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ギリシャ救済で高まるユーロ圏への悲観 【ウォール・ストリート・ジャーナル日本版】 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/878.html
(回答先: ギリシャ悲劇、世界は息を殺して見守る 【ウォール・ストリート・ジャーナル日本版】 投稿者 愚民党 日時 2010 年 5 月 11 日 19:34:33) ギリシャ救済で高まるユーロ圏への悲観 2010年 5月 11日 18:00 JST 世界的な景気回復を阻害しかねないギリシャ危機を乗り切るために欧州連合(EU)が約1兆ドル(約93.2兆円)の緊急支援措置をまとめたことを好感し、欧州と米国市場で株価が急伸した。 困難な状態に陥ったユーロ加盟国の支援を約束する今回の合意は、短期的には投資家の痛みを和らげるが、中長期的にはユーロ圏に巨額の債務を負わせる可能性がある、とエコノミストは懸念する。
過去数週にわたり下げていたユーロの対ドル相場は一時、1.30ドルを上回った。米国市場ではダウ工業株30種平均が前週末比404.71ドル(3.9%)高と上昇幅・率ともこの1年余りで最大となった。終値は1万785.14ドルだった。 EU当局者は10日早朝、困難な状況に陥ったユーロ加盟国に5000億ユーロを融資する救済策を発表した。さらに、IMFが追加融資を行うことも同策に盛り込まれた。これに先立ち、EU首脳は週末を通じて長時間の協議を行った。欧州の首脳は金融市場のパニック拡大の抑制に向けた行動が遅いと非難されていたが、支援策をまとめることでそうした声を封じ込めた。 一方、支援措置の内容を批判する向きもある。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、欧州中央銀行(ECB)とのドル・スワップ協定を再締結する週末の決定を11日に議員に説明する。一部の議員は、協定の再締結は欧州の救済に他ならないとして激しく非難している。 エコノミストの多くは欧州の革新的な救済策について、根底にある経済の弱さに対処しておらず、ユーロ圏の規則や制度を損う可能性がある、との懸念を示した。 ギリシャからポルトガルに至るユーロ圏周辺国の国家財政は引き続き悪化しており、競争力を回復するための痛みを伴う財政改革を必要としている。アナリストは、ドイツやフランスなどユーロ圏中核国による包括的な支援の提供で、周辺国政府への圧力が軽減する可能性もある、との見方を示す。 欧州政策研究所(CEPS)のディレクター、ダニエル・グロス氏は「金融市場を落ち着かせるために必要な措置であった。この目的は達成されたようだ。ただ、通貨同盟に関する根本的な問題を生じさせた」とし、「EUが加盟国すべてを支援すると言明した今、財政規律を順守させる手段は喪失した可能性がある」と述べた。 今回の抜本的対策は、ユーロ圏の歴史的な転換点となる。これまで加盟16カ国は金融政策をECBに委ねる一方、個別の財政・税政策を採用してきた。 週末のEU首脳の協議は、ユーロ圏を財政統一に向けて急かすものであり、各国政府の相互救済禁止やECBによる加盟国国債の購入回避といった創立時の原則の一部を無効にするものだ。さらには、今回の措置により、長らく政治的圧力から保護されてきたECBの信頼性と独立性が揺らぐ可能性もある、とアナリストは指摘する。 将来の統治に関する不確実性から、ユーロ圏が新メンバーを承認する可能性も遠退いた。東欧の加盟候補国の多くが債務問題を抱えている現状ではなおさらだ。暗黙の救済保証が付いたことで、多くのEU加盟国にとってユーロ加盟はより魅力的になるだろう。 メルケル首相はEU首脳会議を終えた9日夜、ユーロ加盟国は財政赤字削減の努力を強化する必要があるとし、加盟国救済には、IMFと設計した緊縮策の実施を求めるなど条件を伴う、と述べた。 EU加盟国中、最大の経済規模を持ち、最大の負担を行うドイツにとって、今回の支援策は同国が欧州に対して政治・金融面で責任を持つことを確認するものだ。ただ、こうした責任は、通貨同盟の深化への熱意よりむしろ、ユーロが失敗に終わる可能性があるとの懸念から生じている。 メルケル首相が直面する課題は、ギリシャ以外のユーロ加盟国の債務もゆくゆくは負わねばならない可能性があることをドイツ国民に納得させることだ。首相は10日には「今回の支援策はユーロを強化・保護することが目的だ。つまり、われわれはドイツ国民の資金を守っているのだ」と述べた。
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