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お互い独立国家なのだから、インドのバジパイ政権とパキスタンのムシャラフ政権が最終的な責任を負っていることを認めながらも...。
インドに対する経済支配なくして資本制経済の確立はなかったし、インドの政治支配なくして王位の者が皇帝を名乗れるようにもならなかった。
東インド会社の輸入超過=金銀流出を避けるために、インドの綿織物機をベースに自動織機を造って綿織物の大量生産を行い、インドでそれを販売するためにインドの綿織物労働者の腕までぶった切った英国の歴史を今一度見直し、英国支配層は、現在の危機に対応して欲しいものである。
(綿織物の市場制覇以外にも、対清貿易の輸入超過を解消するために、インドで茶葉栽培やアヘン栽培を強制することなどを通じて、インド経済をずたずたにした責任は重い)
アメリカ先住民と同じように、ムガール帝国皇帝が英国人や東インド会社を甘く見ていたというそしりは免れないし、英国が行った国民会議派(近代主義)・ヒンドゥー・ムスリム・藩王・官僚といった諸勢力に対する分断・対立政策に乗ってしまった誤りも指摘できる。
インドとパキスタン(東西)に分裂して独立するようになったのも、200年にわたる英国インド支配の置きみやげだと言える。
英国が入り込む前のインドでは、ヒンドゥーとムスリムの軋轢はあったとしても、分断を志向するような宗教対立はなかった。
巧妙と言えば巧妙な支配政策だが、多数派ヒンドゥーと少数派ムスリムの対立を煽りながら英国はインド支配を継続したのである。
独立後紛争の焦点となっているジャム−カシミールは、藩王がヒンドゥーで住民多数派がムスリムという構成で、藩王が住民の意思を問うことなくインド帰属を決めたことが発端である。
独立後もインドとパキスタンのあいだで対立と競争を煽るという英国(代表)の策に今なお乗っているのはなんとも悲しい。
インド国民会議派が暗殺と汚職問題で凋落し、人民党バジパイ政権と軍事クーデタムシャラフ政権が軌を一にするかのように登場し、9・11空爆テロから「アフガニスタン虐殺戦争」を経て、インド国会襲撃テロ事件を契機にした印パ間の緊張の高まりという流れには偶然とは思えないイヤなものを感じる。
米英やU.N.は、テロを防止していないとパキスタンを非難しているが、米国でさえ本土に加えられたテロ攻撃を防止できないという現実を見せつけた後なのだから、インドとパキスタンは、インド国会襲撃テロ事件をはじめとするテロの真相をインドとパキスタンで共同捜査することから交渉を始めて欲しい。
テロ攻撃に対して正規軍が直接関係ない国家に対する戦争に踏み出すという「対テロ戦争」が“大義”となってしまった時代潮流を背景に、パキスタン情報部がテロ攻撃を仕掛けているような報道が流れ、パキスタンにテロ防止を求める一方でインドに対して自制を求める声が少ないという現状を見ていると、主要諸国は印パ戦争を本気で止める気がないように思える。小泉首相も、戦争を仕掛ける気がないムシャラフ大統領に自制を求める電話をかけたという。
(穏当に言えば、インドの戦争を止めることは、米国をはじめとする「文明諸国」を止めることやイスラエルを止めることになるからである。9・11から「アフガニスタン虐殺戦争」という流れが容認されたことで、世界の判断基準を大きく変えてしまったのである)
“第三者”の思惑に動かされて、どちら側にもとてつもない犠牲者が出ることがわかっている戦争に踏み出すほど愚かなことはない。
インドが勝ち、独立時と同じようにジャムーカシミールを完全併合するとしても、正規戦の後には、終わりの見えない泥沼のゲリラ戦が待っている。(本格的な戦端が開かれるとしたら、インド側の仕掛けによるものになるだろう。インドに話し合いを求めブッシュ政権のケツの穴まで舐めているムシャラフ政権が、勝ち目のない対インド戦争を仕掛けるとは思えない)
どちらが先に使うにしろ(パキスタンの可能性が高い)、核弾頭が炸裂すれば、数百万人の犠牲者を出し、修復不能の亀裂と対立をもたらすことになる。
“第三者”の思惑は、印パ戦争を起こすことで、そのような悲劇的状況を南アジアや中央アジアに生み出すことである。
報道量が少ないので断定的なことは言えないが、9・11と印パ緊張は無関係な出来事とは思えない。
(パキスタン正規軍が崩壊の様相を見せれば、パキスタンは、ブッシュ政権のケツの穴まで舐めたツケとして、西部地区でも戦乱が起き大混乱に陥る可能性が高い。そして、その結果、パキスタンが消滅することも...)
英国統治者に説教を垂れても歯牙にもかけないだろうから、現実的には、バジパイ政権に戦争の自制を求めるしかないのだろう。(日本の統治者も英国と同じだが...)