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Re: テスト
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投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 13 日 00:06:19: igsppGRN/E9PQ
 

(回答先: テスト 投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 11 日 19:32:09)

小沢一郎代表 vs 堀茂樹教授「世界の中の日本を考える」 (1)
http://4472752.at.webry.info/201405/article_7.html
2014/05/09 16:17 銅のはしご


✑ 日本国憲法の原則は四つ。国民主権。基本的人権の尊重。平和主義。そして国際協調
✑ 日本国憲法は国際協調という理念を取り外したら,成り立たない
✑ 国際協調は,日本国憲法の理念であると同時に,日本が生きていく基本。 日本の平和を保つためには,世界が平和でなければいけない
✑ 旧来型主権国家論による「一国平和主義」も捨て去るべきであり「一国武装独立」も捨て去るべきだ
✑ それぞれの国,それぞれの民族が,それぞれの永い歴史を経て,国家を形成してきた
✑ 自立した人間は,当然違った,色んなものを持っていていい
✑ そういう多様性をお互いに尊重し合うところに,民主主義があり,共生の理論も出てくる


【 未定稿 】 小沢一郎代表と堀茂樹教授
Vol.4 「世界の中の日本を考える」  (1)


小沢一郎代表登場の部分から
00:35:39〜 00:48:20


小沢一郎代表と堀茂樹教授のちょっと硬派な対談
Vol.4〜「世界の中の日本を考える」〜
2014/05/07



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01:47:42  文字起こし (敬称略)


✎    ✎    ✎    ✎    ✎    ✎


堀 茂樹
 ようこそお越し下さいました。
 4回目(の対談)になりますが,今日は「世界の中の日本」ということで,前座で,国民国家ができることもあるが,同時に世界規模で考えなければならないこともある,と。 環境問題等はもちろんですけれども,トマ・ピケティの『 21世紀における資本( Le Capital au 21e siècle )』という話題の本が出て,世界的に色々な問題を考えなければならない時代になっていると思いますので,こういうテーマで色々聞きたい,伺いたいことがいっぱいありますので(対談を)やっていきたいと思います。


小沢 一郎
 はい。


堀 茂樹
 よくグローバル化,グローバル化って言うんですけれども,グローバル化で今世界はちっとも融和しているとは言えませんですよね。


小沢 一郎
 (頷く)


堀 茂樹
 最近話題になったウクライナですけれども,それだけじゃなくちょっと前にはシリアもありましたし,それから日本の周辺もけっこうギスギスしたことが起こっておって,近隣の国々との間の関係が,かなり怪しいことになっていると思います。
 で,ここのところ憲法の問題が議論されてます。 集団的自衛権だとか何とか言ってね。


小沢 一郎
 はい。


堀 茂樹
 それで書類を見ておりましたらば,私,ひとつ気付いたことがありまして,小沢さんは,常々,日本国憲法の原則を,四つ,仰ってる。
 国民主権,基本的人権の尊重,平和主義,そして国際協調(小沢氏・頷く)というのを,常に仰ってますね。


小沢 一郎
 (頷きながら)はい。


堀 茂樹
 ところが,ほとんど多くの人が三大原則って言ってるんですね。そこで,小沢さんの四大原則とくらべて,言及されていないのは国際協調なんですね。


小沢 一郎
 ふうむ。


堀 茂樹
 これは,右の人も左の人も,まあそうなんです。あんまり右,左って言いたくないですが。


小沢 一郎
 はい。(少し笑)


堀 茂樹
 自民党のホームページ見ても,国民主権,基本的人権の尊重,平和主義,三つですね,言ってるんですよ。


小沢 一郎
 はああ,三つですか。


堀 茂樹
 自民党は,その三つを尊重しながらとか(笑)言ってるんだけれども...へえ,そうですかって言いたくなるんですが,とにかく三つ言ってるんですね。それから阿部(知子)さんでしたかね,非常に優れた議員さんだと思いますけれども,仰った。いずれにしても社民党のほうでも常に三大原則,というふうに出てるんですね。
 それで,憲法からものを考える。この場合,憲法が出発点というのもおかしいけれども,小沢さんの考え方の特徴に,国際協調というところがあると思うんですね。(小沢氏・頷く)
 一国で平和でいればいいというのではない,と。また,その一国の中がどうでもいいわけじゃない,と。そういう文脈の中で常に立論をしておられると思うんですね。(小沢氏・頷く)
 このことを,どう思われますか。あまり国際協調のところを,強調しないということについて。


小沢 一郎
 それこそ,左の人には左の人のね,どんな場合でも力による平和の回復 ・ 維持はダメだっていう考え方があるんでしょうし,右の人はやっぱり,国際協調って言ったって国連もアテになんないし自分でやる以外にない,ということなんでしょうけどね。


堀 茂樹
 ええ。


小沢 一郎
 今の日本国憲法からですね,国際協調という理念を取り外したらば,私は日本国憲法の論理というか構成は,成り立たないと思うんですね。
 平和の原則って言っても,結局,国際協調ということが同時にないといけない。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 ですからまた逆に言えば,一国平和主義も成り立たないし,一国武装独立も成り立たない。


堀 茂樹
 なるほど。


小沢 一郎
 どっちかって言うと,右の人は武装独立なんですよね。そういう言葉使わないですけど。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 時々,核武装の議論出ますよね。


堀 茂樹
 出ますね。


小沢 一郎
 それから,原発を維持するっていうのは,やっぱり,核の技術,理論を手にしておかなきゃいけない,というのが,背景にどうも,あるらしいんですね。
 ですから,そういう人達の言う一国武装独立っちゅうのも,21世紀ではもはや成り立たないし,私は日本としてはそういう考え方は捨て去らなくちゃいけない,と。


堀 茂樹
 なるほど。


小沢 一郎
 同時に,左の人が言う一国平和主義も捨て去らなくちゃいけない。


堀 茂樹
 ふむ。


小沢 一郎
 残るは,国際協調しかないだろうと。日本国憲法は,まさにそういう理念に基づいた憲法だと,そう思います。


堀 茂樹
 なるほど,はい。前文を読めば,私もそれはその通りだろうと思っておったんですが,意外なことに,調べてみると必ず,三大原則。芦部(信喜)先生っていう憲法学の東大の先生がおられましたけれども,あの方の教科書もそうなってるそうで,そういう影響なのか,今とにかく三大原則って言いますね。


小沢 一郎
 はああ...


堀 茂樹
 おそらく,平和主義っていうものの中に国際協調を入れるかどうかなんだと思うんですね。


小沢 一郎
 ああ,なるほど。はい。


堀 茂樹
 対岸の火事はどうでもよくて,自分のところだけ免れていればいいという平和主義とは,やはり,日本国憲法の理念は違うと思うんですね。


小沢一郎
 と思いますけどね。


堀 茂樹
 はい。で,今仰った武装独立って言うんですか,旧来型の主権国家というふうに仰ると思うんですけれども。 19世紀20世紀の初頭ぐらいまでの(論は)両方おかしいんじゃないかと思うんです。


小沢 一郎
 はい。


堀 茂樹
 それは,もっと知られてもいいと思いますよねえ。小沢さんの,そこんとこの考え方はね。


小沢 一郎
 現実の,たとえば国際協調主義っていうと,1つのシムボリックな機構としては,国連ですね。


堀 茂樹
 国連ですね,ええ。


小沢 一郎
 国連がさっぱり機能しないじゃないかと。だから,こんなものをアテにしちゃあダメだというのが,多分,武装独立論の背景なんですね。


堀 茂樹
 ええ。こう仰る方は,多いですね,そういうふうに言う人は。


小沢 一郎
 それは,私は基本的に間違いだ,と。
 本当に自分達の平和を守りたいなら,世界全体が平和でなきゃ日本は生きられないんですから。特に貿易国家ですから,海に囲まれて。世界が,皆なが,平和でないと商売できませんから。特に日本の場合は,やはり,日本の平和を保つためには,世界が平和じゃなきゃいけない。とすれば,それは,国際協調しかないわけで。
 私は,そういう意味で,これを排除するっちゅうのは,日本の存立そのものを否定することになりかねないと思いますんでね。
 これは日本国憲法の理念であると同時に,私は日本が生きていく基本だと思いますね。


堀 茂樹
 なるほどね。それは,自立と共生という理念とも非常にリンクすることですよね。


小沢 一郎
 自立と共生ちゅうのは,僕ずうっと従来から主張したんですが,自立と,その今言った武装独立というようなことは,別なんですね,全然。


堀 茂樹
 違う...


小沢 一郎
 違う話しですね。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 だから,人間が自立した人間にならなくてはいけない。まだまだ日本人は,その意味で自立してないと僕は思ってんですが。
 自立ちゅうことは,自分自身のものをしっかり持って,自分自身で判断し,自分自身の責任で行動するという人間であり,そういった自立した国民が,お互いに他人の自立も尊重しなきゃ(なら)ないですから。自分だけじゃ利己主義になっちゃいますから。そういった自立した国民の集まりであるのが,自立国家だと。
 自立ということと,国際協調,世界連邦的な考え方っていうのは,絶対矛盾しないと思ってんですよ。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 それぞれの国,それぞれの民族が,それぞれの永い永い歴史を経て,その環境で育ってくるんですから,それぞれの国民やそれぞれの民族国家がきちんとそれなりの民族の形成,国家の形成の中で,自立した人間ちゅうのは,違った,色んなものを持っていて当然いいと思うんです。


堀 茂樹
 それは,多様性の面ですね。


小沢 一郎
 多様性の面です。宗教であれ,哲学であれね。だけど,そういったものをお互いに尊重し合うというところに,民主主義があり共生の理論も出てくるんで。ですから,自立ということと世界主義的な国際協調というのは,まったく矛盾しない。


堀 茂樹
 むしろ一致する。


小沢 一郎
 一致する考え方だと思います。ですから。立派な日本の国の市民が世界市民であるということも,よく言いますがね。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 それは,全然矛盾しないということの表現じゃないでしょうかね。


堀 茂樹
 それは,私,思想のほうの専門なもんですから,本当,面白いんですね。つまり,普遍性と多様性というのは,対立するんじゃなくて支え合うんだと。普遍性が,多様性を多様性として生かしてやるし,多様な普遍性に対して,普遍的なものへの多様なアプローチがある,と。だから各国それぞれの歴史でアプローチするっていうようなヴィジョンですよね。これ,本当に面白いと思いますね。


小沢一郎
 1つの普遍的なもので全部まとめようとすると,それは,できっこないですよね。それは,権力によってまとめる以外ないですから。


堀 茂樹
 そうですよね。ということは,小沢さんは,国連と言われるが,世界政府,世界国家を作ろうということとは違うわけですか。


小沢 一郎
 いや。理想としては,僕はそういう形がいいと思いますね。まあ,もちろんそこまでは,遠い遠い話しですけども。


堀 茂樹
 遠い地平線の話し。


< 続く >


✐    ✐    ✐    ✐    ✐    


小沢一郎代表 vs 堀茂樹教授「世界の中の日本を考える」 (2)
http://4472752.at.webry.info/201405/article_8.html
2014/05/10 01:35 銅のはしご


✑ 国連憲章の敵国条項は,改正すべきだ
✑ 世界全体の意思を反映するためには,安保理事会もしくは国連総会での決定。国連の意思とする国連総会を,国連憲章に入れるべきだ
✑ 日本は,こうしたことを積極的に提案すべきだが,憲法9条問題にすり替えて国連の危ない行動,汚い行動に参加することを拒否してきた。金だけ出して,リーダーシップをとれなかった
✑ 日本国憲法,国連憲章,日米安保条約は,矛盾しない。日米安保条約も,国連中心主義である。日本は国連中心主義をもって世界の平和,世界の共生に貢献すべきだ



【 未定稿 】小沢一郎代表と堀茂樹教授
Vol.4「世界の中の日本を考える」  (2)
文字起こし(敬称略) 00:48:20 〜 00:58:36


小沢一郎代表と堀茂樹教授のちょっと硬派な対談
Vol.4〜「世界の中の日本を考える」〜
2014/05/07
http://www.ustream.tv/channel/voice-of-citizen
01:47:42


✎    ✎    ✎    ✎    ✎    ✎


小沢 一郎
 だけど,基本的にね,国連が頼りにならないから自分達 1人で軍備も強化して独立の体制をとるんだって言う論理は,僕は,おかしいと思うんですね。
 頼りないんなら,日本がやっぱり積極的に役割を果たして,頼り甲斐のある,あるいはきちっと機能を発揮できる国連を作るために,日本が先頭に立つべきだと,私は思うんです。
 そうでないと,さっき言ったように日本一国では生きていけませんから。 まあ,鎖国しちゃえば別ですけど。そうでない限り,こんにちの繁栄と豊かさと平和を維持するためには,世界が平和じゃなきゃいけないんですから。
 そのためには,平和を維持するための機能に,日本人が積極的に貢献するというのは,当ったり前のことだと私は思ってるんですね。


堀 茂樹
 ふむ,ふむ。


小沢 一郎
 国連憲章で言う武力で以って平和を乱すやつは最終的に武力で以ってそれを鎮圧することもできる,と。それをイヤだと言う左の人と...


堀 茂樹
 それは,いわゆる国際安全保障とか,集団安全保障と言われるものですね。


小沢 一郎
 やっぱり,警察の役割をしなくちゃ(なら)ないですから。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 警察官が国内で武装して,その武装で以って武力を行使できるのが,秩序維持,平和維持のための役割を国民から与えられているから,やってるわけで。
 ちょっと理屈が難しくなりますけれども,個人の正当防衛で警察官は武装してるわけじゃないですね。武力行使してるわけでもない。
 だから,国連という大きな枠を考えてみても,国連による力で以って平和を維持するのも,それは,いわゆる平和のための,秩序を維持するためのことであって,憲法9条の問題とはまた別次元の話しだと。


堀 茂樹
 国連のことで,小沢さんの国連論というのが,ある程度は世間でも知られていると思うんですね。それで,このことで人と議論しますとね,ほとんど必ずのように「いや,しかし,国連は敵国条項で日本をいまだに敵視していることになってるではないか」「これについてはどう思うんだ」「小沢さんと話す機会あるんなら聞いて来い」と言われてるんですが,これはいかがですか。


小沢 一郎
 これは,改正すべきだと思いますよ。国連憲章は。 その問題もあるし,それから,安保理事会だけがね,すべての権限を持ってるでしょ,こういう平和維持に関しては。 これも,おかしいと思うんですよ。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 常任理事国だけがね(権限を持ってる)。常任理事国の1人が拒否権を使えば,何にもできない。そこに(問題が)あるんですよ。


堀 茂樹
 そうですね。


小沢 一郎
 だから僕は,僕の理屈は,安保理事会もしくは国連総会で決定したのを,国連の意思とする,と。そうすると,世界全体の意思を反映できて,常任理事国の1つが反対しても,それはダメよということになる。


堀 茂樹
 ああ,なるほど。今,ウクライナのことなんか何もできない。ロシアの問題ですからね。そうですよね。


小沢 一郎
 常任理事国の1つが暴れ始めたら何にもできないちゅう話になるでしょ。


堀 茂樹
 それからアメリカも拒否権をいっぱい使いますからね。


小沢 一郎
 アメリカもロシアもしょっちゅう都合悪いことは拒否権ですよね。だから,僕はこれは,もしくは国連総会っていうのを,国連憲章に入れるべきだと思うんです。そういうことを(日本は提案すべきだ)。
 敵国条項があるからダメだ,いや常任理事国になれないんだからダメだなんて言ってちゃあ,ダメなんですよ。
 それだったら皆なの意見をまとめて,国連憲章を変えようじゃないかと,何で,日本は言わないんですか。


堀 茂樹
 なるほど。


小沢 一郎
 (日本は)金だけは出してるんですよ。ロシアや中国は,金も出さないで威張ってるだけでね,日本は金だけは出させられてるんだけど,そういうことに積極的なリーダーシップを取れないんですね。 それは何故かって言うと。


堀 茂樹
 何故ですか。


小沢 一郎
 最終的にやっぱり(国連憲章)51条<第41条>の問題ですよ。紛争解決のときに国連軍が警察として,その鎮圧に,秩序維持に当たることができるという,陸海空三軍の戦力を使えるとなってますね。 (日本が)それイヤだからですね。 危ないこと,汚いことはイヤだっつうんではね,やっぱり誰もついて来ないですよね。


堀 茂樹
 はい。小沢さん,今のは41条ですね。


小沢 一郎
 ああ,41条,42条です。


堀 茂樹
 ちょっと読んでおきますと(机上のレポート紙を取り上げる)41条は非軍事的措置,これは経済封鎖なんかの場合のことだと思いますし,これで不充分ならば42条 軍事的措置で「安全保障理事会は,第41条に定める措置では不充分であろうと認め,又は不充分なことが判明したと認めるときは,国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍,海軍または陸軍の行動をとることができる。この行動は,国際連合加盟国の空軍,海軍又は陸軍による示威,封鎖その他の行動を含むことができる。」
 ここのところですね。


小沢 一郎
 そうですね。ですから,警察官がピストルなり銃なり持ってるのは,そういう秩序を乱す,平和を乱す者がいたとき,武器を持った者がいたときには,どうしようもないから,持ってるわけですね。その論理は,国際社会にも当て嵌まるんで。


堀 茂樹
 これ,よく「国連,国連と言うが,国連って大国に動かされてるから,大国のエゴの反映だ」と,こう言われるんだけど,いつまでも,そればっかり言っていたら,いつまで経っても,その大国のエゴを乗り越えることができないので、小沢さんとしては,もっと積極的に日本が動いて,より良い国連にしろと。


小沢 一郎
 日本は,加盟申請のときも,加盟受託のときも,あらゆる手段を以って国連の行動に参加するって言ってるんですよ。


堀 茂樹
 ああ,そうですね。


小沢 一郎
 言ってるのに,全然ね(参加しない)。 やっぱり憲法がありますからなんて言う。
 憲法問題にすり替えて,日本は行動することを拒否してきたわけですね,今まで。
 それじゃあ誰も相手にしないんですよ。危ないからイヤだ,自分は汚いことはイヤだって言ったんじゃ,誰も言うことを聞かないですよ。


堀 茂樹
 分かりました。


小沢 一郎
 だから,そういう意味で,僕は日本がそういう強い意思を持つこと。もう1つね,これに関して言うと,国連中心主義と日米同盟は矛盾するって,すぐ言うでしょ。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 これも全然ウソだと,僕は言ってるんですよ。


堀 茂樹
 どっちか選ばなきゃいけないと(思わされている)。


小沢 一郎
 どっちか選ぶとなると日米同盟だと,こうなるでしょ。そうじゃないんですね。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 そう言う人達は,安保条約を読んだことがありますか,つうんですよ。


堀 茂樹
 ははは。(笑) はい。


小沢 一郎
 ほんのわずかの条文なんですよ,安保(条約)なんて。


堀 茂樹
 そうですね,はい。


小沢 一郎
 その安保条約は,仮に日本が攻撃されたりした場合ですね,国連が決定するまでは日米でもって,いわゆる集団的自衛権ですが,自衛のための武力の行使はしていいよ,と。
 だけど,国連が決定したならば,その日米の行動はその時点で終了すると,なってるんです。
 要するに国連中心主義なんですよ,安保(条約)も。
 日本国憲法も,安保(条約)も,国連憲章も,皆な同じ理念なんですよ。
 だけど,国連が意思決定するまでは時間かかりますわね。


堀 茂樹
 タイムラグがある。


小沢 一郎
 (頷きながら)タイムラグがある。だから,それまでは,それぞれ各自で反撃していいよ,と。だけど,国連が「こうする」って決めた場合は,それに従いなさい,と。
 安保条約に書いてあるんですよ。


堀 茂樹
 そうですよね。それが国連憲章の51条と対応してるわけですね。


小沢 一郎
 そうです,そうです。あの自衛権の話しと(対応している)。
 ですから国連は,自衛権,集団的,個別的自衛権,認めてますよ。それは,普通の当然の話しでね。それを個別的自衛権がどうのと,ゴチャゴチャした議論をしてますよねえ。


堀 茂樹
 はい。だから私もこれ,勉強してるんですよ(笑)。(机上からレポートを取り)安保条約を読むと,第5条に,要するに日本の施政下の領域が侵されたときに戦うんだけれども,しかし,その武力行使の措置は,「安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。」とこう,書いてあるんですね。このことを仰ったんですね。


小沢 一郎
 そうです,そうです。
 あくまでも国連中心主義なんです,日米安保も。国連が間に合わないときに,まずやんなさい,と。個別的自衛権,集団的自衛権で反撃しなさい,と。だけど,国連が決めたときは,それに従いなさいよ,と。安保条約に書いてある。
 だから,何も日米同盟と国連中心主義は矛盾しない。


堀 茂樹
 なるほど。そうしますと,今伺っていると,国連...まあ何と呼んでもいいですけれども,要するに国連中心主義で,日本は世界平和に,世界の共生に貢献すべきだ,ということですよね


小沢 一郎
 はい。(きっぱりと)


堀 茂樹
 で,積極的に貢献すべきだということですよね。


小沢 一郎
 はい。(きっぱりと)   


< 続く >


✐    ✐    ✐    ✐    ✐


◇ 国際連合憲章
http://www.unic.or.jp/info/un/charter/text_japanese/


第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動
 第41条
安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。
 第42条
安全保障理事会は、第41条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍または陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。


敵国条項(第2次大戦で連合国の敵国であった国に対する措置を規定した第53条,第107条と,第77条の一部文言)


第8章 地域的取極
 第53条
1. 安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極または地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。
2. 本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。


第17章 安全保障の過渡的規定
 第107条
この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。


第12章 国際信託統治制度
 第77条
1. 信託統治制度は、次の種類の地域で信託統治協定によってこの制度の下におかれるものに適用する。
a.現に委任統治の下にある地域
b.第二次世界大戦の結果として敵国から分離される地域
c.施政について責任を負う国によって自発的にこの制度の下におかれる地域
2. 前記の種類のうちのいずれの地域がいかなる条件で信託統治制度の下におかれるかについては、今後の協定で定める。


◇ 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
第五条
 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。


◇ 国際連合憲章
第7章  平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動
 第51条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。


✐    ✐    ✐    ✐    ✐


小沢一郎代表 vs 堀茂樹教授「世界の中の日本を考える」 (3)
http://4472752.at.webry.info/201405/article_9.html
2014/05/10 19:13 銅のはしご


✑ 自然権としてある個別的,集団的自衛権。それは,正当防衛権。英語では,同じ self-defense セルフ・ディフェンス
✑ 特定の国と一緒に日本と直接関係のない紛争に軍隊を派遣することは,憲法9条は禁止している。安倍さんの思うような海外派兵をどうしてもやりたいなら,9条改正を国民に問うべきだ
✑ 「積極的平和主義」と言うなら,憲法の理念に立ち返るべきだ
✑ 国連の機能を通じ世界の平和維持に積極的に参加することが,積極的平和主義である
✑ アメリカを国連中心の平和主義,世界平和のレヴェルに引き込む。すぐ実現できるとは思わないが,この発想・考え方を世界に発信すべきだ



小沢一郎代表と堀茂樹教授のちょっと硬派な対談
Vol.4〜「世界の中の日本を考える」〜
2014/05/07
http://www.ustream.tv/channel/voice-of-citizen


【 未定稿 】小沢一郎代表と堀茂樹教授
Vol.4「世界の中の日本を考える」  (3)
00:58:36 〜 01:17:21 文字起こし(敬称略)


✎    ✎    ✎    ✎    ✎    ✎


堀 茂樹
 最近,安倍さんがね,平和主義に「積極的」っていう言葉を付けて「積極的平和主義」っていうスローガンを掲げてるんですね。それで私も,いわゆる非常に内側に籠もった一国平和主義ってのは,やっぱりダメだというふうに思うので。
 (安倍総理は)言葉だけは「積極的」(笑)。積極的に平和構築のためにやるんならいいと思うんですけれども,どうも,安倍さんの場合は,国連による集団安全保障には,もうひとつで,それで集団的自衛権のほうを非常に強調しておられる。
 つい此間も,昨日だったかな,共同通信によると,NATOでも,集団的自衛権を理解してもらうために(呆れたと言う口調で)PKOに日本が参加したときに,どっか友軍が危ないときに駆け付けで戦えないってことまで出してらっしゃるんですね。だけど,PKOっていうのは国連ですよね。


小沢 一郎
 あれは完全な国連軍です。PKOはね。


堀 茂樹
 そうですよね。ですから,何かその辺がゴチャゴチャになってるんですね。


小沢 一郎
 PKOの話しすると,また長いんですがね。あれも僕は,湾岸戦争で,とにかく何か日本も参加する緒(いとぐち)付けなきゃなんない,と。だけど,僕そのとき自民党だったですから,野党が反対するんで,もう,おかしな話しなんですけど,PKOのあれだけは作っておこうちゅうことで,できた法案なんで,矛盾だらけなんですよ。
 あれは国連が任命した人が司令官になります。ですから,完全な国連軍なんです。だから,日本の指揮権はもう及ばないんですね,そこへ(部隊を)出しちゃったら。国連に従わなきゃならない。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 それなのにPKOは危なくなったら逃げて帰ってもいいとか。集団でやっちゃいかんとか。


堀 茂樹
 (笑)PKOで行くので,軍隊のほうは Fって言いましたっけ,forceか何か。PKF


小沢 一郎
 平和回復,平和維持の違いがあって,平和回復って言うときは戦闘を前提にしますからね。
 とにかく,部隊で行動しちゃいかん,危なくなったら逃げて帰れっていう話しで。これは国連の指揮下にある軍としては,もうまったくメチャクチャな理屈なんです。
 それでも僕は,20年前は,そんでも無いよりいいと思って,まずまず作ったんですけどね。


堀 茂樹
 ああ,そうですか。


小沢 一郎
 まあ,ヘンな話しなんですよ。


堀 茂樹
 ああ,そうですか。


小沢 一郎
 矛盾に満ちてるんですね。


堀 茂樹
 そうすると,そういう意味では,私は本来的だと思いますが,積極的に貢献していくという姿勢はですね。


小沢 一郎
 まあ,安倍さんの言う「積極的平和主義」はねえ,今,先生が仰ったように,何かね,ちょっとよく分かんないんですよねえ。(苦笑しつつ)


堀 茂樹
 やっぱりね,小沢さんの言葉だと旧来の主権国家でしたっけ...


小沢 一郎
 主権国家論,ね。
 だから要するに,兵を海外派兵ができるというところが(安倍さんの)頭にあるんじゃないですか。


堀 茂樹
 ふうむ。


小沢 一郎
 だから,要するにアメリカと...(同じように軍事行動をしたい)


堀 茂樹
 列強のように振舞いたいという。


小沢 一郎
 そう,そう,そう。1人の強い(総裁が)軍を持って軍備もいっぱいにして,やりたいということなんでしょうけどね。


堀 茂樹
 銃も持って。


小沢 一郎
 ちょっと,論理的にも意味不明だし,危ういですね。


堀 茂樹
 それで,こんにち,そのことで,此間私は2回目の対談のときは憲法について話そうということで。1年前ぐらいなんですよね。 <ちょっと硬派な対談 part2 「憲法の話しをしよう」2013/06/19> 


小沢 一郎
 はい。


堀 茂樹
 その頃は,憲法改正を ヤイヤイ言ってたんですね,与党は,自民党は。でも憲法改正については憲法学者も立ち上がったりして,何か姑息なやり方で変えるのは罷りならんとか,色々言われたので,今度は,9条の解釈の問題で色々動きがあります。
 特にこれは,集団的自衛権を認めるか否かということで,ずうっと言われてるんですね。
 必ず,そういう問題の立て方をされています。集団安全保障ではないです。集団的自衛権です。ややこしいです。


小沢 一郎
 集団安全保障は,国連の平和維持のこと。


堀 茂樹
 ここに 『世界』 って雑誌がありますけども,これもやはり「集団的自衛権を問う」と(特集されている)。
 で,自民党が言ってるのも集団的自衛権を認めろ,ということなんですね。これ,私ね,違うんじゃないかと思うんですけど。集団的自衛権って,問題の立て方がおかしいんじゃないでしょうか。


小沢 一郎
 集団的自衛権が,あるか,ないか。今までは,あるけど行使できないとかってねえ,ヘンチクリンな法制局の考え方,屁理屈言ってますが。
 さっき言った51条かな,集団的,個別的自衛権はあるちゅうのは国連憲章も認めてるわけですよ。


堀 茂樹
 国連憲章は認めている。


小沢 一郎
 認めてるんですよ。それは,自然権としてあるわけで。それは,個人に正当防衛が認められると同じで,それぞれの国にも(正当防衛権=自衛権)がある。
英語では,同じでしょ。 self-defense セルフ・ディフェンス。


堀 茂樹
 self-defence ですよね。フランス語ではね,legitime defence レジティム・デファンス。 legitimacy レジティマシーって,正統性(正当性)って言葉まで入ってるんですね,自衛は。自衛は,つまり正当防衛のこと。


小沢 一郎
 日本語じゃ別になってるけど,同じことなんですね。


堀 茂樹
 そうですね。


小沢 一郎
 だから,個人が(正当防衛権を)認められる。国家として,認められる。だから,そんなことは当たり前だ,と。だから僕等は,集団的自衛権ももちろん自然権として持ってるよ,と。 ただし,日本が自衛権を発動するのは,他から攻撃を受けたとき。急迫不正の侵害があったときに,自衛権を発動する,してよろしいよ,と。これ,当然の権利として。
 ただ(憲法)9条によって,国際紛争=日本が直接攻撃を受けたことでない 他のところの紛争に,集団的自衛権という名の下に,アメリカとであれ何処とであれ,行ってチャンバラするのはダメよ,と。
 そこは,ちゃんと9条が,国権の発動たる武力の行使はダメだと書いてあるんで,それは,国連の平和の機能に任せる,と。あくまでも自衛権は自らが攻撃を受けたとき。
 ですから,そのことが多分ね,引っかかってるのか,あるいはあんまり無制限にしちゃいけないと思って「限定的」な...何か,今盛んに言ってますよね。


堀 茂樹
 はい。 


小沢 一郎
 だけど,限定的って言ったてね。特に朝鮮半島有事を考えてるとか何とかって,ちょっと聞きますけどね,どういう形で,どういう対応で,戦争が起きるかなんてのは,分かるわけないんですよ。色んなことで以って,紛争ちゅうのは起きてくるんで。最初っから,こういう場合はって,文章で規定できるわけがない。


堀 茂樹
 ある意味では,こういう場合はこうしますよってことを書くのは,戦略として愚策ですよね。(笑いながら)全部,予定行動を(公開する)...


小沢 一郎
 むしろね,否定のことを書くのはわりあい容易(たやす)いですけどね。


堀 茂樹
 ああ。これは,しない,と。


小沢 一郎
 こういうことは絶対しませんよと書くのは,わりあい容易いけども,こういう場合はいいですよと(書くのなら) じゃあ,どういう場合だと,具体的に。(例えば)朝鮮有事って言いますね。 朝鮮有事ってどうですか。それは,北朝鮮が全面南下策をとって攻め込んでくるちゅうことになりゃあ,そういう事態なら,そうかも知れない。だけど,一部でこう,南とチャンバラやった,その時点でじゃあ日本が集団的自衛権で,あるいは周辺事態で危ないから,軍を派遣するのか,ということにもなって,その色々な対応は,文章であらかじめ規定することは不可能ですよ。
 ですから,最終的にはもちろん時の政府の判断に依るんですけれども,安倍さんの思うような,世界の他の=日本と関係のない他の紛争に対しても,アメリカその他と一緒に軍隊を海外派兵するようにする,ということであるならば,9条改正を,正面から国民に問うべきですよ。私はそう思います。


堀 茂樹
 なるほど。 


小沢 一郎
 9条の解釈は,どう解釈したって,そんなことは許していませんし,当然それは国連の国際紛争解決,平和維持の機能に委ねられるべきだと,私は思いますね。


堀 茂樹
 そうすると,小沢さん,ニュースとして,おそらく来週か再来週かに,安倍さんのところが作ってる安保法制懇という識者達の報告書が出る予定なんですね。
 で,いちばん最新の情報によりますと,いわゆる限定的自衛権,集団的自衛権の限定行使ということの中で,どういうことを限定に付けるかと言いますと...私は,これ今挙げますが,一見リーズナブルだとも思ったんですね。
 簡単に言いますと,1つはどの国を対象にするかと言いますと,「日本と密接な関係にある国」だと言う...まあ,今大まかな,はっきりしたものが出てないので...言ってるらしいんですね。
 ということは,アメリカだけじゃないんですね。オーストラリアとか,そういうものも考えてる。オーストラリアとかニュージーランドとか,考えてる。


小沢 一郎
 うん。アメリカであれ何処であれ,どことでも ちゅう話しでしょ。


堀 茂樹
 ええ,どうも,そうらしいんです。


小沢 一郎
 相手はね。


堀 茂樹
 相手は。


小沢 一郎
 組む相手は,(考えのある不適な笑み浮かべつつ)ふむ,ふむ。


堀 茂樹
 それから2つ目は「放置すれば日本の安全に重要な影響が出る場合」。


小沢 一郎
 周辺事態だね。


堀 茂樹
 でも,周辺とは言ってないんですよ。


小沢 一郎
 ふうむ,ああ,そうか,そうか。


堀 茂樹
 周辺とは言ってない。周辺に限定してないんですね。


小沢 一郎
 ふむ。ふむ。


堀 茂樹
 そして,3番目に「当該国からの明確な要請があること」。これは国際法上の判例からも必要なことなので,相手のつまり組む国からの要請があること。4番目に「第三国の領域を通過するときは許可が必要」 これは当たり前です。


小沢 一郎
 当たり前だな。


堀 茂樹
 5番目に,「首相が綜合的に判断する」。6番目に「原則,国会の事前承認。しかし,緊急時は事後承認」。
 こういうことで,肝心のところが「放置すれば日本の安全に重要な影響が出る場合」って,これじゃないかと思うんですね,私は。


小沢 一郎
 はああ。(深く考えつつ)


堀 茂樹
 ただ「重要な影響」とは何ぞや,ということと。


小沢 一郎
 そう,そう,そう。


堀 茂樹
 その「放置すれば重要な影響が出る場合」というのは,これは国際法上の集団的自衛権の定義のもっとも通用している論にも対応するんですが,しかし日本には憲法9条があるということを考えると,周辺でなくていいということは,中東までですね,シーレーンを通って行くとか,なんか米国が攻撃した国へ向かって船舶の臨検をやるとかですね...公海上ならば地球の裏側まで行くっていうことが含まれてるんじゃないかと思うんですけど,これ,問題じゃないですか。


小沢 一郎
 今,先生の仰った条件なら,そうでしょうね。どこの国とでも,何処へでも(軍を派遣できる)。日本人が,世界中何処にでもいますし,今,日本人の経済活動は世界中に広がってますから。
 だから,日本国民の命を守るとか,権益を守るとか,いうことだけで いいんならば,世界何処へでも軍を派遣できるとなりますから。 


堀 茂樹
 個別的自衛権でもね。


小沢 一郎
 個別的自衛権でもいいし,集団的自衛権でやってもいいし。


堀 茂樹
 そうすると,例えばイラク戦争のときに,アメリカと我々は同盟だから...


小沢 一郎
 一緒にやる,と。


堀 茂樹
 一緒にやるということに,それ,やってもいいことに なっちゃうんじゃないかと思って,非常に私は懸念をする。


小沢 一郎
 もちろん,そうでしょうね。アメリカがやるところには,当然,同盟国だから何処でもやるっちゅうことでしょうね。


堀 茂樹
 まずいですよね。まずいって言うか,小沢さんとしては,反対なさいますか。


小沢 一郎
 それは,日本としては,国連の機能を通じ,それに積極的に参加するということは必要だし,何でも国連の行動である限りは,いやがらずにやんなきゃならない。だけど,特定の国と一緒に,日本と直接関係のない紛争に軍隊を派遣するというのは,憲法9条は禁止してますから,どうしてもやりたいちゅうなら,9条改正を国民に問うべきだと思います。


堀 茂樹
 なるほど,そうですか。そうすると,「積極的平和」というのは,捉え方によってはそれでいいんだけれども,そのときに何か旧来型主権国家論みたいな閉じた,オレがとにかく自分の武器で守るんだとかいうのは,よろしくない,と。


小沢 一郎
 その「積極的平和主義」と言うんなら,この憲法の理念に立ち返るべきだし,僕が今色々言っていたと同じような国連の活動に対してあらゆる手段で協力するということが,私は積極的平和主義だと思いますね。


堀 茂樹
 なるほど。その点は分かりました。そうしますと,もう少し,国防や安全保障ということだけではなくて,近頃の政治的にも経済的にも...何て言うんですかねえ...どっかがクシャミしたらこっちが風邪ひいてると言うか,そういう時代になってきてますね。こういう時代に,もしも,例えば今ですね,現時点で,もし小沢さんが日本の宰相として舵取りをされてるとしたら...もちろん周辺の中国や韓国との問題も大変なんですけど,アメリカとどうするかとか,ありますが。


小沢 一郎
 バイ (bilateral=二国間交渉)の話しなら,対中とか対韓とか対米とか,バイの話しは,それぞれのね,立場であれですけれども,全体での平和を維持しようっちゅうことになれば,アメリカを引っ張り込まなきゃだめですよ。
 アメリカは,どうしても孤立主義なんですよ。まあ自分で一人で食っていけますから,アメリカは。だからどうしても自分の我流を通そうとするんですね。それで日本は,「お前,言うこと聞け」ということで「はい,はい」って,今,ついて行こうとしてるわけだけど。
 この,アメリカを,国連中心主義,世界平和のレヴェルに引き込まなきゃいけない。


堀 茂樹
 つまりアメリカは独善的な傾向があるから,それを国際的な...


小沢 一郎
 世界の皆なと協力しようという形に,そこまでアメリカを引っ張り込まなきゃいけない。


堀 茂樹
 なるほど。


小沢 一郎
 本当はね,アメリカ,最近のアメリカはだらしなくてね。 ブッシュ前大統領はアフガンやるときに 「これはアメリカの戦争だ」と,「国連の決議なんか要らない」と,彼はおっ始めたわけでしょ。ところが,なかなかうまく行かなくなったら,世界の皆さん助けてくださいでしょ。これは,もっともアメリカ人らしくないですよね。 やり始めたら自分でやりゃあいいんですよ。
 そういう,現実にはアメリカが自分で,世界の警察官の任務を全部やると言うのは不可能な時代になってきた。


堀 茂樹
 そうですね。


小沢 一郎
 ということは,皆なの力を合わせなきゃだめだ。そのためには国連で。
 一度ね,ガリ事務総長のときにね,事務総長が国連で緊急展開部隊を持とう,と,国連軍を(創設しようと提案した)。それでね,イギリスがそのとき賛成して,アメリカの中でも,アメリカ一人じゃあ,とても,もうコストも命もナンボあってもたまらん,と。国連を中心にしてやろうという意見(が)強かったんですが途中で頓挫しちゃって。
 僕は,そういうときにこそね,日本がやっぱり積極的にやらなくちゃいかん。


堀 茂樹
 平和貢献部隊でしたっけ。


小沢 一郎
 僕の(提言は)ね。


堀 茂樹
 御親兵みたいな。


小沢 一郎
 国連に提供したらいいんです。俺も提供すっから,アメリカもやれ,中国もロシアもやれ。お前達,常任理事国だと威張ってばかりいないで,ちゃんとやれと。やっぱりそれは日本が率先しなきゃ,誰もやりませんよ。
 僕はそういうようなことを,すぐ実現できるとは思わないですけれども,そういう発想を,考え方を世界に発信すべきだと思いますね。


堀 茂樹
 なるほど。


< 続く >


✐    ✐    ✐    ✐    ✐ 


◇ PKO と PKF (日本での略語)
PKO
United Nations Peacekeeping Operations
国際連合平和維持活動
PKF
United Nations Peacekeeping Force
PKOに基づき派遣される各国軍部隊 国際連合平和維持軍


◇ 国際連合憲章
第1章 目的及び原則
 第1条
国際連合の目的は、次のとおりである。
1. 国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。
2. 人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。
3. 経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。
4. これらの共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するための中心となること


✐    ✐    ✐    ✐    ✐ 


小沢一郎代表 vs 堀茂樹教授「世界の中の日本を考える」 (4)
http://4472752.at.webry.info/201405/article_10.html
2014/05/11 22:58 銅のはしご


【 未定稿 】小沢一郎代表と堀茂樹教授
Vol.4 「世界の中の日本を考える」  (4)


✑ 近隣の国との関係をつくるにも地道な努力が必要だ
✑ A級戦犯の合祀された今の靖国に参拝するのは良くない。以前のように天皇陛下を始め,誰もが素直にお参りできる靖国神社にすべきだ
✑ 核武装に意味はない。核兵器は使えない兵器で,しかも非常に危ない殺人兵器。金をかけて世界の国々から警戒されながら核武装するのは,軍事的にも政治的にも,意味はない
✑ 通常兵器でも,国連のための軍を供給するなら,金をかけてもいい



小沢一郎代表と堀茂樹教授のちょっと硬派な対談
Vol.4〜「世界の中の日本を考える」〜
2014/05/07
http://www.ustream.tv/channel/voice-of-citizen
01:47:42  


01:17:21 〜 01:29:30 文字起こし(敬称略)


✎    ✎    ✎    ✎    ✎    ✎


堀 茂樹
 そうしたら小沢さん,中国については今,中国のことが怖い怖いと,なってるんですがね,これどうしたら...


小沢 一郎
 中国は大変ですよ。


堀 茂樹
 大変ですか。


小沢 一郎
 本当に大変は大変なんですが。統一した中国も大変ですけれども,もし共産党独裁が崩壊したら,これまた大変なんですね。今,非常に強硬路線を取ってますわね。それは尖閣の問題だけじゃなくて,あらゆることに。
 私はですから,国内事情ちゅうのは,けっこう,中国は厳しいんじゃないかと。


堀 茂樹
 けっこう実際,暴動が起こってますよね。


小沢 一郎
 やっぱり,あれだけ格差が極端に大きくなりますとね。
 仮に1億(人)の大金持ちいても,10何億(人)の生活に困ってる人が,いるわけですから。
 この格差はね,今の体制では治せないですね。だから僕は彼等に直接,面と向かって言ってんですが,このままでは共産主義独裁の政権は,多分もたないよ,と。やっぱ,転換しなきゃいけないということを,僕は直接言ってますがね。
 非常に,中国がね,動揺したら,それはもうイラクやアフガンの比じゃないですよ。もう,大変な話しになりますよ。


堀 茂樹
 そうですねえ。(つくづくと)


小沢 一郎
 それで日本の傍で言えば,中国も何だかんだ言いながらまだコントロールが効いているから,北朝鮮はまだ,あの中にいますけれども,中国の統制が乱れたら,やっぱり北朝鮮も勝手にやるでしょうし。中国にも色んなね,各民族ありますから。
 中国の何千年の歴史の中で,今のような国家の版図(はんと=一国の領域)を持ったのは初めてですよ。あれは,清朝の領土ですから。ずいぶんロシアに削られましたけど。いちばん大きいんですね。
 
堀 茂樹
 なるほど。はい。


小沢 一郎
 これは必然的に,新疆ウイグルやチベットや蒙古や,まあ満州も本当はそうなんですが,色んなとこで民族的な運動が,最初っからありますし。そこに,格差,経済的格差が重なりますと,そうとう中国は大変だと思いますね。


堀 茂樹
 それから,中国は日本よりは若干時期が遅れるようですが,日本の比ではない少子化の問題があるそうですね。


小沢 一郎
 そう,そう,そう。


堀 茂樹
 人口のピラミッドが逆三角形。


小沢 一郎
 これまた大変なんですよ。ですからね,外へ強く出ることになるでしょ。尖閣も,最近マスコミはあんまり報道しなくなりましたけども,領海にしょっちゅう,しょっちゅう入ってますよね。
 これもねえ,やっぱり(安倍総理などが)話しができないちゅうのはねえ。(つくづくと)ちょっと異様ですね。


堀 茂樹
 ふうむ。


小沢 一郎
 アメリカとも,ろくに話しできないようですから,しょうがないんですけどねえ。


堀 茂樹
 非常に,オバマさんにも冷遇されてますね,今ね。


小沢 一郎
 全然だめですね。


堀 茂樹
 中国は,より一層,そうですからね。要するに,中国が色々,領海を侵してきたりなんかするんで,中国が悪いって言ってる。でも,善悪の問題で外交を(するわけにはいかないだろう)...そうじゃないですよね。そこを包み込んでいかなきゃいけないですよね。


小沢 一郎
 そうです,そうです。だから僕も尖閣列島は,日本の琉球王朝以来,古来の領土だと思ってますけれども,まあ向こうは向こうで,正しいかどうかは別として,ワアワア,ワアワア言うわけですから。何か,解決しなきゃいけないですよね。ところが,そのことをざっくばらんに話し合うこともできない,と。  


堀 茂樹
 やっぱり,隣りの人なんだから,仮にイヤな奴でもね(笑いながら)仮にイヤな人でも,一緒にやってくしかないですよね。違いますか。(笑)


小沢 一郎
 僕はね,中国人ちゅうのはね,本当にね,煮ても焼いても食えない連中だと僕は思ってんですけど(笑。堀氏も笑)。それでもね,感心するのはね(真顔になって)一度信頼すると,ずうっと守りますね。


堀 茂樹
 ああ。


小沢 一郎
 例えば日中国交回復した田中(角栄)先生ね。病気になって口も利けなくなってる。中国のトップの人が来ると必ず目白へ行きましたよね。


堀 茂樹
 ああ,そうですか。


小沢 一郎
 形式であるとしても,必ず目白に見舞いに行ったですよ,挨拶に。


堀 茂樹
 ああ,そうですね。


小沢 一郎
 だから,そういうことは,信用したら信義を守りますね。


堀 茂樹
 ああ,それは文化ですね。


小沢 一郎
 僕も30年ぐらいずうっと草の根交流やってますから,なにイヤなこと言っても,僕に怒ったりはしないですね。


堀 茂樹
 ああ。


小沢 一郎
 だから,僕のことだからズケズケ,ズケズケ言いますけども,お互い,うんうんと聞きながら議論できますね。そういう意味では,非常に信義に厚いところがありますんで。僕は,いくらでも(冷えた日中関係の回復の)やり様があると思ってますよ。


堀 茂樹
 ああ,そうですか。


小沢 一郎
 だだ,向こうが信頼しないとなったら,絶対信頼しないしね,また。


堀 茂樹
 まずパイプを繋ぐことが必要だと。


小沢 一郎
 そのためには,やっぱり,地道な努力をしないとね。


堀 茂樹
 ああ。


小沢 一郎
 だから,靖国の問題でも,僕はこれに対しても異論があるんだけど,今の靖国に参拝するのは良くないというのが僕の持論で,A級戦犯は合祀から外すべきだと。そしてやっぱり以前のように天皇陛下を始め,誰もが素直にお参りできる靖国神社にすべきだってのが僕の議論。
 今,総理大臣が行くっちゅうのは,僕は,良くないし,結局,逆撫ですることになってるでしょ。韓国であれ中国であれ。


堀 茂樹
 そうですね。


小沢 一郎
 わざわざ,そうやって行って,それで「門戸は開いてます」なんて。自分でそれやっておいて,門戸を開いてますなんて言ったてね。ふざけんなっちゅうことになっちゃうでしょ。ですから,ちょっと何か感情的なところにまで来てるのかなあという気がしますがね。


堀 茂樹
 そうですね。何かちょっと子供っぽいことをやってね,肝心のことをやらないってことですよね。(笑。小沢氏も笑)
 私はね,意外と,ちゃんと日本が防衛力を整備するっていうことも肝心のことの一部だと思ってるんですが,何かこう強がりをやるって言うか,挑発をして自己陶酔するっていうようなところは,ちょっと子供っぽいなあというふうに感じてますね。


小沢 一郎
 その象徴的なのが,核武装ですよ。


堀 茂樹
 ふうむ。


小沢 一郎
 僕は,日本が世界の中でしっかりした地位を占める,そういう日本になることを望んでますが,それは核武装か?っちゅうんですよ。
 核というのは,結局,使えないですよ。使えない武器ですよね。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 (北)朝鮮も,何だかだやってますけれども,要するに使えないです。あれ使ったら,もう,バンバンやられちゃいますからね。
 使えない兵器を,しかも非常に危ない。放射能を撒き散らす。そういう殺人兵器を,金かけて世界の国々から警戒されながらやるちゅうのは,軍事的にも政治的にも,僕は,核武装の意味ない,と思うんです。


堀 茂樹
 ああ。


小沢 一郎
 もっと良い方法がある。


堀 茂樹
 それは,使えない兵器で,使ってはいけないわけですけれども,抑止力ってことをよく言いますよね。日本は実際には,核に関してはアメリカに頼ってるわけだから,日本は自分で核兵器を持ってないけれども,アメリカの核に期待していることは確かですよね。ただしアメリカは実際そんなものは使えるかどうかってことは...


小沢 一郎
 いや,どこも使えないですよ。抑止力って言いますけど,じゃあ中国が日本に核攻撃するか? 北朝鮮がするか? ちゅうんですよ。それやったときは世界の破滅なんですから。


堀 茂樹
 ああ。


小沢 一郎
 アメリカもやり返すだろうし,ロシアもやり返すだろうし,もうバンバン,バンバン核戦争になっちゃいますから。それはお互いに,やれっこないんですよ。だから,やれっこないことは抑止力になんないですよ。


堀 茂樹
 ふうむ。


小沢 一郎
 だから僕は,核武装ちゅうのは,そういう意味で軍事的にもあまり意味ないし,政治的にも意味ないし。それでアメリカだのなんだの,いっぱい持ってんだから。それは,それらに任しときゃあいいというふうに思いますし,重ねて言いますけど,他に方法は幾らでもある,と。


堀 茂樹
 政治的努力ということ?


小沢 一郎
 そうです。それは,軍事的にもね。


堀 茂樹
 軍事的にも。ああ,なるほど。


小沢 一郎
 そんな危険なことをする必要はないと思います。


堀 茂樹
 なるほど。コストがかかり過ぎるという面もあると。


小沢 一郎
 そうです,そうです。危ういですよね。うん。危ないですよね,放射能っちゅうのはね。原発に象徴されてますがね。


堀 茂樹
 しかし,核兵器を持ってるだけだったら,放射能を撒き散らしませんよね。使っちゃったら,エライことになっちゃいますが。


小沢 一郎
 核兵器だって,扱い間違えばね。時々アメリカの飛行機,海の中に落っこったりするじゃないですか。あれ,飛行機に積んでて落っこっちゃたりしたらね,大変ですよ。危ないですよ,何処にあったって。だからそういう意味では僕は,意味がないと思います。


堀 茂樹
 ああ。そうすると通常兵器で,何かこう整備をすべきだというお考えですか。


小沢 一郎
 通常兵器も何もね,やっぱ,国連にね,国連のための軍を供給するっつうなら,僕はそれに金かけてもいいと思ってます。


堀 茂樹
 ああ,なるほど。断固たる国連中心主義ですね,それは。


小沢 一郎
 そうじゃないと日本は生きる術ないですよ。今度間違えたら,大変ですよ。だからそういう意味で,武装すりゃあするほど,相手国もやるんですから。中国やってるから,こっちもやるべきだ,それ軍拡競争になるだけでしょ。 日本は,技術も資本もありますから,国民ちょっと耐乏生活強いれば,それは軍備はどんどんできますよ。


堀 茂樹
 ああ。なるほど。


小沢 一郎
 だけど,それやったって意味ないでしょ,つってるの。


堀 茂樹
 軽々に例に出すべきじゃないけども,イスラエルと周りの国々との関係ね。どうしようもない状態ですよね。


小沢 一郎
 あれもやっぱりねえ,アメリカも責任あるし。 イスラエルもねえ,二千年経ってオレの国だって言われてもねえ...そもそも建国に なかなか無理があるんですよ,本来。あれも,欧米の帝国主義の産物なんですよ。


堀 茂樹
 そうです,そうですね。そうですよ。


小沢 一郎
 全部もう,イギリスだ,フランスだ,ねえ。彼等が大きいこと言う資格ないですよ。全部あそこ植民地にして,独立させるときには勝手に線引いてね,やってるわけでしょ。


堀 茂樹
 アメリカも,そうですね。


小沢 一郎
 シリアだ,なんだかんだつったって。ですから,紛争起こるのは当たり前なんですよ。


堀 茂樹
 ふうむ。


< 続く >


✐    ✐    ✐    ✐    ✐ 


小沢一郎代表 vs 堀茂樹教授「世界の中の日本を考える」 (5/ 5)
http://4472752.at.webry.info/201405/article_11.html
2014/05/12 12:45 銅のはしご


【 未定稿 】小沢一郎代表と堀茂樹教授
Vol.4 「世界の中の日本を考える」  (5/5)


✑ 争っちゃ,いかんのだ。宗教でもって,何で争うんだ。民族の違いで,何で争うんだ
✑ 大陸から,西欧から,多くのものを取り入れ,民族的偏見も 宗教的偏見も他の国にくらべて遥かに少ない日本人の包容力または融通無碍な性質の在り方。21世紀以降のこれからの世界を構築していく上で,そういう思想をきちんと体系化し,自分のものにして世界に発信する
✑ (例えば国連の平和活動に参加するという)意志と行動を示せば,核武装などせずに,世界の中で大きな地位を占めることができる
✑ この平和と豊かさを維持するには日本の「自立」そして世界との「共生」



小沢一郎代表と堀茂樹教授のちょっと硬派な対談
Vol.4〜「世界の中の日本を考える」〜
2014/05/07
http://www.ustream.tv/channel/voice-of-citizen


01:29:30〜01:45:45 文字起こし(敬称略)


✎    ✎    ✎    ✎    ✎    ✎


堀 茂樹
 これから日本の,経済も含めて,日本の文化もあると思うんですけど,最近,日本文化ってのはわりと,経済成長が止まったあたりから逆に,ヨーロッパ辺りでは日本の文化が尊敬され始めてるので,(尊敬され)始めてるどころじゃなく,大変尊敬されていると言ってもいいかも知れません。 そういう状況もありますし,全般的にこれから 21世紀(は)まだ始まったばかりなので,歴史は動くと思うんですね。今何かこう,私なんかの立場だと,どうしても悲観しがちなんですが。 しかし,まだまだ映画は終わってない,フィルムは終わってない。 歴史は展開すると思うんで。そうすると21世紀の日本,世界の中でどういうふうに生きてったらいいと思いますか。


小沢 一郎
 今の現状を見ると,ちょっと歴史に逆行するような動きになってますよね。 ロシアの今の姿,見ても。アメリカもそうですけど。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 これは非常に,このまんまだと,またかつての歴史を繰り返す話しになっちゃうんで,やはり日本の役割ちゅうのは非常に大きいと思います。
 ただ,日本人は先ず自立しなきゃいけないですが。 自分で考え,自分で決断し,自分の責任で行動できる日本人に,日本に,なんなきゃならない。それが大前提ですけど,僕はちょっと先生と,この点は意見が違うかも知れませんが,(堀氏・笑) 欧米のキリスト教的哲学を背景にした文明ちゅうのは,私は,かなり限界に近付いてると思ってるんですよ。


堀 茂樹
 ああ,はい。


小沢 一郎
 それに反して,東洋の考え方ってのは(より包容力がある)。
 要するに,例えば欧米の考え方,極端に言えば,人間が最高の存在であり,その他は人間の仕合せのためにあるみたいな考え方。


堀 茂樹
 まあ...人間中心主義。


小沢 一郎
 人間中心でしょ。何でも利用する,活用する,だからそれを必ず征服する,という発想に繋がるんですよね。
 東洋の哲学,仏教哲学ですけど,それは人間の存在つうのは自然の中の一つだと捉えてますね。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 自然を征服しようなんていう気は,東洋哲学には無いですよね。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 自然の中で,生きている一つの存在,と。悠久なる自然と,限りある生命という感じで。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 だから,特にそういう中で,日本は,もう一つは,非常に融通無碍なんですね,日本人は。


堀 茂樹
 そういうところありますね。善きにつけ悪しきにつけ。


小沢 一郎
 そう。 善し悪しなんですけどもね。 (少し笑)いい加減ちゃあ,いい加減なんですよ。


堀 茂樹
 はい。


小沢 一郎
 宗教でもって凝り固まってる人ってのも,ほとんどいないでしょ。仏様拝んだり,神様拝んだりしたからって,別に熱烈な仏教徒,神道信者つうわけじゃないでしょ。宗教に対する偏見ないですね,ほとんど。何教であっても,「あいつ何教だからダメだ」とか,そういう偏見もないし。文化的にも,古来から中国から,朝鮮半島から,何だかんだって入れるし,西洋からも,どんどん,どんどん入れる。
 明治維新には,もう,どんどん,どんどん西洋文明を入れる。そういうことも全然抵抗ないでしょ。


堀 茂樹
 そうですね。あの...ちょっと注釈で言うと,面白いことに,日本語っていうのがそうですね。


小沢 一郎
 ああ,日本語。うん,うん。


堀 茂樹
 平仮名,片仮名。漢字がもちろん,最初,文字として来て。 平仮名,片仮名,アルファベット,何でもかんでも,胃袋のように,こう,採り込んでしまって。


小沢 一郎
 その点,僕は日本は,世界的にそういう思想をもっときちんと体系化して,そして自分のものにして,発信する,と。
 争っちゃ,いかんのだ,と。宗教で以って何で争うんだ,と。民族の違いで,何で争うんだ,と。まずは日本のあれを見ろ,と。ていうね,日本人の融通無碍,いい加減さっちゅうのは,良い意味で21世紀以降のこれからの世界を構築していく上において,とても良い性質ちゅうか,僕は思ってるんですよ,日本人のこの在り方。


堀 茂樹
 でも小沢さん,それも私もそう思うんですけどね。しかし,融通無碍の悪いところもありまして,何でもネゴシエィションできてしまうって言うかね...  
 例えば,憲法のような根本原則。 例えば基本的人権。これは,たとえ西欧から概念が生まれてきたとしても,世界普遍で,別に西欧の専売特許ではなくて共有できるもんじゃないかと。
 こういう原則についても,まあ,そこそこネゴシエィションの対象にする...そこは良くないんじゃないですか。


小沢 一郎
 だから,そこは,自立してないからですよ。


堀 茂樹
 ああ。


小沢 一郎
 僕の言うのは,まず自立が大事だってのは,そこなんですよ。


堀 茂樹
 ああ。


小沢 一郎
 基本的に人間として,あるいは社会として,日本として,それは護るべきものはあるし。それは自分自身できちんと判断し,自分自身のものはあって,それで相手のことも尊重する。そういう自立した日本人と自立した国家というのを前提にしないと,何でも無原則には(良くない)。


堀 茂樹
 (何でも無原則には)良くないでしょ。
 小沢さん(は)よく「プリンシプルの人」って言われてるんですよ。
  principle プリンシプルが無いような面も,日本人の融通無碍には,しばしば観察されますよね。


小沢 一郎
 だから,自立してないからですよ。何でもいいと。寄らば大樹で。まあまあ皆な,どっちでもフワフワ,フワフワしちゃうでしょ。そこは悪い面なんですよ。良い面はさっき言ったように,そういう民族的偏見も宗教的偏見も,他の国にくらべりゃ遥かに少ないですよ,日本は。


堀 茂樹
 確かにね,ええ。


小沢 一郎
 ですから,基本の原則をきちんと持っていなきゃ,いけないですよ。 持っているけれども相手のものも認めると。


堀 茂樹
 そうです。


小沢 一郎
 その意味では,無原則じゃないんですよ。


堀 茂樹
 なるほど。そうであればね。


小沢 一郎
 相手のことを認めるという包容力,悪い言葉で言えば融通無碍なとこがあっていいんじゃないかと。


堀 茂樹
 なるほど。


小沢 一郎
 それがうまく発揮されりゃ,日本人の良いところだと,僕は思ってるんです。


堀 茂樹
 確かに。


小沢 一郎
 それを世界中に,そういうことを,きちっとした上で発信できる国家になったらいいなあと,僕は思うんです。まあ,自立しなきゃ,しょうがないんですけども。


堀 茂樹
 小沢さんの自立という...「自立と共生」その根本概念。その自立と仰るときの。ちょっと,こういうことも考えるときがあるんですね。
 小沢さんの仰っている自立というのは, independence インディペンデンスなのか,つまり独立ということなのか,あるいは autonomy(自律)オートノミー,律するほうですね (どちらなのか)。
 律するってことは,自己を統治する,自分で自分を制御して統治するということなので,小沢さんの自立ということは,まさに律するほうの自立とも言えるかなあと思ってるんですね。


小沢 一郎
 両方の意味でしょうね。


堀 茂樹
 両方ですか。


小沢 一郎
 うん。やっぱり,自分を律することによって自分で立てるんでしょうね。そこは,漢字は違うけれども,基本的に自立した人間というときは,その両方のあれを含んだものでしょうね。


堀 茂樹
 そうすると,よく,哲学のほうでも,これ国家についても言えるんですが,個人のレヴェルでも,個人の自律と,それからいわゆる独立=他に依存しないというのと,最近の考え方の一つですけれども,ちょっと識別することがあるんですね。


小沢 一郎
 はああ。


堀 茂樹
 そうするとね,個人でも,独立のほうは,一切他に依存しないということになります。もう,文字通りその意味にとると,その個というのは他人に対する窓を持っていない。閉じた個になっちゃうんですね。


小沢 一郎
 はああ。


堀 茂樹
 それに対して,自律 autonomy オートノミーってほうは,他にまったく依存しないのではない,お互い皆な,人は依存しあって暮らしている。だけど,自分のことは自分で,自分の領域は自分で決める,と。で,自分で統治すると。つまり自分のモットーを掲げて,そのモットーに自ら従う,というようなふうに分けることがあるんですね。
 そうすると,律するほうの autonomy オートノミーと,independence インディペンデンスと分けますと,ちょっとね,国家の,小沢さんの仰る「自ら立つ」自ら立ちながら国際協力をして,国連主義を用いてやっていくというのは,いわゆる旧来型の武装独立=他人には一切頼らない,オレの力で,オレは守るんだと。あるいは,仲間とだけは組んでいくんだ,というような,ちょっと古い19世紀20世紀の前半までぐらいのナショナリズムですね,そういうものを超えた,自ら律する,そして共生するということなので。
 私はまあ,考え方によっては,小沢さんの「自ら立つ」というのと,それから「共生」。 「自立と共生」これを合わせて,個人的自律,集団的自律,こんなふうに捉えて。そうすると,個というものと他者との共同生活の在り方,その観点から,個人のレヴェル,社会生活のレヴェルでも,それから国際社会のレヴェルでも,実は,深く掘り下げると,同じような精神的な在り方があるんじゃないかと。パラレルなんじゃないかと思っているんですね。


小沢 一郎
 うん。


堀 茂樹
 だから,私は小沢さんに興味持ったのは,実はそんなに昔からじゃないですけど,小沢さんの本を読ましてもらって「自立と共生」ってのに非常に感銘したのは,そこなんですね。だから,今日の伺ったお話しも,国際社会での世界での日本の生き方ってのも,なんかそういうものが,まさに具体的な形で語っていただいたような気がするんですね。


小沢 一郎
 日本人は論理的なあれが苦手ですから,そんならばやっぱり,現実世界,現実社会の中で,日本の国として,行動はあまり得手ではないけれども,具体的に国連の活動には積極的に参加すると。例えばね。国連のことで言えば。そういうことで一つひとつ,積み重ねていけば,だいたい日本人の頭ではイメージが出来てくんじゃないでしょうかね。


堀 茂樹
 1つ,念のために伺ってよろしいですか。国連に非常に積極的に,すすんで参加していこうということなんですが...これは私がどこかで読んだ覚えでは,だからと言って必ずしも国連で決まったことを,必ず日本が踏襲するとは限らないんじゃないですか。 限るんですか。


小沢 一郎
 いいえ(限らない)。


堀 茂樹
 限らないでしょ。


小沢 一郎
 国連で決めたから,何が何でも従わなきゃならないっていうほどではない。


堀 茂樹
 ないんですね。


小沢 一郎
 うん。そのときの,それぞれの国の事情ありますから。いや,このことは,ちょっとウチのほうじゃ出来ないというのは,いいですけど。まあ,旧来の日本のように,ちょっとヤバッチイことはイヤよという話しでは,通らないんじゃないですか。


堀 茂樹
 なるほど。じゃあ,主権を預けてしまうってことではないですね。


小沢 一郎
 (頷く)


堀 茂樹
 主権は,主権だと。


小沢 一郎
 ただ例えば,国連軍ができれば,国連に部隊を出せば,その時点において国連の...


堀 茂樹
 指揮下に入る。


小沢 一郎
 指揮下に入るっちゅうことですね。


堀 茂樹
 なるほど。そういうふうになれば 本当に日本も,日本の矜持を保ちながら,堅持しながら,国際社会の本当に名誉ある地位を占めるという憲法の前文に適うようになるんではないかという気もしますね。


小沢 一郎
 少なくとも日本人は,そう言って胸を張れるでしょうね。 だからと言って,今起きているウクライナが解決する,なんとかいうことではないけれども,日本人がやっぱり,そこまでの意志と行動を示せば,私は世界の中で,別に核武装なんかしなくたって,大きな地位を占められると思いますね。


堀 茂樹
 なるほど。私としては,小沢さんにそれを国連総会で言ってもらいたいですね。


小沢 一郎
 はははは(笑)


堀 茂樹
 まず,そのためには(小沢さんが)首相にならなきゃいけない。一回,聞きたいですね。


小沢 一郎
 本当にそういうことを,日本がやっぱり率先してやらないとね,これからの日本はなかなか,世界の中でね,生きていくのは難しいと思いますね。


堀 茂樹
 アメリカとの問題,韓国との問題,中国との問題でも本当に大変ですし。何て言うんですかね,もうちょっと しぶとさ も必要なんじゃないですか。


小沢 一郎
 そうですね。日本人はその点まだ初心(うぶ)ですから。他の国と交渉したことないわけですから。島国でずうっと何千年来てますからね。それは,しょうがないんです,ある程度は。 大陸で育った民族の人達はね,常に争ってますからね。そこが日本人が苦手なのは,しょうがないですけど,やっぱり世界の人と付き合っていかないと,この平和と豊かさを維持できないとするならば,ある意味日本人もそれをきちんと身に付けないといけない。


堀 茂樹
 なるほど。そういう開かれた精神の積極性をもって世界に入って行くべきだと,日本は。 ということですね。


小沢 一郎
 はい。


堀 茂樹
 それを,今日の結論にさせていただいて。


小沢 一郎
 はい。


堀 茂樹
 今日は,どうも有り難うございました,4回目の(対談)。


小沢 一郎
 (笑顔で礼)


司会 大木
 堀先生,小沢代表,どうもお疲れさまでした。有り難うございます。


堀 茂樹
 有り難うございました。またよろしくお願いします。(小沢代表,堀教授立ち上がって握手。小沢代表,「どうも」と挨拶しながら会場中央を通って退場)


< 了 >


✐    ✐    ✐    ✐    ✐  


◇ 参考


公式サイト 小沢 一郎
http://www.ozawa-ichiro.jp/?d=top&a=top


http://www.ozawa-ichiro.jp/?d=information&a=detail&no=59


 

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コメント
 
01. 2014年7月12日 01:45:21 : c83LgsXcSE
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