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【G8からG20への交代】-----田中宇の国際ニュース解説
http://www.asyura2.com/09/hasan65/msg/200.html
投稿者 ミスター第二分類 日時 2009 年 9 月 30 日 11:28:33: syFUAx3Wc1pTw
 


http://tanakanews.com/090929G20.htm


【 G8からG20への交代 】

2009年9月29日  田中 宇

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 9月25日、米国ピッツバーグで開かれたG20サミットが「世界的な経済協調のための中心的な国際会議の場は、G8からG20に取って代わった」と宣言した。交代は、世界における影響力(power、覇権)の所在が、先進国から新興市場諸国に移転したことを受けたものと発表された。米政府のホワイトハウスも、その前夜に同趣旨の発表を行った。(G-20 to Assume Mantle as World's Main Economic Body)

 私は昨年来、何度か記事の中で「G7(G8)はG20に取って代わられる」「世界の主導役をする組織は、英米主導のG7から、BRICとEUと米国の共同運営によるG20へと移行したのではないか」といった分析をしてきたが、今回の宣言は、これらの分析を裏打ちした。(転換期に入った世界経済)(のし上がる中国)

 G8は、テーマを経済開発や安全保障に限定して今後も存続する。来年は予定通りカナダでG8サミットを開くと、カナダ首相が表明した。従来のG8の大きなテーマである為替の安定や、均衡ある世界経済の成長体制作りについての協議は、G20に移管するということだ。

 G20には、米国を含む世界の主要国がほとんどすべて入っている。20の国と地域(EU)の合計で、世界のGDPの85%を生んでいる。今回の宣言は、世界が合意した「決定」であって「あるべきだ論」ではない。人類の代表ともいえる、米英を含む世界の主要諸国が、正式に決めたことだ。G8はこれまで人類にとって最重要の意志決定機関だった。世界の安全保障面については国連安保理が最重要機関だが、経済を中心とするそれ以外の分野はG8が最重要だった。今後は、人類の最重要な意志決定機関はG20に代わる。

 FT紙は、G20がG8に取って代わったことについて社説で「大不況の結果、新興市場諸国が(先進国と)対等なパートナーになった」と書いている。G20の参加国は大雑把にいって「G8(米欧日先進国)+BRIC(中露インド・ブラジル。新興市場諸国)」である。G20では、米欧日とBRICが対等な関係にある。(Editorial - G20 takes charge)

 欧州が産業革命とフランス革命(国民革命)を経て強国群となった19世紀から現在までの約150年間、世界の中心は「欧米」だった。最初は欧州諸国のみが中心で、その後は「欧州+欧州勢が植民して作った米国やカナダなど+アジアで早くから欧州流の産業革命・国民革命の導入に成功した日本」という「先進国」(拡大版欧米)の体制に拡大したが、つまるところ欧米が世界を支配してきた。G8は、世界を支配する「欧米」が意志決定をする機関だった。

 G20がG8に取って代わることは、世界を支配する勢力が「欧米」から「欧米+BRIC」へ拡大したことを意味している。今回の世界の支配構造(覇権体制)の転換は、150年に一度の出来事といえる。

▼ドルを守っていたG7

 G8の前身は、1970年代に作られたG7である。G7は、米国が財政赤字を増やしすぎてドルを崩壊させてしまったニクソン・ショック(71年)以後の危機への対策として、戦後の経済発展によって米英よりずっとましな状況にあった日本や西ドイツなどにドルを買い支えてもらうために結成された。ドルが世界の基軸通貨であることは、米国の覇権の源泉であり、ひいては欧米中心の世界体制を維持するために必須の条件である。G7は、ドルを守るために作られた。

 冷戦終結時にソ連のゴルバチョフが、対米和解の条件の一つに「G7加盟」を求め、ソ連崩壊後のロシアがG7に加盟してG8となった。だが、プーチンの時代になるとロシアと米英の関係が悪化し、G8の中でも経済面の重要事項はG7のみで協議し、ロシアを外す傾向が強まった。

 G8では90年代末から、中国やインドなどの新興市場諸国の首脳をサミットに呼んで「拡大G8」となった。この転換の背景には、先進国において金融以外の経済成長が鈍化した一方、中国を筆頭とする新興諸国の経済成長が著しくなったことがあった。しかし、同時期から単独覇権主義の傾向を持ち始めた米国は、中国やインドをサミットに呼んでも大した発言権を与えず、事実上、写真撮影や宴会など儀式的な行事の時だけ出てもらったので、拡大G8は大して意味のない協議体となった。

 01年の911テロ事件以来、米国が単独覇権主義を強めたため、対抗的にBRIC諸国は結束を強め、03年からはBRICの外相会談やサミットが何回か開かれた。60年代から仲が悪かった中露は一転して結束し、NATOに対抗しうる中露と中央アジア諸国のゆるやかな集団安全保障体制として、上海協力機構が作られた。BRICは結束したことによって、欧米より劣位に置かれることを拒否できるようになった。(アメリカが中国を覇権国に仕立てる)

 G8を率いる米英は、2007年まで金融の儲けを軸に経済発展していたが、07年夏から金融崩壊が始まり、08年9月のリーマンブラザーズの倒産によって金融崩壊が一気に進むと、低コスト金融の金あまり体制下で世界の経済需要が底上げされていた状況が失われ、米欧を中心に世界は不況に陥った。米国が世界から旺盛に輸入して消費していたそれまでの体制が失われる中で、米英型の金融システムにあまり組み込まれていなかった中国など新興諸国の経済成長が、世界にとって重要な経済牽引役になった。この状況下で、08年11月に米国ワシントンDCでG20経済サミットが開かれ、今年4月のロンドンサミットを経て、9月にはピッツバーグのサミットとなり、G20がG8に取って代わることが宣言された。

▼頻出するドル崩壊の警告

 70年代のドルと米経済の危機は、G7を作って敗戦国だった日独を主要国として再認知する代わりにドル支援させたことで乗り越えた。今回G20に権限を与えることも、かつての日独の役目を新興諸国にやらせようとしているかのようにも見える。しかし、70年代の日独と今の新興諸国では決定的に異なっている点がある。日独は敗戦国で、戦後は米英に占領され傀儡化された。日独は国際社会での権限を与えても、米英に対抗する勢力とならず、米英体制の傘下に居続け、ドルを買い支えてくれた。だが日独と対照的に、中国とロシアという新興諸国の主導国は第二次大戦の戦勝国であり、国連安保理では米英仏と対等で拒否権を持っている。

 G7は最初から基軸通貨としてのドルの延命を目標としていた。対照的にG20の周辺では、中国が発表したIMFのSDR(特別引き出し権)を活用した新しい基軸通貨体制の構想など「ドルに代わる基軸通貨体制」が語られている。中国やロシア、ブラジル、そして仏独伊などまで、首脳陣が「基軸通貨としてのドルの役目は終わる。代わりの通貨体制が必要だ」と言っている。G7はドルを延命させたが、G20はドルを終焉させる機関のようだ。(Russian premier Putin says US dollar issuance 'uncontrolled', calls for diversified reserves)(Top Chinese official signals move away from dollar)(French President: dollar Can't Remain World's Only Reserve Currency)

 今回、G20がG8に取って代わることが発表されるとほぼ同時に、G20のメンバーでもある世界銀行のゼーリック総裁が演説の中で「(現状のドル本位制)以外の選択肢が登場しているので、基軸通貨としてのドルの地位は危うくなっている。米国は、ドルの地位が盤石だと思わない方がいい」と警告した。(World Bank says don't take dollar's place for granted)

 ゼーリックは、米連銀は金融界の管理者として失敗したと批判し、米連銀の権限を強化することで金融危機対策としようとしているオバマ政権の構想は間違いだとも指摘している。ゼーリックの意見を総合すると、連銀が金融政策を担当している限り、米国の金融危機は改善せず、連銀が刷っているドルは世界から愛想を尽かされ、ドル以外の基軸通貨制に移行しかねない、という話になる。(Zoellick Favors Power for Treasury, Not Fed)

 またゼーリックは「世界の経済覇権体制(global economic forces)は変化の途上にある。(従来は先進国だけだった)世界の経済成長の牽引役は、今後は他のいくつもの国々によって担われるようになる」とも指摘した。世界経済は、1970年代までは、生産も消費も米国中心の先進諸国が牽引役だったが、80年代から最近までは新興諸国が生産して米国が消費する状況に変わり、今後は生産も消費も新興諸国が牽引役となる態勢に転換していきそうである。ゼーリックは、この転換について指摘したのだろう。世界経済の牽引役が新興諸国になることは、G8よりG20が重視され、国際経済の意志決定に新興諸国が加わることにつながっている。

▼米国から中国に移る消費大国

 米国はすでに、世界から旺盛に商品を輸入する世界経済の牽引役であり続けることを半ば放棄している。オバマ大統領の経済顧問であるローレンス・サマーズは、為替をドル安に誘導し、米国の輸出力を回復することで、米国経済の中心を消費から生産に戻したいと表明している。日本の民主党政権も、藤井財務相が訪米してガイトナー財務長官に「円安ドル高政策はもうやらない」と伝え、市場を円高ドル安に誘導し始めた。これも同様の流れである。(Global rebalancing to weaken dollar, quietly)

 リーマンショック以後、米国民は消費を控え、貯蓄を増やしている。最近までマイナス(貯金より借金の方が多い)だった米国民の貯蓄率は、今や8%以上に上がったとの試算も出ている。米国民が消費を控え、米国は世界から旺盛に輸入する国ではなくなった以上、日本企業が対米輸出に頼ることはできず、日本が円安を続けている意味がない。(Pimco's Clarida Says U.S. Savings Rate May Exceed 8%)

 日本企業の最大の輸出先は中国になっている。中国の好景気を受け、8月のトヨタ自動車の中国での生産台数は過去最高で、前年同月比53%の急増だった。中国が世界経済の牽引役の一つになる以上、人民元の為替自由化に拍車がかかり、変動相場制に移行するだろう。日本にとって円ドル為替だけが重要だった時代は終わり、今後は円元為替が重要になる。円高ドル安は大騒ぎする話ではなくなる。(Japanese automakers get boost in China)

 今回のG20の3大テーマは(1)中国をはじめとする新興市場諸国の国民に消費させ、米国人に貯蓄させることで、国際貿易収支を再均衡させる(2)新興諸国に消費させる見返りとして、IMFなど国際経済機関における新興諸国の発言権(投票権)を拡大し、米国の権利を削る(3)金融界における役員報酬の上限設定などの規制強化、である。(3)は欧米間で対立している話が持ち込まれたものだが、それ以外は中国やBRICに世界の経済面の責任と権限(覇権)を与える話だ。(G-20 on Economic Regulation: Don't Get Your Hopes Up)

 米国は、大消費国でなくなることにより、日本ばかりでなく中国にとっても、経済的に最重要な国ではなくなりつつある。その一方で、財政赤字を急増させる米政府は、中国や日本に米国債を買い続けてもらうことが必須になっている。そして、中国政府は日本と異なり、今年に入ってドルの将来性を危ぶむ高官の発言が相次いでいる。ドルを生かすも殺すも中国しだいという状況になっている(日本もその気になれば同じ立場に立てる)。

▼国連と連携して世界を非米化するG20

 G20とG8の大きな違いは、G8は「反国連」の傾向が強かったが、G20は逆に「親国連」だという点もある。G8は、英米中心の世界体制を維持するための組織であり、発展途上国の台頭を歓迎しなかった。そして国連は、安保理では米英中心体制が維持されたものの、国連総会などその他の組織では途上国群が「一国一票」の民主主義にものをいわせ、影響力を持ってきた。従来の国連は、安保理に権限が偏重し、途上国群が総会や他の理事会でいろいろ主張しても、米英に阻まれる体制だった。(国連を乗っ取る反米諸国)

 G20は、米欧日以外の国々が多く入っており、以前から「G20に参加していない百数十カ国の意志も尊重せねばならない」という姿勢をとってきた。G20がG8に取って代わるのと並行して、国連では、総会や人権理事会など、安保理以外の権限が拡大し、途上国群が力を持つようになっている。最近、人権理事会がガザにおけるイスラエルの戦争犯罪について報告書を出したのが象徴的だ(イスラエルは国際刑事裁判所で裁かれそうだ)。ドルに代わる多極的な国際基軸通貨体制についての議論は、G20だけでなく国連総会などでも行われている。(ICC Prosecutor May Charge Israeli With War Crimes)

 国際社会では最近、すべての国際金融取引に0・005%の課税を行う「トービン税」の構想が再び出てきている。税収は途上国の貧困対策などに使うため、国連機関におさめられる。これは、これまで独自の財源を持たず、資金力のある先進国からもらう金だけが財源だったがゆえに、先進国の言うことを聞かねばならなかった国連を、先進国の言いなりから解放するための構想である。同時に、為替が国連に監視されるので、子飼いのヘッジファンドなどを動員して敵性国の通貨を潰してきた英米の手法はとれなくなる(だから英米中心主義のプロパガンダマシンである英エコノミスト誌はトービン税に反対している)。似たような話として、国際航空券に課税する構想もある。これらは、G20がG8に取って代わる話と同根である。(Op-Ed: Global Tax)(Tobin taxes - wrong tool for the job)(Could `Tobin tax' reshape financial sector DNA)

 BRICは、米国と敵対しないが米国依存を嫌う「非米」の諸国であるが、これより反米色の強い国々として、チャベス大統領のベネズエラや、カダフィ大佐のリビアなどがある。両首脳は最近、中南米とアフリカの諸国の首脳約60人をベネズエラのリゾート地に集め、2回目の「中南米アフリカサミット」を開いた。

 このサミットでは、中南米とアフリカが連携しつつ、2つの大陸を、今後の多極型の世界における2つの極に発展させることが提唱された。両大陸は、経済面と防衛面で協力を強めることを決め、2011年までにNATOに対抗できる両大陸諸国の国際安保組織としての「南のNATO」を設立するとか、両大陸諸国での石油資源の共同利用などが提起された。(Kadhafi Calls for 'NATO of the South' at Venezuela Summit)

 チャベスは南米において、先進国の資金に頼らずにすむような自前の国際開発銀行「南の銀行」を作ることを07年から提起していたが、今回のサミットを機にそれが具現化し、ブラジルやアルゼンチンなど7カ国が署名した(チリ、コロンビア、ペルーは入らなかった)。この銀行が成功すると、IMFの中で南米諸国は団結した力を持てる。(Latin America fights Western influence, launches own international bank)

 こうした動きは、マスコミでは「反米主義者のたわごと」と無視されがちだが、これらの反米諸国は、国連総会などでは意外に大きな発言力を持ち、G20の外縁部として機能し始めている。世界の中心がG8からG20に移動することは、国際社会における「親米派」と「反米派」の逆転につながっている。カダフィやチャベスらの動きは、アフリカや中南米を世界の新たな極として台頭させようとする多極主義的な動きであり「世界の多極化」の流れを形成している。(アフリカの統合)

▼ドルが崩壊する前にドル崩壊後を語るG20

 G20には不可解な点がある。ドルの崩壊が現実に起きるかどうかわからないのに、ドル崩壊を前提とした基軸通貨制の転換について、非公式に検討してしまっている。基軸通貨制の転換については、G20の正式な議論のテーマにはなっていない。しかし、昨秋に国際金融危機に関する1回目のG20サミットが開かれる前後から、各国高官の間から、ドル崩壊の予測や、ドル以外の基軸通貨体制に関する考察が出るようになった。(Stiglitz Sees Risk to dollar, Need for Reserve System)(UN Says New Currency Is Needed to Fix Broken `Confidence Game')

 昨秋、G20は「第2ブレトンウッズ」と比喩的に呼ばれたが、ブレトンウッズとは1944年にドル基軸の国際通貨体制(米国の経済覇権体制)を決めた国際会議である。G20が国際通貨体制の大転換について議論する会議であることが、この呼び名からも感じられる。ドルが今後もずっと健全であるなら、国際通貨体制の大転換について話し合う必要などない。話し合い自体がドルの健全性を損なう。国際通貨体制について話すのは、ドルに未来がないことが前提のはずである。

 しかし現実には、ドルは崩壊していない。米政府は財政赤字を急増しており、ドルには潜在的な崩壊感があるが、実際の為替相場は、今日までのところ、それほどドル安になっていない。通貨が頼りにならなくなったときに高騰する金相場も、上昇は限定的だ。G20の周辺では、ドルが崩壊する前に、ドル崩壊後の話をしてしまっている。(Raise the Bismarck!)

 この矛盾についての、マスコミなど世の中の大方の反応は「無視する」「問題にしない」というものだ。しかし、G20周辺での「ドルの基軸制は危うい」という指摘は、昨秋以来ずっと続いている。無視してよい矮小な話ではない。むしろ、昨秋のリーマン倒産以後、米国の金融システムはすでに潜在的に不可逆崩壊しており、米国の大手銀行の多くは、連銀が公然・非公然の救済を続けていない限り、債務超過が顕在化して潰れてしまう「幽霊銀行」であり、連銀による救済で崩壊が先送りされているだけだと私には思える。連銀による金融界の救済は、連銀自身を弱め、連銀の信用で発行されているドルを弱めている。最後にはドルが信用されなくなる。

 従来、米国での金融危機は、連銀が1−2年金融機関を救済し続けている間に不動産など資産相場が回復して危機を脱し、債務超過は解消できた。だが今回は、まだあと1−2年は不動産相場の下落が続くと予測され、下落は住宅から商業不動産へと拡大し、事態は悪化している。米国は、失業増によって国民の12%(3500万人)が生活保護(food stamps)を受ける状況で、経済の6割以上を占める消費は悪化傾向が今後も続きそうだ。株価は、よく言われる「経済の先行指標」などではもはやなく、実態を反映しない当局によって操作された指標と化している。金相場も同様だ。(35 Million Americans on Food Stamps)

 昨秋の金融危機を招いた原因は、昨年9月にポールソン財務長官ら米当局がリーマンブラザーズを潰してしまったからであり、レバレッジ金融の要に存在していたリーマンなど大手投資銀行を潰したら大惨事になることは、潰す前からわかっていたはずだ。G20サミットの開催が仏露首脳によって構想され始めたのは、リーマン倒産の数日後である。仏露首脳らは、米国経済が崩壊に向かうことをこの時点で予測し、基軸通貨を多極化して、崩壊していくドルを使い続けずにすむよう、G20を開くことにしたのではないか、というのが私の以前からの分析である。(「ブレトンウッズ2」の新世界秩序)(「ブレトンウッズ2」の新世界秩序(2))

 年初来、欧州などには「9月末金融危機再燃説」があったが、それは現実になっていない。9月に入って金相場が1オンス1000ドルを超えて一時上昇し、中国など各国政府による金の買い漁りの話などもあり、何か始まりそうな気配があったが、その後金相場は再び1000ドル以下に落ちた(米英当局が、金先物を使った下落戦略をとっているからではないか)。しかし、米連銀がドル発行によって金融システムを延命させている構造自体は続いており、危険が去ったわけではない。金相場も、また1000ドルを突破するかもしれない。(Two months left to read the book on US collapse)

 

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