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(回答先: 拉致関連文書アーカイブ・元兵庫県灘商工会理事長・工作員張龍雲氏の証言「李恩恵はすでに処刑されている」(『文藝春秋』1998年1月号) 投稿者 YM 日時 2002 年 9 月 29 日 00:26:41)
サンデー毎日2002/10/6
北朝鮮による拉致事件は、想像を絶する悲惨な局面を迎えた。嘆き、悲しむ被害者家族。その周囲を「侵スベカラズ」とばかりに、国会議員たちが取り囲む。「拉致議連」である。彼らが、国民世論を盛り上げた功績は否定できない。だが、何やらキナくささも漂うのだ。
「バカなことを聞くな、失礼だろう」続けざまに怒声が飛んだ。9月17日夕、議員会館で開かれた拉致被害家族の記者会見。詰めかけた報道陣から、「福田官房長官は家族にどんな言葉で安否を伝えたのか」という質問が出た瞬間のことだ。怒号は、悲しみにくれる家族のそばに陣取った拉致議連のメンバーから上がった。
本来なら、拉致被害家族に寄り添っていなければならないのは、長年、問題を放置し続けてきた政府であろう。だが、被害家族の後見人よろしく、会見などを仕切るのは超党派の組織、拉致議連の議員たちだった。
この日、一部全国紙などが〈有本恵子さんら3人が一時帰国で調整へ〉と報じた。大誤報だった。官邸関係者が言う。「警察庁が作成したシミュレーションが、拉致議連関係者を通して流れたようだ」
そんな観測が流れるほど、拉致問題の一方の〃主役〃として拉致議連に、がぜん注目が集まっている。
そもそも拉致議連とは正式名称を「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(会長・石破茂衆院議員)といい、今年4月に発足した。社民、共産を除く与野党の有志議員で構成され、メンバーはlOO人を超える。1997年に設立された「北朝鮮拉致疑惑救援議員連盟」を源流とするが、同議連は今年3月、会長だった中山正暉元建設相が「北朝鮮寄り」との批判を浴びて辞任し、組織も解散。「行動重視の運動体」として再出発した。
そうしたなか、ある野党関係者は、「ここ1年ほどの間に、靖国、朝銀、教科書の問題に関する超党派の議連ができた。メンバーを見ると真の目的は改憲ではないかと思えるほどだ。今後、国民的な同情を集める拉致被害家族を政治目的に利用しないとも限らない」と懸念する。
「とんでもない言いがかりだ」
それらの議連とは、「小泉総理の靖国神社参拝を実現させる超党派国会議員有志の会」(会長・高市早苗衆院議員、昨年8月発足)▽「朝銀問題を考える超党派の会」(中山利生元防衛庁長官、昨年12月)▽「歴史教科書問題を考える超党派の会」(中川昭一元農水相、今年6月)──である。
どれもタカ派と位置づけられる自民党国会議員が会長を務め、「拉致」「朝銀」「教科書」の各議連の事務局長は、タカ派論客の平沢勝栄衆院議員が兼ねる。しかし、そうした指摘に、平沢氏は激怒する。
「私は無派閥の自民党議員。派閥のしがらみがなく、野党にも親しい議員が多い。だから、私が適任ということで事務局長に推されたまでだ。安全保障に関する各議連の考え方は同じで、メンバーもかなり重なっている。しかし微妙にメンバーが異なるため、それぞれで活動している。拉致事件を政治目的に利用しているなどとは、とんでもない言いがかり。われわれの努力に家族は本当に感謝している。むしろ解決を遅らせてきたのは社民、共産をはじめとする野党じゃないか」
とはいえ、各議連の役員は定期的に合同会議を開いているという。果たして、〈拉致+朝銀+教科書+靖国〉の計算式が示すのは有事法制、それとも………
本誌・隅元治彦