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Re: 株式制度を中心とした経済システムの継続性 投稿者 あっしら 日時 2002 年 5 月 20 日 17:31:25:

(回答先: Re: 資本主義は“先送り主義”ではなく“先取り主義” 投稿者 baka 日時 2002 年 5 月 19 日 21:22:21)

難しい質問ですが、まず、株式会社制度について考えていることを書きます。

預金と貸し出しを通じた「信用創造」よりも、株式を通じた経済活動のほうがずっとまともなものだと考えています。
株式制度は、自分の余剰貨幣を自己の判断で投じ、利益が上がれば配当を得、破綻すれば出資分を失うというまさに自己責任の世界で、他に与える損失も少なくなります。
これは、既発行株式の取引を中心とする株式市場という現在的なものではなく、ある人が負担しきれない事業に他の人たちが利益とリスクを勘案して出資するという古典的な株式形態です。
(株式市場は、そのような出資を募る場であったり、出資後どうしても貨幣が必要な人が余剰貨幣を持っている人に手持ち株式を売り渡す場として機能すべきだと考えています。銀行や生保そして郵便局や年金基金という他人の金を預かっている経済主体が株式に投資することは禁止すべきだと考えています)


株式会社制度を基礎とした経済社会がいつまで続くかわかりませんが、書いたような株式会社制度であれば、現在の経済社会よりも安定的なものになると考えています。もちろん、経済発展という近代的価値は実現されにくくなります。
(貸し出しができない銀行は、その機能が古典的なものになります。リスクに怯える人は、余剰貨幣を出資には振り向けないので経済活動は抑制的なものになります)

しかし、近代経済システムを牛耳っている国際金融資本が、自分たちの利益が大きく減ることになるこのようなシステム変更を容認するとは思えません。
逆に、収奪対象が狭隘になるなかで貸し出しでの“安全な”利益拡大が見通せなくなった昨今、株式取得を通じた企業支配(銀行は株式取得の制約があるので非銀行組織を使って)やクレジットカードや電子決済などあらゆる経済取引を銀行を通じたものにすることで、利益の増大をはかろうとしています。

そして、そのような国際金融資本の利益拡大政策は、諸国家の多くの国民の生活を疲弊させるものなので、激しい憎悪と軋轢をもたらし政治的緊張を生み出すことになると考えています。

このようなことから、近代経済的株式会社制度はこれから先それほど続かないと考えています。
書いたような抑制的で安定的な株式会社形態が実現し継続するかどうかは、国際金融資本の考え方(合理的な判断をして“悔い改める”か、非合理を承知で強権を背景に強欲活動を続けるか)次第でしょう。

国際金融資本が悔い改めなければ、世界で多くの人が困窮した生活を強いられるなかで、その状態を我慢して受け入れるのか、それとも国際金融資本を潰すかの一大決戦に突き進むと考えています。

一大決戦の結果が後者であれば、その決戦をどういう価値観が領導したかで、その後の世界の在りようは決まると思っていますので、どのような経済システムになるか予測できません。

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