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(回答先: 夢のある予算を 投稿者 楽観派 日時 2002 年 7 月 28 日 10:44:29)
主計官は絶大な権力を持っていると誤解されがちですが、実際には大枠は決まっていて、伸び率や削減率のコンマ以下の部分をいじくっていることが殆どです。
右肩上がりの時代は予算のパイも年々膨らむため、同じ比率を維持しながら、仕事をしているフリをしていれば良かったのですが、そんな平和な時代はとうの昔に終わりました。
さて、貴殿の問題提起された、新たな時代に即した予算編成は如何にして実現されるのでしょうか。一般の方から見ると「あっさり予算の割振り変更でも歳出削減でも実行に移せば良いではないか。」と感じられるかも知れません。しかし、予算をカットされると冗談ではなくクビを吊らなければならないような人々が多数存在するのです。主計官にはそういう無数の利害が頭にインプットされているのです。
しかし、時代がここまで煮詰まってくると、とにかくやらざるを得ません。本来なら強力な政治的リーダーシップが必要なところですが、誰が政権を取ろうとも今の日本の財政が置かれた状況は変わりませんので、実は同じ事なのです。それでも財務官僚の必死の抵抗を振り切ってポピュリスト的予算編成を行ってしまう政治家が出てくる恐れは否定できません。国民はこの種の政治家の甘言に絶対にダマされないで欲しいと思います。
最近ついに一般予算だけでなく、財投にまでメスが入り始めました。公務員の利害からすると天下り先の減少に繋がり喜ばしいことではありませんが、私自身は大変良い事だと考えています。と、言うよりももはや我が国には余分な無駄を抱えるような余裕は全く無いのです。
画期的な新技術の研究開発に大胆に予算が回るにはどうしたら良いのか。これは実は大変難しい問題を孕んでいます。例えば数千億円単位の予算を付けたとして、万一失敗したら、主計官や局長のクビが飛ぶくらいでは済みません。そういう厳しい時代になりました。失敗に失敗を重ねた宇宙開発事業団の事例を見れば事情はお分かり戴けるでしょう。「夢のある予算を」と言って戴ける国民はごく一握りです。研究や開発とはどういうものか、理解していない国民(マスコミも)が普通だからです。