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[経世済民127] ハイパーインフレのベネズエラがデノミ発表 通貨ボリバルから「ゼロ5つ削除」(ニューズウィーク) :国際板リンク  赤かぶ
1. 2018年7月27日 08:45:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1048]

愚かな時代遅れの左翼政権が、極貧を作り出すとすれば、

その対極のグローバル企業は、主権国家の弱点を突いて、巨大な利益を独占し

技術革新による生産性上昇の恩恵がトリクルダウンするのを妨げる


本来、こうした課題解決に努めるべき米国は、先行者利益を享受するために

後者の問題には目を瞑っている


「グローバル独占企業」がイノベーションを殺す GAFAが資本主義のルールを変えた

2018.7.27(金) 池田 信夫

EU、グーグルに過去最高5700億円の制裁金 OSで独占的な地位乱用

グーグルに支払いを命じた制裁金についてブリュッセルのEU本部で記者会見する欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー委員(2018年7月18日撮影)。(c)AFP PHOTO / JOHN THYS〔AFPBB News〕

 EU委員会は7月18日、グーグル社に43億4000万ユーロ(約5700億円)の制裁金を払うよう命じた。これはEU(ヨーロッパ連合)の制裁金としては史上最大だ。その理由は、グーグルが携帯端末用OS「アンドロイド」に自社製アプリを抱き合わせしているというものだが、これは1990年代のマイクロソフトに対する司法省の訴訟と似ている。

 グーグルだけではなく、アップルもアマゾンもフェイスブックもグローバルな独占企業になり、まとめてGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)と呼ぶことも多い。こうした新しい独占企業が、グローバル資本主義を変えようとしている。

インターネットが生んだ独占・集中社会
 90年代にインターネットが急速に普及したとき、それは従来の電話網とは違う自律・分散型のネットワークだった。それによって国家と大企業を中心とする20世紀型の社会が変わり、個人を中心とする自律・分散型の社会になると予想する人が多かった。

 一時はそういう兆しも見えた。電話交換機で通信を独占した電話会社が衰退し、大型コンピュータを独占したIBMが経営危機に瀕し、携帯電話で個人がいつでも世界に情報を発信できるようになった。GAFAのうちアップルを除く3社は、90年代後半以降に創業した企業である。

 しかし2004年に創業したフェイスブックを最後に、既存の企業を倒す「破壊的イノベーション」は消えた。新しい成長企業が、大企業に育つ前に買収されたからだ。アンドロイドも、携帯用OSを開発していた会社をグーグルが買収したものだ。ITの世界では、ゼロから研究開発するより有望な企業を買収したほうが速い。

 企業買収のもう1つの意味は、競争の芽を摘むことだ。2012年にフェイスブックが写真サイト「インスタグラム」を10億ドルで買収したとき、その売り上げはゼロだったが、ユーザーは3000万人で急成長しており、フェイスブックのライバルになる可能性があった。それを買収することで、フェイスブックは独占を守ったのだ。

 皮肉なことに自律・分散型のインターネットが生んだのは、かつての電話会社やIBMより強力な独占・集中型の産業構造だった。それはインターネットという巨大なプラットフォームを独占することが、国家を超える権力になるからだ。

「プラットフォーム独占」は国境を超える
 キャッシュの余った大企業が関連のない企業を買収して規模を拡大するのは、昔は「コングロマリット」と呼ばれ、ダメな企業の代名詞だった。日本の「総合電機メーカー」のようなコングロマリットの経営が悪化するのは、経営者が資本効率を考えないで多角化して雑多な企業を抱え込むからだ。

 しかしGAFAのような「ITコングロマリット」は、多角化しても資本効率が落ちない。それは彼らのコア技術がソフトウェアだからだ。アマゾンやグーグルが自動運転の企業を買収しても、彼らが開発するのは自動車ではなく、それを運転するソフトウェアだから、プラットフォーム独占は共通だ。ハードウェアは中国に発注してもいい。

 GAFAは、国境を超えるグローバル独占企業になった。かつて電話会社は国内市場を独占したが、インターネットのユーザーは全世界で40億人。その最適規模は国家を超える。グローバル独占が確立すると、それをくつがえす新企業が出てくることはむずかしい。

 多くの経済学者は、2010年代に成長率が低下した原因を、このようなイノベーションの衰退に求めている。ケネス・ロゴフ(ハーバード大学教授)は、それを「第二のソロー時代」と呼んでいる。

 かつて経済学者ロバート・ソローが「コンピュータはどこにでも見られるが、生産性の統計の中には見られない」といったように、インターネットは人々の生活を便利にし、既存企業の独占利潤を上げる役には立ったが、生産性は上がっていないのだ。

古い独占を倒すのは新しい独占
 グローバル独占企業が昔の独占企業より強力なのは、その市場支配力が国家に依存しないからだ。最盛期のAT&T(アメリカ電話電信会社)の社員は100万人を超えたが、そのビジネスはアメリカを超えられなかった。1980年代の分割で国際事業が認められたが、失敗に終わった。

 国境を超える独占企業になったほとんど唯一の例外がIBMだが、それは大型コンピュータというプラットフォームの独占に依存していたので、パソコンという新しいプラットフォームが出てくると没落した。

 独占を守るにはライバルを買収して、新しいプラットフォームをつぶす必要があるが、司法省との独禁法訴訟を抱えていたIBMは、彼らの独占に挑戦する企業を買収できなかった。1980年代にIBMがマイクロソフトを買収していたら、われわれは今も大型コンピュータを使っているかもしれない。

 電話会社は各国の規制と戦うことに多大な労力を費やしたが、GAFAには今までそういう問題は少なかった。ソフトウェアを規制する法律はほとんどなく、インターネットという巨大なプラットフォームを独占すれば、IBMよりはるかに巨大な独占企業になれた。

 しかし今回のEU委員会の制裁にみられるように、ヨーロッパ各国政府はGAFAに警戒を強めている。それはもはやヨーロッパにはGAFAに対抗できる企業がなく、アメリカ文化がヨーロッパを支配することを恐れているからだ。

 日本政府には、そういう危機感もない。それは日本企業が、とっくの昔にプラットフォーム競争に負け、競争に参加する気もないからだろう。むしろ中国の「国家資本主義」が、GAFAのライバルになる可能性がある。

 21世紀に生まれたグローバル独占資本主義のルールは、経済学の教科書には書かれていない。それは日本メーカーの得意とする「いいものを安くつくる」市場とは違う。問題は性能でも価格でもなく、巨額のリスクを取って独占を作り出す経営者の度胸である。

 そこでは市場メカニズムはきかず、強者が徹底的に投資して弱者を蹴落とす進化論的な競争になる。こういう独占を防ぐには、一国内のシェアを基準にした独禁法は無意味である。古い独占を倒すには、新しい独占を育てるしかない。競争政策にもイノベーションが必要である。

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/851.html#c1

[経世済民127] IR実施法案は成立したが、日本のカジノはすでに座礁寸前か?(Forbes JAPAN) 赤かぶ
1. 2018年7月27日 19:21:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1049]
ビジネス2018年7月27日 / 09:43 / 8時間前更新
焦点:パチンコ業界「大衆娯楽」で生き残り、カジノと棲み分け
3 分で読む

[東京 27日 ロイター] - 人口減少や高齢化などの構造要因にカジノ導入という新たな逆風が加わり、パチンコ業界が浮沈の岐路に直面している。業界が望みをつなぐのは、「庶民のゲーム」としての生き残り策だ。

2月に導入された新規制はパチンコの射幸性を抑えこむ一方、より幅広い客層を呼び込む契機にもなり得る。ギャンブル色を強めてきたパチンコは、大衆娯楽へ変身の手腕が問われている。

<新規制の波紋、小さなホールには試練>

パチンコ業界関係者の頭を悩ませる最大の課題は遊戯人口の減少だ。

日本生産性本部の「レジャー白書2017」によると、2016年のパチンコ参加人口は940万人。07年の1450万人から35%も減った。携帯ゲームの広がりなどで、「ちょっとした空き時間」をパチンコに充てる人が減少。利用客の高齢化も進み、需要は右肩下がりが続いている。

こうした市場縮小に追い討ちをかけると懸念されているのが、今年2月に導入された新規制だ。今回の規制のポイントは、パチンコの出玉の上限をこれまでの3分の2にするなど、射幸性が抑えられた点にある。

ハイリスク・ハイリターンからローリスク・ローリターンになるため、大勝ちを求めてきた顧客の足が遠退く可能性があり「規制変更で、短期的にはパチンコホールの収益は落ちる。ホールの収益が落ちると設備投資も下がるので、プラスに働くイメージはない」(平和(6412.T)執行役員の高木幹悦氏)。新たな顧客層を獲得できなければ、パチンコホール・メーカーの収益は厳しくなる。

東京商工リサーチによると、17年のパチンコホールの倒産(負債1000万円以上)は29件で、3年ぶりに前年を上回った。全国企業の倒産件数が1990年以来の低水準となる中で、前年比2.4倍となったホールの倒産の大幅増は際立つ。東京商工リサーチの谷澤暁情報部課長は「大手ホールの客の奪い合いで、中小が苦しい」と説明する。

<新機種導入で進む淘汰>

新規制が施行された18年2月1日以前に検定を通過した機種は、3年の検定期間満了まで使用することができるため、21年1月までに全ての台が新規制に対応した機種へ入れ替えられることになる。パチンコ台は1台40―50万円。収益力が落ちたホールはこうした投資に耐えられないということも考えられ、3年後のタイムリミットに向けて、中小ホールの一段の廃業も視野に入ってくる。

大和証券シニアアナリストの鈴木崇生氏は「約1万1000件のパチンコホールのうち、現時点で新台を入れ替えていないホールは4000―5000件あるとみられている。そうしたホールの撤退・廃業のリスクが高まる状況」と指摘。ホール全体の収入は2割減るとみている。

ダイナムジャパンホールディングス(6889.HK)の事業会社ダイナムは業界最大手ながら、展開店舗は約450店舗、パチンコ店舗網に占めるシェアは約5%に過ぎない。それでも、100店舗以上展開する会社がダイナムを含めて4社になるなど、すでに業界では、中小を買収して規模を大きくする動きが活発になってきている。

ダイナムは近い将来1000店舗まで拡大することを目指しており「これからは、コストやサービス、教育などに取り組むことが当たり前の産業になっていく。積極的に拡大するチャンスだと思っている」(佐藤公治取締役)と話している。

<健全な遊戯とは>

ギャンブルか大衆娯楽か──。カジノの導入で、パチンコは「大衆娯楽」の立ち位置をより明確にする必要に迫られる。

パチンコ業界誌「グリーンべると」の深谷祐佳氏は「今回の規則改正の狙いは明らかにカジノとのすみ分けにあったと思う」と指摘する。日本では運営が許可されているのは公営ギャンブルだけで、パチンコは「賭博」ではないとの位置付けだ。

今年出された政府答弁書も、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく規制の範囲内で行われていれば、刑法185条の「賭博」には当たらないとしている。日本でも解禁が近いカジノは「Game of chance」、パチンコは「Game of skill」というように、カジノは運が勝負を左右するのに対し、パチンコは個人の技術介入がある点も「賭博」ではない理由となっている。

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しかし「1―2万円を使って満足できた時代はパチンコに来る客が多かった。今は、パチンコに1回行くのに10万円を用意する人も少なくないと聞く」と深谷氏は話す。1回に10万円を投じなければ勝つことができないなら、会社帰りにサラリーマンが気軽に立ち寄る「大衆娯楽」とは言い難い。業界でも「ハイリスク・ハイリターン」の進み過ぎが、参加人口減の一つの要因であるという反省は強い。

「射幸性が高くて離脱した人も、今回の新規制を機に戻るのではないか」(平和の高木氏)といった声など、規制を機に「大衆娯楽」として広く遊んでもらえるようにしたいと、業界は期待を寄せている。

<高齢化との戦い>

ダイナムの会員のうち50代以上は61%に達している。現在は、地域の情報発信拠点やシニア同士が交流できる場としてリアル店舗の必要性を打ち出しているが、携帯ゲームが日常となっている若年層を店舗に呼び込むことができなければ、業界は先細りとなる。

かつては、新台を入れた時には店外で待つ客のために簡易トイレまで設置した福島市内のパチンコ店も、今はそういうことはないという。「パチンコ屋がなくなると、身近な娯楽としてのパチンコを楽しみにしてきた高齢者の中には行き場がなくなる人がいる」と、店を営む鈴木直美氏の危機感は強い。

大和証券の鈴木氏は「ユーザーが戻ってくるかは、遊技機のゲーム性や遊びの幅が重要になると予想される」と話している。

Heiwa Corp
2592.0
6412.TTOKYO STOCK EXCHANGE
-16.00(-0.61%)
6412.T
6412.T6889.HK
清水律子 浦中大我 取材協力:安藤律子 編集:北松克朗
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/852.html#c1

[経世済民127] 65歳からでも「月5万円」を捻出するのは難しくない(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年7月27日 19:52:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1050]

>足りない月5万円を捻出するために、虎の子の貯金を取り崩すか、生活を切り詰めるか


そうではない

一般に、高齢世帯は、これまでの貯蓄行動や退職金などの結果、貯蓄は過剰になっている

その当然の結果として、家計資産の大部分は、高齢世帯が保有している。

しかし、一方で、死ぬまでの時間は限られてくる。

よって自分たちや子孫世帯での消費を増やすか、遺産として残すかしかない。


当然、年金や労働所得を超えた消費を行うことになり、それが年60万程度ということだ

(これは贈与税非課税の範囲でもある)



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/856.html#c1

[経世済民127] 65歳からでも「月5万円」を捻出するのは難しくない(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年7月27日 19:53:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1051]

#それに対して、問題なのは米国のように低所得世帯が、借金して消費を増やすケース


焦点:低所得層が支える米国経済の「パラドックス」
トップニュース2018年7月27日 / 14:49 / 2時間前更新
JONATHAN SPICER
5 分で読む

[フィラデルフィア 23日 ロイター] - 経済指標のほぼ全てが、米国経済の活況を示している。だが、雇用拡大と消費増大の勢いを伝えるニュースの裏側を探れば、この好調さが主として、低所得層による貯蓄取り崩しや、債務積み増しによって支えられていることが分かる。

ロイターが米国の家計データを分析したところ、有所得者の下位60%が、財務状態が悪化にもかかわらず、過去2年間の消費伸び率の大半を担っていることが判明した。数十年にわたり、主に上位40%が消費拡大を牽引していた従来のトレンドとは異なる現象だ。

借入コストとインフレ率が上昇する一方で、トランプ米大統領の減税措置による効果が薄れつつある。このような状況下で、ガソリン価格のさらなる上昇や、関税による商品急騰といったネガティブなショックが起きれば、こうした最も脆弱な層が、危険な状態に転落する恐れがあると一部のエコノミストは警鐘を鳴らす。

そうなれば、史上2番目の長さとなった米国の景気拡大を脅かす可能性がある。個人消費は米国内総生産(GDP)の7割を占めている。

確かに、住宅市場は、2007年の崩壊直前の時期に見られた危険なレバレッジ水準に比べればはるかに安全な状態にある。失業率も2000年以降で最低に近い水準で、求人件数も記録的高レベルだ。懐具合が厳しくなったとしても、人々は支出を切り詰めるよりも、より長時間働いたり、副業を増やしたりする方を選ぶかもしれない。

実際に「財務状態は悪くない」と考える米国民が多数派になりつつある。米連邦準備理事会(FRB)が5月に発表した2017年の調査に基く米世帯の経済的幸福に関する報告書はそう指摘する。

しかし、所得階層別に、家計と賃金のデータをロイターが分析すると、消費や経済全体に対する低所得世帯の貢献が高まっている一方で、低所得層において財務ストレスが高まっていることが判明した。

2017年半ばまでの5年間で、所得下位40%では平均支出が税引き前所得を超えるペースで増大しているのに対し、上位50%は緊急時に備えた資産を厚くしており、所得による格差が拡大している。

これが、今回の景気回復におけるパラドックスだ。

グラフィックス:低所得層が支える米国経済

過熱する雇用市場や健全な経済の兆候は、富裕層、貧困層のどちらにとっても、支出増加を促す効果がある。だが、米国の多くの低・中間所得層にとって賃金上昇が中途半端なため、支出増には貯蓄の切り崩しか、借金を増やす必要が生じている。

結果として、ここ1年、低所得層で財務の脆弱性を示す兆候が増加しており、クレジットカードや自動車ローンの債務延滞件数も上昇。そして、貯蓄は2005年以降で最低水準にまで落ち込んでいる。

フィラデルフィアにあるドレクセル大学の消化器科に務める27歳の公認医療助手、マイナ・ホイットニーさんは、こうした苦渋を直接味わった。

3年前、安定したフルタイムの仕事があるから経済的な保証は十分だと確信した彼女は、ローンを組んでホンダ「オデッセイ」と11万9000ドル(約1320万円)の住宅を購入。今もこの住宅に、母親や叔母と暮らしている。

その後、時給16ドル47セント(4割の米労働者が稼ぐ時給より多い)だけでは十分でないことを悟ったという。

「返済するためだけに、毎月貯金を下ろす羽目になった」と語るホイットニーさん。1万ドルあった貯蓄は今や900ドルにまで減り、トイレットペーパーや電気代まで節約するようになった。

ケーブルテレビと、グルーポンの5ドルクーポンで時折映画を見に出かけることが、せめてもの道楽だと彼女は言う。外食をするかと質問すると、一笑に付した。「チケットを買うとか、車のどこかが故障するなんてとんでもない。そうなったら、取り戻すのがさらに大変になる」

<貯金を食いつぶす>

中間所得層の財務圧迫は、それさえなければ明るい米国経済の展望に影を落としている、とソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、スティーブン・ギャラガー氏は指摘する。

「彼らは返済できない債務に頼っている。貯蓄減少と債務不履行の増大は、(全体の)消費を支えきれていないことを意味する」とギャラガー氏は語る。石油や貿易でショックが起きれば、「かなり劇的な消費後退が生じかねない」

今年1月成立した1.5兆ドル規模の減税措置がなければ、過去数年間にわたり年3%前後で拡大してきた消費支出は、すでに頭打ちになっていた可能性があると、一部のエコノミストは警戒する。

オックスフォード・エコノミクスによれば、これまで消費支出成長の大半を牽引してきたのは、有所得者の上位40%における所得増大だった。だが2016年以降、消費支出は主として、有所得者の下位60%を中心とする貯蓄の取り崩しを追い風にしているという。

これは一つには、景気循環の後半になると、低所得層の借り手にとっても融資を利用しやすくなる状況を反映している。

とはいえ、消費の伸びに対して2年連続で低所得層による貢献の方が大きくなるのは、過去20年間で初めての現象だ。

「一般的に、人々が支出を切り詰め、ある種のライフスタイルを放棄することは非常に困難だ。特に経済が実際に上向きのときには、なおさらだ」とオックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は語る。

「実際こうした弱い『体幹』のせいで、経済の『腰』に少し負担がかかりやすくなり、いずれ痛めてしまう可能性がある」

<賃金上昇なき労働市場>

今年から来年にかけ、米雇用市場はますます活況を呈するとFRBは期待しているが、政策担当者は、賃金がそうした労働需給を反映していないことに困惑している。

労働統計局のデータによれば、医療、ファーストフード、建設などの巨大産業を含む米民間セクターの労働者8割を対象とする5月の平均時給は、前年に比べ1セント低下した。

ウェストバージニア州のハットンズビル矯正センターで医学研究所の運営に携わるジェニファー・デローダーさん(44)は、「ひどいものだ」と嘆く。彼女の時給はこの7年間で約2ドル上がって14ドルになった。

デローダーさんは、家賃や光熱費、教育ローンの支払いを支えるために、パートタイムの仕事を2つ掛け持ちしている。

それでも、収支を合わせるために週15ドルと決めている食品購入費を削ることもあり、くず鉄として売るために壊れた扇風機や車の部品、ランタンを集めることもある。今年に入って医療費が2000ドルかかったことで、貯蓄は底をついてしまった。

それにもかかわらず、すでに孫もいるデローダーさんは、最近、最高15万ドルの住宅ローンにサインした。「今は家賃を払っている。自分自身の家のためにお金を払う方がましだ」

昨年3月までの1年間で、低中所得層の時給上昇率は、わずか2%にとどまった。これは、最高所得層と最低所得層における約4%を下回る。一方で、彼らの支出は約8%も跳ね上がっている。

SLIDESHOW (4 IMAGES)
これは、家賃や処方薬、大学授業料など必要不可欠なコストが上昇しているだけでなく、外食費用など一部の裁量支出も増加していることを反映している。

財務状態の悪化を示す1つの兆候として、米国におけるクレジットカード債務不履行の深刻な増大が挙げられる。貧困世帯の多くは、一時しのぎの手段としてクレジットカードを利用している。

約8150億ドル規模のクレジットカード市場は、株式市場を混乱させるほどの大きさではないが、FRBが金融引き締め政策を続ける中で、こうした圧迫症状が波及する初期兆候であるかもしれない。

また、今年の第1・四半期に住宅ローンを除く家計債務のレバレッジが過去最高に達している。その背景には、自動車ローンも寄与しているが、この分野においても返済が滞る借り手が増えている。

経済的幸福に関するFRBの調査では、全般的に明るい状況が描かれる一方で、成人の4人に1人が、400ドルの緊急出費が必要になった場合でも支出できない可能性を懸念しており、また5人に1人が毎月の請求書の支払いに苦心していることを示している。

FRBが今月提出した半期議会報告書では、高リスク債務者による債務不履行の増大は「ストレスのポケット」を示していると指摘。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は先月、多くの米国民に経済的なセーフティネットが欠けている点は、依然懸念の種だとロイターに語った。「全体的な状況が大変よく堅調だとしても、この問題は引き続き経済の半分を脅かしている」

(翻訳:エァクレーレン)


低所得層が支える米国経済
好調な米国経済は、主に低所得層による貯蓄の取り崩しや債務の積み増しによって支えられている。
Ashlyn Still | Jonathan Spicer 2018年7月23日作成
税引前所得に基づいて米国人を5つのグループに分類
支出は所得に応じて増える傾向がある。ただし結果的に家計が黒字になるか、赤字になるかは、どの所得層に位置するかで変わる。
学生や社会福祉の受給者などに加え、多くの労働者が含まれる低所得者層では支出が常に収入を上回っている。
このトレンドは目新しくない。過去5年にわたって低所得者層の家計が抱える赤字が膨らんでいる。
中間所得者層ではかろうじて支出に見合った収入を得ているものの、その差は消滅しつつある。逆に、所得上位40%では一般的に、家計におけるバッファーの厚みが増している。



ひっ迫する家計は、米国経済全体にも影響を与え始めた
トランプ米大統領が打ち出した1.5兆ドルの減税や財政支出の効果が薄れれば、低貯蓄や家計債務は景気の下降局面を招く可能性がある。
貯蓄のクッション効果が低下米個人貯蓄率は過去2年間で低下傾向にあり、金融危機前のピーク時に比べて大幅に下がっている。2012年3月7.0%
家計債務が上昇クレジットカードの支払い延滞率が過去1年で急増。2018年3月4.72%
支出疲れ1年先の家計支出伸び率予想は、過去5年で低下傾向。2013年6月4.97%

消費の主役交代
これまで米国消費の成長を支えてきたのは、所得上位40%のグループだったが、2016─2017年は、過去20年間で初めて2年連続で所得下位60%が消費をリードした。この傾向は2018年に入っても継続している。


注)2018年データは第1・4半期予想
________________________________________
賃金上昇なき労働市場の改善
米国の労働市場は力強さを保っている。雇用主は常に人手不足を嘆き、記録的な求人数は実際の採用を上回っている。一方で、政策当局やエコノミストは、好調な労働環境が賃金に反映されていないことに当惑している。
失業急減に釣り合った賃金上昇は実現されず

民間セクターにおける時給平均の推移
出典:NY連銀、米商務省経済分析局、オックスフォード・エコノミクス、労働省労働統計局、ロイター分析
アニメーション画像:Han Huang
翻訳:下郡美紀、編集:山口香子、日本語版制作:照井裕子



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/856.html#c2

[国際23] 貿易戦争の米中がWTOで衝突 経済モデルから中国の国家体制まで激論(ロイター) 赤かぶ
3. 2018年7月27日 20:04:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1052]

>中国の産業政策は「ガイダンス」との位置付けで、国有企業はそれぞれ損益に責任を負う自立した市場主体と説明。一部産業の生産能力過剰要因は国家でなく、金融危機後の世界需要縮小に伴うもの

明らかに、国家主導の過剰投資だろう

その結果、民間部門のリスクは拡大している


 

中国に金融不安はありうるか 政府主導で当面回避。しかし、中長期的なリスクは蓄積
大槻 奈那 プロフィール

●中国の民間債務総額は、GDPより先に、2021年頃までに世界第一になる可能性。過去5年間の債務の伸び率は、景気行き過ぎの反動で苦境に立たされているアルゼンチン、トルコに次ぐ第三位。
●一方、6月の貸出伸び率は、過去最低を記録。社債デフォルトも過去最高へ。企業収益の減速が背景にある。更に不良債権の定義厳格化で、地銀等の経営を圧迫し、企業貸出を縮小させそうだ。
●今後貿易摩擦が悪化すれば企業収益に下方圧力がかかることは間違いない。しかし、中国政府は、いち早く様々な金融緩和の施策を打ち出していることから、危機に陥るリスクはごく低い。もっとも中長期的には金融システムのリスクの蓄積を招き、将来への不安を残すことになりそうだ。
中国の民間債務は引き続き上昇。債務残高世界一も近い
引き続き、中国の民間債務がGDP比で高くなっていることが懸念されている(図表1)。昨日公表された内閣府の「世界経済の潮流」でも、カナダと中国の債務の大きさが指摘されている。

このまま債務が増加していけば、現在世界第二位となっている中国の債務総額は、2021年頃までに米国を抜いて世界一となるだろう(図表2)。中国はGDPで世界一となるよりかなり前に、債務で世界一となってしまう。
特にこの5年間の中国の債務の伸び率は著しい。中国は、行き過ぎた景気が反転し、為替が急落しているアルゼンチン、トルコに次いで世界第三位となっている (図表3)。

こうした債務の膨張を背景に、中国の不動産市場は異常な活況を呈している。中国建設銀行の田国立・会長は6月の金融フォーラムで、中国の不動産の総資産規模は400兆元(約6,652兆円)以上と「天文的な数字」にまで膨れ上がったとコメントしている(因みに国土交通省によれば、日本全体の不動産総額は約2,600兆円)。
銀行融資は曲がり角に
ところが、今月13日に発表された中国の民間融資残高(企業・個人向けの合計)は185.8兆元、前年同期比9.89%増と、統計開始以来初めて10%を切った(図表4)。融資鈍化の背景には、企業収益の伸び悩みや、借入過多を懸念する政府の指導があったとみられる。実際、企業の利益の増加率と借入総額を比較すると、2010年頃までは概ね平仄があっていたのに、この数年は、融資増加のペースが利益を上回り、企業が身の丈以上に借入を増やしてきたようにみえる(図表5)。

懸念材料の一つに、中国企業の社債のデフォルト(債務不履行)の急増がある。6月末までの社債デフォルトは8件と、既に2017年通期のデフォルト数(10件)に近づいている。これまではあまりみられなかったITや電気通信分野などのニューエコノミー銘柄のデフォルトが増加し、全体の62%を占めるまでになった点は特筆すべきだろう(データはForbes)。オールドエコノミーの債務整理に留まらず、ニューエコノミーにも景気減速の波が訪れている可能性がある。
さらに米中貿易摩擦の行方次第では、中国の企業収益が一層落ち込み、社債デフォルトの増加に拍車がかかる可能性がある。
基準変更で不良債権比率は急上昇へ:地銀に経営リスク
加えて、中国では、不良債権の定義が厳格化されつつある。今年の6月までに、監督当局が検査を終え、新しい基準での処理を促した模様である。これまでは、不良債権とみなすべき「90日以上延滞債権」について、例えば、貸出期限を延長するなどして不良化を回避していた。今後はこうした措置は認められない。
こうした基準厳格化の結果、不良債権は全体で14%程度増加するとの試算がある。これによって、この数年1.75%程度に留まってきた不良債権比率は(図表6)2%程度に上昇する。これ自体は全く不安になる水準ではないが、増加が地方銀行に偏っているため、地方経済への影響は懸念材料である。

一部の地方銀行では、4%程度だった不良債権比率が、新基準導入でその5倍の20%程度まで増加するとみられている。これに応じた引当金の積み増しで巨額の損失が生じ、自己資本が激減し、中には債務超過に陥る地銀も出かねない。
なお、中国の中小銀行は、日本とは異なり、預金による調達の割合が低い(中小銀行の負債に占める預金の比率は57%。大手行は80%)。残りはインターバンクなど不安定な市場調達に頼っている点にも注意すべきだろう。
また、先週、シャドーバンキングに対する新たな規制強化策も中国当局から発表された。銀行は、理財商品について流動性管理やストレステストを行わなければならない。このような規制も、企業の借入の自由度を低下させるだろう。
政府主導で景気減速は回避。しかし金融システムの問題は先送り
このような金融市場へのストレスが、中国の景気減速を加速し、金融危機へとつながる可能性はあるだろうか。
これが他国であれば、その可能性は十分考える必要がある。しかし中国では、他の主要国に比べて財政・金融政策が極めて柔軟である。中央銀行の非公式の"窓口指導"も残っている。
具体的には、まず、中国当局は、今月から預金準備率を16.0%から15.5%に0.5%引き下げた。これによって11兆円程度貸出が増加するとみられている。また、6月末には、中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)が、中小企業の貸出金利を大幅に引き下げるよう、銀行に対して」通達を出したと報じられている。
23日には人民銀が大手銀行向けに、過去最大の5020億元(約8兆2千億円)を供給した。人民銀はこの資金を利用して「ダブルAプラス」以下の格付けの社債を購入するように市中銀行を指導する模様だ。
さらに25日には、中国人民銀行(中央銀行)が一部の金融機関に対し、各銀行の「構造的パラメーター」を0.5ポイント前後引き下げ、必要な資本バッファーを低下させると通知したとみられる(ブルームバーグ)。
こうした"あの手この手"の融資推進策がある限り、中国で企業が資金の過度なひっ迫に悩まされる可能性は低く、まして、金融危機が発生するシナリオは考えにくいだろう。
但し、景気が鈍化する中で銀行に貸出の拡大を促すことは、銀行のバランスシートを徐々に劣化させる。こうした政府の金融緩和策は、貿易摩擦による景気減速のショックを和らげる効果はあったとしても、将来的な金融システムのリスクを深刻化させかねないだろう。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/555.html#c3

[経世済民127] 市場が警戒…日銀会合でアベノミクスの化けの皮が剥がれる(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
1. 2018年7月27日 21:40:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1053]

#いろいろな予測があるが、非常に高い確率で言えることは、ゲンダイの予想は外れるということ

 
日銀が何をしようと来週の日本国債市場の波乱は必至
masaki kondo
2018年7月27日 14:20 JST

A businessman is reflected on an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan.
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  日本銀行が30、31日の政策決定会合で金融政策を微調整するかもしれないという考えが投資家の間に広がったために、日本国債市場が荒れ模様となり、10年物国債先物のインプライドボラティリティー(IV、予想変動率)が2016年12月以来の高水準に達した。みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは、一段の下落に備えて国内投資家がプットオプションを買っているのだろうと指摘した。「日銀が何を決めようと、来週の市場の波乱は不可避だ」と述べた。
原題:Japanese Bonds in Turbulence Before BOJ Policy Decision: Chart(抜粋)
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債券下落、日銀政策の微調整観測−午後に指し値オペで下げ幅縮小
野沢茂樹
2018年7月27日 16:10 JST
• 先物は4銭安の150円57銭、長期金利は一時0.105%と1年ぶり高水準
• 日銀は今のところ、0.10%死守か−岡三証
債券相場は下落。日本銀行が30、31日の金融政策決定会合で緩和策を微調整するとの観測を背景に売りが先行した。午前は日銀の指し値オペ見送りを受けて下げ幅を広げたが、午後には同オペの通知を受けて相場は下げ幅を縮めた。
  27日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比8銭安の150円53銭で取引を開始し、午前の日銀金融調節後に150円45銭まで下げ幅を拡大。午後は指し値オペの通知を受けて150円64銭と上昇に転じる場面があり、結局は4銭安の150円57銭で引けた。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは午後の指し値オペについて、「金融市場局が今の段階で判断を変えられるわけではないので0.10%を死守するということ。決定会合後はどうなるか分からない」と指摘。決定会合では長期金利の上昇はまだ容認せず、すぐには動かない日銀の姿勢が確認できれば市場も落ち着きを取り戻すだろうと述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは午前に一時、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2ベーシスポイント(bp)高い0.105%と昨年7月以来の水準に上昇。午後にはオペ通知を受けて0.09%まで上昇幅を縮める場面があった。
  日銀は午後2時の金融調節で、固定利回り方式で国債を買い入れる「指し値オペ」の実施を通知した。対象年限は残存期間5年超10年以下、金利水準は新発10年国債利回りで0.10%と、これまで実施された4回のオペの0.11%より低い水準。落札額は940億円だった。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、日銀が指し値オペの水準を初めて0.10%に引き下げたことについて、微調整はあくまで金融緩和策の持続性を高めるための柔軟化が目的だと指摘。「柔軟化は必ずしも金利水準を引き上げるだけではなく、水準は固定的ではないという日銀の意思表示ではないか」とみている。
国債買い入れオペ
  日銀はこの日の午前10時10分、残存期間1年超3年以下と3年超5年以下、5年超10年以下の長期国債買い入れを実施。オファー額はそれぞれ2500億円と3000億円、4100億円で、いずれも前回と同じだった。
日銀の国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。
新発国債利回り(午後4時時点)
前日比
2年債 -0.115% +0.5bp
5年債 -0.095% +0.5bp
10年債 0.095% +1.0bp
20年債 0.580% 横ばい
30年債 0.805% +0.5bp
40年債 0.945% +0.5bp

 
日銀の微調整、既に進行中か−世界の債券市場に影響波及も
masaki kondo、程近文
2018年7月27日 10:58 JST
• 30年債利回りが1%に上昇なら日本国債購入と保険会社
• 日銀は超長期債の購入を減らす一方、海外のヘッジコストは上昇
日本銀行が30、31両日の政策決定会合で金融政策の微調整に動くかどうか観測が広がる中で、世界の債券市場にとって最も重要な変化は既に進行中なのかもしれない。
  日銀が10年債利回りをゼロ%程度とするとした操作目標について、調整するかどうかを巡って市場の見方は分かれるが、日銀による期間が長めの債券購入の着実な減少や海外のヘッジコスト上昇は、日本のファンド勢が一段と多くの資金の還流を既に検討していることを意味する。
  保有額が年80兆円程度増えるペースで国債を買い入れる日銀の方針に対し、実際のペースは年44兆1000億円増に減速。4−6月(第2四半期)の場合、購入規模縮小は、保険会社にとって最も魅力的ないわゆる超長期債に集中した。日本の投資家が2兆4000億ドル(約267兆円)相当の海外債券を保有していることを踏まえると、世界第2の債券市場で次に起こることは世界的に波紋を広げる可能性がある。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジストは、日銀は今後、超長期債ゾーンを中心とする長期国債買い入れオペのより思い切った増減額を一段と機動的に実施することで、 流動性の回復とボラティリティー(変動性)の蘇生を図ろうとするのではないかとコメント。「20年、30年金利が1%に近づいてくれば、外債に一時避難していたお金が円債の方に還流してくるのではないか」と語った。
  日銀のデータによれば、25年超の購入は4−6月に前期比7.6%減となった。これに対し、期間が短めの債券購入は小幅増加した。
  かんぽ生命保険と日本生命保険は4月、30年債利回りが1%を上回る水準に上昇すれば、日本国債の購入拡大を検討するだろうと表明。26日時点の利回りは0.805%と、1週間前の0.685%から上昇した。
Cutting Purchases
BOJ cuts super-long bond purchases, boosts buying of shorter maturities

Sources: Bloomberg, Bank of Japan

Where Is the Money?
U.S., France top list of Japan's overseas bond holdings as of end-2017

Sources: Bloomberg, Bank of Japan

Europe Prevails
European bonds offer highest yields to Japan investors on FX-hedged basis

Source: Bloomberg
原題:BOJ Policy Tweak That Matters for Global Bonds Already Underway(抜粋)


 

 
来週の日銀決定会合、「セル・ザ・ファクト」で円売りの機会か
酒井大輔
2018年7月27日 7:31 JST

Photographer: Tomohiro Ohsumi / Bloomberg

  日本銀行が来週の金融政策決定会合で金融政策に柔軟性を持たせることを検討するとの報道が先週末から相次ぎ、円高が進行している。オプション市場ではドル・円の1カ月物リスクリバーサルが23日に6月27日以来の水準まで低下し、月内で最も円高バイアスが強まった。野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは「柔軟化がいずれ正常化につながるという思惑や、円金利が上がるから円が上がるという面がある」とこの間の動きを説明する。
  ただ、リスクリバーサルは3月中旬以降、円高バイアスが強まってもマイナス1.3を大きく下回る水準には至っていない。高松氏は31日の日銀会合では「柔軟性といった尚書きはあっても緩和政策を維持する姿勢は強調されるのでは」とし、「円は『セル・ザ・ファクト』になるのではないか」とみる。オーストラリア・ニュージーランド銀行マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長も「日銀決定会合が無風に終わり、緩和姿勢そのものが不変であることが確認されれば、ドル・円は113円台を意識した相場に戻っていくのではないか」との見方を示す。


 

 

日銀が指し値オペ、受け止め方はさまざまー市場関係者の見方
崎浜秀磨
2018年7月27日 15:49 JST

日本銀行は27日、国債を指定した利回りで金額に制限を設けずに買い入れる指し値オペを実施した。30、31日に開催される金融政策決定会合を巡って浮上した緩和策の修正観測で、長期金利が今週に入り大幅上昇したことを受けたものだ。初の月2回実施や固定利回りの引き下げなど異例づくめの日銀の対応について、市場関係者の見方を聞いた。

【債券市場関係者】

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト:

金融市場局が今の段階で判断を変えられるわけではないので、今のところは長期金利の0.10%を守るということだ
新発10年債の指し値を前回0.11%から0.10%に下げ、これで本当に日銀に売る人がいるかどうかが問題。日銀は売れると思ってないから下げた可能性も
来週の日銀会合後はどうなるか分からないが、今の段階では何も変わってない。裏に政策的な意味合いの圧力が絶対ないとは言い切れないが、基本的にオペで姿勢を示すことはない

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミスト:

微調整はあくまで金融緩和策の持続性を高めるための柔軟化が目的だ。金利操作の水準は今のままで、柔軟化は必ずしも金利水準を引き上げるだけではなく、水準は固定的ではないという日銀の意思表示ではないか
日銀としては副作用対策として柔軟化を打ち出して金利がどんどん上がっては困る。実際、指し値オペが従来と同じ0.11%なら「次は0.12%」といった思惑も浮上していた

SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト:

過去4回の指し値オペ水準の0.11%を0.12%や0.13%ではなく0.10%にしたということは、日銀が金利を上げようとしているとか、上昇を容認する方向にバイアスがかかっている市場の見方を修正したかったのではないか
金利を高めに誘導したいというニュアンスは出したくないはず。あくまで上昇方向だけではなく、下方向も含めて金利の変動幅を大きくしようという意味を出したかったと思われる
そうしないと物価見通しとの整合性が取れない、コミットメントは弱めたくないはず

野村証券の中島武信クオンツ・ストラテジスト:

これまでの10年0.11%を下回る水準で指し値オペが実施されたことは、長期金利のレンジを狭めるようにみえるが、来週の日銀会合後には0.11%より高い水準で指し値オペが実施され、レンジ拡大につながる可能性が高い
今日午後2時に10年0.1%で指し値オペ通知、0.11%よりも高い水準だと利上げと取られかねないため、いったん0.11%より低い水準で実施したのだろう
31日の決定会合では、長期金利の変動幅を広げる調整がなされるとみられていたが、文章としては何も出てこない可能性も
黒田総裁が会合後の記者会見で、0.1%での指し値オペの意図を尋ねられた際に、もともと0.11%で固定されておらず、日銀のスタンスは変わっていないという返答であれば、市場は変動幅の拡大許容と解釈するだろう


【為替市場関係者】

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジスト:

黒田総裁の売りは期待に働きかけることだが、そのやり方がこれほど不透明だと正式なチャネルで期待をコントロールするのが逆に無理になってくる
今回の指し値オペは時間帯もそうだがレベルも意外感がある。一部で根強い指し値オペのレベルアップの思惑をけん制しているのかもしれないが、そうだったら何がやりたいのか
日銀が軽減したい副作用が金融・株式市場の機能阻害と金融機関の経営圧迫だとすると、資産購入の減額と金利上昇の容認のどちらかしかなく、長期金利の上昇容認期待を生むのは当然だが、そうした市場との対話を始めておきながらこの指し値オペはもう何だかわからないという感じ
ドル・円は指し値オペがこんなところで入ったのでびっくりして円安に振れているが、そうはいっても31日の会合結果をみないとわからない。今週はもう嵐の前の静けさではないか


大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリスト:

今の段階で日銀が政策変更したわけではなく、金利が0.1%を超えないようにとの意図。固定利回り0.11%ではなく0.10%に下げたことに深い意味があるのか分からない
来週の日銀会合までは政策変更を決めている訳ではないので、今まで通りの金利上昇を止める政策。日銀会合後に変わる可能性はあると思う
指し値オペを受けて円安方向に効いている。ただ長期金利が大きく下がる訳でもなく、大きく円安方向には進みにくい


 

来週の日本株】こう着、日銀会合と国内決算にらみ−為替が焦点
長谷川敏郎
2018年7月27日 15:17 JST
日銀会合は変更なし公算、ETF買い入れ対象見直しも織り込み済み
四半期決算は業績堅調を確認も、上方修正限定で上値を追いづらい
8月1週(7月30ー8月3日)の日本株相場は、日本銀行の金融政策決定会合の結果と発表が本格化した国内企業決算の内容を確認したいとのムードが広がり、方向性が出にくい。堅調な海外景気が支えになる半面、為替の円高懸念はくすぶりそう。


日銀Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  最大の注目は30、31日に開催される日銀会合。市場では政策変更の可能性は低く、声明文で9月以降の長期金利誘導目標の見直し検討が盛り込まれたり、上場投資信託(ETF)で日経平均型の買い入れを減らしTOPIX型を増やすとの予想が出ている。株式市場はこうした可能性を織り込んできたため、直接的な影響は限定的とみられる。ただ、米国との通商協議も控える中、為替市場で円が強含むなら上値が抑えられる可能性が残る。

  国内では4−6月期決算発表の前半ピークを迎える。31日はソニー、任天堂、1日はエーザイ、2日は三菱UFJフィナンシャル・グループ、3日はトヨタ自動車などが予定。大和証券によると、26日時点で金融を除く東証1部企業の19%が発表を終え、経常利益は前年同期比12%増、時価総額上位銘柄では市場予想を10%以上超過した銘柄が4割という。良好な決算は相場の支援要因であるが、第1四半期とあって通期計画の上方修正は限られる上、株式相場は業績期待で7月上旬から戻り歩調にあるため、ここからの相場押し上げ効果は大きくなさそうだ。

  米国では31、1日に連邦公開市場委員会(FOMC)、1日に7月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、3日に雇用統計が予定されている。市場予想はISM製造業が59.2(前回60.2)、雇用統計での非農業部門雇用者数は19万人増(同21万3000人増)で、平均時給は前年比2.7%増(同2.7%増)といずれも高水準維持が見込まれている。中国では31日に7月の製造業購買担当者指数(PMI)が公表される。第4週の日経平均株価は前週末比0.1%高の2万2712円75銭と、3週連続で上昇。


≪市場関係者の見方≫
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之シニアストラテジスト
  「底堅い展開を見込む。最大の注目点は企業決算。為替が企業想定より円安方向にあることから第1四半期は悪くはないだろう。通期計画に対する進ちょく率が高ければ安心感が出る。ただ、貿易問題から企業は強気のコメントを出しにくい上、まだ上方修正も少ないとみられ、力強く買うことにはならない。通商問題の状況次第で相場全体が下に振れる可能性が残り、レンジ相場を超えるのは難しい。日銀会合は金融緩和の副作用を考慮しなければならないなどのコメントが出そうだが、仮に長期金利の誘導目標を10ベーシス引き上げたとしても緩和の大枠は続くため、反応があっても一時的だろう」

JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「堅調となりそうだ。為替のドル高・円安で日本企業の4−6月期決算は増益や高進捗(しんちょく)が見込まれ、中長期の投資資金流入が日本株を押し上げる。米国ではISM製造業景況指数や雇用統計で景気好調が確認されそう。企業の業績も良好で、S&P500種の19年増益率予想は6月末の9.9%から足元で10.2%に上昇、好材料だ。米国がEUに対し自動車輸入の制限を設けなかったため、日米の新通商協議(FFR)でも摩擦が回避される見通し。日本はエネルギーや防衛関連で輸入拡大の余地がある。一方、米景気の過熱には警戒が必要。雇用逼迫(ひっぱく)が賃金上昇などを通じてインフレ懸念を高める可能性があり、米長期金利が3%を超えると株高を抑制する」

富国生命保険の山田一郎・執行役員有価証券部長
  「企業決算が株価を下押す材料にはならないため、日銀会合を無事通過すれば、TOPIXが1800水準まで上昇する可能性がある。日銀会合では政策変更はなく、イールドカーブ・コントロールへの直接的な言及はないだろうが、金融機関に対する副作用の議論は出そう。米欧貿易戦争の懸念が後退し、為替市場は基本的にリスクオンの状態。日銀会合後に債券市場が落ち着けば、為替は円安に振れ、株高の公算が大きい。米国中心に景気は良好なため4−6月期決算はネガティブではないが、サプライズは出にくい」

 

 
日銀:指し値オペで金利抑制、初の月2回と固定金利0.10%に下げ(1)
三浦和美、山中英典
2018年7月27日 14:06 JST 更新日時 2018年7月27日 17:28 JST
• 金融市場調節方針をしっかり実現するよう実施ー金融市場局
• 金利を高めに誘導したニュアンスは出したくないはずーSBI証

Photographer: Akio Kon/Bloomberg
日本銀行は27日、指定した利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる「指し値オペ」を実施した。日銀が来週の金融政策決定会合で現行の金融政策を修正するとの観測を背景に、長期金利が1年ぶりの高水準に急速に達したことに対応した。オペの実施は23日に続くもので、月2回は初めて。指定利回りも引き下げており、異例づくしの金融調節となった。
  日銀が午後2時の金融調節で通知した指し値オペは、残存期間5年超10年以下の長期国債が対象。買い入れる固定金利の水準は新発10年国債利回りで0.10%と、これまで実施された4回のオペの0.11%から1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げられた。
  日銀の金融市場局はこの日の指し値オペについて、「このところの長期金利の動きを踏まえ、10年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針をしっかり実現するよう実施した」とコメントしている。

  債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時0.105%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を2bp上回り、2017年7月以来の高水準を付けた。前週末の金利水準との比較では7.5bpの上昇だ。この日は日銀が金利上昇を抑制する姿勢を示したことで、利回りは0.090%まで上昇幅を縮小する場面があったものの、再び0.10%に戻している。日銀は前日の相場で利回りが1年ぶり水準となる0.10%まで上昇する場面があったものの、指し値オペを実施しなかった。
  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「過去4回の指し値オペ水準の0.11%を0.12%や0.13%ではなく0.10%にしたということは、日銀が金利を上げようとしているとか、上昇を容認する方向にバイアスがかかっている市場の見方を修正したかったのではないか。金利を高めに誘導したいというニュアンスは出したくないはず」と話していた。
日銀の金融政策変更に関する記事はこちらをクリックしてください
(第3、5段落を追加して更新します。.)


 
7月東京消費者物価0.8%上昇、伸び率2カ月連続拡大
日高正裕
2018年7月27日 8:34 JST 更新日時 2018年7月27日 9:54 JST
• 生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.5%上昇
• 日本人の物価観を変えるハードルは高いとSMBC日興証券

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg
全国の物価の先行指標となる7月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は0.8%上昇となり、伸び率は2カ月連続で拡大した。生鮮食品を除く食料と特殊要因で上昇した家賃が全体を押し上げた。
キーポイント
• 東京都区部コアCPIは前年比0.8%上昇(予想は0.7%上昇)−前月は0.7%上昇
• 生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.5%上昇(予想は0.4%上昇)ー前月は0.4%上昇

背景
  総務省が20日発表した6月全国のコアCPIは前年比0.8%上昇と、エネルギー価格の押し上げによって4カ月ぶりに伸びが拡大したものの、コアコアCPIは0.2%上昇にとどまった。物価の低迷が続く中、日本銀行は30、31日の両日開く金融政策決定会合を控え、市場機能の低下や金融機関の収益に及ぼす悪影響など、超金融緩和の長期化で累積する副作用を軽減する方策を模索している。
  先週末には、現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で長期金利目標を柔軟化する案や、今会合では結論を出さず声明文に副作用に配慮した政策の検討を示す文言を盛り込む可能性などが報じられた。週明け23日には長期金利が2月以来の水準の0.09%に上昇し、日銀は指定した利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる指し値オペを5カ月半ぶりに実施した。
エコノミストの見方
• 東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「物価が崩れていくという感じでもないが、力強く上がっていくという勢いもない」との見方を示した。日銀が緩和策を継続した場合は効果を副作用が上回るとみているものの「サプライズで引き締め方向の変更をやるのは非常に困難」と指摘し、来週の金融政策決定会合では「細かいテクニカルな調整にとどまる」と分析した。
• SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは電話取材で「東京の物価は上がったが特殊要因の影響であり、低水準が続いている全国のコアコアはすぐには改善しないだろう」と予想した。需給ギャップは改善しているものの「日本人の物価観を変えるハードルは高い」と説明した。
詳細
• 生鮮食品を除く食料は前年比0.8%上昇(前月は0.6%上昇)、家賃は0.3%上昇(前月は横ばい)
o 総務省の担当者によると、家賃の上昇は老朽化した対象物件1棟が賃貸募集を停止し、調査対象から外れた影響が出た
o 生鮮食品を除く食料の上昇は、ポテトチップスの増量サービスが終了した影響が大きい。ヨーグルト、肉類、弁当も値上がり
• 7月の全国消費者物価指数は8月24日に発表
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)

 


ドルはピーク、強気のコンセンサス「間違い」−モルガン・スタンレー
Lananh Nguyen
2018年7月27日 10:45 JST
• 8月にも持続的圧力に見舞われると予想している
• トランプ米大統領の為替に関する発言や中国の動きなどが理由

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
ドルはピークから下落に転じると、モルガン・スタンレーのストラテジストは予想。ドルはピークに達しつつあり、来月にも持続的圧力に見舞われるとみている。
  トランプ米大統領の為替に関するコメントや米経済指標の鈍化、中国の経済措置、日本銀行の政策調整など、ドル売りをもたらす要因が十分にあるという。
  ハンス・レデカー氏ら同行のストラテジストは26日のリポートで、「ドルはピークを付け、近く長期的な下降トレンドに再突入するはずだ」と予測。「市場はリスク回避の高まりとドル高を連動させている。そうしたコンセンサスは間違いだと考えている」と説明した。

  ブルームバーグのドル指数は7月に入り0.3%下落。前月まで3カ月連続で上昇していた。
  モルガン・スタンレーは対ドルでのユーロのロングを勧めている。エントリーポイントは1ユーロ=1.16ドルで、目標は1.21ドル。ストップロスの水準は1.15ドルとした。円については1ドル=111円40銭で売るよう助言。目標は104円。
原題:Morgan Stanley Calls Dollar Peak Amid ‘Wrong’ Bullish Consensus(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/858.html#c1

[経世済民127] 最低賃金 首都圏は1千円目前? 中小企業は悲鳴  赤かぶ
1. 2018年7月27日 21:53:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1054]

現状では、失業率が大幅に上昇する可能性はほとんどないので

マクロには問題はない


ただし最賃上昇の結果として、企業収益が低下し

人減らしや賃下げ、最悪、倒産となる企業は必ず存在する


そして解雇される労働者も確実に存在する


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/857.html#c1

[経世済民127] 日本式老後生活、「定年後も働く」は悲しい人生?(人民網日本語版) 無段活用
1. 2018年7月27日 22:26:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1055]

>日本式老後生活、「定年後も働く」は悲しい人生?

人それぞれだな


定年後かどうかにかかわらず

自分の仕事に自分自身が意義を見出せないが

金のためには働かざるえないと考えて働いている人にとっては、

ストレスフルな(=悲しい)人生だろう


特に低賃金で苛酷な労働で、しかも人々にバカにされたり

パワハラやセクハラを受け易い3K仕事にしか就けない場合

かなり大変だろう

一方で、日野原医師や、葉っぱビジネスで高収入を得たり

仕事での人間関係で幸福度が上昇する高齢者は

死ぬまで働けることが幸せだろうし

フランクルのように、アウシュビッツのような苛酷な状況でも、

生きる意味を作り出せる人にとっても同じだろう


 


>若くて力がある間に一生懸命働き、退職してから最後まで人並みの生活ができるよう蓄えを作っておくべき

本人が、そうしたいなら別に本人の自由だろうし

あまりに貧困生活を送っていると、周囲の人々にストレスを与えて気の毒だから

多少は貯蓄しておいた方が、良いかもしれないが

こういう人並みへの同調圧力に縛られると、余計なストレスを生み出す

実際、人並みの生活など送る必要などない

自分が自分の生き方(死に方)に納得できるのであれば、それで問題などない

先進国の富裕老人より客観的に見て圧倒的に貧困で、日々の食事に困ることがあっても

特に苦にすることもなく

心理的には安定している人間も世界には多い

聖書にもあるように、金持ちが天国に入るのは、らくだが針の穴を通るより難しい

つまり、揺らぐことのない安心を望むなら、世俗の欲望への執着を断ち切るのが一番、確実かつ簡便な手段でもある

もちろん超富裕層や世界征服を目指すのも自由だし

煩悩まみれで苦悩する人生も別に悪いわけではない


>平均的で安定した所得のあるサラリーマン、さらにはホワイトカラーでさえも定年後に下流の生活を強いられ、困窮する恐れ
>高齢者に敬意を示す伝統的な観念、ひいては命を尊重する価値観さえもが崩れ去ってしまう可能性


あまり関係ないだろう

他者への尊重は、人的ネットワーク(いわゆる絆)が成立しているかどうかに依存する

現実に生活が苦しいか、貧しいかどうかより、

社会への不満、疎外感、孤立感、差別意識を人々が抱いているかどうかで決まる


洗脳が行き届いていた戦時中には自殺などなかったし

麻原は贅沢三昧でも自分たちは絶対服従で苛酷な貧困労働に従事して

文句も言わないオウムの連中などを見ても明らかなことだ


 

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/859.html#c1

[経世済民127] 日本式老後生活、「定年後も働く」は悲しい人生?(人民網日本語版) 無段活用
2. 2018年7月27日 22:42:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1056]

>文字通り長期間孤立無援の高齢者にとって、「定年後も働く」というのが孤独死を避けるための仕方ない選択

ここも不思議だが

いくら資産があろうが、事故や自殺や心筋梗塞などの突然死でもない限り、

人は皆、大体、病み衰え、多くの場合、苦しみながら死ぬし、その時は1人


つまり、病院にいようが、家族がいようが、皆、孤独死する


貧困や孤独死を恐れるのは、ばかげているのだ


それより、死んだときに、ちゃんと連絡が行くように

スマホのバイタル情報を、自治体や親族などに通知するようにしておけば十分だろう

自動化でき、ほとんど金はかからないから自治体サービスとして始めるのが良い


潔癖症者と不潔恐怖症が蔓延し、アレルギーや花粉症が激増している日本では、

腐敗した死体の放置など、とんでもないことだろうからな
(別に、それも本当は、大した問題ではないが)


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/859.html#c2

[経世済民127] 日本式老後生活、「定年後も働く」は悲しい人生?(人民網日本語版) 無段活用
4. 2018年7月27日 22:59:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1057]

もちろん、超富裕層に比べれば大したことはないだろう

あくまでも極貧生活のサマナたちと比べての話だ

https://matomake.com/I0007635
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/859.html#c4

[国際23] アパルトヘイト国家だということを法律で定めたイスラエルで漫画家が解雇された(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
3. 2018年7月27日 23:12:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1058]

「プーチンによる平和」が生まれる中東―米ロ首脳会談でロシアが提示した「イスラエルとの取り引き」とは
2018年07月25日(水)19時30分

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「プーチンによる平和」が生まれる中東―米ロ首脳会談でロシアが提示した「イスラエルとの取り引き」とは
ヘルシンキで共同記者会見に臨むプーチン、トランプ両大統領(2018年7月16日) Leonhard Foege-REUTERS


・米ロ首脳会談でプーチン大統領は、イスラエルとシリアの兵力引き離しに言及した

・これに沿って、シリア領内のイラン軍事施設への攻撃を目指していたイスラエルは動きを停止させた

・「プーチンの平和」は中東における欧米諸国の無力さを際立たせる
7月16日のヘルシンキでの米ロ首脳会談をはさんで、発言が二転三転するトランプ大統領と対照的に、プーチン大統領は着実に歩を進めているようだ。アメリカ大統領選挙への介入と比べて、西側メディアでとりあげられる頻度がはるかに少ないシリア情勢でも、それはうかがえる。

7月22日、イスラエル軍はシリア南部で人道活動に当たってきたNGOのシリア民間防衛隊、通称ホワイトヘルメットの800名をヨルダンに移動させると発表。イスラエル軍によると、ホワイトヘルメットの安全のためという。

WS000264.JPG

しかし、そこにはロシアとイスラエルの間の暗黙の取り引きを見出せる。イスラエルがシリアへの関与を控え始めたことは、中東に「プーチンによる平和」が生まれつつあることを象徴する。

ホワイトヘルメットとは
ホワイトヘルメットはシリアで医療、食糧支援など人道活動を行なってきたNGOだ。紛争地における民間人保護の活動が認められ、2016年には「第二のノーベル賞」とも呼ばれるライト・ライブリフッド賞を受賞している。

一方、これに対しては「中立性を欠く」という批判や疑問の声もある。

ホワイトヘルメットの創設者ジェームズ・ル・メズリエ氏はイギリス人だが、民間軍事企業の一員、つまり傭兵として、中東、アフリカの各地で活動した経歴をもつ。

実際、ホワイトヘルメットは欧米諸国の政府から資金援助を受けている。これら各国のほとんどはもともとアサド政権と対立しており、「シリア内戦の責任はアサド政権の独裁にある」と主張し、「アサド退陣」を求め続けてきた。

そのため、例えばアサド政権はホワイトヘルメットの活動を「プロパガンダ」、「テロリスト」と非難しており、ロシア・メディアのスプートニクは「カメラのあるところでだけ活動している」、「『シリア軍による化学兵器の使用』をでっちあげた」などと批判している。

なぜ退避か
イスラエルはアサド政権と対立してきたが、シリア内戦には「不干渉」の立場をとり、反体制派への支援などは行なってこなかった。今回の決定は、初めてともいえる「干渉」だ。

では、なぜイスラエル軍はホワイトヘルメットを退避させたのか。

イスラエルとホワイトヘルメットは「反アサド」で共通する。イスラエル軍は「アサド政権派がシリア南部に迫っていること」を退避の理由にしており、いわば「味方」を助けるために、あえてシリア内戦に「干渉」したとみえなくもない。

しかし、それだけなら、ホワイトヘルメットをイスラエルにとどめ置いてもよかったはずだ。

次のページ 欧米諸国の隙を突き


ホワイトヘルメットを受け入れたヨルダン政府は、イギリス、カナダ、ドイツの政府からの要請に沿って、これら各国に移す手続きに入っている。いかにこれら各国政府からの要請があったとはいえ、公式には「不干渉」でもイスラエルがその活動を黙認してきたことは周知の事実で、仮にホワイトヘルメットに利用価値を見出すなら、「人道的配慮」などと理由をつけてイスラエル国内で保護することも不可能ではなかったはずである。

2つのシナリオ
イスラエルが事実上、ホワイトヘルメットに「おひきとり願った」ことには、2つのシナリオがあり得る。

第一は、「いよいよイスラエルがシリアでの軍事活動に向かうので、ホワイトヘルメットを退避させた」というものだ。

イスラエルにとってアサド政権以上に目障りなのは、イランだ。イランは反イスラエル武装活動を続けるシーア派組織ヒズボラを支援し、シリア内戦でもアサド政権を軍事的に支援し続けてきた。

この背景のもと、イスラエルは5月、シリア領内にあるイランの軍事施設に向け、70発以上のミサイルで攻撃。イスラエルはこれを同日の「イランによるミサイル攻撃」への報復と主張したが、イランはこの最初の攻撃そのものを否定。イスラエルによる自作自演という見方を示した。

中東屈指の軍事力を誇るイスラエルとイランの緊張は、地域全体にとっての危機だ。これはちょうど、トランプ政権がエルサレムに在イスラエル・アメリカ大使館を開設し、イラン核合意(2015)を一方的に破棄したタイミングに重なる。イスラエルは同盟国アメリカの方針転換に乗じて、イランへの圧力を高めてきたのである。

頼りにならない頼みの綱
これらを踏まえると、今回の決定は、イスラエルがシリア領内のイランやヒズボラを攻撃するために、ホワイトヘルメットを安全な場所に移した、と映らなくもない。

ただし、このシナリオには大きな問題がある。

イスラエルがシリア領内でイランへの攻撃を本格化させれば、ロシアとの衝突を覚悟しなければならない。ロシアはイスラエルとも悪い関係ではないが、仮に両国が衝突すれば、間違いなくイラン側につく。

これに対して、イスラエルにとって頼みの綱のアメリカは、シリア対策に関して一貫性を欠いている。これまでにもトランプ大統領はシリアからの早期撤退を強調してきたが、国防省やアメリカ軍はこれに消極的だ。内部分裂が目立つアメリカをあてにしにくい状況で、イスラエルがギャンブルに臨む確率は低い。

プーチンとの「取り引き」
これに対して、第二のシナリオは「イスラエルがロシアとの間で、シリア南部をアサド政権が押さえ、その代わりゴラン高原におけるイスラエルの実効支配を安堵する、という暗黙の取り引きをした」というものだ。第一のシナリオに致命的な問題がある以上、こちらの方が確度が高いとみられる。

ゴラン高原はもともとシリア領だが、1967年の第三次中東戦争の後、イスラエルが実効支配している。

ロシアはアサド政権を支援し、反体制派が支配するシリア南部への攻勢を強めている。これはイスラエルにとって、シリア領内のイランを標的とする軍事活動のルート上にロシアが立ちはだかるものであるだけでなく、ゴラン高原にシリア軍が迫る状況をも意味する。そのため、イスラエルからみてロシア―アサド連合軍の南進が脅威に映っても不思議でない。

その一方で、米ロ首脳会談でプーチン氏は「1974年のイスラエル―シリアの兵力引き離し合意に沿って解決を図ること」に言及している。この合意は第四次中東戦争後に結ばれ、ゴラン高原を挟んで両軍を引き離す内容になっている。

この合意の尊重は、アサド政権とイスラエルの双方にとって現状維持を約束し、シリア周辺を内戦以前の状態に戻すことを意味する。つまり、ゴラン高原を除くシリア全土をアサド政権が支配する一方、ゴラン高原におけるイスラエルの実効支配を認めるものだ。

ただし、それは「シリア領内のイラン軍事施設にイスラエルがこれ以上攻撃するのを認めない」というロシアの意思表示でもある。その意味で、加速しかけていたイスラエルを踏みとどまらせるものでもある。

この観点から、ホワイトヘルメットの退去は、アメリカが頼りにならないなかでイスラエルが、ゴラン高原安堵のために、少なくとも当面シリア領内での軍事活動を諦めたことを意味する。言い換えれば、イスラエルがプーチン大統領との間で、暗黙のうちに取り引きしたといえる。

「プーチンによる平和」
こうしてみたとき、ロシアはISや反体制派の掃討によってシリア内戦の終結に決定的な役割を果たしているだけでなく、イスラエルとイランの直接衝突の危機をも押さえ込んだといえる。それは「プーチンによる平和」とも呼べる。

もちろん、その「平和」は民間人の死傷をともなう苛烈な空爆によって生まれ、人権侵害が疑われるアサド政権の存続や、イスラエルによるゴラン高原の実効支配といった不合理をはらんだものである。

とはいえ、「プーチンによる平和」が現実味を増していることも確かだ。トランプ政権は「エルサレム首都認定」などでかえって中東のトラブルメーカーになっており、「アサド打倒」を旗印とする欧米諸国や近隣のスンニ派諸国はシリア内戦の終結に有効な手立てを打てず、イスラエルの暴走を止められない。言い換えると、「プーチンによる平和」は中東における欧米諸国の無力さを際立たせるもので、それもあってロシアは欧米諸国で警戒されるといえるだろう。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。他に論文多数。

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プロフィール

六辻彰二
国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。他に論文多数。

 
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トランプ、プーチンとの再会談は来年ロシア疑惑の調査終了後に先送り
2018年7月26日(木)11時46分

 
7月25日、トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領との2回目の会談を、ロシアの米大統領選挙介入疑惑を巡る調査が終了した後の来年まで先送りする。会見する同米大統領。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領との2回目の会談を、ロシアの米大統領選挙介入疑惑を巡る調査が終了した後の来年まで先送りする。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が25日、明らかにした。

トランプ大統領は前週、プーチン大統領を今秋にワシントンに招く意向を示していた。ただ、今月16日にフィンランドのヘルシンキで行われた初めての米ロ首脳会談でトランプ大統領が、米大統領選介入疑惑を否定するプーチン氏の見解に同調するような発言をしたことに米与野党から批判が噴出しており、プーチン氏への訪米要請を受けて再び非難の声が上がっていた。

ボルトン補佐官は声明で「トランプ大統領は、プーチン大統領との次回の会談はロシアを巡る『魔女狩り』が終わった後に行うべきだと考えている」とし、次回会談は年明け以降になるとの見方を示した。

米情報機関はロシアによる大統領選への介入があったと結論付けており、モラー特別検察官は、トランプ陣営がロシアと共謀したかどうかについて捜査を進めている。

トランプ大統領はヘルシンキでの共同記者会見での自身の発言について、言い間違えがあったと弁解。その後、突如としてプーチン大統領に訪米を要請する意向を示した。

与党共和党のライアン下院議長とマコネル上院院内総務は24日、プーチン大統領が訪米要請を受け入れても、米議会の演説には招待しないと述べており、米議員らが抱いているロシアへの不信感が浮き彫りとなった。


[ワシントン 25日 ロイター]
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/557.html#c3

[国際23] ヘルシンキでのアメリカ-ロシア・サミット後、ワシントンはウクライナ軍事援助を承認(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
4. 2018年7月27日 23:33:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1059]
東京外為市場ニュース2018年7月27日 / 23:23 / 7分前更新
ロ大統領、トランプ氏をモスクワに招待 実現に「適切な状況必要」
1 分で読む

[ヨハネスブルク 27日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は27日、トランプ米大統領をモスクワに招待したことを明らかにした。ただ次回首脳会談を実現するには適切な状況が必要になるとの考えを示した。

プーチン大統領とトランプ大統領は今月16日にフィンランドのヘルシンキで会談。トランプ氏が会談後の共同記者会見でロシアによる米大統領選介入疑惑を否定するプーチン氏の見解に同調する発言を行ったことなどを受け、米与野党から批判が噴出していた。

南アフリカのヨハネスブルクで開かれている新興5カ国(BRICS)首脳会議に出席しているプーチン大統領は記者団に対し、「われわれの会談を巡り、トランプ氏が述べたことを非常によく理解している。トランプ氏は次回の会談を望んでいる」と述べた。

その上で「双方の国内で適切な状況が必要になる」としながらも、「トランプ大統領をモスクワに招待する用意がある。トランプ氏にはその旨を伝えた」と語った。ただトランプ氏がモスクワ招待についてどのように返答したかについては明らかにしなかった。

トランプ大統領がプーチン氏をワシントンに招待したことについては、「状況が適切になれば、ワシントンを訪問する用意はある」と述べた。

また、11月にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議などの国際会議の際にトランプ氏と会談の場を持つこともできるとの考えを示した。

プーチン大統領は「新戦略兵器削減条約(新START)は2021年に期限切れを迎える」と指摘。ヘルシンキでの会談で両国が大きく関与している多くの案件についてトランプ氏と協議したとし、ロシアと米国が協議を行えば世界はより安全な場所になるとの考えを示した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/546.html#c4

[政治・選挙・NHK248] みんなは「干されても」本当にいいのか?   赤かぶ
1. 2018年7月28日 00:34:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1060]

>「俺が出馬したとして、みんなは干されても本当にいいのか」―。主戦論を唱える派閥の若手を岸田文雄はこう言って諭した
> 2015年の総裁選時も、同様の「安倍1強」による“恐怖支配”が自民党内を覆い、対抗馬が次々脱落、安倍首相が無投票再選

恐怖政治というより、単に既得権を失いたくないというだけであって、

生産性以上の賃金を得ている中高年の正社員サラリーマンから、

関税や補助金で守られた農民や企業などなど

多くの日本人に普通に見られること


つまり根本的な責任は、厳しい改革を嫌い、既得権を維持し

国からの援助に依存することが中心となった

現在の多数の国民(主に高齢者)の政治行動(政府依存志向)にあると言える



http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/377.html#c1

[経世済民127] 「死んだ方が楽…」 東大卒の女芸人、就活生憧れのあの企業で味わった挫折(NIKKEI STYLE) 赤かぶ
13. 2018年7月28日 00:47:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1061]

>08年秋にリーマン・ショックの嵐が吹き荒れた。マッキンゼーにも「社内不況」が押し寄せた。「イメージからすると、仕事の全体量が6〜7割になり、人が余るようになった」
>チームは2人、しかも上司はドイツ法人からこのプロジェクトのために派遣された外国人。「すべて英語でプロジェクトは進んだ。自動車のことは全くの素人。プロジェクトをうまく進められず、資料やデータが頭に入らない状態になった」という。ドイツ人上司は「彼女は使えないな」とあきれ顔
>「2分おきにクライアントにメールを返しなさい」
>週末には過呼吸になり、ストレス太りが襲う。産業医の診断を受けようと思ったが、「2分おきだから、産業医にも連絡している暇がない」とうつのような状況に。「逃げたい。どうしたらいいのか分からない。もう死んだ方が楽なんじゃないかと思い込むようになりました」と話す。
>白百合・東大時代は努力すれば必ず報われた。しかし、マッキンゼーでは勝ちパターンを描けなかった。同期と雑談する余裕もなく、頼ったり、相談できる先輩や上司をつくる前に、プロとしての役割を求められた。ミスをするたびにひどく落ち込み、評価される成果をあげなければ、というプレッシャーに必要以上におびえていた。

こういう状況で、プレッシャーを克服して、生き残れると、また違う人生があるのだが

これも運だな

>09年春、入社1年目で同期の1人が辞表を出した。「正直ホッとしました。『辞める』という選択肢があることにようやく気づいた」。そして入社して1年4カ月、夏を迎える前に退職を決断

逃げるのも悪くはない

それで、今、元気に生きているのなら、特に問題もない



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/841.html#c13

[経世済民127] 「死んだ方が楽…」 東大卒の女芸人、就活生憧れのあの企業で味わった挫折(NIKKEI STYLE) 赤かぶ
14. 2018年7月28日 00:53:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1062]

>>12 借金を返せない若者が中国に連れて行かれて内臓を売る

作り話でないとしたら単なる犯罪だろ

>自分で行くのが嫌なら脊椎をへし折って中国に連れて行ってやろうか」と脅される
>死んだ方がマシだと思うのなら、もはや何でもできそうなものだが。なぜ日本の若者はここまで大人しいのだろうか

単に痛い目にあうのが怖いからだろ

何度か、死ぬほど痛い目に遭えば、根性もできる


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/841.html#c14

[経世済民127] ZOZO前澤社長は5579億円 株長者「大金持ちリスト」最新版(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
1. 2018年7月28日 01:05:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1063]

>サラリーマンとの格差は広がるばかり

嫉妬を煽ろうとするゲンダイの記事らしいコメントだが

実際は、1千億円の株資産があっても、

企業をコントロールし続けようとする限り、売って使えるわけではない

配当性向を上げれば、金融所得として回収はできるが

企業価値は目減りし、配当にも課税される

企業を成長させたいオーナーであれば、配当より投資に廻したいし

倒産のリスクが高いなら、当然、内部留保を厚くしたい

そうやって企業価値を高めても、日本であれば巨額の相続税もかかる

つまり名目資産の格差の拡大それ自体は、大して意味はないということだ


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/855.html#c1

[国際23] 国連総長「現金底つきそう」悲鳴 米国など分担金未払い 「これほど低迷したことはない」 赤かぶ
1. 2018年7月28日 06:55:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1064]

前から言っている通り、米国の衰退が進展したことによる必然の結果

無責任な国連中心主義で平和など維持できないことも明らか

サヨクが有難がる日本の憲法前文の非現実性が、さらに加速していく

 
日本国憲法、e-Gov法令検索。

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/558.html#c1

[経世済民127] 家は3坪、生活費は月2万円 路上生活を経て行きついた身軽な“小屋”暮らし〈AERA〉  赤かぶ
3. 2018年7月30日 19:43:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1065]

>山梨県の雑木林に土地を約70万円で購入。3坪(約9.9平米)の小屋を約10万円でセルフビルド
>電気はソーラーパネル約10万円
>水は原付きバイクで15秒 湧き水 20リットルタンク1缶あれば1週間
>料理はガスのカセットコンロか薪ストーブ
>排水は庭の畑にまき、トイレは汚物を微生物が生物分解するコンポストトイレを自作
>月々の生活費は約2万円。25万円もあれば1年間は暮らせる生活サイクル

問題点は多い

病気、怪我、豪雨災害、敵性集団(野生動物も含む)による攻撃など、多くのリスクへの備えが、ほぼ0

あと収入の問題を、どう解決するかによるが、

結婚と子育ては、かなり難しそうだし

若いうちは良いが、年をとってくると冷暖房が不十分だと、かなり厳しいだろう

しかし、そう悪くはない生活ではある



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/874.html#c3

[経世済民127] ディズニーランド提訴も 着ぐるみ「中の人」灼熱重労働の現実(マネーポスト) 赤かぶ
3. 2018年7月31日 10:33:56 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1066]

#労働力不足がなければ提訴もないし、改善もなかっただろう


 


パート、勤続5年未満も無期雇用
スーパー各社、1万人規模 人手確保へ待遇改善

2018/7/31付日本経済新聞 朝刊
 大手百貨店やスーパーが人手確保へ向け、パート従業員らを無期雇用する動きが広がっている。改正労働契約法では雇用が5年を超えると無期限に転換する「無期転換ルール(総合2面きょうのことば)」があるが、高島屋やサミットなど小売り大手が相次ぎ5年未満でも認める制度を導入。小売りや外食などの労働組合で構成するUAゼンセンでは2割近くの企業に広がった。深刻化する人手不足を克服するため待遇改善の動きが加速する。


 スーパー大手のサミットは6月から、1年を超えて働いたパート・契約社員から申し入れがあれば、無期雇用への転換を原則受け入れる制度を導入した。6月時点での対象は約1万2千人。同業のヤオコーも10月、2万人を対象に導入する。

 高島屋は2017年5月から制度を導入し、すでに2800人以上の有期契約を無期に転換した。J・フロントリテイリングや三越伊勢丹ホールディングスなど他の百貨店でも取り組みが進む。

 13年4月に定められた無期転換ルールは、地位が不安定な有期社員の待遇改善を狙ったもの。ただ、勤続期間が5年未満のパート従業員らは法定では対象外だ。人手不足が深刻になるなか、対象を5年未満に広げて人手を確保する動きが進む。

 産業別労働組合で最も多くのパート組合員をかかえるUAゼンセンでは、18年の春季労使交渉(5月末時点)で全体の2割に相当する87組合が5年未満でも無期転換できる制度を導入することで労使確認した。人数ベースでは計約12万人と、全体の16%。UAゼンセンの17年の調査では、無期雇用されている人の比率は4%しかいなかった。

 厚生労働省によると、小売りの現場などの「商品販売」の有効求人倍率(5月)はパートを除けば1.95倍だが、含めると2.44倍に上がる。全産業の平均(1.33倍)を大幅に上回り、流通業界におけるパート従業員の不足は深刻な経営問題となっている。

 小売業界では人手を確保するため、パートの賃金を引き上げたり、休暇を増やしたりする動きが広がる。待遇改善へ正社員登用する企業もあるが、転勤や長時間労働ができない人も多い。

 都内の食品スーパーで働く宮本仁美さん(35)は「契約が突然打ち切られる心配がなくなり安心して働ける」と話す。5年未満でも無期転換できる仕組みは、働き方の多様化を後押ししそうだ。

 課題も残る。企業は無期雇用に転換しても給与などの待遇を変える必要はない。社会保険労務士法人ユアサイド(川崎市)代表社員の中宮伸二郎氏は「人材獲得のためには無期雇用への転換だけでなく、給与や福利厚生でも一段の待遇改善が欠かせない」と指摘する。

 人材獲得が激しくなる中、雇用の安定を含め、働きやすい環境を従業員に提供することが企業の競争力を左右する。待遇改善に努めながら、コスト上昇分をどう吸収するか。生産性の向上と両輪で進める必要がある。


 

 


労働時間把握 管理職も 厚労省、来春に義務化 残業抑制へ、140万人対象
2018/7/31付
日本経済新聞 朝刊
 厚生労働省は2019年4月から管理職の労働時間を把握するよう企業に義務付ける。対象は約140万人。いまは一般の労働者だけを義務付けている。管理職は経営者と一体的な立場として時間規制の対象外だが、働き方の実態は一般労働者と変わらない例もある。雇用者全体の労働時間管理を厳しくすることで長時間労働を減らす狙いだ。

残業の改善は多くの企業で課題となっている

 企業はタイムカードやパソコンなどを使い、従業員の労働時間を客観的に記録し、3年間分保存しなければならない。厚労省は労働安全衛生法の関連省令を改正し、この記録保存義務の対象に管理職も含める。19年4月に施行する。
 安倍政権は長時間労働の是正を重要政策の一つに掲げる。19年4月から施行する働き方改革関連法では、罰則付きの残業規制を初導入する。月45時間、年360時間が原則だ。労使で合意しても単月だけは100時間未満の残業を認めるが、年間では720時間、2〜6カ月平均では80時間の上限を設ける。月45時間を超えた残業は年6回までしか認めない。
 退社から翌日の出社まで一定時間の休息を設ける「インターバル規制」の普及も促し、徹夜勤務をなくす考えだ。一般の労働者は長時間労働を是正する法的な枠組みが整ったといえる。
 一方、働き方改革の結果、管理職は部下の仕事を肩代わりするといった労働負荷の高まりも懸念されている。厚労省は労働時間の把握を企業に義務付けることで、管理職の労務管理を厳しくするよう企業に促す。長時間労働のしわ寄せが管理職に向くような事態を防ぐ狙い。取締役ら経営陣は対象にならない。
 総務省の労働力調査によると、管理職は17年時点で144万人(公務員含む)にのぼる。就業者全体の約2%。一般に管理職は、労働基準法で「管理監督者」と位置づけられており、一定以上の待遇で広い裁量権を持つ働き手を指す。労働時間規制の枠を超えて働く重要な職務を担っているというのが労働基準法の想定だ。
 厚労省が規制を強めるのは管理職という肩書だけで、過度な残業が余儀なくされる事例が後を絶たないためだ。労働時間管理の規制がかからず、労務管理はおろそかになりやすい。時間外割増賃金の不払いや過労自殺などの問題も起きている。
 例えば、08年ごろには「名ばかり管理職」の乱造が社会問題になった。飲食や小売りを中心に、労働コストを削減するため職務内容から管理職にあたらないのに「店長」にして、長時間労働を強いた事例などが起きた。
 飲食店の店長はアルバイトを採用したり、部下を人事考課したりする権限を与えられる。労働時間に一定の裁量があることも管理職に該当するかどうかを判断する要素になる。企業が管理職として扱っても、実態は一般の労働者に近いとして裁判で企業側が敗訴することも少なくない。


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[政治・選挙・NHK248] 一夜にして予約1位に躍り出た枝野の演説本!   赤かぶ
6. 2018年7月31日 10:38:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1067]
枝野氏の長時間演説、衝撃的登場でベストセラーに?
立憲民主党への期待は大きいが、存在感を高められない野党陣営
2018.7.31(火) 筆坂 秀世
内閣不信任決議案の趣旨弁明をする立憲民主党の枝野幸男代表(2018年7月20日撮影、写真:Natsuki Sakai/アフロ)
カジノなど日本に必要ない
 第196回通常国会が7月22日に閉会した。法案では働き方改革法やカジノ法が焦点となったが、森友学園、加計学園の“モリカケ問題”が印象に残った国会だった。野党が対決法案と位置付けた働き方改革法もカジノ法も、自民党など与党によって結局は成立させられた。

 日本に本当にカジノが必要なのか。賛成派は、訪日観光客が増えて、経済効果が大きいとか、雇用の場が増えるなどと主張している。

 しかし、今でも外国人観光客は多すぎるぐらいだ。昨年(2017年)1年間だけでも、2800万人以上が日本を訪れた。十分ではないか。これ以上、増やす必要があるのか。また訪日する外国人観光客がカジノに魅力を感じるかどうかも、何も証明はされていない。経済効果についても、まったく分析はなされていない。

 なぜこれほど多くの外国人観光客が訪日することになったのか。多くは日本の自然環境や食文化、日本庭園など伝統的な工作物や工芸品、治安の良さ等々があるのだろう。近隣のアジア諸国の経済発展も大きな影響があることは間違いない。カジノなどという“博打場”を作ることが日本の魅力を上げるとは到底思えない。

 そもそも日本は、ギャンブル大国である。公営競技として、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースがある。宝くじ、スポーツ振興くじ(toto)もある。さらにパチンコ、パチスロである。パチンコ、パチスロは、遊技とされているが、深刻な依存症が問題になっているようにギャンブルそのものである。

「オーストラリアのカジノ業界団体の国際調査では、据え置き型ギャンブル機の設置台数は日本のパチンコ・パチスロが457万台で、2位の米国に約5倍の差をつけ圧倒的にトップだった」(7月29日付産経新聞)という。産経の同記事によれば、今でもギャンブル依存症の疑いをもたれている人は、320万人にも及ぶという。この上にさらに依存症を増やすことが必至のカジノを作ろうというのだ。

 カジノ法と共に、ギャンブル依存症対策基本法も成立させられた。今後、官房長官を本部長とする対策推進本部が内閣に設置され、依存症対策に取り組むという。ギャンブルの機会をさらに増やして、他方で政府を挙げて依存症対策に取り組む。何という滑稽さか。ギャンブルそのものをなくせば依存症もなくなるではないか。

 今でも実はカジノはある。暴力団による違法カジノだ。警察によって摘発はされているが、存在する違法のカジノのごく一部に過ぎないと言われている。暴力団は、違法カジノによってカジノのノウハウを蓄積している。カジノの周辺に暴力団が関わってくる危険性もある。

 どの世論調査でも、カジノ反対が圧倒的に多い。なぜこの声を簡単に無視するのか。まともな政治のありようではない。私は絶対に反対である。

枝野氏の長時間演説が緊急出版
 全体としては盛り上がりに欠けた国会だったが、会期末に話題になったのは立憲民主党枝野幸男代表が7月20日に行った安倍内閣に対する不信任決議案の趣旨説明だろう。なにしろ2時間43分という長さで、記録に残る限りでは1972年以降、衆院では最長だったそうである。

 もちろん私は聞いてはいないので、その良し悪しを論評することはできない。それよりも興味を持ったのは、この趣旨説明が『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』として緊急出版されるということだ。

 まず出版社がフジサンケイグループの扶桑社というのに驚いた。産経新聞といえば、実に分りやすい安倍応援団であり、立憲民主党やその代表の枝野幸男氏らに対して、厳しい報道を繰り返してきたからだ。さらに驚いたのは、緊急出版の事実が7月26日にアマゾンの予約ページで公開されると、一夜にして総合ランキング1位に躍り出たというのだ。

アマゾンの書籍ランキング画面のキャプチャ(2018年7月30日午後2時時点)。枝野氏の演説の書き起こしが1位になっている。
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 政治家の演説集のようなものは、これまでも出版されてきたが、そんなに売れるものではない。日本共産党の不破哲三前議長らも演説や講演をまとめて本を何冊も出版してきたが、党内でもそれほど読まれるわけではない。ましてやアマゾンで予約1位など、普通、政治家本ではあり得ない。

 安倍内閣の支持率もそう高いわけではない。カジノ法などへの国民の批判も大きい。モリカケ問題でも、誰もが真相など分かりきっている。安倍夫人や安倍首相が無関係などとは、誰も思ってはいない。証拠を残さなければ、何をやってもかまわないなどとも、国民は思ってはいない。やはり安倍内閣への批判も少なくないのだ。そして、その対抗勢力として国民が期待する一番手が立憲民主党であり、枝野幸男代表ということだろう。Amazon1位はそのことを示していると思う。

議会を壊すパフォーマンスをするべきではない
 とはいえ野党全体としての存在感の低さは、どうにもならないものがある。野党議員の経験者として今国会を外野席から見ていて、野党の振る舞いについて気になったことを2点指摘しておきたい。

 私が共産党の議員時代、質問で心がけたことの1つは、与党議員もうなずくような説得力を持った論戦をするということだった。“与党議員などから褒めてもらわなくて結構”という態度は間違いである。立場は違えども、与党にも野党にも、真摯に国会論戦を聞いている人は少なくない。野党だから真面目、与党だから不真面目などということは、まったくない。

 私自身、自民党議員から、「先日の質問は良かったですね」などという声を何度もかけられたものだ。そうでなければ、物事を動かす力は持てない。ぜひ、野党議員には与党議員をうならせるような質問をしてもらいたい。

 野党を見ていて、もう1つ気になることがある。それは、すぐ議会のなかでプラカードや垂れ幕を掲げることだ。国会最終盤でも自由党の山本太郎、森裕子両議員と参院会派「沖縄の風」の糸数慶子議員が本会議での投票時、壇上で「カジノより被災者を助けて!」「カジノより学校にエアコンを!」と書いた垂れ幕を掲げ、「売国法案反対」などと叫んだ。

 いつからか、国会でプラカードや垂れ幕が多用されるようになった。カジノ法には反対だが、国会の本会議の壇上で垂れ幕などというのも言語道断の行いである。こういうやり方は、言論の府である議会のあり方を壊してしまう行為である。言論で堂々と与党と対峙する、そういう矜恃を野党議員には持ってもらいたい。

活力がないのは自民党も同じ
 9月下旬には、自民党の総裁選挙が行われる。岸田文雄政調会長が早々と不出馬を表明し、野田聖子総務相は立候補に意欲を示すものの、20人の推薦人が集まらないと見られている。結局、安倍首相と石破茂氏の対決ということになりそうだ。ただ竹下派を除き、ほとんどの派閥が安倍支持にまわる見込みであり、安倍首相の3選は揺るぎそうにない。

 本来、自民党の派閥というのは総理・総裁を目指すために存在するのだが、いまではその力を喪失してしまったようだ。

 細田派所属の参院議員に聞いたことがあるが、細田派で最も力を持っているのは、会長の細田博之氏ではなく、元会長で議員を引退した森喜朗氏だそうである。今でも時々派閥総会に顔を出すそうだが、森氏が顔を出しただけで空気がピーンと張り詰めるという。今の自民党の派閥の実状を物語っている。

 自民党の歴史を見ると、党内での争いこそが活力の源泉になり、議員自身を鍛え、育ててきた。“仲良しクラブ”で戦いを避けていると自民党自身を弱くしてしまうように思えてならない。小さな野党しか存在せず、自民党内での争いもないのでは、日本の政治全体の活力をなくしてしまうことになる。これこそ議会制民主主義の危機なのである。


 


【第188回】 2018年7月31日 上久保誠人 :立命館大学政策科学部教授
左派野党の「リスクがあるから廃案要求」は時代遅れだ
Photo:PIXTA
 通常国会が会期末を迎えた。「働き方改革法」、「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法」「成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法」などが成立し、米国を除く11ヵ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)を承認した。
 一方、昨年に引き続き、「森友学園」(本連載第178回)や「加計学園」(第158回)の問題で、野党が安倍晋三首相の関与を厳しく追及した。しかし、野党は審議拒否で国会を「18連休」しても国民の支持を得ることができず、安倍政権を追い込めなかった(第185回)。
 今回は、この通常国会だけではなく、安倍政権下での6年間の国会を振り返り、日本政治の変化とこれからの国会のあり方を考える。
第二次安倍政権の国会審議を振り返る(1)
「特定秘密法」「安保法制」「テロ等準備罪法」
 第二次安倍政権は、様々な重要課題を通してきた。「特定秘密保護法(2013年)」(第72回)、「安全保障法制(2015年)」(第115回)、「テロ等準備罪(共謀罪)法(2017年)」(第160回)、そして今国会で成立した「働き方改革法」(第177回)「IR実施法」などである。
 これらは、法案審議で、維新の会など一部の保守系を除く、旧民進党(現在、立憲民主党、国民民主党、無所属の会など)、社民党、共産党の「左派系野党」が、法案を徹底的に批判し、審議拒否したあげく、与野党間の協議が行われず、ほぼ無修正のまま強行採決で成立したという共通点がある。
 左派系野党が、これらの法案に猛反対した理由は、「法律が通った後のリスク」だったことも共通している。例えば「特定秘密保護法」では、左派系野党はジャーナリストや市民の取材行為が、情報漏洩で強制調査の対象となる可能性があると指摘した。そして、ジャーナリストや市民が必ず委縮し、政権批判を手控えるようになると訴えた(第72回・P.2)。
 安倍首相は国会で何度も「メディアが捜査対象となることはない」と明言し、法律の条文上も問題はなかった。だが、左派系野党は、戦前の「治安維持法」の歴史を持ち出し、「政府の説明は信頼できない」として、反対を貫いた。
「安保法制」は、国会での連日にわたる野党の厳しい追及と、憲法学者による集団的自衛権行使を「違憲」とする意見表明、それに対する安倍政権の二転三転する粗っぽい答弁によって、安保法案への反対運動が日本全国へ急拡大した。国会の外を反対派のデモが取り囲み、「戦争は嫌だ」「命を守れ」「戦争法案絶対反対」「今すぐ廃案」と叫び続け、国会の中ではありとあらゆる手段で成立を阻止しようとした(第115回)。
 この連載は、「安保法制」の国会審議自体は高く評価していた。「政権担当経験」持った野党は、なにが政府にとって答えづらい、難しいポイントなのか、政府の立場を理解していた。政府と野党の間で議論が深まらなかったという批判は当たっていない(第115回[下])。
 ただし、野党の厳しい質問は、あくまで廃案を目指すものであった。最終的に、野党は国会での充実した議論を自ら捨てて、憲法学者の「憲法違反」という主張に乗り、徹底的な反対を貫いたのだ。その結果、充実した国会論戦は法案の修正に結実せず、数多くの問題を残したまま、安保法制は成立してしまった。
「テロ等準備罪(共謀罪)法」でも、左派野党は、法案の「廃案」を求めて、国会で徹底的に抗戦した。また、国会の周辺では、反対を訴えている人たちが抗議の意思を示していた。しかし、与党はここでも数の力を生かして強行採決し、法案を通してしまった。
 この法案も問題の多いものだったことは言うまでもない。277ある処罰対象の罪のうち、テロに関連するものは110しかない。国民の大多数が不安に思っているのは明らかだった。だが、それらは1つも削られることなく、無修正で国会通過し、法律として成立してしまったのだ(第160回・P.1)。
第二次安倍政権の国会審議を振り返る(2)
「働き方改革法」「IR実施法」
 そして、今国会である。安倍首相が第1次政権時から挑んできた、年収が高い一部の専門職を労働時間の規制から完全に外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」を含む「働き方改革関連法」が成立した。これも野党が猛反対する中、強行採決となった。
 国会審議では「高プロ」のさまざまな問題点が浮かび上がっていた。例えば、労働時間の規制がないと、残業代も深夜・休日手当も出ないことになる。残業代も深夜・休日手当も出さないでいいならば、企業が労働者の長時間勤務を管理しなくてもよいことになる。また、「高プロ」の対象となる業務など、適用要件の詳細は決まっておらず、法案成立後に労働政策審議会で議論する方針としていた。
 左派野党は、「高プロ」の導入に強く反対した。「働き過ぎを助長する」「適用範囲がなし崩し的に拡大される」「24時間働けと命令される」「徹夜しないと終わらない業務を与えられる」「過労死を認定できなくなる。使用者の責任も問えない」といった懸念を繰り返し示した。
 安倍首相や加藤勝信厚労相は「成果で評価される働き方をしたい方のために制度」を作ることの意義を強調したが、野党は高プロの撤回のみならず、法案そのものの廃案を求めて譲らなかった。結局、これも国政選挙5連勝の巨大与党の数の力には勝てず、問題点を抱えたまま、ほぼ無修正で衆院を通過した。
 さらに、「IR実施法」である。カジノは刑法で厳格に規制されている賭博罪に当たるが、この法案ではカジノ管理委員会の免許を受けた民間事業者を適用除外とする。カジノ利用者が条件付きで事業者から借金できる制度も含まれる。
 左派野党は、ギャンブル依存症やマネーロンダリングへの対策が不十分だと猛批判し、衆院で50時間の審議を要求した。だが、与党は応じず、審議時間は18時間10分にとどまった。結局、左派野党が採決の強行に抗議し、怒号が飛び交う中での採決となり、自民党、公明党、日本維新の会の賛成多数で可決された。ここでも、ほぼ無修正で衆院を通過した。
「零点」だった野党の「廃案追求路線」の失敗と
今国会の「附帯決議」という新たな動き
 第二次安倍政権の重要政策の、国会審議から成立までのパターンは、ほぼ同じことの繰り返しだったと言える。国会審議自体は、共産党を除く野党が一度は「政権担当」を経験したことで、より厳しい質問を政府に浴びせることになり、実は充実したものとなっていた。野党は、それぞれの法案が抱えるさまざまな問題点を明らかにすることができた。これについては、一定の評価を与えるべきである。
 ところが、選挙対策のために、政権担当経験がなく「なんでも反対」を貫いてきた共産党との共闘という戦略を取らざるを得なかったために、野党は法案の存在自体を全否定して「廃案」を求めてしまった。それに反発した与党との間で、法案を修正する協議の場がなくなった。法案は、問題を抱えながらほぼ無修正で強行採決されて、国会を通ることになってしまった。この連載では、このような野党の「廃案追求路線」を「零点」と厳しく批判してきた(第160回)。
 しかし、今国会では、新たな動きも見られた。国民民主党が、「働き方改革法」「IR実施法」の参院での審議で「附帯決議」を盛り込むことを要求し、これを与党が受け入れたことだ。
「働き方改革法」では、附帯決議は47項目に及び「労働基準監督署による違法な長時間労働に対する指導監督を徹底」「特別条項で延長できる労働時間はできるだけ短くなるよう指導及び助言を適切に行うこと」「高プロの導入に当たって監督署は、使用者に対し制度の周知を徹底するとともに、労働者の健康の確保のため指導監督を適切に行うこと」などが含まれた。
 一方、「IR実施法」では、「カジノ単体は認めない。あくまでもホテルや国際会議場、展示場、各種エンターテイメント施設などを有する統合型観光施設のみを認めること」「施行者は国の厳格な審査を経てライセンスを付与された事業者に限る」「カジノに関しては日本人に対し、一定の入場料の徴収、申告による入場排除などの入場管理政策を施す」「これまでの既存の公営競技や遊技から発生しているギャンブル依存症についても抜本的な対策を講じ、全体としてのギャンブル依存症比率の低下を目指す」など、31項目の附帯決議が決められた。
 国民民主党の動きは、野党間の亀裂を大きくする行為として厳しく批判されている。だが、IR実施法の附帯決議の実現に奔走した国民民主党の矢田わか子議員は「最大限私たちにできること、少数野党にできることとして附帯決議を条件に採決した。正々堂々と反対した」と、記者会見で語った(国民民主党HP)。
「安倍一強」で、法案を廃案に追い込むのは不可能なのが現実だ。どうあがいても成立してしまう法律の問題点に少しでも縛りをかけようとする動きは、少数野党の限界を乗り越えようとするものであり、筆者は高く評価したい。
 国民民主党は「支持率0%」に苦しんでいるし、今回の附帯決議の動きも国民に十分に理解されているとはいえない。しかし、9月に予定される自民党総裁選で、参院竹下派が石破茂氏支持の動きを見せたり、小泉進次郎氏が呼びかける「国会改革議連」に超党派で約100人が参加するなどと合わせて考えると、少し違った景色が見えてくる。
 国民民主党の動きは、この連載が主張してきた世界的な潮流である「新しい中道」の動きに沿うものと期待したい(第162回)。また、「分極的一党優位性」から「穏健な保守中道二大政党制」へ向かう萌芽となる可能性がある(第169回・P.5)。正直、国民民主党自体には、明るい未来の展望はないかもしれない。だが、左派野党から離れて独自の道を歩み始める政治家一人ひとりの行動には、確実に新しい未来がある。
「新しい政治」は、「リスク」をどこまで
許容するかが争点とならねばならない
 第二次安倍政権における重要法案審議を振り返ると、従来型の対立構図では対応できない新しい争点が浮上しているように思う。それは、政策実施にともなう「リスク」をどの程度まで許容するかという争点ではないだろうか。
 左派野党は今回審議で、一貫して「リスク」の存在を主張してきた。「特定秘密法」や「テロ等準備罪(共謀罪)法」には、ジャーナリストや民間人の弾圧につながるリスクがある。「安保法制」には日本が戦争に巻き込まれるリスクや、憲法改正から軍拡路線につながるリスクがある。「働き方改革」には長時間労働、過労死を増加させるリスクがある。「IR推進法」でギャンブル依存症を増やすリスクがある。左派野党は、これらのリスクがゼロでなければ、なにもやってはならないと主張してきたのだ。
 戦後「平和国家」であることを謳歌できた時代であれば、左派野党の主張も理解できた。だが、現在は状況が変わってきている。北朝鮮の核ミサイルの開発や中国の海洋進出が国民の懸念となっている。一方でドナルド・トランプ米大統領は「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を標榜し、「世界の警察をやめる」と言っている(第181回・P.4)。つまり、米国がいつまで日本を守ってくれるのか、不透明な状況になってきている。日本が自らの国を守る備えをする必要があるのは間違いない(第180回)。
 また、世界中に広がるテロの脅威から、日本が無縁でいられるわけがない。なんらかのテロ対策が必要なのは言うまでもない。そして、グローバルな競争が激化する中、働き方の多様化や外国のお金を日本に引き込むことで競争力を強化することも必要だ。
 要は、リスクがあるから何もしない、リスクがなくなるまで新しい政策の実行を認めないうのは、厳しい国際情勢が許さないということだ。たとえ、リスクがあっても必要な政策には取り組まなければならない。その上で、リスクをどこまで許容し、どこからは防ぐのかを議論する。それが日本の「新しい政治」にならなければならない。
(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)



http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/490.html#c6

[政治・選挙・NHK248] 一夜にして予約1位に躍り出た枝野の演説本!   赤かぶ
7. 2018年7月31日 10:42:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1068]

#そして最大の問題は、金融経済に関する致命的な無理解


 


【第5回】 2018年7月31日 荻上チキ

日本の「リベラルの弱点」とは

TBSラジオ『Session-22』でパーソナリティを務め、日々、日本の課題に向き合い続けてきた荻上チキによる新刊『日本の大問題――残酷な日本の未来を変える22の方法』が7月19日に刊行された。【経済】【政治】【外交】【治安】【メディア】【教育】――どこをみても「問題だらけ」のいまの日本の現状と、その未来を変えるための22の対応策がまとめられた同書のエッセンスを紹介していきます。

日本の財政状況の現状


 まず財政の現状について簡単に概観しておきましょう。経済成長率の鈍化は、日本の財政に大きな影響を与えています。
 1990年代以降、日本が、低成長期・デフレ不況期に突入していくと、如実に税収が減っていることがわかります(一般会計税収の推移)。その一方で、歳出(=政府の支出)が増えていることも見て取れるのがこの図です(一般会計歳出の推移)。収入は減っているのに、使うお金は増え続けてしまっているわけです。

 政府の支出が増え続ける理由のひとつは、社会保障費の「自然増」によるものです。少子高齢化の現在、高齢者の数は毎年増え続けていきます。そのため、年金や医療費などの支出は、放っておいても自然に増大します。
 そしてもうひとつは、景気が悪化し続けていることにより、「不況でみんな苦しくて収入が減っているから、助けなきゃいけない」という具合に、失業対策や貧困対策などの支出が増えてきたことが挙げられます。
 90年代以降の日本は、税収は減っているのに、支出が増えるという傾向が続いています。そのバランスをどのように整えればいいのかというのが、大きな課題になっているということです。
日本の「リベラル」の弱点
日本では、再分配政策を唱えつつ、経済成長を促すという主張がなかなか出てこない。つまり、経済成長を求める人は、人権を守るための再分配政策には強い関心を示さず、人権に関心のある人は再分配を求めるものの、経済成長に関してはあまり議論をしたがらない。これは大問題です。
日本に多く見られる脱成長主義論者はまた、多文化主義の実現にも否定的になりがちです。たとえば、これは日本に限ったことではありませんが、右派にも左派にも反グローバリズムを唱える人が数多くいます。
右派は、自国の伝統や文化が外国人に破壊されることに反対して反グローバリズムを掲げるし、左派はグローバル企業によって貧困や格差が拡大することに反対してやはり反グローバリズムを謳う。反グローバリズムという点で、少なからぬ左派が右派と共通の主張をしているわけです。
それに対して、ポール・クルーグマン、アマルティア・セン、トマ・ピケティといった、政治的には左派で、日本でも左派に人気の経済学者も、ひとまず安倍政権の金融政策そのものは評価をする。労働者や移民の権利を守る必要性を唱えると同時に、市場は自由であるべきだと主張する。労働者の権利を守ることと経済成長は相反するものではありません

そうしたなかで自民党は、今のところ相対的には経済成長と再分配政策の両方をうまくやっています。たとえば安倍政権は、左派がかつて言っていた女性の活躍や教育無償化を打ち出すようになった。これは、皮肉を込めていえば、左派の受動的な勝利であると同時に、プレゼンス上の敗北であるといえます。
10年前の第一次安倍政権であれば、女性の活躍を口にすることなど考えられませんでした。男女共同参画社会基本法に「ジェンダーフリー」という言葉が入ることや性教育を許さず、フェミニズムを叩いていた人ですが、今は女性に活躍してもらいましょうと言っている。なぜなら、そのほうが経済合理性があるからです。一方で、リベラルメディア叩きは加速させてはいますが。

フェミニストやリベラリストは、この状況に対して「女性が経済成長の資源として利用されている」と批判しています。その指摘は重要で、政権は「男女差別撤廃」とは掲げず、あくまで経済合理性の観点から「女性活躍推進」を叫ぶ。そのひとつの表出が、財務省のセクハラ疑惑に対する対応のまずさにも如実に表れていた。それでも、それまで経済政策については、「やらないよりまし」「やれないよりまし」ということで、安倍政権の経済政策は国民から一定の相対的支持を受けていました。

経済の「自由主義」と政治の「自由主義」は違う

さて、日本は政治制度としては議会制民主主義を、経済制度としては自由主義を採用しています。この自由主義という言葉は、経済学の文脈なのか、政治哲学の文脈なのかで、ニュアンスが変わってくる。
経済的自由主義ですと、国家が市場に対して過剰にコントロールすることのないことを意味します。要は「市場の国家からの自由」ですね。

ただし誤解されがちなのは、自由主義を語る名だたる経済学者は、市場を放置せよ、何もするな、とは主張していません。たとえば自由な市場を維持するためには、労働者の人権を侵害するようなことがあってはならないし、独占や、あるいは著作権侵害などがあっては、適切な価格変動や、必要なイノベーションが阻害される。だから、健全な成長のために必要な自由市場を守る、そのためにはどの程度のルール作りが妥当かというのを議論します。
対して政治的自由主義は、絶対王政や宗教国家ではない個人主義と、その個人が平等に自由を行使しつつ、他者からの不当な権利侵害を受けずに済むということを意味します。個人の国家からの自由、という具合でしょうか。
政治的自由主義は、その実現のため、さまざまなバリエーションを持ちます。当初は、絶対権力からの自由という意味で、国家は社会に介入すべきではないという思想として育ちました。これを自由権といいます。しかしそれだけでは、貧困や格差の問題が改善されず、別の権力者=資本家が力を持つことになる。そこで、国家が適切に社会に介入することで、利害調整を行い、そのことで実質的な自由を確保することが重要だという考えが出てきます。これを社会権といいます。

経済-政治間の議論の往還を

日本の場合、経済的自由主義と政治的自由主義が、あまりマッチしていないように思えます。論壇的な思想分野で、ポストマルクス主義の影響も大きかったためか、あたかも両者は対立関係にあるのだと理解されている節がある。しかし、金融政策による安定、財政政策によって景気刺激と適切な再分配を行うことは、経済的、政治的いずれの自由主義においても重要なアクションです。
他方で、保守主義のスタンスにも、経済的保守と政治的保守とがあります。機会の不均衡を是認する経済的保守と、社会秩序の変革に消極的な政治的保守。両者は、エスタブリッシュメント内でも、あるいは自らがリベラルへのカウンターパートであると自認する者にとっても、ある程度の重なりが見られる。物事には、左右の対立だけでなく、上下の対立があるのですが、左右によって上下が覆い隠されることへの苛立ちが、トランプ現象という逆襲のアイデンティティポリティクスにもつながっていました。
そんななか、どういう課題が現在はあるのか。まずは、経済的、政治的自由主義間の豊かな対話と、労働者や住人たちへの幅広い包摂です。


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/490.html#c7

[国際23] オバマ前大統領の警鐘(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
9. 2018年7月31日 10:44:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1069]

#まず無理


2020年、オバマ氏が再び大統領に返り咲く?
トランプ旋風の世界にマンデラ生誕百年「獄中書簡」が鳴らす警鐘
2018.7.30(月) 高濱 賛
マンデラ氏生誕百年、オバマ氏ら演説 「不確かな時代」への警鐘も
南アフリカ・ヨハネスブルクで行われた故ネルソン・マンデラ氏の生誕100年記念式典で演説するバラク・オバマ米前大統領(2018年7月17日撮影)。(c)AFP PHOTO / GIANLUIGI GUERCIA〔AFPBB News〕

トランプ大統領「黒人の支持者は2倍になった」と豪語
 性別、人種差別発言を繰り返してきたドナルド・トランプ大統領率いる米政権は1年半が過ぎた。アフリカ系アメリカ人はいったい何を考えているのだろうか。

 トランプ大統領は、1月26日、こうツィートした。

 「黒人の失業率は史上最低。トランプ支持率は2倍になった」

 確かに黒人の失業率は2017年1月の23%に比べると、2018年1月には17%に下がった。しかし、支持率が「2倍になった」というデータはどこにもない(事実関係をチェックするファクトチェック・オーガニゼーション)。

https://www.factcheck.org/2018/01/trump-tweets-faulty-black-approval-claim/

 確かに「エスタブリッシュメントをぶち壊す」と勢いのいいスタートを切ったトランプ大統領に対して黒人サイドには<ひょっとして一般大衆層の黒人のことも考えてくれるのではないか>という淡い期待があった。

 黒人の一部知識層には、こんなコメントをする者もいた。

 「反共強硬派のリチャード・ニクソン(第35代大統領)が米中関係を正常化させたとすれば、白人至上主義者のトランプが人種問題を抜本的に改善させてくれる可能性はあるかもしれない」(著名な黒人エコノミスト、セドリック・ムハンマド氏)

 (https://americanaffairsjournal.org/2017/11/black-america-donald-trump/

 だがこうした希望的観測は政権発足、半年経つか経たぬうちに崩れ去った。

シャーロッツビル事件で明らかに、トランプ大統領の本音
 南軍の司令官だったリー将軍像の撤去(言い出しっぺは黒人の市議会議員だった)を巡って対立していたバージニア州シャーロッツビルにやって来た撤去反対派の白人至上主義者と賛成派の極左とが激突。双方に負傷者が出た。

 トランプ大統領は、武装した白人至上主義者を糾弾しないばかりか、あたかも撤去に反対するかのような形で彼らを弁護したのだ。

 この時、オバマ前大統領は即座にこうツィートした。

 「誰も肌の色や出自や宗教を理由に他の人間を憎むよう教えられて生まれてきたわけではない。人は憎むことを教えられたに違いない。だとすれば、人を愛することもできる。愛は憎しみよりも人間の心に自然に宿るものだからだ」

 南アフリカの指導者だったネルソン・マンデラ氏の言葉からの引用だった。

225通の書簡に滲み出る「マンデラ的無抵抗主義」
The Prison Letters of Nelson Mandela Edited by Sahm Venter Liveright Publishing, 2018
 そのマンデラ氏の「獄中書簡」が8月に刊行された。

 「The Prison Letters of Nelson Mandela」(ネルソン・マンデラの獄中からの手紙)だ。

 サム・ベンターという南アフリカの女流研究家兼作家が、10年かけて、これまで公開されていなかった書簡も含め貴重な書簡255通を集め、編集した620ページの力作だ。

 マンデラ氏が国家転覆罪で終身刑となり、ロベン刑務所に収監されたのは1964年。

 フォート・ヘア大学在学中に入党した「アフリカ民族会議」(ANC)が武装闘争化する中で同氏はその軍事組織の司令官になってしまったためだった。

 27年間獄中生活を送ったが、一番長かったのはロベン刑務所での18年間だった。同氏はこの時期結核をはじめとする呼吸器疾患にかかったほか、石灰石採掘場での重労働により眼を痛めた。

 それでも収監中には勉学を続け、1989年には南アフリカ大学の通信制課程を修了し、刑務所内で法学博士号を取得した。70歳の時だった。

 またアパルトヘイトの主力勢力でのアフリカーナ(南アフリカ白人)との対話を想定してアフリカ―ンス語を独学で学んだ。

 「人種差別は刑務所の外だけではなかった。刑務所内でも黒人にはベッドも毛布も支給されなかった。コンクリートの上で寝起きするのだ」

 「冬は寒さに震え、夏は暑さに耐えねばならなかった。時には囚人服まで取り上げられた。それが私が27年過ごした監獄生活だった」

「必ずできると信ずる」ことで目標は半分達成される
 マンデラ氏は読書の虫でもあった。

 その中の一冊、米人心理学者ノーマン・ビンセント・パールの『The Power of Positive Thinking』からは多くを学んだ。

 とりわけ、「病床にある人が、私はこの病を克服して幸福な生活を送るんだと自分に言い聞かせれば、その人の病は半分直ったのも当然だ』というくだりには勇気づけられたと記している。

 人種差別を撤廃させるには「必ず撤廃させ、幸福になるんだ」という希望を持つことで目的は半分達成されたのだ、という信念に通じるのだろう。

 「獄中書簡」を読んでいて気づくのは、マンデラ氏の知的な冷静さだ。南アフリカ司法省当局者をはじめ刑務所幹部らとの書簡も丁重でまさに弁護士的な隙のない文面にそれが表れている。

 刑務所所長に宛てた手紙にはそれが顕著だ。

 「私は白人至上主義が大嫌いだ。私はありとあらゆる手段を使ってこの白人至上主義と戦う。しかしながら私とあなたとが最も極端な形で衝突した時でも私たちは個人的な憤りを持つことなく、自らの理念と考え方を巡って戦う所存だ」

 「そした戦いが終わった時にはその結果がどうであれ、私はあなたと誇りを持って握手をする。なぜなら私はあなたが名誉と道義心を重んずる相手であると信じているからだ」

 「だが、もし万一、あなたの部下が汚い手を引き続き使うというのであれば私の真の憤りは制御し難いものになることだけは明確にしておく」

オバマ前大統領、「西側に広がる極右の動き」に警鐘
 トランプ政権発足以降、トランプ大統領の言動がどれほど問題になろうともバラク・オバマ前大統領はトランプ大統領を名指しで批判したことはない。今回マンデラ生誕百年の記念事業のため南アフリカを訪問した。

 オバマ氏は父親の郷里であるケニア西部コゲロ村を訪れた。親族が設立した青少年向け研修施設の除幕式では政治家になる前の20代の頃にコゲロ村を訪れた時の思い出を語った。

 7月17日には南アフリカのヨハネスブルクで記念講演を行った。

 オバマ氏はトランプ大統領を名指しでは批判しなかったが、西側(欧米)に広がりをみせている極右の動きを取り上げ、こう述べている。

 「イノベーションにより世界の富は増え続けている。ところがその富は平等に分配されているわけではなく、富裕層に流れ続けている。その裏で貧しい者はますます貧しくなっている」

 「その一方で西側には保護主義や排他的な国境封鎖などといった現象が顕著になり、人種差別的なナショナリズムが台頭し、極右勢力がのし上がってきた」

 「当初は知識や知恵を分かち合い、相互理解と統合を促進するはずだったソーシャルメディアは今や、人種間の憎しみやパラノイア、独善的なプロパガンダの道具に成り下がっている」

https://www.newyorker.com/news/news-desk/the-nelson-mandela-lecture-barack-obama-johannesburg

 講演には、白人至上主義を是認するかのような言動を続けるトランプ氏とその周辺に対する警戒感が見え隠れする。

 思いつけば深夜でも構わずソーシャルメディアを使ってツィートするトランプ大統領の言動に対する苛立ちが感じられる。

オバマ大統領がマンデラの墓前で誓ったことは
 オバマ氏が「ネルソン・マンデラ」について知ったのは5歳の時だったという。それ以後、米国内での人種差別問題解決に取り組むオバマ氏にとってはマンデラ氏はまさに「ロールモデル」(模範)だったという。

 そして8年間の大統領職を終え、自分に代わって米国を取り仕切る自分の政治哲学とは全く異なるトランプ大統領の政治にオバマ氏はただ嘆いているだけなのか。

 マンデラ氏の墓に詣でた時、何を誓ったのか。

 2020年の大統領選に向けて民主党内では数人の政治家の名前が取りざたされているが、目下のところ「帯に短し襷に長し」(民主党執行部)。そうした中でオバマ政権で副大統領だったジョー・バイデン氏の名前が上がっている。

 「バイデン氏は現在75歳と高齢。彼の名前が上がっているのはオバマ・カムバックというオバマ待望論の表れ」

 「オバマ氏が再登板するか否かは別にして、20年に向けてオバマ氏が打倒トランプを目指す闘争を繰り広げることは十分あり得る」(主要紙の政治記者)

 中間選挙は4か月後、2020年の大統領選もあと2年半後に迫っている。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/567.html#c9

[国際23] アメリカ大統領を打倒するCIA/FBI/DOJの策謀(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
2. 2018年7月31日 10:46:50 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1070]

2018年7月31日 北野幸伯 :国際関係アナリスト
トランプの暴走は「中東大戦争・世界経済危機」を起こしかねない
日本人は、欧州と米国を「いつも一緒」「ほとんど同じ」という意味で、「欧米」とまとめた言葉を使う。しかし、「アメリカファースト」を掲げるトランプが、米国と欧州の関係をボロボロにしている。そして、トランプに嫌気がさした欧州は、米国のライバル・中国に急接近している。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

トランプが欧州を激しく批判!
嵐のNATO首脳会議
トランプの「アメリカファースト」が世界に大混乱を巻き起こしている
トランプの「アメリカファースト」のゴリ押しは欧州と中国を接近させ、中東大戦争と世界経済危機の危険性を高めている Photo:AP/AFLO
 ベルギーの首都ブリュッセルで7月11日、NATO首脳会議が開催された。ここでトランプは、2つの問題で欧州を激しく批判した。

 まずは、米国以外のNATO加盟国の防衛費負担が少なすぎること。毎日新聞7月11日付から(太線筆者、以下同じ)。

<NATOは2014年、対ロシア関係の緊張高まりを受け、24年までにすべての加盟国が国防費をGDP比で2%以上に引き上げる目標を設定した。
 しかし18年中に達成が見込まれるのは、加盟29ヵ国のうち米英やロシアに近い東欧中心の計8ヵ国のみだ。
 これに対し、米国はNATO全加盟国の国防支出の7割近くを占める。>

 NATOは、29ヵ国からなる「反ロシア軍事ブロック」である。加盟国の中には、GDP世界4位のドイツ、5位のイギリス、7位のフランス、9位のイタリア、そして10位のカナダなど、経済大国もある。トランプは、「欧州をロシアの脅威から守っているのに、なぜ米国が7割も負担しなくてはならないのだ」と憤っているのだ。

 彼は、米国と欧州の間に対立があることを隠さない。それどころか、世界に向けて情報を発信している。

<こうした点に不満を持つトランプ氏は首脳会議前日の10日、「NATO加盟国はもっと多く、米国はより少なく払うべきだ。とても不公平だ」と主張するなど、通商問題も絡めながら欧州の加盟国を批判するツイートを繰り返した。>(同上)

 彼は、問題をツイートすることで、米国民に「公約を守っている。国のために働いている」とアピールしたいのだろう。米国民、特にトランプに投票した人々は、喜んでいるに違いない。

EUの盟主・ドイツが
トランプのターゲットに
 欧州の中で、トランプが特にターゲットにしているのは、ドイツだ。

 <とりわけトランプ氏が標的とするのは欧州最大の経済大国ドイツだ。ドイツの国防費はGDP比約1.2%で、24年までの引き上げ目標も1.5%にとどまる。>(同前)

 欧州最大の経済大国ドイツ。既述のように同国のGDPは、世界4位である。しかも、EUにおけるドイツのパワーは圧倒的で、「EU=ドイツ帝国」と主張する人もいる。名実共に「EUの盟主」と言える存在だ。

 フランスの人類学者エマニュエル・トッドは、「ソ連崩壊」「米国発金融危機」「アラブの春」などを予言したことで知られている。そんな彼も、「EU=ドイツ帝国」という意見の持ち主で、『「ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(文春新書)という本まで出版している。

「EU=ドイツ帝国」という視点で見ると、そのGDPは世界の22%にもなり、「米国と並ぶ大国」ということになる(EUのGDPには、英国も含む)。こんな強大な国が、「安保にタダ乗りしている」と、トランプは不満なのだ。

 トランプが欧州を批判するもう1つの理由は、ロシアとドイツを結ぶガスパイプラインプロジェクトだ。

<トランプ大統領は、ロシアからドイツに天然ガスを供給するパイプライン計画「ノルド・ストリーム2(Nord Stream II)」に言及し、「ドイツはロシアによる捕らわれの身となっている。膨大なエネルギーをロシアから得ているからだ」と発言。?続けて「世界中の誰もが、このことについて話している。われわれがドイツを守るために数十億ドルも払っているというのに、ドイツは数十億ドルをロシアに支払っていると」「ドイツはロシアに完全に支配されている」と語った。>?(AFP=時事 7月11日)

ドイツとロシアが
天然ガスを巡って接近??
「ドイツはロシアに完全に支配されている」という、過激な発言が飛び出した。

 欧州がロシアのガスに依存していることは、よく知られた事実である(総輸入量の約4割、総消費量の約3割)。ところで、ロシアのガスは、どうやって欧州まで届くのだろうか?

 これまで、主なルートはウクライナ経由のパイプラインだった。その後、ロシアとウクライナは、しばしばガス料金問題で対立。「ロシアがウクライナへのガス供給を止めた」というニュースを覚えている方も多いだろう。

 ロシアは、「反ロのウクライナを迂回して、直接欧州にガスを届ける方法」を模索しはじめた。そしてできたのが、ロシアとドイツを直接結ぶ海底パイプライン「ノルド・ストリーム」だ(2011年稼働)。?

 その後、ロシア―ウクライナ関係は、さらに複雑になっていく。2014年2月、ウクライナで再び革命が起こり、親ロシアのヤヌコビッチ大統領が失脚(親ロ・ヤヌコビッチは、2010年の大統領選で、親欧米派の候補に勝利していた)。

 同年3月、ロシアは、クリミアを併合。同4月、ウクライナ親欧米新政権と、東部親ロシア派ドネツク、ルガンスク州の間で内戦が勃発した。そして現在に至るまで、ロシア―ウクライナ関係は最悪な状態が続いている。

 当然ロシアは、「ウクライナを経由しないルート構築」をますます望むようになり、「ガスの安定供給」を願う西欧と利害が一致した。そして現在、進められているのが「ノルド・ストリーム2」プロジェクトだ。(2019年稼働予定)

EUと中国が事実上の
「反米声明」を発表
 トランプは、これに反対しているのだ。彼は「ドイツはロシアに完全に支配されている」と批判する。「欧州のロシア依存度が高すぎるのは、安保面で問題」というのだ。これは、その通りかもしれないが、米国には「ノルド・ストリーム2」計画に反対する理由がほかにも2つある。

 1つは、親米のウクライナ・ポロシェンコ政権を守ること。「ノルド・ストリーム2」が完成すれば、ウクライナは自国領を通過するガスパイプラインの「トランジット料」を得ることができなくなり、経済的に困窮する。

 もう1つの理由は、米国自身が欧州に液化天然ガスを売りたいから。米国は、シェール革命の恩恵で、世界一の石油・ガス大国に浮上した。それで、石油・ガスの売り込み先を探している。米国は、欧州への輸出を狙っていて、ロシアを排除したいのだ。

 トランプは、「欧州のロシア依存が高くなりすぎるのは危険」というが、要は「米国のガスを買いなさい」ということなのだ。

 トランプはNATO首脳会議を終えた7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで、プーチンと会談した。「軍縮」「ウクライナ問題」「シリア問題」「イラン問題」など、さまざまなテーマが話し合われたが、具体的合意はなかった。それでも、トランプとプーチンは、最悪になっている米ロ関係を改善させる意志を示した。

 同日、EUと中国の首脳会談が北京で行われている。そして、なんとEUと中国が、事実上「反米の共同声明」を出した。

<<中国EU首脳会議>共同声明に「反保護主義」明記
毎日新聞 7/16(月) 23:43配信
【北京・河津啓介】中国と欧州連合(EU)は16日、北京で首脳会議を開いた。
 会議後に発表した共同声明には「反保護主義」が明記された。
 共に米国との通商問題を抱える中国と欧州が連携強化を確認した形だ。>

 <会議には中国の李克強首相とEUのトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)、ユンケル欧州委員長が出席。会議後の共同会見で、トゥスク氏は同じ日に米露首脳会談も開かれることに言及し、欧州と米露中が
「国際秩序の破壊や貿易戦争の開始を避ける義務がある」
と訴えた。>(同上)

「トランプ外交」が
中東大戦争を引き起こす可能性
 トゥスクは、「欧州と米露中が」という表現を使った。しかし、「貿易戦争」を開始したのは、米国である。そして、国際秩序を破壊している件についても、「クリミアを併合した」ロシアというよりは、「パリ協定」「イラン核合意」から離脱した米国のことを指しているのだろう。

「孫子の国」中国は、米国と欧州の亀裂を巧みに利用する。

<中国は米中関係の悪化を見据え、欧州との関係を重視している。>(同前)?

<李首相は今月ドイツを公式訪問して経済連携の強化で一致。10日には、ノーベル平和賞を受賞した民主活動家で昨年7月に事実上の獄中死をした劉暁波氏の妻、劉霞さん(57)を解放し、人権問題に関心の高い欧州諸国に配慮を示していた。>(同前)?

 劉暁波氏の妻、劉霞さんも、中国にとっては「政治の道具」に過ぎない(それでも、ドイツに脱出できてよかったが)。

「アメリカファースト」を掲げるトランプは、これまで「有言実行」を貫いてきた。「公約を守ること」は、もちろん美徳だろう。しかし、その「公約」自体に問題があれば、約束を守ることで危機が起こることもある。

 「トランプ外交」の結果、起こる可能性のある「大きな災い」が2つある。

 1つは中東戦争だ。トランプ米国は、「イラン核合意」から離脱した。ところが、この合意に参加した他の国々、具体的には、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、イランは「合意維持」を求めている。しかも、国際原子力機関(IAEA)は「イランは、合意を守っている」と宣言しているのだ。

 この件に関しては、「米国が正しい」と考える国は、イランと敵対するイスラエル、サウジアラビアくらいしかない。にもかかわらず、トランプは世界中の国々に「イランからの原油輸入をやめろ」「やめなければ制裁を科す」と脅している。

 これに反発したイランのロウハニ大統領は7月22日、「イランとの戦争が究極の戦争になることを(米国は)理解しなくてはならない!」と、米国を威嚇した。

トランプが仕掛ける貿易戦争が
世界経済危機を招く恐れも
 トランプも早速反撃。「イランのロウハニ大統領へ。米国を二度と脅すな。さもなければ、これまでの歴史でほとんど誰も被ったことのないような結末に見舞われるだろう。米国はもはやイランが発する暴力と死の狂気の言葉を我慢する国ではない。気を付けろ!」とツイートした。

 これを読んで、トランプと金正恩のやり取りを思い出したのは、筆者だけではないだろう。

 しかし、北朝鮮とイランには決定的な違いがある。そう、北朝鮮には核兵器があるが、イランにはないのだ。つまり、トランプにとってイランは、「北朝鮮よりは戦争しやすい相手」ということになる(もちろん、人口8000万人の大国イランと戦争することは、容易ではないが)。

 もう1つの「大きな災い」は、貿易戦争だ。米国は、中国、欧州と貿易戦争を開始したが、エスカレートすれば、世界GDPの6割を占める国々の貿易量が減ることになる(2017年の世界GDPに占める割合は米国24%、欧州22%、中国15%だった)。

 当然、米欧中の企業は生産を減らす。売り上げと利益が減ることで投資、消費も減少。その結果さらに生産が減るという、「縮小スパイラル」に突入していく。この貿易戦争が、容易に「世界的危機」に転化し得ることは、多くの専門家が指摘している。

 例えば、ノーベル賞を受賞した経済学者のポール・クルーグマン氏は、以下のようなツイートをした。

<「トランプ大統領が貿易戦争に向かって行進する中、私は市場の慢心に驚いている」と、クルーグマン教授はツイッターに投稿。
「トランプ氏が行くところまで行って、世界経済を壊すのかは分からない。しかし、相当な可能性があるのは確かだ。50%?30%?」と続けた。>?(ブルームバーグ 6月20日)

 そうでなくても、日本経済には、2つの「危機要因」が存在している。

 1つは、来年10月の「消費税再引き上げ」だ。これで、消費は落ち込むだろう。もう1つは、「東京五輪バブルの終焉」。すでに、銀行は不動産への融資を渋るようになり、価格が下がり始めている。日本経済には現在、「暗雲」が漂いはじめている。これに、トランプの貿易戦争が追い討ちをかけるような事態になれば最悪だ。

 当事者たちもさすがにマズいと思ったのか、7月25日、トランプと欧州委員会のユンケル委員長がホワイトハウスで会談。貿易戦争を回避するための協議を開始することで合意した。協議が進展し、世界に不幸をもたらす米欧貿易戦争が回避されることを願う。


 


 

トランプ氏、再び「政府閉鎖」警告 国境壁予算を要請

トランプ米大統領(写真)は、議会がメキシコ国境の壁建設予算を確保し、新たな移民規制法を成立させなければ、政府閉鎖もいとわないとツイートした

By Siobhan Hughes and Peter Nicholas
2018 年 7 月 30 日 09:40 JST 更新

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は29日、議会がメキシコ国境の壁建設予算を確保し、新たな移民規制法を成立させなければ、政府閉鎖もいとわないとツイートした。大統領は6月、11月の中間選挙で共和党が大幅に議席を増やすまでこうした議会との対立は避けるべきだとの考えを示していたが、前言を翻した格好だ。


Donald J. Trump
?
@realDonaldTrump
I would be willing to “shut down” government if the Democrats do not give us the votes for Border Security, which includes the Wall! Must get rid of Lottery, Catch & Release etc. and finally go to system of Immigration based on MERIT! We need great people coming into our Country!

10:13 PM - Jul 29, 2018
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 トランプ氏はツイッターで「民主党が壁建設など国境の安全強化に賛成しないのであれば、政府を『閉鎖』することもいとわない」と主張。さらに「移民多様化ビザ(査証)抽選制度や、国境で身柄拘束した不法入国者をいったん釈放する制度などを廃止し、もうこの辺で(教育・技能水準や英語力を考慮する)メリットベースでの移民受け入れを採用すべきだ。われわれは立派な人たちに米国へ来てもらう必要がある」と書き込んだ。

 歳出法案可決の期限である9月30日が2カ月後に迫る中、トランプ氏の警告は議会共和党にとって新たな頭痛の種となる。また、中間選挙の前に政府閉鎖を招かないでほしいという同党からの水面下での求めを同氏がはねつけたことにもなる。共和党指導部は政府機関が閉鎖された場合の責任を問われることを恐れている。そうなれば、中間選挙において同党が上下両院で過半数を失うことにもなりかねない。特に、定員100議席のうち過半数ぎりぎりの51議席しかない上院では死活問題だ。

 上院国土安全保障・政府問題委員会の委員長を務めるロン・ジョンソン議員(共和、ウィスコンシン州)はCBSテレビの報道番組「フェイス・ザ・ネーション」で政府機関の閉鎖について、11月の選挙で共和党にとって「助けにならないと思う」と語り、「だから回避しよう」と訴えた。

 全国共和党議会委員会(NRCC)委員長のスティーブ・スタイバーズ下院議員(共和、オハイオ州)は29日、ABCテレビの番組「ジス・ウィーク」で、「政府を閉鎖することにはならないと思う」とした上で、「移民政策を改善するつもりだ。国境の安全が必要だ」と述べた。

 あるホワイトハウス関係者はトランプ氏が再び政府閉鎖を持ち出したことついて、「ツイートを見たとき非常に驚いた」と語り、中間選挙直前というタイミングは共和党にとって不利に働くとの見方を示した。ポール・ライアン下院議長(共和、ウィスコンシン州)とミッチ・マコネル上院院内総務(共和、ケンタッキー州)は、中間選挙のわずか数週間前での政府閉鎖を回避するため、数カ月前から力を合わせて歳出法案の可決を目指している。

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トランプにも一分の理、なのか?御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」
2018年7月30日(月)
御立 尚資


(写真: ロイター/アフロ)
 「トランプにも一分の理」。最近、米国の友人と話していると、こういった意味の意見を言う人が増えている。とはいえ、いわゆる“隠れトランプ”層というわけではない。

 トランプ大統領の言動の支離滅裂さにはうんざりし、これまでの価値観を破壊しつつ、それに代わるべきものや米国の将来ビジョンを示さない・示せない部分には怒りを感じる。そういう人たちであっても、トランプ氏のことを「三分の理」というほどは認めるわけにはいかないが、彼が提起した論点の中には真実をついている部分があるので(やっていることは本質的な解決をもたらさないものの)「一分」くらいの「理」はある、というのだ。

 たとえば、今回のNATO(北大西洋条約機構)首脳会談。ロシアがここにいないのは不自然だ、と発言し、徹頭徹尾「もっと欧州各国は軍備にかかわるコストを負担せよ」と言い続けたトランプ氏は、会議をぶち壊しにした責任は免れない。

 しかし、(経済・金融問題での調整機能を有するG7とは違い)冷戦終了によって、元々の対ソ連軍事連合という位置づけは見直しが必要なのに、従来の延長で存在し続けているNATOのこれからのあり方、あるいは、その中での各国の負担分担の考え方。方法論は別として、こういった点を先送りせずに提起したこと自体は正しい、ということらしい。

リーダー国家としては、無責任だが…
 これまでの自由貿易体制の要であったWTO(世界貿易機関)の機能不全や、その仕組みの中での中国等新興経済のいいとこどりについても同様だ。乱暴にまとめてしまえば、「第二次大戦以降、世界を律してきた仕組みが制度疲労を起こしているのは事実、それを、白日の下に晒した価値はある」ということだろうか。

 もちろん、解決策は「米国の負担減、カウンターパートの負担増」というゼロサムの中でのディールしかない、とするやり方は論外。また、世界のガバナンスシステムについての将来ビジョンよりも、米国ファーストで勝ち取れるものを勝ち取ることが重要という姿勢もリーダー国家としては、はなはだ無責任と言わざるを得ない。

 さらに言えば、ちゃぶ台返しのようなやり方で、これまでの制度・仕組みと過去のリーダーたちを罵倒することで、みずからの支持者層から喝さいを受ける。このポピュリズム的手法は、危険な道だと思う。

 これらの問題点を踏まえた上で、国際関係について提起している一部には、正しい論点も含んでいる、ということだ。

 トランプ大統領登場以前から、時代の変化の中で、白人の労働者層を中心に、中流層から没落していく人たちが増えていた。それにもかかわらず、米国の政治・経済システムはそこに有効な手を打ててこなかった。当然、このことに対して、「忘れられた白人層」の人たちは、不満を持ち、強いアンチエスタブリッシュメントの思い・エトスを心に秘めていたに違いない。

 トランプ大統領は、そこを突き、現在の選挙制度のひずみもあって、マグマのように溜まっていた思い・エトスを利用することで当選を果たした。

 ここでも、中流の崩壊にどう対応するか、という論点自体は正当なもので、理がある。が、その答えをきちんと提示するのではなく、ネガティブな思い・エトスを自らが有利になるように利用したあたりは、とても正当化できない。

 「正当だが見過ごされた、ないし先送りされた論点」をつき、同時に「有権者の不満をあおり、過去のやり方とリーダーを罵倒することで喝采を受ける」という組み合わせで、自らの選挙勝利を獲得したわけで、トランプ氏が中間選挙、そして再選を睨んで、さまざまな国際問題についても同様の手法をとることは、当然なのかもしれない。

ポジティブな変革には、何が必要か
 さて、先送り、ないし見逃されてきた論点をきちんと提起する。その中で、変革を起こすために、人々の中にある思い・エトスを活用する。このどちらも、ポピュリスト的政治手法だけではなく、変化を避けがちな社会に対して、ポジティブな変革を起こしていくためにも、重要なポイントだ。

 最近のコラムで、明治維新が実現した背景には、欧米列強の脅威だけでなく、門閥制度に阻まれて政治・行政のリーダーになれない下級武士の思い・エトスがあったのでは、という話を紹介させていただいた。

 当然のことながら、それに続く問いは、今どうするのか、ということになる。さまざまな制度疲労にもかかわらず、大きな変化を避けてきた我が国に、ポジティブな変革をもたらすためには、どのような思い・エトスを拾い上げ、前向きな変革への力に変えていくのか、という問いだ。

 正直なところ、現時点での個人的仮説めいたものになってしまうが、次回のコラムでは「いま着目すべき、日本の中に蓄積されてきた思い・エトス」について、少し触れてみたい。これが、来るべき議論のスタートポイントとなることを期待して。

 具体論は次回に譲るが、私が「これは大事だな」と思う思い・エトスは、「地域愛」、「従来型経済成長への疑義」、「相対的貧困への怒りと将来不安」の3つだ。それぞれ、微妙に重なる部分があり、またその思い・エトスの具体的な顕れは、散発的な「点」に留まっていて、力となる「線」や「面」にはなっていないが、厳然と存在すると考えている。これらの背景と、今後どのような形で、ポジティブな活用を図っていくかについて、議論をしていきたいと思う。


このコラムについて
御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」
コンサルタントは様々な「レンズ」を通して経営を見つめています。レンズは使い方次第で、経営の現状や課題を思いもよらない姿で浮かび上がらせてくれます。いつもは仕事の中で、レンズを覗きながら、ぶつぶつとつぶやいているだけですが、ひょっとしたら、こうしたレンズを面白がってくれる人がいるかもしれません。
【「経営レンズ箱」】2006年6月29日〜2009年7月31日まで連載


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/564.html#c2

[国際23] 貿易戦争の米中がWTOで衝突 経済モデルから中国の国家体制まで激論(ロイター) 赤かぶ
5. 2018年7月31日 10:49:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1071]

寄稿】中国が負けるトランプ貿易戦争
自分へのダメージを競い合う「酒飲みコンテスト」
By Donald L. Luskin
2018 年 7 月 30 日 16:04 JST

――筆者のドナルド・ラスキン氏はトレンド・マクロリティクスの最高投資責任者

***

 ドナルド・トランプ米大統領が25日、欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長と臨んだ共同記者会見において明確に伝わったメッセージがある。第三国の「不公正な貿易慣行」に対抗するために米国と欧州連合(EU)が協力すると発表したとき、誰を標的にしているのか分かるよう中国を名指しする必要さえなかった。米EU合意は中国の保護主義モデルを圧迫するだろう。この合意が結ばれる以前から、中国が既に白旗を揚げつつあることを示す証拠が散見された。

 確かに中国は、トランプ政権が関税を発動すると直ちに報復関税を課すなど、ある意味では強がっている。だが米国株が過去最高値に迫り、ドル相場が上がり続けるのに対し、中国株は軟調となり、1月から25%下落した。人民元は6月に対米ドルで月間下落率が過去最大を記録し、7月も同様に落ち込む見通しだ。中国の社債は過去6カ月間、記録的なペースでデフォルト(債務不履行)が発生している(それでも中国政府は今週、企業に一層の借り入れを促す新たな景気刺激策を発表した)。

 だからこそ中国人民銀行(中央銀行)の易鋼総裁は今月出した声明の中で、「中国経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は健全だ」と(世界大恐慌時の)ハーバート・フーバー大統領のような発言をする異例の措置を講じたのだろう。また、人民銀金融研究所の孫国峰所長が、中国は「元相場を貿易紛争に対処する道具として使うつもりはない」と語ったのもそのためだろう。

 貿易戦争においては通貨安誘導が標準的な武器であり、トランプ氏が先週ツイートしたように、中国はこの武器を使っているとしてたびたび非難されてきた。中国の保有する1.4兆ドル(約155兆円)の米国債を放出する可能性があることを考えると、通貨下落の危険性は一段と高まる。だが元安容認の意図を否定したことにより、中国は自発的に武器を放棄した。これは平和主義に基づく高貴な行為ではない。そうせざるを得なかったのだ。元が下落すれば、投資家に敬遠される恐れがあり、それは新興国にとって存亡に関わる脅威となる。中国の国家資本主義モデルは一度も景気後退に見舞われたことがなく、もし資本逃避が生じれば、従来は隠れていた経済の弱点が一気に浮上する可能性がある。

中国は貿易戦争が本当の意味での戦争ではないことに気づき始めた
中国は貿易戦争が本当の意味での戦争ではないことに気づき始めた PHOTO: ISTOCK/GETTY IMAGES
 本来は時折起きる景気後退によって市場の規律が働くが、それがなければこうした経済の弱点は蓄積する。中国経済のもろさは経済成長率に表れている。借入比率の高まりにもかかわらず、また商品(コモディティー)や不動産への過剰投資が広がる中でも、同国の経済成長率は鈍化している。米国との貿易戦争がエスカレートすれば、中国は景気後退というまだ見ぬ領域に踏み込む可能性がある。資本逃避をきっかけに金融市場が崩壊し不況に陥るかもしれない。そうなれば失業率が4.3%以上を記録したことがない同国で大量の失業者が生まれかねない。そのようなシナリオを念頭に、中国政府は(暴動鎮圧のための)十分な数の武装警官がいるかどうか思案しているに違いない。

 資本逃避のリスクは現実にある。中国が前回、元安を容認した際は――2014年初めから元の下落が始まり、2015年半ばには事実上のドルペッグ制から通貨バスケット連動制に移行した――最終的に外貨準備が1兆ドル近く減少し、いまだに以前の水準に回復していない。今回の元安を受けて、再びある程度の資本逃避が起きているようだ。

 強硬な発言が一部から出ているものの、人民銀はさらなる資本流出を避けるため自発的に武器を放棄した。それは無理もないことだ。また人民銀は既に国内企業に対し、米国製品の輸入にかかる関税を払い戻すことを提案している。さらに海外の投資家への意思表示として、一部の業種で外国企業の出資比率を一方的に緩和することを発表した。

 中国は貿易戦争が本当の意味での戦争ではないことに気づき始めた。それはむしろ男子学生の社交クラブで行われる酒飲みコンテストに近い。つまり自分の番が回ってくると、相手よりも自分自身がダメージを受けるのだ。貿易戦争の場合、各国が自国民への負担が増す輸入関税を発動するが、それは自分たちの方が競争相手よりも痛みに長く耐えられると踏んでいるからだ。

 なぜそのようなゲームをするのか。慎重に選んだ自傷行為は、有意義な目標実現のための投資とみなされるからだ。例えば1980年代のレーガン政権下でのソ連との軍拡競争は、自ら高率関税を課したようなものだが、米国は結局、ソ連よりもこの重荷に耐える力が強かった。サムおじさん(米国)は最終的にロシアの熊より多くの酒を飲み干し、冷戦に勝利したのだ。

 米国は中国との貿易戦争にも同じやり方で勝利するだろう。人民銀の声明からは、中国が今以上に大量の酒を飲めば耐えられないと承知していることが分かる。唯一の疑問は、トランプ氏からイエスの答えを引き出すためにどんな条件を受け入れるつもりかということだ。中国が政府系メディアに対し、トランプ氏を悪者扱いするのをやめるよう命じたのは不思議ではない。当局は習近平国家主席がディール(取引)を結ぶことが不可避になった場合、その痛みを最小限に抑えようと必死なのだ。

 酒飲みコンテストに例えられるのはここまでだ。互恵的貿易の素晴らしい点はそれがプラスサムゲームであり、参加者全員が以前より良い状態になることにある。貿易紛争を通じて中国がより多くの外国人投資家や外国製品を受け入れ、世界貿易機関(WTO)のルールを順守し、外国の知的財産を尊重することを余儀なくされるならば、中国は敗北感を覚えるだろうが、実際は状況がよくなるはずだ。経済・政治の両面でこれほどの開放性が実現すれば、中国は数十年にわたり、成長の第2波を加速させる可能性がある。そうなれば今も農村部で貧しい生活を送る数億人の人々が輝かしい新たな都市部に流入するだろう。

 リチャード・ニクソン元大統領は中国を訪問し、20世紀にふさわしい道筋を指し示した。今度はトランプ氏が、貿易戦争という予想外の手段を使い、中国を21世紀へと案内する先導役を務めている。

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【第132回】 2018年7月31日 加藤嘉一 :国際コラムニスト
「台湾問題」が米中貿易戦争のカードになった場合の3つのシナリオ
米中貿易戦争解消のため台湾問題がカードして利用される可能性も
米中貿易戦争の行く末は? Photo:PIXTA
米中間の通商摩擦は
もはや「言葉遊び」の段階を過ぎている
「一部の人間が中米関係を撹乱させたがっているのは不幸なことである。彼らは中米経済貿易関係の真実を捻じ曲げ、台湾や他の中国の主権や領土保全に関わる問題にまで火種を拡散させようとしている。これはとても危険なことであり、我々はそのような動きに対して高度な警戒心を保持しなければならない」

 7月25日、米国ワシントンにあるシンクタンク、カーネギー国際平和基金で開催された米中関係のイベントで、崔天凱駐米中国大使がこう指摘した。米中間で貿易戦争をめぐる駆け引きや攻防が不透明に激化している現状の下、中国外務高官による発言であるだけに、筆者は真剣に受け止めた。

 前段落で“貿易戦争”という具合に「“ ”」を付けなかったのには明確な理由がある。

 それは、米中間ですでに貿易戦争が勃発した、米中間の通商摩擦はもはや言葉遊びをしていられる段階を過ぎているという背景を元にしている。もちろん、何をもって「貿易戦争」というのか、その定義とは何なのかをめぐっては唯一無二の解釈など存在しないだろうし、さまざまな時代、人々、業界、地域、局面によって異なる議論が展開されるべきだと考える。

 昨今の情勢・文脈において、いつ、どのようにして米中間で貿易戦争が勃発したのかという問題に向き合うために、まずは中国政府の担当当局である商務部の高峰報道官が7月19日の定例記者会見にて発表した次のコメントをご覧いただきたい。少し長くなるが状況整理・現状理解という意味で重要だと判断するため、翻訳・引用する。

「最近、米国側で複数の官僚が、対外的に中米交渉が亀裂した責任は中国側にあると宣伝しているがそれは事実ではない。実際、今年の2月以来中米間では前後4回に及び協議を行ってきた。中国側は終始最大限の誠意、協力とウィンウィンの態度を持って問題解決を推進してきた。特に5月19日には双方は重要な合意に達し、共同声明まで発表した。しかし、5月29日米国側が一方的に声明を発表し合意を破棄してしまった。6月初旬、双方はエネルギーと農業の分野で具体的な協力に関する合意に達したが、6月15日に米国側は再び合意を破棄し、7月6日には米国側は公然と貿易戦争を仕掛けてきた。7月11日、それはさらにエスカレートした。我々はこれらの状況に深い遺憾の意を表明すると同時に、このような単独行動主義と貿易覇凌(筆者注:「いじめ」の意)主義は受け入れられない。全体的過程を通じた実際の状況から見て、米国側で繰り返される信用の破棄こそが双方間の交渉の門が閉ざされてしまった原因である」

7月6日に米国側が「貿易戦争を仕掛け」
中国側が報復措置を取った
「2月以来4回に及ぶ協議」とは、(1)2月末から3月頭にかけての劉鶴・国務院副総理一行の訪米、(2)5月初旬、スティーブン・ムニューシン財務長官一行の訪中、(3)5月中旬、劉鶴国務院副総理一行の訪米、(4)6月初旬、ウィルバー・ロス商務長官一行の訪中を指している。

 7月6日の「貿易戦争を仕掛けてきた」というのは、米国側が知的財産権の侵害などを理由に中国からのハイテク製品や電子部品など818品目、総額340億ドル相当の商品に対して25%の関税措置をかけるという決定を、7月11日の「さらにエスカレート」とは米国側が中国からの2000億ドル相当の輸入品に対して10%の追加課税を行う用意があることを発表したのを指している。

 高峰報道官は、中国側が「米国が実際に340億ドル相当の中国商品に25%の関税をかける決定事項を発表したこと」を貿易戦争の勃発と認識する立場を明確に示唆した。

“この日”に備えて念入りな準備をしてきた中国は即日、大豆、綿花、食肉、自動車といった米国産品に同規模の関税をかけることを発表している。

 報復措置を取った=貿易戦争を受けて立った、と筆者は理解したが、念のため、本稿を執筆するに当たり、北京の中国外交部で対米交渉を担当する幹部とワシントンの駐米中国大使館に勤務する外交官の2人に「中国政府は7月6日を米中貿易戦争勃発日、言い換えれば“初日”と認識しているという理解で間違いないですか?」と確認してみると、2人も「そういう理解で間違いない」と返答してきた。

 中国側の理解と立場は、米中間で大小2回の合意に達したにもかかわらず米国側に裏切られ、揚げ句の果てに貿易戦争が勃発したということであるが、筆者は続けてこの2人に同じ質問をしてみた。

「この期に及んで、米国を信用した上で前向きに協議を続けますか?」

 2人は興奮するわけでもなく、冷酷に「いいえ」と返答してきた。上記の高峰報道官によるコメントの最終部分「双方間の交渉の門が閉ざされてしまった」とも合致する。

 要するに、7月6日以降の“現状”はそれまでの「貿易戦争を避けるという目標と大義が横たわる前提で互いに牽制・警告・批判し合っていた」段階から、「貿易戦争が勃発してしまったという結果と事実が立ちふさがる前提で互いにXX・YY・ZZし合っていく」段階に突入しているのである。

 7月6日の前後で、米中経済貿易関係をめぐる様相や空気感自体はそれほど変わっていないのかもしれない。

 しかし、それをめぐる段階と構造は180度変わってしまったと言っても過言ではない。私たちはそういう前提で米中貿易戦争の行方、そしてそれが及ぼす影響を観察していく必要があるということである。

中国は経済貿易問題に限れば
米国との貿易戦争に“徹底抗戦”する?
 XX・YY・ZZがどのようなものになるのかについては、今後の展開を注視していかなければならないと考えるが、参考までに7月26日に行われた商務部定例記者会見にて高峰報道官が「トランプ大統領が近日5000億ドル相当の中国からの輸入品に関税をかける準備ができていると主張しているが、商務部としてはこれにどうコメントするか」という記者からの質問に次のように答えている。

「これまで何度も強調してきたが、中国側として貿易戦争は戦いたくない。ただ貿易戦争を戦うことを恐れもしない。国家の核心的利益と中国人民の利益を断固として死守していく次第である。と同時に、我々は世界各国の貿易パートナーとの経済貿易協力を強化し、自由貿易の原則と多国間貿易体制を共同で守り、世界経済の健康的・安定的な運行を推し進めていきたいと考えている」

 筆者が推察するに、中国は少なくとも経済貿易問題に限って言えば、もはや米国を信用もしなければ前向きに協議を推し進めるつもりもない。ただ米国側から投げられたボールに対しては、それを無視するのではなく、一つひとつ、繰り返し中国側の立場と意思を表明していくものと思われる。

 その立場とは米国との貿易戦争に“徹底抗戦”するというものであり、意思とはトランプ政権が自由貿易システムや多国間主義を踏みにじるかのような“内向き”の言動や政策を取り続ける状況下で、途上国や新興国だけでなく、日本や欧州、特に米国の同盟国に接近し、経済貿易から関係を強化し協定を締結していく過程で、あるいはその結果として米国を“孤立”させ、自らの国際的影響力と発言権を向上させるという国家戦略である。

 そして、そんな戦略を支えるのが習近平国家主席の対外的野心とそれを“応援”する中国国内のナショナリズムというのが筆者の理解である。

 米中関係はどこへ向かっていくのだろうか。

「中米は依然として同じ船の上にいる」と主張する崔天凱駐米大使は、冒頭で記したイベントで「両国が直面している共通の挑戦は、中米関係が不確定性と未知の水域を乗り越えて、より良い形で両国と世界に貢献していくかである」と指摘している。

 筆者もそう思う。

 崔大使が言及した「不確実性」、そして「未知の水域」というのは、対米貿易戦争が今後どういう展開を見せていくのかに対する中国側の懸念と無関係ではないだろう。「この貿易戦争がどこに落ち着くのか、我々にも全く読めない」(前出の中国駐米外交官)

貿易戦争の過程で
台湾問題が取引のカードと化す!?
 日本の安定と繁栄に関わるより深刻な事態という意味で、筆者が注視し懸念する今後の展開として、貿易戦争が台湾問題と直接的にリンケージする、換言すれば、貿易戦争が展開される、あるいは解決される過程で台湾問題が取引のカードと化すことである。

 現段階でもそれはすでに潜在的なカードであり、米国側はそれを選択肢として練り、中国側はシナリオとして考えていることと察する。

 仮に、米国側が中国側に対して「すべての報復措置を取りやめてほしい。さもなければ、これまでもトランプ政権として構想にあったように、近いうちにジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官を台湾へ派遣する。ただ我々も中国側が固執する“一つの中国”政策を理解している。故に派遣には慎重になるつもりでいる。そのためにもぜひ報復措置の取りやめを検討してほしい」と迫ってきた場合、中国側はどう反応・対応するだろうか。

 このシナリオをめぐって、現在筆者は中国の党・政府・軍・学術関係者らと議論を重ねている。今後機会があれば議論の中身も何らかの形で紹介したいと考えているが、ここでは中国側の反応・対応として考えられる3つの可能性を簡潔に書き下し、本稿の結びとしたい。

 どの可能性が高いか、最も現実味を持つかに関しては読者の皆様一人ひとりのご想像にお任せする。筆者自身は今現在も観察・思考・議論の最中であり、少なくとも確定的な回答は持ち合わせていない。

 (1)米国側の要望を受け入れ、報復措置を取り止める。中国は“一つの中国”という核心的利益を死守する代わりに貿易戦争で妥協したことになる。

 (2)米国側の要望を拒否し、ボルトン補佐官の台湾訪問が現実化する。中国は米国によって核心的利益が脅かされるのを容認したことになる。

 (3)(2)を受けて、米国によって核心的利益が踏みにじられたという“被害者”としての立場を国内外に訴えつつ、これを機に、中国共産党としての念願である“祖国統一”“台湾奪回”を実現するための行動を取る。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)


 

米EU通商協議に早くも亀裂、農産物で解釈にずれ
26日、アイオワ州で地元の経済人との討論会に参加したトランプ大統領
26日、アイオワ州で地元の経済人との討論会に参加したトランプ大統領 PHOTO: SCOTT OLSON/GETTY IMAGES
By Jacob M. Schlesinger in Washington and Emre Peker in Brussels
2018 年 7 月 28 日 09:18 JST 更新

 米国と欧州連合(EU)が合意した通商協議を巡り、早くも双方の隔たりが浮き彫りとなっている。ドナルド・トランプ米大統領は26日、通商問題でEUと「画期的な合意」に達したとして、先のジャンクロード・ユンケル欧州委員長との会談の成果を誇示。だが欧州当局者は27日、トランプ大統領と側近らは、新たな協定の交渉範囲を誇張しているとして反論した。

 トランプ大統領は26日、遊説先のアイオワ州で、「われわれは米農家のために、欧州市場を開放した」と主張した。

 これに対し、欧州委員会のミナ・アンドリーバ報道官は27日、「農業は通商協議の範囲外であることをわれわれは極めて明確にしてきた」と指摘。「農産物については交渉しない」と述べ、トランプ大統領の発言内容を否定した。アンドリーバ報道官はEUの交渉団の一員として、今週ワシントンを訪問している。

 25日の米・EU首脳会談の結果を巡り、双方の解釈にすでに違いが出ていることは、合意がいかに曖昧であったかを物語っており、今後細部について交渉を進める中で、再び亀裂が表面化する恐れがある。

 互いに関税を発動するなど米国とEU間の通商紛争が激化する中で、トランプ、ユンケル両氏の合意は休戦に相当すると受け止められていた。

 両首脳は25日、関税・非関税障壁・補助金の削減に向けた交渉を開始することで合意したと発表。米国は交渉期間中は、発動の構えを見せていた自動車関税の棚上げを表明する一方、双方は最近発動した通商障壁の解消に向けた方策を協議することで合意した。

 米国・EU当局者とも、2つの具体的な農産物が議題に上がったことでは意見が一致する。欧州側は、25日の首脳会談以前から、米国産の高品質牛肉の輸入拡大に向けて米国側と協議していたと明かす。これに加え、欧州側は米国産大豆も輸入する考えを示した。米国産大豆に対しては、中国が対米報復措置として関税を発動しており、トランプ大統領にとっては、政治的な急所となっていたためだ。

 だが欧州当局者は、ホワイトハウスの首脳会談でも、この牛肉・大豆以外の農産物は今後の協議には含めないと明確にしていたと話す。

 欧州が通商交渉を行う上で、農産物はとりわけフランスにとり、最もセンシティブで難しい問題だ。欧州と米国は長年にわたり、欧州の関税や、米国のホルモン剤・遺伝子組み換え作物使用などを巡り、対立してきた。トランプ大統領の側近が交渉の範囲を工業製品から農産物まで広げようとした際、欧州当局者は米国に対し、政府調達における「米国製品の優先購入義務づけ(バイ・アメリカン)」条項を撤回するよう要求する構えを見せたという。これはトランプ政権にとっては、決して要求を受け入れることのできない、いわば聖域だ。

 ユンケル氏は会合後、記者団に対し、米国は「すべての農産物を含めるよう強く主張した」と明らかにした。その上で「われわれはこれを拒否した。私はその負託を受けていないし、欧州にとっては大変センシティブな問題だ」と語った。

  共同声明では、双方は「自動車以外の工業製品について」関税、補助金、非関税障壁を段階的に廃止する目標を共有しているとしか言及されていない。だが声明文は同時に「農家と労働者に市場を開く」とも指摘している。

 トランプ大統領と側近らは、欧州側とは異なる解釈を示しているようだ。ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は26日、上院委員会で「われわれの見解では、農産物についても協議する。以上だ」と述べている。

 トランプ大統領には、通商交渉の成果を誇示する政治的な動機がある。米農家はこのところ、トランプ政権の強硬的な通商政策を強く批判しており、貿易相手国による報復措置の主要な標的に上がっている。

 米国とEUの通商交渉において、農産物は常に大きな争点となってきた。オバマ前政権が進めていた米国とEUの環大西洋貿易投資協定(TTIP)交渉でも、公的部門調達などと並び、農産物が大きな障害となり、交渉がとん挫した経緯がある。


 

 

「米欧休戦」から読む、日米貿易協議の行方 TPPベースの「日米EPA」を目指せ
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」


2018年7月31日(火)
細川 昌彦


7月25日に開催された米欧首脳会談に挑む、ユンケル欧州委員長(左)とトランプ米大統領(写真:AP/アフロ)
 米欧間の貿易摩擦は、首脳会談で当面の摩擦拡大を回避した。メディアは、「ひとまず『休戦』を演出」と言う。しかし、そこには報道だけでは見えてこない本質が潜んでいる。それは、これから始まる日米の新貿易協議(FFR)への示唆だ。

合意にない「自動車と農産物」にこそ本質がある
 まず米欧首脳会談の合意では、「自動車を除く工業製品の関税、非関税障壁、補助金の撤廃に取り組む」という。これをどう読むべきか。

 むしろ、この対象外である「自動車と農産物」こそが、米欧間の貿易摩擦の本丸だ。

 自動車の関税撤廃は米国が難色を示して除外された。これは欧州連合(EU)の高等戦術の結果だ。トランプ大統領はEUが課す10%の自動車関税を批判して、EUが譲歩しなければ、20%の追加関税を課すと脅している。これに対して、EUは米欧双方で自動車の関税を撤廃することを提案した。これは米国を逆に揺さぶることになる(参考:「メガFTA」が対米、対中戦略を左右する)。

米国のアキレス腱は「ライトトラック」
 実は米国は自動車分野にアキレス腱を抱えている。それは米国で言うところの「ライトトラック」だ。

 米国は乗用車の関税は2.5%だが、ビッグスリーの儲け頭であるピックアップトラック、SUV(スポーツ用多目的車)などを「ライトトラック」として25%の関税をかけている。米国はこれを死守したいのだ。乗用車では収益を上げられないビッグスリーにとって死活問題だ。米国は50年以上も前からこの高関税を譲らない長い歴史がある。

 米国の「ライトトラック」へのこだわりは尋常ではない。

 かつてTPP(環太平洋経済連携協定)交渉でも、29年間25%を維持して、30年後に撤廃することで合意した。信じられないぐらい先だ。先般の米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉でも、韓国に対して鉄鋼の追加関税の脅しを武器に圧力をかけて、「2021年までに撤廃する」とされていたものを、20年先延ばしして2041年までにした。EV(電気自動車)などの台頭で激動の自動車産業は30年後には様変わりで、そんな先の関税撤廃を約束してもほとんど無意味だ。

自動車は単なる「交渉カード」であることが露呈
 さらに言えば、トランプ大統領は自動車関税を単なる「交渉カード」として使っているに過ぎないとも見ることができる。「自動車関税の相互撤廃」というEUの揺さぶりで、それが露呈しただけだ。「今回EUから譲歩を得られたのも、自動車関税での脅しが効いたからだ」とロス商務長官は正直に吐露している。まだこの脅しのカードを米国は手放したくないのだ。EUは「交渉が続く限りは自動車への追加関税はない」と説明するが、これを裏返して米国から言えば、「脅しのカードを持ち続けて交渉する」というものだ。

 他方、EUの守りたい本丸は農産物だ。農業国フランスの抵抗もあって、大豆の輸入以外、農産物については今回の合意には全く触れられていない。「貿易障壁の撤廃を話し合う対象から農産品は除外された」とする報道は、EUサイドからの都合のいい説明を鵜呑みにしたものだ。

 米欧の本丸である自動車、農産物はまだこれからの交渉なのだ。合意文にも、「これは対話のスタートであって、多くの他の産品、問題に今後取り組む」とされている。従って「自動車は棚上げ」「農産物は交渉の対象外」という報道は表面的過ぎるだろう。

日米交渉での自動車問題をどう見るべきか
 これは日本にとっても参考になる。

 自動車分野は米国の自動車関税が攻められる立場にあるにもかかわらず、「相手国の自動車市場を攻めることによって、これを回避する」というのは米国の常套手段だ。攻撃は最大の防御なのだ。昔から日本市場に対して非関税障壁の閉鎖性といって難癖をつけ続ける理由はそこにある。そもそもビッグスリーは日本市場から撤退しつつある。こうした難癖には右往左往せず、米国のアキレス腱を堂々と突くのが正解だ。

 かつて1995年に締結された日米自動車協定が2000年に期限を迎えた。そこで米国は再延長を強く求めてきたが、当時交渉担当だった私はこれを拒否した。その際、やはりこのアキレス腱を突くのが効果的だった。

 日本のメディアは米国の主張をそのまま伝えて、日本の自動車市場が議論の焦点であるかのような報道をするが、これでは米国の思うつぼだ。8月から始まる日米のFFRを巡っても、そういう自虐的な報道には注意したい。米国は自動車の脅しを単に「交渉カード」として使っているのだ。

日米新貿易協議での米国の本音は何か
 日米のFFRは7月中にも開催と報道されていた。日本のメディアも今か今かと待ち構えていたが、なかなか日程が決まらずヤキモキしていたようだ。

 北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉についてメキシコの新大統領が予想に反して柔軟姿勢を見せたことから、米国もNAFTA交渉を優先することにしたようだ。

 また、現在行われている自動車の追加関税引き上げのための商務省調査の大統領報告を公表して、「脅し」に現実味と迫力を持たせてから交渉に臨んだ方が効果的との計算も働いたようだ。

 日本に対してもEU同様、自動車の追加関税は「脅しの道具」だ。

 しかし、自動車分野で日本がやれることは限られる。日本の自動車メーカーによる対米投資を増やすことで、米国での雇用に貢献することをアピールすることぐらいだ。ただし、これは今までの日米首脳会談でも切ってきたカードで、限界もある。

 他方、米国の要求の本丸は農産物市場だ。中間選挙を控えて、米国抜きTPP (TPP11)によって相対的に不利になる米国畜産業界などの不満解消が急務だからだ。日本としては米国に対して「TPPレベルまでの関税引き下げ」というカードを切るかどうかがポイントになる。

 ライトハイザー米通商代表は7月26日、議会の公聴会での証言で、「日米FTAを交渉すべきだ」として改めて意欲を示した。多くのメディアは、米国の狙いは日米FTAだと報道したが、この発言の意味するところを正確に理解する必要がある。

 ライトハイザー米通商代表がこう発言するのは、二国間で農産物の関税引き下げは、FTAという道具立てがないと世界貿易機関(WTO)の制度上できないからだ。FTA自体が目的ではなく、あくまでも米国が欲しいのは「農産物の市場開放」という果実だ。FTAはそのための手段に過ぎない。

TPPを内容とする「日米EPA」を
 ここが日本の考えどころだ。

 FTAにするためには、農産物だけでは成り立ち得ない。TPP交渉で農産物とパッケージで合意した自動車も当然含めて、大部分の製品をカバーしたものでなければWTOの制度上FTAとならないからだ。従って、米国にはTPP交渉で獲得した、米国の自動車関税の25年での撤廃を当然要求すべきだ。そして仮に米国が農産物でTPP以上の要求をしてきたら、もちろん拒否すべきだが、日本も米国の自動車関税の撤廃を25年よりも前倒しして要求すべきだ。

 この協議の名称「FFR=Free, Fair and Reciprocal」通り、日米が相互的(reciprocal)である必要があり、こうした要求は当然だ。

 さらに言えば、先進国間のFTAとしては、関税だけでなく、TPPで合意したような電子商取引や知的財産権などのルールも含めることによって、日欧と同様に経済連携協定(EPA)にすることが肝要だ。これも広義のFTAだ。しかし本来そういう交渉は日欧EPAのように何年もの歳月を要する。米国は決してそれを望まず、短期的成果を求めよう。本格的議論をする余裕もないだろう。

 しからば、既に交渉結果として合意した経緯のあるTPPの内容をほぼそのまま「日米EPA」とすればよい。

 米国のTPP撤退を受けて、TPP11では参加各国が米国に対して譲歩した知的財産権などの項目が凍結されている。これらも日米間では解凍して、日米EPAに含めることにするのだ。その中には、中国を念頭に置いたルールも含まれているので、これらを含めることはTPPのルールをグローバル・スタンダードにするうえで大きな意味がある。また日本にとっても、TPP11とその拡大、日欧EPAを合わせて、グローバルにルール重視の通商戦略を展開することになる。

 問題はそれによって将来、米国がTPPに復帰する誘因を減殺しないかどうかだ。まだTPP11は日本の国会承認は終わったものの、未だ発効していない段階では、他のTPP11参加国が反発しないかも気になるところだ。これらを慎重に見極めたうえで判断することが必要だ。

 なお、こうした対応は米国の自動車の追加関税を逃れるためではないが、少なくともこの交渉をしている間は、米国が日本に対して発動しないのはEUと同じだ。

大豆とLNGの輸入増は本当か?
 私は、「EUが米国から大豆と液化天然ガス(LNG)の輸入を増やす」という譲歩のカードを切ったという報道を聞いて、最初、耳を疑った。EUは中国と違って市場経済だ。中国のような、国家が国有企業に買い付けさせられるような国家資本主義の国なら買い付けの約束もできようが、どうやってコミットするのか。

 しかし、よくよく合意内容を読めば、合点がいった。実はEUが買い付けを増やすとコミットしたものではなかったのだ。ユンカー欧州委員会委員長にはそんな権限はない。

 大豆は「貿易障壁を減らして貿易を増やすために米欧双方は取り組む」というものだ。それをトランプ大統領は選挙民に対して「EUに買わせた」と、誇らしげにぶち上げているだけだ。LNGもEUが調達先を多様化するために要望し、「米国が欧州の購入を容易にする」というものだ。

 全然ニュアンスが違う。中国の「いくら購入する」とコミットする、いわゆる管理貿易と同列に受け止めてはいけない。もう少し正確に報道してもらいたいものだ。

 同じく市場経済の日本も、政府がコミットできるのは防衛装備品の調達ぐらいだ。

メディアが見過ごす、今後の国際秩序への布石
 重要であるにもかかわらず、日本のメディアが注目していないことがある。WTO改革と、知的財産権の侵害など不公正な貿易慣行などの「中国問題」にも、米欧が連携して対処することを表明したことだ。

 いずれもトランプ大統領自身の関心事項ではないのは皮肉なことだが、それにもかかわらずEUが盛り込ませたことは重要だ。

 WTO脱退にもしばしば言及するトランプ氏を念頭に置いて、日本と欧州が米国をWTO秩序につなぎ止めなければならない。そのためにはWTOの改革は急務だ。

 さらに中国を念頭に置いて、知的財産権の侵害、補助金、国有企業による歪み、過剰生産問題を米欧が日本など他の有志国と一緒になって共同歩調で取り組むことを明記したことも重要だ。これは5月末の日米欧三極貿易大臣会合で合意した内容である。しかしトランプ大統領がその意味を理解しているようには思えない。そこで今回トランプ大統領に認識させたことに意味がある。

 今後、日本にとっても重要な意味を持ってくる。日本はEUと連携して米国に働きかけており、これらはFFRでも当然重要なテーマになる。日本のメディアももっとこの点に関心を持つべきだろう。


このコラムについて
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」
経済産業省(旧通商産業省)で日米の通商交渉などを長らく担当してきた細川昌彦氏(中部大学特任教授、元・経済産業省米州課長)が、米国、中国、欧州、そして日本など世界の大国間で繰り広げられるパワーゲームの深層を読み解く。2017年2月から日経ビジネスオンラインの「ニュースを斬る」でトランプ外交などを中心に解説してきた人気コラムニスト。

 

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/555.html#c5

[戦争b22] 韓露中主導で朝鮮半島が平和になることを阻止するため米が何をしても驚かない(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
6. 2018年7月31日 10:58:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1072]

#ICBMを着実に進歩させていたとしても、誰も驚かない


ワールド2018年7月31日 / 09:11 / 2時間前更新
北朝鮮、1-2発のICBMを製造しているもよう=報道
1 分で読む

[ワシントン 30日 ロイター] - 米紙ワシントン・ポストは30日、北朝鮮が新たな大陸間弾道ミサイル(ICBM)を1発もしくは2発、製造しているもようだと伝えた。

同紙が情報機関に近い複数の当局者の話として伝えたところでは、米国の情報機関は、平壌郊外の山陰洞(サンウムドン)にある大規模な研究施設で、液体燃料を使用したICBMを製造している兆候を確認した。

この施設は北朝鮮が米国を射程に収める最初のミサイルを製造した場所とされる。


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/262.html#c6

[戦争b22] 韓露中主導で朝鮮半島が平和になることを阻止するため米が何をしても驚かない(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
7. 2018年7月31日 11:01:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1073]

そして工作員の反応も、いつものように陳腐

拉致はなかったと言い続けて、消えていった、サヨクと同じ


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/262.html#c7

[戦争b22] <海上自衛隊>最新鋭イージス艦「まや」進水 8隻態勢へ(毎日新聞) 赤かぶ
1. 2018年7月31日 11:03:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1074]

イージス艦は、中距離核の波状攻撃には無力

核抑止力のない盾など、ほとんど意味などない


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/263.html#c1

[戦争b22] <海上自衛隊>最新鋭イージス艦「まや」進水 8隻態勢へ(毎日新聞) 赤かぶ
2. 2018年7月31日 11:06:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1075]

逆に言えば、いかに核抑止力が強力か
(愚かな人類が核を恐れるか)

それは歴史と現在が実証している


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/262.html?c6#c6
北朝鮮、1-2発のICBMを製造
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/263.html#c2

[国際23] アメリカ大統領を打倒するCIA/FBI/DOJの策謀(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
3. 2018年7月31日 11:18:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1076]

コーク兄弟の団体、ノースダコタ州で共和党候補支援せず
米富豪のコーク兄弟が設立した保守派ネットワークは米議会中間選挙でノースダコタ州の共和党上院議員候補を支援しない。写真はチャールズ・コーク氏
米富豪のコーク兄弟が設立した保守派ネットワークは米議会中間選挙でノースダコタ州の共和党上院議員候補を支援しない。写真はチャールズ・コーク氏 PHOTO: BO RADER/ASSOCIATED PRESS
By Jennifer Levitz
2018 年 7 月 31 日 10:41 JST 更新

 【コロラドスプリングス(米コロラド州)】富豪として知られるチャールズ・コーク氏とデービッド・コーク氏の兄弟が設立した保守派ネットワークが、米中間選挙でノースダコタ州の共和党上院議員候補を支援しないと発表した。同選挙区は接戦の様相だが、政府支出や関税にまつわる同候補者の政策がコーク氏らのイデオロギーに反するためだという。

 小さな政府を推進し、関税に反対の立場を取るネットワークの幹部らは30日、ケビン・クレーマー候補(現下院議員)と2期目を狙う民主党のハイディ・ハイトキャンプ氏が争っているノースダコタ州の上院議員選挙で活動をしないとした。同州では輸出に頼る農家らが貿易戦争の成り行きを危惧している。

 ネットワークの政治部門を担う「繁栄のための米国人」のプレジデント、ティム・フィリップス氏は、500人以上のドナーが集まる総会でクレーマー氏について、「先頭に立つ姿勢を見せなければ、彼を支援することはできない」と発言。「われわれはハードルを上げることにした」と続けた。

 トランプ氏の政策に異議を唱えなかった共和党議員が、その報いを受けているとする議論は幅広く聞かれている。だが今回のケースはトランプ氏が様変わりさせた共和党正統派からの威嚇という珍しいケースとなった。

 ホワイトハウスからはコメントを得られなかった。

 クレーマー氏はコーク氏が率いるネットワークの判断を尊重すると声明文で述べている。

関連記事
米大富豪コーク兄弟支援の保守系団体、関税反対運動を開始
米大富豪コーク兄弟、次の政治標的は中間選挙


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/564.html#c3

[原発・フッ素50] NHKスペシャル 「ニッポン “精子力” クライシス」 やはり不妊が深刻な問題になっているようだ  魑魅魍魎男
2. 2018年7月31日 12:14:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1077]

#愚民度し難し


 

コラム  なぜ、科学者は”市民”に負けるのか ― メディアと市民と科学者の力学について ―
2018年7月30日

 なぜ、多数派の科学者の考えが市民にしっかりと伝わらないのか。これが、長く記者生活を送ってきた私の現在の疑問である。

 たとえば、牛の放射性セシウムの検査。農水省の調査によると、2013年以降、牛肉からは基準値の1キログラムあたり100ベクレルを超える例はない。もはや牛のセシウム問題は収束したといってよい。ところが、福島だけでなく、東日本の他県の牛まで延々と全頭検査が続いている。
 おそらく食品科学に詳しい専門家100人に聞けば、99人が「検査する根拠はない」と答えるはずだ。ところが、それを言い出す科学者はいないし、メディアもあまり伝えない。
 もし10人の科学者が農水省の記者クラブに飛び込み、「いつまで、こんな無駄な検査をやっているんだ。そんなお金があったら、待機児童の解消に使うべきだ」と強い口調と情熱を込めて、緊急記者会見を開けば、一定の報道効果はあると思うが、そういうアクションを起こす気配はないようだ。
 実は、似たような問題は、他の分野でもある。
 遺伝子組み換え作物はすでに1996年から、米国やカナダなどから大量に輸入され、家畜のえさや食用油の原料などに使われているが、いまだに「組み換え作物が自閉症の原因では」など、およそありえないトンデモ情報が幅をきかせている。法律では日本国内で組み換え作物を栽培しても何ら問題はないが、どの農家も栽培しない。市民団体からの抗議を恐れているからだ。
 食品に放射線を当てて殺菌する食品照射は、世界では香辛料など数多くの食品を対象に50カ国以上で承認されている。ところが、日本ではいまだ1972年に国が許可した北海道のジャガイモだけだ。10数年前、香辛料の業界が前向きに検討したが、市民団体の反対に遭い、断念。結局、この50年余り、社会的な理解は全く進んでいない。ネットで「照射、ジャガイモ」を検索するといまもネガティブな情報ばかりが上位に来る状況である。
 なぜ、こういう状況が生まれるのか。それが記者生活の中で常に抱いていた疑問だった。その解明の糸口を求めて、ずっと考えてきたが、最近になってようやく「いまは市民が物事を決める市民社会である」という厳然たる事情が背景にあることに気づいた。

■メディアは市民を忖度する
 主役は、科学者ではなく、市民だということだ。
 少し考えれば分かるが、メディアを支えているのは市民である。新聞もテレビも雑誌も、市民の購読(テレビは企業の広告収入に頼るが、市民の視聴率が支え)によって成り立つ産業である。憲法で言論の自由が保障されていて、一見、言論の自由は経済的な行為とは無縁のようにみえるが、実はメディアが発信する情報は一般の商品と同様にお金で取引される商品である。お金を出すのは市民である。
 市場社会ではお金がモノをいう。お金を出す側が強いのは当然である。

 その結果、どういうことが起きるだろうか。
 メディアは顧客の気持ちに寄り添って、商売をする(情報を売る)ようになる。顧客から見放されたら、商売自体が成り立たなくなるからだ。言論の自由といったところで、現実には、情報を売って身を立てる経済的な行為の中でしか成立していないのである。
 新聞が市民からの抗議に弱いのは、それを無視し続けると購読者が減ってしまうからだ。メディアが市民に迎合しやすいのは、選挙で政治家が市民におもねるのと似ている。政治家は市民の1票欲しさに無責任なことを口走るが、メディアは購読を維持するために、市民の要求をのむ。そして、市民の側に立つ。

 この問題を食品や環境問題のリスク報道に移して考えると、メディアは市民の気持ちに寄り添う形で市民の不安をニュースに取り込んでいくということだ。
 科学者が安全だといっても、一定数の市民が「不安です」と騒げば、メディアはそういう市民の不安に寄り添うのである。メディアにとって重要なのは、リスクが高いか低いかというよりも、市民の不安をどれだけくみ取るかである。多数の専門家が安全ですといっても、「私たち市民は安心できません」という構図がある限り、そこに記者たちはニュース価値を見つけて、市民を忖度した報道をしてゆく。

 今年5月から、ある週刊誌が「危ない国産品リスト」というタイトルで食品添加物を目の敵にして、延々と特集を続けているのも、その論調に共鳴する市民たちがいて、一定数の販売が見込めるからだ。そこに登場する人たちは、一部の偏った活動家や学者ばかりだ。どうみても、多数の食品科学者から一目置かれるような実績のある科学者ではない。それでもいいのだ。その週刊誌の狙いは市民に受けて、売れればよいのだから。
 とはいえ、あまりにも非科学的な情報を発信する同誌に対し、私が共同代表を務めるボランティアのメディアチェック団体「食品安全情報ネットワーク」(もうひとりの共同代表は唐木英明・東大名誉教授)は意見書を送り、問題点を指摘した。それが別の週刊誌の目に留まり、両誌はそれぞれを批判する論陣をはった。ところが、最初に報道した週刊誌から「お前だって、以前に添加物の危険性をあおっていたではないか」と逆襲され、あっけなく2回の記事で終わった。売れ行きもよくなかったと聞く。安全な情報は売れ行きがよくないというお手本のような例であった。

 福島の原発事故以降、どのメディアも特定の市民層を囲い込み、特定の論調(反原発とか反ワクチンとか)を好む読者層とともに運命をともにする路線を取り始めたように思う。これが市民社会の分断につながり、メディアの「島宇宙化(注記)」をもたらした。主要紙とされる新聞社でもがっぷり四つで対立できるのは、それぞれを支える市民層がいるからだ。その意味では多様な言論の成立には多様な市民が必要である。

 こういう中で科学者はどう振舞えばよいのだろうか。次回のコラムで私なりの考えを述べてみたい。

 今回からコラムを担当することになりましたが、ご意見があれば、ぜひお寄せいただきたいと思います。

(注記:島宇宙化とは、銀河が島のように宇宙に散在していることから、同じ価値観をもったものだけで場を作ることをいう)

〈筆者ご紹介〉
小島正美氏
 略歴 1951年愛知県生まれ。愛知県立大学卒業後に毎日新聞社入社。松本支局などを経て、1986年から東京本社・生活報道で食や健康問題を担当。2018年6月末で退社。現在は「食生活ジャーナリストの会」代表を務める。メールアドレスはkojima-1225@outlook.jp
 
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/173.html#c2

[原発・フッ素50] NHKスペシャル 「ニッポン “精子力” クライシス」 やはり不妊が深刻な問題になっているようだ  魑魅魍魎男
3. 2018年7月31日 12:33:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1078]

#高齢化と生活ストレスが主因だろう


 


不妊の半分は男性が原因 精子の老化とその対策は
精子だって加齢の影響を受けるんです。

2017/12/15 11:27
Yoshitomo Kobori
Yoshitomo Kobori
小堀 善友 BuzzFeed Japan, Contributor / 獨協医科大学越谷病院泌尿器科准教授
最近、様々なメディアから、「卵子の老化」や「精子の老化」についての報告があります。女性にしろ、男性にしろ、年齢を重ねるごとに妊娠しづらくなってくるということは、一般的な常識として広く知られるようになってきました。

それにしても、「精子が老化する」とはどういうことなのか、また何が起こるのか、ご存じでしょうか?


Nozomi Shiya / BuzzFeed
「精子が老化する」とは「パートナーを妊娠させる能力が衰えること」

精子は精巣(タマ)で作られます。精巣の力は加齢とともに衰えていきます。

精巣の働きは2つあります。1つ目は、男性を男らしくするための、男性ホルモンを分泌すること。2つ目は子孫を残すために精子を作ることです。

それぞれの働きは加齢とともに衰えていきます。男性ホルモンの分泌が少なくなれば、男性更年期障害がおきます。また、精子を作る力が衰えてくれば、男性不妊症へとつながってくるのです。


精液検査と年齢の関係
2015年の厚生労働省の報告によると、全出産に対して、35歳以上の分娩が28.0%、40歳以上の分娩は5.3%であったということがわかっています。

1980年の時点で35歳以上の分娩が10%ほどであったことを考えると、出産年齢がどんどん高齢化してきていることがわかります。これは日本だけの問題ではなく、先進国全ての問題です。

出産年齢の高齢化が進んだこともあり、卵子の老化についてはよく話題にのぼりますが、男性は高齢になっても射精ができるため、老化とは無関係と思われがちです。実際、精子は加齢とともにどのような変化をするのでしょうか?

実は、男性の年齢が上昇するに従い、精液の量、精子濃度、総運動精子数、正常形態精子が減少していくことがわかっています。精子の濃度や運動率は変化ないとの報告もありますが、全体の精液の量は減少することは明らかなので、1回の射精で出てくる精子は加齢とともに減っていくのです。

射精した精液の中に、どれだけ元気に動いている精子がいるかがパートナーを妊娠させることができるかを知る鍵となります。

多くの報告では、30〜40歳代を境にして、精液検査のデータは低下してきてしまうことがわかっています。精子が老化や劣化をすると、前述の通り、精液の量や精子の数、精子の運動率が低下します。

そのため、性行為を行ったとしても、精子が卵子まで到達できないなどの理由で、自然妊娠の可能性が低下するという報告があります。その一方、精子の運動に関係なく受精させることができる顕微授精(細い針を用いて、卵子に精子を注入して受精させる体外授精の方法)を用いれば、受精する可能性は変化しないとされています。

さらに、それぞれの精子に受精する能力があるのか、赤ちゃんを作る能力があるのか、ということが重要になってきます。

精子が老化するメカニズム
精子の老化の一つの指標として、精子の染色体を構成するDNAの損傷があります。専門用語ではフラグメンテーションと呼ばれています。

精子のDNA損傷は、加齢や不妊に密接に関係していることがわかっています。精子のDNA損傷の原因として、老化のストレスである酸化ストレスが関係していることがわかりました。不妊症患者の精子は酸化ストレスが多く、高度にDNA損傷が起こっているのです。

また、前立腺炎によって、精液に白血球という炎症の細胞が混じりこむと精子にダメージが加わるために不妊症の原因となる場合があります。

陰嚢に血管のコブができる精索静脈瘤という状態は、以前は精巣の温度が上がるために精子が作られづらくなると言われていました。しかし、最近の研究では静脈瘤が原因となって、酸化ストレスが精巣にダメージを与えるために精子を造る機能が低下することがわかりました。

この場合、それぞれの病気を治療することにより、精子の状態が改善する可能性があります。

精子が老化すると受精する能力も低下する?
私が在籍している独協医科大学埼玉医療センターの2014年の研究で、男性の精子は35歳を境に受精能力が低下する傾向があると報告されました。

不妊治療で来院した男性患者の精子をマウスの卵子に注入し、卵子が活性化するかどうかを確かめるという研究方法で、「卵子を活性化させる能力の低下」が顕著に現れたのです。

一方で、子供がいる20〜40代の健常男性を調査したところ、年齢に関係なく卵子を活性化させる能力の低下は見られなかったとされます。

したがって、精子には老化するタイプと老化しないタイプが存在し、人によって異なると結論づけられています。


Christian Darkin / Getty Images
精子が老化すると流産する可能性が増える

自然流産の頻度は、全妊娠の8〜15%といわれており、35歳以上の妊婦さんではその確率が著しくあがります。しかし、女性の年齢など、他の要因の影響を除いても、男性の年齢が上がると自然流産の確率が上がるという報告が多数あります。

なかには、45歳以上の男性では、25歳未満の男性と比較して、自然流産の確率が約2倍になるというものや、自然流産に与える影響は男性の40歳以上は女性の30歳以上に相当するとの報告もあります。

また、父親の年齢が高いほどDNA配列の変異が起きやすく、子供の自閉症や統合失調症が増えるとの報告もあるのです。

精子の老化も不妊と無関係ではない

子供を授かりたいと願いながら妊娠できないカップルは、世界的に見ても6カップルに1組はいると言われています。その中の多くの人は不妊治療を受けており、昨年の調査では約20人に1人の子供は体外授精で生まれた子供なのです。

また、不妊の原因は主に女性にあると考えられがちですが、40〜50%は男性側に原因があります。精子が老化・劣化することがわかった今、男性の年齢も無視できません。

夫婦ともに35歳を過ぎていて、数ヶ月ほど妊活をしても妊娠できないときは、夫婦揃って不妊外来などを受診することをおすすめします。検査をして原因がわかれば、それを治療することで自然妊娠できることもありますし、自然妊娠が難しい場合でも、人工授精や体外受精など様々な方法があります。

できるだけ早く妊娠できない原因を知って対処することが、子供を授かるための第一歩であると考えます。

精子を老化させないための10か条

最後に、これまでの研究報告から、精子を老化させないために私たちができることを10か条でお伝えしましょう。

1) 禁煙する
(タバコは酸化ストレスの原因です。喫煙は女性のみならず、男性も妊娠率を低下させて流産率を上昇させます)
2) 禁欲しすぎない
(禁欲期間が長すぎると、精子が酸化ストレスを受けるために運動率が低下します)
3) タマを温めすぎない
(下着はブリーフよりトランクスにしましょう。長風呂や高温サウナ、膝上でのパソコン作業は避けましょう)
4) 育毛剤に注意
(プロペシアは男性ホルモンに働き、精液の状態を悪化させる可能性あり)
5) 肥満に注意
(女性のみならず男性も肥満は妊娠率を下げます)
6) 食生活に注意
(肉魚野菜を多く摂取し、炭水化物過多を避け、バランスの良い食生活を)
7) しっかり睡眠をとる
(睡眠不足は酸化ストレスの原因です)
8) 飲酒は適度に
(過量のアルコールは精液の状態を悪化させます)
9) 長時間の自転車に注意
(サドルの圧迫で精液の状態が悪化したり、EDになることがあります)
10)精神的ストレスの軽減
(心のストレスで精液の状態が悪化する可能性があります)

【小堀善友(こぼり・よしとも)】 獨協医科大学越谷病院泌尿器科講師
2001年金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科入局、大学院卒業後に2008年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科に勤務。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本性機能学会専門医。日本性科学会セックスセラピスト。日本性感染症学会認定医。日本泌尿器内視鏡学会内視鏡手術認定医。米国イリノイ大学留学中にスマートフォン精液検査を開発した。専門は男性不妊症、性感染症、性機能障害。主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/173.html#c3

[経世済民127] 実は減っていた投資信託、アベノミクスは虚構か〈AERA〉  赤かぶ
1. 2018年7月31日 19:01:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1076]

#今後、下がると予想するなら減らすのは妥当


「売りは始まったばかり」、2月以来で最大の調整を予想−モルガン・スタンレー
Dani Burger
2018年7月31日 10:30 JST
• 業績が良く上昇しておかしくないプロシクリカル銘柄が後れを取った
• 米株市場の相場は今後も悪くなるばかりだろうとモルガンS
4−6月(第2四半期)決算シーズンは、業界のリーダー格企業の業績が市場予想に届かず、モルガン・スタンレーにとって、それは株価上昇の勢いが尽きた可能性を示す憂慮すべき兆候と受け止められている。
  S&P500種株価指数を構成する企業の85%余りの業績がアナリスト予想を上回ったにもかかわらず、特に業績が良く、大幅に値上がりしてもおかしくないプロシクリカル(循環増幅性)銘柄が後れを取っている。オンライン動画配信サービスの米ネットフリックスや米フェイスブックの業績が予想を下回ったことが、モメンタムトレードの妨げとなり、今年の最大の勝ち組でさえ確かな上げが見られない。
  そのように7月の株価上昇を脅かすリスクが増大しており、成長率がピークに達しつつあり、ポジションも積み上がる状況で、26日から3営業日続落した米株市場の相場は、今後も悪くなるばかりだろうとモルガン・スタンレーのアナリストらは予測する。
  マイク・ウィルソン氏を中心とするモルガン・スタンレーの株式ストラテジストらは30日のリポートで、「売りは始まったばかりであり、われわれが2月に経験して以来で最も大きな調整となる見通しだ」と指摘。テクノロジーと一般消費財、小型株が中心となる場合、平均的なポートフォリオに与える悪影響がより大きくなる可能性が高いと分析した。
  ナスダック総合指数の26日以降の下落率は3.7%を上回った。2月8日時点では1月の高値から約10%下げていた。

原題:Correction Worse Than February Is Building, Morgan Stanley Says(抜粋)



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/882.html#c1

[経世済民127] 実は減っていた投資信託、アベノミクスは虚構か〈AERA〉  赤かぶ
2. 2018年7月31日 19:08:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1077]

>貯蓄から投資への転換は、まさにアベノミクスを代表する政策

そして、相変わらず低レベルな認識


貯蓄から投資への転換は、政策ではなく

単なる経済合理性に基づく予想であって

現実の国民は、そうでないことを示しているに過ぎない


その代わり、本来、消えているべき ゆうちょ には

未だに金が集まり、稚拙な投資銀行として、債券から株式に転換していたのが現実だ


>この木で鼻を括ったような日銀の姿勢に、金融庁以上に激怒しているのは投資信託を主力商品として販売する証券会社
>日銀の統計は信頼性が高いだけに、ミスは高くつきそう


資金循環統計の速報を、どうやって作成しているかを理解していないと、こういう愚かな反応も生まれる


https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm/
(1)投資信託受益証券
これまで、投資信託の保有者別内訳は、投資信託の発行残高から、財務諸表等を基に保有部門が推定できる分を控除した上で、残差(個別に特定できた各部門の資産合計と負債合計の差額)を民間非金融法人企業部門の保有分と仮定して計上していました。今回の見直しでは、金融機関の財務諸表データ、REIT(公募・私募)およびETFの残高に関する新たな基礎資料等を採用することにより、部門別の残高を精緻化した上で、残差を金融機関部門に幅広く帰属させるよう変更しました。この結果、主に中小企業金融機関等では上方に、家計部門や民間非金融法人企業部門では下方に改定されました。
(2)預金
預金取扱機関が保有する預金(資産)の内訳(流動性・定期性・外貨)について、これまでは、「預金者別預金」等から得られる預金種別比率を用いて、財務諸表から得られる預金総額を按分することで算出していました。今回の見直しでは、按分の対象とすべき預金の範囲を精緻化し、按分方法を見直しました。この結果、中小企業金融機関等の流動性預金が下方に、定期性預金が上方に、それぞれ改定されました。このほか、新たな基礎資料の利用により、証券会社、家計、地方公共団体についても、項目別分類を精緻化しました。これらの見直しにより、残差部門である民間非金融法人企業では、定期性預金が下方に改定されました。
(3)対外直接投資
これまでは、投資主体別の対外直接投資のうち、金融機関分は、基礎資料の制約から、「対外直接投資残高(地域別・業種別)」から入手できる「金融・保険業」向けの直接投資総額から推計し、保険部門の投資額を控除した上で、財務諸表の外国証券の保有率により按分して内訳部門の残高を推計していました。今回の見直しでは、業態別の対外直接投資比率に関する基礎資料を新たに採用することで、内訳部門を含む金融機関の対外直接投資の計数を精緻化しました。この結果、主に農林水産金融機関や中小企業金融機関等では下方に、ファイナンス会社や金融持株会社では上方に改定されました。
照会先
調査統計局経済統計課金融統計グループ
Tel : 03-3279-1111(内線 3951)



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/882.html#c2

[経世済民127] 6月の有効求人倍率1.62倍、0.02ポイント上昇 44年ぶり高水準続く(日経新聞) 赤かぶ
1. 2018年7月31日 19:13:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1078]

>失業率の上昇は4カ月ぶり。自己都合による離職(季節調整値)が7万人増えた影響が大きい

別の解釈も存在し、こちらの方が妥当性は高い

 

6月の失業率は4カ月ぶりに悪化、有効求人倍率は2カ月連続上昇
天野高志
2018年7月31日 8:40 JST

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
総務省が発表した6月の失業率は4カ月ぶりに悪化した。厚生労働省が発表した有効求人倍率は2カ月連続で上昇した。
キーポイント
• 有効求人倍率は1.62倍(ブルームバーグ調査の予想中央値は1.60倍)−前月は1.60倍
• 完全失業率は2.4%(予想は2.3%)−前月は2.2%

エコノミストの見方
• 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは27日付リポートで、失業率の悪化を予想したものの「極めて低水準であることには変わりない」との見方を示した。雇用情勢は良好とみており、「労働需給が非常に引き締まった状態にあることが改めて確認されるだろう」と予想した。
• SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは26日付リポートで、2018年に入ってからの完全失業率の急低下は「労働参加率の不自然な急上昇」が原因と指摘。「労働力調査に何らかのゆがみが生じている可能性がある」とした上で、目先は完全失業率も上昇しやすいと分析した。


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/878.html#c1

[経世済民127] 日銀 長期金利の一定の上昇容認する新たな措置 NHK  赤かぶ
1. 2018年7月31日 19:16:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1079]

#ほぼ完全に市場の事前予想通りの結果


 

 
日銀、長期金利目標は上下にある程度変動−ETF買い入れも見直し
日高正裕、竹生悠子
2018年7月31日 13:35 JST 更新日時 2018年7月31日 16:47 JST
政策金利のフォワードガイダンスを導入−消費増税の不確実性踏まえ
ETF購入は日経平均連動型を減らし、TOPIX連動型を増やす

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日本銀行は31日の金融政策決定会合で、長短金利水準を据え置いた上で、長期金利目標について「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」ことを賛成7、反対2で決定した。

  黒田東彦総裁は記者会見で、長期金利の変動幅について、これまでのプラスマイナス0.1%から「その倍程度に変動しうることを念頭に置いている」と説明。「金利水準の引き上げの意図はまったくない」とし、金利が急上昇する場合には国債買い入れを実施すると語った。

  今回の金融政策の調整は、物価の低迷で2%物価目標が遠のき、超低金利政策の長期化が予想される中、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の持続性を強化するのが狙い。

  2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響も含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とした政策金利のフォワードガイダンス(指針)も導入する。

  黒田総裁は「不確実性を踏まえて当分の間、極めて低い長短金利を維持することにコミットした」とした上で、早期に緩和の出口に向かったり金利を引き上げたりする観測を否定できると述べた。

ETF
  指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れについても年間6兆円ペースを据え置いた上で、「買い入れ額は上下に変動しうる」とすることを全員一致で決めた。個別銘柄の株価をゆがめているとの指摘を受け、日経平均連動型を減らし、TOPIX連動型を増やす。

  TOPIX、日経平均225、JPX日経400の3指数に連動するETFを従来の3兆円から1.5兆円に減額。TOPIX連動型を2.7兆円から4.2兆円に拡大する。

  日銀当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高を長短金利操作の実現に支障がない範囲で現在の水準(平均して10兆円程度)から減少させる。8月積み期は5兆円程度となる見込みという。

  誘導目標である長期金利(10年物国債金利)は「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」で変更はない。長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)は「約80兆円」をめどとしつつ弾力的な買い入れを実施する。ETFとともに、年間900億円の不動産投資託(J−REIT)の買い入れも上下に変動しうるとしている。

ブルームバーグの事前調査の結果はこちら

  最近の報道では日銀が副作用に何らかの対応策を取る可能性が指摘され、市場でも見方が分かれていた。報道を受けて長期金利が上昇したため、日銀は23、27、30日、指定した利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる指し値オペを実施した。指し値オペを月に3度実施するのは初めて。

物価
   農林中金総合研究所主席研究員の南武志氏は電話取材で、日銀が政策調整に踏み切った背景として、物価が低迷する中で今後も現行政策を続ける必要があり、「今のままでは、さすがにまずいという意識があった」と分析。日銀の発表文では現状の政策の調整が「枠組みの強化」と記載してあるとして、追加緩和との「誤解を生む」と批判した。

  発表文では、物価の低迷が続く背景として「企業の慎重な賃金・価格設定スタンスや値上げに対する家計の慎重な見方の継続といった要因が作用している」とし、2%の物価目標の実現には「これまでの想定より時間がかかることが見込まれる」と認めた。

  会合後に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)によると、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通し(政策委員の中央値)は18年度が1.3%上昇から1.1%上昇、消費増税の影響を除き19年度が1.8%上昇から1.5%上昇、20年度は1.8%上昇から1.6%上昇に下方修正された。

  黒田総裁は「19年度2%達成という従来の見通しは後ずれしている」と述べた。ただ「物価のモメンタムは維持されている」と説明し、「現時点では、追加緩和は必要ない」との考えを示した。

  決定会合の「主な意見」は8月8日、「議事要旨」は9月25日に公表する。

(黒田総裁の会見での発言を追加しました.)


 


長期金利が5BPの大幅低下、2016年6月以来−日銀決定内容好感で買い
山中英典
2018年7月31日 15:07 JST
日銀決定、長期金利誘導目標はゼロ%程度を維持
新発10年債利回りは0.09%で開始、その後0.045%まで低下

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
国内債券市場で長期金利が大幅に低下している。日本銀行が金融政策決定会合で現行の緩和策の柔軟運用を決めたが、ゼロ%程度とする長期金利の誘導水準を維持したことで安心感が広がり、買いが優勢になっている。

  ブルームバーグのデータによると、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、日銀の政策決定内容発表後に水準を切り下げ、一時は0.045%と前日比5ベーシスポイント(bp)下げた。長期金利が5bp以上低下したのは、英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱が確定的となった2016年6月24日以来となる。

2016年6月当時の記事はこちらをご覧下さい。

  日銀は31日の金融政策決定会合で、長短金利水準を据え置いた上で、長期金利目標について「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」ことを賛成多数で決定。長期金利の誘導目標は「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」で変更はない。長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)は「約80兆円」をめどとしつつ弾力的な買い入れを実施する。ETFとともに、年間900億円の不動産投資託(J−REIT)の買い入れも上下に変動しうるとしている。

 

債券上昇、日銀緩和策の長期化観測でフラット化−総裁発言受け売りも
三浦和美
2018年7月31日 8:09 JST 更新日時 2018年7月31日 16:23 JST
• 長期金利は一時0.045%に低下、20日以来の水準
• 市場は従来通り長期金利が0.1%を上回ることはないと判断−岡三証
債券相場は上昇。日本銀行がこの日の金融政策決定会合で、強力な金融緩和継続のための枠組み強化を打ち出したことを受けて、大規模緩和策の長期化観測を背景に利回り曲線のフラット(平たん)化が進んだ。一方、黒田東彦総裁の会見での発言を受けて長期金利が低下幅を縮める場面があった。
  31日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低い0.09%で取引を開始。午後に日銀の政策決定内容が伝わると、徐々に買い圧力が強まり、一時は0.045%と、20日以来の水準まで低下した。

  超長期債も軒並み買われ、新発20年物の165回債利回りは一時7.5bp低い0.525%、新発30年物59回債利回りは8.5bp低い0.745%、新発40年物の11回債利回りは10bp低い0.865%を付けた。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、日銀の政策決定について、「当分の間はイールドカーブコントロールを変えないことを宣言したということ。今までと変わらず粘り強く緩和策を続ける姿勢がさらに強く示されて、市場は従来通り長期金利が0.1%を上回ることはないと判断した」と指摘。「大枠として緩和姿勢が強化されたことが好感されて、買い戻される展開になっている」と言う。  
  長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比9銭安の150円35銭で取引を開始。日銀の政策発表後に一時150円24銭と、日中取引ベースで2月5日以来の水準まで下落したが、徐々に買い戻され、150円80銭まで急上昇。結局は25銭高の150円69銭で引けた。
  日銀は31日の金融政策決定会合で、長短金利水準を据え置いた上で、長期金利目標について「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」ことを賛成多数で決定した。
日銀決定会合の詳細はこちらをご覧下さい。
  岡三証の鈴木氏は、声明文で長期金利目標に関して経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるとの文言が加わったことについて、「市場は今のところ納得しているようだが、多少の変動という部分は誤解を招く可能性もあり、判断は分かれるところだ」と指摘。「上限に関しては0.15%かもしれないし0.20%でもいいのではないかという話になりやすい面もある」と話した。
  黒田日銀総裁は午後の定例会見で、長期金利の変動幅について、「現在のプラスマイナス0.1%の倍程度を念頭に入れている」と述べた。声明文に書かれていない発言を受けて債券市場では一時的に売りが優勢となり、長期金利は0.045%から低下幅を縮め、0.06%に戻した。 
新発国債利回り(午後4時時点)
前日比
2年債 -0.115% +0.5bp
5年債 -0.090% 横ばい
10年債 0.060% -4.0bp
20年債 0.530% -7.0bp
30年債 0.745% -8.5bp
40年債 0.865% -10.0bp


 


日銀後のドル円相場と米FOMC前の米指標をチェック
配信日時 2018年7月31日(火)15:45:00 掲載日時 2018年7月31日(火)15:55:00
【これからの見通し】日銀後のドル円相場と米FOMC前の米指標をチェック

 この1週間、日銀関連の思惑に落ち着かない値動きだったドル円相場だが、きょうの決定会合ではほぼ事前報道に沿った内容に決定が発表された。長期債オペの柔軟な運用、ETF購入の日経平均からTOPIXへの重心移動が発表されている。為替市場ではやや円安、株式市場では買いの反応がみられた。一方で、日銀の物価見通しは下方修正されており、2%目標の達成時期は遠のいている。これまでの、何としても2%達成の気概はやや後退しており、市場との対話や金融政策の持続性に目標が移った印象を受ける。もっとも、黒田総裁はそうは言わないだろうが。本邦長期債利回りは低下しており、このあとの海外勢の反応をチェックしたいところ。

 日銀関連の値動き一巡後は、あすの米FOMCに視線が移動することになろう。きょうは米経済指標の発表が多い。代表的なインフレ指標である米PCEデフレータ(6月)が発表されるほか、米個人所得(6月)、米個人支出(6月)、米S&Pケースシラー住宅価格(5月)、米シカゴ購買部協会景気指数(7月)、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(7月)などが発表される予定。あすのFOMCでは利上げは見送られる見込みが強いが、市場では9月利上げ観測がより確かなものになるのかどうか、米経済統計を確認しておきたい。米株式関連では、アップル、ファイザー、P&Gなどの決算発表が予定されている。

 このあとのロンドン・欧州市場では、一連のユーロ圏経済指標が発表される。ドイツ失業率(7月)、ドイツ失業者数(7月)、ユーロ圏失業率(6月)、ユーロ圏消費者物価指数・速報値(7月)、ユーロ圏GDP・速報値(第2四半期)など。

 また、カナダ経済指標も多い。カナダGDP(5月)、カナダ原材料価格指数(6月)、カナダ鉱工業製品価格(6月)などが発表される。東京市場でカナダドルが急落している。一部報道で、カナダがNAFTA協議から除外されると報じられたことが背景。この後の海外市場でも続報でカナダドルが神経質に動きそうだ。 
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

トップニュース2018年7月31日 / 15:11 / 1時間前更新
日銀が政策修正、長期金利の変動容認:識者はこうみる
2 分で読む

[東京 31日 ロイター] - 日銀は30─31日の金融政策決定会合で、強力な金融緩和を継続するための枠組み強化を決定した。長期金利の誘導目標を「ゼロ%程度」とする方針は維持した一方、「金利は経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとする」と明記。

上場投資信託(ETF)では、TOPIX連動型の買い入れ額を増やすことも決めた。

日銀の決定と、黒田東彦総裁の会見についての市場関係者のコメントは以下の通り。

<メリルリンチ日本証券・チーフ金利ストラテジスト 大崎秀一氏>

総裁は会見の冒頭で、長期金利の変動幅について、プラスマイナス0.1%の倍程度を想定していると述べ、0.2%程度まで上昇を容認する姿勢を示した。変動幅は市場の想定内だろう。日銀は長期金利の変動幅をはっきりと明示することで、円債市場にくすぶっていた日銀調節への不透明感を払しょくさせたかったのだろう。

長期金利変動幅の拡大で、今後は10年0.1%超えをチャレンジする場面が出てくるだろう。しかし、日銀が30日に通告した指し値オペで落札額が約1.6兆円に膨らんだことで、10年債の品薄感が強まっている。また、日銀が10年債の月間発行額を超える国債を買い入れる構図は変わらない。買入額を減らさないと、金利は下がってくるだろう。8月2日の10年債入札は、市場参加者の金利観を探る上で重要なイベントだ。

日銀は政策金利のフォワードガイダンスを導入した。少なくとも、19年10月に予定される消費税引き上げの影響を見極めるまで、緩和枠組みのマイナーチェンジを繰り返しながらも、低金利が継続するのではないか。

<三菱UFJ銀行 チーフアナリスト 内田稔氏>

長期金利の誘導目標引き上げなどを想定していた向きは、ドル/円を売り仕掛けていたようだ。日銀の政策自体は据え置きだったので、発表後はいったん持ち高調整のドル買い戻しが先行した。

ただ、長期金利の変動幅に余裕を持たせ、マイナス金利の適用範囲も縮小するとなれば、場合によっては短期ゾーンを中心に金利が上昇する可能性もある。ETF購入も「上下に変動」としているが、減額の可能性もあるだろう。少なくとも円安期待を高める内容ではない。

ドラスティックに政策を変化させるわけではないだろうが、「日銀の緩和長期化で円安」という見方は後退していくことになるだろう。

明日以降、日銀が「指し値オペ」の水準をどこまで上げるのか、ETF買い入れ額が減少するかなど、どの程度の副作用軽減策に取り組むかを見ていくことになる。現時点でどこまで円高が進むかは読みにくいが、少なくとも円安材料にはなりにくい。

<みずほ証券 チーフ債券ストラテジスト 丹治倫敦氏>

日銀金融政策決定会合の結果を受けて、イールドカーブがブル・フラット化している。8月の長期国債買い入れの運営方針で1回当たりのオファー額のレンジが据え置かれたため、オファー減額で金利上昇を誘導していかないと受け取ったようだ。

ただ、「長期金利誘導目標の対応は柔軟な運営を行う」をどのように解釈するか大切だ。これを基にすると、今後のオペ運営がどのようになっていくか決め打ちはできない。指し値オペの水準が今までと変わる可能性があることや、オファー減額で金利を上の方向に誘導するかもしれない。

<大和住銀投信投資顧問 経済調査部部長 門司総一郎氏>

日銀会合の結果は大方の予想通りであり、サプライズはない。引き締めの可能性を読んでいた投資家のポジションが巻き戻されて、株高・円安の初期反応となっているが、持続性はないだろう。ETF(上場投信)買い入れの柔軟化は金融政策というよりファインチューニングであり、特に気にする必要はない。ただ、出口に向けた議論が進んでいる印象もうかがえる。9月会合では出口を意識した方針を打ち出してくる可能性がある。マイナス金利のような弊害の大きい政策の明確な変更が望まれる。


ビジネス2018年7月31日 / 17:26 / 1時間前更新
長期金利の変動幅、プラスマイナス0.2%程度を念頭=黒田日銀総裁
1 分で読む

[東京 31日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は31日、金融政策決定会合後の記者会見で、長期金利の変動許容幅は、従来の倍に相当する「プラスマイナス0.2%程度」を念頭としていることを明らかにした。柔軟化に踏み切った理由については「国債市場の機能改善」と説明した。

一方、「金利水準が切り上がっていくことを想定しているわけではない」とも述べた。

日銀は今回の会合で、現行の金融緩和政策の持続性を高めるための措置を決めた。物価2%の達成が厳しく、金融緩和の長期化が避けられない中で、副作用を抑制するのが狙い。

黒田総裁が言及したのは、国債市場の流動性低下だ。日銀はこれまで、長期金利を「ゼロ%程度」に誘導してきたが、今回の会合では、誘導目標自体は維持した上で、一定程度の変動を容認する考えを明記した。

総裁は「ゼロ%程度」が、事実上「プラスマイナス0.1%」と解釈されていることに触れた上で、「非常に狭い範囲で(金利が)動いているために、時々、国債の取引が成立しないなど国債市場の機能がやや低下している」と指摘。

変動許容幅を倍にして市場の取引を活性化させることで、金融緩和の持続性を高めたと説明した。

また、低金利の長期化が与える影響については「将来的に金融仲介が停滞に向かうリスクはある」と指摘した一方、「金融機関の収益を改善するために金融政策を行うことは考えていない」との認識を示した。

物価動向に関しては、日銀が従来示していた「2019年度頃」の物価目標達成が後ずれしていると認めた。具体的な達成見込み時期は明言しなかったが、「物価上昇を遅らせてきた要因は次第に解消する」と語った。

2%の物価達成には需給ギャップがプラスを確保し続けることが重要とし、現時点での追加緩和の必要性は否定した。

一方、日銀は物価目標実現に向けた姿勢を強化する観点から「政策金利のフォワードガイダンス」を導入。「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」と明記した。

この点について、総裁は「早期に出口に向かうのではないか、金利が引き上げられるのではないか、という一部の市場観測は完全に否定できる」と述べた。

*内容を追加します。

梅川崇


ビジネス2018年7月31日 / 13:46 / 3時間前更新
日銀、緩和政策の持続性強化策を決定 長期金利目標・ETF買入を柔軟化
2 分で読む

[東京 31日 ロイター] - 日銀は30─31日の金融政策決定会合で、物価見通しの下方修正を踏まえ、強力な金融緩和策の持続性を強化する措置を決定した。イールドカーブ・コントロール(YCC)政策のもとで、これまでの短期金利マイナス0.1%、長期金利ゼロ%程度の誘導目標は維持しながら、長期金利について変動幅の拡大を容認。上場投資信託(ETF)も年間約6兆円の買い入れ額を「市場の状況に応じて上下に変動しうる」と柔軟化。東証株価指数(TOPIX)連動型の購入割合を拡大することも決めた。

同時に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」において、分析期間となる2020年度までの消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)見通しを下方修正。物価2%目標の実現は「これまでの想定よりも時間がかかる」との認識のもと、現在の金融緩和政策の持続性を強化する一方、フォワードガイダンスの強化で目標達成への決意を表明した。

新たなフォワードガイダンスはYCCに関連させた。2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた「経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持する」とし、物価が上がりづらい状況の中でも、物価2%目標を早期に実現するとの姿勢に変わりがないことを示した。ガイダンスの導入には、原田泰審議委員と片岡剛士審議委員が反対した。

また、政策の持続性を確保するため、長期金利目標とETFの買い入れ手法を柔軟化。長期金利はこれまでの誘導目標を維持しながらも、経済・物価情勢などに応じた変動を容認する。現在は、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」によって、変動幅は上下0.1%に抑制されているが、それを超えた金利変動も可能としたかたちだ。長期国債の買い入れ額は、年間80兆円をめどとしつつ、「弾力的な買い入れを実施する」とした。

長期金利の誘導目標の柔軟化を巡っては、原田委員と片岡委員が反対した。原田氏は、長期金利の変動を容認することは「政策委員会の決定すべき金融市場調節方針として曖昧すぎる」と指摘。片岡氏は「長期金利操作の弾力化は『ゼロ%程度』の誘導目標を不明確にする」と主張した。

ETF買い入れは、年間約6兆円の買い入れ額を維持しつつ、「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうる」と買い入れ手法を柔軟化する。不動産投資信託(J−REIT)の買い入れについても、年間約900億円の買い入れを据え置き、同様に弾力的な買い入れを行う。

ETFは従来、TOPIXの年間2.7兆円に加え、TOPIX・日経225・JPX日経400の3指数で計3兆円を買い入れていたが、それぞれ4.2兆円と1.5兆円に配分を変える。8月6日から実施する。

さらに、日銀当座預金のうち、一部のマイナス金利が適用される残高について「長短金利操作の実現に支障がない範囲」で、現在の平均10兆円程度から減少させる措置も決めた。8月の積み期間は5兆円程度となる見込み。

声明文では、こうした変更を決定するとともに、「『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』の持続性を強化し、需給ギャップがプラスの状態をできるだけ長く続けることが適当と判断した」との認識を示した。


日銀は長期金利のある程度の変動を認めることに[FISCO]
配信日時 2018年7月31日(火)16:07:06 掲載日時 2018年7月31日(火)16:17:06
日本銀行は31日開催の金融政策決定会合で、長短金利水準を据え置き、長期金利目標について「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」ことを賛成多数(7対2)で決定した。日銀当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高については、現在の平均10兆円程度から8月は5兆円程度に減少する見込み。なお、黒田日銀総裁は会見で「長期金利の変動幅は現在の0.10%程度から2倍になる」との見方を示した。長期金利の誘導目標水準は0%程度とするが、状況に応じて?0.10%から0.10%までの幅で長期金利が変動することを認めるようだ。日銀は2019年度の物価見通しを引き下げたが、今回の調整はそうした変化にも対応するものと指摘している。日銀がマイナスの長期金利水準を容認することは極めてレアなケースに限定されると思われるが、通常における長期金利の水準はこれまでとの比較で若干上昇するものとみられる。


日銀決定会合長期金利上昇を容認 1年10カ月ぶり修正
毎日新聞2018年7月31日 13時13分(最終更新 7月31日 13時49分)

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 日銀は31日開いた金融政策決定会合で、0%程度に誘導している長期金利を柔軟に調節することを決めた。これまで0〜0.1%程度に抑えてきたが、変動幅を広げ、事実上金利の上昇を容認する。政策修正は、現行の長短金利操作を導入した2016年9月以来、約1年10カ月ぶり。

<マーケット速報>株価や為替の動きは?
<日銀総裁再任 黒田氏問われる手腕 出口戦略に課題>
<黒田日銀を問う 資産膨張を止めよ 慶応大教授・白井さゆり氏>
<国債市場と神経戦>日銀、連日の指し値オペ
<家計保有額30兆円過大 「貯蓄から投資」実態は逆>
 短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度とする現行の政策金利は据え置いた。超低金利政策を続ける意思を示す一方で、市場の実勢金利を一定程度上げることで、金融市場や銀行経営に与える副作用の軽減を図る狙いがあるとみられる。黒田東彦総裁が午後に記者会見を開いて決定理由を説明する。

 決定会合でまとめた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」は、18年度の物価上昇率見通しを前回4月の1.3%から1.1%に、19年度を1.8%から1.5%に、20年度は1.8%から1.6%にそれぞれ引き下げた。日銀は前回4月の展望リポートから物価上昇率2%の達成予想時期の明示をやめたが、それまでは19年度ごろと見込んでいた。今回の下方修正で、20年度以降への後ずれが確実になった。

 長引く超低金利により、金融機関の収益悪化や国債市場の取引激減といった副作用が目立っている。物価見通し引き下げで超低金利政策のさらなる長期化が避けられないことから、会合では副作用軽減策が議論された。金利の変動幅が拡大すれば市場取引が活性化するほか、金利がある程度上昇することで金融機関の負担も軽減できると日銀はみている。

 日銀はまた、金融緩和の一環で年間6兆円規模購入している上場投資信託(ETF)の買い入れ額を変動させることを決めた。また、東証株価指数(TOPIX)などに連動したETFの購入を増やし、日経平均株価に連動したものを減らす。日経平均は対象銘柄が少ないため、一部の銘柄で日銀の保有比率が高まって株価をゆがめたり、経営監視機能を低下させたりする弊害が指摘されていた。【土屋渓】
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/879.html#c1

[経世済民127] 日銀 長期金利の一定の上昇容認する新たな措置 NHK  赤かぶ
3. 2018年7月31日 19:29:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1080]

>2%の目標実現の道筋は一段と不透明

愚かなコメント

短期間で2%実現は不透明(現時点で明らかに非現実的)と日銀も認識したから、

政策の柔軟化が生じた

つまり逆だ

何度も言うように、超少子高齢化や、財政悪化に伴う増税圧力、世界の保護主義化など、経済の下押し要因が続くのに

既存の金融政策だけでは、副作用(ゾンビ企業延命、財政規律悪化、金融機関の不安定化、実質GDP下押し・・)なしに

2%インフレ率に持っていくことはできないのは、ほぼ明らかになっている


政治無策の中で、日銀にできることは、できるだけ副作用を小さくしながら、

外的ショックに備えて、金融緩和策を長期化できるようにすることだけなのだから、

当然の結果だ

ただ、今後の保護主義化によるコストプッシュインフレや財政規律の悪化が続けば

名目インフレ率2%は、いずれ実現するし

その時に、政治無策が続き、非効率な規制、社会保障や地方へのバラマキで、構造改革が遅れているなら

ほぼ確実に中流層を中心とした生活水準の低下は続いていくだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/879.html#c3

[経世済民127] ふるさと納税「反抗自治体」を公表、総務省vs自治体の神経戦(週刊ダイヤモンド) 赤かぶ
3. 2018年7月31日 19:38:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1081]

>名指しされた自治体が税収減で悲鳴を上げたところで、耳を傾けてくれる人たちは果たしているのだろうか

そもそも、ふるさと納税の主旨と違うのだから当然だ

こういう、有害な税制は、さっさと廃止した方が良いが

地方へのバラマキを継続したい政治家が多い限り、どの政権になっても変わらないだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/880.html#c3

[経世済民127] 実は減っていた投資信託、アベノミクスは虚構か〈AERA〉  赤かぶ
7. 2018年8月01日 12:06:30 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1082]
>>05 
>貯蓄から投資への転換は、まさにアベノミクスを代表する政策

繰り返すが、アベノミクスの中には、こんな政策はない
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seichosenryaku/sanbonnoya.html


何でもアベノミクスに責任を押し付けたり、失敗したことにして政権批判にこじつけたがる
無知なAERAのデマに騙されない方がいいし
安倍政権への適切な批判と評価を行わなければ、

結局は、有害な政策の増発と延命が続くだけで終わる

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/882.html#c7

[経世済民127] 家計が持つ投信 33兆円も過大計上 日銀のミスで得したのは〈週刊朝日〉  赤かぶ
2. 2018年8月01日 12:14:56 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1083]

以前も指摘したとおり

別に日銀が劣化したわけではなく

単に、これまでの集計法が不十分だったことは

きちんと手法を認識していれば明らかだが

デマゴーグは、そうした検証を怠り

結果だけを見て無知な批判を行う

そして政府や官に依存する愚か者は、過剰な期待を抱いているから

デマメディアは、それを利用して、政権批判を行う


ポピュリズム政治をポピュリズムメディアが批判するというのが

今の世界の現状だが、これも、その典型的な例と言える


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/888.html#c2

[国際23] トランプ陣営元選対本部長マナフォート氏の審理開始 ロシア疑惑で初(ロイター) 赤かぶ
1. 2018年8月01日 12:21:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1084]

#ロシアの政治工作とポピュリズムに騙された結果とは言え、

イランとの合意など多くの国際合意を踏みにじり

超富裕層へのプレゼントを行い、関税で貧困化を加速する

こうした政治を選んだのは米国の大衆自身


ビジネス2018年8月1日 / 12:13 / 5分前更新
米キャピタルゲイン税軽減案に賛否、富裕層を一層優遇との批判も
1 分で読む

[ワシントン 31日 ロイター] - ムニューシン米財務長官がニューヨーク・タイムズ(NYT)紙に対し、インフレ調整によるキャピタルゲイン税軽減案を示したことを受けて、野党民主党からは批判の声が出る一方、減税を訴える圧力団体は即座の実施を求めた。

ホワイトハウスの当局者は報道を受けて、財務省はキャピタルゲイン税について、課税対象の資産をインフレ率で調整する手法が議会での立法措置を経ずに導入可能かどうかについて検討していると認めた。NYTによると、このような変更が認められれば、1000億ドル規模の減税につながる可能性がある。

ホワイトハウスのウォルターズ報道官は、「このような規定については以前から高い関心が示されてた。財務省は現在、経済への影響や、立法措置を経ずに実現が可能かどうかを検討している」と述べた。

税制変更には通常、議会の立法措置が必要となる。

野党民主党の上院トップ、シューマー院内総務は「富裕層がかつてないほど富んでいるこの状況下で、(所得)上位1%をさらに優遇するのは非道だ」と批判。

下院歳入委員会の民主党トップ、リチャード・ニール議員は、財務省がキャピタルゲイン税の計算方法を実際に変更すれば、「法律上疑わしい」事態になると指摘。民主党は強く反対する構えだとした。

現在のキャピタルゲイン税は、資産の購入時と売却時の価値の差額に対して20%が課税されるが、インフレの影響は考慮されていない。つまり、物価が大幅に上昇すれば税額が大きく押し上げられることになる。

一方、下院共和党は、昨年末に成立した税制改革法で時限措置となっていた個人所得減税の恒久化などを盛った一連の追加税制改革案を検討している。

昨年の税制改革法では法人税率が恒久的に引き下げられ、米財政赤字の拡大ペースが加速する見通しとなった。

共和党のデビン・ヌネス下院議員は今月、キャピタルゲイン税算出の際にインフレ調整することを規定する法案を提出したが、下院共和党の追加税制改革案には盛り込まれなかった。

圧力団体の全米税制改革協議会はキャピタル税のインフレ調整案について声明を出し、「財務省に(変更の)権限はある」として即座に実施するよう求めた。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/579.html#c1

[国際23] インド政府、イスラム系住民400万人の市民権をはく奪へ(ニューズウィーク)  赤かぶ
1. 2018年8月01日 12:28:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1085]

>1971年3月24日にパキスタンからの独立を宣言したバングラデシュから数十万人単位で逃げてきた人々で、露骨に国民登録簿から排除

北朝鮮が崩壊して、100万単位の難民が日本に上陸し

住み着いたら、どうするかを考えてみればいい



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/580.html#c1

[国際23] ポール・クレーグ・ロバーツ博士:“対テロ戦争は実際はワシントンとイスラエルから自立した外交政策のイスラム教諸国に対する戦 赤かぶ
1. 2018年8月01日 12:32:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1086]

>対テロ戦争”は実際はワシントンとイスラエルから自立した外交政策のイスラム教諸国に対する戦争です。それはアメリカの市民的自由に対する戦争で、イスラエル領土拡大の邪魔になる中東の国々に対する戦争

そんなに単純ではない

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/573.html#c1

[政治・選挙・NHK248] 今ごろ? 小泉進次郎よ、それは「あり得ない」!   赤かぶ
2. 2018年8月01日 13:03:34 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1087]

党内の基盤が弱い状況で、

小泉は、当面、このパターンを続けるしかないだろう

現状、党内は安倍でほぼ確定なのだから、過剰な期待を抱いても意味はない


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/549.html#c2

[経世済民127] 日銀、大規模金融緩和修正 金融機関「厳しい環境変わらず」(SankeiBiz) 赤かぶ
1. 2018年8月01日 19:17:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1088]

#アジア3強の中では、まだマシな方だが、長期的には厳しいだろう


 
コラム2018年8月1日 / 04:42 / 33分前更新
コラム:日銀枠組み、配慮の組み合わせ 注目はフォワードガイダンス
田巻 一彦
3 分で読む

[東京 31日 ロイター] - 日銀が31日に打ち出した「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」は、かなり精緻に組み立てられている。イールドカーブ・コントロール(YCC)の下でゼロ%となっている長期金利の水準に一定の変動幅を持たせるとともに、新たに政策金利のフォワードガイダンスを設定。短期的に金利が跳ねないように配慮された組み合わせと言える。

一方、物価が上がり出せば、フォワードガイダンスが市場の予見可能性を高め、いずれかの時期に長期金利目標を引き上げる際に、非連続な変化が起きないようにするバッファーの役割も果たすのではないか。今回の対応は、短期と中長期の両方に備えたかなり「ハイレベル」な機能を実は装備したようにみえる。 

<短期的に弱く、中長期的に強くなる物価>

日銀は今回の展望リポートで、物価見通しを18年度─20年度までそろって下げ、物価2%の達成に向けた超緩和策の実施が、長期戦になることを強くにじませた。

その一方、需給ギャップのプラスが継続し、人手不足対応などによる設備投資が本格化すれば、生産性が高まり、短期的に物価は伸び悩むものの、中長期的には賃上げを伴って物価上昇への期待が高まるとのシナリオを描いた。

「今は低い伸び率でも、将来の物価上昇率は高まる」──。これが日銀の主張だが、かなり時間もかかりそうだ。

そこで、市場機能の低下など「副作用」の緩和を図るため、1)長期金利の誘導水準への一定程度の変動幅の容認、2)国債の弾力的な買い入れ、3)ETFやJ−REITは市場の状況に応じ、買い入れ額は変動しうると明記、4)ETFの買い入れではTOPIX連動の買い入れ額を増加、5)マイナス金利が適用される政策金利残高を現在の10兆円から減少させる──などと決めた。

<金利上昇をオフセットするフォワードガイダンス>

このうち、長期金利の変動幅に関し、黒田東彦日銀総裁は31日の会見で、上下0.2%程度になることを明らかにした。物価上昇率が伸びないのに、長期金利の誘導水準を上げることになる政策が打ち出されたのは、こうした日銀の「ロジック」が背景にある。

ただ、金利が上がれば、円高や株安になるリスクが高まるというのが、過去の経験則から予想される展開だ。

そこで、金利上昇に「フタ」をする意味で、「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とのフォワードガイダンスの文言を新設。金利上昇の圧力を相殺(オフセット)することを狙ったのではないかと私は類推する。

その意味で今回の「枠組み」は、かなり入念に考え込まれ、精緻に作り上げられた政策パッケージで構成されていると言えるのではないか。

<物価上昇時に発揮される機能>

この先、グローバルに大きなショックが発生せず、需給ギャップのプラスが継続していけば、人手不足の解消が見込めない中で、賃金が目に見えて上がる局面が到来するかもしれない。

そのときは、14年に経験した1.5%の物価上昇率を超え、2%を目指す動きになっているかもしれない。

物価が上がりだすと、今回、導入したフォワードガイダンスに対する市場の注目度が上がると予想する。欧州中銀(ECB)の最近の金融政策をめぐっては、フォワードガイダンスの変更がまず意識され、その後、実際の金利引き上げが行われるという予測が、市場で共有されるようになっている。

いずれ、日本でもそのような現象が発生すると考えても、何ら不思議ではない。物価上昇の動きを見て、市場が過敏に反応し、金利が急上昇することも防ぐことができそうだ。

ただ、物価が上がり出さなければ、こうした機能が動き出すことはない。物価を継続的に上げる原動力は賃上げであり、企業経営者がもっとアグレッシブに動かないと、日銀が本格的に出口を模索することは難しいのではないか。

●背景となるニュース

・UPDATE 2-長期金利の変動幅、プラスマイナス0.2%程度を念頭=黒田日銀総裁

[nL4N1UR42S]


 


 

アジア株 まちまち、中国大陸市場は大幅安

配信日時 2018年8月1日(水)18:15:00 掲載日時 2018年8月1日(水)18:25:00
東京時間18:14現在
香港ハンセン指数   28340.74(-242.27 -0.85%)
中国上海総合指数  2824.53(-51.87 -1.80%)
台湾加権指数     11098.13(+40.62 +0.37%)
韓国総合株価指数  2307.07(+11.81 +0.51%)
豪ASX200指数    6275.72(-4.48 -0.07%)
インドSENSEX30種  37535.33(-71.25 -0.19%)

 1日のアジア太平洋株式市場はまちまち。午前中は前日の米国株の上昇やアップルの好決算を受けて買い優勢で推移する市場が多かった。トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル分の関税引き上げを計画していると報じられたことで、中国大陸市場を中心に値を崩した。中国大陸市場は急反落。

 中国大陸市場で上海総合指数は急反落。金融、エネルギー、素材中心に下落した。銀行大手の中国工商銀行、保険大手の中国平安保険、石油大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)、海洋石油の掘削・探査サービスのチャイナ・オイルフィールド・サービス、石炭エネルギー会社のチャイナ・シェンファ・エナジーが売られた。
   
 香港ハンセン指数は続落。高寄り後、上海株の下げに追随して下げに転じた。保険会社のAIAグループ、携帯電話サービスのチャイナ・モバイル、不動産開発の碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)、世界的金融グループのHSBCホールディングス、石油大手の中国海洋石油(CNOOC)が売られた。
   
 豪ASX200指数は小安い。素材、不動産が上昇、情報技術、金融が下落した。鉄鋼メーカーのブルースコープ・スチール、不動産投資信託のGPTグループが買われる一方で、ソフトウェアサービスのコンピュータシェア、銀行大手のウエストパック銀行が売られた。

 

中国経済の新たな火種 家計債務の急増  編集委員 村山宏

2018/8/1 6:30 

 中国の家計債務が危険水準に近づき、新たな火種となろうとしている。国際決済銀行(BIS)によると、中国の2017年第4四半期の家計債務の国内総生産(GDP)比は48.4%、39兆9670億元(約651兆5000億円)に達した。「先進国平均の76.1%よりは低いが、新興国平均の39.8%よりも明らかに高い」。中国の経済紙、華夏時報はこのほど中国人民大学経済学院の陳彦斌副院長の言葉を引用しながら家計債務の急増に警鐘を鳴らした。

画像の拡大
 08年のリーマン・ショック後、中国は地方政府系企業や国有企業が銀行からの借り入れを増やし、その資金でインフラや不動産を開発。これで世界同時不況を乗り切ったが、企業(非金融業)の債務が膨らんでしまった。政府債務のGDP比は50%未満で推移してきたものの、企業債務のGDP比はピークの16年に166.4%に達し、金融危機への不安が高まった。中国政府は慌てて企業債務の圧縮に動き、17年に比率は160.3%に低下した。
 だが、その陰で家計債務のGDP比が12年の29.7%から48.4%に上昇していた。原因は住宅ローンの増加だ。住宅価格の上昇で個人の借入額は大きくなり続けている。中国人民銀行(中央銀行)によると、個人向け住宅ローンの融資残高は22兆8600億元。家計債務の6割近くを占める。18年になっても個人向け住宅ローンは前年比2割増の勢いで伸びており、このまま増えれば企業債務に代わって家計債務による金融不安すら起こりかねない。
 今後、住宅ローンの審査が厳格になると予想されるが、中国のネットで目につくのは「こうなると政府は住宅価格の下落を容認できないはずだ」とする意見だ。中国でローンを組んで住宅を積極的に取得しているのは都市部の中間層であり、先に住宅を取得した中間層は住宅価格の上昇で恩恵を受けてきた。価格下落はこうした都市部の「持つ者」を直撃する。家計の資産が目減りし、住宅ローンだけが残るからだ。

 
北京や上海では住宅価格が低下している(2018年7月、北京市内の高層住宅)=ロイター

 中国は「持つ者」と「持たざる者」の貧富の格差拡大が不安定要因とされてきた。「持たざる者」の貧困層の不満爆発が共産党政権のアキレスけんになると言われて久しいが、実は「持つ者」の反乱も恐ろしい。1949年まであった南京の旧国民党政権は「持つ者」の反乱で政権を失った。当時の国民党政府は野放図な財政支出からハイパーインフレを起こし、人心が離れつつあった。そこに拍車をかけたのが48年に導入した「金円券」だった。
 インフレで紙くず同然となった旧紙幣に替えて国民党政府は金円券という新紙幣を導入した。金、プラチナ、外貨の個人保有を禁止し、強制的に金円券に替えさせた。だが、金円券も半年で紙くず同然の価値となり、貴金属や外貨を拠出させられた資産家や商工業者は巨額の損失を被った。本来、国民党の支持層であるはずの中小商工業者や小規模な資産家が離反し、国民党は共産党との内戦に敗れていった。「持つ者」の反乱だった。
 現在の中国共産党の支持基盤は農民や労働者と言うよりも都市部の中間層、既得権層だろう。共産党政権にいろいろ問題があっても、経済社会の安定を望む都市部の「持つ者」が共産党支配を是認している。だが、住宅価格の高騰で年収の十倍以上もの住宅ローンを組み、ようやく手に入れた住宅の価値が下落すれば、中間層の怒りの矛先は共産党政権に向かいかねない。「持つ者」が離反すれば、かつての国民党のように政権基盤が揺らぐ。
 中国の人々の不動産への愛着はことさら強い。家族がたくさんの不動産資産を所有する共産党幹部ほど身をもって知っているはずだ。だから住宅ローンで家計債務が増えるほど、住宅価格を下落させてはならないという発想も出てくる。北京や上海では住宅価格が低下しているが、大きく下落するような事態になれば、共産党政権はあらゆる手段を講じて価格の下支えに動く公算が大きい。たとえ市場メカニズムを無視した住宅価格の下支えが、別のゆがみをもたらすにしても。
村山宏(むらやま・ひろし)
 1989年入社、国際アジア部などを経て現職。仕事と留学で上海、香港、台北、バンコクに10年間住んだ。アジアの今を政治、経済、社会をオーバーラップさせながら描いている。趣味は欧州古典小説を読むこと。アジアが新鮮に見えてくる。
その他
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中国の社債デフォルト増加、処方薬届くか

国有企業と民間企業のインタレスト・カバレッジ・レシオ推移

Source: CEIC Note: All figures year-to-date.

By
Nathaniel Taplin
2018 年 8 月 1 日 09:34 JST 更新 
 中国は多額の債務を抱えた非効率な国有企業の赤字を民間企業からの「輸血」で食い止めたにすぎない。このため経済の効率性はいずれ低下するだろう。
 中国企業の債務は再び膨らんでいる。調査会社ウインドインフォによると、2018年に入り7カ月の間に20件の社債デフォルト(債務不履行)が発生した。これは17年通年の発生件数にほぼ匹敵する。貿易を巡る緊張が高まり、人民元が大幅安となる中での財務状況悪化はタイミングが悪い。
 16年にデフォルトが急増した際は、SOEと称される国有企業がその大半を占めた。現在はそうしたSOEのほぼ全てが民営化されている。これは一見すると、大きな懸念を呼ぶものではない。債券市場は依然としてSOEが圧倒的シェアを占めるため、負債比率が過剰に高い不動産セクターを除けば、中国民間部門の問題は構造的にさほど深刻な危険を孕(はら)んでいるわけではない。
 ただ長期的には、こうした状況が中国経済に弊害をもたらす恐れがある。SOEの健全化には、より効率的な民間企業の負担も寄与した。このまま行けば構造的に収益の伸びが低迷することになる。さらに、SOEを支え続けるために民間企業や家計が急速に富を増やすことができなければ、金融危機の引き金となるだろう。
 民間産業はこのところ四面楚歌の状況にある。昨年は強制的な工場閉鎖に見舞われ、鉄鋼関連投資が7%減少。鉄鋼産業の民間投資は10%減となった。競合が少ないSOEの業績は比較的好調だ。SOE産業部門の総資産利益率(ROA)は17年終盤に4%と、14年以来の水準に上昇した。

中国では民間工場が強制閉鎖に見舞われたが、銀行の信用判断は引き上げられていない

 そればかりではない。民間企業の工場閉鎖は、民間部門が頼りとする影の銀行(シャドーバンキング)の取り締まりも同時に強化されたことで、民間部門の信用を巡る銀行の判断引き上げに一切つながらなかった。その結果、SOEの金利負担が下がった半面、民間企業の借り入れコストは上昇した。16年終わり頃の産業部門SOEの利益は支払利息のわずか3倍で、民間企業の利益は支払利息の9倍だった。その割合は現在、SOEが5倍となる一方、民間企業では7倍に下がっている。
 民間産業部門全体では、申し分なく資金調達できる余裕がある。ROAは16年以降、SOEのリターン上昇と反比例して2ポイント低下したとはいえ、9%にとどまっている。これは銀行貸出金利の加重平均である6%を十分上回る。不動産価格が急落することでもない限り、民間部門の債務危機が中国の金融システム崩壊を引き起こす公算は小さい。
 それでも、今年のデフォルト件数は、国有部門の安定化の背景で民間企業が代償を払っていることを示している。ここ2年に中国が相次ぎ導入した規制が信用配分の効率改善に役立った証拠はほとんど見られない。
 7月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は、1〜2月の旧正月を除けば過去1年余りで最低となった。次なる信用刺激策が検討されている。
 中国政府は今度こそ、処方薬が必要な患者に届くよう手を打たねばなるまい。

 

韓国の失業率が4年連続で悪化!失業率の「カラクリ」とは?
韓国の失業率は、近年悪化の一途をたどっています。深刻な状況ですが、実際の「失業率はもっと高い」との指摘もあります。実際はどうなのでしょうか?


http://www.wowkorea.jp/news/korea/2018/0715/10216455.html

6月の失業率3.7%に改善 就業者数は伸び悩み続く=韓国

【世宗聯合ニュース】韓国統計庁が11日発表した雇用動向によると、6月の失業率は3.7%で前年同月に比べ0.1ポイント改善した。

 また、若年層(15〜29歳)の失業率は前年同月比1.4ポイント改善した9.0%だった。統計庁は、今年3〜5月には10%超で推移していたが、公務員試験が終了したことで求職活動中に分類される人が減少し、1桁台に回復したと説明した。

 6月の就業者数は2712万6000人で、前年同月比10万6000人(0.4%)増にとどまった。就業者の増加数は今年2月に10万4000人と、1年9カ月ぶりに10万人台に鈍化。その後は3カ月連続10万人台で推移し、5月には10万人も割り込んだ。6月はようやく10万人を超えたが、雇用が改善されたとするには難しい数値だ。

 自動車や造船など製造業の雇用不振が全体の就業者数の増加幅を押し下げた。

 近ごろの雇用状況は、リーマン・ショック以来最悪の流れを示している。当時、2008年9月から10年2月までの就業者の増加数は18カ月連続で10万人を割り込んだ。

 6月の就業率は61.4%で、1年前より0.1ポイント悪化した。

 失業者数は103万4000人で、前年同月比2万6000人(2.5%)減少した。
2018年7月11日9時5分配信 (C)YONHAP NEWS

韓国の6月の失業率大幅に改善 ただ、就業者数増は低迷

http://n-seikei.jp/2018/07/post-52901.html 
韓国の6月の失業率は3.7%と前月の4.0%から大幅に減少している。問題の青年失業率も5月の10.6%から6月は9.1%と1.5ポイントも減少している。ただ、6月の就業者数は2,712万6千人で、1年前に比べて10万6千人の増加にとどまっている。
今年から始まった最低賃金の大幅引上げの影響に、輸出・内需同時不振まで重なり、「雇用ショック」が長期化・慢性化する兆しが明確になりつつあると朝鮮日報が次のとおり報じている。

韓国統計庁が11日に発表した6月の雇用動向によると、6月の就業者数は2712万6千人で、1年前に比べて10万6千人の増加にとどまった。
政府が設定している今年の目標値32万人には遠く及ばない数字。就業者数の増加幅は2017年以降、20万〜30万人台を維持しており、今年1月も33万5千人と良好だった。

ところが、今年2月に突然10万人台に下がり、それ以降は5ヶ月連続で不振から抜け出せていない。
6月は特に大雨など雇用に対してマイナスとなるような天候上の要因がなく、ベース効果(基準にする時点によって現在の実績が変わる現象)が介入する余地も少ないため、就業者数が20万人以上は増えるものと政府は内心期待していた。

ところが、政府が税金で作る一部の公共の雇用を除き、民間の雇用不振はさらに明確になりつつある。
韓国経済の根幹である製造業の雇用は、昨年比で12万6千件減少、最低賃金引き上げの影響を多く受ける卸売業・小売業・宿泊飲食業も3万1千件減と、7ヶ月連続で減少を続けている。
昨年15万4千件増えた建設業関連雇用は1万件の増加にとどまった。

「雇用大統領」を掲げる文在寅政権発足後は、特に、昨年の補正予算11兆ウォン(約1兆1千億円)、今年の本予算19兆ウォン(約1兆9千億円)、今年の補正予算3兆8000億ウォン(約38百億円)など、計34兆ウォン(約3兆4千億円)を雇用予算につぎ込んだことを考えれば、「雇用大惨事」と言ってもいいという声もある。

 建国大学のチェ・ベグン教授は「財政を投入して、公共サービス関連の雇用を増やすのは、もうすぐ崩れそうなダムの穴を手のひらで塞いでいるのと同じ。政府が税金で雇用を作るのではなく、新たな成長動力を見いだすことに力を入れるべきだ」と語っているという。

以上、朝鮮日報参照

失業率の算出方法は各国でバラバラだが、韓国の失業率は算出基準となる労働年齢の人口に対して、就業者にカウントされる年金ではまったく暮らせない高齢者の就業が多く、また、短期バイトなども就業者扱いすることから、全体では低くなっているようだ。
いくら輸出がGDPを牽引しているとしても国内景気が悪くなれば雇用は減る。失業率の低下は雇用が減る中で、新たなる雇用も増加した結果だろうか。そうなれば、文大統領の政策は当たったと評価されようが、公共部門の増加では財政の硬直化を招くだけで評価はできない。
評価するには、季節的な変動やここ数ヶ月間様子を見る必要があろうか。
↓ 青年失業率の推移
(就職を諦めた人など入れれば、その数は倍以上になるという)


[ 2018年7月12日


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/891.html#c1

[国際23] アメリカ合州国は、唯一残っている宗主国(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
1. 2018年8月01日 19:34:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1089]

#相手が、覇権に対抗するほど

覇権を維持するためには、双方の国民に大きな犠牲を強いる

不満を宥めるための政策と、支配層を満足させる政策で

さらに国力は低下する


現時点では中国はトランプの圧力に対抗しているが。。
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/891.html?c1#c1 

 


ワールド2018年8月1日 / 19:03 / 22分前更新
米国が通商で一段の措置講じれば報復へ=中国外務省
1 分で読む

[北京/ワシントン 1日 ロイター] - 中国外務省の耿爽報道官は1日の定例記者会見で、米中の通商問題を巡る「脅迫」は中国には通用しないとし、米国が貿易を阻害する一段の措置を講じれば、中国は報復すると述べた。関係筋によると、トランプ政権は2000億ドル相当の中国製品に対し、当初発表の10%ではなく、25%の関税を導入することを検討している。

中国政府に譲歩を促す狙いがあるという。

耿爽報道官は「米国の圧力と脅迫は機能しない。もし米国が一段の措置を講じれば、中国は必ず対抗措置を取り、断固としてわれわれの正当な権利を守る」と強調した。

また、通商問題を巡る両国間のコミュニケーションについての質問には、中国は「常に対話と協議を通じた通商摩擦の解決を支持している」が、対話は相互の尊重および平等に基づかなければならないと答えた。

その上で「一方的な脅しや圧力は、望みとは逆の結果を招くだけだ」と述べた。

 

 

コラム2018年8月1日 / 14:33 / 5時間前更新
コラム:トランプ政権、キャピタルゲイン税軽減策で赤字拡大か
Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領の経済政策である「トランポノミクス」が、またしても国の借金を増やし、格差を広げる行為に手を染めつつある。

ムニューシン財務長官は、キャピタルゲイン税について物価上昇を考慮に入れて軽減したい考えだ。資産の本当のコストと利益を算定しようとするのは理にかなっている。だが減税で最も得をするのは富裕層であり、1兆1000億ドルに達する可能性がある来年の財政赤字をさらに拡大させかねない。

現行ルールでは、キャピタルゲイン税は単純に取得原価と売却価格の差が対象となる。つまり米政府は、基調的な物価上昇と資産の値上がりを区別していない。

これは不公正だと思われるが、ルール変更による減税分の実に86%を受け取るのは、納税者の上位1%だ。ペンシルベニア大ウォートン校による3月の調査に基づくと、税引き後所得も上位0.1%が最も増える。一方で政府は向こう10年で1020億ドルの歳入を失ってしまうという。

そうなると既に急増し続けている米国の債務は一段と膨らむ。ホワイトハウスが最近行った試算でも、歳出拡大のために来年の財政赤字は2月時点の想定より12%上振れしそうだ。過去数年間3%付近にとどまっていた財政赤字の対国内総生産(GDP)比はおよそ5.1%に上がる。

昨年12月の大規模減税で、共和党は金持ちを優遇して無責任な財政運営をしているとの批判を受けている。議会予算局(CBO)によると、この減税で今後10年間に政府の歳入は1兆7000億ドルも下振れる公算が大きいという。

キャピタルゲイン税が軽減された場合、トランプ氏本人やムニューシン氏など政権の重鎮が恩恵に浴する人々に含まれる点も問題だ。「お手盛り」のように見える政策は政治の腐敗を助長する。

●背景となるニュース

*米財務省は、キャピタルゲインに対する課税額について物価上昇を考慮して独自に算定できるかどうか検討している。ニューヨーク・タイムズが30日伝えた。

*ムニューシン氏は、財務省が課税対象資産の原価に物価の影響を含めるようにルールを変えることができるかもしれないとの見方を示した一方、最終的なルール修正の権限が同省にあるかどうかはっきりしないと述べた。大幅な税制変更には通常、議会の法律制定が必要となる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 


トップニュース2018年8月1日 / 18:58 / 26分前更新
アングル:中国鉱物に対するトランプ関税、消費者にしわ寄せも
2 分で読む

[北京 31日 ロイター] - トランプ米政権は、対中制裁関税の対象に2000億ドル(約22兆円)相当の輸入品を追加することを提案している。これにより、米国でさまざまな用途がある希少金属やレアメタル(希土類)の輸入コストが増大し、最終的に消費者が負担する事態になると危惧されている。

10%の関税適用品目としてリストアップされているのは6000品以上で、その中には米政府が5月に経済と安全保障の観点から「重要」と指定された鉱物35種類のうち32種類が含まれる。

米国が中国に輸入を大きく頼っていながら関税対象となっている主な鉱物は以下の通りだ。

●ビスマス

ビスマス鉱石の精製品は1997年以降米国で製造されていない。用途は胃薬からスプリンクラーシステムまで幅広く、米地質調査所(USGS)によると、2013─16年で米国が輸入したビスマスの77%は中国産だった。これは廃棄物やスクラップも含み、昨年の輸入額は2280万ドル。

●バライト

石油や天然ガスの掘削に用いられるバライト(重晶石)も、中国が米国の主な輸入先で、全体の69%を占める。昨年の輸入額は9360万ドルだった。

●アンチモン

難燃剤となるアンチモンは、アンチモン酸と合計で昨年中国から1085万ドル相当が輸入された。USGSのデータでは、13─16年の米国の輸入に占める中国産の割合はアンチモンが62%、アンチモン酸が70%。

●天然グラファイト

長く製鉄に利用され、近年ではリチウムイオン電池の素材にもなっている天然グラファイトは、やはり中国が米国に最も多く供給している。13─16年の輸入に占める割合は35%で、昨年の輸入額は2700万ドル。ただ代わりの調達先として、メキシコとカナダがある。

●タングステン

鋼鉄の強度を高めるタングステンは昨年、中国から米国に約1億4500万ドル相当が輸出された。輸入全体に占める割合は34%。

●チタン

航空宇宙産業で使われるチタンと二酸化チタンを見ると、米国のスポンジチタン輸入に占める中国産の割合は8%と、トップの日本よりもずっと低い2番手だが、二酸化チタンはその割合が24%に高まる。

●タンタラム

消費家電やジェットエンジンの素材になるタンタラムは、米国に昨年7270万ドル輸入された。中国産の割合は23%だが、取引業者の話では8月下旬にも関税が発動される可能性をにらみ、中国からの駆け込み輸入が活発化している。

●コバルト

コバルト鉱石の最大の供給地はコンゴ民主共和国だが、精製品の米国への輸出では中国が有力な存在となる。昨年米国が輸入した各種コバルト製品は計6530万ドル相当で、中国からの割合は15%と、ノルウェーに迫っている。

●レアアース(希土類)

17種類が磁石や消費家電、レーダーなどに用いられている。USGSが集計した昨年の輸入額は1億5000万ドル。13─16年の輸入では中国からが78%を占めた。

 


 
ワールド2018年8月1日 / 11:53 / 1時間前更新
米政権、22兆円中国製品への関税25%に引き上げも=関係筋
1 分で読む

[ワシントン 31日 ロイター] - 関係筋によると、トランプ米政権は2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に25%の輸入関税を提案することを計画している。当初発表は10%だった。

計画は早ければ1日に発表する可能性があるという。関税率を倍以上に引き上げる計画はブルームバーグ・ニュースが最初に報じた。

これまでのところ中国政府から反応はみられていない。

トランプ政権は7月10日、2000億ドル相当の中国製品に10%の関税を適用する方針を明らかにし、食品や家具、化学品、鉄鋼、アルミニウムなど数千に上る対象品目リストを公表していた。

同案については一般からの意見を求めるパブリックコメント期間が8月30日まで設けられているものの、関税率の提案を25%に引き上げれば米中の対立が深まる恐れがある。公聴会も同月20─23日に開かれる予定となっている。

関税が発動される場合は通常、パブリックコメントが締め切られてから数週間後に発動される。

米通商代表部(USTR)の報道官は、関税率引き上げ提案や、それに伴うパブリックコメント期間の変更に関してコメントを避けた。

米政府は7月初めに340億ドル相当の中国製品に対し25%の関税を発動し、中国も同規模の関税措置で対抗した。米政府はさらに、追加で160億ドル相当の中国製品に対する関税を数週間以内に発動する準備を進めている。

2000億ドル相当の中国製品に対する関税が発動されれば、消費者への影響が一段と大きくなると見込まれる。

米中ビジネス協議会のシニアバイスプレジデント、エリン・エニス氏は、これらの製品に対する10%の関税でも問題だが、25%になればはるかに問題が深刻になると指摘。「対象となる製品を考慮すると、消費財を含め、中国からの輸入全体の約半分が関税に直面することになる。コストの増加分は消費者に転嫁されるため、大部分の米国人の財布に影響を与えるだろう」と述べた。

ブルームバーグが関係筋の話として報じたところによると、ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相の代表は交渉を再開させるために非公式協議を行っている。

*円換算を追加しました。

 


外為フォーラムコラム2018年8月1日 / 17:13 / 2時間前更新
オピニオン:貿易戦争下の投資戦略、自動車関税も織り込み必要=青木大樹氏
青木大樹 UBSウェルス・マネジメント本部 日本地域CIO兼チーフエコノミスト
5 分で読む

[東京 1日] - トランプ米政権による関税引き上げに端を発した世界的な貿易摩擦の激化は不可避の情勢であり、米国の自動車関税発動もリスク見通しの基本シナリオに含める必要があると、UBS証券ウェルス・マネジメント本部の最高投資責任者(CIO)、青木大樹氏は述べる。

とはいえ、貿易摩擦が最大限影響した場合でも、現在堅調を維持している米国経済が一気に減速する可能性は低いと指摘。強気の投資姿勢を維持すべき局面だと話す。

一方で、貿易戦争の影響で第4・四半期の米国経済の成長率は鈍化が予想されるため、米連邦準備理事会(FRB)は年内にあと1回の利上げにとどめ、今年12月の利上げは見送る可能性が高いと予測する。

同氏の見解は以下の通り。

<貿易摩擦激化の確率は60%>

当社はこのほど、米中間を中心に貿易摩擦が激化し、米国が輸入自動車・同部品に対する関税の引き上げにまで踏み切るという見方を、景気予測の基本シナリオに据えた。それに伴い、推奨する投資内容も大きく変更した。基本的には景気には強気の見方で投資を継続すべきだが、影響が想定以上に大きかった場合のダウンサイドへの備えも必要になっている、というものだ。

まず、貿易摩擦が激化する確率は60%とみている。米国はすでに一部発動した500億ドル(約5兆6000億円)相当の中国製品に対する25%の関税に加え、2000億ドル(約22兆4000億円)相当の中国製品に対する10%の関税措置も発動するだろう(一部報道によれば、この2000億ドル相当分に対しても関税率を25%に引き上げる計画がトランプ米政権側にはあるという)。これに対し、中国は報復として、同規模の関税措置に加えて、米国企業の中国への投資制限などを取るだろう。

さらに、トランプ政権は、前述した通り、輸入自動車・同部品に対する関税の強化にも踏み切ると考えている。金額的には、およそ3000億ドル相当の自動車や関連製品に20%の高率関税を課すこととなる。

もちろん、米中間の事前交渉が成立し、米政府が関税方針を転換する確率も35%と、それなりに高く見積もっている。従って、どちらの方向に進むかで、市場の先行きは大きく変わる。貿易摩擦が激化して関税がかかるとなると、市場は現段階ではそのリスクを2、3割程度しか織り込んでいないとみており相当の下げ圧力となるし、関税が回避されるとなると、リスクオンがさらに加速する。

こうした二項対立的な見通しの下では、投資家は「一度現金化しよう」という考えにとらわれがちだ。この低金利では債券投資で利益を上げにくく、株投資のリターンも足元ではあまり期待できない状況となっているからだ。

ただ、こうした状況でも、当社は、「ステイ・イン・インベストメント(投資継続を)」と呼びかけている。グローバル全体を俯瞰(ふかん)すれば、リスクオンの地合いが続いていることに変わりはなく、将来的に取れる収益をみすみす逃してしまうことになりかねないからだ。

<それでも2桁成長見通しの米国企業>

米国経済は非常に堅調で、第2・四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比4.1%増と、2014年以来の高水準となった。消費と設備投資がともに強く、所得減税、法人減税の効果が明確に現れている。

さらに、当社では米国の企業経営者が景況感をどう見ているかを示す「アニマルスピリット指数」を作成しているが、足元はピークの状態が続いており、堅調な企業マインドが設備投資などを促していることが見て取れる。

そうした米国経済に、関税はどう影響するだろうか。

まず、米国が2000億ドル相当の中国製品に対する10%の関税と、500億ドル相当の製品に対する25%の関税を実施し、中国が報復として同程度の関税措置を米国に対して実施した場合の米国のGDPへの影響は、0.2ー0.3%ポイント程度と予測している。

他方、中国については、米国側が前述の関税措置を課した場合のGDPへの影響は0.3ー0.5%ポイントと予測する。しかし、中国政府もまた、緩和的な財政・金融政策を取って影響の緩和に努めることが予想され、中国がリセッションに陥るような事態は想定しづらい。また、資金流失のリスクがあるため、中国政府は積極的な元安政策を取らないだろう。

米国株式の関連では企業利益への影響が注目されるが、仮に自動車関連の関税に加えて、合計4500億ドルの製品に対して報復の関税をかけられた最大のケースを考慮しても、S&P総合500種の企業利益に対する直接的な影響はマイナス4.5%程度と試算している。波及効果を含めてもマイナス6ー7%程度である。S&P500の企業収益の伸び率予想は、トランプ政権の税制改正に支えられていることもあり、2018年は19%。報復関税を考慮しても米国企業は差し引きで収益2桁増を維持できることになる。

つまり、貿易紛争が激化した場合でも、米国株式市場を大きく損ねるような影響は出ないというのがメインシナリオだ。米国株式にはさらなる上昇の余地があり、ここで資金を引き上げてしまえば、収益を得る機会を失うことになる。

ただし、米国が輸入自動車・同部品に20%の関税を課した場合の日本経済や株式市場への影響は相当に大きくなる。日本から米国への輸出額は1兆円程度の減少が見込まれ、日本のGDPは0.3ー0.4%ポイント程度の影響を受けるだろう。自動車メーカーの企業収益は25%程度減少し、企業全体の収益は4%程度のマイナスとなろう。当社はもともと、2019年3月期のTOPIX500純利益伸び率はマイナス4%と予測しており、そこからさらに4%下がれば、マイナス8%になる計算だ。

以上のような貿易紛争激化シナリオを踏まえ、推奨される資産だが、グローバル株式は推奨の程度は引き下げたものの、推奨を継続している。しかし一方で、関税の影響が想定以上に大きくなるリスクケースにも備え、株式が一定の価格以上に上昇した場合の権利は放棄し、下がった場合はプレミアムをもらえる「バイライト戦略」や、株式を一定の価格で売る権利であるプットオプションをつけることなどを勧めている。

日本株式は、上振れ余地がほとんどないとみている。債券では、リスクの少ない高格付け債を、新興国のものも含めて選別することを推奨している。外国為替は、リスク回避的なドル依存が続いているが、米10年金利の上昇なしにドル相場がさらに上昇する事態は考えづらい。むしろ、豪ドルやカナダドルの方が魅力的に見える。

<FRBの利上げはあと6回>

最後に、日米金融政策の見通しに触れておきたい。

今回の貿易戦争の影響として、米国の第4・四半期のGDP成長率は1.6%に減速するとみている。そうした傾向を受けて、米連邦準備理事会(FRB)は、今年12月の利上げを見送る可能性が高い。つまり、今年の利上げはあと1回だけだ。

ただし、景気後退期に向かうわけではないため、2019年は今年と同じ3回、2020年は2回程度の利上げは可能とみており、今利上げサイクルにおける利上げは残すところあと6回だろう。一時的に上振れるものの、政策金利の最終着地点(ターミナルレート)は3%程度に落ち着くと考えられる。

日銀は、7月30ー31日の金融政策決定会合で、フォワードガイダンスを活用することによりハト派的に金利の上振れを容認する結果となった。2019年の消費増税への配慮に言及したことで長期金利の誘導目標の「ゼロ%程度」はしばらくの間継続するとみられるが、物価上昇の加速が明確となれば、ゼロ%の目標の下でもさらなる金利上昇を容認するだろう。

ドル円の相場見通しは、しばらくはドルの底堅さが続くことから3、6カ月後は108円から112円のレンジだが、米10年金利に上昇余地は少なく、日本の金利上昇は徐々に明確となる可能性が高いため12カ月後は105円としている。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載された青木大樹氏へのインタビューです。同氏の個人的見解に基づいて書かれています。

(聞き手:山口香子、麻生祐司)

青木大樹氏(写真は筆者提供)
*青木大樹氏は、UBS証券ウェルス・マネジメント本部の日本における最高投資責任者(CIO)兼チーフエコノミスト。2001年より内閣府で政策企画・経済調査に携わった後、2010年にUBS証券入社。2016年、インスティテューショナル・インベスター誌による「オールジャパン・リサーチチーム」調査の日本経済エコノミスト部門にて5位(外資系1位)に選ばれる。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/581.html#c1

[国際23] アメリカ合州国は、唯一残っている宗主国(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
2. 2018年8月01日 19:40:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1090]

>アメリカ合州国は、唯一残っている宗主国

ただし、これは間違い

ロシアや中国、インドなども狭い範囲ながらも宗主国(プチ覇権国)であり

周辺国の政治を左右し、場合によっては軍事力も行使している

基本、巨大国家は、必然的に、そうなるということだ


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/581.html#c2

[経世済民127] 実は減っていた投資信託、アベノミクスは虚構か〈AERA〉  赤かぶ
10. 2018年8月01日 19:46:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1091]

変化する現実を理解せず、

賛成か反対かの0−1の視点からしか物事を見られず

固定した判断しかできない人間が多い


日本やここに限らないが、こういう人間が多数派であることが問題解決を困難にしていく



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/882.html#c10

[経世済民127] 日銀、突然の「金融政策変更」いったい何がしたかったのか 「ゼロ回答」にしか見えないが…(現代ビジネス)  赤かぶ
2. 2018年8月02日 18:39:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1092]

>日銀、突然の「金融政策変更」いったい何がしたかったのか 「ゼロ回答」にしか見えないが

答えは明らか

金融機関への副作用の軽減による、貸し出しの不安定化抑制と

政策の柔軟性を高めることによる、市場機能の回復と政策の長期化だ

世界と日本経済が比較的、堅調な現状では、緩和効果は弱まることになるが

仮にグローバルな金利上昇や、地政学リスクによる金融危機が発生した時には、

自然に緩和効果が強まることになる


ただし、超少子高齢化が続く日本の状況は、過去に例がないし

現状の金融政策も、FRBを超えている

いずれにせよForward Lookingな調整は必要なのは当たり前であり

今後も厳しい状況は続くだろう

しかし、それもまた面白いとは言える


覚醒した円債市場、注目すべき日銀の「実験」

市場が深い眠りから目覚めたら何が起こるか? PHOTO: DAVID BECKER/GETTY IMAGES
By
Richard Barley
2018 年 8 月 2 日 02:51 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 市場が深い眠りから目覚めたら何が起こるだろうか? 日本はそれを探るうえで興味深い場所となった。
 主要中銀は長らく、超緩和的な金融政策を通じて市場の変動を封じ込め、投資家のリスク志向を高めてきた。だが、「低金利の聖地」でも状況が変わりつつある。

10年物日本国債の利回りの推移

Source: Tullett Prebon Information


1日当たりの10年物日本国債の利回り変動幅

Source: Tullett Prebon Information

 日本の10年物国債利回りは、日銀の政策決定から一夜明けた8月1日の取引で0.13%に跳ね上がった。これは日銀がマイナス金利を導入した2016年1月以来の高水準だ。1日の上昇幅は0.08ポイントだったが、前日の7月31日には0.05ポイント低下していた。10年債利回りをゼロ近辺に誘導する日銀の金融政策により、何カ月もほぼ膠着(こうちゃく)状態にあった債券市場にとって、これは大きな変化だ。みずほのストラテジストは、これは市場にとっての「体制転換」だと指摘している。
 ここでは対立する2つの政策調整が作用している。日銀は31日、緩和継続の指針を示すフォワードガイダンスを導入した。主要中銀は市場の予想を安定させボラティリティーを引き下げるため、このフォワードガイダンスへの依存をますます強めている。だが黒田東彦日銀総裁は一方で、10年債利回りの変動幅拡大を容認し、変動幅の上限を0.2%とする考えを示した。市場はすでに、この水準を試し始めている。
 利回り変動が増大する可能性は、投資家にとってはリスクだが、トレーダーにとってはチャンスとなる。投資家は債券を保有する上で、より高いリスクプレミアムを要求することになり、結果的に利回りの押し上げに寄与する。日本の投資家はこれまで、利回りがゼロ近辺に張り付く国内市場から海外へと資金をシフトさせており、円債市場の動向は日本国外の債券相場にも影響を及ぼしそうだ。
 日銀が行動を急ぐことはない。だがより大局的な観点から見て、各国の中銀は何年にもわたり市場に深く関与してきた姿勢を和らげつつある。その過程でうたた寝することは選択肢にはない。
関連記事
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http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/895.html#c2

[経世済民127] 日銀、突然の「金融政策変更」いったい何がしたかったのか 「ゼロ回答」にしか見えないが…(現代ビジネス)  赤かぶ
3. 2018年8月02日 18:54:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1093]

>個人消費の本格的な回復によって人々のデフレレジームが完全に払拭されることが重要

賃金上昇によって、デフレレジームが変わるという意見も多いが

何度も言うように、日本の場合、超少子高齢化による年金高齢者の増加や

高齢ニートなど、労働力にならない人口の割合が高まりつつある

その場合、賃金上昇だけでは、不十分で、インフレは逆に、消費抑制に働くことになる


そのことは、初期の円安効果により外需は伸びたが、実質消費が減り

その後の、賃金上昇に対しても、消費の伸びが期待したほどではなかったことからも明らかだ

このような状況では、

実質消費(生活水準)を大きく下げない

GDP比債務の急上昇(財政破綻)を防ぐ

という条件を満たすためには


当面は低いインフレ率を甘受し、歳出削減と財政ファイナンスによる名目GDP押し上げで、

ドーマー条件を満たしながら、非効率な社会保障を効率化していくしかない

つまり何度も言うように、日銀依存では、本質的な解決にはならず

国家(政府、企業、労働者、消費者)の構造改革が、必要不可欠ということだ


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/895.html#c3

[経世済民127] これから日本に「メガ景気」がやってくる 失われた20年で日本企業は最強に(PRESIDENT Online) 赤かぶ
2. 2018年8月02日 19:13:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1094]

老化が進むとどうなるかという好例か


こういう意見がメディアで主流になる時は、そろそろ危ないが

個人の多数派のリスク回避志向は健在


危ないのは、ゆうちょなど、税金で救済される金融機関で

自己責任意識が希薄な高齢サラリーマン経営者が、過剰なリスクを取ること


https://ironna.jp/article/8763
「歴史的大相場」の日本株、バブル超え3万8千円が見えてきた - iRONNA

武者陵司 2018年はすべての条件が整い、勇気凛凛(ゆうきりんりん)新たな船出に向かう、という年になるのではないか。 

www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492394826/ref=nosim/astrology-22

新帝国主義論―この繁栄はいつまで続くか 単行本 – 2007/4


2008年4月11日
形式: 単行本
米国の住宅バブル崩壊・リセッションを懸念したクルーグマンの指摘を、「杞憂」であり、「10年の現実に耐えうるロジックではなかった」と散々にこきおろしているが、まさにその直後に、住宅バブルが崩壊し、サブプライムローンの破綻をきっかけに米国金融・経済が大きなダメージを受け、著者が批判したクルーグマンの予想通りの展開となりつつある現実を目の当たりにすると、本書の内容はもはや滑稽としかいいようがない。ただ、皮肉にも、クルーグマンを批判して言った「誰も正しく将来を予測できない」という言葉の正しさを、著者自身が予測を外したことによって身をもって証明しているといえよう。


5つ星のうち4.0武者陵司が書いた世界経済の見通し
2007年5月14日
形式: 単行本|Amazonで購入
一部の株式投資愛好家に熱狂的なファンを持つ武者陵司が

現在と近未来の世界経済について見通しを語った本である。

評者なりに内容を乱暴に要約してしまうと、アメリカを

中心とした先進国の多国籍企業群が発展途上国の安価な

労働者から一種の「搾取」を行うシステムが確立された

ので(これを武者は「帝国循環」と名付ける)、多国籍

企業をはじめとした株式やドル建ての資産について

当面強気の見通しを維持できる、ということになろうか。

潜在的なリスクシナリオもいろいろと提示されている。

世界経済の現状分析としてはそれなりの説得力を持って

いると思うが、失礼ながら文章にあまりキレがなく、

通して読むと少々胃もたれした。武者の相場見通しが

当たるかどうかを注視しつつ資産運用を楽しむ評者の

ような個人投資家なら一度は読んでみてもいいと思うが、

より広範な読者に役に立つ本として紹介することは躊躇

せざるを得ない。評点は星三つに近い星四つにします。

余談だが、確か2004年だったと思うが、武者は正月の大発会で

一年間の株価の予想レンジを外してしまうという快挙?も達成

したことがある。今回の本の予想は果たして当たるであろうか。

武者ほどの見識を以てしても相場の見通しはなかなか

当たらないのだ。予想とはかくも難しいものである。


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/900.html#c2

[経世済民127] これから日本に「メガ景気」がやってくる 失われた20年で日本企業は最強に(PRESIDENT Online) 赤かぶ
3. 2018年8月02日 19:34:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1095]

>日本の名目GDPはここ二十数年、ほぼ500兆円で横ばいであったにもかかわらず、なぜ企業収益だけが顕著な増加を見せているのか、と。
>それは、多くの日本企業がナンバーワンではなく、オンリーワンを目指すようになったから

こちらも正確には違う

総合トップを目指して、垂直統合と、国内の高い人件費で頑張ってきたかっての大企業は

ITを活用し、国際分業で高い生産性を上げる、グローバル企業に、完敗した

さらに、チャンスを活用した中国企業の急成長の結果

上と下から食われて、消えていったからというのが正しい

そして日本の企業利益の上昇要因は、巨額の金融緩和による円安も無視はできない

もちろん、主因は、それまでのリストラ努力や構造改革だが

金融緩和による、債務負担の軽減や、円安は、その改善効果を拡大したと言える

その結果、やっと国際水準に近づいたと言っていいだろう


https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28060640T10C18A3SHA000/
日本企業の稼ぐ力、世界水準に ROE初の10%超え
【イブニングスクープ】
2018/3/13 18:00日本経済新聞 電子版
保存 共有 その他
 日本企業の収益力が欧米企業に迫っている。どれだけ効率的に利益を稼いだかを示す自己資本利益率(ROE)は2017年度に10.1%まで上昇する見通しだ。データを遡れる1982年度以降で10%を超えるのは初めて。省人化などの需要を捉え海外市場を開拓する一方で事業の選択と集中を進め収益体質を強化してきた。欧米の主要企業が目安とする2桁のROEを維持するには、一段と効率的な資金の使い方が求められる。

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp171002.pdf

>日本の名目GDPはここ二十数年、ほぼ500兆円で横ばいであったにもかかわらず、なぜ企業収益だけが顕著な増加を見せているのか、と。
>それは、多くの日本企業がナンバーワンではなく、オンリーワンを目指すようになったから

こちらも正確には違う

総合トップを目指して、垂直統合と、国内の高い人件費で頑張ってきたかっての大企業は

ITを活用し、国際分業で高い生産性を上げる、グローバル企業に、完敗した

さらに、チャンスを活用した中国企業の急成長の結果

上と下から食われて、消えていったからというのが正しい

そして日本の企業利益の最大の上昇要因は、巨額の金融緩和による円安が

それまでのリストラ努力による恩恵を加速化し、起業も活発化

やっと国際水準に近づいてきたと言っていいだろう

しかし、金融緩和と米国市場依存度は、決して低くはないから

それがリスク要因として、今後、どうなるかだ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28060640T10C18A3SHA000/
日本企業の稼ぐ力、世界水準に ROE初の10%超え
【イブニングスクープ】
2018/3/13 18:00日本経済新聞 電子版
保存 共有 その他
 日本企業の収益力が欧米企業に迫っている。どれだけ効率的に利益を稼いだかを示す自己資本利益率(ROE)は2017年度に10.1%まで上昇する見通しだ。データを遡れる1982年度以降で10%を超えるのは初めて。省人化などの需要を捉え海外市場を開拓する一方で事業の選択と集中を進め収益体質を強化してきた。欧米の主要企業が目安とする2桁のROEを維持するには、一段と効率的な資金の使い方が求められる。

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp171002.pdf
 
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/900.html#c3

[経世済民127] 年金の繰り下げ受給、長生きするほどお得で「セーフティーネット」も(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年8月02日 19:46:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1096]

>妻の年金だけ70才まで繰り下げる

特に妻が熟年離婚を考えている場合は、夫には繰り下げさせず

自分だけ繰り下げしておいた方が合理的


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/897.html#c1

[経世済民127] マンションの値引きと値下がり開始、増える「完成品在庫」(Wedge) 赤かぶ
1. 2018年8月02日 19:55:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1097]

>所得の高くない層は中古、賃貸を選ぶのも選択肢

特に、転職・転勤リスクがある場合、賃貸がベストだろう

巨大災害で、物件の価値が消え、高額ローンに加え、新たな家賃負担ということになったら

目も当てられない



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/898.html#c1

[経世済民127] お金を使わない「夢の月0円生活」拝見! 意外と知らない世の中の"抜け道"(PRESIDENT) 赤かぶ
1. 2018年8月02日 20:05:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1098]

>針に食いつかず、餌だけをもらって撤退する生活を送っていれば、資産を構築

別に、そうしたければ、そうすれば良いが

これでは大した資産は構築できない

>スティーブ・ジョブズはほぼ毎日タートルネックの黒い長袖シャツとジーンズ 世界一の投資家、ウォーレン・バフェットも朝食はマクドナルド 
>結果的に無駄な出費を抑えて 

彼らは節約とは全く関係なく

前者は、余計な意思決定による脳への負担を軽減するため

後者は、単に好きだから食べている

その点では、節約のために、いろいろ脳を使う人々とは、真逆と言っていい



http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/899.html#c1

[経世済民128] 大前研一氏 国債と株でフォアグラ状態の日銀は「内部爆発」する(マネーポスト) 赤かぶ
11. 2018年8月04日 12:53:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1099]

大前は、ミクロな企業分析はともかく

相変わらずマクロ経済と金融、さらに政治に関しては、かなり無知なまま


>安倍政権と黒田日銀は“アベクロバズーカ”で国債を乱発して将来世代の借金を増やし続け、かえって国民の不安を煽っている。
>財政赤字は膨らむ一方なのに、来年度の当初予算案の概算要求総額は5年連続で100兆円を超える見通し

黒田日銀は増税志向であり、財政拡大志向の安部とは、かなり異なる

今回の政策変更も、政府の改革の遅れが原因と言える

そして安倍政権は、まだ日本の政権の中では比較的改革志向

つまり問題の本質は、厳しい改革を避け、これまでの既得権を維持しようとする

(既得権正社員、老化企業や、高齢者を主体とする)国民自身にある

>世界のマネーは金利が高い欧米に向かうから、日銀も金利を上げざるを得ない。また、もし日銀が物価上昇率2%の目標を達成した場合も当然、金利は上がる。
>フォアグラのように国債を腹一杯に溜め込んだ日銀は、利払いが利息を上回る「逆ザヤ」になってインプロージョン(内部爆発)を起こし、国債暴落のトリガー

完全な認識の誤り

まず、海外経由で市場金利が上昇(海外経済の活発化)したところで、

債券を途中で売却せず満期まで保有すれば損失は出ない

そして仮に一時的に国債が暴落したなら、淡々と買い増せばいい

つまり単なる海外金利上昇では暴落など起こりようがないということだ


そして金利上昇で銀行の収益率が高まるのであれば、

預金準備率を調整すれば、逆ザヤも、最小化できる


次に海外経済の活発化した結果、国内インフレ率が上昇するのは

まさに日銀が期待していたこと


名目GDP上昇と税収は加速し、財政は飛躍的に改善する

ただし、海外金利が上がっても、そう簡単には国内市場金利は上がらないし

上がったところで、日銀が簡単に冷却できる


そしてインフレ率も、賃金が上昇しなければ、持続して上昇することはできない


とは言え、何度も繰り返すが、重要なのは、国内産業の生産性や社会保障の効率化であり

インフレ率が上昇しようがしまいが、実質生活水準は、それによって決まる

よって構造改革の進展が最重要であり、今の緩和的な金融政策は、そのためにあるのだが

現状は、愚かで利己的な国民のために、狡猾なポピュリスト政治家による単なる財政ファイナンスの手段と化している


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/109.html#c11

[経世済民128] 経済財政白書(在野のアナリスト) 赤かぶ
1. 2018年8月04日 13:01:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1100]

この手の白書に期待しても、あまり意味はないという好例

重要なのは、現実の金融財政政策が、どういうタイミング、スピード、量で行われ

コントロールされるかだ

 

 

アベノミクスは失敗したのか
磯山友幸の「政策ウラ読み」
「経済好循環」は今が正念場

2018年8月3日(金)
磯山 友幸

 日銀が目標としてきた「2%」の物価上昇の達成メドが立たなくなったことで、「アベノミクスは失敗した」という声が強まっている。日本銀行は7月31日に金融政策決定会合で金融緩和策の修正を決めた。本当に、アベノミクスは「終わった」のか?


金融緩和策の修正を決めた黒田日銀総裁(写真:AFP/アフロ)
 日本銀行は7月31日に金融政策決定会合を開き、金融緩和策の修正を決めた。長期金利を「0%程度」としている政策の大枠は維持しつつ、長期金利の上昇を「0.2%程度」まで容認するのが柱で、黒田東彦総裁は「金融緩和の持続性を強化するため」だと狙いを説明している。

 背景には日銀が目標としてきた「2%」の物価上昇がなかなか達成できないことがある。2013年に黒田総裁が就任するや否や「異次元緩和」と呼ばれた大胆な金融緩和に踏み出し、マネタリーベースを2倍にして、2年で2%の物価上昇を達成するとした。

 ところがデフレ圧力は強く、物価はなかなか上昇しなかった。2%の目標は掲げたまま、達成年限を何度も先送りしてきた。

 今回、日銀は、消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)の見通しを、2019年度は4月時点の1.8%から1.5%に、20年度は1.8%から1.6%に引き下げた。この結果、目標の2%には20年度も届かないことがはっきりしたことになる。日銀は今後も長期にわたって金融緩和を継続せざるを得ず、その副作用を緩和するために長期金利の上昇容認に動いたとみられる。

 2%の物価安定目標への到達メドが立たなくなったことで、「アベノミクスは失敗した」という声が再び高まりそうだ。デフレからの脱却を掲げた大胆な金融緩和は、日銀による大量の国債購入やETF(上場投資信託)を通じた株式の買い上げにつながり大きく市場を歪めた。マイナス金利によって金融機関の経営も一段と厳しさを増しているだけで、物価は一向に上がらない、というわけだ。

 今回、日銀がETFの購入方法などを見直す方針を示したのも、そうした副作用への配慮がある。

 では本当にアベノミクスは失敗に終わったのだろうか。

 安倍晋三首相は2012年末の第2次安倍内閣発足以降、繰り返し「経済好循環」を掲げている。大規模な金融緩和によって円高が修正され、輸出企業を中心に企業業績が大きく回復、企業がその利益を取引先や従業員に「還元」していくことで、消費が盛り上がり、再び企業収益を押し上げていく。消費が盛り上がれば物価も徐々に上がり始める。そんな「好循環」の構図を描いてきた。

 その「好循環」を実現するために、安倍首相は異例の「口先介入」を行ってきた。経済界に対して「賃上げ」を求め続けてきたのだ。自民党の首相がまるで労働組合の肩を持つようなことをしてきたわけだ。結果、5年連続でベースアップが実現した。もちろん、企業業績の好調や深刻な人手不足が背景にあるが、安倍首相の「口先介入」も経団連企業を動かす大きな要因になってきた。

 特に2018年の春闘では、安倍首相は「3%の賃上げ」を経済界に求めた。ベースアップや定期昇給だけで「3%」に達した企業は少数だが、ボーナスまで含めた年収ベースでは多くの企業で「3%の賃上げ」が実現した。

 好調な企業収益を従業員に分配するところまでは来たが、問題はそれが「消費」に結び付くかどうかだ。日本のGDPの6割は個人消費なので、消費に火がつかなければ景気は本当の意味で回復しない。

 2018年1〜3月期のGDP(国内総生産)は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減と、9四半期(2年3カ月)ぶりにマイナス成長となった。天候不順による野菜価格高騰の影響などで個人消費が落ち込んだことが響いた。また、企業の設備投資も振るわなかったことがマイナス成長の要因だった。

アベノミクスの成果が一気に雲散霧消する危険性
 いつになったら消費は回復してくるのだろうか。

 明るさが見える統計数字が発表された。日本百貨店協会が7月24日に発表した6月の全国百貨店売上高概況である。店舗調整後の総売上高は前年同月比3.1%増と大幅に増加、2017年9月の4.4%増以来の高い伸びとなった。

 中でも百貨店がこのところ苦戦していた「衣料品」が4.3%増と高い伸びになったのが目を引いた。これは消費税導入による「反動減の反動」があった2015年4月の9.9%増以来の高い伸びだ。

 もしかすると、この衣料品の伸びは「経済好循環」が消費にたどり着いた結果かもしれない。4月以降の賃上げや6月支給のボーナスの増加が、消費に結びついたのではないか、そんな期待を抱かせる。というのも「紳士服・用品」の伸びが5.5%増と高かったのである。婦人服の4.7%増や子供服の5.1%を上回ったのは久しぶりのこと。女性の小物や子供服から始まる消費が、男性の背広にたどり着いたのは「賃上げ」の効果と言えるかもしれない。こうした消費の伸びによって4?6月のGDPはプラス成長になるとの見方が多い。

 問題は7?9月期も成長を維持できるかどうかだ。

 7月は大雨や猛暑など全国的な天候不順の影響で百貨店の売上高は再び前年同月比マイナスに陥った模様だ。消費に力強さが出てこないと、本格的な「経済好循環」は望めない。

 もう1つ、消費にプラスの効果をもたらす可能性があるポイントがある。厚生年金の保険料率の上昇が昨年9月で頭打ちになったことだ。2004年の法律改正で、厚生年金の保険料率は2005年から毎年9月に引き上げられてきた。2004年9月に13.58%(半分は会社負担)だった保険料率は、それ以降、毎年0.354%ずつ引き上げられ、2017年9月には18.3%になった。

 2004年と比べると、13年で4.72%も上昇。仮に基準となる給与が年400万円だとすると、会社負担分と合わせて19万円近く上昇したのである。当然、その分、可処分所得が目減りしてきたわけだし、会社は何もしなくても社会保険料負担が増えるので、賃上げや人員採用をためらってきた。それが昨年秋で「頭打ち」になったのである。可処分所得の減少が止まれば、消費も底入れしてくる可能性がある。

 財務省が公表している「国民負担率」を使って国民所得から逆算すると、社会保険料の負担は2004年度の52兆1800億円から2015年度の66兆9800億円へと、14兆8000億円も増えた。消費税率1%の引き上げで2兆数千億円の税収増に当たるとされるので、消費税6〜7%分の負担が知らず知らずの間に増えていたわけだ。消費が盛り上がらなかったのは当然だったとも言える。

 2019年10月には消費増税が控えている。あと1年あまりだ。増税が迫れば駆け込み需要も期待できるが、一方で、その後の「反動減」も予想される。現状の消費が盛り上がらないまま消費増税に突入すれば、またしても消費が腰折れし、再びデフレの泥沼に迷い込むことになりかねない。

 消費増税後には2020年の東京オリンピック・パラリンピックが控えており、訪日外国人による「超過消費」が期待できる。旅行で日本を訪れる外国人は免税手続きで買い物をするので、消費増税の影響は軽微だ。2018年6月時点でも百貨店売上高の5.8%を免税売上高、つまり訪日外国人によるインバウンド消費が占めている。この割合はさらに高まるだろう。

 だが、インバウンド消費があるから増税しても影響は軽微とは言い切れない。日本国内の消費が落ち込めば、「経済好循環」は振り出しに戻ってしまう。

 政府は「消費税還元セール」の解禁や、増税後の経済対策などで、増税の影響を小さくしようと知恵を絞っている。だが、問題は増税しても消費が腰折れしないだけの消費の「勢い」を、増税前にどれだけ作っておけるかにかかっている。むしろ、増税前の経済対策こそ必要だろう。

 あるいは、増税前に思ったほど消費が盛り上がらなかった場合、消費増税を撤回することも必要になるかもしれない。増税ありきで景気を失速させれば5年にわたるアベノミクスの成果が一気に雲散霧消する危険性をはらんでいる。


このコラムについて
磯山友幸の「政策ウラ読み」
重要な政策を担う政治家や政策人に登場いただき、政策の焦点やポイントに切り込みます。政局にばかり目が行きがちな政治ニュース、日々の動きに振り回されがちな経済ニュースの真ん中で抜け落ちている「政治経済」の本質に迫ります。(隔週掲載)


 


 
外為フォーラムコラム2018年8月3日 / 19:02 / 2時間前更新
コラム:日銀「政策ダイエット」後の円相場シナリオ=佐々木融氏
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
4 分で読む

[東京 3日] - 日銀は7月31日、金融政策の微調整をいくつか実施した。主なメッセージは以下の3つだと筆者は考える。

1)物価の上昇圧力が予想以上に弱いことは認めざるを得ない。

2)従って、従来予想していた以上の長い期間にわたって異例の超金融緩和政策を続けなければならない。

3)しかし、現状のやや強引な超金融緩和政策をあまりに長期間続けていると、市場機能の低下など、さまざまな副作用も出てくる。ゆえに、副作用が必要以上に大きくならない形での、長期戦の超金融緩和政策を続ける。

この例えが適切かどうかは分からないが、ダイエットをしようと思う人が水だけ飲んで生活すれば、体重は手っ取り早く減るかもしれない。しかし、短期間ならいざ知らず、なかなか体重が減らないからと、そのように過激なダイエットを長期間続けたら、生命の危機にさらされる。

時間をかけてダイエットを行う覚悟がある人には、それなりのやり方がある。日銀が7月会合で示したのは、まさにそうしたことだと思う。これで、日本の金融資本市場はある程度健全さを取り戻すことができそうだ。

<なぜ円安方向に動いたか>

実際、日銀が実施した政策微調整は、市場が期待ないし予想していたものをほぼ全て網羅していたという点に鑑みれば、平均的な市場の期待以上の微調整だったと言えるのではないだろうか。

さらに、こうした網羅的な微調整にもかかわらず、マーケットに悪影響を与えなかったという点において、市場の期待のコントロールから微調整の方法に至るまで上手なやり方だったと言えそうだ。

特に為替・株式市場に悪影響を与えなかったという点で、日銀と日本の市場参加者とのコミュニケーションが改善していると感じる。これは今後の日本経済にとって好ましいことだと言える。

むろん、表面的な方向性だけみれば、7月会合での政策微調整は緩和と逆方向に映るが、日銀は今回、金融政策を緩和方向か引き締め方向かのどちらかに動かそうとしたわけではない。そこを議論する必要はあまりないだろう。

筆者は7月9日付のコラム「市場は日銀に何を求めているのか」で、日銀は長期金利の上昇をもう少し許容すべきだと書いたが、その際、日銀がそうしても「さほど」円高にはならないと指摘した。「さほど」と書いた裏には、多少は円高になるだろうとの読みがあったわけだが、実際には円安に動いた。日銀が金融政策の微調整を発表してから約27時間でドル円相場は1%程度上昇した。

こうした動きとなった背景としては、日銀決定会合の1週間余り前から、イールドカーブ・コントロール政策の柔軟化の可能性について各メディアが報道していたため、すでに円高が進んでいたことも考えられる。日銀の政策発表後に円安になったのは、ポジションの手じまいという面が強かったのだろう。典型的な「うわさで買って、事実で売る」展開が円相場で起きたと言えるだろう。

もう1つ重要な点は、日本の長期金利が上昇すると、欧米の長期金利が上昇してしまうことだ。日本の長期金利が上昇したら円が買われるとのロジックの裏には、日米・日欧長期金利差が縮小するという考えがあるが、実際には欧米の長期金利も一緒に上昇してしまうので、金利差は縮小しなかった。

欧米の長期金利がこうした動きをするのは、日本の投資家が欧米債券を売却して、金利が高くなった日本の国債を購入するのではないかとの思惑が高まるからだ。こうした思惑は今後も続くと考えられるため、今後日本の10年国債金利が仮に0.2%、もしくは0.3%に上昇したとしても円相場には大きな影響を与えないだろう。

<日米新通商協議に要警戒>

さて、市場参加者は変わり身が早く、円相場は日銀の次の材料に目を向け始めている可能性がある。次に円相場にとって重要なのは、8月9日から始まる日米間の新通商協議(FFR)だろう。

これも今はあまり警戒している人はいないかもしれないが、トランプ米大統領がツイッタ―でつぶやけば一晩であっと言う間に最重要材料になってしまうので要注意だ。

日本の対米貿易はそもそも偏っている。通関ベースでみると、日本の昨年の貿易収支は全体で2.9兆円の黒字だが、対米黒字は7.0兆円と倍以上になっている。そして、その対米黒字の半分以上の4.5兆円が自動車の貿易黒字だ。

補足すれば、日本は米国に4.6兆円の自動車を輸出しているが、日本は米国から0.1兆円しか自動車を輸入していない。欧州との自動車貿易はバランスしているので、米国とのアンバランスは日本に原因があるわけではない。しかし、そう言って分かってもらえそうな相手でもなさそうだ。

また、米財務省は半期為替報告の中で円は実質実効レートベースでみて過去20年間の平均から25%も割安になっていると指摘している。こうした点をトランプ大統領が口にし始めると、円高・ドル安方向に比較的大きな圧力をかけてしまうことになる。

佐々木融氏(写真は筆者提供)
*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:麻生祐司)


 

外為フォーラムコラム2018年8月3日 / 11:21 / 2時間前更新
コラム:日銀版「ムーンウォーク」=熊野英生氏
熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト
3 分で読む

[東京 3日] - 日銀は7月会合で発表した方針に、「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」という名前を付けているが、いま1つメッセージ性が伝わらない。引き締めなのか、緩和強化なのか、よく読んでも分からないからだ。

黒田東彦総裁は会見で、展望レポートで物価見通しを引き下げて、物価安定目標の2%達成がまだ先になると、今度は副作用が強まって緩和継続ができなくなると困るので、副作用対策をしっかりやって我慢強く緩和を続ける、と言っている。

対策の1つは、長期金利変動を容認して、金利上昇に対して過敏に買い入れオペを打つのは手控えることである。すでに、最近の長期金利は、日銀の姿勢を受けて少し上昇していた。

黒田総裁は変動幅を2倍、つまりマイナス0.2%からプラス0.2%の範囲で動くことを容認すると言った。これは、国債市場機能をごく一部回復させて、金利上昇は金融機関が債券を買ってくるのを待つ姿勢をとるということだろう。

高い金利で債券を買えることは金融機関の収益にプラスである(そのくらいでは金融機関の収益は本質的にはよくならないことは気になるが)。

また、日銀がめどとして定めている年間80兆円の国債買い入れをより減額することも、民間金融機関に買い入れのチャンスを与えることになる。そのことは、先にある出口のところで、市場が自律的に金利上昇を抑える能力を高めることにもなるだろう。

さらに、日銀当座預金残高のうち、マイナス金利が適用される部分も、現在の平均10兆円程度から、5兆円程度へと変更する方針である。これは、大手行など預金が集ってマイナス金利の適用が避けられない金融機関の痛みを和らげることになる。

理由はともあれ、筆者は副作用対策を行ったことを評価する。黒田総裁は会見で、国債市場の機能低下だけが副作用のように話していたが、それは違う。本当の副作用は、巨大緩和が金融機関の収益に打撃を与えて、そのことが今後、金融システムに取り返しのつかないダメージを及ぼすことである。

<「脱リフレ」の第2弾>

今回の大きなポイントは、「政策金利のフォワードガイダンスの導入」だ。2019年10月の消費税率の引き上げまでは「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」と記した。この一文があるために多くの人は、今回の措置は緩和強化とみている。

このフォワードガイダンスは「当分の間」というところに力点がある。日銀は今回の措置を出口と関係ないというが、この文学的表現をこれからは微修正して、出口へと向かっていくことが感じられる。

この手法は、まさしく総合判断である。つまり、機械的なインフレターゲットの色は大きく薄まった。4月末会合での物価目標2%達成期限の廃止に続く「脱リフレ」の第2弾である。まさに、足を交互に滑らせ、前に歩いているようにみせながら後ろ向きに進む「ムーンウォーク」のようだ。

原田泰審議委員は反対票を投じて、「物価目標との関係がより明確となるフォワードガイダンスを導入することが適当である」とその理由を述べている。インフレターゲットから総合判断に変わったことがはっきりと分かる。原田委員は、皮肉なことに反対票を投じたことで機械的なインフレターゲットをやめたことを明確に伝えてしまっている。

もう1つ重要なのは、2019年10月まではフォワードガイダンスを働かせるというコミットメントが、消費増税を人質にしている点である。仮に消費増税をやめれば、このフォワードガイダンスが反故(ほご)になって金利変動が起きる可能性がある。

このタイミングは、欧州中銀(ECB)が利上げに動くと予定される2019年夏よりも後の時期と重なっている。ECBが利上げに動くと、それに対してそれほど遅れることなく、日銀も出口へと動けるような構えをとっている。ここは、黒田総裁が2期目の任期内で、出口戦略をしっかりやるぞという気構えが表われたところと言える。

熊野英生氏(写真は筆者提供)
*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。


 


外為フォーラムコラム2018年8月3日 / 14:47 / 2時間前更新
コラム:日銀の「パッチワーク」はいつまで続くのか=村嶋帰一氏
村嶋帰一 シティグループ証券 チーフエコノミスト
4 分で読む

[東京 3日] - 日銀は7月30―31日開催の金融政策決定会合で、金融政策(短期政策金利、10年国債利回りターゲット、リスク資産買い入れ規模)を据え置く一方で、資産買い入れ、特に国債買い入れをより弾力的に運営する方針を決定した。

今回の決定は、2%のインフレ目標の達成が(すでに十分に持久戦だが)一段の持久戦となることが避けられない中、これまで金融緩和の問題点(いわゆる副作用)を部分的に是正すること(パッチワーク)を意図したものだったと考えられる。

この点はもちろん評価できるが、本来的には、この5年強の政策運営について、日銀流の「総括的検証」やパッチワークではなく、本当の意味での「総括」を行うべき時期に来ているように思われる。この点を指摘した上で、今回の決定のポイントをみていきたい。

<長期金利変動レンジのさらなる拡大はあるか>

会合後の声明文は、長期金利について「金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるもの」 と指摘。さらに、黒田東彦日銀総裁は会合後の記者会見で、長期金利誘導目標の「ゼロ%程度」からの変動幅をこれまでの倍程度(つまり上下0.1%から今後は同0.2%)まで容認する考えを示した。

この上下0.2%をどうみるかがポイントとなるが、当社は、2016年9月に日銀がイールドカーブ・コントロールを導入し、10年国債利回りターゲットを「ゼロ%程度」とした際、上下0.2%の変動幅が容認可能なレンジとして念頭にあったとみている。

その後、結果的に、日銀はそれよりも狭いレンジで長期金利をコントロールしてきたが、今後は、国債市場の機能・流動性への悪影響を軽減するため、イールドカーブ・コントロール導入時の当初計画に近い形で10年国債利回りターゲットを運用していく可能性が高いように思われる。

当然に、日銀が変動レンジをさらに拡大するのではないか(例えば上下0.3%まで)との懸念が見受けられるが、その可能性はかなり低いと判断される。上で述べた通り、日銀にとって、現行の10年国債利回りターゲット(「ゼロ%程度」)の下で容認できるレンジは上下0.2%とみられ、このレンジを例えば上下0.3%に拡大する場合、それは事実上の政策変更を意味することになる。

実際、雨宮正佳日銀副総裁は8月2日、執行部だけの判断で上下0.2%のレンジを変えることはできないと発言している。また、以下で述べる通り、新たなフォワードガイダンスの導入を踏まえると、10年国債利回りが0.2%を持続的に超えて上昇する可能性は低いだろう。

<今回の声明文に「副作用」の文字がない理由>

今回の金融政策決定会合を前にした金融市場の議論は、おおむね金融緩和の副作用を巡って行われてきた。ところが、今回の声明文には、その「副作用」という言葉が一度も出てこない。これは、日銀が、副作用を起点に政策を考えているとの印象を避けたかったためと推測される。

日銀は金融機関収益への悪影響そのものを理由に政策変更を行うことにかなり慎重な印象を受ける。将来、日銀が副作用対応の政策変更を検討するためには、金融機関収益の低下だけでなく、それが金融仲介機能全般を損なっているという具体的な兆候、あるいはより現実的リスクが必要になるのではないか。

例えば、金融仲介機能への影響を推し量る上で注目すべき指標の1つとして、日銀短観の「金融機関の貸出態度判断DI(緩い−厳しい)」があげられる。この指標は、2016年9月のイールドカーブ・コントロール導入後も、今年6月の調査まで、大企業、中堅企業、中小企業向けのいずれも高い水準を維持している(企業が金融機関の貸出態度が「緩い」と判断していることを意味)。この点は、少なくとも現時点では、銀行収益の低下が信用仲介機能全般の低下には結び付いていないことを示唆しよう。

日銀は今回、声明文に「金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行う」という新たな文言をわざわざ付け加えた。金融緩和が、金融機関収益の低下を通じて、金融仲介機能に悪影響を与えるリスクが念頭にあることは明らかだろう。ただ、少なくとも現時点では、日銀にとって、これはリスクにすぎず、現実ではないことになる。

<フォワードガイダンス導入の真意と重み>

今会合のもう1つのポイントは、政策金利に関するフォワードガイダンスが導入されたことである。具体的には、「2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とされた。特定の経済イベント(消費税率引き上げ)と金利政策を緩やかにせよ関連付けたことが特筆される。

すでに日銀幹部は、消費増税後まで金融政策の変更はできないという観測を打ち消そうとしている。雨宮副総裁は8月2日、「フォワードガイダンスはカレンダーベースではなく、データディペンデント(経済情勢や指標次第)である」と発言した。しかし、実際に消費増税が実施され、しばらく時間が経過するまでは、その影響を巡る不確実性が消えないのは明らかだろう。

また、日銀は2014年4月の消費増税の影響を過小評価してしまったという経緯もある。これらの点を踏まえると、現実には、来年にかけてよほどインフレ率が明確に上昇するといった事態にならない限り、消費増税前に政策金利を引き上げることは難しいだろう。

フォワードガイダンスにうかがえる日銀の慎重姿勢は、日銀の経済成長率見通しとも整合的に見受けられる。日銀の実質国内総生産(GDP)成長率の見通し(9人の政策委員の中央値)は2018年度が1.5%、2019年度が0.8%、2020年度も0.8%だった。2019年度と2020年度の0.8%は日本経済の潜在成長率(当社推計は0.9%程度)とほぼ同水準である。すなわち、需給ギャップの改善が2019年度と2020年度にはおおむね止まることを意味する。

需給ギャップの改善とそのインフレへの押し上げ効果(フィリップス曲線)は、今後インフレ率が明確に上向いていくという日銀見通しの最も重要な根幹をなしている。このため、今後、需給ギャップの改善が止まる、あるいは反転するという現実的なリスクが、日銀の慎重姿勢と新たなフォワードガイダンス導入の背景になっている可能性がある。

例えば、消費増税の悪影響が日銀の想定を上回れば、2019年度以降、需給ギャップが悪化し、インフレを押し上げる力もさらに弱まる可能性が出てこよう。今回のフォワードガイダンスには実質的な意味がないとの見方もあるが、以上の諸点を踏まえると、一定の重みをもっているように思われる。

以上の点から判断すると、日銀は2019年10月の消費増税後まで、政策金利(短期及び長期)を現行水準に据え置く可能性が高い。一方、金融仲介機能への悪影響など、現行政策の副作用をより徹底的に検証するため、2020年のいずれかの時点で、金融政策の総括的検証を実施する公算が大きいとみている。

ただ、冒頭でも指摘した通り、それは日銀流の「総括的検証」にとどまり、2013年4月以降の政策運営が本当の意味で「総括」される可能性は低いだろう。

村嶋帰一氏(写真は筆者提供)
*村嶋帰一氏は、シティグループ証券調査本部投資戦略部マネジングディレクターで、同社チーフエコノミスト。1988年東京大学教養学部卒。同年野村総合研究所入社。2002年日興ソロモン・スミス・バーニー証券会社(現シティグループ証券)入社。2004年より現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。


 


円高の動き強まる ユーロ円の下げが波及との指摘も=NY為替概況

配信日時 2018年8月4日(土)06:00:00 掲載日時 2018年8月4日(土)06:10:00
 きょうのNY為替市場は円高の動きが強まっており、ドル円は111円台前半に下落した。他のユーロ円やポンド円といったクロス円も下落しており、円高圧力がドル円を圧迫しているようだ。中国が米国からの輸入600億ドル相当に最大25%の報復関税を計画していると伝わるなど米中貿易問題の激化が続いていることはもちろんだが、一部からはイタリア財政への懸念からユーロ円が下落し、他の円相場に波及しているとの指摘も出ている。

 イタリアのサルビーニ副首相はマスコミとのインタビューで「イタリア国民が我々に投票したのは、暮らしをよくし、適切な年齢で引退でき、低い税金を支払うためだ」と述べている。副首相はEUの財政規律を軽視する構えを示しているが、それに対して、トリア財務相は慎重な姿勢を求めている。

 この状況を受け欧州債市場でイタリア国債の売りが膨らんでおり、10年債利回りは一時3%台に上昇していたが、市場ではイタリア国債を多く保有する日本の投資家が同国債を売却するのではとの懸念が高まっている模様。

 ドル円は一時111.10円付近まで下落し、21日線を下放れる動きが見られている。このまま110円台に再び下落するようであれば、200日線が控える110円ちょうど付近までの下落も想定される。ドル高の流れはあるものの、ドル円は要警戒の値動きではある。

 一方、ユーロドルは1.15ドル台半ばから1.16ドルの間での上下動に終始。この日発表の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回ったことからドル売りが優勢となり、ユーロドルは1.16ドル台を回復する場面が見られた。しかし、イタリア財政への懸念もある中、ユーロの上値は依然として重く、ユーロドルは1.16ドル台に入ると上値を抑えられている。

 原油高もあってインフレはECBの目標に接近しているものの、第1四半期からの景気回復のペース鈍化が依然として続いている中、「来年夏の間中までの金利据え置く」というECBのコミットに変化を与えるものはない。

 米中貿易問題の激化による中国経済の減速が、米国よりもユーロ圏の経済に与える影響のほうが大きいとの見方もある中、ユーロドルは更に下値を探るとの指摘も少なくないようだ。心理的節目の1.15ドルをブレイクするようであれば、1.10ドルに向かって行く可能性も警戒されているようだ。

 ポンドドルは1.30ドル台は維持しているものの上値が重い展開。対円でも下落しており、ポンド円は一時144.50円近辺まで下落している。今年、強いサポートとなっている144円の水準をブレイクするか警戒される展開となっている。

 前日は英中銀が利上げを実施し、政策委員の投票行動も全会一致となった。利上げに反対する委員が複数いると思われていただけに全会一致はサプライズであったであろう。ただ、英中銀はEU離脱交渉にかなり敏感になっている様子も示唆したことからポンドは売りの反応を見せていた。きょうもカーニー総裁がBBCのインタビューで「合意のないEU離脱の可能性は不快なほど高い」と述べており、ポンド売りを誘っていた。

 市場でも早期利上げ期待は一切高まっておらず、年内の利上げ確率は10%台に留まっておりポンドを圧迫している。英経済はユーロ圏と違い回復基調を鮮明にしているが、EU離脱交渉やメイ政権の動向など政治リスクが不透明感を高めている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美


 


 
トップニュース2018年8月4日 / 00:32 / 12時間前更新
米雇用統計:識者はこうみる
1 分で読む

[3日 ロイター] - 米労働省が3日発表した7月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比15万7000人増と、市場予想の19万人増を下回った。一方、失業率は低下し、労働市場の引き締まりを示唆した。

識者のコメントは以下の通り。

●引き続き賃金が上昇力に欠ける

<ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米国シニアエコノミスト、オマイア・シャリフ氏>

内容的にはこれまでとほとんど同じ。雇用の伸びは依然、非常に強い。賃金のデータは、失業率の低さを考えるとがっかりだ。賃金の前年比上昇率はなお2.5─2.8%のレンジ内で推移している。とにかくわれわれは賃金(の上昇)が加速するのを待っている。このレンジを抜けることができないようだ。米連邦準備理事会(FRB)の政策方針は変わらず、9月に利上げするだろう。12月の利上げが確実視されているが、個人的にはそれほど確信が持てない。FRBは追加利上げの可否を判断する上で労働市場の状況を注視していると考えられるからだ。

●貿易摩擦懸念で一部企業が採用見送りか

<スパルタン・キャピタル証券(ニューヨーク)の首席市場エコノミスト、ピーター・カーディロ氏>

労働市場の底堅さに変わりはない。今回予想を下回った背景として、季節要因による影響に加え、貿易摩擦を巡る懸念から一部の企業が採用を見送った可能性が考えられる。失業率の低下はもっぱら労働参加率の低迷を物語っている。貿易摩擦を巡る懸念は今後おそらく、雇用統計に影を落としていくだろう。

●内容は堅調、9月利上げほぼ確実

<サビルス・スタッドリー(ニューヨーク)の首席シニアエコノミスト、ヘイディ・ラーナー氏>

今回の雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)の9月に向けた動きを変えるものではない。賃金の伸びは(前年比)2.7%と、今週発表された6月の雇用コスト指数と矛盾しない水準だった。今年3回目となる利上げが9月に実施されるのはほぼ確実だ。

7月の非農業部門雇用者数の増加数は15万7000人にとどまったが、5月と6月分が上方修正されたことで相殺された。失業率は3.9%にやや低下し、労働参加率は横ばいだった。今回の雇用統計は堅調なものだったと考えている。


ビジネス2018年8月3日 / 23:58 / 8時間前更新
米7月雇用15.7万人増、ペース鈍化 労働力不足が影響との声も
3 分で読む

[ワシントン 3日 ロイター] - 米労働省が3日発表した7月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比15万7000人増と、市場予想の19万人増を下回った。輸送や公益部門の雇用が減少した。

一方、失業率は低下し、労働市場の引き締まりを示唆した。製造業の雇用は7カ月ぶりの大幅な伸びとなるなど、底堅さも見受けられる。市場では、雇用の伸び鈍化は米中など世界的な貿易摩擦を巡る懸念を反映したものではないとの声も聞かれる。

S&Pグローバル・レーティングス(ニューヨーク)の主任米国エコノミスト、ベス・アン・ボビンゴ氏は「貿易紛争の継続は企業の投資や採用を阻害する恐れもあるが、今回の雇用統計では労働市場への悪影響は見られていない」と述べた。

5月と6月の就業者数は合わせて5万9000人分上方改定された。労働人口の伸びに対応するためには月に12万人増える必要があるとされている。

失業率は0.1%ポイント低下の3.9%となり、市場予想と一致した。失業率は5月に18年ぶりの低水準となる3.8%をつけた後、6月に4.0%へ上昇していた。労働参加率(生産年齢人口に占める働く意志を表明している人の割合)は62.9%と、前月から横ばい。現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は0.3%ポイント低下し7.5%と、2001年3月以来で最低を記録した。

こうした中、賃金は小幅な伸びにとどまった。1時間当たり賃金は平均で前月比0.3%(7セント)上昇。6月は0.1%上昇していた。前年同月比の伸びは2.7%と、前月と同じだった。

7月に雇用の伸びが鈍化した背景には労働力不足が影響している可能性もある。米国の求人件数は約660万件。2日に公表された7月の中小企業楽観度指数(NFIB)では、適切な人材を見つけられなかったと報告した回答が過去最高に上った。採用募集は建設業と製造業、卸売業に集中していた。熟練技術を必要としない職種でも人手が見つかりにくいとの報告があった。

米連邦準備理事会(FRB)が7月に公表した地区連銀景況報告では、高技術を必要とするエンジニアや建設・製造業の専門職、情報技術(IT)専門家、トラック運転手など幅広い職種で労働力が足りていないことが明らかになった。

コンファレンス・ボード(CB)の主任北米エコノミスト、ガド・レバノン氏は「労働市場では、ブルーカラー(現業系)職種の人材が大幅に不足する一方で、ホワイトカラー(事務系)職種の人材不足は小幅にとどまるなど、二極化の動きが見られる」と指摘した。

トランプ米政権は鉄鋼やアルミニウムに輸入関税をかけ、中国やカナダ、メキシコ、欧州連合(EU)など主要な貿易相手国は報復措置をとっている。また、340億ドル分の中国製品に25%の輸入関税をかし、中国は同様の対抗措置をとった。追って1日に米国は、2000億ドル相当の中国製品に対する輸入制限措置について、輸入関税を当初案の10%から25%へ引き上げることを提案した。中国商務省は3日、600億ドル相当の米製品に報復関税を課す方針を表明し、さらなる手段を講じる権利があると米国をけん制した。

エコノミストらは報復関税の応酬によってサプライチェーンに障害が生じ製造業が打撃を受け、米国の力強い経済成長の抑制要因になると警告している。貿易摩擦の高まりで金融市場はすでに乱高下しているが、貿易摩擦への懸念で企業の信頼感が低下し、企業が投資や雇用計画を見送る可能性もある。

SSエコノミクス(ロサンゼルス)の主任エコノミスト、スン・ワン・ソン氏は「金融市場は貿易摩擦の影響を受けている。中国などとの貿易紛争は投資や雇用、賃金の伸びを阻害する恐れがある」と話した。

一方、1兆5000億ドル規模の財政出動の影響で米経済はこうした逆境を乗り越えている。第2・四半期国内総生産(GDP)は年率で4.1%増と、前期から加速した。

FRBは1日、労働市場と経済双方について前向きな見方を示した上で、政策金利を据え置いた。声明で「労働市場は引き続き力を増し、経済活動は好調なペースで伸びている」とした。FRBは6月に今年2度目となる利上げを決めたが、就業者数の伸びが鈍化したことや、賃金の上昇ペースが安定的であることは景気過熱への懸念を抑える可能性があり、FRBは従来の計画通り金融政策を徐々に引き締めるとみられる。

FRBが物価の目安としている個人消費支出(PCE)のコア物価指数は6月に前年同月比で1.9%上昇した。3月にはFRBが目標とする2%を2011年12月以来初めて達した。

雇用統計の内訳は、製造業が3万7000人増。6月は3万3000人増だった。建設業は1万9000人増。6月は1万3000人増加していた。小売業は7100人増。6月の2万0200人減からプラスへ転じた。

教育・医療は2万2000人増と、17年10月以来の小幅な伸びにとどまった。6月は6万9000人増加していた。7月は教育サービスの雇用が1万0800人減少し、全体の抑制要因となった。

輸送業は1300人減。運輸・陸上輸送が1万4800人減少したことが全体を押し下げた。公益事業は3カ月連続で減少。金融・保険は9400人減だった。政府部門は1万3000人減少した。

*内容を追加して再送します。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
ビジネス2018年8月4日 / 06:33 / 6時間前更新
ドル横ばい、雇用統計予想割れでも利上げ見通し変わらず=NY市場
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[ニューヨーク 3日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場で、ドルは主要通貨に対し横ばい。この日発表された7月の米雇用統計では、伸びが市場予想を下回ったものの労働市場は引き締まった状態で、年内あと2回の米利上げ観測を支援した。

主要6通貨に対するドル指数.DXYはほぼ横ばいの95.148。一時は94.98まで下げた。週間ベースでは0.5%の上昇。

7月雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比15万7000人増と、市場予想の19万人増を下回った。失業率は0.1%ポイント低下して3.9%となり、労働市場の引き締まりを示唆した。

OANDAのシニア通貨アナリスト、アルフォンソ・エスパルザ氏は雇用統計について「全体的には堅調で、FRBの年内あと2回の利上げを依然サポートしている」と述べた。

貿易摩擦の高まりを受け、ドルは対円JPY=で0.39%下落。

中国は同日、600億ドル相当の米国製品に追加関税を課す報復措置を発表した。液化天然ガス(LNG)や小・中型の航空機など5207品目に対し、5%から25%の税率をかける。

人民元は、この日序盤に付けた対ドルでの15カ月ぶり安値から反発。ドルはオフショア市場の人民元CNH=に対し0.49%安。中国人民銀行(中央銀行)が人民元相場の安定化に向け、市中銀行に義務付ける為替フォワード取引の準備金要件を週明け6日から20%に引き上げると発表した。これにより、人民元ショートはよりコストがかかる。

英ポンドGBP=は0.09%の小幅安。カーニー英中銀総裁は同日、英国が合意のないまま欧州連合(EU)から離脱するリスクは「不快なほどに高い」との認識を示した。

表はロイターデータに基づいています

ビジネス2018年8月4日 / 01:52 / 11時間前更新

米6月貿易赤字は7.3%増、1年7カ月ぶりの大幅増加
1 分で読む

[ワシントン 3日 ロイター] - 米商務省が3日発表した6月の貿易収支の赤字額は前月比7.3%増の463億4800万ドルと、増加率が2016年11月以来、1年7カ月ぶりの大きさとなった。米農家は4月と5月に大豆を前倒しして輸出したが、6月はこうした輸出押し上げ要因がなくなった。また原油高で輸入額が増えた。市場予想は465億ドルの赤字だった。

5月の赤字額は当初発表の430億5300万ドルから431億8600万ドルに改定された。

米政権は340億ドル相当の中国製品に輸入関税を課し、中国も同様の報復措置を取った。米農家は4月と5月に、中国が7月上旬に米国に対する報復関税を導入する前に大豆を前倒しして輸出した。この結果、貿易赤字が縮小していた。

実質の貿易赤字を示すインフレ調整後の貿易赤字は793億800万ドルだった。5月は754億7100万ドルだった。7月27日に発表された第2・四半期国内総生産(GDP)によると、貿易はGDPを1.06%ポイント押し上げる方向に働いた。第2・四半期GDPは年率で4.1%増だった。

政治的に問題になることが多い対中貿易赤字は、6月は0.9%増の334億8400万ドルだった。

6月はモノとサービスの輸出が0.7%減の2138億900万ドルだった。消費財の輸出は14億3300万ドル減少。医薬品が6億1900万ドル減少したことが押し下げ要因となった。資本財や自動車・同部品の輸出も減少した。

一方、石油輸出は過去最高水準となった。

モノとサービスの輸入は0.6%増の260億1580万ドルだった。消費財と原油の輸入が増えた。石油輸入は、原油高を反映して14年12月以来の高水準となった。輸入原油の平均は1バレル=62.42ドルと、14年12月以来の高水準となった。コンピューターや通信機器の輸入は減った。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
ビジネス2018年8月4日 / 01:52 / 11時間前更新
中国、為替フォワード準備金要件20%に引き上げ 人民元下落阻止へ
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[北京 3日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は3日、人民元相場の安定化に向け、市中銀行に義務付ける為替フォワード取引の準備金要件を週明け6日から20%に引き上げる方針を発表した。

米中貿易摩擦がエスカレートする中、オンショア人民元が対ドルで14カ月ぶり安値を更新していたことが背景にある。

人民銀は昨年9月、元の為替フォワードのポジションを決済する金融機関に適用する所要準備をゼロとし、事実上撤廃していた。

人民銀はウェブサイトに掲載した声明で、今回の決定について、為替相場の安定化に向けたカウンターシクリカル(景気循環)な措置と説明。また資本規制ではなく、価格に基づく差別のない穏健な政策手段と指摘し、マクロ上の金融リスクを回避して金融機関の安定的運営を促進することが目的とした。

発表を受け、オフショア人民元は対ドルで0.8%上昇し、6.8270元を付けた。

オンショア人民元も6.82620元で取引を終了。一時は昨年5月15日以来の安値となる6.8965元を付けていた。

ナティクシスのエコノミスト、ゲリー・ング氏は「人民銀は元が対ドルで心理的な節目とされる7.0元を超えて下落することは望んでいない」と述べた。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/113.html#c1

[経世済民128] 大手企業の夏ボーナス90万超えも中小企業は…? 実感乏しい“好景気”(wezzy)  赤かぶ
3. 2018年8月04日 16:46:10 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1101]

人手不足が進み、その一方で、規制緩和で生産性上昇投資が加速し

利益のでない中小企業の淘汰が進めば、

自然に実質賃金水準は上昇する


ただし、反グローバリズムによる保護貿易の強化で、

海外市場を利用できず、一方で、既得権者保護のための規制や

補助金などが減らせなければ、

超少子高齢化のため、投資は進まず、生産性も上昇せず

社会保障コストも上昇するので、最終的には、

貧困化が加速する


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/114.html#c3

[経世済民128] 原油価格はどこまで上がる?日本を「ガソリン不況」が覆う可能性はあるか(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月04日 16:52:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1102]

ITの普及で、余計な物流や、人の移動を減らすことが、長期的には、最も重要だが

短期的には、原発の再稼動を加速し、EVやHVを増やせれば、問題は、さらに緩和する

ただし現実には、国内の生産を減らし、低コストで需要のある海外での

現地生産の強化という形でコスト(当然、原油消費も)削減が計られる可能性は高い



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/117.html#c1

[経世済民128] 自動運転技術の現在 2020年までにハンドル手離し走行は可能か(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年8月04日 17:00:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1103]

高速道路での自動運転や

過疎地の巡回バスなどであれば、

確実に実現レベルになっているし

高齢者の運転ミスによる事故は、さらに深刻になっていくことを考慮すれば

前方に人物がいる場合、アクセルを踏まれても、自動的にブレーキをかけるなど

当面は、高齢者の運転補助装置の設置義務化という形で普及を目指すのが現実的だろう


https://www.asahi.com/articles/ASL723GHNL72UTIL00J.html
83歳ゴールド免許、2人の命奪う 夫の看病帰りに何が
金山隆之介2018年8月3日11時52分

起訴状によると、被告は2016年11月12日午後3時前、乗用車を運転して東京都立川市の病院の駐車場から出る際、ブレーキとアクセルを踏み間違え、歩道上にいた30代の会社役員の男性と、同じく30代のパートの女性をはねて死亡させたとされる。事故当時、車のスピードは時速約40キロまで上がっていた。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/116.html#c1

[国際23] ロシア、昨年9月以降1万人以上の北朝鮮労働者を新規受け入れ 国連制裁違反か(ロイター) 赤かぶ
1. 2018年8月04日 18:50:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1104]

#トランプのお陰で、北は軍事独裁を着々と強化か

北朝鮮が核・ミサイル開発継続、安保理の専門家報告書−共同
小宮弘子
2018年8月4日 12:55 JST
北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめた報告書を入手
瀬取りによる石油精製品密輸入やイエメンなどへの武器密輸出も試みた
国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめた報告書が、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続を明記していると共同通信が報じた。

  共同通信が入手した報告書はまた、北朝鮮が海上で積み荷を移し替える「瀬取り」による石油精製品の密輸入を「大幅に増加させた」と指摘し、イエメンやリビア、スーダンへ小型武器の密輸出を試みたとも言及しているという。

  北朝鮮をめぐっては、米紙ワシントン・ポストが先月30日に、6月の米朝首脳会談後も北朝鮮が引き続きミサイルを製造していると報じていた。

 


 
• 北朝鮮女性を苦しめる「書類整理」と呼ばれる性虐待行為 8/2(木) 11:39

• 金正恩氏の猛暑対策「昼に寝て夜に働く」でも効果なし 8/4(土) 6:39

• 「外国人とメッタ打ち大乱闘」動画も…北朝鮮労働者の悲惨な環境 8/3(金) 11:42

• 金正恩氏の「恐怖写真」現場にセメント大量搬入の理由 8/3(金) 6:39


北朝鮮「倒れた作業員は連れ去れ、戻ってこれない」魔の工事現場
高英起 | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト 8/4(土) 15:37
 

金正恩氏(朝鮮中央テレビ)
北朝鮮の金正恩党委員長の旗振りで始まった高級リゾート「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」の建設事業。外国人観光客を多数誘致し、外貨を確保するのが目的と見られる。
ところが、その工事現場では様々な人権侵害、大事故が多発しており、このままでは「いわくつきリゾート」「事故物件」になりかねない様相を呈している。
(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故)
死体は廃棄物扱い
韓国のリバティ・コリア・ポストの現地情報筋によると、この工事は、今年1月10日に始まった。当局は、人民保安省(警察庁)管轄の9ヶ所の教化所(刑務所)、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)保衛部(秘密警察)の教化所の収監者の中から、健康状態が良好な30代以下の25万人の人員を選抜し、現場に投入した。
金正恩氏は今年5月25日、工事現場の現地指導を行ったと北朝鮮の国営メディアは報じている。
情報筋によると、その場で金正恩氏は、本来70回目の国慶節(建国記念日)を迎える今年9月9日までに完成させる計画だったものを、来年4月に遅らせるよう指示を下した。その理由について情報筋は、必要な資材が到着していなかったからと説明した。
しかし実際には、9月9日までの完成などそもそも無理だったのではないだろうか。
江原道(カンウォンド)にある教化所の幹部は「1月から今まで、葛麻地区の工事現場では7000人、月単位では1000人が死んでいる」と証言した。「今のように無理に工事を進めれば、動員された収監者の半分も生き残れないだろう」と述べた。
安全設備もない状態で1日14時間の奴隷労働を強いられ、倒れたり怪我をしたりした人は、「現場処理班」の保安員(警察官)によってどこかに連れ去られ、二度と現場に戻ってこないという。
(参考記事:金正恩氏の背後に「死亡事故を予感」させる恐怖写真)
金正恩氏が訪れた別の建設現場の写真を見ると、背景に写っている建設中の建物に、転落事故を防止するためのフェンスらしきものは見当たらない。また、足場もまるで鳥の巣のように乱雑に組まれている。これでは事故が起こらない方が不思議だ。
(参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図)
咸鏡北道(ハムギョンブクト)の豊渓里(プンゲリ)にあった核実験場の建設には、近隣の管理所(政治犯収容所)の政治犯が多数動員されたが、被ばくで死亡した人は放射性廃棄物扱いされ完全統制区域に埋められ、隠蔽されたという。葛麻地区でも同様の奴隷労働が行われているということだ。
そもそも政治犯ではなくとも、兵役中に栄養失調や事故で死亡した兵士や、教化所に収監され死亡した人の遺体が家族のもとに返されることはないという。
(参考記事:北朝鮮、核実験施設で「政治犯」を強制労働に動員か)
にわかに信じがたい話だが、北朝鮮では安全を軽視したことによる労災死亡事故が多発していることを考えると、多数の死者が出ていることには違いないだろう。
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高英起デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)『金正恩核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)『北朝鮮ポップスの世界』(共著)(花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。
  

2018.8.4 13:23
【激動・朝鮮半島】米が北朝鮮制裁の完全履行を中国に求める ポンペオ国務長官が王毅外相に

 東アジアサミット外相会議に出席したポンペオ米国務長官。手前は中国の王毅外相=4日、シンガポール(共同)
 米国務省のナウアート報道官は4日、ポンペオ国務長官がシンガポールで3日に行われた米中外相会談で、北朝鮮の非核化を達成するため、国連安全保障理事会の制裁を維持することが重要だとして、完全履行を求めたことを明らかにした。

 王毅国務委員兼外相の反応は不明。6月の米朝首脳会談後、中国が制裁の履行を緩めているとの見方が出ている。

 ポンペオ氏は建設的な米中関係を目指したい考えを強調する一方、南シナ海で中国が進める軍事拠点化への懸念を表明した。(共同)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/598.html#c1

[国際23] 大手メディアが軒並み読み間違う、トランプ政権「次の一手」 インサイド情報は報道とは真逆だった(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年8月04日 20:37:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1105]

#国家戦略や対外政策的には完全に支離滅裂ながらも、

基本は利己的な愚民向け選挙政策、そして超富裕層優遇という点では一貫している

そのお陰で、日本は世界第2位の株式市場の座を4年ぶりに取り戻したから

一部には喜ぶ人間もいるが、実質的には全く意味などない


 

 
トランプ氏の対中圧力、狭まる「ディール」余地

トランプ氏が次なる関税で狙い打ちしようとしているのは中国企業が独占する業界だ(写真は中国の食品会社) PHOTO: ZHOU ZHIYONG/ZUMA PRESS
By
Nathaniel Taplin
2018 年 8 月 4 日 01:20 JST 更新
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 米国は現在、貿易問題を巡り中国に対して優位な立場にあるように見えるが、それも長くは続かないかもしれない。
 ドナルド・トランプ米大統領は中国からの輸入品に課す関税率を従来の10%から大きく引き上げ、次に対象とする2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品では25%とすることを検討している。米国内の経済成長が堅調な一方、中国の成長鈍化が報じられる中、米国が交渉力に自信を深めている様子が見て取れる。トランプ氏はまた、先週のジャンクロード・ユンケル欧州連合(EU)委員長との会談で欧州との緊張緩和を達成し、中国を孤立化させている。
 だが、米政権にできるのはこれが精いっぱいかもしれない。中国の政策担当者は予想以上に積極的な刺激策を打ち出している。こうした政策が国内総生産(GDP)に反映されるまでに通常2〜3四半期かかることを踏まえれば、外国投資を巡る環境改善や知的財産の保護強化といった米企業に有利な打開策は、いかなるものであれ9カ月以内に確立できなければ空振りに終わる恐れがある。
中国の短期債レポ金利
Source: Thomson Reuters %7日物1日物14日物


 中国でどれほど迅速に政策が展開されているかを知るには、短期金利を見てみることだ。中国が最近押し進めてきたレバレッジ解消の主たる目的は、短期の銀行間借入に対する小規模銀行の危険な依存を断つことだった。2016年半ばから17年半ばにかけて、翌日物借入金利は1%ポイント近く上昇した。
 その金利はここへ来て急速に低下している。政策担当者は銀行からの借り入れコスト上昇が中小企業への融資を圧迫していると懸念する。そうした融資は小規模銀行が圧倒的シェアを占める。6月に平均2.5%だった1日物レポ金利(加重平均)は、1日の取引終了時点で2%を割り込んでいる。1日物の債券レポ取引は急拡大し、7月には月間取引高が過去最高を更新した。レバレッジ解消の取り組みが最盛期を迎えた16年終わりから17年始めには大幅に縮小していた。
 市中銀行はまた、企業向け融資を増やすようにとの中国人民銀行(中央銀行)の非公式指針を受け取っている。人民銀は一部銀行の自己資本要件を緩和したと報じられているが、そうした措置は融資の拡大を促す。
米統計(前年比)
Source: CEIC %民間部門の週間所得雇用コスト指数消費者物価指数

 一方、米国が精気みなぎる4%のGDP成長率と2%のインフレ率を維持するのは難しそうだ。労働省の四半期調査によると、6月は民間の年間賃金上昇率が約10年ぶりの大きさとなった。消費者物価は既に連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする年率2%近辺の上昇率で推移しており、それほど後れを取っているわけではないかもしれない。しかも、次に検討されている関税は中国が独占する業界を直撃する。つまり、価格の上昇圧力を和らげるために代わりのサプライヤーを探すのは困難だ。キャピタル・エコノミクスによると、関税の影響を被る部門全体で、中国は米輸入品の5割超を供給している。
 トランプ氏が中国と有利な「ディール(取引)」を取り付けられる余地は小さい。投資家は19年初めまでの打開を期待すべきだろうが、それは実現しない可能性もある。
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中国、600億ドル相当の米国製品に追加関税の用意

中国政府は3日、600億ドル相当の米国製品に追加関税を課す用意があると明らかにした。写真は米ケンタッキー州にあるフォード・モーターの工場


By Lingling Wei
2018 年 8 月 4 日 07:49 JST 更新

【北京】中国政府は3日、米国がさらなる関税拡大計画を実行に移した場合、600億ドル(約6兆7000億円)相当の米国製品に追加関税を課す考えを示した。

 ドナルド・トランプ米大統領は1日、2000億ドル相当の中国輸入品に対する追加関税の税率を10%から25%に引き上げることを検討するよう指示。中国の発表はこれを受けた措置で、米中の通商摩擦がさらに激しさを増している。

 中国国務院(内閣に相当)が公表した関税対象リストによると、農産物や機械、化学製品などに対し5〜25%の関税を課す。

 中国はこれまで500億ドル相当の米国輸入品に対して、関税をすでに発動、または発動する方針を表明済み。今回の措置で関税の対象となる米国製品は1100億ドルとなり、昨年の輸入実績の85%に達した。トランプ大統領は5050億ドル相当の中国輸入品すべてに関税を課すことも辞さない構えをみせている。

 国務院は「こうした関税措置をいつ実施するかは、米国側の行動次第だ。中国はその他の報復措置を導入する権利も維持する」としたうえで、「一方的な脅しやどう喝は対立の激化と、あらゆる関係者の利益が損なわれる結果を招くだけだ」と述べた。

 今回の600億ドルの関税対象のうち、中小型航空機やコンピューターなど約662品目には5%の関税を課す。コーヒー豆、繊維製品など1000品目近くには10%、化学製品や消臭剤など約1000品目には20%の関税をそれぞれ課す。食肉やワイン、液化天然ガス(LNG)など2493品目は税率を25%とした。

 米国家経済会議(NEC)のラリー・クドロー委員長は記者団に対し、「米中協議は停滞していたが、最近しばらくぶりに高官レベルで対話が行われた」と述べた。

 スティーブン・ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相(経済担当)は、米中交渉の開催について話し合っているが、まだ協議は予備段階にある。クドロー委員長は米中間でやり取りがあったとする発言について、ムニューシン長官と劉副首相の間で行われている協議なのか、または他の政権関係者が別に行っている協議を指しているのか、明らかにしていない。

 米中通商問題を巡っては、トランプ政権内でもアプローチを巡り意見が割れている。クドロー、ムニューシン両氏らは中国との交渉に前向きとされるが、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表、ホワイトハウスの通商顧問、ピーター・ナバロ氏などは交渉に懐疑的で、中国から譲歩を引き出すため関税発動の構えを続け、圧力をかけるべきだと主張しているようだ。双方とも互いに深い疑念を抱いている。

 中国当局者は、ホワイトハウス内で米中通商協議の仕切り役が決まらない限り、次回の交渉ラウンドは再開しない意向を示している。

 米下院歳入委員会のケビン・ブレイディー委員長(共和、テキサス)は、トランプ大統領と中国の習近平国家主席との直接会談を開催するよう求めているが、側近らによると、両首脳はおそらく、交渉妥結のためにしか顔を合わせない可能性が高い。

 


ワールド2018年8月3日 / 12:47 / 10時間前更新
焦点:米国の「インド太平洋」投資戦略、アジア諸国はそっぽか
2 分で読む

[シンガポール 2日 ロイター] - お気持ちはありがたいが、中国への貿易戦争をちらつかされるとわれわれが数十億ドルの損失を被るので、そちらを止めて頂きたい──。ポンペオ米国務長官は今週、インド太平洋地域に1億1300万ドル相当を拠出する計画をひっさげて東南アジア諸国を訪問するが、各国の反応はこんな感じかもしれない。

国務長官は今週、この地域のハイテク、エネルギー、インフラの各分野に重点投資すると発表し、トランプ大統領が掲げてきた「インド太平洋」戦略の具体策を初めて示した。

しかしアナリストによると、東南アジア諸国は中国の輸出業者のサプライチェーンに組み込まれており、この案を売り込むのは難しいかもしれない。

シルクロード経済圏構想「一帯一路」を進める中国との緊張がさらに高まる恐れもある。

「東南アジア諸国は、1億1300万ドルの構想による恩恵の度合いより、米中貿易摩擦によるとばっちりの方を気にしている」と言うのは、東南アジア経済研究所(シンガポール)のシニアフェロー、マルコルム・クック氏だ。

ポンペオ氏はマレーシアのマハティール新首相と短い会談を行った後、貿易戦争によって最も大きな打撃を被る国のひとつ、シンガポールに飛んで東南アジア諸国連合(ASEAN)会合に出席する。

シンガポール最大手銀行DBSの試算では、米中間の貿易全体に15─25%の関税がかけられる「全面戦争」となった場合、来年のシンガポールの経済成長率は現状予想の2.7%から半分以下の1.2%に急減する。マレーシアの来年の成長率も5%から3.7%に下がる見通しだ。

シンガポールのバラクリシュナン外相は2日、ASEAN外相会議の冒頭に「われわれは皆、貿易戦争の嵐をもたらす雲を鋭く感知している」と述べた。

<北朝鮮問題>

ASEAN会合では南シナ海問題や北朝鮮の非核化といった安全保障問題も議題に上る。ポンペオ国務長官は東南アジア諸国に対し、北朝鮮への制裁継続を求める見通しだ。

「インド太平洋」戦略についてのロイターの取材に対し、この地域の高官からはほとんどコメントが得られなかった。こうした慎重姿勢の背景には、この地域が米政権から手のひら返しに遭った経緯がある。

オバマ前米大統領はアジアに「軸足」を移す政策を唱えたが、トランプ氏になって「米国第一」主義に転換。米国は環太平洋連携協定(TPP)からも脱退した。

この結果、アジア諸国は次々と中国側へと引き寄せられている。南シナ海問題では態度を軟化させ、インフラ開発のために中国から数十億ドルを借り入れている。フィリピンやタイが好例だ。

米高官らはインド太平洋計画について、一帯一路と直接競う意図はないと説明した。しかしポンペオ氏は、米政府はこの地域の支配を狙ういかなる国にも「対抗」すると述べ、暗に中国に触れた。

中国高官らは米国の姿勢を批判していないが、共産党機関紙系英字紙グローバル・タイムズは7月31日の社説で「一帯一路は繁栄し続ける定めである。このことは、けちな慣行に携わり、愚弄を行う、利己的な特定勢力とは何ら関係ない」と論じた。

(John Geddie記者)

 

中国、世界2位の株式市場の座から陥落−時価総額で日本を下回る
Bloomberg News
2018年8月3日 12:22 JST
• 14年終盤に日本を抜き世界2位に浮上していた
• 上海総合指数は年初来で16%余り下落−パフォーマンスの悪さ目立つ
中国は株式市場の規模で世界2位の座を日本に明け渡した。
  ブルームバーグの集計データによると、中国株は2日の下落で時価総額が6兆900億ドル(約680兆円)に目減りした。これに対して日本株は6兆1700億ドル。世界最大の株式市場は米国で、時価総額は31兆ドルをやや上回る水準にある。

  中国株式市場の時価総額は2014年終盤に日本を抜き、世界2位に浮上。15年6月には10兆ドル超の過去最高を記録した。
  上海総合指数は年初来で16%余り下落し、世界の主要株価指数でもパフォーマンスの悪さが目立つ。人民元は対ドルで5.3%下げている。米国との貿易摩擦や政府主導の債務削減の取り組み、景気鈍化が打撃となった。
原題:China Dethroned by Japan as World’s Second-Biggest Stock Market(抜粋)



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/600.html#c1

[国際23] 独メルケル首相の保守連合、支持率が過去最低に 極右は過去最高を記録(ロイター) 赤かぶ
2. 2018年8月04日 20:49:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1106]

#ポピュリズムによる保護主義の末路は厳しいものになるが

これもまた必然か

 

カンパニーニュース2018年8月3日 / 18:52 / 4分前更新
合意なきEU離脱のリスク、「不快なほど高い」=英中銀総裁
1 分で読む

[ロンドン 3日 ロイター] - カーニー英中銀総裁は3日、英国が欧州連合(EU)と合意できないままEUから離脱するリスクは「不快なほどに高い」との認識を示した。

BBCラジオのインタビューで述べた。総裁のコメントを受けて、ポンド相場は1.30ドルを割り込み、一時1.2985ドルと11日ぶりの安値圏を付けた。英国債の価格は上昇している。

カーニー総裁はインタビューの中で「合意なき離脱の可能性は、現時点で不快なほどに高いと考えている」と述べた上で「(合意なき離脱を)回避するため、関係者はあらゆる措置を講じるべき」と強調した。

総裁はまた、合意なきEU離脱が現実のものになれば、消費者物価は上昇するとの見通しを示した。企業各社は、合意のない離脱の場合でもサプライチェーンを維持するため、緊急対応計画を策定している。

総裁は、金利が今後3年で1.5%程度に上昇するとする金融市場の見方について「これは予想ではなく、保証はできないが、景気の現状と経済の勢いを踏まえると、的外れとは言えない」との見方を示した。


 

 
英中銀:政策金利0.75%に上げ、全会一致ー総裁はインフレリスク強調
David Goodman
2018年8月2日 20:54 JST更新日時 2018年8月2日 22:38 JST
• 世界の成長率予想を下方修正、英国についてはおおむね据え置き
• インフレ率は2020年に目標の2%に、19年は2.2%に低下
イングランド銀行(英中央銀行)は2日、政策金利引き上げを発表した。決定は予想に反して全会一致だった。カーニー総裁はインフレが無秩序な欧州連合(EU)離脱よりも差し迫った懸念材料だと示唆した。
  総裁は「国内要因によるインフレ圧力が高まっており需要過熱の見通しが浮上しつつある。金融政策の小幅な引き締めは現時点で適切だ」と語った。「EU離脱の結果生じる幅広い可能性を含め経済のいかなる展開に対しても中銀は十分な備えがある」とも表明した。
  金融政策委員会(MPC)は政策金利を2009年以来の高水準となる0.75%に引き上げることを決めた。利上げは広く予想されていたが、9対0での決定は予想外だった。昨年11月に続く0.25ポイントの利上げだったが、中銀の経済予測は来年3月のEU離脱前の追加利上げの必要性がないことを示唆した。
Rise of the Hawks
The BOE voted unanimously to raise interest rates


Source: Bank of England
  英中銀は5月に政策金利を据え置いたが、カーニー総裁は当時、1−3月期の成長減速は一時的との見方を示していた。この日の利上げは総裁の見方を肯定した形になるが、欧州連合(EU)離脱を巡る一段の不透明や世界の貿易摩擦悪化の中で、さらなる利上げはリスクとなる可能性がある。
  市場では、EU離脱交渉が「決定的に重要な時期」に入りつつあり中銀はあらゆるシナリオに対して備えているなど、カーニー総裁の慎重なコメントに注目が集まり、ポンドは下落。ロンドン時間午後1時4分現在は0.8%安の1.3024ドルとなった。
  同時に公表されたインフレ報告で中銀は、世界の成長率予想を下方修正した。英国についてはおおむね据え置き、今年が1.4%の見通し。2020年までの平均は1.75%前後を予想、長期の潜在成長率として見込む1.5%をやや上回る水準とした。
  成長が予想通りであれば「予測対象期間における金融引き締めの継続はインフレ率を持続的に目標の2%に戻すのに適切だ」とMPCは指摘。利上げは限定的かつ段階的になるとの文言を繰り返した。5月時点と同様に、1年に1回程度の利上げで十分であることを示唆している。
  今回の予測で2019年のインフレ率は2.2%と今年の2.3%から低下、20年には目標の2%に落ち着くことが見込まれている。
  MPCはEU離脱決定後のポンド安が輸出を後押しする一方、将来の通商関係を巡る不透明が投資の足かせになり、影響はほぼ中立で全体的な成長見通しは変わらないとの見方を示した。
原題:BOE Raises Key Rate to 0.75% With Surprise Unanimous Vote (1)(抜粋)
BOE Raises Rates as Carney Unites Panel to Curb Inflation Risks



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/595.html#c2

[国際23] 北朝鮮の核開発継続を明記 安保理の専門家報告書  赤かぶ
2. 2018年8月04日 21:02:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1107]

#そう簡単に非核化など進まない

#当たり前の話だ

 

非核化膠着、打開探る米
追加制裁、ARFで外相接触
トランプ政権 朝鮮半島 北米
2018/8/4 19:12
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 【シンガポール=永沢毅、恩地洋介】トランプ米政権が非核化に向けた具体的な行動を進めない北朝鮮の締め付けに動いた。米朝首脳会談後で初めてとなる追加制裁に踏み切り、北朝鮮に早期の行動を促すとともに制裁緩和を唱える中国やロシアにクギを刺した。膠着している非核化交渉の打開をめざすが、北朝鮮が態度をさらに硬化させる可能性もある。

 シンガポールで4日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)。冒頭の写真撮影の際、ポンペオ米国務長官が北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相に歩み寄り、握手をしながら笑顔で数十秒間会話を交わした。「私たちの決心は固い。非核化の実現に楽観的だ」。ポンペオ氏はこれに先立つ記者会見で、非核化を巡る交渉の先行きに自信を示した。

 この米朝接触のわずか半日前。「米国は制裁強化を続け、北朝鮮への違法な資金の流入を断ち切る」。米財務省は3日、北朝鮮の違法な資金取引に関与したとして、3団体と1個人を制裁対象に加えると発表した。北朝鮮が参加する数少ない国際会議であるARFに合わせ、警告を発したのは明らかだ。

 背景には、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が約束したはずの「完全な非核化」に向けた具体的な動きがいっこうに見えないことへのいら立ちがある。米ホワイトハウスの関係筋によると、トランプ大統領は最近、北朝鮮の非核化に関して「何か進展はあるか?」と周辺に尋ねるのが口癖になっていたという。

 トランプ氏は6月の金委員長との会談後の記者会見で、300もの追加制裁の項目を用意しているが、「発動を見合わせている」と明かしていた。その理由を「北朝鮮と対話をするというのに制裁を科すのは失礼だ」と説明した。今回の追加制裁は軌道修正を図った形だ。米政府関係者によると、北朝鮮に非核化の行動を促すため、トランプ政権は圧力を強める案を水面下で検討していた。

 実際、北朝鮮には非核化に逆行する動きが目立つ。ロイター通信などによると、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが近く公表する中間報告書には、北朝鮮が「核・ミサイル開発を続けている」と明記した。

 寧辺(ニョンビョン)の核施設は2015年12月以降、18年2〜4月の数日間を除いて稼働が続いているという。積み荷を洋上で移し替える「瀬取り」の方法で「石油精製品の密輸を大幅に増やしている」とも指摘した。

 強気の北朝鮮の背後には中ロの存在がある。両国は対北朝鮮制裁の緩和を主張。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ロシアは国連制裁で禁じられている北朝鮮労働者の新規受け入れを1万人以上も進めたという。

 米国が制裁対象に加えた3団体と1個人には中国に本拠を置く企業やロシアの銀行が含まれる。追加制裁には中ロへのけん制の意味合いもある。ポンペオ氏は3日、中国の王毅国務委員兼外相に「国連制裁の履行が重要だ」と訴えた。4日の記者会見では、北朝鮮労働者の受け入れについてロシアと話し合う意向を示した。

 北朝鮮の李外相はARFの会合で、新たな米朝関係の構築や非核化の実現を盛ったシンガポールでの米朝首脳による共同声明に触れてこう表明した。「米朝が同時に行動し、段階的な措置をとることが大事だ」


 

018.8.4 10:59
【激動・朝鮮半島】「北朝鮮の非核化時期は金正恩氏の決断」 ポンペオ国務長官が歩み寄りに期待

ポンペオ国務長官(AP)
 ポンペオ米国務長官は3日、シンガポールのテレビ局「チャンネル・ニューズ・アジア」のインタビューで、北朝鮮の非核化の時期について「最終的な行程は金委員長が決めることだ」と述べ、金正恩朝鮮労働党委員長が歩み寄ることに期待を示した。

 米朝の交渉では非核化につながる進展は得られていないが、ポンペオ氏は、シンガポールでの6月の米朝首脳会談後、北朝鮮が約束通り朝鮮戦争で死亡した米兵の遺骨の返還を始めたことを挙げ、「非核化に近づいている」と主張した。

 会談以降、北朝鮮がミサイル発射や核実験をしていないことを評価し、「近いうちに実質的な進展が得られるよう望んでいる」と語った。

 米政府は、関税の引き上げや輸入制限で保護主義的な動きを強めているが、ポンペオ氏は「不公平を是正するためのものだ」と述べ、米国はあくまでも自由貿易を支持していると主張した。(共同)



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/599.html#c2

[戦争b22] 日本とイスラエルの核兵器(櫻井ジャーナル)  赤かぶ
1. 2018年8月04日 21:06:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1108]

>深刻な事故が起こったという推測が正しいなら、核兵器の生産が困難になっている可能性がある。そうなると、どこかで核弾頭に使うプルトニウムやウラニウムを製造しなけらばならない。イギリスかフランスで作ることも考えられるが、日本ということもありえる。勿論、証拠があるわけではない。単なる想像

そういう妄想を、敵性国家も抱いていくれるのであれば

強い抑止力になるが、ムダだろう


http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/267.html#c1

[国際23] 米中貿易戦争、トランプが対中関税率25%へ引き上げ提案 中国・国内財界は反発(ロイター) 赤かぶ
2. 2018年8月04日 21:11:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1109]

#覇権争いは、長期化する 全面的には終わらない


2018.8.4 19:53
【米中貿易戦争】止まらない人民元安は当局の「誘導」か「チャイナ・ショック」の再来か…「防衛ライン」めぐる神経戦も

中国の人民元紙幣
 【北京=西見由章】中国の通貨、人民元が米中貿易摩擦への懸念から対ドルで大きく下落している。8月3日には約1年2カ月ぶりの安値を記録。市場では、中国当局が貿易摩擦の悪影響を補うため、元安を容認して輸出を後押ししているとの見方が強い。ただ、中国経済の先行き不透明感が強まる中、急速な元安は株式との連鎖安や資金流出を招きかねず、当局は難しいかじ取りを迫られている。

 国内総生産(GDP)世界2位の中国の市場混乱は日米欧にも悪影響を及ぼすため、市場の警戒感は高まっている。

 中国人民銀行(中央銀行)は3日朝、人民元取引の目安となる「基準値」を約1年2カ月ぶりの元安水準に設定したが、同日の取引では一時、1ドル=6・8905元まで売られた。

 人民銀は同日、将来、元を売って外貨を買う約束をする為替予約に20%の準備金預け入れを6日から義務付けると発表した。投資家の元売りコストを増やして元急落を抑制する狙いだが、直接的な元買い・ドル売り介入ではないため、効果は未知数だ。

 上海対外経貿大の陳予雷教授は「1ドル=7元前後までは合理的な範囲内」と分析する一方、7・5〜8元のレンジに達すれば“危険ライン”と指摘する。

 元の下落が始まったのは今年4月。米国との貿易摩擦がエスカレートし始めた時期とほぼ重なり、市場は減速しつつある中国の景気には“逆風”ととらえた。さらに、米国で利上げが続き、投資マネーが新興国から米国に向かう動きが強まっている。これに加え、金融政策も景気下支えのため緩和傾向にあり、元安に拍車がかかりやすい構図だ。

 元安について、当局の「容認」にとどまらず「誘導」があるとみるのは東京財団政策研究所の柯隆(かりゅう)主席研究員。貿易摩擦でカードをほぼ切り尽くした中国が「少しでも製造業の輸出を後押しするために元安に誘導している」と指摘する。

 ただ、元相場の安定性を不安視する声も高まりつつある。元が急落すれば資金流出に歯止めがかからず、元と中国株が連鎖的に急落し、世界同時株安を引き起こした2015〜16年の「チャイナ・ショック」を繰り返しかねない。為替相場を恣意(しい)的に管理してきた中国の金融当局は市場との対話が上手ではなく、投資家が疑心暗鬼に陥りやすいことも懸念材料だ。

 トランプ米政権の次なる一手が見えない中、元相場の不確実性は強まっている。最悪のシナリオは、当局がいくら元買い介入をしても暴落を止められず、ハイパーインフレなどの「通貨危機」につながる事態だ。そうなれば「世界恐慌」まで意識される。元安の「防衛ライン」をめぐって、当局と市場との息詰まる神経戦が続きそうだ。


 

 

2018.8.4 16:47
「米国は南シナ海の脅威」 中国の王毅外相、軍事拠点化は「防衛的措置」 

シンガポールで記者会見する中国の王毅国務委員兼外相=4日(共同)
 中国の王毅国務委員兼外相は4日、シンガポールで記者会見し「米国は大規模な軍事力を南シナ海に展開し、中国を含む地域の各国に安全保障上の脅威を与えている」と非難した。一方、中国が進めている南シナ海の軍事拠点化については「防御的な措置だ」と正当化した。

 王氏は、米国が南シナ海に空母や爆撃機を送り込んでいると指摘し「中国を含む各国は、自国の安全を守らなければならない」と主張した。中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)の各国と協調関係にあるとした上で、米国に対し「干渉」しないよう求めた。 米国の通商政策を念頭に「保護主義の台頭が自由貿易体制に打撃を与えている」とも述べた。

 またポンペオ米国務長官が7月30日、インド太平洋のインフラ整備などを支援するため1億1300万ドル(約125億円)の拠出を表明したことに対して「米国は超大国なのだから(表明した拠出金の)10倍ぐらい出すべきではないか」とやゆした。(共同)


 


 
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2018年8月1日 / 15:38 / 12時間前更新
焦点:中国「小切手外交」で攻勢、南太平洋諸国を借金漬けに
Charlotte Greenfield and Jonathan Barrett
4 分で読む


[ウェリントン/シドニー 31日 ロイター] - 南太平洋に浮かぶ島国トンガの首都ヌクアロファでは約10年前、死者が出るほどの暴動が発生し、ビジネスや政府庁舎の集まる中心部の大半が破壊された。
がれきの中から、政府は新たなクルーズ船のための埠頭建設や王宮の修繕を含む市の再建策を打ち出した。
そうした一切の費用は、中国からの融資で賄われた。
中国からの融資は当初6500万ドル(約72億円)程度だったが、現在は1億1500万ドルを超える。1年間の国内総生産(GDP)のほぼ3分の1に相当する。利子が膨らんだほか、トンガ全土の道路開発のために新たな融資を受けたためだ。
元金返済計画が9月にスタートするが、トンガの年間元利払い費は約2倍に膨れ上がることになり、同国政府は対応に追われている。
トンガの不安定な立場は、南太平洋の小国を直撃している広範な「負債疲れ」を示している。同地域が財政難に陥り、中国からの外交圧力にますます影響を受けやすくなるという恐怖も駆り立てている。
特に、同地域の小国への融資は、台湾承認を巡る中台の影響力争いで、中国に「てこ」をもたらすことになる。台湾は同地域で強力な外交関係を築いており、同地域は世界有数の中台勢力争いの現場となっている。
ロイターは南太平洋の島国11カ国の財務書類を分析。その結果、この10年で中国の融資プログラムによる債務残高がほぼゼロから13億ドル超に膨れ上がっていることが明らかとなった。
オーストラリアが南太平洋地域に対して大規模な援助プログラムを提供しており、いまなお最大の支援国ではあるものの、2国間融資においては、いまや中国が最大の貸し手であることを財務書類は示している。
中国からの融資は、トンガの対外債務全体の6割以上、バヌアツのほぼ半分を占めている。金額では、パプアニューギニアが約5億9000万ドルと最大で、同国の対外債務全体の約4分の1を占めている。
「経済の脆弱(ぜいじゃく)性や収入源の希少さを踏まえれば、多くが過剰債務に陥るリスクが高い傾向にある」と、世界銀行のマイケル・カーフ局長(東ティモール・パプアニューギニア・太平洋島嶼国担当)はロイターの電話取材に対しこう語った。
「こうした国々の債務は持続可能と思われる限界に達しつつある」

<戦略ツール>
自国経済が台頭し世界的影響力が増す中、中国は2006年から南太平洋諸国への融資を増加させており、それは他国との関係を強化する取り組みの一環だと、大半の専門家はみている。融資パッケージはインフラ建設プロジェクトに参入する中国国有企業にも機会を提供している。
中国企業は同地域の至るところに施設を建設している。バヌアツのルーガンビル港埠頭は上海建工が建設。クック諸島ラロトンガ島の水道施設は国有の中国土木工程集団が建設中だ。
中国外務省の華春瑩報道官は、同国が持続不可能な債務に責任があるという証拠はないと主張する。
「関係国の希望に沿って、われわれはできる限りの金融支援を行い、社会的・経済的な発展を促進する上で必要とされる支援を提供している。そうした国々からは肯定的に受け止められ、歓迎されている」と、同報道官は記者会見でロイターの質問にこう答えた。
中国とトンガの関係は「非常に良い」と同報道官は語った。
しかしながら、スリランカが債務危機の悪循環に苦しむ中、中国が戦略的に重要な南部ハンバントタ港の建設に融資し運営権を得たことは、融資も強力な戦略ツールであると中国が認識していることを示していると、専門家は指摘する。
中国の対外融資と外交に関するハーバード大学による分析の共同執筆者であるサム・パーカー氏は、ハンバントタ港の一件は「警鐘」だと指摘。南太平洋には同様の脆弱性があると同氏は言う。
「他国に借金をさせようという壮大な陰謀が中国にあったとは思わないが、融資しているからにはそれを利用しようとするだろう。地理経済学的に、中国は攻勢を一段と強め始めている」
実際に、最近の米国家防衛戦略は、中国が、とりわけ自国の有利となるようインド太平洋地域の再編を近隣諸国に強いるなどして、「略奪経済」を利用し戦略目標を達成しようとしていると警告している。また、先月公表されたニュージーランドの防衛政策も、中国の台頭により、南太平洋で混乱が高まっていると強調した。
<台湾問題>
世界的規模で見れば、南太平洋諸国への融資は比較的小さく、こうした国々の戦略的重要性も明らかに低いが、同地域は中国にとって魅力がある。
米国とその同盟諸国は、中国に対し、第2次世界大戦の要衝とされた南太平洋の地域に軍事基地を築くことはしないよう警告している。
南太平洋の各国は国連などの国際フォーラムで投票権を有しており、資源豊富な海洋一帯を支配している。
さらに言えば、台湾と正式に外交関係を結ぶ国の3分の1が南太平洋にある。中国は台湾を言うことを聞かない自国の省の1つだとし、必要とあらば、力ずくで取り戻す構えを見せている。
長年、南太平洋の一部の国が変節を重ねてきた経緯もあり、台湾も中国も、融資や支援パッケージを使って忠誠を引きとめようとしている。
<融資の条件>
南太平洋諸国に対する中国の融資を巡る批判のほとんどは、融資が使用されるプロジェクトと融資条件に集中している。
クック諸島は、中国が主導する自国プロジェクトの一部について批判的である。同国は、裁判所や警察署など公的機関の建物建設のために融資を受けたほか、外国人労働者や輸入建材を使ったスタジアム建設のために無利子融資も受けている。
「多くの建物が基準を満たしておらず、いまにも倒壊しそうだ」と、クック諸島の法務相を務めたマーク・ショート氏は言う。
完成から10年もたっていないのにスタジアムはさび付き、安全性に問題があると同氏は話す。裁判所の地下にある独房は2時間以上いると酸欠になるため、外に仮設の刑務所が設けられたという。
中国による財政支援は無利子融資の形で行われることがほとんどだが、オーストラリアやニュージーランド、米国といった従来の支援国は無償で支援を提供し、融資は世界銀行やアジア開発銀行などの国際機関に任せる傾向にある。
現在、南太平洋諸国のいくつかの政府に債務の返済圧力が高まっている。
中国が債務を免除する兆しは見せず、2013年にトンガの要請をはねつけている。ただし、元金返済を5年間猶予した。
トンガは2018─19年に対中債務の元金約570万ドルを返済する計画だが、これにより、同国の対外債務の年間元利払い費は2倍近くに跳ね上がる。また、これは総予算1億3500万ドルの約4%に当たる。
財政難により、トンガ政府は、五輪のように4年に1度開催される2019年のパシフィックゲームズ開催から手を引き、スポーツ好きの同国でゲーム運営を行おうとしていた大会組織委員会から法的措置を起こされている。
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/587.html#c2

[国際23] プーチン支持率、8割から3割に急落 いったい何が?(ニューズウィーク) 赤かぶ
27. 2018年8月04日 21:45:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1110]

愚民国家では、内政で失敗すると、戦争を始める

貿易戦争も含む



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/582.html#c27

[自然災害22] 気象庁が緊急記者会見!埼玉県熊谷で41℃、歴代最高気温を更新!「8月も猛暑継続の恐れ」  赤かぶ
6. 2018年8月04日 23:29:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1111]
5日も40度近い猛烈な暑さ 低気圧の影響で滝のような雨が降るところも2018年8月4日 16時42分
ざっくり言うと
• 5日も関東から九州は晴れて、40度近い猛烈な暑さになるという
• 京都、岐阜、名古屋、甲府などで39度、東京も35度の予想とのこと
• 秋田などでは低気圧の影響で、1時間に50ミリ以上の滝のような雨が降るそう
あす40度近い酷暑 台風はお盆前に接近
2018年8月4日 16時42分
tenki.jp

あす5日(日)も関東から九州は40度に迫る危険な暑さに警戒です。一方、台風13号サンサンは来週中頃、本州に接近する恐れ。今後の動きに注意です。
40度近い猛暑と滝のような雨
あす5日(日)も、沖縄や九州から関東は晴れて、40度近い猛烈な暑さの所があるでしょう。京都、岐阜、名古屋、甲府などで39度予想です。東京も35度の予想。引き続き、熱中症に厳重警戒です。午後は関東の山沿いを中心に雨や雷雨となり、激しく降る所があるでしょう。一方、前線を伴った低気圧の影響で、東北は雨や雷雨となり局地的に非常に激しく降るでしょう。秋田や青森など東北北部では1時間に50ミリ以上、滝のような雨の所も。土砂災害や河川の増水などに注意・警戒が必要です。
来週中頃 台風13号本州に接近
台風13号サンサンは暴風域を伴い、発達しながら北上中。このあとも北上を続け、来週8日(水)〜9日(木)頃、本州に接近する恐れがあります。依然、予報円が大きく、9日(木)の予報円は直径は1400キロと本州をすっぽりと覆うくらいの大きさです。台風の中心が予報円に入る確率は70%。台風は予報円の中心を必ずしも通るわけではありません。そのため、まだ進路の予想にかなり幅があるような状況です。日本付近の海面水温は平年より高く、台風の勢力が衰えずに接近する可能性があります。来週はお盆休みに近づき、移動が増える時期です。今後の台風の進路によっては週間予報がガラッと大きく変わる可能性があります。今後も台風情報をこまめにチェックお願いします。

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• ヨーロッパも記録的な猛暑に ポルトガルでは最高気温が45度超え
• 異常な猛暑が続く日本 将来は建造物に「耐熱」基準も必要に?
• 東京五輪のボランティア 組織委の一番のターゲットは「学生」


 

猛暑、インド洋の異変が原因か
科学&新技術 社会
2018/8/4 6:30
日本経済新聞 電子版
 今夏の日本の記録的な猛暑は、インド洋で起きた海水温の異変が関係しているとの見方が浮上している。「ダイポールモード現象」と呼ばれ、通常は高い東部で低く、西部で高くなっている。その影響が日本に伝わり、猛暑をもたらす2つの高気圧の勢力が強まった。同現象はより顕著になる見通しで、残暑が厳しくなるとの見方が多い。

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 国内観測史上最高の気温「41.1度」を表示する埼玉県熊谷市内の温度計=7月23日
 気象庁によると、7月は23日に埼玉県熊谷市で観測開始以来最も高い41.1度を記録。福岡市など108地点で過去最高の気温になった。東日本の平均気温は平年より2.8度高く、7月としては過去最高。西日本も史上2番目の暑さだ。
 その原因は太平洋高気圧が居座り、上から覆いかぶさるようにチベット高気圧が大陸から張り出して「2階建て」構造になったからだ。この夏は異常気象をもたらすエルニーニョ現象やラニーニャ現象は起きておらず、高気圧の発達はダイポールモード現象の影響が強く出たとみられる。
 海洋研究開発機構の土井威志研究員によると、今のダイポールモード現象は7月初めに表れ、次第に顕著になっている。土井研究員は「秋にかけてさらに強まり、日本に影響しそうだ」と話す。
 ダイポールモード現象の影響は2つのルートを通って日本に表れる。インド洋西部の温かい海水で強い上昇気流が発生、東部のインドネシア沖で下降気流になって高気圧が強まる。そこから吹き出す風の一部は北東へ進む間に水蒸気を大量に含む。フィリピン沖に達すると上昇気流になって大雨を降らせ、それが日本付近で下降して太平洋高気圧を強めた。これがひとつ目だ。

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 もうひとつは欧州を経由するルートだ。インドネシア沖の高気圧から吹き出した風が北へ向かい、ベンガル湾で大雨を降らせる。大気の循環を通じて欧州の地中海付近に強い高気圧が発生。そこで偏西風が蛇行し、その波動が東へ伝わってチベット高気圧が大陸から張り出しやすくなった。
 東京大学の中村尚教授は「欧州の猛暑で偏西風の蛇行が続けて起こり、大陸を横切って日本にも伝わった」と指摘する。偏西風の蛇行の影響で、日本の猛暑がより厳しくなっているという。
 この夏は1994年と似ているという。梅雨明けは平年より1〜2週間早く、静岡県天竜市(現在は浜松市)など3カ所で最高気温が40度を超え、東京の都心でも39.1度を記録した。6〜8月の夏の平均気温は、エルニーニョの終息とラニーニャの発生が重なった2010年に次いで2番目に高い。
 8月に入っても猛暑は続き、岐阜県多治見市では最高気温が40度を超えた。気象庁は関東甲信以西は残暑が厳しい予想している。
▼インド洋ダイポールモード現象 インド洋の海水温が東西で対比を示す現象。双極という意味のダイポールと名づけられた。東京大学の山形俊男名誉教授が発見した。太平洋で南米ペルー沖から中部赤道域までの海水温が高くなるエルニーニョ現象や低くなるラニーニャ現象と同様に、異常気象に関係する。
 インド洋では通常、東部が高く、西側のアフリカ沖が低い。これが逆になると西部で上昇気流、東部で下降気流が発生。インドネシアやオーストラリア西部で干ばつが起き、東アフリカで雨が多くなる。インドや中国南部の大雨、東アジアの猛暑などと関係が深い。
• 猛暑続く、各地に高温注意情報 熱中症対策を (2018/8/4 12:23更新)
猛暑続く、各地に高温注意情報 熱中症対策を
社会2018/8/4 10:39 (2018/8/4 12:23更新)
 日本列島は4日も高気圧に覆われ、名古屋市で37.1度、岐阜県多治見市で36.7度を観測するなど各地で気温が上がり厳しい暑さになっている。気象庁は東北から沖縄の広い範囲に高温注意情報を出し、小まめな水分補給や冷房の適切な利用など熱中症対策を呼び掛けている。
 気象庁によると、広島県安芸太田町や山口市、徳島市でも35度以上になっている。4日午後は大気の状態が不安定になって雲が広がり、雷雨になる地域もありそうだ。
 3日は名古屋市や岐阜県美濃市で40.3度を記録。東京23区、大阪市、名古屋市の三大都市の中で40度を超えたのは観測史上初めてだった。〔共同〕

• 猛暑が続くのは高気圧のせい? (2016/8/16 5:40)日本経済新聞 プラスワン

■猛暑が続くのは高気圧のせいだと聞いたよ
スーちゃん 8月に入ったら、気温が35度を超(こ)す日が続いて大変。エアコンなしじゃいられないよ。天気予報で「強い高気圧におおわれて暑い日が続く」と説明していたけど、どうしてそうなるのかな。

■中心で下向きの風が吹き、雲ができにくいんだ
森羅万象博士より 8月7日はこよみの上では立秋だったけど、各地でセ氏35度以上の「猛暑(もうしょ)日」になった。その後も暑い日が続くね。お盆(ぼん)のころは暑さのピークで、猛暑になることが多い。
 夏が暑い理由のひとつは太陽が高くて、日が出ている時間が長いからだ。太陽が高いと日光が当たる範囲(はんい)がせまくなり、地面が受け取る熱の量が増える。日が当たる時間も長いから、地面の温度が上がりやすい。これは学校や塾で習ったんじゃないかな。
 夏が暑いのはそれだけではない。日本をすっぽりとおおう太平洋高気圧(小笠原(おがさわら)気団)が関係している。まず、気圧が何なのかを説明しよう。
 決まった面積の面に垂直に働く力を圧力と呼ぶ。気圧は空気の重さによって生じる圧力だ。空気は軽いけど、大気の高さは約100キロメートルもあるから、地面の1平方センチメートルにかかる大気の重さはだいたい1キログラムになる。山の上のような高い場所だと気圧は低くなり、地上の方が高い。
 地表付近の気圧はどこでも同じではなく、高いところと低いところがある。周りよりも高いのが「高気圧」だ。中心付近は晴れて天気がよくなる。反対に周りよりも低いのが「低気圧」で、雲ができて雨が降りやすい。
 高気圧におおわれると晴れやすいのは「下降気流」と呼ぶ下向きの風がふいているからだ。高気圧の下の地表付近では、周りよりも気圧が高いため、気圧が低い方に向かって風がふき出している。その分を補うため、上空から空気が降りてくる。これが下降気流になる。

 雲は水蒸気をふくむ空気が上昇(じょうしょう)して冷やされてできる。高気圧では、それとは反対のことが起きている。雲が下降すると、気温が上がって温められる。水のつぶが水蒸気に変わってしまい、雲が消えるんだ。太陽の光が地面によくとどくから、気温が上がりやすい。
 下降気流によって気温が上がる理由はもうひとつある。気圧は上空へいくほど低い。その空気のかたまりが下降気流に乗って下がっていくほど気圧が上がって圧縮され、気温が上がるんだ。
 なぜ、そうなるのかな。自転車のタイヤに空気を入れるときを思い出してみよう。空気を入れた後にタイヤをさわると温かくなっている。空気の圧力が高まると、体積が減った分、空気の中を動き回っていた分子がはげしくぶつかり合う。そのエネルギーによって熱が生じるんだ。
 35度以上の猛暑日が続くような年は「2段重ねの高気圧」が発達していることが多いといわれるよ。日本列島をおおう太平洋高気圧の上に、アジア大陸から東へ張り出してきたチベット高気圧が重なった状態だ。そうなると、地上付近の気圧が上がる。空気がより圧縮されるから、気温がどんどん上がるんだよ。
 気象庁の3カ月予報によると、この夏はチベット高気圧の勢力が強く、8月後半は全国的に猛暑になる可能性があるそうだ。外に出るときはぼうしをかぶり、水をこまめに飲むようにして、熱中症(ねっちゅうしょう)にならないように注意しよう。

■車やエアコンも原因だよ

博士からひとこと 天気予報で「猛暑日」や「真夏日」、「熱帯夜」という言葉を聞いたことがあると思う。気象庁は日中の最高気温がセ氏35度以上になると「猛暑日」と呼んでいる。30度以上35度未満だと「真夏日」、25度以上30度未満が「夏日」だ。猛暑日という言葉が使われ始めたのは2007年からだよ。
 気象庁は21世紀末ごろには20世紀末に比べて、猛暑日が今より1年間に7〜8日増えると予測している。地球温暖化の影響(えいきょう)といわれるけど、よくわかっていない。大都市では、自動車やエアコンが出す熱などがこもる「ヒートアイランド現象」も暑くなる原因みたいだよ。
(取材協力=気象庁天気相談所)
[日経プラスワン2016年8月13日付]
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http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/585.html#c6

[国際23] トランプ、トルコが米牧師釈放しなければ「大規模な制裁発動」(ロイター) 赤かぶ
4. 2018年8月05日 08:01:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1112]

#これも愚かな政治家を選んだ自業自得だが、他山の石とすべきだろう


 

トルコの短期債償還、外資のつなぎ留めが鍵に
トルコリラ相場(1ドル当たり)
Source: Tullett Prebon Information
Note: Scale inverted to show the weakening lira

By
Christopher Whittall
2018 年 8 月 3 日 13:47 JST
 苦境に立つトルコの金融システムに必要なのは外国人投資家だ。トルコリラの急落は、多少のことでは動じない投資家を除き、トルコ離れが進んでいることを物語っている。
 トルコは新興国の中でも外貨建て債の発行残高が特に多い。その大半は2019年に満期を迎える。リラ安により償還コストは一段と膨らむ見通しだ。
 年初来下落率が25%に達していたリラの対ドル相場は、8月1日と2日にさらに下げた。トルコ政府が米国人牧師の解放を拒否したことを受け、ドナルド・トランプ米政権がトルコの閣僚2人への制裁を発動したためだ。
 トルコへの投資を続けている外国人投資家にとっての問題は、トルコ市場の足元の利回りは高水準だが、それが乱高下相場に見合うかどうかだ。
リラ建てトルコ国債(2019年11月償還債)の利回り

Source: Thomson Reuters
Note: As of 9 a.m ET

  HSBC グローバル・アセット・マネジメントで新興国債券部門の責任者を務めるニシャント・ウパディヤイ氏は、今回の制裁発表前に行われたインタビューで、トルコのせいで「よく眠れない」と明らかにした。
 それでもトルコの債券利回りの高さは、リスクを取ってそれを保有した場合の対価が高いことを意味する。
 これを理由に「当社がトルコから資金を引き揚げるハードルは非常に高い」とウパディヤイ氏は述べた。
 トルコへの投資を続けているのはウパディヤイ氏だけではないが、そうした投資家はますます少数派になっている。海外ファンドの多くはすでにトルコから撤退しており、トルコの各市場ではその形跡が見て取れる。トレードウェブによれば、リラ相場は急落し、ドル建てトルコ国債(2028年償還債)利回りは7.5%へ上昇している。後者は1月時点で5.2%を付けていた。トムソン・ロイターによると、リラ建てトルコ国債(19年11月償還債)利回りは20%を超える(1月時点では13%)。

米国がトルコ閣僚に対する制裁を発動したことで、両国関係は一段と冷え込みそうだ(写真はイスタンブールの船上に掲げられたトルコ国旗、2日) PHOTO: ERDEM SAHIN/EPA-EFE/REX/SHUTTERS/EPA/SHUTTERSTOCK
 今年の新興国は、ドル高や米金利上昇、米中貿易摩擦の激化が重荷となり、総じて厳しい展開となっている。だが、トルコの場合は国内問題も山積している。
 国際通貨基金(IMF)は、トルコの経常赤字の対国内総生産(GDP)比が2018年は5%を超え、20カ国・地域(G20)新興国の中で最大になると予想している。6月のインフレ率は15.4%で、15年ぶりの高水準となった。レジェプ・タイップ・エルドアン大統領による経済掌握が進む中、トルコ中央銀行にインフレを抑えることができるのかと投資家は懐疑的になっている。リラが7月に急落したのは、エルドアン氏が娘婿を財務相に起用するとともに中銀総裁の任命権を獲得したことが背景にあった。
 もう1つの大きな懸念は、トルコの対外債務残高だ。IMFによると、17年末時点でGDP比53%に達している。その3分の1超は1年以内に満期を迎える。40%は変動金利型のため、金利が上昇すれば償還コストも膨らむ。
 トルコの2017年の経済成長率はG20の中でトップだったが、それは部分的な国家保証が付く「信用保証基金」が後押しした面が大きかった。IMFによると、同基金は17年に10倍に拡大され、GDP比でおよそ7%の規模となった。
 こうした債務は国内銀行経由で積み上がったもので、足元では不良債権が増えている。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスは、トルコ6大銀行が抱える不良債権は1-3月期に前年比で「大幅に」増加したとし、同6行の資産の質はさらに悪化する恐れがあると警告した。
 トルコの銀行も多くの事業会社と同様、対外債務への依存度が高い。借り換えに失敗した場合、トルコ中銀の外貨準備ではそうした債務も経常赤字も賄いきれないと、アバディーン・スタンダード・インベストメンツのシニア投資マネジャー、ビクター・サボ氏は指摘。「非常に大きな額なので、若干不安だ」と述べた。
対外債務の対GDP比

Source: IMF, World BankNote: As of the end of 2017
トルコ南アフリカメキシコアルゼンチンロシアブラジルインド中国

 サボ氏はトルコへの投資配分をアンダーウエートとしながらも、3年物のリラ建て国債(利回りは20%超)の保有を続けている。今年に入ってからのリラ安で、リラ建て資産の価値はすでに大打撃を受けている。それでもサボ氏は、リラが今後数カ月で20%下落するといった「大暴落」でもない限り、同国債を保有する投資家のリターンが完全に吹き飛ぶことはないと述べた。
 多くの投資家はトルコへの一定規模の投資を続けている。新興大国であるトルコは、投資成績を評価する際の基準となる各種インデックスへの組み入れ比率が高いためだ。これはパッシブ運用のインデックス連動ファンドも同様で、例えばブラックロックのウェブサイトによると、同社が運用する新興国ETF(運用資産135億ドル)の国別国債保有高は7月末時点でトルコが最大となっている。
 HSBCのウパディヤイ氏は、政治危機のさなかにあった数年前のブラジルでの投資を振り返り、ブラジル市場は最終的に持ち直したので、トルコ市場も同様にソフトランディング(軟着陸)するのではないかと期待している。「ストレスというものは、物事に対して高い信念を持つ場合の代償の1つにすぎない」と述べた。


 
 


 

中央銀行の独立は人類の智慧の一つ

シェアする0ツイートする0 2018年08月03日
トルコ中銀の政策金利据え置きでトルコ・リラ安が再燃

中央銀行の金融政策に政治が介入してその独立性を脅かすと、金融市場を混乱させ、国民の利益が損なわれる。そうした実例を今、トルコで見ることができる。トルコ中央銀行は7月24日に開かれた金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決めた。これをきっかけに、為替市場ではトルコ・リラ売りが再び強まったのである。

今回の決定会合は、トルコの中央銀行の独立性を占ううえで、いわば試金石だった。憲法改正で議院内閣制から大統領に権力を集中させた大統領制へ移行した新体制の下、初めて開かれた決定会合であったからだ。6月の大統領選後には、エルドアン大統領は中央銀行の正副総裁と政策委員を大統領が任命すると定めた大統領令を出したうえで、金融政策決定に大統領の権限が及ぶことを強く主張し、また利上げをけん制するような発言を繰り返していたのである。

トルコ中央銀行は、インフレリスクの高まりに配慮すれば政策金利の引き上げで対応するが、大統領の権限が金融政策に強く及んでいるのであれば政策金利を据え置くことを強いられる、と市場は見ていた。


金融政策への政治介入の危うさ

大統領の意向を汲んで中央銀行が今後も政策金利の引き上げを控える場合には、インフレリスクはさらに高まり、それが通貨安傾向を強めてしまうだろう。さらに通貨安が進めば、それが輸入物価を上昇させインフレリスクを高めるといった形で、双方がスパイラル的に進行してしまう。

エルドアン大統領は、政策金利を上げればインフレ率を高める、と発言したことがある。これは、インフレ率が高い局面では政策金利も高い傾向にあるという現象面を捉えたもので、両者の因果関係を取り違えたものではないか。この程度の知識で大統領が金融政策に介入するのは、非常に危険なことだ。

金融政策運営は専門性が高いことから、専門家集団がそれを担い、さらに中長期の観点から通貨価値を守り、国民の利益となるように運営されるのが良い、というのが、中央銀行が政治から独立して金融政策を担うようになってきた歴史の背景にある。こうした認識は長い歴史の中で培われてきた人類の智慧の一端でもある。このような点を踏まえれば、国ごとに制度が異なるとはいえ、一般的に、政府は金融政策の独立性を尊重すべきである。


トランプもいよいよ金融政策に言及

中央銀行に対する政治の関与という観点から、最近もう一つの事例があった。トランプ大統領が、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを好ましく思っていないことを語ったのである。トランプは大統領選の際にもFRBあるいは当時のイエレン議長を明確に批判していた。むしろトランプ大統領が就任後今日まで、金融政策に直接言及しなかったのは不思議なほどだ。それは金融政策以外の分野、例えば税制改革、貿易政策、安全保障政策、移民政策などに関心が向いていたためだろう。

しかしトランプにとっては普通の言動であっても、これは、政府は金融政策に直接意見を言わないという長年の不文律を破るものだ。特に今の局面では、これはかなり危険なことではないか。トランプが乱発する追加関税は、少なくとも一時的には物価上昇率を高める可能性がある。このような局面でFRBの利上げが政治的に妨げられるとの観測が市場に広がれば、それは金融政策がビハインド・ザ・カーブの状況へと陥り、中長期的なインフレリスクを高めてしまうとの見方につながるだろう。それは長期金利の上昇をもたらし、現在フラット化している米国のイールドカーブを一気にスティープ化させてしまう。こうした動きは、新興国からの資金の引き上げなどを通じて、グローバルな金融市場の安定性を大きく損ねてしまう可能性を秘めている。

政府が中央銀行の独立性を尊重するという長い歴史から形作られてきた慣例には、明確な経済合理性がある。政治はこれを十分に理解して、慎重な言動を心掛けねばならない。

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Writer’s Profile

木内登英Takahide Kiuchi
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
専門:内外経済・金融

研究員プロフィール

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ブラジルから逃げ出す富裕層、欲しいのは安全
国民的スターや銀行家、目指すは米国やポルトガル
リオデジャネイロの海岸をパトロールする武装警官 . MAURO PIMENTEL/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
Samantha Pearson and Luciana Magalhaes
2018 年 8 月 3 日 10:26 JST
 【リオデジャネイロ】ブラジルの俳優、チアゴ・ラセルダさん(40)のライフスタイルは、誰もがうらやむものだ。
 国民的スターであるラセルダさんは、ブラジルでトップクラスの人気を誇る連続ホームドラマに出演している時以外は、リオデジャネイロの楽園のようなビーチでくつろいでいる。
 それなのに国外移住を考えているという。何千人ものテレビスター、銀行家、弁護士などの裕福なブラジル人が国外移住を図っているのと同様に、である。
 政治、経済両面での自国の未来に対する悲観論に加え、銃による犯罪の急増を受け、国外に移住するブラジル人の数は大幅に増えている。彼らは、リスボンの西に位置する高級海浜リゾート、ポーチュギーズリビエラや米国のオーランド、マイアミなどの富裕層の住宅地区に居を移しているのだ。

チアゴ・ラセルダさん PHOTO: RAFAEL MARTINS
 ラセルダさんは「ブラジル国内、特にここリオデジャネイロで起きていることに、ひどくおびえている」と語る。まだ小さい3人の子供の安全を確保するため、一家で欧州に移住すべきかどうか、何カ月も悩んでいるという。「数年後には、子供たちは、銃撃されることを心配せずに外出したい、デートをしたいと思うようになるだろう」
 ブラジル政府は、海外で暮らすブラジル人の数を把握するのに苦労しているが、最近の一連の調査結果は惨めな状況を映し出している。政府統計によれば、10月の大統領選挙を控え、在外投票の登録者数は2014年と比べ41%増えている。
  一方、連邦税務当局に国外移住通知を提出したブラジル国民の数は昨年2万1700人に達し、当局が移住データを集計し始めた2011年の3倍近くに膨らんだ。
 中米諸国では、犯罪組織による暴力から逃れたり、職探しをしたりするため米国に逃れる不法移民が多いが、ブラジルでは海外に移住しようとするのは同国のエリートであるケースが多い。「それは、まさにブラジルを変えられる立場にある人々である」と、サンパウロにあるビジネススクール「Insper」の公共政策センター所長を務めるナエルシオ・メネーゼス・フィリォ氏は指摘する。
人口10万人当たりの殺人事件の件数

連邦税務当局に提出された国外移住通知の数

国を出たいと考えている人の割合

出典:ブラジル地理統計院(殺人件数)、連邦税務当局、ダッタフォーリャ社の世論調査(5月9日〜14日実施、対象2090人、誤差プラスマイナス2.0ポイント)
注:月収2500ドル(約28万円)を上回る世帯
56%5243高等教育の学位保持者富裕層(注)ブラジル国民全体

 ブラジルの世論調査機関ダッタフォーリャが6月に発表した調査結果によると、月間世帯収入が2500ドル(約28万円)を超える富裕層のうち国外移住を希望しているのは約52%で、高等教育の学位保持者では56%に達した。回答者全体では海外に移住できればそうしたいと望んでいる人は43%に上っている。
 「ブラジル人がかつてこの国に抱いていた希望は消えてしまった。多くの人は今や、これから数年間、状況は変わりそうもないとの結論を下している」。メネーゼス・フィリォ氏はそう分析する。
 国民の最大の懸念は暴力で、とりわけリオデジャネイロではそうだ。破産状態の州政府は基本的な装備をした警官を配備するのに四苦八苦している。ゲートのある塀に囲まれた高級住宅地に住み、ボディーガードに守られ、防弾ガラスのスポーツカーの中にいても、もはや安心できないと富裕層は言う。 
 麻薬組織と治安部隊との撃ち合いによる流れ弾で、多数の負傷者も出ている。3月には、リオ市内の有名私立学校の校内で、母親の腕に抱かれていた赤ちゃんに流れ弾が当たる事件もあった。地元市民が日没を見に行く場所として知られる高級住宅地のウルカ地区では最近、岩の上に6人の遺体が打ち上げられていた。
 市内で電子商取引のマネジャーを務めるマルセロ・カイオ・コヘア・デ・メロさん(37)は、今月末に妻と2人の子とともにポルトガルに移住する予定だが、その一番の理由が治安の悪さだと話す。
 「今年初めにオフィスにいたところ、突然外で大きな爆発音がして、誰もが飛び上がった。警察から逃走中の犯罪者が放った手りゅう弾だった」と言う。それから2、3カ月後には、父親が銃を持った複数の男たちに銃を突き付けられた。
 ブラジルの経済・政治の見通しが暗いことも、若者たちの心理的重荷になっている。今年の経済成長率は1.5%になる見通しだが、失業率は12%を超える。世論調査のダッタフォーリャによると、16歳から24歳の若者たちのうち、およそ62%は可能なら移住したいと述べている。
  UBS ブラジル部門のチーフエコノミスト、トニー・ボルポン氏によると、ブラジルの若者たちは、高い税金を払わなければならないが、政府から恩恵をほとんど受けていない。政府支出の大半が年金に使われるからだ。高学歴の人たちにとって、同国を去ることは、「良い選択のように見えている」と同氏は指摘する。
 米国は依然として、ブラジル人の最大の移住先となっており、ブラジル外務省によれば、国外に住む推計300万人のブラジル人のうち、3分の1以上が米国に住んでいる。
 ブラジル南部生まれのビニシウス・バルボサ・ダシルバさん(20)は「そこ(米国)では物事がうまく行っている。インフラは(ブラジルよりも)良いし、物価はそれほど高くない」と述べ、数年後に米国に移住するつもりだと語った。
 しかし、ブラジル人たちのいわゆる「プランB」(次善の策)の移住先に急速になっているのが旧宗主国のポルトガルだ。ポルトガル移民・国境局によれば、同国には現在、8万5000人のブラジル人が住んでおり、外国籍の住民の中では最大規模だ。
 日系ブラジル人は先祖の国である日本に戻るのがしばしばだ。英国はもう一つの移住人気国で、スイスも同様だ。特にスイスは、ブラジルで最も裕福なホルヘ・パウロ・レマン氏の第2の故郷だ。同氏がスイスに移住したのは1999年のことで、サンパウロで学校に行く途中だった同氏の子どもたちを、銃を持った複数の男たちが誘拐しようとしたためだった。
 ブラジル人たちが先を争って出国を急ぐ中、同国の労働市場における移民の数が2016年に減少した。この10年で初めてのことだ。8年前にブラジルに移住した米国のビジネスマン、ジョゼフ・ウィリアムズさんはブラジル人たちから「なぜここに来たのか」と尋ねられるという。
 サンパウロで不動産助言会社と投資会社を経営しているウィリアムズさんは、「(ブラジルは)問題の多い市場だが、さまざまな機会も提供されている」と述べた。
 前出のメロさんは、ポルトガルでの生活を楽しみにしていると述べた。それは例えば、路上で携帯電話に出ることができる生活だ。リオでは、携帯を盗まれる恐れがあるため、路上では通話しないという。

リオデジャネイロのコパカバーナビーチで警備に当たる治安部隊(4月) PHOTO: ERBS JR./AGIF/ASSOCIATED PRESS
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https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/post-10638.php
インフレ率100万%、ベネズエラの失政スパイラル
Venezuela Inflation to Hit 1 Million Percent This Year

2018年7月25日(水)17時58分
デービッド・ブレナン


ハイパーインフレ進行中というのにマドゥロ大統領は紙幣を刷り続ける(首都カラカス、2018年3月)

<IMFの予測ではベネズエラのインフレ率は年内に100万%に達する見込み。すでに生活条件の悪化から、100万人以上が国を捨て、近隣諸国へ逃げだしている>

高い失業率、食料不足、減少する燃料備蓄、基本的な医薬品の欠如......すでにたいへんな苦境にあるベネズエラ。国際通貨基金(IMF)はこのほど、同国のインプレ率は2018年末までに100万%に達する可能性があると警告した。

ベネズエラのインフレ率はすでに高水準で、通貨ボリバルの価値は今年、史上最低にまで下落しかねない。危機的状況にもかかわらず、ベネズエラ政府は原油価格の急落による国家予算の穴を埋めるために、紙幣を印刷し続けている。

IMF西半球部門のアレハンドロ・ワーナー局長によれば、現在のベネズエラの状況はハイパーインフレにより国内通貨の価値が失われた1930年代のドイツや2000年代初めのジンバブエに匹敵する。

史上最悪の月間インフレ率を記録したのは、1946年のハンガリーのハイパーインフレだった。当時の通貨ペンゲーのインフレ率は4京1900兆%、物価は15.3時間ごとに倍増した。

ワーナーはブログで、ベネズエラの2018年の経済成長率はにマイナス18%で、2019年はさらにマイナス5%になると予測した。ワーナーは現在の状況を「深刻な経済・社会的危機」と評した。

「経済活動の崩壊、ハイパーインフレ、公共財の供給不足、補助金つきの食料の不足が、大規模な国外への移住につながっている。近隣諸国にも大きな影響を与えるだろう」と、ワーナーは指摘した。

経済統計の公表は停止
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、生活条件が悪化し、経済は回復の兆しを見せないため、すでにベネズエラから100万人以上が脱出した。UNHCRの推定では、ベネズエラを出国する移民は1日約5千人に達し、その多くが隣国コロンビアに向かう。

ニコラス・マドゥロ大統領は経済改革の実施を拒み、現在の危機を、国内の反政府派がアメリカやその他の競争相手国と手をくんで仕掛けた「経済戦争」のせいだとしている。政府機関は、国の崩壊の本当の姿を隠すために、経済統計の公表を停止している。

2015年12月以来、公式のインフレ率は公表されていないが、野党主導の国会は、5月のインフレ率は2万4600%を超えたと発表した。

ブルームバーグは独自に、ベネズエラの首都カラカス東部にあるベーカリーのコーヒー1杯の値段を調査し、経済指標として使っている。「カフェ・コン・レチェ指数」と呼ばれるこの指標によれば、過去12カ月間でインフレ率は6万%上昇した。上昇はさらに加速しており、過去3カ月のインフレ率は年率で30万%を記録した。

通貨の崩壊により、海外からの食糧や燃料、医療品の輸入もままならず、もともと低い生活水準はさらに悪化している。国の保健当局に適切な予防や治療のための資源がないため、麻疹やマラリアも流行している。

国民を飢えさせないため、マドゥロは今年4回、最低賃金を引き上げた。ロイター通信によれば、最低賃金は月300万ボリバルに達しているが、闇市場の為替レートではわずか1.14ドルだ。マドゥロはまた、食料価格の高騰に対抗するため労働者に追加の食事券を配ると約束した。


180731cover-200.jpg<本誌7/31号(7/24発売)「世界貿易戦争」特集では、貿易摩擦の基礎知識から、トランプの背後にある思想、アメリカとEUやカナダ、南米との対立まで、トランプが宣戦布告した貿易戦争の世界経済への影響を検証。米中の衝突は対岸の火事ではない>

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アングル:代金は魚、超インフレのベネズエラで蘇る「物々交換」 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/venezuela-barter-idJPKBN1JV0SW
2018/07/06 - [リオチコ(ベネズエラ) 5日 Reuters] - カリブ海に面したベネズエラ北部の町リオチコでは、真昼の太陽の下、十数人の漁師が近くのラグーンでその日捕った魚を売ろうと客を待っている。だが、彼らは現金を手に入れようとしているのではない。


インフレ率100万%、ベネズエラの失政スパイラル | ワールド | 最新記事 ...
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/100-30.php
3 時間前 - ベネズエラのインフレ率はすでに高水準で、通貨ボリバルの価値は今年、史上最低にまで下落しかねない。 ... IMF西半球部門のアレハンドロ・ワーナー局長によれば、現在のベネズエラの状況はハイパーインフレにより国内通貨の価値が失われた1930年代の ...


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2018/07/10 - カリブ海に面したベネズエラ北部の町リオチコでは、真昼の太陽の下、十数人の漁師が近くのラグーンでその日捕った魚を売ろうと客を待っている。だが、彼らは現金を手に入れようとしているのではない。 捕ったボラやタイを、小麦粉や米、食用油などと交換しよう ...


ベネズエラってどんな国? | オンリーワントラベル 中南米専門現地旅行会社
onlyone.travel ? ベネズエラ
2018/07/17 - チャベスはまず、ベネズエラをボリバル共和国に変え、国家収入の7割を占める石油の収入を貧困解決に向け、スラムの解消、学校の建設、無料の治療、大地主の遊休地を接収して農民に分配、失業者に対する職業訓練、協同組合方式による企業設立など ...

「世界一危険な国」ベネズエラの基本情報 & 人気観光スポット ? アジア ...
https://japan-info.asia/world/best-spot/14394/
2018/07/11 - ベネズエラと聞いて旅好きが真っ先に思い浮かべるのは、世界最大級の落差を誇る「エンジェル・フォール」、山岳の街「メリダ」、ブラジル & ガイアナとの国境に位置する「ロライマ山」ではないでしょうか。


ベネズエラやばい。インフレ率40000%を突破、投資家は通貨切り捨て ...
galapagosjapan.blog.fc2.com ? 社会
2018/07/02 - 翻訳元スレ主・ベネズエラのインフレ率が40000%を突破。投資家達が「熱い ... Venezuela's inflation hits more than 40000% as investors dump its currency 'like a hot potato'海外の反応>最近の調査では市民の90%が貧困に陥っているという結果が出た。


「私のインフレ率は100万%です」ベネズエラのインフレ率がマンガみたいな ...
https://togetter.com ? カテゴリー ? ニュース ? その他
1 日前 - 私のインフレ率は100万%です」ベネズエラのインフレ率がマンガみたいな値になっている件. いや笑い事やないけど ...... 菅官房長官 小中学校クーラー設置補助や夏休み延長を検討」と NHKニュース/「貧困家庭はどうしているのだろう。(中略)爪に火を灯すよう ...


経済危機のベネズエラで国民がやせ細っていく | ワールド | 最新記事 ...
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9660.php
2018/03/03 - 石油依存経済が破綻して物質不足が深刻化。飢えに苦しむ国民の体重が11キロも減少している>. 経済破綻と食料不足にあえぐベネズエラで深刻な数字が明らかになった。17年の1年間で国民の体重が平均11キロ減少し、貧困率は90%にも上るというのだ。


また、1人。赤ちゃん「餓死」の国、ベネズエラの絶望|「粉ミルクさえあれば ...
https://courrier.jp/news/archives/110868/
2018/01/30 - 父親が夜明け前に家を出て、病院の霊安室に向かった。骨と皮だけのようになった息子の遺体を引き取り、自宅の台所に持ち帰った。そこには葬儀費用を出せないベネズエラの貧困家庭を助けている葬儀師がいて、遺体にエンバーミング処置をほどこしてくれた。


ハイパーインフレで物々交換経済状態のベネズエラ。国主導で仮想通貨を ...
diamond.jp/articles/-/162268
2018/04/02 - 今回は、深刻な経済危機下で国主導で仮想通貨「ペテロ」を発行したベネズエラで活動する日本人、本間敬人さんとの対談の後編 ... それなので貧困層はもちろん、一般のベネズエラ人も、外貨を持ってない人などは、必要な物さえ手に入れることが困難です。


焦点:ベネズエラに経済崩壊の危機、原油減少に歯止め掛からず | ロイター
https://jp.reuters.com/article/venezuela-oil-idJPKBN1F80K3
2018/01/19 - 南米の産油国ベネズエラは、経済を支える原油の生産量が昨年28年ぶりの水準に落ち込んだ。 ... ベネズエラは既に貧困層が日々の食べ物を手に入れるのに苦労しているが、原油生産が減少すれば景気後退とハイパーインフレは一段と厳しさを増すだろう。

ベネズエラ大統領「国民が貧困で平均9 も体重落ちてる!せや、食用 ...
gabareki.blog.jp/archives/18685064.html
2017/09/16 - 1: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 19:08:54.30 ID:BDUo808p0 なおベネズエラの国民は配られたうさぎを名前付けたり一緒に寝たりして可愛がってる模様 2: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2017/09/15(金) 19:09:15.72 ID:UdDTflOy0かわいい5: ...

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【国際情報分析】中南米一豊かだったベネズエラで「難民」急増 かつての ...
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2018/03/31 - ベネズエラでは13年3月に反米左翼の急先鋒として鳴らしたチャベス前大統領が病死し、後継指名されていたマドゥロ氏が副大統領から大統領に昇格。貧困対策として公共住宅の大量建設などに取り組んだが、バラマキ政策に加えて外貨収入の9割を依存する ...


大混乱のベネズエラ経済 深刻な食料不足、市民に直撃:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASK8G6CYKK8GUHBI01T.html
2017/08/16 - 国会の権限を上回る制憲議会の招集が強行された南米ベネズエラで、経済の混乱が深刻化している。政府の経済政策の ... ベネズエラ、新憲法めぐり混迷 選挙強行で衝突、死者も ・ 混迷ベネズエラ、逃れる人々 先住民ら貧困層、徒歩で隣国へ. 今、あなたに ...


“食べ物が手に入らない” 混迷深めるベネズエラ | 国際報道2018 [特集 ...
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2017/10/1024.html
2017/10/24 - 松岡「ベネズエラは歴史的に富裕層と貧困層に国が二分されてきましたが、チャベス前大統領とマドゥーロ大統領は富裕層を敵視して『自由競争の経済』に背を向け、貧困層に手厚い『社会主義的な経済』を目指しました。 まず、貧困層もモノを買えるように、政府


 


飢えるベネズエラ、壊れた豊かな国(前編)インフレ率720%、食料輸入は70%減り栄養失調がまん延する
栄養不足で入院した1歳のジャン・ピエールちゃんを抱く母親のマリアさん(4月5日、カラカス)MIGUEL GUTIERREZ FOR THE WALL STRET JOURNAL
By
Juan Forero
2017 年 5 月 9 日 12:54 JST 更新
 【ヤーレ(ベネズエラ)】ジャン・ピエール・プランチャールちゃんは1歳。しかしその顔は老人のようにやつれて、すすり泣くような泣き声しか出ない。肋骨が浮き出た体はたった11ポンド(約5キロ)の軽さだ。
 母親のマリア・プランチャールさんはごみの中からやっと見つけた食べ物――鶏肉やジャガイモのかけら――で子どもに栄養を摂らせようとした。プランチャールさんは今、カラカスの病院で、コメと牛乳のスープが息子の命をつないでくれるようにと祈っている。
 「息子は眠り続け、どんどん弱っていった。体重は減り続けた」とプランチャールさん(34)は言う。「ベネズエラがこんなふうになるなんて考えたこともなかった」
 ベネズエラはかつてラテンアメリカで最も豊かな国のひとつで、食料も輸出していた。だが今では民間農場の国有化と価格統制、通貨統制で身動きが取れなくなり、国民を養うための成長率も確保できない。

A Mother’s Struggle to Feed Her Son in Venezuela

ジャン・ピエールちゃんの母親マリアさんはごみをあさって子どもの食べ物を見つけようとした。ベネズエラ国民の多くはいま飢えと栄養不足に苦しんでいる(スペイン語音声、英語字幕あり)Photo: Miguel Gutiérrez for The Wall Street Journal
 ベネズエラのインフレ率は世界で最も高く、国際通貨基金(IMF)の推計では今年、720%に達するとみられている。これでは家庭が収入の範囲で生活することはほぼ不可能だ。投資銀行トリノ・キャピタルによると、2013年以降、同国経済は27%縮小し、食料輸入は70%減った。
 子連れを含む多くの人々がごみをあさっている。1年前にはほとんど見られなかった光景だ。地方に住む人たちは夜になると、木になっている果物から地面で育っているかぼちゃまで農場にあるものはなんでも盗み出し、種や肥料の不足に苦しむ農家に追い打ちをかけている。食料品店は略奪の被害に遭い、家庭では冷蔵庫に南京錠をかけている。
 社会科学者が毎年実施している生活水準に関する全国調査によると、昨年、体重が減ったと回答した国民は4人に3人。平均減少幅は19ポンド(約8.6キロ)に上る。人々は怒りとユーモアを込めてこれを「マドゥロ式ダイエット」と呼んでいる。同国のニコラス・マドゥロ大統領にちなんで命名されたものだ。
 ベネズエラ国民は1カ月以上前から、専制主義を強めるマドゥロ政権に対する抗議デモを続けている。報道によると、今月5日までに35人を超える市民が混乱によって死亡した。食糧省や大統領府、通信省、外務省に電話や電子メールで本稿のためのコメントを要請したが、回答はなかった。
 医師で子どもの栄養失調の専門家リビア・マチャド氏は「政府にとって、ベネズエラに栄養失調の子どもは存在しない」と話す。「現実には栄養失調がまん延している。誰もがこの状況に注目すべきだ」
 カラカスのドミンゴ・ルチアニ病院に運ばれてくるやせ衰えた子どもは劇的に増加している。マチャド氏ら医師チームはその目撃者だ。
 政府の左翼運動が長らく人気を集めていたヤーレなどカラカスの南に位置する町でも、事態は変わらない。11歳のセルジオ・ヘスス・ソルハスくんは「食べるためにときどき肉屋に行って、『もらえる骨はありますか』と言うんだ」と話す。
 セルジオくんは教区の司祭から栄養ミルクやベネズエラ伝統のトウモロコシパンを受け取っている。肉は何カ月も口にしておらず、「何も食べないときもある」と語った。

赤ん坊が重度の栄養失調状態にあると母親に話す医師のマチャド氏(4月5日、カラカス) PHOTO:MIGUEL GUTIERREZ FOR THE WALL STRET JOURNAL
 カトリックの慈善団体カリタスとスサナ・ラファリ氏率いるグループはベネズエラの状況を注視している。ラファリ氏は中米のグアテマラやアフリカなど飢餓に苦しむ地域で働いてきた食糧緊急事態の専門家だ。カリタスがヤーレなど4つのコミュニティーで5歳未満の子ども800人を対象に行った最新の調査によると、死に至る可能性のある重症の急性栄養失調に苦しむ子どもは今年2月の時点で全体の11%近くに上り、10月の8.7%から急増した。またおよそ5人に1人の子どもが成長の阻害を引き起こす慢性的な栄養失調状態にあるという。
 「深刻なのはわれわれが危機の入り口にいることではなく、急速に今のような状態に至ったことだ」(ラファリ氏)
 世界保健機関(WHO)の基準では、カリタスの調査で判明したベネズエラの現状は政府による緊急援助の手配が必要な危機に相当する。しかし当局は外国からの食料や支援の申し出を受け入れようとしない。
 悪化の一途をたどる栄養失調に拍車をかけているのは、医療の崩壊と蚊が媒介する病気のまん延、それにベネズエラ薬学連盟によると、深刻な医療品不足だ。
必需品すら手に入らない
 昨夏、ベルキス・ディアスさんの目の前で、生まれたばかりのわが子、ダニー・ナバちゃんは弱っていった。食料不足のせいだった。祖母のアルベルティーナ・エルナンデスさんによると、粉ミルクもなく、ディアスさんは母乳が出なかった。
 「食べ物もミルクも手に入らなかった。(ダニーちゃんは)どんどんやせていった」(エルナンデスさん)
 病院に着いたときには、ダニーちゃんはひどいせきをしていて、その後間もなく亡くなった。「とても小さかった」とエルナンデスさんは言う。
 これまでカラカス南部の農場はニワトリから大豆までありとあらゆる食料をフル稼働で生産していた。
 アルベルト・トロイアーニさん(48)は、イタリアから移民した父親が1970年代に始めた養豚場を今も経営している。価格統制や必需品不足、犯罪集団によって事業は破壊された。
 飼育するメス豚――1頭当たり12頭前後の子豚を生む――は200頭から50頭に減った。今のトロイアーニさんにはこれまで使っていた高タンパクの飼料や薬を買うだけの余裕はない。成長した豚の重さはかつて240ポンドあったが、今では175ポンドしかない。
 それだけではない、豚がときどき互いのしっぽや耳を食いちぎっているのを見かけることさえある。半分空になったおりの横を歩きながらトロイアーニさんが言った。
 「昔は1カ月に120頭から150頭を食肉処理に出していたが、今では50頭から60頭。冗談みたいだ」。トロイアーニさんが手にするのは豚肉1キロ当たり93セントだが、もうけを出すには1.17ドル必要だ。業界関係者によると2012年以降、ベネズエラの養豚業者の82%が廃業し、生産は71%減った。

トロイアーニさんの豚舎は100頭を飼育できるが、いまは空いたスペースが目立つ PHOTO: WIL RIERA FOR THE WALL STREET JOURNAL

トロイアーニさん(写真)の両親はイタリアからの移民で養豚場を営んできた PHOTO: WIL RIERA FOR THE WALL STREET JOURNAL
 トロイアーニさんはベネズエラを出ることを母親のヨランダ・ファクシオリーニさんと話し合った。69歳のファクシオリーニさんも1960年代にイタリアからやって来た。農場の買い手は見つからないだろうとトロイアーニさんは言う。周りはみんな農場を投げ出している。銅線やトラクター、除草剤など残されたものは泥棒が持っていくそうだ。
 経済学者や農業団体によると、政府が接収した農業法人――牛乳工場や肥料や飼料の販売業者も含まれている――は閉鎖されるかほとんど操業していない。
 養豚業者の全国団体のトップを務めるアルベルト・クデマス氏は「われわれが勝てない仕組みになっている」と話す。「政府は生産者や生産ではなく、共産主義こそが生き残る道だと考えている。それが間違いだ」
*記事は後編に続きます(有料)>>
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飢えるベネズエラ、壊れた豊かな国(後編)
食べ物を求めてごみをあさる人々も
パルマさんと11歳の孫のジェルマンくんは、弟2人に多く食べさせるため、自分たちの食事の量を減らしている WIL RIERA FOR THE WALL STREET JOURNAL







By
Juan Forero
2017 年 5 月 9 日 12:55 JST 更新
 ディオジェネス・アルソレイさん(65)は以前、小規模の建設会社2社を所有していたが、その後、タクシーの運転手になった。今は、かつて経営していた小さな店の冷凍庫や自分の本、照明器具、コピー機、タクシーなどを売ろうとしている。
 アルソレイさんと妻のニデア・カディスさんには子どもを養う資金が必要なのだ。19歳を筆頭に16歳、13歳、7歳、2歳と5人いる。
 ある日のメニューにアルソレイさんがつくったのはイワシのフライ。手持ちの食料を長持ちさせるため、家族のうち何人かは1日食事を抜く。そうすれば他の人が十分に食べられるからだ。ベネズエラのトウモロコシパン「アレパ」や野菜、マンゴーを食べることもある。缶詰の魚もたまに食卓に並ぶ。
 アルソレイさんは「逃げることも考えたが、小さな子どもがいるからそれはできない」と話す。「極限状態に追い込まれて泣きたい気持ちだ」
生きるために持ち物を売り、食事を減らす
 生活水準に関する全国調査では、10世帯のうち9世帯が食費を全てまかなうだけの収入がないと回答した。国民の約3分の1に相当する960万人が1日の食事の回数を2回以下と回答しており、その割合は2015年の12.1%から大幅に増加した。今や国民の5人に4人が貧困状態にある。
 セサル・アウグスト・パルマさん(75)は高インフレの中、年金の固定収入で暮らす。1カ月の受給額は約10ドル。買えるのは牛乳4箱ほどだ。

パルマさんと娘、孫のジェルマンくん(右端)ら PHOTO: WIL RIERA FOR THE WALL STREET JOURNAL

木の棒を頼って立つジェルマンくん(左)と弟 PHOTO: WIL RIERA FOR THE WALL STREET JOURNAL
 パルマさんの成人した娘と3人の孫はパルマさんの収入に頼っている。パルマさんと11歳の孫、ジェルマンくんは、ジェルマンくんの弟2人に多く食べさせるため、自分たちの食事の量を減らしている。ジェルマンくんの髪は以前は濃い色だったが、今で黄色に変色しつつある。
 「弟たちのほうが僕より多くの食べ物が必要です」とジェルマンくんは言う。同年代の男の子の平均体重は70ポンド前後だが、ジェルマンくんは50ポンドしかない。近くでは弟のセサル・アウグストくん(10)とアンヘル・ホセくん(4)が手作りのたこを揚げようとしている。

重度の栄養失調で病院に運び込まれた際のジャン・ピエールちゃん(3月) PHOTO: JUAN FORERO
 「おなかが空いた」とジェルマンくんは言う。「おなかが痛いような感じがする」 。好きな料理を聞くと「アロス・コン・ポーヨ」という返事が返って来た。鶏肉と米の料理だ。最後に食べたのは2015年だったという。
 カラカスのドミンゴ・ルチアニ病院。プランチャールさんはジャン・ピエールちゃんら5人の子どもを食べさせるために、まだうじがわいていないトウモロコシやパンのかけらをごみ袋の中から探したときのことを思い出して泣いた。
 「『私にはできない』と思った」とプランチャールさんは言う。近所の人に見られるのではないかと心配したからだ。しかし「『私がやらなければ、子どもたちのところに何を持っていくの』と自分に言い聞かせた」。
 プランチャールさんはレジ係、美容院勤め、調理係とさまざまな仕事をしたが、その後、仕事はなくなった。インフレと食料不足で全てが悪化したからだ。近所の人が犬を食用にしたこともあったそうだ。
 ジャン・ピエールちゃんがどんどんやせて動かなくなると、プランチャールさんは病院でマチャド医師ら栄養失調の専門家に助けを求めることにした。病院には病気の子どものためのビタミン剤も抗生物質も血清もなかった。
 「この病院ではこの子に十分な栄養を与えられていない」とマチャド医師は言う。「このような状態の子どもはバナナとチーズでは回復しない」
 プランチャールさんはジャン・ピエールちゃんを腕に抱いて優しく揺らしていた。2人にとって癒しの時間だ。
 「この子はまだ完全に回復していません」とプランチャールさんは言う。ジャン・ピエールちゃんは今、水ぼうそうにかかっている。「大事なのは体重を増やすことと代謝を正常な状態に戻すことですが、この子は弱いのです」

息子のジャン・ピエールちゃんを世話するマリアさん。ジャン・ピエールちゃんは栄養失調と水ぼうそうから回復しつつある(4月5日、カラカス) PHOTO: MIGUEL GUTIERREZ FOR THE WALL STREET JOURNAL
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ベネズエラ貧困層、空腹で反政府デモできず
マドゥロ大統領はスラム街の支持を失っているが――

スラムに住むレベカ・レオンさんはゴミあさりをして暮らしている(2月、カラカス) PHOTO:FEDERICO PARRA/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
Anatoly Kurmanaev and Kejal Vyas
2017 年 4 月 21 日 16:35 JST
  【カラカス】ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、かつて故ウゴ・チャベス前大統領を支持していた貧困層の支持を失った。だが貧困層の人々には、過去3週間にわたり国を揺るがせている野党主導の反政府デモに参加する気はほとんどないようだ。
 首都カラカスや他の主要都市の周辺に広がるスラムの住民の多くは、経済危機や食料不足に憤っている。だがベネズエラの政治不安はおおむね中間層の住む地域に限定されたままだ。独裁色を強める政府の退陣を狙う野党が苦戦している様子がうかがえる。
 「私には飢えしかない。人がデモしようとしまいと関係ない」。国内第2の都市マラカイボのスラムで労働者のアルフォンソ・モレロさんはこう話した。「昨日から胃袋が空っぽなのに抗議する力がどこから出るというのか」
 アナリストらは、スラムの住民が決起するまでマドゥロ氏が居座る公算が大きいと話す。
 ベネズエラのスラムに関する著作のあるニューヨーク大学のアレハンドロ・ベラスコ教授(歴史学)は「貧困層の不満が野党に吸い上げられていない」と述べた。
 3週間の混乱で、デモ参加者7人が死亡し、数百人が収監された。政府はヘリコプターから催涙ガスをまくなどしてデモ鎮静を図った。加勢した政府寄りのギャングには武器やこん棒を持つ者も多かった。
 だがカラカスや他地域のスラムでは多くの住民が、デモの様子はよくわからず、生き延びるのに精いっぱいで政権交代のことを考える余裕はないと話す。国内の有力大学3校の調査によると、国民の5人に4人以上は必需品を買うだけの稼ぎがないと述べている。
スマホを持たず、デモの情報わからず
 政府が主流メディアを厳重に管理していることから、スマートフォンを持たずインターネットに接続できない多くの貧困層はデモがいつどこで起きているのかさえ分からないと話している。国の巨大プロパガンダ機関は混乱の詳細をほとんど明らかにせず、おおむね平和的なデモ隊のことを火炎瓶を投げる「テロリスト」と呼んでいるため、スラム住民の多くは恐怖からデモ参加を控えている。
 一部の住民は、反乱の芽を察知すべくスラムを監視する政府派の武装勢力から脅されていると話す。食料配給を失うことを恐れる住民もいる。
 世論調査会社デルフォスによれば、ベネズエラの貧困層のうちマドゥロ氏退陣を望んでいる割合は約3分の2と、同氏が政権を握った約4年前の40%から上昇している。
 多くの野党支持者は現在のデモについて、スラムの支持を得られなければ2014年に起きた前回のデモに似た形で終わるとの懸念を抱いている。中間層が住む地域で決行された当時のデモは3カ月に及び、43人が死亡したが、政治的な変化をもたらすことはできなかった。そうした失敗を受けて、野党側は自信を喪失し分裂している。
 デルフォスのディレクターは「大衆が参加するには、後戻りできないところまで来たと感じることが必要だ」とし、「そこにはまだ程遠い」と述べた。
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/554.html#c4

[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
2. 2018年8月05日 08:24:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1113]

>日本は、年間約1700万トンから2000万トンの食品廃棄物を
>約800万トンは可食部分
>全世界の食料援助は、合計400万トン

特に新しい情報ではないし、日本に限ったことではない

例えば、米国ではあれだけ貧しい食生活にも関わらず

日本の3倍以上の廃棄食糧がでているし

飢餓に苦しむ貧困国でも、膨大な食品廃棄物がでており

仮に、貧困国で、愚かな紛争を止め、日本の1/10レベルの政治と経済が行われれば

飢餓などの多くの社会問題は消え、食料援助なども不要になる


パチンコ依存症と、それを食い物にする企業や金融と同じ関係が未だに存在し

同じ国民同士で搾取と殺し合いが続いている


>なぜそんな食生活をし続けているのでしょうか

ここを考察し、対応策を考えないようでは無価値

流通の問題、個人の食生活や習慣、パーティや会食などでの儀礼での必然など

多くの簡単には変えられない問題がある


当然、食教育の強化、食品規制、廃棄食料への課税、ゴミ有料化、監視強化などが提案されるべきだろう


愚かな人類が滅びるのは問題はないが、その結果、多くの稀少生命が絶滅するのは残念なことだ

http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/pdf/bunkatu1.pdf
「米国 2010 年のデータでは、食料損失・廃棄量として、小売・消費者段階における
食品供給量の 31%を占め 1,330 億ポンド(6,033 万トン)、1,620 億ドルに相当

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c2

[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
3. 2018年8月05日 08:41:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1114]

>私たちの体は、自然がつくったものを受け入れるようにできています。化学物質は私たちの栄養素にはなりません

これも、よくある妄想で

パスツール時代の化学の話だ

現在では、化学物質と自然(天然)物質という区別など意味はない


天然由来の物質にも、膨大な致死的物質や、有害な物質が存在するし

実際、人が化学合成によって、天然由来の物質を、より安全かつ低コストに製造できるようになっている


>気象兵器によるある種の攻撃

膨大なCO2やNOX,SOX,そしてメタンガスなどを放出しているのだから

これは明らかな気象兵器だろう

さらに現存生態系では代謝不可能な膨大な塩素系のプラスチック類は、深刻な影響を

地球生態系に及ぼし、多くの生物種に致命的な影響を与えている

これが「いわゆる化学物質の害」の典型だろう

その反作用として食料問題や熱波による死者が生じれば少しは危機感を抱くが

喉元過ぎれば、問題意識は頭から消え去り

寒冷化で氷河期などというデマを信じるのが現在の大衆ということだろう

だからトランプ政権なども生まれる


つまり気象兵器の加害者は、人類全体ということだ



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c3

[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
6. 2018年8月05日 09:21:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1115]

>>04 豊作すぎると儲けないので、農家は捨てます

過剰生産と廃棄は、別に個人農家であっても起こるので

資本主義というより、市場経済の効率性の裏にある欠点ということだろう


ただし単純な計画経済の社会主義で、この問題が解決されないことも、既に歴史が証明している

つまり完全情報の国家独占と、人権の厳しい制限が必要であり

中国がその先端となるかもしれない

世界の潮流は、国家による監視と規制による修正資本主義に向かっているように見える

ただし、ここでは新しい技術革新の方向を予測するのは国家(共産党エリート)ということになるので

現実には、オープンな自由競争による資本主義には最終的には勝てない可能性は高い


つまり、グローバル経済で結ばれた現在の世界システムでは、いずれ限界に達する

(中国もまた日本や欧米同様、グローバル経済の最大の受益者)


国家主権を放棄して、EUのような世界国家を構築するのが一つの解決策だが

これは地域エゴによって機能しないことも立証された


当面は、地域エゴに基づく保護主義化が進み、再び、世界は20世紀の混沌の時代に戻る確率は高い

欧米流の自由・平等の理念が建前としても機能せず、露骨な地域エゴのぶつかりあいだけになるとすれば

科学技術は21世紀水準で、政治レベルは19世紀という状況も、ありえる

ヒトの遺伝子は、100年程度では、ほとんど変わっていないのだから当然ではある



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c6

[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
7. 2018年8月05日 09:34:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1116]

>>05 コンビニで売れきれになることを喜び、注文しようとして待たされることを嫌がらないように文化を変えていく

現実には、忙しいサラリーマンや、遠方から歩いてくる老人にとって、欠品は、かなり厳しいだろう

そして店舗にとっても、欠品による顧客喪失は、経営上の大きな問題になる

それよりもIT技術により、店舗にある品揃えと在庫数が、リアルタイムで、ネットでわかるようにしたり

消費期限切れ食品を、貧困層給付NPOに寄付した場合、

ある割合までは損金として減税できるようにするなどした方が現実的だろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c7

[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
8. 2018年8月05日 09:39:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1117]

>>07 IT技術により、店舗にある品揃えと在庫数が、リアルタイムで、ネットでわかるようにしたり

顧客側もネットで予約して取りに行くシステムにすれば、さらに在庫管理は楽になる

カード情報を記録して、当日、取りに来ない場合、一定のキャンセル料も取れるようにする


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c8

[経世済民128] ソニーはサムスンの足元にも及ばないという歴然たる現実…半導体1兆円投資は失敗濃厚(Business Journal) 赤かぶ
8. 2018年8月05日 14:44:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1118]

こうした弱者連合は大体失敗するが、税金による救済を期待しているのだろう

ソニーは、とっくに電気ビジネスの企業ではないのだが

未だに未練を断ち切れないらしい

一方、サムスンも、それほど絶対的に安泰というわけでもない


この世界の変化は速い

 


韓経:【社説】「最後の砦」サムスン電子まで…韓国経済「来るものが来た」
2018年06月27日12時57分
[?韓国経済新聞/中央日報日本語版] comment50 sharemixi
韓国経済を牽引してきたサムスン電子の営業利益が4−6月期には前四半期比で減少に転じる見通しだ。携帯電話販売などが振るわず半導体景気も停滞状態に入り収益性が悪化しているためだ。

サムスン電子の業績上昇傾向が予想よりもはやく鈍化することが予告され、経済界では「ついに来るものが来ている」というため息が出ている。韓国経済を牽引してきた造船、重工業、自動車など主力業種が苦戦している状況で柱の役割をしてきた電子業種まで限界を表わしているためだ。韓国経済はこの数年、半導体業種を除けばマイナス成長をしていると言っても過言ではないほど半導体への偏りが激しかった。これに代わる新たな成長動力もこれといって見当たらない。そのため半導体景気の鈍化は韓国経済の危機につながるという懸念が大きい。

これまで半導体に隠れていた経済危機をしっかりと見て新たな成長動力を早く探さなければならないという話は継続して出ていたが話だけだった。むしろ企業の投資意欲を失わせ成長の足を引っ張る悪材料ばかりがあふれた。国内では最低賃金引き上げ、労働時間短縮、法人税引き上げなど制度的要因が足を引っ張った。企業環境は悪化したが労組の攻勢はむしろ強まった。現代重工業や現代自動車など大企業の労組は稼動中断と業績悪化にも賃金引き上げを要求し相次いでストを予告している。新しい事業をしようとしても「規制の罠」が重なり妨げられている。反企業感情の拡散も企業の意欲を失わせている。検察、警察、公正取引委員会、雇用労働部など政府機関が全方向から企業を追い詰めている。「業績悪化より企業バッシングが恐い」というのが企業の訴えだ。

通商戦争も尋常でない。米国、EU、中国が互いに報復措置で対抗すれば輸出に依存する韓国経済には致命的な影響が発生するほかない。米国が輸入自動車に対し関税を20%課せば米国依存度が高いルノーサムスンと韓国GMは存廃の危機に陥るという警告が出ている。昨年約59万台を米国に輸出した現代・起亜自動車の場合も少なくない打撃を受ける。米国が中国への半導体装備輸出を統制する場合、現地で生産するサムスン電子、SKハイニックスが影響を受けかねないという懸念も出ている。

一度つまずいた経済を再び立て直すのにどれだけ大きな犠牲が必要なのか、韓国は1997年の通貨危機当時に骨身にしみるほど経験した。ところが自営業者の間で「いまは通貨危機の時よりさらに厳しい」という声が出ている。各種経済指標も数回警告音を送っている。韓国政府は「いまがまさに危機状況」という考えで政策優先順位を確かめなければならない。何より企業が新たな投資に出られるようやる気を出させ、規制を廃止する措置を急がなければならない。


※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。
The Korea Economic Daily
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[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
11. 2018年8月05日 15:05:33 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1119]

>>10
>太陽から放射されている電子の波は、100%の効率で電力と蓄積を放出することができ、半導体のサイズで造れる
>気温の上昇によって,害虫による農薬被害や化学肥料で酵素の低下など,状況が変化している。だから酵素のない旬の野菜がなくなってしまった

日本語力の問題だけでなく

いくつか、かなり致命的な科学的知識の欠落があるようなので、注意した方がいい


>二百年たった今日でも、経済学と政治は「神の見えざる手」をチャント説明していない。

より精密にダイナミクスとして理解したいのであれば

エージェント理論や動的マクロ均衡理論で説明するのが妥当だが

大学初級レベルの、マクロ経済やミクロ経済を学べば

市場価格の変化が、需要と供給を変化させていくことくらいはわかるはずだ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c11

[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
12. 2018年8月05日 15:28:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1120]

現在の経済のダイナミクスに関しては、かなり精密化が進んでいる
(それでミクロの予測が精密にできるわけではないので注意が必要)

個人的には、アダムスミスの経済理解は、理論的に不十分過ぎて、

定量経済を志向するのであれば、参考にしても意味はないと思うが


アダムスミスに対する誤解も多いようだ


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52308
アダム・スミスの「神の見えざる手」を多分、あなたも誤解している
「自由放任でOK」なんて言っていません

政府によるさまざまな規制を撤廃しさえすれば、おのずと「自然的自由の体制」が確立するというスミスの分析は、確かに『国富論』の主要なテーマである。しかし、それだけがスミスの理論の全てであるとか、スミスは「自由放任主義者」であると考えてしまうと、彼が『国富論』で真に語ろうとした意図を汲みとり損ねてしまう。

スミスは『国富論』の末尾においた第5編「主権者または国家の収入について」で、上記のような「自然的自由の体制」が確立したとしても、なお欠くことができない政府の義務は何なのか、という重要な問題を考察している。

意外に思われるかもしれないが、スミスは自由市場経済における政府の役割として、「市民の財産や安全を守るための国防や司法の維持」に加え、「政府による公共事業」を提唱している。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c12

[経世済民128] 大前研一氏 国債と株でフォアグラ状態の日銀は「内部爆発」する(マネーポスト) 赤かぶ
16. 2018年8月05日 15:57:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1121]

>>15

日銀が買ったから、自動的に償還済み(政府の償還義務がなくなる)わけではない

単に、日銀が買い替えを行う(直接引き受け=一時的な財政ファイナンス)の特例が認められているに過ぎない

実際、これまでも日銀の保有国債は、政府によって償還されることで、保有資産の調整を行っている

本当の意味での財政ファイナンスを現実化するには、

以前、民主党の議員も主張していたように

日銀の独立性を制限して、永久借換の義務化(売却禁止)

もしくは永久国債や政府通貨の発行が必要になるだろう

また日銀が保有国債を売ったところで、日銀が新規に国債を発行した(政府に売却益が入る)ことにはならないのも言うまでもない

単に、これまで負債として市中に出回っていた、日銀券(円通貨)が回収され、金融引き締めになるだけだ


最低レベルの金融経済の知識がないのに、他者や政府を批判するだけでは、問題の解決から遠ざかるだけであることを理解した方がいい

https://toyokeizai.net/articles/-/4674
日銀は「独立性」を勘違いするな、政府が金融政策の目標設定に介入するためにも日銀法改正を進めるべし
 
2010/07/14 16:20
一覧コメント0「日銀は「独立性」を勘違いするな、政府が金融政策の目標設定に介入するためにも日銀法改正を進めるべし | オリジナル - 東洋経済オンライン」をはてなブックマークに追加
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日銀は「独立性」を勘違いするな、政府が金融政策の目標設定に介入するためにも日銀法改正を進めるべし
藤末健三 民主党参議院議員
長いデフレのトンネルから抜けられない日本経済。その最大の原因を作っているのは日本銀行の“怠慢”である、と筆者は考えている。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/109.html#c16

[経世済民128] 日本の株式市場規模、中国を抜き世界2位に(Suptnik日本) 無段活用
2. 2018年8月05日 19:54:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1122]

中国が貿易戦争で縮小が続いているということ

既にコメントしたとおり、これは日本にとって、全く喜ぶべきことでもなんでもない

日本経済の根本的な問題は、全く解決されておらず


今後、仮に米国や中国を始めとした世界の債務バブルが弾け金融不況になった時

日本でも政権交代で仮に低い確率で、緊縮政権になって、以前の民主党時代とは逆に

日銀への圧力が強まって、金融政策の巻き戻しも進むとすれば

かなり致命的なダメージが生じることは間違いないだろう

 

 


『from 911/USAレポート』               第773回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 9月に自民党の総裁選を控えて、安倍政権への評価が必要な時期となって来ました。
とりわけ、その経済政策である「アベノミクス」に関しては、このタイミングでその
功罪が確認され、修正が必要ならば修正がされなくてはならないでしょう。

 また、修正では足りず、大きな方向転換が必要だという政治家が与党内から現れ、
それが一定の支持数になるのであれば、アベノミクスの成果そのものを争点として、
総裁選が争われることになると思います。

 また、遅くとも来年、2019年の7月には参院選が予定されていますが、ここで
与野党が対決する際には、このアベノミクスの評価が争点となるはずです。これは自
明のことだと思います。日本経済の現状は、好況が隅々まで行きわたって経済政策が
争点化しないような状態ではなく、むしろその反対だからです。

 一方で、今回、7月31日に行われた日本銀行の金融政策決定会合を受けて記者会
見に臨んだ黒田総裁は、「2%の物価目標の実現が一段と遅れる」という見通しを示
しつつ、「現在進んでいる大規模な金融緩和を一部修正」すると言明しています。

 具体的な理由については、低金利が続いたために国債の取引が細って来たとか、銀
行の体力が低下して来たということが述べられていますが、これはあくまで現象面の
問題であって、今回の発言が意味するところは、もっと本質的な問題であると思いま
す。

 一つは「これだけ長期間にわたって金融緩和、株価対策を継続して来たのに、デフ
レ体質は反転できていない」という問題です。これは大変なことです。ですから、こ
こへ来てとにかく「金融緩和を一部修正する」というのは、単に銀行を救済するため
だけではなく、「次なるリーマンショックに備える」という意味合いを感じます。

 日銀の量的緩和ですが、その両輪は「国債買い入れ」と「日本株の買い入れ」です。
前者はストレートな市中への日銀券供給に近いものですが、後者はさらに踏み込んで
直接、日本の株式市場の買い支えを行っているものです。仮に、その効果が限定的で
あるならば、世界的な不況時において「株安」から「国債安」そして「通貨安」の激
しい負のスパイラルが起きないように、ある程度、緩和のペースダウンを示唆してお
くことは必要です。今回の黒田発言は、そのように理解しておく必要があると思いま
す。

 この日本経済の現状をアメリカから見ておりますと、全く裏返しの世界のように見
えます。アメリカの景気には依然として強さが顕著です。今週の金曜日に発表された、
7月の労働統計では、この月に新たに15万7千の雇用が生まれ、全体の失業率は
3.9%まで低下したとされています。また、株式市場の方もS&Pで見てみますと
2018年1月に一旦下げに転じた「トランプ相場」が再び上昇に転じて2800ド
ル台に戻り、改めて史上最高値を目指す展開になっています。

 金融政策ということでは、2015年末からFRB(連邦準備理事会)は政策金利
の利上げを断続的に行っています。今回の8月の利上げは見送られましたが、7月の
雇用統計が堅調であったことを受けて、9月には再度利上げが行われるという方向で
市場は見ているようです。

 インフレ率ということでは、ここのところ通年換算で2.9%程度という数字となっ
ていますが、生活実感としてはもう少し、つまり3.5%ぐらいはあるという感触です。
もっとも、仮に「貿易戦争」による関税上乗せ合戦が「本当に全て発動」されてしま
うとか、地政学的なファクターを重ねに重ねた結果として、オバマが8年かけて作り
上げたエネルギー多様化による価格安定が破壊されれば、この数字はもっと跳ね上が
るかもしれません。

 ですが、そうしたファクターが上乗せされる「前」の状態として、2.9%という数
字があり、その上で堅調な株価と堅調な雇用が動いて、利上げ政策とのバランスを取
っているのが現状です。

 いわば、デフレ対策をやってもやっても効果が出ない日本経済に対して、政権が景
気の足を引っ張り続けても株や雇用が伸び続けるアメリカのファンダメンタルズの強
さというのは、なんとも正反対という感じがします。

 こうした状態に至るこの間の日米の経済を比較してみますと、2008年9月の暗
黒の状況では、日本は1990年代後半以来の金融危機は脱しており、少なくとも
「何もしないと日本経済が眩しく見える」ことから、円が買い進まれたわけです。勿
論、日本経済にとっては2008年から09年における北米の、そして欧州の深い不
況の影響は大きなものがありました。また、それに追い打ちをかけるように起きた
2011年の東日本大震災の痛手ということもあると思います。

 にも関わらず、少なくとも円が強くなっていった理由としては、2つの問題があり
ました。1つは米国も欧州も財政規律を緩めて景気対策を行っていった中で、他の各
国の財政がボロボロである一方で「少なくとも国債残高が個人金融資産と相殺され」
る日本は、国際的な金融収支が健全に見えたことがあります。もう1つは、経済の中
身で衰退の兆候を見せたとはいえ、GDP規模で世界3位の経済としての信用はあり、
ドル安やユーロ安の受け皿として「円高圧力」を受けてしまうということがあったわ
けです。

 少なくとも、2013年の年初から始まったアベノミクスにおいては、この「放っ
ておけば日本円が輝いてしまう」ことを是正するという意味合いがありました。そ
の結果として、円安株高ということが曲がりなりにも5年間維持されてきたわけです。

 ですが、今回出てきた「黒田緩和の緩和」という方向性は、改めて「アベノミクス
・シナリオの狂い」という問題を提起していると思います。少なくとも、当初は円安
株高を現出することで、利益を得る投資家、そして拡大する事業会社の収益などの効
果が、「トリクルダウン」することで全体に行き渡ることが想定されていました。

 確かに日本でも株価は堅調であり、企業業績については例えば大商社や大手の自動
車メーカーなどでは、市場空前の利益を計上しているわけです。にも関わらず「イン
フレ率2%」がいつまでも達成できないわけですし、もっと日常的な生活実感として
は可処分所得は全く改善する感覚がないようです。

 明らかに「トリクルダウン」というのは起きていないし、「バズーカ砲による緩和」
を5年間行っても、「デフレ心理」というのは改善していません。その説明としては、
俗に言う「少子高齢化」による消費者心理の冷え込みということが言われてきました。

 つまり、「人口減により国内市場が縮小するのは不可避だから、自分の属する産業
は成長しない可能性が高く、自分の将来的な収入も期待できない」という心理、ある
いは「自分や家族が相当に長命するのであれば、老後資金のために消費を控えなくて
はならない」という心理から、国内消費が伸びないという説明です。

 これに加えて、「若者のお金離れ」という言い方もあります。若者の間に「クルマ
離れ」であるとか「旅行離れ」「おうちデート」といった現象が起きているのは、別
段今の若者が心理的に内向きとか、在宅志向だというのではなく、20年以上にわた
って初任給が据え置かれ、その後の昇級幅も圧縮されている中で、そして膨大な非正
規という層が存在する中で世代全体が貧困に陥っている、そうした中で現役世代の可
処分所得は90年代以前と比較すると大きくダウンしている、そんな説明もあります。

 けれども、こうした説明はいずれも現象を表面的に「なぞった」だけのものです。
どうして、先進国中で日本だけがデフレなのか、そしてその日本経済は一人当たりG
DPでイタリアやギリシャなどにも抜かれつつあり、先進国水準から脱落しそうにな
っているのか、その説明は十分にされていません。

 アベノミクスに関して、「第三の矢」つまり構造改革が全く進まないという批判が
あるのは事実であり、重要な論点だとは思うのですが、現状として何が問題であるの
かが明確でなければ、対策も打ちようがないように思われます。

 アベノミクスが5年を経て「ちっともデフレ脱却にならない」わけですが、それは
「アベノミクスが間違っている」のではなくて、円安株高をやっても効かないぐらい
の、巨大な逆向きの勢いがあり、その「逆向き」の勢いが強すぎるために、円安株高
をやってもやっても相殺されてしまった、そのような5年間であった、そのように考
えてみてはどうでしょうか?

 では、その「逆向きの勢い」つまり、日本経済を成長ではなく衰退に向かわせてい
る力の正体というのは何なのでしょう?

 私は、これは1つの核を持った具体的なものと見るよりも、多くの現象が重なり合
うことによって衰退が進行する、いわば複合的な問題であると考えています。

 1番目は、日本型空洞化とでも言うべき現象です。通常、産業空洞化というのは
「為替変動をヘッジし、現地のニーズに合った生産を行い、雇用創出で摩擦を防ぐた
めに生産部門だけを市場に近いロケーションに移動」というパターンか、もしくは
「自国内の人件費高騰を忌避してより労働コストの低いロケーションに生産拠点を移
動」というパターンになります。

 ですが、日本の場合は「日本では先端技術を持った技術者を獲得するために、グロ
ーバルな労働市場にアクセスできない」とか「日本国内にはリスク選好マネーがない
ので、回そうにもお金がない」といった非常に特殊な事情のために、メーカーの高度
な研究開発部門や、高度な金融商品への対応など、高い付加価値の部門が国外流出し
ているという状況があります。

 通常の空洞化、つまり「市場へ」とか「労働コストの低い場所へ」という空洞化も
徹底的に行われている一方で、巨額なカネを生み出す高度で知的な部分も、国外にど
んどん出しているというのは、先進国中でも珍しい現象です。そして、こうした国外
での収益は、日本の多国籍企業にとっては「連結決算には入る」だけでなく、仮にド
ルやユーロ圏で発生したものであれば、円安によって膨張して見せることができるわ
けです。

 ですが、海外で産まれたカネは日本に再投資されるケースは稀です。なぜならば、
日本の市場は縮小しつつあり、高度な研究開発は国外が中心になって行くからです。
ということは、どんなに多国籍企業が稼いでも、その収益は日本の国内GDPにも、
そして国内雇用にも寄与しません。それどころか、キャッシュとして日本国内に還流
しないのです。この徹底した空洞化という問題は大きいと思います。

 2番目は、産業構造の問題です。まず、なかなか先端産業に届かないという問題が
あります。日本は過去100年近い時間をかけて、輸送用機器という産業を主要な産
業として経済の中心に据えてきました。最初は、自転車などの軽工業であり、それが
小型バイクになり、一方で造船があり、鉄道車両があり、そして四輪車に至って世界
のトップランナーになっているわけです。ですが、同じ輸送用機器にしても、更に付
加価値の高い宇宙航空産業においては、十分な競争力がありません。

 原因としてはキャッシュ不足、長期計画のマネジメント能力不足、先端人材の不足
など色々あると思いますが、バイオにしても、製薬にしても、コンピュータ関連にし
ても、あるいは金融にしても、とにかく最先端に届かないという問題があります。

 そんな中で、例えばエレクトロニクス産業などが好例ですが、世界の消費者と対話
しつつ、新しいアイディアを提供してきたトップランナーの地位から堂々と降りてし
まっているという傾向もあります。エンドユーザー向けのメーカーでなく、部品産業
に後退したり、B2Bに逃避したりというのは、転進ではなく敗北であり、敗北を繰
り返せばやがて決定的な破綻に至るという危機感が少なすぎるのではないかと思うの
です。

 目に見えないソフト産業に弱いという欠点もあります。具体的には、現在の世界の
先端産業であるコンピュータ・ソフトウェアと金融に弱いというのは、文明的な問題
であると思います。その背景にあるのは、信用力と論理性に広がりがないという問題
ですが、そうした弱点を自覚して、教育を通じてそれを克服して行く努力が必要です。

 3番目は、低生産性という問題です。日本国内の「事務仕事」においては、原本重
視など文書管理の非効率、対面型コミュニケーションの過剰、儀式的な行動パターン
の過剰、管理職のスキル不足、など絶望的な「反生産性」とでも言うべきカルチャー
があります。

 この点については、少しずつ自覚がされるようになっていますが、改善のスピード
は余りにも遅いと言わざるを得ません。この問題ですが、見方を変えれば「巨大な日
本語による事務作業」という間接コスト自体が、日本経済全体の足を引っ張っている
という見方もできます。

 ただし、世界的には好業績となっている日本発の多国籍企業が、今でも非効率な日
本における「日本語の事務仕事」という間接部門を維持しているのは、それが従業員
共同体の核だということもあると思いますが、円安のためにその非効率なコストが圧
縮されるという面もあるように思われます。

 主としてこの3点、空洞化、産業構造の後退、非効率という3つの問題が複合的な
現象となって、その結果として「日本の多国籍企業の連結決算は、史上最高」である
のに「国内の経済はデフレから全く脱することができない」という極めて矛盾に満ち
た状況が現出されているのです。

 もっと言えば、こうした負の循環は1980年代から始まっていたという見方も可
能です。であるのならば、バブル崩壊はこうした3つの負の循環の結果であって、原
因ではないと言えますし、少子化もその結果に過ぎないとすれば、これもまたデフレ
の原因ではないという考え方もできるように思います。

 では、現時点でそのようなアベノミクス「第一の矢」は副作用が大きかったので失
敗であったのかというと、そこまでは言えないと思います。では「第三の矢」はどう
だったのかというと、ここで言う構造改革が空洞化、産業構造、効率性の3つの「負
の循環」に気がついていて、その是正を目指すものであればともかく、現状ではその
ような危機感は全く感じられません。

 そんな中で、仮に改めて「リーマン級」の大きな世界不況の谷がやってくれば、そ
れでも「異次元緩和」を継続していれば一気に「債券安、円安、ハイパーインフレ」
といった危機を招来する可能性があります。反対に、他国に比べて税率アップ余力が
あるとか、国債が国内消化可能という中で、緊縮をやれば短期的中期的には超円高に
振れてしまう危険もあるように思われます。

 現在の日本経済が大きく円高に振れてしまった場合ですが、現在の状況では輸入品
の価格が安定するといった「円高メリット」は限定的と思います。反対に、外国人に
依存した観光産業は低迷するでしょうし、そして「巨大な国内間接部門における日本
語事務仕事」がこの機会に徹底的にリストラされる可能性を感じます。

 そう考えると、短期的中期的には「異次元緩和」に関して、完全な出口戦略という
ものは実はなく、過度の円安にも、円高にも振れないように、ファインチューニング
をしながら、破綻を回避していくことになるのではと思います。

 こうしたアベノミクスの現状について、総裁選、あるいは2019年の参院選を見
据えた与野党の政局ということではどう考え方いいのでしょうか?

 安倍政権に関しては、そんなわけで「円安株高政策」については、黒田総裁の言う
ように微修正の時期であり、政治もそのような受け止めが必要と思います。一方で第
三の矢、つまり構造改革については、あまりセンスはないようです。シリコンバレー
にIT研究拠点を作ろうとしたり、観光業で「立国」と言う敗北主義に陥ったり、あ
るいは残業を減らすという「結果」が生産性だという転倒も含めて、野球選手にサッ
カーをさせているような稚拙さを感じます。

 では現時点で対抗馬とされている石破茂氏の場合はというと、地方創生が柱で、こ
れは第二の矢に対応する問題ですが、果たして「リターンの期待できる投資」を選別
するような政策になっているのかが不安です。直接的なリターンでなく、心理的な地
方活性化の結果として間接的にリターンが取れるのでも構いません。とにかく投じる
ことのできる国富に限りがある中では、リターンを計算しない投資をバラまく余裕は
ないわけで、その点が気がかりです。構造改革についてのセンスは、この方にも感じ
られませんが、話せば理解するかもしれないという感じはします。

 これに対して野党の側は、過去の失政を懲罰するかのような極端な小さな政府論で
あったり、反対に経済成長そのものに懐疑的であったり、現時点では議論がかみ合わ
ないわけです。そうした大きな流れの中で、典型的な消去法として現政権が継続する
のではないだろうか、というのがアメリカから見た「アベノミクス」の評価になると
思います。

 ちなみに、現在のアメリカの政権を担っているは、日本に対して「経済成長のため
の構造改革を迫るガイアツ」などということは全く関心のない人々です。他でもない
安倍政権には、そんな中で、自力で日本経済の3つの問題、つまり空洞化、産業構造、
非効率な事務仕事という3つの問題について改革への道筋をつけていただきたいと思
います。この点に関しては、既に5年が空費されたわけで、一刻の猶予もないのでは
ないでしょうか。

------------------------------------------------------------------
冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ消えたか〜オ
ーラをなくしたオバマの試練』『場違いな人〜「空気」と「目線」に悩まないコミュ
ニケーション』『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名
門大学の合格基準』『「反米」日本の正体』『トランプ大統領の衝撃』『民主党のア
メリカ 共和党のアメリカ』『予言するアメリカ 事件と映画にみる超大国の未来』
など多数。またNHK-BS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。

近著は『自動運転「戦場」ルポ : ウーバー、グーグル、日本勢 ── クルマの近未来』
(朝日新書)
http://mag.jmm.co.jp/39/13/309/148670


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/121.html#c2

[経世済民128] 4Kテレビで「4K放送」が見られない深刻問題 認知度は1割強、放送開始前でも誰も知らない(東洋経済) 赤かぶ
1. 2018年8月05日 20:07:50 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1123]

これも大分前から、知られていた問題


 


12月開始の4K放送、外付けチューナーさえあればいい?
2018年03月29日 12時00分更新
文● ハシモト/ASCII編集部


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ピクセラ「PIX-SMB400」
ピクセラ「PIX-SMB400」
 4月から既存のBS局の一部でチャンネル移動が行なわれるなど、12月1日に開始される4K/8K放送の準備が着々と進んでいる。

東芝の4Kチューナーのモックアップ
東芝の4Kチューナーのモックアップ
 受信環境についても、去る3月28日にピクセラが4Kチューナー「PIX-SMB400」を3万円未満で発売すると発表。東芝映像ソリューションも4Kチューナーの開発表明開発表明を行なっている。

 これらの製品はうたうのは、4Kチューナーを用意すれば今あるテレビで4K放送が(最低限)見られる、ということ。しかし、利用するテレビや受信設備によって見られる番組や画質が変わる。そのあたりをまとめてみた。

テレビ(ハイビジョン)も受信設備もそのままの場合
ハイビジョン画質でキー局の番組は見られる
新旧アンテナで対応する受信局
新旧アンテナで対応する受信局
 まず、家にあるのが4Kテレビではなくハイビジョンテレビ(2K)で、受信設備(アンテナやブースター、分配器など)も変更しない場合。

 理屈では、番組はハイビジョン画質で表示でき、受信できるのはBS朝日、BSジャパン、BS日テレ、NHK(4K)、BS-TBS、BSフジで、ショップチャンネル、QVC、映画エンタテインメントチャンネル、WOWOW、NHK(8K)などは見られない。

 つまり、何もしなくてもチューナーさえ接続すればキー局の4K番組はハイビジョン画質で見られるはずだ。

 ただし、チューナーの仕様などにより、アンテナを新しいもの(右旋、左旋対応)にしないと受信できない、という可能性は考えられる。

 このあたりの情報も製品の開発が進めば今後出てくるだろう。

4Kテレビをすでに持っている場合
4Kテレビの新しさによって4K、HDRで見られるかが変わる
東芝が2011年に発表した4K REGZA「55X3」。HDCP 2.2非対応なのでハイビジョン表示となる
東芝が2011年に発表した4K REGZA「55X3」。HDCP 2.2非対応なのでハイビジョン表示となる
 家にあるのが4Kテレビの場合は、当然4K画質で見られる……と思いきや、そうはいかない可能性がある。

 チューナーはHDMIで接続することになるが、テレビ側が著作権保護技術の「HDCP 2.2」に対応していなければ4K放送の映像は出力できない。

 初期の4Kテレビだと、このHDCP 2.2に対応していないものもあり、そのようなテレビではハイビジョン画質での表示となる。

 とはいえ、発売当初はHDCP 2.2に対応していなかった4Kテレビも、2014年6月に開始された4K試験放送がHDCP 2.2必須となった関係上、基板交換などで対応可能とするサービスを提供。

 結果的にHDCP 2.2非対応のテレビはごく一部であり、これまで発売されたほとんどの4KテレビはHDCP 2.2に対応している。

パナソニックの4Kテレビ(2017年モデル)は同社デジカメのHLG入力をサポートすることもあり、HDR表示に対応できそうだ

パナソニックの4Kテレビは2018年モデルでHLGに対応するほか、2017年モデルも同社デジカメのHLG入力をサポートすることもあり、HDR表示に対応できそうだ 東芝も4Kテレビ2017年モデル(一部を除く)でHLG入力のサポートを発表している
 また、4K/8K放送はHDRにも対応する。HDR(ハイダイナミックレンジ)は画面の輝度範囲を拡大する技術であり、対応テレビであればより階調の豊かな映像を楽しめるわけだが、現行のテレビではごく限られた製品のみの対応となる。

 HDR対応の4Kテレビは数年前から登場しているが、HDMIでの入力は「HDR 10」という方式に限られている場合がほとんど。

 しかし、放送で用いられるのは「HLG」というHDR方式。この方式でのHDMI入力をサポートするのは、2017年以降に発売された4Kテレビの一部になる模様。

 また、最近シェアを伸ばしている低価格4Kテレビは、そのほとんどがHDRそのものに対応していない。

 もちろん、HLGおよびHDR非対応テレビでも視聴は可能だが、どうしてもHDR画質で見たいという場合は新しいテレビの購入を検討した方がいいだろう。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/123.html#c1

[経世済民128] 4Kテレビで「4K放送」が見られない深刻問題 認知度は1割強、放送開始前でも誰も知らない(東洋経済) 赤かぶ
2. 2018年8月05日 20:11:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1124]
http://ascii.jp/elem/000/001/654/1654707/index-2.html
受信設備を新しくする場合
ハードルは高いがすべての放送を見られる
ピクセラの4Kチューナーの接続イメージ。アンテナ直結なら簡単
ピクセラの4Kチューナーの接続イメージ。アンテナ直結なら簡単っぽい
 4K放送を最大限楽しむ場合に大きなハードルとなりそうなのが、受信設備の刷新だ。ただし、これについても最低限アンテナとケーブルを用意すればいい。

 部屋の向き(適切な方角にアンテナを向けられるか)の問題があるが、ベランダなどにアンテナを設置し、ケーブルで4Kチューナーにつないでしまえば4K/8K放送をすべて受信できる。

 問題は建物の共有受信設備を4K/8K放送に対応させたいという場合で、ブースターから分配器、ケーブル、アンテナ端子までごっそり入れ替えなければならないケースもありそう。特に集合住宅などではなかなか難しいと思われる。

4Kチューナー機器の登場はこれからが本番
 このように、4K放送を最大限楽しむにはいくつかのハードルをクリアする必要があるが、逆にある程度妥協するなら意外と簡単に楽しめそう。

 ピクセラのPIX-SMB400はOSにAndroid 8.0を採用しており、手持ちの4Kテレビをスマートテレビとして利用できる。逆に考えれば、テレビをスマート化するついでの4K放送も受信できるデバイス、と考えてもお得感がありそうだ。

東芝映像ソリューションのチューナーは録画機能を搭載
東芝映像ソリューションのチューナーは録画機能を搭載
 一方、東芝映像ソリューションの4Kチューナーは外付けHDDへの番組録画をサポートするとしており、簡易4Kレコーダーとして使えて便利だろう。

 なお、どちらも8K放送の受信はできないとしているほか、4Kチューナーの発売は今秋以降となる。これは4K/8K放送から採用される新しい著作権保護システム「ACAS」のチップの市場投入が9月頃の予定であるため。

 おそらく秋よりも前に他社から製品が発売される可能性も少ないだろう。

 ただ、秋までにメーカー各社から4K/8Kチューナー内蔵テレビやレコーダーが発表されると思われ、この秋冬は製品ラッシュとなる可能性が高い。これからどんな製品が出てくるのか注視したい。

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テレビに接続するだけ 新4K衛星放送受信用の外付チューナー
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/123.html#c2

[経世済民128] 私がこの10年で目の当たりにした、中国が世界中で欧州と日本を席捲していく様(Business Journal ) 赤かぶ
1. 2018年8月06日 07:57:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1125]

#普通に考えれば、武者の予想は外れ、中国の覇権の拡大は続くだろうが

絶対ということはありえない

 

ドル高で米国の覇権が復活する!トランプノミクスでも景気後退は起こらない

2018年8月6日(月)
森 永輔

2月初旬を底にドル高が進行している。エコノミストの武者陵司氏はこのドル高が米国に覇権の復活をもたらすと指摘する。果たしてドルはどこまで高くなるのか、そして、ドル高はいつまで続くのか。

(聞き手 森 永輔)


トランプノミクスの政策はレーガン大統領の経済・財政政策と同じ(写真:Fujifotos/アフロ)
武者さんが1年前に予想していた通り、ドル高が定着してきました。ドル指数は2月初旬を境にして、上がり続けています。8月1日時点の実効為替レートは94.35。

武者:そうですね。ドナルド・トランプ米大統領が就任して以降、ドルは下がる傾向にありました。しかし、私はこれをテクニカルな調整局面だと思い、長く続くことはないと考えていました。


武者陵司(むしゃ・りょうじ)
武者リサーチ代表。ドイツ証券とドイツ銀行でアドバイザーを務める。 1949年生まれ。1973年、横浜国立大学経済学部を卒業し、大和証券に入社。大和総研を経て、1997年にドイツ証券に入社。2005年に副会長に就任。2009年、武者リサーチを設立。(写真:菊池くらげ 以下同)
 ドル安基調に入ると主張する人たちは大きく二つのグループがあります。第1は景気循環を重視するグループ。これまでのドルの実質実効為替レートの動きをみると、10年のドル安、6年のドル高というサイクルを繰り返してきました。このグループの人たちは、2011年以降ドル高が続いている点に目を向け、「そろそろリセッションが近づいてきた。ドル安に向かう」と考えたのです。しかし、米経済のファンダメンタルズをみれば、米景気はさらに強くなっています。

7月27日の発表では、米国の4〜6月期のGDP(国内総生産)成長率は年率換算で4.1%を記録しました。これは2014年7〜9月期以来の高い数字です。

ドル高はトランプノミクスがもたらす必然
武者:そうですね。もう一つのグループはトランプ政権の政策から米経済をみるグループです。彼らは、トランプ政権は貿易赤字を減らすため、輸出に有利なドル安を指向するとみていました。

 しかし現実には米企業は海外市場で価格競争をしていません。なので、輸出振興のためにドル安を誘導する必要はないのです。

 2月以降にドル高が進んでいるのは、米国経済の腰が実は強いこと、トランプ政権の政策が実はドル高を促すものであることに市場が気付いたからでしょう。

 米経済が好調であればドル高につながります。経常収支の赤字が縮小し、国際金融市場に供給されるドルが減るからです。

 トランプ政権は財政の拡大を指向しています。その一方でFRB(米連邦準備制度理事会)は金利を引き締めている。よって、金利は必然的に上昇します。そして、諸外国との金利差の拡大がドル高を誘発する。同様のポリシーミックスを取ったレーガン政権時代にもドル高が進みました。

 さらに、トランプ政権は貿易戦争を本気で始めました。これに勝つためにはドル高が有利です。“敵”を追い詰めるためにはドル決済の道を断ち、ドルを供給しないのが最も有効ですから。これまでのイランへの制裁を振り返れば明らかでしょう。ドルは「有事のドル」どころか「真の決済通貨」なのです。 対中貿易戦争が展開する中で、米国がドル供給を断つと示唆すれば、中国のお金持ちはみなドル買いに走るでしょう。金よりも円よりもユーロよりも、やはりドルです。

ドル高でも米国から買うしかない
武者さんは、ドル高をてこに米国が帝国としての覇権を強めていくと主張されています。ドル高と米国の覇権にどういうつながりがあるのですか。

武者:私は、トランプ大統領を帝国主義者とみています。孤立主義者、保護主義者、差別主義者――はどれも当たりません。「Make America Great Again」が意味するのは、覇権国である米国をこれまで以上に強くするということです。軍事力の拡張を宣言し世界のヘゲモニーを握ろうとしているのは明らか。


 そして、中国が力をつけ続け、米国と並ぶ覇権国になること決して許しません。「中国をいかに封じ込めるか」を最優先課題にしています。それは、今まさに進んでいる貿易戦争と中国製造2025潰しをみれば明らかでしょう。

 米国が中国の台頭を抑え、世界の警察官として国際秩序を再構築するためには、それを支える財政基盤と経済基盤が欠かせません。これを支えるのがドル高なのです。ドル高になれば、海外の産品を安く買うことができます。米国は必要な産品の80〜90%を輸入で賄っているので、これは重要です。進んだ技術を持つ企業をM&Aすることも容易になります。これにより、さらに産業競争力を高めることができる。

ドル高は輸出にマイナスになるので、米国の力を削ぐという見方もあります。

武者:確かにそうです。しかし、今の米国には当てはまりません。輸出に当たってほとんど価格競争をしていないからです。例えば航空機は米ボーイングと欧州エアバスの独壇場です。アップルのiPhoneが持つブランド力にとって代わる存在もありません。軍事装備品も同様です。ドル高になり、それぞれの現地通貨建ての価格が上昇しても、米国から買うしかない。

 したがって、ドル高は米国の覇権、それを支える経済基盤を強化するのにプラスの面が多く、マイナス面はほとんどないのです。

ドル高はこれから20年続く
トランプ政権はドル高を誘導する政策を進めているものの、肝心のトランプ大統領が7月20日、ドル高への不満をツイッターに投稿しました。「中国、欧州や他の国々は通貨を操作し、金利を低くしている。その間、米国は金利を上げ、ドルは日に日に強くなり、我々の偉大な競争力を奪う」と。この矛盾をどう見ていますか。

武者:トランプ大統領には為替に対する定見がないのでしょう。ドル高とドル安のどちらが適切なのか、専門家に聞いて回っているとの話が漏れ伝わっています。

 その一方で、トランプ政権の経済政策を支えるスタッフはドル高を指向しています。ピーター・ナバロ大統領補佐官は中国との覇権争いに注目しており、これに勝つためにはドル高が必要であると主張しています。ドルが強くなれば、世界経済における米国のプレゼンスが高まります。世界のGDPに占める米国の割合が大きくなる。中国との交易条件も米国に有利に変わります。

ドル高はいつでも続くとみていますか。

武者:これから20年は続くでしょう。

え、20年ですか。

武者:長期的にみると米国は、40年にわたってドル安を容認してきました。ニクソンショックによって金との兌換を停止して以来です。これは覇権国であることを自己否定する行い。世界経済におけるプレゼンスは低下するし、米軍の世界展開にかかる軍事費を賄うのにもマイナスの影響をもたらします。これと同じだけの期間、ドル高が続いてもおかしくありません。

どこまで上がるでしょう。


武者:対円ではそれほど高くはならないでしょう。1ドル=130〜140円くらいでしょうか。日本企業も海外事業をさらに広げ、経常黒字を拡大させるからです。

 一方、元に対しては1ドル=10元くらいまでいくのではないでしょうか。

今は1ドル=6.8元ですから5割近いドル高ですね。

武者:ええ、人民元は劇的に弱くなります。

 理由は二つ。一つは、貿易黒字が強い勢いで減っているからです。2015年をピークに年率で20%程度ずつ減少しています。その理由の一つは人件費の上昇。今では中国はアジア新興国で最も賃金の高い国になっています。これが輸出競争力を押し下げている。

製造2025はいずれ破綻する
 もう一つは、輸入の増大です。国内経済を引っ張るドライバーが変わってきました。数年前までは国内投資――インフラと住宅、不動産――でした。いずれも鉄とセメントと人件費の塊です。国内景気を刺激する要素ですね。しかし、これらの投資はいずれも過剰状態になってしまった。

 そこで中国が始めたのが産業構造をハイテクにシフトさせるための投資です。これを実現するためには、必要な機械や素材を輸入しなければなりません。

武者:そしてハイテクにシフトさせるための投資の波及効果は中国国内に還流せず、海外に流出してしまうのです。中国国内では作れないですから。

 こうした背景から、貿易収支の悪化は避けられません。貿易黒字はあと数年でほぼゼロに至るでしょう。

 加えて中国は多額のサービス赤字を抱えています。貿易黒字が減少すれば、経常赤字に転落するのは避けられません。あと3年といったところでしょうか。

サービス赤字の根源は何ですか。

武者:いま、中国人が猛烈な勢いで海外旅行に出ていますよね。

なるほど。だとすると、中国が進める「製造2025」はもろ刃の剣になりますね。輸入を拡大させる根源ですから。

武者:私は、この政策がいずれ破局を迎えると考えています。

 経常赤字が続けば外貨準備高が減少し、人民元への懸念が再び浮上します。これが元安を生み、元流出の圧力が高まる。

 中国政府はこれに対応すべく、資本規制を発動するとともに、金融引き締めに舵を切る。すると、今度はそれが不動産バブルの崩壊を促すのです。これを回避するためには、金融を引き締めつつ財政政策をぼんぼん打たざるを得ない。このような政策はいずれ破綻します。

 国内的には問題を鎮圧できるかもしれません。統制国家ですから、元を無尽蔵に刷り増し、企業の会計情報も改ざんして、問題が表ざたになるのを防ぐ。しかし、海外に対してそうした措置は通用しません。問題があきらかになれば、海外企業は資金を回収する動きに出るでしょう。中国経済は海外からの投資によって成長してきました。このドライバーを失うことになるのです。

米国企業が生み出すイノベーション
トランプ政権が米国の覇権を確かなものにするためドル高を進める決断をしたとして、果たしてそれを実現できるものなのでしょうか。


武者:米国にその能力があるのか、ということですね。私はあると考えています。インターネットの時代に入り、米国企業が世界最大のイノベーションを生み出しているからです。プラットフォーマーは、中国を除けば、米国企業が独占しています。グーグルしかり、フェイスブックしかり、です。

 米国の経常収支をみると、サービスと一時所得収支の黒字が2000年代半ばから拡大しています。これは、まさしく、インターネットプラットフォーマーが海外における事業を拡大したこと、知的財産権の販売を拡大したことを示しています。米国企業が海外で稼いだ約3兆ドルの資金を米国に還流させることなく積み上げているのはこの証左です。

 40年にわたるドル安は、企業競争力の低下と、それに伴う経常収支の赤字、それが導くドル供給の増大が原因でした。米国の経常赤字は拡大を続け、2006年には8000憶ドル、GDP比5.7%に達しました。この流れが今は逆転しています。

新たな産業革命がトランプノミクスを支える
トランプノミクスが米国経済を弱らせるとの見方があります。トランプ政権が進める積極財政と減税が国債の発行を増やし、金利を上昇させる。これが、企業活動の負担となり、米国の景気を冷やす、というシナリオです。そうなれば、ドル高と米国の覇権の復活は遠のく。この見方に対してはどう考えますか。

武者:通常の場合ならば、確かにそうでしょう。しかし、今は通常の時ではありません。

 景気が良いのに物価が上がらない。失業率は低下しているのに賃金は上がらない。金利も上がらない。2005年にFRBのグリーンスパン議長が「コナンドラム(謎)」と呼んだのと同じ現象が起きているのです。

 これは、新たな産業革命が起きているからです。インターネットの時代になり、供給力に天井がなくなりました。大きな投資をしなくても、企業は供給力を拡大することができるようになった。なので、インフレが起こる前に供給力を上げることができるのです。

IT(情報通信)の世界が分かりやすいですね。音楽レーベルは楽曲のファイルをコピーするだけで新たな製品を製造することができます。製造コストはほぼゼロ。スマートフォン用のアプリを開発しているメーカーもほぼコストゼロで新たなソフトをコピーし、ダウンロードに供することができます。

武者:そうです。言い換えれば、サービスを投入するにあたって、投入する資源がほとんど必要なくなったのです。だから物価も金利も上がらない。この状況にある限り、トランプ政権が進めるドル高政策が米国経済を傷つけることはないと考えます。

武者さんが指摘される新たな産業革命の担い手は、グーグルやアップルをはじめとするIT大手ですね。いま、これらの企業に対する圧力が高まっています。フェイクニュースへの対応をめぐってフェイスブックは逆風にさらされている。グーグルも7月、OS「Android」の支配的地位を乱用しているとしてEU(欧州連合)から43億超ユーロの制裁金を科されました。こうした逆風がさらに強くなり、新たな産業革命がとん挫、ドル高をてこにした米国の覇権強化の足を引っ張ることはありませんか。

武者:そこは読めないところです。ただし、いくらペナルティーを科しても、例えばグーグルに代わるプレーヤーがほかにあるでしょうか。とって代わるのは難しい気がします。そうだとすると、サイバー世界における支配力を米国企業が高めこそすれ、低下させることはないのではないでしょうか。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/128.html#c1

[経世済民128] 中小企業の深刻な人手不足が示す、日本経済の「現時点」 景気回復。このチャンスをどう生かすか ドクターZ(週刊現代) 赤かぶ
5. 2018年8月06日 08:09:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1126]

デフレ時代は労働者は厳しい選別を受け、ブラック労働に対して、政府もメディアも無策だった


景気が回復し、低賃金のブラック労働に依存する企業が淘汰されることになるが

労働環境の向上を優先するのは当然のことであって

非効率なゾンビ企業の延命を続けても有害無益

需要のあるビジネスは、値上げして、労働者を呼び込めるし

伝統のある文化的な意義のあるビジネス(趣味企業)にも、物好きなボランティア経営者や労働者がでてくるし

稀に行政のサポートもある


いずれにせよ、なるようになる

民主主義社会では、全体の国民の生活水準が、維持されることが、普通に考えれば優先だろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/125.html#c5

[国際23] 「南シナ海の主役は中国」と中国外相が主張!   赤かぶ
2. 2018年8月06日 08:22:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1127]

実質的には、太平洋の覇権は中国が取るという宣言には違いないが

文脈的には、われわれ=ASEANと中国 が、米国の干渉を排除するという論理だろう

https://www.asahi.com/ 
王毅外相、米を牽制 南シナ海「主役は私たち」
2018年8月5日05時00分

中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は4日、ASEANの一連の外相会議が開かれたシンガポールで記者会見し、中国が一部のASEAN加盟国と領有権を争う南シナ海の問題について、「一昨年、昨年に続き、あれこれと口出ししてくる域外国家のせいで、地域の平穏が乱されないか心配だ」と述べ、この問題で中国を批判すログイン前の続きる米国を強く牽制(けんせい)した。

 米国も参加した外相会議後に会見した王氏は「主に米国が南シナ海に脅威をもたらしている」と批判。中国は南シナ海の軍事拠点化を進めているが、王氏は「中国とASEANは南シナ海問題の平和的解決に向けて成果を出している。地域の主役は私たちだ」と、厳しい口調で語った。

 また、米中貿易摩擦で報復関税の応酬が続いていることについては、「中国人民の利益のため、必要かつ正当な反応だ」と述べた。王氏は4日朝、記者団に、「米国が貿易戦争を仕掛けてくるなら、中国は断固として反撃する」とも語り、対抗姿勢を明確にした。(シンガポール=宮嶋加菜子)


https://mainichi.jp/articles/20180805/k00/00m/030/061000c
「米、南シナ海で脅威」 「自衛」を強調
毎日新聞2018年8月4日 21時26分(最終更新 8月4日 21時26分)
 
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 【シンガポール河津啓介】中国の王毅国務委員(副首相級)兼外相は4日、シンガポールで記者会見し、米国が「南シナ海において、中国を含む地域の各国に安全保障上の脅威を与えている」と非難した。米国が日豪などと連携する「インド太平洋戦略」にも対抗心をにじませた。米中の貿易戦争が深刻さを増す中、安全保障戦略でも両国間で摩擦が強まっていることが鮮明になった。

 王氏とポンペオ米国務長官は共に、4日までシンガポールであった東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議に出席。ポンペオ氏は4日の会見で、中国による南シナ海の軍事拠点化に改めて懸念を表明していた。

 王氏は「米国は、大規模な戦略的武器によって(南シナ海の)軍事化を推進する最大の国だ」と反論。「中国を含む国々は自衛権がある。防御的な設備に『軍事化』のレッテルを貼っている」と自国の行為を正当化した。

 中国は対米関係の悪化に対応する形で、日本を含む周辺国との関係を再構築中だ。王氏は4日のASEANと日中韓の外相会議が「非常に友好的であり、南シナ海問題も出なかった」と主張した。

 その後、米国も加わった東アジアサミット(EAS)の外相会議では、米国を念頭に「域外国が口出しした。自分だけが審判をくだせるという態度を改めるべきだ」と指摘。「インド太平洋戦略」を巡って、ポンペオ氏が7月に1億1300万ドル(約125億円)投資すると発表したことについて「金額の桁を聞き間違えたかと思った。米国は超大国。10倍ぐらい出せるのでは」と皮肉った。

 

https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2018/08/217993.php
ASEANと中国、南シナ海「行動規範」へ文書作成に合意
2018年08月03日(金)09時00分

 
 8月2日、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は、南シナ海における紛争の平和的解決のための「行動規範」策定に向け、外相会議で交渉の土台となる文書の取りまとめに合意した。シンガポールのASEAN外相会議で撮影(2018年 ロイター/Edgar Su)

[シンガポール 2日 ロイター] - 東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は、南シナ海における紛争の平和的解決のための「行動規範」策定に向け、外相会議で交渉の土台となる文書の取りまとめに合意した。

ASEANの一部加盟国と中国が南シナ海の島しょについて、ともに領有権を主張して対立していることから、紛争の激化を防ぐための協定を目指す話し合いが何年も続いている。

同会議を開催したシンガポールのバラクリシュナン外相は「行動規範作りにつながる新たな節目を発表できるのは喜ばしい」と述べ、今回の文書は交渉のたたき台として役立つとの見方を示した。

中国の王毅外相も、文書取りまとめを「朗報で、偉大な前進だ」とたたえた。

ただ行動規範の策定交渉を関係者の合意形成によって進めるやり方に関しては、最終決着までまだ長い時間がかかる上、中国が南シナ海で行っている人工島建設への監視姿勢が緩み、同国に有利に働くとの批判も出ている。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/609.html#c2

[国際23] 「南シナ海の主役は中国」と中国外相が主張!   赤かぶ
3. 2018年8月06日 08:25:23 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1128]

トランプの米国では、ASEAN諸国も信頼できないのだから、中国の覇権を受け入れざる得ないのも、当然の動きと言える

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/609.html#c3
[国際23] 「南シナ海の主役は中国」と中国外相が主張!   赤かぶ
5. 2018年8月06日 08:33:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1129]

>用心棒代を航行する船舶は「海の用心棒代」として、「航行料を出せ」と要求するのではないか

米国の太平洋覇権が縮小して、頼りにならなくなり

今後も、日本が自力で重要な航路のシーレーン防衛ができなければ

軍事拠点と制空権を確立し、海軍力も増強が続く中国に、何らかの形で通行料や用心棒代を請求されることになるのは確実だろう


ただし、今後も、順調に米国の衰退と中国の拡大が続けばのことだから

まだ暫く先の話だ



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/609.html#c5

[国際23] 「地政学的変化の中での日露2プラス2」(Suptnik日本) 無段活用
1. 2018年8月06日 08:41:42 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1130]

#利益を段階的に確定していかないと、また食い逃げになってしまうので、注意が必要

ただし、それも別にロシアに限った話ではないのは、治安の問題でも同じ

 


「許されざる取材」の記者3人、ロシアに消されたか プーチン帝国の謀略(4)
2018.8.6(月) 黒井 文太郎
ロシア連邦保安局、宇宙開発機関を強制捜査 職員が欧米に情報漏えいか
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(2018年7月20日撮影)。(c)AFP PHOTO / Sputnik / Alexey NIKOLSKY〔AFPBB News〕

 7月30日、中央アフリカ共和国で取材中だったロシア人ジャーナリスト3人が、車両で移動中に待ち伏せ攻撃を受け、殺害された。

 3人はベテランのフリー記者であるオルハン・ジェマリを中心とする取材チームで、反プーチン派の元実業家であるミハイル・ホドルコフスキーが創設した調査機関「調査管理センター」(ICC)の依頼で取材活動をしていた。

 ジェマリらがそのとき追っていたのは、ロシアの民間軍事会社「ワグナー・グループ」である。ロシアは今年(2018年)2月、中央アフリカ共和国の国軍の軍事顧問や大統領警備要員など180人を派遣しているが、それに関連して、ワグナー・グループも投入された疑惑が浮上していた。3人はその実態を探るために中央アフリカ共和国に入っていた。

 襲撃犯は約10人の武装グループだったが、その正体はまだ不明だ。プーチン政権の宣伝機関に等しいロシアのメディア各社は、強盗説や地元ゲリラ説を盛んに流している。だが、殺害の動機が最も高いのは、当然、取材対象のワグナー・グループもしくは、その動きを察知されたくないロシア軍当局だろう。

ロシア軍のダミーとして設立された傭兵部隊
 もっとも、ワグナー・グループとロシア軍は、一体化した関係にある。ワグナー・グループは、形式上は独立した民間軍事会社だが、その実態は、ロシア軍の情報部門である軍参謀本部情報総局(GRU)が海外で運用する「傭兵部隊」だ。欧米系の他の民間軍事会社のように独自にクライアント企業と契約して活動することはなく、もっぱらGRUの手配で、ロシア軍の東ウクライナやシリアなど海外での作戦の一部を代行している。ただし、その要員はロシア軍の正規兵の偽装ではなく、主にロシアの貧しい地方などで募集された民間の雇い兵が主力となっている。

アフリカでロシア人記者3人殺害される、ロ民間軍事会社を調査中
ロシア首都モスクワで花を手向けられた、(右から)オルハン・ジェマリ氏、アレクサンドル・ラストルグエフ氏、キリル・ラドチェンコ氏の遺影。Sputnik提供(2018年8月1日撮影)。(c)Evgenya Novozhenina / Sputnik〔AFPBB News〕

 ワグナー・グループは、設立が2014年という比較的新しい会社だが、その前身組織は前年の2013年に設立された「スラボニッチ軍団」という組織だった。この組織は、もともとロシアの総合警備会社「モラン・セキュリティ・グループ」が母体となり、戦時下のシリアで活動するために創設された。

 当時、ロシアはシリアのアサド独裁政権を政治的に強力に支援してはいたが、まだ直接の軍事介入をしていなかった。そのため、軍事的な直接支援をロシア軍がそのままするわけにはいかず、ダミーが必要とされたのだ。

 翌2014年、シリアで活動するさらに本格的な傭兵会社として、スラボニッチ軍団を拡大するかたちで、ワグナー・グループは設立された。

 ワグナー・グループは、同年に勃発したウクライナ紛争にも投入されている。ウクライナでも表向きは、ロシア正規軍が活動していないことになっていたため、こうした部隊がウクライナ介入には必要だったのだろう。

 その後、ロシアは2015年9月からシリアに直接、軍事介入するが、ワグナー・グループはそのままシリア各地に投入された。ロシア正規軍は航空機による無差別空爆などを主に行っていたが、ワグナー・グループは、アサド政権軍とともに地上戦を担当した。もちろんシリア駐留ロシア軍司令部のGRU出先機関の指揮下にある。

 2018年2月7日、このワグナー・グループが主導するロシア=アサド政権合同軍が、米軍が支援するクルド人部隊を襲撃し、米軍の空爆によりワグナー・グループのロシア人兵士が数十人以上戦死(300人という情報も)するという事件があった。ワグナー・グループの存在が国際メディアに大きく注目されるようになったのは、この事件がきっかけである。

オーナー、プリゴジンとクレムリンの関係
 こうしてGRUの別動隊として海外で活動するワグナー・グループだが、その指揮官は、元GRU特殊部隊中佐のドミトリー・ウトキンという人物である。彼はGRUを辞めてから、エフゲニー・プリゴジンという起業家の護衛を務めていた。彼はそのままプリゴジンの側近となっており、このワグナー・グループの設立・運用資金もプリゴジンが出している。つまり、ワグナー・グループのオーナーが、プリゴジンである。

 プリゴジンは単なる出資者ではない。たとえば、前述した2018年2月のシリアで米軍との戦闘時には、プリゴジンがその件に関して、ワグナー・グループ本部および、クレムリンと頻繁に連絡していたことが分かっている。つまり、紛争現場でワグナー・グループは現地のGRUの指揮下にあるが、オーナーのプリゴジンも直接、クレムリンの指示を受けているのだ。

 このプリゴジンとクレムリンの関係は、きわめて特殊な関係だ。プリゴジンはもともと食品関係の企業経営者だが、プーチン大統領と個人的に非常に近い。むしろプーチン大統領との個人的な人間関係を元に、軍や公共施設への食料供給などで財を成し、富豪に成りあがっている。

 いわばプーチン側近の「政商」といっていい人物だが、彼は単にそうした利権だけでプーチン政権と繋がっているのではない。ロシア情報機関の非公然活動に深く関与している。

 例えば、ロシアが2016年の米大統領選に介入したことが大きな問題になっているが、その中で、SNSなどでフェイク・ニュースを拡散するなどしてアメリカの世論誘導を行っていたサンクトペテルブルクの民間企業「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」は、プリゴジンの会社だ。表向きは民間企業だが、その活動は当然、ロシア情報機関の非公然活動の一部である。つまり、プリゴジンはクレムリンの政商であると同時に、ロシア情報機関のダミー活動も担っているのだ。

 このIRA社もワグナー・グループも、タテマエとしては民間企業だが、その実態はロシア情報機関の一部である。というより、ロシア情報機関が表向きのダミー企業を必要とする際に、プーチン側近のプリゴジンが協力するという関係なのだろう。

 もっとも、プリゴジンはプーチン個人に直結する側近だから、彼の活動は逐一、プーチンに報告され、その指示を受けているはずだ。逆に言えば、彼はプーチンの海外での謀略の代理人ということになる。もちろんロシア情報機関の配下という立場よりは上だろう。資金面も、プリゴジンが持ち出すというよりは、むしろロシア情報機関の活動資金がプリゴジンに入る仕組みになっていると思われる。

 むろん利権の獲得もあるはずである。例えば、プリゴジンはシリアにおいて、ロシア軍およびワグナー・グループの支援でアサド政権がISから奪還した東部の油田地帯の利権を手中にしたとも報じられている。

 なお、今年2月16日、米大統領選で不正な介入をしたとして、プリゴジン本人とその部下の計13人、およびIRA社を含むプリゴジン所有の企業3社が、アメリカの大陪審で起訴されている。プリゴジンの個人的経歴や、IRA社の選挙介入の詳細については、拙稿「FB記事3517本で米大統領選を操作したロシア組織」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53083)を参照されたい。

ワグナー・グループに近づく者は消される?
 ワグナー・グループは、こうしたいわくつきの傭兵集団である。その活動の実態が暴かれることは、ロシア情報機関の非公然活動が暴かれるということになる。汚い手法が暴かれれば、もちろんそれを命じた側であるプーチン政権の失点になる。

 また、オーナーであるプリゴジンの活動の実態が暴かれることは、下手をすればプーチン個人の汚職の暴露にも繋がりかねない。ワグナー・グループとプリゴジンは、ロシアではいわばアンタッチャブルな存在なのだ。

 だからこそ、今回、プーチン政権と敵対する富豪のホドルコフスキーが、その実態の調査にベテランのジャーナリストを雇い、わざわざ中央アフリカ共和国まで派遣したわけだが、それがどれだけ危険なミッションかは言うまでもない。ロシアの場合、プーチン政権に批判的なジャーナリストや活動家の暗殺は日常茶飯事だが、今回は相手が武装集団で、しかも法の秩序がほとんどないような中部アフリカの紛争国である。前述したように犯人はいまだ不明だが、「消された」可能性がきわめて高いと言っていいだろう。

 ちなみに、ワグナー・グループを調べていた記者が変死した事件は、これ以外にもロシア国内で数か月前に起きている。今年4月12日、ウラル地方スベルドロフスク州のエカテリンブルクでのマクシム・ボロジンの転落死事件だ。

 ボロジンは独立系ニュースサイト「ノービ・デン」の記者だったが、その日、アパート5階にある自室から転落し、3日後に病院で死亡した。転落した経緯は明らかではないが、遺書などは残されておらず、勤務先も「自殺の理由はない」と明言している。また、友人の一人は、転落死前日の午前5時にボロジンから電話を受けており、「バルコニーに銃を持った男がいて、階段にはマスクを被った迷彩服姿の男たちがいる」との話を聞いている。

 ボロジンは当時、ワグナー・グループについて記事を書いたばかりだった。前述した2月7日のシリアでの戦闘について取材し、死亡したロシア人傭兵のうちの3人が、スベルドロフスク州出身だったとスクープしたのだ。

 ボロジンがワグナー・グループ関係者、もしくはプーチン政権当局に暗殺されたとの証拠も、今のところない。しかし、ワグナー・グループに迫ろうとする人間は誰であれ、命を狙われることを覚悟しなければならないだろう。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/602.html#c1

[国際23] 北朝鮮がトランプ政権を非難「古いものに戻ろうと」〜朝鮮戦争の終戦宣言にも応じないとして/テレ朝 news 仁王像
4. 2018年8月06日 09:00:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1131]

いずれにせよ、現状では北の圧倒的な政治的勝利だな

米国からの攻撃をかわすことに成功し、

ICBMの実現も、ほぼ確実


困るのは、平和ボケした日本くらいか

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/606.html#c4

[政治・選挙・NHK248] 北朝鮮の核脅威しか書かない読売、産経の原爆の日の社説  天木直人  赤かぶ
1. 2018年8月06日 09:09:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1132]

国内に不満をもつ大衆を抱えた主権国家間では

深刻な武力紛争や暴力を抑止するには、

経済・人的交流の強化では不十分で、何らかの強力な恐怖が必要であり

その象徴が核というのが

愚かな人類の悲しい現実ということだろう


国家をもたないテロ集団は、核を恐れないから、対テロ戦争では、全く意味はないが

最近は、米国の圧倒的な軍事覇権が終わりを迎え

再び、国家間の緊張が高まってきたから、

まだまだ核の出番はなくならないということだ



http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/729.html#c1

[政治・選挙・NHK248] 北朝鮮の核脅威しか書かない読売、産経の原爆の日の社説  天木直人  赤かぶ
2. 2018年8月06日 09:26:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1133]

>「『反核平和』の名の下に、左翼政治色の強い運動が繰り広げられてきた。だが、思考停止や政治運動は国民の安全をもたらさない」と。
> かれらこそ、米国の核の傘に守ってもらっていると信じる対米従属の思考停止者たち

つまり

どっちもどっち

米国は、衰退しつつあるとは言え、まだまだ強大な覇権国であり

特に日本は、大きく経済的にも軍事的にも依存している

中国に従属しつつあるASEANと似たようなものだ

うさぎが、自分の実力も知らずに、建前論でライオンたち(米中露)を批判し、

さらには攻撃したらどうなるかは、前の大戦に限らず、

ウクライナやベネズエラ、チベットなど多くの実例がある

面子を守る前に、まず、国民の生存権(安全保障、生活水準)を確保することが

最低限の政治の役割であり、とにかくリスク回避が第一だと多数の国民が思っている間は

現実を無視した理想論を語る野党ではなく

何の主義も節操もない自民党が、日本の政治を主導していく可能性は高い



http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/729.html#c2

[経世済民128] 私がこの10年で目の当たりにした、中国が世界中で欧州と日本を席捲していく様(Business Journal ) 赤かぶ
2. 2018年8月06日 10:43:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1134]

#既に、中国の動向を無視しては、軍事、経済、環境など、あらゆる問題は解決できない状況になっている


 

トップニュース2018年8月5日 / 09:08 / 2時間前更新


焦点:ティッシュやトレパ値上がりに拍車か、パルプ問題の深層

Richa Naidu and Martinne Geller
3 分で読む

[シカゴ/ロンドン 31日 ロイター] - エスカレートする貿易戦争では、トイレットペーパーやティッシュまで槍玉に挙がっているが、品薄のリスクがあるのはプロクター&ギャンブル(P&G)(PG.N)の「チャーミン」など米国製品にとどまらない。

関税による価格上昇は、消費者向け製品を扱うメーカーにとって泣き面に蜂だ。ティッシュやおむつ、生理用品の主原料となるパルプのコストが上昇し、ただでさえ利益が圧迫されているためだ。

トイレットペーパーの「チャーミン」、ペーパータオルの「バウンティ」や「パフス」ティッシュを手掛ける米日用品大手P&Gは、これら3ブランドについて、平均5%の値上げを小売各社に通告したと31日に発表。同社は、おむつの「パンパース」についても、北米市場で平均4%の値上げを進めつつあると述べている。

米日用品大手キンバリー・クラーク(KMB.N)は、直近の四半期に「クリネックス」などティッシュ製品の価格を世界各国で2%引き上げる一方で、通年での予想利益を引き下げた。

ウッドチップや古紙を使って製造されるパルプは、ティッシュ製品の多くにとって唯一の原料であり、大半のおむつや生理用品でも部分的に使用されている。ユーカリ1本分のパルプからは、実に1000ロールのトイレットペーパーが製造できる。

ティッシュやトイレットペーパーの材料となる広葉樹パルプ価格は、2016年後半以来、約6割上昇していると、各国税関データに基づいて価格を追跡調査する紙パルプ製品評議会は指摘。おむつや生理用品に使われる針葉樹パルプ価格も同時期に21%上昇した。

「各社は製品価格を引上げざるを得ない。針葉樹パルプで21%、広葉樹パルプで60%も多く払うのであれば、誰かに転嫁しないことには事業存続は不可能だ」。同評議会のシニア・アナリスト、アルノー・フランコ氏はそう語る。

国際的パルプ不足の核心にあるのは、世界最大のパルプ消費国であり、しかも需要が最も急速に拡大している中国だ。

2016年には中国の景気減速により、パルプ価格は過去最低の水準にまで落ち込んだ。しかし翌年、中国経済が好転すると広葉樹、針葉樹パルプともに需要が増大。いくつかの大規模パルプ生産工場が予定外の閉鎖となったこともあって、市場は需要に応えきれなくなった。

さらに、中国は世界廃棄物の主要リサイク業者役を降りようとしており、2018年上半期における中国の古紙輸入量は、前年同期比52%減の710万トンにとどまった。中国による未分別古紙の輸入禁止措置が昨年末発動したことで、中国は包装に用いられる回収パルプを突如として大量に必要するようになったのである。

貿易摩擦が状況を一層複雑にしている。カナダは今年に入り、米国との貿易紛争の一環として、米国製ティッシュ、トイレットペーパー、ペーパータオルなど5億7500万ドル相当に関税をかけた。

中国からの輸入品2000億ドル相当に対して米国がさらに関税をかけるとの脅しを続けるならば、中国も報復関税で対抗する可能性が出てくる、と業界幹部らは懸念している。

もし中国がそのような対応を取り、同金額の米国製品に報復関税をかけるならば、約24億ドル相当に上る米国の中国向け紙パルプ製品 も対象になると、全米林産物製紙協会で国際貿易担当シニア・ディレクターを務めるジェイク・ハンデルスマン氏は予想する。


「われわれの産業にとって、中国は非常に重要な市場だ」とハンデルスマン氏。「これはとうてい歓迎できないニュースだ」

Slideshow (2 Images)
<波及効果>

パルプは、ペーパータオルなどの消費者向け製品の主原料というだけでなく、それを材料として作られる梱包材料は、多くの企業が使っている。紙製品の生産出荷コストが増大する中で、消費者は、ティッシュや生理用品など日用品の支出負担が増大するリスクに直面する。

ニールセンのデータを投資運用会社バーンスタインが分析したところ、今年すでに、米国消費者のあいだではこれらの製品に対する支出が増大しているという。

結局のところ、消費者が支払う価格は、幅広い製品の価格バランスを決める小売業者次第となる。そのため、メーカーが転嫁したコストがそのまま価格に反映されるとは限らない。例えば、小売業者はおむつの値上げを防ぐためにペーパータオルの価格を引き上げるかもしれない。

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PG.N
PG.NKMB.N
そのため、P&Gは6月、「パルプ調達コストは上昇しているが、自社製品の値上げは回避している」と語っていが、米国の消費者が小売店で「チャーミン」に払う価格は今年に入り上昇している。米国における同製品の平均小売価格は、7月中旬までの1カ月間で6.4%上昇したことが、バーンスタインによるデータ分析によって明らかになった。

同様に、ペーパータオル「バウンティ」の小売価格は約6カ月前から上昇しているが、「パフス」ティッシュの小売価格は今年は下落か横ばいだ。P&Gはニールセンのデータについてコメントしなかった。

「パルプは広く普及している。パルプ価格が変動すると、いわば水まき用ホースのなかをゴルフボールが通るように、業界のコスト構造全体に影響が生じる」。アリックスパートナーズで消費者向け製品担当コンサルタントを務めるデビッド・ガーフィールド氏はそう指摘する。

スウェーデンに本拠を置くエシティの場合、消費者向けティッシュ製品におけるコストの25%をパルプが占めている。柔らかさを出すために再生パルプではなく、バージン・パルプにほとんど頼っているためだ。

同社のパルプ調達コストが前年比で35%も急騰したため、第2四半期には、消費者向けティッシュ部門が想定していた営業利益の半分近くを食いつぶしてしまったという。

「1年前には、パルプ価格上昇はおそらく一時的なものにすぎないとの見方も業界内にあった」とエシティのマグナス・グロス最高経営責任者(CEO)はロイターに語った。「今では誰もそんなことを信じていない」

(翻訳:エァクレーレン)


 

 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33836590W8A800C1CR0000/
プラごみ年3億トン発生、損害は1兆円超 OECD
社会
2018/8/6 10:02

 世界でプラスチックごみの発生量が増え続けて年間3億トンを超え、環境中に流出して観光や漁業にもたらす悪影響などの損害が年間約130億ドル(約1兆4千億円)に上るとの報告書を、経済協力開発機構(OECD)がまとめた。

 プラスチックごみは一部が焼却やリサイクルに回るが、投棄や埋め立てで環境中にたまる量も増えており、2050年には約120億トンに達すると予測している。

 OECDは「プラスチックの使用量増加や不適切な廃棄が環境に深刻な影響を及ぼしている」と指摘。使用抑制やリサイクル強化のため、レジ袋などの使い捨て製品の有料化や課税を各国が導入する必要があるとした。

 報告書によると、世界のプラスチックごみの発生量は、最新データの15年に3億200万トンに上り、1980年の約5千万トンから6倍に増えた。

 一方、リサイクル率は現状で全体の15%程度にとどまっている。欧州連合(EU)は30%近いが日本は二十数%だった。

 OECDは「海に流れ出たプラスチックごみがアジア・太平洋地域の観光業に与える損害だけでも年間6億2200万ドルに上る」と指摘。海岸のごみの回収作業、観光客の減少、漁業への悪影響などで多額の経済損失が生じていると分析した。

 さらに、海の野生生物の生存を脅かし「プラスチック中の化学物質が食品を通じて人体に入り、人間の健康を脅かすリスクもある」と警告した。

 報告書はリサイクルが進まない理由として、リサイクル品は質が劣ることや、関連業界に零細業者が多いことを挙げた。加工しやすくする可塑剤や、燃えにくくする難燃剤といった人体や環境に有害な物質が含まれていることも要因だとした。〔共同〕


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/128.html#c2

[経世済民128] 資産38億円から生活保護に転落した男性はどう復活したのか(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年8月06日 11:25:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1135]

>資産38億円から生活保護

流動性の低い名目資産では意味が無く

換金可能な時価資産、

それも負債を除いた純資産で考えなければ、あまり意味はない


また個人で債務保証をする場合、最低限の金融資産を確保して、

家族に贈与しておけば

リスク資産暴落の影響を最小化できる

>40 白血病 主治医から会社運営は無理 会社を閉じざるを得なくなった
>3億4000万円で買った物件を、1500万円で売る

今から25年前と言えば、バブル崩壊後の長いBS不況の入り口だから

病気は自分への言い訳に過ぎず

単にバブル崩壊で破綻しただけだろう


>シティバンクに再就職し、闘病しながら高収入年収3000万

債務整理のノウハウがあり、裏社会との繋がりもあり

メンタルが強い人は、貴重だから、そう不思議ではない


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/122.html#c2

[政治・選挙・NHK248] 核兵器は「悪」との人類総意を形成すべきだ。(日々雑感(My impressions daily)) 笑坊
2. 2018年8月06日 11:35:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1136]

殺人は悪だ

と言ったところで、死刑(公的殺人)がなくならないのと同じ


いくら悪だと言ったところで意味はない


軍事大国と、その従属国家や、大国に対抗したい独裁国家にとっては、

必要悪という認識は変わらない


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/726.html#c2

[政治・選挙・NHK248] 格差社会を広げる働き方改悪(森功のブログ) 赤かぶ
1. 2018年8月06日 11:40:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1137]

#格差社会と社会断絶の拡大は、世界的傾向で

日本は、まだ、その入り口にいるに過ぎないが

都市部vs農村部 エリートvs大衆の格差や断絶も 現実化しつつある

 


都市部vs農村部、世界的な政治現象になった断絶

票数で負ける都会のエリート、民主主義に背を向ける恐れ

2018.8.6(月) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年7月31日付)

米・トルコ大統領が会談、クルド問題で対立も友好演出
米ホワイトハウスのルーズベルト・ルームで行われた共同記者会見後に握手する、ドナルド・トランプ大統領(右)とトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(2017年5月16日撮影)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News〕

 トランプ現象を理解しようと調べ物をしていたら、ミドルアメリカ(米国中西部)について書かれた本がちょっとした山になった。

 だが、タイやトルコの様子を調べることも同じくらい役に立つかもしれない。

 というのは、ドナルド・トランプ大統領の台頭は世界中で観察される政治現象、すなわち「大都市のエリート」と、干し草用の三つ叉を振り回す小さな町や村のポピュリスト(大衆迎合主義者)との対立という現象の一部だからだ。

 トランプ氏は2016年の大統領選挙で、すべての大都市で敗北した。大差をつけられた都市も少なくなかった。

 だが、その他の地域で勝ったことでホワイトハウスの主に上り詰めた。

 このような米国の大都市での大敗は、一足先に英国で行われた欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票で見られたパターンの再現だった。

 離脱派はほとんどの大都市で負けたにもかかわらず、全体では勝利したのだ。

 この都市部と農村部の断絶は、教育の断絶でもあった。

 英国の国民投票に参加した人のうち、課程を修了せずに学校を去った人は73%の割合で離脱に賛成したが、大学院で学位を得た人は75%の割合で残留を支持していた。

 米国でも同様なパターンが見られたことから、トランプ氏は遊説中に「我々は教育をあまり受けていない人が大好きだ」と叫んで小躍りした。

 エリートの大都市とポピュリストが支配する農村部との間に溝があることは、西側諸国の政治では明白だ。

 あまり注目されていないのは、西側以外の国々の政治でも、これと同じ溝がますます強い特徴になっていることだ。

 溝はトルコ、タイ、ブラジル、エジプト、イスラエルなど、文化も発展の程度も全く異なる国々でも見られるようになっている。

 ニューヨークのブルックリンに住む人々はトランプ氏に唖然としているが、イスタンブールのベシクタシュなどトルコの都市部の高級街区に住む人々もそれと同じくらい、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に唖然としている。

 しかし、昔から世俗的なこの国のエリート層は、エルドアン氏に動員をかけられた、小さな町に住む敬虔な有権者の数に常に圧倒されてきた。

 イスラエルでは、国全体が右派ナショナリズムに傾いてきたものの、グローバル化が最も進んでいるテルアビブは、左派の市長を擁する世俗的なリベラリズムの要塞であり続けている。

 同じ断絶は東南アジアでも見られる。

 フィリピンでは、トランプ式のポピュリストであるロドリゴ・ドゥテルテ氏が、「インペリアル・マニラ(帝政マニラ)」と呼ばれる階層のリベラルなエリート候補を選挙で破って大統領になった。

 タイの政治ではここ10年間、首都バンコクと北部の農村部との断絶が特徴になっており、時に暴力に発展する激しい対立が続いてきた。

 断絶を表現する言葉さえ似通っている。

 トルコでは、「白い」トルコ人と「黒い」トルコ人という言葉が使われている。

 タイでは農村部の赤シャツ派と都市部の黄シャツ派が対立しており、米国は共和党支持者の多い「赤い州」と民主党支持者の多い「青い州」に分けられている。

 欧州に目を向ければ、この断絶は一層鮮明になる。

 イタリアでは先日の選挙でポピュリスト政党に支持が大きく流れるなか、この国で最も豊かな都市であるミラノはこの傾向に抵抗し、有権者の多くが敗れた中道派を引き続き支持した。

 フランスでは、裕福なパリ中心部の人々がエマニュエル・マクロン大統領の改革を支持しているのに対し、繁栄から取り残された地域ではポピュリストが勢力を伸ばしている。

 権威主義に傾いているハンガリーとポーランドでは、それぞれの首都で大規模な反政府デモが行われており、オルバン・ビクトル氏やヤロスワフ・カチンスキ氏が率いる与党は小さな町の住民の支持を頼りにしている。

 では、都市部の住民と農村部の住民は何をめぐって対立しているのだろうか。

 反トランプ、反ブレグジット、反エルドアン、反オルバンの都市住民は、政治的に敵対する農村部の人々よりも裕福で、高い教育を受けている傾向がある。

 対照的に、トランプ氏、ブレグジット、エルドアン氏やオルバン氏のファンを結びつけているスローガンは、自分の国を「再び偉大にする」といった類いの公約だ。

 また、都市の住民は外国への渡航や留学の経験があるとか、外国から移り住んできて間がないというケースが多い。例えばニューヨークやロンドンでは、外国生まれの住民が全体の3分の1以上を占めている。

 こうしてみると、都市はリベラリズムの要塞であり農村部は反動主義的だと色分けしたくなる。

 ただ、社会的な価値観について言うならその通りかもしれないが、実は票の数で劣る都市住民の間にも、民主主義を嫌う傾向が芽生えている。

 エジプトでは、2011年に民主化を求めて運動した都市部の中間層の多くが、その2年後に軍事クーデターを支持した。選挙で選ばれたムスリム同胞団の政権が、エジプトを祭政一致国家に変えてしまうことを恐れたからだ。

 また、タイでは2014年、赤シャツ派の支配を終わらせた軍事クーデターが、バンコクの中間層からかなりの支持を得ているように見えた。

 ブラジルでは現在、サンパウロやリオデジャネイロに住む専門職の階層で、左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領を汚職の疑いで収監していることを支持する人が多くなっている。

 年内に行われる大統領選挙への出馬が許されれば、再選される可能性もある人物であるのに、だ。

 西側の大都市に住むエリート層は、まだ民主主義に背を向けていない。

 しかし、密かに疑いを抱いている人はいるかもしれない。英国では、多くの熱心なEU残留派が、離脱を決めた国民投票の結果をひっくり返したがっている。

 米国では、政治学者のヤシャ・モンク氏とロベルト・フォア氏が指摘しているように、「民主的でない別の体制の受け入れに向かうトレンドは、若くて裕福な市民の間で特に強い・・・1995年には、軍が政権を握るのは『良い』ことだと考える人は、裕福で若い米国人の間には6%しかいなかった。ところが今日では、若くて裕福な米国人の35%がこのような見解を有している」。

 大都市の有権者の一部が民主主義について相反する感情を抱いているとしたら、小さな町の有権者は、トランプ氏やエルドアン氏のような人々が振りかざすナショナリズムにますます引きつけられている。

 ナショナリズムの台頭は、国家間の緊張を高めることがある。

 しかし、都市部と農村部との溝の広がりは、最も爆発しやすい政治的圧力は国家間ではなく、実は個々の国の中に潜んでいる可能性を示唆している。



東大エリートの変心 国造り、政策より事業  スタートアップ大競争 変わるかニッポン(1)
2018/8/6 0:00日本経済新聞 電子版
 「代表取締役医師」という肩書を持つ男がいる。

 オンライン診療のメドレー(東京・港)の豊田剛一郎・共同代表(34)。東京大学医学部を卒業後、脳外科医として都内の中核病院で働いた。当直勤務が月13回の激務。「このままでは現場がつぶれてしまう」と思ったが、医療の仕組みは「行政だけではなかなか変えられないこともある」。

財務官僚から宇宙スタートアップ、アストロスケールを起業した岡田光信CEO 

 悩んでいたある日、小学校時代の友人が運営するメドレーの存在を知る。「テクノロジーの力で医療を患者に身近なものにできる」。こう感じ2015年、メドレーに参画し、新たな診療システムの普及に力を注ぐ。

 日本のトップエリートを輩出してきた東大の卒業生の間で起業を志す動きが広がっている。

 シンガポールを拠点に、宇宙空間の衛星などの残骸の回収を目指すアストロスケール。岡田光信最高経営責任者(CEO、45)は00年、東大卒業後4年勤めた大蔵省(現財務省)を去った。

 転機は大蔵省から派遣された米国留学時代。「起業するから」とあっさり大学を中退する同級生の姿を何度も目の当たりにした。「官僚のままでは世界のスピードに追いつけない」。痛感した岡田氏は米国から退職願を直接郵送。留学費用を自費で払い官僚を辞めた。

 中央官庁、大企業、医師……。東大生の多くは先達が敷いたレールの上を走ってきた。だが、その頂点だった財務省で民主主義をゆがめる公文書の改ざんが起きた。エリートが組織を守ろうともがくほど世界の常識からずれていく矛盾が目立つ。

 そんな時代を若者たちは敏感にかぎとっている。東大の資料から算出した学部卒業生の公務員就職率は17年春が6%と20年前から3ポイント低下した。逆に東大発スタートアップは17年度に245社と2年で3割増えた。

 日本のように成長力が衰えた国にとって、現状維持は衰退を意味する。柔軟な発想でイノベーションを生むスタートアップの裾野の広さが国の浮沈を握る。再チャレンジ支援、一円起業……。政府も支援策を打ち出した。

 東大発スタートアップ組の増加はその象徴だが、現実はまだ厳しい。日本の開業率は5%台で低迷したまま。10%前後の欧米に届かないばかりか、7%あった30年前の水準すら回復できていない。

 トップ大学の優れた人材こそ率先して起業し社会を変える側に回る。こんな傾向は米シリコンバレーのスタンフォード大学が有名だが、最近は米国の専売特許とも言えなくなってきた。

 習近平国家主席ら政治家、官僚を多く輩出してきた中国・清華大学。近年は起業家輩出大学の色彩が強い。契機は13年に始めた起業家教育プログラム「エックスラボ」。学生に共同オフィス、投資家や大企業の紹介まで提供し、400社以上が起業した。日本も現状に甘んじる余裕はない。

 東大卒業後、都市銀行を経てミドリムシ開発のユーグレナを興した出雲充氏(38)。東大発スタートアップについて問うと、こんな答えが返ってきた。「まだ物足りない。日本の埋もれた技術を事業にするため東大生はもっと勝負すべきだ」

 ◇

 六本木ヒルズ(東京・港)の起業家らが一世を風靡してから10年余り。日本で再びスタートアップの活躍に視線が集まっている。ブームを超えて日本に根づくのか。

http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/722.html#c1

[政治・選挙・NHK248] 格差社会を広げる働き方改悪(森功のブログ) 赤かぶ
2. 2018年8月06日 11:44:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1138]

>小には労働組合も少なく、賃金が抑えられているから、いくら日銀が金融緩和政策をとっても日本全体の購買力にはほとんど影響なく、物価があがるわけがありません。そんなことは少し考えれば誰もがわかりそうなもの

そんなことは日銀も政府もわかっている

だから、さらに雇用が逼迫し、非効率な中小企業の淘汰と、

大企業への労働移動が必要ということだが

そのためには働き方改革が必要というわけだ



http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/722.html#c2

[国際23] アメリカは一体誰のものか?(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
4. 2018年8月06日 12:03:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1139]

妄想で楽しむのも良いが

一方、現実の世界は・・

 


【第1回】 2018年8月6日 成毛眞

アマゾンを知ろうとしない人は生き残れない

あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」? それとも「怖い」?「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。


アマゾンがなかったら、もう生活できなくなっている
10年前ならば悪い冗談に聞こえたかもしれないが、2018年のいま、「アマゾンがなかったら生活できないかも」というのは現実になりつつある。近所のコンビニがなくなっても、テレビが丸一日休止してもさほど困らないが、アマゾンが使えないと日常生活に支障が出る人が続出するだろう。

「地球上最も豊富な品揃え」という通販で買い物ができなくなるだけでない。買ったものを翌日受け取れなくなるし、プライム会員なら、映画や音楽を無料でどこでも楽しめなくなる。

しかし、それもアマゾンのほんの一面でしかない。企業への影響ははるかに大きい。

アマゾンでいちばんの儲けをたたき出しているのがAWS
アマゾン以外の第三者がサイト上に商品を出品できる「マーケットプレイス」は、全世界で約200万社の企業が利用している。

マーケットプレイスは、出荷・配達まで請け負うサービスまでも提供している。多くの利用企業はアマゾンなしではもはやビジネスが成り立たないだろう。

それどころではない。アマゾンが運営しているAWS(アマゾンウェブサービス)がある。

これは、企業向けのクラウドサービスで、もともと自社のネット通販のために構築した巨大なサーバーシステムの空きを使って始めた、いわば副産物的な事業だったが、現在では世界の名だたる大手企業や米国の政府機関も利用し、信じられない額を稼ぎ出している。

アマゾンはマイクロソフトやグーグルをも凌駕する、世界最大のクラウドサービス会社でもあるのだ。

AWSが停止すると、多くの大企業の情報処理がストップする。下手をすると金融機関の決済がとまり、世界の経済全体がクラッシュする可能性がある。

知らない人もいるかもしれないが、個人も企業も、いや人類がアマゾンなしでは生活できない事態が密かに到来していたのだ。創業者のジェフ・ベゾス自身も、もうアマゾンをとめられない。

我々の生活がどっぷりとアマゾン漬けになっていることがおわかりになっただろうか。考えてみれば、恐ろしい状況である。個人も企業も社会もアマゾンへの依存を強めているいま、アマゾンが商品の値上げやサービスの停止をしたら、買い物難民になる人や倒産する企業も出てくるだろう。こうした状況を危惧し、アマゾンがあらゆる産業を飲み込むことに警鐘を鳴らす声も少なくない。

アマゾンがネット通販の雄であることには異論がないだろう。アメリカのネット通販市場ではアマゾンのシェアは4割を超え、その取扱い高は20兆円に達しようとしている。まさしくネット界の巨人だ。

アマゾンを排除することはできない
「独占禁止法に触れているのではないか」と思う人もいるかもしれない。しかし、ネット通販自体が小売業全体にしめる割合は1割程度しかない。つまり、アマゾンを小売り全体で見た場合の全米シェアは4%程度なのである。だから、アマゾンは寡占とは言えず、それを理由に法的に排除することは難しい。

排除する理由も特にない。アマゾンが掲げるのは、「地球上で最もお客様を大切にする企業」である。常に最安値で、迅速に顧客に商品を供給しようとしている。

安値で高いシェアを握ったからといって、その後に価格をつりあげるようなことをしているわけではない。

少なくとも消費者にとって不利益は何もない。どこまでも便利すぎるだけなのがアマゾンという企業だ。

最も競争が激しいアメリカの小売業界では、アマゾンの登場によってリアル店舗が苦境に立たされているのは事実だ。

だが、法的にアマゾンが規制される可能性はいまのところ皆無といっていい。

アマゾンが秘密主義なのはなぜなのか
アマゾンは秘密主義だ。現地メディアの中には、アマゾンをスターリン時代のソ連のようだと揶揄する声すらある。

アップルのスティーブ・ジョブズやマイクロソフトのビル・ゲイツに比べて、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスの印象は薄い。

「テキサス州ヒューストン育ち。プリンストン大学を卒業し、金融業界を経て、インターネットビジネスの将来性に賭けて起業」というのが公開されている経歴だ。1964年1月12日生まれで、子どもが4人いる。

中肉中背のスキンヘッド。どの写真を見ても目だけは笑っていないという印象がある。保有資産は1120億ドル(2018年時点)。

引っ込み思案、人嫌いなどとも言われ、最近ではほとんどメディアには登場しない。家族との時間を大切にするという理由らしいのだが、本当のところは不明だ。

だが、以前はインタビューによく答えていた。決してメディアが嫌いというわけではないのだろう。YouTube上では独特の甲高い声で笑うベゾスを見ることができる。

この笑い方も、一部では気さくな経営者に見える演技だという声もあり、ベゾスの実像は見えにくい。ベゾス自身の情報はこのように公開されているのに、謎めき、だからこそ恐れられてもいる。

もちろん、企業経営者が人格すべてをさらけ出す必要もないし、有能な経営者の多くは外向きの人格を備えている。しかし、ベゾスを謎めかせているのはベゾスだけでなく、アマゾンという企業そのものが秘密主義というのが大きな理由だろう。

たとえば、稼ぎ頭であるさきほどのAWSの事業規模すら長らく非公開だった。そのため、ネット通販会社だと思われていたアマゾンが、じつはクラウドサービスで稼いでいることが知られるようになったのもここ数年の話だ。

アマゾンは詳細なリリースを出さない
また、アマゾンは、自社の新製品について詳細なリリースは出さない。調査会社や証券会社はアマゾンの事業規模を推測するしかない。たとえば大規模な宣伝とともに登場したAIスピーカー、アマゾンエコーの販売台数ですらわかっていない。

500万台とも1000万台とも言われており、各社の記事もまちまちだ。その他にも、今後の新商品や経営戦略についてさまざまな憶測が飛び交う。これに対しても、アマゾンは一切コメントを出さない。これは、ほかの大手企業ならばありえない話だ。

多くの会社は、自社にとって不利な話は沈黙し、有利な話ならばこちらが頼んでもいないのに発表する。トヨタ自動車のハイブリッドカーの新車シェア、アップルのiPhoneの販売数などは、もちろんプレスリリースとして報道各社に配布されてくる。

しかしアマゾンは自社に有利な情報ですら沈黙を続けるのだ。

その理由も推測するしかないが、顧客の利益を掲げるアマゾンにしてみれば、そもそも報道機関などの第三者と接触するのが、時間の無駄であると考えているのかもしれない。簡単に言えば、多くの事業を手がけすぎて、本業に集中したいあまり関わるのが「面倒くさい」のだろう。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/603.html#c4

[国際23] 米国の破綻は不可避(田中宇)中国はドル崩壊の準備、日本はドルの延命に邁進。中国は賢い。日本は馬鹿だ。 てんさい(い)
2. 2018年8月06日 12:24:36 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1140]

相変わらず、金融経済に関する無知が続いているようだ


米国の破綻(ドルが無価値)になるような事態は、当面はあり得ず

中国経済の大幅な減速と元の下落リスクの方が、遥かに高い


ただし、長期的には、トランプ政権の政策は、

米国経済を衰退させる確率は非常に高いし

中国や、他の先進国同様、民間債務の拡大が続いているから

中期的な景気後退リスクも無視できない


また日本に関しても、QE政策は、財政破綻を抑制することはあっても

破綻させる政策ではない

問題は、国内産業の生産性上昇にとって、それほどプラスには働かない点

国民(政府)の財政規律を緩ませ、改革を遅らせる点であり

それが長期的に、日本の成長を下押しする可能性は高い


>トランプ(ら多極主義者たち) 「米国リビア化」
>米国を中心とする同盟関係をすべて破壊し、米国の覇権をゼロにする必要がある。最も確実な方法は、米国民の内部対立を扇動し、米国を内戦状態にして20年ぐらい「失敗国家」の状態を維持

こうなると、かなり頭がおかしくなっているとしか言えないが

そもそもトランプが、長期戦略をもって行動しているという認識自体

完全に間違いだろう



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/610.html#c2

[経世済民128] 大前研一氏 国債と株でフォアグラ状態の日銀は「内部爆発」する(マネーポスト) 赤かぶ
21. 2018年8月06日 12:35:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1141]

妄想と現実が区別できないらしいから、ムダだろうが

>>16 をきちんと読み直し

自分で、日銀の過去の政策や決定と、それに対する、歴代政権の反応を

ちゃんと確認すれば、少しは現実が見えるだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/109.html#c21

[国際23] 冷戦からサイバー戦争へ 元CIA幹部が語る「今そこにある脅威」(Forbes JAPAN) 赤かぶ
1. 2018年8月06日 19:02:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1142]

#仮に低い確率でトランプ解任となり、

欧米協調が復活すれば、当面は、プーチンも大人しくする方が合理的だから

冷戦も表面的なものにしかならない可能性はあるが

マイナーシナリオだろう

 


トランプの私的醜聞とロシア疑惑の意外な接点

2018/08/06

斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)


(iStock.com/flySnow/Purestock)
 トランプ大統領をめぐる個人的なセックススキャンダルのもみ消し問題が、ロシア疑惑の核心にも迫りかねない意外な展開を見せ始めている。その発端は、FBIの家宅捜索を受けたトランプ氏のかつての腹心の供述からだった。 

 トランプ氏の顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏が、自宅、オフィス、長期滞在用ホテルの自室をFBIに急襲され、電話記録、パソコン・データなど膨大な量の証拠物品を押収されたのは、去る4月9日早朝のことだった。


左から、トランプ氏、コーエン氏、ダニエルズ氏(AP/Aflo)
 FBIは当初、トランプ氏がかつて親しく交際していたとされる元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんにコーエン氏から口止め料として13万ドルが支払われたことに関連して、銀行法、税法面で抵触する疑いから捜査に踏み切ったが、その後、コーエン氏の検察側との取引による供述などから、たんなるプライベートな醜聞にとどまるどころか、米露関係全体に大きな影を落としているロシア疑惑に直接つながる意外な展開となってきた。
 
 とくに米国主要マスコミが注目するのは、二つの側面からだ。

 まず一つ目は、米大統領選最中の2016年、トランプ選対本部が置かれていたニューヨーク・マンハッタンの「トランプ・タワー」内での極秘会談をめぐるものだった。

 同年6月9日に行われたこの会談には、トランプ陣営からトランプ候補の娘婿で当時、デジタル・ソーシャルメディア作戦担当者だったジャレッド・クシュナー氏、選対本部長の重責にあったポール・マナフォート氏、政治担当顧問役を務めた長男ドナルド・ジュニア氏のほか、ロシア側から弁護士、ロビイスト、不動産事業家、通訳らが出席した。

 会談目的についてドナルド・ジュニア氏は初めは「ロシアからの養子縁組問題についての意見交換」と説明していたが、その後ニューヨーク・タイムズの追及を受けて、ヒラリー・クリントン民主党候補に関してロシア側が入手したという「汚れた情報」を共有するためだったことを認めた。

 また、この会談に関しては、本当の目的が公表される直前まで、父親のトランプ大統領が外遊先からの帰途、エアフォース・ワンの機中で、長男になり替わって虚偽の説明文を自ら作成し、報道陣に流布させていたことも判明している。

 しかし、コーエン氏による爆弾発言が飛び出したのは、つい最近のことだ。

 「実は、この会談が設定されたことについて、当時トランプ候補自身が事前に知っており、会談推進を後押していた」

 CNNは7月26日、コーエン氏がトランプ候補と事前に秘密会談の実施について話題にしていたと報じた。さらに、この件に関しては「他の数人の人物」も知っており、詳細については、ロシア疑惑を捜査中のロバート・モラー特別検査官側に説明の用意があるという。

 これに対し、トランプ大統領は「当時、息子たちがクリントン候補攻撃のためにロシア側と会談したこと自体、一切知らなかった」と最近に至るまで否定し続けているが、もし、これがコーエン氏の指摘通りだったとした場合、ロシアによる選挙妨害に大統領候補として直接加担したことになるだけに、きわめて深刻な問題だ。

 ロシア疑惑についてはこれまで米側情報機関の調査で、プーチン大統領の直接指示のもとにロシア軍情報機関が米大統領選に介入した事実が公表されているが、モラー特別検察官は、このロシアによる対米工作にトランプ陣営が何らかのかたちで関わっていなかったかどうかに的を絞って捜査を進めている。

 もし、関わっていたことが判明すれば「共謀」(collusion)罪となり、関係者は重罰の対象となる。大統領にとって、コーエン氏に対する今後の捜査や当人の言動から目が離せないことはいうまでもない。

トランプ家の金庫番
 二つ目は、これまで長い間、トランプ・ファミリー・ビジネスの“金庫番”として重要な役割を担ってきた「トランプ・オーガニゼーション」財務担当責任者(CFO)アレン・ウィーゼルバーグ氏(71)をめぐる新たな問題だ。

 ウォールストリート・ジャーナル紙は7月26日、そのウィーゼルバーグ氏が、トランプ氏の元顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏に対する捜査に関連してニューヨーク連邦地検から事情聴取を受けた、と報じた。

 同紙によると、ニューヨーク地検がウィーゼルバーグ氏に関心を持ち始めたのは、先にFBIが押収したコーエン氏の電話記録の中で、元ポルノ女優に支払った13万ドルのもみ消し料の資金繰りについて「アレンとも話し合った」として同氏の存在に言及していたのがきっかけだった。

 さらにこれと関連して、コーエン氏が大統領選挙2カ月前の2016年9月、ひそかに録音していたトランプ氏との電話のやりとりの一部も明らかになり、その中で「(13万ドルは)現金払いで」とトランプ氏自らが指示したと受け取られる発言も暴露され大きな話題となっている。

 ウィーゼルバーグ氏は、トランプ氏の父親フレッド氏が不動産事業に乗り出した当初から経理関係を一手に握り、トランプ氏一家の投資、融資、税処理などあらゆる金銭の流れを統括してきた。トランプ氏は大統領就任以来、表向き同社の経営にはタッチしていないが、依然としてオーナーを務めており、その資産管理もすべてウィーゼルバーグ氏が担当しているともいわれる。

 その彼が最近、コーエン氏捜査の関連でニューヨーク連邦地検による事情聴取の対象となったことで、トランプ・ファミリーの税金関係も含めた資金の流れ、さらにはロシア関連ビジネスの実態などにもメスが入るかどうかが、今後の焦点となる。 

 ただ、これら二つの新たな展開については、あくまでニューヨーク連邦地検の捜査であり、表向きロシア疑惑捜査とは無関係だ。

 しかし、こうしたトランプ氏本人にとって、予想外のきわめて不都合な事実が浮かび上がってきたきっかけは、もともとモラー特別検察官チームからの照会でFBIがコーエン氏の周辺捜査に乗り出したからであり、今後さらにニューヨーク連邦地検の捜査いかんでコーエン氏やウィーゼルバーグ氏からロシア疑惑関連の重要情報が得られた場合は、当然のことながらモラー特別検察官側と共有されることになる。

 また、ロシア疑惑とは無関係に、とくに厚い秘密のベールに包まれているトランプ氏の税務処理問題をめぐって何らかの違法性の疑いが浮上してきた場合は、大統領自身が捜査対象にされる可能性も皆無ではない。

眠れぬ日々が続く
 一方これとは別に、2016年大統領選挙で一時は選対本部長としてトランプ氏と密接なつながりのあったマナフォート氏については、特別検察官チームによって告発され、7月31日、バージニア州アレキサンドリアの連邦地裁で初公判が開始されたばかりだ。

 検察側がこの日冒頭読み上げた起訴状によると、マナフォート氏はトランプ候補の選対本部長を引き受ける以前からコンサルタントとしてウクライナはじめ東欧諸国相手に暗躍、さまざまな取引で得た巨額の所得を外国の秘密口座に秘匿していた複数の容疑がかけられている。

 この裁判自体も、ロシア疑惑とは直接関係なく審理が進められることになるが、

モラー特別検察官によるトランプ人脈を対象とした最初の公判である。
起訴内容から判断するかぎり数多くの決定的証拠で固められており有罪は確定的とみられる。
有罪となった場合、トランプ大統領が恩赦に踏み切るかどうか。
 などの点から、アメリカのマスコミは大きな関心を示している。

 裁判に先立ち、トランプ大統領は7月29日深夜から30日早朝にかけて、自らのツイッターで三回にわたり、

「マナフォート裁判はロシア疑惑捜査とは無関係」

「NO COLLUSION!」

「モラー特別検察官による捜査はインチキであり、ただちにやめるべきだ」

 などと書き込み、かなりいらだちを募らせていることをうかがわせた。

 8月1日にはさらに「司法長官はモラーを解任すべきだ」とも呼びかけた。ロシア疑惑に関する特別検察官はそもそも、トランプ現政権下のロッド・ローゼンシュタイン司法副長官によって設置されたものであり、大統領が同特別検査官誹謗や捜査の幕引きに言及すること自体、きわめて異例、異常であり、米議会共和党幹部の間からも、困惑の声すら聞かれる。

 大統領にとっては今夏はもちろん、今後、与党共和党の苦戦が伝えられる11月中間選挙に向けて当分「眠れぬ日々」が続くことになりそうだ。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/613.html#c1

[経世済民128] 高プロが本当に「残業代泥棒対策」にされる日(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月06日 19:18:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1143]

どんな制度も市場原理を無視しては機能しない


>対象が狭い。年収は1075万円以上、業務は高度な専門職 高プロ社員に対して企業側が労働時間や仕事場所を指示することはできない 適用には、本人の同意が必要な上、同意した後に「やっぱりイヤ」と言われたら、企業は高プロの適用を外さなければならない。さまざまな健康確保措置を実施する義務も課せられる


残業代泥棒になりうる一般職の昇給は低く抑え

一部の優秀な高プロ志望者の賃金を高く設定し

求人に活用するのであれば

特にIT系やAIの開発などで急速な成長を目指す企業にとってそう悪いことではない

と言うか、そうでなければAmazonやGoogleなどと太刀打ちなどできない


>「安い労働力ではない」はずだった実習生 新たな在留資格の創設を打ち出し、事実上、実習生の労働力としての活用に

需要があるのだから、本来は、移民法を成立して

きちんと対応するのが妥当なのは間違いない


派遣法も裁量労働制も技能実習制度も、

結局、安い労働力が、いつまでも得られるわけではなかったのは

既に、明らかなことだ


今後、国内産業の停滞が続き 一方で新興国の成長が続けば、

よほどの日本好きか、劣悪な人材以外は、誰も日本になど来なくなる


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/130.html#c1

[経世済民128] 高プロが本当に「残業代泥棒対策」にされる日(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年8月06日 19:34:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1144]

モンゴルを旅する欧米人は何を考えているのだろうか

モンゴル・内蒙古周遊 第7回 2018/08/05 高野凌 (定年バックパッカー)

(2017.9.5〜10.15 41日間 総費用18万9千円〈航空券含む〉)

ウランバートルのフランス人カップル「過労死は権威主義的組織の産物」

 9月8日。ゲストハウスにチェックイン。荷物を置く間もなく、リビングのソファでくつろいでいたフランス人カップルとおしゃべりを始めた。二人は東洋文化に興味があり、特に日本については相当に知識を持っていた。近い将来是非とも日本を数ヶ月かけて旅行したいと計画していた。

モンゴル北西部の町ホブド。ロシアの地方の町のような雰囲気である
 女性は社会学を専攻しており現代日本の抱える問題に言及。彼女曰く、英国やドイツでは被雇用者は自分の希望に応じて比較的自由に転職できる。つまり労働市場は開放されており流動性がある。他方で日本とフランスでは転職により満足できるような職を得ることは一般的に困難である。
 日本とフランスの職場は現在でも大半が権威主義的(authoritarian)管理組織である。特に官庁や大企業では、下から叩き上げて出世の階段を上がって行くことが慣例となっている。それゆえ被雇用者は自分の上位の管理職に認められなければ、将来のキャリア形成の道が閉ざされてしまう。既存のヒエラルキーを肯定して、そのヒエラルキーを登ることでしか未来を開けない。

ノモンハン事件の戦場に近いモンゴル東部のチョイバルサンの町外れの戦勝記念碑。近くに旧ソ連赤軍の司令部跡がある
 この権威主義的管理組織では、被雇用者は上位管理職に正当な異議申し立てができず、長時間労働や休日返上に表立って抗議できない構造になっている。これがサービス残業(unpaid overtime)、過労死(karoushi)問題の本質であると彼女は結論づけた。

 確かにフランスはエアバス、エール・フランス、トタール石油、フランス国鉄、ルノー、シトロエン・プジョーなどフランスを代表する企業は国家が出資して経営権を握っており、フランス国立行政学院(ENA)出身の超エリートが経営の舵取りをしている。フランスのお役所や企業が日本と類似しているという指摘はさもありなんと思った。
 それにしてもカロウシがそのまま外国語になっていることに驚いた。過労死は権利意識の強い欧米では日本の特異性を物語るショッキングなニュースなのであろう。

オラーンゴムの町で野菜を売る農民の老夫婦。このロシア製の旧式のミニバンは未だにモンゴルの田舎ではふつうに走っている
ドイツの教師と看護婦さんのカップル、「歴史の真実は共有できる」
 9月11日。前日深夜にチェックインしたドイツ南部のババリアから来た教師のミカエルとナースのリサのカップルと談笑。二人と一緒にモンゴル帝国初期の古都であるハラホリンに旅行することになった。

ウランバートルからバスで6時間の草原のゲルでドイツ人カップル、ミカエルとリサ。このゲルはゲスト用の居間
 彼らはババリアの旧市街地が世界遺産に登録されたレーゲンスブルグ在住。ミカエルは中学で政治・歴史・文学を教えている。ドイツでは学校の先生は待遇が良く特に一年の半分は休暇という羨望の職業であると聞いていたので、ミカエルに聞くと苦笑いして特段否定しなかった。今回は前もってリサと調整して二人で一年の長期休暇を取得してアジア全域を周遊する計画だ。
 趣味は読書で旅行中も本を持参している。なんと今回はドフトエフスキーの“カラマーゾフの兄弟”(独語版)を持参していた。私も邦訳を持参していたので偶然の一致に吃驚。彼が力を入れているのが歴史教育で、特に近現代史が重要という。第一次世界大戦から第二次世界大戦後のロシアを含む欧州全域の動きを俯瞰するような歴史観を持つことが子供たちにとり重要と強調。さもないと対立の歴史を繰り返すと現在の欧州各国の移民問題、排外主義的傾向に言及した。

オラーンゴムの廃墟となった社会主義時代の国営工場。モンゴル各地でこのような朽ち果てた社会主義の名残が散在している

 現在、彼はポーランドの学校と交流プログラムを推進していた。当日は十数人のドイツ人同僚教師一行がポーランドの学校の教員や生徒と交流する日であった。ドイツ人教師によりポーランドの子供たちにナチスドイツについて講義して意見交換会を開くという。ミカエルは同僚教師と事前確認するためにパソコンのスカイプを立ち上げ、ドイツ語でなにやら活発に意見交換していた。休暇中でもこのプログラムだけは人任せにできないようだ。
 ミカエルは過去数年間ドイツとポーランドの両国教師による第二次世界大戦を中心とする共通の欧州史副読本を編纂する作業をしてきた。まず両国教師が歴史認識を共有して、次に両国の生徒たちに共有させるというステップのようだ。こうした努力を不断に継続すること真の和解(reconciliation)に達することができると力説した。
 中国、韓国の歴史教育の現状を顧みて、我々日本人と両国民との“和解”は果てしなく遠い道程に思えた。
モンゴル帝国の古都で聞く「テロリストを識別するための尋問技術」

ハラホリンから車で草原を半日走るとモンゴル最大の滝があった。草原には道がなくドライバーは遠くの景色を見ながらひたすら飛ばす。ドライバーは コンパスも地図もカーナビもなく、経験と勘だけで何の目印もない草原を走る
 9月15日。草原のど真ん中の古都ハラホリンのゲストハウスで欧米人グループとおしゃべりしていた。オジサンが日本人と知ると一人旅をしている米国の若者、ジェームスが日本語で握手を求めてきた。彼は国際関係論を専攻して学生時代に2年間休学して九州で英語補助教員をしていたという。
 卒業後は米国国土安全保障省(Department of Homeland and Security)に入り入国審査を担当しているという。現在はテキサスで主としてメキシコからの移民やメキシコ経由の中南米移民を審査している。またシリアなど中東出身者やアフリカ出身者の難民申請、亡命申請も相当数あるという。
 やはりオバマ政権時代からトランプ政権になり合法的移民や難民受け入れ枠が大幅に削減されたようだ。同時に入国管理を厳格化したので仕事量が激増。職員も増やしているが追いつかない状況。
 彼の担当業務は窓口担当者では判断できない申請者の審査である。面談(interview)による尋問(interrogation)である。同じ項目を色々な角度から繰り返し聞いて矛盾点を探しだす(cross-examination)ことや、疑問点の裏取りをする作業である。対象者が虚偽内容を陳述している場合はテロリストや前科者(犯罪履歴者)の可能性が高い。

モンゴル服を着てバイクに乗ってオラーンゴムの町に買い物に来た中年夫婦
 例えば、イラク出身者の場合は兵役を確認する。イラクの兵役記録は書類として現存しているので照会可能だからだ。兵役記録と齟齬があればノーである。兵役記録で問題なければ出生地の戸籍照会。並行して過去10年どこで何をしていたかを詳述させる。些細な矛盾点から掘り出してゆくという緻密な作業である。
 その人物や家族の運命を決めることになるので神経が磨り減る毎日のようだ。九州で過ごした平和な日々が懐かしいと笑った。
フランス娘が語る“人間と馬の共生”
 9月16日。ゲストハウスで知り合ったフランス女子アンヌ25歳と、ハラホリンからウランバートル行きの長距離バスに乗った。彼女はフランスの真ん中のリオン在住。なんとリオンで二頭の馬を飼育して調教しているという。競走馬ではなく乗馬用の馬種という。
 アンヌは一年の計画で世界一周の途上である。留守中は二頭の馬は友人に世話を頼んだ。驚いたことに、この旅行の目的は、世界の国々で馬がどのように人間に飼われて、どのように人間と関わっているのか実地で学ぶためという。乗馬大国モンゴルはアンヌにとり憧れの国であった。
 馬の調教で有名なウィーンのスペイン馬術学校を最初に訪問した。馬の集団による群舞は圧巻である。次に米国のニューヨーク市の騎馬警官隊を訪問。ちなみに欧米では大観衆が集まるイベント警備や観光地の巡回警備に騎馬警官が活躍している。

モンゴル北東部のロシア国境の町エレンツァブ駅のシベリア鉄道支線。現在はチョイバルサンからエレンツァブまでの往復運転だけである。旅行者はここから国境を歩いて通過してロシア側の検問所からシベリア鉄道駅まで白タクで行く
 マンハッタンでは大観衆が集まるパレードが年中行事である。頻繁に出動するので、ニューヨーク市警では警察署のビルの地下に厩舎を設けているそうだ。そして、米国中西部の大牧場でカウボーイの仕事を体験。南米に飛んでアルゼンチン、ブラジルでもガウチョ(カウボーイ)と馬の係わりを学んだという。さらにアジアでは韓国の済州島の馬の放牧を見てきた。
 アンヌの話を聞いて、一つの事に集中して掘り下げて極めていくと、逆に自分の世界が広がっていくことに気づいた。
⇒第8回に続く


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/130.html#c2

[政治・選挙・NHK248] 野田聖子氏に聞いた 官僚セクハラ問題から総裁選出馬まで 注目の人 直撃インタビュー(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年8月06日 19:41:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1145]

#対立軸があるのは良いが、対抗馬にすらなれないのでは

あまり意味はない


 

異次元緩和は「正常化に向かうべき時期」−野田総務相が政策集
延広絵美
2018年8月5日 15:00 JST

長期的に行う前提ではない、マイナス金利の副作用も考えるべきだ
総裁選出馬に意欲、20人の推薦人確保できるかは不透明

野田聖子総務相が9月の自民党総裁選に向けた政策集を発表した。アベノミクスは景気や雇用面で成果を上げたと評価する一方、将来の景気悪化に備えるため、金融緩和政策は「正常化に向かうべき時期」との考えを示した。

  政策集では、日本銀行の異次元緩和は「長期的に行う前提ではなかった」と指摘し、地銀の収益圧迫など「マイナス金利等の副作用も考えるべきだ」と主張した。野田氏は総裁選出馬に意欲を示しているが、無派閥のため立候補に必要な20人の推薦人を集めることができるかは不透明だ。

  財政政策については「安定した財源が必要であることに、国民の理解を求める」として、来年10月の消費増税に関し十分な説明が必要との認識を明らかにした。外交面では、日米関係を最も重要な2国関係としながらも、トランプ政権の保護主義的な貿易政策を念頭に「必要な場合には日本の意見を米国に率直に伝える」と表明した。

  経済政策の目標を、従来の成長率から「人財」の活躍や地方の活力向上など「構造・質」の改善に転換すべきだとも提案している。規制制度改革や女性・高齢者の活躍も訴えた。育児休業や保育施設を充実させるほか、女性の政治参画も進める。政策をまとめた著書「みらいを、つかめ」(CCCメディアハウス)も出版する。
http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/738.html#c2

[政治・選挙・NHK248] 格差社会を広げる働き方改悪(森功のブログ) 赤かぶ
3. 2018年8月06日 19:46:57 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1146]

#BIは福祉と人権先進国のフィンランドやカナダですら、

しかも単なる実験すら、まともに継続できない

格差縮小の意義を人々に納得させることが、いかに難題であるかを物語っている

 


 


From LAベーシックインカムは「絵に描いた餅」なのか?

2018/08/06

土方細秩子 (ジャーナリスト)

 このところ世界中で導入の必要性が叫ばれるユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)という考え方。政府が一定の収入を全国民に保証する、というものだ。テスラ社のイーロン・マスク氏が「AIやロボットによって人々が職を失うことになれば、導入する必要性がある」と口にして話題になったほか、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏も以前からこうしたシステムは必要、としていた。


(stevanovicigor/Gettyimages)
 しかし、昨年ひっそりとUBIを導入した自治体が、3年間のテスト期間を2年も繰り上げて今年やはりひっそりと廃止していたことが明らかになった。カナダのオンタリオ州だ。

 オンタリオがUBI導入を決定したのは昨年夏のこと。北米としては初の試みだったが、対象となったのは全州民ではなく貧困層、とされる4000人。しかも週内のハミルトン、サンダーベイ、リンゼイという3つの市が選ばれ、そこに住む18歳から64歳の住民、また低所得である人々がランダムに選ばれてアプリケーションを提出、その後審査を経て対象となる、というちょっと変わった形式だった。選ばれた人々は低所得者層や生活保護世帯など様々な背景を持ち、3年間に渡ってUBIを得るが途中で辞退もできる、という内容。

 オンタリオではこのパイロットプログラムに1億5000万カナダドルを充当し、「社会の先行き不透明さにUBIを役立てることができるのか」を検証することを目的としていた。対象者が受け取れる金額は独身者が年間1万6989カナダドル(約145万円)、夫婦世帯が2万4027カナダドル(約206万円)と政府が定める貧困層レベルの収入だが、これに加えて失業や子供手当なども普通に受け取ることができる。また、低所得であっても働いている世帯の場合、収入1ドルにつき50セントが引かれる、という設定だった。

 対象となった人々は政府によって生活などをモニターされ、UBIが暮らしにどう関わるのか、生産的な結果をもたらすのか、などが検証される。この制度を導入したのはリベラル派の自治体政府で、昨年の時点では今年予定されていた中間選挙でもリベラル派が勝利を収める、と予測されていたのである。

 ところが今年の選挙で勝ったのは保守派だった。そして選挙後に政府がまず発表したのがUBIの廃止。理由は「コストがかかりすぎ、継続性が見込めない」ためだという。その代わりとして新政府は「ガソリン価格の上昇を抑え、政府支出の無駄を省くことで人々の暮らしを守る」という公約を出した。

 オンタリオがUBIを見放した理由の一つに、今年に入って欧州で初のUBIを導入したフィンランドが今年4月、同様に制度の廃止を発表したことが挙げられる。北米に比べて社会保障制度が手厚いとされる欧州でも機能しなかった制度に未来はない、という決断だ。

日々の暮らしへのプレッシャーから解放
 しかし当初3年間の予定だったプログラムが1年で中断となったことで、UBI対象者の中からは戸惑いの声も聞かれる。カナダでは子供の5人に1人が貧困層、と言われ、米国と並んでOECD諸国の中で最も高い数字となっている。打ち切りを告げられた対象者からは「UBIがあることで日々の暮らしへのプレッシャーから解放され、よりヘルシーな食べ物を得られるようになっていた」「失業中だったのですぐにも仕事を見つける必要がある」といった声が上がっている。

 UBIに関しては米カリフォルニア州ストックトン市が、早ければ今年9月から市内の貧困層およそ100世帯に月に500ドルを支給する、というプログラムを開始する予定だ。しかしストックトンは財政破綻をきたした自治体でもあり、財源をどうするのか、といった課題を指摘する声もある。

 ストックトンの場合、地理的にシリコンバレーに近く、UBIを支持するシリコンバレーの成功者のバックアップがある。例えばフェイスブックの創立者の1人であるクリス・ヒューズ氏はこのプログラムに100万ドルを寄付しているが、財源としてそれだけでは不足しているのは明らかだ。また人口の4人に1人が貧困層、とされるストックトンで対象者がわずか100世帯ではUBIの恩恵を測るにはあまりにも規模が小さい、という問題点もある。

 UBIの目的は社会格差を縮小し、人々に「健康で文化的な生活を保証する」ことにある。しかしそのためにはUBIを受け取る収入制限も必要で、現行の社会保障制度、失業保険や生活保護、疾病手当、子供手当などとどう区別化するのか、という議論も必要となる。すでに2つの試みが失敗と言える結果に終わった今、UBIは本当に社会的に機能するのかが不透明になりつつある。

  
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http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/722.html#c3

[政治・選挙・NHK248] 安倍首相 核兵器禁止条約不参加「変わりない」  赤かぶ
2. 2018年8月06日 19:59:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1147]

>核廃絶と言いながら、核兵器禁止条約には反対の立場を崩さない矛盾

最終的な核廃絶を目指すとしても

現実には、核保有国が全く賛成しない

単なる非モテ国のエゴで要求するだけの条約では、何の役にも立たない


だから自分が保有するようになった北朝鮮のように、賛成から反対に回ることになる


結局、保有国間の交渉で、少しづつ進展させる以外に選択肢はないわけだ


つまり条約の内容が、日本政府の立場(日米安全保障=核の傘による安全)と一致しないのだから

別に矛盾はない


ja.wikipedia.org/wiki/核兵器禁止条約

核兵器の全廃と根絶を目的として起草された国際条約である。「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」


2011年10月26日〜31日、国連総会で軍縮・国際安全保障問題を扱う第一委員会が52の決議を採択した。このうちマレーシアなどが提出した核兵器禁止条約の交渉開始を求めた決議[2]が127ヵ国(昨年より6ヵ国多い)の賛成で採択された。
2016年10月28日(日本時間)、国連総会第一委員会(軍縮)において、多国間の核武装撤廃交渉を来年から開始する決議案“Taking forward multilateral nuclear disarmament negotiations”(document A/C.1/71/L.41)が、賛成123、反対38、棄権16で可決された。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、日本は反対票を投じ、北朝鮮は賛成、中国は棄権した[3][4]。
2017年7月7日に122か国・地域の賛成多数により採択された[5]。前年の決議からこの条約の採択の間に北朝鮮は不参加に転換した。[6] 
http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/742.html#c2

[政治・選挙・NHK248] 安倍首相 核兵器禁止条約不参加「変わりない」  赤かぶ
3. 2018年8月06日 20:06:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1148]

仮に実効性を持たせたければ、保有国に対して、厳しい制裁を実行するくらいでないとダメだが

現実に、そんなことをする国などいないのも明らか


つまり単なる政治宣伝だけの全く無意味な条約ということだ


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/742.html#c3

[国際23] 中国、報復関税発表 米製品6兆7000億円相当に税率最大25%(ロイター) 赤かぶ
2. 2018年8月06日 20:16:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1149]

#当面は報復合戦が続き、世界そして日本経済も大きく下押しされることになる

当然、株時価総額が二位になったからと喜ぶのは大きな間違い

 


トップニュース2018年8月6日 / 15:29 / 5時間前更新
アングル:米エネルギー輸出構想に暗雲、中国がLNG狙い撃ち
2 分で読む

[ニューヨーク/北京 3日 ロイター] - 中国が3日に公表した米製品に対する追加報復関税に液化天然ガス(LNG)が含まれたことで、両国の貿易摩擦に新たな側面が開かれた。これによってトランプ米政権が提唱するエネルギー輸出の大幅拡大構想の雲行きが怪しくなりかねない事態が出現した。

トランプ政権はこれまで繰り返し、積極的に世界中に化石燃料供給を増やしていく姿勢を打ち出しており、国内の原油と天然ガスの増産を促すため規制緩和を進めてきた。

しかしバークレイズのエネルギー市場調査責任者マイケル・コーエン氏は「世界最大級のエネルギー消費国(である中国)が米国産エネルギー輸入の障壁を引き上げつつある局面で、米国がエネルギー(輸出)の超大国になるのが難しいのは明らかだ」と指摘する。

米国はガソリンやディーゼルといった燃料の輸出規模が世界最大で、LNGについても来年までに世界屈指の輸出大国になる勢いがある。昨年のLNG輸出額は33億ドルだった。

一方中国は、今回報復関税対象にLNGを正式に加える前から、既に過去2カ月間で米国からのLNG輸入を抑制してきた。中国の原油輸入先でも米国はカナダに次ぐが、ここ数カ月は米国から中国への出荷が落ち込んでいる。

2016年2月から今年5月までに中国は米国産LNG全体の約14%を購入したものの、6月に米国から中国に到着した輸送船は1隻にとどまり、7月はゼロ。今年1─5月は計17隻を受け入れていた。

厦門大学のLin Boqiang教授(エネルギー論)は「米国のガス業界は、中国を将来の大きな市場とみなしているのに、今でも中国がごく少量しか輸入していないので、報復関税でさらに大きな打撃を受けるだろう」と話した。

世界の石油出荷動向を調べているクプラーによると、7月の米国から中国への原油輸出量は推定日量22万6000バレルで、過去最高だった3月の44万5000バレルから減少している。

国際エネルギー機関(IEA)の石油産業・市場部門責任者ニール・アトキンソン氏は、中国は報復関税の影響で米国からの輸入が減った場合、サウジアラビアやロシア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラクなどからの購入を拡大する公算が大きいと予想した。米国に代わって中国に販売を持ちかける国が出てくるため、中国は穴埋めが可能になるという。

米国では今後1年─1年半で需要が急拡大すると見越して、なお25社前後が新たなLNG輸出ターミナル建設を目指している。ただ関税問題でこれらの企業は、建設計画のための資金調達に必要な十分な買い手の確保という面で制約を受けるかもしれない。

現在米国内で稼働する2つの輸出ターミナルのうちの1つを保有する米LNG大手シェニエール・エナジー(LNG.A)の広報担当者は「当社は引き続き中国を、成長市場で米国とウィンウィンの関係にある存在と考える」と強調し、関税は生産的ではないと付け加えた。

アラスカ州では全長800マイル(1287キロ)のパイプラインを通じて天然ガスをターミナルまで移送し、そこでLNGにして中国に輸出する総額430億ドルのプロジェクトが進行中だ。

これを手掛けるアラスカ・ガスライン・デベロップメントは3日、実際にアラスカのLNGが中国に輸出できるようになる前に米中貿易摩擦が解決されると信じていると期待を表明した。

(Scott DiSavino、Chen Aizhu記者)


 


 


外為フォーラムコラム2018年8月6日 / 14:39 / 2時間前更新
コラム:米中通貨戦争勃発か、トランプ氏が開けたパンドラの箱=宇野大介氏
宇野大介 三井住友銀行 チーフストラテジスト
5 分で読む

[東京 6日] - 出口の見えない米中経済摩擦は、為替市場に対して、どのような影響を与えるのか。結論から言えば、関税引き上げ合戦にとどまらず、米中間の通貨引き下げ競争に発展する可能性が出てきたと筆者は考えている。米中ともに「通貨安」を所望し、第2ラウンドが始まる事態を想定する必要がありそうだ。

周知の通り、トランプ米政権が知的財産権侵害を理由に中国製品への高率関税適用を検討していると報じられた3月をターニングポイントとして、中国は「通貨高容認」から「通貨安誘導」へと為替政策の方向を転換したようにみえる。

中国人民銀行(中央銀行)は週明け6日、人民元売買の対ドル基準値を2017年5月31日以来およそ1年2カ月ぶりの元安水準となる1ドル=6.8513元と設定。上海市場では6日午前、6.82元付近で推移している。先週金曜3日の中国人民銀行よる為替先物取引準備金率の引き上げ方針発表を受けて、元高方向に若干戻したものの、3月27日に付けた対ドル年初来高値6.2448元から見て、依然として9%超の元安水準にある。

背景にはもちろん、米中間の金融政策の方向性の違いもある。米連邦準備理事会(FRB)が利上げとバランスシート削減を進める一方で、中国人民銀行は流動性供給を増やすなど緩和の色彩が濃い金融政策運営を行っている。

ただ、それだけでは、これほどまでの元安加速は説明し難い。2005年7月以降、人民元の国際化に向けて為替変動を許容する措置を段階的に取っているものの、いまだ完全な変動相場制からは程遠い。最近の元安が市場メカニズムによってもたらされているとの中国当局の主張を信じるのは、あまりにナイーブ(甘過ぎる)というものだろう。

よく言われているように、米国の中国製品輸入額(年間約5000億ドル)は、中国の米国製品輸入額(同約1300億ドル)よりもはるかに大きい。米国はすでに500億ドル相当の中国製品に対して25%の関税を課す方針を決め、そのうち340億ドル分について7月初旬に発動した。これに加えて、2000億ドル相当の中国製品についても追加関税を課す計画を明らかにしており、しかもトランプ大統領は1日、その関税率を当初案の10%から25%に引き上げるよう、米通商代表部(USTR)に対し検討を指示したことを明らかにしている。

これらが実行に移されると、「同規模・同水準」の報復を表明している中国側は、米国からの輸入額がその金額よりも少額のため、関税以外の手立てを考える必要がある。手っ取り早いのは通貨安で自国製品の価格競争力を高めることだ(その他にも米国企業の中国国内でのビジネスに制約をかけるなどの手法が考えられる)。

もちろん、元安が中国からの資本流出懸念を想起させ市場の混乱を招く恐れがあることは、2015年夏の人民元切り下げショックで証明済みだ。確かに、それ以降、国内債券市場の整備を図り、対外開放政策によって外国人投資家に中国国債を保有させることに成功しているほか(中国国債の外国人保有比率は2014年半ばの2%から足元では7%に拡大)、一定の株安も許容できるようになっている。

ただ、米国側が関税引き上げ合戦の規模をさらに拡大させていくならば(また中国側が折れるつもりがないならば)、通貨安という武器にもっと頼らざるを得なくなるのは自明の理だ。前述したように、中国人民銀行は3日、市中銀行に対して週明け6日から為替先物の人民元安の予約に20%のリスク準備金を義務付ける方針を発表したが、元安が加速し過ぎないようにスピード調整をしたかっただけだとみている。筆者は、直近安値の2016年12月の1ドル=6.9―7.0元を超える大幅な元安を年初の見立てとしており、そこまではあと一歩である。

その場合、トランプ大統領が黙認するとは思えない。高率関税適用の規模や税率の引き上げにとどまらず、元安をより厳しいトーンで糾弾し、ドル安方向へとトークダウンを仕掛けてくる可能性が高いだろう。経常収支と財政収支の「双子の赤字」を抱える米国が本気でドル安政策を仕掛けてくれば、その方向に進む可能性は十分ある。

そして、最大の問題は人民元に対してドル安が進むかどうかというよりも、管理フロート制を取る人民元の身代わり(ドル安の受け皿)となって急激な通貨高に見舞われることを恐れ、他の国々が通貨安政策をあからさまに取り始めることだ。議論はあるものの、通貨切り下げ競争は1930年代のデフレの原因として指摘されることは多い。

<日本こそ最大のあおりを受ける国に>

さて、そこまでエスカレートせず、関税引き上げ合戦にとどまったとしても、主要各国や世界経済全体へのダメージは、やはり油断ならないものがある。

確かに、米国の保護主義政策が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限と500億ドルの中国製品に対する高率関税にとどまれば、影響は軽微との見方が大勢だが、事態がエスカレートの兆しを見せている以上、最悪のシナリオに備えた頭の体操は必要だろう。

例えば、経済協力開発機構(OECD)は2016年11月の経済見通しの中で、保護貿易が世界経済や貿易に与える影響について、試算結果を明らかにしている。それによれば、仮に米国、欧州、中国が関税などの貿易コストを10%引き上げれば、世界の国内総生産(GDP)を1.4%押し下げ(3年から5年かけて毎年0.3―0.5%押し下げ)、世界貿易を6%減少させるという。国・地域別にGDP押し下げ効果を見ると、米国が2.2%で最もダメージが大きく、欧州と中国がそれぞれ1.8%、1.7%のマイナスとなる。

また、今年7月21―22日にアルゼンチンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に提出された国際通貨基金(IMF)の試算結果を見ると、貿易戦争がエスカレートして信用ショックをもたらすという最悪のケースでは、世界経済の成長率はベースライン予想に対して1年目に0.4%、2年目に0.5%下振れするという。

国・地域別にGDP下押し幅を見ると、米国が最も大きく1年目に約0.8%、中国を含むアジア新興諸国が2年目に約0.7%となる。日本は3年目の約0.6%まで悪影響が長引くこととなっている。

なお、信用ショックまで至らなければ、世界経済全体への下押しは最大でも0.1%程度となる見通しだが、トランプ政権が自動車関税引き上げに踏み切った場合、米国経済は1年目に最大0.6%減速すると警鐘を鳴らす。

ここで注目すべきは、米自動車関税発動のシナリオでは、中国を含むアジア新興諸国への影響が米国向け輸出に占める自動車の割合の低さや貿易転換(域外取引が域内取引に転換されること)によって1年目にむしろGDP押し上げとなる一方、米国向け輸出に占める自動車の割合が29%に上る日本経済が最大0.2%減速することだ。

米国政府が検討を進めている自動車関税については、11月の中間選挙に向けたトランプ政権の政治的アピールとの楽観論もあるが、果たしてどうなのか。対中関税に関するトランプ大統領の発言がどんどんエスカレートしていることを考えれば、楽観は禁物だろう。

また、為替についても注意すべきは、米財務省が為替報告書で繰り返し割安とみなしてきた日本円がドル売りの受け皿となりやすい点だ。トランプ大統領のドル高けん制が円安や日銀緩和に対する批判に変わる可能性には注意が必要だろう。9日に始まる日米新通商協議(FFR)においても為替の話しが持ち出されるか、その行方にも目配りしたい。

実際、日銀緩和策の見直し議論が、トランプ大統領によるドル高けん制発言と時を同じくしている点は注目に値する。このように考えると、日本は米中貿易摩擦の漁夫の利を得るどころか、一番大きなあおりを食う可能性が高い国と言えそうだ。

むろん、トランプ大統領の政治手法は、「国境の壁」問題しかり、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉しかり、大半の事案においては、大きなアドバルーンを上げて、問題意識をあおりながらも、着地点は急がないというものだ。しかし一方で、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱や関税引き上げなど、唐突に重大な決断を下すことが多い点も忘れてはならない。そして、その際のキーワードは、「アメリカ・ファースト(米国第一)」でぶれていない。

最後に1つ言い添えれば、こうしたトランプ大統領の政治手法が、ただでさえリーマン・ショック後の公的介入拡大に伴って進んできた市場機能の低下に拍車をかけるのではないかと筆者は危惧している。ギリシャ神話では、パンドラが災厄の詰まった箱を開けて、あらゆる災厄が飛び出した後に、希望だけが箱の中に残った。トランプ大統領が開けたパンドラの箱の中に、果たして自由主義経済の希望は残っているのだろうか。

宇野大介氏(写真は筆者提供)
*宇野大介氏は、三井住友銀行のチーフストラテジスト。1990年3月慶應義塾大学経済学部卒業後、同年4月住友銀行(現三井住友銀行)入行。1991年から市場分析・相場予想に携わる。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

 


 


コラム2018年8月6日 / 13:44 / 2時間前更新
コラム:貿易戦争の「休戦」に必要な犠牲者
Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 貿易戦争を止めるようトランプ米大統領を説得できる要素は、「犠牲者」だけなのかもしれない。

米政権は、2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に対する関税を、当初予定の10%から25%に引き上げることを検討している。重機メーカーのキャタピラー(CAT.N)のような大企業はコストを吸収できるが、過熱する応酬により、中小企業は廃業や従業員の解雇に追い込まれるが可能性がある。

関税措置の応酬は、悪化する一方だ。

トランプ米政権は、輸入される鉄鋼・アルミ製品のほか、中国製品に追加関税を課し、世界中から報復措置を招いた。中国は3日、米国から輸入する600億ドル相当の製品に関税措置を検討していることを明らかにした。

自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)のような大企業は、今後起きる「痛み」について警告を発しているが、関税措置によって同社が傾くことはないだろう。キャタピラーは最近、鉄鋼製品や部品への関税で、今年下半期は原料調達コストが2億ドル上昇すると表明した。だが同社は、上昇分のコストのほとんどを顧客に転嫁することができるだろう。

また、米経済の堅調さを考えれば、貿易戦争が全体に及ぼす影響が判明するには、より長い時間がかかるかもしれない。とはいえ、7月の米雇用統計では、非農業部門の就業者数は前月比15万7000人増と、求職数が多い割には市場予想を下回った。企業経営者は米議員に対し、関税措置により拡大がストップしたり、コスト上昇や売り上げの減少が起きたりしていると訴えている。

トランプ大統領は、農家の痛みを認識しており、中国が米農業を標的にしたのは「悪意だ」と批判した。米政権は、政府系信用機関を使って120億ドルの支援策を提供することを決め、トランプ大統領支持層の中核をなす農業者への配慮をにじませた。

全米商工会議所の調査によると、米企業は総額270億ドルの追加支援を必要としている。うち76億ドルが自動車産業、88億ドルが鉄鋼、鉄、アルミニウム部門の必要額だという。

一方で、ミズーリ州に本社を置くクギ製造会社ミッドコンチネント・ネイルのような企業は、打撃を受けている。

2012年にメキシコの製鉄大手に買収された後に企業規模は2倍になったが、最近500人いる従業員の26%カットに踏み切った。鉄鋼関税が原因で、注文が70%減ったためだ。同社のゼネラルマネジャー、クリス・プラット氏は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で、多くの従業員や同僚がまだトランプ大統領を信頼しているものの、「時間がなくなりつつある」と指摘した。

このような話の方が、自分の支持基盤に関わるだけに、トランプ氏を動かす可能性が高いだろう。だがトランプ氏に「休戦」を決断させるには、甚大な被害が必要になるのかもしれない。

Caterpillar Inc
138.51
CAT.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
+0.50(+0.36%)
CAT.N
CAT.NGM.N
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/605.html#c2

[国際23] 米国の破綻は不可避(田中宇)中国はドル崩壊の準備、日本はドルの延命に邁進。中国は賢い。日本は馬鹿だ。 てんさい(い)
5. 2018年8月06日 21:10:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1150]

>>04 「ドルが無価値になる」なんて言ってない

日本語理解の問題だが

>2020-バブル崩壊 米国覇権の終わり ドル崩壊

普通に考えれば、バブル崩壊後、ドルは大幅に減価(=無価値化)という解釈になる

ドルの価値が、大して下がらないのであれば、当然、基軸通貨として機能し続けるのは

かってドル円360円だったことを考えれば明らかなことだ


現実には、これまで同様、インフレ率や金融政策など、国力に応じて徐々に減価し続けるだけだろう

それよりも現実により危機的なのは中国の方だ

 


米財政赤字、1兆ドルはニューノーマルになるか
景気について語るクドローNEC委員長(左)とそれを聞くトランプ大統領(7月、ホワイトハウス) 
By Nick Timiraos
2018 年 8 月 6 日 15:46 JST

 1兆ドルの財政赤字がワシントンに戻ってくる。今回は長くとどまるかもしれない。

 2009年には米経済が急激に縮小した後、財政赤字は大きく膨らんだ。失業率が急上昇して歳入は急減、米政府はその衝撃を和らげるために歳出を増やした。財政赤字は国内総生産(GDP)の10%に相当する1兆5000億ドル近くに達した。それがようやく1兆ドルを下回ったのは、経済成長が改善し、米議会が増税と歳出抑制を承認した2013年のことだった。

 現在の状況は異なっている。米経済は好調なのだ。今年上半期のGDPは年率換算で3.1%の成長となった。

 とはいえ、歳出のペースは歳入を上回っている。昨年末に議会とドナルド・トランプ大統領が減税措置を承認し、今年に入って歳出を増やしたためだ。

 経済に資金を注入することで成長てこ入れに寄与している財政赤字には、長期に及ぶコストが伴う可能性がある。米国債の買い手が債券供給を吸い上げるためにより高い利回りを要求すれば、将来の成長は抑制される可能性がある。さらに、好況期に財政赤字が膨らめば、将来の政策当局は次の景気後退期に景気支援の意欲が薄れる恐れがある。

 米財務省は今年下半期の国債発行が7690億ドルに上ると見積もっている。これは前年同期比で63%の増加だ。ホワイトハウスは2019会計年度(18年10月?19年9月)の財政赤字がGDPの約5%、1兆ドル超に増加すると見積もっている。17会計年度の赤字はGDPの3.4%、6660億ドルだった。

 米国家経済会議(NEC)のラリー・クドロー委員長は先月、経済専門局CNBCが主催した会議で「巨額の財政赤字は良くないが、われわれはGDPの4%、5%の赤字を出すことになる」と述べた。「ひどい赤字ではない。もっとひどかったこともある」

 米国が戦後、GDP比5%を上回る財政赤字を出したのは、失業率が10%に達した2つの景気後退の後、つまり1983年と2009年だけだ。

 トランプ政権が今年2月に議会へ提出した予算教書では、財政赤字が2022年までに1兆ドルを下回ることになっているが、それには2つの前提条件がある。

 第1の前提は、米経済が向こう1?2年だけでなく、10年にわたって年率3%の成長を果たすというものだ。クドロー氏は先月「確かに、かなり短期的には歳入がある程度失われることになる」と述べた。だが「われわれはその分を取り戻し、さらに歳入を増やすだろう」としている。

 米連邦準備制度理事会(FRB)や米議会予算局(CBO)を含むエコノミストの多くは、減税と歳出増の当初の効果が薄れる来年以降、経済成長率が2%をやや下回る水準に戻るとみている。その要因としては人口が緩やかに増加していること、生産性の伸びが軟調であることが挙げられる。

 ベン・バーナンキ元FRB議長は6月に開かれた会議で、財政刺激策について「今年と来年、そしてワイリー・コヨーテが崖から落ちる2020年に、米経済に大きな影響を及ぼすことになる」と述べた。

 ホワイトハウスの予測には、財政赤字拡大につながる、予想しにくいが避けられない景気後退の説明がない。

 財政赤字が縮小するというトランプ政権の予測は、主にトランプ大統領の現在の任期終了後に予定されている大幅な歳出削減を当てにしている部分もある。ホワイトハウスは研究、教育、住宅などの非国防プログラムへの政府資金について、米経済に占める割合を戦後最低の水準にまで縮小するよう提案している。

 共和、民主両党の議員はそうした資金の抑制にほとんど意欲を見せていない。

 かつて予算関連でトランプ大統領への助言役を務め、現在は保守系シンクタンクのヘリテージ財団に所属しているポール・ウィンフリー氏は「この3年間、議会は裁量支出の上限を引き上げる法案を通過させ、歳出上限を完全に崩し、メディケア(高齢者向け医療保険)のコスト管理を覆すとともに、歳出を削減することなく歳入を減らしてきた」と指摘する。

 経済成長に関する楽観的な前提と、野心的な歳出削減のどちらかが実現しない場合、1兆ドルの財政赤字は定着する可能性がある。

 ベビーブーマー世代の引退など、難題は他にも立ちはだかっている。ソーシャルセキュリティー(社会保障制度)の信託理事会は6月、今年は1982年以降で初めてコストが収入を上回ると想定されており、3兆ドル近い信託基金からの給付金拠出を迫られる見通しだと明らかにした。

 

 
米国との持久戦に備え十分、貿易戦争生き残れる−中国メディア(1)
Bloomberg News
2018年8月6日 13:39 JST 更新日時 2018年8月6日 16:16 JST
• 貿易戦争は中国を米国の経済的従属国にしようとする行為
• 巨大な市場や改革開放政策の着実な実行により中国は生き残れる
米国は貿易摩擦を早急に解決しようとしているが、中国は「持久戦」に備えており、短期的な経済的利益を犠牲にすることも恐れていないと、中国メディアが論説で主張した。
  共産党機関紙、人民日報系の新聞、環球時報の英語版グローバル・タイムズは5日夜の論説で、中国は発展する権利を守らなければならないものの、中国国民は「貿易戦争を避けたいと強く願っている」とした上で、「米国の不合理な要求から判断すると、貿易戦争は中国の経済主権を失わせることが目的であり、日本がプラザ合意を受け入れたように中国を米国の経済的従属国にしようとする行為だ」と断じた。
  「米政府は貿易に関して常軌を逸している」とし、中国は「多くの米大企業と米農家が生き残るための鍵」だと論じた。
The Shots Fired So Far In the U.S. - China Trade War
The scale of the conflict is growing, based on imposed and threatened tariffs
Source: U.S. Census Bureau, U.S. and Chinese announcements
  中国英字紙チャイナ・デーリーの論説は「トランプ政権のいじめに直面し、中国政府は冷静さを保ち、対応策を決める際に感情に溺れて理性を失わないようにしなければならない。中国の巨大な市場や、資源を大型プロジェクトに集中させられる制度上の優位性、苦難を耐える粘り強い国民性、改革開放政策の確実な実行を考慮に入れると、中国は貿易戦争を生き残ることができる」と説明した。
  トランプ米大統領は先週、中国からの輸入2000億ドル(約22兆2500億円)相当に課す関税率を当初の10%から25%に引き上げることを検討するよう指示。中国経済の構造的変化と対米貿易黒字の削減を巡る米側の要求について中国を交渉の舞台に戻すことを意図した動きだが、中国はそうした戦術は機能しないと反発している。
原題:China Prepared for Long Trade War With U.S., State Media Says、China Meets Trump’s Tariff Hardball With Pledge to Endure (1)(抜粋)



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/610.html#c5

[国際23] 米国の破綻は不可避(田中宇)中国はドル崩壊の準備、日本はドルの延命に邁進。中国は賢い。日本は馬鹿だ。 てんさい(い)
6. 2018年8月06日 21:17:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1151]

>>04 米株式市場や米債権市場のバブルが崩壊して、それ以降米金融市場が復活することはない

ここが妄想ということだ

今後、よほど米国経済が好調になり、債務バブルが加速しない限り
(したとしても)
危機は、リーマン時に比べれば、大した危機にはならない

今回は、まだ投資家も家計もかなり用心しており、貯蓄率も下がっていない

そして金融市場が復活しないというコトバも定義がイイカゲンであり、

こういうところが、金融経済に関する無知ということだ



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/610.html#c6

[国際23] 北朝鮮、米国に制裁解除を訴え 核実験停止や遺骨返還の「誠意」をアピール(ロイター) 赤かぶ
2. 2018年8月06日 21:32:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1152]

元々、完全かつ「検証可能で後戻りの出来ない」非核化を要求して武力行使も辞せずとしていたのだから

ここで制裁を解除したら、過去のトランプの主張と、さらに矛盾が拡大することになるが

トランプの場合、全てがDealに過ぎないから、当然、いくらでも変更可能だ

問題は、それで保守派を納得させられるかだ


http://japanese.donga.com/Home/3/all/27/1240600/1

米ホワイトハウス発表文は「CVID」強調

ホワイトハウス、特使に言及せず「完全な非核化」強調
Posted March. 03, 2018 09:39, Updated March. 03, 2018 09:39음성듣기
 

米国務省は1日、「韓半島の非核化は交渉の対象ではない」と繰り返し強調し、「このような立場を伝えるために北朝鮮(との対話)に関与する用意がある」と明らかにした。

国務省のマイケル・ケビー報道官(東アジア・太平洋担当)は同日、「北朝鮮に特使を派遣する韓国の計画をどう思うか」という質問に、「米国(トランプ政権)は前政権が犯した同じ失敗はしない」と述べた。また、「米国が北朝鮮に関与するなら、『完全かつ検証可能な韓半島の非核化は交渉の余地はない』という米国の立場を強調するためだ」と述べた。

一方、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ米大統領の1日の電話会談後に韓米両国が出した報道資料にも微妙な立場の相違があらわれた。大統領府は、「文大統領は、北朝鮮高官級代表団の訪韓時に議論した内容を確認するために特使を近く北朝鮮に派遣する計画があることをトランプ大統領に伝えた」と明らかにしたが、ホワイトハウスの発表文には大統領府の発表の核心である「対北朝鮮特使」が抜けている。「文大統領が、北朝鮮および南北対話と関連した進展状況をトランプ大統領に説明した」とだけある。

また、大統領府の発表文には、「南北対話の動力を維持して韓半島の非核化につなげるための努力を続けていく」とあるが、ホワイトハウスの発表文は、「北朝鮮とのいかなる対話もCVIDという明らかで確固たる目標を持って進めなければならないという堅固な立場を確認した」とある。「CVID」とっは、「完全(complete)かつ検証可能(verifiable)で不可逆的な(irreversible)核廃棄(denuclearization)」を意味する。


https://www.sankei.com/world/news/180613/wor1806130007-n1.html
 
 完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)は、北朝鮮の核問題をめぐり、米国が6カ国協議を通じて主張してきた非核化の原則のことを示す。

 完全(Complete)かつ検証可能(Verifiable)で不可逆的(Irreversible)な廃棄/非核化(Dismantlement/Denuclearization)を表す英語の頭文字をつなげた。

 核兵器を含む全ての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルを完全に検証可能な形で不可逆的に廃棄させることを求めている。(外信部 板東和正)


https://www.fnn.jp/posts/00297360HDK
トランプが『廃棄』から『非核化』に乗り換えた狙い 

https://japan-indepth.jp/?p=40484
トランプがCVIDを主張しなかったわけ 

http://news.livedoor.com/article/detail/15118654/
ARF議長声明 非核化方法で北に配慮も 

2018年8月6日 10時41分 日テレNEWS24 

シンガポールで開かれていたARF(=ASEAN地域フォーラム)は北朝鮮の非核化を促す議長声明を発表した。非核化の方法をめぐっては「検証可能で後戻りの出来ない」との表現を避け、北朝鮮に一定の配慮を示した形。

ARFは4日に行われ、6日になって議長声明が発表された。焦点である非核化については、北朝鮮が約束した「完全な非核化」を実現することや核・ミサイル実験の自制を続けるよう促している。ただ、北朝鮮が反発する「CVID(完全かつ検証可能で後戻りの出来ない非核化)」との表現は盛り込まれなかった。

今回のARFで北朝鮮は前回の3倍以上となる11の国などと相次いで会談。一方的な非核化には応じられず、段階的に進めるとの立場を強調していて、これが議長声明にも反映されたものとみられる。
日テレNEWS24

外部サイト
ARF“迅速で着実な非核化”一致できるか
ARF 非核化“迅速で着実な実行”焦点に
共同声明内容“完全な非核化に向け尽力”

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/614.html#c2

[国際23] プーチン露大統領、米メディアを「完全論破」した動画が話題に(Business Journal) 赤かぶ
1. 2018年8月07日 08:30:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1153]

プーチンが実際に論破しているのは、一部の愚かなメディアの意見だけというのは置いておいても

そもそも妄想に囚われ、不満を抱く愚民は、いくら事実に基づき論理的に意見の破綻を指摘しても

Fakeだと言い続けるだけで、最終的に、自分の生活が破綻するまで(しても)気づかない

そして、そういう愚民が人類の大多数であることから、悲劇が繰り返す

そして、いずれ滅亡することになるのだろう


 

http://news.livedoor.com/article/detail/15113852/
ロシア、S・セガール氏を対米人道特使に任命
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2018年8月5日 8時20分 AFPBB News
ロシアの首都モスクワのクレムリン宮殿で、米俳優のスティーブン・セガール氏(右)と握手するウラジーミル・プーチン大統領(2016年11月25日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News
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【AFP=時事】ロシア政府は、米俳優スティーブン・セガール(Steven Seagal)氏(66)を人道分野での対米関係を担う特使に任命した。ロシア外務省が4日、ウェブサイトで発表した。

 同省は、特使の職務は「文化、芸術、大衆・若者の交流といった人道分野におけるロシア・米国関係のさらなる発展を促進すること」だと説明。また、この職務でセガール氏に報酬は支払われないとしている。

 セガール氏は『沈黙の戦艦(Under Siege)』『刑事ニコ/法の死角(Above the Law)』といった映画が公開された1980年代終わりから1990年代初めにかけて知名度のピークを迎えたが、欧州東部では今でも人気が高く、2016年にはロシアとセルビアの市民権を与えられた。

 同氏は、格闘技ファン仲間としてウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)ロシア大統領と交流したことがある。また、2014年のロシアによるクリミア(Crimea)半島併合後、同大統領を「存命の世界指導者の中でも偉大な人物の一人」と呼び、同半島で自身のブルースバンドの公演をしたこともある。さらに、先月まで行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)にも姿を見せたほか、5月に行われたプーチン大統領の通算4期目の就任式にも来賓として出席した。

 セガールさんは、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)告発運動「#Me Too(私も)」で性的不品行を批判されているハリウッド関係者の一人でもある。
【翻訳編集】AFPBB News
AFPBB News

「スティーヴン・セガール」をもっと詳しく

スティーヴン・セガール 2人の女性が過去のセクハラ行為を訴え
スティーヴン・セガール 仮想通貨ビットコイインの親善大使に
スティーヴン・セガールのセクハラ行為 女優が暴露ツイート


 
http://blogos.com/article/316139/

THE PAGE2018年08月06日 18:50


W杯8強でもプーチン支持率急落 ロシア国民の反発招いた年金改革とは



[写真]支持率の急落が伝えられるプーチン大統領。7月末には地元開催のW杯で8強の好成績を残したロシア代表の監督や選手に勲章を授与した(代表撮影/ロイター/アフロ)

 6月中旬から約1か月にわたって行われたサッカーのワールドカップ(W杯)は、自国開催のロシアが大会前の予想を裏切る大躍進を見せ、多くのロシア国民が代表チームのプレーに一喜一憂した。大会中にはプーチン大統領が、各国の首脳とクレムリンで会談を行う「フットボール外交」を展開するなど、W杯はプーチン政権にとって国内外へのアピールという点で最高のツールであったはずだ。しかし、大会が終了してから約2週間が過ぎた現在、プーチン大統領は支持率の急落という想定外の事態に直面している。その原因となったのが、旧ソ連時代から続く国民年金の存在であった。

【写真】「ソ連」崩壊から大国「ロシア」の復活 忘れられつつあるソ連後の歴史

代表も好成績、W杯外交も順調に見えたが

[写真]ロシア代表は決勝トーナメント1回戦でスペイン代表をPK戦の末に破り、準々決勝に勝ち進んだ(ムツ・カワモリ/アフロ)

 フランス代表がクロアチア代表を破り、2回目の優勝を果たして終了したロシアW杯。大会期間中にプーチン大統領はスタジアムやクレムリンで、出場国の首脳や、北朝鮮の政府高官とも会談を行っているが、「ワールドカップ外交」で最も大きなものが、決勝戦直前にクレムリンで行われた露仏首脳会談だった。もともと予定されていたものではなく、フランス代表が決勝に進出したことで実現した、まさにサプライズ会談であった。フランスが準決勝でベルギーに勝利した直後に、プーチン大統領はフランスのマクロン大統領に電話をかけ、フランスの決勝進出に祝意を伝えたのだが、その際に決勝戦のキックオフ前にクレムリンで会談を行うというプランが決まった。

 クレムリンで行われた露仏首脳会談では、シリア内戦やイラン核合意、北大西洋条約機構(NATO)をめぐるヨーロッパとアメリカの認識の違いなどが話されたのだという。フランス代表の決勝進出が決まったのが7月11日で、露仏首脳会談は4日後の15日に行われた。16日にはフィンランドのヘルシンキで米露首脳会談が行われたが、その前日にマクロンとプーチンが会談を行うというシナリオは、さすがにトランプ政権も予測していなかったはずだ。会談の詳細は明かされていないが、「ヨーロッパの特使」として、マクロンはプーチンに何を伝えたのだろうか。

 7月15日のモスクワには、4年後にワールドカップを行うカタールのタミム首長の姿もあった。タミム首長も、決勝戦が行われる前にクレムリンでプーチン大統領と会談を行っている。カタールは昨年からサウジアラビアやUAEといった周辺の湾岸諸国との関係が悪化しており、ロシアから最新鋭の地対空ミサイルを購入することが決まると、サウジアラビアは「カタールへの軍事行動もあり得る」という厳しい姿勢をあらわにしていた。6月には仏メディアが、カタールとの関係改善に向けて、周辺の湾岸諸国がマクロン大統領に調停役として動いてほしいと要請していたことを報じている。まさに絶妙のタイミングで、同じ日にプーチン大統領が待つクレムリンを、フランスとカタールの首脳が訪れたのだ。

W杯開幕日に突然発表された年金改革案
 外交面では大会期間中に幾つかのアピールに成功したようにも思われるプーチン大統領だが、内政面ではW杯というカードはそれほど効果がなかったようだ。むしろ、国民の目を内政問題から逸らすためにW杯を利用した印象が残ってしまい、日を追うごとにプーチン大統領の支持率がダウンする結果となっている。

 3月に行われた大統領選挙では、2012年の選挙を上回る76パーセントの得票率で圧勝したプーチン大統領。5月の時点で約80パーセントあった支持率は、7月中旬には64パーセントにまで下落し、ロシアの独立系世論調査機関「レヴァダ・センター」が1日に発表した最新の支持率調査ではついに支持率が50パーセントを下回る結果となった。プーチン大統領が所属する与党の「統一ロシア」に対する支持率も下落しており、国営の世論調査機関「WCIOM」が7月末に発表したものでさえ37パーセントという不人気ぶりだった。

 プーチン大統領や統一ロシアに対する支持率が下落を続ける原因となったのが、来年から段階的に実施される可能性が高いロシア国内の年金改革だ。年金が受給される年齢を引き上げることによって、財政面での負担を減らす狙いがある一方で、国民からの猛反発が容易に想像できるため、強権的なイメージの強いプーチン政権ですら長年にわたって二の足を踏んでいた。事実、3月に行われた大統領選挙では、プーチン大統領は年金改革についてほとんど言及していない。

 年金支給開始年齢を引き上げる計画がメドベージェフ首相によって発表されたのは、W杯開幕日である6月14日で、ロシア国民はその時に初めて年金を手にできる年齢が大幅に引き上げられることを知った。計画では年内に議会承認を行い、来年から段階的に年齢引き上げを実施し、2034年までに完了するという見立てになっているが、これに多くの国民が憤慨。W杯が始まって最初の2週間で、ロシア代表の躍進や好試合の連続に関係なく、プーチン大統領の支持率が10ポイントも急落した。

男性の平均寿命66歳で支給開始は65歳に
 ロシアの年金事情について説明しておこう。社会主義国家だったソビエト連邦時代の1932年に年金制度はスタートし、ソ連崩壊後もロシア国内では同じシステムが四半世紀以上にわたって維持されてきた。ロシアでは過去に何度か年金改革が叫ばれたことがあったものの、すべて失敗に終わっており、政治家の間ではアンタッチャブルな案件として認識されているのも事実だ。

 プーチン大統領は2005年に「私の在任期間中に年金改革は行わない」と公言していたが、年金が国家財政の首を絞める状況は無視できない段階にまで到達していた。6月半ばに自身ではなくメドベージェフ首相に年金改革案を発表させたのは、自身に対する批判を極力少なくし、加えて国民の反応を見極める目的があったのではないかとの見方も少なくない。

 6月半ばに発表された年金改革案が実行に移された場合、男性の受給年齢は現在の60歳から最終的に65歳にまで引き上げられる。女性は60歳で年金を受給できるが、現在の受給年齢が52歳であるため、年金を手にできるまでの期間が8年長くなるのだ。まだ議会で承認されていないものの、原案では来年から受給年齢を毎年6か月ずつ引き上げ、男性は2028年までに、女性は2034年までに年金受給年齢引き上げを完了させる計画だ。

 65歳という年金受給年齢は日本と同じだが、平均寿命に目を向けた場合、日本とロシアには大きな差がある。女性の平均寿命は日本の87歳に対して、ロシアは77歳。男性にいたっては、日本の81歳に対して、ロシアは66歳だ。10年後のロシアの男性平均寿命を現時点で予測するのは難しいが、仮に今と同じだった場合には、ロシア人男性が年金を手にできる期間は非常に短いことになる。また、ロシアには83の連邦構成体が存在するが、半数以上で男性の平均寿命が65歳を下回っている。

 ソ連時代から続く年金制度だが、毎月の平均受給額は日本円で2万円程度にしかならず、それだけで生活を維持するのは非常に困難だ。ただでさえ少ない年金の受給年齢を引き上げることが国民の反発を招くのは分かり切った話に思えるが、天然資源の輸出に大きく依存してきたロシア経済では年金の赤字を補填し続けるだけの体力はなく、プーチン大統領もアンタッチャブルな存在であった年金改革に着手せざるを得なかったというのが実情だ。出生率の低下と高齢化という問題にも直面するロシアだが、プーチン大統領が支持率維持のために年金改革における妥協案を打ち出す可能性もまだ残っている。

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■仲野博文(なかの・ひろふみ) ジャーナリスト。1975年生まれ。アメリカの大学院でジャーナリズムを学んでいた2001年に同時多発テロを経験し、卒業後そのまま現地で報道の仕事に就く。10年近い海外滞在経験を活かして、欧米を中心とする海外ニュースの取材や解説を行う。ウェブサイト


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/617.html#c1

[経世済民128] 日銀の金融緩和に見る行動経済学の「偽薬効果」と「埋没費用の呪縛」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年8月07日 16:42:09 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1154]

>筆者は、何となく日銀がこの「サンクコストの呪縛」に陥りはしないかということも懸念
>緩和策、超低金利策を続けていくと、仮にそのような大きな景気後退の動きが出てきた時に、金融政策では何も手を打てなくなってしまい、結果として次の不況は相当長引く
>サンクコストの呪縛にとらわれることなく、必要とあれば適切な軌道修正をやってほしい

筆者は、サンクコストという概念で、日銀の緩和政策を批判しようとしているが

現時点では、日銀のマイナス金利による損失は、株式や債券からの収益でトータルでは賄われているので

特に、この点に関してサンクコストは発生していない


もしきちんと批判したいのであれば、金融緩和政策のサンクコストが何か

具体的に、どういう経済主体に、どういうコストが発生しているのかを明確に指摘して

政策の作用と副作用を比較すべきだろう

これまで

巨額の量的金融緩和策によりハイパーインフレになるという批判が以前は多かったが

これが妄想であり、国内産業の高い生産性が維持される限り、

賃金増と消費・投資増が起こらなければインフレ率は上昇しないという、

理論的には予想されていたことが、日銀に限らず

FRBやECBにおいても経験的にも実証されたと言っていい


一方、近年は、その逆に、黒田日銀の予想(マッカラムルール)通りにインフレ率が

十分上昇してないという批判が増えているが

マッカラムルールもまた線形的に成立するものではないことは以前からわかっていたので

これも不思議ではない


また近年のグローバル化や、IT化による賃金や価格の下押しは、

日本のような超少子高齢化国家以外でも、インフレ率を下押ししている

よってデフレから短期間に脱却し、2%インフレ率が定常的に実現しない状況では

金融緩和政策の副作用を考慮して、長期化を目指すというのは

現時点では、最適かどうかは決められないとしても、

緩和を完全に止めることによる反作用のリスク(金利と財政コストの上昇、円高不況)を考えれば


多くの批判者が言い続けるように、完全に止めさせるのは難しいだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/132.html#c2

[経世済民128] 黒田日銀が「デフレ克服」を諦めて消費増税実現に舵を切った可能性 黒田発言を丁寧に読み解く(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年8月07日 17:01:56 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1155]

>黒田日銀が「デフレ克服」を諦めて消費増税実現に舵を切った


まず財務出身の黒田総裁は、以前から消費税増税派、舵を切ったというのは間違い

次に「デフレ克服を諦めた」 というのは、2重の意味で間違い


まず、すでにデフレではなく、インフレ率自体は、ここ数年プラス圏が続いている


また米国を中心とした世界経済の現状もプラスの状態が続いており

企業利益も雇用も、史上最高レベルが続いており

日本の名目賃金も、伸び続け、6月は3.6%増と高い水準だ


そして、より深刻な問題として、社会保障コストの増加や、

コストプッシュインフレによる消費性向の低下が起こると

仮に現状の政策が過剰であれば、今後、円安インフレが加速し、

実質GDP(国内の消費・投資)を下げる可能性もある


だから別のタイプの日銀批判者による、「今の緩和策は過剰だから、早く止めるべきだ」という

合唱も、さらに強くなっている

その点で、日銀が、金融緩和政策の微調整を行ったのも、タイミングとして妥当と言える


>このままでは過度な金融緩和の継続に拘り、金融政策の正常化が遅れ、いざと言うときに打つ手がない


これも間違い

今後、貿易戦争激化や消費増税などで、景気が下押しすれば、

今回の微調整は、自動的に緩和の強化として機能するようにもなっている


ただし、海外発の厳しい景気後退になり、大幅に輸出が減れば、

金融政策だけで、問題が解決しないのは当然であり

それこそ政府の出番ということになる



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/133.html#c1

[経世済民128] アベノミクスに暗雲…金融市場は日銀総裁の発言を疑い始めたか〈AERA〉 赤かぶ
1. 2018年8月07日 17:22:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1156]

AERAの低レベルな記事を批判しても、あまり意味はないが


>アベノミクスに暗雲…金融市場は日銀総裁の発言を疑い始めたか

そもそも市場は、とっくに黒田総裁の言葉など信じていない

そして金融政策(これは政府ではなく日銀の管轄)以外、

いわゆるアベノミクス3本の矢は、ほとんど全く機能していないから

暗雲も何もない


>賃金が増えて消費も伸びる「好循環」は呼び覚ませず、物価は思いどおりに上がらない

賃金も雇用も企業利益も伸びている

物価もデフレではない状況が、長期間続いている


これも初期の黒田総裁の希望的観測を、勝手に妄信して批判し続ける愚かな言説の一つだが

完全に的外れな記事としか言い様がない


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/134.html#c1

[経世済民128] イラン制裁復活、トランプは世界12位の自動車生産国をつぶす(ニューズウィーク) :国際板リンク  赤かぶ
1. 2018年8月07日 21:32:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1157]

トランプ大統領、イラン制裁を一部再開−貴金属や車対象

Margaret Talev、Ladane Nasseri、Golnar Motevalli
2018年8月7日 13:00 JST

イラン大統領はトランプ氏の会談の呼び掛けをはねつける
米は11月の原油制裁で個別に一部の国の適用免除を検討と当局者

Photographer: Simon Dawson / Bloomberg
イラン核合意からの離脱に伴う米国の対イラン制裁再開の第1弾が7日、発動した。経済的・政治的圧力が強まる中、ロウハニ大統領は前日、「前提条件なしに」会談する可能性があるとのトランプ米大統領の呼び掛けをはねつけていた。

  トランプ大統領が6日に署名した大統領令で再開されたのはイランによるドル紙幣購入や金などの貴金属取引、工業用金属の売買に関する制裁。また同国の自動車セクターを対象にした制裁や、ペルシャじゅうたんやピスタチオの対米輸出禁止も含まれた。

  ロウハニ大統領は6日夜のテレビ演説で、米国が「誠実」な態度を示すならイランは交渉の可能性を排除しないと発言。ただ、イランに制裁が科された場合は交渉は無意味になると述べた。一方、トランプ大統領と上級スタッフは「前提条件なしに」ロウハニ大統領と直接会談する可能性があると表明している。

  ロウハニ大統領は、「制裁を科しておきながら、交渉を進めるということに何の意味があるのか」と発言。「相手にナイフを突き立てながら、『交渉しよう、話し合おう』と言うようなものだ。それに対する回答は、まずはナイフを突き出すのをやめて、ポケットにしまえということになる」と述べた。

  イラン制裁再開第1弾に関する大統領令署名は予想されていたものの、2015年のイラン核合意を順守している欧州同盟国からの批判をあらためて招いた。11月初めにはイランの石油取引を巡る制裁が再開される。ただ、米政権はこの制裁について一部の国の適用免除を検討していると示唆した。

  英国、ドイツ、フランスと欧州連合(EU)の外相は6日の声明で、「包括的共同作業計画(JCPOA)からの米国の離脱に端を発した米国の制裁再開をわれわれは強く遺憾に思う」とし、「イランとの核合意維持は国際協定尊重の問題であり、また国際安全保障の問題でもある」と指摘した。

  ロウハニ大統領は、EUや各国はイラン核合意を救うために具体策を講じなければならないと述べた。

  トランプ政権当局者らが6日、記者団に明らかにしたところでは、米国はイランの原油輸出の容認「ゼロ」を目指すと表明していたものの、猶予期限が残り90日となった11月の原油を対象にした制裁について、ケース・バイ・ケースで一部の国の禁輸適用免除を検討している。米政権はこれまで、イラン産原油の輸入をゼロにしない国が暫定的な適用免除を受けるためには、同原油輸入の「大幅」減少を示す必要があると示唆していた。

  これら米当局者によると、米国が対イランで目指しているのはシリアやイエメンなどへの介入中止、弾道ミサイルプログラムの停止、核プログラム制限強化へのコミットメントなどの公約。

原題:Trump Restores Iran Sanctions as Rouhani Feels Economic Pressure(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/136.html#c1

[経世済民128] イラン制裁復活、トランプは世界12位の自動車生産国をつぶす(ニューズウィーク) :国際板リンク  赤かぶ
2. 2018年8月07日 21:36:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1158]

#対外制裁 関税と補助金は 自滅への道


 

 
社説】トランプ関税が生む新たな縁故資本主義
ミシガン州の製鋼所(6月)
2018 年 8 月 7 日 16:24 JST

 関税は税金であり、投資をゆがめ成長を制限する。そして税金と同様、関税が高ければ適用除外や不当な優遇に走る政治的動機が生じる。商務省が鉄鋼・アルミニウム関税の適用除外について設けた新しい複雑な審査プロセスを見るといい。共和党が通常は忌み嫌うことそのものだ。

 ***

 まず、企業は申請を行い、彼らが輸入する品は米国で生産しても「満足できる品質」や「十分かつ合理的に入手できる量」を得られないものであることを証明しなくてはならない。鉄鋼製品の使途や年間使用量の平均のほか、製品の輸送や製造に必要な日数を申告する必要がある。製品に含まれる24の化学物質(モリブデン、アンチモン、バナジウムなど)について含有率(最大・最低)の推定値も提出しなくてはならない。これ以外にも数十項目あるが、これくらいにしておこう。

 それに、鉄鋼・アルミニウム製品の幅や長さや形状などが違えば、申請もそれぞれ個別に行うことになっている。商務省のデータベースによると、プリムローズ・アロイズ1社の申請は1200件を超える。既に審査の終わった14件は全て却下されている。

 企業は申請のプラス材料になる文書を提出することもでき、これは当然ながら政治的な色合いを帯びる。例えばカリフォルニア・スチール・インダストリーズはこう記している。「当社の労働力はマイノリティーが約50%、米国の退役軍人が20%を占めている。素晴らしい賃金と手当を支給し(年間平均は10万ドル超)、利益の分配は過去5年で平均7000ドルを超えている。優秀な医師と看護師を擁する施設内ファミリー・ヘルスセンターなど卓越した福利厚生も提供している」。同社が目指しているのは従業員の採用なのか、それとも官僚の説得なのか。

 野菜の缶詰で米最大手のセネカ・フーズは2000の農家と契約していることや最も重要な施設がウィスコンシン州バラブーにあることを強調している。同州は選挙で優勢な政党が一定しないスイングステートだが、2016年の大統領選ではドナルド・トランプ氏が制した。

 セネカは米鉄鋼需要家の御多分に漏れず、国内で調達する鉄鋼製品の質が低いことに不満を持っている。国内業者の不良品率は輸入品の32倍だった。自動車部品メーカーのO&Kアメリカンは日本製鉄鋼の不良品率0.001%に対し、米業者が0.174%だと話している。

 適用除外が申請されると30日の期間が設けられ、米鉄鋼・アルミニウム業者はこの間に異議を唱えることができる。商務省は2万1000件を超える申請を審査する職員約50人に集中講座を提供する羽目になった。金属の専門知識がない多くの職員にとっては、偏りがなくはない国内業者の助言が頼りだ。

 商務省は鉄鋼関税の適用除外を1300件認めており、これは却下した件数の約2倍に上るが、 USスチール 、ニューコア、 AKスチール ・ホールディングが反対している申請はまだ承認していない。同3社はウィルバー・ロス商務長官と米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表に対して影響力がある。

 国内鉄鋼メーカーは、輸入されている分の鉄鋼製品を生産する能力があると主張している。だがカリフォルニア・スチール・インダストリーズが適用除外申請に記したように、国内メーカーは建設用鋼管・鋼板の材料になる「スラブの供給を細らせることができ、そうしている。そのためほぼ競争を排除することができる」

 トルコの鉄鋼管メーカー、ボルサン・マンネスマンは、適用除外が認められればテキサス州での生産拡大に最大7500万ドル投じる計画を表明していた。新たな工場ができれば現在輸入している製品を米国で生産できたはずだ。だが商務省はUSスチールと国内管メーカーの反対を受けてボルサンの申請を却下した。両社は(適用除外された)輸入は「不安定な米業界の状況」を危険にさらすと訴えていた。

 審査待ちの申請が大量にたまっているため、申請から公告までに長くかかることが多い。審査には90日しか要さないとされているが、企業は審査を待つ間も関税を支払わなくてはならない。カリフォルニア・スチール・インダストリーズは3月に適用除外の申請をした。5月半ばまで公告がなかった上、決定はまだ掲載されていない。

***

 こうした商務省の混乱は、関税が経済的な打撃に加えて「クローニー・キャピタリズム(縁故資本主義)」と汚職の新たな機会も生むことを物語っている。関税は困難な状況を終息させるどころか悪化させている。

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米株市場の長期展望、弱気になる理由

市場の短期的なトレンドを見通すのは不可能ではないが難しい ILLUSTRATION: ALEX NABAUM FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
Mark Hulbert
2018 年 8 月 7 日 12:09 JST
 米株式市場の今後10年間のリターンは、過去の水準を大幅に下回りそうだ。
 筆者が過去60年で最も優れた実績を残したと考える8つの指標すべてで、こうした結論が導き出されている。各指標間の違いは、どの程度弱気なのかという点だけだ。
 もちろん、より長期にわたってもっと優れた実績を残した指標がないとは言い切れない。ただ、そうした指標に出会ったことはない。
 8つの指標のうち最も弱気な数字を使うと、S&P500種指数の今後10年間のリターンはインフレ率を年率3.9%下回る。一方、最も強気な数字はインフレ率を3.6%上回る。
 強気な数字を使っても、過去200年のインフレ調整済みのリターンを年率3%超も下回る計算だ。
 これまで筆者が見てきた中で最も正確な指標は、「フィロソフィカル・エコノミクス」というブログを運営している匿名の人物が生み出したものだ。この指標は現在、2008年の金融危機直前と同じくらい弱気で、インフレ調整済みのS&P500種指数のリターンはインフレ率をわずか0.8%上回る程度と試算している。その程度のリターンなら、米10年債の方が大幅に低いリスクで確保できる。
バブルの記憶
 過去に(データが取得可能な1951年以降で)この水準より弱気だったのはITバブルが最高潮に達していた時しかない。
 同ブログの指標は、家計の金融資産(株式、債券、現金)に占める株式の割合を基に算出されている。この比率は相場が天井にある時は高く、底値の時は低くなる傾向がある。
 調査会社ネッド・デービス・リサーチが米連邦準備制度理事会(FRB)のデータを基に算出したところ、この比率は現在56.3%と、これまでの平均値45.3%を10%超も上回っているようだ。2007年に株式市場が最も強気だった当時は56.8%だった。

 指標の正確性を測るため、0%〜100%の数値で表す統計学の決定係数を用いた。0%の場合、その指標は今後10年の株式市場を説明できる有益な情報を持っていないことを示す。反対に100%の場合は指標が完璧な予想であることを示している。
 1954年以降のデータを基にしたわれわれの分析によると、フィロソフィカル・エコノミクスの決定係数は61%だった。予測が難しい株式市場の世界において、この数字は驚異的だ。
残り7つの予測指標
 その他の予測指標についても、決定係数が大きい順に並べてみた。
 Qレシオ:決定係数46%。1株当たりの純資産価値を時価ベースで評価し直して求めた値。1981年にノーベル経済学賞を受賞したジェームス・トービン氏が考案。 
 株価売上高倍率(PSR):決定係数44%。S&P500種指数構成企業の株価を500社の1株当たり売上高で割った値。
 バフェット指数:決定係数39%。米国株式の時価総額を国内総生産(GDP)で割った値。ウォーレン・バフェット氏は2001年、「どんな場合であれバリュエーションを測ることができる最善の指標かもしれない」と述べていた。
 CAPE:決定係数35%。2012年にノーベル経済学賞を受賞した米エール大学のロバート・シラー教授が考案。従来の株価収益率(PER)に似ているが、単年度の利益ではなく、過去10年のインフレ調整後の平均利益を用いる点が異なる。
 配当利回り:決定係数26%。
 株価収益率:決定係数24%。
 株価純資産倍率(PBR):S&P500種指数構成企業の株価を500社の1株当たり純資産で割った値。
 8つの予測指標について、複数の検定で統計的有意が認められた。
 ただシラー教授は、上位4〜5つの指標の決定係数差に統計的有意は認められない可能性があると指摘。それはPSRよりも家計の平均的な株式資産アロケーションを注視するのは行き過ぎということを意味している。
強気派の反応
 この状況に強気派は何と言っているのか。ペンシルベニア大学ウォートン校のジェレミー・シーゲル教授にインタビューした。
 シーゲル教授は著書「株式投資(原題:Stocks for the Long Run)」の中で、株式を長期保有することが大半の投資家には最善のアドバイスだと述べている。
 インタビューの中でシーゲル教授は、指標の過去データには従来の統計的な検定では十分に補正できない特異性があると指摘。それが補正されれば、決定係数は大幅に低下するとみている。
 シーゲル教授はまた、こうした指標が本当に弱気な見通しを示しているのかについても疑問を呈した。同教授が示した疑問点は以下の通り。
 ・会計基準が1990年代に変更され、PERとCAPEの数値が従来より高めに出ているため、最近の数値と数十年前の数値を比べることはできない。
 ・米企業の売上高に占める海外市場の割合が増えているため、バフェット指数の妥当性は失われた。指数が高めに算出されるため、株式市場の見通しがより弱気に見えるような数字になっている。
 ・Qレシオは資本集約的な製造業がけん引している経済を測る指標で、ハイテク企業が主導する経済は想定されていない。
 ただ、こうした問題点を見直したとしても、指標が弱気から完全な強気に変わる訳ではない。
 また株式市場が10年後に下落していたとしても、その道のりを説明できる指標はない。すぐに市場が下落するかもしれないし、上昇してから深刻な弱気相場入りするかもしれない。
 短期的なトレンドを見通すのは、不可能ではないが難しい。GMOで資産アロケーションの共同責任者を務めるベン・インカ―氏は、それをハリケーンの中の1枚の葉に例える。「1分後、1時間後に葉がどこあるのかは分からない。だが最終的には重力によって地面に落ちる」と語る。
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活況のローン市場の見えざるリスク

マクダーモット・インターナショナルのクレーン。同社によるCB&I買収資金を手当てするための借り入れは23億ドルに上った PHOTO: BRYAN VAN DER BEEK/BLOOMBERG NEWS
By
Paul J. Davies
2018 年 8 月 7 日 12:32 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 中央銀行の資金供給がリスクの高いローンの市場と、こうしたローンの多くを購入する投資手段を膨張させた。しかし現在、この推進力が後退に向かっている兆候が表れている。
 最近数週間、新たな借り手が投資家を納得させるためにレバレッジドローンの金利引き上げを受け入れざるを得ないケースが増えつつある。プライベート・エクイティー・ファンドによる買収資金手当のため、大口取引が幾つかあったが、その後、大型案件で若干の消化不良があったせいかもしれない。しかし、金融関係者の間では、一部の信用力の低い借り手の債務から流動性が失われつつある兆候との見方も出ている。
 借り手にとっての問題は、現在の借り入れコストの上昇ではなく、投資家の資金が利回りの改善に伴い、より安全な資産に流れ込み、債務の借り換えが将来難しくなるリスクである。この問題が重要なのは、レバレッジドローンの40%以上が、通常は既存ローンの借り換えに利用されているからである。金融危機の際には、比較的健全な経営状態の企業でさえ、債務の借り換えが困難となり、既存の貸し手との間で、債務繰り延べの合意を結ばざるを得なかった。
レバレッジドローン年間発行額

Source: S&P Global LCD注:2018年は7月12日まで(単位:10億ドル)欧州米国

 ローンは今、人気だ。ローンの利回りは金利と連動するため、金利上昇期に確定利付債投資のような損失を被ることがないからだ。本当の問題は、通常はローンを購入しないような投資家が、量的緩和つまり中銀による債券購入プログラムが終わったときに、どう反応するかにある。量的緩和はそもそも、彼らをリスキーなローンの購入に追い込んできた政策だ。
 こうしたプログラムが終わりに近づくにつれ、国債や高格付けの社債など、伝統的な確定利付き資産の利回りは改善される。債券の利回りが、より通常に近い水準まで回復し、利上げの動きが鈍化すれば、投資家は信用や複雑さの面でリスクを取る必要がなくなる。
 金利が高くなると、借り手の株式評価も下がり、企業価値のうち債務が占める比率が上がる可能性が大きい。こうなると、同じローンがよりリスキーに見えるようになる上、普段債券を買っている投資家がローン市場を去ると、利用可能な資金調達手段が減ることになる。このとき、借り換えのリスクが跳ね上がるのだ。
 ローンの金利設定の押し戻しは今春に始まったが、ここにきて広まっている。金融関係者によれば、今年に入って影響を受けた最初の大型取引の一つは、建設・エンジニアリングの マクダーモット・インターナショナル による同業のシカゴ・ブリッジ&アイアン(CB&I)買収。買収資金を手当てするためのローンは23億ドル(約2500億円)に上った。金融機関はこのローン金利を0.75%ポイント引き上げて5%に設定せざるを得なくなり、4月になって投資家はこれに応じた。
 S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのLCDリサーチ・サービスのデータによれば 最近では多くのローンが金利を平均0.5ポイント拡大する必要に迫られている。全体では、新規ローンの約30%が金利を6月から7月前半の販売期間中に拡大することを余儀なくされた。5月には金利を拡大した新規ローンは12%だった。
 金融関係者によると、これは通常ローンを購入しない投資家の応札が減っているためで、ローン担保証券(CLO)の新規発行でも同じことが起きている。CLOは全新規ローンの半分以上を購入している。
特約条項なしのレバレッジドローン比率

Source: S&P Global LCD注:2018年は7月12日まで

 ローンの金利設定は変動したかもしれない。だが他の条件は極めてアグレッシブなままで、一部の指標では(金融危機が始まった)2007年当時以上だ。プライベートエクイティー取引に対する債務倍率は当時と同じように高く、平均で収益の6倍強だが、投資家たちの不平不満は、こうした収益がコスト節減の想定などの事項によってしばしば甘く設定されることだ。さらに、貸し手を保護している特約事項は、状況が悪化した時に彼ら貸し手が行動できるようにしているが、ほぼ消滅した。特約事項は2007年当時、依然としておおむね存在していた。
 信用度の低いローンは、デフォルト(債務不履行)件数が増加するとき、取り戻せる資金が少なくなることを意味する。しかし、デフォルトが発生しなくても、向こう数年間、借り手の借り換えニーズをカバーするための貸し手が十分にいないだろうという心配がある。
 この結果、貸し手はローンの満期を延長する以外にほとんど選択の余地がなくなるだろう。借り手が受け入れ可能ならどんな条件でも延長する以外になくなるのだ。従って今どんなローンを購入するかに気を付けるべきだ。そのようなローンにはまり込む可能性があるからだ。
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ダイモン氏は正しい、米国債利回りもっと高いはず−そうならない理由
Emily Barrett
2018年8月7日 14:12 JST
投資家は今日の状況だけを見ているのではない
10年内にリセッションが訪れる確率はそれほど低くない

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)から出た10年物米国債利回り5%のコメントについて、数字よりも発言の真髄に注目すれば同氏が正しいことが分かる。米国債利回りは今より高いはずだ。

  米金融当局はさらに利上げをする方針で、S&P500種株価指数は1月以来の最高値水準となっているほか、米経済は4%の勢いで成長しており、減税によって過熱する方向。さらに米国債の供給は急増する見込みだ。

  しかしながら、投資家は今日の状況だけを見ているのではない。より長期の展望に基づき、10年債利回りが3%に達するたびに買い増している。

  TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者のプリヤ・ミスラ氏は、10年債利回りが「5%になるためにはいろいろなことが変わらなければならない」と話す。ブルームバーグテレビジョンのインタビューに答えた同氏は、労働参加率と生産性が上がることや、世界の金利がもう少し米国と競い合えるレベルになることが必要だと指摘した。

  さまざまなリスクがあることも、10年債利回りが3%より上がらない一因だ。米景気拡大10年目にさらに景気を刺激しようとする財政政策で景気が過熱し、10年内にリセッション(景気後退)が訪れる確率はそれほど低くない。金融当局もボラティリティーと金利を抑えてきた10年来の政策を変えようとしている。こうした全てに貿易戦争のリスクが加わる。

  市場は現在、あと2回程度の利上げしか想定せず、その後の利下げの可能性も織り込んでいる。モルガン・スタンレーの金利戦略世界責任者、マシュー・ホーンバック氏は「歴史を振り返ると、連邦公開市場委員会(FOMC)は昇りにエスカレーター、下りはエレベーターを使う傾向がある」と述べた。

原題:Treasury Investors See Plenty of Reasons for Staying Under 5%(抜粋)

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/136.html#c2

[経世済民128] スタッフを怒鳴る若者に「どうしたの?」と聞いてみた 潜入ルポ 派遣バイトの実態(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
1. 2018年8月07日 21:39:50 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1159]

#自己投資であれば悪くはないが、目先の金にこだわる副業は失敗の元


 

 

一番高給の業界、銀行ではない 米年収比較

米バイオ医薬品企業インサイトの年収中央値は25万ドルを超えている(写真は同社のアーベ・オプノーCEO) PHOTO: BOTT/EPA-EFE/REX/SHUTTERSTOCK/EPA/SHUTTERSTOCK
By
Kelsey Gee and Theo Francis
2018 年 5 月 28 日 10:09 JST 更新
 社員の過半数が年収10万ドル(約1100万円)以上を受け取る企業の多くは、大手銀行や資産運用会社ではない。医薬品研究者が中心のバイオテクノロジー企業や、技術者を多数抱えるエネルギー・ハイテク分野の企業だ。
 米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、S&P500企業のうち2017年の従業員年収が10万ドル以上だったのは100社余り。そのうち半数近くは、石油・ガス掘削業者を含むエネルギー業界の企業だった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が当局への届け出や調査会社S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの雇用データを分析したところでは、エネルギー企業の従業員数は総計60万人余りに上っている。
 2010年に成立した米金融規制改革法(ドッド・フランク法)で規定され、今年発効した同法の情報公開要件により、初めて米上場企業で働く一般社員の年収中央値が明らかになっている。企業は今春まで、経営上層部のボーナスや株式報酬の公表のみを義務付けられていた。

 データから分かるのは、どういった業種の企業で高給の仕事が標準的なのかだ。製薬会社の年収中央値は特に高い。S&P500企業の中で年収中央値が20万ドルを超えた企業は4社で、 フェイスブック もその1つ。他の3社はインサイト、 セルジーン 、 バーテックス・ファーマシューティカルズ と、いずれも新薬を開発するバイオテクノロジー企業だ。昨年の年収中央値はそれぞれ25万3000ドル、21万3000ドル、21万1500ドルだった。
 上位25社に入った唯一の金融会社は、資産運用会社の アフィリエーテッド・マネジャーズ・グループ で、年収中央値は15万7384ドル。金融大手ゴールドマン・サックス・グループは13万5165ドルで46位となった。ゴールドマンの従業員数は約3万4000人。
 ハイテク大手や石油メジャーの中にも給与の高い企業がある。石油大手 エクソン・モービル は16万1562ドルで20位。顧客情報管理(CRM)ソフトウエア大手の セールスフォース ・ドットコムは15万5284ドルで28位に入った。
 S&P500企業のうちこれまでに年収中央値を報告したのは約400社で、平均は7万8830ドルとなっている。米労働統計局(BLS)のデータによると、全米労働者の年収中央値は昨年、3万8000ドル弱だった。
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上司の給与額、公表するのは職場にプラスか
想定以上に高給取りなら部下のモチベーションに

上司が予想する以上の給与をもらっていた場合、部下の反応は? ILLUSTRATION: PAUL BLOW FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
Matthew Kassel
2018 年 8 月 7 日 15:26 JST
 上司の給与額が知られている職場の方が、そうでない職場よりも部下のモラルが高い場合があるーー。そんな調査結果を米研究チームが発表した。
 調査によれば、部下は上司の給与を低く見積もる傾向があるが、予想より高い報酬を受け取っているのを知ると仕事により一生懸命になる。一方、同僚が自分より給与を多くもらっていると知った場合は、仕事で手を抜きがちになるという。
 上司の給与が思っていたより高額だと知った場合、部下はオフィスで過ごす時間が長くなり、より多くのメールを送信し、業績が上がることも調査で明らかになった。また予想金額との差が大きければ大きいほど、部下の生産性は高まるという。
 数字に表れる生産性の変化は、ごくわずかだ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アンダーソン経営大学院のリカルド・ペレス・トゥルグリア准教授らが実施した調査によれば、上司の給与が予想より10%多かった場合、部下がオフィスで過ごす時間は1日あたり約5分伸びただけだった。
 だが興味深いのは、上司が高給取りだと知って従業員が苦々しく思うのではなく、むしろモチベーションが高まることだとトルゥグリア氏は述べる。これは自分もいつか昇進して同程度の報酬を受け取れるようになるかもしれないと感じ、新たな意欲につながるからだと同氏は説明する。
 調査は全米経済研究所(NBER)がワーキングペーパーとして最近発表したもので、トゥルグリア氏とハーバード・ビジネススクールのゾーイ・カレン准教授がまとめた。
型破りな調査方法
 カレン氏は今回の調査のためにアジアのある民間銀行に就職し、そこで従業員2060人をサンプルにした。これはフルタイムの雇用契約者以外は慎重な管理が求められる金融機関でのデータを扱えないとする現地の労働法があったためだという。カレン氏は大学からの許可を受けて調査を実施。またトゥルグリア氏は銀行に雇われていなかったが、旅費の提供は受けた。
 異例の環境だったとはいえ、専門家らは現場で調査が行われたためその内容には価値があると話す。給与額にどう反応するかを調査しただけでなく、上司の給与額を従業員がどう受け止めるかについても新たな発見を示したためだ。
 米スタンフォード大学で経済学を教えるニック・ブルーム教授は、「これは驚くべき調査だ」と評価。「同僚の給与が思った以上に高いと知って落胆する可能性については十分な証拠があった。だが上司が多額の給与を手にしていることで仕事へのモチベーションが高まるとする結果は見たことがなかった」と話す。
 「上司が高額の報酬を受け取っていることがモチベーションになるのであれば、われわれは給与について透明性を高めるべきかもしれない。特に企業幹部の給与を公表するのは良いことだと調査は示している。そうすれば透明性が高まるだけでなく、部下をやる気にさせることにもなる」と述べた。
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http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/135.html#c1

[経世済民128] 日銀「軌道修正」の隠れた論点、不況に備えETF購入拡大に布石か(週刊ダイヤモンド) 赤かぶ
3. 2018年8月07日 21:45:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1160]

#デジタル通貨を含め、いろいろ改善案はあるが、現実は、簡単ではなく

当面は、小動きだろう


 


 

コラム】日銀よ、デフレ根絶でデジタル通貨を試せ
Andy Mukherjee
2018年8月6日 13:11 JST

Bloomberg
強力な金融緩和のおかげで、日本経済の命脈はつながっているが、ひどい副作用が伴っている。新たな解決策探しは、単純な質問から始めるべきだろう。日本銀行は紙幣を刷るのを完全にやめてみたらどうだろうか。
  日銀の供給でマネタリーベースは5年で3倍に増えたものの、待ち望まれる物価上昇率2%が達成される兆しはない。現金を根こそぎ廃止する時期ではないだろうか。

  2013年4月に就任後初の金融政策決定会合に臨んだ黒田東彦日銀総裁は、資産の購入を拡大。16年にはマイナス金利も導入した。だが、1年半たっても、物価上昇率は目標に程遠い。それだけではなく、マイナス金利の副作用は銀行の採算性悪化で明らかだ。理由は単純。日銀当座預金に置く余剰資金へのマイナス金利分を日本の銀行が預金者に転嫁させるのは簡単ではないからだ。人々には金利ゼロが保証される現金のまま、資産を持つという代替案があるためだ。
  日本は現金依存度の高い国だ。キャッシュレスの支払比率は20%にすぎない。円を現金で持ちたい日本人の嗜好(しこう)を強制的に変えない限り、日銀が今のマイナス金利政策を無期限に続けるのは、銀行への影響を考えると不可能かもしれない。日銀が先週の金融政策決定で加えた修正は、疲弊が定着しつつある状況を見せつけた。悲観論が根付けば、安倍政権の反デフレキャンペーンは終わりを迎える。
Too Many Banknotes
More than 20 percent of the Bank of Japan's monetary base comprises currency notes
Source: Bank of Japan
*Lenders' current account balances held with Bank of Japan but not counted in reserves.
  必要なことは、全ての現金を国が発行するデジタル通貨に置き換えることだ。そうすれば、日銀と財務省にとってカネをばらまく「ヘリコプターマネー」の実験がやりやすくなる。財務省が出す永久債に対し、日銀が新たな電子マネーを発行し、それを財務省が国民の銀行口座に条件付きで振り込む。その条件とは、毎月使われずに残された部分の価値が例えば、12分の1%ずつ減るという内容だ。
  これで、この通貨供給の部分は実質的にマイナス金利適用となり、消費が増えてインフレが喚起される。人々が取りあえず振り込まれた円をドルに替えて問題を回避しようとするなら、円が弱くなり、これもインフレ要因となる。そうなれば、日銀当座預金の金利はゼロに引き上げることができ、銀行は安心を得られる。日銀はヘリコプターマネーを主要な政策手段とし、国債や上場投資信託(ETF)、社債の購入を解消することで資産市場の機能を正常に戻せる。
  やってみる価値はあるのではないだろうか。(アンディ・ムカジー)
(このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)  
原題:How to End Japan’s Deflation? Abolish Cash: Andy Mukherjee(抜粋)
This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.


 

 


 


外為フォーラムコラム2018年8月7日 / 11:04 / 21分前更新
コラム:二兎追う日銀政策、地銀は息を吹き返すか=大槻奈那氏
大槻奈那 マネックス証券 執行役員チーフ・アナリスト
4 分で読む

[東京 7日] - 「複雑すぎて理解できない」――。日銀が7月30―31日の金融政策決定会合で決めた新たな措置に対する、某個人投資家の感想だ。

5年前、フリップチャートを掲げつつ、2年でマネタリーベースを2倍、2%の物価上昇、と誰にでも分かる指針を示した黒田東彦日銀総裁の姿はそこにはない。

日銀による今回の新たな措置「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」は、物価上昇の弱さと銀行への副作用というジレンマに対し、二兎を追う政策であり、結果として決定打に欠ける内容となった。

<貸出業務は限界ギリギリ>

確かに銀行に対してはさまざまな配慮が見られ、市場はいったん好感した。しかし、実情はそんなに甘くはない。

今年2月、地銀の貸出金利が史上初めて1%を切った。都市銀行はすでに2016年12月にその憂き目に遭っている。そして、利ざやの低下はまだあと1、2期は続くというのが大方の見立てだ。

こうした厳しい環境を受け、東証一部に上場する邦銀の時価総額合計額は7月以降、米JPモルガン・チェース1行の時価総額を下回っている。

2010年ごろの利回りは、今の倍程度あった。従って、人件費も今より相当多く支払えたし、1件貸倒が発生しても、正常な貸出が50件あればその年間金利収益で損失はカバーできた。それが今や、正常先が100件ないと1件の貸倒を賄えない計算だ。地銀の1支店当たりの貸出額は平均285億円だから、3億円の貸出先が1件倒産しただけで、その店の貸出業務は赤字になりかねない。

こうした低利にあえいでいるのは地銀だけではない。地方には、地銀に加えて、信金・信組、労金、農林系金融機関などがひしめく。これら合計で780兆円の金融システムの貸出金収益は、この10年で8兆円失われている。にもかかわらず、銀行の店舗は200店舗、職員数は1.7万人増えている。

<欧州銀より邦銀が苦しい訳>

それにしても、マイナス金利で先行する欧州の銀行に比べて、なぜ邦銀の苦しさが目立つのか。

実は貸出増加のペースは、欧州がマイナス金利を導入した当時よりも邦銀の方が早い。マイナス金利導入から2年後までの累計で、邦銀は6.5%貸出を増加させたが、欧州では平均1.6%しか伸びていない。

しかし金融機関に対する副作用は日本の方がはるかに大きい。これは、邦銀の貸出スプレッドの低さのせいだ。日本の貸出スプレッド0.9%に対し、欧州主要国では1.5%程度と高い。余裕のない日本は、固定費を賄うため、薄利多売するしかない。もともと「オーバーバンキング」と言われる地銀間の競争に、低金利が拍車をかけた。

過度な競争の結果、日本では、中小企業への貸出スプレッドが極めて低くなってしまった。大企業と中小企業の貸出金利差は日本では0.16%程度と極めて小さい(2017年度の大手行の平均)。これに対して、完全に横比較はできないが、経済協力開発機構(OECD)が示す主要国の中央値は0.88%とはるかに高い。

競争の激しい金利を引き上げるのは難しいことから、銀行は、中小企業に対し、金利以外のメリットを要求しようとする。例えば、貸出の一部を預金に残すという「歩積両建預金」を依頼したり、さまざまな商品をあっせんしたりする。しかしこれも、当局から「優越的地位の濫用」と言われかねないため、思うに任せない。

<長期金利レンジ拡大の影響は限定的>

このように極めて厳しい収益環境は、今回の日銀の施策でどの程度救われるのか。

まず、貸出収益への影響についてはごく小さいだろう。銀行の貸出で、長期金利の影響を受け得る貸出は、2―3割とわずかである。このため、例えば0.1%の中長期金利の上昇で増加する貸出金収益は、おおむね250億円程度にとどまる。これは全国銀行の税引き前利益の1%にも満たない。

次に、トレーディング収益については、多少はプラスに働くかもしれない。仮に、銀行の国債保有残高がマイナス金利導入前の水準に戻るとすると、金利収入は全国銀行ベースで500億円程度増加する。

しかし、ボラティリティーが上昇することで、リスクも上昇する。国債運用のボラ上昇を生かして本業の苦しさを埋めるというのは、地銀の地元重視の経営戦略に沿っているとは思えない。

<当分は「出ずるを制する」しかない>

一方、日銀は、フォワードガイダンスで低金利を維持すると示した。このため、政策調整後、邦銀貸出のベース金利となる東京銀行間取引金利(TIBOR)もプライムレートも全く動いていない。銀行の金利環境は、これ以上の悪化はないとは思われるものの、当分大きな改善も期待薄だ。

では地銀はどうすればいいのか。マイナス金利導入以降、不動産業向け融資、カードローン、アパートローン、外債投資など、収益拡大策を打つたびに、ことごとく当局から制約を受けてきた。ならば、当局をうならせるようなイノベーションが可能かというと、もともとコモディティー性が高い金融の世界ではそれも難しい。

だとすると、結局、IT化による人員の配置転換や経営統合などによって、経費をいかに節約するかの勝負になる。日銀が意を決して正常化に向かうまで、地銀は、残念ながら、後ろ向きの経営戦略を余儀なくされそうだ。

大槻奈那氏(写真は筆者提供)
*大槻奈那氏は、マネックス証券の執行役員チーフ・アナリスト兼マネックスユニバーシティ長。東京大学卒業。ロンドン・ビジネス・スクールで経営学修士(MBA)取得後、スタンダード&プアーズ、メリルリンチ日本証券などでアナリスト業務に従事。2016年1月より現職。名古屋商科大学大学院教授、二松学舎大学客員教授、クレディセゾン社外取締役、東京海上ホールディングス社外監査役を兼務。財政制度審議会財政制度分科会委員、東京都公金管理アドバイザリー会議委員などを務める。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:麻生祐司)

 


 
超長期債が安い、オペ減額に警戒感−10年物価連動債入札は無難な結果
野沢茂樹
2018年8月7日 16:17 JST
• 新発30年債利回り一時0.855%まで上昇、新発40年債利回り0.985%
• 買い進めるとはしごを外されるとの警戒感も−メリル日本証
債券市場では超長期債を中心に相場が下落。週後半に30年債入札を控える中、長期金利の変動幅拡大を容認した日本銀行が国債買い入れオペを徐々に減額するとの警戒感から売りが優勢だった。
  7日の現物債市場で新発30年物の59回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.855%と、昨年11月以来の高水準を付ける場面があった。新発40年物の11回債利回りは0.985%と、1月以来の水準まで上昇。長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは0.5bp高い0.105%で開始後、0.11%に上昇後、0.105%に戻した。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、足元では日銀は金利の急上昇を許さない姿勢だが、買い進めると国債買い入れオペの減額ではしごを外されるのではないかとの警戒感もあると指摘した。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は2銭高の150円15銭で取引を開始。いったん150円07銭に下げたが、目先の方向感に乏しく、結局は1銭高の150円14銭で引けた。
  日銀が金融緩和策の持続性強化の一環として長期金利の変動幅拡大を容認した先週はイールドカーブのスティープ(傾斜)化が進行。金利の急上昇を懸念した日銀が先月30日の指し値オペと、今月2日の臨時オペで残存期間5年超10年以下の国債を合計2兆円余り買い入れると、急速な金利上昇は一服している。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、市場では日銀による長期金利の変動幅拡大は事実上の金利上振れ容認と受け止められていると指摘。金利水準やボラティリティーが低下した場合にオペ減額が加速することへの警戒意識はあるだろうとみている。
物価連動国債入札
  財務省はこの日、10年物価連動国債の価格競争入札を実施した。発行予定額は4000億円程度。23回債のリオープン発行で、表面利率は0.1%に据え置かれた。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.12倍と前回を下回ったが、最低落札価格は104円05銭と市場予想中央値を上回った。
  9日には30年利付国債の入札が予定されている。発行額は7000億円程度。59回債のリオープン発行で、表面利率は0.7%に据え置かれる見込み。みずほ証券の上家秀裕マーケットアナリストは「30年債入札に対する警戒感があるため、積極的に上値を追いに行く展開にはなりにくい」とみていた。
過去の物価連動国債の入札結果はこちらをご覧下さい。
新発国債利回り(午後3時時点)
前日比
2年債 -0.110% +0.5bp
5年債 -0.075% +0.5bp
10年債 0.105% +0.5bp
20年債 0.615% 横ばい
30年債 0.845% 横ばい
40年債 0.985% +1.0bp


 


黒田総裁が許しても長期金利は0.2%に届かない−モルガンMUFG
野沢茂樹、程近文、masaki kondo
2018年8月7日 10:16 JST
• 債券市場は長期金利の上昇余地を試す動きで一時0.145%
• 長期金利は新しいレンジの上限を試すーバークレイズ証

日本銀行の黒田東彦総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日本銀行の黒田東彦総裁が長期金利の変動幅の拡大を容認したのを受けて、大半の市場関係者の同金利の新たな上限が0.2%程度に意識が集まっているのとは対照的に、モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一債券ストラテジストの見通しはその半分程度にとどまるとみている。
  新発10年物国債利回りは、日銀による長短金利操作が続いている以上、相場の乱高下が落ち着いて行くに連れ、従来の許容上限だった0.1%に近い水準に落ち着くだろう−。杉崎氏は、日銀の国債保有が残存期間5年超10年以下で突出していることを指摘した上で、「新発10年債利回りが0.2%に達するのは正当化できない」と述べた。
BOJ's Dominance
Five- to 10-year sector has highest BOJ ownership across all maturities
Sources: Bank of Japan, Bloomberg
Ownership is computed by dividing the BOJ's holdings by total bonds issued in the corresponding maturities
  日銀の残存5年超10年以下の国債保有額は発行額の6割強と、国債買い入れオペ計画で設定している対象別の残存期間のうち最も高い割合を占めている。新発10年物国債の利回りは日銀が2016年1月末にマイナス金利政策を導入することを決定して以降、一貫して0.2%を下回っている。当時の日銀による同残存期間の国債保有比率は4割程度しかなかったことを考慮すると、足元の相場では国債買い入れ残高を基に織り込まれる金利抑制要因が以前よりも増している。
  黒田総裁は金融政策の修正を決定した7月31日の記者会見で、長期金利の変動許容幅は上下とも従来のプラスマイナス0.1%程度の倍を想定していると言明。市場では翌日以降、長期金利の上昇余地を試す動きが一気に広がり、8月2日には新発10年物国債351回債の利回りが一時0.145%と約1年半ぶりの水準に達した。
  日銀は長期金利が急騰した同日午後に臨時の国債買い入れオペを実施。金融市場局は「このオペはこのところの長期金利の動き等を踏まえ、10年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針をしっかり実現するよう実施したもの」とコメントした。
  バークレイズ証の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストはリポートで、相場は10年債利回りが近いうちに新たな上限を試しに行くと予想。市場参加者は日銀がどの水準で指し値オペを打ってくるか探っていく可能性があると指摘していた。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/129.html#c3

[国際23] 「非核化」も「拉致」も議長声明から削除されたのは当然だ  天木直人  赤かぶ
4. 2018年8月07日 21:49:03 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1161]

#完全に、予想通りの動き

 

北朝鮮の「ポンペオ問題」、米朝非核化協議の溝浮き彫りに
Bill Faries
2018年8月7日 8:42 JST
ポンペオ米国務長官のコメントを北はことごとく非難
米国は圧力外交からは何も得られない−朝鮮中央通信

ポンペオ米国務長官 Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
北朝鮮は「ポンペオ問題」とも言うべき難題を抱えているようだ。

  非核化協議に関してポンペオ米国務長官が示した認識と、同長官の取り組みに対する北朝鮮の非難との溝は拡大し、朝鮮半島非核化につながるはずの交渉の混迷は深まっている。


シンガポールでのポンペオ米国務長官(左)と北朝鮮の李容浩外相(4日)写真家:Joseph Nair / AP
  北朝鮮当局者と国営メディアはこの数週間で2回、非核化協議に対するポンペオ長官の評価に反論。米政権は朝鮮戦争終結などの問題を無視し、近視眼的に非核化に集中していると示唆した。トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が和平推進で楽観的なやり取りを交わす中でも、ポンペオ長官は一段と北朝鮮の非難の的とされている。

  先週、ポンペオ長官はシンガポールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)会合に合わせて北朝鮮の李容浩外相と「短く、礼儀正しく会話」し、トランプ大統領からの金委員長への返書を手渡した。その後、同長官は「われわれがこれを決着させられると楽観している」と述べた。一方で、緩和の兆候が見られる北朝鮮への制裁を維持するようロシアや中国などに呼び掛けた。

  これに対し北朝鮮は、ポンペオ長官率いる米国務省は「時代遅れのギャングのような論理」と「君主制の思考方法」に取りつかれており、「前代未聞の悲喜劇」を演じているのに相当すると指摘。李外相はポンペオ長官が会合の場を離れた後、同長官は「一方的な要求」を行ったとし、「信頼構築に短気は全く役に立たない」と指摘した。

  北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)はポンペオ長官の姿勢に対し、「米国は『圧力外交』からは何も得られない」との見出しを付けた記事を掲載。「米国が『制裁と圧力』という昔ながらの見解を脱し、信頼と尊重にどれだけ重きを置けるかが、今後の全てを決めるだろう」と主張した。

  先月のポンペオ長官の北朝鮮訪問でも、両者の見解の隔たりが浮き彫りとなった。同長官が訪朝は「生産的」であり、「誠意を持って」行われたと総括したのに対し、北朝鮮側は米国の戦略は「がんのよう」であり、国務長官の要求は「強盗のよう」だったと非難した。

原題:North Korea’s Pompeo Problem Exposes Widening Rift Over Talks(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/620.html#c4

[国際23] ウソの世界の中で暮らすアメリカ人(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
2. 2018年8月07日 21:50:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1162]

ただし米国人に限らない


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/619.html#c2

[国際23] ウソの世界の中で暮らすアメリカ人(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
3. 2018年8月07日 21:51:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1163]

トップニュース2018年8月7日 / 11:50 / 6時間前更新
アングル:トランプ氏は「自由の守護者」、熱烈支持の韓国保守層
Jeongmin Kim and Minwoo Park
2 分で読む

[ソウル 6日 ロイター] - 韓国のテレビにトランプ米大統領の映像が映るたびに、ベトナム戦争に従軍した経験のある69歳のChung Seung-jinさんは厳かに敬礼する。

首都ソウルの自宅にある米国旗も、毎朝Chungさんから同様の敬意を払われる。

「毎日、トランプ大統領と米国旗に敬礼する。いかに彼を信頼しているかを表すためだ」と、うだるような夏の暑い日にソウル市街地で行われた反北朝鮮デモに参加したChungさんはロイターに語った。

「トランプ氏に敬意を表して敬礼する。世界のリーダーとして、自由の守護者としての彼の支配を支持している」

北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対するトランプ氏の当初の強硬姿勢を支持していた多くの韓国保守層にとって、シンガポールで6月行われた歴史的な米朝首脳会談でトランプ氏が金氏を突如受け入れたことは「裏切り」にほかならない。

トランプ氏は昨年、金氏を「ロケットマン」と揶揄(やゆ)していたが、会談後は「面白く」て「賢い」と述べ、独裁支配を維持する能力を称賛さえした。

「トランプ氏は金氏のことを『素晴らしい指導者』と呼び、彼を正当化した。われわれのような愛国的な市民は裏切られた気持ちだ」と、右派の大韓愛国党の趙源震(チョ・ウォンジン)党首は言う。

だが、北朝鮮への積極行動を求めて定期的にソウルの街頭に集まる少数のトランプ支持者にとって、同大統領への信頼は揺るぎない。

「今日もいつもと同じように、誠意を尽くしてトランプ氏に敬礼した」と、トランプ氏の大きな写真に会釈してデモ参加者のLee Yoon-joさん(76)は語った。

Leeさんが敬礼すると、デモ参加者は米国大使館前で巨大な米韓の国旗を掲げた。横断幕には、韓国語と英語で「米国は自由なコリアのため尽力するありがたい同胞の国だ」と書いてある。

朝鮮戦争(1950─53年)における米国の支援に対する感謝や、1970年代の韓国軍事政権による反共主義に、多くの高齢者が今も共感を寄せていると、聖公会大学の鄭昌大氏は指摘する。

「こうした高齢の保守層にとって、米国はただの同盟国というよりも『救世主』に近い」

1968年にベトナム戦争で米国人と一緒に戦った当時の色あせたモノクロ写真を手にした冒頭のChungさんは、「米国がいなければ、韓国は存在できていなかっただろう」と語った。

6月の米朝首脳会談で、両国は合意文書に署名。その中で金氏は、非核化への「揺るぎない」コミットメントを再確認した。だがその後、非核化においてほとんど進展は見られない。

米朝会談直後にギャラップ・コリアが実施した世論調査によると、同会談が成功したと答えた韓国保守層は48%、一方、革新層は79%だった。

Slideshow (4 Images)
国旗や反北朝鮮の横断幕に囲まれてソウルの街頭の一角に陣取っていた小さな抗議グループは、非核化合意が失敗した場合、トランプ氏が最後の手段として「政権交代」に訴える可能性はいまだあるとし、米国の姿勢の変化に動じる様子はない。

「トランプ大統領は、韓国や自由世界をいつも見事に導いて、守ってきた。これからもそれは変わらない」と、前出のLeeさんは再び敬礼して語った。「ありがとう、ミスタープレジデント」

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/619.html#c3

[自然災害22] 南海トラフ地震前後は内陸地震が頻発、日本海側も油断大敵な理由(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年8月07日 21:53:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1164]

#地震の心配をするのも悪くはないが、優先順位が重要

 

ビジネス2018年8月7日 / 11:59 / 37分前更新
地球は「温室化」のリスク、温室効果ガス削減では不十分=報告書
1 分で読む

[ロンドン 6日 ロイター] - ノルウェーやデンマークなどの科学者グループは6日に公表した報告書で、世界が「ホットハウス」(温室)状態に突入するリスクがあるとの見解を示した。気候変動を食い止める国際条約のもとで温室効果ガスの削減目標が達成された場合でも、気温は摂氏4―5度上昇する見通しだという。

この報告書はストックホルム・レジリエンス・センター、コペンハーゲン大学、オーストラリア国立大学、独ポツダム気候影響研究所の科学者らがまとめた。

欧州では今年、猛暑により一部で気温が40度を超え、干ばつや森林火災が発生。ギリシャでは7月にアテネ近郊で森林火災が発生し、91人が死亡した。

2015年には、世界の産業革命前からの気温上昇について、2度を「大幅に下回る」水準にとどめる「2度目標」を掲げた新たな枠組み「パリ協定」が採択された。世界約200カ国が合意した。

だが、世界の気温が産業革命前から2度程度上昇した水準に安全に「固定」できるかどうか、また温室効果ガスの排出が抑制された場合でも、この枠組みが温暖化につながるような他のプロセスを引き起こす可能性があるのか、明確ではないという。

現在、世界の平均気温は産業革命前から1度上昇しており、10年ごとに0.17度上昇している。

報告書によると、気温が重要な基準を突破した場合、突然の変化につながるいくつかの転換点が見られる可能性が高いという。これには海底からのメタン水和物の減少、陸上や海中での二酸化炭素吸収量の減少、北極圏・南極圏の海氷や極域氷床の減少などが含まれる。

報告書の著者の1人は「これらの転換点は、ドミノ倒しのようなものだ。地球全体を、次のドミノが倒れる方向へ向かわせる」と指摘。「ドミノの全部の列が倒れることを防ぐのは非常に困難であり、不可能に近いかもしれない。『温室化した地球』が現実となった場合、地球上には住めなくなるだろう」と述べた。

さらに、温室化を防ぐには温室効果ガスの排出規制だけでは不十分であり、たとえば森林・農業・土壌管理の改善、生物学的多様性の保護、大気中から除去した二酸化炭素を地下へ貯蔵する技術などが必要だと主張した。

*カテゴリを修正して再送します。
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/588.html#c2

[IT12] Amazon Echoが夫婦の会話を勝手に録音して送信 どうしてこうなった?会話ファイルが部下に届いた てんさい(い)
1. 2018年8月07日 21:56:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1165]

#日本からamazonを超える企業が出れば、問題はコントロール可能だが、現実は。。


 


【第2回】 2018年8月7日 成毛眞
日本企業から「アマゾン」がでないワケ
あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」?それとも「怖い」?「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。


アマゾンを理解することは、未来の経営学を知ることと同じ
これまでも多くの事業を手がける巨大企業は存在してきた。代表的な企業としては、米国ならばゼネラル・エレクトリック、日本ならば日立製作所などだ。

たとえば、日立製作所はもともとはモーターの製造から始まったが、現在はヘアドライヤーから原子力発電所まで同じブランドで事業を展開している。

派生した事業が、独立してグループを形成しているのだ。しかし、アマゾンが特殊なのは、各事業が独立しているところは同じだが、それが普通の複合企業よりもはるかな相乗効果を生み出し、驚異的なスピードですべてが成長を続けていることだ。

こういったアマゾンの特徴は、消費者はもちろんだが、アマゾンに関わる事業者にも利点がある。

アマゾンは、赤字でも自社のための投資をやめない

マーケットプレイスは、簡単にいうと楽天市場のような、アマゾンのサイトに出品できる仕組みだが、それを多くの外部事業者が利用しやすくすることで、消費者はより安いものを簡単に手に入れることができる。

マーケットプレイスの商品は、アマゾンが用意した物流システムを使うことが多いため、注文が増えれば増えるほど送る荷物をまとめることができ、物流費は下がる。

マーケットプレイスに参加する企業の中には、事業規模を拡大できたことで、アマゾンの提供する情報システムであるAWSを利用しはじめる企業も出てくる。

さらに仕入れのための資金が必要になり、これまたアマゾンが行っている融資サービスを使う企業もあるかもしれない。企業がアマゾンを一度利用し始めると、便利すぎて他のサービスも横展開で利用する可能性は大きい。

事業ひとつひとつの収益も大きいが、単独の収支だけで事業を展開しないところもアマゾンのすごみだ。

プライム会員のために、別事業で儲かったお金を投資

たとえば、「プライム会員」には無料配送サービスが提供される。プライム会員が買い物するたびに、アマゾンは運送会社に配送料を支払うことになる。場合によっては配送コストが会費収入を上回り、赤字になる可能性もある。

しかし、一個の配送は赤字でも、プライム会員はリピーターになり、まとめて発注することが増えるため、アマゾン全体で見ればプラスなのだ。ちなみに、プライム会員ではない一般ユーザーの年平均消費額は700ドル。これも決して小さくない数字であるが、プライム会員はその倍近い1300ドルの購買をしているという。

もちろん、単独の事業はそれぞれ個別に膨張を続ける。

クラウドサービスのAWSは、IT専業のマイクロソフトを抜き、ぶっちぎりのトップで世界シェアを独占している。アマゾンのAWSの責任者は、小売事業を補完する事業などではなく、いずれ小売りの売上高を抜くであろうと豪語している。

アマゾンの大きな特徴は、新しい事業を立ち上げるときに、赤字覚悟で投資をいわないことだ。

これは、明確なアマゾン全社での戦略である。

しかし、ベゾス自身もひとつひとつの事業がどこまで拡大するかは、もはやつかみきれていないのではないか。

アマゾンのビジネスモデルはローマ帝国!?

ベゾスは自社をロジスティクス企業と語る。ロジスティクスとは日本語では兵站である。兵站とは、戦場で軍の活動を維持するために必要な軍需品や兵のことであり、これらを前線に送るためのルートを確保すること、つまり物流網を持つことだ。兵站を確保した者は戦争に勝つ。

歴史上、この兵站を重視したのがローマ帝国だ。古代のローマ軍は「ローマは兵站で勝つ」といわれたほどだ。すべての道はローマに通じると豪語したほど、現代でも通用するほどの軍用道路を整備した。

アマゾンの場合、最重視するのが顧客の利益だ。その実現のためにあらゆる投資をして兵站として活用する。自前のトレーラーを持つなどの物流網の整備、クラウドサービスの開発と提供、送料無料、プライム会員、通販サイトで蓄積した買い物データ……。

アマゾンの圧倒的なサービス力は、顧客のための最強の兵站なのだ。しかも安価だ。ベゾスが自社をロジスティクス企業と呼ぶのはこうしたことからだろう。

国家の枠を超えた超国家的存在になり、いまだに膨張を続けるアマゾンは21世紀のローマ帝国といえるかもしれない。

ベゾス自身も、どこに向かうかはわかっていないかもしれない
ネット通販もクラウドサービスもAIスピーカーも、すべてのITという道はアマゾンに通じているのだ。そしてベゾス自身、どこまで「国土」が広がるのか、彼自身ももうロードマップを描けてないかもしれない。

創業から20年あまりでアマゾンはどのようにしてこのような「帝国」を築いたのか、そしてどこに向かうのか。

これを知ることは、現代人にとって非常に重要なことだ。アマゾンというひとつの組織を知ることは、「ECサイトでの小売業界を知る」といった小さなことではない。現代の先端のビジネスを知ることだ。

現代を生きるビジネスマンにとって、アマゾンほど興味深い企業はないだろう。アマゾンを研究することは、10年後に書かれる経営学の教科書を学ぶことと同義である。
http://www.asyura2.com/14/it12/msg/269.html#c1

[IT12] 囲碁AI「AlphaGO」の次世代版は、自己対局で「最強」を超えた──その進化の本質と、グーグルの野望(WIRED) 怪傑
2. 2018年8月07日 21:58:47 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1166]

#とは言え深層学習が無敵なわけでもない


 

AIは人間の脳を模倣すべきか?「深層学習」の限界をいかに克服するかを巡り、白熱する議論

AIは現在の開発手法で動物や人間並みの本当の「知能」を持つようになるのか? ILLUSTRATION:BRIAN STAUFFER
By
Christopher Mims
2018 年 8 月 7 日 15:30 JST
――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト
***
 自動運転車やロボット医療診断、10億人を超える中国市民の社会信用スコアなど、さまざまなものに人工知能(AI)が組み込まれつつある。いずれの完成も、現在はAIにできないことをいかにして可能にするかという議論にかかっている。かつては単に学界の懸案にすぎなかったものだが、今では数十億ドル相当の人材やインフラ、そして人類の未来に影響を及ぼす可能性を秘めている。

https://jp.wsj.com/articles/SB10604864507425704319504582465583140464936?mod=article_inline

 この議論を突きつめて行くと、現在のAIを開発する手法で十分なのかという疑問に行き着く。多少とも手を加え、強力なコンピューターの能力を活用すれば、現在われわれが持つテクノロジーは動物や人間並みの本当の「知能」を持つようになるのだろうか?
 この議論の一方の側にいるのが、「深層学習」の提唱者たちだ。この手法は、カナダ・トロント大学の研究者3人が2012年に画期的な論文を発表して以来、爆発的な勢いで普及してきた。深層学習だけがAIに対するアプローチではないものの、深層学習はこれまでのAIテクノロジーをはるかにしのぐ能力を発揮しているようだ。
 「深層学習」の「深層」とは、人工の神経回路網(ニューラルネットワーク)の神経細胞層の深さを指す。生物学的な神経と同じく、人工神経システムも神経細胞層が厚ければ厚いほど、より高度な学習が可能だ。
‘自然からインスピレーションを得る必要がある’
—ニューヨーク大学のゲーリー・マーカス教授
 人工ニューラルネットワークを理解するには、脳の神経細胞のように空間上の多数の点が互いに接続されている様子を想像してみるといいだろう。これら点同士の接続の強さを調整するには、脳の学習プロセスを大まかに模倣する。そうすることで神経配線図が作られ、望み通りの結果(画像を正確に判別するなど)につながる好ましい経路が形成される。
 今日の深層学習システムは、われわれの脳にはほど遠い。良くてもせいぜい網膜の最外部といったところだ。網膜の最外部では、わずか2〜3層の神経細胞によって最初の画像処理が行われる。
深層学習には限界
 そのような神経回路が、われわれの脳がこなす全てのタスクを実行できるようになる可能性はあまりなさそうだ。なぜなら、そうした神経回路は、本当の知性を持つ生物のように実世界のことを理解していないため、不安定で混乱しやすいからだ。研究者がたった1つの画素を変更しただけで、人気の画像認証アルゴリズムがだまされたケースもあった。
 深層学習は限界があるものの、画像や音声認識、機械翻訳の代表的なソフトウエアに活用され、囲碁で人間を打ち負かしている。またグーグルのカスタムAIチップやそうしたチップで稼働するAIクラウドサービス、エヌビディアの自動運転技術の開発もけん引している。
 AI分野の権威の1人で、グーグルや 百度(バイドゥ) のAI部門の責任者を務めていたアンドリュー・ング氏は、深層学習によってコンピューターは、平均的な人間が1秒以下で行う知的作業をできるようになるはずだと指摘する。当然ながら、コンピューターは人間よりも速くタスクをこなせるはずだ。
 だが一方で、これまでわれわれが約束されてきたようなことを達成するには深層学習では全く不十分だと主張する研究者たちもいる。AIには、例えば全てのホワイトカラー職を奪い、「完全に自動化されたぜいたくな共産主義」が支配する輝かしい未来へと導くことはできないかもしれないという。その1人が、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの元AI部門トップで現在はニューヨーク大学の教授を務めるゲーリー・マーカス氏だ。
 同氏は、「汎用(はんよう)知能」――論理的に考え、自ら学習し、実世界のメンタルモデルを構築できる能力を必要とする――を実現するには、今日のAIができる以上のことが必要になると指摘する。
 「(深層学習を)大いに活用できても、それが心の理論や抽象的な論理に適したツールだということにはならない」とマーカス氏は話す。
「本能的な」知識で補完
 AIをさらに進化させるには、「自然からインスピレーションを得る必要がある」という。つまり、別の種類の人工ニューラルネットワークを開発し、場合によっては、それに生物が生まれ持つ本能のような、あらかじめプログラムされた先天性の知識を加えるのだ。
 トロント大学のデービッド・デュベノー助教(機械学習)は、多くの研究者がこれに賛成し、深層学習システムの限界を克服するために、それを補完する取り組みを進めていると話す。精力的に研究が行われている分野の1つが、わずか数事例の現象からいかにして学習できるようにするかについてだ。深層学習システムでは通常、数百万件の事例が必要になる。
 研究者がもう1つ取り組んでいるのが、AIに実世界のメンタルモデルを構築する能力をいかにして持たせるかについてだ。人間の赤ん坊なら、1歳になるころにはそれができるようになっているものだ。例えば、深層学習システムに100万枚のスクールバスの画像を見せても、最初に逆さまの画像を見せられたときにはそれがスクールバスであることを認識できないかもしれない。しかし、バスが車輪や黄色いシャシーなどで構成されるというメンタルモデルを持ったAIであれば、逆さまの画像でもさほど問題なく認識できるはずだ。
 米人工知能学会(AAAI)の元会長であるトーマス・ディーターリッチ氏は、深層学習を別の種類のAIで補完するのは構わないが、深層学習や機械学習全般の魅力を見失わないことが重要だと話す。
 「機械学習に関する研究では、データと経験だけでコンピューターシステムにどれだけ学習させることができるかを見極めることが目標であり、それを手作業で構築することではない」とディーターリッチ氏は指摘する。問題は、AIの先天的な知識がお粗末なことではなく、人間がそもそもどのような先天的知識をAIにプログラムすればいいのかを分かっていないことにあるという。
 「原則としては、(未来のAIをどのように構築するかを理解するために)生物学に目を向ける必要はない」とデュベノー氏は指摘する。しかし、深層学習を軸にしたテクノロジーを引き継ぐ、より高度なシステムはまだ完成していないという。
 ニューヨーク大学のマーカス氏は、AIをより知的で堅固なものにする方法を見いだすまでは、AIに対して既存の人間の知識を大量に手作業でプログラムしていく必要があると話す。これはつまり、自動運転ソフトなどの人工知能システムに組み込まれた「知能」は、人工では全くないということだ。自動運転車は、実際の道路でできる限り長い距離を走らせてトレーニングする必要がある。それと同じように、AIを本当に有能なシステムにするには、当面は大量の理論をインプットする必要があり、その理論にはシステムを構築・テストするエンジニアの判断力が反映されているということだ。
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http://www.asyura2.com/14/it12/msg/252.html#c2

[政治・選挙・NHK247] 政治・選挙・NHK248を起動しました 管理
1. 2018年8月07日 22:01:39 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1167]

#NHKを始め、メディアが中立でないのは仕方が無いが

公正かどうかは、かなり問題だ

 

 

【第7回】 2018年8月7日 荻上チキ
中立的なメディアは存在しない――「放送法」を再考する
TBSラジオ『Session-22』でパーソナリティを務め、日々、日本の課題に向き合い続けてきた荻上チキによる新刊『日本の大問題――残酷な日本の未来を変える22の方法』が7月19日に刊行された。【経済】【政治】【外交】【治安】【メディア】【教育】――どこをみても「問題だらけ」のいまの日本の現状と、その未来を変えるための22の対応策がまとめられた同書のエッセンスを紹介していきます。

「中立」と「公正」は違う
 2014年11月の衆議院選挙時、自民党がNHKと民放テレビ局に対して、選挙報道の「公平中立、公正」を求める要望書を送ったことが多くのメディアで取り上げられました。具体的には、番組内容、出演者の発言回数や時間、ゲスト出演者の選定などに関して、「公平中立ならびに公正」を要望するというものでした。

 しかし、何を取り扱い、何を取り扱わないかという判断を各メディアが行う以上、メディアが「中立」であることは原理的に難しいと思います。

 もちろん、そのテーマを取り扱う際に、データを捏造して批判したり、印象操作を行うような発言を繰り返したりなど、「公正さ」が阻害されるようなコミットメントをすると反発を呼ぶでしょう。ましてや、誤報といった「問題報道」は論外です。メディアバイアスは常に存在しますし、すべてのバイアスが許されないというわけではありません。重要なのは、メディアから流れる情報にどのようなバイアスがかかっているのかが判断できるようになっているかということです。

 たとえば、各報道機関が報じるニュースには、独自取材に基づくものではなく、政府、省庁、警察、役所といった、官公庁によって発表されたものが多く含まれます。しかし、官公庁が発表する資料には、誤りも多く含まれますし、各省の「省益」にデータが左右されたりもしますし、都合の悪い情報は表に出されません。

 だからこそメディアには、「国民の得(知る権利)」を守るために、「国家の得」によって何か誤魔化されていることはないか、徹底的にチェックする役割が期待されるわけです。いうなれば、メディアには「国民の側」という「非中立的な立場」から、「公正な報道」を行うことが期待されているわけです。

 たとえば2017年以降、財務省や防衛省など、政府の公文書に関するさまざまな疑惑が報道されました。政府は当初、それらの疑惑を軽んじていたのか、野党の求める「徹底調査」に応じなかった。それが後に、さまざまな文書の存在が明らかになるにつれ、行政運営能力(ガバナンス)への不信感が高まり、支持率が急落する事態に繋がりました。

メディアは「非中立的な立場」から「公正な報道」を行う
 重要なのは、この時のメディアの役割をどのように理解するか、です。疑惑を追及するメディアの姿勢に対し、「挙証責任」「推定無罪」「悪魔の証明」という言葉が向けられることがしばしばありました。つまり、「疑わしいから説明しろ」ではなく「ここが問題だ」という証拠を突きつけろ。根拠が不十分なのであれば、無罪であるという前提で対応しろ。ないことを証明するのは不可能なのだから、メディアは疑惑だけで報じるな、というようなことです。中には、「その情報を提供した人はどうどうと名乗り出ればいい」という言説もありました。情報源の秘匿原則、公益通報の意義というものが、浸透していないのだと思わされるエピソードです。

 ジャーナリズムの役割のみならず、権力と国民との非対称性について敏感であることが重要です。政府は、国民から一時的に権力を預かって仕事をする。だから、その仕事のあり方については、徹底的な説明責任が求められる。そのために、公文書管理や情報公開の仕組みなどが必要になってくるのです。

 他方で、大きな権力は、その立場をもって、不都合な事実を隠蔽したりすることも可能です。実際、2018年には、森友学園問題の疑惑追及の過程で、財務省が決裁文書を改ざんしていたことが発覚しました。他にも、あるはずの文書を「ない」と答えるようなこともあるわけです。

 こうした場合、メディアがすべての文書をあらかじめ手に入れて証明するという「挙証責任」を果たすのは困難です。文書を独占的に保有し、その公開の範囲などをコントロールできる巨大な権力に対して、断片的な証言や資料などを積み上げる仕方で、疑惑があれば追及していく。そうした疑問が投げかけられた時、説明責任は政府の側にある。政府しかアクセスできない文書などについて、どのように書かれているのか、どのような意思決定があったのかを確認し、後ろ暗いことがなければすべてを直ちにオープンにすればいい。それができないのであれば、疑惑に対して丁寧な説明をしたことにはならないわけです。

 もともと「推定無罪」というのは、刑事事件において、巨大な権力を有している警察や司法権力に対して、市民の権利を守るための法則です。「疑わしきは被告人の利益に」、つまりきっちりと犯人であることを合理的に証明できない場合は罪に問うてはならない、とするものです。他方で行政の疑惑を追及する際には、権力構造は逆転します。ですから、刑事事件の「推定無罪」原則とは文脈が異なるわけです。

 その説明責任は、ないことを証明する、というような「悪魔の証明」ではありません。意思決定のプロセスを適切に説明できるようにしていなければ、疑惑として追及される。だから、メディアや野党の要望に応じ、指定された文書を開示したり、参考人を呼んで供述させたりすることで、できる限りの説明を尽くす。行政には常に、「疑惑がないことの証明」ではなく「行政プロセスの透明化」が求められている。それが不十分なのであれば、疑惑の追及を通じて、行政への信任や新たな立法の必要性を問う。

 もちろん、メディアの側からは、疑惑を問う以上、当事者の証言やほかの事例との比較を通じて、説得力のある問題提起を行う必要があります。行政の動きだけでなく、日常的に出されている官公庁のデータにも、さまざまな疑義があるのが常ですから。

放送法を問い直す
 放送法の第1条には「放送の不偏不党」という言葉があります。この「不偏不党」という言葉は、あらゆる論点でどの立場にもコミットをしてはいけない、という意味ではありません。メディアというものの特性を考えれば、それは不可能です。

 また、公職選挙法でも、「日本放送協会又は基幹放送事業者が行なう選挙に関する報道又は評論について放送法の規定に従い放送番組を編集する自由を妨げるものではない。ただし、虚偽の事項を放送し又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない」と記されており、「公正」は求めているが「中立」を求めてはいません。

「公平」というのは、アクセス権をしっかりと確保すること。「公正」というのは透明性を確保するということです。

 現状、NHKの経営委員は衆参両院の同意を得て内閣総理大臣が任命することになっていたり、総務省が電波を管理していたりなど、マスメディアの忖度が起きやすい制度設計になっています。

 あるいは、制度とは別に、首相が選挙後のインタビューを拒否するようなことが起きると、メディアも政府与党の顔色を窺いがちになる。
 メディアが忖度や萎縮をすれば、「公正」かつ「公平」な報道は実現できません。その意味では、放送法改正を通じて、そもそも放送のあり方、報道のあり方をあらためて問い直していく必要があります。
http://www.asyura2.com/18/senkyo247/msg/901.html#c1

[政治・選挙・NHK248] 東京医科大の不正入試問題 受験料返還の賠償額は121億円か(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
7. 2018年8月08日 09:02:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1168]

#これは男性の労働条件の悪さが背景にある

そしてその根底には、長期のデフレ不況と、

消費者本位の社会主義の結果、特に男性エリート層が欧米に比べて

圧倒的に悪い条件で過剰労働している現状がある


それが大衆社会における公務員や医者、大企業幹部の、低いモラルと関係している可能性もある

 


東京医科大の点数操作は「必要悪」? 女性医師の本音
2018年8月8日
女性医師だけの問題じゃない 「過労大国ニッポン」の縮図

 文部科学省の私大支援事業を巡る汚職事件。東京医科大学の贈賄・不正合格事件の捜査が進む中で、同大によって女子受験生を対象に入学試験の得点操作が行われていたことが判明しました。その後、実は、女子だけでなく3浪以上の男子の合格者数を抑えるために、複雑な計算式による点数操作がなされていたという続報が出て、大きな話題となっています。

医学部受験生の中では「あるある」だった なぜ?
 今後も報道により新たな事実が分かるかもしれませんが、その続報によると、行われた点数操作とは、1次と2次の結果が出た段階で全員の小論文の得点に一律「0.8」の係数を掛けて減点。男子の場合は、減点後に現役と1〜2浪の受験生に一律20点を加点し、3浪には10点を加点。女子と4浪以上の男子には一切加点をしなかったというもの。ちなみに、受験者の男女比率は約6対4、マークシート方式の学力1次試験を経た合格者は男女比率約2対1であるにもかかわらず、面接や小論文、「適性検査」で構成される2次試験を経た合格者における女子比率は、2割を切っていました。

 この、2次試験での「女子敬遠」や、そもそも女子が一般的に苦手とされる科目や分野の難度を意図的に上げることで間接的に女子を合格させにくくするような学力試験の出題法は、医学部志望の女子受験生の間では「あるある」だったのだとか。女子は一種の諦めとともにそれを受け入れて、それでも医学部に入るために攻略法を練り、自分の努力で(実力以上に狭くされている)狭き門を突破してきたのです。


医学部を目指す女子たちにとっては「あるある」だった (C)PIXTA
 医学部を志望したことのない文系の私は、それを聞いて「何、その女子をなめた業界!」と怒りがフツフツしてしまいました。点数操作を「いわば必要悪。暗黙の了解だった」とする東京医大関係者のコメントにも「よくそれを公に言ったもんだー!」と、のけぞって驚きました。「女性医師は結婚や出産で離職するから系列病院の医師が不足する」、「女3人で男1人分」なんて意見にも、「この多様性の時代に――」と頭を抱えました。

 ところが、医師であり、ワーキングマザーである友人Aさんに意見を求めたところ、彼女は「非常に腹立たしく、国際的にも恥ずべきことです。でも一度頭を冷やして、今の日本の病院経営(とりわけ総合病院)の現状や医師の過重労働の現状を考えると、一定の理解はできるんです」と言うのです。

 「医学部受験って、ある意味で就職試験なんですよ」

次ページ  どういうこと?
医学部受験は、ある意味、就職試験
 私と同世代の医師であるAさんは、誰もが知る日本や海外の一流の医大で学び、さまざまな医大付属病院での現場勤務を経験してきた優秀な女性。「大学受験が就職試験に直結するんですか?」と驚く私に、「そうです。医学部に入学し、6年間進級し、卒業試験を突破した者だけが医師国家試験を受験できますから、そうなるんです。就職試験だと思うと、女子制限があると聞いても『ああ』と、日本的な風習で納得してしまうものがあるでしょう。もちろん現代の世界基準ではトンデモですけれど」と続けます。

 確かに、少し前までの日本の就職試験では女子制限の話などいくらでもありました。筆記試験の成績上位には女子ばかり並ぶけれど、それを全部落として男子を合格させる。企業の場合は「各社独自の方針に基づく採用」ということでそれがまかり通っていたのでしょう(現代ではまかり通らせるのは困難と思われる話ですが)。でも今回は大学入試。大学補助金という形で税金も投入されており、特に公平性が問われます。

 Aさんによれば、今、多くの病院が生き残りをかけて医療経営の崖っぷちに立たされている中、産休、育休の可能性がある女性医師を雇い、その人がいない間にその分の仕事を回す余裕のあるシフトを作れるような経営体力があるのは、ごくわずかに限られた一部の病院だけ。すると病院経営の側から見たとき、女性医師を雇うことはリスクだと感じてしまうのだそうです。

 「ですからそれを正当化したい、男性優位型の病院経営を継続したいという私立医大にはいっそ補助金をカットして、『系列病院の就職試験なので男子◯割採ります』と宣言させ、ついでに一定以上の医師の質を担保するために、医師国家試験を受けられる回数に上限を設ければいいんだと思います」

 既に海外メディアや国内の識者からも、「いっそ東京『男子』医科大学と名乗ればいいではないか」との皮肉が出ている通り、女子への入学差別を開き直るのであれば好きなだけ男子を集めればいい、と突き放すこともできます。しかしこれは東京医科大に限ったことではなく、私立医大に関しては入学の不透明さが(それこそ暗黙の了解として)長らくまかり通っていたはず。

 怒っている私たちも心の隅ではどこか「驚いていない」「なんとなくそうなんだろうと知っていた」、それなのに「そういうものだ」と受け入れ、批判の声を上げてきていなかったという部分はないでしょうか。

日本の医療は医師の過重労働の上に成立している
 Aさんはこう話します。「もし私が、複数の診療科を抱えて入院患者を受け入れるような病院の経営者なら、一定数以上の若い女性医師を雇うのはかなり覚悟が要ります。男女にかかわらず、医者を労働基準法の範囲内で働かせていたら、かなりの確率で病院は潰れるでしょう。医者の長時間労働、過重労働は当然視されており、それを見込んで病院の成果が求められているからです」。

 なぜそんな、いわゆる「ブラック」なことになっているのでしょう? 

 病院が一般的な企業に比べて特殊な点は、診療報酬が厚生労働省によって決められており、自分たちで価格設定ができないこと。「企業努力」をして、ある分野でもうけられると思って頑張っても、超高齢化社会と医療費抑制トレンドの中、高い診療報酬を実現しようとすると人件費や設備投資のコストがかかり、安定的な経常利益の出る体制にするのが難しいのだとか。

 以前、日本の医療政策のエキスパートが「日本の社会保障のコストパフォーマンスはOECD加盟国の中でも飛びぬけて高い」と話していたのを思い出しました。それは、国民が支払う社会保険料に比べて、受けられる医療サービスなど福祉の質が非常に高いということです。医療を受ける側にとっての「安くてきめ細かで安定的な医療インフラ」は、日本政府が国債を限界近くまで発行し、いまや医療に携わる側の労働条件をひたすら悪化させながら、彼らの個人的犠牲の上にようやく維持されているものであるともいえるのです。


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夜間だろうが休日だろうが24時間365日すぐに対応してくれる医師たち。彼らの犠牲の上に成り立つ日本の医療インフラ (C)PIXTA
次ページ  女性医師だけの問題じゃない
 そして、社会的ポジションや職業的な憧れが依然高めにキープされているために医者志望の学生は決して減らず、一般企業と違って人材不足で追い詰められません。もしなり手がいなければ、一般企業に起こったことと同じように「女性のなり手を増やすしかない」とスイッチが入り、優秀な女性にどう働いてもらうかという方向へ自然と思考がシフトしていくのに、そういう事態にない大学や病院側は「制限なく働ける男子学生が欲しい」と人材のえり好みを継続できてしまいます。

 「これまでも我々の献身で医療が成り立ってきたのだから、同じように昼夜問わず働ける男性人材を中心にこれまで通りシステムを回す。この超高齢化社会の到来を前に、医療に決して穴を開けないこと、システムを崩壊させないことが優先」という思考で、男性優位社会である医療界の体質への反省や断固とした改革を求める動きが生まれにくいのです。

女性医師がぶつかる壁は女性医師だけの問題じゃない
 経営者視線で考えると、女性医師は「現行の経営を継続する上でのリスク」なのだと、先ほど触れました。子どもが大きくなるまで救急対応や夜間の当直を受けないといった女性医師を雇うのは、短期的にはデメリットです。そのデメリットを相殺する以上にメリットのある女性医師でなければ、つまり普通の男性医師よりはるかに人材的価値の高い女性医師でなければ、その場にいられない。

 「積極的に雇いたいと思えるような女性医師とは、この人を雇えば長期的にメリットがあるぞと、メリットを可視化できる、もしくはそこまでの将来性を感じさせる女性ということで、えりすぐられたスーパーウーマンです。だから結果的に、第一線で働き続ける女性がなかなか増えないんだと思います」

 厚生労働省のデータによると女性医師の数は近年増えてはいますが、診療報酬が高く、長時間残業を余儀なくされる現場に携わる女性医師の割合は少ない(※)。現役の女性医師たちに聞くと、「当直医もこなしていた小児科医の女性医師が当直のない皮膚科に転科」したり、「出産などを機に当直・オンコール(緊急対応)をしない働き方」を選んだりして、そのような現場から離れていく女性医師が多いのも事実です。
(※参考:厚生労働省 平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況)

 これまで、入試での女性差別や女高男低の実力の傾斜があまり大きな問題にならなかったのは、女性医師の数がまだ少なく「お客さん扱いだった」から、そして、第一線の医療現場があまりにも多忙で、差別を差別だと口にするエネルギーが、当事者たちに残っていなかったからかもしれません。

 Aさんはこう言い切りました。「健康的な男性が過労死直前まで働いて、それでなんとか病院経営が成立するくらいに診療報酬が設定されているのが最大の問題です。もうそろそろ、病院の自助努力の限界が近づいていると思います。現場は破綻しており、現行の価値観、現行のシステムはもう持ちません。これから病院の再編が始まるでしょうね」

 医療業界はまさに過労大国ニッポンの縮図。日本で私たちが当たり前だと思っている「安くてきめ細かで安定的な医療インフラ」や快適な生活は、女性であっても男性であっても、常に誰かの犠牲の上に成り立っているのです。今回の東京医科大の入試差別は、医療業界と私たち日本社会の「破綻」が図らずも明るみに出たといえるかもしれません。

 でも今回の問題には、明るい側面もあります。それは、このように根深く歪んだ日本の医療構造の破綻が国内で明るみに出ただけでなく海外にも知られたことで、より公正でバランスのとれた医療構造を目指し、社会的なプレッシャーがずっしりとかかるということ。これをきっかけに、世界の先陣を切って超高齢化の進む日本で、実験的で先進的な医療改革が起こるかもしれません。


もう、性差なんて気にしないで受験できる日が来るのかもしれません (C)PIXTA
 いま医師を目指して受験勉強をしている優秀な女性たちには、この受験差別の件にやる気や希望を失ってしまうのではなく、いま学んでいる皆さんこそがやがて新しく変わる日本の医療の力となるのだ、とむしろ希望を持って欲しいと心から思います。

文/河崎 環 写真/PIXTA

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Profile
河崎 環
河崎 環(かわさき・たまき)
コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川県育ち。家族の転勤により桜蔭学園中高から大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での生活を経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆を続けている。子どもは20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に「女子の生き様は顔に出る」(プレジデント社)
http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/785.html#c7

[国際23] イラン大統領「制裁発動 米は世界を敵に回す」〜「話し合いたいというならば、まずは刺したナイフを抜き…」と/nhk 仁王像
1. 2018年8月08日 09:41:06 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1169]

#外に敵を作り関税で、内外の国民を貧困化に導く政策は、

一部の層の利権を守る以外は、基本、自滅への道


 


 


米、中国製品160億ドル相当への関税25%発動へ−23日から適用
Andrew Mayeda
2018年8月8日 6:10 JST 更新日時 2018年8月8日 7:26 JST
当初公表した関税リスト284品目のうち279品目が対象になる
中国はこの関税第2弾に対しても同規模の報復を講じるとしている
米政府は7日、中国製品160億ドル(約1兆7800億円)相当への25%の追加関税を今月23日から適用すると発表した。対中制裁の第2弾の発動で、米中間の貿易摩擦は一段と激化する見通し。

  米通商代表部(USTR)によると、当初公表した関税リスト284品目のうち、279品目が対象となる。電子メールで声明を送付した。新しいリストの品目はオートバイや蒸気タービン、鉄道車両など。

  対中関税は事業コスト、ひいては消費者物価を押し上げるとの不満が米企業から噴出する中、340億ドルに上る7月6日発動の対中関税第1弾に続き、第2弾の発動が発表された。中国は第2弾に対しても同規模の報復措置を講じるとしている。

  USTRは現在、2000億ドル相当の中国からの輸入品への10%関税賦課を討議中で、同関税率を25%に引き上げることも検討されている。同関税は意見公募期間が9月5日に終了した後に導入される可能性がある。

  トランプ大統領はさらに、実質的に中国からの全輸入品に関税を課す可能性があると示唆している。昨年の中国からのモノの輸入額は5000億ドルを超えた。

  トランプ大統領は先週末、米中の貿易を巡る争いで自分が優位に立っていると述べた。一方、中国政府は国営メディアを通じ、経済的影響を耐える用意があると表明した。

  米中両国は、トランプ大統領が関税計画を発表して以来途絶えていた高官級通商協議の再開を目指している。事情に詳しい関係者2人によれば、ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相の各代理が非公開協議を行い、正式な交渉を再開する方法を探っている。

原題:U.S. to Slap Duties on $16 Billion of China Goods on Aug. 23 (1)(抜粋)

(背景や品目などを追加して更新します.)


 

 
人民元の下落、トランプ氏の陰に隠れた真のリスク

上海の洋山深水港で荷揚げするコンテナ船(2017年12月6日) PHOTO: -/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
Nathaniel Taplin
2018 年 8 月 8 日 01:35 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 ドナルド・トランプ米大統領が貿易問題で何かとやり玉に挙げる中国は、生産が過剰で消費が少なすぎる。さて、それは本当だろうか。
 必ずしもそうではない。中国の輸出はもはや輸入を大幅に上回ってはいない。これは成長鈍化やトランプ氏による貿易圧力の高まりと併せ、4月下旬から人民元が対ドルで8%下落した背景となっている。
 中国の貿易黒字縮小によって、米国は貿易に関する影響力を強め、いずれ中国の産業政策が広範な変更を強いられるかもしれない。だが短期的には、中国人民銀行(中央銀行)にとって、人民元の対ドル相場が1ドル=7元を割り込むのを阻止することが一層困難になる可能性がある。人民元は足元で1ドル=6.8元で取引されている。
中国の国際収支の推移

Source: CEIC
(単位:10億ドル)モノの貿易収支サービス貿易収支経常収支2000’05’10’15-100-50050100150$200

 中国の経常黒字は4-6月期にわずか58億ドル(約6400億円)にとどまった。2014年と15年には四半期当たり平均700億ドル弱の黒字を計上していたのと比べれば、著しく少ない水準だ。主な要因はサービスの純輸入が13年終わりに比べ3倍近くに拡大したことで、今年4-6月期は740億ドルに達した。これは全く謎ではない。国内総生産(GDP)に占める消費の割合は5年前には50%未満だったが、今年4-6月期には80%近くに達したからだ。
 中国の貿易収支の根底にある変化は重要な意味合いを持つ。中国の政策当局は人民元の下落が持続するのを防ぐため、国内への一段の投資を促し、外国製品の消費拡大を相殺しなければならない。中国資本を国内に留め置く必要もある。さもなければ、人民銀は外貨準備をさらに取り崩して人民元を支えざるを得なくなる。
 先月の外貨準備高はほぼ横ばいで、資本流出の兆候はほとんど見られないが、人民銀は手をこまねいてはいない。人民銀は先週、為替フォワード取引について準備金の預け入れを義務付け、投機的な元売りのコストを引き上げた。
 貿易に関する構図の変化は、中国に対するトランプ氏の影響力を強めるだろう。対米輸出の激減を防ぐため、中国政府は貿易問題で譲歩する姿勢を見せるかもしれない。直近の景気刺激策の効果はまだ現れておらず、中国国内への投資に関する規制緩和に前向きな姿勢を示す可能性もある。
 長期的に貿易黒字の減少を埋め合わせるには、国内および外国資本を活性化することが極めて重要だ。これは国内の投資リターンを押し上げることを意味するが、そうした目標は民間企業を犠牲にして非効率な国有企業を支援する産業政策とは相いれない。本格的な国有企業の再編は、いずれ選択肢でなく、必然となり得る。
 ただ、そのような政策転換には時間が掛かる。目先のリスクとなるのは、中国が金利を抑え続け、多額の資金が厳しい資本規制の抜け道を見つけ始めることだ。そうなれば、最近の大幅な元安でさえ、緩やかな下落に見え始めることだろう。
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米高齢者の自己破産が急増、401kへの移行も背景

米国では高齢者の自己破産件数が急増している(写真はサンフランシスコのチャイナタウン、6月19日) PHOTO: DAVID PAUL MORRIS/BLOOMBERG NEWS
By
Anne Tergesen
2018 年 8 月 8 日 07:57 JST
 米国で65歳以上の高齢者による自己破産の申請ペースが1991年以降、3倍の水準に急増していることが、新たな研究で分かった。社会保障の受給額が減ったことに加え、従来型の年金から自己責任で老後資金を運用する確定拠出型年金(401k)へと移行したことなどが背景にある。
 アイダホ大学やイリノイ大学などの研究者が共同で研究論文を執筆した。それによると、65〜74歳の高齢者による自己破産件数は、1991年は1000人のうち1.2 件にとどまっていたが、2013〜2016年には平均で1000人中3.6件まで増加。75歳以上では、1991年の1000人中0.3件から1.3件と、4倍以上に膨らんだ。自己破産申請件数全体に占める65〜74歳の割合は年12.2%と、1991年の2.1%から急上昇した。
 論文では、米高齢者による自己破産の割合が「かつてないほど高まっている」と指摘している。
 自己破産急増の背景については、米人口の高齢化は理由の「一部にしか」過ぎないとしている。65歳以上の高齢者が成人人口に占める割合は1991年から2015年の間に17%から19.3%に上昇したが、これは高齢者による自己破産のペースをはるかに下回っているという。
増える自己破産自己破産は高齢層で増加傾向にある
年齢層別にみた自己破産件数の増減率(1991年〜2016年)

Sources: Consumer Bankruptcy Project (2016); Thorne, Warren & Sullivan, 2009 (1991)*Based on claims filed for every 1,000 individuals in each age group.

 論文では、ソーシャル・セキュリティー(社会保障)やメディケア(高齢者向け医療保険)の受給額減に加え、従来型の年金から401kなど、自己責任による老後資金運用へと移行したことが背景にあると分析。「金融リスクが個人にも波及している」と記されている。
社会保障の受給開始年齢は、1937年以前に生まれた世代では65歳だが、1960年以降に生まれた層では67歳に引き上げられた。
さらに、リタイア層の収入がここ数年停滞しているほか、55歳以上の世代の家計債務は、過去20年余りの間にほぼ右肩上がりに増加しており、米従業員福利厚生研究所(EBRI)によると、その割合は1992年の54%から2016年には68%に上昇した。
 また自己破産した高齢者の債務額(中央値)は10万1600ドル(約1100万円)で、これは高齢者の平均年収の3倍の水準だ。
 論文の著者らは、高齢化が進行するのに伴い、高齢者による自己破産の増加傾向が広がるだろうと予想している。
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早過ぎる介護負担、米ミレニアルの人生に影響

 両親や祖父母の介護でキャリアや家庭を犠牲にすることも

母親のヘティーさんが暮らす介護付き住居を訪ね、世話をするエイドリエン・グラスマンさん(37) JAYME GERSHEN FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
Clare Ansberry
2018 年 8 月 7 日 17:08 JST 更新
 エイドリエン・グラスマンさん(37)が母親の介護を始めたのは、独身の気楽さをおう歌していた29歳の時だった。
 両親はすでに離婚。一人っ子のグラスマンさんは当時ニューヨーク市内在住で、働いたり、旅行をしたり、友人と外出を楽しんだりする毎日だった。60代半ばの母親へティーさんは引退後、フロリダ州で暮らしていた。パーキンソン病と診断された当初は何とかなると思われた。だが母親の転倒で状況は変わった。頭を打ったまま12時間発見されなかったのだ。
 「一瞬のうちに私の生活は根こそぎ奪われた」。それから8年が経過した現在、グラスマンさんはこう振り返る。彼女は母親の世話をするため、ニューヨークからフロリダへと移り住んだ。母親は現在、介護付きの住居で暮らしている。グラスマンさんは母親の資産状況や医療ケアを管理し、主治医や看護師、介助者などと相談しながら、母親を受診や治療に連れて行く日々だ。その間も仕事ができるよう常にノートパソコンを持ち歩いている。
 「親の介護は、人生のどこかの時点で誰の身にも起こることだ。私の場合、それが予想していたより30年早かっただけ」と彼女は言う。

ミレニアル世代はいまや米国の無償介護者の24%を占めている PHOTO: JAYME GERSHEN FOR THE WALL STREET JOURNAL
 高齢化が進む米国では、介護を担う世代がより若い年齢層へと移り、より苦しい状況を強いられる傾向にある。全米介護者連合(NAC)によると、現在無償で介護を行っている人の24%がいわゆるミレニアル世代で、2009年の22%から上昇。AARP公共政策研究所の2018年の報告書によると、推定620万人のミレニアル世代が親もしくは配偶者の親、祖父母の介護をしているという。この数字は今後さらに増える見通しで、それに伴って課題も一段と増大するだろう。
 南カリフォルニア大学社会福祉・老年学スクールのマリア・アランダ准教授は、ミレニアル世代の人生にとって重要な時期に介護の責務を負うと、家庭を持ったり、住居を購入したりといった節目の予定を狂わせる場合があると指摘する。「こうしたイベントを後回しにすることになる」。認知症患者の介護をしているミレニアル世代(1981〜1996年生まれ)を対象に調査を行ったアランダ氏はそう話す。

エイドリエン・グラスマンさん(写真左)は週に3、4度、夕方の通勤ラッシュをかいくぐって母親のヘティーさんを訪ね、夕食の準備や金銭面の処理を行っている PHOTO: JAYME GERSHEN FOR THE WALL STREET JOURNAL
 資金面の負担も相当に大きい。米製薬大手メルクが立ち上げた介護者向けサービスやプログラムを手掛けるイニシアチブ「エンブレーシング・ケアラーズ(Embracing Carers)」に携わっているスコット・ウィリアムズ氏はこう指摘する。ミレニアル世代は年齢の高い介護者に比べ、収入に占める介護費用の割合が27%と高く、平均収入自体も少ない。働きながら介護するミレニアル世代の3分の1は、平均世帯収入が3万ドル(約334万円)にも満たない。また大半がフルタイムで働きながら、平均で週21時間を介護に費やしている。
 「かなりの時間をつぎ込んでいる。それが彼らの人生や、同年代の人々と同じことをする能力に影響している」。ウィリアムズ氏はこう話す。

 仕事への影響も深刻だ。アルツハイマー病の治療促進を目指す非営利団体「アス・アゲインスト・アルツハイマーズ(UsAgainstAlzheimer’s)」と南カリフォルニア大学加齢研究所が作成した2017年の報告書によると、認知症患者の世話をしているミレニアル世代の約3人に1人が、介護の必要のために勤務時間を短縮して福利厚生の権利を失ったり、解雇されたりしたと答えた。また14%が仕事と介護を両立できず、働くのを完全にやめていた。これは社会保障制度や確定拠出型年金(401k)の積立金が減ることを意味する。
 ロサンゼルス在住のアラセリ・ガルシアさん(31)は母方の祖父母の法定代理人を務める。2人ともアルツハイマー病を患い、糖尿病などの持病を抱えている。祖父(90)はほとんど英語を話さず、祖母(89)は全く話せない。日常的な介護を担っているのは母親(56)だが、車の運転ができず、英語も得意ではない。
 独身で母親と同居するガルシアさんは、医師や薬剤師に相談する時や、保険会社や家主との交渉などを一手に引き受ける。仕事中もおむつや処方箋、追加治療の相談などでたびたび電話が入り、中断せざるを得ない。最近は友人に外で会おうと誘われても、大抵は断っている。「どこにも行きたくない。私の望みは早く寝床に入ることだけだ」

アンバー・スナイダーさん(29)は2つの仕事を掛け持ちしながら6歳の息子と84歳の祖母シャーリーンさんの世話をする PHOTO: AMBER SNYDER
 ミレニアル世代の中には、病気の親や高齢の祖父母の世話と同時に子育てもしている場合がある。ネブラスカ州オマハ在住の准看護師アンバー・スナイダーさん(29)は2つの仕事を掛け持ちしながら、6歳の息子と84歳の祖母シャーリーンさんの世話をする。夜勤シフトを終えて自宅に戻ると、息子を保育所に送り出す支度をし、数時間の仮眠をとる生活だ。週に4日は祖母が暮らす介護付き老人ホームを訪ねる。服を選び、シャワーを浴びさせ、食事の介助をし、天気が良ければ散歩に連れていく。母親と同居するが、友人と交流する時間はない。「働いているか、祖母や息子の世話をしているか、眠っているかのどれかだ」
 母親がパーキンソン病と診断されたグラスマンさんは2015年、フロリダ州に引っ越した。母親は後ろめたく感じたようだと彼女は言う。「やはりママは私に思い通りの人生を送ってほしかったのだと思う」
 広報関係の学位を持つグラスマンさんはフロリダ州でマーケティングや販売の仕事に就いた。だが勤務時間の融通がきかないため、今年1月、グラスマンさんは起業することに決めた。小規模なオンライン事業者向けのプロジェクト管理の仕事だ。時々、母親の介護をしながら、ビジネスを始め、なおかつデートや社会的な生活も諦めようとしない自分はどうかしていると思うことがある。だが母親はいつかいなくなると分かっている。そのとき空っぽの状態で取り残されたくはない。

グラスマンさんは最近、自分でビジネスを始めた PHOTO: JAYME GERSHEN FOR THE WALL STREET JOURNAL
 「母親のことは大切に思っている。だが私はまだ若く、自分の目標や夢をこれから達成しようとしている」
 グラスマンさんは最初に介護の責務を負ったとき、支援や助言を求められるような同じような境遇の同世代の知り合いがおらず、どれほど心細かったかを思い出す。「私自身の生き方をまだ探しているのに、それも手探りしなければならないのは非常につらかった」。
 グラスマンさんは現在、他の同世代の介護者を助けたいと考えている。介護コンサルタントになるための講座を修了し、高齢者向けのケアを提供する非営利団体レーディングエイジ(LeadingAge)のソーシャルメディア(SNS)での活動に参加している。
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https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2018_0424.html
高い関税をかけると本当に経済はよくなるの?
2018年4月24日 17時00分
貿易をめぐってアメリカと中国が激しく火花を散らしています。お互いが輸出する工業製品や農産品に高い関税をかけるとして両者一歩も譲らず、貿易摩擦の激化が懸念されています。きっかけを作ったのはアメリカのトランプ大統領です。中国との間の巨額の貿易赤字を是正し、アメリカ経済をよくしたいというのがその理由ですが、そもそも相手国の製品に関税をかけることで、本当に経済はよくなるのでしょうか。(アメリカ総局記者 渡部圭司)
エスカレートする制裁措置の応酬
3月8日にトランプ大統領は、鉄鋼とアルミニウムに高い関税をかける輸入制限措置を発表し、23日に発動しました。中国が鉄鋼製品を過剰生産しているため、製品の国際価格が下落し、アメリカ国内の鉄鋼産業を衰退させたというのが発動の理由です。

さらにアメリカは、中国による知的財産の侵害を理由に、およそ5兆円分の輸入品に25%の関税を課す準備をしていると発表。これに対して中国もすぐさま報復措置を発表し、貿易摩擦は激しくなる一方です。
歓迎するアメリカの鉄鋼業界

アメリカの鉄鋼業界は、今回の措置を歓迎しています。安い外国産の製品に押されてきた鉄鋼業界は、大統領権限で関税を引き上げられるこの措置の発動をずっと要望してきました。

しかし、一方的に輸入品に関税をかけるこの措置はいわば「禁じ手」で、実際の発動は難しいと半ばあきらめてもいました。去年夏に全米の鉄鋼メーカーの大会を取材しましたが、この時に行われたアンケートでも、会場にいた600人のうち、6割もの人が関税の引き上げは、「実現できない」と答えていました。多くの人は、「トランプ大統領は口では調子のいいことを言うが、歴代の大統領と同様に、実行しないだろう」と考えていたわけです。

ところがトランプ大統領は、外国からの反発をおそれもせず、関税の引き上げに踏み切りました。
マイケル・ヤングさん
アメリカで最も鉄鋼の生産量が多い中西部インディアナ州。ここで全米鉄鋼労働組合の幹部を務めるマイケル・ヤングさんは、今回の措置のあと、USスチールの工場が稼働再開を決めたことを明らかにしました。
ヤングさんは、「休職した組合員の中には、家を失った人も多く、つらい思いをさせてきた。トランプ大統領は実行力があり、いい仕事をしている」と喜んでいました。
先に発動された木材関税から影響を読み解く

たしかに関税の引き上げによって守られる業界は喜んでいますが、一方でしわ寄せを受ける業界もあります。

ここからは、関税の引き上げが経済にどんな影響をもたらすかを考えてみます。そのための事例として注目したいのが、トランプ政権が去年11月に決めたカナダ産の木材への関税です。

カナダ産の木材は、アメリカ産より安く、多くがアメリカに輸出されています。カナダの森林はほとんどが国有林のため、伐採にかかるコストが低く、私有林が多いアメリカ産の木材よりおよそ3割安い価格で輸出できるからです。

こうした状況にトランプ大統領は待ったをかけます。このままだとアメリカ国内の木材産業が衰退してしまうと、カナダ産の木材に平均で20%余りの関税を課しました。

この措置をアメリカ国内の木材業者は喜んでいますが、対照的に困っているのが住宅メーカーです。ここ数年、アメリカの住宅価格は景気回復を受けた需要の高まりで値上がりし続けてきました。

いまや全米平均の新築の戸建て価格は、37万6700ドル(日本円でおよそ4000万円)、住宅バブルと呼ばれた2007年のピークより、すでに2割高くなっています。

関税の引き上げによって、輸入木材の価格が上昇すれば、住宅価格がさらに値上がりすると懸念されているのです。アメリカ西部オレゴン州で住宅メーカーを経営するケント・カウフマンさんは、すでにカナダ産の木材の価格が、この半年で10%値上がりしたといいます。「20年近くこの仕事をしているが、こんな急な値上がりは初めてだ」と困惑していました。カウフマンさんは、コストの上昇分をそのまま販売価格に上乗せできないため、収益が圧迫されていると訴えています。
ケント・カウフマンさん
若者世代が住宅を買えない!
木材価格の高騰を踏まえて、住宅メーカーはどう対応しようとしているか。値上げしても買い手がつく高級住宅を優先して作るメーカーが増えています。

2017年のアメリカの新築住宅販売件数を価格帯別にみると、50万ドル(およそ5400万円)の高級住宅は、2012年に比べて3倍以上増えましたが、25万ドル(およそ2700万円)未満の住宅は逆に8%減っていて、手ごろな価格の物件が足りなくなっています。これは、家族を持ってこれから住宅を買おうという20代から30代の「ミレニアル世代」と呼ばれる若者にとって厳しい現実です。

住宅の販売が鈍れば、家具や家電、キッチン用品の売れ行きにも影響します。アメリカの住宅関連市場はGDPの15%を占めると言われています。カナダ産の木材に対する関税によって住宅価格が上昇し、消費に悪影響を与えることになれば、アメリカ経済にとってマイナス面のほうが大きくなるわけです。
過去に発動された鉄鋼関税は失敗
実は鉄鋼関税は過去にも発動されたことがありますが、思うような効果を生み出すことができませんでした。

2002年、当時のブッシュ大統領が鉄鋼製品に最高で30%の関税を上乗せしました。ところが関税がかかる外国産だけでなく、関税がかからないアメリカ産の鉄鋼製品の価格も急騰したため、市場全体の需要が冷え込み、生産が急速に減少しました。

いったい何が起きたのか。アメリカの鉄鋼産業が外国産に関税がかけられた分に応じて、国産品の便乗値上げに踏み切ったのです。生産が減少したため、アメリカの鉄鋼産業は、20万人を解雇することになりました。

国内産業を守るために発動された関税が、逆に人々の雇用を奪ってしまったのです。今回の局面でも外国産に関税がかけられた分、アメリカの鉄鋼メーカーが国産品の価格をつり上げるのではないかと懸念されています。
支持者アピールの道具とされる貿易
それでもトランプ大統領が貿易をめぐって保護主義に突き進む理由は何か。それは、ことし秋に予定されている議会の中間選挙を前に、貿易政策で支持者にアピールしたいと考えているからです。

トランプ大統領は、中国に続いて、今度は批判の矛先を日本に向けようとしています。アメリカにとって日本は、貿易赤字が中国、メキシコに次いで3番目に多い国です。日本との貿易赤字を削減することは、中間選挙を控えたトランプ大統領にとって、有権者に訴えるポイントを稼ぐことができるおいしい分野なのです。

トランプ大統領は、日本との間でFTA=自由貿易協定の交渉に入ることに意欲を示していて、自動車や農業などの分野で市場開放を迫ろうとしています。こうしたトランプ大統領の姿勢は、中間選挙を前により強くなることが予想されるだけに、貿易摩擦がもたらす影響をわれわれも注意深く見ていく必要があります。


アメリカ総局記者
渡部 圭司
2002年入局
広島局、報道局経済部を経て
2014年からニューヨークで経済分野を担当
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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/621.html#c1

[国際23] イラン大統領「制裁発動 米は世界を敵に回す」〜「話し合いたいというならば、まずは刺したナイフを抜き…」と/nhk 仁王像
2. 2018年8月08日 10:14:38 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1170]

#普通に考えれば、最終的には自由貿易側が勝つのだが、

建前だけの自由貿易で、実質は、国家資本主義

さらにパワーエリートが権力闘争を繰り返しているような国(中ロなど)では、

予測は難しい


まして、一部の宗教エリートが経済と社会をコントロールし、それに対する

不満が鬱積している場合、さらにリスクは大きい


もしヒトが、日本国憲法前文のように、利己的で愚かでなく、

グローバリズムの恩恵を、十分、還元できていれば、

全く違った世界になっていただろうが

現実の世界は囚人のジレンマのゲーム状況に近いということか

 

 

トランプ大統領、イランと取引を行う国に最後通牒 © AP Photo / Carolyn Kaster
政治
2018年08月07日 20:32短縮 URL
0 412
トランプ米大統領は7日、イランと取引を行う国は、米国と取引できなくなると発表し、米国の対イラン制裁は厳しいものになると指摘した。

スプートニク日本

トランプ氏はツイッターに「これは、これまでで最も厳しい制裁となり、11月には新たなレベルに引き上げられる。イランと取引をする者は、米国と取引できなくなる。私が求めているのは、まさに全世界の平和だ!」と投稿した。


​先にイランのロウハニ大統領は、米国はイランに対して新たな制裁を発動したことを後悔するだろうとの考えを示した。ロウハニ氏は、イランは米国を「跪かせ」、たとえ米国の制裁があってもイランが「約束を守る」ことを世界に証明すると述べた。


 

 

2018.8.7 20:15
【イラン核合意破棄】ホルムズ海峡緊張の恐れ 米・イラン、海上交通めぐり駆け引き

サウジアラビア・ホルムズ海峡
 【カイロ=佐藤貴生】イランに対する米国の制裁再発動を受け、原油輸送の大動脈であるペルシャ湾をめぐって緊張が高まる恐れが出てきた。11月に予定される次期制裁にはイラン産原油の禁輸が盛り込まれており、イラン側はこれに向け、ペルシャ湾の入り口に位置するホルムズ海峡を封鎖する姿勢を示してきたからだ。米国は航行の安全確保のため警戒態勢を強めており、駆け引きは今後、熱を帯びそうだ。

 欧米メディアによると、ホルムズ海峡やペルシャ湾に今月初旬、イランの艦艇が集結し、軍事演習を行った。イラン国内に強い影響力を持つ革命防衛隊の元幹部は7月、「原油が輸出できない事態になれば、(ホルムズ海峡を)確実に封鎖するだろう」と述べた。

 一方、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日までに、海峡の封鎖は脅しとの見方を示しつつも、実行すれば「最悪の誤り」になるとイラン側に警告した。

 ホルムズ海峡はサウジアラビアやイラク、クウェートなどペルシャ湾岸諸国の原油が運ばれ、世界の海上輸送原油の3割以上が通る要衝だ。そのうち8割超がアジア向けとされ、日本にとっても生命線といえる。

 革命防衛隊は高速艇や対艦ミサイルなどを装備。仮にイラン側が機雷敷設などに踏み切った場合、米国はバーレーンに司令部がある海軍第5艦隊を主体に、軍艦によるタンカー護送などを行う考えを示している。

 イランは戦力では米軍には及ばないものの、機雷が敷設されれば除去には時間を要し、世界の原油取引に影響が及ぶ可能性がある。機雷は1991年の湾岸戦争の際にもイラクによってペルシャ湾に敷設され、日本も掃海艇を派遣した。

 ただ、イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、核合意を維持する方針を表明している欧州諸国の反発を招くことは必至で、自ら孤立を深める結果になりかねず、事態の推移を見守りながら対応するとみられる。

 サウジの西側にある紅海では7月下旬、サウジの原油タンカーが、イランの支援を受けるイエメンのイスラム教シーア派系武装勢力に襲撃され、サウジが、この海域の要衝バブエルマンデブ海峡でのタンカーによる原油輸送を一時停止する事態となった。イランの関与は不明ながら、ホルムズ海峡と合わせ、海上交通の要衝2カ所に影響力を持ち得る潜在力を示した形といえる。


 

 

 
コラム2018年8月8日 / 08:16 / 2時間前更新
コラム:中国がトランプ貿易戦争に勝利する理由
David A. Andelman
4 分で読む

[6日 ロイター] - トランプ米大統領が中国との貿易戦争に勝つことを期待できない理由を知りたければ、ネット通販大手アマゾンの中国版とも言えるアリババ・グループ・ホールディングを見れば事足りる。

筆者は先月、アリババの最高戦略責任者で、中国のビジネス・金融界最高の知性の1人とされる曽鳴氏と2度突っ込んだ話をする機会を得た。曽氏が明確に指摘したのは、中国にはもはや、米国を本当に必要としている分野はほとんどないということだった。米国製品は必要ないし、米国のアイデアはさらに必要ない。挫折をしても、中国は自分の力で立ち直れることを証明している。

一方で、トランプ政権は、最初から負けるよう計算された競争を、あるいは戦争を、実行するために最善を尽くしているようにみえる。

米大統領の最新の動きは、2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に対する関税率を、当初予定の10%から25%に引き上げると脅すというものだった。それから24時間以内に、中国は、トランプ氏が脅しを実行した場合に5─25%の報復関税をかける600億ドル相当の米製品5207品目のリストを公表した。それらが実現すれば全面的な貿易戦争だろう。

幸いなことに、トランプ政権は、関税発効前のパブリックコメント(意見公募)の締め切りを9月に延長した。一方、太平洋の両端の市場は、時にパニック寸前でバランスを取りながら、落ち着かない商いを続けている。

中国株式市場の方が米国株式市場よりも打撃を受けているが、トランプ氏は、米国の方がより長く痛みに耐えることができ、締め付けを強めれば中国政府が交渉に応じると考えているようにみえる。

だがそれは、中国人の考え方や、1年前よりも弱含んでるとはいえ依然として米国の2倍近いペースで拡大している中国経済の底堅さに対する理解を欠いた考えだ。

そして、事の重大さやメカニズムをあまり理解していない人間が、待ち受ける大混乱に突入するとき、どこまで事態が悪化しうるかについて考えを巡らせた形跡もない。

ポンペオ国務長官は先週、中国に対し、孤立すらさせようとする新たな政策を華々しく発表したが、その規模と無意味さはほとんどばかげたものだった。「インド太平洋経済ビジョンプログラム」と呼ばれるこの政策は、アジアから欧州までを引き込む中国の経済圏構想「一帯一路」に対抗するものと広く受け止められている。だが、極めてけちな対抗策だ。

トランプ氏はこのプログラムに、1億1300万ドル相当を拠出すると約束したが、中国が3年前に820億ドルを出して開始し、現在では9000億ドル規模になったとみられる一帯一路と比べれば、誤差の範囲でしかない。競争にすらならないだろう。

それでいて、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが指摘したように、米国の動きは「中国政府の猜疑(さいぎ)心に油を注ぎ、すでに通商問題で緊張をはらんでいる両国関係を悪化させる可能性」がある。

加えて、中国は通商世界戦略の手綱を握り続けるためにあらゆる努力を惜しまない構えで、6日には欧州連合(EU)離脱後の貿易協定に向けた交渉を英国に提案し、米国をけん制した。

米政府が中国との貿易戦争に勝つには、あるいは、相互に満足できる結論という長期的に見て最善の結果にたどり着くには、今後直面することになる「力」への理解が必要になる。

アリババの曽氏との会話から筆者が理解したのは、急速に発展する中国経済の大部分、なかでも国内に特化した部分は、通商のもつれに免疫があるか、回避策を探すことができるかのどちらかだということだ。筆者による曽氏へのインタビューは、フォーブス・アジア誌に掲載されている。

米当局は1月、アリババの金融子会社アント・ファイナンシャルによる米国際送金大手マネーグラム・インターナショナルの買収を阻止した。それを受けてアリババは、ブロックチェーン技術を使った、新しく、多くの点でより革新的な製品を開発した。

「新しいビジネスは、どんなものでも成長過程で障壁に直面するものだ。それは理解している。ビジネスにつきもののコストの一部だ」と、曽氏は言う。「不満に感じることもあるかもしれないが、われわれがつくり出す価値は極めて大きいため、何とか障壁を乗り越える方法を探し出すだろう」と付け加えた。

これは、中国の民間や国有企業の多くが、もはやシリコンバレーから発明を入手しようとしていないという意味ではない。米国が彼らをブロックすればするほど、中国勢は独自の解決策を見つけ出す可能性が高いということだ。

もう1つ例を挙げよう。米政府の外国投資委員会は昨年、米半導体大手インテルが株式の15%を所有し、米国でも営業する欧州の地図・位置情報サービス「ヒア(HERE)」の株式を、中国のデジタル地図サービス大手「ナブインフォ(Navinfo)」が取得しようとした案件を承認しなかった。

そこでナブインフォは、株式取得の申請を撤回し、ヒアや独自動車大手BMWやダイムラー、フォルクスワーゲンとの提携を拡大させた。ナブインフォは、フォーブスの世界で最も革新的な成長企業トップ100(2017年)に選ばれている。

確かに、中国は自動車市場のほか冷蔵庫や洗濯機などの家電で主導的な役割を担う一方で、人工知能(AI)などの分野では遅れがあるかもしれない。だが曽氏は言うように、「われわれの規模ではなく、われわれのイノベーションの経験と、未来がどこに向かっているかということについてのわれわれの理解が重要なのだ」

こうした深い理解と長期戦の覚悟が、貿易戦争で最終的に中国に勝利をもたらすのかもしれない。

中国人、特にその指導部は、極めて強い発達した自意識を持っている。外部の圧力に耐える指導部の能力は、毛沢東や共産党革命より前に起源がある。紀元前1000年ごろの中国古代の周王朝では、王の正当性は十分な徳があるかで判断され、天命を受けて支配するとされた。そのような宿命観や自尊心を持つ人々が、ドナルド・トランプのような世俗的な指導者を巨大な障壁とみなす可能性は低い。

中国では、メンツを失うことが最大の失敗と考えられている。

最善の、最も長続きする貿易協定は、少なくともウィンウィンでなければならないが、トランプ氏はいまや自らのアメリカ・ファーストの主張に深くはまり込み、中国指導部がメンツを失わない形で調整できる余地はあまり残されていない。

トランプ氏は、長い消耗戦に備えなければならない。もし誰もあきらめるよう彼を説得できない場合は、すべての米国人が、トランプ氏の通商「十字軍」の代償を払うことになるだろう。

*筆者は、米紙ニューヨーク・タイムズや米CBSテレビの元特派員。著書に「A Shattered Peace: Versailles 1919 and the Price We Pay Today」がある。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/621.html#c2

[経世済民128] 上半期経常黒字10.8兆円 2%増、旅行収支は最大(かいけつニュース速報) 怪傑
1. 2018年8月08日 11:48:27 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1171]

ただし下振れ

 

 
6月の経常収支は前年比27.1%増の1兆1756億円−予想下回る
占部絵美
2018年8月8日 8:57 JST
• 貿易収支は8205億円の黒字、黒字は2カ月ぶり
• 1次所得収支は11.8%増の5876億円の黒字

モノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、黒字幅が2カ月連続で拡大した。市場予想は下回った。黒字は48カ月連続。財務省が8日発表した。

キーポイント
• 経常収支は前年同月比27.1%増の1兆1756億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は1兆2222億円の黒字)
• 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8205億円の黒字(予想は8268億円の黒字)−2カ月ぶり黒字
• 海外配当金や債券利子などの第1次所得収支は11.8%増の5876億円の黒字

エコノミストの見方

• SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは2日付リポートで、6月は日本企業の配当金支払いで第1次所得収支の黒字が縮小しやすい季節性があると指摘。「貿易収支は黒字幅が前月比で拡大する見込みだが、第1次所得収支の黒字幅が前月比で縮小し、相殺し合う」との見方を示した。

• 第一生命経済研究所の伊藤佑隼エコノミストは3日付リポートで、第1次所得収支の悪化は前月分を押し上げた海外子会社からの配当受け取りなど一時要因のはく落によることから「悲観的にみる必要はない」と分析。世界経済が緩やかな拡大を続ける中、経常収支は高水準を維持するとみている。

 


2018.8.8 10:19

7月の貸出残高2%増 6年10カ月連続プラス 日銀7月貸出・預金動向(速報)

https://www.sankei.com/economy/news/180808/ecn1808080015-n1.html

日本銀行本店の外観=東京・日銀本店(早坂洋祐撮影)
 日銀が8日発表した7月の貸出・預金動向(速報)によると、国内銀行の月中平均の貸出残高は前年同月比2・0%増の458兆974億円となった。地方銀行による中小企業向けの融資が、不動産や電力関連など幅広い業種で底堅く、6年10カ月連続で前年を上回った。

 大手銀行などの「都銀等」は0・3%増の212兆5194億円。主な融資先である大企業は手元資金に余裕があるため、貸し出しが伸び悩んだ。地方銀行と第二地方銀行の合計は、3・5%増の245兆5780億円だった。

 都銀と地銀・第二地銀を合わせた実質預金と譲渡性預金の残高は、3・8%増の711兆1043億円だった


 

新発40年債利回り、0.995%に上昇 30年債入札控え持ち高調整売り
2018/8/8 10:19
保存 共有 印刷 その他
 8日午前の債券市場で新発40年物国債の利回りが前日比0.010%高い(価格は安い)0.995%と、1月19日(1.000%)以来、7カ月ぶりの高水準を付けた。財務省が9日に実施する30年債入札を前に持ち高調整を目的とした売りが出た。

 日銀が朝方に公表した7月30〜31日開催分の金融政策決定会合の「主な意見」で、緩和政策の持続性を高めるため国債などの資産買い入れを柔軟化する必要性が指摘されていた。市場では「目新しさに乏しい」との受け止めがある一方、「長い目で見ると長期と超長期債の利回りには上昇圧力がかかる」との声も出ている。将来の債券需給の緩みが意識されたことも売りを促したようだ。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕


 


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/141.html#c1

[経世済民128] 止まらない人民元安、米中貿易紛争の影響も大きく(マネーポスト) 赤かぶ
1. 2018年8月08日 11:53:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1172]

#相手も苦しいから、一党独裁の力で、制御して勝ち残れる可能性は高いか


 
トランプ関税、小規模企業の値上げ「限界」コスト高を吸収できる余地なく経営戦略見直す

フロリダ州タンパのタイタン・メタル・サービスの工場。トランプ関税でフロリダ州一帯の様々な企業にも影響が出ている CHRIS URSO/TAMPA BAY TIMES/ZUMA PRESS

By
Ruth Simon
2018 年 8 月 8 日 08:41 JST
 米新興電動自転車メーカーの「M2Sバイクス」は販売代理店を100店に増やす計画だった。そんな矢先にドナルド・トランプ米政権が中国に対する関税案を発表した。
 ノースカロライナ州アッシュビルを拠点とし、従業員5人で切り盛りするM2Sは、自社で設計した自転車を中国東部の金華市から輸入している。米国で同規格の原動機を見つけることは不可能だという。関税が発動されれば、自転車(自転車ではなく電動バイク?)の原価が425ドル押し上げられる。現在の小売価格は最高3250ドル(約36万円)だ。ディーラーに受け入れられ、かつ利益を損なわないような新たな卸売価格を模索する間、販売代理店のアイデアは棚上げとなっている。
 米国は中国からの輸入品340億ドル相当に対して25%の関税を課している。160億ドル相当の輸入品を対象に同様の追加関税を導入する方針で、さらに2000億ドル相当に対する関税措置を検討中だとも発表している。中国は同程度の報復関税を課し始め、米国がさらなる関税措置を実行に移せば最大1100億ドル相当の米製品に関税を課す構えだ。

ブリリアント・ホーム・テクノロジーは9月に発売予定のスマート照明スイッチの価格を引き上げた PHOTO: DAVID PAUL MORRIS/BLOOMBERG NEWS
 関税の影響は米経済にじわりと広がりつつある。とりわけ痛みを実感しているのは中小企業やスタートアップだ。大企業に比べ、これらの企業は原材料費の上昇を回避したり、コスト上昇分を顧客に価格転嫁したりする能力に劣る。関税は価格設定を狂わせ、利益率を圧迫する。中小企業はまた、生産拠点を移す余力も乏しく、厳しい状況に陥った場合によりどころとする資金も限られる。
 このため、ハイテク照明スイッチから肉の包装紙に至るまであらゆる商品を巡り、中小メーカーは戦略や供給、製造拠点、価格体系の見直しを行っている。
 大企業はおおむね関税への懸念を受け流している。法人減税や堅調な需要を背景に、予想を上回る利益を達成できているためだ。一方、ビステージ・ワールドワイドがウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)向けに中小企業750社余りを対象に実施している月次調査では、成長への楽観的 な見方は7月、2016年の大統領選以降で最低の水準に後退した。

【インフォグラフィックス】拡大する貿易戦争(画像をクリックするとインフォグラフィックスにリンクします)
 トレーラー販売会社スモーキー・マウンテン・トレーラーズ(テネシー州)の販売責任者スコット・イエーツ氏は、最高7%の「原料サーチャージ」を請求されていると明かす。鉄鋼とアルミニウムへの関税措置の影響だ。値上がりした新トレーラーが在庫に入り、同社は販売価格を引き上げている。
 イエーツ氏は「結局のところ、消費者が支払うことになる」と指摘する。
 創業3年のシリコンバレー新興企業、ブリリアント・ホーム・テクノロジーは9月にWi-Fiスマート照明スイッチを249ドルで発売する予定だった。ところが中国製電子製品に対する10%の関税案が出されたことを受け、価格を299ドルに引き上げざるを得なくなった。
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中国中銀、人民元で「群集行動」避けるよう市中銀行に通達
Bloomberg News
2018年8月8日 3:27 JST
• 人民銀には市場安定化のための手段豊富にあると市中銀に伝えた
• 元の中心レート設定で反循環的要素の活用復活を示唆とも

Photographer: SeongJoon Cho / Bloomberg
中国人民銀行(中央銀行)は6日、人民元を安定させるための追加的な策を講じた。事情に詳しい複数の関係者によれば、人民銀は一部の市中銀行に対し、為替市場での「群集行動」とモメンタムを追う動きを避けるよう促した。
  同関係者によると、人民銀当局者が同日午前の会議で市中銀に対し、人民銀には市場安定化のための手段が豊富にあると説明。人民元の柔軟性を維持し、元相場が上下双方向に動くのを容認すると伝えた。

  人民銀当局者はまた、人民元に対して高まる圧力を適宜解く必要が出てくるとし、市場の力に抵抗する措置を講じることはないとも述べた。公に話す権限がないとして同関係者が匿名で語った。同当局者は元相場が6月以降に下落したにもかかわらず、クロスボーダーの資本流出入は総じて均衡しており、中国のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が元の安定を支えるとの認識も示した。
  米中通商摩擦の激化と中国の景気減速が重なり、本土市場で取引される人民元は過去3カ月で6%余り下げた。今回の会議について人民銀に営業時間外にコメントを要請したが、返答はなかった。
  会議に出席した複数の市中銀担当者が示唆したところによると、人民銀は元に関する市場の期待を誘導するため「反循環的要素」を使う可能性がある。同要素は元の中心レート算出に関して、変動を抑制するために昨年導入されたが、ここ数カ月は使われていなかった。
  市場関係者の間では、反循環的要素の活用が元安定に向けた次のステップとの見方があった。会議に出席した14行は毎営業日、人民銀に元のレートを提示している。

  スタンダードチャータードのアジア外為ストラテジスト、張敬勤氏(香港在勤)は「今回の動きは人民銀がこれまでに講じてきた措置と整合的だ。元の下落ペースを緩め、投資家の見込みが元安方向に一方的に傾くのを阻止し、パニックのような状態を避ける予防的な取り組みだと考えられる」と述べた。

原題:China Is Said to Ask Banks to Avoid ‘Herd Behavior’ on Yuan (1)(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/142.html#c1

[経世済民128] 止まらない人民元安、米中貿易紛争の影響も大きく(マネーポスト) 赤かぶ
2. 2018年8月08日 11:56:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1173]

>止まらない人民元安

上にもある通り、まだコントロールされている

それが世界市場へも影響する

 


 

ビジネス2018年8月8日 / 07:00 / 3時間前更新
ドルが対ユーロで下落、人民元安定化受け=NY市場
2 分で読む

[ニューヨーク 7日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、中国人民元相場が安定化したことを背景にドルが対ユーロで下落した。

中国人民銀行(中央銀行)は前週3日、人民元相場の安定化に向け、市中銀行に義務付ける為替フォワード取引の準備金要件を6日から20%に引き上げる方針を発表。これを受け、6月中旬以降約7%下落していた人民元CNH=は3日の取引で1ドル=6.9122元から6.8284元に上昇した。

通商を巡る懸念からこのところユーロは人民元に連動して動く傾向が出ており、人民元相場は安定化していくとの観測からユーロが上昇した。

TD証券(トロント)の北米外為戦略部門責任者、マーク・マコーミック氏は、人民元の対ドル相場が特にユーロなど他の通貨の動意となっていると指摘。「中国当局は意図的に人民元相場を引き下げようとしているのか、それとも人民元が自ずと下落するのを容認しているのか見極めようとする動きが出ていた。中国が人民元の対ドル相場のボラティリティーの縮小に努めているとみられることがやや明白になり、このことでユーロの下値が支えられている」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.10%下落の95.264。7月19日には95.652と、2017年7月以来の水準に上昇していた。

ユーロ/ドルEUR=は0.24%高の1.1581ドル。市場関係者は1.15ドル近辺でテクニカルな支持が見られたとしている。

今週の注目は10日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)。 ロイター調査ではコアCPIが0.2%上昇すると予想されている。

ドル/円 NY終値 111.37/111.40

始値 111.16

高値 111.47

安値 111.00

ユーロ/ドル NY終値 1.1597/1.1601

始値 1.1596

高値 1.1608

安値 1.1582

表はロイターデータに基づいています
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/142.html#c2

[経世済民128] 黒田日銀が「デフレ克服」を諦めて消費増税実現に舵を切った可能性 黒田発言を丁寧に読み解く(現代ビジネス) 赤かぶ
3. 2018年8月08日 12:00:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1174]
#市場はまだ楽観しているが、それにも、それなりの根拠はある

しかし、所詮、それなりに過ぎないが


 


東京外為市場ニュース2018年8月8日 / 10:06 / 15分前更新

再送-UPDATE 1-金融緩和長期化へ副作用議論 日銀、7月会合「主な意見」
 
1 分で読む

(本文3段落目の一部表現を修正しました)

[東京 8日 ロイター] - 日銀は8日、政策修正に踏み切った7月30、31日の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。物価2%目標に向けた足取りが鈍い中、金融緩和の長期化が避けられず、国債市場の機能低下など副作用に配慮すべきとの意見が目立った。長期金利の変動について「プラスマイナス0.25%程度」を許容することが適切との指摘もあった。

日銀は同会合で、長期金利を「ゼロ%程度」に誘導する目標自体は維持しつつ、変動幅の拡大を容認。黒田東彦総裁は記者会見で、事実上プラスマイナス0.1%程度に抑えられていた変動幅に関し、その倍程度の動きを念頭に置くと明らかにした。

主な意見によると、「倍程度」が「大方の委員の合意」となった一方、「プラスマイナス0.25%程度の動きを許容することが適切」と述べた委員もいた。

この委員はまた、金利上昇をある程度容認しても「経済・物価への影響は限定的とみられる一方、金融仲介機能への累積的な影響の軽減と政策の持続性強化に効果が見込まれる」と分析した。

ただ、別の委員は「長期金利が上昇しうることも許容する政策調整を行うと、実質金利が上昇し、物価の伸び悩みを助長しかねない」と反論した。

会合後に発出した声明で、「市場の状況に応じて買い入れ額が上下に変動しうる」とした上場投資信託(ETF)を巡っては、「買い入れ額の柔軟化は政策の持続性を強化しつつ、効果的な買い入れを可能とするため適切」と評価する声が上がった。

今後の金融政策運営は、「緩和策の長期化に伴う副作用に十分配慮し、その影響を可能な限り軽減すべく、政策の枠組みに見直しの余地がないか、真摯に点検を続けていくことが肝要」と、ある委員が指摘した。

政策の枠組み強化に賛同する意見が多かった一方で、「金融緩和自体を強化することが必要」と述べた委員もいた。

政策金利のフォワードガイダンスについては、導入することで「(物価)目標実現に対するコミットメントを強化すべき」、「金融緩和の枠組みを一層強化することは極めて重要」と前向きな意見がみられた。

経済や景気に与えるリスクでは、西日本豪雨や記録的猛暑に加え、米中の通商摩擦に触れる意見が出た。 (梅川崇)

 

 

経済
長期金利の変動2倍「多数で合意」 7月の日銀決定会合

2018/8/8 10:15
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 日銀は8日、7月30〜31日に開いた金融政策決定会合の発言内容をまとめた「主な意見」を発表した。長期金利について、多数の委員が「(従来の)倍程度に変動しうることを念頭に置く」とし、2倍程度の変動を容認する方針で合意していたもようだ。

 7月31日に発表した声明文ではゼロ%程度に誘導している長期金利は「上下にある程度変動しうる」との表現にとどまっていた。8日発表した発言内容では、ある委員が変動幅に関して「大方の委員の合意となれば、記者会見で明らかにするのはどうか」と提案。そのうえで、黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「これまでの2倍程度の変動が念頭」と説明した。

 一方、別の委員は金融緩和の長期化に伴う副作用を軽減するために「政策の枠組みに見直しの余地がないか、真摯に点検を続けていくことが肝要だ」と指摘した。

 今回導入したフォワードガイダンス(将来の指針)について、ある委員が「(物価)目標に対するコミットメント(約束)を強化すべきだ」と指摘するなど、複数の委員が必要性を強調した。


 


 


 

QE終了は心配不要、警戒すべきは金利の動き

FRBは年内に保有債券の削減ペースを月額500億ドルまで引き上げる(写真はワシントンのFRB本部) PHOTO: LEAH MILLIS/REUTERS
By
James Mackintosh
2018 年 8 月 8 日 03:56 JST
――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
***
 マネーが増えるのは良いことで、逆に減ることは悪いことだ。これは、弱気派の間で最近よく聞かれるようになった基本原則だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は目下、量的緩和(QE)を巻き戻し、これまで経済を支えるために供給してきた数兆ドルのマネーを引き揚げている。
 だがよく考えれば、こうした主張はおかしな点が多い。金融政策の引き締めを懸念すべき十分な理由はあるが、その主眼はマネーの量ではなく、マネーのコストである金利に置かれるべきだ。
 弱気派の理論はこうだ。FRBは2009年以降、3兆5000億ドル(約390兆円)以上の米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を買い入れてきた。その結果、過剰流動性が債券市場からあふれだし、株式から不動産、コモディティ(商品)、美術品の価格さえも押し上げてきた。それがここにきてFRBが債券の買い手から売り手に回ったことでマネーが逆流し始め、とりわけ新興国市場を中心にリスク資産がすでに影響を受けている。
 だがこの理論は概して、マネーが経済にどのように入り込んでくるかを見誤っている。FRBに預けられている銀行システムの準備と、われわれが日々使うマネーを混同しているためだ。一般投資家や大半のノンバンクがFRBのマネーを直接手にできるのは、現金を通してのみであり、FRBはもはや、通常の水準を上回る量の紙幣を刷ってはいない。

 FRBの債券買い入れ策で、実際に市中に出回るマネーの量が拡大した。FRBは銀行の準備を増やすことで、ノンバンクの投資家に対し、債券と引き替えに資金を供給する。銀行はまた、銀行残高の拡大という形でマネーを投資家に提供する。だが銀行が保有する米国債をFRBに売却、または投資家が調達資金を債務返済に回せば、そこにマネーの創造は生まれない。
 この相殺は重大だ。イングランド銀行(英中央銀行)はこのような「漏れ」を通じて、QE効果のおよそ4割が打ち消されたと推測している。残りは一体、どうなったのだろうか?
 中銀当局者が注力するのは、米国債を保有するはずの投資家を株や社債など、よりリスクの高い資産に向かわせる「ポートフォリオリバランシング」だ。大切なのは、FRBの債券買い入れによって利回りが低く抑えられることで、市場の利回り追求を促し、投資家のリスク選好が高まるという点だ。そのため、投資家が銀行口座にどの程度の残高を抱えているかではなく、価格の方が重要になる。
 では、QEの反転は価格にも変化をもたらすのだろうか? FRBは目下、債券保有額を毎月400億ドル減らしており、年内には削減ペースを月500億ドルに引き上げる方針だ。債券利回りが上昇すれば、米国債を手放した投資家が買い戻しに動く可能性がある。そうなればリスク資産に対する需要は後退し、価格も下落するかもしれない。その連鎖の最終地点が新興国市場で、強気相場では最も多額の資金が流入した。利回りが一転して上昇すれば、新興国からの資金流出が最も大きくなると考えるのは妥当だろう。
 ただ、これはあくまでも理論上の話だ。米国債利回りは、誰かの売買ではなく、経済やインフレ、将来の金利動向に関する市場の見方に大きく左右される。過去3度にわたるQE局面では、想定に反していずれも10年債利回りが上昇した。投資家が成長に自信を深めたことが理由で、QEが終了すると、利回りは再び低下した。その背景にFRBの存在があるとすれば、おそらくFRBが何かを行っているというシグナルの方が、FRBの実際の行動よりも重要であるように見える。
 FRBの債券買い入れがもたらす需給への純粋な影響を測る一つの指標として、タームプレミアムがある。長期債を保有するに当たり投資家が要求する想定金利水準に対する上乗せ報酬だ。FRBの債券買い入れはリスクプレミアムを押し下げるはずだが、QE局面では想定通りの動きにはならず、FRBが資産買い入れの段階的縮小に着手した2014年以降、大幅に低下している。ニューヨーク連銀の推定によると、タームプレミアムは現在、昨年10月の水準とほぼ同程度で、量的引き締め(QT)は少なくとも今のところ、全く影響を及ぼしていないことになる。

FRBはバランスシートの縮小を段階的、かつ慎重に進めている。仮にQTがタームプレミアムを大きく押し上げたとしても、債券利回りは経済見通しと金利の変化と同程度の動きにとどまるだろう。
 投資家にとってさらに厄介なのは、債券利回りと株式の関係が確立されていないことだ。1990年代終盤以降、株価は債券利回りが上昇すると値上がりし、利回りが低下すると株価も値下がりする傾向にある。経済見通しの変化が要因である公算が大きい。だが、それ以前の20年は、おそらく投資家がインフレ動向に一段と神経をとがらせていたため、逆の関係が見られた。
 QTが債券利回りに影響を及ぼし始め、利回りが経済全般のシフトに大きく左右されることもなくなり、株が売られる展開になるかもしれない。だがこうした状況を懸念する投資家は、FRBのバランスシートの大きさを過度に懸念せず、利回りとタームプレミアムの動向に目を光らせるべきだ。
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https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i3PDEDhJUilI/v2/-1x-1.png 
Photographer: Alex Kraus/Bloomberg
流動性「消失」、クレジット市場の不安−バブルから180度転換
Sid Verma、Dani Burger
2018年8月8日 5:55 JST
• 投資家が眠れないのは出口殺到への警戒−BofAのリポート
• 6月調査では最大の心配事はバブルだとの回答が最多だった
過剰から不足へ。現在のクレジット市場では流動性ひっ迫が最大の心配の種となった。バブルが懸念されていた6月とは180度転換した。
  バンク・オブ・アメリカ(BofA)が今月まとめた顧客調査によると、欧州におけるクレジットの買い手にとって今、最大の関心事は流動性「消失」を巡る不安である。景気サイクル終盤特有の懸念に、イタリアなど欧州の政治リスクと、今年に入ってからの大幅な値動きが重なり、次の低迷期ではポジションを処分できなくなるかもしれないとして、マネーマネジャーらの不安をたきつけている。
  バーナビー・マーティン氏らBofAのストラテジストらは今週発表したリポートで、「クレジット投資家が夜眠れないのは貿易戦争のせいでも、株式相場調整のせいでもない。いつか将来に、出口に殺到する動きが広がることが心配なのだ」と指摘した。
  こうした心配はこの夏の相場上昇と矛盾する。本来なら健全な経済環境にもかかわらず、値動きは極端となり、クロスアセットの投資家を神経質にしている。イタリアの政府債務から商品市場、ハイテク株に至るまで、流動性をめぐる不安は高まっている。これは高利回りクレジットで顕著で、一斉放出の事態となれば現物証券を持つ投資家はひどいやけどを負うことになる。
  アカデミー・セキュリティーズのマクロ戦略責任者、ピーター・チア氏は「いかに実際の流動性がいずれの方向においても少なく、いかに現在のマーケット構造が脆弱(ぜいじゃく)か、私の心配はこうした動向に基づいている」とリポートに記した。
  BofAの調査では、流動性消失が最大の心配事だと回答したのは高格付け債投資家の22%、ジャンク債投資家の20%だった。6月の調査では高格付け債投資家の18%、ジャンク債投資家の30%が最大の心配事はバブルだと回答していた。

原題:Liquidity Crunch Is the New Bubble Gripping Credit Investors(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/133.html#c3

[経世済民128] 黒田日銀が「デフレ克服」を諦めて消費増税実現に舵を切った可能性 黒田発言を丁寧に読み解く(現代ビジネス) 赤かぶ
4. 2018年8月08日 12:03:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1175]

#財務省の補完勢力も、リスクマネー供給に積極的らしい

 


https://www.mof.go.jp/filp/reference/link/index.htm
財投機関へのリンク
株式会社日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/company/sikin.html 〒100-0004
東京都千代田区大手町1-9-4
大手町フィナンシャルシティ
ノースタワー 広報部 TEL.03-
3270-0631
FAX.03-
3270-1643


政投銀・渡辺社長「ROE4〜5%に」 投資業務に注力
金融機関
2018/8/8 0:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33901970X00C18A8EE9000/
 日本政策投資銀行の渡辺一社長は日本経済新聞のインタビューに応じ、2020年代早々に自己資本利益率(ROE)を現状の約3%から4〜5%程度へ引き上げたいと語った。「利益に占める投資業務の比率も前期の約40%から50%以上にしていきたい」とした。

 政府は22年度までに政投銀の株式をすべて売却する完全民営化の方針を掲げていたが、15年5月に成立した改正法で売却の時期が先送りされた。渡辺社長は「組織として完全民営化に向けて努力するのは当然の使命」と指摘。「(完全民営化しても)株式を持ってもらえるように事業ポートフォリオのあり方を考えていく」と話した。

 柱のひとつが投資業務だ。前身の旧日本開発銀行はエネルギーや交通・運輸など多額の資金が必要な事業への融資を手がけてきたが、近年では大型案件が減少。資金需要が落ち込んでおり、投資ファンドなどを通じたリスクマネーの供給で収益力を高めていく。

 渡辺氏は2代連続の生え抜きとして、6月末に政投銀の社長に就いた。

ROE「メガ水準に引き上げたい」、完全民営化念頭に:政投銀新社長
谷口崇子、Gareth Allan
2018年8月8日 0:00 JST
民営化に向けた課題は収益力、ROEは3メガ銀の半分程度
エクイティ投資の割合を増やすー政投銀・渡辺社長

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg
6月に就任した日本政策投資銀行の渡辺一社長は、経営の効率性や収益性を示す株主資本利益率(ROE)を、今後3メガバンクなど他の金融機関とそん色ない水準まで引き上げる考えを示した。将来の完全民営化に備えて、一般株主の評価に耐えうる収益性を追求する狙い。

  渡辺社長は先月のブルームバーグとのインタビューで、民営化を見据えた場合の一番の課題を「収益力だ」とし、「ROEを世間並みに近づける努力をしている最中だ」とした。3月末現在の三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクのROEが平均8%なのに対し、政投銀は3.1%にとどまっている。

  政府系金融機関である同行は、民間企業と違い公共性が求められるため、単純に収益だけを追えない側面がある。民営化計画はリーマンショックや東日本大震災などを受けて事実上凍結されているが、渡辺社長は「法律上は完全民営化のレールにまだ乗っており、いつそうなっても対応できるように準備を進める」と明言。上場に耐えられる水準のガバナンスや決算の開示ができるよう研究しているという。

  ROE引き上げの具体的方策として、リスクの大きいエクイティ投資の割合を増やすとした。渡辺氏はここ2、3年投資事業が利益の柱に成長しているとし「目利きができる人間が育ってきた。自己資本比率を現在の16.9%から2%落とすことを目安にリスクを取っていく」と話す。18年3月期の決算資料によると、業務粗利益の約4割を占めている。専任人員は現在約70人と、10年で倍増している。

  また、環境への悪影響が懸念されている石炭火力発電事業への融資姿勢について、渡辺氏は「国の方針と世界の潮流を見極めているところだ」とし、今秋をめどに同行としての融資方針を発表する方向だと明かした。同行は石炭火力向け融資残高を公表していないが、電力会社向け融資の一部に含まれるとみられる。邦銀では三井住友銀行が6月、新規融資は二酸化炭素の排出量が少ない「超々臨界圧」方式に限ると公表するなど3メガ銀行などがすでに新たな方針を打ち出している。


 

ビジネス2018年8月8日 / 01:55 / 8時間前更新
リスクマネー供給のユニークな金融機関に、企業再編も支援=渡辺政投銀社長 
2 分で読む

[東京 8日 ロイター] - 日本政策投資銀行の社長に就任した渡辺一氏は、ロイターとのインタビューで、メガバンクや地銀など民間金融機関では難しい資本性の高いリスクマネーを供給する機能を強化し、ユニークな金融機関を目指すと語った。

航空・宇宙、通信、医療、運輸の4分野を今後注力する産業領域とし、積極的にリスクマネーを投下する。さらに、産業再編を後押しする出資も進める。現在16%ある自己資本比率を14%程度に引き下げるまで、リスクアセットを増やす。

政投銀は2008年に株式会社化され、政府が100%出資している。金融危機時の危機対応融資や、民間では難しい長期融資、リスク性資金の出し手としての役割を担っている。

渡辺社長は6月28日に副社長から昇格。1981年に入行し、都市開発部長や経営企画部長を歴任。2代続けての生え抜きの社長となった。語り口は穏やかだが、行内では「仕事振りは厳しい」との評価だ。

主なやり取りは以下の通り。

――株式会社化して10年。どのように変わったか。

「将来の完全民営化を踏まえて、収益と公益の2つを旗印に掲げて進めてきた。収益性を上げるためには通常の融資業務だけでは難しいので、少しリスクの高い分野ということで投資業務に力を入れた。現在、投資勘定は、1兆円を超えた規模だ。融資が13兆円弱なので、1割近くが出資というリスクマネーのポーションになった」

「調達サイドも変わった。10年前までは借り入れのほとんどは財投や政府保証債券などの政府の信用だった。今では、6割程度が政府の信用に依拠しない自己調達になっている」

「この6割の半分は銀行借り入れだ。金融機関は利ざやを乗せて融資するので、すみ分けをしないとビジネスモデルとして成り立たない。当然、融資ではなくてリスクマネーのビジネスになる。他の金融機関も銀行法の制約などで5%以上の出資ができず、うまくすみ分けができて、従来あった民業圧迫の批判を受けなくなっている」

――今後、どの程度までリスクマネーの供給を増やすのか。

「金額ではなかなか言えないが、現在の自己資本比率16%を3年間で14%にまで引き下げる。今の資本を前提にしてリスクマネーをもっと出す。特に、航空・宇宙、ヘルスケア、通信、物流の4分野について、当面深堀りして次世代のマーケットを作っていきたい。もっとユニークな金融機関、社会に必要な金融機関になるためには専門性を磨く必要がある。他の金融機関との協業を進めていく中で、政投銀が知見を出して、一歩先を進んでいるような専門性や業界でのネットワーク、経験を持っていないと信頼されない」

――協業もかなり進んできている。

「支店が10カ店しかなく、取引先の数も限られている。そこがウイークポイントだ。大手行とはすでに共同のファンドを設立して協調はできてきている。地域の案件の元となる地銀とはすでに29のファンドを作ったが、さらに地銀とのネットワークを広げたい」

――業界再編を後押しするような資本も出すのか。

「日本の産業は世界的なマーケットからすると小粒な企業がまだ多い。統合すれば共通のバック部門のコストが下げられたり、シェアが高まれば交渉力も高くなる。条件がうまく整うのならば、再編の調整資金としてエクイティ資金を出す協力はできる。そういう案件があれば取り組みたい」

――企業再生についてどのように考えるか。

「市場がノーを出した企業を何の理由もなく救うのがいいことなのかどうかは難しい。ただ、悪くなった原因が、たとえばオーナーが変なことをやったとか、あるいは、とてもいい技術を持っているなどの理由があれば、再生資金を提供することもある。地域の金融機関と企業再生に取り組む際には、地域経済を支えるためにその企業が必要という場合もある。何が公益かは、かなり真剣に考えないといけない。独りよがりになってはいけない。いつでも外の意見を聞いていきたい」

*このインタビューは、7月20日に実施しました。

布施太郎
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/133.html#c4

[政治・選挙・NHK248] 安倍政治は保守ではなく反動と論理的に説明した枝野演説(菅直人) ローズヒップ
7. 2018年8月08日 13:16:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1176]

と言うより、ポピュリスト

その点では、皆、似たようなものだが

かなり飛びぬけているのが違いか


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/798.html#c7

[政治・選挙・NHK248] 安倍政治は保守ではなく反動と論理的に説明した枝野演説(菅直人) ローズヒップ
8. 2018年8月08日 13:19:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1177]

>保守ではなく、反動政治

ちなみに反動とは、元々、反革命勢力という意味だから

共産革命の理念が崩壊し、

国家資本主義と独裁主義が蔓延している現代では

全く空疎な概念

特に、戦後保守の典型であり護憲派が言うと、さらに空疎感が高まる

ja.wikipedia.org/wiki/反動


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/798.html#c8

[政治・選挙・NHK248] 被災地や被爆者よりも…安倍首相は総裁3選で頭がいっぱい(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
3. 2018年8月08日 13:23:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1178]

#政権が優先順位を、どう考えているかは不明だが

今後、危機的状況に陥るのは確実


平和ボケが、この掲示板だけでないことを祈る


 


ワールド2018年8月8日 / 12:01 / 8分前更新
焦点:日米FFR、手探りのスタート 追加関税回避へ厳しい舵取り
2 分で読む

[東京 8日 ロイター] - 日米両政府が9日にワシントンで開く新たな貿易協議(FFR)では、双方の利益につながる着地点を見いだせるかが焦点となる。自動車への追加関税発動を避けたい日本に対し、米国は保護主義的な姿勢を崩していない。米側が2国間の自由貿易協定(FTA)交渉を要求する可能性もあり、日本側としては、手探りの交渉の中で最悪の事態を避けるため、厳しい舵取りを迫られる場面もありそうだ。

<ちらつく追加関税>

茂木敏充経済再生担当相は7日の閣議後会見で「ウィンウィン(相互利益)の関係を構築したい」と述べ、初会合を前に意欲を見せた。

日米両国がアジア太平洋地域の経済発展にいかに協力できるかが重要との認識も重ねて示し、米側に建設的な議論を促す構えだ。日本は、環太平洋連携協定(TPP)への早期復帰が米国の利益につながるとの立場をとっており、米側との交渉で譲歩を引き出せるかが課題となる。

ただ、TPP復帰を巡ってライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は「不公正な貿易障壁がある。その1つは牛肉だ」と主張。解決の糸口は見えない。自動車への追加関税発動をちらつかせ、農産品を含めさらなる物品の市場開放を求める展開も予想される。

<日本の対応策>

追加関税発動などの事態を避けるため、日本側が示す妥協案がすんなり受け入れられるかも見通せない。

西村康稔官房副長官は1日、ロイターの取材に対し「日本からの米国工場への投資は非常に多い。LNG購入もこれから数年間で8倍増える見通しだ。防衛装備品も日本の安全保障のため必要なものはしっかり買っていく」と述べた。

複数の政府、与党関係者によると、日本側の対応として、米国産シェールガスの液化設備建設や米産LNG(液化天然ガス)の日本などへの輸出拡大、中国に対抗したアジア・太平洋地域のインフラ支援に関する投資支援などが浮上しているもようだ。

しかし、トランプ大統領の念頭にあるのは「貿易赤字削減のためのディールだけ」(複数の与党・経済官庁幹部)。対応策としては「貿易赤字の最大要因である自動車の現地生産拡大と輸出縮小、米国からの輸入の大幅拡大など手段は限られる」(経済官庁幹部)のが実状だ。

ライトハイザー代表は7月26日、米上院公聴会で日本がFTAに慎重であるのは承知しているとしつつ、「我々としては日本とFTA交渉をしなければならない」と発言している。

日本側にはFTA交渉入りへの懸念も強く、「日本製品が追加関税対象に取り残される最悪の事態」(前出の経済官庁幹部)を回避できるかは予断を許さない。「米国側が何をどこまで求めているのか、出たとこ勝負」(経済官庁幹部)との見方もくすぶる。結果次第では、9月の自民総裁選や来夏の参院選などに影響する可能性も出てくる。

<解決には時間>

甘利明元経済再生相は2日、ロイターとのインタビューで、日米通商交渉は手探りで臨まざるを得ないと指摘。今回の交渉では「お互いどんな状況か探りあう。すぐには解決には至らない」との見方を示した。そのうえで「最終的には日米首脳の間で決まるだろう」と見通している。

9月の自民党総裁選で安倍晋三首相が再選されれば、9月末に米国で開かれる国連総会に際して、トランプ米大統領との首脳会談が行われる見通しだ。

竹本能文 編集:石田仁志
http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/802.html#c3

[経世済民128] 米中貿易戦争、トランプが対中関税率25%へ引き上げ提案 中国・国内財界は反発(ロイター) :国際板リンク  赤かぶ
2. 2018年8月08日 13:28:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1179]

コラム2018年8月8日 / 11:51 / 18分前更新
コラム:米国債利回り、3%は「魔法の数字」
Jamie McGeever
2 分で読む

[ロンドン 7日 ロイター] - 米10年物国債利回りは現在4%が妥当な水準で、さらに5%に向けて上昇する──。世界で最も影響力の強いバンカーはこう考えているが、現状は3%でさえ突破するのに四苦八苦しているのが実態だ。

ブルームバーグによると、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は前週末、「利回りは現在4%になっていてしかるべきだと思う。5%かそれ以上に上昇すると覚悟した方がいい。その確率は大半の人々が考えているより高い」と述べた。

この予想はこれまで、なかなか現実化していない。10年債利回りが3%を超える度に幅広い投資家から買いが押し寄せ、押し返されることの繰り返しだ。

4月以来、3%超えを試したことは4回あり、直近は先週だった。3%超水準での継続期間は最長が5月14─23日で、この時は7年ぶり高水準の3.11%をつけた後に急反落した。あと3回は、ほんの数時間で跳ね返されている。

今年の環境を考えれば、10年債利回りが3%を超えないことの方がよほど驚きだ。米経済は順調に拡大し、連邦準備理事会(FRB)は利上げとバランスシートの縮小を進め、政府の借金と国債発行は増え、投機筋は空売りポジションを膨らませている。

しかし超低金利、人口高齢化、潜在成長率低下という世の中において、おそらく世界で最も安全で流動性の高い資産に投資して3%のリターンが得られるとあれば、多くの投資家は手を出さずにいられないのかもしれない。

相対的に見ると、3%の利回りは間違いなく魅力的だ。新興国のソブリン債利回りの米国債への上乗せ幅はせいぜい300ベーシスポイント(bp)程度で、リスクを考えれば十分ではない。トルコやアルゼンチンで何が起こったかを考えてみるとよい。

他の高格付け国の国債利回りと比べると、米国債利回りははるかに高い。ドイツの10年国債利回りは0.4%、英国は1.3%、日本は0.10%だ。

左右どちらを見渡してみても、無リスク金利で3%を確保できるのは魅力的に違いない。

モルガン・スタンレーのアナリストチームは、10年物米国債利回りが年前半に天井を打ったとみて、投資家に買いを勧めている。シティのアナリストチームは、同利回りが「長年のレンジの上限」にあるため、経験則に従えば下がるはずだと予想する。

世界最大の資産運用会社ブラックロックは、利回りと安全性を求める「飽くことを知らぬ」世界的な需要により、米長期債利回りは今後も抑制されるとしている。

そうした需要の源泉の1つが年金基金だ。約1兆5500億ドルの資産を抱える米企業年金は、米国株の値上がりによってリスク量を落とす余裕が生じているため、資産の1部を今後債券にシフトする可能性がある。

米企業は税制改革の恩恵を利用し、年金基金への資金投入を増やしてもいる。これらを考え合わせると今後、長期の社債と米国債に数十億ドルの追加資金が流れ込み、利回りの上昇を抑える可能性がある。

もっとも、3%という水準は「キリの良い数字病」のようなもので、あまり意味はないのかもしれない。

エーオンの資産配分専門家、Koray Yesildag氏は「3%という水準に心理的な、そして直近の取引水準という以上の意味はない」とし、米10年債利回りの「適正水準」は3から4%の間にあるとの見方を示した。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/105.html#c2

[経世済民128] 止まらない人民元安、米中貿易紛争の影響も大きく(マネーポスト) 赤かぶ
3. 2018年8月08日 13:41:31 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1180]

#複数の主要メディアは反トランプ、中国寄りだが。。

 


 
テクノロジー2018年8月8日 / 12:21 / 1時間前更新
中国、5G構築で米国をしのぐ=報告書
1 分で読む

[7日 ロイター] - 大手会計事務所デロイトが7日に公表した報告書によると、次世代高速通信「5G」ネットワークの構築において中国が米国をしのいでいる。米国は経済的利益の機会を逸するリスクがあると警告した。

中国には現在、5Gネットワークに対応している基地が米国の10倍ある。2017年の3カ月間で、中国における携帯電話の鉄塔会社や通信会社が増やした基地数は、米国の過去3年間分を上回る。

デロイトは、5Gは「未開発の経済的機会をもたらす」とし、最初に導入する国が「かけ離れた恩恵を受ける」とした。

15年以降、5Gネットワーク構築に投資した額は中国が米国を240億ドル上回る。中国における携帯電話の鉄塔基地の新設数は同期間で35万カ所。米国は3万カ所に届かない。

米連邦通信委員会(FCC)は最近、今後5Gで使われる見込みの高周波数の電波事業への入札における新たな規制を発表した。

デロイトのダン・リットマン主任は声明で「米国が競争力を維持し、将来的にけん役を担うには、5G化の競争は慎重に評価しつつ、素早い行動が重要となる」とした。

報告書は、米国はまだ追いつけるとした。5G展開までの時間を短縮できるような政策にするほか、携帯電話の通信会社が協力し、統計や最優良事例のデータベースを構築することを推奨した。

 
トップニュース2018年8月8日 / 13:16 / 17分前更新
コラム:トリのエサにもならないトランプ政権の通商成果
Gina Chon
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[ワシントン 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米政権の小規模な通商合意の数々は、大した成果になっていない。米政府当局者は7日、モロッコが米国産鶏肉の輸入に初めて門戸を開いたことを歓迎した。コロンビアが米国産コメの受け入れを拡大し、アルゼンチンが米国産豚肉の禁輸を解除したことも称賛した。

だが、これにより見込まれる少なくとも3500万ドル(約38億円)の輸出増加は、トランプ大統領の貿易戦争で他国から受ける報復関税による損害と比較すれば、ニワトリのエサほどの価値しかない。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、モロッコとの鶏肉に関する合意について、トランプ政権が新たな市場の開放に優先して取り組んでいる証しだと強調した。また先月には、通商分野での米政権の成果に関するニュースを「まったく読んでいない」として、米議員に文句をつけた。

ライトハイザー氏が言う「成果」には、米国産かんきつ類に対する欧州連合(EU)輸入規制の解除や、日本による米国産羊肉とヤギ肉の輸入解禁も含まれる。前者により初年で1500万ドルの輸出増が見込まれるほか、後者の市場規模は1億6900万ドルとされる。

もちろん、米国製品の海外市場アクセスの拡大は、米国の企業や農家に歓迎されることだ。

だがそれは、すでにカナダや中国、EUやメキシコの報復関税の対象となった540億ドルの米国製品や、今後さらに中国からの制裁対象となりかねない600億ドルの製品と比べれば、色あせる。これら報復対象の多くは農産物で、大豆や小麦、豚肉やオレンジジュースが含まれる。

その一方で、トランプ大統領はまだ主要な貿易協定の合意を実現できていない。5250億ドル相当の米国輸出に影響がある北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を完了させようとしているが、まだ障害が残っている。メキシコとカナダを対立させようという米国の作戦は効果が見えない。

場当たり的なホワイトハウスの通商戦略にいかに全体像が欠けているかが、ここにも表れている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。Gina Chon
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[ワシントン 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米政権の小規模な通商合意の数々は、大した成果になっていない。米政府当局者は7日、モロッコが米国産鶏肉の輸入に初めて門戸を開いたことを歓迎した。コロンビアが米国産コメの受け入れを拡大し、アルゼンチンが米国産豚肉の禁輸を解除したことも称賛した。

だが、これにより見込まれる少なくとも3500万ドル(約38億円)の輸出増加は、トランプ大統領の貿易戦争で他国から受ける報復関税による損害と比較すれば、ニワトリのエサほどの価値しかない。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、モロッコとの鶏肉に関する合意について、トランプ政権が新たな市場の開放に優先して取り組んでいる証しだと強調した。また先月には、通商分野での米政権の成果に関するニュースを「まったく読んでいない」として、米議員に文句をつけた。

ライトハイザー氏が言う「成果」には、米国産かんきつ類に対する欧州連合(EU)輸入規制の解除や、日本による米国産羊肉とヤギ肉の輸入解禁も含まれる。前者により初年で1500万ドルの輸出増が見込まれるほか、後者の市場規模は1億6900万ドルとされる。

もちろん、米国製品の海外市場アクセスの拡大は、米国の企業や農家に歓迎されることだ。

だがそれは、すでにカナダや中国、EUやメキシコの報復関税の対象となった540億ドルの米国製品や、今後さらに中国からの制裁対象となりかねない600億ドルの製品と比べれば、色あせる。これら報復対象の多くは農産物で、大豆や小麦、豚肉やオレンジジュースが含まれる。

その一方で、トランプ大統領はまだ主要な貿易協定の合意を実現できていない。5250億ドル相当の米国輸出に影響がある北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を完了させようとしているが、まだ障害が残っている。メキシコとカナダを対立させようという米国の作戦は効果が見えない。

場当たり的なホワイトハウスの通商戦略にいかに全体像が欠けているかが、ここにも表れている。

 

 
2018年8月8日 / 13:26 / 7分前更新

〔マーケットアイ〕外為:ドル/円小動き、中国の対米貿易黒字は「もはや焦点ではない」
3 分で読む

[東京 8日 ロイター] -

<13:20> ドル/円小動き、中国の対米貿易黒字は「もはや焦点ではない」

ドルは111.36円付近で小動き。7月の中国貿易収支への反応は限定的だった。ドル建てでは、輸出が前年比12.2%増(予想は10.0%増)、輸入が同27.3%増(同16.2%増)で、ともに市場予想を上回った。

7月の中国の対米貿易黒字は280億8900万ドルで、6月の289億7000万ドルから小幅に減少した。「米中貿易戦争に関して、中国の貿易黒字の増減はもはや焦点はではない。米国の対中制裁関税の動向や中国の出方などに関心が向かっている」(外為アナリスト)との声が出ていた。

<12:05> 正午のドルは111円前半、日米通商協議控え膠着

正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の111.35/37円。ドルは仲値にかけて111.44円まで上値を伸ばしたが、その後はあすの日米通商協議開催を控え、様子見ムードが広がった。

スポット市場の人民元は1ドル=6.7950元まで上昇し、1日以来の高値をつけた。一方、上海総合株価指数は全営業日比で0.47%安となっているが、今のところリスク回避的な円買いはみられない。

前日のニューヨーク市場では、中国人民元相場が安定したことを背景にドルが全般に売られ、対円でも110.99円まで下落した。

午後には中国の貿易統計が発表される予定で、関心を集めている。

<11:36> ドル111円前半、ビットコインは3週間半ぶり安値の6500ドル台

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/142.html#c3

[経世済民128] 日銀の金融緩和に見る行動経済学の「偽薬効果」と「埋没費用の呪縛」(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
6. 2018年8月08日 13:53:50 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1181]

あと日銀批判(なのかどうかは不明確だが、明らかに批判的な文章)としては、

↓のように、今回の政策調整は、逆方向の政策変更が2つ入ったから「無理筋」という批判も、よく見かけるが

政策というのは、常に、アクセルとブレーキが混在しているのは、増税と補助金、減税など複雑に絡まっていることからも明らかだ

こうした批判者は、未だに日銀が2%目標の達成を最優先としているという勘違いを続けているせいだろう


しかし、既にYCCに転換したのだから、そうした妄想はいい加減、捨てた方が、良いだろう


 


 
外為フォーラムコラム2018年8月8日 / 12:11 / 1時間前更新

コラム:「無理筋」の日銀パッケージ、来春ドル100円も=上野泰也氏

上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
4 分で読む

[東京 8日] - 日銀が7月31日に決定した緩和修正策「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」は、もくろみ通りの結果を出したと言えるだろうか。

日本国内では、異次元緩和長期化の副作用(金融機関の収益に対する累積的悪影響や債券市場の流動性低下・こう着)への目配りが今回の政策パッケージの主眼であるとみる市場参加者が多い。筆者もそのように認識している。

長短の政策金利(日銀当座預金の政策金利残高に適用される金利「マイナス0.1%」および長期金利ターゲット「ゼロ%程度」)は「当分の間」、現在の水準が維持されるというフォワードガイダンスは、アルゴリズム取引を含む海外の為替市場プレーヤーの受け止め方を意識して、円高進行を回避すべく付加されたもので、「従」の決定内容にすぎないとみるべきだろう。

債券相場の振れはこのところ大きくなっている。一時は「生体反応」がほとんどなくなったかに見えた国内債券市場は、ある程度まで息を吹き返した。長期・超長期ゾーンの国債利回りは修正策決定前よりも高くなっており、金融機関の収益にらみで日銀がイールドカーブを立てる(ベアスティープ化させる)狙いがあるとすれば、その方向になっている。

そして、こうした円の長期・超長期ゾーン金利上昇にもかかわらず、為替は円高ドル安には動いていない。株価水準をにらんだ月ごとの買い入れ額の増減など実務上のメリハリを許容しつつも、上場投資信託(ETF)買い入れ額が年間約6兆円で維持されたこともあり、国内株は日銀会合後も底堅く推移している。各市場の動き方のみについて言えば、日銀はここまでは「うまくやった」と言えるだろう。

<全く見えない利上げ時期、エンドレスの緩和へ>

だが、そもそも論で言えば、この政策パッケージはもともと「無理筋」である。本来は反対方向を向いているものを、あたかも同じ方向を向いているかのように言いくるめて、1つにまとめて「枠組み強化」と銘打ったものであり、やれることには自ずと限界がある。

日銀は最新の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)の中で、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の見通し(政策委員大勢見通し中央値)を2018、2019、2020年度のいずれについても下方修正し、大規模で実験的な金融緩和がこのまま少なくとも2020年度まで続くことを事実上認めた。

政策金利の引き下げ余地や長期国債買い入れの増額余地など「弾薬」が手元に十分あるならば、追加緩和が当然浮上するシチュエーションである。

だが、日銀は2013年4月の異次元緩和導入時や2014年10月の追加緩和時に、「弾薬」を大量に、後先をよく考えずに費消してしまった。しかも、最近は緩和長期化による弊害・副作用への目配りも求められるようになってきている。

従って日銀は、円高阻止策をとらざるを得なくなるほど為替市場の状況変化によって追い込まれない限りは、追加緩和ではなく、「粘り強く」金融緩和を続けるという持久戦の道筋を引き続き選ぶだろう。日本経済の実力や国民の物価観から考えて明らかに高すぎる2%の「物価安定の目標」の達成を目指して、エンドレスの金融緩和がだらだらと続いていくイメージである。

日本国債のイールドカーブを、魚の鯛(たい)に例えた場合、口のところ(翌日物金利)と、胴体の後ろの方(新発10年債利回り)の2カ所が、イールドカーブ・コントロールによって固定されている。

後者については、上下に振れる余地を従来の倍(20ベーシスポイント)程度に拡大することで、金融政策決定会合で大まかな合意が成立した。10年債利回りの上昇余地は0.2%前後まで広がったと黒田東彦日銀総裁が記者会見で明らかにしたものの、実際は2017年2月に記録した水準である0.15%を超えようとするあたりからは投資家の押し目買い注文が厚くなり、利回り上昇には歯止めがかかると考えられる。

日銀が今回付加した政策金利のフォワードガイダンスを見るまでもなく、日銀が利上げに動くことのできる時期は、全く視野に入っていない。鯛の頭の部分(中短期ゾーン)は、下方にしっかり押さえ込まれたままである。胴体が上方に持ち上がる余地も、すでに述べた通り、限定的だ。従って、鯛の尾っぽの部分にあたる超長期ゾーンの金利についても、上昇の余地と上昇の持続性は限定的だと筆者はみている。

<副総裁発言に込められた2つのメッセージ>

雨宮正佳日銀副総裁は8月2日に京都で講演した際に、「信認確保」「持続性強化」という2つの問題が今回の決定の背後にあるとした上で、「経済・物価の見方などを反映して長期金利がある程度変動することを許容し、市場機能を維持することが必要と判断した」「ただし、長期金利の操作目標は『ゼロ%程度』から変えていない」「金利が急速に上昇する場合には、迅速かつ適切に国債買い入れを実施する方針であり、金利水準が切り上がっていくことを想定しているものではない」と明言した。

上記を少し深読みすれば、以下の2つのメッセージが込められていると考える。

1)経済・物価の先行き見通しの変化などを反映した、債券市場が本来有している機能に即した金利の上昇を、日銀は従来よりも幅を拡大して容認する。

2)しかし、日銀が金利上昇をどのくらいまで容認するか試してみようとするような思惑的な債券売りの増加・長期金利の急上昇を日銀はしっかりけん制する。

実際、日銀は8月2日午後、10年債入札の低調な結果をにらみつつ、おそらく市場を落ち着かせてイレギュラーな金利上昇の流れをけん制する狙いから、残存期間5年超10年以下の長期国債買い入れ4000億円を、事前予告なしにオファーした。

日銀がやれることは限られているという事実が浮き彫りになったのが、7月31日の金融政策決定会合だったと言うこともできるだろう。

そして、ドル円相場の行方を決めるのは、日本ではなく米国の金融政策の今後のコースである。

米国の利上げがいつ停止するか、利上げ局面終了がいつコンセンサスになるかが、100円ラインを試す時期を決定付けることになるだろう。それは2019年春頃ではないかと、筆者は引き続き予想している。

上野泰也氏(写真は筆者提供)
*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:麻生祐司)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/132.html#c6

[国際23] イラン制裁復活、トランプは世界12位の自動車生産国をつぶす(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2018年8月08日 15:04:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1182]

トランプ氏が拡散する「保護主義2.0」  同時多発的な貿易戦争

 米ユーラシア・グループ イアン・ブレマー社長は、保護主義2.0のリスクに警鐘


編集委員 小竹洋之
2018/8/8 6:30日本経済新聞 電子版


 「保護主義2.0」――。米調査会社ユーラシア・グループ(イアン・ブレマー社長)が1月2日に公表した2018年の世界10大リスクには、そんな項目が含まれていた。ポピュリズム(大衆迎合主義)や国家資本主義の台頭を背景に、新たなバージョンの保護主義がはびこるというのだ。


■同時多発的な貿易戦争


ブレマー氏が社長を務める米ユーラシア・グループは、保護主義2.0のリスクに警鐘を鳴らした

 保護の対象は農業、金属、化学、機械のようなオールド・エコノミーにとどまらず、IT(情報技術)産業を中心とするニュー・エコノミーにも広がる。そして高関税の発動や輸出入の数量規制から、国内産業の支援・救済に至るまで、保護の手段も多様化すると指摘した。

 この懸念は現実になった。保護主義2.0のリスクを拡散させた張本人は、紛れもなくトランプ米大統領だ。

 米国は必要な政策を総動員し、同時多発的な貿易戦争を仕掛けている。日本や欧州、中国などに発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限はオールド・エコノミーの防御であり、中国の知的財産権侵害に絞って科した制裁措置はニュー・エコノミーの防衛である。

 輸入品に高関税を課すだけではない。韓国に対しては、米仕様車の受け入れ枠拡大や為替相場の監視強化をのませた。中国の対米投資を制限するために、米政府の審査を厳格化することも検討中だ。米農家に最大120億ドルの救済策を講じ、貿易戦争の打撃を和らげる方針も表明した。

 保護主義2.0の火元はほかにもある。ハイテク産業の育成に巨額の補助金を投じる「中国製造2025」計画を推進し、外資の本格参入や資本取引の自由化には消極的な中国などの責任も免れない。だが米国の行き過ぎた管理貿易に大きな問題があるのは確かだろう。

 トランプ氏に翻意の兆しは見られない。米経済の力強い回復が続き、企業や個人の多くがそれほど痛みを感じていないのが大きい。日本を最近訪れたティム・アダムズ元米財務次官は「貿易戦争に勝者はいない」としながらも、米国や世界の実体経済に悪影響を与えるまでには「1年半くらいかかりそうだ」と話していた。

 管理貿易を望む一定の民意が存在するのも見逃せない。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが7月中旬に1000人あまりの米成人に聞いたところ、輸入品の関税引き上げが米国にとって有害だと答えた人は49%で、有益の40%を上回った。だが与党・共和党の支持者に限れば、有益の73%が有害の18%に大差をつけている。

■ポスト米国の世界経済体制

 これでは早期の方向転換を期待できそうにない。トランプ氏が内外の反対を押し切って、貿易量の大きい自動車にまで高関税を課す可能性は十分にある。

トランプ米大統領は自動車にも高関税を課すことを検討中だが…=ロイター


 その代償はもちろん大きい。米国が主要国の鉄とアルミ、500億ドル相当の中国製品に加えて各国の自動車にも高関税を課し、金融市場の混乱まで誘発した場合、世界の経済成長率を0.5ポイント押し下げる――。国際通貨基金(IMF)は7月18日、深刻な試算を発表した。

 1930年に米国で成立したスムート・ホーリー関税法は、保護主義の拡散と大恐慌の深刻化を招き、第2次世界大戦の遠因にもなったといわれる。トランプ氏が「米国第一」の過激な管理貿易を貫き、当時と同じ轍(てつ)を踏むのを心配する識者は少なくない。

 米ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のアダム・ポーゼン所長は、トランプ氏の経済ナショナリズムが対米直接投資の減少をもたらしていると警告する。「長期的なビジネスの場を提供してきた米国の魅力が低下した。ポスト米国の世界経済体制が出現しつつある」というのだ。

 「鉄のカーテン」や「ベルリンの壁」で世界を分断するかのような通商・移民政策を、グローバル化が加速するいまの時代に強行すれば、米国もただではすまない。その犠牲に気づいてから、軌道修正するのでは遅すぎる。

小竹洋之(こたけ・ひろゆき)
 1988年日本経済新聞社入社。財務省や日銀、電機大手などを担当した。経済部次長、ワシントン支局長を経て、2018年4月から編集委員兼論説委員。専門はマクロ経済、財政・金融政策、国際情勢。


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/622.html#c4

[経世済民128] 止まらない人民元安、米中貿易紛争の影響も大きく(マネーポスト) 赤かぶ
4. 2018年8月08日 17:33:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1183]

 
内患外憂の習近平氏に吹き始めた逆風−中国国民に不安広がる

Peter Martin、Alan Crawford

2018年8月8日 14:24 JST
国民が国の方向性に不確かな気持ちを強め、深い不安感−清華大教授
「突然オープンに話され、批判され始めた」とコーエン氏

習近平国家主席 Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
数カ月前、中国の現職最高指導者としての習近平氏の勢いを止めることはできないように見えた。国家主席の任期制限を撤廃し、数十年ぶりとなる政府組織の抜本改革を発表。昨年11月のトランプ米大統領訪中を成功させ、米国との貿易戦争を阻止できるように思われた。共産党総書記でもある習氏への党からの礼賛も相次いだ。

  だが、こうした圧倒的に強いリーダーとしての存在感が裏目に出るかもしれない。景気減速や株式相場の急落、粗悪ワクチンを巡る不祥事などは全て国民の不満を招く。欧米や世界の金融センター各地では、中国の野心に対する警戒感が広がりつつある。一段とエスカレートしつつある米国との貿易戦争は、中国が当初想定していた展開とは異なり、習氏の失敗を映し出すプリズムとなっている。

   中国人民大学の王義桅教授(国際関係)は「貿易戦争が中国の腰を低くさせている。われわれは謙虚ならなければならない」と話し、習氏肝いりの現代版シルクロード構想「一帯一路」の下での大規模なインフラ整備事業をどのように進めていくかについてさえも再考すべきだとの考えを示唆した。

  米国との貿易交渉を始めた5月、中国は自信を隠さなかった。習氏は経済政策で最も頼りにしている劉鶴副首相を「個人特使」として米国に公式派遣。劉副首相は帰国後、勝利を宣言した。中国全土に放送されたテレビインタビューで、貿易戦争はないと断言。そしてショックに襲われた。

  助言や事業構築支援を提供する米クランプトン・グループで中国の政治を分析しているジュード・ブランシェット氏は「中国の振る舞いが搾取的で、制止する必要があるとの広範なコンセンサスがあった」と指摘。

  貿易交渉において関税は好ましい武器でないとする欧州連合(EU)の当局者も、トランプ大統領が展開する対中批判の本質については同意している。EUの行政執行機関、欧州委員会のユンケル委員長は7月の訪中時、李克強首相も出席し北京で開かれたビジネスリーダーとの会議で「EUはオープンだが、ナイーブではない」と述べた。

  国内での批判も強まっている。清華大学法学院の許章潤教授は中国のシンクタンク、天則経済研究所のウェブサイトに掲載された7月24日の論文で、「官僚エリートを含め国民が国の方向性に不確かな気持ちを強め、深い不安感を感じている」と記し、「不安の高まりが国全体にパニックのように広がっている」と指摘した。

  習氏が進めた反腐敗運動では150万人を超える公務員や党員が摘発されたが、今のところ党内で習氏に組織立って反対する明確な兆しは見られない。コンサルティング会社チャイナ・ポリシーの北京在勤マネジングエディター、デービッド・コーエン氏は「習氏のポジションについて分析し直すのは時期尚早」だとしているものの、この1カ月ほどは習氏の終わりの始まりのような感覚がある。

  「突然オープンに話され、批判され始めた。以前の習政権下と比べる非常に劇的だ。抵抗する余地が大きくなったと一般国民は考えている」とコーエン氏は語った。

(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」誌に掲載)

原題:Is Xi Jinping’s Bold China Power Grab Starting to Backfire?(抜粋)

 


 

 
オリックスが中国系航空機リースに2500億円投資、過去最大級

谷口崇子、Gareth Allan

2018年8月8日 16:31 JST

海航集団傘下アボロンの株式30%を取得、実質的な共同経営
ビジネス上は補完関係に、事業戦略広がるメリット

オリックスは8日、中国の企業グループ、海航集団傘下の航空機リース会社アボロン・ホールディングス(アイルランド)の株式の30%を22億1700万ドル(約2500億円)で取得することで合意したと正式に発表した。マイナー出資ながら、実質的な共同経営となる。オリックスとしては過去最大級の投資。

  発表資料などによると、オリックスは11月をめどに手続きを完了する。非常勤取締役2人を派遣するほか、残り70%を保有する海航集団との間で重要事項の決定はオリックスの承認を条件とすることで合意しており、実質的には共同経営となる。オリックスは2013年に蘭資産運用会社ロベコを買収(2507億円)しているが、買収完了時点ではこれを上回る過去最大の投資案件となる見込みという。

  オリックスが中古市場で機体を調達して中堅航空会社や格安航空会社(LCC)に貸し出すのが得意なのに対し、アボロンは主に新造機を発注して大手航空会社向けにリースしており、ビジネス上は補完関係にある。オリックスにとっては、事業戦略の幅が広がり、利益の3割を取り込めるメリットがある。アボロンにとっては、投機的等級の発行体格付けが出資受け入れで改善する見込みで、調達環境の好転が期待できる。

  航空機業界は、新興国での需要の拡大やLCCの相次ぐ参入で有望な成長分野となっている。ボーイング社の調査では、37年までの20年間で17年の運航機数(2万4400機)の倍近い4万2730機の需要が見込めるという。航空会社は資金調達の多様化や運航計画の変更に柔軟に対応できるリースへの切り替えを進めており、現在40%超のリース機の割合が今後20年間で50%に達するとの予測もある。

  オリックスは1991年に航空機リース事業に本格参入。現在はアイルランドの子会社で中型機を中心に32カ国、70社の航空会社に貸し出している。航空機リースを含む海外事業部門は17年度連結決算のセグメント利益内訳で稼ぎ頭の25%を占めた。同子会社のデービッド・パワー社長は「今回の出資は、オリックスにとって大きな一歩だ。従来のビジネスモデルを磨きながら、新たな戦略出資によって持続的な成長を達成したい」とコメントした。

  調査会社、フライトグローバルの昨年の航空機リース会社ランキング(機体数ベース)によると、アボロンは585機で3位、オリックスは227機で12位となっている。両社を合わせても3位規模だが、1位のGE(1324機)、2位のエアキャップ(1076機)に近づく。

  海航集団(HNAグループ)は複数の航空会社や物流、観光開発などを手がける企業グループ。多額の債務を抱えて世界中で資産売却を進めており、米ミネアポリスに拠点を置くラディソン・ホテル・グループの売却なども取り沙汰されている。

  ブルームバーグ・ニュースは7日、オリックスがアボロン出資で最終調整していると報じた。これを受け、みずほ証券の佐藤耕喜シニアアナリストはリポートで「久々にインパクトのある案件」と指摘、連結利益を5%程度押し上げる可能性があるとした。また、SMBC日興証券の中村真一郎シニアアナリストらも質のいいアセットの積み上げによる利益成長が見えてきた点で好材料だと評価した。オリックスの8日の株価は一時、前日終値比2.9%高の1813.5円と7月9日以来の日中上昇率を記録した。

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/142.html#c4

[経世済民128] 59歳・年収500万円、突然雇い止めされた非常勤講師のマイルド貧困(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
1. 2018年8月08日 19:41:22 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1184]

>月給42万円ほど。年収にして500万円

既に子どもが独立しているのであれば

絶対的にはもちろん

相対的にも貧困ではない

 


 


いずれにせよ賃金・報酬は、需給で決まるから

政治が介入しても、あまり良いことはない

韓国のように実体経済を無視した左翼のポピュリズム政治が先走ると、悲惨なことになる


http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/390.html?c3#c3
「格差拡大」統計に衝撃を受ける韓国政府
「庶民重視」で最低賃金を大幅に引き上げたのが裏目


 

関西6府県の最低賃金、上げ幅最大
兵庫・和歌山は目安上回る
関西
2018/8/8 18:21
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 関西6府県の地方最低賃金審議会による2018年度の最低賃金(時給)の答申が8日出そろい、引き上げ幅は25〜27円となった。6府県すべてが時給のみで示すようになった02年度以来で最大の上げ幅。兵庫と和歌山は中央最低賃金審議会の目安を1円上回った。10月1日に適用される予定だ。

 936円となる大阪は4年連続で上げ幅が20円以上となり、この4年間に98円(12%)高くなった。最低賃金に近い水準の給与で働く非正規社員らの所得を増やし、個人消費の拡大からデフレ脱却につなげたい国の方針が背景にある。

 兵庫は目安を上回る27円の引き上げで871円となった。兵庫労働局は「若年層の流出を食い止めるため、大阪府との差が広がらないよう考慮した」と説明する。

 りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「消費底上げに一定の効果はある」とする一方で、「資源価格の高騰で中小企業の収益悪化が懸念されている。人件費の上昇は一段と経営を圧迫する。作業工程の見直しなどで生産性を高める工夫が必要だ」と指摘する。


 

最低賃金、目安超え全体の4割 人材流出を懸念
経済
2018/8/8 18:39日本経済新聞 電子版
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 国の審議会が示した目安を超えて最低賃金を引き上げる動きが地方で相次いでいる。8日時点で答申を終えた43都道府県のうち、目安を超えたのは19県と全都道府県の4割にのぼる。2017年は4県だった。政府が掲げる3%の引き上げ目標にあわせて目安自体も大幅な引き上げが続いたため目安を超える例は減っていた。一転して目安以上に引き上げる例が増えている背景には地方で深刻化する人口流出の懸念がある。

 最低賃金は企業が従業員に支払わなければならない最低限の時給をさす。毎年、国の審議会が都道府県をA〜Dランクに分け引き上げ目安を定め、都道府県が具体的な金額を決める。現在の全国平均は848円だ。

 政府は3%ずつ最低賃金を引き上げ、全国平均1000円にすることを目指している。18年度の全国平均の目安も3%の引き上げ(26円)で決着し、A〜Dで23〜27円のランクに分けた。

 8日までに引き上げ額を決めた43都道府県のうち、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、兵庫、和歌山、鳥取、島根、岡山、徳島、香川、愛媛、佐賀、熊本、大分、鹿児島、沖縄の19県が目安を上回って決着。目安より上振れする都道府県は減っていたが、4年ぶりに増えた。

 なかでも愛媛、佐賀、熊本、大分、沖縄の5県は目安より2円上昇。現在まででDランクの目安の23円上げを決めた県はない。全都道府県の結果は10日にもまとまる見通しだ。

 2円上振れして25円の引き上げが決まった愛媛県の経営者協会は「地方の中小企業には景気回復の波が来ず景況感もよくない。このまま引き上がれば廃業に追い込まれるケースも増える」と話す。長野では目安通り26円の引き上げとなった。上振れしなくても審議会では使用者側の委員は4人全員が反対した。

 上振れが相次ぐ背景には深刻な人手不足がある。九州地方の労働者委員は「引き上げなければ都市部や近県に労働者が流れてしまう。実際の時給は最低賃金を大きく上回ることが多く、企業は賃金を上げる余力はまだまだある」とみる。

 18年6月の有効求人倍率は1.62倍と44年ぶりの高水準だ。16年7月には全都道府県で1倍以上となり、全国的に人手不足の様相は強まっている。景気回復で売り手市場が一段と進めば、賃金が低い県に働き手は集まらず、産業の空洞化を引き起こす。

 実際に人口の流出は深刻だ。総務省の住民基本台帳に基づく17年の人口移動報告によれば、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)への転入超過数は約12万人で人口集中が一段と進む。一方、東京圏と福岡、愛知、大阪以外の40道府県はいずれも転出超過だ。

 新潟県内のある中小企業経営者は「地方の人材が首都圏に流出するなか、人件費は経営の大きな負担になっている」と話す。「経営者側は生産性を高める必要があり、支援制度が求められる」(新潟労働局)との声も聞こえる。

 


 


韓国版「働き方改革」でサービス業に明暗 食品販売好調、飲食店は苦戦
週52時間労働制で強まるだんらん志向
小売り・外食 朝鮮半島 アジアBiz
2018/7/17 17:30日本経済新聞 電子版
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 【ソウル=山田健一】7月から労働時間の上限が従来の週68時間から52時間に引き下げられた韓国で、サービス業の中で収益を巡り明暗が分かれている。7月に入り、生鮮食料品や加工食品の販売が伸びる一方、飲食店は来客数の減少に悲鳴をあげる。韓国企業で残業を敬遠する雰囲気が広がるのと並行して、家族だんらん志向が強まっていることが背景にある。

 「夕方の退勤時刻を迎えたら、さっさと帰宅しようと考える社員が増えた…



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/146.html#c1

[経世済民128] 59歳・年収500万円、突然雇い止めされた非常勤講師のマイルド貧困(ダイヤモンド・オンライン) 赤かぶ
2. 2018年8月08日 19:49:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1185]

#この記事とは異なり、東洋経済が得意とする、非正規貧困の問題は、依然として、継続しているが

景気と待遇の改善で、拘束の厳しい正規よりも非正規を選好するものが増えてきている


ただし、これはバブル崩壊以前の、自由を望むフリーター増加時代と違い、

長時間労働を嫌う、女性&高齢労働者の増加によるものではないか


 


「自由だから非正規」4割増 待遇改善も影響 労働力調査 多様な働き方なお課題
経済
2018/8/7 19:26
 働く時間の自由度を求めて非正規雇用を選ぶ人が増えている。総務省によると、4〜6月時点で「都合のよい時間に働きたいから」非正規で働く人は592万人で、5年前から44%増えた。人手不足を受け、賃金が上昇したり厚生年金に加入できたりと待遇改善が進んだことが大きい。企業は働き方改革を急ぐが、非正規・正規ともに多様な働き方の実現にはなお課題が残る。

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 総務省が7日発表した4〜6月の労働力調査(詳細集計)によると、パートや派遣社員といった非正規雇用は前年同期より4%多い2095万人だった。
 非正規で働く主な理由は「家計の補助・学費等を得たいから」「家事・育児・介護等と両立しやすいから」などを抑え、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く全体の約3割を占めた。ただ、この5年で24%減ったとはいえ「正規の職員・従業員の仕事がないから」非正規で働く人も259万人いた。
 非正規雇用が増えている理由のひとつは人手不足を背景にした待遇の改善だ。企業は、正社員よりも転職が活発な非正規の賃金を引き上げてきた。6月の毎月勤労統計調査によると、パートタイム労働者の時給は1.8%増で、正社員ら一般労働者の所定内給与は0.9%増にとどまった。
 非正規の賃金上昇ペースが正社員を上回り、その差は縮小している。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2017年の非正規の賃金は正社員の66%で5年前より4ポイントも上昇した。
 リンガーハットはパート店長を20年に現在の約5倍の150人にする。店長には時給を25〜50%増やし、月に3万5千円の手当も付ける。正社員店長は通常2〜4店舗を担当するがパートは原則1店舗。就労時間も短く、転勤もない。
 また、少数だが人工知能(AI)の開発など専門スキルを持ち、月収数百万円という非正規もでてきている。
 勤務時間を自由にできるのも非正規の魅力だ。スーパーのいなげやは平日しか働けない人も積極的に採用。「働く人の都合に合わせて人手確保につなげたい」と成瀬直人社長は話す。
 「派遣でもやりがいがあり時給もよい仕事が増えた。定時に帰れて家庭と仕事を両立できる今のほうが、正社員の安定よりも魅力的」。広告会社の管理職だった女性(40)は昨年、ウェブコンサルティングをする派遣社員に転じた。
 非正規の弱点だった将来の保障も充実しつつある。パートタイムの非正規も16年10月、従業員501人以上の企業のうち、労働時間が週20時間以上、月収が8万8000円(年収約106万円)以上などの要件を満たす人を厚生年金保険に加入させるよう、適用の対象が広げられた。
 厚生労働省によると18年3月時点のパート労働者の加入者数は38万2841人と、想定の25万人を大幅に上回った。保険料は労使折半。日本総合研究所の山田久主席研究員は「企業は保険料負担より労働力確保を優先している」とみる。
 しかし非正規は安全網がまだ脆弱だ。08年のリーマン・ショックで景気が急激に悪化すると、製造業の期間工らの雇い止めが相次いだ。人材投資も正社員に偏りがちだ。
 一方、正社員も、時間でなく成果をもとに賃金を決める脱時間給制度(高度プロフェッショナル制度)などが自由な働き方の一つとして期待されるが、まだこれからだ。
 みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「同一労働同一賃金の徹底で正規・非正規の格差をなくしつつ、人材の流動化を進めていくことが地道な解決策だ」と指摘する。

 

月収12万円で働く39歳男性司書の矜持と貧苦
勤続15年でも給与水準は採用時からほぼ同じ
藤田 和恵 : ジャーナリスト 2018年08月08日

努力や経験が評価されないことが残念だと話すショウタさん(編集部撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは、「記事(48歳「市の臨時職員」、超ブラック労働の深刻)を拝読し、まさに自分たちのことだと思いメッセージさしあげました」と編集部にメールをくれた39歳の男性だ。
猛暑にもかかわらず、首都圏のある公立図書館は多くの人でにぎわっていた。ベビーカーに何冊もの絵本を入れた親子連れや、盆栽関連の書籍を抱えたお年寄り、制服姿の高校生グループ――。ロビーでは、「戦争パネル展」が開かれている。真っ黒に日焼けした子どもたちが、空襲を受けた後の地域の街並みを収めた写真に見入っていた。


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館内の児童書コーナーは、すべての棚が大人の腰ほどの高さにしつらえられている。図書館司書のショウタさんが(39歳、仮名)が「うちでは、子どもの目線の高さに合わせて本を置いています」と説明する。

郷土に関する資料・書籍を展示するコーナーでは、自治体の花が選定された由来や、地元の地名にまつわるエピソードをよどみなく教えてくれた。

「民主主義の社会では、市民一人ひとりが自ら勉強をして、賢くならなければなりません。そのための知識や情報を提供し、市民の勉強を助けること。それが司書の役割です」

大学生のころ、ボランティア活動で知り合った図書館司書から教えてもらった言葉である。当時、大学では理学部で地学を専攻していた。この言葉が、専攻とは畑違いの司書を目指すきっかけのひとつとなり、そして、今も揺らぐことのない道しるべになっているという。

司書の仕事の「醍醐味」
ショウタさんによると、司書の仕事は「貸出・返却」のほか、図書館で購入する本を決める「選書」、利用者が探している資料や書籍を提供する「レファレンス」などがある。中でも利用者の求めに応じ、さまざまな事典や総覧、データベースなどを調べてどんぴしゃりの資料・書籍を探し出すレファレンスは司書の腕の見せどころだ。

「よくテレビに出てくる女の人が書いた、“なんとか、かんとかは正しい”という名前の本」――。こんなあいまいな情報を基に、経済評論家・勝間和代の著書『起きていることはすべて正しい』を探し当てたときは、おおいに感謝された。

また、芥川賞を受賞した本だと言われたが、断片的な内容などから推測して直木賞作品も併せて提示したところ、その中に利用者が求める本があったこともある。

「(利用者が)希望する本がない場合でも、『代わりにこんな本はどうですか、こんな資料ならありますよ』と提案することも、大切な仕事です」。人と本が出合う――。そうした機会を提供することが、司書の仕事の醍醐味だという。

しかし、すべての司書がこうした水準に達しているわけではない。ショウタさんは勤続15年。日本図書館協会が主催する研修や、知り合いの司書たちによる勉強会に参加するなどして、自分なりに研鑚を積んできた自負もある。

その自負とは裏腹に、ショウタさんは1年ごとに契約更新を繰り返す嘱託職員。週4日勤務で、毎月の手取り額はわずか12万円ほどだ。給与水準は採用時からほとんど変わっていない。自治体の正規職員には支給されるボーナスも退職金もなし。健康診断の費用も自己負担だ。

「1年目の新人司書と、ベテランでは当然、スキルに違いがあります。でも給与は同じ。お金だけの問題だけではなく、努力や経験がなにひとつ評価されないことが残念です」

ショウタさんは自嘲気味に続ける。「僕の場合、持ち家に母と同居している“パラサイトシングル”だからなんとか生活できている。一人暮らしや結婚なんて、どこの別世界の話?という感じです」。

いずれは正規雇用の司書になれると考えていた
物心ついたとき、すでに両親は離婚。ショウタさんを引き取った母親は正社員として働いており、収入は安定していた。中学、高校は私立の有名進学校に進むこともできたという。

「頑張ってくれた母や、忙しい母に代わって僕を育ててくれた祖母に感謝しています。父も誕生日には本を贈ってくれましたし、(父を)恨んだことはありません」

国立大学を卒業後、地元の公立図書館に採用されたときは、非正規公務員とはいえ、念願の司書になれるという喜びで、待遇などは二の次だった。追って採用試験に合格すれば、いずれは正規雇用の司書になれると考えていたという。

しかし、現実は厳しかった。地元にこだわらず、全国の自治体で正規職員が募集されるたびに試験を受けたが、いずれも不合格。多くの自治体が30歳以下、35歳以下など受験に年齢制限を設けており、ぎりぎりまで挑戦を続けたが、ついに希望はかなわなかった。

文部科学省の社会教育調査によると、ショウタさんが働き始めた当時、全国の各自治体で採用された司書のうち、正規公務員の割合は7割近かった。彼がいつか正規採用されると期待したのも無理のない話である。しかし、その後、正規雇用の司書は減り続け、2015年度には29.6%にまで落ち込んだ。ここ数年、正規雇用の募集人員は全国で年間数十件にすぎないといわれる。

現在、ショウタさんの職場は8割が非正規公務員。このうち半数近くが司書資格を持っている。正規公務員の中にも司書はいるが、多くは3年ほどで異動していくという。

ショウタさんは「オーバーワークの中で頑張っている正規公務員もいるので、彼らをバッシングするつもりはありません」と念押しする。そのうえで、選書や個人情報の取り扱いにおいて、正規職員のほうが軽率な対応をしがちなのは事実だという。

「市民からリクエストがあると、(嫌韓、反中などの)ヘイト本や、いわゆる萌え系の漫画などを必要以上に購入する職員もいます。市民にとって必要かどうかよりも、(リクエストした)市民からクレームを受けることを心配しているようです。

利用者がどんな本を借りたかについては、たとえ家族でも本人以外からの問い合わせに答えるべきではないのですが、正規職員が安易に対応してしまったケースもあります」

「労働組合」に助けられてきた
これまで、ショウタさんは働き続ける中で、たびたび労働組合に助けられてきたという。

10年ほど前、祖母の体調が悪化。ちょうど同じころ、労働組合が自治体側に働きかけ、非正規職員も介護休業を取得できるよう、制度を整えたのだという。これにより、当時はまだ働いていた母に代わり、ショウタさんが休暇を取ることができた。

「祖母に最期の恩返しができたのは、労働組合のおかげ」。ショウタさんはこれをきっかけに労組に加入。最近は、非正規職員たち自らが中心となって自治体側と交渉し、有給休暇の時間単位取得を実現させた。すでに、非正規職員向けにこの仕組みを導入している市町村の実例を調べて提示することで、当初、消極的だった自治体側を動かしたのだという。

「自分たちの労働条件を改善するのに、棚ぼたで待っているだけではダメなんです」とショウタさん。もっと大勢の同僚に組合員になってほしいが、雇い止めの心配もあるのだろう、なかなか加入にまでは至らない。それでも、非組合員の同僚が子どもの学校行事や通院のために、時間単位で有休を申請している姿を見ると、誇らしい気持ちになるという。

ちなみにショウタさんが加入しているのは、個人加入できるユニオンである。正規公務員を中心とした自治労や自治労連傘下の労組ではない。職場には、自治労系の労組があるが、まだ彼が採用される前、雇い止めにされそうになった女性の非正規職員がこの労組に相談したところ「パートのおばさんのことなんて知らない」と門前払いされたのだという。

今、ショウタさんが心配しているのは、2020年4月1日から始まる「会計年度任用職員」制度だ。これにより、彼を含む嘱託や臨時、非常勤といった非正規公務員のほとんどが会計年度任用職員へと移行される。

文字どおり会計年度ごとの任用になるので、事実上「毎年解雇」になるうえ、任用のたびに試用期間を経なくてはならない。雇用条件によっては、大幅な賃下げになる職員もいる。

「この問題に対処するには、正規職員の労働組合とも連携していく必要があると思うのですが……」とショウタさん。今のところ、自治労系労組からの歩み寄りはないし、ユニオンの側も過去のわだかまりを払拭しきれずにいる状態だという。

待遇だけ見ると「失敗」だが…
図書館内を案内してくれたショウタさんはとても誇らしげだった。しかし、彼が正規採用される道はほぼ閉ざされたといっていい。今後、待遇が劇的に改善されることもないだろう。司書という仕事を選んだことについて、彼はこう語る。

「待遇だけ見ると、どうみても失敗。それでも、司書の仕事は天職だと思っています」

ふと、かつて司馬遼太郎が「図書館司書には、その自治体の最高レベルの職員を充てるべきだ」と語っていたという話を思い出した。出典を知りたくてインターネットを検索したが、どうにも見つけることができなかった。

だから、取材後、ショウタさんにレファレンスをお願いした。司馬はいつ、どこで、この話をしたのか、あるいはそれは私の記憶違いなのか――。

ほどなくして、ショウタさんからメールが来た。


司馬遼太郎のインタビューが掲載された週刊朝日増刊号(筆者撮影)
「もとは1971年の大阪市立図書館報に載った司馬さんのインタビュー『図書館と歩んだ私の青春』です。『週刊朝日増刊12/10号』(1997年)の『司馬遼太郎が語る日本?未公開講演録愛蔵版3』の304〜305ページに載っています。(雑誌は)すでに絶版ですが、うちは所蔵しています。ぜひ参考にしてください」

図書館司書の底力である。

あらためて雑誌を読んだところ、司馬は正確にはこう語っていた。

「自治体はまず最初に図書館をつくるくらいの気概を持たなければなりません。〜中略〜まず図書館を立派にしなければ街という感じがしませんね。それと、その市における最高の官吏に司書をやっていただけるといい」


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/146.html#c2

[経世済民128] 6月の経済指標について(在野のアナリスト) 赤かぶ
3. 2018年8月08日 20:15:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1180]
>6月家計調査では消費支出が1.2%減です。賃金が上昇しても消費が増えない。それは物価に含まれない生鮮食品などの値上がりが顕著で、影響

さらに、この誤りに関して捕捉しておくと

食料への実質消費も名目消費も僅かだけしか増えていないことが家計調査の項目を見るとわかる

圧倒的に大きいのはエネルギー価格上昇による自動車関係費や、通信費、そして教育費の増分だが

それすら上回って教養娯楽や家賃関係費用が、下がっている


つまり相変わらず家計は将来に備えた投資・貯蓄を選好し

目先の消費は押さえているということであり

超少子高齢化が継続する中では合理的な判断だ


何度も言うように、日銀依存や地方へのバラマキ依存、そして希望的観測に基づく成長率の嵩上げは止め

社会保障改革による効率化、無駄な高齢者の末期医療や高度医療の削減により

持続可能な財政構造を確立し

将来の国民負担の明確化が必要になっていると言えるだろう

http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/140.html#c3

[経世済民128] 日銀が金利抑制をやめたら長期金利は暴騰しかねない(ダイヤモンド・オンライン)  赤かぶ
1. 2018年8月09日 13:12:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1181]

金融危機での一時的な金利上昇に備え、金利負荷を金融機関にかけた場合のストレステストを行っておく価値は少しはあるが


>日銀が金利抑制をやめたら長期金利は暴騰
>日本経済の名目長期金利の均衡値は、物価上昇率プラス1%程度

言っていることが矛盾している

今、超長期40年金利は1%程度でコアコアインフレ率が0.2%

つまり、0.2%程度しか上昇しないことになり、

暴騰とは程遠い

そして今回の措置による最大変動幅0.4(±0.2)%で

その後の変動は僅か1日で0.1%弱あったのだから、かなり市場機能は戻ってきたといってよい

いずれにせよ金利が安定して大幅に上昇するには、コアコアインフレ率が同様に上がる必要がある

そして、そのための条件は、財政(社会保障)、貿易・投資(産業構造)、消費(賃金、貯蓄率)などで決まるのだから

政治が、やるべきことは、何度も言っている通りだ

>日銀による金利抑制について、金融界からは「銀行の利益を減らして、その他企業の利益に付け替えているだけ

欧米と比べると明らかに、国内金融機関の利益率は低い

これも何度も言うように、国内の過剰で脆弱な金融機関は、もっとIT化を加速し統廃合が必要だ


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/148.html#c1

[経世済民128] 日銀が金利抑制をやめたら長期金利は暴騰しかねない(ダイヤモンド・オンライン)  赤かぶ
2. 2018年8月09日 13:39:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1182]

>年金財政検証においても実質金利についての想定
>2014年の財政検証では、実質運用利回りとして、1.3〜4.0%が想定
>この見通しは、財政収支試算に比べて高すぎる

ここは重要なポイントだが

本来は、予算委員会で超党派の与野党議員が、こうした矛盾を厳しく追求して

複数のシナリオに関して、矛盾のないシミュレーションを提示させなくてはならないが

モリカケばかりやっている野党、選挙区のことしか考えない与党では話にならない 


これでは仮に厚労省や財務省は解体し、年金・税務を一括して歳入庁にしても

やはり問題は解決しないだろう


その原因は、メディアの低レベルで、刺激的な情報ばかりを好み

自分にとって不都合で厳しい情報を無視する大衆の思考構造にもある

短期的には、景気は改善したとしても、

長期的には、保護主義の激化や、国力の衰退が続くのは避けられないだろう



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/148.html#c2

[経世済民128] 長期金利上昇で住宅ローンに影響 注意すべき金利「1%の壁」とは?〈AERA〉   赤かぶ
2. 2018年8月09日 14:15:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1183]

#金利以前に、所得が重要
 

所得格差が住まいの格差に「郊外マンションは売れない」

「どうなる首都圏のマンション」その7
2018/08/09

中西 享 (経済ジャーナリスト)

 新築マンションを建設する大手デベロッパーへのアドバイザリー業務などを手掛け、長年にわたり首都圏マンションをみてきたトータルブレインの久光龍彦社長に聞いた。

 「今起きているのは、人が流れ込んできている都心6区のマンションは価格が上がる一方だが、郊外マンションは売れなくなっている」

 と指摘する。消費税増税の影響については、

 「今年の秋から来年の3月までマンション販売会社は猛烈にセールストークの材料にするだろう」

 と話し、駆け込み需要が起きると予想した。


(bluebay2014/Gettyimages)
共働きが敬遠する郊外マンション
 「郊外マンションを買っている人は年収が500万円から600万円の中小企業に勤務する人が多く、70平方メートルくらいのを3500万円くらいで買っていた。しかし、建築価格の上昇で、この価格が郊外でも4500万円くらいに上がってきている。問題なのは、中小企業に勤務している人は、マンション価格が値上がりしたものの、それに見合うだけ所得が増えていないことだ。このため大手でも価格が高い郊外マンションは多くが売れ残っている。10〜15%下げないと売れないだろう」

 と分析する。久光氏の念頭にある郊外の範囲は、横浜、八王子、狭山、春日部、柏、八千代を結んだ国道16号線より外にある地域を指している。

 都心のマンションが人気な理由として、

 「共働き世帯の増加を挙げる。30歳代ではいまは75%が共働きになっているほどで、女性の場合は郊外マンションに住んで、子供を保育所に預けて働くとなると通勤が大変になる」

 と、郊外マンションは共働き世帯からは敬遠されがちだという。


久光 龍彦(ひさみつ・たつひこ)1940年生まれ。64年に長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)に入社。83年に同社専務、86年に長谷工不動産社長、99年からトータルブレイン社長
進む「階層化」
 「夫婦の合計年収が2000万円を超えるのを業界ではパワーカップルと呼んでいる。彼らは年収の5倍に相当する1億円のマンションを購入できる。次に32〜33歳くらいで年収が1200万〜1300万円あるアッパークラスサラリーマンは、7000万〜8000万のマンションが買える。この2つのクラスをターゲットにしたマンションは良く売れているが、その下のクラスのマンションは売れ行きが良くない。

 しかも、(アッパークラスより上の)彼らは子供の教育にお金を掛けるので、良い大学、一流企業に就職して、良い給料をもらい、高価なマンションを購入できる。つまりマンションの『階層化』が進んでいる」

 と指摘する。これを2016年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査でみると、年収2000万円以上の世帯は全体の1.3%、約64万世帯存在する。(所得金額別にみた世帯数の割合http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=56482&pno=2?sit

 下の階層から上の階層に上ることは可能だが、久光氏は「その比率は小さくなっている」と説明する。つまり、お金持ちは子供や孫の世代までお金持ちで、所得の低い層はなかなかはい上がれない世の中になっているということで、マンションの「階層化」は日本社会全体の世襲化を体現しているともいえる。

 では、所得の低い人はどうしたら住む家をもてるのか。

 「リノベーションした中古マンションか戸建てに住むという手がある。リノベした中古マンションなら郊外の戸建てよりさらに1000万円くらい安く買える。いま中古の契約が増えているのはその表れだ」

 と指摘する。所得の格差イコール住まいの格差というわけだ。

変わる「沿線力」
 消費税は建物に対して課税される。郊外マンションの場合は、販売価格に占める建物比率が65%と割高なため、増税前と後では40万〜50万円の差が出る。今年の後半から、

 「大手は資金回収したいため、消費税増税を利用して『いまが買い時だ』とあおる。また売れ残り物件の販売を促進しようと、増税を材料に使うだろう」

 と販売攻勢を掛けるとみる。一方、都心のマンンションは土地価格分が高いため、増税の影響を受けにくいとしている。

 久光氏はこのところのマンションの立地条件について、通勤で利用する鉄道、地下鉄の「沿線力」に変化が起きていることを力説する。

 「最近は大手町など都心へ直通で乗り入れている路線が人気になっている。逆に乗り換えに時間が掛かる場所は嫌われる。かつて人気だったエリアがいまは好まれなくなっている。都心に出るのに乗り換えがあって時間が掛かることが不人気の原因だ。地域的に見ても、都内の城東、城北エリアが地下鉄で都心までつながったことで、城南、城西との平均的な地価の差が縮まってきている」

 と話す。マンションの将来の価値を考える上で、いま走っている交通インフラが今後どうなるのかもチェックしておく必要がある。

不透明な価格表示
 人気のタワーマンションについては、

 「インバウンド(訪日外国人)が投資用に最初に買った。その後に都心に近くて便利だというので日本人が買い出した。これからは投資用で買っていた中国人が売りに出すのではないか。東京オリンピックの選手村が建設される晴海地区には選手村として約6000戸が建設される予定で、そのうち半分の3000戸くらいは所有者を先に決めてしまうということになっているので、東京の湾岸地域のマンションは供給が増えるので、タワマンの価格は下がるのではないか」

 と予想する。東京都によると、五輪後に選手村の宿泊施設を改修し、50階建てのタワマン2棟を建設、合計5650戸のマンションを供給する。このほか商業施設のほか、サービス付き高齢者向け住宅や若者向けシェアハウスを建設する計画になっている。

 マンションの販売の際に、最近は販売会社のホームページやチラシに価格を表示しないケースが増えている。購入意欲を高めようとして、豪華なイメージ写真はふんだんに使われるが、肝心の価格をオープンにしないのは不親切でもある。久光氏は、

 「販売業者は着工から3カ月経つとプレ販売広告を出して、ある程度の価格帯で購入希望者と契約交渉を行う。デベロッパーはその際の購入者がどの程度の価格なら買うつもりなのかなどの感触を基にして最終的な販売価格を決めるが、買う側からするとプレ広告の段階では価格が分かりにくい」

 と話す。販売する側にしてみれば、購入希望者の「ストライクゾーン」を見極めることで売り出すマンションの利益幅を予測することができ、これを基に2次、3次の販売計画を立てやすくなる。しかし、買う側にとっては不透明な価格表示に問題が残る。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/143.html#c2

[国際23] アメリカ憲法と言論の自由とアメリカの自由を覆すApple、Google、Youtube、Facebook、Twitter 赤かぶ
2. 2018年8月09日 14:51:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1184]


 
海野素央の Love Trumps Hate

「ナイフで何回も刺されるほうが、銃で殺されるより苦痛なんだ」トランプ支持者の心に響く殺し文句

2018/08/09

海野素央 (明治大学教授、心理学博士)

 今回のテーマは「懐疑心と恐怖心」です。ドナルド・トランプ米大統領は秋の中間選挙のギアを上げ、重点州で支持者を集めた集会を開いて共和党候補の応援演説を行っています。それらの集会で、熱狂的なトランプ支持者の中に不吉な動きをみることができます。本稿では、支持者の新たな運動を紹介しながら、トランプ氏のゲームのやり方を分析をします。


「Q」Tシャツでトランプ大統領の演説を聞く支持者たち・ペンシルベニア州(REUTERS/AFLO)
「Q」の登場
 フロリダ州(現地時間7月31日)及びペンシルバニア州(同8月2日)で行われたトランプ支持者を集めた集会に、「我々はQだ」という字句が入ったTシャツを着用した支持者が登場しました。「Q」という文字が印刷されたポスターを掲げて、トランプ大統領を応援する支持者もいました。一体「Q」は何を意味しているのでしょうか。

 「Q」とは、投稿サイト「4chan」及び「8chan」に昨年10月から投稿を続けている匿名の人物「Qアノン」を指しています。「Qアノン」は、米政府内の敵対的な力に対抗して、彼らから国家及びトランプ大統領を守るために投稿を行っています。

 「Qアノン」は電文のような簡潔な投稿をします。例えば、

 「ホワイトハウスの中は混乱していない。トランプの意図通りうまくやっている」

 「トランプはすべてを完全にコントロールしている」

 「モラー(特別検察官)とトランプは、ヒラリー、ビル(クリントン)、オバマを逮捕するために一緒に働いている」

 などです。これらの投稿内容は「ニッチな極右カルトによる陰謀論」とみられています。従って、「Qアノン」は親トランプの陰謀論者といえるかもしれません。一方で、Qフォロアーは親トランプで、キリスト教右派、反リベラルで、しかも、だまされやすい人々といわれています。

トランプは陰謀論者か?
 「Qアノン」は、トランプ政権内のインサイダーという見方が有力ですが、実はトランプ大統領ではないかという憶測を呼んでいます。その一方で、プーチン露大統領という指摘もあります。

 「Qアノン」が誰であれ、トランプ大統領は陰謀論者と見られても仕方のない発言をしてきました。それらはまったく根拠がない発言なのですが、人々を混乱させ、懐疑的な見方をさせる効果は確かにあります。

 例えば、過去にトランプ大統領は「オバマはアフリカで生まれた」と主張して、オバマ氏の大統領の資格について懐疑的な見解を示しました。さらに、「オバマがトランプタワーを盗聴させた」と何も証拠を示さずに述べて、オバマ政権がトランプ陣営に陰謀や策略を企てていた印象を国民に与えました。

 16年の共和党候補指名争いの最中にもトランプ大統領は、ライバルのテッド・クルーズ上院議員(共和党・テキサス州)に関して、「クルーズの父親は、ケネディ大統領の暗殺に絡んでいた」と、同議員の父親がケネディ元大統領暗殺の陰謀を企てたかのような口調で語りました。

 本選では、ヒラリー・クリントン元国務長官の得票がトランプ氏のそれを上回ると、「300万人の不法移民がヒラリーに投票した」と、こちらも検証をぜずに反論しました。まるでクリントン陣営が不法移民を利用して、ひそかに悪事を企んでいたかのような誤った印象を与えたのです。

トランプの陰謀論的な思考様式
 現在でもトランプ大統領は陰謀論を利用しています。まず、周知の通り、自分に不都合なニュースを「フェイク(偽)ニュース」と呼んで封じ込めようとしています。主要メディアの報道にはトランプ氏を貶める意図があるとして、支持者にそれを信じ込ませているのです。

 次に、トランプ大統領はモラー特別検察官のロシア疑惑の捜査に関しても疑惑捜査を「魔女狩り」と呼び、ここでも同検察官が率いるチームが陰謀を企てているという印象づけを行っています。そうすることで、捜査に関して支持者に懐疑的な見方をさせるのです。

 さらに、トランプ大統領はロシア疑惑そのものを「でっち上げ」と繰り返し述べて、疑惑の完全否定をしています。有権者の見えないところで、トランプ陣営とロシア政府が結託して、16年の米大統領選挙でクリントン元国務長官を倒したという疑惑を払拭する狙いがあります。仮にトランプ陣営とロシア政府の共謀が事実であれば、不都合な事実を「でっち上げ」として扱い、隠蔽するトランプ氏の意図があるといえます。

 陰謀や策略は、トランプ大統領にとってゲームに勝利するための効果的なやり方なのでしょう。同大統領が陰謀論的な思考様式を備えている点は看過できません。

移民政策と支持率
 陰謀や策略を使って支持者に「懐疑心」を持たせるやり方に加えて、トランプ大統領がゲームで勝利を収めるために用いているのが「恐怖心」です。秋の中間選挙で、トランプ大統領は移民政策を民主党に勝てる争点と位置付けており、同政策と恐怖心を結びつける戦略に出ています。

 その背景には、トランプ大統領の移民政策に対する共和党支持者の高い支持率があります。世論調査で定評のあるクイニピアック大学(米東部コネチカット州)の調査(18年6月27―7月1日実施)をみてみましょう。

 同世論調査によれば、80%の共和党支持者がトランプ大統領の移民政策を支持しています。「一般に不法移民は米国民よりも犯罪を犯すと思いますか?」という質問に対して、90%の民主党支持者が「そうは思わない」と回答しました。ところが、共和党支持者になると45%が「そう思う」と答えています。

 「トランプ大統領の移民政策の動機は誠実さからですか、それとも人種差別的信念からですか」という質問に関しては、80%の民主党支持者が「人種差別的信念」、90%の共和党支持者が「誠実さ」と回答しました。つまり、共和党支持者はトランプ大統領の移民政策に極めて好意的なのです。

 そこでトランプ大統領は、移民政策は支持基盤を固めるのにかなり有効な道具であると読んでいるフシがあります。では、どのようにして、支持層を固めようとしているのでしょうか。

「MS-13」とは
 移民政策の中で、特にトランプ大統領が焦点を当てているのが、「MS-13」です。MSは「マラ・サルバトルチャ」の略で、1980代にロサンゼルスで設立されたエルサルバドル出身の中南米系のギャングを指します。「13」は、アルファベットの「M」が13番目であることに由来するといわれています。

 トランプ大統領は、MS-13が米国の安全保障に対する脅威であると議論をしています。支持者を集めた集会で、MS-13のメンバーが銃を使用せずにナイフで相手を複数回刺して殺害すると繰り返し述べるのです。

 「ナイフで何回も刺されるほうが、銃で殺されるよりも苦痛なんだ」

 トランプ大統領は、支持者にこう語って恐怖心を煽ります。自身のツイッターに、「中間選挙で民主党に投票することは、MS-13をコミュニティーに野放しにすることと同等だ」と投稿しました。加えて、「移民は文化を変えてしまう」と主張し、移民が米国社会に否定的な影響を与えるという立場を鮮明にしています。

 そのうえで、不法移民を取り締まる移民関税執行局(ICE)の職員を「勇敢だ」と称賛し、「移民関税執行局対MS-13」という対立構図を作りました。16年の米大統領選挙では、「白人労働者対不法移民」という対立構図を使って、支持基盤を固めました。トランプ大統領は、今回の中間選挙でも同様の政治手法をとっています。

懐疑心と恐怖心のテコ
 このようなトランプ大統領の言動に対して、MS-13を取材しているジャーナリストのハンナ・ドレイア氏は、「トランプ大統領はMS-13は国内で最大のギャングで、最も暴力的で急成長しているという誤った印象を与えている」と指摘しています。米司法省の調査によれば、全米で約140万人のギャングがおり、そのうちMS-13は約1万人程度です。確かに、トランプ大統領がMS-13について誇張しているという見方ができます。

 トランプ大統領は、厳しい国境管理を正当化する材料としてMS-13を利用しているとみて間違いないでしょう。もちろん最終目標は、票の獲得であることは言うまでもありません。

 MS-13に加えて、トランプ大統領はオバマ政権の移民政策を「キャッチ・アンド・リリース」と揶揄し、それに終止符を打つことを約束しました。国境警備員が不法入国者を捕えると、彼らに電子機器の足輪を着け、審理日を告げて釈放をするのが「キャッチ・アンド・リリース」です。

 トランプ大統領は支持者を集めた集会で、「国境警備員が不法入国者をせっかく捕まえたのに逃してしまう」と呆れた表情と動作を交えながら語り、「捕まえた不法入国者が指定された日時に移民裁判所に姿を現す確率は非常に低い」と強調しました。そのうえで、彼らが犯罪を犯すと指摘し、「不法移民=犯罪者」という支持者が持つステレオタイプ(固定観念)を強化するのです。

 さらに、トランプ大統領は抽選でビザが与えられる「ビザ抽選制度」と、移民による家族及び親戚を呼び寄せる「連鎖移民」制度も廃止すると明言しています。「これらの制度を利用して入国した犯罪者が、あなたのコミュニティに入ってくる」と脅し、恐怖心を煽るのです。

 要するに、「キャッチ・アンド・リリース」「ビザ抽選制度」並びに「連鎖移民」を犯罪とリンクさせ、恐怖心を動機づけにして投票に結びつけようとしているのです。典型的な「トランプ流」としか言いようがありません。

 結局、懐疑心と恐怖心をテコにして、米国民を自身の意図する方向へ導こうとしているトランプ大統領の思惑をはっきり読み取ることができます。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/629.html#c2

[政治・選挙・NHK248] 核廃絶より核の傘を重視するのは時代錯誤で非現実的 永田町の裏を読む(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
2. 2018年8月09日 15:12:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1185]

>核廃絶より核の傘を重視するのは時代錯誤で非現実的
>冷戦後は、核兵器が飛び交うような戦争の危険は著しく低減 

ただし現実の核保有国にとっては、まだまだ重要ということらしい


https://mainichi.jp/articles/20170708/k00/00e/030/220000c
 核兵器禁止条約採択:保有国は非難「国際安保の現実無視」 - 毎日新聞

>そもそも『核の傘』なんてあるのか。つまり、本当に日本がどこかから核攻撃を受けた場合に、米国は自国が攻撃されるリスクを冒して反撃してくれるはずだと思うのが非現実的。

わかってないらしいが

米国にとって、日本は巨大な価値がある


米軍基地を補助金付きで提供してくれ

世界第三位のGDPと高度な科学技術力をもつ経済的利益を生み出す金の鶏であり

バラマキ援助で国際社会から多くの支持を得ている平和国家なのに

国際社会では常に米国を支持している


そして多くの日本好きの米国人が住んでいて、

多くの人的交流があり、高い文化価値がある

さらに多くの利権が存在している


つまり現時点で、米国が属国である日本への核攻撃を放置することなど、

まず考えられないというのが、周辺の敵性国家の認識となる


もちろん今後、米国の圧倒的な軍事力が低下していった場合、どうなるかわからないから


5千億円もかかる割りにコスパの悪いイージス・アショアを買うよりも

まだ核を恐れる古いタイプの国家が多いから、自前で核武装するのも悪くはない


ただし、今後は、強力な動物・昆虫兵器や、バイオ・マイクロマシン、洗脳兵器などを高度化した方が、遥かに効果的だろう
(もちろん抑止力として機能させるには宣伝と実戦投入が不可欠だろうが)

 
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52629
核なき世界を望むなら、日本は核兵器禁止条約に参加してはいけない
結果的に核廃絶を遠ざける

 

2018年8月9日 田岡俊次 :軍事ジャーナリスト
イージス・アショアが吹っかけられた「高い買い物」に終わる理由
イージス・アショア・サイト

 防衛省は7月30日、陸上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」2基の配備費用は4664億円になるとの見通しを発表した。

 小野寺五典防衛相は昨年11月の参議院予算委員会で「一般的な見積もり」として「1つ大体800億円」と答弁していた。

 2基で1600億円程度のはずが本体2基だけで2680億円で68%も高くなり、維持費などを入れると4660億円で当初の話の2.9倍になる。

 これには1発約40億円とされる迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」24発ずつ2ヵ所(計約2000億円)や一部の用地の取得、整地、隊員の宿舎、教育訓練費などは含まれていない。

「アメリカ・ファースト」のトランプ政権の言うまま、「イージス・アショア」は安上がりと信じて、自衛隊が求めてもいない装備の導入を急遽政治主導で決めたのが誤りだったのだ。

見積もりより価格高騰は常
米国の有償軍事援助
 これまでも米国政府を通じた「有償軍事援助」(FMS)では当初の米側の見積もりより価格が後になって高騰するのが常だった。

 2014年に防衛省が採用を決めた無人偵察機「グローバル・ホーク」は3機を474億円で購入するはずだったが、3機で600億円に値上げされた。

 20年間の3機の運用経費を含む「ライフサイクル・コスト」についても、米国は当初は約1700億円、と言っていたが、日本政府が採用を決めると3269億円に“修正”した。

 ステルス戦闘機F35Aもそうだった。防衛省は2012年度から42機購入することを決め、最初の4機は1機96億円だった。ところが米国はを翌年度には1機150億円に、2016年度には180億円に吊り上げた。日本政府もさすがにこれには反発、値下げを求め、17年度は147億円になった。

 17機の購入が決まっている垂直離着率可能の小型輸送機MV22「オスプレイ」も、最初の5機は計410億円、1機80億円余だが、パイロット、整備員の訓練費や維持費を含むと3600億円、1機211億円になる。

 米国側が当初は低い見積もりを日本側に示し、政府がそれを元に採用を決めて、一部の予算が付き、後もどりしにくくなったのを見計らうように米国が価格をを吊り上げた例は枚挙にいとまがない。

 日本政府が商社を通して米国の製造元の企業と契約していれば、契約通りの価格、期日で納入を迫れるが、「有償軍事援助」では、価格も納期も米政府の見積もりにすぎず、米側はそれに拘束されない。

 代金は前払い、米側は一存で契約解除もできるから米国はやりたい放題。民間企業がやれば独占禁止法に触れるような契約だ。

武器輸出が外貨獲得の手段に
第二次安倍政権で購入急増
 他国に売る予定だった装備を米軍が急に必要になったり、別の国への供与を優先したりして、納期を無視し後回しにすることもよくある。他国に圧力をかけ装備を国産することを妨害したり、時には政治的判断で武器供与を中止しながら、前払いさせた代金をすぐに返金しなかったりした例もある。

 米国はベトナム戦争の時期までは、気前良く同盟国、友好国に無償で武器を供与していた。しかしその後、財政と貿易の赤字に直面し、武器輸出を外貨獲得の手段とするようになった。

 だが武器の輸出を配下に武器を下賜する軍事援助のように思う感覚が消えず、得意先の国々に高飛車な態度を取るのだろう。

 日本はFMSによる米国製装備の調達で、金は払ったが装備が納入がされていなかったり、精算による過払い金の返却がされていなかったりした未精算額が1999年度末には2903億円に達した。

 会計検査院がそれを指摘したため、防衛省は米政府に督促したり、前払い金の返還に利息を付けさせたりして改善を図ったが、2016年度末でも納期から1年以上たっても納入されていない物品が189億円、2年以上の清算遅れが623億円もある。

 FMSによる米国製装備の購入額は第2次安倍政権下で急増し、2012年度の1372億円から16年度の4881億円に急増した。発注金額の増大につれ、未清算額も再び増えそうだ。

 米国の軍事費は昨年6098億ドル(約67兆円)で第2位の中国の2282億ドル(約25兆円)とは大差がある圧倒的な軍事大国だ。民間のIT技術者など先進的技術も優れ、その上、米軍がどこかで戦闘をしていない年は少ない程、実戦体験もある。

 このため米国の軍事技術は卓越しており、昨年の武器輸出は世界で断然トップの124億ドル(約1.4兆円)、第2位ロシアの61億ドルの2倍だ。

 それだけに米国が「これを買え」と迫れば日本政府は従順に受け入れがちなのだろう。

「政治主導」の購入
防衛に不可欠なのか
 だがおそらく総経費が6000億円程にも達しそうな「イージス・アショア」が本当に日本の防衛に有効、不可欠であるか否か、は現実的に考える必要がある。

 本来、防衛力整備計画は陸海空の3自衛隊が必要と考えるものを提案、防衛省がそれを調整して取りまとめ、財務当局などと協議したうえ、国家安全保障会議と閣議で承認されて決まる。

 だが「イージス・アショア」と「オスプレイ」はその運用に当たる陸上自衛隊が採用を求めたものではない。「オスプレイ」は野田政権が導入に着手し、「イージス・アショア」はトランプ政権の意向を反映した安倍政権の「政治主導」により、2017年12月19日の国家安全保障会議で導入が決まった。

 だから平成26年度から30年度の中期防衛力整備計画にも「イージス・アショア」は入っていなかった。

イージス艦とPAC3は
ミサイルの弾数が少なすぎる
 現在、日本の弾道ミサイル防衛は、イージス・システムと迎撃ミサイル「SM3ブロック1A」を搭載する「こんごう」型護衛艦(満載9630トン)4隻、および航空自衛隊が運用する短射程(20キロ弱)の「パトリオット・PAC3」移動式発射機34両から成り立っている。

 「こんごう」型イージス艦は、艦の前部と後部に計90発の各種ミサイルを縦に入れる「垂直発射機」を持っているが、各艦はミサイル迎撃用の「SM3ブロック1A」を8発ずつしか積んでいない。

 仮に100%の命中率があったとしても、相手の弾道ミサイル8発にしか対処できない。

 これに対して、北朝鮮が持つ核弾頭は「約12発」から「60発以上」と推定には大きな幅があるが、弾道ミサイル300発程度はありそうだ。

 北朝鮮が核付きと火薬弾頭付きのものを交ぜて多数、発射すれば、日本のイージス艦はそれに対し8発の迎撃ミサイルを発射すると、「任務終了、帰港します」となる。

 イージス艦が破壊できなかった弾道ミサイルは地点防衛用の「パトリオット・PAC3」で迎撃することになっている。1地点に各2両の移動式発射機を配置、首都圏と米軍基地を守る構えだ。

 その発射機には16発の迎撃ミサイルを入れられるが、各々4発、2両で8発しか積んでいない。「PAC3」は不発や故障に備えて1目標に2発ずつ発射するから、4目標にしか対抗できない。

 イージス艦やPAC3で装備されているミサイルが少ないのは、ミサイルの値段が高いためだ。イージス艦用の「SM3ブロック1A」は1発約16億円、「PAC3」は1発約8億円だから多くは買えないのだ。

 「こんごう」型は1隻約1400億円、「PAC3」の発射装置(目標探知レーダー車、射撃管制車、アンテナ車、電源車など10両余)は1セット約120億円だから、そのシステムの価格に対し、搭載する迎撃ミサイル数が不釣り合いに少ない。

 これではミサイル防衛は形ばかり、突破されるのは確実だ。

「こんごう」型より新しいイージス艦「あたご」型(満載10160t)2隻は新型の迎撃用ミサイル「SM3ブロック2A」を搭載し、電子装備を一段と強化するため現在改装中だ。

 さらにより大型(推定満載10600t)のイージス艦2隻も建造中で、一番艦の「まや」は先月30日に進水、2020年に就役の予定だ。その翌年にはもう1隻も就役し、イージス艦は計8隻になる。

 だがそれらが搭載する新型の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は1発約40億円とされるから、やはり8発程しか搭載しない可能性が高い。

 地点防衛用の「PAC3」も射程を30kmに伸ばした「PAC3MSE」に換装中で、これも1発10億円以上になりそうだが、1地点しか守れないことに変わりはない。

「イージス・アショアに何千億円も投じるよりは、イージス艦やPAC3が保有する迎撃用ミサイルの弾数を増やす方が合理的ではないか」とミサイル防衛関係の自衛隊上層幹部達に言うと、ほぼ例外なく「仰言る通りです」との答えが返ってくる。

「防衛能力の抜本的向上」は
全くのウソだ
 イージス・アショアは、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場と山口県萩市のむつみ演習場に配備される計画だが、当面は迎撃ミサイルを各4発しか装備しないとされている。

 一方、地元に対する説明では、防衛省は「我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在している」としてイージス・アショアの設置の必要性を力説、「防譲能力の抜本的向上が図られる」と主張している。

 だが相手のミサイルが数百発もあるのに、こちらは僅か4発では「防譲能力の抜本的向上」は虚偽の宣伝と言うしかない。兵士に実弾4発を渡して前線に立たせるようなものだ。

 イージス・アショアの垂直発射機は24発が入るとされるが、将来、1発約40億円の迎撃ミサイル購入に1ヵ所で960億円、2ヵ所で2000億円近くを費やしても、数百発の弾道ミサイルに対しては焼け石に水であることは変わりそうにない。

 北朝鮮が保有する中距離弾道ミサイルは「ノドン」(推定射程1300km)が約300発と、米国、韓国の研究機関が推定している。他に「スカッドER」(同1000km)や「ムスダン」(同3000km以上)もある。

 それを迎撃するミサイルの命中率を仮に50%と楽観的に見ても、300発の弾道ミサイルに対抗するには少なくとも600発の迎撃ミサイルが必要で、それだけで約2兆4000億円になる。

 海上自衛隊はこれまで4隻のイージス艦がハワイ諸島のカウアイ島から発射される標的の弾道ミサイルに対し1発ずつ「SM3ブロック1A」を発射、3回は撃破したから「命中率は75%」と言う。

 だがこのテストでは標的の発射の時間帯や発射地点、標的が落下する海域、標的の加速性能、などのデータが分かっていて、それを入力して待ち構えているのだから当たって当然なのだ。

 野球の練習で「センターフライ」と叫んで野手にとらせるシートノックに似ている。だが実戦では相手がいつ、どこから、どこへ発射するか、通知してくれることはない。

「イージス・アショア」の強力なレーダーの探知距離は1500kmに達するから、北朝鮮のミサイル発射が早期に分かるようになると言う人もいる。だがこれも誤りだ。

 地球は円いからレーダーは水平線のかなたの物体は探知できない。秋田から北朝鮮北部の山岳地帯のミサイル陣地までは約1200kmあるから、弾道ミサイルが発射され、高度8万m以上にまで上昇し、水平線上に出てはじめて探知可能だ。

 日本海に展開するイージス艦の方が発射地点に近いだけに、相手の高度2万m以下で探知しはるかに早く警報を出せる。

日本は米軍用に比べ
高値で吹っかけられた可能性
 米国は「イージス・アショア」をルーマニア南部のデベセルに配備、ポーランド北部のレジコボにも建設中で、今年完成予定だ。

 ポーランドに配備する「イージス・アショア」は日本で計画中のものと同様、新型の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を装備し、レーダーもロッキード・マーチン社製の同じタイプだ。経費は8億2000万ドルだから、当初防衛省が考えた「1基約800億円」に近い。

 ルーマニア、ポーランドの「イージス・アショア」も韓国配備の「サード」も経費は全額米国が負担、運用も米軍人が行う。米軍用には妥当な価格で調達させ、日本には吹っかけている可能性がある。

 日本の弾道ミサイル防衛システムは米軍基地を含む日本を守るだけでなく、グアムなどに向かうミサイルも迎撃できるから、米国に一部負担を求めてもおかしくない。

 先月、進水したイージス艦「まや」の建造費は1680億円、うち船体、機関が約800億円、イージス・システムも約800億円とされる。

 当初は「イージス・アショア」は1基約800億円のつもりだったから「イージス艦1隻の経費で陸上なら2ヵ所に配備できる」と政治家が飛び付いた。 だが、艦載用のイージス・システムが800億円なのに、それを陸上に配備すると本体だけで1基1340億円に跳ね上がるのでは、話がまるで違う。

イージス艦搭載の
ミサイル増やすのが現実的
 現在のようにイージス艦4隻(うち1隻はドック入り)では、常に2隻を海に出して監視を続けるのはたしかに無理があるから、防衛省は中期防衛整備計画で8隻体制にすることにした。

 搭載する迎撃ミサイルも現在のものの射程が約1000km、射高が約500kmなのを、射程約2500km、射高約1500kmの大型にする。その管制システムも飛躍的に高性能となる。「新型イージス艦は2隻で日本列島をカバーできる」と防衛省は説明してきた。

 だから「イージス・アショア」は本来、必要がないもので、防衛力の強化には各艦が搭載する弾の数を増す方がまだ効果的だ。

(軍事ジャーナリスト 田岡俊次)


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/854.html#c2

[政治・選挙・NHK248] 異次元緩和に限界…「金利急騰」市場に翻弄される黒田日銀 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
10. 2018年8月09日 15:34:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1186]

>>09 日銀の本来の仕事である通貨の番人を放棄しただけでなく銀行経営に圧迫を加え国債の暴落もしくはハイパーインフレ、極端な円安、がいつ起こってもおかしくない


金子に限らず、多くの左派や右派の経済芸人が、この手のデマを振りまいているが

どういう条件で、インフレになるかを、きちんと理解すれば、こうしたデマに惑わされなくなるだろう

常に現実をしっかり見ることだ


http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/813.html#c10

[経世済民128] 浜矩子「現行の『寿限無』的金融緩和はややこしすぎる」〈AERA〉  赤かぶ
1. 2018年8月09日 19:57:46 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1187]

大した変更ではない

単に、副作用に配慮して、長期化を狙っているというだけのこと


いずれにせよ浜が考えるほど、世界は単純ではなく

単純な天体の運動すら、容易にカオス解になる


まして金融経済は特に、そうだ


ある程度、定性的な理解を得るにも

最低限の、確率論的な数理モデルを把握することが必要


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/150.html#c1

[経世済民128] 日本の炭鉱は「廃墟」「終わった産業」──とも限らない(ニューズウィーク)  赤かぶ
1. 2018年8月09日 20:03:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1188]

軍艦島は廃墟観光遺跡としても価値がある

また完全に枯渇していなければ、コスト次第で、いずれ炭化水素の供給源として使用可能


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/151.html#c1

[経世済民128] インフレ率と失業率が同時に低下...日本経済、どう読みゃいいのか 「デフレ脱却確率」を示す二つの結果(現代ビジネス) 赤かぶ
1. 2018年8月09日 20:20:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1189]

>依然として日本経済はデフレから脱していない

これはフィリップス曲線の変極点によってデフレを定義するという、特殊な定義だから、あまり有用性はないが

言いたいことはわかる

つまり単純な完全失業率と、過去のフィリップス曲線を前提にしていると間違うということであり

現実のカーブのシフトから言っても妥当な推論だ


現在、長生きリスクにより、高齢労働者と女性労働者の、労働市場の参入や、低賃金の地方から都市への移動も続いている


また雇用逼迫により、不本意非正規の正規への転換も進み

既に、市場では賃金上昇と正社員増に転じているので、現状の景気が続くのであれば、


非労働力を調整した(第2の)失業率は、アベノミクス以降、急速に低下しているので

いずれ実際の失業率に、収束することになるだろう

その結果、さらに賃金や労働条件の改善が続く


ただし、

一方で、生産性の低い(主に中小)企業の廃業や倒産も増えてくるし


インフレと少子高齢化予想による日本的な消費&投資抑制

大企業の海外への投資拡大なども起こるし

IT化とAI拡大による省力化もさらに加速してくる

また債務過剰から、米中景気の腰折れが起これば、今回も、それほど賃金上昇は起こらず

コアインフレ率2%に至らない可能性も、そう無視はできないい

統合政府は。常に、複数の連続的&非連続的シナリオと、それに基づいた金融経済の政策パッケージをもって、臨機応変に対応する必要があるし

個人も同様だが

現実には簡単ではないだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/149.html#c1

[経世済民128] 日銀が金利抑制をやめたら長期金利は暴騰しかねない(ダイヤモンド・オンライン)  赤かぶ
6. 2018年8月09日 20:31:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1190]

>>05

生活者の視点から、単純CPIが重要だというのは当然であり

与党議員も、よく指摘していることであるから

日銀や政府も無視しているわけではない

ただしマクロ経済を考慮し、国内産業や雇用の動向を理解する上では、


変動が大きい生鮮食品(実際。ここ数ヶ月でも大きくプラスやマイナスに変動し、長期では、キャンセルしてGDPへの影響は小さい)や

こちらも変動の大きい外部変数である、海外資源価格の入ったCPIを使うのは適切ではない

それが通常の経済理解ということだ


ただし少子高齢化が続く日本では

実際、帰属家賃の取り扱いに関してなど、いろいろ議論があるから

単純な陰謀論ではなく、現実の理論や実践研究をきちんと学んだ方が良いだろう


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/148.html#c6

[経世済民128] 浜矩子「現行の『寿限無』的金融緩和はややこしすぎる」〈AERA〉  赤かぶ
2. 2018年8月09日 21:15:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1191]

#増税の影響が軽微なら、引き締めという見通しが多いが

海外景気の下振れ(の影響)がないという前提条件は適切か

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
日銀の政策変更は20年以降と予想、消費増税見極め−サーベイ

天野高志、yuko takeo
2018年8月9日 5:00 JST

エコノミスト57%が回答、前回の41%から増加
市場を裏切ることはできない、変更は困難−エコノミスト

日本銀行が7月の決定会合で金融政策を修正したことを受け、エコノミストの間では次の政策変更が2020年以降との見方が強まっている。19年10月の消費増税に言及しており、影響を見極めるとみている。

  ブルームバーグが3−6日、エコノミスト42人を対象に調査した。それによると、追加緩和や引き締めを20年以降に行うとの回答が57%(24人)に上り、7月の前回調査の41%から増加した。内訳は追加緩和3人、引き締め21人。18年中に政策変更を行うと予想した回答者はいなかった。

  日銀は会合で、当面、現在の長短金利を維持するフォワードガイダンス(指針)を導入。発表文には、消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえた措置だと明記した。

  調査では、同指針の適用期間について、20年以降とする回答が8割に上った。日銀が目指す物価上昇2%達成は、67%(28人)が23年以降と分析している。

  オックスフォード・エコノミクスの長井滋人在日代表は7日の電話取材で、フォワードガイダンスを受け止めた市場を「裏切ることはできない」ため、消費増税の影響を分析しなければ0%程度の長期金利を変更するのは難しいとの見方を示した。金融機関への副作用は累積するため、20年以降に物価目標2%が達成できなかった場合の対応が「積み残した一番大きな問題」だとみている。

調査の結果はここをクリックしてください

長期金利

  日銀は、誘導目標である長期金利(10年物国債金利)0%程度、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)マイナス0.1%を据え置いたが、黒田東彦総裁は会見で、上下0.1%という狭い範囲に抑えていた長期金利の変動幅を倍増させる方針を示した。8日公表の「主な意見」では、主要国の動向を踏まえ「プラスマイナス0.25%程度の動きを許容することが適切」との見解が出た。

  調査では、次の政策変更に金融引き締めを選んだ回答者36人のうち、36%(13人)が「長期金利0%程度の変動幅を0.2%から拡大」するとみている。拡大幅を巡る質問では、バークレイズ証券の山川哲史チーフエコノミストとABNアムロのビル・ディヴィニー氏が0.5%までの拡大があり得ると回答した。

  反対に引き締め手段として「0%程度の長期金利の引き上げ」を選んだ割合は前回調査(93%)から急減し、61%(22人)となった。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは7日の電話取材で、日銀は16年9月の長短金利操作導入によって誘導目標をお金の量から金利に変更しており、長期金利の変動幅拡大も国債購入量削減を「淡々とやるための一つのツール」と分析した。今回の政策調整では極端な円高や株安を引き起こさなかったため、「やり方としてはパーフェクトだった」と述べた。

 


円強気派が節目試す、日銀も永久には低金利維持せずと解釈
Cormac Mullen
2018年8月9日 13:29 JST

  日本銀行による先週の政策微調整の騒ぎが収まるにつれて、為替トレーダーらが徐々に円相場を押し上げ、テクニカルな節目の水準を試している。ドル・円相場は8日、3月からの上昇トレンド線を下回って終了。9日には50日移動平均(110円89銭)を下回った。市場は日銀の動き、永久には低金利を維持しないというシグナルと受け取るべきであり、従って円高を見込む公算大だと、コメルツ銀行のアナリスト、トゥ・ラン・グエン氏がリポートに記した。

原題:Yen Bulls Test Key Technical Levels as BOJ Dust Settles: Chart(抜粋)

 

 
日銀が長期金利変動容認も、地銀トレーダーの国債回帰目線には届かず
谷口崇子、Chikako Mogi
2018年8月9日 6:00 JST

10年債で最低でも0.5%の利回り必要との声も−地銀トレーダー
急速な利回り上昇は保有債券に評価損出す恐れも

日本銀行が長期金利の変動幅拡大を容認したことは、地銀の国債購入を後押しする材料にはなっても、保有残高を異次元緩和前の水準に戻すには不十分とみられている。地銀トレーダーからは10年債で最低でも0.5%程度の利回りが必要だとの声が聞かれた。

  日銀は7月30、31日の金融政策決定会合で、副作用が指摘される異次元緩和政策の持続性強化の一環として、長期金利の変動幅をプラスマイナス0.1%から0.2%に拡大することを容認した。これを受けて、長短金利差の拡大(イールドカーブの傾斜化)が進行。8月2日の長期金利は一時、1年半ぶりの高水準である0.145%を付けた。


  ある西日本の地銀トレーダーは、日銀の政策修正をきっかけに今までになかったボラティリティーが出てきているため、少し取引対象にできる可能性はあると指摘した。例えば10年国債を0.15%で買って、0.05−0.08%くらいに低下した局面でまた売ればいいとした。東日本の地銀トレーダーは金利上昇に対する耐性がわずかながら増すとして、向こう数カ月はやりやすくなったとみている。いずれもブルームバーグの電話取材に匿名を条件に語った。

  一方でこのトレーダーは、まだ満期保有の国債償還時に乗り換えられる水準ではないとも話す。別の東日本の地銀トレーダーは「焼け石に水」と突き放す。多くの地銀は有利子の預金で資金調達しており、コストを差し引くとほぼ金利はなくなる。国債回帰の目線としては、複数行が自行の円債平均利回りとの見合いを理由に0.5%を挙げた。逆に、急に0.5%まで上がると、保有債券に評価損が出てしまうと懸念する声もあった。

本業不振でリスク拡大

  実際に、地銀の国債保有残高は減り続けている。日銀統計によると、5月時点で20兆5600億円と2008年3月以来の低水準まで落ち込んだ。前出のトレーダーの1人は、政策修正は従来の全く動かない狭いレンジの市場に比べればまだいいが、大きくは変わらないと説明。特に、短期金利が変わらず貸出金利回りにポジティブな影響がないことから、市場部門だけでなく、本業の融資を含めた銀行全体の収益としてみてもあまり改善はないとした。

  金融庁が7月に公表した地銀の運用に関する報告書は、マイナス金利政策の導入で本業の貸出金利ざやが急速に縮小する中で、収益確保のためにリスクを拡大する動きがあると指摘した。地銀・第二地銀の円金利リスク量は自己資本対比で主要行の3倍に近く、円・外貨金利が18年3月末から0.5%上昇すると、4分の1超でコア業務純益を上回る含み損が発生すると試算。地銀に対し、含み損を年間コア業務純益の範囲に収めるなどの対応を求めた。

  こうした圧力の下で、地銀の運用部門は難しい舵取りを迫られている。ある西日本の大手行トレーダーは、自行の国債保有スタンスについて、金利が上がっていけば少しずつ増えていくとし、まず0.3%、次に0.5%が目線になると話す。長期金利は1%あればさらにいいとしながらも、バランスシート、海外の金利や株式、信用コストなどを総合的に勘案して絶対水準というよりは相対水準で考えると説明した。

  マネックス証券の大槻奈那チーフアナリストは「皆が取引量を増やすなら流動性が増えてくる。現在、10年債は発行額よりも日銀の購入額の方が多い状態で、着実に流動性が失われている。ボラティリティーが出ることでプレーヤーが増えてくるならトレーディングがしやすくなる」と指摘。ただ、利益を出すには「過去の経験上、金利が下方向の時の方がたぶんもうけやすいだろう。今は全体としては金利が上昇していく方向だ」とコメントした。


 


GPIFはハイイールド債もっと購入を−元FRBエコノミスト野沢氏
野沢茂樹、氏兼敬子
2018年8月9日 8:00 JST
ハイイールド債はデフォルトを含めてもリターンが高い
日本での市場育成が長年の懸案−野村資本市場研究所
米連邦準備制度理事会(FRB)の元シニアエコノミスト、野沢良雄氏は、信用リスクや流動性の観点から購入が控えられがちな低格付けのハイイールド債は分散投資により長期的に高い収益が見込めるとし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が積極的運用をすることを勧めている。

  野沢氏(39)によれば、企業が倒産した場合の資金回収の順位で株主よりも優先されるハイイールド債は、運用面では信用力の高い社債とリスクの高い株式の中間的な存在。7月下旬のインタビューでは、「株は買えるけどハイイールド債は買えないというのは理屈に合わない」と言い、株式の保有を増やしているGPIFは、ハイイールド債の購入にも積極的になるべきとの見解を示した。

  GPIFは2015年から外国のハイイールド債の投資を始めている。外国債のアクティブ運用の委託先のうち、ハイイールド債を運用指標とする野村アセットマネジメントとUBSアセット・マネジメントのファンドの時価総額は3月末時点で合計4146億円と、GPIFが保有する外債23.9兆円のわずかにとどまっている。国内のハイイールド債については4月から運用が可能になったばかりだ。

  FRBで7月末までの5年間、社債の適正な価格形成の分析に従事してきた野沢氏は、ハイイールド債投資について「ある程度の割合でデフォルト(債務不履行)は発生するけれども、それにも増してリターンがある。多くの銘柄に分散投資していれば、長い目でみた平均リターンは高い」と説明。

  一般的な投資家に比べ流動性などのリスクを取る余裕のある長期運用の年金基金にとっては、「デフォルトするしないだけでみるのではなく、また格付けで機械的にカットするのではなく、ある程度ハイイールドのものをポートフォリオに入れるというのも自然なことではないか」と話した。


  野村資本市場研究所によれば、日本の社債発行額は2016、17年と初めて2年連続で10兆円を超えた。ただ、A格以上がほとんどを占め、BBB格は2.7%程度。BB格以下のハイイールド債は皆無となっており、市場の育成が長年の懸念となっている。米国では、16年の社債の発行額が1兆5337億ドルで、うち投資適格債が1兆2938億ドル、ハイイールド債が2399億ドルだった。

  S&Pグローバル・レーティングは、GPIFが日本のハイイールド債を投資対象に加えたことは、同国内の社債市場の多様化に向けた第一歩になる可能性があると指摘。市場関係者が新たな動きを起こすきっかけになれば、ハイイールド債市場の育成や裾野拡大に向けた課題の打開へと向かうかもしれないとみている。

  野沢氏は、GPIFから社債スプレッドに関する研究が評価され、今後の社債のプライシング理論発展への寄与が期待できるとし7月に表彰された。今月からは香港科技大学の助教授を務めている。
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/150.html#c2

[国際23] オハイオ補選は薄氷の勝利…トランプ“人気取り政策”加速か(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
2. 2018年8月09日 21:39:25 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1192]

#WSJも共和党不利予想だ

トランプが、手をこまねいているとも思えないから

日米FFRは、かなり厳しいことになりそうだ

 

https://www.agrinews.co.jp/p44816.html
日米貿易協議 自動車分野焦点に FTA交渉巡り攻防か
2018年08月09日
農政 TPP報道2018年8月

 日米両政府は9日午後(日本時間10日午前)、米ワシントンで、新たな貿易協議(FFR)の初会合に臨む。米国側は自動車分野の貿易赤字削減や、2国間の自由貿易協定(FTA)交渉入りを求めてくる可能性がある。日本側はFTA交渉には否定的だが、米国側は自動車の追加関税をちらつかせて、日本側に強硬に譲歩を迫ってくるとみられ、初日から激しい駆け引きも予想される。

 茂木敏充TPP(環太平洋連携協定)担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表によるFFRの初会合は、9日午後2時半(同10日午前3時半)に始まる。

 焦点は、米側が問題視する対日貿易赤字の8割を占める自動車や自動車部品だ。6月の日米首脳会談で、トランプ米大統領が名指しで不満を示していた。

 トランプ政権は、安全保障を理由に輸入自動車への追加関税を検討している。発動されれば、日本経済に甚大な影響が予想されるため、日本政府は「世界経済に破壊的な影響を及ぼし得る」と警戒するが、米国側はこうした措置を取引材料に譲歩を迫る構えだ。

 トランプ政権は11月の中間選挙に向けて成果をアピールするため、農業分野でも厳しい要求を突き付けてくる恐れがある。日本は米国産農産物を大量購入している“得意先”で、米国の貿易収支に大きく貢献している。日本側はこうした点を説明して理解を得たい考えだ。

 両政府は今後、数回のFFR会合を経て、9月の国連総会時に想定される日米首脳会談で成果を確認する段取りを描く。

 ただ、直前になっても初会合の議題は固まっておらず、茂木、ライトハイザー両氏の「現場での交渉になる」(茂木氏)見通しだ。日米の思惑の違いは大きく、協議は10日まで及ぶ可能性がある。
協議内容を注視 全中会長
 JA全中の中家徹会長は8日の臨時総会後の会見で、9日から米国で開かれる日米FFRについて、農家には不安があると指摘し、これに配慮するよう求めた。今後の協議内容は不透明だとし、注視する考えを示した。JA自己改革は着実に進展しているとした上で、組合員との対話運動にも力を入れるとした。

 FFRに関連し、中家会長は「農家は、FTAにならないかなど、いろいろな心配があるだろう」と述べた。JAグループとして6日、斎藤健農相に加え、茂木敏充TPP担当相と意見交換したと説明。農家の不安について伝え、茂木TPP担当相から「そのことを理解した上で協議する」との返答があったとした。

 安倍晋三首相が、対米交渉でTPP以上の譲歩はしないと明言していることを指摘し「そのことを大きな力として、どのような協議になるかを注視していきたい」とした。

 JA自己改革は「着実に進展しているという感触を持っている」とした。一方で、JAと組合員の認識に差があると指摘。訪問や業務中の話し合いなど、引き続き組合員との対話運動を展開する必要があるとした。
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増す農畜産物輸入 官民一体で国産振興を

 農畜産物の輸入攻勢が止まらない。財務省の貿易統計によると上半期(1〜6月)の輸入量は野菜、食肉ともに過去最高水準。野菜は春先の作柄不良が響き、食肉は需要の増加分を輸入に奪われた。輸入物の定着が心配だ。実需者と産地の連携強化や、官民一体となった国産振興が必要だ。  米国を除く参加11カ国による環太平洋連携協定の新協定(TPP11)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の合意で、日本農業は一層の市場開放が待ち受ける。国内への影響については、国会の議論が深まらないまま。だが、輸入農産物の脅威は確実に顕在化している。  上半期の生鮮野菜の輸入量は54万7381トンと、2001年の55万トンに迫る高水準。昨秋から今春にかけて国産の品薄高が長引き、飲食店や加工業者が結球野菜を中心に輸入物の調達を大幅に増やした背景がある。  さらに最近の猛暑などで国産の夏秋野菜が高値で推移しており、輸入業者は「通年で輸入量が100万トンを超える可能性もある」と指摘する。例えば秋冬レタスは、国産の不作を機に台湾産が定着しつつある。  食肉輸入も増えている。前年同期比2%増の101万7634トンと過去20年で最多。統計のある1988年以降では2度目の100万トン超えとなり、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意で輸入が異常に増えた96年と同水準となった。  問題は、国内の食肉消費が拡大する中で、低価格と安定供給を売りにした輸入肉が国産の需要を奪っている点だ。総務省の家計調査によると、ここ10年で食肉の年間支出額は21%増、購入数量は18%増えている。輸入量は10年間で31%(49万トン)増え、国内の需要増と輸入の伸びが重なる格好だ。  政府は、TPPも日欧EPAも輸出のチャンスと位置付ける。だが、農畜産物の2017年の輸出入実績を見ると、日本からの輸出額(林水産物を除く)約5000億円に対し、輸入額は10倍をはるかに超える6兆4000億円。日本では人口減が進んでいるにもかかわらず、輸入は右肩上がりの高水準となっている。  これが実態だ。産地が規模拡大に取り組み、コスト削減を進めても、供給面や価格面で優位性のある輸入物に太刀打ちできていない。スケールの違う海外と価格競争をしていては、産地は持たない。  政府は「食料・農業・農村基本計画」で国内生産の維持拡大による自給率向上を掲げる。だが現状は逆方向に突き進んでいる。中でも豚肉の17年度自給率(重量ベース)は、輸入増が響いて49%と過去最低を記録した。  求められるのは生産基盤の維持・拡充と、業務・加工向けに対する中間業者との連携だ。実需の求める「定時、定量、安定価格」にどう応えていくか。自給率向上へ、政府の支援と消費者の理解促進が欠かせない。
2018年08月07日


 

 


WSJ社説】

米共和党支持の「大きなうねり」は幻想

中間選挙での共和党大敗を予兆する証拠が積み上がっている

オハイオ州の下院補欠選挙に出馬した共和党のボルダーソン氏(左)とその応援にかけつけたトランプ大統領(4日)
2018 年 8 月 9 日 15:21 JST

 米共和党は、今のままでは11月の中間選挙で下院の過半数と多数の州知事ポストを失うことになるだろう。これは7日の補欠選挙が示す明確なメッセージであり、しかもそれを裏付ける証拠は増える一方だ。有権者の間では大統領の政策実績より、大統領自身の人物像のほうが影響力をもっており、流れを変えるようなニュースや戦略の変更がなければ、米国が左に傾く(つまり、民主党が優勢になる)結果になる公算が大きい。

 オハイオ州での下院の補欠選挙は、暫定投票や期日前投票の開票作業が続いているものの、共和党が僅差で勝利を収めたようだ。だが従来、共和党が強いはずの地域でその差が1%未満というのは、ほとんど強さを示したことにならない。民主党の得票率は、今年の他の全ての補選と同様に急上昇し、共和党候補のトロイ・ボルダーソン州上院議員は、州都コロンバス周辺を含むフランクリン郡(選挙区の一部)では2対1で負ける結果となった。

 共和党にとって不吉なのは、このオハイオ州の選挙区ほど共和党が強くない選挙区で現在保持している下院の議席が68ほどあることだ。この大半の選挙区は郊外で、共和党の地盤ではあるが、ドナルド・トランプ大統領の人をいら立たせるやり方や二極化させる政治手法を嫌う有権者が少なくない。民主党は2010年に失った下院の過半数を取り戻すためには、11月に議席数を23伸ばす必要があるが、その3倍ないし4倍の議席が激戦となる可能性がある。

 7日には、ワシントン州でさらなる証拠が示された。共和党が議席を保持する2つの選挙区で、期待通りの成果を上げられなかった。下院共和党指導部の一員であるキャシー・マクモリス・ロジャース議員は、混戦模様のスポケーンを含む地区の予備選で47.5%の得票率にとどまり、民主党のトップ候補を大きく引き離せなかった。7期務めている現職の同議員は、依然として秋の中間選挙の有力候補ではあるものの、勝つためには多くの費用を投じる必要があろう。

 州レベルでは、知事予備選での民主党の得票数が、共和党を13万7000票上回った。ミシガン州の司法長官ビル・シュエット氏は共和党の知事予備選で、同州副知事のブライアン・カレー氏を打ち負かすために、トランプ氏に取り入った。しかし、マリスト・インスティチュート・オブ・パプリック・オピニオンの最新の世論調査によれば、同州でのトランプ氏の支持率は35%である。一方の民主党は、バーニー・サンダース氏のお気に入りの左派候補よりも、経験豊富な政治家のグレッチェン・ホイットマー氏を知事候補に選出した。共和党のリック・スナイダー州知事の下で州経済が目覚ましく回復したにもかかわらず、州都のランシングは今や、秋の選挙で民主党が獲得できる可能性のある主要地となった。

 事もあろうに、カンザス州も同様の状況になりそうだ。知事選の共和党予備選でトランプ氏が支持するクリス・カバ氏が、現職のジェフ・コルヤー氏に対する191票のリードを維持した場合のことである。コルヤー氏は、サム・ブラウンバック前知事がトランプ政権に参加するため辞任した後に知事になった。カバ氏は、カンザスシティー郊外のジョンソン郡の共和党員らに対し、不法移民を国外追放することよりも彼らのことを気にかけていると訴え、彼らを納得させなければならない。

 7日の選挙は、この選挙をトランプ大統領に対する信任投票と位置付けるという現在のホワイトハウスの戦略に疑問を投げかけることになった。トランプ大統領は同日遅く、ボルダーソン氏のオハイオ州補選での勝利を自らの功績だと表明した。トランプ氏が4日夜に同州を訪問したことは、恐らく一部の共和党支持者の投票を促しただろう。しかし、まさにこのトランプ氏の訪問が民主党員の行動の誘因となり、一方ではトランプ氏を嫌う穏健な共和党支持者や無党派層の行動をためらわせる要因となったかもしれない。

 世論調査会社タランス・グループのエド・ゴイーズ氏によると、同社の調査では有権者の約31〜33%がトランプ氏を明確に支持しており、さらに11%前後はトランプ氏の人格に幾分疑念を持ちながらも、彼の政策とこれまでの成果をより重視しているという。これが、44%前後というトランプ大統領の支持率の説明となる。しかし、別の10%の有権者は、トランプ氏の成果には満足しているものの、人格面をより重視するため、職務評定面で不支持に回っている。

 この最後の10%のグループは、下院議席の過半数を維持する上で、共和党候補が郊外地域で確保する必要がある浮動票となる。彼らは、トランプ氏の中傷や、マスコミとの論争、レブロン・ジェームズ氏へのあざけりなどを好ましく思っていない。彼らは、ホワイトハウス内の移民規制強硬派によって引き起こされた家族分断の大失態を嫌っている。

 貿易保護主義も、大企業で働く共和党支持者、そしてこうしたスイング選挙区で生活している同党支持者たちのためにはなっていないうえ、関税の負担を感じ始めている。経済と租税に対する共和党政策の数々の成功は、トランプ氏の引き起こす不協和音によってかき消されている。

 この政治的な環境の中で、共和党の上院でも占める過半数議席は盤石ではない。共和党議席のうち激戦になるのは3つか4つだけだが、ネバダ、アリゾナ、テネシーの3州を失う恐れがある。共和党は上院過半数を堅持するため、民主党の現職を破る必要がある。それは、こういう年には簡単ではない。

***

 我々が感じているのは、共和党がどれほど危機にあるかを、同党を支持する有権者たちが認識していないということだ。そうした有権者の多くは、自分たちが安心できるメディア報道だけを視聴することで満足している。それは、「レッドウェーブ(共和党の赤い大きなうねり)」という幻想を繰り返し報じ、トランプ氏は勝利できないとメディアが決めつけていた2016年の大統領選挙を思い起こさせるような報道のことだ。だが実際には、メディアのほぼすべては民主党が再び勝つことを望んでいる。16年のサプライズから我々が学んだ教訓の一つは謙虚さだった。

 しかし、それは共和党が陥っている苦境の証拠を無視する口実にならない。トランプ氏は16年に、マイケル・デュカキス氏以来の最も弱い民主党候補のヒラリー・クリントン氏を相手にかろうじて勝利した。そのヒラリー氏は今年、(中間選挙に)立候補していない。ミシガン州知事選の予備選で敗退した前出のカレー氏は8日、弁明のつもりで、「これはトランプ大統領の共和党だ」と述べた。11月に答えがでるのは、共和党が過半数を維持した与党でいられるかどうかである。

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共和党に警告灯、中間選挙に向けた課題浮き彫り
オハイオ州第12選挙区の下院補欠選挙で勝利宣言する共和党のトロイ・ボルダーソン候補

By Reid J. Epstein and Andrew Duehren
2018 年 8 月 9 日 16:36 JST

 【ワシントン】全米5州で7日に実施された各選挙は、共和党が郊外でますます苦戦を強いられる状況を浮き彫りにした。11月の中間選挙では僅差の争いになる選挙区が増える可能性がある。

 オハイオ州第12選挙区の下院補欠選挙では、共和党のトロイ・ボルダーソン候補が同日夜、僅差で勝利したと宣言した。その差はわずか0.9ポイントだ。ボルダーソン氏は準郊外・地方部で広く支持を集めたが、一方、州都コロンバスとその郊外では民主党のダニー・オコナー候補が大きくリードする結果となった。

 ボルダーソン氏は、共和党が使える限りの戦術を全て繰り出したうえで辛うじて優位に立った。オコナー氏と民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務を関連づける広告に500万ドル(約5億5000万円)以上をつぎ込んだほか、投票前には共和党の支持基盤を勢いづけようとドナルド・トランプ大統領も駆けつけて演説した。

 それでも最終的には再集計となる可能性がある。共和党内には、数十の選挙区で激戦が予想される中間選挙では同じ作戦が通用しないと警戒する声が出始めている。

 一方、オコナー氏の善戦は民主党にとって追い風となる。2016年の大統領選ではトランプ氏が同選挙区を11ポイント差で制しており、同時に実施された下院選でもパット・ティベリ氏(共和)が36ポイント差をつけて再選されていた。

 クック・ポリティカル・リポートの8日の分析によると、共和党の現有議席のうちオハイオ州12区よりさらに動向の不確かな議席が68ある。中間選挙で民主党が下院の過半数を奪回するのに必要な議席数は23だ。

 ティム・ライアン下院議員(民主、オハイオ州)は「共和党にとってこの結果は(いち早く危険に気づいて人間に知らせる)『坑道のカナリア』だ」と語った。

 オコナー氏の選挙戦に関わった民主党関係者は、トランプ氏が4日夜の集会に登場したことが、共和党支持者の投票率上昇につながったと指摘する。ただ、共和党指導部は、トランプ氏が何十もの連邦議会選挙区で同じパフォーマンスを繰り返すことは難しく、全ての激戦区に数百万ドルずつ投じることもできないと危機感を示す。

 オハイオ州以外では、大統領の影響力はさほど顕著ではなかった。カンザス州知事選の共和党予備選では投票前日にトランプ氏がツイッターで口を挟んだ。現職ジェルフ・コルヤー氏の対立候補で、州務長官を務めるクリス・コバチ氏を支持するコメントを投稿したのだ。

 予備選前の世論調査では両候補がほぼ肩を並べる戦いを演じていた。現時点でコバチ氏がわずかにリードするものの、勝敗の予測はつかない状況だ。

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 AP通信はオハイオ州下院補選もカンザス州知事選の共和党予備選も、接戦で予断を許さないとして勝者を報じていない。

  コバチ候補は以前からトランプ氏との関係が深い。大統領選でトランプ陣営の移民政策の助言者を務めたほか、2016年の選挙で数百万人分の不正投票があったとするトランプ氏の主張に基づく大統領諮問委員会(すでに解散)を率いていた。

 カンザス州議会のステファニー・クレイトン下院議員(共和)は、トランプ氏の支持表明の効果は最小限にとどまったと話す。コバチ氏とトランプ氏がかねて親しい関係にあることを有権者は十分承知していたからだ。

 「トランプ氏のツイートが事態を好転させるのに役立ったとは全く思わない」と同氏は語っている。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/630.html#c2

[国際23] オハイオ補選は薄氷の勝利…トランプ“人気取り政策”加速か(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
3. 2018年8月09日 21:41:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1193]

トランプ政権がドル安に向け行動を起こす可能性も想定−JPモルガン
Andrew Mayeda
2018年8月9日 9:28 JST
• 一段と介入主義的な通貨政策への転換、排除できないとフェロリ氏
• 為替介入があっても「不胎化」によって金融政策への影響遮断か

Photographer: Andrew Harrer / Bloomberg
米国が幾つかの国・地域との間で通商対立を繰り広げる中で、弱いドルを望むトランプ大統領がその実現に向け行動する可能性があるとの見方をエコノミストは真剣に受け止め始めている。
  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は今週の調査リポートで、「現政権が時々、ドル安選好をほのめかしたり、中国による為替操作と受け止められるものに反対を表明したりする点を特に踏まえると、当社の基本シナリオではないものの、一段と介入主義的な通貨政策への転換の可能性を排除することはできない」と指摘した。
  トランプ大統領は先月の一連のツイッター投稿で、中国やユーロ圏が為替操作を行っていると非難するとともに、ドル高によって米国の「競争上の優位性」がそがれていると不満を表明。さらに、米金融当局の利上げに言及して、「現在の引き締めはこれまでの努力全てを損なう」と論じていた。
  米国が外国為替市場で最後にドル売り介入を行ったのは、主要7カ国(G7)がユーロを買い支えた2000年。米国によるドル買い介入は、11年の東日本大震災後に急速に進んだ円高に歯止めをかける国際的な取り組みに参加して以来行われていない。
  しかしアナリストらは、トランプ大統領が口先介入に続いて実際に行動を起こし、米連邦準備制度の独立性にも影響を及ぼす可能性に警戒しつつある。
  フェロリ氏は「連邦準備制度はドル政策について、財務省と共同歩調を取ってその主導に従うという従来の役割を果たすと考えられる」とコメント。ただ、実際に為替介入が行われたとしても、金融当局はその効果を相殺する「不胎化」の公開市場操作を通じてマネタリーベースを不変に保つと想定され、金融政策への影響はないだろうとの見方を示した。
  
The Shots Fired So Far In the U.S. - China Trade War
The scale of the conflict is growing, based on imposed and threatened tariffs
Source: U.S. Census Bureau, U.S. and Chinese announcements
原題:JPMorgan Says Trump May Sell Dollars as Weapon in U.S. Trade War(抜粋)


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/630.html#c3

[国際23] 北朝鮮に核兵器の引き渡し再三要求か 米国務長官〜半年ほどの間に核兵器の6割〜7割を米か第三国に渡すよう求め…/テレ朝 仁王像
2. 2018年8月09日 21:45:16 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1194]

普通に予想するなら、トランプが動かない限り

今後も、国務長官など完全無視だろう


http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/633.html#c2

[国際23] 「いっそ戦争でも起きれば」北朝鮮国内で不気味な世論が台頭(ニューズウィーク)  赤かぶ
3. 2018年8月09日 21:51:15 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1195]

>北朝鮮国民はそのしわ寄せで生活が成り立たないような状況に追い込まれている
>今回のように3分の2も持って行かれたことはなかった。1ヶ月に200元でも苦しいのに100元しかもらえず、どうやって生きていけばいいのか目の前が真っ暗

いつものことだ

以前は、実際、餓死者が続出していた


>戦争にでもなればいい
>これで豊かになれる」という期待が裏切られ、一向に楽にならない暮らしへの嘆きから、再び頭をもたげつつある

こういうのは、大体、一部の人間、それも口だけだ

現実には、トランプのおかげで、当面は、政治も経済も安定に向かい

平和が保たれる可能性が高いだろう



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/632.html#c3

[国際23] 情報を操作しきれない米支配層は言論封殺へ切り替えてきた(櫻井ジャーナル)  赤かぶ
3. 2018年8月09日 21:56:37 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1196]

>日米を含む西側の支配層は有力メディアを完全に制圧し、プロパガンダ機関化

#変な勘違いをしているようだが

基本は、右派の悪質なデマやヘイト投稿者を中心とした削除

しかもTwitterなどはまだOKだ

 

テクノロジー2018年8月7日 / 08:03 / 2日前
フェイスブックやユーチューブなど、陰謀論者ジョーンズ氏の投稿削除
2 分で読む

[6日 ロイター] - 米フェイスブック(FB.O)は6日、右派のラジオ司会者、アレックス・ジョーンズ氏が同社の規範に反する内容を繰り返し投稿したとして、同氏のコンテンツを削除したと発表した。

フェイスブックはジョーンズ氏が、「暴力を美化し、暴力に関するわれわれの規範に違反した。また、トランス・ジェンダーやイスラム教徒、移民に対する非人間的な言葉遣いは、われわれのヘイトスピーチに関する規範に違反する」とした。

米アルファベット(GOOGL.O)傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」もまた、ジョーンズ氏のチャンネルを削除。広報担当者は電子メールで、ヘイトスピーチとハラスメント(嫌がらせ)などを禁止する方針に反する投稿があったと説明した。

米アップル(AAPL.O)は、陰謀論やフェイクニュースの拡散で知られるジョーンズ氏のサイト「インフォウォーズ」のポッドキャスト番組の大半を削除。広報担当者は文書で、「ヘイトスピーチを容認しない」と強調した。

このほか、音楽・ポッドキャストのストリーミングサービスのスポティファイ(SPOT.N)も6日、インフォウォーズの番組を全て除外したと発表した。同社の担当者は、ジョーンズ氏が繰り返し禁止事項を定めるコンテンツポリシーに違反したため、同氏へのサービス提供を停止したと説明した。

ジョーンズ氏は1999年にインフォウォーズを立ち上げた。立ち上げ以来、サイトの読者は増大している。ジョーンズ氏は、2001年9月11日の米同時多発テロは米政府の仕業だったなどの陰謀論を唱えている。

フェイスブックは7月下旬、ジョーンズ氏の投稿内容がいじめとヘイトスピーチに値するとし、同氏の個人プロフィールを30日間停止した。

一方、インフォウォーズのアプリは引き続きアップルの「アップストア」、アルファベットの「グーグルプレイ」で取り扱われているほか、短文投稿サイトの米ツイッター(TWTR.N)はインフォウォーズのアカウントは利用規約に違反していないとして、停止していない。アルファベットとアップルからは、同アプリの取り扱いを継続している理由についてこれまでのところコメントを得ていない。


 

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/631.html#c3

[中国12] 中国は日本よりもブラック労働?中国人自身の見方は…  赤かぶ
1. 2018年8月09日 22:10:45 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1197]

戦時中の日本や、今の北朝鮮もそうだったが

生産性が低い貧しい国では労働時間が長いのは当然だ

それに加え、米国以上の超格差社会で、党貴族による搾取が厳しいのだから

底辺労働者が厳しいのは当然

それでもグローバル経済の恩恵で、以前に比べれば都市部を中心に劇的に向上している

ただし、今後、それが崩壊していくリスクも高い


 

コラム2018年8月9日 / 13:38 / 2時間前更新
コラム:米LNGに関税、中国の報復戦略は「諸刃の剣」
Gina Chon and Lauren Silva
2 分で読む

[ワシントン/ダラス 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の米エネルギーに対するダブル攻撃は効果的だが、同時にリスキーでもある。中国政府は、急成長している米輸出品の液化天然ガス(LNG)に関税をかける方針だ。イラン産LNGでその穴を埋めることは可能だが、米国による対イラン制裁を無視することになる。

LNGに対する25%の関税は、中国が3日発表した600億ドル(約6.6兆円)相当の米国製品に輸入関税をかけるとした措置の一環で、再びトランプ米大統領の急所を突くものだ。

中国が大豆や小麦、トウモロコシや牛肉を含む340億ドル相当の米農産物に関税をかけたことを受け、トランプ大統領は、中国が自身の支持者の中核をなす農家を標的にしており、「悪意がある」とすでに批判していた。

トランプ大統領は、米国の「エネルギー支配」を確立すると約束しており、とりわけLNGを売り込んでいる。米国は2017年、前年比で約4倍となる日量20億立方フィートのLNGを輸出した。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)によると、中国は3番目に大きな買い手である。米企業は成長する輸出市場に対応するため、港やLNGチェーンの設備を拡張している。

中国は米国産LNGの一部をイラン産に置き換えることが可能だ。米国が、11月6日の中間選挙の前日にイラン産原油やエネルギーに対する制裁を復活するとしているにもかかわらず、中国政府は8日、イランとの取引を続けると発表した。報復関税による雇用喪失や売り上げ減少への懸念が高まる中、共和党議員はトランプ大統領に中国との緊張緩和に努めるよう求めている。

現在すでにイラン最大の貿易相手国である中国が、イランからLNGを購入すれば、米国による対イラン制裁の穴を埋めることになる。その一方で、トランプ大統領が活気づけようとしている米国内産業に対するプレッシャーは高まるだろう。S&Pグローバル・プラッツによると、6─7月のイラン産原油・ガス輸出は各国が米制裁の再開に備える中で落ち込んだが、対中輸出は11%増加した。

トランプ大統領は7日、「イランと取引する者は、米国と取引しないようになる」とツイッターに投稿した。中国の銀行や企業は、ドル決済ができなくなったり、刑事訴訟に直面したりする可能性が出てくる。あるいは、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)(000063.SZ) (0763.HK)を米国内で廃業寸前まで追い込んだような輸出規制に直面するかもしれない。同社は2017年、米国による対イラン制裁に違反したと認めた。

中国は、トランプ大統領が先に折れると踏むリスクの高い賭けに出ようとしている。

ZTE Corp
14.3
000063.SZSHENZHEN STOCK EXCHANGE
+1.30(+10.00%)
000063.SZ
000063.SZ0763.HK
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


 

 
中国が報復、23日から米製品に追加関税を賦課へ−貿易摩擦が激化
Bloomberg News
2018年8月8日 22:04 JST 更新日時 2018年8月9日 2:31 JST
中国、160億ドル相当の米製品に25%の関税賦課へ
対象リストには石炭や医療機器、自動車などが含まれる
中国は新たに160億ドル(約1兆7800億円)相当の米国製品を対象に8月23日から25%の関税を賦課することを確認した。これより先に米政府が発表していた追加関税と同規模の措置で対抗する。

  中国商務省は発表文で、中国製品160億ドル相当に25%の追加関税をかけるという米国の決定は「非常に理不尽だ」とし、正当な利益と多国間貿易体制を守るために報復せざるを得ないと表明した。

  こうした報復の保護主義的な措置はさらに強まる見通しだ。米政府は中国からの輸入品2000億ドル相当への10%関税賦課について検討しており、9月6日の意見公募期間終了後に同関税率を25%に引き上げる可能性もある。米国が同関税を発動した場合、中国は米製品600億ドル相当に関税をかける用意が整っている。

  中国が8日公表した対象リストには、数百品目が新たに加わり、石炭や医療機器、自動車、バスなど幅広い。発表文によれば、今回の関税は北京時間午後0時1分と、米関税と同時に発動される。

  米国は今週、中国製品160億ドル相当への25%の追加関税を今月23日から適用すると発表していた。オートバイや蒸気タービン、鉄道車両など279品目が対象となる。米通商代表部(USTR)が7日に電子メールで声明を送付した。

  米政府は7月6日に340億ドル相当の中国製品に対する25%関税を発動、中国は即座に同様の報復措置に出ていた。

原題:China to Match Latest U.S. Tariff Shot as Trade War Ratchets Up(抜粋)

(中国の発表文など、新たな情報を追加し更新します.)


 


 

中国のITブーム支えた資金に変調−ファンドやVCの資金調達半減
Lulu Yilun Chen
2018年8月9日 14:25 JST
初期の資金支援目的のファンド調達は53%減−清科研究中心の調査
資金支援とエグジットのどちらも芳しくない−マ氏

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
世界で最も急速に広がったテクノロジーブームの一つに拍車を掛けた資金調達の嵐が収まりつつあるかもしれない。

  中国の清科研究中心が投資会社36社を対象に実施した調査によると、1−6月(上期)に新興企業向けのシードマネーや初期の資金支援を目的にこれらファンド運営会社が調達した資金は、前年同期比53%減の38億2000万元(約620億円)だった。また、同国のベンチャーキャピタル(VC)234社が上期に調達した合計は同44%減の795億元と、505億元を集めた2014年7−12月(下期)以来の低水準だった。

  調査結果は、新興企業向け投資が向こう数カ月に減速し始める可能性を示唆するものだ。中国当局が進める企業債務圧縮の取り組みに、株式市場の混乱や世界的な貿易摩擦激化が重なり、ベンチャー企業の新規資金調達能力を妨げている。

  清科研究中心のデータは、初期支援のための資金が急激に減少し、テンセント・ホールディングス(騰訊)やアリババ・グループ・ホールディングのように今なお投資家を引き付ける知名度の高いインターネット大手よりも、創業間もない企業の方が深刻な打撃を受ける状況を浮き彫りにしている。比較的規模の大きい新興企業向けを含む全体の上期の投資額は前年同期比15%増の約1170億元だった。
            

Chinese VC Money Shrinks
Funds raised in first half slump 44% to lowest since 2014


Source: Zero2IPO

  清科研究中心の調査によると、新規株式公開(IPO)や売却によるエグジット(投資資金の回収)は前年同期比65%減の271件となった。エグジットも資金調達同様に減少したことは、バリューションが低下しディール意欲を失わせる状況を示唆する。

  同社のアナリスト、マ・ルイ氏は今週発行したリポートで、「財務リスクやマクロ経済全体に対する警戒から、資金調達とエグジットのどちらも芳しくない」と述べた上で、「投資活動は将来的に落ち込む見通しだが、資金不足ではない金融機関にとっては向こう半年から1年は掘り出し物に投資する重要な期間だ」と指摘した。
       
原題:Tech Startup Funds Plummet in China as Easy Money Dries Up (1)(抜粋)

http://www.asyura2.com/17/china12/msg/773.html#c1

[経世済民128] 止まらない人民元安、米中貿易紛争の影響も大きく(マネーポスト) 赤かぶ
6. 2018年8月09日 22:14:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1198]

#現状では、悲観的な見方と、楽観的な見方が、交錯しているということだ

 

 


ビジネス2018年8月9日 / 19:24 / 1時間前更新
関税引き上げや保護主義で、世界経済のリスク高まる=ECB
1 分で読む

[フランクフルト 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は9日に公表した定例の経済報告で、保護主義のリスクや米関税引き上げの可能性が信頼感を損ねており、世界経済成長へのリスクは拡大していると指摘した。

ECBは「米国の関税引き上げを巡る行動や警告、また対象となる国が報復措置を講じる可能性を背景に、世界経済への下方リスクは高まっている」とした。

また、導入の可能性が発表されている措置がすべて実施されれば、米国の平均関税率は過去50年でみられなかった水準に上昇すると指摘した。

このほか、外的リスクは高まっているものの、域内の成長は堅調とみられ、短期的な指標は経済の広範囲で底堅い拡大を示しているとの見解を示した。
 

 


外為フォーラムコラム2018年8月9日 / 14:28 / 2時間前更新
コラム:人民元安の後に来る「リスクオン相場」の足音=高島修氏
高島修 シティグループ証券 チーフFXストラテジスト
5 分で読む

[東京 9日] - 米中による貿易戦争が熾烈化する中、人民元安が進行中で、中国株の値崩れも目立つ。特にハイテク株への依存度が高い深セン株式市場は2015年初来の安値圏にまで下落している。

この中国市場の混乱を横目に、市場で渦巻くリスク回避志向はなかなか払拭されずにいる。

だが、今回の人民元安とそれを促している中国政府・当局による大胆な金融緩和策が、中国最大の懸念材料だった資本流出問題を引き起こしていないことを思えば、数カ月後にわれわれが目にするものは、失速気味だった中国経済の回復と、資源国・新興国を中心とした世界的なリスク選好の回復ではなかろうか。

この7―9月期のドル円は7月につけた113円台の高値を上限に、引き続きレンジ色の濃い展開が続きそうだが、今年10―12月期から来年1―3月期にかけてはその水準を超えるドル高円安が進行する可能性が強まると見込んでいる。

<予想外の人民元安>

白状するならば、筆者にはこの間、人民元に絡んで、いくつかの誤算があった。1つは予想以上の人民元安が進行したことだ。通貨バスケット制を建て前とする人民元の対米ドル相場は従来、ユーロドルとほぼ並行的に変動してきた。

そのユーロドルは2月に1.25ドル台の高値をつけた後、5月には1.15ドル台まで値崩れした。その時点で人民元は対米ドルで6.3元台で推移していたが、2017年以降の両者の関係から推察するに、筆者はざっと6.6元前後まで元安が進行する事態を警戒していた。

そうした中、6月のシンガポールでの米朝首脳会談の直後にトランプ大統領が対中関税政策の実施を表明。米中貿易戦争の勃発が明確になった6月中旬以降、中国では金利低下が鮮明になった。

その時点での人民元安進行には筆者はあまり強い違和感は覚えていなかった。だが、人民元相場は7月後半に入ると、6.7元台に続落し、今月は2016年末につけた6.9元台の安値に迫る下落となってきた。3カ月前にはまさかここまで急激な人民元安が進行するとは考えていなかった。

<予想外に起こらない資本流出>

筆者にとってもう1つの誤算は、ここまで急激な人民元安が進行しているにもかかわらず、中国から海外への資本流出問題に火がついていないことだ。中国は3年前の2015年8月に突如、人民元切り下げを発表した。当時も上海株が急落するなど、中国経済の減速懸念が高まっていた。

日本もそうだが、ある国が景気刺激に動く時には通貨安は欠かせない。その意味では、3年前に中国が人民元切り下げという通貨安政策に踏み切ったことは経済政策としては正しい選択肢だった。

ただ、それは思わぬ副作用を生んだ。中国の通貨当局はその時、人民元切り下げの理由として、事実上、ペッグしている米ドルが通貨高になったことで、人民元がユーロや円、韓国ウォンなどアジア通貨に対して割高化し、国際競争力を失っていることを強調した。そのため、先々の人民元安を警戒した中国国内外の投資家(含む預金者)が金融資産を中国から海外へシフトさせ始めたのだ。

正確な数字は分からないが、ある試算に基づくと、2015年後半の中国から海外への資本流出額は月々10兆円を超えていた模様だ。これは昨年の日本貿易黒字額(年間約4兆円)の2倍を超える。当時の中国からの資本流出がいかに凄まじかったかが分かろう。

この資本流出とそれに伴うさらなる人民元安という負のスパイラルに中国政府が当初は為替介入で対処したため、2014年に4兆ドルに達していた外貨準備は2016年には3兆ドルまで急減することになった。

最終的にはその頃から中国は資本規制の強化と、米国を上回る金融引き締めによって人民元安と資本流出に歯止めをかけた。その時に中国政府・当局は相当な恐怖を味わったと思われ、再び資本流出を引き起こしかねない人民元安には相当、慎重だろうと筆者は思っていた。だが、実際には上記の通り、中国は6月以降、金融緩和によって急激な人民元安を促してきた。

しかも、それにもかかわらず、今回は現在までのところ目立った資本流出の兆しはうかがえない。外貨準備もそれを裏付けるように、6月、7月と緩やかな増加を示している。金融緩和策を用いて人民元安誘導を図ることは、筆者には極めてリスキーなゲームに思えたが、実際には中国はそれを断行し、そればかりか、現在までのところ予想外にうまく状況をコントロールしているのである。

昨年7月に香港経由で中国本土の債券市場に投資する「債券通(ボンドコネクト)」が創設されるなど、海外から中国への投資フローの流れが従来よりも多様化したことが、こうした大胆な策を可能性にさせているのかもしれない。

<中国株底入れは米中間選挙後か>

こうなってくると、少なくとも中期的には人民元安が世界市場に与える影響について、筆者の従来の考えを改める必要がありそうだ。

つまり、筆者は従来、人民元安は資本流出問題、ひいては中国による引き締め措置を引き起こす、リスクオフ的な要素と捉えてきた。だが、現実的には現在の人民元安は中国の景気刺激策の反映であり、リスクオン的な要素として捉えることが妥当になってきた。

思い起こせば、3年前の2015年8月に実施された突如の人民元切り下げにしても、その時こそ中国や海外の株式市場を下落させるなど、リスク回避的な反応を生んだが、それを契機に中国の経済政策が景気抑制から景気刺激に変化したことが、最終的には世界的にも原油安など2015年のリスクオフ相場から2016年以降のリスクオン相場への転換を促すことにつながった。

今回の中国の緩和策と人民元安が今年後半から来年にかけて中国国内外で同じような景気刺激効果をもたらすのではなかろうか。急落・低迷してきた銅や鉄鉱石を含め資源相場もここにきて底入れの兆しが散見されるようになってきた。実際、8日に発表された中国の貿易統計(7月)では、銅や石炭など資源輸入(数量)が力強い回復を見せた。

もしこの解釈が正しければ、4月以降調整局面にある新興国市場も2016年に急反発したブラジル市場のように回復傾向を強めることになろう。豪ドルなど資源国通貨も持ち直し色を強めていくはずだ。2015年の例で言うと、8月の人民元切り下げの後、中国株が底入れしたのは約半年後の2016年2月だった。

今回、人民元安が鮮明になったのが5―6月だったことを思うと、今年11―12月ぐらいが中国株底入れの時期として意識される。これは米国で中間選挙が終わるタイミングと重なる。

もちろん、トランプ大統領が容易に貿易戦争を終結させることはなかろう。実のところ今回、トランプ政権は高関税政策で中国に貿易戦争を仕掛けるだけでなく、現在、中国を念頭に米国企業への投資を制限する法案の検討を進めている。欧州でも最近、ドイツが中国からの投資の制限に動き始めた。

一方、中国は米ハイテク企業クアルコムによるオランダ企業買収に許可を下さず、その実現を阻んだ。先般、習近平国家主席からの強い要請で、中国のハイテク企業・中興通訊(ZTE)の制裁を解除したトランプ大統領としては煮え湯を飲まされた思いだろう。

もはや、米中関係の緊迫化は貿易戦争にとどまらず、投資を含めた経済分野全般に広がり始めている。米国と中国は単なる通商摩擦ではなく、産業覇権を巡る争いを始めている。だが、こうした長期的な懸念がくすぶる中でも、中間選挙という、いったんのクライマックスを過ぎれば、市場は不透明感が後退したと解釈し、リスクオフからリスクオンへの切り替えを進めていくのではなかろうか。

高島修氏(写真は筆者提供)
*高島修氏は、シティグループ証券のチーフFXストラテジスト。1992年に三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行し、2004年以降はチーフアナリスト。2010年シティバンク銀行入行、チーフFXストラテジストに。2013年5月より現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:麻生祐司)

 

 


外為フォーラムコラム2018年8月9日 / 11:13 / 2時間前更新
コラム:貿易戦争を乗り越える米中経済、日本への教訓=村上尚己氏
村上尚己 アライアンス・バーンスタイン(AB) マーケット・ストラテジスト
4 分で読む

[東京 9日] - 前回7月11日付のコラムでは、関税引き上げの対象幅が広がり貿易戦争となっても、米国経済の成長が継続し得るとの見通しを述べた。

7月にはトランプ米政権が新たな関税リストを発表。米中間の通商摩擦が一段と激化したが、米国株が上昇するなどリスク資産の多くは値を戻した。7月末に米国と欧州連合(EU)の間で通商政策がとりあえず合意に至ったこともあるが、米中が水面下で交渉を行っているとの思惑、さらには米国経済が依然好調を保っていることが、米国株式市場を支えるという構図が続いている。

2018年1月から7月末までの世界株式市場のパフォーマンスをみると、米国株式市場のアウトパフォームが目立ち、ほぼ一人勝ちの状況である。米国では、イノベーティブなインターネット関連サービスを提供する企業の株式市場に占めるウエートが他国よりも高い。これらの企業は、関税引き上げのリスクが高まっても、その影響は限定的だ。

そうした企業の株式がリスク資産の投資対象として選ばれやすいだろう。貿易戦争に起因する不確実性があっても、裾野の広さが米国株式市場を支えているということである。

<為替市場でも米国一人勝ち>

もちろん、強硬な通商政策を続ける中で、トランプ政権による減税や財政支出を受けて米国経済の高成長が続いていることも、株高を支えている。

言うまでもなく、米国は国内需要の規模が大きい。そのため、多くの企業の売上げ・利益が増え、貿易戦争に直面するグローバル企業の業績下振れリスクを相殺できている、ということだろう。

株式市場が米国のほぼ一人勝ちとなる中で、7月末時点で日本、欧州、新興国全体などの株式は総じて年初来のリターンが小幅ながらマイナスとなっている。そして、新興国の中でも、6月から中国、韓国などのアジアの株価指数の悪化が目立つ。貿易戦争を仕掛けている米国の株式市場は6月から7月に上昇したが、アジアの株式市場などは追随できないだけでなく、むしろ停滞している。

経済的には、貿易依存度が高いアジア新興国において通商摩擦の悪影響が大きい。中国も、600億ドルの輸入に対して新たな関税引き上げを公表したことで、1300億ドル規模の対米輸入のほとんどの品目に対して追加関税が適用されることになったが、少なくとも関税引き上げについては、中国の対応は限界に近づいているようにみえる。

米中関税引き上げの「最大値」がみえつつある中で、現在水面下で行われているとされる交渉や自国経済への悪影響などを勘案すると、今後、対象品目が削減される可能性もあるだろう。米中政治情勢を予想することは難しく、米中間選挙(11月実施)が近づく9月にかけて、株式市場が再び上下する可能性はあるが、通商摩擦のさらなる深刻化がないとすれば米国株式の年初来高値超えも十分あり得るのではないか。

米中による関税引き上げといった通商政策、投資制限政策などは、長期的にみれば自国経済に悪影響を及ぼす「悪手」ではある。軍事的な覇権を保つという米国の政治方針がより優先され、経済的に望ましくない政策が実現している。ただ、関税引き上げは長期的な悪影響をもたらすが、短期的には雇用・生産拡大などの効果もある。拡張的な財政政策の支えもあり、1―2年程度の時間軸では米国経済へのネガティブ要因は限定的にとどまるとみられる

また、関税引き上げに伴う輸入コスト上昇は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げなどによるドル高によって、その影響をある程度和らげることができる。

なお、2018年の米国の一人勝ちは、為替市場でも観察されている。成長率が高まる中でFRBが利上げを続けていることを背景に、ドルは7月末時点で世界通貨に対して5%ほど上昇している。トランプ大統領による為替市場への言及などで、一時的なドル安をもたらす場面があるとしても、金利上昇やドル高が進む経済環境もまた変わらないと思われる。

<中国経済の安定成長は可能>

一方、中国については、前述した通り関税引き上げがほぼ限界に達していると思われ、政治的にも経済的にも立場は苦しいようにもみえる。

ただ、通商政策において中国の打つ手は限られるとしても、自国経済の成長を刺激する政策により、米国が仕掛ける貿易戦争の悪影響を緩和することは、一定程度可能だろう。

中国は資本移動が完全に自由ではなく、またインフレ率は低位で安定している。春先から大幅な通貨安に見舞われ、利上げを迫られている他の高金利新興国とは状況は異なると位置付けられる。

実際、中国人民銀行(中央銀行)は4月から預金準備率の引き下げなどの金融緩和によって、銀行に対する流動性供給を増やし、また社債市場のリスクプレミアムを和らげるなど、信用緩和政策を行っている。さらに、中国政府は7月、インフラ投資などの財政政策を拡大させる方針を打ち出した。

これらの政策が、経済成長率全体を押し上げるかどうかは、現状不透明な部分が大きいが、圧力を強める米国に対抗するために、中国経済を支える可能性があるのではないか。

ちなみに、当社の中国担当エコノミストは、今後、景気刺激策がスムーズに行われることが、中国経済の安定成長が続くために重要であるとし、これまでの金融政策などの対応に関して総じて前向きに評価している。

また、関税引き上げは広がっているが、経済成長率の想定については、年初からほぼ変わらない。そして、3月末以降の人民元安は、金融緩和と総じて整合的であると位置付け、緩やかではあるがさらなる人民元安があり得るとみている。

拡張財政で高い成長を謳歌する米国に続き、今後、仮に中国が成長下支えに本腰を入れ、拡張的な財政・金融政策を行えばどうなるか。米中を中心に通商政策への懸念が晴れないままでも、世界経済の安定成長が2019年まで長期化する可能性はあるのではないか。

米国の景気回復がリーマン・ショック以降10年近く続いてきた中で、財政・金融政策がその役割を終えたといった議論があることは承知している。だが実際には、インフレ安定の状況が続く中で、トランプ政権が通商政策を仕掛けたことによって、財政政策を含めた経済安定化政策の方向が、経済成長、金融市場のパフォーマンスを左右する状況に変わりつつあると認識すべきなのではないか。

それは、脱デフレの道半ばにある日本についても当てはまる可能性がある。2018年の日本の株式市場がさえない一因は、財政・金融政策がしっかりと機能していないことを意味するのかもしれない。

最後に言い添えれば、日銀が7月末に決めた新たな政策方針には、「金融緩和徹底」「金融引き締め」の双方の措置が取り入れられた。これは、経済や市場にはほぼ中立的な影響を及ぼすとみられる。

低インフレが問題となっている日本経済の状況を踏まえると、金融引き締めよりも、金融緩和強化あるいは拡張的な財政政策が必要だと筆者は考えている。

村上尚己氏(写真は筆者提供)
*村上尚己氏は、米大手運用会社アライアンス・バーンスタイン(AB)のマーケット・ストラテジスト。1994年第一生命保険入社、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、マネックス証券などを経て、2014年5月より現職。近著に、「日本の正しい未来 世界一豊かになる条件」(講談社刊、2017年11月)。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:麻生祐司)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/142.html#c6

[経世済民128] インフレ率と失業率が同時に低下...日本経済、どう読みゃいいのか 「デフレ脱却確率」を示す二つの結果(現代ビジネス) 赤かぶ
2. 2018年8月09日 22:19:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1199]

>>01 IT化とAI拡大による省力化もさらに加速してくる

と言うか、既に加速しつつあるが、それが労働需給に、どう影響を及ぼすか

そして国内産業の生産性が十分、競争的であるかが、注目だ

ビジネス
2018年8月9日 / 18:29 / 2時間前更新
アングル:逼迫する雇用需給、賃金より「働き方」 企業に変革も
2 分で読む


[東京 9日 ロイター] - 都内の外食産業に勤務している原田美咲さん(24)はアパレルメーカーへの転職を考えている。動機は、給与面の待遇だけではない。「お金か、フレックスタイムか、と聞かれたら、フレックスタイム」と話す彼女が求めるのは、生活の質の改善だ。

労働者の求めるものが変わりつつある中、深刻な人手不足も相まって、採用する側の企業も変革を迫られている。

厚生労働省によると、今年6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.62倍と、44年4カ月ぶりに1.6倍台となった前月をさらに上回った。

総務省が集計している労働力調査では、同月の完全失業率は2.4%と4カ月ぶりに悪化したものの、その水準は依然として低く、企業の人手不足感は色濃い。

こうした中、柔軟な勤務形態や企業内の託児所、それに家賃補助などの福利厚生は、働き手にとって、賃金とともに重要な条件とみなされている。欧米諸国では一般的な「特典」も、日本では広がり始めたばかり。日本は最近まで、職の安定や緩やかな昇給と引き換えに、雇用主に忠誠を誓う文化が根強く残っていた。
企業にも変化が訪れ始めた。トヨタ自動車は4月、愛知県豊田市の本社工場近くに事業所内託児所を開業。
人材獲得の競合を避けるため、首都圏からあえて離れた場所にオフィスを開設した例もある。ジェイテクトIT開発センター秋田の今井深見代表取締役は、秋田県に拠点を設けた理由について「ソフトウェア開発人材を採用する上で、同業他社が少なく有利」と説明する。

一方、同じく自動車部品のサプライヤーであるデンソーは逆の手法を取る。同社は今年4月、東京都港区に自動運転などの研究開発を行うための拠点を設けた。本社のある愛知県よりも、東京の方が専門性の高い技術者が集まりやすいと判断した。

<適応を迫られる企業>

国立社会保障・人口問題研究所は、2015年に1億2709万人だった日本の人口が50年後の2065年に8808万人に減少すると推計。このうち生産年齢人口は4529万人と、3000万人余りの大幅減になると予想されている。

一部の企業では、すでに人手不足の影響が出始めた。半導体を扱うシリコンテクノロジーは、十分な労働力を確保できず、長野県に構える工場の稼働率を半分に抑えている。東洋紡は、フラットパネルディスプレイに使用するフィルムを増産する必要があるとしているが、生産ラインを十分確保できていない。
企業側にとっては、従業員の退職を食い止めることも喫緊の課題だ。航空機メーカー向けに機体の組み立てなどを行う大起産業は、ベテランの職人が後輩を個別に指導する「メンター制度」を導入し、離職者をゼロにした。

求人メディアの運営等を行うインターワークスの笹生剛志メディア&ソリューション事業部長は「給与のみでは人材獲得が難しい状況になってきた」と分析する。製造業に興味のある多くの求職者の間では、給与だけではなく、仕事環境も重視する傾向が強まっているとの見方を示す。

外国人労働者の存在に加え、ロボットや人工知能(AI)などの先端技術活用も、人手不足への対応策となりそうだ。

マツダのサプライヤーなどが参加するロボット技術の研究会「ひろしま生産技術の会」で会長を務める鵜野政人氏は「24時間・365日の無人稼動」を目指すにあたり、ロボットやAIの発展が不可欠と説く。その上で「生産性向上と人手不足への対応の両方の課題解決につながると考えている」と強調した。

スタンレー・ホワイト、田実直美 翻訳・編集:マクロ政策取材チーム



http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/149.html#c2

[国際23] オハイオ補選は薄氷の勝利…トランプ“人気取り政策”加速か(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
4. 2018年8月09日 22:28:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1200]

#WSJの予想通り? AltRightが順調に衰退していくかどうか

中間選挙の結果でわかるだろう

 


 


シャーロッツビル衝突から1年、衰退する新極右
シャーロッツビル集会では極右勢力とその反対派が衝突した(2017年8月12日)

By Cameron McWhirter
2018 年 8 月 9 日 07:47 JST

 昨年8月に米バージニア州シャーロッツビルで開かれた集会は新極右(オルトライト)団体を勢いづかせ、オーガナイザーの多くはその勢いが続くと予想した。それから1年がたち、ホワイトハウスに面した会場で「白人市民権集会」の開催を予定している主催者側は、参加者が少なくなりそうだと述べている。

 シャーロッツビル集会を企画したジェーソン・ケスラー氏(34)は今週末、米首都ワシントンで集会を開く計画だが、「右派はばらばらになっている」と漏らす。

 白人至上主義団体の指導者や極右グループの観察者によると、内輪もめや訴訟、ソーシャルメディアの取り締まりによって、こうした団体の活動が妨げられている。一部の白人至上主義団体は、金融機関にクレジットカードでの支払いを拒否され、ツイッターやフェイスブックなど主要ソーシャルメディアの投稿も削除されるため、メッセージの拡散や勧誘活動、資金集めが困難になっている。

 シャーロッツビルでは数百人が集まったが、ケスラー氏によるとワシントン集会の参加者はそれより少なくなりそうだ。米国立公園局(NPS)は集会の開催を許可したものの、セキュリティー対策を協議することは拒否した。NPSの広報担当、マイク・リッタースト氏が明らかにした。

 ケスラー氏の集会と同じ日に、反対勢力もワシントンで集会を実施する予定だ。

 ここ1年というもの、複数の市民団体から反ファシズムを掲げる左翼過激派の「Antifa」に至るまで、幅広い層が団結して極右勢力に反対し、大規模な抗議活動を繰り広げてきた。このため極右団体が計画する集会は影が薄れている。ボストンやテネシー州、フロリダ州など各地で、極右集会がオーガナイザーの期待外れに終わったうえ、テネシー州マーフリーズボロで昨年10月に計画されていた集会では、最後までオーガナイザーが姿を現さなかった。

 南北戦争時の南軍指導者の銅像を撤去する動きに反発して始まった昨年8月のシャーロッツビル集会は、近年でも有数規模の極右集会だった。

 だが、極右勢力とその反対派が衝突する中、群衆に車が突っ込み、反対派の1人が死亡、多くが負傷した。車を運転していた極右派の男は憎悪犯罪(ヘイトクライム)など多くの罪で起訴されたが、男は起訴内容を否認している。

 独立機関の調査はシャーロッツビル警察の対応について、「不十分で散発的」と結論付けた。警察署長はその後に退任した。

 この事件では極右勢力と反対派の双方の参加者が暴力行為を巡り罪に問われているほか、極右団体の多くが目撃者による民事訴訟に直面している。

 デトロイトを拠点とする国家社会主義運動(NSM)の指導者ジェフ・シュープ氏によると、NSMはユーチューブやツイッターから排除され、クレジットカード会社にはオンライン決済の処理を拒まれている。このため活動が広がらず、収入も頭打ちだという。NSMウェブサイト上のリンクから得られた情報によると、訴訟費用を賄う基金は4万ドルの寄付目標額を掲げているが、8月2日時点で280ドルしか集まっていない。シュープ氏は「苦境」に陥っていると語った。

 白人至上主義団体「アイデンティティー・エブロパ」はシャーロッツビル集会にも参加していたが、ここ1年で主導者が3人入れ替わった。同団体はコメント要請に応じていないものの、現指導者のパトリック・ケイシー氏は、他団体と再び共同で集会を開催することはないとの考えを示していた。

 昨年の集会に参加した団体同士で反目し合うようになった例もある。銃保持の権利を保障する憲法修正第2条を支持する右翼団体「オース・キーパーズ」とその指導者スチュワート・ローズ氏は、シャーロッツビル事件後に公然と人種差別を非難したところ、極右派ソーシャルメディアで激しい批判を浴びた。オース・キーパーズからコメントは得られていない。

 ピッツバーグ大学の社会学者、キャスリーン・ブリー氏は、極右思想は無くならず、そのうちに復活するとの見方を示し、そうした思想は政治危機や経済危機に見舞われる時期に勢いを増すことがあると述べた。ただ、今のところ「組織力は衰えている。急激に衰退している」という。

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/630.html#c4

[国際23] ハッカー集団アノニマスが陰謀論のQAnonに宣戦布告(ニューズウィーク) 赤かぶ
3. 2018年8月09日 22:35:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1201]

 
六辻彰二
塗り替わる世界秩序
トランプ政権を支える陰謀論「QAnon」とは何か
2018年08月06日(月)15時08分

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トランプ政権を支える陰謀論「QAnon」とは何か
自分の野球帽と赤ん坊のシャツに「QAnon」のロゴを描いたトランプ支持者(8月3日、ペンシルベニア州ウィルクスバリで行われたトランプの集会) Leah Millis-REUTERS

<アメリカに新たな陰謀論が生まれた。陰謀説を説くのは、匿名のネット投稿者「Q」。Qと支持者の勢力は「QAnon(キューエーノン)」。ひょっとすると11月の中間選挙をも左右しかねない>

「月面着陸はなかった」「ユダヤ人が世界を陰で操っている」など、数々のデマをまことしやかに拡散してきたアメリカの陰謀論の歴史に今、新たな一章が加わろうとしている。

「Q」と名乗る匿名の書き手によるネット投稿が、中間選挙に向けてトランプ支持者の熱狂的支持を集め始めている。8月1日にフロリダ州で行われたトランプ氏の支持者集会のTV中継では、「我々はQだ(We are Q)」と書いたボードも映し出された。

Qの主張はトランプ支持だが、それとともに根拠の確認できない話、自分たち以外の人間に対する敵意、さらに神がかり的な物言いなど、陰謀説としての特徴も鮮明だ。


(QAnonのプロパガンダビデオ:レーガン以降の大統領はすべて犯罪者、戦争や貧困などの厄災はすべて、歴代大統領やハリウッドセレブ、CIAや大企業のせいだ)

例えばQによると、「いわゆるロシア疑惑を調査しているムラー特別検察官は、実は民主党とロシアの関係を暴くため、トランプ大統領によって任命された」となる。トランプ氏は無実であるばかりか、民主党とロシアの共謀を明るみに出そうとしているのだが、彼らの共犯者である大手メディアやエリート層にそれを妨害されている受難者なのだ、という。

こうした陰謀説がトランプ支持者を引き付ける現状は、トランプ政権の体質を物語る。

QAnonの主張とは
正体不明のQを中心とする勢力を、メディアは「匿名(Anonymous、アノニマス)」の略記「Anon」と組み合わせて「QAnon(キューエーノン)」と名付けている。

Qは2017年10月、アメリカの掲示板サイト4chan(日本の2ちゃんねるにあたる)など複数のサイトに記事を掲載し始めた。トランプを支持しているという以外は、真偽を確かめようがない内容が多い。以下はその例だ。


・ムラー特別検察官の「本当の標的」は、オバマ氏やクリントン氏ら民主党関係者だけでなく、ジョン・マケイン上院議員などトランプ氏に批判的な共和党関係者や俳優トム・ハンクス氏などハリウッド関係者も含まれる。

・これら「本当の標的」は皆、小児性愛者サークルのメンバーで、居場所を特定されるモニター機器を既にトランプ政権によって取り付けられている。

・連邦政府の活動を監督する監察総監室(OIG)は、2016年大統領選挙における民主党関係者の犯罪行為をまとめた報告書を隠蔽している。

・これら「腐ったエリート」を一掃するため、軍はトランプ氏に2016年大統領選挙への立候補を要請した(QAnonは議会や司法には強い不信感を持っているが、軍には好意的)

・ムラー特別検察官の「本当の目的」が政敵に気づかれないよう、トランプ氏は「追及されるふり」をしているだけ。
「本当は」「実は」と、まことしやかに説明しているが、客観的な根拠が示されないまま、特定の政敵に全責任を負わせるストーリー。それに沿って事実が都合よく配置されている。この点において、QAnonの主張は「月面着陸はなかった」説や「ユダヤの陰謀」説と変らない。

次のページ トランプとの一体性を暗示する「Q」

QAnonの支持者たち
しかし、それでもQAnon支持者は増えている。

QAnonの主張を支持者が解説したYouTube動画のなかには20万回以上に視聴されているものもある。

最近では、Qの主張を行動に移す例も出始めた。4月には、数十人のQAnon支持者がOIGを監督する司法省の前で、民主党関係者の犯罪行為を明らかにするよう求めるデモを行った。

また、Qがアリゾナ州ツーソンの砂漠地帯に児童買春と人身取引の巣窟があると書いたので、実際に探しに行った支持者もいる。ディープな取材に定評のあるVICE MEDIAによると、ツーソン在住のQAnon支持者らが5月末に砂漠を捜索し、ホームレスの小屋にあったバービー人形、革ヒモ、ポルノ雑誌だけを理由にこれを人身取引の巣窟と決めつけ、アリゾナ州当局に非常事態宣言を出すよう求める騒ぎとなった。

Qのメッセージは犯罪すら招いている。6月、アリゾナ州とネバダ州の州境にあるフーバーダムのそばのハイウェイを、銃で武装した男が「OIGの報告書を公開せよ」と要求して封鎖。QAnon支持者のこの男は、テロリストとして逮捕された。

7月末にはQがネット上、反トランプ派の著名な弁護士マイケル・アベナッティ氏の事務所の前に立つ人影の写真を投稿した。アベナッティ氏に対する脅迫もとみられている。

17の意味
隠然と広がるこの動きの中心にいるQとは何者か。それは定かでないものの、Qというハンドルネームは本名の頭文字ではないとみられる。

Qはアルファベット17番目の文字だが、トランプ氏に関しても17にまつわるエピソードは少なくない。

例えば、トランプ氏は大統領になる以前、首都ワシントンに17回足を運んだといわれる。また、4月に全米選手権を制覇したアラバマ大学アメリカンフットボール部のメンバーがホワイトハウスを表敬訪問した際、トランプ氏に贈られたユニフォームの背番号が17だった。

もちろん、これらは偶然にすぎないだろうが、トランプ支持者にとっては17が「真実のサイン」、「愛国者の番号」になっている。Qを名乗ることは、「腐ったエリートと対決する」トランプ氏との一体性を暗示することになる。つまり、Qは17という数字に一種の神秘的な意味合いをもたせることで、支持者をひきつけているのだ。

これを意識してか、最近ではトランプ氏自身も17を強調することがある。8月1日、トランプ氏はツイッターでムラー特別検察官と民主党による調査を「魔女狩り」と批判したが、それまで「13人の怒れる民主党議員」と表現していた部分を「17人の怒れる民主党議員」に変更した。

次のページ 「グローバル化を目指したエリート」の犠牲者
 

陰謀説を支える被害者意識
ユダヤ人やバチカンに関するものも含め、陰謀説は世界中に数多くみられる。そのほとんどは「自分たち以外の誰かによって世界が支配され、自分たちはその被害者だ」というストーリーで共通する。この被害者意識を核とする陰謀説は、QAnonにも顕著だ。

もともとトランプ氏は、企業の海外流出などによって衰退した白人中間層を主な支持基盤として勢力を広げた。つまり、トランプ氏の支持者の多くには、「グローバル化を目指したエリートの犠牲者」という自己認識がある。

ロシア疑惑をはじめ、疑惑やスキャンダルが噴出し、議会、司法、メディアなど各方面から批判を浴びる状況は、一部の支持者のトランプ離れを呼んでいる。しかし、それでもトランプ氏を支持する者にとって、トランプ批判の高まりは、被害者意識をさらに増幅させるきっかけにもなってきた。これは神がかりで荒唐無稽な主張を展開するQAnonが勢力を広げる土壌になったとみてよいだろう。

言い換えると、QAnonの台頭は、アメリカ国内でトランプ支持に揺らぎが生じていることと同時に、熱心なトランプ支持者の間で気に入らない事実を無視・拒絶する教条主義が強まる傾向を示している。それは同時に、陰謀説に支えられるトランプ政権の危うさをも物語るのである。

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この筆者のコラム
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トランプ政権を支える陰謀論「QAnon」とは何か 2018.08.06

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http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/634.html#c3

[国際23] 情報を操作しきれない米支配層は言論封殺へ切り替えてきた(櫻井ジャーナル)  赤かぶ
4. 2018年8月09日 22:37:58 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1202]

ちなみに情報統制は、世界の潮流

 


中東で強まるネット規制、政府が最新テク活用
監視・検閲に欧米の技術を使う独裁政権
エジプトはシシ大統領(中央)の下でネット検閲を強化しつつある

By Jared Malsin
2018 年 7 月 19 日 10:38 JST 更新

 エジプトの大半のネットユーザーは、米ニュースサイトのハフィントンポストや国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのウェブサイトを閲覧することができない。トルコ政府はウィキペディアを含む10万以上のサイトをブロックしている。サウジアラビアでは、対立関係にあるカタールやイランに関連する多くのニュースサイトが遮断されている。

 「最初に私の頭に浮かんだのは『中国にようこそ』というものだった」。カイロのある銀行幹部は、独立系の主要ニュースメディア「マダ・マスル」にアクセスしようとした際の経験についてこう語る。マダ・マスルのサイトは2017年6月からブロックされている。この銀行幹部は政府による報復を恐れて名前を出さないよう求めた。

 エジプト議会は過去数週間、ネット検閲を法律に明文化する動きを見せている。16日に成立した法律もそのひとつ。「法律違反の誘発」といった定義が曖昧な数多くの違法行為を列挙し、そのどれかに関与したソーシャルメディアユーザーのアカウントをブロックする権限を政府に与えるものだ。

 中東各地の独裁政権は中国のネット検閲に似た規制を導入しつつある。市民をネットの大部分から隔離し、人気のあるサイトへのアクセスを阻止する。多くの場合、こうした措置は欧米の技術に支えられている。

 中国は2009年にフェイスブックを禁止した。これは一連の民衆蜂起「アラブの春」でソーシャルメディアが重要な役割を果たす2年前のことだ。

 中東でネット規制が強まるなか、現地でのネットサーフィンは欧米の人々が慣れ親しんでいる状況と比べて限定的なものとなっている。ネット検閲を監視する諸団体の推計によれば、エジプト政府がブロックしたサイトの数は過去1年間で2倍以上に増え、500件に達した。権力者が考える優先度に応じて、インターネットは国によって大きく異なるものとなっている。

エジプトは「アラブの春」に際してインターネットを一時遮断した(写真は2011年11月、カイロのタハリール広場でネットを見る反政府デモの参加者)
エジプトは「アラブの春」に際してインターネットを一時遮断した(写真は2011年11月、カイロのタハリール広場でネットを見る反政府デモの参加者) PHOTO: ETIENNE DE MALGLAIVE/GETTY IMAGES
 「それぞれの国がそれぞれのバージョンのインターネットを持つというモデルに向かい始めている」。世界中のネット検閲を監視している英団体「ネットブロックス」のディレクター、アルプ・トーカー氏はこう述べる。

 インターネットからの潜在的脅威を感じている政府は、以前からネット上で市民の監視を試みている。苦境の際には、しばしばネットを遮断したり減速させたりしてきた。エジプトは、ムバラク大統領を退陣に追い込んだ2011年の革命の際に、一時的に全てのネットアクセスを遮断した。トルコは2016年のクーデター未遂の際を含め、これまで何度もソーシャルメディアをブロックしたり減速させたりしてきた。

 オープンな市場で先進的な技術が幅広く利用できるようになるなか、国内に大規模なIT産業を持たない国でさえもネット規制の技術が高度化されつつある。専門家によると、こうした技術のひとつがディープ・パケット・インスペクション(DPI)だ。DPIは当局がインターネットのトラフィックをブロックしたり、監視したり、リダイレクト(他のページに転送)したりすることを可能にする。

北米企業の技術

 加トロント大学のインターネット研究団体「シチズン・ラボ」によると、エジプトがウェブサイトをブロックするために使っている装置のデジタル指紋は、米カリフォルニア州と加オンタリオ州に拠点を置くサンドバイン社が販売する製品のそれと一致している。同社はネットワーク管理ツールの世界大手で、コムキャストなどの通信大手にも製品を供給している。

 サンドバインはシチズン・ラボの主張の一部について「技術的に不正確で、意図的に人々をミスリードしようとしている」と反論。だが、それ以上の詳細は明らかにせず、調査を続けていると述べた。エジプトの政府当局者はコメントを差し控えた。

 サンドバインの技術は、DPIを利用する政府や企業向けに設計されている。同社の元エンジニアによると、同社は2016年にエジプトでネットワーク監視用のプラットフォームを発表した。このエンジニアやシチズン・ラボの研究員らは、海賊版の動画配信の取り締まりから監視・検閲に至るまで、あらゆることに同プラットフォームが利用できると指摘する。

 サンドバインはエジプト国家電気通信規制庁を顧客として公表していた。すでに削除されている2018年4月の同社ツイートでウォール・ストリート・ジャーナルが確認した。

 サンドバインは「社会的責任や人権、プライバシー権の尊重の原則」を確実に守れるよう対策を講じていると主張する。同社は、サンフランシスコに拠点を置くプライベートエクイティー投資会社フランシスコ・パートナーズが所有している。フランシスコはコメントの要請に応じていない。

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米共和党有力者のハッキング訴訟、連邦判事が訴え却下
米共和党の元財務副委員長、エリオット・ブロイディ氏
By Julie Bykowicz
2018 年 8 月 9 日 13:06 JST

 【ワシントン】米共和党のエリオット・ブロイディ元財務副委員長が、昨年の同氏の電子メールに対するハッキングを巡りカタールを相手に起こした訴訟で、米連邦裁判所判事は8日、1976年制定の外国主権免除法(FSIA)を根拠に当裁判所にはカタールに対する裁判権がないとしてブロイディ氏の訴えを退けた。

 ブロイディ氏はカタールと敵対するアラブ首長国連邦(UAE)でビジネスをしている。同氏は今年3月、ハッキングされた同氏のメールの内容が報じられた直後にカタールとその工作員を提訴。5月には訴訟の対象にカタールの首長の兄弟と、政府系投資ファンドの職員である外交官を加えた。

 そして7月、元国連事務次長がハッキング計画に参加していたとしてニューヨークの連邦地裁に提訴した。

 UAE、サウジアラビア、カタールは長年敵対関係にあり、UAEとサウジは昨年、カタールがテロ組織を支援していたことを理由に同国と断交した。

 カタール側からはコメントを得られなかった。同国政府はブロイディ氏の主張を否定している。
 
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/631.html#c4

[国際23] 欧米は左翼に対する‘哲学的クーデター’を遂行している(マスコミに載らない海外記事) 赤かぶ
3. 2018年8月09日 22:46:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1203]

逆に、最近は、AltRightへの締め付けが進んでいるから

相対的に、左翼的思想(今では、ほとんど死後だから、再分配重視か)にとって有利な状況とも言える


他も根拠に基づかない低レベルな批判ばかりだが

その意味では

ネットはウソばかり

という主張だけは、あながち間違いではないか



http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/611.html#c3

[経世済民128] 日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄(Business Journal) 赤かぶ
17. 2018年8月10日 08:32:51 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1204]
ドタキャン料理は捨てない 持ち帰り客、ネット仲介
コラム(ビジネス) スタートアップ サービス・食品
2018/8/10 6:30 
NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
 飲食店で予約したはずの客が連絡もなく来ない。用意した料理は無駄となり大損害。一方で、時間に余裕のないビジネスパーソンが夕食用に料理を持ち帰りたいという需要がある。コークッキング(東京・港)が目指すのは両者をつなぐプラットフォームの構築。川越一磨代表の「食品ロスを減らしたい」との強い思いが原動力だ。

川越一磨代表
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川越一磨代表

 コークッキングが提供する「TABETE(タベテ)」は、飲食店がその日に余った料理を割引価格で提供するフードシェアリングサービスだ。予約が突然キャンセルされた時、天候の悪化で客足が遠のいた時など、用意した料理が無駄になりそうな場合に、店舗はそのメニューをウェブサイトに登録する。

 一方、利用者はスマートフォン(スマホ)などでウェブサイトにアクセスし、エリアを選び近くの店舗で余った料理を安く買える。コークッキングは販売金額に応じて手数料を35%店舗から受け取り、利益を得る。

 店舗は食品ロスによる損害を低減できるほか、これまで接点のなかった顧客とつながりを持つことが可能になる。2017年9月から試験展開し、6月時点で個人店などを中心に約150店舗まで店舗数が拡大。ウェブ会員は毎月に2000〜3000人増え続けており、想定を上回る2万人を超えた。

 創業者で代表取締役の川越一磨氏(27)は、もともと食べることが好きだった。慶応大学在学中に和食料理人としてアルバイトを経験。14年にはサッポロホールディングスのグループ企業、サッポロライオン(東京・渋谷)に入社し、ホールで接客業務を担当した。

 顧客が食べ終わった後の片付けで大量に捨てられる料理を見て、やるせなさを感じたことがタベテの原点となっている。

 15年に大学時代の知人から、山梨県で利用者がイベントを開けるコミュニティーカフェをやらないかと誘われた。退社の翌日に山梨に移住。富士山の麓にある富士吉田市で店をオープンした。

 転機は同年9月に開かれた甲府市のビジネスコンテストだった。料理を取り入れた企業研修やワークショップを開くビジネスプランを提案すると4位に入賞。その3カ月後にコークッキングを起業した。

 起業から半年後、東京・青山の国連大学で毎週開かれるファーマーズマーケットを訪れた。廃棄されるはずだった野菜を具材にしたスープを来店客にふるまうことで食品ロスについて知ってもらう活動を見かけた。かつて感じたやるせなさがよみがえり、もっと食品ロスを減らせるはずだと本格的に考え始めた。

 タベテのヒントとなったのはデンマークなど欧州8カ国で展開するアプリ「Too Good To Go」。レストランで残った料理を割引料金で購入できるサービスだ。ネットで偶然見つけ、デンマークに行って実際にサービスを試し、日本でもやってみようと決意を固めた。

タベテは働く女性を主な利用者として想定している
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タベテは働く女性を主な利用者として想定している

 Too Good To Goは貧困層向けのサービスだが、タベテではターゲットを20〜40代の働く女性に設定した。貧困層に主軸を置いてしまうと、消費者に食品ロスの問題を自分事として捉えてもらえにくいとみた。一方、働く女性は口コミやネット上での影響力が大きい上、仕事が立て込んだ時など、料理に時間をかけられない場面も多い。

 川越氏は「忙しいとスーパーやコンビニで食事を済ませてしまいがちだが、罪悪感を持つ女性も少なくないのではないか」と指摘する。捨てるのがもったいないと感じている飲食店と出来たてを簡単に食べたいという需要が一致するとみた。

 難しかったのは店舗の開拓だ。タベテは料理が売れた際に、販売手数料を店舗側から徴収するビジネスモデルだ。営業は未経験で、体当たりで店に営業に行くのだが、手数料が高すぎると言われることが多かった。

 「5店舗営業に行って、1店舗がサービスを使ってくれたら良い方」。はじめは店舗に納得してもらえないことに頭を抱えたが、試行錯誤を重ねるうち、本来売れなかった物が売れるようになる価値のあるサービスだということを伝えられるようになった。食品ロスを減らしたいという考え方に賛同してくれる店舗は手数料をあまり気にしないこともわかってきた。

 「心が折れてしまうときはパッションがなくなったとき」。資金調達で困ったときもあるが店舗で働いたとき、捨てていた食品を見てモヤモヤとした感情が忘れられない。今でもこれが事業拡大への原動力だ。

 「自給率が低いこの国で食材をムダにしていられない」。百貨店に取り組みを広げることなど食品ロスを減らすための新たなアイデアに思いを巡らしながら、きょうも走り続ける。(柴田奈々)

[日経産業新聞 2018年8月10日付]

 

  
「チームもったいない」 食品ロス削減へ始動 (2018/8/2付) [有料会員限定]
出張サービスもフレンチもあり 回転ずし進化の60年 (2018/8/1 5:40)
(社説)流通業は新技術で「食品ロス」の削減を (2018/7/14付) [有料会員限定]
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/119.html#c17

[国際23] 北朝鮮に核兵器の引き渡し再三要求か 米国務長官〜半年ほどの間に核兵器の6割〜7割を米か第三国に渡すよう求め…/テレ朝 仁王像
3. 2018年8月10日 08:42:05 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1205]

ワールド2018年8月10日 / 02:05 / 5分前更新
米が「古いシナリオ」に固執なら、非核化進展せず=北朝鮮外務省
1 分で読む

[ソウル/ワシントン 9日 ロイター] - 北朝鮮の外務省は9日、過去に失敗に終わってきた「古いシナリオ」に米国が固執するのであれば、6月に開催された米朝首脳会談で合意した非核化に向けた取り組みは進展しないと認識を示した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた声明によると、外務省は首脳会談で示した非核化実現に向けた意志は変わっていないと強調。さらに、米朝の関係改善に向けたトランプ大統領の決意に反し、一部の米政府高官は北朝鮮に対し制裁や圧力を掛けようと働き掛けていると主張した。

北朝鮮は核実験場を廃棄したほか、1950─53年の朝鮮戦争で死亡した米兵の遺骨返還にも応じたと指摘し、「こうした善行が双方に立ちはだかる不信の壁を取り除き、相互信頼を築く一助になるものと期待した。しかし米国の対応は国際的な制裁や圧力をあおることだった」とした。

その上で「米国が対話相手に対する基本的な礼儀さえわきまえず、過去の政権が繰り返しつまずいてきた旧態依然のシナリオに固執する限り、非核化を含めた朝米共同声明の履行はいかなる進展も期待できない」と表明した。同時に「両国首脳の考えを支持し、信頼を築き、誠意を持って共同声明を一歩一歩履行していくというわれわれの意思に変わりはない。米国は今さら遅きに失しているとはいえ、相応の態度でわれわれの真摯な努力に報いるべきだ」と主張した。

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日、FOXニュースのインタビューに対し、北朝鮮は6月の米朝首脳会談で確約した非核化に必要な措置を取っていないと述べていた。また、トランプ米大統領が金正恩朝鮮労働党委員長に宛てた書簡で、ポンペオ国務長官による再度の訪朝を提案したと明らかにしていた。

国務省のナウアート報道官は9日の定例会見で、米国は北朝鮮と毎日あるいは1日おきに連絡を取り合っていると説明。また、公表できる出張の予定はないと述べた。

米朝間の協議に詳しい米当局者らはロイターに対し、北朝鮮は核放棄の期限を設定することや保有している核能力の規模の公表にこれまでのところ合意していないと語った。さらに、核実験施設の査察も認めていないことを明らかにした。

*内容を追加します。
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/633.html#c3

[政治・選挙・NHK248] 暑さ対策でサマータイム導入を検討 東京五輪・パラリンピックの開催はもはや戦争の遂行と同じなのか(ニューズウィーク) 赤かぶ
4. 2018年8月10日 13:08:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1206]
WEDGE REPORT

サマータイム導入はやはりデメリットが大きい

2018/08/10

島澤 諭 (中部圏社会経済研究所研究部長 )


(写真:Natsuki Sakai/アフロ)
高まるサマータイム導入の可能性
 突如として、サマータイム実現の可能性が高まっている。サマータイムとは、欧米のデイライト・セービング・タイム(Daylight Saving Time)と呼ばれるものであり、サマータイム開始時には、当該国・地域の標準時に特定の期間だけ一定時間プラスし、サマータイム終了時にはサマータイム開始時に標準時に加えた同じ時間をマイナスすることで、標準時に戻す制度である。

 安倍晋三首相は今月7日、東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相の要請を受け、2020年東京五輪・パラリンピックの猛暑対策として、夏の時間を2時間繰り上げるサマータイム導入を検討するよう自民党に指示したと報道されている(産経新聞2018年8月6日)。安倍首相の指示を受け、自民党は、東京五輪・パラリンピックまで残された期間はあと2年と少ないことから、秋の臨時国会での議員立法提出に向け、党内の調整を急ぐこととし、公明党の山口那津男代表も「柔軟に幅広く検討していく必要がある」と前向きな姿勢を示している。

 実は、日本では連合国軍による占領下の1948年5月にサマータイムが導入されている。しかし、サマータイム導入による残業時間の増加と鉄道の混乱等から国民には極めて不評だったこともあり、サンフランシスコ講和条約が締結された1951年9月には打ち切られ、主権を回復した1952年には正式に夏時刻法は廃止となった。こうした経緯があったにもかかわらず、1990年代以降、超党派の議員連盟が中心となり、サマータイムの導入が度々検討されたが実現には至らなかった。近年、最もサマータイム導入の機運が高まったのは東日本大震災後で、夏場の電力が大幅に不足する見込みであったこともあり、電力需給緊急対策本部によりサマータイムの導入が検討されたが、結局、見送られた。

サマータイム導入のきっかけは燃料不足
 そもそもサマータイムは政治家でもあり科学者でもあったベンジャミン・フランクリンが英国からの独立直後のアメリカの外交官としてフランスに滞在していた1784年、Journal de Paris誌に送った投書“An Economical Project for Diminishing the Cost of Light”の中で、人々が夏の間太陽のサイクルに合わせた生活を送れば、当時の照明の主力であったロウソクの使用量を減らして節約できるはずだと提案したことに起源があるとされている。

 フランクリンの提案以降長らく実行には移されてはいなかったが、カナダオンタリオ州の現在のサンダーベイの住民が1908年7月1日にカナダの標準時より1時間時計の針を進め、世界に先駆けてサマータイムを実施した。一国単位では、第1次世界大戦中の1916年4月30日にドイツとその同盟国オーストリアが燃料不足対策を目的として実施したのが初めてであり、次いでイギリスやフランスが導入したのを契機に欧州に広がった。アメリカでも1918年に導入したものの国民から不興を買い2年で廃止。しかし、やはりエネルギー資源節約を目的として第2次世界大戦中に再導入され、1986年の改正を経て現在まで続いている(アリゾナ州・ハワイ州等は不採用)。世界を見渡すと、現在、サマータイムを一部の地域ででも実施している国は、70か国以上あり、その多くは夏の間、日照時間が極端に長くなる中高緯度の北半球に集中している。

サマータイムを導入する上での論点
 それでは、現在の日本にサマータイムを導入することによるメリットやデメリットにはどのようなことが考えられるのだろうか。現時点では具体的にどのような形でサマータイムが企画立案されるのか確固とした情報がないという制約はあるものの、次の5つの論点について、原理原則から考え、検討することとしたい。

(1)論点1:環境への効果

 サマータイムはその着想から実際の導入に至るまで、エネルギーの節約が主眼にあった。日本においてもサマータイム導入の目的の一つは同様であり、起床時間を早めることで早朝の涼しい時間帯に活動すれば冷房も利用せずに済む上、夕方の明るい時間帯が長くなり、かつ日没から就寝までの時間も短くなることで、照明機器の使用を減らせるため、省エネルギー・温室効果ガス削減効果があるとされている。

 例えば、環境省「地球環境と夏時間を考える国民会議」(平成11年5月)の試算によれば、年間約50万kL(原油換算)の省エネルギー・温室効果ガス削減効果があるとされている。しかし、東西に細長く伸びている日本では、東日本と西日本とで日の出・日の入りの時刻にズレが生じ、全国一律のサマータイム導入が馴染むのか疑問が残るし、節電や温室効果ガス削減効果については、日本は湿度が高く、日没後も蒸し暑さが続くため、帰宅後の冷房需要が大きく、勤務時間をずらしたとしても、節電効果は少ないと考えられる。

 現代の日本においては、日照時間ではなく気温が電力の消費を大きく左右すると考える方が自然だろう。実際、国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門井原智彦氏(当時)「夏季における計画停電の影響と空調(エアコン)節電対策の効果(第二報)」(2011年7月31日)によると、東京電力管内でサマータイムを想定した生活時間の前方1時間シフトの空調電力削減効果を試算したところ、業務用では確かに▲10%削減となるものの、家庭用では戸建住宅+23%増加、集合住宅+27%増加となり、合計では+4%増加との結果を得ているし、さらに、電力中央研究所社会経済研究所今中健雄氏「時刻、休日、連休シフトによる夏季ピーク負荷削減効果」(2011年4月6日)では、近年は昼間の特定の時間帯にピークがあるのではなく昼間全体が比較的高い電力需要で推移しているため、削減効果はピーク負荷の1%程度と誤差の範囲内に過ぎず、効果は少ないと結論付けるなど、環境へのプラス効果はゼロではないかもしれないもののほとんど存在しないものと考えられる。

 しかも、後述するように、サマータイム推進派は効果の一つとして余暇活動の増加を挙げているが、そうなればその分余計に電力消費したがって温室効果ガスが増加することになるだろう。さらに、損得で言えば、サマータイムを導入すればそうでない場合よりも朝早く出勤し暑いさなかに帰宅することになるので、企業側はその分の光熱費を削減できるものの、家計では光熱費が余分にかかることになり、結局、企業が得、家計が損をすることになる。経営者団体がサマータイム導入を推進する理由の一端が垣間見られる。

(2)論点2:消費喚起効果

 サマータイムの導入によって就業時間終了後明るい時間が2時間増えることになるので、娯楽・レジャー・外食などの機会が増え、それが消費喚起につながるとされている。第一生命経済研究所首席エコノミスト永濱利廣氏「不確実性の高いサマータイム効果」(2018年8月8日)によれば、日照時間の増加が名目家計消費にプラスに影響することで約7,532億円の経済効果があるとのことである。

 しかし、少し考えれば分かることであるが、外が明るいので消費が増えるということは、外が暗い場合消費が減るということ意味している。そこで、総務省統計局「家計調査」により夏の間の家計消費額(夏1:6月から8月、夏2:7月から9月)と冬の間の家計消費額(12月から翌年2月)を比較したのが下図1である。図1によれば、夏の取り方を変えても日照時間が短いはずの冬の消費額の方が多いことが分かる。さらに、図2は夏の間の平均消費性向と冬の間の平均消費性向を比較したものである。平均消費性向とは所得からどれだけ消費に回すかを示すもので、平均消費性向が高いほど消費意欲が旺盛であることを示す。図2からも日照時間が短いはずの冬の方が消費意欲が大きいことが分かる。つまり、日照時間が増えることで消費が増えるとは結論できない。


図1 夏と冬の消費額の比較(二人以上の世帯)(出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成

図2 夏と冬の消費意欲の比較(勤労者世帯)(出典)総務省統計局「家計調査」より筆者作成
 仮に永濱氏の分析の通り日照時間が延びることで消費額が増えるとの主張を認めるにしても、サマータイムを導入するより冬の間だけでも2時間ほど太陽が出ている昼間に休憩を与えてショッピング等の機会を与えた方がより効果的だろう。なぜなら、永濱氏の分析は日照時間と消費の関係を示したに過ぎず、日照時間が延びるのであれば別にサマータイムに限らずとも、冬の間であってもゴールデンウィークであっても違いがないからだ。また、就業時間終了後になにか余暇活動を行うにしても、サマータイムが導入されていない場合に比べて外気温が高いので、屋内での余暇活動が伸びたとしても屋外での余暇活動が減るので結局経済効果は相殺される。

 さらに、夏の楽しみといえば、夜祭りや花火大会があるが、サマータイムが導入されれば、そうでない場合より開始時間を先送りせざるを得ないため、終わりの時間が遅くなる結果、門限や電車の時間の関係で早々に引き揚げざるを得ない人々が出てくる。穿った見方をすれば、それこそプレミアムフライデーの進化形であるシャイニングマンデーで月曜日は午前休を取りなさいということなのかもしれないが釈然としないものが残るのも事実である。

(3)論点3:企業負担の増加

 サマータイムの導入は正確には時計の針を一定時間だけ先に進めるというよりは、日本標準時に一定の時間を加えたり(開始時)、加えた時間を引いたり(終了時)する必要があるため、必然的にコンピュータプログラムの変更、サマータイム切替日における航空・鉄道等交通機関の運行ダイヤの調整、産業機械の時計の修正、一部交通信号機の調整等を惹起する。環境省「地球環境と夏時間を考える国民会議」の推計によれば、こうしたプログラム修正によるコスト負担はハードウェア改修費(610億円)とソフトウェア改修費(420億円)の総額で1,030億円と試算されている。この試算は1999年当時になされたものでありコンピューターへの依存がさらに進んだ現代ではコスト負担はもっと大きくなっている可能性が高い。

 実際、すでにサマータイムに対応済みのアメリカで2007年に省エネルギーのためサマータイムの期間を4週間延長したことに伴うシステム改修費用は3.5億ドルから10億ドルと見積もられている。しかも日本にサマータイムが導入される場合、高度にコンピューターに依存した世界第3位の経済規模を誇る社会において、世界にも例を見ない2時間の繰り上げを無数のシステムに一から施さなければならないのであり、先の環境省の費用推計は、日米の経済規模の違いや、試算の前提と今回の想定の違いなどを割り引いたとしてもいかに過少推計であるかが理解できるだろう。

 問題は企業の負担増だけにはとどまらない。もう一つの深刻な問題はたった一つのプログラムの修正がうまくいかなかっただけで全てのプログラムがストップし、経済・社会機能がマヒしてしまうことにある。世の中に存在するすべてのコンピューターやいろいろな機器に組み込まれたチップのチェックを完全に行い、しかも完璧に修正し得たことを誰が確認できるのだろうか。さらに、現時点の計画に基づいて、システムを修正するには、来年5月に控える天皇陛下の代替わりに伴う元号の変更に対応しつつ、6月のサマータイム導入に間に合わせる必要がある。これはただでさえ過剰労働気味のシステム担当者の更なる労働強化をもたらすだけであろう。なお、「システム対応への支出が増えるからGDPにはプラス」との議論もあるが、これは無駄な公共工事でもGDPが増えるというのと同じ理屈であり、詭弁に過ぎない。

(4)論点4:労働環境への効果

 サマータイムの導入により、外が明るいうちに仕事を終わらせようと頑張った結果、一部企業では労働効率が上がり残業時間が減少したとの報告がある。もしそれが本当だとすれば、夕方には外が暗くなってしまう冬の間は労働効率が下がることになるはずである。結局のところ、日照時間と労働効率に正の相関関係が存在するのであれば、夏だけ日照時間と労働効率を関連付けるのではなく、冬の間も日照時間と労働効率を関連付けるのが企業にとっては最適なはずであり、サマータイムに固執する必然性は薄い。また、日本の企業の多くはサマータイムを導入していないアジア諸国の企業との結びつきが強いので、残業時間が増えるだけとの批判には説得力がある。

 結局、日照時間と労働効率に正の相関関係が存在し、自らに利益が多く及ぶと考える企業が個別に、労働者が個人で始業・終業時刻を変更できるフレックスタイム制の導入や、企業単位で始業時刻や終業時刻を早めたり遅くしたりできる繰り上げ出勤(退社)を採用するなど、働き方改革を進めればよいだけだ。しかも、サマータイムの導入で労働時間が増加するとすれば現在政府が進めている長時間労働の是正に反する結果となってしまう。

(5)論点5:政策の目的と手段は整合的か

 そもそも今回のサマータイム導入の動きは、2020年に開催される東京五輪・パラリンピックの競技が灼熱の暑さの中実施されるのを回避したいとの思惑から発したものであるが、政策を評価する上では、政策の目的と政策の手段とが整合的か否かが重要となる。つまり、国際オリンピック委員会との間で日本時間の朝7時以前にはマラソン競技を開始してはならないという取り決めがあるのなら別であるが、種々の競技開始時刻が朝の早い時間に前倒しできるのであればそれで対応すればよいだけであろう。しかも、競技によっては開始時間が前倒しされることにより、サマータイムが導入されない場合に比してかえって暑い環境下で競技が行われることになることも見逃せない。

 そもそも、東京五輪・パラリンピックは建前上は東京都が責任を持つべき大会であり、極端な話、残りの46道府県には全く関わりのない話である。にもかかわらず、サマータイムなどという全国を巻き込む、場合によっては東京五輪・パラリンピックまでの時限立法的なその場しのぎの対応を是認できる国民はどれだけいるだろうか。

 また、就業時間終了後様々な余暇活動に時間を費やすことで消費を喚起すると見込むことはそれが実現すれば睡眠不足をもたらすことになるし、サマータイム開始時及び終了時に時計の針を進めたり遅くしたりすることで睡眠障害をもたらすなど、健康を害するリスクを考慮しなければならない。実際、ロシアではサマータイム移行時に心筋梗塞患者が増加したため結局サマータイムを廃止したし、オーストラリアでは、サマータイム移行時に男性の自殺が増える傾向があることも指摘されている。つまり、サマータイムの実施により消費が喚起され経済効果が得られたところで医療費が嵩み、人命が失われることになれば、経済ばかりでなく社会的にもメリットがデメリットを上回るとは言い難いだろう。

 サマータイム推進派は、サマータイムの導入が、東京五輪・パラリンピックの一部競技の成功を目的とする以外に、エネルギー節約・温室効果ガス削減、消費喚起、労働時間の短縮といった日本が抱える構造的な課題に対して、これまで論じてきた様々なデメリットを考慮したとしてもなお抜本的な解決策になり得るのだという客観的かつ説得力のある根拠を示せないのなら、東京五輪・パラリンピックを口実としたなし崩し的なサマータイム導入への国民的な合意を得るのは非常に困難であると自覚すべきだ。

ゆう活とプレミアムフライデーの失敗に学ぶべき
 以上のように、自民党での検討が予定されているサマータイムの導入がわれわれの生活に与えるメリット・デメリットについて、5つの論点を取り上げ検討したところ、メリットに比してデメリットの方が大きく、特に、システム修正にかかる企業負担や、システム修正に失敗した場合に起こり得る経済・社会の混乱が深刻なリスクを孕んでいるとの結論に達した。

 サマータイム導入の目的が、オリンピックを成功させるためというだけの矮小化されたものではなく、日本人の働き方やライフスタイルを時計から解放するのが目的であるならば、夏に限らず一年中太陽のサイクルに合致するよう労働時間を柔軟に変更・調整できるような仕組みを各企業なり組織が採用しやすくなる法的枠組みを整備すればよいだけではないだろうか。

 サマータイムの導入が労働効率を上げ残業時間を減らすとの期待は、2016年に政府が勤務時間を1時間程度前倒しして朝早くから働き夕方からは家族や友人との時間を大事にする「夏の生活スタイル変革」を目論んだものの残業時間が増えただけに終わった「ゆう活」の失敗、さらには消費喚起に関しては、政府や企業団体の大号令にもかかわらず所定の効果を上げておらず迷走を続けるプレミアムフライデーの失敗から教訓を得、学習した形跡が政治家や政府、経営トップ層に全く見られず、国民の事情を考慮することなく自分たちの都合だけを一方的に押し付ける日本のエリート層の姿勢が個人的にはとても気になっている。
http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/875.html#c4

[国際23] 米政府、2020年までの「宇宙軍」創設計画を発表(ロイター) :戦争板リンク  赤かぶ
1. 2018年8月10日 13:21:44 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1207]

無意味なことを、やっている暇はあるようだが、本来やるべきことは他にあるだろう


 


トランプ氏がサウジの武器購入を歓迎 訪米中の皇太子と会談

https://www.sankei.com/world/news/180321/wor1803210067-n1.html

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領は20日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とホワイトハウスで会談し、イランの脅威に対抗するためサウジが最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」など米国からの兵器 ...

 

 
イエメンの子供乗せたバスに空爆 少なくとも29人死亡
BBC News
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赤十字国際委員会(ICRC)は9日、イエメン北部サアダでサウジアラビア主導の有志連合が子供を多数乗せたバスを空爆し、少なくとも子供29人が死亡したと発表した。負傷者は30人に上るという。一方で、イエメン内戦の仲介を担当する国連特使は、和平交渉の枠組みを協議するため、紛争当事者を9月にもジュネーブに招く方針をBBCに示した。

ICRCはツイッターで、サアダ県で支援する病院に、15歳未満の子供29人の遺体が運び込まれたと明らかにした。病院に運ばれた負傷者48人のうち、子供は30人だったという。ICRCは病院への医薬品の提供を強化したと説明している。

ICRCのイエメン事務所はツイッターで、「北部サアダのダーヤン市場で今朝、子供たちを乗せたバスが攻撃された。イエメン赤十字が支援する病院は、数十人の死傷者を受け入れた。国際人道法のもと、紛争時に民間人は保護されなくてはならない」と非難した。

https://twitter.com/ICRC_ye/status/1027459027540893696

子供たちを乗せたバスはサアダ県ダーヤンの市場で被害に遭った。反政府武装組織フーシが運営する保健省は、死者43人、負傷者61人だと発表した。フーシ運営のテレビ局アル・マシラは、死者47人、負傷者77人と伝え、制服姿の幼い子供たちの遺体の映像を放送した。

フーシのモハメド・アブドル・サラム報道官は、混雑した公共の場を攻撃する有志連合は「民間人の生命をあからさまに軽視している」と非難した。

有志連合の空爆が子供たちを乗せたバスを標的としたのかは不明だが、有志連合の報道官、トゥルキ・アル・マルキ大佐は、「国際人道法に則り実施された、正当な軍事行動だ」と表明。8日夜にサウジアラビア南部ジザンで「民間人を狙った攻撃を計画した武装勢力」を標的としたのだと説明した。8日夜の攻撃では、イエメン北部アムランからフーシが打ち込んだ弾道ミサイルを、サウジアラビア軍が迎撃。その破片で、ジザンに住むイエメン人1人が死亡し、11人が負傷した。

アル・マリキ大佐は、フーシが子供たちを「テロ活動の道具やかくれみの」にして利用していると非難した。

イエメンでは2015年からハディ暫定政権とフーシが内戦状態にあり、政権側を支援するサウジアラビア主導の有志連合が軍事介入している。有志連合は自分たちの行動は「正当」で、意図的に民間人を標的にすることはないと主張する。それに対して人権団体は、市場や学校、病院、住宅地を狙って空爆していると非難している。

地元の長老たちはAP通信に対し、学校の生徒など地元住民を大勢乗せたバスがダーヤン市場を通過中に、空爆に遭ったと話した。

国際慈善団体「セーブ・サ・チルドレン」はスタッフの話として、子供たちはピクニックから学校に戻る途中で、運転手が飲み物を買うために停車したところで被害に遭ったと明らかにした。同団体は、「恐ろしい」事件だと非難し、イエメン民間や民間施設に対してこのところ続く攻撃について、ただちに完全な第三者調査を実施するよう求めた。

ICRCの地域担当ロバート・マルディーニ氏は、「イエメンで繰り返されるこうした悲劇はいい加減、終わらせないとならない。子供を危険な目に遭わせ、このような許しがたい代償を子供に払わせるなど、決して許してはならない」とツイートした。

https://twitter.com/RMardiniICRC/status/1027471089721634818

9日午後には、フーシが支配する首都サナアで空爆があったという。

今月2日には、フーシ支配下の港町フダイダで連続攻撃があり、民間人が少なくとも55人死亡し、170人が負傷した。有志連合は空爆実施を否定し、反政府勢力による迫撃砲攻撃があったと非難していた。

元英国外交官でイエメン内戦の仲介を担当するマーティン・グリフィス国連特使は、交渉枠組みを話し合うため、内戦当事者を9月にもジュネーブに招く方針をBBCに明らかにした。

BBCのリーズ・ドゥセット記者とのインタビューで、グリフィス特使は、内戦がこのまま放置されればイエメンは国家として破綻し、今後「シリア以上」の状況が発生してしまうと話した。

「イエメンの戦いは長く続けば続くほど、もっと複雑になる。国際的な利害関係や当事者間の対立が険しくなり、分裂がさらに進む。今すでに解決が難しい状況が、ますます難しくなる」と特使は懸念を示した。

なぜイエメンで内戦が
イエメンは2015年初め、フーシが国の西半分の大半を制圧し、アブドラボ・マンスール・ハディ大統領が亡命を余儀なくされた。以来、国内の対立激化によって国民生活は危機的状態にある。

サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)など中東7カ国は、フーシをイランの手先とみなし、その勢力拡大への懸念から、ハディ政権復活を目指して介入を開始した。

国連によると、内戦によって約1万人が死亡した。その3分の2は民間人とされる。さらに、5万5000人が負傷した。

内戦の戦闘と、有志連合による部分的国境封鎖によって、世界最大の食糧危機が発生し、数百万人の間でコレラが蔓延。2200万人が人道援助を必要するに至った。

(英語記事 Yemen war: Saudi-led air strike on bus kills 29 children)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/45139240

 
トランプ大統領、サウジ皇太子を歓迎−米国にとって「大口の買い手 ...
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-21/P5XERY6TTDS101
2018/03/21 - トランプ米大統領は、訪米中のサウジアラビアのムハンマド皇太子を米国の友人であり、米国製兵器の「大口の買い手」で投資家だとして歓迎した。 サウジ事業のために「多くの人々が仕事をしており」、サウジは米国企業からの航空機、 ...

サウジが原油追加供給、トランプ氏の要求に沿う動き - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-16/PBZCLC6KLVR401
2018/07/17 - トランプ米大統領は石油輸出国機構(OPEC)に対し、市場に十分供給することで原油価格を抑制するよう求めており、サウジアラビアがこの要求に応じている兆しが増えている。 事情に詳しい複数の関係者によると、OPECの事実上のリーダー ...

サウジ国王は必要があれば原油増産すると発言=米ホワイトハウス | ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-saudi-trump-oil-idJPKBN1JR27X
2018/07/01 - 米ホワイトハウスは30日、サウジアラビアのサルマン国王はトランプ大統領に、必要があれば原油増産が可能であり、サウジには日量200万バレルの生産余力があると述べたとの声明を発表した。これより前、トランプ大統領はツイッターで、 ...

サウジ外相、イラン核合意「不完全」 皇太子は20日米大統領と会談 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/saudi-usa-trip-idJPKBN1GW08L
2018/03/19 - サウジアラビアのジュベイル外相は19日、欧米など6カ国とイランが2015年に結んだ核合意は「不完全」だとの見解を示した。20日にはサウジのムハンマド皇太子とトランプ米大統領の会談が予定されている。皇太子と大統領はいずれも、 ...

http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/635.html#c1

[経世済民128] 景気ウォッチャー調査と景気をウォッチしない政府(在野のアナリスト) 赤かぶ
3. 2018年8月10日 13:44:59 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1208]

ビジネス2018年8月10日 / 09:01 / 1時間前更新
実質GDP、4―6月期は前期比+0.5% 民需中心で2期ぶりプラス
2 分で読む

[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日発表した2018年4─6月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.5%と、2四半期ぶりのプラス成長だった。年率換算ではプラス1.9%となった。ロイターがまとめた民間調査機関の事前予測の中央値は前期比プラス0.3%、年率プラス1.4%で、いずれもこれを上回った。名目GDPの成長率は前期比プラス0.4%だった。

内閣府によると、4─6月期実質GDPは民間需要を中心に増加した。実質GDPのうち、内需寄与度はプラス0.6%と、2四半期ぶりのプラスだった。外需寄与度はマイナス0.1%で、2四半期ぶりのマイナスとなった。ロイターの調査では外需寄与度はプラス0.1%の予測だった。

4―6月期は民間最終消費支出が前期比プラス0.7%と、ロイター予測の同プラス0.2%を大幅に上回った。個人消費がプラスとなるのは2四半期ぶりで、雇用・所得環境の改善などを背景に自動車や個人向けサービスなどが増加に寄与した。

民間設備投資は同プラス1.3%(ロイター予測はプラス0.6%)と7四半期連続で増加。生産用機械を中心に建設やソフトウエアなど幅広い分野で増加を示している。政府公的固定資本形成は、同マイナス0.1%となった。

輸出入の動向は、財貨・サービスの輸出が同プラス0.2%と8四半期連続で増加した。船舶などが増加に寄与したが、伸び率自体は1─3月期の同プラス0.6%から鈍化。財貨が同プラス1.1%の伸びとなる一方、サービスが海外輸送貨物やコンサルティング・サービスなどの減少で同マイナス3.3%となったことが影響した。輸入は同プラス1.0%と3四半期連続で増加。航空機などが増加に寄与した。

4―6月期のGDPデフレーターは前年同期比プラス0.1%だった。

政府の2018年度実質成長率見通しはプラス1.5%で、内閣府は見通しを達成するには各前期比プラス0.59%の伸び率が必要としている。内閣府によると、18年度成長率へのゲタはプラス0.1%。

<景気は緩やかに回復>

茂木敏充経済再生相はGDP発表を受けて談話を発表した。

景気認識について、茂木再生相は「民需の増加に支えられた成長となっており、景気については、緩やかに回復していると認識している」と指摘。先行きについては「雇用、所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、民需を中心とした景気回復が期待される」とした。

談話では、保護主義的な姿勢を強めるトランプ米政権を念頭に、「通商問題の動向が世界経済に与える影響や海外経済の不確実性、金融市場の変動の影響などに留意する必要がある」ことも明記した。


 

 


4−6月GDP年率1.9%、予想上回る増加−貿易摩擦に懸念も
占部絵美
2018年8月10日 8:55 JST 更新日時 2018年8月10日 12:51 JST
• 個人消費は前期比0.7%増、設備投資は1.3%増
• 米の自動車関税、影響は全体に広がると農林中金・南氏

Photographer: Keith Bedford/Bloomberg
4−6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は2期ぶりにプラス成長となった。個人消費と設備投資が増加し、市場予想を上回った。ただ輸出の伸びが2期連続で鈍化し、エコノミストからは今後の米国との貿易摩擦の影響を懸念する声も出た。
  内閣府が10日公表した実質成長率は前期比0.5%増、年率換算1.9%増(ブルームバーグ調査の予想中央値はそれぞれ0.3%増、1.4%増)となり、9四半期ぶりのマイナス成長だった前期から回復した。

  個人消費は0.7%増(予想は0.2%増)と2期ぶりの増加となった。1−3月の天候不順による野菜価格高騰の影響が一巡し、自動車販売も好調だった。
  農林中金総合研究所の南武志主席研究員は電話取材で、消費が思った以上に伸び「意外感がある」と話した。1−3月の反動に加え、所得環境の好転も後押ししており「消費の持ち直しはしばらく傾向として出る」と分析した。
  ただ7−9月は記録的な猛暑に加え、広島県などを襲った7月の西日本豪雨の影響も出てくる。みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは前回の下落と合わせると消費動向に大きな変化はなく「消費が拡大するシナリオが続くかどうかはまだ分からない」と指摘した。
設備投資
  設備投資は1.3%増(予想は0.6%増)と7期連続の増加。2016年10−12月期の1.6%以来の伸び幅だった。人手不足を補う省力化投資や東京五輪へ向けた建設需要などが堅調だ。
  第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは発表後のリポートで、「設備投資を取り巻く環境は良好」と指摘。統計でも企業の設備投資意欲の強さが表れており、「先行きも増加基調で推移するとみられ、景気の下支え役として貢献する可能性が高い」と分析した。
  ウィズダムツリー・ジャパンのイェスパー・コール最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンに出演し「企業にアニマル・スピリットが戻ってきた」と分析。企業は「成長とよりよいテクノロジーへの投資」をしていると説明した。
輸出
  輸出は0.2%増にとどまり、17年10−12月の2.1%増から2カ月連続で伸び率が鈍化した。海上輸送などサービス輸出が減少した。モノの輸出は堅調だった。
  野村証券の美和卓チーフエコノミストは発表後のリポートで、「グローバル景気の減速を反映して、日本の外需も徐々に減速過程に入りはじめていると判断される」と指摘。輸出の動きが「成長モメンタムの鈍化を示唆」しているとみている。
  輸出については麻生太郎財務相も閣議後の会見で米中の貿易摩擦を挙げ「不確実性要素があるのは確か」だと話した。
  米国の保護主義的な貿易政策は日本も対象になっており、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による日米通商交渉が9日から米ワシントンで行われている。米国が検討している自動車や部品への追加関税が焦点となるが、課税された場合、日本への影響は大きい。
  農林中金総合研究所の南氏は「自動車は産業波及効果が大きく、ここで弱い影響が出ると全体的に広がりかねない」と懸念する。
キーポイント
• 実質国内総生産は前期比0.5%増、年率換算1.9%増(ブルームバーグ調査の予想中央値はそれぞれ0.3%増、1.4%増)
• 個人消費は0.7%増(予想は0.2%増)と2期ぶりの増加
• 設備投資は1.3%増(予想は0.6%増)と7期連続増加
• 個人消費の増加には自動車や冠婚葬祭、学習塾が寄与と内閣府の担当者
• 住宅投資は前期比2.7%減−前期は2.3%減
• 外需の寄与度はマイナス0.1ポイント
• 名目GDPは前期比0.4%増(予想は0.2%増)

(詳細を追加して全体を書き換えました.)

 


 

6月の第3次産業活動指数、前月比0.5%低下
経済・政治
2018/8/10 13:32
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 経済産業省が10日発表した6月の第3次産業活動指数(2010年=100、季節調整値)は前月比0.5%低下の105.6だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.3%低下だった。

 業種別にみると、指数を最も押し下げたのは卸売業で、2.5%低下した。一方、指数を最も押し上げたのは運輸業、郵便業で、0.5%上昇した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕


 


7月の輸出船契約は41%減、韓中に競り負け鮮明に
自動車・機械 中国・台湾 朝鮮半島 アジアBiz
2018/8/10 12:40
保存 共有 印刷 その他
 日本船舶輸出組合が10日発表した7月の輸出船契約実績(受注量)は、58万3920総トンで前年同月比41%減少した。2カ月連続の前年割れ。年初からの累積でも前年を下回り、国内造船業の低迷が目立ってきた。世界的に新船市況は回復の兆しが出ているが、供給能力や価格競争力で上回る韓国や中国企業に競り負けている。

日本郵船など3社がコンテナ事業を統合した「ONE」。海運会社が巨大化し、発注規模も大きく(JMUが建造したコンテナ船)
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日本郵船など3社がコンテナ事業を統合した「ONE」。海運会社が巨大化し、発注規模も大きく(JMUが建造したコンテナ船)

 7月の受注隻数は18隻。船種別では、ばら積み船が14隻、タンカーが4隻だった。7月末時点の各社の手持ち工事量は2554万総トンで、前年同期比で7%減った。

 造船市場では当初、2020年からの硫黄酸化物(SOx)など排ガス規制の強化をにらみ、新船需要が回復するとの見方があった。ただ、実際には既存船の改造や燃料の変更などで対応する動きが主流になっている。そのほかの新船受注でも、国内造船所は韓中勢に劣勢を強いられている。

 大手メーカーでは無理な受注を避け、大型フェリーなど国内向けの事業を強化したり、土木構造物など船以外の製品を建造したりといった動きが広がっている。


http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/153.html#c3

[政治・選挙・NHK248] 日本 ハズカシイ。(谷間の百合) 赤かぶ
1. 2018年8月10日 14:24:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1209]

>東大が官僚養成学校でもいいのです。真に日本のために働いてくれるのであれば

現実は?

 


公務員の定年65歳に 給与は5年連続上げ 人事院勧告
政治
2018/8/10 10:18

 人事院は10日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に上げるよう国会と内閣に申し入れた。60歳以上の給与は60歳前の7割程度に減らす。公務員の定年延長を進めることで、民間企業にも定年の延長を促す。2018年度の国家公務員一般職の月給を平均655円(0.16%)、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.05カ月分引き上げることも勧告した。

人事院の一宮総裁(左)から勧告を受け取る安倍首相(10日午前、首相官邸)

 一宮なほみ人事院総裁から勧告などを受けた安倍晋三首相は「定年延長は少子化で人材をどのように活用していくか、官民に関わる大きな課題だ。しっかり努めていきたい」と述べた。

 定年延長で人事が停滞しないよう一定の年齢で管理職を外す「役職定年制」を導入する。専門性が必要ですぐに交代要員がみつからず、現職を外すと支障がある場合は例外的に留任を認める。期間は最大3年で対象者は60歳以上でも給与を3割減らす措置をとらない。

 60歳以上の職員が短時間勤務を選べる制度も採用する。個人の体力や事情に合わせた多様な働き方を後押しする。政府は来年の通常国会で関連法案を提出する方針だ。

 政府は21年度から3年ごとに定年を1歳ずつ上げ、33年度に定年を65歳にする方向で検討する。厚生労働省によると定年延長を採用する企業は17年6月時点で全体の2割に満たない。具体的な制度設計を示し、民間にも定年延長の普及を促す。

 月給・ボーナスを共に上げる勧告は5年連続だ。月給の上げ幅は17年度の平均631円を上回る。勧告は民間と国家公務員の給与水準をそろえるのが目的だ。勧告の基準となる民間給与実態調査で民間の水準が国家公務員を上回ったため、引き上げ勧告となった。民間と大きな差がある初任給を1500円上げるなど若年層に重点配分する。

 勧告の対象は国家公務員だが、地方公務員にも影響する。財務省などの試算によると勧告通りに上げると国家公務員で約360億円、地方公務員で約790億円の予算が19年度に必要になる。

 公務員の長時間労働是正へ人事院規則を改定し、超過勤務の上限を明記する方針も報告した。労働基本権が制約される国家公務員は19年4月施行の働き方改革関連法の対象外だが、民間と足並みをそろえる。原則年360時間、国会対応や外交で繁忙な部署は年720時間の上限を設けた。

 違反した場合でも民間とは異なり、罰則はない。大規模災害への対応などは上限規制の例外になる。各省庁に検証を求めるが人事院幹部は「公務員の業務の性質上、どうしても基準を上回る例が多く出そうだ」と話す。

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[政治・選挙・NHK248] 立憲民主党の支持率が半減!うわあああああああ  : 立民の支持率が 14% → 5.6% に激減  もはや泡沫政党の域に 真相の道
22. 2018年8月10日 14:31:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1210]

現状、あまりにお粗末な野党が下がり続けるのは必然だが

安倍政権の支持率自体は、トランプ化しており

無党派層が拡大しているだけだろう

https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/political/2018.html

 

ただし、このままでは、ただでさえ既得権化が露骨になっている

自民党政権の劣化が、さらに加速するので

何とか、まともな野党(リベラル政治家)の登場を期待したいのだが

ほとんど絶望的ではあり

さらに政治は不安定化していくだろう

http://netgeek.biz/archives/124132

http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/885.html#c22

[政治・選挙・NHK248] 志位和夫の共産党と習近平中国は別物だ!  赤かぶ
34. 2018年8月10日 14:39:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1211]
共産党政権の正当性、貧困対策が左右か−格差拡大する中国
Bloomberg News
2018年8月10日 8:01 JST
昨年の党大会、貧困削減を極めて重要な闘いとして重視
急激過ぎる都市化で地方は一段と出遅れ、問題は悪化しつつある

Men having lunch at Liang Fucai’s home. Photographer: Bloomberg/Bloomberg
北京から車で3時間。住民550人ほどの建新は、写真に撮りたくなるような渓谷の村だ。かつては誰もが急斜面に立つ老朽家屋に住んでいた。夏に激しい雨が降れば洪水や土砂崩れに悩まされた。道路は閉鎖され、村自体が何週間も孤立することもあった。 


新しくできた集合住宅ブルームバーグ
  中国当局は建新を「生活に適さない」と分類。そして村民らを200戸余りから成る新しい集合住宅に移すことを決めた。クリニックやデイケアセンターを備えた最新住宅だ。当局が6000万元(約9億8000万円)を投じたこの住宅は2016年に完工。それから163家族がここに移り住んだ。

  だが今年5月の取材時、住民らとのインタビューでは、それほど感謝の声は聞かれなかった。むしろ資金の使途を巡る不透明さに対して怒ったり、仕事がないことを懸念したりする人々が多かった。そして貧富の格差拡大が不満の一因であることが分かった。


梁玉誠さんの家ブルームバーグ
  梁復才さん(56)の寝室3部屋を備えた100平方メートルの新しい住まいは、確かにかつて親族と共同で暮らしていた古い農家と比べれば大違いだ。だが梁復才さんは定期収入がなくなったと嘆く。2万元と引き換えに住んでいた土地の区画を森林局に引き渡す契約に署名したのだ。「前は農業をしてたのに、土地も家も持っていかれてしまった。どうやって食べていけばいいのか」と話す。

  昨年10月に開かれた5年に1度の共産党大会で、習近平総書記は金融リスク抑制、公害対策と共に、貧困削減を極めて重要な3つの闘いの1つとして挙げた。

  政府は20年までに3000万人を極貧から抜け出させると表明。国家主席でもある習総書記の裁量で使える潤沢な資金があることを踏まえれば、目標の達成は問題ではないはずだ。それより難しいのは、そうしたプログラムの恩恵を受ける住民に、当局者の動機が単なる私欲によるものではないと確信させることだ。 


家の中の様子ブルームバーグ
  中国問題の専門家ジューン・ドライヤー米マイアミ大学教授は「支配される側とする側との間にある不信感が大きいことを踏まえれば、善意の貧困対策でさえ、良くて冷笑、悪ければ不信で迎えられる」と指摘する。「生活改善の最新の取り組みを耳にして、人々が直ちに尋ねるのは『それで誰が利益を得るのか』だ」という。

  ロンドン大学SOAS中国研究所ディレクター、スティーブ・ツァン氏は「これまで以上に良い明日を実現できるかどうかに一段と依存するようになっているのが、習政権下での共産党の正当性だ。習総書記がさらなる貧困緩和を進めることができなければ、失敗だ」との見解を示す。

  梁玉誠さん(67)が妻と住むのは古びた家だ。そのすぐ隣に新しい集合住宅が立つ。梁さん夫妻は新しい集合住宅に移るのに必要な1万元を用立てることができなかった。そして何より、新しい住まいに無償で移り住むことができるほど貧しいのが誰か、地元の当局者が決めることには失望している。

  「自家用車を持っていても貧困に分類される者もいる」と梁玉誠さん。「何もかも役人とのコネ次第だ」と言う。

   国際通貨基金(IMF)が6月に公表した調査報告書ではエコノミストのグループが、世界で今最も格差の大きい国の1つが中国だと指摘している。急激過ぎる都市化で地方は一段と出遅れ、問題は悪化しつつあるという。都市部世帯の平均可処分所得は昨年5600ドル(約62万円)と、地方の2064ドルのほぼ3倍だった。


梁玉誠さんブルームバーグ
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」誌に掲載)

原題:Chinese Village Xi Transformed Still Angry Over Inequality(抜粋)
http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/687.html#c34

[経世済民128] ある程度の弾力性を回復した日銀の金融政策 --- 久保田 博幸  赤かぶ
1. 2018年8月10日 21:22:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1212]

外為フォーラムコラム2018年8月10日 / 15:36 / 3時間前更新
コラム:日銀の枠組み強化でアベノミクスは「風前の灯火」=嶋津洋樹氏
嶋津洋樹 MCP チーフストラテジスト
5 分で読む

[東京 10日] - 報道によると、9月の自民党総裁選では安倍晋三首相が優位な状況との見方が多い。筆者は国内政治に必ずしも詳しいわけではないが、古今東西、選挙は現職が有利で、経済が好調な場合はなおさらそうなりやすいという規則性を踏まえれば、特に異論を述べる根拠もない。

しかし、安倍首相がこれまで掲げてきたアベノミクスは瓦解の危機にあるのではないかと考えている。それは安倍政権が続いた場合でも、先行きには大きな不安があるということだ。

今さらであるが、アベノミクスは「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」という3つのマクロ経済政策(通称「3本の矢」)で成り立っている。この中でも「大胆な金融政策」は「第1の矢」と呼ばれる通り、アベノミクスの起点ともいえ、最も成果のあった政策と評価されている。

特に2013年4月に導入された「量的・質的金融緩和」(QQE)は、デフレ脱却に必要な「名目金利を引き下げる」と同時に「予想物価上昇率を引き上げる」ことで、実質金利を大幅に引き下げ、総需要を刺激することに成功した。

しかし、2014年4月の消費増税で状況が一変。というのも、QQEは「機動的な財政政策」と組み合わされることで「リフレレジーム」を形成していたからだ。そして、「機動的な財政政策」は少なくとも当初は「デフレ脱却をよりスムーズに実現するため、有効需要を創出」「持続的成長に貢献する分野に重点を置き、成長戦略へ橋渡し」という説明が象徴する通り、積極財政が念頭に置かれていた。

つまり、アベノミクスとは、デフレ脱却に向け、金融と財政を緩和させるというポリシーミックスを示したスローガンだったと評価できる。

こうした評価を前提とすれば、2014年4月の消費増税がデフレ脱却にとって大きな逆風となったことも理解できるだろう。日銀が2016年9月に行った「総括的な検証」でも示された通り、予想物価上昇率は消費増税後、原油価格の大幅な下落も重なって、伸びが頭打ちとなり、その後、鈍化へ転じた。

日銀は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」(2016年1月公表)と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(2016年9月公表)で体制の立て直しを図ったが、前者は実施のタイミングやその前後の市場との対話のまずさがたたり、予想物価上昇率の引き上げに失敗。名目金利は大きく引き下げられたものの、実質金利を十分に引き下げることはできなかった。

長短金利操作付きの緩和策も、当初のポリシーミックスが反故(ほご)にされたことで、予想物価上昇率を十分に引き上げることはできなかったと考えられる。だが、原油価格の反発という追い風もあり、実質金利は低位で安定。それが総需要を刺激し、需給ギャップを縮小させることを通じて、実際の物価を引き上げ、最終的に予想物価上昇率を引き上げるという枠組みで、2%の物価安定の目標を目指すことになった。

長短金利操作のポイントは、長期金利をゼロ%程度に固定することで、政府が財政を積極化し、国債発行を増加させても、長期金利の上昇やそれに伴う円高の圧力を抑制するということだ。つまり、政府さえその気になれば、QQE当初と同様、予想物価上昇率が上昇することを期待して設計されていたと言える。

しかし、日銀が今年7月会合で決定した「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」は、以下説明する通り、こうした金融と財政を緩和させるポリシーミックスを事実上、否定する内容となっている。

<量的質的緩和の縮小・撤回宣言に等しい>

まず、政策金利のフォワードガイダンスだ。雨宮正佳日銀副総裁は「カレンダーベースの約束ではない」と説明するが、2019年10月という日付を入れた以上、それが額面通りに受け入れられるとは考えにくい。

しかも、「消費税率引き上げ」という文言を盛り込んだことで、金融と財政の緩和というポリシーミックスを難しくするという「副作用」さえある。というのも、仮に政府が消費増税を先送りしたり、万全の態勢で臨み、景気への影響が回避されたりした場合、「きわめて低い長短金利の水準」は維持されないと解釈できるからだ。

同じことは、長短金利操作にも当てはまる。その肝は、経済・物価情勢などに応じて、金利を変動させないことにある。

例えば、政府が積極財政に踏み切り、国債が増発されても、金利は上昇せず、円高も抑制されるとすれば、その実体経済への効果は大きくなるだろう。国内のファンダメンタルズが改善し、潜在成長率の高まりに連動して均衡利子率が上昇する場合、実質長期金利が安定していれば、その分だけ金融緩和の効果が拡大する。

予想物価上昇率の上昇でも名目金利が固定されていれば、その分だけ実質金利が引き下げられ、総需要を刺激するだろう。さらに、海外景気の回復やそれを受けた海外金利の上昇は、円安を通じて、輸出やインバウンドの追い風となる。今回の決定はそうした効果を相殺する枠組みである。

資産買い入れ方針の柔軟化は、従来からのステルス・テーパリング(ひそかに行う量的緩和縮小)をさらに加速させ、QQEそのものの見直しに直結しかねない。そして、政策金利残高の見直しは、マイナス金利の縮小に他ならない。

つまり、今回の日銀の決定は、QQE以降の政策のすべてについて、縮小、撤回すると言っているのに等しい。日銀が物価安定の目標を達成するのはますます困難になったと言えるだろう。

<足元の市場は「嵐の前の静けさ」>

実際、市場参加者の予想物価上昇率を示す10年のブレーク・イーブン・インフレは7月30日の0.41%、5年先・5年インフレスワップは8月1日の0.56%を直近のピークとして、その後は急低下。8月9日時点で前者は0.16%、後者は0.41%と日本だけで大幅に低下した。その間、名目金利の水準も全体的に上昇しているため、実質金利も大幅に上昇したと考えられる。

今のところ、為替と株式への影響は限定的だ。しかし、内外投資家の多くは夏休み中で、日銀の今回の決定についても、腰を据えて分析するという段階には至っていない。足元の金融市場はまさに「嵐の前の静けさ」という印象である。

歴史を振り返ると、デフレ下の日銀は常に景気回復のピーク前後で金融政策の正常化に舵を切ってきた。今回も日銀短観の大企業製造業の業況判断DIが景気後退期にみられる2四半期連続で悪化。日本政策金融公庫の中小企業売上DIが2月をピークに水準を切り下げていること、売上見通しDIが2カ月連続で低下したことも景気の先行きに暗い影を落とす。これら以外でも、景気ウォッチャー調査や機械受注といった景気の先行きを示す典型的な経済指標が軒並み悪化している。

もちろん、こうした経済指標の悪化には直近で相次いだ異常気象や地震などの自然災害の影響も少なくない。10日発表された4―6月期実質国内総生産(GDP)1次速報値は前期比0.5%増と2四半期ぶりのプラス成長だった。しかし、月次の統計をみると、6月は鉱工業生産が前月比2.1%減と2カ月連続で低下。新設住宅着工戸数も前月比8.2%減と大幅に落ち込んだ。4―6月期のGDPは5月までの勢いを反映したにすぎない。

しかも、上述した通り、景気に敏感に反応する経済指標は足元で頭打ち感を鮮明にしている。たとえそれらの月次統計に特殊要因の影響が含まれていたとしても、景気の先行きを楽観する根拠とはならない。

むしろ筆者の経験では、特殊要因にこだわり過ぎたことで景気の先行き判断を誤ることの方が多い印象である(特殊要因をきっかけに景気が足踏みや後退局面に入ることも少なくない)。この筆者の見立てがうがったもので、景気の先行き見通しも全くの的外れとなることを祈らずにはいられない。

嶋津洋樹氏(写真は筆者提供)
*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントなどを経て2016年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネジャーとしての経験を活かし、経済、金融市場、政治の分析に携わる。共著に「アベノミクスは進化する」(中央経済社)

 


豪中銀:将来のある時点で利上げの可能性−四半期報告
Michael Heath
2018年8月10日 11:24 JST
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は10日、インフレ率が2020年末まで目標を下回って推移するとの見通しを示しつつも、将来のある時点で利上げが必要となる公算が大きいと指摘した。

  豪中銀は四半期報告で全般的に楽観的な景気判断を示し、平均を上回る経済成長や失業率の漸進的な低下に伴って、賃金・インフレ率の伸びが加速するとの予想を据え置いた。

主な予想
18年の国内総生産(GDP)伸び率見通しを平均3.25%と、5月の3%から上方修正
20年末時点の失業率を5%、消費者物価指数(CPI)は全体、コア指数とも2.25%と予想
  豪中銀は「経済が予想通り展開し続ければ、ある時点で利上げが適切となる公算が大きい。だが、改善が漸進的である点を踏まえると、短期的にはオフィシャル・キャッシュレートを調整する強い論拠は見当たらない」とコメントした。

原題:RBA Says Rate Hike Likely at Some Point Despite Below-Target CPI(抜粋)


 

 


 

外為フォーラムコラム2018年8月10日 / 11:21 / 2時間前更新
コラム:国債発行増を察知か、日銀政策修正の本音=木野内栄治氏
木野内栄治 大和証券 チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト
4 分で読む

[東京 10日] - 日銀は金融政策の持続性の強化を目指した。確かに、上場投資信託(ETF)の買い入れ銘柄変更に関しては一定の目的が果たされたと思うが、わずかだ。さらに、その他の政策微調整に関しては、政策の持続性が十分強化されたとは思えない。

むしろ、その後の国債買い入れオペの経緯をみると、資産購入の弾力化が本音で、財政ファイナンスの疑義を回避する準備だった可能性があると筆者は考える。

まずは財政刺激策の実施を日銀が嗅ぎ取っている可能性に備えたいし、その先にはフォワードガイダンスの修正に至るシナリオにも留意したい。以下、細かく説明しよう。

<ETF購入策の持続性も不十分>

すでに旧聞に属するが、日銀は7月31日、「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と名付けた政策変更を発表した。タイトルにある「強力な」ものの「強化」とはリダンダント(冗長)な感じが否めないが、文章が下手なのではなく、文章を分かりにくくする意向が潜んでいるとみるべきだ。

実際、政策タイトルは「金融緩和の強化」ではなく「継続の強化」だし、フォワードガイダンスで長短金利の水準を維持する想定なのは「消費税率引き上げの影響」を確認するまでではなく「当分の間」だ。政策意図を分かりにくくする意向が強く、別の何らかの本音が潜んでいる可能性がある。

そして、「継続の強化」の中身も分かりにくい。確かにETF購入策の変更に関しては、継続性が強化された。発行株数の少ないファーストリテイリング株については、従来の買い入れ方針では来年6月には浮動株が枯渇することが懸念されていたが、今回の政策微調整では浮動株を買い尽くしてしまう期限を先延ばしできた。

しかし、それでも2020年2月ごろに延命された程度にすぎず、物価目標が達成できない見込みの時期にETF購入政策の持続性を失う可能性が高い。今回の持続性強化の準備は不十分で、本音が別にある可能性があろう。

<10月の金融システムレポートに要注意>

政策微調整にはETF購入額の柔軟化も盛り込まれた。黒田東彦日銀総裁会見のニュアンスからは、年末に帳尻合わせのように6兆円に積み上げるようなことはしないとの趣旨だろう。

ただ、買い入れ柔軟化の目的は、「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う」ためとした。そこで証券分析におけるリスクプレミアム(=期待成長率+1/予想PER−リスクフリーレート)はETF購入開始時から改善していないと、総裁会見で記者が切り込んでいた。正しい指摘だと思う。ところが、総裁はETFの買い入れを倍増した時は、いろいろな指標でリスクプレミアムが高まっていたと答えた。

そこで日銀が公表している株価についての評価手法をみると、金融システムレポートに収録されるヒートマップがある。移動平均のようなトレンドを求め、そこからの一定の乖離の中に収まるのが、据わりが良いとの見方だ。なるほどこれなら総裁が言うように株式のプレミアムは改善している。そして、現在はレンジ上限が近いので、いずれETF購入額の抜本的な減額などがあり得る。これが潜んでいる本音の1つかもしれない。

当社の計算では、9月末で東証株価指数(TOPIX)が1952ポイント程度まで上昇しているとレンジ上限に達するので、10月の金融システムレポートには注意しなければならないだろう。

<その他の政策変更は持続性の強化にならず>

その他の政策微調整に関しては、持続性の強化とは程遠い。マイナス0.1%の金利が適用される政策金利残高を事前の10兆円から5兆円に半減したが、これで金融機関部門の負担は年間50億円減少したにすぎない。

また、長期金利の操作目標をプラスマイナス0.1%程度からプラスマイナス0.2%程度に拡大した。しかし、金融機関の運用コストはもっと高く、債券運用などの利ざやが0.1%改善したとしても受取利息の増加は数百億円レベルだろう。

しかも、日銀は8月2日の午後に、臨時異例の国債買い入れオペ(公開市場操作)を実施し、長期金利の上昇を抑え込んだ。金融機関の収益の向上はほとんど期待できないのが現状で、金融機関の体力を維持する効果はかなり小さい。

以上、金融仲介機能を持続する強化策としては不十分だと判断される。

むしろ「資産の弾力的な買い入れ」の方が本音だった可能性があると思う。上記のようにオペを予定日以外に実施するのは初めてだという。しかも、「原則オファーしない」とわざわざ公表文に注釈を入れていた新規国債の発行入札日当日のオファーだった。政府が国債発行をする当日に日銀が買いオペを実施すると、財政ファイナンスとの疑義が発生しかねない。

実際、今回買い入れ対象から当日の新発10年物国債351回債は含まれていなかったが、ぎりぎりまで弾力化を進めたオペだったと思う。

<リフレ派政策委員の今後を縛る合意か>

今回このように資産購入を弾力化した目的は何だろう。将来、政府が財政出動に踏み切り国債発行が増加する際にも、国債の日銀引き受けとの疑義を受けずに、かつ長期金利をある程度安定させる手法を模索している可能性があると筆者は感じる。

政府と日銀の間で密約があるわけではないだろうが、日銀は政府の財政政策の方向をより正確に把握することが可能な立場にもある。消費税増税の実施後には政府は景気対策を講じる公算で、今年8月の概算要求の締め切りに合わせて、補正予算の議論も出てくるなどと日銀は察知している可能性がある。

国債発行が増加した場合、長期金利の上昇を許容する幅を今回作った。発行増加額がそのまま日銀国債買い入れの増加額と等しくならないためのバッファーとみることができる。同時に国債入札日にオファーしない原則は、当該新発国債だけであると市場に認知させた。今後、国債入札の不調や市場金利を抑え込む効果があるだろう。

今回、財政ファイナンスとの疑義が生じないための政策調整だったなら、リフレ派の若田部昌澄副総裁が了承した理由も納得がいくし、実際、金融政策の持続性は意味のある強化がなされたことになる。行動は言葉よりも雄弁に語るという。日銀同様に投資家も財政刺激策の実施に備えたい。

その後は、金融システムレポート次第では、「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切にする」とされたETF購入政策の抜本的な変更や、「消費税率の引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性」が財政出動で払拭(ふっしょく)される見込みとなればフォワードガイダンスの調整もあり得る。このように今回の本音は、リフレ派の政策委員の今後を縛る合意を得たことにあるのかもしれない。

木野内栄治氏(写真は筆者提供)
*木野内栄治氏は、大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。1988年に大和証券に入社。大和総研などを経て現職。各種アナリストランキングにおいて、2004年から11年連続となる直近まで、市場分析部門などで第1位を獲得。平成24年度高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。現在、景気循環学会の理事も務める。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

(編集:麻生祐司)



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