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秋には着工、とされる「赤字モグラ電磁超特急」こと「リニア中央新幹線」。院内集会で、その問題点が改めて確認された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(引用此処から)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20140913-00039082/
公然のようで公然でないリニア中央新幹線の赤字問題(1) 2010年代後半に需給逼迫のヘリウム
まさのあつこ | ジャーナリスト
2014年9月13日 17時57分
9月12日「自然環境保全とリニア建設は両立できる?」に参加した国交省鉄道局職員ら
(写真略)
JR東海の山田佳臣前社長(現、代表取締役会長)が2013年9月にリニア中央新幹線について「絶対にペイしない」と会見の席で述べてから1年が経過する。実に不可思議な事業だが、2014年9月12日になり、超電導リニアの運転に不可欠な液体ヘリウムの資源確保に問題があることが環境省、国交省が同席した会合で明らかになった。
JR東海は2013年8月に始めた環境影響評価法に基づく手続を異例のたった1年という短期間で終了しようとしている。補正した評価書の縦覧期間にありながらも、2014年8月26日には全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画を太田昭宏国土交通大臣に提出するという超特急で事業に邁進、認可されれば用地買収が始まるという段階である。
それとは正反対に、研究開発は半世紀に渡るスローモーションぶりを呈し、今になって超電導リニアは資源枯渇という可能性に直面しているのである。
超電導に不可欠の「ヘリウム」は需給が逼迫
指摘したのは物理学が専門の冨永靖徳・お茶の水女子大学名誉教授だ。
研究途上の高温超電導磁石(模型)(山梨県立リニア見学センターにて筆者撮影)
研究途上の高温超電導磁石(模型)(山梨県立リニア見学センターにて筆者撮影)
超電導リニアは、車体に搭載した「超伝導磁石」と、地上に取り付けた「コイル」の間に「磁力」を発生させ、車体を浮かせた「超電導状態」で走行させる技術である。液体ヘリウムは、「超電導状態」の維持に必要なマイナス269℃への冷却に不可欠な物質だ。
同教授によれば、液体ヘリウムの代わりに液体窒素で動作する「高温超電導」なる技術もあるにはあるが、実用化されてはいない。だとすれば、へリウムが確保できるかどうかは大問題だというのである。
経済産業省による委託調査、学会論文の指摘
そう言って同教授が示したのは、経済産業省による委託調査である「ヘリウムを含有する天然ガスに関する調査報告書」だ。
ヘリウムを必要とする超伝導磁石(実物)(山梨県立リニア見学センター/筆者撮影)
ヘリウムを必要とする超伝導磁石(実物)(山梨県立リニア見学センター/筆者撮影)
この報告書によれば、2012年時点でのヘリウムの世界生産量の約76%を米国が占めている。しかし、2013年にヘリウム管理法が制定され、2015年からは払い出し価格が上昇する可能性が高く、2021年9月までに民間企業向けの払い出しは終了する見込みなのだという。カタール、アルジェリア、ポーランド、オーストラリア、ロシアでもヘリウムは生産されているが、米国のヘリウム供給量減少を補うことはできないとの予測である。
一方、ヘリウムは、医療機器であるMRIや半導体などの各分野で需要が拡大していることから、「2010年代後半に需給逼迫が発生する可能性が高い」、しかも、「備蓄しにくいという性質を持つことから、生産や流通面で何らかの障害が発生した場合、ただちに需給逼迫に陥る危険性がある」としている。
日本高圧力学会の学会誌「高圧力の科学と技術Vol.22、No.3(2012)」にも、現在、世界のヘリウム生産能力は年間約1億7千万m3強、需要の方も1億7千万m3近くあり、どこかのプラントに不調が起こるか、天然ガス需要が減少すれば、供給タイトな状況が起こりかねない状況であるとして、急に液体ヘリウムを研究者が購入しようとしても、「幾らお金を積んでも購入できないという事態がやってくることも今後十分予想される」との将来予測が述べられている(大家泉「ヘリウム需給の見通し」)。
キツネにつままれたような話である。JR東海が自信満々に事業に邁進しても、実は必要な資源が手に入らなくなる。工事実施計画を認可する立場の国交省は、果たしてこのシンプルかつ重大な事実に気づいているのか。
福島みずほ参議院議員が議員や市民に呼びかけて環境省、国交省、JR東海を招いて対話会合を開くと聞き、事前の9月8日に確認を行った。国交省鉄道局技術開発室の依本啓介課長補佐は、「山梨の実験線では高温超電導技術は使っていない」。また、「必要とする資源の持続可能性や価格」が抱える課題について尋ねると、「認識していない。不明である」と回答した。
果たして9月12日の会合で、ヘリウム逼迫事情を提起した上で同じ問いを投げかけると、「JR東海に告げる」と子どもの使いのような回答が帰ってきた。ヘリウム確保の観点から言えば、JR東海前社長の言う「ペイしない」度合いを、国交省には判断がつかないはずである。
公然のようで公然でないリニア中央新幹線の赤字問題(2)へ
まさのあつこ
ジャーナリスト
ジャーナリスト。1993〜1994年にラテン諸国放浪中に日本社会の脆弱さ に目を向け、帰国後に奮起。衆議院議員の政策担当秘書等を経て、東京工業大学 大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(工学)。著書に「四大公害病-水俣 病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害」(中公新書、2013年)、「水資 源開発促進法 立法と公共事業」(築地書館、2012年)など。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(引用ここまで)
関連:
■JR東海 リニア10月着工へ(環境対策は?幾らかかる??)
http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/819.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2014 年 8 月 19 日 20:35:51: N0qgFY7SzZrIQ
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