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(回答先: パリでのテロは今後も続く〜2023年、フランスがイスラム化する?ー小説『服従』の世界/佐藤優 投稿者 仁王像 日時 2017 年 1 月 01 日 07:14:05)
第五講 21世紀の地政学的展望
〈「山」は制圧するのが難しい〉
米国がアフガン、イラクで平定できなかったのは山があるから。ロシアがチェチェンで手こずったのも山。中国の新疆ウィグルが深刻なのも山があるから。
〈宗教は重要な地政学の要因〉
〈人種の違いも地政学的要因〉
〈国旗、国歌が制定されても民族は形成されない〉
1916年のサイクス・ピコ協定によって、現在のシリアとイラクは国家としての器ができた(レバノン、イスラエルも)。しかし、イラクとシリアの民族概念の形成は不十分でした。
フセインやアサドは、「イラク人」「シリア人」という民族を形成する努力をしました。さらにエジプトやイエメンも加えて「アラブ人」という民族をつくろうと努力した。でもまったく不十分でした。
今はもうイラク人もシリア人も、民族という意識はほとんど持っていません(サダム時代のイラクには「イラク人」という意識があった)。
中東の人々もわれわれと同じネーションステートのはずだと見ていると。彼らの行動は理解不能でしょう。アラブ諸国では、国家や国民という意識よりも、血のつながりや同じ一族の出身かどうかという部族や血縁関係における掟が依然として重要な行動規範になっています。
〈イランより「イスラム国」のほうがまし〉
3年ぐらい前までは、テロを起こすのはイスラム過激派でした。シーア派もスンナ派も彼らを迷惑千万と思っている状況でした。
しかし今は違います。今はサウジやカタール、トルコは、「イスラム国」についてイランよりはずっとマシだと思っています。イランを選ぶか「イスラム国」を選ぶかという究極の選択を迫られたら、答えは明白で、「イスラム国」を選ぶでしょう。
米国はいまだに「イスラム国」を完全に潰すことができると思っているが、大きな間違い。
いつこのように変わったかというと、2010年(?)の末頃だと私は見ている。
そのときから「イスラム国」は宗教的な姿勢、すなわち反シーア派的性格を強く示すようになった。
〈サウジが今後の震源地に〉
【出典】「現代の地政学」佐藤優/晶文社’16年
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