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(回答先: 検証! 産経新聞「組合と学力に関連性はあるか?」---(ストーンヘンジの夢) 投稿者 梵天 日時 2009 年 10 月 09 日 09:39:00)
http://blog.livedoor.jp/yahata127/archives/52181715.html
日教組の強い地域で、学力テストの点数が低い、ということは---(大学教員の日常・非日常)
2008年11月5日
どこぞの知事が「クソ教育委員会」とおっしゃいまして、某大臣の発言した「日教組の強いところは学力が低い」という発言を支持なさったそうです。
つまりはどういうことなのかしら?と調べてもみても、大臣の真意がわかりません。調べてみればわかるんじゃなかったのかなぁ。
「産経新聞」の記事によれば「学力テストは学力テストは小中2学年の全教科の今春の平均正答率を合算した。日教組票は現職議員がいる平成19年と16年参院選(比例)における組織内候補の得票数を合算。按分票は合算後に四捨五入。日教組票が多い上位16県を□(赤色)、少ない16県を■(青色)とした。」とのこと。
データの取り扱いのひどさは、こちらのエントリ(注:ストーンヘイジ氏のブログ//転載者)で終結してます。
なんで、得票率でなくて得票数やねん!とか、脊髄反射でつっこんでしまった以上の考察がございます。
さて、フラスコは素人ながら統計なんぞを教えています。
素人なりに、大事だろうと思うことは、注意させてます。
相関関係について注意させていることは「相関関係≠因果関係」
相関関係があったからといって、因果関係があるとは限らない、という常識です。
こんな話をすると、学生はポカーンとします。
相関関係すらわからないのに、因果関係ってなによ?という顔をします。
大学の教員なんて商売じゃないと、そんな顔が3桁並ぶ状況ってのは、そうそう体験できません。
大学の教員であっても、あまり体験したいものではないので、ゆっくりと説明します。
「○○が増えるほど、○○も増える」という関係があります。
身長が増えるほど、体重も増える。
気温が上がるほど、アイスの売り上げが増える。
障害があるほど、愛が燃え上がる。
最後のひとつは数値化できないので、ちょっと統計の範囲外なんですが、数値化できるものに関しては、
「Xが変化すると、Yも変化する」
という関係について、
「XとYは、相関関係にある」とか「XとYには相関がある」というように表現します。
例であげたのは、Xが増えればYが増える例ですが、Xが増えればYが減るような関係も相関関係です。
どっかの大臣が言うように、日教組の得票率があがれば、学力テストの点数がさがる、というのも相関関係でしょう。
Xが増えたときにYが増えたとしましょう。
Xが原因でYが結果であるような場合「XとYには因果関係がある」と言います。
新書のページ数が増えれば、値段があがる。
気温が下がれば、肉まんが売れる。
愛人が増えれば、出費が増える。
一方が原因で、一方が結果となるような関係ですね。
このような因果関係があると、そこに相関関係がうまれます。
しかし、相関関係があるからといって、因果関係があるとは限りません。
ここ、重要。
ですが、どうも、俺らは相関関係があると、因果関係があるように感じてしまうのですね。
「社会調査のウソ」にある例を使い、学生にはいろいろ考えてもらいます。
・高齢で出産した女性は、寿命が長くなる
(もともと寿命が長いであろう健康な人だから、高齢での出産にも耐えられる?)
・コンビニが多い地域は、犯罪発生数が多い
(人口が多いが、隠れパラメータ。人口が多くなれば、コンビニも犯罪も増える。コンビニが犯罪を呼び込むというのはどうかと。コンビニ店長によれば、夜中に女性を助けることもよくあるとか。犯罪抑止効果も実はあるかも)
・ダイエットフードを食べる人ほど、太っている
(太っているから、ダイエットフードを食べるんだってば)
こんな例をいくつか知るだけでも、相関関係を即座に因果関係としてしまうことが、どれだけセンスのないことか理解いただけるかと思います。
もし仮に「日教組の強い地域で、学力テストの点数が低い」ことが確固たる事実だったとしましょう。
それでも、某大臣の言い分は、政策を決定する政治家としては、非常にセンスの悪い発言なわけです。
もしかしたら、学力テストの低いような教育に熱心でない地域だから、日教組が頑張っているのかもしれません。(いや、それがないことはわかってるけど、一応ね)
もっと別の要因があるかもしれません。
たとえば、学力テストの結果は日教組票の数でなく所得と相関というエントリを見ると、「貧乏なほど勉強ができない」、という説明もできそうです。
この説明は、センスのない政治家の発言を支援した知事のおひざ元でも通用するそうです。
政治家さんには、さまざまな可能性があるならば、自分の好き嫌いとは無関係に、妥当な判断をしていただきたいところです。
で、妥当な判断をできない政治家を、次のときには選択しないという妥当な判断ができる国民になりたいものです。
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