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(回答先: 国債格付け:米ムーディーズに損害賠償請求も 財務省[毎日新聞7月25日] ( 2002-07-25-20:52 ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 25 日 21:33:26)
財務省は25日、米国の民間格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスに対して23日付で、国債格付けに対する「再々質問書」を送付したと発表した。それによると、格付けで政府や企業が不当なダメージを受ければ「損害賠償の対象になり得る」と主張、またデフォルト(債務不履行)の前例のない先進国に格付けをするのは「無意味で、市場を無用に混乱させることになる」とも指摘した。
ムーディーズは6月25日に財務省に対して再回答を提出。これを受けて、同省は「各国のデフォルトリスクについてどういうタイムスパンで、どういうシナリオを想定しているのか、各国間の格付けの差の客観的な理由が引き続き説明されていない」などとして、黒田東彦財務官名で3度目の質問書送付に踏み切った。
質問書では、「格付けが市場で重視されており、客観的で数量的な説明がないと市場をミスリードすることになると考えているからこそ、こだわっている」とし、「5月の格付け引き下げを市場は無視したが、将来影響を受けることもあり得る」と警戒感を示している。そのうえで、あくまでも一般論としながらも、将来の損害賠償の可能性を示唆するという強い姿勢を初めて示した。
この再々質問に先立ってムーディーズから受け取った回答書によると、同社は、ソブリン格付けは標本数が少ないこともあり、統計的に有意な形で示すのは困難との見解を示したという。これを受けて、質問書では、「ソブリン格付けの信頼性を著しく低下させる」とも批判している。
同社が、日本の政府債務について「未踏の領域」に入ると主張していることに対しても、「巨額の国内貯蓄の存在という強みを過少評価しており、日本市場の低い実質金利とどのように整合性をとっているのか説明されていない」とし、国内総生産(GDP)比120%超の債務を抱えていた戦後初期の米国などの事実を無視していると反論している。
また同省は、1976年のポンド危機と国際通貨基金(IMF)借り入れの2年後(1978年)に発行された英国の外債がAAA格を維持していた事実との整合性の説明を求めていた。これに対して、同社は、回答書の中で1970年代の英国の格付けが間違いだったことを認めたという。
これを受け、質問書では、双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国をはじめとする各国と日本の格付けが「明らかに釣り合いがとれていない」としてあらためて説明を求めている。
財務省は4月26日と5月22日の2回にわたり、ムーディーズに対して、国債格付けの基準などに関して質問書を送付、日本国債の格下げには理由がないと主張した。しかし同社は5月31日に、同省の反論を押し切る形で、それまで「Aa3」としていた日本国債の格付けを「A2」に2段階引き下げた。