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アメリカの現在のインフレ率7.1%はもう絶対に元に戻せない滅茶苦茶な高インフレ
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投稿者 中川隆 日時 2022 年 1 月 31 日 12:37:35: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 2022年の株式市場はインフレと金融引き締めで暴落する 投稿者 中川隆 日時 2022 年 1 月 31 日 12:35:51)

MMTポリティクスの間違いを証明したアメリカ合衆国経済
アメリカの現在のインフレ率7.1%はもう絶対に元に戻せない滅茶苦茶な高インフレ:
何故世界の株価は今崩れかけているのか? 
これまでわれわれは大量の負債を作り出し、大量の現金を給付した。それで誰もが現金を受け取った。更にものを買うためにお金を借りようと思えば、それも簡単だった。背景にあるのは量的緩和と現金給付である。こうした緩和策は経済を浮揚させると見せかけて実は何年も持たず、大きなバブル崩壊の原因となるのだが、人々はそれに気付かずに紙幣を印刷したがる。
しかも今回のバブル崩壊は例えばリーマンショックの頃よりも深刻である。何故ならば、アメリカでは40年ぶりの物価高騰が起きているからである。
7.1%のインフレとは1年の間に預金の価値がそれだけ減ったということである。日本でもガソリンなどの価格が上がっているが、それはその分貯蓄の価値が目減りしたということである。インフレを喜んでいる人々は、もう随分減ってきたとは思うが、その意味を理解しているのだろうか。

購買力をそれほど大幅に増強すれば、経済は商品とサービスを作ろうとはするが、結果として大規模なインフレになる。
それで利上げが必要となる。政策金利が上がるとそれに連動する住宅ローンや自動車ローンなどの金利も上がり、ものを買うための資金を借りにくくなり、インフレが抑えられる。

今、高騰した物価に対応するべく金利が上昇している。政策金利を先回りする市場の2年物国債の金利は怒涛の勢いで上がっている。上がってはいるが、1.2%程度で7.1%のインフレが収まるわけがない。金利は何処まで上がるだろうか。そして1.2%でも株価にとっては十分脅威なのである。


緩和を永遠に続けられる時代は終わった
金融引き締めで株価が下落することは過去にもあった。例えば2018年である。
当時は市場が20%程度下落したところでパウエル氏が株安の原因は自分だと認め、引き締めを撤回して株価は反発した。
しかし今回の問題は、金融引き締めを止めると物価高騰が続いてしまうことである。

市場を資金漬けにしても物価が高騰せず、金融引き締めも必要にならない、そういう時代は終わった。いまや相場のサイクルの新たな局面に達している。
これはインフレ愛好家たちの致命的な矛盾なのだが、緩和を永遠に続けられていたのはデフレのおかげである。物価が上がらないからこそ緩和が続けられたのだ。だがその時代は終わった。

これまで同じ事が何度も起こってきた。
金融緩和のサイクルとは次のようなものである。まず経済成長が以前ほどではなくなってきて、人々は金融緩和に頼るようになる。金利を下げると経済と株価は回復し、人々は喜ぶ。
そうしている内に今度は金利がゼロまで下がってしまい、これ以上下げられなくなる。そうすると人々は紙幣を印刷し始める。量的緩和である。(もう公に紙幣印刷と呼んでしまって良いのではないか?)

量的緩和はリーマンショック以後の新しいものだと思われがちだが、人類の歴史上紙幣印刷は何度もあった。元々は紙幣ではなく金貨だったから、改鋳によって金貨に含まれるゴールドの含有量を減らしたりしたのだが、それは要するに貨幣の価値を薄める今の量的緩和と同じことである。
奇妙なことに国民は政府の借金を薄めるために自分の貯金の価値を減らす政策を喜んで支持している。人々は生まれながらの奴隷なのだろう。

しかし問題は、紙幣印刷を行なっても10年か20年の間はインフレが起こらないということである。この10年という期間はレーガノミクスの1980年代に緩和が始まって緩和バブルが完全に崩壊するまでの50年から見れば短い期間なのだが、人々の実感として10年は長い。

だから人々は「どれだけ紙幣を印刷してもインフレにはならない」とする錯覚に陥ってしまう。そう主張しているMMT(現代貨幣理論)は新しいものに思われがちだが、歴史を振り返れば緩和バブル相場の末期にいつも同じ主張が現れ、バブル崩壊とともに消えてゆく、いつものことなのである。

▲△▽▼

Fedは利上げと量的引き締め(バランスシート縮小)を行おうとしている。株価が暴落しても、インフレが続く限り、金融引き締めを強要され続ける。
これは1980年代のレーガノミクスから始まった金融緩和依存の時代の終わりである。これまでは金利を下げ、紙幣を印刷することによって経済を一時的に浮揚させることが出来た。1945年の終戦から40年近くかけて上昇した金利が、40年かけて下落し、それが再び上昇しようとしている。
低金利の時代は終わる。そうしなければ物価が高騰し、人々は日用品を買えなくなるだろう。

これは40年もの間金利低下に依存し、借金によって自分が生産するよりも多くを消費してきた社会のツケを少なくとも今後10年の経済恐慌によって支払ってゆくということである。

金融緩和で無理矢理経済を支えれば、バブル崩壊と経済恐慌という形でツケを後で払うようになる。
市場で価格を恣意的にコントロールすれば、ものが不足したり、資源が無駄遣いされたり、消費者が本当に求めるものに投資がされなくなってしまう。
日銀がイールドカーブコントロール、つまり国債の金利と価格に制限を付けているように、量的緩和とは国債市場を恣意的に操作することである。
恣意的に操作された低金利によって、金利が高いままであれば借金の借り換えができずに潰れていたゾンビ企業が延命され、不要なものやサービスを作り続ける。それらは当然売れないので価格が下がってゆく。

それが1980年から40年続いたデフレと低成長の原因である。人々はそれをより良い製品を作ることによってではなく、緩和に依存することによって解決しようとした。それでますます低成長が酷くなり、コロナがきっかけで現金給付という禁忌に手を出すことになり、深刻なデフレは深刻なインフレと入れ替わり、低金利の時代が終わる。

債券市場は金利上昇によるゾンビ企業の淘汰を指示している。
株式市場でも同じである。消費者の求める製品やサービスを提供する企業の株価は上がって資金を集めやすくなり、誰も欲しがらないものを作る企業の株価は暴落して倒産する。株価を無理矢理上げれば世の中が不要なものであふれかえる。

どの企業が経済活動を続けるべきで、この企業が続けるべきではないか、つまりどのような製品が作られるべきで、どのような製品が作られるべきではないかを、消費者の需要ではなく政治家が決定していたのが、市場が政府によって操作された世界である。
彼らは東京五輪やGO TOトラベルのように、資金を経済成長ではなく票田への撒き餌を目的として振り分けるだろう。  

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