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【ワシントン中島哲夫】パウエル米国務長官は29日、米主要テレビ5局に相次いで出演し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核問題に軍事力ではなく国際的な外交圧力の強化で対処する包括的な「封じ込め」策を取る方針を明確にした。また、北朝鮮が「1、2個の核兵器」を保有していると強調。米政府が日韓などに北朝鮮への「圧力」への参加を求める際、北朝鮮の核兵器保有を前提として対処するのかどうか注目される。
パウエル長官は5局すべてで、北朝鮮の核問題をめぐる緊張状態は「深刻だが危機ではない」と強調。国際問題への軍事対応は常に米国の選択肢のうちにあるが、北朝鮮の現状は外交解決の道があると述べた。
FOXテレビでは、寧辺の核施設への先制攻撃はしないと明言。稼動中の核施設を攻撃すれば放射能汚染の危険があることを理由に挙げた。また、1月前半にケリー国務次官補(東アジア・太平洋担当)を韓国に派遣することを確認した。
パウエル長官はNBCテレビで、北朝鮮の船舶への臨検を強化する方針を示唆した。しかし、この件について日本など北朝鮮周辺国との協議は始めていないと、FOXテレビで述べた。
長官は一方、北朝鮮が「2個」または「1、2個」の核兵器を持っていると各局で何度も繰り返し述べた。「米情報当局の推定で」といった説明や「おそらく」という形容を付けた例もあるが、大半の言及は断定的な表現だった。クリントン政権時代以来の米政府の見解は「北朝鮮は原爆1、2個分のプルトニウムを保有している」というもの。核兵器製造に成功したとの具体的な情報はなく現在も確証はないとみられ、パウエル長官がこうした発言を始めた背景には、ブッシュ政権の政治的意図がある可能性が高い。
[毎日新聞12月30日] ( 2002-12-30-20:16 )