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(回答先: 東株取引所 ・・・ 暴落株の買支えに乗出すことを決定 ”株界の変態症状を矯正” 【大阪朝日新聞】 投稿者 hou 日時 2008 年 4 月 24 日 23:20:59)
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00757824&TYPE=HTML_FILE&POS=1
新聞記事文庫 貯蓄銀行(2-056)
中外商業新報 1936.3.5(昭和11)
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これは耳寄りなお金の貯め方
谷孫六氏に聴く
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人間万事金の世の中、金を貯めたい、殖やしたいと思うのは誰しもの共通心理ですが、さてそれを実行しようという段になると中々思うようには行きません。
そこで何か利殖法のコツといったようなものはないでしょうか… 。
金を貯める一番手近な方法は郵便貯金だが、何分にも年三分の利率では充分というわけには行かない。
で、郵便貯金より利廻りのよいものというと公債か社債、更にそれらよりも株式の方が
―というようにいろいろと利殖の方法があることはある。
所が債権一枚買うにしても多少の経済観念は必要であるのに、今日の御婦人には至って経済にうとい人が多い殊に株といえば頭から「危険だ!」と思いこんでいるから、今早速「株をおやりなさい」といっても無理だろう。
まず最初は何でもいいから一株か二株持って、自分の持株がどんな動き方をしているか注意する事である、本来株は損をする性質のものではないのだが、ともすれば素人は投資に留まるべきを投機にまで進む。
そして見込みはつけやすいが見切りはつけにくいといわれるように結局時期を誤り失敗に終わるのだ。
尤も今日のような低金利時代にあっては利殖に価値がないともいえるが、その人の腕次第では貯金でも有利な方法がある。
大体金を貯めるには金が金を産む法、及び金の賃貸による法の二途が考えられる。
後者は預金、即ち他力本願の消極的な方法であって一定の利率以上には殖えない。
だから、それ以上に殖やすことを望む場合は、どうしても積極的に出て前者の方法によらねばならぬ、それもただ漫然とやっていたのでは駄目で、或るしっかりした目標、
例えば百円手許にあれば、まずそれを倍額の二百円にしようという目標を立てるのである、これを具体的に説明すると、
百円の元金は年二割に廻すことが出来れば、四年後には二百円になる、それでは年二割という利率を如何にして挙げるかというと、最も確実なものを基礎に置いて、なお二割に足りない分を自分が働いて補うのである。
即ち仮にこの百円を据置貯金に入れるとすれば年三分二厘四毛の利息がつくから、あとの一割六分七厘六毛は自分で利息をつける。
自分で自分の金に利息をつけるのは一寸考えるとおかしいようだが、結局それが自分の利得となるのだから決して不自然ではない。
更に三年で元金を二倍にする方法がある、やはり元金を百円としてこれを銀行の特別当座預金に入れる同時に郵便貯金の据置貯金にも入って毎月二円七十銭宛掛けるのである、すると三年目には据置貯金が元利合計百円になるから、先の百円と合せて二百円になる、再びこの二百円を特別当座にして今度は毎月五円四十銭宛据置にすると、三年目には二倍の四百円―という具合に三年目三年目に倍額になって行く、万一途中で掛金に窮したら特別当座から借出して立替えておくのである、但し無理をして掛け金に縛られることは禁物で、貯金のために借金までしなければならないようでは借金の利息が貯金の利息を食ってしまうこと当然である。
だから貯金にも資本が要るということをはっきり覚えておいて貰いたい、では、そうした資本、即ち生活費の削除はどうして切り出すか?
月末に家計簿を調べてみると必ず不用意に使った無駄な支出がある、それらに赤字を引いておいて翌月支出を控えると二割の利率位わけなく割り出せるもし収入から天引などすれば畢竟欲望を抑圧することになり、何時かは破綻を免れないだろう、また奥さんが旦那様に内密で臍繰りを貯めようとするのも賞めた話ではない、必ず夫婦協力して綿密な予算、決算を経なければ効果は上らないだろう