米有力格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本の長期国債を格下げした15日、別の米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも、近く格下げに踏み切る可能性を示唆した。
同社のスティーブン・ヘス主任アナリストが、朝日新聞社の取材に応じ「5月末までに日本国債を、もう1〜2段階格下げする可能性がある」とした。同社は昨年12月、「Aa2」から「Aa3」に1段階格下げし、イタリアと並ぶ最低水準にしたばかり。
格付け会社はいずれも、12日の金融庁の特別検査の結果を注目していたが、大手邦銀の不良債権処理を進める追加策などに失望感が広がり、小泉改革の先行きに懸念が強まっている。
日本経済全体の信用度を示す格付けの相次ぐ引き下げは、国債価格の下落(金利の上昇)を伴う恐れがあり、日本の景気回復に打撃となりかねない。(12:58)