【カイロ=松尾博文】
イスラエル軍は30日、前日制圧したヨルダン川西岸のラマラに続きベイトジャラやヘブロンにも侵攻を開始した。ラマラでは過激派の一斉捜索を実施、抵抗するパレスチナ人との銃撃戦が断続的に続いている。軍事行動はパレスチナ自治区の他都市へ広がる様相を見せており、イスラエルが自治区全域の再占領を視野に入れ始めたとの観測が強まっている。
パレスチナ自治政府の議長府を制圧したラマラでは、過激派の一斉捜索で30日朝までに145人を拘束した。その中にはパレスチナ解放機構(PLO)の主流派組織ファタハの創設メンバーであるサヘル・ハバシュ氏を含んでいる。
またラマラ近郊のベイトニヤではパレスチナの新世代リーダーとして力を伸ばすラジューブ治安警察長官(ヨルダン川西岸担当)の事務所を十両以上のイスラエル軍戦車が包囲している。