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Re: 年金資金による株価買い支え&空売り規制 投稿者 あっしら 日時 2002 年 5 月 17 日 22:34:12:

(回答先: Re: “欲ボケ”と“知識ボケ”、それらを背後で操る「大不況歓迎派」 投稿者 baka 日時 2002 年 5 月 17 日 21:27:03)

bakaさん、こんばんわ。


● 年金資金による株価買い支えは株価にとっても破滅への道

政府は、年金基金を使って、94年頃から盛んに株式の買い支え(ある時期は日経平均2万円を目標)をしてきています。もちろん、郵便貯金も活用し、“運用自由化”でそれをさらに拡大しています。

これは、“年金危機”と言いながらも、年金資金を株式に投資する“余裕”がまだあるということでもあります。

年金基金は、去年3兆円を超える損失を計上しています。
売却で損失が確定したものを除けば、年金支払いのために株式を売却しなければならなくなる時点までに株価が上昇していれば問題は解消されます。

株式投資の損失が膨らんだり、高齢化が進んでいけば、株価がどうであれ保有株式を売却しなければなりません。その時点で購入価格より株価が下がっていれば確定的な損失になります。(人から預かったお金をドブに捨てたということです)

年金保険料収入と年金支給額が逆転し年金基金残高が減るということは、株式市場における年金基金の役割が、これまでの買い手から売り手に変わってしまうことを意味します。株式投資を今年さらに1.7兆円増やす年金基金が、株式の売り手になってしまうのです。
“株式持ち合い解消”が株価押し下げ要因になっているように、年金基金の保有株式が株価下落要因になります。
(郵便貯金で買った株式であれば、新しい貯金が流入し続ける限り、売り時まで株式を保有し続けることもできますが...)

政治家や官僚は、そんなに不況は続かないはずだから、株価や地価もいつかは上がるだろうと勝手に思い込んでいるようですが、それがいつになるかや現在の水準以上に上がるという保証はないのです。

明確な見通しもないまま「刹那的な株価維持」や「捕らぬ狸の皮算用のための株式投資」を続けていれば、年金基金に厖大な損失をもたらすだけではなく、株式市場全体を下落基調に陥れる事態さえもたらします。

株式配当は別として、株式の売却益は、他者からの金融資産の移転で手に入れられるものです。生産活動を伴わない株式投資は、誰かの“利益”をもってくることでしか利益を上げることができないのです。


● 空売り規制の意図

空売り規制は、ボロ儲けを防ぐという“高尚”なものではなく、株価を支えるための強硬手段だと思っています。

空売りでボロ儲けするのを防ぐ最高の手段は、経済論理価格を超えた高値では株式を買わないということです。
売り浴びせたくてもその価格で買ってくれる人がいなければ売れません。

配当金額/株式購入金額が債券利回りより下回っていれば、経済論理価格を超えた高値です。
そんなんじゃああほらしくて株式投資なんかできないという人は、金をドブに捨てる覚悟で好きにやればいいのです。ただし、自分のお金で...
銀行・年金基金・生保・郵便局などひとから預かっているお金を経済論理価格を超えている株式にぶち込むことは“犯罪”です。

経済論理価格を超えた株価をなんとか維持したいと考えているから、空売り規制をやらなければならないのです。
経済論理を下回った株価で空売りをかけるのは、愚か者か、エンロン破綻詐欺のような“インサイダー”だけです。

空売り規制を行わないほうが、株価が早く経済論理価格に近づくという意味では空売り規制をしないほうが賢明だと思います。
いったん経済論理価格を下回れば、株価は自然に上昇に向け反転します。


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