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第2の森友疑惑 大学に公有地36億円を無償譲渡 今治市、実は1989年(竹下・宇野・海部)の3内閣当時に決まっていた
http://gansokaiketu.sakura.ne.jp/newsindex3-naiyou.htm#2017-03-29-dai2no-moritomogakuen-giwaku-daigakuni-kouyuuti-36okuenwo-mushou-jyouto-imabarishi-jituha-1989nenno3naikaku-toujini-kimatteita
第2の森友疑惑 安倍首相“お友達”大学に公有地36億円を無償譲渡
https://dot.asahi.com/wa/2017030600021.html
アッキーが名誉校長を務めるはずだった“愛国”小学校を建設中の森友学園が国有地を激安で手に入れた疑惑が連日、国会で取り上げられている。そんな中、「第2の森友疑惑」が急浮上した。
愛媛県今治市議会で3月3日、可決された2016年度補正予算案の内容が、にわかに注目を集めている。
この決定は、今治市内の土地を、新設される岡山理科大獣医学部の用地として無償で譲渡するというもの。広さ16.8ヘクタール、約36億7500万円相当の広大な土地をタダであげ、さらに23年までの学校の総事業費192億円のうち、半分の96億円を市の補助金で負担するという。まさに至れり尽くせりの厚待遇である。
この一件に首を傾げるのは、地元選出の自民党・村上誠一郎衆院議員だ。
「過疎地の今治に大学をつくって採算が合うのか。党獣医師問題議員連盟会長の麻生(太郎)財務相や文教族の大物なんかも当初は認可に反対していたのに、同地が国家戦略特区に選ばれて認可が決まった途端に何も言わなくなった。財務相が反対していた案件がひっくり返るのだから、よほどの『天の声』があったとしか思えない」
事情を調べると、またも安倍首相夫妻の“お友達”人脈が浮かび上がる。
岡山理科大を運営する学校法人加計学園(岡山市)グループは岡山県を中心に全国で大学、専門学校、高校、中学校、小学校、幼稚園など29の教育施設を運営する一大組織。その2代目である加計孝太郎理事長は、安倍首相の40年来の旧友として知られる。日経新聞の「交遊抄」(10年9月21日付)によると、加計氏は安倍首相が大学卒業後に米カリフォルニア州立大ロングビーチ校に語学留学した際に知り合って以来のゴルフ友達だという。
朝日新聞の首相動静からも、親密ぶりがうかがえる。加計氏は13年11月以降の約3年間で安倍首相と14回も面会。昭恵夫人も同席で夕食をとったり、山梨県鳴沢村の安倍首相の別荘に招かれてゴルフをしたりと、家族ぐるみの親密な付き合いであることがわかる。安倍首相は14年5月、加計学園が運営する千葉県内の大学の行事で「どんな時も心の奥でつながっている友人、私と加計さんもまさに腹心の友だ」と語っている
さらに、最近何かと話題の昭恵氏がここでも登場する。15年9月、昭恵氏は加計学園が運営する認可外保育施設「御影インターナショナルこども園」を訪問し、保護者らを前に名誉園長就任を受けた講演を行っている。どことなく、森友学園問題を連想させるような親密ぶりだ。だが、今治市に新設する大学の認可をめぐる流れを見ると、さまざまな疑問が湧き上がる。
そもそも大学の獣医学部には全国で定員枠があり、学部新設のハードルは高い。
「07年から加計学園の知見もお借りし、規制を解くため国に構造改革特区の設置を提案しましたが、日本獣医師会の反対などもあり、膠着状態でした」(今治市)
長年の膠着状態が急変するのは第2次安倍政権の誕生以後だ。16年11月、安倍首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議が「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」獣医学部の新設を認めるとの決定を行い、翌17年1月には岡山理科大獣医学部の今治市への誘致がトントン拍子で決定したのだ。
新設に反対してきた日本獣医師会の境政人専務理事はこう不満を口にする。
「今回の国家戦略特区会議やその下の分科会にも私たちは一切呼ばれず、直接意見を述べる機会がなかった。パブリックコメントの募集に対し、反対意見を出しただけです。非常に短い期間で決められてしまった。初めから結論ありきのようで、大変残念でした」
一方、同会議の今治市分科会には前愛媛県知事の加戸守行氏が出席。同氏は「日本会議」関連の行事に出席し、安倍首相が本部長の「教育再生実行会議」の有識者メンバーを八木秀次氏、曽野綾子氏らとともに務めたこともある、首相の「右派人脈」のお仲間である。
政府が特区で獣医学部を設置する事業者を募集したのは17年1月4〜11日のたった8日間で、応募したのは加計学園のみ。まるで加計学園のための制度改正だったようにも見える。
ちなみに、加計理事長は政府の決定と時期が近い16年10月2日と12月24日に、安倍夫妻らと夕食を共にしている。今年1月の国家戦略特区諮問会議では首相自らが誇らしげにこう語った。
「1年前に国家戦略特区に指定した今治市で、画期的な事業が実現します。(中略)獣医学部が、来年にも52年ぶりに新設され、新たな感染症対策や先端ライフサイエンス研究を行う獣医師を育成します」
急展開の誘致決定をめぐっては、地元からも疑問の声が上がっている。今治市選出の愛媛県議・福田剛氏(民進党)はこう語る。
「10年も動かなかった話が突然、戦略特区に決まって、来年4月にはもう開校予定だという。あまりに拙速で腑に落ちませんし、政治の力が動いたのかな、とも感じます。タオルと造船の町の今治で岡山の名を冠した獣医学部というのも違和感がありますし、コストパフォーマンスにも疑問がある。補助金には県からの資金も投入されるというので、本格的に調査します」
加計理事長の愛媛県の関係者もこういぶかしむ。
「獣医学部新設の件は農水省に行けば文科省に行け、文科省に行けば農水省に行けとたらい回しにされるような案件。安倍さんと加計さんの近すぎる関係があるから、今回の認可は大丈夫かと逆に心配されてます」
民進党は、この問題も国会で取り上げる構えを見せる。調査チームの福島伸享衆院議員はこう語った。
「募集期間がたった1週間で突然、許可申請を下す手続きは適正なのか。教育関係者はみんな新規に学校をつくりたがっていて、総理に近い人だからつくりやすいということなら大問題です」
今治市企画課は本誌の取材に対し、こう説明する。
「土地の無償譲渡の方針は遅くとも1989年には決まっていた。人口減対策のためで、他の大学とも交渉していた。長い積み重ねがあってのことで、安倍政権だからということではない」
加計学園は取材に対し、「学校用地の取得については法令の手続きに従って適正に行っているところです」と回答した。
(本誌・小泉耕平、村上新太郎、大塚淳史/今西憲之)
※週刊朝日 2017年3月17日号より抜粋。
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