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(回答先: 日本経済の力を適切に反映していない=国債格下げで福田官房長官[東京31日ロイター 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 31 日 17:36:13)
<東京三菱証券・チーフクレジットアナリスト 三島拓哉氏>
格付けはひとつの財務指標で決まるものではないが、もっとも重要な指標を一つだけあげるなら、事業法人なら“キャッシュフロー/債務比率”。これを一発行体としての政府に当てはめれば、“GDP/一般政府債務比率”が近いといえるだろう。ムーディーズは1998年にはじめて日本の格付け見通しを変更した当時から、「日本の一般政府債務の対GDP比率はすぐにカナダを追い越し、その後、イタリアをも追い越す」とすでに予想していた。
デフレ経済、財政・政治の構造改革、銀行不良債権など依然大きな課題を抱えた日本政府が、国債を中心に負う債務負担は、日本の強みである高いGDPとの対比で見てもイタリアを追い越すどころか、すでにムーディーズやS&Pが格付けする国のなかで最も悪い水準にある。
今回、ムーディーズは、「現在および今後予想される経済政策では、国内債務状況の持続的な悪化に対して十分に歯止めをかけることができない」との見解を改めて示した。日本の抱える課題が本格的に改善する兆しが認められないなか、日本の一般政府債務/GDP比率は1993年にA1に格下げされた当時のイタリアよりすでに悪い。こう考えれば、今回のA2は厳しいとはいえ、仕方ないだろう。
今後はR&Iに注目したい。同社は今年4月26日に日本に対するAAA格付けを据え置いている。G7国に対するソブリン格付けのような国際的に重要な格付けでムーディーズ、S&P双方と3ノッチ以上もかい離したケースをR&Iは許容できないのではないか。R&Iも日本の格付けの方向性は下向きと明言している点も考慮すると、同社も今年度中に引き下げる方向のアクションをとる可能性があると予想する。
(東京 31日 ロイター)