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http://www.asyura.com/2003/dispute5/msg/105.html
政府紙幣は悪性インフレやハイパーインフレに本当に繋がるのか
投稿者 ケイちゃん 日時 2002 年 11 月 17 日 06:26:41:

http://www.asyura.com/2002/dispute4/msg/219.html
のディスカッションの続きである。

>まず、デフレから悪性インフレに転換することは小川を跨ぐほど簡単な経済変動だという認識が必要です。
それは、今後、日本ではなく欧州諸国で先行的に見られる経済事象だと予測しています。

>悪性インフレは、生産性上昇力と国内供給力増強条件があれば好ましいかたちで収集できますが、生産性上昇力と国内供給力増強条件がなければ、ハイパー悪性インフレに突き進んでいきます。

>自由主義的経済価値観・利潤追求・自由主義貿易・グローバリズムが脈々と息づいているなかで「政府紙幣」が発行されることになれば、悪性インフレからハイパー悪性インフレに進んでいくと予測しています。

あっしら氏は(日本においても)経済価値観の転換がなければ政府紙幣の投入は悪性インフレに至り、悪性インフレはハイパーインフレに繋がってゆくと予言する。これは本当だろうか。

良く知られるように、インフレにはコスト・プッシュインフレとディマンドプル・インフレが存在するとされる。前者はオイルショックに代表されるように、原材料や燃料が何らかの理由で高騰した時、製品価格への転嫁を通じて価格が高騰し、それが経済全般に普及してゆく現象を指している。後者は何らかの理由により財・サービスへの需要が高まり、その結果、当該財・サービスの価格高騰が見られ、これが経済全般に普及する現象を指す。政府紙幣の投入によって見られるインフレとはどちらであろうか。

政府紙幣によって原材料や燃料の価格が上がることはないので、インフレが発生するとしたらそれはディマンド・プル型のものとなるであろう。その過程を通じて賃金の上昇が見られるはずだから、この賃金上昇をコストの上昇と見るならば、途中からはこのディマンド・プル型インフレはコスト・プッシュ型インフレとの複合型に移行してくると想像される。いずれにせよ、オイルショックの時のような純正コスト・プッシュ型インフレとは全く別の経済現象になるはずだとの認識が重要である。

さて、ディマンド・プル型インフレが起こる状況とはどんなものであろうか。あっしら氏が頻繁に用いる図式で言うと、「供給<需要」が成立しているということである。完全雇用がもたらされ、既存設備がフル稼働しているということでもある。ことここに至って企業セクターが手を拱いてインフレの昂進を傍観していることはあり得ない。むしろインフレが実現する前に追加投資なり、生産性上昇のために全力を傾けるはずである。景気は完全に回復し、人々の経済見通しも楽観的なものに変わっているはずである。換言すれば「ディマンド・プル型インフレが起こると想定される状況」にまで持って行くことが政府紙幣投入の目的に他ならないのである。

>「日本国民はそれを理解しないほどバカではない」ということですが、バカではないからこそ、インフレ時にはもっと給与をもっと支給をと声高に叫ぶことになります。
>ロシアや中南米の国民がバカなわけではなく、活動力でお金を稼いでいる人たちは、物価が上がっているのだからもっと給与を寄こせと言うしかないのです。

上述したようなディマンド・プル型のインフレの特性から考えると、インフレが際限なく昂進する可能性そのものが低い(日本のように供給サイドがしっかりした国は直ちに需要増に対応がなされる)。また、仮にインフレが進んだとしても、いわれの無い理不尽な原材料価格の高騰ではないから、インフレ率が極端に高まることはあり得ない。また、インフレ退治に政府が乗り出しても大きな抵抗に合う可能性はさほど高くは無い。すでに失業問題は解消されているし、政府紙幣のさらなる発行はインフレを煽るだけで、実質給与の増大とは繋がらないことは理解容易な話である。

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