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【ワシントン=天野真志】ブッシュ大統領は7日、シカゴで演説し、向こう10年間で総額6740億ドル(約80兆8800億円)規模に達する「新総合経済対策」を正式発表した。減税と雇用対策が柱で、株式配当課税の即時撤廃や所得税減税の前倒し、失業者を支援する新基金の創設などを提案した。
株価上昇や消費刺激を図り、イラク情勢などを背景に先行き懸念が強まっている米景気の本格回復を早期に実現する狙いがある。米大統領経済諮問委員会(CEA)は、対策によって米国の国内総生産(GDP)実質伸び率が2003年で0・4ポイント、2004年で1・1ポイント押し上げられるとの見通しを示している。
世界景気を牽引(けんいん)する米経済の復調が早まれば、日本などにも好影響が期待できる。
配当課税の撤廃は、配当の魅力を高めて株価を押し上げ、景気のテコ入れに役立てるのが目的だ。法人税と所得税(配当課税)との「二重課税」状態が解消され、企業や個人投資家の税負担が軽減される効果も見込める。米政府は、配当課税の撤廃に伴う減税総額は10年間で3000億ドルに上ると試算している。
また、2001年に決めた10年間にわたる大型減税の一部を前倒しで実施する案も盛り込まれた。2004年と2006年の2段階で、現行最高38・6%の所得税率を35%にする計画だったが、これを2003年に前倒しするほか、2010年に予定していた17歳以下の子供を持つ家庭を対象とする税額控除の拡大も2003年に行うとしている。
一方、雇用対策としては、職業訓練を希望する失業者らを支援する「再雇用基金」を新設し、米政府は2年間で計36億ドルを支出する。失業保険の給付期間の延長なども行う。
大統領は、月内にも対策関連法案を議会に提出し、2月中にも成立を図りたい考えだ。ただ、大規模な減税を柱とする対策の内容には、財政赤字の拡大を懸念する野党・民主党の反発が必至で、法案審議は難航が予想される。
ブッシュ大統領はこの日の演説で、「米国は短期間で景気後退期(リセッション)から脱したが、米経済が力強い成長を維持し、さらに拡大するにはまだ行うべきことがある」と語り、対策の必要性を訴えた。
◆米新総合経済対策の骨子◆
▽株式配当課税を即時撤廃
▽2001年に決めた所得税減税を一部前倒し
▽中小企業の新規設備投資の税額控除枠を拡大
▽失業者を支援する「再雇用基金」を創設
▽失業保険の給付期間を延長
▽対策規模は向こう10年間で総額6740億ドル
▽減税措置はすべて2003年1月1日にさかのぼって実施
(1月8日13:14)