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<エビデンスのない話A膝痛の原因>
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/451.html
投稿者 SHO 日時 2017 年 3 月 31 日 11:35:39: cVuKYKDVsuOXM gnKCZ4Ju
 

(回答先: <エビデンスのない話@医者の喜び> 投稿者 SHO 日時 2017 年 3 月 31 日 11:33:39)

■加齢や反復性の負荷が慢性疾患の原因なのか
変形性関節症や腰椎椎間板ヘルニアは慢性疾患の形態をとる。このため、人工関節やヘルニア摘出術といった外科的治療は主に病期の後半、そのエンド・ステージで行われることになるが、それらには必ずそこにいたるプロセスが存在する。この過程の中にこそ原因が潜んでいるのだが、多くは加齢現象や力学的な反復性の負荷が原因として片付けられてしまっている。

■筋肉の弛緩不全という概念
しかし、町医者の素朴な実感からいえば、それは違う。結論を急ぐようだが、自己免疫疾患や遺伝性疾患を除いた整形外科領域における慢性疾患の大部分は、特定筋肉における、必要にして十分な柔軟性と伸展の得られない慢性的な弛緩不全(Disorders of muscle relaxation)というべき状態が直接的な原因で起こっていると推論される。疾患名が異なるのは、原因となっている筋肉(本稿ではこれをキー・マッスルと呼ぶ)の相違や発症する年齢の相違、あるいは病期の相違のゆえである。そして、筋肉の弛緩不全をもたらす要因が各々個別に分かれているに過ぎない。このように考えれば、高齢者の慢性疾患も小児期のスポーツ障害も、ほぼ一元的に理解され得るばかりか、原因となっている筋肉を特定し、当該部位が弛緩にいたる適切な処置を施すことができさえすれば、たちどころに症状は快方に向かうのである。場合によっては外来における数分程度のやりとりだけで、何ら薬剤を用いることなく治ってしまうのだ。

■オスグッド病の病態生理
具体的に症例を考えてみよう。大腿四頭筋の弛緩不全があった場合、膝周囲では力学的に膝蓋骨及び脛骨側の筋腱付着部に持続的な張力が加わることになる。この牽引負荷が構造強度の閾値を越えて若年者の膝に作用した場合、脛骨側の膝蓋腱付着部は成長軟骨であるため、その臨床像は骨軟骨炎を呈し、オスグッド病となる。正書においては、オスグッド病は脛骨粗面にかかる反復性の牽引負荷が原因ということになっているが、そればかりではない。鍛錬によって筋力を増した大腿四頭筋の弛緩不全に伴う慢性的な筋緊張が背景となって引き起こされている症状なのだ。ゆえに、スポーツ活動で生じたそれに対し、患者に少々の休息を促しても良くはならない。仮に休息するよう勧めてみたところで、症状が悪化して歩行に支障を来すようでなければ、患者はスポーツ活動を止めたりはしない。このため、多くの場合、骨端線の閉鎖するまで脛骨粗面における変形は進行し続けることになる。ところが、大腿四頭筋に弛緩を導くだけで、変形それ自体が治癒するわけではないものの、その症状はたちどころに快方に向かう場合があるのだ。

■棚障害と半月板損傷
また、青年期に入って骨格が完成してからは、大腿四頭筋の弛緩不全は、たな障害の原因ともなり得る。なぜなら、筋腱付着部にかかる張力は膝蓋大腿関節にかかる軸圧としても作用するため、高じた軸圧負荷は関節にかかる摩擦力を増大させて滑膜炎を引き起こすからだ。この炎症によって肥厚した滑膜が、たな障害の原因というわけである。そして勿論、その牽引負荷は膝関節でも軸圧として作用する。これにより、スポーツ活動時には半月板にかかる負担が大きくなって半月板損傷を来たしやすくなるのである。のみならず、関節面における軸圧負荷が長期持続すれば、Wolffの法則にしたがって関節は軸圧を強く受ける部位で変形を来たすようになる。中高年にもなれば、特別なスポーツ活動をしていないのに半月板の変性断裂を来たすようになるのは、こうした理由によると考えられるのだ。よって、関節水腫もまた、関節にかかる過大な軸圧負荷によって関節表面での摩擦力が高じた結果、軟骨組織の摩耗粉が増量し、これに伴う滑膜の反応として生じるものだといえるだろう。

■変形性膝関節症に適した治療とは
実際、筋肉の弛緩不全を原因とする膝痛を抱えながら、レ線上、目立った変化のない状態で整形外科を受診する患者は多い。だが、その多くは手術を要する段階ではないために、消炎鎮痛剤の処方や、ヒアルロン酸の関節腔内注射といった治療が選択されるだけで終わってしまうのが通例である。しかしながら、この段階であっても、否、この段階だからこそ、膝関節をまたいで、これに軸圧として作用する筋肉群の弛緩を導くことができさえすれば、将来の変形性関節症を未然に防ぐことができるのではないだろうか。にもかかわらず、整形外科医がそれを怠ることで、最終的に立派な変形性関節症のエンド・ステージができあがってしまうと考えられる。なぜなら、当面の痛みがなくなったからといって、そこにある弛緩不全が解消されたわけではないからだ。そして、そうした整形外科医の怠慢から患者を救っているのが代替医療なのかもしれない。確かに、代替医療では医師の目から見て不適切な処置が施されてしまうケースも少なくない。しかし、筋肉の弛緩を得るテクニックに関しては、寧ろ彼らの側にこそ、我々整形外科医が学ぶべき知恵が隠されているかもしれないのだ。

■大腿四頭筋訓練はナンセンス
さて、日本整形外科学会は変形性膝関節症予防に大腿四頭筋の筋力向上を掲げ、訓練と称してスクワットを推奨しているが、筋肉の慢性弛緩不全が原因ならばナンセンスだという見方ができなくもない。実際、患者はスクワットは勿論、健康目的に自ら課した歩行習慣が原因で膝痛を患い、外来を受診するのである。確かに、大腿四頭筋訓練が奏功する場合はあるが、それはしかし、筋力増強に伴う効果ではなく、後述する別の理由によるものではないだろうか。
 

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コメント
 
1. SHO[7] gnKCZ4Ju 2017年8月05日 14:50:36 : iv29VG23QI : wJda_2wq69o[2]
Disorders of muscle relaxation をFailure of Muscle Relaxationに訂正

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