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Re: 雑感です。
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 08 日 23:19:34:Mo7ApAlflbQ6s

(回答先: 雑感です。 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 10 月 08 日 17:30:46)


すみちゃん、レスありがとうございます。


>要するに、そんなに簡単な話ではないんじゃないかという気がしてなりませんです。

そう思います。

孫文も岡倉天心も思想家ですから、簡潔でわかりやすく相手の心を強く揺さぶる構図と価値観を展開したのだと思います。

とりわけ孫文の講演は日本人向けに行ったものですから、日本に対する嫌味をそのままぶつけるのではなく、日本人の一人でも多くを中国“近代化”の支援者にしたいという政治的思いが滲み出たものです。

人種論に傾くのも、現実に、白人が武装して恫喝をかけ権益を奪い横柄で傲慢なふるまいをし、その対象となった地域に済む人々が非白人(有色人種)なのですからやむをえないところがあると思っています。

岸田説の「ホテルニュージャパン」ではありませんが、被害者同盟であり、同盟参加者を見たら揃いも揃って非白人だったというものであり、非白人が価値観を共有していたわけではありません。

ざくっといってしまえば、歴史的に形成された価値観も壊れやすいものであり、非白人も白人になれるということを“近代日本人”が示しています。
中国人・アラブ人・インド人その他が日露戦争での日本勝利に歓喜したり、孫文が日本人に王道を期するのは、はかない夢であり、被害者の奮起材料であり、被害者の憂さ晴らしなのかもしれません。
まあ、中国人も、ここ十数年で日本人を負い越す近代性を見せていますから、“近代日本人”がああでありこうであるのも仕方がないことなんでしょう。


>(日本と西洋との共通性について)

日本と西洋の共通性は、前近代までほとんど共通性がないと思っています。
西洋自体が“外来の世界観と価値観”に侵食されていく歴史過程にありました。

まあ、周辺部は、外来のものを取り込んで自己のものにする能力に長けているということができます。
(中国など確固たる世界観や価値観を育んできた中心部はそれに囚われるため、あのような経緯になったとも言えます)


西洋の封建制度と日本の封建制度はまったく別物です。
日本の封建制は土地所有を基礎にしたものではなく、支配者の土地からの分離と領民の武装解除が基礎です。
ある地理的範囲の地域共同体を統治するのが封建領主であり、封建領主の統合体(秩序維持装置)が幕府です。そして、封建領主の統合体に権威を与えたのが天皇です。
この構造が固まったからこそ、武力で土地を奪い合う西洋とは異なり、徳川250年の太平と産業及び貨幣経済の発達が成し遂げられました。
(西洋は“新大陸”の収奪を基礎に産業が発達し、インドを中心としたアジアから利益を上げるためにさらに産業が発達しました。日本は管理貿易(鎖国)ですから、内部での変動です)


文明の伝播ないし拡散は、バビロニア起源の近代文明を基準に考えれば、オリエントからユーラシア両端へということになるのでしょうが、それとは異質のエジプトや中国そしてインドの問題もあるので、一つの説明だと思っています。
(現在にまで連なる宗教は、ペルシアから北西インドの狭い範囲で起きたものが起源だと思っています。古代エジプトの宗教は“秘匿”され、中国の儒教はリアルティを失ったと考えています)

文明は組織であり抽象的観念体系ですから“力”だとは思いますが、それほどの意味性を感じていません。

>(王道と覇道について)
>中国歴史って王道なんでしょうか?
>物凄い仁義なき覇権争いみたいに見えるんですけど。


王道が説かれるというのは、王道が理想だという共通的価値観がありつつも、なかなかそれが現実化されないことの反映です。
易姓革命の正当化にもそれが現れています。

王道がなんたるかや王道か否かというレベルでの覇権争いも数多く行われています。

また、北方の遊牧世界と地を接していますから、否応なく覇道とのせめぎ合いにさらされていました。

中国が歴史的に王道を理想としていたとは言えると思っています。

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