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<ミツバチの沈黙>(1) 失踪・大量死、突然に      「中日新聞」
http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/454.html
投稿者 怪傑 日時 2010 年 6 月 16 日 16:30:19: QV2XFHL13RGcs
 

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/cop10/list/201005/CK2010052502000171.html

あと少しで巣穴から出て働きバチになるはずだったミツバチたちが、巣穴に入ったまま息絶えている。さなぎから羽化し、巣穴のふたを破って出ようとしていた。破れた穴から死んだハチの黒い複眼がのぞく。ふだんなら近くにいる育児係の働きバチも、姿が見えない。

 「働きバチが育児放棄していなくなるなんて…」。兵庫県丹波市の養蜂(ようほう)家山内秀樹さん(69)は今年2月、巣箱を見て言葉を失った。巣には蜜(みつ)も花粉もたっぷりと貯蔵されている。なのに、巣穴に詰まったまま死んだハチの子の顔、顔、顔…。1カ月前まで無数にいた働きバチは失踪(しっそう)し、死骸(しがい)も見あたらない。

 わずかに残ったハチが女王バチを中心に、体を寄せ合っていた。ミツバチは気温が下がると、固まって球を作り温度を保とうとする。今や球を作る数もいない。少しでも温まろうと、暖かい巣の最深部に、ぎゅっと小さくなっている。弱った群れは、やがて力尽きた。

 働きバチが異常に減ったのは2年続けてのこと。1箱に数万匹いるハチが、3、40匹に。死骸もなく、忽然(こつぜん)と消える。ことしは全部で100あった群れが、最後は全滅した。

 2年前、近くの山の松くい虫防除に、新しい農薬が使われたことを聞いた。山内さんは関連を疑うが、因果関係は分からない。

 米国では働きバチが急激にいなくなる「蜂群(ほうぐん)崩壊症候群(CCD)」が起きていると聞く。「これがそうなのか」。国内でもミツバチの減少や大量死が報告される。農薬やダニやウイルス、栄養不足にストレスなどさまざまな原因が挙げられるが、専門家は「複合的な要因」を指摘する。

 愛知県西尾市で養蜂業を営む羽佐田康幸さん(58)は、巣箱を車に載せ、新鮮な蜜を求めて全国を渡り歩く。北海道和寒町では、10年ほど前から毎年、凄惨(せいさん)な光景を目にするようになった。
どの巣箱でも入り口から1〜2メートルの範囲で放射状に死骸が落ちている。じゅうたんのように地表を埋め、腐臭が漂う。まだ生きているハチはもがき、羽をわずかに揺らす。羽佐田さんは大量死を「水田でまく農薬の影響ではないか」と疑う。

 入り口にわずかな死骸がある巣箱。よく見ると、弱ったハチをくわえた働きバチが次々と出てきて、仲間を外へ捨てていく。

 「巣を守っている」と、羽佐田さんはみる。仮に農薬がついたハチが巣に残れば、他のハチや幼虫にも害が及ぶ。ハチはその恐ろしさを知っているから、容赦なく捨てる。

 だが、「やがて外に出すハチにも農薬がつき、巣の中で広がっていく」。2〜3時間たつと、周辺はまた、死骸のじゅうたんに変わる。

    ◇

 ミツバチは人類が生まれる前から、植物の受粉を手伝い、森をはぐくみ、地球上の命をつないできた。野菜や果物の生産にも欠かせない彼らが、姿を消していく。ミツバチの棲(す)めない環境に何が起きているのか。10月に開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を前に、ミツバチの世界から生態系を見つめる。

  蜂群崩壊症候群(CCD)  2006年から米国で発生した、働きバチが1週間から1カ月ほどで大量にいなくなる現象。09年12月までに全米35州で報告され、07〜08年の冬には、越冬できずに減る蜂群を含めると、全体の36%が失われた。原因は不明。日本や世界各国でのハチの減少はCCDかどうか分からず、コロニーロス(蜂群の損失)と呼ばれている。
 

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コメント
 
01. 2010年6月16日 21:43:04: wIcpB1Tc7I

蜜蜂の助けなしで生産可能な種々農産物を発明したら
世界を我が手に握れる。ついでに兵糧攻めも出来る。
そんな夢をみて眼が覚めました、SF思考ボケらしい。
蜜蜂(受粉)いらない農産物にどんなものがあり、どの様に
改良が出来るのだろうか、研究テーマに急浮上してる?
工場内生産で蜜蜂ナシで受粉させる装置などは?
稲穂や、トウモロコシの受粉は風媒花(風による受粉)と
言って昆虫の介在無しで受粉します。
植物工場のメリット・デメリット
http://d.hatena.ne.jp/itarumurayama/20090501

02. 卍と十と六芒星 2010年6月16日 23:36:47: xsXux3woMgsl6: EhzhsdJi3o

数万匹×120群…丹波でミツバチ大失踪の怪 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100616-OYT1T00699.htm
 
 
数万匹×120群…丹波でミツバチ大失踪の怪

 兵庫県丹波地方の養蜂農家で、ミツバチが大量失踪(しっそう)した。

 近年、アメリカや日本国内で問題となっている「蜂群(ほうぐん)崩壊症候群」と呼ばれる現象が県内でも起き始めた。環境の異変をいち早く察知するとされるミツバチが発する警告は何か。

 丹波市春日町栢野、山内秀樹さん(69)は、自宅近くに巣箱を置き、周辺の山から蜜を集める方法で、年間数トンを出荷する県内でも有数の養蜂家だ。

 今年1月3日、異変が起きた。昨年11月には、120群(1群は数万匹で、1匹の女王蜂が形成する集団)いた越年用のミツバチのほとんどが消えた。

 巣箱や周辺にハチの死骸(しがい)はなく、餌となる蜜も豊富に残り、まさに蒸発、失踪の状態。冬の間に1割程度の減少はあるが、壊滅状態となったのは初めてだ。

 毎年、交配のため2、3群を購入しているが、今年は一度に20群を新たに仕入れ、ゼロからの出発を余儀なくされた。

 山内さんは「今年の蜜は例年の収量の10分の1になるかもしれない」と厳しい見通しを示し、昆虫の神経に作用する「ネオニコチノイド」系農薬の影響を疑う。最近、付近の山で行われたマツクイムシ防除や稲の害虫防除などに使用されるようになったという。

 県丹波農林振興事務所によると、マツクイムシ防除は2008年、島根県出雲市で空中散布による健康被害が発生して以降、「ネオニコチノイド」系に切り替えた。他の作物の使用について特に推奨されてはいないが、少量で長い効果が得られることから米の害虫防止などで普及が進んでいるという。

 県内の養蜂農家50人が加入する県養蜂振興会の足立宏幸事務局長は「全国的にハチが減り始めた数年前から、ハチの増え方が鈍り、蜜の収量も減った。今年は、特に悪い」とする。

 「蜂群崩壊症候群」は昨年8月、三田市の県立人と自然の博物館でも起きている。研究用に飼っていた8群中の1群(2万〜3万匹)が行方不明となり短期間に200匹にまで激減した。

 ミツバチの行動を研究している大谷剛・県立大自然・環境科学研究所教授は「ハチは必ず巣に帰る。急にいなくなることはありえない。『ネオニコチノイド』系はハチの脳に作用し、帰れなくなる。巣箱に残っていた花粉団子の成分から、稲の花粉を取りに行っていたとみられ、(失踪は)農薬が根本的な原因」と推測。

 環境への影響について、「ハチは行動が複雑で神経が非常に発達した昆虫で、少しの環境変化で影響を受ける。必ず巣に戻り、増減が確認できるため、環境指標生物ともいわれる。『ネオ』系の農薬は、昆虫に効くということで使用が広がっているが、昆虫を殺し尽くすことは生態系を壊す。将来、人間に大変な結果をもたらす」と警告する。

 「働きバチは本能的に子どもの巣立ちを助ける。育児放棄をしていなくなるなんて……」。山内さん方には、羽化したものの巣穴から出られずに、死んだ幼虫が多数残るミツバチの巣箱が積み上げられている。

 ちらつく農薬の影、育児放棄……。人間社会のひずみを投影しているように見える。(丹波通信部 田中聡)
(2010年6月16日13時55分 読売新聞)
 
 


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