の支持を呼びかけ、その上で敵の優位性をあらゆるレベルで抑制する、という2つの措置に出るのが必至だ」と指摘した。

 

 


 
2018.8.9 11:30
【石平のChina Watch】トランプ政権が発動した貿易戦争が狙う「中国潰し」

米中貿易摩擦などをきっかけに、苦しい立場に追い込まれている中国の習近平国家主席=7月26日、南アフリカ・ヨハネスブルク(ロイター)
 現在展開中の米中貿易戦争の背景には、米国が長年抱えている対中貿易の莫大(ばくだい)な赤字がある。2017年、米国の中国からの輸入総額は4297億ドルであるが、中国に対する輸出総額は1539億ドル。簡単に計算すれば、昨年において米国の対中貿易赤字は2758億ドル(約30兆5千億円)に達している。

 米国の赤字はそのまま中国にとっての貿易黒字。この巨額の対米貿易黒字を含めて、4225億ドルに上る対外貿易の黒字は中国の経済・政治・外交にとって実に大変重要な意味を持つものである。

 中国の稼いだ貿易黒字は当然、中国の持つ外貨、すなわち外貨準備高になる。2018年6月末、中国は世界一の3兆1129億ドルの外貨準備高を持っているが、それは中国経済だけでなく、中国の国民生活、産業発展、そして政治と外交の多方面にとっての「虎の子」なのである。

 中国は今や食糧輸入大国となっていて、2017年には海外から1億3062万トンの食糧を輸入している。国民1人当たりで約100キロの食糧を輸入しているから、食糧の対外依存度が非常に高いことがよくわかる。

 中国は石油輸入大国にもなっている。2017年、中国の石油輸入量は4億1957万トン、日本のそれの倍以上となっている。

 中国は自国の製造業を支えるのに、毎年海外からは、付加価値の高いハイテクの技術・製品を大量に輸入しなければならない。中国製のラジオ、テレビ、通信機、コンピューターなど、あらゆる電子機器は、その心臓部分の集積回路が海外からの輸入に頼っている。そのために中国は、昨年、海外から3770億枚もの集積回路を輸入している。こうしたハイテク技術・製品の輸入無しでは中国の製造業が成り立たない。

 このようにして、国民生活に直結する食糧の輸入から経済と産業全体を支える石油の輸入やハイテク技術・製品の輸入まで、中国は今や世界有数の輸入大国になっているが、大量の輸入を支えるためには豊富な外貨準備高を持たなければならない。そのために毎年のように莫大な貿易黒字を稼がなければならない。そしてその中で、中国の対米貿易黒字は、貿易黒字全体の6割以上も占めている。

 つまり米国こそは、中国の貿易黒字稼ぎの最大のお得意さまであるのだが、米国から本格的な貿易戦争を仕掛けられると、貿易黒字と外貨保有の大幅減は避けられない。そうなれば肝心なところで輸入に頼っている中国の産業がダメになるだけでなく、食糧・エネルギーの安全までが脅かされ、社会的・政治的不安が拡大するのは必至である。

 それに加えて、中国は一帯一路と称する国際的投資プロジェクトを進めていくのにも資金源となる豊富な外貨を持たなければならないし、南シナ海戦略の推進に当たって一部の関係国を経済援助で籠絡するためにも外貨は必要である。貿易黒字と外貨の大幅減は、習近平政権の国際戦略を無力化してしまうのである。

 こうしてみると、中国からの貿易赤字(すなわち中国にとっての貿易黒字)の是正を目標とした米国の貿易戦争は、中国の対外輸出を直撃し中国の稼ぐ貿易黒字と外貨準備高の大幅減をもたらすことによって、中国の経済・産業、国民生活・外交戦略に多大な打撃を与えかねない状況であることが分かる。そして中国の立場からすれば、米国の仕掛けた貿易戦争は単なる貿易領域の戦争ではなく、中国の経済と産業、そして政治と外交に大打撃を与えようとする「全面戦争」なのだ。

 あるいは、貿易戦争を発動したトランプ政権の狙いは最初からそういうところにあるのかもしれない。トランプ政権は、貿易戦争の発動で本格的な「中国潰し」に取り掛かろうとしているのである。

                  ◇

【プロフィル】石平(せき・へい) 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/638.html#c3

[自然災害22] 貞観地震当時、熊本付近では水害があったというが、近年の水害多発は今後の地震多発を予言しているのでは taked4700
15. 2018年8月10日 22:09:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1217]

>関東や関西の都市圏の機能分散とエネルギー資源と食糧の高騰に備える必要がある

いずれにせよ備えが必要なのは同じだが

>地球規模でプレートの動きが活発化していて、海底からプレートの沈み込みに従って、熱水や火山性のガスなどが上がってきているのではないか
>近年の水害多発は今後の地震多発を予言している

何の根拠もない妄想では、実用的には意味はない

ただ、妄想を楽しむのは別に悪いことでもない



http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/589.html#c15

[経世済民128] 4-6月期GDP速報値について(在野のアナリスト) 赤かぶ
1. 2018年8月11日 03:30:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1218]

相変わらず、低レベルなコメントだが

一番の問題は、個人消費が大部分のGDPの伸びを占めていることだろう

貿易戦争や人口要因があるのだから、長続きするはずがない



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/162.html#c1

[経世済民128] 日本人が"現金払い"に執着する意外な理由 国がキャッシュレス化進める狙い(プレジデントウーマン) 赤かぶ
1. 2018年8月11日 03:41:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1219]

全然、意外性はない

>キャッシュレス決済で税金還付”できれば普及

既に、可能だが、余計な機器の購入を必要とするなど、愚か過ぎる

今後は、改善の予定らしいが、早急に対応すべきだろう
http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_290510_kanbenka.htm


ただ、それでも、0金利時代では、引き落としの手間やコストなどもあり、預金メリットは小さい

さらに、中小を優遇する日本では、淘汰されずに残っている多くの零細事業者や自営者にとって、脱税など、箪笥預金のメリットは大きいから

その程度でキャッシュレスが普及するかは疑問だ

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/160.html#c1

[経世済民128] 年金繰り下げ受給 70歳からの割り増し選択に潜む衝撃の事実(マネーポスト) 赤かぶ
8. 2018年8月11日 03:53:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1220]

額面が増えれば、当然、負担も増える

当り前の話だ


公的年金など廃止してしまえば、こんな問題は起こらないが

政府に依存し、文句ばかり言って、集っている膨大な国民が

愚かなバラマキ政治を拡大し、

こうした行政による詐欺を助長した結果

巨額の財政赤字を垂れ流す構造になったのだが

大体、これは、どこの国でも同じ

日本は産業が強かったから、財政赤字が積みあげられているだけのことで

今後、産業が弱体化していけば、いずれは高インフレもしくは破綻という形で問題は解決する


そして政治家や、公務員も結局は、同じレベルの国民で

敵視されてモチベーションが高まるはずもない

よほど厳しく監視しない限り(しても)、

不正がなくならないのも当然ということだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/144.html#c8

[国際23] トランプの一方的イラン経済制裁はイランの責任だというワシントン・ポスト(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
1. 2018年8月11日 04:01:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1221]

#イランなどがトルコ以上の攻撃を受けるのは、ほぼ確実だろう

その時には、さらに大きなダメージが世界経済と市場を襲う可能性は高い


 


ダウ平均は3日続落 トルコリラの急落でリスク回避強まる=米国株前半
配信日時 2018年8月11日(土)02:16:00 掲載日時 2018年8月11日(土)02:26:00
NY株式10日(NY時間13:14)
ダウ平均   25328.40(-180.83 -0.71%)
ナスダック   7859.06(-32.72 -0.41%)
CME日経平均先物 22135(大証終比:-165 -0.75%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は3日続落。トルコリラの急落をきっかけに市場はリスク回避の雰囲気を強めており、株式市場も売りが強まっている。トランプ大統領が「トルコ・リラが急落しており、トルコの鉄鋼とアルミニウムに対する関税を倍に引き上げることを承認した」とツイッターに投稿した。アルミは20%、鉄鋼は50%となる。追い討ちをかけるようなトランプ大統領の発言に更に市場は懸念を強めている。

 銀行株が下げを先導。米国債利回りが下げていることを嫌気しているほか、ECBがユーロ圏の金融機関によるトルコへのエクスポージャーを懸念していると伝わったことで欧州市場で銀行株が下落しており、連想売りが働いている面もありそうだ。BISのデータによると今年第1四半期時点で米銀も180億ドルほどトルコへのエクスポージャーがある。

 そのほか、産業株やIT・ハイテク株などにも売りが広がりダウ平均は一時245ドル安まで下げ幅を拡大する場面も見られた。

 ダウ採用銘柄ではインテルが下落しているほか、キャタピラー、3Mが軟調。アメックス、ゴールドマン、JPモルガンも売りが優勢となっている。一方、ウォルマートやシェブロン、P&Gが上昇。

 インテルはアナリストによる「売り」への投資判断引き下げが伝わっていた。10ナノメートル技術など生産問題を抱えており、このことは想像以上に問題は根深いと指摘している。

 ナスダックは9日ぶりに反落。フェイスブックやアルファベットが下落しているほか、エヌビディア、マイクロンも軟調。ブッキングも続落している。

 ドロップボックスが大幅安。4−6月期決算は予想を上回る好決算だったものの、ウッドサイドCOOの辞任が同時に発表されたことが嫌気されている模様。

 ディスプレイ製造のユニバーサル・ディスプレイが大幅高。4−6月期決算を発表しており、1株利益、売上高とも予想を上回った。

 インターネット広告のプラットフォームを提供するトレードデスクが38%急伸。4−6月期決算を発表しており、1株利益、売上高とも予想を上回った。通期見通しに関しても上方修正している。

 半導体のマイクロチップが大幅安。4−6月期決算を発表しており、1株利益、売上高とも予想を上回った。しかし、7−9月期の売上高見通しが冴えない内容だったことに市場は失望感を強めている模様。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/636.html#c1

[国際23] トランプの一方的イラン経済制裁はイランの責任だというワシントン・ポスト(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
3. 2018年8月11日 07:16:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1222]

#トランプの攻撃で、トルコそして世界経済は、さらに危機的になってきたが

イランなど反米国家への脅しとして、どの程度機能するかは、疑問ではある


 


 
ワールド2018年8月11日 / 00:37 / 7時間前更新
トルコ国民はドルや金をリラに両替すべき=エルドアン大統領
1 分で読む

[イスタンブール/アンカラ 10日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は10日、通貨リラが値下がりする中、国民に対し保有するドルや金をリラに両替するよう訴えた。

大統領は北東部の都市バイブルトでの演説で「もしドルや金を枕の下に入れているのなら、銀行でリラに両替すべきだ」と発言。「これは国家の戦いであり、経済戦争を仕掛けた者に対するわが国民の報いとなる」と語った。「ドルがわれわれの道を阻むことはできない。心配無用だ」とも述べた。

発言を受け、トルコリラは対ドルTRYTOM=D3で下げ幅を拡大した。

 

 


ワールド2018年8月11日 / 04:23 / 3時間前更新
トルコリラ20%急落し最安値、米の追加関税圧迫 大統領ら発言も歯止めかからず
2 分で読む

[イスタンブール/アンカラ 10日 ロイター] - 10日の取引で、トルコリラが対ドルTRYTOM=D3で一時約20%急落し、過去最安値を更新した。1日の下落率としては2001年以来の大きさとなる。

その後は下げ幅を幾分縮小し、約16%安の6.44リラ近辺で推移している。

トランプ米大統領がトルコに対するアルミ・鉄鋼関税引き上げを表明したことを引き金にリラ売りは加速。リラ急落阻止に向け、エルドアン大統領が演説、アルバイラク財務相が新たな経済計画を公表したものの、トルコ下落にさほど歯止めはかかっていない。

リラは年初来では40%超値下がり。エルドアン大統領が金融政策に及ぼす影響への懸念や米国との関係悪化などが圧迫要因となってきている。

トランプ大統領はこの日、ツイッターへの投稿で、トルコからの輸入関税についてアルミニウムを20%、鉄鋼を50%に引き上げることを承認したことを明らかにした。リラについては「非常に強いドルに対し急落している!」と指摘し、われわれのトルコとの関係は現在は良くない!」と述べた。

トルコ通商省は米国の関税引き上げ措置は世界貿易機関(WTO)の規定に反すると批判した。

こうした中、エルドアン大統領は国民に対し、保有するドルや金をリラに両替するよう訴えた。

大統領は北東部の都市バイブルトでの演説で「もしドルや金を枕の下に入れているのなら、銀行でリラに両替すべきだ」と発言。「これは国家の戦いであり、経済戦争を仕掛けた者に対するわが国民の報いとなる」と語った。「ドルがわれわれの道を阻むことはできない。心配無用だ」とも述べた。

アルバイラク財務相も新経済計画を発表。中央銀行の独立性や財政規律の強化を盛り込んだものの、投資家の不安を払拭し、リラ急落阻止に向けた詳細には踏み込まなかった。

TDセキュリティーズの新興国市場戦略主任、クリスチャン・マジオ氏は「(トランプ大統領の)ツイートはトルコの剣よりも強し」とし、新経済計画に新味はなかったと述べた。

リラ急落の影響は世界市場にも波及。欧州株式市場ではトルコへのエクスポージャーの大きい銀行株が急落し、米株式市場でも銀行株に売りが出ている。

他のトルコ資産も売りを浴び、ドル建てトルコ国債は急落し、多くが過去最安値を更新。iシェアーズMSCIトルコETF(上場投資信託)も急落し、2009年3月以来の低水準を付けた。

トルコ国債の保証コストも急上昇。5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)TRGV5YUSAC=MGは2009年3月以来の高水準となった。

 

ワールド2018年8月11日 / 04:23 / 3時間前更新
トルコリラ20%急落し最安値、米の追加関税圧迫 大統領ら発言も歯止めかからず
2 分で読む

[イスタンブール/アンカラ 10日 ロイター] - 10日の取引で、トルコリラが対ドルTRYTOM=D3で一時約20%急落し、過去最安値を更新した。1日の下落率としては2001年以来の大きさとなる。

その後は下げ幅を幾分縮小し、約16%安の6.44リラ近辺で推移している。

トランプ米大統領がトルコに対するアルミ・鉄鋼関税引き上げを表明したことを引き金にリラ売りは加速。リラ急落阻止に向け、エルドアン大統領が演説、アルバイラク財務相が新たな経済計画を公表したものの、トルコ下落にさほど歯止めはかかっていない。

リラは年初来では40%超値下がり。エルドアン大統領が金融政策に及ぼす影響への懸念や米国との関係悪化などが圧迫要因となってきている。

トランプ大統領はこの日、ツイッターへの投稿で、トルコからの輸入関税についてアルミニウムを20%、鉄鋼を50%に引き上げることを承認したことを明らかにした。リラについては「非常に強いドルに対し急落している!」と指摘し、われわれのトルコとの関係は現在は良くない!」と述べた。

トルコ通商省は米国の関税引き上げ措置は世界貿易機関(WTO)の規定に反すると批判した。

こうした中、エルドアン大統領は国民に対し、保有するドルや金をリラに両替するよう訴えた。

大統領は北東部の都市バイブルトでの演説で「もしドルや金を枕の下に入れているのなら、銀行でリラに両替すべきだ」と発言。「これは国家の戦いであり、経済戦争を仕掛けた者に対するわが国民の報いとなる」と語った。「ドルがわれわれの道を阻むことはできない。心配無用だ」とも述べた。

アルバイラク財務相も新経済計画を発表。中央銀行の独立性や財政規律の強化を盛り込んだものの、投資家の不安を払拭し、リラ急落阻止に向けた詳細には踏み込まなかった。

TDセキュリティーズの新興国市場戦略主任、クリスチャン・マジオ氏は「(トランプ大統領の)ツイートはトルコの剣よりも強し」とし、新経済計画に新味はなかったと述べた。

リラ急落の影響は世界市場にも波及。欧州株式市場ではトルコへのエクスポージャーの大きい銀行株が急落し、米株式市場でも銀行株に売りが出ている。

他のトルコ資産も売りを浴び、ドル建てトルコ国債は急落し、多くが過去最安値を更新。iシェアーズMSCIトルコETF(上場投資信託)も急落し、2009年3月以来の低水準を付けた。

トルコ国債の保証コストも急上昇。5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)TRGV5YUSAC=MGは2009年3月以来の高水準となった。


 

 
2018年08月10日
トルコ通貨危機が世界経済に与える影響とは トルコのデフォルトは近いか


バフェット太郎です。

トルコ発の世界同時株安が始まるかもしれません。

トルコで拘束中の米国人牧師を釈放するかどうかを巡って、トルコは訪米し米国と協議しましたが、結局釈放を約束することはできないと拒否しました。これで米国とトルコの関係がさらに悪化の一途を辿りそうです。

その後協議は続けられるとの報道があったものの、交渉が決裂したことでトルコリラの売りが加速し、1ドル5.48トルコリラと安値を更新しました。

【米ドル/トルコリラ:2010ー2018】

トルコリラが暴落していることでトルコは経済危機に陥るとの懸念が広がっています。

トルコの短期債務に対する外貨準備の比率は70%台と、通常の最低限度である100%を大きく下回っているので、市場から新たに2000億ドル程度の借り換えをしなければなりません。

しかし、トルコのエルドアン大統領は政策金利を引き下げようとしていることから、新たに資金を調達できるかどうかは不透明です。また、トルコ債の売りが本格化していないことから、トルコリラがさらに売られる可能性もあります。

今年に入ってトルコ債はリラが急落したことで30%以上下落しています。そのため多くの投資家たちは含み損を抱えた状態なのですが、それでも売る気配が見られません。これは新興国債指数の構成見直しでトルコ債の比率が下がらなかったため売りたくても売れなかったり、流動性が低すぎて売れないことが考えられます。

今後、トルコ債の売りが加速すれば、リラ安はさらに加速してデフォルトリスクが一層高まりかねません。

危機を回避する方法としてはIMF(国際通貨基金)からの支援を受けるというものがありますが、支援を受ける場合、当然構造改革などの条件が課されることになります。たとえば緊縮財政や政策金利の引き上げなどです。しかし、エルドアン大統領は利上げに否定的であることからIMFからの支援は拒否する公算が大きいです。

また、デノミネーションも対応策の一つとして挙げられます。そもそもデノミは通貨の単位を切り替えて新券を発行するというものですが、デノミはインフレに拍車をかけかねない手段であることから危機を回避できる可能性は低いです。

つまり、現状、トルコが経済危機を回避できる見込みはないということです。では、トルコが経済危機に陥ると世界経済にどのような影響を与えるのでしょうか。

そもそもトルコのGDPは世界で17位と、16位のインドネシアの次に大きく、18位のオランダや19位のサウジアラビアよりも大きいことから、世界に与える影響は決して小さくありません。

【世界のGDPランキング:2017】

また、トルコは地理的にも欧州と中東の間に位置するため、経済危機が起こればその影響は世界各国の企業に悪影響を及ぼしかねません。

たとえば、経済状況が必ずしも良くないスペインやイタリアなどの南欧諸国の銀行は、トルコの債券を大量に保有していることから金融不安が高まっています。

加えて、通貨危機は世界に伝染しやすいことも懸念されています。たとえば94年末にメキシコで通貨危機が起きると、その二年半後の97年にはアジア通貨危機が起き、98年にロシア通貨危機、99年にはブラジル通貨危機が起きました。

現在、新興諸国は外貨準備高の積み増しをしているのでアジア通貨危機再燃の可能性は低いものの、通貨危機が世界に伝染しやすい性質であることから、トルコ経済の行方は注視する必要があります。


2018年08月08日
トルコのデフォルトは近いか

トルコリラの暴落は新興国株クラスタにとって対岸の火事ではないかもしれません。

【米ドル指数と新興国株指数の推移:2017ー2018】

2017年1月以降の米ドル指数と新興国株指数(EEM)の推移を眺めると、概ね相関関係になっていることがわかります。この相関関係は17年以前からも見られていたのですが、17年以降は特に相関関係が強くなっており、投資家らはドル高と新興国株安をセットで考えているというわけです。

なぜドル高になると新興国株が売られるのかというと、ドル高はドル建て債務を抱える新興国の政府や企業の返済額を膨張させ、デフォルトリスクを高めることに他ならないためです。

また、ドル高の要因としてFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げが挙げられます。通常、世界の投資マネーは相対的に利回りの低い所から高い所への流れる傾向にあるため、米国の金利が上昇する局面ではドル高になりやすいのです。

従って、米国が段階的な利上げを実施する状況ではますますドル高が進み、新興国株安が続く公算が大きいのです。

では、新興諸国が自国通貨や株価の下落を止めるにはどうしたらいいでしょうか。結論から言えば利上げしか方法はありません。また、単純に利上げをするだけではなく、高い金利を維持することを確約するなどフォワードガイダンス(将来の政策金利を約束すること)が必要です。

しかし、多くの新興諸国は米国ほど経済が好調ではないため、なかなか十分な利上げを実施することができないでいます。特にトルコは金利を引き下げようとするなど利上げとは真逆の方針であることからデフォルトの危機に陥ろうとしています。

【米ドル/トルコリラ:2017ー2018】

為替は「1ドル=5リラ」の壁を突破して最安値を更新中です。リラが暴落していることでトルコのエルドアン大統領は国民に対して手持ちのドルやユーロをリラと交換するよう呼びかけやたり準備預金のルールを変更したりしていますが、投資家は不十分と判断してトルコ資産を投げ売りしています。

また、エルドアン大統領が中銀に対して圧力をかけていることも懸念されています。エルドアン大統領はかねてから金利は引き下げるべきと公言しており、本来利上げをすべきところで利下げをしてしまえば、さらに資金が流出してしまいかねません。

こうしたことからトルコはデフォルトリスクが急速に高まっており、IMF(国際通貨基金)による救済観測も浮上しています。

IMFによるARA(外貨準備高の適正水準)の基準に照らすと、トルコのARAは35%程度と適正規模「100〜150%」を大きく下回るなど危機的状況にあります。ちなみに、タイバーツの暴落に端を発したアジア通期危機の直前のタイのARAは75%程度だったことから、トルコは当時のタイよりもひどい状況にあるということです。

将来、IMFがトルコを救済することになれば、救済条件として高金利の維持を強制すると思います。しかし、それはエルドアン大統領の方針とは真逆であることから、救済をスムーズに受け入れるとも限りません。

従って、トルコが好転する材料がほとんどないことから、トルコを中心に新興国市場は弱気相場が続く公算が大きいです。


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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/636.html#c3

[経世済民128] 4-6月期GDP速報値について(在野のアナリスト) 赤かぶ
2. 2018年8月11日 07:26:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1223]

まだ米国経済は堅調なので、選挙に向けたトランプリスクの拡大は、続く


さらに貿易戦争による世界経済の悪化が、今後、市場だけでなく、実体経済にも、さらに効いて来ることになる

自国の政策が、ほぼ機能しなくなっているトルコの例からも、政治リスクの大きさがよくわかり

今後の、新興国危機だけでなく欧州や日本の参考にもなるだろう

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/636.html?c3#c3
 
トルコ通貨危機が世界経済に与える影 デフォルトは近いか
 

 
ビジネス2018年8月11日 / 00:37 / 3時間前更新
トルコ財務相、新経済計画を公表 リラ急落に歯止めかからず
1 分で読む

[イスタンブール 10日 ロイター] - トルコのアルバイラク財務相は10日、新たな経済計画を明らかにした。中央銀行の独立性や財政規律の強化を盛り込んだものの、投資家の不安を取り除き、通貨リラ急落を食い止めるための詳細には踏み込んでおらず、リラ急落に歯止めはかかっていない。

アルバイラク財務相はイスタンブールで企業幹部に対し、構造改革や経済の再調整のほか、「持続可能で健全な成長」を実現すると明言。ただ、政策の具体的な内容やその手段については明らかにしなかった。

さらに「中銀の独立性はトルコ経済に極めて重要」とした上で、「金融政策の完全な独立性を確保することが重要」と強調した。

危機に瀕しているリラ下落阻止に向けた具体的な措置には言及しなかった。ただ、日ごとの動きではなく「大局」に焦点を当てるべきとし、「強力なコミュニケーションを通じ、断固とした方法でリラの信認回復に注力していく」と述べた。

リラはこの日、一時20%超急落。2001年に変動相場制に移行して以来、1日としては最大の落ち込みとなった。

トランプ米大統領が同日、トルコからの輸入関税について、アルミニウムを20%、鉄鋼を50%に引き上げることを承認したと表明したことが圧迫要因となっている。

また、アルバイラク氏は、政府がインフレと成長は互いに取って代わるものとは考えていないとも発言したが、これが投資家のさらに不安を誘う可能性もある。


 

 

 

米国株・国債・商品】株大幅安、トルコ経済危機が深刻化
Jeremy Herron
2018年8月10日 15:12 JST 更新日時 2018年8月11日 6:24 JST
• 欧州や新興市場の株価指数、多くが1%を超える下げ
• 米政権、トルコ製の鉄鋼とアルミニウムに賦課する関税率を倍に
10日の米株式相場は大幅安。トルコの経済危機が深刻化し、世界的な株安となった。
• 米国株は大幅安、トルコ経済危機の悪化で世界的な株安に
• 米国債は上昇、10年債利回りは2.87%
• NY原油は反発、トルコ金融情勢の悪化で
• NY金は小幅続落、1オンス=1219.00ドルで終了
  S&P500種株価指数は薄商いの中を下落。最近は日中取引ベースの最高値が視野に入る場面もあった。米国がトルコに外交的な攻撃を強め、トルコの経済危機が強まったため、欧州や新興市場の株価指数の多くが1%を超える下げとなった。
  米10年債利回りはトルコ危機を背景に逃避目的の買いが入り2.9%を下回った。
  S&P500種株価指数が前日比0.7%安い2833.28で終了。ダウ工業株30種平均は196.09ドル(0.8%)安の25313.14ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.7%下げて7839.11。午後5時現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.87%。
  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が反発。トルコが全面的な金融メルトダウンに近づいたことから買いが膨らんだ。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は82セント(1.2%)高い1バレル=67.63ドルで終了。週間では1.3%下落し、2015年以降で最長の6週連続安となった。ロンドンICEの北海ブレント10月限は前日比74セント高の72.81ドルで終えた。
  ニューヨーク金先物相場は小幅続落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.1%安い1オンス=1219.00ドルで終了した。

  今週は米国と他国との地政学的な緊張が市場の地合いを左右した。トルコのエルドアン大統領が演説したが、トルコの危機が他国にも広がるとの懸念を鎮めることはほとんどできなかった。トランプ米政権がトルコ製の鉄鋼とアルミニウムに賦課する関税率を倍に引き上げたため、事態がさらに悪化した。
原題:U.S. Stocks Drop, Dollar Gains Amid Turkey Crisis: Markets Wrap(抜粋)
Crude Posts Sixth Weekly Drop as Trade War Threatens Demand
Gold Puts Up a Fight as Selloff Slows Near Key $1,200 Level
(最終パラを追加し、更新します.)


 


 


トップニュース2018年8月11日 / 07:03 / 6分前更新
米国株式市場は下落、トルコ巡る懸念で銀行株に売り
5 分で読む

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。トルコ経済巡る懸念で銀行株が下げ、リスク資産回避につながった。

テクノロジー株の下落も相場を押し下げた。S&P情報技術株指数.SPLRCTは0.8%安。ゴールドマン・サックスが投資判断を「セル」に引き下げたインテル(INTC.O)は2.6%下落。半導体メーカーのマイクロチップ・テクノロジー(MCHP.O)は第2・四半期の売上高見通しが市場予想を下回り、10.9%下落した。

トルコリラは対ドルTRYTOM=D3で一時約20%急落。トランプ米大統領がトルコに対するアルミ・鉄鋼関税引き上げを表明したことを引き金に売りが加速した。

週間ベースでは、ダウ工業株30種.DJIが0.6%、S&P総合500種.SPXは0.3%それぞれ下落。ナスダック総合.IXICは0.3%上昇した。

S&P金融株指数.SPSYは1.2%安。シティグループ(C.N)が2.4%下げたほか、JPモルガン(JPM.N)やウェルズ・ファーゴ(WFC.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)も安かった。

ハリス・フィナンシャルグループのジェーミー・コックス氏は「為替が動けばいつも、金融株が伝染リスクを受ける傾向にある」との見方を示した。

電気自動車メーカーのテスラ(TSLA.O)は0.9%高で終了。S3パートナーズのデータによると、テスラ株の空売り規模は、マスク最高経営責任者(CEO)がテスラ株非公開化案を公表した7日以前より拡大しているという。

この日発表された7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は総合指数が前月比0.2%上昇し、6月(0.1%上昇)から加速。基調的な物価は引き続き底堅く、圧力が徐々に高まっていることを示唆した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.10対1の比率で上回った。ナスダックでは1.51対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約67億株。直近20営業日の平均は64億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 25313.14 -196.09 -0.77 25401.1 25401. 25222. .DJI

9 19 88

前営業日終値 25509.23

ナスダック総合 7839.11 -52.67 -0.67 7834.71 7866.1 7818.3 .IXIC

9 7

前営業日終値 7891.78

S&P総合500種 2833.28 -20.30 -0.71 2839.64 2842.2 2825.8 .SPX

0 1

前営業日終値 2853.58

ダウ輸送株20種 11090.63 -50.48 -0.45 .DJT

ダウ公共株15種 723.51 -3.94 -0.54 .DJU

フィラデルフィア半導体 1354.80 -34.26 -2.47 .SOX

VIX指数 13.16 +1.89 +16.77 .VIX

S&P一般消費財 896.78 -7.46 -0.82 .SPLRCD

S&P素材 367.96 -5.34 -1.43 .SPLRCM

S&P工業 630.79 -5.15 -0.81 .SPLRCI

S&P主要消費財 546.42 -1.74 -0.32 .SPLRCS

S&P金融 463.85 -5.45 -1.16 .SPSY

Intel Corp
48.85
INTC.ONASDAQ
-1.29(-2.57%)
INTC.O
INTC.OMCHP.O.DJI.SPX.IXIC
S&P不動産 203.05 -2.06 -1.01

S&Pエネルギー 554.18 +1.48 +0.27 .SPNY

S&Pヘルスケア 1036.36 -4.07 -0.39 .SPXHC

S&P電気通信サービス 152.21 -1.13 -0.74 .SPLRCL

S&P情報技術 1281.29 -10.48 -0.81 .SPLRCT

S&P公益事業 268.35 -1.09 -0.40 .SPLRCU

NYSE出来高 8.52億株 .AD.N

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 22185 - 115 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 22180 - 120 大阪比

 

 


トランプ氏、トルコ経済に揺さぶり 関税引き上げを宣言
トランプ氏はトルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍にする方針を表明した

By Rebecca Ballhaus and Jacob M. Schlesinger
2018 年 8 月 10 日 23:07 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は10日、トルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍に引き上げる方針を表明した。約1週間前には、トルコが拘束している米国人牧師の解放を拒んだため、同国の閣僚2人を制裁対象としていた。

 トランプ氏は同日午前「今は、われわれのトルコとの関係は良くない!」とツイート。米国はトルコのアルミに20%、鉄鋼に50%の関税を課すと述べた。

 米財務省は先週、ノースカロライナ州出身のアンドリュー・ブランソン牧師(50)がほぼ2年にわたりトルコに拘束されている問題で、「深刻な人権侵害」に関与したとしてトルコの法相および内相との取引を禁じた。

 トルコ側は、ブランソン牧師が2016年の軍事クーデター未遂事件とクルド独立運動を支援したと主張。牧師と米国はこの疑惑を否定している。

 米政府関係者によると、両国は今週、首都ワシントンで高官級会談を開催したものの、行き詰まりを打破することができず、トルコ経済は混乱に陥った。米国が一段と厳しい措置に出るとの懸念から、通貨リラは急落した。


世界に広がるトルコリラ安、ユーロに対するドル高が追い打ち
トルコが外貨建て債務の返済に応じられるか疑問視され、リラ相場は今週20%余り下落している

By Mike Bird
2018 年 8 月 10 日 16:50 JST

 トルコリラ相場は10日、ドルに対して前日比10%余り下落した。ドルが1年ぶり高値をつけている半面、トルコの財政を巡る懸念が世界中に広がっている。

 10日午後の香港市場で、リラ相場は1ドル=6.21リラで過去最安値を更新した。その後はやや下げ幅を縮め、現在は7%安の5.95リラ付近をつけている。

 ドルは前日比0.8%高の1ユーロ=1.1445ドルと、2017年7月以来の高値をつける場面があった。目下の取引値は1ユーロ=1.1455ドル前後と、0.6%のドル高・ユーロ安水準にある。

 ウエストパック銀行のショーン・キャロー氏は「ここ何日かは海外市場がトルコリラ安を懸念するというより好奇の目で眺めており、トルコだけの問題と捉えているようだった」とした上で、今となっては「その状況が変化したようだ」と述べた。

 トルコは外貨建て債務の返済に応じられるかどうか疑問視されるようになり、リラ相場は今週20%余り下落した。

 こうした中、ユーロ圏内のいくつかの銀行が抱えるトルコ関連の投融資残高を欧州中央銀行(ECB)が調べているという英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道が、ドルに対するユーロ安材料となっている。


 

 

トランプ氏、トルコ経済に揺さぶり 関税引き上げを宣言
トランプ氏はトルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍にする方針を表明した

By Rebecca Ballhaus and Jacob M. Schlesinger
2018 年 8 月 10 日 23:07 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は10日、トルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍に引き上げる方針を表明した。約1週間前には、トルコが拘束している米国人牧師の解放を拒んだため、同国の閣僚2人を制裁対象としていた。

 トランプ氏は同日午前「今は、われわれのトルコとの関係は良くない!」とツイート。米国はトルコのアルミに20%、鉄鋼に50%の関税を課すと述べた。

 米財務省は先週、ノースカロライナ州出身のアンドリュー・ブランソン牧師(50)がほぼ2年にわたりトルコに拘束されている問題で、「深刻な人権侵害」に関与したとしてトルコの法相および内相との取引を禁じた。

 トルコ側は、ブランソン牧師が2016年の軍事クーデター未遂事件とクルド独立運動を支援したと主張。牧師と米国はこの疑惑を否定している。

 米政府関係者によると、両国は今週、首都ワシントンで高官級会談を開催したものの、行き詰まりを打破することができず、トルコ経済は混乱に陥った。米国が一段と厳しい措置に出るとの懸念から、通貨リラは急落した。


世界に広がるトルコリラ安、ユーロに対するドル高が追い打ち
トルコが外貨建て債務の返済に応じられるか疑問視され、リラ相場は今週20%余り下落している

By Mike Bird
2018 年 8 月 10 日 16:50 JST

 トルコリラ相場は10日、ドルに対して前日比10%余り下落した。ドルが1年ぶり高値をつけている半面、トルコの財政を巡る懸念が世界中に広がっている。

 10日午後の香港市場で、リラ相場は1ドル=6.21リラで過去最安値を更新した。その後はやや下げ幅を縮め、現在は7%安の5.95リラ付近をつけている。

 ドルは前日比0.8%高の1ユーロ=1.1445ドルと、2017年7月以来の高値をつける場面があった。目下の取引値は1ユーロ=1.1455ドル前後と、0.6%のドル高・ユーロ安水準にある。

 ウエストパック銀行のショーン・キャロー氏は「ここ何日かは海外市場がトルコリラ安を懸念するというより好奇の目で眺めており、トルコだけの問題と捉えているようだった」とした上で、今となっては「その状況が変化したようだ」と述べた。

 トルコは外貨建て債務の返済に応じられるかどうか疑問視されるようになり、リラ相場は今週20%余り下落した。

 こうした中、ユーロ圏内のいくつかの銀行が抱えるトルコ関連の投融資残高を欧州中央銀行(ECB)が調べているという英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道が、ドルに対するユーロ安材料となっている。

 

 


米消費者物価指数:コアは前年比2.4%上昇、10年ぶりの高率
Shobhana Chandra
2018年8月10日 21:35 JST 更新日時 2018年8月11日 0:07 JST
7月の米消費者物価指数(CPI)では、食品・エネルギーを除いたコア指数が前年比で10年ぶりの大幅な伸びを記録した。総合指数は2.9%上昇で前月と同率だった。
  米労働省の発表によると、コア指数は前年同月比2.4%上昇し、2008年9月以来の高い伸びとなった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は2.3%上昇だった。CPIは前月比では、総合およびコア指数ともに0.2%上昇で、市場予想と一致した。
  別に発表されたインフレ調整後の実質平均時給は、前月比でほぼ変わらず。前年同月比では0.2%低下した。

  労働省によると、帰属家賃は前月比で0.3%上昇し、全体のCPI伸び率の約60%に寄与した。前月に大きく下げていた一部の項目も上げに転じた。特に、ホテル・モーテル料金は0.4%上昇(前月4.1%低下)。航空運賃は2.7%上昇と、13年7月以降で最大の伸び。前月は0.9%低下だった。
  被服費は0.3%低下。前月は0.9%の低下だった。新車は0.3%上昇、中古車は1.3%伸びた。
  エネルギー価格は0.5%低下。食品は0.1%上昇した。
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Highest Core Inflation in Decade Flattens Real U.S. Wage Growth(抜粋)
(統計の詳細を追加し、更新します.)

 

 


 


IEA:石油供給巡る懸念が後退、一部産油国の生産拡大後
Grant Smith
2018年8月10日 21:22 JST
国際エネルギー機関(IEA)は10日、一部の産油国が生産を増やしたことから、世界的な石油供給懸念が後退したとの認識を示した。IEAは1カ月前、供給不足に陥る可能性があると警戒していた。
  IEAは最新月報で「少なくとも今のところ、石油供給の安定に関する懸念はある程度落ち着いた」と指摘。「主にサウジアラビアとロシアでの生産拡大や6月の米国からの輸出増加が見られた」と記した。IEAによれば、世界の石油供給は先月増加した。

原題:Oil Supply Fears Have Abated After Production Boost, IEA Says(抜粋)



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/162.html#c2

[経世済民128] 中途採用で企業側が欲しがる人材の圧倒的1位は「元商社マン」(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年8月11日 07:32:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1224]

#需給逼迫で労働環境の改善は続く

 


 
ゴールドマンが日本で病児保育導入へ、女性社員の安定就労で
日向貴彦
2018年8月10日 9:35 JST
日本が初の導入事例に、急な発病にも確実に対応
女性社員の安定就労が幹部登用の鍵−上田マネジングディレクター

A mother and her children walk through a supermarket in Chiba, Japan. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
米ゴールドマン・サックスは日本の社員を対象に、体調の優れない児童をケアする病児保育制度を導入する。女性社員が安心して働き続けられるための新たな施策となる。病児保育に特化した施策は日本拠点が世界初だという。

  ゴールドマンは専門業者を通じ、インフルエンザや胃腸炎など12歳以下の子供が急に発病した場合、当日でも朝7時に申し込めば2−3時間でベビーシッターや保育士を自宅に手配する。急な依頼でも対応するという。

  ウォール街では人材の多様化を推進している。10月にゴールドマンの最高経営責任者(CEO)に就任するデービッド・ソロモン氏も職場での女性登用は「最大の関心事だ」として積極的だ。先月指名した経営委員会の新メンバー4人のうち3人が女性だった。

  同社の米国でのエグゼクティブやシニアマネジャーの女性比率は約22%。日本でのマネジングディレクターなど幹部の割合について、東京在勤の松本弘子広報担当は開示していないと述べた。

  これまで同社は待機児童対策として事業所内託児所を開設したほか、介護支援制度を導入し病院の行き来や身の回りの世話など介護対象者1人当たり年間100時間分の支援サービスを無料で提供している。

  同社の上田彰子マネジングディレクターは、「日本では新卒採用段階では約半数が女性だが、昇進の過程で退職してしまうのが実態」とし、女性社員の安定就労が幹部登用への鍵だと指摘。その上で「女性に働き続けてもらうために、これからも必要なサポートを提供していきたい」と語った。

英語記事:Goldman Sachs Starts Childcare Service for Sick Kids in Japan

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/156.html#c2

[経世済民128] 中途採用で企業側が欲しがる人材の圧倒的1位は「元商社マン」(マネーポスト) 赤かぶ
3. 2018年8月11日 07:35:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1225]

>商社マンは、新たな取引先を確保したり、儲ける仕組みを作ったり、海外の政府機関と交渉したりするなど、さまざまな業務をこなす。特に若いうちに海外に赴任して現地の外国人社員をマネージメントする経験が、彼らを大きく成長させる

ただし、元商社マンが、皆、そういう能力をもっているわけではない

東大卒が皆、一級の労働者として使えるわけではないのと同じ
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/156.html#c3

[政治・選挙・NHK249] 西日本豪雨被災者を見捨てる安倍政権。 ”政府の政策・事件・事故で苦しめられる日本国民!” たかひら正明
2. 2018年8月20日 10:36:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1220]

#認識のパラダイムは、専門家、政治家、一般大衆の間に、大きな距離がある


さらに、その同質集団の中ですら、立場や情報により違いが生じ

相互理解はバカの壁で妨げられる

上も、その一例


ネットで大騒ぎしても結局世の中は変わらないのか
さんざんネットで指摘されているのに進まない熱中症対策

2018.8.13(月) 加谷 珪一

熱中症の危険性は前から叫ばれているが、社会全体としての対策は進まない(写真はイメージ)
 連日の猛暑によって子供が熱中症で倒れるという事故が立て続けに起こっている。ネット上では、猛暑の中での過酷な運動など、馬鹿げた行為はやめようとの声が圧倒的だが、社会全体としてそのような動きになっているとは言い難い。

 合理的な判断をすべきというネット上の見解が、必ずしも社会の多数派であるとは限らない。多くの人が実は改善を望んでいないのだとすると、状況を変えるのは困難だ。

問題視しているのはネットと一部の識者だけ?
 7月17日、愛知県豊田市の小学校で、高温注意報が出る中、校外学習を実施したところ、1年生の児童が熱中症で死亡した。1年生110人は、徒歩で1キロ離れた公園まで歩き、虫取りなどをしていた。学校側は高温注意報が出されていることは把握していたが、これまで大きな問題は起きていなかったことから、中止するという判断はできなかったという。

 27日には、新潟県加茂市の高校で、野球部のマネージャを務める2年生の女子生徒が、練習場から学校まで走って戻る間に倒れて死亡するという事故が発生した。女子生徒は、練習場から学校までの3キロの道のりを、野球部の男子部員と一緒に走って帰ったが、到着した直後に倒れたという。女子生徒が倒れた直後、監督は呼吸はあると判断し、AED(自動体外式除細動器)を使用しなかった。

 ここ数年、各地で熱中症の被害が相次いでおり、猛暑は大きな社会問題となりつつあるように見える。

 ネットでは「猛暑の中の運動など、いい加減やめよう」「なぜわずかなコストで済むエアコンが学校に導入されないのか」といった、極めて妥当な意見が飛び交っている。メディアにおける識者の見解も、たいていは合理的な判断を求める内容だ。

 だが現実には、こうした事故が毎年のように発生し、それに対して社会として十分な対策を実施するという流れにはなっていない。

 熱中症の問題は、今、急に発生したものではなく、何年も前からずっと指摘されてきたことである。それにもかかわらず、十分な対策が実施されていないという現実を考えると、ネット上での議論や識者の見解と、現実社会との間には相当な乖離が生じている可能性について考えざるを得ない。

政治家の発言が精神論的になる理由
 猛暑の問題については、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が興味深い発言をしている。

 全国的に熱中症で救急搬送されるケースが多発していることについて森氏は、「この暑さでやれるという確信を得ないといけない。ある意味、五輪関係者にとってはチャンスで、本当に大丈夫か、どう暑さに打ち勝つか、何の問題もなくやれたかを試すには、こんな機会はない」(スポーツ紙とのインタビュー)と語っている。

 一部の識者はこうした発言を「精神論的」として強く批判しているが、発言している森氏には、おそらく精神論を振りかざしている認識はないだろう。

 これは森氏の発言ではないが、熱中症によって救急車を呼ぶケースが多発すると、重症患者が後回しになる可能性があるとして、救急車をむやみに呼ぶべきではないとの意見も出ているようだ。

 こうした見解に共通しているのは、日本は厳しい状況にあるのだから、それに打ち勝たなければならない、あるいは社会的リソースが十分ではないのだから、全員がそれを認識した上で行動しなければならないという一種の途上国的な社会規範である。

 一方、識者の見解や、ネット上での意見の多くは、状況をあらかじめ予測し、それに対応できる体制を構築することで被害を減らすべきというシステム的思考である。

 両者はまったく異なるパラダイムに属しており、両者の議論はたいていの場合、スレ違いとなる。

 森氏はすでに政界を引退しているが、首相まで務めた生粋の政治家であり、今でも政治家としての思考パターンを維持していると考えられる。政治家というのは、ある意味で過酷な仕事であり、票が入らなければタダの人になってしまう。どのような発言をすれば、多くの人から支持されるのか四六時中考えているのが政治家という生き物である。

 根っからの政治家である森氏が、精神論的な基礎認識を持っているのは決して偶然ではないだろう。つまり、多くの有権者がそう考えているからこそ、彼等はごく自然にこうした発言をするのだと考えた方がよい。

ネット上の意見は全体を表わしていない?
 総務省が行った調査によると、フェイスブックにおいて自ら積極的に情報発信を行っている日本人はわずか5.5%で、米国(45.7%)、ドイツ(25.9%)、英国(34.9%)と比較するとかなり少ないことが明らかとなっている。

 ツイッターも同様で、積極的に発言している人はわずか9%となっており、米国の半分程度しかいない。ブログ利用者の中で、閲覧だけしているという人の割合は米国の2倍もある。

 日本におけるソーシャルメディアの利用が閲覧に偏っているのだとすると、ネット空間上で飛び交う情報や意見の多くは少数派であり、全体を反映していない可能性が出てくる。もしそうだとすると、システム的な解決策は多くの人が望んでいないということになり、状況はなかなか改善しない。

 マスメディアで見解を披露する識者も同様である。

 彼等は積極的に情報を発信するのが仕事であり、一部の人は啓蒙を目的にそうした活動を行っている。このため、一般社会の感覚とは乖離が生じやすい。

 マスメディアの影響力が今よりも大きかった時代には、(メディアでの主張が正しいのかは別にして)メディアでの主張が「世論」とされ、一種の権力として作用していた。だが、今のメディアにはそうした力はなく、たとえ正論であっても、それを社会に強要する力はない。

 そうだとするならば、識者による主張によっても状況が大きく動く可能性は低いということになる。

身近な問題こそ粘り強く議論を
 この問題は、熱中症だけにとどまるものではない。働き方改革や受動喫煙問題、パワハラやセクハラなど、今の日本において論争が生じているあらゆるテーマに共通した話である。

 日本企業で長時間残業が横行しているのは、ごく少数の上司が、嫌がる全社員に対して暴力的に長時間残業を強要しているからではない。多くの日本人に長時間残業は美徳という感覚があり、残業しなかった人物を批判して優位に立ちたいという潜在意識を持っているからこそ生まれてくる社風である。

 受動喫煙の問題も同じだ。少数の喫煙者だけが集中して権力を持ち、周囲に受忍を強要しているわけではない。受動喫煙などの問題に声を上げる人に対しては、非喫煙者の中からも、和を乱すといってバッシングする人が出てくるからこそ、こうした状況が放置される。

 結局のところ、多くの人が被害者でもあり加害者でもあるというのが実態であり、こうした集団のあり方というのは、まさに前近代的なムラ社会(ゲマインシャフト)に他ならない。

 筆者は昔から、身近に発生する小さな非合理に対しても「ノー」を主張してきた方だが、こうした声を上げると、ほぼ100%、周囲から猛烈なバッシングを受ける。これを貫くのは容易ではないことは実感として理解できる。

 ネットなどで自らの意見を表明することは大事だが、こうした非合理性を生み出しているのが、私たち自身なのだとすると、それだけで状況を変えることは難しい。日常生活の中において、それが身近で言いにくい人物が相手だったとしても、しっかりと意見を主張し、粘り強く説得する胆力を持たなければ、本当の意味での合理社会にシフトすることはできないだろう。
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/475.html#c2

[経世済民128] 7月の貿易赤字2312億円 自動車の対米輸出額2桁減、関税上げならさらに打撃も(SankeiBiz) 赤かぶ
2. 2018年8月20日 10:46:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1221]

#市場は、まだリスクを十分、織り込んでいない

 

復活する呪術的経済 論説委員長 原田 亮介
持続性疑い嵐に備えよ

2018/8/20 2:00
日本経済新聞 電子版
「米国は過去25年、欧州やアジアの自立のために巨額の支援をしてきた。今日、彼らは経済的に強くなったのだから世界の自由を守るために応分の負担をすべきだ。為替相場について、米国が手を縛られて競争する必要は何もない」

 1971年8月15日、ニクソン米大統領はこう演説した。ドルの金本位制からの離脱(ドルの主要通貨に対する切り下げ)と一律10%の輸入課徴金導入を発表したのだ。ニクソン・ショックである。
 「中国や日本、韓国のために莫大なお金が失われた。過去25年と同じままにしてはおけない」。2018年2月、新しい貿易政策について述べたトランプ大統領の口ぶりも似ている。同盟国に軍事費の増額を求め、貿易赤字の原因を相手国の輸入障壁に求める論理が「米国第一主義」だ。
 「福沢諭吉の弁を借りればトランプ政権は『野蛮』に逆戻りですね」と語るのは猪木武徳・阪大名誉教授だ。福沢は欧米を「文明」、日本や中国を「半開」、アフリカなどを「野蛮」と指摘。維新後の目標を「文明」に据えた。
 ただ、米国の指導者がいつも戦後秩序の守護者、自由貿易の旗手であって「トランプ大統領が例外」かと言えば、そうでもないのだ。
 「冷戦期の米国の自由貿易を基調とする通商政策は、歴史的にはむしろ例外的現象だ」(猪木氏)。時代を画したのが、ニクソン・ショックと第1次石油危機である。
 70年代初めの米国は、ベトナム戦争の影響が多方面に及び財政も疲弊した。直前のジョンソン大統領が福祉国家を目指したが、インフレや貿易赤字で金が海外に流出。製造業の競争力低下も目立った。
 エコノミストで歴史家のマルク・レヴィンソン氏の書で17年11月に翻訳された「例外時代」(みすず書房)は、戦後から70年代初めまでの四半世紀を「例外的な好景気、繁栄の時代」と表現した。それ以降は米国だけでなく欧州や日本も「底なしの楽観主義」が消え去った時代だという。
 財政に頼れなくなると規制改革など新自由主義的な政策が主流となった。しかし金融規制も緩み過剰な借り入れと投機的な取引が膨張。アジア通貨危機やリーマン・ショック、欧州危機と、周期的にショックに見舞われるようになった。著者は経済学者の発言を引用し「経済改革はほとんどの場合、成長の加速化につながらない」と結んでいる。
 確かに日米欧の実質成長率を10年刻みでみると、71年以前とそれ以降で大きな屈折がある。成長率の低下傾向が止まるかどうかも不透明だ。人口動態や生産性の停滞などを映し、潜在成長率が下がっている。「失われた経済」は日本だけではないのである。
 もう一度、トランプ政権と過去の米政権との比較に立ち戻ろう。減税すれば税収が増えるという主張についてブードゥー・エコノミクス(呪術経済学)と批判されながら、80年の大統領選を勝ち抜いたのがレーガン大統領だった。
 2国間貿易の収支の責任を相手国に押しつけるのは、付加価値の低い製品の生産は労賃の安い国へ移る「比較優位」を否定するものだ。減税規模が大きいほど増収になるという主張も現実的でない。トランプ政権にも共通する政策は、まさに呪術的といえる。
 経済が低迷から抜け出せないと呪術的経済はよみがえりやすい。ニクソン、レーガン、トランプ、それ以外の大統領も含め「自分なら経済を再建できる」と言わずして当選したリーダーはいないだろう。
 85年9月にドルの切り下げ、円の切り上げを「プラザ合意」として実行したのは、レーガン大統領と中曽根康弘首相だった。貿易戦争が通貨の水準調整に発展したのは、ニクソン政権以来といえる。
 この年の3月、「米国は開戦前夜のような雰囲気にあふれている」。大平正芳政権で外相を務めた大来佐武郎氏は、日米経済摩擦に最大級の警鐘を鳴らした。日本の貿易黒字は2年で倍増、米国の反日感情は強まる一方だった。
 だがプラザ合意が日本にもたらしたのは、バブル経済の高揚感とその崩壊だった。内需拡大の号令一下で資産バブルが膨張し、その崩壊後に深い傷痕を残したのである。
 革新的な政策やその主導者は登場時に喝采を浴びても、その後の経済に大きなひずみを残すことがある。比類ない手腕を称賛されたグリーンスパン元米連邦準備理事会(FRB)議長もサブプライムローン危機の責任を問われた。
 18年5月に亡くなった元日本経済研究センター理事長の香西泰氏は、リーマン・ショックの10年前にこうつづっていた。「来るかもしれない嵐を避けるためになすべきことを急がなければならない」
 当時、ニューエコノミーといわれた米国の状況を「どこかで見た風景」と述べ、好況に沸いた1920年代に例えた。「物価が安定していればこそFRBは引き締めの機をつかむことができなかった」。結果は世界同時デフレだ。
 現在も似かよった状況ではないか。学習院大の奥村洋彦名誉教授は「ここ数年の内外経済の成長は持続できない異常な金融膨張策によって支えられている」と指摘する。
 トランプ大統領は年率4%の高成長をしている米経済を自慢するが、財政赤字は悪化し、持続力は疑わしい。日本も国債の半分近くを日銀が保有し、超低金利によって財政危機が隠されている。
 いずれも平時の経済政策ではない。嵐への備えはそれを自覚することから始まる。
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2018年8月15日 西岡純子 :三井住友銀行 チーフ・エコノミスト
海外投資で稼ぐようになった日本企業の「日本離れ」を防ぐ方法
 日本経済が良い方向に進んでいることを示すシグナルとして、注目すべきポイントは3つ、(1)企業の設備投資が増えていること、(2)積極的な海外投資が増えていること、(3)経常収支の黒字が拡大していること、だろう。
 (1)はアベノミクスのもとで重要視されてきた。(2)の積極的な海外投資も、多額の余剰資金を抱えている日本企業が海外の需要取り組みに向け、積極的にリスクを取った動きといえる。(3)の経常収支の黒字は海外への投資の残高が積み上がってきた結果、それらからのリターンが安定して得られるようになってきたということで、(2)と表裏の関係にある。とりわけ日本経済の新たな「所得源」としての存在感が高まってきた。
国民総所得で
海外からの受け取り増える
 投資によって海外から得られる所得というのは、国内で付加価値を生み出して得られる所得とはいくらか趣が異なるため、是非は分かれるところだが、事実、それで国民所得が増えていることに変わりはない。
 国内での付加価値の創出総額であるGDPに、(1)海外からの所得の受け取り(ネット)と、(2)市況の変化などに起因する国内居住者の実質購買力の変化(交易条件)を加味したものが、国民総所得として表される。
 つまり、国内に限定した需要・所得の創出力に伸びが展望できなくても、海外の需要を取り込むことで国民全体の総所得が増えているのであればそれで良し、とする主張が拠り所とする指標である。
 今年4-6月のGDPは前期比年率で+1.9%と、前期のマイナス成長からプラス成長に戻った。個人消費と設備投資がともに伸び、内需主導の成長として好感されたが、実は、海外からの所得などを加えた国民総所得でいうと、同じ期間で3.0%伸びた計算だ。
 海外からの所得のほうが、より成長に寄与したということになる。
経常収支黒字の中身
対外直接投資や証券投資が中心に
 海外からの所得受取や交易利得の増減は、経常収支の変化でより詳細に把握することもできる。(図表1)
◆図表1:経常収支の構造変化

(出所)財務省 拡大画像表示
 2000年代初頭までは貿易黒字によって経常収支が多く積み上がる構造だったが、近年は経常収支の黒字の過半が、国内居住者による対外直接投資や証券投資の蓄積から得られる所得(収益)である第一次所得によって生み出されている。
 また第一次所得の中でも、近年は、現地生産などによる直接投資の収益が証券投資収益に肉薄する増加を見せている。
 主要国金利が低水準にとどまっていることで、債券利子の受け取りが伸びないことが、証券投資収益の伸びが鈍っている背景だ。これに対し、これまで日本企業が積極的に海外へ直接投資を行ってきた成果が、ここにきて直接投資からの安定した利益となっている。
 直接投資と証券投資収益の大きな違いは、投資にかかる期間の長短である。企業の買収や海外現地子会社への増資、事業拡大などは、投下される資本が多額で、かつ回収にかかる期間も長い。
 他方、証券投資は売買目的のものが多いことから言えば、投資にかかる期間は相対的に短い。
 つまり、日本への資金還流の安定性の観点でいえば、直接投資収益がより貢献するかたちでの経常収支の安定黒字は望ましい、と言えるだろう。
日本への資金還流が減少
現地での再投資や内部留保に
 ただし、注意が必要なのは、上記の投資収益というのは、統計上の計上であり、実際にそのすべてが日本に還流されているとは限らないことだ。
 直接投資の収益のうち、配当金はその字のごとく、海外子会社から親会社への配当金の支払いであり、これは実際に本国への資金還流を伴うものだ。
 一方、直接投資収益のなかには「再投資収益」という項目があり、これは直接投資先の企業の内部留保が過半で、本国に実際に資金還流しているわけではない。
 しかも、近年はこの再投資収益が配当金を上回っている。せっかく日本企業がリスクをとって海外に投資をしたところで、現地で稼いだ収益が日本に還流されず、現地で資金分配される流れが定着している。
 資金が日本に還流しにくくなった一因に、税制改正の影響がある。
 平成27年度の税制改正が適用されるまでは、日本に本社を置く企業が海外子会社から受け取る配当金のうち95%は、益金として課税所得に算入させない扱いだった。
 ところが、改正の後、海外子会社からの配当金がその子会社で損金扱いされている場合は、益金不算入額から同額分が除外されることになった。
 日本に資金還流させるインセンティブが海外子会社にとって下がったことで、一層、現地での再投資や内部留保に利益が偏って配分されることになっているのだ。
企業の日本離れが進む恐れ
米国との税制還流策に差
 国際収支で海外からの資金の流入や対外投資が増えていることで、日本経済の安定性が増しているように見えるのは事実だろう。
 だが企業の海外での再投資が増えているのが、実は日本経済の先行きに関する悲観的な見方からだったり、内部留保を増すにしても、本国ではなく海外でということがあまりに定着してしまうと、海外に事業展開を積極的に進めている企業なども含めて、日本企業の、“日本離れ”がどんどん進んでしまうことが危惧される。
 実際、企業の中にそうした動きが見え始めていることは、将来を考えれば、政府が日本への資金還流を確実にするよう、なんらかの対応策を打つ必要があると警鐘を鳴らしていると言えないだろうか。
 現段階では日本は、対外純資産を保有し、また対外純資産のうち直接投資の残高も他の主要国と比べて多い。
 例えば、中国が直接投資や証券投資の資金を海外の資金に依存し、また海外資金に依存するリスクに備え外貨準備を厚く備えて置かざるを得ないのとは、事情が大きく違う。
 経済構造が日本と似ているとされるドイツと比べても、ドイツは日本と同様、証券投資と直接投資ともに債務より債権が上回るが、外貨準備の保有は日本より手薄のように見える。
 つまり日本はまだ、国全体でみた場合、貯蓄が投資を上回るため、海外からの資金ファイナンスの面で深刻な問題は意識しなくてもいい状態だ。
 しかし高齢化と人口減少が進む過程で貯蓄が減少し始めれば、政府も日本に資金を還流させるための施策に苦悶することが容易に予想される。
 米国のトランプ政権は、海外展開した米企業子会社からの本国への資金還流を税制面でも促している。これに対して、日本は、税制面ではむしろ資金還流を阻害するような対応をとっており、その差は歴然だ。
海外投資の果実を
国内の雇用や新規産業育成に
 トランプ政権による保護主義的な貿易政策で、日米でも日米両政府による閣僚級貿易協議(FFR)が行われた。
 本稿を執筆している時点では、具体的な対応は合意されておらず、米国はFTAを念頭とした二国間交渉を、日本はTPPへの復帰を求め多国間交渉が軸であることなどを、それぞれ主張し合うにとどまった。
 懸念されていた、自動車および自動車部品への関税・非関税措置といった問題にまで踏み込まれなかったことは、米国に対して「交渉カード」を持てないでいる日本政府にとって、ほっと一息といったところだろう。
 現段階では、トランプ政権にとって日本の自動車産業に圧力をかけることの優先順位は、対中国などに比べて低いのだろう。しかし、日米間は自動車に偏重した貿易不均衡が甚だしいことと、またTPPは米国にメリットをもたらさないという分かりやすい理由があるだけに、米国は今後も二国間交渉にこだわり続ける可能性が高い。
 そうなった際にも日本は、日本の自動車メーカーの現地生産などの対米直接投資が、米国の対日貿易赤字額を上回る規模であり、米国での雇用創出により貢献しているということ強調することで、米国の圧力をかわすという方法しかない。
 80年代の日米貿易摩擦で対応したように、対米直接投資を蓄積してきたからこそ、前述のような海外からの受け取りに大きく貢献したことも事実だ。
 年間の直接投資収益のうち、国別には近年、米国の非製造業からの受け取りが増えている。さらに、詳しい業種分類では、直接投資収益の受け取り増加に近年、貢献しているのは卸売・小売業と金融・保険業である。
 自動車などの輸送用機械の受け取り金額はなお大きいが、現地での再投資額が増えたことを背景に受け取り額は2014年から2017年にかけて減少した。
 自動車への新たな関税賦課は日本にとって最悪シナリオであり、それを回避するためには、場合によっては、米国との二国間交渉に応じ、例えば農業市場の一段の開放を受け入れるといった、政治的に抵抗の強い妥協策や負担を日本政府は辞さない可能性もある。
 しかしそれで仮に何とか窮地を乗り越えたところで、その先を長く見据えた際、海外に投資した資金をいかに回収し、日本に資金還流させた上で、国内の雇用維持と新産業育成につなげるか、という問題はずっと重要な課題としてあり続ける。
(三井住友銀行 チーフ・エコノミスト 西岡純子)


 
【2018/8/25号】 2018年8月20日 週刊ダイヤモンド編集部
昭和という「レガシー」を引きずった平成30年間の経済停滞を振り返る
『週刊ダイヤモンド』2018年8月25日号の第一特集は「平成経済全史 さらばレガシー、その先へ」です。30年にわたった平成年間の変化を、豊富なデータや写真、イラストを用い、さまざまな角度から検証した保存版です。果たして30年間で日本は何が変わったのか、そして何が変わらなかったのか──。平成最後の夏に、振り返ってみました。

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 戦争と平和、貧困と繁栄という明暗で彩られた六十余年にわたる昭和時代が幕を閉じ、1989年1月8日、平成時代が始まった。
 同年の「週刊ダイヤモンド」1月21日号では、「“平成景気”への期待」という特集を組んでおり、斎藤精一郎・立教大学教授(当時)が、こんな談話を寄せていた。
「改元は、激動の昭和時代に心理的なピリオドを打つことで、21世紀を展望する平成時代へ、人々を本格的に立ち向かわせる契機を供する。身の回りから企業経営の現場までリシャッフル現象が広がるかもしれない」
 当時は確かに、新しい時代の始まりとともに、あらゆる領域で新旧交代が進むという空気があった。
 例えば現在、安倍晋三首相の肝いりで「働き方改革」が進められているが、その問題意識はすでに『平成元年版 国民生活白書』で指摘されており、「国民の所得水準が世界トップクラスになった半面、ゆとりを保障する労働時間の短縮が進んでいない」などとある。
 しかし、そうした課題を掲げながらも、実質的には30年間ほとんど前に進んでいなかったのだ。
世界時価総額ランキングの
上位50社中、日本企業は32社!

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 思えば平成元年、日本経済は“山”の頂上にいた。当時の世界時価総額ランキング上位50社中、日本企業が32社を占めていたし(今はたった1社だ)、GDP(国内総生産)をはじめとする各種経済指標も日本は世界のトップ水準にあった。日経平均株価は平成元年12月29日の大納会で3万8915円を付けた。地価高騰も凄まじく、東京23区の地価が米国全体の地価の合計を上回るといわれた。
「株も土地も永遠に上昇を続ける」。今では耳を疑うような話だが、“山”の頂に登った当時は、国も金融機関もそう信じて疑わなかった。
 これらの現象はバブルだったとわれわれは後に思い知らされるが、当時は「これこそが新しい時代」と錯覚していたのかもしれない。
 その後のバブル崩壊と、日本の凋落ぶりは今更言うまでもない。バブル崩壊後の“負の遺産処理”には「失われた20年」と呼ばれるような長い時間を空費した。
 そしてその間、日本から「変革への機運」も失われていった。生活様式は変わり、働き方も多様化、労働人口や消費構造など、社会を形成するあらゆる土台が変化するにもかかわらず、決別するべきだった昭和の価値観はいびつな形で居座り続けた。
 最近では、ダイバーシティ(多様性)の意味を全く理解していない自民党の議員が非難を浴びたが、日本大学や日本ボクシング連盟は今でも“昭和のリーダーシップ”で動いていることが露呈した。
 惰性による停滞──。結局、30年を経てもなお、昭和という“レガシー(時代遅れの遺物)”を引きずったままという感は否めない。
 もっとも、その中でも軽やかに新しい時代に適応した層は猛スピードで先を走る。主にデジタル分野では「新しい資本主義」ともいうべき経済ルールが台頭しており、もはや停滞は許されない。
 結局、平成とは、昭和と次の変革の時代をつなぐ、長い助走期間にすぎなかったのかもしれない。



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/225.html#c2

[経世済民128] 加工食品の産地表示で再注目、中国産食品はどこまで安全なのか(マネーポスト) 赤かぶ
3. 2018年8月20日 11:05:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1222]

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2018.8.17(第358号)

1. 上海生活(論長論短 No.326)

2. ソフトブレーングループからのお知らせ(セミナー&最新情報)

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1. 論長論短 No.326

上海生活

宋 文洲

上海でマンションを借りて落ち着いて生活するのは初めてですが、
日本人がなぜ上海好きなのかよく分かりました。近所のショッピングモールには
随所に和食レストランがあり、日本の日用品や食品を売るスーパーは何か所もあります。
その売り場の規模は東京のスーパーよりも大きく、品揃えも申し分がありません。
納豆の種類は日本のスーパーよりも多いと思いました。

北京のスーパーでも日本の食品を調達するのは難しくないのですが、
さすがに日本の地方の名産は買えないのでこれまではよく日本の空港で
北海道産の白い恋人をお土産に買って持っていきました。しかし正直、ここ十年で、
日本から何を持っていけばいいのか、ますます悩まされるようになりました。

上海の近所のスーパーに行ってみるとその北海道産の白い恋人が山積されています。
うっかり買ってきて人にあげると恥をかくところでした。100円ショップの大創から
日本のアピタまでが集まるモールがあって、日本より少々高いのですが、
中国人客は普通に買い物しています。日本人客はいないわけではありませんが、
売り上げを支えているとは思えません。

上海の人々がなぜこんな純日本風の商品を買いに来るかは不思議に思いますが、
友人の話によると日本の食品への信頼や訪日中国人の体験による部分が大きいそうです。

統計上の中国人の収入はずいぶん日本人より少ないのに、富裕層が増えたとはいえ、
なぜこんなにも高いものが売れるか不思議に思う日本人は多いと思うので、
中国人の収入の実態を知る出来事を紹介しましょう。

ソフトバンクの孫さんも投資し、日本に導入した「滴滴打車」をご存知の方も
いるかと思いますが、これはUberと同じ仕組みで競争の末、両者が統合してできた
巨大なライドシェアと配車サービスです。朝晩の通勤ラッシュの時でも間違いなく
乗れるのは、システムのAI機能だけではなく、ピークを予測した上、
「滴滴打車」がドライバーに乗車料金以上の奨励金を払うからです。

朝のラッシュ時に子供が通う塾に行こうと思って呼びましたが、やってきた
ドライバーはとても上品な40代の方でした。「普段は何をしているのですか」
と聞くと彼は何と上海華東理工大学の先生だと分かりました。
「先生なのにこんなことをする暇があるのですか」と聞くと
「夏休みは2か月もあるので、朝晩によく暇な時間ができてしまうのです。
通勤ラッシュ時に稼げるのでこうやって・・・
どうです?私のドライブに不安を感じないでしょう」

出身地が私と同じ山東省であることもあって実情を聞かせてもらいましたが、
夫婦共働きで収入が足りないわけではありません。しかし、彼には大学生の
娘がいます。将来海外の大学で大学院に入る予定なのでその留学費用を
貯めるために「滴滴打車」のドライバーをやっています。
日本では東京理科大学の先生が夏休み中にライドシェアのドライバーをやって
子供の留学費用を貯めることはちょっと考えられないと思います。大学側が
許さないだけではなく、先生たち自身もプライドが許さないでしょう。
アメリカとなれば、夏休みは旅行やキャンプで楽しむのは当然であって、
それを犠牲にして稼ぐことはまずありえないでしょう。

勤勉さと教育への熱心さ。日本や韓国も似たところが多いのですが、
これは中国が今後も発展していく最も基礎的な要素だと思うのです。

中国のGDPはアメリカを超えるかどうか、政治家や評論家はよく熱心に
議論するのですが、一人一人の市民にとってそれはどうでもよいことなのです。
彼らは立場やプライドを脱ぎ捨て良い暮らしとより良い機会を手にする努力は
家族のためにするのです。皆さんも上海に来られる機会があったら、
ぜひショッピングモールを歩き、ライドシェアの車に乗って
上海の活力の元に触れてください。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/233.html#c3

[経世済民128] 駅売店の一部のサンドイッチ、使用禁止の添加物を使用…直接摂取すると危険な添加物(Business Journal) 赤かぶ
2. 2018年8月20日 11:41:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1223]

>「ハム以外には亜硝酸は使用できないはずですが」

レジの店員に聞いたところで無意味だから

基本は、自分で判断するのが当然だが


 

>亜硝酸 ごく少量でも直接食べてしまうと、死に至る

これは大げさ

ちなみに致死量は約2gで

実際に添加物として含まれる量は、ごく微量

発がん性データ自体も、あまり信用できないし

それよりも食塩や醤油の取りすぎなど、もっと他に注意すべきことが多いが


ja.wikipedia.org/wiki/亜硝酸ナトリウム
https://www.excite.co.jp/News/bit/00091162471932.html
カフェインの致死量は3〜10g。
塩の致死量は30〜300g。

いずれにせよ、

こうした加工食品を高頻度で買うのは、あまり合理的ではないから

避けたほうが賢いだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/235.html#c2

[経世済民128] 駅売店の一部のサンドイッチ、使用禁止の添加物を使用…直接摂取すると危険な添加物(Business Journal) 赤かぶ
3. 2018年8月20日 11:48:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1224]

ちなみに亜硝酸は、野菜の硝酸などから体内で合成されるので

あまり神経質になったところで、ほとんど意味はない

それより、濃く味付けした焼き肉や野菜の過食に気をつけた方がいい

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/235.html#c3

[経世済民128] なぜAmazonは日本で法人税を払わずに済むのか? 元国税職員が解説(大村大次郎) てんさい(い)
2. 2018年8月20日 13:37:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1225]

>まあ、このままの状態はそう長くは続かないでしょう。いくらなんでも、税金が少なすぎですからね


多少は改善されるだろうが、根本的には、どうだろうか


今でも、戦争の原因となった天皇制は続き

時代遅れの日本国憲法は維持され

日本国内に、治外法権の巨大な米軍基地や横田空域がある

よほど追い詰められない限り、自分で考え、決められない、

当然、抜本的な改革もできないのが

今も昔も変わらない

ありのままの日本だろう

仮に、今後、米国の衰退が加速して、維持できなくなり

アジアの覇権を中国に奪われたら、日本も、変わらざる得ないが

その時の、今より、遥かに衰退している日本人の対応も、ほぼ想像できるものだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/237.html#c2

[政治・選挙・NHK249] 戦後日本が分割されず共産革命も起きなかったことがどれほど幸運なことだったか分かりますか。(谷間の百合) 赤かぶ
2. 2018年8月20日 14:11:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1226]
 


>戦後日本が分割されず共産革命も起きなかったことがどれほど幸運なことだったか

その分割された朝鮮では、まだ戦争は終わっていないが

戦後処理が終われば、衰退が続く日本への1兆円を超える巨額な賠償請求

それに条約無視の韓国が相乗りしてくる可能性も低くは無い


 


https://biz-journal.jp/2018/05/post_23486.html
北朝鮮、国際社会復帰なら日本に高額な戦後賠償要求…巨大な南北統一経済圏形成も


 日本と韓国については1965年に締結された日韓基本条約において、原則としてすべての問題が解決済みとなっているが、この条約では北朝鮮の存在は無視されており、北朝鮮側は新たな条約が必要と主張してくる可能性が高い。

 日韓基本条約の締結によって、日本は5億ドルの経済援助を韓国に対して行ったが、一方的に日本が損をしたというわけではない。経済援助の実施に際して日本の商社が関与できる仕組みになっており、日本国内に資金の一部を還元することができた。日本が各国に対して行った戦後賠償の多くに日本企業が関与しているが、こうしたスキームの構築には、日本の旧陸軍関係者が深く関与したとされる。

 旧軍関係者がこうしたビジネスに手を染めることついては賛否両論があったが、少なくとも当時の日本の国際的な立場は高く、戦後賠償(あるいは経済支援)を迫られたとしても、それをビジネスにすることが可能だった。米国も米ソ対立という国際情勢から無条件で日本を支援してきたが、今の状況は当時とはまるで異なる。

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もし北朝鮮が日本に対して法外な要求を突きつけた場合、問題解決を最優先したい米国が、日本に対して要求を受け入れるよう強く求め

日本は経済力の低下によって国際的な立場を大きく落としており、米国の外交活動における日本の優先順位は低い。もし北朝鮮が日本に対して法外な要求を突きつけた場合、問題解決を最優先したい米国が、日本に対して要求を受け入れるよう強く求める可能性も十分に考えられる。
 こうした状況では、なんらかの経済援助を北朝鮮に実施する場合でも、日本企業が積極的に関与できる割合は小さくなってしまうだろう。

南北統一市場に日本がどれだけ関与できるか
 
 政治的な意味での南北統一が実現するのかはわからないが、米朝交渉が成立した場合、南北朝鮮の経済的な統合は進む可能性が高い。

 北朝鮮の人口は約2500万人と韓国の半分程度の規模があるため、当初は韓国にとって重荷となるだろう。だが北朝鮮が経済の再生に成功した場合、逆に人口の増加は経済圏を強化する作用をもたらす。

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2018/05/post_23486_3.html 

 

 
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20180820-00093623/
脱北に失敗した北朝鮮人夫婦の「究極の選択」

 

 

韓国の「読み方」

「慰安婦の日」が騒ぎにならなかった理由

2018/08/17

澤田克己 (毎日新聞記者、元ソウル支局長)

 韓国で今年から国家記念日となった「慰安婦の日」(8月14日)は、想像以上に騒ぎにならなかった。日本政府やメディアの間には事前に警戒感があり、日本の反応を肌で知る在京韓国大使館にも心配する声が強かったのだが、良い意味で予想が裏切られたと言えるだろう。私も、両国ともに慰安婦問題で関係を悪化させたいとは考えていないものの、韓国側の軽い言動に日本側が過剰反応する恐れはあるだろうと考えていた。だが、そうした心配も今年は当たらなかったようだ。


(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
 ただし、日韓関係に大きな影響を与える問題について韓国側が軽く考え、日本側が過剰反応する構図がなくなったわけではない。その典型が慰安婦問題である。そもそも慰安婦問題に対する関心は今や、韓国より日本の方がはるかに高い。日本のことを知らない韓国の政府当局者やメディア関係者にそう言うと必死に否定するけれど、そうした反論は「被害者である韓国の方が強い思いを持っていて当然だ」という思い込みから出ているものにすぎない。日韓の状況をきちんと比較して反論してくる人には会ったことがない。

 韓国世論に絶大な影響力を持っていると言われることの多い「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連、旧韓国挺身隊問題対策協議会=挺対協)」にしても、実態以上に評価されている面がある。この団体は今年初め、青瓦台(大統領府)サイトのシステムを使って電子署名集めをしたのだが、結果は30日間で20万人という目標を大きく下回った。団体幹部は私の取材に対して「平昌冬季五輪の期間中だったから大々的な署名集めをしなかった」と釈明したが、実際にはかなりショックを受けただろう。集まったのは、1919人だったのである(署名集めの経緯については毎日新聞サイト「政治プレミア」のコラム「挺対協は過大評価されていないか」https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20180727/pol/00m/010/004000d で詳しく紹介した)。

社説で取り上げた韓国の新聞はゼロ
 「慰安婦の日」の式典では文在寅大統領が演説で、「慰安婦問題は韓日間の歴史問題にとどまらず、人類の普遍的な女性の人権の問題だ」「私たち自身と、日本を含む全世界が反省し、二度と繰り返さないという教訓にすることで、初めて解決できる」と訴えた。そして、2015年の日韓合意に直接は言及せずに「この問題が韓日間の外交紛争につながることを望まない」と語った。

 日韓合意ですべて解決したとは言えないものの、再交渉を求めるようなことはしないという従来姿勢を改めて示したものだ。この問題に深く立ち入る考えを持っていないことの再確認だとも言える。日本の新聞の中には「国内の求心力維持に『歴史カード』を使い続ける姿勢を改めて鮮明にした」と評価するものがあったけれど、これは的外れである。韓国社会における日本の存在感低下に伴い、政権の求心力を維持するほどの効果を対日外交に期待するのは難しくなっているからだ。

 初めて国家記念日になったということもあって韓国メディアも文大統領の演説を報じたが、ほとんどの新聞は5面や6面で取り上げた程度。慰安婦問題に熱心な進歩系紙「ハンギョレ新聞」を含めて、社説で取り上げた主要紙はゼロだった。

5日に1回は国家記念日がある韓国
 そもそも「慰安婦の日」が韓国社会でどれだけ認知されているもあやしい。

 私は今年1月、東京を訪れた韓国メディアの外交担当の若い記者6人と懇談した。この時に私が「慰安婦の日」を話題にしたところ、6人とも「なんだっけ?」という感じで、きょとんとしていた。「慰安婦の日」を制定する法案が国会を通過して2カ月後のことだった。しばらく皆で顔を見合わせていると1人が思い出して「そういえば国会でやってたよ」と言い出したのだが、外交担当記者にしてこの程度である。

 ただ、これは慰安婦問題への関心の低下ばかりとは言えない。背景にあるのは、韓国における「国家記念日」の乱発だろう。

 わざわざ法律で「慰安婦の日」を制定したと言われると祝日かと勘違いする人も日本にはいるが、そういうわけではない。祝日となる記念日は「国慶日」と言われ、植民地支配から解放された「光復節」や憲法制定記念日である「制憲節」など5日ある。国家記念日は祝日ではないけれど、政府主催の式典などの行事が行われるというものだ。

 そして、この国家記念日がやたらと多い。主たる所管官庁である行政安全省によると、同省が所管する「各種記念日等に関する規定」に基づく国家記念日が48日。それ以外に個別の法律によって定められ、他省庁が所管する国家記念日も30日以上あるという。5日に1回は、なんらかの国家記念日になる計算だ。ちなみに「慰安婦の日」は後者である。

 こうした行事に対する考え方はそれぞれの国によって違うから、良い、悪いという問題ではないが、これほど多いと一般の人に関心を持てというのは難しいだろう。大統領が式典で演説すると必ずニュースになるけれど、韓国人でもニュースを見て「この日が記念日になっていたとは知らなかった」と言うことがあるほどなのだ。

 日本では、そんな事情は知られていない。それだからか在韓日本大使館は、東京の外務省から「慰安婦の日を国家記念日にするのをなぜ止められなかったか」と叱責されたという。外国の国会審議を妨害しろなどという無理難題を言われる在外公館は大変であろう。

情報をきちんと上げられない大使館
 昨年末に東京で日韓外相会談が行われた翌日のことである。日韓慰安婦合意についての検証結果を韓国外務省が公表する直前だったこともあり、日本の新聞は慰安婦問題に焦点を当てて大きく報道していた。一方で韓国の新聞の報道は、あっさりしたものだった。分量を比べるのは難しいが、感覚的に言えば「日本の3分の1か4分の1」だった。

 私が驚いたのは、この日会った日本外務省高官に日韓メディアの扱いの差を伝えた時の反応だ。いろいろな報告を受ける立場の人なのに、「そうなの? てっきり1面から何から大々的に出てると思ってたよ」という言葉が返ってきたのだ。私は「ソウルの日本大使館から報告が上がっていないのだろうか」と首をかしげざるを得なかった。

 不思議に思って調べてみると、さらに驚きの証言が出てきた。ソウルの日本大使館関係者によると、「韓国社会では関心を持たれていないなどという報告を東京に上げると、『お前らが仕事をしていないことを隠すための言い訳だろう。韓国社会で関心を持たれていないと言って、慰安婦の日を止められなかったのはたいしたことじゃないと釈明しようとするのだろう』と決め付けられる。とても本当のことを報告できる雰囲気ではない」というのだ。東京の外務省にも韓国事情に詳しい職員は多いのだが、本当にそんなことがあるのかと聞くと苦笑する人ばかりである。

 もっとも韓国側の事情も似たり寄ったりだ。東京の韓国大使館関係者にこの話をしたところ、「本国との温度差に悩むことは、よくあるよ。現場では『こんなことをしたら逆効果なのに』と分かっていても、本国からやれと言われたらやるしかない。本当はやりたくないんだけど…」という答が返ってきた。

 お互いに相手の実情を把握しなければならないのに、これでは外交当局が情報収集機能を果たしているとはとても言えない。これは、かなり深刻な問題であろう。

 
挺対協は過大評価されていないか
澤田克己・外信部長

2018年7月28日

元従軍慰安婦を象徴する「平和の碑」。ソウルの日本大使館前に設置された2011年12月14日、筆者が撮影した


 韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)という団体があります。慰安婦問題で日本批判の急先鋒(せんぽう)となっている団体で、ソウルの日本大使館前に少女像を建てたことでも有名です。韓国世論に絶大な影響を与えるというイメージが強いのですが、本当にそうでしょうか。この団体の影響力は過大評価されているのかもしれない。そんな事象を見つけてしまいました。

<韓国はなぜ「米朝仲介」に熱を上げるのか>
<北朝鮮非核化 本気度を測る「ものさし」>
 私は3年前までソウル特派員をしていました。ソウルで勤務したのは、1990年代末から通算で2回計8年…
 
 
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/485.html#c2

[国際23] ベネズエラ経済を破壊するアメリカ合州国(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
1. 2018年8月20日 15:55:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1227]
「真実は真実ではない」トランプ氏弁護士が発言 ロシア疑惑めぐり
• 2時間前
Image copyrightREUTERS
ドナルド・トランプ米大統領の法律顧問を務めるルディ・ジュリアーニ氏が19日、テレビ番組のインタビューで2016年米大統領選におけるロシア疑惑について「真実は真実ではない」と述べた。
ジュリアーニ氏は米NBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、「偽証罪に陥れられ」る可能性があるため、トランプ氏はロシア疑惑について証言すべきではないと話した。
これに「真実は真実だ」と反論した司会者のチャック・トッド氏に対し、ジュリアーニ氏は「真実は真実ではない」と否定。2つの相反する事柄がせめぎあっていると答えた。
ジュリアーニ氏のこの発言は、これまでに事実に関してトランプ大統領の側近が述べてきた賛否両論の意見に呼応しているとみられる。
昨年1月にはケリーアン・コンウェイ上級顧問が同じ番組で、ホワイトハウスは「代わりの事実」を示す権利があると述べた。司会のトッド氏はこれに対して、「代わりの事実は、事実とは違う。それは虚偽だ」と強く反論した。
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ジュリアーニ氏の発言は、トランプ陣営がロバート・ムラー特別検察官率いるロシア疑惑捜査での証言を引き延ばしているのではというトッド氏からの質問に対するもの。
ジュリアーニ氏はこの質問に対し、「トランプ氏は偽証罪に陥れられる可能性があるため、彼に証言を急かすつもりはない。真実を話すのなら問題はないはずだから証言するべきだというあなたの意見はばかげている。それは誰かの真実であり、真実ではない」と話した。
これにトッド氏が「真実は真実だ」と反論すると、ジュリアーニ氏は「真実は真実ではない」と答えた。
トッド氏は額に手を当てて「これは悪い流行語になるぞ!」と言った。
その後ジュリアーニ氏は説明を重ね、ジェイムズ・コーミー前FBI長官が2017年2月にトランプ大統領から司法妨害を示唆されたとする話と、この会話に関するトランプ氏の主張が大きく異なることを指摘した。
ジュリアーニ氏はトッド氏に「あなたが天才ならどちらが真実か教えてくれ!この2つの証言には信頼性の不一致がある。どちらかを選ばなくてはならない」と述べた。
募る不信感
トランプ氏の批判者はすぐにこのやり取りに注目した。トランプ陣営によって連邦検事から解任されたプリート・バララ氏はツイッターで、「ジュリアーニ氏が『真実は真実ではない』と言った。裁判でも言ってみてほしい」と述べ、説得力のなさを指摘した。
Image Copyright @PreetBharara@PREETBHARARA
別のツイッター利用者は額に手を当てるトッド氏の様子を投稿し、「私たちはみんなルディ・ジュリアーニの話を聞いているチャック・トッドだ」と不信感をあらわにした。
Image Copyright @rachel_dz@RACHEL_DZ
元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏が、ひとつの出来事に関する対立した意見について話すのは初めてではない。
同氏は今年5月、ワシントン・ポストの取材に対して、ムラー特別捜査官率いるチームは「我々とは異なる真実を持っているかもしれない」と話した。
この記事でジュリアーニ氏は、ロシア疑惑の捜査を「荒っぽくて馬鹿げていて、異端だ」と説明している。
トランプ大統領は全ての共謀を否定しており、ムラー氏の捜査を繰り返し「魔女狩り」と呼んでいる。
ロシアも、2年前の大統領選への介入を否定している。
(英語記事 Trump lawyer Rudy Giuliani: Truth isn't truth)
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/688.html#c1

[国際23] ベネズエラ経済を破壊するアメリカ合州国(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
2. 2018年8月20日 15:58:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1228]

#愚か者は、常に自分の無策を他人に責任転嫁する

 


100000→1 ベネズエラで通貨ボリバルを切り下げ
サンパウロ=岡田玄2018年8月20日10時45分
 
ベネズエラの首都カラカスで2018年8月17日、デノミで廃止される旧紙幣の札束を数えるガソリンスタンド店員=ロイター

 
 深刻なインフレが起きている南米ベネズエラで、通貨を切り下げるデノミネーションが20日に実施され、ゼロが5桁削除される。ただし、国際通貨基金(IMF)は同国の2018年のインフレ率が100万%に達すると予測しており、デノミの効果は限定的との見方が強い。

 19日現在、対ドルの公定レートは約25万ボリバル。今年2月上旬は同約2万5千ボリバルで、6カ月間で価値が10分の1になった計算になる。闇で交換される実質レートは、さらに数倍の開きがある。

 電話取材に応じた首都カラカスの市民によると、デノミへの対応のため、銀行や大半の商業施設が営業しておらず、20日も営業しない見通しだという。

 ベネズエラは故チャベス大統領時代から、埋蔵量世界一とされる豊富な石油資源の収入を元手に貧困層の支援に力を注いだ。だが、原油価格の低迷などで社会主義的政策が行き詰まり、経済危機に直面。多くの国民がブラジルやコロンビアなど周辺国に逃れる事態となっている。(サンパウロ=岡田玄)

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ベネズエラが95%の通貨切り下げ、混乱している経済立て直しで
Eduardo Thomson、Fabiola Zerpa
2018年8月20日 10:55 JST
ボリバルの公式レートを1ドル=600万ボリバルに変更
切り下げでインフレ悪化や賃金上昇の可能性高い
ベネズエラのマドゥロ大統領は17日夜、混乱している経済の立て直しに向け、通貨ボリバルの95%切り下げを柱とする大規模な対策を発表した。既に窮状に陥っている国民にさらなる忍耐力を試す動きだ。

  ボリバルの公式レートは1ドル=600万ボリバルと、これまでの同28万5000ボリバル前後から変更される。この影響を一部緩和する措置として最低賃金は3500%引き上げられて月間30ドル相当になる。マドゥロ大統領は今回の政策に国際通貨基金(IMF)の関与はないと胸を張ったが、若干紛らわしい仕掛けはあるものの、政策は古典的で正当な経済対策と類似している。

  ただこうした措置の結果として最も考えられるのはインフレの悪化だ。今年の物価上昇率は既に100万%と予想されており、今回の対策で物価上昇にさらに拍車がかかる見通し。ブルームバーグの指数によると、足元の物価上昇率は年率10万8000%に達している。

  べネズエラでは数年にわたる放漫な政策で成長率は引き下げられ、物価は急騰。かつて中南米で最も富裕な国の1つから、難民の危機に瀕する機能不全の国に転落した。こうした中で打ち出された新たな経済戦略はマドゥロ政権の窮余の策だ。故チャベス大統領から政権を引き継いでから6年が経つ中で政権交代を求める声が強まっており、マドゥロ大統領には政権運営立て直しを巡る圧力が増している。

  政府は通貨切り下げと同時に通貨の単位を5桁外すデノミに加え、新たな通貨「ボリバル・ソベラノ」の導入と通貨の名称変更を実施する。新通貨の価値は仮想通貨「ペトロ」に連動する。ペトロは原油が裏付けとなっており、政府は1ペトロ=60ドルまたは3600ボリバル・ソベラノと設定。ぺトロは変動し、物価の決定に利用される。


8月18日、国営ベネズエラ石油(PDVSA)のガソリンスタンドで積み重なったボリバル紙幣の山写真家:Carlos Becerra / Bloomberg
原題:Venezuela’s 95% Devaluation Adds to Turmoil After Drone Attack(抜粋)


 

 


ベネズエラ、仮想通貨ペトロとのペッグ制導入 実質96%切り下げ
1 分で読む

[カラカス 17日 ロイター] - ベネズエラのマドゥロ大統領は17日、独自の仮想通貨ペトロにペッグした通貨制度の導入を発表した。実質的には96%の切り下げとなる。

マドゥロ大統領は、向こう数週間に最低賃金を3000%超引き上げ、法人税率を引き上げるほか、ガス価格を引き上げると明らかにした。

コンサルタント会社エコアナリティカのエコノミスト、アズドルバル・オリヴェロス氏は「大幅な切り下げと、最低賃金引き上げという金融の拡張で、一層深刻なハイパーインフレが起きるだろう」と指摘した。

大統領は為替レートを見直し、給料や年金、物価をペトロにペッグすると述べた。政府がこうした変更をどのように実行するのかは現時点で不明で、ロイターは情報省に取材を試みたが、まだ応答はない。

大統領の17日の説明によると、今回の改革で1ペトロは60ドル、3億6000万ボリバルに等しくなる。つまり、新たな相場は1ドル=600万ボリバルと、闇市場で広く使われている相場とほぼ同じになり、公式為替レート(DICOM)の現行水準である1ドル=24万8832ボリバルと比べて、96%の切り下げに相当する。


ビジネス2018年8月20日 / 15:53 / 4分前更新

日経平均は反落、売買代金は今年2番目の低水準

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/688.html#c2

[国際23] トルコリラ「底なし」下落の恐怖、大統領が通貨防衛全否定(ダイヤモンド・オンライン) :経済板リンク  赤かぶ
1. 2018年8月20日 16:03:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1229]

#愚かな国民が、愚かな政治家を選ぶと、こうなる

 

 

トルコのジレンマー通貨防衛の応急手当て、株・債券に逆噴射
Constantine Courcoulas、Tugce Ozsoy
2018年8月20日 15:32 JST
現地通貨建て5年債の利回りは250bp余り上昇し過去最高を更新
トルコ資産を保有している人は今や通貨をヘッジすることができない

Photographer: Ismail Ferdous/Bloomberg
トルコ当局はリラ暴落にブレーキをかけるのには成功したかもしれないが、同国の国債と株式にそのツケを回してしまったもようだ。

  オフショア通貨スワップ市場で流動性を引き締める措置によって、銀行監督当局は投機筋にリラの空売りポジション解消を強いた。しかしそれは同時に、トルコの債券や株式への外国人投資家が通貨リスクをヘッジすることを困難にした。その結果、こうした投資家たちが逃げ出しつつある。


  現地通貨建て5年債の利回りは先週、250ベーシスポイント(bp)余り上昇し過去最高を更新。トルコ株の指標の指数は世界の株安を主導した。応急手当てはリラの目覚ましい回復をもたらしたが、意図しない結果ももたらしたということだ。

  パインブリッジ・インベストメンツのファンドマネジャー、アンダース・フェアグマン氏は「いらない物と一緒に大事な物も捨ててしまったということになりかねない」と話す。 「トルコ資産を保有している人は今や通貨をヘッジすることができない」と指摘。投資家は「可能なら現地通貨建て債券を売るだろうし、株式市場でも同じことが起こるだろう」と述べた。

原題:Turkey’s Attempt to Stem the Lira Rout May Come Back to Haunt It(抜粋)


 

 

関税は米国に世界の他の地域の何倍もの打撃与える−マースクCEO
Christian Wienberg
2018年8月20日 7:11 JST
関税は世界貿易の伸びを年間0.1−0.3%押し下げる可能性
米国への影響は「恐らく3%もしくは4%」になるだろう
コンテナ海運最大手、デンマークのAPモラー・マースクのセーレン・スコウ最高経営責任者(CEO)は17日、世界的な貿易戦争が激化すれば米経済は他の国々や地域の何倍も大きな打撃を被るとの見方を示した。


セーレン・スコウCEO写真家:Carsten Snejbjerg / Bloomberg
  スコウCEOは、現在の保護貿易主義的な動きによる影響が「結果的に米国でより大きいものになる可能性が高い」と指摘。関税は世界貿易の伸びを年間0.1−0.3%押し下げる可能性があるが、米国への影響は「恐らく3%もしくは4%」になるだろうとし、「それは良いわけがない」と本社で語った。

  同社は海上輸送される世界の消費財の約20%を扱っており、関税が貿易の流れに与える影響を把握する上で優れた位置にある。

原題:Tariffs Will Hurt U.S. Much More Than Rest of World, Maersk Says(抜粋)


 


トランプ関税、米経済に好ましくないとエコノミスト
Jeff Kearns
2018年8月20日 14:21 JST
関税が「好ましくない重大な影響」を及ぼすと91%が回答
昨年終盤成立の減税、短期的に成長率押し上げるが効果は薄れると予想
トランプ米政権が推進する通商や移民、予算など各種政策を巡り、エコノミストが幾分否定的な見解を抱いていることが、全米企業エコノミスト協会(NABE)の最新調査で示された。共和党主導で成立した減税については、短期的に成長率を押し上げるものの、効果はやがて薄れると見込まれていることが分かった。

  NABEが20日に公表した調査結果では、トランプ政権がこれまでに賦課したか、今後そうすると警告している関税について、米経済に「好ましくない重大な影響」を及ぼすと91%が回答。また、米国がカナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)離脱に踏み切ればマイナスの影響があるとの回答が、全体の約3分の2に達した。

  2017年終盤に成立した大型減税に伴い、財政政策が過度に景気刺激的とする回答の割合は71%と、2月の52%から増えた。連邦財政赤字を国内総生産(GDP)比で減らすべきだと考える向きも81%に上った。調査は7月19日−8月2日に実施され、251人から回答が得られた。

  調査を主導したIHSマークイットのエコノミスト、ジム・ディフリー氏は「連邦財政赤字がGDP比で長期的に拡大するとの見通しが総じて示され、GDP比での財政赤字縮小に財政政策が寄与すべきだという考えを10人中8人のパネリストが示唆した」と述べた。

原題:Economists Say Trump’s Tariffs Are Unfavorable for U.S. Growth(抜粋)


 

 


新興国市場資産、さらなる混乱に向かう恐れ−トルコへの信頼崩れ
Paul Wallace、Aline Oyamada、Andrew Janes
2018年8月20日 13:47 JST
新興国通貨の3カ月物IVは16年初め以降で最も高い水準にある
新興国市場にリスクを戻すのは時期尚早とモルガン・スタンレー
トルコや南アフリカ共和国、ロシアを巻き込んだボラティリティーに衰える兆しがほとんど見えない中で、新興国市場資産はさらなる混乱に向かう恐れがある。

  新興諸国の株式と通貨が過去1年余りの最低水準に接近する大混乱の1週間を経験した投資家らは、トルコと米国との対立が続き、貿易を巡る緊張が長引く状況で、二の足を踏むと考えられる。

 トルコ・リラは先週反発する場面もあったが、17日には再び下落。トレーダーらは、米国が23日に中国への追加制裁措置を発動するかどうか注視し、神経質な状態が続く可能性が高い。S&Pグローバル・レーティングとムーディーズ・インベスターズ・サービスは、変動の激しい通貨と大幅な経常赤字がトルコ経済を弱体化させかねないとして、同国の信用格付けを引き下げた。

S&Pとムーディーズ、トルコを格下げ−リセッション予想も


  新興国通貨の3カ月物インプライド・ボラティリティー(IV)は2016年初め以降で最も高い水準にあり、市場の早期沈静化はないというトレーダーの見方を反映している。モルガン・スタンレーは株式と債券、通貨の相場が魅力的な水準まで十分下がったか疑わしいと考えている。

  同行のジェームズ・ロード 、ミン・ダイ両氏を含むアナリストらは顧客向けリポートで、「バリュエーションは低下し、ポジションは軽くなっているが、新興国市場にリスクを戻すタイミングではないと思う。むしろ新興国市場ポートフォリオのさらなるリスク圧縮をわれわれは勧める」と主張した。  

原題:Emerging-Market Assets On the Rack as Turkey Shatters Confidence(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/690.html#c1

[国際23] ベネズエラ経済を破壊するアメリカ合州国(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
3. 2018年8月20日 16:11:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1230]

社説】ベネズエラ大統領による金融崩壊
アイスキャンディーを買うための紙幣を数える男性(16日、カラカス)
アイスキャンディーを買うための紙幣を数える男性(16日、カラカス) PHOTO: MIGUEL GUTIERREZ/EPA-EFE/REX/SHU/EPA/SHUTTERSTOCK
2018 年 8 月 20 日 15:13 JST

 ニコラス・マドゥロ大統領は、経済再生計画を打ち出している。かつて豊かだったこの国に社会主義がもたらした経済的打撃から救うためだ。だがマドゥロ氏が17日に発表した計画を見ると、ベネズエラは金融崩壊に陥る可能性がある。

 マドゥロ氏の計画は大掛かりな通貨切り下げが中心となる。同氏の言う「強いボリバル」の新しい固定相場は1ドル=600万ボリバルだ。公式レートは400万ボリバルだった。ゼロが多すぎてめまいがしそうだが、心配はいらない。政府は21日に「ボリバル・ソベラノ(ソブリン)」を導入する。桁が5つ減るため、1ドルは60ボリバル・ソベラノとなる。

 金融政策の手直しが進むなか、今回の動きには怪しい雰囲気がある。ベネズエラはハイパーインフレに見舞われており、経済学者スティーブ・ハンケ氏によると過去最大の年率6万1463%に達した。国際通貨基金(IMF)はインフレ率が100万%に達しかねないと予想している。闇相場に近づく新たなボリバル相場は、物価の上昇スパイラルに歯止めをかけ、ボリバルへの信頼を取り戻すことを狙っている。

 問題は、同じ人々が中銀を運営し、彼らが今後もマドゥロ氏に応えるとみられることだ。マドゥロ氏は17日に最低賃金を6000%引き上げることを命じた。マドゥロ氏が率いる統一社会党の身分証明書を保有する者に対しては、政府は60万旧ボリバル相当のボーナスを支払う。

 マドゥロ氏は全国的に物価を凍結するとも宣言したが、その日程は不明だ。ベネズエラ企業は何年も価格統制の下で操業しているが、小幅な調整のメカニズムはある。新たな価格統制がどれほど厳格になるかは分からないが、値上げのできない時に新たな最低賃金を支払おうとする企業の幸運を祈る。

 マドゥロ氏もこれが問題であることは理解しているらしく、中小企業の賃上げ分を90日にわたり政府が負担すると宣言した。資金の一部は9月に実施される12%から16%への付加価値税率の引き上げで賄われる予定だ。闇市場以外で売られる物が残っていればの話だが。

 当然、ハイパーインフレを受けた現金不足は深刻で、基本的な取引もままならないほどだ。ガソリンスタンドやバス、多くの非公式市場では現金が必要だが、小銭を見つけるのは難しい。新たな通貨の下で古い紙幣を使って調整を行うことは、日々のビジネスで価格が急騰することを意味する。

 これら全てが積み重なれば、本格的な金融パニックと経済的秩序の崩壊をもたらす。マドゥロ氏は自国の制度と通貨への信頼感を破壊した上、新たな計画はそれを悪化させる。カオスへの転落を避ける唯一の方法は経済のドル化かもしれない。当面は社会主義のせいで堕落したベネズエラから人と資本が逃げ出すという最悪の事態に備えるべきだ。

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エクアドルへの入国手続きをするため並ぶベネズエラ人(19日、エクアドル・トゥルカン)
エクアドルへの入国手続きをするため並ぶベネズエラ人(19日、エクアドル・トゥルカン) PHOTO: LUISA GONZALEZ/REUTERS
By Kejal Vyas and Ryan Dube
2018 年 8 月 20 日 12:48 JST

 【カラカス】ベネズエラ国外に脱出する人がさらに増えている。政府が打ち出した経済対策が国民の不安に拍車をかけているためで、難民を受け入れている近隣諸国でも摩擦が強まっている。

 ベネズエラの産業界は先週末、ニコラス・マドゥロ大統領が発表している最低賃金の引き上げ、新税の導入、デノミといった経済対策は国内経済をまひさせ、国外に脱出する国民がさらに増えると警告した。国連の推計によると、2014年以降で約230万人が国外に逃れた。

 ブラジルの難民キャンプでは18日、ベネズエラ人4人が行ったとされる強盗への報復として暴徒が火をつける事件が発生。ミシェル・テメル大統領がベネズエラとの国境に兵士120人を派遣するよう命じた。エクアドル政府は18日からベネズエラ人に対しパスポート(査証)の提示を義務化した。ただベネズエラでパスポートを取得するのはほぼ不可能だ。

 ベネズエラから約100万人の難民を受け入れているコロンビアには、米海軍が病院船「コンフォート」を派遣する予定。

 ベネズエラ国内でもあちこちで破綻の足音が聞こえている。エネルギー専門家によると、計画停電が原油生産の妨げになっている。また南部やコロンビア国境に近い西部では豪雨の影響で複数の村が水没しており、地元住民は政府に支援を求めている。

 一方、野党は一部の石油労組と共闘し、マドゥロ大統領の経済対策が実施される21日に合わせてゼネストを呼びかけている。

 著名な野党議員のアンドレス・ベラスケス氏は19日、「マドゥロの対策は経済状況を改善するものではなく、逆にさらなる飢えや貧困を生み出す」と批判した。

 別の野党議員、マリア・コリーナ・マチャド氏はインタビューで、ベネズエラ国民と周辺国の政府はマドゥロ大統領に圧力をかけるため立ち上がる必要があると述べた。何もしなければ、ベネズエラ政府は「われわれを滅ぼし、マフィア国家にしてしまう」と訴えた。

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ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)が同国に外貨をもたらし続けるとの想定は崩れ始めている PHOTO: IVAN ALVARADO/REUTERS
By Spencer Jakab
2018 年 5 月 14 日 15:03 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 「死のスパイラル」というのは使い古された表現だが、現在のベネズエラの石油業界を表現するにはこの言葉がふさわしい。エネルギー消費国と投資家はこうした状況に注意を払うべきである。

 ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)の産油量はこれまで急減してきたが、投資家は同社が世界市場への原油供給を続け、同国に外貨をもたらし続けると想定していたが、そうした想定は崩れ始めている。

 2007年にベネズエラ政府によって資産を接収された件に関連して20億ドルの調停金を受け取る裁定を受けた後、米 石油大手コノコ フィリップスはPDVSAのカリブ海にある施設の差し押さえに動いた。ベネズエラの重質原油を海外で売りやすくするためには、軽質原油とブレンドするための貯蔵施設、精製施設が必要なため、この措置だけでも同国にとっては打撃となる。エネルギー問題のエコノミスト、フィリップ・バレジャー氏は、この問題によってベネズエラが生産している日量140万バレルの原油のうち最大50万バレルが輸出できなくなるかもしれないとみている。これに加えて米国のイラン制裁措置が再開すれば、原油価格はこの数年間の最高値を上回る可能性もある。

 コノコフィリップスのこうした措置に続いて他社も、タンカーや石油貨物船などPDVSAがベネズエラ国外に保有する資産の差し押さえにあわてて動いている。例えばカナダの金鉱会社ルソロはPDVSAが保有する米製油所、CITGOホールディングを差し押さえようとしている。CITGOはベネズエラにとって米国市場にアクセスするために欠かせない施設であり、国境によって守られていない数少ない施設の1つでもある。

 このような差し押さえの合法性には疑問の余地もあるが、事業運営にはすでに不透明感による影響が出ている。PDVSA代表者のコメントは得られていないが、ロイターの報道によると、カリブ海の施設に向かっていた9隻の船が先週、ベネズエラとキューバの海域に進路を変更した。積み荷が差し押さえられるのを回避するためと思われる。

 PDVSAには、コノコフィリップスよりずっと大きな債権者がいる。中国は同社に約500億ドルを貸し付けており、原油価格が現在の水準の半分ぐらいだった2016年に一部融資の返済猶予で合意している。中国が万一、返済再開を要求してきたら、PDVSAは生産した原油の4分の1近くを中国に出荷することになり、原油輸出から得られる収入は大幅に減少するだろう。

 中国からのさらなる圧力や5月20日の大統領選に関連して米国が行う恐れのある制裁措置がなかったとしても、ただでさえ不足しているベネズエラ政府の外貨収入は直近の困難でさらに減り、国内での不安がより深刻化する可能性が高まるだろう。

 同国の産油量が2002-2003年のストライキを除き、数十年間での最低水準にあることが報道されると、世界の原油価格は急騰した。こうしたことが今後も繰り返されていく公算はますます大きくなっている。

関連記事
イランより深刻か、ベネズエラ発の石油危機
過剰感消えた原油、今後の鍵は「地政学リスク」
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/688.html#c3

[経世済民128] トルコリラ「底なし」下落の恐怖、大統領が通貨防衛全否定(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月20日 16:41:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1231]
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/690.html?c1#c1

トルコ、「政策金利引き上げ」と言わずに利上げー最終的に3ポイントか
Justin Carrigan
2018年8月20日 16:04 JST
レポ金利での供給停止、1週間で事実上1.5ポイントの利上げ
後期流動性ウィンドー金利なら利上げ幅は3ポイントに
トルコ当局は通貨危機を収束させるため利上げをした。しかし中央銀行は「政策金利引き上げ」とは一言も言わない。

  当局は先週、指標のレポ金利(17.75%)での資金供給を停止し現在19.25%の翌日物貸出金利での借り入れを市中銀行に強いた。これは1週間で事実上1.5ポイントの利上げをしたことになる。翌日物の市場も閉鎖すれば借り手は金利20.75%の後期流動性ウィンドーを利用せざるを得ない。そうなると利上げ幅は3ポイントになる。


  ブルームバーグ・エコノミクスの中東担当チーフエコノミスト、ジアド・ダウド氏は、「全ての資金供給が翌日物貸出金利で行われているのでレポ金利はもはや意味がない」とした上で、 「中銀がここで止まるのか、それとも後期流動性ウィンドーを使ってさらに利上げをするかは興味深いところだ」と話した。

  中銀は、利上げに反対のエルドアン大統領の手前、正式に金利を引き上げることなくリラ下落に歯止めをかけようと苦慮している。

原題:Furtive Policy Puts Turkey on Road to 300 Basis-Point Rate Hike(抜粋)


 


貿易戦争長引く公算、アジア通貨の底はまだ−ベテラン債券運用者
Ruth Carson、Andreea Papuc
2018年8月20日 9:18 JST
アジア新興市場資産の不確定要素は米中貿易紛争の展開
中国と直接関係のあるアジア通貨全般について慎重さを増している

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
米国と中国の間の貿易戦争は長引き、アジア通貨はさらに深く落ち込む。30年以上の投資経験を持つルーミス・セイレスのポートフォリオマネジャー、リンダ・シュバイツァー氏はこう予想している。

  そうしたリスクを減らすため、同氏はアジア新興国通貨へのエクスポージャーを減らしてきた。「この貿易戦争が行き着くまでの間、不透明な期間が長期に及ぶだろう」と同氏は分析。「当社はアジア通貨から手を引いている」と語った。


  
  先週はトルコ危機が市場を揺るがせたものの、アジア新興市場資産にとっての不確定要素は引き続き米中貿易紛争だとルーミスやオッペンハイマーファンズはみている。

  シュバイツァー氏はアジア外貨建てポートフォリオをベンチマークと同等の水準にした。ファンダメンタルズの観点からインドネシアをオーバーウエートとしていたが、「貿易戦争の懸念が深刻化するのに伴い、中国と直接関係のあるアジア通貨全般について若干慎重さを増している」と説明した。

原題:Loomis Bond Veteran Cuts Bets on Asia FX in Trade War Hedge(抜粋)


 

 
コラム2018年8月20日 / 13:18 / 3時間前更新
コラム:トルコの次はどこか、「同類」新興国に迫る危機
Swaha Pattanaik
3 分で読む

[ロンドン 17日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 新興国にとって目下の問題は、トルコと経済構造が似ていることだ。トルコリラ急落によって、同国とあまりにも多くの共通した経済的、金融的脆弱性を持つ新興国に投資家が警戒感を抱くようになった。

最も類似する南アフリカやアルゼンチンなどは、既に痛みを被っている。

ただ資金が全般的にリスクの高い市場から逃げ出しているので、それほどトルコと相通じる面がない新興国でさえ、悪影響を受けやすい状況だ。

BREAKINGVIEWSは、トルコを苦しめている経済的問題のいくつかの特徴をあぶり出し、それぞれの項目において各新興国の脆弱性をランク付けした(インタラクティブグラフィックスはこちら)。具体的には巨額の財政赤字と経常赤字、不十分な外貨準備、多過ぎる外貨建て債務などが挙げられる。債務全体における対外債務比率の高さも経済のもろさにつながっている。

Reuters Graphic
外貨準備の面で、国際通貨基金(IMF)の基準に照らすと南アフリカはトルコよりも少ない。またアルゼンチンの公的部門の債務の外貨建て比率はトルコの58%を上回る。この分野ではインドネシアやハンガリーの脆弱性もかなり高い。

他の項目を見るとトルコより成績が悪い別の新興国が出てくる。IMFは、5カ国の今年の財政赤字額がトルコより大きくなると見込んでいる。対外債務の国内総生産(GDP)比がトルコを超える国も4つある。

もっともトルコが陥っている問題は、これらの項目全てを合計した場合に同国が最も脆弱性が高くなる点だ。ドル高と米金利上昇が事態をさらに悪化させ、外国人投資家の撤退意欲を強めている。

その上、なぜトルコ経済を巡る懸念が実際に危機に発展したのかは、単に数値面の尺度だけでは説明できない。足元のリラの急落ぶりは、経済のファンダメンタルズが突然悪くなったというより、特に中央銀行をはじめとする政策担当者に対する投資家の信頼感の欠如を映し出した形だ。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによる8月調査によると、ファンドマネジャーの新興国株投資比率は1%のアンダーウエートで、4月以降44%ポイントも下がった。それでもなお新興国株には大幅な売りの余地が残っている。なぜなら米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小を示唆して新興国が大混乱した2013年の「テーパータントラム」のピーク時は、31%のアンダーウエートだったからだ。

トルコとその「同類」の新興国が順調な局面で蓄積した脆弱性が大きければ大きいほど、逆風時に受ける罰も厳しさが増すだろう。

●背景となるニュース

・トルコリラは13日、一時1ドル=7.2150リラ付近まで売られて過去最安値を更新し、年初以降でほぼ半値を失った。

・リラ安の影響は他の新興国に波及し、インドルピーやインドネシアルピアも弱含んでいる。24の新興国で構成するMSCIの株価指数は15日、年初からの下落率が20%に達し、弱気相場に突入した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/240.html#c1

[経世済民128] 5年後「高学歴大量失業時代」がやってくる? AIの進化はそら恐ろしい速度で進んでいる(東洋経済オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月20日 17:13:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1232]

>年後「高学歴大量失業時代」がやってくる? AIの進化はそら恐ろしい速度

高学歴者が大量失業するかどうかは、労働需給で決まるから

そう単純には決めつけられないが


単なる受験エリート(特に文系)が

高賃金を長期にわたって保障される時代は終わる


>人間の脳が5〜6層なのに対して最新のAIが2000層だとすると、ケタが違いすぎて凄いというよりも、何だか不気味な感じ

シナプスの数は、前頭葉だけでも数100兆単位にあるから、数自体には、あまり意味は無い


あとDeepLearningの基本メカニズムは、Clusteringと教師あり学習が中心だから

これまでの計算機技術の延長であり、それほど複雑なものではない


>ディープラーニングの世界になると、どうしてそれが可能なのか、そのプロセスがまったくわかっていません。だから、みんな気味が悪い

単に、人の記号レベルでの情報処理能力が、お粗末だから、把握できないだけで

現状、人が、全くミスなしに、記憶情報も失わず、高速に処理できるのであれば

ROCやAUCのレベルでAIに劣るものではないし

データ量が少ない場合は特に、人のタスク処理上の優位は当分続く

さらに、センサーとアクチュエーターに関しては人が圧倒的に優れていて

低コストの特定な処理、つまり、対人コミュニケーションに関する業務を

完全にAIで代替するのは、当分、不可能だろう


よって、AIとロボットで、単純な仕事を代替し、ヒトは、より高度な仕事や遊びを

どんどん創造していけばいい


さらにBIを実現すれば、大部分の苦痛で単純な仕事から解放されることになり

ケインズが予想した未来が可能になるだろうが


トランプやマドゥロのような指導者を選ぶ愚かで利己的な人類に可能かどうかは、かなり怪しい


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/239.html#c1

[経世済民128] トヨタとソフトバンクが合併する日〜日本企業が覇権を取り戻すため 自動車業界「未来の年表」(週刊現代) 赤かぶ
1. 2018年8月20日 17:45:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1233]

>非常に厳しい環境にあるトヨタですが、私はまた覇権を握り返すと思っています。それは豊田社長に尋常ならざる危機感があるから

前も書いたことだが

EVと自動運転が主流になった世界では、トヨタもコモディティ企業化していくことになるし

ソフトバンクも、高付加価値のネットワークビジネスを提供できなければ、勝ち残るのは厳しいだろう

>日本企業が覇権を取り戻すため

そもそもトヨタやソフトバンクなどのグローバル企業が勝ち残るのであれば、

日本の企業であり続け、日本に永続的な雇用や利益をもたらす

という前提自体が、変わる

グローバルに付加価値(雇用、サービス)を作り出す企業は、

本来、サービスを提供する国で、雇用と税を払うのが妥当だし


労働者も、国によらず、基本は、自分が生み出す付加価値により

同一労働同一賃金になるのがフェアというもの

そうでなければアマゾンを批判する資格などない


世界の豊かな国を見れば明らかなように

重要なのは、高付加価値産業を生み出せる、風土や制度を用意すること


特に重要なのは、高付加価値人材を国内で供給し、

さらに海外からも喜んで働きに来られるようにすることだろうが

まだまだ閉鎖的で劣悪な雇用環境が多いから、先はかなり遠い


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/242.html#c1

[国際23] 米中貿易戦争、中国市民に広がる「反米不買」の声(ニューズウィーク) 赤かぶ
5. 2018年8月20日 17:57:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1234]
ワールド2018年8月20日 / 16:48 / 1時間前更新

米企業、新たな対中関税は幅広い製品の値上げにつながると警告

2 分で読む

[ワシントン 20日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)が中国からの2000億ドル相当の輸入品を対象とする関税に関する公聴会を20日に開始するのを前に、米企業は、関税導入によってベビー用品から棺おけに至るまで、幅広い製品の値上げを余儀なくされると警告した。

USTRによると、公聴会は20─24日と27日の6日間の日程で開かれる。

新たな対象品目は中国産の海産物や中国製の家具、照明機器、タイヤ、化学製品、自転車、車のベビーシートなどがあり、これまでの対中関税よりも消費者向け製品が多く含まれている。トランプ政権は最大25%の税率の適用を提案している。 here

全米商工会議所は公聴会に向けた書面による証言で、新たな関税で「米国の消費者や労働者、企業、そして米経済が受ける損害が劇的に拡大する」と強調した。

その上で、トランプ政権は中国による知的財産権侵害やその他の有害な貿易慣行に対抗するための「首尾一貫した」戦略に欠けていると批判し、中国と「真剣な協議」を行うよう呼び掛けた。

米中の通商協議は週内にワシントンで再開する見通しとなったが、米国の対中関税や中国による対米報復関税に何らかの影響が及ぶかは未知数。

公聴会を前に米企業などからは1400件以上の書面によるコメントがUSTRに寄せられており、大半の企業は関税導入による悪影響やコスト増を指摘。対中関税を称賛、あるいは対象品目の拡大を求める企業は少数にとどまった。

米文房具・日用品ニューウェル・ブランズ(NWL.N)傘下のベビー用品メーカー、グレコ・チルドレンズ・プロダクツは、対中関税による商品の値上げを受けて、中古品のベビーシートや遊具を購入する親が増えることになると指摘。また、安全ではないベビーベッドを使ったり、親と同じベッドに子どもを寝かせることになるかもしれないとした上で、同関税は「子どもの安全問題を引き起こすだけで、中国に政策の変更を促すことにはならない」との見解を示した。

テキサス州の棺おけメーカー、センテニアル・キャスケットのダグラス・チェン社長は、同社は中国製棺おけのみを取り扱っているため、関税によって「多大な損失」が発生し、親族を失って悲しみにくれる遺族らが購入する棺おけの値段が上がることになるとコメントした。

核燃料製造で米最大手のウエスチングハウス・エレクトリックは、米国内の核燃料工場の設備に使われている「ジルコニウム」は中国産に依存していると説明。米国内で調達できないため、関税が適用されれば、原子力発電所向けの核燃料の製造コストが上がり、最終的に一部の米消費者の電気料金に跳ね返ることになるとの見方を示した。

米最大の自転車ブランド「ハフィー」のビル・スミス最高経営責任者(CEO)は、中国製の自転車を年間400万台販売する同社にとって、関税は「深刻な脅威になる」と強調した。「中国は世界最大の自転車製造国であるため、アジアや欧州でハフィーが必要とする台数を供給できる国は他にない」と記した。

Newell Brands Inc
21.5
NWL.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+0.19(+0.89%)
NWL.N
NWL.N
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ビジネス2018年8月20日 / 16:53 / 1時間前更新
BAT、たばこ値上げ申請 加熱式は「検討中」
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[東京 20日 ロイター] - たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT,東京・港)は20日、10月1日のたばこ増税に伴い、「ケント」などの紙巻たばこ76銘柄の値上げを財務省に申請したと発表した。

加熱式の「グロー」専用のたばこ製品は今回の申請に含まれておらず、値上げについては「引き続き検討中」(広報担当者)としている。

BATの申請によると、例えば、20本入りの「ケント・1・100・ボックス」が30円値上げの450円になる。認可されれば10月1日からの実施となる。

市場シェアを伸ばしている加熱式たばこについては、今回、初めての増税となることから、各社の価格転嫁の動向が注目されている。従来の紙巻たばこの値上げとは違い、成長が見込まれる分野と位置づけられているだけに、競合の動きを見極める姿勢がうかがえる。

加熱式でのシェア首位、フィリップ・モリス・ジャパン(東京・千代田)は「アイコス」の専用たばこ(ヒートスティック)は1箱40円の値上げを申請している。

Japan Tobacco Inc
3081.0
2914.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-12.00(-0.39%)
2914.T
2914.T
JT(2914.T)は先週、加熱式たばこ「プルーム・テック」の専用たばこ全銘柄の1箱30円の値上げを財務省に申請したと発表した。

値上げの結果、ヒートスティックは1箱500円、プルーム・テックは490円になる。グロー向けたばこの現行価格は1箱420円のものと450円のものがある。

浦中 大我
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/685.html#c5

[国際23] 退役軍人デモが中国で拡大 銃口が習政権を狙う日(ニューズウィーク)  赤かぶ
2. 2018年8月20日 19:22:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1235]
中国のウイグル族収容施設、

その実態は衛星画像からは「再教育」センターの増設が確認できる

By
Eva Dou, Jeremy Page and Josh Chin

2018 年 8 月 20 日 09:55 JST 更新
 中国政府は、イスラム教徒が大半を占める少数民族ウイグル族の収容を急拡大させている。当初の収容対象はウイグル族の過激派だったが、今では信仰心が特に厚くもない人や高齢者、体が弱っている人を含めて、同国北西部の収容所に多数のウイグル族が収容されている。

 米当局者や国連の専門家によると、「政治再教育」収容所には最大で100万人のウイグル族が収容されている。これは新疆ウイグル自治区に暮らすイスラム教徒人口のおよそ7%に相当する。
 一部の海外在住のウイグル族は親類――主に高齢者――が収容中または収容所から釈放された直後に死亡したと語る。
 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と写真分析の専門家が見た複数の衛生画像からは、収容キャンプが拡大していることが明らかになった。一部のキャンプではこの2週間ほど建設作業が続いている。あるキャンプは WSJの記者が昨年11月に訪れた時の2倍の規模になっていた。
 収容政策の全容がこれまで明らかになっていなかったのは、多くのウイグル族が声を上げることを恐れていたからだ。しかし今は経験を語る人が増えている。WSJがインタビューした元収容者6人は、椅子に縛り付けられたり、十分な食事を与えられなかったりといった収容の実態を語った。
 22歳のアブリキムさんは収容所で「宗教などというものはない、なぜ宗教を信じるのか、神はいないと言われた」と話す。アブリキムさんは記事中で名字を明かさないよう求めた。

 WSJは現在拘束されているウイグル族の親戚約30人とも話した。そのうち5人は、拘束された親戚が収容中か収容所から釈放された直後に死亡したと語った。また多くが収容先や健康状態の把握に苦労したと話した。
 中国共産党中央統一戦線工作部の高官、フ・リャンヘ氏は先週、収容所の存在を初めて公式に認めたが、収容所は「職業訓練センター」だと主張した。
 同氏は国連委員会からの質問に対し、新疆ウイグル自治区で「恣意的な拘束」は行われていないと述べ、ウイグル族100万人の拘束を否定した。現在、何人が収容されているかは明らかにしなかった。
新疆ウイグル自治区の人口構成(2016年)

Source: Xinjiang Statistical Bureau 
* 多数がイスラム教徒 11.45(単位:100万人)8.271.591.020.201.45ウイグル族*漢民族カザフ族*回族*キルギス族*その他

逮捕件数

Source: Xinjiang People’s Procuratorate and SupremePeople’s Procuratorate annual work reports viaChinese Human Rights Defenders
注:新疆の2013年と2017年、中国の2017年は推計
(単位:100万)

 テュルク語族であるウイグル族は1930年代と1940年代の2度にわたって、短期間ながら独立国家を樹立した経験がある。新疆ウイグル自治区に暮らす1100万人のウイグル族の中には、今も東トルキスタンという独立した祖国を求める人がいる。
 中国当局は、こうしたウイグル族の分離独立機運を抑えることに腐心してきた。政府を標的にした数十件の攻撃についてウイグル分離独立派の責任を主張し、ジハード組織と関連があるとの見方を示している。最近の攻撃の一部にはジハード主義者の特徴がみられ、テロ対策の専門家は数十人のウイグル族がシリアやイラクで過激派組織「イスラム国(IS)」に参加したとみている。
 しかし、多くの専門家やウイグル族の活動家によると、自治区の混乱は中国の強引な取り締まりや宗教活動への厳しい規制、同自治区に移住する非ウイグル族への優遇政策によるところが大きいという。
 中国政府は過去2年間、こうした規制の多くを強化した。男性がひげを伸ばしたり女性がベールを着用したりすることを禁止し、多くの専門家が「世界で最も広範囲に及ぶ電子監視プログラム」とする措置を導入した。
 複数の研究者によると、ウイグル族を裁判なしで拘束する今回の動きは1950年以降で最大。拘束対象の拡大からは、ウイグル族などのイスラム系民族からイスラム教徒としてのアイデンティティーを失わせようとする政府の意図がうかがえる。
 欧州文化神学学院(ドイツ)のエイドリアン・ゼンツ氏は「再教育は次の段階だ」と話す。厳しい取り締まりはコストがかかる上に緊張も招いた。「(中国政府にとって)長期的な解決策は実際に人々を変えることだ」という。

トルファンにある収容所 PHOTO: JOSH CHIN/THE WALL STREET JOURNAL
 オアシス都市トルファンにある収容所では、中国語の文字で赤く「党の考えを理解し、党の言葉を聞き、党の導きに従え」と書かれた看板が掲げられていた。WSJの記者が近づくと、見張りはこの場所から離れろと叫んだ。
 この収容所は有刺鉄線の付いた高さ約4.5メートルの塀に囲まれ、ところどころに監視塔がある。米国のプラネット・ラボから入手した衛星画像によると、昨年6月以降に施設は拡張されており、今月も複数の新しい建物が追加された。
 今年2月、アブリキムさんのところに出身地トルファンの警察から電話があった。当時、カザフスタンで国際関係を研究していたアブリキムさんに対し、警察は新疆に戻らなければ家族が厄介なことになると警告した。
 帰国したアブリキムさんはトルファン郊外の施設に連行され、何日も取り調べを受けたという。取り調べは両手、両足首を椅子につながれた状態で、最長で9時間連続で行われた。取調官は海外で宗教団体と関わりがあったかどうかを知りたがったという。アブリキムさんは、そうした関与はなかったとしている。
 その後、他の人達と一緒に収容された。収容所では毎朝5時起床で、「共産党は素晴らしい」と叫びながら45分間走ったあとに、薄いスープと蒸しパンの食事が与えられたという。

新疆ウイグル自治区カシュガルでモスク近くのナイトマーケットをパトロールする警察当局者(2017年7月) PHOTO: JOHANNES EISELE/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
 その後は政治の授業で、共産党の文書を読んだり、習近平国家主席に関する動画を見たり、「共産党がなければ新しい中国はない(没有共産党就没有新中国)」などの愛国歌を毎日、最長で4時間歌ったりした。
 WSJがインタビューしたアブリキムさんら収容経験者によると、収容所では祈りやコーランの所有、ラマダン中の断食の禁止を指示された。イスラム教で禁止されている豚肉を食べさせられたという人もいた。
 匿名の元収容者は「アラーではなく習近平に感謝すべきだと言われた」と語った。
 米国務省は先月、新疆ウイグル自治区について声明を発表し、「数十万人、あるいは100万人」に上るウイグル族などのイスラム教徒の拘束に懸念を表明。収容所で死者が出ているとの報告も複数あると指摘した。
 一方、中国外務省はファックスで声明を寄せ、同自治区では「全ての民族が調和して暮らしている」、「うわさや中傷をでっち上げるのは無駄だ」などと述べた。公安省と自治区の政府や警察にもコメントを要請したが回答はなかった。

ムラート・ハリ・ウイグルさんと母親 PHOTO:MURAT HARRI UYGHUR
 フィンランドで医師として働くムラート・ハリ・ウイグルさんは昨年、トルファンで暮らす57歳の母親が「愛国的なこと」を学ぶ「学校」に連れて行かれたと父親から聞かされた。1月には父親も収容所に連れて行かれた。父親は政府の元通訳で、糖尿病を患っている。
 ウイグルさんによると、両親は世俗主義的なイスラム教徒で政治活動には関わっていなかった。父はときどき酒を飲み、母はヘッドスカーフをかぶらなかった。
 収容されて以降、両親からの連絡はなく、正確な居場所を特定できていないという。トルファン在住の友人からは収容所がトルファン周辺に3カ所あると聞いた。市政府と警察にコメントを要請したが、回答はなかった。
 ウイグルさんは「まるでブラックホールだ。人が入っていくけれど出てこない」と話す。「今は最悪の事態を恐れている」
 欧州文化神学学院のゼンツ氏は、自治区の一部で2014年頃から地元当局が過激主義への対策として「教育による変革」センターを設置していると話した。

トルファンで取り調べ中に死亡したとされるアダレット・テイップさん PHOTO: ADALET REHIM
 ゼンツ氏の推計によると、収容所は現在、最大で1300カ所ある。また78の施設について政府調達や建設に関する入札があったという。施設には刑務所のようなものや警備が強化された小さな学校もあり、学校では訪問者はテレビ会議システムを通じてしか生徒と話ができない。
 収容経験のある人や収容されている人の親戚によると、最も多い拘束の理由は外国を旅行した、中国国外の親戚に連絡したか訪問した、スマートフォンにメッセージアプリ「ワッツアップ」をダウンロードしている、だという。
 カナダ在住のウイグル族、アダレット・レヒムさん(34)は6月、63歳の義理の母親であるアダレット・テイップさんが3カ月前にトルファンで警察の取り調べ中に死亡したと聞かされた。
 義母は1年前に父親と再教育センターに連れて行かれるまで健康だったという。
 「私たちが知っているのは義母が亡くなったことだけで、遺体も見せられていないし、遺体の返却もない」
 父親はまだ収容所にいるという。
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/676.html#c2

[国際23] トルコリラ「底なし」下落の恐怖、大統領が通貨防衛全否定(ダイヤモンド・オンライン) :経済板リンク  赤かぶ
2. 2018年8月20日 19:32:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1236]

ワールド2018年8月20日 / 19:23 / 4分前更新
トルコ経済への攻撃は国旗への攻撃と同じ=エルドアン大統領
1 分で読む

[イスタンブール 20日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は20日、トルコ経済への攻撃は同国の国旗や礼拝への呼びかけに対する攻撃と変わらないとし、通貨危機の狙いは「トルコおよびトルコ国民をひざまずかせること」と主張した。

21日から始まる4日間のイスラム教の祝祭「イード(犠牲祭)」を前にした録音演説で述べた。

トルコリラTRYTOM=D3は、対米関係の悪化や中銀の独立性を巡る懸念で年初から約40%下落し、他の新興国通貨や世界の株式市場にも影響が波及している。

エルドアン大統領は、「わが国経済への攻撃は、礼拝への呼びかけや国旗に対する攻撃とまったく変わらない。目的は同じ。目的はトルコおよびトルコ国民をひざまずかせ、捕虜にすることだ」と述べた。

さらに「為替相場をもってトルコを屈服させられると考えている者たちはじきに、自らの誤りに気づくだろう」と語った。

国や機関を名指しはしなかったが、過去に西側の格付け会社や投資家をリラ売りの犯人と批判している。

対米関係が緊張する中、20日に首都アンカラでは、米国大使館に向けて複数回の発砲があった。

また17日には、トルコの裁判所が、拘束中の米国人牧師、アンドリュー・ブランソン氏の釈放を求める申し立てを棄却。

さらに同日、大手格付け機関のS&Pグローバル・レーティングとムーディーズ・インベスターズ・サービスがトルコの格付けを引き下げている。


 


 

ビジネス2018年8月20日 / 10:47 / 1時間前更新
トルコ格付けを「Ba3」に引き下げ、見通し「ネガティブ」=ムーディーズ
1 分で読む

[イスタンブール 17日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは17日、トルコの長期発行体格付けを「Ba2」から「Ba3」に引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」に変更した。

ムーディーズは、トルコの公的機関の弱体化が継続しており、これに関連して政策策定の予見可能性が低下していることを格下げの理由として挙げた。

ムーディーズは発表文で「この弱体化は中央銀行の独立性を巡る懸念の高まりや、最近の金融ディストレスの根本原因に対する明確で信頼できるプランの欠如によって実証されている」と指摘。「金融情勢の引き締まりと為替レートの軟化は、高水準でなおかつ高まる対外金融リスクと関連しており、インフレを一段と推し進め、成長を損なうとみられるほか、国際収支危機のリスクが高まり続けている」とした。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/690.html#c2

[国際23] ヨーロッパによみがえった奴隷貿易(ニューズウィーク)  赤かぶ
1. 2018年8月20日 19:51:06 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1237]

>スペインの奴隷貿易も、出稼ぎしたくてお金を払ったアフリカ人が悪いのだろうか

と言うより、

奴隷の定義は、強制的に、拉致され移送され監禁されて、

労働を強いられる人間というものだから、


本人が劣悪な国から自由意志で抜け出てきた場合

仮に犯罪組織が絡んでいたとしても

単なる不法移民労働者であって、奴隷というのは間違いだろう


また金で買われるのは、正規労働者や請負や非正規も同じ、

つまり本質的な違いはないから、奴隷と呼んだところで、あまり意味はない


下手すると、住宅ローンと学資ローンを抱えた

斜陽産業(例えば銀行)に勤める東大卒正社員の方が、

自由時間も、寝る時間も、余裕資金も、将来の見通しもなく

心理的には、遥かに奴隷に近かったりもする


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/691.html#c1

[国際23] ドイツとロシアの首脳会談で天然ガス輸送の新パイプライン建設推進で合意(櫻井ジャーナル)  赤かぶ
4. 2018年8月20日 19:56:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1238]
ビジネス2018年8月20日 / 19:13 / 13分前更新
ドイツ経常黒字、今年も世界最大となる見通し 2位は日本=IFO
1 分で読む

[ベルリン 20日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所は20日、同国の経常黒字が今年も世界最大規模になるとの見通しを示した。

IFOは、2018年の独経常黒字は2990億ドルと、3年連続で世界最大になるとの推計を発表した。日本の経常黒字は2000億ドルと、ドイツに次いで大きな規模になる見通し。

国際通貨基金(IMF)と欧州委員会はドイツに対し、成長を刺激し世界経済の不均衡を縮小させるため、内需と輸入の拡大に向けた取り組みを強化するよう求めている。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/686.html#c4

[経世済民128] 日銀の資産総額がGDPを超える!(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
8. 2018年8月20日 20:01:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1239]
「金利の変動幅拡大など方向感を」

第一生命執行役員の宮田康弘氏

黒田緩和修正 私の診断

金融機関
2018/8/20 17:47日本経済新聞 電子版

 生命保険会社のような長期運用を原則とする投資家にとって、長期国債の流動性の低下は懸念材料だった。そうした意味で、今回の緩和修正で金利変動にある程度の幅を持たせたことは望ましい。変動幅の拡大にも中長期的に含みを持たせた。長期国債の金利を市場に委ねていく第一歩だと受け止めている。

第一生命保険で投資本部長と株式部長を務める宮田康弘執行役員
画像の拡大
第一生命保険で投資本部長と株式部長を務める宮田康弘執行役員

 一方で、生命保険は平均契約期間が20年と長い。このため20年、30年といった長期ゾーンの金利が現状のままでは、長期国債のみで顧客に対して約束した利回りを確保することは難しい。つまり保険会社が抱える負債とのマッチングが困難だ。

 生保は個人年金や企業年金など、公的年金を補う商品を扱っている。だが現状では円建ての魅力的な商品を供給しにくい。円建ての個人年金では契約時に約束する利回りが1%を超えないと顧客に魅力的とは映らない。

 企業年金も同様だ。現在、国内の企業年金市場は約80兆円規模で、うち半分をリスク性資産、残り半分ほどを国債などで運用している。平均予定利率は2.5%程度、平均運用期間は約15年間だ。

 足元は国内外の経済や企業業績が堅調で、株価が大きく上昇したことに支えられている。だが低金利が続けばいずれ企業年金の運用や個人の資産形成にも影響が出て、老後の保障という意味で保険会社の役割を果たせなくなりかねない。

 2019年秋には消費増税も控え、金融政策のかじ取りはますます難しくなるだろう。日銀にはある程度、景況感が安定している今のうちに金利変動幅を広げるなどの方向感を示していただきたい。


 

27,000,000,000,000,000円(大機小機)
2018/8/20 12:44
 株式市場の荒れる理由が、最近変わってきたと感じる。

 2月や4〜5月の下落の震源は米長期金利の上昇だった。2月は市場予想を上回る米賃金上昇率、4〜5月は原油価格の上昇などが引き金となって米長期金利が跳ね、世界中の株式市場が動揺した。

 ところが、6〜7月の日経平均株価の下げや、8月半ばの急落は様子が異なる。米長期金利が安定あるいは低下している局面で起きたからだ。

 トランプ米大統領が仕掛ける貿易戦争や、トランプ氏とエルドアン・トルコ大統領の強権政治対決への不安が、ダイレクトに株安を引き起こした。投資家がより深刻に、政治リスクをとらえ始めた証しだ。

 つい年初まで、低金利と株高が共存するゴルディロックス(適温)相場の賞味期限を論じていたのが懐かしい。今後、米長期金利の上昇と政治リスクは絡み合いながら、折に触れて複合要因的に市場を揺さぶるだろう。少なくとも11月の米中間選挙まで、投資家はシートベルトをしっかり締めた方がいい。

 それにしても、投資家がこれほど金利上昇におびえるのはなぜだろう。

 その答えが表題の数字だ。2京7000兆円。国際金融協会(IIF)が直近にまとめた世界の政府・企業・家計の債務残高だ。

 リーマン危機後、各国中央銀行による大規模な金融緩和は天文学的な債務を生み出した。1%の金利上昇が270兆円の利払い増につながる世界。金融正常化がもたらすマネー巻き戻しへの恐怖感が、市場の通奏低音にある。

 思えば、強権政治が世界にはびこるようになった芽もリーマン危機にあった。

 1980年代以降の新自由主義は、金融のユーフォリア(陶酔)と「グローバリゼーション・ファティーグ(国際化疲れ)」を負の側面として残した。国際化に取り残された人々はリーマン危機を機に「反エリート」意識を強め、それがポピュリズム(大衆迎合主義)を呼び込んだ。

 政治学者ヤン=ヴェルナー・ミュラー氏はポピュリズムの本質を、異論を認めぬ「反多元主義」と読み解く。異論を認めぬ政治姿勢こそが強権政治を生む。

 リーマン危機から間もなく10年。世界はなお10年前の地続きにある。(茶柱)


「決断の欠如、ポピュリズム生む」 ヤシャ・モンク氏 (2018/8/16 1:31) [有料会員限定]
リーマン10年、残る危機 (2018/6/27 2:00) [有料会員限定]
欧州発、市場不安再び 「南欧売り」の様相に (2018/5/30 23:23)
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「決断の欠如、ポピュリズム生む」 ヤシャ・モンク氏
パンゲアの扉
2018/8/16 1:31日本経済新聞 電子版
保存 共有 その他
 戦後、グローバリゼーションの基盤となってきた民主主義は強権指導者の台頭などで試練に直面している。米ハーバード大講師のヤシャ・モンク氏に、その背景やグローバリゼーションの課題を聞いた。

 ――世界で強権指導者が台頭している背景は。

 「民主国家の市民には今の体制は機能していないとの不満が高まっていた。生活水準の伸び悩みや社会の高齢化、移民の流入などへの対策が一向に進まず、将来への悲観が広がった。交流サ…

リーマン10年、残る危機  本社コメンテーター 梶原誠
梶原 誠 Deep Insight 本社コメンテーター
2018/6/27 2:00日本経済新聞 電子版
保存 共有 その他
 世界はようやく、2008年のリーマン・ショックを克服しつつある。だが、成長の持続に向けてやり残した課題はないのか。

 6月は危機モードの終わりを象徴する月だ。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを加速する姿勢を見せ、欧州中央銀行(ECB)は年内に量的緩和を打ち切ると決めた。経済底割れを防ぐために緩和を進めた中央銀行が、「もういらない」と判断した。

 この10年間、債務の圧縮や金融規制の強化で世界…


欧州発、市場不安再び 「南欧売り」の様相に
政治混乱・景気減速・不良債権
ヨーロッパ
2018/5/30 23:23
保存 共有 印刷 その他
 【ベルリン=石川潤】欧州発の新たな市場の混乱が米国や日本にも広がってきた。ポピュリズム(大衆迎合主義)が席巻するイタリアだけでなく、スペインでも政治は不安定化している。イタリアでは不良債権問題もくすぶっているうえ、景気減速の懸念が域内では広がる。市場の動揺を受け、ユーロ圏で「遠心力」が再び強まりかねないとの見方さえ浮上しつつある。


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 「信用を失う数歩手前にある」。イタリア中央銀行のビスコ総裁が29日、警告を発すると金融市場では不安感が一段と強まった。

 イタリアでは10年国債利回りが一時、2014年以来の3%台まで上昇(債券価格は下落)。スペインやポルトガルの国債も売られた。一方、経済的にしっかりしているドイツやフランスなどの金利は低下基調にあり、リスク回避に傾斜する投資マネーは「南欧売り」の構えを強めている。30日は利益確定を狙った反対売買が出ている。

 イタリアの政治不安はユーロ危機の再燃につながりかねないと懸念されている。マッタレッラ大統領から首相候補に指名された国際通貨基金(IMF)元高官のコッタレッリ氏による組閣作業は難航している。議会はポピュリズム政党が多数派を占めており、再選挙の可能性がくすぶる。

 エリート官僚が牛耳っているとして欧州連合(EU)への国民の反感は根強い。再選挙でもポピュリズム政党が議席を増やせば、EUに反旗を翻し、財政拡張に突き進む恐れがある。イタリアの政府債務はユーロ圏で最大で、ギリシャの7倍にのぼるだけに市場の不安は強い。

 ハンガリーやポーランドなど東欧諸国でもポピュリズム政権は勢いを増す。スペインでは汚職問題を巡って最大野党がラホイ首相の不信任案を提出。総選挙の実施に伴う政治空白のリスクが意識されている。EUは6月の首脳会議で金融危機の再来を避けるためのユーロ圏改革を議論し、結束を確認する考えだったが、シナリオは狂いつつある。

 欧州景気の減速懸念も混乱に拍車を掛ける。ユーロ圏の1〜3月の域内総生産(GDP)は前期比0.4%成長で1年半ぶりの低い水準に沈んだ。輸出に陰りがみえ、企業の景況感も悪化している。貿易摩擦やイラン核合意からの離脱など「米国リスク」が浮上してきたところにイタリア発の市場の動揺が加わり、景気の先行きは一段と見通しづらくなってきた。

 欧州株式市場でも総じて売りが優勢となり、銀行株の下げが目立った。イタリア最大手のウニクレディト、スペイン最大手のサンタンデール、仏BNPパリバなどがほぼ軒並み安となった。銀行勢は南欧国債を保有しており、債券安による財務悪化が警戒されている。

 イタリアでは不良債権処理の遅れも懸念材料だ。主要銀行の不良債権比率は2017年末で11.1%と、ユーロ圏平均の4.1%の2倍以上の水準だ。仮に景気減速の流れが強まれば、イタリアの金融セクターが打撃を受け、欧州全体に悪影響を及ぼすリスクもある。

 10年以降のギリシャ危機のころと状況は異なる。当時はギリシャなど一部南欧諸国の財政悪化が問題の中心だった。12年に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が「できることは何でもやる」と宣言し、国債買い入れを決断。長期金利の上昇を抑え、問題解決への効果は大きかった。

 実際、イタリアの長期金利は上昇したといっても、ギリシャ危機当時の半分以下の水準にとどまる。一方で、金利が上がりにくくなったからこそ、ポピュリズム政党が反EUと財政拡張を無責任に唱えられている皮肉な面がある。市場の不安の根っこにある政治の危うさへの処方箋は明確ではなく、今回の混乱は長引く恐れがある。

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増税、景気への影響どこまで 政府のトラウマ深く
2018/8/20 7:00日本経済新聞 電子版
 来年10月に予定する消費税率10%への引き上げまであと1年余り。政府・与党は増税による消費や景気への悪影響を和らげるための反動減対策を年末にかけて詰める方針だ。景気の安定は重要だが、バラマキを許す余裕もない。賢い対策にするための論点を点検する。

消費増税が来年10月に迫る

 景気拡大が続く日本。2012年末に始まった今回の回復局面は、来年1月に戦後最長を更新する。ところが米民間調査機関の景気循環調査研究所(ECRI)の分析は少し異なる。消費税率を前回引き上げた14年4月の直前、駆け込み需要が最高潮となった同3月に日本の景気は「山」を一度迎えたとしている。

 前回増税の景気への影響はそれだけ大きく、内閣府幹部も「政府のトラウマは深い」という。

 政府は住宅の購入支援など5兆円規模の経済対策を講じたが、増税直後の14年4〜6月期の個人消費は、物価の影響を除く実質ベースで前期比年率17.2%減った。その後も長く停滞し、駆け込み需要が起きる前の13年10〜12月期の水準(300兆円)に戻ったのは17年4〜6月。回復に4年近くかかった。

 なぜ想定以上に消費が落ち込んだのか。消費増税だけではない複合的な要因が絡んでいた。

 まず当時は円安で輸入コストが増え、食品価格などが上昇していた。さらに「もらいすぎ年金」の解消も追い打ちをかけた。公的年金は00年代初めに物価が下がっても支給額を据え置く特例が続き、このツケを解消するために13年秋から支給額を段階的に減らした。高齢者は消費増税との二重の打撃を受けたのだ。

 ならば来年の状況はどうだろう。消費税率をみると、14年は5%から8%へと3%上げ、今回は2%上げて10%となる。引き上げ幅そのものが小さい。「もらいすぎ年金」の是正といった逆風もない。さらに前回と大きく異なるのは、家計負担の軽減策の存在だ。

 「前回増税時の負担額は8兆円、今回は2.2兆円」。日銀は4月、消費増税で増える実質的な家計負担をこう試算した。今回は食品などへの軽減税率の導入で1兆円分、幼児教育無償化で1.4兆円分の負担軽減効果がそれぞれあるとみており「多くの措置が恒久的であることも効果を大きくする」と指摘する。

 もっとも、来夏に参院選を控える与党内からは「10兆円規模の財政出動が必要」との声も出ている。政府・与党は来年度予算編成に合わせて反動減対策を年末までに詰める方針だが、議論は前回増税時に消費が大きく落ち込んだ「トラウマ」に引きずられがちだ。

 確かに、世界経済は米中貿易戦争など不安を抱え、潜在成長率が1%前後にとどまる日本も増税ショックにどれだけ耐えられるか不確かな面もある。一方で、「トラウマ」から影響を過大に見積もれば「増税を大義名分にしたバラマキ」(BNPパリバ証券の河野龍太郎氏)になりかねない。

 第一生命経済研究所の星野卓也氏は「金額の規模よりも、反動減が表面化したタイミングでどれだけ和らげられるかが重要だ」と指摘する。適時適切な対策を見極め、財源を集中して効果を高める。政策運営の基本を出発点とすることが欠かせない。


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消費増税対策の財政ばらまきはやめよ
2018/7/10 23:13
 政府は10日、2019年度予算の概算要求基準を閣議了解し、予算編成作業がスタートした。19年10月に予定する消費税率引き上げによる需要変動をならすための予算要求には別枠も設ける。増税対策に名を借りたばらまきにならないよう注意が必要だ。

 安倍晋三首相は9日の経済財政諮問会議で「消費税率引き上げに伴う機動的な対応をはかるための措置の具体的な内容の議論を進めてほしい」と指示した。

 首相の念頭には、前回14年4月に5%から8%に消費税率を上げた際の、駆け込み消費とその後の反動減による景気悪化がある。

 当初予算から対策を盛るのは、19年度に入ってからの補正予算での対応では、10月の税率上げ時に予算執行が間に合わないという判断がある。

 消費増税に伴う景気の変動を抑えるのは望ましいが、その対策は予算措置以外の対策を中心にすべきだ。消費増税時に一斉に商品価格が上がらないように、小売価格への転嫁指導を見直すなど、従来型の財政出動に頼らない手法を考えてほしい。民間企業も増税後に魅力的な新商品を投入するなど、消費落ち込みを防ぐ知恵をもっとしぼってはどうか。

 今回の消費増税は14年に比べ上げ幅も小さく、増税分を教育無償化などの歳出に回すので、財政引き締め効果は前回ほど大きくないとの見方も多い。財政支出は真に効果があるものを厳選すべきだ。

 好調な企業業績を背景に2017年度決算の一般会計税収は前年度比3.3兆円増の58.8兆円に回復した。90年代前半のバブル期並みの水準に戻ったといっても、歳出のほうは社会保障費を中心に右肩上がりで増えている。税収が回復したからといって、財政規律がすぐに緩んでしまうようでは困る。

 来年度予算編成では社会保障費用の抑制も大きな焦点になる。16〜18年度の3年間は伸びを合計1.5兆円に抑える目標があったが、19年度以降は目標を設定していない。高齢化で増え続ける社会保障費抑制のため制度改正も含めた改革を急ぐべきだ。

 西日本を襲った記録的豪雨の被災者支援のため、政府は10日、18年度予算の予備費を使用する方針を決めた。災害復旧や防災対策など真に必要な歳出をしっかり手当てするのは当然だ。そのためにも非効率な歳出は抑えるべきだ。


消費増税と景気変動(大機小機)
2018/6/14 17:00日本経済新聞 電子版
 消費税率の10%への引き上げが迫ってきた。誰もが注目するのは景気への影響だろう。政府は、その影響をできるだけ小さくしようとしているようだ。

 6月5日に経済財政諮問会議に示された2018年の骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)原案では、消費税率引き上げに伴う需要変動の平準化が必要だとした。「前回の2014年4月の消費税率引き上げの際には、個人消費が税率引き上げ直前の1〜3月期には前期比2%増加した後、引き上げ直後の4〜6月期には4.7%減少するなど大きな需要変動が生じ、景気の回復力が弱まることとなった(一部略)」と述べられている。

 しかし、駆け込み需要で直前の消費の伸びが大きくなり、逆に直後に消費が落ち込むのは当然だ。直前の高まりに比べ、直後の落ち込みの大きさが2倍になるのも当然である。直前の増加が平常時と異常増加時の比較なのに対し、直後の落ち込みは、異常増加と異常落ち込みの比較だからだ。

 駆け込み需要とその反動は、単に消費の実現時期がシフトしただけだ。だから本来は短期的に相殺されるはずで、それによって景気の回復力が弱まることにはならない。景気に影響するのは、家計の実質可処分所得の減少である。

 消費税率を3%引き上げた前回は、消費者物価が2%程度上がった。賃金がその分上がるわけではないから、家計の実質可処分所得は2%減少する。消費性向が変わらないとすれば、これによって実質家計消費は2%減少するはずだ。

 実際、駆け込みの影響が一段落した14年後半の消費は、駆け込み前の13年後半に比べ2.1%減少した。この落ち込みは、増税に伴うやむを得ない落ち込みであり、2年程度の時間をかけて、賃上げによって元に戻していくしかない。事実、消費のレベルは17年前半には、引き上げ前に戻っている。

 前回の引き上げ時は、消費の落ち込みが大きく景気の足を引っ張ったかのように見える。だが、実のところは想定通りの現象が起きただけのことである。

 19年の引き上げ幅は2%と前回より小さい。しかも軽減税率があることを併せ考えれば、景気への影響をそれほど懸念する必要はないように思われる。

(隅田川)


本気度疑われる政府の財政健全化目標
2018/5/31 23:07日本経済新聞 朝刊
 政府の新たな財政健全化の目標づくりが大詰めを迎えている。従来は2020年度としていた国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化の時期を25年度とする方向だ。今度こそ財政健全化に本気で取り組むつもりなのか、政府の決意が問われている。

 安倍晋三首相は昨年の衆院選前に19年10月に予定する10%への消費税率引き上げ分の税収の使い道を、借金返済から教育の無償化などに変更し、PBの20年度黒字化目標を断念した。

 政府はそれにかわる新しい目標を6月中旬に閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む予定だ。

 政府の検討原案によると、PB黒字化の時期を25年度へと5年先送りしたうえで、21年度に3つの指標を使って進捗状況を中間検証するという。

 すでに原案段階で、政府の財政再建への本気度が疑われる問題が浮上している。まずは、健全化計画の前提となる経済成長率を実質2%、名目3%以上と高めに見積もっていることだ。成長力を高める努力は必要だが、財政健全化を確実に進めるには、前提の成長率を甘く見積もるべきではない。

 前回の目標づくりの際は16〜18年度の3年間の社会保障費の伸びを合計1.5兆円程度に抑える目安を設定した。今回は財政健全化の裏付けとなる歳出抑制の数値の目安を決めない方向だ。

 歳出抑制策で踏み込まないのは、来年10月に予定する消費税率引き上げの景気への悪影響を和らげる財政出動の余地を残すためとの見方もある。

 消費税率上げ前後の駆け込み消費と反動減をならすための対策は検討に値するが、それは消費税の価格転嫁指導や民間の新商品投入策の見直しなどで実施すべきだ。消費税率を上げるために、財政出動を繰り返すのでは、財政健全化は進まない。

 安倍政権は12年の与野党3党合意で決まった消費税率の10%への引き上げを2度にわたって延期した。本来なら今ごろは、消費税率10%の先の財政・社会保障の改革を検討すべき時期だ。

 財政健全化は増税だけでなく、公的年金の支給開始年齢や75歳以上の高齢者の医療の窓口負担の引き上げなど社会保障の制度改革も不可欠だ。高齢化が急速に進む中で残された時間は少ない。


東大合格1000人 名門Z会、とまらぬ膨張
キャッシュレス社会へ半歩 君たちはどう生かすか
中国が切った禁断の対米「食料カード」

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/231.html#c8

[国際23] 米中貿易戦争、中国市民に広がる「反米不買」の声(ニューズウィーク) 赤かぶ
6. 2018年8月20日 20:07:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1240]

米中対立の間に、欧州は。。


 

 

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

CPTPP参加検討で「アジア太平洋への軸足移動」を強める英国?岡崎研究所

2018/08/20

 英国は、7月12日に発表したEU離脱後の英国とEUとの関係についての白書('The future relationship between the United Kingdom and the European Union')において、「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP、いわゆるTPP11)」への参加の検討を明記した。これを受け、英国際貿易省は7月22日から10月26日までの予定で、インターネット上で一般国民向けの意見公募も開始している。同省は、EU離脱が完了する2019年3月29日以降、CPTPP参加についての可能な交渉をする用意がある、としている。


(michal812/Whiteway/iStoc)
 英国際貿易省は、英国がCPTPPに参加することの意義について、以下の諸点を挙げている(‘Liam Fox launches consultations on UK's trading future outside of EU’, July 23, 2018)。

・英国がCPTPPに参加すれば、参加国中2番目の経済大国となる。CPTPPの世界のGDPに占める割合は17%に拡大する(注:現在は13〜14%)。

・CPTPPは、カナダ、日本、シンガポールを含む11か国の、非関税障壁に加え関税の95%を撤廃するものである。

・CPTPPの現行の11加盟国が英国との貿易で占める割合は820億ポンド(2016年)に達し、オランダ、フランス、中国よりも多い。現行の11加盟国は、多様で、世界経済の成長の駆動力となっている地域に広がっている。

 これらの指摘は、いずれも尤もである。TPPは、ハイレベルな貿易自由化、貿易・投資等のルール確立を目指している。米国の離脱は、極めて大きな痛手であったが。英国のGDPは2016年に約2.6兆ドル、米国は同じく約18.6兆ドルであり、英国が米国の代わりになり得るというわけではないが、CPTPPがカバーするGDPが少しでも増えることはCPTPPの影響力拡大に繋がるし、西側の経済規模の大きな先進国である英国が参加するとなれば、CPTPPが目指すハイレベルな貿易自由化にとってプラスとなろう。

 さらに、米国の将来的なTPP復帰への刺激ともなり得る。こうしたことから、CPTPPの現行加盟国、そして、もちろん日本にとって、英国のCPTPPへの参加検討表明は歓迎すべきことである。菅官房長官は7月19日の記者会見で「英国のTPP参加を歓迎する」と述べているし、リアム・フォックス国際貿易相が7月末から8月初めにかけて来日した際には、茂木経済再生担当相、安倍総理も支持を表明した。フォックス国際貿易相は「安倍総理から、これ以上ないほどの素晴らしい支持を得た」と言っている。

 もう一つ見逃してはならないのは、英国のCPTPPへの参加検討の表明は、英国の「アジア太平洋への軸足移動」とでも呼べる動きの一環をなしている点である。前出『白書』では、CPTPPへの参加検討は、米国、豪州、ニュージーランドとのFTA追求と同じ項目に書き込まれている。フォックス国際貿易相は「我々は、世界で最も経済成長の速い地域におけるCPTPPのような協定の中心に英国を位置づけることを求めている。米国、ニュージーランド、豪州との貿易協定を求めるのも同じ理由からだ」と述べている。

 英国は、既に、日本や豪州との安全保障上の協力強化を加速させ、フランス海軍と南シナ海を航行(「航行の自由作戦」と呼ぶに値するものであったかはともかくとして)するなど、アジア太平洋における軍事的プレゼンスを強めようとしている。CPTPPへの参加検討、米国、ニュージーランド、豪州との貿易協定の追求は、もちろん、EU離脱後の英国の自立した通商政策の追求であるが、それだけでなく英国の「アジア太平洋への軸足移動」の文脈で理解する必要がある。

 英国のCPTPPへの参加については、英国がEU離脱後に目指しているEUとの「モノの自由貿易圏」との兼ね合いで、困難があるのではないかとの指摘もある。EUは英国に対し「いいとこ取り」は許さないとして厳しく臨んでいる。この点、EUとの経済連携協定に署名している日本は、機会があれば、EUに英国に対する度量を示すよう求め得る立場にあると言えるかもしれない。

 


 
ギリシャ、EUからの金融支援プログラムを完了 8年ぶり自立
? 3時間前Image copyrightAFP
ギリシャ政府は20日、債務危機からの脱却に向け3年間続いた欧州連合(EU)からの金融支援プログラムを完了した。同国はこれで8年ぶりに金融市場で自由な金の借り入れが可能になる。
欧州安定メカニズム(ESM)は3年間にわたり、ギリシャに計619億ユーロ(約7兆8200億円)を支援した。この資金はギリシャ政府による経済や金融機関の資本構造の改革に充てられた。
国際通貨基金(IMF)からの支援を含めると、2010年からギリシャが受けた融資は合わせて2600億ユーロ超に上り、国際金融史上で最大の救済プログラムとなった。
融資の条件として、ギリシャ政府は数々の緊縮財政策を講じる必要に迫られ、国民の不評を買った。
ギリシャ経済はここ数年緩やかな成長基調に乗っているが、債務危機以前と比べるとなお4分の3ほどの規模となっている。
回避された「グレグジット」
ESMは、財政危機に対処するためにユーロ圏の国々が設立した基金。ESMは、ギリシャにはなお270億ドルの融資枠が残っているが、同国はそれを要求しなかったとしている。
ESM理事会のマリオ・センテーノ会長は「ギリシャは自分の足で立つことができる」と述べた。
また、ギリシャ国民に協力への感謝を述べるとともに、「追加の救済プログラムは必要ないだろう」と話した。
しかし、EUの欧州委員会による経済への監視拡大により、ギリシャが独自に経済問題を解決する自由は制限されるという。
これは、ギリシャ政府が債権団と合意した改革を撤回しないための措置で、救済プログラムによる融資は最終的に返済する必要がある。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)ヘレニック観察所のケビン・フェザーストーン所長は、ギリシャは救済プログラムの条件をのんだことで、ユーロ圏の未来を守るのに一役買ったと説明する。
「この緊縮財政を切り抜けたことで、我々はグレグジット(ギリシャのEU離脱)を免れた」
「2015年に課された3度目の救済策は本当に、本当に厳しい要求で、痛みを伴うものだったことは確かだ」
「数年にわたる緊縮財政、この規模の経済的困窮を耐え、社会を機能不全に陥らせなかった政治システムは、近代国家としてのギリシャの力強さを示す証拠だ。ギリシャはユーロ圏を守った」
(英語記事 Greece emerges from bailout programme)
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/685.html#c6

[経世済民128] 7月の貿易赤字2312億円 自動車の対米輸出額2桁減、関税上げならさらに打撃も(SankeiBiz) 赤かぶ
3. 2018年8月20日 20:09:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1241]

#ちなみに貿易収支は、あまり重要ではない


為替フォーラム2018年8月20日 / 16:53 / 1時間前更新

コラム:リスクオフの円高加速か、ユーロドル下落にヒント=亀岡裕次氏
亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト

4 分で読む

[東京 20日] - ドルに対する円とユーロの動き方に最近、変化が起きている。今年、ドルに対して円とユーロは同方向に動くケースが多かった。1月は上昇し、3―5月は下落、ユーロ円は安定的に推移した。2―3月はドルに対してユーロが小動きの一方で円高が進み、6―7月はユーロが小動きの一方で円安が進んだ。

ドルに対して円とユーロが逆方向に進み続けるケースは少なかったが、8月に入り円高の一方でユーロ安が進み、明らかに逆方向に動いている。

<リスクオフで対ドルの円高とユーロ安に>

5月下旬にも対ドルで円高とユーロ安が進む局面があった。当時、中国が米国からの輸入拡大で合意した直後だったが、トランプ米大統領が米中通商協議に難色を示し、関税をかける中国製品を発表するとしたほか、米朝首脳会談の実現に疑念を示し、中止を決定(その後撤回)した。

また、米政権が新たな自動車関税を検討とも報じられた。さらには、イタリア再選挙の可能性が高まったほか、石油輸出国機構(OPEC)増産観測の浮上で原油価格が急落した。リスクオフ、原油安、長期金利低下を背景に円高の一方で他通貨が幅広く下落し、ドル円よりもクロス円の下落が大きくなった。

最近も同様に、ドルに対して円が上昇する一方で、多くの通貨が下落しており、ドル円よりもクロス円の下落幅が大きいリスクオフ相場の様相を呈している。

<リスク許容度主導の為替変動に回帰>

世界株価と対ドル為替の相関係数からも、為替の動き方に変化が起きていることが分かる。

トランプ米大統領が当選した2016年11月から2018年5月中旬までは、円とユーロの対ドル為替と世界株価指数の相関係数が同じように動くケースが多かった。これは、為替市場が米経済見通しの良し悪しを反映してドル主導(ドルの強弱)で動き、リスクオンで世界株高のときにドル高、リスクオフで世界株安のときにドル安のケースが多かったからだ。こうなると、円とユーロの対ドル為替と世界株価の相関係数は、ともにマイナスの逆相関となりやすい。

ただ、米政権のドル安歓迎発言や保護主義政策によりドル安に振れた今年1―2月は、一時的に円とユーロの対ドル為替と世界株価の相関係数はともにプラスとなった。

ところが、同じように動いていた円とユーロの対ドル為替と世界株価の相関係数が、今年5月下旬以降は乖離して、円はマイナス、ユーロはプラスとなった。つまり、円は世界株価と逆相関の一方で、ユーロは順相関となった。そして、ユーロに限らず多くの通貨が世界株価との順相関を強めた。

しかし、そうした中でメキシコペソやトルコリラは順相関が低い。メキシコペソに関しては北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉合意期待、トルコリラに関しては対米関係悪化など、個別要因によって通貨が大きく変動したために、リスク許容度を示す世界株価との相関が低下したのだ。

これらの例外を除くと、円の対ドル為替は世界株価と逆相関の一方で、他通貨は全般的に順相関を強めており、本来の通貨特性を表している。為替がリスク許容度主導(リスク許容度の強弱)で動くようになってきたことを示している。

<クロス円を中心に円高進む公算大>

クロス円の下落など為替相場の変化が目立って大きくなったのは、トルコリラが急落した8月だが、為替がリスク許容度によって動きやすくなり始めたのは5月下旬以降である。その時期は米経済指標が市場予想を上回る傾向が弱まり、米長期金利の上昇が止まった時期でもある。他国と比べた相対的な米経済見通しや金利先高観の強さが衰えたことが、為替をドル主導からリスク許容度主導へと変化させた原因と考えられる。

今後、もしトランプ政権が再びドル高に懸念を示すことがあれば一時的に為替がドル安に振れてドル主導の相場展開となるだろうが、基本的には為替がリスク許容度主導で動きやすくなっていると言えるだろう。

最近は国際紛争が市場のリスクオフ要因となっている。米中貿易摩擦を筆頭に、米国とイラン、米国とトルコ、サウジアラビアとカナダの対立に加え、非核化を進めない北朝鮮と米国の関係悪化も懸念されつつある。当面は米中通商協議が再開されて米中関係の緊張が緩和に向かうか否かがリスク許容度を左右するだろうが、米国が通商協議中は対中追加関税を猶予するような柔軟な姿勢を見せないと、リスクオンには働きにくいだろう。

また、主要国の景気指標が減速傾向にあることも、リスクオフ要因だ。ユーロ安効果や人民元安効果があっても欧州や中国の景気指標に改善の動きが乏しい中、米国の景気指標が減速し始めたことが世界景気の減速懸念を高めつつある。

さらには、需要鈍化懸念による商品安がリスクオフに働く可能性も出てきた。米原油および石油製品の在庫は増加して前年比減少幅が縮小しており、この傾向が続くと需要鈍化懸念で原油安が進み、世界的な長期金利低下や株安を誘発しやすいだろう。リスク許容度主導で動きやすい為替相場は、リスクオフ(オン)に振れた場合にクロス円を中心に円高(円安)が進みやすいと言える。

亀岡裕次氏(写真は筆者提供)
*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。


 


FT]空売りファンド、テスラ株で含み益10億ドル超に
北米 FT
2018/8/20 12:45日本経済新聞 電子版
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 米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が株式を非公開化する方針をツイッターで表明して以来、空売り筋の含み益は10億ドルを超えている。

 マスク氏の自社株購入計画は、空売り筋の「攻撃」力を封じる策として7日に打ち出されたが、空売り残高は130万株減っただけで、依然として3340万株が残っている。

 テスラ株の17日の終値は、マスク氏が自社株買いを表明する前の水準…
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/225.html#c3

[政治・選挙・NHK249] 黒田総裁は“白旗”か…ついに日銀が「株を買うのをやめた」(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
10. 2018年8月21日 12:47:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1242]

暴落すれば、また買い始めるだろう

http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/512.html#c10
[政治・選挙・NHK249] 総裁選の争点に 石破氏の秘策は「加計問題」と「脱原発」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
3. 2018年8月21日 12:49:56 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1243]

#目玉の防災省構想も批判が多い

 

2018年8月21日 室伏謙一 :室伏政策研究室代表・政策コンサルタント
「防災省」構想が“机上の空論”と言える理由
7月に甚大な被害が出た西日本豪雨
甚大な被害が出た2018年7月の西日本豪雨でも、行政の初動の遅さに批判が集中した Photo:AFP/AFLO
最近、大規模な自然災害が相次ぐ中で、「防災省」設置をめぐる議論がある。その代表的なものが、石破茂衆院議員による「防災省構想」であるが、果たして防災省は必要なのであろうか。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

「防災省」構想の背景
石破議員の趣旨
 7月に西日本を中心に甚大な被害を出した豪雨災害では、行政の初動の遅さに批判が集中した。

「もっと早く◯◯していれば……」、こうした声、意見がメディアを通じて多く聞かれた。確かに災害時には、最悪の事態を想定した先手先手の行動が重要であろうし、ほんの数分が被害の拡大を防ぐか否かを分けるとも言われる(江戸時代の火除け地はそれを計算した場所・面積であったようだ)。

 しかし、そうは言ってもそうした判断にはある程度の知識や経験の積み重ねが必要だし、いきなりやってくる自然災害に冷静沈着に妥当な判断ができる人というのは、相当限られてくると考えていいだろう。

 だからこそ、災害時には行政の役割が極めて重要なのだが、今回の豪雨災害では、その行政の動きが遅かったことが被害の拡大につながり、非常に多くの被災者を出す結果を招いたとされている。

「想定外」といわれるような大規模な自然災害が毎年のように起きていることもあり、今回の初動の不手際を受けて、災害対策、防災行政を強化しろという声が上がるようになってきた。

 その代表例ともいえるのが、石破茂衆院議員による「防災省構想」である。

 当初は自民党総裁選の争点の1つにするとの話もあったようだが、総裁選出馬表明の記者会見では「防災省構想」の是非を問うといった話は出されなかったようだ。

 石破議員の構想の趣旨はこうだ。かつては総理府の外局・国土庁防災局が防災に関する総合調整を担っていたが、中央省庁等再編によってその機能が内閣府に移管。専任の大臣もおらず、寄り合い所帯のため「防災という文化が伝承(過去の災害の教訓を残すという趣旨のようだ)されない」ことを問題視し、専任の大臣を頂く専担組織として「防災省」を設置すべしというものである。

 なお、石破議員は「中央省庁等再編」ではなく、単に「行革」と言っているが、「行革」は組織の新設改廃から行政手続きの簡素化等まで含む幅広い概念であるので、本稿では国土庁の国土交通省と内閣府の一部局への再編を直接含む「中央省庁等再編」を用いる。

モデルは米国の
連邦緊急事態管理庁
 そのモデルは米国の連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency: FEMA)であるとしている。もっともFEMAは2003年に国土安全保障省 (U.S. Department of Homeland Security: DHS)の下部機関(わが国でいう外局)となっており、その所掌事務の範囲は単に災害対応に限られないようだ。

 専任の大臣と専担組織を置けば災害対応は支障なく進むであろうし、知識や経験も組織に蓄積されて、「想定外」のような事態にも的確に対応できるであろう、ということなのだろうが、それは少々希望的観測に過ぎるように思われる。

 そもそも、国土庁防災局が内閣府に移管されたといっても、防災担当の政策統括官として名称を変えて残っている。また、内閣府は寄り合い所帯と言うが、内閣府の全体の所掌事務という観点から見ればそうかもしれないが、各担当はそれぞれ専担組織であり、どこの省にもある部局横断的な業務や特に調整を要する業務を除けば、基本的には各部局が自己完結的に業務を遂行している。

 また、人事面から見たときに各省からの出向者が多いことをもって寄り合い所帯であると評するのであれば、国土庁防災局も寄り合い所帯といえば寄り合い所帯であった。それを問題にするのであれば、現在の枠組みの中で人事ローテーションを改善すれば済む話のように思われる。

 そもそも、防災への対応を行う機能(所掌事務)は多岐にわたり、現状で多数の省庁に分散しており、1つの役所にまとめるというのは容易ではない。このため、これを内閣府の局長級で防災担当の政策統括官が、実務上総合調整するという形を取っている。

 現在、防災の枠組みを規定しているのは災害対策基本法である。

 その災害対策基本法に基づき、内閣総理大臣により災害対策においてさまざまな役割を果たす指定行政機関として指定されているのは全府省(一部の外局を除く)であり、これらの府省が主体となって災害対策を担っている。

 その一方で、非常災害対策本部または緊急災害対策本部が設置された場合にあっては、行政機関の長の権限はこれら本部の職員として任命された職員に委任されることとされている。

 もっとも、実体としては各府省からこれら本部に出向しつつ、本部長たる内閣総理大臣の指揮監督の下、出向元の各府省の所掌に係る事務であって災害対策に関するものを粛々と処理するというのと変わらないだろう。

 要するに、現行制度は、関係各府省が支障なく、円滑に災害対策=防災に関する事務を実施できるようにすることに主眼が置かれているのである。

専担組織と専任の大臣を置く場合
考えられる2つの選択肢
 仮に、専担組織と専任の大臣を置くとした場合、まず、その所掌事務について総合調整を中心に考えるのか、現在の各府省の防災関連の事務を専担組織として集める方向とするのか、2つの選択肢が考えられる。

 前者の場合は、専任の大臣は内閣総理大臣とは別に防災について総合調整等の権限を有する大臣ということになるので、内閣府の外局として防災庁(仮称)を置き、庁の長官に内閣府特命担当大臣ではない専任の国務大臣を充てることが考えられる。

 この場合、防災庁(仮称)設置法を制定し、その中に庁の長を防災長官とする旨の規定を置いた上で、設置法や災害対策基本法の中で大臣についての規定を手当てすることが考えられる。

 しかし、内閣府の外局の庁の長官を国務大臣をもって充てる大臣庁の形式は、防衛庁の防衛省への昇格により廃止されている。したがって、防災省(仮称)を新設した上で、長を防災大臣(仮称)とする旨の規定を設置法に置くとともに、設置法、災害対策基本法その他の関連法令の中で防災大臣(仮称)の権限を新設する必要がある。

 そうなると、総合調整のためだけに省を設けることになってしまう。機能は現状よりも強化される可能性はあるものの、基本的には代わり映えしない一方で、組織としては省という単なる“焼け太り”になってしまいかねないだろう。

 後者、すなわち現在の各府省の防災関連の所掌事務を新たに設ける専担組織として集める場合、先にも述べたとおり内閣府の外局として大臣庁を設けるという選択肢は採りえないので、必然的に防災省(仮称)を設置することになる。

防災省の設置にともなう
代表的な論点
 この場合、多くの論点を潰していかなければならない。代表的と思われるものをいくつか挙げてみよう。

 (1)所掌事務をどうするのか。防災に関するさまざまな事務を関係府省から新省に集めるとして、どの範囲までの所掌事務を新省に持ってくるのか。

 (2)新省と他の府省とのデマケ(役割分担)をどうするのか。例えば、自然災害により原子力発電所が事故を起こした場合の新省と経産省や環境省等との役割分担。

 (3)災害対策本部の在り方をどうするのか。防災大臣(仮称)と内閣総理大臣の権限の在り方はどうするのか。内閣総理大臣の指揮命令の下に服するということなれば、先端組織を作る意味はあまりないのではないか。

 これらはあくまでも代表的と考えられるもので、細かいものまで含めればまだまだありうる。

 最大の難関は(1)であり、端的に言ってこれが決まらなければ何も始まらない。仮に進めるとなれば、防災省(仮称)1つを設置するために中央省庁を再編することにもつながってくるし、各府省の設置法を始め、各省大臣の権限を規定した多くの関係法令の改正も必要になる。まさに平成13年(2001年)の中央省庁再編に匹敵するものになりうると言ってもいいだろう。

 また、各府省にまたがりうる事務を担当する行政機関の在り方には「分散型」と「集中型」がある。

 前者は各府省に事務を分散させつつ、共通する制度自体を所管するとともに総合調整を行う部門を設けて統一性を確保し、かつ調整を行うというもので、わが国の統計行政がこれに当たる。

 後者は各府省にまたがりうる事務を1つの行政機関が一括して担うもので、同じく統計で考えれば、統計庁のような組織をどこかに設けて、そこが全ての官庁統計の企画立案から調査、集計、公表等まで一括して行うといったもの。

わが国の防災・災害行政は
「分散型」を採用
 わが国の防災・災害対策行政は「分散型」が採られてきている。

 これは(1)が難関であり、その決着を見るためには多くの時間と労力を要することも背景としてある。これは権限争いうんぬんという話ではなく、あくまでも統一的で円滑な事務の実施を考えた場合に、「分散型」がなじむということだ。

 要するに、「防災省構想」なるものは、わが国の行政組織の在り方、実態を無視した“机上の空論”であり、市井の人ならともかく、こうした点を考慮することなく、大物政治家が軽々に口にすべき類のものではないということである。

 なお、「防災省構想」については、全国知事会も、7月26〜27日の2日間にわたって開催された全国知事会において採択された、「国難レベルの巨大災害に負けない国づくりをめざす緊急提言」の中で次のように述べている。

「国難レベルの巨大災害に備えるために、国の指揮命令系統を明確化し、対応調整 権限や予算措置権も含めて、災害への備えから復旧・復興までを担う『防災省(仮称)』を創設すること」

 もっとも、これは額面どおり防災省設置を求めているととらえるのではなく、国の調整能力の向上や、より機動的な対応を求めている、そのための「高めの球」と考えた方がいいだろう。

 裏を返せば、それだけ全国知事会、元え全国の地方公共団体は国の対応(総合調整、連絡調整を含めた遅さや悪さ)に業を煮やしてきているということであろう。

 やはり、本来目指すべきはある種中央集権型の防災担当の巨大官庁を創設することではなく、分散型の既存の枠組みの中で、機能や連携の強化を通じて、関係府省等が持てる能力を余すところなく発揮できるようにすることであるはずだ。
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/510.html#c3

[経世済民128] 内閣府、世界経済のリスク「中国・カナダに留意が必要」 債務拡大で警鐘(SankeiBiz) 赤かぶ
2. 2018年8月21日 13:06:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1244]

民間債務と公的債務は全く違うということだ

リスクオフ局面でのマネーの流れを見れば明らかな話

その典型が、最近で言えばトルコショックだ


 

 
2018年8月21日 真壁昭夫 :法政大学大学院教授
トルコショック、市場参加者が身構える「最悪のシナリオ」
トルコリラが急落し、トルコ経済は混乱している
トルコリラが急落し、多くの金融専門家がトルコ情勢の展開を固唾をのんで注目している Photo:AP/AFLO
トルコと米国の関係悪化は
世界経済にとって大きなリスク
 現在、多くの金融専門家が、トルコ情勢の展開を固唾をのんで注目している。

 8月10日、トルコが米国人牧師を拘束していることに対し、米国のトランプ大統領はトルコからのアルミと鉄鉱の輸入関税を大幅に引き上げた。それに対しトルコのエルドアン大統領は、米国人牧師の解放を拒否し真っ向から立ち向かう姿勢を示した。

 米国とトルコの関係悪化から、トルコリラが米ドルに対して約20%急落した。そうした為替市場の混乱をきっかけに、多くの投資家がリスクオフのオペレーションを進め、株式・為替などの金融市場が世界的に混乱した。それを“トルコショック”と呼ぶ。

 これまでトルコでは、エルドアン大統領の強権体制が強化されてきた。エルドアン大統領は金融政策にも介入し始めた。それは、トルコ中銀の独立性毀損を意味する。米国との関係悪化を受けたトルコからの資金流出圧力の高まりに、通貨防衛のための利上げが困難との見方が重なり、リラが急落したのである。

 米国とトルコの非難の応酬は、互いを傷つけあうことになるだろう。トランプ大統領の強硬姿勢は世界の政治・安全保障・経済の基軸国家である米国への信頼感を低下させる。エルドアン大統領の強権体制は、資金流出やトルコの信用力低下につながる。

 それは、世界の政治・経済情勢を不安定にさせる恐れがある。状況次第では、トルコ関連のリスクから欧州の銀行株への売り圧力が高まるなどし、世界的にリスクオフが進むこともあるだろう。今すぐ世界経済が混乱に陥ることは考えづらいが、米国とトルコの関係悪化は、世界経済にとって無視できないリスク要因と考えるべきだ。

今回の“トルコショック”発生の背景
ブランソン牧師をめぐる米国とトルコの対立
 2016年7月、トルコでクーデター未遂事件が起きた。これに関与した疑いでトルコ当局に拘束されている米国人アンドリュー・ブランソン氏は、キリスト教福音派の牧師である。トランプ大統領にとって、キリスト教福音派の人々からの支持は、政権維持のための生命線といえる。トランプ氏はトルコのエルドアン大統領に、ブランソン氏の早期解放を求めてきた。そのために、トランプ氏はエルドアン氏からの要請に応えて、イスラエルで拘束されたトルコ人女性の解放に取り組んだのである。

 エルドアン政権は、クーデター未遂事件の首謀者は在米イスラム教指導者のギュレン師と判断し、トルコへの送還を米国に求めているが実現していない。加えて、トルコの国営銀行ハルクバンクはイラン制裁を理由に、米国財務省から捜査を受けている。強権体制を敷きたいエルドアン大統領は米国の対応に反発し、ブランソン牧師を拘束し続けている。

 この状況を受けて、トランプ大統領はトルコの内相と法相に制裁を科した。その上、トルコ産のアルミに20%、鉄鋼に50%の関税を課すことも決めた。それがトルコリラの急落につながった。トランプ大統領としては、トルコへの強硬姿勢を示すことにより中間選挙に向けた米国内での支持率引き上げを狙ったものとみられる。

 トランプ大統領の強硬姿勢に対して、米国内の企業からは反論が出ている。関税引き上げは、パイプライン用の特殊鋼材をトルコ企業から仕入れている米国企業に打撃を与える。トランプ政権が各国に圧力をかける手段として関税引き上げを重視し続けるのであれば、米国企業の資材調達コストは増加し、業績が悪化する恐れもある。

 また、共和党の牙城オハイオ州の補欠選挙では、当初、圧勝が予想された共和党候補が辛くも民主党候補に勝利した。それは、トランプ大統領の強硬姿勢への懸念が高まりやすくなっている兆候とも考えられる。

今後の“トルコショック”の波紋
世界経済は厳しい局面に
 トルコリラの急落=トルコショックから示唆されることは、エルドアン・トルコ大統領の強権的な政策運営には、大きなリスクが伴うということだ。

 このまま、米国とトルコ両国の強硬姿勢が続くと、世界の政治・経済の状況は最終的にはかなり厳しい局面に追い込まれることが考えられる。その中でトルコが経済を安定させていくことは難しい。トランプ大統領が人気取り政策としての対外強硬策を強化する場合には、リスク回避からトルコリラへの売り圧力が高まり、トルコ国内ではエルドアン大統領への不満が高まると予想される。

 それは、世界の政治・経済情勢に波紋を投げかけることになるだろう。

 政治的には、追い込まれたトルコがNATO(北大西洋条約機構)の一員であるにもかかわらず、ロシアに近づく可能性がある。それは、世界情勢を不安定化に向かわせる要因だ。米国とその同盟国であるトルコの対立がさらに深まる場合、トランプ政権と距離をとる国が増えてもおかしくはない。それは、ロシアだけでなく、中国を勢いづかせることになるだろう。

 また、経済面で見ると、既に金融市場では“トルコの次”が取り沙汰されている。経常収支が赤字であり対外債務のGDP比率が高いアルゼンチン、南アフリカ、インドネシアなどの通貨は、リラ安とセットで売られた。トルコリラへの売り圧力が高まりやすい状況は、新興国経済に大きなマイナスとなることが懸念される。

 もう一つ見逃せないのが、トルコの政治・経済への懸念は、欧州地域の金融機関経営にもマイナスの影響を与えることだ。8月10日のリラ急落を受け、スペインBBVA、イタリアのウニクレディト、オランダINGなど、トルコ向けの債権残高が相対的に多い欧州金融機関の株価が下落した。それは、EU域内だけでなく、米国の大手金融機関の株価下落にもつながった。エルドアン大統領の強権重視姿勢は、リラへの売り圧力上昇だけでなく、新興国経済の悪化や欧州金融機関の不良債権問題などへの懸念を高めるリスク要因といえる。

今後の展開予想
「最悪のシナリオ」とは
 トランプ・エルドアン両者の強硬姿勢が変わらず、お互いに引くに引けない状況になることは、世界の政治・経済を不安定化させる可能性が高い。中間選挙を控える中、トランプ大統領は通商・外交面で各国に強硬な姿勢を示し、点数を稼ごうとするだろう。それがどの程度続くのか、先行きはかなり読みづらい。また、トルコのエルドアン大統領も、自らの強権を誇示するために、“やられたらやり返す”の発想で米国に対抗するだろう。

 米国とトルコの関係は、一段と冷え込む恐れがある。その中で、最悪のシナリオが顕在化すると身構える市場参加者は、徐々に増えている。米国がトルコに対して一段と強硬な姿勢で圧力をかければ、トルコからの資金流出が加速するだろう。その影響は、新興国全体での株価、対ドル為替レート、債券価格の下落=トリプル安へと波及する可能性がある。それが現実のものとなれば、世界経済には無視できない下押し圧力がかかるだろう。その状況は、世界経済のメルトダウンというべき状況と考える専門家もいる。

 今すぐに世界経済がこのような状況に直面するリスクは、抑制されていると考えられる。ただ、今後の米国とトルコの関係次第では、急速に先行き不透明感が高まり、世界経済の減速懸念が高まるという展開も排除はできない。

 重要なポイントは、今のところ米国とトルコがどこで妥協しあうか、落としどころが見えないことだ。その見方から、多くの投資家がリスク回避を念頭に、“守り”の資金運用に方針を転換し始めたとみられる。それを示唆する動きとして、新興国株式のインデックスに連動するETFからは資金が流出し始めた。トルコショックを受けて、新興国通貨の為替レートの変動性(ボラティリティ)は急上昇し、2015年半ばから2016年年初にかけての新興国市場混乱期のレベルに迫っている。

 それでなくても、世界経済は、秋の米国中間選挙、英国のEU離脱(ブレグジット)、米中の貿易戦争、中国経済の減速懸念などの不透明要因を抱えている。トルコショックの発生によって、それにもう1つ頭痛の種が増えたことになる。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/246.html#c2

[経世済民128] 黒田総裁は“白旗”か…ついに日銀が「株を買うのをやめた」(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
1. 2018年8月21日 13:11:52 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1245]

相変わらず愚かなゲンダイ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/247.html#c1

[国際23] 米中貿易戦争、中国市民に広がる「反米不買」の声(ニューズウィーク) 赤かぶ
7. 2018年8月21日 16:28:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1246]
中国の「新シルクロード」政策がもたらす波紋を知るHONZ特選本『中国の「一帯一路」構想の真相』
2018.8.21(火) HONZ
本当に読むに値する「おすすめ本」を紹介する書評サイト「HONZ」から選りすぐりの記事をお届けします。

(文:久保 洋介)
中国の「一帯一路」構想の真相 陸と海の新シルクロード経済圏
作者:トム ミラー 翻訳:田口 未和
出版社:原書房
発売日:2018-05-14
 本書は今日の中国の外交・経済財政政策を理解する上で必読の一冊だ。今後、歴史に残るであろう中国の壮大な構想と、その背後にある哲学を理解することができ、また、この構想がアジア域内にもたらす波紋をあたかも現場にいるかのように感じることができる。中国の壮大なビジョンを理解する上で不可欠なガイド本といえよう。
 この中国の壮大な構想こそが『一帯一路』または『新シルクロード』と呼ばれる政策だ。これは2014年に習近平総書記が提唱した経済圏構想で、中国がアジアとその先に広がる地域との連携強化を目指した二つのプロジェクトから成り立っている。中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」と、中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」。いずれも、陸上と海上の双方で産業ベルト・貿易ルートを構築しようとする壮大な試みである。
『一帯一路』といえば一般的には中国の外交政策として認知されているが、国内政策や経済・財政政策としての一面も実は大きい。最近でも、米中貿易戦争による経済的ダメージを軽減するため、『一帯一路』に沿った積極的な経済・財政政策が活用されている。中国共産党は、景気浮揚策として、発展が遅れている国内地域への積極的な公共投資を2018年7月31日の中央政治局会議にて決めたが、投資の向け先の多くは『一帯一路』で今後カギとなる国境拠点にむけられる予定だ。

アジアの国々の経済・文化圏を徐々に変えていく

 このように、中国の外交・経済財政政策を理解する上で『一帯一路』構想を抜きには語れなくなってきているのが現状だ。この構想が成功するか失敗するかについて著者はあえて予言していないが、これが習近平の名声を後世に残すために考案された政策とは断言する。習近平総書記が乾坤一擲で推進する政策であり、失敗は許されない。
 本書では、習近平肝いり政策がどのような意図でかつどのように進められているかを現場からのルポタージュという形式で描写している。各地での点としてのストーリーが『一帯一路』という大きな幹に繋がっていくのが本書の構成だ。
 第一章ではアジアインフラ投資銀行(AIIB)のような多国籍金融システムを通して日米主導のアジア金融システムに風穴をあけていく様が描かれる。アメリカや日本はこのAIIBがブレトン・ウッズ体制を代替することを意図していると警戒するが、著者はAIIBの融資規模からしてそれは過大評価と評す。AIIBはあくまでもアピール用の金融機関でしかないとする。

 それよりも、圧倒的にAIIBよりも融資規模の大きい中国輸出入銀行(Exin Bank)や国家開発銀行(CDB)などが、実質的に中国の海外進出を後押しする機関であると説く。中国輸出入銀行単独の貸出額だけで世界銀行含む主要国際開発銀行七行の貸出額合計よりも多く、この銀行を主軸に中国はアジアのインフラ軍拡競争を勝ち抜こうとしていると分析する。これら銀行抜きには中国政府の意図は読み取れない。
 第二章と第三章では、ロシアの影響力が強い中央アジアや、日本のプレゼンスが高い東南アジアへの積極的なインフラ投資によって、それら国々の経済・文化圏を徐々に変えていく様子が描写されている。中国は自国国境地域である新疆のウルムチやカシュガル、雲南省の昆明や景洪などを貿易拠点とし、次々と道路・鉄道・石油ガスパイプラインを外に向けて敷設していき、周辺諸国の街並みを変えていく。
究極的にはかつての朝貢制度を目論む
 中国による投資によって周辺諸国は良くも悪くも近代化を遂げていき、否が応でも中国につながる道が切り開かれていくのだ。いずれの国々も覇権広げる中国を警戒視しながらも、『一帯一路』プロジェクトがもたらす投資資金というニンジンの前では政治的バランスをとるのが難しくなってきている。
 そんな『一帯一路』構想も成功ばかりではない。ミャンマーやスリランカによる反旗やベトナムを中心とする一部ASEAN諸国が中国への敵対感情からアメリカへのすり寄りも許している。第四章から第六章のストーリーは、中国の思惑が一筋縄ではいかないことを物語っている。
 この『一帯一路』構想を通して中国が目指すのは、中国の資金源を潤滑油とした非公式な同盟ネットワークの構築である。ハードインフラへの投資を軸に自国経済の繁栄と域内での地位確保を目指しており、究極的にはかつての朝貢制度を創出することを目論んでいると著者は分析する。
 数十年後のアジアがどうなっているか楽しみだ。アメリカを軸とした経済・安全保障体制が維持され続けるのか、それとも中国による地域秩序が構築されているのか。いずれにせよ、中国による『一帯一路』構想は大きなうねりを今後も起こしていくことは間違いない。
 このうねりを理解するのとしないのとでは、歴史を理解する上でもビジネスを進める上でも雲泥の差を生むことになるだろう。『一帯一路』が悪名高い大躍進政策の二の舞となるのか、はたまた中国経済と地域秩序を変える政策になるのか、同じ時代に生きるものとして目が離せない歴史のうねりである。

米中もし戦わば
作者:ピーター ナヴァロ 翻訳:赤根 洋子
出版社:文藝春秋
発売日:2016-11-29
足下で起きている米中貿易戦争の理論的支柱となる一冊。これも併せて読むと米中の「今」がわかる。書評はこちら。


久保 洋介
1985年、大阪生まれ。幼少時代を大阪・長崎・ニューヨークで過ごす。京都大学法学部在学時には、日本文化を紹介するイベントを企画し、「京都大学総長賞」「京都学生人間力大賞」を受賞。現在は総合商社にてエネルギー担当。好きなジャンルは、評伝、世界史、サイエンス。
◎こちらもおススメ!
・『スノーボール・アース』
・『そのとき、本が生まれた』本の都、ヴェネツィア
・今週のニュースはこれを読め!4/7〜4/13
・今週のニュースはこれを読め!3/17〜3/23
・『反共感論──社会はいかに判断を誤るか』 スポットライトに照らされる人たちとそうでない人たち


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/685.html#c7

[経世済民128] くら寿司、客離れが深刻な事態に…サイドメニューの魅力低下、騒動連発でイメージ悪化(Business Journal) 赤かぶ
3. 2018年8月21日 16:56:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1247]

>かっぱ寿司 客数は今年5月まで31カ月連続で前年同月を下回る
>6月にようやく前年を上回った。6月の客数は1.1%増
>7月は苦戦し、客数が6.6%減、売上高が1.8%減だった。
>客離れに終止符を打つことができた6月

全然、客離れに終止符を打ってないように見えるが


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/249.html#c3

[経世済民128] トルコショック、市場参加者が身構える「最悪のシナリオ」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月21日 17:42:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1248]

トランプ政権の制裁措置、既に疲弊した新興国市場をさらに圧迫

Selcuk Gokoluk、Aline Oyamada
2018年8月21日 15:41 JST
2018年にトルコ、ロシア、イランに新たな制裁発動
ベネズエラ、17年11月に債務再編の発表に追い込まれる
トランプ大統領の下、米国は敵対国だけでなく友好国にさえも、かつてなかったような制裁を発動している。ロシアとトルコに対する最近の行動は新興国市場に打撃を与え、株価は2016年1月以来最悪のパフォーマンスを記録する流れだ。
           
  米国が発動した制裁と今後の制裁見通し、各国市場の反応は以下の通り。
  

トルコ
  米国は今月1日、スパイ行為とテロ支援容疑でトルコで自宅軟禁となっている米国人牧師の軟禁解除で合意に至らなかったことを受け、トルコの2閣僚に制裁を科した。 北大西洋条約機構(NATO)の同盟国同士としては異例だ。象徴的な意味合いが大きいにしろ、この制裁は投資家をトルコ・リラから逃避させるのに十分だった。
  インフレ加速や膨大な経常赤字、予測不可能な金融政策を背景に、投資家は既にトルコから資金を引き揚げていた。リラは年初から38%下落し、パフォーマンスはアルゼンチン・ペソに次いで悪い。 
               
Sanctions Threat
Debt-to-GDP ratio in countries under U.S. sanctions in last four years
            
ロシア
  米国務省は今月、元スパイのセルゲイ・スクリパリ氏が神経剤で襲撃された事件でプーチン政権に新たな制裁を科すと発表した。22日に発動されるこの制裁では、国の安全保障に関わるとみられる米国製品やテクノロジーの対ロシア輸出を制限。90日後にはさらに厳しい措置が講じられる可能性がある。
  同時に米議会は、ロシアによる米選挙への介入に対抗するため、同国のソブリン債と大手銀行を標的とした制裁強化の法案作成を検討している。
  ロシア・ルーブルは今月約7%下落、このまま推移すると月間ベースでは16年11月以来最も悪いパフォーマンスになる。

             
イラン
  米国は5月8日、中国やロシア、NATO同盟国の反対を押し切ってイランの核合意から離脱し、対イラン制裁を一部再開した。イランの強硬派は制裁再開後に穏健派のロウハニ大統領に対する圧力を強める一方、首都テヘランの規制がかかっていない市場では通貨リアルが急落。一部食品の価格が50%上昇する中で抗議デモが発生し、中央銀行は資本規制に動いた。
  リアルは4月下旬から約80%下落し、1ドル=10万2200リアル付近で取引されている。
          
ベネズエラ
  米国は人権侵害や政治的抑圧、収賄を理由にベネズエラに対して制裁を科し、17年8月にはトランプ政権が同国政府と国営石油会社PDVSAが米国市場で新規発行した債券の取引および同国の公的機関が保有する既発債の一部のディーリングを禁じた。
  これを受けてベネズエラ政府は同年11月、債務再編の発表に追い込まれた。同国の国際債(2027年償還)はその価値の半分余りを失い、同年12月には額面1ドル当たり21.785セントまで下落。現在は28セント付近で取引されている。今週末、ベネズエラ政府は史上最大規模、95%の通貨切り下げを実施するが、これは既に窮地に立たされている国民がさらなる痛みに耐え得るかどうかの試金石となる。

原題:U.S. Sanctions Bring Stress to Already Battered Emerging Markets(抜粋)

 


 

 


ワールド2018年8月21日 / 09:05 / 2時間前更新
インタビュー:米大統領、牧師解放巡りトルコに一切譲歩しない
2 分で読む

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、ロイターのインタビューに応じ、トルコ政府が拘束している米国人牧師の解放を求める上で、同国に一切譲歩するつもりはないと断言した。

またこの問題を巡って、米国がトルコに発動した追加関税が欧州経済に打撃を与えるなど幅広い悪影響をもたらす懸念はないとの見方を示した。

トランプ氏は、イスラエルが拘束していたトルコ人を解放するよう同氏自身が働き掛けた際に、見返りとしてトルコのエルドアン大統領が米国人牧師を自由にしてくれると考えていたことを明らかにした。

エルドアン氏がこうした期待に応えなかったことについて、「トルコの行為はとても残念だ。彼らはひどい間違いをしていると思う。今後何の譲歩もあり得ないだろう」と語った。

米政権の高官が先に語ったところによると、トランプ大統領とエルドアン大統領は7月半ばに開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の場で米国人牧師、アンドリュー・ブランソン氏の問題について協議したという。

同高官によると、トルコは米国に対し、ブランソン氏解放の交換条件として、イスラエルで拘束されていたトルコ国籍の女性、エブル・オズカン氏の釈放をイスラエルに働き掛けるよう求めた。

イスラエルは、トランプ氏からオズカン氏を釈放するよう要請があったことを認めている。オズカン氏は7月15日に釈放された。ただ、トルコ政府はこの見返りとしてブランソン氏を解放することに合意した事実はないとしている。

インタビューでトランプ氏は「私はトルコやトルコ国民が大好きだ。今まではエルドアン大統領とも非常に良好な関係を築いてきた。しかしもはや米国にとって、一方通行の関係は無理だ」と付け加えた。

一方で米国がトルコに鉄鋼とアルミニウムの追加関税を適用したことことが、欧州など他地域の経済に打撃を与える可能性について聞かれたトランプ氏は「私は全く心配していない。これは実行すべき適切な措置だ」と主張した。

<米ロ首脳会談>

トランプ大統領は7月16日にヘルシンキで開催されたロシアのプーチン大統領との会談について、イスラエルの安全保障やシリア情勢、ロシアによるクリミア併合とウクライナ東部への軍事介入、ロシア産天然ガスをドイツに輸送する「ノルドストリーム2」プロジェクトが議題に上ったと明らかにした。

トランプ氏は、米国の対ロシア制裁については首脳会談で触れることはなかったと述べた上で、シリアやウクライナの問題でロシアが「米国にとって好ましい」措置を講じるならば、制裁解除を検討すると表明した。

イランとの関係を巡っては、トランプ氏はロウハニ大統領と会談してイランの核開発について協議することにほとんど関心を示さなかった。

トランプ大統領は7月末に、ロウハニ大統領と会談することに前向きな姿勢を示していたが、イランの最高指導者ハメネイ師は交渉を拒否した。

トランプ氏は、イランの指導部と会談を開くことにこだわっていないと語り、協議の可能性について検討するようイランに働き掛けてもいないと述べた。

 

 

 

 
ついに望み捨てた」−すっかり輝き失った金に投資家あきれ顔
Ranjeetha Pakiam、Elizabeth Burden、Yakob Peterseil、Eddie van der Walt
2018年8月21日 4:03 JST
金ETFから13週連続の資金純流出、この5年間で最長
避難先として大きな失望誘っている−マレックス・スペクトロン
さえない金相場に不名誉な記録が加わった。

  金価格に連動した上場投資信託(ETF)からの資金の純流出が13週連続と、この5年間で最長となった。金のネットショートポジション(売り越し)は過去最大に膨らんでいる。金相場にとって最大の悪材料であるドル高は健在だ。

  新興市場国が混乱し、米国株の強気相場を支えてきたテクノロジー企業への警戒感が広がる中でも、金は今年に入って9%下落している。

  マレックス・スペクトロンの貴金属担当責任者、デービッド・ゴベット氏は「長いことつらい状況に置かれてきたETFの保有者は、金が以前の輝きを取り戻すという望みをついに捨てた。ドルや株式相場、金以外の大抵の投資先の方が良いと判断するに至った」と電子メールで指摘。「唯一言えるのは、安全な避難先としての金は今年、大きな失望を誘っているということだ」とコメントした。

Selling Gold
ETF investors were net sellers for thirteen consecutive weeks


Source: Bloomberg

  米商品先物取引委員会(CFTC)の17日の発表資料によると、ヘッジファンドなど大口投機家の金のネットショートポジションは14日終了週、データがある2006年以降で最大となった。

金相場は今年軟調

デイブレイク:ヨーロッパ。 "(出典:ブルームバーグ)
原題:Gold Investors ‘Give Up Hope’ as Biggest Short in History Builds(抜粋)


 

 

 

 

ビジネス2018年8月21日 / 15:20 / 2時間前更新
ドル一時109円台、米金利低下で全面安
2 分で読む

[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点とほぼ変わらずの110円付近。海外市場でドルが売られた流れが続き、ドルは昼前に一時109.77円まで下落。6月27日以来2カ月ぶり安値をつけた。

ドルは東京市場でも軟調展開が継続。ユーロ/ドルが心理的節目で当面の上値めどとされていた1.15ドル台を上抜けると、損失確定のドル売りが加速した。ユーロは一時1.1544ドルまで上昇。今月9日以来2週間ぶり高値をつけた。

ドルは前日海外に続いて広範に下落。対英ポンドで1.28ドル前半、豪ドルで0.73米ドル半ばと、ともに1週間半ぶり安値をつけた。

ドルが全面的に売られる原動力となったのは、米金利の急速な低下。きっかけは定かではないが、市場筋によると、前日の米債市場では短期筋のまとまった買い仕掛けが先物を中心に入ったもようで、高水準に積み上がっていた売りポジションが相次ぎ買い戻しを迫られたという。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、投機筋の米10年債先物の売りポジションは、8月14日までの週に差し引きで69万8194枚と、過去最大を記録していた。

米10年債利回りは海外市場の終盤に2.81%と、1カ月半ぶり低水準をつけた。

トランプ米大統領が、ロイターとのインタビューで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ方針を「気に入らない」と発言したことに関心を寄せる声もあった。しかしその内容は7月とほぼ同じで、米金利先物市場が織り込む9月の利上げ確率は9割超と、前週末からほぼ不変だった。

市場では、著名投資家でダブルライン・キャピタルの最高経営責任者(CEO)を務めるジェフリー・ガンドラック氏が、前週末に金利低下を警告していたことが話題だった。

同氏は17日、ツイッターで10年債と30年債の売り持ちが過去最大となったことに触れ「かなりのスクイーズ(買い戻し)を引き起こす可能性がある」と投稿していた。


 


 


トランプ氏はパウエルFRB議長に不満、低金利期待が外れ

Jennifer Jacobs、Saleha Mohsin
2018年8月21日 3:26 JST 更新日時 2018年8月21日 13:38 JST

これまでで最も直接的なパウエル議長批判−非公開イベントで漏らす
米金融当局が利上げを継続するなら批判を続けるつもりだとも述べる

トランプ大統領とパウエルFRB議長 Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg
トランプ米大統領は自身が指名したパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長について、低金利政策を推進すると見込んでいたが逆に金利を引き上げていると、ニューヨーク州サウサンプトンで17日に開かれた資金集めのイベントで共和党支持者に不満を漏らした。イベントの出席者3人が明らかにした。

  トランプ氏の大統領就任以降に米金融当局は5回利上げしており、うち2回はパウエル氏が議長になってから実施した。FRBの議長と理事は大統領が指名するが、連邦準備制度自体は独立しており、過去の大統領も、政治を考慮せずに利上げを実施する金融当局に不満を抱くことがあった。

  トランプ大統領はこれまでも、最近の利上げに公然と不満を表明してきたが、今回の非公開のイベントでの発言は、パウエル議長に対する最も直接的な批判に当たる。

  G10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、この発言が報じられた直後に下落した。

  トランプ大統領はロイター通信が20日に伝えたインタビューでも、他の国・地域は米国と貿易摩擦を繰り広げる中、中央銀行の行動に助けられていると発言。「この期間中、金融当局は私を多少でも助けるべきだ。他の国・地域では中銀が便宜を図っている」とした上で、米金融当局が利上げを継続するなら批判を続けるつもりだと述べた。

  トランプ大統領はまた、米国の主要貿易パートナーである中国と欧州連合(EU)について、為替を操作していると非難した。大統領は貿易問題で中国とEUから譲歩を引き出そうとしている。

  トランプ大統領はロイター通信とのインタビューで、「私は中国が為替を操作しているのは間違いないと思う。ユーロも操作されているとみている」と述べた。G10通貨の対ドル上昇をユーロがけん引した。ファンドがアジア取引でユーロなどの売りポジションの買い戻しを余儀なくされたとトレーダーは説明した。
 
  ロイターが説明抜きに引用したトランプ大統領の為替発言は米政府の調査結果と異なっている。米財務省は4月に公表した半期に一度の為替報告書で、中国やEUを含めいかなる国・地域についても為替操作の認定を見送った。

  トランプ大統領は先月19日、経済専門局CNBCとのインタビューで、金融当局が借り入れコストを引き上げ、経済を減速させている可能性があるとして、「うれしくない」と述べた。これは、金融当局の独立性を尊重して大統領は金融政策にコメントしないという20数年間続いていた規範を破る発言だった。

  米金融当局は、過去の景気拡大局面より緩やかなペースで利上げを進めている。失業率が4%を割り込み、このところ経済成長が加速していることを考慮すれば、金利は過去の水準から見て低い。パウエル議長ら当局者は、目標の2%を大幅に超過する兆候を見せないインフレ率を根拠に、利上げに慎重なアプローチで臨んでいる。

  直近の6月の利上げによりフェデラルファンド(FF)金利誘導目標は1.75−2%のレンジとなった。ほとんどのエコノミストはこの水準を中立金利より1ポイント前後下回っており、現在でも米経済成長の減速ではなく、加速を促しているとみている。

  ホワイトハウスのギドリー報道官とFRBのデービッド・スキッドモア報道官はいずれもコメントを控えた。

原題:Trump Said to Complain Powell Hasn’t Been Cheap-Money Fed Chair(抜粋)

(トランプ大統領の為替コメントなどを追加して更新します.)


 


 
米国は保護主義で墓穴を掘りつつあるーBHPビリトンCEO
David Stringer、Rishaad Salamat
2018年8月21日 16:14 JST
世界には相互に貿易を増やしたと考えている多くの国がある
中国は必ずそうした場所に足を踏み入れようとする
米国は自らの保護主義で墓穴を掘りつつある−。世界最大の鉱山会社BHPビリトンのアンドルー・マッケンジー最高経営責任者(CEO)が21日、決算発表後のインタビューでこうした見方を示した。中国を含む各国が互いに貿易を増やそうとするため、米国が敗れるリスクがあるとしている。

  同CEOはブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「世界には相互に貿易を増やしたと考えている多くの国がある一方で、米国はそうした国々との貿易を減らしたいと考えているように見える」と指摘し、「中国が絶対にそうした場所に足を踏み入れ、他の輸出取引を見つけようとするだろうう」と述べた。

マッケンジーCEO

(出所:Bloomberg)
原題:U.S. Will Lose From Trade War as Flows Shift, Top Miner Says (1)(抜粋)

 


 
トップニュース2018年8月21日 / 08:20 / 3時間前更新
トランプ米大統領、FRB利上げ路線を牽制:識者はこうみる
4 分で読む

[21日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利上げを継続する方針であることについて「気に入らない」とロイターとのインタビューで語った。

FRBがもっと緩和的であるべきだとし、「(パウエル議長による)利上げは気に入らない」と大統領は語った。FRBの独立性は経済安定に重要と考えられているため、米大統領がFRBを批判することはまれだ。

──インタビュー:トランプ大統領、米FRBの利上げ「気に入らない」

大統領がFRBの利上げ路線を改めて批判し、米中通商協議での進展に懐疑的な見方を示したことを受け、ドルは一時109.77円と約2カ月ぶりの安値まで下落した。

市場関係者の見方は以下の通り。

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

今回のトランプ大統領の発言について、ヘッドラインだけを見ると、FRBの利上げ路線への批判と中国、欧州の為替操作に不快感を示した7月19、20日の繰り返しに見える。

当時の米連邦公開市場委員会(FOMC)は8月1日の声明文で「力強い」ペースで拡大する経済を強調し、逆にタカ派色を強めたかのようだった。

しかし、その後は米中通商関係の泥沼化が進み、米国は中国の報復措置によって痛みを受ける米農家に財政措置を手当てせざるを得なくなった。米国自身にも貿易戦争の副作用が現れるなか、オハイオ州の補選では共和党候補者が僅差でしか勝利できなかった。

こうした経緯を踏まえれば、今回の利上げけん制は重みが増しており、パウエル議長への「恨み節」のようにも聞こえる。

7月と8月の発言に共通しているのは、為替操作に対する不満の矛先が中国と欧州のみで、日本には向いていないことだ。

7月発言のあと、日銀は質的・量的緩和の柔軟化を行っており、それを既に含みおきした上でトランプ氏は日本を名指ししなかった可能性があるとみていた。

今回も日本が除外されたところをみると、出口戦略と思しきオペレーションのギアを日銀が一段上げる準備が整っているのかもしれない。

総合的に考えると、FRBが政治的な意向を汲むだけでなく、通商戦争による世界経済へのダメージを考慮しタカ派トーンを後退させていく可能性がある一方で、日銀の緩和の微調整は前進すれこそ後退はないため、ドル高修正の時期が早まるとみている。

さらに、11月6日の中間選挙で勝利が危うくなれば、逆算して9月の日米通商協議において日本が為替操作国として新たに名指しされる蓋然性が高まると見ておくべきだろう。

<バークレイズ証券 シニア為替・債券ストラテジスト 門田真一郎氏>

トランプ米大統領による米連邦準備理事会(FRB)への批判は、これまでと内容はほぼ同じでありサプライズはない。ポジションの巻き戻しの材料に使われただけだろう。

焦点は、パウエルFRB議長が今後どうするかだ。政治的圧力に屈するのか、利上げ路線を継続するのか。ここで利上げを止めれば、FRBの独立性に懸念が生じるため、利上げを継続すると考えるのが普通だが、これほどあからさまにFRBを批判する大統領もこれまでいなかった。まずはジャクソンホールでのパウエル議長の講演に注目が集まりそうだ。

もっとも、利上げを継続するとしても、市場はほぼ織り込み済みだ。ドル/円は利上げよりも、米経済の減速などに反応しやすくなるとみている。

<みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

破天荒な政治家とも言えるトランプ米大統領による米連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線へのあからさまな批判が伝わり、ドル安と米長期金利低下がもたらされた。

トランプ氏による利上げけん制発言の直接的なリスクは、独立性を守りたいFRBが景気の強さを強調し、かえって利上げに意固地になり金融政策が硬直化することだ。

9月の米公開市場委員会(FOMC)で利上げしなければならなくなった印象が強い。また、今後も引き締めしすぎるリスクを抱えることになったとみている。

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米国が金融政策を引き締めすぎれば、米景気が早々とリセッションに陥る蓋然性を高め、その結果、金融市場では利下げが視野に入り、ドル安につながるだろう。

トランプ氏はパウエル議長を指名した段階で、この人物なら金融政策を政治都合に合わせてくれると見積もっていたのかもしれない。しかし、中間選挙での再選のリスクもちらつくなか、その見積もりは結果的に誤算となり、それが最近の利上げけん制発言につながっているとみている。

<ジャニー・モンゴメリー・スコットの首席フィクストインカムストラテジスト、ガイ・ルバス氏>

現職の大統領がFRBについて、これまで講じた措置だけでなく、今後取り得る行動について公の場でコメントするのはあまり通常では考えられないことだ。パウエルFRB議長やその他のFRB当局者らが大統領の発言によって大きく姿勢を変えることはないと思うが、FRB理事会の空席を狙うことに関心がある候補者には強いメッセージを送っている。つまり、緩和的金融政策を好むか、そうでなければ別の仕事を探せということだ。

<米サントラスト・アドバイザリー・サービシスの市場ストラテジスト、キース・ラーナー氏>

金利による経済への影響に対し(トランプ大統領が)引き続き懸念を示したというのがニュースだ。大統領は米連邦準備理事会(FRB)について少ししゃべっている。FRBは独立性を保つだろう。マーケットは、政権が金利に対してどう言ったかより、FRBの議事要旨に注目するだろう。

<テンパスのシニア為替トレーダー、ファン・ペレス氏>

ユーロ圏の国内総生産(GDP)やインフレなど経済統計の改善がユーロを支援する中で、安全資産としてのドルの役割は弱まっている可能性がある。これに加え、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ見通しを巡るトランプ氏の発言は、介入による意図的な通貨切り下げという、米国が非難している行為そのもののように見える。

経済のモメンタムが他の通貨の回復を支える一方で、ネガティブな発言がドルを圧迫する中、ドルは今後、困難な局面にさらされるだろう。

<B・ライリーFBRのマネジングディレクター兼首席グローバルストラテジスト マーク・グラント氏>

まず第一に、トランプ大統領と連邦議会は双方とも、たとえば減税や雇用関連の法案を通過させることにより、経済成長を支援している。利用可能なほぼすべての土台において、彼らは成功しつつある。

米連邦準備理事会(FRB)は「正常」な金融政策へ戻ることを目指して利上げを志向し続けている。私は、米国内外の中央銀行による介入により、ほぼ10年にわたり「正常」な状態は存在しなかったと主張したい。私からすれば、一部の学術的理論に基づいて政策金利を引き上げることに、正当な理由などない。

利上げは経済成長を鈍化させる。そのため、大統領と議会が経済を拡大させようとしている半面、FRBはその正反対の方向に進んでいる状態だ。

もう1つ言いたいのは、FRBは独立機関である一方、米国の中央銀行であり、大統領は、所属政党が何であれ、どの大統領にも、中銀が政策として何を実行しているかを問う権利があるということだ。

FRBは1913年の連邦準備法により設立された。計画的に作られた独立機関だが、米国政府の一部でもある。

*情報を追加しました。


 

 

トップニュース2018年8月21日 / 15:15 / 2時間前更新
焦点: 貿易戦争が米企業に迫る「メイド・イン・チャイナ」再考
4 分で読む

[深セン/上海 20日 ロイター] - 約30年前、低コストの世界製造拠点として発展しつつあった中国南部にやってきたラリー・スローブン氏は、これまでに電動工具からLED照明器具に至る数百万ドル規模の製品を、米国の大手小売業者向けに輸出してきた。

そうした時代は終わりを迎えつつあるのかもしれない。

生産コストの上昇や規制強化、さらにサービス業中心の持続可能な経済構築を目指す中国政府の政策がローエンドの製造業を圧迫したことによって、スローブン氏の利益は年々削られてきた。

しかし、最後の一撃となるのは、米中貿易戦争によって高まる新たな関税リスクや、世界で台頭する保護主義だろう。

「一歩、また一歩、さらにもう一歩と、中国での製造コストはどんどん高くなってきていた」と語るスローブン氏。彼は米フロリダ州ディアフィールドビーチに本拠を置く家電製造キャップストーン傘下のキャップストーン・インターナショナル(香港)の社長を務めている。

広範な経済近代化策の一環として、中国政府がローエンドの製造業からハイテク産業へと優遇対象を転換する中で、製造業界はその圧力を感じてきた。

だが関税が発動される中で、「皆ついに目が覚めて、現実に向き合おうということになった」とスローブン氏は語る。製造業界は、「次の関税措置がとどめを刺すかもしれない」と懸念を深めているという。

スローブン氏は、中国でのエクスポージャーを減らして、タイなど成長する製造拠点に足場を広げようとしている。

「チャンスがありそうなのは、タイ、ベトナム、マレーシア、そしてカンボジアだ」とスローブン氏。「だが、皆が思うほど簡単ではない。中国で次に何が起きるのかも分からない」

医療機器から農業用具に至る米国の製造メーカー10数社をロイターが取材したところ、自国向け輸出を手掛ける企業が、どのように中国における製造戦略を見直そうとしているかが浮き彫りになった。

「関税の話が出る前は、生産全体の3割を中国から米国に移すことを検討していた」と、医療製品の米製造会社プレミアガードで欧州ディレクターを務めるチャールズ・ハブス氏は言う。賃金上昇や労働力の縮小、コスト急騰が、その理由だった。

「最近の関税を巡る動きを受け、実際に関税が発効するならば、生産の6割を中国から米国に移すことになるだろう」

他の米国企業も、選択肢を急ぎ検討している。

「現在の関税環境を踏まえれば、われわれのような企業が、社内でその影響を試算し、その軽減策を講じることは、自然なことだ」と中国を拠点とする米大手製造企業の幹部は語った。

対策としては、「中国からの調達拡大を控え、他の国からの調達に切り替えるか、雇用を米国に再移転する」ことなどが検討されるという。

<脅かされるサプライチェーン>

トランプ米大統領が、中国製品に対して追加的な関税発動を脅していることもあり、報復的な貿易戦争の拡大は、深く絡み合い、グローバル化したサプライチェーンに甚大な影響を与える可能性がある。

直接的な打撃を受ける企業もある。

米ジョージア州を拠点とする農業機械メーカーAGCO(AGCO.N)は、米通商代表部(USTR)に対し、江蘇州常州市で製造している農業器具が、関税措置により米国で「価格競争力を失う」と警告した。

化学メーカーのマルーン・グループも、「価格面で市場から追いやられる」と警鐘を鳴らす。米ヒューストンで中国製部品を使ってエアコンを組み立てているグッドマン・グローバルも同様の悩みを抱える。

すでに対策に動いた企業もある。アットホーム・グループ(HOME.N)やRH(RH.N)といった米家具メーカーは、中国生産を減らすことを明らかにした。

サプライチェーンの調整で対応しようと試みている企業もある。蘭栄養食品ロイヤル傘下のDSMチャイナは、中国政府による報復関税を避けるため、原料となる米国産大豆をえんどう豆パウダーなどに置き換えられないか、検討している。

貿易摩擦リスクが高まったことで、「ビジネス全体の見方を再確認するよい機会となった」と、DSMチャイナでグローバル戦略マーケティング責任者を務めるバーナード・チュン氏は語る。

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また、サプライチェーンのどこに位置しているかによっても、対応は変わってくる。

米GMMノンスティック・コーティングスは、中国において、米調理器具メーカーのジョージ・フォアマンやベイカーズ・シークレットなどからの製品コーティング用薬品受注が3─4割減少したことを受け、一部の生産をインドに移した。

これらの顧客は、生産の一部を中国から移転しているという。

「この関税騒ぎで、中国に拠点を持つことに対する圧力が一層高まり、米国企業の調達部門が(生産移転を)極めて容易に決断できるようになっている」と、GMMのラビン・ガンジー最高経営責任者(CEO)は語る。

<2兆ドルの問題>

とはいえ、現段階では、中国にとどまる米国企業も多数存在する。特に中国やアジア地域の巨大市場を狙う企業はなおさらだ、とGMMのガンジーCEOは指摘する。

中国には依然として最適なインフラやサプライチェーン、エンジニアの人材があり、低コストをテコに企業誘致を狙う他の国々にとって、大きなハードルになっている、と業界幹部らはロイターに語った。

規模の面をみても、中国に代わる存在はそうは現れない。米シンクタンクのブルッキングス研究所が7月発表した報告書によると、中国製造業の生産額は約2兆ドル(約220兆円)で、世界最大だった。

AGCO Corp
60.32
AGCO.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+0.31(+0.52%)
AGCO.N
AGCO.NHOME.NRH.N
米カリフォルニア州サンタモニカに本拠を置く電動キックスクーター製造スタートアップのバードは、「バードの規模やニーズに合う電動スクーターを生産できる業者は、米国にはいないと認識している」と、6月にUSTRに提出した意見書で述べている。

同じく中国でスクーターを製造する米新興企業バイテロジックスを率いるキース・シーラッツ氏は、中国からの生産移転は難しいと話す。その代わり、当面はコスト上昇分を負担する一方で、関税影響を受けにくい欧州での事業を拡大する考えだという。

中国の製造業が一夜で消えることはないにせよ、生産拠点のシフトは避けられない──。そう語るのは、特殊な業務用輸送梱包材の製造を手掛ける米プロコンパシフィックで、上海を拠点とするアジア事業の責任者を務めるダン・クラッセンスタイン氏だ。

中国政府が環境汚染源となる利幅の少ない産業に対する締め付けを強めたことで、より安価な労働力を求めて、南アジアや東南アジアへの製造拠点の移転を始めていた、と同氏は語る。

関税強化は「その動きを加速するだけだ」と付け加えた。

プロコンパシフィックは、約5年前まで全ての製造を中国で行っていたが、現在は4分の1をインドで、5─10%をベトナムで製造している。

<そろばん勘定>

中国南部の珠江デルタでは、産業や商業用拠点の賃貸コストが、この8年で8割上昇。一方で、企業側は、労働コストの急騰に不満の声を漏らしている。

「生産コストは、米国の方が中国より安い」と、化学メーカー、ワンダフル・グループのマーケティング担当Yuan Juyou氏は言う。「労働コストは高いが、生産工程の多くが自動化されている。それに加え、電気代や土地代などは、中国より安い」

中国製造会社マルコ・ポーロ傘下のワンダフル・グループは、6月に米テネシー州の新工場から製品出荷を始めた。

アジアの競合国も、中国の地位を脅かす機会をうかがい始めている。

タイは、自国をアジアの生産ハブとして積極的に売り込んでおり、特定産業における最大8年間の法人税免除や、一部原材料の輸入関税免除などのインセンティブを提供している。

タイ投資委員会によると、同国の法人税率は20%で、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の中で2番目に低い水準だ。

タイはすでに、一部家電製品や部品の主要な生産拠点となっており、政府は対象産業の振興を図るため、数カ所の工業団地建設を計画している。

中国とASEANの自由貿易協定も、米中両国と取引している企業にとって、貿易戦争リスクを軽減する効果がある。

「タイ政府は現在、大変容易に拠点を自国に移せるように努めている」と、前出のスローベン氏は指摘。

「かつて中国は、製造業を歓迎していた。だが今ではそこでの成長には関心がなく、ハイテクに注目している」とスローベン氏。「それは妻が夫に、もう愛していない、と告げるようなものかもしれない」

(Samantha Vadas記者, Adam Jourdan記者、Anne Marie Roantree記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

ドル110円前後、米大統領発言で一時2カ月ぶり安値ー中国株高支え
池田 祐美
2018年8月21日 11:15 JST 更新日時 2018年8月21日 15:46 JST
ドルは午前に109円78銭まで下落も、午後に110円15銭まで戻す
ユーロ・ドルは一時1.1542ドルと9日以来のユーロ高値
東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=110円前後で推移。トランプ米大統領による利上げけん制や中国・欧州の為替政策批判を受けて下落したが、その後は中国株の上昇などを背景に買い戻しが入った。
  ドル・円は21日午後3時31分現在、前日比ほぼ横ばいの110円05銭。午前はドル売り・円買いが先行して109円78銭まで下落し、6月27日以来のドル安・円高水準を付けた。その後は徐々に水準を切り上げて午後に入り一時110円15銭まで戻した。ドルは主要通貨に対してほぼ全面安。
  クレディ・アグリコルの斎藤裕司外国為替部長は、「トランプ米大統領発言でドル売りが出たが、上海株がプラス圏で推移しており、安心感が広がった」と説明。今週の米中通商協議に関して「11月6日の米中間選挙までは通商協議で緊張感が続くが、その後は手打ちになりそう。米中協議への期待感は残っている」と述べた。
トランプ米大統領の利上げ批判発言の記事はこちらをご覧下さい。
中国と欧州が為替操作しているとのトランプ大統領発言についてはこちらをご覧下さい。
  21日の中国上海総合指数は続伸し、一時1.5%上昇した。また日経平均株価は小反発し、前日比20円高の2万2219円で取引を終えた。
  
  朝方のドル・円相場下落について、ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「トランプ大統領発言が効いている。パウエルFRB議長に対する批判発言に不安感もある」と指摘。ただ、「FRBは逆に独立していることを含めて利上げ姿勢を示すのではないか」と語った。
  今週は22、23日に米中次官級通商協議、22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表、23日に米中輸入関税発動(160億ドル相当分)、24日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がワイオミング州ジャクソンホールで行われるカンザスシティー連銀主催年次シンポジウムで講演を行うなど重要イベントが続く。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.4%高の1ユーロ=1.1523ドル。一時1.1542ドルと9日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。ステート・ストリート銀の若林氏は、「ドル売りの動きで1.1500ドルでのストップロスを巻き込んで上昇した」と分析した。
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TOPIX続落、円高や米金利低下で輸出や銀行安い−通信大幅安
トランプ氏はパウエルFRB議長に不満、低金利期待が外れ
ECBバイトマン氏:中銀は金融不均衡防止で行動必要になる可能性
ビットコインの分派に乗り換えたバー氏、本流への勝利は厳しい情勢

  

 

 

TOPIX続落、円高や米金利低下で輸出や銀行安い−通信大幅安
長谷川敏郎
2018年8月21日 7:47 JST 更新日時 2018年8月21日 15:37 JST
ドル・円は一時1ドル=109円70銭台、米大統領が利上げに不満観測
菅官房長官発言で通信が午後下げる、中国株上昇で日経平均は反発
21日の東京株式相場はTOPIXが続落。トランプ米大統領が利上げに不満を漏らしたとの観測から為替市場で円高が進み、電機など輸出関連が下落。米金利低下から銀行や保険も安く、通信料金の下落懸念から情報・通信が業種別値下がり率1位。

  TOPIXの終値は前日比6.73ポイント(0.4%)安の1685.42、日経平均株価は20円73銭(0.1%)高の2万2219円73銭と反発。


東証内Photographer: Akio Kon/Bloomberg
  三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネジャーは「国内の新規材料に乏しい中、海外では米中通商問題など材料が目白押しで、動けない投資家が多い」と語る。今週から米中貿易交渉が始まるものの、「市場は交渉は簡単ではないと考えている。米中間選挙までは不透明感が拭えないというのがコンセンサス」だと付け加えた。

  きょうの為替市場でドル・円相場は一時1ドル=109円70銭台と、東京株式市場の20日終値時点110円59銭に比べてドル安・円高に振れた。トランプ米大統領はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長について、低金利政策をとると見込んでいたが逆に金利を引き上げていると、資金集めのイベントで不満を漏らした。出席者が明らかにした。20日の米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.82%と、7月6日以来の低水準。


  SMBC日興証券投資情報部の松野利彦氏は「国のトップが金融政策に影響を与えようとしている点でトランプ大統領もトルコのエルドアン大統領と同じ」とした上で、「世界経済にピークアウト感が出るなど、米利上げペースがマーケットが認識していた通りで良いのか懸念が出ているだけに、マーケットは反応しやすい」と述べた。

  一方、中国上海総合指数が大幅高となるとともに、午後は先物主導で指数がプラスに浮上した。ただ、TOPIXは通信株の下げが響き再度下落に転じて終えた。対中関税案に関する3回目の米公聴会が20日から6日間の予定で始まり、証言する米企業経営者や業界団体代表のほとんどが追加関税に反対を表明する見込み。今週はワシントンで約2カ月ぶりに米中公式協議が開かれ、王受文商務次官とマルパス米財務次官(国際問題担当)が交渉する予定だ。

  アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「通商問題によって景気が大きく加速して企業収益をけん引していく形がみえない」としながらも、「TOPIXの1年先PERは13倍半ばとアベノミクス以降のレンジの下限。ここからショートして利益を出せるバリュエーションではない」と語る。今週の米中交渉はあまり進展が期待されていないとし、「今後の日程を意識した話や落としどころのたたき台が出てくるようならマーケットにプラス」と予想していた。

東証1部33業種では情報・通信、サービス、卸売、ゴム製品、保険、非鉄金属、銀行など24業種が下落、情報・通信については菅官房長官が講演で、日本の携帯電話料金は4割程度下げる余地があると発言したと共同通信が伝えて売られた
医薬品やパルプ・紙、証券・商品先物取引、化学、その他金融など9業種は上昇
売買代金上位ではKDDIやNTTドコモ、楽天、三菱商事が安い
東海カーボン、安川電機、テルモ、コーセー、クレディ・スイス証券が格上げしたレーザーテックは高い


 
ECBバイトマン氏:中銀は金融不均衡防止で行動必要になる可能性
Carolynn Look
2018年8月21日 13:43 JST
バイトマン独連銀総裁、ECB次期総裁の最有力候補
「長期的には物価安定と金融の安定は相互に補完し合える」
欧州中央銀行(ECB)の次期総裁最有力候補であるバイトマン独連銀総裁は、金融の不均衡防止のために必要ならば行動する用意が、政策当局には必要だとの考えを示した。

  バイトマン氏は、金融当局は物価安定という一つの責務だけを担い、資産価格抑制などの課題はユーロ圏の政府当局に委ねるべきだと述べた上で、こうしたマクロプルーデンスの手法はまだ十分に理解されていないと認めた。


バイトマン独連銀総裁Photographer: Bloomberg
  同氏は20日にフランクフルトで開かれた会合で、「金融の不均衡が大きくなった場合、金融政策は完全に受け身であり続けるべきか?私見では、それは誤りだと思う」と言明。「われわれが経験したとおり、金融危機はマクロ経済の動向に大きな影響を及ぼし、最終的には物価安定を保証する中銀の能力をも左右する」と指摘した。

  ECB政策委員会メンバーのバイトマン氏は、ドラギECB総裁の任期が2019年10月に満了した後、次期総裁に就任する最有力候補と目されているが、異例の景気刺激策に難色を示す姿勢のため、過度にタカ派寄りとの懸念が一部の国で浮上している。バイトマン氏は同会合で、ユーロ圏で一部資産のバリュエーションが高いのは政策金利の低さが一因だという説は「妥当と思われる」と述べた。

  同氏は、金融安定という追加の責務を中銀が担うことには効用より害が大きいだろうが、中銀が介入し得る場合もあると論じ、「長期的には物価安定と金融の安定は相互に補完し合える。このため、インフレに関する長期的な視点に立てば、中銀の責務は一つであっても金融の不均衡拡大に対して行動しなければならないことはあり得る」と説明した。

原題:ECB’s Weidmann Says Central Banks May Need to Tackle Imbalances(抜粋)

 

ベネズエラ、通貨切り下げ後の混乱に備える−21日連休明け
Fabiola Zerpa
2018年8月21日 10:47 JST
通貨切り下げ、新しい通貨導入、ストライキ、パニック感が待ち受け
連休3日間は落ち着いた状況−政府は準備で月曜日を祝日に
ベネズエラのマドゥロ大統領は95%の通貨切り上げ発表のタイミングを金曜日に合わせた。長い週末となったその後の3日間、国内は落ち着いており静かでさえあった。しかし状況は連休明け火曜日の21日に劇的に変わる見通しだ。

  数年前からハイパーインフレに見舞われているベネズエラでは新たな通貨「ボリバル・ソベラノ」の導入と、通貨の単位を5桁減らすデノミが同時に実施されるもののの、市民は物価急騰を目の当たりにする可能性がある。それに加え、野党や労働組合は通貨切り下げは苦境に追い打ちをかけるとして、24時間の全国的なストライキを計画している。


8月20日、ボリバル・ソベラノの新しい紙幣を見せる市民写真家:Carlos Becerra / Bloomberg
  トリノ・キャピタルのチーフエコノミスト、フランシスコ・ロドリゲス氏は20日付の顧客向けリポートで、マドゥロ大統領が打ち出した計画は「一貫性がなく、具体性に欠ける」とし、経済安定に向けたいかなる試みも大きな信頼性の問題を生じさせる可能性を示唆した。

  マドゥロ政権は国内のパニック拡大を抑える措置を講じる。最低賃金は3300%以上引き上げられ、生活必需品50品目の統制価格も21日に発表される。政府は身分証明書「祖国」カードを保有する市民の生活を移行期間中に支援するための給付金支払いも開始している。

  ただこうした計画は不安定な基盤の上に成り立っている。ボリバル・ソベラノの価値は原油を裏付けとする仮想通貨「ペトロ」に連動する。ペトロは変動し、物価設定に利用される見通しだが、ロドリゲス氏によると、ペトロは機能しているいかなる市場でも取引されていない。

  20日は首都カラカスの街中は閑散としていた。政府は新たな措置や銀行システムの準備に充てるためこの日を祝日とした。大半の企業は休業し、市民は自宅にとどまったり、海岸に行ったり、営業している数少ない商店に出かけたりした。

原題:Venezuela Ready for Confusion or Chaos as Devaluation Takes Hold(抜粋)


 
ビットコインの分派に乗り換えたバー氏、本流への勝利は厳しい情勢
Olga Kharif
2018年8月21日 12:41 JST
バー氏は「ビットコイン・ジーザス」と呼ばれることが多い
「ビットコインキャッシュ」は商取引でほとんど利用されず−分析

ロジャー・バー氏 Photographer: Paul Yeung/Bloomberg
「ビットコイン・ジーザス(教祖)」と呼ばれることが多いロジャー・バー氏は、信奉する通貨を第2のビットコインとも見なされる「ビットコインキャッシュ」に変更したが、追随する人は少ないようだ。

  ブロックチェーン分析会社チェーンアリシスによると、ビットコインから分裂したビットコインキャッシュは、商取引でほとんど利用されていない。「ビットペイ」や「ゴーコイン」など世界の主要17の仮想通貨決済サービスが取り扱った支払いの調査によると、ビットコインキャッシュでの支払いは5月に370万ドル(約4億700万円)と、3月の1050万ドルから減少した。一方、ビットコインでの支払いは5月に6000万ドル。昨年9月には4億1200万ドルだった。

Payments Received by Top Crypto Merchant Processors
Bitcoin Cash use in commerce is declining


Source: Chainalysis

  チェーンアリシスのシニアエコノミスト、キム・グラウアー氏は電話取材に対し「ビットコインキャッシュはユーザー数も保有者数もビットコインより少ない」と語った。

  ビットコインキャッシュは1年前にビットコインから分裂して誕生。バー氏はビットコインキャッシュに乗り換え、同通貨に投資するとともに、自身が運営するビットコイン・ドット・コムのサイトをビットコインキャッシュ中心に作り直した。以来、それぞれの通貨の支持者がツイッターなどで厳しい意見のやり取りをしている。バー氏はコメントを求める要請に今のところ応じていない。

原題:‘Bitcoin Jesus’ Having a Hard Time Winning Over True Believers(抜粋)


 

 


ワールド2018年8月21日 / 08:20 / 2時間前更新
インタビュー:トランプ氏、米中通商協議に「多くは期待せず」
1 分で読む

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、ロイターとのインタビューで、今週ワシントンで行われる中国との通商協議で多くの進展が得られるとはみていないと述べた。

大統領は、中国との貿易摩擦の解消に「期限はない」とし、「中国と同様に、私は長期的な視野を持っている」と述べた。

その上で、中国の代表団はまもなく到着する予定だが、協議に「多くは期待していない」と語った。

大統領は、対中貿易摩擦の解消には時間を要すると指摘。「中国は余りにも長い間、余りにも好調だった。中国はわがままになった」との見方を示した。

通商協議に臨む中国の代表団は王受文商務次官が率いており、米側はマルパス米財務次官(国際問題担当)が率いる。

協議が再開される一方で、米政府は東部時間23日午前0時01分(日本時間午後1時01分)に160億ドル分の中国製品に対する新たな関税を発動する予定で、中国も同規模の報復措置を取る構えだ。

米通商代表部(USTR)はまた、20日から6日間の日程で、2000億ドル相当の中国製品に関税を課す提案について公聴会を開催している。

*見出しを修正しました。


 

 

テクノロジー2018年8月21日 / 08:50 / 9時間前更新
インタビュー:米大統領、ソーシャルメディアの利用禁止「非常に危険」
2 分で読む

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、ロイターのインタビューに応じ、ツイッター(TWTR.N)やフェイスブック(FB.O)などのソーシャルメディア企業が一部のユーザーに自社サービスの利用を禁止した措置について「非常に危険」だと述べた。

トランプ大統領は、5300万人以上がフォローするツイッターのアカウントを持っており、自らの意図を宣伝したり、政策の発表や、批判に対する反論を展開。大統領職の遂行にとって不可欠であると同時に、物議を醸す要因となっている。

大統領は「名前は挙げないが、(ソーシャルメディア企業が)特定の人をツイッターやフェイスブックから外すとき、彼らは非常に危険な決定をしている。あなたが対象になる可能性もあるからだ」と語った。

ソーシャルメディア業界は、一部の外国政府に不当に利用されているとして米議会から厳しく追及されている。

トランプ氏は18日一連のツイートで、ソーシャルメディア企業が「共和党/保守派の主張を全面的に差別している」と批判したが、企業の具体名は挙げなかった。

アップル(AAPL.O)とアルファベット(GOOGL.O)傘下のユーチューブ、フェイスブックの3社は、極右的な主張と陰謀論で知られる政治評論家アレックス・ジョーンズ氏が運営するウェブサイト「インフォウォーズ」によって投稿された一部のコンテンツを削除した。ツイッターは15日、同氏のアカウントを一時的に停止した。

トランプ氏は大統領就任前の2015年12月、ジョーンズ氏が司会を務めインフォウォーズが制作したショーに出演している。

ツイッターとフェイスブックは、トランプ氏の声明に対するコメントを控えた。アップルとグーグルからのコメントは得られていない。

Twitter Inc
32.6
TWTR.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
-0.13(-0.40%)
TWTR.N
TWTR.NFB.OAAPL.OGOOGL.O
7月の下院司法委員会での公聴会で、フェイスブック、グーグル、ツイッターの幹部らは、政治的理由によりコンテンツを削除したことはないと証言。ツイッターの上級ストラテジスト、ニック・ピクルス氏は「当社の目的は会話のためのサービスを提供することであり、個人の信条について価値判断を行うことではない」と述べた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
ワールド2018年8月21日 / 08:45 / 2時間前更新
インタビュー:米大統領、モラー氏聴取による「偽証罪のわな」懸念
1 分で読む

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、ロイターのインタビューに応じ、ロシアによる2016年米大統領選への介入疑惑を巡るモラー特別検察官の捜査について、いかなる宣誓証言をしても自らに対する偽証罪の証拠として利用される恐れがあることを懸念していると述べた。

捜査を巡っては、トランプ氏の顧問弁護士であるルディ・ジュリアーニ氏も、モラー氏の聴取に応じることは「偽証罪のわな」に陥る可能性があると警告していた。

トランプ大統領は、自らの証言がコミー前連邦捜査局(FBI)長官といった他者の証言と突き合わされ、何らかの食い違いがあれば自らに不利に働く恐れがあるとの懸念を表明。「彼(コミー氏)はモラー氏の親友であるため、モラー氏は『それではコミーを信じる』と言う可能性がある。たとえ私が真実を述べたとしても、私はうそつきにされる。それは良くない」と語った。

ただ、こうした疑念にもかかわらず、大統領はモラー氏の聴取に最終的に応じるかどうかについてコメントをしなかった。また、トランプ氏の外交政策などを批判していたジョン・ブレナン元中央情報局(CIA)長官に対して行ったように、モラー氏から機密情報を扱うのに必要なセキュリティー認証を剥奪する可能性についてもコメントを避けた。

トランプ大統領は「それについてはじっくり考えたことはない」と語った。

大統領はインタビューの中で、ツイッターでほぼ毎日投稿しているように捜査への不満を表明。モラー氏の捜査チームは偏見を抱いているとの主張を繰り返した。

また、自身が捜査への介入権限を持つと強く主張。ただ、今のところ権限を行使しないことを選択しているとした。

大統領は捜査について、ロシアとの関係強化に向けた自身の取り組みを妨げているほか、米国民の対立を招いているとして非難。「まんまとロシアの策略にはまった」と述べた。

ロシアが米大統領選挙に介入したとの結論を米情報機関は下しているが、ロシアを非難することはなかった。

*見出しを修正しました。

 


ワールド2018年8月21日 / 08:25 / 9時間前更新
インタビュー:米朝首脳の再会談、可能性最も高い=トランプ大統領
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[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、ロイターのインタビューに応じ、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と再び会談する「可能性が最も高い(most likely)」と述べた。北朝鮮の非核化を巡っては、同国が具体的な措置を取ったと信じていると語った。

北朝鮮との関係について、「多くの良い事が起きている」とする一方、米中貿易摩擦を背景に中国から以前ほど支援を得られていないと不満を表明した。

トランプ氏は、北朝鮮問題に取り組んでいるのは3カ月にすぎないと主張。一方で前任者たちは30年間もこの問題に取り組んできたと指摘した。

「私が(北朝鮮の)核実験を止めた。私が(北朝鮮の)ミサイル実験を止めた。日本は感激している。次に何が起きるか。今に分かるだろう」と述べた。

金委員長との関係について「相性が良い」と指摘。「私は彼が好きで、彼も私のことが好きだ」とした上で、「その後弾道ミサイルは打ち上がっておらず、平穏な期間が長く続いている。金委員長とは非常に良好な個人的関係を築いている」と述べた。

再会談の見通しに関する質問に対しては「開催する可能性が最も高いが、コメントはしたくない」とし、時期などについては触れなかった。

米朝首脳会談前に主要核実験場を廃棄した以外、北朝鮮は非核化に向け具体的な措置を取ったかとの質問に対してトランプ氏は「措置を取ったと思う」と述べたが、詳細は語らなかった。

トランプ氏は、首脳会談前に北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放したことにも言及した。

*見出しを修正しました。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/250.html#c1

[経世済民128] ベネズエラのデノミ(在野のアナリスト) 赤かぶ
3. 2018年8月21日 18:00:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1249]
コラム2018年8月21日 / 13:30 / 4時間前更新
コラム:迷走ベネズエラ、デノミや新通貨制度は無意味
Martin Langfield
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[ニューヨーク 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ベネズエラのマドゥロ大統領が、経済危機の解決にほとんど意味のない新たな施策を打ち出した。

17日夜に発表されたのは通貨ボリバルのデノミネーション(通貨単位の変更=デノミ)と、新ボリバルと政府が支援するよく分からない仮想通貨をペッグさせる制度、最低賃金引き上げだが、財政赤字をさらに膨らませるだけに終わる公算が大きい。

ベネズエラで「経済政策」と呼ばれるおとぎ話の世界では、物価と給与、新通貨を仮想通貨「ペトロ」と連動させることによって、ボリバルをドルのくびきから解き放つらしい。ペトロとはマドゥロ政権が今年に入って導入した仮想通貨で、世界最大規模のベネズエラの石油埋蔵量を裏付けとしているが、その方法がはっきりしない。たとえ極めて有能な政府が対処するとしても、こんな仕組みは機能しそうもない。

そしてマドゥロ大統領の政府は有能とは言えない。

国際通貨基金(IMF)は、今年のベネズエラの物価上昇率が100万%に達すると予想する。実質的に同国唯一の外貨獲得源である石油の生産は、国営石油会社PDVSAの経営の不手際のため、日量150万バレルないしそれ以下に落ち込んでいる。

数少ない明るいニュースとして、PDVSAと米石油大手コノコフィリップス(COP.N)の争いで和解が成立し、PDVSAはカリブ海の製油施設からの輸出が可能となった。しかし生産量は1950年代以降で最も低く、国内総生産(GDP)は減少が止まらない。

多くのベネズエラ国民は栄養失調に苦しみ、数十万人が経済的な機会を求めて同国を脱出した。

マドゥロ氏としては、多額の補助金で低く抑えてきた国内のガソリン価格を引き上げるという今月発表した計画をやり遂げるまでの間、最低賃金の引き上げによって経済を一息つかせたいと望んでいるのかもしれない。この取り組みは、ベネズエラ政治の機微に触れる政策だからだ。

ガソリン価格引き上げの狙いは、燃料の密輸を阻止し、財政資金を節約することにある。だがあっさり期待が裏目に出てもおかしくない。多くの国民は、燃料価格引き上げをきっかけに全国的な抗議行動が激化した1989年の「カラカス暴動」を思い起こす。

マドゥロ氏は、政府当局に登録した自動車を持つ国民への補助金を維持する形で、痛みを限定したい意向だ。ただしそれは補助金を受け取れる人とそうでない人の間で緊張を増幅させるだけでしかないだろう。

いずれにしてもベネズエラという船は、巨大な氷山に衝突するコースをたどっているのではないか。

ConocoPhillips
70.52
COP.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+0.75(+1.07%)
COP.N
COP.N
●背景となるニュース

・ベネズエラは20日、通貨ボリバルからゼロを5つ取るデノミを実施した。マドゥロ大統領が打ち出したハイパーインフレ対策の一環。この日は政令で休日となった。IMFは、ベネズエラの物価上昇率が今年100万%に達すると予想している。

・デノミと同時に最低賃金の3000%引き上げと、歳入増加のための増税、給与と物価、為替レートを仮想通貨ペトロにペッグする制度の導入も明らかにした。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/245.html#c3

[経世済民128] 日本への影響は…トランプ「四半期決算見直し」指示の波紋(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
1. 2018年8月21日 18:09:56 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1250]

相変わらず問題の本質が見えていないようだが

情報開示の時期が遅くなるほど、投資家はリスクプレミアムが必要になる

つまり企業にとって、資本コストは上昇する

だから四半期で公開するか半期で公開するかではなく

企業自身が、決めれば良いだけのことだ


日本の株価のPERが低いのも、リスクプレミアムが高いためだが

日本企業の場合、超金融緩和政策のせいで、資本コストを意識しなくても良いから

情報公開意識も低い


企業の長期計画を邪魔されにくくなるというメリットもあるが

バブル崩壊後に日本では、単に意思決定を遅らせ、傷を深めただけという場合が多い


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/251.html#c1

[経世済民128] 「携帯料金 競争働かず 4割下げる余地ある」菅官房長官(かいけつの いまどきにゅうす かわらばん) 怪傑
1. 2018年8月21日 20:35:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1251]

トップニュース2018年8月21日 / 18:50 / 1時間前更新
焦点:官房長官発言で携帯電話会社に再び激震、狭まる値下げ包囲網
2 分で読む

[東京 21日 ロイター] - 21日の東京株式市場で、国内携帯電話大手3社の株が売られた。菅義偉官房長官が「携帯電話料金は4割程度下げる余地がある」と発言したことが伝わり、収益悪化懸念が出たためだ。携帯電話会社を巡っては、総務省や公正取引委員会も現行の商慣行や料金制度を問題視しており、値下げ包囲網は狭まりつつある。

21日の東京市場でNTTドコモ(9437.T)は4.0%安、KDDI(au)(9433.T)が5.22%安、ソフトバンクグループ(9984.T)が1.63%安で大引けを迎えた。

きっかけは菅官房長官の発言だ。共同通信によると、菅義偉官房長官は同日行った札幌市での講演で、大手携帯電話会社は巨額の利益を上げているとしたうえで「競争が働いていないと言わざるを得ない」と指摘。「携帯電話料金は、今より4割程度下げる余地がある」と述べ、通信料金の改革に意欲を示した。

実際、2018年3月期の営業利益をみると、ソフトバンクグループが前年比27.1%増の1兆3038億円、ドコモが同3.0%増の9732億円、KDDIが同5.5%増の9627億円と、3社とも国内トップ10に入る利益を稼いでいる。ドコモの親会社NTT(9432.T)も含めれば、トップ10のうち4社が通信会社という状況にある。

首相官邸が携帯電話料金に注文を付けたのは、今回で2回目。最初は2015年9月で、安倍晋三首相が経済財政諮問会議で通信料の引き下げに向けた方策を検討するよう指示したことで、3社の株は大きく売られた。

総務省はこの指示を受け、携帯電話市場改革を加速。通信料高止まりの一因とされている通信と端末のセット販売を分離する政策を推し進めたほか、楽天(4755.T)の携帯電話参入を認めるなど、通信料の値下げにつながる競争環境を整備してきた。

これには公正取引委員会も援護射撃し、通信と端末のセット販売はその程度により独占禁止法上問題となる恐れがあると警告している。

総務省の家計調査によると、2010年に3.66%だった世帯消費に占める電話通信料の割合は、2016年に4%を突破し、2017年には4.18%とじわりと増加している。固定電話は減少しており、代わりに増えているのが携帯電話だ。2017年の携帯電話の通話料は年間10万0250円と、初めて10万円を突破した。

ある総務省幹部は「通信料金が、他の消費を圧迫している」と述べ、現在の通信料の水準に不満を漏らした。

これに対して、ドコモは「これまでもさまざまな顧客還元を行ってきたが、今後もサービスの向上を目指して、顧客の要望を踏まえた料金サービスの見直しや拡充を順次検討、発表していきたい」(広報担当者)としたほか、KDDIも「引き続き、顧客ニーズに応えられるようサービスの向上に努めていく」(同)とコメント。ソフトバンクも「引き続き顧客にとってより良いサービスを検討していく」(同)との見解を示した。

今回は、ソフトバンクグループの下落率がもっとも小さかった。同社は通信会社というよりも、投資会社の色彩を強めていることが背景にあるが、通信子会社は年内に株式公開(IPO)を準備中だ。料金の値下げに追い込まれれば、IPOに影響が出る可能性も否定できない。

NTT Docomo Inc
2820.0
9437.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-117.50(-4.00%)
9437.T
9437.T9433.T9984.T9432.T4755.T
志田義寧 編集:田巻一彦

 


 



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/252.html#c1

[経世済民128] 日本への影響は…トランプ「四半期決算見直し」指示の波紋(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
2. 2018年8月21日 20:42:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1252]

トランプ政権の功績を台無しにする張本人とは

By Gerald F. Seib
2018 年 8 月 21 日 14:48 JST 更新

筆者のジェラルド・F・サイブはWSJチーフコメンテーター

***

 パラレルワールド(現実世界とは異次元の世界)にしばし思いをはせてみよう。そこはドナルド・トランプ米大統領が元補佐官オマロサ・マニゴールト・ニューマン氏のことを「犬」呼ばわりせず、ジョン・ブレナン元中央情報局(CIA)長官の機密情報へのアクセス権を剥奪せず、米連邦捜査局(FBI)当局者らを攻撃する10件のツイートを行わず、ロバート・モラー特別検察官の捜査に関する新たな11件の批判的見解を示さなかった世界だ。

 このパラレルワールドでは以下のどの話題が大きな注目を集めただろうか。

・商務省が発表した7月の小売売上高で食料品店や外食、百貨店の数字が好調だった。

・株価の1日の上げ幅が過去4カ月で最大となった。

・急性アレルギー反応の応急処置薬「エピペン」の後発薬を食品医薬品局(FDA)が承認した。

・トランプ政権の強硬姿勢に動揺を強めているように見える中国当局者らとの貿易交渉が再開した。

 恐らく、これら全てがもっと注目されていたはずだ。このことはまさに、トランプ政権の最も不可解な側面を物語っている。それは、論争と闘争を好むトランプ大統領の性格が、自身の一番の功績を損なっているという状況だ。

 従来の大統領であれば、ホワイトハウスはたいてい、そして大統領は特に、批判者を無視し、抗争をできるだけ避けていただろう。代わりに話題にできる良いニュースがある場合はなおさらだ。ホワイトハウスはやはり、国民的議論の口火を切ることができる究極の「公職の権威」なのだ。

 そして実際、トランプ・ワールドには話題に出来る良いニュースがある。経済情勢は歴代大統領がうらやむほどのものだ。経済は着実に成長し、雇用は拡大している。小売売上高は増加し、株価は上昇している。労働生産性の伸び率は近年奇妙なことに停滞していたが、先週発表された統計では上昇した。ほとんど注目されなかったが、新たな進展だ。

 もちろん、この経済拡大は大規模減税を受けた一時的な「興奮状態」に過ぎないかもしれない。減税に伴って膨らむ財政赤字は持続不可能な水準に達する可能性がある。中国は米国との深刻な貿易戦争をめぐる不安を鎮めようとしているようだが、それもいつ暗転するかは分からない。

 だが今のところ、それらは現実となっていない。問題は、大統領が往々にしてネガティブな面に関心をそらしてしまうことだ。トランプ氏は、経済界にいた時の長年のやり方から離れることができないでいるようだ。つまり、自分に挑む者は誰であれ反撃するという手法だ。

 そうした手法は不動産業界でのバトルや、場合によっては選挙活動でも通じるかもしれない。しかし、大統領職にあっては、絶えずカウンターパンチを打つ行為は、実際にはパンチを打ってくる相手に主導権を引き渡す。大統領が持つ力の一つは、批評家を無視し、彼らを酸欠状態にし、関心をどこか他の違うところに向かわせることだ。

 かつてロナルド・レーガン氏やビル・クリントン氏が特別検察官などの捜査に直面した際、両者は捜査状況やそれらに関するニュースを大統領執務室内に入ってこないよう遮断するシステムを設けた。とりわけレーガン氏は側近からの勧告に従い、イラン・コントラ事件に関しては捜査が終わるまで質問にさえ答えなかった。対照的にトランプ氏は、モラー特別検察官による捜査の話題をほぼ毎日のようにホワイトハウスに持ち込んでいる。

 トランプ大統領と側近たちは、メディア(あるいは別名「フェイクニュース」ないし「民衆の敵」などとも呼ばれる)が悪いニュースや物議を醸す話題だけに集中していると非難している。ただ、歴代大統領も例外なく同じ不満を繰り返してきた。トランプ氏はこれを踏襲する45人目の大統領となるだろう。つまりこれは大統領の職務領域から外れるものではない。

 実際はほとんどの場合、自身を怒らせるようなストーリーをメディアに書かせているのはトランプ氏本人に他ならない。メディアを無視するのを拒むことによって、そうさせているのだ。モラー氏に対する連日の攻撃は、実際には捜査にスポットライトを当て続ける行為だ。大統領が公の場で特別検察官やFBI捜査官、元CIA長官を名指しで攻撃すれば、それは無視できたり無視すべきニュースではなくなるのだ。

 トランプ大統領が公に発するメッセージの状況は同氏のツイートから概ね計測できる。過去1週間の本数は以下の通りだ。モラー氏の捜査、ブレナン元CIA長官、マニゴールト・ニューマン氏に関する投稿は計43本。経済に関するツイートは計7本のみだ。

 こうしたツイートによる代償の一つは、他の分野でのポジティブな動きから関心が離れてしまうことだ。その主たる例は、FDAのスコット・ゴットリーブ長官が現在進めている取り組みだ。同長官の目下最優先の課題の一つは、医薬品価格の引き下げに関する話し合い以上の方法を探り、実際に引き下げることだ。とりわけ、高価なブランド医薬品の後発薬の認可を迅速化することだ。

 このような取り組みが先のエピペンに関する決定につながった。全米で命を救う医薬品のコストを引き下げる動きだ。それは米国市民にとって、マニゴールト・ニューマン氏に関する大統領のツイートよりもはるかに重要だ。

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インタビュー:トランプ大統領、FRB利上げ「気に入らない」

ビジネス2018年8月21日 / 07:24 / 3時間前更新
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[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、ロイターのインタビューに応じ、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利上げを継続する方針であることについて「気に入らない」と述べた。また、中国や欧州連合(EU)が通貨を操作していると非難した。

トランプ氏は、FRBがもっと緩和的であるべきだとし、「(パウエル議長による)利上げは気に入らない」と述べた。パウエル議長はイエレン前議長の後任としてトランプ氏が指名した。

FRBの独立性は経済安定に重要と考えられていることから、米大統領がFRBを批判することはまれだ。

インタビューを受けて米株は終盤に値を下げ、ドルも主要通貨に対し小幅下落した。

通貨については、他国が厳しい通商協議の際に中央銀行の対応によって恩恵を受けているのに対し、米国はFRBの支援を受けていないと主張。

「われわれは非常に強力に他国と交渉しており、勝利するつもりだ。しかし、この間にFRBから何らかの助けがあるべきだ。他国は支援を受けている」との見解を示した。

また「中国は間違いなく為替操作をしていると思う。ユーロも操作されていると考える」と述べた。

トランプ氏はこれまでたびたび、中国が人民元相場を操作していると批判している。ただ、米財務省は半期ごとに公表する為替報告書で、今のところ中国の為替操作国認定を見送っている。

FRBの独立性を支持するかとの質問に対しては「FRBが国のために良いことを行っていると信じている」と語った。

自身がFRB議長に指名したパウエル氏については「自分の選択に満足しているかどうか、それは今後7年で明らかになる」とコメントした。

ジャニー・モンゴメリー・スコットの首席フィクストインカムストラテジスト、ガイ・ルバス氏は、現職の大統領がFRBについて、これまで講じた措置だけでなく、今後取り得る行動について公の場でコメントするのはあまり通常では考えられないことだ、と指摘。パウエルFRB議長やその他のFRB当局者らが大統領の発言によって大きく姿勢を変えることはないと思うが、FRB理事会の空席を狙うことに関心がある候補者には強いメッセージを送っている。つまり、緩和的金融政策を好むか、そうでなければ別の仕事を探せということだ、と説明した。


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オプションで米国株の大変動に備えるトレーダー−今回は上下両にらみ
Luke Kawa
2018年8月21日 11:49 JST
• 米株が2カ月で5%高または9%安なら利益生むオプションに需要
• 「方向についてはさっぱり分からない」とクレディSのシュ氏
高値の更新か、それとも上昇基調の終わりか。米S&P500種株価指数が1月の過去最高値に接近する中、トレーダーらはどちらの方向にも動く可能性に備えている。それも大きな変動にだ。
  
  S&P500種が向こう2カ月に5%上昇、あるいは9%下落すれば利益を生む2カ月物オプションの需要が、S&P500種の現行価格にもっと近い権利行使価格のオプションと比べて高まっている。
 
  クレディ・スイスのチーフ株式デリバティブストラテジスト、マンディー・シュ氏は20日の顧客向けリポートで、10デルタと25デルタのコール(買う権利)のインプライド・ボラティリティー(IV)の比率は、「S&P500種が1カ月で5.6%上昇した1月に見られた極端な水準」にほぼ戻っていると指摘した。  
  投資家は年初、S&P500種が連日のように高値を更新する局面で、急落に備えた保険を熱心に求めることはなかったが、そこに変化が表れている。

        
  「今回は気の緩みが少ない」とみるシュ氏は、「S&P500種のボラティリティー・サーフェスに織り込まれた大きなコンベクシティは、数週間以内に同指数がブレークアウトする可能性を投資家が予想していることを示唆しているが、方向についてはさっぱり分からない」と指摘。向こう2カ月間に米国株のより小幅な上昇で利益が得られるコール・スプレッドの購入を投資家は検討すべきだと付け加えた。
原題:Traders Bet U.S. Stocks Are About to Make a Big Move, Somewhere(抜粋)


 



トップニュース2018年8月21日 / 15:00 / 5時間前更新
焦点:米国株の記録的な強気相場、警戒信号点滅でも市場は楽観か
2 分で読む

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米株式市場は現在の強気相場が間もなく9年半を迎えるだけに、いつ幕切れを迎えるかが論争の的になっている。

ただ「10年ないしそれ以上続ける力があるだけに、ここで終わっても満足できない」というのが多くの投資家の偽らざる心境だ。

今回の強気相場は世界金融危機後の灰の中で生まれ、米連邦準備理事会(FRB)による3兆5000億ドルの資産買い入れが進む中で続いてきた。

しかし上値を追い続けるには、一連の懸念要素をうまくこなしていかなければならない。つまり米国と貿易相手国との摩擦や、トルコリラ急落による新興国の混乱、中国経済の先行き不透明感、米中間選挙などだ。

米経済に目を向ければ、少なくとも来年は力強い成長が期待されるものの、企業債務の増加や住宅市場の不安定化など幾分心配な材料も出てきている。

ブルダーマン・ブラザーズの首席市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は「米経済は堅調だが、あちこちで警戒信号の点滅が増えているのが現実だ」と述べた。

それでも米経済が好調なこともあり、投資家の多くは相場がすぐに急落に見舞われそうにないと楽観している。グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツの最高投資責任者、ウォルター・トッド氏は「真の弱気相場は景気後退を伴う。いつ景気後退が起きるかと自問する必要はあるが、間近には見当たらない」と話した。

1999─2000年のインターネットバブル崩壊、07─09年の世界金融危機の記憶は消えておらず、投資家は強気相場が終わるタイミングやその後の相場下落の程度について警戒感を抱いているのは確かだ。

トランプ政権の法人税減税によって過去1年の株式投資のリターンが押し上げられた半面、それが最終的により波乱の大きい相場展開につながる恐れがあるとの声が聞かれる。

アリアンツ・グローバル・インベスターズの米投資ストラテジストのモナ・マハジャン氏は「強気相場の終盤に財政刺激策が実施されたことで、バブルの発生および崩壊シナリオの素地が出来た」と今後を危ぶむ。

調査会社CFRAの首席投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は、大規模減税を導入済みの米政府は逆風時に打てる手が少なくなっていると不安を表明した。

世界金融危機後に資産買い入れや低金利政策で景気回復を支えてきたFRBが金融緩和策の巻き戻しを進めていることも、株式市場に不確実性をもたらしている。

CFRAによると、1946年以降の弱気相場12回の下落率の平均は32.7%。しかしこのうちネットバブル崩壊後と金融危機時の過去2回は下落率が49.1%、56.8%とより大きかった。

もっともビスポーク・インベストメント・グループの共同創業者ポール・ヒッキー氏は「直近2回の弱気相場は、今までで最も深刻だった。弱気相場が全てこれほど極端化することはあり得ない」と述べた。

強気相場の定義はさまざまだが、今回はS&P総合500種指数が676.53を付けた2009年3月9日に強気相場入りしたとの見方が一般的。以来4倍強も上がって17日終値で2850.13となった。

これまでには幾多の曲折も経験した。サントラスト・アドバイザリー・サービシズの首席市場ストラテジストのキース・ラーナー氏によると、今回の強気相場は少なくとも5%の下げに見舞われた局面が16回あり、下落率が少なくとも10%だったのは4回。今年2月にも1月の高値から10%下落したが、ラーナー氏は買われ過ぎの状態を解消する健全な調整だったとの見方を示した。

一般的には&P500種が20%下げると弱気相場入りと定義されており、こうした相場の急落は景気後退が付随するケースが圧倒的に多い。ゴールドマン・サックスの分析では、1976年以降に10%以上株価が下落した12回の局面でいずれも景気後退が起こらず、このうち下落率が20%を超えて弱気相場入りしたのは1987年の1回しかない。

景気後退入りの有無は、事後的にしか判断できないが、ロイター調査で示された米経済の成長率は今年が2.9%、来年が2.5%と予想されている。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、S&P500種構成企業の増益率見通しは今年が23.3%、来年が10.1%。

ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長は「株式市場は将来の景気を織り込もうとする。だから株式市場からは景気後退が迫ってはいないと読み取れる」と話す。

(Lewis Krauskopf記者)


トップニュース2018年8月21日 / 18:50 / 1時間前更新
焦点:官房長官発言で携帯電話会社に再び激震、狭まる値下げ包囲網
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[東京 21日 ロイター] - 21日の東京株式市場で、国内携帯電話大手3社の株が売られた。菅義偉官房長官が「携帯電話料金は4割程度下げる余地がある」と発言したことが伝わり、収益悪化懸念が出たためだ。携帯電話会社を巡っては、総務省や公正取引委員会も現行の商慣行や料金制度を問題視しており、値下げ包囲網は狭まりつつある。

21日の東京市場でNTTドコモ(9437.T)は4.0%安、KDDI(au)(9433.T)が5.22%安、ソフトバンクグループ(9984.T)が1.63%安で大引けを迎えた。

きっかけは菅官房長官の発言だ。共同通信によると、菅義偉官房長官は同日行った札幌市での講演で、大手携帯電話会社は巨額の利益を上げているとしたうえで「競争が働いていないと言わざるを得ない」と指摘。「携帯電話料金は、今より4割程度下げる余地がある」と述べ、通信料金の改革に意欲を示した。

実際、2018年3月期の営業利益をみると、ソフトバンクグループが前年比27.1%増の1兆3038億円、ドコモが同3.0%増の9732億円、KDDIが同5.5%増の9627億円と、3社とも国内トップ10に入る利益を稼いでいる。ドコモの親会社NTT(9432.T)も含めれば、トップ10のうち4社が通信会社という状況にある。

首相官邸が携帯電話料金に注文を付けたのは、今回で2回目。最初は2015年9月で、安倍晋三首相が経済財政諮問会議で通信料の引き下げに向けた方策を検討するよう指示したことで、3社の株は大きく売られた。

総務省はこの指示を受け、携帯電話市場改革を加速。通信料高止まりの一因とされている通信と端末のセット販売を分離する政策を推し進めたほか、楽天(4755.T)の携帯電話参入を認めるなど、通信料の値下げにつながる競争環境を整備してきた。

これには公正取引委員会も援護射撃し、通信と端末のセット販売はその程度により独占禁止法上問題となる恐れがあると警告している。

総務省の家計調査によると、2010年に3.66%だった世帯消費に占める電話通信料の割合は、2016年に4%を突破し、2017年には4.18%とじわりと増加している。固定電話は減少しており、代わりに増えているのが携帯電話だ。2017年の携帯電話の通話料は年間10万0250円と、初めて10万円を突破した。

ある総務省幹部は「通信料金が、他の消費を圧迫している」と述べ、現在の通信料の水準に不満を漏らした。

これに対して、ドコモは「これまでもさまざまな顧客還元を行ってきたが、今後もサービスの向上を目指して、顧客の要望を踏まえた料金サービスの見直しや拡充を順次検討、発表していきたい」(広報担当者)としたほか、KDDIも「引き続き、顧客ニーズに応えられるようサービスの向上に努めていく」(同)とコメント。ソフトバンクも「引き続き顧客にとってより良いサービスを検討していく」(同)との見解を示した。

今回は、ソフトバンクグループの下落率がもっとも小さかった。同社は通信会社というよりも、投資会社の色彩を強めていることが背景にあるが、通信子会社は年内に株式公開(IPO)を準備中だ。料金の値下げに追い込まれれば、IPOに影響が出る可能性も否定できない。

NTT Docomo Inc
2820.0
9437.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-117.50(-4.00%)
9437.T
9437.T9433.T9984.T9432.T4755.T
志田義寧 編集:田巻一彦


 


 


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焦点:米国株の記録的な強気相場、警戒信号点滅でも市場は楽観か
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[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米株式市場は現在の強気相場が間もなく9年半を迎えるだけに、いつ幕切れを迎えるかが論争の的になっている。

ただ「10年ないしそれ以上続ける力があるだけに、ここで終わっても満足できない」というのが多くの投資家の偽らざる心境だ。

今回の強気相場は世界金融危機後の灰の中で生まれ、米連邦準備理事会(FRB)による3兆5000億ドルの資産買い入れが進む中で続いてきた。

しかし上値を追い続けるには、一連の懸念要素をうまくこなしていかなければならない。つまり米国と貿易相手国との摩擦や、トルコリラ急落による新興国の混乱、中国経済の先行き不透明感、米中間選挙などだ。

米経済に目を向ければ、少なくとも来年は力強い成長が期待されるものの、企業債務の増加や住宅市場の不安定化など幾分心配な材料も出てきている。

ブルダーマン・ブラザーズの首席市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は「米経済は堅調だが、あちこちで警戒信号の点滅が増えているのが現実だ」と述べた。

それでも米経済が好調なこともあり、投資家の多くは相場がすぐに急落に見舞われそうにないと楽観している。グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツの最高投資責任者、ウォルター・トッド氏は「真の弱気相場は景気後退を伴う。いつ景気後退が起きるかと自問する必要はあるが、間近には見当たらない」と話した。

1999─2000年のインターネットバブル崩壊、07─09年の世界金融危機の記憶は消えておらず、投資家は強気相場が終わるタイミングやその後の相場下落の程度について警戒感を抱いているのは確かだ。

トランプ政権の法人税減税によって過去1年の株式投資のリターンが押し上げられた半面、それが最終的により波乱の大きい相場展開につながる恐れがあるとの声が聞かれる。

アリアンツ・グローバル・インベスターズの米投資ストラテジストのモナ・マハジャン氏は「強気相場の終盤に財政刺激策が実施されたことで、バブルの発生および崩壊シナリオの素地が出来た」と今後を危ぶむ。

調査会社CFRAの首席投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は、大規模減税を導入済みの米政府は逆風時に打てる手が少なくなっていると不安を表明した。

世界金融危機後に資産買い入れや低金利政策で景気回復を支えてきたFRBが金融緩和策の巻き戻しを進めていることも、株式市場に不確実性をもたらしている。

CFRAによると、1946年以降の弱気相場12回の下落率の平均は32.7%。しかしこのうちネットバブル崩壊後と金融危機時の過去2回は下落率が49.1%、56.8%とより大きかった。

もっともビスポーク・インベストメント・グループの共同創業者ポール・ヒッキー氏は「直近2回の弱気相場は、今までで最も深刻だった。弱気相場が全てこれほど極端化することはあり得ない」と述べた。

強気相場の定義はさまざまだが、今回はS&P総合500種指数が676.53を付けた2009年3月9日に強気相場入りしたとの見方が一般的。以来4倍強も上がって17日終値で2850.13となった。

これまでには幾多の曲折も経験した。サントラスト・アドバイザリー・サービシズの首席市場ストラテジストのキース・ラーナー氏によると、今回の強気相場は少なくとも5%の下げに見舞われた局面が16回あり、下落率が少なくとも10%だったのは4回。今年2月にも1月の高値から10%下落したが、ラーナー氏は買われ過ぎの状態を解消する健全な調整だったとの見方を示した。

一般的には&P500種が20%下げると弱気相場入りと定義されており、こうした相場の急落は景気後退が付随するケースが圧倒的に多い。ゴールドマン・サックスの分析では、1976年以降に10%以上株価が下落した12回の局面でいずれも景気後退が起こらず、このうち下落率が20%を超えて弱気相場入りしたのは1987年の1回しかない。

景気後退入りの有無は、事後的にしか判断できないが、ロイター調査で示された米経済の成長率は今年が2.9%、来年が2.5%と予想されている。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、S&P500種構成企業の増益率見通しは今年が23.3%、来年が10.1%。

ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長は「株式市場は将来の景気を織り込もうとする。だから株式市場からは景気後退が迫ってはいないと読み取れる」と話す。

(Lewis Krauskopf記者)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/251.html#c2

[中国12] 消えた弁護士 中国”法治”社会の現実〜李文足「…自分の身の安全のために夫を見捨てることなんか私にはできません」/Nスペ 仁王像
8. 2018年8月21日 20:51:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1253]

児童書で読み解く習近平の頭の中

中国はいかにして「地獄の門」を開けるに至ったか
児童書で読み解く習近平の頭の中(6)

2018/08/19
樋泉克夫 (愛知県立大学名誉教授)
習近平国家主席を頂点とする現在の共産党政権中枢が幼少期を送った1950年代から60年代前半にかけて出版された児童向け書籍から、当時の共産党政権が育て上げようとしていた“理想の小国民像”を考えてみたい。それというのも“三つ子の魂百までも”の譬えに示されるように、政治の中枢に立った現在の彼らの振る舞いの芽は、彼らの幼い頃に植えられたのではないかと考えるからだ。

写真:AFP/アフロ
 1963年当初から毛沢東最側近の2人――夫人の江青と「中国のベリア」と呼ばれた康生――は上海を拠点に京劇を軸とする文芸部門において、政権を掌握している劉少奇に対する攻撃を画策していた。
 この動きは1964、65年と年を追うごとに激しさを増す。『石荘児童団』(上海人民出版社 1963年)、『草原児童団』(上海出版社 1964年)、『草原児童団』(上海人民出版社 1964年)、『雪山上的号手』(上海人民出版社 1965年)と、これまで見てきた児童書からも、その動きは傍証できるだろう。加えて1965年11月には、毛沢東思想に殉じた若き人民解放軍兵士の王杰を讃える『王杰日記』(人民出版社)が出版されている。
『王杰日記』には、「毛主席の著作を読むことは革命戦士としての第一の任務である」「革命の同志は団結しなければならない」「毛主席が話されたことは、なんでも実行するぞ」「断固として階級闘争を忘れるな」「革命の徹底が理想であり、革命の事業こそが前途であり、人民に尽くすことが幸福である」など、文革時に全国を覆ったスローガンそのもののような記述が溢れている。まさに、文革へ向けての準備は着々と進められていたはずだが、劉少奇側に危機感は感じられない。その象徴が1965年11月に出版された『新的“石器時代”』(陳仁 中国青年出版社)だろう。
毛沢東に対する揶揄が感じられる一冊
「新型硅酸塩材料的世界」という副題が示しているように、この本は、無限の可能性を秘めた新素材と大いに期待されていた硅酸塩(silicate)と人類の関わりを石器時代から説き起こし、やがて人類の輝く未来を約束する万能の科学素材であることを語る科学ドキュメンタリーであり、空想科学物語でもある。

中国で1960年代前半に出版されたおもに児童向け書籍(画像:筆者提供)
「古代の労働人民は絶え間ない実践の末に」、「湿った粘土を捏ねて器のようなものを作り火に放り込んで焼くと、冷めた後に石と同じ程度に固くなることに気づいた」。そこで「我われ人類は銅や鉄といった金属材料を発明して後、(腐りも錆びもしない)石器に似た素材の陶器とガラスを産み出す」と書き出される。
 ここで不思議に思えるのが、「古代の労働人民」という表現だ。おそらく文革期なら「古代の労働人民」ではなく「古代の奴隷労働者」としていたに違いない。なにがなんでも古代は奴隷制であり、ましてや技術の進歩を担ったのは奴隷でなければならないという硬直した文革史観からすれば、「古代の労働人民」が「陶器とガラスを創造した」などという曖昧な表現は人類の進歩に尽くした奴隷の働きを否定するものであり、断固として認められないものだったはずだろう。
 その後、人類は誰もが知っている硅酸塩の家系の始祖である玻璃(ガラス)」に様々な工夫を加え、鉄より固く超高温にも耐えられるガラス、光線を遮断するガラス、レーダー波を透すガラス、さらには繊維のように細いガラス、鋼より固いガラス、ダイオード、電子計算機の「脳細胞」などを次々に発明する。セラミックの発明によってジェット機やロケットの燃焼機関の性能は飛躍的に向上し、「特殊玻璃鋼」で作られた先端部分を取り付けることで大陸間弾道弾の弱点が克服され兵器としての性能・威力が格段に増した。原子炉内部に新型の硅酸塩素材を使うことで超高温環境での核反応コントロールが可能となり、有限の化石燃料に頼らなくてもいい夢の発電システムが約束された。やがては「ラジオは繭玉ほどに、電子計算機はたばこの箱程度の大きさになるだろう――夢物語は続く。
「旧い視点で新しい時代を推し量ることは不可能」である。「失敗を恐れずに敢えて挑戦する革命精神を発揮して、多種多様な用途を秘めた新型硅酸塩素材を創造し、古くから知られた硅酸塩を進歩する新しい時代に生かしていこう」と締め括られているが、「旧い視点で新しい時代を推し量ることは不可能」などの表現からは、大躍進の失敗を回復させた劉少奇路線に不快感を隠さない毛沢東に対する揶揄が感じられないわけでもない。
劉少奇派の無防備ぶりが感じられる一冊
 1966年に入ると、林彪と江青を軸に文革派は一気に動き出す。1月後半には、林彪が率いる解放軍は全軍政治工作会議を開き、毛沢東思想教育を重点的に進めることを全軍に訓令する。2月2日から20日までの間、林彪の要請を受けた形で江青は上海で「部隊文芸工作会議」を開催し、文芸部門による解放軍の政治教育の徹底化を進める。20日には「文革のイデオローグ」でもあった張春橋によって文芸部門での劉少奇路線に対する徹底批判を暗示する文書が公表された。
 解放軍における劉少奇派の象徴と目された羅瑞卿への批判が激しさを増し始めた1966年3月、「少年自然科学叢書」と銘打たれた『煤的故事』(朱志尭編著 少年児童出版社)が出版された。この本には文革時代の出版物に溢れた過剰なまでの毛沢東への賛仰が見られない代わりに、共産主義に対する素朴で明るく、根拠なき希望が溢れている。
 この本は「工業のコメ」であり、「ありとあらゆる工業製品の原料」であり、「鋼鉄を精錬し、汽車を動かし、電力を起こし、日常生活において暖房・炊飯をなす」だけでなく、「加工処理を経て、ガソリン、プラスチック、合成繊維、化学肥料、農薬などの数多の種類の工業原料や化学産品」となるだけに「黒い宝石」と呼ばれている石炭について、その生成から発見、使用の歴史、さらには採鉱の歩みを判り易く解説しているが、小学校高学年から中学生程度に理解させ、科学少年を育成しようとの狙いが感じられもする。
 数十億年の昔から現在までの石炭という鉱物の歩みと人類と石炭のかかわりの歴史を語りつつ話を進めるが、1949年10月1日に「偉大なる中華人民共和国」が誕生したことで、「人間の地獄、悪魔の天国」「死人の倉庫」と呼ばれていた旧中国の炭鉱は一変したと熱く語る。「炭鉱は人民のものとなり、かつて圧迫され搾取されていた炭鉱夫は鉱山の主人公となった」のである。
ここで興味深いのが共産主義的SFの世界を語る「未来への展望」の章だろう。
――ロケットは空中を突き進むだけでなく地中をも疾駆し、探索し、地下に眠る「黒い宝石」を余すところなく僕らの目の前に示してくれる。そこで僕らは、手助けしてくれる多くの友達に手助けを依頼しなければならない。機械という友達はもちろんだが、じつは凄い能力を持つ物理化学という友達もいるのだ。こいつは、どんな機械よりもスイスイと地中を軽快に動き回り、効率も高い。僕らが目にすることのできない電磁波や超音波という友達が地中深く探って、埋蔵されている石炭の様子を知らせてくれる。
そこで僕らは直ちに「万能溶解剤」を地中深く流し込み、溶剤の力で石炭を液化させ、地上に吸い上げる。液化した石炭を地上に設けた「総合利用工場」に送り、複雑な化学処理と加工をすれば、工場から出荷される時には色々な人造繊維、衣料や食品に代わっている――
 なんとも荒唐無稽でステキな夢物語だが、ここからがさらに凄まじい。
「これこそ一枚の、美しくも麗しい風景ではないか。こういう世界を一日も早く実現させ、人類が生み出した労働の成果を真に人民のモノとするためには、断固として搾取者を消滅させなければならないのだ。地主・資本家を打倒し、人類にとっての最高の理想である共産主義に向かって進もうではないか」
 この本には政治主義一辺倒の記述も、毛沢東思想式の杜撰で身勝手な歴史観も、ましてや文革に見られたド派手な血腥さも感じられない。進歩する科学技術への素朴な期待と信仰が行間に溢れるばかりだ。文革に向け戦いの準備を進める毛沢東ら文革派とはあまりにも対照的に過ぎる内容だけに、やはり劉少奇派の無防備ぶりが感じられて仕方がない。
紅衛兵の若者の心を捉えた“金言”
『《少年英雄故事》叢書 林森火』(中国少年児童出版社)は、『新的“石器時代”』や『煤的故事』が万能の科学技術を誰もが享受できる共産主義社会の明るい未来を熱っぽく語っているのとは対照的な、暗く辛かった蔣介石政権時代の物語である。
『煤的故事』の出版が1966年3月で『《少年英雄故事》叢書 林森火』は5月。この僅か2ヶ月の間に政治状況は激変する。毛沢東が政治の前面に躍り出て、劉少奇追い落としを匂わせる動きを見せ始めた。
 3月中旬、毛沢東は共産党政治局拡大会議において文化大革命の発動を提言し、これを承けた形で林彪は解放軍を挙って文芸部門における文革を宣言した。いわば文革派が態勢を整えつつあるにもかかわらず、劉少奇は王光美夫人を伴ってパキスタン、アフガニスタン、ビルマを断続的に訪問する(3月26日から4月19日)。劉少奇の北京不在を見透かしたかのように、毛沢東、林彪、陳伯達、康生、江青、王力、張春橋ら文革中核メンバーが連携を強め、党と解放軍における劉少奇派炙り出しに動きだす。いわば劉少奇打倒への狼煙をあげたわけだ。
 北京中枢で進んでいたこのような政治状況を考えるなら、やはり『《少年英雄故事》叢書 林森火』は毛沢東ら文革派が子供を“大人の政治”の世界に引きずり込もうとする道具と見做して間違いないだろう。
『《少年英雄故事》叢書 林森火』の舞台は1946年に始まった国共内戦である。
 浙江省玉環県に生まれた12歳の林森火は、「旧社会」で苦難の日々を送った。父親の僅かな収入では一家を満足には養えない。2人の兄のうちの1人は2歳で餓死し、1人は医者に払うカネも無いままに生後10ヶ月ほどで病死している。たった1人の姉は11歳で奴隷に買われ、数年後には苦労のなかで死んでいる。
 蔣介石ら封建反動勢力の実態を教える小学校の先生に導かれ、彼は共産党支援のために組織された「地下児童団」に参加し、「毛主席万歳」「中国共産党万歳」などのスローガンを街に貼ったり、共産党ゲリラのための伝令・情報員を務める。1950年11月20日、16歳になった林森火は司令官の退去命令に逆らい「怖くはない、この戦場で敵を殲滅するんです」と決意し戦場に赴くが、敵の砲弾の犠牲となってしまう。
 先生が林森火少年に語りかけた言葉――革命とは生きるか死ぬかの階級闘争だ。そこには数多くの危険がある。様々な危険を克服し、死を恐れず、敢えて革命の犠牲者たれ――こそ、文革において紅衛兵を名乗る多くの若者の心を捉えて離さなかった“金言”だった。かくて青少年は毛沢東の手の平で踊りだし、毛沢東の敵を求めて“躍動”することになる。
若者を“純粋過激なサイボーグ”に育て上げた教材
 1966年8月に出版されている『一心為公的硬骨頭戦士』(中国青年出版社)の表紙には、銃を背負い、右肩に鶴嘴を担ぎ、『毛沢東選集 第四巻』を左手で胸に大事そうに抱え込む目鼻立ちのはっきりした若者が描かれている。若き鉄道兵士の張春玉だ。背景には鬱蒼と茂る森林が描かれ、その向こうに昇る大きく真っ赤な旭日――もちろん真っ赤な太陽は毛沢東を指し示している。表紙イラストこそ、この本のすべてを物語っているといえるだろう。『一心為公的硬骨頭戦士』『一心為公的硬骨頭戦士』は、張春玉の日記の一部と『人民日報』『解放軍報』など文革派の宣伝メディアに掲載された彼を華々しく讃える数編の論文で構成されている。
 まるで“お約束”ででもあったかのように、彼もまた「貧困家庭出身」だ。「張春玉同志は毛沢東思想に育まれながら、労働に、任務に、階級闘争において艱難辛苦のかなで成長し、強靭なる共産主義戦士に成長した」。「彼は生死の間を彷徨う苦しい経験、さらには重傷を負う闘争を繰り返すなかで、階級闘争における鋼鉄の戦士に鍛え上げられていった」。かくて、「毛主席の階級闘争学説は、張春玉同志に階級闘争を永遠に忘れてはならないことを教えた」のである。
 それゆえに張は日記に、「毛主席は『社会主義制度の建設は、我われのために理想郷に到る道を切り開いてくれるのだ。だが理想郷の実現はひとえに我らの真摯な労働にかかっているのだ』と教えている。そうだ。毛沢東の時代に生きていることは幸福であり、なんにもまして誇り高いことなのだ。だが、幸福への道の上でなにもせずに立っていられることなど出来はしない。断固として出来るわけがない。幸福への道において全身全霊で働き、さらに幸福な生活を創造し、我が国をより富強で、より麗しくしなければならない」と綴り、「心の底から革命を想い、人民のために如何なる苦労も厭わず、一分一秒を党に捧げ、心から同志を想い、己より戦友に心を配り、一瞬一瞬を他人のために尽くそう」、或いは「我が一生を土塊、石、枕木と化し、共産主義に進む大道の建設に邁進しよう。革命の列車を我が五体を乗り越え、全速で前進させよう」と、その“崇高極まりない決意”を表明する。
 当時、自らを蔑ろにする劉少奇に狙いを定め、その失脚を策謀していた毛沢東にとって最大の関心事はやはり強力な助っ人であり手駒だったはず。毛沢東は最大最強の「暴力装置」である人民解放軍の指揮権を持つ林彪を仲間に引き入れる一方、純粋無垢であるがゆえに凶暴・無謀で過激な若者を唆し、彼らに政治的前衛であると同時に社会の道徳的前衛を担わせた。毛沢東に盲従し、毛沢東の指し示す規律を厳守し、勤勉で大義のために殉ずる。なによりも全身全霊をなげうって毛沢東に奉仕し、誰もが純粋で、毛沢東を守るためには、自らの命を捧げ尽くすことを厭わない政治的サイボーグに仕立て上げた。この本は若者を純粋過激な毛沢東主義者に育て上げるための教材だった、ということになる。
『一心為公的硬骨頭戦士』が出版されて2ヶ月が過ぎた1966年8月、「毛主席の親密なる戦友」だった林彪を従え、毛沢東が天安門楼上に立ち、眼下に広がる広大な広場を埋め尽くした100万人余の紅衛兵を接見している。この時、中国全土を舞台にして、興奮と熱狂とに包まれた文革は悲喜劇の幕を開けた。否も応もなく、中国人は地獄の扉の前に立たされたのである。
 以後、1976年9月の毛沢東の死まで、中国全土は激動に次ぐ激動の10年を体験することとなるが、宣伝部門を牛耳ったことによって、文革派による青少年に対する洗脳工作は激しさを増し、50年代生まれの習近平世代、60年代生まれのポスト習近平世代は「百戦百勝・絶対無謬の毛沢東思想」を頭の中に叩き込まれることになるわけだ。

 
習氏を礼賛、歴史書き換える中国の博物館
現国家主席ほめたたえる展示を増設、ケ小平の「改革開放」の功績は縮小
改革開放博物館のスクリーンに映し出された習近平国家主席 BILLY H.C. KWOK FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
Chun Han Wong
2018 年 8 月 21 日 15:04 JST 更新
 【深セン】昨年12月、中国の経済改革をたたえる博物館が当地にオープンした時、来館者は壮大なレリーフに迎えられた。中国を繁栄に導いた「改革開放」に着手したとして共産党史に名を残す、ケ小平の地方視察を描いた彫刻作品だった。
 6月初め、この博物館は「更新作業」中だとして閉鎖されていた。8月の再開時にはレリーフは消えており、地方の発展を映す動画のスクリーンと、習近平国家主席の言葉が書かれたベージュのパネルに代わっていた。
 中国共産党は改革開放40周年を祝っている。中国を貧困国から世界第2位の経済大国に変貌させたこの政策の立役者はケ小平だ。しかし、国の組織は習氏を祭り上げてその経済運営を大げさに宣伝する一方、共産党史で描かれるケの功績を小さく見せようとしている。
 中国の経済改革を専門とするハーバード大学のジュリアン・ジェワーツ氏は「神話作りが進んでいる」と述べた。中国の将来を描く物語を形作るなかで、習氏は「中国の過去に対する貢献度を誇張している」という。


ケ小平の深セン視察を描いた彫刻(上)は、習氏の言葉が書かれたパネルや地方の発展を映す動画(下)に代わっていた PHOTOS: SUSUMU TAKAHASHI (TOP); CHUN HAN WONG/THE WALL STREET JOURNAL (BOTTOM)
 2012年遅くに権力を握って以来、習氏は自身の物語を実行するために法律やメディアを駆使し、公式の記録を書き換えるなど、国の歴史を自身の政策に当てはめようとしてきた。当局者は教科書を改訂し、博物館を改修して習氏の政策を刻み付けた。党が認めた「英雄と殉死者」を中傷した場合の罰則を定めた新しい法律もある。
 歴史家によれば、狙いは習氏の権力強化だ。その手段として、「国威の回復に向け、強く鋭敏な指導者に率いられた共産党が中国国民の先頭に立つ」という習氏の筋書きを固めようとしているという。
 こうした状況に不安を抱く国民もいる。習氏が毛沢東式の独裁を復活させつつあると懸念しているのだ。清華大学のある教授は先月、習氏の権威主義的な動きが個人崇拝を生むと批判した論文を発表し、議論を呼んだ。
 だが習氏を称賛する動きは弱まっていない。改革開放40周年に乗じ、減速する中国経済に対処する習氏の取り組みを示し、中国政府の産業戦略に対する他国の批判に異議を唱えている。
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Revising History: A Museum Facelift Boosts China’s Xi
Xi Jinping is using celebrations around the 40th anniversary of economic reforms to boost his standing in Communist Party history










Renovations at the Shekou Museum of China’s Reform and Opening-Up added displays on President Xi Jinping’s late father, Xi Zhongxun, who helped steer economic reforms as Guangdong province’s Communist Party chief from 1978-80. A large photo of the elder Xi, center, appears in this gallery recounting the early phases of China’s ‘reform and opening-up’ policy.
BILLY H.C. KWOK FOR THE WALL STREET JOURNAL
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 中国で、ケは1997年に死去した後も偉大な存在だ。経済改革を指揮し、毛沢東式の独裁支配(その後、急進的な政治に発展)から、比較的予想しやすく安定した集団指導体制への移行を果たしたとして崇拝されている。共産党と政府の責務をより明確に分ける政策を敷き、党への権力集中が後退することを許した。ケの功績を目立たなくさせれば、習氏はこうした政策の一部を覆しやすくなる。
 習氏はかつてケにあやかろうと必死だった。共産党の総書記に就任して数週間後には20年前のケにならって広東省を訪れ、深センの公園でケの銅像に花を手向けた。
 その後、習氏はケが残した制度の一部を撤廃。意思決定を中央に集中させ、国家主席の任期制限を廃止した。「共産党が全てを率いる」と訴え、「中国の特色を持つ社会主義」の新時代を宣言した。これは市場改革の思想的根拠となったケ時代のスローガンだ。
 最近の経済史を習氏中心に詰め直す動きは、共産党が改革開放記念の宣伝を開始した6月に勢いづいた。党の指令によると、狙いは習氏を「中核」とした党の指導層の下に国民を団結させることだ。
 北京にある中国美術館で開催された改革開放40周年を記念する美術展では、習氏と、地方の指導者として改革に貢献した父親(故人)の絵が目立つ位置に掲げられ、ケなど過去の指導者を描いた作品は目立たなかった。同美術館のウェブサイトの写真によると、08年に行われた30周年の美術展ではケ関連の作品が圧倒的だった。
 深センの博物館の改修は習氏称賛の動きと合致する。深セン市の広報責任者は12月の開館に際し、愛国教育の拠点になるよう期待していると述べていた。改修前の来館者は当局者や国営メディア記者、学生など8万人近くに達した。
ニュースレター購読
 博物館はかつてケの彫刻を目玉としていたが、現在入り口で目に飛び込んでくるのは習氏の言葉だ。2月の演説の一部が抜粋されている。「改革開放の40年間、われわれは開拓にまい進し、大胆な自己改革を引き受けることによって、新たな道、良い道を作り出した」
 再オープン時には新たな展示品の方を評価する声もあったが、5月にも訪れていた50代半ばの深セン市民は「彼らは歴史に敬意を払うべきだ」として変更を批判。「毛時代の個人崇拝を復活させようとしているように感じる。危険すぎる」と述べた。
 博物館の幹部によると、学芸員は学者や博物館関係者を含む来館者の提案を検討し、再設計に乗り出した。改修後の展示は「歴史の試験に耐えられる」としている。
 再設計に当たり、入り口のレリーフを撤去した一方でケ関連の展示の大半を残した。習氏と父親をたたえる展示品を増やした。
 メインの展示は習氏が打ち出した「一帯一路」構想のコーナーで締めくくられている。コーナーは拡大されており、習氏の写真が16枚と、圧倒的に多い。説明文には、「習近平同志は改革の旗を掲げた」「思想的開放の新時代が中国に広がっている」と書かれていた。
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http://www.asyura2.com/17/china12/msg/785.html#c8

[国際23] トランプ大統領インタビュー モラー氏のロシア疑惑聴取に疑念「偽証罪のわな」に(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 2018年8月21日 20:52:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1254]
ロシアのハッカー集団、米保守系団体も攻撃対象に
2016年の米大統領選での民主党に対するサイバー攻撃に関与したロシアのハッカー集団が、秋の米中間選挙での攻撃対象を米上院や有力保守系団体に広げていることが、最新調査で明らかになった(写真はワシントンの米議会議事堂)
2016年の米大統領選での民主党に対するサイバー攻撃に関与したロシアのハッカー集団が、秋の米中間選挙での攻撃対象を米上院や有力保守系団体に広げていることが、最新調査で明らかになった(写真はワシントンの米議会議事堂) PHOTO: AL DRAGO/BLOOMBERG NEWS
By Dustin Volz and Robert McMillan
2018 年 8 月 21 日 16:23 JST

 2016年の米大統領選での民主党に対するサイバー攻撃に関与したロシアのハッカー集団が、秋の米中間選挙での攻撃対象を米上院や有力保守系団体に広げている。米マイクロソフトの最新調査で明らかになった。

 マイクロソフトは先週、ロシアのハッカー集団が登録したなりすましサイトの6つのドメインを削除した。これらのドメインから、標的の組織で働いている選挙参謀へのハッキングを目的としたスピアフィッシング(特定の個人や組織を狙ったサイバー攻撃)の初期段階にあったことがうかがえる。

 マイクロソフトによると、ドメインの1つは共和党系シンクタンクの共和党国際研究所(IRI)になりすましたものだった。IRIの幹部には、いずれも対ロ強硬派のリンゼー・グラム上院議員やジョン・マケイン上院議員、マルコ・ルビオ上院議員が名を連ねている。このほか、首都ワシントンの保守系シンクタンク、ハドソン研究所や上院も標的にされた。

 マイクロソフトは、これらのなりすましドメインが同社の制圧前にサイバー攻撃に利用され成功したことを示す証拠はないと述べた。

 ドメインを登録したのはロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)と関係があるハッカー集団で、「ファンシーベア」や「ストロンチウム」の通称を持つ。セキュリティー研究者らによると、同集団はこれまでにフィッシングメールを使ってターゲットを偽サイトに導き、ログイン認証情報を盗んだ。

 マイクロソフトによれば、このハッカー集団はここ数カ月、何度も不正アクセスを試みている。クレア・マカスキル上院議員(民主、ミズーリ州)は先月、自身の事務所がフィッシング詐欺の標的になったことを明らかにした。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/698.html#c1

[経世済民128] トルコショック、市場参加者が身構える「最悪のシナリオ」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
3. 2018年8月21日 20:55:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1255]
トルコの混乱、ブラジルに思わぬ波及も−ラインハート教授
Ben Bartenstein
2018年8月21日 10:08 JST
トルコがソブリンデフォルトならブラジルの「ゲームチェンジャー」に
欧州銀がブラジルでの与信供与に消極的になる可能性も
トルコを襲った市場の猛威は、新興市場を熟知する多くの専門家にとって驚きではなかった。投資家が過小評価していたとすれば、ブラジルへの波及リスクだとハーバード大学のカーメン・ラインハート教授が指摘した。キューバ出身のエコノミストである同教授は5月に差し迫った危険について警告し、先見の明があったことが裏付けられた。


ラインハート教授写真家:Andrew Harrer / Bloomberg
  ラインハート教授はインタビューで、「トルコが深刻な感染のエピソードになると考えるかと聞かれれば、鍵となる答えは、ブラジルでの出来事だと思う」と発言。その理由として高い流動性や政治不安、債務の国内総生産(GDP)比率が過去2世紀見られなかった水準に達している状況に言及した。

  過去1世紀で最悪のリセッション(景気後退)から脱却したブラジル経済は4ー6月(第2四半期)に減速した。金融機関が共通することもあって、ブラジルはトルコの混乱の影響を特に受けやすい。それら欧州の銀行が不良債権に対応すれば、ブラジルでの与信供与に消極的になる可能性がある。

  ラインハート教授は「トルコがソブリンデフォルト(債務不履行)になれば驚きだろう。資本規制や企業のデフォルト拡大なら情勢を一変させることにはならないが、ソブリンデフォルトの場合はブラジルにとってゲームチェンジャーとなろう」と語った。

原題:Reinhart Says Brazil May Be Surprise Loser on Turkey Turmoil (1)(抜粋)


 

ブラジル大統領選:収監中のルラ氏が首位、後継候補は苦戦−世論調査
Mario Sergio Lima
2018年8月21日 14:19 JST
2位は軍人出身ボルソナロ氏、3位は環境保護活動家シルバ氏
収監中のルラ元大統領は立候補が阻止される可能性が高い
収監中のブラジルのルラ元大統領は、10月の大統領選を巡る最新世論調査で支持率トップとなった。ただ、ルラ氏の立候補が阻止された場合、同氏の後継者候補が当選するのは困難となる可能性がある。

  20日に公表されたMDAの世論調査によれば、収賄罪などで禁錮12年を言い渡されたルラ元大統領の支持率は37.7%と、前回5月調査の32.4%から上昇。しかし、ルラ氏の支持者のうち、サンパウロ市長を務めたフェルナンド・アダジ氏を候補に選ぶと答えた人は2割に届かなかった。大方の予想ではルラ氏の立候補は阻止され、アダジ氏が代理を務めると見込まれている。

  世論調査で2位の軍人出身のジャイル・ボルソナロ氏の支持率は18.8%と、前回の16.7%から上昇。3位の環境保護活動家マリナ・シルバ氏は6.5%と、前回の7.6%から低下した。

  MDAの調査はブラジル運輸連盟(CNT)の委託で2002人を対象に15−18日に実施された。誤差はプラスマイナス2.2ポイント。

原題:Lula Is Still Popular, His Likely Heir Less So, Polls Show (3)(抜粋)
Brazil’s Imprisoned Lula Still Most Popular: CNT/MDA Poll(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/250.html#c3

[政治・選挙・NHK249] 「徹底的に干す」 安倍周辺から流れる石破潰し報道の異様(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年8月21日 20:59:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1256]

#表面上は、ポピュリスト化が加速する石破
 

 


アベノミクス、多くの国民置き去りに=石破元防衛相

来月の自民党総裁選で安倍晋三首相に挑む石破茂元防衛相

By Megumi Fujikawa
2018 年 8 月 21 日 19:20 JST 更新

 アベノミクスは安倍晋三首相が好んでゴルフを共にする大企業のトップには恩恵をもたらしたが、その他多くの人を取り残している。そう語るのは来月20日の自民党総裁選で安倍首相に挑む石破茂元防衛相だ。

 石破氏が長期政権を担ってきた安倍氏から総裁の座を奪うチャンスはほとんどない。しかし同氏は、安倍内閣下での健全な経済指標をあまり評価せず、むしろ超金融緩和や積極的な財政出動といったアベノミクスの政策にリスクを感じる、より広い層の考えを代弁している。

 石破氏は自身の事務所でインタビューに応じ、「金融緩和と円安で輸出企業はもうかって、みんな安倍さんの別荘で楽しくゴルフをしている。あの人たちはハッピーだが、そうでない人はたくさんいる。そうした人たちを幸せにしていかないとこの国の経済はサステナブルではない」と述べた。

 ゴルフ好きの安倍氏は、キヤノンや富士フイルムホールディングスといった企業の幹部と頻繁にコースに出る。ドナルド・トランプ米大統領とも3度プレーした。

 安倍氏が2012年12月に首相に就任して以来、その経済政策は日本銀行の黒田東彦総裁の積極的な金融緩和と相まって記録的な企業利益に貢献し、労働市場が過去数十年で最も逼迫(ひっぱく)する一助となった。過去2年間の経済成長は安定しており、4-6月期の国内総生産(GDP)は年率換算1.9%増に達した。

 安倍氏は7月に記者会見で、中小企業の賃上げ率が過去20年間で最高に達したことを示す調査の結果など、好調な数値を示し、「日本経済は確実に前進を続けている」と述べた。

 有権者はそこまで確信していない。ANNが今週発表した世論調査の結果では、「アベノミクス」がうまく進んでいると「思う」とした回答が23%にとどまったのに対し、「思わない」は57%に上った。同じ調査で、国民一般の支持率は石破氏が安倍氏をわずかに上回った。

 石破氏は、日銀に緩和政策を即刻やめるよう要請する気はないものの、緩和策が多くの影を落としていると述べた。例えば、東北地方で高齢者を前に行った講演で、超低金利をどう考えているかと参加者に尋ねた時には、利息がもらえないため孫へのプレゼントが買えなくなったとの声が返ってきたという。

 日銀の黒田総裁は2013年、金利押し下げを狙った大量の国債買い入れなど、「黒田バズーカ」として有名な政策に乗り出した。16年以降には、10年物国債の利回りをゼロ近辺で維持しようとしてきた。石破氏はこれを評価しておらず、「軍事の専門家から言わせるとバズーカ砲は長距離は飛ばない」と語った。

 安倍氏は1000兆円に上る日本の累積債務の話題を避けたがるが、石破氏は手遅れにならないうちに国として解決策を探り始めるべきだと話した。

石破氏(左)と安倍晋三首相(2015年)

 国債の大半は国内で保有されているが、日本人の貯蓄で足りなくなることがあれば国外からの借り入れを増やさざるを得なくなり、金利が跳ね上がりかねないと石破氏は述べた。「国債発行力がある間に、どうやって稼ぎを増やしていくのかが大事」だという。

 こうした発言は、自民党内にも広がっている考え方に共鳴し、自身への支持を求めるものだ。もっとも、議員の多くは、公に安倍氏の不支持を表明することにはためらいがある。

 将来の首相候補と目されながら、今回は党総裁選への不出馬を決めた岸田文雄元外相は今年、党の特命委員会で財政再建に向けた議論を開始している。

 安倍氏は19年10月に消費税を8%から10%に引き上げる計画を示した。石破氏は、財務省幹部や多くの財界幹部と同様、いずれ10%を超えることは必至だとの認識を示した。

 安倍氏は総裁再選に向けた活動を近く開始する。21日には別荘の近くで、この1週間で4回目のゴルフをしていた。

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http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/530.html#c2

[不安と不健康18] 白砂糖の害は恐ろしい。 お天道様はお見通し
2. 2018年8月21日 21:44:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1257]
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45219556
低炭水化物の食事は寿命を縮める可能性 米研究が示唆

2018/08/20

BBC News


アレックス・テリエン BBCニュース健康担当記者

低炭水化物の食事は、寿命を最大4年縮める可能性があると示唆する研究が16日、発表された。

アトキンス・ダイエット(医学博士ロバート・アトキンス氏が提唱した食事法)を初めとする低炭水化物の食事は、体重を減らす方法として急速に有名となり、いくつかの病気のリスクを下げるのに有望ともされてきた。

しかし、25年分のデータを用いた米研究は、炭水化物を適度に摂取する、もしくは肉から植物性タンパク質や植物性脂肪に切り替えるほうが、より健康的だと示している。

研究は、調査対象者がどれぐらいの量の炭水化物を摂取したかの記憶を元に行われた。

「広く有名になった健康法」
公衆衛生の専門誌「ランセット・パブリック・ヘルス」に16日付で掲載された研究は、米国に住む1万5400人に、消費した食べ物と飲み物を、サイズも合わせて尋ねた質問票の回答を分析した。
https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(18)30135-X/fulltext

質問票から、研究者は被験者の摂取カロリーにおける炭水化物、脂肪、タンパク質の割合を推計した。

被験者が提供したデータ25年分の平均から、摂取エネルギーのうち50%から55%を炭水化物から得ている人は、低炭水化物や高炭水化物の食事をとったグループよりも、脂肪リスクがわずかながら低いことを発見した。エネルギーの50%から55%を炭水化物から摂取するのは、英国が定める食事ガイドラインにも適合している。

炭水化物は野菜、果物や砂糖にも含まれるが、主な炭水化物の摂取源はジャガイモ、パン、米、パスタ、シリアルといったでんぷん質の食品だ。

炭水化物を中程度にとっているグループの50歳の人は、平均であと33年生き続けるのが期待できると、研究者は推計した。

他にも、炭水化物を中程度摂取したグループについては、以下のような調査結果が示された――。

中程度グループは、摂取エネルギーのうち炭水化物が30%かそれ以下という、超低炭水化物グループよりも、平均寿命が4年長い
摂取エネルギーのうち炭水化物が30%から40%という低炭水化物グループより、中程度グループは平均寿命が2.3年長い
摂取エネルギーのうち炭水化物が65%かそれ以上という高炭水化物グループより、中程度グループは平均寿命が1.1年長い
今回の調査結果は、20カ国以上の40万人以上を調査した同様の先行研究の結果とも類似しており、執筆者は論文内でこの先行研究も比較対象とした。

科学者らは次に、動物性タンパク質や脂質を多く含む低炭水化物食と、植物性タンパク質と脂質が多い低炭水化物食を比較した。

比較の結果、炭水化物の代わりに牛肉や羊肉、豚肉、鶏肉、チーズを多く食べることが、死亡リスクのわずかな上昇に関係していると明らかになった。

一方、炭水化物の野菜やナッツ類といった植物性タンパク質や植物性脂質への置き換えは、実は死亡リスクを少し減らすことも分かった。

米ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で循環器内科の臨床および研究フェローを務めるサラ・サイデルマン博士が、この研究を主導した。サイデルマン博士は、「タンパク質あるいは脂肪を炭水化物と置き換える低炭水化物食は、健康で体重を減らす戦略として広い知名度を得ている」と述べた。

「しかし、北米や欧州で普及している動物性の低炭水化物食は、全体的な寿命の短縮に関連している可能性があり、推奨されるべきでないと、我々のデータは示している」

「低炭水化物食の実践を選びたい人は、その代わりに、植物性脂質や植物性タンパク質を低炭水化物と置き換えれば、健康に歳を取ることに長期的に実際役立つかもしれない」

「栄養素への注目だけでは不十分」
炭水化物を厳しく制限する西洋型の低炭水化物食はしばしば、野菜や果物、穀物の摂取を減らす結果になり、代わりに体の炎症や老化と関係する動物性タンパク質や脂質の大量消費を引き起こすと、論文の執筆者は推測する。

今回の研究には参加しなかった、英ケンブリッジ大学の医学研究局(MRC)疫学部門に所属するニタ・フォロウヒ教授は、「この研究からもたらされる本当に重要なメッセージは、栄養素への注目だけでは不十分で、動物と植物、どちら由来の栄養素なのかが大切だということ」と述べた。

「食べ物から炭水化物の摂取を減らす場合、それが植物性脂質や植物性タンパク質の食物源と置き換えられるなら利益があるが、肉など動物性食物源と置き換えられる場合はそうならない」

ただ、この調査には限界もある。

調査結果は因果関係というより観察による関係性を示しており、被験者が食べたものは自己申告のデータに基づいており、正確でない可能性もある。

また、被験者の食事は調査開始時とそれから6年後に計測されただけで、食習慣はその後の19年間で変わった可能性があると、著者も認めている。

キングス・コレッジ・ロンドンのトム・サンダース栄養学および食品学名誉教授は、調査に使われた食事に関する質問票の使用が、被験者に自分が摂取したカロリーや脂質の過小評価を促しているとも指摘する。

「より高い死亡リスクを示しているかもしれない体重過多や肥満の人たちは、肉が多くて炭水化物が少ない、あるいは脂肪が少なくて炭水化物が多い、という2つの一般的な食生活に陥っているかもしれない、というのが、この研究や他の米研究での発見についてのあり得る説明の一つだ」とサンダース名誉教授は付け加えた。

テリエン記者のツイッターアカウントはこちら(英語)

(英語記事 Low-carb diets could shorten life, study suggests)
https://www.bbc.com/news/health-45195474

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45219556

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Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis
• Sara B Seidelmann, MD
• Brian Claggett, PhD
• Susan Cheng, MD
• Mir Henglin, BA
• Amil Shah, MD
• Lyn M Steffen, PhD
• Aaron R Folsom, MD
• Eric B Rimm, ScD
• Walter C Willett, MD
• Scott D Solomon, MD
Open AccessPublished:August 16, 2018DOI:https://doi.org/10.1016/S2468-2667(18)30135-X
Open access funded by National Institutes of Health

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Summary
Background
Low carbohydrate diets, which restrict carbohydrate in favour of increased protein or fat intake, or both, are a popular weight-loss strategy. However, the long-term effect of carbohydrate restriction on mortality is controversial and could depend on whether dietary carbohydrate is replaced by plant-based or animal-based fat and protein. We aimed to investigate the association between carbohydrate intake and mortality.
Methods
We studied 15 428 adults aged 45–64 years, in four US communities, who completed a dietary questionnaire at enrolment in the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) study (between 1987 and 1989), and who did not report extreme caloric intake (4200 kcal per day for men and 3600 kcal per day for women). The primary outcome was all-cause mortality. We investigated the association between the percentage of energy from carbohydrate intake and all-cause mortality, accounting for possible non-linear relationships in this cohort. We further examined this association, combining ARIC data with data for carbohydrate intake reported from seven multinational prospective studies in a meta-analysis. Finally, we assessed whether the substitution of animal or plant sources of fat and protein for carbohydrate affected mortality.
Findings
During a median follow-up of 25 years there were 6283 deaths in the ARIC cohort, and there were 40 181 deaths across all cohort studies. In the ARIC cohort, after multivariable adjustment, there was a U-shaped association between the percentage of energy consumed from carbohydrate (mean 48·9%, SD 9·4) and mortality: a percentage of 50–55% energy from carbohydrate was associated with the lowest risk of mortality. In the meta-analysis of all cohorts (432 179 participants), both low carbohydrate consumption (70%) conferred greater mortality risk than did moderate intake, which was consistent with a U-shaped association (pooled hazard ratio 1·20, 95% CI 1·09–1·32 for low carbohydrate consumption; 1·23, 1·11–1·36 for high carbohydrate consumption). However, results varied by the source of macronutrients: mortality increased when carbohydrates were exchanged for animal-derived fat or protein (1·18, 1·08–1·29) and mortality decreased when the substitutions were plant-based (0·82, 0·78–0·87).
Interpretation
Both high and low percentages of carbohydrate diets were associated with increased mortality, with minimal risk observed at 50–55% carbohydrate intake. Low carbohydrate dietary patterns favouring animal-derived protein and fat sources, from sources such as lamb, beef, pork, and chicken, were associated with higher mortality, whereas those that favoured plant-derived protein and fat intake, from sources such as vegetables, nuts, peanut butter, and whole-grain breads, were associated with lower mortality, suggesting that the source of food notably modifies the association between carbohydrate intake and mortality.
Funding
National Institutes of Health.
Linked Article
• Evolving evidence about diet and health
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Introduction
Some dietary guidelines have focused on lowering saturated and trans fat but not total fat or overall macronutrient composition.
1
,
2
Other guidelines continue to recommend lowering total fat (4200 kcal per day for men and 3600 kcal per day for women).
Procedures
Participants completed an interview that included a 66-item semi-quantitative food frequency questionnaire (FFQ), modified from a 61-item FFQ designed and validated by Willett and colleagues,
16
at Visit 1 (1987–89) and Visit 3 (1993–95). Participants reported the frequency with which they consumed particular foods and beverages in nine standard frequency categories (extending from never or less than one time per month, to six or more times per day). Standard portion sizes were provided as a reference for intake estimation, and pictures and food models were shown to the participants by the interviewer at each examination. We used the Harvard Nutrient Database to derive nutrient intakes from the FFQ responses.
16
Outcomes
The primary outcome was all-cause mortality, subsequent to the first visit, until the end of 2013. Number of deaths was determined with annual (or later, semi-annual) telephone calls, linkage to local hospital and state health department records, or for those lost to follow-up, linkage to the National Death Index.
Statistical analysis
We analysed the covariates of age, sex, race (self-reported), study centre, education level (grade school, high school without diploma, high school graduate, vocational school, college graduate, graduate school or professional school), cigarette smoking status (current, former, never), physical activity level (sport and exercise activity and non-sport activity during leisure from Baecke questionnaire
17
), total energy intake (kcal), ARIC test centre location, and diabetes status (defined on the basis of use of anti-diabetic medications, self-report of a physician diagnosis, fasting glucose value ≥126 mg/dL or a non-fasting glucose of ≥200).
We tested the association of baseline characteristics of the ARIC cohort with quantiles of total energy from carbohydrate using linear regression and χ2 tests for categorical variables (adjusting for age and sex). We used Cox proportional hazards regression models to calculate hazard ratios (HRs), to quantify the association between carbohydrate intake and the risk of death. We used restricted cubic splines
18
with 4 knots to express the potentially non-linear association between total energy from carbohydrate intake at Visit 1 and all-cause mortality. We adjusted the ARIC analyses for demographics (age, sex, self-reported race), energy intake (kcal per day), study centre, education, exercise during leisure activity, income level, cigarette smoking, and diabetes. We did a time-varying sensitivity analysis: between baseline ARIC Visit 1 and Visit 3, carbohydrate intake was calculated on the basis of responses from the baseline FFQ. From Visit 3 onwards, the cumulative average of carbohydrate intake was calculated on the basis of the mean of baseline and Visit 3 FFQ responses. We did not update carbohydrate exposures of participants that developed heart disease, diabetes, and stroke before Visit 3, to reduce potential confounding from changes in diet that could arise from the diagnosis of these diseases. We did a mean residual lifetime analysis using previously published methods.
19
We created actuarial estimates of the age-specific probabilities of death according to each category of carbohydrate intake exposure, and used these estimates to obtain non-parametric age-based Kaplan-Meier estimates of the survival curve for participants at each year of age in each carbohydrate intake category (>65%, 55–65%, 50–55%, 40–50%, 30–40%, and $50 000 868/2909 (30%) 802/2913 (28%) 703/2918 (24%) 661/2905 (23%) 567/2876 (20%) ..
Mean total energy intake, kcal 1558 (11) 1655 (11) 1660 (11) 1646 (11) 1607 (11) 0·0092
Mean animal protein % of energy 16·9% (0·1) 14·8% (0·1) 13·5% (0·1) 12·3% (0·1) 10·1% (0·1) 65% of energy from carbohydrate) would have a projected life expectancy of 32·0 years, compared with 33·1 years for a participant who consumed 50–55% of energy from carbohydrate (difference 1·1 years [0·1, 2·0]). We did a sensitivity analysis using 50–60% energy from carbohydrate as the comparison group, with similar findings (data not shown). The association of overall carbohydrate intake with cardiovascular and non-cardiovascular mortality is shown in the appendix (pp 3, 4). There were similar results when we used dietary information from Visit 1 and Visit 3 in the sensitivity analysis (appendix pp 5, 6).

Figure 1U-shaped association between percentage of energy from carbohydrate and all-cause mortality in the ARIC cohort
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We updated a meta-analysis
12
published in 2012, by identifying two additional studies that had since been published and that met inclusion criteria, using previously defined methods;
13
,
24
we also added results from ARIC because they met previously defined inclusion criteria
12
(table 2). Including data from the ARIC cohort, there were 432 179 participants in eight cohort studies investigating carbohydrate intake, with 40 181 (9·3%) deaths reported. Because there was significantly lower consumption of carbohydrate in European and North American regions compared with Asian countries, low-income countries, and multinational cohorts (p70% of energy from carbohydrate) consumption were associated with increased mortality risk and shorter residual lifespan, with minimum risk observed with 50–55% of energy from carbohydrate. These findings reflect a U-shaped relationship between carbohydrate intake and mortality, and were corroborated by data from other North American, European, Asian and multinational cohorts, combined as part of a meta-analysis. However, low carbohydrate dietary patterns that replaced energy from carbohydrate with energy from animal-derived protein or fat were associated with greater risk. However, this association was reversed when energy from carbohydrate was replaced with plant-derived protein or fat.
In this study, the association of carbohydrate intake with mortality was dependent on the range of carbohydrate intake. The range of carbohydrate intake differs by geographical and socioeconomic factors; percentage of energy from carbohydrates have been lower in North American and European cohort studies (mean values generally ≤50%) than in Asian or multinational cohorts, which are largely comprised of low-income and middle-income countries (mean values >60%). Overall, there was a U-shaped relationship between carbohydrate intake and mortality, but the North American and European cohorts primarily represented the left side of the U-shaped curve whereas Asian and less economically advanced nations (as included in the PURE study) represented the right side of the curve. North American and European cohort studies have compared true low carbohydrate dietary patterns (in terms of absolute value of 70% of total energy).
Findings from this study suggest that previous analyses of carbohydrate intake that focused on quantiles of consumption and then searched for a trend across those quantiles seem to have overlooked valuable information. Using the carbohydrate intake data continuously provides more granular information and allowed us to identify a more U-shaped relationship between carbohydrate consumption and risk, which might otherwise not have been evident. Continuous data have not been published for North American or European cohorts; several previous studies only showed a linear relationship,
8
,
10
,
11
whereas others that reported quantiles were suggestive of U-shaped or J-shaped relationships.
9
,
24
The relationship between dietary carbohydrate and mortality was reported as a continuous relationship in the PURE study, with intake ranging primarily from moderate to high carbohydrate, but still fell within the confidence intervals of what we observed in ARIC, with intake ranging primarily from low to moderate carbohydrate, further supporting a U-shaped relationship between carbohydrate intake and mortality. Although this study included quantile-based analyses to the extent that previous work has used such analyses, and we illustrate how the ARIC data fit in that context, the continuous analyses probably reflect a much closer representation of the true relationship between carbohydrate intake and mortality.
To further examine the potential effects of protein and fat sources supplanting carbohydrate intake, we investigated animal-based and plant-based diets in the ARIC cohort. We found that low carbohydrate dietary patterns favouring animal-derived protein and fat sources were associated with higher mortality, in accordance with results from the Nurses' Health Study and Health Professionals Follow up Study.
9
However, low carbohydrate diets that favoured plant-derived protein and fat intake were associated with lower mortality, also consistent with previous results.
9
,
24
These data suggest that the source of the protein and fat substituted for carbohydrates in the diet might notably modify the relationship between carbohydrate intake and mortality. Previous work has shown a less consistent relationship between overall carbohydrate intake and cardiovascular death by comparison with all-cause mortality.
12
However, in our analysis, when carbohydrate is substituted for higher animal fat or protein intake it is associated with both higher cardiovascular and non-cardiovascular death, whereas plant-based substitutions are associated with both lower cardiovascular and non-cardiovascular death, indicating that food source could be an important consideration for both causes of mortality.
There are several possible explanations for our main findings. Low carbohydrate diets have tended to result in lower intake of vegetables, fruits, and grains and increased intakes of protein from animal sources,
23
,
25
,
26
,
27
as observed in the ARIC cohort, which has been associated with higher mortality. It is likely that different amounts of bioactive dietary components in low carbohydrate versus balanced diets, such as branched-chain amino acids, fatty acids, fibre, phytochemicals, haem iron, and vitamins and minerals are involved.
28
Long-term effects of a low carbohydrate diet with typically low plant and increased animal protein and fat consumption have been hypothesised to stimulate inflammatory pathways, biological ageing, and oxidative stress. On the other end of the spectrum, high carbohydrate diets, which are common in Asian and less economically advantaged nations, tend to be high in refined carbohydrates, such as white rice; these types of diets might reflect poor food quality
13
,
24
and confer a chronically high glycaemic load that can lead to negative metabolic consequences.
29
There are limitations to this study that merit consideration. This study represents observational data and is not a clinical trial; however, randomised trials of low carbohydrate diets on mortality are not practical because of the long duration of study required. Another limitation of this study is that diet was only assessed at two time intervals, spanning a 6-year period, and dietary patterns could change during 25 years. However, because participants are able to increase or decrease their consumption of carbohydrates during the course of follow-up, any dietary changes that occur after the described assessments would be expected to attenuate any observed associations. Our conclusions about animal fat and protein might have less generalisability to Asian cultures, which often feature very high carbohydrate consumption but with a primary meat source that is often from fish. In fact, the plant score calculated in the Japanese cohort, NIPPON DATA80,
24
included fish as a source of protein as well. Hence, animal scores reported here are composed largely of beef, pork, and fowl, in addition to fish. An additional limitation is that the international data
13
about very high carbohydrate intakes, largely derived from China, are, on average, higher than the national data,
30
for unclear reasons. However, the advantage of these data is that they include multi-racial and ethnic groups across a spectrum of socioeconomic groups, and they are representative of many high quality cohorts. Given the relatively small number of individuals adhering to low carbohydrate diets with mainly plant-based protein and fat sources of macronutrients, this study could not definitively examine the relative benefits of this diet compared with other dietary patterns. Our study focused on general carbohydrate intake, which represents a heterogeneous group of dietary components. Any number and combination of dietary components could have been considered and adjusted for in this analysis; therefore, some confounders might have been unadjusted for. Ideally, it would be preferable to do an individual-level meta-analysis in a collaborative effort that would have allowed for consistent adjustment for confounders in pooled analysis. Finally, some degree of measurement error is unavoidable for all dietary assessment methods, and the absolute intakes need to be interpreted cautiously.
Our findings suggest a negative long-term association between life expectancy and both low carbohydrate and high carbohydrate diets when food sources are not taken into account. These data also provide further evidence that animal-based low carbohydrate diets should be discouraged. Alternatively, when restricting carbohydrate intake, replacement of carbohydrates with predominantly plant-based fats and proteins could be considered as a long-term approach to promote healthy ageing.
Contributors
SBS led all stages of the work with the academic guidance of SDS, WCW, EBR, SC, AS, LMS, ARF, and BC. SDS and the advisory group provided counsel in the study design and data interpretation. MH aided data analysis and preparation of figures. All authors contributed to drafting and critical revision of the manuscript for intellectual content.
Declaration of interests
LMS receives grant funding from the California Walnut Commission and Dairy Management Inc, which was not used for this project. SC reports grants from the National Institutes of Health (NIH), and personal fees from Novartis and Zogenix, outside the submitted work. All other authors have no competing interests.
Acknowledgments
The ARIC Study is carried out as a collaborative study supported by National Heart, Lung, and Blood Institute contracts (HHSN268201100005C, HHSN268201100006C, HHSN268201100007C, HHSN268201100008C, HHSN26820110000 9C, HHSN268201100010C, HHSN268201100011C, and HHSN26820 1100012C). The authors thank the staff and participants of the ARIC study for their important contributions. SBS is supported by NIH grant number 2T32HL094301-06. SC was supported by NIH grants R01-HL134168 and R01-HL131532.
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Publication History
Published: August 16, 2018
IDENTIFICATION
DOI: 10.1016/S2468-2667(18)30135-X
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© 2018 The Author(s). Published by Elsevier Ltd.
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Figures

Figure 1U-shaped association between percentage of energy from carbohydrate and all-cause mortality in the ARIC cohort

Figure 2Carbohydrate intake and mortality risk across multiple cohort studies

Figure 3U-shaped association between percentage of energy from carbohydrate and all-cause mortality in the ARIC and PURE cohort studies
Tables
• Table 1Population characteristics in the Atherosclerosis Risk in Communities study, by quantile
• Table 2Meta-analysis study characteristics
• Table 3Association between diets that substitute carbohydrates for animal-based or plant-based protein and fat with mortality in multiple cohort studies
Related Specialty Collection
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• Obesity
• Nutrition & metabolism-other
• Public Health



http://www.asyura2.com/16/health18/msg/641.html#c2

[不安と不健康18] ビタミンCによるがん転移の抑制メカニズムに新発見 還元型と酸化型で生理作用に違い BRIAN ENO
1. 2018年8月21日 21:52:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1258]
>RVCは、がん転移の段階(1.原発巣の発達 2.細胞の遊走 3.転移巣の発現)において、細胞の遊走すなわち転移がん細胞に有効 高濃度VC(RVC)による治療は、ステージの進行したがんにも効果
>また、酸化型(DVC)は、細胞死を抑制する作用 神経細胞の変性を主徴とする脳虚血の治療などに応用

有効性があるとしても、それが既存薬物と比べて、十分、高いかどうか

また長期・大量投与が必要な場合、予見できなかった副作用が生じないかどうかは検証が必要になりそうだ


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/640.html#c1

[経世済民128] トウモロコシが近代文明を破壊する  赤かぶ
1. 2018年8月21日 22:01:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1259]
>アメリカ人の体の炭水化物の70%はⅭ4植物に由来しているそうである。すでに100%になっている人もいる。米を主食とする日本人は少なく、30%程度であるとのことである。しかしこれもやがて、アメリカに近づくことのなるであろう。
>Ⅽ4植物に由来した生体の問題は明かではないが、異常が出てきた段階ではもう取り返しがつかない

インディオなど、既に長期にわたって主食にしている民族が世界中にいるのだから、これは杞憂だろう


もちろん、家畜の大量生産と過剰消費は、地球環境にも、健康にも悪い

さらにコーン生産に補助金を出して代替エネルギーにするなど、愚かなことは止めた方がいいのは当然のことだが


もっと遥かに愚かなことを世界中でやっている愚民たちに言ってもムダなことだろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/253.html#c1

[経世済民128] シャープ、ホンハイから中国企業へ転売との観測流れる(Business Journal) 赤かぶ
1. 2018年8月22日 09:59:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1260]

国家や保護主義が好きなOldTypeにとっては気になるのだろうが


台湾は中国

ホンハイも中国企業

つまりシャープは既に中国傘下だが

国籍にこだわるのは、グローバル経営では、あまり意味はないし

シャープのような小さなサプライ部門が、どこに所属しようが、大した問題ではない

それよりも今後は、技術革新による高度人材の獲得が課題になっていくだろう


 

サプライチェーン・マネジメントの終焉

アラン・ライアル,ピエール・メルシエ,ステファン・シュテットナー:サプライチェーンと小売業の専門家。
2018年8月22日
新たなテクノロジーはビジネス環境を日々大きく変容させているが、筆者らによると、今後5〜10年の間に、人がサプライチェーン・マネジメントを行う時代は終わりを迎えるという。ロボティクスやアナリティクスから成る「デジタルの管制塔」が、サプライチェーンを自動で動かす未来とは。

 サプライチェーンは、企業のオペレーションの心臓部だ。マネジャーは、最善の決定を下すためには、自社のサプライチェーンに関するリアルタイムのデータにアクセスする必要がある。だが、旧世代の技術の限界により、末端から末端までの透明性という目標を果たせない場合がある。
 しかし、そのような日々は、じきに過去のものとなるだろう。
新たなデジタル技術が、サプライチェーン・マネジメント(SCM)をまるごと引き受ける可能性を秘めており、従来のやり方に破壊的変化をもたらしつつある。あと5〜10年もすると、サプライチェーン管理という職能は廃れるものと思われる。それに取って代わるのは、円滑に稼働する自己制御型の機能であり、末端から末端までのワークフローを最適に管理し、人間の介入をほとんど必要としない。
 企業は、デジタル技術を基盤とすることで、リアルタイムの高品質なデータの保存、分析、統合、容易なアクセス、解釈ができるようになる。このようなデータは、業務プロセスの自動化、予測的アナリティクス、人工知能、ロボティクスといった、じきにサプライチェーン・マネジメントを引き受けることになる技術を活気づけるだろう。

 先駆的な企業はすでに、可能性を模索している。

 その多くはロボティクスや人工知能を利用して、購買、請求、買掛金の処理、顧客サービスの一部などの、労働集約的で反復的な仕事やプロセスを、デジタル化・自動化している。
 予測的アナリティクスは、企業が需要の予測を向上させるのに役立っている。これにより、変動性の抑制や適切な対処、資産活用の増加、適度なコストで顧客に利便性を提供することなどができる。

 一部の製造企業は、機械の使用状況とメンテナンスを検知するセンサーのデータのおかげで、機械がいつ故障するかをより的確に推定できており、機械の停止時間を最低限に抑えられている。
 ブロックチェーンは、柔軟な供給ネットワークにおける企業間の協働のあり方に、革命を起こし始めている。
 ロボットは、小売業界で倉庫と発送センターにおいて、生産性と利益率を高めている。配達用ドローンや自動運転車が普及する日は、そう遠くない。

 世界的な鉱業・資源会社のリオ・ティントは、鉱山から港まで輸送するオペレーションを、デジタル技術でいかに自動化できるか模索中だ。同社は、無人電車、ロボット・オペレーター、カメラ、レーザー、追跡センサーを利用することで、サプライチェーン全体を遠隔操作で管理できるようになるだろう。同時に、安全性を向上させ、人里離れた場所で人間が働く必要性を減らすこともできる。

 このような企業の多くが模索している主要なコンセプトは、「デジタルの管制塔」だ。グローバルなサプライチェーンにおいて、リアルタイムに末端から末端まで見通せる、バーチャルな意思決定センターである。

 大手小売企業の一部では、このような管制塔はオペレーションの中枢となっている。典型的な「塔」は、実際には物理的な部屋で、データ・アナリストのチームがフルタイム・年中無休で常駐し、壁いっぱいに広がる高解像度の画面を監視している。画面は、サプライチェーン上の発注から配達までのあらゆる段階について、リアルタイムの情報と3Dグラフを映し出す。ビジュアルの警報が、在庫の不足やプロセスの障害を未然に警告してくれるので、現場のチームは、潜在的な問題が現実のものとなる前に素早く軌道修正できる。

 リアルタイムのデータ、疑う余地のない正確性、絶え間ない顧客重視、プロセスの卓越性、アナリティクス班のリーダーシップが、このような小売オペレーションの管制塔を下支えしているのだ。

 工業系の企業も、「デジタルの管制塔」のコンセプトを採用している。あるメーカーでは、複雑なネットワークによって、1日に100万個以上もの部品が動かされている。同社の管制塔は、供給上の潜在的な問題が発生すると、警告を発し、問題の影響を計算する。そして、事前に決められた対処法を用いて問題を自動的に修正するか、あるいは、エスカレーション(上位者に問題解決への関与を仰ぐこと)担当チームに注意喚起してくれる。
 同様に、ある鉄鋼会社では、独自の供給計画立案ツールを管制塔のプラットフォームに組み込むことで、サプライチェーンの反応性と回復力を高めている。このツールは、想定外の重大な装置の故障、いわゆる「大打撃」が事業にどのような影響を及ぼすかをシミュレーションし、最善のリスク軽減策を示してくれる。

今後、サプライチェーン・マネジメントで必要とされる人材とは

 サプライチェーン・マネジメントにおける潮流は明らかだ。技術が人に取って代わり、かつ、人より優れた仕事をしている。
 自動化されたプロセス、データによる統制、高度なアナリティクス、センサー、ロボティクス、人工知能、絶え間なく繰り返される学習――これらによって、将来的に人間の必要性が最小限になることは想像に難くない。では、計画立案、購買、製造、受注処理、物流がほぼ自動化されたあかつきには、サプライチェーンの専門家には何が残されているのだろうか。

 サプライチェーンを担当する経営幹部は、短期的には、ほぼ反復的・処理的な作業をしている従業員の管理をしている現状から、重点をシフトする必要がある。高度な専門技能を持つ限られた数の担当者とともに、情報と物の流れを設計・管理する、というやり方に変えるのだ。

 近いうちに、「サプライチェーン・アナリスト」の需要が高まるだろう。データを分析し、データセットを構成・検証し、デジタルのツールとアルゴリズムを活用して、効果的に予測することのできる人材である。

 より長期的には、ごく一握りの専門家のみに、ハイテク主導のサプライチェーン・エンジン――常に変化していく事業上の戦略、要件、優先順位をシームレスに支える機能――を構築することが求められるだろう。そのエンジンを稼働させ続けるために、オペレーションと技術が交差する分野での新たなスキルを持つ少数の人材を、採用か訓練によって得なければならない。

 この新たな役割に必要とされるスキルは、現在は容易には手に入らない。したがって、企業にとって最大の難題は、サプライチェーンの将来のビジョンを描くことと、その重大な役割を果たす人材の獲得戦略を考案することであろう。
 我々が知っているサプライチェーン・マネジメントの終焉が、目の前に迫っているのは明らかだ。現在のスキルとプロセスを更新すべく取り組んでいるマネジャーと企業こそが、やがて勝者になるだろう。

HBR.ORG原文:The Death of Supply Chain Management, June 15, 2018.
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人間の仕事の将来は、想像力、創造性、そして戦略的思考にある

アラン・ライアル(Allan Lyall)
サプライチェーンと小売業の専門家。かつてアマゾンで欧州オペレーションのバイスプレジデントを12年間務め、アップルや英小売のテスコでも幹部を務めた。
ピエール・メルシエ(Pierre Mercier)
ボストン コンサルティング グループ(BCG)のシニアパートナー兼マネージングディレクター。サプライチェーン・マネジメントと小売業界を専門とする。前職では、ミッチェル・マディソン・グループとデロイト・コンサルティングに勤務。
ステファン・シュテットナー(Stefan Gstettner)
ボストン コンサルティング グループのアソシエートディレクター。消費財小売企業で最高業務責任者として6年間の経験があり、サプライチェーン専門家のネットワークを運営していた。現在は、サプライチェーンのデジタル変革を専門分野としている。


 


 
米金融街で消滅、技術者とトレーダーの垣根
スポーツマンタイプのトレーダーが金を稼ぎ、プログラマーは後方支援という時代は終わった
やり手のトレーダーにとってもプログラミングは必須技能になりつつある SCOTT ANDERSON
By Liz Hoffman and Telis Demos
2018 年 8 月 21 日 11:23 JST 更新

 「ストレーダー」と呼ばれる人たちがいる。

 ある時はリスクを負うトレーダー、ある時はコンピューターに精通する「ストラテジスト」として、彼らはゴールドマン・サックスの廊下をせわしなく歩き回り、かつては厳然と存在したやり手のスポーツマンタイプと技術オタクの境界線を消し去った。

 「あなたがたの言う『トレーダー』がどういうものか、私には分からない」。ゴールドマンに16年間在籍するアダム・コーン氏はこう語る。「セールスやトレーディングの仕事に就く者は全員、プログラミングの仕方を覚えなくてはいけない」

 コーン氏はストレーダーの第一人者であり、彼らに象徴される金融世界を世の中に広める伝道師だ。米ウォール街では、電話口でがなり立てることによってのし上がったトレーダーが、今やプログラミングの授業に出席している。また、後方でそれを支援する役回りだったエンジニアが権限を与えられ、市場で腕試しをしている。

 これはトレーディングフロアの序列を覆すと共に、金融危機後の10年間に起きた現実に折り合いをつけるという意味合いもある。

 ウォール街のトレーダーは株式や債券、証券化されたクレジットカード債権、原油に至るまであらゆるものを売り買いする。2008年のメルトダウン以前は、自分の直感と独自に入手した情報を頼りに活躍した。彼らは電話を駆使してどの客が投資話に飢えているか、どの客が必死に飛びつきそうかを調べ、その弱みにつけ込んだ。「血のにおいがする」とモルガン・スタンレーのジョン・マック元最高経営責任者(CEO)は配下のトレーダーによく告げたという。「さあ仕留めに行くぞ」。彼らはそれを実行し、たっぷりと報酬を得た。


アダム・コーン氏はゴールドマン・サックスに初めて登場した「ストレーダー」の1人だった


 そうした時代はほぼ過去のものとなった。現在ではコードの塊(時にアルゴリズムと呼ばれる)がトレーダーの仕事の大半をこなす。自分たちのポジションを常に把握し、顧客に気配値を示し、売り手と買い手をマッチングし、見えないリスクに警告を発するといったことだ。

 セールスマンの仕事も次第にこの領域に入ってきた。最新のソフトウエアでは顧客の最近の投資実績を分析し、その客が関心を持ちそうな特定の株式や債券を提案することができる。アマゾン・ドット・コムが購入履歴に従っておすすめ商品を提案するのと同じことだ。

 自動化の台頭は、一つには金融危機やそれに続くさまざまな不正取引の発覚などが背景にある。金融機関はその反省から、ミスを犯しやすく、利己的な傾向がある人間の裁量を奪う方向に動いた。またウォール街とシリコンバレーの人材獲得競争が激しくなり、金融機関がハイテクに対する本気度を示したがっていることもこれに拍車をかけた。

 さらに、コンピューターを駆使した「クオンツ」ファンドの人気に対抗するためでもある。この手の投資家は従来の銘柄選びの手法を無視し、買いまたは売りの好機を示す市場のパターンを追求する。顧客はゴールドマンのような金融大手の担当者にも、例えば乳製品生産量のような指標についてではなく、データ処理のことを話したがる。「そうした話題についていける」ことが重要だとコーン氏は言う。

 トレーダーの成功を決定づけるのは、自分の直感を信じることより、むしろコンピューターの生み出す情報をいかに解釈するか、またどの情報を取り入れるべきかを判断することになりつつある。「自動車のクルーズコントロール(車速設定システム)と同じだ」とJPモルガン・チェースのトレーディング担当幹部マット・シャーウィン氏は言う。それを使えば「時速55マイルで走行し続けることは可能だが、『適正なスピードかどうか』は誰かが判断しなければならない」

 ハイテクの達人はウォール街の新参者ではない。彼らはトレーディングフロアにコンピューターを導入した1980年代に登場し、デリバティブと呼ばれる複雑な金融派生商品を評価する数学モデルをプログラムする仕事を担っていた。彼らのプログラムは、例えば米ドル相場が下落したらトウモロコシ価格にどう影響するのか、イタリア政府が利上げに動いた場合、フェラーリのローン債権をどう評価すべきかといったことを予測する。

 だが当時のプログラマーはトレーダーと区別され、明らかにトレーダーに従属する立場だった。彼らのモデルを使い、トウモロコシやフェラーリのローン債権をどのくらい実際に売買するかを判断するのはトレーダーだ。ゴールドマンで「ストラット(ストラテジスト)」と呼ばれたプログラマーは数字を処理し、トレーダーが利益をたたき出した。

 かつてはフロアの隅に追いやられていたストラットは現在、ゴールドマンの株取引フロアでトレーダーと並んで座っているだけでない。資格を取り、資金を動かす権限を与えられ、トレーダーの役割に近づいている。

 一方、プレッシャーのかかる状況下において素早く判断する能力や、これまでに培った幅広い人脈は依然として高い価値があるため、トレーダーが技術者に取って代わられることはない。むしろ両者の融合した「ストレーダー」がゴールドマンの中で存在感を増している。

 「10〜15年前なら、技術者は誰とも言葉を交わさず、朝からシャワーも浴びていないように見えた。トレーダーは、ブルックス・ブラザーズのカタログから抜け出したかのように身なりを整えていた」。人材あっせん会社セルビー・ジェニングスで金融業界の人材スカウトを担当するオリバー・クック氏はこう振り返る。「その境界線は基本的に消滅した」


ゴールドマン・サックスの本社でゲームをしてくつろぐアダム・コーン氏。隣は同社プロダクト・マネジャーのべーダ・バドヤー


 変わったのはファッションだけではない。かつて注文を叫ぶ大声が飛び交い、電話が鳴り響いたトレーディングフロアは、驚くほど静かになったと金融取引システムを販売するフィデッサのグループ戦略責任者、スティーブ・グロブ氏は話す。「大声で叫ぶことは少なくなった。タイムマシンで2006年から来た人はこの光景に驚くだろう」

 米銀大手シティグループでは、トレーダーは数理分析グループのプログラマーと共に働いている。6月にトレーダーを対象にプログラミング言語「パイソン」の3日間の初心者コースを行ったところ、非常に好評で、ベテランのトレーダーさえ通常業務を休んで参加したほどだった。シティは9月にも再び同様のコースを開く。

 ゴールドマンでは昨年、オンライン教育システム「edX」を通じてトレーダーにプログラミングの無料授業を提供し始めた。

 「プログラミングは『望ましい技能』から『必須技能』になりつつある」とコーン氏は言う。

 コーン氏の父は、ベル研究所で1980年代に基本ソフト(OS)「UNIX」の根幹の開発にかかわった人物だ。コーン氏はブラウン大学で応用数学と経済学をダブル専攻し、2002年にゴールドマン入社。同社のオフィスがあった「ワン・ニューヨーク・プラザ」50階の隅に集められた株式ストラットの1人として働いた。

 状況が変わり始めたのは2000年代前半だ。株式市場の電子化が進み、金融取引で優位に立つためにコンピュータープログラムの軍拡競争が始まった。ストラットは単なるトレーディングモデルではなく、トレーディングシステム全体を構築するようになった。

 技術が一段と高度化すると、トレーダーは機械の中で何が起きているのか理解できなくなった。アルゴリズムの不具合を直そうとするトレーダーは、自宅のWiFi接続が切れて当惑した家主と同じように、ただ再起動してうまく行くことを願うしかなかった。「そこにリスクが生じた」とコーン氏は指摘する。

 2010年に米株式市場で発生した瞬間的暴落「フラッシュクラッシュ」で、数分間に時価総額1兆ドル(110兆円)が失われたことは、その後すぐに回復したものの、こうした懸念を一段と高めた。伝統的なトレーダーはほぼ頼りにならなかった一方で、変動の理由を説明できるエンジニアはそれに対応できる立場にはなかった。

 ただ、線引きが曖昧になることへの懸念も指摘されている。未熟な者が書いたわずか数行のコードが大惨事を引き起こしかねないからだ。証券仲介大手ナイト・キャピタル・グループほどの企業でも、コンピューターの障害による巨額損失が原因で経営難に陥った。

 JPモルガンやスイスの金融大手UBSでは、それぞれ数十億ドルの損害をこうむるトレーダーの不正事件が起きた。今後もし悪質なプログラマーが故意にコードを書き加えれば、同様の危険が想定される。

 UBSのマイク・ダーガン最高情報責任者は「責任について明確に記述する必要がある」と語る。ソフトウエアの機能の仕方について「トレーダーを教育する必要はある」と同氏は言う。「だが彼らにやってもらいたいのはトレーディングだ」

 規制当局も同様の懸念を示している。証券取引委員会(SEC)は2016年にルールを変更し、金融取引のアルゴリズムを設計または監視する責任がある者には「証券トレーダー」の資格取得を義務づけた。

 その狙いは、プログラムを書く人とそのプログラムが生み出す市場リスクの管理責任者の知識ギャップに起因する障害あるいは不正行為を封じ込めることにある。

 ゴールドマンでは、コーン氏が提案したストレーダー職を積極的に導入する一方、名称はより分かりやすく「プログラムを書くトレーダー」に改めた。現在、この職務に就く社員は約200人いる。

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[国際23] 米国企業、トランプ政権に警鐘 対中関税値上げで自国の損害「劇的に拡大」(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年8月22日 10:23:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1261]

米国の自動車関税、結論先送りか 商務長官が表明
ドイツのブレーマーハーフェン港で船積みされるメルセデス・ベンツ車(2017年7月23日)

By Jacob M. Schlesinger
2018 年 8 月 21 日 21:46 JST

 トランプ米政権は輸入自動車に対する追加関税を検討しているが、実際の発動に向けた調査が当初予定より長引いている。欧州連合(EU)やメキシコ、カナダといった主な自動車輸出国との協議がいまだにまとまっていないという。

 ウィルバー・ロス米商務長官が20日に行われたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで明らかにした。

 ロス長官は7月下旬、自動車輸入が国家安全保障に与える影響に関する調査結果と勧告内容を「おそらく8月中に」取りまとめられると記者団に語っていた。

 だがロス氏はWSJに対し、「報告書を8月末に公表できるか不透明だ」と述べた。その理由として、EUやメキシコ、カナダとの協議がまだ続いていることを挙げた。

 ロス氏は、追加関税に反対する国内外の自動車メーカーから提出された大量の資料の分析にも、想定より多くの時間がかかっていることを示唆した。

 自動車各社から返送された質問書は「きめ細かい」内容が記され、ページ数も多いため、「8月中に間に合わなくなりつつある」という。

 ロス氏は自動車関税について結論を出す日程について、新たな見通しを示すことは控えた。法律上では来年まで時間的猶予があるとしている。

 米国は主な自動車輸出国とより良い条件で合意できる可能性が浮上したことから、追加関税を急ぐ必要性が低下したもようだ。

 ロス氏は、ドナルド・トランプ大統領が7月下旬に、欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長との間で、さまざまな工業製品の関税や政府補助を巡る交渉を始めるまで新たな関税は導入しない約束を交わしたことに言及した。米国とEUの担当者らは20日、この方針に基づく最初の会合をワシントンで開き、枠組みの策定に乗り出した。

 ロス氏は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に臨んでいるメキシコとカナダに対しても「(トランプ氏が)同じことを暗に約束したと思う」と話した。米国とメキシコの担当者らは今週中に会合を持ち、8月末までに何らかの合意を取り付けることを目指す。

 ロス氏によると、自動車の輸入に関する報告書が8月中に発表できると考えられていたのは、NAFTA加盟国やEUとの話し合いに前進が見られる前のことだった。

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バロンズ】米株アウトパフォームの要因
米国株がアウトパフォームしている理由とは

By Vito J. Racanelli
2018 年 8 月 21 日 07:09 JST

• 仮想通貨の行方

 仮想通貨は今年に入って暴落した。調査会社のファンドストラットによると、その相場は昨年末から70%近く下落している。代表的な仮想通貨であるビットコインも昨年12月半ばに付けた1万8675ドルの高値から、6463ドルと3分の1程度まで値崩れした。仮想通貨市場の総資産は約2000億ドル。数百兆ドルとされる世界の投資総額に比べれば、依然としてたたきつぶされたハエのような薄っぺらさだ。

 別に昨年12月のコラムで懐疑論を唱えた先見の明を勝ち誇っているわけではない。いや、そういう部分が全くないとは言わないが、筆者は決していわゆる“ノーコイナー”ではない。オンラインのスラング辞書であるUrban Dictionaryの定義によると、ノーコイナーとは「ビットコインを保有していない人。(社会主義者、弁護士、あるいはエコノミストなど)詐欺だと思っていたがためにビットコインを安値で買うチャンスを逃し、悔しがっている人。その憂さ晴らしに『ビットコインは暴落する』と絶えずケチをつけ、保有者に八つ当たりしている人」。筆者は確かに仮想通貨を保有していないが、そんな敵意は持っていない。

 やはりウォール街も動き始め、関連商品を売り出そうとしている。ところが最近、米証券取引委員会(SEC)はビットコイン上場投資信託(ETF)の販売許可に関する決定を9月30日まで先送りすることにした。許可が下りれば、仮想通貨は大きく値を上げる可能性が高い。さまざまな特徴や奇怪な名前を伴う各種仮想通貨ETFが、いずれ追随することだろう。許可が下りなければ、ビットコインやイーサリアム、リップルその他は、さらなる下落に見舞われることになりそうだ。

 残念なことに、仮想通貨の潜在価値の証明は、弱気相場あるいは景気後退が訪れないことには難しいかもしれない。そんな状況は誰も望まないだろうが、市場に大きなストレスがかかって資金がビットコインに流れ込むとすれば、仮想通貨は価値の貯蔵手段たり得ることが証明される。今のところ、仮想通貨は交換媒体でもなければ、価値の尺度でもない。通貨の3つの基本機能をいずれも満たしておらず、ウォーレン・バフェット氏の「ビットコイン(購入)は投資にあらず」という言葉にならって「ビットコインは通貨にあらず」といえよう。

 ノーコイナーならさらに舌鋒(ぜっぽう)鋭く、「仮想通貨は模擬テストもパスできなかった」と主張するかもしれない。確かに、最近のリラ下落に伴う世界的な相場下落の間も仮想通貨は値を下げ続け、資金の逃避先にはなれなかった。金相場も世界的に下落したものの、震源地のトルコでは上昇した。そしてドルも買われたようだが、ビットコインはさえないままだった。

• アメリカ例外主義

 米国外の株式市場は今年、仮想通貨ほど下落したわけではないが、米国株には(一部では大きく)後れをとっている。メキシコとノルウェーを除けば、年初来の値動きを示す株価ボードが緑に染まっているのは米国くらい。世界的には下落を示す赤が目立つ。

【バロンズ】米株アウトパフォームの要因
 MSCI米国指数が今年に入って6%上昇した一方、MSCI全世界(米国除く)指数は5%近く下落した(いずれもドルベース)。ドル高も一因ではあるものの、それだけで差を説明することはできない。現地通貨ベースでも、日本、中国、ドイツの主要株価指数はいずれも米国をアンダーパフォームしている。例えばドルベースで10%下落したドイツの株式相場は、ユーロベースでも5%下げている。

 中国経済や欧州連合(EU)の一部の経済発展も目覚ましいが、米国株のアウトパフォームにはそれなりの理由がある。経済や企業利益の成長が他国に比べてはるかに底堅い、というグローバル投資家なら誰もが知っている事実だけではない。米国がグローバル企業の得意先であり続けていることも、株価パフォーマンスの差として表れている。個人投資家には分かりにくいかもしれないが、関税や貿易をめぐる緊張が高まる中、市場はこれを感じとっている。

 「米国は今なお世界経済の音頭をとっている」。USトラストの市場戦略部門長であるジョセフ・キンラン氏は、このように指摘する。同氏は世界の18の主要株価指数(時価総額は世界市場全体の約60%)について、各国企業の国別売上高を調べた。その結果、いずれの国(または地域)においても米国がトップ3に入っていることが判明した。

 例えばユーロストックス指数とドイツ株価(DAX)指数では、米国は構成企業の売上先のそれぞれ19%と22%を占め、最大となっている。DAX指数ファンドを買うことはドイツ経済への投資のように思えるが、実はグローバル市場へのエクスポージャーの方が大きいのだ。

 対照的に、米国は自立している。S&P500指数構成企業の売上先の62%は国内で、その次に大きい中国でも5.5%。3%を超える国はほかにない。平たくいえば、急ピッチで成長するため、アメリカが世界を必要としている以上に、世界はアメリカを必要としている。

 中国もおおむね自立している。MSCI中国指数構成企業の売上先の92%は国内で、米国は2.2%にすぎない。それでも3位には大差をつけている。キンラン氏いわく、中国は米国と貿易でつながり、中間財や構成部品を頼っているだけに、米国の貿易戦争のターゲットとされたことが今年の株安の大きな要因になっている。ただし、譲歩を引き出そうとするトランプ大統領の高圧的な姿勢が、米国株のアウトパフォームに貢献し続けるとは限らない。貿易抑制の圧力が高まり、報復関税の応酬が果てしなく繰り広げられるリスクもある。

 長期投資で好成績を挙げるにはリスク分散が欠かせない。キンラン氏の予想によると、今年下半期の世界経済は「そこそこ成長するが、上半期ほどではない。世界的な景気の同時拡大のピークは恐らく過ぎた」。しかし短期的には逆転もあり得る。ビスポーク・インベストメント・グループのリポートによると、1984年以降、MSCI米国指数のMSCI全世界(米国除く)指数に対するリードが現在のように過去最高に達すると、3カ月後には常に米国指数がアンダーパフォームしている。1年後には米国指数が再び優勢となるのだが、米国株にはそれ以外にも強気派が過剰というマイナス材料がある。バンクオブアメリカ・メリルリンチの調査では、グローバルファンドのマネジャーによる米国株偏重は、2015年1月以来の高水準に達している。

 資本は保護の手厚い場所へ向かうものだが、米国株式市場がいかに深く、強いとはいえ、テフロン加工が施されているわけではない。保護主義が制御不能なまでに進むことになれば、誰もが負け組となる。そしてキンラン氏は、その可能性は十分にあると考えている。


 

米S&P500種、日中の過去最高値を更新
By Georgi Kantchev and Allison Prang
2018 年 8 月 22 日 03:44 JST

 21日午後の米国株式市場でS&P500種指数が一時、前日比0.6%高の2873.23ドルまで上昇し、取引時間中の過去最高値を更新した。このまま引ければ終値ベースでも過去最高値を更新する。

 これまでの最高値(終値ベース)は今年1月26日につけた2872.87。

 エネルギー関連株や一般消費財銘柄が買われ、相場の上げを主導している。

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史上最長の強気相場、米国株投資家の心得とは

2009年3月以降、現在まで強気相場が続いてきた

By Jason Zweig
2018 年 8 月 22 日 04:02 JST

 あなたがもし、多くの投資家と同じ考えなら、リスク資産を減らす時だと思っているかもしれない。

 S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズによると、株価が暴落でもしない限り、S&P500種株価指数は22日に史上最長の強気相場を記録する。2009年3月以降、株価は弱気相場入りの定義とされる20%の調整も経験せず、力強く上昇してきた。そして、2000年3月まで10年近く続いた強気相場を超えようとしている。

 今回の強気相場が始まって以来、配当込みのリターンは400%を超えた。米国株は割安とは言えなくなっている。イエール大学の経済学者、ロバート・シラー教授がまとめた統計によれば、株価収益率(PER)は長期的な平均利益(インフレ調整済み)の約32.8倍に達しており、1881年以降の典型的な水準を倍近く上回る。

 一方、アナリストは金利上昇を見込んでいるほか、主力ハイテク株の一角が下落している。それに加え、貿易戦争が拡大する兆しを懸念し、新興国市場も失速している。株価急落の可能性に備えて資産を守る行動をとるべきだろうか。

 まず、投資家には常に心配の種があることを心に留めておくべきだ。


How We Got to the Longest Bull Run in History

ウォール街は今、史上最長の強気相場に向かっている(英語音声、英語字幕あり)Photo illustration: Heather Seidel/The Wall Street Journal
 確かに今年は不透明感に覆われ、株価暴落を引き起こしかねない危険な兆候にあふれている。17年もそうだった。16年も、15年も、14年も、―― つまり、1970年代初頭に株式仲買人が初めてニューヨークに集まった時から毎年、そうだった。

 だからこそ、大抵の時と同じように、長期投資家が今とるべき正しい行動は ―― 何もしないことだ。

 だが、もし「アルマゲドン」が近いと確信しているなら、その恐怖心はおそらく投資計画を見直す時を知らせていると受け止めるべきだろう。結局のところ、本当に暴落が起こったとして、心配を抱えていたのに何も行動を起こさなかったなら、自分を責めるであろうし、市場から完全に手を引いてしまうかもしれない。

 ノーベル賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマン氏がよく言うように、長期的に投資を成功させる一つの鍵となるのは、将来起こり得る後悔を最小限に抑えることだ。あなたがより大胆かつより頻繁で、急な行動を取れば取るほど、振り返ってみれば間違いだったと後悔する機会を増やすことになる。

 市場や地政学的な動きに悪い予感がするなら、何かしたほうがいい。あなたが正しかったとなれば、どんなささやかな動きだったとしても、行動して良かったと思うだろう。ただし、いかなる行動であれ、万が一間違っていたときのために、小さくて段階的な、後戻りできる行動が望ましい。

 そうした小さな一歩の行動を幾つか取るだけで、混乱期に得られる心の平安は大きく変わってくる。

手持ちの現金に余裕があって、住宅ローンもあるなら、現金をローンの支払いや早期完済に充てられる


 手始めに、ポートフォリオに潜むリスクをできる限り大局的に捉えることだ。手持ちの現金に余裕があって、住宅ローンもあるなら、現金をローンの支払いや早期完済に充てられる。金利4%の住宅ローンがなくなれば、リスクゼロで4%のリターンを得るようなもので、これほどいい投資はない。それに、景気後退期に借金が引き起こす不安も取り除くことができる。

 ハーバー・フィナンシャル・グループのエリゼ・フォスター氏によると、遺産を相続したり家を売ったりしてカネが転がり込んで来たなら、株価暴落が目前との恐怖心を和らげる心理的な緩衝材として、現金で持っておいてもよさそうだ。

 投資助言会社プランコープのピーター・ラザロフ共同最高情報責任者(CIO)は、ドルコスト平均法で毎月定額のファンドや株式を購入している場合、積み立てを一時停止することができるとアドバイスする。ただ、ファイナンシャルアドバイザーと相談して、再開する日を例えば6カ月後などに決めておくべきだ。あるいは、仮に株式相場が20%超下落すればそれを利用できるよう、自動的に積み立てを再開することを申し合わせておくことだ。

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 また、変動の激しい成長株の持ち高を減らし、売却資金をより保守的な銘柄などに投資する手もある。全体で株の持ち高は維持しつつ、暴落した場合の損失を抑える方法だ。

 まだ夜中に眠れないというのであれば、株式への投資比率が高過ぎるのかもしれない。比率を下げればよいが、あくまで少しずつだ。例えば、あなたとファイナンシャルアドバイザーが、ポートフォリオに占める株式の比率を70%から50%に下げることを決めた場合、6カ月ごとに5%ずつ減らすか、毎月1%ずつ減らすことができる。センシブル・フィナンシャル・プランニング・アンド・マネジメントのリック・ミラー氏は「人は後悔を避けるために少しずつ変更することを好む」と指摘する。

 証券アナリストのベンジャミン・グレアムは著書「賢明なる投資家」で、感情を抑えるのが難しい時には、「感情が鬱積(うっせき)しないようにはけ口が必要だ」と記している。小さな一歩の繰り返しなら、時間がたってから後悔するような大きな一歩を踏み出さずに済むだろう。

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マレーシア、中国「一帯一路」プロジェクト凍結

マレーシアのマハティール首相(左端)は、中国の習近平国家主席(右端)らに対し、中国が支援するインフラ整備計画へ支出する財政的な余裕はないと述べた

By Chun Han Wong
2018 年 8 月 22 日 00:22 JST

 【北京】マレーシアのマハティール・モハマド首相は中国が後ろ盾となっている220億ドル(約2兆4000億円)相当のインフラ整備計画について、延期あるいは中止する考えを示した。

 マハティール氏は5日間の訪中日程の最終日となった21日の記者会見で、公的債務を減らす必要があり、少なくとも現時点ではこれらのプロジェクトに資金を投じる余裕はないと習近平国家主席をはじめとする中国政府首脳に説明したことを明らかにした。

 そのうえで、「彼らはわれわれがなぜ債務を減らさなければならないのか理解した」と述べた。

 マハティール氏が5月の総選挙で首相に返り咲いてから中国を訪れたのは初めて。同氏は選挙期間中から中国主導の大型プロジェクトを批判し、南シナ海で領有権を主張する中国の動きにも反発している。

 マハティール、習両氏のほか、李克強首相も同席した会合に関する中国の公式発表は、マレーシアでのインフラ開発計画が議論されたことに触れていない。

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 中国外務省の陸慷報道官はマハティール氏の発言について「2つの国が協力する中で、いくつかの問題や意見の違いが浮上するのは避けられない」と述べた。両国の首脳が友好的に違いを乗り越えていくことで合意したという。

 習氏が掲げる「一帯一路」構想の一環として、マレーシアでは200億ドルをかけた鉄道の建設や、パイプライン2本の敷設が計画されていた。だがマハティール政権は高すぎる契約価格や過度な借り入れを理由に、これらの凍結を決めた。いずれも2016年に当時のナジブ・ラザク首相が合意したものだった。

 マハティール政権は、マレーシアの政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」が抱えていた債務の支払いに、こうしたプロジェクトの資金が使われた可能性について調べている。

 1MDBの汚職疑惑で中心的な役割を果たしたとされるマレーシアの資産家ジョー・ロー氏は現在、逮捕を避けるため中国に滞在している。マハティール氏は21日、中国にロー氏の引き渡しは求めなかったと述べた。

 ロー氏の代理人は今月、同氏が引き続き無罪を主張していると話していた。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/696.html#c2

[国際23] トランプ大統領 2度目の米朝首脳会談「可能性高い」〜ボ大統領補佐官は19日、ポ国務長官が近く再び訪朝する見通し/nhk 仁王像
3. 2018年8月22日 10:29:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1262]

2018年8月22日 田中 均 :日本総合研究所国際戦略研究所理事長
中国・北朝鮮・イランが強硬策に出かねないトランプ外交の危うさ
トランプ流アプローチに日本も外交戦略の見直しが必要です
Photo by Keiko Hiromi
 米国がどう考え、どう行動するのか、これにどう向き合うのかは日本にとって最大の外交課題であるはずだ。折しも自民党総裁選挙が迫っている。自民党総裁選挙は事実上、首相を選ぶ選挙である。候補者はトランプ大統領の米国との向き合い方についても正面から議論してほしいものだ。

トランプ流アプローチは
世界でリスクを生んでいる
 トランプ大統領のアプローチは従来の米国大統領とは大きく異なる。それは「力を背景にした取引」ということだろう。

 トランプ大統領はオバマ前大統領の国際協調路線を根底から覆し、米国は地球温暖化対策についてのパリ合意やTPP、イランとの核合意から離脱した。

 それだけではない。貿易についてはWTO的アプローチを排し、日本、EU、カナダ、韓国という同盟国を含め、自国の法律に基づく一方的な制裁関税を課すという行動に出た。

 そこには世界のリーダーである米国がよって立つべき「ルール」や「民主主義的価値」を優先する姿勢は希薄だ。相手に力を見せつけ、米国にとって有利な取引に持ち込むということだ。

 このトランプ流アプローチは世界の各地域で高いリスクを生んでいる。

 朝鮮半島では、まず「最大の圧力」路線を取り、中国を巻き込んだ経済制裁の強化とともに戦略兵器を持ち込んだ頻繁な米韓合同演習を実施し、「力」を見せつけた。

 北朝鮮がこれに怯え対話へと行動を起こしたと見られがちだが、それが全てではないことにも留意することが重要だ。

 北朝鮮は、根底では米国の力に怯えてはいると思われるが、半面では「非核化」を掲げて米国からの安全を得るという戦略に打って出たと見ることができよう。

「力」を掲げてシンガポールでの合意に持ち込んだと見るトランプ大統領の思惑と「完全なる非核化」を餌に米国からの大きな譲歩を引き出そうとする金正恩委員長の思惑が交差し、非核化の動きは遅く、両者のしのぎ合いは続くのだろう。

 果たして折り合いはつくのか。

 トランプ流の危うさは専門的で緻密な読みより、直感に基づく行動をとることである。北朝鮮のしたたかな計算を打ち破ることができるか。

 北朝鮮は、朝鮮半島問題で当事者から外されるわけにはいかないという習近平主席の強烈な意識と南北融和を政権の柱に据える文在寅政権の思いを巧みに利用し、中国や韓国との交流を積極的に進めていくのだろう。

 これはトランプ政権が非核化の実現を性急に求めることを封じ込めた。既に9月にはピョンヤンで3回目の南北首脳会談が計画されている。

 ただ、北朝鮮が引き続き、核・ミサイルについて生産の動きを止めない時や経済制裁が中・ロ・韓などにより事実上、骨抜きにされていった時にトランプ大統領はどう動くのか。

 つまりトランプ流「力を背景にする取引」が奏功しなかった時に、トランプ大統領は力を行使することを選ぶのかどうか。そうなった場合、日本にとってのリスクは著しく高まる。

北朝鮮・中国・イランは
追い詰められ強硬策に出かねない
 中国との貿易戦争はどうか。米中、お互いが制裁・報復関税をかけあう対立は拡大し、いまのところ解決の糸口も見出せない状況だ。特にハイテク分野での公正貿易を確保するという米国の要求は強い。

 トランプ流「力を背景とする取引」に中国が応じざるを得ない局面になるのか。それとも習近平主席が「弱さを見せてはならない」と突っ張ることになるのか。貿易戦争の拡大は経済合理性とは無縁だ。

 お互いの経済の相互依存が高まっている中で、自国製品の中に他国のコンテンツも多く、高関税の賦課が自らの経済に跳ね返ってくる結果になることも容易に想像できる。

 経済の脆弱性から見れば米国に比べ中国経済は圧倒的に脆弱だが、他方、政治的には世論やメディア、ひいては利益団体からの制約を受けにくい点では、中国のほうが耐久力はあるのだろう。

 7月18日付の本コラム「米中貿易戦争の落とし所は『北朝鮮非核化に中国協力』か」で論じたような取引のシナリオはあり得るとしても、貿易戦争が長引いていけば中国の経済成長の低下が世界経済の足を引っ張るというリスクも大きい。

 対イラン問題でも、米国はイラン核合意から離脱し、8月7日にはイラン自動車業界などに対する制裁を再開し、イランの石油業界とビジネスをしている企業への制裁も11月に再開すると表明している。

 核合意の維持を鮮明にしているEUとの間でも最大の摩擦要因となっている。EUはEU域内企業に対し、米国の制裁措置に従うことを禁じる「ブロッキング規則」を援用するとしているが、やはり最大の市場である米国から締め出されるリスクは欧州の企業には取れまい。

 石油についても日欧などの企業は取引を控えざるを得ないだろう。結局、中国などがイランからの購入を増やしていく可能性がある。

 イランではインフレなど経済情勢の悪化に起因する国内の不満は高まっている。トランプ大統領はイランとの交渉の可能性を否定してはいないが、果たしてその意図はより良き核合意を目指すということなのか。

 米国の識者の多くは、トランプ大統領の真の狙いは、宗教に支配された体制を崩壊させるということではないかと論じる。そうでないとなかなか説明が難しい状況だ。

 そうだとしたら、イランでは強硬派が台頭する可能性が高まり、核合意から自らも離脱することになれば中東の大きな不安定要因となる。

 イランはロシアや中国と緊密な関係を追求するだろうし、イスラエルやサウジアラビアとの緊張は一層、強まる。イランが強硬姿勢に転じて、ホルムズ海峡の封鎖に至る事態も完全に否定するわけにもいくまい。

 北朝鮮、中国、イランが米国の力の前に「取引」に応じるということであれば、朝鮮半島は非核化に向けた動きが一気に進み、中国は貿易戦争を避けて妥協をし、イランはミサイルやテロ支援問題を含んだ核再交渉に応じるということになる。

 しかし、過去の歴史や統治体制から見て、北朝鮮や中国、そしてイランは米国の力に屈服することを最も嫌い、追い詰められればあえて強硬に米国と向き合うことを選択しかねない国々であることを忘れてはならない。ここにトランプ流取引の危うさがある。

米国の内向き志向は長い潮流に
外交戦略の見直し必要
 日本はこのような米国にどう向き合っていくのか。

 米国で時間をかけて進んできた社会の分断がトランプ大統領を生み、「アメリカ第一」的内向き思考を生んだとすれば、これはトランプ大統領がいなくなれば全ては元へ戻るということではなく、長い潮流となる。

 日米関係を外交の基軸としてきた日本が考えるべき課題は深刻だし、日本も中長期的な外交戦略の見直しが必要となる。

 ただはっきりしていることは、近い将来、米国との同盟関係が不必要になるような情勢変化が東アジアに起こるとは考えられないことだ。

 東アジアにはロシアと中国という核保有国、北朝鮮という核保有を疑われている国が存在する。そして過去の歴史の怨念はいまだにこの地域で強く、統治体制や価値観の異なる国々の行動は不透明だ。日米同盟関係は東アジアでの強い抑止力として引き続き重要な意味を持ち続ける。

 一方で「アメリカ第一」を掲げるトランプ大統領の出現により、同盟関係の信頼性が損なわれ始めていることも事実だろう。

 トランプ大統領が取引的アプローチを駆使し、日本に対して防衛費や米軍駐留支援の大幅増額や貿易面で市場開放や関税引き下げの要求を行ってくることは十分に予想される。

 日本は自身の安全保障能力の拡大に努力すべきだし、経済面でも日本市場の一層の透明化、障壁の除去に努力すべきなのだろう。ただ理不尽な要求には従うべきではない。

 日本は、米国に是々非々の態度をとることにならざるを得まい。安倍首相はトランプ大統領に寄り添い首脳間の関係強化に努めている。しかしこれによってトランプ大統領が日本を例外視し配慮するわけではない。
 むしろ米国が日本との関係を重視せざるを得ない“てこ”を日本は持たねばならない。

アジアとの関係強化が
米国を日本重視に向かわせる
 では必要な“てこ”とはなにか。

 1つには東アジアの安全保障環境を良くする外交力だ。

 安全保障環境が改善すれば軍事力の意味は低下する。朝鮮半島の完全なる非核化について日本は当事者としての認識を持って米国を支えるべきだ。

 このため米国、中国、韓国との連携を図り、非核化実現の工程や非核化のコスト分担の枠組み構築などに向けて、能動的外交を展開すべきだ。

 中国との関係については中長期的な戦略を持たなければならない。近年の対中外交は国内の反中・反韓ナショナリズムを意識し、いかに強い主張をするかとか、中国を牽制することにきゅうきゅうとしているように見受けられる。中国と長期的なウィンウィン関係を構想し、これに中国を関与させることこそが正しい戦略だ。

 同時に、日本がこれまでも主張してきた「ルールに基づく国際関係」という観点を徹底させることが対米関係でも“てこ”になる。

 そもそもTPPは自由主義経済のルールを徹底することを目的とした戦略的構想だったはずだ。

 トランプ大統領はここからも一方的に撤退し、自国の通商関連法を援用して一方的制裁を課すといったWTOのルールにそぐわない行動に出ている。日本はTPP拡大、とりわけアジアへの拡大やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)協定の早急な締結を実現していくべきだ。

 これまでは米国と強い関係を持つことがアジア諸国との関係を強化することにつながってきた。これからの日本の外交戦略はアジアと強い関係を持つことにより、米国を健全な形でアジアにつなぎ止めることを目的とすべきだろう。

(日本総合研究所国際戦略研究所理事長 田中 均)


 

 


 

米国が国防予算の大幅増額で中国・ロシアと対決へ

「力による平和」の実現に突き進むトランプ大統領

2018.8.22(水) 古森 義久
トランプ氏、ロシア介入疑惑で「ホワイトハウス職員に捜査協力を許可した」
米首都ワシントンのホワイトハウスで記者らにコメントするドナルド・トランプ大統領(2018年8月17日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / NICHOLAS KAMM〔AFPBB News〕

 米国のトランプ政権は2019年度の国防予算を決定すると同時に、中国の軍事力増強に関する年次報告を発表した。この2つの動きにより、トランプ政権が中国とロシアを既存の国際秩序への脅威とみなして、大幅な軍事力強化によって対決していく基本姿勢が明らかとなった。

公約を実現するトランプ大統領
 トランプ大統領は8月13日、2019会計年度の国防権限法案に署名した。上下両院がすでに可決した同法案は、今年(2018年)10月からの新会計年度にトランプ政権が合計7170億ドルの国防費を使うことを定めている。

 この国防費は近年でも最大額で、オバマ前政権の最後の国防予算となった2017年度からは16%もの大幅増加となった。

 今回の国防費増額はトランプ大統領が選挙戦当時から主張してきた「力による平和」「強いアメリカ」「米軍を世界最強に」という公約の実現という意味を持つ。トランプ氏は大統領選挙戦中から、オバマ政権の国防費削減を「現状打破勢力を伸長させ、米国の対外利益を侵食する」として厳しく批判してきた。

中国とロシアを「仮想敵」として名指し
 トランプ政権は新国防予算で、中国とロシアを実質上の仮想敵として米軍の戦力を強化する策を打ち出した。たとえば新たな大陸間弾道ミサイル(ICBM)の増強、ステルス戦闘機F35の大幅な増強、海軍艦艇多数の新建造、各種、各地域でのミサイル防衛の強化に始まり、核戦力についても中国やロシアの核増強に対抗する効率強化策を打ち出した。

 この新国防予算の最大の特徴は、中国とロシアとをはっきり名指しして「米国が主導して保持してきた国際秩序を侵食し、破壊する勢力」と定義づけ、そのための具体的な軍事策を明確にしたことである。

 中国に対しては、南シナ海の軍事拠点拡大を不当で危険だとして、「インド太平洋地域の安定化」に向けた軍備拡充の5カ年計画を打ち出した。さらに中国を世界最大規模の多国間海上演習「環太平洋合同演習」(リムパック)に参加させることを禁止し、米国内の大学に開設された中国政府機関「孔子学院」への国防総省からの補助支出を制限することも明文化した。

 また、すべての米政府機関や米政府と取引のある企業・団体に対し、中国通信機器大手「中興通訊」(ZTE)や「華為技術」(ファーウェイ)など中国政府とつながりのある企業の製品を使うことを禁止した。同時に、台湾への兵器供与の増加など台湾防衛の強化策も打ち出し、中国当局との対決を鮮明にした。

 同時にこの国防支出法はロシアに対しても、「ロシアの米国や欧州のその同盟諸国に対する侵略を抑止するための対策」を増強することを公約し、欧州の同盟諸国の対ロシア防衛への支援強化を明記した。とくにロシアのウクライナからのクリミア奪取には強く反対し、ウクライナに2億5000万ドル規模の軍事支援をすることを打ち出していた。

 米国内の反トランプ勢力は「トランプ大統領は米欧同盟を亀裂させた」と非難しているが、こうした諸策はトランプ政権が北大西洋条約機構(NATO)を堅持する姿勢を反映していると言ってよい。

覇権獲得に向けて軍拡する中国
 この国防予算成立の3日後の8月16日、トランプ政権の国防総省は中国の軍事力に関する報告書を発表した。同報告書は中国の軍拡が顕著となった2000年から、法律に基づき国防総省が毎年一度作成して議会に送ることになっている。

 2018年版の同報告書は「中国の軍事と安全保障の発展についての年次報告書」と題され、中国の戦略目的は「地域的かつグローバルな中国の存在の拡大」だと定義づけていた。

 つまり、中国は東アジアや西太平洋で米軍の抑止力を崩し、覇権を獲得するために、陸海空三軍だけでなく宇宙軍までを強化しているのだという。また、米国や日本、日米同盟にとっての脅威として、中国の西太平洋での爆撃能力の増強や海兵部隊の大増員を指摘していた。

 トランプ政権のこうした中国への厳しい対決と抑止の姿勢が、2019年度の国防予算で実行に移される、というわけである。

トランプ政権が目指す「力による平和」
 トランプ政権の対外戦略は、昨年12月に発表された「国家安全保障戦略」と今年1月に発表された「国家防衛戦略」という2つの重要政策文書が基本となっている。

 国家安全保障戦略は、トランプ政権の安全保障面における基本認識を明示していた。つまり、中国とロシアという2つの軍事志向の現状打破勢力によって、現在の国際情勢に危険が迫り、米国とその同盟諸国が築いてきた自由民主主義や人権尊重、法の統治に基づく既存の国際秩序が重大な脅威にさらされている、という認識である。

 国家防衛戦略では、米国がこの危険な国際情勢に対して軍事力による抑止政策を強化することを強調していた。特に、トランプ政権の防衛政策の基本として、「戦争を防ぐ最善の方法は、想定される戦争への対応の準備をして、勝利できる能力を保つことだ」とする点が特徴だった。

 こうした「力による平和」の実現、そして、中国とロシアを脅威とみなして軍事的な抑止力を強化することが トランプ政権の国際安全保障政策である。今回の国防予算と中国軍事力報告という2つの動きによって、まさにその事実が確認されたというわけだ。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/700.html#c3

[国際23] トランプ大統領インタビュー モラー氏のロシア疑惑聴取に疑念「偽証罪のわな」に(ニューズウィーク) 赤かぶ
3. 2018年8月22日 10:46:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1263]

トランプ氏が口止め料を指示、元弁護士が有罪答弁
トランプ米大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン氏
By Nicole Hong and Rebecca Ballhaus
2018 年 8 月 22 日 09:15 JST 更新

 ドナルド・トランプ米大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン氏は21日、ニューヨークの連邦裁判所で2件の選挙資金法違反を含む8つの罪について有罪を認めた。コーエン氏の個人的な事業取引を巡り、数カ月前から捜査が進んでいた。

 コーエン氏は有罪答弁で、2016年の大統領選前にトランプ氏が関係を持ったとされる2人の女性に口止め料を支払ったことを認め、この選挙資金法違反でかつての上司に直接言及した。

 この2件の口止め料支払いについて、コーエン氏は連邦判事に対し、「候補」の指示と述べ、トランプ氏と連携していたことを初めて認めた。

 2人の女性の一人はアダルト映画女優のステファニー・クリフォード氏(芸名ストーミー・ダニエルズ)で、コーエン氏は大統領選挙の数カ月前に13万ドル(約1400万円)を支払ったことを認めた。

 こうした答弁は検察当局との取引の一環だが、他のいかなる裁判についても検察への協力を義務付けるものではない。有罪答弁は大陪審の捜査に基づいて引き出された。ニューヨーク南部地区連邦検事局と連邦捜査局(FBI)が捜査を率いていた。

 コーエン氏は、すべての罪状による量刑が最大65年の禁固刑となるが、50万ドルの保釈金で釈放された。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/698.html#c3

[国際23] 資本主義は我々を殺しつつあるのだろうか?(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
1. 2018年8月22日 10:56:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1264]

逆だろう

欧米先進国の生活水準は上昇し続け

その真似をした日本やアジアも同様に劇的に上昇し

海外資本を導入した中国も、経済や軍事、生活水準が資本主義化で急速に向上した


一方で、ベネズエラなどを見れば明らかなように

バラマキ左翼政権や、ポピュリズムの独裁国家などは

資源があっても、治安も生活も環境も教育も最悪な上に

最後は民主主義どころか国家自体も崩壊していき、

逃げられる国民から海外に逃げ出すことになる

 


日本企業の対中投資、13年ぶりに本格化
中国各地の地方政府の日本企業誘致姿勢も様変わりに積極化
2018.8.22(水) 瀬口 清之

東京・元赤坂の迎賓館で日中韓首脳会談に出席する中国の李克強首相(2018年5月9日撮影)。(c)AFP PHOTO / POOL / KIM KYUNG-HOON〔AFPBB News〕
1.自動車産業を中心に日本企業の中国ビジネスが積極化へ
 日本企業の対中投資がいよいよ本格的に動き出した。
 中国ビジネスの業績好転を背景に、昨年後半から日本の対中直接投資金額が前年比プラスに転じ始めた(図表1参照)。
図表1 主要国の対中直接投資の推移
(資料 CEIC)
 その背景は、昨年から中国経済が堅調な推移に転じたことに伴う日本企業の業績好転に加え、日中関係が改善しつつあることが影響している。
 特に本年5月前半に李克強総理が中国の総理として8年ぶりに日本を公式訪問し、日中関係は正常軌道に戻ったことを明言して以降、その傾向が一段と加速している。
 日本企業の中国ビジネスも活気づき始めており、とりわけ自動車産業の積極化が目立つ。
 2019年春にホンダの武漢第3工場の稼働開始を前に、稼働後の生産数量増加に合わせて、多くの関連メーカーが能力増強投資を実施中である。
 中国国内販売の好調が続いている日産自動車は将来の増産体制強化に備えて、新たな工場立地を検討中であるとのうわさが流れている。
 そしてトヨタ自動車は、李克強総理が訪日時に同社の北海道工場を見学した際に豊田章男社長自ら案内し、李克強総理と長時間話し合う機会があった。
 その後、同社の中国ビジネスの取り組み姿勢が急に積極化し、長期的なシェア大幅拡大とそのための増産体制の構築に向けて準備を開始したと言われている。
 このように日本の自動車大手3社が揃って中国ビジネスへの取り組み姿勢を積極化させつつあることは、部品メーカー等を含めた自動車関係業界全体の中国ビジネスに大きな影響を及ぼすのは確実である。
 さらには、日本企業の中国ビジネスの約半分が自動車関連であることから、その影響は自動車関連にとどまらず、日本企業の対中投資姿勢全体を積極化させる可能性も十分考えられる。
2.中国側の日本企業誘致姿勢も様変わり
 この間、日本企業の中国ビジネスへの取り組み姿勢の変化よりもさらに急速に積極化しているのは、中国各地の地方政府の日本企業誘致活動である。
 2、3年前までは、日本企業から学ぶものはなくなったなどと日本に対して無関心な姿勢を隠そうともせずに発言をしていた地方政府の幹部が、今年に入って手のひらを返したように、日本企業との交流は重要だと臆面もなく発言するようになったという話を聞いた。
 これは極端な事例かもしれないが、これに類する中国政府の日本企業誘致姿勢の様変わりの積極化は多くの中国現地駐在日本企業幹部が感じている。
 その典型的な実例として、上海市、広州市、湖北省、四川省など主要省市のトップが日本を訪問する動きが急増し、東京では連日のように彼らが主催する投資誘致説明会が開催されている。
 中国国内でも、北京、上海では中国政府が日本企業に対して、新たに打ち出された対外開放政策の中身について詳しく説明する場を設けるなど、これまでは考えられなかったほどの積極交流姿勢を示している。
 これまでも中国各地の地方政府は、地元の経済発展に大きく貢献してきた日本企業のさらなる誘致拡大に注力したい希望はあった。
 しかし、尖閣問題発生後、日本との接触は政治的リスクが高いと見られていたため、ほとんどの地方政府のトップは日本との交流に消極的だった。
 ところが、今回の李克強総理の日本公式訪問とそこでの日中関係正常化発言はそうした政治リスクを払拭する効果が大きかった。
 そのため、過去数年間日本側と接触していなかった地方リーダーがこぞって日本を訪問するようになっている。今や日本との接触は欧米諸国以上に政治的なリスクが小さい位置づけとなっている。
3.中国側の対外開放強化
 こうした中国側の日本企業誘致姿勢の積極化は単に日本での投資セミナーや現地日本企業向け説明会の増加にとどまらない。
 4月に開催されたボアオ・アジアフォーラムの開幕式において、習近平主席は中国市場の対外開放政策を強調した。
 その延長線上に、李克強総理訪日に伴う日本企業を対象とする規制緩和の発表がある。
 野村證券の現地法人設立認可と51%の出資比率の容認、日本の金融機関の中国国内での事業債引き受け容認の検討など、具体的な施策につながっている。
 習近平主席のボアオ・アジアフォーラムでのスピーチは、第19回党大会で示された市場化、規制緩和等対外開放強化策を加速させる方針を示したと位置づけられている。
 しかし、欧米諸国では大半の政府・企業関係者は同スピーチをそのように受け止めてはおらず、今回も口先だけで実際には何も動かないとの見方が大勢である。
 しかし、日本企業の見方はやや異なる。
 今回は19回党大会で習近平政権の政治基盤が確固たるものとなったことから、これまでとは異なる強力な政治力によって様々な改革を推進できるようになったことを期待する声が多い。
 経済界全体では中国ビジネスに対する姿勢がネガティブに傾いているドイツでも、一部のドイツを代表する企業でも中国政府の姿勢に対する認識が変わりつつある。
 これまで認可を得られていなかった化学分野での大型独資企業の設立を認められるなど、実際の結果に結びついたからである。
 このように、単に地方政府が誘致姿勢を積極化させているだけではなく、国家の政策運営そのものが対外開放促進へと大きく舵を切っている。
 こうした全体情勢を視野に入れ、日本企業が今後中国ビジネスを展開する際には、これまで認められなかった様々なことも新たに認められる可能性が出てきていることを十分活用していくことが重要である。
4.日本企業自身の経営問題
 日本企業の過去の対中投資ブームは2001〜2005年、2010〜2012年が主なものであるが、2010〜2012年は複数の現地法人を1つの現法の下に統合する際に、資本面の増強を行うケースが多かった。
 しかし、生産能力面での大幅な増強は多くなかった。
 今回の投資ブームが本格化すれば、自動車産業を中心に生産力の大幅増強を伴う可能性が高いことから、2005年以来13年ぶりの本格的投資ブームとなる。
 2005年当時は中国の所得水準が低く、日本企業が日本国内で販売する製品は、品質が良いのは分かっていても中国の一般庶民がとても手が届くような値段ではなかった。
 日本企業は安い労賃を活用して、生産コストを下げるのが対中投資の主な目的だった。
 ところが、現在の賃金水準は当時の5倍以上に達し、安い労働力はどこにも見当たらなくなった。
 逆に年間800万人以上の中国人が日本を訪問し、日本国内で売られている製品価格は中国国内より安いため、爆買いをして帰国するのが当たり前の光景となっている。
 今の中国ビジネスは、日本国内と同じ品質の製品・サービスを中国人のニーズに合わせて供給するのが目的である。
 その意味で、2005年当時の対中投資ブームと今回とでは、日本企業が生産する製品・サービスの中身も価格も全く別物である。
 前回の投資ブームでは日本企業の得意な生産管理さえきちんとできていれば、労働力コストの削減というメリットは多くの企業が享受でき、売り上げも伸ばすことができた。
 しかし、今回はそれほど甘くない。中国人の急速に変化する多様なニーズに合わせた製品・サービスを研究開発し、的確な方法で中国国内市場の販路拡大を図ることができない企業には売上を伸ばすチャンスもない。
 今回は日本企業が不得意なグローバル市場でのマーケティング能力が問われているのである。
 2005年当時の中国のGDP(国内総生産)は日本の半分以下に過ぎなかった。今やそれが日本の2.5倍以上に達している。
 この差を考えれば、もし中国ビジネスで成功すれば、日本企業が得られる利益は当時に比べてはるかに大きく、投資規模も巨大化するはずである。
 しかし、実際は日本企業の中で中国国内の販路拡大に成功するケースは多くないため、以前の投資ブームの時のように多くの企業がこぞって投資を拡大できる状況ではない。
 その意味で、今回の投資ブームはこれまでの日本企業が経験した中国での投資ブームとは全く異質の中身となる。
 そこで成功を勝ち取ることができるのはグローバル化への対応力を備えてマーケティング主導の経営戦略を実行できる企業である。
 日本企業の中国における投資の伸びは日本企業のグローバル化経営力の真価を見極めるリトマス試験紙である。



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/702.html#c1

[戦争b22] 広島・長崎、73年後の真実(1)(2)(3) - 広島の原爆はなかった・長崎の原爆はなかった・偽装された核爆発 お天道様はお見通し
7. 2018年8月22日 11:08:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1265]

臨界現象に関して、あまりに無知過ぎる

U型はもちろんだが

Pu型も、ナノ秒どころかサブマイクロレベルの高精度は必要ない

そして核エネルギーの数%程度でも使えれば、十分な破壊力が得られる

ja.wikipedia.org/wiki/原子爆弾


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/286.html#c7

[国際23] 3回目の南北首脳会談「大胆な一歩踏み出す」韓国 ムン大統領〜「「…朝鮮戦争の終戦宣言と平和協定につなげるための」と/nh 仁王像
7. 2018年8月22日 11:11:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1266]

「米韓同盟消滅」に焦る韓国の保守 その時は、日本と一緒に核武装?

早読み 深読み 朝鮮半島
2018年8月22日(水)
鈴置 高史

北朝鮮は洋上で石油などを積み替える「瀬取り」で経済制裁をすり抜けている(写真:防衛省/ロイター/アフロ)
(前回から読む)
 「米国から見捨てられる」と韓国の保守が焦り始めた。
保守系紙に「日韓同盟論」
鈴置:韓国の保守系紙、朝鮮日報に日韓同盟論とも受け止められる論文が載りました。金載千(キム・ジェチョン)西江大学教授の寄稿「北朝鮮の非核化交渉、このまま行けば我々は中国の勢力圏に編入」(8月1日、韓国語版)です。結論は以下です。
故・ズビグニュー・ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)博士は著書『Strategic Vision』で、東北アジアと朝鮮半島で米国の影響力が衰退し中国が躍進した場合、韓国が取り得る選択は、中国への便乗(さらなる依存)、独自の軍事大国化、日本との安保協力のうち1つだと主張した。
隣り合う覇権国(中国)に依存する戦略が一方的な自律性の喪失に直結することは明白だ。中国に対抗しうる我が国の軍事大国化は事実上、不可能だ。
「米国なき北東アジア」を想定した場合、国際規範と自由民主主義を共有する韓日協力は中国の覇権を予防し、牽制効果を持つカードとなる。
国民の情緒が障害になるが、政府が先頭に立って大乗的な見地から韓日関係を前向きに管理・発展させねばならない。
 中国に対抗するには「単なる協力」ではとうてい無理。読む人が読めば、日韓同盟の勧めと受け止める記事です。反日至上主義者からの非難を恐れてでしょう、「軍事同盟」という言葉は一切、使っていませんが。
中国の属国に戻る
気味が悪いですね。突然にすり寄って来るなんて。
鈴置:この寄稿は日本語版にも載ったので、「反日国家が何を言い出したのだろうか」と首を傾げる向きが多かった。注目すべきは「日韓同盟論」もさることながらなぜ今、それが韓国で唱えられ始めたか、です。
なぜでしょう。
鈴置:金載千教授は冒頭で以下のように説明しています。
現在、北朝鮮の非核化が表面的な議題となっているが、水面下では米中がこの問題を契機に東北アジアの勢力再編というもっと大きな争いを繰り広げている。
これを見落とすと韓国は知らず知らずのうちに中国の影響圏に編入されるか、取り込まれてしまうであろう。
 今、米中の間で「北朝鮮の非核化」と「米韓同盟の廃棄」が取引され始めました。金載千教授は、同盟を失った韓国は中国の属国に戻ってしまう、と訴えたのです。
シナリオ 北朝鮮は誰の核の傘に入るのか? 韓国はどうする?
T 中国の核の傘を確保 米韓同盟を維持
U 米国と同盟・準同盟関係に入る 米韓同盟を維持
V 半島全体が中立化し、国連や周辺大国がそれを保証
W 自前の核を持つ 北朝鮮の核の傘に入る
北朝鮮の非核化の行方
今頃、何を言っているのでしょうか。
鈴置:確かに「今頃」です。シンガポールでの米朝首脳会談が決まる過程で、トランプ大統領は韓国への核の傘の提供の中止――つまり、米韓同盟破棄を示唆しています(「『米韓同盟廃棄』カードを切ったトランプ」参照)。
 6月12日に開いた米朝首脳会談でも、米韓合同軍事演習に加え、在韓米軍の撤収にまで言及しました(「米中貿易戦争のゴングに乗じた北朝鮮の『強気』」参照)。
 「外」から見れば、韓国が米国から見捨てられたなと容易に分かります。ただ、韓国人はその現実を認めたくなかったのです。だから「今頃」言い出したのです。
金正恩を助ける文在寅
それにしても、米朝会談からこの寄稿までに50日もたっています。
鈴置:さすがに韓国人も「見捨てられ」の可能性を無視できなくなったのでしょう。非核化に進展がないのに、文在寅(ムン・ジェイン)政権が北朝鮮との経済協力や、朝鮮戦争の終戦宣言に熱をあげ始めたからです。韓国の「先走り」は米国を苛立たせています。金載千教授は以下のように指摘しました。
今からでも韓国政府は南北交流よりも北朝鮮の非核化に優先順位を置き、力を集中すべきだ。平和協定だけをとっても、非核化が進展してこそ米議会の同意が得られる。
非核化は米国に任せきりにして、北朝鮮制裁の弱体化を招く南北交流にばかり没頭したら、中国の立場を強化することになる。
米国は南北交流を巡って制裁の例外を要請する文在寅政権に対しては逆に「北朝鮮制裁注意報」を公に発令した。
 文在寅大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長は4月27日の首脳会談で「非核化」と同時に「終戦を宣言したうえで平和協定を締結する」と約束しました。韓国政府が発表した日本語の報道資料「韓半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言」で、以下のようにうたっています。
南と北は、停戦協定締結65年になる今年、終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のための南・北・米3者または南・北・米・中4者会談の開催を積極的に推進していく。
 史上初の米朝首脳会談で平和ムードが盛り上がる中、南北朝鮮と中国はこの条項をタテに、早急に終戦宣言を出そうと主張しています。
「食い逃げ」を警戒する米国
 一方、米国は非核化が進まないうちに終戦を宣言すれば、「食い逃げ」されると警戒しています。終戦宣言は平和協定につながります。
 すると北朝鮮と、「反米親北」の文在寅政権が声をそろえて「平和協定を結んだのだから在韓米軍は不要。出て行け」と言い出す可能性が高い。
 トランプ大統領は在韓米軍不要論者ですが、米軍撤収は交渉カードに使いたい。非核化が進まぬうちにこのカードを無効化されてはかなわない。
 もし「終戦宣言」を食い逃げされたら、北朝鮮の非核化を飲ませるために、米国はもっと強いカード――「米韓同盟廃棄」を切らざるを得なくなるでしょう。
 トランプ大統領は「同盟廃棄」まで取引材料に使うハラはできていると思われます。ただ、米国の中には米韓同盟を捨てるなどとは想像もしていない人が多い。
 しかし非核化が思うように進まなければ、そんな人も「北から核を取りあげられるのなら米韓同盟廃棄もやむなし」と考える可能性が大です。韓国の親米保守にとっては最悪の状況に陥ります。
 8月15日、親米・反北朝鮮をうたう保守派がソウルでデモしました。朝鮮日報の「『今日は建国の日だのになぜ、政府樹立の日というのか』と摂氏38度の光化門周辺で3万人がデモ」(8月15日、韓国語版)は前文で「光化門周辺は太極旗と星条旗で埋まった」と写真付きで報じました。
 韓国の保守派が米国の国旗を手にすることは珍しくありません。が、それを保守系紙が強調するところに親米派の焦りが伺えます。

日米の「敵性国家」に
大統領はともかく、米国全体が韓国を捨てる方向に動くでしょうか?

鈴置:文在寅という左派政権が原動力になります。韓国は北朝鮮に対する制裁破りに動いている。米国を裏切って、北朝鮮・中国側に立ったのです。「そんな不義理な国を無理して守る必要もない」と思う米国人が増えるでしょう。
 北朝鮮の非核化を目標にした外交ゲームを繰り広げるうちに、いつの間にか韓国が中国・北朝鮮側に取り込まれたのです。今や完全に「中国・南北朝鮮VS米・日」の構図です。
 韓国電力が北朝鮮の石炭を火力発電に使用していたことが7月、明らかになりました。国連安保理決議は北朝鮮の石炭を禁輸品目に含めています。
 5月には東シナ海の公海上で、北朝鮮の船舶が韓国船に接近したことが自衛隊機によって確認されました。禁輸品の石油をこっそり積み替えようとした――瀬取り未遂の疑いが持たれています。いずれの事件も、韓国政府の黙認下での禁輸破りの可能性が高いと見られています。
 経済制裁の結果、北朝鮮は石油もドルも不足し経済成長率が鈍化、あるいはマイナスになったと見られています。せっかく効果があがってきたというのに制裁破り。
 北朝鮮の核武装を幇助しているとしていると非難されても、韓国は弁解できません。米国や日本から見れば、韓国はすでに「敵性国家」なのです。

日韓が一緒に核武装
そこで「米国から見捨てられる」「日本と組もう」と金載千教授は書いた……。

鈴置:その通りです。ただ、話はもう少し複雑かもしれません。冷静に考えれば韓国は、日本と同盟を結ぶだけではあまり意味がありません。なぜなら日本は核を持たないからです。韓国は米国の代わりの核の傘に入れないのです。
 それから考えると「日本との協力」とは、日本と一緒になって核武装しよう、との意味にもとれるのです。米韓同盟が消滅した後、韓国が単独で核武装に動いても米国と日本に阻止されるでしょう。
 米国にすれば、せっかく北朝鮮を非核化したのに韓国が核武装したら、何のために汗をかいたか分からなくなります。韓国の核ミサイルは米国を狙ってのものではありませんが、中国だけではなく日本に向けられるのは確実です。
 そこで「日本と一緒の核武装なら日韓の間で核の均衡ができるから、米国の許可が下りるかもしれない」と金載千教授ならずとも、韓国人は考えるものです。
 「いざという時が来れば、米国は日本の核武装なら許す」との伝説が韓国にはあります。“証拠”もちゃんとありまして「日本が使用済みの核燃料から取り出したプルトニウムの保有を米国から認められていること」です。

日・印・越と組んで中国包囲網
「日韓軍事協力論」は珍説・奇説というわけでもないのですね。

鈴置:韓国で主流になることはないと思います。が、保守の一部には昔からそうした意見があります。今回、金載千教授以外からもそんな声があがりました。
 韓国国立外交院の元院長で韓国外国語大学の尹徳敏(ユン・ドクミン)碩座教授が朝鮮日報に「中国夢を成したいなら『謙譲』から学べ」(8月16日、韓国語版)を寄稿しています。
 経済成長に成功し傲慢になって韓国を再び属国扱いし始めた中国とどう向き合うか、を論じた記事です。結論部分を訳します。
中国は大小15の国に取り囲まれている。うち9カ国と戦争をし、8カ国が米国の同盟国である。仲の良い国はパキスタンと北朝鮮ぐらい。15カ国のGDPを合わせれば中国よりも大きい。これらの国の人口と国防費も合算すれば中国よりも多い。
我々が中国周辺国とネットワーク――特にインド、日本、ベトナムとの連帯を強化すれば韓米同盟以外にも、もう1つの強力な対中のテコを持つことができる。
 尹徳敏教授の訴えた提携の相手は日本に加え、インドやベトナムなど「中国を取り囲む国」です。核武装に容易に動けない日本だけだと頼りないと考えたのでしょう。尹徳敏教授は日本専門家で内情をよく知っています。
 金載千教授とは異なり、米韓同盟が存続するとの前提で書いています。が、米韓同盟が揺らぐとの危機感を持つからこそ「もう1つの対中のテコ」を訴えたのでしょう。そうでなかったら中国のトラの尾を踏む「包囲網」など主張しないはずです。
変節した尹徳敏教授
 注目すべきは「中国の属国には戻らない」との決意表明で金載千教授と軌を一にしたことです。自分の名前を出して中国にファイティング・ポーズをとるのは保守も含め、韓国の指導層では極めて異例です。
 尹徳敏教授は少なくとも2017年11月まで「日中韓は運命共同体。東アジア共同体の構築が必要だ」と主張していました。
 朝日新聞の「東アジア共同体への道は シンポジウム『日中韓 国民相互理解の促進』」(2017年11月11日)が発言を報じています。

なぜ、尹徳敏教授は変節したのでしょうか。

鈴置:米中の対立が決定的になったからと思われます。寄稿で尹徳敏教授は「傲慢になって韓国を属国扱いするようになった」と中国を長々と非難しています。しかしこれはニュースではありません。「なぜ今」の説明にはならないのです。中国への敵対表明は米中対立が引き金になったと見るのが素直です。その部分を訳します。
中国は2025年までに製造業の分野で、2050年までには国力で米国を追い越して世界1位になるとの遠大な計画の下、事実上の覇権への挑戦状を突きつけた。
米中貿易戦争のあり様はかくしてますます1930年代末の第2次世界大戦前夜と似てきた。
米中間での中立は不可能

「戦争前夜」と「反中」はどんな関係があるのですか?

鈴置:韓国は朴槿恵(パク・クネ)政権以降、露骨な米中二股外交を展開してきました。保守言論の大御所である朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問などは2013年、先頭に立って二股を提唱したのです(「保守派も『米中二股外交』を唱え始めた韓国」参照)。
 米中が適度の対立状態にあるうちはいい。韓国は両方から大事にされると期待できるからです。しかし対立が抜き差しならない段階に至れば、二股国家は双方から叩かれます。
 マキャベリは『君主論』(角川ソフィア文庫版、大岩誠訳)の189―190ページでこう言っています。
態度をはっきりとさせて堂々と戦う方が、どんな時にでもはるかに有利なのである。
自分の立場を明らかにしないと(中略)勝った方は、怪しいと疑っているうえに逆境に際して手助けしてくれなかった者を自分の味方にしたいとは思わないし、また負けた者も、諸君が剣をとって彼らと運命を共にしなかったことゆえ、いまさらその助太刀を望めはしないからである。

でも、米ソの冷戦期にも中立国が存在しました。

鈴置:徹頭徹尾、中立を貫けば尊重されます。しかし、韓国はコウモリです。朝鮮戦争(1950―1953年)以降、米国に北朝鮮の脅威から守ってもらってきたのに、中国が台頭すると見るや「離米従中」したのです。
 保守派も含め、多くの韓国人が「米韓同盟は北朝鮮専用だ」と公言するようになっていました。要は、米中の対立時には韓国は中立を貫く、との主張です。でも、都合のいい時だけ「米国との同盟国」であることはもう、許されません。

「ずる賢く立ち回ろう」

そう言えば「中国との対立は日本に任せよう」などと唱える記事がありました(「中国に立ち向かう役は日本にやらせよう」参照)。

 朝鮮日報の鮮于鉦(ソヌ・ジョン)論説委員(当時)は「活火山の火口の役割は避けるべきだ」(2016年3月9日、韓国語版)で「中国と対立する役割は日本が負うべきであり、韓国は関係ない」と書きました。
韓国にとって米国は「血盟」だ。3万6574人の米軍将兵が朝鮮半島で命を落とした。北朝鮮との軍備競争を避け、繁栄を享受できるのも在韓米軍のおかげだ。借りを返すにはほど遠い。とはいえ、いざこざの身代わりまで買って出ることはできない。
韓国は北朝鮮を抑える「地域パートナー」との立場を越えたことはない。従って、アジアで米中間のいざこざの身代わりを進んで買って出る資格と責任は、日本にある。
指導者には、時としてずる賢さも必要になる。それでこそ「活火山の火口」役を避けることができる。
 こうしたもの言いは、米国を怒らせるだけではありません。論理的に米韓同盟を突き崩します。「北朝鮮専用」と規定するなら、南北関係あるいは米朝関係が改善すれば、米韓同盟は不要になってしまうからです。
 仮に北朝鮮が非核化するか、あるいはしたことになったとします。すると、トランプ大統領が「北朝鮮はもう敵ではなくなった。韓国の保守までが『北朝鮮専用の同盟』と言っていたのだから、米韓同盟を打ち切るぞ」と言い出す可能性があります。
 その時、「ずる賢く立ち回ろう」と呼び掛けてきた鮮于鉦記者は、どうするつもりでしょうか。「中国を共通の敵としましょう」と言い出しても、通らないでしょう。誰もが「逆境に際して手助けしてくれなかった者を自分の味方にしたいとは思わない」のです。

北の「核の傘」に入る南
米中戦争はどちらが勝つのでしょうか。

鈴置:今のところは米国が完全に主導権を握っています。貿易戦争と呼ばれることが多いのですが、本質は金融・通貨の戦争です。米国は様々の圧迫を加えて人民元を崩落の瀬戸際に追い詰めています。

 中国が人民元を防衛するにも米ドルが要ります。ドルは米国しか印刷できません。つまり中国は米国製の武器で戦うしかないのです。米国の原油に依存しながら米国に太平洋戦争を仕掛けた日本と似ています。勝ち目は薄い。
 もちろん中国だって反撃のチャンスを虎視眈々と狙っています。でもそれは中間選挙の敗北や、スキャンダルによるトランプ追い落としなどで、今ひとつ確実性に欠けます。
 韓国の金載千教授や尹徳敏教授も、米国が勝つと判断したと思われます。そう判断したからこそ、中国に対し挑戦的な記事を書いたのでしょう。

中国からいじめられるリスクを2人はとったのですね。

鈴置:中国が勝利したら、中国からいじめられるだけではなく、国内でも袋叩きになるでしょう。韓国では、各党派が周辺大国の支持を背景に――外国を引き込んで権力闘争するのが普通です。米中戦争の勃発とともに、韓国内で米中の代理戦争が始まる可能性が高い。

では、文在寅政権は中国を引き込む?

鈴置:もちろん、この政権は米国よりは中国に近い。ただ、本当に後見役と頼むのは北朝鮮と思います。「誰の核の傘に入るのか」の視点で言うなら「北の核の傘」に入るつもりでしょう。「表・北朝鮮の非核化の行方」で言えば、シナリオWです。
(次回に続く)
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『孤立する韓国、「核武装」に走る』

■「朝鮮半島の2つの核」に備えよ
北朝鮮の強引な核開発に危機感を募らせる韓国。
米国が求め続けた「THAAD配備」をようやく受け入れたが、中国の強硬な反対が続く中、実現に至るか予断を許さない。
もはや「二股外交」の失敗が明らかとなった韓国は米中の狭間で孤立感を深める。
「北の核」が現実化する中、目論むのは「自前の核」だ。
目前の朝鮮半島に「2つの核」が生じようとする今、日本にはその覚悟と具体的な対応が求められている。
◆本書オリジナル「朝鮮半島を巡る各国の動き」年表を収録


このコラムについて
早読み 深読み 朝鮮半島
朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は、朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。


 
「最悪の雇用情勢」で韓国大統領の支持率も急落
副首相と首席秘書官の言い分も違って対策迷走も
2018.8.22(水) 玉置 直司
韓国大統領、13日から訪中 習主席と北朝鮮問題を協議へ
韓国ソウルにある青瓦台(大統領府)で行われた会議に出席した文在寅大統領(2017年11月29日撮影)。(c)AFP/YONHAP。〔AFPBB News〕

 「雇用拡大」を最優先に掲げて登場した文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権にとって、目を覆いたくなるような統計が続いている。

 2018年8月17日に発表になった「7月の雇用動向」もその代表例だった。最悪の雇用情勢がまた明らかになってしまった。雇用不安から、大統領支持率も急落し始めている。

 「良い働き口を増やすことを国政の中心に据え財政と政策を運用してきたが、結果を見ると十分ではなかったと認めざるを得ない」

 2018年8月20日、文在寅大統領は、首席秘書官・補佐官会議でこう切り出した。それほど深刻な統計が出たのだ。

 「政府の独善が生んだ“雇用破局”」(朝鮮日報)
 「雇用惨事…大きくなる経済政策チームの責任」(毎日経済新聞)
 「31万人→5000人 雇用災害」(東亜日報)

 統計庁が8月17日に発表した「雇用動向」を韓国主要紙は翌日の朝刊の1面トップで報じた。保守的なメディアだとはいえ、見出しだけ見ても相当悪い中身だったことがうかがえる。

 その通りだった。

就業者数が5000人しか増えない
 最も衝撃的だったのが、「東亜日報」の見出しの通り、「就業者数」が前年同月比5000人増にとどまったことだった。これがどれほど少ないかは、統計を見ればすぐに分かる。

 ここ数年ずっと、20万〜50万人で推移していたのだ。

 2018年1月も33万4000人増だった。新しく求職活動をする人たちを吸収すれば、これくらいの就業者数増加になっていたのだ。1年前の2017年7月は31万人だった。

 ところが、異変は、2018年2月以降に始まった。

 ▽就業者数の対前年同月比増加数(人、韓国統計庁発表)▽
      2017年9月      31万4000
         10月      28万1000
         11月      25万7000
         12月      25万7000
      2018年1月      33万4000
          2月      10万4000
          3月      11万2000
          4月      12万3000
          5月       7万2000
          6月      10万6000
          7月        5000

 2018年2月に、ガクンと減少した。5月には10万人を割り込み、ついにいきなり5000人になってしまったのだ。

製造業、飲食業…ともに激減
 どうしてこんなに減ってしまったのか?

 就業者が最も減少したのは、「施設管理業」「宿泊・飲食業」「卸小売業」だ。合わせて前年同月比で18万人以上も減少してしまった。

 「施設管理業」というのは、韓国でいえば、アパートなどの管理人さんが典型例だ。

 「製造業」も不振だった。同12万7000人だった。さらに、年齢別では40代の就業者が、同14万7000人減だった。教育など家庭で最もお金が必要になる年齢層でこれだけ雇用が減少してしまったのだ。

 失業者数も、2018年1月以降、ずっと100万人を超えている。

 韓国では、もともと青年失業率が高く、「雇用」と「格差」が大きな課題だった。最近は、ほぼあらゆる年齢層で雇用情勢が悪化しているのだ。

 政府は、「企業の構造調整などがその原因だ」などと説明してきた。

 だが、「政府の政策が雇用情勢をさらに悪化させている最大の原因」(韓国紙デスク)という主張が日を追って力を得ている。

所得主導成長論
 「所得主導成長論」のことだ。

 今の政権は、発足以降、「最低賃金の引き上げ」「非正規職の正規職転換」「公務員や公企業の雇用拡大」など、所得を引き上げることで景気サイクルを好転させることを目指してきた。

 減税や規制緩和などを通して大企業や財閥の事業環境を整えることに軸足を置いた経済政策とは決別し、「賃金=所得」を政策の柱に据えたのだ。

 この一環として、最低賃金を2018年に16.4%一気に引き上げて7530ウォンにした。さらに2019年も10.9%引き上げ、8350ウォンにすることを決めたばかりだ。

 所得増加→消費支出拡大→企業業績好転→投資拡大→雇用拡大…こんなサイクルになるというのが進歩系学者出身が主流を占める今の政権の経済政策責任者チームの読みだった。

 ところが、現実の経済はそんなに甘くなかった。

 最低賃金が一気に16%も上昇したのだ。ただでさえ、「ぎりぎり」で経営してきた飲食店、中小製造業などでは何が起きたのか?

 「こんな高い賃金は負担できない」となり、雇用削減に動き始めたのだ。

 「これまでは5人雇用してきたが、1〜2人減らさざるを得ない」

 こんな中小零細企業、さらにフランチャイズの飲食店、コンビニなどが続出した。

 「所得主導成長論」は「大企業や財閥を優遇して経済成長の牽引役にしようという考えが時代錯誤で、様々な癒着の温床だった」という反省から出たともいえる。

 ところが、実際に実行したら、そのつけは、「中小零細企業」に回ってしまっているというのが現実なのだ。

大統領支持率急落
 「雇用不安」がさらに深刻化していることを受けて、文在寅大統領の支持率も急落し始めている。

 世論調査会社、リアルメーターの「国政遂行評価」が8月20日に発表した調査によると、「良くやっている」との回答は、6月第2週の75.9%から、8月第3週には56.3%に低下した。2か月間で20ポイント近い大幅下落だった。

 同じく、韓国ギャラップ研究所が8月17日に発表した調査でも、「良くやっている」は60%で、5月第1週の83%から3か月半で23ポイント急落した。

 ギャラップの調査では、「良くやっていない」との回答者にその理由を質問したところ、最も多い38%が「経済/民生問題解決不足」を挙げた。

 ひと言で言えば、「経済政策」への不満だ。

 もともとここ数か月間、大統領支持率は低下していた。「雇用」に敏感な政府与党にとっても、17日の「雇用動向」は衝撃だった。

日曜日の対策会議
 8月19日、日曜日にもかかわらず、青瓦台(大統領府)、政府、与党の政策責任者が国会に集まり対策を協議した。

 与党「共に民主党」の院内代表、政策委員長のほか、張夏成(チャン・ハソン=1953年生)青瓦台政策室長と金東?(キム・ドンヨン=1957年生)副首相兼企画財政部長官が顔を揃えた。

 韓国メディアはここ数か月、今の政権の経済政策を巡って「所得主導成長論」を主張する張夏成室長と、「政策修正」に傾いている金東?副首相の「不仲説」を繰り返し報じてきた。

 進歩系の学者出身である張夏成室長と経済官僚出身である金東?副首長は、経歴も異なり「全く肌合いが合わない」(大手紙政治部長)という。

 張夏成室長は「所得主導成長論」や「経済民主化」が学者時代からの持論だ。

 金東?副首相は、実務により近い。最近は、雇用や成長率の低迷に危機感を持って大企業や財閥との積極的に接触している。

 成長分野を育成するために規制緩和などを進める一方、大企業や財閥に雇用拡大を要請している。

 金東?副首相は、サムスン電子の半導体工場を訪問し、李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)副会長とも面談した。だが、このことが、「財閥に接近して優遇する従来の政策の繰り返しではないか」との批判も浴びた。

2人の対照的な発言
 そんな2人が揃って姿を見せたことでメディアの関心も高まった。

 対策協議では、「雇用対策」として2019年度予算に今年度よりも12%多い予算を投入することで合意した。2018年には追加予算を含めてすでに20兆ウォン以上を投入することを決めているが、さらに増額することを決めた。

 こんな発表だったが、メディアはその内容にはあまり関心を示さなかった。もっぱら、2人の発言に焦点を当てた。

 金東?副首相は「雇用情勢が厳しいのは、構造的要因、経済要因、政策要因のためだが、これまで進めてきた経済政策もその効果を見極め、必要な場合は関係部署、党と協議をして改善、修正する方向も検討する」と述べた。

 2年間で30%近くも引き上げる最低賃金や「週52時間労働制」などを念頭に何らかの「運用弾力化」などを念頭においているとの見方もある。

年末頃になれば改善する
 ところが、今の政権の政策の最高責任者とも言える張夏成室長は、「所得主導成長、革新成長、公正経済政策はその効果が出始めれば、わが国経済に活力が生まれ経済の持続可能性が大きくなる。低所得層と中産層は成長の成果を体感し、年末頃になれば雇用状況も改善する」と語った。

 これまでの政策に間違いはない。成果出るまで少し待ってほしいということ。ひと言で「政策基調は変えない」と宣言したのだ。

 青瓦台の室長と経済副首相の意見が、最も基本的な点でははっきりと異なるのだ。

 一般的には、大統領の近くにいる青瓦台の室長がより大きな権限を持つ。だから副首相といえども、そう簡単に政策基調を変えられない。

 だが、これだけ悪い数字が続いているのに、「もう少し待ってほしい」というだけの説明では、中小例企業の経営者はたまらないだろう。

 今の韓国で雇用が増えないのは、複雑な要因による。

 半導体や化学など一部の業種、企業に成長分野が極端に偏ってる点。企業の多くがグローバル化を進め、製造拠点をどんどん海外に移転している点。

 IMF危機といわれた通貨経済危機を契機に、「構造調整」という「大規模雇用調整」が一般化してしまった点、財閥主導で中小零細企業が育っていない点。

 大学進学率が一時80%近くになるほど高く「雇用のミスマッチ」が多い点…などなどだ。

 だから、雇用情勢を一気に改善させるのは至難の業だ。

 問題は、今の政府が、「新しいアプローチ」だとして思い切った政策を採用し、実行したことだ。

 「所得主導成長論」はその狙いは分からないでもないが、2年間で最低賃金を30%引き上げれば、それなりの副作用は覚悟せざるを得ない。

 その検討と準備ができていたのか。

 何よりも、政策室長が話すように、年末にどれほど成果が出るのか、が最大の関心事だ。

 「今の雇用情勢は最悪期で、年末に今より悪くなっていることはない」。こういう学者もいるが、では、その根拠はといえば、はっきりしない。

 あくまでこれまでの政策にこだわって成果が出るのを待つのか。あるいは、思い切った政策修正に踏み繰るのか。

 毎月出る「雇用統計」だけでなく、「大統領支持率」もにらみながら、重大な決断を迫られている。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/669.html#c7

[政治・選挙・NHK249] 中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年8月22日 11:23:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1267]

>5年間の「異次元緩和」によって、この3つの金融政策は機能不全

相変わらず、愚か

批判レベルが低すぎる

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/247.html?c2#c2
日本銀行の前例のない金融緩和による景気刺激策はついに、デフレに勝利しつつある。ABMアムロが指摘した。
 

 

2018年8月22日 井上哲也 :野村総合研究所金融ITイノベーション研究部長
日銀の政策修正で強まる「正常化論」の落とし穴
日本銀行
Photo:PIXTA
 日本銀行は7月下旬の金融政策決定会合(MPM)で、「量的質的金融緩和」(異次元緩和)策のサステナビリティー(持続力)を強化するための追加措置を導入した。

 声明文の冒頭で、来年10月に予定される消費税率の引き上げの影響に対する配慮も含めて、金融緩和の継続を約束する「フォワードガイダンス」が新たに導入されたこともあり、国内外の金融市場は総じて金融緩和の長期化と受け止め、長期金利は低下、為替市場も円安が進んだ。

 だがここに来て、状況が少し変わってきた。

海外を中心に「正常化」論
世界経済の堅調が追い風
 海外市場を中心に、日銀の政策修正が実は金融政策の「正常化」の第一歩だったのではないかとの見方が示されるようになった。

 背景の1つは、世界経済の先行きに対する慎重論が若干、後退したことだろう。

 米国経済は景気過熱感がうかがわれるほど堅調で、中国も7月以降の景気刺激策の効果が徐々に顕在化することが期待されている。米中にとってリスク要因である貿易戦争も、双方の言葉の応酬はともかく、追加的な措置の発動にはお互い慎重さが目立つ。

 第1四半期に大きく減速した欧州経済にも安定化の兆しが見られる。市場から見ても、日銀が異次元緩和を「正常化」するのに良い環境であるということだろう。

「フォワードガイダンス」についても、時間が経過して、理解が深まった面もあると思われる。

 つまり、「フォワードガイダンス」は金融緩和を「当面の間」、続けることを約束するものだが、それには当然に条件が付されており、欧州中央銀行の先例が示すように、条件が満たされれば金融政策は変更される。

 そう考えると、「フォワードガイダンス」が新たに導入されたことは、実は異次元緩和策の「終わりの始まり」を意味すると理解することもできる。

 こうした見方が出てきたのは、「量的質的金融緩和」の継続が次第に難しくなっているとの認識が広がっているという面もあると思われる。

 今回、日銀が「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と銘打って導入したいくつかの措置の内容を見ても、長期金利(10年物国債利回り)の変動幅拡大といっても、上下に10bpの拡大に止まった。

 異次元緩和による副作用を是正するとして、ETFの買い入れについてTOPIXに連動する買い入れ額を増やす措置でも、日銀が企業の主要株主になることで、コーポレートガバナンスが機能しにくくなるという懸念は払拭されないままだし、マイナス金利の見直しも見送られた。

 こうしたことを踏まえて、市場が異次元緩和策の持続力強化には限界があると受け止めたとしても不思議ではない。

物価目標未達での撤退は
さまざまなリスク
 だが一方で、海外市場を中心に目立ち始めた「金融正常化論」にもいくつかの問題がある。

 言うまでもなく、日本では実際のインフレ率が、「2%物価目標」からほど遠い状況だ。消費者物価指数(CPI)の総合インフレ率こそ、原油や生鮮食料品の価格上昇を映じて相応のプラス水準を示す局面も見られる。

 だが、日銀自身が物価動向を判断する基本にしている基調的インフレ率の指標(原油や生鮮食品を除いたCPI)は依然としてゼロ近傍で推移している。

 デフレ回帰への懸念こそ払拭されたが、インフレ期待が高まるモメンタムはうかがわれない。

 従って、こうした状況で金融政策を見直すとすれば、米欧の中央銀行がインフレ目標を達成する見通しを踏まえて金融緩和の縮小に踏み出したような、本来の意味での金融政策の正常化とは全く異なる意味合いを持つことになる。

 海外の「正常化」論には、国内の有識者の議論をそのまま引用するなど、国内での「正常化」論による影響も少なくないように感じられる。

 だが国内での「正常化」論は、「量的質的金融緩和」の導入当時から一貫して主張されているもので、副作用以前の問題として、政策効果自体に疑問を示してきた。その主張は今回の日銀の追加措置を機に大きく変化したようにはみえない。

 結局、適否はともかく、海外市場がこうした文脈で日銀の金融政策の「正常化」を意識してしまうと、インフレ目標を達成しない状況で、「量的質的金融緩和」から撤退すべきという結論になってしまう。

 しかしそうなった場合には、現実問題としていくつものリスクや課題が出てくる。

金融市場が不安定化
今後の金融政策に制約
 まず懸念されるのは金融市場の反応である。

 米欧に続いて日本でも「正常化」で動き出したということで、国債市場や為替市場は、さまざまな思惑から不安定さが増すだろう。

 投資家にとって収益を得るチャンスでもあるからだ。やや誇張して言えば、どのような形であれ資産価格のボラティリティーが上昇することを望むプレーヤーは存在する。「量的質的金融緩和」からの撤退は、そうしたプレーヤーに格好の契機を与えるリスクがある。

 そして、それは足元で実現している景気の安定にとって脅威となり得る。

 海外市場を含めて金融正常化を見込む向きが増えたといっても、そのことが日本の経済や日銀にとって望ましいとは限らないのだ。

 中長期的な課題もある。金融政策の「正常化」を求める有識者の主張に依拠するまでもなく、確かに「量的質的金融緩和」はインフレ目標の達成に対しては十分な効果は出せなかった。しかしこの間に、景気は安定度を増していることも否定できない。

 これには海外景気が良かったことや財政拡張政策の効果も小さくないが、異次元緩和を続けたことで政策金利を実質マイナスに維持できていることが、GDPギャップがプラスで推移する状況を下支えしていることも事実だ。

 それにもかかわらず「量的質的金融緩和」から撤退することは、経済に対するこうしたプラス面もあったにもかかわらず、結局は、異次元緩和策に対してネガティブなイメージを付与する恐れがあるのではないか。

 その場合、次の景気後退を含む将来の局面で、「量的質的金融緩和」と同様の非伝統的な金融政策の手段を講ずることに対して、必要以上の批判や抵抗に直面することにもなりかねない。

 低成長、低インフレの経済の下では、金利操作で対応できる余地が少なく、活用し得る政策手段に制約が増している日銀にとって、これは無視し得ない問題となる。

次の見直しの焦点は
「インフレ目標」をどうするか
 日銀による今回の追加措置は、「量的質的金融緩和」の延命策には限界があることを図らずも明らかにしたとも言える。

 この点では国内外の「正常化」論に傾聴すべき点があるが、だからと言って「量的質的金融緩和」から撤退することには、既に述べたようにかなりのリスクがある。

 そう考えると、日銀が次に金融政策の見直しを行う際には、それはおそらくは再度の延命策でも「量的質的金融緩和」からの撤退でもなく、「2%物価目標」自体の見直しになると思われる。

 景気の安定というメリットを評価するのであれば、インフレ目標と実際の物価の動きの推移を見ながら、インフレ目標の位置付けや金融緩和と目標のバランスを現実的なものにした上で、「量的質的金融緩和」で採用した政策手段を活用しながら、金利の誘導目標などの個々の政策変数を目標に即して調整するといった選択肢も考えられる。

 いずれにせよ、次の見直しは「微調整」「ファインチューニング」といったものではなく、より本質的な政策修正にならざるを得ないだろう。海外市場での見方の変化がこうした兆候を嗅ぎ取っているのであれば、それはまた傾聴すべき面があることになる。
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/546.html#c2

[政治・選挙・NHK249] 中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
3. 2018年8月22日 11:27:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1268]

>>01

同志社の浜と慶応の金子は、低レベルな日本の大学

特に文系を特に象徴する双璧と言える


http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/546.html#c3

[政治・選挙・NHK249] 中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
4. 2018年8月22日 11:30:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1269]

こういうくだらない批判をしている暇があったら

日本を含む世界全体に共通する

もっと根本的な問題の解決を阻むメカニズムを解明すべきだが

ゴミに期待したところでムダだろう

 

 


 

イタリアの橋崩落が浮き彫りにする大きな弊害
老朽化したまま放置されるインフラ、米国やドイツでも深刻な問題
2018.8.22(水) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年8月18/19日付)

伊ジェノバで高速道の橋崩落、約30人死亡
伊ジェノバで、崩落事故が起きた高架橋(2018年8月14日撮影)。(c)ANDREA LEONI / AFP)〔AFPBB News〕

 米ミネソタ州ミネアポリスに住んでいる人は誰しも今、イタリア北部ジェノバの人たちの怒りと悲嘆を理解できるだろう。

 11年前、ミネアポリス中心街で、ミシシッピ川にかかる8車線の州間幹線道路の高架橋が崩落し、13人が死亡した。

 ミネソタの悲劇と8月13日に起きたジェノバの悲劇の共通点は痛烈だ。

 2件の崩落事故は、老朽化したインフラは純粋にイタリアの問題ではなく、世界で最も進んだ経済国の多くで見られる弊害だということを浮き彫りにしている。

 崩落で少なくとも13人の死者を出したジェノバのモランディ橋と同じように、ミネアポリスの橋も1967年に開通した。

 米運輸安全委員会(NTSB)が設計上の欠陥が2007年の橋崩落に寄与したと結論づけたように、イタリア検察当局は今、ジェノバの惨事にも似たような原因があったかどうか捜査している。

 いずれの事故でも、崩壊前の数年間、橋を渡る交通量が1960年代の建設中に予想されていた水準を大きく上回っていた。

 米国とイタリアの経験の類似点は、ここで終わらない。かいつまんで言えば、両国とも橋や道路、トンネルその他のインフラに対し、本来かけるべき公的資金を投じていないのだ。

 ドナルド・トランプ米大統領は一度ならず、ことインフラにかけては、米国は「第三世界の国」のようだと述べている。

 バラク・オバマ前大統領の下で2009年から2013年にかけて運輸長官を務めたレイモンド・ラフッド氏は、米国は「一つの大きな穴」だと話している。

 米土木学会(ASCE)は4年ごとに、米国のインフラの成績表を公表している。昨年、ASCEは米国に「Dプラス」という情けない成績を与えている。

 イタリアでも事情は同じだ。インフラに対する公共投資は、この国を相次ぐ景気後退に巻き込んだ2008年の金融危機後に急減した。だが、問題の根はもっと深い。

 2009年には、当時イタリア中央銀行総裁だったマリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が次のように語っている。

 「過去20年間で、イタリアのインフラ基金と主要な欧州連合(EU)加盟国のそれとの開きが3倍以上に拡大した」

 「当初は21件だった優先度の高い戦略インフラプロジェクトのリストは、今や200件以上に膨れ上がっている。高速鉄道と高速道路網の延長、さらには短い接続道路やバイパスにかける必要がある時間とコストは、ほかの欧州諸国よりずっと大きい」

 この状況は1950年代、1960年代とは雲泥の差だ。あの当時、第2次世界大戦後のイタリアの好景気のおかげで、歴代政府が欧州の羨望の的となる高速道路網を建設することができた。

 その時代にイタリアを率いたキリスト教民主主義政党主導の連立政権は、国を代表する自動車メーカー、フィアットと親しい関係にあった。

 近代的な高速道路システムは、安価なガソリン価格や公共輸送機関との競争から来る中途半端な後押しと並び、フィアットの利益になる――。こうした考えが政治家の念頭から遠く離れたことはなかった。

 しかし、数十年間は、イタリアは勝者だった。南仏から車でジェノバを通ってイタリアの沿岸部やほかの都市へ向かう無数の観光客にとって、モランディ橋は忘れられない旅路の一部だった。

 だが、もしこの橋がかつて、イタリア土木のモデルとして称賛を浴びたとすれば、橋の崩落は今、国家的衰退の厳しい象徴となっている。

 13日の惨事の後、極右政党「同盟」の党首でイタリア内相のマッテオ・サルビーニ氏は、イタリアのインフラ投資不足を、財政赤字に関するユーロ圏の厳しい規則のせいにした。

 これは安直な政治的得点稼ぎで、欧州委員会はすぐに同氏の主張を退けた。

 ユーロ圏の規則より大きな制約は、イタリアの年間国内総生産(GDP)の約132%にのぼる公的債務に対する莫大な利払い負担だ。

 イタリアは毎年、数百億ユーロのお金を利払いに回さなければならない。その一部は、原則としては、橋や道路の建設、改修に割り当てることができるお金だ。

 しかし、毎年無理なく財政黒字を計上しているドイツでさえ、インフラ問題を抱えている。

 ドイツで最も交通量が多い大動脈の一つに数えられるレバークーゼンでは、ライン川にかかる高架橋が2012年、重量物運搬車両に閉鎖された。橋のコンクリートに亀裂が発見されたためだ。

 代わりの橋は2020年まで開通しない。ドイツ復興金融公庫によると、ドイツの市と町と地方は、1260億ユーロもの「投資ギャップ」を抱えている。

 英国では、状況は多少異なるが、必ずしもましではない。

 政治思想を問わず、あらゆる政府が、予想にたがわずコストが膨れ上がる派手なプロジェクトを優先し、地味で小規模なインフラ計画・修復作業を無視する傾向がある。

 ロンドンとイングランド北部を結ぶ鉄道網「ハイスピード2」とヒンクリー・ポイント原子力発電所が好例だ。

 英国は世界に先駆けてインフラプロジェクトへの民間部門参加の実験を行ったが、ふたを開けてみると、民間資金の利用は昔ながらの公共投資よりも高くついた。

 西側世界の大部分では、インフラに対する政府支出を増やすべきだとする主張は、反論の余地がない。

 もちろん、課税や支出の優先順位、国の借り入れといった物議を醸す問題については、政治家が対処する必要がある。

 だが、こうした問題に対処しない限り、次の破滅的な橋崩落が起きるのは、もはや時間の問題だ。

By Tony Barber


http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/546.html#c4

[経世済民128] トルコショック、市場参加者が身構える「最悪のシナリオ」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
5. 2018年8月22日 11:52:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1270]

トップニュース2018年8月22日 / 11:27 / 15分前更新

コラム:トルコ危機で胸に刻むべき「新興国ドミノ」

Jamie McGeever
3 分で読む

[ロンドン 20日 ロイター] - トルコは、現在新興国市場全体に広がっている混乱の震源地になっている。ただしこれは問題の原因ではなく、単に現象を表しているにすぎない。

投資家としては、トルコが直面する危機は他の新興国にも容易かつ素早く波及しかねないのだと肝に銘じておく方が、万事うまく行動できるだろう。

新興国に対する市場心理がこれ以上ないほど弱気に傾いている状況で、高水準のドル建て債務と大幅な経常赤字、海外資金への依存が引き金となって投資家が一斉に資金を引き揚げているのだと想像するのはそれほど難しくない。

自分たちの年金資金を新興国市場で運用する個人投資家にとっては、現実の厳しさを突きつけられる形になる。彼らは10%かそれ以上のリターンを好ましく思っていたかもしれない。しかし今さら当たり前のことを言うようだが、新興国市場の利回りがこれほど高いのはそれなりの理由あるのだ。

では平均的な投資家は一体どの程度、数え方によっては数十にもなる新興国(そこに年金資金が投じられている)が持つ脆弱性を認識しているのか。またリスクに関して十分警告をもらっているのだろうか。

シティが動向を追ってきた478種類の新興国社債のうち、年初来でスプレッドが縮小したのはたった2種類で、残りは全て拡大した。シティの新興国ソブリン債指数の中で、プラスのリターンを確保しているのはモンゴルとベリーズしかない。

シティは17日のノートで「これらの債券を多くの投資家がオーバーウエートにしていたとは聞いていない」と述べた。

一部のアナリストは、トルコからの危機の伝染は限定的になるはずだと主張する。世界の合計国内総生産(GDP)に占めるトルコの割合はわずか1%。欧州連合(EU)の銀行のトルコに対するエクスポージャー(貸出債権)は、EUのGDPの1%より少ない。米銀の同エクスポージャーは180億ドルで、総資産の0.1%にとどまる。

さらに新興国全体に目を向ければ、以前より外貨準備は増え、為替レートは柔軟性が高まり、銀行のレバレッジ比率は低下しているほか、物価上昇率はかつてないほど低い。つまりこれらの国の経済と財政の足腰はより頑健になっていることが分かる。

オックスフォード・エコノミクスによると、新興国市場の中でソブリン危機の「無視できない」リスクを抱えている割合は現在約33%と、2008年の65%や「テーパータントラム」があった13年の72%を下回っている。

とはいえ新興国の経済と金融市場は存続や発展を目指す上でなお大きくドルに依存しており、世界的なドルの流動性は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げとバランスシート圧縮に伴って縮小を続けている。だから他のドミノが倒れてもおかしくない。

<急増するドル建て債務>

国際決済銀行(BIS)は先月公表したワーキングペーパーで、新興国全体でドル建て債務が最近急増している実態と、それが新興国市場にもたらす危険に光を当てた。

新興国の発行体によるドル建て起債は急拡大し、昨年末時点で年間17%の増加ペースを記録。特に中国やブラジル、チリ、トルコといった国で伸びている。

これらの国のドル建て起債規模は過去最高で、2000年代初め以降の増加には目を見張るものがある。BISのワーキングペーパーで取り上げた12の新興国のうち、現在ドル建て起債が過去最高に達していないのはロシアだけだ。

銀行への依存を減らして国際金融資本市場での資金調達を増やすことは、借り手を米長期金利やドルの高騰、または市場のボラティリティ増大に対してより脆弱な立場に置いてしまう。

BISは「しっぺ返しをもたらすきっかけとなりそうな要素はいくつかあるが、重要な点はリスク評価が突然変化することにある」と指摘した。

新興国に対する投資家の市場心理を左右する大きな材料はドルだ、とBISはみている。ドルが弱くなればリスク許容度が高まり、ドル高局面はその反対になる。

BISが指摘するように、新興国の非金融部門の借り手向けドル建て与信額は08年以降でほぼ倍増し、3兆7000億ドルになった。そしてドルは、特に新興国通貨に対して強くなり続けている。

「長期投資家は金融市場の安定に影響力を行使し、損失を吸収する役割を持つと考えられてきた。しかしわれわれは、そうした投資家の損失引き受け意欲が限られたもので、彼らが売りの波に合流する場合もあると時々気づかされる」という。

売りは既に始まっている。MSCIの新興国株指数は先週、1月の高値から20%下がって弱気相場に突入した。MSCI新興国通貨指数はこの1年で最も低水準となり、4月以降約10%下落した。

トルコに関する投資家のリスク評価は突然一変し、その波紋の拡大が感じられつつある。
 

 

 


 

 

トルコリラ、逆張り戦略が真価を発揮

イスタンブールの宝飾品ディスプレーの横にかけられた外貨両替掲示板(8月17日) PHOTO:ISMAIL FERDOUS/BLOOMBERG NEWS
By
James Mackintosh
2018 年 8 月 21 日 19:01 JST 更新
――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
***
 投資家がファンドマネジャーを選ぶ際に一番苦労するのは、実力と運の見分け方だ。筆者は新聞のコラムニストなので、市場における自分の賭けが成功した場合、それは運のおかげだとためらうことなく宣言できる。ただし、トルコリラへの投資が3日間で20%超の利益を上げたのはまぐれ当たりではない。逆張りの真価の現れだ。
 筆者と賭けをしたのは、資産運用会社GAMホールディングのファンドマネジャー、ポール・マクナマラ氏だ。マクナマラ氏はここ2年ほど、トルコの財政問題を分析して同国に弱気の判断を示し、トルコリラの急落で利益を上げている。正気の沙汰とは思えないトルコの金融政策や根深い財政問題に関しては、同氏や市場全体の懐疑的な見方に筆者も同感だった。ではいったいなぜ、リラ買いを試す価値があると考えたのか。
 その答えは純粋な逆張り精神だ。リラ売りの加速や、他の投資家のコメントから、トルコは「骨折」とまでは行かずとも、少なくとも「ひどい捻挫」をしていると誰もが認識している。トルコについてほとんど何も知らないファンドマネジャーまでがマクロ経済的な弱さについてご託を並べ、トルコから資金が流出していた。
 これは流れに逆らう時だ。リラ相場は激しく急落したが、そうした動きを正当化するには極めて悪い材料が山ほど必要だった。それに、もし恐れたほどの悪材料ではなかったとすれば、トルコ売りに乗り遅れた投資家は素早く持ち高を解消するだろう。
 マクナマラ氏は「世界で最も力強い上昇は、弱気相場の反発だ」と指摘する。

トルコリラの逆張り投資

Source: Tullett Prebon Information
Note: Scale inverted to show lira weakness.Through 5 a.m. ET Aug. 20

 もちろん、筆者は金融ジャーナリストとしてトルコ市場について記事を書いているため、実際にリラを取引することはできない。筆者はトルコリラの上昇に賭け、マクナマラ氏は下落に賭けた。あくまで友好的な賭けで、負けた方がランチをおごることにした。大半のファンドマネジャーのように顧客のお金を賭けるのに比べれば、私にとって金銭上のリスクは少ないが、この「取引」はツイッター上で話がまとまったので、誰もが知るところとなった。つまり、私の評価が掛かっているというリスクがあった。
 私のタイミングは幸運だった。リラ相場がほぼ底のときに賭けを開始し、過去1週間の最高値で手じまったからだ(マクナマラ氏が負けを認めた時点で20.5%の利益を出したが、ベストなケースでは最大27.4%の利益を得られる可能性があった)。幸運だったとはいいながら、手掛かりにしたのは逆張り的なアプローチだった。他の誰もがこの上なく悲観的な時こそ「買い」だと考えた。
 シティグループのグローバル株式主任ストラテジスト、ロバート・バックランド氏は、毎年末に株式の多くの逆張り投資を評価しているが、大半はうまくいかないという。
 バックランド氏は逆張りについて、「株式はトレンドを形成する資産であり、モメンタムによって打撃を受ける。だが為替取引ならもっとうまくいく」と語る。株式市場は今年も、年間ベースでの単純な逆張りには向かない年となり、年初来でマイナス15%という散々な成績だ。逆張り戦略で買われた銘柄はおおむね横ばいとなる一方、売られた銘柄は大幅に上昇している。

 突き詰めれば、あらゆる逆張り戦略は、皆が同意する時には皆が間違っている可能性が高いという見方に基づいている。経済学者のジョン・メイナード・ケインズは1936年、投資を美人投票になぞらえた。他の人々が最も美人と判断しそうな顔を当てるコンテストのことで、投資とは「平均的な意見を予想する平均的な意見を予想すること」だという結論に達した。逆張り投資家は、利益や経済の見通しをほとんど気にせず、平均的な見方が行き過ぎて急反発しそうな状態を見い出すことに集中する。
 ケインズはファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)からのかい離は経済に良からぬ影響をもたらすと懸念し、取引を容易にする流動性への熱狂ぶりを嘆いた。彼がファンダメンタルズに基づく為替取引で破産しそうになったことを考えれば、驚くには当たるまい。トルコに関しては、マクナマラ氏はファンダメンタルズを注視する方が取引しやすいとの判断に至った。リラの流動性があまりに乏しく、どのみち大規模な短期取引はできないためだ。
 逆張りできる投資家はごく少ない。真に極端な強気もしくは弱気の市場心理に対する独立した戦略としてしか機能せず、常にうまく行くわけではない。しかも、バブルが膨らみ続けたり、トレンドが予想よりはるかに長く続いたりすれば、ひどい損失につながりかねない。「FANG」銘柄(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベット)がそうだ。それでも、運と実力がそろえば、逆張り投資家は市場心理が反転する非常に短い期間で極めて大きな利益を上げることができる。
 さて筆者はと言えば、おいしいランチを楽しみにしているところだ。
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2018年8月21日 大江英樹 :経済コラムニスト
株の「ナンピン買い」、行動経済学的には損を拡大しがちな理由
ナンピン買いは失敗に終わることが多い
写真はイメージです Photo:PIXTA
ナンピン買いには心の罠が
幾重にも張り巡らされている
 株式投資をしていて、保有している株が下落したとき、多くの人は下がった価格でさらに買い増しをすることがある。これは「ナンピン買い」と言われる投資手法だが、多くの場合、このナンピン買いは失敗に終わることが多い。なぜそうなるのか、行動経済学の観点から考えてみよう。

 直近ではトルコリラが大幅に下落したことで、トルコリラ建て債券や投資信託の価格も大きく下がっている。そのため、さらに買い増しを勧められることもあるかもしれないが、買い増しが必ずしも正しい行動というわけではないから注意が必要だ。

 ナンピン買いがいいと言われるのは、安いところで買うことによって、前の買値と合算して平均すれば購入コストが下がり、元の買値に戻れば儲かるという考え方だからだ。ナンピンというのは漢字で書くと「難平」と書き、文字通り株が下がったという災難を和らげるという意味が込められているのではないかと推察できる。

 ナンピン買いは一見、下がったときの合理的な投資行動に思える。だが、実を言うと、これには投資初心者が陥りがちな“心の罠”が幾重にも張り巡らされている。なぜ人は、自分の持っている株が下がるとナンピン買いをしたくなるのか、行動経済学で考えてみると次の理由が考えられる。

ナンピン買いを
思わずしてしまう三つの理由

(1)「損失回避」〜損をするのが嫌

 行動経済学の基礎的な考え方である「プロスペクト理論」によれば、人は誰もが「損失回避的」であるという。つまり損をするのが極端に嫌いなのだ。したがって、自分の買った株が下がった場合でも、損失は先送りしたいという心理が働く。見通しが違ったと思っても、すぐにあきらめて売ることができないのだ。

 そこで売るのではなく、しばらく様子を見る。その後、さらに下がると、「買値よりかなり安くなったのだから、買い増しすればいい!」といって、自分を納得させる判断をしがちになる。

(2)「参照点依存性」〜自分の買値を基準にする

 プロスペクト理論のもう一つの考え方が「参照点依存性」といわれるものだ。人は「絶対値」でいいか悪いかの判断するのではなく、「元の数値(これを参照点という)」からの変化によって、心理的な影響を受けるといわれている。

 本来、売買の判断は、あくまでも現時点での株価が割高か割安かを基準に考えるべきなのだが、人は自分が買った値段を基準として、売りか買いかを判断しがちなのだ。つまり株価が下がった場合、自分の買値を参照点としてしまい、かつそれを絶対視してしまうから、下がったら割安になったと勘違いをしてしまうのだ。

(3)「認知的不協和の解消」〜コストを下げれば安心 

 心理学には「認知的不協和」という考え方がある。自分が希望することと実態が合っていない場合に心の中で生じる不快感のことだ。それを解消しようと思っても事態が変わらない場合、自分の解釈や判断を変えることで心の折り合いをつけるのが「認知的不協和の解消」である。

 株式投資で言えば、本来、上がることを期待して買ったにもかかわらず、それが下がっている状態というのはとても気分が悪い。それに、下がったことによって自分の判断が間違っていたということを認めたくない。とはいえ、下がっているという事実を自分の力で変えることはできない。そこで「ここで買えばコストが下がるから安心だ」と自分を納得させて、ナンピン買いをしてしまうのだ。

ナンピン買いが
失敗してしまう理由

 ところが、往々にしてナンピン買いというのは失敗する。なぜか。その理由について考えてみよう。

 そもそも、株が下がったときの対応方法は三つしかない。(1)あきらめて損を覚悟で売ってしまう、(2)安く買える好機ととらえてナンピン買いをする、(3)しばらく様子を見るの三つだ。

 多くの人は前述した損失回避の心理から(1)の損切りはなかなかやらない。最も多いのは(3)の様子見で、その後さらに下がったら(2)のナンピン買いをするか、そのまま何もせずに塩漬けになってしまうことが多い。

 株式投資の大原則は、「安い時に買って高い時に売る」ことではなく、「割安な時に買って割高な時に売る」のが正しい。株価というものは常に適正な企業価値を表しているわけではなく、上下にブレるものだ。したがって、単に株価が下がっただけでは買い増しをする理由にはならない。その企業の業績が悪化して下落したのであれば、さらにそこから下がるかもしれないからだ。

 これが株式ではなく、通貨の場合ならなおさらだ。最近話題になっているトルコリラの下落というのは、為替相場の下落である。為替レートというものは、長期的にはそれぞれの通貨が持つ購買力に収れんしていくことは定説になっているが、短期的な動きは全く読めない。

 だとすれば、トルコリラが下がったとしても、そこで買い増すのはさらに博打の賭け金を増やしているようなものだ。博打と割り切ってやりたいのであれば「どうぞご自由に」ということだが、少なくとも資産運用の方法としてはあまりお勧めできない。

 株価が下がるにはそれなりの理由がある。業績が悪化したり財務内容が悪くなったりと、企業自身に原因があれば、下がっても不思議ではないし、往々にしてそういう場合はさらに悪化する“シグナル”となることが多いので、できることなら早く売ってしまった方がいい場合も多い。

 しかしながら、中にはその企業固有の原因ではなく、市場にリスクオフ感が漂って下げることもある。例えば、東日本大震災やイギリスのEU離脱のようなことが起きた場合は、個別企業の業績に直ちに影響が出るわけではない。にもかかわらず、市場のセンチメントによって大きく下げたのであれば、それは買ってもいいだろう。そうした市場の行き過ぎは、やがて修正されることになるからだ。

 つまりナンピン買いをした方がいいと思われる唯一の場合は、「最初の買値が適正(割安)であり、その後何らかの外部的な理由で下がったことにより、市場全体の下落に同調して下がった場合」のみだろう。この場合、企業価値そのものには何ら変わりがないのだから、元の買値よりもさらに割安な値段で買うことができるため、積極的に買い増しをしてもいい。

さっさと別の銘柄に変えた方が
早く損をリカバリーできる

 冒頭でも書いたようにナンピン買いは「安いところで買うことによって、前の買値と合算して平均すれば購入コストが下がるため、元の買値に戻れば儲かる」という考えがその背景にあるのだが、“元の買値に戻れば”というのはあまり意味のない願望にすぎない。

 それに、ナンピン買いをすれば買い付けコストが下がるというが、それは最初に買っている株のコストが下がるだけであって、後から買ったものは買った途端に取得コストは上がる。要は単に賭け金を増やしているだけの話なのである。

 つまり多くの場合、ナンピン買いは単なる気休めにすぎないのだ。むしろ、下がった株を保有することにこだわらず、さっさと売って別の銘柄に切り替えた方が、ずっと早く損をリカバリーすることができるかもしれない。

 株価が下がると、株のことを考えるのも、株価を見るのも嫌になるだろうが、そういう時こそなぜ下がったのか、この下げで買い増しする価値があるのか、それとも今後のことを考えれば売ってしまった方がいいのか、といったことを慎重に考えるべきではないだろうか。

(経済コラムニスト 大江英樹)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/250.html#c5

[国際23] トランプ大統領インタビュー モラー氏のロシア疑惑聴取に疑念「偽証罪のわな」に(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2018年8月22日 11:58:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1271]
トップニュース2018年8月22日 / 11:32 / 10分前更新
米議員、対ロシア制裁の強化求める 「脅威」に対抗
1 分で読む

[ワシントン 21日 ロイター] - 米議会の各委員会は21日、ロシアに関連した公聴会を相次いで開いた。議員らは同国の「脅威」に対抗するため一段と積極的な措置を取るよう求めた。

トランプ大統領はこれまで、ロシアとの関係を改善したいと繰り返し表明しているが、先月の米ロ首脳会談にもかかわらず、両国関係には一段のあつれきが生じている。

米議員は銀行委員会、外交委員会、および司法・対テロリズム小委員会が開いた公聴会で、対応が甘くロシアの態度を変えることができていないとして、政権高官を厳しく非難した。

共和、民主両党の議員はこれまで、ロシアに立ち向かわず、1年前にほぼ全会一致で可決した包括的制裁法案を完全に成立させていないとしてトランプ大統領を非難している。

制裁政策を監視する銀行委員会のマイク・クラポ委員長(共和党上院議員)は「議会がこれほど強い態度でともに行動することはそうそうない」と指摘。「しかし、ロシアは現在、非常に多くの異なるレベルで脅威となっており、議会は一致して行動せざるを得なくなることがある」と語った。

ボブ・メネンデス上院議員は対ロ制裁について、政権が4月以来新たな財閥を対象に指定しておらず、一部の制裁を緩和したと指摘。銀行委員会の公聴会で「われわれは大統領の言葉ではなく、行動で政権を判断するよう言われているが、その行動はロシアに対する対応が厳しくなっているというよりも、大統領の寛容で憂慮すべき言辞に沿っているように思える」と述べた上で、議会は政権と手を携えようが携えまいが行動すると表明した。

 

ワールド2018年8月22日 / 08:12 / 37分前更新
トランプ氏元弁護士が罪状認める、「米大統領選候補の指示で支払い」
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[ニューヨーク 21日 ロイター] - トランプ米大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン氏(51)は21日、2016年の大統領選挙に影響を与えるために候補者の指示で支払いを行ったと述べ、選挙資金を巡る違反行為などの罪を認めた。

コーエン氏はニューヨーク・マンハッタンの連邦地裁で、故意に違法な企業献金に携わったとの訴因、および過度の選挙献金を行ったとの訴因を認めた。

同氏は、大統領選候補の指示で「選挙に影響を与えるとの主目的のために」支払いを行うよう手配したと述べた。候補者の名前は明らかにしなかった。

同氏はこれに先立ち、連邦検察当局と司法取引で合意。また、税金詐欺にかかる5つの訴因と金融機関に虚偽の申し立てをしたとする1つの訴因についても罪を認めた。

判事のウィリアム・ポーリー3世は聴聞の中で、コーエン氏の合意には最大5年3月の懲役刑の可能性が含まれていると述べた。判決期日を12月12日に定めたほか、50万ドルでの保釈を決定した。

コーエン氏は10年以上にわたってトランプ大統領と密接で、トランプ財団でトランプ氏の個人弁護士を務めていたほか、大統領選後も大統領に引き続き助言していたが、ここ数カ月、両者の関係にはほころびが生じていた。

コーエン氏の弁護士であるラニー・デービス氏は声明を発表し、「本日、彼(コーエン氏)は起立し、選挙に影響を与えるとの主目的のために2人の女性に支払いを行うという罪を犯すようドナルド・トランプ氏から指示されたことを宣誓証言した」と説明。「これらの支払いがマイケル・コーエン氏にとって罪となるならば、ドナルド・トランプ氏にとって罪にはならないことがあるだろうか」と指摘した。

一方、トランプ氏の弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長は21日、コーエン氏が問われている罪にトランプ氏による不正の疑いを示すものは含まれていないとの見方を示した。

ジュリアーニ氏は、コーエン氏が問われている罪に「大統領による不正の疑いを示すものはいっさい含まれていない」とし、コーエン氏の行為は「長期にわたる偽りと不誠実さのパターン」を反映していると述べた。

*内容を追加します。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
ワールド2018年8月22日 / 08:07 / 3時間前更新
トランプ陣営元幹部、詐欺などで有罪評決 ロシア疑惑関連で初
1 分で読む

[アレクサンドリア(米バージニア州) 21日 ロイター] - ロシアの米大統領選干渉疑惑を端緒にした捜査で詐欺などの罪に問われたトランプ陣営の元選対本部長、ポール・マナフォート被告の審理で、バージニア州連邦地裁の陪審は21日、起訴された18の罪のうち8つの罪について有罪の評決を下した。

有罪となったのは脱税に関する5つの罪のほか、海外の銀行口座について報告しなかった罪、また銀行に対する2つの詐欺罪。

ただ、その他10の罪については評決に至らず、判事が審理無効を宣言。検察に対し、これらの罪について再審を行うかどうか8月29日までに判断するよう指示した。

トランプ大統領は「マナフォート氏は良い人間だ。私には関係しないことだが、同情する。(有罪評決は)非常に悲しいことだ」と述べた。その上で「ロシア疑惑とは無関係だ。(調査は)ロシア疑惑に関するものとして始まったが、全く関係ない。魔女狩りであり、侮辱だ」とし、評決に距離を置いた。

マナフォート被告の裁判は、ロシア疑惑を巡るモラー特別検察官の捜査を受けた初の案件となるが、被告が問われた罪はトランプ陣営に加わる前の活動が中心だ。

それでも今回の有罪評決はモラー氏にとって一定の勝利とみられる。

上院情報委員会のマーク・ワーナー議員(民主党)は声明を発表し、評決はモラー氏の調査を「魔女狩り」と批判するトランプ大統領の主張の正当性を否定するものだとの見方を示した。

その上で、トランプ氏が大統領の権限を利用してマナフォート氏の恩赦やモラー氏の調査への介入を行えば、「深刻な職権乱用に当たり、議会による即座の対応が必要になる」と警告した。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/698.html#c4

[政治・選挙・NHK249] 超保守の影響大〜安倍、日本会議のため上京&小池、朝鮮人犠牲者に追悼文出さず&新元号の発表遅れる(日本がアブナイ!) 笑坊
2. 2018年8月22日 12:13:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1272]

超保守派?
頭がおかしいのでは


単なるポピュリストの1人

ただし日本の政治家の中では、政策に関しては、まだ、まともな方だ

安倍晋三 靖国参拝 | HuffPost Japan
https://www.huffingtonpost.jp/news/abesusumusan-yasukunisanpai/
安倍晋三 靖国参拝. ... 時事通信社. 高村副総裁「安倍首相はもう靖国に行かない」 中国要人に伝える. ニュース. 靖国参拝めぐり日韓「アメリカ詣で」?韓国外相の前では言及 EPA時事/時事通信社 · 靖国参拝めぐり日韓「アメリカ詣で」?韓国外相の前では言及 ...


 

 


ビジネス2018年8月22日 / 09:27 / 2時間前更新
日中両政府、円・元通貨スワップの再開検討 3兆円規模=関係筋
1 分で読む

[東京 22日 ロイター] - 複数の関係筋によると、日中両政府は有事に中央銀行同士で通貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定を再開する方向で検討に入った。規模は3兆円規模になる見通し。8月末に北京で予定されている日中財務対話などで大枠合意を目指す。融通し合う規模は従来30億ドル相当(約3300億円)の約9倍に拡大する。

日中間の通貨スワップは、2002年にスタートしたが、尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化によって2013年に打ち切られた。

しかし、安倍晋三政権は、今年5月の日中首脳会談で円・元通貨スワップ協定を早期に締結することで合意。今月末の日中財務対話で調整したうえで、10月にも予定されている日中首脳会談で最終的に合意したい意向だ。

中国としては、米利上げで資本流出懸念がくすぶり続けるなか、米国との貿易摩擦を受けた景気減速懸念も重なって人民元相場の下落が続き、上海総合指数.SSECは約2年7カ月ぶりの安値圏にある。円・元通貨スワップ協定締結で、金融市場に一定の安心感を与える狙いがありそうだ。複数の関係筋によると、中国側もスワップ協定の締結に強い意欲を見せていたという。

中国発の金融ショックは世界経済に大きな影響を与えかねないため、「中国金融市場の安定に資する通貨スワップは、米国も評価するはず」(政府与党関係者)とみられている。

中国 上海総合
2721.784
.SSECSHANGHAI STOCK EXCHANGE
-12.04(-0.44%)
.SSEC
.SSEC
日本政府・財務省は、通貨危機の際にドルに加えて円の引き出しも可能にする通貨スワップの拡充に注力しており、中期的にアジアのドル依存の低減を促す形で域内の金融安定に貢献したい考えだ。

竹本能文、梶本哲史 編集:田巻一彦

http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/537.html#c2

[経世済民128] 携帯は高過ぎる!ボッタクリを4割下げろ!  赤かぶ
2. 2018年8月22日 12:26:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1273]

競争が不十分で、市場機能が低いと、価格に歪みが生じる好例だ

もちろん今でも格安スマホを使えば、既存の大手料金より4割以上下がるし

Yahooのように2重価格のケースもある

>フランスや英国の携帯料金は月2000円程度


ちなみに3G携帯でもネット機能が付いて、2人で3千円もしない


総務省の既得権を排除して、さらに市場機能を高めれば、

放送電波の既得権同様、さらに効率的で、低価格にできるだろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/256.html#c2

[経世済民128] 携帯は高過ぎる!ボッタクリを4割下げろ!  赤かぶ
3. 2018年8月22日 12:34:52 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1274]

>携帯は高過ぎる!ボッタクリを4割下げろ

ただし、このタイトルは煽り

格安シムなど、複数のプランを考慮して検討すれば、高すぎるというのは間違いだろう


https://www.keira-p101.com/entry/world-smartphone-price-comparison
2017-10-16
日本のスマホ代、海外と比較して高いの?安いの?世界の携帯料金事情を調べたよ。
 
 

カナダに到着した翌日にスマホを契約しに行ったのですが、そこで気になることを店員さんが言っていました。

日本は世界一スマホ代が高く、次がカナダ。

気になったので実際どんな感じなのか調べてみました! 


様々な調査
2014年の総務省のデータでは、世界7都市(東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ストックホルム、ソウル)を比べて東京は4番目に高いそう。

その金額は7,263円で、この調査で一番安いとされたスウェーデンのストックホルムの金額4,313円より約3,000円も上。

比較したのは50分弱の無料通話、約340通のメール(またはSMS)、データ通信2GB。

また、Techhiveの2013年の記事では、2年縛りプランの月額と2年間で支払う料金の合計を比べています。

比較しているのは、アメリカ、イギリス、中国、日本、ドイツ、オーストラリア。プランは2GBと無料通話・SMS、またはそれと同等の内容。

f:id:keira-p:20180719055547j:plain

出典:TechHive "No, U.S. smartphone costs aren't highest in the world"

これによれば日本は6カ国中高い方から4番目。3番目の中国とは3円しか変わらないので同率3位といったところでしょうか。

上の2つのデータを見ると、日本が突出して高いわけでもなさそうです。

しかし他にも調べてみると、Vancouversunの記事ではデンマークで20時間の通話+20GBが約2,000円、National Postの記事にはシンガポールでは100GBが約1,700円など、かなりお得な料金も世界にはあるという記載がありました。

ちなみにスマホショップの店員さんが言っていた、カナダの料金の高さについても調べてみましたよ。

こちらはSIMカードについてくるデータ量と1GBの金額のグラフです。

f:id:keira-p:20180719055600j:plain

出典:tefficient "Unlimited pushes data usage to new heights"

ぽつーんと右端にいるのがカナダ。1GBで約45ユーロ(約6,000円)。た、高い!日本はこのグラフで見ると安い方ですね。2GBが10ユーロくらい(約1,300円)。

プランについてくるデータ量は、日本は2.5GBくらい、カナダは1GB。トップはフィンランドの7GB、1GB当たりの料金は2ユーロ(260円)くらいです。凄い差。

実際の金額を比較

と、ここまでは参考文献を使って金額やデータ量を見てきましたが、プランの全体像や細かい契約内容や、調査で比較しているプランの内容も違います。

だから実際のところよく分からないですよね。

なのであくまでも一例としてですが、私が契約している(またはいた)プランの金額をお見せします。

スマホの機器代は含まず、また家族割りやキャンペーンなどの割引は省いたプランそのものの値段です。

店員さんによると1位と2位の日本とカナダ、そして上のグラフによると安めらしいフランスで使っていたSIMの金額です。

フランスのFreeは格安SIMなのでフランスの平均よりも低いとは思うのですが、一応参考までに。

f:id:keira-p:20180719055613j:plain

日本では通話の内容と時間そしてデータ通信の上限超えによって月毎に金額が違ったのですが平均すると8,000円くらいだったと思います。カナダより日本の方が高いですね。

カナダでは今4GBのプランを契約していて日本より少ないですが、日本と違ってカフェなどの外出先で無料で簡単にwifiが使えるようになっているので、今まで上限をオーバーしたことはありません。

フランスのFreeは破格!さらにヨーロッパ圏内で使えたり、日本を含む100カ国への固定電話無料だったりとにかくすごかったです。

フランス・カナダは国際SMSも無料ですが、日本は国内でも発信は有料。国際SMSとなると50円/回!

このFreeという会社は安いだけでなく購入しやすくて月毎の更新も簡単でありがたかったです。


www.keira-p101.com

おわりに
今日は各国のスマホ代を調べてみました。

プランや物価などいろいろ違うことがあるので順番を付けるのはなかなか難しいですが、調査によると日本はトップということはないみたい?

ですが私の実体験としては、やはりスマホショップの店員さんが言っていた日本とカナダの料金の高さを感じています。

あなたは現在のスマホ代やプランに満足ですか?

今回本文ではふれませんでしたが、格安SIMなら料金をだいぶ抑えることができます。UQモバイルなら2GBと5分以内の無料通話がついて1,980円〜!

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました♪

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きゃすぴえ (id:casse-pied)

携帯料金、日本も高いとは知りませんでした。日本のWi-Fi事情はちょっと遅れてるなとは、訪問した時に確かに感じましたね。日本はなんでも進んでるのかと思ってたので驚きましたよ。
カナダの携帯料金は皆さん契約時にかなり交渉して「すごくお得な値段にしてもらった」と自慢してるので、値段はあってないようなものみたいですよ。多分、ごねる客にはここまでは引いて良い、という相場があるんだと思います。
私は携帯をほぼ使わないので交渉も何も、、ですけれど。笑

309日前

keira (id:keira-p)

携帯料金、交渉できるんですか!?全く考えてもみなかったです。夫は2年縛りがあるのですが、私はいつでも解約OKの契約なので、ほかを検討しようかな…。
日本のwifiの使いにくさは海外から来る観光客の方が困ることの一つみたいですね。

309日前

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https://www.icr.co.jp/newsletter/icte20150811-kubota.html
2015年8月11日掲載ICT経済ICTエコノミーの今
携帯電話料金の国際比較からみる国際レポート把握の重要性

(株)情報通信総合研究所
副主任研究員
久保田 茂裕

イメージ
通信サービス料金の国際比較の難しさ
7月28日に総務省から「電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」(以下、総務省調査)が公表された。この調査は毎年公表されており、日本の通信サービスの料金水準を海外諸国のそれと比べて、高いのか或いは低いのかを報告している。今回の調査では、携帯電話、ブロードバンド、固定電話の通信サービスの料金水準について、東京(日本)、ニューヨーク(米国)、ロンドン(英国)、パリ(仏国)、デュッセルドルフ(独国)、ストックホルム(瑞典)、ソウル(韓国)の7都市が比較されている。

対象となっている通信サービスの中でも、多くの人が利用している携帯電話の料金水準に対する関心は高いと思う。調査では、フィーチャーフォンとスマートフォンそれぞれのユーザー料金比較がなされている。また、スマートフォンユーザーについては、データ使用量別(2GB、5GB、7GB)に、それぞれ比較が行われている(図表1)。

結果を確認すると、フィーチャーフォンユーザーの東京の料金水準は主要7都市のうち、ストックホルムに次いで2番目に安い。日本は国際的にみてもかなり低廉な料金でフィーチャーフォンによる通話が利用できるといえる。

続いて、スマートフォンユーザーについては、データ使用量が2GBで主要7都市中4番目に安く、5GB及び7GBでは、5番目に安い状況である。大まかにみると、ストックホルム、ソウル、パリが低廉な料金グループにあり、ニューヨークとデュッセルドルフが高い料金グループにあり、東京とロンドンは中程度の料金グループにある。

日本の携帯電話料金の国際比較結果
(図表1)日本の携帯電話料金の国際比較結果
(出典:総務省「電気通信サービスに係る内外価格差調査」より作成)

但し、これらの結果は、目安として捉える必要がある。ここには、通信料金の国際比較の難しさがある。国際比較を困難にしている主な要因は次の通りである。

通信料金はユーザーの利用実態により変化すること
通信事業者の料金プランが複雑であること
各国通貨で表記される料金比較の問題
1については、料金比較の際、各国間で通信サービスの利用量を合わせて比較する必要があるのだが、それをどこに設定するかが問題となる。例えば、前述の総務省調査の場合には、スマートフォンユーザーについて、音声通話が月に36分、メールが月に129通、データ通信が月に2GBをAパターンとして利用量を設定している。加えて、日本のユーザーは、データ通信をもっと多く使用している人も多いことから、データ通信を月に5GB使用する場合をBパターン、月に7GB使用する場合をCパターンとして、データ使用量で場合分けを行い比較している。

この設定方針は、音声とメールについては、日本の平均的な利用量をもとに設定しており、データ使用量についは、場合分けで対応している。そして、どの国でもある程度日本と同様の使われ方をしていると想定して、日本の平均的な利用量で比較していると考えられる。しかし、通信サービスは、日本のようにモバイルブロードバンドが普及している国もあればそうではない国もあり、その支払方法については、ポストペイド主流の国もあればプリペイドが主流の国もあるように、それぞれの国で異なっている。そのため、比較対象国間で適切に比較できる利用量を設けることは相当に困難であると言える。

2については、各国の複数の通信事業者が複数の料金・割引プランを作り提供しているので、どの通信事業者のどの料金・割引プランを用いて比較するべきかが問題になる。これについては、例えば、最もシェアが大きい通信事業者の最も低廉な料金となるプランを用いるといった形で一定のルールを作って比較することが一般的である。また、割引をどこまで反映するかが問題となる。多くの通信事業者は、スマートフォン端末と通信サービスをセットで販売することで割引を実施したり、料金プラン以外でもキャンペーンによる割引を実施したりしている。割引についても、一定のルールに基づいて各国で揃えて比較を行う必要があるのだが、割引の方法は様々で完全に横並びで比較するには限界があり、これが通信料金の国際比較を困難にしている。

3については、通信サービスだけに関わる問題ではなく、価格・料金の国際比較を行う際には、全ての財・サービスについて関係することである。国際比較可能な金額にするために、購買力平価や為替レートが用いられ、各国の通貨単位はその時々の基準通貨(円やドル)に変換されて比較がなされる。購買力平価も為替も各国の経済情勢によって、その時々に変化するので、たとえ、各国の通信サービス料金に変化がなくても、比較の時点によって結果は変わる。例えば、日本であれば、為替レートが円安に振れれば、日本の通信料金は他国と比べて割安となる。そのため、価格・料金の国際比較結果は、購買力平価や為替レートの水準にも気を付けてみる必要がある。

国際レポートにおける日本の位置づけの確認
上記のような通信サービス料金の国際比較の困難性が存在する中、世界では日本の通信サービス料金はどのように評価されているのだろうか。日本の通信サービスがより低廉な価格で利用できることが示されていれば、世界における日本のICTの進展度合いに関するプレゼンスは高まることから、国内向けに発信される通信料金の国際比較調査とは別の意味合いで重要性が高いのだが、なかなか目に触れる機会はない。

通信サービス料金の国際比較が行われている代表的な調査には、OECDが実施している調査とITUが実施している調査がある。OECDの調査は、「Communications Outlook」において隔年で公表されてきた。今年は、「Communication Outlook」は廃止され、内容を引き継いだ「Digital Economy Outlook」において7月15日に公表された。この中で携帯電話料金の比較が行われている(図表2)。

この結果をみると、「100 calls + 2 GB mobile basket」では、日本は、OECD加盟の34カ国中、ハンガリー、米国に次いで、3番目に料金が高いことが示されている。前述の総務省調査における比較対象国の主要7カ国について、OECD調査を概観すると、米国、日本、ドイツは通信料金の高いグループ、スウェーデン、韓国、フランス、英国が通信料金の低いグループに位置している。このように、調査によって通信料金の高低の結果が異なるのは、前述したとおり、通信サービス料金の国際比較の困難さが引き起こしている。

OECD調査における携帯電話料金の国際比較
(図表2)OECD調査における携帯電話料金の国際比較
(出典:OECD「Digital Economy Outlook 2015」)

OECDの調査において、日本の通信料金が高く示されているのは、料金プラン選択が適していないことが要因である。OECDの調査では、通信サービス使用量を100 callsの通話・メッセージ、2 GBのデータ使用量を基準に比較している。ここで、日本において選択されている料金プランを確認すると、通話、データ共に使用量が無制限のプランが選択されている。本来は、通話・メッセージが100callsとデータ使用量が2GBを超えるより近い使用量を提供するプランが選択されるべきであり、通話・データ使用量が無制限のプランと比較した場合、日本の料金が高く見えてしまうのは当然の結果といえる。

世界の国際機関が公表する各種の国際比較調査では、(たとえ、調査結果が実態を示していなくても、)世界における日本の位置づけが、世界に発信されることから、調査内容を注視していく必要がある。世界における日本のICT進展度合いに関するプレゼンスの向上のためには、日本の通信サービスがより低廉な価格で利用ができることを発信していかなくてはいけない。実態に即していない調査結果が示されていた場合には、その是正を求めるように発信していくべきである。

通信サービス料金の国際比較調査で、もう一つの代表的な調査結果が記載されているITUの「Measuring the Information Society Report」が年末頃に公表される予定である。このレポートでは、ICT開発指標(ICT Development Index)と合せて、ICT価格バスケット(ICT Price Basket)が公表される。これらの指標についても注目していきたい。

↓ こちらも併せてご覧ください ↓

「InfoCom ICT経済報告」のダウンロード
ICT産業がマクロ経済に与える影響について、四半期毎にまとめています。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/256.html#c3

[経世済民128] 黒田総裁は“白旗”か…ついに日銀が「株を買うのをやめた」(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
3. 2018年8月22日 13:32:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1275]
ビジネス2018年8月22日 / 12:33 / 1時間前更新
インタビュー:物価2%達成前の政策変更ありうる=石田元日銀委員
3 分で読む

[東京 22日 ロイター] - 石田浩二・元日銀審議委員は、ロイターとのインタビューに応じ、日銀が掲げる物価2%目標は年金制度などの持続性を考慮すれば妥当としながらも、金融政策の目的ではないとし、必要であれば目標実現前に日銀が柔軟に政策変更を行うことはありうるとの見方を示した。

2013年4月に導入した大規模な量的・質的金融緩和(QQE)は資産価格や企業収益の拡大に寄与したが、需要刺激や物価を押し上げる効果は限定的だったと総括。大規模緩和の長期化で地域金融機関の統合・再編の時間軸は「相当に早まっている」と語った。

石田氏は三井住友フィナンシャルグループ専務などを歴任し、11年6月に日銀審議委員に就任。任期満了まで5年間の在任中には、黒田東彦総裁が就任直後に打ち出したQQEに賛成したが、14年10月のQQE拡大、16年1月のマイナス金利政策の導入には反対票を投じた。

インタビューは21日に行った。詳細は以下の通り。

──QQE導入から5年余りが経過したが、依然として物価2%目標の実現は遠い。

「QQE導入で資産価格が上がり、景気の基調が前向きに転換され、企業収益が拡大したことは事実であり、プラス面と評価できる。一方で貸出やマネーサプライ、個人消費に顕著な増加はみられず、物価は底堅くはなったが、それを段階的に上げていく力は残念ながらなかった」

「政策効果の波及メカニズムとして、イールドカーブを押し下げることで資金需要や貸出の増加を促し、物価が上昇に向かっていくというストーリーがあったが、それらの顕著な増加は認められない。企業、家計の支出の決定要因において金利のウエートがそれほど高くない中で、金利水準は十分に低く、資金需要の刺激効果は極めて限られた」

──期待への働きかけも重要だ。

「QQE開始後しばらくは市場が大きく反応し、株高・円安が進んだことを受けて期待全般に効果があった。もっとも、期待は現実になって初めて補強され、次の上昇につながる。実際の物価が上がらない中で、効果が薄れてしまった」

──物価が鈍い中で、日銀は16年9月にイールドカーブ・コントロール(YCC)政策に移行した。

「金融市場の操作目標を量から金利に変更し、短期決戦から持久戦に転換した。ただ、本質的な分岐点は14年10月のQQEの拡大だったと思う。原油価格の急速な下落によって現実の物価が下がっていくと予想することが自然な状況になり、この時点で短期間で期待を抜本的に転換するQQEの役割は終わった。このタイミングが政策をより安定的、持続的なものに転換する分かれ道だった」

「しかし、現実にはQQEを拡大し、引き続き2年程度で物価目標の達成を目指すとされた。これによって、達成が遅れれば、日銀はさらに強力な拡大策をとるとの期待が市場に定着してしまった。多少でも緩和の後退ととられかねないコミュニケーションや政策を行うことが極めて困難になった」

──7月末の金融政策決定会合では、長期金利の一定の上昇を容認する一方、当分の間、極めて低い金利水準を維持する措置を決めた。

「16年9月の政策決定の延長線上にあることは明らかだ。金利コントロールの上限を上げ、ETF(上場投資信託)は買い入れ目標額を下回ることもありうべしとなった。買い入れ額の圧縮が可能な枠組みになったことは確かで、政策の持続性はさらに高まったといえる」

「今後は市場を刺激しないよう、日銀はイールドカーブのスティープ化を急がないだろう。ただ、市場安定など状況が許せば、金利上昇を容認することになるのではないか」

──金融緩和の長期化による地域金融機関の収益への影響も無視できない。

「現在の金融システムは資金不足の時代にできあがっている。それが資金余剰期に入ってオーバーバンキング状態となり、もともと再編・統合が進む方向にあった。大規模緩和の進行によって、その時間軸が相当に早まっている」

「全体では大規模な合理化が必要だが、その際には相当の人員の余剰が発生する可能性がある。人員の円滑な転用、有効な活用の実現が地域経済には不可欠。金融機関の規制緩和で業務範囲を拡大し、人員の受け皿を確保する施策が必要になるだろう」

──そもそも物価目標の「2%」は妥当なのか。

「日銀法には金融政策の目的として『物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する』と書かれている。物価目標は、その目的を達成するための金融政策運営の仕組みであり、金融政策の目的という理解はあり得ない。物価2%が達成できれば、国民経済の健全な発展がもたらされるわけではない」

「金融政策で貨幣供給量が決まり、それによって物価が決まるとの考え方があるが、QQE開始後のマネタリーベースの伸びに対する物価の推移をみると、妥当とは思えない。そうであれば、物価指数を構成する個別物価の評価をより重視して政策判断に反映していく必要があるのではないか」

「もっとも、2%の目標自体は結構だと思う。年金や保険、貯蓄は経済の骨格を支える重要な制度であり、それが成り立つには、ある程度のプラスの金利が必要だ。2%程度のインフレ率を上回る金利水準が望ましく、柔軟に運用できれば、2%目標はありうべき水準と考えている」

──金融緩和を縮小する出口は見通せない。

「QQE開始時から状況は大きく改善し、金融政策の自由度は高まっている。2%目標自体が金融政策の目的ではないので、必要と判断すれば目標達成前でも柔軟な政策判断がなされると思う」

「金融政策の正常化の際には、バランスシートに積み上がった巨額の国債や株式が、日銀の損益や自己資本に深刻な影響を与える可能性がある。政府と日銀を連結してみれば損益は中立だとか、中央銀行が債務超過になっても実質的な問題はないなどとする議論があるが、世の中には通じないだろう。多額の損失が発生した場合、一般の人々による日銀への信用、信頼が損なわれる懸念がある。QQE開始に賛同した者として、とても気になる。どのような反応が起こるか測り難い」

伊藤純夫 木原麗花 編集:田巻一彦


 


FRBの独立性を堅持 パウエル議長、上院議員に
北米
2018/8/22 10:55
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 【ワシントン=共同】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は21日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が先週、スコット上院議員(共和党)と面会した際に、FRBの政治からの独立性を堅持する考えを示したと報じた。スコット氏の話としている。

 トランプ米大統領は最近、FRBが利上げを進めていることに対し、複数のメディアに「喜べない」と不満を示しており、中央銀行の独立性が損なわれかねないとの懸念が出ている。

 スコット氏がFRBの独立性について尋ねたところ、パウエル氏は「雇用や経済の拡大だけがわれわれの目標だ」と答え、「大統領と金利に関して何も議論していない」とも語ったという。

 トランプ氏は20日、ロイター通信のインタビューで「FRBは私を助けるべきだ。他の中銀は緩和している」と述べ、景気押し上げに貢献すべきだと指摘した。

 パウエル議長はトランプ氏の指名を受けて、今年2月に就任した。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/247.html#c3

[戦争b22] 中国、台湾への軍事侵攻に向け沿岸部にミサイル整備…習近平、悲願の中台統一か(Business Journal) 赤かぶ
3. 2018年8月22日 18:31:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1276]
2018.8.22 07:00
【湯浅博の世界読解】中国、米国と争い起こると日本に穏健路線 米中貿易戦争の今も

中国の習近平国家主席(共同)
 中国は日本を日米同盟の従属変数と考えているのだろう。米国といさかいを起こすと、日本に対しては穏健路線にカジを切って日米引き離しにかかる。もっか、米中貿易戦争の中にある中国の対日接近も、その経験則に合致するようだ。

 日中の民間交流といえどもその例外ではない。最近、ある日本の研究所が招いた中国人研究者との意見交換会でも、それを感じたことがある。マクロ経済の協調路線は軽やかに論じても、中国の核心に触れる批判にはさすがに、強い反応が返ってくる。

 日本側の大学教授が、中国が唱える経済圏構想の「一帯一路」について、無理な貸し付けで港湾を整備し、スリランカが返済できなくなると、港の「99年租借」とはひどすぎないかと疑問を呈した。

 虎の子政策の地雷を踏んだためか、中国側が「正当な貸借にすぎない」と猛烈に反発した。さらに、中国の南シナ海の軍事拠点化への日本側の懸念に対しても、「過剰な反応だ」と認める気配がない。

 そこで小欄からは、数字を示して反論を試みる。まず、「一帯一路」に関しては、中国がスリランカに高利でハンバントタ港の整備費を貸し付け、返済が困難になると、「99年租借」とは国際常識に反する。30年程度が妥当ではないか。99年とは英国が植民地化した香港北側の新開地域と同じ長さであり、アヘンを売る代わりに債務で同じことをするのか。

 日本は米国とともにアジア開発銀行(ADB)の創設に努力したが、日本の出資額がトップでも本部をフィリピンに譲り、プロジェクト収入でも日本企業はわずか0・5%しか獲得していない。それに対して中国は、「一帯一路」を支えるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の出資額がトップなのはもちろん、本部も中国、総裁ポストも中国人である。

 さらに、「軍事力を恐れるな」というが、2018年度の中国の経済見通しが成長率6・5%なのに対して、軍事費の伸びは8・1%もある。研究開発費を含めるとさらに増える。英国研究所の試算によると、25年に米国の国防費を抜き、30年代には国内総生産(GDP)で米国を抜くとの予測がある。

 さらに米国の建艦計画は今後、最大でも355隻体制だが、中国の建艦計画では30年に415隻体制になるとの予測がある。中国の巨大海軍力と均衡抑止を図るには、日米同盟では足らず、インド、オーストラリアを加えても怪しい。従って、日米豪印を軸としたインド太平洋戦略の動きは、いわば中国が後押しするようなものだ。

 すると中国側は即座に、ADBは日本が総裁を輩出していると指摘し、中国の艦船数を挙げるが、排水量を考慮していないと釈明した。中国側はそこまで反論すると、さっときびすを返し、「異なる見解を聞くのは意義がある」と一転、穏健路線でまとめた。

 習近平国家主席は6月下旬の中央外事工作会議で、「周辺国への外交工作を巧みに行い、中国に有利なものにする」と指示していた。

 米国とは貿易戦争が収まらず、右肩あがりだった欧州との関係も急落している。だから、李克強首相の5月の訪日は、米欧で「略奪的」と批判された「一帯一路」のトップセールスであった。あれだけ日本をあしざまにしてきた中国は、自己都合でいかようにも様変わりする。(東京特派員)
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/290.html#c3

[地域13] 議会制度に一石 町村議会のあり方、総務省2案:集中専門型 定数最少3人、住民参加 多数参画型 兼務OK、夜間・休日運営 あっしら
1. 2018年8月22日 18:35:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1277]
国内社会ニュース(共同通信)2018年8月22日 / 17:37 / 13分前更新
買い物弱者の弁当店閉店、大阪
共同通信
1 分で読む

 住民の4割以上が65歳以上の大阪府千早赤阪村で、車の運転ができないなど買い物が難しい人のため村から300万円の補助を受けて昨年オープンした弁当店が閉店し、村が補助金の全額返還を求めていることが22日、分かった。閉店の理由は不明だが、販売不振とみられる。

 村によると、弁当店は開業資金の半額を最大300万円補助する村の小売店舗開業支援制度を初適用し、昨年9月に開店。村にはコンビニやスーパーが一軒もなく、年200日以上かつ3年以上継続して営業することが補助金交付の条件だった。

【共同通信】
http://www.asyura2.com/09/ishihara13/msg/809.html#c1

[国際23] トランプの元弁護士が罪状認める「米大統領選候補の指示で支払い」(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 2018年8月22日 18:39:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1278]

トランプ大統領の最も暗い1日
元個人弁護士のコーエン氏、連邦法違反でトランプ氏の関与を認める
連邦裁判所を出るマイケル・コーエン氏(21日、ニューヨーク)
By Gerald F. Seib
2018 年 8 月 22 日 13:18 JST 更新

 2016年の米大統領選挙でドナルド・トランプ氏のキャンペーンに奔走した人々は寄せ集めで、一時雇いの人々や取り巻き連中、新参者、中核となる少数の忠臣などから構成されていた。その中でもマイケル・コーエン氏は、ボスにとって一番トラブルを起こしそうもない人物だった。

 しかし、トランプ大統領にとって就任以来最も陰鬱(いんうつ)な日となった21日、最も深刻な打撃を加えたのはコーエン氏だった。長年、トランプ氏の個人弁護士を務め、秘密裏に行動してきたコーエン氏は、トランプ大統領を連邦法違反事件と直接的に関連付けてしまったのだ。コーエン氏は、選挙戦の終盤で選挙資金法に違反して、2人の女性に秘密の口止め料を支払ったことを認めた。

 この過程でコーエン氏は、トランプ大統領の名前を出した。トランプ大統領は、16年の大統領選で自陣営とロシア工作員が共謀したとの疑惑が否定されれば、法的問題は解消し、自らを取り巻く調査も消えうせるだろうと考えていたが、こうした希望も弱められることになった。

 事実、少なくとも21日には、トランプ氏の抱える難題は、ロシアとの共謀問題以外の分野へと拡散した。トランプ氏の選挙対策本部長を務めたポール・マナフォート氏に脱税と銀行詐欺の罪で有罪評決が出たことは、選挙戦と政権運営を通じて、悪臭を放つプロの政治家階級の「沼を一掃する」としたトランプ氏の主張の信頼性をゆるがすことになった。

 マナフォート氏は、過去も現在も、まさにこうした政治家階級に属している。マナフォート氏が有罪判決を受けた罪状は、トランプ大統領のために同氏が行った仕事とは無関係だが、控えめに言っても世論はトランプ氏の味方をしないだろう。

 トランプ氏は、マナフォート氏と、同氏が有罪評決を受けた重罪の両方から距離を置くことができるし、そうするはずだ。実際のところ、トランプ大統領は選挙集会のためにウェストバージニア州に到着した後、マナフォート氏への同情を示したが、「これは、ロシアとの共謀問題と全く関係ない」と述べた。トランプ氏はロシアとの関連に関する捜査を「魔女狩り」だと表現し続けた。

 だが、トランプ氏がコーエン氏から距離を置くのはずっと難しい。

 コーエン氏は連邦裁判所の法廷で数語しか発しなかったが、その数語で、自らがトランプ大統領の指示に基づき、トランプ氏と関係を持ったとされるアダルト映画女優とプレイボーイ誌のモデルに口止め料を払ったこと、そしてそれが16年の大統領選に勝つための取り組みの一環だったことを認めた。この支払いの事実は当時公表されておらず、それは選挙活動関連法に違反している。

 トランプ氏の大統領としての立場にたちこめる暗雲の中には、わずかながら一条の光が存在する。1つ目は、コーエン氏がどうやら検察ないしロバート・モラー特別検察官に協力することで合意していないようであることだ。そのため、先の法廷内での短い発言が、この問題に関して聞くことのできる発言の全てになる可能性がある。

 2つ目は、コーエン氏が司法取引に応じることで、コーエン氏の主張が公判の場という衆目の下で細かく精査されないことを(トランプ氏に)保証したことだ。

 そして最後は、選挙運動資金をめぐる違反行為が有権者にとってはあいまいにみえるし、もっぱら縁遠い政治家階層の関心事に見えることだ。

 ただし、コーエン氏が遠回しに言及したストーリーの輪郭、つまりトランプ氏と婚外交渉をしたとされる若い女性2人への金銭支払いは、それほど難解な事柄ではない。トランプ氏陣営が長い間憂慮していたのは、この女性問題のリスクが、法的にも政治的にも、ロシア共謀疑惑に対するトランプ氏のリスクよりも高いことが判明するのではないかということだった。少なくとも21日には、その懸念は真に迫って見えた。

 政治的に、この結果には今や2つの要素がある。議会共和党が判断しなければならないのは、マナフォート、コーエン両氏の裁判所審理が大統領を弁護しようとする彼らの意思に悪影響を与えるかどうかだろう。それは、少なくとも当面は悪影響を及ぼさない公算が大きい。

 だが、コーエン氏が有罪を認めた事実は今後、モラー氏が自らの捜査終了時に準備するリポートのなかに盛り込まれるとみられる。問題は、その終了時点で検察官が大統領弾劾につながりうる行動を暴き出せるかどうかということだろう。

 そして、その時点で民主党が希望するのは、(11月の中間選挙で)議会を支配し、決定を下せる立場にいることだ。皮肉なことに、トランプ氏がウェストバージニア州に入ったのは、民主党による議会支配という苦境に陥らないよう努力するためだった。

 この間、そしてほぼ偶然にも、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主、マサチューセッツ州)は21日、「汚職を撲滅し、政治の品位を向上」させる取り組みと銘打った法案も公表した。1つ確かなことがある。それは、コーエン氏の有罪答弁とウォーレン議員の提案が今後、今秋の政治論議に取り込まれていくということだ。

コラム2018年8月22日 / 15:13 / 2時間前更新
コラム:側近の窮地はトランプ氏を追い詰めるか
Peter Apps
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[ロイター 21日] - トランプ陣営の元選対本部長が、起訴された18の罪のうち8つについて有罪評決を受けたことと、大統領の元個人弁護士が選挙法違反を認めたことは、2016年の米大統領選へのロシア介入疑惑を巡るモラー特別検察官の捜査が、いかに複雑なものかを示している。

ひょっとしたら、明確な結論が出ない捜査なのかもしれない。

同時に、21日に起きたこれら2件の出来事は、米国政治全体の不安定化も指し示している。

11月の中間選挙が近づくにつれ、トランプ大統領は、国家安全保障や情報機関、そして法執行の主流派に対する敵対姿勢を強めている。

同時にトランプ氏は、より巧みにワシントンの政治力学を操作するようになっている。選挙に向けて支持基盤の強化を図るトランプ氏は、今回の法廷での展開を、自身に有利となるように仕向けるだろう。

トランプ陣営の元選対本部長ポール・マナフォート被告は、海外の銀行口座について報告しなかった罪や、銀行詐欺や脱税に関する8つの罪について有罪評決を受けた。ただ、その他10の罪については評決に至らず、判事が審理無効を宣言した。

バージニア州連邦地裁が同被告に有罪評決を下すのと時を同じくして、マンハッタンの連邦地裁では、大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン氏が故意に違法な企業献金に携わったとの訴因、および過度の選挙献金を行ったとの訴因を認めていた。

いずれの案件も、トランプ陣営とロシアに意図的な癒着があったことを示す直接証拠にはならないかもしれない。だが、大統領側近が、いかに詐欺や脱税などの経済犯罪の訴追に脆いかを明確に示している。

マナフォート被告とコーエン氏は、トランプ大統領が恩赦の方法を見つけない限り、実刑を免れないだろう。だが大きな政治リスクなしに恩赦を実現するのは難しい。

とりわけコーエン氏が罪を認めたことは、トランプ大統領自身が金銭面で違反行為に問われる可能性を高めたとみられる。

ニューヨークを拠点とし、長年トランプ氏最側近の1人だった弁護士のコーエン氏は、2016年の大統領候補者の指示で、選挙に影響を及ぼすために支払いを行ったと法廷で述べた。トランプ氏を名指しすることは避けたが、同氏の弁護士であるラニー・デービス氏は裁判後、同被告はトランプ大統領に言及していたことを確認した。

マナフォート被告に対する訴追は、選挙資金違反というよりは脱税に関するものだが、来月ワシントンの連邦裁判所において別の訴因で審理を受けることになっているだけでなく、今回評決に至らなかった罪状についてもバージニアで再審が行われる可能性がある。

少なくとも、当面これらの裁判案件からニュースが出続けることは確実だろう。こうしたニュースは、大統領の弾劾支持派には歓迎されるが、トランプ支持者にはおおむね無視されるだろう。

大統領自身は、法的な窮地に立たされる可能性を明確に認識している。20日のロイターとのインタビューで、トランプ氏は、モラー特別検察官の聴取に応じれば、偽証罪に問われる結果になりかねないと述べて懸念を示した。

モラー氏の捜査全般、特にマナフォート被告の訴追に対するトランプ大統領の怒りが収まることはないだろう。ソーシャルメディアを通じたトランプ氏の「口撃」は、陪審員に圧力をかけようとする試みに危険なほど近づいてきたと、一部の司法コメンテーターは指摘する。

米中央情報局(CIA)のブレナン元長官から機密情報アクセス権限を剥奪したことをきっかけに、国防や情報機関コミュニティの最有力者との前例のない軋轢(あつれき)が一気に深まったことも、同じように重要だろう。

こうしたいさかいや、パウエル議長率いる米連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線に対する大統領の批判、さらにはトルコのエルドアン大統領との対立やメディアへの復讐劇などは、モラー氏の捜査とは別件だ、と法の専門家は主張するかもしれない。

厳密に言えば、それは正しい。だがトランプ大統領は、これらを自身に対するエスタブリッシュメントの陰謀の一部として位置づけているのだ。選挙年において、それは強力な攻守の一手となる。トランプ氏がその利用をためらわないのは明らかだ。

ここにパラドックスがある。トランプ大統領は、体制がいかに自分を貶めようとしているかを激しく非難する一方で、その内部コントロールを広げつつあるのだ。

トランプ氏の就任1年目は、ティラーソン国務長官やマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を含む政権内の経験豊富な高官に制されることが多かった。

いまや、こうした高官のほとんどが政権を去った。メディアへのリークによれば、ケリー大統領首席補佐官もその地位が危ういことは明白だ。その一方でトランプ大統領は、ポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官など、考え方の似た人材をより有効に起用するようになっている。

大統領の在任期間が長くなればなるほど、より従順な人材を重要ポストに起用できるようになる。

米軍は今月、新たな幹部人事を公表したが、これには大統領の承認が必要になる。FRBの利上げに対するトランプ発言は、同中銀を現在動かしている幹部を動揺させることはないだろうが、将来中銀入りを望む候補者の考え方や発言に影響を与えることは避けられない。

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またトランプ大統領は、退任する最高裁判事の後任に保守候補を指名し、自己の利益に沿うよう最高裁のバランスを変えつつある。さらに重要なのは、トランプ氏が司法省で、モラー氏の捜査に参加している職員の活動をあからさまに妨害しようとしたことだろう。

トランプ大統領にとって、これは、生の政治的な現実主義が、法的な精密さに勝る闘争のように見えているのかもしれない。彼は、弾劾で職を追われる可能性は低いことを知っている。仮に11月の中間選挙で民主党が下院の過半数を獲得し、弾劾手続きに着手したとしても、最終的に弾劾を決定する上院を動かす可能性はずっと低い。

そしてその状況が変わらない限り、大統領は、燃え盛る米国の政治的分断に、さらにつけ込もうとするだろう。かつての盟友が、服役する羽目に陥っても。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)


コーエン被告やロシア疑惑が米政権に突きつけるリスク−QuickTake
Laurence Arnold
2018年8月22日 15:19 JST
From
ドナルド・トランプ氏および2016年大統領選の同氏陣営への米司法当局の捜査は当初、ロシアが焦点だったが、現在までに国内へと移ってきた。大統領は自分の陣営が選挙への介入でロシアと共謀したという証拠が出ることはないと主張するが、トランプ氏に批判的な論客らは、共謀を裏付ける証拠が既に得られており、共謀疑惑が依然としてモラー特別検察官の捜査の中心だと指摘する。モラー氏の捜査から派生した別個の捜査で、大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン被告は21日、有罪答弁を行った。これは他の捜査に道を開く可能性がある。

1.トランプ大統領の個人弁護士が捜査の対象になった経緯は
  モラー氏がニューヨークの連邦地検に情報を提供したことがきっかけになり、コーエン被告の捜査が始まった。コーエン被告は10年にわたってトランプ・オーガニゼーションの代理人を務めていた。


ステファニー・クリフォードさんPhotographer: Victor J. Blue/Bloomberg
2.コーエン被告への捜査が大統領への潜在的リスクなのはなぜか
  コーエン被告はトランプ大統領の長年の相談相手であり、目立たない形で問題を解決してきた。また同被告は16年大統領選挙の投票日の2週間前にエッセンシャル・コンサルタンツというペーパーカンパニーを設立し、同社を通じて、ポルノ女優「ストーミー・ダニエルズ」として知られるステファニー・クリフォードさんに口止め料13万ドル(現在のレートで約1400万円)を送金した。その後、ロシアの新興財閥トップでプーチン大統領とつながりがあるビクトル・ベクセリベルク氏の関連企業からの50万ドルなど、計440万ドル余りの資金のやりとりが同社を通じて行われた。

3.コーエン被告は2016年大統領選に関与していたか
  幾つかのインタビューでトランプ氏を手助けしたほかは、主として影のフィクサーとしての役割を担っていた。ただ、16年にひそかにチェコ・プラハを訪問した際、ロシア当局者と個人的に面会したという情報がある。コーエン被告は否定している。


マイケル・コーエン被告Photographer: Mark Kauzlarich/Bloomberg
4.ロシアの行動で何が分かっているか
  米情報当局は、ロシアのプーチン大統領が「米民主プロセスへの国民の信頼感」を失墜させ、トランプ氏が対立候補のヒラリー・クリントン氏よりも「明確に選好」されることを目指し、個人的に工作を命じたと結論付けた。具体的には米世論に影響を及ぼすことを目的にした電子メールのハッキングと漏えい、偽アカウント使用とフェイスブックやツイッターへの広告掲載だった。モラー氏と同氏のチームはこれまでにロシア人26人などを共同謀議と詐欺罪で訴追した。プーチン大統領は実際、トランプ氏が米ロ関係改善を望むと表明していたため同氏に勝利してもらいたかったと述べているが、両大統領はともに共謀を否定している。

5.トランプ大統領自身は捜査の対象か
  モラー氏は、トランプ大統領がコミー前連邦捜査局(FBI)長官を昨年5月に解任したことや、大統領がコミー氏に対し、元大統領補佐官(国家安全保障担当)のマイケル・フリン被告を大目に見るよう頼んだとされる問題、コミー氏に忠誠を求めたとされることが司法妨害に当たるかどうかに関心があるようだ。またトランプタワーでの長男や娘婿、ロシア人弁護士が出席した会合では主にロシア人の子どもの養子縁組に関して議論したとする声明の作成にトランプ大統領が関与していたかどうかという問題もある。

6.トランプ大統領は刑事訴追されるか
  現職の米大統領が刑事訴追され得るかは明らかでない。司法省の見解は、大統領を刑事訴追すれば、「憲法が定めた責務の遂行能力が容認できないほど阻害される」というものだが、まだ実際に法廷で論じられていない。
  
原題:From Cohen to Collusion, Tallying Trump’s Legal Risks: QuickTake(抜粋)



トランプ氏最悪の日か、元弁護士が指示を証言−元選対部長に有罪評決
Shannon Pettypiece
2018年8月22日 12:20 JST
有罪答弁したコーエン被告がトランプ氏の指示で罪犯したと示唆
マナフォート被告に銀行詐欺などで有罪評決

トランプ大統領 Photographer: Mandel Ngan/AFP/Getty Images
トランプ氏にとって、8月21日は恐らく大統領就任以来最悪の日になった。同氏から犯罪行為の指示を受けたと長年の個人弁護士が法廷で証言したほか、2016年大統領選のトランプ陣営選対本部長に有罪評決が下された。


ニューヨークの連邦地裁を後にするコーエン被告(21日)フォトグラファー:Mark Kauzlarich / Bloomberg
  今年5月までトランプ氏の個人弁護士を務めたマイケル・コーエン被告は、マンハッタンの連邦地裁で開かれたこの日の罪状認否で、ある大統領候補の指示を受けてポルノ女優と米男性誌「プレイボーイ」の元モデルに対し口止め料を支払い、選挙資金法に違反したと認めた。大統領候補の氏名は明かさなかったものの、トランプ氏を名指ししたのも同然だった。同地裁で罪状が読み上げられた直後に、バージニア州アレクサンドリアの連邦地裁陪審はトランプ陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート被告に対し、税金詐欺や銀行詐欺など8つの罪で有罪評決を下した。

  これらは、トランプ氏の大統領の座を一段と脅かしつつある政治・法律リスクをこれまでで最も明確に示す出来事となった。法律面の影響が明らかになるのはまだ先になる見通しだが、民主党議員が裁判所判断を材料に大統領批判を展開するなど、政治的な打撃は既に生じている。

  民主党のリチャード・ブルーメンソル上院議員は発表資料で、「トランプ大統領の元選対本部長や元個人弁護士がきょう有罪となり、ホワイトハウスはますます犯罪組織の様相を示している」と指摘した。

  トランプ氏は選挙戦中の集会で、民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン氏を「収監しろ」とシュプレヒコールを挙げるなど犯罪者のレッテルを貼る戦略を採り、これも勝利の一因となった。しかし昨年有罪答弁を行った元大統領補佐官(国家安全保障担当)のマイケル・フリン被告も含め、自身の3人の元側近が司法の裁きを受けることとなった。

モラー氏捜査
  モラー特別検察官はロシアによる16年米大統領選介入疑惑を捜査している。しかし、モラー氏はコーエン被告の案件をニューヨークの連邦地検に委ねた。これは、コーエン被告の有罪答弁により、トランプ大統領を脅かし得るロシア疑惑捜査が強化されることを意味する。

  トランプ大統領はマナフォート被告の有罪評決について記者団に対し、「これはロシアとの共謀と全く関係ない」と語った。

  トランプ大統領の弁護士の1人で元ニューヨーク市長、ルディ・ジュリアーニ氏は、コーエン氏の司法取引はトランプ大統領と関係ないと指摘。「コーエン被告への検察の罪状には、大統領の不正行為の申し立てはない。検察官が述べているように、コーエン被告の行動は長期にわたる虚偽と不誠実のパターンを反映している」と述べた。

「トランプ氏が罪を犯すよう指示」
  コーエン被告はトランプ大統領の直接の名指しは控えたが、同被告の弁護士、ラニー・デービス氏は21日、コーエン被告が有罪答弁した後に声明を発表し、「コーエン氏は立ち上がって宣誓した上で、トランプ氏が選挙に影響を与えることを主な目的に、女性2人に支払いを行い罪を犯すよう指示したことを証言した」と述べた。

  コーエン被告は有罪答弁の際、自分はある大統領候補の指示により、口止め料として13万ドル(現在のレートで約1400万円)を支払い、その後、この候補から払い戻しを受けたと説明した。コーエン被告はこの候補が誰なのかは明らかにしなかったが、大統領と不倫関係にあったと主張するポルノ女優「ストーミー・ダニエルズ」ことステファニー・クリフォードさんに大統領選の直前に同被告が口止め料を支払い、トランプ氏が払い戻したという話に一致する。
  
  コーエン被告はこのほか、15万ドルの違法な寄付行為をしたことを認めた。この額は、同じくトランプ氏と不倫関係を持ったとされる米男性誌「プレイボーイ」の元モデル、カレン・マクドゥーガルさんが暴露話の対価として米タブロイド紙「ナショナル・エンクワイアラー」を所有するアメリカン・メディアから受け取った額と同じだ。

  ニクソン政権時代にホワイトハウス法務顧問を務めたジョン・ディーン氏は、コーエン氏の有罪答弁がトランプ氏と大統領の座に及ぼす影響について、「きょうは重要な日だが、悪い日でもある」と発言。「犯罪者の大統領を擁しているということをきょうわれわれは立証したと私は考える。これは歴史的なことだ」と述べた。

  トランプ大統領は大統領専用機の機内で、マナフォート被告の有罪評決とコーエン被告の有罪答弁を報じるFOXニュースを見ていたが、特に懸念した様子は表さなかった。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

  大統領のスタッフや知人の一部の方が大統領より心配しており、2人が米国の今後への懸念を口にした。また他の2人は、11月の中間選挙で民主党が下院で過半数議席を獲得する可能性が高まったと述べた。

原題:Trump’s Terrible Day Sees Cohen Plead Guilty, Manafort Convicted(抜粋)

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トランプ大統領、マナフォート被告を救済するか−恩赦や減刑可能

Greg Farrell、Bob Van Voris

2018年8月22日 17:00 JST
マナフォート被告に対し連邦地裁陪審は有罪評決を下した
同被告は「善良な人間」、当局の対応は「非常に残念」−トランプ氏
トランプ米大統領は今、2016年の大統領選でトランプ陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート被告を巡って難しい決断を迫られる。連邦地裁陪審は同被告に対し税法違反や銀行詐欺などの罪で有罪評決を下した。

  トランプ大統領はマナフォート被告が「善良な人間」であり、検察当局の対応は「非常に残念」だとコメント。トランプ氏には同被告に恩赦を与え、全面的に刑罰を免れさせることもできるし、あるいは、時間を置いて最終的に減刑するなど、より政治的リスクが低い措置を取ることも可能だ。後者の場合、マナフォート被告は禁錮は免れても、有罪であることは変わらない見通しだ。

  トランプ氏は数カ月待って行動する可能性があるが、恩赦に至るにせよ減刑に至るにせよ、その瞬間には同氏の反抗的姿勢が最も劇的に示され、捜査で最終決定権を持つのは特別検察官ではなく自分だと表明することになるだろう。トランプ氏は特別検察官の捜査を「魔女狩り」と呼び、実際に20日のインタビューでもそう述べていた。

  元連邦検察官で現在はペース大学ロースクールで教えているミミ・ロカー氏は、「トランプ氏は起訴が不当であり、マナフォート被告が自分の下で働いていたため標的にされたと発言するなど、この件について下準備を進めてきた」と指摘。「トランプ氏は捜査終了時期などの決定権が自分にあるというように振る舞うのではないか」と述べた。

  ただ、いずれの措置も政治的リスクを伴う。8つの罪状で有罪となった男性を無罪放免とすることによる短期的な影響のほか、マナフォート被告がモラー特別検察官に大陪審で証言するよう求められた場合、トランプ氏は危機に陥る可能性がある。

原題:Trump Can Save Manafort With a Pardon. The Question Is, Will He?(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/704.html#c1

[国際23] ボルトンには中東での戦争ごっこがお似合いだ  天木直人  赤かぶ
2. 2018年8月22日 18:41:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1279]

ワールド2018年8月22日 / 15:58 / 2時間前更新
ロシア、シリア介入で「行き詰まり」=ボルトン米大統領補佐官
1 分で読む

[エルサレム 22日 ロイター] - ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、シリアのアサド政権の後ろ盾となっているロシアについて、シリア介入で「行き詰まった」状態となっており、他国がシリア復興の資金を負担することを求めているとの見解を示した。

また、ロシアの現状は、同じくシリアの後ろ盾となっているイランに対し、米国がシリアからの軍撤退を求める好機になると語った。

イスラエルを訪問中のボルトン補佐官はロイターとのインタビューで、シリア情勢を巡るロシアとのこれまでの協議で、アサド政権が北西部イドリブ県の反体制派に対して実施している空爆などの攻撃に理解が示されたことはないと指摘。

「われわれは軍事情勢について非常に懸念しており、イドリブでの軍事対立が激化した場合にアサド大統領が化学・生物兵器を使用することは断じて許されないと明言する」とした。

化学・生物兵器がイドリブで使用された場合の米国の対応については、「強力」なものになると述べるにとどめた。

トランプ政権はシリアに駐留する米軍の撤退を目指す構えを示してきた。ボルトン氏は、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を完遂するとの目的やシリアに展開するイラン民兵や軍を巡る懸念があるため、駐留を継続していると説明。

ボルトン氏によると、ロシアのプーチン大統領は米側に、ロシア政府はイラン軍にシリアからの撤退を強要することはできないとの立場を示していたという。

「プーチン大統領は、自国の利益とイランの国益は完全に一致していないとも述べた」とした上で、ロシアが果たし得る役割についてロシア側と協議する意向を示した。ボルトン氏は23日にジュネーブでロシアのパトルシェフ安全保障会議書記と会談する。

「シリアの内戦を解決するために、米国と諸外国がどのような合意をまとめられるかについて今後、見極めることになる。ただ、解決の前提条件はイラン軍の全面撤退だ」と強調した。

また、ロシアはシリア介入で「行き詰っている」ため、この問題を巡る米ロ間の協議では、米国が影響力を行使できていると指摘。「ロシアの欧州での猛烈な外交活動は、ロシアが他国にシリア復興の資金負担を求めていることを示している」との見方を示した。




http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/699.html#c2

[経世済民128] ベネズエラのデノミ(在野のアナリスト) 赤かぶ
6. 2018年8月22日 18:55:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1280]

自業自得とは言え、愚か者を選んだ国の末路


 

 

ベネズエラ10万分の1デノミ、国民に混乱と怒り
IMFはインフレ率が年内に100万%に達すると予想

カラカスのATMから引き出したボリバルソベラノ紙幣を見せる市民 PHOTO: CARLOS BECERRA/BLOOMBERG NEWS
By
Kejal Vyas, Maolis Castro and Juan Forero
2018 年 8 月 22 日 11:50 JST 更新
 【カラカス】シーフード料理店でウエーターをしているエンリケ・ロサレスさん(29)は、この5カ月現金を見ていないという。21日に現金自動預払機(ATM)で新通貨を引き出そうとした時、1日の引き出し限度額が最大10ボリバルソベラノ(0.17米ドル)だと知った。
 ロサレスさんは高台のスラムから職場まで数マイルの距離を歩いて通っている。「政府には私たちをこの悪夢から救い出す計画が何もないことが分かってきた。最悪だ」と話した。
 この日、混乱に巻き込まれ、憤る国民はロサレスさん以外にも大勢いた。背景には、ニコラス・マドゥロ大統領の政府がハイパーインフレ対策の一環として進める新たな経済改革がある。マドゥロ氏が自賛するこの改革では、大幅な通貨切り下げや増税や賃上げなどで経済の安定を目指す。
 新通貨「ボリバルソベラノ(最高のボリバル)」は、「ボリバルフエルテ(強いボリバル)」と呼ばれた旧通貨とほとんど同じで、紙幣のゼロが5つ少ないだけだ。崩壊した経済モデル(物価は数週間ごとに2倍に上昇している)に対する政府の答えがこれだった。
 自動車修理業を営むミゲル・アンジェル・プリメラさん(62)さんは、21日に顧客に請求すべき金額について迷っていた。「私たちは何も知らない。何が起きるか見守るだけだ」と話している。
 多くの一般労働者は、ハイパーインフレや深刻な食糧不足、当てにならない公共サービスを抱えたこの国がすぐに安定を取り戻すとは思っていない。建設作業員のパブロ・デルガドさん(44)もその1人だ。
 デルガドさんは「これはどれも効果がないと思う。マドゥロ(大統領)は物価が上昇しないと話している。だが発表の3日後には上昇していた」と述べた。
 マドゥロ大統領は年金や貯蓄を紙くず同然にしたインフレを制御すると約束。新通貨を導入することを17日夜に発表した。連休明けの21日には銀行に新通貨が用意されていた。ATMの引き出し限度額は1日10ボリバルソベラノのようだが、銀行の出納係は50ボリバルソベラノを渡していた。それでも1ドルに満たない。

 しかし、カラカス東部の多くのATMでは午前中に早くも現金が底を突いた。窓口に並んでいた人は引き出せる金額を携帯電話で計算していた。
 めまいがするような通貨の切り替えに加え、政府は最低賃金を現行の1カ月1ドル未満から30ドルに引き上げるよう呼び掛けた。経営不振の会社では、それでは破綻するとの声も多い。政府はこの面で小規模事業主を支援すると述べる一方、為替相場の安定を維持する目的で週に3回ドルの競売を行っている。
 かつて豊だったベネズエラは社会主義政府によって経済が崩壊したとされるが、今回の政府の計画には社会主義的な経済政策が緩和される要素はほとんどない。
 マドゥロ大統領は21日、政府が基本50品目について新たな価格上限を発表すると述べた。民間部門の首を絞めているとエコノミストらが言う価格統制を拡大する形だ。ベネズエラは60億ドルのデフォルト(債務不履行)に陥っており、かつて栄えた石油産業を維持する資金を捻出することも、水や輸送といったサービスを安定供給することもできていない。

カラカスのATMには長蛇の列 PHOTO: CARLOS GARCIA RAWLINS/REUTERS
 多くのベネズエラ人は、マドゥロ大統領が発表した支援が企業に届くとかどうかを疑っている。マドゥロ氏は新通貨を「ペトロ」にペッグさせるとしている。だがベネズエラが石油を裏付けとして先に導入したこの仮想通貨には取引実態がない。米財務省は投資家を欺く手段だとしてペトロを禁止している。
 マドゥロ大統は20日、「われわれにインフレスパイラルはあり得ない」と述べた。
 だがエコノミストらは、同氏の計画がまぎれもないインフレスパイラルを招くと話す。国際通貨基金(IMF)はインフレ率が年内に100万%に達すると予想している。
 無力で結集できない野党は21日に全国ストを呼びかけ、一部のビジネスマンは参加を検討していた。だが精肉店を営むヘスス・モンテスさん(63)のように、参加できなかったという商店経営者もいる。
 パン屋を営むフェルナンド・ダブレウさんは、店を閉められなかったと述べた。「家賃や光熱費や賃金を払わなくてはならない。月末には税金もある」と述べ、まだ商品の値上げはしていないと付け加えた。ダブレウさんは自身と8人の従業員がいつまで耐えられるか不安に思っている。
 事態は悪化する一方だと悟った人もいる。カラカスで会計士をしているバネッサ・スアレスさんは「袋小路だ。マドゥロの施策は改善している。明日残っている物があるかどうかわからないから、みな買える物を買っている」と話した。
関連記事
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• ベネズエラ危機悪化、経済対策で緊張高まる


 

ベネズエラで新通貨導入 経済活動は麻痺状態に

2018/08/22

BBC News

経済危機が深刻化する南米のベネズエラで、通貨単位を10万分の1に切り下げるデノミネーション(デノミ)の実施に伴う新通貨の導入が21日、本格的に始まった。新しい単位の「ボリバル・ソベラノ」に対応するため、多くの企業・商店が業務を停止し、労働者は仕事に出かけなかった。

ベネズエラ政府は、20日に実施されたデノミは急激なインフレを抑えるのに必要な措置だとしているが、経済危機をさらに深刻化すると批判する声が上がっている。

ニコラス・マドゥーロ大統領は新通貨の導入に伴い、20日を休日にして銀行などを休業させた。

通貨単位が5桁切り下げされたことで、先月には250万ボリバル強だった首都カラカスでのコーヒー1杯の値段は、25ボリバルに変わる。

しかし、カラカス住民はBBCに対し、21日にATM(現金自動出入機)から引き出せる上限額は10ボリバルだと語った。

21日のベネズエラ各地では、新紙幣の入手が困難ななか、街中からはひと気が消えた。

ドルの闇市場も、新通貨の導入による混乱や経済の不透明感を背景に、活動が麻痺状態となった。

新通貨の導入に伴い、ベネズエラ政府はいくつかの主要な経済立て直し策を発表。これには、最低賃金を9月1日から34倍に引き上げる措置や付加価値税の引き上げ、燃料補助金の削減が含まれる。

マドゥーロ大統領はさらに、ベネズエラの埋蔵原油が裏づけになっていると政府が説明する仮想通貨「ペトロ」に、通貨ボリバルを連動させると表明している。

しかし、米国は自国民にペトロの取引を禁止しているほか、仮想通貨のウェブサイト「ICOindex.com」はペトロを「詐欺」だと呼んでいる。

エコノミストのルイス・ビセンテ・レオン氏はAFP通信の取材に対し、「ボリバルをペトロに連動させるのは、まったく意味がない」と語った。

M7.3の地震発生
21日には、ベネズエラ北部の沿岸部で強い地震が発生。カラカスでも揺れが感じられ、多くの建物で避難指示が出た。

米地質調査所(USGS)によると地震の規模はマグニチュード(M)7.3で、震源はベネズエラ北東部だった。ベネズエラ当局は地震の規模をM6.3と発表した。

ロイター通信は沿岸の町クマナでの目撃者談として、地震が起きたときには住民たちが道路に飛び出したと伝えた。死傷者は現時点で報告されていない。

(英語記事 Venezuela 'paralysed' by launch of sovereign bolivar currency)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/45267224

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/245.html#c6

[経世済民128] 中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
1. 2018年8月22日 18:59:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1281]
GPIF、海外でも存在感ーアップル株保有ゴールドマンしのぐ (訂正)
野沢茂樹、Min Jeong Lee
2018年8月22日 7:04 JST 訂正済み 2018年8月22日 16:05 JST
• 外国株で時価総額が10億ドル超の保有銘柄が56社にー3月末時点
• FAANG銘柄の保有が収益押し上げにつながる
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本の株式市場だけでなく、海外でも存在感を高めつつある。時価総額トップのアップル株の保有で、バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチやゴールドマン・サックス・グループなど有力な米機関投資家を上回っている。
  ブルームバーグがGPIFの3月末時点の外国株保有を基に試算したところ、時価総額が10億ドルを超える銘柄は56。現在では時価総額1兆ドル(約111兆円)超えのアップル株を発行済み株式数の約0.9%に当たる4109万5884株保有し、BofAメリルリンチやゴールドマン・サックスを上回るほか、JPモルガン・チェースに次ぐ12位の大株主となっている。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは、GPIFが海外でも存在感を増してきてるのは間違いないと指摘し、中長期な運用なので分散投資を若干リスクを取りながら進めていく方向性は変わらないとみている。
  GPIFは安倍政権の下で、2014年にリスク資産投資を積極化する方針に変更し、外国株の保有比率の目標値を25%と、従来の2倍強へ引き上げている。現在の保有比率は目標値をすでに達成し、今年6月末時点の保有額は日本株とほぼ同じ規模の40兆7753億円に膨らんでいる。12年末時点の14兆4339億円と比べると2.8倍の規模だ。
  ブルームバーグの試算によれば、GPIFが保有する外国株の時価総額の割合は、米国株の55.5%を筆頭に、英国株5.6%、中国・香港株5.4%などが続いている。運用資産の8割以上は市場の運用指標に沿ったパッシブで、構成比はMSCIの外国株指数とほぼ同じ。時価総額上位の10銘柄中、同指数の構成銘柄と異なるのは1社だけだ。
過半数を占める米株

Source: GPIF, Bloomberg
Note: 3月時点
  GPIFの外国株の運用収益率は過去4年間の累積で37%。米国株の強気相場と重なり、アップルなどのFAANG銘柄の時価総額がほぼ倍になった影響が大きい。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、グローバルな投資戦略がGPIFの運用を支えているとみている。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、GPIFは株式保有を増やすタイミングに恵まれたと指摘。その分、短期的な株価の変動に運用成績が左右されやすくなっており、長期的な視野での評価を意識する必要があると言う。
  運用で今後の検討課題となる可能性があるのは国内株の占める割合だ。日本株はMSCI世界株指数の構成比で8%程度だが、GPIFの保有株のうち約51%を占める。米国株の保有は27%にとどまり、残りは約50カ国の株に分散されている。三菱モルガン証の藤戸氏は、純粋にポートフォリオの観点からは見直しがあってもおかしくないとみている。
株式は国内偏重

Source: GPIF, Bloomberg
Note: 3月時点
(第5、8段落と一覧、円グラフの保有比率に関する数値を訂正します.)


 


世界的な「リスクオン」ラリーで米国株との格差縮小へ−JPモルガン
Cormac Mullen
2018年8月22日 13:02 JST
• 新興国市場とバリュー資産は上昇へ−米国株は他の市場に後れ取る
• より可能性の高い結末は『リスクオン』による収れん−コラノビッチ
JPモルガン・チェースは、前例のない特性などを理由に、世界の株式に対する米国株の最近のアウトパフォーマンスは持続しないとみている。
  マルコ・コラノビッチ、ブラム・カプラン両ストラテジストは21日のリポートで、新興国市場とバリュー資産は上昇へ向かい、ドルの最近の強さは和らぐ公算が大きい一方、米国株は上昇が続くものの他の市場に後れを取ると予想した。ドル高と米国株下落というもう一つのシナリオもあり得るものの、可能性はより低いとしている。   
  
  両ストラテジストは「そこそこ堅調な世界経済成長、米国以外の資産バリュエーションの相対的な低さ、米国の自社株買い継続、利上げと強いドルに対する米政権の批判の強まり、中国の新たな景気刺激策、貿易戦争の解決に向けて現在進められている交渉を踏まえると、より可能性の高い結末は『リスクオン』による収れんだ」と説明。これは「通貨や金属、新興国市場株全般や中国株の乏しい流動性とショートスクイーズによってさらに拍車が掛かる可能性がある」と指摘した。
             

  
  
原題:JPMorgan Sees Global Risk-On Rally Shutting Gap to U.S. Stocks(抜粋)


 


 
「偉大」な米国、やがて逆風に直面も−世界の痛み感じられなければ
Enda Curran、Lucy Meakin
2018年8月22日 13:48 JST
• 米利上げ継続、最終的に米国の逆風にも−オールド・ミューチアル
• 「新興国市場の痛みが特に強くなれば、当然それが米国にも伝わる」
トランプ米大統領の米国を再び「偉大」にするという戦略は、世界全体にとってはそれほど偉大なことではないかもしれない。
  トランプ政権が仕掛けた貿易戦争が中国を脅かす中で、ドル高と金利上昇で既に新興国経済が圧迫されている。主要7カ国(G7)の中でも今年の経済成長加速を見込んでいるのは大規模な減税を実施した米国だけだ。
Odd One Out
U.S. growth is forecast to accelerate this year, while others are cooling

Source: National statistics offices, Bloomberg surveys
  金融市場では世界同時の景気上振れに対する高揚感は短期で終わってしまったことがはっきりした。ナットウェスト・マーケッツによれば、オーストラリア・ドルや銅といったいわゆる成長資産を抱合した同社の指標は今年約4.5%下げている。米S&P500種株価指数が約7%上昇しているのとは対照的だ。
  ナットウェストのクロスアセット戦略責任者ジム・マコーミック氏はこうしたパフォーマンスの開きについて、「本質的に今年の成長が不均衡となることを確実に捉えている」と述べた。

  オールド・ミューチュアル・グローバル・インベスターズの債券責任者マーク・ナッシュ氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が国内経済の状況を踏まえ利上げを続けるだろうが、最終的には米国にとって逆風を招く恐れがあると分析する。
  同氏はブルームバーグテレビジョンの番組で、「新興国市場の痛みが特に強くなれば、当然それが米国にも伝わるし、FOMCが国内の金融政策をどのように運営する必要があるのかという点においても変化をもたらすだろう」と指摘。「今のところパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長のしていることを責めることはできないが、その行いの影響が議長自身に跳ね返って悩ませることになるかもしれない」と語った。
原題:America’s Booming Economy Comes With a Cost for Global Growth(抜粋)
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5. GPIF、海外でも存在感ーアップル株保有ゴールドマンしのぐ (訂正)


GPIF、海外でも存在感ーアップル株保有ゴールドマンしのぐ (訂正)
野沢茂樹、Min Jeong Lee
2018年8月22日 7:04 JST 訂正済み 2018年8月22日 16:05 JST
• 外国株で時価総額が10億ドル超の保有銘柄が56社にー3月末時点
• FAANG銘柄の保有が収益押し上げにつながる
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本の株式市場だけでなく、海外でも存在感を高めつつある。時価総額トップのアップル株の保有で、バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチやゴールドマン・サックス・グループなど有力な米機関投資家を上回っている。
  ブルームバーグがGPIFの3月末時点の外国株保有を基に試算したところ、時価総額が10億ドルを超える銘柄は56。現在では時価総額1兆ドル(約111兆円)超えのアップル株を発行済み株式数の約0.9%に当たる4109万5884株保有し、BofAメリルリンチやゴールドマン・サックスを上回るほか、JPモルガン・チェースに次ぐ12位の大株主となっている。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは、GPIFが海外でも存在感を増してきてるのは間違いないと指摘し、中長期な運用なので分散投資を若干リスクを取りながら進めていく方向性は変わらないとみている。
  GPIFは安倍政権の下で、2014年にリスク資産投資を積極化する方針に変更し、外国株の保有比率の目標値を25%と、従来の2倍強へ引き上げている。現在の保有比率は目標値をすでに達成し、今年6月末時点の保有額は日本株とほぼ同じ規模の40兆7753億円に膨らんでいる。12年末時点の14兆4339億円と比べると2.8倍の規模だ。
  ブルームバーグの試算によれば、GPIFが保有する外国株の時価総額の割合は、米国株の55.5%を筆頭に、英国株5.6%、中国・香港株5.4%などが続いている。運用資産の8割以上は市場の運用指標に沿ったパッシブで、構成比はMSCIの外国株指数とほぼ同じ。時価総額上位の10銘柄中、同指数の構成銘柄と異なるのは1社だけだ。
過半数を占める米株

Source: GPIF, Bloomberg
Note: 3月時点
  GPIFの外国株の運用収益率は過去4年間の累積で37%。米国株の強気相場と重なり、アップルなどのFAANG銘柄の時価総額がほぼ倍になった影響が大きい。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、グローバルな投資戦略がGPIFの運用を支えているとみている。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、GPIFは株式保有を増やすタイミングに恵まれたと指摘。その分、短期的な株価の変動に運用成績が左右されやすくなっており、長期的な視野での評価を意識する必要があると言う。
  運用で今後の検討課題となる可能性があるのは国内株の占める割合だ。日本株はMSCI世界株指数の構成比で8%程度だが、GPIFの保有株のうち約51%を占める。米国株の保有は27%にとどまり、残りは約50カ国の株に分散されている。三菱モルガン証の藤戸氏は、純粋にポートフォリオの観点からは見直しがあってもおかしくないとみている。
株式は国内偏重

Source: GPIF, Bloomberg
Note: 3月時点
(第5、8段落と一覧、円グラフの保有比率に関する数値を訂正します.)


 
パウエル議長はいつまで利上げ続けるか、ヒントはFOMC議事録に
Matthew Boesler
2018年8月22日 9:52 JST
• 22日公表のFOMC議事録、当局者の金利見通しに投資家は注目へ
• 利上げに不満漏らすトランプ大統領に議事録は言及なしか−RBC


米連邦公開市場委員会(FOMC)が前回公表した議事録は続きが気になる形で終わったが、今週発表される最新の議事録では、来年の金利見通しという論議を呼ぶトピックを巡り米金融当局者の考えが浮き彫りになりそうだ。
  FOMCは7月31日、8月1日開催の会合の議事録を米東部時間22日午後2時(日本時間23日午前3時)に公表する。同議事録では、金利見通しに加え、連邦準備制度の4兆2000億ドル(約462兆円)のバランスシートの縮小状況を当局者がどう認識しているかの手掛かりも投資家の主な注目点となる。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日にワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー連銀が開く年次シンポジウムで講演する予定で、議事録内容に色を添える可能性もある。
  7月初めに公表された6月開催のFOMCの議事録では、参加者が「追加の政策引き締めがどれだけ必要になる可能性が高いかについて意見を示した」ことが明らかになったが、意見の内容の要旨は示されなかった。
  フェデラルファンド(FF)金利は現在、1.75ー2%のレンジで推移しており、投資家はFOMCが年内に0.25ポイントの利上げをあと2回決めると予想していることが先物の動きに示されている。FOMCがこの軌道を進めば、政策金利は景気を刺激も抑制もしない「中立」水準に来年のうちに到達することになる。6月公表のFOMC予測によると、この水準は2.5ー3%の間と大半の当局者は認識している。

  6月の議事録の最後に提示された疑問は、金利が中立水準に達した後にFOMCがどう行動するかという点だ。インフレ予防で利上げを継続するか、あるいはインフレ圧力が封じ込められた兆しに安心してそこで停止するのか、2つの選択肢がある。これまでのところ、当局の金利予測は1番目の選択肢に傾いており、6月時点の予想中央値では、政策金利は2019年末までに3ー3.25%に達し、20年には3.25ー3.5%の間になるとされている。
  ただ、一部当局者はこうした方針に批判的で、パウエル議長は7月の議会証言で、「当面は」漸進的な利上げ継続が最善策だと述べたものの、どちらの方向に傾斜しているか明かしていない。
  トランプ米大統領も問題を複雑にしている。大統領は8月17日に共和党の資金集めのイベントであらためて利上げに不満を漏らしたとされる。
  RBCキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、トム・ポーセリ氏は、金利を来年どうするかに関する議論が議事録に「盛り込まれるのは確かだ」が、トランプ大統領への言及は恐らくないだろうと予想。「大統領が現時点で望むことは、金融当局の指導原理に全く相いれないため、当局は根本的な要素に忠実になると思う。経済活動が加速し、過熱の可能性を心配するなら、当局は中立を上回る水準に金利を引き上げるはずだ。それが責務だ」と述べた。
原題:Fed Minutes May Drop Clue About How Long Powell Will Hike Rates(抜粋)

 

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/263.html#c1

[経世済民128] 日銀の政策修正で強まる「正常化論」の落とし穴(ダイヤモンド・オンライン)  赤かぶ
1. 2018年8月22日 19:08:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1282]
東京外為市場ニュース2018年8月22日 / 17:53 / 19分前更新
地銀の収益悪化、日銀のせいにしても仕方ない=金融庁長官
1 分で読む

[東京 22日 ロイター] - 金融庁の遠藤俊英長官は22日、ロイターのインタビューに応じ、地方銀行の収益悪化について「日銀が出口を求めて金利を正常化すれば、全てうまくいくとは思わない」と述べた。日銀の政策変更を待って経営判断を遅らせるのは望ましくなく、地銀は自ら生き残る道を摸索すべきだとの考えを示した。

遠藤長官は、収益が悪化した地銀について、今よりもサービスを向上させることができると判断するならパートナーを見つけ、合併や提携を検討するのも1つの方法だと述べた。

一方で「持ち株会社だけ作って、傘下の銀行は相互不可侵で何のためにやっているのか疑問に思うような銀行もある」とし、統合効果が充分に発揮されていないケースもあると指摘した。

顧客本位の業務運営の確立に向け、金融庁は金融機関が順守すべき原則を作り、金融機関に取り組み方針の策定・公表を求めてきた。遠藤長官は、貯蓄から資産形成という流れがマクロ統計で確認できない現状を踏まえ、今事務年度、これまでの施策が金融機関の顧客にどの程度浸透しているかを検証する方針を示した。

*この記事の詳細は、この後、インタビュー記事として配信します。 (和田崇彦 編集:田巻一彦)


 

2018年8月22日 / 15:33 / 3時間前更新
ドル110円半ば、トランプ陣営元幹部が有罪 市場困惑
2 分で読む

[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅高の110円半ば。日中はトランプ大統領周辺に関するニュースでドルが上下した。

NY市場終盤から売りが強まったドルは、午前の取引で一時110.03円まで下落した。バージニア州連邦地裁陪審が21日、トランプ陣営の元選対本部長、ポール・マナフォート被告に有罪評決を下した。

ロシア疑惑の捜査で起訴された被告に対する有罪評決は初めて。市場では米株先物が下げ幅を拡大した一方、米10年債利回りが2.81%台へ低下した。

また、トランプ大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン被告は21日、ニューヨーク連邦地裁で、16年の大統領選挙中にトランプ氏との不倫関係を主張した2人の女性に、トランプ氏の指示で口止め料を支払ったと証言した。

しかし昼過ぎに米金利が下げ止まり、米株先物も下げ幅を縮小すると、ドルはじりじりと反発。NY終盤の水準へ値を戻した。

市場では「ややリスクオフ的な反応となったが、この問題が今後、大統領自身や周辺にどう影響を与えるのかを警戒する必要がある。まずは推移を見守りたい」(外銀)との声が出ていた。

<トルコリラ安定、ユーロ高の一助 ブラジルは波乱>

きょうのトルコリラTRYJPY=Rは18円前半。昨日は目立った手がかりがなく、10日につけた最安値15円から切り返した水準でもみあいが続いた。

対ドルTRYTOM=D3も6.0リラ付近で小動き。週明け後、大きな動きはない。今週トルコは24日までイスラム教の祝日、犠牲祭で休場。

リラが安定してきたことも手がかりとなり、ユーロは前日海外で1.1601ドルまでさらに反発した。トルコへの懸念が急速に高まり、リラが1日で20%超下落した今月10日の水準を回復し、上抜けた。

ユーロはスペインなどがトルコ向け債権を多く保有していることが、最近の売り手掛かりの一つになっていた。

前日に話題を集めた新興国はブラジル。レアルBRBYが2%超下落し、16年3月以来2年半ぶりに4レアル台をつけた。10月の大統領選に関する世論調査で、右派候補ボルソナロ下院議員の支持率が20%と、服役中のルラ元大統領を除くとトップとなった。

ボルソナロ氏は過激な発言で「ブラジルのトランプ」とも呼ばれる。一方、改革派とされ市場で人気の高いアルキミン前サンパウロ州知事の支持率は7%で伸び悩んでいるが「8月末からテレビで政見放送が始まれば、支持率が上向く可能性は否定できない」(SMBC日興証券)という。

レアル/円BRLJPY=Rは27円前半。6月安値を下抜け、過去最安値を更新した。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 110.40/42 1.1573/77 127.78/82

午前9時現在 110.10/12 1.1574/78 127.46/50

NY午後5時 110.29/32 1.1569/73 127.62/66


 


バークレイズ再雇用勝ち取ったトレーダー、不当解雇と闘う新戦略示す
Jonathan Browning、Kaye Wiggins
2018年8月22日 15:40 JST
デービッド・フォザリンネーム氏は、自分を解雇した英銀バークレイズに恨みを抱いてはいないと言う。

  同行は米ニューヨーク州金融サービス局(DFS)の要求に従ってフォザリンネーム氏を解雇したが、不当解雇の訴えを起こした同氏は再雇用を勝ち取った。

  新たな雇用契約での年俸は15万ポンド(約2140万円)と解雇前の報酬に比ぶべくもないが、実は悪い条件ではない。

  内部告発や差別が理由との主張が認められない限り、不当解雇訴訟で勝ち取れる賠償額は、8万3000ポンドが上限と定められている。フォザリンネーム氏が1年だけバークレイズで働いたとしてもこれより大きな額を得られる計算だ。

  これは不当解雇を訴えて闘うバンカーらに新たな道を示したことになる。ロンドンの法律事務所CM・マーレイの雇用専門弁護士、サマンサ・マングワナ氏は、「滅多に認められないし原告が求めることも滅多にないが、不当解雇に対するこの賠償方法は常に存在する。報酬額が不当解雇の賠償金上限よりはるかに高い金融業界では、検討に値する手段だ」と話した。

原題:Ex-Barclays Trader’s Win Opens Path for Fired London Bankers (1)(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/259.html#c1

[経世済民128] 日銀の政策修正で強まる「正常化論」の落とし穴(ダイヤモンド・オンライン)  赤かぶ
2. 2018年8月22日 19:10:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1283]
もはやクオンツも安全ではない−リスクパリティーにも動揺が波及
Dani Burger
2018年8月22日 13:30 JST
• リスクパリティーのRVは先週約2年ぶりの高水準に達した
• リスクパリティーの年初来の運用成績はCTAに次いで2番目に悪い
ウォール街で最も人気の高いクオンツトレードの一つ、「リスクパリティー戦略」は、嵐の中でも安全な港という売り込みにもかかわらず、世界的な市場ボラティリティー(変動率)の高まりで打撃を受けつつある。
  価格変動の影響に着目し、ボラティリティーに応じてエクスポージャー(リスク資産)の配分を調整するリスクパリティー戦略は、ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者であるレイ・ダリオ氏が世に広めた。だが、最近の商品相場急落や新興国市場の混乱、国債市場の変化に伴い、リスクパリティー戦略を採用するファンドにも動揺が波及している。
  リスクパリティー戦略の期間2カ月の実現ボラティリティー(RV)は先週、過去2年余り見られなかった高水準に達した。年初から8月10日までの運用成績は、JPモルガン・チェースが追跡調査するポートフォリオの中で2番目に悪い。同行によれば、年初来のリターンはマイナス1.2%と低迷し、ロングショート株式ファンドのプラス2.1%、マクロファンドのプラス1.7%、バランスト・ミューチュアルファンドのプラス2.9%を下回っている。
  トレンドを読んでさまざまな資産クラスに投資を行うコモディティー・トレーディング・アドバイザー(CTA)のリターンがマイナス4.8%で最も悪かった。
  
  リスクパリティー戦略は、逆方向に動く傾向にある資産を保有することで損失の軽減を目指し、リスクを均等化するために複数の資産クラスに投資配分を行う。しかし、貿易摩擦や新興国市場資産の極端な価格変動の影響で、今年これまでは安全な逃避先を見いだすのが難しい状況となっている。
  セイリアント・パートナーズのクオンツ戦略担当マネジングディレクター、ロベルト・クローチェ氏は「リスクパリティーは真ん中にいることを狙い、投資配分の分散を目指す。運用成績トップには決してならないが、最下位にもならないだろう」と指摘した。


原題:No Quant Is Safe as Global Stress Hits Risk-Parity Investing(抜粋)


 


中国の仮想通貨関連企業、技術的な優位性消滅の恐れ−バーンスタイン
Blake Schmidt
2018年8月22日 15:31 JST
IPOを計画するビットメイン、競争激化に直面
在庫の評価損計上を迫られる可能性があるーアナリスト
サンフォード・C・バーンスタインによると、仮想通貨のマイニング(採掘)向け半導体を設計する中国のビットメイン・テクノロジーは、技術的な優位性を失っている可能性がある。

  マーク・リ氏率いるバーンスタインのアナリストらは22日のリポートで、競合メーカーが追い上げる中、北京を本拠とするビットメインは在庫の評価損計上を迫られる可能性があると指摘。同社が設計した半導体を製造する台湾積体電路製造( TSMC)はビットメインに対して全額前払いを求めるとともに、仮想通貨関連需要だけを目的とする能力増強を控えるべきだと述べた。ウー・ジハン氏(32)が共同で創業したビットメインは、大規模な新規株式公開(IPO)を計画している。

  同アナリストらはリポートに、「ビットメインの半導体の競争力に疑問が生じている」と記した。ビットメインとTSMCにコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。

原題:World’s Top Crypto Miner May Be Losing Its Edge, Bernstein Says(抜粋)

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米国とメキシコ、NAFTA合意に近づくも障害残るー関係者
Josh Wingrove、Eric Martin、Jennifer Jacobs、Margaret Talev
2018年8月22日 14:08 JST
米国とメキシコは新たな北米自由貿易協定(NAFTA)でコンセンサスに近づいたが、主要な障害が依然残っていると、協議の双方に詳しい関係者数人が述べた。

  5週間にわたる米・メキシコ間の交渉で自動車を巡る規則などの問題について前進があったが、NAFTA修正で広範な合意はまだだと、トランプ政権の当局者2人が21日夜に語った。

  これに先立ちポリティコは、トランプ大統領が23日にメキシコとの合意を発表すると、匿名の関係者からの情報として報じていた。

  米国とメキシコの交渉はNAFTA修正でカナダを含めた最終合意への重要な前提と見なされており、2国間の合意が発表されれば、1年前に始まった交渉で最大の突破口になる。ただ、NAFTA加盟3カ国に関わる幾つかの米国の要求は未解決で、合意を妨げる可能性もある。

原題:U.S., Mexico Said to Near Nafta Framework, But Obstacles Remain(抜粋)

 

BREXITの現状〜分断深まる〜(唐鎌大輔)

政権崩壊&ノーディールならば離脱後の安値を臨む展開も
 今、ヨーロッパで最も話題となっているのが、BREXITです。
 イギリスが何の合意もなくEUから離脱してしまう可能性は絶対ない、それだけはやってはいけない、と言われていたのですが、その可能性がなくはないという状況が起きています。それは市場の観測として出てきているだけでなく、要人発言としても出てきているのです。
 8月3日、イングランド銀行のカーニー総裁が、合意なしの離脱に追い込まれてしまう可能性は、不愉快なほど高いと発言しました。
 またその3日後に、フォックス国際貿易大臣が、その可能性は60%位だと言っています。可能性はかなり高いわけで、これはとても大変なことです。
 来年の3月29日が最終日で出ていくと言われている日ですが、その翌営業日から、もうイギリスとヨーロッパは普通の関係になり、EUと日本、EUとインドネシア、EUとアメリカのような関係に、EUとイギリスはなるということです。
 今まで同じ関税、同じ規制の中でやってきたのに、いきなりそこから離れるというわけです。これは現実的にはビジネスの世界ではありえないことです。それをやってしまうと在英企業は相当困ると言われていて、崖から落とされるようなことという意味で、英語で崖っぷちを表わす、クリフエッジリスクと言われていました。クリフエッジはないと言われていたわけですが、ここに来てかなりの可能性で起こり得ると言われ始めたのです。
 こうなってくると、今日の時点でもすでに急落していますが、ポンドの暴落が予想され、BREXIT後につけた安値を更新するのではないかと言われています。
 そうした中、イギリスの中央銀行、イングランド銀行は何をやっているのかと言うと、まず去年の11月に約10年ぶりの利上げを行いました。0.25%から0.5%に金利を引き上げました。そして8月2日には2回目の利上げを行って、金利は0.75%になりました。0.5が0.75になったその日に、ポンドは暴落しています。そんなことをやっている場合ではないというのが、今のマーケット参加者の受け止めだったのです。
 正確には、今利上げをし、これからも何回か利上げをするかもしれないものの、今のBREXIT交渉の状況を踏まえると、これは続かなさそうだということからポンドが手放されているわけです。
 買えない通貨としてのポンドというものが、今メキメキと頭角を現してきている状況です。せっかく去年の9月に利上げをするかもしれないと言って、11月に利上げをし、ポンドは非常に調子が良かったのですが、今年に入って交渉が全然進んでいないということがわかると、また一気に折り返して下落に転じているというのが実態です。
 ポンドが安くなると、輸入物価経由で物価が上昇してくるので、ポンドの下落にやや遅れてCPIが上がることになります。中央銀行はそれを受けて利上げをしたわけです。利上げをしてポンド安を止めれば、グラフでわかるようにポンドが上昇し、それにより物価も落ち着いてくるということになります。

 しかし、また現在ポンドは下落方向に戻り始めているので、そうするとまた物価が、前年比3%、4%と上昇していくことになります。しかし、それほど給料も上がっていないので、実質的に所得がどんどん減っていて、不況下の物価高、いわゆるスタグフレーションの世界が、イギリスでは待っているのではないかと言われているわけです。
 流れを整理してみると、相当専門的に見ている人たちからしても、全てを追うのは大変と言うほど、ややこしい状況になっています。
 7月19日、欧州委員会はクリフエッジに備えるべきとの文書を公表しました。深刻にまずいという状況が明らかにされたのです。
ハードBREXITとソフトBREXITのハザマ
 イギリスでは今、世論調査で、野党労働党の支持率が保守党よりも高くなっているという結果もあります。再選挙をしたら今の保守党が政権を追われる可能性があるので、さすがに解散総選挙でやり直すと言う状況は回避したいだろうと思われます。
 ただ、少なくとも今の保守党は、強硬にEUを出て行くべきだというハードBREXIT派と、穏健に今までの規制を残したまま緩やかに行こうというソフトBREXIT派が、ほぼ半分半分に分かれています。
 両方の意見を汲み取って交渉方針をまとめて、欧州委員会に持っていったところ、そのようないいとこ取りは受け入れられるわけはない、クリフエッジに備えろと言われたというのが実態です。欧州委員会の言うことはもっともですが、欧州委員会が頑ななので難しい状況になっていると言っているのが今のイギリスなのです。
 交渉は10月18日がデッドラインだと言われています。ここまでに合意をまとめないと、その後各国で批准をするのに半年かかると言われているので、この日のEU首脳会議までにまとまれば間に合うのですが、メイ首相はそれには間に合わない、11月になるかもしれないと言い始めています。
 11月にはEU首脳会議は予定されていませんが緊急で会議を開き、12月の会議で最終的に承認して、急いで出ていくという、できそうにもない話になっています。
 用意されているシナリオは3つあり、1番良いのはEUとの交渉が円滑に妥結することで、シンプルに悪いのは交渉が決裂することです。
 早く決裂してくれれば、準備をすることもできるのですが、最悪なのはギリギリまでEUと交渉し妥結した後、議会に持って帰ったらそれを議会が否定するというケースです。イギリスの政権の中でも今、足並みが揃っていないので、こういうことも起こり得ると言われています。非常に時間がない中、ギリギリになってまとまらず、バタバタと出ていくという可能性も、残念ながらあると言えるでしょう。
 とにかくどの論点を注目すればいいのかというくらい、混乱した状況になっています。
 こうした状況に対し、株式市場は正直で、主要国の株価指数の推移と比べて、イギリスだけは嫌だという状況が鮮明に表れています。為替市場は金利が高くなると喜んで通貨が買われるものですが、BREXITが決まった2016年6月直後から、他の株価が上げている中、イギリスだけが下げているのです。株価は景気の先行指標なので、この先伸びると思われていないのです。ここがイギリスの今の限界を示していると言えます。
 現時点で合意なく離脱すると言う可能性は非常に低いと思われますが、交渉の進展を待つしかないと言う状況です。
 ポンドが安くなっていることを受けてイングランド銀行は利上げで対応しているわけですが、そもそもなぜポンドが安くなったと言うと、BREXITという政治不安が背景にあるわけです。こうした政治不安を受けた通貨安を、利上げでカバーするということには限界があるのです。いかにがんばって金利を上げて、ポンドを買って欲しいと言っても、これまで説明したような交渉の状況だと、買えるはずがないのです。株式市場の動きはまさにその証左で、利上げは無駄な抵抗に終わる可能性があると言えます。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座/「金融リアルタイムライブ」講師
みずほ銀行 国際為替部 為替営業第一チーム
チーフマーケット・エコノミスト
唐鎌 大輔
8月9日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
▼詳しくはこちら


▼その他の記事を読む:
【前回の記事】日銀金融政策決定会合の影響を分析(田口 美一)

 
ビジネス2018年8月22日 / 08:02 / 3時間前更新
英国、外為市場の規模拡大 EU離脱決定後もトップ維持
2 分で読む

[ロンドン 21日 ロイター] - 英国は、欧州連合(EU)離脱を決めた2016年以降、2年間で外国為替取引の最大市場として規模をさらに拡大した。19年にEUを離脱した後も世界最大の金融センターの地位を維持することを示唆する。

EU離脱は英国にとって、金融センターとしての地位に支障をきたすとみられていた。多くの雇用や企業が海外に流出している。ただロイターの分析によると、離脱まで8カ月となった今、英国は外為市場の支配力を強めているもようだ。

外為取引は世界で最も市場規模が大きく、密接に結びついている。世界規模の航空会社や資産運用会社などが日々、何兆ドル規模もの取引に利用し、ロンドンの金融サービス業の中で主要な部門だ。

ロイターは外為取引で上位5つの市場における中央銀行の調査を分析。英国は、EU離脱を問う国民投票が行われた16年4月から18年4月までの2年間で外為取引高が23%増加し、過去最高水準となる1日平均2兆7000億ドルを記録。世界トップの地位を維持した。2位の米国における伸びのペースはその半分以下で、11%増の9940億ドル。大半がニューヨークでの取引だ。

世界的に見て5分の2の取引が英国で行われており、そのほとんどがロンドンに集中している。1日当たりの取引高は英国の年間国内総生産とほぼ一致する。

次に大きな市場がシンガポールで、同期間に5%減の5230億ドルとなった。続いて香港が10%増の4820億ドル、日本が2%増の4150億ドルだった。

カス・ビジネス・スクールの教授を務める元外為トレーダー、キース・ピルビーム氏によると、外為取引は利幅が比較的少ないものの、その他の事業が付随する傾向が強い。銀行は外為と組み合わせて金利商品や株式・債券発行、合併・買収(M&A)支援などのサービスを提供することができるという。

銀行員やトレーダーらは取引が総じて増えている理由として、英国のEU離脱を含む世界各地で見られる政治的な先行き不透明感を挙げる。トランプ米大統領の政策のほか、米国や中国、EUなどの貿易摩擦も指摘した。こうした中、ロンドンの時間帯は、米国とアジアの間にあり、それが有利に働いているという。

取引高の増加は、大手金融機関にとって追い風となる。投資家らは価格を大きく左右せずに大型取引をできる規模の市場で売買したいからだ。みずほ銀行(ロンドン)のヘッジファンドセールス責任者ニール・ジョーンズ氏は「米国であれ欧州であれ、市場を動かすような大きなニュースはロンドンの取引時間中に出てくるため、地理が有利に働いている」と語る。「英国のEU離脱を巡る先行き不透明感はあるものの、ロンドンの時間帯と言語、最大規模の市場を有する強みなどがマイナス要素を上回る」と付け加えた。

英国が外為市場の支配力を強めていても、EU離脱による打撃がないと断言することはできないと専門家らは言う。ただ銀行にとって、ロンドンの金融センターで大規模な国際的事業を維持する魅力があることを強調する分析内容だと述べた。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/259.html#c2

[国際23] 中国・北朝鮮・イランが強硬策に出かねないトランプ外交の危うさ(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月22日 19:13:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1284]

>トランプ流アプローチは世界でリスクを生んでいる

リスクというより、明らかに有害

それも経済や軍事に限らない


 

2018年8月22日 / 00:06 / 3時間前更新
トランプ米政権、発電所のCO2排出に新基準 前政権の規制を緩和
1 分で読む

[21日 ロイター] - 米トランプ政権は21日、オバマ前政権時代に制定された発電所の二酸化炭素(CO2)排出量規制「クリーンパワープラン(CPP)」に代わる新しい基準案を公表した。石炭火力発電所に関する規則作りを各州の裁量に委ねるなど、排出規制を緩和する内容となった。

環境団体などからは、環境破壊や健康被害につながるとして批判の声が出ており、一部の州は実施の差し止めを求めて提訴する構えを示している。

米環境保護局(EPA)が発表した「アフォーダブル・クリーン・エナジー・ルール」は、各州に石炭火力発電所の効率向上に向けた計画の提出を義務付けている。連邦政府がCO2排出に関する指針を示すが、各州は石炭火力発電所の経過年数や設備更新の費用を踏まえて、指針よりも緩い基準を設けることが可能となる。

EPAのウィーラー長官代行は電話会見で「トップダウンで杓子定規な連邦規制の時代は終わった」と強調した。

バージニア、ニューヨーク両州の司法長官はEPAの提案を批判し、法制化された場合は実施差し止めを求め提訴する考えを示した。

EPAによると、新基準は年間4億ドルに上る経済的恩恵をもたらし、2025年までに電気料金(小売価格)を最大0.5%押し下げると見込まれている。ただ、この日公表された文書によると、CO2排出量はオバマ政権のCPPが設定した目標を上回り、大気汚染が原因の早死にや入院、ぜんそく、学校の欠席数は30年までに増加する可能性がある。

EPAの大気・放射線部門のビル・ウェラム氏は、電力業界はクリーンな燃料へのシフトが既に進んでいるため、新基準の下でも、業界全体の排出量はオバマ政権のCPPが掲げた目標とほぼ変わらない水準になるとの見解を示した。

CPPは発電所の二酸化炭素排出量を2030年までに2005年より32%削減させることを目標に掲げているが、州などが規制の実施差し止めを求めEPAを提訴、連邦最高裁は2016年に差し止めを認めた。

EPAは、新基準では、石炭生産は25年までに最大5.8%増えるとの見通しを示した。

カリフォルニア州のハビエル・ベセラ司法長官は、新基準の実施差し止めを求めて提訴する可能性について問われ、「その方向で進めている」と応じた。

EPAは新たな基準案について意見公募の期間を設けた。年内に最終規則を決定する見通し。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/705.html#c1

[国際23] 中国・北朝鮮・イランが強硬策に出かねないトランプ外交の危うさ(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年8月22日 19:26:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1285]

ワールド2018年8月22日 / 18:23 / 29分前更新
インタビュー:イラン制裁再開、想定以上の効果=ボルトン氏
1 分で読む

[エルサレム 22日 ロイター] - ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、米政権が今月再開した対イラン制裁について、想定以上の効果が上がっているとの認識を示した。訪問先のイスラエルでロイターのインタビューに応じた。

ボルトン補佐官はロイターに「制裁再開は既に、イランの経済や同国世論に対して、かなりの影響を及ぼしているとみている」と述べた。

イラン経済は高失業率と高インフレに見舞われ、通貨リヤルは4月以来、価値が半減した。制裁再開で状況が一段と悪化する可能性がある。最近は食品価格高騰や失業、汚職に抗議するデモが発生している。

補佐官は「(制裁再開の)経済への影響は想定していたよりも大きい」と指摘。一方、イラクやシリア、レバノン、イエメン、ホルムズ海峡を例に「域内におけるイランの行動は引き続き好戦的」と批判した。

また会見では、「イランの体制変更は米国の政策ではない。われわれが求めているのはイランの行動が大きく変わることだ」と述べた。

ボルトン氏は5月、イランの政権交代は米トランプ政権の政策ではないと述べていた。


 

ワールド2018年8月22日 / 13:43 / 25分前更新
インタビュー:トルコ危機、牧師解放なら即終了=米補佐官
1 分で読む

[エルサレム 22日 ロイター] - ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、トルコが拘束している米国人牧師を解放すれば、米国との危機は即座に終わる可能性があるとの見方を示した。

同補佐官は、カタールによる援助はトルコ経済の支援には不十分との見解も示した。

イスラエルを訪問中のボルトン補佐官はロイターとのインタビューで、「トルコ政府はブランソン牧師を解放しないとという大きな過ちを犯した。西側の一員である北大西洋条約機構(NATO)加盟国として正しい行いをし、牧師を解放すれば、この危機は即座に終わる可能性がある」と述べた。

米国はトルコのNATO加盟を問題視するかとの質問に対しては「今のところ問題ではない。ブランソン牧師をはじめトルコ政府が不当に拘束している米国人の問題を重視しており、いずれ解決すると見込んでいる」と答えた。

カタールがトルコに150億ドル規模の支援など経済援助を行う方針だが、ボルトン補佐官はトルコ経済の支援には不十分とし、状況を注視すると語った。

 

 
外国為替2018年8月22日 / 19:08 / 14分前更新
トルコで拘束の米国人牧師の弁護士、憲法裁に上訴する方針
1 分で読む

[イスタンブール 22日 ロイター] - トルコ当局に拘束されている米国人牧師、アンドリュー・ブランソン氏の弁護士は22日、トルコ憲法裁判所に上訴する方針を示した。トルコ・イズミル県の裁判所は先週、牧師の釈放を求める訴えを却下した。

ブランソン氏はテロを支援した罪などに問われ、21カ月間拘束されている。現在は自宅軟禁に置かれている。トランプ米大統領はブランソン氏の解放を要求、それを拒むトルコと対立しており、トルコの通貨リラが急落するなど、世界の市場を揺るがす事態となっている。

ブランソン氏の弁護士は、トルコ国内での法的手段が尽きた場合、必要があれば欧州人権裁判所(ECHR)に訴えを起こすとしている。



 


 

コラム2018年8月22日 / 18:13 / 37分前更新
コラム:トランプ政権「孤立主義」が脅かすドルの覇権
Jamie McGeever
2 分で読む

[ロンドン 21日 ロイター] - トランプ米大統領の就任以来、世界の中央銀行の外貨準備におけるドルの比率が縮小している。主因は為替レートの変化だが、米国の孤立主義がその縮小を加速させる可能性がある。

トランプ政権は貿易戦争と通貨戦争の両面で「米国第一」主義をますます強めている。地政学的な亀裂が深まって実際の戦争に発展しかねない情勢であり、各国中銀はドルの保有を減らそうと考えるかもしれない。

イラン、ロシア、トルコといった国々は既にドルへの依存を減らす方法を探っている。外貨準備の使用制限という形で、米国から制裁を科されるのをかわすのが1つの狙いだ。

ありていに言うなら、一部の国々は米国がドルの準備通貨としての立場を利用して自国を鞭打つのを恐れているのだ。

準備通貨になるには規模、安定性、安全性、流動性という4つの条件を満たす必要がある。4つすべての条件をほぼ満たせるという点で、ドルに肉薄できる通貨はほかにない。だからドルは50年間にわたって世界の準備通貨に選ばれ続けた。

国際決済銀行(BIS)によると、外為取引の88%をドルとその他通貨の取引が占めている。石油、金属、貴金属など国際商品の貿易はドル建てで行われている。アナリストの推計では、石油貿易の80%超がドル建てだ。

しかしその全能ぶりが永続するわけではない。

外貨準備の権威として知られるカリフォルニア大バークレー校の経済学教授、バリー・アイケングリーン氏は、準備通貨としてのドルの凋落が加速するシナリオを描いている。

きっかけは米国とその同盟国との外交・軍事上の絆が弱まることだ。ドルの「安全保障プレミアム」が失われれば、米国に依存する国々の外貨準備におけるドルの比率は30%ポイント低下しかねないと教授は試算する。

つまり米国が孤立化の道を進み続けるなら、7500億ドル以上のドル建て資産が売りに出される可能性がある。しかもこれは同盟国だけの数字であり、米国と敵対する国々は言うに及ばずだ。

国際通貨基金(IMF)のデータによると、世界の外貨準備高は3月末時点で11兆5900億ドル。トランプ氏が米大統領選に勝利した直後の2016年12月に比べて8%増え、14年に記録した過去最高の11兆9800億ドルに迫っている。

その中でドルの比率は62.48%と、16年12月の65.34%から縮小し、過去4年で最も低い。通貨アナリストの推計では、ドル相場がこの間12%下落したことが、シェア縮小の大部分の要因だ。

米財務省の先週のデータによると、米国債の保有額は、世界第2位の日本が6月時点で1兆0300億ドルと、2011年以来の低水準だった。

日本は米国と敵対しているわけではない。しかし米国との関係が危うく、ちゅうちょなくドル建て資産を手放しそうな国はほかにいくらでもある。

例えばイランは何年も前から、石油輸出の一部をドル以外の通貨で決済している。ロシアや中国も米国との関係が悪化している。

トルコも同じだ。そして同国経済は、最近のリラ安によって間違いなく打撃を被る。

最大の対米債権国である中国は1月、人民元建ての石油先物を導入した。ゆくゆくは北海ブレントや米WTIと並ぶ世界の石油価格指標となる可能性がある。

とはいえ、それは中国が資本を自由化することが前提条件だ。従って、各国中銀の外貨準備がすぐに大きく変化することはないだろう。ただ、外貨準備としてのドルの座が、過去数十年間で最も危うくなっていると考える根拠は十分にある。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/705.html#c2

[経世済民128] 「年金分割」はマストに…専門家語る離婚時のベストな受給法(女性自身) 赤かぶ
2. 2018年8月22日 19:43:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1286]

>夫の60歳までの10年間の平均年収が600万円だったとすると、年額約43万円になりますので、10年我慢して増えるのは年額15.6万円ほど
>提案するのが50歳で離婚してからの就職 月収20万円、手取り14万円の会社に就職

まずは離婚せずに、家庭内別居状態を作り出して、就職して稼ぐ手もある

その間に、相手が変われば問題は解消する


さらに経済的に理想的なのは、

より年収が高い相手を見つけて、自分も、高い年収を稼ぐことだが


いずれにせよ、自分の精神レベルや、能力が低い場合は、

苦悩が尽きないのは、いくら経済的に恵まれていても、常に変わらない話だ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/261.html#c2

[経世済民128] 高齢者「お金のことで子供には迷惑かけたくない」 だが現実は?(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年8月22日 19:54:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1287]

>お金のことで子供には迷惑かけたくない

他人に迷惑をかけても子どもに損はさせたくないというのが最近の常識らしいが

>75歳から10年払いで手厚い特約付きの介護保険(終身保障型)に加入する場合、掛け金総額はざっと300万円ほど見ておく必要がある。夫婦2人なら600万円

600万なら大した金額ではないが、


欧州では、既に一般化しつつあるように

長生きに執着せず、仮に要介護になったら死ぬと決めておけば

大した金は必要はない

>これで子供たちは葬儀代を払わなくていいはずだ」と思っていても、掛け金を多く払うほど葬儀は盛大になり、結局、多額の追加費用が請求される

葬式費用など、普通に行えば、僧侶を呼んで墓を作ったところで高が知れているが

葬儀のプランを事前に作っておけば問題など生じないし

全て省略し、散骨と決めておけば、せいぜい10万程度で十分
http://sougi-kawaguchi.jp/price
火葬のみシンプルなお葬式 
¥88,000〜

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/262.html#c1

[経世済民128] インタビュー:地銀収益悪化、日銀のせいにしても仕方ない=金融庁長官(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2018年8月23日 16:48:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1288]

別に金融庁長官が日銀を擁護する義理はない

まあ、他人ごとだからかもしれないが

正論だな


何度も言っているように

既にビジネスモデルは破綻しているのだから

他のビジネス同様、地銀自身が改革すべきという当り前の話だ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/265.html#c4

[経世済民128] 「2020年以降、不動産価格や建築費は下がる」は本当か(Forbes JAPAN) 赤かぶ
1. 2018年8月23日 16:57:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1289]

下に引用するように、前回同様、今後、米国を中心とした世界的な負債バブルが弾け、

多くのリスク資産の下落が、世界の需要を減らし、日本にも影響を与える可能性は小さくはない


ただし前回と違って、中央銀行の機能は強化され、市場も強化されているから

大都市の優良物件で大幅な値下げが起こるといった、甘い期待を抱くと失敗するだろう


もちろん、地方の住宅地の不動産は下がり続けるだろうが、あまり意味はない

 

 


世界経済、5年以内のリセッション確率は70%ーPIMCO
Andreea Papuc、Ruth Carson
2018年8月23日 6:53 JST
• 量的緩和はすべての船を押し上げる上げ潮だった
• 金融政策という点で現在の環境は過去に前例を求めることができない
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、世界経済が5年以内にリセッション(景気後退)に陥る確率を70%とみている。米国や欧州での超緩和的な金融政策が終わるためだ。
  PIMCOで非伝統的戦略の最高投資責任者(CIO)を務めるマーク・サイドナー氏は、金融政策が緩和から引き締めに転じるに伴い投資家はボラティリティーの高まりを覚悟する必要があると警告した。伝統的な資産が割高であるため、プライベート市場に避難場所を見いだすことができるだろうと、投資経験30年以上の同氏がシドニーで開催された会議で述べた。
  「世界への投資とグローバルポートフォリオを考えているなら、今後3−5年の間に景気後退の可能性があることを織り込まなければならない」と語った。「量的緩和はすべての船を押し上げる上げ潮だった。金融政策と今後の緩和解除の可能性という点で、現在の環境は過去に前例を求めることができない」とも指摘した。

  低金利、妙味のない信用スプレッド、高い株価バリュエーション、フラットなイールドカーブという現在の環境において、投資を柔軟に決定できる余地は少ないと同氏は主張。「プライベート市場での機会は拡大し続けており、投資家にとっては非常に重要で高い利益が見込め、実りある分野だと考えている。5−6%ではなく、10−12%のリターンが望める」と述べた。
原題:Pimco Veteran Says Recession Possible in as Early as 3 Years (1)(抜粋)


 

 


米株「史上最長」の強気相場を疑う
強気相場がどれだけ長く続いているかはどうでもいい話だ――利益が出ている限りは

長期にわたり大きな強気相場が続いていることに投資家は注意を払うべきだ PHOTO: DREW ANGERER/GETTY IMAGES
By
James Mackintosh
2018 年 8 月 23 日 12:10 JST 更新
――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
***
 22日に3453日の新「記録」をつけた強気相場が史上最長であることを、米大型株の投資家は何の疑問も持たずに信じていることだろう。1990年や98年、あるいは2011年の出来事を細かく見れば「けち」をつけることはできるが、先見の明(めい)と運に恵まれ、09年3月9日の安値から320%超上昇した期間にS&P500種株価指数を保有していた投資家は、気にとめないはずだ。
 投資家にとって本当に重要なのは、相場が長期にわたり大きく、本当に大きく上昇したことだ。しかし、強気相場と新記録に集まっている注目の度合いからすると、「史上最長」だという主張について少しけちを付けてみる価値はある。
 弱気相場の定義は直近の高値からの20%の下落とされ、強気相場は通常、次の弱気相場入り前の最低からピークまでを測る。
 この基準によれば、米市場全般が強気相場に入ったのは11年10月になってからだ。当時は大半の株価指数が弱気相場に戻っていた。つまり、同年につけていた金融危機後の高値から20%下落していたのだ。
主な市場の株式相場(ドルベース)
2009年3月以来の強気相場で、米株市場は他国・地域の株式市場より大きく上昇した

Source: Thomson ReutersNote: Weekly data through Aug. 21; Indexes are MSCI Emerging Markets, Topix, MSCI EMU, FTSE 100

 S&P1500、ラッセル1000、ラッセル3000、ウィルシャー5000は、米国の信用格付け引き下げとユーロ圏危機を受けて急落した比較的小さい銘柄に足を引っ張られた。

 S&P500指数そのものは、金融危機後の高値(終値ベース)から11年10月の安値(同)への下落率が19.4%だったが、これにさえけちをつけることはできる。日中高値と安値を使うと下落率は21.6%と、弱気相場の基準を満たしていたことになる。多くの投資家にとっては強気相場どころかパニックの再発だったに違いない。

 いずれにせよ、今日で記録が成立するかどうかには疑いの余地がある。終値に基づけば、1987〜2000年にS&P500指数で弱気相場はなく、間違いなく最長の強気相場だった。日中株価で見ると90年と98年に弱気相場があったが、それでも11年以来の強気相場より長い。

 だが強気相場がどれだけ長く続いているかなどという議論は経済史学者のたわごとで、利益が出ている限りはどうでもいい話だ。そして米株は大きな利益を生んできた。09〜11年には他市場と足並みそろえて上昇したが、その後の上昇は抜きんでている。ドルベースで見ると、英国、ユーロ圏、日本、新興国市場の株価が09年の安値(新興国市場の底打ちは数カ月早かった)から約2倍に上昇しているのに対し、米株は4倍になった。

 ドルが、少なくとも他の主要通貨に対して下落しているということではない。確かに通貨が弱ければ、その通貨建ての株の追い風になる。例えばカラカスの証券取引所の株価は今年1万7266%上昇していた(ベネズエラはその後、ハイパーインフレ対策としてボリバルを切り下げた)。しかし、大半の通貨に対するドル相場は09年の安値から強含んでおり、インフレもほとんどない。

 ハードカレンシー(国際決済通貨)通には独自のクレームがある。英ポンド、ユーロ、円も超低金利と量的緩和によって弱含んできたため、本当の尺度はドルで実際に何が買えるかだ、という説だ。S&P500指数の上昇を金や原油で測れば、ドルで測った時よりもずっと小幅だ。それでも約3倍になっており、上昇は全て11年以降が占めている。

 どの尺度を使おうと、長期にわたる大きな強気相場はあったし、私たちはそれに関心を持つべきだ。投資家は最近あった出来事に大きな影響を受け、それを未来に当てはめ過ぎる傾向がある。強気相場につきものの危険はそれが過剰に続き過ぎることだ。
 投資家は金融危機が記憶に新しい間は慎重だったが、その自制心はとうに消え去った。期待先行の投資が復活しており、行き過ぎの兆しは簡単に見つかる。企業のレバレッジを好感する株主、ジャンク債や制約の緩い融資の保有を増やす投資家、テスラのような投機的な株やウーバーのような未公開企業が簡単に巨額の資金を調達できる安易さなどだ。
 しかし、そうした行き過ぎにもかかわらず、本当のバブルはまだ見当たらない。99年のITバブルや06年の住宅バブル規模のものとなると確実にない。長期的なブームが持続不可能な繁栄やフロス(小さなバブル)に終わるとは限らないが、歴史はそうしたケースが多いことを示唆している。
関連記事
快走続ける米株市場、日中欧を置き去りに
史上最長の強気相場、米国株投資家の心得とは

 

 

 

米金融当局者、リスクに関する議論白熱−9月後の利上げ巡り
Craig Torres
2018年8月23日 10:52 JST
追加利上げが近く適切になる可能性が高いとFOMC議事録
トランプ大統領の圧力や貿易政策が当局の見通しを複雑化

米金融当局者らが来月の利上げを準備する中、今後、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標をどこまで引き上げるかを巡る当局者の議論が熱を帯びている。

  当局者らはインフレ率が既に当局目標の2%を若干上回る中で、力強い労働市場と堅調な経済成長を見込んでいる。しかしその一方で、貿易摩擦や財政刺激の漸減に加え、長期の景気拡大局面で低金利が長引く間に高まる傾向がある潜在的な金融不安定化リスクといったマイナス要因も存在する。

  22日公表された連邦公開市場委員会(FOMC)会合(7月31日−8月1日)の議事録は、「政策緩和をもう一歩解除するのが近く適切になる可能性が高い」とし、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が来月利上げを予定していることについて疑問の余地をほとんど残さなかった。

  元FRBシニアアドバイザーで、現在はUBSセキュリティーズで米国担当チーフエコノミストを務めるセス・カーペンター氏は、「どのくらい利上げをするかについて当局者らが議論しているのは明らかだ」とした上で、「彼らはリスクと、3つか4つの分野の貿易による下振れリスクについて多く語った」と述べた。

  利上げのシグナルはトランプ大統領が注視する中で出された。パウエル議長を指名したトランプ大統領は先月のインタビューで、利上げは「うれしくない」と述べていた。

  9月に0.25ポイントの利上げが行われれば、FF金利誘導目標は2.0−2.25%のレンジとなり、当局者らが推定する中立金利レンジ2.3−3.5%の下限に迫る。中立金利は経済の加速も減速も促さない金利水準を意味する。

  議事録は政治問題には言及しなかったものの、トランプ大統領の政策に起因する下振れリスクを巡る議論が多く交わされたことが示された。当局者全員が貿易問題を「不確実性とリスクの重大な源」とみていた。

一時停止の兆候ほとんど見られず
  
  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミストのマイケル・フェロリ氏は、当局者らが利上げサイクルを一時停止する兆候はほとんど見られないと指摘する。実際、金利誘導目標の「さらなる漸進的な引き上げ」が政策目標と「合致するだろう」との議事録の文章では、引き上げは複数形が使われていた。

  マクロポリシー・パースペクティブスのシニアエコノミスト、ローラ・ロスナー氏は、「議事録から分かることは、彼らが中立金利の推定レンジへと間もなく突入するということだが、いつ利上げを停止するかは明らかでない」とし、「しかし、引き締めに関しては、当局者らは踏み込み不足より行き過ぎの方をより懸念していると思う」と述べた。

  議事録で、「かなり近いうちに」政策スタンスを緩和的と表現するのをやめるのが適切になる可能性があると多くの当局者が指摘していることも、こうした見方を裏付ける。
 

原題:Fed Debate on Risks Intensifies Around Post-September Rate Hikes(抜粋)

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米国経済、家計貯蓄が意外な「防波堤」に

米国の家計貯蓄率が大幅に上方修正されたため、一部のエコノミストは個人消費の減速ペースが以前の想定より緩やかになるとみている PHOTO: CALLAGHAN O'HARE/BLOOMBERG NEWS
By
Paul Kiernan
2018 年 8 月 21 日 04:14 JST
 米国経済が直近2回のリセッション(景気後退)に陥る前、家計は無防備だった。数年にわたり株式や持ち家など資産価値の上昇が続き、雇用見通しが改善する中、貯蓄はあまり必要ないと消費者は考えていた。
 そのため2001年と07年からの2回のリセッション時に失業率が上がり、資産価値が下がると、消費者は支出を厳しく引き締め、経済は収縮した。
 数週間前まで、一部のエコノミストは歴史が繰り返されることを警戒していた。足元の景気拡大局面が10年目に入り、貯蓄がまたもや流行遅れになったことを政府の統計が示唆していたためだ。
 だが、新たなデータでその構図が変わった。商務省経済分析局(BEA)が先月発表したデータの改定値で、家計が数年にわたり、はるかに多くの貯蓄をため込んでいたことが分かった。

米国の世帯は以前考えられていたよりはるかに多くを貯蓄に回しているようだ。左グラフは家計貯蓄率の推移(水色:修正前、青:修正後)
 今年1-3月期だけをとって見ても、BEAは個人貯蓄率の推計を従来の3.3%から7.2%へと倍以上に引き上げた。この数字は1990年代の平均貯蓄率である6.4%を上回る。直近の底である05年の2.5%に比べると3倍近い。
 1-3月期分の上方修正だけでも、年率にすると貯蓄が6135億ドル(約67兆7400億円)増えたことになる。これは フォード・モーター のピックアップトラック「F150」2000万台超、もしくはアップルの高級スマートフォン「iPhone X(アイフォーン・テン)」6億台余りを購入できる額だ。
 経済データがやや修正されることはよくあるが、今回の個人貯蓄率の見直しは少なくとも2002年以来の大幅修正となった。
 エコノミストのジョエル・ナロフ氏は「素晴らしい修正だ」と語る。同氏は最近まで「ほぼ金欠状態」にある米国の消費者が経済見通しの主なリスクだと考えていた。だが、今では状況は「はるかにネガティブではなくなった」と述べた。
 エコノミストらは、07〜09年のリセッションで痛手を負った消費者が貯蓄を決意した可能性が高いとみている。リセッションは数百万人の失業を招き、住宅の価値は決して下がらないという信念を覆した。
 この仮説を支えるのは、失業率が半分に下がり、株価が跳ね上がったにもかかわらず、修正された貯蓄率が13年からほぼ変わっていないという事実だ。
 この点について、 JPモルガン の首席米国エコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「マクロ経済のより確かな規則だと考えられてきた」資産効果に逆行すると指摘する。家計の資産が増えると消費が増え、貯蓄は減るというのが資産効果の理論だ。
 金融危機前に観察されたような資産効果が仮に展開されていれば、貯蓄率は2%前後で、個人消費の伸びは年率にして今より0.5%程度高かったはずだと、フェローリ氏は指摘。同氏は、倹約志向がやや高まった」とし、「人々は以前より慎重になり、逆境が訪れる可能性があるという認識も少し高まったのかもしれない」と語った。
 家計の行動が長年の定石に逆行する中、エコノミストらはこの貯蓄傾向が個人消費と経済成長に及ぼす意味を解き明かそうとしている。
 4-6月期の米個人消費は年率換算で4.0%増だった。エコノミストらは、今後はトランプ政権が実施した減税の効果が薄れるため、このペースは持続しそうにないと考えている。
 貯蓄率の上方修正を受けて、一段と緩やかな消費減速を見込むようになったエコノミストもいる。 ゴールドマン・サックス は、19年半ばまでの個人消費伸び率について、従来の年率2.0%から2.4%に予想を引き上げた。自動車、医療、その他の財・サービスへの出費が以前の想定より580億ドルほど多くなるとの予想に基づく修正だ。
 フェローリ氏は消費についての予想を据え置いたが、貯蓄率が上方修正されたことで、家計の状況が前回のリセッション前ほど逼迫(ひっぱく)していないとの安心感を得たと述べた。このことは経済に一段の弾力性があることを示唆している可能性がある。

 それより慎重な見方もある。スタイフェルの首席エコノミスト、リンジー・ピエザ氏は「消費者の足場は以前の想定よりもやや強いかもしれない」として、基本的に雇用と所得が消費を押し上げているとの見方を示した。ただ同氏の見方では、失業率の低さを踏まえると賃金の伸びは驚くほど緩やかだ。そのため、今年下半期に個人消費が減速するとの予想を維持している。
 低・中間所得層の家計状況が以前の想定に比べ大きく改善したかどうかも不明だ。この層は所得の大半を出費する傾向がある。BEAが貯蓄率を修正するきっかけになった新たな所得の大部分は賃金ではなく、金利や配当、あるいは事業主の利益だ。
 この点を踏まえると、新たに判明した貯蓄はより裕福な世帯に集中している可能性がある。
 ナロフ氏は「この国の所得循環のばらつきが貯蓄率を押し上げているのかもしれない。(中略)低・中間所得層の貯蓄が大幅に増えているというわけではない」と述べた。
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快走続ける米株市場、日中欧を置き去りに

独走する米株市場2009年3月以降の各指数の上昇率Source: FactSet
S&P 500日経平均香港ハンセンストックス欧州 600上海総合

By
Steven Russolillo and Mike Bird
2018 年 8 月 23 日 10:50 JST 更新
 米国株式が史上最長の強気相場を記録するなか、他市場の投資家はここまで恵まれた状況にはない。
 金融危機の最中にあった2009年3月9日にS&P500種株価指数が底値を付けて以来、世界の主要株式市場は同指数の後じんを拝している。
 日本、中国、欧州の株価指数は米株に比べて出遅れ、ポルトガルとギリシャの市場は9年半前よりも低い水準にある。新興市場の広範な動きを示す指数の上昇率はS&P500の半分にも満たない。
 こうした格差は、米経済の力強さの証しでもある。米国と同国の銀行業界は、欧州よりも急速に金融危機から回復した。一方で日本は依然として、数十年続いた低迷期から脱する過程にある。そして、テクノロジーが世界の構造を変える中にあって、アマゾンやフェイスブックのような巨大ハイテク企業の躍進による利益を米国以上に享受している国はない。
 今回の米株の強気相場は、従来の常識を覆すものでもある。これまでは、発展段階にある高リスクの国に踏み込んだ投資家こそが、そのリスクに応じた大きなリターンを得るとされてきた。
 JPモルガン・アセット・マネジメントのストラテジスト、ハナ・アンダーソン氏は「米国は金融危機で最初に打撃を受けた国であると同時に、最初に回復し始めた国でもある」と指摘。「米国で強気相場が既に進行していた時、他の市場はまだ多くの苦難の中を歩んでいた」と語る。
 米国と他の国・地域の差は今年に入って一段と顕著になった。米経済は2018年第2四半期に約4年ぶりの高い成長率を記録し、企業利益は急増している。それが他市場を突き放す要因となっており、今後も続く可能性があるとみる投資家も多い。BNYメロンのサイモン・デリック氏によると、S&P500指数と日英独仏の各市場の相関性がこれほど低くなった例は過去20年間で2回しかなかった。
快走するハイテク株
MSCIオール・カントリー・ワールド指数の各セクターのパフォーマンス

Source: FactSet

 米国株の上昇に寄与してきたのがハイテク株だ。今回の強気相場(通常は20%の調整に見舞われない上昇局面と定義される)の間、ハイテク株は他のどのセクターも上回るパフォーマンスを見せてきた。ハイテク企業はS&P500指数の4分の1以上を占めるが、ストックス欧州600指数に占める比率は5%を若干下回る程度だ。
 S&P500は9年前に底を打って以降、320%上昇している。これに続くのが日経平均株価の200%強の上昇。香港ハンセン指数は約150%の上昇となっている。
 一方、中国本土の上海総合指数は2009年3月からの上昇率が27%にとどまる。米中貿易摩擦がエスカレートするなか、ここ数カ月で両国の株価は一段と差が広がっている。上海株は今夏に弱気相場入りした。
 新興市場も弱さが目立つ。MSCI新興市場指数は米国株が強気相場に入ってから約150%上昇したが、最近は値崩れを起こしており、弱気相場とされる領域にまで下げている。

 一部の投資家は、米国株のバリュエーションが高過ぎると懸念している。トムソン・ロイターによれば、S&P500の予想PERは18倍と過去10年の平均を大きく上回っている。対照的に、上海総合指数の予想PERは10.2倍にとどまり、ストックス600は14.5倍となっている。
 BNPパリバ・アセット・マネジメントのギレルモ・フェリセス氏は、米株市場とそれ以外の市場のリターン差は縮小する公算が大きいと指摘。「景気循環はより成熟しており、金利は上昇し始めている。それは、米国市場のアウトパフォーマンスをより難しくする」と語った。
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コラム2018年8月23日 / 14:50 / 2時間前更新
コラム:トランプ・リスクを侮る米金融市場の慢心
Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米金融市場は慢心に浸り、トランプ大統領が引き起こしかねない相場急変のリスクを侮っている。

21日はトランプ陣営の元選対本部長のポール・マナフォート被告が有罪の評決を受け、トランプ氏の個人弁護士だったマイケル・コーエン被告も脱税などの罪を認める証言を行ったが、トランプ氏は輸入自動車への関税導入を改めて警告した。中国からの輸入品5000億ドルに関税を課す恐れもある。

マナフォート被告とコーエン被告の裁判から、大統領に対する法的、政治的な圧力が著しく高まっている状況が鮮明になった。コーエン氏は、トランプ氏が2016年の大統領選挙中に、トランプ氏と不倫関係を持ったと主張する女性2人に対して口止め料を支払うようトランプ氏から指示を受けたと証言。選挙資金法違反などの罪を認めた。

コーエン氏の弁護士によると、コーエン氏はロシア疑惑を調査しているモラー特別検察官に協力する用意があるという。

マナフォート氏はロシア疑惑を巡る調査の過程で不正行為が発覚。2010年のウクライナ大統領選に絡む脱税などの罪を認めた。

トランプ氏は21日の演説で元側近の裁判には言及せずに、輸入自動車に25%の関税を課すと強調した。ただ、通商交渉が続く間は関税の導入は棚上げされる見通しだ。自動車業界の試算によると、25%の関税が発動されれば1台当たりの輸入新車のコストは6000ドル上昇し、国産車も2000ドル上がるという。

トランプ氏は怒りにまかせ、また国民の目をそらす必要から、もしくはその両方によって、中国からの輸入5000億ドルに関税を課すとした7月の発言を実行に移すかもしれない。米政府は23日に制裁関税の対象となる中国製品の範囲を拡大して規模を500億ドル相当とする一方、さらに2000億ドル相当の中国製品への課税について公聴会を開いている。

米金融市場は今のところ経済へのリスクを無視しているかのようだ。S&P総合500種指数、ダウ工業株30種平均、ナスダック指数の主要株価指数は22日朝方は小幅な下げで、ドルと米国債は小高く推移している。米経済は堅調だが、不安はぬぐえない。大統領補佐官だったマイケル・フリン氏はモラー特別検察官の捜査に協力している。

コーエン被告が有罪を認めたことで、中間選挙で民主党が下院を制すればトランプ氏が弾劾に直面する可能性も高まる。モラー特別検察官を解任したり、マナフォート被告に恩赦を与えたりすれば、反発を食らうだろう。追い詰められたトランプ氏は、繁栄の日々をリスクにさらしている。

●背景となるニュース

*ロシアの米大統領選干渉疑惑を端緒にした捜査で詐欺などの罪に問われたトランプ陣営の元選対本部長、ポール・マナフォート被告の審理で、バージニア州連邦地裁の陪審は21日、起訴された18の罪のうち8つの罪について有罪の評決を下した。

*一方、トランプ氏の元個人弁護士、マイケル・コーエン被告は21日、ニューヨーク連邦地裁で、2016年の大統領選挙中にトランプ氏との不倫関係を主張した2人の女性に対し、トランプ氏の指示で口止め料を支払ったと証言。口止め料を巡る選挙資金法違反のほか、脱税、銀行に対する詐欺罪などの罪を認めた。

*トランプ氏は21日、ウェストバージニア州での演説でこうした動きには言及せず、欧州連合(EU)から輸入する車に25%の関税を課すと述べた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 

 


トップニュース2018年8月23日 / 14:05 / 1時間前更新
アングル:米国債に利回り高騰リスク、外国人の買い疲れで
2 分で読む

[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米国債に対する外国人投資家の買い疲れが見え始めている。財政赤字が拡大を続けて2年以内に1兆ドルに達すると予想される中で、外国人による吸収力が鈍れば、いずれ利回りが跳ね上がる危険がある。

インベスコのチーフ・グローバル・ストラテジスト、クリスティナ・フーパー氏は、外国人の米国債投資意欲の弱まりについて「利回りを押し上げる強力な要因になる」と懸念する。

実際ロイターが入札データに基づいて計算したところ、7月の海外勢の購入額は少なくとも2009年以降で最小にとどまった。

外国人が買いを手控えるとすれば、米政府は国内の銀行、資産運用会社、プライマリーディーラーにより多く引き受けてもらい、利回りの高騰を避ける必要が出てくる。

足元まで米国債市場に深刻な影響は見られない。指標の10年債利回りは5月に3%の節目を超えて約7年ぶりの高水準を付けた後は、落ち着きを取り戻している。

コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニア金利・通貨アナリスト、エド・アルフセイニ氏は「徐々に外国人の米国債購入は少なくなってきているが、国内投資家が入ってきて、その穴を埋めている」と話した。

アナリストによると、米国と中国などの貿易摩擦や、トルコおよびイタリアの政治情勢を巡る懸念で、安全資産としての米国債需要が存在することも、利回りを抑える一因となっている。

5月半ばに3.13%まで上がった10年債利回りは22日、2.82%で推移している。

<不安残る先行き>

毎月の米国債入札における外国人購入の比率は、財務省が2月に発行量を増やして以降低下している。第2・四半期にドルが予想外に反発して外国人の買い手にとってヘッジ費用が高まった面もある。

7月の米国債入札で外国人は計165億7000万ドルを買ったが、これは少なくとも09年以来で最低の水準だ。財務省が16日公表したデータで、6月は外国人の米国債投資が売り越しに転じたことも分かった。

国別で米国債投資家としてトップ1、トップ2の中国と日本は、6月の保有高がそれぞれ今年2月以来、2011年10月以来の低水準となった。また日本政府のデータを見ると、5月に米国債を2兆0710億円を売り越した日本勢は6月も4558億円の売り越しだった。

日本などの外国投資家にとっては、ヘッジ費用の関係で米国債保有コストが割高化している。

もっとも米国債の相対的な利回りの高さは依然として日本勢や欧州勢には魅力がある。ロイターのデータによると、10年債を比べれば米国は欧州より2.50%ポイントほど、日本よりは約2.75%ポイントも高い。

一方で7月は米国の債券運用会社の入札における購入額が9205億ドルと全体の54%を占め、過去最高の比率に達した。発行増の大半が中短期債で、米国の投資家にとって妙味があるとアナリストは分析する。

ただし外国人の米国債買いが減り続けても、国内投資家がそれに見合うペースで購入を増やし続けるかどうかは定かでない。

インベスコのフーパー氏は「現段階では十分な買い手がいるかもしれない。だがこれから4カ月に対応できるほど確保できるだろうか」と疑問を投げ掛けた。

中国が対米貿易摩擦の報復手段として保有米国債を売却するとの懸念もくすぶり続けている。

(Richard Leong記者)

 

 

欧州金融株ETFを見限った投資家−記録的な資金流出
Carolina Wilson
2018年8月23日 9:33 JST
• 21日の欧州市場終了から間もなくして1億7830万ドル相当が流出
• 欧州の銀行株は足元で低迷−トルコへのエクスポージャーを懸念
誰かが欧州金融株で構成される上場投資信託(ETF)を見限った。トルコの影響だ。
  15億ドル(約1660億円)規模のiシェアーズMSCIヨーロッパ金融ETF(銘柄コード:EUFN)から21日に1億7830万ドルの資金が引き揚げられた。欧州市場の終了から間もなくして約900万口のまとまった単一の取引だったため、この記録的な資金流出は1人の投資家によるものとみられる。トルコへのエクスポージャーが懸念されて欧州の銀行株が足元で低迷する中、同ファンドは欧州株に連動する非レバレッジ型ETFとしては今年最低のパフォーマンスとなっている。
               

  トレーダーの教育機関トライベッカ・トレード・グループの創業者兼最高経営責任者(CEO)のクリスチャン・フロムハーツ氏は「この同ETFは安値から切り返していた。単独のファンドか投資家が手を引くためにこの戻りを利用した可能性がある」との見方を示した。
  資金流出が数カ月間続いていた同ETFには、投資家が底入れに賭けたとみられる1カ月ほど前に資金が再流入した。ただ、トルコの金融危機がユーロ圏や新興国市場へ波及するとの不安が広がる中、トルコへのエクスポージャーを抱えるイタリアのウニクレディトやフランスのBNPパリバ、スペインのバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)などの銀行が打撃を受けた。
  ジョーンズトレーディング・インスティチューショナル・サービシズのETF責任者、デーブ・ルッツ氏は、今週の資金流出は投資家が降参したか、ショート(売り持ち)ポジションの解消によるものかもしれないと指摘した。
原題:One Investor Pulled Record Cash From European Financials Fund(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/270.html#c1

[経世済民128] 中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
2. 2018年8月23日 17:08:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1290]

消費者物価指数より「動学的価格指数」の導入をバブル期の失敗を繰り返す日銀異次元緩和
ニュースを斬る
2018年8月23日(木)
澁谷 浩
 2013年に始まった日銀の異次元緩和(QQE)は過剰である。日銀は消費者物価指数(CPI)という静学的価格指数(1期間価格指数)に基づいた2%インフレ目標に固執し続けているが、筆者らが考案した動学的価格指数(多期間価格指数)によれば、日本経済は2013〜14年にはすでにデフレを脱却していた。
 本稿では、動学的価格指数に基づく新しい金融政策を提案すると同時に、日銀が近視眼的な静学的価格指数(CPI)に基づいて1990年前後のバブル期と同じ失敗を再び繰り返していることを実証する。
 筆者の議論の骨子は、短期的で静学的な価格指数であるCPIに代わる、最新の経済学の考え方を取り入れた長期的で動学的な価格指数を金融政策に導入するというパラダイムチェンジを提案するものである。
 この価格指数の導入によって、資産価格バブルによる金融危機以降、金融政策当局やエコノミストらの間で大きな議論になっている「資産価格と金融政策をどうリンクさせるか」という課題を同時に解決できる点も先に強調しておきたい。
【目次】
1. 日銀の政策目標と動学的価格指数
2. バブル期の金融政策失敗の原因
3. 金融不均衡を捉える動学的価格指数の有効性
4. 異次元緩和の限界と高まるリスク
5. 動学的価格指数に基づく新しい金融政策
1.日銀の政策目標と動学的価格指数
 企業経営者が、目先1期間の収益だけではなく、長期間の期待収益の現在価値を考慮して経営戦略を決めるべきことは、今では教科書に載るほどの常識となっている。実は、まったく同じ理由によって、日銀は1期間の生活費を測る消費者物価指数(CPI)ではなく長期間の期待生活費の現在価値を測る価格指数を情報変数として金融政策を実施すべきだと筆者は考える。
 1期間の視野しか持たない消費者物価指数(CPI)に基づく金融政策は、企業経営者が目先1期間だけの収益しか考えないで経営戦略を決定するのとまったく同じ近視眼的過ちを犯していることになるからだ。
 日銀の政策目標は「物価(通貨価値)の安定」を通じて国民経済の健全な発展に資することにある。ここでいう「物価」や「通貨価値」を測る価格指数は、経済理論によれば「ある一定の効用水準(生活水準)を得るために必要な生活費」として定義される。ここでいう生活費は、目先1期間の生活費ではなく、現在から将来にわたる長期間の期待生活費の現在価値と考えるのが理論的に正しい。なぜならば、1期間より長期間の生活費の方が包括的、普遍的、現実的であるのみならず、真のインフレ動向をより正確に測ることができるからだ。
中銀も「経営者の視点」で政策運営を
 そこで企業経営と同様に、中央銀行が長期的、動態的視点に立った金融政策を実行するために必要な情報変数として創られたものが、動学的価格指数である。CPIのような1期間の生活費を測る価格指数を「静学的価格指数」と呼び、長期間の生活費を測るものを「動学的価格指数」と呼ぶが、実は理論上、前者は後者の一部(部分集合)すなわち特殊形にすぎない。
資産価格をどう金融政策に取り込むか
 さらに、動学的価格指数は、2008年に勃発した世界金融危機以降、世界の中央銀行や経済学者の間で活発に議論されている「資産価格と金融政策の関係」についても明確な答えを提供するものでもある。多くの中央銀行によって資産価格の重要性が共通に認識されているにもかかわらず、資産価格の変動に金融政策はどのように対応すべきかという問いについては意見の一致が見られていない。
 金融政策の目標は「物価(CPI)の安定」なので資産価格を無視すべきだという意見から、資産バブルは金融危機を引き起こすので注視すべきだという意見まで、幅広く議論されている。動学的価格指数は、資産価格を多期間価格指数自体の内部に理論的に導入することによって、金融政策の観点から資産価格をどのように捉えればよいのかという未解決問題に対する一つの理論的回答を提供するものである。
2.バブル期の金融政策失敗の原因
 1ページで述べたように、日銀は消費者物価指数(CPI)という1期間の生活費を測る静学的価格指数を情報変数として金融政策を進めてきた。しかし理論的に正しい価格指数は、長期間の期待生活費の現在価値に基づいて真のインフレ動向をより正確に捉えることができる動学的価格指数の方である。
 したがって、中央銀行による正しい金融政策は、CPIのような静学的価格指数ではなく、より普遍的な動学的価格指数に基づいて実行されなければならない。誤った価格指数を政策判断のための情報変数として使うと、必然的に誤った金融政策へとつながるからである。
 筆者は、1990年以降のバブル崩壊時、資産価格を理論的に組み込んだ動学的価格指数を支出関数最小化問題の解として具体的な方程式の形で導出し、それを「動学的均衡価格指数(DEPI)」と名付けた(注1)。そして、DEPIによるインフレ率に基づいて、1990年のバブル発生前には過剰な金融緩和、そしてバブル崩壊後には過剰な金融引締めをすることによって、日銀は誤った金融政策を遂行していたことを示した。
 すなわち、日本の「失われた28年」の出発点となった1990年前後のバブル発生と崩壊の背景には、金融政策の失敗があったのである。

 バブル時における金融政策の失敗は、静学的価格指数(CPI)を使ってインフレに関する近視眼的な認知誤謬に基づいた政策判断をしたことに根本原因がある。実際、静学的価格指数(CPI)は1990年のバブル前後の期間を通じて比較的安定していた(図)。特にバブル前にはインフレの気配を全く見せていなかった(1989年の3%消費税導入の影響を除く)。
誤っていたCPI
 その結果、日銀は適切な金融引締めを実行することができなかったのである。しかも、1990年のバブル崩壊後は、CPIは減少を示すどころか逆に上昇している。バブル崩壊後の日本経済のデフレ状況について、CPIはインフレが発生していると誤ったシグナルを送ったのだ。
 一方、動学的均衡価格指数(DEPI)は1990年前(1986〜89年)には大きく上昇(インフレ)しており、1990年後には大きく下落(デフレ)していた(図)。すなわち、日銀は1989年12月に頂点に達したバブル前には緩和し過ぎ、そしてバブル崩壊後には引締め過ぎたことをDEPIは示しているのである。
 以上の点からも、金融政策のための情報変数として、CPIとDEPIのどちらが優れているか、CPIインフレ率とDEPIインフレ率を比較したチャート図を見れば明白であろう。実際、動学的均衡価格指数(DEPI)に基づいて正しい金融政策をしていれば、1990年前後のバブル発生と崩壊、さらにはその後の日本経済の長期停滞も防ぐことができた可能性が高い。
(注1) 澁谷浩、「動学的均衡価格指数の理論と応用−資産価格とインフレーション」、金融研究(日本銀行金融研究所機関誌)、第10巻第4号、1991年.
3.金融不均衡を捉える動学的価格指数の有効性
 今回、1991年に筆者が発表したDEPIに理論的改良を加えた新しい動学的均衡価格指数(DEPI)を使って、バブル期以降のDEPIインフレ率をアップデートしたのが前出のグラフである。新しいDEPIは、「資本の限界生産(資本生産性)=実質金利+資本の減価償却率」という均衡条件を利用することにより、資本生産性というファンダメンタルによる資産価格の上昇とインフレによる資産価格の上昇(バブル)を明確に区別することができるようになった(注2)。
 例えば、実質金利の上昇を伴う資産価格の上昇は、インフレではないのでDEPIは上昇しない。他方、実質金利の上昇を伴わない資産価格の上昇はインフレ(バブル)であり、DEPIは上昇する。さらに、実質金利の低下を伴わない資産価格の下落はデフレであり、DEPIは減少する。このように、動学的均衡価格指数(DEPI)によって真のインフレやデフレという極めて動態的な金融不均衡を正確に測ることができるようになった。
 日銀は消費者物価指数(CPI)を使って年率2%のインフレ目標を設定したが、いまだに目標を達成できずにいる。そもそも、CPIを構成する財・サービス価格は硬直的であることはマクロ経済学の常識になっている。実際、CPIによればアベノミクス以降インフレは発生しておらず、いまだにデフレから十分に脱却できていないように見える。
 確かに、サブプライム・ローン問題が発生した2007年から2009年にかけては日本経済においてもデフレ傾向が非常に強く、金融緩和は全く不十分であった。しかし、動学的均衡価格指数(DEPI)によれば、2013年以降、異次元緩和によって1980年代後半のバブル時代に次いで高い水準のインフレが発生していた(2ページの図参照)。
 すなわち、アベノミクスによる異次元緩和は、文字通り強力な金融緩和であり、2013年と2014年に2年連続10%以上のDEPIインフレを経験しており、日本経済はすでにデフレから完全脱却していたのだ。
 それにも関わらず、日銀は2%のCPIインフレ目標に固執して、過剰な異次元緩和を続けている。したがって、再び今回も、1990年のバブル期と同じように、誤った近視眼的価格指数(CPI)に基づいて、超金融緩和を誤って継続している可能性が高い。
 動学的均衡価格指数(DEPI)によれば、本来は、2013〜14年の異次元緩和をもっとマイルドなものにして、その代わりもっと持続性の高い金融緩和にすべきだったのである。そうすれば、DEPIを0%〜10%の間のプラス領域で安定して長期間維持できたはずである。しかし、あまりにも過激な異次元緩和をしてしまったので、その効果は一時的には大きかったが、その後急速に低下してしまった。結局、日銀の異次元緩和は過剰だったのである。
 今回の過剰な異次元緩和の結果として、どのような負の結果が日本経済にもたらされるのだろうか。前回のバブル期の失敗のように資産バブルと長期停滞が起こるのだろうか、それとも異次元緩和の出口戦略に伴う金融市場の混乱が日本経済にもたらされるのだろうか。いずれにせよ、金融政策の失敗にはそれ相応のコストが伴う。
(注2)

ただし、s=基準時、t=時間、p=CPI、q=資産価格、r=実質金利、δ=資本減価償却率、α=時間選好と生活費期間数によって決まるパラメーター。α=1の場合、DEPI=CPIとなる。すなわち、DEPIは普遍的な価格指数であり、CPIはDEPIの特殊なケースである。
4.異次元緩和の限界と高まるリスク
 異次元緩和によって、日経平均株価は2倍以上に上昇し、為替レートも円安に大きく動いたにもかかわらず、実質成長率(2013〜17年)は年率1.3%未満にすぎず、1990年以降の平均成長率1.0%とほとんど変わっていない。
 すなわち、日本経済の成長率はバブル崩壊後の長期停滞の水準から脱却できていないのである。しかも、2018年1〜3月期の成長率が9期ぶりにマイナスになった模様で、この状態が続けば異次元緩和後の平均成長率は1.0%に再び戻っていくと予想される。
 金融緩和によって、一時的に景気が良くなったとしても、長期的にはその副作用と景気後退によって相殺されることが知られている。これは、「通貨の長期中立性」と呼ばれているが、金融政策によって潜在成長率を上げることはできないことを意味する。今後やって来ると予想される景気後退と出口戦略に伴う悪影響(副作用)が、今回の異次元緩和に伴う内発的リスクである。
 さらに、世界経済に危機が起こり、日経平均株価が再び1万円に向けて下落し為替レートも円高になるようなことがあれば、ETFを大量に購入している日銀、国内外株の保有率を上げたGPIF、外債投信の保有を急増したゆうちょ銀行は大きな損失を被ることになる。また、金融政策はもうすでに限界近くまで緩和しているので、世界金融危機が再び起こった場合、それに適切に対処する手段としてはもう使えない。これが今回の異次元緩和に伴う外発的リスクである。
 今後、異次元緩和に伴う内発的リスクと外発的リスクにどう対処していくべきなのか、それが日銀にとっての最大の課題である。
 次に、ゼロ金利の下での異次元緩和は経済成長に大きな効果がないことを指摘しておく。ゼロ金利の下では、銀行にとって国債と日銀当座預金は完全代替資産になってしまう。そのため、いくら日銀が国債を購入しても、銀行は国債を売却して得た資金を企業に貸出すリスクは取らず、日銀当座預金に積み上げるだけに終わる。
 したがって、異次元緩和によりベース・マネーを増大させても銀行による信用供給の増大につながらない。信用供給が増大しなければ民間企業の経済活動も活発にならない。すなわち、ゼロ金利の金融緩和の下では、一時的にすら成長率を大きく上昇させることができなくなる。さらに付け加えれば、通貨供給ではなく信用供給を重視する新しい金融理論によれば、金利はそもそも経済活動の調整メカニズムとしては中心的役割を果たさない(注3)。
 政府と日銀は異次元緩和を始めた時、実質2%(名目4%)の経済成長率を期待していたと思われるが、それは(消費税率の影響を除くと)一時的にも実現しなかった。結局、デフレ脱却後も継続し続けた異次元緩和によって生み出されたのは内発的リスクと外発的リスクの増大である。
(注3) J.E. スティグリッツ・B.グリーンワルド(内藤純一・家森信善(訳))、『新しい金融論―信用と情報の経済学』、東京大学出版会、2003年.
5.動学的価格指数に基づく金融政策−DEPIターゲット・ゾーン
 最後に、過去の失敗から学ぶ将来の金融政策運営のために、動学的均衡価格指数(DEPI)に基づく新しい金融政策を提案したい。この新しい金融政策によって、経済の成長と安定という一見すると相反する二つの目標を同時に実現することが可能になる。
 世界の中央銀行の間で、資産価格に対して金融政策はどう対応すべきかという問題について現在2つの対立する立場が存在する。一つは、米連邦準備理事会(FRB)の成長重視の立場である。資産価格バブルを抑制するために金融引締めをすると企業のイノベーション活動による経済成長も抑制してしまうので、実際にバブルが崩壊した後に金融緩和で対応するのが望ましいという見解である。他方、国際決済銀行(BIS)の安定重視の立場は、資産価格の上昇で金融危機のリスクが高まるので、実際にバブル崩壊が起こる前に金融引締めが必要であるという見解である。
 FRBとBISの相対立する立場、すなわち成長と安定を両立できる金融政策の方法はないだろうか。これら二つの立場は一見対立しているように見えるが、実は必ずしも矛盾しているわけではない。すなわち、早すぎる不必要な金融引締めを回避することによって、企業のイノベーション活動による経済成長を最大限に可能にしながら、金融危機が起こる手前で金融引締めを実行すればよいのである。ただし、そのためには、資産価格のファンダメンタルとバブルの違いを区別できる情報変数、金融不均衡を正確に捉えることができる情報変数が必要になる。
 そこで、経済成長を抑制することなく金融危機を未然に防ぐための金融政策として、動学的均衡価格指数(DEPI)に基づいたターゲット・ゾーン政策を提案する。DEPIターゲット・ゾーン政策によって、資産価格バブルによる金融危機が起こらない程度にDEPIの変動を最大限に認めると同時に、DEPIがアウト・ライナーにならない範囲(ターゲット・ゾーン)に抑えることを目的とした金融政策である。具体的な数値は経験則に基づいて適切に決定されるべきものであるが、例えば、DEPIインフレ率の上限10%と下限0%をターゲット・ゾーンとした金融政策が考えられるだろう。
 DEPIターゲット・ゾーン政策の優れた点は、企業のイノベーション活動をできるだけ自由にさせるため資産価格バブルを容認する成長重視のFRBの立場と資産価格バブルによる金融危機を未然に防ぐ安定重視の国際決済銀行(BIS)の立場を矛盾なく両立統合できることにある。
 このようなDEPIターゲット・ゾーン政策が市場参加者によって信認されれば、上限または下限で実際に日銀が金融政策を通じて市場介入しなくても、DEPIインフレ率は自動的にターゲット・ゾーンの中にとどまることが理論的に知られている(注64)。なぜならば、市場参加者は、DEPIターゲット・ゾーン政策を念頭に自ら期待を形成し行動するからである。
 その結果、DEPIターゲット・ゾーンという新しい金融政策によって、金融システムが機能不全になるような金融危機(ブラック・スワン)を未然に防ぐことができると同時に、日本経済の長期成長率をより高い水準で維持することが可能になる。
 まさしく、動学的均衡価格指数(DEPI)に基づいた新しい金融政策によって、日銀の政策目標である「物価(通貨価値)の安定を通じて国民経済の健全な発展に資する」ことが実現可能になるのだ。
(注4) P. Krugman, “Target Zones and Exchange Rate Dynamics,” The Quarterly Journal of Economics, Vol. 106, No. 3. (Aug., 1991), pp. 669-682、参照. P.クルーグマンのターゲット・ゾーン理論は、為替レートのターゲット・ゾーン政策に関するものであるが、その理論モデルはそのまま金融政策にも応用できる。為替レート政策には、外貨準備残高による限界が存在するが、金融政策にはそのような限界がないので、より容易に市場参加者の信認を獲得できる。


このコラムについて
ニュースを斬る
日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。


 

 
オペ「ただし書き」ににじむ日銀の苦悩
2018/8/23 5:30日本経済新聞 電子版
 「日銀を当てにしたオペ(公開市場操作)への応札は禁止」

 長期国債の買い入れオペの対象者に対して日銀の金融市場局は8月、通知にこんな内容の「ただし書き」を付け加えた。「金利を低位に抑えつつも変動幅を拡大する」という難題を課された市場局の苦悩がにじむ。

 ただし書きは以下の2点だ。ひとつは国債補完供給を前提とした国債買い入れオペの応札はしないこと、そしてもうひとつは補完供給を前提にした国債応札があった場合、次の補完供給の応札に応じない場合があるということだ。

 国債補完供給とは、日銀が持つ国債を金融機関の求めに応じて一時的に貸し出すオペを指す。民間同士の取引で必要な国債がどうしても確保できない場合の「最後の手段」との立て付けだ。日銀から借りて日銀に応札するような使われ方は想定しておらず、日銀幹部は「これまでもオペ先に要請してきた内容を改めて示しただけ」と説明する。だが市場では、7月に発生した「巨額空売り」の再発を防止する狙いだとみられている。

 政策修正観測から金利に強い上昇圧力がかかった7月30日、日銀は無制限に国債を買い入れる「指し値オペ」を実施した。市場実勢より高い価格だったため応札が殺到し、1兆6400億円にものぼった。このうち1兆円以上が国債を手元に持たず、あとで調達することを前提とした日銀への「空売り」だったとみられる。空売り勢は国債を確保するため、まずレポ(現金担保付き債券貸借)市場に向かい、さらに翌日実施された補完供給に流れ込んだ。日銀はこれを「モラルハザードだ」として通知を出したというのだ。

 しかも補完供給でも調達できなかった金融機関があった。「日銀オペでフェイル(決済不成立)が起きていた」。資金需給に関する日次データが公表されると、債券市場関係者は騒然となった。レポ市場でも補完供給でも、期限までに特定の国債を手に入れられず、400億円弱の決済ができなかったことが判明したのだ。

 運転違反をすると違反点数が加えられるのと同じように、日銀はオペでの引き渡しが遅れたり決済額を減額したりした金融機関に対して、加点方式で罰則を課している。金融機関はミスを繰り返して点数が増えると、オペに参加できなくなったり、参加資格を剥奪されたりする。

 そのため日銀に対するのフェイルを回避しようと金融機関が動いた結果、7月は玉突き的に金融機関間でのフェイルが多発した。日銀の集計では550件とリーマン・ショック直後の2008年10月以来およそ10年ぶりの高水準だった。「海外投資家を中心に、受け渡しミスが多発した」との声が聞かれた。

 「市場の混乱を抑えたい日銀の狙いは分かるけれど……」。通知を受けたある大手証券会社の担当者は「補完供給を当て込んだ空売りかどうかを判断するのは難しい」と語る。オペの応札後に顧客から買い注文が来ることはよくある。市中で手当てできず、仕方なく補完供給に手を出すこともあるからだ。

 別の証券会社の担当者は「日銀からの罰則を恐れて証券会社が取引を手控えれば、さらに市場の流動性が落ちてしまう」と危惧する。「そもそも市場を枯渇させてきたのは日銀なのに」

 日銀が「変動幅を拡大する」と決めた7月末以降、長期金利は一時乱高下したが、いまではすっかり「静かな債券市場」に戻ってしまった。日銀の国債の買い入れ額もほぼ変わらないため市場では国債の需給が逼迫した状況が続いている。日銀が狙う「経済・物価情勢に応じて金利がある程度変動する」健全な債券市場の復活には、時間がかかりそうだ。

(今堀祥和)
日銀 出口への難路(上) 緩和効果・副作用の相反 焦点 (2018/8/20 6:00) [有料会員限定]
2%インフレを永久目標に (2018/8/10付) [有料会員限定]
黒田緩和修正 私の診断 拙速な玉虫色の決定 (2018/8/8付) [有料会員限定]
日銀、遠い金利正常化 (2018/8/7付) [有料会員限定]

 

 


FRB、金融緩和「新たな手法議論」 景気悪化に備え
北米 経済・政治
2018/8/23 3:32
 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は22日、7月31日〜8月1日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。先行きの景気悪化に備えて金融緩和の手法を議論し、参加者は利下げや量的緩和に加えた「新たな政策手法を議論する」と決めた。2%の物価目標を柔軟にして一時的なインフレを容認する案などが検討課題になりそうだ。

 前回のFOMCでは追加利上げを見送った。ただ、4〜6月期の実質成長率が4%台に達するなど米景気は好調で、多くの会合参加者が「景気が想定通りに推移すれば、間もなく追加利上げが適切になる」と主張。9月の次回会合での利上げを示唆した。FRBは年内に2回の追加利上げを見込んでおり、金融市場も9月の利上げを織り込んでいる。

 もっとも、会合参加者は「政策金利は(景気を冷やさず過熱もさせない)中立的な水準に近づいている」との見方でも一致した。現在の政策金利は1.75〜2.00%にとどまるが、利上げ局面は既に2年半に到達。FOMCは利上げサイクルの終了時期を探っていることを改めて明らかにした。6月の会合では2019年から20年にかけて利上げを停止する可能性を示唆している。

 利上げサイクルが19年に停止すれば政策金利は3%程度で打ち止めとなる。以前に比べて十分な利下げ余地が確保できないリスクがあり、FOMCは「低金利環境での金融政策の選択肢」についても議論した。

 FRBはこれまで利下げや量的緩和のほか、先行きの緩和期間を明示して市場の期待を高める「フォワード・ガイダンス」を政策手段としてきた。ただ、FOMCでは参加者から「量的緩和などの経済効果は不透明だ」との声が上がり「さらなる政策手段を議論していく」ことで一致した。

 議事要旨では具体策に触れるのを避けたが、FRB内では2%の物価上昇率目標を柔軟に運営する「物価水準目標」の導入などを議論している。物価水準目標とは、インフレ率が長く2%を下回り続けた場合は、目標に到達した後も金融緩和を続ける政策手法だ。物価水準目標を導入すれば、FRBの将来的な政策スタンスは従来より緩和的になる。

 FOMCではトランプ米政権の関税政策に懸念の声が噴出した。企業投資の停滞につながったり、物価の上昇で景気そのものを下押ししたりするリスクを指摘する参加者もいた。


FRB、無風会合に潜む4つの難題 (2018/8/2 12:13) [有料会員限定]
FRBが9月利上げ示唆 (2018/8/2 3:06)

 


 


米FOMC議事要旨、次回会合での利上げ示唆
FOMC議事要旨によると、FRBは来月利上げを実施する可能性が高い(写真はパウエルFRB議長)

By Nick Timiraos
2018 年 8 月 23 日 05:23 JST 更新

 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)は22日、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月31日・8月1日開催分)を公表した。それによると、出席者は来月利上げを実施する可能性が高いとみていることが示された。また、貿易摩擦が長引けば経済成長に響きかねないとの懸念を巡り、突っ込んだ議論が行われた。

 議事要旨は、米国経済が現在の予想通り進展すれば、利上げに向けて「間もなくさらなる措置を講じることが適切になるだろう」と指摘した。

 FRBは前回のFOMCで利上げを見送った。6月の会合では今年2回目の利上げを決め、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.75?2.00%に引き上げている。

 FRBは前回のFOMC後の政策声明で、金融政策の説明に長年使用してきた「緩和的」という文言を外すことについて議論した。それは、金利が景気刺激に十分なほど低い水準にあるとみていることを物語っている。多くの出席者は、景気を刺激も抑制もしない水準への金利引き上げに意欲を示している。ただ、いわゆる中立金利がどの程度を指すのかについては、不透明感が強い。

 議事要旨は、段階的な利上げを進める中、金利政策を緩和的と表現するのは「かなり早期に(中略)適切でなくなる」だろうとした。

 このフォワードガイダンス(今後の金融政策に関する指針)見直しは、FRBが債券資産を急拡大させ、財政刺激策が増す環境ではとりわけ「正確さを錯覚させる」可能性があるためだとした。

 前回会合の約1週間前に、ドナルド・トランプ大統領は利上げに不満を示した。このところ後援者や記者団にも、そうした懸念をたびたび伝えている。大統領の発言についての議論があったことを、この要旨は示していない。大半のFRB当局者は大統領の発言を考慮しない見込みだ。

 貿易を巡る不透明感が米国企業とFRBの大きな懸念材料になっている様子も浮き彫りになった。

 出席者は先月、地元企業は関税の影響で投資計画を縮小してはいないと報告したものの「貿易摩擦が間もなく決着しなければ、投資を縮小する可能性がある」と指摘した。

 出席者全員が、貿易摩擦は「不透明感とリスクをもたらす大きな要因」だとの見方を示した。摩擦が長引けば企業の投資を阻み、企業の景況感と雇用に痛手を与え、家計の購買力が弱まるとした。また、サプライチェーンを混乱させ、既に低調な生産性をさらに落としかねないと警戒感を示した。

 この要旨には、いつまで利上げを継続する必要があるかという点について、参加者の考えをうかがわせる手掛かりはほとんどなかった。

関連記事
米利上げ、年内2回の予想が大勢=WSJ調査
米FRB、利上げの最終到着点はどこに?
トランプ氏、FRBの利上げに不満表明
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/263.html#c2

[経世済民128] 米国、ロボットが弁護士免許取得し活動…ロボットに仕事奪われストライキも発生(Business Journal) 赤かぶ
2. 2018年8月23日 17:32:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1291]

>わが国では『鉄腕アトム』や『ドラえもん』のお陰もあり、人型ロボットが社会に馴染んでいる


現時点で、AIロボットに過剰な期待をしてもムダだし

総合的には、人間には、及ばないだろうが


>アメリカではロボットの受け止め方は否定的な傾向

とりあえず、99%の人類(特に米国などの攻撃的で利己的な人々、反社会性障碍者)は

アウトプットにおいてロボット以下で

トータルのコストとベネフィットを考慮すれば明らかにマイナス

>>01 AI搭載ラブドールと一緒に暮らそう

当然、人類を含めた地球生態系の持続可能性を高める上での最適解は、

ゆっくりと人口を減らしていくことだから

AI搭載ラブドールも悪くはないが、もっと効率的なのは

生産性の低い人々(つまり大部分の人類)には、

Matrixのように、Virtual世界に移行してもらうことだろう


そうすれば、人類の有害性は最小化できるし

AIロボットも、そう大量に生産せずに済むから

資源の浪費を減らせて、一石二鳥だろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/267.html#c2

[経世済民128] 米国、ロボットが弁護士免許取得し活動…ロボットに仕事奪われストライキも発生(Business Journal) 赤かぶ
3. 2018年8月23日 17:41:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1292]

>ミサイルの発射から株式市場の操作まで、あらゆる分野でロボットが人間を上回る動きをし始める事態

もうとっくに、そうなっている

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/267.html#c3

[国際23] トランプ、元側近の爆弾証言で「任期中に弾劾」のオッズが急上昇(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2018年8月23日 17:47:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1293]

反米勢力にとってはうれしくないだろうが

早く弾劾された方が、世界と、もちろん米国自身(特に底辺層)のためにもなるが

そう簡単ではないだろう


 

 

2018年8月23日 / 13:05 / 2時間前更新
アングル:トランプ大統領の訴追や弾劾可能か、元弁護士証言で
Jan Wolfe
2 分で読む

[22日 ロイター] - トランプ米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告は、2016年の大統領選中にトランプ氏の指示により、同氏との不倫関係を主張した2人の女性に口止め料を支払った、とニューヨーク連邦地裁で21日証言して司法取引を行った。

トランプ氏は22日、コーエン氏が認めた選挙資金関連の違反は「犯罪ではない」とツイッターで主張。トランプ氏の弁護士であるルディー・ジュリアーニ氏は、支払いは個人的な性質のものであり、選挙とは無関係だと述べた。

米大統領の訴追は可能か。そして、トランプ氏に対してどのような弾劾手続きを取り得るのかについて、以下にまとめた。

●現職の米大統領を訴追することは可能か

米合衆国憲法はこの問題に言及していない。多くの法律専門家はこれまで、現職大統領を起訴することは不可能であり、大統領が犯罪を犯した場合の適切な手段は弾劾だと述べている。憲法は、反逆、収賄、その他「重大な犯罪および非行」について大統領を弾劾することができると規定している。

米最高裁は、現職大統領を刑事訴追することの可否について判定を下したことがない。ただ、司法省は2000年の覚書で、刑事訴追手続きは大統領の職務遂行能力を妨げるため許容できないと結論付けている。

誰もが法の下にあるとして、現職大統領であっても起訴は可能とする専門家もいる。

●弾劾手続きはどのようなものか

手続きは議会下院から始まる。個々の議員が通常の法案と同様に弾劾決議を提出するか、下院が音頭を取り、捜査権限付与の決議を可決する。

弾劾は下院で単純過半数の賛成によって可決される必要があるが、大統領を更迭するには、さらに上院で3分の2以上の賛成が必要とされる。

これまで1868年にジョンソン、1998年にクリントン元大統領が弾劾された例があるが、更迭には上院の支持が得られず、2人とも職にとどまった。

弾劾かつ更迭された場合、次期大統領選までの間は副大統領が職を受け継ぐ。

●選挙資金関連法の違反で弾劾は可能か

トランプ大統領がコーエン氏に違法な選挙資金使用を支持した疑惑に基づき、大統領の弾劾が可能かどうかについて、法律専門家の見方は分かれている。

議会には「重大な犯罪および非行」に当たるかどうかを決める裁量権がある。法律専門家によると、議会は米刑法を参考にしたことがあるが、刑法によって拘束されるわけではない。

オバマ前大統領の側近だったアンドルー・ライト氏は、コーエン氏が有罪を認めただけで、弾劾捜査着手の条件を満たしていると述べた。

ライト氏によると、憲法を定めた建国の父らは権力の乱用を案じており、その中には選挙前に国民に誤った情報を与えようとすることも含まれている。

他の専門家の見解によると、トランプ氏は女性らへの支払いは自らの評判を守るためであって、選挙に影響を与えるのが目的ではないとの論陣を張ることが可能だ。

選挙に影響を与える狙いで支払いが行われていたとしても、選挙資金法違反は通常、民事上の制裁によって法が執行されるものであり、重大な犯罪および非行には当たらないと主張する法律専門家もいる。従って、弾劾が実行されるという保証はないという。

 

 


トップニュース2018年8月23日 / 10:50 / 2時間前更新
焦点:トランプ大統領、元側近「有罪」で食らうダブルパンチ
2 分で読む

[ワシントン/チャールストン 22日 ロイター] - トランプ米大統領は21日、政治的にも法的にも痛手を被った。この日裁判で元選対本部長ポール・マナフォート被告が有罪評決を受けた上に、元顧問弁護士マイケル・コーエン被告はトランプ氏の指示で不正行為をしたと認めたためだ。

11月の中間選挙に向けて与党・共和党への逆風となりかねず、自身への捜査の手が広がる可能性も出てきた。

コーエン被告は、トランプ氏との不倫関係を主張する女性への口止め料支払いが選挙資金関連の違反とされた問題で、トランプ氏から支払いを指示されたと証言。トランプ氏側の弁護士は、支払いは同氏とその家族が困るのを避けるためで、選挙とは関係がないと主張している。

ただコーエン被告の弁護士が、モラー特別検察官の捜査チームにコーエン被告がトランプ氏に関して持っている情報全てを積極的に提供する意向を表明。これでモラー氏が進めている、2016年の大統領選にロシアが介入したかどうか、またトランプ氏がロシアとつながっていなかったかについての捜査に再び脚光が当たることになった。

トランプ氏側近の1人は、コーエン氏の動きは厄介だとこぼし、こうした法的な問題は支持者の投票を鈍らせ、11月に与党が下院で過半数を失うリスクを高めてもおかしくないと付け加えた。

中間選挙で野党・民主党が勝利すれば、トランプ氏は希望する法案の議会通過が困難になるだけでなく、弾劾される恐れが増す。

民主党は、トランプ政権はスキャンダルまみれだという主張をさらに裏付ける材料として、マナフォート被告やコーエン被告の裁判を利用している。

ロサ・デラウロ下院議員は「米国民はこれらの不正と犯罪行為におけるトランプ氏の関与について報いを与える必要がある」と訴えた。また民主党のシニアストラテジスト、ロデル・モリノー氏は、両被告に関するニュースが最終的に相当数の無党派層に影響し、中間選挙で同党の追い風になると期待を示した。

「マナフォート被告の有罪評決自体は有権者を動かさないかもしれない。しかし犯罪の全貌が判明すれば、共和党議員にとって無視するのは困難となる。弁解するのはもっと難しくなるだろう」という。

<変わらない支持率>

もっとも今回の事態が長期的な影響を及ぼすかどうかは、実際に11月の選挙で共和、民主両党の投票率がどうなるかを見るまで分からない。

ニューハンプシャー大学調査センターのアンディ・スミス所長は、トランプ氏にとって21日がひどい日だったのは間違いないが、同氏が中核的な支持者を結束させて、この逆境を自分に優位な立場に転じられるかもしれないとの声があると述べた。

スミス氏は「中間選挙で与党は関心も持たれにくく、投票のモチベーションも低くなる傾向がある。しかし支持者が党は不当な攻撃を受けていると信じる場合、投票に向かう要素になる」と解説する。

21日にウェストバージニア州チャールストンの集会に現れたトランプ氏は、コーエン被告やマナフォート被告には直接言及しなかった。その代わり、モラー特別検察官に注目する政敵がロシアとの共謀を必死に探している様子に触れて「一体どこに共謀などあるのか」とからかった。

集会に出席した1人の男性はモラー氏の捜査を「中傷キャンペーン」だと一蹴し、トランプ氏への支持は揺るぎないと強調した。

Slideshow (3 Images)
イプソス/ロイターの調査でも、モラー氏の捜査で既に複数のトランプ氏元側近が有罪を認めているにもかかわらず、トランプ氏の支持率は40%近辺で安定している。

バージニア大学政治センターのラリー・サバト所長は、コーエン被告とマナフォート被告の案件がトランプ氏の支持層ないし共和党主流派に打撃を与える公算は乏しいとの見方を示した。

(Steve Holland、James Oliphant記者)


 

 


WSJ社説】トランプ氏の元側近と弁護士が犯した罪
コーエン氏は罪を認め、マナフォート氏には有罪評決 大統領の政治リスク高まる
バージニア州の連邦地裁で評決結果を聞くマナフォート被告(21日)

2018 年 8 月 22 日 18:56 JST 更新

 ドナルド・トランプ米大統領が私生活と政治家生活で関わった怪しげな人物らに21日、厳しい評価が下された。2016年の米大統領選でトランプ陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート氏は有罪の評決を受け、トランプ氏の元個人弁護士マイケル・コーエン氏は自らの罪を認めた。ただ、これがトランプ氏の大統領としての地位を致命的に脅かすものとなるかどうかは定かでない。また両事件でこれまでに示された証拠は、訴追の決め手となったロシアとの共謀疑惑に結びつくものではない。

 バージニア州連邦地裁の陪審団はマナフォート被告に対し、個人的な金融取引の不正に関する8件の罪について有罪と認定した。一方、他の10の罪状については評決に至らなかった。本欄で2016年にトランプ氏に警告したように、マナフォート氏は長年フィクサーとしてワシントンで暗躍し、政治的なコネクションを資金源にしてきた人物だ。同氏はまさに(大統領選でトランプ氏が一掃すると訴えた)「腐敗した沼」の象徴だといえる。

 皮肉なことに、トランプ氏が同氏を選対本部長に起用したのは、政治経験の豊富な共和党員の大半がニューヨークの反乱分子とみていたトランプ氏を遠ざけようとしたことが背景にある。マナフォート氏はトランプタワーの一区画を所有することからトランプ氏と知り合い、1976年の大統領選に向けた共和党大会でジェラルド・フォード氏の選挙運動に関わった経験などが買われた。トランプ氏は7月の共和党大会の数週間後にマナフォート氏を選対本部長から解任したが、ロバート・モラー特別検察官は2017年、マナフォート氏とロシアに近いウクライナの政治家とのつながりを問題視した。

 モラー氏は18の罪状でマナフォート氏を起訴した。どれかに引っかかると考え、有罪になればトランプ氏に不利な証言で協力してくれるはずだと踏んだのは間違いない。マナフォート氏は現在、最大で80年の禁錮刑を受ける可能性があり、協力する動機は十分にある。だが問題は、マナフォート氏がそもそもロシア人脈にどの程度通じているかだ。米連邦捜査局(FBI)と議会の2年間に及ぶ調査で、米大統領選でのトランプ氏とロシアの共謀を示すものは何も浮上していない。

 一方、コーエン氏が罪を認めたことは、トランプ氏にとってより重大なリスクになりそうだ。コーエン氏は、トランプ氏と2006年に関係を持ったとされるアダルト映画女優のステファニー・クリフォード氏(芸名ストーミー・ダニエルズ)に対し、13万ドル(約1400万円)の口止め料を払ったことを認めた。当初、コーエン氏は支払いの事実を否定し、トランプ氏は何も知らないと記者団に答えていたが、今ではコーエン氏は2人とも承知していたと語る。

 モラー氏の起訴を受け、ニューヨーク南部地区連邦検事局がコーエン氏の個人的なビジネス取引を徹底的に調べ上げた。コーエン氏の手口はまるでマナフォート氏のニューヨーク版であるかのようだった。コーエン氏は法の抜け穴を利用したビジネス取引を行い、税額を虚偽申告したことを法廷で認めた。

 トランプ氏の最大の弱点は、クリフォード氏に口止め料を支払ったことが選挙資金法に違反するかどうかだろう。コーエン氏は選挙資金法違反を認めているが、それは検察がトランプ氏を罪に問うのであれば指摘すべき点だ。コーエン氏は裁判所でクリフォード氏への支払いが「候補」の要請によるものだったと述べた。候補とは当然、トランプ氏を指すものと思われる。

 こうしたことすべてがトランプ氏の最悪の部分を露呈させ、多くの共和党員がトランプ氏を同党の指名候補にすることに躊躇(ちゅうちょ)した理由を示している。もし本当にクリフォード氏への支払いを命じたならば、トランプ氏は政治的にも倫理的にもひどい判断を下したことになる。司会者ビリー・ブッシュ氏と交わした下品な会話の音声テープが流出した後の2016年10月なら、同氏とアダルト映画女優の不倫が発覚しても有権者は動揺しなかっただろう。

 コーエン氏は司法取引の条件として、モラー特別検察官に協力する義務があるわけではない。だが判決を下す裁判官への印象を考え、そうする可能性は十分にある。しかしマナフォート氏の場合と同様、トランプ氏とロシアとの関係、あるいはトランプ氏の大統領就任以前のビジネス状況について同氏が何を知っているかは不明だ。

 われわれはモラー氏が現職大統領であるトランプ氏を起訴する見込みは低いだろうと考える。だがトランプ氏への最大の脅威は政治的リスクだ。どんな罪が弾劾に値するかを決めるのは議会だ。11月の中間選挙で民主党が下院の過半数を奪還した場合、(弾劾に値する)「重大な罪および非行」を定義するのは同党となる。コーエン氏とマナフォート氏が罪を犯したことは、トランプ氏と同氏の大統領としての地位が脅かされる危険度を高めている。ただし大統領選の結果を覆すためには、アダルト女優への口止め料以上の証拠を有権者に示す必要があるだろう。

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トランプ氏の望み通り米利上げ路線見直しならドル資産の魅力は低下
Liz Capo McCormick、Aline Oyamada
2018年8月23日 12:22 JST
• ドルは下落し大統領には願ったりかなったり−金融当局の信認には傷
• インフレ期待が高まり米政府と消費者の借り入れコスト押し上げ
トランプ米大統領はドル安を望む姿勢を明らかにしており、そのために米利上げには難色を示している。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局が利上げ路線を見直せば、願ったりかなったりだろう。しかしその場合同時に、安全な逃避先としての米資産の魅力が低下する恐れがある。
  金融当局が引き締めの動きでブレーキを踏むようなことがあれば、当局への信認に傷が付くだけでは済まないとストラテジストは警告する。ドル安を求めるトランプ氏の望みはかなうが、インフレ期待の高まりが米資産は安全性との認識を揺るがせ、最終的には米政府および消費者の借り入れコスト上昇につながるだろう。
  他方で少なくとも早い段階では、世界的に流動性と成長率を高めることにつながり、トランプ政権の政策に翻弄(ほんろう)されてきた新興市場もその恩恵を受ける可能性がある。
  米金融当局が実際にトランプ氏の圧力に屈するとの見方はほとんどないものの、利上げに対する大統領の「口撃」は執拗(しつよう)で、投資家はトレーディングの計算にその影響を織り込み始めている。
  ドイツ銀行のチーフ国際エコノミスト、トルステン・スロック氏は大統領の言動に関し、「この場合は連邦準備制度だが、中央銀行の行動と独立性を損なう行動に踏み出すのは、危険極まりない」と指摘。パウエル議長がトランプ大統領の不満に「耳を傾け始めるのだろうか、連邦準備制度は本当に独立しているのだろうかと、投資家が疑問を抱くようになる」と語った。

  インサイト・インベストメント・マネジメントの為替責任者、ポール・ランバート氏(ロンドン在勤)は「米金融当局が利上げ停止のシグナルを発し、その時に経済と市場が引き続き好調であれば、それは当然、リスク資産には非常にプラスで、ドルにはマイナスとなる」と指摘。また、投資家が「政策引き締め見通しを幾分弱め、イールドカーブ(利回り曲線)はスティープ化するだろう」と分析した。
  もちろん、トランプ大統領の「口撃」がパウエル議長を説得するどころか、むしろこれまでの方針通り利上げを続けるよう同議長の背中を押すことも考えられる。
  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の世界経済顧問を務めるヨアヒム・フェルズ氏は先月のリポートで、米金融当局はホワイトハウスからの苦情に屈したと受け止められるのを何としてでも避けようとして、政策を変更しない姿勢を今まで以上に強める公算が大きいと記した。
  

原題:If Trump Can Strong-Arm the Fed, U.S. Assets May Not Be So Great(抜粋)


 


 
南ア・ランドが下落、トランプ米大統領のツイートで米制裁懸念
Colleen Goko
2018年8月23日 15:37 JST
23日の外国為替市場で、南アフリカ共和国の通貨ランドがドルに対して下落。トランプ米大統領が同国の土地政策についてツイートしたことで、米国による制裁への懸念が浮上した。
  ランドは一時1.7%安となった。トランプ大統領は「南アフリカの土地と農地の接収、収用について詳しく調べる」ことポンペオ国務長官に求めた。同大統領がツイッターで明らかにした。南ア政府は「我が国国内の亀裂を深めるだけの偏狭な認識を断固否定する」とツイートで反撃した。
  南ア政府は同国駐在の米大使代行を呼んでトランプ氏のコメントについて説明を求めると、事情に詳しい関係者2人が23日述べた。
  ヨハネスブルク時間午前8時23分現在、ランドは1.3%安の1ドル=14.3466ランド。

原題:South Africa’s Rand Falls as Trump Tweets About Land Debate (1)(抜粋)


 


日中欧が“反米”で手を結ぶ日 トルコショックは通常の不況を呼び込むくらい
インタビュー

2018年8月23日(木)
森 永輔

 トルコ・リラに端を発する新興国通貨の下落に市場の注目が集まっている。経済アナリストの中原圭介氏はこれを、米中貿易戦争の余波とみる。“本丸”が限度を超えれば、米国の同盟国である日欧が、中国と組んで対抗する事態が起きかねない、と指摘する。
(聞き手 森 永輔)

トルコ・リラはこのまま持ち直すか(写真:AP/アフロ)
中原さんは、今日の世界の経済状況が「借金バブル」に陥っていると懸念されています。リーマンショックの後、先進国が大規模な金融緩和にかじを切ったのを受けて、米国と中国のいずれもが債務に依存する経済の拡大に走った。新興国も旺盛な設備投資と公共投資に向かったとされています。

 トルコのリラ暴落に端を発する今回の新興国の通貨安は、この借金バブル崩壊の引き金を引くことになる可能性があるでしょうか。対外債務比率の大きなアルゼンチンのペソなどが、トルコ・リラを追いかけて安くなっています。

中原 圭介(なかはら・けいすけ)
経営コンサルタント、経済アナリスト 経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析する。近著に『日本の国難』がある。


中原:その可能性は小さいでしょう。私は、借金バブルが崩壊するとすれば、その緒を開くのは中国だと考えています。米国の家計も大きな負債を抱えていますが、その7割を占める住宅ローンは今は健全な状態にあります。住宅に関わるサブプライムローンがリーマンショックの発端となった反省から、米国の住宅ローン審査はかなり厳しくなりました。家計債務の2割を占めるクレジットカードローンや自動車ローンの延滞率が高まる懸念はありますが、せいぜい通常の不況を呼び込むくらいでしょう。

 トルコ・リラの暴落が大きな注目を集めるのは、米中貿易戦争が始まったからだと思います。貿易戦争が進行するにつれ、投資家のリスク許容度が低くなっている。仮に、今と同じ通貨安が昨年起こっても、今のような動揺は起こらなかったでしょう。良い材料が出ても、悪い材料が出ても、株価は上がり、為替は安定していました。一方、貿易戦争が始まった後、特に今夏に入ってからは、良い材料が出ても株価が下がるような状態です。投資家はリスクオフ、利食いモードに入りました。

米中貿易戦争の今後の展開をどのように見ていますか。

中原:正直言って、まったく分かりません。ドナルド・トランプ米大統領が進める政策は支離滅裂で合理的に推測することができません。

 その典型例は、イランとの核合意を破棄したことです。ハサン・ロウハニ大統領の立場を弱め、革命防衛隊の力を高めるからです。ロウハニ大統領は核合意を推進した穏健派。一方、革命防衛隊は同氏が率いる政権と距離を置く一方、イエメンで活動する武装組織フーシや、レバノンで活動するイスラム教シーア派武装組織ヒズボラを支援しています。米国は自ら、中東情勢を不安定なものにしている。

11月に米国で予定されている中間選挙が終われば、トランプ政権は支持者の意向を気にすることなく合理的な政策を実行するようになるでしょうか。

中原:そういう楽観的な意見もありますね。しかし、「分からない」としか言えないと思います。

中国バブル崩壊の懸念は先送りされただけ
貿易戦争の渦中にある中国経済の行方をどう展望していますか。

中原:中長期で見た場合、債務危機に陥る可能性が若干高まったと思います。

 昨年の共産党大会を終えて以降、習近平(シー・ジンピン)政権は債務バブルがはじけることがないよう、金融の引き締め政策を進めてきました。例えば中国人民銀行は昨年12月、短中期の資金を供給する際の金利を0.05%引き上げています。

 しかし米中貿易戦争が始まり、大幅な景気減速の懸念が高まったため、金融の引き締めを緩和する方向に動き出し始めました。内需を拡大するため、鉄道建設費を1兆円上積みする方針を先週明らかにしたのも同じ流れの上にあります。債務削減への取り組みを先送りしているのです。

一方の米国経済はどうでしょう。

中原:貿易戦争は米国にも良い影響を及ぼしません。関税を引き上げられた物品の輸入価格が上昇します。ハーレーダビッドソンがすでに、工場を海外移転する意向を明らかにしました。

 トランプ大統領も政権スタッフも教養がないのでしょうか、貿易戦争が及ぼす悪影響が現実になるまで理解できないのでしょう。

悪影響が現実になるのはいつごろでしょう。

中原:2000憶ドル相当の中国からの輸入に対する関税が実際に発動されてから1〜2カ月後くらいでしょう。

トランプ大統領を抑えられるスタッフはいないのでしょうか。

中原:ジェームズ・マティス国防長官が重しと言われています。しかし、同氏は最近、トランプ大統領と疎遠になっているという話が耳に入るようになりました。同氏が解任されるようなことがあれば、トランプ政権が崩壊に進む序曲が鳴り始めたと言えるでしょう。

中原さんは、主要通貨に対するドルの下落率が長い目で見て逓減していくとお考えですね。


中原:米国もIT(情報技術)による技術革新やギグ・エコノミー、シェアリング・エコノミーの普及によって物価が上がりにくくなってきています。これからAI(人工知能)とITを組み合わせた技術革新が浸透してくることを考えると、長い目で見てその方向は変わらないと思います。

 ただし、目先の話に限れば、米中貿易戦争が沈静化するようなことがあれば、ドル高への揺り戻しがある可能性が高い。ドル高になれば、トランプ大統領がまた口先介入するかもしれません。

日欧ともに中国市場に期待を寄せざるを得ない
中原:トランプ政権は貿易戦争をどこまで続ける気でしょう。このまま何年も続けるようであれば、日欧が中国と貿易で連帯して、米国に圧力をかける事態が起きるかもしれません。欧州各国の国民生活も経済成長の割には疲弊しています。

 もし米国が現実に、輸入車に25%の関税をかけることになれば、日本は甚大な影響を受けます。米国市場に次ぐ市場である中国市場に期待せざるを得ません。欧州も同様です。こうした懸念が生じるほど、トランプ政権が進める経済政策は米国の国益を削いでいるのです。

米国の利上げは続く
貿易戦争の悪影響が出始める中で、米連邦準備制度理事会(FRB)は金利を変わらず引き上げ続けるでしょうか。

中原:GDP(国内総生産)と雇用の指標に悪影響が出ない限り、今の方針を変更することはないでしょう。2018年中に2回、2019年に1〜2回。次の景気後退期に十分な利下げができるよう“のりしろ”を作っておきたいでしょうから。

 ただし、2019年前半で利上げは打ち止めでしょう。「中長期的に適切な政策金利」は3%に届かないレベルとみています。

最後に、日本経済の展望をお伺いします。

中原:米中貿易戦争によって最も大きな悪影響を受ける可能性があります。経常収支を分析すると、日本経済は米中両国への輸出に大きく依存しています。加えて、米中経済が悪化した場合、直撃を受けるにもかかわらず、金利を下げる余地がありません。政府による財政出動が唯一のテコ入れ策となるわけですが、これは財政赤字をさらに悪化させます。

 財政赤字の拡大に備えるためには、サラリーマンの定年を75歳に引き上げることと、年金をはじめとする社会保障費の給付を削減する必要があります。安倍政権はここに至る前に、これらの政策を実行するために道筋を付けておくべきでした。痛みを伴う財政再建は、景気が良い時でなければできないですから。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/710.html#c4

[国際23] イタリアのNATOたかりや...遠すぎた橋(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
1. 2018年8月23日 18:07:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1294]

>高速道路橋が崩壊しているのに、アメリカが率いるNATOの要求を満たすのに、イタリア経済が更に向けられて、大衆の安全の将来は一層暗く見える

相変わらず見当違いの反米宣伝をしているようだが

問題の本質は、ユーロの金融財政システムにある

日本や米国と違って、失業率も高く、まだ潜在生産力が十分活用できてないのだから

本来は、金融のトリレンマを理解して、きちんと財政統合までできていれば、

こうした愚は避けられたのだが

それも後の祭りということだ


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/712.html#c1

[経世済民128] トランプ大統領が利上げにご不満だとか --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年8月23日 18:16:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1295]
米国が「為替操作」する日−通貨の議論不可避とプラザ合意の立役者
Katherine Greifeld
2018年8月23日 6:33 JST

• 「通商協議が通貨の問題を含む傾向が強まる」とダラーラ氏
• トランプ政権によるドル売り介入の可能性否定できずとJPモルガン

米国が「為替操作国」になる日が来るだろうか。
  そのようなレッテルを貼られるのは、しばしば輸出主導型の新興諸国であり、貿易摩擦の緊張がますます高まる中で、トランプ米大統領はこの表現を使い、中国と欧州連合(EU)を今週けん制したばかりだ。
  とっぴな考えに思えるかもしれないが、一部のウォール街ウオッチャーは、米国の貿易赤字縮小に向けて、トランプ大統領自身が持続的なドル安誘導キャンペーンを開始する可能性も否定できないと考えている。
  国際金融協会(IIF)の前専務理事で、米財務省高官として1985年の「プラザ合意」実現に動いたチャールズ・ダラーラ氏は「通商協議が通貨の問題を含む傾向が強まるだろう。それは避けられない」と語った。プラザ合意では、当時の日米英仏と西ドイツの先進5カ国(G5)が、対外不均衡是正のためのドル高修正で協調した。
  ダラーラ氏が「操作」という言葉をはっきり使うことはなかった。アナリストの間では、自由市場原則の旗手たる米国をそのような言葉と結び付けて語ることにある種ためらいがあり、「為替介入」という言葉を用いる方が好まれる。それはさておき、85年当時のような保護貿易主義および介入主義の色彩の強い政策への転換は、1日5兆1000億ドル(約563兆円)の資金が動く外国為替市場を揺さぶるだけでなく、国際準備通貨としてのドルの地位を損ない、米国資産への需要を減退させる恐れがある。
  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミストのマイケル・フェロリ氏は今月のリポートで、トランプ政権がドル押し下げのために為替市場に介入する可能性は否定できないとの見解を示し、ドイツ銀行とオッペンハイマーファンズも、ドル売り介入はもはや現実離れした考えではないと主張し、フェロリ氏に同調した。

原題:Trump, a Currency Manipulator? Wall Street Isn’t Ruling It Out.(抜粋)


 

ビジネス2018年3月8日 / 15:59 / 5ヶ月前
焦点:ドル安鮮明、ささやかれる基軸通貨の地位失墜リスク
2 分で読む

[ニューヨーク 7日 ロイター] - ドルは過去1年間で相場が大きく下落した上に、足元でも世界的な貿易戦争勃発への警戒感から下げが一段ときつくなっており、準備通貨としての支配的な地位が「風前のともしび」になっているのではないかとの見方が再燃している。

ただしロイターが集めたデータを分析すると、そうした懸念は行き過ぎのようだ。

主要通貨バスケットに対するドル指数.DXYは昨年の下落率が10%と2003年以来の大きさを記録。背景には、米連邦準備理事会(FRB)が計3回利上げするほどだった米国より、欧州や中国などの方が成長ペースがまさっているという明白な事実がある。

今年に入ってもトランプ米政権が打ち出した鉄鋼とアルミニウムへの輸入制限を巡る不安や、各国中銀による金融緩和の巻き戻しの予想を受けてドルは3%近く下落し、2月には約3年ぶりの安値に沈んだ。

ドルは、単一通貨ユーロの導入や中国経済の劇的成長を受けて1980年代から準備通貨の地位に疑問が投げかけられてきた。しかしこの数カ月は、ムニューシン財務長官が「弱いドルは良いことだ」と述べた直後にトランプ氏が「強いドル」を支持するなど現政権の方針が一貫性を欠いたこともあり、売り圧力が増している。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「トランプ政権の政策決定が予想不可能なため、ドルがますます売られているようだ」と述べた。

問題はこうしたドル売りが正当化されるかどうかだが、警戒すべき兆候はある。ドル建て資産の保有で1位と2位の中国、日本が米国債に対して冷ややかな態度になっているのだ。

中国国家外為管理局(SAFE)は外貨準備の分散化を進めていると明らかにしており、それは米国が大規模減税による財政赤字拡大の穴埋めを迫られ、FRBがバランスシート縮小を進めるタイミングと重なった。

中国の2月の外貨準備は13カ月ぶりに減少。米国債の保有残高は昨年8月から横ばいが続いている。日本は1月の外貨準備が小幅増加したものの、米国債の保有残高は2011年12月以来の水準に落ち込んだ。

国際通貨基金(IMF)が昨年12月に公表したデータからは、第3・四半期の外貨準備におけるドルの比率は14年半ば以来の水準に下がり、ユーロとポンドの割合が高まったことが分かる。

アムンディ・パイオニア・インベストメンツの通貨ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏は、ユーロとポンドは流動性が比較的高いため、「中銀にとって外貨準備通貨として採用しやすい」と話す。

それでもドルは世界の外貨準備でなお圧倒的なシェアを持ち、代替的な準備通貨が見当たらないことから、支配的な立場が本格的に揺らぐにはまだ何年もかかりそうだ。

予見し得る将来において下げ歩調が続いても、外国政府が米国債を投げ売りしたり、ドル建て貿易が減少するか、またはドル指数が09年に付けた過去最安値を割り込まない限り、準備通貨としての地位を保つだろう。

IMFのデータによると、昨年第3・四半期のドル建て外貨準備の絶対額自体は6兆1260億ドルと、前期の5兆9120億ドルから増加した。

ニューヨーク連銀の外為委員会による半期に一度の報告では、ドル建て取引の状況を示す北米地域の1日当たりの外為取引高は昨年10月に前年同月比7%増えた。

つまり総合的に考えれば、ドルは昨年初め以来魅力が下がっているとは言っても、近いうちに世界一の準備通貨の座から転げ落ちる恐れはない。

(Richard Leong記者)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/272.html#c1

[政治・選挙・NHK249] 石破茂は安倍首相の消費税増税に待ったをかけろ  天木直人  赤かぶ
7. 2018年8月23日 18:23:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1296]

石破も、基本は、消費税増税支持

安倍と大して違わない


 

2018年8月23日 野口悠紀雄 :早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問

自民党は総裁選で「消費税増税」への態度を明確にする責任がある

 自民党総裁選が9月に行なわれる。
 ここで、消費税増税に関する態度を明らかにする必要がある。
 消費税増税を行なわない場合、あるいは、景気対策の財政支出額を行なう場合には、長期金利が上昇して、財政赤字が大幅に拡大する危険があるからだ。

総裁選で経済政策論議が
行なわれない危険

 自民党総裁選は、9月7日に告示され、20日に投開票が行なわれる予定だ。
 石破茂・元自民党幹事長は、8月10日、総裁選に立候補する意向を正式に表明した。総裁選は、安倍晋三現総裁と石破氏の戦いになる可能性が強い。
 2015年は無投票で安倍氏が再選された。今回は、6年ぶりの選挙戦となる。
 衆参両院で多数を占める自民党の総裁選は、事実上の首相選びだ。消費増税について政策論争を行なう必要がある。
 これまで石破氏は、おおむねアベノミクスとは対立する内容の経済政策を主張してきた。すなわち、金融緩和政策を見直し、財政の健全化を図ることが必要としてきた。
 しかし、10日の記者会見では、経済に関して、アベノミクスによる株価上昇や雇用改善を「否定するつもりはない」とした。
 また、『文藝春秋』9月号に寄稿しているが、経済政策については、「ディベートをしたい」というだけで、明確な方向付けを示していない。
 こうした状況だと、経済政策に関して論争が行なわれないままになる可能性がある。しかし、言うまでもないことだが、財政金融政策の見直しは緊急の課題だ。
 以下では、差し迫った問題として、消費税率引き上げについて検討したい。

消費税増税をどうするのか?
三度目の先送りの可能性も

 現時点での予定としては、「2019年10月1日から消費税率を10%に引き上げ、軽減税率制度を導入する。このとき、インボイス制度を導入する」とされている。
 問題は、これが予定どおり実行されるかどうかだ。
 消費税率の10%への引き上げは、当初は15年10月に行なうこととされていた。しかし、安倍政権は、これを2回延期している(14年11月に、17年4月まで延期。さらに16年6月に、19年10月まで延期)。
 その理由は、消費税率の引き上げが経済に悪影響を及ぼすというものだったが、実際には、衆院選挙への影響をおそれたのだ。
 ところが、19年には、4月14日に統一地方選が、夏に参議院選挙が予定されている。
 これまでの経緯を考えると、19年10月の引き上げも延期になる可能性がある。そこで、この問題をどうするかを、今回の総裁選できちんと決めておかなければならない。
 政府は、今年5月の経済財政諮問会議で、消費税率の引き上げに備え、大規模な景気対策を行なう方針を決めた。「臨時特別措置を19年度と20年度の当初予算で講じる」としている。
 他方で、石破氏は、この問題については具体的な意見を表明していない。
 前記『文藝春秋』の記事の中では、過去の選挙戦で消費税増税反対を貫いたことを述べてはいるが、19年10月の引き上げについては何も語っていない。

消費税増税を回避すると、
長期金利上昇を招く

 現在の日本経済で大きな問題は、長期金利の動向である。
 8月9日付け本コラム「日銀が金利抑制をやめたら長期金利は暴騰しかねない」で書いたように、現在の日本における長期金利の均衡水準は、「消費者物価上昇率+1%」程度であると考えられる。
 現在は、これを無理矢理に0%程度に抑圧しているわけだ。
 仮に国債の増発によって施策の財源を賄うとすれば、長期金利の上昇は避けられない。
 内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(以下、「財政収支試算」)では、0%程度の低い金利水準が2020年度まで続き、その後も23年度まで1%未満が続くとしている。これは、消費税増税が行なわれる場合の想定である。
 消費税増税を行なわず、施策を賄うために国債が増発されれば、0%近い金利では、国債を消化できなくなるだろう。したがって、長期金利が高騰するだろう。
 消費税を増税しても、大規模な景気対策を行なうとすれば、長期金利上昇の圧力は高まる。

増税をするかどうかで、
財政赤字は大きく変わる

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 以下では、国の一般会計を考察の対象とする。

 金利が上昇すると、国債費の増加という深刻な問題が発生する。

 市場での国債利回りが上昇しても、国債の利払いに直ちには影響しない。しかし、市中金利上昇の影響は、新規発行や借り換えが進むにしたがって、徐々に現れる。
 国債の新規発行、借り換え、償還が現在と同じペースで続くと仮定すると、新金利適用残高の総残高に占める比率は、金利上昇後5年目に50%を超え、10年目には64%となる(図表1を参照)。
 内閣府の財政収支試算でも、長期金利上昇に伴って国債費が増加する状況が描かれている(国債費の約半分が利払い費であることに留意すれば、財政収支試算における国債費増加の様子は、図表1とほぼ整合的だ)。
 仮に、景気対策として財政支出を増加させるか、あるいは消費税増税を行なわないとすれば、それを補うために国債を増発する必要が生じるので、事態は悪化する。
 では、具体的に、どの程度、悪化するか?
 ここでは、つぎの2つのケースを考えることとした(図表2参照)

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 ケース1は、政府が行なうと表明しているものだ。つまり2019年の消費税増税は予定どおり行なうが、景気の落ち込みを防止するため、財政支出を増加させる。
 これは国債増発によって賄われるため、長期金利は上昇するだろう。
 ケース2は、現実に行なわれることになる可能性が強いものだ。すなわち、19年の消費税増税は中止する。
 そして、増税すれば得られたはずの財政収入を補てんするため、増税予定額と同額だけ、国債を増発する。
 ケース1の場合の国債増発は財政支出増が行なわれている期間だけにとどまるが、ケース2では、恒久的に必要になる。したがって、金利上昇圧力は、ケース1の場合より強くなるだろう。
 これらのケースについて、つぎの仮定の下に、財政収支を試算した。
(1)内閣府による財政収支試算(18年7月、成長実現ケース)をベースとする。
(2)基礎的財政収支対象経費は、内閣府試算のまま。
(3)国債費については、金利上昇の効果が、内閣府試算より時期が早く出ると想定した。
 具体的には、つぎのとおりだ。
 内閣府試算では、名目長期金利は20年度まで0%、21年度から上昇を始め、24年度に2%になると想定されている。ケース1、2では、国債の大量発行により、19年度において長期金利が2%になると考える。
 そして、内閣府試算の14年度の国債費を、当試算の19年度の国債費とする。以下、22年度まで、内閣府試算の値を年度をずらして用いる。
 23年度以後の国債費は、等差で増加するものとする。年間増加額は、内閣府試算での22年度と21年度の差額(3.2兆円)を用いる。等差で増加するとしたのは、図表1で見たとおり、金利変化に伴う国債費の増加は、7年間程度はほぼ直線的に増加すると考えてよいからだ。
(4)税収については、ケース1では、内閣府試算のとおり。
 ケース2では、19年度までは、内閣府試算のとおり。20年度からは、内閣府の試算から5兆円だけ減額するものとする(実際には19年度の税収も減少するが、その効果は無視した)。

財政赤字が内閣府試算より5割以上増え、
60兆円に近づく可能性がある

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 筆者の試算の結果は図表3のようになった。
 主要な結果は、つぎのとおりだ。
▼内閣府試算では、財政赤字は2023年度頃まで30兆円程度にとどまり、27年度でも37.7兆円にとどまる。
▼しかし、ケース1では、財政赤字は22年度に40兆円を突破、27年度には53.7兆円になる。
 内閣府試算でも金利上昇に伴って財政赤字は22年度から増加に転じるが、ケース1では、それが前倒しされるわけだ。
▼ケース2では、消費税増税による税収がないので、赤字はさらに大きくなる。
 財政赤字は24年度に51.7兆円となり、それから後は、過去最高値を超える。27年度では58.7兆円と、60兆円に近づく。内閣府試算に比べれば、55.7%も大きい。
▼27年度における国債依存度(財政赤字の歳出総額に対する比率)を見ると、内閣府試算は29.6%だが、ケース1では37.5%、ケース2では41.0%になる。
 上で述べた財政赤字は、国債増発によって賄わなければならない。このため、「国債費を賄うために国債を増発する」という悪循環に陥るわけだ。
 ここで行なった試算では、この効果は考慮しなかった。したがって、実際の財政状況は、上記の結果よりさらに悪化することになる。
 現在の財政は、長期金利を異常に低い水準に抑えこむことによって維持されている。内閣府の財政収支試算でも金利上昇は考慮されているが、それが実際に大きな問題をもたらすのは、試算期間外になっている。
 ところが、消費税が増税されなかったり、財政支出増が行なわれたりすると、長期金利高騰による財政収支悪化は、差し迫った問題となる。
 このことを金融市場が予測して、早い時点で金利が上昇する可能性もあることに注意が必要だ。
(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 野口悠紀雄)


http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/418.html#c7

[経世済民128] 中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
3. 2018年8月23日 18:48:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1297]
日銀、指針は3階層に 「追加緩和演出」の手段増加  編集委員 清水功哉
2018/8/23 6:30日本経済新聞 電子版
 日銀が金融緩和策の副作用軽減に向け、政策運営の柔軟性を高める対応を決めたのは7月末だった。その10日後にトルコリラ急落のショックが発生した。さらにその10日後、米利上げに不満を表明するトランプ米大統領の発言が飛び出した。翌日、円相場が一時1ドル=110円を突破。約2カ月ぶりの高値を付けた。

 為替相場の不安定な状況を踏まえれば、日銀が長期金利(10年物国債利回り)の変動容認幅を従来の倍に広げる柔軟性向上策をすぐに具体化するのは難しいだろう。日銀内でも「長期金利を急いで新しい上限の0.2%程度まで上げることはない」という声を聞く。保護主義の拡大など世界経済の様々なリスクを考えれば「利上げ」という印象を前面に押し出すような行動はとりにくい。

■副作用が小さい第5の選択肢

 むしろ、7月末の決定では世界経済のリスク顕在化に備えて追加緩和の手段を増やす工夫も施したようにみえる。詳細は後述するが、副作用が相対的に小さい追加対応の余地を広げた印象があるのだ。

 そもそも日銀は従来、追加緩和にはどんな手があると説明してきたのか。2016年9月に長短金利操作付き量的・質的緩和を導入した際には以下の4つを挙げていた。(1)短期政策金利引き下げ(2)長期金利誘導目標引き下げ(3)資産購入拡大(4)マネタリーベース(資金供給量)の拡大ペース加速――である。

 だが、(1)や(2)は銀行収益にマイナスになる。(3)の上場投資信託(ETF)購入増額や(4)の長期国債買い入れ増額も、市場機能低下に拍車をかける。いずれも緩和策の副作用を軽くする最近の流れに反してしまう。

 そこで第5の選択肢になりうるのがフォワードガイダンス強化だ。フォワードガイダンスとは先行きの政策に関する指針。緩和策の継続を約束し、あえて政策運営をしばることで緩和効果を出す手法だ。

 従来、日銀は2つのフォワードガイダンスを示していた。第1が「長短金利操作付き量的・質的緩和」という今の政策の枠組みに関する指針。「2%の『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続する」と約束した。第2が長期国債などの購入でマネタリーベースの残高を拡大する量的緩和に関する指針。「消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続する」と約束してきた。


 7月末に政策金利に関する指針が新たに加わった。「消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在の極めて低い長短金利を維持する」とした。〈表〉の通り、これで「フォワードガイダンスは3階層になった」(日銀幹部)。

 重要なのは、いずれの指針も曖昧さを残した表現になっていること。それらを何らかの形で明確化すると緩和強化を印象付けられる。従って3階層への拡充は「追加緩和演出」の手段が増えたことを意味する。7月末の決定で追加対応の余地を広げた印象があると書いたのは、そういう意味だ。

■追加対応は避けたいのが日銀の本音

 例えば1つめの指針の「(物価2%を)安定的に持続するために必要な時点まで」という部分。「安定的な2%」の達成前でも、達成の見通しさえ立てば現行の政策の枠組みをやめられるように読める。もっと縛りをきつくする手はある。第2の指針では「マネタリーベースの拡大方針」に定量的な定義がない。極論すれば年間1円でも増えていれば「拡大」になる。もう少し厳格に定義することはできる。そして7月末に導入した3つめの指針。「当分の間」をもっと具体的な文言にすることは可能だ。あるいは「消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ」という部分を「東京五輪後の経済・物価の不確実性を踏まえ」などと変えれば、「極めて低い長短金利を維持する」期間をより長くする約束にできる。

 このような政策指針の強化は、利下げや資産購入増額などよりインパクトが弱いとの受け止め方もありそうだ。ただ、仮にそうなら副作用も小さいだろうから、日銀としては手掛けやすいと言うこともできる。

 もっともフォワードガイダンス強化という手段も副作用と無縁なわけではない。長めの金利に一定の低下圧力がかかるからだ。超低金利が長引く予想を広げるとかえって人々のインフレ期待を弱めるとの見方もある。

 金融政策の限界が近づくなか、どんな手段であれ副作用への目配りが必要なことにかわりはなく、追加的な対応はできるだけ避けたいと日銀は考えているだろう。その願望通りになるかどうかのカギは、主に世界経済の動向が握る。

清水功哉(しみず・いさや)
 1988年日本経済新聞社入社。東京やロンドンで金融政策、為替・金融市場、資産運用などについて取材。著書に「日銀はこうして金融政策を決めている」「デフレ最終戦争」「緊急解説 マイナス金利」。証券アナリスト(CMA)やファイナンシャルプランナー(CFP)の資格も持つ。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/263.html#c3

[経世済民128] 中国は5年以内に"隠れ不良債権"で壊れる バブル崩壊が起きる可能性は40%(PRESIDENT Online) 赤かぶ
3. 2018年8月24日 08:45:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1298]

相変わらずの共産中国崩壊論は、間違いだが

もちろん、それで赤い労働貴族に搾取される国民が幸せというわけでもない

 


 

世論の指弾を受けた出生率を向上させる提言
世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」
40歳以下の男女から出産基金を一律徴収という暴論

2018年8月24日(金)
北村 豊


御用学者からの「出産基金」提言に国民からは強烈な反発の声があがった(写真:Shutterstock)
 江蘇省党委員会の機関紙「新華日報」は8月14日付の第13面「思想週刊・“智庫(シンクタンク)”」欄に“南京大学長江産業経済研究院”の学者である“劉志彪”と“張曄(ちょうよう)”(女性)が連名で執筆した『“提高生育率(出生率向上)”:新時代における中国人口発展の新任務』と題する文章を掲載した。

 中国では中国共産党と中国政府が何か新しい事を始めようとすると、地方の官製メディアを通じて学者に意見を発表させ、それに対する世論の反応を見て、問題なしと判断すれば、一気呵成に新たなお触れを公布するのが常である。当該文章がネットを通じて中国全土に流布されると、中国世論は激しく反発し、ネット上には怒りを爆発させた庶民の書き込みが溢れた。どうして中国世論は強烈な反発を示したのか。当該文章の概要は以下の通り。

【1】中国政府“国家統計局”が今年初めに発表した2017年の出生人口は1723万人で、2016年より63万人減少し、“全面二孩政策(全面二人っ子政策)”<注1>がもたらした出生人口のピークはすでに過ぎた可能性が高い<注2>。2018年上半期の新生児数は前年同期比で約15〜20%減少していることから考えると、2018年の出生人口は2017年より大幅に減少することが予想される。さらに悪いことには、2010年に実施された“人口普査(国勢調査)”のデータには、今後10年以内に我が国の出産適齢期の女性は約40%減少するとあった。ここ2〜3年以内に、我が国の第3次人口ピーク期(1981〜1990年)に生まれた出産適齢女性は徐々に出産適齢期を過ぎるし、全面二人っ子政策の実施がもたらした累積効果も消失するに従い、我が国の人口出生率は必然的に断崖からの急降下に直面することになる。「少子化」後の結果は非常に深刻なので、出生率の向上は新時代における中国人口発展の新たな任務である。

<注1>1980年代初頭から継続してきた“独生子女政策(一人っ子政策)”から転換して1組の夫婦に子供を2人まで出産可能とする政策で、2016年1月1日から実施された。

<注2>2017年の出生人口減少の詳細は、2018年2月16日付の本リポート『中国「2人目出産解禁」2年目に出生人口が減少』参照。


【2】我々は、我が国の出産奨励措置を短期、中期、長期の対応策に分けることが出来ると考える。その要点は下記の通り。

(1)短期:
 出産を全面的に自由化し、幼児教育産業と公共託児サービスを優先的に発展させ、国家の義務教育体制を強化する。我が国の女性の出産ピークは25〜30歳である。人口構造から見ると、1975〜1985年に出生した人口の出産意欲は比較的強いが、すでに出産適齢期は過ぎており、二人っ子政策がもたらした累積効果はすでに消失している。90年代に出生した人口は相対的に減少しており、出産観念が変化したことも加わり、この年代の人々に出産の重責を担わせるのは現実的ではない。但し、1986〜1990年の反動的なベビーブームに出生した人口はその総数が1.2億人に達し、比較的に出産意欲が強いだけでなく、まだ2年前後は出産適齢期にある。この時期を逃すことなく、直ちに出産を全面的に自由化すべきである。

(2)中期:
 “生育基金制度(出産基金制度)”を創設し、蓄えた社会扶養費を適切に利用し、出費が比較的小さい経済手段で家庭の出産を奨励する。出産休暇の延長と育児休暇制度の確立。出産奨励の住宅政策を制定する、等々。たとえば、社会扶養費の方面では、蓄えた社会扶養費を出産補助金に用いることにより財政圧力を軽減することもできる。さらに、40歳以下の国?からは男?を問わず、 毎年給与から?定?率の“?育基?(出産基?)”を徴収し、個人口座へ繰り入れることを規定すべきである。

 家庭が第二子およびそれ以上の子供を出産した時には、出産基金に申請して積み立てた出生基金を取り出すと同時に出産補助金を受け取ることができ、女性およびその家庭が出産時期に労働を中断したことによる短期的な収入損失を補償することに用いる。もし、国民が第二子を産まない場合は、口座に積み立てた資金を退職時に取り出すことができる。出産基金は“現収現付制(賦課方式)”を採用する。すなわち、個人が継続的に納付し、未だ取り出していない出産基金は、政府がその他家庭の出産補助金として支出することが可能で、不足部分は国家財政で補填する。

(3)長期:
 上述した政策の効果が漸減するのを待って、財税政策の調節作用を十分に発揮すべきであり、子供が多い家庭と女性が再就職する企業に対して税の優遇を与えると共に子供が多い家庭には財政補てんを与える。

【3】最後に、出産政策は地域差を十分に考慮すべきである。

 都市化が急速に進むにつれ、人口は“中心都市(大都市)”へ移転し、中小都市の若年人口は大量に流出する。我が国の東北地区および一部の計画出産が厳格に行われている地区では、人口の老齢化がとりわけ深刻である。それとは裏腹に、東部の“一線都市(主要な大都市)”では依然として人と土地が緊張状態にあり、巨大な人口圧力に直面している。中央政府は出産政策を奨励するための基本構造と原則を制定し、各地方政府は地元の出生率および老齢化の程度に応じて地方の人口政策を制定することができるようにする。このように人口発展の地域均衡を促進するだけでなく、各地の試験結果を総括して、次の大規模実施のために基礎を固めることが肝要である。

 ところで、この文章を書いた劉志彪と張曄とはどのような人物なのか。中国語のネットで検索した内容を整理すると以下の通り。

【劉志彪】南京大学長江産業経済研究院理事長、院長、産業経済研究部門主席専門家。1959年生まれの58歳。南京大学経済学部教授、博士課程指導教官。
1984年12月〜2010年10月:南京大学教師、経済学院院長、2010年10月〜2014年4月:江蘇省社会科学院院長、2014年4月〜2015年1月:南京財経大学校長、同大党委員会副書記、2015年3月:南京財経大学校長の職を免じられる。その後、南京大学長江産業経済研究院へ転じる。

【張曄】南京大学長副教授 (劉志彪は張曄の博士課程指導教官)
2006年:南京大学経済学院卒業、2008年:ポストドクターとして北京大学の姚洋教授と論文を共同執筆、2009年に第13期“孫冶方”経済科学賞を受賞。

 こうした経歴の持ち主である2人が、南京大学に属する“長江産業経済研究院”の学者として共同執筆したのが上記の文章だったのである。彼ら2人が何の目的で当該文章を執筆し、それを江蘇省党委員会機関紙である「新華日報」に掲載して発表したのか詳細は不明だが、世論の反発が予想される文章を敢えて発表したのは、上部機関からの命令に従ったものとしか考えられない。

 さて、当該文章に対して世論が激しい反発を示したのは(2)中期に記載された「出産基金制度」についてである。1980年代初頭から2015年末まで30年以上にわたって実施された“独生子女政策(一人っ子政策)”では、2人目以上の子供を出産すると多大な罰金が科せられた。罰金が支払えなければ、生まれた子供は戸籍登録を認めてもらえず、無戸籍者となった。また、罰金が支払えない親は、泣く泣く生まれた子供を遺棄したり、間引く<注3>ことも多発した。

<注3>「間引く」とは、口減らしのために、生まれたばかりの赤ん坊を殺すこと。

 そうした暗黒の時代は出生人口の減少を危惧する声の高まりを受けて2015年末に終わりを告げ、2016年1月1日からは無条件で子供2人までの出産を容認する全面二人っ子政策が実施され、人々は悪法の出産制限が緩和されたことに胸を撫で下ろした。ところが、全面二人っ子政策が実施されたにもかかわらず、予想に反して出生人口が期待通りに増大せず、逆に出生人口が減少に転じたことから、中国政府は出生率を向上させるための施策を暗中模索しているのが現状である。

 
 そうした最中に発表されたのが当該文章だが、それは何と「出産基金制度」を創設し、40歳以下の国民は男女を問わず、毎年給与から一定比率の“生育基金(出産基金)”を納めろと提起しているのである。やっと一人っ子政策の呪縛から解き放されたと思ったら、今度は出産基金を給与から差し引くと来た。ただでさえも給与からは“五険一金”と呼ばれる“養老保険(年金)”、医療保険、失業保険、“工傷保険(労災保険)”、“生育保険(出産保険)”、“住房公積金(住宅積立金)”が差し引かれた上に個人所得税が課せられるのに、さらに出産基金までもが給与から差し引かれては、生活できないという悲鳴に近いものだった。 


国民は政府の方針に左右されない「出産の全面的自由化」を待ち望んでいる
 中国の著名な経済学者である“馬光遠”は、この文章を読んだ感想を次のように述べている。

(1)「給与の?定?率を出産基?として徴収する」という個所を読んだ時には悪い冗談だと思っていたが、読み進むうちに筆者がまじめに提案していると知って驚いた。このような提案をする人の脳細胞は一体どのような構造になっているのか、どうやったらこのように愚かな提案ができるのか疑問である。

(2)出産の全面自由化や出産休暇の延長、出産家庭に対する補助金支給などは、自分たちが10年以上前から何度も提起してきたことで、全て合理的かつ正常なものであるが、一部の体制内学者や関係部門によって否定され続けてきたものである。

(3)我々は中国の出生率は実際にはすでに非常に低いと考えていた。“放開二胎(第二子出産自由化)”の呼びかけがなされていた頃、“中国人口学会”会長の“?振武(てきしんぶ)”はある文章を書いて予測した。彼は、第二子出産自由化をすれば、中国人は争って子供を産み、年間出産人口のピークは4995万人に達するとしたが、それは15歳の幼女から50歳のおばさんまで計算に含めたのに等しかった。このように基本的常識を欠落した予測を基に、為政者は1年間にそれほどの人口が増大したら困るとして全面的第二子出産自由化の発想を打ち消して、どっちつかずの“単独二孩政策(夫婦の一方が一人っ子なら第二子出産を容認する政策)”を実施したが、その結果は出生率の低下だった。

(4)過去には人々の出産を子供1人に規制して、2人目以上の子供を出産すれば、罰金を科し、社会扶養費を支払うように要求したが、毎年徴収したそれらの資金は一体どこへ消えたのか、全く不明のままである。現在、出産を奨励しようと、強制的に人々の給与から出産基金を徴収しようとしているが、出産は人間の基本的権利の一つであり、強制するものではないことを筆者は忘れているのではないだろうか。

(5)国家が人口増大計画を実施しようとすれば、それなりの資金を拠出して国民に出産を奨励する必要があるが、その資金はどこから調達するのか。それには“行政人員(管理職員)”を削減し、“行政経費(管理費用)”を圧縮すれば賄えるはずである。くれぐれも他人の給与から出産基金を天引きするような間違った考えをもたないようにして欲しいものだ。

 馬光遠のような著名な経済学者が堂々と批判するほどだから、庶民の反発はすさまじいものだった。ネットで当該文章を読んだネットユーザーが書き込んだコメントの代表例を紹介すると以下の通り。

【1】かつて一人っ子政策はどれだけ多くの家庭を破滅させたことか。住居の封鎖や破壊、強制連行してのパイプカットや卵管結紮(結紮)。庶民には生存権はないのか。中国の庶民は奴隷と一緒だ。現在、厚顔無恥にも国民に2人目の子供を産むことを要求しているが、子宮は私の物で、国家の物ではない。過去には断固として一人っ子政策を押し付け、今では無理やり2人目の出産を奨励しているが、どちらも邪悪な行為と言うしかない。

【2】中国では国民の役割は納税と交配。過去は一人っ子を強制し、2人目を産めば罰金だった。今ではそれが逆転し、2人目の出産を強制し、子供が1人なら出産基金を支払う必要があり、3??を出産したら罰金として社会扶養費を?払わねばならない。

【3】我々は家賃が高いので子供を養えないから産まない。それなのに、さらに出産基金を納めて金持ちの子供を援助しろというのか。こんなことを提案する奴は頭がおかしい。

【4】進学、就職、医療、住宅の問題が解決してから言えよ。進学できず、就職もできず、病気になっても診察を受けられず、住宅も値段が高くて買えないのに、子供を産んで、一体誰が子供を養うのか。

 なお、劉志彪が院長を務める南京大学長江産業経済研究院のサイトを調べると、研究院のメンバーには張曄の名前は無かった。また、同サイトに掲載されている当該文書の作者欄には、不思議なことに「張曄、劉志彪」と書かれていた。このように張曄が主、劉志彪が従となっていることから判断すると、当該文章の主体は張曄が執筆し、劉志彪が指導・加筆したものと思われる。さらに「新華日報」に掲載された文章には、序文の後に書かれた日本を含む世界各国の出生率向上のための奨励政策を比較研究した部分が省略されていた。恐らくそこには都合の悪いことが書かれていたので、故意に省略したものだろう。

 中国にとって出生人口の減少は、老齢人口の増大と相まって、国家の存亡に関わる重大事である。劉志彪と張曄が連名で執筆した『出生率向上:新時代における中国人口発展の新任務』と題する文章が、中国政府の指示を受けて「新華日報」に掲載されたかどうかは不明だが、当該文章が中国国内に巻き起こした世論の強烈な拒否反応は、中国政府に「出産基金」創設を逡巡させるのに十分であったと思われる。このまま手をこまねいていては出生人口の増大は望めず、中国政府がどのような次の一手が打ち出してくるか興味深いものがある。

 しかし、長年の一人っ子政策によって苦しめられて来た中国国民は、政府の政策に左右されない「出産の全面的自由化」を待ち望んでいる。単純な発想だが、もしそれが実現すれば、中国国民は精神的な重荷から解き放たれ、出生率は上昇に転じるのではないだろうか。


このコラムについて
世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」
日中両国が本当の意味で交流するには、両国民が相互理解を深めることが先決である。ところが、日本のメディアの中国に関する報道は、「陰陽」の「陽」ばかりが強調され、「陰」がほとんど報道されない。真の中国を理解するために、「褒めるべきは褒め、批判すべきは批判す」という視点に立って、中国国内の実態をリポートする。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/276.html#c3

[政治・選挙・NHK249] 平然と人の命を奪った時代って、今だろう? 違うのか、安倍  赤かぶ
3. 2018年8月24日 11:29:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1299]

「児童労働1億5200万人」という暴力
通商の課外授業
“フェアな貿易”の後進国、日本

2018年8月24日(金)
羽生田 慶介


バングラデシュの風船工場で働く子どもたち(写真:Barcroft Media/アフロ)
 「雇い主は、僕が仕事でミスをすると、たばこの火を押し付けたり、蹴ったり、殴ったりするんだ。お昼ごはんを食べるのが遅くて、お皿を顔に押し付けられたこともある」

 「同じ場所で働いていた一人の子が、あまりに辛くて自分の親に言ったんだ。それで親が雇い主に文句を言いに来たんだけど、その翌日からその子の姿は見えなくなっちゃった。親は探したけれど見つからなくて、あの子はきっと殺されちゃったんだと思う。だから僕は、親には相談しなかった」

 これは、認定NPO法人ACE代表の岩附由香氏が、インド繊維工場で児童労働をしていた男の子の声を伝えてくれたエピソードだ。(認定NPO法人ACE『チェンジの扉 児童労働に向き合って気づいたこと』)

 国際労働機関(ILO)の発表によれば、世界には1億5200万人の子どもが児童労働をしている。その数はなんと、日本の人口よりも多い。

 そして、児童労働で作られた商品を輸入して買っているのは、我々先進国の消費者だ。

「児童労働」によらない商品を見つけられるか
 そもそも、児童労働とは何か。

 貧困によって子どもが「働かなければならない」現実が途上国にあることも、我々は分かっている。

 「児童労働(Child Labor)」は、「子どもが働くこと」すべてを指す言葉ではない。

 国際条約の定義では、子どもを18歳未満とした上で、

1)就業最低年齢(通常15歳)未満の児童による軽易ではない労働
2)15歳〜17歳の子どもによる、危険有害労働等、法律で禁じられている労働
を、「児童労働」としている。

 中でも、債務奴隷や人身取引、子ども兵士、子どものポルノや買春などは「最悪の形態の児童労働」と呼ばれており、一刻も早い撤廃が各国に求められている。

 お手伝いやアルバイトなど、子どもの教育や安全が妨げられないものは、「子どもの仕事(Child Work)」として区別される。

 このスーパーで手に取ったチョコレートには、ガーナの子どもが重いカカオの実を運ばされてできたものじゃないだろうか。その子は学校に行けていたのかな。

 このホームセンターで売っているレンガは、親の借金のカタで売られた4歳からの子どもたちが粉塵と汚泥にまみれたインドの工場の、平均30歳代で死んでしまうような環境で作ったものじゃないだろうか――。

 だが実のところ、自分が買う商品の生産プロセスにおいて、児童労働がなかったかどうかを自分の目で確かめることは難しい。

日本はフェアトレード「超」後進国
 では何を頼りに、児童労働によらない商品を見つければいいのか。

 役に立つのが「フェアトレード認証」だ。

 国際フェアトレード認証の基準は厳格で、原料生産から加工、輸出入・製造のサプライチェーンすべての組織が監査される。合格した製品にのみラベルを貼ることが許されるのだ。

 チェックされる主な視点が、「適正な価格を保証」「自然環境に配慮」、そして「人権を守る」こと。このなかに「児童労働および強制労働を排除する」という基準が含まれている。

 フェアトレード製品の生産者は、安全な労働環境、人権の尊重、人種差別・児童労働・強制労働の禁止などILO条約(国際労働条約)を守ることが求められる。

 さて、ここで質問。

 国際フェアトレード認証であるFairtrade Internationalによる「フェアトレードラベル」のマーク、あなたはいますぐ描けるだろうか。

 うろ覚えでも思い出せない場合、せめて、何色かご存知だろうか。

 正解はこちら。


国際フェアトレード認証ラベル
 残念ながら、日本ではこの国際フェアトレード認証ラベルの認知はいまだとても低い。

 2015年の日本フェアトレード・フォーラムの調査によれば、このラベルを「見たことがない」人は85.2%にものぼった。「意味も知っている(=認知度)」という回答は6.3%だけだ。

 世界の130カ国以上で流通している国際フェアトレード認証製品の市場規模は約9470億円(約79億ユーロ:2016年)。このうち、日本の市場規模は約1.2%の約114億円にとどまっている(Fairtrade International年次レポート2017年)。

 同年の世界GDPに占める日本のシェアが6.6%(IMFデータ)なのだから、これは小さ過ぎる。

 この市場が最も大きなイギリスは日本の約30倍、続くドイツは約13倍の規模だ。

 この違いは何か。

 日本の消費者は、品質への意識が強すぎる一方で、フェアトレード製品に対する信頼が低い。「ニワトリとタマゴ」の関係だが、消費者に選んでもらえるものでなければ、流通側も積極的に扱わない。これに対して、これまで日本政府は大した施策を打ってこなかった。

 イギリスには、政府内に「国際開発省(Department for International Development)」という開発途上国に対する支援を行う機関があり、フェアトレード団体への融資を行っている。

 税金で運用される政府機関がこのような活動をしているのだ。

 イギリス国民の7割近くが「開発途上国の貧困に関心あり」「その問題は自分にも関係がある」と捉えている調査にも頷ける。

 一般社団法人エシカル協会代表理事の末吉里花氏は、この背景には学校教育による啓蒙も大きいと指摘する。

「2025年にまでにすべての児童労働を撤廃」のための通商ルール
 2015年に国連が定めた「SDGs(持続可能な開発目標)」は、2030年までの世界の経済・環境・社会のありたい姿をまとめたものだ。

 この目標の中には、

(目標8 ターゲット7)2025年までにすべての形態の児童労働を撤廃する

というものがある。

 日本の人口よりも多い1億5200万人の児童労働を、あと6〜7年でゼロにするというのだ。

 ILOの統計では、児童労働の数は年々減ってきているとされる。それでも、今の世界の取組みではこの目標を達成することはきっと難しい。

 企業がサプライチェーンを見直すこと、消費者が意識を変えること。このための活動は、世界中でどんどん活発になるだろう。

 だが、その自発的なアプローチだけで、2025年に間に合う気がするだろうか―――。

 変わるべきはFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)といった通商ルールだ。

 はっきり言おう。これまでのFTAやEPAにおける「労働」章は、内容が薄すぎる。

 ほぼすべてのFTAやEPAにおいて書かれているのは、「低コストの労働者をウリにして投資を誘致することはダメ」だということの「確認」と、「ILOの取り決めをしっかり守ってね」という内容ばかり。

 それが努力規定か義務規定かの違いはあっても、既に国際条約で決まっている内容をコピーしているに過ぎない。

 ILO加盟国はそれを協定内で「再確認」し、ILOの関連規定を批准していない国はその遵守を求められるのみだ(それを途上国に納得してもらうだけでも、交渉には大きな苦労が伴うのだが)。

 2019年に発効予定のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)においては、「強制労働(児童の強制労働を含む)によって生産された物品を他の輸入源から輸入しないよう奨励する」という言葉が盛り込まれたことは特筆に値する。が、これも「自国が適当と認める自発的活動を通じ」という前提だ。

 これでは、2025年までに児童労働を撤廃できないのだ。

 いくら国全体としてILO規定に沿う意思を示したところで、ひとつひとつのビジネスを監督できるわけではない。

 「国際フェアトレード認証ラベルを取得した製品は、一律すべて関税ゼロにする」
 「締約国は輸出入の通関のときに、児童労働がない証明、または児童労働をなくす取組みを提示すること」

もしも、このようなパワフルな規定が通商協定にあれば、世界は大きく変わるだろう。そうでなくても、例えば、

「締約国は、自国のフェアトレード商品の輸出入の実績や、国内市場を拡大させるベストプラクティスを相互に共有する」

といった経済協力の規定があるだけでも、これまでとは大きな違いだ。

 通商交渉に携わる現役の官僚各位は、「そんな規定を入れ込むのが難しいのは、あなたが一番よく分かっているだろう」と笑うかもしれない。

 だが、まず日本から世界に「提案」してみてほしい。

 米トランプ政権は、NAFTA(北米自由貿易協定)の改定交渉のなかで突如、「乗用車および小型車は価格の40%に当たる作業に時給16ドルの賃金を支払うこと」という提案を出した。

 これはもちろん「Buy American, Hire American」の自国第一主義のための要求だ。この提案の内容そのものがヒントなのではない。

 トランプ大統領を見習うべきは、目的のためのこのストレートさだ。

 たとえ過去のFTA協定に前例がなくても、素人のように新たなルールを発想する。社会課題解決のためにこそ、ときにこの強引さが必要となる。そうでなくては、日本の人口よりも多い児童労働を無くすことなど、夢のまた夢だろう。

「公正な貿易」と「フェアトレード」
 今年8月9日、アメリカのワシントンで日本の新たな通商協議「FFR」の初会合が開催された。

 茂木経済財政・再生相とライトハイザー米国通商代表部(USTR)代表の間で開かれたこの「FFR」は、「Free(自由)」「Fair(公正)」「Reciprocal(相互的)」という3つの頭文字を並べた言葉だ。

 文字通り「Free(自由)」は関税削減について、「Reciprocal(相互的)」は輸入額の均衡について議論が交わされることが予想される。

 問題は「Fair(公正)」だ。

 もちろん日米間の協議なのだから、この両国に限ったフェアネスについて話し合うのだろう。だが本当は、この経済大国にはもっと違う「フェア」の議論を深めてほしいのだ。

 先進国の間の「Fair(公正)」の議論は、歴史が繰り返されている。

 最初は1881年にイギリスが設立した「国民公正貿易連盟(The National Fair Trade League)」だ。当時はアメリカやドイツの保護主義に対して、産業革命後のイギリスが「公正な」貿易を主張した。

 そして今日また、先進国同士で同じ議論が交わされている。

 WTO(世界貿易機関)の推進力が失われ、途上国の開発アジェンダよりも「自国ファースト」が主張される今だからこそ、途上国との「フェアトレード」についてリーダーシップを発揮する国が必要なのだ。

 日本は、児童労働の撤廃につながる「フェアトレード」では、「超」がつくほどの後進国。消費者の意識が変わるのを待っていられない。通商で世界に発信するメッセージから、一気に変えていくことが必要だ。

ノーベル平和賞カイラシュ・サティヤルティ氏の言葉
 2014年12月、史上最年少の受賞となったパキスタン人のマララ・ユスフザイさんとともにノーベル平和賞を受賞したインドの人権活動家カイラシュ・サティヤルティさんは、授賞式のスピーチの中でこう述べた。

There is no greater violence than to deny the dreams of our children.
(子どもたちの夢を否定することほど、大きな暴力はありません)

I refuse to accept that the world is so poor, when just one week of global spending on armies is enough to bring all of our children into classrooms.
(世界のたった一週間分の軍事費があれば、すべての子どもたちを学校に通わせることができるのに、そんなお金はないという世界を、私は受け入れることはできません)

 FTAなどの通商ルールで「稼げる」のは、先進国の企業だけであってはならない。

 途上国の産業もフェアに利益を上げて、子どもを危険な労働から救うことにつながる協定づくりを期待したい。

 当コラムの執筆者の書き下ろし書籍『稼げるFTA大全』が発売になります。

 TPP11や日本EU・EPA(経済連携協定)。2019年には大規模FTA(自由貿易協定)が相次ぎ発効される見通しです。けれど、果たしてこれらの動きが、日本の企業にどんな影響を与えるのか、十分に理解している経営者やビジネスパーソンは少ないのではないでしょうか。


 しかし本書で指摘しているように、「関税3%は法人税30%に相当」します。仮に、これまで輸出入でかかっていた関税がゼロになれば、それを活用するだけで、昨日と同じビジネスを続けていても、ザクザクと利益を生み出すことができるのです。ほかにも、海外企業のM&Aがよりやりやすくなったり、各国GDPの10〜15%を占める「政府調達」に入札しやすくなったりするなど、FTAを活用することで、ビジネスチャンスはぐんと広がります。

 同時に、FTAのルールをきちんと守れていなければ、税関当局の指摘を受けてしまい、サプライチェーンが止まるという甚大な被害を受けることもあります。

 日本初、企業が「稼ぐ」ためのFTA攻略本をみなさんの会社の経営に役立ててください。


このコラムについて
通商の課外授業
 経済産業省で諸外国との経済連携交渉に従事したのち、複数の戦略コンサルティング企業で事業戦略立案などに取り組んできた羽生田慶介氏(デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員)が、各国の通商政策・戦略や、その攻防の舞台裏、トリビア(豆知識)などについて、分かりやすく解説します。

 英国のEU離脱やトランプ米大統領の登場などにより、各国の通商政策は激変の時を迎えており、変化を見据えた対応が急務です。競争から取り残されないためのヒントを提供します。


 

2018年8月24日 堀内 勉 :HONZ
「ゲンバク」と呼ばれ過酷な差別を受けた少年の生き様
『ゲンバクとよばれた少年』
少年のシルエット
写真はイメージです Photo:PIXTA
NHK「原爆と沈黙〜長崎浦上の受難〜」
子ども向けに書籍化
『ゲンバクとよばれた少年』書影
『ゲンバクとよばれた少年』 中村由一著 講談社 1200円+税
 この『ゲンバクと呼ばれた少年』は、さながらギリシャ神話の最高神ゼウスが人類最初の女性パンドラに与えた箱の中からあふれ出た、戦争、貧困、疫病、憎悪といった人類を取り巻くあらゆる災禍と、それでも箱の底に最後に残されたかすかな希望の物語のようである。

 本書は、昨年8月に放送されたNHK・ETV特集「原爆と沈黙〜長崎浦上の受難〜」の内容を、子ども向けに書籍化したものである。終戦記念日が近づく盛夏のこの時期に、どうしても読まずにはいられず手に取ってみた。

 本書は次のような言葉で締めくくられている。

“子どもたちに話をするときに、必ず聞くことがあります。
「差別やいじめはなくなると思いますか?」
ほとんどの子が「なくなりません」と答えます。
しかし、僕ははっきりと信じています。必ずなくすことができると信じています。

(中略)

僕は生き残りました。
原爆にも、差別にも負けずに。
だから、これからも生きていきます。
若い人たちに、僕の話を聞いてもらうために。
戦争や差別のない世の中が、必ずやってくるように。”

「ゲンバク」というあだ名つけられ
子供だけでなく大人からも差別といじめ
 著者の中村由一氏は、長崎市内の被差別部落の出身であり、同時に長崎原爆(*)の被爆者でもある。少年時代に担任の先生から「ゲンバク」というあだ名をつけられ、同じ学校の子供たちからだけでなく、周りの大人たちからも厳しい差別といじめを受けてきた。

 初めに予想した通り、或いはそれ以上に、ここに書かれている著者の過酷な体験を読んで打ちのめされた。それと当時に、最後に残された希望に救われた思いがした。

 どうして本人の責めに帰すべきではない、自らの力ではどうしようもない生まれや育ちなどが原因で差別されるのか。どうして原爆の被害者が、同じ国の人たちから「ゲンバク」と呼ばれていじめられなければならないのか。

 この余りにも理不尽な著者の体験を読むにつけ、人間の本性とは何なのかを考えさせられ、そして打ちのめされた気持ちになる。今、与党の国会議員が、人間としての「生産性」を取り上げて、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の一部の人々について、余りにもひどい差別発言をしたことが社会問題になっているが、なぜ人類は過去の教訓を生かして自らの弱さを克服できないのだろうか。

(*)長崎市への原子爆弾投下は、第二次世界大戦末期の1945年8月9日午前11時02分(広島原爆の投下は8月6日午前8時15分)に、アメリカ軍が長崎市に対して投下した、人類史上実戦で使用された最後の核兵器。アメリカ軍は、この原子爆弾を「ファットマン(Fat Man)」(広島原爆は「リトルボーイ(Little Boy)」)と名付けていた。ファットマンの投下より、当時の長崎市の人口24万人のうち約7万4千人(広島は9万-16万6千人)が死亡し、建物は約36%が全焼または全半壊した。

 哲学者の市井三郎が『歴史の進歩とはなにか』の中で語っているように、歴史の進歩とは、「不条理な苦痛―自分の責任を問われる必要のないことから負わされる苦痛―を減らすこと」ではないのか。

 そして、自分自身を振り返るにつけ、それではこれまでの自分は全くの潔白であったのかという自責と後悔の念とともに、新約聖書の次の一節を思い出すのである。

 “律法学者とパリサイ人が、姦淫の場で捕えられたひとりの女を連れて来て、真中に置いてから、イエスに言った。『先生。この女は姦淫の現場でつかまえられたのです。モーセは律法の中で、こういう女を石打ちにするように命じています。ところで、あなたは何と言われますか。』

 彼らはイエスをためしてこう言ったのである。それは、イエスを告発する理由を得るためであった。

 しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に書いておられた。けれども、彼らが問い続けてやめなかったので、イエスは身を起こして言われた。『あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい。』

 そしてまた身をかがめて、地面に物を書きつづけられた。これを聞くと、彼らは年寄から始めて、ひとりひとり出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。」(ヨハネの福音書8章7項)”

 こうした中でも、本書の救いは、過酷な差別を受けてきたにもかかわらず、希望を失わずに生き続けた中村氏の勇気と生き様にある。

 20数年前から、中村氏は学校などから頼まれると、子どもたちに自分の体験を語り始めるようになり、今では毎年長崎へ修学旅行に来て、中村氏の話を聞いていく中学校もある。中村氏は、自らの体験を伝えることで差別のない世の中が実現することを願って、本にする決意をしたのだという。

本書の本当の救いと希望
 そして、本書の本当の救いと希望は、中村氏を支え続けてくれた家族や、数少ない友人や親切な大人たちの存在なのだと思う。中村氏の真面目な働きぶりを見て、郵便局の手伝いをしないかと声をかけてくれた人、故郷に住めなくなった長崎の浦上町の人たちが再び集まれるようにするための活動を始めた先輩、中村氏の体験を生徒たちに語るように声がけしてくれた中学校の先生。

 こうした人々の存在があったからこそ、中村氏は今日まで生きてくることができたのだし、この世の中から差別やいじめをなくすために、自らの気持ちをしっかり語っていこうと心に決めることができたのではないか。

 そして、人が人に対して与える前向きな心の正の循環は、必ずや次の世代に受け継がれていくのだと思う。

 劇作家のオスカー・ワイルド(1854〜1900年)は、同性愛をとがめられ訴えられた裁判の中で、相手方に 「どぶさらいめが」と罵られ、 次のように言い返している。

「俺たちはみんなドブの中を這っている。しかし、そこから星を見上げている奴だっているんだ。(We are all in the gutter, but some of us are looking at the stars.)」

 この『ゲンバクと呼ばれた少年』は、終戦から73回目を迎える今年の夏、改めて人間の生きる意味を問い直すために読んで頂きたい一冊である。


(HONZ 堀内 勉)
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/616.html#c3

[政治・選挙・NHK249] 障害者雇用者数改竄が示す安倍政治の冷酷さ(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
9. 2018年8月24日 11:31:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1300]
建前の価値はそこにある
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 〜世間に転がる意味不明
2018年8月24日(金)
小田嶋 隆


 複数の省庁が障害者の雇用率を水増ししていたことが発覚した。

 報道によれば、水増しは複数の省庁で42年間にわたって行われていた大掛かりなものであったのだそうだ(こちら)。

 「久しぶりに出くわしたとんでもないニュースだ」

 と言いたいところなのだが、残念なことに、ニュースの受け手としての私のとんでもなさへの感受性は、順調に麻痺しつつある。

 私は驚かなかった。
 「まあ、そういうこともあるのだろうな」
 と思いながら記事を読み終えた。

 そして、その自分自身のクールな受け止め方と不人情さに、いくばくかの後ろめたさを感じている次第だ。

 42年間にわたって、複数の省庁が障害者雇用率の数値を偽って報告していたことは、これは、何度強調しても足りないことだが、実にとんでもない驚天動地の醜行だ。
 が、その一方で、私たちは、その、おそらくかなり数多くの関係者が感知し得ていたはずの事実について、ずっと知らん顔をしていた当事者でもある。

 42年間も発覚しなかったということは、「巧妙に隠蔽されていた」とか、「関係省庁が全力を挙げて秘密の保持に心を砕いていた」というようなスジのお話ではない。この間の経緯は、どちらかといえば、「公然の秘密」として見てみぬふりをされてきた前提だったことを物語るもので、つまるところ、われわれは、その種のごまかしを半ば「常識」として容認してきたのだ。

 実際
 「そりゃ、お役所だって、きょうびそんなにのんびりした職場じゃないわけだしさ」
 てな調子で「冷徹」な見解をツイートする匿名の論客が活動しはじめている。
 そういうふうに「残酷」に受け止めてみせるのが、普通の人間の普通の感覚だと、彼らはテンから信じてやまない。

 彼らにしてみれば、障害者の排除に憤ってみせている「自称リベラル」こそが、「偽善者」の「お花畑」の「素敵なポエムを唱えていれば世界が素敵なファンタジーランドに変貌すると思い込んでいる夢想家」だというお話になる。

 彼らが想定している「あたりまえな世間」では、中学校の公民の教科書に載っているテの話をわざわざ持ち出すタイプの人間は、この世界のリアルと、教科書が教えていたお上品な建前の区別をつけることができない低能ぐらいな扱いになる。あるいは「おリベラル」「おサヨクさま」といった調子の尊称まじりの呼びかけ方で揶揄する対象に過ぎない。いずれにしても、マトモな人間としては扱われない。

 「あんたたちが学校の教室で吹き込まれてきた理念だの理想だのは、校門の外に出たら通用しないんだぜ」
 「な、いいかげんに学習してくれよ。学校の教室で勉強ができたという君たちのその栄光の物語は、卒業した時点でとっくに終わってるんだから」
 「そんなわけなんで、あんたらのその人権アヒャアヒャ踊りの輪は、どうか仲間うちだけで静かにやってくれるとうれしい。当方からは以上だ」

 ネット上に盤踞する冷笑系の空論家でなくても、われら一般国民にしたところで、役所の人事採用が額面通りに障害者に門戸を開いていないことに薄々気づいていながらそれを黙認していた人間たちではあるわけで、つまるところ、われわれは、駅のベンチにうずくまって苦しんでいる人のそばを通り過ぎる通勤客みたいな調子で、知らん顔をしていたのである。

 そういう意味でも、お役所の罪は深い。
 「過酷な市場競争にさらされていないお役所にしてからが、障害者を事実上排除してるのに、どうしてオレら一般企業がお国の指示に従って、雇用率を守る義理があるんだ?」
 「つまり、障害者雇用率とかいうおためごかしの取り決め自体が、どうせ集票目的の宣伝活動に過ぎなかったってことだわな」
 「生産性だとかいう言葉を使ったカドで非難されてた政治家がいたけど、少なくとも役人は彼女を責めるわけにはいかないだろうな。それともアレか? 口から出る言葉として生産性という用語を使うのはNGだけど、不採用通知を通じて特定の相手に思い知らせるのはOKだってことなのか?」

 てな調子で、官公庁が「建前」を守らないことは、おそらく一般企業の詐欺的採用やブラック雇用への追い風になる。

 特段に強欲な経営者でなくても
 「結局この世界の唯一のルールは『適者生存』に尽きるってことだよ」
 式の市場原理主義的な信念に共感を寄せる人は少なくない。

 してみると、「リアル」であることを自負する新自由主義的な企業家にとって、障害者雇用率なる枠組みは、制度的な偽善である以上に経営への過度な介入であり、結論としては、彼ら自身の人間観を否定する古いドグマだ、ってなことになるのだろう。

 毎日小学生新聞によれば、障害者雇用における水増し発覚のケースは、中央省庁のみならず、自治体の採用にも及んでいる(こちら)。

 読者の環境(契約の有無とか)によって、リンク先の記事が読めるかどうかちょっと私の方からはわからないのだが、最近、私は、この種の、社会の成り立ちの根本にかかわるニュースは、いっそ小学生新聞で読むのが適切なのではないかと思い始めている。

 実際、リンク先の記事は、要点をおさえつつ、シンプルかつ明快に事態を伝える素晴らしい記事だ。
 今回発覚した事態は、障害者雇用という社会的包摂のうちの最も大切な部分で、模範を示すべき官庁ならびに自治体が、自ら率先して障害者差別を実行していたことを示唆している意味で、大変に深刻だ。

 こういう話題に関して、報道機関は、思い切り建前寄りの記事を配信せねばならない。
 でないと、「リアルな欲望」や「めんどうくささの回避」に流れがちな「現実」とのバランスがとれなくなる。

 毎日小学生新聞は、先日の杉田水脈議員の「生産性」発言の折にも、8月9日付の記事で、ほかの日本中の大人向けの新聞が避けていた真正面からの論評をあえて試みている(こちら)。

 記者は、

《 −略− 国会議員(こっかいぎいん)は差別解消(さべつかいしょう)のために働(はたら)く立場(たちば)にありますが、杉田議員(すぎたぎいん)は、子(こ)どもを産(う)むかどうかで人(ひと)の価値(かち)を判断(はんだん)し、その誤(あやま)った評価(ひょうか)で社会(しゃかい)の支援(しえん)を受(う)けられるかどうかを決(き)めるという間違(まちが)った考(かんが)えを主張(しゅちょう)しました。 −略−》

 と書いている。
 ここまではっきりと水田議員の主張を否定し去った記事が、ほかにあっただろうか。

 シンプルな間違いに対しては、シンプルな論評記事を書くべきだという、考えてみれば新聞社として当然の取り組み方を、われわれは小学生向けの新聞から教えてもらわなければならない時代に生きている。
 なんとも、不思議ななりゆきだ。

 財務省による行政文書の改竄が発覚して以来、この社会を成立たらしめていると考えられていた根本的な倫理観が実は既にして崩壊しておりましたという感じのニュースが続いていて、こっちの現実感覚がいまひとつ正常に機能しなくなっている。

 裏口入学などという昭和の時代にすっかり滅亡したはずの醜悪な不正が行われていたことに驚いていたら、なんと同じ大学で、今度は入学試験の点数データが改竄されていたことが発覚してしまう。

 ちなみに申し上げれば、裏口入学が、入試制度の片隅に小さな穴があいていたことを物語る例外的な不祥事であることに比べて、試験データの改竄は、入学試験というシステムの前提が真っ赤なウソであったことを意味する、より根源的で致命的なスキャンダルだ。2つの事件を同一の基準で語ることはできない。お釣りをごまかした店員の事件と、組織的な偽造紙幣の流通の経済へのインパクトの大きさを同列に並べることができないのと同じことだ。

 行政文書や大学入試の点数は、この世界の公正さを担保している「基準」というか、「スタンダード」そのものだ。

 偽造された人事採用資料をもとに運営されている役所が信頼できないのは、デタラメな強度計算をもとに設計された橋が安心して渡ることのできない建築物であるのと同じで、われわれは、自分たちが依って立つ基盤となるデータについてはどこまでも厳密に構えなければならないはずなのだ。

 こういうものが書き換えられると、社会の前提が崩壊する。

 たとえばの話、紙幣の額面が消しゴムで消して書き換え可能になったら、私たちの信用経済はその日のうちに崩壊することになると思うのだが、お役所が決裁した文書や、入試問題の答案の点数が自在に改竄可能な設定になったら、われわれの社会を下支えしている、人間の知的能力への信奉や、文書記録への信頼といった、ホワイトカラーの信仰は崩壊に瀕する。

 でもって、今度は、国家公務員の採用にあたって、お国が採用基準をごまかしていることが発覚してしまった。しかもその採用不正はどうやら複数の省庁で42年間にわたって続けられてきた、お役所ぐるみというよりは、全国民が共犯だったと言っても良い規模での日常的な不正だった。

 これは、単に書類をごまかしたというだけの話ではない。
 記録という公務員にとって命の次に大切なはずのデータを冒涜していたというだけの問題でもない。

 具体的な次元では、障害者の雇用機会を奪い、本来なら雇用されて報酬を得るはずだった何千人何万人の人間から生活の基盤と社会的評価の基礎を不当に奪い去っていたということだ。

 しかも、この官公庁による人事採用思想は「生産性」という呪いの言葉に強い説得力を与えてしまっている。
 個人的には、この点が最もひどいと思っている。

 つまり、この度の公的な機関による組織的な障害者排除事案は、杉田議員がうっかり漏らした「生産性」という言葉が、彼女の個人的な妄言ではなくて、より広範な人々によって共有されている21世紀の時代思潮の顕現であり、40年以上も続くわが国の伝統的な人事管理思想の根本を説明する用語であることを証拠立てる出来事だったということだ。

 われわれは、「生産性」によって人間を評価し、雇用し、管理し、場合によっては排除し、廃棄排斥することを厭わない考え方に基づいて、集団を指揮し、企業を運営し、国策を立案し、憲法を改定しようとしている。

 このことに私は恐怖感を覚えている。

 それ以上に私が不気味さを感じているのは、「生産性」という言葉や考え方に、なんらの不自然さを感じない人々の数が増えていることだ。

 最近読んだ、『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(吉川浩満著、河出書房新社)という本の中にちょっとおもしろい話が出てくる。

 第二章の「生きづらいのは進化論のせいですか?」というインタビュー記事の中で、著者の吉川氏は、質問者に答える形で、こんな話をしている。以下、要約する。

ビジネス書や処世術の本では、「弱肉強食」の価値観を標榜するものがよくみられる。
いわゆる「進化論」を肯定する人々の中には、弱者や無能者が優遇されすぎている世の中への違和感を語る人々がいて、その彼らは競争の正しさを裏打ちする理論として進化論を援用している。
この世界を適応して生き残る者と、適応できずに死んでいく者に分類する考え方として、進化論を認識している人々は、勝ち組/負け組、モテ/非モテのような文脈にも進化論を適用する。
世間に流通している俗流進化論の大筋は、「生物の進化には目的がある」とする考え方から「発展的進化論」を展開したフランスの博物学者ラマルクの思想をもとにしているケースが多い。
そのラマルクの発展的進化論を人間社会に適用した、英国の思想家ハーバート・スペンサーの思想が、後に「社会ダーウィニズム」として一世を風靡し、優生学的な態度を広めた。
その、スペンサー主義ないしは社会ラマルク主義と呼ばれるべきものの考え方が、社会の中での競争と適応を絶対視し、弱者の滅亡を正当化する競争万能思想に影響を与えている。
 と、以上の前提を踏まえた上で、吉川氏はこう言っている。

《 −略− 適者生存の原理は、「適者は生存する」という法則ではありません。「生存する者を適者と呼ぶ」という約束事であり、そこから仮説を作るための前提です。

 たとえばケプラーの法則は、実験や観察によって真偽を検証することができます。でも適者生存の原理は真偽を検証できるようなものではありません。「結婚していない者を独身者と呼ぶ」と同じように、適者の意味を定義しているに過ぎないのです。 −略− 》

 なんと、われわれは、前提と結論を取り違えているようなのだ。

 で、実際の進化がどのように起こるのかについては、これは、ほとんど「偶然」と「運」に依存している。ある種の「能力」と呼べる資質が生存に関与することはあるが、どの能力がどんなタイミングで生存に寄与するのかということが「運」と「偶然」に左右されている以上、「能力」は、そんなに重要な変数ではないということらしいのだが、このあたりの詳しい内容については、同じ著者の前著『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)に詳しい。興味のある向きは読んでみてほしい。

 ポイントは、「進化論」(ラマルク+スペンサーから借用してきた俗流進化論)が「競争の効用」や「市場原理の正しさ」や「社会の進歩」を言い立てる人々にとっての「お守り」として利用されているということだ。

 われわれは、社会的弱者を見捨てたり、貧困に苦しむ人々を放置するにあたっての、科学的裏付けというのかアカデミア発の許認可証みたいなものを求めている。

 でもって、自分がその種の「科学」の立場に則ってものを言っていると思っているからこそ、自信満々で無慈悲な断言を発することができる。

 「かわいそうだけど、社会の進歩のためには仕方がないよね」
 「だって、弱者を擁護すれば、それだけ全体が弱体化するわけだから」
 「強い麦を育てるということは、有り体にいえば弱い麦を踏み殺すことだからな」
 「まあ、インテリの先生方は摘果しないで育てた小粒の痩せたリンゴ畑みたいな社会がお望みだってことで」

 実際のところ、役所が障害者を雇用することは、業務の効率を妨げ、行政サービスを低下させ、税金の無駄遣いを招き、弱者利権を恒久化する事態を招くのだろうか?

 私は必ずしもそうは思わない。
 実際に、私は自分が出入りしている自治体で、車椅子で勤務している職員による行政サービスを受けているが、何ら不都合は感じなかった。

 それどころか、障害を持った職員が働く姿は「すべての人間は果たせる役割を持っている」という、ごく当たり前の観察をPRする意味で、有効だと思っている。

 「役に立たない人間は排除しなければならない」

 という生産性万能の思想は、あるタイプの限られたメンバーを想定して作られた組織ではそのとおりかもしれないが、すべての人間を含む「社会」を舞台に、その考えは通用しない。

 人間の社会では、むしろ逆に

 「社会はすべての人間にしかるべき役割を割り振るように設計されていなければならない」

 という原則で考えられなければならない。

 狭い市場で利益を生むべく生成された企業は、特定の条件を満たす人間を募集して雇用するものなのだろう。
 が、「特定の条件を持って生まれた人間の能力を活かすべき機会と現場を作り出さなければならない」という発想から生まれる仕事だってあって良いはずだし、もしかしたら、この先の世界でものを言うのは、そういう場面から生まれた仕事であるのかもしれない。

 お花畑だと思う人はそう思ってかまわない。
 私は、自分がどちらかといえば肥溜めよりはお花畑の方を好む人間であることを恥だとは思っていない。

(文・イラスト/小田嶋 隆)

(編注:文中の「障害者」の表記は弊社の編集ルールに従ったものです)
「生存する者を適者と呼ぶ」。そして、適者か否かは大半が「運」
長寿コラムの当欄担当の私は、幸運なんでしょうか。うーん……。
 小田嶋さんの新刊が久しぶりに出ます。本連載担当編集者も初耳の、抱腹絶倒かつ壮絶なエピソードが語られていて、嬉しいような、悔しいような。以下、版元ミシマ社さんからの紹介です。


 なぜ、オレだけが抜け出せたのか?
 30 代でアル中となり、医者に「50で人格崩壊、60で死にますよ」
 と宣告された著者が、酒をやめて20年以上が経った今、語る真実。
 なぜ人は、何かに依存するのか? 

『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』

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告白
一日目 アル中に理由なし
二日目 オレはアル中じゃない
三日目 そして金と人が去った
四日目 酒と創作
五日目 「五〇で人格崩壊、六〇で死ぬ」
六日目 飲まない生活
七日目 アル中予備軍たちへ
八日目 アルコール依存症に代わる新たな脅威
告白を終えて

 日本随一のコラムニストが自らの体験を初告白し、
 現代の新たな依存「コミュニケーション依存症」に警鐘を鳴らす!

(本の紹介はこちらから)


このコラムについて
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 〜世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たやすいこと」「取るに足らない出来事」「チョロい仕事」ぐらいを意味している(らしい)。当欄は、世間に転がっている言葉を拾い上げて、かぶりつく試みだ。ケーキを食べるみたいに無思慮に、だ。で、咀嚼嚥下消化排泄のうえ栄養になれば上出来、食中毒で倒れるのも、まあ人生の勉強、と、基本的には前のめりの姿勢で臨む所存です。よろしくお願いします。
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/605.html#c9

[経世済民128] 地銀は悲鳴! アベノミクスこそ総裁選の争点にすべきだ(日刊ゲンダイ) :政治板リンク  赤かぶ
3. 2018年8月24日 11:33:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1301]

安倍首相3選へ、アベノミクスの評価分かれる 雇用は増えたが消費低迷が課題
磯山友幸の「政策ウラ読み」


2018年8月24日(金)
磯山 友幸


9月20日に投開票される自民党総裁選では、アベノミクスへの評価も焦点となる。
長期金利の「上昇容認」は政策の修正か
 自民党総裁選が9月7日告示、20日投開票で行われる。すでに石破茂元幹事長が出馬を表明しており、現職で3期目を目指す安倍晋三総裁(首相)と一騎打ちになる見通しだ。

 安倍氏は会合で、「6年前は谷垣禎一総裁の出馬断念があったが、今回はよーいドンで新しく総裁を選ぶのとは違う。現職がいるのに総裁選に出るというのは、現職に辞めろと迫るのと同じだ」と対抗馬を恫喝まがいに牽制した。派閥の多くは早々に安倍総裁支持を打ち出し、立候補が予想されていた岸田文雄政調会長も出馬を断念した。石破氏支持を打ち出すかにみえた竹下派も事実上自主投票となり、半数以上の議員が安倍氏に投票する見込みだ。安倍氏はすでに議員票の3分の2は固めたとされる。

 問題は6年前に石破氏が半数以上の票をさらった地方票の行方。しかし「安倍氏では選挙を戦えない」という声があった6年前と今とではまったく様子が異なる。安倍首相が先導してきたアベノミクスに国民の一定の支持があるからだ。

 安倍氏もアベノミクスの成果を強くアピールしている。8月12日に山口県下関市で安倍首相が行った講演では、こんな発言をしている。

 「5年前に日本を覆っていた重く暗い空気は、アベノミクスによって完全に一掃することができた。20年近く続いたデフレからの完全脱却に向け、今日本は確実に前進している」

 確かに、デフレに喘いでいた5年前と比べれば、空気はだいぶ明るくなったのは事実だ。だが、「着実に前進している」のかどうかについては、異論も多い。野党だけでなく、金融界の専門家の間からも「アベノミクスは失敗した」という声が上がっている。

 そうした声が一段と強まったのが今年7月31日。日本銀行が金融政策決定会合を開いて、金融緩和策の修正を決めた時だった。長期金利の上昇を「0.2%程度」まで容認するという政策を巡って、アベノミクスで推進してきた大規模な金融緩和策の修正と捉える専門家が少なくない。黒田東彦総裁は「金融緩和の持続性を強化するため」として、長期金利を「0%程度」としてきたこれまでの政策の大枠は維持する姿勢を強調したが、政策の成果が上がらないため、修正に踏み切ったとみる見方もある。

2020年度でも物価上昇率は2%に達しない
 背景には日銀が目標としてきた「2%」の物価上昇がなかなか達成できないことがある。黒田総裁が就任した直後の2013年4月には、「異次元緩和」と名付けた大胆な金融緩和に踏み出した。マネタリーベースを2倍にして、2年で2%の物価上昇を達成するとしたのだが、それ以降、2%の物価上昇は達成目標年度を何回も先送りしてきた。

 7月末の決定会合で日銀は、消費者物価(生鮮食品を除く)の上昇率の見通しを、2019年度は4月時点の1.8%から1.5%に、2020年度は1.8%から1.6%に引き下げた。つまり、目標である2%には2020年度も届かないと日銀自身が認めたわけだ。

 アベノミクスが当初から目標として掲げてきた「2%の物価安定目標」が達成できないことが鮮明になったことで、「アベノミクスの失敗が明らかになった」という声が噴出したのだ。

 とくに銀行系のエコノミストなどの間からは「それ見たことか」といった反応が出た。伝統的なエコノミストの多くは、大胆な金融緩和を実施すれば消費や設備投資が盛り上がり、物価が安定的に上昇、デフレから脱却できるという、いわゆる「リフレ派」のシナリオに否定的だ。大規模な金融緩和は財政規律を緩ませ、国債の信用度を落として、国の将来に大きな禍根を残すというのがオーソドックスなエコノミストの主張だ。アベノミクスは効果よりも副作用の方が大きいというわけである。

 実際、デフレからの脱却を掲げた大胆な金融緩和は、日銀による大量の国債購入やETF(上場投資信託)を通じた株式の買い上げにつながっている。このため、国債の流通市場が消滅するなど市場を大きく歪める結果になった。日本の代表的な企業の実質筆頭株主は日本銀行という歪んだ状態になっているのも事実だ。また、マイナス金利政策によって金融機関の経営も一段と厳しさを増している。そうした副作用を引き起こしているにもかかわらず、物価は一向に上がらないではないか、というわけだ。

 安倍首相の言うようにアベノミクスは成果を上げ、着実に前進しているのか。それともエコノミストたちが言うように、副作用ばかりでまったく成果が上がっていないのか。アベノミクスに対する評価はいったいどちらが正しいのだろうか。

 この5年で空気が明るくなったと感じている国民は多いだろう。何よりも雇用情勢が一変したことが大きい。就職氷河期といわれた新卒学生の採用状況は一変、引く手あまたの状態になっている。

「就業者数」は21年ぶりに過去最多を更新
 ついに働く人の総数である就業者数は今年5月に6698万人となり、1997年6月を上回って21年ぶりに過去最多を更新した。高度経済成長期よりも、バブル期よりも、働いている人の総数は多いのである。

 その就業者数は第2次安倍晋三内閣が発足した直後の2013年1月から66カ月連続でプラスとなっている。企業に雇われている「雇用者数」も同じく66カ月連続の増加。2012年12月の5490万人から今年6月の5940万人まで、450万人も雇用が生み出された。

 日本の人口は2008年の1億2808万人をピークにすでに減少に転じており、今年7月の推計では1億2659万人と149万人減っているにもかかわらず、働く人の数は増えているのだ。

 それは、アベノミクスの一環として、安倍首相が就任以来「女性活躍促進」を言い続けている効果であることは間違いない。この5年半で増えた459万人の就業者のうち、304万人が女性の増加だ。女性の15歳から64歳の「就業率」は、60.9%から69.4%に大きく上昇したのである。

 しかも、結婚や子育てでの退職が減り、産休や育休をとって再び職場に復帰するケースも増えている。これが女性の就業率上昇を下支えしている。

 もうひとつが65歳以上の高齢者の就業者が増えたこと。アベノミクスの一環として打ち出した「一億総活躍」の効果と見ることができる。65歳以上の就業者数は安倍内閣発足時の592万人から869万人へと、277万人も増加した。これもアベノミクスによる「生涯現役」「人生百年時代」の成果と言えるだろう。

 雇用が増えているのに、なぜ消費が盛り上がらないのか。原因はいろいろ考えられるが、ひとつは「可処分所得」が増えていないこと。手取りが増えないので、財布のヒモが緩まないのである。その理由は、高齢者や女性は正規雇用よりもパートや契約社員などの非正規雇用が多いため。給与も総じて低い。もうひとつは、正規社員でも、年金掛け金など社会保険の負担が増え続けてきたため、手取りがなかなか増えなかったのである。

 もちろん、安倍首相も手をこまねいているわけではない。経済界に繰り返し賃上げを求めているのも、手取りを増やして、それが消費に向かう「経済好循環」を期待してのことだ。

 すでに5年連続でベースアップが実現。今年は首相自ら「3%の賃上げ」を要請したこともあり、賃金の上昇が始まっているとみられる。可処分所得が増えてくれば、消費におカネが向かい、それが企業収益を押し上げるという循環が始まることになる。

 一方で、人口が減る中で、日本の消費は増えない、という見方もあり、安倍首相の呼びかけも「無駄な努力だ」という専門家もいる。東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日外国人も増える中で、日本の消費は盛り上がるのか。それがアベノミクスの本当の評価につながっていくことになる。


このコラムについて
磯山友幸の「政策ウラ読み」
重要な政策を担う政治家や政策人に登場いただき、政策の焦点やポイントに切り込みます。政局にばかり目が行きがちな政治ニュース、日々の動きに振り回されがちな経済ニュースの真ん中で抜け落ちている「政治経済」の本質に迫ります。(隔週掲載)


 

 

日銀の「出口」の先には何があるのか 地方銀行の危機は日本経済の危機
2018.8.24(金) 池田 信夫

上空から撮影した日本銀行本店(資料写真)。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO〔AFPBB News〕
 日本銀行は7月末の金融政策決定会合でインフレ目標を下方修正し、長期金利の上昇を容認して量的緩和の「出口戦略」を示唆する一方、当面は現在の超低金利を維持する「フォワード・ガイダンス」を打ち出した。
 これをどう解釈するかはマーケットの意見がわかれているが、2013年4月から始まった黒田総裁による「量的・質的緩和」の敗北宣言とみることもできよう。問題は「アベノミクス後」の日本経済に何が起こるかだ。
イールドカーブはコントロールできない
 2016年から始まった「イールドカーブ・コントロール」で、日銀は長短金利をコントロールする方針を打ち出した。普通の金融政策では短期金利(政策金利)をコントロールするが、長期金利まで中央銀行がコントロールするのは異例である。今回の措置は、それを緩和して「出口」を探ったものだろう。
 今すぐ金融危機が来ることはない。長期金利が0.2%まで上がったとしても超低金利であり、日銀が徹底的に買い支えればいい。しかし国債市場の中で日銀の存在が大きくなりすぎ、地方銀行の経営が悪化している状態はいつまでも続けられない。他方で、いくらマイナス金利を維持しても、インフレ目標には遠く及ばない。
 インフレ目標を実現するために超低金利にするという政策には矛盾があった。ゼロ金利からさらに金利を下げるには、インフレで実質金利(名目金利−予想物価上昇率)を下げるしかないが、そのインフレを実現するためには金利を下げないといけない――という循環論法になってしまうのだ。
 長期金利をコントロールできるというのは錯覚だ。日銀が無理に相場を支えると、変化のマグマが貯まって、投機筋が売り崩すチャンスになる。そのうち相場が暴落すると、日銀にも市中銀行にも評価損が出る。日銀が債務超過になっても時価評価しなくていいが、民間で取り付けが起こるおそれがある。
日本は「反緊縮」の先進国
 黒田総裁の初期の狙いは、サプライズで一挙にインフレ予想を作り出して緩和をやめるつもりだったと思われるが、短期決戦のはずが5年以上の長期戦になってしまった。その原因は、低金利・低インフレの原因が金融的な現象ではないからだ。
 次の図は日銀が推計した自然利子率の推移だが、1990年代に日本の自然利子率は3%以上も下がったことが長期停滞の最大の原因である。
 自然利子率とは、物価に中立な(インフレにもデフレにもならない)金利であり、潜在成長率にほぼ見合う経済の実力を反映するものだ。それがこれほど大きく下がったのはなぜだろうか。
自然利子率と潜在成長率(日銀の論文より)
 その直接の答は、この図にも描かれているように潜在成長率が下がったからだが、これは金融緩和で上げることができない。その低下の最大の原因は労働人口の減少で、これはある程度やむをえない。グローバル化の中で、新興国に投資が片寄るのも当然だ。
 このような長期停滞は財政出動で脱出するしかない、というのがヨーロッパで盛り上がる「反緊縮」運動の主張だ。彼らはEU(欧州連合)の緊縮政策に反対し、「長期停滞に入った局面では財政規律を守る必要はない」という。民間が投資しないのだから、政府が投資すればいいというのだ。
 これはEUでは意味のある政策提言だが、日本には当てはまらない。日本の財政支出は(社会保障特別会計や補正予算を含めると)2000年代以降、ほぼ一貫して増えている。つまり日本は「反緊縮」の先進国なのだが、潜在成長率は下がっている。
リスクを取らない資本主義は衰退する
 これは一見、奇妙な現象である。財政支出を1兆円増やせば(乗数を1とすると)GDP(国内総生産)は1兆円増えるはずだ。これが「アベノミクス効果」と錯覚されたもので、失業率が下がったのも、政府の総需要創出によるところが大きい。
 しかし財政支出で潜在成長率は上がらない。それは民間部門の成長力だから、財政出動が終わると、成長率は元に戻ってしまう。持続的に経済を成長させるには、潜在成長率を上げることが重要だ。
 そのために必要なのは、労働人口の減少を補う生産性の増加だ。そのうち重要なのは労働生産性だが、日本では資本効率の低下も大きな問題だ。最初のページの図のように、1990年代前半に潜在成長率(自然利子率)は激減し、その後も80年代の水準に戻らない。
 その大きな原因は、日銀の論文も指摘しているように金融仲介機能の劣化だと考えられる。これは今、欧米で起こっている現象と似ている。債務危機によって銀行が融資に臆病になり、リスクを取らないで国債を買うようになったのだ。企業も銀行融資の引き上げでつぶれることを恐れ、「内部留保」を積み上げるようになった。
 そしていま日銀がやっているのは、この劣化した銀行の機能をさらに劣化させるマイナス金利政策だ。これによって地方銀行が経営危機に陥っている。これは地方銀行だけの問題ではない。銀行が機能しなくなると潜在成長率が下がり、長期停滞がさらに続くのだ。
 これが日銀の錯覚である。インフレ目標にはもう意味がないので、マイナス金利のメリットはない。日銀が異常な低金利を維持して地方銀行の経営が悪化することは、日本経済の深刻なリスクになる。
 リスクを取ることは資本主義の根幹である。リスクを取るべき銀行が衰退し、企業が現金を貯め込んで延命している。その悪循環を日銀が支える構図が変わらないかぎり、日本経済の長期衰退は終わらない。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/275.html#c3

[経世済民128] 携帯料金の4割引き下げは日本経済にメリットがなさそうな理由(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月24日 12:28:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1302]

>私も3年目に入ったスマホに格安SIMを入れて使っているクチで、買い替えはエコではない
>そんな風に言っておいて、こんな話を持ち出すのはマッチポンプみたいで申し訳ないのだが、

本人も自分の支離滅裂さに気づいているようだが

>一番潤っているのは、実は日本の製造業 携帯端末の使い捨てや無駄遣いをやめてしまうと、日本経済は少なからず失速
>消費者にとってはよくても 日本経済にとってはよくない

こちらは2重に間違い

まず 経済=経世済民 だから

企業が儲かっても、経済には良くない


また国内携帯より、Apple、サムスン、ファーウェイなど海外携帯が今では主流だから

携帯の使い捨てや無駄は環境や消費者にとってだけでなく

日本の製造業にとっても有害だ

そんな愚かなことを
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/279.html#c1

[経世済民128] 投資信託、購入者の約半数が損失抱える…初心者でも安心して資産を増やせる方法?(Business Journal) 赤かぶ
2. 2018年8月24日 12:50:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1303]

割り高い国内の非上場投信、特に、高分配型は、詐欺に等しいし

愚民は、株価が上昇している時に買いたがるから

購入時期を、どこに取るかで半数くらい損失を抱えても不思議はないが

トランプバブルの米国は別格として、分散投資を長期にわたって行うのが鉄則


また、儲けようというより、労働価値(資産価値)の貯蔵ができれば、多少の目減りがあっても十分

という考えでいないと、今後、厳しいことになるだろう

 


 
パウエルFRB議長の講演、20年前に酷似の課題がテーマに
Matthew Boesler
2018年8月24日 11:00 JST
1998年のストック氏の論文、不確実性の中で積極的な政策を提唱
FRBのエコノミストも同じトピックで23日に論文公表
20年前に時を戻してみると、米経済は現在と大いに似た様相だった。
  1998年5月の失業率は4.3%でコアインフレ率は2.2%。エコノミストはそれほど低い失業率がインフレ高進につながっていない理由を理解しようと懸命に取り組んでいた。職場でのパソコン(PC)やインターネットの普及に伴う90年代の生産性向上の奇跡は、エコノミストのリサーチテーマとして当時、大流行した。翌月の98年6月、日本銀行は金融政策への影響を見極めるための会議を開いた。
  そこで提出された論文の1つが、同分野に使われる定量的手法の形成に寄与した有力エコノミスト、ジェームズ・ストック氏が執筆したもので、表題は「変わりゆく経済における金融政策」だった。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が今月24日にワイオミング州ジャクソンホールで行う講演の演題と同じだ。
  7月の失業率は3.9%で、コアインフレ率が2.4%という状況に照らせば、20年前にストック氏がたどり着いた反直感的結論が、依然として今日的な意味を帯びていると米金融当局者は受け止めるかもしれない。ストック氏の結論は、経済が根本的に変化しているかどうか中央銀行当局者として確信が持てないなら、積極的姿勢を取る方が良い結果をもたらすという内容だった。
  今年のジャクソンホール会合でのテーマは、1998年の会議と不気味なほど似ている。主催するカンザスシティー連銀によると、20年後の今年の会合でもテクノロジーやグローバル化の結果として「生産性や経済成長、インフレの変化に寄与したダイナミクス」について討議される。経済活動の構造的変化をめぐる議論は、米当局が向こう数年にどこまで利上げするかという投資家にとって今年最大の問題に影響を与える。
  米金融当局は2015年12月に利上げを開始し、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を現在1.75ー2%としている。6月公表の連邦公開市場委員会(FOMC)予測では、来年末までに3−3.25%に、20年末までに3.25ー3.5%に引き上げる見通し。
  これは来年のある時点で、経済成長を加速も抑制もしない中立金利と当局が推計する水準を政策金利が上回ることを意味する。大半の当局者は現在、その水準を2.5−3%と考えている。そうした金利政策が理にかなうのは、当局のモデルで失業率が自然失業率を下回る水準にあるからだ。6月時点で当局は同水準を4.5%と想定した。ただ、当局にとって問題なのは、失業率が約20年ぶりの低水準にあるにもかかわらず、インフレ率にあまり加速の兆しが見えないことだ。
  最もよくある説明の一つは、当局者が見積もる自然失業率が高過ぎるというもので、シカゴ連銀のエバンス総裁は8月9日、推計の誤差範囲は「上下2ポイント」と述べた。言い換えれば、失業率が最低2.5%まで低下しても物価に上昇圧力をかけない可能性があるということで、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁ら一部当局者はそう論じている。

  パウエル議長の講演予定に先立ち、FRBの上級エコノミストらがストック氏と同じテーマで論文を公表。自然失業率の推定値を巡る不確実性があったとしても、インフレが顕在化するまで静観するだけよりもその推定値に基づいて金利を設定すべきだと指摘した。この論法は、政策金利が中立水準に来年達した後も利上げを継続する姿勢を当局者予測が示唆している理由になる。パウエル議長がこれに同意するかどうかは、24日の講演で手掛かりが示される可能性がある。
原題:Powell’s Speech Title Mirrors 1998 Paper Reflecting Same Debate(抜粋)

 
7月消費者物価0.8%上昇、19カ月連続
日高正裕
2018年8月24日 8:34 JST 更新日時 2018年8月24日 10:34 JST
生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.3%上昇
生鮮食品値上がりも消費にはネガティブ−第一生命経済研・新家氏

Photographer: Akio Kon/Bloomberg
総務省が24日発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.8%上昇と伸び率は横ばいだった。物価の基調を示す生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.3%上昇と前月の0.2%上昇から小幅ながら伸びを高めた。

  総務省によると6月の日照不足と7月の高温少雨の影響できゅうり、キャベツ、ピーマンなど生鮮食品が値上がりした。携帯電話通信料はドコモが6月に新料金プランを導入した影響で大きく値下がりした

キーポイント
全国コアCPIは前年比0.8%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.9%上昇)ー上昇は19カ月連続、前月は0.8%上昇
生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.3%上昇(予想は0.3%上昇)ー前月は0.2%上昇
総合CPIは0.9%上昇(予想は1.0%上昇)−前月は0.7%上昇


背景
  コアCPIは19カ月連続で上昇したが、物価の基調は引き続き弱い。QBネットは13日、国内のヘアカット専門店「QBハウス」全店でサービス価格を改定すると発表。来年2月から通常料金を1080円から1200円に引き上げる。しかし、サービス全体としてみれば、価格引き上げの動きが広がりにくい状況は変わっていない。

  日銀は7月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、賃金・物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残っており、「分野によっては競争激化による価格押し下げ圧力が強い」と指摘。消費増税の影響を除く2019年度のコアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値)を1.8%上昇から1.5%上昇に下方修正した。

  日銀は異次元緩和の長期化を見据え、同日の金融政策決定会合で「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」としたフォワードガイダンス(指針)を導入した。同時に、現在の緩和の枠組みの持続性を高めるため、0%を目標とする長期金利が「上下にある程度変動しうる」ことを決定。黒田東彦総裁は会見で、変動幅は従来の上下0.1%の「倍程度」と明らかにした。

エコノミストの見方
第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは電話取材で、エネルギー以外は伸び悩んでいる状況に変わりはないと分析。天候要因で生鮮食品が値上がりし、総合指数の伸びが拡大したものの、「マインドへの影響も含め消費にはネガティブ」と話した。日銀は7月に物価見通しを下げたが、「いずれまた下方修正される可能性がかなり高い」との見通しも示した。
農林中金総合研究所主席研究員の南武志氏は電話取材で、「当初は猛暑効果が消費を押し上げると思われていたが、エアコンなど季節商品に集中していて、消費全体に所得改善効果が行き渡っていない」と分析。賃上げによる所得環境の好転が「しばらく続けば、消費に力強さが出てくるのではないか」との見通しも示した。
詳細

上昇は灯油(22.2%)、ガソリン(16.8%)、生鮮果物(4.6%)、生鮮野菜(4.4%)など。
下落は携帯電話通信料(6.7%)など。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/278.html#c2

[経世済民128] 携帯料金の4割引き下げは日本経済にメリットがなさそうな理由(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年8月24日 13:18:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1304]
菅氏の携帯「4割」値下げ余地発言で波紋、真意と実効性−Q&A
高橋舞子、Dave McCombs
2018年8月23日 11:41 JST 更新日時 2018年8月23日 17:04 JST
総務省調査、3割超値下げでロンドン並み、実態反映してないと業界
「菅氏は高めの球投げ落としどころ探る狙いか」と立花証の鎌田氏

Photographer: Kiyoshi Ota
国内携帯大手3社は電話料金をまだ4割程度下げる余地があるとの菅義偉官房長官の発言が波紋を広げている。携帯各社や市場が発言の真意を測りかねる中、総務省は23日、情報通信審議会を開き、携帯料金も含めた業界の競争政策の在り方について議論を開始した。

  菅氏は21日、札幌市の講演で事業者間の競争が働いていないと指摘。これを受けNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクグループの株価は一時急落した。「4割」という数字はどこからきたのか、果たしてその影響はいかなるのものか。そして実際に各社は値下げに動くのか。Q&A形式でそれらの可能性を探る。

4割値下げの影響は?
  ドコモ5G事業推進室の太口努室長は22日、菅氏の発言を深刻に受け止めていると語り、値下げがあれば事業へのインパクトは大きいと記者団に語った。市場全体の拡大が難しい中、値下げは収益悪化に直結する。電気通信事業者協会によると、国内の携帯電話契約数は1億7000万。日本の総人口1億2600万を超えており、携帯電話事業は飽和状態にある。

  「4割」の根拠は不明だが、総務省の調査によると、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの6都市中、5GBの利用料金(月額)は東京が4位で最も安かったロンドンに近づけるには3割超の値下げが必要になる。ただ、日本では端末と通信料金のセット販売が普及しており、事業者からは実態はこれより安いという声もあがる。

値下げの実現性は?
  政府による携帯料金値下げの働きかけはこれが初めてではない。安倍晋三首相は2015年9月の経済財政諮問会議で「携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題」と発言。総務省は翌10月に有識者会合を開き、より低価格なプランの提供などを推奨する報告書を12月にとりまとめた。各社はその後、値下げに動いた。

  しかし、実際に値下げされたにもかかわらず、その後の家計の通信料負担は増加している。総務省の情報通信白書によると、15年の移動電話通信料は9万1306円、16年は9万6306円、17年は10万250円を記録し増加傾向を強めている。

  立花証券の鎌田重俊企業調査部長は22日の電話取材で「4割」と明言した菅氏の真意について、「高い球を先に投げて、落としどころを探すつもりではないか」と分析。物価が上昇基調にある中で、携帯料金のみ4割も下げられるとは「信じがたい」と指摘する。


  一方で、携帯料金の値下げは政府と日本銀行が目指す2%の物価上昇というマクロ経済政策の妨げにもなり得る。大和証券の北岡智哉チーフストラテジストは22日のリポートで、携帯通信料が4割下がった場合、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)を1%前後押し下げると試算。間接効果も含めると2%前後押し下げる可能性もあると指摘した。

政府権限の範囲は?
  政府が直接、民間企業である携帯各社に値下げを指示することはできない。ただ、契約内容の改善を要求したり、競合他社の事業参入を認可したりすることにより、条件を調整して業者間でより激しい競争を促すことはできる。総務省は4月に楽天の携帯電話事業への参入を認めている。

  楽天は格安スマートフォンの料金プランを維持したまま第4の携帯事業者として19年からサービスを開始する予定だ。公正取引委員会は6月、「2年縛り」や「4年縛り」と呼ばれる料金プランやSIMロックの設定、通信とのセットで端末代金を値引きする販売方法は独占禁止法上問題となる恐れがあるとする報告書を公表した。

  立花証券の鎌田氏は「料金だけではなく、参入障壁を壊して、競争環境を醸成することで料金も自然と下がることを政府は期待している」と語る。ただ、今後は5G事業の開始に向けた設備投資への負担増加が予想される中、投資に影響を与えるほどの値下げは政府も考えていないのではないかとの見方も示した。

端末メーカーへの影響は?
  携帯会社が通信料の値下げに動けば、端末メーカーにも影響が及ぶ可能性もある。日本では一定期間の継続利用を条件に端末代金を割り引くセット販売が採用されてきたが、通信料を下げると携帯会社では採算が悪化し、値引きによる端末の販売促進を図れなくなる可能性がある。

  公取委は7月、国内携帯3社と結ぶ「iPhone(アイフォーン)」端末購入補助に関する契約について米アップルが改定すると発表した。公取委は携帯各社に端末購入の補助金提供を義務付ける契約が、通信料の引き下げを制限している可能性があるとアップルに指摘をしていた。

  ジェフリーズ証券のアナリスト、アツール・ゴヤール氏は、影響を受けるのはアップルだけではないと指摘。ソニーやシャープなどもその対象だと話した。

  野田聖子総務相は23日午後、情通審に将来を見据えた電気通信事業の競争ルールの在り方を議論し、19年半ばに中間報告を、同年12月をめどに最終答申をまとめるよう諮問した。情通審の内山田竹志会長(トヨタ自動車会長)は会見で「方向性や結論ありきでなく利便性など、幅広く検討していきたい」と述べた。

(最終段落に総務省審議会の動きを追加しました.)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/279.html#c2

[国際23] トランプ「最悪の日」にわかったこと:探せばまだまだボロは出そうだ(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 2018年8月24日 14:20:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1299]
トランプ氏の腹心が反旗、その背景に何が?(前編)
トランプ氏の元個人弁護士が選挙資金法違反で大統領の関与を認めた理由とは
ニューヨークの連邦裁判所を出るマイケル・コーエン被告(21日) JASON SZENES/EPA/SHUTTERSTOCK
By Rebecca Davis O’Brien, Nicole Hong and Joe Palazzolo
2018 年 8 月 24 日 13:14 JST 更新

 ドナルド・トランプ米大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン被告の弁護団が先週末に連邦検察当局と向き合った時、同被告には行動に出る理由が幾つもあった。

 ニューヨーク・マンハッタンの連邦検察局は、コーエン被告の会計士と事業パートナーからの証言や納税申告書、融資申請書から、同被告だけでなく、被告と共に税申告をしていた妻も犯罪容疑に関与していたことを示す証拠を得ていた。検察側はコーエン被告が20件近い罪に問われており、長期の禁錮刑や多額の罰金を科される可能性を示唆した。

 追い打ちをかけたのは、トランプ大統領と性的関係を持ったと主張した女性たちに対してコーエン被告が行ったとされる支払いの詳細だ。タブロイド紙「ナショナル・エンクワイアラー」を発行するアメリカン・メディアのデービッド・ペッカー会長が検察に提供したもので、そこにはトランプ氏が支払いについて知っていたとされることなどが含まれる。

 大統領の喧嘩早い側近だったコーエン被告が大統領と対決するようになるまでの過程を追ったこの記事は、同被告の周辺や、検事との議論について聞いた人々から提供された詳細情報に基づいている。

 トランプ氏はここ数週間、コーエン被告の弁護料などの法的費用の支払いをやめるなど、明確に距離を置いてきた。

 21日の法廷はアメリカの歴史の中で比類のないものとなった。コーエン被告は満員の法廷で宣誓した上で、後に大統領となる男の依頼で行ったという2件の犯罪を認めた。

 コーエン被告は個人の事業取引やトランプ氏の個人弁護士としての仕事について数カ月に及ぶ捜査を受けた末、脱税や銀行への虚偽の報告など、連邦法に違反する犯罪8件で有罪を認めた。トランプ氏からすると、危険極まりない新たな法律闘争の火ぶたが切られた格好だ。

コーエン被告は脱税や銀行への虚偽の報告など8件の連邦法違反で有罪を認めた
コーエン被告は脱税や銀行への虚偽の報告など8件の連邦法違反で有罪を認めた PHOTO: ELIZABETH WILLIAMS/ASSOCIATED PRESS
 コーエン被告は法廷で、トランプ氏と性的関係を持ったと主張した女性2人に対する支払いについて、トランプ氏が2016年の大統領選中に指示したと述べた。検察側はこうした支払いが選挙資金法に違反するものだと述べた。

 22日にはトランプ氏が、コーエン被告に女性たちへの口止め料支払いを指示したとの疑惑を否定。以前の説明とは違い、「後になって」支払いに気づいたと述べ、コーエン被告に対する払い戻しは大統領選の選挙資金ではなくトランプ氏個人の資金から行われたとした。

 事情を知る関係者によると、捜査は続いている。

 司法取引は、コーエン被告を将来的に他の容疑などで起訴する可能性を排除していない。

 検察当局は4月9日にコーエン被告の自宅や事務所、ホテルを家宅捜索した際に押収した録音記録などを選挙資金法違反の証拠とした。

 捜査当局は、トランプ氏のために取引をまとめたことなど、コーエン被告とアメリカン・メディアの関係に注目した。アメリカン・メディアのペッカー氏は大統領候補だったトランプ氏を公然と支持していた。検察当局によると、ペッカー氏はトランプ氏に関する否定的な話をナショナル・エンクワイアラーに掲載しないことを提案した。

 検察は21日、コーエン被告が有罪を認めた選挙資金法違反の根拠になった口止め料の件にアメリカン・メディアの複数の幹部が関与していたと述べた。このうち1件はアダルト映画女優のステファニー・クリフォード氏(芸名ストーミー・ダニエルズ)に対する13万ドルの支払いだった。

 2件目は、トランプ氏と不倫したとする雑誌「プレイボーイ」の元モデル、カレン・マクドゥーガル氏に対する15万ドルの支払いだ。アメリカン・メディアはコーエン被告に促されて2016年8月にマクドゥーガル氏の独占ストーリーを買い取ったが、出版することはなかった。

コーエン被告の裁判後、記者会見で話すロバート・カザミ副連邦検事

 コーエン被告の自宅などに対する家宅捜索の数日前に当たる4月5日、トランプ氏は大統領専用機で記者団に対し、クリフォード氏への口止め料について知らないと言い、この件については「マイケル・コーエンに聞かなくてはならない。マイケルは私の弁護士だ」と述べた。

 関係者によると、コーエン被告はその夜、マイアミに停泊していたヨットの上にいた。トランプ氏への献金者フランクリン・ヘイニー氏のヨットだった。コーエン被告は、トランプ氏がクリフォード氏への支払いについて人ごとのような発言をした直後に怒り出したと、この件に詳しい関係者は言う。船上にいたほかの人たちが飲み物などを楽しむなか、コーエン被告は大声で悪態をついていたという。

訂正:本文5段落目の「弁護士としての顧問料」を「弁護料などの法的費用」に訂正します。

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トランプ氏の元個人弁護士が選挙資金法違反で大統領の関与を認めた理由とは
トランプ米大統領の元個人弁護士コーエン被告は選挙資金法違反の罪を認め、トランプ氏の関与を示唆する答弁を行った MARY ALTAFFER/ASSOCIATED PRESS

By Rebecca Davis O’Brien, Nicole Hong and Joe Palazzolo
2018 年 8 月 24 日 13:16 JST 更新

 4月9日に執行された捜索令状は、クリフォード、マクドゥーガル両氏への支払い関連など、広範なやりとりに絡んだ資料や情報を求めていた。同時に、捜査員はペッカー氏、アメリカン・メディア、トランプ氏が経営していた「トランプ・オーガニゼーション」に召喚状を出した。

 マンハッタンの連邦検察当局者らは、コーエン被告に対する捜査を行った背景にはロバート・モラー特別検察官の事務所から照会があったことも関係していると述べた。照会があった時期や、その時すでに同事務所がコーエン被告の捜査に着手していたかどうかは不明だ。

 ある関係者によると、同事務所は少なくとも2017年10月にコーエン被告を捜査していた。


How Cohen’s Guilty Plea Could Impact President Trump

コーエン被告が選挙法違反を認めたことでトランプ大統領にどんな影響が出るのか、WSJのシェルビー・ホリデー記者が解説する(英語音声、英語字幕あり) Photo: Associated Press
 検察側が裁判所に提出した書類によると、捜査員らは家宅捜索に先立ち、コーエン被告の使っていた複数の電子メールアカウントに対する捜索令状を内密に取得していた。今年の早い時期には、コーエン被告の個人および事業の税申告を担当していた元会計士も召喚していた。

 5月にはクリフォード氏の弁護人マイケル・アベナッティ氏がメモを公表した。AT&Tやノバルティスといった企業やロシアの富豪に関連した投資会社からコーエン被告への支払いの詳細が書かれていた。連邦捜査当局は、コーエン被告がロビイストの登録をしないままこうした企業に代わってトランプ政権に対するロビー活動をしたかどうかを調べた。

 当初、コーエン被告はトランプ氏に歯向かう気配はなかった。両者の関係には時々波乱があったが、トランプ氏はコーエン被告の絶対的な忠誠心を評価していた。コーエン被告に対する家宅捜索が行われた日にはそれを「不名誉」、「魔女狩り」と呼んだ。

 コーエン被告とトランプ氏の関係は、4月の家宅捜索の直後に悪化し始めた。

 きっかけは弁護料だったと、この件についてコーエン被告と話した人物は語っている。トランプ一族は家宅捜索後、コーエン被告の法的費用を一部負担していたが、支払いを止めたのだ。

 コーエン被告は自身がさらし者にされた気がした。トランプ氏の弁護士ルディ・ジュリアーニ氏による公式コメントがトランプ氏とコーエン被告を遠ざけ、コーエン被告をさらに孤立させたという。

大統領専用機内で記者らと話すトランプ大統領(4月5日)

 コーエン被告は知人や友人らにトランプ氏から守られていないように感じると述べ、マンハッタンの検察局による捜査に絡んだ弁護料を負担するとの申し出がトランプ氏からないため、自身が「破産」しかかっていると怒りを爆発させた。

 6月遅く、コーエン被告はトランプ氏と公に決別した。

 コーエン被告個人のターニングポイントは、ホロコーストを生き延びた自分の父親との会話だった。

 この会話について聞いた人物によると、父親はコーエン被告にトランプ氏を擁護しないよう勧め、トランプ氏によって名前を汚されるためにホロコーストを生き延びたのではないと話した。父親のコメントは得られていない。

 6月20日、コーエン被告は共和党全国委員会の財務副委員長を辞任し、トランプ氏を初めて公に批判するツイートを発信。「ホロコーストを生き延びたポーランド人の息子として、この家族分離政策の映像や音声に胸を締め付けられる」と述べた。このツイートは現在、コーエン被告のツイッターアカウントから削除されている。

 その時までに、コーエン被告はマンハッタンの検察局の捜査に関してニューヨークの弁護士ガイ・ペトリロ氏に代理人を依頼していた。ペトリロ氏はかつて同検察局の犯罪部門の責任者を務めていたことから、この人選はコーエン被告が協力に前向きなしるしだとみられた。ペトリロ氏はこの意向を検察側に示唆し始めた。

 ペトリロ氏に依頼をして程なく、コーエン被告はABCニュースとのインタビューで、自身が忠誠を示す先は家族と国であり、トランプ氏ではないと述べた。

 元連邦検事らによると、司法省は在職中の大統領を起訴しない方針のため、コーエン氏が有罪答弁を行い、トランプ氏の関与を公に示唆したことは、検察側が望み得る中で最も力強い結果のひとつだった。検察側にすれば、この有罪答弁は物議を醸す裁判を避け、他の捜査にリソースを回せることを意味した。

 トランプ氏が犯罪に関与した可能性をコーエン被告が示唆した数時間後の21日夜には、コーエン被告の弁護団のラニー・デービス氏がケーブルテレビのニュース番組に出演し、コーエン氏がトランプ氏から赦(ゆる)しを乞われても受け入れないだろうと話し、コーエン氏は「知っていること全てをモラー特別検察官に話したくて仕方がない」と述べた。

*記事前編

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トランプ氏に弁護料の支払い要求 元個人弁護士のコーエン氏
トランプ米大統領の個人弁護士を長年務めたマイケル・コーエン氏(写真)は、トランプ氏が弁護料を支払わないことについて知人に不満を漏らしている

By Rebecca Ballhaus and Rebecca Davis O’Brien
2018 年 6 月 20 日 09:10 JST

 ドナルド・トランプ米大統領の個人弁護士を長年務めたマイケル・コーエン氏は、自身の事業に関する連邦当局の捜査を巡り、ニューヨークの弁護士ガイ・ペトリロ氏を代理人として起用した。また、トランプ氏が弁護料を支払わないことについて知人に不満を漏らしていた。事情に詳しい関係者らが明らかにした。

 関係者の1人によると、コーエン氏はこの数カ月、トランプ氏が弁護料の支払いを申し出てこないため「破産」しかかっていると知人に何度も話していた。トランプ氏が経営していた複合企業「トランプ・オーガニゼーション」に10年近く所属したコーエン氏は、何年も忠義を尽くしてきたのだから支払いを受ける権利があるとの見解を示している。

 ホワイトハウスはコメント要請に応じなかった。また、トランプ氏が弁護料の支払いを予定している様子もない。

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[国際23] トランプ「最悪の日」にわかったこと:探せばまだまだボロは出そうだ(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年8月24日 14:27:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1300]
トランプ氏、また司法長官を攻撃 司法取引巡り
セッションズ氏は反論の声明
セッションズ司法長官(写真)は「司法省は政治とは無縁であり続ける」と述べた
セッションズ司法長官(写真)は「司法省は政治とは無縁であり続ける」と述べた PHOTO: CHARLIE NEIBERGALL/ASSOCIATED PRESS
By Peter Nicholas and Sadie Gurman
2018 年 8 月 24 日 07:18 JST 更新

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は、元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の司法取引によって自身が犯罪と関連づけられたことを受けて、刑罰の減免と引き換えに被告を寝返らせる手法は「ほとんど違法だろう」と語り、またもジェフ・セッションズ司法長官を攻撃した。

 トランプ氏は22日のFOXニュースとのインタビューで、セッションズ長官は「どのような人間なのか」と語り、ロシア干渉疑惑を巡る捜査を忌避した長官の人格に疑問を呈した。

 これに対しセッションズ氏は声明を発表し、「私が司法長官でいる間、司法省の行動は政治的思惑に不適切な影響を受けない」と述べ、鋭く切り返した。

 ロシア問題の捜査を率いるロバート・モラー特別検察官は、トランプ陣営の元側近4人の有罪判断や司法取引を引き出した。

 トランプ氏は「私が起用した司法長官は全く司法省を取り仕切っていない」と語った。

 セッションズ長官は声明文で、司法省は政治とは無縁であり続けるとしたほか、不法移民の取り締まりといった政権の優先課題への取り組みを進めたことを自賛した。

 ただ、司法長官の交代が近いとの見方もある。上院司法委員会幹部のリンジー・グラハム上院議員(共和、サウスカロライナ州)は「大統領には信頼できる人物を司法長官にする権利がある」と指摘。セッションズ氏が11月の中間選挙後に交代させられる可能性が高いとの見方を示した。

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トランプ氏:「寝返らせる」司法取引を批判−「違法にするべきだ」
Justin Sink、Terrence Dopp
2018年8月24日 2:56 JST
トランプ米大統領は、自身の個人弁護士だったマイケル・コーエン被告が応じた司法取引を強く批判。証言と引き換えに刑期を短縮することで犯罪者を「寝返らせる」慣行はやめるべきだと述べた。

  トランプ氏は23日午前に放送されたFOXテレビの番組「フォックス・アンド・フレンズ」で、「ここ30年ないし40年間、私は寝返った人を見てきた」とし、「全てが順調だったところに禁錮10年を言い渡され、そこで次に地位の高い、ないし可能な限り地位の高い人物に寝返る」と指摘。

  さらに「これは違法にすべきだろう」と述べ、「フェアではない」と加えた。

原題:Trump Rips Cohen Deal and Says ‘Flipping’ Should Be Outlawed(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/716.html#c2

[国際23] トランプ、大統領のまま訴追や弾劾可能か? 口止め料指示証言で(ニューズウィーク) 赤かぶ
5. 2018年8月24日 20:18:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1301]
WSJ社説】大統領の弾劾に口つぐむ民主党
2019年に向けた最大テーマ、選挙前にあえて語らず
外国投資リスク審査近代化法案について議員らと意見交換するトランプ米大統領(8月23日)
2018 年 8 月 24 日 16:20 JST

 しー、お静かに。他に何をするにせよ、「I」から始まる言葉には11月まで触れないでほしい――。これはドナルド・トランプ米大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン被告が選挙資金法に違反した罪を認め、トランプ氏の関与を示唆したことを受け、民主党指導部や同党に好意的なメディアの多くが国民に発したメッセージだ。「弾劾(impeachment)」という言葉は、今から11月の中間選挙当日まで禁句扱いとなった。

 「これに関する情報が出てくるかどうか、いつ出てくるのかを注視している」。元下院議長で、恐らく将来その職に再び就くと思われる民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務はこう話す。「今後何か他の材料が出てこない限り、われわれの優先的な課題とはならない」

 コーエン被告の罪は重大だが、大統領弾劾の議論は「時期尚早」だと民主党の上院院内幹事を務めるディック・ダービン議員も言う。「より多くの情報が出てくる必要がある」ため、「まだそうした言葉を使う段階ではない」

 ワシントン・ポストのコラムニスト、E・J・ディオン氏は「トランプ氏は生き延びられるか?」と遠慮がちな見出しをつけ(読者には同氏の答えが分かっているだろうが)、民主党に次のように助言した。「トランプ氏の弾劾を支持する意見が突如、非常に強まった。だからといって弾劾を2018年の選挙テーマにするのは賢明でない」

 こうした誤った見方を信じる人は、トランプ氏はストーミー・ダニエルズ(アダルト映画女優ステファニー・クリフォードさんの芸名)といちゃついたりしなかったと信じているのだろう。

 政治的な現実はこうだ。民主党が11月の選挙で下院の過半数を獲得すれば、ほぼ確実にトランプ氏の弾劾手続きに入るだろう。民主党のこれまでの発言や既に動き出したプロセスからみて、民主党には他に取るべき道があまりない。ただ、選挙前の今はそれを認めたくないだけだ。4年の任期を見越して大統領を選んだつもりでいる大勢の「嘆かわしい人々」(トランプ氏の支持者)や無党派層の人々を刺激しないようにとの配慮だ。

***

 民主党が下院(定数435)で228議席を獲得し、過半数を奪還するのが妥当な推測だと思われる。10議席差は多くないが安定的多数といえる水準だ。それは民主党が2年間主張し続けたことによってもたらされた結果となる。すなわち、トランプ氏はロシア政府と共謀して2016年の大統領選をかすめ取った正当性を欠く大統領であり、大統領の地位を私利私欲の手段に利用しており、米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー前長官を解任したことは司法妨害にあたり、コーエン氏が有罪を認めた以上、もはや選挙資金不正の「起訴されていない共謀者」だという主張だ。

 民主党はついにこの人類への脅威に対して何かできる権限を手にするのだ。それなのに突然「いや、気にするな」と言うのか。

 恐らく民主党はゆっくりと始め、まずは捜査手続きを活性化させるだろう。召喚状や公聴会、それら全てがメディアを通じて最大限に伝えられる。コーエン被告が主要な証人となり、司法取引で名前の挙がった他の人々も証言するはずだ。中でもトランプ氏の納税申告書は大いに注目を集めるだろう。

 このように展開し始めたら、民主党指導部が止めようとしてもそれを止めるのは難しい。ロバート・モラー特別検察官が上司に報告書を書き(その内容が漏れるのは必至だ)、自分には現職大統領を起訴することはできないが、司法妨害または怪しい資金調達だと思われる証拠があると告げたら、なおさら止められなくなる。証拠すら問題にならないかもしれない。というのも弾劾は政治的手続きであり、何が(弾劾に値する)「重大な罪および非行」かを定義するのは議会だからだ。

 一方で、2020年の大統領選に向けた民主党候補指名レースが始まり、多数の候補者がリベラル派有権者の心をつかもうと躍起になる。そこで競われるのは、誰が最も大きな声で弾劾を主張するかということだ。テリー・マコーリフ前バージニア州知事は大統領選出馬に前向きだが、ビル・クリントン元大統領を擁護し、弾劾に反対した同氏でさえ、トランプ氏の弾劾は「わが党がぜひ検討すべきことだ」と述べた。

 怒りというよりむしろ悲しい気持ちで、冷静な判断を求める声が高まりそうだ。だが政治的な機運には誰も手をつけられない。民主党の基盤であるリベラルな支持者が求めるのは、同党が弾劾採決まで持ち込むと期待できることだろう。メディアの支配層もそうだ。彼らはトランプ氏が正当な手段では自分たちのヒロインを打ち負かすことができなかったという確証がほしいのだ。

 政治的に賢明なシナリオは2020年まで待つことかもしれない。国民がトランプ疲れを起こしたら、その波に乗るという作戦だ。だがリベラル派が現大統領にどれほど政治的な屈辱や法的な罰を与えたがっているかを過小評価すべきではない。われわれの話を信じないなら、ツイッターの投稿やコラムを読むといい。

 大統領の弾劾が2019年〜20年にどのような政治的展開を見せるかは分からない。ロシア共謀疑惑と何の関係もない行為を根拠にした弾劾は、多くの国民をいら立たせるだろう。だが、ニューヨーク・タイムズは今週、「そんなことは問題ではない」と言い放った。現時点では上院で有罪と認定される見込みは低そうだ。だが共和党をトランプ氏の行動の擁護に回らせることができるのだから、民主党は気にしないかもしれない。

 中間選挙の年である今年、肝要な点は、民主党がトランプ氏の弾劾は自分たちの政策課題の1つではないと語っても、それを決してうのみにすべきではないことだ。それは同党の唯一の課題なのだから。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/717.html#c5

[国際23] ギリシャ国民の集団大虐殺(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
8. 2018年8月24日 20:25:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1302]

愚かな国民が、嘘つきのポピュリスト政治を選び

まともな産業もないのに、莫大な違法借金をして、年金や公務員への盛大なバラマキを行った結果の自業自得だったが

それでもユーロ圏にいたお陰で、愚行にも限度があり、

何とか、ベネズエラのようにはならずに済んだ

運が良かったということだ


 


ギリシャ危機とは?原因やEU・日本への影響、現在のギリシャ経済!
#リーマンショック
#ヨーロッパ
#ギリシャ

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目次
2010年ギリシャ危機とは?
2015年ギリシャ危機とは?
ギリシャ危機の原因は?
ギリシャ危機の問題点とは?
ギリシャ危機がEU・ヨーロッパ諸国に与えた影響とは?
ギリシャ危機は日本にも影響を与えた?
ギリシャ危機のその後、現在のギリシャ経済は?
7年経っても解決しないギリシャ危機
2010年頃からメディアによって大々的に取り上げられるようになったギリシャ危機はEU諸国全体を揺るがすほどの危機までに発展しました。長らくデフォルトリスクは解消されせずに、ズルズルとここまできましたが、一体ギリシャ危機とは何だったのか、その原因と影響についてわかりやすく解説します。また、その後、ギリシャはどうのなったのか、ギリシャの現在と日本への影響についても調べてみました。

2010年ギリシャ危機とは?
始まりはギリシャでの政権交代により、前政権の財政赤字隠しが発覚したことで、ギリシャ国債のデフォルトリスクが高まったことにあります。

2009年10月に総選挙にて誕生したPASOK(全ギリシャ社会主義運動 )新政権は前政権が公表した財政赤字の対GDP比を3,7%から、なんと12,7%と大幅に修正しました。しかも、この修正幅が他国ではほとんど見られないほど大きなものだったことから、ギリシャ政府に対する信頼はガタ落ちしたのです。

通常ユーロ参加国は、財政赤字額GDP比3%以内と政府債務残高GDP比60%以内という財政規律を順守する義務を負います。ギリシャの債務残高もGDPの113%にのぼっているので、ギリシャはどちらもクリアしていないことになります。

国債価格の急落、利回りの急騰
これを受けて、三大格付け会社がギリシャ国債を格下げしたため、デフォルトリスクが深刻化したのです。

2010年より、トロイカ(IMF、欧州委員会、欧州中央銀行の3機関)はギリシャに対して緊縮財政政策をとる条件で金銭支援を行っています。

2014年のギリシャの経済成長率はわずかながらもプラス成長しました。ユーロ圏離脱の騒ぎは沈静化し、ギリシャ経済は回復軌道にのったかのように思われたのです。


2015年ギリシャ危機とは?
しかし、事態は急変します。
2015年1月に緊縮財政政策拒否、EUとの再交渉を公約に掲げたシリザ(急進左派連合 )が政権の座についたことで、再び、ギリシャのデフォルトリスク、ユーロ圏離脱の懸念が浮上しました。

ギリシャでは皆保険制度がなく、貧困層は薬を買うこともできず、前政権の進める増税、公務員リストラ、年金減額などに対する反感が強まり、デモやストライキが頻発しました。失業率は、なんと5%から25%にも達したそうです。この国民の不満が反映された形で、シリザの指導者チプラス氏が首相となります。

2015年2月から始まったEUとチプラス首相との交渉は合意されないまま、その期限を過ぎてしまいました。金融支援は失効し、IMFに対する約16億ユーロ(約2200億円)の債務の返済もされず、ギリシャは事実上のデフォルト状態となりました。

緊縮政策のYES or NOを問う国民投票の実施
投票結果は「EU残留前提」で、緊縮NOの反対票が大きく上回り勝利したのです。 チプラス首相は同日夜から、緊縮反対の「民意」を盾にEUとの再協議を行いました。首相が、交渉期限を過ぎた土壇場で国民投票を実施したのは、EU側からの譲歩を引き出すための作戦だったとの憶測もあります。

EUとしてもギリシャの民意を無視するわけにもいかず、緊縮財政政策の見直しを行いました。その後、EUが第3次財政支援を行うことで交渉は妥結しました。


ギリシャ危機の原因は?
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ギリシャ危機の一番の原因は財政赤字隠しからの大幅な引き上げ修正による信用不安ですが、一体なぜそれほどまでに財政赤字が膨れ上がったのでしょうか?

@過剰な公的サービスによる財政支出の増加
ギリシャ危機からシリザ政権までの首相や主たる政治家はいわゆる名家出身です。 そうした政治家と大衆とのあいだには愕然とした差があり、それを埋めるために政党間の選挙争いは有権者へのサービス提供計画においてエスカレートします。

そのため、ギリシャの経済力を無視した年金制度をつくってしまったのです。また、政権の交代の度に自分たちの支持者を公務員として採用したため、ギリシャでは、4人に1人が公務員だと言われています。

A税金の徴税不足による歳入減
脱税や税務署職員の汚職が蔓延しており、税金の回収能力が低いです。

BEU内での競争力が弱い
国際的な金融・経済危機にギリシャは年産性向上のための構造改革を進んで取り入れたドイツ経済との競争に苦労し、ドイツからの輸入拡大で経常赤字を拡大させていきました。


ギリシャ危機の問題点とは?
@ギリシャ国債のデフォルトリスク
ギリシャの国債はドイツやフランスなどの金融機関も保有しています。もし、デフォルトしてしまうと、国債を多く保有するEU諸国は巨額の損失を被ることになります。

Aユーロ圏離脱問題
ギリシャが独自通貨を持てば金融政策を自由に行えるようになりますが、ハイパーインフレ、ユーロ建てのギリシャ国債を保有している国や金融機関にとってはデフォルトと計上されるため、マーケットは大混乱します。

また、スペイン・イタリア・ポルトガルなどにも危機が連鎖され、それらの国々の国債価格の大暴落が起こり、EU及び世界中を巻き込んだ金融危機が発生する可能性もあります。

ギリシャ自国では、対ユーロの為替相場が暴落し、規制により海外旅行を含めて、国際的な経済活動はきびしく制限されます。そのため、先の国民投票にも反映されるように、ギリシャ国民はユーロに留まりたいのです。

ギリシャはEUと対立するロシアと地理的に近いことから、ギリシャの孤立は地政学的リスクが生じると考えられています。

BギリシャとEUの長期的な対立
ギリシャ国債がデフォルトしても、ギリシャがユーロ圏を離脱しても、いずれにせよ、世界的な金融危機は避けられないでしょう。しかし、両者が対立したまま、一向に金融支援が決定されず、問題が長期化するのは、ギリシャとEU(特にドイツ)のそれぞれの要求の妥協点が見つからないからです。

ギリシャの要求は、緊縮財政政策の拒否、債務減免ですが、EUの要求はより一層の緊縮財政政策と真っ向から対立しています。


ギリシャ危機がEU・ヨーロッパ諸国に与えた影響とは?
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第 2 のリーマンショックと恐れられたギリシャ危機ですが、 ギリシャの経済規模はユーロ圏のたった2%にすぎないのです。しかし、その不安がギリシャと同じようなユーロ圏の財政赤字国家に連鎖しました。

それら国家がよくニュースでも出ていたPIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字をとった造語です。)です。中でも、ユーロ圏 GDP の11%に達する大国スペインのデフォルトリスクはマーケットを動揺させるのに十分でした。

ドイツ、フランス、イギリスなどの大銀行は、2008年のリーマン・ショックでアメリカ銀行ほどのダメージを受けています。そのダメージを受けた金融機関はギリシャやスペインなどの国債を大量に購入していました。

現にギリシャ国債の75%、スペイン国債の50%はイギリスやドイツなどの大銀行が保有しています。ギリシャのデフォルトによって、大きな損失を被れば,スペインなどの国債を投げ売りして、バランスシートをカバーしなければならいない可能性もあります。

つまり、この危機がスペ インに波及してしまえば,ユーロ圏では支えることができないと市場で想起されたことで、ユーロ危機を連想させたのです。


ギリシャ危機は日本にも影響を与えた?
日本に影響を与えたとすると、それはギリシャ危機によるユーロ不安からの相対的な円高となります。日本は輸出企業が多いので、円高は商品の価格競争力を弱めめます。

実際のユーロ/円相場では2010年から2012年まで円高となっており、同年9月より円安へと転じています。
現在の日本では、経常収支の黒字も急速に減少しているため、 今後も日本国内で国債を賄えるのかという点では疑問的です。

もし、日本の国債が外貨建てで占められるようになれば、ギリシャのような深刻な事態になってしまうかもしれません。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/718.html#c8

[国際23] イタリア新政権 難民受け入れ拒否で各国が再び対立〜およそ150人は救助から1週間たった今も船の上で/nhk 仁王像
1. 2018年8月24日 20:42:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1303]

いくら人権を守れなどと、綺麗ごとを並べたところで、所詮は、ヒトだから

余裕がなくなれば、当然、どこでも、こうなるし

さらに悪化すれば、当然、虐待、差別、テロ、紛争、侵略、さらにはジェノサイドも生じる


愚かなトランプ支持者が、なかなか減らず、

世界で、目先の利益しか考えない

自滅的で強硬な保護主義や国家主義が蔓延するとの必然ということ

 


 

2018年8月24日 / 07:51 / 13時間前更新
伊副首相「EU拠出金出さず」、加盟国が難民受け入れなければ
1 分で読む

[ローマ 23日 ロイター] - イタリアのディマイオ副首相は23日、欧州連合(EU)加盟国がイタリアのシチリア島で沿岸警備隊の船舶に勾留されている難民を受け入れなければ、自身が党首を務める「五つ星運動」が来年のEU拠出金の支出停止に賛成するとの考えを示した。

難民を救助した船舶は3日前にシチリア島カターニアに入港。150人の成人難民がなお船上にとどまっている。

欧州委員会は今週、合意に向け調整していると繰り返し説明。同様の事例は今年6月と7月にもイタリアとマルタで起きていた。

ディマイオ氏は、24日の欧州委会合で難民割り当てについて決定されない場合、「五つ星運動と私は年200億ユーロをEUに拠出つもりはない」と述べた。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/719.html#c1

[経世済民128] 公務員65歳定年で「生涯賃金3000万円増」の“超官民格差”(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年8月24日 20:48:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1304]

民間の平均と比較したところで意味はない

公務員の間でも正規と非正規、さらには夕張のような地域間で大きな格差があるし

民間なら、プロ選手でなくても、年収1億円という人もいる


よって問題は、公務員の労働生産性を、きちんと評価して

適切な労働環境と賃金を保証することであり


苛酷な労働を強制し、くだらない嫉妬や官僚叩きなどを行っているでは、

逆に、有能な公務員を減らし、悪貨を増やすだけであり

百害あって一理なしだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/284.html#c1

[国際23] 米中貿易戦争、中国市民に広がる「反米不買」の声(ニューズウィーク) 赤かぶ
8. 2018年8月24日 20:57:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1305]
コラム2018年8月24日 / 14:32 / 4時間前更新
コラム:トランプ関税が米国農家を直撃、世界の「蚊帳の外」に
Trevor Kincaid
3 分で読む

[23日 ロイター] - 米国は中国に160億ドル(約1.8兆円)相当の追加関税を発動した。トランプ米大統領の政策によって国際貿易の相関図は既に変化しつつあり、米国農家はいずれ、蚊帳の外に置かれかねない情勢だ。

トランプ氏の関税政策に反対する超党派の団体「自由貿易を求める農家の会」が全米の農家を対象に行った調査で、農家は口々に長期的な影響への懸念を訴えた。

米国農家は短期的には事業を続けられるかもしれない。しかし今は輸出相手との関係を営々と築き上げてきた市場が、ブラジル、カナダ、アルゼンチン、ロシアなどの競合国に奪われるのではないかと恐れている。

どんな支援策を講じても、これらの市場は戻ってこない。しかも仮に明日、貿易戦争が終わったとしても、重要な輸出相手との関係には、既に傷が入ってしまっているのだ。

もちろん貿易戦争は他の産業にも影響を及ぼすが、農業は真っ先に懲罰的な関税の対象になるため、農家の苦境を理解しておくことは重要だ。

トランプ氏はあまりにもしばしば、有権者を苦しめる政策の複雑さを単純化する。今日の世界貿易は、関税だけでどうなるものではない。サプライヤー、規制当局、検査局、海運ルート、バリューチェーンなどが複雑に絡み合っている。関係、コスト、信頼の上に物事が成り立っている。

何より重要なことに、競争は激しく、拡大している。その上、関税なら発動も撤回もすぐにできるが、貿易関係の構築には数十年を要する。その関係が危険にさらされているのだ。

トランプ氏の貿易戦争がもたらした混乱につけいる形で、アルゼンチンからウクライナまで、競争相手は米国農家が支配していた市場に積極的に進出している。

ブラジルの大豆農家はこの機をとらえ、大豆の生産を増やして中国に売ろうとしている。この取り組みは既に功を奏し、ロイターによるとブラジルの中国に対する大豆輸出は今年上半期に前年同期比6%増えた。7月には前年同月比46%も急増している。

トランプ氏の貿易戦争は文字通り、世界貿易の光景を変えつつあるのだ。

ブラジルだけではない。米国との関係が悪化したメキシコは、米国以外の小麦の輸入元を探している。その穴を埋めようとしているのが、米国産よりも低価格を提示できるアルゼンチン、ロシア、ウクライナの小麦農家だ。ロシアは2016年に米国を抜いて世界最大の小麦輸出国となった。

一方で米国の小麦輸出は今年上半期、世界全体で21%も落ち込んだ。

トランプ氏の貿易政策が不透明なため、中国、インド、イタリア、スペインの代表は、発注や関係構築を目的に毎年開かれる米国農家との会合をキャンセルせざるを得なかった。

輸出に向けて海上輸送される米農産物が減れば、米国とアジアの輸入元との間で最大限まで効率化が進められてきたサプライチェーンも変容するだろう。

ばら積み輸送船の運営業者は既に、新たな航路に便乗して商機を広げようと、貨物船の再配置を進めている。これもまた、米国が保護主義政策を強めて国際貿易の光景が変化していることの証左だ。

国際競争は米国を待ってなどくれない。そしてトランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)を離脱したように、米国が指導的役割を放棄すれば、競争相手は勢いづき、米国の農家や製造業者が不利を被るだけだ。

農家が困窮し、借金を返済できず、翌年の作付けコストも賄えなくなれば、金融機関や不動産会社、将来の穀物生産へと余波が及ぶ。

週を追うごとに米国農家にとっての門戸は閉ざされ、競争相手の機会は広がる。閉ざされた機会を取り戻せるかどうかは不明だ。

トランプ氏は失敗した政策を放棄し、今すぐ世界貿易におけるリーダーシップを取り戻すのが賢明だろう。米国が蚊帳の外から世界貿易を覗きこむ立場に追い込まれる前に。

*筆者はオバマ前米政権下で米通商代表部=USTRの公共問題担当副補佐官を務め、現在はワシントン国際貿易協会(WITA)のメンバー。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 

 
2018年8月24日 / 19:17 / 34分前更新
コラム:対中通商協議、米の本音「技術移転」中止なら早期合意困難か
田巻 一彦
2 分で読む

[東京 24日 ロイター] - 次官級による米中通商協議が大きな進展なく終了した。この先に閣僚級の協議が行われ、最終的に首脳会談で何らかの決着が図られるという「楽観論」から、市場は大きく反応していない。しかし、米国の本音が「技術移転」の中止にあるなら、米中による早期の合意形成は難しいだろう。

2000億ドルの中国製品を対象とする25%の追加関税発動を検討する手続きが9月上旬にも終了した後、実行される可能性がかなりありそうだ。

マーケットには、22、23日の米中次官級協議に対する大きな期待感があった。仮に明確な合意が公表されなくても、その次のステップとして閣僚級協議が設定され、さらに最終的にはトランプ大統領と習主席とのトップ同士の会談で、決着が図られると言うシナリオだ。

当然ながら、米国の2000億ドルの関税実施は取りやめとなるというのが、市場の楽観的見通しの「骨格」と言える。

しかし、協議終了後、米政府高官は、知的財産権侵害や中国政府の企業への補助金など米側の指摘に中国側が対処していないと述べた。

一方、中国商務省は24日に声明を公表し、その中で建設的で率直な意見交換が行われ、両国は次のステップに向けて接触を続けるとした。

両者のコメントからは、明らかに「温度差」がうかがえる。突き放す米国に対し、合意形成に積極的な中国という構図だ。

形式論的な見方で言えば、中国の対米輸出額は5000億ドルで、米国の対中輸出額は1300億ドルという現状では、中国は報復関税の対象額が早めに頭打ちになり、不利になるのは明白だ。

だが、そればかりではない。米国が中国による「技術移転」の差し止めを求め、それが現実になった場合、習主席が重要政策に掲げる「中国製造2025」の実現に「黄信号」が点灯しかねないとの見方が、複数の通商関係者から出ている。

もし、その見方が妥当性を持っているなら、中国経済に大きな打撃となるだけなく、習政権の威信にも「傷」が付きかねない。

このため、今回の米中協議は、「落とし所」が見えないという声も、通商関係者らの中でささやかれている。

実際、米国と中国の主張はかみ合っていない。今回の追加関税検討の根拠としている部分は、米国が今年4月に公表した「外国貿易障壁報告書」に明記されている。そこでは、技術移転の強制、過剰生産、サイバーセキュリティー対策が列挙され、「中国製造2025」がやり玉に挙がった。

また、対中投資を承認する際に、不利なライセンス契約を命じているとし、技術移転が強制されているとした。

これに対し、中国は外国企業からの技術移転は、中国が課している規制の条件ではなく、米国の主張は根拠がないと世界貿易機関(WTO)などの場で反論。中国の技術革新は、中国国民の勤勉さや企業家精神、教育や研究への投資、知的財産権保護への取り組みの結果であると説明している。

市場の一部で根強くささやかれている人民元の対ドルレートを元安から元高に誘導することで妥協が図られるとの見方は、かなり楽観的だと考える。

これからの産業地図を塗り替える力を持つ「先端技術」を中国が「低コスト」で獲得するなら、今の米国の技術的覇権は維持できなくなるとの強い懸念が、米国の政策の根底にあるのではないか。

もし、この推論が正しければ、米中貿易戦争は、中国がLNGや原油を購入したり、航空機をまとめ買いすることでは決着しないだろう。

とりあえず、2000億ドル規模の追加関税措置が発動されるのかどうか。そこが最初のポイントになる。


 


 

 

ワールド2018年8月24日 / 17:17 / 2時間前更新
インタビュー:中国財政相、理不尽な米貿易措置には「断固対抗」
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[北京 24日 ロイター] - 中国の劉昆財政相は、米国がさらに貿易関税を課せば中国は米政府に対抗し続けるとした一方、中国系、外資系にかかわらず中国国内の企業への悪影響を避けるため、報復措置は可能な限り的を絞るとの見方を示した。

劉氏は23日に行ったロイターとのインタビューで、現時点において中国経済に対する米中「貿易摩擦」の影響は小さいが、雇用の減少などが懸念されると述べた。

劉氏が今年3月に財政相に就任してから、メディアに出るのは初めて。

劉氏は、貿易摩擦の影響を受けた失業者や労働者を支援するために財政支出を拡大すると述べた。また地方政府がインフラ投資を支援するために発行する債券額が第3・四半期末までに1兆元(1454億8000万ドル)を超えるとの見通しを示した。

劉氏は「中国は貿易戦争への参加を望んでいないが、米国が講じている理不尽な措置に対し、断固として対応していく」と指摘。「米国がこれらの措置を持続するなら、われわれは自国の利益を守るために相応の対応策をとるだろう」と述べた。

米国製品に対する追加関税を検討しているかとの問いに対し、劉氏は的確に対応していくと言及。「米国が輸入する中国製品の価値と中国が輸入する米国製品の価値はもちろん同じではないが、状況に見合った関税措置を実施していく」とした。

ただ「措置を講じる際には、中国国内の外国企業の利益に悪影響が及ばないよう最大限努力する」と付け加えた。

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また失業者や労働者を支援する財政支出を実施しても、2018年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率目標である2.6%を超えることはないと指摘した。

さらに、今年の歳入は予想をはるかに上回るだろうと楽観的な見方を示した。
 

 


 

 
2018年8月24日 / 16:32 / 3時間前更新
アングル:中国ロボット産業、貿易戦争でパワーダウンか
Cate Cadell
1 分で読む

[北京 23日 ロイター] - 中国・北京で開催中の「世界ロボット大会」では、子どもの背丈ほどの「パワーレンジャー」姿で踊るピンクとブルーのロボットたちが注目を集めた。

中国と米国の合弁企業アバターマインド製のロボットたちは、将来的に店舗販売員や教師、主婦の補助の役割を担う。

アバターマインドのジョン・オストレム最高経営責任者(CEO)は「当社は企業などだけではなく個人でも支払える価格で販売したいと考えているが、トランプ米大統領による関税が影響しそうだ」と述べた。

中国のロボット生産は7月に年率6.3%増と、5月の35.1%増から大幅に減速した。

国家発展改革委員会(NDRC)は、通商の影響ではないとしているが、アナリストらは米中間の貿易紛争がロボット部品などの生産に間違いなく影響していると主張する。米中の通商協議中は、中国の製造業者が生産活動を見合わせているからだ。

INGホールセール・バンキングのエコノミスト、アイリス・パン氏は「(貿易紛争が)影響しないはずがない。すでに輸出製造業者の決断が一部先延ばしされている」と指摘する。

米国は22日夜中過ぎ、中国製品160億ドル分への追加関税徴収を開始した。ロボットは対象品目として具体的に明示はされていないが、電子製品や自動車部品、自動製造される製品が対象となっている。最初の関税では工業用ロボットが対象に含まれていた。

アナリストは、米国がさらに2000億ドルの追加関税徴収を決めれば、中国のロボット生産業者の状況はさらに悪化すると指摘する。

中国はハイテク産業など10業種を10年がかりで育成する「中国製造2025」と呼ぶ政策を掲げ、ロボット産業もそのうちの1つとなっている。

中国企業の一部は、米国との通商関係が失われることになっても、習近平国家主席の広域経済圏構想「一帯一路」政策が産業を押し上げてくれると期待する。

また、少なくとも現在の中国での生産コストの安さが、米国による関税分を相殺してくれると期待する声もある。

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中国の医療用ロボットメーカー、リメボットのマネジャー、リ・シュアイ氏は、同社ロボットに対する米食品医薬品局(FDA)の承認を申請中だと話す。「フランスには似た製品があるが、価格は何千万ドルだ。一方、当社の製品は500万ー600万ドルに抑えられていて、だからこそ優位に立てる」と強調した。


 


 
米中成長率逆転は2040年、印GDPが米国抜くのは37年−OECD
Alex Tanzi
2018年8月24日 10:47 JST
OECDが2060年までの長期見通しをまとめた
中国・インド・インドネシアの3カ国が世界経済の約半分に

米国の国内総生産(GDP)成長率は2040年に中国を上回る見通しだが、それまでに中国経済の規模は米経済より77%大きくなっていると世界経済の長期シナリオが示している。経済協力開発機構(OECD)が最新分析で明らかにした。
  インドは37年に経済規模で米国を上回り、中国とインドの世界経済におけるシェアは60年までに全OECD加盟国の経済を合わせたより大きくなる見込み。両国にインドネシアを加えれば、これら3国が世界経済の約半分を占めるようになり、アジアが世界経済の中心となることが鮮明になる。
U.S. GDP Growth to Surpass China's
But not all of us will see it happen

Source: OECD
  OECDは資本ストックや生産性、雇用の伸び、労働力拡大などの経済指標を織り込み、60年までの長期経済見通しをまとめた。OECD加盟の全35カ国に加え、主要20カ国・地域(G20)の非OECD加盟国などを分析の対象にした。
U.S. Dips
World’s economic center of gravity projected to shift toward Asia

Source: OECD
原題:World Growth to Decelerate as China Cools, OECD Projection Shows(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/685.html#c8

[経世済民128] 公務員65歳定年で「生涯賃金3000万円増」の“超官民格差”(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年8月24日 21:12:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1306]

国民が国家に依存するほど、行政の権限は強化され

コストも公務員も国民負担も増えていくことになり

それが過剰になれば、いずれギリシャ化し、

そこでも反省がなく、ポピュリズムのバラマキを続ければベネズエラやジンバブエ


さらに愚かで内紛を繰り返し、外部勢力も巻き込んで国家崩壊ともなれば、

アフリカや南米の紛争地域、シリア、イラクのような事態が待っている

日本も明治維新や終戦直後には、同様のリスクを抱えていたから

それほど他人事ではない


 

 

総額102兆円超、過去最大に=国債、社会保障費響く―来年度概算要求【8/24 19:41】

国の2019年度一般会計予算の概算要求総額が過去最大だった16年度の102兆4000億円を上回る見通しとなったことが24日、分かった。国債の元利払いに充てる国債費や社会保障費の増加が主因。別枠で消費税増税に備えた景気対策費も加わるため、財務省の査定を経て編成される19年度当初予算は初めて100兆円を突破する可能性がある。

要求総額が100兆円を超えるのは5年連続で、18年度は101兆円だった。財務省は19年度予算の概算要求で、国債費の要求額を18年度の23兆8000億円から24兆円台半ばに増やす方向で調整。国債発行残高が900兆円に迫る勢いで増え続ける現状を踏まえ、予想外の金利上昇にも対応できるよう要求段階としては3年ぶりの増額に踏み切る。

19年度は高齢化に伴う社会保障費の自然増が6000億円程度見込まれ、厚生労働省が要求額に反映させる方向だ。防衛省の要求額も陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入費などを盛り込むことから18年度より約1000億円増える見通し。安倍政権が進める「人づくり革命」など目玉施策を推進するため、多くの省庁が要求額の上積みを検討している。

情報提供:株式会社時事通信社

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/284.html#c2

[経世済民128] 年収が低くても「1000万円」貯まる人たちの、ある共通点 やみくもに貯める必要はなかった(現代ビジネス) 赤かぶ
2. 2018年8月24日 21:24:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1307]

別に生涯収支をプラスにする必要などないし

当然、無理して貯蓄をする必要も

さらに言えば、働く必要すらない

もちろん、本人が、どう逝きたいか次第の話だが


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/280.html#c2

[経世済民128] 携帯通信料4割値下げならコアCPI下押し、日銀に逆風(ロイター ) 赤かぶ
1. 2018年8月25日 00:53:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1308]

物価が上がれば良いというものではない

そんなことは政府だけでなく日銀にとっても常識だから政策調整も行われるが、


未だに2%を絶対目標だと思い込んでいる愚かな人々は

的外れな批判を続けることになる

 

 

7月の消費者物価0.8%上昇、野菜高が再び家計直撃
経済
2018/8/24 12:29日本経済新聞 電子版
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 総務省が24日発表した7月の全国消費者物価指数(CPI)で、猛暑による野菜価格の高騰が鮮明になった。昨冬に寒波で高騰した際は消費が鈍った経緯があり、家計には再び打撃となりそうだ。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.8%上昇と伸び率は前月から横ばい。脱デフレに向けた物価上昇の動きは鈍いままだ。

 生鮮野菜は4.4%上昇した。きゅうり(26.7%)やキャベツ(25.7%)など夏の定番野菜が軒並み高騰した…

 


消費者物価(全国18年7月)−コアCPIの1%到達が遠のく
経済研究部 経済調査室長・総合政策研究部兼任 斎藤 太郎

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1.コアCPI上昇率は前月と変わらず
消費者物価指数の推移 総務省が8月24日に公表した消費者物価指数によると、18年7月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比0.8%(6月:同0.8%)となり、上昇率は前月と変わらなかった。事前の市場予想(QUICK集計:0.9%、当社予想も0.9%)を下回る結果であった。

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は前年比0.3%(6月:同0.2%)と5ヵ月ぶりに前月から上昇率を高めた。生鮮食品が前年比4.3%(6月:同▲1.2%)と高めの伸びとなったため、総合は前年比0.9%(6月:同0.7%)と上昇率が前月から0.2ポイント拡大した。
コアCPIの内訳をみると、ガス代(6月:前年比2.5%→7月:同2.6%)、灯油(6月:前年比20.5%→7月:同22.2%)、ガソリン(6月:前年比16.1%→7月:同16.8%)は上昇幅が拡大したが、電気代(6月:前年比3.1%→7月:同2.5%)の上昇幅が縮小したため、エネルギー価格の上昇率は前年比7.3%(6月:同7.3%)となり、前月と変わらなかった。原油価格上昇に伴い燃料費調整単価は上昇しているが、原発稼動を受けて関西電力が値下げを実施したことが全国の電気代を押し下げた。
消費者物価指数(生鮮食品除く、全国)の要因分解 また、7月の東京都区部では家賃の上昇(6月:前年比0.0%→7月:同0.3%)が見られたが、全国では前年比▲0.2%と前月と変わらなかった。

一方、外食は前年比1.0%と6月の同0.9%から伸びを高めた。外食は原材料費や人件費の上昇を反映し、17年8月の前年比0.1%からじわじわと上昇率を高めている。

コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが0.57%(6月:0.57%)、食料(生鮮食品を除く)が0.18%(6月:0.17%)、その他が0.04%(6月:0.05%)であった。
2.上昇品目数が減少
消費者物価(除く生鮮食品)の「上昇品目数(割合)−下落品目数(割合)」 消費者物価指数の調査対象523品目(生鮮食品を除く)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、7月の上昇品目数269品目(6月は273品目)、下落品目数は187品目(6月は183品目)となり、上昇品目数が前月から減少した。上昇品目数の割合は51.4%(6月は52.2%)、下落品目数の割合は35.8%(6月は35.0%)、「上昇品目割合」−「下落品目割合」は15.7%(6月は17.2%)であった。

コアCPI上昇率はゼロ%台後半の推移が続いているが、上昇品目数の割合は引き続き50%を上回っているものの、18年に入ってから減少傾向となっている。物価の基調は徐々に弱まる方向にある。
3.コアCPIの1%到達が遠のく
コアCPIに対するエネルギーの寄与度 7月のコアコアCPIは5ヵ月ぶりに伸びを高めたが、引き続きゼロ%台前半の低水準にとどまっている。エネルギー価格は、原油価格上昇の影響が遅れて反映される電気代、ガス代を中心に9月までは伸びを高めるが、その後はガソリン、灯油の上昇率が大きく低下することから、伸び率の鈍化が見込まれる。

基調的な物価上昇圧力が強まる兆しが見られない中、円安、原油高がなければコアCPI上昇率の1%到達は難しい状況となってきた。

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   経済調査室長・総合政策研究部兼任

斎藤 太郎 (さいとう たろう)
研究・専門分野
日本経済、雇用

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/285.html#c1

[経世済民128] インタビュー:地銀収益悪化、日銀のせいにしても仕方ない=金融庁長官(ニューズウィーク) 赤かぶ
6. 2018年8月25日 06:19:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1309]

官に依存し、何でも官のせいにする国民の意識に一番、問題があるだろう

国民の非難を恐れ、銀行の破綻リスクを恐れて、官僚は、以前は、何もさせなかったが

それでは、グローバル競争に勝てないから、近年は、自由化が進み

森長官のように、リスクテークを賞賛するようになった


そうなればスルガのような犯罪も発生するが

リスクを無視し、愚かに融資を行った、投資家と銀行自身も

その責を負うことになる


リスクテークを、日銀や金融庁のせいにするのは

デフレ不況を日銀のせいにして、巨額の金融緩和政策にまで追い込んだのと

同じ構造で、あり、その根本は、国民自身の甘えにあるとしか言えない

その結果も、いずれ国民が受けることになるのだろう


 

三井住友信託銀行 調査月報 2018 年 9 月号 時論 〜 たかが 2%、されど 2%
1

たかが2%、されど2%

まだまだ紆余曲折はありそうだが、消費税が 2019 年 10 月に引き上げられる予定である。
現在の8%から 10%への2%ポイントの引き上げであるが、この2%の引き上げが決定されたのは民主
党政権時の 2013 年で、本来であれば 2017 年4月に引き上げが実施されているはずであった。
しかし、その後の経済危機などにより2年半延期され、結果として最初の決定から実行までに6年以上
を要することになった。
わが国において、消費増税を語る上で重要となるのは「消費増税による景気への悪影響」である。
日銀の試算によると、2019 年に予定されている消費増税の影響は、消費増税負担 5.6 兆円に対して、
軽減税率や教育無償化などの緩和策が導入されることにより、ネットベースで2.2兆円程度まで負担が軽
減される見込みである。計算上ではあるが今回は景気への大きなダメージは回避することができる見込
みである。
ちなみに、97 年度の2%ポイントの消費増税による家計のネット負担額は、消費増税で 5.2 兆円、所得
減税打ち切りなど、その他の要因で3.3兆円、合計で8.5兆円の負担、2014年の3%ポイントの消費増税
のケースでは、消費増税で8.2兆円の負担に、多少の軽減措置が取られたもののネットで8.0兆円もの家
計負担と試算されている。
消費税率以上にその他の政策とのバランスが、景気への影響において重要な要素となったようである。
しかし、過去のトラウマから過度に消費増税のダメージを警戒し、手厚すぎる対応を取ると、税収の増加
以上に歳出が増える可能性があり、財政健全化に逆行することになる。
わが国の財政悪化の要因は高齢化の到来が分かっていながら、国民負担率を引き上げてこなかった
ことと、景気対策として近視眼的に財源の裏づけの無い減税、歳出を乱発し、その政策を長期化、恒久
化してきた事などにある。国民負担率とは、所得に対する租税負担と社会保障負担の合計額の比率で、
国民の公的負担の程度を示す指標として使われている。言い換えると、国民負担率が低いということは、
自らが使う費用を自らが負担していないとも言える。
わが国の一般会計は歳出が約100兆円に対して、税収は約60兆円にとどまっており、毎年40兆円程
度のギャップが生じており、このギャップの大半を赤字国債の発行で埋めている。世代を超えて利用され
るインフラ整備のために発行される建設国債であれば世代間の不均衡は生じにくいが、赤字国債は社
会保障費など現在使われている費用負担の将来世代への先送りに過ぎない。
本来であれば発行が禁止・制限されているはずの赤字国債の発行が常態化し、その結果、歴史上類
を見ないような政府債務の膨張とともに、負担なき現在の受益世代と負担のみが増加していく将来世代と
いう、世代間のアンバランスを拡大させている。
超高齢化と危機的な財政赤字が続く我が国において、中長期的に安定的な税収を確保するためには、
税収の柱を各世代で広く薄く負担する消費税に移行せざるを得ない。


消費増税1%で約2兆円の税収増加と言われているので、世代間のアンバランス是正のために現世代
が自ら使用する歳出を税収で補うためには 20%程度の消費増税が必要であり、世代間の不均衡をこれ
以上拡大させないために必要な消費税率は 30%程度ということになる。
しかし、海外を見ると 30%の消費税率というのは決して突飛な数字ではない。
消費税のグローバルスタンダードは欧州では 20%前後、日本ほどではないが高齢化と人口減少が進
んでいる北欧では 30%近辺である。
30%というのは極論かもしれないが、わが国の財政・人口構成を考えると消費税 10%というのは途中
経過地点と位置づけざるをえないであろう。本来であれば、来るべき高齢化社会に向けてもっと早い時
期に消費税を引き上げて、社会保障費の財源を確保しておくべきであった、ということになるが、今となっ
ては後の祭りである。
高度経済成長期のような時代であれば、景気回復による所得増加で消費増税の影響を軽微に乗り切
ることも可能であったと思う。しかし、景気回復の恩恵を受けにくく、物価上昇に対して脆弱な高齢者の比
率が年々高まっていく中では、消費増税による景気へのダメージは年々高まっていくことが予想される。
景気への影響を極力軽微にするためには、物価を極力安定させることで、消費増税の影響を緩和させな
がら、税制の負担と受益のバランスを取っていくしか選択肢はないのではないか。
そうした中で、7月 31 日に日銀は「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を公表した。
今回の日銀の政策の目的は 2019 年10 月に予定されている消費増税に伴う経済・物価の不確実性へ
の対応である。繰り返しになるが、急速に高齢化が進む我が国において、物価の上昇は人口的にボリュ
ームゾーンとなっている高齢者世帯への逆風となり易い。消費増税に伴う経済の不確実性への対応であ
れば、一時的に2%目標を棚上げし、消費増税のインパクトを軽減するというのも一つの選択肢なのでは
ないか。
消費増税同様に、物価目標2%の実現にも相応の時間がかかっているが、高齢化により日本の経済
構造が変わる中で2%という物価上昇が日本経済にとって本当に必要なのかを、もう一度検証する必要
があるのではないか。超高齢化社会に求められるのは、消費税率を引き上げながら、デフレにならない
程度に物価を低位安定させるというポリシーミックスではないか。

(調査部審議役 上席研究員 寺坂 昭弘:Terasaka_Akihiro@smtb.jp)

※ 調査月報に掲載している内容は作成時点で入手可能なデータに基づき経済・金融情報を提供するものであり、投資勧誘を
目的としたものではありません。また、執筆者個人の見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/265.html#c6

[経世済民128] 携帯通信料4割値下げならコアCPI下押し、日銀に逆風(ロイター ) 赤かぶ
3. 2018年8月25日 06:48:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1310]

底辺層のために、公的住宅があるのと同じで

通信インフラの基幹部分を低価格化し、さらに一部を無料化するのは、

こどもの貧困の改善と、所得格差によるデジタルデバイドを防げるので

有効だろうが、一方で、無料化による無駄な通信も増えるし


利益にならなければ、薬の開発と同じで、企業の投資も抑制され

イノベーションは停滞する


つまり全てを無料化する必要はなく、市場原理に任せつつ

犯罪や環境負荷などを見ながら、最低限の規制を行うのが適切だろう

>大和総研の長内智シニアエコノミストは「政府は、もはやデフレ脱却よりも消費活性化にウエートを置いている」

元ネタは↓か


https://www.dir.co.jp/report/research/economics/japan/20180824_020284.pdf

「デフレの優等生」の携帯電話料金に再び脚光
経済調査部
シニアエコノミスト 長内 智
エコノミスト 小林 俊介
[要約]
2018年7月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.8%と19ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサス(同+0.9%)を小幅に下回った。財・サービス別(4分類)の寄与度の「変化」を見ると、「耐久消費財」、「半耐久消費財」、エネルギーを含む「コア非耐久消費財(除く生鮮食品)」、「サービス」のいずれもほぼ横ばいとなった。

◆先行きの全国コアCPIの前年比は、今春以降のエネルギー価格上昇の影響が徐々に顕在化するなかで、緩やかにプラス幅を拡大する見込みである。すでに、足下で輸入物価(川上)と企業物価(川中)の前年比上昇幅が拡大傾向にあり、それに追随する格好だ。ただし、今回はコストプッシュ・インフレの様相が強く、物価上昇が長期的には持続しにくいという点に注意したい。

◆8月21日の菅官房長官の携帯電話料金4割値下げ発言に関しては、全国コアCPIを、▲0.96%程度下押しするインパクトがあると試算される。元々、携帯電話料金は「デフレの優等生」であったが、さらに、この発言が実現することになれば、政府の目指す「デフレ脱却」が、かえって遠のく事態となり、日本銀行の「出口戦略」を後ずれさせる要因となり得る点にも留意したい。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/285.html#c3

[国際23] 世界は米国が仕掛ける貿易戦争に向けて結束:専門家「トランプ氏の最大の誤算は米国の孤立」(Suptnik日本) 無段活用
3. 2018年8月25日 07:03:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1311]

>貿易戦争の結果として世界の構図は、米国と世界中のそれ以外の国の対立

そう単純ではなく、反グローバリズムによる世界的な保護主義化と

分断化、不安定化というのが、より現実に近いだろう


>中国と米国を批判。保護主義をやめ、ルールにのっとった競争をすべき

正論ではあるが、現実の日本の政策は、米国追従を基本としつつ

中国とも連携強化という形になっている

日中両政府が通貨スワップの再開検討、3兆円規模=関係筋 - ロイターニュース - 経済
朝日新聞社 · 2日前

日中は通貨スワップ再開するが…韓日は? | Joongang Ilbo
中央日報 · 2日前



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/721.html#c3

[経世済民127] 韓国で日韓通貨スワップ再開に期待高まる、韓国紙「南北首脳会談で北東アジア情勢の気流変わった」と日本に秋波 赤かぶ
3. 2018年8月25日 07:15:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1312]

日中通貨スワップを必要としているのは、残念ながら日本の側
配信日時:2018/08/23 05:00 カテゴリー : RMB, 時事, 金融
昨日、「日中通貨スワップ協定の再開」という報道が、複数のメディアから流れました。ただ、この報道と、それらに対するインターネット上の反応を眺めていると、どうも「日本が中国を助けるための協定だ」という、「ネトウヨ」の皆さんからの批判が多いようですが、これは正しくありません。実は、ある日本の2つの銀行のせいで、日本が中国との人民元建てのスワップを必要としている、という事情があるのです。

目次 [非表示]
• 1 日中金融協力
• 2 スワップ論
o 2.1 通貨スワップと為替スワップ
o 2.2 わが国のBSAとBLA
o 2.3 日本が通貨危機から世界一縁遠い理由
• 3 中国とのスワップが動き出す?
o 3.1 ロイター報道「円・元通貨スワップ」
o 3.2 金額と通貨はすでに報道済み
o 3.3 今回のスワップの本当の意味
• 4 韓国メディアが「韓日スワップ」に期待
日中金融協力
現在、日中両国政府は、日本と中国の間で、有事の際に通貨を交換することを柱とした通貨スワップ協定の締結を検討しています。現在のところ、日本政府からの最新の公式発表は、財務省ウェブサイトに掲載された、次の今年5月9日付の記事です。
日中首脳会談における日中金融協力に係る合意(2018/05/09付 財務省HPより)
この記事によると、2018年5月9日に行われた日中首脳会談では、次の4項目で合意したとされています。
• 中国は日本に対して2000億元(約3.4兆円)のRQFII(Renminbi Qualified Foreign Institutional Investor、人民元適格外国機関投資家)枠を付与する
• 日中双方は、人民元クリアリング銀行の設置、円‐元の通貨スワップ協定の締結のための作業を早期に完了させる
• 中国は日系金融機関への債券業務ライセンスを早期に付与するとともに、日本の証券会社等の中国市場参入に関する認可申請を効率的に審査する
通貨スワップ協定とは、この3項目中に2番目に記載されている、「人民元クリアリング銀行の設置」に関連するものです。
本日は、「日中通貨スワップ協定」を手掛かりに、通貨スワップと通貨危機について、久しぶりに考察を加えてみたいと思います。
スワップ論
通貨スワップと為替スワップ
一般に国家同士の通貨スワップ協定については英語の “Bilateral Swap Agreement” を略してBSAと呼びます。また、相手国の中央銀行を通じて通貨を供給するスワップについては「為替スワップ」(“Bilateral Liquidity Swap”)と呼んでBSAとは区別します(私はBLAと略しています)。
また、デリバティブの世界では、「通貨スワップ」といえば、スワップ市場における異なる通貨のキャッシュ・フローの交換取引のことを意味しますが、英語の “Cross Currency Swap” を略してCCSと呼ぶことが一般的です。
さらに、デリバティブや銀行経理の世界では、「為替スワップ」とは「直物外国為替取引と先物外国為替取引の組み合わせ」(バイセル)のことを指しますが、これらの「BSA」「BLA」「CCS」「バイセル」などの用語の細かい定義については『総論:通貨スワップと為替スワップとは?』をご参照ください。
本稿ではこれ以降、「通貨スワップ」という言葉については「CCS」ではなく「BSA」、「為替スワップ」についても「バイセル」ではなく「BLA」という意味で使いたいと思います。
わが国のBSAとBLA
それはさておき、現時点でわが国は現在、どんなスワップを締結しているのでしょうか?
日本が外国と締結しているスワップには、「通貨スワップ(BSA)」と「為替スワップ(BLA)」があります。このうち通貨スワップについてはアジアを中心に4ヵ国、為替スワップについては先進国を中心に7つの中央銀行・通貨当局との間で締結しています(図表1、図表2)。
図表1 日本の財務省が外国と締結する通貨スワップ(BSA)一覧
相手国 上限 発動条件と引出通貨
インドネシア(尼) 227.6億ドル 尼→日の要請時、米ドルのみ
フィリピン(比) 120億ドル相当 比→日の要請時、米ドルと日本円
5億ドル 日→比の要請時、米ドルのみ
シンガポール(星) 30億ドル相当 星→日の要請時、米ドルか日本円
10億ドル 日→星の要請時、米ドルのみ
タイ(泰) 30億ドル相当 泰→日の要請時、米ドルか日本円
30億ドル 日→泰の要請時、米ドルのみ
(【出所】2018年7月23日時点の財務省『アジア諸国との二国間通貨スワップ取極』より著者作成)
図表2 日本銀行が外国と締結する為替スワップ(BLA)一覧
相手 上限 引出通貨
米国(FRB) 無制限 米ドル
欧州中央銀行(ECB) 無制限 ユーロ
イングランド銀行(BOE) 無制限 英ポンド
スイス国立銀行(SNB) 無制限 スイス・フラン
カナダ銀行(BOC) 無制限 カナダ・ドル
豪州準備銀行(RBA) 1.6兆円/200億豪ドル 豪ドル
シンガポール通貨庁(MAS) 1.1兆円/150億Sドル シンガポール・ドル
(【出所】日本銀行『海外中銀との協力』より著者作成)
まず、図表1によれば、日本が外国の通貨当局と締結している通貨スワップ(BSA)については、主に「米ドル建てで引き出すスワップ」です。せっかく日本の通貨・円が「世界最強クラスの通貨」なのに、これは実にもったいない気がしますが、それとともに、最近になって「円建BSA」が増えていることも事実です。
たとえば、フィリピン、シンガポール、タイの3ヵ国との通貨スワップについては、相手国からの要請があったときには「米ドルだけでなく日本円でも資金を引き出すことができる」という協定に変更されています(インドネシアとのスワップは米ドル建てのままですが…)。
また、図表2に示した為替スワップは、いずれも日本円という通貨を相手国の中央銀行に提供し、それと引き換えに相手国通貨を受け取る、という協定です。とくに日本円、米ドル、スイス・フラン、ユーロ、英ポンド、加ドルという「6つのハード・カレンシー」は、相互に無制限のスワップ協定を結んでいます。
日本が通貨危機から世界一縁遠い理由
ちなみに、日本は世界で最も通貨危機から遠い国です。その理由は非常に簡単で、日本には「三重のバリア」があるからです。
まず、日本には100兆円を超える外貨準備があり、その多くは米ドル建ての有価証券(とくに米国債など)で構成されていると考えられます。外貨準備といえば中国の外貨準備が自称3兆ドルとされていますが、日本の外貨準備の場合は米国財務省の統計などともきちんと整合しているのが特徴です。
次に、日本はいざというときに、外国の中央銀行から外貨を引っ張ってくることが可能です。とくに、米ドル、ユーロなどの発行者とのあいだで、無制限の為替スワップを有しているがために、日本円を担保にすれば、いくらでも外貨を借りることができるのです。
さらにいえば、日本円という通貨自体がれっきとした「ハード・カレンシー」であり、全世界で取引され、安定している通貨です。「有事の円買い」という表現がありますが、「いざとなったら日本円は売られる通貨ではなく買われる通貨である」という傾向があることは有名です。
ただ、この「三重のバリア」があるから、日本円から外貨が流出するリスクは非常に低い、というのも確かにそのとおりなのですが、もっと根源的なことをいえば、そもそも日本は国内のGDPと比べると、外国からの借金は非常に僅少です。
一般に通貨危機は外国からたくさんおカネを借りている国が、外国人投資家からの信頼を失って、外貨流出に見舞われることをいうのですが、そもそも論として日本は「外国におカネを貸す立場」であって、「外国からおカネを借りる立場」ではありません。
中国とのスワップが動き出す?
ロイター報道「円・元通貨スワップ」
前置きが長くなりましたが、「日中通貨スワップ協定」を巡っては、以前、当ウェブサイトでも『【昼刊】日中スワップとQFIIと利権の匂い』などで触れたとおり、色々と問題が山積しています。
そもそも通貨スワップ協定自体、通貨ポジションが強い国から弱い国に対する支援である、という性格があります。日本が欧米諸国の中央銀行と締結している為替スワップは、相互に市場の安定を図るために流動性を供給するという、いわば「対等の協定」という性格があるのとは対照的でしょう。
ただ、実は、日中通貨スワップ協定については、「通貨ポジションが脆弱な中国を通貨ポジションが強い日本が助ける」という、シンプルなものではありませんが、これについて検討するうえで、まずは最近の動きを負っておきたいと思います。
昨日、日中両国政府が通貨スワップ協定の具体化についての続報が複数のメディアから流れているのですが、ここではロイターの記事を紹介しましょう。
日中両政府、円・元通貨スワップの再開検討 3兆円規模=関係筋(2018年8月22日 09:27付 ロイターより)
この記事によれば、タイトルに「円・元通貨スワップ」と明示されていて、「有事に中央銀行同士で通貨を融通し合う通貨交換協定」とあります。ロイターによれば、
「複数の関係筋によると、日中両政府は有事に中央銀行同士で通貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定を再開する方向で検討に入った。規模は3兆円規模になる見通し。」
とあります。
ここでポイントは3つあります。
1つ目は、契約当事者です。先ほどの図表1を見て頂くと、通貨スワップ(BSA)の場合、日本側の契約当事者は財務省ですが、ロイターの記事によれば「中央銀行同士」とあります。ということは、契約当事者は財務省ではなく、日銀である、という可能性が高いのです。
このことから、ロイターの報道が正しければ、新しい日中通貨スワップ協定は最初から「米ドル建て」ではなく、シンプルに「日本円と人民元のスワップ」となる可能性がある、ということです。そうなると、日本円の使用を増やそうとしている日本側としては、願ったりかなったり、というわけです。
金額と通貨はすでに報道済み
2つ目は、金額です。ここで「3兆円規模」とありますが、この点については、実はすでに今年5月上旬の時点で、次の時事通信の報道に出ています。
日中、新通貨協定締結へ=融通額3兆円軸に−日銀・人民銀(2018/05/02-21:35付 時事通信より)
つまり、今回のロイターの報道は、別に情報としては何も新しいものではなく、今年5月に日中が確認した方針がそのまま生きていることを追認するだけのものだ、ということです。
3つ目の、そして最も重要なポイントは、先ほどからも出ているとおり、「交換する通貨の種類」です。
日本が外国と通貨スワップ(BSA)を締結する際には、「日本側が米ドルを提供する」という契約内容となっていることが多く、また、日本の場合は外貨準備を管轄しているのが日銀ではなく財務省であるという事情もあるため、どうしても財務省が契約当事者となります。
しかし、今回は1つ目のポイントでも申し上げたとおり、各種報道では「財務省ではなく日銀が契約当事者になる」ということであり、新しいスワップは、最初から米ドルを排除した、日本円と人民元のスワップ協定になる、ということです。
この点については、冒頭に紹介した、5月9日付の財務省の報道発表とも整合します。
あるいは、タイやシンガポール、フィリピンとの通貨スワップと同様、財務省が契約当事者となるものの、日本銀行がその代理人と契約を締結するという形を取るのかもしれません(もっとも、このあたりについてはあくまでも技術的な形式論であり、金融協力という形からは実質的な相違はさほどありません)。
今回のスワップの本当の意味
ところで、読者の皆さまは意外と思われるかもしれませんが、私は今回の「円・元スワップ」の締結については、やむを得ない側面があると考えています。
中国の通貨・人民元は典型的な「ソフト・カレンシー」であり、中国からは外貨流出リスクがあるため、日本との通貨スワップ締結によって、通貨不安が一時的に鎮静化する効果は得られます。その意味で、「日本が中国を一方的に救済・支援する」という性格があることは間違いありません。
ただ、もう1つの深刻な問題は、日本の銀行が発行した「パンダ債」と呼ばれる債券にあります。
『危険なパンダ債と「日中為替スワップ構想」』で紹介したとおり、三菱UFJ銀行(本稿では以下「BTMU」)とみずほ銀行(本稿では以下「MHBK」)は今年1月16日、「本邦初のパンダ債」を発行。両社とも、自社のウェブサイトでこのことを誇らしげに報道発表しています。
中国におけるオンショア人民元建債券(パンダ債)の発行について(2018/01/15付 BTMUウェブサイトより)
オンショア人民元建て債券の発行について(2018/01/12付 MHBKウェブサイトより)
端的にいえば、この両社の行動は、とても正気の沙汰とは思えません。というのも、この「パンダ債」とは、「中国国外の企業が中国本土で発行する人民元建ての債券」のことであり、中国の金融市場が未成熟であることなどを考えれば、きわめてリスクの高い行為だからです。
香港あたりのオフショア市場で人民元建て債券を発行するのなら話はわかります。しかし、中国本土の資本市場は外国に解放されておらず、何らかのショックが生じたときに資金調達ができなくなるリスクは先進国と比べて際立って高いのです。
つまり、今回のスワップは、むしろ日本政府の側に、締結するインセンティブがあるのです。報道機関がなぜこの重要な「パンダ債問題」についてまったく報道しないのでしょうか?報道機関の皆さんが、あまりにも金融のことを知らなすぎるのではないでしょうか?
韓国メディアが「韓日スワップ」に期待
さて、もう1つの関連報道といえば、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載された、こちらの記事です。
日中は通貨スワップ再開するが…韓日は?(2018年08月22日11時25分付 中欧日報日本語版より)
ただ、この記事の内容について触れはじめると、本稿が間延びしたうえで、「日中スワップ」との関連性が薄れてしまいますので、この論点については、少し稿を分けて議論したいと思います。
期待させて非常に申し訳ないのですが、一両日中(できれば本日早い時間)に、もう1本、関連記事を公表したいと思いますので、どうかご期待ください。


 

 

日中は通貨スワップ再開するが…韓日は?
2018年08月22日11時25分
[? 中央日報日本語版] comment158 sharemixi
日中両国の政府が中央銀行間の通貨スワップ協定再開について協議中で、規模は約3兆円で調整していると、日本の共同通信が21日報じた。両国は2002年から2013年まで約30億ドル規模の通貨スワップを維持していた。今回新たに協議する通貨スワップ規模は従来の10倍。通貨スワップを締結すれば、有事の際にあらかじめ決めておいた為替レートで日本円と人民元を交換できる。

日中は5月、通貨スワップ早期再開の原則に合意した。日本政府は、安倍晋三首相が10月に訪中して習近平国家主席と首脳会談をする席で、両国間の通貨スワップ締結を公式発表することを目標にしている。

一方、韓国と日本は2001年に初めて通貨スワップ契約を締結し、2011年には700億ドルまで規模を拡大したが、2012年8月に李明博(イ・ミョンバク)元大統領が独島(ドクト、日本名・竹島)を訪問したことで韓日関係が悪化し、2015年2月に完全に終了した。2016年末に韓日間で関連の協議があったが、2017年1月に釜山(プサン)日本領事館前に慰安婦少女像が設置されたことを受け、日本側が一方的に交渉を中断した。

しかし最近、韓国財界を中心に韓日通貨スワップ再開の必要性が提起されている。韓国の経済団体「全国経済人連合会(全経連)」は日本の与党・自民党に韓日通貨スワップの再開を建議した。許昌秀(ホ・チャンス)会長ら全経連代表団は6月4日、東京を訪れ、日本自民党の幹部であり日韓議員連盟所属議員の二階俊博幹事長、竹下亘総務会長らを表敬訪問した。この席で全経連代表団は韓日通貨スワップの再開を建議した。

これに先立ち韓国銀行(韓銀)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は日本との通貨スワップ再開の可能性に言及していた。5月にASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3財務相・中央銀行総裁会議出席のためフィリピンを訪問した李総裁は「日本との通貨スワップ再開のために努力していて、今後、議論が始まる可能性があるとみている」とし「中央銀行が経済協力レベルで接近しようというのが我々の一貫した立場」と述べた。金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官も「李総裁と対話したが、私も同じ考え」と明らかにした。

最近、トルコ発のグローバル金融不安定で韓国経済への影響が懸念され、通貨スワップ締結の拡大が必要だという分析も出てきた。韓国国際金融センターは16日、「韓国・台湾・タイなどが1990年代の金融危機以降、外貨準備高を増やし、経常黒字への転換で基礎経済環境の健全性を確保したことを思い出すべき」とし「今後、通貨スワップ締結など各国間の協調拡大を通じて金融危機を制御する必要がある」と強調した。
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http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/212.html#c3

[国際23] 世界でも特にイギリスでトランプが嫌悪される理由(ニューズウィーク)  赤かぶ
2. 2018年8月25日 07:24:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1313]

>攻撃的で規範無視のトランプをイギリス人が嫌う理由を挙げればきりがないが、根底には粗野な発言を自分たちが話す英語で聞かされるという苦痛
>女性の「扱い方」を語ったり、障害のあるジャーナリストを明らかにあざけったりするトランプのコメントを(録音・録画で)ほかの国の人々も耳にしていることは分かっている。でも、僕たちの母国語で話されているだけに、イギリス人にとってこれらはもっとずっとリアル

日本の政治家に対して、同じ感想を抱く人も多そうだが

>村上春樹の小説を僕が嫌いな理由
>わずかでも現実に起こりそうなことを書いた小説が好きな人なら、僕と同じく、あんなバカバカしくて不合理な話を、この分だと結末もまともではないなと思いながら何百ページも読む気にはならない

ハリーポッターなどのファンタジーが英国人だけでなく、世界的に受けるのと同じ理由だから

別に不思議ではないが

英国でも、こういうのを受け付けない人も多いということだな



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/722.html#c2

[政治・選挙・NHK249] 正体を隠して活動する日本会議の「カルト性」 菅野完(ハーバー・ビジネス・オンライン) 赤かぶ
4. 2018年8月25日 07:58:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1314]

正体を隠しているようにも見えないが

この手の申請は、どこでもやっていること


いずれにせよ、日本でも、海外同様、偏狭なナショナリズムへの根強い需要があるのだから

共産党同様、完全に消滅するとしても、かなり時間はかかるだろう

ja.wikipedia.org/wiki/日本会議
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/655.html#c4

[経世済民128] 日本や他の国々で政府が労働時間を短縮しても、皆が喜んでいるというわけではないのは何故か?(Suptnik日本) 無段活用
1. 2018年8月25日 10:27:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1315]

>被雇用従業員にとっての残業とは、仕事中毒というよりは、追加収入を得たい
>勤務時間中に課題をこなせなければ、問題が専ら自分自身に潜んでいると確信しているから

この分析に当てはまる人々も多いだろうが


別に金に困っていなくても、自分が無能だと思っていなくても

競争の激しい研究者や、一部の大企業では、栄光を勝ち取るために死ぬほど仕事をするのも珍しくないし

勤務医、教員や若い官僚のように、ほとんど無報酬で徹夜仕事を強制されることもある

つまり、いろいろな人がいるということであり

全員が喜ぶ制度を行政に期待する方が間違いということだろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/286.html#c1

[経世済民128] 米国債、外国人に買い疲れ気配で利回り高騰リスク(ロイター) 赤かぶ
1. 2018年8月25日 10:36:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1316]

仮に長期債が下落して利回りが上昇し、ブルフラットが解消すれば、日本の投資家は殺到するだろう

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/281.html#c1
[経世済民128] 米国債、外国人に買い疲れ気配で利回り高騰リスク(ロイター) 赤かぶ
2. 2018年8月25日 10:40:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1317]

逆に言えば、米金利の上昇余地は、それほどないし

貿易戦争による世界経済の下押しが明確化していけば

いずれ今のドル高・株高にも限界が見えてくるという当り前の結論になる

 

次の米リセッション、あなたが考えているよりすぐに来る
Jacob Bourne
2018年8月23日 13:57 JST

A man walks along Wall Street as a taxi turns a corner near the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S.Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

               迫る足音
     ひたひたと近づくリセッションーアルゴリズムが予測
  ブルームバーグは1年物と10年物の米国債利回り、S&P500種株価指数、米ドル指数、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油相場を使ってアルゴリズム「ニューラル・ネット」を作成。次の米リセッション(景気後退)の開始時期を予測させた。以前は十分に遠くにあると思われたその時期はひたひたと近づき、最新の予測によると12−18カ月後には訪れるかもしれない。
原題:The Next U.S. Recession May Be Closer Than You Think: Chart(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/281.html#c2

[国際23] 速報!トランプ急きょ、国務長官に訪朝中止を指示!  赤かぶ
1. 2018年8月25日 11:03:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1318]

予想通り


 


米国務長官の訪朝中止 トランプ氏、非核化停滞に不満
2018/8/25 6:02 (2018/8/25 9:38更新)日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は24日、ポンペオ国務長官が来週予定している北朝鮮への訪問を中止するよう指示したとツイッターで明らかにした。理由を「朝鮮半島の非核化に十分な進展がみられないと感じているため」と説明。トランプ氏はこれまで先の米朝首脳会談の成功を誇示してきたが、非核化が停滞していることへの不満を表明した。

ポンペオ米国務長官=AP

 ポンペオ氏は24日、サンフランシスコを訪問している河野太郎外相と電話し、訪朝中止を説明した。日本外務省が25日、発表した。両氏は北朝鮮の非核化に向けた連携と、国連の安全保障理事会の制裁の完全な履行を確認した。ポンペオ氏の訪朝直後に日本での開催を調整していた日米韓外相会談も見送る。

 トランプ氏はポンペオ氏の訪朝中止を指示する一方で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長には「温かい気持ちと敬意を表したい。まもなく会えるのを楽しみにしている!」とツイート。2回目の首脳会談に改めて意欲を示した。

 トランプ氏は貿易問題で激しく対立している中国から、北朝鮮問題で以前ほどの協力が得られなくなっているとの認識も示した。国連安全保障理事会の制裁が緩み、中朝の境界などで北朝鮮との交易が活発になっていることが念頭にあるとみられる。ポンペオ氏の訪朝は「中国との貿易をめぐる関係が解決した後になるだろう」と指摘した。

 ロイター通信によると、トランプ氏は24日にホワイトハウスでポンペオ氏と面会し、訪朝の中止を求めたという。ポンペオ氏は23日に来週の訪朝を発表したばかりだったが、その翌日に大統領が中止を指示するのはきわめて異例だ。ポンペオ氏は訪朝に際し、金委員長との面会の予定はないとしていた。

 トランプ氏は6月のシンガポールでの米朝首脳会談後に「もはや北朝鮮の核の脅威はなくなった」などと表明し、成果をたびたび強調してきた。20日のロイター通信とのインタビューでは、北朝鮮が非核化に向けた具体的な措置をとっているかどうかに関して「そう確信している」と述べていた。

トランプ大統領、ポンペオ長官の訪朝を中止−非核化の進展不十分
Joshua Gallu
2018年8月25日 3:09 JST 更新日時 2018年8月25日 3:51 JST
トランプ米大統領は、予定していたポンペオ国務長官の北朝鮮訪問を中止した。朝鮮半島の非核化を目指した協議に「十分な進展」が見られないためだとしている。

  トランプ氏は24日のツイートで、米中の貿易問題が解決した後にポンペオ長官は訪朝する可能性が高いと加えた。

  また「米国は中国に対する貿易面での姿勢をずっと厳しくしていることから、(国連の制裁をよそに)中国は非核化のプロセスをかつてのようには支援していないと考えている」と記した。

  その上で、「ポンペオ長官は、近い将来に北朝鮮に行くことを心待ちにしている。中国との貿易関係が改善された後になる可能性が高い。今のところは金委員長に心からの敬意を表したい。近く会えることを楽しみにしている!」とツイートした。

原題:Trump Cancels Pompeo Trip to North Korea, Citing Poor Progress(抜粋)

トランプ氏、ポンペオ国務長官の訪朝中止を指示 非核化の進展不十分
ポンペオ国務長官(右)と北朝鮮高官の金英哲氏(7月、平壌)
Jessica Donati
2018 年 8 月 25 日 06:08 JST 更新

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は24日、北朝鮮との非核化協議が進んでいないことを理由に、マイク・ポンペオ国務長官が来週予定していた訪朝を中止することを明らかにした。

 トランプ氏はツイッターに「今は北朝鮮に行かないようマイク・ポンペオ国務長官に頼んだ。朝鮮半島の非核化が十分に進んでいないと感じるからだ」と投稿した。

 米中の貿易摩擦が原因で中国が以前ほど非核化に協力的でなくなったとの見方も示した。ポンペオ長官は中国との貿易摩擦に決着がついてから訪朝すると述べた。

 トランプ氏は「貿易を巡るわれわれの中国に対する姿勢ははるかに厳しくなった。このため同国が以前ほど非核化プロセスに協力的だとは考えられない」とツイートした。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/726.html#c1

[国際23] 英「合意なき離脱」への対策発表〜EU離脱まで7か月余りとなる中/nhk 仁王像
1. 2018年8月25日 11:06:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1319]

英の合意なきEU離脱を過半数予想、トマト棚から消える恐れも−調査
Suzi Ring
2018年8月23日 12:53 JST
物価上昇すると70%が予想、支出行動変えるとの回答も同じような数
衣類から住宅増改築に至るまであらゆるコスト削減を多くが計画
英国の「合意なき欧州連合(EU)離脱」が現実になると英国民の過半数が考えており、多くの人が衣類から家の増改築に至るまであらゆるコストを削減する計画を立てていることが、最新の世論調査で明らかになった。

  KPMGの調査結果によれば、英国が合意のないままEUを離脱する可能性が高いと54%が回答。EUと合意が成立しない場合、物価が上昇すると70%が考えており、支出行動を変えるという回答も同じような割合に達した。調査は3044人を対象に8月4−6日に実施された。

  英政府は合意なきEU離脱に備えて、金融サービスや旅行などあらゆる分野について、企業や一般消費者に対応を助言する「実務文書」の第1弾を23日に発表する。第2弾の公表は9月になる見通し。

  KPMGの英国リテール責任者ポール・マーティン氏は、合意がないままEUを離脱するケースについて、「破滅論者になりたくはないが、これまでのように1日も欠かさずにトマトがスーパーの棚に並ぶことをあてにできないかもしれない」と指摘した。

原題:Most Brits Think U.K. Will Leave EU Without a Deal, Report Finds(抜粋)

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/723.html#c1

[国際23] フィリピン大統領が再びアメリカ批判(櫻井ジャーナル 赤かぶ
1. 2018年8月25日 11:09:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1320]

愚かな分析

トランプ以下の大統領だが、殺す価値もない


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/724.html#c1

[経世済民128] トランプ大統領が利上げにご不満だとか --- 久保田 博幸  赤かぶ
6. 2018年8月25日 11:11:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1321]

パウエル議長、FRBの段階的利上げを擁護 ジャクソンホール会議

パウエルFRB議長は24日、カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演した

By Nick Timiraos
2018 年 8 月 25 日 01:34 JST 更新

 【ワイオミング州ジャクソンホール】米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は24日、段階的な利上げの正当性を主張し、FRBの動きが遅過ぎたり早過ぎたりすることが景気拡大を阻んでいるとの批判をはねつけた。

 カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で語った。FRBはほぼ10年にわたり景気刺激を目指して低金利を維持してきたが、この日のパウエル議長の発言で、FRBが少なくとも景気を刺激も抑制もしない水準への利上げを目指していることが確認される形となった。

 パウエル議長は、FRBは「早く動き過ぎて不必要に(景気)拡大の腰を折るか、動きが遅過ぎて景気過熱の危険を冒す」という2つの主要リスクに直面していると指摘。「現行の段階的な利上げ路線は、いずれのリスクも真剣に受け止めた上でのアプローチだと思う」と語った。

 さらに、インフレ率が急上昇してFRBが目標とする2%を上回ったり、過熱のリスクが高まったりする「明白な兆し」はみられないと述べた。

 ドナルド・トランプ大統領が先月、先週と続けてFRBの金利政策を批判してから、パウエル氏が公の場に姿を現したのは今回が初めて。この日の講演で大統領の批判に特に応じることはなかったが、FRBの現在の政策を擁護した。

 FRBが雇用促進と物価安定という2つの使命の達成に近づいているにも関わらず、過去に比べて緩やかな利上げを採用している理由を、パウエル氏はこれまでで最も明確に説明した。

 FRBは物価が持続的に上昇した1970年代と、90年代半ばの景気拡大期を参考にしているとし、既存のモデルでは失業率が低下すると物価の押し上げ圧力は強まるが、90年代には当時のアラン・グリーンスパンFRB議長が物価圧力をあおらずに経済成長が加速する可能性があると他に先駆けて認識したため、インフレは落ち着きを保ったと話した。

 FRB当局者は自然失業率や、景気を刺激も冷やしもしない中立金利といった仮説を重視しがちだ。だがパウエル氏はこの日「星の位置は認められるところからほど遠いこともある」と語り、そのような姿勢に疑問を呈した。

 さらに、FRBは70年代に「星についての不正確な見積もりを重視し過ぎて」失策を犯したが、90年代にはその二の舞を避けられたと語った。

 その上で、グリーンスパン議長は「様子見」のアプローチをとったとし、「次の会合まで待とうではないか。物価上昇の兆しがさらに明確になれば引き締めを始めよう」というアプローチだと説明した。

 FRBは今日、同様の手法をとるべきだと主張した。つまり利上げの打ち切りや加速、政策転換が必要な状況だと新たな経済指標が示唆するまでは段階的な利上げを維持するということだ。

 パウエル氏は「行動がもたらす結果が不明な場合は慎重に動く必要がある」とし、「言い換えれば、薬の効能が不確かな場合はいくぶん少量から始めるべきだ」と語った。

 このルールについては2つの例外にも言及した。第一に、インフレ期待の高まりが見込まれる場合には、緩やかな動きは物価の急上昇に輪をかける可能性があるとした。また、ゼロ金利を背景に経済が一層の支援を必要としていることが明白な場合は、段階的な手法に警戒感を示した。

 低失業率に対する物価の反応の鈍さが金融政策当局者の大きな不確実要因になっている。この点についてパウエル氏は、インフレは「もはや労働市場の引き締まりと資源利用への圧力の高まりを指し示す、第一の目安でも最良の目安でもなくなったのかもしれない」と語った。

 さらに2001年と07年の直近2回景気拡大の終了時には、金融市場に「かく乱をもたらす余剰」が観察されたと指摘。「そのためリスク管理は、インフレにとどまらず余剰の兆しにも目をやることを指し示す」とした。

 前回の連邦公開市場委員会(FOMC)では貿易摩擦や新興国情勢への懸念の声も出たが、パウエル氏は「いつも通り、やがては違う政策対応を迫られる可能性のあるリスク要因が国内外に常に存在する」とし、詳細には踏み込まなかった。


http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN1L91RG.html
米FRB議長、段階的な利上げ擁護 大統領批判に言及せず
2018年8月25日04時33分

 [ジャクソンホール(米ワイオミング州) 24日 ロイター] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は24日、経済回復の保護に加え、底堅い雇用の伸びの維持やインフレの抑制に向け、着実な利上げが最善の方策との認識を示した。

 議長はワイオミング州ジャクソンホールで開かれている経済シンポジウムで講演し、段階的な利上げが依然適切となる理由について説明。「経済は力強く、インフレは2%の目標近辺にあるほか、大半の求職者は職を見つけている。所得や雇用の力強い伸びが継続すれば、一段の段階的な利上げがおそらく適切になる」と語った。

 トランプ米大統領は今週、ロイターとのインタビューで、FRBの利上げ継続を「気に入らない」と批判したが、これについて議長の言及はなかった。

 講演を受け、S&P総合500種とナスダック総合が過去最高値を付け、ドルは通貨バスケットに対して軟調に推移した。短期金利先物相場では、9月と12月の利上げ予想が引き続き優勢だ。

 また、フェデラルファンドとユーロドル先物が織り込む来年の利上げ回数予想は1回にとどまり、来年央までの金利レンジは2.5─2.75%の水準となっている。

 今年のシンポジウムのテーマは「市場構造の変化」だが、パウエル氏は「完全雇用」や「中立金利」といった水準に関する考え方の変化が段階的な利上げの理由になっていると指摘。FRBが過去に完全雇用を誤って判断したことが1970年代のインフレ高騰を招いたとし、現在のFRBの見通しが正確であると捉えるべきではないと述べた。

 議長は、FRBがこれまで景気過熱と早まった引き締めとの間で政策運営のかじ取りを行い、頼りとなる手掛かりさえ、移り変わるようなあいまいなものでしかないと認めた上で、慎重な対応こそが鍵になると強調した。

 失業率がこれだけ低い中「なぜ連邦公開市場委員会(FOMC)は景気過熱やインフレの抑制に向けもっと急激に金融政策を引き締めないのか。インフレの問題を示す明確な兆候がない中、なぜFOMCは雇用の伸びや景気拡大の継続を阻害するリスクを冒してまで引き締めを行っているのか。現在の道筋である段階的な利上げは当該リスクを真剣に踏まえたFOMCの対応であると考える」と語った。

 ただFRB当局者の全員が、議長と同じ見方を共有しているわけでない。

 セントルイス地区連銀のブラード総裁は議長講演に先立ち、インフレ率が急上昇する兆しはなく、2019年は財政刺激措置の効果が薄れて成長が減速すると予想されることから、FRBは利上げを打ち切るべきとの見解を示した。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/272.html#c6

[経世済民128] トランプ大統領が利上げにご不満だとか --- 久保田 博幸  赤かぶ
7. 2018年8月25日 11:17:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1322]

愚かなトランプの減税のせいで、一時的に加熱している米国では、パウエルのスタンスは妥当

またボードメンバーが予想しているように、一時的な上ぶれの後、

超富裕層とグローバル企業を中心とした減税による資産インフレや、

貿易戦争などの副作用がでてくれば、長期の引き締めも当然、不要


今後の世界経済からの反作用やトランプの圧力を考えれば、

FRBも日銀同様、さらに厳しい事態が待っている

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/272.html#c7

[経世済民128] 米国債、外国人に買い疲れ気配で利回り高騰リスク(ロイター) 赤かぶ
3. 2018年8月25日 13:28:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1323]
NY外為】ドルが下落、FRB議長の講演後に下げ幅拡大

米国株は上昇、S&P500種は最高値

Robert Fullem
2018年8月25日 5:19 JST 更新日時 2018年8月25日 6:13 JST
ドルは一時111円11銭に下落、米国務長官の北朝鮮訪問の中止伝わり
漸進的な利上げが適切、経済過熱のリスクまだ高くない−パウエル氏
24日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。経済成長とインフレに関するパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言や、中国金融当局が人民元の下支えに動く兆候を受け、ブルームバーグのドル指数は下げ幅を拡大した。

  パウエル議長は講演で、インフレが2%超に加速する明確な兆候はないとし、インフレ期待が非常に大きく上昇ないし低下した場合、連邦公開市場委員会(FOMC)は「何でもやる」と述べた。一方、経済過熱のリスクはまだ高くないようだとし、漸進的な利上げが適切となる公算が大きいとの見方を示した。

  ニューヨーク時間午後4時30分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%低下し、1週間ぶりの大幅な下げ。週間ベースでは0.6%下げた。ドルは対円で0.1%下げて1ドル=111円22銭、対ユーロでは0.7%安の1ユーロ=1.1623ドル。

  予定されていたポンペオ国務長官の北朝鮮訪問をトランプ米大統領が中止したと伝わった後、ドルは円に対し一時1ドル=111円11銭で日中安値を付けた。訪問中止についてトランプ大統領は、朝鮮半島の非核化を目指した協議に「十分な進展」が見られないためだとした。

欧州時間の取引
  パウエルFRB議長の講演を控え、ブルームバーグのドル指数が反落。オーストラリア・ドルは上昇し、米ドルに対しては一時0.6%高となった。オーストラリア与党自由党の党首選でモリソン財務相が勝利し、政治を巡る不安感が拭われた。

原題:Dollar Tumbles, Capping Worst Week Since Early July: Inside G-10(抜粋)
Dollar Drops Before Powell as Aussie Shorts Unwound: Inside G-10

(第1段落を書き換え、4段落以降を追加して更新します.)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
【米国株・国債・商品】S&P500種が最高値−FRB議長講演で
Randall Jensen、Sarah Ponczek
2018年8月25日 5:36 JST 更新日時 2018年8月25日 6:14 JST
24日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は1月に記録した従来の最高値を上回った。1月に高値を付けて以降、一時は大きく下げたが、景気拡大や企業の利益増加を手掛かりに相場は回復してきた。  

米国株は上昇、S&P500種は最高値−FRB議長講演受け
米国債は上昇、10年債利回り2.81%
NY原油は反発、週間では2カ月ぶりの上昇
NY金は5カ月で最大の上げ、FRB議長講演はハト派寄りとの見方
  S&P500種は週間ベースで2週続伸。この日は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げペースを加速させる考えがないことを示唆したため値上がりした。一方でドルは下落した。パウエル議長は「力強い経済が継続するとみる十分な根拠がある」とし、「現在の漸進的な正常化プロセスは引き続き適切だと考える」と加えた。さらに、景気「過熱のリスクは高まっていないようだ」とも述べた。

  S&P500種株価指数は前日比0.6%高の2874.69。ダウ工業株30種平均は133.37ドル(0.5%)上げて25790.35ドル。米国債市場では、ニューヨーク時間午後4時50分現在、10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.81%。

  ニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は反発。週間では2カ月ぶりの上昇となった。北海の油田でのストライキや米国による対イラン制裁で供給が減少するとの懸念が広がった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は89セント(1.3%)上昇の1バレル=68.72ドル。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.09ドル高い75.82ドル。

  ニューヨーク金先物相場は上昇。5カ月で最大の上げとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、漸進的な利上げの維持を示唆したことが背景にある。ABNアムロの為替・金属ストラテジスト、ジョルジェット・ブーレ氏は電子メールで、「パウエル議長の講演はややハト派寄りと捉えられた」ことで金の妙味が高まったと指摘した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は1.6%高の1オンス=1213.30ドル。

  フォート・ピット・キャピタル・グループのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、キム・フォレスト氏はパウエル議長の講演について、「インフレと比較して、利上げに関しては軽く触れる程度にとどめる必要性があることをパウエル議長は理解しているようだ」と指摘。「グリーンスパン式の過度な引き締めに動くようには聞こえない。現在はインフレが恐らく最も重要な事項だということを理解している。だが景気回復、力強い成長を止めたくはない。パウエル議長は判断をデータに委ねるだろう」と加えた。

原題:Stocks Rise to Record, Dollar Falls on Dovish Fed: Markets Wrap(抜粋)
Oil Rises on Supply Risks After Longest Losing Run Since 2015
Dovish Powell Read Gives Beleaguered Gold a New Lease on Life

(市場関係者のコメントを追加し、更新します.)


 

米国株、ダウ反発し133ドル高 パウエル議長講演受け、利上げ加速の見方薄れる
2018/8/25 5:52
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【NQNニューヨーク=古江敦子】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発した。前日比133ドル37セント(0.5%)高の2万5790ドル35セントで終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が24日午前の講演で、米経済の力強い成長が続くなかでも利上げペースを速めない姿勢を示唆した。投資家の買い安心感を誘い、幅広い銘柄が上昇した。

ニューヨーク証券取引所のトレーダー=ロイター
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ニューヨーク証券取引所のトレーダー=ロイター

 24日は機関投資家の多くが運用指標にするS&P500種株価指数も3日ぶりに反発し、7カ月ぶりに過去最高値を更新した。

 パウエル議長はカンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、米経済の成長基調が続くなら「政策金利の一段の緩やかな引き上げが適切になりそうだ」と従来の方針を繰り返した。「物価が2%を超えて加速する明確な兆しは見えない」と、利上げペースを速める考えがないことも示唆した。

 市場では、株式市場に投資資金が流入しやすい地合いが続くと受け止められた。長期金利上昇の観測がやや後退したことも米株の買い安心感につながった。

 原油など国際商品相場の上昇を受け、化学のダウ・デュポンなど素材株、エクソンモービルやシェブロンなどの石油株が上げた。7月の米耐久財受注額の堅調さを受け米企業の設備投資の強さが意識され、建機のキャタピラーなどが上昇したことも相場を押し上げた。

 ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比67.516ポイント(0.9%)高の7945.975と、7月25日に付けた過去最高値を約1カ月ぶりに更新した。アナリストが投資判断を引き上げたネットフリックスが大幅高。アルファベット(グーグル)も含め、主力ネット株が上昇した。インテルなど半導体株への買いも続き、指数を押し上げた。

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NY円、小反発 1ドル=111円20〜30銭で終了 FRB議長講演受け円買い優勢
2018/8/25 6:27
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【NQNニューヨーク=横内理恵】24日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに小幅に反発し、前日比05銭円高・ドル安の1ドル=111円20〜30銭で取引を終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で利上げを緩やかに進める姿勢を示し、対主要通貨でドルが売られたことが円を押し上げた。

 カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムで講演したパウエルFRB議長は「緩やかな利上げが適切」との主張を繰り返した。一方でインフレや景気過熱のリスクは小さいとの見解を示した。FRBが利上げを急がず、慎重に進めるとの見方から円買い・ドル売りが入った。

 米長期金利の低下も日米金利差の拡大観測からの円買いを促した。対主要通貨で積み上がったドルの買い持ちを整理する動きが続いており、円の対ドル相場を押し上げた面もあった。

 トランプ米大統領が来週予定されていたポンペオ米国務長官の訪朝を中止するよう求めたことが分かった。北朝鮮との非核化交渉に十分な進展がなく、貿易問題で対立する中国からの支援が得られなくなったことが背景だという。北朝鮮情勢や米中関係を巡る不透明感が、リスク回避目的の円買いを誘ったとの指摘もあった。

 円は下げる場面もあった。日米欧の株式相場が上昇し、米株式市場ではナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数が過去最高値を付けた。投資家のリスク選好が強まり、低金利で運用の際の調達通貨とされる円の重荷となった。

 円の高値は111円10銭、安値は111円45銭だった。

 円は対ユーロで4日続落し、前日比80銭円安・ユーロ高の1ユーロ=129円25〜35銭で取引を終えた。

 ユーロは対ドルで反発し、前日比0.0085ドル高い1ユーロ=1.1615〜25ドルで終えた。パウエル議長が米景気に過熱リスクが小さいとの見方を示したことがユーロ買いを誘った。ユーロ売り・ドル買いの持ち高解消の動きも続いた。

 ユーロの高値は1.1640ドル、安値は1.1582ドルだった。


 

 

「何でもする」FRBが支える株式相場
NQNニューヨーク 滝口朋史
北米
2018/8/25 5:23日本経済新聞 電子版
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 「市場に優しい」米連邦準備理事会(FRB)への期待が米株式相場を支えた。24日の米株式相場は反発し、機関投資家の多くが運用指標に据えるS&P500種株価指数は過去最高値を7カ月ぶりに更新。FRBのパウエル議長が利上げを急がない姿勢を改めて示し、買い安心感を誘った。

 「現在の緩やかな金利引き上げは双方のリスクに対応するものだ」。主要国の中央銀行の首脳らが集う国際シンポジウム(ジャクソンホール会議)…

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FRB議長「物価過熱の兆候ない」利上げ打ち止め近づく
経済 北米
2018/8/24 23:00
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 【ジャクソンホール(米ワイオミング州)=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日の講演で「物価上昇率は2%を超えて過熱するリスクはみえない」と主張した。当面は「段階的な利上げが適切だ」としたものの、過度な引き締めは不要で、利上げの打ち止め時期が近づいたと示唆したものだ。FRB内には、早ければ19年中に利上げを打ち切る案も浮上している。

パウエルFRB議長は利上げの打ち止め時期が近づいていることを示唆した=AP
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パウエルFRB議長は利上げの打ち止め時期が近づいていることを示唆した=AP

 主要国の中央銀行高官らが集う国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で話した。「物価上昇率は(目標の)2%に近づいたが、過熱リスクの高まりはみられない」などと主張。そのうえで「段階的な利上げによって米連邦公開市場委員会(FOMC)が分析する中立的水準に近づいてきた」とも指摘した。

 中立的水準とは、景気を過熱させず冷やしもしない状態の政策金利の水準を指しており、FOMC参加者は2.9%(中央値)とみる。米政策金利は1.75〜2.00%と歴史的な低水準が続くが、パウエル氏は物価の過熱リスクは小さいと指摘して、中立水準を超える過度な引き締めを回避する考えをにじませた。

 パウエル氏は「米経済は強い」とも主張。「力強い成長が続けば、さらなる段階的な利上げが適切になるだろう」と指摘した。「利上げを急ぎすぎれば無用に景気拡大の腰を折り、利上げが遅すぎれば景気過熱リスクを招く」と述べ、中立的とみる2.9%程度までは政策金利を緩やかに引き上げる考えを強調した。

 次回のFOMCは9月下旬に開く。パウエル氏の発言は次回会合の利上げを示唆したもので、金融市場も既に早期の引き締めを織り込んでいる。次回会合では19年以降の金融政策シナリオも公表するが、利上げの打ち止め時期をどこまで明示するかが次の焦点となる。

 パウエル氏は24日の講演で利上げの停止時期を具体的に示唆するのは避けた。FRBが現在のように3カ月おきに利上げを決断すれば、中立的な金利水準とする2.9%には19年半ばに到達する。FRB内には「9カ月後か12カ月後には利上げ路線からいったん離れるべきだ」(ダラス連銀のカプラン総裁)と19年中の利上げ停止を主張する高官もでてきた。

 パウエル氏は講演で1990年代後半の「ニューエコノミー論」を取り上げ、インフレ率が低いままでも高成長が続く可能性を指摘した。当時のFOMCでは景気拡大によってインフレリスクが高まっているとの声が強まっていたが、議長だったグリーンスパン氏は物価動向を見極めるために利上げを見送り続けた。

 パウエル氏は「物価が2%を超えて過熱する兆候はない」と、過度な引き締めを避ける考えを強調する一方、90年代後半を引き合いに「物価上昇の兆しが明確になれば利上げを継続すればよい」とも指摘した。利上げ停止が近づくと示唆するだけでなく、インフレ傾向が強まれば利上げを続ける方針も堅持している。

 23日夜に開幕したジャクソンホール会議は3日間の日程。24日のパウエル氏の講演で実質的な討議が始まった。日銀からは若田部昌澄副総裁が参加するが、黒田東彦総裁は欠席した。

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中銀悩ます政策限界論 23日からジャクソンホール会議 (2018/8/23 14:33) [有料会員限定]
過去最長の米強気相場が意味するもの (2018/8/22 7:44) [有料会員限定]
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/281.html#c3

[経世済民128] 今の株価は1988〜89年のバブルに近い "適温経済"は2019年に覆される(PRESIDENT) 赤かぶ
1. 2018年8月28日 20:01:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1324]

FRBウオッチ】リスクは資産バブル破裂、「何でもやる」と議長
山広恒夫
2018年8月28日 6:03 JST
グリーンスパン元議長の「バブルは破裂後に治療」する方針を踏襲か
パウエル議長の強い決意表明はトランプ氏の雑音を抑える狙いも
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、リスクシナリオとして資産価格インフレへの関心を強めているようだ。同議長は24日にジャクソンホール・シンポジウムで行った講演で、「過去2度の景気後退に陥る過程ではインフレよりも、むしろ金融市場の行き過ぎが不安定要因になっていた」と指摘した。

  パウエル議長はリスク管理のためにはインフレを超えたところ、つまり金融市場の行方、そこで形成される資産価格を注視する必要があると示唆したものだ。1960年代半ばに始まり、80年代初めにピークに達した一般物価インフレの原因について、パウエル議長は金融政策の失敗を挙げた。


  連邦準備制度が物価目標の基準とする個人消費支出(PCE、チャートの白線・右軸)価格指数で見ると、65年2月の前年比1.1%上昇から74年10月には11.6%上昇へと加速。景気後退で76年11月に5.1%上昇まで減速するも、再び加速し80年3月には74年と並ぶ11.6%上昇でピークアウトした。

  この一般物価インフレのピークアウトは、ボルカー第12代FRB議長による強力な金融引き締めが貢献したとされるが、くしくも資産インフレへの転換点とも一致する。S&P500種株価指数(青線・左軸)で見ると、1974年10月を起点に長期上昇の波動が始まっていた。PCE価格指数が初めのピークを付けた時点と一致する。

  さらにインフレがピークアウトする80年3月、S&P500種株価指数は同月の安値を起点に上昇ペースが加速する。一般物価インフレの時代が終わり、資産価格インフレの時代が始まった瞬間である。この株価上昇の波動は94年12月から一段と加速、その1年後の96年12月5日、グリーンスパン第13代FRB議長は「根拠なき熱狂だろうか」と歴史に残る名言を残した。

  パウエル議長は24日のジャクソンホール・シンポジウムで、そのグリーンスパン議長を称賛した。1990年代の生産性向上をいち早く察知し、一般物価上昇の抑制要因になると判断して、従来の経済モデルに固執せず、利上げを慎重に行ったからである。パウエル議長が追究する金融政策の原型を、ここに見いだすことができる。


  さらにグリーンスパン議長は「根拠なき熱狂」発言で資産バブル醸成に警告を発した後、株高が一段と加速する中、バブルはその破裂後の治療に専念するという政策を確立している。同議長は99年6月17日の議会公聴会で、「バブルは一般的に破裂して初めて、それと認識できるものだ。バブルの破裂は決して穏やかなものではないが、その結果は必ずしも災禍的なものとはならない」と証言、バブル破裂後の大幅金融緩和により災禍は避けられるとの考えを披露していた。

  パウエル議長は第13代議長の経済データ分析と同時に、バブル破裂後の大幅な金融緩和による景気の立て直しという政策も受け継いだようだ。

  また欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がかつてユーロ危機に直面した時に発した、「何でもやる」という力強い言葉を引用して、パウエル議長は24日の講演を締めくくった。リスクシナリオが実現して、資産価格バブルの崩壊に直面したとしても、その準備はできていると自信たっぷりに見えた。

  パウエル議長の強い決意表明は、利上げによる景気悪化を危惧するトランプ大統領をなだめ、金融政策に対する雑音を抑制する狙いもあるようだ。

(【米FRBウオッチ】の内容は記者個人の見解です) 

中央銀行の迷路 細る出口と2つのバブル
モネータ 女神の警告 それぞれのジレンマ(1)
2018/8/28 0:01
日本経済新聞 電子版
 4〜6月期の実質経済成長率が前期比年率で4.1%(速報値)と4年ぶりの高さとなり、物価上昇率も目標の2%に達した米国。経済の過熱感さえ漂う好景気ぶりだが、利上げへの慎重論がにわかに強まり始めている。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長=AP
 「逆イールドを引き起こす政策(利上げ)には賛成しない」。アトランタ連銀のボスティック総裁は8月20日の講演でこう述べ、短期金利が長期金利を上回る逆イールドになることへの懸念を示した。
 米連邦準備理事会(FRB)は2015年末から政策金利を引き上げており、政策金利と連動しやすい2年債の短期金利は上昇。だが経済の中長期的な成長力を映す10年債の長期金利は上がりにくく今年8月24日には長短金利差が0.19%にまで縮小した。
 長期金利が上昇しない背景のひとつには、世界的なカネ余りがある。運用難で長期金利が少しでも上がれば投資マネーが国債に殺到する。市場が将来の経済成長に自信を持てないでいる苦しい現実を映す。
 「経済の過熱感を示す兆候はあまりない」。パウエルFRB議長は24日の国際経済シンポジウムでの講演で先行きの利上げ継続へ慎重な姿勢をみせた。
 だが引き締めの手を緩めれば、金融緩和の下で膨らんできた2つのバブルを助長しかねない。

 ひとつは資産バブルだ。マネーは株式や不動産などに流れ込み、世界の株式時価総額は17年に国内総生産(GDP)比107%と過去最高を記録した。
 もう一つは超低金利下での財政規律の緩みという政府債務のバブルだ。18年の世界の政府債務は71兆ドル、GDP総額の82%と08年の64%から大きく膨らんだ。米国はトランプ大統領による減税もあり、18年の対GDP債務比率が108%になっている。23年には116%超となる予測だ。
 00年以降、米国では2回の長短金利の逆転が起き、ITバブルの崩壊などその直後に大きな経済危機を招いた。危機回避を優先すればバブルという問題を将来に先送りすることになる。中銀の悩みは深い。

 リーマン・ブラザーズの破綻が引き金となった世界金融危機から10年。危機は収まったかにみえるが、マネーを巡る矛盾は解決されていない。担い手たちのジレンマを追う。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/322.html#c1

[経世済民128] 今の株価は1988〜89年のバブルに近い "適温経済"は2019年に覆される(PRESIDENT) 赤かぶ
2. 2018年8月28日 20:10:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1325]
S&P500種、ストラテジスト予想引き上げ相次ぐ−連日の最高値更新
Lu Wang
2018年8月28日 14:02 JST
ウィーデンのパーブス氏、年末予想を2850から3000に上方修正
1週間足らず前にバークレイズも予想を引き上げていた

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
ウォール街のストラテジストは株高に後れを取っているように感じ始めている。S&P500種株価指数がストラテジストたちの年末予想まであと少しの水準に上昇しているからだ。

  ウィーデンのチーフ・グローバル・ストラテジスト、マイケル・パーブス氏はS&P500種予想を2850から3000に上方修正。この1週間足らず前、バークレイズのマネーシュ・デシュパンデ氏は予想を100ポイント引き上げ3000としていた。

  これらの変更前、ブルームバーグが調査するストラテジストのS&P500種の年末予想平均は2944だった。同指数は27日に前週末比0.8%高の2896.74と、2営業日連続で過去最高値を更新した。


  パーブス氏は顧客向けリポートで「成長見通しは織り込み済みであるものの力強く、市場のセンチメントは泡立っていない」と指摘。同氏は1株利益予想を147ドルから152ドルに引き上げた。

原題:Strategists Rush to Raise S&P 500 Forecasts Amid Stock Rally (1)(抜粋)


利回り曲線になおリセッション予兆としての効力−SF連銀リポート
Jeanna Smialek
2018年8月28日 12:41 JST
「今回は事業が異なる」との主張に疑問投げ掛ける
要因が何かに関わらず長短逆転は将来のリセッションのサインに
サンフランシスコ連銀は27日、期間が長めの債券保有で投資家が求めるタームプレミアムがマイナスとなっている現状を踏まえても、リセッション(景気後退)の予兆としてのイールドカーブ(利回り曲線)の形状は効力を失っていないとする調査リポートを公表した。

  過去の事例では、利回り曲線の長短逆転に続いてリセッションに陥るケースが示されており、金融当局者や市場関係者は縮小が続く長短利回り格差(スプレッド)を注視している。長短逆転とリセッションとの間にこうした関係が存在する理由は明確でない。

  イエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする一部の当局者や識者らは、タームプレミアムが圧縮されていることを理由に、利回り曲線の平たん化が今回はリセッション入りの前触れとはならない可能性があると指摘してきた。

  つまり、当局の債券購入プログラムや構造的な要因によって長期金利が低めとなっているのであれば、わずかな金融引き締めでも長短逆転が生じる可能性があるという論理で、長短金利の逆転をもたらすのに米当局による強力な引き締めが必要だった過去の事例とは異なるというわけだ。

ウィーデンのチーフ・グローバル・ストラテジスト、マイケル・パーブス氏は、利回り曲線への米金融政策の影響について説明

市場:The Open。​​」(出所:Bloomberg)
  だが、サンフランシスコ連銀で調査アドバイザーを務めるマイケル・バウアー、トーマス・マーテンス両氏はこうした論理に反論する。両氏はタームプレミアムの推計値を差し引いた「見通しのみ」に基づくスプレッドを算出した上で、長短逆転がタームプレミアムの圧縮によるものであろうと、低めの短期金利見通しが長期金利を抑制していることによるものであっても、リセッションのリスクが高いことの合図であるとの結論に達した。

  両氏は「タームプレミアムに基づく調整に実証的根拠は見当たらない」としている。


  米2年債と10年債のスプレッドは27日、18.3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2007年以来の水準まで縮小。タームプレミアムはマイナス50bpよりもさらに低い数値で推移している。

  バウアー、マーテンス両氏は「データには『今回は事情が異なる』という明確な証拠や、量的緩和(QE)のマクロ金融的効果の想定を理由に現行のイールドカーブの平たん化部分を無視すべきだというはっきりとした証拠は存在しない」と指摘する。

  その一方で、現在の利回り曲線平たん化は「差し迫ったリセッションのサインとなるものではない」と両氏は論評するとともに、相関関係は因果関係ではないと慎重な姿勢を示し、長短逆転とリセッションを結び付けるのが何なのか不明であるため、「予兆を巡る証拠を解釈するには大いに注意が必要だ」と論じた。

原題:Fed Economists Question ‘This Time Is Different’ for Yield Curve(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/322.html#c2

[国際23] 故マケイン氏、最期の声明でトランプ氏批判(AFP) 赤かぶ
4. 2018年8月28日 20:11:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1326]
トランプ氏は「ゾンビ」にあらず、美しいうそよりまし−ティール氏
Felipe Marques、Lizette Chapman
2018年8月28日 18:28 JST
「ポリティカルコレクトネス」に対処した唯一の共和党候補だった
サンパウロでの起業関連イベントで米大統領について発言した
ペイパル・ホールディングスとパランティア・テクノロジーズの共同創業者でトランプ米大統領の支持者として知られるピーター・ティール氏は今のところ、トランプ氏擁護をやめるつもりはない。

  ティール氏はブラジルのサンパウロで27日開かれた起業関連イベントで、トランプ氏の正直さを称賛。2016年の米大統領選での他の共和党候補と違い、トランプ氏は「ゾンビ」ではなく、ティール氏が政治にとって最大の問題だと捉えている「ポリティカルコレクトネス(政治的正しさ)」を巡る問題に対処した唯一の候補者だったと述べた。

  ティール氏は「16年に米共和党から大統領選に挑もうとしていた多くの人々に会わなければならなかったが、全くゾンビのようだった。プログラムされたイデオロギー的なキャッチフレーズ以外何も言うことができなかった」が、トランプ氏は「非常に健全」な対応を見せたと説明。

  「人々がトランプ大統領を無礼で扱いにくい人物だと考える理由を私は十分理解しているが、この国がどう機能しているかということについて美しいうそを言うよりも、ましである場合が多いと思う」と語った。

  トランプ氏の有力支持者の中にあって、大統領と大統領のパフォーマンスに関する問題についてティール氏の公の場での発言の少なさがここ1年ほど目立っていた。

原題:Peter Thiel Says Trump Is the Republican Who Isn’t a ‘Zombie’(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/736.html#c4

[経世済民128] 「無人走行」実現へ課題山積 法整備、認知や安心感の向上も(SankeiBiz) 赤かぶ
1. 2018年8月28日 20:19:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1327]
トヨタがウーバーに5億ドル投資、自動運転技術で ソフバンクの目的は利益
Eric Newcomer、John Lippert、佐野七緒
2018年8月28日 6:47 JST 更新日時 2018年8月28日 13:20 JST
トヨタはウーバーに5億ドル投資、自動運転技術で提携拡大
ソフバンクの目的は利益、トヨタとの提携は歓迎すべき−アナリスト

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
トヨタ自動車は新たな出資と自動運転車の路上走行計画を通じて、米ウーバー・テクノロジーズとの提携を拡大する。

  両社の27日の発表によると、トヨタは約5億ドル(約560億円)をウーバーに出資する。事情に詳しい関係者によると、ウーバーの価値を720億ドルと評価するものだという。トヨタは、ウーバーの自動運転キットとトヨタの高度安全運転支援システムを搭載したミニバン「シエナ」を生産し、2021年にこの車両をウーバーのライドシェアネットワークに導入する。自動運転車両の運営や、第三者を含む運営会社についても検討していく予定。

  ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOは、目標は自社ネットワークに「世界で最も安全な自動運転車を投入することであり、今回のトヨタとの合意はその実現に向けた大きな一歩」と文書でコメントした。また、トヨタの友山茂樹副社長は「トヨタがモビリティカンパニーへと変革する上で、重要なマイルストーンになる」と文書で述べた。

  自動車業界でライドシェアなど新しい移動提供サービスが急速に広がる中、トヨタは16年にウーバーと協業の検討を開始。さらに今年1月には中国の配車サービスの滴滴出行と次世代電気自動車「eパレット」でパートナーとなり、6月には東南アジアで拡大する配車サービス大手グラブに約1100億円出資するなど、今後のモビリティーサービスの構築に向けて提携を加速させている。

うまみはソフトバンクに
  一方、それらすべての会社にソフトバンクグループも出資している。ソフバンクは過去数年、ウーバーに出資し、ことし1月にはソフバンク率いる投資家連合が約8900億円相当の株を引き受け、筆頭株主となった。滴滴には17年5月に傘下の投資会社が20億ドルを出資している。また、14年にはグラブに出資している。

  ソフバンクを「携帯電話の会社ではない。情報革命の会社だ」と話す孫正義会長兼社長は、18年3月期の決算会見で、ライドシェアは「自動車産業を大きく、業界地図を丸ごと塗り替えてしまうくらい大きなインパクトを与える」と指摘。ウーバー、滴滴などで筆頭株主となっていることで「我々が世界で圧倒的、最大の交通機関になったというぐらいの状況ではないかと思う」と話した。

  トヨタの豊田章男社長も今年1月の米国でのイベントで、トヨタは「クルマ会社を超え、人々の様々な移動を助ける会社、モビリティ・カンパニーへと変革することを決意」したとし、「自動運転やカーシェアリングなど私たちが実現したい数多くのモビリティサービスの屋台骨となるのはプラットフォーム」だとして、同分野で他社との協業を積極的に進めている。

  SBI証券の遠藤功治アナリストは電話取材で、トヨタのウーバー出資について「特にどういうリターンが出るかわからない中、とりあえず参入していかなくてはということでやっている印象」と指摘。トヨタはウーバーとの協業を通して自動運転やシェアリングの知見や技術を得たい一方で、ソフバンクグループは純粋に利益が上がることを狙い投資しており、トヨタとウーバーが提携することはソフバンクグループとしては歓迎すべきこととの見方を示した。 

  トヨタとの提携でウーバーの価値は前回の投資から15%高まる。今年のより早い時期に投資家グループはウーバーの価値を620億ドルとみていた。

原題:Toyota Invests $500 Million in Uber for Self-Driving Tech (2)(抜粋)

(ソフバンクの情報を加え、全体的に内容を追加します.)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/320.html#c1

[経世済民128] 今の株価は1988〜89年のバブルに近い "適温経済"は2019年に覆される(PRESIDENT) 赤かぶ
3. 2018年8月28日 20:27:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1328]

2018年8月28日 / 17:36 / 3時間前更新
日本株は本当に割安か、「米国一強」のバリュエーション
3 分で読む

[東京 28日 ロイター] - 日本株は割安と言われる。確かに予想PER(株価収益率)比較では、米国より低い。しかし、ドイツなど欧州主要国とはほぼ同水準だ。経済格差や貿易戦争の懸念がバリュエーションでも「米国一強」を生じさせおり、日本株だけが安いわけではない。ただ、日本株の割安さは収益性の弱さに起因するとの指摘もある。国際比較でいまだに低いROE(株主資本収益率)などの改善がなければ、構造的な割安感は消えないかもしれない。

<強さ際立つ米国株>

トムソン・ロイターのデータストリーム(8月27日時点)でみたTOPIX.TOPXの予想PERは、18年度で13.4倍。S&P500.SPXの17.7倍と比べれば低いが、独DAX.GDAXIの12.9倍や仏CAC.FCHIの14.1倍、英FTSE.FTSEの13.4倍とはほぼ変わらない。MSCI CHINA.dMICN00000PUSは12.6倍とさらに低い。

目立つのは米国株の強さだ。「貿易戦争では米国が優位。利下げ余地もある。中間選挙に向けて経済刺激策も考えられる。米経済の強さが、バリュエーションの差を生み出している」とピクテ投信投資顧問・ストラテジストの糸島孝俊氏は指摘する。

過去の平均との比較ではどうか──。過去5年間の平均PERを実績ベースでみると、TOPIXは約17.4倍。足元の13.9倍は割安水準だ。一方、S&Pは平均18.9倍に対し、足元は21.7倍と割高。欧州株はCACがほぼ同じだが、DAXやFTSEは平均を下回っている。

日本株に割安感はある。ただ、日本株だけが安いわけではないというのが実情だ。「日経平均の過去平均PERは15倍。足元は13倍台であり、貿易戦争などの懸念が払しょくされれば、平均値に回帰する可能性はある。しかし、貿易摩擦などで企業利益が減れば話は違う」と、ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏は話す。

<大幅下方乖離のPBR>

野村証券の日本株チーフ・ストラテジスト、松浦寿雄氏の試算(8月22日時点をベース)では、TOPIXの12カ月先予想ROE9.7%から推計されるPBR(株価純資産倍率)は1.60倍。しかし、実際のPBRは1.33倍で16.7%低い水準にある。

この下方乖離(かいり)は、PBRが今年度末まで現在の水準で推移し、今期の税引利益が予想通りに実現するとすれば、来期に1.0%の減益を見込んでいる水準だ。貿易戦争などを背景にしたグローバル景気減速への懸念を反映したもので、下方乖離自体に違和感はないが、16.7%の乖離率は大きすぎると松浦氏は指摘する。

米国や中国のPMI(製造業購買担当者景気指数)が下降トレンドにあったり、景気の拡大・後退の分岐点である50を下回ったりした時期でも、これほど大幅な下方かい離はみられなかったという。過去にPBRの推計値と実際値が大きく乖離した後は、株価の戻りが大きいケースがみられる。

「景気減速懸念が後退すれば、バリュエーションの修正が起きるだろう。実際、足元の株高は米国とメキシコのNAFTA(北米自由貿易協定)合意で貿易戦争懸念がやや和らいだ効果が出ている」と松浦氏はみる。

<構造的な割安感>

貿易戦争懸念が後退すれば、日本株の割安感も薄れそうだ。しかし、PERやPBRの裏側にあるEPS(一株当たり利益)やROEをみると、日本株の構造的な割安感を醸成する弱さもみえる。

TOPIXのEPS予想は、18年度4.6%、19年度8.8%、20年度が4.7%だ。企業業績は拡大見通しながら、世界平均でみると伸び率は低い。株価がそのままなら、EPSが低下すればPERは高くなる。しかし、利益成長が期待しにくい株に、積極的になる投資家は少ない。EPSの低下以上に株価が下がればPERも低くなる。

ROEもこの5年間で5%台から9%台に改善してきたが、国際的にみるとまだ低い。20年度までみても一桁なのは日本だけだ。改善余地が大きいと好意的に解釈することもできるが、グローバルな比較ではやはり魅力は劣る。PBRは、ROEとPERで決まる。ROEが低い日本株はPBRも低くならざるを得ない。

「日本株をバリュエーション以外で注目している投資家は乏しい」と、BNPパリバ香港・アジア地域機関投資家営業統括責任者の岡澤恭弥氏は話す。

貿易戦争の懸念が後退し、世界の株式市場が再びリスクオン局面を迎えれば、日本株もバリュエーションの修正が期待できる。しかし、日本株(日本企業)の魅力が乏しい限り、構造的な割安感は残り続けるかもしれない。

TOPIX
1731.63
.TOPXTOKYO STOCK EXCHANGE
+2.68(+0.16%)
.TOPX
.TOPX.SPX.GDAXI.FCHI.FTSE

 

2018年8月27日 / 16:04 / 3時間前更新
コラム:リスクオフの円高にブレーキをかける4つの要因=佐々木融氏
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
4 分で読む

[東京 27日] - 最近、「円は今でもファンディング(調達=売り)通貨としての機能を維持しているのか」、との質問を受けることが多い。昨今の新興国通貨下落、米中貿易摩擦を巡る混乱などを背景に、市場のリスクオフ度合いが高まっても、ドル円相場の下落が限定的となり、底堅い印象を受けるからだ。

そもそも、リスクオン時の典型的な為替相場の動きとして、資金の出どころである円やドルが両通貨とも弱くなる傾向がある。これは日本も米国も投資家が保有する資金が多く、リスクテークに対する姿勢が強まった場合に、国境を越える投資フローが増え、両国の通貨が売られやすくなるためと考えられる。

また、円の場合には金利が低いこともあって、海外の投資家がファンディング通貨として円を売って、高金利通貨を買うという取引、いわゆるキャリートレードを行うこともある。この結果、リスクオンの際には弱いドルよりも円の方がさらに弱くなることが多い。従って、ドル円相場は上昇する。

一方、そうした資本フローの巻き戻し(ポジションの手じまい)につながるリスクオフの環境では、ドルと円の双方が買い戻され、両通貨が強くなるが、上記とは逆に強いドルよりも円の方がさらに強くなるため、ドル円は下落することになる。

では実際、リスクオフになっても円が買い戻されなくなるという傾向は出始めているのだろうか。

円の名目実効レートとボラティリティー・インデックス(VIX指数)の相関をみると、足元で確かにやや弱まっているものの、現状程度まで相関が弱まっていた時期は過去にもある。特に2014年後半や2016年中のように相関がほとんどない状態が長く続いていたこともあった。少なくとも、円全体としてはファンディング通貨としての機能が大きく変化したとは言えそうにない。

もっとも、市場のリスクセンチメントが悪化した際、円の買い戻し度合いが以前に比べ小さくなっているようにみえるのも事実である。そう感じられる背景的な要因としては、以下の4点が指摘できよう。

<リスクオフになっても円売り需要が根強い訳>

まず、円売りの主体が本邦企業・投資家だったためリスクオフ時の円買い戻し圧力が弱い。

前述の通り、リスクオフ時に円が買い戻されるのはポジションの巻き戻しである。この観点から考えると、リスクオン時の円売りの主体によって、リスクオフ時の円買いのセンシティビティー(感応度)が異なる可能性は十分に考えられる。

当社がこれまでも指摘してきたように、最近の円の弱さは、海外投資家による短期的・投機的な円売りよりも、国内投資家・企業による対外投資によるところが大きいとみられる。特に、ここ数年間の特徴としては、本邦企業による対外直接投資の大きさが目立つ。

対外直接投資による円売りは、証券投資や短期的な円売りに比べて、リスクオフ下での円買い戻しにつながりにくい。これが以前に比べて「リスクオフ=円買い戻し」という動きが小さくなっている要因の1つである可能性は考えられる。

第2に、リスクオフになっても根強い円売り需要がある。

1番目の要因は過去の円売り主体に関するものだが、現在の円売り主体も以前と大きくは変っていない可能性が高い。特にアベノミクス開始以降の5年半の円売り主体として目立っているのは本邦企業(対外直接投資)だが、本邦企業による円売りは証券投資や短期的な取引と違い、リスクオフになっても円売りオーダーが引かないという特徴がある。

個々の案件で事情はやや異なるかもしれないが、海外企業の買収や海外への設備投資に絡む為替取引は、買収や投資が決定してから行われるのが通常であると考えられるため、その時々のニュースや株価下落などでセンチメントが悪化しても淡々と円売りが続けられる可能性がある。

<リスクオフ下で円がドルより買われる前提条件>

3つ目の背景的な要因としては、今回のリスクオフの発端が新興国市場に対する懸念であることや、米国経済独り勝ちによりドルが通常のリスクオフ時よりも強くなっている(ドル円相場で円高が進みにくい)可能性が考えられる。

実際、新興国通貨とドル名目実効為替レートの逆相関関係は継続的に非常に強くなっている。円名目実効レートとの相関関係と比べても圧倒的に逆相関関係が強いことは、新興国市場に投資されている資金の出どころは圧倒的にドルが多い可能性を示唆している。

新興国市場に対する懸念の高まりによるリスクオフ状態は、他の要因によるリスクオフ状態に比べ、円よりもドルの買い戻しにつながる可能性が高いと言えそうだ。

さらに、今回は米国経済の独り勝ち状態がドルを通常の状態より強くしていることも重なっている。この結果、ドル円相場で円高が進みにくくなっていることが、円のファンディング通貨としての機能に変化があったのではないかとの印象を与えているのかもしれない。

4つ目の背景的な要因としては、円とドルの相関関係が強くなっている(ドル円相場で円高が進みにくい)ことを指摘したい。

名目実効レートでみた円とドルの相関関係は足元で非常に強くなっている。円とドルは資金の出どころであり、同じような動きをするのは特に珍しいことではないが、ここまで相関関係が強くなるのはそれほど頻繁に起きる現象ではない。

仮説としては、前述した要因が影響しているかもしれない。つまり、最近の円の弱さは、低金利という特性を用いた、短期的なキャリートレードのための円売りという円特有の要因によるところが小さく、投資資金を多く保有する資金の出どころというドルと同じ特性を背景にした円売りが中心のため、売られる時も買い戻される時もドルと同じような動きになるのかもしれない。

こうした状況に鑑みると、以前のようにリスクオフ下で円がドル以上に目立って買われるようになるには、世界経済が新興諸国以外の広範な要因で著しく減速することにより、本邦企業・投資家による対外投資の動きが止まり、逆に本邦投資家が本格的に対外投資の巻き戻しを迫られたり、本邦企業が海外直接投資の際に取った為替リスクのヘッジを余儀なくされる状態となることが必要なのかもしれない。

そう考えると、当面はドル円相場での急速な円高は発生しそうにない。

佐々木融氏(写真は筆者提供)
*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

 
ヘッジファンドと運用会社、米国債「綱引き」で降参するのはどっち
Emily Barrett
2018年8月28日 13:29 JST
綱引きが決着すれば、10年債利回りはボックス圏を脱する可能性
ファンドか資産運用会社、どちらかが近く降参と野村は予想
米国債市場では2つの勢力が綱引きを続けている。引き合う力が極端なレベルに達しているため、いずれかが降参し、10年債利回りが6月半ば以降のボックス圏を脱する可能性がある。

  資産運用会社は10年債先物のロング(買い持ち)を積み上げ続け、一方でヘッジファンドはショート(売り持ち)を増やしている。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ポジションの乖離(かいり)は記録的な大きさになっている。

  どちらかが近く降参すると、野村の金利ストラテジスト、ジョージ・ゴンキャルベス、サム・ウェン両氏はみている。8月末はいずれのグループもポジションを見直す時期だからだ。

  資産運用会社とヘッジファンドそれぞれの「断固とした一方的な見方の綱引き」が10年債利回りを比較的狭いレンジにとどめてきたと、両ストラテジストは27日のリポートに記述。「しかし、これはそう長く続かないかもしれない」と付け加えた。

  貿易紛争の悪化やトランプ米大統領の元側近らを取り巻く法的問題で米国債はこのところ買われ、10年債利回りは今月に入って総じて低下している。1日は一時3%に達したが、27日は2.84%前後。

  このトレンドが続けばヘッジファンドが降参し、ショートカバーの買いで利回りが2.7%を下回る可能性があると野村のストラテジストらはみる。

  しかし、もっと可能性が高いのは強気派が折れるシナリオで、9月15日に税制上の優遇措置が失効して年金基金からの需要が後退すれば、10年債利回りの上昇圧力は強まる公算だという。


原題:Something’s Got to Give in Treasury Market ‘Tug-of-War’(抜粋)


 

高齢化がアジアの利上げ余地狭める、日本が経験したように−HSBC
Enda Curran
2018年8月28日 13:53 JST
アジアの中銀にとって人口高齢化を考慮する必要性がさらに生じる
香港在勤のフレデリック・ニューマン氏がリポートで指摘

Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg
人口高齢化がアジア各国の中央銀行の利上げ能力を抑制するとHSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)は分析する。

  人口動態の変化による影響が表れるには時間がかかる可能性があるが、中国や韓国、 タイ、台湾など高齢化が急速に進むアジア地域でこれは一段と重要な問題となっている。

  「こうした観点からすれば、今後数年、長期金利が全般的にそれほど大きく上昇するかどうかは判然としない」とニューマン氏はリポ−トで指摘。一部の国・地域では長期金利が「人口がなお着実に増えている米国の水準を下回る可能性がある」と記した。

  日本が経験したように生産年齢人口の伸び悩みは貯蓄との比較で投資を減らし、長期金利を押し下げると説明した上で、「アジアの中銀にとっては人口高齢化を考慮する必要性がさらに生じる。成長を損ねることなく政策金利を押し上げることができる余地を高齢化が小さくするためだ」と論じた。

原題:Asia’s Aging Population Will Keep a Lid on Central Bank Hikes(抜粋)

 

3兆円の巨額通貨スワップ再開へ、関係改善の象徴に−日中財務対話
占部絵美
2018年8月28日 9:25 JST
中国は周辺国と協調関係築き、米国との関係を有利にしたいとの見方
市場競争阻害する中国の国家資本主義に是正求めよ−日本総研の関氏
日中両政府は31日、北京で日中財務対話を開催する。日本円と人民元の通貨スワップ協定の再開に向けた協議を進め、関係改善の象徴と位置付ける。米中貿易摩擦の過熱を背景に、周辺国との距離を急速に縮める中国。一方で、日本は中国に次ぐ貿易相手国の米国を横目に難しい立ち回りが求められている。

  日中通貨スワップについては、5月の首脳会談で協定締結のための作業を早期に完了させることで合意していた。有事に用いられる同スワップはアジア通貨危機後の2002年に開始後、尖閣諸島をめぐる両国関係の悪化を受け、13年に失効した。

  政府関係者によると、当時30億ドル(3300億円)だったスワップの交換上限は10倍の規模の3兆円に拡大する。年内開催を予定している日中首脳会談で最終決定される見通しだ。同スワップの規模は共同通信が21日、先んじて報じた。

  7回目となる同対話には麻生太郎財務相と劉昆財政相が出席する。財務当局・中央銀行幹部に加え、今回から金融当局幹部も参加。同スワップのほか、両国の経済・金融情勢などについて意見交換を行う。

  みずほ総研の大和香織主任エコノミストは、米中貿易摩擦の影響を最大限抑制するため、「中国は周辺国との関係を強化することによって孤立しないようにし、米国との関係も有利に進めたい」との思惑があると分析する。両国の利害が一致して貿易面の協力関係を模索する可能性はあるものの、具体的な成果は「正直、難しい」との見方を示した。

  中国は金融リスクの軽減に向けて17年初から金融政策を引き締めに転じたが、米国との貿易摩擦などを背景とした景気減速に対応するため、再び緩和に転じた。日本総研の中国経済展望(8月)によると、米トランプ政権がハイテク製造業を対象とした制裁を講じるなか、製造業に生産抑制の動きが出始めているという。

  日本総研の関辰一副主任研究員は、通貨スワップの規模拡大について「中国はここ数年の金融緩和によって経済規模を上回るペースでマネーサプライが拡大しており流動性も多い。それだけ金融リスクが発生した時に必要となる資金量が以前に比べて大きくなっている」と指摘している。

  先週ワシントンで開かれた米中次官級通商協議では、摩擦解消に向けた明確な進展は見られず、中国からの年間2000億ドル(約22兆3000億円)相当の輸入品への追加関税と中国の報復措置が現実味を増している。

  日米間では、米国による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税の導入に加え、最大25%の自動車の追加関税が緊張感を高めている。一方、中国の国有企業に対する補助金などの優遇措置をめぐり、日米と欧州連合(EU)とともに是正措置の検討に入るなど、世界3極で対中国の包囲網を作る動きもある。
 
  日本総研の関氏は、中国の国有企業向けの補助金や低利融資は市場における平等な競争を阻害しており、「アンフェアな競争に苦しんでいる企業も多い」と指摘。米国も中国政府による市場介入の是正を求めている中、日本政府は「さらなる対外投資規制の緩和や中国に耳に痛い話もいう必要がある」と語った。

 
イタリア国債下落、赤字がEU制限を突破する可能性と副首相発言
Charlotte Ryan
2018年8月28日 18:47 JST
• ディマイオ副首相がイタリア紙とのインタビューで語った
• 10年債は5営業日続落、利回りは4bp上昇の3.21%
28日の欧州債市場でイタリア国債が下落。財政赤字が欧州連合(EU)規則の上限を突破する可能性があるとのディマイオ副首相の発言が報じられた。
  10年物国債は5営業日続落。ディマイオ副首相はイタリア紙とのインタビューで、景気てこ入れのために必要であれば赤字が国内総生産(GDP)の3%という上限を突破することもあり得ると語った。
  10年債利回りは4ベーシスポイント(bp)上昇の3.21%に達した。予算発表を来月に控えEUとの軋轢(あつれき)への懸念が高まっている。
 

原題:Italian Bonds Fall as Budget Concerns Continue to Hit Investors(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/322.html#c3

[国際23] アンドレス・オブラドール、メキシコ大統領に当選: ロシア-メキシコ関係にとって明るい見通し(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
2. 2018年8月28日 20:42:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1329]
2018年8月28日 / 11:55 / 4時間前更新
コラム:米・メキシコ合意、NAFTA妥結へ「苦難の始まり」
Gina Chon
3 分で読む

[ワシントン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡る米国とメキシコの2国間合意は、最終的な妥結に向けた険しい道のりのほんの始まりにすぎない。

今後カナダが再び協議に加わるが、紛争解決パネルを含めて多くのハードルが残っている。トランプ米大統領が27日、カナダに対する憤まんを改めてぶつけたことも、週内の決着を難しくする要因になるだろう。

──関連記事:NAFTA再交渉、米・メキシコ合意 カナダと協議再開へ

論争が続いていた自動車の原産地規則問題が落着したのは、NAFTA再交渉の先行きを大いに明るくしている。米国とメキシコは、現地調達率を現行の62.5%から75%に引き上げ、メキシコの平均賃金の約2倍に当たる最低時給16ドルの工場で生産する割合を当初より低い40─45%とすることで歩み寄った。

しかし27日まで米国とメキシコの合意がずれ込んだため、カナダを交えた3カ国間に残っている対立点を解消するための時間はほとんどなくなっている。

トランプ氏は、新たな協定締結の90日前に米議会に通知する義務があるので、メキシコのペニャニエト大統領の任期中である11月末までに署名してもらうためには31日が協議のリミットとなる。12月1日からメキシコ大統領に就任するのは、左派でポピュリスト(大衆迎合主義者)のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏だ。

ところがトランプ氏は、カナダが譲歩しないならNAFTAを「米メキシコ貿易協定」に名称変更し、カナダが米国に輸出する車に関税をかけるだけだと述べ、事態を紛糾させた。

カナダ側は、数週間にわたって協議の蚊帳の外に置かれたため、既に妥協しようという雰囲気がなくなっている。フリーランド外相の報道官は、新たな合意には「カナダの署名が必要になる」とくぎを刺した。

トランプ政権は議会に「3カ国間」の合意に向けて交渉していると知らせた以上、手続き的にはこの報道官の発言は正しい。

カナダとメキシコは、米国のいくつかの要求に反対している。その1つは、協定が自動的に廃止となる「サンセット条項」の導入だ。ある米政府高官は、NAFTAに16年の期限を設け、6年ごとに内容を見直す方式に変更されることもあり得ると述べた。

トランプ政権は紛争解決パネルや相殺関税も廃止したい考え。一方カナダは、輸入乳製品に適用している高い関税率の引き下げに消極的だ。

そしてたとえ3カ国が合意に達しても、今度は米議会が難関となる。議会では野党・民主党の多くが依然としてNAFTAに懐疑的だからだ。米国のルールでは、国際貿易委員会(ITC)による調査分析も必要で、その期間は最大105日に達する場合がある。こうした他の勢力が駆使するさまざまな手段が、トランプ氏の強硬姿勢に挑むことになるだろう。

●背景となるニュース

・米国とメキシコは27日、NAFTA再交渉の一環として自動車の原産地規則に関して合意した。

・両国は現地調達率を現行の62.5%から75%に引き上げ、40─45%を最低時給が16ドルの工場で生産することで一致した。メキシコの自動車工場従業員の平均時給は8ドル。

・7月1日のメキシコ大統領選でロペスオブラドール氏が当選して以降、同国と米国は数週間にわたって協議を続けてきた。カナダは両国の懸案が解決した後、話し合いに再び加わる方針だった。

・米国は5年のサンセット条項導入や、紛争解決パネルの廃止を提案。カナダとメキシコはこれに反対している。米国はカナダの乳製品輸入割り当て制度撤廃も望んでいる。

・トランプ政権は、週内にNAFTA再交渉の最終的な妥結にこぎ着け、メキシコのペニャニエト大統領の任期が終わる11月末までに同国に批准してもらうことを目指している。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/412.html#c2

[中国12] 中日関係の悪循環、認識の食い違いを露呈(チャイナネット) 無段活用
3. 2018年8月28日 20:47:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1330]

マレーシアとは険悪 豚も危ない

 


2018年8月28日 / 17:16 / 3時間前更新
焦点:マハティール氏、中国主導の「海上都市計画」を狙い撃ち
Fathin Ungku and Joseph Sipalan
4 分で読む

[フォレストシティー/クアラルンプール(マレーシア) 27日 ロイター] - マレーシアのマハティール首相は27日、外国人には、マレー半島南端で進行中の巨大都市開発プロジェクト「フォレストシティー」に住むためのビザは発給しないと宣言した。

同首相が、シンガポールに近い埋立地に人口70万人の新しい街を築くという、中国の不動産デベロッパー大手、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)(2007.HK)の計画に横やりを入れたのはこれが初めてではない。だが今回は、大きな影響が出そうだ。碧桂園は、マンション販売ではマレーシア人より外国人をターゲットにしてきたからだ。

同開発プロジェクトの幹部は先週、ロイターの取材に対し、93歳のマハティール氏が5月の選挙で予想外の勝利をおさめて首相に復帰して以降、マンション需要が弱まり、今後の見通しの不透明さが懸念材料になっていると話していた。

マハティール氏の27日の発言により、懸念はさらに深まりそうだ。

「1つ確かなことがある。建設される町は、外国人には売ることができないということだ」と、マハティール氏は27日にクアラルンプールで開かれた記者会見でロイター記者の質問に答えて言った。「あそこに住みにくる人々に、ビザは発給しない」

1981年ー2003年にマレーシアの首相を務めたマハティール氏は、政府側の姿勢についてこう説明した。「マレーシア人ではなく外国人のために造られたものだからだ。マレーシア人のほとんどは、マンションを買うことができない」

開発を行っている、碧桂園とジョホール州の合弁企業、碧桂園太平洋景(CGPV)は声明を出し、マハティール氏の事務所に連絡をとって説明を求めていると表明した。声明は、マハティール氏の今回のコメントについて、同氏と碧桂園の楊国強会長の面談内容とは異なる点があり、 「一部報道は、前後の発言内容から切り離して報じたものかもしれない」としている。

今月16日に行われた面談で、マハティール氏は「雇用を創出し、マレーシアの経済成長や雇用創出に資する技術移転やイノベーションを促進する外国投資を歓迎するとの考えを改めて強調した」と、同社は説明した。

同社はまた、外国人への不動産販売に関連するマレーシアの法律はすべて遵守しているとしている。

香港証券取引所に上場している碧桂園の株価は、27日朝は3.9%上昇したが、マハティール氏の発言を受けて上げ幅は2.5%に縮小した。

これまでにフォレストシティーのマンションを購入した約3分の2は中国人で、2割がマレーシア人、残りがインドネシアやベトナム、韓国など22カ国の出身者となっている。

マハティール氏は選挙戦で、中国から流れ込む投資を不安視する民心に訴えて支持をつかんだ。地元メディアによると、昨年12月には演説で、フォレストシティーが、ヒヒやサルがすむ本物の森になればいいと述べていた。

首相就任後、マハティール氏は、事業費200億ドル(約2.2兆円)規模の「イースト・コースト・レール・リンク(ECRL)」やサバ州における天然ガスのパイプラインプロジェクトなどの中国が出資するプロジェクトを中止する意向を表明。クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道は、フォレストシティー計画を大きく盛り上げるとみられていたが、これも中断された。

<ゴーストタウン問題>

フォレストシティーの不動産販売は最近では回復を見せており、デベロッパー側も、プロジェクトのイメージチェンジをはかろうとしている。デベロッパーのCGPVの開発戦略責任者、Ng Zhu Hann氏によると、同社ではフォレストシティーの中国色を薄めてよりマレーシア的にしようとしているという。

CGPVはまた、もし需要が鈍化すれば、開発の建設速度を遅らせる必要があると初めて認めた。フォレストシティーは、最終的には4つの人工島にマンションや住宅、オフィスタワー、ホテルや商業施設が立ち並ぶ、事業総額1000億ドルの都市となる予定だ。

「もし需要があれば建設する。もし需要がなければ、遅らせる」と、第1の人工島に完成したばかりの建物の1つであるピカピカのフェニックス・ホテルで、Ng氏はインタビューに答えて言った。

「したがって、ゴーストタウン化や過剰供給の心配はない。もし需要がなければ、建設しない」

2016年末に中国人民元が急落し、中国政府が資金の国外流出抑制に動いたことも、中国本土からの不動産購入需要に影響したという。

<中国の悪評>

Ng氏は、プロジェクトが直面する最大のハードルは、同氏が「中国の悪評」と呼ぶものだと話す。

「マレーシア政府が避けたいのは、中国企業がマレーシアにやってきて、政府事業を受注し、地元デベロッパーの開発機会を圧迫して、もうけて自国に帰ることだ」と、Ng氏は言う。

こうしたことを踏まえて、CGPVではフォレストシティー開発における採用戦略を変更し、Ng氏のようなマレーシア人を幹部に登用するようにした。

Slideshow (3 Images)
「私の前任者は中国人だった。過去には、役員の中には法務担当者1人しかマレーシア人がいないこともあった。私の職は通常は中国人が就くものだが、私が起用された」と、Ng氏は話す。同氏は、中華民族だがマレーシア生まれだという。

マハティール氏の発言を受けて、Ng氏は、開発プロジェクトの地元色を強調した。

「プロジェクトには多数のマレーシア人がかかわっている。働いている1545人中、1100人がマレーシア人だ」

<マングローブ林と超高層ビル>

シンガポールからジョホール海峡を渡ってマレーシアに入り、アブラヤシ農園やジャングルを抜ける約30分のドライブで到着するゲランパタの町は、かつてはマングローブの林や漁業の集落で知られる静かな場所だった。いまやそこには超高層ビルが林立している。

その未来的な開発風景は、計画されている4つの人工島のうち、第1の島の半分部分でしかない。計画全体の20平方キロの広さのうち、わずか2.7平方キロだ。

さらなる高層マンションやタウンハウス、商業施設の建設も全速力で進められている。大型トラック数十台が砂や資材を運び、クレーンは上へと伸び続け、複数の高層マンションが完成を間近に控えている。

フォレストシティーの住民はまだほとんどいない。サービスアパートに住む従業員や、ホテルに滞在するゲストが主な居住者だ。

Country Garden Holdings Co Ltd
11.74
2007.HKHONG KONG STOCK
-0.40(-3.29%)
2007.HK
2007.HK
だが今月、最初のインターナショナルスクールが開校し、初の生徒60人を受け入れた。生徒のほとんどは中国人だが、一部韓国人もいる。広さ22エーカー(約8万9000平方メートル)のキャンパスには、「垂直庭園」のほか、五輪規格のプールや3つのヨガスタジオが併設されている。

周辺で建設工事が急ピッチで進むこの「シャタック・セント・メアリーズ」スクールのキャンパスは、最終的には1000人規模の生徒を受け入れられるように設計されている。

中国・広州市で電気設備工事会社を経営するLiang Ri Shengさん(44)は、フォレストシティーが、自分の息子にとってインターナショナルな人生への入り口となり、中国の経済圏構想「一帯一路」の強みを生かせるようになってほしいと話した。

「息子には、東洋と西洋両方に触れる機会となる。息子の成長や発達にいいと思う」と、Liangさんはマハティール氏の発言前にロイターに話していた。

Liangさん一家は、9月までに新居への鍵を手にする予定の482世帯に含まれている。

やはりフォレストシティーに昨年、14万ドルでマンション1戸を購入したジャッキー・チェンさん(同名俳優とは無関係)は、開発計画を巡る最近の動きは予測していなかったと話す。

「買った時は、長期的値上がりを期待しており、こんな政策リスクがあるとは思わなかった。でもマレーシアの移民ビザが欲しいわけではないので影響はない。投資額も小さいし、休暇用の別荘としてこのまま持ち続ける」と、香港在住のチェンさんは話した。

(翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)

 

2018年8月28日 / 11:50 / 3時間前更新
アングル:中国襲う「アフリカ豚コレラ」、アジア拡散防げるか
Josephine Mason
3 分で読む

[北京 24日 ロイター] - 中国政府が、急速に広がるアフリカ豚コレラ(ASF)の感染拡大を食い止めようと、躍起になっている。世界最大の飼育頭数を誇る中国の養豚業界では3週間で4例の集団感染が報告されており、ASFが東南アジア諸国に飛び火する懸念も出ている。

世界の豚肉生産量の半分近くを占め、国民1人あたりの豚肉消費量が世界最大の中国でASFが発生したことは、すでに欧州やロシアで感染が拡大していたASFの流行が新局面に入ったことを意味する。

「これほど生産規模の大きな環境でASFの流行が発生したのは養豚業界では初めてで、疾病管理の手法もまだ実証されていない」と、米国の研究機関、豚健康情報センターは警告している。

<症状は>

国際獣疫事務局(OIE)によると、ASFは最も深刻な豚の疾患で、発熱のほか皮膚や内臓からの出血が起き、2−10日で死に至る。

致死率は、最大100%に達する。

ダニや豚同士の直接接触で感染するほか、汚染された食料や動物のエサ、人の移動によって他地域に広がることもある。ワクチンはない。人体への害はない。

<ロシア発>

ASFが発生した国の中で最大の地上面積を持つロシアは、この10年ほどASFの封じ込めに取り組んできた。ロシアではこれまで約80万頭の豚がASFにより死亡。ミラトルグやルスアグロなどの食肉農産物企業大手の養豚場にも感染が広がり、小規模養豚場の生産高を半減させた。

過去1年ほどは中国国境地帯の方向へと次第に感染が広がり、中国側で飼育されている豚もリスクにさらされる状態だったと、専門家は言う。

国連食糧農業機関(FAO)によると、2017年3月に中国国境から1000キロの地点にあるシベリア地方イルクーツクで大流行が発生し、それまで流行していた東欧中心部から初めて大きく「飛び火」したことが確認された。

中国で発生したASFの型は、ロシアやジョージア、エストニアで発生したものに似ている。バンコクを拠点とするFAOの越境性動物疾病緊急センターのプロジェクト地域マネジャー、Wantanee Kalpravidh氏は24日、こうロイターに明らかにした。

2007年から2017年7月にかけて、欧州大陸では5445件のASFが発生し、うち903件はロシアだった。

<中国の課題>

FAOは3月に出した報告書で、ASFがもし中国に広がれば「動物の健康や食品の安全、食物安全保障に壊滅的な結果を引き起こし、さらに東南アジアへの感染拡大の可能性が高まる」と、警鐘を鳴らしていた。

前出のKalpravidh氏によると、今月3日に中国北東部の遼寧省瀋陽で確認された最初の感染について、専門家は今なお感染源を特定しようとしている。

中国ではその後短期間に3省で感染が確認されたが、感染地点がそれぞれ遠く離れていることが、中国政府による疾病管理の課題を物語っている。

その距離感を比較するため、感染が確認された4省の面積を合計すると、スペインの国土にほぼ匹敵する。

最初に大流行が発生した遼寧省から一番最近感染が確認された浙江省温州に達するには、豚の生産地でもある河北省や山東省、江蘇省を通って南下する2150キロの道のりを走らなければならない。江蘇省でも感染が確認されている。

近年の北東部での養豚セクターの急激な拡大は、養豚場から中部や南部の市場や解体処理場まで数千キロの距離を生きた状態で運ばれる豚が増えていることを意味する。

養豚場には小規模な家族経営から巨大ビジネスまでさまざまな規模があることに加え、野生のイノシシが多数生息していることが、病気の管理や予防を困難にしていると、FAOは指摘している。小規模養豚場は中国の豚肉の27%を生産している。

ASFに感染しても症状が出ないことがある野生のイノシシの生息数は、推計3350万頭に上ることが、FAOのデータを基にしたロイターの計算で判明した。豚は、処理されていない、または火が通っていない廃棄食品物や残飯を摂取することもある。

中国政府は1994年以降、農産物にダメージを与えていることが証明できない限り、農業者が野生のイノシシを駆除することを禁止している。

<根絶は困難>

ASFは約1世紀前にアフリカで発見され、1960年代には欧州大陸に感染が拡大した。欧州では、根絶に30年を費やした。

OIEによると、これまでの根絶成功例では、早期診断や、汚染が確認された場所の動物の殺処分と廃棄、徹底的な洗浄と消毒、ダニなどの害虫駆除、移動の管理や監視が欠かせなかったという。

もっとも最近に欧州で広がった感染例では、まず2007年にジョージア(当時グルジア)で感染が報告され、アルメニアやロシア、アゼルバイジャンに広がった。2012年にウクライナ、2013年にはベラルーシ、2017年にはルーマニアに広がっている。

米国では、感染は確認されていない。

(翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)
http://www.asyura2.com/17/china12/msg/788.html#c3

[国際23] トルコ経済危機と難民危機の危うい相関関係(ニューズウィーク) 赤かぶ
2. 2018年8月28日 20:54:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1331]

国際社会に期待しても、大部分の難民は救われない

 


2018年8月28日 / 09:20 / 4時間前更新
国連調査団、ミャンマー軍幹部の訴追求める ロヒンギャ迫害で
1 分で読む

[ジュネーブ 27日 ロイター] - ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャに対する迫害問題に関して国連人権理事会が設置した国際調査団は27日、ミャンマー国軍にジェノサイド(民族虐殺)の意図があったと指摘し、ミン・アウン・フライン最高司令官ら幹部6人に対して、国際法に基づく捜査と訴追を求める報告書を公表した。

調査団は国連安保理に対し、ミャンマーへの武器禁輸や特別国際法廷の設置、国際刑事裁判所(ICC)への付託などを提言した。

また、アウン・サン・スー・チー国家顧問についても、迫害を防ぎ、一般市民を守る責務を果たす手段を探すために事実上の国家指導者としての立場と道徳的権限を用いなかった、と非難した。

報告書は、誰がロヒンギャ迫害を命令したか決定的な証拠はないものの、ミャンマーにおける明確な指揮系統を踏まえると、ミン・アウン・フライン最高司令官ら幹部6人への訴追が必要だと指摘した。

昨年設置された調査団は、バングラデシュなどに逃れたロヒンギャ難民875人への聞き取りや衛星写真やビデオなどの分析で調査を行った。

また、国連人権理事会は3月、フェイスブックのプラットフォームが暴力を駆り立てるために使われていると指摘していたが、今回報告書は、フェイスブックがこの問題により迅速に対処すべきだったと批判した。

「ここ数カ月で改善がみられたものの、フェイスブックの対応は遅く、効果がみられない」と指摘した。

一方、フェイスブックは27日、一部のミャンマー軍高官らを同社サイトから削除し、インスタグラムのアカウントを削除すると発表した。「憎悪と誤情報」の拡散を防ぐためと説明している。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/720.html#c2

[国際23] 故マケイン氏、最期の声明でトランプ氏批判(AFP) 赤かぶ
5. 2018年8月28日 20:56:06 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1332]
トランプ氏の時代:変わる共和党と消えゆく批判勢力
予備選での支持候補の勝利で勢いづくトランピズム
フロリダ州タンパの選挙集会にトランプ大統領(右)とともに登場したロン・デサンティス候補(7月31日) ZACK WITTMAN/BLOOMBERG NEWS
By Janet Hook
2018 年 8 月 28 日 15:38 JST 更新

 【ジャクソンビル(米フロリダ州)】8月28日に実施される米フロリダ州知事選の共和党予備選は、ドナルド・トランプ米大統領の今の勢いを表す試金石として注目される。

 アダム・パットナム州農業委員は同知事選の共和党候補レースに出馬してからの数カ月、ほぼ無敵と思われる戦いを繰り広げていた。同氏は行政の経験が長く、政治的に成功しており、各方面からの支持を取りつけ、資金集めも順調だった。大半の世論調査において、有力なライバル候補のロン・デサンティス下院議員を着実にリードしていた。

 だがトランプ氏は6月、デサンティス候補への支持を表明。同候補はそれを宣伝する選挙広告を新たに流したほか、タンパで開いた選挙集会にはトランプ氏と一緒に登場した。世論調査ではデサンティス氏が一気に形勢を逆転した。

 「大統領のフロリダ訪問による予期せぬ影響は、私がこれまでに経験した最も信じがたいことの一つだ」。ライバルを追走する立場となったパットナム候補はこう語る。

フロリダ州バートウの選挙集会で写真撮影に応じる共和党のパットナム候補
フロリダ州バートウの選挙集会で写真撮影に応じる共和党のパットナム候補 PHOTO: OCTAVIO JONES/ASSOCIATED PRESS
 共和党の内部では20年以上、伝統的な支配階級(エスタブリッシュメント)と非主流派の緊張関係が続いていたが、典型的な草の根運動の様相をみせる「トランピズム」(トランプ主義)がここに来て勝利を収めつつある。

 2018年の予備選は間もなく幕を閉じるが、トランプ氏が支持表明を行った共和党候補37人(下院議員、上院議員および州知事)のうち2人を除いて全員が党指名候補に選出された。トランプ氏はその間、共和党が伝統的に掲げてきた自由貿易や財政保守主義、タカ派路線の外交政策を放棄するか、もしくは後退させてきた。

 トランプ批判を声高に展開した共和党候補者は予備選で大半が敗退し、引退を発表するか、沈黙を決め込むことになった。誰よりも力強くトランプ氏を批判した共和党の重鎮、ジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州)は25日、死去した。

支持率ギャップ
トランプ大統領に対する支持率は支持政党ごとに大きく異なる
Source: WSJ/NBC News poll of 600 registered votersconducted Aug. 22–25; margin of error +/-4 pct. pts.
Note: 'Don't know/not sure' numbers not charted
強く支持
やや支持
やや不支持
強く不支持
全体
共和党支持者
無党派
民主党支持者
0%
25
50
75
100
 自由市場を支持する保守派のポール・ライアン下院議長はかつて共和党の希望の星ともてはやされたが、任期満了後に引退する。2018年に上下両院議員を引退する共和党の33人(格上の公職に出馬予定の議員は除く)のうち、2016年に大統領選の共和党指名候補となる前からトランプ氏を支持していた議員は2人しかいない。また指名獲得後でもトランプ氏を支持しなかった議員が少なくとも5人いる。

 トランプ氏は今のところ、共和党支持層からの強力な後押しを受けている。それは同氏が党そのものを自分自身の軌道に引き寄せるテコになっている。同氏の予備選への関与は、2016年の大統領選の頃とは際立った違いがある。当時のトランプ氏は共和党の旗手というより、独立系候補のように振る舞うことが多かった。

トランプ氏の時代:変わる共和党と消えゆく批判勢力
 トランプ氏は自らの役割を、有権者を動員することだと考えている。「それは(対立陣営ではなく)支持者に大きな活力を吹き込むということだ」

 トランプ大統領の支持者は、同氏が推す政策や候補者は共和党を有権者の望む方向により近づけていると話す。

 「ドナルド・トランプ氏の考え方は、一般的な共和党支持の有権者がすでに長年信じてきたことを反映している」。トランプ政権の元顧問で共和党ストラテジストのアンディー・スラビアン氏はこう指摘する。

息子のメイソン君をあやすデサンティス候補
息子のメイソン君をあやすデサンティス候補 PHOTO: JOSH RITCHIE FOR THE WALL STREET JOURNAL
 ただ、共和党指導部の中からは、トランプ氏の支持を取り付けることで、逆に中間選挙での自分たちの勝算が損なわれるのではないかとの声も聞かれる。無党派層を共和党から遠ざけてしまうか、あるいは民主党支持者の反発をさらに勢いづかせるような候補者が本選に進みかねないというのがその理由だ。

 トランプ陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート氏が21日、8件の罪状について有罪の評決を受け、トランプ氏の元個人弁護士マイケル・コーエン氏も同日、選挙資金法違反などの罪を認めた。これによって大統領と立場を同じくする中間選挙の候補者や、議会運営に同胞の協力が必要な大統領自身にとっても、危険が高まったといえる。議会共和党は今のところ、大統領とたもとを分かつ気はないものの、スキャンダルとは距離を置こうとしている。

 「2018年8月の現時点で、共和党内ではトランプ氏が優勢に立っている」。共和党ストラテジストのティム・ミラー氏はこう話す。同氏は2016年に反トランプ派のスーパーPAC(政治活動特別委員会)の広報担当者を務めた人物だ。「だが彼は、自身の世界観を共有する永続的な支持基盤の構築を実際に成し遂げているわけではない。今はまだ彼に協力する仲間がいるにすぎない」

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[国際23] アンドレス・オブラドール、メキシコ大統領に当選: ロシア-メキシコ関係にとって明るい見通し(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
3. 2018年8月28日 21:04:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1333]
社説】対メキシコ貿易合意は改悪
交渉を終えてホワイトハウスに向かうライトハイザー米USTR代表とメキシコのグアハルド経済相(27日)

2018 年 8 月 28 日 16:46 JST

 米国とメキシコの両大統領は27日、新たな貿易協定を発表した。ドナルド・トランプ米大統領に言わせると北米自由貿易協定(NAFTA)より「はるかに良い」。われわれは詳細が判明するまで判断を控えるが、現時点で言えることは、幾つかの改善を盛り込んでいるものの多くの点で著しく改悪された「ハーフNAFTA」だということだ。議会を通過できることが確実だとはとても言えない。

 27日の金融市場は通商環境の改善を受けて小幅に上昇した。少なくとも当面、そして少なくともメキシコに対しては、トランプ氏は米国がNAFTAから一方的に離脱するとの脅しを休止した。離脱する法的権限がトランプ氏にあるかどうかは分からないが、仮に離脱すれば、多大な打撃が北米経済全体、さらにはトランプ氏自身の再選の可能性に及ぶ。だがトランプ氏の場合、自分に跳ね返ってくるからといって思いとどまるとは限らない。

 ***

 新たな合意で好感が持てるのは、例えばバイオ医薬品のデータ保護期間を5年から10年に延長していることだ。遺伝子組み換え作物を区別することはできなくなり、チーズなどの農産物の生産者を規制の乱用から守る項目もある。これらや他の細目は、発効から25年近くたった貿易協定を新しくするのに役立つ。

 米国はまた、国境をまたいだ投資に水を差す「サンセット条項」の要求を後退させたようだ。米国は5年ごとに更新しない限り協定を失効させるこの条項を求めていたが、両国は6年ごとの見直しを含む16年間の協定で合意した。どこからも異議がない場合にさらに16年延長することや、問題になった分野について再交渉することもできる。投資家にとっては現行協定より政治的な不確定要素が増えるが、許容範囲かもしれない。

 しかし、カナダが合意していない点をはじめ、新たな協定には問題が多い。ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表はカナダへの交渉圧力を強めるため、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領が任期満了前の署名を望んでいることを利用した。トランプ氏は27日、カナダ政府が協定に署名しなければカナダ車に25%の関税を課すことをほのめかした。

 カナダはその脅しに賢明な自制で応じた。米国とメキシコの「前進」をたたえ、カナダが週内に3カ国協議に復活することを提案した。トランプ氏は27日、カナダの乳製品保護についてもっともな不満を訴えたが、カナダが2国間パネルでの紛争解決手段を定めたNAFTAの19条の維持を求めているのは正しい。

 もうひとつ、新たな協定ではメキシコに投資する米国人の大半が現在の保護を失うことは大きな問題だ。石油・ガスや電気通信、電力会社への投資家はいま保有しているものを保持する。それ以外の投資家は物理的な没収についてのみ保護される。

 だがベネズエラ以外の国には、警察に工場やホテルを占拠させることを控えるだけの分別がある。国内の競合企業を有利に扱うためには規制を利用するだろう。信じようと信じまいと、それがトランプ、ライトハイザー両氏の要求だった。両氏は米企業が他国の権力乱用に一段と脆弱(ぜいじゃく)になれば、企業トップが自社資金を国内にとどめると読んだのだ。これは経済的に理にかなっていない。米国の労働者が栄えるのはその企業が栄える時であり、それが国外だろうと国内だろうと関係ない。なぜ米企業による国外顧客の取り込みを難しくするのか。

 今回の協定はまた、自動車業界に新たな規制とコストを課して輸入品を罰する。北米で販売される自動車が関税を免除されるための域内調達比率が62.5%から75%に引き上げられる上、時給16ドル以上の労働者が作った部品が40%以上を占めなくてはならなくなる。

 これは政治的に管理された貿易であり、その経済論理はトランプ氏が国内で進める規制緩和政策と反対だ。フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)は、自社経営へのこうした介入と折り合いをつけたようだが、テネシー州やアラバマ州、その他の共和党寄りの州に組立工場を持つ自動車メーカーは、輸入部品の比率が25%を超えれば痛い目に遭いかねない。

 自動車を巡るこの作戦は、国際サプライチェーンを吹き飛ばそうとするトランプ、ライトハイザー両氏の戦略の一環であり、改訂案を議会で可決させるための政治戦略でもある。メキシコに米国式の労働法を押し付ける新たな労働条項を盛り込んだのも、そのためだろう。まだ詳細は不明だが、ライトハイザー氏は27日、こうした規則が新協定の一環としてメキシコで「実施可能」だろうと述べた。

 ライトハイザー氏は交渉中に、民主党のシェロッド・ブラウン上院議員(オハイオ州)と消費者団体パブリック・シチズンの保護主義者ロリ・ウォラック氏にこっそり取り入った。米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)がメキシコの労働者との連携を強化するのを後押しすれば、民主党から新NAFTA支持を取り付けられるとライトハイザー氏は考えているのだ。幸運を祈る。圧倒的多数の共和党票なしに議会を通過した貿易協定はここ数十年ない。民主党の議会幹部は毎回抵抗してきた。

 ***

 だが新協定の合意までこれほど長く待ったことで、ライトハイザー氏は民主党の人質になったかもしれない。貿易促進権限法により、現議会中に新協定の採決をするだけの時間はない。採決は次の議会で行われることになるが、その議会を仕切っているのは民主党のナンシー・ペロシ下院議員とチャック・シューマー上院議員かもしれない。彼らはトランプ氏の貿易協定を本当に支持するだろうか。トランプ氏は彼らの票を必要としている。自由貿易主義の共和党議員と米実業界を取り込むことは難しい。

 27日に発表された合意は流動的であり、署名されて議会に送られる前に改善する時間はある。トランプ氏がNAFTA離脱という自殺行為から退いたのは歓迎するが、これまで公になっている内容からすると、新たな協定は改悪である。

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トランプ氏の関税ゼロ案、その真意は
トランプ氏のNAFTAディール、市場が好感した理由
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/412.html#c3

[国際23] 兆候あらわ トランプ政権は中国との対決姿勢に舵を切った 日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
8. 2018年8月28日 21:35:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1334]
トランプ氏の関税ゼロ案、その真意は
トランプ米大統領(写真)は今年40回以上、ツイッターへの投稿で関税を称賛してきた

By Bob Davis
2018 年 8 月 28 日 12:04 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は今年40回以上、ツイッターへの投稿で関税を称賛してきた。貿易赤字と財政赤字を減らし、米国の威信を復活させる関税は米国民を豊かにするという。8月のツイートでは「異を唱えるのは愚か者だけだ」と主張した。

 トランプ氏は自身のことを、全世界で全ての関税ばかりか、産業補助金、非関税障壁が撤廃されることを望んでいる自由貿易主義者だとも呼んでいる。

 同氏は6月に開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)後の記者会見で「関税なし、障壁なし。貿易はそうあるべきだ」と述べた。

 あれほど関税を支持しておきながら、無関税が目標というトランプ氏の言葉は本気なのだろうか。

 恐らくそうではない。最近の欧州との協議でも示されたように、米国を含むほとんどの国には守ると決めている産業があるため、最も熱心な自由貿易主義者でさえ、国際貿易で条件を完全に平等にするのは難しいと考えている。既存の国際貿易協定に複雑で不平等な部分が多く、それが今後も続くとみられる理由もそこにある。

 米国は最近の欧州との協議でも当初は無関税の方針を推していたが、双方がすぐにそれを骨抜きにした。

 欧州に対して自動車関税の撤廃を要求し、従わなければ欧州からの輸入車に最大25%の関税をかけると脅したにもかかわらず、米国は協議から自動車貿易を除外するよう強く求めた。

 自動車が協議されないのはなぜか。米国の自動車産業自体が、国産トラックを輸入車との競争から守るために25%の関税に依存しており、トランプ政権はそれを維持したいと考えているからだ。その一方で欧州連合(EU)は、補助金に依存している共通農業政策(CAP)を維持したいと考えており、農業補助金について検討するという米国の取り組みを阻止した。政府契約から外国企業を除外する「バイ・アメリカン」条項も議論から外されている。

 双方の交渉団は現在、大部分の貿易協定の出発点である工業製品の関税削減を主に協議している。とはいえ、そうした関税はすでに低いため、撤廃による経済効果は小さいだろう。工業製品に対する米国の関税率は平均2.4%、欧州では2.6%だ。

 こうした関税ゼロ案はラリー・クドロー氏の過去の論文に端を発する。クドロー氏は今年3月、米国家経済会議(NEC)委員長に就任した。同氏と自由貿易を提唱する2人のエコノミスト、ヘリテージ財団のスティーブン・ムーア氏とレーガン政権で顧問を務めたアーサー・ラッファー氏は自分たちの考え方と、貿易では一部の国が他国を犠牲にして勝者になるというトランプ氏の考えをうまく一致させる方法を模索したという。ムーア氏が明かした。

 彼らは主要貿易国の中で米国は関税が最も低い部類に入るとしている2018年版の大統領経済報告を利用することにした。関税をゼロにすれば、他国が削減する関税は米国よりも大きくなるため、米国に有利になると彼らは主張した。クドロー氏はNEC委員長としてその方針を推した。

 ホワイトハウスでこの春に行われた通商顧問らとの協議で、貿易タカ派のピーター・ナバロ氏はその方針に反対した。協議に詳しい関係者によると、ナバロ氏は条件を平等にする上で関税ゼロだけでは不十分だと主張した。米国は他国がうまく利用しているツール、つまり補助金、非関税障壁、為替操作、付加価値税についてもゼロを迫る必要があるとナバロ氏は力説した。顧問らは関税、補助金、非関税障壁の3つでゼロを目指すことで合意した。

 トランプ氏は6月のG7サミットでそうした考えを売り込んだが、議長国カナダのジャスティン・トルドー首相との非難の応酬や、直後に行われた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談のせいであまり取り上げられることはなかった。だがその翌月、そうした提案は欧州との協議で再浮上した。

 関税ゼロ構想は実行に移すのが難しいが、米国の交渉戦略において今も一定の役割を果たしている。米欧間の協議では、米国がEU製の鉄鋼・アルミニウムに関税を課して以来緊張してきた双方の関係緩和に寄与した。米国は交渉が続いている限り、欧州車への関税を断行しないと約束している。双方は8月20日にワシントンでフォローアップ協議を行った。あるEU当局者によると、関税ゼロ構想はまだ議題に残っていた。

 関税ゼロ計画は同様に、救いようがないほど保護貿易主義的だとしてトランプ政権を切り捨てていた貿易相手国と交渉を再開するきっかけとなる可能性がある。ムーア氏は「米国はモラル的に優位な立場になる」と語る。

 米国がEU、カナダ、メキシコ、日本などの同盟国と合意を結ぶことができれば、トランプ政権は中国に焦点を合わせられる。政権内では貿易強硬派も自由貿易派も一様に、中国に対する西側諸国の協調攻勢を難しくしてきた鉄鋼やアルミ、その他の問題を巡る争いにいら立ちを募らせてきた。

 中国にははるかに高い貿易障壁があることを踏まえると、関税や補助金ゼロに向けた動きは、米国にいくつか明確な勝利をもたらす可能性がある。米大統領経済諮問委員会(CEA)の報告書によると、例えば中国の工業製品に対する関税は平均12.1%だ。これをゼロへ、あるいは少なくとも大幅に引き下げることは、米国にとって大きな勝利となり得る。

 とはいえ、中国に全ての補助金や外国企業に対するその他の差別を撤廃させることは、成功の見込みが薄いと思われる。

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米景気後退、目先は可能性低い 長短利回り差縮小でも=SF連銀
米サンフランシスコ連銀の論文によると、米国債のイールドカーブでは景気後退リスクの高まりが示唆されるものの、近くそうした状況に陥る可能性は低い
By Michael S. Derby
2018 年 8 月 28 日 14:26 JST

 米サンフランシスコ地区連銀は27日発表した新たな研究論文で、米国債のイールドカーブ(利回り曲線)を見ると、景気後退(リセッション)リスクの高まりが示唆されるものの、近くそうした状況に陥る可能性は低いという見解を示した。

 今年は総じて米国債の長短利回り差が縮小している。短期債利回りが長期債利回りを上回る「逆イールド」は、以前から景気後退の前兆となってきたため、将来の景気動向を示すシグナルとして注視されている。

 2年債と10年債の利回り差は、年初は約50ベーシスポイント(bp)だったが、足元では約20bpまで縮小。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを推し進めれば、それだけで逆イールド化を引き起こしかねないと懸念する声が広がっている。

 FRB当局者らは2年債と10年債の関係に注目しがちだが、サンフランシスコ連銀のエコノミスト、マイケル・バウアー氏とトーマス・マーテンス氏は冒頭の論文で「10年債と3カ月物財務省短期証券(Tビル)の利回り差は、景気後退を予想する上で最も有益なタームスプレッドだ」との見方を示した。

 逆イールドが景気後退を引き起こしているのか、相関関係があるだけなのかは分からないとしながらも、逆イールドは景気後退の「信頼できる前兆」となっていると指摘した。

 現在の2年債と10年債の利回り差を見ると、FRBが1〜2回利上げすれば逆イールドになるかもしれない。FRBの政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現在1.75〜2.00%。2年債利回りは2.63%近辺で推移している。

 一方、10年債と3カ月物Tビルについて、論文は「他の大半の指標と同様にこの利回り差も最近縮小しているが、逆イールド化するまでまだ十分な開きがある」と指摘。

 その上で「最近のイールドカーブの動きは景気後退リスクが高まっている可能性を示唆している」が、「イールドカーブの平たん化は、景気後退が差し迫っている兆候ではない」としている。

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中国でインフラ建設が停滞している背景 中国のインフラ投資は減速を続けている
By
Nathaniel Taplin
2018 年 8 月 28 日 14:11 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 中国政府は自国経済に低利の融資を氾濫させることなく、成長を支えたいと考えている。それがいかに難しいことなのかは中国の道路や鉄道を見れば分かるだろう。
 中国は世界のインフラ業界で圧倒的な存在感を示している。その建設能力は大衆文化にも浸透してきており、2009年公開のディザスター映画「2012」で急激な海面上昇から人類を救う巨大な箱舟を建造したのも中国だった。ところが最近の中国のインフラ建設は停止してしまったも同然だ。
 そうしたインフラ投資の大半を占める中国の地方自治体には、これまで主に2つの資金調達手段があった。最も一般的な方法は融資平台(LGFV)と呼ばれる事業体の設立である。まだ地方債の発行が許可されていなかった地方自治体に、景気刺激策として数億ドル規模の投資が要請されていた金融危機の直後、そうした簿外の事業体が急増した。
 その莫大(ばくだい)な規模と腐敗の可能性に不安を抱いた中央政府は昨年、そうした不透明な借り入れを取り締まり始めた。過去4カ月間のLGFV債からの純流出額は190億ドルに上っている。
AAAより低い格付けのLGFV債への純流入額

Source: WindNote: August 2018 month-to-date.
.(単位:10億人民元)2013’14’15’16’17’18-100-50050100150200250300April 2015x61.987 (単位:10億人民元)
 このところ中国政府は、地方自治体が今や合法化された地方債市場を通じてバランスシートに計上される借り入れを行うことを好んでいる。問題は、実際のインフラ投資のほとんどを実施しているにもかかわらず、下級の小規模都市がその市場からおおむね締め出されていることだ。その結果、7月の中国地方債の純発行額は3月の3倍だったにもかかわらず、インフラ投資は減速し続けてきた。2018年の1-7月期の発電・熱供給を除くインフラ投資額は前年同期比5.7%増で、2017年の19%増から大幅に減速している。中国最西部、新疆ウイグル自治区のある国営投資会社は最近、その社債の利払いと償還に遅延が生じたことを明かした。これを受けてLGFVのデフォルトが増加したり、社債市場がさらに急落したりする公算が強まっており、インフラ投資へのさらなる打撃となっている。
 最終的には主要省市が地方債を通じて調達した巨額の資金が小規模都市にも少しずつ浸透し始めるだろう。その一方でもともと足りていない投資はさらに縮小する可能性が高く、中国政府が金融状態のさらなる緩和を迫られるようになると、初期段階にある人民元の価値上昇の継続は難しくなるだろう。つまり、2017年にわずかに低下した中国の債務の対GDP(国内総生産)比は来年にまた上昇し始める可能性があるのだ。
 非常に重要な不動産市場がまだ好調を維持しているので、今回の景気刺激策が小規模になる可能性は依然として高い。しかし、中国の最高指導部は、好況時に成長に大打撃を与えることなく地方自治体の怪しげなインフラ投資を厳しく取り締まる方法、不況時に不良債務を急増させることなく手綱を緩める方法をまだ見つけ出せていない。その難題を解決できない限り、中国の長期的な見通しは暗いものになるだろう。
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中国産業界の未来、三一集団の工場が映し出す2016年に中国が導入したロボット台数は米国とドイツの合計を上回った
北京にある三一集団の工場(写真)では産業ロボットが溶接作業を行っている GIULIA MARCHI FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
Natasha Khan
2018 年 8 月 28 日 10:05 JST
 【長沙市(中国)】中国産業界の未来の青写真はちりひとつない工場「ワークショップ18」にある。ここでは紺色の制服に身を包んだ労働者とロボットが、世界で最も高いビル群にセメントを吹き付けることのできるポンプ車を製造している。
 三一集団が操業するこの工場のエンジニアは、世界中で稼働している機械から、現場近くのデータセンターに集まる情報をリアルタイムで分析し、製品の改善に役立てている。インターネットに接続されているコンクリートミキサー車や掘削機、クレーン車など38万台を追跡し、1000億件を超える工学データを収集してきた。
 この工場は、中国政府が進める産業強化政策「中国製造2025」に沿って産業当局が設計した。中国指導部は電力設備や電気自動車、海洋工学製品、半導体といった分野を2025年までにほぼ自給自足とする目標を掲げており、この分野の大手国内企業を育成する鍵はロボット導入やビッグデータ、その他の技術的進歩だと考えている。
 中国3大重機メーカーの一角を占める三一によると、技術の統合で能力が高まり、受注から納品までの時間や操業コストが少なくとも20%減少した。三一はその技術により、自らを国内大手に押し上げた安いコピー製品ではなく革新と品質で名をとどろかせることに賭けている。

 三一の最高情報責任者は「重機業界の未来はハードウエアと同じくらいにソフトウエアとデータに左右されるだろう」と述べた。
 「中国製造2025」戦略はワシントンで批判を集め、トランプ政権は中国政府が自国企業を不当に強化するために補助金と保護主義を利用していると非難している。中国は自らの目標が透明であり、他国にも国内産業強化を狙った政策があると反論する。
 中国政府は、他国のライバルに追いつこうとする企業を支援する国や省のプログラムを通じて多額の資金を供給してきた。当局の書類によると、ワークショップ18に似た工場の建設やそうした工場への投資を希望する企業は最大4500万ドル(約50億円)の政府補助金を申請できる。

長沙市にある三一集団の工場(3月29日) PHOTO: GIULIA MARCHI FOR THE WALL STREET JOURNAL
 融資もたっぷりと用意されている。中国の開発銀行は産業当局とともに、大型プロジェクトに対する約3000億人民元(約4兆8900億円)の供給に乗り出している。
 中国メーカーのロボット購入を後押しする奨励策を背景に、中国のオートメーション市場は世界最速の成長を遂げてきた。国際ロボット連盟(IFR)によると、2016年に中国が導入したロボットは過去最大の8万7000台と、米国とドイツの合計を上回った。中国政府は従業員1万人当たりのロボットの台数を20年までに150台とする方針だ。これは15年の2倍を上回る台数だが、米国の189台に比べるとなお少ない。
 近代中国の生みの親とされる毛沢東が生まれた湖南省を拠点とする三一は、30年にわたって中国政府の経済目標を忠実に守っており、その事業はおおむね中国のインフラ主導経済に沿って花開いた。外国製の機械類をリバースエンジニアリング(分解調査)し、安いコピー品を作ることから始めた三一は、2000年代に中国国内で上場した同国企業の中で有数の規模だった。

北京にある三一集団の工場(3月26日) PHOTO: GIULIA MARCHI FOR THE WALL STREET JOURNAL
 12年には3億2400万ユーロ(現在のレートで約420億円)を投じ、独ポンプメーカーのプツマイスター・ホールディング株の90%を取得した。
 三一は中国政府による能力増大の呼びかけを受け、12年以来4つのスマート工場を建てた。リアルタイムのデータ収集プログラムは6月に李克強首相の称賛を受けた。ワークショップ18では組み立てラインへの原材料・部品運搬に無人車を使っている。
 三一は数年にわたり各種の政府補助金を受け取ってきたが、主に利益の再投資によって成長し、世界8位の規模を誇る機械類メーカーになった。国内では、三一や他の中国企業が米キャタピラーなどの海外勢のシェアを奪った。キャタピラーはコメントを控えた。

 建設業界出版社KHLが発表した今年の「イエローテーブル」によると、世界の建機市場における三一のシェア(売上高ベース)は3.7%だ。三一はジョージア州の工場に6000万ドルを投じるなど、米国にも少額の投資をしている。
 また、東南アジアや中央アジアの途上国市場や「一帯一路」計画をターゲットにするなど、中国政府の別の目標にも力を入れている。
 「共産党やその支援がなければ、三一の成功は想像しにくい」。三一が施設訪問者に見せている動画の音声はそう伝える。

三一集団の杭打ち機(3月26日) PHOTO: GIULIA MARCHI FOR THE WALL STREET JOURNAL
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