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ギリシャ悲劇、世界は息を殺して見守る 【ウォール・ストリート・ジャーナル日本版】 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/877.html
(回答先: はたして機能するのかEU90兆円通貨防衛構想 【Nevada 投資情報】 投稿者 愚民党 日時 2010 年 5 月 11 日 19:13:53) 【コラム】ギリシャ悲劇、世界は息を殺して見守る 2010年 5月 11日 18:49 JST 21世紀初頭の叙事詩的金融ドラマが終わりに近づいているような時、運命の歯車が狂った。それは再び日曜日の夜だった。アジアで市場が開くのを控え、当局者は救済計画の策定を急いだ。今回の大きな違いは舞台裏で動いたのが欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)で、前回のように米政府とニューヨーク連銀ではなかった。またもう一つの相違点は緊張をもらしたのが銀行ではなく、政府の信用力だったことだ。 1幕目は米住宅市場のバブルの崩壊。われわれは、米国の金融が単純だが間違った想定に依拠していた点を学んだ。つまり住宅価格は全国レベルで絶対に下落しないという見通しだ。また、現代の金融が、リスクを集中化するよりも拡散することも知った。2幕目で米政府は対応した。しかし積極的ではなかった。 3幕目で天空神ゼウスが雷撃を放ち、リーマン・ブラザーズとアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に火を放った。米国と他の主役たちは結局、金融システムの崩壊を防ぐため、できることはすべてする決定を下した。議会は銀行支援のため7000億ドル(約65兆円)規模の金融安定化法案を承認し、連邦準備理事会(FRB)は1兆ドル(約93兆円)以上の紙幣を印刷し、各国政府は銀行債務を保証した。 4幕目では7870億ドル(約73兆円)の景気対策を引っさげ、オバマ大統領が登場した。銀行のストレステスト(健全性審査)が行われ、奇跡的に増資の道が開かれた。 ここで金融危機劇は幕あいとなる。観客は劇が尻すぼみになるのか、あるいは今後何か思わぬ展開になるのかと訝った。5幕目でアジアが回復し、米国もそれほど旺盛ではないものの、同様に持ち直した。信用市場は回復し、暗雲に覆われた地平線も晴れ始めた。コーラスの音色も明るくなり始めた。 6幕目で債務を返済できなくなったギリシャが脇役で登場。しかし、ギリシャの罪はその規模においてだけ、他の配役とは違っていた。市場は再び一斉に嘆き始めた。燃え上がる金融の炎は舞台のセットを包んだ。しかし、消防署の政治学により、消防士の到着が遅れ、火災は次第に大きくなった。登場人物は2008年9月の教訓を忘れていた。消防士の対応が少な過ぎ遅過ぎれば、消火のために使う水の量も増えることになる。 そこで先の日曜日に大量の水とともに7幕目が開幕した。EUと国際通貨基金(IMF)はギリシャに対し1兆ドル近い支援を約束。ECBも欧州の政府国債と民間債券を買い入れる方針を示した。 ウニクレディト・グループのマリオ・アンヌンツィアータ氏は「今回に限り、発表された支援規模は事前リークや憶測をはるかにしのぐものだった。これは、大幅に増えた予算とより印象的な特殊効果で制作された3D版『衝撃と畏怖』パート2を見るようなもの」と述べている。 FRBも、米国や海外の投資家が米国債に回避せずに妥当なリスク資産投資を継続できるよう、ECBとドル・スワップ協定の再締結を発表した。10日夜明けが来ると、市場の合唱は明るくなった。 しかし、今回の危機劇はまだ終わっていない。市場は一旦は落ち着いたが、基本的な問題は解決されていないからだ。 カリフォルニア大学バークレー校の国際経済学者バリー・アイケングリーン氏は、ポルトガルとスペインが支払い不能に陥る可能性に触れ、「ECBの助けもあり、債券市場は両国が財政状態を調整する限り、支えられるだろう」と指摘。しかし、両国の財政規律の公約については、スウェーデンのボルグ財務相が呼ぶところの「オオカミの群れ」(つまり、市場)を食い止めるには不十分かもしれないと警告している。
【ウォール・ストリート・ジャーナル日本版】
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