http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/242.html
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現時点で、核兵器を国際法で違法にすることには反対である。
核兵器がその威力と放射能汚染の長期的影響などからおぞましいものであることは認識している。
しかし、広島や長崎で瞬時に殺された人たちにとっては、使われたものが原爆であろうがライフル銃であろうが同じだったはずである。(イヤな言い方をすれば原爆の方が瞬殺で楽もいえる)
先に「アジア太平洋戦争」の空爆について言えば、原爆の使用よりも、子供も含む非戦闘員が大勢暮らしている都市に爆弾を投下するという国際法(ハーグ陸戦協定)違反のほうが強く非難されるべき戦争行為だと考えている。
核兵器を国際法上違反と定めたとしても、9.11で米国が今なお生物兵器を保有しているとわかったように、核兵器禁止条約を批准した国々の核兵器非存在をきちんと検証することは難しい。
検証が難しいとわかれば、核兵器保有国はどこも“自分だけ”が核兵器を廃棄することはないから、核兵器禁止条約は有名無実のものとなる。
核兵器禁止条約に反対するのは、それが戦後世界の秩序維持にとって“危険”なものと考えるからである。
簡潔に言えば、現在でもそうだが、通常兵器体系で圧倒している米国(およびNATO)の身勝手な軍事行動をさらに“誘発”する危険性が高くなると考えるからである。
現在の中国でも、通常兵器体系で米国と比較すれば大きく見劣りする。
しかし、数は少ないと言え、核弾頭を搭載したICBMを中国が持っていることで、米中の本格的な軍事衝突に歯止めがかかっている。
北朝鮮も、核開発は“お芝居”だと思っているが、仮に運搬手段を伴って核兵器を持っていれば、それが“防衛”(自国への侵略抑止)の決定的な砦になることもある。
(米国と北朝鮮はウラン濃縮も認めてもらうなど基本的に“お友達”だが、“お友達”ではない場合、北朝鮮の防衛は、第一義的に、「どちらか一方が他国に攻撃された場合、もう一方は自動的に他方を助けなければならない」とする「中朝友好協力相互援助条約」に負っている)
戦後世界では、広島・長崎に原爆を投下した米国が“核兵器独占”で軍事力を誇ったが、64年に中国が核兵器実験に成功したことで、現在のUN安保理常任理事国5カ国はすべて核兵器を保有する「相互確証破壊」の関係になった。
広島・長崎に投下された原爆(ウラン型・プルトニウム型)はともに、ナチスドイツ製だと考えている(45年春にドイツから原爆を数発持ち帰った:米国製は46年のクロスロード作戦で実験したものが初)が、戦後ソ連に連れていかれたドイツ人科学者&技術者がソ連で原爆をつくり、米国がVXガス製造技術と引き換えに英国に原爆製造技術を供与するなどを経て、UN安保理常任理事国全体に核兵器の保有が拡大した。
現在の北朝鮮より産業力で劣っていた中国が64年に原爆を保有できるようになったのも、米ソいずれかから基本技術を供与された結果だと疑っている。
あれこれ陰謀論を書いたが、言いたいのは、世界支配層は、戦後世界で経済的軍事的に圧倒的な力を誇っていた米国の独走的軍事行動を抑制するため、核兵器をUN安保理常任理事国(かつての中華民国(台湾)を除く)に“拡散”したという見立てである。
簡単に核兵器禁止条約に反対する理由を説明したが、戦争で核兵器を使われ、建前とは言え、核兵器廃絶をめざすことを国是としている日本は、核兵器禁止条約に賛成しないとしても、制定交渉には参加すべきと考える。
「核兵器禁止条約」への不参加を決めたことについて、岸田文雄外相は、「交渉に米国など核保有国が参加していない現状を指摘したうえで「核兵器(の保有)国と非核兵器国の対立を深めるという意味で逆効果にもなりかねない」と説明したそうだが、日本は制定交渉に参加し、核保有国と核非保有国のミゾを埋める役割を担うべきと思うし、唯一の戦争被爆国としてそれができる立場にあると思う。
「核兵器禁止条約」制定交渉に参加し、その議論を通じて、「核兵器禁止条約」ではなく「核兵器非保有国への核兵器用禁止条約」を制定することができれば、少しはましな世界になると考える。
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核禁止条約、日本は不参加 国連演説「国際社会を分断」
【ニューヨーク=高橋里奈】27日に国連本部で始まった核兵器の使用を法的に禁ずる「核兵器禁止条約」の制定交渉で、日本の高見沢将林軍縮大使が同日演説し「現状では建設的かつ誠実に参加することは困難」と不参加を表明した。唯一の戦争被爆国ながら安全保障で米国の「核の傘」の下にある日本は直前まで参加するかどうかの意思を明らかにしていなかった。(関連記事を社会2面に)
禁止条約の初交渉は27〜31日まで国連本部で開かれ、参加国が条約の原則や禁止事項などについて意見交換する。27日の開幕時には各国の代表が「核兵器は人類や国際社会に対する最大の脅威」(フィリピン)と廃絶を訴えた。核兵器保有国の米英仏ロ中などは参加していない。
高見沢軍縮大使は27日の演説で「核兵器保有国が参加しなければ、保有国と非保有国の亀裂、国際社会の分断を一層深め、核兵器なき世界を遠ざける」と指摘。そのうえで「北朝鮮の脅威など現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」と述べ、保有国を巻き込んだ「現実的かつ効果的な措置の追求が必要」として条約に否定的な見方を示した。
高見沢軍縮大使は演説後、記者団に対しても「核軍縮を進めるためには保有国の関与がどうしても必要」と強調。「今回の交渉は核兵器国の理解が得られていない」として「参加は難しい」と語った。
米国のニッキー・ヘイリー国連大使は27日、開幕時に記者会見し「母親、娘として家族のために核兵器なき世界を何よりも求めている」としながら、条約交渉について「我々は現実的にならなければならない」とけん制した。
そのうえで「北朝鮮が核兵器禁止に同意すると信じる人がいるだろうか」とも主張。北朝鮮が核開発を続けるなかで禁止条約を制定することは非現実的との考えを示した。ヘイリー氏の会見には英仏や韓国、ウクライナの大使ら約20人が同席した。
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「保有国との対立深める」岸田外相
岸田文雄外相は28日の閣議後の記者会見で、「核兵器禁止条約」への不参加を決めたことについて、交渉に米国など核保有国が参加していない現状を指摘したうえで「核兵器(の保有)国と非核兵器国の対立を深めるという意味で逆効果にもなりかねない」と述べた。「(核保有国と非保有国が)ともに参加する枠組みが核兵器のない世界に向けた最短の道だ」とも強調した。
[日経新聞3月28日夕刊P.1]
- Re: 核兵器禁止条約の制定目指す交渉 議長が条約の意義を強調〜議長を務めるコスタリカの軍縮大使、日本の被爆者と面会 仁王像 2017/3/31 20:16:26
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- Re: 核兵器禁止条約制定交渉3日目 議論本格化〜共産党 志位委員長がスピーチ/nhk 仁王像 2017/3/30 20:17:26
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- Re:核兵器禁止条約交渉 広島の被爆者が演説〜広島の被爆者 NY大学で核兵器禁止条約の推進訴え/nhk 仁王像 2017/3/29 20:14:06
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- ウラン濃縮施設「北朝鮮が倍増」 IAEA事務局長:核燃料用イエローケーキの製造 あっしら 2017/3/29 04:02:47
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