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パリでのテロは今後も続く〜2023年、フランスがイスラム化する?ー小説『服従』の世界/佐藤優
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/102.html
投稿者 仁王像 日時 2017 年 1 月 01 日 07:14:05: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

第三講 ヨーロッパと中東
〈パリでのテロは今後も続く〉
 「イスラム国」としては、何としても国際世論のなかでロシアを孤立させるとともに、空爆をやめさせないといけない。そのために彼らはやはりレーニンから学んでいます。(レーニンが資本主義の発展が遅れていたロシアは、まわりから見れば弱い環だから、ロシアから革命が起こるとした)
 「イスラム国」はヨーロッパの弱い環はフランスだと見たんですね。

〈2023年、フランスがイスラム化する?〉
 フランス本国が弱っているのは文学的な問題にもなっています。仏の作家が書いた『服従』という小説が、今、世界的な大ベストセラーになっています。
 これは近未来を舞台にした小説で、2023年の仏の大統領選挙も第一次選挙で、一位がファシストの国民戦線になる。二位がムスリム同胞団になる。…こうなるともう選挙のときには内戦や衝突も起きるような状況です。そんな中で、仏の保守派と社会主義者は究極の選択を迫られる。…

 登場人物のひとりムスリム同胞団の大統領候補が出てきますが、イランのロウハニ大統領をモデルにしているように私には思えます。この候補は穏健派で、ファシストが仏の大統領になることだけは阻止しようとして、社会党も穏健派もこの候補を消極的に支持する。それでついに仏がイスラム化するんですね。
 でもイスラム政権も、イスラムの法律シャリーアを仏人に強制したり、女性の労働を禁止したりは一切しません。ただし、「その代わりに教育に関しては全権を握らせて下さい」と言って、教育を改革していきます。…サウジのオイルマネーが、大量に仏に投入される…そして一夫一婦制が導入されます。
 エマニュエル・トッドなどはこの小説を、「イスラムに対する恐怖感を煽る、とんでもない小説だ」と言っています。

 これがベストセラーになるということは、この作品が世の中の空気を敏感に反映しているということです。今、仏社会には諦めと、イスラム的な価値観に憧れが潜んでいる。テロリストたちはそこを読み取っていて、仏社会は分裂する可能性があると踏んだ。「この弱い環なら引き裂くことができるのではないか」と。またテロをやるでしょう。しばらくは仏でテロがつづくでしょう。次はニューヨークなどとハッタリをかましているが、やらない。そこは「選択と集中」で、彼らは徹底的に仏でやる。仏が疲れて、最後はもういいといって戦線離脱するのを待っている。

〈「イスラム国」は原因ではなく結果〉
 (略)
〈人間が人間社会を治めるのは不遜〉
 「人権」という言葉の対称語として「神権」という考え方があります。中世のヨーロッパでは、神権という、神様が全権を持っているとする考え方が社会を覆っていました。しかし近代以降、神様なんていないんだ…神権の思想が人権の思想に転換したわけです。
 ところがアラブでは人権の思想が入らなかった。その結果、今でも神権です。神権では、人間の自己統治なんていうのはまったく間違った考え方なんです。

【出典】「現代の地政学」佐藤優/晶文社’16年


(戦略的な環)
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/246.html
 > 有志連合の有力な一員としての仏が武力行使から手を引けば、連合に多大な影響を与えよう。混ぐらかった糸口の端緒も開けようというもの。ゲリラ戦を仕掛ける勢力から見れば、有志連合を弱体化させる戦略的な環と見られている節(ふし)がある/仁王像

http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/375.html
 >今朝(2015.11.16)のN7によると、某専門家が、今回(パリ同時多発テロ)のISの目的は有志連合を解体すること、とりわけ有力国である仏を脱落させることだと指摘。実際、仏内世論の一部には有志連合からの離脱を唱えるものもあるという。
 今回の報復空爆がとりあえず面子かられたものとして、今後の動向は仏の世論に大きく左右される。地元メディアも「フランスは戦争状態にある」と伝えているという。さあ、どうなっていくか。
 …
 仏も深入りすると何度も手酷い目に遭う。
 

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コメント
 
1. 仁王像[1271] kG2JpJGc 2017年1月01日 09:49:39 : weScpOBy1Y : 3i3k1SeNhGE[1]
 本文訂正。

「一夫一婦制」→「一夫多妻制」


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