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(回答先: 20年間でウクライナ650万、ベラルーシ76万、ロシア629万人減少 投稿者 魑魅魍魎男 日時 2015 年 4 月 28 日 09:37:16)
「チェルノブイリ周辺国での人口減少」という現象は客観的事実ですが、
その原因には、多くの要因が挙げられます。
・チェルノブイリ原発事故による放射能被曝
・ロシア系住民の国外退出
・戦争による死者、国外避難民
・旧ソ連圏からのユダヤ人の国外移住
・EU加盟に伴う西側諸国への国外移住
・低い出生率
、、、等々、様々な要因が挙げられます。
しかし、貴方は、その原因を、「放射能被ばく被害が人口減少の原因」とし、
しかも、それ以外の要因は、認めない。
あるいは、「取るに足りないもの」としています。
私は、「放射能汚染による死亡」も、要因として一貫して認めています。
私が否定しているのは、それを唯一の要因、
あるいは、その他の要因を「取るに足りないもの」としている点だけです。
ウクライナについては、「放射能汚染による死亡」が
「主要な要因」であることまでをも否定しているのではありません。
そうではなく、その他の要因による人口減少という事実を真摯に認めて、
その上で、やはり、ウクライナの人口減少は、「放射能汚染による死亡」が
「主要な要因」であるという議論なら、私には反論する素材はありません。
ウクライナの人口減少は、「放射能汚染による死亡」が
「主要な要因」であることを、何が何でも否定しようとするなら、
そこには、政治的意図があることを疑った方が良いとさえ思います。
しかし、「チェルノブイリ周辺国」全てに当てはめるのは余りにも乱暴です。
東欧人口の流出問題
EU加盟の東欧諸国の、1990-2012年の移住率
http://www.euij-waseda.jp/news/post-55.html
http://www.euij-waseda.jp/common/pdf/table2.jpg
国別に考察してみましょう。
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・<バルト三国>
1991年のソ連崩壊後、急激に人口が減少しています。
これは、
・ロシア系住民の国外退出
・2004年のEU加盟後は、西側諸国への国外移住
この二つが二大要因だと思います。
「放射能被ばく被害」も要因の一つだと思いますが、
「主要な要因」だとは思えません。
ましてや、
「バルト三国の人口減少は間違いなく放射能汚染による死亡である」
という貴方の主張は、暴論ですね。
1991年のソ連崩壊の前年の1990年には、
リトアニアの独立宣言とソ連軍の軍事介入が生じました。
ソ連崩壊の直接のきっかけとなった事件です。
バルト三国の反ロシア・ナショナリズムの爆発ですね。
だから、翌年の1991年のソ連崩壊直後から
ロシア系住民が大量に国外退出することは自然な流れです。
リガ 人口構成
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%AC
独立を回復した1991年以降は減少に転じている。これは低い出生率と
ロシア系住民の流出やEU加盟後の他のEU諸国への海外移住が原因で、
このままだと2050年には現在の半分にまで減少するという調査結果もある。
また、バルト三国は、2004年にNATOとEU加盟を果たします。
「人・モノ・金」の移動は自由なのですから、
今度は逆に西側志向の市民達が西側へ向かうのも自然な流れです。
私は国際政治に無知だったことを痛感しました。
バルト三国におけるロシア系住民が大量に国外退出することは
客観的事実なのですが、彼らの国籍問題というのを知りませんでした。
無国籍状態の者も多く、EU加盟後は人権問題となり、国籍を付与する等々、
市民権はないが国籍はある者や、無国籍者など余りに複雑怪奇です。
バルト三国におけるロシア系住民の人口移動は、
人口統計にどのように反映されているのか、私には分かりません。
(ちなみにここでいうロシア系住民とはロシア人だけでなく旧ソ連圏諸国住民)
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・<ウクライナ>
東欧人口の流出問題
EU加盟の東欧諸国の、1990-2012年の移住率
http://www.euij-waseda.jp/news/post-55.html
ウクライナでは1993〜2013年に実に650万(1993年の12.5%)もの
人口が失われている。彼らはいったいどこへいったのだろうか。
モスクワのユーラシア経済同盟事務局でロシアに100万人のウクライナ人がいる
という話を聞いた。実はウクライナの人口の2割はロシア人で、彼らがロシアに
移住すると申請次第でロシア国籍を与えられる。100万人というのは移住後も
ウクライナ国籍を維持した者だけを指しているのだろう。実際にはおそらく
その倍以上の旧ウクライナ国籍のロシア人がロシアに移住していると見られる。
ウクライナはシェンゲンの境界線の外側にあるので、EU内に移住するのはそれ
ほど容易でない。しかし、チェコ共和国には既に11万8000のウクライナ人がいる
と報告されている。おそらくポーランドには少なくともその3倍、スロバキア
には半数近くがいるだろう。他のEU諸国にはさらに数十万いると見られるが、
それを全部合わせてもなおウクライナから消えた650万を説明しきれない。
この伊東氏の挙げている数字を全て肯定するわけではありませんが、
こういう議論なら私の頭にも“すっと”入ってきます。
これこれこういう要因がある。
その他にもこういう要因がある。
しかし、それでも『説明しきれない』ものが残る。
つまり、ウクライナの650万人の人口減少の内、
数百万人は移住で説明がつく。
しかし残りの数百万人は、
「それを全部合わせてもなお消えた650万を説明しきれない」
こういう説明なら私はかなり納得できますね。
残りの人口減少においては、
チェルノブイリ原発事故が、その主要な原因であると。
こういう論理展開ならば、私には、もう反論できる
素材はありませんので、反論はしません。
(積極的に認めるというわけでもありませんが)
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・<ロシア>
イスラエル移住計画
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhb712.html
1990年から1993年の間に、58万人のユダヤ人がソ連を去り、
その80%はイスラエルへ移住した。
その後の移住者は減少したが、およそ54万人のユダヤ人が
1989年から1997年の間にソ連からイスラエルへ移住し、
1971年から1989年の間にソ連から移住していた15万人のユダヤ人に加わった。
ソ連に残ったユダヤ人は、そのほとんどがロシアとウクライナに居住し、
その数はロシアに34万人、ウクライナに16万人である
ソ連政府及びロシア政府とイスラエル政府双方の思惑が一致した正式な協定に
基づくものですから、人口統計にも正確に反映しているものと思います。
ちなみにその後もこつこつと移住し続けています。
イスラエルへの移民減 旧ソ連圏 23%マイナスに (2007年)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2007-01-04/2007010407_03_0.html
旧ソ連圏からの移民数が前年比23%減の9378人にとどまり、ここ数年
減少傾向にあるとしています。現在、イスラエルの人口は約七百万人。
約三百万人が1948年の建国以降の移住者で、
うち百万人が89年以降、旧ソ連や東欧圏からの移住者です。
増えるユダヤ人のイスラエル移住
http://blog.canpan.info/jig/archive/5319
ウクライナの紛争で、同国から移住したユダヤ人の数は、2014年
5840人に達している。またロシアからも、4830人が移住している。
何年に何人の移住という資料はみつかりませんでしたが、
ロシアから100万人前後、残りの旧ソ連圏から数十万人、
その内、特にウクライナからの移住が最も多い。
とは、言えると思います。
チェチェン戦争による死者数は、10万から30万と幅があります。
ロシア政府はできるだけ少なく発表し、チェチェン側はできるだけ多く
発表したいのは明らかですから、真実はその間のどこかということでしょうね。
チェチェンから周辺の他の山岳諸民族へと紛争は拡大し、
『掃討作戦』は今もなお続いています。
他にも、オセチア、アブハジアでも紛争
ロシアの629万人の人口減少
>ロシアで1991年から20年に渡って人口が激減した原因は、
>チェルノブイリ原発事故の放射能汚染によるものであり、
>移住などによる減少は取るに足りないものであると考えられます。
と、貴方は、書いているのですが、
二、三の要因を挙げただけでも、
ユダヤ人100万人前後と、北コーカサスの数十万人の
合わせて200万人前後の人口減少は確認できます。
200万人は、629万人にとって、「取るに足りないもの」ですか?
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私は自分にとって都合の良いデータしかそもそも探しません。
私にとって都合の悪いデータはそもそも最初から探してないので見つかりません。
私にとって都合の悪いデータは他者から突きつけられるしかないのかもしれません。
私が生まれて初めて作ったブログは、チェチェン Dirty War というブログです。
生まれて初めて作ったブログなので思い入れも深かったのですが、
ここ数年は開店休業状態ですが、、、
チェチェンでの大規模な戦闘はとっくに終わっているのですが、
その後も、『テロリスト掃討作戦』というものがずっと続いているのです。
チェチェンだけでなく、周囲の北カフカスの山岳諸民族を対象に、
今なおずっと続いているのです。
米軍がアフガニスタンやイラクで行った『テロリスト掃討作戦』と同様です。
米軍の場合はメディアも入るので、自制・自浄が働きます。
あのロシアですから、想像を絶する、凄まじいことになっています。
山岳民族絶滅作戦なのではないかという程の、、、
ロシアにも良心的なジャーナリストはそれなりにいます。
アンナ・ポリトコフスカヤが代表的ですが、暗殺されました。
その後も、北カフカスを取材するジャーナリストが何人も殺害されています。
ロシア文学揺籃の地であるコーカサス、
そこでの山岳諸民族の悲劇、
チェチェン民族の何と二人に一人は死亡するか難民となる。
とんでもない数です。
とんでもない悲劇です。
それを「取るに足りないもの」と切って捨てられたと私は受け止めているのです。
私がここまで執拗に、粘着したのは、実はそれが“主要な要因”です。
>戦争や移住など人為的な原因で人口が減少する場合は、
>こんなになだらかなカーブを描いて人口が減ることはありえません。
>もっとデコボコになります。
確かに大規模な戦闘については、そう言えるでしょう。
しかし、チェチェンでは、大規模戦闘終結後も
『テロリスト掃討作戦』がずっと今なお続いているのです。
チェチェンで下火になるにつれて、ダゲスタンなどの
周囲の山岳諸民族へと拡大しているのです。
それは、まるでじわじわと真綿で首を絞めるように。
そういう掃討作戦による人口流出圧力は、
比較的「なだらかなカーブを描いて」いるのではありませんか。
アフガニスタンやイラクでの『テロリスト掃討作戦』がそうであるように。
ついでに言えば、旧ソ連圏諸国からのユダヤ人出国も、
比較的「なだらかなカーブを描いて」いるのではありませんか。
>戦争や移住など人為的な原因で人口が減少する場合は、
>こんなになだらかなカーブを描いて人口が減ることはありえません。
>もっとデコボコになります。
それはそうなのですが、“逆は真ならず”
「なだらかなカーブを描いて人口が減る」ものは、他にもあるのではありませんか。
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私は国際政治に無知であったと痛感しました。
バルト三国の国籍問題については全く知りませんでした。
国外移住といっても、国籍の移動はまた別のことなんですね。
国外移住が数十万人生まれても、
それが人口統計にどう反映するのかは、全く分かりません。
紛争による国外難民についても、難民申請が正式に受理されれば、
国籍が移動すると言えるのかもわかりません。
お恥ずかしいのですが、私は、自分の誤謬をみつけてしまったので、
誤謬を認め、謝罪し、撤回します。
チェチェン難民の数を数十万人と何度も書いてきたのですが、
チェチェン難民の数は確かに数十万人であり、
国外避難民も数十万人であることは、嘘ではないのですが、
チェチェン共和国の隣国、イングーシ共和国とダゲスタン共和国への、
チェチェン避難民が数十万人います。
そういう意味では、確かに国外避難民なのですが、
イングーシ共和国とダゲスタン共和国はロシア連邦の国です。
したがって、それは「ロシアからの国外避難民」とは言えません。
グルジア、アゼルバイジャン、トルコ、欧米等への、避難民は、
確かに「ロシアからの国外避難民」であると言えますが、
その数は、不明であり、数万人程度だと思われます。
まあ正式に難民申請している数は数万人であって、
本当は、何万人いるのかは、UNHCRも「不明」としています。
そういう意味で、「ロシアからの国外避難民」として、
チェチェンの国外避難民は数十万人だという私の主張は、
間違いでした。そういう意味では、数万人ですね。
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<結論>
「チェルノブイリ周辺国での人口減少は間違いなく放射能汚染による死亡である」
というのは、余りにも暴論です。
だって、ユダヤ人の移住だけでも百数十万人もいますし、
北カフカスでの紛争による死者と難民も数十万人います。
ユダヤ人移住者と北カフカスでの紛争の死者と難民を
「放射能汚染による死亡」にカウントするなら、
それって、完全なデマじゃないですか。
・ソ連崩壊と・EU加盟
この二大要因は、無視できるものではなく、
東欧における人口減少の主要な要因です。
ただ、ウクライナなどでは、移住、移民など、
人口減少のその他の要因を正しく、“差し引い”た上で、
「残りの説明しきれない」人口減少については、
「チェルノブイリ原発事故による放射能被曝」が、「主要な要因」である。
このような議論なら、私には反論する素材は、もうありません。
「取るに足りないもの」とは、「何%までのことをいう」という
客観的規定はありませんから、三割、四割を超え、50%近くであっても、
“俺にとっては「取るに足りないもの」だ”と主張するのなら、
最早、私は反論する気も起こりません。
意固地であろと偏狭であろうと、
お好きにどうぞって感じです。
私だってそうですからね。
その点はよく分かるんですけどね、、、
ただ、真実へと到達する道からは外れている、とは、やはり思いますけどね。
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