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(回答先: Re: むしろ、沈黙の中に答がある。 投稿者 Silent Tears 日時 2003 年 2 月 04 日 20:19:16)
Silent Tearsさん、こんばんわ。
北朝鮮の挑発的な大言壮語には中身がないと思っています。
(中身があるほうがぶっそうでまじめな対応が必要になるんですが)
>例えば平和目的での原子力開発を推進する為に、わざわざNPTを脱退する必要は無い
>んですけどね。
NPTの脱退は、日本に対する交渉の円滑化を求めるとともに、米国を交渉の場に引き出すための外交的駆け引きだと見ています。
NPT脱退に関しては、いわゆる国際世論よりも、北朝鮮の主張のほうが筋が通っています。
● 米国は、94年の米朝合意に違反して重油の供給を停止した。
● 米国は、北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しするのみならず、先制攻撃や核兵器使用の対象国であると公言した。(米朝合意では敵対的行動をしないことをうたっています)
こういう変化がありながら従来の枠組みを守り続けるのは、唯々諾々と振舞う“隷属国家”になることです。
北朝鮮が、米国との間で不可侵条約締結を求め、それが実現されればNPT復帰もしくは米国の査察に応じると主張しているのは実にまっとうなことだと思っています。
(大国による核兵器の独占を志向するNPT体制の欺瞞性やNPT第6条の核軍縮を行わない大国の不埒な対応を声高に非難しないところが、北朝鮮の米国への“思いやり”でしょう)
“国際世論”がまっとうであれば、「米国は合意事項を遵守しろ、たわけたブッシュドクトリンは撤回しろ」というものになるはずです。
先進国や大国からは理解が得られない主張ですが、米国の変化に対応して採ったNPT脱退という北朝鮮の行動は、主権国家としてまっとうなものです。
この間の推移から、北朝鮮が、憂いを取り払うことで軍事国家から脱却したがっていることは認められると思っています。
(体制存続に危機意識を持っている限り、北朝鮮が軍事国家の道を放棄することはありません。キム総書記は、軍事の重荷が経済的苦境の要因であることを理解しているようです)
キム体制を崩壊させたい人はあらゆる機会を捉えて北朝鮮の酷さを訴えたいでしょうが、国際政治の“道理”はそれとは別問題だと思っています。
※ 参考
先週号の『ニューズウイーク日本版2・5』には「ブッシュの世界の敵?」という記事があり、北朝鮮の核問題について次のように書いています。
「アメリカよりも北朝鮮のほうがまともな国にみえるとしたら、これは由々しき事態というほかはない。
緊迫さを増す米朝の駆け引きでは、北朝鮮の指導者・金正日が常に先手を打っている。核開発の再開、査察官の追放、核拡散防止条約(NPT)脱退宣言と、やることは極端だが一貫性はある。
アメリカが援助を約束し、不可侵条約を結べば脅かすようなことはしない−北朝鮮はそう主張している。これに対して、米政府の対応ははっきりしない。韓国は先週の南北閣僚級会談で打開策を探ったが、対話の継続以上の具体的な成果はなかった。
金が交渉相手にと望むアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領はといえば、その政策や発言は往年の喜劇俳優グルーチョ・マルクスも顔負けの支離滅裂さだ。
ブッシュは昨年の一般教書演説で北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しし、金のようんは「卑劣」な男との交渉には応じないと断言した。
ところがイラク問題で頭がいっぱいになると、北朝鮮を攻撃するつもりはないと発言。打つ手を自ら断ってしまった。そこで新たに編み出したのが、北朝鮮との「対話」には応じるが「交渉」はしないというスタンスだ。
<中略>
(アーミテージ国務副長官)いわく、米議会が相互不可侵条約を批准することはありえないが、北朝鮮とアメリカが「書簡や政治声明といった形」で不可侵を確認する可能性はある−
こうした姿勢がアメリカ国外で評価されているとは言いがたい。
<後略>」