http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/579.html
Tweet |
コスタリカの積極的平和主義は「Positive Peace」。安倍の唱えるそれは「Proactive Contribution to Peace(やられる前にやれ)」だ/伊藤千尋
≪まえがき≫
平和憲法を持ち本当に軍隊をなくした中米のコスタリカでは小学生が違憲訴訟を起こす。…
米国と国交を回復したキューバでは、個人崇拝をさせない姿勢が、カストロ死後も貫かれている。
ウズベキスタンは、…とても安全だった。ソ連の傘下にあった他の国々とは違って自立に成功していた。小国が輝いている。
大国に従い、大国を目指してきたのが戦後の日本だ。だが、今や大国が世界で存在感を無くしている。米国も欧州も国を鎖すことに懸命だ。
これとは対照的に世界に通じる価値観を持ち、胸を張って独自の国づくりをする凛とした小さな国がいくつもある。支配権力に立ち向かう姿は、人間の尊厳を感じさせる。いずれも発展途上であり歴史的、経済的な事情から困難も多いが、懸命に生きようとする姿勢には見習うべきものが多い。
ここに掲げた4つの国は、いずれもそうした要素を持っている。凛とした姿勢が永遠に続くとは限らないし、…しかし、いま同じ地球上で彼らが示す毅然とした姿勢は、きちんと評価されるべきだ。
大国を指向したり大国にへつらったりするのは、もうやめよう。
第一章 平和憲法を活用する コスタリカ
この国は1949年、日本に次いで世界で2番目に平和憲法を持った。日本と違って完全に自ら創り、しかも本当に軍隊をなくした。軍艦も戦闘機も戦車もない。周囲の中南米の国々が内戦で明け暮れた時代も、この国だけは平和を維持した。さらにかつてのコスタリカの大統領は内戦をしていた周囲の3つの国を回って戦争を終わらせ、1987年のノーベル平和賞を受賞した。彼が行ったのは「平和の輸出」だ。自らの平和と中立を保ち世界に平和を広め平和国家としても地位を確立することが、この国の平和外交だ。
軍隊をなくしたために浮いた軍事費の分を教育費に充てた。国家予算の30%が教育費となり、中南米では奇蹟的な教育大国になった。
教育の柱は人権と対話だ。小学校で最初に教わるのは「だれもが愛される権利を持っている」ことである。もし自分が国や社会から愛されていないと思えば憲法違反で訴えることができると、6歳で習う。このため小学生が憲法違反の訴訟を起こすという、日本ではありえないようなことが現実にある。
さらに環境問題では世界の先進国である。…自然エネルギーが99%を占め、原発計画は過去になかったし将来もないと政府は断言する。
事実、2014年に英国のシンクタンクが世界151カ国の幸福度を発表したさい「世界で1番、幸せな国」に挙がったのがコスタリカだった。
第1節 平和ブランドの構築
1.軍隊を禁止
2.本当の積極的平和主義
コスタリカの積極的平和主義とは「Positive Peace」だ。コスタリカはまさに積極的平和を実践している。
日本では安部首相が積極的平和主義を唱えるが、米国の保守系シンクタンクで語った言葉は「Proactive Contribution to Peace」だった。Proactiveとは、専制攻撃を指す軍事用語で、「やられる前にやれ」という意味だ。
第2節 憲法を活用する市民
1.大学生が大統領を違憲で訴え
2003年に米国がイラク戦争を始めたとき、当時の大統領は米国の戦争を支持すると発言。このためホワイトハウスのホームページの米国の有志連合のリストにコスタリカの国名が載った。これを見て、大統領を訴えたのが当時の大学3年生だったサモラ君だ。
1年後、彼は全面勝訴した。判決は「…大統領の発言はなかったものとする。大統領はただちに米国に連絡し…わが国の名を削除せよ」だ。大統領は率直に判決に従った。
第6節 平和国家はいかに創られたか
1.資源は人間
理由の一つは、この国に資源がなかったことだ。それゆえに人間が資源となった。
2.(人情が)温かい国
(著者は、手当たり次第に「あなたは幸せですか」と聞きまくるが、だれもが「幸せです」と応えた)
【出典】
「凛とした小国」伊藤千尋/新日本出版社‘17年
- ソ連崩壊で独立した周辺国の中で、良かったと評価しているのはウズベキスタン〜この国は教育、医療は無料、お酒も飲むイスラム 仁王像 2018/3/07 20:17:47
(0)
- 米国と国交回復したキューバ、観光客が100万人増え、年間400万人に.〜世界に誇る無償の教育と医療 仁王像 2018/3/06 20:25:15
(0)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。