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(回答先: 大きな政府では世の中が不要なものであふれかえる世界になる。 投稿者 中川隆 日時 2022 年 1 月 31 日 14:37:54)
消費税は輸出企業だけを優遇するのが目的
消費税が初めて取り入れられたのは1989年4月だった。この年はバブルの真っ最中だったが、消費税3%が取り入れられた翌年からバブルは崩壊していき、1997年に消費税が5%になったら日本はますます不景気になって若年層の格差問題が広がっていった。
最悪なのは、日本人に課せられている税金は消費税だけではないことだ。
所得税、住民税、固定資産税、国民年金、介護保険料、復興税、自動車税、ガソリン税、酒税、タバコ税、贈与税、相続税……等々、ありとあらゆる税金を取られている。
現在、サラリーマンの税金・保険料負担は50%に届こうとしているのだ。月に30万円を稼げば15万円は税金で消えていくということだ。年間にすると180万円の税金負担を課せられてる。
日本の財政は長らく増税と予算膨張を繰り返してきた。それが自民党の政治である。政府がより多く徴収し、より多く資金の使用先を決めるということである。
この政治方針のことを大きな政府と言う。逆により少なく徴収しより少なく使用する政府を小さな政府と呼ぶ。そして世界の常識では大きな政府は左派、小さな政府は右派なのである。
これは共産主義とは何であるかを考えてみれば当然である。共産主義とは政府が資源の配分を決めるやり方であり、政府が国民から資金を徴収して誰に振り分けるかを決める大きな政府は、共産主義の定義そのものであり、当然ながら左派である。
政府に予算の使い方を決めさせればどうなるか、日本国民はコロナ禍で思い知ったはずである。コロナ禍で多くの国民が金銭的、時間的、精神的負担を払っている時に自民党が行なったのはGO TOトラベルと東京オリンピックだった。
日本人は東京オリンピックに3兆円が費やされたという事実を本当に分かっているのだろうか? 東京の真ん中に打ち立てられた巨大な便器だけでも1,569億円も日本人は払ったのである。
打ち立てるにしてももう少しマシなものはなかったのだろうか。GO TOトラベルも含め、すべては自民党が国民から徴収して自分の票田にばら撒くためだけの政策である。
こうした無駄な税金は減らすことが出来ない訳ではない。誰も文句を言わないから減らないだけである。これだけのことをされても日本国民は笑いながら自民党に投票する。だから減らないのである。
また、経済学的な観点からも消費税は撤廃して所得税と法人税に一本化すべきである。所得税や法人税は個人や企業の利益にかかるが、消費税は経済のトランザクションそのものにかかる。
消費税は経済活動を阻害する悪法なのだが、何故自民党が消費増税を好んで法人減税を行いたがるかと言えば、消費税は海外での売上には掛からないため、大企業は消費税をほとんど払っていないからである。経団連が大喜びというわけである。
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大きな政府は間違いだった _ 自民党にだけは投票してはいけない理由
自民党が大好きな大きな政府では世の中が不要なものであふれかえる世界になる。
どの企業が経済活動を続けるべきで、この企業が続けるべきではないか、つまりどのような製品が作られるべきで、どのような製品が作られるべきではないかを、消費者の需要ではなく政治家が決定していたのが、市場が政府によって操作された大きな政府である。
彼らは東京五輪やGO TOトラベルのように、資金を経済成長ではなく票田への撒き餌を目的として振り分ける。
そもそも何故政府は金利をコントロールしたかったのか? 政治家が自分の票田にお金をばら撒くための資金を政府予算から持ってくるためには借金のコストが低い必要があったからである。
国民のためを考えるならば、金利は市場に任せておけば良かったはずである。
現代の経済学者はインフレを善とし、インフレターゲットなる言葉まで作られた。
インフレとは需要に対して供給が不足していることであり、物が足りないことである。
インフレは現代の経済学では善とされており、結果としてのインフレではなくインフレ自体をターゲットとした政策が平然と行われている。
何故インフレが政治家や経済学者の間で好まれたのだろうか? それは政治家が支出を好むという事実と関係している。政府が財政出動により人々を失業から救わなければならないというのは現代の経済学ではケインズからの伝統である。
ケインズはその著書のなかで、無意味に穴を掘るだけの事業であっても公共事業として効果がありうると主張している。政治家は自分の票田に金を配ることを主な仕事としているので、ケインズのこうした主張が彼らに受けたことは自然な帰結である。
公共事業は失業を救うか
しかしそれが経済学的に正しいかどうかは別の問題である。ハイエク氏は次のように述べている。
現在の通貨の問題の主な原因は、当然ながらケインズとその弟子が、支出の総額増やせば繁栄と完全雇用を長期的に約束できるという古い迷信に科学的権威を与えたと思い込んでいることにある。
公共事業自体はケインズ以前から存在する古い迷信である。しかしそれが戦後の世界秩序の決定に大きな役割を果たした著名人ケインズによって流布されたことで神格化され、世界中の政府と中央銀行の不文律のようになってしまった。
しかしトランプ政権によるインフラ投資は実際に経済を押し上げたではないか? それは勿論そうである。
通貨の量が増加することによって雇用が急速に増大し、最短経路で完全雇用に達することは勿論否定されていない。
しかし問題はそこではない。それが長期的に見ても本当にプラスに働いているのかということである。
公共事業がいかに失業を生むか
何故公共事業が長期的には失業を生むか。
すべての職種に対して画一的に同じ給与を決めることができないように、総需要を操作してすべての労働に対する需要と供給を均衡させることはできない。
雇用の量は経済の各部門の需要と供給が一致することで決まる。つまりは経済のどの部門にどのような需要があり、どういう賃金が割り振られているかによって決まるということである。
問題は紙幣印刷や公共事業などのインフレ政策が局所的には多大な不均衡を生むということである。GDPで全体の大きさだけを気にすることが常習化した現代においてはこの重要な点が容易に無視されてしまう。
紙幣印刷は経済のどの部分にどれだけの需要が本当に必要かを考えずに経済全体の貨幣量を増やす。公共事業は政府が恣意的に選んだ受益者にだけ大量の資金を投下する。
どちらの方法でも本当に必要な場所に資金が行くことはない。現代の量的緩和バブルでも株式市場がまず上がって実体経済にはなかなか反映されないのと同じである。結果としてインフレは起こるわけだが、オーストリア出身のハイエク氏は1920年代に起こったインフレにおいて街の様子がどうなったかを描写している。
ウィーンの中心街では多くの有名なカフェが街角の一等地から追い出され、銀行の新しい事務所が取って代わった。
こうした政府による資金投下バブルで一番に利益を得るのはいつも金融業である。金融など一部の分野がバブルで先に得をし、他の業種を追い出してゆく。先進国政府が何年も紙幣を刷り続けた結果、富の不均衡が起こり、アメリカでは暴動に発展している。
しかしインフレになったことで銀行業が飲食店より経済的に重要になったという事実はない。それでも紙幣印刷によって膨張した貨幣量は経済に一様には注ぎ込まれず、一部の業種にバブルを引き起こしてゆく。
しかし例えばハイエク氏の例では不必要に増やされた銀行の職員は長期的には必要ではなくなってゆく。ハイエク氏はそのインフレの時代の顛末をこう語っている。
銀行が事業を縮小するか倒産しなければならなくなり、何千人もの銀行員が失業者の行列を作った時代を過ぎ去るとカフェは戻ってきた。
しかし本来はカフェの従業員は一等地から追い出されて失業する必要はなかったし、大量の新しい銀行員がその後失業者の列となる必要もなかった。これがインフレ政策による長期的失業の増加である。
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