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私の阿修羅への最初の投稿はまさに外国人労働者のことでした。
その頃はニュージーランドのキウイフルーツの生産地に住んでいてよくしっているのですが、そのもぎとりの仕事をしているのは、まさに外国人労働者でした。たいへんな労働であることも知らず、私の日本人の友人はそこで住み込みで働きました。その時の彼女はワーキングホリデービザでした。私もその土地で 彼女と知り合う前の話ですが、キウイフルーツ狩りの仕事が大いに人手不足になる、困った、困った という新聞記事を読み、そこで働こうと思ったのです。問い合わせをしたら、早朝(5時半)から夕方遅くまで働けないなら、だめ というようなことを言われてしまいました。別の日本人の友人とも話したのですが、そんな人手不足なのに、なんで、主婦や色々な人が働きやすいような時間設定をしないのかな、って話していたのです。
疑問は数日後に解けました。企業は国に外国人労働者をキウイフルーツ狩りのシーズンだけ入れてくれるように頼み、国もすぐOKしたのです。つまり毎年のことなのです。
働いた友人によると 圧倒的多数は中国人で次はインド人(ともに男性)だそうです。日本人は男性も含め、彼女だけだったそうです。
労働内容は、グループ分けされて、各グループにかごが用意され、みんなで、積んでそのかごにいれていきます。いっぱいになったらおしまいです。全部いれて計算して、ひとり時給10ドルくらいの計算になるそうです。でもそれはいっぱい入れられた時で、暗くなるまでいっぱいにならないと8ドル位にしかならないそうなのです。6ドルくらいの日もあるそうです。すごい重労働だと言っていました。
彼らは中国人やインド人のエージェントにピンはねされ、宿代も取られ、(きまったところに押し込められる)ずいぶん稼ぎは減るようだけど、自国で働くよりいい収入になるんだそうです。インド人たちは優しくしてくれたと いっしょに働いた彼女は言っていました。
ここまでは、外国人労働者の話ですが、次はフルーツパッキングの話があります。
ピッキング(つむ仕事)は、外国人労働者で、パッキング(箱ずめ)の仕事は失業者がやらされます。ニュージーランドの失業者といえば、ほぼマオリか他のポリネシア人です。成人の失業者は仕事として紹介され(断れば手当てを打ち切るといわれる)、18歳未満の失業者は職業訓練としてただ働きをさせられます。
この巨大なキウイ オーチャードは観光名所でもあり、パッキングも見られるので、この目で、全員ポリネシア人でパッキングするのを見てきました。
ここでわかるのは、このキウイ果樹園労働者の賃金設定に、市場の介入がまるでない という事実です。官と企業で談合した超低賃金の労働になっています。そうしなければ果樹園としての経営がなりたたない? そうは思えません。
経営者は決して作業場には現れません。彼らはその地域に点在する 大豪邸(マンション)に住んでいます。すっごい金持ちだと地元では有名です。(キウイ果樹園は複数あります。)
日本の果物農家で果物を狩る農民とは、まったく違う光景がそこには広がっていました。
植民地時代を私はもちろんしりませんが、まるでその時代がまだ続いているような錯覚がおこりました。鞭がないだけ、の違いで。
日本では以前、好景気で人手不足でした。人がやりたがらない仕事、例えばトイレ清掃などは喫茶店や小売バイトより時給がよく、私の友人は、ちょっといやだけど短時間で稼げるといって、大学時代やっていました。
でも、失業者をどこでいくらで働かせるかの権限を持ち、かつ時期も期間も企業の言うとおりの外国人労働者を雇えるとなったら、仕事、仕事で賃金が設定されて、動かないということですね。外国では これは、経済階級をうごかぬものとして定着させることに大いに貢献しているのだな、と感じました。
経営者は、労働者を集める努力や工夫もいっさいいらないわけです。
これは、外国人労働者と自国民の低賃金と深く関係するいい例だと思います。
もちろん、失業者の存在もですが。