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バブル発生の三条件と今後の注目材料 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/317.html
(回答先: 来週の株式相場 持ち合い解消売りで上値は重い、材料株相場を想定 投稿者 gikou89 日時 2010 年 2 月 21 日 02:49:24) http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/trend/yamazaki/20100129-OYT8T00399.htm 日本の1990年代から2000年代にかけての経済的スランプの前には株式と土地のバブルがあった。今回の世界的な金融危機の背景にもアメリカの不動産価格を中心とする広範なバブルがあり、これが崩壊したことが金融機能の不全と不況をもたらした。 バブル崩壊後の政策的な対策が、二日酔いに対する迎え酒のように、次のバブルを程よく誘発しやすいものであることもあって、金融市場と経済の流れを見る上では、バブルの生成と崩壊のサイクルを見極めることが重要だ。 一般論からいうと、バブルは、(1)金融緩和、(2)リスクの誤認、(3)金融仲介者の活動、の三つがそろうことで起こる。 バブルは直接的には、資産価格に対する過剰なリスクテイクが生じることによって起こる。自己資金の範囲内での程よい投資を超えて、過剰なリスクが集中するためには、金融が緩和されていて、他人の資金が動員可能でなければならない。 また、日本の「土地神話」やアメリカのネット企業への熱狂、あるいはかつての日本で横行した「握り」(暗黙の利回り保証)付きの「財テク運用」のような、実際に存在するリスクよりもリスクを小さく見せる仕掛けが、いわば化学変化のための触媒のように必要だ。 加えて、バブルをあおり、他人の資金を導入することがビジネス的な利益につながる金融業者が、投資・セールス・商品組成に加えて、格付けのような各種業務で自己利益の拡大に奔走することがバブルの加速を生む。アメリカの金融機関の方式を典型とする成功報酬ボーナスの制度がリスク拡大を後押しすることは分かりやすいところだが、日本のバブルでも、銀行単位の融資競争や信託銀行の運用残高競争のような組織間の競争が金融マンを駆り立てた。 前者(米国のバブル)には「肉食系バブル」、後者(日本のバブル)には「草食系バブル」とでも名付けたいところだが、どちらも金融仲介者の「欲」がバブルを乗せたエンジンの燃料になっている。 今回の金融危機の背景にあった不動産バブルは、グリーンスパン時代のFRB(米連邦準備制度理事会)の長すぎる金融緩和を背景に、不動産の証券化商品のリスクが過小評価されたこと、さらに、金融マンたちの高額ボーナスを目指した行動によって起こった。規模こそ大きく、波及が世界的だったことが特徴的だが、構造は典型的なバブルだ。 これに対する対策も、FRB、欧州中銀、日銀といった先進国の中央銀行の金融緩和を中心とするものであり、流動性を供給すると共に、程よいバブルを誘発しようとするものだ。 この金融緩和の効果が先進国内にとどまるのではなく、新興国や原油・金などの商品市場に漏出しているのが、現在の状況である。 日本企業の製品への需要の相当部分を中国をはじめとする新興国が担っているとすると、その大本はアメリカのFRBの金融緩和であり、アメリカが金融緩和を維持せざるを得ない状況(特に高失業率)が日本の経済と株価を支えているという連関になっている。 中国のような緩やかな米ドル・ペッグを採る国の影響や、国際投資家のリスクテイク姿勢の影響もあって、かつての経済理論が想定したほど、変動相場の為替リスクによる各国金融市場の分断は機能していない。 投資家の側から見て、これが適切かどうかは、たぶん、もう10年か20年くらい事態を観察してみないと分からないが、これが現状だろう。したがって、今年のマーケットについて、日本の投資家を含めて、世界の投資家の最大の関心はアメリカの金融緩和の「出口政策」だ。 さて、バブルの三条件は、先週オバマ大統領が発表した銀行の規制案の意味にも関係する。この規制案は、自己勘定取引やファンドへの投資といった銀行にとってリスクも収益性も高いビジネスを規制するもので、直接的には金融仲介機能を担う「大きくてつぶせない」銀行に余計なリスクを取らせないことを目的とするもので、金融業界は反発するだろうが、当然ともいえる。 しかし、当面の影響としては、金融機関のリスクテイク全般の縮小をまねく可能性があり、これが世界の景気の足を引っ張るかも知れない。先週のアメリカの株価が大きく下げたのもこの懸念が影響しているが、この規制案の行方は、今後の大きな注目材料といえる。
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