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『「八百長恐慌!」副題「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ:鬼塚英昭SEIKOSHOBO刊』を読んであきれ返る!【阿修羅版】
八百長なのはこのノンフィクションライター程度の知識でこういった本を出す事だろう。鬼塚英昭氏は、「天皇のロザリオ」を書いた著者である。「天皇のロザリオ」については、天皇家をキリスト教に改宗させる計画があったと推論した本であるが、図書館でも借りず立ち読みと週刊誌を読んで済ました本なのでコメントを差し控えたい。だが、本書「八百長恐慌!」に関しては、酷い内容で、あきれ返ってしまった。
私は本を愛する読書人として敢て批判する。こんな中途半端な知識で本を書いて職業意識として恥ずかしくないのか?ほとんど取材らしい取材もせずノンフィクションライターとして失格だ!ノンフィクションライターとして退場を勧告させたい本だ!
鬼塚氏は、金融証券に関する本を沢山本を読むだことはわかる。知識が乏しいのにもかかわらず、無理やり一冊本を著しましたとしか私には思えない。鬼塚氏の読書の軌跡は読み取る事ができるが、実際の現場を知る一流の金融関係者からの情報や裏話と言った類の取材情報をまるで感じさせない内容で、基本的に私には物足りない内容である。ノンフィクションの基本である取材をした形跡をまるで感じさせないのも珍しい。しかも引用した本の多くを私は読んでいる。
取材をしたとしても、その相手は三流の末端関係者と居酒屋で飲んだ時に聞いた話程度だろう。読書した本も所謂「トンデモ本」も多く含まれていたであろう。中途半端な陰謀論の知識まで吸収し、この金融危機をネタにご飯を食べようと「書斎で一冊纏めました!」といったヤッツケ仕事としか思えない。
鬼塚氏を批判していてふと気がつくと、私(Ddog)は批判できないかもしれない。なぜなら、私も鬼塚氏同様、読書大好きで、経済誌を愛読し、金融証券会社関係のけして一流とはいえない知り合いと呑んで仕入れた情報知識を基盤としている点で、類友(類は友を呼ぶ)かもしれない。私が本を出版したら、この程度だろう。私の知識も、考えてみればこの鬼塚氏程度かもしれない。ただ私は鬼塚氏よりも同じ本を読んでいても、金融危機の展開方向を見誤っていなかった自負がある。鬼塚氏は金融危機の展開や国際政治の方向を見誤っている。基本的センスが無い。
ちなみに、私は本書を読んで、中途半端な知識で、本だけ読んでいる人間が本を書くと、いかに恥ずかしいか思い知らされ、本を出そうかなどという目標が萎えてしまった。
それでは、具体的な批判箇所を指摘しましょう。
サブプライムローン問題は実は仕掛けられたのではないか?人為的な意図が働いていると懐疑的に思う点は、私も同じく疑問には思う。私も仮説:金融危機自作自演説なる記事をこの【Ddogのプログレッシブな日々】で書きなぐってはいる。
【金融危機自作自演説】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/19753668.html
【ビックスリー救済法案否決と、オバマ幻想 (仮説:金融危機自作自演説-A)】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/21154137.html
誰が仕掛けたかと推理した時点で、鬼塚氏と私には見解の相違がある。
第二章ではアメリカの国家プロジェクトとしてねずみ講を画策したと書いているにもかかわらず、鬼塚氏は欧州の資本家が仕掛けた説を考えてしまった。p121〜122
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もう一っ、HSBC,RBS、バークレイズは巨大な利益を常時上げている機構を持つ。中東の石油マネーを彼らは受け入れ、その金をアメリカに主として流している。アメリカの国債を買ったり、証券に株式にと投資している。この金が一時でも中断すればアメリカの経済は崩壊する。
ここまで書けば誰がアメリカの"真の支配者〃であるのかが分かってくる。この三大銀行とロスチャイルド財閥が経営するNMロスチャイルドという銀行が深く結びついている。これらの銀行がイギリスの中央銀行であるイングランド銀行を支配している。
イギリスという国家は、かつての隆盛を取り戻すべく、アメリカを支配しようとしているのではないのだろうか。私はサブプライムを仕掛けたのはイギリスの巨大複合金融機関だと思っている。彼らがブツシュ大統領、チェイニー副大統領、グリーンスパン元FRB議長を操ったとも思っている。この三大銀行とNMロスチャイルドは英王室と結びついている。彼ら銀行の経営者、取締役たちのほとんどは貴族の称号を持っている。巨大なドルがロンドンの金融市場に入ってくる。そのドルは下落を続けている。彼らはそのために原油の高騰を演出し、ドル下落分を補っている。しかし、彼らはユーロを使わない。スイスとイギリスは自国の通貨を持っている。
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【グレートブリテン;ぐっちーさんの金持ちまっしぐら】
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/1317cb58ff1f479a18c0f3e12bf91804
まったく、本書を出した時点でドルは上昇していたし。ユーロポンドは暴落、おまけに大英帝国は破綻寸前だ。
その後の新聞報道を読めばわかるが、金融危機の危機度合いはサブプライムローンを組み込んだCDOやCDSを騙されて買った欧州金融機関の沈没です。UBSやRBSの惨憺たる決算も本書で取り上げ認識しているにもかかわらず、第三章のタイトルは「仕掛けるヨーロッパ、衰亡するアメリカ」である。鬼塚氏の理論展開は無茶苦茶なのか、それとも私が頭が悪いのか?
米国は、自国の経済の活性化を欧州の資金で行ったうえ、金融危機で借金を返せません!となれば、どちらが得したか分かりすぎるほどわかり易い。これ以上鬼塚氏の目は節穴か?と書いては気の毒になってしまう。
詐欺商品だとして、サブプライムローンだろうが何だろうと、自国経済を少なくとも5年間は活性化させ、しかもその資金の提供者の多くは欧州系銀行であったのなら、もし、サブプライムローンの欺瞞を知っていたとする悪意があるなら、投資するほうが騙した説は成り立たない。格付け機関も米系企業である。
円ユーロの関係を見ても、その後ユーロはドルに対して暴落しています。もっとも私は6/25ユーロの天井をこのブログにて宣言し、ほどなくユーロは大暴落しました。
【ユーロ天井、円安・ドル高】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/11455383.html
P17〜18 鬼塚氏は、「シティグループは本当大損したのか?」と疑問を書き、この世は騙しあいなのだ、読者は騙されているといった、陰謀論的(この著者はかろうじて陰謀論者ではない)手法で、読者の「つかみ」を図ったが・・・この方は、法人と個人の区別がつかないらしく、シティグループの強欲なCEOチャールズプリンスとメリルのCEOスタンレーオニールの強欲な「生まれそこない」が高額な退職金を手にしたことを根拠に、ウォール街の連中が、損していると言っているのは表向きで、実は儲けていると思い込んだらしい。
【Citigroup's Prince to get about $42M upon retirement:USAToday】
http://www.usatoday.com/money/industries/banking/2007-11-09-citigroup-prince_N.htm
確かに、ウォール街の連中疑う姿勢は正しいと思う。だが、強欲なCEOとウォール街全体とを混同しているため、鬼塚氏はその後に展開する論理の混乱の一因になっているようだ。
P20で、この高額な報酬は、サブプライムの惨事を演出した報酬だと納得している。(爆笑)
2007年中に逃げ切った強欲なウォール街のCEO連中は、サブプライムで株価が下落しても、「私のおかげでもっと下落せずに済んだ」ことぐらい平気で言い切る生き物で、私たち個人の常識からすれば大きく乖離しているが、その高額な退職金は彼らの常識からすればとても自然な金額であったろう。
【『「強欲資本主義ウォール街の自爆」神谷秀樹 著 文春新書』を読む。】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/22391613.html
残念な事に、本書は「強欲資本主義ウォール街の自爆」とほぼ同時期に出され、「強欲資本主義ウォール街の自爆」から引用する事はできなかった。せめてこれから引用すれば、高額の報酬がサブプライム問題を引き起こした報酬であるなどとは書かなかったであろう。
P28の「ゴールドマンサックスの予測はなぜいつも大当たりなのか?」素人の鬼塚氏には気の毒なのですが、笑っちゃいました。大外れじゃないか!
2007年5/17にまだ石油が上昇している時点で、ゴールドマンの予想は外れる、2年後どっちが正しいか結果は出ていると書いたが、結果は私の勝ちでしょう!
【原油価格の今後の推移に関する考察 2年後:ゴールドマンとの予想勝負!】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/8723465.html
鬼塚さんは、私から言わせれば、ゴールドマンやウォール街やユダヤ資本は得体の知れない特殊な能力と力が有ると信じているからこそ、書いているのだろう。ゴールドマンの2003年のBRICsレポートについては、私もバロンズで読んだときの衝撃は覚えているが、だからといってアナリストレポートがけして万能でない事ぐらい常識だ。
さて問題なのは、シドニーシェルダンの小説「神の吹かす風」が、国際金融祖危機の裏側を描いたもので、「議長」とは暗にポールソンもしくは歴代のゴールドマンのCEOが、最高実力者の側近であるとフィクションをノンフィクションに持ち込んだ。
私もシドニーシェルダンの小説「神の吹かす風」はありそうな話で、よく出来た小説だとは思うが、シドニーシェルダンの小説「神の吹かす風」ならまだしも、p168〜170にいたっては、ビックコミック増刊号の「ゴルゴ13」総集編「宴の終焉」からの引用だ!絶句である。
オイオイ確かに素人のブログや掲示板にそのような書き込みをしても文句は言わないが、読者に金を払って読ませるプロのノンフィクションライターとしたら、最低だ!もっとも私は図書館で借りているので文句を言う筋合いではないが、たまたま図書館にあったので借りて読んでいるにすぎないが、本を愛する読書人として、レッドカードかイエローカードを渡したい!
ちなみに故シドニーシェルダン氏、さいとうたかお氏ともに私もファンですが、フィクションとしてのファンです。これをノンフィクションだと勘ぐるのなら、オーソンウェルズの「宇宙戦争」のラジオ放送は、実は本当にあった事件で、あとで当局が隠蔽したなどというアメリカのタブロイド誌並みの物書きということになる。
鬼塚氏が素人のDdogから、プロのノンフィクションライターとして批判されてもしかたが無い箇所を指摘しておく。
私は、浜田和幸氏の読者ではあるが、浜田和幸氏の評価は定まらない。最初に浜田氏の著作を買ったのは、文春新書の「ヘッジファンド」である。この本を買った時点で脳みそのお気に入り著者に浜田氏が登録され、何冊も買ったり借りたりして読んでいる。分岐点は9.11を扱った「アフガン暗黒回廊」であるが、凡そこの本は認めるとしても、近刊の「大恐慌以後の世界」光文社の中に書いてある「アメロ通貨」の記事は、まるで納得できない。通貨の本質を本当に理解しているのか疑問?と時々不信感を抱かせる著者なのだが、「石油の支配者」は本当にいい本だったりするから困る。
【原油無機説 『「石油の支配者」浜田和幸 著 文春新書 』を読む】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/20597693.html
知識をひけらかす前置きが長くなったが、P157〜160「SAPIO」(2008年5月14日号)に「バフェットも、ゲイツもソロスも副大統領チェイニーまでがドルを見放した」という記事を鵜呑みにしているのである。私は浜田氏の著作は玉石混交の最たるものと思っているので、SAPIO(読者です)の記事も疑ってかかった。
実は、4月19日に【浜田 和幸氏のレポート「バフェットやビル・ゲイツなど大富豪がドル決別」の信憑性を疑う。】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/6203804.html
という記事を投稿しています。
事実、賢人バフェット氏の米国株式市場を信頼する行動、ゴールドマンの増資の応募を見れば、この浜田和幸氏の記事がいい加減で、Ddogの浜田氏批判が正しいかご理解いただけるだろう。
鬼塚氏は浜田氏のこの記事を何の疑いも無く信じているのである。取材もしない上に、引用する記事もトンチンカンです。
本を愛する読書人として、鬼塚氏のこの本をとても許せません!
【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/23500398.html