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(回答先: 今日のような低金利時代、何か利殖法のコツといったようなものはないでしょうか… 。 【中外商業新報】 投稿者 hou 日時 2008 年 4 月 24 日 23:51:36)
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00063426&TYPE=HTML_FILE&POS=1
新聞記事文庫 機械製造業(03-132)
時事新報 1936.3.9(昭和11)
世界の制覇を目指す我が精密機械工業
茲にも躍進日本工業を見る
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躍進日本を表象する各種工業の発展は遂にその最後の発展段階たる精密機械工業を克服した。
昨日までの日本の機械工業は紡績機械であり織機、造船、車両の製作であったが、今日及び明日のそれは断じて精密機械工業である、即ちその意味に於て我国機械工業も現在粗雑から精密への一つの画期的な転回期に立っていると云うことが出来る、自動車、飛行機の国産化のためには極度に制度の高い各種部分品の製作が必要であり、軍需品の大部分は凡て精密機械工業の範疇である、更に精密機械の製作のためには素材たる金属工業の進歩が必要であり、機械を作る機械たる精密工作機械は尚更にその精度を高めねばならぬ、精密機械工業はかくて、地金、工作機械、工具、光学の各分野に亘って学理と技術を総動員しつつ実に急速なる発展過程を辿りつつある、かくて明日の日本はこの高度化しつつある精密機械工業を以って既に世界制覇の実を収めたる紡績、人絹の軽工業と同様、やがては世界最高水準の機械工業を確立するであろう
国産化の現状 理研・津上＝懸命の努力
精密工作機械
精密機械工業の確立のためにはまず精密工作機械の製作が完成しなければならず、その意味に於て最もその発達を重視せられつつあるのは精密工作機械である、精密工作機械はその種類にもよるが少くとも千分の四乃至五ミリ程度の精度を有しなければ精密工作機とは称し難いそれだけにその製作は入念に仕事も緻密でなければならぬから、一般もののメーカーは現在まだ余り手をつけていない、精密工作機のメーカーとして自他共に許すものとしては差当り理研及び津上製作所の二つでその外ではワシノ商店、碌々商店、日立等に幾分進出の気配が見える、現在国産精密工作機械の主なるものは大体次のようなものである
津上製作所
ダイヤモンドレース、ベンチレース、プロダクションレース、スクールカッチングレース、ベンチミリングマシン等であるが爾来その製作分野はずっと拡大の方針である、尚目下設計中のものではジグ・ボリーングマシンがある、これに従来のコッピー製作によらず全然同社独創の設計によるもので嘱望されている
理研精機部
理研でミチレースA型、同上B型、理研ベンチミリングマシンA型、理研ウォッチメーカーレースW型尚目下設計中のものではユニバーサルセンターレースグラインダー、ハイドロリックバーチカルベンチミリングマシン等がある
右の外ワシオ商店では最近高速度ベンチドリルの製作を完成し、碌々商店ではRRS軽合金旋盤の製作に目下設計中である
各種測定器への国産進出顕著 然し一層の発達が必要
精密機械が精密機械と呼称されるためには絶対に各部の精度の高いこと換言すれば機械各部の長さの相互関係が精密であることを要する、従って、この長さを測定する各機の測定機はそれ自身精密機械たるは云うまでもなく、実に又精密機械の根本的基準となるものである、各種のゲージ類は云うまでもなく、圧力計、動力計、温度計等従来精密な測定器の多くは舶来品であった、然しこの方面にも国産品の進出は極めて顕著躍進的に現われ、現在では殆ど凡てのものは国産品で間に合うまでになった然しまだ十分経済的に供給し得ない憾みがあり、この点は市場関係もあるが技術的に尚一段の発達が必要であるとされている
優秀国産品
別項の如く精密機械測定器の発達は各方面に渇望されているが、国産品の優秀なるものを挙げれば左の如くである
一、島津製作所のミニメーター従来精密測定器としてはキャリパーノギス、マイクロメーター、ダイヤル、ゲージ等が用いられていたが島津では先般理想的測定器としてミニメーターを完成した、一号型は管体経二〇ミリ長百八十七ミリ目方〇、五ミリグラム測定範囲千分の二十ミリ精度百分の一ミリである
二、光伸舎の光学的測定器、東京大井の光伸舎では此回ライゼン工具工学的測定器の新製品を発売した、その性能は直径二百ミリ迄長さ三百ミリ迄角度目盛一度、長さ目盛千分の二ミリリードの精度千分の一ミリ
三、日本計器の自動車計器、日本計器製造会社では既に自動車用メター類としては水温計油量計は市販化しているがこの外近くスピード、メーター、オートメーター、アンメーター、タコメーター等も漸次製作する方針である
四、泰明商会のスタンダード硬度計
従来ロックウエル硬度指示のNR W型ハードネス・テスターを市販していた泰明商会では今回ショア硬度の指示する硬度計の製品化に成功最近製品の市販を開始した
五、明石製作所の硬度計
杉村博士の硬度数により製作せる硬度計で他の硬度計と異る点は純然たる学理の上に立った根拠のある硬度数を示すもので、これによると軟かな材料では鉛木材、ニュームから硬いものでは焼入鋼、ウィディアまで計り得られる
六、理化学研究所のB型ミクロフォトメーター
この機械は写真板又はフィルムの感光の密度を曲線的に拡大して自動的に撮影記録するもので普通の光度計のように目測による個人差がなく極めて精確に測定し得る特長がある、器械は明るい室で自由に使え暗室の必要がなく取扱も間便である
渡辺製鋼所積極的に進出
一般鋳鋼並に特殊鋳鋼のメーカーとして近時非常な発展を示しつつある渡辺製鋼所は先般個人経営より株式会社に組織改革を行うと同時に資本金を百万円に増資愈々積極的に乗出すこととなった
而して製品も従来の鉱鋼製品の外各種浚渫用機械、土木事業機械にも進出斯業に一新生面を開拓するものと云われている。
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