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米国のイラク攻撃の理由について、米国は意図的に全アラブを敵に回して戦争をしよう、としている、との見方がかなり出ているようです。サウジなどこれまで親米だったアラブ産油国も、反米色が強まっている。こういう地域に石油を依存するのは止めて、ロシアや中央アジア諸国に切り替え、米国に歯向かおうとしている中東諸国は叩き潰し、場合によっては占領してしまおう、というわけです。先日、紹介した「国際戦略フォーラム」もこんな見方を披瀝していました。
しかし、これはちょっと乱暴過ぎる仮説でしょう。たしかにロシアの石油輸出量がサウジを抜いたようで、月刊誌「論座」7月号の米フォーリンアフェアーズの翻訳記事にもこの事実が取り上げられていました。しかし、中央アジアからの石油輸出は、”大化け”するのはこれからですし、米国のエネルギー政策が脱石油、原子力重視に移行(するかどうかは確実ではないでしょうが、少なくともダブヤはそうしたい、と言っています)するのも時間がかかります。今、サウジやクゥェート、イラク、イランを滅茶苦茶にしては、石油ショックどころでない、エネルギー危機が来るでしょう。まあダブヤ政権には、正真正銘の”ガイキチ”もいるようですから、途方もないことをしでかす可能性はゼロではないでしょうが。
田中宇さんの最新メールは、これと逆に、エンロンやワールドコムなどによる現在の米国経済危機による政権弱体化を防ぐためのマヌーバーだろう、と見ています。
まあ、一連の報道を見ていると、かなりキナ臭く、ヒートアップしてきつつあるようで、日本も石油備蓄問題などを真剣に検討した方がよさそうですね。とてもとても「長野のヤッチン」問題報道などにエネルギーを割いていられるほど、のどかな情勢ではないように思いますが。