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朝鮮中央通信社は21日、朝鮮が核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言するまでの経緯と関連した詳報を発表した。その全文を6回にわけて紹介する。
朝鮮政府は、米国とその追従勢力の横暴非道な対朝鮮核圧殺政策により、わが国家の安全と民族の自主権が脅威にさらされている重大な事態に対処して最近、核拡散防止条約(NPT)から直ちに脱退するとの重大な措置を取った。
朝鮮中央通信社は、共和国政府がNPTからの脱退を宣言するようになった経緯に関して次のような詳報を発表する。
NPT加盟の経緯
わが国がNPTに加盟した目的は、米国の核脅威除去とともに、より大切なことは、原子力エネルギーで国の電力問題を円滑に解決するところにあった。
われわれは早くから、増大する人民経済の電力需要を解決するため水力発電能力と火力発電能力を積極的に開発してきたが、これはその潜在力において制約のあるものであった。
したがってわれわれは、わが国の電力問題を解決する最善の方途として原子力エネルギー工業を発展させることを決心した。
これに伴いわれわれは、1974年に原子力法を採択して原子力を平和的目的にのみ利用するよう法律で規定した。
われわれは、わが国の原子力エネルギー工業を発展させるための科学研究を推進する一方、外国から原子力発電所を購入するための努力もしてみた。
それは当時、原子力発電所の世界的すう勢が、低レベルの濃縮ウラン燃料に基づいた軽水炉発電所で、高度の技術を要するので自力で設けるには及ばなかったからである。
われわれは、軽水炉を輸入してわが国の電力生産の基本にすることを決め、一部の先進国と交渉した。
しかしこれはスムーズに行かず、どの国もわれわれに軽水炉を輸出しようとしなかった。
1960年代と70年代に原発設備を輸出する国としては、旧ソ連と米国をはじめとする西側諸国と西欧の一部の国だけであった。
われわれはまず、カナダ、スウェーデン、フランスなど西側諸国から先進的な軽水炉を購入しようとしたが、米国の「COCOM」(対共産圏輸出統制委員会)による妨害で実現できなかった。
それでわれわれは、技術発展水準において西側諸国の水準には至らなかった旧ソ連と軽水炉購入問題を交渉した。
当時、ソ連はわれわれが核関連技術を取得するためには、NPTに加盟し国際原子力機関(IAEA)と保障措置協定を締結してこそ可能だと伝えてきた。
われわれは、NPT加盟の問題を慎重に検討した。
とくに、核兵器保有国が核兵器で他国を威嚇したり、核兵器を使用してはならず、非保有国の根本利益を危うくする非常事態を起こしてはならず、核戦争を避けるため努力の限りを尽くすとするNPTの基本精神は、国土が分断された状況のもと、米国の核脅威にさらされているわれわれに当然な関心を抱かせた。
われわれは、原子力エネルギー工業分野における国際的協力も実現すると同時に、われわれに対する核脅威を除去し、朝鮮半島を非核地帯化する目的から1985年12月12日、NPTに加盟した。
保障措置協定締結の遅延経緯
NPTによって非核兵器締約国は、条約加盟後18カ月内にIAEAと保障措置協定を締結することになっている。
しかし、条約加盟後も米国がわれわれに対する核脅威を引き続き増大させたことにより、NPTによる保障措置協定を締結したくてもできない重大な事態に直面することになった。
米国は、核兵器保有国としての国際法的義務に乱暴に違反して南朝鮮に各種の核兵器を大量に搬入し、われわれに反対する核戦争演習である「チームスピリット」合同軍事演習をエスカレートさせた。
われわれは、保障措置協定締結のため南朝鮮からの核兵器撤収、われわれに対する核脅威の除去、われわれに対する法律上の安全保障の公約、同時査察などを米国に求めた。
われわれが提起した主張が正当なものであり、これを支持する国際世論が拡大すると、米国はついにわれわれの要求に応じた。
91年1月17日、米国務省の次官補代理は、米国が「北朝鮮に対して核脅威を与えない」し、米国の核兵器不使用保証は「朝鮮を含むすべての非核締約国に適用される」とのべた。
91年9月27日、米大統領ブッシュは、米国の地上・海上基地から短距離戦術核兵器を撤収すると発表した。
91年11月8日と12月18日、南朝鮮当局者(盧泰愚)が、「非核化宣言」と「核兵器不在宣言」を発表した。
92年1月7日、南朝鮮「国防部」と米国防総省、「韓米連合軍司令部」が、「チームスピリット」合同軍事演習の中止を共同で宣言し、92年1月22日、朝鮮と米国間の高位級会談が行われた。
米国と南朝鮮が口頭上の約束をしたことから協定締結の条件と環境が整ったとみなし、われわれは92年1月30日、IAEAと保障措置協定を締結した。
朝鮮最高人民会議第9期第3回会議では、92年4月9日、「NPT寄託国のどの国も朝鮮半島に核兵器を展開せず、われわれに対して核脅威を与えないということを前提に」保障措置協定を承認し、その翌日の4月10日、このことについてIAEAに通告した。
これにより、われわれとIAEA間の保障措置協定は、92年4月10日から効力を発生することにった。(朝鮮通信)
[朝鮮新報 2003.1.30]