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【社説】低成長の現実見誤ったFRB
FRBは金融政策による景気刺激効果を過大評価してきた
FRBは低成長の現実を浮き彫りにした
2016 年 6 月 16 日 16:37 JST
6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られた以上、おそらく7月、そして今年いっぱい利上げは難しくなったようだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は過去数カ月にわたり、米国経済は利上げに耐えられるほど力強いと主張してきた。だが、彼らは15日に白旗を揚げ、低成長という現実に直面しているとの見方をほのめかした。
FOMCメンバーが昨年12月に示した2016年の経済成長率に関する予想中央値は2.4%だった。それが今年3月までに2.2%に低下。15日に示された見通しはさらに低下し、2.0%となった。今回の景気拡大局面におけるFRBの予想は常に外れており、毎年、年初に発表する予想値は実際の成長率を上回っている。
経済予測は容易ではないが、7年前の6月にリセッション(景気後退)を脱してからFRBが示してきた予想よりも、コイン投げの方が当たる確率は高いかもしれない。FRBが金融政策による景気刺激の効果を一貫して過大評価してきたことは紛れもない事実だ。FRBは、自分たちの政策は「緩和的」だと言い続けている。そうした政策は株式や不動産などの資産価格の上昇には寄与しているが、経済成長の加速や幅広い繁栄にはつながっていない。
今回、FRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25〜0.50%に据え置くことを全会一致で決めた。そのことは経済成長が紛れもないリスクに直面していることを示す。過去2回のFOMCで利上げを主張し、政策に反対したカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁も今回は多数意見に賛成した。雇用の伸び鈍化の兆しが見え、設備投資が低迷しているほか、英国で来週予定されている国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まった場合、市場が混乱する恐れがある中での判断だった。
さらに厳しいことに、FRBは現在、2017〜18年も景気が上向くことはないと予想している。今までFOMCメンバーが示す将来の成長率に関する予想中央値は大抵、3%を超えていた。しかし今はFRBでさえも、「ニュー・アブノーマル」に当たる2%が限界とみている。これはかつての楽観的な見方よりも現実的かもしれないが、米国が気がめいるような低成長にあるという現実を浮き彫りにしている。
08年以降、米国の経済政策を運営してきたケインズ派の経済学者たちは明らかに困惑している。最初に彼らは8000億ドル規模に上る財政刺激策によって繁栄を取り戻すことができるとの考えを示した。その後、彼らは金融政策による刺激策でそれが実現すると述べた。そして今、自分たちの失敗を「長期停滞」と、米議会で民主党上院議員とオバマ大統領に景気対策案をことごとくつぶされている共和党員のせいにしている。
失敗を他人のせいにするケインズ派学者
哀れな経済学者のポール・クルーグマン氏は、われわれが効果のない政策に反対するのは間違いだったことを示唆するために、09年のWSJの社説の抜粋を再び持ち出すという手段に出ている。
なぜクルーグマン氏が話をそらそうとしているかは理解できる。なぜなら、今の経済状況はクルーグマン氏とオバマ大統領が生み出したものだからだ。米政府とFRBはこの8年間、増税や、考えられる限りの民間経済分野での規制強化、新しい金融政策の実験というクルーグマン氏の政策を推し進めてきた。
リセッションが終わってから7年たち、われわれは現実を知った。経済成長率は数十年ぶりの低水準に沈み、労働参加率は1970年代の水準に落ち込んでいる。設備投資は低迷し、起業のペースは減速している。賃金は伸び悩み、格差は拡大している。左派でも右派でも怒れるポピュリズムが台頭している。
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By GREG IP
2016 年 6 月 16 日 14:39 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年12月に利上げした際、その影響は最小限にとどまると考えていた。FRBは1年間にもわたり利上げの意向を伝えてきたが、結局はわずか0.25%の利上げにとどめた。
それでもその後、米経済は鈍化し、世界経済も一段と減速した。0.25%の利上げ自体が金融政策の厳しい引き締めに相当するためではない。資源バブルをあおった7年にわたる前例のない金融緩和を終らせただけだ。このバブルが2014年にしぼみ始め、その影響がいま世界中に及び、そして米国に跳ね返ってきているのだ。
この景気減速にどのように対応するかが、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で当局者らが一番に考えたことだろう。5月の弱い雇用統計で米経済の健全性に疑問が生じるまで、当局者らは数カ月中にまた利上げする意向のようだった。
だが、FRBの判断を左右するのは、米経済の動向だけではない。FRBは米国の中央銀行だが、国際金融システムにおいてドルが中心的役割を担っているという意味では世界の中央銀行でもある。そして世界は追加利上げに備えていない可能性がある。
理屈では、世界経済に対するFRBの影響力は高まってはおらず、減っているはずだ。世界の生産に占める米国の割合は、自国通貨をドルに連動させる国の数と同様に減少している(中国は明らかに例外だが)。新興諸国はドルよりも自国通貨での借り入れが増えている。
それでもドルの影響力はいままで以上に増している。モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの主任グローバルストラテジスト、ルチル・シャルマ氏によると、ドルは為替取引の87%、世界の準備通貨の60%、国際間融資の62%を占めている。原油相場は需要と供給に左右されるとみられるが、このところはドル相場にも反応しているとシャルマ氏は言う。原油取引は実際の消費量をはるかに上回っており、その取引がドル建てで行われているためだ。
国際決済銀行(BIS)も、ドル相場の強さは米国外の国々にとってドル資金調達のしやすさの重要な尺度だと指摘している。ドル安のときはドル建て融資が豊富だが、ドル高になると資金供給が縮小する。BISの調査部門責任者、ヒュン・ソン・シン氏は先週、「世界の金融システムはドル建てで動いている」と語った。
(右)資源相場(2007年1月基準)、(中)世界の資源関連社債発行残高、(右)世界の設備投資 ENLARGE
(右)資源相場(2007年1月基準)、(中)世界の資源関連社債発行残高、(右)世界の設備投資
FRBは08年の住宅バブル崩壊に際し、ゼロ近くまでの利下げと債券買い入れの開始で対応した。米国においては、失業率の低下とデフレ回避という期待通りの効果があったが、意図せずに国外での新たなバブルにつながった。
資源相場はすでに、中国からの需要増を背景として数年にわたり急騰していたが、世界的な危機に中国政府が大規模な金融緩和で対応した08年に一段と大きく上伸した。
米国債や銀行預金がもたらすわずかな投資収益よりも高い利回りを追求する投資家は、一つの好機を得た。11年から14年の間に投資家は、資源生産者に1兆2000億ドルを融資したが、その4分の1は米国の石油・ガス会社だった。
この資金が生産力の大幅な拡大をまかなった。経済協力開発機構(OECD)によると、14年にエネルギーや資源、その他の素材を生産する企業やその関連産業と公益企業は、世界の設備投資(金融と不動産を除く)の60%を占めた。
まず13年にFRBが債券買い入れ規模を縮小し、14年にはその翌年に利上げする構えを示したことを受け、この流れはすべて反転した。一方、中国経済は減速し、サウジアラビアは原油を増産した。資源相場は急落し、米シェール企業も新興諸国の企業もいきなり資金調達がはるかに難しくなった。OECDによると、資源関連投資は昨年、世界的に16%落ち込んだ。
これらの衝撃が今年初めに、原油相場や新興国通貨、米国株の下落につながった。FRBが追加利上げを見送ったことも一因に、その後は市場が落ち着いた。1997年に東南アジアを襲ったような本格的な金融危機は回避されたが、これは各国が乏しい外貨準備で防衛する必要のあるペッグ(連動)制をとらずに変動相場制をとっていることが大きく寄与している。
FRBの追加利上げは1回目ほどの衝撃をもたらさないだろう。だが、それでもドル高になり、諸外国にとっては財がさらに割高になるため、資源相場には新たな下げ圧力が加わるだろう。また、中国や他の新興諸国からの資本逃避も再燃するだろう。シャルマ氏は、FRBは「この恐ろしい影響の連鎖にはまっている」と指摘した。
OECDは、金融市場が引き続き安定しているとしても、資源投資ブームの反転は「今後の世界の経済成長に対する大きな逆風となり残るだろう」とみている。
現在の資源相場は世界のエネルギー企業や素材企業の大半にとって、資金調達コストを正当化できるほど利益の上がる水準ではない。ロシアやブラジル、ナイジェリア、カナダ、サウジアラビアなど資源輸出国は、事業投資の減少で打撃を受け、一部では政府の緊縮策に資源収入を奪われている。
米国も資源相場の退潮に無縁ではいられない。すでに原油安でシェールオイル生産と事業投資は減少しており、海外の成長鈍化が米国の輸出と工場雇用を抑えている。工場雇用は過去4カ月中3カ月で減少した。
世界は調整の最も厳しい部分をやり過ごしたのかもしれないが、調整が終わったということではない。バブルが終息するには何年もかかる可能性があり、いまのところFRBは必要以上に傷つけないよう注意しなければならない。
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日銀が大家に、面積バチカンの最大3倍−Jリートは世界1の割高
長谷川敏郎、Kathleen Chu、Yuji Nakamura
2016年6月16日 00:00 JST更新日時 2016年6月16日 09:42 JST
• S&P:Jリート価格の純資産価値とのかい離は62%と世界1の割高
• 日銀保有のJリート持ち分は面積換算で最大1.4平方キロ
金融緩和の一環として、Jリート(不動産投資信託)を購入している日本銀行は、今やバチカン市国の最大約3倍の広さの不動産を間接保有する大家となっている。マイナス金利政策に伴う資金流入も相まって、Jリートを世界1割高な水準に押し上げている。
東証REIT指数は安倍政権が発足した2012年12月以降に上昇傾向を強め、昨年1月には2005と発足前に比べ8割上昇した。現在は1800台半ばと昨年高値から7.6%下回った水準。TOPIXが昨年高値から2割超下回っているのに対し、底堅い。国際的に見ても、S&Pグローバル・マーケッツ・インテリジェンスによればJリート価格の純資産価値(NAV)に対するかい離幅は8日時点でプラス62%と世界1高い。
大手町タワー
Photographer: Yuya Shino/Bloomberg
日銀は10年から金融緩和策の一環として、国債以外にも購入対象を広げ、Jリートの買い入れを始めた。現在は年間900億円のペースで買っており、5月末時点の購入残高は3159億円。同行金融市場局によると主要国の中央銀行でリートを買っているのは日銀だけという。資金を集めてオフィスビルや住宅、物流施設に投資するJリートに対して、日銀は資金の大口の出し手ということになる。
Jリート銘柄の一つ、日本プライムリアルティ投資法人は、みずほフィナンシャルグループなどが入居する「大手町タワー」の底地を保有するほか、1984年の映画でゴジラが現れた西新宿の「新宿センタービル」、「JPR渋谷タワーレコードビル」などもポートフォリオに組み入れている。日銀はこれら物件の実質的なオーナーの一つだ。
公表資料を基にブルームバーグニュースが試算したところでは、日銀が保有するリートの持ち分は最大でビル107棟相当に上る。延べ床面積は最大1.4平方キロ相当と、世界最小国家であるバチカン市国の0.44平方キロの3.18倍になる。ドイツ証券の大谷洋司アナリストは、日銀の購入が「相場上昇の大きなトリガーとなっている」と話す。
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マイナス金利
資産運用会社アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミストは、「マイナス金利の環境下ではJリートの利回りは際立って高い」とし、「これだけ低金利になると他に選択肢がないことから、資金が流れ込んでくるのは止むを得ない」と述べた。1月の日銀のマイナス金利政策決定を受けて、年限14年程度まで国債利回りがマイナスに落ち込む中、東証REIT指数の配当利回りは3.12%(15日時点)に達する。
日銀は5月、Jリートの大量保有報告書を初めて提出。日本プライムリアルティやジャパンリアルエステイト投資法人など13銘柄について、保有残高が発行済総数の5%を超えたことが分かった。当初は銘柄別の買い入れ上限を5%としていたが、昨年12月に10%へ引き上げることを決定していた。
日銀のリート購入の意図について、アムンディの吉野氏は「なかなかモノやサービスの値段は上がりにくいものの、資産インフレが起こった場合には実体経済へ波及する確度はかなり高い。デフレ脱却のもとに直接的に不動産市場を刺激すれば一定の効果が得られる」と解説する。
海外勢が売りに転じる
もっとも、Jリートの買い越しで目立っていた海外投資家の動きには変調が見られる。東京証券取引所の投資部門別売買動向によると、海外勢は日銀がマイナス金利を導入した後の2月は前月の売り越しから一挙に1167億円の買い越しに転じ、2−4月まで月間で最大の買い越し主体だったのが、5月は315億円を売り越すなど、足元では強気スタンスが一服した。
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東証REIT指数は4月まで4カ月連続で上昇していたが、海外勢が売り越しに転じた5月には1.5%下落して昨年8月(7.5%下落)以来の低パフォーマンス。
ヘンダーソン・グローバル・インベスターズの共同責任者、ティム・ギブソン氏はJリートについて、「債券と比べるとフェアバリューのようにみえるが、株式投資家にとっては、Jリートは海外に比べて割高に映って混乱するだろう」と指摘。「われわれは不思議な世界に住んでいる。マイナス金利に人々は慣れる必要がある」と述べた。
一方、5月の日銀の購入額は144億円に上り、野村証券の調べによると月間ベースでは4年8カ月ぶりの大きさだった。みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは、「5月の日銀の買い方がいつもと違うことは何かと思惑を呼ぶ。投資家のマインドを変えさせる呼び水となる投資行動だ」と指摘。「資金が枯渇してくれば過去のように当然追加されるだろう」と、将来の日銀購入枠拡大を予想する。
http://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-15/O8JUIR6S972J01
ロンドン外為:英ポンドが軟調、中銀発表控え−対円では3年ぶり安値
Lukanyo Mnyanda、Eshe Nelson
2016年6月16日 17:42 JST
ロンドン時間16日午前の外国為替市場では英ポンドが軟調に推移し、ドルに対し2カ月ぶり安値に接近した。英国の
欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票を1週間後に控え、この日はイングランド銀行(英中央銀行)が金融政
策を決定する。
ポンドは主要16通貨中12通貨に対し下げ、対円では3年ぶり安値を付けた。今週発表された一連の世論調査はE
U離脱派の優勢を示し、ボラティリティが高まっている。カーニー英中銀総裁は先月、EU離脱で英国がリセッショ
ン(景気後退)に陥る可能性があると警告し、経済成長率見通しを下方修正した。
ポンドの対ドル相場はロンドン時間午前9時10分(日本時間午後5時10分)現在、前日比0.3%安の1ポンド=
1.4158ドル。14日には1.4091ドルまで下げ、4月14日以来の安値を付けた。ユーロに対しては0.4%安の1ユーロ=
79.60ペンス。
対円では一時2.8%安の1ポンド=146円40銭と、2013年4月以来の円高・ポンド安となった。
原題:Pound Approaches Two-Month Low Before BOE Policy Announcement(抜粋)
ロンドン外為:ポンド、対ドルで2カ月ぶり安値に接近−国民投票控え
Lukanyo Mnyanda、Eshe Nelson
2016年6月16日 17:42 JST 更新日時 2016年6月16日 20:19 JST
ロンドン時間16日午後の外国為替市場では英ポンドが下落し、ドルに対し2カ月ぶり安値に接近した。英国の欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票を1週間後に控え、イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会(MPC)はこの日、政策金利の据え置きを決めた。
ポンドは主要16通貨に対しほぼ全面安で、対円では3年ぶり安値を付けた。今週発表された一連の世論調査はEU離脱派の優勢を示し、ボラティリティが高まっている。カーニー英中銀総裁は、EU離脱が英経済に悪影響を与え、ポンド急落につながる恐れがあると指摘した。
ポンドの対ドル相場はロンドン時間午後0時3分(日本時間同8時3分)現在、前日比0.6%安の1ポンド=1.4122ドル。14日には1.4091ドルまで下げ、4月14日以来の安値を付けた。ユーロに対しては0.1%安の1ユーロ=79.37ペンス。
対円では一時2.8%安の1ポンド=146円40銭と、2013年4月以来の円高・ポンド安となった。
原題:Pound Declines as BOE Leaves Policy Unchanged Before Brexit Vote(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-16/O8UVP66JTSEG01
- コラム:ドル100円割れも視野、英国民投票が鍵=村田雅志 ドル円、底値の合図は101円割 アベノミクスの分水嶺、7月 軽毛 2016/6/17 14:39:49
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