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2010.6.10(その4) 森田実の言わねばならぬ【509】
平和・自立・調和の日本をつくるために[509]
《新・森田実の政治日誌》[一時的選挙管理内閣としての菅政権論序説(2)]小沢一新会抜きの鳩菅民主党の応援団は大マスコミ/マスコミに依存する菅体制に未来なし
「善人と呼ばれている人の生きる条件は『虚偽』である」(ニーチェ)
鳩山・菅の両氏は、孔子の言葉を借りれば「巧言令色鮮し仁」型の政治家である。小鳩体制の崩壊と菅直人の登場は何を意味しているか。鳩山前首相の辞任演説における次の一言に示されている。
「私たち民主党を再生させていくためには、とことんクリーンな民主党に戻そうじゃありませんか、皆さん。そのためのご協力をよろしくお願いします」
この時、拍手が起きた。母親からの「子育て手当」で政権をとった脱税王が「クリーン政治」を叫び、これに喝采を送る国会議員。何とも見苦しい光景だった。
「クリーンな民主党に戻す」とは「小沢民主党との決別」の宣言である。民主党の二人の創設者のうちの一人(鳩山)が、民主党政権生みの親の小沢一郎と抱き合い心中をして小沢時代を終わらせ、もう一人(菅)が、小沢自由党と決別した民主党の代表となり、首相になって新たな民主党を率いることになった。菅が補佐役に抜擢したのは、初期民主党結成に加わった仙谷由人氏と枝野幸男氏である。仙谷氏は内閣官房長官として内閣において菅首相を支え、枝野氏は党幹事長として選挙と国会を担当し、党の資金を握ることになった。巨額の政党助成金が枝野氏を次の権力者に押し上げることになるかもしれない。
今日の民主党政権の鳩山由紀夫、小沢一郎、菅直人三者の相互関係は、1970年代なかばの、佐藤栄作、田中角栄、三木武夫の関係に似ている。佐藤栄作の代理人の椎名悦三郎副総裁が田中角栄後の首相に三木武夫を指名。三木武夫内閣のもとで田中角栄逮捕が実行された。被告人となった田中角栄は逆襲に転じ、三木を倒した。1970年代の佐藤栄作の立場にいるのが鳩山、田中角栄が小沢一郎である。菅直人が三木武夫的存在だ。菅直人は小沢に対して、司法権力を発動するということも考えられないわけではない。
小沢一郎氏の生きる道は、菅体制と戦いつづけるしか道はない。政治闘争が激しく展開されていれば、菅首相による司法権力の行使は制約される。司法は激烈な政界内の抗争に介入するのはリスクが大きすぎるからである。もし、小沢氏が弱気を起こし闘争を弱めたら、その時が、政治家・小沢の終焉になるだろう。
小沢、鳩山、菅のトロイカ体制は、強権的小沢自由党とポピュリスト、マスコミ依存政党の鳩菅民主党の事実上の連立政権だった。小沢氏と鳩菅との分裂は、自由党と民主党の連立政権の事実上の解消である。
菅新体制の最大の味方は東京のマスコミである。マスコミは小沢一郎氏を悪玉にし、菅首相を善玉にするための大キャンペーンを打ちつづけている。東京のマスコミは「市民派政治家」が好きである。1970年前後の全共闘運動の闘士に対して憧れの気持ちをもっている新聞記者、雑誌記者、フリージャーナリスト、報道記者は少なくない。これらのマスコミ人が1970年全共闘の闘士だった菅直人や仙谷由人や、その後継者的な枝野幸男氏を応援している。菅政権の周囲には多数のフリージャーナリストが結集している。菅体制はマスコミ政権化しているのである。マスコミが菅政権の力の源泉である。
だが、東京の大マスコミに依存する政権が、永続きすることは不可能だ。大マスコミは無責任であり、つねに「マッチ・ポンプ」を繰り返す。大マスコミ依存の政権は安定せず、永続きしない。「風にそよぐ葦」政権には未来はないのである。(つづく)
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