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(回答先: Re:そうかなあ。 投稿者 スーパー銭湯 日時 2002 年 10 月 29 日 10:52:26)
スーパー銭湯さん、こんにちわ。
金融政策で通貨発行量(マネタリーベース)は増加できても通貨流通量(マネーサプライ)は増加できないという視点が重要だと思っています。
とりわけ、公的債務が巨額に積み上がっている現状では、金融政策はデフレ解消に有効な力を発揮しないと言えます。
>シロウトなりに考えても、通貨下落するなら、モノにしとこうと
>思うんじゃないですか?
そう思っています。問題はどうやってそのような判断状況をつくり出すかということです。
通貨価値が下落するインフレになると予測したり、インフレが常態だと考えていれば、モノにしておこうと思う経済主体や個人が多数派になります。
(モノのなかでも、不動産や生産設備など借り入れでまかなうものはとりわけそうです)
しかし、デフレが常態に近いと思われている現状では、実際に物価が上昇するという状況を見ない限り、モノに対する需要は高まらず、それは同時に借り入れに対する意欲も高まりません。
ご指摘のような判断を多数の人が持つような経済状況を生み出しえないことが、デフレ・スパイラルを継続させています。
>あっしらさんが需要不足だから金融緩和は効かない、というのは
>日銀の言い分と同じですね(笑)。いや、同じでも良いんですけど。
オリジナルの説明不足からそういう判断をされたかもしれませんが、需要不足だから金融緩和政策は無効だという主張はしていません。
究極的には、供給=需要という考えしかも始源は供給だと考えています。
需要不足が問題になるのは、政府部門の赤字財政支出の減少です。これについても、赤字財政支出による需要拡大策は一時しのぎであり、現在既に陥っているような財政危機をもたらすものであり大衆的増税を強いることから基本的に反対しています。
私がこれまで主張してきたのは、供給不足と所得配分から生じる需要不足の解消です。
供給不足は、物理的な量の問題ではなく、供給活動に投入される金額の量です。端的にいえば、優良企業経営者は従業員の給与を引き上げるという供給拡大策を採るべきだと考えています。
所得配分から生じる需要不足は、供給活動に従事している人々の所得税負担の在り方が供給=需要であるはずの構造を壊しているというものです。これについては、恒久的な「低中所得者減税」(「高所得者増税」)を主張しています。
>それが実現される前に、かれらはデフレ阻止の金融政策をとる
>ことを禁じられている。そう思ってます。
私も5年ほど前まではそのように見ていました。
しかし、その後の金融政策を見ていて、彼らはデフレを解消したくともできない状態に陥っていると判断するようになりました。
>デフレなんか、日銀が通貨供給を必要なだけすれば、
>すぐに消えるんなないですか。
日銀は、商業銀行への通貨供給を拡大してきましたが、それが経済社会の通貨流通量の増加に結びつかないことが問題なのです。
従来的経済価値観の枠内でデフレ不況で通貨流通量を拡大できる唯一の方策は、赤字財政支出の拡大です。
政府が活動力に対する支払いを中心に赤字財政支出の拡大を年率5%程度で行っていけば、デフレ不況は解消できます。
しかし、日本に限らず、米国を含む先進諸国の財政状況は、そのような財政政策を許さないレベルまで悪化しています。
短期的には赤字財政支出の拡大を継続できても、その利払いや返済のために増税が行われれば、デフレ圧力が加わり元の木阿弥になります。
(欧州では付加価値税が20%水準ですし、日本も10%への引き上げが論議されています。米国は対外債務の増加に頼って増税を避けていますが...)