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(回答先: ムーディーズ、日本国債格付けを2段階下げA2に(CNN) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 31 日 17:39:36)
ムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本国債の2段階の格下げを発表したが、市場では、格下げ問題に決着が付いた、との安心感が広がって10年最長期国債の利回りが小幅低下した。しかし、市場筋によると、アジア系中銀が数兆円規模で日本国債を保有しており、シングルA格に低下した日本国債の保有比率を低下させるためにまとまった額の売却をしてくる可能性があるのではないか、との懸念がある、という。円債市場には、高値圏にありながら需給面からの安心感が広がっているため、予想外の売り注文で、価格が急落することもある、との声も出ている。
市場筋によると、特定の中銀を中心に数兆円規模で、アジア系中銀が日本国債を保有している、という。これまでは日本国債の売却に動いたアジア系中銀はないものの、シングルA格に格下げされた国債の保有について、その中銀がリスク判断に基づいて保有量の圧縮を決めれば、マーケットに日本国債の売りが、まとまって出てくる可能性がある、という。
ある国内市場関係者は、「初めての事態なので、何とも予測できないが、売却の量によっては国債価格が下落することはあるだろう」と話す。
また、邦銀関係者の一人は、「高値圏で推移しているうえ、急落リスクにマーケットは無警戒で、こういうときは、まとまった売りが出ると過剰に反応することが予想される。もし、まとまった売りが出れば、短期的に長期金利が急上昇するケースも全くないとはいえないだろう」と述べる。
ただ、それでも目立った混乱の可能性は低いとの見方が多い。みずほ証券・チーフストラテジストの高田創氏は、「ムーディーズがシングルAに下げたから、自動的に保有比率を中銀が下げるという感じではない、とみている。中銀は、各行独自に評価基準を作っているとみられ、その中で対応するとみている。多少の売りはあるかもしれないが、相場が大きく動くほどには、影響を受けないだろう」と指摘する。
UBSウオーバーグ証券・チーフエコノミストの白川浩道氏は、「今までに保有している部分について、大きく売却してくる可能性は低いとみている。これはアジア系に限らず、欧州系中銀でも同様ではないか、とみている」と話す。
ただ、「新規分については、購入を手控えるということはあるだろう。その面での影響は出るのではないか」と予想している。