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(回答先: ご説拝聴しておきます。 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 7 月 24 日 05:39:09)
レスありがとうございます
根が素直なので、政策立案担当者の方からのものだと受け止めています。
数式やデータについては、機会があれば、財務省のサイトで公表していただけばと思います。
>増税・歳出削減のセットを実行するプライマリー・バランスの改善以外に日本の財
>政、ひいては日本経済を維持存続させる方策はありません。これは専門家として断言
>致します。
「プライマリー・バランスの改善以外に日本の財政、ひいては日本経済を維持存続させる方策はありません」については、全く(短期)とは言えませんが基本的(中長期)に同意します。
しかし、レスをいただいた本文を読んでいただければ理由はご理解いただけることだと思いますが、“プライマリー・バランスの改善”以上に、“政府債務残高の対GDP比の低下(改善)”や“政府債務の確定利子率の実質ベースでの低下(マイナス化)”のほうがより重要な政策課題だと考えています。
逆に言えば、“政府債務残高の対GDP比の低下(改善)”や“政府債務の確定利子率の実質ベースでの低下(マイナス化)”が達成できる国民経済状況をつくり出すことで、“プライマリー・バランスの改善”もできるということです。
抽象的過ぎるかもしれませんので、ざっくばらんに書けば、これまでに積み上がった政府債務を債権者に打撃を与えないペースで薄めなければならないということです。
債務切り捨てと感じさせないペースなのか、債権価値が薄まったと感じさせてしまうペースなのかは、国民経済と財政にとって重要な違いになります。
それを行わないまま“プライマリー・バランスの改善”を志向して、国民経済に打撃というほどの悪影響を与えずに財政危機を乗り越えられるという経済・財政条件は、80年代前半で終わっています。
(ご存じだと思いますが、80年代前半の中曽根政権(竹下蔵相)時代にも財政危機が声高に叫ばれ、ゼロシーリングという言葉が大衆化したほどです)
>日本国民に当然の事を当然の事として再び想起していただく事、即ち、国も個人同様
>収入以上の支出はいつまでも続けることができないのだという単純な事実をかみ締め
>て戴きたいと考えております。
個人や企業は、与件である国民経済という枠組みのなかで経済活動を行い、次の与件となる国民経済を形づくっていますが、通貨発行量・貸し出し量・利子率・税制など国民経済を貫く与件を決定することができません。
個人や企業は、支出のベースである収入を、努力と才覚で増加させることはできても、“意図的に”増加させることはできないのです。
しかし、国民経済を管理する国家(中央銀行を含む)は異なります。
税制・通貨発行量・貸し出し量・利子率を操作することで、個人や企業の収入を変動させ、ひいては政府の歳入を変動させることができる立場なのです。
個人や企業は、増加した収入が実質価値ベースで増加したかどうかはとりあえずは二の次で、まずは、名目で収入が増加することを願います。
これについてはそれ以上説明する必要もないと思いますので、今一度、持てる能力を総動員して、財政危機と「デフレ不況」を克服する政策をお考えいただければと願っています。
「デフレ不況」を克服することなく、財政危機を克服することはできません。
これは、経済事象を見つめてきた一個人として断言できます。